令和八年七月十六日(木曜日) 午前十時七分開会 ───────────── 委員の異動 七月十五日 辞任 補欠選任 加藤 明良君 若井 敦子君 出川 桃子君 山崎 正昭君 牧山ひろえ君 田島麻衣子君 七月十六日 辞任 補欠選任 山崎 正昭君 宮本 和宏君 若井 敦子君 見坂 茂範君 田島麻衣子君 牧山ひろえ君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 伊藤 孝江君 理 事 古庄 玄知君 こやり隆史君 打越さく良君 川合 孝典君 横山 信一君 委 員 有村 治子君 見坂 茂範君 鈴木 宗男君 福山 守君 宮本 和宏君 山谷えり子君 若井 敦子君 泉 房穂君 田島麻衣子君 牧山ひろえ君 小林さやか君 嘉田由紀子君 安達 悠司君 仁比 聡平君 北村 晴男君 国務大臣 内閣総理大臣 高市 早苗君 法務大臣 平口 洋君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 法務大臣政務官 福山 守君 最高裁判所長官代理者 最高裁判所事務 総局人事局長 板津 正道君 最高裁判所事務 総局刑事局長 平城 文啓君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 政府参考人 内閣官房外国人 との秩序ある共 生社会推進室室 長代理 出入国在留管理 庁次長 内藤惣一郎君 警察庁長官官房 審議官 遠藤 剛君 総務省自治行政 局選挙部長 長谷川 孝君 法務省大臣官房 政策立案総括審 議官 村松 秀樹君 法務省大臣官房 司法法制部長 内野 宗揮君 法務省民事局長 松井 信憲君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○刑事訴訟法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)(衆議院送付) ─────────────
法務委員会
発言 282
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、出川桃子さん、牧山ひろえさん及び加藤明良さんが委員を辞任され、その補欠として山崎正昭さん、田島麻衣子さん及び若井敦子さんが選任されました。 また、本日、山崎正昭さんが委員を辞任され、その補欠として宮本和宏さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 刑事訴訟法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長佐藤淳さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○泉房穂君 泉房穂です。 もう再審法の審議も、この間、衆議院、参議院となされてきましたが、先ほど恐らく理事会で、今日が終結、採決なんですかね、という状況の中で、私にとって最後の質疑の時間となります。二十五分間の時間です。この間、様々な修正案を提案申し上げ、本日も修正案提出予定ではあります。ただ、いろいろ、これまでと同じ質問をしても同じ答弁が繰り返されるだろうということも含めて、改めてどういう質問をしようかなと思いました。 やっぱり改めて、このテーマに関してはなぜ今この議論はなされているかということをしっかり振り返る必要があると私は改めて思いました。二年前の袴田さんの再審無罪確定、昨年の福井事件の前川さん、今年の阪原さん、まさにそういった事件が、立法府をしてしっかりとした法整備が必要であることを私は物語っていると、そのように思います。今お話しした袴田さん、ひで子さん、福井事件の前川さん、そして日野町事件の阪原さんなどとも直接お会いをし、いろいろお話を聞かせていただきました。 やはり今回のポイントは、そういった冤罪の被害者らの声をしっかり受けて、その思いをかなえるというのが私は最も大事なことであり、もちろんいろんな要素があることは理解しないわけではありませんけど、やはり原点としては冤罪の被害者らの声だと私は思います。 この点、例えば袴田ひで子さんは、衆議院の法務委員会にて、今の政府案では巖も助からず処刑されていたと、そのように参考人のときに語っておられます。大変重たい言葉です。前川事件の、福井事件の前川彰司さんも、再審法はただ改まればいいのではない、今まさに苦しんでいる人が救われて何ぼですと語っておられます。日野町事件の阪原さんも、満足のいかない状態で法案を法制化すると、今冤罪を闘っている方々に利益のある結果にならない。お三方そろって、今の政府案のままでは駄目だと言っておられるんです。加えて、東住吉事件の青木恵子さんにおいては、政府案では獄中で無罪を訴えて闘う仲間は今以上に苦しむことになる。まさに、そういった声を受けて、今日の質疑を踏まえて、私たち国会議員、立法府としてどういう判断をするかが問われていると私は思います。 そこで、改めてその三つの事件について振り返り、答弁は恐らく個別の案件にはお答えいたしかねますという答弁だろうと思いますけど、違うんです、その個別なんですよ。それぞれの、袴田さんや前川さんや阪原さんの人生を奪ったんです。それが許されるのかと。そんなことがないように、しっかり、冤罪が起こらないようにする、冤罪が起こった場合にはできるだけすぐに救済する。今回の政府案だって基本的に立法趣旨は一緒じゃないですか、確実な救済、迅速な救済。であれば、その方向に向けて更なる知恵を絞るべきというのが私のスタンスであります。 資料をお配りしております。一枚目の方に、冤罪と再審と証拠の関係という形で記載をしております。こちらを御覧いただきたいと思います。 あえて個別の案件に踏み込みます。袴田さんの事件も日野町事件も福井事件も、なぜ冤罪となったか。捜査機関が証拠を捏造したからです。捏造した証拠を裁判所に提出し、有罪立証したから、有罪確定したんです。 じゃ、なぜそれが救済に向かったか。それが捏造であると分かる、無罪につながる証拠が後に出てきたからです。でも、すぐに出てきたわけではありません。袴田事件においていわゆるカラー写真が出てくるまでに四十四年、日野町事件においてネガが出てくるまでに二十四年、福井事件において捜査報告書が出てくるまでに三十六年もの年月を経ています。 そもそも、捏造すべきではありません。ただ、捏造が分かったのであれば、速やかにその証拠をオープンにして、しっかりとそれを踏まえた判断をすべきではないかと、そう思えてなりません。 そこで、恐らく答えは個別の案件に答えられないということになるとは思いますが、もう一回あえて聞きます。袴田事件、日野町事件、福井事件に関してでありますが、まず袴田事件。裁判所は、再審確定に、再審無罪確定において、三つの捏造を認定しています。改めて法務省に問います。捏造は認めますか、認めませんか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 裁判所の最後の再審公判における判決におきましてそのような指摘がされたことは事実でありまして、検察当局としても、法務当局としても、その判決の内容を重く受け止めているところでございます。 その上で、当然のことながら、罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないというふうに認識しているところでございまして、今委員の御指摘のように、今回の本法律案は、誤判からの確実な救済と手続の円滑化、迅速化を目的とするものでございまして、再審制度を前進させるものであるというふうに考えているところでございます。
○泉房穂君 法務省とやり取りをしていて、すごく違和感を感じ続けています。その原因何かと思ったときに、恐らく法務省としては、袴田さんは本当は真犯人と思っているんではないですか。そうではないでしょう。法務省はその後争うことなく、判決が確定しています。しかしながら、法務省のスタンスは、袴田さんに対してしっかりと謝罪するような対応だとは思えません。 あえて聞きます。袴田巖さんは真犯人なんですか、そうじゃないんですか。お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 検察当局におきましては、袴田巖さんをこの事件の犯人視はしていないということを明らかにしているということであると理解しております。その上で、検察当局におきまして、いわゆる袴田事件の検証を行いまして、その結果を明らかにしているところであると理解しているところであります。 それ以上の詳細につきましては、国賠訴訟も係属中でございますので、詳細については差し控えざるを得ないことを御理解いただければと思います。
○泉房穂君 この件、カラー写真がもっと早く出ていれば、もっと早く救済につながっています。でも、すぐには提出していません。 まさに今回のポイントは、検察任せのこれまでの運用どおりでいいのかどうかが大変重要なんです。検察任せで救われてこなかったわけですよ。カラー写真が出てくるまでに四十四年もの年月を経ている。恐らく、こういう質問をすると、いわゆる法改正がなされたのはいついつという答弁をなさるんでしょうけど、そういうことを聞きたいわけではありません。 これをもっと早く出すためには幅広い証拠開示が必要だという観点から、あえてもう一回質問します。すぐにこういった無罪につながる証拠が出てくることに、どのようなお考えですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 再審請求審におきましても、適切な形で弁護人に、再審請求人に証拠が渡るということは大事であるというふうな認識の下に、今回の本法律案におきましては証拠提出命令制度を設けまして、そのような要件も設けまして、それを裁判所の、命令を出すことを裁判所の義務とするとともに、それに提出することを検察官の義務とするという制度を設けたということでありまして、我々としては、そのような趣旨を踏まえてこのような法案を提出、用意しているという状況にございます。
○泉房穂君 袴田さんの事件では、もう一つの大きな論点、迅速な救済に反する形で抗告がなされ、これも三つの事件、もう一回言いますが、抗告によって袴田さん事件は最初の再審開始決定から九年の月日を要しています。日野町事件において七年、福井事件においては最初の再審開始決定から数えれば十四年もの月日が経ています。それを経た上でやっと救済につながっていっているわけであります。 どうして抗告をしたんでしょう。あえて質問します。今回の法案は、十分な根拠があるときに限り抗告というようなスキームになっていますが、袴田事件、十分な根拠があったとお考えですか、十分な根拠がなかったというお考えですか。お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 過去の事件におきまして、その十分な、今回、本法律案で改めて、初めて設ける、その検察官による抗告の要件としての十分な根拠という文言が作られたわけでありますけれども、それを過去の事件に当てはめて評価するというのは大変難しゅうございまして、法務当局の立場でお答えすることは困難でございますけれども、その上で、今委員の御指摘のように、再審開始の決定に対する検察官の不服申立てにより再審の手続が長期化しているといった指摘がなされていることなども踏まえまして、それから様々な御議論を経て、御意見を踏まえて、本法律案におきましては、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則禁止した上で、十分な根拠がある場合に限って、その十分な根拠がある場合に、それが検察官の恣意的なといいましょうか、裁量的判断には、ただ委ねられたような形にしないために、その十分な根拠があることを求める実効的な措置をもろもろ設けているところでございまして、今後はそのような形で運用がなされていくものと考えているところでございます。
○泉房穂君 次に、日野町事件です。 日野町事件も、いわゆる遺体があった場所や金庫が捨てられた場所に連れていき、帰りの写真を行きの写真と差し替えたという形の中で再審無罪につながったと理解をしています。これも裁判所も厳しく指摘していますが、問います。 日野町事件における証拠の捏造はあったんですか、なかったんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の事件につきましては、現在公判係属中、再審開始が確定いたしまして、今、一審の再審公判が、一審に再審公判が係属しているという状況でございますので、その中で、法務当局としてその証拠の内容あるいはその評価についてお答えすることは差し控えざるを得ないことを御理解いただきたいと思います。
○泉房穂君 日野町事件はこれから再審公判でありますけど、阪原さんが真犯人でないと思うのであれば無罪立証すればいいだけだと思います。でも、そうだと、にはなっていないと私は理解をします。 阪原さんは真犯人なんですか、そうじゃないんですか。どういうスタンスですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 繰り返しになってしまいますけれども、現在再審公判が係属中の中で、報道等では様々なことが報道されているわけでありますけれども、法務当局としてその内容、評価にわたることをお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
○泉房穂君 日野町事件についても、このネガが出てくるまでに二十四年です。最初は、ありませんとまで答えています。すぐに出していません。そして、抗告もしています。 じゃ、まず、問いますが、抗告について七年も要してしまいましたが、日野町事件の抗告は十分な根拠があったんですか、なかったんですか。いずれかお答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 これも先ほど答弁したことと繰り返しになってしまうかもしれません、しまうと思いますけれども、本法案、今回、今国会で御審議いただいている本法案の下で、再審開始決定がなされた場合に検察官が当該決定に対して不服申立てをするか否かは、検察官において個別の事案ごとに具体的な証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄であると考えておりまして、過去の個別の再審事件において検察官の不服申立てに十分な根拠があったか否かということを法務当局の立場で一概にお答えすることは困難であることを御理解いただきたいと思います。
○泉房穂君 福井事件についても問います。 福井事件においても、これは自白もなさっておられませんにもかかわらず、複数の目撃証言がでっち上げられました。お金を渡して目撃証言を取ったり、その目撃証言をしゃべる人の罪を免れさせるという条件でしたりということも指摘されている案件であります。 問います。福井事件において、目撃証言の誘導をしたことについてはお認めになりますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 また繰り返しになってしまいますかもしれませんけれども、個別事件につきましてそのような、さらに、その御指摘の事件につきましては、検察当局におきまして検証、追加調査を行いまして、その内容を公表したところでございますけれども、その内容を超えて、今御指摘のようなことが巷間言われていることは承知しておりますけれども、その真偽も含めまして、法務当局の立場で、証拠も見ていない立場で、それについてお答えすることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○泉房穂君 福井事件についても問います。 福井事件、無罪確定となっておりますが、問います。前川彰司さんは真犯人なんですか、そうじゃないんですか。どっちですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 検察当局におきましては、前川彰司さんを以後、再審公判、再審無罪が出た後、犯人視しないということを明らかにしているものと承知しております。
○泉房穂君 まさに目撃証言が誘導である、そういったことも踏まえて無罪となったと理解をしています。 このテーマに関しては、いわゆる捜査報告書、早い段階で目撃証言が明らかに矛盾していることが分かる、まさにそういった捜査報告書を検察は把握し、認識しながら、通常審の一審無罪判決に対して控訴をし、有罪立証を続けている。再審公判においても、その証拠を出すことなく、引っ張り続けたんです。大変罪深いこと、これは裁判所からもそのような指摘がされています。 問いますが、どうして福井事件で抗告をしたんですか。先ほどと同じ質問です。福井事件において、抗告は十分な根拠があったんですか、なかったんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 先ほど申し上げたとおり、過去の事件につきまして、本法案で検察官の再審開始決定に対する抗告を原則として禁止した上で、十分な根拠があると認める、決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って不服申立てを可能とするわけでございますけれども、それを直ちに当てはめるのは困難であることは御理解いただきたいと思いますけれども。 先日、七月十日に名古屋高検が公表した追加調査の結果によりますと、第一次再審開始決定に対する異議申立てにつきましては、第一次再審請求審の主な争点は客観的証拠の評価であるものの、適切な是正措置が講じられ、本件捜査報告書、いわゆる夜ヒットスタジオの捜査報告書でありますが、これが裁判所に提出されていれば、関係者供述の信用性が争点化され、本件捜査報告書を契機に主要関係者の一人であるC供述の信用性に疑念が生じたことを皮切りに、他の関係者供述の信用性にも疑念が生じ、立証構造にも動揺が生じた結果、この時点で第二次再審請求審における再審開始決定と同様の判断が示された可能性があり、再審開始決定で示された再審開始理由との関係では十分な理由があったと判断したものであるとしても、本件捜査報告書に基づく適正な是正措置が講じられることのないまま異議申立てがなされるべきではなく、その点において反省すべきというふうな記載がなされているものと承知しているところでございます。
○泉房穂君 福井事件に関しては、検証、とても十分なものだとは思えませんし、前川さんに対する謝罪についても、しっかりとなさっておられるとは聞いておりません。前川さんにどうしてしっかり謝罪をなさらないんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 いわゆる福井女子中学生の殺人事件に関しまして、検察当局におきましては、先ほども申し上げましたけれども、検察官による従前の主張、立証とそごする捜査報告書の存在を認識しながら、適切な是正措置を講じなかった点について、確定審から第一次再審請求審に至るまで一貫して真摯に反省するとともに、適切な是正措置がとられていれば、確定審で無罪判決が確定していたことも十分に考えられる旨の再審無罪判決の指摘を重く受け止めているものと承知しているところでございます。 その上で、個別事件において、無罪判決が確定した後に、被告人とされた方などにいかなる対応を取るかにつきましては、まずもって検察当局におきまして個々の事案に応じて判断して対応すべきものと考えているところでございます。
○泉房穂君 今回、審議重ねてきて私が思うに、やっぱり大きな、あれもこれも大事ですけど、とりわけ重要なのが、無罪につながる証拠がちゃんと出てくるのかどうか。今回のポイントは、出てくるかどうかがまさに検察官任せの問題なんです。衆議院で修正がなされたといっても、あくまでも勧告止まり、お願い止まり。それを提出か否かは検察官が判断するということは、一貫して変わっていません。 もう一つの大きな論点の抗告についても、十分な根拠というような形になっていますけど、今回のこの三つの事件ですら、十分な根拠がなかったとすら言っていない状況で、だったらこれまでと変わらないのじゃないかという疑問が出るのは当然だと思います。 この間、審議をしているとどうしても私も麻痺しがちですけど、改めて少し素朴に鑑みたときに、この袴田事件、日野町事件、福井事件に鑑みたときに、もっと早くカラー写真やネガや調査報告書を出すべきでしたぐらい言えばいいじゃないですか。これからは出すようにしますと言えば、聞く方だって、検察、ちゃんと反省も踏まえてこれからしっかりするんだろうなと思えます。でも、そうは全然言わないんです。 抗告についても、袴田事件、日野町事件、福井事件の三つについては十分な根拠が結果的にありませんでしたと、これからはそういうことがないようにしっかりと十分な根拠の有無を判断してからしますと言えばいいじゃないですか。それすら言わず、開き直った状況で、検察官を信用してくださいと言うだけで、立法府として、じゃ、お願いしますという気持ちには全然なれません。 もう素朴に言います。あの三つの事件で三人の人生、その家族も含めて、奪っているんですよ。誰が奪ったんですか。捜査機関が奪った面が大変強いわけじゃないですか。そこに反省はないんですか。何のための今回の改正なんですか。個別事件に答えられないじゃなくて、その個別事件の数々こそが今回のまさに立法趣旨ではないんですか。どのようにお考えですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 様々御指摘がありましたけれども、まず、袴田事件と福井女子中学生事件につきましては、検察当局におきまして、その訴訟遂行や対応に問題点はなかったかという観点から検証ないし追加調査が行われまして、反省すべき点を明らかにして、今後の対応を明らかにしているところでございます。それから、済みません、日野町事件につきましては、現在再審公判の係属中ということでございます。 その上で、証拠提出命令の範囲がどうかという話もございましたけれども、私どもとしては、個別の事件に、個別の証拠にこれを当てはめてどうかという答弁で、あの事件はこうですとは申し上げておりませんけれども、一方で、できる限りそのような想定事例を当てはめた上で、そのような形で、例えば今出てきました五点の衣類であるとか、あるいはネガフィルムであるとか、そういったものと同じような想定事例においては、関連性が認められ、証拠提出命令の対象になるということを答弁しているつもりでございます。 それから、その抗告の部分については、確かに過去の事件そのものについて、これを遡って仮定の話を入れるというのは答弁としては差し控えているところでございますけれども、追加報告もそうですし、検証結果報告もそうですけれども、そのようなことを踏まえて、様々反省すべき点を記載しているものというふうに理解しているところでございます。
○泉房穂君 今日は警察にもお越しいただいておりますが、警察庁、今の三つの事件です。福井事件に関しては、警察から捜査報告書が検察に送られたにもかかわらず、検察がそれを隠し続けたというテーマであり、隠した上に、かつ有罪立証を続けていたという大変ひどい案件でありますが、カラー写真、袴田事件と、日野町事件のネガは検察に送っていませんよね、警察庁。前々からずっと同じ質問もしていますけど、どういう証拠があるかということを検察と共有もせず、それを隠し通したのでは誰にも分かりません。それを捨てられてしまっては始まりません。 鹿児島県警では、今回のこの再審法の議論が始まった頃に、そういった証拠は廃棄するような方向での指示も出しています。警察がちゃんと胸を張って捜査をした証拠はちゃんと保管し、ちゃんと目録も作り、それを検察と共有し、それをオープンにすることを備えて対応する必要があると思います。とりわけ、DNAの鑑定の検体などは捨てたら再鑑定できません。 そういったこと、本当に重要だと思いますが、警察庁、いわゆる袴田事件のカラー写真や日野町事件のネガ、検察に送ってこなかったわけですが、今後の対応についてはしっかりと検察と情報共有するという方向で大丈夫でしょうか。
○政府参考人(遠藤剛君) お答えいたします。 捜査資料、証拠品、物件につきましては、必要なものを送致しておりますけれども、検察官と平素から緊密に連携をするように努めております。 また、処分することに関しましても、必要に応じて、検察官に対しまして判断にそごがないことを確認して、その上で還付や廃棄等をするようにいたしておりますが、引き続き、検察官による公判の遂行等の権限行使、適切になされますよう、検察官と連携しながら適切に対応していきたいと、このように考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○泉房穂君 もう最後に一言。 袴田ひで子さんは、参考人のときにこのようにも言っておられます。神様が作った法律ではございません、人間が作った法律なんです。その法律を作るのは国会議員の皆さんです。まさに立法府が責任を持って冤罪の被害者を救えるような法整備をしていく、これは私たちの務めだと思います。 今日、この後、修正案を提出する予定です。いろいろお立場もあろうかと思いますが、冤罪被害者の救済という観点から、是非修正案への御賛同を呼びかけて、私の質問を終わりたいと思います。
○小林さやか君 国民民主党・新緑風会の小林さやかです。 無辜の人は罰せられてはならないという共通の思いの下に、本日まで議論を重ねてまいりました。戦後置き去りにされた運用任せの部分が大きかったこの再審を制度化すると、その思いが一つだったはずです。ただしかし、やはりこのままではどうしても課題が大きくて、結局現状と変わらない、むしろ後退しかねないその部分があって、それをみすみす見逃すということはやはり立法府の責任としてどうしてもできない、その思いでいっぱいです。 こうして国会で議論できる時間もあと僅かになってしまいました。今日は二点に絞って質問いたしますので、どうか大臣、お心あるお答えをお願いいたします。 大臣、最後、ここだけ確認させていただきたいんです。証拠の開示です。 再審請求理由となる新証拠をまず出さないと、再審は始まらないんです。でも、そのための最初のスイッチを押すことができるんだろうかと、結局この点に戻ってまいります。これまでの御答弁、証拠の提出命令は再審請求理由となる新証拠との関連性は問うけれども、その関連性はとても広範だから大丈夫、さっきもそういう御答弁ありました。それに、関連性問わない幅広い証拠の開示も、開示の勧告も、従来の運用どおり行うから大丈夫だと、そういう御説明でした。 ただしかし、原点に立ち返ると、もうその運用では問題があったから、運用では担当する裁判官や検察官の属人性で対応がまちまちになるから、だから、そもそも私たちは今回再審法の再整備を志したのではないんでしょうか。 大臣、本当にこの幅広い証拠の開示の勧告、そして任意と付いていることが大変私は、課題がありますけれども、検察官による証拠の開示、これが、これによって出てくる証拠は変わらないとお約束していただけますでしょうか。検察官は証拠の出し惜しみをしませんか。どうか後退しないということを明確に言い切っていただけないでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として現在の実務運用について申し上げますと、再審請求審において、検察官は、裁判所が再審開始事由の存否を判断するために必要と認められるか否か、また、関係者の名誉やプライバシーを害するといった弊害があるか否か等の点を勘案しつつ、裁判所の意向も踏まえて、裁判所への証拠の提出や弁護人への証拠の開示に対応しているものと承知をしております。 こうした従来の実務運用、すなわち裁判所による証拠の提出、開示の勧告、検察官による任意での証拠の提出、開示といった運用は、本法律案における証拠の提出命令制度の新設により否定されるものではなく、衆議院における修正で加えられた附則第四条第二項の規定により、今後とも事案に応じ適切に行われていくことが法文上担保されたところでございます。 本法律案が改正法として成立した後は、裁判所や検察当局は、ただいま申し上げた運用上の措置について、従来より後退させないことはもとより、附則第四条第二項の趣旨も踏まえて、個別の事案に応じ、これまで以上に適切な対応に努めていくものと考えております。
○小林さやか君 後退しない、これまで以上に、今日、このお言葉、議事録にしっかりと残させていただきますので、皆様必ずそのようにしていただきたいと思いますが、この問題考える上で、先日発表されました福井女子中学生殺人事件の検証結果、見過ごすことはできません。 この報告書を公開するまで、多くの先人の御尽力の結果、やっとこうして、ぎりぎり再審の蓋が、再審の議論の蓋が閉まる前に出てきたと。この報告書が世に出ることで、今、私たちがこうやって検証できるということがいかに大切かということを強調したいと思います。 「夜のヒットスタジオ」の放映日の食い違い、通常審から認識されていたということ自体大問題ですが、第一次再審請求審でも、少なくとも五人の検察官が食い違いを認識しながら、必要な修正の措置、是正措置加えないまま有罪判決を維持しようとしたことがこの中で報告されております。 これは、単に一人の検察官が判断を誤ったという問題ではありません。先に行われた判断引き継いで、組織として一度示したその結果を維持しようとする中で、後に担当した者もその判断を根本から問い直すことができなくなる、組織の論理が一人一人が立ち止まって考える力を弱めてしまうと、そういう危険性を示す事案だと思います。 刑事局長、改めて、この事案どうして一人ならずとも複数の検察官が軌道修正できなかったんだと思いますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 個々の検察官においてそのような判断をしたということの理由につきましては追加調査報告書の中でもろもろ記載しているわけでございまして、その当時、証拠の評価、判断につきましてそれぞれの判断があったと、ここでは逐一述べませんけれども、そのような報告書の記載になっているというふうに考えております。 その上で、今、その調査報告におきましては、是正がなされないまま訴訟遂行が行われたことにつきまして一貫して反省すべきであるといった結論になっているということでございます。 その背景は何だということでありますけれども、これ、済みません、調査報告の中にいろいろ記載してありますのであえて繰り返しませんけれども、あくまで法務当局の立場で申し上げますと、やはり証拠開示、あるいは証拠の提出に関する時代背景といいましょうか、認識とありましょうか、そういったことも背景にはあるだろうと。それからまた、今委員が御指摘になったように、自分たちが判断していた内容について変えたくないといいましょうか、そういった意識があるのではないかということを追加調査報告書の中でも記載しておりますけれども、そういったことがあったものと、あったと断ぜざるを得ないというような記載があったかと思いますけれども、そういうことがあるのだろうというふうに認識しているところでございます。
