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国会会議録

皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会

第221回 · 参議院 · 第3号 · 2026-07-16

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-09 00:12 JST 記録 #3666 ↗

発言 21

会議録情報

令和八年七月十六日(木曜日)    午後五時開会     ─────────────    委員の異動  七月十六日     辞任         補欠選任      斎藤 嘉隆君     水岡 俊一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松山 政司君     理 事                 岡田 直樹君                 中西 祐介君                 田名部匡代君                 川合 孝典君                 谷合 正明君     委 員                 有村 治子君                 鈴木 宗男君                 橋本 聖子君                 松村 祥史君                 宮沢 洋一君                 山谷えり子君                 山本 順三君                 長浜 博行君                 水岡 俊一君                 吉川 沙織君                 伊藤 孝恵君                 浜口  誠君                 佐々木雅文君                 片山 大介君                 金子 道仁君                 安藤  裕君                 松田  学君                 小池  晃君                 伊勢崎賢治君         ─────        議長       関口 昌一君        副議長      福山 哲郎君         ─────    国務大臣        国務大臣        (内閣官房長官) 木原  稔君    内閣官房副長官        内閣官房副長官  佐藤  啓君    事務局側        事務総長     伊藤 文靖君        常任委員会専門        員        三瓶 朋秀君    法制局側        法制局長     川崎 政司君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○皇室典範等の一部を改正する法律案(閣法第六四号)(衆議院送付)     ─────────────

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) ただいまから皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会を開会いたします。  皇室典範等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。──別に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  本案の修正について長浜君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。長浜博行君。

長浜博行 立憲民主・無所属

○長浜博行君 私は、皇室典範等の一部を改正する法律案に対し、立憲民主・無所属を代表して、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。  これより、その趣旨について御説明いたします。  本法律案は、政府の提案理由説明では、令和八年六月十日の天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する衆参正副議長による議論のとりまとめに基づいたものとされており、このとりまとめは立法府の総意とされていますが、私は一貫して立法府の総意にはなっていないと主張をしています。  さらに、立法府の総意と認めておられる方々の中にも、本法律案の内容には、立法府の総意とは言い難いものが含まれていると指摘する意見もあります。  例えば、旧十一宮家から養子を受け入れ、その子孫が皇位継承の資格を有するものとすることについては合意されていません。また、内親王及び女王が婚姻後も皇族の身分を保持することは合意されたとはいえ、内親王又は女王と婚姻した配偶者や子孫について一般国民とすることについては結論は出ていません。  これらのことを踏まえ、本法律案では、内親王及び女王が婚姻後も皇族の身分を保持することに関する改正のみを行い、その配偶者や子孫が皇族の身分を有するかどうかについては引き続き検討を行うこととし、それ以外の、立法府の総意とは言えない養子に関する部分については改正を取りやめること等の修正を行うものです。  以下、修正案の内容について御説明申し上げます。  第一に、皇族の養子に関する事項に係る改正規定を削ることとしております。  第二に、内親王又は女王が一般国民である男子と婚姻した場合において、当該男子及び直系卑属を一般国民とする前提に立っている皇族戸籍法及び住民基本台帳法の改正規定を削ることとし、これに伴い、題名を皇室典範及び皇室経済法の一部を改正する法律に改めることとしております。  第三に、内親王等と婚姻した一般国民の男子及び直系卑属が皇族の身分を有することとするかどうかについては、この法律の公布後速やかに検討が行われ、この法律の施行の日までに、その結果に基づいて必要な関係法律の整備が行われるものとしております。なお、検討及び関係法律の整備のための期間が必要となることから、施行期日を公布の日から起算して一年を経過した日とすることとしております。  第四に、附則の見直し規定のうち、三十年ごとに見直しが行われるものとする旨の規定を削ることとしております。  以上が修正案の趣旨であります。  何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) これより原案及び修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

