令和八年七月十五日(水曜日) 午前八時五十五分開会 ───────────── 委員の異動 七月十五日 辞任 補欠選任 水岡 俊一君 斎藤 嘉隆君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 松山 政司君 理 事 岡田 直樹君 中西 祐介君 田名部匡代君 川合 孝典君 谷合 正明君 委 員 有村 治子君 鈴木 宗男君 橋本 聖子君 松村 祥史君 宮沢 洋一君 山谷えり子君 山本 順三君 斎藤 嘉隆君 長浜 博行君 水岡 俊一君 吉川 沙織君 伊藤 孝恵君 浜口 誠君 佐々木雅文君 片山 大介君 金子 道仁君 安藤 裕君 松田 学君 小池 晃君 伊勢崎賢治君 委員以外の議員 議員 百田 尚樹君 議員 高良 沙哉君 議員 福島みずほ君 ───── 議長 関口 昌一君 副議長 福山 哲郎君 ───── 国務大臣 国務大臣 (内閣官房長官) 木原 稔君 内閣官房副長官 内閣官房副長官 佐藤 啓君 大臣政務官 外務大臣政務官 大西 洋平君 政府特別補佐人 内閣法制局長官 岩尾 信行君 事務局側 事務総長 伊藤 文靖君 常任委員会専門 員 三瓶 朋秀君 法制局側 法制局長 川崎 政司君 政府参考人 内閣官房内閣審 議官 末永 洋之君 内閣府大臣官房 審議官 由布和嘉子君 宮内庁次長 緒方 禎己君 警察庁警備局警 備運用部長 石川 泰三君 外務省大臣官房 審議官 三宅 史人君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○皇室典範等の一部を改正する法律案(閣法第六四号)(衆議院送付) ─────────────
皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会
発言 162
○委員長(松山政司君) ただいまから皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会を開会をいたします。 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りをいたします。 皇室典範等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官末永洋之君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 皇室典範等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。木原内閣官房長官。
○国務大臣(木原稔君) おはようございます。 ただいま議題となりました皇室典範等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、皇族が、摂政、国事行為の臨時代行、皇室会議の議員その他の役割を担っておられることから、皇族数が減少している現状に鑑み、皇族数の確保のための措置を講ずるものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、内親王及び女王について、天皇及び皇族以外の男子との婚姻によって皇族の身分を離れることがないこととし、当該婚姻について皇室会議の議を経ることとしております。これに伴い、独立の生計を営む内親王及び女王に対する皇族費について、独立の生計を営む親王及び王に対する皇族費の二分の一に相当する額から、同額に引き上げることとしております。なお、この法律の施行の際における内親王又は女王が天皇及び皇族以外の男子との婚姻と同時に皇族の身分を離れようとするときは、その意思により皇族の身分を離れることができることとしております。 第二に、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王は、皇嗣及び皇嗣妃を除き、皇室会議の議を経て、皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫である現に皇族でない年齢十五年以上の男子であって、配偶者及び子がないものに限り養子とすることができることとし、これにより養子となった男子は、皇族となることとしております。また、養子となったことにより皇族となった男子は、皇位継承資格を有しないこととし、その摂政就任順序を内親王及び女王の次とすることとしております。なお、養子となったことにより皇族となった男子及びその子孫の皇族としての地位は、実方の系統によることとしております。 そのほか、所要の規定を整備することとしております。 なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であり、令和八年六月十日の「「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」に基づいたものとなっております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願い申し上げます。
○委員長(松山政司君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山谷えり子君 おはようございます。自由民主党、山谷えり子でございます。 本法案につきましては、国会においてその総意を見出すべく、衆参正副議長を中心に各政党会派で議論を重ねてまいりました。 正副議長、多大な御尽力、ありがとうございました。そして、全ての政党会派の皆様に敬意を表します。 取りまとめに当たり、大多数の会派が強く前提としたのが、今上陛下から秋篠宮殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということでした。 令和二年十一月、立皇嗣の礼で、今上陛下は秋篠宮皇嗣殿下が次の天皇であると内外に宣明され、衆参両院は全会一致で賀詞を奉呈いたしました。 皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、この言葉に込められた真意をお伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 令和三年の政府の有識者会議の報告においては、次のように書かれております。 皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については、制度的な安定性が極めて重要である、今に至る皇位継承の歴史を振り返るとき、次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには、十分慎重でなければならない、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない。 政府としてはこの報告を尊重しておりまして、また、このことは立法府における全体会議でも共有をされ、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、その冒頭で確認がなされたものと承知をしているところでございます。
○山谷えり子君 次に、女性皇族の婚姻後の御身分について伺います。 現在、皇室は十六方、そのうち未婚の女性皇族方は五方となっております。現在の制度のままでは皇族数の減少を避けることはできず、多くの公務を務めておられる皇族方が今後更に多忙を極める状況となりかねません。 今回の改正案では、内親王、女王殿下が皇統に属しない男子と婚姻された後も皇族の身分を保持することとされています。女性皇族の皆様方が公務や公的活動を継続して行っていただくことができる。女性皇族の皆様方への敬愛の念はとみに高いものがあり、国民にとり喜びでありましょう。 ただし、皇室の歴史において皇統に属しない男子が皇族となった前例は確認できないという事実に鑑みれば、内親王、女王殿下の配偶者及びお子様は一般国民として過ごされる、このような理解で相違ないでしょうか。 さらに、皇統に属しない男子と婚姻をされた内親王及び女王殿下には住民基本台帳が適用されるとなっております。その理由は何か、併せてお伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 内親王、女王の配偶者、その子、お子様に関しましては、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいて記載がなかったことから、皇族の範囲を定める皇室典範の規定は改正をしておりません。皇族とすると皇室典範に規定しない限り皇族にはならないため、現行の皇室典範の規定に基づき、皇族とならないこととなります。 なお、これによって、立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないと承知をしているところでございます。 また、後段の御質問の住民基本台帳の適用に関してですが、皇統譜に登録された皇族である内親王、女王と戸籍に記載された皇族でない配偶者及びそのお子様が一つの世帯で生活をしていく上で、配偶者やお子様が居住関係の公証などを受けられるようにし、円滑に日常生活を送っていただく必要がございます。このため、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備として、婚姻した内親王、女王に住民基本台帳法を適用とすることとしたものであります。
○山谷えり子君 配偶者や子には支障なく安心して日常生活を送っていただくためには、内親王、女王に住基法を適用することが必要。つまり、こうしたことで内親王、女王の品位が下がるという性格のものではなく、細部にわたり配慮が行き届いた制度であると思います。 平成二十九年のいわゆる退位特例法の附帯決議にあった女性宮家の創設の検討について、政府はどのように受け止め、今回の改正案でどのように対応したのか、お伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 宮家というまず言葉ですが、独立して一家を成す皇族に対する一般的な呼称でありまして、法的な制度として位置付けはされていないわけでありますが、また、女性宮家という言葉もはっきりした定義というのは存在しないことから、政府としては、これまで一貫して女性宮家という言葉は使ってきておりません。 政府としては、附帯決議の女性宮家の創設というものを、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することというふうに受け止めて検討を行ってまいりました。そして、この今回の法案において対応したということになります。
○山谷えり子君 平成二十四年三月二十六日の予算委員会で、私、宮家というのはどういう法的な存在なんでしょうかという質問をいたしました。野田佳彦総理は、「法的な制度としては位置付けられていないというふうに私は思っています。」と答弁をされています。 つまり、宮家については直接に制度論として取り上げるべきものではない、結局のところ、附帯決議における、いわゆる女性宮家の創設の検討という要請に関連して国会や政府が制度論として議論できるのは、内親王、女王に婚姻後も皇族としての身分の保持を認めるか否かという点に限られる。政府はこの点について、法案の中で結論を出しています。附帯決議の要請に十分に応えていると思います。 本年六月、天皇皇后両陛下は、オランダ、ベルギーから御招待をいただき、両国を御訪問されました。長い歴史を持つ皇室と王室が紡いできた交流の深さ、豊かさ、改めて感じました。 外国との相互理解や友好関係において、皇室の役割は極めて重要です。現在の内親王、女王方は、民間人となる選択をされたとしても、皇室として過ごされた日々の中、国民の幸福を常に願い、苦楽を共にしたいと思ってこられたことでしょう。 内親王、女王が婚姻後も皇室の身分を保持される場合はもちろんのこと、皇室を離れられる選択をされたとしても、御希望があれば国内外における皇室活動を担っていただく、あるいはお支えいただいて御活躍いただくことは大変よきことだと思いますが、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(木原稔君) 令和三年十二月に取りまとめられましたその有識者会議の報告においては、現在の皇室の御活動等の担い手を確保していくための一つの方策として、婚姻により皇族の身分を離れた元女性皇族に、その御了解をいただいた上で、様々な皇室の活動を支援していただくことも考えられるとされているところであります。 皇族の身分を離れた方は、摂政あるいは国事行為の臨時代行や皇室会議の議員といった法制度上の役割を担っていただくということはできませんけれども、それ以外の公的な御活動について、あくまでもそれは御本人の意思次第でありますけれども、引き続き担っていただくこともあり得るのではないかと、そのように考えております。
○山谷えり子君 旧十一宮家の男系男子を養子として迎えることについて伺います。 このことについて第六章を設け、条文案が作成されました。養子の対象となる方は、昭和二十二年十月に皇籍を離脱されていなければ現在も皇位継承資格を有していた十一宮家の男系男子の子孫の方々となります。現行の憲法下、皇族でいらした旧十一宮家です。 旧十一宮家の男系男子の子孫の方々を養子の対象とする条文案は、二千六百年以上にわたる我が国の皇位継承の歴史と伝統を守り抜くという思いを形にされたと考えますけれども、御認識、お伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 令和三年の政府の有識者会議報告においては、次のように書かれております。 まず、皇族が男系による継承を積み重ねてきたことを踏まえると、養子となり皇族となる者も、皇統に属する男系の男子に該当する者に限ることが適切である、養子制度の方策については、昭和二十二年十月に皇籍を離脱したいわゆる旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々に養子に入っていただくことも考えられる、これらの皇籍を離脱した旧十一宮家の皇族男子は、日本国憲法及び現行の皇室典範の下で皇位継承資格を有していた方々である。 政府としては今お話ししたような報告の内容を尊重しておりまして、また、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々を対象とした養子制度について、とりまとめを基に法制化することを求めるとされておりますので、政府としてはこれに沿って法案を作成したものでございます。
○山谷えり子君 私のふるさと福井には、第二十六代継体天皇の大きな石像がございます。幼い頃は、福井から天皇と不思議に思っていました。 私は、平成二十四年、内閣委員会で、継体天皇の説明を、当時、民主党政権の官房長官に求めましたところ、第二十五代武烈天皇が崩御されたとき、お世継ぎがなく、第十五代応神天皇の五世の孫であった継体天皇が迎え入れられ、即位されたと聞いていると答弁されました。 そうなんです。第二十五代武烈天皇から十親等、男系をずっとつないで約二百年遡って第十五代応神天皇、そしてまた男系をつないで、越前にそのお血筋の方がいらっしゃるということで、第二十六代継体天皇が即位されたということでありまして、先人の男系継承の伝統を守ろうと思う強い意思、思いを感じるところでございます。 さて、養子皇族男子については皇位継承資格を持たない、また、養方ではなく実方の系統による嫡男系嫡出の者として整理した上で、皇族の身位を定めた皇室典範の規定を適用するとされています。これは、養子皇族男子という制度を新たに導入することで生じ得る懸念を払拭するための規定と理解します。規定に至った経緯と考え方について伺います。 さらに、養子皇族男子の子孫の皇位継承について伺います。 養子皇族男子と養子皇族男子の配偶者という皇族の御夫婦の間にお生まれになられた養子の子については、現行の皇室典範の規定に基づいて皇族となります。現行の皇室典範の規定どおりに皇位継承資格を有すると解するのが自然な法解釈と考えます。そこで、改めて養子皇族男子の子孫の皇位継承に関する考え方について御説明ください。
○国務大臣(木原稔君) 議論のとりまとめにおいては、養子となって皇族となられた方は皇位継承資格を持たないこととするとされておりますので、政府としては、これを踏まえまして改正案を立案したところであります。 また、養子となる方の御身位や摂政就任順位等皇族としての地位に関しましては、複数の方がいらっしゃる場合などに紛れが生じるといけませんので、養子縁組による親族関係ではなく、実際の血のつながり、すなわち実方の系統による順位等が決定される旨を明確にする解釈規定を設けることとしたところでございます。
○山谷えり子君 六月十二日の衆議院内閣委員会の審議で、現時点で、宮内庁として、資料に基づいて確認できる限りとした上で、誕生時に皇族でなかった方が皇族の養子になって皇族となった事例はないものと承知しているという答弁がございました。 しかし、今回の養子の対象者となる方は、昭和二十二年十月に皇籍を離脱されていなければ今も皇位継承資格を有していた旧十一宮家の男系男子の子孫の方であります。したがって、誕生時に皇族でなかった方が養子となった事例はないということと、全く血縁のない一般の民間人を養子にして皇族にするということとはおのずから意味合いが異なると考えますが、この点についての御見解をお願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 養子縁組の対象は、現皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫とされておりまして、いわゆる旧十一宮家の男系男子孫でございます。御指摘のように、昭和二十二年に皇籍を離脱された旧十一宮家の男性皇族が現行憲法及び皇室典範の下で皇位継承資格を有していたという事実を基に制度設計を行ったものであります。 今回の養子制度は、天皇や皇族と全く血縁関係のない一般の民間人を養子にして皇族にするというものでは全くないということを申し上げておきます。
