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国会会議録

デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会

第221回 · 参議院 · 第3号 · 2026-04-15

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-29 17:28 JST 記録 #3491 ↗

発言 155

会議録情報

令和八年四月十五日(水曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十五日     辞任         補欠選任      鈴木 大地君     こやり隆史君      出川 桃子君     井上 義行君      西田 英範君     長谷川英晴君      東野 秀樹君     江島  潔君      若井 敦子君     加藤 明良君      郡山りょう君     古賀 千景君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松下 新平君     理 事                 船橋 利実君                 星  北斗君                 岸 真紀子君                 礒崎 哲史君     委 員                 井上 義行君                 江島  潔君                 加藤 明良君                 こやり隆史君                 鈴木 大地君                 出川 桃子君                 西田 英範君                 長谷川英晴君                 東野 秀樹君                 若井 敦子君                 郡山りょう君                 古賀 千景君                 広田  一君                 平戸 航太君                 司  隆史君                 上野ほたる君                 新実 彰平君                 岩本 麻奈君                 大門実紀史君                 伊波 洋一君                 安野 貴博君    国務大臣        国務大臣        (デジタル大臣) 松本  尚君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(クール        ジャパン戦略、        知的財産戦略、        科学技術政策、        宇宙政策、人工        知能戦略))   小野田紀美君    副大臣        内閣府副大臣   鈴木 隼人君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        若山 慎司君    事務局側        常任委員会専門        員        三瓶 朋秀君        常任委員会専門        員        高野 智子君    政府参考人        内閣府知的財産        戦略推進事務局        長        中原 裕彦君        内閣府科学技術        ・イノベーショ        ン推進事務局統        括官       福永 哲郎君        内閣府科学技術        ・イノベーショ        ン推進事務局審        議官       恒藤  晃君        警察庁長官官房        審議官      阿部 竜矢君        デジタル庁統括        官        蓮井 智哉君        デジタル庁統括        官        楠  正憲君        デジタル庁統括        官        三浦  明君        デジタル庁統括        官        荻原 直彦君        デジタル庁総括        審議官      森田  稔君        総務省大臣官房        審議官      坂越 健一君        厚生労働省大臣        官房審議官    榊原  毅君        経済産業省大臣        官房審議官    奥家 敏和君        国土交通省大臣        官房審議官    原田 修吾君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等に関しての総合的な対策樹立に関する調査  (デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等の基本施策に関する件) ○人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第四〇号)(先議)     ─────────────

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) ただいまからデジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等に関しての総合的な対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府知的財産戦略推進事務局長中原裕彦君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等に関しての総合的な対策樹立に関する調査を議題とし、デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 自由民主党の若井敦子でございます。  本日は、大臣所信に対する質疑の機会をいただきました。誠にありがとうございます。  これより早速質問を入らせていただきます。よろしくお願いいたします、よろしくお願いいたします。  急激な人口減少と少子高齢化、そして労働力不足は、需給の両面から我が国の経済成長を確実に制約をしています。さらに、地方においては、人口密度の低下により公共サービスの生産性が低下し、自治体運営そのものの持続可能性すら懸念がされているところでございます。  だからこそ、今、手を打たなければなりません。産業競争力を高め、持続的な経済成長を実現し、併せて公共サービスを将来にわたって守り抜くためには、デジタルの力を最大限に活用し、社会そのものを変革していくことが不可欠であります。今こそ官民が一体となり、オールジャパンで果敢にDXを推し進めるべきときであり、この認識を我が国全体で共有し、行動に移していかなければなりません。  とりわけ人工知能、AIはその中核を担うものであります。AIの利活用と研究開発を加速させ、経済社会構造を変革し、新たな付加価値を生み出していく、地域イノベーションを国家戦略として力強く推進していくことが今まさに求められております。  地方自治体においては、技術系職員数が年々減少をし続けており、高度な専門性を要するインフラ維持管理に支障が生じる事例が発生しており、極めて厳しい現実に直面をしているところでございます。  また、地域住民、この住民生活に直結する行政サービスにおいても同様に、限られた職員で業務を担う体制は既に限界に達しています。従来の人手依存型行政運営は持続可能性を失いつつあることから、デジタル技術、とりわけAIの利活用による業務の効率化と高度化への転換が求められます。  私の地元である岐阜県内の自治体においては、業務の効率化やインフラ点検へのAI画像解析の導入など、具体的な成果が現れております。一方で、小規模な自治体においては、予算や専門人材の不足により、導入すら、この導入の検討すら厳しい状況にあり、AIの利活用の二極化が顕在している現状にあります。  このようなことから、昨年、AI活用研究会を立ち上げ、市町村支援を重点分野に位置付け、ぎふDX支援センターにAIアドバイザーを置き、市町村への支援体制を強化するなど、独自でAI利活用の努力を重ねているところであります。  しかしながら、地方自治体の努力のみに委ねるのではもはや限界が来ていると感じております。やはり、オールジャパンで国が主導して、実効性のある支援策を講じることが不可欠ではないでしょうか。  現在、政府ではガバメントAI「源内」の実装が進められており、地方自治体へのこの展開も視野に入れておられるとのことですけれども、それは小規模な自治体であったとしても、低コストで安心してAIを利活用できる仕組みでなくてはなりません。ガバメントAIの取組をこれから進めていくに当たり、政府として責任を持ってAIを利活用するための支援を進めるべきと考えておりますが、松本大臣の御所見をお伺いさせてください。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) おはようございます。  今委員御指摘のとおり、オールジャパンでDX、特に今はもう既にAXの時代だと思いますけれども、進めていかなければいけないと思います。とりわけ、地方自治体にはこれができる自治体とできない自治体があって、一人情シスなどのような、なかなかAXを進めるのには難しそうな自治体もたくさんあるということは事実でございます。  デジタル庁としては、そういった自治体をできるだけすくい上げる、支援をするために、三つの取組をこれからやろうと、もう既に始めているんですが、考えております。  一つは、AIの「源内」の大規模実証事業をこの五月から本格的にスタートするわけですけれども、そういったノウハウ、成果とかノウハウについてを地方自治体に積極的に共有するというのが一点。  二点目は、「源内」を構成しますソフトウェアの一部について、これを誰でも使用できるように無償で一般公開するということを考えております。それによって、各自治体の方が「源内」と同様の生成AIの利用環境をつくれるように後押しをしていきたいと思っています。  三つ目は、自治体の職員さんが国にいろいろと問合せ業務がたくさんあって、とりわけ、例えば通知の数でいくと厚労省なんかは物すごい通知があるんですけども、そういったものを、その政府文書のいわゆる検索、整理、分析を生成AIを使ってできるように我々としては準備をしています。それを進めることによって、地方自治体側の検索とか分析等々の手助けをしてあげようというような、この三つの取組を今使って、生成AIの利活用を進めていただくということをこれから進めていこうと思っております。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。  「源内」のこの実証事業で得られたノウハウをしっかりと各自治体に生かされていくことを心から御期待を申し上げます。ありがとうございました。  ここで、このガバメントAIの取組を前に進めていくに当たり、配慮しなければならない点があると考えております。それは、各自治体においては条例や規則がそれぞれ異なることから、この地域の実情に即した業務運用が今現在行われているわけであります。加えて、人口規模や財政状況、この職員の体制の違いによって、抱える課題や優先順位も大きく異なっているのが実情でございます。  そのため、自治体におけるAI利活用の推進に当たっては、この現場の実態や職員の声を十分に踏まえて、きめ細やかに、かつ丁寧にその対応を図っていくことが重要と考えておりますが、この点について松本大臣の御所見をお伺いさせてください。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 現場の声をきっちり聞いていくというのは、それは政府としての役目だというふうに思っています。条例、規則、そういったものが地方地方で異なりますし、そういった多様性に対して、個別に我々もその事情を把握しながら対応していくことが必要だと思います。  先ほど三つの取組をお話ししましたけど、この三つの取組も、実は地方自治体にいるCIOの方々に意見を聞いてこの三つの取組を始めるというふうにしたものでありまして、我々としては、ふだんから、平時から地方自治体の皆さんの意見をしっかり吸い上げて、そしてそれを政策にして返していくという、そういう、ある意味エコシステムというんですかね、循環をこれからも続けていきたいというふうに思っております。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。  自治体の実情に御配慮いただきながら支援の在り方を御検討いただけるということで、是非そのように進めていただきますように、よろしくお願いを申し上げます。  続いて、民間企業におけるAIの利活用についてもお伺いをさせていただきます。  日本の経済を支えているのは民間企業であります。しかし、民間企業においてAIの利活用が進んでいないのが実情であり、AIを柱とした新たな経済成長モデルの構築を実現させていくためには、この民間においてもいかにAIの利用率を高めていくのかが極めて重要であります。  とりわけ、人材や資金に余力のある大企業とは異なる中小企業また小規模事業者においては、AIの導入のハードルが依然として高いとの声が聞こえてきます。その結果、AIを使いこなせる企業とそうでない企業の間で生産性や競争力における格差が拡大することが懸念をされています。人口減少が進む我が国において持続可能な経済社会システムを実現するためには、こうした企業間の格差を是正し、AI利活用の底上げを図ることが必要であります。  そこで、民間企業におけるAI利活用の課題をどのように認識されておられるのか、また、その解決策についても政府の御所見をお伺いさせてください。

福永哲郎 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官

○政府参考人(福永哲郎君) ありがとうございます。  議員御指摘のとおり、人手不足などの課題の解決、更に言えば、我が国経済の力強い成長を実現していくためには、中小企業を含め、あるいは地域全体で幅広くAIの利活用を広げていくことが重要であると、そういう認識を持っております。この点、昨年末取りまとめましたAI基本計画でも力強く位置付けております。  ただ、御指摘のとおり、民間企業におけるAIの利活用促進、いろいろ課題があります。例えば、AI導入の具体的な効果や手法への認識の不足、更に言えば、様々なリスクを懸念される向きもある。加えて、AIを活用して経営改革などを推進できる人材も不足している。特に、地方の中小企業等においては、人材の、特にAIを実装する人材の育成、確保に大きな課題があるという点を強く認識しております。  こうした点も踏まえながら、現在、政府では、実はちょうど今年度から、IT導入化補助金と言っていたのをデジタル化・AI導入補助金という形に変えまして、中小企業におけるAI導入を積極的により強く推進していますし、信頼できるAIづくりという意味ではAI法で一生懸命頑張っています。加えて、まさに人材という面でAIリスキリングなど、人材育成に対する支援等をしっかりとAI基本計画、先ほど申し上げたように位置付けて取り組んでいます。  ただ、引き続き、中小企業に対する伴走支援の強化など、関係省庁と連携しながら、地域や地方の中小企業を含めてAIの利活用促進に努めてまいりたい、そう思っております。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。  引き続き、民間企業のAIの利活用の推進に一層の御尽力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。  続きまして、Gビズポータルに関してお伺いをさせていただきます。  松本大臣は所信の中で、このGビズポータルを中心に、認証機能のGビズIDや、行政機関への電子申請窓口であるe―Gov、また補助金の申請システムであるJグランツ等を活用してデジタル化を加速すると述べられました。  民間企業や事業者の方々が事業を展開するに当たり、補助金を始めとする様々な支援制度が設けられております。例えば、先ほども御答弁の中にいただきましたけれども、中小企業・小規模事業者が業務効率化に向けてITツールを導入するための経費の一部を補助する、先ほども出ましたデジタル化・AI導入補助金もその一つであります。  しかしながら、本補助金を活用してAIを導入し事業の拡大を図ろうとしても、この制度が非常に複雑になっている。その上、申請書類等の手続が極めて煩雑であって、社内の中では対応が困難であるということでこの申請を外部の代行業者に依頼すると、そこで費用負担も生じる。結局、このAI導入に踏み切ることが現実的に厳しいという声が上がっております。  我が国は、民間企業の九九・七%が中小企業であり、その約七割の雇用を担っております。地域の中小企業の生産性向上なくして日本の稼ぐ力の回復はあり得ません。AIの恩恵を一部の大企業にとどめることなく全国の事業者の方々に隅々まで行き渡らせるためには、手続の抜本的な簡素化に加え、申請から運用に至るまでのプロセス全体を支援する伴走型支援の強化が不可欠であります。  このような中、本年三月、デジタル庁においてGビズポータルのアルファ版がリリースされました。  そこで、お伺いをいたします。  このGビズポータルはどのような目的で開発されたものなのか、また、補助金申請における手続上の障壁を解消し得る仕組みであるとするならば、これが広く利用できるように普及していくべきと考えておりますが、松本大臣の御所見をお伺いさせてください。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。  お尋ねのGビズポータルでございますけれども、中小企業・小規模事業者の方からよくあった指摘が、自分に合った補助金手続が見付からない、必要な手続やその申請方法が分からない、申請の途上で紙の資料を何度も往復させなければならないなどの、何だろう、苦情じゃないですけど、問題点を指摘されていたところです。そういった許認可とか補助金申請等の行政手続を一元化して一つの画面の中で全部できるようにということを目的としてつくられたのがこのGビズポータル、現在アルファ版でございますけれども、これであります。  それで何ができるかというと、府省庁横断的にどういった補助金があるかなどの検索ができる機能、それから、士業者、行政書士の方々がそうだと思うんですが、士業者の方々と、それから行政機関と、そして事業者の方々と情報共有できる電子ロッカー、まあロッカーですな、棚みたいなものですけど、それの機能、そして、自分がやりたいこと、例えばGビズポータルではカフェを開きたいというようなことを例示しておりますけれども、そういったことをやりたいという方々に対して、何から始めて何で終わるかといったことを、しっかりと手続が一度に見られるようないわゆる手続ジャーニーの機能と、この三つを備えているところです。こういうものを多く活用していただくことによって中小企業さんの支援をする、あるいは新しく起業されようとする方々の支援をしていこうというのが大きな目的でございます。  これは、やはり中小企業さんにも知ってもらわなければいけませんし、それを期待をして、まさに、まさに今日午後、全国商工会連合会の会長さんとそれから商工会議所の方々に私が直接お会いして、使ってくれということをお願いをする予定でした。全く委員の、議員の質問の日にたまたま当たったんで非常にタイムリーなことだと思っておりますけど、今日午後、皆さんにお会いして、しっかりとこれをお願いをしてこなきゃいけないと思っています。  もう一点、良い機会ですので、この場を借りてお願いをしたいというのは、中小企業の皆さんにはこのGビズIDを取っていただきたい。これ取っていないとスタートができないので、是非これ、中小企業の皆さんにGビズIDをちゃんと取ってもらえれば、より一層皆さんの支援ができるというふうに思っております。  ありがとうございます。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。  せっかくいいシステムですので、このGビズポータルが事業者の方々の現場に届き、そして発展されていくことを心から御期待を申し上げます。  続きまして、より利便性の高いデジタル行政サービスを提供するためのGビズポータル拡張の可能性についてお伺いをさせていただきます。  AIは、単なる対話ツールにとどまらず、複数のシステムを横断して自律的に目的を達成するAIエージェントへと進化しつつあります。このAIエージェント時代の到来は、行政、産業、地域社会、この在り方そのものに変革をもたらす転換点であると私も認識をしているところでございます。  昨年十月、Gビズポータル内のJグランツ補助金検索システムにおいて、AIとこの様々なシステムをつなぐ仕組みであるMCP、モデル・コンテキスト・プロトコルを使用した実装例を展開して、大きな反響を得たとお聞きをいたしました。  従来、行政サービスはシステムごとに手続が分かれており、利用者は制度や申請方法を個別に理解する必要がありました。これに対し、AIエージェントの活用により、利用者の状況に応じて適切な制度を選択し、必要な手続を一体的に支援することで目的の達成が可能となります。今回の取組は、AIエージェント時代の到来に向けたまさに大きな一歩であると受け止めております。  この取組は、事業者や国民の利便性向上にとどまらず、行政の業務効率化や負担軽減にも資するものであり、人口減少が進む中にあって、持続可能な行政運営の観点からも極めて画期的なものであります。今後、これらの取組を推進し、更なる展開へとつなげていくことでデジタル行政サービスの利便性が一層向上するものと考えます。  そこで、本件のMCPの事例をJグランツにとどめることなく、Gビズポータルを利用してe―Govを始めとする各種デジタル行政サービスをMCPとして提供し、AIによる横断的な支援を可能とする方向で拡張していくお考えがあるのかどうか、政府の御見解をお伺いさせてください。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  ただいま委員に御紹介いただきましたMCPでございますけれども、昨年の十月二十四日、私どもデジタル庁の方で提供を開始させていただいたところでございます。このMCPでございますが、対話型のAIと様々な外部システムをつなぐための共通の窓口に当たる仕組みでございまして、AIがその窓口を通じて行政を含む様々な情報にアクセスできるようになると、こういう仕組みでございます。今回の実装例につきましては、このMCPを通じてJグランツと対話型AIを接続すると、こういう形を取っているところでございます。  具体的には、事業者が契約をされている対話型AIをMCPに接続いただきまして、例えば、こういう設備投資をしたいのだけれども、使えるような補助金はあるのかといったような形で質問をいただきますと、AIの方でJグランツ上の補助金情報を検索をいたしまして条件に合いそうなものを案内する、こういう仕組みとなっているところでございます。  御指摘いただきましたとおり、対話型AIが単に情報を提供するということにとどまりませんで、外部システムに接続しながら申請の支援をしていくと、こういったいわゆるAIエージェントの実現につながる可能性があるものというふうに承知をしているところでございます。  このMCP、今委員に御指摘いただきましたとおり、Jグランツにとどまらず、更に拡張していくかどうか、他の行政サービスに拡張していくかどうかという点につきましては、技術的な動向、あるいはそのセキュリティーですね、様々な個人情報に触れる可能性もありますので、そういった論点にも十分に配慮しながら、関係機関とも連携して検討を進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。  以上です。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 ありがとうございます。  御検討を進めていただけるということで、前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございました。私は、システムは整えるだけではなく必要な人に確実に届いてこそ価値が生まれると考えております。今後のお取組に御期待を申し上げます。  続きまして、AIの安全性を確保するための機関、AIセーフティ・インスティテュート、今後はAISIと呼ばせていただきますが、このAISIについてお伺いをさせていただきます。  ここまでは、AIの利活用の推進の重要性についてるる述べてまいりました。しかし一方で、AIの利活用に当たってはハルシネーションやサイバーセキュリティーといった技術的リスクが存在いたします。これらのリスクがANEWの導入や利活用を阻害する要因の一つとなっています。だからこそ、今こうしたリスクへの適切な対応と信頼性の確保が求められているところであります。  特に、行政分野においては、誤った情報の生成、いわゆるハルシネーション、これが住民サービスに直接影響を及ぼすおそれがあるほか、個人情報や機密情報を取り扱うことから高度な安全性の確保が不可欠であります。このため、AIの利活用を推進するに当たっては、適切なガバナンスの下でリスクを管理して活用していく視点が重要となることは言うまでもありません。こうした取組を通じてこそ、AIの利便性と信頼性の両立が図られ、社会全体への実装が着実に進展するものと考えます。  政府においては、安心、安全で信頼できるAIの活用の実現に向け、二〇二四年二月にAISIが設立され、AIの安全性やセキュリティーに関するガイドライン、評価ツールの整備が進められているところであります。  AIの技術の急速な進展と利用者の拡大を踏まえれば、AISIの果たす役割は極めて重要であります。とりわけ、ハルシネーションやセキュリティーリスクの対応、また、さらには国際的なルール形成を見据えた基準の策定においても、AISIの機能強化と体制の充実は必須であると考えます。  そこで、この日本のAISI、日本AISIの抜本的機能強化に向けて、今後どのように体制を整備し機能強化を図っていかれるのか、政府の御所見をお伺いさせてください。

