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国会会議録

資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会

第221回 · 参議院 · 第4号 · 2026-05-13

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-01 15:24 JST 記録 #2765 ↗

発言 138

会議録情報

令和八年五月十三日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員の異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      古賀 之士君     郡山りょう君  五月十二日     辞任         補欠選任      郡山りょう君     小島とも子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         木戸口英司君     理 事                 赤松  健君                 本田 顕子君                 鬼木  誠君                 奥村 祥大君                 竹内 真二君                 松野 明美君                 後藤 翔太君     委 員                 見坂 茂範君                 出川 桃子君                 西田 英範君                 東野 秀樹君                 福山  守君                 宮本 和宏君                 小島とも子君                 村田 享子君                 伊藤 辰夫君                 岩渕  友君                 百田 尚樹君                ラサール石井君    事務局側        第三特別調査室        長        新井 賢治君    参考人        公益財団法人地        球環境産業技術        研究機構理事長  山地 憲治君        早稲田大学理工        学術院教授・創        造理工学部長・        研究科長     所  千晴君        株式会社日本総        合研究所創発戦        略センターシニ        アスペシャリス        ト        瀧口信一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査  (「脱炭素時代における資源エネルギー戦略と持続可能社会の実現」のうち、国際情勢の変化とエネルギー安全保障(エネルギー安全保障の確立と持続可能社会の実現))     ─────────────

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、古賀之士君が委員を辞任され、その補欠として小島とも子さんが選任されました。     ─────────────

