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国会会議録

本会議

第221回 · 参議院 · 第15号 · 2026-05-22

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-07 00:10 JST 記録 #3635 ↗

発言 39

会議録情報

令和八年五月二十二日(金曜日)    午前十時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━ ○議事日程 第十五号   令和八年五月二十二日    午前十時開議  第一 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)  以下 議事日程のとおり      ─────・─────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 御異議ないと認めます。牧野たかお国務大臣。    〔国務大臣牧野たかお君登壇、拍手〕

牧野たかお 復興大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(牧野たかお君) 防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、防災庁設置法案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、世界有数の災害発生国である我が国において、人命、人権最優先の防災立国を実現すべく、我が国の防災全体を俯瞰的に捉え、徹底した事前防災と、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔となる防災庁を設置するものであります。  このような趣旨から、この度、本法律案を提案することとした次第であります。  次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、防災庁の設置、任務及び所掌事務について定めております。  防災庁は、内閣に置き、災害対策の基本理念にのっとり、防災に関する内閣の事務を内閣官房とともに助けること及び防災に関する行政事務の円滑かつ迅速な遂行を図ることを任務としております。  また、その任務を達成するため、防災の施策に関する基本的な方針や計画、大規模な災害への対処に関する企画立案や総合調整、関係行政機関が講ずる施策の実施の推進をつかさどります。  さらに、防災に関する組織の設置や運営、防災計画の推進、被災者の応急救助、大規模地震等への対策、防災に関する技術の研究開発や国際協力等の事務をつかさどることとしております。  第二に、防災庁の組織について定めております。  防災庁は、内閣総理大臣を長とし、事務統括権と関係行政機関の長に対する勧告権等を有する防災大臣を置くとともに、副大臣及び大臣政務官を一人ずつ置くこととしております。また、防災庁の庁務を整理し、各部局等の事務を監督する事務次官一人を置くこととしております。  加えて、防災庁に、従来内閣府に置かれていた中央防災会議を置くほか、文教研修施設を置くことができることとしております。さらに、防災庁の地方機関として防災局を置くこととしております。  最後に、本法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和八年十二月三十一日までの間において政令で定める日としております。  続きまして、防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。  本法律案は、防災庁設置法の施行に伴い、内閣府設置法その他の関係法律について所要の規定の整備を行うとともに、あわせて、防災庁の組織や権限に係る災害対策基本法その他の関係法律について、防災庁がその司令塔機能を果たすため必要となる規定の整備等を行うものであります。  このような趣旨から、この度、本法律案を提案することとした次第であります。  次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、災害対策基本法において、災害から復旧復興を推進するための新たな本部の設置等について規定を追加するとともに、科学的知見に基づく災害リスク評価により事前防災の改善を図ることや、全ての被災者が、できる限り、良好な生活環境をあまねく享受できるようにすることを基本理念に追加するものであります。  第二に、大規模地震への対策を一層推進するため、基本計画の見直しや国から地方公共団体等への必要な情報提供及び助言などの援助について規定を追加するものであります。  第三に、内閣府設置法その他の関係法律について、内閣府から事務を移管し、新たな行政機関として防災庁を設置することに伴う所要の規定の整備を行うものであります。  以上が、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の趣旨及びその内容の概要であります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。星北斗君。    〔星北斗君登壇、拍手〕

星北斗 自由民主党・無所属の会

○星北斗君 自由民主党の星北斗です。  会派を代表して、防災庁設置法案等について質問をいたします。  東日本大震災から十五年が経過しました。日本の観測史上最大の地震と津波であっただけでなく、原子力災害も発生した複合災害であったため、本来であれば発災当初から、強力な司令塔の下、防災全体を俯瞰的に捉えて、あらゆる府省庁が一体となって対応しなければなりませんでした。  それゆえ、今回、徹底した事前防災から発災後の復旧復興に至るまで、一貫した対応の司令塔となる防災庁を設置することは、災害大国であり、南海トラフ地震等の巨大地震の発生も危惧される日本において、不可欠なものであると確信しております。  しかし、私の故郷福島県を始めとする東日本大震災の被災地からは、新たに防災庁が設置されることにより、復興庁の設置期限が三〇年度末となっていることもあって、復興の優先順位が下がることや、風化が進むことへの漠然とした懸念や不安を訴える声が聞こえてきます。  政府からは、防災庁と復興庁は任務が明確に分かれており、統合の検討は行っていないという説明がなされており、私もそのように説明をしていますが、漠然とした懸念や不安を打ち消すには、リーダーの明確かつ強いメッセージが必要です。  高市総理、是非とも、福島の復興への決意、そして、復興庁の存在や役割、機能は、防災庁の創設によって、より強くなることはあっても弱まることはないときっぱりとお話しいただきたいと思います。お願いいたします。  東日本大震災では、最大震度七という極めて大きな揺れやそれに伴う大津波で多くの犠牲者が出ただけでなく、原子力災害による避難者が、避難等が加わったことで、交通や通信が麻痺し、医薬品の供給が止まり、医療従事者の確保もできず、十分な医療活動を行うことが難しくなっていました。  当時、私は福島県郡山市で医療活動に従事しておりましたが、病院が全半壊したことから、手術や入院は完全に停止し、慢性疾患患者への継続処方などの外来診療のみを何とか続けておりました。  大災害が起きると、被災者は厳しい避難生活を強いられます。必要な治療や医薬品の入手も困難になるなど、自然災害から命を守ることができたにもかかわらず、その後の災害関連死事例が多く見られ、熊本地震や能登半島地震では直接死を上回る災害関連死が発生しています。  そこで、新たに設置される防災庁では、避難生活の負荷を減らすのみならず、必要な医療を適時的確に提供できるように、病床や人員の確保や配置、医薬品の備蓄と供給体制の維持などについて、関係する全ての府省庁を束ねながら、どのように災害発生時の保健医療対策を講じていく御所見でしょうか。牧野大臣にお伺いします。  原発事故では、発生直後、建屋内の状況を即座に確認できなかったことは大きな課題であります。また、被災状況や避難者の所在の確認が遅れたことも、被害の拡大を防げなかったことに、という反省につながっています。  これまでの自然災害での反省や教訓の下、我が国において取り組まれている防災DXやロボットなどの無人化、自動化技術などを活用した研究開発や実装化には、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指している福島国際研究教育機構、F―REIが鍵を握っていると考えますが、牧野大臣の御所見をお伺いします。  さらに、F―REIなどで生まれ、実装化されたドローンやロボットなど、あるいは蓄積された知見によるノウハウや技術は、国内の国土強靱化や防災・減災だけでなく、日本発の防災産業として、海外の国や地域への貢献ともなります。  防災産業の発展のためには、戦略的な海外展開を見据えた官民投資の優先的な支援が不可欠と考えますが、最後に高市総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 星北斗議員の御質問にお答えいたします。  防災庁の設置に伴う復興庁の役割、機能についてお尋ねがございました。  防災庁は、今後発生が懸念されている大規模自然災害に対し、平時の備えや発災時から復旧復興までの対応を強化するために設けられる組織です。一方で、復興庁は、東日本大震災からの復興のためにつくられた組織です。このように、二つの組織はその任務が明確に分かれており、復興庁が果たしている役割や機能が引き続き必要であることに変わりはありません。  福島の復興に関しては、中長期的な対応が必要であり、引き続き国が前面に立って取り組むという政府の方針に変わりはありません。まずは、第三期復興・創生期間の五年間で様々な課題を何としても解決していくという強い決意で、総力を挙げて取り組んでまいります。  防災産業の発展と海外展開についてお尋ねがありました。  高市内閣では、成長戦略の十七の戦略分野の一つに防災・国土強靱化を掲げており、防災技術への投資を促進してまいります。  近年、ドローン、衛星、AIを活用した技術など、新たなサービスも次々と生まれています。防災技術の開発、商品化、現場実装の好循環を生み出し、その国際展開を進めることで、我が国の防災力と成長力の強化はもとより、防災産業の発展と世界への貢献につなげてまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣牧野たかお君登壇、拍手〕

牧野たかお 復興大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(牧野たかお君) 星北斗議員からの御質問にお答えをいたします。  災害発生時の保健医療対策についてお尋ねがありました。  防災庁には災害対応の司令塔機能を持たせることにしておりまして、変化する被災地の状況や課題を把握しながら、ワンストップ窓口として伴走型で自治体を支援することにしております。  大規模発生時には、都道府県が保健医療福祉調整本部を設置して、必要な保健、医療、福祉を適時的確に提供することができるよう総合調整を行い、その上で、厚生労働省に設置される支援チームが都道府県の調整本部を支援することによって、支援することになっております。  厚生労働省の支援チームは、災害時において、被災した都道府県や他省庁からの情報の一元的な受付や集約、さらに、医薬品などの物資支援や保健、医療、福祉の専門職の応援派遣に関する提案などを行うことで被災県の意思決定の迅速化を支援します。これらの取組を通じて、厚生労働省所管の保健医療福祉分野が一体となって現場と密接に連携して効果的な支援を行うものと承知しております。  今後の災害においても、この仕組みが、防災庁が中心となって運営する政府の本部や都道府県の災害対策本部と一体で運用されることによって、関係機関が連携した効率的、効果的な災害対応や被災者支援につながると考えております。  今後設置される防災庁では、厚生労働省などの関係省庁とも連携して、政府一体となった災害対応の体制の充実に取り組んでまいります。  福島国際研究教育機構についてお尋ねがありました。  福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIにおきましては、福島や日本、そして世界の抱える課題や地域の現状を踏まえ、福島の優位性を発揮できる分野の研究開発を行うこととしております。  御指摘の防災やロボット技術についても、例えば、人による作業が困難な災害現場の過酷な環境で安全な作業を可能にするロボット技術の開発や、原子力災害に関するデータや知見を収集、分析し、今後の災害対応に生かす研究に取り組んでいるところです。  こうした研究がその成果の実用化や新産業の創出に着実につないでいくことを目指し、F―REIが創造的復興の中核拠点として広く企業や研究機関と連携しながら取組を進められるよう、政府一丸となってF―REIを支援してまいります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 小沢雅仁君。    〔小沢雅仁君登壇、拍手〕