福永哲郎 内閣府科学技術・イノベーション推進事務局統括官

○政府参考人(福永哲郎君) 議員から御紹介いただきましたとおり、AISIの機能強化は喫緊の課題であると政府としても強く認識しております。昨年末に策定したAI基本計画においても、重要施策として位置付けております。その際、高市総理からも、抜本的強化を図れという御指示もいただいております。  具体的には、AISIの体制を、現在、令和七年度補正予算を活用しながら、まずは、現状三十名体制なんですが、これを六十名以上に強化するということで取り組んでおりまして、更に言えば、業務的にも、サイバーセキュリティーなども含めて、AIセキュリティーの観点も含めて分析、評価する機能の整備に取り組み始めたところでございます。  引き続き、AI技術の進展、すさまじい進展があるわけですが、加えて、委員言及のとおり、利用者の方々の様々なニーズに対応できますように、関係省庁のみならず、国内外関連組織との連携、更に言えば、諸外国のAISIとも連携しながら機能強化を強力に進めていきたい、そういうふうに考えております。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。  AISIの今後のお取組、心から御期待を申し上げます。よろしくお願いいたします。  それでは、最後の質問に入らせていただきます。  今後、AI技術がますます進化をし、近い将来にはAIを当たり前のように利用し、AIが自律的に目的を達成する時代を迎えます。その中で、人とAIが協働する社会をいかに構築していくのかが重要な課題であります。  もとより、現在の制度や社会の仕組みというものは、AIの本格的な普及以前に形成されたものであります。だからこそ、人とAIの協働社会を実現するためには、既存の制度や仕組みを見直し、時代に即した形へと転換していく必要があります。また、AIが雇用に与える影響を的確に捉え、全ての世代が職務の変化や新たな働き方に対応できるよう、教育やリスキリングを確実に推進していくことが重要であります。  さらに、AIの利活用や開発を担う人材の育成、確保は不可欠であり、政府が責任を持ってその質と量、この両面から計画的に取り組むべきであります。特に、次世代を担う子供たちについては、AIが心身の発達に与える影響やAIリテラシーの向上を図る教育の在り方など議論が必要です。  同時に、AIが当たり前となる時代において忘れてならないのは、人間の価値、すなわち人間力であります。AI社会においては、速さや正確さだけでは個人差は生まれません。対人的な影響力、信頼を築く力、またチームを動かす力、創造する力、これらはAIは代替することができません。ここに人間の存在価値があります。  AIは人の痛みを知ることはできません。同時に、喜びや他者への思いやりといった感情を自らのものとして感じることもありません。そうした中でAIは答えを示します。人は困難に向かい合い、たとえ時間が掛かったとしても、懸命に解決へと歩み続けるからこそ成長し、強くなることができるということも忘れてはなりません。  AIは最適解を示すことはできても、それを選び、責任を負うのは人間であります。だからこそ、AIを使いこなすスキルだけではなく、規範意識や倫理観といった人間としての基盤がこれまで以上に問われる時代となります。AIが進展するほど、最後に問われるのは人間力であります。  そこで、最後の質問です。  AI時代の人間力についてどのようにお考えか、また、AI時代の人間力を高めるためにどのような方向性で施策を講じていかれるのか、小野田大臣に御所見をお伺いさせてください。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) 議員御指摘のとおり、AIを活用して社会課題の解決や経済成長を実現していくために、制度や社会の仕組みを見直すこと、そして、新しい働き方へ移行を推進すべく対策を講ずること、AI人材の育成、確保をすること、いずれも重要だというふうに考えております。  御指摘の人間力についてですけれども、AIの技術が進歩し、情報収集だけでなく、課題の解決など様々なことをAIでできるようになると考えられる中で、おっしゃっていただいた想像力、思考力、判断力、適応力、コミュニケーション力など、AIができない人間ならではの能力、すなわち人間力がますます重要になると考えています。  こうしたことから、昨年十二月に閣議決定したAI基本計画の中でも、人間力を育む環境整備の推進、人間ならではの力を伸ばしつつ、AIとともに課題を解決できる人材の育成、AI時代にふさわしい働き方の方向性の検討などを行うこととしているところです。  こうした取組を更に強化していくために、先週九日に開催した第四回AI戦略専門調査会においても人間力について議論を深めたところであり、有識者の方からは、AIを前提とした社会に向けて人としていかに主体的に行動できるのか、すなわち人的主体性の重要性などが指摘されたところです。  AIの専門家の先生が集まっていらっしゃったんですけど、その議論を聞いていると、やっぱり結局そこ、人間力というのがなくては、AIはあくまで手段とか、AIを使うことが目的じゃなくて、人間の目的をかなえるためにそれを使う、手段でしかないので、AIは道具なので、そこを使いこなす人間がいかに能力がちゃんと高めていけるかというのが非常に重要なんだと改めて私も認識したところです。  引き続き、有識者の意見もいただきつつ検討を深めて、関係省庁とも連携しながら、人間力の強化、これに向けた取組を推進してまいりたいと考えます。

若井敦子 自由民主党・無所属の会

○若井敦子君 非常に小野田大臣の御答弁に感動いたしました。やはり私も、人間力、これなくして社会の発展はないと認識をしております。  今後、デジタル化が一層加速して本格的なAI時代を迎えるに当たり、社会はますます便利になっていくと思います。しかし、その便利が本当に私たちの幸せに直結するのでしょうか。その利便性の向上が、私はこの幸せに直結するとは考えられません。  先ほども申し上げましたとおり、AIは人の痛みや喜び、そして他者を思いやる感情を自らのものとして体験することはしません。AIはあくまでも答えを示すだけであります。これに対し、困難に直面した際、たとえ時間が掛かったとしても、解決へと苦労しながらも歩むことによって成長し、強さを身に付けていくのが人間であると思います。私もその一人でありました。  AIが進展する時代ほど、最終的に問われるのは人間力であります。この人間力をしっかりと生かされた、まさに心の通う温かいAI、デジタル、AI社会を、この現実を心から願っております。  そして、実は私、AI、デジタルとは対極的にいる存在の人間でございました。これからは、先ほど皆様から御答弁いただいたように、私でもAIをしっかりと活用できる時代が到来をします。これは、いわゆる障害をお持ちの方も、そして御高齢の方も、デジタルが苦手だった方々にとっても、これは住みやすい時代に変わっていくと思います。  全員が参画できる心温まる社会の実現に向けて、そんな時代が来ることを心から願い、私の質疑を終わります。  ありがとうございました。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 立憲民主・無所属会派の岸真紀子です。  松本大臣は所信で、医療DXについて、標準型電子カルテの開発と民間電子カルテの標準仕様作成を推進すると述べられました。  政府はこれまで、マイナ保険証による健康医療情報の連携が、私から言うとあたかも医療DXの基盤となるようにお話をしてきたところでございますが、立憲民主党としては、前々から、やっぱりこのマイナ保険証というのはあくまでも手段の一つであって、医療DXを進めるのであれば、電子カルテの共通化など、やっぱり全国の医療情報のプラットフォームの構築が重要であるということを訴えてきました。  今回大臣が所信で述べられたことは、電子カルテの共通化と捉えてよいのでしょうか。そしてまた、こういった取組は具体的にどのぐらいの期間を想定しておられるのか、最初にお伺いいたします。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) まず、この紙のカルテを単に電子化するだけが電子カルテ化ではないわけですよ。これはもう委員も当然御承知のことだと思います。それを横でつなげる、要は医療情報の共有をするということと、それからもう一つはセキュリティーですね、医療情報を守るという点において電子カルテ化というのを進めなきゃいけないと思っています。ですから、この二つが達成されるのであれば、これは別に全部統一した同じ電子カルテを使う必要は恐らくないでしょう。  ただ、問題だったのは、この各医療機関が勝手にカスタマイズをする、これを始めたものですから、残念なことに電子化が、電子カルテ化というのはもう非常に後れを取ってしまったということが一つあります。これは僕も現場にいたのでよく分かっていて、自分の業務をシステムが変わったからといって変えたくないのが医者のさがで、僕もそうでした。反省しています。  今、私は、ある意味、デジタル大臣として医療DX進めなきゃいけない立場として、全国のお医者さんにあえてここで申し上げますけど、システムを業務に合わせるんじゃなくて、自分たちの業務をシステムに合わせてもらうということをまず第一義としてこの電子カルテ化を進めていきたいと思っています。ここは絶対に譲れない一点だという覚悟で進めていきたいと思っています。  その上で、まだ電子カルテが入っていないようなところは、このクラウドネイティブな、いわゆるクラウド化するということはセキュリティーを高めるということと同義だと思っていただいて結構なんですが、そのクラウドネイティブな標準型電子カルテの導入版をこれから、今年中には完成をいたしますので、今年度中には、これを一気に広げていきたいと思っております。  そして、もう既に入っているところに関しては、ここはしっかりこの情報の共有を中に入れてくれなきゃいけません。そして、セキュリティーも高めなきゃいけませんので、そして、なおかつカスタマイズはしないということをちゃんと担保した形での標準仕様書を策定し、広げていくということを今考えています。  いつまでというお話がありました。昨日も、この議論をしている中においては、そろそろちゃんとこのプロセスをいつまでに広げていくかということを、ロードマップをちゃんと作れということは、昨日、担当には指示をしたところでございます。  以上です。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 大臣、ありがとうございます。かなりちょっと踏み込んで、御自身の経験も踏まえておっしゃっていただいたと思います。  ただ、大臣もおっしゃったとおり、やはり、いろんな使う側の方々の声というのは、かなりいろんな抵抗があるというのは承知をしながらも、やはりこの利用者、要は患者の皆さんが自分の情報を連携を取って医療提供がしやすくするというのがやっぱり目的だと思うので、そこは、いろんなことは現場の声も聞きながら丁寧にはやっていただきたいものの、どこかでやっぱり利便性ということを考えていかなきゃいけないのかなというふうに考えているところです。  私はこの間、やっぱりマイナ保険証にこだわらない方がそういった医療連携というのはできるんではないかということをずっと質問してきたところなんです。あくまでもやっぱりデータの連携の話なので、本当であれば、物質的なマイナンバーカードにこだわるというよりは、マイナンバーという個人が特定できる番号ができたので、そういったところで、法律改正はしなきゃいけないけれども、そういうことをやっていくことが必要だったのではないかと考えているところです。  昨年十二月時点のマイナ保険証の利用率というのは六三・二%と上がってきてはいます。とはいえ、やっぱりまだ約四割の方がデータ連携の恩恵を受けられていないので、これちょっと残念だなと思っているところです。一度動き出してしまったから、なかなかこのマイナ保険証の進めるというのを戻ることはできないかもしれませんが、利便性の観点でいえば、どこかでこの検証であったり見直しをすることも必要ではないかと考えるんですが、大臣はどのようにお考えでしょうか。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) このマイナ保険証を通して医療連携をしようということでございます。  一番そのマイナ保険証を介することのメリットというのは、本人確認が確実だということでございます。医療連携をするということは、いろんな医療機関がある一人の患者さんの情報を共有するということでございますけれども、そのときの入口としてマイナ保険証を使うことによって、誰の情報なのかということを確実に把握ができると。  これは、例えば違うものを使っている、マイナ保険証というのは最も強い本人確認なんですけど、マイナンバーカードそのものが、ですから、ほかのものを使ってやると、結局番号だけであったりとか名前だけであったりとか、そういったことになると、間に悪さをしようという人が出てくれば、そこで同じ人の名前のはずなのに違うデータでやり取りしたりとか、一つのデータを違う人の名前でやり取りしたりとか、そういうようなことも起こり得るわけでございまして、医療連携をセキュリティーを高めた上で進める上では、このマイナ保険証というのを利用というのが最も、何というかな、確実であるということであります。  所感を述べろということでしたので、マイナ保険証と医療連携について述べればそういうことになるかなと思っております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 セキュリティーの問題と本人確認ということが重要だからマイナ保険証を使う、マイナ保険証というかマイナンバーカードを使っていくということが重要だというふうに述べられたというふうに思っています。  私もマイナ保険証を利用したい方は使っていただくというのはすごくいいと思うんです。でも一方で、さっきも言いましたが、残念ながら四割の方がなかなか使っていないと、使えない状況にもあるというところと、実は先日、総務委員会に所属されている委員がちょっとかぶっているのでいらっしゃるんですが、重複しているのでいるんですが、その総務委員会の中でもこんなある議員が述べた事例があって、その方は積極的にマイナンバーカードを発行してきた方なんですが、今、残念ながらそのマイナンバーカードの更新に時間が掛かっていて、自治体の窓口が予約が取れないということだったり、いろんなことが重なって、残念ながら、結局マイナンバーカードが失効してしまった状態で、なおかつ、健康保険証としてもこの間ずっと対策を取ってきていただいているので、例えば、マイナ保険証が切れても、三か月でしたかね、三か月だったかな、三か月以内は暫定利用可能と柔軟な対応はしてもらっているんですが、それも超えてしまったというふうになっているんです。なぜかというと、やっぱり二月、三月、四月ってすごく自治体の窓口混んでいて、それで予約を取り直したところ、その期限内に収まらなかったという事態が発生しているというのがこの間の質問だったんです。  これ、本当に、結構そのJ―LISの発行とか郵送期間の遅れとか窓口混雑など複数の要因が重なっているということもあるんですが、マイナ保険証もやっぱりちょっと今でいうとまだ問題があるかなというところと、楽になるんだと思っていたのに、その方が言っていたのは、やめておけばよかったと、資格確認書との併用持ちをしておけばよかったとその委員会の中でも言っていたところです。かえってマイナ保険証や政府のデジタル化への不信を私は招いているんじゃないかなというふうに考えています。  こういった事象をデジタル庁としても把握をしているんでしょうか。また、こういった事象をも想定した上での行政のデジタル推進と今後はしてほしいんですけど、その点についてデジタル庁としてどのようにお考えか、お伺いします。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  今お尋ねいただきました事案については、質疑も含めて報告は受けております。御迷惑をお掛けをしましたことについては非常に申し訳なく思っております。  マイナンバーカード、保有は一億枚を超えました。次は、更なるメリットを現実のものといたしまして、利用シーンの拡大というのをしっかり図っていきたいと、こういうフェーズに入っておるかなというふうに思っておるところでございます。  そのためにも、今おっしゃられていただいたような問題、例えばカードの交付の遅延ですとか遅れといったようなデジタル化の不信を招きかねないような事態というのは避けるべきだというふうに考えておりまして、その運用についても徹底してまいりたいというふうに思っております。  私ども、カードに関する、カードの交付については総務省の所管となっておりますところでございますが、健康保険証ですとかあるいは運転免許証がマイナンバーカードに一体化されたということから、デジタル庁と総務省に加えまして、厚生労働省、警察庁も交えて、課題の洗い出しと対策の検討というものを行っておるところでございます。  今後とも、デジタル庁といたしましては、総務省などと必要な連携を行いまして、一つ一つの問題に対して丁寧に向き合いながら、その安定運用に尽力してまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上です。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 今更言ってもしようがないんですけど、やっぱりポイント事業とかで、ポイントでみんな一斉に作らせたというところが失敗だったのではないかなというふうに思うんです。やっぱ利便性が上がってきて、御自身の納得で、同じ時期じゃないときに作っていればここまで大変な思いもしないんですが、集中してしまっているというのが今の遅れになってきていると思うんです。  次の質問が大事で、やはり今の現行のマイナンバーカードでは、更新に要する課題というのは解決できないんですよ。どんだけいろんなサポートをして、J―LISが頑張ったり、各自治体も夜間を開いたり、いろいろ努力はしているんですが限界があるので、私が期待するところは、やっぱり次期マイナンバーカードなんです。これ、この間もずっとしつこく質問してきていますが、現在のところどのような検討をされているのか、時期や仕様は決まったかどうかというのをお伺いいたします。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  次期マイナンバーカードのあるべき姿というお尋ねでございますが、令和五年九月に、私どもの方で次期個人カードのタスクフォースというものを設けまして、議論を行いました。その結果、約二年ほど前になりますけれども、令和六年の三月に最終的な取りまとめというのを行っておるところでございます。  この最終とりまとめにおきましては、利用者の利便性の向上を図る観点からも必要な事項というものを盛り込んでおります。例えば、電子証明書、今五年ごとに更新というのをお願いしておるところでございますけれども、電子証明書の有効期限をカード本体の有効期間に合わせまして十年に延長するといったようなことも記載されているところでございまして、国民の負担軽減というものを期待しているところでございます。  引き続き、この最終とりまとめを踏まえまして、誰もが持ちたくなるような魅力的なカードを実現するために、次期マイナンバーカードの導入に向けてしっかり検討してまいりたいと思っております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 是非、前々から私は、質問したときには五年を十年にするのはセキュリティーの関係で難しいんですと言われ続けてきたんですが、やっと技術の方も進歩してきて、更新ではなく十年でできるようにという努力をしていただいているというところでした。恐らく、券面とかも、いろんなところで問題になってきたことも含めて、より使いやすいものになってくるということを期待しておりますので、引き続き、次期マイナンバーカードはなるべく利用者にとっても自治体にとっても双方がトラブルが起きないような形にしていただきたいということを改めて要請をしておきます。  次に、マイナ運転免許証の関係についてお伺いをします。  昨年から私が質問で取り上げてきたマイナンバーカードと運転免許証の一体化については、運転免許証の更新手続に関するデジタル化という問題を自分が経験したので、今日は質問にします。  三月に誕生月を迎えまして、更新をしたんです。そのときに、住所地を管轄する公安委員会によっても異なるとは思うんですが、私、今年の二月より始まった即日交付のオンライン予約をやろうと思ったら、まず、接続ができないという。なぜできないのかも理由が分からないというような、そういう状態だったというところから始まり、はがきによる更新連絡書にQRコードがあって、そこからオンライン予約してくださいとなっているので、進むんですよ。進んで、やっとそのエラーがよく分からないけど何回かトライしているうちにつながって、できたんですが、今度は、はがきに書いてある予約用のIDとパスワードを入力して、IDについては数字だけだったんでスムーズに入力できたんですが、パスワードです。  これが、あらかじめ付番されていて、大文字、小文字、数字が入り混ざっているんです。QRコードだったんで、私はスマホでやったんですね。そしたら、アンドロイドの性能のことかもしれませんが、小文字と大文字を入力しようとすると、どうしても大文字に全部なっちゃったり小文字になっちゃったりということになっているんだと思うんです。  二十分もそのパスワードの入力ができなくて、そのできない理由というのが、入力した文字がすぐ黒丸になってしまう、分かりますかね、隠し文字になっちゃうんですよ。民間だと、いろんなところで何か目のマークみたいなのがあって見えるようにする機能ってあるんですが、残念ながらそのページにはなかったんです。だから、いつまでたっても自分が何を打っているか分からない。途中で私も、あっ、どこかでコピペして貼ればいいんだと思ったけど、その機能もちょっと自分の中で見付けられなくて、最終的には何とかクリップボードを使ってできたんですけど、非常に二十分も掛かってしまったという、その苦い経験があります。  例えばパスワード表示ボタンを付けるとか改善すべきではないかという、ちょっと細かい質問なんですが、ユーザーにとってみればすごく大事な質問なんです。  別な方に聞いたら、オンライン予約の日を、そこの東京の方はすぐできたんですが、今度、都合が悪くなったから変更しようと思ったら、これまたすごく不便だったそうなんです。  なので、行政なのでどうしてもユーザー目線の使い勝手が悪いのは仕方がないにしても、免許証の更新ができず失効してしまうと大変なので、せめてユーザーの目線で改善をしてほしいんですが、警察庁にその点について、使いづらさの苦情なども聞いているかどうかも含めて、お答えをお願いいたします。

阿部竜矢 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(阿部竜矢君) お答えいたします。  警察におきましては、運転免許証の更新手続に係るオンライン予約システムにつきまして、免許窓口の混雑緩和や申請待ち時間の短縮などのために各都道府県警察が実情に応じて整備、運用をしておるところでございます。また、各都道府県警察におきましては、必要に応じてその利便性向上に向けた改善を図っているところでございます。  こうしたオンライン予約システムを導入し、またその改善を図っていくことは国民の利便性向上に資するものでありますことから、警察としましては、引き続き利用者の意見にも耳を傾けつつ、より利用しやすいシステムとなるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 二月から始まったばかりなので、なかなかそういった苦情までは聞いてはいないと思うんですが、是非調べていただきたいなと思います。  ちなみに、混雑化は避けました。だから、とても良いとは思うんです。あとは、使いやすさだと思うので、引き続き、できれば予約もし直せるようにしていただきたい。ほとんどの方は、ぽっと空いた時間に、当日、もしキャンセルで空いているのであればそこに入れたいと思う方もいるので、そこまでできれば踏み込んで努力していただきたいなという希望でございます。  次に、オンライン更新時講習について、ユーザーの目線に立ったらなぜこんなことをするのかというのを去年も質問しているんですが、しつこく質問させていただきます。  まず、どんな方がオンライン講習の資格があるのか、お答えください。

阿部竜矢 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(阿部竜矢君) お答えいたします。  お尋ねの運転免許更新時のオンライン講習につきましては、マイナ免許証を保有しており、優良運転者講習又は一般運転者講習の受講者であれば受講することが可能となっているところでございます。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 次に、運転免許証とマイナンバーカードの一体化が開始してちょうど一年たったと思うんですが、その件数と免許保有者における割合、教えてください。