○山谷えり子君 皇籍離脱についてはいろいろな御事情があったと思います。当時の片山内閣で、片山総理は自らの意思で身分を離れられたと説明しましたけれども、GHQ占領政策の一環として経済的な圧力が掛かって皇籍離脱を余儀なくされたということは大きいと思います。 離脱に当たり、加藤進宮内府次長は、旧宮家の方々に、万が一にも皇位を継ぐべきときが来るかもしれないとの御自覚の下で身をお慎みになっていただきたいと要請されたといいます。また、「昭和天皇実録」を読みますと、昭和二十二年十月十八日、旧宮家の皆様を夕食に招かれて、「皇族としての皆さんと食事を共にするのは今夕が最後であります。しかしながら従来の縁故と云ふものは今後に於ても何等変るところはないのであつて将来愈々お互いに親しく御交際を致し度いと云うのが私の念願であります。」とおっしゃられたという記述がございます。 今年は皇紀二千六百八十六年。二千六百年以上にわたり連綿とつながれてきた我が国固有の皇統の伝統と歴史、先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統は重く、美しく、その前で今を生きる私たちは謙虚でありたいと思います。国民の幸せを祈り、困難に直面している人々や自然災害等の折の温かいお励ましはどんなにか有り難く、天皇陛下と皇室の皆様を頂く日本に生まれた感謝と喜びを感じます。 令和元年五月一日、第百二十六代今上陛下は、朝見の儀でこのようなお言葉を述べられました。「歴代の天皇のなさりようを心にとどめ、自己の研鑚に励むとともに、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たすことを誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します。」。 改めまして、天皇陛下と御皇室の皆様の国家国民の幸せを願う御活動、祈りの尊さに感謝いたします。また、そうして紡がれてきた国柄を、私たちの先人が共に歩み、守り、つくり上げてきた歴史と伝統、日本の温かさ、品格、勤勉、思いやり、和の心、そうしたことにつながってきたことに思いを致し、この法改正が皇室のいやさかと日本の命の輝きへとつながっていきますように願っております。 長く丁寧に議論を重ねてまいりました。平成二十九年の天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づいて政府において検討が行われてきたわけでございまして、国民の皆様に更に御理解、共感いただけますように、それぞれが努めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○長浜博行君 立憲民主党の長浜博行です。 良識の府、再考の府とかつては言われたこともあったこの参議院で、八十年の歴史を持つ皇室典範が、僅か数時間の審議で、十分な質疑も行われずに改悪されることを想像すると、まさに断腸の思いです。 私は、退位特例法の際の附帯決議が、安定的な皇位継承を確保するための諸課題に関して、先延ばしにすることはできない重要な課題と断じているにもかかわらず、本質的な議論を避けていることを問題視してまいりました。男性皇族では当然なのに、女性皇族が婚姻後も皇室に残り、さらに、配偶者及び子が皇族になることがなぜ問題なのでしょうか。また、養子制度を創設して、皇統譜に記載されていない、すなわち皇族以外の男子を養子にしてまで何を維持しようとしているのかを正面から議論をしないと、国民の皆さんには皇室制度の何が問題なのかが分かりにくいと申し上げてきました。 有識者会議の報告書は以前にも存在をしております。安定的な皇位継承について、今から二十年も前、二〇〇五年十一月ですが、小泉総理、安倍内閣官房長官時代に皇位継承の在り方を国民に問うものでした。タイトルは、そのものずばり、皇室典範に関する有識者会議報告書です。 そこには、皇位継承制度をめぐる国民意識や社会の変化は、我が国社会の長期的な変化に伴うものである、女性天皇や女系の天皇を可能とすることは、社会の変化に対応しながら、多くの国民が支持する象徴天皇の制度の安定的継続を可能とする上で、大きな意義を有するものである、女性天皇や女系の天皇はその正統性に疑問が生じるという見解もあるが、現在の象徴天皇の制度においては、皇統による皇位継承が維持され、幅広い国民の積極的な支持が得られる制度である限り、正統性が揺らぐことはない、なお、皇位継承資格を女子に拡大した場合、皇族女子は、婚姻後も皇室にとどまり、その配偶者も皇族の身分を有することとする必要があると明確に書かれていました。 皇位継承順位については、過去から現在まで伝えられてきた皇位を将来につないでいくことが重要であり、この過去から将来への連続を象徴する形として、親から子に、世代から世代へと伝わる直系継承が最もふさわしい、したがって、天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹の間では、男女を区別せずに、年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の制度が適当であると国民の皆様に分かりやすく丁寧に述べられておりました。 なお、旧皇族の皇籍復帰等の方策については、男系男子による安定的な皇位継承自体が困難になっているという問題に加え、以下のように、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの観点から見ても問題があり、採用することは極めて困難であると断じております。 理由としては、その一、皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ象徴天皇の制度の下では、このような方策につき国民の理解と支持を得ることは難しい、理由その二、皇籍への復帰、編入を行う場合、制度の運用いかんによっては、皇族となることを当事者に事実上強制したり、当事者以外の第三者が影響を及ぼしたりすることにもなりかねない、理由その三、皇族と国民の身分を厳格に峻別することにより、皇族の身分等をめぐる各種の混乱が生じることを避けるという実質的な意味を持つ伝統であり、この点には現在でも十分な配慮が必要であるとなっております。 繰り返しますが、二十年も前の話ですよ、二十年。自民党政権下での小泉純一郎総理大臣、安倍晋三内閣官房長官が設置した有識者会議報告書でございます。私には、今行われている議論の方が、主権の存する日本国民の総意に基づくことにも密接に関連するとしたら、よほど時代遅れで、民意から懸け離れているように思えてなりませんが、いかがでしょうか。 当時の小泉総理は、この報告書が発表された翌年の通常国会の冒頭、施政方針演説において、象徴天皇制度は、国民の間に定着しており、皇位が将来にわたり安定的に継承されるよう、有識者会議の報告に沿って、皇室典範の改正案を提出しますと発言をされました。私は議場で拝聴しましたし、皇族の皆様、なかんずく、ちょうど今の愛子内親王殿下とほぼ同じ、当時二十代前半の女性皇族であらせられた、三笠宮家の彬子女王殿下、瑶子女王殿下、そして高円宮家の承子女王殿下におかれましては、以降の御自身の人生設計をも左右する大きな出来事であったと恐れながら愚考申し上げます。 あれから二十年、たなざらし状態の安定的な皇位継承の本質論は相変わらず解決されず、立法府の不作為が続いております。生身の人間であり、基本的人権の飛び地におられる女性皇族の方々にどれほど心理的な御負担をお掛けしているか、立法府の末席を汚す一人として大変申し訳なく存じております。 来月八月八日で、象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉を拝聴して十年の月日が経過をいたします。光陰矢のごとし、上皇陛下は、日本国憲法下で即位され、そして、皇室典範と一体を成す天皇の退位等に関する皇室典範特例法で退位をされました。天皇は国政に関する権能を有しないことから、お言葉を拝聴した国民の声、民意に寄り添いながら、当時も参議院では特別委員会を組織して、私も質疑に立たせていただき、立法府の総意を成就させた満足感に浸ることができたことをつい昨日のように思い出します。 上皇陛下、上皇后陛下の御健康を心より祈念申し上げます。 今回、皇室典範改正に当たり、立法府の総意が形成されなかったことは残念なことでした。全体会議の際にも御紹介させていただきましたが、立法府の総意を取りまとめる議論の渦中にありました私には、天皇陛下、皇后陛下のオランダ、ベルギー御訪問はなぜ今この二つの国なのかを思慮することにより、甚だ僣越ながら大きな励みとなりました。 その全体会議です。二〇二四年五月から丁寧な議事運営がなされておりましたが、今年の二月の総選挙で自民党が圧勝し衆院議長が交代してから、強引で結論ありきの状況に一変しました。十一回の会議のうち、四月以降立て続けに五回開催し、とても立法府の総意とは認められない結論をスケジュールありきでつくり上げ、あたかも行政府の下請機関のごとき様相を呈した状態になってしまい、立法府の権威をおとしめるものであり、ざんきに堪えません。 日本国憲法の下で歴代の皇族の方々が血と汗と涙で築き上げてこられた象徴天皇制のありようをも破壊しかねない暴挙を看過することはできないとの思いで、旗色を鮮明にして発言を続けております。私の全体会議での発言は衆参両院のホームページで議事録として公開されておりますので、削除されることはないと思いますが、御関心のある方は御覧ください。なお、最初の六回については、公正中立な立場であったため、意見表明は行っていないことを申し添えます。 この法案審議に先立ち、ショッキングなことがありました。与党側から、テレビやインターネット等の中継がない中で審議を進めてもらいたい旨の申入れがあったことです。そもそも、静かな環境という言葉を、静ひつな環境という言葉を安易に連発し、ベールにくるまれたような密室でのやり取りこそが民主主義を崩壊させる危険な行為だということを政治家が認識しないでどうするんでしょうか。猛省を促すとともに、今回は日本国民統合の象徴にも関係する重大案件ですから、公文書の管理を徹底して、現在のみならず、将来の国民に説明する責務が全うされなければならないと思います。 さて、女性皇族が婚姻により皇籍を離脱しないこととすることは、全体会議では最大公約数と言えるくらいの各党派ほぼ意見の一致を見たことであり、また女性皇族の御年齢からして早急に実現すべきと考えましたので、修正案にも織り込み済みです。今後は、社会的に夫婦あるいは親子でその身分に差異があるという不自然さを解消するためにも、御家庭を持たれた後に、御事情が許すのであれば御家族一体として皇室にお入りいただき、諸活動に御参画賜れるように法整備しなければならないと考えておりますが、官房長官、いかが思われますか。
○国務大臣(木原稔君) 衆参正副議長による議論のとりまとめにおいては、内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとする案につきましては、具体的な制度設計に進むべきと記載をされております。政府としては、これを踏まえまして、女性皇族は婚姻後も皇族の身分を保持することといたしました。 他方で、とりまとめにおいては、内親王及び女王の配偶者とそのお子様に係る記載はなかったことから、皇族の範囲を定める皇室典範の規定は改正をいたしませんでした。したがって、現行法が適用されることになり、配偶者とそのお子様は皇族とならないこととなります。 なお、このとりまとめに記載のない内容については、現行法を適用したその結果でありますので、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討というのを先取りをしたり、あるいはこれを縛るような趣旨のものではないと、そのように承知をしております。
○長浜博行君 もう少し血の通った答弁をしていただきたかったなという気がいたしております。 次に、従前より理解不能と申し上げてきた皇族の養子に関する事項についてでございます。 皇室に関する事項を説明する際は系図や年表があった方が分かりやすいのですが、今回の質疑では理事会確認事項で資料配付やパネルの使用は行わないと決められていますので、テレビ等を御視聴の皆様は御了解をいただきたいと思います。 天皇及び皇族の身分に関する事項を記載する帳簿である皇統譜における名前がある方々と、私たち一般社会に生きる親子、婚姻などの身分関係を記載する帳簿である戸籍、あるいは住所、世帯など居住実態を記録する台帳である住民基本台帳に名前がある者等を隔てている概念、思想、哲学は何だと思いますか。
○国務大臣(木原稔君) まず、委員の御指摘のあった戸籍といいますのは、一般には、その一般国民に係るその出生ですね、であるとか、あるいは婚姻であるとか、あるいは死亡だとか、いわゆる、又はその親族的な身分関係というものが登録されるものと理解をしております。また、そういったことが公証する公簿であろうかと思います。 一方で、天皇及び皇族の身分に関する事項については、今御指摘のあったように、皇室典範第二十六条の規定に基づいて皇統譜に登録をされることとなっておりまして、一般国民とは違う形で、皇統譜という形で特別な取扱いが行われているものと承知をしております。
○長浜博行君 私は、考え方としては、宗系紊乱の、あるいは宗系紊乱の門を塞ぐということだと思っております。漢字で書くと難しいのですけれども、百二十六代続いていると言われる天皇家の血統を重視をし、作為による人工的な親子関係で天皇の血筋のつながりが分かりにくくならないようにとでもいうことなんでしょうか。 戦前の旧皇室典範でも、戦後の皇室典範でも、養子の禁止は定められております。百年を超える伝統でございます。今回、皇室典範九条を削除するのではなくて、九条の規定の例外としたのはなぜですか。
○国務大臣(木原稔君) 養子制度案についての御質問でございますが、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいては、我が国の歴史、伝統を踏まえ、慎重な制度設計を行うとされておりました。また、皇族の養子については、旧皇室典範が制定されて以来、委員の御指摘のように、天皇及び皇族は、養子をすることができないというふうにもされてきたところであります。 そういったことを踏まえまして、皇族の養子を禁ずる皇室典範第九条、これは存置、そのままにしておいた上で、本則の末尾に第六章というのを設けまして、養子皇族男子及びその子孫に係る特例等を規定することとしているものであります。本則と例外と、その例外というような形にさせていただいたところでございます。
○長浜博行君 今官房長官は特例という言葉を言われましたけれども、退位特例法のように養子特例法とせずに、本則改定としたのはなぜですか。退位特例法のときは、皇室典範の附則に、この法律と一体と成すという規定を付けて法理論上構築をした記憶がございますが、今回はなぜ特例法にしなかったんでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 衆参正副議長によるとりまとめ、これによりますと、第一案である女性皇族の身分保持について皇室典範を改正することとされておりました。その一方で、第二案である皇族の養子制度については、これは法形式については言及をされていなかったところであります。 今般の法改正案では、その両案について考えましたときに、その皇族の数の確保のための方策としては、これはそういう前提で議論をされておりまして、この両案というのは、その長い御議論の中で常に並列で、並列されて議論されてきたことと承知をしております。 したがいまして、いずれの案についても、皇室典範の本則を改正して措置することにしたところでございます。
○長浜博行君 今、数、皇族の数というお話がありましたが、養子の対象として、皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫である男子、では、なぜ嫡男系嫡出系の子孫である女子は対象でないんですか。数を増やすということでお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 立法府の総意でもありますその衆参正副議長による議論のとりまとめ、こちらにおきましては、養子の対象者について、昭和二十二年十月に皇籍を離脱した、いわゆる旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々と記載をされているところであります。政府としては、このとりまとめに忠実に法案を作成したところでございます。 また、令和三年の十二月の有識者会議報告においては、皇統に属する男系の男子を養子の対象とすることが提案をされておりました。皇族が男系による継承を積み重ねてきたことを踏まえると、養子となり皇族となる者も、皇統に属する男系の男子に該当する者に限ることが適切であるとされているところでありましたので、政府としては、こういったことを総合的に捉まえて尊重をさせていただいたところでございます。
○長浜博行君 重ねてその対象で伺いますが、昭和二十二年、一九四七年十月十四日に皇籍離脱した旧十一宮家に限定されているのはなぜですか。歴史上、天皇家の男系の血を引く方々の子孫はかなりおられると思いますが。
○国務大臣(木原稔君) 衆参正副議長によるとりまとめにおいては、先ほど申し上げましたように、養子の対象者については、昭和二十二年十月に皇籍を離脱した、いわゆる旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々と記載されているところであります。これが一つの理由であります。そして、政府は、このとりまとめに忠実に法案を作成したものでございます。 なお、このとりまとめに先立ち、先ほど紹介をさせていただいた令和三年の有識者会議報告においては、昭和二十二年十月に皇籍を離脱した旧十一宮家の皇族男子は、日本国憲法及び現行の皇室典範の下で皇位継承資格を有していた方々であり、その子孫の方々に養子として皇族となっていただくことも考えられるとされているところでありましたので、政府としてはこれを尊重したところであります。
○長浜博行君 皇室の伝統を守るという意味では、皇室典範第十五条の規定を忘れることはできません。皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがないと決められております。皇族以外の者、すなわち、現に一般人である旧皇族及びその子孫は皇族になれないという規定です。古い言い方で恐縮ですが、一たび臣下になった者、臣籍降下した者やその子孫が再び皇位継承資格を有する閉ざされた領域に踏み込むことができない厳格なおきてとも言えます。 どうして、旧十一宮家だけが、新旧皇室典範で堅持されてきた養子の禁止、そしてまた皇籍離脱した者及びその子孫の皇籍復帰禁止をクリアできるんでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 衆参正副議長によるとりまとめにおいては、養子制度案について、いわゆる旧十一宮家の皇族男子の男系男子孫を対象にして慎重に制度設計を行うものとするとされていたところであります。 なお、昭和二十二年に皇籍を離脱をしました旧十一宮家の皇族男子は、日本国憲法及び現行の皇室典範の下で皇位継承資格を有していた方々と先ほど申し上げました。現行憲法下でも皇族であった時代があるということであります。そして、養子の対象者となるのは、旧十一宮家の方々の昭和二十二年の皇籍離脱がなければ現在も皇位継承資格を有していた方々ということになるわけでございます。 政府としては、こういったとりまとめ、あるいはその今私が申し上げたような考え方に沿いまして法案を作成いたしました。そして、皇室典範本則の末尾に新たな章を設けて養子皇族男子について定め、いわゆる旧十一宮家の皇族男子の男系男子孫を対象に、皇室典範第九条と第十五条の例外規定を置くこととさせていただいたところでございます。