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。  本日は、「脱炭素時代における資源エネルギー戦略と持続可能社会の実現」のうち、「国際情勢の変化とエネルギー安全保障」に関し、「エネルギー安全保障の確立と持続可能社会の実現」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長山地憲治君、早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長所千晴さん及び株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト瀧口信一郎君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、山地参考人、所参考人、瀧口参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず山地参考人からお願いいたします。山地参考人。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 御紹介いただきました、地球環境産業技術研究機構と長い名前ですので、英語の略称のRITEと呼ばれているところで、RITEの理事長を務めております山地でございます。  本調査会の参考人として発言の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。  お手元に二枚物のレジュメが配られていると思います。その二枚目ですね、ここに書いてありますように、エネルギー安全保障と脱炭素実現をテーマにして、三つのE、エネルギー安全保障、経済効率性、環境適合性のバランス、第七次エネルギー基本計画とGX、グリーントランスフォーメーション政策、電力自由化と安定供給、DX掛けるGX、電力と情報のインフラ統合、この四項目について話をさせていただきたいと思います。  まず、三つのE、エネルギー安全保障、経済効率性、環境適合性のバランスです。  レジュメに前史と書きましたけれども、一九六〇年代から七〇年代にかけて我が国のエネルギー政策の基本方針が確立されたと私は考えております。まず、国産の石炭から輸入石油へ大きく急速なエネルギー転換が起こりました。これは国産石炭が経済競争力で負けたためですけれども、エネルギーを輸入石油に依存するということになりまして、安全保障上の懸念となりました。また、エネルギーの大量使用に伴う大気汚染問題が発生しました。これに対しては、電力、ガス業界協力して、LNG、液化天然ガスの輸入を始めました。現在の我が国のエネルギーに関する環境問題は地球温暖化でございますけれども、一九六〇年代頃には公害と言われていた大気汚染問題から始まったわけです。また、一九七〇年代には二回に及ぶ石油危機が発生し、原子力の導入が急速に行われ、また、サンシャイン計画と呼ばれた再生可能エネルギーの研究開発が開始されました。石油備蓄も始まりました。三つのEと呼ばれる我が国のエネルギー政策の基本は、このような経緯で始まったというふうに考えております。  今世紀に入りますと、この基本方針はエネルギー政策基本法として明文化されました。二〇〇二年のことです。それ以来、ほぼ三年ないしは四年ごとにエネルギー基本計画が定められ、最新のものは昨年二月に閣議決定された第七次エネルギー基本計画です。  エネルギー政策基本法の策定時の議論は、今もよく覚えておりますけれども、三つのEは二等辺三角形だと言われておりました。経済効率性というのは通常の経済活動での目標とされますので、エネルギー安全保障、それと環境適合性、この二つのEを政策目標として特に重視すべきだという議論でした。  一九九七年には京都議定書が採択され、当時は既に地球温暖化対策がエネルギー環境問題の最大の課題でした。また、競争市場の活用を目指した電力システム改革も段階的に進められておりました。  二〇一一年に東日本大震災の津波によって福島原子力事故が発生して、原子力に代わる脱炭素電源として太陽光や風力などの再エネ電源の導入を図るために、固定価格買取り制度、FITが導入されました。  温暖化対策については様々な経緯がありましたけれども、二〇一五年にパリ協定が採択されました。特に欧州の温暖化対策は野心的で、温度上昇を産業革命前からの一・五度Cまでに抑制するということとして、二〇五〇年には温室効果ガス排出を実質ゼロにする二〇五〇年カーボンニュートラル実現という脱炭素目標、二〇五〇CNというふうにレジュメは書きましたが、カーボンニュートラルの略ですが、これが追求されるようになりました。  米国はトランプの第一次政権時代でしたけれども、二〇二〇年の大統領選挙では民主党のバイデン氏が勝利して、米国も二〇五〇カーボンニュートラルを主導するだろうという見通しの下で、我が国も二〇五〇年カーボンニュートラル実現を宣言いたしました。ちょうど二〇二〇年の十月、菅政権のときでございました。  一方で、二〇二二年の二月にはロシアによるウクライナ戦争が始まりまして、天然ガスを中心にエネルギー価格の高騰が起きました。そして、今回の米国とイスラエルによるイラン攻撃というわけで、ナフサ等石油製品の量的確保が緊急課題になっております。  このように、エネルギー安全保障、経済効率性、環境適合性の三つのEはいずれも重要でございますけれども、そのバランスは時代によって変化すると思います。この三つのEを基本としつつ、時代に適応してバランスを変える柔軟性が重要だと私は考えております。  次に、第七次エネルギー基本計画とGX、グリーントランスフォーメーション政策です。  先ほど述べた第七次エネルギー基本計画は、GX二〇四〇ビジョンと同時決定されました。第七次エネルギー基本計画では、エネルギー安定供給を第一として、経済効率性の向上と環境への適合を図ると記されています。つまり、最近の情勢を踏まえて、三つのEの中でエネルギー安全保障が優先されております。  第七次エネルギー基本計画では、再エネとともに原子力を最大限活用すると記されています。従来は、原子力の重要性については述べつつも、その依存度を低減すると記されておりましたが、それは削除されました。また、アンモニアや合成燃料を含む水素系の燃料への取組、あるいはCCUS、CO2の回収、利用、貯留技術、さらには大気中のCO2を回収する、CDRと呼んでいますが、カーボン・ダイオキサイド・リムーバルの略ですけど、このCDR技術への取組も進めると記されております。  CDRにつきましては、私が理事長を務めるRITEも、大気から工学的にCO2を回収するDAC、ダイレクト・エア・キャプチャー技術に取り組んでおりまして、DACのパイロットプラントを昨年の大阪・関西万博に展示して好評を得ました。  温暖化対策については、一・五度Cの温度上昇は既に到達したと見られております。最近では、オーバーシュートシナリオというのが現実味を増しています。これは、一旦一・五度Cを超えて、その後に温度を下げようということです。このオーバーシュートシナリオを実現するためには、大気からCO2を回収するCDRが必要になります。  第七次エネルギー基本計画の審議過程ではRITEのシナリオ分析が活用されましたが、その中ではCO2排出上振れシナリオ、政府の資料の中での名称では技術進展シナリオという名前になっていますが、これは世界全体で最適に二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するシナリオで、日本単独では二〇五〇年カーボンニュートラル実現されていません。第七次エネルギー基本計画の議論では、このような二〇五〇年カーボンニュートラル実現以外のシナリオも含む複数シナリオが提示されているということも御理解いただきたいと思います。私は、二〇五〇年カーボンニュートラル目標の維持は現実的ではなくなっているというふうに考えております。  GX二〇四〇ビジョンでは、二十兆円のGX経済移行債による脱炭素に向けた先行投資支援とともに、炭素賦課金や排出量取引などカーボンプライシングによるGX投資誘導も記されております。炭素賦課金やあるいは排出量取引での有償オークションによる収入はGX経済移行債の償還に活用されることになっています。  構図としては非常によくできていると思いますけれども、政策の実行ではその具体的な仕組みが大切です。この春から排出量取引については本格的に始まっておりますけれども、その細部が大事。神は細部に宿ると言われますが、そこに今後気をつけていく必要があると思っています。  その中では、GXによるグリーン成長の実現には私が懸念するところもあります。我が国の温室効果ガス排出量は、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けてオントラックで減少しておりまして、欧米に比べると良い実績になっています。しかし、その実態を調べてみると、鉄鋼や化学産業などエネルギー多消費産業の衰退によるCO2排出の減少が大きくて、手放しで褒められる状況ではありません。これは、産業の国際移転によるCO2削減であり、カーボンリーケージと専門家の間では呼ばれておりまして、世界全体でのCO2削減に結び付いていない懸念がございます。  私はGX政策の策定過程にも関与いたしましたが、GXの出発点はイノベーションによるグリーン成長の実現だったと思います。イノベーションというのは非常に好感度なキーワードでございますが、きちんと費用便益評価をして選択をしていく必要があります。水素系燃料とかCCUS、CDRなど、脱炭素目標実現に特化したイノベーションの実現にはコストが掛かります。やらないでいいと言っているわけではございません。二〇五〇年カーボンニュートラル目標の実現と必要性に対して不確実性が増している状況の中で、脱炭素に特化したイノベーションだけに過度に介入することは大きなリスクが伴うと考えております。その点では、最後の方で述べます社会イノベーションのような、より広範囲な便益が期待できる領域にもっと力を入れるべきだと考えております。  次に、三番目の項目の電力自由化と安定供給について述べます。  地球温暖化への取組とほぼ同時期の一九九〇年代に電力システム改革が始まりました。発電部門の自由化から始まり、今世紀に入ってからは、大規模需要家から順次始まる小売部門の段階的自由化が行われました。二〇〇五年には、キロワットアワー、電力量ですね、これを取引する卸電力市場も設置されました。二〇一一年の福島原子力事故後は改革のスピードが加速しました。二〇一五年には電力広域的運営推進機関、略称で広域機関、OCCTOと言っていますが、その創設、翌一六年には家庭用も含めた小売の全面自由化、二〇二〇年は送配電システム運用の中立化を図るための送配電部門の法的分離が行われました。  その後は、キロワット、容量を取引する容量市場、調整力、デルタキロワットを取引する需給調整市場などが導入され、今では様々な市場の、まあ乱立と言うと言葉は悪いんですが、そういう状況になっております。昨年には電力システム改革の検証が行われ、今後も制度は見直されていく状況でございます。  電力システム改革は、消費者の選択肢を拡大し、事業者間の競争による効率化など一定の成果を上げる一方で、例えばFIT制度で参入が促進された再エネ発電事業者の規律の緩みであるとか、様々な課題が浮き彫りになっております。  私が最も重大な課題だと思っているのは、安定供給確保の主体が不明確になっていることだと思います。容量市場では、四年後の電源の固定費をカバーするメインオークションに加えて、長期脱炭素電源オークションも導入されましたが、依然として固定費回収見通しは不透明でございます。この長期投資回収の予見性不足によって、電源投資不足が顕在化しております。なお、十分とは言えないんですが、公益部門として残った送配電部門では、レベニューキャップという規制が付いた下で原価回収制度が残されております。  また、自由化された発電部門では、資金調達において金融機関への依存度が大きくなりますが、過度にグリーン化したファイナンス部門の圧力が厳しくなっております。脱炭素に向けた社会的圧力が強まる中では、国外を含めて石炭火力への投資は特に厳しくなっておりまして、クリーン化努力をしている場合でも投資は困難になっています。脱炭素への移行期に必要な既設火力の改修、あるいはLNG火力の新設やリプレースにも影響が出ております。  また、原子力発電については、巨額の長期投資が必要なので、現状の長期脱炭素電源オークションでは力不足だと思います。これは、今回のようなエネルギー危機下でのエネルギー安全保障実現にとってゆゆしき問題だと思います。今回、国会では、このような電源の投資回収の予見性を高めるため、支えるために財政投融資の活用が議題になっていると思いますけれども、その重要性について御認識を深めていただければ幸いです。  電力システム改革検証の議論では、今述べたような供給力確保の弱さが表面化していることに加えて、市場が乱立して複雑過ぎる仕組みになっていること自体が投資を抑制させているのではないかということも指摘されております。  最後に、DX掛けるGXによる電力と情報インフラの統合についてコメントします。  今回の第七次エネルギー基本計画の大きな特徴の一つは、DX、デジタルトランスフォーメーションですが、DXに伴う今後の電力需要増大を踏まえているということです。  我が国の総エネルギー需要は二〇〇五年度をピークに減少傾向にあります。電力需要についても、エネルギー全体よりは数年遅れてですが、緩やかながら減少傾向になりました。ところが、ここ数年は、生成AIの活用などによってデータセンターとか半導体製造での電力消費が急増しており、電力需要は上向きに変化しつつあります。今後計画されている大規模データセンターでは、電源確保が、我が国だけじゃなくて世界的に深刻な課題になっています。アメリカでは、一度廃止を決めた原子炉をデータセンターの電源として再稼働させる動きもございます。  今述べたように、データセンターによる電力需要増大ということが今非常に課題になっていますけど、それは、それの背景にはDXがもたらす利益があると思います。長期的に見れば、DXによる社会イノベーションは、サーキュラーエコノミーとか循環型経済とかシェアリング経済を推進して、CO2の排出を抑制しつつ新しい成長を実現する可能性がございます。循環型経済とかシェアリング経済は、サービスレベルは維持しつつ物質生産を抑制する、物を少なく、余りたくさん使わない、そういう効果があるので、新しい省エネを実現する可能性が開けてきます。データを整備して通信で連携することで、自動車用の蓄電池であるとか、あるいは各家庭にあるヒートポンプ給湯器の蓄熱槽など、分散型資源の活用も効率的に行えるようになると思います。これらは温暖化対策としての効果も持っています。  サイバーセキュリティーの確保というのが大前提ではございますが、DXの政策の中でもDXを活用した社会イノベーションにもっと積極的に取り組む必要があると思っております。二番目の項目で述べましたけれども、二〇五〇年カーボンニュートラル目標の実現と必要性に対しては不確実性が増しておるという現状でございますので、社会イノベーションのように広範囲な便益が期待できる領域にもっと力を入れるべきだと考えております。  特に、データセンターの運用によって大量の電力を情報に変えて蓄積したり、あるいは移動させたりすることができます。北海道は再エネ資源が豊富で、再エネ電力を需要の大きい本州へ送ろうとしていますが、そのためには大規模な直流海底送電が必要になります。それよりも、むしろ北海道にデータセンターを設置して、情報に変えて送る方が経済的でございます。  データセンターでの情報処理には、AIの機械学習のように即応性が求められないものも多くございまして、遠距離の情報通信でも対応できます。電力と情報インフラを統合して運用すれば、このような送配電の最適化に加えて、太陽光や風力など自然変動性電源に対する大きな調整力としての活用も期待できます。  私の専門分野はエネルギーシステム工学と言っておりますけれども、システム工学の醍醐味というのは、システムの境界の拡大によるより大きな最適化を実現できることです。DXによる循環型社会やシェアリング経済の推進で物質節約を実現して、更に電力と情報のインフラを統合を図ることで物質、エネルギー、情報の連携が可能になって、大きな社会イノベーションを実現していくことが可能です。それによって、CO2削減とともに新しい成長を導けるのではないかと思っております。  私からは以上です。御清聴ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) ありがとうございました。  次に、所参考人にお願いいたします。所参考人。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) それでは、早稲田大学の所でございます。お手元の資料に沿って、二十分お話をさせていただきます。  私は、サーキュラーエコノミーのための分離技術を専門にしておりますので、その観点から、本日、サーキュラーエコノミーを中核とした資源循環戦略の方向性について述べさせていただきます。(資料映写)  最初のスライドでございますけれども、今、山地さんからもお話がありましたとおり、我が国では二〇二〇年にカーボンニュートラル宣言が出まして、ここでカーボンニュートラルに向けて大きく産官学で連携して動き始めたわけなんですけれども、特に物づくり企業にとって、このCO2を下げていくということに対しては、それだけではなくて、より物づくり企業とも相補的なサーキュラーエコノミーに対する一つの期待が非常に高まっているというふうに思います。  さらに、近年では、ここにネイチャーポジティブという考え方も出てきまして、これに対して、この三つで、この三位一体の総合的なアプローチで持続可能な社会を実現していこうという日本の今方向性が強いわけなんですけれども、その中でも、やはりサーキュラーエコノミーというのはカーボンニュートラルとネイチャーポジティブをも包含し得る大きな期待とコンセプトであるというふうに考えられます。  右肩、右に述べましたのは、ある企業活動におけるマテリアリティーのマトリックスの一例でございますけれども、企業活動におけるマテリアリティーは二十三項目あるんですけれども、よく使われるものが二十三項目あるんですけれども、そのうちでもサーキュラーエコノミーに直接的、間接的に関係するものがこれだけございまして、特に環境対応というのももちろん、緑のところでございますけれども、企業活動にとっては大事ですが、右上のサプライチェーンの強靱化であるとかエネルギーの管理、そしてリスク管理といったようなところは、まさに企業活動の安定化に直結するところで、ここのところにもサーキュラーエコノミーというのは大きく関与すべき項目であるということで、大きく関心を集めているものかというふうに思います。  こちらが二〇一五年にEUの方から循環経済の政策パッケージが出てきたときに使われておりましたエレン・マッカーサー財団が書いたサーキュラーエコノミーの概念図です。両輪に、チョウチョウの羽のように見えるのでバタフライマップというような言い方もされますけれども、この図が示すところは、環境制約とか資源制約、それから安全保障といったいろいろな考え方がある中でも、我々のウエルビーイング、そして成長、地方創生など、成長を経済的にも促していく、そして多重の多様な資源循環ループをつくって、その資源循環ループに経済的な価値を持たせるというような考え方に基づいています。  これは非常に期待が高くて、日本の物づくり企業とも相補的であるというふうに考えられるんですけれども、一方で、まだ足下、日本では思うようにこのサーキュラーエコノミーの方向に進んでいかないという現状がありまして、その課題は大きく分けてここに書きました四つに集約されるかというふうに思っています。  まず、日本は二〇〇〇年当初、やはり島国であり最終処分場が逼迫しているということで、リサイクル法が次々と制定されまして、非常にしっかりとしたリサイクル法があり、リサイクルの仕組みがあります。逆に、このことがサーキュラーエコノミーへの移行というのが少し遅れた原因にもなっているというふうに考えます。  というのも、日本の場合は、ここに示しましたように、リニアエコノミーと呼ばれる静脈産業がしっかりとあり、この静脈産業がユーザーに向けてしっかりとしたもの、機能の高いものを安く便利に作るというところがしっかりとしていますけれども、それが、製品がユーザーに渡りますとそこで分断されてしまいまして、その後、消費者がリサイクルをするのか、循環をするのか、どのように捨てるのかということを決めるという、まさにこの動脈と呼ばれる物づくりと再生の部分を担う静脈とか分断されている、サプライチェーン上分断されているというところに課題があります。それぞれしっかりとした仕組みがあるからこそということも言えるかと思います。ただ、これからサーキュラーエコノミーに移行していくためには、ここを分断させず、動静脈がしっかりと連携していくということが重要になっていきます。  それから二つ目は、リサイクルというのはこのループの中で一番外側のループなんですけれども、この外側のループは、もはやサーキュラーエコノミーのインフラとも呼べる非常に大事なところで、物は必ず最後一番外側のループでリサイクルあるいは適正処理をしなければいけないので、これは非常に大事なんですけれども、一方で、このサーキュラーエコノミーの中では、しっかりとつくって一番外側で回すというループは、回収、分離に一番エネルギーとコストが掛かるところでもあります。なので、インフラというような言い方もさせていただいたんですけれども、これをもっと省エネルギーに、もっとコストを掛けずに経済的な価値を回すためには、少しでも内側の資源循環ループをつくっていく必要があります。この内側のループをつくっていくということは、まさに一部動脈のプロセスと再生のプロセスが融合していくということになりますので、ここでもまた動静脈の強い連携が必要になってきます。  それから三番目ですけれども、こういった多重のループをつくっていくに当たっては、一つの企業、一つの個社でこのサーキュラーエコノミーが完結する場合は、比較的日本の場合はそういったビジネスも出てきているんですけれども、サプライチェーン全体にわたって多様なステークホルダーをこの循環というループでしっかりとつないで、多様な目的の中でこのサーキュラーエコノミーをみんなで達成していくためには指標が必要なんですけれども、CO2の例えば一・五度であるとか、どれぐらい減少させるとか、そういった分かりやすい指標に比べますと、サーキュラーエコノミーというのは、これだけ多様な目的と多様なステークホルダーがいますので、一つに絞るような分かりやすい指標がないというところが、またこれを皆さんで多重のループをつくっていくところの一つの課題になっていると思います。  それから最後に、こういったサーキュラーエコノミーを達成していくためには産官学連携でいろんな仕組みをつくっていく必要がありますけれども、現状、日本の場合は、産官学協調型というやり方で今サーキュラーエコノミーを推進しているというふうに言われておりまして、言い方を変えると、強力なリーダーが今のところ不在している。ですので、国内の二次資源市場というのが経済だけに任せていますとなかなかしっかりと確立していかないので、これがまたサーキュラーエコノミーに大きく日本が一歩を踏み込めていない現状になっているというふうに考えられます。  ただ、サーキュラーエコノミーをしっかりと達成しますとカーボンニュートラルとも相補的であるというレポートも出ていまして、これが自動車の資源循環を例に取ったレポートなんですけれども、自動車に対して物質効率性戦略、つまりサーキュラーエコノミーのような資源循環戦略ですけれども、これがない場合とある場合で、ある場合の方がGHGをG7でも、中国、インドでもこれだけ削減できるであろうというようなレポートが出ていまして、その内訳を右側で見ますと、まさにカーシェアリング、ライドシェアリングといった、先ほどのサーキュラーエコノミーでは最も内側に相当するようなシェアリングエコノミー、ここの部分のGHG削減の効果が一番大きい。  ただ、そこだけではありませんで、例えば赤いところの小型化、それからオレンジのところの物質代替、それから緑のところの使用後の回収率向上や製品の歩留り向上、あるいは長寿命化、再利用といったところも一緒にこういうふうにやっていきますと、全体でGHG削減とそれからサーキュラーエコノミーの両立ができるというようなことがレポートに出ていますので、こういったところが期待されるというふうに思います。  いい指標がないというふうに申し上げたんですけれども、概念的にはサーキュラーエコノミーというのは資源効率を上げるということが一つの目標になります。  資源効率というのは、まず、私たちのウエルビーイング向上のための機能を向上させまして、それに必要な資源やエネルギーを減らすという、こういった分子と分母から成る効率という概念になります。これを見ますと、実は今までの日本の物づくりというのは、既に集約化であるとか多機能化、高機能化、で、これを小型化してあるいは省エネで行う。さらに、日本は、高純度な素材が資源効率を向上し、長寿命化をしていますので、これも効率の数式の中に入れていきますと、これまでも日本の物づくりはサーキュラーエコノミー、すなわち資源効率の向上と言える非常に良い物づくりをしてきたということも言えると思います。  ただ、これをもう一歩サーキュラーエコノミーに踏み込んでいくのに新たなゲームチェンジとして今出てきているのが、赤字で書きましたシェアリングエコノミーに代表されるような稼働率の向上、もう一つは再生材利用です。これが今、足下、世界的に新しいゲームチェンジとしてサーキュラーエコノミーに入ってきている新たな概念です。  これも、今までの日本の物づくりの強みも生かしながらこの赤字の部分も達成していくというふうになると、ここに新たな対応一と書きましたけれども、まず再生材も高精度、高純度なものを日本も得ていく必要がある。これを、単なるリサイクルではなくて、新たに再生材という資源を日本で作るというような感覚で新たなリソーシングというシステムと技術の構築が必要になるだろうというふうに考えています。  もう一つは、対応二として、稼働率を高めるシェアリングエコノミーのような新たな新製品、あるいは新ビジネスが必要になってきます。  この再生材の需要を創成するというのはEUが戦略的に規制化をしていまして、例えばEUのバッテリー規制では、このように新たなバッテリーには再生材のコバルトやリチウムやニッケルを使用すべしというような規制をEUは発表していますし、あるいは、ELV、自動車では新たな自動車に再生プラスチックを二五%再生材で利用すべきというような規制案も出てきています。  こういったことをEUが戦略的に今規制化していることを考えますと、この良質な再生材というのも、今、足下、レアアースとかレアメタルと同じように、これから重要資源の一つの新たなカテゴリーとなりつつあるということが言えます。ですので、日本は良質な再生材を資源安全保障の観点からも戦略的に確保していくという考え方がこれからは重要になってくるかもしれないと、そういう状況にあるかというふうに思います。  これを得ていくための資源のプロセスというのを改めて見てみますと、上側に書きましたのが金属の天然資源の資源になっていくプロセスでありまして、それと同じように、再生材を得ていくプロセスを下側に書いています。右側が使用のプロセスでして、使用に近づけば近づくほどこのプロセスは似通っていくんですけれども、遠ざかれば遠ざかるほど、大分、同じものを得るにも天然資源と再生材では随分変わってくるということが分かります。  ここにも四つの課題を書かせていただきましたけれども、まず課題の一つ目としまして、この下側の再生材を得ていくところのプロセスとしましては、やはり高効率に回収していくということが必要になります。普通に考えれば、回収というのは輸送にエネルギーが掛かりますけれども、これをいかに低コストで省エネルギー化していくかということになりますと、デジタル化、情報連携、それから大規模化、動静脈が連携していくこと、あるいは、今経済の減速あるいは他国のいろいろな政策によってこの再生材の候補になり得る廃棄物というのは海外に流出している傾向にありますけれども、こういったものをどのように日本に確保して、二次資源市場を日本に確立していくのかと、こういったことがこれから必要になってくると思います。  それから、これを確保した後に、課題の二番目としては、これをまた高効率に、コストを掛けずに、エネルギーを掛けずに解体、分解をしていくと。ここも、今現状のリサイクルというのは経済的価値の高いメタルを中心にできてきたシステムですので、これを樹脂やガラス、あるいはレアメタル、こういったものも含めて再生していくためには、より易解体設計、これを製品側にも求めていく必要がありますし、また選択的なエネルギーの付与方法の新しい技術であるとか、粒子、結晶レベルでの、溶かさずに済むような分離技術、こういった新しい分離技術が必要になってくると思います。  さらに、それでもなお再生材というのは高純度に得る必要がありますので、最後は化学の力で溶かして分離する必要があるんですけれども、ここにはエネルギーが掛かります。このエネルギーをどうやって省エネルギーにしていくかということが大事なんですけれども、これは、新たな不純物除去技術、あるいは選択性を持った除去技術、あるいは、物を分離すると必ず良いものと悪いものに分かれるんですけれども、良いものばかりを見ているのではなくて、悪いもの、悪いものでもないですけど、使いこなしというふうに我々は呼んでいますけれども、経済的価値が一歩劣るものも副産物として余すところなくバランスよく使いこなしていくと、こういったことが日本は求められていきます。  最後に、これを達成するのは決して再生側だけの技術開発や仕組みづくりではなくて、先ほどから申し上げているように、動静脈連携というのが非常に求められていきます。そのためには、製品側も変わっていく必要があります。製品側は、まず稼働率を向上するための新ビジネスをするための、そういったものに資する製品という考え方を新たに入れていく必要があって、そこには、易解体設計であるとか、リユースやリマニュファクチャリングなどをよりビジネス化していく必要があります。  今申し上げた部分について、より分離技術の部分を取り出して書いたのがこのスライドでございますけれども、結局、このようなことをしていくためには、精緻に分離をして、廃棄物を資源としてもう一度見直していくということが重要になってきまして、製品側はそれが達成できるように、今までは消費者の方を向いてより便利で高機能なものを、省エネルギーに良いものを作るというところに焦点を当ててきたわけですけれども、その後のループまでを見据えて易解体設計をしていくということが重要になってきますし、また、中間の部分では、これまではメタルのような希金属ですね、こういったものを中心に、経済的な価値が見合うものだけをリサイクルしてきたというところを、より機能、樹脂のような機能を循環させるためには、溶かすのではなくて、樹脂は樹脂のまま、素材は素材のまま循環させていくことが必要になりまして、そうすると、よりこの粒子、固体のまま分離をして、それを循環させていくというような技術やシステムが必要になってきます。  ただ、それでも純度を高めたい場合には、最後は化学の力、バケガクの力が必要になりますけれども、ここでも、これまでは大規模に均一化して全体を溶かして、そして高純度な素材を得ていくというプロセスを行ってきたんですけれども、それだけではなくて、溶かしたい部分を溶かす、再生したい部分だけを再生するといったような選択性の高い技術開発、こういったものが必要になってくるというふうに考えています。  現状、この外側の化学のプロセスについてはある程度技術者、研究者もいるんですけれども、より内側になってきますと、我々アカデミアも含めて人材が不足しているというような状況にあるかと思います。  より具体的な技術開発といいますと、こういったキーワードが並んでくるかというふうに思います。現状は、人手に頼っていたり、破砕、粉砕に頼っているような技術に対して、ここに書きましたような、今までは生産のみに使われてきたようなマイクロウエーブやIH、電気パルス、レーザーといった、こういった外部刺激を再生の技術開発としても見直しまして、これを再生の技術として使っていくということが必要になってくると思います。  現に、ここに一例書きましたけれども、ブルーリバースという協議体では、これまで自動車を破砕、粉砕し、金属をリサイクルしてきたというようなプロセスを見直して、最初から精緻解体をする。樹脂は樹脂、ガラスはガラス、素材は素材という形でレーザーで切り取って精緻解体をし、ここから再生材を新たに得ていくというような技術開発も出てきておりまして、こういった流れがこれからより活発化していくんじゃないかというふうに思います。  少し具体的な例を本日持ってまいりました。先ほどもこの再生可能エネルギーの活用とサーキュラーエコノミーのバランスが非常に大事というお話がありましたけれども、その中で象徴的なものになるのがこのリチウムイオン電池です。このリチウムイオン電池は、カーボンニュートラルからも、それからサーキュラーエコノミーからも非常に象徴的なマテリアルになっていまして、非常にサーキュラーエコノミーの仕組みづくりも重要になってきています。  ここで見ますと、自動車には再生材供給が重要になっていますし、この循環を効率化するにはデジタル化による効率化が必要ですし、サーキュラーエコノミーを達成するためにはリユース、リファービッシュといった内部の資源循環のループの創成が必要ですし、また再生材は使いこなしが必要という、まさに今申し上げた全ての課題がこれで具体的に見えるような一つの象徴的な物質になっています。  このリチウムイオン電池でも、このように内側のループをつくると、カーボンニュートラルとそれからサーキュラーエコノミーが相補的であるというような試算結果が出ておりまして、もちろん青色で書きました外側のリサイクルもインフラとして非常に重要ですけれども、少しでも内側のループ、これは具体的には、電池の酸化物を作るループを再生と循環を融合させて、そこでエネルギーを稼いで、カーボンニュートラルと資源循環を相補的にしている例なんですけれども、こういったことがこれから必要になってくるというふうに思っています。  今、電池では、最先端の電池を作るというようなこともこのカーボンニュートラルには大事ということで期待されている一方で、それだけではなくて、この再生も含めた、上流から下流を含めたいろんな人材が必要であるということで、人材育成の重要性というのも認識され、産官学連携でこういったBATONと呼ばれる組織も発足しています。こういった取組が一つ最近の例ということで御紹介できるかと思います。  この……