○小林さやか君 戦時中のドイツの官僚組織の課題を研究した政治学者でハンナ・アーレントという人がいますけれども、いかに個々が善良な人であったとしても、組織の中で人は思考停止状態になって、特段悪意なく重大な不正に加担し得ると指摘していますが、本当にこのとおりだと私は思うんです。 衆議院の修正で附則四条の二が加えられました。再審請求の手続において、この従来運用上の措置として行われてきた、先ほども申し上げました検察官への勧告、そして任意での証拠の提出、開示、これ、事案に応じて適切に行うと先ほども大臣御答弁いただきましたけれども、じゃ、この事案に応じて適切にこそが、今回、どんな人が運用しても適切に行えるように制度化すべき最大のポイントだったと思うんですが、これ、どうやって担保するんですか。その思いだけで本当に担保できるんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 その証拠の提出、開示につきまして、様々、人によって異なるのではないか、まちまちになるのではないかといったこと、こういった御指摘を踏まえて、法制審において議論が行われて、証拠提出命令制度を設けることにしたわけであります。 それは、検察官、裁判官にとってもそのような要件がある場合には義務でありますし、再審請求人側としてもそのような証拠提出命令を出すように請求することができるわけでありますし、そのような命令が出されれば検察官はそれを提出する義務を負うわけであります。 その上で、我々としては、何といいましょうか、そのような形で提出命令制度を設けることによって、これまでの運用にも増して更に上乗せするような形で、強制力を持った形で裁判所が提出を命じられるわけでありますので、提出される範囲は広がるというふうに考えているわけであります。 その上で、委員が御指摘のように、従来の運用も維持されるということ、重要な、従来の運用も後退させないことはもとより、これまで以上に適切な対応に努めていくというふうに答弁させていただいているわけでありますが、この中身については、提出命令制度の運用も含めてでありますけれども、こういったことを、解説の共有とか通達の発出をするのはもちろんでありますけれども、裁判所や検察庁に対して改正の趣旨や内容を十分に周知して適切な運用に努め、各方に、我々としても努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小林さやか君 通達、周知、当然やっていただきたいんですけれども、裁判官も同様です。ほとんどの裁判官、再審を経験しません。戦後、今の刑訴法が形作られてから、裁判官のほとんどは当事者主義の公判しか経験なさっていないと思います。いきなり職権主義となって、どうやって主体的に裁判官がこの附則四条の二の精神にのっとって、検察官に適切な証拠開示を行うよう働きかけてくださるんでしょうか。最高裁、お願いいたします。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 最高裁事務当局といたしましては、この本法律案が成立した場合には、附則第四条第二項を含めた法律の内容及び趣旨等につきまして全国の裁判官にまず周知したいと考えているところでございます。 そして、この法律案により新たに設けられることとなる諸制度のほか、これまで運用で行われてきた証拠の開示に向けた措置等に関する審理運営上の留意点についても、裁判官同士が議論をし、広く共有することのできる機会も設けていきたいと考えているところでございます。
○小林さやか君 その状況の報告が間違いなく必要だと考えているんですが、後ほどまとめてお尋ねいたしますので、続いてもう一つ譲れない点です。 目的外使用の禁止規定です。 おとといの、福井事件の被害者のお姉様、大橋宏子さんの参考人質疑、御覧いただけましたね。障害や体調不良を押して、より良い法を作ってほしいとこの場に立たれました。私は大橋さんに対して、再審請求によって新たな証拠が出たり、またその証拠が報道されるなどして世間の注目が集まったりして、おつらい気持ちになることないですかとお尋ねいたしました。明確に、ない、それはないとお答えなさったんです。それよりも真犯人捜してほしいと。 この証拠の目的外使用禁止規定が設けられた理由に、大臣、また局長も、その被害者、関係者のプライバシーの保護を今日も挙げられていらっしゃいます。でも、被害者の御家族御本人がそれはないと言い切っていらっしゃるんです。ヒットスタジオの放送日にプライバシー関係ありません。そして、報道によって世間の注目が集まることへの課題感よりももっと真犯人を捜してほしいこと、それが重要だという、その趣旨をここでお話しされたんです。被害者御本人がプライバシーが関係ない、それを超えているとおっしゃった実例です。 被害者と一言で言っても、様々なお考え、そして個々の態様がございます。証拠の態様も様々なんです。大臣、これ、やはり一律に目的外使用の禁止掛けるのおかしくないですか。裁判官の個別判断にしたらいかがですか。もう一回、最後もう一回、お心ある御答弁お願いします。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 刑事手続の過程で収集される証拠が本来の目的以外に使用されますと、被害者を含む様々な関係者の方々の名誉、プライバシーの侵害だけでなく、罪証隠滅、証人威迫、さらには今後の捜査への協力確保の困難化などの種々の弊害が生じ得るところでございます。 このような種々の弊害を確実に防止するには、御指摘のような方策では困難であると考えられるため、本法律案では、再審請求審で謄写された証拠の目的外使用を一律に禁止した上で、違反した場合の措置について、複製等の内容、行為の目的、態様などの個別事情を考慮することとしております。 もっとも、本法律案においても証拠の概要を伝達するなどの行為は禁止されていないことなどから、目的外使用の禁止により不当な事態が生ずることはないと考えております。
○小林さやか君 もう大臣にお願いしたことを、この時間を取ってしまったことをちょっと後悔せざるを得ないという御答弁でいらっしゃいました。お心ある答弁をお願いしたかったです。 今おっしゃったように、例えば報道は関係ないとか、再審請求の準備なら問題ないとか、証拠の謄写そのものじゃなくて、今、概要等とおっしゃいましたけれども、加工していれば問題ないとか、様々御答弁いただいてまいりましたけど、じゃ、結局どこが基準なんですか。再審請求の準備に当たる行為って、じゃ、何を指すんですか。どの程度の加工していれば、それは証拠そのものじゃないと言ってくださるんですか。そうやって伺っていくと、今も最後おっしゃいました、結局、個別判断とおっしゃるわけですよね。じゃ、最初から個別判断でいいんじゃないんですか。全部が全部個別に確認できないとおっしゃっているということ、これ矛盾していると思いませんか。 そして、この基準が曖昧だからこそ萎縮につながるんだということを申し上げているんです。萎縮には絶対ならないといったような御答弁、何度聞いてもおっしゃいますが、何でここにこだわるかというと、捜査機関等々、被害者がプライバシー保護を望んでいると言いながら、必要な情報を公開しない。しかし、被害者御本人に聞いてみたら、御本人望む以上の過剰な保護を掛けられている。言わばプライバシー盾に取って不都合な情報を出さないという運用が散見されるからなんです。そうすると、これ、被害が不可視化されてしまうんですよ。 もちろん、性被害で、本人の御尊厳ですとか二次加害のおそれ等、絶対出してほしくないという情報あるのは分かっています。ただ、一昔前まで、被害者が特定されると困るから加害者名も公表しないみたいな、そういった過剰な運用も捜査機関していたんですよ。そうすると、性被害は起きている数よりも全然少なくしか報道されません。被害がないように見えてしまって、そして全く世の中に問題意識が醸成されないということになるんです。プライバシー保護という言葉はある意味、錦の御旗のように便利だから、だからこそ個別に判断しなければならないということを何度でも申し上げたいと思います。 報道や支援者に協力求めることも含む支援活動、弁護活動といった公益的な活動が萎縮しないように、この目的外の使用に当たるかどうかの解釈が曖昧ではなくて、過剰ではなくて、適切に運用されるということ、どうやって担保できるんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 もとより、刑事裁判は法と証拠に基づいて行われるべきものでございますけれども、再審請求事件における支援活動や報道の意義も十分に理解しているところでございます。 その上で、委員からもろもろ御指摘ありましたけれども、我々としては、それでは十分でないと言われるわけではありますが、やっぱり証拠の複製等を再審手続やその準備に使用すること、まさにその裁判の目的に使うことは、もうこれ元々当たらないということを明確にしているつもりであります。 その上で……(発言する者あり)済みません、当たらないラインということでありまして、例えば、その当たらないのは証拠の、例えば弁護人間で証拠を共有してその検討をしたりするのでは当然当たりませんし、それから、その物証であれば、そのものを示して、専門家に示したり、知見を有する者に示して、これはどういう主張が考えられるだろうかと、この鑑定結果は明らかに誤っているんだけれども、どういう視点が考えられるんだろうかといった相談をしたりすることは、これは当然再審の手続の準備に当たるものでございまして、こういったことは当たらない、そもそも禁止にも当たっていないということがまず大前提であります。 それ以外にももろもろありますけれども、概要であれば許されるとか、そういうふうに申し上げているのは、ありのままを出すことは駄目だけれども、そのような形で、私は、いろいろ対処の、自分がそうだったらということで考えますと、対処のしようはあるというふうに考えておりまして、萎縮、不当な萎縮はないというふうに私は考えているところでございます。
○小林さやか君 二点伺いたいんですが、不当な萎縮がないということでしたら、NHK報道に、これ通常審ですけど、確定審の証拠の提供をした点で弁護人に対する懲戒請求掛けたと、こういった萎縮させる行動を再審、通常審全て含めて検察は取らないということをお約束していただけますか。まず一つです。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 個別の事案について、検察当局がしたその請求について私がコメントすることは差し控えますけれども、しかしながら、この本法律案におきましては、目的外使用の禁止に違反した場合の措置につきまして、再審請求者の再審請求に係る利益、再審における被告人の防御権を踏まえて、複製等の内容、行為の目的、態様、関係人の名誉、私生活、業務の平穏を害されているかどうかなどを考慮する旨を明文で規定しているわけであります。 先ほど委員から御指摘があったように、例えば夜ヒットのスタジオの報告書というのが、このような要件で見ますとどのようなものに見えるかというのはおのずから判断されていくことだと私は理解しておりますし、そういったことは今後、検察当局におきましても、そういったことを判断するに当たって考慮していくことになるのだろうというふうに理解しているところでございます。
○小林さやか君 弁護人に懲戒請求掛けないとお約束はしていただけないということですかね。 ちょっと時間ないので、まとめて御答弁ください。次もまとめて伺います。 この附則で付けられたように、この目的外使用禁止規定に既に課題があるということが分かっているから、この五年ごと見直しの中に証拠一覧表とともに特出しで言及されているわけですよね。これ、五年後に見直し始めたら、もう遅いんですよ。そこから何年掛かるんでしょうか。その間に無辜の人がこの世を去ってしまうかもしれません。生きている間にやらないと意味がないんです。 五年待たずに、法改正の直後から、この運用に課題生じていないかどうか自体をウォッチして報告すべきだと思いますけれども、それ、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 本法律案の附則二条においては、施行後五年ごとに運用状況を勘案して在り方について検討するということとされておりますが、そして衆議院での修正により、同条の検討事項として、再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度というのが明記されたところでございます。これは、同条による検討に際して、これらの制度を特に検討の対象とすべきこととする趣旨であると認識しております。 法務省としては、まず、制度の修正の趣旨を含む同条の趣旨を踏まえて、改正後の規定の運用状況を注視しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○小林さやか君 注視するだけじゃ足りないと、しっかりその運用を見た上で私たちに報告する必要があるということを強く申し上げたいと思います。 先ほど刑事局長にお尋ねしたかった点、御答弁もういただく時間ないですけれども、不当に懲戒請求掛けるですとか、ほかの民事訴訟においても、報道等に出さないことをバーターに誓約書書かせて証拠出すですとか、そういったるるの対応が本当に適切に運用されるかどうか信じられないんだということを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、田島麻衣子さんが委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえさんが選任されました。 ─────────────
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 政府の皆さん方とこうして議論していく時間もだんだん限られてくる中で、これまでの質疑も踏まえて、おさらい的なものも踏まえて質問をしていきたいというふうに思います。 さきの法案質疑の中で佐藤刑事局長は、再審請求側は、確定審の証拠や判決の内容から、判決のどの部分が誤っているかを把握していると考えられますと、そのことから、検察官に提出を命ぜられるべき証拠としてどのような証拠があり得るかということについては、相応に考えを及ぼすことが可能であると考えられると答弁されました。 仮に再審請求側がおかしいと思う箇所や証拠があったとしても、それが誤っていることを立証することは大変に難しいというふうに思います。たとえ捏造証拠に基づいていたとしても、審理決定が適正かつ公正に行われるように論理が組み立てられているからです。検察側は、ここをつかれるとまずいという部分は特に念入りに論理を組み立てているはずです。 これを見破るには、関連性を主張できないものも含めて、警察と検察が集めた全ての証拠が必要になります。裁判所は、証拠提出命令において、関連性を問わず全ての証拠を出すことができるのか、伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 当然のことながら、証拠が改ざん、捏造されるようなことはあってはならないものと認識しておりまして、もとより、今御指摘のあったように、検察官が捏造であることを知りながら、証拠請求、あるいは証拠として、その証拠に基づいた評価などを主張するというのはあってはならないものでございまして、これは福井事件等と同じ論点であるというふうに理解しております。 したがいまして、適正な捜査・公判活動の遂行に努めなければならないというふうに考えておるところでございまして、今後ともその努力を続けていくものと考えているところでございます。 その上で、本法律案の証拠の提出命令制度におきましては、再審請求理由に関連すると認められる証拠を対象とすることとしております。再審請求審におきましては、それに先立つ通常審におきまして三審制の下で既に審理が行われておりまして、検察官の手持ち証拠についても刑事訴訟法の規定に従って既に開示を受けているところでございまして、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても判示されているということでございます。 したがいまして、犯人でないのに有罪判決を受けた者であれば、確定判決のどこに問題があるかは把握できるのが通常であると考えられまして、それを前提として、通常どのような証拠が収集されるかを念頭に置きつつ、証拠の提出命令を請求することが可能であると考えております。 その上で、提出命令の対象となる証拠の特定につきましても、請求に係る証拠を識別できる程度のもので足りるということでございまして、その程度の特定を行うことは容易でございますし、再審請求者は、通常審と異なりまして、公判前整理手続を行った場合のような当該手続終了後の証拠調べ請求の制限などはありませんので、裁判所に対する提出命令の請求を順次行うことも可能でございます。そのような意味で、本法律案の証拠提出命令制度によりまして、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されると考えているところでございます。 他方で、御指摘がありましたように、裁判所が再審請求理由との関連性を問わずに、収集された全ての証拠を対象として提出命令を発することができる制度につきましては、裁判所が再審請求理由について審理、判断するという再審請求審の審理の在り方であるとか手続構造といったものと整合しない上に、その関連性を問わずに証拠の提出の要否を判断することはそもそも困難であり、安定的な運用も確保できないといった問題があることから、相当でないと考えているところでございます。
○横山信一君 もとより、捏造証拠などあってはならないわけですし、また供述についても作文はあってはならないということなんですが、残念ながらそういうことが今まで、再審無罪の中では出てきているということで、そういう事実を踏まえると、やはりこの証拠に関してはどういうやり方をすればいいかということなんだろうと、今の御答弁を聞いていると思うんですけれども、単純に、関連性がないものを出すことは証拠提出命令ではできないんですが、とはいえ関連性を関連付けながら徐々に広げていくということも可能だということでありますから、そういう運用の中でやっていくしかないのかなというふうに思いますけれども、ここはやはり課題なんですよ。大体こういうところに矛盾があって、でも、その矛盾を立証する手だてがほかのところにあるかもしれない、ないかもしれない、それは分からないんです、再審請求側は。だから、あらゆる証拠が必要になってくるということを再三述べているわけであります。 裁判所にとっては、標目の一覧表で証拠の全ての概要を把握することができます。しかし、二十五日の参考人質疑の中で田岡参考人が述べたように、何も標目一覧表なんて面倒くさいものを作る必要はないわけですので、検察官保管証拠全部を提示させることも条文上はできるようになっていますと。その上で、田岡参考人はとても参考になることを述べました。全部取り寄せて、その中で必要だと思うものを自ら取り調べるか、これは証拠提出命令です、あるいは弁護人に任意に開示するかということを裁判所が全部の証拠を見た上で判断していけば、少しでも開示漏れを減らせるんだと思いますという意見を陳述されたわけです。 これについて最高裁はどう考えるのか、伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 改正後の刑事訴訟法四百四十五条の三第一項において、証拠の提示命令は、証拠の提出命令をするかどうかの判断に当たり、必要が認められるときにできるというふうにされておるところでございまして、仮に証拠の提出命令をするかどうかの判断に当たって、全ての証拠の提示が必要だと裁判所が認めるような事案がある場合にはそのような措置がとられると思いますけれども、そのような必要性がないのに全ての証拠の提示を命じるような運用ということになりますと、それをお約束することはなかなか困難なところがあるかなと思います。 もちろん、再審請求事件の適正かつ迅速な進行に当たって、再審請求者等が必要な証拠にアクセスできることが重要であるということは認識しているところでございますので、最高裁といたしましては、適切な運用が確保できるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○横山信一君 もとより、必要性、関連性というのが求められているわけですから、文字どおり読めば、必要性、関連性のないものを取り寄せることはできないんですけれども、そこはやはり裁判所の裁量に任されている部分でありますから、実際、再審に関わる裁判官が非常に少ないという現状はあるにせよ、せっかくこうして衆参でこの再審制度についてこれだけ議論する機会があって、改めて裁判所の対応が非常に重要だということがクローズアップされてきているわけですから、今後、裁判所は、無辜の救済ということをやはり大前提、大前提というか、当たり前のことなんですけれども、そのために裁判所として何ができるのかを常に考えながら対応していただきたいというふうに思います。 再審決定がなされ、再審公判を経て無罪となった事件では、証拠開示が重要な役割を果たしています。これまでも何度も述べられてきていることであります。特に死刑事件では、再審開始をもたらした有力な証拠はいずれも検察官未提出証拠の中にありました。証拠開示に関する法規定を整備しなかった改正案の下では、改正案成立後には、証拠開示の運用は裁判所の裁量に委ねられることになります。 裁判所は、証拠開示により再審請求人に関連性を主張してもらうことが必要になると考えますけれども、どのように証拠開示の運用に臨むのか、伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 再審請求理由を基礎付ける資料として、検察官の不提出証拠が重要な意味を持った事案があるという御指摘や、再審請求者や弁護人が証拠の内容を把握することが重要であるという御指摘があることは承知しております。 再審請求事件におけるいわゆる証拠開示の運用については、まずは当事者間でコミュニケーションを取り、開示をしていただくことが重要になると思われますが、裁判所に対しても、適切な証拠開示の示唆や勧告、証拠提出命令がなされることに期待が持たれていることは理解しているところでございます。 このような御指摘や御期待は国会における議論でも十分に表れていると感じるところでございまして、最高裁事務当局といたしましては、これらの議論の内容を周知するなどして、各裁判体において事案に応じた適切な証拠開示に向けた運用を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 常にですね、再審の審理が進むようになった場合には、今おっしゃられたことを常にフィードバックしながら、チェックしながら進めていくということが大事だというふうに思います。 二十五日の参考人質疑の中で成瀬参考人は、証拠提出命令の権限は相当広いということを裁判官が理解することが大事だと思いますというふうに述べています。さらに、再審請求理由に関連するというのは再審請求理由に資するという意味であって、手続の進行にも鑑みてかなり広がり得るものだということをきちんとまず理解していただくと述べています。 法制審の部会では裁判官の積極性に期待していたということになるわけです、その意見を鑑みるとですね。全員ではないにしても、このような法律案になったということは、積極的な裁判官を期待しているというか、積極的な裁判官を背景にしたこの法制審の報告書があったというふうに思うわけです。それに基づいて今回の改正がなされているわけです。 そういう意味では、裁判所としてどのように応えていくのかというのは非常に重要だと思うんですけれども、これも最高裁に伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 再審請求手続は裁判所が主宰するものでございます。主体的に進行し、適切な判断をしていく必要があると、このように認識しているところでございます。成瀬参考人が御指摘されたとおり、各裁判体や裁判官が証拠提出命令の対象となる証拠の範囲を、立法過程における議論も踏まえ、的確に理解することが当然重要なことであると考えております。 最高裁事務当局といたしましては、この法律案が成立した場合には、そのようなこの議論の内容がしっかりと現場の裁判官に伝わるように、周知の方法等についても工夫してまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 非常にそこは期待をしているところでありまして、裁判官に、どういう背景で今回の改正が成ったのかと、まだ成立はしていませんけれども、仮に成立したとすれば、その背景をしっかり分かってもらった上で審理に臨んでもらうということが重要になりますから、単に伝えていくことが重要だということではなく、本当にしっかりやってもらいたいというふうに思います。 再審制度は、再審請求手続と再審公判手続の二重構造になっています。ちょっと原理的な質問いたしますけれども、この構造は、これまで検察による不服申立ての機会がある分、再審無罪までの長期化を招いていたと、そういう原因もあったというふうに思います。 法律案では、検察官による不服申立てを原則禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足る十分な根拠がある場合だけの不服申立てとなります。言い方は悪いかもしれませんが、これまで機械的に行っていたであろう不服申立てと、そういうふうに見えてしまうんですけれども、この申立てが今後は慎重になると、そういうふうにも答弁されておりますので、慎重になる。 そうすると、仮に不服申立てが減るとすれば、その再審請求審によって審理の方向性がほぼ定まってしまうんじゃないかと。実は今もそうだと思うんですけれども、なお一層、不服申立てが少なくなれば、再審請求審でもうほぼ決まってしまうと。 そういう意味では、この再審公判の役割というのはどう考えるのか、伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 再審請求審は、職権主義的構造に基づき、再審開始事由の有無を判断する手続であるのに対しまして、再審公判は、当事者主義的構造に基づき、証拠法則の適用等を受けながら、有罪か無罪かを判断する手続でございます。 再審公判においては、再審請求審と重なる部分はありつつも、証拠法則等の刑事訴訟法の規律に基づいて審理、判断がされているものと認識しております。 仮に、本法律案が成立して、再審開始決定に対する不服申立てに関する規律が変わったといたしましても、再審公判、つまり公判に関する規律は変わりがないものである以上、再審公判における審理及び判断の基本構造に変わりが生じるものではないというふうに考えているところでございます。
○横山信一君 裁判所としては、法律に基づいて動いていくわけですから、現行法の下ではそういう機能が決められているんだということなんでしょうけれども、実際には再審請求審で方向性が決まってしまうという事実があるわけです。そういう意味では、この再審公判の在り方というのもやはり検討していかなくちゃいけないと思うんですね。やっていくと長くなるので、もうやめますけれども、ちょっと時間がなくなってきたので、まとめ、まあいいか。 これまで、再審請求審において再審開始の決定がなされても、検察官による不服申立てにより無罪判決が確定するまで長期間を要してきました。これは、疑わしきは被告人の利益にという推定無罪の原則に照らしても問題があります。裁判所が決定したことを、検察官の主張にまんまと乗せられてと、上級審が覆してきた結果、再審無罪までの長期間を要してきたというふうにも言えると思います。すなわち、再審無罪確定が長期化してきた原因の一つは裁判所の対応にも原因があったということです。 本法律案では、例外的な不服申立てが残っています。そういう意味では、この裁判所に原因があった、長期化の原因があったということを踏まえて、仮に不服申立てが今後あった場合にどのように対応するのか、伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 本法律案の提出には、近時の刑事再審手続をめぐる諸情勢、特に一部の再審請求事件について審理の長期化が指摘されるなどしたことが契機となっているものと認識しております。 先ほども申し上げましたが、裁判所は適切かつ迅速な裁判の実現に向けて手続を主宰する立場にありますので、再審請求事件に取り組む裁判所の姿勢に様々な批判があれば、個々の裁判官がそれに向き合って今後の審理のありようを考えていくことは重要であると考えているところでございます。 本法律案附則第五条におきまして、再審開始決定に対する不服申立てについては、事件が受理された日から一年以内に決定がされるよう努めなければならないものとされていますので、このような規定が設けられることに至った趣旨に従い、適正かつ迅速な審理を実現できるよう精いっぱい環境整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 裁判所にはくぎを刺しておきたいんです。 例外的な不服申立てはといっても、これまでの不服申立てよりも慎重になるというふうに答弁もされているわけですから、これは逆に言えば、ちょっと検察には悪いんだけど、巧妙に論理を組み立ててくるということですよ。その分、裁判所が今まで以上に慎重にこの論理の矛盾を見抜くことができなければ、無辜の救済を絶ってしまうことになるということになります。 そういう意味でのこの無辜の救済の覚悟を伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) 無実の人が罰せられるようなことは絶対にあってはならないと考えております。 そのような事態が生じないように、再審請求審はもとより、抗告審におきましても、それぞれの事件で再審請求者等の主張に十分に耳を傾け、提出された証拠を丁寧に検討し、熟慮の上で判断をしていくことが重要であると考えております。
○横山信一君 しっかりと覚悟を決めて臨んでいただきたいというふうに思います。 ちょっと最後、大臣に聞きたかったんですけれども、時間がないのでここでやめますけれども、裁判所の役割が非常に大きいんだということを申し上げて、質問を終わります。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 再審に関する刑事訴訟法改正案についてこれまで質疑を行ってまいりましたが、その根底にあるものは、制度を変えたことでしっかりと日本を守ってほしいという国民の思いです。 第一に、被告人や再審請求者から見て、誤判を防止し、冤罪を救済できる仕組みになっているか、第二に、被害者から見て、名誉やプライバシーを守り、過度な負担や捜査の協力を、過度な負担を避け、捜査の協力を確保できる仕組みになっているか、また第三に、国家の適正な刑罰権を行使でき、かつ内外から見て刑事司法への信頼を高められる仕組みになっているかと、こうした観点から制度をきちんとつくり上げていくことが大切だと考えております。 今日は、まず前半では、前回の参考人質疑を踏まえ、主に被害者側の視点に立って質疑を行います。 まず、刑事裁判の再審というものに時効があるのかどうか、つまり再審の請求はいつまでも行うことができるのかどうか、お尋ねします。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 刑事訴訟法第四百四十一条は、再審の請求は、刑の執行が終わり、又はその執行を受けることがないようになったときでも、これをすることができると規定をしておりますけれども、その期間についての定めはないことから、再審の請求につきましては時期の制限がないものと考えているところでございます。
○安達悠司君 幾多の冤罪事件もそうですが、真実を明らかにするのに長い時間を要する場合もありまして、時間が掛かっても、真実無罪の、無実の者の救済が必要であることに変わりはありません。また他方で、被害者から見ると、せっかくの制度が、本当に冤罪救済に用いられるならよいですが、実は犯人であるのに悪用されてしまうといった懸念もないわけではないと感じております。 そこでお尋ねしますが、真実は確定判決のとおりであると知りながら、あえて再審請求を行うといったことは許されるんでしょうか。また、そのような再審請求のいわゆる悪用や濫用に対する制裁や濫用防止の仕組みはどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 確定した有罪判決に誤りがないことを認識していながら再審請求をすることは、好ましいことではないように思われますけれども、現行法上これを禁止する規定はございません。 他方で、現行法の下におきましても、再審請求をしようとする者は、例えば無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したことなど、再審請求の理由を主張するとともに、その請求理由に対応する証拠書類等を提出する必要があるとされているところでございまして、これによりまして、有罪判決の確定後に、何らの事情変更もなく、単に判決が不服があるなどとしてなされる濫用的な再審請求は抑止され得ると考えられるところでございます。 また、現行法の下におきましても、再審請求に理由がないとして再審請求が棄却された場合には、何人も同一の理由によって更に再審請求をすることはできないとされているところでございまして、これによりまして手続を不当に蒸し返すような濫用的な再審請求も抑止され得ると考えられるところでございます。 さらに、再審請求事件におきましては、実務上請求が不適法であるものや、主張自体失当であるといった請求が入れられないことが一見して明白なものが相当数存在するといった指摘がなされているところでございます。 そうしたことを受けて、本法律案におきましては、この実情を踏まえまして、いわゆるスクリーニングとして再審請求審における調査手続を設けまして、再審請求理由についての審理を経た上で、終局決定をすべき事件とそれ以外の事件を選別することとしております。 したがいまして、証拠の提出命令等の事実等の取調べ等は、調査手続におきまして再審請求理由についての審理を要すると判断されて審判開始決定がなされた事件についてすることができることとしているところでございます。これは証拠の提出命令につきましても同様でございます。 それで、証拠の提出命令に関しましては、再審請求理由に関連すると認められる証拠につきまして、提出を受ける必要性の程度と提出に伴う弊害の内容、程度を考慮して、相当と認められる場合に命令が発せられることとなるわけでございまして、以上のような仕組みの下で、本法律案が改正法として成立した後も、引き続き、裁判所におきまして、個別の事案に応じ、委員の御指摘のようなことを、御懸念も踏まえつつ、適切な対応に努めていくものと考えているところでございます。