長浜博行 立憲民主・無所属

○長浜博行君 立憲民主党の長浜博行です。  私は、会派を代表して、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に反対、立憲民主・無所属提出の修正案に賛成の立場から討論をいたします。  昨日から御一家で那須御用邸に入られた天皇陛下は、皇室典範改正法審議の状況をどのようにお感じになっておられるのでしょうか。今日、昨日のようにテレビ中継がセットされていたら、ひょっとしたら御覧になれたかもしれません。  我が国の皇位継承の在り方が大きく変更を余儀なくされるおそれのある問題について、ついに国会での議論がスタートしたと思ったら、静ひつな環境で充実した審議どころか、消化試合のごとく追い立てられ、会期末の国会日程の中で、細切れ状態で隙間の時間にはめ込まれ、最終日にベルトコンベヤーに載せられた荷物が手際よく処理されるがごとく取り扱われ、三十年間の深い眠りに落ちていく、そんなことは、二月の総選挙の前の全体会議に参加していた頃は想像すらできませんでした。  賛成、反対、立場は各々違ったとしても、皇室への尊崇の念が感じられない今日に至るまでの立法府の総意の取りまとめのやり方、衆参通じての形骸化した国会審議に対して強い違和感を覚えます。  私は、恥ずかしながら時代遅れのアナログ人間のため、いまだに原稿用紙に鉛筆で発言原稿を書いております。三十年になる議員生活でどのくらいの枚数を書いたのか覚えてはおりませんが、昨晩ほど悔恨と羞恥心で鉛筆を持つ手が震えたことはありませんでした。  理事から議事日程の連絡を受けて、既に指示された三分間の討論を用意していたのですが、昨日の委員会中の場内協議で、討論、採決は明日になった、討論は十分以内に変更と告げられましたので、全体を書き直そうとも思いました。しかし、やはりオリジナルな部分は残して、正直な今の気持ちを付け足すことにしました。ちょっと風変わりな討論原稿となってしまいましたが、同僚議員各位におかれましては、憲法に書かれている象徴天皇制が永遠に続くこと、そして皇室のいやさかへの思い入れが強いゆえのことと、広いお心でお許しいただければ幸いです。  今回の改正で導入されようとする禁じ手ともいうべき養子制度が、上皇陛下から今上陛下へと受け継がれ、日本国憲法下で育まれてきた象徴としてのお務めが一顧だにされず、かつての大日本帝国憲法による天皇制の下での、天皇はただ権威として存在していればよいという空気感になることを危惧します。国民と共にある天皇ではなく、みすの向こうに鎮座ましましている天皇に為政者がしてしまうことです。  皇紀二千六百八十六年、百二十六代、天皇は男に決まっている、ほぼそうだった、これが伝統であり、変えてはならないとおっしゃる方もおられるでしょう。皇紀、私はその表現は好きではありませんが、では、皇紀は三千年で終わるのでしょうか。違うでしょう。これから何万年も、何十万年も続いていくのです。その最初の二千年など、悠久の歴史の中ではほんの僅かな期間にしかすぎません。四十六億年の地球の歴史に思いをはせてみてください。かつて日本では、男性しか国の象徴、国民の統合の象徴になれなかった時代があったんだねと言われるときが必ずやってくると信じております。  私は、保守し続けるために革新するという言葉が好きです。伝統を大切にしながら、政治家として取捨選択する勇気を持ち続けたいと思っております。新旧皇室典範の歴史的経緯、そして余りにも短い改正のための審議を振り返りながら、そんな感慨を抱いております。  それでは、本来用意していた原稿を読ませていただきます。  戦前の明治憲法の第一条は、大日本帝国は万世一系の天皇これを統治すとあり、第二条は、皇位は皇室典範の定むるところにより皇男子孫これを継承すとなっていました。  今の日本国憲法では、第一条、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくと記されており、第二条は、皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承するとなっております。  天皇が統治権の総攬者とされた戦前と国民主権の戦後は、国の形が全く違うのです。戦前の皇室典範は宮務法と呼ばれ、憲法と同格であり、国民が議論などできない皇室の家法、家の法でした。戦後は、最高法規としての日本国憲法を頂点に、下位法である政務法で、もちろん皇室典範もその一つですが、法体系が構築されております。立憲主義、民主主義による法治国家なのでございます。  そして、皇室典範第一条には、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると書かれています。  しかし、どうでしょう。日本国憲法、皇室典範ができてから八十年、年月の経過とともに、日本国憲法の一丁目一番地である第一章、天皇、そして皇位の継承の在り方を規定している皇室典範について議論することがタブーのような、何となく国民から距離ができてしまったように感じます。  戦前の天皇制と日本国憲法下での象徴天皇制は違うのです。上皇陛下、天皇陛下、そして皇室の皆様が、主権の存する日本国民とともにお守り育ててくださっている、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴の意味を深く考えながら、採決のときを迎えたいと思います。  私は、女性皇族が婚姻後も皇族としての身分を保持できるようにし、宗系紊乱、紊乱を招きかねない養子制度の創設を削除する修正案への各党の御理解をお願いし、また、今後とも真に安定的な皇位継承の方策の実現を目指すことをお約束をして、討論を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