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 時間ですので、おまとめいただけますか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) はい。  カーボンニュートラルに伴う所要の鉱物量は、ここにありますように、コバルトやリチウムやニッケルやレアアースということで、資源安全保障上も非常に重要になっています。  最後に、アルミニウムも一つ御紹介したいと思います。  アルミニウムもよく、精緻解体、分離をすればカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが両立できるということになっているんですけれども、これも、やはり精緻解体をしてこそこういったアルミニウムの両立ができます。  こういった意味でも、いろいろな素材をこれから精緻解体をしてカーボンニュートラルと相補的にしていくということは非常に大事だというふうに思います。  最後のまとめのスライドとして、日本は、今こういった流れが産官学協調型で行われています。これに対して、やはり今、市場だけに任せていますとなかなかこの一歩が踏み込めないということがあるんじゃないかというふうに思っています。ですので、それぞれの役割を果たしながら、このサーキュラーエコノミーにどういうふうに仕組みと技術で一歩を踏み出していくかということが今非常に重要になっているかと思います。  私からは以上です。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) ありがとうございました。  次に、瀧口参考人にお願いいたします。瀧口参考人。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) 日本総合研究所、瀧口と申します。本日はお招きいただきましてありがとうございます。  お配りいただいたレジュメに沿って御説明をさせていただきます。  エネルギー、経済安全保障のために山と海の国内資源の活用を是非ということでお話をさせていただきます。大きく三つ、原油の話、それから中長期で何をやるべきかという話、それからそれのための政策パッケージについての御提案というところでお話をさせていただきます。  今般、御案内のとおり、ホルムズ海峡封鎖ということで、原油調達リスクが顕在化したというところでございます。よく原油とLNGが今両方言及されているわけですけれども、特徴が違うと。  原油については、石油火力についてはもうほぼほぼ今設備はないですし、稼働もしていないということで、発電はほとんどしていないというものなので、自動車、航空機、それから船舶、それの、そういった移動手段の燃料、あるいは話題になっておりますナフサですかね、その辺りのプラスチックなどの化学製品のもととなる原料ということになります。中東に九三%を依存しているという状況です。  一方、LNGについては、火力発電の燃料などというところで、こちらについてはオーストラリアとか東南アジアのある種友好的な関係を維持しているような近隣国から調達しているということで、中東依存度が低いと、一〇%程度という状況です。  こういう中で、一番気を付けないといけないのは、やはり原油の調達途絶リスクというところかなと思います。それをどうするかということを考えると、調達先を多様化するか、国内資源の活用を考えるかという、こういう選択肢になります。  二ページ目になりますけれども、そうすると、短期的には、今政府の方で進められている代替調達先を探すか、目詰まりを取るという、こういうところ以外、やり方はないということになります。  一方、中長期では、山と海に眠る国内資源の活用を是非行いましょうということです。これまで、石油危機、何度も日本は経験してきたわけですけれども、ここに終止符を打てれば、本当に日本から見える国際情勢は激変するはずだというふうに思います。  したがいまして、水力、バイオマス、地熱、こういった山にある、山の国資源と呼んでおりますけれども、こういったものであるとか、洋上風力、潮力、波力、それから海水の重水素などを利用する核融合、それから、場合によっては宇宙太陽光発電というようなものの受電ですね、そこを含めて未開拓の海洋を活用するには、海の国資源を開拓しない手はないというふうに考えております。  日本の国内資源というのは電力になりますので、石油から電気への転換が必要になります。そのとき、電気自動車、EVですね、これは確立した技術で確立した市場ということで、自動車の電化は早期に可能でございます。送配電網が完備されている日本では再生可能エネルギーなどの利用をしやすいという、こういう状況にあります。  これ、突き詰めていくと、最後は更に発電を開発するみたいなところに至るんですけれども、そういうところの中で、電力からの水素製造、CO2、二酸化炭素から石油に近いような合成燃料の製造、こういったところに踏み込んでいくということができると思います。  その中では、発電で今度は、じゃ、何ができるのということになるんですけれども、個人的には水力発電、これをもっとできるはずというふうに思っております。二〇二三年度発電量比率で水力発電は七・六%なんですけれども、第七次エネルギー基本計画でも八%―一〇%、こういう想定になっております。  非常に目立たないんですけれども、その原因は、この図表二にありますけれども、設備容量も増えていないですし、頭打ちになっています。それで発電量自体は若干減っているみたいな、そんな状況にあって水力なんか無理でしょうみたいな、そういう空気感が強いのかなというふうに思っております。  三ページ目の方に、じゃ、どうするのかというと、治水ダムの活用ということだと思います。  治水ダム自体は今でも発電はしています。多目的ダムと呼んだりしていますけれども、ただ、治水ダムというのは、結局洪水調節用のダムなので、積極的に発電しようというふうに担当者は考えない。これがいろいろ利いてくるなというふうに感じています。ただ、最近は気象予測というのもかなり正確にできるようになってきておりますので、その意味では治水と発電、それをハイブリッド化するということは現実味がより増しているかなと思います。その辺り、水力発電、治水ダムの貯水量を基に水力発電量を簡単に試算してみますと、倍増し得るんじゃないかと。既存の水力発電の発電量の倍ぐらいは行けるんじゃないかというふうに思っております。  ただ、エネルギー会社は非常に慎重です。非常に興味を持っている人も多いんですけれども、慎重です。これは結局、山とか海とか、そういうところには多くの関係者がいて、インフラの建設、運搬とかというところは、いろんな人が関わっていろんな人がお金入れないといけないというもので、エネルギーだけで考えることができないという、そういう領域になります。  したがいまして、エネルギー、産業、社会が融合して、一体的なプロジェクトとして産業、社会の課題解決とエネルギー確保を同時に実現する、こういうことを目指す必要があるというふうに思います。  二点目ですけれども、それを踏まえて、エネルギー、社会、産業の連携というところについては、考え方としては、地方の経済社会システムのリニューアル、こういうことを重視していく必要があるかなと思っています。  人口減少、地域経済の疲弊、こういう中で、山の倒木処理であるとか路線網整備などの山林管理、それから、ダムのしゅんせつや流木処理、河川沿いの護岸、こういったところの水系管理というところが滞っているという状況かなと思っています。やっぱり山のインフラを維持するためには、人が住まないと、人がいないと結局その周辺は荒れていって、インフラの維持というのも十分に進まないという、こういう構造が実態としてあるかなと思っています。その意味では、人の定住と流入を支える雇用を生み出す、そういう経済社会システムが必要だというふうに思っております。  産業の勃興であるとか観光資源の整備を連動させることで地方経済の再興を進めることができれば、日本全体として、そういう意義の中で発電コストを負担していくということは十分できるんじゃないかというふうに考えております。  日本は元来、山の、川の流域で経済をつくってきたという背景があると思います。その意味では、そういった経済圏を再度再興していって、広域での事業を推進していくということが考えられると思います。  ただ、やはり富を生み出していくということも同時に考えないといけないので、その意味では成長産業の組成というのは重要になります。  AIを活用した新たな産業構造への展開ということになるわけですが、そのとき、結局、アメリカでは最近、AI、もう完全に独占状態になっていると思いますけれども、その中でハイパースケールデータセンターのような巨大なデータセンターをつくるというのを進めているわけです。  一方、日本の場合は、そういうアメリカで学習されたようなAIを活用しながら、フィジカルAI、ロボット的なところ含めて、製造業や社会インフラへの応用の技術開発というのが必要かなと、そういう方向に今あるかと思っています。その意味では、大都市部周辺のリージョナルデータセンターという一定規模のデータセンター、あるいはユーザーとか末端設備の近隣に設置されるような小型のエッジデータセンター、こういったところにフォーカスをしていくことになるんだろうと。それに対して、中規模の電力を準備するようなモデルを具体化していくということになると思います。  それ、より具体的にどうしていくのかというときには、山の方では、エネルギー掛けるIT、農業、交通、防災と、こういったところを連携していく山のインフラ・産業コンプレックスというものを形成していったらどうだろうと思います。  それから、山については、蓄電池のインフラを整備しながらマイクロデータセンターという、小さめのマイクロデータセンターもありまして、そういったものであるとか、陸上養殖、水耕栽培というのを行うアクアポニックスというものですね、この辺り、電力が非常に供給が必要なので、こういったところの産業群を水力発電、蓄電池のインフラのところに形成していくと。さらに、電気自動車を導入して、電池として、蓄電池として収益を確保しながら地域での交通システムを支えると、こういう仕組みができていくんじゃないかと。  今、ワット・ビット連携ということで、再生可能エネルギーとデータセンターを隣接させるということが政府の方針として進められていると思いますけれども、マイクロデータセンターというのは地域版ワット・ビット連携というところの実現につながるんではないかと思っております。  イメージとしては、図表四のように、水力発電とその周辺に蓄電池のインフラを整備していって、地域のインフラマネジメント会社がいろんな機能につなげていく、こういうような絵面になります。交通と電力についてはより連携が必要なので、交通と電力の事業スキームというのをより具体化していく必要があるかなというところです。  また、もう一つ、バイオマス発電、これもやっぱりやっていくべきだと思います。  そのときに、バイオマス発電というのはなかなか燃料のコストが下がらないという問題があるので、より付加価値を付けていかないといけないと。  そのときに、排出されたCO2、二酸化炭素をカーボンマネジメントという形でうまく調整して、六ページ目の方にありますけれども、利用者とつないでいくと。今話題になっているナフサからの化学製品ですね、プラスチック、繊維、ゴム、塗料、医薬品と、この辺りを作っていったり、あるいは植物工場で利用したり、藻類の培養みたいなことを進めていくと。これいわゆるCCUと呼ばれているものなんですけれども、CO2の分離回収と利用、こういったものをより利用を進めていくということが考えられます。  そもそも、CO2になる前に、バイオマスというのはある種の石油代替の原料になるので、油分とか糖分を作って、バイオリファイナリープラントということで、新たなバイオ化学産業に発展し得るということで、是非是非そういう方向に行くといいなということでございます。  七ページになりますが、ただ、長期的に行くとやっぱり電力が足らないので、洋上風力発電というのは進められてきたところですが、若干、事業者の撤退もあって今沈滞ムードが漂っているわけなんですけれども、やはりここはやっていくべき。それから、潮力、波力は、小規模ですが必ずやっていった方がいいところですし、それに加えて、やっぱり重要なのは核融合、ここは必要になってくるのかなと思いますし、宇宙太陽光発電という、なかなか余りこれは話題にならないんですけれども、こういったことも含めて海の国資源、宇宙で発電したものを受電するという意味で、海で受電するという意味で海の国資源の一つに含めているんですけれども、海洋インフラ・産業コンプレックスというところを構築していくということです。  これは、イメージとしては図表八のようになります。かなり大きな絵ではあるんですけれども、五つの要素をつなげています。  一つは海洋探査ということで、国のJAMSTECという機関が、これかなり面白い、学術的に非常に面白いことをやられているんですけれども、そういう領域の海洋探査の実績を生かして産業的な実装につなげる。それから、実際にマンガンとかコバルト、あるいは非鉄金属のようなものですね、こういったものを効率的に回収するような、回収を行って、エネルギー施設を建設するための洋上プラットフォームというのを構築する。それから、海洋エネルギーインフラそのもの、それから回収した資源を製品化していくような海洋リソース転換産業。海は非常に広いので、自動走行システムを含めて将来的にはそういう仕組みを整えていって、回収するデータは宇宙の衛星と連携するような形で宇宙産業との連携も考えていくというようなことで、こういったところまで是非是非進んでいくべきじゃないかと思っています。  非常に長期に掛かりそうだというふうに感じられるとは思うんですけれども、オイルショックのときもサンシャイン計画でそこから太陽光の開発を始めたというところで、残念ながら今ではあれですけれども、二〇〇〇年代前半までは日本が太陽光発電の導入量世界最大であったという、先駆けた意味合いはあったのかなと思いますし、長期の研究開発は非常に重要かなと思っているところです。  三つ目なんですけれども、これモデル作るだけではなくて地域の現場に落とし込むと、これが必要になります。今、戦略十七分野、技術六十一項目が決まっていますけれども、あっという間の勢いで深まっている状況ですが、ただ一方で、電力、水の供給インフラや人を動かす仕組みについては具体像はまだ描かれていないという状況かと思います。国内資源で国土を再構築するような面的なプロジェクトの組成、こういったところをやっていく政策が必要だと思います。  そのためには国と自治体ということになるわけなんですけれども、国については、まずは成長産業をつくるという役割と思います。いろんな領域が絡むので、これも本当に縦割りをしていかないといけない。悪気があるわけじゃなくて、一個一個がなかなか連携しないということがありますので、エネルギー、経済安全保障と地域振興のためにもそこを進めていくというところです。  それから二点目は、国の危機管理投資が今進められているわけですが、これをきちんと民間投資に連携させて新たな産業を生み出すと。この新たな成長産業というのは山の産業、海の産業ということで、山の産業については蓄電池をベースにしながら自動車と電力、通信、機械、こういうところを連携させるような産業複合体を構築する。フィジカルAIとか自動運転の産業・社会システムを開発して、分野横断の付加価値をつくって、十七の戦略分野の中で連携を行っていくということです。  海の産業については、深海潜航艇、大型船舶、小型船舶、海中ドローン、こういった海洋のモビリティーを開発していくということもありますし、建築・造船技術、それから海洋資源・エネルギー、この辺りを産業複合体として構築していくと。十七の戦略分野は既に海の中身が多いんですけれども、この辺りを有機的に連携させて具体化していくということをイメージします。  それから、スタートアップがいないと新しい技術はどうしても対応できないので、税制優遇措置とか、あと多年度投資が必要なので、山のファンド、海のファンド、こういったものを組成していってはどうかと考えております。  科学技術のRアンドDについても必要になります。これ、SIPとかムーンショット、Kプログラムといったような既存の仕組みがありますので、九ページになりますけれども、地域プロジェクトを応用する場とする研究活動を募っていくということです。  それから、国際連携と書いていますけれども、八十兆円の話もありますが、日米共同開発ということや海外進出も視野に入れるということで、アメリカに投資しなくても、共同で日本のどこかに投資をするという考え方もあるのかなということで、AIデータセンターであるとか蓄電池、それからレアアース、こういった領域はそういうところに適しているのではないかと思っております。  自治体については、国家戦略特区、こういうようなものを活用していくべきかなというところです。それは、規制がどうしても整合していないところがあるので規制改革が必要ですし、地域未来戦略などに落とし込んで具体的に自治体が推進していくことが必要かなというところです。自動交通の整備であるとか産業拠点への企業集積、スタートアップ、地域中小企業、それから、最近、私、今治に行ったんですけど、今治はやっぱり教育機関、非常に元気だなというふうに感じて、ただ、今治造船というところありますけれども、単純に、やっぱり工業だけじゃなくて教育機関、こういうのが連携することで地域が元気になるんだなというふうに感じたんですけれども、そういった整備をしていく必要があるかなというところです。  それから、いろんな自治体にまたがるので、複数自治体の協議会であるとか、広域連合に権限を持たせて自律的に動けるような、そんな体制をつくる必要もあるかなというところです。  それから、やっぱり自治体の財源が必要なので、特例債を発行して、交付税措置、こういう形で地方債の発行をするということも考えられると思います。  私、数日前にアメリカ人の学生とちらっと日本の状況について話したときに、最後に、いや、大変だね、頑張ってねって言われたんですけれども。いろいろ制約を乗り越える必要がこういうことをやるとあるんですけれども、非常に、哀れみを受けないように、将来の世代のためにも是非チャレンジをお願いしたいというところでございます。  以上でございます。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  見坂茂範君。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 自由民主党の見坂茂範でございます。  三名の参考人の方々、大変貴重な御意見いただきまして、本当にありがとうございました。更なる御示唆をいただきたいと思いまして、私の方から何点か御質問をさせていただければというふうに思っています。  まず、瀧口参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  先ほどありましたとおり、今般のこの中東情勢の緊迫化に代表されるように、今本当に国際情勢が非常に複雑化していると、ある意味、地政学リスクへの備えというのが我が国にとって喫緊の課題かなというふうに感じております。特に、我が国は国産の資源、そして国産のエネルギーが乏しい、そして海外への依存度が高いという特性がございますので、今後のエネルギー安全保障をどのように確立すべきかというのが問われているんじゃないかなと感じておるところでございます。  資源輸入国でありますこの日本としては、例えば中東のような特定の地域だけではなくて、世界各地にこのエネルギー調達、資源調達を分散させる、これが、先ほど参考人もおっしゃったとおり、大事なことかなと思いますけれども、こちらについても、やっぱり相手もいる話なので、なかなかそう簡単にもいかないのかなというふうに思っていますし、一方で、参考人から御示唆ありました山と海に眠る我が国国内資源の活用、これも本当に大事な話ではございますけれども、やはり、中長期的にやっぱり時間も掛かる話だと思いますし、ただ、時間掛かっても、先ほどおっしゃったように、チャレンジしていかないといけないのかなと思っております。  こういったことを含めまして、今後、持続可能なエネルギー調達に向けまして、改めて参考人の方から、我が国のこのエネルギー調達はどうあるべきなのか、更なる御示唆をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  基本的には多様化ですよね。これは、地域的な多様化もそうですし、エネルギー源の多様化もするという、これをやらざるを得ないと思うんですね。だから、いろんな可能性を追求するというのを、これをまず基本としてやらないといけないと思います。  なので、ちょっと私、今日、国内資源を使っていくということによりフォーカスをしてお話をさせていただいたんですけれども、基本的にはあらゆる選択肢を排除せずやっていくというのが非常に重要かなと思っています。  原油も今、アメリカとか中央アジアですかね、から調達したというような報道もありますけれども、例えば南米とかですね、ベネズエラがあるかどうかはあれですけれども、ブラジルとかガイアナとか、何かそういう国で産出もされていますので、そういうことも含めて考えるというまず思考は重要かなと。  なので、短期といっても、二〇三〇年ぐらいまでということをイメージして、二〇四〇が中期で二〇五〇年が長期ぐらいの、そういうイメージを持ってはいるんですけれども、短期はもうそうやるしかないと思います。中長期ぐらいですね、ちょっと、少なくとも中期では、水力発電とか地熱発電も、ちょっと今日は余り言っていないですけれども、山の資源というのが先行してできるところだと思うので、これはもうやる気があるかどうかの問題かなと思っています。  やっぱり一人じゃできないので、みんな逡巡しちゃうというところがあるので、方針を、国として方針を決めれば必ず動くところだと思います。ハイブリッドダムというのも国土交通省が既に進めている政策ではあります。なので、その流れはあるので、そこをより押していくような全体を推進する人が必要なのかなというのが認識です。そこを進めた上で、更に長期を考えると。  私、実は、個人的には、どこから海の国内資源言ったかというのは、結局核融合ではあります、個人的にはですね、エネルギーの視点という意味では。核融合というのは、やっぱり、この世の中にある四つの力のうち強い相互作用という、これを利用しないという手はもうないので、それを考えたときに、将来何なのかというと、やはり核融合側、核分裂よりも核融合だろうということで、核融合を大変だろうと思っても突き進む、そういう領域なのかなと思っております。  以上です。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 貴重な御示唆、ありがとうございました。  次に、所参考人にお伺いしたいと思います。  所参考人が提唱されているように、日本も更なる資源循環型社会の構築、これが必要なことだと感じております。  ただ、この資源循環型社会の実現に向けましては、ある意味コストも掛かりますし、投資もしないといけない。だから、経済効率性だけから申せば、決して楽ではない、いいことばかりじゃないかなというふうには思っておりますが、でも、やらないといけないことかなとも思っております。  今後、我が国が経済を成長させつつも、この資源循環型社会を実現するためには、先ほど参考人おっしゃったとおり、民間に任せるだけじゃなくて、ある意味、政府あるいは政治がリーダーシップを取ってやっていかないといけないのかなと思いますけれども、我々が今まさにやるべきことは何なのか、この資源循環型社会の構築に向けてやるべきことは何なのか、更なる御示唆をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) 御質問ありがとうございます。  まさに、この資源循環型社会を日本の中でしっかりと構築していくというこの取組は、日本にどういった産業をどうこれから残していきたいかということをみんなで考える作業とほとんど同じなんじゃないかというふうに思っています。  というのは、資源循環型社会を構築するためには、先ほど申し上げたように、動脈から、物づくりから再生するところまでのサプライチェーンを国内にしっかりと確保しておかなければいけないということなんですね。ですので、何もかもというわけにはいきませんけれども、やはり日本でしっかりとこれから残していきたい産業、そしてそれを、再生材も含めて、供給するための素材から、分離から、そして物づくり、そして再生、これを空洞化させずに日本にしっかりと残していくというのが今まさに私たちがやらなきゃいけないことだと思います。  これを逆にやらないと、今、例えばCO2が大きい、排出量が大きいからとか、再生可能エネルギーのことだけを考えると他国の方が安いからということで、そういった製造が外に出ていってしまうことが、逆にこの物づくりも空洞化になりますし、資源循環型社会構築という意味でもマイナスになると、そういったようなお答えになるかと思います。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 ありがとうございました。  最後にもう一点だけ、今度は山地参考人の方にお伺いをしたいと思います。  先ほどおっしゃったこの脱炭素社会、これの実現に向けても、やはりこれもコストが掛かる話かなと思っております。こちらについても、日本が経済成長しながらこの脱炭素社会を実現していくためのそのポイントとなることは何なのか、御示唆をいただければと思います。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) ありがとうございます。  脱炭素というのは、今我が国の政策としては二〇五〇年カーボンニュートラルを言っているんですけれども、私の先ほどの見解は、それはちょっと難しいんじゃないか。ただ、脱炭素というのは地球温暖化問題の解決のための究極の目標ではありますから、当然そこに向かっていかなきゃいけない。ただしかし、そこに一段階で行けるわけではないので、途中もある。だから、これ、移行期間ですね。そういう手順を踏んで、タイムスケジュールを少し調整していっていけば、我が国の健全な経済成長にも貢献していくというふうに考えておりますので、ちょっと二〇五〇年は早過ぎになる、もう少し後でいいけれども、途中も大事だ、そこをきちんと押さえていくということは大事だと私は考えております。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 貴重な御意見、どうもありがとうございました。これで終わります。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 鬼木誠君。