○安達悠司君 では、法務省は、今言ったような再審の濫用が現実に行われた場合、これが一件であればいいですが、複数あるいは多数行われていった場合に、これはどのような弊害が生じると考えますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 例えばということで申し上げますと、有罪判決の確定後に、何らの事情変更もなく、単に判決に不服があるといって濫用的な再審請求がなされた場合であっても、裁判所においては一定の調査、審理を行う必要が生じるわけでございまして、仮にということでありますが、そうした濫用的な再審請求が大量になされることになれば、その事件処理に時間を要しまして、当然、その裁判所や検察庁等にもマンパワーの問題が生じるわけでありますので、本格的な審理を要する、また、本格的な審理を要する事案の手続進行、まさにマンパワーを傾けるべきところに支障が生じるなどの弊害が生じ得ると考えられるところでございます。
○安達悠司君 ちょっと順番前後して、次、五番の問いに行きますが、我が国は現在年間の再審請求が一体どれくらいあるかというと、令和五年では、地裁と簡裁を足すと、新受件数、新受人員が、新しく受けた人員が百八十七件、それに対して第一審の有罪が四万四千三百九件、そして略式有罪が十六万六百十七人であり、単純化すれば、二十万人の有罪に対して、年間で二百人未満ぐらいの再審請求があると、約〇・一%ぐらい請求があるという、単純計算するとそうですけど、ただ、今回の法改正を行うことによって、これ、法務省はどれくらい再審請求数が増えるというふうに試算をしているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) 本法律案は、誤判からの確実な救済と再審請求審の手続の円滑、迅速化を図るために再審制度について所要の法整備を行うというものでございまして、こうした改正が再審請求の動向にどのような影響を及ぼすかにつきましては予測し難いというのが実際でありまして、お尋ねについてお答えすることは困難であるというのが認識でございます。
○安達悠司君 再審請求が増えたからといって、これは、もちろんきちんと、それは冤罪被害の救済になっているんだということであればいいですし、他方で、濫用的なものが増えただけだということであれば全然問題なわけですし、そこをきちんと区別して検証を行う必要があるのではないかと思います。 その上で、先ほどおっしゃられた調査手続、スクリーニングの手続というのがあるわけですけれども、法四百四十四条の二第二項第一号ハの請求の理由が明らかに各号に該当しないと認めるときはあるんですけれども、ニの規定ですね、ニの規定で、明らかに理由がないと認めるときという方が削除されてしまいました。その結果、スクリーニングを突破しやすくなったのではないかということが指摘されます。 法務省は、今回、スクリーニング、調査手続によって果たして濫用的な申立てを取り除けたのかどうか、取り除けていけるのかどうか、事後的な見直しや検証を行う必要があるのではないかと考えますが、そうした事後的な見直しや検証を誰がどのように行うのでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 委員御指摘の調査手続におきましては、再審請求が法令上の方式に違反していたり、請求権消滅後である場合や、いわゆる主張自体失当である場合には、その段階で請求を棄却することとしているわけであります。 これによりまして、例えば、先ほど申し上げたように、有罪判決確定後に、何らの事情変更もなくて、単に判決に不服があるなどとして証拠書類等を添付することなくなされる濫用的な再審請求や、同一の理由により手続を不当に蒸し返すような濫用的な再審請求につきましては、そこの調査手続の段階で請求が棄却され得ることとなると考えているところでございます。 その上で、本法律案の附則二条におきましては、施行後五年ごとの検討条項を設けることとしているところでございまして、その機会には調査手続の在り方についても検討の対象となり得ると考えているところでございます。 この検討を具体的にどのような体制や方法で行うかということについては現時点で未定でありますけれども、本法律案が改正法として成立した場合には、この趣旨を踏まえて、実務における運用状況を正確に認識した上で、再審制度の在り方について充実した検討がなされるよう対応してまいりたいと考えているところでございます。
○安達悠司君 では次に、配付資料の一枚目、ちょっと下線を引き忘れたんですが、真ん中の二の裁判というところの下、これ令和七年版犯罪白書の二百五十一ページなんですが、それによると、今現在、この当時、「令和六年における外国人事件(外国人が被告人となった事件)の通常第一審での有罪人員は、五千三百十六人(前年比一八・六%増)であり、有罪人員総数に占める比率は、一一・一%であった。」と書いています。 これの意味なんですけれども、要は、今、在留外国人というのは、令和六年の時点でも三%前後であると考えられますが、裁判所の有罪人員に占める割合は一一・一%、九人に一人の、何というんですかね、裁判所で公判で有罪になる九人に一人が外国人であるということですね。もちろん短期滞在者の数が影響しているとしても、第一審公判で外国人が有罪になっているのが実に一一・一%というのは非常に大きな数字じゃないかと思います。 このように、この第一審で、公判で、外国人である被告人が有罪とされるその犯罪の内訳というのはどうなっているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 令和六年の地方裁判所、簡易裁判所の通常第一審におきまして、被告人に通訳、翻訳人が付いた外国人事件で申し上げますと、その終局人員の総数は四千六百四十九人であり、罪名別では、多かった順に、出入国管理及び難民認定法違反が二千九十六人、窃盗が六百九十六人、覚醒剤取締法違反が三百四十一人、道路交通法違反が三百五人となっております。
○安達悠司君 要するに、入管法違反の事犯、事件、つまり、オーバーステイや不法就労などで第一審公判で有罪ということで裁判手続になっているケースが多いということでしたが、私がここで言いたいのは、外国人が、だから犯罪いっぱい犯しているんだとか犯罪率が増加しているんだということではなくて、事実として、我が国の刑事の裁判所では九人に一人の、被告人で有罪になる人が外国人だということなんですね。そうすると、第一審の裁判所で外国人が増えているわけですから、制度設計や裁判所の在り方も、また再審の場面でも一定数外国人を想定する場面が出てくるのではないかと。また、司法予算の人的、物的な労力や負担も生じていると。 そういったことも考えますと、やはり増加する外国人犯罪というのに厳格に対処しなければならないと思いますが、法務大臣は、こうした外国人犯罪が増えないように、外国人犯罪の処罰、論告や求刑の在り方や起訴に関して厳格に対処する意思を持っておられるのでしょうか。検察官に向けて、外国人犯罪の対処の在り方についてどのような態度や方針を伝えているのか、お尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 お尋ねにつきまして、あくまで一般論として申し上げますと、検察当局においては、被疑者の国籍の別によらず、また個別具体的な事案に即して、関係機関と連携しつつ、必要な捜査を実施して真相解明に努め、法と証拠に基づいて適切に対応しているものと、対処しているものと承知しております。 その上で、外国人による犯罪については、例えば、私が副議長を務めております外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議において、本年一月に策定された外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策において、一つは、一部の外国人によるものであるものの、我が国の法やルールを逸脱する行為や制度の不適正利用について国民が不安や不公平を感ずる状況も生じておりまして、こうした状況に的確に対処する必要があるなどとされております。 また、その取組の一環として、外国人による犯罪に対して適切に対応することが求められているところ、検察当局においては、こうした政府の方針も前提に、引き続き、外国人による犯罪について、個別具体の事案に即して、法と証拠に基づいて適切に対応し、対処していくものと承知をしております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○安達悠司君 はい。 やはり法務大臣の答弁も多くの国民が見ておられます。そして、やはり外国人の増加という問題は本当に国民の関心事でありまして、また、実際に刑事裁判の法廷で、これほど外国人の、利用というのはおかしいですけれども、被告人が有罪になっているということでありますから、やはりそのためにどこまで司法予算を使うのかということを考えますと、これはやはり、これは日本人ももちろんそうなんですけど、外国人の被告人が法廷に来てもらわなくて済むように、犯罪の予防にもしっかりと努める決意を持っていただきたいということを要望いたしまして、私からの質疑を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 大臣に改めてお尋ねをします。 冤罪がなぜこうも繰り返され、仮に罪を晴らせたとしても、人生を丸ごと奪われる長い闘いを強いられると。この焦点、私、二つあると思うんですね。その一つは、警察、検察が描いた筋書、ストーリーに沿って自白を迫り、認めるまで身柄を解放しない自白偏重と人質司法です。あるはずもない事実がさもあったかのように詳細に書かれた自白調書や参考人調書が存在する、たくさんあると。これ、異常なことだと思うんですね。そうした調書が数々の事件で作られ、有力証拠の柱とされてきました。裁判所がその虚偽の供述証拠を有罪証拠として採用し、冤罪をつくってきたと。大臣、どう思いますか。
○国務大臣(平口洋君) 当然のことながら、罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないということと認識しております。 個別事件において無罪判決が言い渡される理由は様々でありますが、そしてまた一概に申し上げることは困難でございますけれども、過去の無罪判決においては、例えば、客観証拠の吟味が不十分であったこと、自白の信用性に対する吟味、検討が不十分であったこと、新たな科学的捜査手法に対する理解、検討が不十分であったことなどの指摘がされてきたと承知をしております。 また、例えば、いわゆる袴田事件や福井女子中学生殺人事件などの近時の再審無罪事件においては、再審請求審で検察官が裁判所に提出し、又は開示した証拠等を新証拠として再審開始決定がなされたという経緯がございまして、その開示に至る過程において検察当局として反省すべき点もあるというものと承知をしております。 いずれにしても、検察当局においては、「検察の理念」を踏まえて、基本に忠実な捜査・公判活動の適正な遂行に努めているものと承知しておりまして、引き続き、こうした基本に忠実な捜査、公判遂行に努めていくことが肝要であると考えております。
○仁比聡平君 いや、基本に忠実でも何でもない。そういう誤った捜査や、誤った起訴、訴追や、誤った裁判が繰り返されてきたでしょうと言っているんです。検察官だったり捜査官だったり裁判官だったり、信じてどうするんですか。 私が焦点のもう一つだと思うのは、そうした捜査のプロセスの中で、描いたストーリーに矛盾する証拠が出てくると。アリバイがある、物証が違った方向を示している、あるいは供述がうそじゃないかということがうかがわれる証拠が出てくる。そうすると、これを軽視する、無視するんですね。時には、有罪証拠を捏造までする。そうやって描いたストーリーに基づいて被疑者を犯人と決め付けて、起訴に至ったら、もう誰が何と言おうととばかりに組織ぐるみで無罪証拠を隠し、無罪判決にも再審開始決定にも検察組織ぐるみで争い続けてきたと。 そうした捜査が真犯人を逃し、被害者や遺族を苦しめることになってきたと私は思いますが、大臣はどう思いますか。
○国務大臣(平口洋君) 検察の活動でいろいろと反省しなきゃいけないという点は御指摘のとおりだと思います。 検察の捜査活動、捜査・公判活動が適正に行われなくちゃいけないということは当然であります。「検察の理念」において、繰り返しませんけれども、そういうところはきちんとうたわれているところでございまして、そのような方法でやりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 戦前の暗黒裁判じゃないんですよ。戦後八十年、死刑を含む幾多の冤罪が繰り返されてきた。それ、大臣、今反省するって一体何の意味があるんですか。 そうした認識の下で、福井女子中学生殺害事件の名古屋高検の調査報告書、調査結果報告書四十四ページには、担当検察官、それからその上司を含めた検察がどう事件に向き合っているのかということについて記載している部分があるんですね。福井事件の第一次再審請求に直接関与した検察官らの上司について、決裁官が個々の事件記録の隅々まで精読、検討することは事実上困難であるというふうに書いてあるんですよ。 私、本当かと思うんですよね。だって、第一審、福井の地裁判決が無罪。これに対して、無罪証拠を握っていながら控訴をして、そこで言わば有罪判決をだまし取ったと。これが最高裁で確定したと。服役までした。で、第一次再審請求が起こるわけですよね。この時点で社会的な事件になっているじゃないですか。 その事件について、一審から検察官が、担当検察官は把握をしているこのうその捜査報告書、それに基づいて高裁の有罪判決が、嫌らしい場面を見たあの日だった、前川さんを見たのはという、そういう認定をしている。そこが争われているということがありありとしている事件について、担当検察官任せなんというのが検察一体の原則ですか。あり得ないんじゃないですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 まず、一般論として申し上げますと、検察官は、委員御案内のとおり、個々の検察官に検察官としての権限があるわけでありますけれども、検察当局におきましては、そうはいいながらも、個別事件について、適正、妥当かつ公平な検察権行使を実現するとともに、上司による決裁を通じた部下検察官の指導、育成を図るといった観点から決裁制度が設けられているところでございます。 その上で、個別事件の決裁におきまして、部下検察官が担当する事件記録の内容を上司がどの程度把握するかにつきましては、個々の事件の内容や訴訟経過などによって大きく異なるものでございまして、一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、個々の事件で検察権を実際に行使する主任検察官が事件記録を精読、検討し、上司は、その主任検察官からの相談、報告を通じまして必要かつ十分な範囲で事案の内容を把握するとともに、必要な指導を行うといった関係にございまして、通例複数、場合によっては極めて多数の部下検察官を指導監督する上司が部下検察官と同等に事件記録を精読することは事実上困難であるというのが実情でございます。 その上で、名古屋高検が七月十日に公表した御指摘の事件の調査結果報告書におきましては、第一次再審請求審に直接関与した検察官らの上司につきまして、請求人側が主張する再審請求理由が存在するか否かが審理対象であったことに加え、多数の事件の、事案の決裁を行う決裁官が個々の事件記録の隅々まで精読、検討することは事実上困難ではあると指摘されているところ、これはこうした決裁制度を背景とした趣旨の記載であると理解しているところでございますけれども、もっとも、この報告書におきましては、そのような指摘と併せて、こうした上司らにおいては、担当検察官らを、担当検察官を監督する立場にある以上、結果としては、担当検察官らに対する指導が十分でなかったと言わざるを得ない旨指摘されているところでございまして、検察当局におきましても、上司らの指導監督の在り方が結果として適切なものではなかったと評価しているものと承知しているところでございます。
○仁比聡平君 そんな、一般に事件がたくさんあります、忙しいですなんという話を聞いているんじゃないんですよ。冤罪事件で、冤罪事件だと、再審請求が起こっている。争点ははっきりしている。その争点について無罪証拠を検察官は隠しているという事件について、上司は知りませんでしたで済まされますかということです。そもそも知っていたんじゃないですかということです。この報告書では五人、六人とかという話になっているけど、そんなことがあるかと。 第二次再審請求ではどうか。この報告書には、二百八十五点を開示していくというプロセスで上司に相談しましたというふうになっているんですけどね。その開示するときに初めてやったんですか、相談を。それ、うそなんじゃないですか。だって、第一次再審請求が開始決定がされたんですよ。これに対して皆さんは、検察は無罪証拠を握ったまま争った。だから、ひっくり返った。第二次再審請求でやっとこさ出さざるを得なくなった。そのときに初めて上司に相談しましたなんて、あり得ますか。最高検は知りませんでしたとまで書いてある。うそなんじゃないですか。 全件記録を、一件記録を全部移動させていたかどうかは分かりません。けれど、大争点でしょう。一審の証人尋問のときからそこが争われているでしょう。なのに、それを、もう出さざるを得ません、裁判所から、出さなかったら証拠開示命令出しますと。そこに、名古屋高検全部で争っていると、検察は拒否していると書きますよと迫られたから、出します、出さざるを得ません。そこまで相談しない、検察組織として共有しない、あり得ないんじゃないですか。どうなんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の事件の調査結果報告書におきましては、委員の今御指摘のあったような形になりますけれども、第二次再審請求審を担当した検察官、これP18というふうに名前が付いておりますが、問題となった捜査報告書の内容が従前の検察官の主張及び証拠とそごすることを認識し、裁判所の意向を踏まえて、上司にも報告、相談の上で問題となった捜査報告書を開示することとしたと指摘されているところでありますが、それ以上にその上司による事件記録の確認状況等について言及されておりませんので、今、法務当局としてお答えすることは困難であるということでございます。
○仁比聡平君 今回のこの名古屋高検の報告書というのは、逆にそれまでの間、組織ぐるみで隠してきたということを覆い隠すためにごまかしているんだと思いますよ。恐ろしいことだと思いませんか、大臣。だって、冤罪が争われ、無罪証拠を握っている。それがこんなに、三十八年も雪冤に掛かるってね。その証拠知っていて、それ出さないという、その活動を今もなお真相を明らかにしようとしないと。 この検察のこの調査報告書、大臣、これやり直させなきゃいけないんじゃないですか、真剣に検証しなきゃいけないんじゃないですか。第三者による検証、私は必要だと思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(平口洋君) 今般、検察当局が公表した調査結果報告書においては、確定審並びに第一次再審請求審に関与した検察官のうち、少なくとも一部の検察官が、従前の主張とそごするというふうに認識しながら、適切な是正措置を講じなかったことというのが認められているところでございます。 御指摘の調査については、最高検の調査の下、名古屋高検において実施し、その結果を踏まえて報告書を取りまとめ、最高検の了承を得て公表したものでありまして、検察当局以外の第三者は調査に関与していないものと考えております。 いずれにしても、名古屋高検としては、このような総括をして公表したということでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○仁比聡平君 これで逃げおおせたと、再審法改正の政府原案を通したと。そんなことは絶対に許されないんだと。冤罪被害者の絶望を強いるような、そんな国会や政府の在り方というのは絶対に許されないと。 あとは午後に譲ります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。 数々指摘されている検察の不祥事、そこに踏み込む前に、法曹三者の残り、裁判所、弁護士、これについても一旦触れておきたいと思います。 まず、袴田事件につきましては裁判所の重大なミスがあったと考えています。 確定審の第一審、静岡地裁三名の裁判官、そのうち左陪席の裁判官は評議の最後の最後まで無罪主張して、二対一の評議で敗れて有罪判決を書かざるを得なくなった。これは御本人が告白していますが、最高裁はこれは認めないと思います、評議の秘密を侵しているので。しかし、左陪席の裁判官、元裁判官が告白していること自体は事実でございます。このベテラン裁判長と右陪席のこの二名の裁判官が最後まで有罪主張して、結局、死刑判決が一審で出たというのも事実だろうと思います。 ここで無罪主張した左陪席の裁判官は、この御本人の告白によりますと、拷問に近い厳しい取調べが行われて、そこで得られた自白が真実であるはずがないと。まず、そこを出発点として、加えて、その自白の内容が、殺人、強盗殺人の動機として著しく変遷していると、これは不自然過ぎるということなどから無罪を疑ったわけであります。しかし、ベテラン裁判官が、そのミスというか、その誤りに気付くことができなかったこと、つまり、裁判所にも、恐らくこの袴田事件以外にも、重大な責任があるんだろうというふうに理解しています。これについては裁判所にも十分検証していただかなければいけない事実だろうと思っています。 他方、弁護士につきましては、これ、当然ながら能力の差があり、熱心さにも大きな差があり、真剣に取り組まないことによって、過去の冤罪事件でも、被告人の、例えば捜査段階では自白したが、公判の途中になって、やっぱりやってないと言い出した、そういうふうに告白したことについて熱心な弁護活動をしなかったというようなことも指摘されています。そういう意味で、弁護士全体としても、能力を高め、どうやって熱心に刑事弁護に取り組むのかということも重大な課題であるというふうに認識しています。 さりとて、検察は強大な捜査権限と起訴権限を持っていますから、そこに故意の、故意に基づく証拠隠しであるとか捏造であるとかがある、あるいは取調べの、違法な取調べがあるなど、この不祥事が冤罪に最も重大な原因をつくったということもこれ明らかでございまして、その点についてお聞きします。 まず、検察の取調べについてお聞きします。 元大阪地検特捜部の検事が恫喝的な取調べを行ったとして特別公務員暴行陵虐の罪で刑事裁判にかけられている事案について、メディアなどでも連日報じられているところです。この件に限らず、過去にも同様の不適切な取調べは多数あったものと認識しています。 これまで、検察としても、こうした事案を踏まえて、自白を強要するような威圧的で不適切な取調べに関し検察内で自浄作用を働かせるシステムはそもそもあるんでしょうか。あるとすれば、どのようなものなのかお答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) まず、お答えいたします。 最高検察庁におきましては、昨今、特に検察官の独自捜査に関する取調べについて様々な問題点が指摘されていることを踏まえまして、令和六年十二月、最高検刑事部長名で、不適正な取調べが行われる原因を分析するとともに、その対策について各地検に指示をしたものと承知しております。 具体的には、この刑事部長指示におきましては、検察内部のチェック体制をより強化するため、録音、録画を実施した取調べについては、決裁官らにおいて、その記録媒体を視聴するなど適宜の方法によってできる限り速やかに内容を確認する、その確認に際しては、任意性の有無といった刑事訴訟法上の視点のみならず、取調べ中の個々の言動の適正さについても厳しくチェックするなどとされているものと承知しております。 検察当局におきましては、このような指示を踏まえまして、決裁官らにおいて、録音、録画の記録媒体の内容を確認して取調べの方法を指導するなどの取調べの適正確保のための取組を実施しているものと承知しております。 また、検察当局におきましては、いわゆる厚労省元局長無罪事件等を受けた検察改革の一端、一環といたしまして、適正、不適正行為に関する情報が確実に組織上位者に到達して適時適切な対応がされるための体制を整備するために、平成二十三年七月でありますけれども、最高検に監察指導部を設置いたしまして、捜査、公判の違法や不適正行為に対する監察指導を実施することとしております。 取調べの違法、不適正にわたり得る行為も含めて、検察庁職員の捜査、公判遂行上の違法、不適正行為に関する情報を得た際には、十分な調査を行って、明らかとなった事実関係を基に対象職員を指導を行うなどしているところでございます。 今御指摘のありました付審判決定を受けて、公判係属中の検察官二名の取調べに関しましても、監察指導部による調査の結果、取調べにおける言動に不適正な点があったと判断されて必要な指導が行われたというものであると承知しております。
○北村晴男君 今おっしゃった、検察、ごめんなさい、監察指導部ですかね、監察指導部が情報を得たら調べるという趣旨のことを今おっしゃったと思います。 その情報の中には、例えば、被疑者、被告人などから指摘を受けるとか、あるいは弁護人がそれを知ってそれを指摘する、そういった情報提供も含まれていますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 弁護人からの申入れなどは、その主な、何といいましょうか、端緒の一つになるということでございます。
○北村晴男君 今おっしゃったこと自体は、適切に機能すれば一定程度の前進はあり得るのかなというふうに理解をしています。 ただ、外から検察を見た我々の実感としては、身内の不祥事を、例えばその情報でも、外部からの情報ではなくて内部であれば、よりそういった情報は広く集まりやすいというか、指摘することは可能なんだと思います。 つまり、何を言いたいかというと、検察内部で、他の検察官の取調べ状況であるとか捜査の仕方であるとかいうことは、様々な雑談とかというところで入ってくる。そういう中で疑問を持ったときに、他の検察官に対して指摘する、つまり、検察官、適正な取調べなりをやりなさいよと、これおかしいよというふうに指摘したときに、身内の不祥事を指摘することが、これが検察内部の風土として白眼視されるのか、それとも褒められるのか、それは検察を最終的には浄化するものとして、検察の信頼を高めるものだとして評価されるのか、それとも身内の恥をさらすものとして評価されないのか、それは大変重要なことだと僕は思っています。 そういった風土をつくるように、まあ質問しませんけれども、是非とも工夫していただきたいというふうに思っています。 さて、次に、検察内部では、捜査、起訴する部門と、それから公判を担当する部門、これが明確に分かれているものと理解しています。 捜査、起訴を担当する部門が起訴してくる、そういった案件を見て、公判部がこれを有罪に持っていこうということで訴訟活動するわけですが、そのときに、公判部担当の部門が証拠関係精査して、これちょっと危ないねと、危ないという意味は、もしかしてやってないんじゃないか、無罪なんではないかという心証を得る場合もあるというふうに理解しています。これは修習のときにもそんなことを感じました、これは私が勝手に感じただけですが。 そういった公判部の検事が引き返す、つまり、公訴を取り消すとか、あるいは隠されている証拠を出せとか、そういった公益の代表者として引き返せるような仕組みはそもそもあるのかないのか、それについてお聞きします。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 まず、手段として申し上げますと、委員御指摘のように、検察庁、大規模庁におきましては捜査部門と公判部門が分かれているという場合が多くございます。 その上で、起訴した部門、例えば東京地検でありますと刑事部、公安部といったものがあるわけですけれども、そこが起訴した後に、じゃ、公判部がそのような、例えばそれは公判維持できないというふうに思ったときには、少なくとも刑事訴訟法上は、公訴が、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができるとされているわけでありますので、起訴された事実につきまして、公訴提起後、公訴を取り消すという手だてを取ることができるのがまず一点であります。 近時の公訴取消しの例について申し上げれば、検察当局は、いわゆる大川原化工機事件につきまして、これは公安部が起訴したものでございましたけれども、公判部が検討する中で、弁護人側の主張を踏まえて、この犯罪の構成要件該当性に疑義が生じたことなどの事情を考慮して、公訴を取り消して、その旨を公表したということがございました。
○北村晴男君 今おっしゃった事案は余り報道されていませんけれども、公判部が誤りを見付けて公訴を取り消したということですかね。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません、大川原化工機事件について、詳細は検証結果報告書に記載しているわけでありますけれども、公判部が、じゃ、見付けたのかと胸を張って言えるかと言われますと、その記載を読む限りはそうはなっておりませんで、要するに、公判を準備する中で、裁判所も入って、弁護人側と、弁護人側の主張を踏まえて様々にお互いにいろんな主張をする中で、事件を、弁護人側がする中で、そういったものを踏まえて公訴維持が困難であるというふうに判断したものであると考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 まあ半歩前進というか、検察内部でも一定程度の、公益の代表者、本来公益の代表者としてあるべき行動を取るような方向性は若干はあると思います。 ちょっと時間がありませんので、先ほど申し上げたことを繰り返して終わりにしますが、組織の風土を変えていただかなければ、恐らく今後もこれまで同様の冤罪事件は起こるというふうに思っています。組織の風土を変えるには、何が褒められて、つまり、褒められるということは昇進する、悪いことをしたときに厳罰に処せられる、それは内部で、刑事罰以前の問題として厳しく追及される、そういう事例が積み重なってこそ、若い検事が、ああ、これはこうするべきなんだと、公益にかなうことが最終的には検察の威信を確保することなんだと、そういうふうに考えられる、これが一番大事なことではないかなと、今回の質疑をずっとしていて、見ていて思ったことであります。 検察におかれましてはそこを今後是非とも努力していただきたいと思いまして、申し上げて、午前の質疑を終わりにさせていただきます。