○長浜博行君 今の答弁に対する反論をこれから申し上げます。 戦後の混乱期に新憲法の制定、宮務法ではなくて政務法、一般法としての皇室典範の制定、そして、世襲親王家である伏見宮系の皇族の、大日本帝国流憲法に言えば臣籍降下、日本国憲法下では皇室典範による皇籍離脱手続がほぼ同時並行で行われました。 戦後八十年が経過し、終戦直後の混乱期における皇室にまつわる歴史を語るには余りにも短い質疑時間ではありますが、一九四五年十一月十日、後に十一宮家五十一人のお一人として皇籍離脱をされる、終戦後の一時期、内閣総理大臣を務められた東久邇宮稔彦王が臣籍降下の決意を表明されました。 翌一九四六年八月三十一日、当時の宮内省で臣籍降下に関する会議が開催をされ、十一月二十九日に昭和天皇から、世襲親王家であった伏見宮邦家親王、この方は崇光天皇の十六世孫である方で、正室と九人の側室の間に三十二人の子をもうけられ、うち十七人が男性、その子孫が分家、独立されて十一宮家を構成されたわけでございますが、その流れをくむ皇族に、翌年一から二月頃の臣籍降下を申し渡しました。 その一月後の十二月二十四日、実質的には大日本帝国憲法、旧皇室典範下で、皇室会議により臣籍降下が確定をしたのです。 二十七日に、十一宮家が、翌年五月三日、この日は日本国憲法、皇室典範の施行日でありますけれども、その以前に皇籍離脱をしたいということを希望していることを宮内省がGHQに連絡をいたしました。そして、皇室典範増補中改正を公布し、皇族ノ降下ニ関スル施行準則廃止ノ件を裁定をいたしました。 少し解説するならば、明治政府は永世皇族制を採用していましたけれども、新たな宮家から更に宮家が創設されることによる皇族数の増加、国家予算圧迫を気に掛けており、一九〇七年二月十一日、皇室典範増補を決定し、「王ハ勅旨又ハ情願ニ依リ家名ヲ賜ヒ華族ニ列セシムルコトアルヘシ」、すなわち、天皇の意思又は皇族本人の意思により臣籍降下ができるようになりました。先ほど述べた宮家降下の件は、諸規定の改正を行い、実行をされました。 年が変わって一九四七、昭和二十二年一月十六日、皇室典範及び皇室経済法が公布をされました。 二月十一日、先ほどの山谷さんのお言葉を借りれば、このときは紀元節で、皇紀二千六百七年になるんでしょうか、に臣籍降下を実施予定日だったのでございますけれども、ここが大事な点で、一時金支出、その離脱をされた方々にお金をお渡ししなければなりませんので、一時金支出に関するGHQとの折衝が遅れたため、実施が見送られました。GHQの主張は、一時金の支給をするのであれば、天皇の一存ではなくて新憲法下の国会で定めるべき、まあ極めて財政民主主義の観点からの指摘であったのではないかと思います。 民主主義に基づく法治国家となった日本は、三月七日、皇族の身分を離れる者等に対する一時金支出に関する法律案要綱を閣議決定。五月二日に、旧皇室典範、皇室典範増補が廃止され、翌三日に、先ほど申し上げた日本国憲法、皇室典範が施行されました。 十月二日、皇籍離脱時の一時金の額が決定され、十三日、皇族会議で十一宮家の皇籍離脱案が審議され、翌十四日、新しい皇室典範十一条の一及び二により十四人、十三条により三十二人、十四条により五人、計五十一人に及ぶ十一宮家の皇籍離脱が完結しました。 長々とした説明で恐縮でございましたが、旧十一宮家の臣籍降下、皇籍離脱は、時代の転換期に先人たちが苦労しながら、大日本帝国憲法及び日本国憲法、そして新旧皇室典範によって、適法な手続によって成し遂げた大事業だったように思えます。 更に言えば、同時期に作成をされた皇室典範では、当然、立法作業を行っていた方々は、十一宮家の臣籍降下を横目に見ながらの状況であり、十五条及び九条は、将来起こり得るかもしれない、何と今この現に起きていることですが、を避けるために条文を作ったように私には思えます。その条文にメスを入れようとしているのですから、私は、今回の法改正が皇統の乱れにつながり、真に安定的な皇位継承には寄与しないことを危惧いたしております。 大正時代に起きたことも述べておきます。 一九二〇、大正九年五月十九日、大正天皇は、内規として、皇族ノ降下ニ関スル施行準則を裁定をいたしました。これは、皇族数を減らすために、原則として長子孫の系統四世以内を除く、すなわち五世からは臣籍降下をするという決まりでございます。 この準則によれば、大正天皇の直系男子でない伏見宮系皇族の全員が一九二〇、大正九年当時、直ちに降下しなければならなくなるため、附則で崇光天皇の十六世孫である故邦家親王の子を一世とし、皇族の範囲を実系の玄孫、やしゃごですね、までに限定をしたのでありました。 つまり、旧皇族については、十一の宮家それぞれについて、長男の系統のみ十七から二十世までを皇族とし、それ以外の方は皇籍離脱することとされました。次男以下の系統は十七から二十世であっても皇籍離脱となり、長男の系統も二十一世は皇籍離脱することとされていたので、二十二世以降は生まれたときから皇族ではありません。 さて、全体会議で、昨年四月、当時の衆議院議長から、旧十一宮家のうち四家、久邇宮、東久邇宮、賀陽宮、竹田宮に未婚の男系男子が存在することを前提として有識者会議で議論されてきたと政府側から説明を受けたとの発言がありました。また、有識者会議では、旧十一宮家の幾つかでは男児の誕生が続いているという発言があり、その上で議論が進められたとのことでございました。 政府は、この件について、先ほど私が御説明した皇族ノ降下ニ関スル施行準則にもし当てはめた場合、該当される方は邦家親王から何世に当たるのか、お知らせください。
○政府参考人(緒方禎己君) お答えいたします。 まず、お尋ねの旧宮家四家については、久邇家、賀陽家、東久邇家、竹田家のことと承知しております。また御指摘の皇族ノ降下ニ関スル施行準則は、昭和二十一年十二月二十七日に廃止されたものと承知しております。 その上で申し上げれば、宮内庁においては、昭和二十二年における皇籍離脱後の旧宮家の子孫については把握していないところ、邦家親王を起点とした場合、久邇宮家は、皇籍離脱した邦昭王、朝建王、朝宏王が四世であり、その子孫は五世以上になり、賀陽宮家は、皇籍離脱した邦寿王、治憲王、章憲王、文憲王、宗憲王、健憲王は四世であり、その子孫は五世以上になり、東久邇宮家は、皇籍離脱した信彦王は四世であり、その子孫は五世以上になり、竹田宮家は、皇籍離脱した恒正王、恒治王は四世であり、その子孫は五世以上になる。以上のように承知しております。
○長浜博行君 一九四七年の皇籍離脱時の旧十一宮家の当主は邦家親王の孫か、ひ孫か、玄孫かのいずれかに当たっていましたので、当然のことながら、旧宮家四家におられると言われている男のお子様たちは、生まれたときから私たち同様一般人ということになるのではないかなというふうに思います。 養子が合法化されれば、養親、養い親ですね、に関心が集まります。昨年九月三十日、皇室経済会議が開催され、三笠宮寛仁親王妃殿下が独立生計を営む御自身の家の創設を認定されました。 政府に伺います。 故三笠宮寛仁親王殿下は、崇仁親王殿下の御長男でしたので、いわゆる宮号はお持ちでなかったと思います。今回の三笠宮寛仁親王妃家は、新たに女性宮家が創設されたという理解でよろしいでしょうかという質問をしようと思いましたが、先ほどの自民党議員に対する答弁で理解をしました。 宮家は法律に基づく制度ではないと思いますので、この表記上の違いということになるんでしょうか。私は、そしてこの場は、三笠宮寛仁親王妃殿下のおうちは、養親、家としての資格をお持ちになっているのかどうかだけお答えください。
○国務大臣(木原稔君) 寛仁親王妃の信子殿下につきましては、皇室経済会議において独立生計認定がなされているものと承知をしております。また、養親の対象は、天皇夫妻、上皇夫妻、皇嗣夫妻以外の皇族であるということから、寛仁親王妃信子殿下も養親の対象となると承知をしております。
○長浜博行君 皆さん御承知のことですが、三笠宮寛仁親王妃信子殿下は、麻生太郎代議士の実のお妹様でいらっしゃいます。養子と養親との御縁は誰がどのようにつなぐのでしょうか。恣意的要素、政治的思惑等はどのように排除できるのでしょうか、御説明をください。
○国務大臣(木原稔君) 委員の今御指摘の恣意的要素というのが具体的に何を指しているのかというのは定かではありませんけれども、養子縁組は養子、養親、その双方の自由な意思に基づいて行われるものでございますので、今、その恣意的要素というのには当たらないというふうに想定をしております。 なお、この本改正法案が成立した場合には、宮内庁によって養子縁組の具体的な手続を行うことになり、適切に検討されることになると、そのように承知をしております。
○長浜博行君 多くの議員が経験をしたことだというふうに思いますが、想定外も想定して質疑をしなければならないのが法案審議のつらいところですから、御理解をいただくとして、悠仁親王殿下が御結婚後に男子が誕生しない場合、仮に昨年創設された三笠宮寛仁親王妃家に養子がなされ、その後、御結婚されて、めでたく男子が御誕生となり、他家に養子がない場合は、現行皇室典範では皇位継承順位はどのようになるんでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 衆参正副議長によるとりまとめでは、養子について、養子については皇位継承資格を持たないこととするとされております。一方で、その養子のお子様についての記述はありませんから、これは、現行の皇室典範の規定が適用されるということになります。養子の子は生まれながらの皇族でありますから、男子の場合は現行の皇室典範、これ第一条と第二条が適用され、皇位継承資格を有します。 その上で、現時点における所要の規定整備としては、養子の子の皇位継承順序については、皇室典範第三十八条第六項としまして、実方の系統によると解釈規定を置かせていただきました。これによって、養子縁組による親族関係ではなく、いわゆる旧十一宮家の皇族男子であった方々との血のつながりによる順位が決定されることとなります。 なお、これは、例えば複数の方がいらっしゃる場合など、順序に紛れがあってはいけませんので、そういったことを生じないようにするという趣旨での解釈規定でございますので、何か新しく規定をしたというものではございません。
○長浜博行君 答えになっていないというふうに思いますが、具体的な例のモデルケースでどのように考えられるか、お答えがなかったのが残念でございます。 私は、全体会議でも申し上げましたが、その全体会議の運営が衆議院に偏っていたように思えてなりません。過日の衆議院の質疑においても、衆議院法制局の特別参与が法制的側面から手伝っていた旨、御自身で答弁されております。 参議院の法制局は立法府の総意のとりまとめにどのぐらい関与をしたのでしょうか。通告をしておりませんので、お答えになれるんなら、参議院の法制局、どうですか。
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。 私ども参議院法制局は、今回の衆参正副議長による立法府の総意としての議論のとりまとめにつきまして、同じく法制的な面からお手伝いをさせていただいておりました。 本日、この後、御質問いただくことがあるようでございますが、その際にも、お手伝いをさせていただいた立場として御答弁をさせていただきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○長浜博行君 現在、常陸宮様まで皇位継承順位が現行典範では確定しているんですから、今回は、余りに遅きに失した女性皇族の身分に関する改正だけを迅速に行い、その他の事項は、参議院が主導する新たな全体会議で国民の判断に寄与し得る充実した審議を行った後に結論を出そうではないか、そのことを御臨席の議長、副議長、そして委員会を取りまとめておられる松山委員長に申し上げて、質疑を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 今回の皇室典範改正法のいわゆるお取りまとめに当たって、令和六年五月から二年以上にわたって衆参議長、副議長による全体会議、そうした長い議論の積み重ねを経てこの取りまとめをしていただきました関口議長、そして福山副議長の御労苦に心から感謝を申し上げたいと思います。 私ども国民民主党は、今回の皇室典範改正法、一案、二案と申しておりますが、女性の皇族方の御婚姻後のいわゆる皇籍の在り方、そして、皇族数の確保といったことを目的としたいわゆる旧十一宮家の男子の皆様の養子縁組の枠組みをつくるということ、一見相入れない二つの二案ということでございますが、今取り得る手段として、様々な意見を集約する中で知恵を絞ってお取りまとめいただいた内容だというふうに考えておりますので、そうしたことも踏まえて、前向きに今回の改正法を捉えさせていただいております。 その上で、これからこの皇室典範が改正をされた後、この改正法が適正に運用されているのかどうかということについてやはり議論がまだ十分に足りていないというふうに考えておりますので、国民の皆様の理解を醸成する上で今後どういった取組が必要なのかという観点から政府に質問をさせていただきたい、このように思います。 通告させていただいた順番で質問させていただきたいと思います。 皇室典範の改正は、国民の理解、国民の皆様の理解が何よりも大切であります。専門家による議論だけでなく、より広い国民の皆様に対して、今回の皇室典範改正が皇室の伝統を守り、その上で皇室活動を絶やさないための現実的な対策であるというその思い、我々の思いをきちっと御説明いただく必要があるものと考えております。 振り返って考えてみますと、有識者会議が令和三年から、そして全体会議が令和六年から行われているわけでありますが、ここで真摯に議論を積み重ねてきた内容というものがほとんど国民の皆様に対して説明がなされておりません。そのことの結果として、今回、改正法が提出されたことに唐突感をお感じになられる方が大勢いらっしゃったということだと私は理解しております。 説明が足りていなかったということであり、今後、今回の改正法の内容、趣旨について広く周知する必要があるものと考えますが、この点に関して政府の御見解を求めます。
○国務大臣(木原稔君) まず、皇室典範の改正につきましては、全国民の代表によって構成をされております国会において、衆参両院正副議長の下で、立法府の総意として議論の取りまとめが行われました。その取りまとめを受けまして、政府としては、これに沿って忠実に法案を立案したものでございます。 国会の御審議において丁寧に説明を行うこと、当然でございます。今日もテレビの中継があったり、あるいは多くの報道、メディアなどが取り上げていただいておりますけれども、そういった機会を通じて多くの方に御理解いただけるように、これからも努めてまいりたいと思っております。 また、本法案を成立していただいた後でも、その国民に対しての説明というのは努めてまいりたいというふうに思っております。
○川合孝典君 説明が十分に国民の皆様の理解が深まっていないという前提に立って、何をするべきなのかということ、そのことを是非、政府には考えていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事岡田直樹君着席〕 これまでの議論の中で、いわゆる旧十一宮家の方が皇籍に復帰をされるための養子の縁組のことについて、八十年もたってから皇籍に戻るということがどうなのかということの議論等も含めて様々な意見が出てきていること、私も承知いたしております。 先ほど、山谷先生からも御発言、触れていただきましたけれども、過去の百二十六代にわたる皇統を、歴史をひもといてみますと、山谷先生が御指摘をされた、いわゆる継体天皇、第二十六代継体天皇、このお方は第十五代の応神天皇の五世の孫であるということであり、在位を確認いたしますと、応神天皇が退位をされたのが西暦三一〇年、そして、継体天皇が御即位をされたのが五〇七年ということですから、百九十七年、時間がたっているわけであります。 その背景に一体何があったのかということについて、これはきちんと歴史を勉強をすればある程度の時代背景も含めて見えてくるわけでありますが、当時の国内情勢を踏まえた当時の関係者の方々の知恵を絞った対応であったというふうに考えておりますし、百九十七年経て即位をされた第二十六代継体天皇、御即位をされたのは今の大阪の樟葉であります。樟葉宮で御即位をされ、その後、今の行政区でいえば京田辺、さらには長岡京と都を移して、最終的に奈良県桜井市だったと思いますが、こちらに要は都を移されたのは数十年後ということでありますので、当然、その間の様々なあつれきや背景があって、その上でこうした流れができてきたということだと思いますし、この百二十六代の歴史を紡ぐ中で、英知を絞ってこの皇統を守り続けてこられてきたというこの事実、歴史自体を我々は重く受け止めなければいけないと思っております。 同時に、今回、この十一宮家ということで、伏見宮家、旧伏見宮家の御子孫に当たる方々が今回いわゆる対象ということでなっておりますけれども、こちら、長浜先生の方から御指摘ございましたとおり、北朝三代崇光天皇の流れをくんでいらっしゃるということですが、なぜこういった流れになったのかということを、これも調べてみますと、崇光天皇が当時、これは室町時代の初期でありますので、観応の擾乱といういわゆる内戦に巻き込まれて、そのときに、いわゆる譲位せざるを得ない状況になった、後光厳天皇に譲位をせざるを得なくなったということを受けて、その御子孫がいわゆる宮家として立家をされて、その後、現在に至っているという、こういうことでありまして、したがって、伏見宮家の創設に当たっても、そのときの様々な御苦労の中でそうした流れが、血脈が維持されてきているといったようなことであります。 こうした一つ一つの事実を正確に理解をすることが、今回の立法のいわゆる背景というものを国民の皆様に深く御理解いただくことに私はつながると思っております。その努力が政府には足りない、また立法府にも足りなかったという反省も踏まえて今後対応していかなければいけないんだろうと思っております。 その上で、具体的な今後の対応について御質問させていただきたいと思いますが、今回、養子縁組の仕組みをつくるということになりますが、この仕組みの具体化について、旧宮家御出身の男系男子が皇籍を御取得される際、その要件や人選の透明性をどのように確保していくのかということについてほとんど議論がなされておりません。 国民の皆様の理解や納得を得るための手続の方法についてどういった御検討をされているのかということについて、政府の御見解を求めます。
○国務大臣(木原稔君) まず、養子の対象ですけれども、改正後の皇室典範第三十八条第一項において、この法律による皇族男子であった者の嫡男系嫡出、嫡男系嫡出の子孫である現に皇族でない年齢十五年以上の男子であって、配偶者及び子がないものと規定をされております。また、同項によって養子縁組が成立するためには、皇族、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁長官並びに最高裁判所長官等の十人の議員で組織をされます皇室会議、その皇室会議の議を経るものとされております。 養子縁組の具体的な手続の詳細については、これはこの改正法案が成立した後に宮内庁の方でしっかりと検討をさせますけれども、養子縁組に当たっては、これはあくまでも当事者の自由な意思が重要であり、また尊重されなければならないと考えております。 当然ながら、その養親、養子、その相互の自由な御意思に基づいて養子縁組が成立するように、宮内庁において適切に取り組むものと承知をしているところです。
○川合孝典君 ありがとうございます。 いわゆる要件については明確化をされているということでございますが、具体的な人選ということになったときに、その手続がどのように透明性が担保されているのかということ、このことについては国民の皆様が御理解、御納得いただけるような形というものを、細心の配慮を払わなければいけないと私は考えております。 無論、今官房長官が御説明いただきましたとおり、皇室会議で議論を行うということでありますが、そこに付される以前の段階から、プロセスが透明化をどうされているのかということ、このことが大切です。結論ありきで議論をするということではなく、国民の皆様が象徴としての天皇家の今後の在り方も含めて考える上では、やはり国民の皆様の納得性というものが何よりも大切だと思いますので、この点について、くどいようですが指摘をさせていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 今回の法案の成立後、今の質問にも関わってくることでございますが、皇室典範の規定が適切に運用されているか継続的にモニタリングを行うとともに、透明性確保の観点から、先ほどの指摘も含めて政府は国会に対して報告をきちんと行うべきだと、そういう必要性があると私は考えておりますけれども、この法改正後の国会への政府からの説明を継続的に行うことについて、政府の御見解を求めます。