小沢雅仁 立憲民主・無所属

○小沢雅仁君 立憲民主・無所属の小沢雅仁です。  防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、会派を代表して質問します。  まず冒頭、昨年の自民党総裁選や今年の衆議院総選挙で、高市総理の陣営が他候補や他の党を誹謗中傷する動画を作成し、交流サイトに投稿していたと週刊誌が報じた件であります。  高市総理は、我が党の議員に重ねて問われ、週刊誌を信じるのか秘書を信じるのか、私は秘書を信じると述べました。SNS上の偽情報や誹謗中傷は、投票行動を左右しかねず、選挙の公正性や結果の正当性を揺るがす民主主義の根幹に関わる極めて重要な問題です。  週刊誌で続報が報じられていますが、事の重要性を認識されるなら、自ら徹底的に調べ、事実と異なるのであれば根拠を示し、週刊誌側を名誉毀損で訴えるなど、しかるべき措置をとるべきではないですか。総理、いかがですか。  しかも、動画の作成に関わったとされる松井氏が、十八日のネットの公開ニュース番組に出演し、高市総理の公設第一秘書である木下秘書とは、共通の知り合いを介して知り合った、対面ではなくオンラインで会議をしたと証言しました。高市総理はこれまでも、私自身も秘書も面識のない方と、松井氏との関係を否定してきました。  改めて総理にお聞きします。木下秘書と松井氏とはオンライン上でやり取りがあったのか、お答えください。やり取りがあったのであれば、これら週刊誌報道の疑惑を総理自らが再度徹底的に調査して、国会と国民に説明する責務を果たすべきと考えますが、そのお考えがあるのか、明確にお答えください。  それでは、法案の質疑に入ります。  我が国では、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など、多くの自然災害に直面してきました。そして、気候変動により風水害が頻発化、激甚化していることに加え、今後、南海トラフ地震、首都直下地震、富士山噴火など、甚大な被害が想定される大規模災害の発生が懸念されています。こうした中、石破内閣において発足した防災庁設置準備室で検討が進められ、今般、本法律案の提出に至ったと理解しています。  今まさにスタートラインに立つ防災庁が実行力のある組織となれるよう、以下、質問いたします。  防災庁においては、定員を現行の内閣府防災の一・六倍に拡充するほか、統括官四名の体制とする予定ですが、これらの体制強化による具体的な効果について、確認の意味も込めて高市総理に伺います。  そして、防災庁は、徹底した事前防災と発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔機能を担うとしています。災害対応においては、きめ細やかな被災者、被災地支援の総合調整を行うとともに、被災地のワンストップ窓口として、継続的、包括的な被災地伴走支援体制の構築など、早期の復旧とより良い復興を推進するとしています。  総理は、昨年十月の就任時の記者会見において、復興庁が蓄積してきた経験やノウハウを最大限生かさないともったいないと考え、復興大臣と防災庁設置準備担当大臣を兼務させたと述べています。  防災庁の設置に向け、復興庁に関する検証は行われたのでしょうか。また、復興庁の経験や教訓は本法律案にどのように生かされているのか、高市総理に伺います。  続いて、防災庁に置かれる防災大臣について質問いたします。  有識者による防災庁設置準備アドバイザー会議の報告書において、防災庁が司令塔機能を発揮し、府省庁間等の縦割りによる対策の抜け、漏れ、分断を排し、破棄し、府省庁間の縦割りによる分断を排し、各府省庁等が個々の行政分野において実施している事前防災に係る施策を統一的かつ着実に推進するため、防災庁においては、内閣総理大臣を助ける専任の大臣を置き、勧告権等を付与するとしています。  しかし、国務大臣の数は、内閣法に規定があり、最大で十八人以内とされています。現在、高市内閣においては国務大臣は十八人。単純に考えれば、防災大臣は他の国務大臣と兼務することが想定されます。もちろん大臣の数を増やせばよいというものではありませんが、これで本当に専任の大臣と言えるのでしょうか。高市総理の認識を伺います。  防災大臣は尊重義務付きの勧告権を有するということですが、復興庁やデジタル庁において行使された例はなく、その実効性について、これまで数多くの議論が行われてまいりました。  この尊重義務規定について、復興庁設置法の制定時には、勧告権を必要に応じ行使して、ほかの各省各庁に対して強いリーダーシップを発揮してもらいたいとの趣旨で、衆議院修正によって追加された経緯があります。加えて、参議院の附帯決議では、「復興大臣の勧告権について各府省の尊重義務が明記されたことを踏まえ、復興大臣は、勧告権を背景とした強力な総合調整を行い、縦割りの弊害を打破し、迅速かつ円滑に復興を推進すること。」とされておりました。  復興庁においても、勧告権による縦割りの打破が期待されましたが、行使されていない現状を踏まえると、防災庁においては、勧告権の実効性の確保と勧告権を行使する前段階で各府省庁への総合調整権限の十分な発揮を適切に行っていただきたいと考えます。  防災庁では、各府省庁の施策の進捗状況について適時フォローアップを行っていくとのことですが、進捗が思わしくない施策には、予算や人員が足りていないなど、何らかの原因があるのではないでしょうか。防災大臣には、こうしたフォローアップや調整の段階でリーダーシップを発揮し、各府省庁とともにボトルネックを分析し、施策を前に進めるために知恵を絞っていくことが求められています。  赤澤前防災庁設置準備担当大臣も、新聞報道において、防災庁を成功させるポイントは何かという問いに対し、重要なのは大臣を誰に据えるかだと答えています。  これらを踏まえ、防災大臣に求められる役割について、高市総理はどのようにお考えか、お伺いをいたします。  国民の一人一人が災害を我が事として捉え、防災に関する行動変容を促すためには、防災教育も極めて重要であります。  令和四年に閣議決定された第三次学校安全の推進に関する計画において、地域の災害リスクを踏まえた実践的な防災教育の充実が挙げられており、手引の作成等も行われております。  しかし、慢性的な教員不足や膨大な業務量が課題となっており、実践的な防災教育の実施は各学校や教員の関心、意欲に左右されています。  このような中、国土交通省も防災教育ポータルサイトを開設するなど、各種の支援を行っています。防災庁がふるさと防災職員を活用しながら、こうした各省の取組をコーディネートし、学校現場につないでいくことは、教員の負担軽減にも資すると考えます。  また、有識者会議において、幼保時代からの防災教育についてはポテンシャルが高いとされていましたが、文部科学省、厚生労働省、こども家庭庁など所管省庁の縦割りが課題となっているとの指摘がされており、防災庁の司令塔機能の発揮が期待されます。  これらを踏まえ、防災教育において防災庁が担う役割について、牧野防災庁設置準備担当大臣にお伺いをいたします。  次に、防災技術の研究開発、社会実装の推進について質問いたします。  過去にも幾度も大災害を経験した我が国の知見や優れた技術を生かした防災産業を発展させていくことは極めて重要です。こうした防災技術が社会全体に浸透するには、フェーズフリーの観点が非常に重要です。  身近なもので例えますと、液体ミルクは、熊本地震の際に海外から支援物資として届いたことをきっかけに国内で製品化されました。液体ミルクはふだんの外出時に持ち運びにも便利で、ローリングストックがしやすく、いざというときにもスムーズに使用することができます。  幾ら優れた技術であっても、厳しい財政状況にある自治体は、防災のためだけに導入を決めるのはハードルが高いと思います。また、ふだんから使っている技術でなければ、災害発生後の混乱した状況下で速やかに活用することは困難です。  しかし、フェーズフリーの技術は、様々な場面で活用できるがゆえに、縦割りの中でどこが予算を付けて推進するのかが課題です。防災庁において積極的に推進するには、日本成長戦略の危機管理投資、成長投資の戦略分野にも防災・国土強靱化が挙げられていることから、この点もしっかり連携すべきと考えますが、フェーズフリーの観点を重視した防災技術の研究開発、社会実装の推進に関する高市総理の見解を伺います。  東日本大震災及び原子力災害を経験した自治体職員へのヒアリングで共通して指摘されたのは、災害対応が法律や計画で想定された役割分担どおりに進まなかったという現実です。  震災当時、県、市町村の職員は、法制度上の役割分担にこだわる余裕もなく、現場判断でチームを組み、避難所運営、物資確保、住宅確保、被災者対応など、多岐にわたる業務を担ってきました。特に市町村職員は、住民の顔や生活状況を知るがゆえに、避難所運営や被災者支援の最前線に立たざるを得ず、職員自身も被災者でありながら支援者でもあるという二重の負担を抱えてきました。  また、国や県からの指示が市町村の制度や実務を十分に理解しないまま出され、最終的に業務が末端の自治体や現場職員に集中する構造が浮き彫りになりました。これは能登半島地震の被災自治体にも当てはまり、いまだなお継続している課題です。  衆議院での審議を通じ、防災庁の必要性や市町村の厳しい実情については一定の共有がされたと受け止めていますが、一方で、市町村の脆弱性を前提とした国、都道府県、市町村の役割分担、とりわけ県における人材育成や県による市町村支援の在り方については十分に整理されておりません。  市町村が判断や実施能力を失う局面を制度としてどう想定するのか、その際に県がどのような役割を果たし、国がどこまで関与できるのかは、防災庁の実効性を左右する重要な論点であると考えますが、高市総理の認識を伺います。  また、発災時の国、自治体間、民間事業者、NPOの役割分担と責任の整理をどのように考えているのかについて、牧野防災庁設置準備担当大臣にお伺いします。  平時の備えについても多くの課題があります。備蓄物資は市町村の財政力に左右されており、数量確保や更新、保管、輸送訓練に予算を割けない実情があります。広域災害においては、各自治体が計画どおり備蓄してもなお不足が生じ、県や国による調整や支援が不可欠であることが明確になっています。  人材面でも、防災担当職員は兼務が常態化し、異動により知見が蓄積されにくい構造があります。防災の専門性を高めようとすれば他部署が手薄になるというジレンマも抱えています。多くの自治体で、平時に専任を置く余裕がないが、有事には明らかに人が足りないという矛盾が存在しています。  これらの現状を踏まえ、平時からの人材、訓練、計画、備蓄の実効性をどのように担保されるのか、牧野防災庁設置準備担当大臣にお伺いをいたします。  アドバイザー会議報告書が強調するように、防災庁の設置は出発点であり、設置後も定期的な政策の見直しや制度改革を重ね、実効性を高めることが必要です。防災庁の役割分担や運用を防災庁の設置時点の整理だけで完結させることは困難であり、むしろ防災庁発足後も現場の実態に即して検証、見直しを重ねる仕組みを法的に担保することが不可欠であると考えます。  政府として、防災庁発足後に、市町村の脆弱性を踏まえ、現在の国、都道府県、市町村の役割分担の在り方について、検証や見直しを進めるための具体的な考え方があるのか、高市総理に伺います。  最後に、我が国が直面している東京一極集中、急速な少子高齢化、人口減少、これらに伴う地域コミュニティーの弱体化、地方における医療、看護、福祉、保健、交通、流通等の社会基盤サービスの縮小、インフラ、ライフラインの老朽化、地方公共団体の人員不足など、こうした平時から社会に内在する脆弱性が、災害発生時に尊い人命が失われる事態につながります。徹底した事前防災とは、我が国全体の急所を捉え、各省の垣根を越えて解決への道筋を付けていくことが重要だと考えます。  国民の皆様が安心して暮らすことができる人命、人権最優先の防災立国の実現に向け、我が国が抱える課題に本気で向き合うという高市総理の覚悟を伺いまして、質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 小沢雅仁議員の御質問にお答えをいたします。  週刊誌の件についてお尋ねがございました。  本件について徹底的に調査すべきとの御指摘については、既に事務所の職員に事実確認をした結果、党総裁選挙や総選挙期間中には、面識のない方も含め莫大な数の電話やインターネット上のやり取りがあったが、週刊誌の記事にあったような内容は確認できないということでございました。  いずれにしましても、高市事務所及び高市陣営としては、他の候補者に関するネガティブな情報を発信する、あるいはそのような動画を作成して発信するといったことは一切行っておらず、そのような動画の作成、発信を第三者に依頼したこともないとのことでした。  週刊誌側を名誉毀損で訴えるなどの措置をとるべきとの御指摘につきましては、公務を最優先にするべき立場であることから、訴訟に係る負担も考えつつ判断をしてまいります。  防災庁設置による体制の強化の効果及び復興庁の経験や知見の活用についてお尋ねがありました。  防災庁は、一貫した災害対応の司令塔としての役割を担うため、体制の強化を図り、これにより、例えば、平時は地域レベルでの災害リスク評価に基づく事前防災の取組を強化するとともに、災害発生時には伴走型の被災地支援を充実させることとしています。  次に、復興庁が蓄積してきた経験とノウハウは防災庁の制度設計にも生かす必要があると考えており、例えば、復興庁が蓄積してきた被災地とのワンストップ窓口としてのノウハウの検証も踏まえ、防災庁関連法案には、被災地における復旧復興本部の設置についての規定を盛り込みました。防災庁設置後も、復興庁と連携し、その経験やノウハウを施策に生かしてまいります。  防災大臣を専任の大臣とすること及び防災大臣の役割についてお尋ねがありました。  防災大臣が国務大臣として他の担務を担うかどうかにつきましては、その時々の情勢に応じ、任命権者たる総理大臣が判断すべきものと認識しています。  防災大臣は、各府省庁の個別施策の進捗を把握し、勧告権を背景に更なる対応を促すとともに、必要が認められればちゅうちょなく勧告権を行使することが可能であり、防災庁の下、政府一体で災害対策を進めていくことができると考えています。  また、議員御指摘のとおり、進捗が思わしくない施策について、関係省庁とともに原因を分析し、知恵を絞っていくことは防災大臣にも当然求められる役割であり、私としても、そのようなリーダーシップを期待しています。  フェーズフリーの観点を重視した防災技術の研究開発、社会実装についてお尋ねがございました。  防災技術の開発、商品化、現場実装の好循環を生み出すためには、フェーズフリーの取組が欠かせないと考えています。近年発展著しいドローン、衛星、AI、浄水化技術などは、災害時だけではなく平時にも活用できるものであり、そうすることが実装の可能性を高めます。  防災庁が司令塔となり、フェーズフリーの観点も組み込んで、このような防災技術の研究開発、社会実装を官民一体で強力に進めてまいります。  市町村の脆弱性を前提とした国、都道府県、市町村の役割分担についてお尋ねがありました。  災害対応については、一次的には住民に近く地域のことをよく知る市町村が担いますが、都道府県や国が市町村を支え、必要に応じて直接対応することとなり、例えば、災害救助法が適用されれば、被災者の救助主体は都道府県となります。  また、地域における防災体制の強化のための様々な取組には、いずれも広域自治体たる都道府県が市町村とともに取り組むことが不可欠です。  防災庁は、四十七都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員や、今年度創設した防災力強化総合交付金も活用して、このような都道府県の支援を強力に進め、平時においても発災時においても、議員御指摘の市町村の脆弱性によって災害対応に不備や空白が生じることのないよう、全力で取組を進めてまいります。  国、都道府県、市町村の役割分担の今後の検証、見直し及び防災立国の実現に向け取り組む覚悟についてお尋ねがありました。  防災庁は、災害対応の司令塔として、平時における事前防災から災害発生時の対応、復旧復興に至るまでのワンストップ窓口として、都道府県、市町村をこれまで以上に力強く支え、災害対応における国の責務を果たしてまいります。そして、それらの取組の中で、災害への対応結果を検証し、更に改善すべき点があれば、国、都道府県、市町村の役割分担や連携も含め、不断に見直しを行っていくことは当然です。  人命、人権最優先の防災立国を実現するため、新たに設置される防災庁を最大限機能させ、全力で取組を進めてまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣牧野たかお君登壇、拍手〕