○委員長(伊藤孝江君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古庄玄知君 自民党の古庄です。 今日は、高市総理に再審法改正についてお尋ねします。 再審は人権救済の最後のとりでです。国家による重大な人権侵害である冤罪から被害者を救い出すこと、それが再審の目的です。しかし、今まで再審法がきちんと整備されてきませんでした。今回、刑事訴訟法制定後七十八年にしてようやく手が入れられることになりました。そして、この参議院においても、二十時間以上の審議を重ね、参考人質疑も二回行いました。その慎重な審議の中で、冤罪被害者の無罪立証の決め手となる証拠がきちんと出てくるのかなどについて懸念の声が聞かれたのも事実であります。しばらくは実務を動かして、足らざる部分があれば補っていくという柔軟な対応が求められるのではないかと思います。 そこで、総理にお伺いします。 冤罪被害者の迅速な救済を図り、今後冤罪を生まないために、再審制度についてどのような覚悟で改革を続け、前進させるおつもりなのか、お考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 処罰されるべきでない者が処罰されることはあってはならず、万が一そのようなことが生じた場合には、速やかに救済されなければなりません。私自身、非常に強い思いを持って再審制度の見直しに取り組んでまいりました。 本法案は、再審制度が非常救済手段としてより適切に機能するようにするため、刑事訴訟法を改正し、誤判からの確実な救済と手続の円滑化、迅速化を図るものであって、私は間違いなく再審制度を大きく前進させるものだと考えております。 その上で、本法律案においては、五年ごとの検討事項を設けるということにしており、本法律案が成立した後も再審制度をより良いものとしていくために政府としては適切に対応をさせていただきます。
○古庄玄知君 ありがとうございました。 次の質問に移らせてもらいます。 これまでの審議を通じて感じられたのが、検察に対する国民の信頼が失われつつあるということです。再審法改正の契機となった袴田さんの冤罪事件では、五点の衣類が捏造された疑いがあります。また、福井女子中学生殺人事件の前川さんの冤罪事件に関しては、検察側が無罪の決め手となる証拠を隠して何回も前川さんの有罪を主張していたということになっております。そのほか、大川原化工機事件などなど枚挙にいとまがありません。そして、その都度出てくる調査結果報告は、検察庁内部におけるものにとどまり、第三者の目が検察に届くことはありませんでした。 そこで、総理にお伺いします。 検察に対する国民の信頼が失われつつある今、検察が組織として国民の信頼を取り戻すためにどう取り組めばよいか、御見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 近時の再審無罪事件をめぐって、検察の活動に対してもう様々厳しい御指摘があると存じます。検察の活動というのは国民の皆様の信頼の上に成り立っております。検察権行使の適正さに疑いが生じれば、検察の活動の基盤を揺るがしかねません。 検察当局においては、「検察の理念」、まさにこれは平成二十三年九月のこの「検察の理念」に立ち返って、過去の事件の反省も踏まえて、基本に忠実で適正な捜査、公判の遂行に努め、それを積み重ねていくということが肝要だと考えております。
○古庄玄知君 ありがとうございました。 以上で終わります。
○打越さく良君 立憲民主・無所属の打越さく良です。 総理は六月十日の衆議院法務委員会で、傍聴にいらしていた袴田ひで子さん、委員会後ですけれども、袴田ひで子さんに歩み寄られて、しっかり改正しますねとお伝えになったと報じられています。 しかし、ひで子さんは、衆議院法務委員会で参考人として出席された際、現状の法案では巖は助からない、処刑されたと述べておられます。そして、六月十日には、記者から前進できているかと問われて、まだまだできていないと思う、もう少し皆さんに頑張っていただいて、二歩も三歩も前進してもらわないと困るとお答えになっています。 ひで子さんの弟さんの巖さん、一九六六年に逮捕され、一九八〇年に死刑が確定、再審無罪判決を得たのは二〇二四年。四十七年以上に及ぶ拘禁。いつ死刑を執行されるかという恐怖により、今なお意思疎通も困難な状況におありです。 また、本日の傍聴には、石川早智子さんがいらっしゃっています。早智子さんは、昨年、狭山事件で冤罪を訴えながらも、無念を晴らすことができないままお亡くなりになられた石川一雄さんの思いを受け継ぎ再審請求をしておられる、そしてまた、連日この委員会の質疑を傍聴されておられます。六十二年も前の狭山事件でまだ開始決定を得られていない、闘いを続けていらっしゃる。検察が証拠開示を遅らせることなど許さない、そんな再審法改正にしてほしいとずっと審議を見守り続けておられます。 早智子さんも、やはりこの法案では冤罪被害は防げないとおっしゃっておられます。早智子さんの思いや、あるいは巖さんを支え続けてこられたひで子さんの言葉を、総理、重く受け止めていただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先般お目にかかりました袴田ひで子さんの御発言というのを、いわゆる袴田事件の長年にわたるもう大変な御労苦に基づくもので、真摯に受け止めております。 先ほど申し上げましたが、私自身も非常に強い思いを持ってこの再審制度の見直しに取り組んでまいりました。 そして、この法律案では、再審制度が非常救済手段としてより適切に機能するようにするために、再審請求審における証拠の提出命令制度を設けるということとともに、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止して、手続保障の充実も図るための諸規定の整備を行うという内容でございます。 こうした制度の見直しとともに、その適切な運用によって、誤判からの確実な救済と手続の円滑、迅速化が実現すると考えております。私自身は、間違いなく再審制度は大きく前進すると考えております。
○打越さく良君 到底そうはならないと、冤罪被害は終わらないと、そのような絶望の声を示しているのがそこにいらっしゃる石川早智子さんであるし、あるいは、七月十四日、当委員会の参考人質疑でお招きするはずだった前川彰司さん。前川彰司さん、当日現れてはいただけませんでした。本日、終局し、採決らしいと聞いて、御自分が委員会で経験を訴えられたところで、この政府提出法案を修正されることはないのだと絶望しておられたのだと、非常に深く受け止めなければなりません。一九八六年に起きた福井女子中学生殺人事件の冤罪被害者である前川さん、逮捕から三十八年、三十八年後にようやく再審無罪となりました。その前川さんを絶望させてしまうような法案でいいのかと、そのことが問われていると思います。 先ほどもお話がございましたけれども、検察への信頼を一層失墜させるような不祥事が連日報道される事態になっています。特捜検事の違法な取調べ、大阪地検の元検事正による女性検事への性加害疑惑、元特捜検事が取調べ対象の女性に対して不適切な関係を持った上に、女性に対して暴力も振るったのではないかと、そういった疑惑まで報じられております。このような事態に、検察への信頼は失墜するばかりでございます。 失墜させる大きな問題が冤罪被害ではないでしょうか。この冤罪被害に対して、二度と起こさないと、その手当てができる法案にしなければなりません。 東住吉事件で再審無罪が確定した青木恵子さんは、これではいけないと、今も無実を訴える仲間たちがいるんだと、その声を法改正に反映してほしいと、その思いで、七月一日に、受刑中や刑期を終えられた当事者の方、御家族の方たち、その中には石川早智子さんのお手紙もあったんですけれども、そうした十八人ものお手紙を私たち参議院議員に託してくださいました。 もう一様に、証拠の全面開示が必要なんだと、検察の抗告を禁止してほしい、もう原則ではなくて全面的に禁止してほしいと。その思いに真っすぐに応え、冤罪被害を二度と生まない再審法にすることが、検察の失墜した信頼、その信頼を回復するスタートになるのではないでしょうか。 ところが、この政府提出法案は、それに見合うものにはなっておりません。更なる修正が必要だと、その決意を総理おっしゃっていただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 検察の活動というのは国民の皆様の信頼を基盤とするものですから、その職務の遂行に当たっては、過去の事件の反省も踏まえて、基本に忠実で、そして適正な捜査、公判の遂行に努め、それを積み重ねていくということが肝要だと考えております。 本法律案、内容について様々な御意見があることは承知をいたしております。修正の可否という御質問かと思いますけれども、法律案の修正につきましては、これは国会において御判断されるべき事項でございますので、内閣総理大臣としてはお答えを差し控えます。 ただ、様々な御意見はありますけれども、本法律案は間違いなく再審制度を大きく前進させるものであるということで、是非とも今国会で成立をさせていただきたいとお願いを申し上げます。
○打越さく良君 修正は国会が決めることということでしたけれども、総理はそもそも自民党のリーダーでもおありになるので、ここはリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。今の答弁は誠に残念でほかなりません。 そして、順番を、質問の順番変えまして、四番の方に行きますけれども、過去の再審無罪事件ですが、開示された証拠がメディアや支援者の方たちに共有されたことが原動力となりました。証拠は、冤罪被害者からの救済のためにも、歴史的な検証のためにも公益性が高いものです。冤罪被害者を救済するための再審法にしなければなりません。 弁護士職務基本規程十八条、あるいは開示証拠の複製等の交付等に関する規程三条、四条、弁護士情報セキュリティ規程三条などが既に証拠の適切な管理、利用を義務付けています。更に上乗せする、そして目的外使用を禁止する、そんなことは過剰ではないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 弁護士につきまして、御指摘のような倫理規程があるということは承知しております。弁護人による証拠の目的外使用は通常審においても法的に違法と位置付けられておりますので、その倫理規律があることをもって法律と同等の歯止めが利いて規定が不要になると言えるものではないと考えております。 他方、本法律案におきましても、弁護人による目的外使用が罰則の対象となるのは、対価として利益を得る目的であった場合に限ることとしております。また、違反した場合の措置についても、複製などの内容、行為の目的、態様などの個別事情を考慮することとしております。 ですから、本法律案による目的外使用の禁止というのが過剰な規制であるとは考えておりません。
○打越さく良君 知る権利を妨げ、冤罪被害者の救済を困難にする改正は不合理と言わざるを得ません。被害者等の権利利益の保護は、閲覧制限やマスキング、守秘義務などによって十分可能です。 いま一度、目的外使用の禁止、これを削除すると、そして、検証に付し、公益に資する、そうした再審法改正、御決断いただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 通常審の例でございますけれども、例えば、強制わいせつ事件の元被告人が捜査報告書などの内容をインターネットに掲載して有罪判決が確定した事案などが存在いたします。このように、刑事手続の過程で収集される証拠が本案の目的以外に使用されると、関係者の方々の名誉、プライバシーの侵害、また罪証の隠滅、証人威迫、今後の捜査への協力確保の困難化など様々な弊害が生じ得ると思っております。 そうした弊害を確実に防止するために、本法律案では、再審請求審でこの謄写された証拠の目的外使用を一律に禁止した上で、違反した場合の措置について、複製などの内容、行為の目的、態様などの個別事情を考慮するということにいたしております。 議員の御提案も傾聴に値するものであると思いますけれども、マスキングとおっしゃいましたが、適切なマスキング措置の実施ですとか、実効性の担保をどのようにするかといった点のほか、通常審の取扱いとの整合性も含めて十分検討すべきものと考えられます。現時点で再審請求審について通常審と異なる仕組みとすることは相当ではないと考えます。 ただ、本法律案の制度の下でも、証拠の複製などを再審手続やその準備に使用することはもとより許されますし、証拠の概要を伝達するなどの行為は禁止されておりません。目的外使用の禁止によって不当な事態が生じることはないと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○打越さく良君 無辜の民を救済するという強い御決意を伺うことができず、残念です。 今後、この後提出する立憲民主・無所属、公明党の修正案について皆さんの賛同いただきたいと強く申し上げまして、質問を終わります。
○小林さやか君 国民民主党・新緑風会の小林さやかです。今日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。 無辜の人が罰されてはならない、誤判からの救済は迅速に確実に行わなければならないという思いの下、本日まで議論を重ねてまいりました。 しかし、今なお課題が残されているのが、運用の部分なんです。証拠の開示勧告、そして検察官の任意の証拠の開示、これらが制度化されずに運用に任されています。運用次第ということは、検察官の属人性に頼らざるを得ないということです。 もちろん多くの検察官は使命感を持って業務に当たっていらっしゃいますが、しかし、近時、余りにも多くの検察の信頼を揺るがすような事案が相次いでいて、本当にあまねく検察官がきっちりとこの再審に関する手続を運用してくれるのか、証拠を隠したりしないのか、国民が信じられないという事態に陥っております。 総理、まず、この検察の信頼回復のための指揮監督、政府としてどのように行うお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 検察の活動というのは国民の皆様の信頼の上に成り立っております。検察権行使の適正さに疑いが生じれば、検察の活動の基盤を揺るがしかねないということは、先ほど来申し上げているとおりです。 検察当局におきましては、このような御指摘、御批判を真摯に受け止めて、過去の事件の反省や教訓を踏まえて、改めて「検察の理念」に立ち返って、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を自覚し、法令を遵守し、公正誠実に職務を積み重ねていくということが肝要だと考えております。 法務大臣において、検察の信頼回復に向けて適切にリーダーシップを発揮してもらいたいと考えております。
○小林さやか君 今おっしゃった「検察の理念」、これが今揺らいでおります。 様々な検察不祥事の中でも、私が特に課題に感じている事案、二つございます。一つは、大阪地検の元検事正による部下の女性検事への性暴力事案です。もう一つは、ここ数日来報道されております、東京地検の元特捜キャップが、捜査対象者の女性と不適切な関係になったり、金品などの提供を受けたとされる事案です。 私は、この大阪地検の方の事案に対して、この委員会でも、検察自身による調査だけではなく、ハラスメントの専門家を交えた第三者の調査、そして、退職者や今回の捜査関係者のような外部の人も広く被害申告できるような形式の調査が必要だと申し上げてまいりました。 数年前、陸上自衛隊で内部の性暴力事案起きたときは、防衛省、非常に迅速にこの調査に着手され、様々な被害申告があり、しっかり懲戒処分なども行われて信頼の回復につながりました。検察にこの件聞くと、内部調査で十分だと御回答されるんですが、ハラスメントは立場が非対称なところで起こります。上司と部下、捜査する側とされる側、生殺与奪の権を握られているからこそ、泣き寝入りして発覚しないんです。 総理、どうか、検察内部のハラスメントに関する第三者調査、検察の信頼性の回復のため行うべきだと指示していただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今、二つの例を挙げられました。 大阪地検の女性検事に対する元検事正の準強制性交等事件、これ、現在公判係属中ですから、所感を申し上げることは差し控えます。 また、現職の検事が、自己が捜査を担当した事件の関係者と不適切な関係に及んだ疑いに関しては、事実関係の有無も含めて調査を行っているというところだと認識しております。今、検察当局で調査中であるということに鑑み、所感を申し述べるということについては差し控えます。 ただ、御指摘いただいたハラスメント事案などの対策については、検察当局において、今年度、全職員を対象に行うこととしております。この調査に、ハラスメント調査につきまして、第三者の視点を加味するということで、委員が御指摘くださった趣旨に沿うような客観的視点を取り入れた取組を検討していると聞いておりますので、まずはその取組、注意深く見守ってまいりたいと思っております。
○小林さやか君 是非、広範に確実に行っていただきたいと思いますが、検察組織への信頼性がなければ、再審法の議論、前に進みません。どうかお心ある御対応お願いいたします。 さて、再審法の政府法案に対して、大きく二つの懸念がまだございます。冒頭申し上げました証拠開示です。 確かに、再審請求理由となる新証拠との関連性がある証拠については、裁判官による提出命令制度でき、総理が前進だとおっしゃいましたが、ただ、今まで行われていた新証拠との関連性を問わない幅広い証拠の開示、命令ではない勧告、これが後退してしまうのではないかという懸念が出ているんです。 関連性があるかどうかも分からない、もっと言えば、その証拠の存在があるかないかも分からない、これが出てこないことが最大の課題でございます。福井事件の報告書でも、アリバイにつながる重要な供述となるテレビ番組の放送日が全然違ったこと、検察官は気付いていたのに、新しい供述調書を知っていて出さないまま第一次請求審まで行ってしまいました。 このような運用が絶対に後退しないように、時に人は間違えます。全国隅々の検察官まで、附則四条の二で衆議院で修正されたような証拠開示の運用が適正になされること、証拠が隠されず出てくるということを、どうかお約束いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 運用、裁判所による証拠の提出、開示の勧告又は検察官による任意での証拠の提出、開示といった運用でございますが、本法律案における証拠の提出命令制度の新設によって否定されるというものではなく、むしろ、衆議院における修正で加えられた附則第四条第二項の規定によって、事案に応じて適切に行われていくことが条文上担保されたと、法文上担保されたと考えております。 本法律案が改正法として成立した後は、裁判所や検察当局は、今申し上げた運用上の措置について、従来より後退させないということはもとより、附則第四条第二項の趣旨も踏まえて、個別の事案に応じてこれまで以上に適切な対応に努めていくべきだと考えております。 政府としましても、この改正法の趣旨、内容を十分に周知をして、適切な運用の確保に努めます。
○小林さやか君 これまで以上にという心強いお言葉いただきました。今日、傍聴にいらしている皆さんもお聞きになったことと思います。そのように運用されるように、法務省におかれましてもお願いいたします。 最後に、もう一つの課題、目的外使用の禁止です。 被害者のプライバシー保護などのために必要だと、ずっと法務省、御説明されました。しかし、やはりこれ、一律の禁止には大きな課題があります。個別判断が必要です。 私も、前の仕事、ジャーナリストでしたが、性被害者の取材等してまいりました。尊厳傷つけるような写真や映像を出してほしくないと、その気持ちもとてもよく分かります。ただ、被害者の中には、自分の被害がなかったことにされたくない、世に訴えて改善を図りたいという方もいらっしゃいます。それに、個人のプライバシーに関わらない証拠もたくさんあります。 先日、こちらに福井事件の被害者のお姉様、参考人としていらっしゃいましたが、「夜のヒットスタジオ」の放映日はプライバシーに何も関係がない、しっかりと証拠を世の中に出して真犯人探してほしいという趣旨のことおっしゃいました。 総理、やはりこの証拠の目的外使用禁止規定は、一律禁止ではなくて個別判断にすべきだと考えます。どうか、お心ある御回答をお願いいたします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) この目的外使用についてですが、被害者を含む様々な関係者の方々の名誉、プライバシーに加えまして、やはり罪証隠滅、また証人威迫、また今後の捜査への協力確保の困難化といった種々の弊害は生じ得ると考えております。 そうした弊害を確実に防止するため、本法律案では、再審請求審で謄写された証拠の目的外使用を一律に禁止した上で、違反した場合の措置については、複製等の内容、行為の目的、態様など、個別事情を考慮することとしております。 委員の御提言も貴重なものであると思いますけれども、通常審の取扱いとの整合性も含めて十分に検討すべきものと考えられます。ですから、現時点で再審請求審について異なる仕組みとするということは考えておりません。 ただ、証拠の概要を伝達するなどの行為は禁止されておりませんので、目的外使用の禁止によって不当な事態が生じることはないと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○小林さやか君 通常審の規定自体に課題があるんです。そして、この運用もなお曖昧さが残りますから、是非ガイドライン等を設けて検証していただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終えさせていただきます。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 最初にまず、大臣にお伺いしたいと思いますが、再審請求には、許容される蓋然性があり、刑の執行により再審請求人が回復困難な不利益を被るおそれがあるときは、刑訴法では、再審請求の管轄裁判所の検察官が裁量的に刑の執行を停止できることとされています。しかし、この検察官の権限が行使された事例は少ないのが現状であります。 公益の代表者として、本改正案を契機に、刑訴法四百四十二条に基づく検察官の刑の執行停止権限の要件を柔軟に解釈するなどして、とりわけ高齢の再審請求者、こうした方々に活用すべきと考えますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 お尋ねの刑事訴訟法四百四十二条は、本文において、再審の請求は刑の執行を停止する効力を有しないとした上で、そのただし書において、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる旨規定いたしております。 同条ただし書の規定は、委員御指摘のとおり、再審請求が認容される蓋然性があり、刑の執行により再審請求人が回復困難な不利益を被るおそれがあるときは、検察官が裁量的に刑の執行を停止できるとするものというふうに承知をいたしております。 検察当局においては、個々の事案に応じ、同条ただし書の規定の趣旨を踏まえ、適切に対応するものと承知をいたしております。
○横山信一君 適切に対応するものというふうに言われましたけれども、少ないですよね。現実にまた再審請求者、多くの再審請求者の中には濫訴者もいるということは承知をしているわけですけれども、しかし、再審手続ができるかどうかも含めて、様々なハードルがあります。資金的な面もあるし、あるいは弁護団が付くかどうかという問題もあるし、そういう意味では、実際に接している、再審請求者の接している中で、大体白か黒かというのは大体分かるというふうに私は思います。そういう意味では、ここは柔軟な対応をもっと考えるべきではないかと思います。 次は総理に伺ってまいりますが、再審請求審又はその準備段階における国選弁護制度の創設、これについては法制審議会において議論された論点の一つでありました。最終的に答申には盛り込まれませんでしたが、例えば日弁連は再審請求審又はその準備段階における国選弁護制度の創設を求めており、また衆議院法務委員会における附帯決議においても検討が求められています。 再審弁護活動に要する費用は弁護団の寄附などによって賄われていますけれども、寄附だけで継続することは非常に難しいという現状もあります。日弁連が実施している再審支援活動もありますが、これはまた非常に狭き門ということで、審査も数年掛かるということ、日弁連が引き受けるかどうかについても数年掛かるという現状があります。 誤判救済の責務をこれは国が負っているわけですから、そういう意味では、再審請求の全てに国選弁護人を付けろというのは、これは現実的ではないにしても、この再審請求段階において国選弁護人が関与できれば、再審請求手続の合理化や効率化にも資すると思います。この国選弁護人の関与について、所見を伺います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 再審請求事件における弁護人の活動の意義ということについては、私も認識をいたしております。現行の刑事訴訟法においては、再審請求をする場合には弁護人を選任することができるとされております。 お尋ねの国選弁護制度なんですけれども、再審手続は、これ国選弁護人による援助を含む十分な手続保障と三審制の下で確定した有罪判決について例外的にこれを是正するという非常救済手段であるということ、それから、本格的な審理が必要となる事件がごく一部にとどまることと、同一の方が繰り返し再審請求を行う例も見られるということから、公費支出の必要性、相当性について疑問が残るといった御指摘があるということも承知をしております。 他方、本法律案では、再審開始決定が確定した事件で無罪判決が確定した場合には、再審請求手続に要した費用の補償をすることとしておりますので、その補償の範囲には、当然、弁護人に対する報酬なども含まれます。 この法律案につきましては、施行後五年ごとの検討条項を設けることとしております。また、衆議院における附帯決議もございますので、その機会に、御指摘の制度についても必要に応じて検討の対象になり得ると考えております。
○横山信一君 先ほど紹介した日弁連の再審支援活動に国が支援をするという形でも、これは僕は十分いいというふうに思います。 冤罪がなぜ起こるのか、検察組織による証拠隠滅、改ざんがなぜ繰り返されるのか、これは当委員会でも何度も議論をしてきたところであります。その原因は、私は、法務省刑事局の職員の多くが検察出身であり、人事交流が少ないと、深く閉ざされた役所だというところに原因の一つがあるというふうに思っています。 衆議院法務委員会によると、法務省刑事局に所属している応援職員を含んだ職員百六十五名のうち、裁判所出身は二名、弁護士出身はゼロ、検察庁出身は百四十六名、その他十七名ということですから、検察庁出身が実に八八%を超えているという、こういう状況にあります。他省庁ではあり得ない人事だというふうに思います。 まずは、法務省刑事局の入口を開放し、早急に人事交流を進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私は、重要なのは、罪を犯していない方が処罰されるというあってはならない事態が起きてしまったときに、その原因となった制度や運用を分析して改善を図っていくことだと考えております。 刑事司法制度に関しましては、近年においても、その時々に明らかになった課題に対応するため、証拠開示制度の拡充、取調べの録音、録画の導入、保釈に関する規定の整備など、様々な法整備が進められてきました。今回の再審手続の見直しも、様々な御意見がある中で、関係者が知恵を絞ってまとめたものですから、間違いなく再審制度を大きく前進させるものだと考えています。 行政組織におきましては、それぞれの部局の所掌事務に関して、その実情を十分に把握している人員を職員として登用して配置することも重要でございます。検察に関することを所掌している法務省の刑事局に検察庁出身者が多く配置されているということを一概に否定すべきではないと思っております。 ただ、他の組織と一定の範囲で人事交流を行うことにも様々な利点がございますので、法務大臣の下で、これは適切な組織との間で相互に人事交流を拡大するといった可能性についても適切に検討してもらいたいと考えます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○横山信一君 人事交流は是非進めていただきたいというふうに思います。同じ価値観を持っているだけではやはりミスが生じるというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子です。 総理、本日はありがとうございます。 総理の大変固い御決意、受け止めさせていただいて、いかに冤罪事件が生まれないような制度、運用をつくっていくかということが私どもの課題だと思っております。 そういう中で、今日は少し法務行政の背景について質問させていただきます。 三権分立、言うまでもなく、近代国家としては必須の仕組みです。そういう中にあって、実はこの冤罪の背景要因の一つに、裁判官と検察官の人事交流が一つあるのではないかと言われております。弁護士会などからも問題提起されておりますが、この判検交流人事、これがありますと、刑事裁判の原則である無罪推定に逆行して、有罪推定の状況を招きかねないのではないのかという懸念がございます。日本維新の会の政党マニフェストには、判検交流の禁止が明記されております。 そこで、まず最初の質問なんですが、判検交流という人事交流について、これまで、高市総理、何か問題があると意識したことはございますでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) いわゆる判検交流、この法曹界の人材相互交流のうち、裁判官の職にあった者からの検察官への任命、そして検察官の職にあった者からの裁判官への任命を指しておりましたが、現在は、元々裁判官の職にあった者が行政機関など主に法務省で勤務するために検察官に任命されて、一定期間経過後に再度裁判官に任命される形の交流のみが行われていると考えております。 このような人材交流というのは、法務省が所管する多種多様な事務の中には、裁判実務に精通する裁判官を任用することが有益なものもあります。また、裁判官が多様な経験を積むということは、多様で豊かな知識、経験を備えた視野の広い裁判官を確保することにもつながると思っておりますので、意義があるものと考えます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 実は、資料一と二に、二〇一二年には、この判検交流の問題を当時の法務大臣が重視しまして、禁止となりました。それから資料二に、刑事局では禁止になったんですけど、民事局では今も百名以上の裁判官が民事局で勤務しておられます。 こういう中で、今おっしゃったような人事交流の意味があるということですけど、質問二は時間的に厳しいので飛ばさせていただきますが、質問三ですが、資料三として、安倍元総理は、判検交流が、実は当時、安倍総理が二〇二二年七月八日に凶弾に倒れてしまいましたが、その直前に、この離婚後共同親権が、実は裁判官が法制審に入り、その人たちが作られた要綱に基づいて法案が進められているということで、この矛盾を指摘しておられました。そして、多くの当事者が望んでいた原則共同親権が選択的共同親権ということで、裁判官による裁判官のための法律になってしまったという批判もありました。 実は、この法案は今年の四月一日から施行されているんですけれども、離婚後の親子分離に苦しむ親、祖父母、当事者から子供や親に会えないという落胆の声が日々届いております。 総理、判検交流の廃止には法改正は不要です。総理自身の御判断で、もちろん必要な人事交流の余地は残した上で、言わば、より三権分立、確実にそれぞれの法案の審議ができるようにお願いできるでしょうか。
○委員長(伊藤孝江君) 嘉田委員、時間を過ぎておりますので、質疑をおまとめください。時間を過ぎております。質疑をおまとめください。
○嘉田由紀子君 はい。 これは、総理自身の判検交流への判断をお願いしたいと思います。