○国務大臣(木原稔君) 今回の改正案ですが、皇族方の御婚姻や養子縁組に関するものでございます。つまり、事柄の性質上、私は、まずは静かにお守りすることが適切な場面もあるのではないかと、そのように考えているところでございます。 〔理事岡田直樹君退席、委員長着席〕 今後、今般の法律案が成立した場合には、まずは、施行に向けて、政省令の整備など万全の準備をしてまいります。その上で、施行後には改正法附則第六条の見直し規定を踏まえるとともに、また附帯決議の趣旨を尊重しつつ、立法府の御意思というものを尊重して適切に対応してまいりたいと考えております。
○川合孝典君 官房長官おっしゃりましたとおり、静ひつな環境で落ち着いてお見守りを申し上げるということが基本的なスタンスであるということに全く異論はございませんが、そのことと同時に、私ども国会、立法府としても、今回取りまとめを行って、政府に対して提案を行った、方向性を要は決めた我々に責任があるわけでございます。 今後、三十年後、三十年後には確実に見直しを行うということも含めて附帯等で確認をこれからするわけでありますけれども、こうした議論を行う、これまでの過去の議論の経過を私、見てまいりますと、やはり必要に迫られないとこの議論が始まらないというのが実態、残念ながら実態だったと思います。そうしたことを踏まえて考えると、常に必要な、全てを開示するということではないのかもしれませんが、国会に説明を行う枠組みというものはやはりきちんと持つべきだと思います。 議長、副議長を始めとする方々が常に必要な情報をきちんと把握ができている枠組みというものを今後に向けて検討をするべきだという意味で私自身は申し上げたわけでありますが、その上で、静ひつな環境を維持しつつ、こうした国会への報告、説明の枠組みを是非検討していただきたいと思いますが、官房長官、改めて質問します。
○国務大臣(木原稔君) そうですね、まずは、私申し上げたように、まずは静かにお見守りをさせていただくということがまずは必要だろうと思っておりまして、その上で、委員御指摘のように、しっかりと何かしらその養子縁組が円滑にいくように、そしてそこがきちっとしたプロセスを持って国民の理解を得られるような形になるように、宮内庁において適切に対応をさせていただきたいと思っております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 質問で通告させていただいた、一つ飛ばしまして、問いの五番目の質問をさせていただきたいと思いますが、御皇族方の、今回、生活の基盤や警備、それから宮内庁職員の皆さんの体制など、今回の法改正に伴う予算の支出についていろいろ変更が生じてくると思いますが、国会がチェックを行うための透明な会計報告のルール等の整備状況、運用状況についてきちんともう一度この機会に見直しを行うべきかと思いますが、この点についての政府の御見解を求めます。
○政府参考人(緒方禎己君) お答えいたします。 皇室の方々の御生活や御活動及び宮内庁の職員体制等に係る経費については、これまでも予算案や決算について国会において御審議いただいているところであります。 また、宮内庁の会計経理については、会計検査院の検査を受けるなど、予算執行の適正性を確保しているところでもあります。 今後とも、皇室の方々の御生活や御活動がつつがなく営まれるよう、国会での御審議を賜りつつ、宮内庁として適正な予算執行に努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 次の質問に移らせていただきたいと思います。 次は、御皇室の公務負担の在り方といったこと、それから、今回の法改正後の皇籍にお残りになるということを要は御決断をされた場合の女性の御皇族方の御家族の処遇について、具体的な対応について政府の見解を求めたいと思います。 女性の皇族方が御婚姻後も皇籍におとどまりになる際、その配偶者、子の処遇がこれまでも懸念されており、複数回質問がなされていることは皆様も御承知のとおりということであります。無論、憲法上の制約やプライバシーとの均衡を保ちつつ、公人としてこの御家族の、いわゆる公人の家族としての警備や生活の環境の整備を行う必要があるものと考えております。 政府はこうした問題についてどのようなスケジュールでお取組を進められるのかということについて、まず御質問します。
○国務大臣(木原稔君) 皇室典範等の一部を改正する法律案、これが成立させていただいた後の内親王又は女王の夫とお子様の例えばその警備について申し上げると、これは、その時々の情勢などに応じて警察が必要な措置を講じなければいけないと考えております。また、内親王又は女王及びその夫と子で構成される世帯においても、民法上の同居、協力、扶助義務であったり、あるいは婚姻費用分担義務であったり、扶養義務等が生じることから、内親王又は女王及びその夫とお子様は共に家族として御用地にお住まいいただくことも可能だというふうに考えております。 これらの内親王又は女王の夫とお子様の生活環境等については、これは、やはり当事者のお気持ちというのをまずは十分に踏まえながら、内親王又は女王が婚姻後にも御家族との生活を始めるまでにはしっかりと整うように努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 一般人である、いわゆる御皇族の一般人である配偶者、お子様ということになるわけでありますから、素朴な疑問として、例えば警備をするに当たっても、そのための国費、費用が税金から要は出されるということになるわけであり、そうした措置をとるに当たって根拠となる法律の整備というものが当然必要になるんじゃないかと考えるのが自然なこと、恐らく皆さん、そういったことを指摘すれば御理解いただけると思いますが、そうしたいわゆる根拠法というものをどう当てはめていくのかということが、残念ながら、今の時点で私には分かりません。 国民民主党としては、女性の皇族方の身分の保持に伴い、この皇族の家族としての配偶者やお子様をどのように処遇するべきかということに関して、これは全体会議で繰り返し、我が党玉木代表が申し上げてまいりましたが、例えば、一代限りの制限を設けつつ、准皇族といったような身分、皇族に準ずるような身分を付与することによって、いわゆる皇室としての御活動を支援できる法的な根拠というものを整えるべきではないのかということを申し上げておりました。 今回の改正法では、この点については一切触れられていないわけでありますが、私が今るる申し上げたような法的な視点を含めて、今後どういった法整備を行っていくのか、御家族のお立場や処遇の観点から政府の御説明を求めます。
○国務大臣(木原稔君) 内親王又は女王と婚姻した配偶者とそのお子様の処遇等については、これは、委員の御指摘のあったように、状況に応じていろんなことを考えなきゃいけないんだと思います。何か新しく立法をしなくても、それ以下の、例えば政省令でできるものもあるかと思いますし、法改正が伴うものも出てくるかもしれませんが、ちなみに、今の現時点でこれを行い得ることとして幾つか申し上げると、想定されるのは、内親王又は女王の御活動、それを公務として行う場合、その御同行をできるのかどうかということが出てくると思いますが、これについては、配偶者等についても公費から旅費等を支給するということは考えられると思います。 また、先ほども申し上げましたけれども、内親王又は女王共に家族として、これは、皇室用地、すなわち行政財産たるその皇室用の財産、御用地というふうに言っておりますが、そこにも居住できるというふうにも考えておりますし、また、内親王又は女王に対して皇宮警察等が警護をするということに伴って、その家族である配偶者とお子様に対してもその時々の情勢等に応じて必要な措置を講ずると、そういったこと、できる限りの対応は既にさせていただくようなことを考えておりまして、それ以外の何か具体的なことがあれば、委員もまだ、具体的にはまだどういうものがあるか分からないとおっしゃいましたけれども、そういったことは法案成立後にしっかりと検討をさせていただきたいと思っております。
○川合孝典君 私が懸念いたしておりますのは、実際に、今の状況のままで実際に一般人として皇族の御公務に御同行されるということもそうでありますし、日常の生活を営まれる上で御家族との間に要は不便が生じるようなことだけはあってはいけないというふうに考えておりまして、したがいまして、皇族としての御身分については一般人であるということが今回明確にされた上で、ただし、御家族として、一体の御家族として御生活を、気持ちよく日常生活をお送りいただく上でどういった配慮が必要なのかということは、これは立法府もそうでありますし、政府の責任として、御不便が生じないようなことを細心の注意を払ってお進めいただきたいという趣旨で私は申し上げさせていただきました。 是非、法案成立後ということになるのは仕方がないかと思いますけれども、御本人方の、御皇族御本人方のお立場に立って様々な制度の設計、整備を行っていただきたいというのが私の心からの願いであります。よろしくお願いしたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 御皇族の数が減少がこれまで続く中で今回の法律の改正が行われる、立法の、いわゆる立法を行う理由になったわけでありますが、私自身も、今回の法改正の議論をする中で、御皇族方のその御公務の状況というものについてもいろいろと調べさせていただきました。大変な激務だということであります。仄聞するところによりますと、天皇家のいわゆる御公務というのは、私自身、京都なものですから、昔からそうしたことに長く触れてまいりましたけれども、小さないろいろ行事も含めると、これは確認したわけではなく聞いた話ではありますけど、一年三百六十五日のうち三百日近くやらなければいけないことが決まっていらっしゃるといったようなことも伺っております。 そうした伝統を守るための皇室としての要はお仕事と同時に、いわゆる国事行為や外交といったことも担っていらっしゃるということを考えたときに、この御皇族方の公務の適正性というものについて国会で余り議論そもそもしたこと自体がないなということに気が付きました。 したがって、今回この皇室典範の改正とは直接関係はございませんけれども、御皇族方の公務の適正化や環境の整備を行う必要が今後あるのではないのか、皇族数の変化に伴ってこうしたことを考える必要があるのではないのかということを考えております。 例えば、公務の選別と整理を行うための、いわゆる公務を評価するための検討の枠組みのような第三者の有識者機関、会議というものを設置して、国会がその審議の結果について評価をする仕組みをつくって継続的にチェックを行っていくといったようなことも考えるべきなのではないのかということをこの間ちょっと私自身イメージしてまいりました。 そこで、政府の見解を求めたいと思いますが、今私が申し上げましたような皇族方の御公務の適正化と環境の整備を行う必要性について、こちら、政府はどのようにお考えになるのか、御見解を求めます。
○国務大臣(木原稔君) まず、皇族の方々が公的な活動に精励されておられる、精励いただいているということは、政府として大変有り難く感じているところでございます。 その上で、皇族方の公的な御活動については、皇室関係の国家事務を担う宮内庁において、皇族方の御負担の程度に配意するとともに、皇族方のお考えも伺いながら、それぞれの御活動の趣旨であるとか内容のほか、その意義やまた国民の受け止めなど、様々な事情を勘案しながら適切に行われているものと承知をしております。 それから、今後の皇族方の公的な御活動の在り方につきましては、宮内庁においてその時々の皇族方を取り巻く状況というのも踏まえなければいけません。そして、何よりも皇族方のお考えというものを伺いながら検討していくものと考えております。
○川合孝典君 国会では議論はしておりませんけれども、御当事者でいらっしゃる御皇族方のいわゆる負担感やプレッシャーというものを、我々はそこに思いを致さなければいけないと思っております。そうしたことも含めて是非検討を進めていただきたいと思います。 時間がなくなってまいりましたので次の質問に移りたいと思いますが、今回の法改正後の国会としての取組、行政府としての取組について確認をさせていただきたいと思います。 一つ質問飛ばしまして、十一番目の質問にさせていただきたいと思いますが、制度の硬直化を防ぐための見直しというものを今後も継続的に行っていかなければいけないと私は考えております。御皇位の継承の順位や御皇族の身分に関して、将来的な情勢の変化に対応するため、国会が迅速に議論を開始するための何らかのいわゆるトリガー条項のような仕組みというものを私は検討しておくべきなのではないのか、三十年ごとということではなく、必要に応じて機動的に議論ができるような環境を整えるべきではないのかと私は考えておりますが、この点についての政府の見解を求めます。
○国務大臣(木原稔君) 今の御指摘は国会における議論を迅速に開始するための仕組みに関するお尋ねでありましたので、政府としましては、その附帯決議の趣旨を含めて立法府の意思を尊重して、適切に対応していきたいと考えます。
○川合孝典君 この議論を行うと、もちろん立法府と行政府ということでそれぞれの役割、立場で要は活動するわけでありますけれども、現実問題として、やはり皇室会議や皇室経済会議等、様々な活動を行っていく上で、行政府と立法府が協力をしながらこの問題と向き合ってきているということを考えたときに、立法府主導でもちろんこうした会議体というものを設置するということを我々としても提案をしなければいけないと思っておりますが、そのことと同時に、政府にもそのことについての問題意識をしっかりと持っていただきたいということで指摘をさせていただきました。 最後の質問をさせていただきたいと思いますが、今回のいわゆる全体会議、皇室典範改正の議論を通じて、やはり私自身感じたのは、鋭く意見が対立する部分のある話であり、歴史の認識によって異なる結論を各党各会派の皆様がおっしゃっているということを考えたときに、今後もこうした議論を行っていく上で同様の状況というものが生じることを私は懸念をいたしております。 私は、この皇室の問題を政争の具にだけは絶対にしてはいけないと考えております。よって、政争の具にしないためにも、国会の中に皇室問題に関する恒常的な会議体というものを設置をして、継続的に静かな環境で議論を行うということを日頃からしておく必要が私はあるというふうに考えておりますので、そのことについて今後この特別委員会で御議論をいただくことを委員長にお願いを申し上げたいと思います。
○委員長(松山政司君) 後刻、各会派と理事会の方で協議をしたいと思います。
○川合孝典君 時間が参りましたので、これで終わりにしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 この度の皇室制度をめぐる議論は、平成二十九年の退位特例法の附帯決議を受けて始まりました。その後、政府有識者会議は、令和三年十二月の報告書において、将来の皇位継承の議論とは切り離し、皇族数の確保という喫緊の課題について議論すべきと提言しました。その際、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしないことが確認され、その前提の下で、私たち全体会議における議論が進められてきました。 公明党も、その認識の下、令和六年五月に、女性皇族の婚姻後の身分保持と旧十一宮家の男系男子の養子縁組という二つの方策を了承いたしました。また、立法府の総意の形成に当たっては、熟議を尽くし、各党各会派が歩み寄りによる合意形成を強く期待してまいりました。そして、この度、衆参正副議長の下で立法府の総意が取りまとめられました。我が党も、将来の皇位継承資格の議論を縛るものではないとの政府の確認を得た上で、この立法府の総意を了承しました。 総意では、歩み寄りの結果、女性皇族の配偶者や子の身分や、養子皇族男子の子孫の皇位継承資格については触れないまま、政府に法制化を要請したところであります。しかし、実際に提出された法案では、配偶者、子は皇族とならず、また養子皇族男子の子孫に皇位継承資格が及ぶ立て付けとなっています。国民の間には、立法府の総意を踏み越えたものではないかとの疑問や懸念があります。 そこで、本日は、議論の前提となるもの、将来の皇位継承制度との関係をどう考えるのか、附則及び附帯決議によって将来の議論がどのように担保されるのか、以上三点について政府及び参議院法制局に見解を確認してまいります。 私たち公明党は、皇族数の確保の議論を進めるに当たり、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしないという前提で議論を進めたことは重要であると考えています。全体会議でも、この前提そのものを否定した会派はないと承知しています。しかし、この前提の趣旨が国民の皆様に十分伝わっていないのではないかと感じています。 そこで、官房長官に伺います。 まず、そもそも政府有識者会議で一致した悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしないとの理由は何でしょうか。その趣旨について、国民の皆様に分かりやすく説明してください。
○国務大臣(木原稔君) 令和三年十二月の有識者会議報告においては、皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については制度的な安定性が極めて重要であること、そして、次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには十分慎重でなければならないこと、そして、現行制度の下で歩まれてきたそれぞれの皇族方のこれまでの人生も重く受け止めなければならないこととされた上で、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、そして次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとされました。委員の御指摘のとおりでございます。 その上で、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について、これは具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられる、そういったことも踏まえ、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきとされたところであります。 政府としても、こういった報告を尊重しているところでございます。
○谷合正明君 皇位継承者がいらっしゃる中で大きな変更を加えることには十分慎重でなければならないということであります。一方で、それが次代以降の皇位継承の在り方を縛るものでもないということは、そういう前提だと思っております。 今回の法案では、皇族数確保策として、旧十一宮家の男系男子に限定して養子縁組を認める制度が盛り込まれました。一方で、この制度については、対象を旧十一宮家の男系男子に限定することが憲法第十四条の門地による差別に当たるのではないかとの指摘もあります。全体会議では、詳細設計が明らかになる前の段階で、衆参両院法制局長から制度設計によっては両論あり得るとの説明もありました。 そこで、立法府の総意では、養子縁組について慎重な制度設計を求めることになりました。我が党も、養親を限定することや皇室会議の議を経ることなどを従前から提案してまいりました。 そこで、伺います。 今回の制度設計は憲法上問題ないと明言できるのか、内閣法制局長官の見解を求めます。