阿部竜矢 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(阿部竜矢君) お答えいたします。  令和八年三月末時点のマイナ免許証保有者は約二百九十三万人となっておりまして、令和七年末の運転免許保有者数の全体に占める割合は約三・六%でございます。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 意外と、更新時講習行っても、割とマイナ免許証を希望されている方は多いなというふうには考えましたが、全体の運転免許証の保有に対して三・六%というような実態の中で、次の質問に入ります。  優良運転者とか一般運転者が、該当する方が対象で、先ほど言ったように、マイナ保険証の保有とかマイナポータルでのマイナンバーカードとの連携とか、そういうことが条件だというふうになっているんです。言わば、運転免許証を持っているだけの人は駄目だというところなんですね。これ、やっぱりおかしいと思うんですよ。  去年も聞いたんですが、当時のデジタル大臣の平大臣にお伺いしたのは、これってユーザー目線になっていませんよねというふうに言ったんです。何を言っているかというと、わざわざマイナンバーカードに限定しなくても、本来は元々高いセキュリティーのある運転免許証なんですよ。皆さんも覚えていますか、二個の暗証番号登録されているんです。これ、これを使えば本人確認ができるんですよ。それを使えるようにした方が、よっぽどユーザー目線でいうと利便性が高いんじゃないかと。優良運転者とか一部の方になるけれども、その方はオンライン講習がそれで本人確認さえすればできるんですよ、マイナンバーカードにひも付けた方という限定をしなければというところです。  ちなみに、この運転免許証の二つの暗証番号を利用した電子証明というか本人確認については、別なやつでは、民間でもどんどん使ってくださいってこの間政府やってきたんです。私、つい先日、暗証番号忘れていたからできなかったんですが、無事に更新したので、もう一回暗証番号を登録してきたから、運転免許証の機能を使って、ゆうちょアプリというものがあるんですが、ゆうちょアプリの本人確認ができました。なので、いつでもスマホで振り込みができるとか、そういうことができる機能を有しています。  だから、それぐらい実は運転免許証の個人認証サービスもセキュリティーが高いんだから、ユーザー目線で考えたらこっちの方がすごく、オンライン講習をしたら、半日ぐらいいなきゃいけないんですかね、半日いなきゃいけない部分がもっと短縮になるよということがあったので、本来はこういうことがデジタル化なんじゃないですかというところをずっと私は疑問に思っているというところです。  松本大臣には、これは運転免許証の一例ではあるので、ほかの制度のことでお聞きしますが、各種の手続のデジタル化については、利便性とか費用面を考えて、マイナンバーカードに私やっぱりこだわらない方が実はいいところもあるんじゃないかと思うんですが、大臣はその点どうお考えでしょうかという質問です。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 政府がマイナンバーカードにこだわっているわけではないのだろうと承知をしているんですけれども、やはり一番確実な本人確認の方法というのがマイナンバーカードなんですね。  今議員御指摘のとおり、運転免許証も非常に強いカードではあると思いますが、電子証明ができるという点と、それから、例えば偽造をするかどうかという点においては、するかというよりできるかどうかという点においては、運転免許証は、まあ警察の方をそばにしてなんなんですけど、可能な場合がございまして、そういう点でマイナンバーカードが今、日本国内では最も強い本人確認証であることが一点。  二点目は、実はマイナンバーカード、もう既に一億人持っていまして、運転免許証持っている人よりも数は多くなっています。したがって、どうしても本人確認をいろんな場面場面においてしていこうとなると、マイナンバーカードを通してやってくださいということの方が一番確実にその多くのところをカバーできるという点においては、やはり我々としてはできるだけマイナンバーカードを使ってくださいねというふうにお願いをするということになろうかというふうに思います。  決して、でなければならないと言うつもりは全くございませんが、委員御指摘のとおり、いろんな場面があるとは思いますけれども、我々としては、そういったメリットがあるということはしっかりと国民の皆さんには伝えていかなければいけないと思っております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 松本デジタル大臣の立場としてはマイナンバーカードとおっしゃるかもしれませんが、どう考えても、今の運転免許証のオンライン講習をそこにしかできないというのは、本来は、運転免許証の券面だけでの本人確認は偽造されていることもたまにあるというのは承知しているんですが、電子の本人確認は破られていないと私は承知しています。なので、同じくらい高い証明ができるはずなのに、そっちの元々の自前のシステムを使わずしてなぜマイナンバーカードの、もう一回使い始めちゃったから、運転免許証の方も、じゃ、できるようにしてよといっても、これまた費用面も掛かるから、だから、私は余りこだわらない方がいいんじゃないですかというふうに考えているところです。  一度動き出したところでどう考えていくかというところは非常に難しいところではあるんですが、今後の全体的な政府のデジタル化を進めるに当たっては、それぞれの省庁が考えるべきところではあるけれども、丁寧にやっていかないと間違ったことになっていくというところですね。間違ったとは皆さん言わないかもしれないけど、私はちょっと、やっぱりユーザー目線で考えるとおかしなシステムだなというふうに思うというところです。  なぜこういったデジタル大臣に質問をするかというのは、先ほども言ったとおり、基本は主体となる所管省庁であったり自治体とはなるんですが、そもそもの視点で、今回の考え方はユーザー目線が私はやっぱり重要だというふうに考えています。言わば、私たちでいえば国民の皆さんが大事なんだというところです。だからこそ、デジタル庁は、デジタル推進の根幹としてユーザー目線の重要性も併せて関係省庁へ投げかけていくという重要性は、ここは大臣も共有していただけるかという質問です。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) もちろん共有いたします。  デジタル化の推進に当たっては、もちろん利用者にとって使いやすいかどうかというユーザビリティーですね、もう一つは、広範囲にそれがアクセスできるかというアクセシビリティーの、この二つが非常に重要だと思っています。  デジタル庁としては、各府省庁がシステム構築をつくっていく際に、デジタル社会推進標準ガイドライン群というのを設けております。群というだけあって、幾つかのガイドラインというのがありますが、そのガイドラインを作るに当たっては、各府省庁が遵守すべきドキュメントとしてノーマティブ、それからもう一つは参考にできるドキュメントとしてインフォマティブと、この二つを大きく掲げて、遵守すべきところ、参考にしてください、こういったことをしっかりと当てながら、そして同時に、今のユーザビリティーとアクセシビリティーをしっかりと真ん中に置いてつくってくださいということをお願いをして、我々としてもそれをベースにしていろんなものを公開しているというところです。  例えば、デジタル庁デザインシステムというのがあって、いろんなもののデザインがございますけれども、ホームページとかなんとかですね、それは例えば、この画面の色とか、あるいは配置とか、それからフォントですね、見やすさ、使いやすさというのをしっかりと意識しながら我々はつくっています。自慢するわけではないですけど、デジタル庁のいろんなものを見ていただければ、結構いいと思います。安野委員どうですかね、いいでしょう、いいでしょう、お褒めをいただきましたけれども。  これ、何でそうかというと、例えば視覚障害の職員さん、デジタル庁の職員さんもこういったところに参入して、彼ら目線でテストをしながらつくっているというようなところも努力しております。また、単に意見だけではなくて、学術的な情報、例えばピッチがどれぐらいがいいかとか、こういう画面のときはフォントはどういうフォントがいいのかというようなことも考えながらつくらせていただいておりますので、そういったノウハウは各府省庁にも共有していって、委員御指摘のとおり、利用者目線のサービスを提供できるように努力してまいりたいと思っています。  ありがとうございます。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 確かにデジタル庁はシンプルで、見やすさとか色の使い方も私は分かりやすいと思います。かえってこちゃこちゃしない方がいいというのはまさにそのとおりで、しかも、視覚の面でいってもUDにきちんと対応するというのはとても大事なので、これからもそういうことを各関係省庁にも投げかけをしていただきたいということでございました。ありがとうございます。  次に、ガバメントクラウドについて、先日の委員会の中でも米国との関係について質問がされていたところですが、その確認の意味で私も質問させていただきます。  大臣からは、データの保存場所はバックアップを含めて日本国内に限る、法的管轄についてはまず我が国の法、日本の法律を適用というふうに答弁をされていたところです。要するに、国内法によって相手国に情報を見られることはないという理解でよいのか、また、データセンターは国内にしかないという理解でよいのかというのを、確認の意味で大臣にお伺いします。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。  ガバメントクラウドのデータに関わる国内保存、そして日本の法令適用については、先日も述べられたとおりですからあえて繰り返しませんけれども、今の御指摘のとおり、日本の情報というのは、日本の中であるデータセンターのみで保存されているという理解で構いません。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 ありがとうございます。  この間も、ガバメントクラウドが国産化していなかったがゆえの不安の払拭ができ切れていないんじゃないかという質問は何回も出ていたと思うんです。とはいえ、国際的にも、現下の状況は、ちょっと法のルールを犯すとかの国も出てきているのでちょっと心配だなと思うので、引き続き、国民の個人情報をしっかり守っていくという立場で、データに万が一のことも許されないんだという観点で、デジタル庁には引き続き取組を進めていただきたいというところです。  さて、ガバメントクラウドにさくらのクラウドという待望の国内事業者で初の本番環境の提供が可能となりました。このことによって、今後も国内外の事業者から選べるということになれば、掛かる経費の課題や使い勝手の向上などが期待できるかなと私も考えています。  一方、少し出遅れてしまったので、既にそれぞれの自治体、主に自治体だと思うんですが、自治体が先行している四社に契約を済ませており、参入に不利になっているのではないかと懸念するところです。なかなか難しい状況ではあるんですが、こういった契約は事業者との固定化にならないのか、デジタル庁としてはどのように受け止めているのか、お伺いします。

荻原直彦 デジタル庁統括官

○政府参考人(荻原直彦君) お答え申し上げます。  ガバメントクラウドにつきましては、国や地方公共団体の情報を取り扱うことから、高度なセキュリティーやガバナンスの確保等に必要な技術要件等を課しているところでございますけれども、その中で、本年三月に、さくらのクラウドがガバメントクラウドで唯一の国内事業者として本格採用されたところでございます。デジタル庁といたしましては、国内クラウドサービスであるという特徴も生かしながら、今後利用が拡大していくことを大きく期待しているところでございます。  また、ガバメントクラウドのどの事業者のサービスを利用するかということにつきましては利用する各機関の御判断によるものとなってございますが、ガバメントクラウドでは、一度利用したサービスから別のサービスに移行する場合に備えまして、データ移行が容易にできるツールや仕組みを備えること、それから技術情報が公開されていること、こういったことを要件として求めておりまして、利用主体が別のクラウドサービスに移行したくても容易に移行できないような状況、いわゆるクラウドロックインと言われていますけれども、そういった状況にならないように対応しているところでございます。  デジタル庁といたしましては、各事業者によりまして魅力的なサービスを提供していただけるように競争を促すとともに、さくらのクラウドも含めて、どのクラウドサービスであっても円滑に利用できるように環境整備をしっかり進めているところでございます。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 今御答弁いただいたので、クラウドロックインできないような仕組みというか対応をしていただいているというところなので、今年度はちょっと間に合わなかったかもしれないけど、契約期間が終了のときには参入ができる機会もあるのではないかというところだと思うんです。やっぱり、国内事業者への後押しというのは、デジタル赤字を防ぐためにも国としても必要な取組だと思うので、そこは丁寧に対応を引き続きしていただきたいというふうに思います。  ガバメントクラウドの費用問題は、この間も質問してきたんですが、ほかの委員の方からも多く質問が、高いよということを質問されてきたところです。  デジタル庁としても法改正を行ったり、自治体が個々に契約をするのではなくて、一括して調達して価格の抑制に努めていただいているところですが、一方で、大口契約による割引ということになっているんですが、これによって、それもまた事業者の固定化とか誘導にならないのかという心配があるんですけど、その辺はどうなんでしょうか。

荻原直彦 デジタル庁統括官

○政府参考人(荻原直彦君) ガバメントクラウドの利用料につきましては、利用者が実際に利用した分のみを支払う従量課金制になっております。  ガバメントクラウドのサービス提供事業者には、サービスやその機能ごとにクラウドの利用料の定価を公表することを要件として求めております。また、国や地方公共団体などの個々の利用者のガバメントクラウドの利用料をデジタル庁が一括してクラウドサービス提供事業者に支払うことによりまして、全ての利用者が大口割引を受けることができるようになってございます。  その上で、繰り返しになりますけれども、ガバメントクラウドに採用されているサービスをどれを利用するかというのは利用者である地方公共団体等の御判断によるものとなっておりまして、デジタル庁といたしましては、この大口割引も含めまして、魅力的なサービス提供をいただけるように競争を促してまいりたいというふうに考えております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 価格で固定されないようにしていただきたいというふうに思うので、引き続きデジタル庁としても各事業者との交渉に努めていただきたいと思います。  次に、ガバメントクラウドを、確認の意味での質問ですが、ガバメントクラウドを利用するかどうかはあくまでも自治体の判断によって、念押しをしておきたいんですが、価格を抑えるために大口にしようと自治体に無理に使わせようとしないという理解でよいのかというところと、あくまでもシステムも含めて自治事務であり、国が関与すべきことではないという方針は変えない、その理解でよいのか、確認の意味でお伺いいたします。

荻原直彦 デジタル庁統括官

○政府参考人(荻原直彦君) お答え申し上げます。  自治体におけるガバメントクラウドの利用につきましては、地方公共団体情報システムの標準化に関する法律におきまして、国が定める標準仕様に適合したシステムの利用に当たりまして、ガバメントクラウドを活用することについては努力義務とされているところでございます。  したがいまして、ガバメントクラウドの利用、それから利用する場合に、先ほども申し上げましたけれども、どのクラウドのサービスを利用するかにつきましては、どのクラウド事業者のサービスを利用するかにつきましては、利用する地方公共団体の各機関の御判断によるものとなってございます。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 先ほどの医療DXではないんですが、標準化、システムの標準化はみんなでそろえていきましょうというのは理解できるんですが、自治体の運営として、そのガバメントクラウドを使わなくても、価格とか使い勝手の良さとかもろもろを含めて自治体固有で選べるということで、そのまま行った方がもしかしたら、セキュリティーが高ければガバクラは使わない方がいいというところなので、無理強いは絶対しないということだけは、無理強いはしないでほしいということだけは強く言っておきます。  次に、自治体の情報システム標準化や共通化の移行は二〇二六年三月、今年を期限としていたところではあるんですが、この法律ができるときから、私は五年は無理があるんじゃないですかと指摘してきたところです。千七百以上ある自治体が一遍に動くので、ベンダーはどう考えてもリソース不足ですよねというのは分かり切っていたというところです。  政府は特定移行支援システムという名称を使っていますが、最初から分かっていたことなので私は別に何も特別ではないよと、この名前自体がどうなのかと思うんですが、自治体もベンダーからも悲鳴が上がった期限問題は深刻であると考えています。今年四月から移行できたところはいいんですが、また、できたところも更新時期も重なって、またリソース不足にそのときにならないのかという、現在のデジタル庁としての考え方をお伺いします。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) 今御質問いただきましたいわゆる移行期間の集中というところについてでございますけれども、確かに、一般的に自治体システムというのは五年ぐらいの契約が多いというのが実情でございますので、そうすると、二〇二五年度にこれだけ集中したということは、普通にやると二〇三〇年度に同じようにピークが来る可能性というのはあり得ることではあるというふうに考えております。  一方で、この五年間というのはどういうふうに決まっているかというと、これまでは大体ハードウェアの更新が五年間だったと。ハードとソフトを別々に入れ替えていくのは大変なので時期をそろえていたというところがございますので、今後、クラウドで円滑にシステムの切替えというのができるようになっていけば、こういった期間をできるだけ、例えば早い時期に移行するところもできてくれば、あるいはコストも含めて満足されていればこれ期限を延ばすとか、いろんな形でこの期間を分散させていくということは重要だと思いますので、そういったことが円滑にできるように考えてまいりたいというふうに思います。よろしくお願いします。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 更新時には、最初のときよりは苦労はしないとは思うんですが、やっぱり今から対策を考えておかないと、また同じことを繰り返すのではないかという懸念なので質問させていただきました。  特定移行支援システムの中でも最も深刻なのが、一度契約していたんですが、ベンダーのリソース不足によって契約を直前になってほごされたという自治体です。ここは大手の企業も見受けられるんですけど、急にできないと言われて振出しに戻ってしまって、今ゼロベースというところなんです。今後の見通しが立っていないという事例も聞いています。  政府は、こういった場合もどのように対応していくのか、どうやって支援していくのかというところをお伺いいたします。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) もう本当に、今御指摘、委員からございましたように、昨年度の後半になってから突然間に合わないというような事例が幾つかありまして、私どもといたしましても、自治体だけでなくベンダーも含めてしっかりと状況をお伺いをしているというところでございます。  我々といたしましても、やはりもうこの期に及ぶと、円滑にともかく継続して住民サービスを提供いただくということが最も重要になってまいりますので、いろいろと、いわゆる補助金の話であったり基金のところなんかも期限も延ばしておりますし、何よりも自治体にしっかりと寄り添って対応してまいりたいというふうに考えております。