牧野たかお 復興大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(牧野たかお君) 小沢雅仁議員の御質問にお答えをいたします。  縦割りを排した防災教育の実施についてお尋ねがありました。  災害による被害を最小限に抑えるためには、平時から国民一人一人が災害を我が事として捉え、自ら助かる行動が取れる自助や、地域で身近な人とともに助かる共助の力を育む防災教育を推進し、行動変容につなげていくことが重要と考えております。  文部科学省が実施しています教育現場における防災教育に加え、内閣府ではコミュニティー単位での創意工夫のある防災教育の取組を支援しており、例えば、幼児が年齢に応じて楽しみながら防災について学ぶプログラムの開発や、地域住民と子育て世代をつなぐ保育園を拠点としたコミュニティーづくりの取組などの幼児を対象とした防災教育に関する取組を進め、好事例として広く周知していると承知しております。  こうした取組を強化していくため、防災庁では、防災教育担当の参事官を置き、司令塔としての機能を強化し、関係省庁とも連携を図りながら、国民の行動変容を促す防災教育の取組を推進してまいります。  次に、国と自治体、そして民間の役割分担などについてお尋ねがありました。  災害対応については、一次的には住民に近く地域のことをよく知る市町村が担い、大きな災害では都道府県や国が市町村を支え、必要に応じて直接対応することが適切と考えております。また、国及び地方公共団体が民間事業者やボランティアを含めた様々な主体と連携して、抜け落ちや漏れのない災害対応に当たることが重要であります。災害対策基本法の基本理念や各主体の責務などの規定は、このような考えに立っております。  現在、政府において、災害時における行政と民間企業との間の必要な資機材や物資の提供などに関する応援協定の締結の推進や、団体登録制度の運用によるNPOなどのデータベースの整備などに取り組んでおります。防災庁におきましては、充実する人材や予算も活用して、産官学民の様々な関係者が参画して発災時に備えた取組が進められるように支援してまいります。  最後に、平時からの人材、訓練、計画、備蓄の実効性の担保についてお尋ねがありました。  政府では、発災時に的確な災害対応が行われるよう、市町村などへの支援体制の強化を進めております。  人材面の支援については、被災自治体の職員の負担の軽減を図るため、関係府省が所管する応援職員の派遣制度の活用に加え、仮称ではありますが、今後設置の検討を進める防災大学校におきまして、様々なニーズに対応できる自治体職員などの防災人材を計画的に育成していくことにしております。  また、財政面の支援として、防災力強化総合交付金を活用して、自治体間の広域的な応援・受援体制の強化に向けた防災資機材や、防災資機材と運用体制の整備や、シミュレーションに基づく災害リスク評価を通じた実効性の高い防災計画への見直し、さらには避難所関係の資機材を用いた訓練や研修の実施など、自治体の防災対策への抜本的強化を行ってまいります。  引き続き、防災庁では、自治体のニーズを踏まえながら日頃からの備えを充実させ、各地域で災害対応に必要な体制の構築に努めてまいります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 原田秀一君。    〔原田秀一君登壇、拍手〕