岡田直樹 自由民主党・無所属の会

○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。  会派を代表して、政府提出の皇室典範等改正案に賛成の立場から、謹んで一言申し上げます。  日本国憲法においては、その第一条に、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくと規定されております。その根底には、我が国の初めより絶えることなく連綿と受け継がれてきた皇統の厳粛な歴史が存在すると確信いたします。  また、いつの世にも変わらず、あまたの国民が皇室に対して深い敬愛の精神を抱き続けてきたことも信じて疑わないところであります。  この度の議論におきましても、国民の幸福や世界の平和に心を砕き、活動される皇族方の公務負担の軽減と皇統の安定的、永続的な継承を図るため、参議院、衆議院の正副議長を始めとする各党各会派の皆様、有識者の皆様など、数多くの方々が長期間にわたり真摯な御議論を重ねてこられました。その多大な御労苦に対し、改めて深く敬意を表する次第であります。  今後も、時代の変遷の中、取り巻く環境の変化に伴い、安定的な皇位継承の確保のため、衆知を集めて検討する機会もあろうかと存じます。今は、ひとえに、皇室の御安泰、御繁栄をお祈り申し上げ、共に寄り添って歩まれる国民の皆様のお幸せを願いつつ、私どもも微力を尽くしてまいることをお誓いし、改めて謹んで討論に代える言葉といたします。  御清聴、誠にありがとうございました。