鬼木誠 立憲民主・無所属

○鬼木誠君 立憲民主党の鬼木でございます。  今日は、貴重な話、本当にありがとうございました。  今ほど御質問がありました二〇五〇カーボンニュートラルの関係で、まず山地参考人にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  お答えをいただいたところでございますので重複するような質問になるかもしれませんけれども、おっしゃっていただいたように、もう二〇五〇カーボンニュートラルを達成するのは、お話の中ではもう現実的ではなくなったんではないかというようなことであるとか、あるいは達成に向けた不確実性がやっぱり高まってきているんではないかというようなことでのお話だったというふうに思います。  先ほどの御答弁の中では、御答弁といいますか、の中では、掲げる目標としては維持をしなければならないけれども、カーボンニュートラルというのを二〇五〇に何が何でもそこで達成をしていくんだという目標でなくてはいいんではないかというようなお話でありました。  おっしゃっていただいたような認識というのは、肌感でいくと結構広がっているんではないかなというような気もするんですね。何が何でも達成しなければならないんだというふうに、まあ政府は掲げているんでしょうけれども、産業界も含めて、そんなに簡単ではないよねと、ここまで来て、あと二十四、五年の中で本当に達成できるのかなというような全体的な雰囲気がといいますか、肌感ですけれども、出てきているような気がしているんですけれども、そういう点について何か先生の方で捉えられていることとか感じられていることというのがあれば、是非教えていただきたいんですけれども。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) ありがとうございます。  私が申し上げたのは、二〇五〇年カーボンニュートラルは実現が難しい、ただ、先ほどの御質問にもお答えしましたように、温暖化対策としてはカーボンニュートラルを求めていくと、これは堅持しなきゃいけない。それに対する世間一般の雰囲気は、私は正確につかめているかどうか分かりませんけれども、最近、温暖化の傾向は明らかになっていると思います。いろんなところで影響が出ている。だから、温暖化対策をしなければならないということに関して疑問があるわけではない。ただ、二〇五〇年カーボンニュートラルというのは少し無理ではないか、もう少し現実的にしていこうと。  もう一つだけ申し上げますと、国としては、これは国際政治上の問題ですから、外交問題でもありますので、どのタイミングで言い出すかというのは、それは当然タイミングがあるというふうに私は認識しております。  以上です。

鬼木誠 立憲民主・無所属

○鬼木誠君 ありがとうございました。  もう一つ、お話の中で、今のお話とも少し関連するのではないかと思いますけれども、過度にグリーン化をしたファイナンス部門の圧力というような御指摘といいますか、お話がございました。この部分、もう少し詳しく教えていただければというふうに思います。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) いろんなイニシアチブがありまして、金融機関を集めて、ある意味スタンダードをつくっていくとか、そういうことを幾つかやられておられました。そこのところで少し過度になったんじゃないか。そのグループの傘下の機関は、事業者はだんだん減ってきておりますので、そういう意味でも過度だったのが調整されているというふうに私は考えているんですけれども。  ちょっといろんなグループがありますものですから、具体的にちょっと今、頭の中にきちんとありませんので、この程度の御対応で御容赦いただければと思います。

鬼木誠 立憲民主・無所属

○鬼木誠君 ありがとうございました。  続いて、所参考人にお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。  お話の中で、再生材のお話で、今日はペーパーでリチウムイオンの電池のライフサイクルについて御丁寧に御教授をいただきました。リチウムイオンというのは、ちょっと資料、事前に配られた資料も拝読させていただいたんですけれども、リチウムイオンが引き起こしている火災といいますか爆発といいますか、事故の関係についても触れられた文章がございました。再生材を活用していくというようなこと、あるいは再生材を使いこなして資源循環ループをつくっていくというようなことの中で、リチウムイオンの電池が引き起こしている昨今の課題というのは、いわゆる製品の質の悪さということに起因しているんだろうというふうに思うんですね。  そのときに、今日お話をいただいた、この再生材を使いこなしていく、あるいは精緻な解体であるとかいうところに伴うといいますかね、コストとかリスクとかいうものがあるというふうに思うんですけれども、そこら辺の関係といいますか、そこら辺をもう少し詳しく教えていただきたいと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) 御質問ありがとうございます。  昨今のリチウムイオン電池の火災というのは、また……

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 所参考人、マイクを正面に向けてください。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) はい、済みません。  リチウムイオン電池の火災といいますのは、またこの再生材あるいは資源循環とは別な軸で世の中で顕在化し、問題化していることだと思います。  ただ、これに関しては、どちらかといえば車載用というよりは、小型のいろんなところで作られている電池に起因しているものが多くて、これに関しては、やはり電池というのは、使い方と、それからそこに対する安全に対する配慮が十分でない製品というのは起こり得るものだというふうに思っています。これは再生材であるか再生材じゃないかというところとはまた別な軸で、要するに、安全というのは製品にとって一番重要なことなんですけれども、そこに対して、ややもすると経済性を優先させて、安全性に対するその配慮が少し足りていない製品も世界的に見ればあるやというふうに思います。  そういった中で、やはり私が見る限りにおいては、やはり国内の企業というのは非常に安全に対してはシビアなスタンスを取っていて、非常にしっかりと作っていらっしゃる。これは、私も国内の電池の工場は何度も見させていただいていますけれども、これはかなりしっかりとやられています。  ですから、ややもすると、これは経済的には高い電池にもなり得るわけですけれども、ただ、今後の日本の安全、安心な物づくりという点ではこれは非常に大事なことでありまして、そういった意味でも、これから再生材を使っていくということはあると思いますけれども、その上でも、やはり十分過ぎる安全に対する配慮をした国内産業の育成であり維持というのは私は大事なんじゃないかなというふうに思っている次第です。  以上です。

鬼木誠 立憲民主・無所属

○鬼木誠君 ありがとうございました。  最後、瀧口参考人にお尋ねをしたいというふうに思います。  今日、お見せをいただいた水力発電を中心としたといいますか、山のインフラ・産業コンプレックスというお話、この図についても、大変興味深くというよりも、あっ、いいなというふうに率直に受け止めさせていただきました。  お話の中であったように、ただ、これを進めていくためには、実は私、地方自治体出身なんですけれども、自治体に今、人がいないんですね。お金もないけど人もいないという状況の中で、まさに御指摘あったように、単独自治体ではなくて複数の自治体が広域に連携をしていくことであるとか、あるいは、どこかの自治体が、ある程度の規模のある自治体がその中核的な役割を担いながら複数自治体との連携を行っていくとかいうことが必要ではないかなというふうに思っています。そのときに、やっぱり、どういうんでしょうね、明確なイメージの共有が自治体間でなされなければならないし、財政的な補填、補完というものも準備されておかなければならないというふうに思っています。  お話の中で、僕も、地方創生であるとか地域未来であるとか、様々な交付金活用多分できるだろうなというふうに思うんですけれども、そういう、より具体的なイメージであるとか、あるいはより具体的な進め方というのを一定のパッケージにして自治体に提供していくとか、そのようなことが是非行っていただけたら、今、何をしていいか分からないとか、何かやりたいんだと思っている自治体に非常に参考になるのではないかなというふうに思うんですけれども、そういう取組について、国がなかなか音頭が取れないところもあると思うんですが、何か御示唆いただけたらというふうに思いますが。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  ちょっと今日は、将来を見据えてやれないかということを含めてお話をしておりました。  広域でやらないと駄目だなと思っていますし、過疎地の周辺だとどうしても小さな自治体が多くて、余り力が、済みません、ちょっと余りあるわけじゃないというのが実態になってきて、これ現実的にどうやるかというのはすごく悩ましいなと思ってはいます。場合によっては、都道府県が直接そういうところを取りまとめていくというやり方を取らざるを得ないのかなということも考えたりしています。若干横連携的な話を先ほどさせていただいたんですけれども、そういう仕組みも必要かもしれないなとまず思っています。  その辺りに対して地方債の話もさせていただいて、こういうところである程度自立的にやるということは必要かなと思ってはいます。  ただ、短期的に考えると、GX戦略地域、それから地域未来戦略ということで、今そこは連動しながら動いてきているところだと思うので、そこの予算をベースに動いていくというのが現実的なのかなとは、おっしゃられたとおり、あります。今自治体もそういう動きをしていますので、おいおいその辺りの結果が夏に向けて出てくる状況かなと思いますけど、ここをやっぱりステップにしてスタートすることが重要かなと。  ただ、長期的に行くとやっぱりもっとお金を入れていかないといけないということになるので、そこについてはやっぱり予算を考えて、別に考えていく必要があるということで今日のようなお話をさせていただいたというところでございます。