○政府特別補佐人(岩尾信行君) お答えいたします。 憲法は、第十四条におきまして法の下の平等を定める一方、一条では天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴とした上で、第二条において皇位は世襲のものとし、また、第五条及び第四条第二項におきまして摂政や国事行為の委任の制度を設けていることからいたしますと、これらの天皇を中心とした皇室の制度を円滑に運用することは、憲法自体の要請するところと考えられます。そして、このことを踏まえますと、皇統に属する方をこのような皇室の制度を担っていただくために新たに皇族となることができるとすることは、直ちに憲法が禁止しているものとは解されないところでありまして、皇統に属する方のうち、いずれの方を養子の対象者として皇族となることができるとするかにつきましては、憲法第一章の規定やこれまで養子を禁じてきた趣旨などを踏まえまして、適切に定めることが法律である皇室典範に委任されている事項であると考えるものであります。 その上で、今般の養子の対象者は、日本国憲法及び現行皇室典範の施行後も皇族の身分を有していた皇族男子の子孫である男系男子であることから、門地による差別を禁止した憲法第十四条の規定に反するものではないと考えているところでございます。
○谷合正明君 宮内庁の方から、失礼しました、内閣法制局の方から初めて見解が示されたところであります。 そうした答弁を踏まえましても、この制度においては皇室会議の議を経ることということにしておりまして、この立て付けは極めて重要だと考えております。今後、皇室会議の役割は極めて重要になると考えますが、官房長官の認識を伺います。
○国務大臣(木原稔君) 皇室会議ですが、皇位継承の順序の変更、皇族の身分の離脱、また摂政の設置、廃止等について審議する会議でございまして、重要な役割を果たしていただいているものと承知しています。 とりまとめにおいては、養子制度の具体的な手続等の要件について慎重に制度設計を行うとされております。また、現行皇室典範の第十条では、天皇及び皇族男子の婚姻については、様々な法制度上の役割、公的行為等の御活動を担う特殊な地位にある皇族の婚姻として適切であるかについて、皇室会議の議を経ることが必要とされているところであります。 今般の養子制度におきましては、養子は皇族となり、国の制度である皇室に新たな構成員を迎え入れることになるということを鑑みれば、皇族の養子縁組として適切であるかについて、天皇及び皇族男子の婚姻と同様の手続を経ることが適当であると考えているところです。このため、今般の改正案においては、養子縁組に際して皇室会議の議を経ることとさせていただいたところでございます。
○谷合正明君 続けて、養子縁組制度について関連して質問いたします。 公明党は、党の意見書を取りまとめた段階から、養子皇族男子の子孫の皇位継承資格や継承順位は一体として将来議論すべき課題であるとしてまいりました。 そこで、官房長官に伺います。 国民の間には、立法府の総意を踏み越えているのではないかとの疑問や懸念があります。とりまとめで言及がなかった養子皇族男子の子孫の皇位継承権について、これに触れずに立法化することはできなかったのでしょうか。なぜこのような法案の立て付けとなったのか、説明を求めたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 今回のとりまとめになかった部分については現行法が適用されるということになります。これはもう、法的安定性上、これは当然のことでございます。 また、しかしながら、現行法の規定が適用されるということをもって、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りをしたり、これを縛るような趣旨ではないものと承知をしているところでございます。
○谷合正明君 法的安定性ということであります。現行の皇室典範との整合性を図っていくためこのような法形式を取ったというふうに理解をいたしました。 そこで、改めての確認になりますけれども、現行皇室典範との整合性、法的安定性を図るための立法技術上の整理であって、政府が将来の皇位継承制度について何か先取りする、政治的判断を示したものではない、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 繰り返しになりますが、今回、現行法の規定が適用されるということ、そのことをもって立法府における将来の検討を先取りするということはございませんし、またこれを縛るというようなことではないということを改めて申し上げます。
○谷合正明君 将来を先取りするような、そういった政治的判断ではないというふうな理解をしました。 次に、附則第六条と附帯決議案について伺います。 本改正案では、婚姻をした内親王、女王の配偶者や子は皇族とならないことが前提とされていますが、衆参正副議長が示した附帯決議案の第一項目の勘案事項として、その配偶者や子の身分の問題も含まれ得るという理解でよろしいでしょうか。 まず、参議院法制局長に伺います。
○法制局長(川崎政司君) 衆参正副議長による議論のとりまとめにつきまして法制的な面からお手伝いをしてまいりました立場から、お答えをさせていただきます。 衆参正副議長が示されました「附帯決議案に盛り込んで頂くことをお願いしたい内容」、いわゆる附帯決議案につきましては、その経緯、位置付け、趣旨等に鑑みれば、基本的に、皇室典範等改正法案、特に附則第六条の検討条項の施行に当たっての解釈や運用の指針を示すものと解されます。 その上で、法案附則第六条第一項の検討条項は事項的な制限のない一般的な検討条項となっており、また、その解釈や運用指針を示す附帯決議案の第一項目は、その検討に当たり、皇族の方々を取り巻く環境等を主要な考慮要素として勘案することを求めたものと解されます。 そして、この皇族の方々を取り巻く環境に関し、衆参正副議長四者におかれましては、婚姻後も皇族の身分を保持された内親王、女王やその御家族の方々に関する事項として、例えば、そのお住まいや生活費の問題、さらにはその身分等の問題などが広く含まれ得ると解することができるとの御認識ではないかと拝察いたしております。 以上でございます。
○谷合正明君 女性皇族や御家族の身分の問題も含まれ得ると示されたところであります。 それでは、官房長官にこの附則第六条、また附帯決議案についての認識について、同じ質問になりますが、確認をさせてください。
○国務大臣(木原稔君) 政府といたしましては、これは七月十日に衆議院の法制局特別参与も答弁をいたしました。また、今の参議院の法制局長の答弁、これらを含めまして、附帯決議の趣旨というものを尊重してまいります。
○谷合正明君 次に、養子皇族男子の子孫の皇位継承権についても同様に確認していきたいと思っております。 本法案では、養子皇族男子の子孫の皇位継承順位は実方の系統によることと規定いたしました。これは、つまり、皇位継承資格を持たない女性皇族が養子皇族男子と婚姻し、男子がお生まれになった場合にもその継承順位は実方の系統によることとなります。 しかし、立法府の総意を超えて、今この段階で将来の皇位継承順位を先取りし、固定しようとしたものでは決してないと理解しております。したがって、立法府の総意で触れられなかった養子皇族男子の子孫の皇位継承権については、附則及び附帯決議に基づき、静ひつな環境の下で改めて議論すべきものと私は考えます。 そこでまず、参議院の法制局長に伺います。 附帯決議の第一項目と第三項目で、養子皇族男子の子孫の皇位継承権の問題も対象となり得るとの理解でよろしいのか。また、三十年ごとの見直し規定がありますが、必要があれば三十年を待たずに適時適切に結論を得ることも可能なのか、この点について伺います。
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。 衆参正副議長四者におかれましては、附帯決議案の第一項目で勘案事項とされている皇族の方々を取り巻く環境につきまして、養子皇族男子となられた方々に関する事項として、その支援体制のほか、御自身やその御家族の生活上の問題や法制上の問題など、広く対象となり得るところであり、そこでは養子皇族男子の子孫の皇位継承権に関する事項も含まれ得るとの御認識ではないかと拝察をいたしております。 また、養子皇族男子の子孫の皇位継承権につきましては、附帯決議案第三項目にある安定的な皇位継承を確保するための方策に関係するものであり、その検討対象になり得るとの御認識ではないかと存じます。 他方、三十年ごとの見直し規定があっても、皇室典範等改正法案附則第六条の規定の趣旨と附帯決議案第一項目及び第二項目を踏まえるならば、先生御指摘のように、適宜所要の検討を行い、必要があれば適時適切な措置を講じることができるとの理解に立っておられるものと拝察いたしております。 以上でございます。
○谷合正明君 私もそのような認識に立つものでございます。 官房長官にもお伺いしますけれども、政府としてこの同様の認識でよろしいのかということについて答弁を求めたいと思います。この附帯決議の第一項目、第三項目で養子皇族男子の子孫の皇位継承権の問題の対象となり得るという理解でいいのか、また、三十年ごとの見直し規定があるけれども、これについての見解について伺いたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) まず、政府としましては、先ほどの参議院の法制局長の答弁を含めて、また先週七月十日に衆議院の法制局特別参与も答弁をいたしました。そういったことを含めて、附帯決議の趣旨というものを尊重してまいります。 また、後段の見直し規定につきましては、附則第六条第二項、三十年間は改正できないというような趣旨ではなく、必要があれば三十年ごとには見直すことという趣旨であるという認識です。 一方で、附則第六条第一項は、改正後の法律の規定について、施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要なときは検討結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとしており、この検討条項をどのように運用して実際に検討、見直しを行っていくかについては、政府としては、こちらも立法府の意思を尊重して対応してまいります。
○谷合正明君 附帯決議の趣旨を尊重するという答弁でございました。 それでは、その附帯決議なんですけれども、一部には、これは法的拘束力がなく、将来の担保としては弱いのではないかとの指摘もあります。しかし、今回の議論自体が退位特例法の附帯決議を受けて始まったものであり、附帯決議は国会の意思として私は極めて重い意味を持つものと考えます。 その上で、今回の附帯決議、まあ参議院の段階では附帯決議案ですけれども、前回とは大きく異なる特徴があります。第一に、法律本体の附則に見直し規定が置かれ、その運用指針、解釈として附帯決議が位置付けられていること、第二に、政府だけでなく、立法府自身にも将来の検討を促す内容となっていること、第三に、皇室会議の議員でもある衆参正副議長が各党協議を踏まえて取りまとめた附帯決議であるということです。 そこで、参議院の法制局長に伺います。 今回の附帯決議は、こうした点から、従来以上に重い意味を持つと理解してよろしいのでしょうか。
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。 委員会の附帯決議は、一般的には、委員会の意思を表明するものであり、法的拘束力を有するものとはされておりません。 ただ、今回の附帯決議案につきましては、先生も御指摘のとおり、立法府の総意としての衆参正副議長による議論のとりまとめで示され、また、去る六月二十五日の全体会議において、今回の皇室典範等改正法案の要綱がこの議論のとりまとめに沿ったものであるかどうかの判断に当たり、附帯決議により一定の補足、明確化がなされることを前提として、了承することにしたいとの判断が衆参正副議長から示され、その後、補充をした「附帯決議案に盛り込んで頂くことをお願いしたい内容」が各党各会派に提示されたところでございます。 このような経緯や、その位置付け、趣旨等に鑑みますと、衆参正副議長四者におかれましては、衆参両院の法案付託委員会で本附帯決議案が議決されることになれば、当該附帯決議は、実質的に立法府である国会の意思を示すものであり、皇室典範等改正法の解釈運用指針などとして重い意味を持つとの御認識に立つものと拝察をいたしております。 以上でございます。
○谷合正明君 極めて重要な答弁であったと思います。実質的に国会の意思を示すものであると。この附帯決議は、委員会決議にとどまらず、国会決議に準ずる重みがあると理解をいたしました。 最後に申し上げます。 政府有識者会議では、皇室をめぐる課題が政争の対象となったり、国論を二分したりするようなことがあってはならないと指摘したことを、改めて、私自身もそうでありますが、重く受け止めるべきであります。皇室制度は、日本国憲法第一条が定めるとおり、国民の総意に基づく制度です。政府におかれては、引き続き国民へ丁寧な説明を尽くされるよう求め、私の質問を終わります。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。 早速質問をさせていただきたいと思います。 今回の改正案は、平成二十九年の天皇退位特例法の附帯決議に安定的な皇位継承の確保の必要性が盛り込まれたことがきっかけです。その後、令和元年の今上陛下の即位の礼、そして、翌令和二年の秋篠宮様の立皇嗣の礼とした一連の皇位継承に関する儀式を終えた後の令和三年、政府は、有識者会議を立ち上げてこの附帯決議の内容を検討し、そして、令和四年の一月にその報告書を国会に提出しました。それを受けて、維新は一番最初に、令和四年の四月に意見書を取りまとめたんですが、ほかの政党の、ほかの党の意見が出そろうまでに二年が掛かり、令和六年になって各党代表者による全体会議がスタート。そして、そこからも二年が掛かって、ようやく先月、立法府の総意のとりまとめができて、それを受けて内閣が法案を提出したと、こういう流れなんですね。 ですから、実に九年が掛かったこの案件なんです。ですから、これ以上先延ばしにはできない、その上、また長い過程を経て提出された法案でもあるので、この国会で何としても成立させなければいけない、その思いは政府としても同じ認識だと思います。その同じ認識の下で質問をしていきたい、こういうふうに思います。 今回の改正案は、あくまでも安定的な皇位の継承の確保ではなくて、今の喫緊の課題である減少し続ける皇族数の確保に対応した法案という位置付けです。そして、改正案の柱は、これまで議論されているように、女性皇族の婚姻後の身分保持、それから皇族の養子縁組なんですが、具体的にこれ条文を見ると、第九条の天皇及び、それから皇族は、養子をすることができない、これは養子を取ることができないという意味なんですが、という規定を残しつつ、その例外として、本則の末尾に皇族の養子縁組に関する規定を設けたり、民間人と結婚した女性皇族が皇室の戸籍に当たる皇統譜に加えて住民基本台帳に記載されることにするなど様々な工夫が凝らされているんですが、一見すると理解が難しい立て付けになっています。 政府は、立法府の総意に沿って忠実にこの改正案を作成したというふうに述べているけれども、その立法府の総意のとりまとめの平易な文章に比べると、原則や、改正案は、原則を残しつつも新たな規定を加えるなど、やはり一見すると難しい、複雑になっている面があることも確かだと思うんですが、まず、この点について政府としてどのようにお考えなのか、聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 確かに、議長のとりまとめに比べると、実際に法律に落とし込んだ場合には多少法技術的なこともあって複雑にならざるを得ないわけでありますが、しかし、議員の先生方、また国民の皆様には丁寧に説明をしていかなければいけないと思っております。 〔委員長退席、理事岡田直樹君着席〕 その上で、養子制度につきましては、衆参正副議長による議論のとりまとめにおいて、我が国の歴史、伝統を踏まえ、慎重に制度設計を行うなどとされていたところ、また、皇族の養子については、旧皇室典範が制定されていない、禁じられてきたことを踏まえ、皇族の養子を禁ずる皇室典範第九条を存置した上で、本則の末尾に第六章として規定することといたしました。 また、内親王及び女王に対する住民基本台帳の適用についてでございますが、今般の改正において、その配偶者及びお子様が皇族とならないという中で、居住関係の公証等を受けられるようにし、円滑に生活を送っていただくという必要があることから、現時点で必要な規定の整備として行ったものでございます。 いずれの措置もこれはとりまとめに沿って法案化したその結果でございまして、政府としては、今後とも、その改正内容というのは分かりやすく国民の皆様に対しても説明をしていきたいと思っております。
○片山大介君 それでは、大きな議論になっているのが、先ほどから、養子皇族男子の子孫の皇位継承資格の有無です。 それで、整理をすると、改正案では、第三十八条の第四項に、養子縁組により皇族となった皇族男子、養子皇族男子は皇位継承資格を有しないというふうにされています。 一方、養子皇族男子の子孫については、そうした規定がないことに加えて、第三十八条の第六項に、養子皇族男子及び養子皇族男子の子孫は、その皇族としての地位は実方の系統によるというふうに規定が置かれているので、この規定を読めば、その養子皇族男子の子孫が男子であれば自然に皇位継承権を持つものというふうにされるものだと思います。 今回の改正案では、悠仁様までの皇位継承をゆるがせにできないので、皇位継承を規定する第一条、男系男子の継承と、それから第二条、皇位継承の順序は全く改正をされません。なので、皇族である男子には先ほどの規定が適用されるので、それを見ると、養子皇族男子の子孫は皇位継承資格を有すると考えるのが普通だというふうに思いますが、この認識で間違いないのか、しかも分かりやすくこれ政府として説明をしていただきたいと思いますが。
○国務大臣(木原稔君) 養子の子孫については、これはとりまとめの記述にはなかったことから、現行の皇室典範に基づいて判断をすることになります。 現行の皇室典範に基づくと、その養子の男子孫というのは生まれながらの皇族ということになります。したがいまして、この現行の皇室典範、これ第一条と第二条に基づくと、それが適用されて皇位継承資格を有するということになります。二条にはその順序が書かれているところであります。 その上で、現時点における所要の規定整備として、養子皇族男子の子孫の皇位継承順位について、皇室典範第三十八条第六項では、実方の系統によるとの解釈を規定をしているところであります。実方の系統によるというふうに書かせていただいたのは、例えば複数の方が養子の方がおられた場合に、その順序というものに紛れはあってはいけません。法的安定性を欠いてしまいますので、そういったことがないという趣旨でございますので、これは何か特段今回新たに創設したものではなくて、あくまでもこの現行の皇室典範の規定によるものということになるわけでございます。