小池晃 日本共産党

○小池晃君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の皇室典範改定案に反対の討論を行います。  天皇の制度の議論は、憲法の条項と精神に基づいて行い、国民の合意と納得を得て進めていくべきものです。女性天皇、女系天皇を認めるべきという圧倒的な世論を無視して、三時間余りの質疑で採決することは許されません。  そもそも、日本国憲法第一条では、天皇の地位は主権の存する国民の総意に基づくとされています。昨日の質疑で木原稔官房長官は、国民の理解はいまだ得られていないことを事実上認めました。国民の総意に反するやり方は、将来に大きな禍根を残すものです。  反対理由の第一は、男系男子の皇位継承に固執し、更に強化することが、日本社会における女性差別を助長するからであります。  官房長官は、本法案は日本社会における女性差別を助長することになるのではないかとの私の質問に、女性差別とは関係ないとごまかしました。しかし、女性だというだけで国民統合の象徴の地位に就けないとなれば、社会における女性差別を助長することになるのは明らかです。  政府は、男系男子での継承が我が国の歴史と伝統と繰り返しますが、この歴史と伝統は明治時代につくられたものです。一八八九年に制定された大日本帝国憲法は、万世一系の天皇これを統治す、天皇は神聖にして侵すべからずとして、天皇主権を確立し、同時に旧皇室典範に男系男子継承を明文化したのです。  この間の議論で自民党が強調している、皇位の男系継承は二千六百年以上にわたる皇統の伝統、今年は皇紀二千六百八十六年などと言うのは歴史の事実ではありません。明治時代に天皇を現人神と描き出すためにつくられた皇国神話そのものであります。いまだにこうした歴史観に立って男系男子継承にしがみついていることは驚くべきことであります。  戦後、日本国憲法は、国民主権を確立し、皇国史観に基づく天皇主権を明確に否定したのであります。天皇は主権の存する国民の総意に基づく象徴とされ、憲法第二条は、皇位を世襲のものとし、戦前の皇男子孫による継承は削除されました。この日本国憲法の下で、多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもありません。天皇の制度は、憲法の条項と精神に基づき、主権者国民の総意の下に置くことが何よりも大切だと強調するものです。  反対理由の第二は、皇族の養子縁組を禁止する現行の皇室典範の規定を覆し、旧十一宮家の男系男子を将来にわたって皇族の養子候補とし、養子の子の男子に皇位継承権を与えることにしたからであります。  旧十一宮家と今の天皇との共通の祖先は約六百年前の室町時代まで遡ります。今の天皇と三十六から三十八親等もの隔たりがある、ほとんど赤の他人に等しいとも言われるはるかはるか遠い血筋からの養子まで持ち出して、女性、女系天皇の道を閉ざし、男系男子継承に固執する政府の姿勢は、時代錯誤の男尊女卑そのものです。  私が質問で指摘したように、養子は皇室の伝統になかったものです。旧十一宮家は、八十年前、現典範十一条一項の規定に基づき自らの意思で皇籍を離れた人々であり、その子孫は一般国民として生まれ育ってきた人たちです。旧宮家だからといって特別な身分である皇族とすることは、憲法十四条一項が禁止する門地による差別にも抵触します。さらに、将来にわたって皇族の養子候補に位置付けられた旧宮家の男系男子の子孫とその家族を準皇族ともいうべき特殊な身分に置くものであり、これらの人々の人権を不当に制約することにもつながりかねません。  さらに、実際の養子縁組において、政治家などが縁組に関与し、天皇の制度の政治利用を引き起こすことが危惧されることも強調しておきます。  反対理由の第三は、女性皇族とその子が天皇になる道を閉ざしながら、皇族数の確保のために皇室行事を担う要員たれと結婚後も皇室に残ることを原則としているからであります。  婚姻後の女性皇族に住民基本台帳を適用しながら国民としての権利を認めないというのは、矛盾も甚だしいものです。女性皇族を都合よく扱おうというものにほかなりません。しかも、配偶者や子に皇族の身分を与えないことは、徹底して女系天皇の芽を摘もうという意図をあからさまに示すものです。  なお、昨日の質疑で官房長官は、女性皇族の配偶者や子は皇族にならないという本案は、家族との一体性との間で整合性がないのではとの問いに、日本人と外国人の夫婦を例に挙げて、そういう夫婦において国籍や参政権、戸籍の有無等によって違いが生じるが、家族の一体性ということでは不整合は生じていないと答えました。この答弁は、選択的夫婦別姓を否定する際の家族の一体性が失われるという論拠を政府自身が否定したものであることも指摘しておきます。  反対理由の第四は、政府は、今回の法案は立法府の総意に基づくといいますが、昨日の質疑でも反対意見が相次ぐなど、立法府の総意なるものが完全に崩壊しているからであります。  政府は、皇位継承の問題とは切り離した皇族数の確保策を議論するといいながら、法案提出の段階で、養子の子の男子が皇位継承資格を持つとする規定を突然盛り込みました。国会と国民を愚弄するものであり、断じて許されません。  政府は、立法府の将来の検討を縛らないなどといいますが、女性天皇への道を完全に塞ぎ、男系男子のみによる皇位継承を固定化しようというのですから、将来の在り方まで縛ってしまうものにほかなりません。  以上、本法案は、日本国憲法の精神と条項に反し、主権の存する国民の総意に基づくべき天皇の制度を根本から変質させることにつながるものです。  日本共産党は、断固反対し、廃案とすることを強く求めて、反対討論といたします。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。  会派を代表して、本日採決を迎える皇室典範改正法案について、政府提出法案に賛成、修正案に反対の立場から意見を申し上げます。  我が国の歴史と伝統を象徴する皇室が、これからも国民から敬愛をされ、安定的かつ持続的に存在し続けることは、国家としての根幹に関わる極めて重要な課題であります。  