鬼木誠 立憲民主・無所属

○鬼木誠君 どうもありがとうございました。終わります。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 奥村祥大君。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 国民民主党・新緑風会の奥村祥大です。  まずは、お三方、本日は貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。是非ともたくさん質問したいことがあるんですけれども、限られた時間ですので、早速行きたいと思いますけれども。  まずは、我が母校早稲田で教鞭を執られている所参考人に是非ともお伺いをしたいと思うんですが、いただいた資料の四ページの日本におけるサーキュラーエコノミーの現状と課題というところで、改めてちょっと正確に理解をしたいので教えていただきたいんですが、ここでいう動脈、静脈というのは何を指しているのかということがまず押さえたいです。  その上で、一番の消費者による動脈、静脈の分断ということが改めてどういうことかということと、そして、二番のリサイクル、一番外側の円に今偏重をしているんだということだったんですが、これは、シェアが一番内側の円になると思うんですが、例えばこれはシェアリングエコノミーを活発化することが最も良いと言えるのかとか、あるいは別に内側が一番重要度が高いというわけではなくて、それぞれが活性化をしていかなければならないというところなのか、この辺りをまず教えていただきたいです。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) 御質問ありがとうございます。  まず、動脈ですけれども、これはまさに物づくり企業のことを指しまして、消費者に対して物を提供するところを指します。静脈というのは、使用済みのものを今度再生したり、リサイクルしたり、あるいは適正処理したり、こういったことを担うような企業のことを指します。これがぐるっと回ってきまして、実は素材の辺りになってきますとまた動脈と静脈のところの区別は曖昧にはなってくるんですけれども、今はまだ再生材を利用した物づくりというのは活発化しておりませんので、そういった意味でも、動脈と静脈はかなり役割が分担されて、またそれが消費者のところで分断されているというのが現状です。  それから、内側と外側の関係なんですけれども、循環経済は、多重のループを全て活性化させて循環に経済性を持たせるということになります。ただ、今日私が申し上げたかったのは、それでもやっぱり内側の方がカーボンニュートラルとはかなり相補的になります。なので、できればやっぱりシェアリングエコノミーとか、あるいは物を回すにしても部品で回す、部材で回すといったようなリユース、それからリファービッシュ、こういったもの、もちろん長寿命化も内側のループにありますけれども、これが最も優先されます。ただし、物は必ずいつか機能を失いますので、必ず内側で回していても最後は外側のリサイクルのループに落ちてくるという言い方をしてもいいのかもしれませんけれども、ですので、外側もインフラとして絶対に大事です。  そういった御回答になるかと思います。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 ありがとうございました。大変よく分かりました。  その上で、四番の国内二次資源市場が未完というところがあったと思うんですが、これ、例えば八ページを見させていただくと、金属天然資源と二次資源の処理フロー比較というところで、関連しているところになるのかなと思って見ておるんですが、例えばこの課題一の高効率回収のところで海外流出というところがあると思うんですが、これ具体的には今どのような形で海外に流出してしまっているのか、とりわけ何かこういう素材が流出しているんだみたいなものがあれば併せて教えていただきたいです。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) 御質問ありがとうございます。  例えば、分かりやすいのは自動車でございます。自動車は、海外にかなりの大きなリユースマーケットがあります。日本のハイブリッド車は非常に性能が良いので、また、海外のいろんな政策とも相まって、かなりの数が自動車はそのまま国外に出ていっている。その結果、国内には自動車の再生材を得るような廃車であるとか、あるいはEVの由来の電池、こういったものが余り流通しない状況になっている。  それからもう一つは、サーキュラーエコノミーが、日本の場合は経済性にも任せた産官学協調型になっていますけれども、海外では国家主導型で、そういった二次資源を政策的に集めているようなそういった国もありますので、経済性だけに任せているとそういったところになかなか勝てないと、二次資源が経済的にも外に流れてしまうというようなことが今起きているのが現状です。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 ありがとうございます。  こうしたところ、例えば自動車が海外に流れるというのは、恐らく民間企業とかがそうした方がよいとか、いろいろなところがあると思うんですけど、所参考人の発想というかお考えでは、これはやっぱり政府で何かしらをすべきだというところなのかどうか、この辺りはいかがでしょうか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) そのところはなかなか難しい御質問でもあるんですけれども、ただ、再生材の資源安全保障のことを考えても、ある一定割合は日本の中で流通する必要があるかというふうに思っています。例えば、中古の自動車が国内に流通するためには、やはり税制であるとか保険であるとか車検であるとか、こういった規制の部分も非常に大きく影響しますので、国として何か考えるという余地は十分にあるというふうには思います。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 ありがとうございます。  済みません、続けて、所参考人でもうこの時間使い切ろうと思いましたんで、そのまま行かせていただきたいと思いますが、人材育成の面で伺わせていただきたいと思います。  BATONという取組の御紹介もいただきました。事前にいただいた資料も、早稲田大学でも、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーという側面に対して、いわゆる文理融合を超えた俯瞰的な人材を育成するために横串的な研究教育センターをつくって活動されているというようなお話がありました。  今日いろいろお話を聞くと、やはり、とはいえ、俯瞰的に見ようと思っても、とても細かいというか、専門性が高い領域が多いのではないかというふうに思いまして、そうした俯瞰的に見れる人材が必要だというのは理解できるんですが、そこには大変な困難があるのではとちょっと素人ながら思ったりもするんですけれども、この辺りは実際のところいかがでしょうか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  おっしゃるとおりで、アカデミア一つ取っても非常に専門性は分化されておりまして、こういった俯瞰的な人材を育成するのがディシプリン的にも、ややもすると少し難しい状況になっていますけれども、それに対しては、産業も、それからアカデミアも非常に課題感も持っておりまして、今こういったBATONも含めて、そういった取組が少しずつ出てきているというのが現状かと思います。  例えば、アカデミア人材におきましても、博士人材をただの専門人材ではなくて、こういった社会にもしっかりと貢献できるような出口を社会に見据えた博士人材をつくっていくということもやっておりますし、あるいはこのBATONにしても、これまでこういった電池の何か人材育成をするときは、何か新しい次世代型の電池技術を開発するというところにどちらかというとファンドとか補助は下りがちだったところが、こういった上流から下流までの再生材も含めた俯瞰的なインテグレーションみたいなところに大分補助や支援も得られるようになってきていますので、これは少しずつですけれども、そういうふうに世の中も変わってきていますし、また、そのように補助や人材育成の在り方もそういうふうになってほしいなというふうに思っています。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 ありがとうございます。  最後の質問になろうかと思いますが、十六ページのところで、産学官協調型でサーキュラーエコノミーを進める日本というお話をいただいて、規制主導型の欧州であるだとか他国との比較をいただきました。所参考人の目から見て、例えば日本はこのままこの協調型を力強く推進していけば良い方向にたどり着けるのか、あるいは他国のように、一定の例えば規制を強めていくだとか、企業を力強く支援していくだとか、そうした方向にもう少し配慮していくべきなのか。こうした、ちょっと大きなテーマになりますけれども、御見解を伺えればと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  今の段階では、産官学協調型である日本というのは、今の段階ではリーズナブルな状況にもあるのかなと思っていますけれども、一方で、どちらかといえば、規制で進めるというよりは、こういったサーキュラーエコノミーという新しい枠組みが出てきた中で、従来の規制がそれを行うのに合わなくなってきているというところの見直しが日本は必要じゃないかと思っています。  今回、参考人三人とも同じような主張をしているんじゃないかと思うんですけれども、言ってしまえば、縦割りという言葉があるかもしれませんが、やはりこれまでのスキームであればそれぞれの持ち場でやってきてうまくいったものが、サーキュラーエコノミーのように動静脈連携一つ取っても、大分なりわいが違うもの同士が連携して一つの新しいサプライチェーンをつくっていかなきゃいけない、新しいビジネスをつくっていかなきゃいけないというときに、従来の規制をもう少し融合型にしていくというような方向は、日本は早めに考えなければいけないところはあるかもしれないというふうに思っています。

奥村祥大 国民民主党・新緑風会

○奥村祥大君 大変勉強になりました。ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 竹内真二君。

竹内真二 公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  三人の参考人の皆様、本当に今日はありがとうございます。  最初に、山地参考人にお伺いをいたします。  参考人の方から、冒頭、三つのE、3Eについてのバランスのお話がありました。これまでの日本の歩みを振り返りながら、確かにこの三つのバランスというものが、この二等辺三角形で様々な形を取って進んできたことがよく分かりました。  今、第七次エネルギー基本計画を基にして、政府としてはエネ庁を中心に、今このエネルギー政策、電力について取り組んでいますけれども、この三つのEのバランスというものが今後、短期、中期、中長期ですね、そういうようなレンジの中でどういう形になっていって、最終的に、電源構成とかそういったものも、日本としては今後どういう形で進んでいく、又は政府として取り組んでいくのが理想なのかということに関して御見解をいただければと思います。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 御質問ありがとうございます。  三つのE、エネルギー安全保障と経済効率性、環境適合性、私、先ほども申し上げた、いずれも大事ですけれども、ただその強調点は変わってきているということで。  ただ、今までもずっと強調してきたのは、安全保障と環境適合性だと思います。まず、オイルショックがありましたから、安全保障からまず始まったと言っていいと思う。その後、一九九〇年代に入って、環境適合性の中でも、元々大気汚染だったのが今温暖化対策になって、九〇年代後半から、特に今世紀に入って温暖化問題が世界的にも非常に重大な課題になったので、ちょっと温暖化問題に対する環境適合性の意義が突出して多くなっていた。その中の象徴が先ほど質問もあった二〇五〇年カーボンニュートラルですけれども、ちょっと過度になっていた。そこに、現在は国際情勢もあるけれども、やっぱりエネルギー安全保障も大事なんだなということで、今、基本計画の中ではある意味明記された形でエネルギー安全保障としている。  ただ、私が歴史的なことを申し上げたのは、恐らく、やっぱり二等辺三角形というのは恐らく正しい。エネルギー安全保障も地球温暖化問題も非常にやっぱり長期的に対応していかなきゃいけない。ただ、安全保障問題というのはトピック、トピックで起こるから時々忘れちゃうんですけれども、そういう平時のときも安全保障を忘れないようにしていく、それが大事じゃないかと思います。  かといって経済合理性、効率性が必要ないということは全然言うつもりはありませんで、経済効率性というのはある意味自然に求められていくものだと。むしろ今の電力システム改革が、これを本当に実現していけるのかどうか、そこも検証の中を踏まえた今後システム改革の更に調整していくというところで生かしていただきたいと、そういうふうに考えているところでございます。

竹内真二 公明党

○竹内真二君 ありがとうございました。  次に、所参考人にお伺いいたします。  四月のこの調査会では、積水ソーラーフィルムの方から御出席をいただきまして、ペロブスカイトの太陽電池のことについてお話を伺いました。大変日本の技術というもののすばらしさ、そして今後の可能性についても非常に御示唆のある話をいただきましたけれども、その中で、やはり最終的に、太陽光パネルのときもそうでしたけれども、やはり最後、製品化されて使用して、耐用年数が終わったときのこの廃棄、処理、あるいはリサイクルという問題が非常にこのペロブスカイトに関しても課題になっていて、できる限り再利用とかいい形で、環境に優しい形でこれを決着させようということでかなり御努力をされているというんですけれども、なかなか素人的に聞いていても何が難しいのかがよく分からないんですけれども、専門的な先生の立場から、今、これからペロブスカイトというものが日本から量産化されて世界に広がっていくとすればどういうような、サーキュラーエコノミーの視点からいうと、今の時点でどういう取組が大事になってくるのか教えていただければと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  私も、ペロブスカイトに対しては、日本発のすばらしい性能のある太陽光パネルということで是非期待したいというふうに思っていますし、また、今、上市される間際のところでしっかりと資源循環のことも考えていらっしゃるという製品で、すばらしいというふうに思っているんですけれども、ただ一方で、やはりサーキュラーエコノミーの観点からすると先進的な製品であっていただきたいというふうに思っています。  そのためには、まず、ペロブスカイトの性能を維持するためには、資源性のある物質、それから有害性のある物質も中には含まれていますから、これがきちんとコントロールされて資源循環され、リサイクルされ、適正処理されるということが非常に大事になります。  それに対する技術開発というのはもちろん進んではいるんですけれども、問題は、それがきちんと回収され、ちゃんと資源循環のプロセスに乗ってくるということが大事です。このためには、先ほども申し上げた、これが売り切りで消費者に渡って、消費者がその処理のことを考えるというよりは、せっかくですので、シェアリングエコノミーなどと相補的にシステムづくりをして、その製品の使われるところから廃棄されるところまでをビジネスとしてコントロールできると、そういう仕組みをこれからつくっていくことがこのペロブスカイト型には非常に求められるし、大事なことなんじゃないかと思っています。  その先行する太陽光パネルではそういったことが行われなかったがために、今FITもあり、大量に導入されましたけれども、導入されて、あと大量に廃棄されてからどうしようかということをみんなで議論しているという、ややもすればちょっと後追いの議論になってしまっているので、ペロブスカイトはそういうことにならないように、最初から、導入のときから、廃棄後のコントロールもできるというビジネスをつくっていく必要があるというふうに思います。

竹内真二 公明党

○竹内真二君 ありがとうございました。  次に、瀧口参考人にお伺いいたします。  私もこの治水ダムの活用については大変すばらしいなと思っておりまして、これについてお聞きしたいんですけど、いただいた資料、事前にいただいた資料も含めて、これ、治水ダム五百八十基程度ある中で、二百四十ぐらいですかね、もう既に電力の、商用電力設備が設置されているというんですが、それ以外はまだだということで、具体的に、ただ、今このハイブリッドダムの例としても、幾つか既に発電、新増設が行われていたり、あるいはかさ上げで増電されていたりという例があるというふうに書かれていましたけれども、これについて、どういう場合に、どういう形だとこういうハイブリッドダムとして活用しやすいのかとか、どの程度の電力のかさ上げがされるのかとか、もう少し具体的なこと、具体例を教えていただければと思います。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  的確に理解させていただけているかどうかあれなんですけれども、まず、大きいダムですね、貯水量がでかいダムの方が結局そのバッファーがあるので、ハイブリッドダム化しやすいです。結局、バッファーなんですね。洪水を起こしちゃいけないので、いかにバッファーを持てるかというのが鍵で、そのためには、まず大きいとある程度水がめが大きいので、そこの変動を許容できるという面がありますというのが一つ。だから、まずはそういうところでやるということだと思います。国交省も今三つぐらい、野村ダムとあと二つぐらいのダムで、三つのダムで先行的にハイブリッドダム化というのを進めているんですけれども、そういう事例を基に次がより進化していくのかなと思います。  それから、この大体五割ぐらいですかね、今発電が入っているダムは五割ぐらいはあるんですね。ただ、商用発電をやっているというところはより一割ぐらい落ちる感じになって、それも更に小さい。  あと、国はかなりやっているんですけれども、自治体のダムの割合が低いんですね。その意味では、自治体のダムにどうやってその国交省の三ダムみたいなところの取組が普及していけるかというのが鍵になるのかなとは思っております。  済みません、お答えになっているのか。

竹内真二 公明党

○竹内真二君 そうしたら、あともう三十秒ぐらいですので、これで終わります。ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) では、松野明美さん。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。  本日、三名の参考人の皆様、ありがとうございます。  まずは、所参考人にお聞きします。  先ほど、説明の中で、リチウムイオン電池について説明がありました。実は私、飛行機によく乗るんですけれども、コードレスのヘアアイロンを荷物に預けていたら、もう何回もですね、預ける荷物からそのヘアアイロンを取って電池を外してくれと何回も言われまして、何かちょっと面倒くさいなと思ったことがあるんですが、やはりこの危険性というのをなかなか私たちが把握していないというところがあります。その認識というのがなくて、非常に反省しているところなんですけれども。  国内の電池工場というのは非常に安全対策がちゃんとしていて、火災がゼロということもお聞きしました。二、三日前も、バッテリーですかね、リチウムイオン電池から火災があったということもお聞きしたんですが、この日本製というのは非常に、日本製のように海外製も火災ゼロというようなところというのはあるのかどうか、まずお尋ねいたします、日本製以外で。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  リチウムイオン電池は非常に、おっしゃるとおり非常に便利なものなんですけれども、やはり構造上、一度発火をしてしまったりとか破損をしてしまったときに、爆発的に火災になってしまう構造でもあるんです。ですので、その構造が何か不具合が起きたときでも火災が延焼しないように、爆発にならないように、二重三重にその防御をしているのが日本製の安全対策なんですね。なので、日本のものは、たとえ不具合があっても、そんな大きな事故にはならないし、そんな爆発的に燃えないようにしてあります。  これは海外でも基本的には同じですので、海外にも基本的にはそういうふうにきちんとやってありますが、やはり二重三重に防御するというのはコストが掛かることですので、一部のやはり安い電池、それも小型のものですね、これはそれが十分でないものがあるということです。  一方で、やはりお手元にあって一般で燃えてしまっているのは、どちらかというと、取扱いの方でもそのことを、これは危険なものであるということを認識せずに使ってしまっているという、少しユーザー側の配慮の足りなさというのもあるのかなというふうには思います。逆に言うと、これだけ高密度なものを、火災になるかもしれないということを認識しないで、余りにも便利なのでユーザーが今使っているという、そういう状況になってしまっているということも原因の一つかなというふうには思います。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 ありがとうございます。  やっぱり私のようにちょっと認識が不足している者が多分、方々が多いかどうか分かりませんが、最近は空港の搭乗口で、何ですか、モバイルバッテリーの使用禁止ですというような放送も流れるんですね。だから、あっ、かなり意識されているなということとともに、やはり火災というのがだんだんとちょっと増えてきているんではないかなというふうに思いました。  次世代の技術ということで、全固体電池というのをお聞きしたことがあるんですが、今のこのリチウムイオン電池は液体ということなんですが、この全固体電池というのは、固体ということで非常に火災になりにくいというのを聞いたことがあるんですが、これは普及していくものなのかどうか、火災は解決するものかどうかをお尋ねします。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  全固体電池に関しては、爆発的に火災になるところが全固体ということで固体になっていますので、燃えないわけじゃないんですけれども、爆発的に危険な火災になりづらいというところがあります。  ですので、そういった意味では、今の液系LIBと呼ばれるものに比べると、たとえ火災になっても大きな事故にはなりづらいということを、より安全であるということは言えると思います。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 じゃ、リサイクルの面からはどうでしょうか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) リサイクルの面からも、全固体電池になったからリサイクルがしやすいかどうかというところは、爆発しづらいというところで取り扱いやすいということでリサイクルしやすいということはありますけれども、最後、いろんな、ニッケルとかコバルトとかいろんなものを分離していくというところについては同じでして、さらに実は、逆に液系のLIB、リチウムイオン電池には含まれない物質が全固体電池には入ってきますので、またそれはそれで全固体電池でしっかりと分離できるかということは別途検討しなければいけないということになります。  どちらがリサイクルしやすいということはないんですけれども、ただ、安全上はやはり全固体電池の方が取り扱いやすいということは間違いないです。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 ありがとうございます。  いただきましたこの資料で、十三ページですかね、この蓄電池産業に対する期待ということで、私、あれなんですけど、バッテリー人材というか、こういうバッテリー先進人材という方々がいたと、いらっしゃるというのを知らなかったものですから、やっぱり専門の方がいらっしゃるなというのをつくづく感じたところなんですが、この中で、約三万人の電池人材の育成、確保が必要と見込まれるということなんですけど、今どれくらいいらっしゃるんですか、この人材は。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) バッテリーの人材がちょっと何人いるかという具体的な数字は分からないんですけれども、この三万人が不足しているというのは、今、足下間違いなくて、そのときに、そのバッテリー人材といったときに、やっぱりバッテリー人材というと最先端の人材というイメージが強くて、化学に秀でた人とか材料に秀でた人という、どうしてもそういうイメージになっちゃうんですけれども、これから日本で安心、安全な物づくり、電池産業を維持していこうと思うと、必ずしもそういう人ばかりじゃなくて、しっかりと工場で安全管理をする人、それからAIの人、それから、もちろん資源をちゃんと確保してくる人、それから、まあいろんな方が必要なんですね。  そういった意味で、これは一つの産業のインテグレーションであり、多種多様な人材が必要ということで、そういった意味でも、特化した人というよりは、物づくりをもう支える全般的な人を蓄電池産業にも必要としているという、そういう見方ができると思います。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 分かりました。  やっぱり教育の面から、やっぱり人材育成というのは大事なのかなと思いました。ありがとうございました。  次に、山地参考人にお尋ねいたします。  私も県議会議員時代に、二〇五〇年前に脱炭素、何かいろいろとカーボンニュートラルとか言われておりまして、ちょうど地方の議員をやっていたときにそんなふうに言われたことがあるんですが。ただ近年は、やっぱりAIの急速な普及とかで、農業にも遠隔操作とかデジタル技術を使わないともうやれないようなふうに、農業人材、農業の方たちも少なくなっている中で、やっぱりDXによって山地参考人がエネルギー消費を抑えられるというふうにちょっと参考資料にありました。  私はどちらかというと、AIなどのDXによって消費電力が増えていく、増大していくというイメージがあったんですが、このDXによっての省エネ化というのは、使う方よりも上回っていくものなのかどうか、お尋ねいたします。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 御質問ありがとうございます。  まず、私も、説明の中でも申し上げたように、AIの活用に伴ういわゆるデジタルトランスフォーメーションによって電力需要は増え始めている、これは確かでございます。ただ、電力は、ほかのエネルギー、例えば自動車用燃料なんかと比べますとCO2発生を抑制できるいわゆる脱炭素電源というのがございますから、再エネ、原子力とか、そういう意味では、電力需要は増えるけれども、CO2を増やさないということはかなりやりやすいということが一つ。  もう一つ、しかし、長期的には、いわゆるデジタルトランスフォーメーションによる省エネもあり得るとも申し上げました。それはどういうことかというと、先ほど所参考人も説明されたように、シェアリングとかサーキュラーということで、要するに、物の生産、先ほど動脈産業というような、動脈産業の物の生産のところで非常にエネルギー使います。そこのところが、例えばリサイクルにもエネルギーを使うんですけれども、物質生産のところからのエネルギーよりも低いところから実現していけば、特にその中でも私は、所参考人の説明だとシェアリングもサーキュラーの一つということで、シェアリングとか、あるいは長寿命化とか、同じものを稼働率を高く使う、そういうことをすれば物の生産減りますから、そうすると省エネルギーになる、そういうことで申し上げました。  あとは、例えば自動化ですね。照明も人のいないところでは消すとか、暖房や冷房も快適な温度だけに調整して、人がいなければ消すとか、そういうことはデジタルトランスフォーメーションでできやすいので、省エネにもつながる、そう申し上げたかったわけです。