岸真紀子 立憲民主・無所属

○岸真紀子君 とてもやっぱり、急に業者の方から、別な事業者を紹介はされているようなんですが、相当ちょっと困っているそうです。ほとんどの自治体はできて、そういうふうに約束をほごされたところは、九月以降に、もう少し落ち着いた時期にもう一回入札を掛けたりしてどうするかということを考えているみたいなんですが、要はベンダーが少し忙しくなくなった時期に、今はどうしても忙しいのでというところで考えているみたいですが、引き続き、デジタル庁としても、自治体任せではなくて相談に乗っていただきたいというところでございます。  最後に、本当は大臣に質問したかったんですが、要望だけにしておきます。  行政のデジタル化については、国も自治体も、当然ですが上からぽんと決めてやれというのは絶対うまくいかないんですよ。なので、あくまでもDXの推進については現場起点であるということを大臣には忘れずに取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。  今日は、私は医療DXについての質問をさせていただきたいと思いますが、先ほどの岸委員とのやり取りの中で、松本大臣、やはりこの分野に関しては並々ならぬ思いを、強い思いをお持ちだということは分かりましたので、逆にお手柔らかにお願いをしたい、そういうふうに思います。  まず、大臣にお伺いしたいと思います。医療DX、私はやはりやっていくべきだというふうに私も思っているんですけれども、この医療DXの目的及びデジタル庁として果たすべき役割についてまずお伺いをしたいと思います。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 先ほど申し上げましたように、単に紙のカルテを電子化するだけではないということ。これ実は、いまだにそう思っていらっしゃる先生方もいまして、そこをしっかりと、まず私の立場から、医師としての立場も含めてですね、訴えていかなきゃいけないと思います。  先ほども申しましたけど、何で電子化するかといったら、情報を共有することとセキュリティーを高めることが軸なんですが、それとともに、例えばパーソナル・ヘルス・レコード、PHRというのをそれと結び付けて、個人が自分の健康管理をしていただけるようにすること、あるいは二次利用としていろんないろんなデータを創薬や医療機器の開発にもつなげていくというところまで広げていかないと医療のDX化というのが完成しないと思います。  どこがゴールかというのは誰も言えないんですよね。ただ、厚生労働省は御存じのように何か曼陀羅みたいな絵を描いてあると思いますが、あれがそもそも何かいまいち分かりにくいんで進まない原因かもしれないなとちょっと思うんです、ごめんね、思うんですけれども。要は、あの世界観というのをしっかりと前に進めて、少しでも近づけていくのがデジタル庁としての果たすべき役割だろうというふうに思っています。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 大臣、どうもありがとうございます。  今大臣お話しされたものを、文章になっていたものをちょっと更に要約したのを、今皆さんのお手元にお配りをした資料一ということになります。個人のデータであったり、あるいは二次利用の話もありましたが、こういった五本柱が今あろうかというふうにも思います。  今日は、その中のまさに大臣の所信の中で述べておられました電子カルテ、この点について少し深掘りをさせていただきたいと思います。  この電子カルテ情報の標準化について、達成すべき目標と時期、それから現状の課題について、厚労省さんにお伺いしたいと思います。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  電子カルテ情報の標準化につきましては、二〇二三年に策定した医療DXの推進に関する工程表において、診療情報提供書や退院時サマリー等の文書情報や、傷病名、検査値等の臨床情報の標準化に取り組み、それらの情報を医療機関等の間で共有する仕組みとして電子カルテ情報共有サービスのシステムを開発し、二〇二四年度中に順次運用を開始することとしておりました。  この電子カルテ情報共有サービスにつきましては、二〇二五年二月からモデル事業を開始し、現在、情報共有に向けた課題の検証を進めており、本年冬頃に全国で利用可能な状態にすることを目指して取り組んでいるところでございます。  また、情報共有を全国に広げていくためには、電子カルテ情報共有サービスに対応できる電子カルテの普及が必要と考えており、遅くとも二〇三〇年にはおおむね全ての医療機関における導入を目指しております。  こうした取組を進めるため、本年夏までに電子カルテの普及に向けた計画を策定する予定であり、具体的な普及のための支援方策についてもその議論の中で併せて検討していくこととしております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、目標値としては今年度末というところもありましたけれども、課題についてはまだ夏にもう一度議論がというお話もありました。  皆さんのお手元に資料をお配りをした三枚目、御覧をいただきたいんですが、昨年の夏に政府内のワーキンググループが行われたときの資料です。  何かというと、日本医師会が提出をしたアンケート結果なんですけれども、左上見ていただきますと、そもそも電子カルテの導入は不可能であるという回答が五四%と、半数以上の方が電子カルテ不可能だというのが、一年前ですね、昨年の夏の時点での日本医師会のアンケート結果からすると出てきているということでもありました。  理由については、右の下のところにありますけれども、基本的には上位の方に、IT機器に関して不慣れなので操作できないとか、あるいは、導入及び維持コストが高額だから負担できないというのが、これが大きな理由になっているということであります。  こうしたアンケート結果も政府内でも共有されていると思いますけれども、これらの課題に対する政府の認識と今後の対応についてお伺いしたいと思います。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) このアンケートはよく承知をしております。特に、操作への不安、導入コストの負担、もう一つ今挙げておきたいのは、やはり導入しても数年しか使用する見込みがないと、これも結構大きいと思うんですね。こういった方々に対しては、今、先ほどもお話ししましたが、標準型電子カルテの導入版を今年度中に完成させて、それを廉価で提供できるようにしてまいりたいというふうに思っております。恐らく、一番大きなのはこの三つの理由だと思います。  紙のカルテをいきなり電子化をしろと、我々は、その標準化のカルテを普及するに当たって言うつもりはございません。紙は紙でそのまま、今までの先生がやっていらっしゃったやり方でお願いしますと。ただ、こっちに電子カルテを置いて、それを情報共有のツールとして使ってほしいというようなコンセプトでこれを進めようというふうに思っています。それで、まず、それを廉価にするということ。  そして、もう一つは、導入してもあと数年でということは、相当年配の先生方がいらっしゃると思います。そういった方々には、ある意味、やらないというわけではなくて、優先順位を後の方に回して、先にまだまだ電子カルテ使っていただけるような先生たちに優先的にそういうふうに普及をしていくというようなことをやらないと、多分このアンケートを解消できる普及の方法は取れないだろうというふうに、私はこのように思っております。  実は、こういった考え方については日本医師会とも相談をして、大体腹合わせはできているというふうに思っておりますので、この方針で進めたいと考えております。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) あと、補助金についてお答え申し上げます。  電子カルテ導入に関する支援としましては、例えば厚生労働省が実施するものとして、令和七年度補正予算で計上しました医療情報システムのクラウド化に伴う検討事業がございます。本事業は、クラウドネイティブ型の病院情報システムの普及に向けた課題の整理等を目的として、病院がクラウドネイティブ型の電子カルテを導入する際に要する費用の一部を補助するものでございます。  このほか、経済産業省で実施するデジタル化・AI導入補助金がございます。本補助金は、中小企業の生産性向上に資するITツールの導入支援を行うもので、中小規模の医療機関の電子カルテの導入費用が補助対象となる場合がございます。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、大臣そして厚労省それぞれからお答えをいただきました。  方針としては、業界ともしっかりと認識合わせがされているということを今お伺いできましたのでちょっと安心できましたが、一方で、導入不可能だという人が五四ですので、そういう意味でいくとなかなかハードルは高いんだろうなということも思いつつ、是非しっかりと進めていただきたいなと思っています。  実際、私自身、近所のお医者さん通うことはまだありますけれども、近所のお医者さん、大体もうパソコンで入力されているんですよね。診断結果を含めて、処方を含めてされていて、結構導入しているのかなと思ったら余り導入されていない実態もあるようでして、お手元に資料四をお配りをしました。実際の電子カルテシステムの普及状況の推移ということで、大きく一般病院、左側と一般診療所ということでありまして、一般病院も一般診療所も、一般診療所の方がちょっと低くて五五%、病院でいくとちょっと高めになりますが、それでも六五・六%という数値であります。ただ、この一般病院に関しては、病床数の規模で随分とその差がありました。四百床以上の大きい病院は九三・七%、一方で二百床未満の小さい病院でいくと五九%ということで、この差が随分あるということでもありました。  厚労省さんの方にお伺いしたいんですが、このように導入に大きな違いが出ているその要因について、どのようにお考えでしょうか。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、電子カルテの導入状況につきまして、令和五年医療施設調査によりますと、例えば、電子カルテ未導入の一般病院のうち、約九割程度が二百床未満となっております。  こうした小規模な病院で電子カルテの導入が進まない要因としましては、一般論として、導入や保守に要するコストが高額になる、ITに不慣れでシステム導入後のトラブル対応等に不安を感じやすいといった点が挙げられます。  政府としては、こうした医療機関においても医療DXにおけるメリットを実感いただけるよう、本年夏までに電子カルテの普及計画を策定する中で、その具体的支援について検討を進めてまいりたいと考えております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 問取りのときも少し厚労省さんとやり取りさせていただいて、そのときにはやはり、大病院でいきますと、自分のところの病院の中で何科、何科、何科、一人の患者さんが科をこう回ってくることもあるので、病院の中で情報共有を図っていくニーズがあると、そもそも必要性があるというお話がやはりございました。  ですので、最初、私、ちょっとコスト的な問題が一番メインなのかなと思ったところ、どうもその病院の中にニーズがそもそもあるんだということでもありましたので、やはりニーズがしっかりとあるということと、それと、これは冒頭の質問で大臣お答えをいただいた、最終的にDX進めていく上で誰にどういう恩恵があるのか、何をしていきたいのか、まさにそのニーズにどのようにして応えていくかという理解を進めていくことがやはり必要なのかなというふうにも思っていますので、是非、今こういう形で格差はある状況ではありますけれども、そうはいっても年々上昇していることは間違いありませんので、しっかりと進めていただきたいと、そのように思っています。  それで、もう一つ、じゃ、このシステムの導入に関してなんですけれども、資料を見たところ、何かいろんなシステムがあるということに改めて気付かされます。  資料の五番になりますけれども、診療所と病院でそれぞれ、今デジ庁さんでも整えているシステムが異なっていたり、診療所の方も診療所向けの電子カルテの標準仕様を作成する、同時に標準型電子カルテの開発も行っている、しかもそれが、オンプレ型の独自にサーバーを持ったものから、あとはクラウド型のものまでいろんなバージョンがあるということで、それが診療所だけじゃなくて病院の方にもあるということで、何かよく分からなくなってくるんですけれども、結局誰が何を導入するんだろうというふうにも思ってしまうんですけれども。  こうした電子カルテの仕様がそもそも多種類になってしまっている理由をお伺いしたいのと、あわせて、将来的にシステムの統一化という構想があるのかどうか、この点、お伺いしたいと思います。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) 電子カルテに求められる機能につきましては、診療科や医療機関の規模、役割によって大きく異なります。  例えば、眼科では特殊な検査機器等の連携が必要となるため、眼科専用の電子カルテがございます。また、一般的に大規模病院では部門の細分化が進んでいるなど、中小規模の病院では診療体制等の複雑さが異なり、電子カルテが連携しなければならない部門システムの複雑さにも差があるため、仕様の多様化につながっております。  さらに、電子カルテについて、当初カスタマイズにより対応したオンプレ型が普及しましたが、近年は技術の進展によりクラウド型電子カルテも登場しているところでございます。費用や利便性の観点から医療機関がクラウド型電子カルテを選択するケースも増えてございますが、現在は過渡期の状況でございます。  このように、医療機関の特性や個々の事情、経緯によって求められる機能や製品の形態は様々であり、全ての医療機関で統一した電子カルテとすることは困難と考えております。しかしながら、医療現場の負担軽減やデータの相互運用性の確保は重要であり、厚生労働省では、医科診療所、中小病院向け電子カルテの標準仕様書を策定する等、標準化に向けた取組を進めております。  今後も、医療機関やベンダーの意見、デジタル技術の動向等を踏まえ、引き続き標準化に取り組みたいと考えております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今御説明をいただきましたが、なかなか統一化難しいということですが、でも、これ、まさに先ほどの岸委員とのやり取りの中で、大臣からは、カスタマイズしちゃってどんどんそれが進んでいるからこういうことになっているんで、そこは腹くくって覚悟決めて一本化まとめていってほしいということですので、そこは是非大臣とまた厚労省と厚労大臣とお話をしていただきながら、やはり最終的には情報の共有化を図っていくという意味では、できるだけシステムは統一に近づけていった方がいいと思います。  細分化するということは、それぞれのカスタマイズに対応しなきゃいけないシステムをつくるということは、コスト増えると思いますし、導入コストも増えると思いますし、全部医療費に跳ね返るんじゃないんでしょうかね。そういうふうに考えますと、最終的な目標を達成するために何をすべきかということも是非念頭に入れながらこの後進めていただきたいということでお願いを申し上げる次第です。  もう一つ、情報共有という観点で、ではその共有すべき情報は一体何なのかという観点での質問なんですけれども、この電子カルテ情報共有サービスにおいてはデータ共有範囲というものを決めています。  資料の六にちょっとそれをまとめました。三文書六情報という言い方をしているんですけれども、これらが今情報共有すべきものということでまとまっているんですが、これでは足りないのではないかという意見が既に出ておりまして、拡大を求める意見が内閣府のワーキンググループでも行われたというふうに承知をしてございます。  厚労省さんに確認なんですけれども、そもそもこの三文書六情報に限った理由は何だったんでしょうか。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  電子カルテ情報共有サービスで共有する情報につきましては、有識者による検討や医療現場のニーズ調査等を踏まえ、外来や救急医療の現場でニーズの高い情報から共有を始めるという方針の下、診療情報提供書や傷病名、検査値等を選定したものでございます。  この共有する情報に関しましては、運用開始後も順次拡大することとしており、共有の必要性、標準化の状況、現場の負担などについて関係者の意見を聞きながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 それこそ、我々がお医者さんにかかったときにカルテに先生方が記入している、まさに我々の症状であったり事細かな情報という、あれが対象になっていないんですよね。本当にそれは対象にしなくていいのかどうか。もちろん、問題意識は厚労省さんも今お持ちであって、今後やはり検討していくということのお考えはあるというふうに承知をしておりますので、是非これは進めていっていただきたいというふうに思います。  ただ一方で、このやり取りは実は厚労委員会の方でもされておりまして、それこそこの委員会所属しております岩本委員もこうした観点質問をされていたと、議事録、私も拝見をさせていただきました。そのときにも厚労省さんの方から、やはりデータが膨大になっていくということの課題であったり、そのときのコストについての課題意識というのはお話をされていましたが、それを理由にやめてしまうのであれば、そもそもその先がないのではないかというふうにも思います。  そこで、ちょっとデジ庁さんにお伺いしたいんですけれども、ちょっと技術的なことでお話を伺いたいと思います。この医療DX推進のために、こうしたいわゆる元々のカルテですよね、このカルテに記載されているような様々な医療情報を全てデジタル化していく、データベース化していくということは、技術的にはそもそも可能なのかどうか、またその難易度ですとか、そういった観点で技術的なことをお伺いしたいと思います。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  お尋ねのデータベースとして構築をすることが可能かどうかという点でございますけれども、技術的には不可能ではないのではないかと、非常にちょっとまどろっこしい表現で恐縮なんですけれども、かように考えておるところでございます。  要すれば、技術面、コスト面での課題というのは非常に大きい問題がございまして、相当の難易度があるのではないかという点は留意が必要かなというふうに思います。  幾つか理由を申し上げたいと思います。  まず一つには、分析を含めて利活用を進めていくというためには、データ自体が相互に参照可能と申しましょうか、例えば使っている単位が全て同じ単位を使っていないとこの数字の意味合いというのは変わってくる。例えば、検査値一つ取りましても、検査の例えば機器によって数値の表現が違っているというようなことが、一次利用している場合、すなわち患者さんに治療する場合であれば問題は生じないんですけれども、データベースにしていく、交ぜてデータとして見ていくというふうになりますとそれを標準化する必要が出てまいります。そのために互換性を高める必要があるということから、例えば言葉ですとか、あるいは医薬品のコードといったような基本的なマスターの統一というのが前提となってくるかなというふうに思います。また、この標準的なデータを設定した上で、例えば医療機関で申し上げますと、約十一万を超える診療所ですとか八千の病院全てがそれをちゃんと徹底して使っていただく、こういうことが必要になってくるというのが前提のその一でございます。  また、あわせまして、コストの問題、それは委員も今御指摘いただきましたけれども、連携するデータの種類が増える、あるいは量が増えるということで、データベースの維持運用というのも課題となってこようかなというふうに思います。  このため、デジタル化をしてデータベースとして活用する医療情報の範囲につきましては、医療現場への負荷ということも十分考えながら、実際のユースケースに合わせて優先順位を付けて進めていただければというふうに考えているところでございます。  以上です。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、技術的には、少しまどろっこしい言い方というふうにはおっしゃっていましたけれども、できなくはないのではないかというようなお話だったというふうに思います。  それから、最後、そのデータベースとしたものをどういうふうに活用していくかというところも係ってくるんだと思います。個人個人の医療情報を必要とし、その個人に対してどのようにその医療機関で対応していくかということであれば、引っこ抜いてきてその場でチェックすればいいわけですから、別に単位が違っていても問題ないわけですよね。であれば、できるだけいろんな情報があった方がいいというふうにも考えられますし。ただ、二次利用というふうにしたときには、まさにその今おっしゃられたような単位の話、これはやっぱり出てくるんだというふうに思います。  ですので、最終的に何に利用していくのかというところも恐らくこのデータベース化していくときに気にしなければいけない観点だというふうに理解はしておりますが、やはり最終的に、ちょっと繰り返しになりますけれども、医療DXという形で進めていこうということであれば、できるだけそこはそろえていくということだというふうに思いますので、引き続き検討をしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。  もう一つ、その情報という観点で、これも同じく内閣府のワーキンググループの中で出ていた意見なんですけれども、カルテのその保存期間ですね、この保存期間が現行五年になっています。その五年について、延長すべきではないかという意見がその内閣府のワーキンググループの中で出ました。というのは、ですから、我々のその医療情報が、だから五年でなくなっていってしまうということは、じゃ、過去にどういう病気の経歴があったの、子供のときからどういう持病を持っていたの含めて、そういう情報にアクセスできなくなるわけですよね、五年でカルテが消失してしまうということは。  だとすると、そもそもあった医療DXの、将来にわたったその人の健康維持ですとか、そうしたことに活用していくという観点では、このカルテの保存期間というのは長くすべきではないかという意見が出るのは当然なのかなと、そのようにも感じています。  では、その現状の保存期間で本当に医療DXの目的達成できるのかどうか、その観点で政府の認識、厚労省にお伺いしたいと思います。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) 御指摘の電子カルテ情報共有サービスに登録された情報の取得、閲覧可能な期間につきましては、それぞれの情報の特性や利用ニーズを踏まえ、各種文書の法令上の保存期間も参考にしながら、公開の検討の場における議論を経て設定したものでございます。  その際、例えば、医師が継続的に確認できることが必要と判断した傷病名に関しては五年を超えて取得、閲覧することも可能としており、診療上必要な配慮も行っているところでございます。  現行の保存期間であっても、保存されている情報を医療機関などで共有している診療等に活用することにより、医療DXの目的の一つである効率的で質の高い医療の提供に資すると考えておりますが、サービスの開始後においても、更なる利用ニーズや保存に係るコストを踏まえて、必要に応じ保存期間の在り方を検討してまいりたいと考えております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 医師の判断でその長期保存ということですけれども、医師の判断に全て委ねてしまうと、そもそもの目的を達成できないのではないかなと。やはり、ある程度そのルールを決めて、こういうルールに基づいて行っていくと。そのルールというのは、最終的に何がしたいかだと思います。政府として何がしたいか、その目的達成のためにはどういう標準的な考え方とルールが必要なのか、そこからやはり分解しながら、課題を分解しながら、じゃ、カルテの保存期間、本当に五年でいいのというのは見直しをしていくべきではないかと、そのように思います。  このカルテの保存期間の議論をしていた中で、こういう懸念があるということで、実はそのワーキンググループの中でも、また委員会の中でも実はお話がありまして、何かというと、一つは、情報漏えいリスクが高まるのではないかという、こういった懸念の声がありました。  それからもう一つは、先ほどもちょっと触れましたけれども、維持コストが、情報量が増えますのでね、維持コストが増えていって耐えられなくなるのではないか、コスト的に耐えられないのではないかという、この大きく言うと二つの懸念点がその際に示されているんですけれども。  そこで、デジ庁さんにお伺いをいたします。  データ保存期間が長くなることでデータベース上の情報漏えいリスクというのはそもそも高まるのかどうかという観点が一つ。それから、情報量が増えることで維持コストというのが増えるというふうにあるんですけれども、情報量に比例して増えていくのか。あるいは、技術的にはいろんな圧縮技術なんかもあると思いますので、そうした維持コストを縮小する必要が、私はそういう技術を生かして維持コストを縮小する必要があると、できるんではないかなというふうに思うんですけれども、技術的含めて政府の方針をお伺いしたいと思います。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  お尋ねの、まず情報漏えいリスクに関して御答弁申し上げます。  一般論でございますけれども、保存期間が長くなればなるほど攻撃者による攻撃を受けてしまう機会というのは増えてまいるかなというふうに思います。また、利用価値が上がっていくということから、標的となるリスクも高まってくるということは事実かなというふうに思います。このため、技術の発展に合わせましてその対策を常に講じ続けないと管理体制が陳腐化していくといったようなリスクはあろうかなというふうに思います。  また、データの保存期間が長ければ長くなるほどデータの量も増えてまいります。そうしますと、実際に情報漏えいが生じた場合に影響を受ける範囲というのも拡大をしてまいるといったような点も考慮する必要があるというふうに思います。このため、リスクへの対応という観点からは、データの特性に応じまして技術の進展に応じました適切なセキュリティー対策を常に講じていただくことが必要かというふうに考えております。  また、続きまして、維持コストに関して申し上げます。  一般的には、ストレージの使用量に応じてコストというのは増加するということかとは思いますけれども、必ずしも情報量に単純比例するかと申しますと、そうではない場合もあろうかなというふうに思います。  例えば、対策といたしまして、利用頻度が低いデータにつきましては低コストのストレージへ移動させるですとか、あるいは、そのデータの特性ですとか利用の頻度に応じました保存方式の最適化というものが対応としては考えられるかなというふうに思います。  委員御指摘のとおり、医療DXを推進するためにはデータベースの維持コストを抑えるということは重要な課題であると認識をしておりまして、私どもデジタル庁といたしましても、データベースの目的あるいは特性に応じまして最適な対応を取っていただきますよう、厚生労働省に対しても必要な技術的助言を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今の質問、今お答えいただきましたコストの点に関しましては、先ほど途中の質問でも触れましたシステムの種類、こういうところもやはり関わってくるというふうにも思いますので、いろいろな課題があることは重々承知はしておりますけれども、是非進めていただきたいというふうに思います。  最後に、ちょっと通告していないんですけれども、大臣にお伺いをしたいんですけれども、私はやはりこれ進めていくべきだというふうに思っています。その意味で、今、今日御質問したこのデータの情報共有という観点だけでもかなりいろいろな課題はあるのは間違いないんですけれども、やはり技術的な進歩の中で乗り越えていけるものも多分にあると思うんですね。  そうした中で、それこそシステム開発に関すると、ちょうど今年度がシステムをどういうふうにつくっていくかという意味でいくと大きな節目になっていて、その後の計画というのは多分これから更に作っていくと思うんです。ちょうどそのタイミングで大臣が、それこそこの分野に非常にたけた専門的な知識をお持ちの大臣がこのデジタル大臣のポストに就いたというのは、まあ何か因果関係というのか、何か物すごくつながりを私自身個人的に考えていまして、何かおぼしめしじゃないかなと、何かの、何かあるんではないかなというふうにも思っていまして、是非、大臣のこのまさに今年の目標の中で、システムの構築だけではなくて、今後の大きな方針に向けてもしっかりと道筋を付けていっていただきたいなという思いも込めて、今日の質疑聞かれた、最後、大臣の感想を、御所見をお伺いしたいと思います。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 委員からの熱い声援だと思って質問を聞いておったんですけれども、確かにこのタイミングで私がここにいるのは、非常に日本の医療DXを進める上では大きな力になりたいと思っております。  これから推進計画を、今ちょうどまさに、推進方針ですね、これをまさに今やっているところ、三浦統括官と一緒にやっているところなんで、そこの中身をもうちょっと具体的に詰めていきたいと思っております。  これから計画を、できるだけ具体的なものを立てて進めていくのが私の仕事だろうと思っておりますので、今委員からの御指摘のとおり、しっかり進めていかなければいけない。やりたいことたくさんあるので、この場ではなかなか示し切れないんですけど。  医療DXって、正直、間口は広いし奥は深いし、かなり深遠な世界なんですね。ですから、どこまで私がやれるか分かりませんけれども、そのできるだけ深いところまで計画を立てながら進めていきたいというふうに思っております。一生懸命やりますので、是非応援いただきたいと思います。  ありがとうございます。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 大臣のリーダーシップ、御期待申し上げまして、質疑を終わります。  ありがとうございました。