○委員長(伊藤孝江君) もう時間を過ぎておりますので、総理、御答弁は結構です。かなり時間過ぎております。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 我が国の再審及び刑事裁判に関連する課題について、高市総理に質問します。 私は奈良市の出身で、あやめ池小学校区で中学、高校と育ちました。四年前の七月八日、参院選の終わり頃に、奈良市内で大和西大寺駅前で安倍元総理が選挙演説中に暗殺される事件が起きました。民主主義を根底から脅威にさらす重大な事態であり、絶対に許されないと考えます。発生から四年経過し、今も控訴審の刑事裁判が続いていますが、現場は様変わりしてしまいました。 自治体が判断するという考え方もありますが、国の意思を示すという考えもあると思います。地元にお住まいだった総理として、事件をどう受け止め、また、事件の現場をどのようにすべきだと考えておられますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 四年前の七月八日というのは私にとって生涯忘れることができない日で、今も思い出すだけでつらいものでございます。 民主主義を脅威にさらすということは決して許されるものではないという委員のお考えについては、全面的にこれを共有いたします。 事件を風化させないようにという思いからの御質問だと思うんですが、それにつきましても、長年にわたって安倍総理と政治活動を共にしてきた者として深く感謝を申し上げます。 事件現場については地方自治体の管理下にあるところでありますので、これは、内閣総理大臣の立場としてその管理についてコメントすることはできません。ただ、代わりに何とか追悼の場をということで、多くの方の、多くの有志の皆様とともに、奈良市内に留魂碑を建立させていただくなどいたしております。
○安達悠司君 参政党はふだんから、民主主義の基盤である街頭演説の安全確保が重要だと考えておりまして、選挙妨害、演説妨害の処罰についてもより実効的な立法措置をとることを強く求めてきました。 今国会で成立しました公職選挙法及び情報プラットフォーム法改正案の附則には、党代表の強い要望で、選挙のための街頭演説や公職の候補者等の演説妨害に対する処罰の検討規定が設けられました。 高市総理は、民主主義の基盤である街頭演説の安全確保のため、演説妨害の処罰や取締り強化について具体的にどのような法整備が必要だと考えておられますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 一般論として申し上げますと、選挙を妨害する行為というのは、その時期や態様によって、公職選挙法や刑法などに規定する罰則の適用対象となり得るものでございます。これは、捜査機関において法と証拠に基づいて適切に対応するべきだと考えております。 街頭演説に対する妨害行為への規制の在り方というのは、表現の自由や政治活動、選挙運動の自由に関わる重要な問題ですので、これは各党各会派で御議論いただくべきことだと考えております。
○安達悠司君 最後に、戦争裁判についてお尋ねします。 占領下で連合国が行った東京裁判に関し、法務省は、昭和三十一年から十八年間にわたって当時の資料を調査、収集する事業を行いました。現在、六千三件の資料が国立公文書館に移管されていますが、法務省はもう当時の事業がどういったものであったかということを具体的に説明できなくなっているということであります。 戦犯裁判の検証というのは、我が国の戦後の歴史にとって極めて重要でありまして、また先人が残した貴重な資産だと考えますが、高市総理は、残された資料について法務省が再び説明ができるよう、改めて調査を実施するよう求めるお考えはありませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 戦争の記憶を継承していくということは非常に重要だと考えます。 その資料ですけれども、昭和三十年頃から収集、整備されて、昭和四十八年頃までに戦争犯罪裁判概史要としてまとめられたものです。これらの資料については、既に国立公文書館に移管されて、国民の皆様の利活用に供されております。 これとは別にお尋ねの再調査を行うようなことになりますと、法務省に膨大な資料を再度移管して、これを改めて分析をするという大変な作業を要することになりますので、再調査を実施するかどうかということについては現時点で慎重に判断しなければならない、直ちにこれを行うべきものとは考えておりません。
○安達悠司君 我が国の戦後の民主主義を、もちろんいい面もたくさんありますが、同時に、やはり憲法ですとか、あるいはこのような東京裁判を始めとする戦争裁判といったものが、私たちは本当に改めて、日本の自立、それから独立のために見直すべき時期に来ているのではないかという考え方もありますので、高市総理におかれましては、是非とも今申し上げた質問の趣旨についても改めて御検討いただきまして、また、これから日本の自立と発展のために共に歩んでまいりたいと私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 袴田事件の再審無罪判決は、いわゆる五点の衣類について捜査機関によって捏造されたものだと判示いたしまして、この事件の核心的争点に決着を付けたと思います。 にもかかわらず、捜査機関の捏造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ない、被告人が犯人であることの立証は可能である、到底承服できないなどとした検事総長談話が出されたままなんですね。その総長、今も検事総長をしておられるわけです。これは、検察組織ぐるみで裁判制度と司法の独立を否定するということに等しいのではありませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今おっしゃった検事総長談話というのは、いわゆる袴田事件が社会的に多くの耳目を集めており、再審手続が相当長期間に及んだことなどから、検察当局において再審無罪判決に対して不控訴の判断をした理由や過程を一定程度説明する必要があると判断して公表したものと承知しております。 もとより、裁判制度や司法権の独立を否定する趣旨で公表したものではないと理解をしております。
○仁比聡平君 その物言いが検察のおごりですよね。だって、確定した判決に強い不満を抱かざるを得ないと言い、被告人が犯人であることの立証は可能であるという言葉、表現をそのまま使い、そして、到底承服できないというわけでしょう。これが今の日本の検察のトップの姿勢であり、それを正当化しているのが、高市総理、今の発言ですよ。 これ、何もたらすのかと。冤罪、福井女子中学生殺人事件で、再審無罪判決は、検察、警察の活動についてこう言いました。あるまじき不誠実で罪深い不正の所為、捜査や公判での立証に行き詰まりを感じ、被告人を立件して有罪に持ち込みたいという思惑を強く有していたと。 ところが、名古屋高検の調査報告書では、この虚偽の目撃証言がどのように作られてきたのか、捜査の全容についての検証、解明というのは欠落をしています。社会的注目を集める重大冤罪事件にもかかわらず、検察官は、多数の事案の決裁を行う決裁官について、個々の事件記録の隅々まで精読、検討することは事実上困難であるなどとしているんですけれど、私は、これは組織ぐるみだという批判から逃げおおせようという弁明にすぎないのではないかと思うんですね。 国として、こうした事件、再審無罪事件についての第三者による検証を、総理、指示すべきではありませんか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 先ほどおっしゃった件、検事総長談話の具体的な記載内容を挙げられましたが、あの、被告人が犯人であることの立証は可能という記載、これは、令和五年の東京高裁決定を踏まえた対応の項に記載されているものです。あくまでも再審公判に臨む方針を決めた時点、具体的には令和五年七月の時点での検察の考え方を記載したものにすぎず、令和六年十月の再審無罪判決確定後もなおも袴田さんを犯人視したり、裁判制度や司法権の独立を否定する意図に基づくものではありません。 そして、今お尋ねの第三者による個別の刑事事件の検証を行うということは、司法権の独立の観点から問題が生じるほか、関係者の名誉、プライバシーを侵害するなどのおそれがあるということで、慎重な検討を要すると考えております。
○仁比聡平君 名誉、プライバシーを侵害しない、そこを丁寧に扱った上での国による検証、第三者による検証というのは可能ですよ。それは今、日本社会でしっかり行われてきているわけですね。一人、検察だけが権力者目線でいいのかと。 袴田事件の先ほどの談話について、令和五年の表現ですとおっしゃったけど、総理、三年前のことでしょう。袴田さん、これだけ長きにわたって人権を侵害しておいて、三年前まで犯人だと立証できると言ってきたのが検察だということですよ。だから反省がないと言っている。しっかり肝に銘じていただきたいと指摘して、今日は終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。 本日は、お忙しい中、総理、ありがとうございます。 せっかくいただいた機会ですので、私の方からは、罪を犯す可能性のある外国人の入国についてはできる限り制限すべきであるという観点から御質問いたします。前段部分がやや長くなりますが、御容赦ください。 資料一、二は、イギリスの学術雑誌に二〇一五年に発表された、ヨーロッパにおけるイスラム教徒の方の意識調査の結果でございます。 これを見ますと、イスラム教徒の方の場合は、約六五%の方がコーランの教えは法律より重要と考えているということです。これはいわゆる移民二世となってもほぼ変わりません。キリスト教徒で聖書の教えは法律よりも重要と考える割合は一三%程度ですので、イスラム教徒の方の場合はこうした考えの方の割合が格段に高いということが言えます。 これは、法律とコーランの教えが矛盾、抵触する場合には法律を守らないとする考え方に傾斜しやすい意識ですから、イスラム教徒を我が国に受け入れるかどうかというのは、日本の法秩序、社会秩序を守る上で極めて重要だと考えています。 これとの関係で大変参考になるのが、EUが移民の受入れを義務として、その結果、中東、アフリカなどのイスラム諸国から大量の移民を受け入れた結果、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデンなどでは治安が著しく悪化し、もはやかつてのイギリスではない、かつてのフランスではないなどと言われる状況になっています。これに対して、EUの義務に抵抗して移民の受入れを断固拒否したハンガリー、ポーランド、チェコ、スロバキアなどは、従前どおりの治安を維持しています。これは実に参考になる事例だと考えています。 政府は現在、外国人との秩序ある共生を掲げていますが、日本社会における共生とはどうあるべきかと考えたときに、日本の法律を守るのはもちろん、文化、習慣、社会秩序などに対する理解や配慮が十分にある外国人、これは我々は善良な外国人の方と考えていますが、そうでなければ成り立たないというふうに考えています。日本の法律よりもコーランの教えが重要であると考えるイスラム圏の方々との共生が本当に可能なのか、政府としても一度立ち止まってよくよく考え直すべきではないのか。 また、こちらも資料を配付しておりますが、イスラム過激派の中には、異教徒の女性は性奴隷にしてもよいと考えるものもあります。これは、我が国の法秩序とは決して相入れないものであることが明白です。 これらの点も踏まえ、イスラム圏からの外国人の受入れについては極めて慎重に考えていくべきだと考えますが、この点についての総理の考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 外国人の受入れの在り方につきましては、担当大臣の下で、省庁横断的に、中長期的かつ多角的観点から具体的な調査検討を進めている最中です。 外国人の受入れが我が国の社会、経済、文化、治安などに与える影響の有無、程度などについて、北村委員御指摘のように、出身地や、出身国や地域によって一定の類型化ができるかどうかというのは慎重に見極める必要があると考えられますけれども、宗教などを含む諸課題を整理しながら、外国人の受入れの在り方について政府全体での検討を着実に進めてまいります。
○北村晴男君 ありがとうございます。 先ほどお示しした研究成果は極めて重要な資料だと思いますので、これについても十分検討していただきたいと思います。 さて、当然ながら、共生可能なイスラム教徒の方もたくさんいらっしゃいます。どのように線引きするかというのは極めて難しい問題だと考えていますが、例えば、簡単な質問を発して、その考え方、その人の考え方をある程度確認した上で対応していくということも可能であると考えます。 日本の法令とイスラム法典が矛盾、抵触する場合、あるいはその方が信じている教義と矛盾又は抵触する場合にどちらを優先すると考えるかという質問を発して、日本の法令を優先すると明確に回答しない方については、上陸拒否の対象とするとか入国を拒否する、退去強制の対象とする、在留を許可しない、在留更新、在留期間の更新を認めない、国外退去を促すなどといった措置をとることが適切と考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 出入国管理当局におきましては、日頃から国内外の関係機関とも連携しながら、外国人に関する必要な情報を収集して、厳格に出入国在留管理を行っております。一人一人の外国人について、我が国への入国や在留を認めるか否かを慎重に判断しております。 そうした中で、犯罪を行う可能性の高い外国人について客観的なデータに基づく一定の類型化ができるのであれば、その送り出し国とも連携するなどして取り得る対策を検討するというのは当然行うべきだと思います。 また、委員御指摘のような質問状、アンケートのような方法がよいのかどうかは検討する必要があるものの、例えば我が国に入国しようとする外国人に法令遵守の意思を確認する方法として、外国人入国記録にその旨を記載されるということなどについては今後検討させてみたいと思っております。 アメリカなどでは、これビザの申請ですね、申請時に、その法律を守る、イリーガルアクティビティーとかこれ質問事項があって対応するフォームがありますので、検討をさせたいと思います。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○北村晴男君 ありがとうございます。 是非検討をお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(伊藤孝江君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(伊藤孝江君) 速記を起こしてください。 本案の修正について打越さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。打越さく良さん。
○打越さく良君 私は、ただいま議題となっております刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対し、立憲民主・無所属及び公明党を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 罪を犯していない人が処罰されることはあってはならず、仮に犯人でない人を有罪とする確定判決があれば、速やかに是正するなどして救済する必要がありますが、近時において、一部の再審無罪事件で再審の請求から再審無罪判決の確定までに相当な期間を要し、再審請求者等に大きな負担を生じることになっています。この要因として、捜査機関による裁判所不提出証拠の開示や提出までに多くの時間を要している、再審開始の決定に対する検察官の機械的、画一的な不服申立てにより再審の手続が長期化している、再審請求審の手続に関する規定が乏しく、裁判所の裁量に委ねられている部分が多いことから、再審請求者等に対する手続保障が十分ではないといった指摘がなされています。 政府は、今般、本法律案を提出しましたが、かかる法案では根本的な解決には到底及びません。 政府原案には、裁判所不提出証拠の内容や量について再審請求者や弁護人が知り得る方法がなく、また、裁判所不提出証拠を直接開示する制度がないため、無罪につながる可能性がある証拠を再審請求者や弁護人が手に取れません。これまでの再審無罪事件においては、裁判所不提出証拠の中に無罪につながる証拠が存在している可能性が高いことを考えれば、これでは冤罪被害者の救済にはつながりません。 政府原案では、審判開始の決定をした裁判所が検察官に対して証拠の提出を命ずることができる制度が創設されますが、再審請求理由との関連性、証拠を提出させることの必要性や相当性を要件としているため、提出される証拠の範囲が狭まり、再審請求者や弁護人が真に必要とする証拠が裁判所に提出されないことが大いに想定されます。 政府原案は、証拠の複製等の目的外使用の禁止とこれに係る罰則規定を新設していますが、支援者や報道機関に対する証拠の複製等の交付が目的外使用に当たる可能性を危惧して萎縮効果が生じ、支援者等による証拠の複製等の共有が困難となってしまいます。これまでの再審無罪事件において支援者等による実験実施の結果から再審無罪判決につながった事例がありましたが、その道も閉ざすことになります。 政府原案では、再審開始の決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止していますが、例外的に不服申立てをすることができる抜け道を残しています。これでは原則と例外が逆転する可能性が否定できず、不服申立ての理由等を公表する規定を設け、慎重かつ限定的な適用を担保していると答弁していますが、冤罪被害者の迅速な救済を妨げることにほかなりません。 今後の課題として、捜査機関が作成した書類や収集した証拠物はどのような内容のものか、量はどの程度あるかなど、その全貌を明らかにするとともに、これまでの捜査機関による証拠のずさんな保管、管理を改め、その在り方を十分に検討する必要があると考えます。 以下、修正案の概要について御説明申し上げます。 第一は、審判開始の決定をした裁判所は、必要があると認めるときは、検察官に対してその保管する証拠の一覧表を再審請求者又は弁護人に提供することを命ずることができる規定を追加することとしております。 第二は、審判開始の決定をした裁判所は、検察官が保管する証拠について、再審請求理由との関連性を要せず、再審の請求についての裁判をするために提出を受けることの必要性の程度並びにその提出を受けた場合に生じるおそれのある弊害の内容とその程度を考慮し、相当と認めるときに、職権によって、検察官に対し、証拠の提出を命ずること及び再審請求者又は弁護人に対する証拠の開示を命ずることができる規定を追加することとしております。なお、証拠の開示命令をすることができる規定については、裁判所において開示の時期若しくは方法を指定し、又は開示の条件を付することができることとしております。 第三は、証拠の複製等の目的外使用の禁止及びこれに係る罰則規定を削除することとしていること及び裁判所が審判開始の決定をした後に検察官から提出を受けた証拠を弁護人に謄写させる場合に、その証拠の複製等の使用目的を制限し、その他適当と認める条件を付することができることとしております。 第四は、再審開始の決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することとしております。 第五は、政府において、この法律の施行後一年を目途として、捜査機関が作成した書類及び収集した証拠物の目録の作成並びに証拠の適正な保管の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定を追加することとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(伊藤孝江君) これより本案及び打越さん外二名提出の修正案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○こやり隆史君 自民党のこやりでございます。皆さん、お疲れさまであります。 先ほど総理の答弁にもありましたように、この再審法の規定、これが大きな前進であるという力強いお言葉をいただきました。八十年、約八十年ぶりの改正でありますし、もうこれしっかりと運用をしていくということが、その総理が言う大きな前進につながるというふうに思っています。 さて、この再審法というか刑訴法の改正案につきまして、本当に、二度の参考人質疑も含め、様々な観点から、様々な立場から御意見が表明をされました。先日の参考人質疑においても、これは目的外使用の論点が大きかったと思いますけれども、同じ被害者の立場に立っていても、それぞれの参考人の意見は賛否が分かれていました。 それぐらいいろんな考えがあり、また、ある規定は表も裏もあるというか、いい面もあるし悪い、悪いと言ったらあれですけれども、反面、何というか、課題もある、そういったものの集合体がまさに制度であるというふうに思っています。 これまでの議論を聞いていると、大きく少し課題だと思ったのは、通常審における課題と再審における課題、これが相互に関連し合っているというか、混在をしているということが一つ大きな課題であるということと、やっぱり、今回の規定をしても、やっぱり検察であったり裁判官であったり、そうした方々に対する不信、これが根底にあって、せっかくこの規定を作っても、それが、法の趣旨、あるいは、今、これまで本当に審議をされてきたその思いが、その法の趣旨に反する、それを理解した上での運用がなされないんではないか、その懸念が根底にあって、それが賛否の意見にも大きく影響を及ぼしているんじゃないかというふうに思っています。 もとより、我が国の司法制度、これの根底は、三審制度、これがしっかりとまず機能させなければなりません。そういう意味で、この三審制度をしっかりと国民の皆さんに信頼いただけるように、更に改善すべきはしっかりと改善していくこと、これがもうまさに前提になります。 その上で、今回の約八十年ぶりのこの再審規定、これが大きな前進として、まさに今審議をいただき、今修正案も出ていますけれども、歩み出そうとしています。その中で、この不信感を、やっぱり違うと、これまでと違うんだと、しっかりこの規定の趣旨を踏まえて検察と裁判所はしっかり運用する、裁判所は職権制度の下にこれをしっかり適切に運用する、そのためには、個々の検察官あるいは個々の裁判官、これにしっかりとこの趣旨を徹底させる、これはこれまで以上に大事だというふうに思っていますけれども、その覚悟と取組について、それぞれ伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘のとおり、刑事司法制度がその機能を適切に発揮するためには、国民の皆様の信頼に支えられることが極めて重要であると考えているところでございます。 その信頼を確保するためには、御指摘のとおり、まずは三審制、捜査も含めまして、通常審が十分に機能することが不可欠であると考えております。これらに関して、制度、運用の両面につきまして、様々な御意見があるところではございますけれども、こういったことについて法務当局としても不断の検討を行っていくことがまずもって重要だというふうに考えるところでございます。 また、本法律案は、近時の再審無罪事件における様々な御指摘を踏まえて、御指摘のとおり、戦後一度も改正がなされなかった再審に関する規定について、より適切に機能するようにするための法整備を行うものでありまして、重要な意義を有しているものと考えているところでございます。 その上で、本法律案の趣旨を全うするためには、もとより法整備を行えば足りるというものではないのはまさしく御指摘のとおりでございます。この議論の中で、与党内における議論もそうでありますし、衆議院、参議院における法務委員会における議論をお聞きして、やはり通常審も含めて、検察不信という声が極めて強いことを実感した次第でございます。 その上で、国民の皆様に信頼されなければ刑事司法の目的の実現そのものが不可能になるわけでありますので、こうした議論の内容も含めまして、検察庁に対しまして、改正の趣旨、内容、こういった議論の内容を周知を徹底いたしまして、全国の津々浦々の現場の検察官にその趣旨等がしっかり伝わる、そして、それを踏まえた運用が着実に行われるように法務当局としても最大限の努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 本法律案が成立した場合には、再審請求手続においてこれまでなかった制度が導入されることになります。これには、近時の刑事再審をめぐる諸情勢、特に一部の再審請求事件について審理の長期化が指摘されるなどしたことが契機となっているものと認識しておりますし、この国会での議論を通じましても、裁判所の果たすべき役割の重さ、重要性、これを再認識しているところでございます。 最高裁事務当局といたしましても、全国の裁判官に対し、この法律案の内容や趣旨はもとより、これによって導入される諸制度の適切な運用を確保するため、この国会における議論の過程で様々示された論点やこれに対する議論の状況を含め、周知を徹底してまいりたいと考えております。 また、手続遂行の責任を負っている裁判官において、審理運営上の課題やこれを克服するための工夫例を過去の再審請求事件から学び、広く共有していくことはとても重要なことであると認識しております。 最高裁といたしましては、裁判官同士が新たに設けられることとなる諸制度のほか、審理運営上の留意点についても改めて議論を深めることのできる機会を設けていきたいと考えておりますが、これについても、その議論が充実するように検討してまいりたいと考えているところでございます。そして、その議論の内容等につきましても、裁判所内で広く共有を図ってまいりたいと考えております。
○こやり隆史君 しっかりこれ、従前以上に覚悟を持って組織に周知徹底されるようにお願いをしたいというふうに思います。 ちょっと順番入れ替えまして、次、三番目。目的外使用について先ほども言及をいたしましたけれども、先日の参考人の御意見、本当に傾聴に値するものだったというふうに思います。やっぱりインターネットというこの情報の流布のスピード、これを考えると、やっぱり従前以上にこの情報であったり証拠の中の様々なもの、これを慎重かつ適切に取り扱わないといけない。これはもう皆さん同意いただけるというふうに思っています。 目的外使用について運用次第でという話もありますけれども、先ほど総理が、通常審との連続性という話がありました。我々考えないといけないのは、再審の前に通常審があるということであります。通常審では目的外使用は禁止をされています。その上に再審があって、仮にこれを、目的外使用禁止をやめたら、結局、我々がもし証人になったときに、どれが再審に回るか分からないわけですね。だから、結局のところ、どれだけ通常審でその目的外使用を徹底しようが、再審の段階でこれが解除されるとなると、結局全ての案件について目的外使用という効力を減殺されるということになると私は思います。 そういう意味で、目的外使用というか、情報を適切に取り扱うためにどういう規定が必要かという議論はあると思いますけれども、安易に、この再審だけの影響でとどまるかというと、通常審まで影響が及ぶということは我々は認識をしながら規定を考えないといけないというふうに考えております。 いずれにせよ、要は、さりとて、弁護人であったりとか支援団体がこの証拠をもって検証をしたり、再審理由に、そのバックボーンを固めるときの利用に影響を及ぼしてはこれはいけません。 そういう意味で、確認ですけれども、この規定が、検察が判断をしていくことになると思いますけれども、そうした核となるその活動の萎縮に絶対につながらないということを確認をしたいというふうに思います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘のとおり、とりわけ現代社会におきましては、刑事手続の過程で収集された証拠が本来の目的以外に使用されると、様々な弊害が生じるということでございます。他方で、再審請求事件における支援活動や報道の意義についても十分に認識しているところでございます。 本法律案では、再審請求審で謄写された証拠の目的外使用による弊害を確実に防止するため、これを一般に禁止することとした上で、違反した場合の措置については、改正後の刑訴法四百四十五条の五第二項によりまして、複製等の内容、行為の目的、態様、関係人の名誉や私生活、業務の平穏が害されているかどうかなどの個別の事情を考慮することとしております。 これにつきまして、違反した場合の罰則があるわけでありますけれども、これを運用するのは検察当局ということになりますが、仮に罰則に該当する行為があったと認められる場合であっても、公訴を提起するかどうか等の判断に当たりましては、この趣旨を踏まえまして、個別事案ごとに、この先ほど申し上げました項に規定されている諸事情、すなわち複製等の内容とか行為の目的、態様、関係人の名誉や私生活、業務の平穏が害されているかどうかなどを考慮して対応するものと考えているところでございます。
○こやり隆史君 まだ幾つかの質問用意していたんですけれども、要は審議の最初からもう論点は絞られていて、関連するか関連しないかとかも含めて、要はこっちから見るかあっちから見るかでいろんな意見が出てくるんですけれども、要は、大事なのは、冒頭申し上げましたように、この規定どおりあるいはこの趣旨どおりにしっかり運用されて、それが今回、まさにこの措置によって、例えば抗告においても、この抗告をもしした場合にでも、しっかりと国民の皆様一般に理解できるような情報提供がされるというふうに思います。 だから、その一件一件によって、やっぱり検察の姿勢であったりとか、そういうことが判断されるようになるというふうに思いますので、やっぱり常に国民の皆様を意識しながら、今回のこの改正刑訴法に基づく運用を、冒頭、裁判官と検察について言いましたけれども、やっぱりこれは弁護士、弁護側もそうだと思います。それぞれ三者が適度な緊張感を持ってそれぞれの審判に挑みながら統一のルールによってその趣旨を曲げないように運用をしていく、これしかできないと思います。しかも、これが一番大事だと思いますので、それを肝に銘じて組織内で徹底をしていただき、再審の審判がうまく救済措置としてやっぱり機能してきたと、あの改正があってよかったというふうに評価されるように、しっかりと胸に刻んで運用に努めていただきたいというふうに思います。 以上です。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、若井敦子さんが委員を辞任され、その補欠として見坂茂範さんが選任されました。 ─────────────