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 ありがとうございました。  瀧口参考人にも、人こそ全てということをちょっとお聞きしたかったんですが、ちょっと時間になりましたので、ありがとうございます、終わります。  ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 後藤翔太君。

後藤翔太 参政党

○後藤翔太君 参政党の後藤翔太でございます。  本日は、お三方から非常に貴重な御提言、また御示唆をいただいたと思っております。本当にありがとうございました。  今般の世界情勢は、政治的思想、特に反グローバリズム、自国優先主義、そういった傾向から国際情勢も非常に変化しておりまして、その観点においてはエネルギー安全保障の重要度というものは非常に高まっている、そんな時代に突入したかなというふうに思っております。そういった中で、最後の瀧口参考人からの、アメリカ人の方からですかね、大変だね、頑張ってねという言葉はまさにそういったことを示唆しているのかなというふうに考えております。  そういった中で、まず山地参考人にお伺いしたいんですけれども、山地参考人がお勤めになっているRITEの方で、カーボンニュートラルを達成するのであればこのような電源構成であるというシナリオの論文を拝読いたしました。その中で、水素やアンモニアを燃料とするような、そういった期待度も感じられたんですけれども、改めて、未来のエネルギーとしての期待度、どのようなものか、お聞かせいただきたいと思います。  また、その水素、アンモニアに関しては、やはり海外からの輸入ということがお書きになっていたと思うんですけれども、そういった観点からは、今回のエネルギー安全保障という考えからは少し、自国生産していくという意味では難しいのかなとお考えになりますが、そういった水素、アンモニアがまた未来、国内での生産がコスト的にも可能になってくるのか、そういったところの御意見、お聞かせください。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 御質問ありがとうございます。  RITEは、システム研究グループというのがございまして、将来の世界のエネルギーシナリオ、二十一世紀を通したシナリオという分析をしていまして、その中でいろんなエネルギーシナリオを描いております。その全体像を説明するのは、ちょっと今日のこの時間、この中では時間限られているのでちょっと抑制しますけれども、特に御質問の水素関係のことですね。  おっしゃるように、水素というのは二次エネルギーですから、何かから作ってくるわけなんですね。そのときに、今一番よく作られているのは天然ガスから作るんですけれども、そうすると、天然ガスから水素を作る過程でCO2が出ますから、温暖化対策としての水素の利用は、CO2が出ないような水素の製造をしなきゃいけない。  そうなると、再生可能エネルギーが豊富であるとか水力が豊富であるとか、そういう条件が必要になってきまして、我が国の再エネもあるんですけど、それは電気で使えばいいんじゃないか、水素まで持っていくと余計コスト掛かりますから。  そうすると、より安い再エネが使える外国で水素を作って、水素はガスなので実は輸送が難しいんですけれども、そのためには、アンモニアに変えたら液体ですから持ってきやすいので、そうすると、カーボンニュートラルという制約を置いた場合にはコストの安いものを選んできますから、外国で作られた水素からアンモニアを作ったり、水素を液化して日本に持ってくるというシナリオが、RITEのモデルというのは最適化モデルなものですから、コスト効率的であるということで選ばれているということでございます。  どうも御質問ありがとうございます。

後藤翔太 参政党

○後藤翔太君 ありがとうございました。  続いて、所参考人にお伺いしたいと思います。  今回、サーキュラーエコノミーという概念の非常に重要度を御示唆いただいたというふうに思っております。また、これはプラネタリーバウンダリー、つまり、地球に限界があり、またエネルギー安全保障という観点からも今回のところは非常に重要な観点だというふうに考えております。  そういった中で、サーキュラーエコノミーの基本原則の中で、廃棄物は設計上の選択の結果であると。つまり、廃棄物をそういった最初の段階でリサイクルできるように設計しておかなければ廃棄物が出る、利活用できないということだというふうに思っておりますが、様々な産業や分野を御覧になっていて、そういったそのサーキュラーエコノミーの観点からその設計段階で進んでいる分野、またいまいち進んでいないというふうに思われる分野、またそれをどうしたらいいのかというところで御見解いただきたいと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) 進んでいる分野、今、サーキュラーエコノミービジネスが比較的優等生で日本でできているのはプリンター、印刷機ですね。これは、プリンター、印刷機はもうシェアリングエコノミー、BトゥーBの世界ではシェアリングエコノミーになっていまして、リースの形で貸し出して回収のところまで、ある企業がコントロールすることによって、また、ある工場に集めて解体をし、もう一度組み立て直して、もう一度新しい製品番号を付けて、そしてもう一度リースをするということができています。  これができる理由は、一つはやはりこのサーキュラーをコントロールしているビジネスであるということと、一社であるということなんです。これをこれから二社でも三社でもみんなで協力してできるというのがサーキュラーエコノミーの方向でありまして、ただ、二社、三社になると、そういう設計をするインセンティブがない、それから回収することもできないということがありますので、これが一つの参考になりながら、これを大きなサーキュラーにどうやってしていくか、ビジネスにしていくかというのが日本の一つの方向性かなというふうに思います。

後藤翔太 参政党

○後藤翔太君 ありがとうございました。  続いてお伺いしたいんですけれども、動静脈連携ということで、もう少し、そこの連携が課題だということだったと思うんですが、もう少し分解すると、設計、製造、販売、利用、回収、リサイクル、そういった観点が必要かなと思っているんですが、その中でも、よりサーキュラーエコノミー推進していくために重要なプロセスといいますか領域はどういったところだというふうに思われるでしょうか。また、そういったところに国がまさにサポートする、そういったことは考えられるのかどうか、是非お伺いしたいと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  まずは設計だと思います。設計のところで、今再生材を利用するというような規制も入ってきていることによって、設計の方がサーキュラーエコノミーの易解体設計というのをようやく意識し始めたというところで、ここはもう大分足下変わってきています。  次が調達でございます。調達は、どうしても今のところ、やっぱり安定に安いものを調達してくるというのが最優先になってしまっていまして、安かろう悪かろうでは駄目なわけなので、ここのところが、安いだけではなくて、長期的に見れば安いというような長期的な視点を入れたサーキュラリティーに対するインセンティブというのが高まっていく必要があると思います。  それから最後ですね、やっぱりここのところで消費者も変わっていかなきゃいけないというのが昨今の流れでございまして、販売のところとも言えるかもしれませんけれども、やはり消費者が、やはり安いだけではなくて長期的に、ここも視点を長期的というキーワードが私は大事だと思っているんですけれども、近視眼的に見れば高くても長期的に見れば安いということで、サーキュラリティーを意識した購買になっていくと、ここが非常に重要かなというふうに思っています。

後藤翔太 参政党

○後藤翔太君 ありがとうございました。  続きまして、瀧口参考人にお伺いしたいと思います。  今回お示しいただいた内容は、地域やまた国のシステム構造を大きく変えるような御提言だったというふうに思っております。そういった中で、まず地域のところなんですけれども、私、ちょっと小水力発電についてちょっと調べてみまして、砂防堰堤を活用するというところだと国内に六万基既にあって、そういった発電可能性があるポテンシャルは三千七百ほど。そして、今利用しているのは、発電しているのは六十基ほどというところで、やはりここがなかなか進みにくいところはあるのではないかなというふうに考えているんですけれども、こういったところを、やはり更に水力を進めていくためには必要な要素というか、考え方はどういったものになるでしょうか。是非お伺いしたいと思います。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  まず、砂防堰堤というのは、実はこれダムのところに入っていない領域で、更に可能性があるところになると思います。これも本当、大小のダムがあって、先ほど申し上げたところは大きなところから始めた方がいいということなんですけれども、やはり小さいところをどういうふうに細かく拾っていくかというのが水力の場合は非常に必要で、そのときに、ただ、小水力発電とかをやると大体数字が合わないんですね。これ、多分どうやっても数字は普通にやると合わないなと思っていまして、何らか、国として、地域として、それが公共財として必要かどうかという判断がやっぱり必要になってきて、そういう別の予算を持ってくる以外の方法は正直ないかなというふうに思っています。  砂防堰堤も多分そういうことで、メーカーの方が一生懸命やられていましたけれども、可能性はあるんだけれども、余り政策の対象になっていないというふうに言われていたことがあって、そういった支援が砂防堰堤独自のものとしてやっぱり必要なのかなと、ダムじゃないので何か別の枠のものを持ってくる必要があるのかなという気はします。

後藤翔太 参政党

○後藤翔太君 ありがとうございました。エネルギー安全保障についていろいろな観点で考えていかなければならないということを改めて感じさせていただきました。  ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 岩渕友さん。

岩渕友 日本共産党

○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。  今日は、三人の参考人の皆様、本当にありがとうございます。  初めに、山地参考人にお伺いをするんですけれども、先ほどの質問とちょっと重なってしまうかなと思うんですが、今政府が石炭火力発電所でのアンモニア混焼を位置付けて実証事業が進められています。  それで、前回の参考人質疑でNPO法人国際環境研究所の山本社長がいらっしゃって陳述をされたんですね。で、委員とのやり取りの中でこのアンモニアをめぐるやり取りがあって、山本所長が、このアンモニアの発電コストというのは非常に高いんですと、アンモニアの原料になる水素が天然ガスや石炭から作られていて二酸化炭素が出てしまうと、だから二酸化炭素を地中に埋めることが必要になるんだけれども、そういうことを考えると実用的ではないということになると、アメリカやヨーロッパでもコストが高くて需要がないという悩みに直面をしていて、果たして需要がどれぐらい出ているかよく考えなければならないというようなお答えだったんですね。  そのアンモニア混焼とかCCSということについて、その経済合理性という観点から見てどうなのかということで、参考人の御意見をお伺いできればと思います。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 御質問ありがとうございます。  まず、RITEのシナリオ分析のモデルの説明をしておく必要があると思うんですけれども、RITEのモデルは最適化モデル、コスト最小で実現する結果を出します。そのときに、CO2の排出制約を課します。まあ時系列もありますから複雑なんですけれども、その中で結果として得られたものがシナリオとして出されている。その中で、二〇五〇年カーボンニュートラルという制約を課した下での最適化計算をすると、アンモニアが発電用に使われるということに結果として得られているわけです。  どういうことかというと、アンモニアは窒素と水素なんですけれども、水素は、先ほどもちょっと質問がありましたけど、現状では化石燃料から作ってくるんですけれども、脱炭素という要件が付いたときの燃料としてのアンモニアの場合には、水素も水の電気分解であるとかあるいは化石燃料から作るけれども、途中でCCSでCO2を地中に埋めるとか、そういうCO2フリーの水素を使います。そうなると高いんですけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルという目標は非常に厳しいものだから、しかも我々のモデルは原子力に上限を課しています。政府の上限である二〇%か一〇%を課すと、それ以外のもので、再エネは自然変動でコストも掛かってきます。そうすると輸入しなきゃいけないんだけど、アンモニア、そういうCO2フリーの水素を使ったアンモニアが最適化の結果として選ばれておるということです。  ただ、これをグローバル全体で二〇五〇年カーボンニュートラルにして、日本はそういうことにしないと、日本ではアンモニアまで使うようなコストの高い技術は採用されないと、そういう結果が得られることになります。  よろしいでしょうか。

岩渕友 日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございます。  次に、所参考人にお伺いします。  今、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃でホルムズ海峡が封鎖をされるということで、原油が高騰したりナフサにも影響があるということで、それが暮らしとかなりわいにも深刻な影響を与えています。今こそこの資源循環型社会に向けて取組を進めていくときだというふうに思うんですね。  そのときに、企業が社会的責任を果たすということが大事だと思っています。つまり、拡大生産者責任ということなんですけれども、ヨーロッパでは進んでいるんだけれども日本では余りうまくいっていないというふうに聞いているんですけれども、これがどうしてなのかということと、あと、ヨーロッパでは、その経済の仕組みとして、例えばごみそのものが生まれにくい社会構造に変える実践が行われているというふうにも聞いているんですね。経済の仕組みとか社会の仕組みそのものを変えていくということが必要だというふうに思うんですけれども、そのために国がやるべきことについて、参考人の御意見、是非お聞かせください。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  ナフサとかプラスチックの話になりますと、私がここで例に挙げた自動車やリチウムイオン電池に比べますと大分、一般消費者から出てくる廃棄物というのが対象になってくるという意味で、少し日本でも状況は変わってきます。  それで、海外の方がうまくいっているかどうかというのは、いろんな見方がありますので、私は一概にそういうことでもないとは思っていますが、ただ、そういう面があるとすれば、日本の特殊性というのは、やはり一般市民から出てくるものはいわゆる環境財政、環境省の管轄であって、自治体が集め、そして焼却をして、しっかりと適正処分するというシステムができ上がっていて、そこに対して、そこからリサイクルであるとか企業活動をするというのがまた違うカテゴリーになるという、ここは日本の仕組みの特徴的なところだと思います。  ただ一方で、消費者が非常にきちんとプラスチックをちゃんと分離をして資源循環に持っていくという気質は日本はすばらしいものがありますから、ここは、そういった消費者から出てくるプラスチックもしっかりと分離した後、ケミカルリサイクルに持っていくような、自治体も含めて、仕組みづくりというのは日本でも進んでいく土壌はあると思いますし、これからそれが進んでいく必要があると思っています。そのためには、やはり広域に質の良い分離されたプラスチックをしっかりと集めるという、そういう仕組みづくりが必要になってきます。