司隆史 公明党

○司隆史君 公明党の司隆史でございます。  私も医療DXの質疑をさせていただく予定なんですけれども、岸議員、また礒崎議員のお話を聞いて、ほぼ私自身ももうおなかいっぱいになりまして、本当すばらしい質疑だなと思っております。その延長線上で新たに聞かせていただく、人材のところを更に掘り下げてお伺いをさせていただきたいと思いますので、今日も元気いっぱいさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。済みません、いつも拍手をいただいておりますけど。  今前半の方でもございました電子カルテの普及ということで、デジタル大臣、どのような取組を進めるかということで、情報共有と、もう一つセキュリティーというお話がございまして、私もそのセキュリティーの、いかに医療のセキュリティーを確保するかというところで、人材の部分を確認をさせていただきたいんですけれども。  経済安全保障の観点でも、今回、医療が分野として入るということで、安全保障の方の担当にお聞きすると、そちらの方では、医療の危機ですね、いわゆるサイバー攻撃を受けたときのそういう危機をどのように分析をしてやるかというお話はあったんですが、具体的に人材というところに目を向けたときに、私自身も大学院、京都大学の病院の方で医療情報学部、いわゆる教育の部門でありながらセキュリティーの部門でもありまして、一緒に教授とともにサイバー攻撃の受けているか受けてないかのログを一緒に見学をさせていただいた経験もあって、これ、医療の知識とセキュリティーの知識というのはもう本当真逆のぐらいの全く違う分野の知識でありまして、それを兼ね備えた人材というのは、私の感覚でいうと本当に一握りではないかなというふうに感じております。  先ほど、礒崎議員の資料をちょっと四番をお借りすると、あっ、これ借りたらあかんのかな、大丈夫ですか。やはり電子カルテを導入するということについて、いわゆる三百床、四百床、どんどん減っていくという話があって、先ほどお聞きをすると、いわゆる情報に不慣れなのでというお話もあったんですけれども、もう一重セキュリティーという話になると、更に高いハードルになってしまうんじゃないかなというふうに私は感じております。  冒頭にお聞きをしたいんですけれども、この医療現場における情報セキュリティー人材、本当にどのような人材が必要か、またどのように確保していく必要があるかという、感覚的なところも含めて、具体的な方向性も含めて、まず大臣に所見をお伺いできますでしょうか。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) サイバーセキュリティーに関するその医療に対しての人材育成というのは、かなり急を要する課題だと思います。  ただ、医療に限らず、この国のサイバーセキュリティーをしっかりと担保できるだけの人材といのはまだ全然足りなくて、その点においては、今、デジタル社会の実現に向けた重点計画、これ昨年の六月に閣議決定されたものですけれども、ここにもそういった人材の演習、研修の実施や、役割それからスキル等を体系的にまとめた、整理した人材フレームワークを作れと書いてあります。このフレームワークをこの四月の三日の日にリリースをしています。  そのフレームワークだけじゃ足りないので、それをどう使うかの手引書まで作りました。私、これ、作る過程の会議というのを何回か最初から最後までかなり出させていただいて、私自身も意見を述べながら作らせていただいたものでございますので、まずはこれをしっかりと関係者に利用していただくということが一点だと思います。  それからもう一点、じゃ、医療現場はどうするんだという話なんですが、医療現場でもこの人材フレームワークで共通した部分というのは当然あるので、それをまず利活用していただいて、そこにプラスアルファ、医療の世界の中でどういった特徴があるのかということも学んでいく、専門人材を育てていくということは、これは国家サイバー統括室とそれから厚生労働省と一緒になって進めたいところです。  これ、何でこれができるかといったら、今法律の審議をしていただいておりますけれども、経済安全保障推進法の改正の中で医療を基幹インフラに入れてくるということが大きなきっかけになっていると思いますので、これをしっかりと進めていく。これも先ほどお話がありました、私の大きな役目ですので、ちゃんと道を付けていくということはお約束申し上げたいと思います。

司隆史 公明党

○司隆史君 もう質疑が終わってしまいそうな決意をいただいたわけですけれども、実際には、デジ庁としっかり厚生労働省の取組をミックスしながら具体的な人材の配置、育成になっていくと思うんですけれども、厚生労働省として、セキュリティー人材の育成、確保をどのように進めていらっしゃるのか、お伺いできますでしょうか。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) 医療現場におけるセキュリティー人材の確保は、基幹インフラの対象であるか否かを問わず、医療DXを進めていく上で重要な課題であると認識しております。  厚生労働省としては、従来より、医療機関の情報システム担当者や医療従事者等向けに情報セキュリティー対策研修を実施し、人材の育成に取り組んでおります。加えて、現在検討しております医療情報システムの安全管理に関するガイドラインの改定案において、医療情報システムの安全管理やセキュリティー対策業務に従事する人材に対し、情報処理安全確保支援士や情報セキュリティマネジメント試験等の資格を取得することが望ましい旨の記載を検討しているところでございます。  また、令和八年度診療報酬改定において、専任の医療情報システム安全管理責任者の配置等を要件とした電子的診療情報連携体制整備加算を新設し、非常時の備えも含めたサイバーセキュリティー対策の整備に係る評価を行うこととしております。  こうした取組を通じまして、医療現場のセキュリティー人材確保について引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

司隆史 公明党

○司隆史君 ありがとうございます。  今お聞きをすると、配置をすることにより報酬加算をしますよとか、育成をしておりますよということなんですけれども、今日、先ほど大臣もおっしゃっていただいたように、経済安全保障に位置付けられた、さらに電子カルテ、全国に配置をする。やはり、この求められる温度感というのはもう一気にこの数年で変わってきているわけだと思うんですね。ただ単に配置をすれば加算するんでよろしくお願いしますではなくて、しっかりと絵を描いて、医療におけるサイバーセキュリティーとはどういうことなのか、そのためにはどういう人材が必要かということを定義付ける必要があるのではないかなと。  私、前回のデジタル委員会の質疑で松本大臣にお伺いをしたときに、病院間の連携をするなど大きい視野で人材配置というのを様々検討していくというような答弁もいただいたこともありまして、ちょっといろいろ調べさせていただきました。  今日お配りをさせていただいております資料、一枚物なんですけれども、これ厚生労働省の関連での研究班の報告の提言がございまして、その中で、今日申し上げたような問題点と具体的な提案ということがございました。  ここは図で見ていただくと分かるとおり、病院をざくっと一元化して配置、配置ということではなくて、例えば、特定機能病院や大学病院という大きい病院については指導的な立場の医療機関、もう一個下、緑のところになりますけれども、自分の施設で情報システムを守ることができるような医療機関、さらに、一番最前線になるんでしょうけれども、左の青になりますけど、他施設や事業者の助けを借りて情報システムを守るような機関ということで、いわゆる地域で医療機関をしっかりとこのセキュリティー的にも定義をするというような考え方。その定義に基づいて、ここにはグループA人材、グループB人材、グループC人材というふうに書いているんですけれども、簡単に言いますと、高度な人材については指導的な病院に配置をするというようなことで提言があります。  さらに、このグループA、B、Cのいわゆるセキュリティースキルについても定義がされています。グループAについては上級医療情報技師相当、いわゆる情報処理安全確保支援士、IPAのレベル4、またグループBについては医療情報技師相当、情報についてはレベル2、Cについては医療情報基礎知識検定試験相当、情報についてはIPAのレベル1というようなことで、それぞれのスキルと、配置をする病院の、何といいますかね、分類をして配置をするというような内容でございまして、さらに、最後もう一つ言うと、関連するいわゆる学会ですね、医療情報学会であったり技師学会であったりというようなことも、教育の観点で協力してもらうようなことも幅広い議論がなされておりました。  このような内容を踏まえた検討というのを是非進めていっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。  委員御指摘の提言は、厚生労働省において必要な研究課題として設定し、実施された研究の一環として取りまとめられたものでございまして、提言内容も含め、研究の成果については承知しているところでございます。  この提言では、指導的な立場の医療機関が、自施設のみならず、同じ地域の他医療機関の指導やアドバイス、また新たな人材育成の取組等を行うことが求められると指摘されてございます。これを受けて、令和七年度より二年間で、提言された構想の実証に向けた厚生労働科学研究を実施しているところでございます。  当該提言の内容も踏まえ、医療現場におけるセキュリティー人材確保の更なる取組について、計画的に進められるよう検討を行ってまいりたいと考えております。

司隆史 公明党

○司隆史君 しっかりこういった内容も踏まえて検討するということなんですけれども。  この提言の一番最後に強く言われていたことは、余りにも少ない医療とセキュリティーを兼ね備えた貴重な貴重な人材、特にこのグループAの人材になるんですけれども、しっかりとその仕事に見合った処遇、報酬加算、配置というのを、是非しっかり、これはもう医療で力を貸していただくようなことが大事だというふうに記載があるんですけれども、そういった報酬、処遇という点でいかがでしょうか。

榊原毅 厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(榊原毅君) 御指摘も踏まえて検討していきたいというふうに思います。

司隆史 公明党

○司隆史君 是非よろしくお願い申し上げます。  最後に、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  この提言の最後には、そのスキルを定義付けるのは、情報処理学会、IPAのリストから引っ張ってきたらいいんじゃないかというような話もありまして、ただ、デジタル庁としては、そもそもデジタル人材をしっかりと確保し、いろんな分野で活躍してもらうようなプラットフォームを構築するなど、それぞれ一体化した目的につながっていないなというもどかしさも感じている部分もございまして、是非、この医療のセキュリティー人材を大きく確保していく流れをつくっていただくためにも、最後に大臣の御所見と御決意をいただけませんでしょうか。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 今委員御指摘のこの提言、この中身をもう一回ちょっと精査をして、実行可能なものから優先順位を付けて、少しそこに注力をしていきたいというふうに思っています。何となく、提言が出て、実証して、その先がどうなるかがまだちょっと見えませんので、実証していいものをちゃんとつくり上げて展開していかなきゃいけないので、そこまでちゃんとできるような形をしなきゃいけないので、少しこの提言をもう一回よく何か精査して、私なりにまとめ上げる時間をいただければというふうに思います。  ありがとうございます。

司隆史 公明党

○司隆史君 ありがとうございます。  このように、すごい中身のあるキャッチボールができたのはすごくうれしくてたまりません。やはり、先ほどの、さっきのお話を、お言葉をお借りすると、やはりこのタイミングで大臣に就任されたことは本当に意味のあることだと思っております。是非、私も仲間に入れていただいて、よろしくお願い申し上げます。  以上です。ありがとうございました。

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後一時開会

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) ただいまからデジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、郡山りょう君、鈴木大地君、出川桃子君、東野秀樹君、西田英範君及び若井敦子君が委員を辞任され、その補欠として古賀千景君、こやり隆史君、井上義行君、江島潔君、長谷川英晴君及び加藤明良君が選任されました。     ─────────────

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 休憩前に引き続き、デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等に関しての総合的な対策樹立に関する調査を議題とし、デジタル社会の形成、人工知能の活用及び関係する科学技術等の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 日本維新の会の新実彰平でございます。  本日は、マイナンバーカードを使った本人認証が持つ可能性について考えます。  私、京都の選出でございますけれども、今、地元の京都市で市バスの市民優先価格の仕組みが検討されています。  オーバーツーリズム甚だしい京都でございますけれども、特に京都市においては、先週とか先々週とか桜のシーズンの盛りですけれども、もう市バスが動かなくて、市民の足として安定して機能しないような状況になっております。市民生活を脅かしているのはもちろんなんですが、市民の観光客に対する悪感情にもつながってしまうということで是正が待たれるところなんですが、その中で京都市が今、市民優先価格を検討しています。  簡単に御説明をしますけれども、まず、均一区間二百三十円の市バスの運賃を三百五十円から四百円程度に引き上げて設定をすると。それを原資にしてオーバーツーリズム対策を行うとともに、市民の運賃の引下げを行うということです。市民運賃は、現行二百三十円からむしろ三十円程度引き下げて二百円程度とするということでございます。市域外のお客さんだけ割高にするという二重価格ですと、これは残念ながら法的に許容されない可能性が高いということなんですけれども、市民のみ割引にするという立て付けで違法性を阻却しているというふうに伺っております。  この市民であるか否かの確認に、原則マイナンバーカードを使っての事前のICカードとのひも付けを用いるということでございますけれども、まず、今日は国交省から御足労をいただいております政府参考人に伺います。  公共交通機関において、マイナンバーカードを使って、オーバーツーリズム対策の目的でこうして市民とそれ以外で運賃に差を付ける取組は過去に例がありますでしょうか。

原田修吾 国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(原田修吾君) お答え申し上げます。  前橋市などにおいては、住民の公共交通の利用促進や外出支援等の観点から、マイナンバーカードと連携して住民への割引運賃を設けている事例を承知しておりますが、オーバーツーリズム対策で住民とそれ以外の公共交通機関における運賃に差を設定している事例については把握はしておりません。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 簡潔にありがとうございます。  まさにその公共交通に誘導するとか、あるいは外出支援という目的では過去に例があるということでしたけれども、オーバーツーリズム対策としては把握をされていないという御説明でございました。  政府、いまだに二〇三〇年訪日外国人観光客六千万人という目標を掲げていますので、この市民優先価格の取組、地元住民の生活と観光誘致を両立をさせるという点、さらには地元住民がちゃんと恩恵にあずかれるという点においても、今後の可能性を非常に感じております。  ここから本題でございまして、マイナンバーカードが用いられるんですけれども、事前にウェブでマイナンバーカードを読み取りまして、ちゃんと暗証番号も用いて本人認証を行い、京都市民であると証明された個人をその人が持つ交通系ICの番号とひも付けておくという仕組みです。ひも付けられたデータは毎日バスの精算機にダウンロードされまして、そのICカードで精算しようとしたらちゃんと市民だと認識をされて割引価格を享受できるということなんですね。  このウェブによる事前のひも付けの手続というのは大変重要だと思っておりまして、京都市は百四十万都市でございます。当然ながら、市役所とか区役所に市民が一人ずつ訪れて、本人確認して、ICの番号とひも付けて、なかなか役所のキャパの面でも現実的ではありませんし、また、市民にとっても、わざわざ平日の昼間に市役所、区役所に赴いて列に並んでというのがなかなか大きな手間でございますので、ウェブで家で数分で完結できるという、これを原則にされているというのは大変前向きな取組だなというふうに思っております。  もう一つ大切なのが、この市民であることの認証の確実性というのがどれぐらい担保されているのかというところでございますけれども、市民じゃない人が市民だと偽って、不正に市民価格、安い価格で乗るということはあってはならないわけであります。これを懸念される市民の方もいらっしゃるかもしれませんので、デジタル庁の政府参考人に伺わせていただきます。  ウェブ上でのマイナンバーカードを使った本人認証と、それを通じたICカードとのひも付けにおける成り済まし等の不正手続のリスクはどんな際にあり得るんでしょうか。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  まず、マイナンバーカードは、受理の際に市町村の窓口において確実な本人確認を行った上でお渡しをしております。その上で、ウェブ上での利用ということでございましたけれども、マイナンバーカード裏面のICチップの中に電子証明書が入ってございます。この電子証明書が入ったマイナンバーカードを保有している、いわゆる所持認証というものと、それから本人が設定をいたしました暗証番号、いわゆる記憶ですね、この認証を合わせまして、知識認証と組み合わせた二要素認証という形を取りますので、本人確認としては非常に確実なものだというふうに考えております。  このため、マイナンバーカードによる本人確認を採用することによりまして、成り済まし登録のリスクというものには対応できておるというふうに承知をしております。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  ですから、かみ砕けば、そのマイナンバーカードも落として、なおかつ暗証番号まで知られてという状況がなければ、基本的にはしっかりと本人認証ができるということだと思うんですが、逆に、まだまだ多くの日本国民の方が、そのICチップに情報が入っているとか、もっと言えば、国が持っている情報とひも付いているものが全部入っているというふうに誤解をされている方もまだまだいらっしゃるのかと思いますが、あくまでも国が持っている情報を引き出してくるツールにすぎないわけでありますけれども、そういう機能を持って逆にリスクが高いという印象を持っている方も多いんだと思うんですけれども、ちょっと冷静にリスク比較をいただきたいというふうに思います。  例えば、対面で免許証等を目視で確認する方法とか、あるいはウェブで免許証等の写真をアップロードする方法によって本人認証を行う際にはどんなリスクがありますでしょうか。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  お尋ねの対面で免許証を目視で確認をする方法ということで申し上げますと、一般論で考えますと、免許証のいわゆる券面、例えば写真の貼り替えなども含めましたそういった偽造ということが考えられまして、目視でその偽造に気付けないといったようなリスクがあろうかというふうに思います。  マイナンバーカードとの比較で申し上げれば、電子的にはICチップは異常な電流が流れますと壊れてしまうという耐タンパー性というものを持った中に電子証明書が入っております。そういう意味では、偽造が極めて困難というものと比較いたしますと、そういった偽造のリスクというのはあろうかなというふうに思います。ウェブ上でもやはり同じようなリスクがあろうかなというふうに思いますので、ウェブ上で写真を券面を使って確認をするという方法では、やっぱり対面と同様のリスクというのは避けられないというふうに思います。  そういった観点からいきますと、ICチップを使った方がよりリスクには対応できているというふうに承知をしております。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  先生方におかれてはもう釈迦に説法かもしれませんけれども、改めて丁寧に御説明をいただきましたので、私も広報にも努めてまいりたいというふうに思います。  やっぱり写真でも目視でも同様ですけれども、券面偽造のリスクがどうしてもあるということでございます。  これも御承知おきのとおりですけれども、携帯の契約において券面偽造したマイナンバーカードなどが用いられまして、そして契約をした携帯電話が詐欺などに使われるという事例も散見をされましたので、まさに今般ですけれども、オンラインでの携帯の契約の際には、券面撮影のみならず、ICチップの読み取りも要件となりました。  ですから、まさにこの京都市が採用しようとしている仕組みというのは、今政府が求めている、より高いレベルの安全性を担保する方法に準じるものなのかなというふうに思います。リスクも小さいし役所への移動コストも掛からないということで、まさにマイナンバーカードのメリットの一つというものを示せているのではないかなと思っております。  ただ、残念ながら、京都市においてもマイナンバーカードの普及率はいまだ八割に満たないものということで、二割強の方はマイナンバーカードを保有しておられません。ただ、マイナンバーカードを保有していないというだけで市民優先価格を享受できないというのはさすがにまずいということで、今、京都市さんは、原則所持をお願いしつつも、マイナンバーカード以外の方法でのひも付けも検討していると。これ、まだ正式には決まっていないんですけれども、現実的に考えれば、やはり役所に来てもらって、免許証などで一件一件作業を行うということになるんだろうと思います。大変な行政コストを要することになると。  その免許証にも暗証番号の提示とICチップの読み取りで本人認証するという仕組みありますけれども、免許証の暗証番号を忘れているという人も相当数いらっしゃいますので、場合によっては、公的な料金の支払証明みたいなものでの本人認証というような方法が採用される可能性もあるのかもしれない。となると、やはり偽造というか、不正のリスクというのは残ってしまうわけですけれども。  大臣に伺わせていただきます。  政府は、マイナンバーカード保有の義務化は行われない方針です。保有促進の取組で何とか保有率を向上させようと努力をいただいておりますけれども、それがまだ道半ばにあるという中にあって、今回の京都の取組も、残念ながら、このマイナンバーカードのメリットを最大限活用することができないということに加えて行政コストも残ってしまうと、この状況については率直にどんなふうにお感じになりますでしょうか。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 免許証の四桁が思い出せない松本でございますけれども。  御指摘のとおり、京都市でこうやってマイナンバーを使っていろいろといろんな施策をやっていただいていることには非常に我々としても有り難いなと思う一方で、使い切れていないという御指摘でございます。  マイナンバーカードは、先ほどから申しましたように、その厳格な本人確認をするという点が一番メリットがある部分なんですけど、その前提として、まず必要な顔写真を撮って、それは本人が当然撮影しなきゃいけなくて、それをまた役所で対面で確認をするという非常に手間が掛かっている。その手間があるからこそ厳格な本人確認に結び付いているんですけれども、そこがまだ国民の皆さんには結び付いていないというところだと思います。  なので、今委員のお話をずっと聞いていて、その手間が価値のあるものだということを国民の皆さんにはもう一声ちゃんと言わないと、一億人が持っているからっていってあぐらをかいているわけにはいかないなというふうに強く思いました。ですので、残りの方々、あるいはもう既に持っている方々に対しても、この話をしっかりと周知をしてまいりたいというふうに思いました。  ありがとうございます。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  取得の手間がまさにその本人認証の確実性を支えているという大変分かりやすい御説明で、私も市民の皆さんに説明するときに是非使わせていただきたいというふうに思いました。  当然ながら、既にこれだけの保有率ですので、行政コストは低減できていますし、そもそもマイナンバーカードがなかったら、こういう二重価格、市民優先価格みたいなものも現実的ではなかったんではないかとさえ思いますので、前には進んでいるんですが、どうしても残る二割の非効率を思ってしまうところでございます。  各地でオーバーツーリズムを指摘されていますし、また人口が減る中で、ちょっとでも多く人に住んでほしいと各自治体思っていらっしゃいますので、市民に何らかの優遇をと考える自治体もこれから出てくると思います。その中で、京都市さんはそういう考え方持っておられないんですけれども、例えば仮にですけれども、種々のこの市民優先価格制度の運用において、自治体が本人認証の確実性を重視したいということで、マイナンバーカードを通じた本人認証を絶対条件にしたいということをおっしゃり始める可能性というのもゼロではないと思います。  こうした際に、政府としてどのように対応、助言をされるかというのを、国交省さんには公共交通に特化をして伺いたい、デジ庁さんにはより普遍的に、この市民優先価格をマイナンバーカード保有者のみにという自治体が出てきたときにどんなふうにアドバイスをされるのか、それぞれ伺います。