原田秀一 国民民主党・新緑風会

○原田秀一君 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。  会派を代表し、ただいま議題となりました防災庁設置法案について、全て高市総理に質問いたします。  我が国は、あらゆる自然災害と隣り合わせの災害大国です。北海道・三陸沖後発地震注意情報が出されるなど、最近も各地で地震が相次ぎ、南海トラフ巨大地震、首都直下地震など国難級の災害が現実のリスクとして存在します。  こうした中、防災庁を創設し、平時から発災、復旧復興まで一貫した災害対応の司令塔機能を強化する本法案の方向性は、災害対応の強化に向けた重要な一歩として評価いたします。  ただ、我が国では、これまでも大きな災害のたびに組織の在り方を議論してきました。防災庁の設置で今度こそ災害対応は変わるのか。問われているのは改革の実効性です。防災庁を看板の掛け替えで終わらせないため、本日は大きく六点、総理の覚悟を伺います。  第一に、司令塔機能について伺います。  防災庁の設置に当たり、司令塔機能の強化が強調されていますが、法律上、防災庁に与えられるのは指揮命令権ではなく調整権限です。また、内閣府防災にも司令塔的役割が期待されてきましたが、実際には各省庁の施策を取りまとめる立場にとどまっていたと認識しています。  総理に伺います。司令塔機能とはどのようなもので、防災庁と各省庁との関係は具体的にどう変わるのか、今後の防災対応は、平時から発災、復旧復興に至るまで、名実共に防災庁が主導するものとなるのか、総理の認識を伺います。  第二に、復興庁との関係について伺います。  本法案では、防災庁は復旧復興まで担うとされています。この点、東日本大震災からの復旧復興で大きな役割を果たした復興庁の知見と経験の重要性は言うまでもありません。であるならば、復興庁を統合し、その知見を制度的に取り込むことを検討すべきではないでしょうか。  現時点で復興庁を防災庁に統合しない理由は何か、復興庁が蓄積してきた知見をどのように防災庁に取り込むのか、総理の見解を伺います。  第三に、地方自治体との役割分担について伺います。  災害対応の最前線に立つのは市町村です。地域の実情を知る基礎自治体に重要な役割が期待されるのは当然ですが、地方では人口減少と高齢化が進み、この三十年で地方自治体の職員数は四十七万人減少しました。多くの自治体がマンパワー不足に直面しており、防災専門職員がゼロの自治体が全国で四百三十三市町村に上る現実があります。政府は防災立国を掲げていますが、自治体側にそれを支えるリソースがなければ、幾ら司令塔としての防災庁を強化しても絵に描いた餅にならないでしょうか。  総理に伺います。災害対応の第一線を任される地方自治体の体力は既に限界に近づいている、その認識をお持ちでしょうか。防災庁に各都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員を五十名程度配置するとのことですが、自治体側の現場対応力の強化が必要ではないでしょうか。自治体側の防災体制強化に向けた総理の決意をお伺いします。  更に申し上げれば、大規模災害時には基礎自治体そのものが被災し、職員自身が被災者になります。家を失い、避難生活を送りながら、あるいは家族の安否を気に掛けながら、災害対応に奔走しなければならないこともあります。  被災自治体を一次対応の中核と位置付ける法体系について、踏み込んだ見直しを考えるべきではないでしょうか。例えば、住家の被害認定や罹災証明の発行、被災者生活再建支援制度の運用は、基礎自治体の慣れない職員が担うよりも、国が専門性と経験を備えたスタッフを用意する方が適切ではないでしょうか。標準化できる業務、専門性を要する業務は防災庁が中心となって担う仕組みへ改めることも検討すべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。  第四に、防災局について伺います。  本法案では、地方機関として防災局を設置することが明記されました。しかし、政府方針では、設置は当面二か所にとどまる方向です。我が国には千七百四十一の市区町村がありますが、二か所の防災局でどれだけの目配りができるでしょうか。  南海トラフ地震と日本海溝・千島海溝地震への対応としても、例えば、南海トラフで想定される被災地は三十一都府県、六千万人と言われています。二か所の防災局でどれほど地域支援ができるか疑問が残ります。  総理に伺います。防災局の担う役割をどのように位置付けておられますでしょうか。私は、防災局を、日常的に各自治体と連携し、発災時には防災庁の前進拠点として機能するものとすべきと考えますが、御認識をお伺いします。  また、衆議院の質疑では、参考人から、国土交通省の地方整備局程度の配置が望ましいとの意見もありました。防災局の将来的な拡充について、総理の見解をお聞かせください。  第五に、被災現場での連携強化について伺います。  大規模災害時には、他自治体からの応援、消防、警察、自衛隊、NPO、ボランティアなど、多様な主体が同時に現場に入ります。これまでは、誰が全体状況を把握し、優先順位を決め、責任を負うのかが曖昧で、混乱が生じることが多々ありました。  米国では、ICS、いわゆるインシデントコマンドシステムという考え方が用いられています。防災庁設置を機に、我が国でもICSのようなマネジメントの標準化を図り、各主体が共通のプロトコルで連携できる基盤を整備すべきではないでしょうか。総理の見解をお聞かせください。  また、国難級の災害に対応するには自衛隊の協力が不可欠ですが、その指揮系統は防災庁とも自治体とも接続されていません。消防、警察、海上保安庁はもちろん、自衛隊とも平時からシミュレーションと訓練を行うべきではないでしょうか。南海トラフ地震などを想定して、防災庁と自治体、自衛隊で統合的な運用について事前に調整し、訓練を重ねる必要について御見解を伺います。  第六に、避難所の環境の改善について伺います。  我が国では、大規模災害のたびに、避難者が体育館で雑魚寝をし、劣悪な環境に耐える避難所の姿が繰り返し報じられてきました。災害関連死も後を絶たず、国民の命と尊厳を守る水準に達しているとは到底言えません。  政府は、防災庁設置に向けた基本方針としてスフィア基準等を踏まえた避難生活環境の抜本改善を掲げ、第一次国土強靱化実施中期計画でも、備蓄確保の目標を示しました。  総理に伺います。長年変わらなかった我が国の避難所の風景は、防災庁の下、今度こそ一変するのでしょうか。避難所の改善をいつまでにどのように改善するのか、具体的にお答えください。  最後に申し上げます。  防災庁の設置が単なる看板の掛け替えに終わることなく、これまで我が国が乗り越えられなかった課題の克服につながること、そして、防災庁が国民の命を守り、災害対応の現場を変える真の司令塔となることを強く願い、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 原田秀一議員の御質問にお答えをいたします。  防災庁の司令塔機能、復興庁と防災庁の統合及び復興庁の知見についてお尋ねがございました。  防災庁は、今後発生が懸念されている大規模自然災害を見据え、平時から発災時、復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔としての役割を担うこととなります。  防災庁設置により、それぞれの専門性を有する各省庁の役割が変わるものではありませんが、防災庁が一段高い立場の司令塔となることにより、大臣の勧告権を背景に、関係省庁の縦割りによる施策の抜け落ちや漏れをなくし、政府一体での防災施策への取組を更に強化できるものと考えております。  一方で、復興庁は、東日本大震災からの復興のためにつくられた組織でございます。  二つの組織はその任務が明確に分かれており、現時点で統合の検討は行っていませんが、防災庁は、復興庁とも連携して、被災地とのワンストップ窓口としてのノウハウなど、復興庁の有する知見をしっかり共有しながら災害対策を進めてまいります。  自治体の防災体制強化と国の役割の見直しについてお尋ねがありました。  災害対応については、一次的には住民に近く地域のことをよく知る市町村が担いつつも、都道府県や国が市町村を支え、必要に応じて直接対応することが適切と考えており、我が国の制度や施策はこうした考え方に立っています。  市町村への支援を強化するため、防災庁には、四十七都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員や地方機関として防災局を置くなど、抜本的な体制強化を行い、各地域で災害対応に必要な体制の構築を進めてまいります。  また、例えば議員御指摘の被害認定や罹災証明については判定基準の策定や応援派遣の調整制度、被災者生活再建支援金については支援法人への支給事務の委託など、制度に応じて、自治体職員が過度の負担を負わないための必要な体制の構築に取り組んでいます。  防災庁の設置により、人材、予算を充実させ、都道府県、市町村をこれまで以上に力強く支えることで、災害対応における国の責務を果たしてまいります。  防災局の担う役割についてお尋ねがありました。  防災庁の地方機関となる防災局においては、防災庁本庁とも連携しつつ、平時には地域における防災対策の充実を支援してまいります。また、発災時には関係省庁やその地方支分部局などと緊密に連携し、復旧復興に至るまで地域に伴走した被災地支援を行うなど、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいります。  防災局については、当面は千島海溝地震、日本海溝地震と南海トラフ地震に対する地域における事前防災への取組や迅速な被災地支援体制の構築などの観点から、設置に向けた具体的な検討を行っていくという段階でございます。  マネジメントの標準化と大規模災害を想定した自衛隊などとの訓練の必要性についてお尋ねがありました。  災害対応において、米国のICSのように、発災後、各主体が直ちに実施すべき業務や指示、連携の方法をあらかじめ明確にしておくことは、速やかに的確に対応を行うために重要と考えております。  政府においては、災害対策基本法に基づき策定される防災基本計画に基づき、特に大規模地震発生時の業務について、具体的なタイムライン、すなわち時系列に沿って誰が何をすべきかの目安を策定していますが、その不断の見直しと精緻化に努め、様々な大規模災害に対応できるよう一層の明確化を図ってまいります。  また、これまでも、いざというときに備えて、自衛隊を含む関係機関の参加の下、災害対策本部の運営訓練などを通じて、分野を横断した顔の見える関係の構築と連携の確保に努めてきましたが、防災庁設置後は、災害発生時に生じる被害を想定した上で、例えば救出活動や救急搬送の体制などについて具体的かつ分野横断的なシミュレーションを行うことにより地域の課題を丁寧にくみ上げ、それを踏まえた訓練を実施するなどの取組も進め、災害対応に万全を期してまいります。  避難所の環境改善についてお尋ねがありました。  災害関連死を減らし、被災者の方々の健康と尊厳を守る観点から、被災者の方々に一日でも早く平穏な生活に戻っていただくことに加えて、避難生活におけるストレスを少しでも軽減することが重要です。  本法案では、防災庁の設置に併せて災害対策基本法を改正し、どこで災害が起こったとしても、地理的条件や自治体の財政状況などにかかわらず、被災者が良好な避難生活を送ることができるようにするということを災害対策の基本理念として明確化することとしております。  防災庁では、充実する人員、予算も生かして、自治体の避難所資機材の備蓄の充実、国のプッシュ型支援の体制強化、避難所の運営を担う官民の人材の育成、確保などの取組を進め、どこで大規模災害が発生しても良好な避難環境を迅速に確保できる体制を速やかに実現すべく取り組んでまいります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 佐々木雅文君。    〔佐々木雅文君登壇、拍手〕