○牧山ひろえ君 我が修正案に対する質疑に先立ちまして、冤罪事件の検証について伺います。 我が国では、再審無罪が確定すると、無罪になってよかったで終わってしまう、そういった傾向がございます。しかし、本来はそこからが制度改革の出発点だと思うんですね。なぜ無実の人が起訴され有罪とされたのか、なぜ無罪方向の証拠が開示されなかったのか、なぜ再審開始まで数十年もの時間を要したのか、警察、検察、裁判所、鑑定、弁護活動のどこに問題があったのか、これらを検証しなければ同じ過ちを繰り返すだけです。 袴田事件では、再審無罪判決において、捜査機関による証拠の問題が極めて厳しく指摘されました。福井事件、日野町事件でも、証拠の扱いや手続の長期化について制度的な検証がやはり必要です。 私が求めているのは、個別の裁判に介入することではございません。無罪が確定し、そして裁判が終結した事件について第三者を交えて原因と過程を検証し、その結果を法律や運用の改善につなげることです。 国会には国政調査権がございます。少なくとも、袴田事件を始めとする重大な冤罪事件について、まず国会による検証を受け入れてくれませんか。法務副大臣の見解を伺います。そしてさらに、独立性のある第三者機関による検証を行うべきではありませんか。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 今御指摘をいただきましたこの国政調査権、これ憲法六十二条に認められるものだというふうに承知をしておりまして、この中で、この国政調査権というのは、国会が有する立法権についての補助的機能を有するものというふうに解されるのが一般的だと思いますけれども、大きな意味でいうと、これ民主的なコントロールをどういう観点でどの範囲で及ぼし得るかというような議論なんだろうというふうに承知をしております。 御案内のとおり、民主主義と自由主義というものがありまして、多くの方の意見をしっかりと聞いてそれに基づいてしっかりとコントロールしていくというのが民主主義的な視点。そういう意味では、まさに国会というのはその権能を果たしているわけでございます。一方で、個人の人権をしっかりとどのように保護していくかというのが自由主義的な視点でございまして、この自由主義の観点から、個人の人権の尊重を守るものとして司法権というものがあり、そういう意味では、七十六条に基づいてこの司法権の独立というものが高く保障されているというところでございます。 そういった中で、検察権の行使というのは、まさに司法権に準ずるもの、一般的に司法権に準ずるものというふうに言われておりますけれども、起訴便宜主義というものが与えられておりまして、刑罰権を行使するか、そういったものを発動するかどうかというのは、唯一検察しか握っていないと。そういう意味では、極めて司法権に準ずるものということで、独立性というものを高く考えていかなければいけないというのはそもそもの大前提にあるということはまず是非とも御理解いただきたいと思います。 その上でなんですけれども、先ほど来、この高市総理もお話をされておりました検察権の行使というものは、大前提として国民の信頼というものによって立つものでありまして、どのようにしっかりと信頼を得て活動していくのかということが非常に重要でございます。その意味では、これまでも法務省として、法令の許す範囲内において、この国政調査権、あるいはそれを背景とした国会や委員会における各議員の先生方の御質問等々に対してはできる限り協力すべきものとして認識をしてまいりましたし、これまでもそういった形で丁寧に説明をしてきたところでございます。 一方で、先ほどお話をした観点から、あっ、そうです、起訴便宜主義って、これ原則としてですね。特別な場合もございます、強制起訴等々がありますのでそれは別として、それは失礼いたしました。それは訂正いたしますけれども。 基本的には極めて独立性の高い組織として理解をしていかなければいけないというところでございますので、そういう意味では、この国政調査権に基づいてそういった様々な検察当局の活動の当否を検証するということについては、検察権の行使の独立性を損ないかねない。それから、どうしても、この検察権の行使に関して言うと、司法権の在り方そのものにも踏み込んでいかなければいけないという観点からいえば、この裁判所の判断、それが訴訟指揮ですとか判決、そういったものも評価するものとならざるを得ないということになることを考えると、司法権の独立の観点から問題が生じるということもございまして、慎重な検討を要するものというふうに考えております。 加えて、先ほど二つ目の点として御指摘いただきました第三者委員会についても、やはりこの司法権の独立という観点から、そういった司法権の行使の在り方が適切かどうかというのは、まさに司法権に基づいて判断をしていただくということが適切であるというふうに考えておりますので、それ以外のもの、機関を使って適否を考えるということは、現行の憲法との適合性というものも問題になってくるものというふうに承知をしております。 以上です。
○牧山ひろえ君 さんざん司法権の独立について語ってくださいましたけれども、係属中の裁判に政治が介入し、裁判の結論を左右してはならないという原則は分かっております。 もうその上で、その一方で、無罪判決が確定した後に制度上の問題を検証することまで禁じるものではないということは御存じですよね。むしろ、裁判所が証拠の捏造、意図的な証拠隠しと認定した問題を立法府が放置する方が、私は国民の司法への信頼を損なうことになると思うんですね。ですから、間違った解釈ですよ、今のは。 少なくとも重大な再審無罪事件については第三者を含む検証を行って、そしてその結果を法制度の見直しにきちんとつなげることを今後の検討課題として明記すべきであると考えます。さらに、冤罪白書を私は作るべきだと提案申し上げます。 続きまして、我が修正案についてですけれども、裁判所による証拠提出命令の実効性を高めること、そして証拠の目的外使用禁止規定を削除すること、そして再審開始決定に対する検察官の不服申立てを禁止することに修正を加えた再審制度の根幹に関わる重要な内容と考えます。 昨日予定されていた参考人質疑では、福井事件で長年冤罪と闘ってこられた前川さんが出席を見送られました。採決日程が決まっているのであれば自分が国会で話をしても意味がないと、そういった思いで出席を見合わされたという非常に重大なことが起きました。私は、このことを四十年近く苦しみ続けた当事者の立法府に対する重い問いかけだと受け止めております。 政府案の原案、また衆議院での修正では冤罪被害者の確実な救済にはならないことは、もうこの審議を聞いている皆さん、そして国民の皆さんも十分御理解いただいたと思います。この修正案の質疑を通じて、真の法改正を議論したいと思います。泉議員、よろしくお願いいたします。 まず、証拠開示命令につきまして、政府案の原案では開示される証拠の範囲が限定的で、そして関連性などで制約されています。衆議院の修正案でも勧告は可能としていますが、結局、検察に提出義務はないわけです。この問題点に対して修正案はどのように対応したのか、お答えください。
○泉房穂君 御答弁申し上げます。 今委員から御質問もございましたが、この間の衆参両院での審議も踏まえまして、多くの委員に御賛同いただけるという観点から、五つの論点に整理し、修正案を提出したものと理解をしております。 御質問のまさに証拠開示こそ一番の生命線でありまして、いわゆる関連性を問う形の制約された狭い開示では足らないんだと、幅広い開示が必要だという多くの声を受けまして、修正案を提出した経緯でございます。 大きくポイント四点ございます。何よりも第一は、狭い制約されたものではなく、幅広い証拠開示であること。二つ目は、いわゆる提出型にとどまることなく、弁護人側への直接開示も含めて規定していること。加えて、委員御指摘のとおり、勧告というお願いではなく、命令という形でしっかりと検察サイドに義務を課す内容になっております。 もっとも、当初の議連案などは、命令しなければならない的な裁判所に対する義務規定の面がありましたけど、今回につきましては命令することができるというできる規定でありまして、まさに職権主義的な訴訟指揮権に基づく、まさに今回の訴訟構造に適合した内容だと理解をしております。
○牧山ひろえ君 次に、目的外使用についてお伺いします。 これまで証拠の目的外使用の禁止に規定がなかったんですが、政府案では、わざわざ罰則付きの禁止規定を入れました。これに対して衆議院では批判が相次いだことから、五年ごとの検討対象となりました。この問題点に対して、修正案ではどのように対応したのか、お答えください。
○泉房穂君 これも大変重要な論点でございます。 まず、大前提、委員御指摘のとおり、このいわゆる再審法、七十八年ぶりの改正と言われますが、これまでこの再審の場面においての禁止規定はありませんでした。この再審において特に弊害など問題も生じておりません。実害ないんです。立法事実そのものは存在しません。にもかかわらず、いきなり全面禁止というテーマでございます。 いろいろ犯罪被害者、性被害者などのプライバシーなどが言われますけれども、具体的に考えたときに、袴田さんの事件の五点の衣類のカラー写真や、福井事件におけるテレビ放映日の捜査報告書、また日野町事件の写真のネガというものが、そういったプライバシー侵害に当たるようなものではありません。 すなわち、個別具体的に対応すれば足りるテーマでありまして、今回の修正案につきましては、全面的な一律な禁止ではなく、個別に条件を付けながらバランスを取る、すなわち性被害者などとのバランスは当然取れるわけですけれども、加えて、ある意味、冤罪の被害者は、国家による、国家の犯罪的行為によるまさに被害者でありますから、両方の、双方の被害者のバランスを取れる内容としている認識でございます。
○牧山ひろえ君 続きまして、証拠の一覧表について規定がない原案に対して、衆議院の修正では五年検討となりました。修正案ではどのように進化しましたか、お答えください。
○泉房穂君 証拠の一覧表につきましても、これも超党派のもう議員連盟が検討した中でも、やっぱりこれはどうしても必要という意見の中で規定されていたものであります。まさに今回の修正案は、そういった超党派の議員連盟の意見なども踏まえ、また、この間の質疑で、やっぱりこれがないと弁護人側としても請求主張しようものにも取っかかりがない状況であります。 このことは、決して職権主義と矛盾するものではございません。まさに、真実を発見するためにも、弁護人側が最も詳しい、いわゆる再審請求人や弁護人側が証拠というものの全体像を把握し、その中で、ある意味、立証を組み立てる状況の中においてより真実が発見できるものでありまして、職権主義と矛盾するものではなく、必要なものだと考えております。 提出につきましては、裁判所が命じることができ、いわゆる再審請求人が弁護人側に交付するスキームを取っております。
○牧山ひろえ君 続きまして、証拠の保管については、これまで不当な廃棄や証拠隠しが問題とされていましたけれども、政府案では規定すらないわけです。問題点を指摘されながらも、何ら対応策は取られなかった。これまでの反省を踏まえて、修正案ではどのように対応したか、お答えください。
○泉房穂君 御答弁申し上げます。 これも大変重要な論点でありまして、当初、議員連盟が案を作る前のいわゆる日弁連が主導して作った案にはしっかりした規定もございました。議員連盟のときにある意味検討事項となりましたが、そのときは三年のいわゆる検討でしっかり措置をとるという内容でした。 でも、やっぱりこれ大事なテーマですから、証拠が捨てられてしまったのでは、開示を命じたところで存在しなくなってしまいます。現に処分された事例も散見されるところであります。特にDNA鑑定のまさに検体などが捨てられると再鑑定できないという問題ありますので、早急にやる必要があるとの考えから、今回につきましては、見直し規定につきまして検討事項の期間は一年と短縮しまして、しっかり検討して法整備をするという内容になっております。
○牧山ひろえ君 これまで抗告可能として数々の再審への道が不要に妨げられてきた規定ですが、政府案では、十分な根拠があれば、すなわち検察の裁量で抗告可能という曖昧な規定となりました。 委員会でも、今までどおり検察の裁量で抗告可能なままではないかとたくさんの批判の声がありました。委員会の中だけではありません。私も、外からも、弁護士会からも、またこのような問題について関心が高い方はたくさんおりました。また、当事者からも本当に批判の声がありました。 修正案ではどのように抗告について対応したのか、お答えください。
○泉房穂君 これも大変重要な論点であり、閣議決定前の自民党におかれましても随分議論がなされたテーマであります。その後、衆参の質疑を拝見しておりましても、やはり十分な根拠というような内容では、実際これまでの運用と大きく変わらないのではないかという指摘も厳しくなされているところであります。 現に、十分な根拠という形で規定したところで、結局のところ、抗告された後の手続としてはすぐに棄却できるわけでもありませんので、そういう意味では、これはやっぱり全面禁止という本来の多くの者が求めている内容にすべきだという観点から規定した次第であります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 全然、我が修正案の方が、私ははるかに、冤罪被害者、冤罪防止を図る、もう本当にいろんな議論を踏まえたものだと私は考えております。 ちょっと目的外使用についてもう一回お伺いしたいんですけれども、志の高い弁護士が罰せられるかもしれないという不安を抱えることになると思うんですよ。何に対して罰則があるのかということも曖昧のまま、本当に志の高い弁護士が罰せられないようにする。そして、目的内使用というのもたくさんあると思うんです。私のこの考えについていかがでしょうか。
○泉房穂君 御答弁申し上げます。 まさに委員御指摘のとおり、萎縮効果というものは、まさに萎縮する側が萎縮してしまうというテーマでありまして、検察側が大丈夫だと言って萎縮しないものではありません。 今回のやはり政府案の問題は、検察官任せというところが課題になっていると思います。大きく三つ検察官任せでありまして、一つが、証拠開示の範囲につきましても、関連性の要件などをある意味検察官任せ、勧告をしても出すかどうかは検察官任せという、証拠開示の問題における検察官任せ。そして、抗告につきましても、十分な根拠というものを判断するのは検察でありまして、検察官任せ。そして、今委員御指摘のこの目的外使用につきましても、先ほど答弁もありましたが、起訴するかどうかは検察官任せでありまして、全て検察に任せるということでは萎縮効果はなくならないと。 そういう観点からも、全面的な禁止ではなく個別対応が必要だと考えております。
○牧山ひろえ君 審議の中でも申し上げたんですけれども、目的というのは、やっぱり真実を見付け出す、これはみんな共通の目的であってほしいと思っているんです。検察も裁判所もみんなが真実を追求する。そのためには、やっぱり目的外使用を全面禁止というのはちょっと極端ではないでしょうかね。 何でもかんでもこの目的外使用というのを検察の裁量で、これも目的外、これも目的外、全部全部目的外。これについていかがでしょうか。
○泉房穂君 答弁の冒頭もお伝えしましたが、現に再審請求審の場面でこれまで特に大きな弊害なども生じていないまさにテーマでありまして、それをいきなり全面禁止にする必要があるのかという論点だと思います。 繰り返しになりますけれども、犯罪被害者らの関係者等のプライバシーというものはバランスが取れるテーマでありまして、どっちか片方ではなくて、まさに冤罪に苦しむ冤罪被害者の救済と関係者のプライバシーというのは両立が図れるし、図れる規定を置くべきだという観点で今回修正案を提出した経緯であります。
○牧山ひろえ君 先ほど、これまで抗告可能として数々の再審への道が不要に妨げられてきた規定についてお話をしましたけれども、これ全面禁止、抗告全面禁止って書いてありますけれども、全面禁止といっても、十分な根拠があれば検察の裁量で抗告可能というふうになっている曖昧なこの規定、これについてはいかがでしょうか。
○泉房穂君 恐らく政府案は、全面じゃなくて原則禁止、例外ということの話だと思いますが、繰り返しになりますが、十分な根拠というキーワードにつきましては、これまでも、かねてより検察は、抗告については十分な根拠を持って抗告してきたという説明をしておられますので、そうであればこれまでと何が違うんだろうというテーマになってしまうと思います。 現に、具体的な事案におきましても、袴田事件にてまさに抗告によって九年の月日、日野町事件においても七年、福井事件においては当初の再審開始決定から十四年もの月日が費やされております。こういったことから考えまして、再審開始決定がなされれば、速やかに再審の公判に移り、検察として争いがあるのであれば、その公判にて、公開の場においてしっかりと争えば足りると考えている次第でございます。
○牧山ひろえ君 ほかに修正案について何か付け加えたい点とか何かございましたら、是非お願いします。
○泉房穂君 これ是非お伝えしたいんですが、今回の修正案、現時点において提出者はいわゆる立憲民主・無所属の会派と公明党の会派となっておりますが、今回の内容につきましては、繰り返しになりますが、超党派の多くの方が参加した超党派議連の案をベースにしております。その案につきましては、昨年六月に衆議院の方に提出されており、六党の提出となっております。そのときの六党は、国民民主党、そして参政党、共産党、れいわ新選組、社民党、そして立憲民主党でありまして、多くの方の賛同を得る形の内容を今回の修正案に取りまとめたという理解でありますので、是非より多くの議員の皆様方の御賛同を賜りたいという立場で修正案の提出者としては考えておる次第であります。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 副大臣、ちょっと時間が少しだけありますので、副大臣にもう一度聞きたいんですけれども、私は、これまでの様々な冤罪事件に関して、やっぱり反省と、それから二度と過ちを繰り返さない、そのためにもやっぱり検証が必要だと思うんです。これについて、検証が必要ないというのであれば、何ででしょうか。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 先ほどの答弁の内容が適切に伝えられていないとすれば私の能力不足なのかもしれませんが、検証が必要でないということではありません。しっかりと、これまでの様々な結果を踏まえて、より良い検察権の行使の在り方というものをしっかりと自律的に改善していっていただくということは極めて重要なことでもありまして、そういった観点から不断の営みがなされているというふうには承知をしております。 先ほど申し上げたのは、それ以外の形でということで、国政調査権として、あるいは第三者機関としてということでございましたので、その点については司法権独立等々の観点から極めて慎重に対応するべきだというふうに申し上げたつもりでございます。
○牧山ひろえ君 慎重にということは、やるべき、慎重にしながらも検証をやるべきだというふうに受け止めましたけれども、それでもよろしいでしょうか。
○副大臣(三谷英弘君) 司法権の独立を尊重するということですから、あくまでも自律的にそういったことを行っていただくということが極めて重要であると。 先ほどから申し上げておりますけれども、一旦確定をしたから問題というふうにはならないということではございません。これ過去に遡っていただいても、一旦裁判所が出した判決に対して立法府の立場から様々な意見を申し上げて、司法権とそれから立法権が極めて高い緊張関係が生じたというような過去の実例もございます。 そういったこれまでの過去の歴史を踏まえて、一定のそこは立法権として、私は今副大臣として行政権の一員として申し上げているので、これ以上申し上げるべきではないのかもしれませんけれども、そこは、自由主義に対する民主的なコントロールというのはどの程度及ぼすべきかというのは慎重に考えるべきだというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 冤罪は無実の人の人生を奪うだけではありません。真犯人を逃し、犯罪被害者とその御家族から真実を知る機会を奪い、そして司法全体への信頼を壊します。 冤罪被害者と犯罪被害者、両者とも被害者です。両者に共通する願いは、真実が明らかになることです。私は、検察も、やはり真実を明らかにする、これに全面的に協力しなくてはいけないと思うんです。そして、無罪の証拠があったら速やかにその方を、その被害者を無罪にしなくてはいけない、その手続を取らなくてはいけない、それは当たり前のことです。 今回の法改正が、行政や捜査機関にとって都合のよい制度ではなくて、真実を求める被害者、真実を求める国民のための制度となるよう、政府には当事者の声を正面から受け止めた対応を求めます。 ありがとうございます。
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。 本日で再審法の審議も最終日ということになりましたので、ここまでの間の様々な議論の内容も踏まえて、私自身の受け止めを冒頭少しお話をさせていただいた上で、幾つか確認のための質問をさせていただきたいと思います。 近年、再審無罪判決が相次いで出てきているということ、またこの審議中にも新たな事実が出てきているということを受けて、今、大変国民の皆さんの注目が集まっております。 その上でなんですが、そもそも、近年、再審無罪判決が出てきているということは、近年になってこれまで隠されてきた証拠、新たな証拠が開示をされたことによって要は再審無罪につながる、そうした判決が出てきているという事実でもあると私は冷静に捉えております。 言い換えれば、この証拠がこれまでどおりずっと隠蔽され続けてきていた状況が今も続いていれば、再審無罪判決自体が近年出てきていない。言い換えれば、自主的にという言い方が適切かどうかは分かりませんが、以前よりは証拠、隠されていた証拠が出始めているということの結果として今の状況が生まれているということを冷静に受け止めなければいけないんじゃないかということを私は感じております。 同時に、今回の法案、今、泉先生の方から修正案御提出された話も聞かせていただきましたけれども、そうした一連の動きがある中で、法務省が法制審でこの再審法の見直しの議論を行って、閣法として法案を提出をされました。したがって、この超党派の議連の活動というのが再審制度自体をつくるということに大きく貢献したということを、私自身はそのこと自体を評価をしております。 その上で、今回の閣法には五年後の見直しルールが入っていますよね。これ、落ち着いて考えればすぐ分かる話でありますけど、五年後に見直す、五年ごとに見直すということを最初から要は書き込んでいるということは、今出している閣法が完璧なものではないということを政府自体が認めているわけですよね。ゆえに、この状況の中で、今後、この再審制度を実効性のあるものとし、長く冤罪を訴えていらっしゃる方々を一日も早く適正な裁判で真実を明らかにしていく上で何が必要なのかということを、今回の法案審議だけではなく、今後に向けて絶えず議論し続けていかなければいけないということだと思っております。 その上で、確認幾つかさせていただきたいと思いますが、私から、この証拠開示についてなんですけれども、今回、国民の注目が集まる中で、これ、済みません、刑事局長、通告しておりません。 私が懸念しておりますのは、今回新たな開示、証拠開示の制度が要はできたということで、出さなければいけないということがルール化されたことによって、むしろ証拠開示に対して検察が消極的になる可能性がやっぱりどうしても否定できないんです。よって、この証拠開示についての方針ですよね、どういうものをどういった形で証拠開示を行うのかということの方針をある程度明示的な形で法務省若しくは検察の方できちっと作っていただきたいんです。 中央で検討していることと現場でやっていることの間には大きな意識の違いも制度の運用の差も生じておりますので、そこを現場ごとで運用が違うということにならないようにしていただきたいんですけど、今の、済みません、私の突然のむちゃぶりなんですが、この点に関して刑事局長から御答弁お願いします。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 本法律案が成立した折には、もちろん、この本法案が、法制審の議論を含めてずっと作成され、作られてきた経緯、それから与党の部会における議論、それから衆議院、参議院における委員会の議論、そういったことを踏まえて現場に周知徹底していくということになるわけでありますけれども、附則四条二項を始めといたしまして、今御指摘のあった御懸念があるわけでございますので、その証拠提出命令制度の解釈はもとより、そういった御懸念があって、そういうことの、今まで以上に適切に対応していくんだということも含めまして現場に示していきたいと思っていますので、済みません、それをどのような形でやるかは、今、済みません、まだ私の頭の中にできていないんですが、それをやることは間違いないということだけはお約束させていただきたいと思います。
○川合孝典君 ありがとうございます。 是非御検討をお願いしたいと思います。 あとは、いわゆる検察の独立性だとか検察のいわゆる判断というものに対するそれぞれ委員の皆様の御不安があるということは、この間、数え切れないほど質問で出てきたんですが、そこで私ふと気が付いたんですけど、検察、いわゆる高検の検事長、それから検事総長、いずれも検察庁法上、定年がそれぞれ六十三、六十五ということになっていますよね。 皆さん、検事総長は、全員、法務事務次官経験者の方がなっていらっしゃるという意味でいくと、法務省の皆さんの上司に当たる方々が検察のトップをしていらっしゃるとなったときに、一般的な社会人感覚でいって、要は、法務省側がかつての上司であった検事総長に対して物を申せるのかということが素朴な疑問としてあるんですけど、答弁できますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 まず、今の総長とか次官経験者ではございませんし、前任者もそうでありますけれども、いずれにしましても、前に上司だったから物が言えないなんてことは基本的にはないわけでありまして、これ、法務当局と検察当局も全然役割も違いますし、役割分担も違うわけでありますけれども、法務当局が決めるべきは法務当局でしっかり決めなきゃいけないことでありますし、検察当局で判断してもらわなければ、判断してもらわなきゃいけないわけですが、法務当局として申し上げたいことは申し上げる、そういう関係にあると私は理解しているところでございます。
○川合孝典君 そのことはそのこととして、要は、検事総長や高検の検事長が、それぞれ六十三、六十五まで任期があるということが規定されていることに対して、役職定年のことも含めて、事務次官は六十、制度上は六十二ですかね、定年が、となっているという、ここの部分については根っこから見直す必要があるんじゃないのかということ、力関係だけではなく、要は円滑な組織運営ということを考えた上でも、この偏った状態というのは見直すべき、検討する課題であるということだけ問題提起させていただきたいと思います。 済みません、その上で質問の通告に戻らせていただきたいと、内容に戻らせていただきたいと思いますが、検察官抗告に関して確認をさせていただきます。 再審開始決定に対する検察官の不服申立ての例外について、法務省からの説明では、検察官が遵守すべき行為規範であって、裁判所による判断事項とする趣旨ではないといった趣旨のことを検察官抗告についておっしゃっておられます。 そこで、確認をさせていただきたいんですが、再審開始決定に対する検察官抗告の例外規定について、検察官の判断の適正さを制度的に担保するものが何もないために、これでは検察官抗告の原則禁止が骨抜きになるというおそれを繰り返し皆さん指摘しておられます。 この例外規定の適用に当たって、その判断の客観性を担保するための仕組みについて検討して明示的に示す必要があるのではないかと考えますが、この点について政府の見解を求めます。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 本法律案におきましては、再審開始決定に対する抗告を原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限ってすることができるとしたところでございます。 その上で、本法律案では、検察官の抗告が十分な根拠に基づくものかどうかを国民がチェックできるように、抗告の理由等を遅滞なく公表することとしているところでございます。 また、検察官の抗告に対しましては基本的に一年以内に裁判所の決定がなされるところ、本法律案では施行後五年ごとの検討条項を設けることとしておりまして、裁判結果も踏まえて、抗告の運用状況が定期的に評価されることになると考えております。そのため、検察当局におきましては、再審開始決定に対する抗告について、抗告裁判所の審査に堪え得る客観的に妥当なものかという観点から、主観的なものではなく客観的に妥当なものかという観点から、組織的に十分な検討を尽くした上で慎重な判断がなされることとなると考えているところでございます。 以上のようなことから、様々な手段を通じて、本法律案により、再審開始決定に対する抗告のより慎重かつ抑制的な運用が担保されると考えているところでございますが、この法案の趣旨につきましては、検察当局に対して周知を、趣旨を徹底してまいりたいと考えているところでございます。
○川合孝典君 是非その運用状況についてしっかりとチェックをしていただきたいと思います。 その上で、裁判所の方に確認をさせていただきたいと思いますが、少なくとも裁判所は、この検察官抗告について、十分な根拠がなく行われた抗告については、抗告の手続がその規定に違反したとき、刑訴法四百二十六条に当たるものとして速やかに棄却できるものと考えているわけでありますが、この点についての裁判所の見解を求めます。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 裁判体が検察官の抗告に十分な根拠がないとの心証に至った場合に、抗告の手続がその規定に違反したときに当たるものとして棄却決定をするかどうか、これにつきましては、改正後の刑事訴訟法四百五十条の二第一項の条文解釈の問題になると考えられます。最高裁としてその解釈の方向性を示すことが困難であることについては御理解いただきたいと思います。
○川合孝典君 ありがとうございます。 その上で、今、改正法四百五十条の話が出ましたので、改めて政府参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 今回法律が改正されると、いわゆる原則禁止、例外適用ということになっているわけでありますが、改正後の刑事訴訟法第四百五十条の二の第三項の規定、検察官による不服申立ての理由の公表の規定でありますが、これは、同項の施行の際に今現在係属している再審請求事件の再審開始決定に対して不服申立てを行う場合に適用されるというのが一般的な読まれ方ということでありますが、同項の施行前に再審請求がされていて今やっているものですね、同項の施行前に再審請求がなされていて同項の施行の際に再審請求審が係属中の事件については適用されるのかどうかということについて確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 法令は原則として施行されると同時に法規範としての効力を発揮することとなりまして、法施行時点以降の行為については新法が適用されるということになるわけでございます。 その上で、お尋ねについてお答えいたしますと、施行前に再審請求がされた事件についてであってもと言った方がいいと思いますが、施行後にされた再審開始決定に対して不服申立てをする場合には同項が適用されて、再審開始決定があった旨や不服申立ての理由等を遅滞なく公表するという規範が掛かるということでございます。
○川合孝典君 問題意識を持っておりますのは、法律が改正されて以降のものだけに適用されるということではなく、それまでに要は既に再審請求でいわゆる審査が行われているものに対してもきちんと説明責任が果たされるのかどうかというところなわけです。これから起こることではなく、今問題になっているのは、過去に起こったことに対してどう対処するのかということが非常に社会的に注目を集めているという意味でいけば、ここ物すごく大きな問題になります。 もう一つ、累次の質問させていただきたいんですが、この係属中のものとは別に、既に過去から何度も再審請求を行った上で要は棄却が行われている、繰り返し繰り返し棄却が行われている事件が幾つかあります。名張毒ブドウ酒事件ですとか、大崎事件ですとか、名張はたしか十一回やっていたんじゃないかと記憶しておりますけれども。 こうしたことに対応するために、この法律案による改正後の刑事訴訟法第四百五十条の二第三項の規定の施行前の、過去に累次の再審請求審において再審開始決定がなされ、それに対して検察官が繰り返し不服申立てをした結果、再審開始決定が取り消された経緯がある事案、長引いた事案ですね、長引いている冤罪事件と呼ばれている事案については、国民の理解を得る観点から、運用上の措置としてでも、過去の同一被告事件に係る再審開始の決定等に対する不服申立ての理由についても、過去の不服申立ての理由についても遡及して説明を行うべきではないのかということを考えますが、この点についての政府参考人の見解を求めます。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘のように、過去の累次の再審請求審において再審開始決定がなされ、それに対して検察官が不服申立てをした結果、再審開始決定が取り消されたといういきさつがある事案につきまして、本法律案による改正後に再度再審開始決定がなされ、それに対して検察官が不服申立てをする場合を想定いたしますと、そのような場合、まず、条文上は、前にした不服申立ての理由というのはここの法規範の中身に入ってこないというのは事実でありますけれども、その上で、今御指摘のように、その不服申立ての理由等の公表に当たりまして、国民の理解を得る観点という観点から申し上げますと、当該被告事件に係る過去の再審請求手続の経緯や過去の不服申立ての理由との異同を踏まえてより丁寧な説明を行うことが望ましいとも考えられるところでございまして、事案によっては相当な範囲内でそのような説明を行うこともあり得るのではないかと考えているところでございます。