原田修吾 国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(原田修吾君) お答え申し上げます。  一般論といたしましては、公共交通における本人認証の確認、実施方法といいますと、例えば公的な機関が発行するような一定の本人確認書類を用いて実施するということが考えられますが、地域の交通の利用状況を踏まえまして、まずは自治体や事業者が検討して判断するものというふうに考えておりますし、国土交通省といたしましては、これらの個々の判断を踏まえまして適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  普遍的にという御指摘でございましたので、一般的なお話になって恐縮ではありますけれども、マイナンバーカードを用いた厳格な本人確認ということを必須とする場合に、恐らく、二重価格という例示はいただきましたけれども、どのようなオケージョンと申しましょうか、場面において、どのようなサービスが提供され、それがマイナンバーカードを持っている人と持っていない人で差が付くかという辺りを実質的な検討が必要かなというふうに思います。  そのサービスの例えば必要性ですとか内容といった、そういった性質あるいは内容をしっかり精査いただくことがまず肝要かなと思いますので、一律に私どもの方で判断をここですることは難しいということは御理解賜れればと思います。  以上です。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  まさにその不可欠性がどの程度のものについてそうやって差を付けようとしているのかということをケース・バイ・ケースで見る必要があるんだろうと思います。おっしゃるとおりかと思います。  誰一人取り残してはならないという発想で特に公共交通なんかは考えなくちゃいけないんだろうなというふうに思いますが、今御紹介いただいたように、例えばバスの中でわざわざ本人確認書類出して一件一件というのは、やっぱり、特に京都みたいな都市では現実的ではないと思いますので、事前にひも付けるとなるとどういう方法があるのかという話になってくるのかなと思います。  まさに、もう少し不可欠性の低い娯楽の類いに近いようなサービスにおいては、マイナンバーカード必須の市民優先価格の設定というのも、もしかすると法的、憲法的に許容されるケースが出てくるかもしれないと思うんですが、ちょっとそこにもつながる話で、最後に大臣に伺わせていただきます。  京都市は、今後、この仕組みを観光施設、まずは公共施設に横展開することを検討しているそうでございます。受け入れる施設側にもシステムに対応した精算機の設置が必要になりますし、また、交通系IC以外の決済手段にひも付けたいということであれば、また新しい行政コストの需要が生じてくると。  京都市に限った話をしたいわけではないんですけれども、広くこういう取組に対して、デジ庁さんではどのような支援を行う余地があるか、最後に教えてください。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) マイナンバーカードの利用シーンの拡大は、公共に限らず、例えばエンタメ領域なんかでも、本人の確認して入場できるとか、そういったところにも今活用を広げようとしております。同じような文脈で言えば、公共の施設であればなおのこと、我々は政府の機関としてマイナンバーの活用については支援をしていかなければいけないと思っているところです。  なので、今、京都市さんのこういった試みは、非常に優良なユースケースとして横展開をしていくということについては、我々としても積極的に支援ということをしてまいりたいというふうに思っております。

新実彰平 日本維新の会

○新実彰平君 ありがとうございます。  確実な本人認証が容易にできるというマイナンバーカードの長所、利便性を強く実感いただける施策だというふうにも思いますし、義務化をお考えでないからこそ、こういう利便性を実感していただける施策は全力でお支えをいただいて、保有促進にもつなげていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 ありがとうございます。日本維新の会の上野ほたるでございます。  本日も質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。  それでは、早速ではありますが、まず初めに、事業者向け行政手続の取組についてお伺いいたします。  デジタル社会の実現に向けた重点計画におきまして、事業者向け行政手続のデジタル完結の推進が掲げられています。これを達成するためには、やはり先ほども話題になっていましたGビズIDを普及していく、利用を向上していくということが大変重要かというふうに考えております。  現在のGビズIDの利用状況につきましては、デジタル庁さんのホームページの利用状況に関するダッシュボードからも見ることができまして、ここ数年、利用数は確実に上昇しております。  しかしながら、これ、事業の評価書も拝見させていただいたんですけれども、過去に実施したアンケート等においては、このサービス自体を認知している方は六割程度アカウントを発行されているんですけれども、しかしながら、この認知率自体が一四%にとどまっていると。やはり、この認知が更に進んでいけば、このGビズIDを更に利用率が上がって活用できるのではないかなというふうに思います。  広報活動自体、大変地道なことだということは十分承知はしているんですけれども、是非、効率化、利便性の向上に向けて更なる促進をすべきと考えます。特に、人員や時間、労力を割くのが難しい中小企業や小規模事業者の方も日本国内はたくさんあられますので、計画に掲げておられます目標八〇%の利用拡大を達成するためには、こうした小規模事業者にきめ細かいサポート等をすることが必要かというふうに思っております。  目標達成への対応等、是非、大臣の意気込みをお聞かせいただきますようお願いいたします。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) GビズIDは、国、自治体の行政システムが大体二百六十を超えてあって、これにログインできる事業者の共通の基盤であるわけでございます。  八月の末の時点で約百四十七万のアカウントが発行されていまして、これは納税申告をする全法人の三分の一ぐらいと。ですから、まだ三分の二は利用できていませんので、これはもうまさに認知度が足りない、周知が足りないということは多いと思います。もっとも、その中には必要のない業種の方々もいらっしゃるかもしれませんけれども、そんなところを見るよりは、むしろまだまだ利用が広がるであろう人たちにしっかり認知をしていただくということが大事だというふうに思っております。  ゆえに、午前中も申しましたけれども、まさに本日、日本商工会議所とそれから全国商工会連合会の方に、私自身が直接、もっと使ってくれということをお願いに上がるところです。まずはそこからやって、あと皆さんの御意見を聞いてから、どういうふうに展開をしていくかということをまた改めて考えていきたいということなので、また機会がありましたら、今日の午後の会見、会見というかお話の様子なども皆さんにお伝えしたいというふうに思います。  ありがとうございます。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 ありがとうございます。  まさにその午後の会議についても大変注目をしているところでもございます。  ただ一方で、こうした士業団体の方というところに関しては、やはりまだまだ十二分な認知が進んでいないかと思いますので、是非御注力いただきたいというふうに思っております。  特に、これ、GビズIDを申請するに当たっては、旧来どおりの郵送とそれからオンライン申請と、この二種類がございます。このオンライン申請に関しては、特に、行政手続等での本人確認におけるデジタルアイデンティティの取扱いに関するガイドライン、すごく名前が長いんですけれども、また、これと具体例を示した解説書が作成されていまして、本当にアカウント作成時のこの本人確認については厳重に取り扱うべきというところの姿勢が特によく見て取れます。  ただ、一つ懸念すべきは、申請者本人以外の第三者が本人のアカウントを用いて申請等を行う、いわゆる成り済ましをやはり防止すべきというふうに考えております。GビズIDにおいて、この成り済まし防止のための機能であったりとかルールであったりとか、この辺りをお聞かせいただければと思います。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  まず、GビズIDに関しましては、申請者本人以外が、第三者が本人のアカウントを用いて申請を行うといったようないわゆる成り済まし行為につきまして、利用規約というところで禁止をさせていただいておるところでございます。  また、例えば士業の方が代理で手続をするということもあろうかと思います。実際に、中小企業の方を支援をするという観点からは、そういうような機能の充実も求められているところではございますけれども、そこを厳格にやらなければいけないということで、その委任と委託を受ける方とする方、両者がGビズIDを持っていることを要件としております。  GビズIDの発行、振出しに関しましては、先ほど先生がおっしゃっていただきましたとおり、マイナンバーカードですとか、あるいは印鑑証明書といったような厳格な手続を踏んでおりますので、それも踏まえた上での成り済まし防止という装置が内在されているというふうに御理解賜ればと思います。  以上でございます。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 そうですね、そういった規約がきちんと定められているということもやはり周知いただきたいなというふうに思います。どうしても小規模のところですと代表者の方が代わりにやっておいてということも起こりかねないなというふうにちょっと懸念をしておりますので、また是非お願いいたします。  先ほども少し触れましたが、旧来の申請方法である郵送が、まだこれも残っていまして、これに関しては、やはり代表者の方のマイナンバーカードをオンライン申請では使わなければならない、必要性があるということが一つ課題になっているのではないかなというふうに思います。  ただし、こうした事業者さん自体ですとか省庁の事務作業の省力化のためにも、オンラインの手続を是非推進すべきではないかなというふうに考えております。事前のお聞きした話ですと、まだ郵送の場合は印章を自前で、目視で確認をされているということで、職員の方の御負担もあるかと思いますので、是非その点について見解をお聞かせください。

三浦明 デジタル庁統括官

○政府参考人(三浦明君) ありがとうございます。  まさに委員御指摘のとおりでありまして、このデジタル化のオンライン申請というのは、私どもとしてもますます広げていきたいというふうに考えておるところでございます。  GビズIDのオンライン申請を御活用いただければ、最短で即日でIDの振出しというのは可能となります。これは郵送の場合にはやっぱり二週間程度掛かるということを比べましても、かなり利便性は高いんじゃないかなというふうに思っております。  ただ一方で、今御指摘賜りましたとおり、確実な本人確認の手法としまして、オンラインでやる場合には法人の代表者のマイナンバーカードというものの利用を求めております。これが特に規模が大きい会社となりますと、代表者の方のマイナンバーカードをお借りするという辺りが非常に実務としては問題と申しましょうか、苦労なさっているというふうには伺っているところと承知しております。  私どもデジタル庁といたしましても、オンライン申請を更に促進していかなければならないというふうに考えておりまして、この点の解消、重要と考えております。より行いやすい法人代表者の本人確認手法について、今後検討を進めてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 ありがとうございます。  午前中の質問の際にもちょっと触れて、若井議員の方も触れておられたんですけれども、やはり小さい企業さんになられますと、どうしても士業の方に委託をする費用ですとか、いろんな懸念点があってどうしても二の足を踏んでしまうという側面もあるかと思いますので、また是非簡易、簡易といいますか、もちろん認証はしなければならないんですけれども、是非そうした利用をしやすい環境をまた進めていただければと思います。  次に、先ほど申し上げましたこういった中小企業であったりとか小規模事業も多い中で、特にこうした人員であったり時間、労力を割けないようなところがたくさんあられますので、是非、民間での利用が拡大すれば、行政と民間の申請事務に始まり、民間と民間の契約に関わる事務手続なども、企業側の事務負担も軽減につながるのではないかなというふうに考えております。  こうしたGビズIDの民間への拡大利用について、大臣、是非お聞かせいただければと思います。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) GビズIDは、今のところ行政サービスを行うシステムと接続をしていて、民間サービスとの接続はないところでございますけれども、民間サービス側からいうと、GビズIDを利用したいという声は来ているということです。  なので、今我々としては、民間サービスとの連携に向けた実証を進めているところでございまして、法人のGビズIDを利用することで、口座開設等で負担になっている法人の身元確認を簡略化するのにGビズIDを利用しようということで、今、金融、証券に関する口座開設を行う提案が三社来ております。  こういうふうにして、この実証実験、接続実証ですね、これを昨年度、令和七年度にやっておりましたので、その結果等々を踏まえて、令和九年度以降に民間サービスの連携の実現を目指してまいりたいと思っております。  一点だけ、先ほどの私の答弁で訂正です。百四十七万のアカウントが発行されている際に、今年の八月と言ってしまいましたが、三月末でございますので、訂正させてください。済みません。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 ありがとうございます。  こうした先ほどの補助金の話もそうなんですけれども、是非、民間企業の方に使いやすいシステムをまた推進していただければというふうに思います。  次の質問、ガバメントAI「源内」について再度お聞かせいただきたいと思います。  せんだっての質問のたびに取り上げさせていただいているんですけれども、この後、本格的に実証が庁内で始まって期待をかなりしているんですけれども、他方で、この「源内」に取り込む情報の精度というのが今後のハルシネーションを防ぐことですとか回答の精度を上げていくということにつながるというふうに思っております。  そこで、このガバメントAIの取組について、今まさに情報収集を行っているところだと思うんですけれども、このデータセットの調査と収集の進捗についてお聞かせください。

蓮井智哉 デジタル庁統括官

○政府参考人(蓮井智哉君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、デジタル庁では、ガバメントAIを通じた行政実務の高度化ですとか効率化を図ることを目指しまして、令和七年度補正予算に基づきまして、行政業務に特化した生成AIアプリケーションの開発に必要な官報ですとか法令、白書などの政府共通データですとか、あるいは法令の逐条解説書などの関連書籍といった政府向けのAI用データセットの調査、収集、加工等を行う事業を進めております。  現在、この本事業を行う事業者の選定作業を進めておりまして、本年五月を予定しておりますこの事業者の決定後、知的財産権などの権利処理ですとか、AI用データセットといった適切な品質とするための加工などを行った上で、その準備が整ったデータセットから順次生成AI利用環境「源内」の中で用いることにしたいと考えております。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 この後いろいろ検討はされるんだと思うんですけれども、国だけではなくて、地方自治体の保有する情報を集められると思います。  これ、例えば、地方自治体の文書を開示請求などをした際には、この黒塗りで出てくる部分が実は自治体さんごとによって結構まばらなこともございまして、本当に、自治体によっては、メモ書きかなと思うぐらいのささいなところまで開示をしてくださるようなところもございます。  この文書の開示方法にしましても、どこまでを保有する文書として考えるのかという判断に関しましても自治体さんごとに分かれてしまいますので、こうした情報に関しては、自治体の、積極的に開示する自治体と、そして比較的消極的になっている方と様々と認識があります。  こうした課題がある中で、自治体の情報やデータ収集等をどのように進めるべきと考えておられるか、是非御見解をお聞かせいただければと思います。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 自治体が保有している固有の情報やデータの開示状況は、委員おっしゃるとおりというか、まちまちなんですね。それはもう個々の自治体の判断次第だろうと思っています。  我々としては、いろいろ業務の効率化のためにできるだけ多くのデータをAIに学習をさせたいというふうには思っておりますから、自治体によってデータの開示がまちまちというのは余り、何だろう、できればひとしくやってほしいなと思うのは本音のところでございます。ただ、それは各自治体の判断でございます。  この際、実は、AIをつくっていくにおいて、こっちの自治体はいっぱいデータ出していて、こっちは全然出さないと。でき上がったAIを、たくさんデータを出したところは当然使うんだけれども、何にも出していないところも使っているということになると、これは自治体間によって、何だろう、フリーライダーがいるということは不公平にもなりますから、今後、このデータのやり方というのは、無理やり出さないものを出せというのではなくて、出した方のメリットがあるというような形で、少しでもそのデータ開示が前に進むようなやり方というのはあるだろうというふうに思っています。  したがって、こういったメリットを出すためには、データの提出やアンケートなどの協力いただいた自治体にはインセンティブ与えてAIの活用を進めていただけるし、フリーライダーはそれはちょっと良くないよねということが各自治体に分かっていくような形を通しながらデータの開示をできるだけ進めていくというやり方はあるだろうというふうに思っております。

上野ほたる 日本維新の会

○上野ほたる君 ありがとうございます。  この後、オープンソース化も検討されているかと思いますので、是非、自治体さんも使いやすいような形で取り組んでいただければと思います。  ありがとうございました。

岩本麻奈 参政党

○岩本麻奈君 参政党で医師の岩本麻奈です。  まず冒頭、午前中に活発な医療DXの質疑が行われたこと、大変うれしく思っております。そして、何より、大臣から前向きで力強い御答弁があったことを心強く感じております。  さて、先日の大臣所信演説では、カルテや地方公共団体基幹業務システムの標準化、国と地方との円滑なデータ連結など、連携に関する取組への言及が多数ございました。連携の対義語は、分断でございます。本日は、我が国のデジタル政策の根幹に関わる問題、このデータの分断についてお伺いしたいと思います。  現在、政府はDXやAIに巨額の予算を投じておりますが、現状では、システムごとにデータがつながらない、同じ情報を何度も入力しなければならない、AIを導入しても十分に活用できていないといった構造的問題が常態化しております。  これは単なる技術の問題ではなく、データのサイロ化、すなわちデータ連結の欠如の問題ではないかと考えております。そして、このサイロ化という縦割り構造の実態は、ミクロのレベルで標準化や相互運用性が欠けていることの積み重ねでもあるのではないか。  例えば、英国では、教育、福祉、就労、司法等の行政データを連結して政策効果の検証に活用しておりますし、家族支援政策の分野では、こうしたデータ活用を前提とした評価により、投資に対して費用対効果が確認されたという事例もございます。  そこで、お伺いします。  我が国のDXが現場で十分な成果を上げられない背景として、標準化や相互運用性の不足を土台として分野横断でのデータ連結が進まず、いわゆるデータのサイロ化が生じていることが大きな阻害要因の一つになっていること、この御認識はお持ちなんでしょうか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) お答え申し上げます。  今委員から、我が国のDX、十分に成果が上がらないという御指摘、また、その阻害要因といたしまして、データのサイロ化、相互運用性の不足というところを挙げていただいたところでございます。  これ、データの分断には様々な理由がございまして、例えば、私どもの調達単位の問題、別々の業者にお願いをするとそれぞれ責任を持ってつくれるようにどうしても分けたがるというようなところもありますし、あるいはつくった時期によって使っている技術が異なるとか、いろんな理由で分断しているということがあろうかと思います。  おかげさまで、マイナンバー制度を始めとして制度整備もこの十年近くで進んでまいりましたし、オープン化であったりですとか、レガシーシステムの刷新も含めてこの四半世紀取り組んできたところでございまして、段階的には改善はしているつもりではございますけれども、まさにこの委員御指摘のようなところというのは引き続き課題になっているという認識はございます。

岩本麻奈 参政党

○岩本麻奈君 ありがとうございます。  政府自身も二〇一九年の内閣府CSTI関連資料において、科学技術関連データが各府省庁等に分散し、データが不統一で、様々な角度から分析不可と整理した上で、標準化やデータ間の連結、連携の推進が必要であると明示されております。  そうした分断や非連携の問題に対する政府の司令塔としてデジタル庁というのが二〇二一年に創設されたのではないかとも思っておるんですけれども、発足から四年半、五年、まだいまだにやはり同種の問題が各所で続いているということで、やるべきことというのは当時から見えてきたはずなんですけれども、問題認識は既に共有されているというところで、どのように具体的にやっていくかというところを実装していくのかが問われているんじゃないかなと思っております。  そこでこの資料なんですけれども、さて、地方自治体ではこのデータ分断を解決する試みというのが行われております。こちら、例えば、この資料なんですが、金沢大学の研究グループは、石川県羽咋市と連携し、健康増進分野において自治体データの横断的連結と分析を行う羽咋市プロジェクトに取り組んできたということです。  こちらの資料の、最初、七ページ目をおめくりください。こちら、線で引いてあるところなんですけれども、循環器及び内分泌患者の健康、生活習慣、医療費に関する分析においては、毎日の飲酒習慣が結果として医療費の上昇につながることが示唆された。  さらに、高齢者におけるコロナ太りの実態というところでは、次のページをおめくりになりまして、上の方のところに書いてあるんですが、逆に、むしろ痩せやサルコペニアに注意が必要である可能性が示唆されたと。この線のところ、真ん中辺りです。すなわち、健診結果とレセプトを連結させることで、生体データから疾病や医療費を予測する統計モデルを構築することができるとなっております。  そこで、一ページ目なんですが、これも、右側の真ん中辺りです、線で引いてあります。自治体には膨大な地域情報のデータストックがあるが、部局ごとにばらばらに扱っているだけで、連結して活用していない、これが専門分業型の行政から抜け出せない一因にもなっていると明記されております。  最後が九ページ目、左の上から三分の一ぐらいのところですね、まとめです。これら全国共通の基本データを用いた本件でのデータセットの構築や、その応用分析の手法というのは、ほぼそのままの形で全国に水平展開が可能であると書いてあります。  すばらしいこれは一つのサンプルではあるんですけれども、このように、技術はしっかりと活用され、方法も提示され、現場では既に実証されている例もあるにもかかわらず、やはり国ではまだ問題が、なかなか実装されてこないというところに問題の本質があるんではないかなと思われます。  これは羽咋市に限らず、地方自治体では同様の取組が複数報告されておりまして、ですが、それらはあくまで個別最適化にとどまり、国全体の標準化、連結にまだ至っておりません。  すなわち、このデータ分断の問題というのは、現場の努力だけでは解決できず、標準化を制度として担保しなければ解消できない構造問題だと思われます。したがって、データ分断という現状に対して、もはや任意のガイドラインや努力目標だけでは限界があるのではないかと思われます。  韓国では、政府主導でこの十年、医療情報の標準化と連結に段階的に取り組み、EMR認証や情報公開標準の整備を進めております。このような情報を踏まえれば、我が国においても、デジタル政策全体において標準化と相互運用性の確保を国家として制度的に担保していく必要があるのではないかと思われます。  そこで、大臣にお伺いします。  少なくとも、国費で整備、公開する行政情報システムについては、システム間のデータ連携を可能にするため、標準仕様、共通語彙、API実装への遵守を原則として義務付けるべきではないか、そうしなければ、ベンダーごとの仕様等、乱立とデータ分断は根本的に解消しないではないかと思われるのですが、現在義務化に踏み込まない理由と今後の方向性をお伺いしたいです。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 行政情報システムについては、この今お話、御提案がありました、その標準仕様、共通語彙、APIの実装など義務化をしなさいということでございまして、義務化をすればしたなりの効果はもちろんあるとは思います。  これ、僕デジタル大臣やってからずうっと悩んでいるんですけど、いろんなものの義務化をした方が世の中のデジタル化は早く進むのか否かという話なんですけれども、これちょっとデジタル庁の中でも結構議論をしていたんですが、例えば、ガイドラインばっかりは駄目だみたいなお話がございましたけれども、例えば、デジタル社会推進標準ガイドラインで、先ほど、午前中もお話ししました、各府省庁が遵守すべきドキュメントとそれから参考にできるドキュメントとを分けて、遵守しなきゃいけないのは真ん中で、これはもうちゃんとやってくれ、ある意味、府省庁に対して義務化です。それから、参考にすべきものはその外側にちょっとありますよということで、あとは自由みたいな。段階を経て一つの、何というかな、標準化を進めようとしているわけですね。  ここからここまで義務だというふうにしてやるのと、段階を経て、少しそういう余裕を持って進めるのとどっちがいいかという多分話になると思うんです。  実は、AIとかの進歩を見ると、物すごい勢いで今進んでいるわけですね。そうすると、それに都度都度合わせていくだけのある意味レジリエンシーみたいなものを我々は持つ必要が逆にあって、がちがちに決めちゃうと、逆に言うとそのレジリエンシーを失ってしまうんじゃないかという意見もあって、僕はそれ確かにそのとおりだなと思っているので、今がっちりと、これから先、数年間もう絶対変わらないという状況であれば義務化することもありだと思いますが、将来的なそのいろんな発展性、変化の度合い、多様性というのを考えたときには、余り義務化をせずに、ガイドラインでもって、今言った、いわゆるノーマティブとインフォマティブという考え方を使いながら標準化を進めていくやり方を取る方が今はいいんじゃないかなというようなことを、もう半分僕の感想もあるんですけど、考えているところでございます。