佐々木雅文 公明党

○佐々木雅文君 公明党の佐々木雅文です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして質疑を行います。  私たち公明党は、十五年前の東日本大震災発生以来、憲法に定められた幸福追求権と生存権に基づき、いかなる災害も強い決意と持続する意思があれば復興できるとの信念で、地方議員、国会議員が力を合わせて人間の復興に取り組んできました。  復興は、風評と風化、二つの風との戦いです。風評に対峙し、風化にあらがうために、政治には法律と組織を整える使命があります。  公明党は、被災地の生の声を聞き、防災・減災を政治、社会の主流にと長年訴え、防災庁の設置も一貫して主張してきました。防災庁の設置はゴールではなく、これからの課題解決に向けた出発点です。私自身、この二か月の間で、原発事故を含む東日本大震災の被災地域である福島、宮城、岩手や、山林火災が起きた大槌町、能登半島地震の被災地域である石川の状況を直接見て、聞いてきました。  そうした視点から、具体的な質問を行います。  防災庁は、大規模災害に対する事前防災を推進することとなっています。災害発生後に、救えなかった命という言葉をなくしていかなければなりません。今こそ、事前防災に注力するときです。  特に、今後三十年以内に発生する確率が六〇%から九〇%程度以上となっている南海トラフ巨大地震は、甚大な被害が想定されており、喫緊の課題として事前に被害を最小化していくための備えが必要です。  この点、二〇一二年に公表された南海トラフ巨大地震被害による想定死者数は三十二万三千人です。それを踏まえ、二〇一四年三月に策定された南海トラフ地震防災対策推進基本計画では、当初十年間の減災目標として、想定されている死者数をおおむね八割減少させることが目標とされました。しかし、昨年、二〇二五年に公表された想定死者数は二十九万八千人です。つまり、八%の減少にとどまっています。  昨年改定された防災対策推進基本計画においても、改めて、今後十年間で死者数をおおむね八割減少させることが引き続きの目標となっています。  まさに、この十年間が勝負です。その他の災害と含めて、様々な知見や手段を活用し、あらゆる連携を強化して国民の命を守らなければなりません。  その一つである南海トラフ巨大地震の死者数減少の目標達成に向けて、国が防災庁を設置する中で、事前防災にどのように本気で動いていくのか、高市総理の認識と決意を伺います。  これまでも、政府や各機関が防災に取り組んできたこと自体は否定するものではありません。実際に、国や各自治体を始め、各団体や企業の取組もあり、防災への知識やハザードマップなどは一定程度普及してきました。  他方で、家具などの転倒防止実施率は三六%、通電が復帰した際に生じる火災を防ぐための感震ブレーカーの設置率は八・五%にとどまっています。これらの対策を一〇〇%にすること、また、津波発災後十分で避難開始できれば、死者数を大きく減少させることができます。  政府としても、これらの対策が早期に果たされるよう、自治体や個人に対する経済的な面も含めて支援を拡充すべきですが、それだけでなく、防災・減災のための行動に実際に結び付かなければ、現状を変えられません。  行動変容を起こしていくためには、正しい情報を提供することだけにとどまらず、具体的な介入を伴う仕組みをつくることが有意義です。  そうした行動変容の一つの態様として、防災分野の特性を十分踏まえた上で、ヘルスコミュニケーション学の手法を防災に取り入れ、体系的に展開するといった、公衆衛生的アプローチを行うことがあり得ます。  例えば、地域住民と直接接する機会が多い民生委員や地域包括支援センター、社会福祉協議会などの福祉職の方々を始め、災害直接死を防ぐための具体的方法を声掛けする人材を養成することや、事前防災に関する業務などを個別法に根拠として規定するなどの法的整備、マスメディアの協力も得ながら、啓発コンテンツの発信などを通して、事前防災に資する行動をすることが当然であるという意識の醸成と行動変容への具体的取組が考えられます。  徹底した事前防災を実現するために、政府はどのような行動変容に取り組むべきと考えているのか、高市総理の所見を伺います。  次に、災害発生後の対応について伺います。  災害が発生すると、災害対策基本法に基づき、復旧復興は基礎自治体である市町村が担います。しかし、市町村の規模を十分に勘案されないままに担い手の当事者となることが大きな負担になっています。また、当該自治体の職員は、被災者であるにもかかわらず、必ずしも専門的な知識を持っていない中で対応に追われることとなります。こうした基礎自治体への責任の過度な偏重が、復旧復興を遅らせる要因になりかねません。他方では、一定の時期が過ぎ、被災地域の民間団体などが復興に向けた活動を行おうとする際に基礎自治体が十分に対応できないとすれば、一層時間が掛かることを余儀なくされます。  防災庁は、発災時の対応から復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔となることを目的としています。そうであるならば、基礎自治体任せにするのではなく、防災庁が最後まで責任を持って関わり続ける体制を構築すべきです。ふるさと防災職員の創設はその端緒だと思いますが、検討されている防災大学校において自治体の職員も含め人材育成を行う中で、最後まで伴走する体制もつくる必要があります。  被災地域の職員の負担を軽減すること、そして、単に国と市町村、都道府県の連携を行うだけでなく、災害発災、発生時から復興段階まで積極的に主体的に関わるために、複数で取り組むことができる組織を各市町村単位で設置することが有益であると考えますが、高市総理の所見を伺います。  避難所の在り方については、スフィア基準が念頭に置かれるようになり、トイレ、キッチン、ベッドなどに対する認識が変わりつつあります。しかし、財政的な問題もあり、基準に沿った避難所運営が十分果たされているとは限りません。  例えば、避難先の体育館の中で世帯ごとにパーテーションで区切られた場所が設けられたとしても、その背が低く、上から容易にのぞかれるような形状ですと、十分なプライバシーが確保されません。そうしたことへの忌避感から、結局、車中泊を選ぶということが生じます。そうすると、健康リスクが大きくなりかねません。  個人の尊厳が確保される避難所運営が必要です。その自治体で有していなくとも、近隣含め被災していない地域の備品等を円滑に融通することなど、でき得る支援が可能となるような体制の充実化も検討すべきです。また、知的障害をお持ちの方や高齢者を始め、避難困難者のための避難相談を受け付けたり指示をしたりする指令機能を自治体に設置することも検討すべきです。  良好な生活環境の確保という点からも、プライバシーへの配慮を十分に取り入れるとともに、避難困難者に寄り添った避難所運営を目指すべきと考えますが、高市総理の所見を伺います。  高市総理は、施政方針演説において、福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしと述べられました。是非、力強い支援をお願いしたいと思います。  その上で、防災庁が設置に向けて進む中で、復興庁の設置期限が二〇三〇年度末となっています。五月九日、十日には、公明党東日本大震災復興加速化本部として浜通り各地に伺いました。地震、津波と原発事故という複合災害からの復興には、まだ長い時間を要します。これまで復興庁が果たしてきた役割、知見は防災庁にしっかりと引き継がれなければなりませんし、地元の皆様の思いにも応えていかなければなりません。  今後への心配や不安を払拭し、引き続き国が責任を持って福島復興を果たしていくこと、改めて高市総理の御決意を伺います。  冒頭にも申し上げましたとおり、公明党は人間の復興を掲げています。今も苦しむ人々が希望を持って前を向くことができるその日まで、私たちは寄り添い続けていくとともに、今後も発生する災害から国民の命と暮らしを守り抜くことをお誓いし、質疑を終わります。  御清聴いただき、誠にありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 佐々木雅文議員の御質問にお答えいたします。  南海トラフ地震における死者数減少の目標達成に向けた事前防災についてお尋ねがありました。  南海トラフ地震による被害を最大限減らしていくためには、平時からの徹底した事前防災が重要です。  防災庁では、尊重義務付きの勧告権も背景に、昨年変更した基本計画の各施策について定期的にフォローアップを行い、その着実な実施を図ってまいります。また、地域レベルでの災害リスク評価を行い、地方公共団体において必要な取組が進められるよう、伴走支援を行ってまいります。  防災庁が司令塔となって、産官学民の総力を結集して、南海トラフ地震を始めとして徹底した事前防災に政府一丸となって取り組んでまいります。  事前防災における行動変容に向けた取組についてお尋ねがありました。  徹底した事前防災においては、国民の皆様お一人お一人の行動変容を促していくことが重要です。議員御指摘のとおり、地域住民の皆様に接する機会の多い保健福祉分野の人材を活用したアプローチは有効だと考えます。  厚生労働省では、自治体の職員を対象とした会議の開催や取組事例の共有、事前防災に関するリーフレットの活用などにより、保健医療福祉分野に携わる自治体の職員が事前防災に関する知見の蓄積を図るための取組を進めています。  また、行動変容を実現するためには、コミュニケーションの観点も踏まえたアプローチが重要であるということも議員御指摘のとおりだと考えております。  内閣府における健康に関する公衆衛生分野の取組において、行動変容を促すための総合的、戦略的なコミュニケーションデザインの検討を進めておりますが、防災庁設置後は、そうしたコミュニケーションの観点を取り入れることも含め、本日議員からいただきました様々な御提案も踏まえながら、国民の皆様の行動変容につながる取組を進めてまいります。  防災庁における基礎自治体への支援体制についてお尋ねがありました。  災害対応は、一次的には住民に近く地域のことをよく知る市町村が担いつつも、都道府県や国が市町村を支え、必要に応じて直接対応することが適切と考えます。  基礎自治体への支援体制を強化するため、防災庁には、新たに地域防災を担う統括官を配置するほか、四十七都道府県のカウンターパートとなるふるさと防災職員や地方機関である防災局を置くなど、抜本的な体制の強化を行うこととしています。また、仮称ではありますが、防災大学校の設置の検討を進め、基礎自治体の職員を含め、災害対応、復旧復興を担う官民の人材育成、確保も図ってまいります。今回の法案には、災害対策基本法の改正により被災地での復旧復興本部の設置も盛り込まれています。  こうした様々な仕組みを活用し、広域自治体である都道府県ともよく連携しながら、平時はもちろんのこと、発災時から復旧復興まで、基礎自治体のニーズを踏まえ、最後まで伴走支援する体制を構築してまいります。  避難所の在り方についてお尋ねがありました。  災害関連死を減らし、発災直後から尊厳ある生活を営むことができるようにするためには避難所の環境整備が重要ですが、自治体によっては、財政面の制約から避難所に備蓄品、資機材が十分でないなどの課題があることは議員御指摘のとおりです。  政府としては、防災力強化総合交付金により、自治体における資機材の整備を支援するとともに、避難所の質の向上に配慮した訓練を行うことなどによりその取組を支援しているほか、簡易トイレやキッチン資機材など、調達に一定の時間を要するものを中心に全国に分散して国の備蓄を進めるなどの取組も行っています。  また、高齢者や障害者などの避難困難者の方に関しては、各市町村において災害が発生するおそれが高まった場合に、警戒レベル三、すなわち高齢者等避難を発令し、避難に時間を要する方の避難を促しています。さらに、避難所だけではなく、在宅避難者についても戸別訪問を行うなどして、被災者お一人お一人のニーズに即した避難生活を支援しています。  防災庁設置後におきましても、関係省庁と連携し、スフィア基準を踏まえた避難生活環境の実現に向けた取組を進めてまいります。  今後の福島の復興についてお尋ねがありました。  福島においては、復興の歩みは着実に進んできましたが、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や除去土壌等の県外最終処分に向けた取組、避難指示解除に向けた取組など、中長期的な対応が必要です。引き続き、国が前面に立って取り組んでいく決意でございます。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 松野明美君。    〔松野明美君登壇、拍手〕