○片山大介君 それで、この議論になっているのが、これが立法府のその総意の枠を超えているかどうかというところなんですけれども、政府はこれまでの答弁で、現行法のままで適用するとこうなるだとか、立法府の総意のとりまとめの内容を条文に落とすとこうなったというふうに言われている。 それで、立法府の総意のとりまとめの文章自体は一定の幅のある表現にとどめて、機微な部分には触れないようにしていたところが妙技でもあったというふうに思うんですが、ただ、そのとりまとめからこの改正案提出の流れの中では、とりまとめは、とりまとめの文章としては一定の幅のある表現にとどめつつも、具体的な制度設計については政府の裁量に委ねるとされたことも、これ全体会議の中で確認されていることなんだと思います。 これ、具体的に話をしていく、詳しく言っていきますと、皇室に関する制度の基本的な枠組みについては憲法第一条の定める国民の総意を踏まえた立法府において設計されることが、設定されることがふさわしいことを踏まえるとともに、内閣の助言とその承認に基づき、天皇陛下を始めとする皇族方の日々の活動についてその事情をよく知る内閣において具体的な制度設計に当たることがふさわしいということを先月八日の全体会議で森衆議院議長が各会派に申し述べています。 さらに、政府はこれまでの答弁で、立法府における将来の検討を先取りしたり、それから縛ったりするような趣旨ではないというふうにも明確に述べているんです。 そうすると、枠を超えているということには当たらないんじゃないかというふうに思いますが、政府としての考えを教えていただけますか。
○国務大臣(木原稔君) 養子のその御子孫については、これはとりまとめの中に記述がありませんでしたので、男子であれば現行の皇室典範第一条及び第二条が適用される、結果としてそうなるということになり、皇位継承資格を有するとなるものでございます。また、これによって、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛るような趣旨ではないということを承知をしているところです。 今般の法律案ですが、これは政府として、とりまとめに沿う形で忠実に立案をさせていただきました。六月二十五日の全体会議でその法律案の要綱を説明をさせていただいた際にも、これらの点も含め、全体会議としてとりまとめに沿ったものであるというふうに衆参正副議長から御判断をいただき、全体会議でもそういう御理解をいただいたものと認識をしているところです。
○片山大介君 それで、ちょっとその養子案について聞いていきたいんですが、専門家からは、十一ある旧宮家のうち複数の旧宮家に未婚の男系男子がいると発言されているが、政府としての答弁は、把握していないという答弁をされています。 養子縁組となると、その養親、養子を受け入れる親、まあそれ、宮家ですね、そして養子になる男系男子がそれぞれが合意をしていかないと進まないものだと思うんですが、この養子縁組の成立に至る過程というのは、具体的にはどういう形から動き始めていくのか。そして、その各宮家の当主は現在高齢化も進んでいます。教育に誰が責任を持つのかという問題も、課題もあると思いますが、そうした点についてはどのように考えているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(木原稔君) 養子縁組の具体的な手続、これは法案成立後になりますが、それは宮内庁においてしっかりと検討をすることになります。養子縁組に当たっては、やはり当事者となられる方々の自由な御意思というのがまずは重要であろうと、そしてそれを尊重されなければならないと考えております。養子、養親双方の自由な御意思に基づく合意によって養子縁組が成立をするように、宮内庁において適切に取り組むものと考えております。 また、養子縁組が成立した場合に、委員はその教育等についての御懸念を御指摘をされましたけれども、養子となって皇族となられた方がそれ以降は皇室の一員として様々な御活動を担っていただく、あるいは一定の役割を果たしていただくことになりますので、その点についても宮内庁においてしっかりとお支えしていくということを考えております。
○片山大介君 そして、その養子となり得る方の年齢は十五歳以上に限定されています。その養子に行くという判断、決断というのは、一般の社会でも重いものだと思います。 政府の考えでは、実の親が十五歳まで立派に育てて、そのしかるべき年齢で自分で、皇室のためにという決断をして入ってきてもらうことが必要だというお考えがあるのかどうか。それからまた、制度をつくったからといってすぐにそういう方が現れるかどうかも分かりません、実際に政府としても把握をしていないとおっしゃっているんですから。そうすると、なかなか現れなかった場合は、この十五歳以上の規定というのも今後の見直しの対象になるのか。これも併せてお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(木原稔君) とりまとめにおいては、その養子の要件の一つとして、本人の意思を考慮した養子となり得る者の年齢というのが記述をされておりました。政府としてはこれを踏まえて検討をしたところです。 現行皇室典範において、自らの意思に基づき皇籍を離脱できるとされる年齢が十五歳以上とされていることから、養子の対象年齢についてもこれと整合を取る形で十五歳以上としました。 また、年齢十五年以上の者という一定の判断能力のある者を対象とすることで、御皇室を支えるという言わば主体的な意思を持っていただいた方を養子としてお迎えすることができ、結果として皇族数の確保という目的がより確実に果たされるものと考えています。 それから、改正法の附則第六条第一項ですが、改正後の各法律の規定全般について必要があると認められれば随時見直しが行われるという趣旨の規定であると認識しておりますので、委員の御指摘のその今般の養子制度についても見直しの対象になり得ると考えます。
○片山大介君 いずれにしろ、新しい制度の創設には国民の理解が大切です。制度設計をした政府としては今後も国民の理解醸成に尽くしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○松田学君 参政党の松田学です。 参政党は、結党時から、天皇を中心にまとまる平和な国をつくるということを綱領に一貫して掲げてまいりました。参政党としては、今般、立法府から国会の総意が取りまとめられまして、これを法制化して皇室典範改正に至っているということについて、大変喜ばしいことだと考えております。また、参政党は、皇位の安定的な男系継承ということを掲げておりまして、その立場から質問をさせていただきたいと思っております。 まず、令和三年に招集された有識者会議が令和四年に提出した報告書には、天皇陛下から秋篠宮様、悠仁様という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないと明記されておりまして、当時、菅義偉当時の前首相は、この報告書につきまして、男系継承を明確に打ち出した、方向性を示していただいた、国会で進めていくと発言されています。 これを受けて、令和六年から八年まで計十回の全体会議という流れから見ますと、安定的な皇位継承を目的に議論してきたと考えられていたんですが、提出されている皇室典範改正の法律案提案理由説明では、皇族数が減少している現状に鑑み、皇族数の確保のための措置となっていまして、いつの間にか皇族数の確保と置き換わっているようにも見受けられます。その理由は何なんでしょうか。 今回の改正は、取りあえず皇族数を確保しておくことで与野党の合意を得るための緊急避難的な措置と位置付けられるものなのか、あるいは将来にわたる男系による安定的な皇位継承を担保するための方策として認識されているのでしょうか。政府の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 令和三年の有識者会議報告ですが、これには皇位継承の問題と切り離して皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であるとの認識の下で、女性皇族の身分保持制度案、いわゆる一案というものと、皇族の養子制度案、いわゆる二案と言われるもの、この二つが示されており、政府としてもこの報告を尊重してきたところであります。 この後、この報告を受けまして国会において議論が行われ、立法府の総意である衆参正副議長による議論のとりまとめにおいては、これらの二つの案はいずれも了とされ、このとりまとめを基に法制化することを求めるとされたところであります。 政府としては、皇族数の確保というのが目的となっておりまして、議論のとりまとめに沿いまして法案を作成させていただきました。
○松田学君 やはり、皇位の安定的な継承というのが非常に重要だと思いますが。 〔理事岡田直樹君退席、委員長着席〕 我が国の歴史を振り返りますと、本日もいろいろと既に出ていますけれども、第二十五代武烈天皇御崩御の際に、越前におられた第十五代応神天皇五世孫の男大迹王が、第二十六代継体天皇として即位されました。奈良時代末期では、宇佐八幡宮神託事件というのがありまして、和気清麻呂が弓削道鏡への皇位継承を阻止したということがございました。江戸時代には、新井白石が第六代将軍徳川家宣に進言しまして閑院宮家を創設したということで、令和の今上天皇への男系男子継承がかなったといった事例に見られるように、私どもの先人の方々は、二千六百八十六年にわたる天皇の男系継承を守るために並々ならぬ努力をしてきました。また、八名十代の女性天皇も全て男系の女性天皇でありまして、男系継承のための、男系男子継承のためのつなぎとして即位されまして、即位後は天皇家の男系を守るために御結婚をされませんでした。 政府は、先人のこの血のにじむような努力についてどのように受け止めておられるか、御認識をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(木原稔君) 皇室典範第一条には、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承するというふうにされております。 我が国の皇位継承については、男系継承が古来、例外なく維持されてきたところであり、その重みというのを重く受け止めているところでございます。
○松田学君 この安定的な皇位継承のための皇室典範の改正が今必要なのは、現在、皇位継承順位第二位であります悠仁親王殿下に将来男子がお生まれになればそれで全て解決ということではないからであります。今のままでは、悠仁親王殿下が天皇陛下として即位される頃には同世代の皇族男系男子が悠仁親王殿下お一人になってしまうと、これは非常に深刻な問題であると受け止めなければならないと考えております。 参政党は、全体会議でも繰り返し述べましたように、男系男子の皇位継承を確実に維持すべきという立場ですが、改正後の皇室典範におきましては、旧宮家男系男子が皇室に養子に入り、結婚してお子様をもうけられ、そのお子様が男子だった場合には、現行の皇室典範第一条、第二条により皇位継承資格があると理解しております。また、参政党は、女性皇族の配偶者と子を皇族とすることは認められないという立場でありますが、改正後の皇室典範においても、現行の第十五条があることによって、女性皇族の配偶者と子は皇族にならないというふうに理解しております。 ただ、これは、先ほどからも議論がありますように、立法府の総意とそごがあるという指摘がありますが、立法府の総意を法文化すると現在審議中の皇室典範改正案になる必然性といいますか、すなわち、政府の側にこの総意を超える裁量的な判断というのがなされていないことにつきまして、今二つばかり、男系男子、養子、皇族男子として皇室に迎えると、そして、内親王、女王が婚姻後も皇室の、皇族の身分を保持する、その配偶者及び子は皇族にならないという点につきまして、法的観点からの説明を改めて求めたいと思います。 もし、政府の側に裁量の余地がなかったということでありますと、本改正案以外の法案とするためには国会の総意そのものが異なるものでなければなかったと言えるのかどうか、もしそうであるとするならば、そのことは事前にも野党にも説明はなされていたのか、この辺りも御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(木原稔君) まず、今回の改正案の養子の子の取扱いについては、これは現行の皇室典範に基づいて判断することになります。すなわち、養子の子、お子様というのは、これは生まれながらの皇族であることから、男子の場合は、現行皇室典範第一条及び第二条に基づき皇位継承資格を有するということになります。また、その内親王、女王の配偶者及びその子の身分についても、これも現行の皇室典範に基づいて判断することとなるわけであります。 以上のように、この法案は立法府の総意である衆参正副議長による議論のとりまとめに沿って忠実に作成をさせていただきましたので、様々なそういった御意見はあろうかと思いますが、私どもとしては、今回の改正案については、あくまでも衆参正副議長、そして全体会議の御議論の中の結果というふうに思っております。
○松田学君 今般、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持するということにされましたが、一部の方からこういう疑問が出ているんですが、それは、公務を担っていただくためという説明がなされていますが、公務をしていただけるんなら元皇族でも十分ではないかという意見も聞かれました。例として、黒田清子さんが降嫁後、伊勢神宮の神宮祭主に就かれたことを挙げられていますが、これは公務なのか、公務とは何なのかの定義をお示しいただければと思います。もし、降嫁後の女性皇族に公務をお願いすると仮定すると、そこにはどのようなハードルが想定されているのでしょうか。
○政府参考人(末永洋之君) お答えいたします。 皇室の御活動において、国事行為など法的根拠のあるものを除きますいわゆる御公務というものにつきましては、法文上、法令上明文の根拠はございませんで、明確な定義というものはないと考えております。 令和三年十二月に取りまとめられました有識者会議の報告におきましては、現在の皇室の御活動等の担い手を確保していくための一つの方策として、婚姻により皇族の身分を離れた元女性皇族に、その御了解をいただいた上で、様々な皇室の活動を支援していただくことも考えられるとされております。 皇族の身分を離れた方は、摂政、国事行為の臨時代行や皇室会議の議員といった法制度上の役割を担っていただくことはできませんけれども、それ以外の公的な御活動について、御本人の意思次第で引き続き担っていただくこともあり得るのではないかと考えているところでございます。
○松田学君 次に、現行の皇室典範第十三条は、皇族の身分を離れる親王や王のきさき、直系卑属及びそのきさきが同時に皇族の身分を離れると規定していますが、これは家族の中で皇族と民間人の分断を防ぐためだと言われています。 他方で、女性皇族の配偶者や子は皇族にならないという今般の改正案は、私どもは女系天皇を誕生させないという趣旨で極めて適切な措置だと考えていますが、しかし、この場合の家庭内に皇族と民間人が混在するということについて、第十三条が本来目指していた家族との一体性との間で整合性がないんじゃないかという指摘があるかもしれませんので、この点を国民にきちんと理解を求める説明をした方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 現行でも、例えばこれは国民に御説明をということなので、必ずしも事例が適切でないかもしれませんが、例えば日本人と外国人の夫婦、現実いらっしゃいます。そういう夫婦においてその国籍であるとか参政権、あるいは戸籍の有無等によって違いが生じるわけですけれども、家族の一体性ということでいうと、この不整合というのは生じていないと考えております。 有識者会議におけるそのヒアリングやその他の会議での議論においては、家族法制の観点からは、配偶者に皇族の身分を認めなくても、夫婦の同居、協力、扶助義務を履行することは可能であるということ、また、配偶者と子を皇族としなくとも、夫婦は子に対して共同親権を行使することができて、子に対する監護とか養育をする権利と義務を有するので、これは子育てにも法的な支障はないということ。 また、諸外国の事例を挙げさせていただくと、イギリス王室では、例えばアン王女は王族でありますが、御家族は王族ではありません。それによって何か問題が生じているわけではないと伺っております。このような海外の例を見ても、御本人は皇族であるが、御家族はそうではないという、そういった形、家族の形、それほど無理なく成立するのではないかといった御意見というのが出されたところでございます。 こうしたことから、妻である女性皇族と皇族の身分を有さない配偶者や子の法的位置付けが異なる制度とすることは十分可能であると私どもは考えております。
○松田学君 次に、旧宮家の男系男子適格者につきまして、男系男子を皇族の養子として迎えることになるわけなんですが、際に、皇室のどの方がいわゆる養親となられるのか、どの方がどなたを迎え入れられるのかという、養子縁組のプロセスですね。養親、養子双方についての手続も含めた全般的な支援、これをどこがどのように行うのか。皇室全体の将来を考えて養子皇族男子をお迎えするのですから、これは当事者の方々にお任せするということでは責任が曖昧であるように感じますので、本当に皇族数の確保という目的に資するかどうか心もとないということがないように、その辺りについて、先ほどからも質問出ていますけれども、改めて、このきちんとした体制について、心配する方も多いと思いますので、御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(末永洋之君) お答えいたします。 この度の制度創設により行われます養子縁組につきましては、一般に行われるものと同じく、養親となる皇族と養子となるいわゆる十一宮家の男系男子孫の双方の自由な意思に基づく合意が前提となってまいります。また、婚姻と同様に、養子縁組について、その成立に至るまでの決められたプロセスがあるわけではないものと承知をしております。 皇族の縁組としての具体的な手続につきましては、過去の例等を参考にしながら、今後、宮内庁において検討されるものと承知しております。
○松田学君 よろしくお願いします。 次に、かつて旧宮家が皇室離脱、戦後されたわけですが、その際には、よく言われているように、当時の宮家の歳費打切りといったGHQの指令、GHQの圧力という話がよく語られていますけれども、もう一方で、この旧十一宮家が天皇家の本家とは血縁が遠かったということもあったんじゃないかという指摘も一部にあります。 それでも、今般、旧十一宮家の皇族男子の嫡男系嫡出の子孫の男子を養子にすることについて、政府はそういった指摘を、そういった議論を凌駕するだけの理由をきちんと説明する必要があると、その上で国民の理解と納得を得る必要があると思いますけれども、その理由について、凌駕するだけの理由についての御説明いただければと思います。
○国務大臣(木原稔君) 養子縁組の対象ですが、現皇室典範による皇族男子であったものの、嫡男系嫡出の子孫としており、いわゆる旧十一宮家の男系男子孫でございます。これらの方々ですが、旧十一宮家の方々の昭和二十二年の皇籍離脱がもしなかったと仮定すれば、現在も皇位継承資格を有していたはずの方々ということになります。 立法府の総意であります議論のとりまとめにおいても、旧十一宮家の皇族男子の子孫である男系の男子の方々を対象とした養子制度について、とりまとめを基に法制化することを求めると記述をされております。政府としては、これを忠実に法案を作成したところでございます。 今後も、法案の内容というのは、丁寧に今のように御説明をしながら、多くの方に御理解いただけるように努めてまいります。