岩本麻奈 参政党

○岩本麻奈君 大臣、ありがとうございます。  ただ、今まで、そうですね、やっぱりこの二十年ぐらい遅れてしまっているという、ほかの国というか、特にすごく、シンガポールとか韓国とかエストニアとか、やっぱりアメリカとか、すごく進んでいるところに比べると、それらの国はやはり結構義務化というか、最初にどんと政府がこうやれと決めたところが回りは早いかなと思ったもので、お尋ねしました。

松本尚 デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本尚君) 別に反論するつもり全然ないんですけど、例えば、本当にデジタル化が進んでいる国、バルト三国なんかもそうですし、インドネシア、ごめんなさい、シンガポールなんかもそうなんですけど、台湾もそうでしょうね。非常に、ある意味、人口が小規模で戦後に国が成り立っていった国が多くて、そういう国は比較的義務化はしやすいと思います。  ところが、我が国もそうですし、あるいは同じような課題を抱えているのはイギリスとか、それからドイツなんかも、彼らと話していると結構苦労している部分はあります。  それはやはり、歴史と、それからそれまでのいろんな社会システムというのがもうでき上がったところで、そこからデジタル化を進めなきゃいけないということになっていて、これは、こっちがうまくいっているから日本も同じことできるかというと意外とそうではなくて、なので、どちらかというと、うまくいっているところよりもいっていない国の情報をたくさんもらって何かうまくやった方がいいんじゃないかなというのが今の僕の考え方です。  なので、もちろんうまくいっているところを参考にするのは重要なことだと思いますが、それをもって何かこうしなければならないというのは、今のところ苦労している、僕なりに悩んでいるところではあるということは皆さん是非御理解をいただきたいと思います。

岩本麻奈 参政党

○岩本麻奈君 大臣、どうもありがとうございました。  おっしゃるとおり、小国の方がやりやすいというのは、まさにこの自治体が今、日本で頑張っているということとまさにリンクしていると思います。  それでは、最後に人材体制についてお伺いしたいと思います。  今、各省庁では、かねがね二年程度の人事ローテーションが行われていると聞いております。しかし、AIやデジタル分野のように、専門性が極めて高く、かつ日進月歩で進化する領域において、このような短期間の異動が政策の継続性や専門性の蓄積を阻害しているのではないかと懸念しております。とりわけデータ標準化や相互運用性の確保といった構造的な課題は短期間で解決できるものではなく、中長期的に責任を持って取り組む体制が不可欠であると思います。EBPM的にもその方が整合性が取れております。  そこで、お伺いします。  デジタル、AI分野において現行の人事ローテーションが課題となっているとの御認識はありますでしょうか。仮に課題認識がある場合に、五年とかそれ以上の単位で専門人材を育成、配置するような仕組みを導入するお考えがありますでしょうか、お答えください。

森田稔 デジタル庁総括審議官

○政府参考人(森田稔君) お答えいたします。  政府部門におきましても、デジタル分野の中核となる人材を計画的に育成、確保していくことは大変重要であると認識しておりまして、その中には人事ローテーションの問題もあるかと存じます。  政府といたしましては、政府としてまず定めておりますデジタル人材の確保・育成総合強化方針、これに基づきまして、さらに各府省庁の方でデジタル人材確保・育成計画というものを策定しております。こうした方針ですとか計画に沿いまして、キャリアパスの中で必要となってくる業務の経験、研修の受講、そういったものを明示しつつ、各府省がそれぞれの業務特性に応じて人材育成に計画的に取り組んでいるところでございます。  デジタル庁の計画におきましても、デジタル区分を始めとした新卒採用職員の確保のほかにも、短期及び中長期において求められるスキルを体系的に習得するための各種の独自研修、それから、これはデジタル庁特有の状況ではございますが、即戦力である非常勤専門人材、周囲にたくさんございますので、彼らとともに庁内業務を従事する形でデジタル関係スキルを習得していく、言わばオン・ザ・ジョブ・トレーニングのような形のものなど、こういったものをしっかりと計画の中に記載して取り組んでいるところでございます。  また、デジタル庁といたしまして、政府全体の各府省庁の職員に対しても統一研修なども実施してございまして、今後も、より実効性の高いこういった人材育成の仕組みを検討してまいりたいと考えてございます。

岩本麻奈 参政党

○岩本麻奈君 ありがとうございました。  やはり民間人材というのよりも独自で、やはり国家の国防とか安全保障とかいろんなものに関わります、中枢に関わりますので、是非そこで育成をお願いしたいというところで、質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  本当、今日は若くて元気な方々の質問が続いて、いいなと思って、デジタル世代だなと思って聞いておりました。負けないように頑張らないとと思いますが。  資料で新聞の社説二枚お配りしております。  この間、アメリカのAI開発の新興企業、急成長しておりますアンソロピック社が、トランプ政権と対立していることがアメリカでも世界でも大変話題になっております。アンソロピック社というのは、二〇二一年設立されて、二〇二五年七月に大規模言語モデルAIであるクロードというものをアメリカの国防総省へ提供したと。最大二億ドルの契約を締結して、アメリカ国防省では最大の納入業者となったわけでございます。  新聞記事にもありますけれど、アンソロピック社というのは、単に金もうけだけじゃなくて、安全重視のAI開発というものを掲げて、開発方針、利用規約において、人間が介在しない完全自律型兵器に使わないでくれと、自社のクロードを使わないでくれと。つまり、人間の判断なしに、例えばドローンが自分で勝手に標的を探して爆撃したり殺傷するというような完全自律型兵器ですね、こういうものには使わないでほしい、あるいはアメリカ国民の大規模な監視には使わないでほしいと。二〇一三年ぐらいですかね、スノーデン事件がありまして、アメリカの国家安全保障局がアメリカの国民の個人情報を大量に収集していたということが暴露されましたけれども、そういうこともありまして、国民の大規模な監視には使わないでほしいというようなことをアンソロピック社は会社の方針として掲げていたわけですね。  ところが、今回、アメリカのトランプ政権がイラン攻撃で標的の特定とか戦闘などにこのクロードを用いたということが分かったんで、アンソロピック社はアメリカの国防総省に対して使わないでほしいと、禁止行為には使わないでほしいという保証を求めたんですけれど、トランプ大統領はそれを拒否をして、結局対決になったわけですね。交渉は決裂して、トランプ大統領の方はむしろアンソロピック社を、サプライチェーン上のリスクという言い方ですが、要するに安全保障上の脅威だと、おまえのところの会社は脅威だというふうに逆攻撃をして、今それが提訴、訴訟になっているという事態になっております。  このことは、ある国の政府とある国の一つの企業ということにとどまらないで、AIの可能性、危険性を非常に示唆した重要な論点を含んでいると思いますけれど、一般論で結構なんですが、大臣としてこの問題どのように受け止めておられるか、お聞きしたいと思います。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) 委員おっしゃっていただいたように、個別の民間企業の方針に対してコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で一般論として申し上げますと、AIは今後も様々な分野での活用が期待され、経済、社会の発展を支える基盤技術であり、また安全保障の観点からも重要な技術であると考えております。  昨年十二月に策定したAI基本計画においても、デュアルユース技術としての安全保障に関わる技術の高度化、そして平和の構築にも貢献するところが期待されるというふうに記載されております。また同時に、AIの利活用に当たっては、安全保障分野での利活用も含め、そのリスクの最小化をしつつ恩恵を最大化できるように取り組むことが重要であると認識しております。  AI基本計画に基づいて関係府省庁において適切な対応が取られるよう、担当大臣として必要な取組を進めてまいりたいと考えます。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 この問題を少し具体的に考えてみたんですけど、トランプ政権は米軍装備の近代化、AI化を急速に進めておりまして、ワシントン・ポストによりますと、イランへの攻撃にメイブン・スマート・システム、MSSというソフトウェアを用いたと。  アメリカのホイットワース海軍中将は、去年五月の講演でこんなことをおっしゃっておりまして、今まで二千人を必要とした標的の確認、これを二十人のチームでこなしたと。従来、衛星写真から標的を絞って攻撃するまで数時間作業を必要としたが、このMSSシステムの導入で数分で標的を決めることができたと。このMSSはアンソロピックのAI、クロードを組み込んでいるので、アンソロピックはやめてほしいということを言ったわけでございます。  これはどういうことなのかと。このホイットワース海軍中将がおっしゃっていることは、二千人要したのが二十人で済んだと、数時間掛かったのが数分で済んだと。つまり、攻撃、殺傷、今回だと市民の虐殺も含まれましたけれども、こういうものを省力化すると、時間短縮になったと。これをどう考えるかということですね。  人間が、ある政権が、即時に大規模な壊滅的な打撃を与える能力、これAIのおかげですね、を入手したと、取得したと。このことが過剰攻撃とか必要以上の打撃とか、あるいはいきなり即時壊滅的打撃、一瞬のうちに壊滅的打撃を与えるとか、そういう危険性はなかったのかどうかと。AIが活用されたことによって、何といいますか、ためらいのない破壊といいますか、というものが、このイラン攻撃の中で、AI活用によって、新しいAIの活用によって顕在化したんじゃないかというふうに、こう思うわけですね。  したがって、このAIの存在、AIの軍事活用というのは、決してトランプさんやネタニヤフさんの個性だけではなくて、この間の一瞬の破壊、過剰攻撃というのは、やっぱりAIという存在が、AIのその怖さ、危険性が介在しているんじゃないかというふうに、こう思うわけでございます。  もう一つは、AIの軍事利用は、今申し上げたように、省力化、時間短縮によって一気に破壊とか過剰攻撃とか、その倫理問題も含めて起こす危険性あるんですが、もう一つ、攻撃の低コスト化、安上がりということを引き起こしておりまして、例えば、ドローンのAI装備でアメリカの中央軍は、今年の二月二十八日に、新しいドローン製造したんですけど、低コスト無人戦闘攻撃システム、LUCAS、ルーカスというのを実戦で利用したと発表したんですね。  このLUCASというのは無人戦闘機で、徘回型兵器と言われていまして、自分で徘回して、AIが敵を見付けて一瞬に攻撃をすると、破壊すると。人間が介在しないようなものでございまして、これはアメリカ国防省のホームページによりますと、開発したのはアリゾナ州のドローン会社で、スペクターワークスですね。この無人戦闘機一機につき一万から五万五千ドル、約百六十万円から八百六十万円、一千万円以内で作れるそうなんですね。今までの大型無人機ですと、三千万ドル以上コストが掛かったと。コストが掛からないということで、低コスト無人戦闘攻撃システム、LUCASと付けたらしいんですけど、無人攻撃機が空を飛び交って、徘回して人を見付けては殺すと、爆撃するというようなことなんですね。何かどこかのSF映画、近未来映画で見たような風景がもう出現しているということなんですね。  つまり、このコスト、省力化、時間短縮、低コストというところがAIの軍事利用によって実現するということになると、今まで人間が人間を攻撃した、それも良くないんですけれど、それを超えた大変危険な、つまり人間の関与が少なくなれば殺傷とか破壊への抵抗感、逡巡はなくなるわけですね、機械に任せますと。そういう、逆に言うと人間はもうAIに任せておくというようなことになりかねないので、大変危険なことをはらんでいる事態がAIによって今起きつつあるんじゃないかと思うんですが、もしコメントあれば、いかがでしょうか。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) そうですね、我が国においては、AIの開発及び利活用に関して、人間の尊厳、そして基本的人権を尊重し法令を遵守することであるとか、AIの活用によって生命、身体、財産等に危害を及ぼさないようにすることを事業者に求めるなど、AIの適正性確保に関する指針をこれ安全保障分野に限るものではなく定めておりますけれども、やはり午前中の質疑でもありましたように、AIが進化すればするほどに一番重要になってくるのは人間の主体性、人的主体性、ここがしっかり人間がハンドリングしていくということはすごく重要なことなんだろうというのは有識者の会議の中でもお話をされているところでありまして、その点は私もそう思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 この日経と朝日の主張で共通している点なんですけど、AI軍事利用における倫理というのは、これ、アンソロピック社が抵抗して頑張っているんですけど、一企業に任せていい話なのかと。これはやっぱり国際協調で、みんなでルールを考えていく、こういう兵器の使用について規制していくことも含めて議題にしていくべきじゃないかというようなことが、この二つの社説の共通点でございます。  実際、二〇二三年に日本が議長国であった広島サミットですかね、そのときにこの問題、こんな具体的じゃないんですけど、AIの適正な活用について広島AIプロセスという中で議論はされているわけですよね。そういう点では、本当に、ロシアとか中国とかアメリカに任せておくとなかなかこの議論進みませんので、やっぱり日本がイニシアチブ、日本だけじゃないですけどね、ほかの国と一緒に、このAIの軍事利用についての危険性の検討も含めて、どういうふうにルールを作っていくかということは、せっかく広島AIプロセス、日本がイニシアチブ取ったわけですから、そういう中も含めて、国際的な協調の中でルールを決めるということに日本政府も努力していってほしいと思いますが、いかがでしょうか。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) AI基本計画において、軍事領域におけるAIの利用については、人道的考慮と安全保障の観点の双方を勘案したバランスの取れた議論を通じて、国際的な議論へ積極的な参画を行うという旨を盛り込んでいるところでありまして、外務省を中心に積極的な対応を行っているものと承知しております。  特にAIについてですが、急速に技術が進展し民生用と軍事用の技術の分けが困難になっている中で、軍事領域におけるAIのガバナンスには柔軟かつバランスの取れた現実的なアプローチが必要との認識を各国と共有すべく、国際的な議論の場において主導的な役割を果たせるように取り組んでいるものと承知しております。  例えば、国連総会において、軍事領域におけるAIと国際の平和及び安全への影響に関する決議に基づいて、二〇二五年四月に我が国の見解をまとめた作業文書を国連に提出しまして、我が国を含む加盟国の見解を踏まえ、二〇二五年八月に国連事務総長報告書が公表されるに至ったということも承知しております。  今後も、AI基本計画に基づいて、信頼できるAIの実現に向けて、我が国として国際的な議論を主導できるように努めてまいりたいと思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。終わります。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  自治体情報システムの標準化とガバメントクラウドへの移行について伺います。  松本デジタル大臣は所信表明において、標準化について、移行後の運用経費の増加に対し支援をしていく旨発言されています。  自治体の人的、財政的な負担を軽減し、住民サービスを向上させることが標準化の目的です。しかし、自治体の現場では、むしろ人的、財政的なコストが増加し、住民サービスの提供にも影響を及ぼしています。  政府は、当初、標準化によって運用コストは三割削減できると説明していました。前回紹介した中核市市長会の調査では、移行後の運用経費の増加は平均で二・三倍、最大で五・七倍にも上ると訴えています。デジタル庁の最新の調査でも、標準化後のシステム運用経費は約一・八倍に増加すると推計されているということです。  これはどのような推計によるものでしょうか、また、どのような要因によってコストが増加しているのでしょうか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) 委員御指摘の調査につきましては、令和七年度にデジタル庁において、全国の自治体規模別に標準準拠システム移行後の運用経費について抽出調査を行ったものでございます。  移行後の運用経費が増加する主な要因といたしましては、デジタル人材の逼迫や賃上げに伴う人件費の増加、物価高等外的な要因と加えまして、機能やセキュリティーの高度化、システムがクラウド環境に最適化できていないこと、ガバメントクラウドに移行するシステムと移行しないシステムによる基盤の重複、ネットワーク管理費用の発生等の構造的な要因等があるというふうに分析をしております。  その実態はまだ各自治体において様々でございまして、今般、国と地方が協力をして計画的に抑制、適正化するための国庫補助事業を令和七年度補正予算において創設をしたところでございまして、この事業の中で、デジタル庁の支援の下、地方公共団体情報システム運用最適化計画を自治体において作成いただくこととしております。自治体の計画の分析を通じまして、この運用経費の増嵩の実態をしっかりと把握をして、必要な対策につなげてまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 二〇二四年十二月に閣議決定された標準化の推進に関する基本的事項を定めた地方公共団体情報システム標準化基本方針において、移行完了後の運用経費について、二〇一八年度比で少なくとも三割の削減を目指すとされました。閣議決定された標準化の基本方針ですから、コスト試算もきちんとした根拠があったはずです。二二年に閣議決定した移行完了後の運用経費については二〇一八年度比少なくとも三割の削減を目指すという、この三割という数値目標はどのように算出されたのでしょうか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) 委員御指摘のように、自治体情報システムの標準化、ガバメントクラウド移行後の運用経費につきましては、政府が定める標準化基本方針において、標準準拠システムへの移行完了後に平成三十年度比で少なくとも三割の削減を目指すこととし、国はその目標の実現に向けた環境を整備するというふうにしております。  この運用経費の三割削減の根拠につきましては、自治体クラウドを導入したグループにおいて約三割の情報システムの運用コストの削減効果が生じている例が多いこと、また、標準化の取組が進むことにより制度改正に伴うシステム改修経費の削減効果が期待できることなどを踏まえたものであるというふうに承知をしております。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 移行後の運用経費三割削減は、配付資料③、④、⑤のように、二〇一六年八月五日に総務省自治行政局地域情報政策室が公表した自治体クラウドの現状とその導入に当たっての手順とポイントにおいて、同年一月時点で自治体クラウドグループを形成していた三百四十七団体、五十六グループを調査した結果、全体の半分強で三割以上のコスト削減効果が確認されたことを根拠にしているようです。  しかし、この調査における自治体クラウドとは、基幹系システムのクラウド化を実施し、かつ、複数の地方自治体、公共団体の基幹系システムの共同利用を行っているものと定義されており、基幹系システムのクラウド化を実施しているが共同利用は行っていないものである単独クラウドとは明確に区分されていました。  当時、自治体クラウドの導入促進の取組は、複数の自治体によるシステムの共同利用を主眼とするものであり、その費用削減も共同利用から生じた効果と考えるべきだったのではないでしょうか。共同利用から生じた費用削減効果を標準化やガバクラ移行の効果にスライドさせたこと自体が大きな過ちがあったのではないでしょうか。  自治体クラウドの取組は、基幹系業務システムを複数団体が共同で外部データセンターで管理運用するものと理解してよろしいでしょうか。自治体システム標準化の取組は、単独か共同かを問わず、基幹系のうち二十業務だけを取り出して標準システムを別個に設けるというものであり、自治体クラウドとは全く趣旨が異なるものでありませんか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) お答え申し上げます。  自治体クラウドも、自治体システムの標準化ガバメントクラウドへの移行も、クラウド環境において複数の自治体でシステムの共同運用を行うという点につきましては目的を同じくするものでございます。  その上で、標準化につきまして、デジタル庁が用意したガバメントクラウドの利用を努力義務として、これを活用することで高いセキュリティー水準や大規模災害対策の実現をこの自治体職員の負担軽減をしながら目指すものでございます。  令和七年度という移行期限を設けたことで、多くのシステム移行を進められたという点においては意義があったというふうに考えておりますが、一方で、ガバメントクラウドに適した形での、開発された、モダン化された標準準拠システムの構築が進まなかったといった課題もあるというふうに承知をしております。  引き続き、このガバメントクラウドを利用環境として、国が定めた標準仕様の下で自治体等が共同利用する環境、このいわゆるマルチテナントを前提とする公共SaaSの開発、これらに向けた検討を含めまして、より一層費用を低減できるための必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 総務省もお答えを。