国民民主党は、これまで、皇族数の減少が現実的な危機として迫っている現状を重く受け止め、いたずらに議論を先延ばしするのではなく、現実的かつ建設的な解決策を導き出すべきであると一貫して主張してまいりました。  今回の改正案は、衆参両院の正副議長の下で長年にわたり積み重ねられてきた議論の到達点であり、立法府としての責任ある合意の産物であるものと理解しております。  以下、政府提出法案に賛成する理由について申し述べます。  第一に、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持し、公的活動を継続していただく制度については、皇室の活動基盤を維持する観点から長らく我が党が訴えてきた方策が反映されています。社会環境の変化により皇族お一人お一人の御負担が重くなっている現状においてこの制度を導入することは、皇室の安寧を確保する上で不可欠な措置であると考えます。  第二に、旧宮家の男系男子を養子に迎える制度についてです。  この制度については様々な意見があることは承知しております。しかしながら、皇位継承という万が一の空白も許されない国家の根幹に関わる課題を安定した体制で維持するためには、歴史的な経緯や皇室の尊厳に配慮をした現実的な選択肢を講じておく必要があります。伝統を尊重しつつ、現状の皇族の減少という危機にどのように対応するかという問いに対して、将来に向けて国民的な理解の醸成に向けた道筋を付けたものとして、我々はその意義を評価します。  無論、本改正によって皇室に関する全ての課題が解消するわけではありません。皇室は国民と共にある存在であり、その在り方は、時代の進展とともに、常に国民の広範な理解と納得を得ながら不断に検討されるべきものであります。今後も、皇位継承の在り方を含めた将来的な課題については、党派を超えて静ひつな環境で建設的な議論を継続していく必要があることを改めて申し添えます。  結びに、皇族方の献身的な御公務により皇室と国民のきずなが維持されていることに、深く感謝を申し上げます。  国民民主党は、今回の法改正が皇室の安泰と我が国の誇りある伝統の継承に資するものであると認識するとともに、将来を切り開く重要な一歩を記すものになることを心より祈念して、賛成の討論といたします。  御清聴ありがとうございました。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 れいわ新選組を代表し、皇室典範等改正案原案、修正案に対し、反対の立場から討論を行います。  我が国は、憲法第九十八条で、批准した条約の誠実な遵守を定めております。すなわち、自ら当事者となった、自ら当事者となった国際ルールを守ることは、我が国の最高法規である日本国憲法が国に命じている憲法上の義務であります。しかし、国連から皇位継承における男女平等を確保せよと勧告された最中に提出された本法案は、国際規範との間に埋め難い溝を残したままであります。  本法案は、女性皇族に皇籍は残すが継承権を与えず、旧宮家の男系男子を養子に迎えるが、こちらにも継承権は与えないとしています。つまり、女性にも新しく入る男性にも、どちらにも権利を与えないのだから平等だという理屈でありましょうか。しかし、このような説明が国際社会に通用するとは思えません。  政府は、目的を皇族の数の確保と説明していますが、それならば、なぜ旧宮家の男系男子に限定して養子を迎える必要があるのでしょうか。表向きは誰にも継承権を与えないという建前で批判をかわしつつ、その裏で男系男子の血統を温存しようとしている、この建前と実質の乖離こそが本法案の最大の懸念点であります。  伝統は伝統だ、日本は違うという反論もあるでしょう。しかし、日本国憲法第二条にはこう明記されております。皇位は、世襲のものであって、議会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。つまり、この条文が示すとおり、現在の皇室典範は、憲法よりも下位に位置し、議会が議決する一介の国内法にすぎません。  そして、国際条約の基本原則を定めるウィーン条約は、その二十七条で次のように定めております。当事国は、条約の不履行を正当化する理由として自国の国内法の規定を援用することはできない。すなわち、国際法は、当事国が自国の国内法を理由にして、加入した条約を履行しないことを正当化する行為を明確に禁じているのであります。  国際法上、どうしても自国の事情や制度と合わない条約の規定がある場合、国には、加入、批准の際に、その条項の適用を除外する留保という正当な手続が認められております。しかし、ここで極めて重要な事実は、我が国は、ウィーン条約に対しても、また男女平等を定める関連条約に対しても、皇位継承を例外とするような留保を一切行っていないということです。  日本は、国内法を理由に条約の義務を免れることは一切しないというルールを、自ら何ら条件を付けずに完全に受け入れているはずなんです。正当な手続である留保を行わずに、条約の恩恵だけを享受しておきながら、いざ都合が悪くなると、国内法である皇室典範や独自の伝統を盾にして義務をほごにする、このような後出しの言い訳は、自ら合意した国際規範に対する重大なじゅうりんであり、決して許されるものではありません。かつて男子優先の伝統を誇っていた欧米の多くの王室も、男女平等という国際規範を受け入れ、長子先継へと次々に制度を改めてきました。  国際法において独自の伝統が国際規範に優先して認められるのは、軍事占領期における被占領地の権利保護など、極めて限定的な場合と時期に限られます。都合の悪いときだけ伝統を盾に国際ルールを拒絶することは、国際社会における法の支配を自ら損なう行為であります。国連からの勧告に正面から向き合わず本法案を成立させれば、国際規範との乖離は将来にわたって決定的なものとなり、我が国は未来永劫、国際社会からの批判を受け続けることになります。  私たち、私を含む私たち日本国民が深く敬愛する皇室を、国際社会から継続的に疑問を呈され続けるような立場に置くことは忍びないことであります。問題は皇室にあるのではございません。国際規範との不整合を解消しないまま、小手先の制度設計でやり過ごそうとする政府の姿勢にこそあります。よって、本法案に反対いたします。  議員各位の良識ある御判断を求め、私の討論といたします。