○松田学君 多くの方の理解、非常に大切だと思いますが、最近、SNSなんかで皇室に対する誹謗中傷が盛んになされているということを問題視する方々が結構いらっしゃいまして、今般の法改正で養子の皇族男子の適格者となった方がこういった状況だと名のりを上げる妨げになるんではないかという、それを懸念する声も上がっています。 政府は、この状況をどう官房長官御認識されて、そして何らかの対応を考えるかどうか、対策を講じる考えがあるかどうか、その辺りについて御答弁いただければと思います。
○国務大臣(木原稔君) 昨今のインターネット上の皇室に関する情報の中には、私も時々そういったことを見る中において、事実と異なるものがあるなとか、あるいは誤った情報を前提として書かれていると考えられるものが見受けられます。これが誹謗中傷を生み出す一因になっているのではないかと思っておりまして、この点は大変遺憾に思っております。 皇室に対する国民の理解を増進するためには、皇室の方々の御活動であるとかそのお人柄であるとか、そういった正確な情報をタイムリーにお届けすることが重要であるという認識の下で、宮内庁では、ウェブサイトの充実やSNSによる積極的な情報発信に努めていると承知しています。 また、余りにも事実と異なる報道がなされたり、あるいはSNS上において偽情報が発信をされたり、またその拡散等があれば、これは宮内庁において、必要に応じ正確な事実関係というのを指摘をしたり、場合によってはSNS事業者、また関係省庁等と連携して対応させていただくことになるというふうに考えています。 引き続き、こうした取組を通じて、皇室に対する国民の理解の増進、正しい国民の理解の増進に努めてまいります。
○松田学君 ありがとうございます。 木原官房長官は、令和八年七月十日の衆議院における議院運営委員会におきまして、将来の皇位継承の在り方について、立法府における将来の検討を先取りしたり縛ったりするような趣旨のものではないと、本日もそのような答弁を繰り返し今般の法改正についてされています。 確認のために、ちょっと伺いたいと思っています。 この御発言の趣旨は、決して将来安易に制度を変更してよいという意味ではないということでよいでしょうか。今回の改正案が、長期間にわたる各党の真摯な議論によってようやく国会の総意として実を結びつつあるという重い事実を我々は大切にしなければならないと考えております。したがって、将来もし仮に更なる制度改正を検討するような局面が訪れたとしても、やはり今回と同様に、十分な時間を掛けて一から丁寧に国会の総意を形成し直すという極めて慎重なプロセスが大前提になるというふうに思います。 政府としてもこのような姿勢で臨むつもりであるかどうか確認してみたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) この法律案の作成に当たりましては、まず、令和四年に政府が国会に対し有識者会議報告について報告をして以降、全国民の代表によって構成される国会において、衆参正副議長の下で、各党各会派において様々な観点から検討、議論を行っていただきまして、計十回の全体会議を経て、衆参正副議長による議論のとりまとめが行われたものと承知をしております。 政府としては、このとりまとめに書かれているとおり、法律案の骨子ができ上がった段階で、まずは衆参正副議長に御了承をいただきました。その上で、六月二十五日の全体会議で今度は法律案の要綱というのを御説明し、衆参正副議長からは、とりまとめに沿ったものであるとの御判断をいただいたところです。 皇室制度に関する課題を検討するに当たっては、今回や、また退位特例法の立案過程で取られたような慎重なプロセスを経て、立法府の意思が尊重されたものとする必要があると、そのように考えています。 今後の見直しにおいても、政府としては、今回と同様に、立法府の意思を尊重して対応してまいりたいと思います。
○松田学君 どうもありがとうございました。 参政党としては、皇位の安定、男系での継承ということについての国民の理解を深めるよう、我々も啓発に努めて、合意形成に努めていきたいと思っております。本日はどうもありがとうございました。 以上です。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 日本共産党は、天皇の制度は、憲法の条項と精神に基づいて議論すべきだと考えております。 日本国憲法第一条は、天皇の地位は国民の総意に基づくものとしております。ですから、国民の理解が得られているかどうかというのはこれ決定的に重要だと思いますが、官房長官、この改定案は国民の理解が得られると、得られているとお考えですか。
○国務大臣(木原稔君) 今回の御審議などを通じて丁寧に説明してまいりたいと思います。 また、地方議会等に目を転じますと、四十七都道府県のうち、三十五の府県議会議員において、この皇室典範の改正について、これを推進せよというような御決議がされたものというふうに承知をしておりまして、しかしながら、まだ一般の国民の皆様に対しまして、しっかりと説明をしていきたいと思っております。
○小池晃君 国民の理解が得られているとは到底政府も言えないわけですよ。そういう中身なわけですよね。しかも、立法府の総意、立法府の総意と先ほどから繰り返しておられる。しかし、男系男子を不動の原則としている改定案に日本共産党は反対しております。そして、先ほど、野党第一党の立憲民主党も反対の立場で質問いたしました。これが立法府の総意であるわけがない。もう大前提が崩壊しているというふうに私は思います。 中でも大問題は、養子の子を天皇にできるようにすることであります。衆議院で宮内庁は、昭和二十二年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、現在の天皇とは三十六親等から三十八親等の隔たりがあると答弁されました。六親等離れれば民法上の親族ではないんですね。三十八親等というふうになれば、もうほとんどこれは赤の他人ではないかというような指摘もされているわけであります。ですから、二〇〇五年の政府有識者会議の報告書でも、養子縁組、旧皇族の皇籍復帰という案は、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難であるとされたわけであります。 ところが、今度の改定案は、あくまで女性が天皇となる道を塞ぐ一方で、遠い遠い血筋の人を養子にして、その子が男子であれば皇位継承権を持たせようと。私、とてもこれは国民的理解と支持は得られないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) 七月十日に、衆議院の議院運営委員会においても、これ政府参考人からお答えをしましたとおり、昭和二十二年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは三十六親等から三十八親等の隔たりがあるものとは承知をしております。 一方で、今回の養子制度でありますが、現行憲法、そして皇室典範下で皇位継承資格を有していた方々の男系男子孫の方々を養子の対象とするものでございまして、これは、お互いの自由な意思に基づき、養親、養親子関係というものを結んでいただくということを想定をしているところであります。 国民の理解についてですけれども、令和三年の政府の有識者会議の報告においては、養子となった後、現在の皇室の方々とともに様々な活動を担い、そして役割を果たしていかれるその過程において、皇族となられたことについての国民の理解と共感というものが徐々に形成されていくことも期待されるというふうに示されておりまして、政府としてもこの報告は尊重しているところです。
○小池晃君 じゃ、平成十七年の有識者会議は間違ったことを言っていたということですか。
○国務大臣(木原稔君) 平成十七年の有識者会議の取りまとめ、こういったことも踏まえて、この令和三年の取りまとめも行われたものと承知をしております。
○小池晃君 踏まえてといいながら、全く正反対の結論を出しているわけであります。 官房長官は、何で女性では駄目なのかという、衆議院での我が党塩川鉄也議員のもう基本的な質問に、その場ですぐさま答えることができませんでした。現行皇室典範で男系男子とされているからだと答弁されましたね。今日もそういう答弁繰り返しています。 しかし、皇室典範の大原則である、養子は取らないと、養子は禁止しているという大原則変えたわけですよ。そこからその先は今の皇室典範でというのは、これは、苦し紛れの私は詭弁だと言うほかない、全く説得力がないというふうに思います。 そもそも、日本国憲法は、天皇は、日本国民統合の象徴として、その地位の根拠は、主権の存する国民の総意に基づくとしているわけであります。多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由が一体どこにあるのか。どこにもないと思います。私は、日本国憲法の条項と精神に照らせば、女性天皇、女系天皇は当然認められるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) まず、令和三年の政府の有識者会議の報告においては、次のように書かれております。 皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については、制度的な安定性が極めて重要、今に至る皇位継承の歴史というものを振り返るとき、次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには十分慎重でなければならない、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者としての悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、悠仁親王殿下の次代、次世代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させる、悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないか。 政府としては、この報告を尊重しています。 また、皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについては、立法府における全体会議でも共有をされました。衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、その冒頭で確認がなされたわけでございます。 政府としては、このとりまとめに沿って法案を作成をいたしました。
○小池晃君 全く答えていないですよ。 何で、現行憲法の条項に照らしたら、女性天皇、女系天皇、当然認められるべきではないかということに対して答えてください。
○国務大臣(木原稔君) まず、皇位の継承については、日本国憲法の第二条に規定がございます。皇位は、世襲によるものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承するとされております。 その上で、皇室典範ですが、第一条において、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると規定されているところであります。
○小池晃君 憲法には皇男子孫という言葉が除かれたんですよ、大日本帝国憲法にあった皇男子孫は。世襲とだけなったんですよ。男子としたのは皇室典範だけなんですよ。古来例外なくと言うけれども、男系男子の継承が明文化されたのは明治二十二年の旧典範であります。 二〇〇五年の政府有識者会議報告書、こうあります。一旦皇族の身分を離れた者が再度皇族となったり、元々皇族でなかった者が皇族になったりすることは、これまでの歴史の中で極めて異例なことであり、さらにそのような者が皇位に就いたのは平安時代の二例しかない、そして、これは、皇族の身分等をめぐる各種の混乱が生じることを避けるという実質的な意味を持つ伝統であると。 ですから、今回の養子縁組こそ、これまでの歴史になかったやり方なわけですよ。それを伝統だなどと言って押し付けることは、私は許されないと思う。 男系男子の継承というのは、明治につくられた伝統にすぎません。天皇を神とし、万世一系の天皇が統治するとした大日本帝国憲法の世界であります。今日も二千六百年というような議論が出ましたけど、神話ですよ、歴史的事実ではないですよ。これを否定した国民主権の日本国憲法の精神に基づいて私は国会は議論すべきだというふうに考えます。 官房長官、聞きますが、各種世論調査では、女性天皇、女系天皇を認める声が多いんですね。圧倒的です。それはなぜだとお考えですか。
○国務大臣(木原稔君) まず、世論調査というのは、その聞き方であるとか、その対象者によって様々なものがあるというふうに承知をしております。 また、令和三年のその有識者会議の報告においては、その有識者の方々が、今回の改正の基礎となった部分については、恐らくそれに沿った形での法改正になっておりますので、この皇位の継承をゆるがせにしてはならないということについて、これは正しく忠実に法改正がなされたということを評価されるものと思っております。
○小池晃君 ほら、この二〇〇五年の報告書については何にも言えないんですよね。 私、何でこういう世論調査、世論調査いろいろあると言うけど、女性天皇、女系天皇を認めるかどうかという世論調査はほとんど圧倒的に、やっぱり認めるべきだという声なんですよ。なぜか。やっぱり戦後、国民主権、基本的人権の尊重の憲法に変わって、日本社会は大きく変わってきたわけです。女性天皇を認めるべきではないか、それが私は国民の率直な思いなんではないかと。しかし、今日の議論でも、天皇だけは、何か合理的な理由があるわけでもないのに、何が何でも男性でなければならない、これが今回の典範案でしょう。理由は、今までずっと男性だったから、これからも男性だ。それだけじゃないですか。しかし、女性であるというだけで、しかるべき地位には就くことができない。これ、私、男尊女卑そのものだと思いますよ。 男系男子による継承に固執をし、それを強化する皇室典範の改定は、私は日本社会における女性差別を助長することになると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) この令和三年の有識者会議報告ですが、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると認識の下、女性皇族の身分保持制度案とその皇族の養子制度案、その二案が示されまして、政府としてもこの報告を尊重をしているところです。その後、衆参議長による議論のとりまとめにおいてこの二案はいずれも了とされております、全体会議の下で、委員も御出席だったと思いますが。これを基に法制化することを求めるというふうに政府はされまして、それを受け取って法制化したところです。 政府としては、この皇族数の確保を目的として、この議論のとりまとめに沿って法案を作成したものであり、女性差別とは関係なく、委員の御指摘には当たらないと考えております。
○小池晃君 やっぱり、この議論を聞いてやっぱりこれは女性差別になってしまうと、多くの人が本当に危惧すると思いますよ。 私は、この典範改定は日本国憲法の精神と条項に反するものであって、将来に大きな禍根を残すものであると考えます。撤回をすべきであるということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(松山政司君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(松山政司君) ただいまから皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、皇室典範等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊勢崎賢治君 どうも。始めます。 日本国憲法第九十八条第二項は、締結した条約の誠実な遵守を定めております。政府も国連に対し、この憲法を引用して、女子差別撤廃条約は既に国内法としての効力を持つと明言してきました。しかし、皇室典範における女性排除について問われると、政府は条約の適用を拒む姿勢を維持しております。政府は、国連女子差別撤廃委員会に対して、皇室典範は歴史と伝統があり、同委員会が取り上げるのは適当ではないと主張してきました。 外務省にお聞きします。 自国の伝統を理由に、皇室典範を女子差別撤廃条約の適用外又は審査対象外とすることができる国際法上又は条約上の明確な法的根拠はどこにありますか、具体的にお答えください。
○大臣政務官(大西洋平君) お答えを申し上げます。 女子差別撤廃条約第一条は、同条約が撤廃の対象としている女子に対する差別について提言をしております。ここでいう女子に対する差別とは、性に基づく区別等により、女子の人権及び基本的自由を侵害するものを指すとされております。 日本政府といたしましては、ここでいう人権及び基本的自由とは、いわゆる基本的人権を意味しており、皇位に就く資格はこれに含まれるものではないと解しております。 したがいまして、皇室典範において、皇位継承資格が男系男子に限られていても女子の基本的人権が侵害されることにはならず、同条約第一条の女子に対する差別には該当しないため、同条約の対象にはならないものと考えております。 以上です。
○伊勢崎賢治君 ところが、同条約は、男女の固定的役割分担に基づく偏見、今おっしゃられたように人権の話ですよね、それから慣習、これも入っています、慣習を是正することを締約国に求めております、これ。だから、皇室典範を審査対象から除外する規定はこの条約には存在しません。そう僕は考えます。 さらに、国際条約の基本ルールであるウィーン条約第二十七条はこう言っています。当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法、国内法を援用することはできないと定めております。国内法である皇室典範や、いわゆる伝統を理由に条約上の義務を免れることは認められていません。これが僕の解釈です。多分これは、一応国連で働いた人間ですので、多分国際的な理解だと思います。 しかも、日本は、一九八五年のこの条約批准のときに、ウィーン条約ですね、皇室典範に関する留保を一切行っておりません。批准後に留保を追加する事後留保という考え方もありますけれども、これはその条約の全締約国の同意が必要であり、可能性として日本が今更認められる、日本の主張が認められる余地は現実的にはありません、多分。そう結論付けるのが真っ当だと思います。 つまり、日本は、皇室典範を除外しないまま女子差別撤廃条約を自らの意思で受け入れたことになります。人権問題を内政干渉だとはねつける権威主義的な大国、どの国とは申しませんけれども、それはございますが、我が国は、法の支配を重んじ、国際社会で名誉ある地位を占めるよう、これが我が国の国是でありますから、それらの国と同じ次元の抗弁を用いることは断じてあってはならないと思います。 だからこそ、かつて欧州の王室も伝統を理由に男系男子限定でありました。しかし、この条約の精神にのっとり、男女平等の長子優先へと自ら制度を改めました、御案内のとおり。 大臣、副大臣、重ねてお聞きします。 日本政府の言う伝統とは、国際条約よりも優先される絶対的なものなのでしょうか。そうであるならば、その法的根拠を、国際法的な根拠をお示しください。
○大臣政務官(大西洋平君) お答えを申し上げます。 委員御指摘の条約法に関するウィーン条約第二十七条は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない旨、規定したものでございます。 先ほど申し述べたとおり、皇室典範におきまして皇位継承資格が男系男子に限定されていることは、女子差別撤廃条約で定められている女子に対する差別には該当せず、同条約の対象にはならないものと考えております。 したがいまして、条約の履行との関係で問題があるという御指摘は、当方といたしましては当たらないと認識をしております。 以上でございます。