○川合孝典君 今、あり得るということをおっしゃっていただきましたけれども、つまりは、法律が改正されて以降は、過去に起こった事件のようなことが生じるリスクというのは相当部分軽減されることになりますけど、社会が注目しているのは、過去、ずさんな捜査、それから証拠の捏造が疑われるようなもの、さらにはそうした不都合な証拠が隠蔽され続けてきたことで、いわゆる再審、本来無罪がもっと早く勝ち取れたはずの方が再審無罪にならなかったという、このこと自体が問題なわけでありますから、したがって、今回法律が改正されたから法律改正以降きちんと対応しますということだけではなく、過去の例についてもきちんと棚卸しを行って、証拠の開示を、失礼、検察官抗告を行ったのであれば、その理由がどういう理由だったのかということを累次にわたってきちっと説明し続けるということが国民の皆さんの理解を深めることにつながるという意味では、これ、物すごく実は大きな指摘をさせていただいていると思っておりますが、もう少しはっきり言っていただけますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 今委員御指摘はそのとおりであるというふうに考えておりまして、国民の理解を得るという観点からいきますと、そういう説明が必要なのではないかというふうに考えられるところでございまして、その一方で、事案にもよるということで、様々な事案ありますので、相当な範囲でやらなければいけないということも含めまして、あり得るというふうに申し上げたということでございます。
○川合孝典君 今の段階ではそうとしか言えないということもよく承知しておりますけれども、そうしたことも含めて五年ごとに見直すということになっておるわけであります。 今すぐにはできないかもしれないけれども、五年後には、今問題提起がされて超党派の議連の案で提案されていたような内容についても、現場実態を踏まえてきちんと対処ができるような状態にいかに近づけていくのかという努力は、これは捜査当局や法務省、検察がきちんと取り組まなければいけない課題なんです。ゆえに、今できなくても、これ五年後にはできるようにするために、どういった問題を、課題意識をどう解決するためにあしたから取り組んでいくのかという、そういったことが本来問われているということであります。 国民の皆さんの理解を得るためにということを刑事局長もおっしゃっていただきましたけれども、これは、本当に司法の信頼を回復させるためには、国民の皆さんが、頑張っているなと、きっちりやっていただいているなと思っていただける状況にしなければいけない。そのためには、既に起こってしまったことに対してきちっと向き合って、一刻も早く洗いざらい、要は事実関係を明らか、つまびらかにするということが何よりの信頼回復に向けての早道だと私は思っておりますので、しつこいようでありますけれども、この点につきましては是非お取組をいただきたいと思います。 ということで、私の時間おおむね参りましたのでこれで終わりにさせていただきたいと思いますが、これまで再審法制、ルールがなかったものが初めて刑訴法の中に組み込まれたという意味では第一歩だとは思っておりますけれども、これができたからこれで終わりということではなく、無辜の方を一刻も早く救う、それから、そもそも通常審を誤判が生じないような形で適正に進めていく枠組みがどうあるべきなのかということについては、今のままでは駄目だと思っておりますので、これからも折に触れて法務委員会において質疑をさせていただきたいと思います。 時間が参りました。ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 まず、一番目の問いはちょっと飛ばしまして、最高裁にまずお聞きをしたいと思いますが、午前中も取り上げたんですけれども、それに関連することで、再審公判の在り方というか、そこについてお伺いしたいと思います。 再審制度の二段階構造というのは、再審無罪を勝ち取った人にとっては長期化を招いていたものだというふうにも思っております。法律案では、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足る十分な根拠がある場合だけの不服申立てになり、不服申立てが減るとすれば、再審請求審によって審理の方向性がほぼ定まってしまう。 これは午前中も触れたところでありますが、じゃ、その再審公判では、手続ごとに審理の蒸し返しを防ぐ観点から、再審請求審において行われた審理の結果を尊重して再審公判を行うべきではないかと考えますけれども、最高裁のお考えを伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 再審が開始された事件につきまして、再審公判の判断までの期間が無駄に長期化することは避けるべきであるということは言うまでもございません。再審公判においても、適切かつ迅速な審理の実現に向けて、両当事者とコミュニケーションを取りながら、争点や証拠を的確に整理できるよう手続を主宰していく職責が裁判所にあると認識しているところでございます。 その際に、このような、迅速に進めていくに当たり、再審請求審における審理の状況も踏まえて様々なコミュニケーションが図られていく、そういうことはあるんだろうなというふうに想像しているところでございます。
○横山信一君 今回の法改正は審理の長期化を防ぐというのが大きな目的でありますから、そういう意味では裁判所の努力も求められるんだと思いますので、この再審公判の在り方についてもしっかり検討していただきたいし、審理の長期化を招かない進め方をしていただきたいと思います。 三番目もちょっと飛ばしまして、次、四番目の質問ですけれども、ちょっと考え過ぎじゃないかとかって思われるかもしれませんが、法務省の過去の答弁に、この再審開始決定に対する不服申立てについてこういう答弁があるんですね。検察官が再審開始決定に対して抗告し得るということは公益の代表者として当然のことであり、これによって、再審請求審における審理決定が適正かつ公正に行われることが担保されるものと考えていると。だから、その不服申立てをするのは当たり前なんだという、そういう答弁なんですね。 これまでは、そういう意味では、抗告というのは当然の前提として機械的にやっていたんだというふうにも思えるわけです。ここで再審請求審における審理決定の適正、公正さを担保しようとしていた、それによって、不服申立てをすることによって、審理決定の適正、公正さを出していたというか、表現していたというふうにも言えると。 今回、改正案では、不服申立ては原則禁止になります。その結果、逆に、再審請求審における検察官の不服申立てが助長されることになりはしないかということを懸念するんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 法務省といたしましては、検察官が再審開始決定に対して機械的、形式的に不服申立てをしてきたのではないかといった指摘を真摯に受け止めているところでございまして、本法律案におきましては、再審開始決定に対する抗告を原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限ってすることができることとしたところでございます。 助長されるのではないかというお尋ねでありますけれども、この法案では、このような十分な根拠を必要とした上で、検察官の抗告が十分な根拠に基づくものかどうかを国民がチェックできるように抗告の理由等を遅滞なく公表することとして、国民の場合によっては批判を仰ぐ、ただ国民に対して説明するという機会を設けるということでございます。 その上で、検察官の抗告に対しては基本的に一年以内に裁判所の決定がなされ、結果が出るわけでございます。本法律案では、施行後五年ごとの検討条項を設けているわけですので、これによりまして、永続的に五年ごとにそういった実績が評価、定期的に評価されるということになるわけであります。 そういう観点からいきますと、合理的に考えますと、検察当局におきましては、再審開始決定に対する抗告について、抗告裁判所の審査に堪え得る客観的に妥当なものかという観点から、組織的に十分な検討を尽くした上で慎重に行われることになるだろうというふうに考えているところでございまして、法務省といたしましては、この法案によりまして、不服申立てにより慎重かつ抑制的な運用が確保されることになるのではないかというふうに考えているところでございます。
○横山信一君 ここの部分は何度も確認をしておきたかったんです。それぐらいやはり不服申立てというのは、厳粛と言ったら変ですけれども、厳しくやっぱりやっていかなくてはいけない。 次は最高裁に伺いますけれども、先日もちょっと出ておりましたが、司法研修所が主催して、全国の刑事裁判官を対象に、再審をめぐる諸問題をテーマにして再審研究会が開催されています。再審事件の現状や審理の進め方について議論したり、袴田事件の弁護団を招いて実務的な課題について研究が行われているということであります。そこで、この研究会、具体的にどのような意見が出ているのか伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 司法研修所においては、令和六年度と令和七年度に再審に関する研究会を開催いたしました。その中、令和七年度、本年一月に開催された研究会につきましては、主に審理の長期化への対策という観点から議論が行われたところでございます。 その研究会で示された意見としては、例えば、記録の量が膨大な事件を念頭に、確定記録を読み込んでから進行するのでは審理が遅くなるため、早期に打合せを行い事件の要点をつかむとよいのではないかとの意見、また、累次の再審請求がされているような事件を念頭に、事案をよく知る弁護人から申立て内容について説明を受けることで、争点の概要や累次にわたる申立てと今回の申立てとの関係等を早期に把握できるのではないかとの意見、再審請求者等が準備に時間を要しているように思われる事件を念頭に、主張と準備している証拠との関連性を整理してみたり、また具体的な準備状況を確認していくことが考えられるのではないかとの意見、このような意見などが示されたところでございます。
○横山信一君 こうした意見の中には、刑訴法の規定が少な過ぎて、どこから手を着けていいか見込みが付けにくいと、こういった意見も出ているようであります。これは報道ですけれども。 他方、司法は言うまでもなく独立をしているわけですから、あくまでも現行法の下でいかに迅速、適切に審理を進めるかという実務の検証に特化したというものでもあります。現行法に基づいて再審制度を運用する現場の声というのは、今後の再審制度の見直し、これ見直し規定が入りますので、今後の再審制度の見直しにとっては大変貴重な考え方になる、意見になるというふうに思います。 今後は、この再審研究会等での意見を法務省と共有できるような仕組みをつくってはどうかと思いますけれども、見解を伺います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 今委員に御紹介いただいた意見等につきましては、令和六年度に開催された再審に関する研究会で示されたものでございます。この研究会においては、やはり条文が少なくて、どこからどのように手続を進行すればいいかが分からないであるとか、そのような実務上の悩み等を共有する、そういう目的で行われたものでございます。 最高裁においては、必要に応じて研究会の結果を法務省に提供するなどはしてございます。今申し上げました令和六年度に実施された再審に関する研究会の結果につきましては、最高裁の方から法制審議会に審議の資料として提供しているところでございます。 今後とも、法務省との間では必要な情報を共有してまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 大事なことだと思いますので、今後更にそれが非常に重要になってくると思うんですが、この附則第二条の、この法律の施行後五年ごとに、この法律による改正後の規定の施行の状況等を勘案し、再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度その他の再審の制度の在り方について検討を行うということになっているわけですから、そういう意味では、今言った最高裁がやっているような貴重な現場の声というのも法務省はしっかり共有をしてやっていかなくてはいけない。先ほど、川合理事からの質問にもありましたけれども、この五年ごとの定期的な見直しというのは非常に重要なものだというふうに思います。 そこで、この法律が仮に成立したとすると、実際に法律が施行された直後からもうこの五年後の見直しに向けての整理が始まっていくわけです。それをどのように課題を整理して見直しを進めるのか、刑事局長に伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 本法律案附則二条におきましては、再審制度をより良いものとしていくため、施行後五年ごとに制度の在り方についての検討の機会を設けることとしているところでございます。 この附則二条におきましては、衆議院における修正によりまして、再審請求手続における証拠の目的外使用の禁止、検察官が保管する証拠の一覧表に関する各制度が明記されているところでございまして、これは、同条に基づく検討に際して、これらの制度を特に検討の対象とすべきこととする趣旨であると認識しております。 その上で、同条に基づく検討を具体的にどのような体制や方法で行うこととするかについては現時点では未定でございまして、そうではありますけれども、本法律案が改正法として成立した場合には、修正の趣旨を含むこの条の趣旨を踏まえまして、先ほど来御指摘があるように、実務における運用状況の正確な認識に基づいて、再審制度の在り方について幅広い観点から充実した検討がなされるよう、法務当局として適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 衆参のこの法務委員会での議論で、課題というのを随分、随分というか、限られているんですけれども、論点としてはですね、そこのところが実際どういうふうに運用されていくのか、あるいは現場で更にそれがどこに問題があるのかということが具体的に浮かび上がってくると思いますので、それは外部の検討会等に委託するのかもしれませんけれども、そういう仕組みも含めて、御検討というか、また改めて議論させていただきたいと思います。 先ほどの対総理の質疑の中でも触れたんですけれども、日弁連が実施している再審請求支援、これ全ての支援要請に応えることはできません。限られた人的資源で大量な記録や証拠を精査するのは限界があるからです。 そもそも、国には誤判救済の責務があるのに、民間団体に再審支援を任せているということに問題があると私は思っていまして、総理にもこの再審支援活動の支援を求めたんですけれども、改めて、国として本来やらなきゃいけないんだということをもう一度認識をして、この財政的な支援、どう考えるのか伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) 再審請求事件における弁護人の活動の意義については、もとより法務当局としても重々認識しているところでございます。 その上で、先ほど総理からも答弁がありましたとおり、再審請求審又はその準備段階における国選弁護制度につきましては、法制審議会においても議論が行われたということでございまして、その中では、様々な理由があって、公費支出の必要性、相当性に疑問が残るといった意見が大勢を占めて答申に盛り込まれなかったということでございました。このような法制審における議論の状況を踏まえると、御指摘の制度を設けることについては慎重な検討を要するのではないかと考えているということでございます。 他方で、本法律案におきましては、再審無罪判決が確定した場合、その前提となった再審請求手続に要した費用について合理的な範囲で補償することは費用補償制度の趣旨にかなうと考えられることから、現行の費用補償制度を拡充して、再審開始決定が確定した事件について無罪判決が確定した場合に、その手続に要した費用の補償をすることなどの法整備を行うこととしたということでございます。
○横山信一君 時間ですので終わりますけれども、再審請求審に至れば、その後は費用が出てもそれはいいんですが、そこに至るまでに皆さんお金が掛かって大変だって言ってるわけですから、そこの部分をどうするかということをしっかり考えていただきたいと思います。 終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子です。 十分しか時間がないので急がせていただきますけれども、改めて、この法務行政というのは難しいなとしみじみと、この再審の二十時間の議論。私この部屋に来て、国会議員にならせていただいて七年目なんですけれども、法務行政は本当に自治体の中で担当するところがほとんどないんですよね。ですから、泉さんもよく言っていらっしゃる、それから宮本さんも市長をやっていらして、市長時代あるいは知事時代にこういう場面って関わっただろうかというと、ほとんどない。 ですから、ただ、突然当事者になるんですね。例えば、突然あなた殺人犯ですと、袴田さんあるいは阪原さん、前川さん、その途端、本当に大変な生殺与奪の権を持つところに巻き込まれてしまう。 そして、私はずっと離婚問題やっていますけれども、突然子供を連れ去られたら、あらっと思う。こういうところでなかなか意見がまとまらないというので、今回も難しいなと、判断が。そこで総括的に、こやり筆頭理事が一つの物事も裏と表で両方から見えるとポイントを言ってくださいましたし、また、川合理事が見事な総括をしてくださいました。それで、ここは一〇〇%満足ではないけど、八十年近くこの刑事訴訟法が方向が見えなかった、規定がなかったところで、今まさに決断をするべきときかなと思っております。 そんなところで、時間がないんですけど、私自身は、やはり裁判官の地位や役割というところがこの再審法でとっても重要ではないかと思いまして、先回やり残したところ、時間の許す限り続けさせていただきます。 資料として弁護士ドットコムニュースを出させていただいておりますけれども、成城大学の指宿信教授の指摘では、再審請求事件は裁判官の内部で雑事件として扱われ、処理した件数がポイントになる通常の刑事事件、民事事件と違って、人事において十分な評価の対象となりにくいと。 これ、本当に事実関係どうなんでしょうかということで、今回の法改正の趣旨を踏まえた、今後の人事評価の在り方について、最高裁事務総局さん、お願いできますか。
○最高裁判所長官代理者(板津正道君) お答え申し上げます。 裁判官の人事評価は、人事評価に関する規則に基づき、事件処理能力、組織運営能力及び一般的資質・能力の三つを評価項目とし、評価権者は、人事評価に当たり、裁判官の独立に配慮しつつ、多面的かつ多角的な情報の把握に努めなければならないとされております。 事件処理能力の評価におきましては、再審請求事件の処理も含め、事件処理全体について様々な視点に基づき総合的な評価が行われているものと承知しております。 このような裁判官の人事評価に関する基本的な枠組みは、今般の法改正により影響を受けるものではないものと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 今回の、裁判官の評価は影響を受けないと。ベクトルは逆なんですね。つまり、裁判官が置かれてきた背景というので、それこそ、年間七万件くらい刑事事件がありながら、再審は二百件ほど、その中で本当に再審公判まで行くのは数件ということですから、大変率が低いわけです。〇・二%ぐらいです。 そういうところで、先ほどの指宿教授とハワイ大のジョンソン教授のデータを見せていただきますと、異動後のポスト、グループ分けしてスコア付けしたところ、上級審で再審開始決定が崩された場合に平均スコアが低くなる。つまり、再審決定が壊された場合に平均スコアが低くなる。そして、再審開始決定をした裁判官よりも決定を取り消した裁判官の方が昇進傾向が強いという、これデータ化されているんですけれども、こういうところで、やはり裁判官が、この再審開始決定をした裁判官が後の人事で不利になっていないかということも指摘しておられます。 再審決定、本当に裁判官としても大変大事な判断だと思いますが、無実の罪に苦しむ方々、確実に救済するためには、裁判官がこれまで以上に再審事件に積極的に関与していただく必要があります。それの条件には、もちろん証拠の開示とか、あるいは証拠の目的外使用の禁止とか、いろいろなところの個別の案件はありますけれども、やはり裁判官が前向きに積極的に関与していただけるような、そのような方向というのは、最高裁判所さん、どうでしょうか、お考えいただけるでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(板津正道君) お答え申し上げます。 裁判官は、その良心に従い、法と証拠に基づいて裁判を行うものであり、他者からの評価を意識して裁判をするようなことはあってはならず、その職権行使の独立に配慮することが極めて重要であると考えているところでございます。 裁判官の任用配置に当たりましても、職権行使の独立に配慮しながら運用していることはもちろん、例えば、人事評価の実施に当たりましては、各裁判所の所長等の評価権者において、裁判官の個別の事件処理に影響を与えないよう、細心の注意を払って実施しているところでございます。 したがいまして、再審請求事件も含め、個別の裁判における判断内容を裁判官の任用や評価に反映させることはあってはならないことであり、そのような考慮はしていないところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 議事録に残りますので、今のことは多くの裁判官の方も見てくださっていると思います。 それで、あわせて、例えば先ほどの判検交流のこともちょっと中途半端だったんですけれども、お伺いしたのは、やはり日本の場合には、毎年百五十人ほどの裁判官が、百人近くが法務省ですけれども、国交省だったり、あるいは厚労省だったり、そしてまた、この間は金融庁という方もおられましたね。 そうすると、そのそれぞれの政策の当事者のところに入り訟務検事などをやる、国賠のところに裁判官が入る。これは、人事交流上、経験を増やすので大事だという判断があるようですが、やはり様々な裁判、諸外国と比べても、日本の場合には、国賠あるいは住民訴訟がほとんど住民の方の、原告になっても敗訴してしまうというようなところもございますので、これは答弁要りません。私は、コメントとして、裁判官の皆様には、本当に法律に基づいてそして正しく判断をしていただくということで、公平公正な裁判に持っていっていただけたらと思います。 時間になりましたので、これで終わります。どうもありがとうございました。 以上です。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 これまで再審の、再審法の改正案について議論してまいりましたが、私は、昨日の、失礼、二日前の質疑のときも御紹介しましたが、我が国の私はまだ司法というのは、海外と比べますとやはり優れた面を多数持っているのではないかと思います。 日本人は真面目ですから、不祥事とか問題が起きると、すぐ、やっぱりこれはまずいんだというふうになりがちですが、例えば先般御紹介した犯罪白書による犯罪率の低さ、また犯罪発生件数の低さは、これ、もちろん単純な国際比較はできませんが、やはり日本は概して治安が良いと、いいと言われておりますし、また、それはなぜ可能かというと、やはり犯罪の捜査そして検挙、高い有罪率といったものが、司法機関、警察や検察も含めて一体となって実施していると。 さらに、それを支えるものとして大切なんですけれども、捜査機関に対する国民の信頼というのがあります。要するに、これは警察が例えば信頼できますかという単純なことで、これも国によって違うと思いますけど、日本では比較的、これも統計などをまた調べる必要はありますが、私は比較的高いのではないかと思います。 また、一旦犯罪を犯しても、再犯防止のための矯正あるいは更生保護、さらには社会福祉、生活保護も含めてですね、といった面でも日本は相当各国と比較しても優れたものを持っていると思います。 ですから、やはり、私たちは、この生活の安全、国民の安全と深く関わるこの司法制度というのをきちんと維持するということが非常に重要なことではないかと思うんですけれども、そのためには、もちろん再審だけやればいいという話ではないと思うんです。 もちろん誤判の防止や冤罪被害者の救済は非常に重要なんですが、それだけではないと私は思っていまして、例えば何が重要かというと、まず私は、人の問題、やはり法曹ですね、法曹三者になっていく人をいかに優秀な人を確保し、養成するかといった問題がまず一つ。 それからもう一つは、これはさっき高市総理にも本当は聞けばよかったんですけど、司法戦略や予算の問題。これが我が国に今二十年ほど欠けていると思っておりますので、きちんとした司法戦略や予算をしっかり付けていただきたい。 それから三つ目になりますが、機材、私たちのパソコンであったり、あるいは施設のアップデートですよね。これは法曹三者だけでなくて、その事務職、事務方まで使っているものも含めて本当に最新鋭のものになっているかどうか。 さらには、外国人増加への対応ができているかどうか。もう今は九人に一人、刑事公判の九人に一人有罪になる方は外国人というのも言いました。 さらに、現代的な課題でいいますと、メディアやSNSなど、情報あるいは広告、宣伝といったものですね。広報、宣伝というものを今まで司法はそれほど力入れてきませんでしたけれども、そういったものにも取り組むべきではないかと思います。 最後に言いますと、やはり名誉や待遇ですね。法曹三者というものに対して、今までは、やはり弁護士というものは、要するに司法試験受かったら相当もう本当に高い待遇とか名誉というものはあったわけですけど、それはちょっといろいろ最近変わってきているかなと。 そういう中で国が何に優先順位を付けるかですけど、やはりこの司法というものにしっかりお金を投じて戦略を立てていくことが、長い目で見ると、これはすぐにもうかるとかそういう話じゃないんですけれども、長い目で見ると、回り回って我が国の安全に、国民の安全や治安の良さや刑罰の適正な執行に寄与して、結局は我が国の国力を相対的に高めてきたんではないか、それがこの三十年揺らいでいるんではないかと、私はこういう問題意識を持っております。 前置き長くなりましたが、午前の積み残しで一問質問させていただきます。 これは、法人登記の犯罪予防措置の話でありまして、近年、法人役員や社員に招いた方が代表印を偽造して無断で法人の商業登記を変更することによって言わば会社を乗っ取ると、法人名義の財産や契約などの処分を行ってしまうという被害事案が発生しております。この犯罪は、会社の代表印と株主総会議事録だけで役員の変更登記ができてしまうといったこの現在の法人登記の、欠点というかどうか分かりませんが、脆弱性も一因であると思います。金融機関では、重要な取引については、形式的な印鑑の一致だけではなくて、身分証の提示を求めたり、本人にメールや電話で直接確認するなど二重、三重の確認を行っていることが多いと考えます。 そこで民事局にお尋ねしますが、法人変更登記申請において、印鑑の無断使用、冒用による会社の乗っ取り等の被害を防止するために、本人確認についてどのような措置を講じていますか。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 会社や法人の登記申請における本人確認は、書面申請の場合には、申請書に押印された印鑑と登記所に提出された印鑑とを照合する方法によって、またオンライン申請の場合には、申請書情報に付与された電子署名及び電子証明書を確認する方法によって行っております。 また、役員の就任の登記の申請におきましては、委員御指摘のような会社の代表印と株主総会議事録だけではなく、就任した役員の個人の印鑑証明書や運転免許証の写し等の公的な証明書をも添付書面としており、不実の登記の防止に努めております。 さらに、会社や法人の役員全員の解任など、不実であることを疑うべき事情がある登記申請があった場合には、当該会社の本店又は法人の主たる事務所に宛てて当該登記の申請があった旨を通知することとしており、仮に当該登記が不実であった場合には、当該会社等に法的手段を取る端緒を与える運用としているところでございます。
○安達悠司君 要は、これ、会社の登記というのは、今までこれを偽造する人というのはなかったかもしれないですけど、最近は技術の発展により印影から偽造ができる可能性も高まっておりますし、また、あらかじめ登録したメールや電話に連絡してもらうなどすれば、後からわざわざ、裁判というのは本当に時間掛かりますから、そうしなくてもいいので、これは是非要望しておきます。 〔委員長退席、理事横山信一君着席〕 次に、メディアと司法判断の在り方について裁判所にお尋ねしたいと思います。 本当に、最近、やはりメディアや世論というのは、SNSも含めて非常に重要ではありますが、そういうものがどこまで司法判断に影響を与えていいのかといった観点です。 昔、昭和三十年の、田中耕太郎裁判官は、裁判官に対する訓示の中で、我々裁判官としては、世間の雑音に耳を貸さずということを述べまして有名になりましたが、これは私なりに解釈すれば、裁判法廷で主張された事実と法と証拠に基づくものという趣旨と受け止めておりますが、ただ、センセーショナルな報道やSNSが先行することもある中で、原則としては世論からあるいはメディアの影響からある程度独立して判断し、するべきだと考えますが、現実には完全に切り離せません。 この点、裁判所は、司法判断はどこまで世論の影響を受けるべきだと考えておられますか。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 最高裁事務当局として御指摘のような裁判官の判断姿勢のありようについて所見を述べることには難しいところがございますけれども、裁判官としては、その職責に鑑みますと、個々の事件における当事者の主張、そしてその事件で取り調べた証拠に基づいて結論を導いていくことになるのではないかと考えております。
○安達悠司君 続いて、今の再審法の刑事訴訟法改正の中で、事実の取調べについてお尋ねします。 この事実の取調べというのは、証人尋問や新たな証拠採用、検証、鑑定など、要は、再審の中でそういった証拠の取調べを行う場合に、これ本人が再審請求申請してそうやって採用されるケースというのもあるわけなんですけど、そのようなケースというのは年間に本当に非常に僅か、数件とも言われますし、僅かでありますが、こういう場合はきちんと弁護人を付けるべきなのではないかということであります。 〔理事横山信一君退席、委員長着席〕 その場合に、国が、もし本当にその方がお金がない場合は、資力乏しい場合は、国がきちんとそのようなケースは再審請求審であっても国選弁護人を付けるといったことも考えられるのではないかと思いますが、この点どのように考えておられますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 事実の取調べを行う場合における国選弁護制度について申し上げますと、再審手続は、国選弁護人による援助を含む十分な手続保障と三審制の下で確定した有罪判決について例外的にこれを是正する非常救済手続であることに照らすと、再審請求審において公費で弁護人を付す必要性について通常審と同様に考えることは困難である。 先ほど申し上げたとおり、事実の、申し訳ございません、事実の取調べには、本当に、訴訟記録の取り寄せであるとか公務所に対する照会であったりするといったような様々な事実の取調べがある中で、全ての事実の取調べを行う場合に国選弁護人を付すということについては公費支出の観点から疑問があるといった指摘がありまして、国選弁護制度については設けられていないわけでありますけれども、おっしゃるように、本日、再審請求審における国選弁護の在り方について幾つか質疑がありましたけれども、その中で、例えば必要性の高いものというものをどのように考えるのかといったことは、今後そういったことを検討する上で一つの論点になり得るのかなというふうに考えるところでございます。