岩渕友 日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございます。  次に、瀧口参考人にお伺いをします。  私も、各地でバイナリー発電とかバイオガス発電などその地域固有の資源を生かした再生可能エネルギーの取組が、地域で雇用を生み出したり、経済を活性化させている事例について調査をしてきていて、エネルギーの地域内経済循環の重要性というのを実感してきています。  参考人からは、水力発電とかバイオマス発電といった山の国内資源の発電量を増やすべきというお話があったかと思うんですが、この山の国内資源を活用するということは、人口減少が今進む中山間地域で新たな仕事をつくったり農業や地域経済の活性化にもつながるものだというふうに思います。  参考人がこのエネルギーの地域内経済循環についてどういうふうに考えていらっしゃるか、山の国内資源を活用するに当たって、国にもっとこういうことが是非してほしいという要望があればお聞かせいただきたいと思います。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  私がこういうことをやり始めた最初の最初というのは地域エネルギー事業というのからなんです。震災直後ぐらいにドイツに行っていろいろ見て、当時、広域送電網みたいな風力の提案とかもしたりしたんですけれども。そういう中で、ドイツに行ってるときに、何かシュタットベルケ、シュタットベルケという、そこだけドイツ語を言う人がいて、何だろうなと思ってから興味を持ったんですけれども、地域のエネルギー会社というか、正確には地域の生活インフラサービス会社で、電力もガスもやっていますし水道もやっている、廃棄物も扱っているし、もう場合によっては劇場とかもやっているような、地域の経済を支えるような主体だったということで、こういうものをやっていくべきだなと思ったのがきっかけなんですね。  結局、その外側に全部出しちゃうと、外から物が供給されてお金を引っ張り出されてしまうという構造になるので、やっぱり地域側に経済的な主体を置かないと地域の経済は良くならないなと。幾ら、何というんでしょう、昔、地方分権とかありましたけど、そんなことを言って予算を付けても、誰もいない、経済的に回す人いないとなると全然回っていかないので、それをつくるためには、エネルギーというのは非常にキャッシュフローの大きなビジネスなので、それを基盤にして経済を回していけるんじゃないかというふうに思い始めたというのがきっかけです。  だから、それのために使えるものというのはいろいろあると思います。言われたように、結局、産業連関分析で経済波及効果を出すのと同じ、実は昔、鳥取市で出したことあるんですけど、地域内に会社があると、そこの資源を使う、バイオマスだったら地域の資源を使うし、そこの人が働くし、もうかった人が飯屋で食べるということになって、どんどん循環していくという構造があって、そういう構造を動かしていくためのきっかけだと思っています。  だから、そういう意味で、非常に必ずプラスになるという私は確信を持ってやっております。

岩渕友 日本共産党

○岩渕友君 ありがとうございました。以上で終わります。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 百田尚樹君。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 日本保守党の百田尚樹です。  今日は、三人の皆さん、ありがとうございました。  山地さんにお伺いします。  先ほど、二〇五〇年カーボンニュートラルは現実的でないとおっしゃいましたが、これは不可能ということで理解してよろしいでしょうか。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 不可能、我々がシナリオで示しているわけですから、技術的に不可能ということではありません。(発言する者あり)

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 指名してからお願いします。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 先ほど山地さんは脱炭素は堅持しなければならないとおっしゃっていましたが、私は個人的にはそれは国の制度としても間違っていると思うんですが、そのことはさておきまして、電力に関して、電力の経済的な問題に関してお伺いします。  再エネ比率が上がれば上がるほど電力が上がると、これはもう多くの専門家がおっしゃっていますが、山地さん自身はこれはどう思われますか。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 再生可能エネルギーは、特に二〇一二年から始まったFIT制度によって急速に入ってきました。当時は高かったです。だから、FITで固定価格買取り、高く買っていたんですけど、今は太陽光発電は相当下がってまいりました。そのキロワットアワー幾らという値段でいうと下がってきて、化石燃料や原子力とも競争可能な範囲になってきているんですけれども、ここが電力需給の難しいところで、電力は瞬時瞬時のバランスを取らなきゃいけないんですけれども、太陽光発電は、昼間、太陽が照っているときにしか出ません。夜には供給できません。それから、変動にマッチするためには、太陽光発電の出力を変動することは自然条件で決まっていますから、人為的にはできません。  そうすると、電力需給のバランスを取って、つまり電力供給の安定化のためには調整力が必要になります。それには、貯蔵であるとか、火力発電の出力を増大させたり、水力もそうです、そういうことがあります。そういう調整力のコストを考えると、一定ではなくて、再生可能エネルギー、特に自然変動性の太陽光と風力の比率が高まると調整力のコストが余計高まってきて、例えば五〇%とかになると物すごく高くなると、そういうことでございます。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 ありがとうございました。  簡単に理解しますと、再エネ比率が上がれば上がるほどやっぱり電力が上がると私は理解しました。  さて、次は所さんにお伺いします。  サーキュラーエコノミーですか、循環経済、非常におっしゃったところよく分かるし、理想はすばらしいなと思います。しかしながら、なかなか現実は理想では世の中回っていきませんので、じゃ、その経済的にそれが割、合うかどうか、これはすごい重要だと思うんですね。  例えば、先ほど自動車の話されていましたけど、自動車もいろいろ再資源できるんじゃないかと。ところが、そういうものは全部海外に流れてしまうと。ところが、例えば経済的に見ると、日本で廃車した車をいろいろ再利用する、いろんな資源を活用する、その場合と、それから日本の廃車した車が海外に売ってしまう、これ、どっちが利益があるんでしょう。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  海外にリユースで流れて売るということ自体は決して悪いことではありません。これ、世界全体で見たときに、リユースの率が上がるということは、大きな意味ではサーキュラリティーが上がっておりますので、これは悪いことではありません。ですから、まずはできるだけ機能を皆さんに使っていただくという意味で自動車のままリユースをしていただくというのは、世界の循環と見てみれば、環境的にはむしろいい方向です。  問題は、日本の経済安全保障、こういったものを考えたときに、あとはバランスの問題ということになると思います。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 ですから、日本国内の場合も、例えば海外に車を売った場合にその利益があるわけですから、その利益をやっぱり計算すべきじゃないかなと思います。  さて、次の問題ですね。  次の質問で、所さんは都市鉱山という言葉、論文で使われています。例えば、都市にある例えばスマホとかあんなの、パソコンとかに、実はここにすごいレアメタルとか金とか銀が眠っている、これを取り出すことによって一種のこれが鉱山だというふうに、こうやって循環していくということなんですが、言うことは分かるんですけど、果たしてこれもコスト的に可能なのか。例えば、何か試算が欲しいなと思うんですよ。  つまり、スマホからレアメタルあるいは金を取り出す、そのことによってどういうふうにその企業はその利益を得ることができるのかと。例えば、そこにある程度の試算があればやる企業は出てくると思うんですけど、これ、何かそういうその試算がありますか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  都市鉱山という言葉はもう一九八〇年頃から言われている言葉で、決して私がつくった言葉ではないんですけれども。  都市鉱山、おっしゃるとおりで、金とか銅とか含有量は非常に高いんですけれども、消費者のところに散らばっているものを集めるところにコストが掛かりますのと、それから、普通の天然鉱山とは違う比率で不純物が入っていますので、これを分離するところにコストが掛かるということで、必ずしもいつもいつもこれがコスト的に見合うわけではないんですが、ただ、貴金属、銅、こういった経済的な価値が比較的元素単位で高いものは、既に日本で随分、かなりきちんと企業によって活用され、銅なんかは銅精錬、あるいは貴金属の精錬なんかは、こういった都市鉱山を輸入するぐらい日本では経済的な価値を生み出しています。  ですので、一部はもう日本に十分に経済的な合理性を持って価値を生み出しているということは言えると思います。  ただし、全部ではないです。例えばレアアースであるとかレアメタルであるとか、より難しいものになってきますと、これは経済的にはなかなか今見合っていないと、そういうことが言えると思います。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 確かに、もうかるものやったらみんなやるんですよね。ただ、もうからないものをどうするかですね。  例えば、企業にもやっぱり社会的責任がありますので、その辺はやっぱり企業努力があると思うんですが、それも限度があります。  あとは、国がこういう制度、例えば最初の設計からこういうふうにしろと言うても、企業としては、それはもう、ちょっとうちの利潤としてはダメージが大きいとなってくると、やっぱりこれも限度があると思うんですね。  だから、研究者としては、そういう利潤がつくれるような道筋をつくることが僕は大事やと思うんですね。  済みません、あと一つ、瀧口さんにお伺いします。  水力発電なんですが、私、いろいろここ、発電所の人に聞いたところ、日本は今、水力発電は全電気需要の約八%と聞いています。で、それがもう今新たに水力発電を造ることはもうほとんど不可能じゃないかという話を聞いているんですが、これはいかがでしょう。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) 新たに造ることができないというのは、ダムを造れないのか、それとも発電機を付けれないのかという、(発言する者あり)あっ、どうぞ。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 新しいダムを造るのもちょっと、非常に、そういうもう立地もないと。で、今現在、治水に使われているダム、ここに例えば新たに発電タービンをこしらえて、発電可能ですけど、これもほとんどコストに合わないということを聞いています。いかがでしょう。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) 単純に、まあ合うところと合わないところというのは実態としてはあると思います。  まず、発電機を付けれないかどうかといったら、付けれると思います。これ、単純に工事すればいいだけですから、配管がどうなっているか次第で、場合によってはダムに更に穴を空ける、比較的それはできるというふうに言われているはずなんですけれども、そういう新しく穴を空けて新しい管を通して発電をするということは可能なはずだとまず思っています。  その前提、その前に、新しい発電機を付けなくても、今の発電機のままでも結局ダムの水を吐き出しちゃっているんですね、早めに、洪水調節用の治水ダムというのは。  ダムの水を見ていると、年間しゅうっと来て、台風のときだけぽおんと跳ね上がるんですよ。でも、あと、びいっとなっていて、ここのところを使えると二十倍ぐらいになるんですね。これ、二十倍いきなり使うというのは多分無理だとは思いますけど、そこをうまくためていくことでもっと同じダムで同じ発電機でも発電ができるはずだという、そういう考え方です。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 どうもありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) ラサール石井君。

ラサール石井 社会民主党

○ラサール石井君 社民党、ラサール石井です。  本日はどうもありがとうございます。  まず、山地参考人にお聞きします。  GX政策のための財源確保についてお伺いしたいんですが、GX経済移行債は化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の収入により二〇五〇年度までに償還することとされています。また一方、現下の円安や中東情勢に起因するエネルギー価格の高騰並びにそれを受けた政府の価格抑制策を見ておりますと、GX経済移行債を返済できる規模のカーボンプライシングの導入は政治的に難しいようにも思います。  GX経済移行債の返済スキームの実現可能性について御所見があればお聞かせいただきたい。またあわせて、現在の政府のエネルギー価格抑制策は、エネルギー価格の高騰に苦しむ人々の負担軽減のためやむを得ない面がありますが、その一方、脱炭素には逆行しているのではないかと考えてもいますが、その点についての御見解もお聞かせください。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) まず、GX経済移行債の償還の件ですけれども、仕組みは先ほども私も説明しましたし、先生も御説明されましたが、仕組みとしてはできていると思っておりますが、今後現実にそれが回収できるかどうか、それが本当にCO2削減効果を持つかどうか、そこは見極めが必要だと私は先ほどの発言で申し上げたつもりでございます。そこが神は細部に宿るというところで、手放しでそれができると思っているわけではございませんが、どうするかということに関してはこれからの問題ですので、状況を見ながら考えていくべきで、私も知恵が出れば使っていただきたいとは思っておりますが、現状で特にこうというふうに申し上げるべきことはございません。  それから、エネルギー価格、最近高騰しているのでそれを補助する、電気とあるいは石油製品ですね、それには国費が掛かる、税金が掛かるわけです。それによって、しかし、特にガソリン系の石油製品に関してはCO2を出しますから、価格が上がれば下がってCO2が削減されるべきところが、補助によって消費が維持されるためにCO2が減らないんではないか、それはそのとおりだと私も思っています。  これが、やはり三つのEのバランスと申し上げたように、環境を取るのか、経済効率性を取るのか、あるいは国民の生活の安定を取るのか、政治というのはそれをバランスしていくものではないかと思っておりまして、ここから先は私の分野を超えておりますので、私はそういうふうに考えておりまして、どちらがいいとは、現状ではやはり国民の希望は価格低下の方が大きいのかなと感想としては思っております。  以上です。

ラサール石井 社会民主党

○ラサール石井君 ありがとうございます。  それでは、所参考人にお聞きします。  所参考人は、新規電気パルス法による易解体設計、壊しやすい設計ですね、の在り方を提案されておりますが、リチウムイオン電池を使った製品を作る様々な業者に新規電気パルス法によるリサイクルを前提とする易解体設計を行わせるためには、新規電気パルス法がリサイクル方式のメインストリームにならねばならないのではないかと考えます。  将来的にそのようになる目算はあるのか、仮にそうでなかった場合は、業者に新規電気パルス法によるリサイクルを前提とする易解体設計を行うそのインセンティブをどのように考えればよいのか、御見解をお聞かせください。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  今、新規電気パルス法を使った解体がメインストリームになる可能性がありますのは、ダイレクトリサイクルと呼ばれる工程内リサイクルの部分でございます。なので、工程内リサイクルの部分で日本国内にこの電池の産業がしっかりと根付いて、そして、そこから再生材を得るということが規制も含めて世界的に重要になってきたときにメインストリームにはなり得るというふうに思っています。  一方で、ユーザーまで電池が使われて広域に回収されてリサイクルをするというところは、恐らくですが、こういった精緻解体の電気パルス法はメインストリームにはならないと。それはまた別な、もう少しいろんなものがあっても広域に大規模にリサイクルができる別なプロセスがメインストリームになるだろうと、そういうふうに考えています。  それから、これの易解体設計に関しては、おっしゃるとおり、製品の段階から剥がしやすい、あるいは解体しやすいという設計を入れていただく必要がありまして、これも提案はしていますけれども、これが設計に入り、出てくるまでには何十年と残念ながら掛かりますので、少し長期的には考えなければいけないことかなとは思います。

ラサール石井 社会民主党

○ラサール石井君 ありがとうございます。  それでは、瀧口参考人にお聞きします。  瀧口参考人は、GX地方債の導入を提唱されておりますが、現行の地方財政法で発行が認められている地方債とは違う形のGX地方債をつくる意義はどこにあるとお考えでしょうか。また、仮にGX地方債を導入した場合、返済の原資はどこに見出すべきでしょうか。現在、国が発行しているGX経済移行債は、化石燃料賦課金及び特定事業者負担金の収入を返済原資としていますが、GX地方債を発行する地方公共団体が独自に類似の賦課金等を徴収するのでしょうか。仮に、GX地方債を発行する地方公共団体がその住民からの税収を返済原資とする場合は、脱炭素に向けて先進的な取組を行っている地方公共団体の住民の方が取組を行っていない地方公共団体の住民より重い税負担を負うことになるので不公平感が生じると考えますが、その点についてもどのようにお考えでしょうか。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  これ、過疎債というのがありまして、それと同じような構造を考えています。結局、それは、過疎債は自治体が発行するんですけれども、その返済の原資の九割を国が負担するというそういう制度なんですけれども、そういったことをやってはどうかという考え方です。そういう意味では、国が負担するということをイメージ、まずしています。  それに対して、更にその税負担を上げるべきなのかということについて、私はなかなか申し上げにくいんですけれども、構造的にいくと、やはり一定のその税負担というのをするべく、やるのが正しいのかなとは思ってはいます。こういう考え方がいいのかあれですけど、ある種の環境税的な仕組みというのは、基本的にその税率が上がっていくという方向に一時的には持っていくしかないのかなというふうに思っていまして、それ以外の税金は減らしていくべきなんだろうと思っていますけれども、環境税的なものというのは、そのGXと同じで、日本の、その国の産業構造を転換するために必要な税金だという位置付けでそういうことを考えていくべきかなというふうに思っています。