谷合正明 公明党

○谷合正明君 私は、公明党を代表し、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論を行います。  まず、一言申し上げます。  皇室制度に関わる法案は日本国の根幹に関わる極めて重要な法案であり、本来、政局から距離を置いた静ひつな環境の下で審議が行われるべきものです。しかしながら、参議院における窮屈な審議日程により本法案を政局の渦中に置いたことについて、政権与党に反省を求めます。  その上で、本法案について申し上げます。  公明党は、皇室制度について、国民の理解、歴史と伝統の尊重、そして、皇族の方々の思いにも深く配意することを胸に議論してまいりました。将来の在り方には各党間で違いがありますが、憲法第一条の定める国民の総意に基づき、制度改正はできる限り幅広い合意の下で進められるべきです。  その観点から、衆参正副議長の下、各党各会派は熟議を重ね、皇族数の確保は喫緊の課題、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしない、そして、安定的な皇位継承の方策は引き続き検討するという大きな方向性を共有し、立法府としての総意の形成に努めてまいりました。  今回の法案は、衆参正副議長が取りまとめた立法府の総意に基づき、皇族数確保の具体的措置として、女性皇族の身分保持と旧十一宮家男系男子の養子縁組を制度化するものです。  一方で、総意で扱われなかった養子皇族男子の子孫の皇位継承権などについて法文上整理されたことに対し、総意を超えているのではないかとの国民の懸念があることも真摯に受け止めています。  そこで、質疑ではその点を政府、法制局に確認いたしました。その結果、今回の法案が皇位継承制度に関する今後の議論をいささかも拘束するものではないことが確認されました。  また、総意では触れられていない配偶者と子の身分や養子皇族男子の子孫の皇位継承権の在り方について、附則第六条と附帯決議で両問題が対象となることが明確にされ、さらに、その附帯決議も、衆参正副議長が取りまとめた経緯から、国会の意思を示す重いものとの認識も示されました。私たちは、これらの答弁を受け止めるものです。  皇族数の確保は、もはや先送りできない課題です。公明党は、皇族数確保という現在の課題に対応することと将来の制度を引き続き議論することは両立できると考えております。したがって、なお見解が分かれる課題については、附則第六条及び附帯決議を踏まえ、賛否の立場を超えて引き続き議論を重ね、合意形成に努めていくべきであります。  以上申し上げた理由により、政府提出法案に賛成することを申し上げ、討論を終わります。