松野明美 日本維新の会

○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。  会派を代表し、防災庁設置法案及び防災庁設置法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、全ての質問を高市総理にお尋ねいたします。  我が国は世界有数の災害大国であり、本法案によります防災庁の設置には、私たち日本維新の会も強く賛同し、大いに期待をしています。しかし、防災庁によって何が変わるのか、明確に見えてきません。災害発生時は従来どおり総理を本部長とする災害対策本部が設置され、防災庁の権限は勧告権にとどまります。  そこで、防災庁ができることにより、これまでと何がどのように変わっていくのでしょうか。伺います。  次に、災害関連死についてであります。  二〇一六年熊本地震では、死者二百七十八人のうち、八割の方が災害関連死でした。あれから十年がたちました。この教訓から、本来、災害関連死をいかに防ぐかが防災の最重要課題であったはずです。しかし、二〇二四年の能登半島地震の死者は七百三十五人と言われており、そのうち五百七人の方が災害関連死の見通しであります。災害関連死は、守れた命を守れなかったということです。ゼロでなければなりません。  そこで、これまでの災害関連死の検証は果たして十分だったのでしょうか。これまでの教訓を十分に生かせたと言えるのでしょうか。また、災害関連死の減災目標はきちんと設定すべきであると考えますが、見解を伺います。  次に、デジタル防災の観点からです。  かつては五十年に一度、百年に一度と言われていたレベルの激甚災害が、近年頻繁に発生しています。そこで力を入れなければならないのが災害予測です。  現在、ビッグデータやAI、デジタルツインなどの技術を活用し、災害予測と対策を行う様々な取組が行われております。しかし、地方自治体では、財政力や人材不足により防災DXの整備が進まない地域も少なくありません。  そこで、防災庁が、ガバメントクラウドを活用しながら、全国での防災DXの実装の責任を負い、高度な災害予測ソリューションや統合型の災害対応意思決定支援システムなどを構築していくべきだと考えますが、見解を伺います。  次に、防災庁と復興庁の関係について伺います。  今年の三月十一日、福島県のいわき市の公立中学校で、卒業祝いの赤飯約二千百食が、災害の日であるということから廃棄されてしまいました。高市総理はこのことを御存じでしょうか。また、御存じであればどのようにお感じになられたでしょうか。誰かの悲しい日は誰かのうれしい日でもある。このような本当に当たり前の日常を早く取り戻さなければなりません。  防災庁と復興庁は統合しないとの政府の見解ですが、両者は一連の流れの中にあると考えます。復興庁は二〇三一年に設置期限を迎えますが、その後は防災庁の中に復興を見据えた組織が必ず必要ではないかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。伺います。  最後になります。副首都構想と防災局設置の関係について伺います。  副首都とは、東京に大規模災害が起きた際に国の重要機能を代わって担い、平時には日本の成長を支える拠点であります。  東京では、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、そして富士山の噴火と、いずれも首都機能自体を停止させるリスクが現実的に脅威として指摘されております。政府も、国会も、経済も、そして何より国民の生活も止めるわけにはいきません。そのため、予備のエンジンとなる副首都の設置は不可欠であり、同様に防災庁にもバックアップが不可欠です。  防災庁には地方機関として防災局の設置が挙げられており、副首都構想と防災局は、国家の危機管理体制として一体的に検討すべきだと考えますが、見解を伺います。  これからが勝負のときです。防災庁の設置を契機として、山積みする課題がたくさんあります、それに対応し、真に国民の命を守っていく、そういう防災国家へと転換と図る必要があるとも考えます。国民の命と暮らしを守る責任に真っ正面から向き合い、結果で応える防災局で、防災庁であることを政府に強く求め、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 松野明美議員の御質問にお答えいたします。  防災庁の設置によって変わることについてお尋ねがございました。  防災庁が平時から発災時、復旧復興までの一貫した災害対応の司令塔となることで、関係省庁の縦割りによる施策の抜けや漏れをなくし、政府一体での防災施策への取組を更に強化できるものと考えております。  平時には、地域レベルでの災害リスク評価を進め、地域の防災対策への支援を充実することで事前防災の取組を強化します。  また、災害時には、迅速に職員を被災地に送り込み、デジタル技術も活用して一元的に状況を把握し、いち早く被災された方の救助や必要な物資の提供を進めます。  さらに、復旧復興に至るまで、防災庁がワンストップ窓口として伴走型の被災地支援を行うなど、効果的、効率的に災害対応に臨む体制を構築してまいります。  災害関連死の検証及び目標についてお尋ねがありました。  御指摘のように、近年の大規模地震では、直接死より災害関連死の方が多く、その防止が課題です。  政府では、これまでも、災害関連死として認定された事例の検証として、その経緯などを調査し、自治体と共有して対策に生かしてまいりましたが、それでも取り組むべき課題は残っていると認識しております。  災害関連死を防ぐためには、避難所の良好な生活環境の確保に加え、インフラの耐震化や迅速な復旧、保健医療福祉支援の実施などの対策が重要であり、被災自治体や近隣自治体、関係省庁、医療福祉団体やNPOなどの関係機関の連携を平時から図っていく必要があります。  防災庁は、災害対応の司令塔として、地震などによる直接死を免れ、助かった命を守り抜くことを目標に、できることは全てやるという考えの下、政府一丸となってこうした取組を進めてまいります。  防災DXについてお尋ねがありました。  災害予測技術については、線状降水帯や台風、洪水、地震、津波などを対象として、予測精度の向上に向けた技術開発を進めるとともに、有用な技術を連携させて活用するための取組も進めています。  これらの成果の一部は、地方自治体も含めた情報共有の枠組みである新総合防災情報システム、SOBO―WEBにも既に実装されていますが、今後、更に地域の防災力強化につながる形での社会実装を進めてまいります。  また、被害情報、道路規制情報、避難所情報など、SOBO―WEBに集約される情報をAIなどを活用して分析し、意思決定を支援する機能についても検討を進めています。  こうした取組を更に推進することで、自治体の防災対応の高度化を進めてまいります。  いわき市における赤飯の廃棄及び復興を見据えた組織についてお尋ねがありました。  このニュースは承知をいたしております。個々の自治体の対応一つ一つについて政府としてお答えすることは差し控えますが、いまだ被災地の方々が様々な課題に直面しておられる現実を心に刻み、復興に取り組んでいく必要があると考えます。  復興庁は東日本大震災からの復興のためにつくられた組織である一方、防災庁は、南海トラフ地震など今後発生が懸念されている大規模自然災害に対し、平時の備えや発災時から復旧復興までの対応を強化するために設けられる組織です。  その上で、復興庁の法律上の設置期限である令和十二年度の後の組織体制の在り方については、現時点では、被災地から引き続き復興庁を存続させてほしいとの声もあり、今の段階で言及することは控えたいと思いますが、防災庁は、復興庁とも連携し、復興庁の有する知見をしっかり共有しながら防災対策を進めてまいります。  副首都構想と防災局設置の関係についてお尋ねがありました。  副首都構想については、与党による協議体において、首都の危機管理機能のバックアップ体制の構築など様々な論点について協議が重ねられ、三月末に法案骨子案の合意に至り、今国会への提出に向けた調整が行われるものと認識をしております。  防災庁の地方拠点となる防災局につきましては、千島海溝地震、日本海溝地震と南海トラフ地震への対応や、大規模災害時の政府の災害対応の業務継続性などの観点から具体的な検討を行うこととしており、副首都構想に関する動きを含め、幅広く御意見を伺いながら適切に検討を行ってまいります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 松田学君。    〔松田学君登壇、拍手〕