ラサール石井 社会民主党

○ラサール石井君 先にやった方がちょっと重く税がなるというその不公平感というのは、どのようにお考えに。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) その意味では、課税される主体がその地域の住民ではないというまず前提ですね。(発言する者あり)そうです、そうです。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 指名でお願いします。

ラサール石井 社会民主党

○ラサール石井君 ごめんなさい。  分かりました。ありがとうございます。  質問を終わります。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 他に御発言はありませんか。  伊藤辰夫君。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 国民民主党・新緑風会の伊藤辰夫でございます。  それぞれに貴重な御意見、本当にありがとうございました。  では、私からも順次伺いしたいと思います。  まず、山地参考人にお伺いしたいと思います。太陽光電池と農業の土地利用の二重活用についてであります。  温暖化対策の観点から、太陽光発電の適地不足が深刻な問題になっていると思います。太陽光と農業の共生に言及をなさっていらっしゃいますが、これを単なる農家支援ではなく、国土全体のエネルギー密度を高める土地利用戦略として捉えた場合、系統接続の優先権や固定価格買取り制度において営農型を優先的に位置付けるようなエネルギーシステム上のインセンティブの必要性についてどうお考えになるか、お伺いします。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 営農型太陽電池、ソーラーシェアリングと言われているものだと思います。  基本的には私は、農業をやりつつ、その土地を太陽光発電に利用するということはいいことだとは思っているんですけれども、私、最近その分野の調査から大分外れているんですけど、私が詳細を、少し調査結果を見た段階だと、作られているものがそんなに本格的な農作物ではなくて、余り農業生産としての効果を持っていないように、私が調べたときはそうでした。  その後、いろいろソーラーシェアリングのやり方も、高さの工夫とか隙間の工夫とか、あるいは透過型の太陽電池もできるようになってきましたから、技術進歩によってより良いものが出てきているんではないかと想像はいたしますけれど、いいものを選んで優遇的に推進するというのでなければ、FIT全体がやはり太陽光発電に最初四十円幾らの買取り価格を付けて非常に大きな国民負担を招きましたので、同じ事例にならないように注意しながら慎重に進めていくという意味では重要な分野ではないかと思っております。  私の今の知識が限られていますので、この程度で御容赦いただければと思います。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 じゃ、脱炭素のシナリオについてもお伺いします。  山地参考人がこれまで提唱されてきた多様な道筋において、再エネの主力電力化と原子力の活用は両輪であります。しかし、近年のエネルギー、物価高騰は国民生活を圧迫しています。  二〇五〇年目標を堅持しつつも、エネルギーコストの精度を最優先課題として再定義する必要はないか、参考人の現在の御見解をお願いをいたします。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 繰り返しになるようで恐縮ですけど、先ほど来申し上げているように、私個人としては、二〇五〇年カーボンニュートラル実現というのは過大な目標ではないかと思っておりますので、調整していった方がいいと思っています。そうすることによって、エネルギーを通した国民負担も大分減ってくるんではないかと思っております。ただ、具体的にまだそこまでの詳細な検討をしたことはございません。  という程度でございますが、御不足でしたら、また再度御発言いただければお答えをいたします。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 じゃ、所参考人もお伺いをしたいと思います。  リチウムイオン電池について、先ほどからいろいろ質問もありますし、報道等でいろいろ危険性というか、そういうのをよく見るわけですけれども、私、回収と処理について伺いしたいと思います。  自治体のごみ処理施設等での火災が頻発する中、安全な回収ルートの構築が急務であると思います。メーカーの責任をどこまで強化すべきかとお考え、また、メーカーの責任をどこまで強化すべきかといったことについてもお伺いをしたいと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  自治体のごみ処理にリチウムイオン電池が交じるという問題に関しましては、やはり製品の中にリチウムイオン電池が入っているということが消費者から見えづらい、分かりづらいということが一番問題だと考えていまして、メーカーはまず、ここにリチウムイオン電池が入っていると、見た目はプラスチック製品に見えても中にはリチウムイオン電池が入っているということをまず明記するということは義務付けるべきだというふうに思っています。  それからもう一つは、これがどういうふうに捨てるべきかということを分かりやすく消費者に伝えるということも、ここまではメーカーの責任ではないかというふうに考えています。  そういった動きも最近はございまして、製品のところにバーコードを付ける、捨て方をインターネットなどに教示してそこにアクセスできるようにするというようなルールも少しずつルール化されていますので、こういったところはメーカーの責任であるというふうに思います。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 ありがとうございます。  じゃ、次、レアメタルについてもお伺いしたいと思います。  脱炭素化に不可欠なリチウム、コバルト、ニッケル等の資源は特定国への依存度が非常に高い状況であると思います。これを都市鉱山からの回収でどの程度補えるかと想定されているでしょうか。  また、技術的な回収率向上だけではなく、制度面での囲い込みといいますか、そういった、それについての必要性についてもお伺いしたいと思います。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  レアメタルの確保については、必ずしも、残念ながら都市鉱山から賄えるということは安全保障上言えないと思います。  これは、やはり特定国に限らないソフトもハードも含めた外交の多様性の確保、それから備蓄、そういったこともまずはしっかりと行いながら、その上で都市鉱山からも少しずつ回収していくということを両輪でやっていかなければいけないというふうに思います。  それが何%というのは、EUが出してきている再生材利用率、あのパーセントが一つは目安にはなると思います。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 ありがとうございました。  それでは、瀧口参考人にもお伺いしたいと思います。  GX債について、地域資源を活用するGX事業には巨大な投資が必要ですけれども、その果実が都市部や外資に流出する懸念もあります。地域版GX債などを通じ、地元の資金を地元のエネルギー転換に投資させるための仕組みづくりについて、具体策等がございましたらお伺いしたいと思います。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  難しい問題ですよね。いや、これ本当に、今、蓄電池ビジネスというのが今物すごいブームになっているんですけれども、もうあっという間に、系統接続の権利の確保というのをもうあらゆる企業が今行っているんですね。これが一時期すごい利益が出る会社が出てきたので、みんな追随して、まず権利を押さえようという、まあメガソーラー的なことが、メガソーラーのときの土地押さえみたいなことが起こっているんですね。  今、電力事業って本当に不動産ビジネスになっていて、土地を押さえるのが基本のキと言われている状況になっていまして、そういうようなことを先行的にできるのは、結局自治体じゃなくて民間企業で大手のところというところになるので、もう場所が外から押さえられるという状態に今なっているんですね。  なので、こういう仕組みを変えないといけないというのと今のお話というのはかなり整合しているなと思って、済みません、私も悩ましいと思っているところなのでお答えはないんですけれども、やっぱり自治体が、やっぱりある程度、自治体がやるのは難しいというふうに言われているので、自治体が関与していくような地元の企業、こういうところがそういう取りまとめを行っていくという構造をつくる必要があるのかなと。  地域インフラマネジメント会社と書いてあるんですけれども、それはそういう民間的な形を地域でつくって、これは多分SPCで複数の主体がお金を入れていくということになると思うんですけれども、そういう形をつくって地域できちんと権利を確保していくということが必要なのかなと思っています。

伊藤辰夫 国民民主党・新緑風会

○伊藤辰夫君 以上です。ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 他に御発言はありませんか。  百田尚樹君。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 日本保守党の百田尚樹です。  所さんにまたお伺いしたいんですが、日本は確かに資源もない、そんな中で、いわゆる循環経済というのは非常に大事な考え方だと思います。  そこで改めて聞きたいんですが、所さんの大学では、あるいは所さんの学部あるいは研究室では、例えばいろんな工業製品、日本におけるいろんな、自動車を含めて、そういう工業製品で、どういう製品なら、具体的にどう設計すれば、あるいはどういうふうに具体的なやり方をすれば、効率よくいろいろ再利用、資源の再利用ができるのかという、そういう研究はされているんでしょうか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) ありがとうございます。  まさにそういった研究をしております。というのは、解体というのは、機械的に取り外す、人で取り外す。それから、先ほどスライドでもお見せしたんですけれども、いろんな外部刺激が考えられます。バイオを使う人もいますし、それから電子レンジを使う方もいらっしゃいますし、IH、私も電気パルスもやっています、レーザーもあります。いろんなものを想定して製品ごとにそれを想定して、易解体設計をしておけば、きれいに精緻に解体をして、いろんな機能を余すことなく循環できるだろうということで、そういった解体の技術とそれからデザインをセットで今いろんな研究をしているところです。  また、これに対して、技術だけではなくて、これを、ライフサイクルアセスメントとか評価とか、そういったことも非常に重要ですので、まさに文理融合型の研究課題として研究、人材育成を進めているところであります。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 実際に、例えばある企業とそういう形で共同研究という形はされていること、今ありますか。

所千晴 早稲田大学理工学術院教授・創造理工学部長・研究科長

○参考人(所千晴君) まさにこの分野は企業からも注目度が高いところでして、早稲田大学では、循環バリューコンソーシアムということで、六十社から成る企業とサーキュラーエコノミーに関するシステムづくり、技術づくりについて共同研究あるいはディスカッションをして、大分社会的な課題も見えてきているところでありますので、そういった活動もしております。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 これはもう非常に心強い言葉です。是非頑張ってください。ありがとうございます。  あともう一つ、山地さんにお伺いします。  単刀直入にお伺いしますけれども、先ほどの二〇五〇年代のカーボンニュートラルは非常に現実的ではないと。それを踏まえて、ずばりお聞きしたいんですが、山地先生は原発の比率をもっと上げるべきだとお考えですか。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) 最後がちょっと聞き取りにくかったんですけれども。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) はい、じゃ、もう一度。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 失礼しました。  つまり、カーボンニュートラルを現実的にするためにも、あるいはいろんな電力事情を考えた上で、原子力発電をもっと稼働すべきだと考えていますか。

山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構理事長

○参考人(山地憲治君) ありがとうございます。  私は原子力発電はもっと導入すべきだと思っているんですが、ただ、時間が掛かりますので、まずは、現在、安全審査に入って許可をもらっていてまだ運転していないものもありますし、まだ新しい安全審査の基準での審査は始まっていないものもありますから、いわゆる再稼働ですね、既存の原子力発電所の再稼働、それから今回の第七次エネルギー基本計画では、新設、リプレースにも言及されている新型革新炉というような形のものもありますので、まずは軽水炉からでしょうけれども、新設炉も進めていく。ただ、いずれにしても、地元との関係もありますし、人材の問題もありますから、時間は掛かると思っています。  ただ、現状目標とされている一〇%とか二〇%よりは増える比率での原子力発電をするのが望ましいのではないかと思っております。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 ありがとうございます。私も原発はもっと比率を上げるべきだと考えております。  さてそこで、瀧口先生にお伺いします。  今、先ほど私、水力発電のことを聞きましたけれども、実はこの水力発電というのは非常に重要な発電で、実際には全電力の供給量の八%なんですけれども、太陽光は非常に不安定です。昼間はがんがん電気を供給できるんですが、一旦雨が降る、あるいは曇りになると急速に電源が下がると。そうすると大停電のおそれがあるので、じゃ、そのどんと減った分をどうするかということになると、これ、全部水力発電なんですよね。水力発電でカバーしていると。大量に水を出して、そこで発電をして、減った分の、太陽光で減った分を賄うと。  その意味でも、太陽光発電がこのまま増えていけば、当然ながらそのバック、いわゆるそのケアをする電力が非常に必要になってくるので、そうなってくると、先ほど言いましたように、水力発電はまだ更に増えないとちょっとしんどいかなというところあるんですね。  その意味で、私は、既存の治水ダムにタービンをこしらえ、タービンを付けて、さらに送電線を付けて、それが果たして、電力会社はこれ、コスト的に見合うのかどうかなんですが、この辺は、瀧口先生、どうなんでしょう。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) 水力発電については、場所によっては、系統の増強がそれほどなく発電を増やすということもできると思います。  難しいところについては、これは、でも、おっしゃられたとおり、系統の問題が非常に大きくて、一番は、北海道ってすごくダムで発電していない割合高いんですけれども、もう本当に距離が長くて、もうそこのコストが掛かるというふうに言われていてできていないんですね。なので、単純に、御質問いただくと、かなりそういう系統接続は問題にはなりますというお答えにはなります。  そう考えたときに、やっぱり人が住んでいるかどうかというのが重要で、人が住んでいるところに電線を引くということは一定の意味があるはずで、それと合わせて構造をつくっていかないといけないというふうに思うんですね。これが難しくなるところではあるんですけど、これでやらないと駄目だと。もう単発エネルギーでやると、系統接続って金が掛かって駄目だよねというので終わってしまうので、いや、そうじゃなくて、やっぱりそれを守っていくためにも、そこにきちんとした地域の経済をつくっていくべきじゃないかという、べきだという考えの下にきちんとそこにお金を投じていく、この構造が必要なのかなと思います。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 ありがとうございました。  本当に、皆さんの方からお話聞いていますと、本当に電力というのはもう非常に大変なものだと分かります。  某政党のある有力議員はですね、大臣は、再エネで一〇〇%行けるんだということを言うていましたけど、実際のところそういう試算もありまして、太陽光で一〇〇%やった場合はどのぐらい金掛かるかと。これ、かなり、かなり安く見積もっても八百兆円以上掛かるということなんで、非常に現実的ではないと。ところが、日本政府は、太陽光、再エネ比率を、何年ですかね、最終的には四〇%まで上げると、五〇%かな、とんでもないこと言うているんですが、今のお話聞いていますと、非常にこれはもう現実的でないということがよく分かりました。  ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 他に御発言はありませんか。  じゃ、瀧口参考人。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) ありがとうございます。  今のお話なんですけど、私が何で山と海と言っているかというと、結局、平地に、最初やりやすいのでみんな太陽光ばっと行ったわけですよね。これはもう限界。それが山の上まで上っていくので問題が起こっているという状態だと思うんです。  やっぱり、山は山につくるべき再エネがあるし、海は海につくるべき再エネがあって、それをまずやるべきじゃないかというのが基本的な考え方です。  ただ、それをやっても、再エネだと多分無理なんですね、本当に必要な量を考えると。それをやると何なのかと考えると、済みません、私の場合は、もう核融合だというふうに思っています。そこは、原子力をまずきちんと維持して、これまでの、新潟なんか再稼働しましたけど、こういうことをやりながら、最終的に核融合につなげられるようにその仕組みをつくっていくというのが日本としては不可欠なのかなと思っております。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 済みません、もう一度だけ。  先ほど、瀧口先生は、今電力はもう不動産が問題だということをおっしゃいました。確かに、再エネはそうなんですよね。  一キロワットの電力を作るのに、火力発電が面積が一としたら、太陽光でその同じ発電量をするためには土地が二千五百倍要るという計算があります。ですから、いかに、これでも太陽光というのはもう無駄が多くて、しかも、日本のように土地が狭い、そして平地が少ないというところではもう既に限界が来ているかなという感じがいたします。その辺はいかがでしょう。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。

瀧口信一郎 株式会社日本総合研究所創発戦略センターシニアスペシャリスト

○参考人(瀧口信一郎君) はい。  今、平地に太陽光というのはかなり厳しいのかなと、まず思っています。  その上で、済みません、改めてなんですけど、いや、何でこの原油が足らなくなっているのか、何で九五%あったやつが今でも九五%なんだよということですよね。これは一時期下がっているんですけれども、結局、経済発展したアジアの国々、そこが輸出していたような、中国も含めて、それを使うようになってしまったという、こういう問題で、人口が八十億人になる段階まで、基本的にはその構造はどんどんどんどん膨らんでしまうと思うんですね。  そのため、それに対応するためには、やっぱり国内で何とかするということ自体も考えないと将来的にまたリスクがあるのかなという、そういう考えでございます。

百田尚樹 日本保守党

○百田尚樹君 ありがとうございました。

木戸口英司 立憲民主・無所属

○会長(木戸口英司君) 他に御発言はありませんか。──他に御発言もなければ、以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表して厚く御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #2765 観測 2026-07-01 15:24 JST
    改ざん検知用の値 a3140342…f864e2 (未計算)

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記録
#2767 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
7d69435f…16ff26

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  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
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いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。