金子道仁 日本維新の会

○金子道仁君 日本維新の会の金子道仁です。  会派を代表して、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に賛成の立場から発言いたします。  我が国の根幹を成す皇室制度が今後も円滑に運用されていくため、皇族数の確保は先延ばしできない重要な課題であります。  平成二十九年の退位特例法の附帯決議に安定的な皇位継承の確保の必要性が盛り込まれましたが、それから九年が経過しております。  我が会派は、令和四年一月に国会に報告された有識者会議報告書を受け、同年四月に意見書を取りまとめ、議論に積極的に参画してまいりました。今般、立法府の総意が取りまとめられ、ようやく改正案が国会で審議されることは、喫緊の課題に対して立法府の責務を果たす重要な機会であると受け止めております。  今般の改正において、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにすることなく、皇族数確保のため、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持すること、また、旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子を養子として皇族に迎えることを可能とする内容が盛り込まれました。  こうした皇族数確保に係る施策を安定的に進めるためにも、皇族の置かれた環境の静ひつさが保たれ、現行制度下で暮らしてこられた女性皇族の方々の御意向が尊重されること、また、養子縁組による新しい関係が平穏な環境下で形作られ成熟していくことが大切であり、それが、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴である天皇陛下及び皇室の豊かさと国民の敬愛につながると考えます。  衆参両院の正副議長からは、安定的な皇位継承を確保するための方策等について引き続き検討することについて、各党各派に要請がなされました。今回の改正により皇族数の確保状況にどのような改善が見られるのか、その制度運用の実態を踏まえてどのように安定的な皇位継承につながっていくのか、不断の検証と国民的な議論が必要です。我が党は、これからもこの重大な立法府の責務に真摯に取り組んでまいります。  今回の改正は、皇族の養子縁組を可能とすることと女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持できるという、現行の皇室典範にない二つの制度が盛り込まれましたが、こうした新しい制度の創設に際しては国民の理解が不可欠です。本院での質疑も国民の幅広い理解を得るための第一歩であったと考えます。国民に愛される安定した皇室制度のため、今後も国民の理解促進のための努力を積み重ねていただくことを政府に強くお願いして、私の賛成討論といたします。