松田学 参政党

○松田学君 参政党の松田学でございます。  私は、会派を代表しまして、議題となっている防災庁設置法案及び関係法律の整備等に関する法律案に関連して質問いたします。  危機管理は国家の重要機能であります。国の存在意義は、いざというときの危機管理にあるとも言えます。しかし、長年にわたる新自由主義の考え方や行革、地方分権の下、何事も民間に、市場に、あるいは地方にという流れの中で、我が国の政策全般の中で国家機能の方は等閑視されてきたようにも見受けられます。  日本列島を強く豊かに、そして危機管理投資を掲げる高市内閣は、国家機能そのものの強化、再構築への政策転換を基本理念の一つとされているのか、まずこの点について、総理にお伺いしたいと思います。  とりわけ、近年大規模化する災害から国民を守るためには、国家機能の強化が不可欠であります。災害対策基本法では、防災及び災害対応は第一義的には基礎自治体であるとの補完性の原理という考え方が取られてきましたが、特に激甚災害に際しては、国による自治体支援のみならず、国自らが強力な指揮権と潤沢な予算をもって、前面に出て機動的に対応に当たるという考え方に立って防災庁の在り方を考えるべきだと思います。現行の補完性の原理の見直しの必要性について、総理の所見をお聞かせください。  こうした国の機能強化の一環として、防災庁に危機管理の専門家及び自衛隊、警察、消防の縦割りを超えて、それらから選抜され、ふだんから特殊訓練を積んだ防災庁直轄の専門特殊部隊を設置することが考えられるのではないかと思います。そして、いざ災害があったときには、その危機管理の専門家と専門特殊部隊を現地に派遣し、彼らが先頭に立って災害対応してはどうかと考えます。  基礎自治体が少子高齢化や人口減少で苦しむ一方で、世界有数の災害大国である我が国だからこそ、防災庁がこのような人員を育成し、確保すべきだと思いますが、この提案について、総理のお考えはいかがでしょうか。  国の防衛も防災も危機管理の一環であり、有事対応のためには平時における準備も必要ですが、そのための財政支出は全体として高市政権が掲げる危機管理投資とも言えるものであり、防災庁はその中に位置付けられるべきだと思います。  我が国は、阪神・淡路大震災、東日本大震災、能登半島地震等のいずれも、復興には長い時間が掛かっています。また、災害関連死を抑止していく上でも、世界共通のガイドラインであるスフィア基準を満たすよう、我が国の避難所の在り方を再構築することも喫緊の課題であります。加えて、防災には、ハード面での実物インフラ投資だけではなく、技術開発や人材育成、その他ソフト面の対策も含め、幅広い財政面での対応が必要であります。  しかし、我が国の財政法は、第四条で公共事業、出資金、貸付金の財源以外は公債発行を禁止しており、基本的に実物資産への投資だけが建設公債として許されている状況です。復興した活力ある地域全体が、将来世代に継承される貴重な資産であるだけではなく、防災庁が担うとされる専門人材の育成は人的資産の形成であり、防災技術の開発は知的資産であり、これによって関連産業が誘発されれば、それはそのまま成長投資にもなります。  私は、本院財政金融委員会でも、財政法四条を改正し、こうした無形資産への投資も投資国債として広く国債発行の対象とすべきであり、それこそが積極財政だと片山財務大臣に提案してまいりました。高市政権は、今後の財政運営の改革の中で危機管理投資や成長投資について別枠管理するとしていますが、その中で、財政法を見直し、国債の考え方を改革することが国家機能の強化の上で必要であり、それが防災庁の使命に万全を期すことにつながると思いますが、総理の御見解をお尋ねいたします。  さて、災害対応の三本柱は自助、公助、共助だとされますが、例えば、阪神・淡路大震災の教訓として、倒壊家屋から救出された人の約九割が家族や近所の方によって救出されたことから、共助や地域コミュニティーの重要性が指摘されています。国家機能を強化しても被災地側での受皿が必要でありますし、被災者の生存率を大きく左右するのは発災直後の行動である一方で、災害時に公助を担う自治体自体が被災地であり被災者でもあります。例えば、小学校の学区単位をメッシュとして、自助や共助を促す地域コミュニティーを日頃から形成しておくことが大事ではないでしょうか。  よく国家と個人の間の中間レイヤーとして共同体の必要性が指摘されますが、戦後、地域共同体が衰退した我が国において、持続可能な社会保障や治安なども含めまして、今後様々な観点から地域共同体の復活は重要なテーマではないかと思います。次なる社会を展望しますれば、これを、誰にとっても喫緊の課題として認識されやすいテーマである防災を切り口に進めていくことが大事だと思いますが、防災地域コミュニティーづくりの重要性について、総理の御認識を伺います。  こうしたコミュニティーなどの場での日頃の防災訓練にも、最先端の科学技術を生かすことが大事であります。実際に激甚災害が起きてしまいますと、ほとんどの方が未体験であるためパニックに陥って、ハザードマップなどの備えも役に立たないことが多いと、避難の疑似体験が重要だというふうにも言われております。我が国には、国土交通省が進めるPLATEAUなどを活用し、現実の都市や流域をサイバー空間上で3Dにより再現して、津波や洪水、大地震などにより我が町で何が起きるかを可視化し、これをバーチャル体験できる技術もあります。防災庁は積極的にこれらの技術の普及、活用に向けて取り組むべきだと考えていますが、牧野担当大臣の御所見を伺います。  防災教育につきましても、主として学校内で行われている学校教育現場での訓練が実際の発災時にどれだけ役立つのか疑問視されております。校外学習として、水害リスクの高い河川周辺、震災時の避難場所などに実際に足を運び、生徒たちが自らハザードマップを作成するなど、実地での活動を伴うものにすべきだという指摘もあります。修学旅行先についても、重点活動として、例えば平和学習に比べ、防災学習を行っている学校の比率は極めて低い状況にあります。  さらには、昔から災害が多かった我が国では、その土地その土地に先人が残した災害の教訓が残っており、これを伝承していくことも重要です。災害時にデジタルインフラが喪失したときのことも考えておくべきでありましょう。これらの防災教育施策について、文部科学大臣の御所見を伺います。  最後に、国民が政治に参加することを旨とする参政党では、今回の防災庁設置法案に関連して特に多くの党員から寄せられた声が外国人政策との関係でありました。  本年一月に公表された外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策で外国人への防災関連施策がうたわれましたが、文化や価値観、宗教観が違う外国人へのきめ細かい支援が災害発生時にパニック状態に陥っている地方自治体に実行可能なのかどうか、防災庁の設置で具体的な支援策が出てくるのかどうか、小野田担当大臣に伺います。  また、外国人政策も、我が国が災害大国であることを前提に、例えば市区町村ごとに受入れ外国人の上限の目安を設けることなども含めて、総量規制を検討すべきではないかと思いますが、総理の所見を伺います。  防災に係る国家機能の強化を通じて国民の生活と我が国の国土や地域社会を守るとともに、住民の参加による日本型のコミュニティーを復活させていく上で、新設される防災庁の役割に期待しつつ、私の質問を終えます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 松田学議員の御質問にお答えをいたします。  高市内閣の基本理念と国家機能強化についてお尋ねがありました。  日本列島を強く豊かにという使命の下、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、そして人材力を高め、日本の総合的な国力を徹底的に強化してまいります。  日本の総合的な国力の強化には、当然、防災庁の設置も含む、国家機能の強化も含まれます。  災害対応における補完性の原理の見直しの必要性についてお尋ねがございました。  災害対応は、一次的には住民に近く地域のことをよく知る市町村が担いつつも、大きな災害では都道府県や国が市町村を支え、必要に応じて直接対応することが適切と考えており、我が国の災害対応に関する制度や施策もそうした考え方に立っています。  こうした考えに基づいた上で、これまでも国、都道府県、市町村の担うべき役割について必要な見直しを行ってまいりましたが、防災庁設置後においても、大規模な災害に際し、国や都道府県が適切に対応できたかなど、その対応結果を検証し、必要な制度、運用の在り方について不断の見直しを行い、災害対応における国の責務を果たしてまいります。  防災庁直轄の専門特殊部隊の設置についてお尋ねがありました。  自衛隊や警察、消防などの関係機関は、災害時への対応に備え、それぞれがその専門性を生かした資機材を整備するとともに、専門的な訓練を受けた人材を確保、育成しています。  こうしたリソースを災害対応に活用することは、その専門性に加え、大規模な人員の確保や、全国における即応性の確保などの点からもメリットがあると考えており、現時点で、防災庁の下に別途お尋ねのような専門部隊を設置することは考えていませんが、防災庁においては、一貫した災害対応の司令塔として、こうした部隊の一層のレベルアップに貢献するとともに、各部隊がより一層連携して活動できる環境や仕組みの構築にも取り組んでまいります。  財政法を見直し、危機管理投資、成長投資を財政法第四条の公債発行対象経費とすべきとのお尋ねがございました。  財政法第四条は、公共事業費、出資金、貸付金という具体的な資産が形成され、その受益が将来に及ぶ支出に限り、国会の議決の範囲内で公債発行を認めており、こうした考え方は引き続き堅持すべきですが、危機管理投資、成長投資でも対象となる経費があるものと考えております。  また、高市内閣で行う危機管理投資、成長投資のうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資等については、特別会計において、複数年度で財源を確保した上で、財源の裏付けのあるつなぎ国債の発行などにより、別枠で管理することとしています。  このように、高市内閣では、財政法の規定に沿って、危機管理投資や成長投資の性質に応じた財源調達の多様化の取組を進めてまいります。  防災地域コミュニティーづくりの重要性についてお尋ねがございました。  事前防災も災害対応も、自助、公助に加えまして、地域住民などが互いに助け合う共助の取組が重要です。過去の災害におきましても、コミュニティー内の住民同士が協力して避難した結果、住民の皆様の命が助かったケースもありました。  政府としては、共助への働きかけとして、住民による自発的な防災活動を定める地区防災計画の策定促進や、地域づくりの視点にも着目した防災教育推進事業、地域におけるボランティア人材の研修などを実施いたしております。防災庁でも、共助に着目した防災への取組を進めてまいります。  外国人の受入れの在り方についてお尋ねがありました。  外国人の受入れの在り方については、本年一月に取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策に基づき、本年四月からは、担当大臣の下で中長期的かつ多角的視点から検討を進めており、具体的な調査検討を進めるための体制の強化も行いました。  関係省庁で連携し、外国人に係る諸課題を整理しつつ、将来推計等も行いながら、政府全体での検討を着実に進めてまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)    〔国務大臣牧野たかお君登壇、拍手〕

牧野たかお 復興大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(牧野たかお君) 松田学議員の御質問にお答えをいたします。  最先端技術の活用についてお尋ねがありました。  議員御指摘のとおり、PLATEAUなどを活用し、被害の発生状況や避難経路などを三次元で分かりやすく可視化することは、避難計画の立案や防災訓練などを実施する上で非常に効果的と考えております。  このため、現在、内閣府防災では、国土交通省と連携し、PLATEAUを活用した津波からの避難計画の立案や、住民への分かりやすい周知などについて検討を行っていると承知しております。  防災庁におきましても、関係省庁と連携しながら、様々な新技術を積極的に活用し、効果的な事前防災対策の推進に取り組んでまいります。(拍手)    〔国務大臣松本洋平君登壇、拍手〕

松本洋平 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(松本洋平君) 松田議員にお答えいたします。  学校教育現場における防災教育についてお尋ねがありました。  児童生徒が自らの命を守り抜くことができるよう、防災を含む安全に関する資質、能力を身に付けることは重要であり、令和四年三月に閣議決定された第三次学校安全の推進に関する計画においても、実践的な防災教育を実施することが示されております。  現在、全国の学校では、実践的な防災教育の取組例といたしまして、地域の状況に応じて様々な関係者と連携、協働しつつ、生徒が主体的に取り組む避難所運営の活動、修学旅行における東日本大震災の被災地での防災学習、自然災害伝承碑から防災・減災を学ぶ取組などが行われているものと承知しております。  文部科学省としては、全国の様々な事例を取り上げた防災教育に関する教師用の指導参考資料の活用促進、デジタルインフラの喪失など様々な状況を想定した各自治体の先進的なモデル事業への支援などを通じて、実践的な防災教育の推進に努めてまいります。(拍手)    〔国務大臣小野田紀美君登壇、拍手〕

小野田紀美 内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略・知的財産戦略・科学技術政策・宇宙政策・人工知能戦略・経済安全保障) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小野田紀美君) 松田議員から、災害時の外国人支援についてお尋ねがありました。  本年一月に取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策においては、災害情報の多言語化や、避難所等にいる外国人被災者に効果的に情報伝達を行うための人材育成等を盛り込んでおります。  担当大臣としては、関係大臣とも連携し、これらの施策を着実に実施するとともに、防災庁が設置された場合には、防災庁とも連携し、必要な取組を進めてまいります。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 奥田ふみよ君。    〔奥田ふみよ君登壇、拍手〕