坂越健一 総務省大臣官房審議官

○政府参考人(坂越健一君) 委員から自治体クラウドと自治体情報システム標準化の違いについて御質問がありましたけれど、自治体クラウドにつきましては、自治体が自分の庁舎におきまして基幹系システムを管理運用することに代えて、外部のデータセンターにおいて複数自治体が業務を共通化した上でシステムを集約し共同で利用することにより、システムの効率的運用を図る取組と承知しております。  一方、自治体情報システム標準化につきましては、自治体の二十業務につきまして、国が定める標準仕様に適合しガバメントクラウド上に構築されたシステムへの移行を行う取組でございます。自治体クラウドと同様に、クラウド環境におきまして、複数の自治体でシステムの共同運用を行うという点においては共通するものと考えております。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 私は二十年前に、実は宜野湾市の基幹系業務システムをデータセンター利用で分散処理システムにする形で包括アウトソーシングをして、今のクラウド、自治体クラウドをしたんです、単独クラウドですね。  どうしてそうしたかというと、私は、四十七年前の一九七九年から九〇年まで十二年間、宜野湾市で市職員として、行政電算システムの自己導入ということで、その基幹業務システムの開発を、IBMシステム38というやつ、まだ開発できていませんでしたけれども、それを目指してこれを構築することを取り組みまして、それ完成したんですけど。  その後、労働団体、県議を経て、十三年後に市長に就任をしてきました。すると、そのときに、私がつくった市県税システムがちょうどパッケージを変えるというときに当たったので、私に問合せがあったんですね。そうしたら、役所の中にはあとほかに五十ぐらいのシステムが各課にありまして、こんなことで個別に一つのパッケージを変えてもどうしようもないんだから、分散処理システムで、要するに、今申し上げたように、データセンターを利用して。そして、というのは、役所にはマンパワーがないんですよ、機械はどんないい機械を使っても、それを対処して、ニーズに対して応えることができない。それで、そういう形でやりまして、私たちの方としては、二〇〇四年からこういう計画を作りまして、そして地場企業グループのコンソーシアム方式による外部体制への委託と、戦略的アウトソーシングという形で、国内自治体にはなかったんですけれども、初めて取り組みまして、そして、包括的アウトソーシングを二〇〇五年四月から一二年の七年間の開発と運用を含めた計画でやって、そして実際に全部やりました。  そして、結果的に宜野湾市では、市職員も助手も、あるいはその市内の全部の自治体出先等とネットワークも結びまして、そして、そういう処理を始めています。  それで、あれからもう三期になるんですけれども、でも、そういう中で今またこういう包括的自治体クラウドというのが入っているわけですが、若干違うんですね。そのときには自治体というのはどのところでもコンピューターも使っておりますので、要するに電子自治体に行こうとしているのに、国がやっているのは、あくまでデータとしての情報、それをバックアップさせると、そういう形でしかないので、肝腎のところで必ず矛盾が起こるんですね。  そういう中で起こっていることなので、私はやはり今の取組はちょっと検討する必要、総務省も全自治体に責任を持っているわけですから、今の現実の問題と国の目的との間にそごがあると思うんですよ。そのことを含めて是非検討していただきたいと思うんですね。  ですから、デジタル庁が、現在の標準化やガバメントクラウド移行とは次元の異なる取組から、運用経費の三割削減という効果を導き出したこと自体には無理があると思います。そういうことであると思いませんか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) 今、もろもろ御指摘ございましたけれども、そうですね、私どもといたしましては、まだこれガバメントクラウドへの移行も含めまして、取り組んでようやっと緒に就いたところでございまして、これ、恐らく自治体クラウド始まったときも試行錯誤を経てしっかりとその経費節減に最終的に着地させていかれるところもあったのだというふうに思いますし、私どもといたしましては、しっかりと責任を持って引き続きこの三割削減というところを取り組んでいく必要というのがあるというふうに思っておりますし、また、今まさに国庫補助事業を通じてしっかりと各自治体の状況というのも把握をしてまいりますので、そういった中で今後どういうふうにやっていくのがよいかというところを、この運用経費の実態もしっかりと精査、分析をした上で、課題の把握、検証に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 自治体情報システムの標準化とガバメントクラウドの移行という国家プロジェクト的な大きな目標が、証拠に基づく政策立案、EBPMの実現だったはずです。閣議決定までされた三割削減という数値目標が極めて薄弱な根拠に基づく試算だったということは、これは驚いております。  自治体システムの標準化とガバメントクラウド技術は、データ仕様の標準化を始めとする標準準拠システムの導入とガバメントクラウドへの移行、努力義務を進めるというものです。一方、二〇一六年の自治体クラウド導入というのは、複数の自治体が共通のシステムを一つのデータセンターで共同運用するというものなんですね。  そういう意味で趣旨も目標も違うわけですけれども、本当はこれから一体にさせなきゃいけないんじゃないかと思うんだけど、でも、限られているんですよ。自治体は、あらゆるものが今電子自治体になろうとしている中で、そういう矛盾をどのように解決するかというの、とても大きいんです。ですから、自治体クラウドの導入と、自治体システムの標準化とガバメントクラウドへの移行というのはぶつかるんですね。そういうふうに、これは似て非なるものではないでしょうか。どうでしょうか。

楠正憲 デジタル庁統括官

○政府参考人(楠正憲君) 委員御指摘ありましたように、この自治体クラウドで取り組まれてこられた範囲というのと自治体システム標準化で現在取り組んでいる二十業務の範囲が異なる、これはあるだろうというふうに思います。  最初、二十業務に取り組んだ背景というのもございまして、法定されている事務の方がしっかりとデータをそろえやすいだろうとか、いろいろ考えてどこから着手するかというところを決めてきた経緯はあるんですけれども、標準準拠システム以外に関してもしっかりと基盤を共有化していかないと二重にコスト掛かっているところとか変わっていかないので、こういった実態もよく理解をして、各自治体の実情も把握をした上で、しっかりと自治体に寄り添ってどのように回していくのが効率的であるかということをしっかりと考えてまいりたいというふうに思います。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 もう時間になりましたけれども、ちょうど二〇〇〇年から、二〇〇一年かな、韓国は電子政府へといって、もうそれが動いていたんですよ。実際、私のところは単独でやりましたからね。でも、それでも、協力を得た、できたんですよ。その共同というの、それやられたんです、各グループごとに。でも、そのメリットは共同運用だからなんですよ。今の宜野湾市は移っています。移って、費用が落ちているんですよね。でも、それだけの話じゃなくて、分散システム外に出すことで、出力帳票も含めて自治体の負荷が減るんですよ。負荷が減って無駄が減る、そういうところに自治体は注目しなきゃいけないと思うんですね。総務省もそういうところに注目をしていただきたい、このように思います。  引き続き質問を続けていきます、次回以降。

安野貴博 チームみらい・無所属の会

○安野貴博君 チームみらいの安野貴博でございます。  冒頭、ちょっと通告外となるのですが、本日、AI分野で大きな報道数点ございましたので、そちらについて一点、大臣にお伺いしたいと思います。今、AIによって日本のサイバーセキュリティーの状況大きく変わってきておりまして、大変な危機感を持たなければならないのではないかというお話でございます。  今から八時間ほど前になりますが、本日、四月の十五日、オープンAIが防衛的なサイバーセキュリティー業務向けに調整を加えたGPT5・4サイバーというものを発表したと。これは、先週の四月七日にアンソロピック社がクロード・ミュトスと呼ばれるモデルを発表したものに抗する形であると言われております。  もう一つのニュースが、本日の報道でございましたのが、アメリカの財務省がこのアンソロピックのミュトスへのアクセスの要請をしたという、そういった発表もございました。  これらのチャットGPT5・4サイバーやクロード・ミュトスに共通する重要なポイントが二点ございます。一つ目は、サイバーセキュリティーにおける攻撃能力が物すごく高いということ。二つ目は、この攻撃能力が高過ぎるがゆえに一般公開をされなかったということでございます。  クロード・ミュトス、一般に使われておりますOSであるとかブラウザに対して攻撃をするテストをしたところ、今まで未公表だったシステムの穴が、これゼロデー脆弱性と呼ばれたりもしますけれども、こういったものが数千件発見されたという衝撃的な報告もございまして、これ、人間のセキュリティーの専門家の実力にAIが追い付いた、また追い越したのではないかというふうに言われております。  これ、数千件の未公表の穴を知っていると、もう破壊であるとか改ざんであるとか機密情報へのアクセスであるとか、そういった様々な攻撃ができてしまうわけですね。これを危惧して、アンソロピック社そしてオープンAI社はこういったモデルのアクセスを一般には公開せずに、特定の企業、現状ですと例えばアンソロピック社はアメリカの金融業界、IT業界の特定少数の企業に対してのみこれを公開することになりました。  私は、こちらのニュースから考えるべきこと、二つあると思っております。  第一に、このようなモデル、AIモデルを保有している、あるいはアクセスできる国家や企業とそうではない国家との間には、サイバーセキュリティーの能力には現在時点で相当の差があるという認識はすべきかなというところです。  第二に、このような高度なAIモデルによる攻撃が発生するまでの猶予ってどれぐらいあるのかという話なんですが、これは一刻を争うということでございます。別にアンソロピックだけがこのモデルつくれるわけではないと思います。今までの経緯見ていると、数か月、早くて数か月、遅くても一年以内にはほかの企業、あるいはアメリカ企業以外の企業もこういったモデル開発できる可能性がありまして、このようなAIを使った攻撃能力というのは早めに拡散していく可能性が、おそれがあると考えております。  こうした一刻を争う危機的状況の中で、例えばアメリカの財務省は、本日の報道でもありましたように、ミュトスへのアクセスを要請して、又はFRBなんかも大手銀行幹部と緊急会合を開いて対応に動いているという現状がございます。  私は、アンソロピックを始めとした企業に対して、日本政府、もっと言えば大臣がリーダーシップを発揮しながら、すぐにでもアクセス権の確保やあるいは国内事業者とのコミュニケーション、どんどん進めていくべきなのではないかと思っております。  本日の内閣委員会でも、実は我が党の高山議員が質疑の中で木原官房長官にお伺いしたんですけれども、木原官房長官からは、AI分野では企業や研究機関との連携不可欠という御答弁もございました。  こちらは大臣にも是非お伺いしたいと思います。大臣も同様なお考えでしょうか、御所見をお伺いしたいです。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) 危機の認識は共有しているところなんですけれども、多分、木原官房長官は国家安全保障の法案の中での答弁だったと思うので、そのときに官房長官としてお答えしたものを私が同様の認識ですというのはちょっと、所管外かなというのでなかなかお答えしづらいところでありますが、危機感は非常に共有しております。

安野貴博 チームみらい・無所属の会

○安野貴博君 危機感を共有いただいているというところで、是非今後もリーダーシップを発揮いただければと期待をしております。  こちらは、国としてAIを保有していくということが非常に重要な話であるという中で、特に重要なプロジェクトとなってくるのが、本日御質問予定の経産省がやっているAIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業でございます。  本プロジェクトは、フィジカルAIの実現に向けた国産AI基盤開発モデルの開発を目指すものでございます。報道によると、約五年間で一兆円の予算が計上されると承知しております。大規模な国家予算を投下する以上、プロジェクトを成功に導くための制度設計、極めて重要ではないかと考えておりますが、その観点から幾つかお伺いしたいと思います。  AI開発の国際競争激化する中で、日本の製造業が持つ質の高い産業データを生かしてフィジカルAIに投資していくという方向性、これは私も、先ほど申し上げたように非常に重要なところでございまして、大いに賛同するところでございます。一方で、我が国には過去にこうした大規模な国家プロジェクトで、例えばシグマプロジェクトであるとか三菱スペースジェットといった多額の国費を投じながら十分な成果を得られなかったような事例もございます。他方で、「はやぶさ」やスーパーコンピューター「富岳」など世界的な成功を収めた事例もございます。  そこでお伺いしたいのですが、本プロジェクトの設計に当たって、過去の大規模国家プロジェクトの成功要因と失敗要因、どのように分析されたのか、今回の制度設計にどう反映されているかお聞かせください。

奥家敏和 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。  ソフトウェア関連ですと、例えば、過去、ソフトウェア開発支援システムの構築を目指した国家プロジェクトでシグマプロジェクト、御指摘のものあるわけですけれども、十分な成果が得られなかったという評価です。  一つは、ユーザーのニーズとちょっとマッチしていない部分があった。更に言うと、技術動向がUNIXをめぐってかなり変わっていた、そういった中で計画を見直さないでそのまま事業を継続してしまった。それがかなり大きい問題だったんじゃないかというふうに認識をしています。  一方で、御指摘をいただきました「富岳」プロジェクト、これ技術動向に応じた設計変更、例えば半導体の微細加工技術が変化したことを踏まえて即座にそれに対応するとか、あと、ユーザーニーズに応じた試行的な計算資源の提供などをやりながら使ってもらっていく、こういうような柔軟なやり方で、当初決めた計画から必要な見直しを途中で行いながら進めたということを承知しています。  したがいまして、こうした過去の事業の教訓を踏まえまして、本事業では、まずグローバルに行われている開発主体の探求と連動できるように、グローバルかつ多様な主体、こういったプレーヤーたちと連携体制を構築できるか、あと、ニーズが重要になりますので、実際のニーズを持つより多くのプレーヤーが今回開発するモデルを活用して最終ユーザーの利用につなげる仕組み、ここがビルトインされているか、こういったことをちゃんとチェックし、その上で、事業が開始された後においては、四半期ごとに研究開発の進捗のモニタリングを行いながら機動的に事業計画の見直しなんかも行って進めていくということを考えています。

安野貴博 チームみらい・無所属の会

○安野貴博君 おっしゃっていただいた点、非常に重要なポイントだと思います。ユーザーニーズの把握と、あとは変わっていく技術環境にいかに迅速に対応できるような柔軟な変更ができるのかというところだと思っています。  続いて、こちらデータの確保についてもお伺いしたいと思います。  ロボット等の学習のためには大量のデータ収集必要だと考えておりまして、特にフィジカルAIの領域では、実世界での動作データというものを専用に収集していくということも不可欠だと考えております。例えばロボットの視点から撮影したエゴセントリックなデータというものであるとか、あとALOHAというものがありますが、これは遠隔操作ロボットでございまして、そういったものを使いながら作業データを人手を掛けて収集していくというものが世界的に見るとやられているわけですが、この必要なデータの量、質を確保するためにどういうことをしていくのか、具体的な計画について教えてください。

奥家敏和 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(奥家敏和君) 競争力あるフィジカルAI、ロボットでも汎化させた形で使えるようにするためには、かなり物理に関するいろいろなデータ使う必要があると思っています。逆に、日本はここは強みがあるかなと。高齢者のそれこそヘルスケアのようなところも物理的なデータになります。災害対応、製造現場、あと福島第一原発の廃炉の現場、こういったところで蓄積されたデータというのは非常に有望、これを活用していきたいということです。  一方で、こうした現場データはそのままAIに学習させるのは難しいものですから、データの意味付けとかそれぞれのデータの関係性を整理して、いわゆるAIレディー化させて使えるようにしていかないといけないと。したがいまして、こういったことを踏まえて、AI開発の支援プログラム、GENIACの中で、製造現場などの現場データの整備手法、いわゆる手法論を確立して標準化する、この手法論を使ってデータセットをつくっていくという、こういう事業に着手をしています。  また、御指摘いただきましたロボット。ロボットにつきましては、これも稼働データが非常に重要です。現在、既に一般社団法人AIロボット協会において、大規模なロボットの動作データ収集をしてデータセットの構築に当たっています。これもまた今回のマルチモーダル基盤モデル開発に活用しようと思っています。加えて、官公庁、あと国の関係機関が保有する品質がいいデータ、あとNHKのコンテンツ、こういったようなものについても学習データとして活用を検討しています。  こうした取組を通じて、いろいろなデータ、特徴的なデータを使いながらマルチモーダル基盤モデル開発を進めていきたいと考えています。

安野貴博 チームみらい・無所属の会

○安野貴博君 御答弁いただき、ありがとうございます。  まさに、そのNHKが保有するデータの活用まで踏み込んで御答弁いただいたこと、これ具体的な検討が進んでいるものとして心強く受け止めたいと思います。まさに、NHKのアーカイブデータは質の高い映像や音声のデータの蓄積でございますので、是非御検討を続けていただければと思います。  最後に、先ほどおっしゃっておられました機動的な方針変換の仕組みとガバナンスについてお伺いしたいと思います。  AI分野、非常にスピードも速い、極めて速いような領域でございますので、技術動向や市場環境の変化に応じて、どこの部分に注力していくべきかというところを機動的に変えなければならないと思います。基盤モデルといっても、どの分野にも一律にということではなくて、恐らくこの部分はやや重点であろうというような、そういった重み付けであるとか、そういったものもありますし、あるいは、これは考えたくないことではございますが、失敗したといったときに、だらだら続けるのではなくて、中止、縮小、撤退をするという必要が、判断をする必要があります。こういった権限がどの機関にあってどう判断される予定なのか、そこについてお聞かせください。

奥家敏和 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(奥家敏和君) お答え申し上げます。  まず、今回、マルチモーダル基盤モデル開発ということで取り組みますけれども、物理領域を意識していますので、工場の自律制御とかロボットの自律制御、そういったものに貢献できるものをつくっていきたいと思っています。  そうすると、特にロボットの自律制御なんかは汎用的な性能必要なので、したがって、かなり汎化させることはやりますが、一方で、例えば過酷環境で稼働できるようにするとか、あと、高信頼性みたいなものになってくると、日本のデータがかなり、日本だけが持っているところ、ここを学習すると、かなり特化したモデルの開発にも貢献できると、こんなようなところでバランスを取られています。  こういったものをしっかりと軌道修正を掛けながら進めていけるようにしないといけないと思っています。先ほども少し述べましたけれども、四半期ごとにモニタリングをすると。そのモニタリングの中の目標設定の妥当性とか、場合によっては事業計画の見直し、こういったこともしっかりやって、最後、年に一度、事業の継続の是非についてステージゲート方式でしっかりと確認をするということで考えています。  また、こちらの方をチェックするということは、経済産業省の方が当然ガバニングボード使ってやります。NEDOの方でも、ステージゲート委員会、技術的なところを見ていくと。こういったガバニングボードやステージゲートの委員会については、きちっと第三者の有識者を選定することで、独立してしっかりと御判断をいただきながら、柔軟に必要な見直しを行いながら進めていくということを考えています。

安野貴博 チームみらい・無所属の会

○安野貴博君 御答弁いただき、ありがとうございます。  この汎化というところなんですけど、LLMの世界でも、最初はどこに注力するというものがなかった中で、例えばアンソロピック社はコーディングエージェントというところに徐々に徐々にユースケースを見付けて、市場を見付けて特化させてきたというところがありまして、同じような、最初はいろいろ試してみるというのは大事だと思いますが、何か見付けたときにどんどん特化させていくということは必要になっていくのではないかと思います。  時間になりましたので、以上で終わりにします。ありがとうございました。

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。小野田内閣府特命担当大臣。

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) ただいま議題となりました人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  近年、宇宙の開発及び利用をめぐる状況は、新規参入事業者の急増や技術革新の進展等により急速に多様化しており、これに伴ってロケットの打ち上げを取り巻く環境も大きく変化し、その開発競争が激化する中で、人工衛星の打ち上げのみならず、地球を回る軌道等で分離されないダミーペイロードを搭載した試験打ち上げを含め、様々な形態でのロケットの打ち上げの需要が生じております。また、こうした変化を背景として、打ち上げの価格の低廉化等の状況が生じており、民間事業者による宇宙開発利用が活発化し、ロケットで打ち上げられ地球を回る軌道又はその外に投入されるもの等も、無線設備を搭載せず制御されないモニュメントなど多様化が進んでいます。こうした状況に鑑み、公共の安全を確保しつつ、人工衛星の打ち上げ等に関する多様な需要に対応するため、人工衛星等の打ち上げに係る許可制度を拡充し、人工衛星の搭載又は分離を伴わないものを含め宇宙ロケットの打ち上げを許可の対象とするとともに、ロケット落下等損害の賠償に関する制度の対象となる者として、人工衛星の打ち上げ用ロケット以外の宇宙ロケットの打ち上げを行う者を追加する等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第です。  次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、人工衛星の搭載又は分離を伴わない宇宙ロケットの打ち上げを許可の対象に追加するとともに、これらの打ち上げを行う者について宇宙ロケットの落下等により生ずる損害の賠償に関する制度の対象に加えることとしております。また、地球を回る軌道等で制御されない人工の物体について、宇宙ロケットの搭載前にその構造が基準に適合していることを認定する制度を創設し、その搭載を委託した者等についても、その落下等により生ずる損害の賠償に関する制度の対象に加えることとしております。  第二に、宇宙基本法の基本的施策に宇宙開発利用に係るロケットの開発等に必要な機器、技術等の研究開発の推進等を追加するとともに、公共の安全の確保を規定します。  第三に、内閣府設置法に規定される宇宙政策委員会の調査審議の対象を、宇宙ロケットの打ち上げの安全の確保に関する重要事項に拡充することとしております。  このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

松下新平 自由民主党・無所属の会

○委員長(松下新平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十六分散会

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  1. 記録 #3491 変化 2026-07-29 17:28 JST
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