松田学 参政党

○松田学君 参政党の松田学です。  私は、会派を代表し、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に関連して、賛成の立場で発言いたします。  参政党は、令和四年の結党以来、天皇を中心にまとまる平和な国をつくることを綱領に掲げてまいりました。参政党が独自に策定した憲法草案の前文においても、天皇は、いにしえより国をしらすこと悠久であり、国民を慈しみ、その安寧と幸せを祈り、国民もまた天皇を敬慕し、国全体が家族のように助け合って暮らすとしております。  アマテラスオオミカミにつながる初代神武天皇以来、日本の皇室は例外なく父親の血筋、すなわち男系で皇位をつないできました。天皇が祭祀王として国民の安寧を祈る存在であり続けられるのは、神代からの神聖な血統を継承しているからであります。女系天皇の容認は、この文化的根幹を揺るがすとともに、天皇家の血統が女系天皇の父親の家系の血統に変わるため、王朝交代につながると考えられてきました。  皇室について、こうしたいわゆる易姓革命の立場を取らないのが、二千六百八十六年にわたる日本の伝統であります。一つの血統で男系継承を維持してきた国はほかになく、この比類なき伝統こそが日本の国柄であり、過去、現在、未来へとつながっていく日本の国の一体性を示すものであります。これを時の政治判断に左右されて変更すべきではありません。  我々参政党は、天皇が天皇であるゆえんは、このように古来より絶えることなく連綿と続いてきた万世一系にあると考えております。どの国にもそれぞれの国の国柄や国の形を示す独自の国体がありますが、日本の国体とはすなわち天皇であり、天皇とはすなわち男系継承であって、これを守ることは日本を守ることと同義であると考えております。  そのため、私たちの祖先は天皇の男系継承を守るべく大変な努力を重ねてきました。一例が、江戸時代の新井白石による閑院宮家の創設であります。当時の皇室は、財政難から、皇太子以外の王子は出家するのが慣例でした。高名な学者であり、正徳の治でも有名な新井白石は、これを目の当たりにし、皇統の断絶を危惧して、第六代将軍徳川家宣に進言し、幕府の資金による閑院宮家創設を成し遂げました。そのおかげで、約七十年後、第百十八代後桃園天皇が急逝し、男系男子が途絶えた際に、この閑院宮家から第百十九代光格天皇の即位がかないました。令和の今上天皇がこの光格天皇の皇統を受け継いでいることからも、白石の功績がいかに大きなものであったかが分かります。このほかにも、皇統を守り抜くための先人たちの努力は数多くの史実が示すところであります。その思いを私たちは無に帰すことはできません。  そして、今般、政府から皇室典範改正法案が提出されましたが、養子皇族男子がもうけられたお子様が男子であった場合には皇位継承資格を有すること、また、内親王、女王が御結婚後、皇族の身分を保持された場合、その配偶者や子が皇族とならないことが明確になりました。皇位の男系継承はより安定的なものとして確保されたことを高く評価しております。  これらが国会の総意を条文に落とし込んだことに伴う必然的な帰結であることは、既に政府が説明しているとおりだと考えます。  本年一月、各党の参議院議員とともにイタリアの国会を訪問した際、イタリアの重鎮議員から、今、世界秩序が激変し、分断へと向かう中にあって、日本が長い歴史を通じて営んできた和と調和の価値観の重要性がますます高まっているとのお話がありました。新たな文明の在り方が模索されている昨今の世界にあって、これからの地球文明をリードする模範として期待される日本独自の国柄や価値観は、天皇の下に、私たち日本人が長い歴史を通じて受け継いできたものであります。  天皇の存在とその役割、男系皇統を守るために我々の先人が並々ならぬ努力で積み上げてきた歴史的な重みを、令和の現代を生きる日本国民一人一人が知り、男系によって皇位を安定的に継承していくことは、日本にとっても、そして世界の平和的な秩序の上でも極めて重要であります。  私たち参政党は、今後もその重要性を広く訴え続けてまいることを申し述べ、賛成の討論とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより皇室典範等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、長浜君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) 少数と認めます。よって、長浜君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、川合君から発言を求められておりますので、これを許します。川合孝典君。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 私は、ただいま可決されました皇室典範等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読します。     皇室典範等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  一 皇室典範等の一部を改正する法律附則第六条第一項の規定に基づいて改正後の皇室典範等の施行状況を踏まえるに当たっては、皇族の方々を取り巻く環境その他皇室の状況についても勘案し、必要があると認められるときは、適時適切な措置が講ぜられるものとする。  二 皇室典範等の一部を改正する法律附則第六条第二項の規定に基づいて三十年ごとに見直しを行うに当たっては、改正後の皇室典範第三十八条に定める養子皇族男子の方々を取り巻く環境その他の皇室の状況等について勘案し、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとする。  三 改正後の皇室典範等による皇族数の確保の状況等を踏まえ、安定的な皇位継承を確保するための方策について、引き続き、検討するものとする。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) ただいま川合君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。    〔賛成者起立〕

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) 多数と認めます。よって、川合君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、木原内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木原内閣官房長官。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(木原稔君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと存じます。

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松山政司 自由民主党・無所属の会

○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後五時五十一分散会

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  1. 記録 #3666 観測 2026-08-09 00:12 JST
    改ざん検知用の値 c02eeb67…974db9 (未計算)

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