奥田ふみよ れいわ新選組

○奥田ふみよ君 れいわ新選組、奥田ふみよです。  党を代表して、ただいま議題に上がりました防災庁設置法案について質問いたします。  能登半島地震、奥能登豪雨から三年がたっています。被災者がいまだに苦しんでいるのは、公助が圧倒的に足りないからです。水道などライフラインの復旧は入札不調が相次ぎ、住宅再建も事業者が足りない。政府は、全国から業者を集めようともしなかった。ボランティアやNPOに頼るばかりで、その人たちに必要経費や人件費も払わない。れいわ新選組が何度求めても、政府は拒否し続けています。  防災庁設置法案の基になった報告書には、国民一人一人が主体性を持ってという言葉が並んでいます。要するに、自助、共助をしろと。国の責任で公助を手厚くするという考えは全くありません。一体何のために政府は存在しているのですか。まず公助、当たり前の話ではないですか。  私は、昨年八月二十四日に能登半島の大谷地区に入りました。地震に加えて、土砂災害の被害も受けた地区です。  私がそこで出会ったボランティアさんは、京都から毎週のように身銭切ってやってきて、災害廃棄物を移動させていました。ボランティアに頼り過ぎやろ、何もできひんのやったら、国会にいる議員全員辞めて、給料全部、被災地に回せばいい話や、災害大国に住む国民の生命と財産を守らぬ政治家たちなんか要らぬ。  いつまで国民の善意に頼り続けているんですか。国民の命と財産を守るのは国の役目ではないのですか。総理、お答えください。  自衛隊が動くには、自治体からの要請か、防衛大臣、総理大臣の命令が必要です。奥能登豪雨のときにも、知事は自衛隊派遣を求めていたのに、政府が水面下で交渉し、要請を引っ込めたと聞きました。事実ですか。事実としたら、許せません。  防災庁には、勧告権が付与されます。防衛省に対して、直接、自衛隊の出動を求めることができますか。防災大臣が被災地のニーズを受けて自衛隊派遣を要請できる仕組み、もっと言えば、防災庁の下に災害対応の自衛隊が位置付けられるような設計などを検討すべきではないですか。総理にお伺いします。  総理は、衆議院本会議で、四十七都道府県にふるさと防災職員を配置すると答弁しました。でも、ちょっと待ってください。二〇二六年度の採用人数は四十五人。四十七都道府県に一人ずつ配置しても、足りないじゃないですか。  しかも、任期付きの非正規雇用。長期的な取組が必要な仕事に、なぜこのような不安定な雇用形態を取るのですか。この職員にどんな権限があるのかも不明。本当に地域の防災力を高めたいのなら、公務員をどんどん増やして、安定した雇用の下で仕事をしてもらう。そのために責任ある積極財政が最も必要なんじゃないんですか。  防災庁の予算は約二百億円。令和八年度当初予算全体の僅か〇・〇六一%。防災力強化総合交付金を新設するとのことですが、令和八年度の全国合計で僅か三十五億円。しかも、自治体がまず計画書を作り、費用も一部を持ち出すという仕組みになっています。  こういうけちけちしたお金の使い方が地方を疲弊させてきたんじゃないんですか。国民の命を守ることへの投資を、これほどまでに渋る理由は何か。アメリカには既に百兆円近い投資を約束しているのに、この違いは何ですか。総理、明快にお答えください。  能登から中小企業はいなくなってくださいというメッセージをもらっているようだ。昨年末、輪島市の農家の言葉です。  借金を抱えたまま被災し、さらに融資を受けることが難しい事業者が営業再開を諦めるのは、全国の被災地で繰り返されてきた問題。利率の話や返済猶予の話ではない。返済を求めず、まず事業を続けられるための運転資金を公費で直接注入する。この国の屋台骨は中小零細企業。先進国で唯一、経済成長しない日本。今こそ、中小零細企業への責任ある積極財政、それが今こそ必要だと総理は思いませんか。  奥能登では、介護士が金沢などに避難したまま戻らず、介護施設が相次いで閉鎖し、戻ってきたおじいちゃんたちが三人だけだったとしても介護士は必要、介護士がいなければ高齢者は地域に戻れない。  政府は、DWAT、災害派遣福祉チームの登録の仕組みを整備すると言う。でも、全国の登録者は約一万一千人で、担当者自身が圧倒的に足りないと言う。なぜ足りないのか。被災地に向かう交通費、滞在費を派遣元の法人や個人が立て替えているから。国がお金を出さないから人が集まらない。仕組みをつくるだけじゃなくて、活動する人とその派遣元に国がしっかり費用を充てる気がなければ登録者は増えませんよ。総理のお考えをお聞かせください。  とにもかくにも、もっとお金を回せ、人を増やせ。いつまでたっても自助、共助が頼りのままでは、政府が存在する意味はない。そのような政府が存在することは国民にとって地獄でしかない。国民の財産と命を守るのは国の責任なのに、憲法二十五条違反をしまくる政府こそが国民にとっての本当の敵だ。アメリカでも中国でもない。国民の命を奪うのは国民生活を守る気のない政治家たちだ……

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 奥田君、時間が超過しております。簡単に願います。

奥田ふみよ れいわ新選組

○奥田ふみよ君(続) そのことを強く訴えて、質問を終わりにいたします。(拍手)    〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕

高市早苗 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(高市早苗君) 奥田ふみよ議員にお答えをいたします。  災害に際しての公助の不足についてお尋ねがありました。  災害時に国民の皆様の命と財産を守り抜くには、公助だけではなく、自助、共助も大切であり、政府においては、自助、共助を促し、支えるための施策についても不断の見直しを進めてまいりました。  令和六年能登半島地震・豪雨を踏まえた取組としては、例えば災害NPOなどの登録制度やボランティアへの交通費補助なども創設されています。  防災庁設置後は、被災地のニーズを更に丁寧に酌み取り、政府一体となった被災地との伴走支援体制を強化するとともに、あわせて、自助、共助、公助を含めた総合的な防災対策の強化を一層進めていく考えです。  自衛隊の災害派遣と勧告権についてお尋ねがありました。  御指摘の奥能登豪雨に際しては、人命第一との方針の下、自治体とも緊密に連携しながら、自衛隊、警察、消防、海上保安庁など、関係機関が一体となって対応いたしました。御指摘のような、政府が水面下で交渉して派遣要請を引っ込めさせたとの事実はありません。  自衛隊の災害派遣につきましては、自衛隊法に基づき、都道府県知事等からの要請があれば部隊を派遣することが基本です。防災大臣の勧告権が災害時の自衛隊派遣のため行使されることは基本的に想定しておりません。  いずれにしても、災害時には、防衛省・自衛隊を含む関係省庁が一体となって、被災地や被災者の方々からのニーズを踏まえた災害対応を行ってまいります。  ふるさと防災職員についてお尋ねがありました。  議員御指摘のふるさと防災職員は、防災庁の設置を見据え、昨年度より内閣府に配置を開始し、四十七都道府県のカウンターパートとして、平時には自治体の事前防災の取組を伴走支援するとともに、発災時には顔の見える関係を生かして被災自治体の支援に従事しています。  ふるさと防災職員は、防災に関する知識、経験を有し、即戦力となる人材を官民から幅広く確保するため、主に任期付職員として公募した結果、自衛官、自治体職員、民間ボランティアの経験者など多様な人材を採用することができ、自治体支援のための取組として有効に機能しているものと考えています。  体制につきましては、既に一都道府県当たり一名の定員は確保しており、本年度中にこれが充足するよう、採用に取り組んでまいります。  防災庁の予算についてお尋ねがありました。  防災庁が災害対応の司令塔としての役割を果たすことができるよう、必要な予算を確保することは重要です。  令和八年度予算においては、防災庁の設置、運営や災害対応力の強化を図るための予算としておよそ二百二億円を計上したほか、関係各省庁にも災害対策のための予算が計上されており、必要な予算額を確保したと考えております。  被災した中小企業などの復旧支援についてお尋ねがありました。  発災以降、地域経済を支える中小企業・小規模事業者の皆様の施設設備の復旧を支援するため、なりわい再建支援補助金を被災四県で二千百九十件措置するとともに、能登半島地震復興支援ファンドによる債権買取りなども行っております。  昨年十二月に、私も能登の被災地を訪問し、直接被災事業者の方々からお聞きしたことも踏まえ、引き続き、能登半島地震や奥能登豪雨により被害を受けた中小企業・小規模事業者の皆様の復旧支援に取り組んでまいります。  DWATの費用負担と人材確保についてお尋ねがございました。  DWATの活動経費については、災害救助法により、必要な費用については国が負担することとされています。  その上で、DWATを担う人材については、昨年成立した災害救助法の改正により、避難所だけではなく、在宅や車中泊などの要配慮者への支援も可能としたことや、南海トラフ地震などの災害に備えていく必要があることから、更に養成していく必要があります。このため、今国会に、DWATとして活動する人材を登録する仕組みを含む社会福祉法の改正案を提出しております。  こうした取組により、必要な人材の確保に取り組んでまいります。(拍手)

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) これにて質疑は終了いたしました。      ─────・─────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 日程第一 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。総務委員長吉川沙織君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕     ─────────────    〔吉川沙織君登壇、拍手〕

吉川沙織 立憲民主・無所属

○吉川沙織君 ただいま議題となりました携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、近年、携帯通信端末向けの電気通信役務の不正な利用が多様化、巧妙化していることに鑑み、当該電気通信役務を提供する事業者が契約締結時の本人確認等を行うべき役務に音声通信役務以外の電気通信役務を追加するとともに、特定の個人が同時に利用することができる携帯通信端末の数が一定数を超えることとなる場合に当該電気通信役務を提供する事業者が役務の提供を拒むことを可能にする等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、電気通信役務の不正利用の実態と法改正の実効性、規制の対象範囲と事業者の負担軽減に向けた取組、特殊詐欺等への対策の在り方等について質疑が行われました。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百四十二     賛成           二百三十七     反対               五    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

関口昌一 議長 各派に属しない議員

○議長(関口昌一君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会

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この記録を確かめる

S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #3635 観測 2026-08-07 00:10 JST
    改ざん検知用の値 3f6329dc…2ca99f (未計算)

チェックポイント

記録
#3637 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
575b3761…93eb74

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。