○伊勢崎賢治君 皇室典範が国内法じゃないんですか、我が国の。そういう理解でよろしいんですか。そんなことはないでしょう。だから、ウィーン条約は適用されます、これは。よろしいでしょうか。 多分、その辺の認識を新たにしてもらわないと、国際法とのそご、抵触の問題は多分このままずっと引きずったままです。お含みおきください。済みません。政府の、そういうこれまでの対外説明の論理はもう限界を超えているように思います、僕は。 間近の二〇二四年の十月、国連女子差別撤廃委員会から、皇位継承における男女平等を確保するために皇室典範を改正せよとの正式な勧告が突き付けられました。これに対し政府は、削除を求める正式な抗議文書、いわゆる口上書ですね、これ、我々の業界ではノートベルバルと言うんですけれども、これを提出いたしました。 しかし、国連はその要求を受け入れず、勧告は公式文書として確定してしまいました。それどころか、日本は現在、進捗状況の報告を求められる、国連から、フォローアップ手続、これ、フォローアッププロシージャーと言います、の対象に置かれております。 政府が、国内向けに強く抗議したと国民に説明していても、国際社会への実務において、国際外交の実務においてその抗議は通用しません。通用をしておりません。日本は、今後もこの勧告に直面し続けることになります。ずっと続きます、これ。これは、もはや外交上の深刻な行き詰まりにほかならないと思いますが、官房長官、御総括をお願いいたします。どうぞ。
○国務大臣(木原稔君) 委員の御指摘のように、令和六年の十月に、女子差別撤廃委員会から、我が国の女子差別撤廃条約の実施状況に対する最終見解というのが公表されたと承知しております。 その最終見解において示されました我が国への勧告のうち、その四項目については二年以内にフォローアップとして情報提供する事項として挙げられているところであります。 これ、委員とちょっと認識が違うかもしれませんが、皇室典範に関する事項というのはフォローアップ事項となっておりませんので、その上で、最終見解の勧告については、現在、各府省において対応、検討をしているところでございまして、フォローアップ事項に関する委員会への情報提供、これについても適切に対応をしてまいりたいと考えております。
○伊勢崎賢治君 勧告は続きます、国連からのですね。この法案です。この問題の法案、これを成立させれば、更に国際社会からの、特に国連からの批判は将来にわたって固定化するでしょう。新たな勧告が来るはずです。 私たちが深く敬愛する皇室を国際社会から疑問を呈され続ける立場に置き続けることは、私、国民の一人として耐えられません。問題は皇室にあるのではなく、政府の姿勢にあると思います。そのことを強く指摘し、質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) この際、お諮りいたします。 委員外議員百田尚樹君、高良沙哉君及び福島みずほ君から皇室典範等の一部を改正する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認めます。 それでは、まず百田君に発言を許します。百田尚樹君。
○委員以外の議員(百田尚樹君) 日本保守党の百田尚樹です。 私は、皇室全体会議におきまして、毎回、発言の冒頭、同じことを申し上げてきましたが、今日もまた同じことを言わせていただきます。 日本の歴史と共にあられ、約二千年の伝統を有する世界最古の皇室に対し、二〇二六年の今日、たまたま選挙に通っただけの一介の国会議員にすぎない者が意見をするなど、誠に恐れ多いことだと言わざるを得ません。しかしながら、あえて一言申し上げます。今日は質問ではなく、私の意見を申し上げます。 日本保守党の意見は一貫して変わりません。今考えるべきは、将来の皇統の安定継承を可能とする手だてであり、そのための最小限の法改正です。 皇統とは、男系男子による継承です。このことは現在の皇室典範でも第一条にうたわれていますが、この原則が悠仁親王殿下の後の代にも揺らぐことのないように、これだけを私たちは考えるべきなのです。その有効な策である養子案、旧宮家から男系男子の御子孫を養子に迎えられる案には、保守党は賛成すると一貫して主張してまいりました。 ところが、今般の皇室典範等の改正にはもう一つの論点があります。皇族女子が、皇族女性が御婚姻後も皇族として残るという案です。これは、私は賛成できかねると繰り返し申し上げてきました。その理由は、将来、いわゆる女系天皇の誕生へとつながるリスクを内包しているからです。女性皇族が一般男性と結婚され、お子様をもうけられたとき、必ずやお子様に皇族の身分を与えるべきだという意見が出てくるでしょう、必ず将来。私は断言します。絶対にそうした世論を形成しようと謀る人、組織、団体が現れます。いわく、母と子の身分が違うのは人権問題である。いわく、母親が皇族であるのに、お子様がそれを継げないのは人道上おかしい。いわく、これは一種の女性差別である等々、理由は幾らでも付けられるでしょう。その世論に負ければ、二千年の歴史に例のなかったことが起きるおそれがあるのです。 皇族の血統にない男性が皇族になる、これは長い歴史の、日本の歴史上、一例もないことです。そのお子様が皇位継承者となり、万が一皇位を継げば、いわゆる女系天皇が誕生するわけですが、この瞬間、万世一系の皇統は途絶えます。王朝が変わることを意味します。 いいですか、皆さん、戦後の誤った教育のせいで、多くの日本人が、我が国の国体である天皇、また皇統の何たるかを知らずにいます。そういう中で、二千年の伝統を安易に変えていいのでしょうか。八十年前、十一宮家を臣籍降下させたのは、アメリカを中心とした占領軍の圧力です。宮家をなくせば、いずれ皇統が絶える可能性が高まると彼らは考えたからですが、まさに今その狙いどおりの危機にあります。 一方、現在の我が国では、皇室の破壊をもくろむ団体、メディア、あるいは外国勢力が幾つも存在します。長年、天皇制廃止を党是の一つとして訴えてきた政党もあります。そうした人々が今、声高に唱えているのが、女性天皇及び女系天皇の誕生です。彼らは、男女同権を金科玉条のごとく振りかざし、女性天皇、女系天皇誕生を主張します。しかし、もし将来、女系天皇が誕生したならば、そのとき彼らは一転して、皇統の正統性が失われたと言い、皇室の終わりを主張するに違いありません。今回の女性皇族の身分保持案は、このようなリスクを将来に残すということなのです。 ここで、今、いま一度、女性天皇の歴史に触れます。 歴代百二十六代の天皇のうち、女性天皇は八人おられました。その八人は、天皇に即位された時点で全員が独身です。四人は配偶者を亡くした未亡人、残りの四人は未婚です。そして、この八人は、いずれもその後、結婚されず、一人のお子様も得られませんでした。これは偶然でしょうか。八人もの女性天皇、皆様が即位後に独身を通されたことが偶然だったはずはありません。女系天皇誕生を回避するための不文律が存在したと考えるべきでしょう。 今日、きょう、この場におられる皆さんの中には、皇室が未来永劫変わらず日本と共にあってほしいと考えておられる人がいるなら、今からでも遅くはない、この女性皇族の身分保持案に疑義を唱えてください。将来、本当の意味での皇統の危機が訪れたとき、私たちは厳しい歴史の審判を受けることになります。令和八年の皇室典範改正こそが過ちの端緒であったと断罪されるおそれがあるのです。皆さんにはその覚悟はおありなのでしょうか。 私は七十歳です。恐らく寿命はあと十年ちょっとでしょう。別に死ぬのは怖くはないです。しかし、私の死後、作家でもあった百田尚樹はなぜあの法案を止められなかったのかと言われるぐらい嫌なことはありません。ただ、残念ながら、私は弱小政党の代表にすぎず、この間違った流れを止める力はありません。もし私が総理大臣なら、政治生命を懸けてでも止めるところです。 神武天皇から百二十六代、全ての天皇は男系で継がれてきました。例外はありません。しかし、もし将来、皇統と男系でつながらない方が皇位継承者となれば皇統断絶のリスクは極限まで増大し、万が一にも女系天皇が誕生すれば日本の皇統の終えんが訪れます。 皆さんに申し上げたい。ここにいる皆さんは、全員七十年後にはこの世にいません。しかし、日本はその後もずっと続くのです。私たちは悠久の歴史の中のほんの僅かな時代を生きるだけの存在であるという自覚を持つべきなのではないでしょうか。その我々が国体を触ることへのおそれも忘れてはなりません。 これで私の意見を終わります。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 次に、高良君に発言を許します。高良沙哉君。
○委員以外の議員(高良沙哉君) 沖縄の風、高良沙哉です。 発言の時間をいただき、ありがとうございます。限られた時間ですので、最後にまとめて御答弁をお願いいたします。 一九四六年に、当時の昭和天皇のいわゆる人間宣言によって、天皇制は神話によるものではなく、憲法を根拠に、制度として皇室典範に具体化されています。二〇一六年、当時の天皇陛下の言葉によって始まった生前退位の議論は、崩御に限定された皇位継承の例外として容認されました。天皇皇后両陛下の人間としての人生を国民が考慮し、理解が得られた結果ではないかと考えます。 今回は、戦後初めて本則の改正であるにもかかわらず、参考人招致など重要法案としての審議が尽くされず、国民の総意を得る努力がなされていません。本当に象徴天皇制の維持を考えるならば、十分な民主的プロセスを踏まなければなりません。 女性皇族が婚姻後も皇室に残る案、血縁のはるか遠い旧十一宮家から養子を取る案も、天皇皇后両陛下、皇族の方々の人生に関わります。国政に関する権能がなくとも、当事者である方々の考えを確認し議論をする必要があると考えます。確認しているのであれば、詳細をお聞かせください。 二〇〇五年の小泉内閣当時の議論では、有識者会議において、男女の別なく直系・長子優先の制度とすることが適当だとの報告書が出され、また、二〇一七年の退位特例法に対する附帯決議でも、女性宮家の創設等について先延ばしせず議論することが付されていました。確かに天皇制は、平等原則を定め、人権を保障した憲法に設けられた例外です。しかし、例外であったとしても、できる限り、平等原則や人権保障といった憲法の原理を皇室典範に及ぼす改正が現代においては求められます。 各種世論調査では、女性天皇について賛成が七割以上です。女性天皇、女系天皇の議論はもはや必然です。憲法は、皇位は世襲とのみ規定し、女性への皇位継承を排除していないにもかかわらず、女性、女系について議論をしない合理的な根拠をお示しください。 女性皇族が婚姻後も皇室にとどまる案は、男性皇族の婚姻後の身分と同等の制度ではなく、女性皇族御本人は皇族、配偶者や子は非皇族。本改正では、女性を単に皇室の人数確保、公務をこなすための要員として軽んじているのではないでしょうか。男尊女卑の制度であることが日本社会に残る不平等を助長することも懸念します。 そして、養子の子が男子であれば皇位継承者となり得るという解釈は、全体会議で質問が出たのに答えず、会議後に解釈を明らかにした点は看過できません。皇族でなかった者の子が皇位継承者、今上陛下の女性長子やその子は皇位継承者ではない。国民の理解は得られるのでしょうか。結果として、女性、女系天皇の可能性を閉じかねません。養子案は、誰が誰を養子にするのか恣意的な要素が入り込む点、身分制の復活であり、平等原則に反する点でも致命的欠陥があり、削除すべきです。 また、改正法附則第六条改正について、三十年と長過ぎる期間を明記し、議論を封殺する規定も共に削除すべきです。 民主的プロセスの軽視、合理的な理由のない性差別、身分制の復活、皇族数の確保や皇位継承の安定化にはつながらない男系執着は問題だと全体会議に続き再度申し上げ、会派の意見と質問といたします。 質問を二ついたしました。お答えをお願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) まず、宮内庁におきまして、今回の政府の有識者会議の報告であったり、国会での議論の状況、また衆参正副議長による議論のとりまとめの内容、そして今次改正法律案の内容について、天皇陛下を始め皇室の方々にしかるべく御報告をさせていただいたというところでございます。 それから、後段、今回の法改正ですが、令和三年の政府の有識者会議の報告、こちらを政府としては尊重しておりまして、また、このことは立法府における全体会議でも共有をされました。衆参正副議長による議論のとりまとめにおいても、その冒頭で、皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについて確認がなされたものと承知をしております。 政府としては、これに沿った形で忠実に法案を作成させていただきました。
○委員以外の議員(高良沙哉君) 質問の時間が終了しましたので、私からの質問と意見は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 次に、福島君に発言を許します。福島みずほ君。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。 皇室典範改正法案は、立法府の総意とも、国民の総意とも懸け離れています。世論調査では、女性天皇を認めるべきだ、養子を認めるべきでないというのが圧倒的です。国民の総意と懸け離れた皇室典範改正は大きな禍根を残します。撤回すべきです。 皇室典範は、日本国憲法及び女性差別撤廃条約の下位にある法律です。二年間にわたる全体会議において、女性天皇、女系天皇を認めるかどうかは論点にすらなりませんでした。日本国憲法は法の下の平等を規定しており、女性天皇を認めないことは女性差別です。社民党は、女性天皇、女系天皇を認めるべきだと考えています。 また、女性天皇、女系天皇を認めないために、旧宮家から男性を養子として迎えることも大問題です。誰を何人養子として迎えるのかというのは、極めて恣意的になる可能性があります。だからこそ、皇室典範は養子縁組を禁止してきたのです。養子は皇位継承権を持たないが、養子の子供で男性であれば皇位継承権を持つということは、全体会議で一度も議論になっておりません。二度、私は質問しましたが、明確な説明もありませんでした。だまし討ち的な法律改正案です。このような法律改正をすべきではありません。 まず、お聞きをいたします。なぜ女性天皇は駄目なんですか。
○国務大臣(木原稔君) 皇室典範改正については、六月十日、国会において、衆参両院正副議長の下、立法府の総意として議論の取りまとめが行われたところです。そこでは、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについて、立法府としてもこれを確認する、その上で、議論のとりまとめを基に法制化することを求めるとされております。 政府としては、それに沿って忠実に法案を作成した、その結果、現在のような法律改正になっているところでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 全く答えになっていません。なぜ女性天皇は駄目なのか。答えになっていません。
○国務大臣(木原稔君) 日本国憲法第二条、そしてそれに基づく皇室典範第一条、二条に基づいて、今回の法改正の礎となったところでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) これまた答えになっていません。 ここは国会です。立法府が皇室典範を改正して、女性天皇を認めることは十分できます。なぜ駄目なのか。答えていないですよ。
○国務大臣(木原稔君) 皇位継承については、先ほど申し上げましたが、日本国憲法第二条において、皇位は世襲によるものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承するとされております。 その上で、皇室典範第一条においては、皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承すると規定されているところでございます。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 全く答えになっていません。憲法は世襲制としか書いてありませんし、皇室典範、今やっているように、改正すればできるじゃないですか。 女性はなぜ天皇にはなれないのか。一八八二年、東京横浜毎日新聞には、自由民権論者たちの、女帝を立つるの可否の大論争が載っています。女性を天皇にすべきではないという反対論者は、天皇は至貴至尊、至るに貴族の貴、至るに尊敬、至貴至尊、つまり唯一で最も尊い者のはずなのに、女性が天皇になると、夫は妻よりも偉いから、一番偉いはずの人により偉い人がいて、秩序基準が乱れると主張しています。 また、戦前の皇室典範二十三条は、皇族女子の摂政に任ずるはその配偶あらざる者に限るとしていました。つまり、独身の皇族女性は摂政になれるが、夫がいたら摂政になれません。皇室典範義解は、その理由として、けだし、その夫に従うの議と並行すべからざればなりとしています。結婚した皇族女性は夫に従わないといけないので、摂政になれないんです。男尊女卑じゃないですか。家父長制じゃないですか。 今、二〇二六年、男女平等で、女性天皇を認めるべきだ。いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) 私どもは、令和三年の有識者会議の報告、これを尊重しているところです。 皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については制度的な安定性が極めて重要であるということ、今に至る皇位継承の歴史を振り返るときに、次世代の皇位継承者がいらっしゃる中でその仕組みに大きな変更を加えることには十分慎重でなければならないということ、また、現行制度の下で歩まれてきたそれぞれの皇族方のこれまでの人生を重く受け止めなければならない、また、悠仁親王殿下の次代以降の皇位継承については具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させると、そういったことが示されました。 政府としては、こういった報告の内容を尊重した結果、そして今回の全体会議における承認されたとりまとめ、これを踏まえて、今回の法改正、提出させていただいたところです。
○委員以外の議員(福島みずほ君) 国民の総意、国民の気持ちともう本当にずれていますよ。禍根を残すと思います。 男系男子の養子縁組について、養子は典範第二条の適用外にしたにもかかわらず、同じ系に属する養子の子には自動的に二条を適用するというのはおかしいです。
○委員長(松山政司君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○委員以外の議員(福島みずほ君) この養子縁組も恣意的になり、禍根を残すということを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(松山政司君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会をいたします。 午後一時五十九分散会
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