○安達悠司君 次に、刑事弁護を担う弁護士の確保という、確保という言い方が正しいか分かりませんが、確保についてお尋ねします。 私は弁護士をやって十年以上たつわけですけど、私の周りの弁護士に聞くと、もう最近、刑事弁護やらなくなったという弁護士もそれなりにいるわけですね。なぜかといろいろ聞いてみると、どうも、まず報酬の問題、報酬が見合わないというふうな話、それから、あと、まあちょっとこれはなかなか言いづらいんですけど、報酬算定、法テラスがやっているわけですけど、それの算定の仕方に対する不満や不公平感、さらには、ちょっとこれも余り言いにくいんですけど、何ですか、職員の対応というかですね、の問題というのもちょっとあるようなんですけど、それは個人的な、主観的なものかもしれませんので。いずれにせよ、やはり刑事裁判というのはボランティアの気持ちでやっていると。それに対して誇りを持ってやっている弁護士も非常に多いわけですね。 ですから、報酬がないからとか報酬が少ないからやらないとかいう単純な話じゃないんですけれども、やはりその算定の在り方とか、あるいは、例えば文書偽造という犯罪で相手方と示談をしたと、しかし、文書偽造は被害者のある犯罪ではないので、その受け取った相手と示談をしてもそれは追加報酬出ませんみたいな、そういう話だったり、余りにもちょっとしゃくし定規じゃないかといった問題であったり、また、準抗告で勾留解放となったんだけれどもその報酬がちょっとどうなのかとか、あと、裁判所の出廷した時刻が正確じゃないということで、記載が正確じゃなかったことで大分何か強い口調でお叱りを受けたとか、そういういろいろな話があるわけですね。 そのような中で、やはりこの刑事弁護の担い手というのをきちんと確保するために、報酬やその算定であったり、そういった原因と分析の対策についてどのような取組を行っているのか。また、国選弁護報酬の増額について、これは前も聞きましたけど、改めてこの検討の状況を今お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 まさに今の御指摘いただきましたまず報酬の関係でございますが、国選弁護に係ります弁護士報酬、また算定基準について御指摘いただきました。 これにつきましては、弁護士報酬やその算定基準をその業務内容や事件の困難性等が適切かつ公平に反映されたものにすることや、財源に限りがある中で、国民の負担によって弁護士報酬を支払うものであることから、国費支出に国民の理解を得られるのかどうかという国費支出の適正の観点、こういった多角的な観点を踏まえる必要があると考えております。 ただ、いずれにいたしましても、委員御指摘のように、国選弁護を含めまして、国民の司法アクセスを充実強化するという観点からは、担い手となる弁護士の確保、これ重要なものだと考えております。こうした担い手確保を含めた法テラスが直面する課題につきましては、現在開催しております法テラスの在り方に関する有識者検討会でも御議論されているところでございます。 本日はこの算定基準のほかにも職員の接遇といったような指摘もいただきましたが、こういったことも含めまして、法務省といたしましては、こういったところを引き続き、持続可能な形で困難を抱える方々に必要な法的支援を行えるように、関係機関とも協議しながら、こういう場で必要な検討、これ続けてまいりたいと考えております。
○安達悠司君 ちょっと最後、一問飛ばしまして、最後、ちょっと虚偽告訴と偽証の問題を取り上げたいと思うんですけど、捜査の適正や信頼というのに関連して、やはり人を犯罪に陥れてしまう虚偽告訴罪、それから偽証罪、こういったものは、被害届を端緒に捜査が開始することが多い我が国にとっては、非常に重要でありながら、その制裁や処罰が極めて少ないのではないかと考えます。 現在、虚偽告訴罪や偽証罪は実効的に機能しているとお考えでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) 現行刑法上、虚偽告訴罪と偽証罪につきましては、いずれも三月以上十年以下の拘禁刑という法定刑が定められておりまして、両罪の令和六年における処理件数ですけれども、虚偽告訴罪は起訴件数が八件、不起訴件数が百二十件、偽証罪は起訴件数が三件、不起訴件数が七十件ということであるものと承知しております。 こうした処理件数の多寡について、その理由を一概に申し上げることは難しいのでありますけれども、まずは、一般に、刑罰は、刑罰を予告して罪を犯した者に実際にそれを科することによって一般国民による犯罪の遂行を抑止、予防するという一般予防の機能を有するものでありまして、それについては当然意義があるということだと思います。 いずれにせよ、我が国の刑事司法制度の機能を妨害する行為に対して厳正に対処すべきことは御指摘のとおりでございまして、検察当局におきましては、個別の事案ごとに、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき対応するものと承知しているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○安達悠司君 ありがとうございます。 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず、法務省に、開示証拠の目的外使用の問題について聞きますが、この一律禁止の対象が極めて多義的だと。何が再審の準備に当たるのかという問題については、小林委員が随分議論をされてきておりまして、もう私からは繰り返しません。 聞きたいのは、刑罰法規としての構成要件なんですよ。この構成要件が極めて不明確だという下で、この開示証拠を利用する請求人側の違法性あるいは可罰性、そういう意味で、立件するぞということを第一次的に判断するのは、これは検察ですよね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 まず、罰則の適用についてということで、立件するかどうかを判断するのは警察、検察になるかと思います。
○仁比聡平君 これがどれだけ恐ろしいことなのかということをよく自覚しなきゃいけないと思うんですね。 この公開されている国会の委員会での、例えば刑事局長の佐藤刑事局長と、私が冤罪事件の弁護人だとします。こうして、言わば紳士的にというか、議論ができますよね。けれど、個別事件の現場の検察官あるいは警察官のこの姿勢というのは、こんなやり取りじゃないんですよ。 実際、袴田事件の再審請求事件の中で、弁護団が再審請求の中で入手をしたといいますか、資料になってきた、この資料をどう扱ったかということについて検察官が激しく非難するということがありました。それが証拠開示をどう進めるかという議論と結び付けて議論されたときがありました。そう昔のことじゃない。 こうして、この証拠を開示する、あるいは裁判に利用する、再審の準備にこういうことが必要だというようなことに対して検察官が罰則を掲げてこの相手の準備活動に対して威嚇をする、これって本当に深刻な萎縮的効果を生むということになると思うんですね。ここで議論していたら時間がないから、これ留意しなきゃいけない。そして、これから検討するというんでしょう。そこ、しっかり見なきゃいけないんですよ。 ちょっと通告していないんですけど、刑事局長に尋ねてみたいなと思っていたのは、捜査機関の側が捜査情報をリークするということがよくあるじゃないですか。袴田事件でいうと、捏造された証拠、これが出てきたときに、血染めのシャツといって大々的に新聞報道されていますよね。これ、捜査側がリークしなければあり得ないことなわけですが、警察や検察が、捜査情報あるいは証拠、これをリークするということについて処罰された例というのは、これはあるんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 まず、処罰された例でいきますと、最近、いわゆる前科情報を知り合いの者に漏らして刑事処分を受けて、処分を受けた事例があったりいたします。 いずれにしましても、何といいましょうか、捜査情報を対外的に漏らすということはやってはならないことに決まっておりまして、そういった形で情報が出たということであれば、そういうふうな、それも疑いがあるということであれば、そういった捜査などが行われることになるのだろうというふうに思います。
○仁比聡平君 あってはならないことだと今おっしゃいましたけど、実際に新聞の社会面の記事あるいは報道番組などで詳細に犯行再現みたいなことが語られるような、そんな事件というのを、これ、公判前にこんなことが報道される、そこによって、被疑者あるいは重要参考人とされている人物が犯人であるという印象が形作られる、社会的な印象が形成される。あるいは、本当に残虐な事件であればあるほど、被害者がメディアスクラムと言われるような取材攻勢に遭ってプライバシーも人権も丸出しにされてしまう、人権侵害、丸出しにされてしまうと。 そこに対して何の反省もなく、いや、通常審で決めていることですからと。今日、総理、現時点ではというふうにおっしゃいましたけど、再審でも同じ規定を置くんだと平気な顔をしていると。それがいかに請求人や弁護人、それから救援運動を萎縮させるのか。けれど、絶対に萎縮しませんよ。冤罪晴らすために闘いますよ。この規定の恣意的な運用なんというのは絶対に許されないと厳しく申し上げておきたいと思います。 質疑者に、ごめんなさい、修正案の発議者にお尋ねしたいと思うんですけれども、このようにして再審無罪事件の多くで決め手になった証拠は、請求時に提出された新証拠ではなくて、それまで捜査機関によって隠されてきた証拠だというのがこの元裁判官たちの真正面からの問題提起ですよね。だからこそ、再審請求理由に関連をするかしないかというこの要件を外して証拠開示をすべきだという御趣旨だと思うんですが、いかがですか。
○泉房穂君 御答弁申し上げます。 全く同感であります。証拠開示で幅広い開示がなされるか否か、まさに生命線。とりわけ、これまでの多くの再審無罪事件を見ますと、当初から捜査機関が手元にあり、提出されていなかった証拠の中にこそまさに無罪につながる証拠がありまして、そこが出るか出ないかが大変重要。 この点、やっぱり関連性という縛りを掛けてしまいますとそれが出ないおそれが高まるというふうに思いますので、重要なことは、幅広い開示を実現するという観点だと理解しております。
○仁比聡平君 この点で改めて刑事局長に確認をしたいんですけれども、私は、一連の質問を通じて、この新証拠をもって再審請求がなされるんだけれども、これを契機として始まる再審請求審のプロセスというのは、新旧全証拠の総合的な判断を行うというプロセスなのであって、これは弾劾された確定判決に関連して検察官の手持ち証拠も開示がされなきゃいけないと。特に裁判所が必要というふうに認めるなら、これは開示されて、請求理由の追加や変更などが行われると、こういう意味でのダイナミックな無辜の不処罰の非常救済手段としてのプロセスでしょうと。 この間聞きそびれたのは、これは、私は一回の再審請求で必要な証拠は全て開示されなきゃいけないと思うんですよ。第一次だとか、第二次だとか、先ほど名張の事件のお話ありましたけれども、何度再審請求を繰り返しても出てこないみたいなことは絶対にあっちゃならない。それでこそ、ダイナミックな、無辜の不処罰に向けた本当の審理というのができると思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 委員の御指摘のように、裁判所がこの再審請求理由の有無を判断する手続において取り調べる必要があるというふうに考えるというのは、判断に資するという意味であると理解していまして、これは関連性があるということだと思っているんです。 その上で、再審請求理由に関連するというのは、今申し上げた意味で相当な広がりを持つところでありまして、新証拠と例えば旧証拠のダイナミズムというお話がありましたけれども、新証拠によって確定判決を支える一部の旧証拠の証明力が減殺されたような場合には、他の旧証拠の証明力に関する証拠も再審請求理由に関連する証拠として提出命令の対象となり得るというふうに考えているところでございまして、その証拠の提出命令制度における関連性というのは相当の広がりを持つというふうに考えているところでございますので、関連性がないものを含まなくても、今言ったような御指摘は、今言ったような手続はできるのではないかというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 最後に大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、資料、朝日新聞の七月二日付けで元裁判官の根本渉さんという方が語っておられる記事がありますね。そこにあるように、裁判官は、再審請求理由を吟味し、一定の心証が得られれば、必要な証拠を幅広く開示するよう検察官に勧告すると、検察官は、冤罪は速やかに正すべきだと考え、証拠開示に応じる、そんな裁判官や検察官ばかりではないため、改正の必要があるのです、そのとおりだと思うんですよね。 今刑事局長が答弁されたような運用が本当にされる、検察官や裁判官を信頼できるかと。そうしたら、という問題について、直近の冤罪事件において、あるいはその検証に際して、全くそんな実態はないということがこれだけ明らかになる中で、裁判官や検察官を信じてどうするんですかと私申し上げてきました。だからこそ、裁判所による積極的な真相解明を促し、検察の誤った運用によって裁判官の手足が縛られないように、再審請求人や弁護人の証拠開示請求権の保障、これが重要なんじゃないですか。 誰かを信ずる、信頼するというんじゃなくて、当事者の権利とそれに基づく闘いによって裁判所がちゃんと判断する、検察官の不当な主張は許されないと、こういう手続保障こそが日本国憲法三十一条が求める再審の手続なんじゃないですか。大臣、どうですか。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 再審請求審は、通常審とは異なって、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございます。そのために、本法律案では、裁判所が審理に必要と認めた証拠について、検察官に対し、再審請求者側への開示ではなく、裁判所への提出を命ずる制度としているところでございます。 その上で、本法律案では、再審請求者側の手続保障の充実を図るために、再審請求者等に証拠の提出命令に係る請求権や不服申立て権を付与することとしておりまして、裁判所は、証拠の提出命令について、再審請求者等の意見も踏まえて慎重かつ適切に判断を行うこととなると考えております。
○仁比聡平君 だから、証拠提出命令に限らずに、直接の証拠開示、あるいは全面的な証拠開示請求権を認めるべきだと、その手掛かりとして証拠一覧表を認めるべきだと求めてきたわけですよね。大争点だと思います。今日採決したからといって、この争点が終わることはないと。袴田無罪判決の村山元裁判官が、当事者でなければ見付けられない無罪の証拠があるかもしれないとおっしゃっていますよね。 大臣、人が人を裁くというのは恐ろしいことだと思いませんか。人が人を訴追する、起訴する。恐ろしいことだと思いませんか。だから、手続的な権利を保障するということが大事なんじゃありませんか。
○国務大臣(平口洋君) おっしゃることはおおむね正しいと思いますけれども、お尋ねの趣旨は、関連性や必要性などについての裁判所の判断を経ずに全ての証拠を再審請求者側に提示する仕組みだというふうに理解しますと、再審請求審は、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続でありまして、そのため、本法律案における証拠の提示、提出命令制度においては、その審理、判断に資する証拠、すなわち再審請求理由に関連する証拠を裁判所に提出される仕組みとしております。ここでいう再審請求理由に関するとは、裁判所による再審請求理由についての判断に資するという意味であり、相当の広がりを持つものでございます。 そして、証拠の提出命令に係る判断に当たっては、裁判所は自らが主体的に再審請求理由について審理、判断する立場にあることを前提として、再審請求者等の意見も踏まえつつ、慎重かつ適切に判断を行うことになると考えられるところでございます。したがって、この制度の適切な運用により、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えております。 他方で、御指摘のように、捜査機関が保管する全ての証拠を再審請求者側に開示する制度については、関係者の名誉、プライバシーの侵害や証拠隠滅等の様々な弊害が生じ得ること、また、通常審における証拠開示制度との整合性が取れないことなどの問題があると考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっております。
○仁比聡平君 大臣、政府案、今の大臣の答弁でいよいよ追い詰められていることが明らかになったと思います。立憲、公明の修正案は、裁判所の判断で出させましょうという枠組みじゃないですか。大臣が答弁の中で私の質問をゆがめたような、裁判所の判断によらずにという枠組みではないんですよね。いよいよ追い詰められた。是非実現をすべきだと最後に申し上げて、本当に質問を終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。 質疑に入る前に、午前中にも申し上げましたが、私は重要なことだと思っていますので、再度申し上げます。 どういう制度をつくったとしても、検察官が手持ち証拠をそんなものはありませんと言い続ければ、最後まで言い続ければ、これは正義は実現されないということになり得るわけですね。なので、やはり検察庁、検察という組織の風土、これを変えていただくことがいかにも重要だというふうに考えております。悪いところばかり指摘して大変恐縮ですけれども、といいますのは、弁護士の方がはるかに不祥事が多いのに何だというお気持ちもあるかもしれませんが、何せ公権力、強い権力を持っておられる検察ですから、公益の代表者として何としても行動していただきたいというところから申し上げております。 組織内の違法行為なり不適切な行為を指摘すること、これが内部の身内の恥をさらすものであってけしからぬという風土なのか、それとも、それを指摘することが将来的には、最終的には検察の威信を保つことになるんだという、そういう考え方の組織なのか、これは極めて重要だと思いますので、再度申し上げておきます。 さて、先月二十五日、一審で強盗致死罪などで懲役二十三年の有罪判決を受けたパキスタン人男性について、仙台高裁が一審の有罪判決を破棄差戻ししたという件があります。これ、一審の有罪判決で用いられた証拠、これは通訳人の方が通訳をされて、被告人の供述がこれは罪を認めたかのような意訳をされたというふうにみなされて、その意訳自体は正しいのかどうかということが争点になって、結論的には、これは正しくないと、通訳自体が正しくないということで破棄差戻しということになりました。この事案についてはまだ検察が控訴されている、ごめんなさい、その後、破棄差戻し審では無罪判決が言い渡され、さらに、検察が控訴されているという事案です。 これについて、個別のことを申し上げたいのではなくて、まずは一般論としてお聞きします。 罪を犯した者など、あるいは刑事訴訟手続の適正な運用という意味でも、あるいは冤罪を生まないためにも、外国人に対する取調べ時における通訳人の確保、これは公判廷でも一緒ですが、通訳人の確保や質の担保というのは大変重要であると考えます。現在、検察としてこの通訳人の確保や質の担保、どのようにして行っているのか、お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お尋ねにつきまして、あくまで一般論として申し上げますと、適切な刑事手続の実現のためには、有能な通訳人を確保することが不可欠でございまして、検察庁におきましては、平素から有能な通訳人の確保に努め、各地検が通常必要な言語及び人数を確保しているものと承知しております。 具体的に申し上げますと、検察当局におきましては、取調べ段階における有能な通訳人の確保という観点から、最高検におきまして、各地検が登録している通訳人のデータベースを作成いたしまして、必要な場合に地検相互で通訳人を利用できるように体制を整えているほかに、いわゆる遠隔通訳システムと呼んでおりますけれども、通訳人に最寄りの検察庁に出頭してもらって、いわゆるオンライン、取調べをモニター中継しまして通訳人に通訳を実施してもらうシステムを活用したりしているところでございます。 加えまして、法務省におきましても、各高等検察庁と連携して、全国規模で通訳人を対象としたセミナーを実施するなどいたしまして、その御意見を承ったり、通訳人同士で議論をしていただいたりしまして、検察庁の取調べ段階における通訳人の質的な量的な充実を図ってきたところでございます。
○北村晴男君 過去の法務委員会におきまして、法務省は、通訳人が確保できないうちに被疑者を不起訴にせざるを得なかったというような事例は承知していないというふうにおっしゃっていたと認識しています。 他方、通訳人は付けたけれども、通訳を介した意思疎通やあるいは供述内容の確認の難しさ、また、通訳人を介するとどうしても長時間を要しますので、これにより、法定の身柄拘束期間内に容疑を固めることができず、やむを得ず不起訴にしたというような事例は相当程度あるのかなと推測していますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) あくまで一般論として申し上げますと、外国人を被疑者とする事件の捜査におきましては、被疑者の取調べについて通訳を介す部分は時間を要するというのは事実であります。また、例えば押収したスマートフォンに外国語を使ったメッセージのやり取りが保存されている場合などもありますけれども、証拠物等の分析に翻訳を要する場合があるということや、さらに、法制度に関する被疑者の理解の度合いや文化の違いなどが取調べの障害となることもあり得るといった形で捜査を難しくし得る特有の事情が存在することもございます。そのような中で、例えば身柄事件におきましては、時間制限の中でこういった取調べ等を行うことについて捜査当局は取り組んでいるものだというふうに思います。 その上で、一方で、では、外国人に限ったことかというふうになりますと、今、これまた一般論として申し上げれば、刑事事件の捜査におきましては、被疑者の国籍を問わずに、被疑者におきましても参考人におきましても捜査に非協力といった方々が増えているということもございますし、そういう中で、先ほどの外国人の取調べが難しく、そもそもそういうハードルがあるということと同じような形で真相解明に困難を来す事案が多々あるのは事実でございまして、その上で、最後に、お答えになるわけですけど、その不起訴処分に至る事情というのは個々個別の事件ごとに様々でございますので、これを網羅的に、統計的にとか分析的に把握しているわけではないものですから一概に言いづらいのですけれども、外国人を被疑者とする事件について、困難を伴うこともありますけれども、これが一概に日本人を被疑者とする事件と比較して捜査が困難かと、あるいは不起訴になりやすいかと言われると、これをお答えすることはなかなか難しいと、結論を得るのは難しいというのが結論でございます。済みません。
○北村晴男君 おっしゃっていること自体は理解しますけれども、これ、あくまでも類型的に、言語の意思疎通、言語が通じない、日本語が通じないことによる意思疎通の困難さというのは、これは類型的に時間が掛かる、これはまあ言えるのではないかと私の方は思っていますと。もちろん、日本人の被疑者、言語は通じるけれども、もちろん、捜査に協力しない、完全黙秘する、そうすると捜査に難航、それはそのとおりで、それは外国人も日本人も一緒、それは分かります。ただ、類型的にそういうことはあり得る話なんで、これは調査していただくべきなんじゃないかなというふうに思っています。 ちなみに、これは、ちなみにということですけど、司法研修所の、刑事弁護委員会では刑事弁護マニュアルなどを作っていますが、これで刑事弁護教官の間で議論になったと聞いていますけれども、否認事件は全て完全黙秘だと、これが弁護方針として正しいんだという、否認事件は全て完全黙秘するということをマニュアルに書かれているというようなことがあって、これは私個人的には大きな間違いだというふうに考えていまして、実際にやっていないのであれば、やっていないことを十分に説明して捜査に協力すべきだというのが私の事務所の方針ではありましたけど、それはちなみにということで、次に行きますね。 今お答えいただいた内容も含めていろいろ努力していただいているとは思いますが、現行法の枠組みで対処し切れない部分があるのであれば、仮にあるのであれば、刑事訴訟法の改正、これは意味は、身柄拘束期間について類型的にどうしても時間が掛かるというのであれば、日本語が通じない被疑者の方については身柄拘束期間の法定、定めを例外的に別に設けるというような刑事訴訟法の改正もあり得るのではないかと思っております。 さて、先ほど紹介した無罪判決についてですが、個別の評決の、ごめんなさい、個別の判決の評価はさておき、通訳人の意訳内容が一つの争点となり、結果として無罪判決が下されております。こういった事例があると、我々から見ると、通訳を介した外国人被疑者の方、しかもその方の供述内容が大変有力な証拠であると、それ以外には、ある程度のそれを支える間接事実等、何らかの証拠はあるんだけれども、しかし、その供述が信用されなければなかなか公判は維持できないというような事例で、起訴に当たって、検察官が安全策を取って安易に不起訴処分とするというような事態が生じることが懸念されますが、この点の懸念についてはいかが考えますか。
○政府参考人(佐藤淳君) あくまで一般論として申し上げますと、そういった形で通訳があることに伴って、被疑者の供述の信用性というものを慎重に測らなきゃいけない事案があることはそれは事実でありますけれども、これは、やはり日本語が前提となっていても、そういう供述があったからといってその供述が信用できるかという判断も同じようにあるわけでございまして、必ずしも外国人だけに限った話ではないということを前提とさせていただいた上で、そういった上で、例えば、そういった中で、その供述に限らず、様々創意工夫を凝らして、関係機関と連携しつつ、何とかして必要な捜査を遂げて、まずは真相を解明して、それが事件としてあるのかないのかを解明した上で次に進むといった捜査処理に取り組んでいかなきゃいけないものだというふうに一般論としては考えているところでございます。
○北村晴男君 その努力を期待したいと思います。 さて、お配りした資料は、これは差戻し審、仙台高裁の差戻し審の判決文でありますが、その四ページの真ん中から下のところにマーカーでマークを付けたところ、これは何かといいますと、窃盗の限度での共同正犯又は幇助犯が成立するにとどまると。これは、弁護人の方が、この事件は強盗じゃないよと、そういった強盗に関する意思連絡はなかったんだと、ただ、窃盗の限度では意思連絡があったんだという主張を弁護人の方が高裁でされたということを示すものであります。 さて、この方が、仮に、一般論でも結構なんですが、仮に最終的に無罪となったとしましょうと、そうすると、いわゆる退去強制事由などには当たらないわけであります。拘禁刑に処せられるということになりませんので、無罪判決になると。ところが、少なくとも高裁段階で、最初の高裁段階で、弁護人側が被告人と意思連絡、いろんな打合せをした結果、この方は窃盗の限度で共同正犯又は幇助犯が成立にとどまるんだという、そういう認識を弁護人が持った。これ一般論で結構なんですが、そういうケースで無罪判決になるということはあり得るということになります。 そういった場合に、やはり以前から何度も御指摘しているように、全ての無罪判決を同じように扱って、この方は日本に在留しても危険性はないんだという判断、一律にすることは間違いではないのかなというふうに考えております。といいますのは、まあ、ここまでで、そういった考えについてどんな考えをお持ちか、政府参考人にお聞きします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 一般論としましては、そういった事案があったとしても、やっぱり入管当局としましては、種々の情報収集をして、退去強制事由に当たるものが仮にそのほかの側面で見付かったり、あるいは上陸審査の場面であれば、そのほかの事由とかで例えば在留資格に相当する活動をするような信憑性がないねというようなことであれば上陸拒否ということになりますし、また在留更新の立場で素行が不良であるということになれば在留更新しないとか、様々な実務上の取組というものはやっておりまして、そういうことで国民の御不安等にしっかりと対応していきたいなとは思っているところでございます。 それを前提としつつ、そういった実務の取組を前提としつつ、本年一月に政府において取りまとめた外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策におきましては、先生の御指摘等と重なる部分もあると思いますけれども、退去強制事由の拡大につきまして、海外事例を参考にしながら検討するとの施策が明確に掲げられているところでございます。 そこで、当庁におきましては、退去強制処分の性質等に鑑みながら、退去強制事由の拡大についても検討をちゃんとしっかり進めなくてはいけないなと考えております。さらに、この状況を踏まえつつ、必要に応じて上陸拒否事由の拡大についても検討することとしたいと、このように考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 時間になりましたので、刑事事件において有罪判決を下す、それは合理的な疑いを入れない程度に証明された場合ですね、犯罪が。それと、その人が危険性をどの程度持っているかという判断は全く別物だと考えております。言わば、刑事事件においては疑わしきは罰せずと、入管行政においては疑わしい方は入れないというふうにすべきだというふうに私は考えておりますので、一応意見を申し上げて、終わりにします。
○委員長(伊藤孝江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○泉房穂君 立憲民主・無所属の泉房穂です。 会派を代表し、政府提出の原案に反対、立憲民主・無所属と公明党共同提出の修正案に賛成の立場から討論いたします。 今回の原案につきましても、七十八年ぶりの改正ということもあり、全てが全て駄目と言うつもりはありません。明確な規定がなかった手続規定が整備されますので、手続の明確化、また審理の迅速化についてはプラスだろうと私も理解をしております。 もっとも、最も大事なことは何かというと、冤罪の被害者が確実に救済できるか否かが最大のポイント、また救済に至った方も本当に長い長い年月が掛かってしまったことに鑑みたときに、救済を、迅速に救済すること、この確実な救済、迅速な救済の観点から、今回の原案に賛成することはできません。 このテーマにつきましては、繰り返しお伝えしておりますけれども、冤罪に遭った被害者、またまだ苦しみ続けている被害者が今回のまさに改正案をどのように受け止めているかが大変重要でありまして、袴田ひで子さんも参考人として、この政府案では巖は助からなかったんではないかと、処刑されていたのではないかとまで言っておられるんです。ほかの冤罪の被害者も多くの懸念事項を示されておられます。 そういう意味におきまして、確実な救済が得られるか否かという論点が最も重要でありまして、この点、今回のやはり証拠開示の論点につきまして、審議がこの間なされてきましたが、やはり、関連性という要件で制約をしたので大丈夫かということは、本当に懸念が尽きません。 いわゆる職権主義を強調なさるのであれば、裁判所がある意味裁量によって幅広く、例えば証拠の提出を命じたり、例えば証拠の直接開示を命じたりできるのが本来の姿でありまして、今回の原案につきましては、むしろ、やれるべきことを裁判所を縛るような内容になっているのではないかという問題でありまして、そういった制約をあえて課すことによって確実な救済につながるのかという論点につきましては、私はやはり懸念を払拭することはできません。 そしてさらに、こういった関連性の縛りを弁護人側が一定程度疎明するといっても、取っかかりがないわけですから、証拠の一覧表などの何かしら全体像が把握できないことには実効的な対応はできかねるわけでありまして、そういう意味におきましては、制約を課している点においてこれは改悪と言わざるを得ないと思いますし、一覧表の交付を認めない辺りにつきましては、これは、運用に任せる辺りにつきましては不十分という評価をせざるを得ないと思います。 さらに加えて、開示された証拠につきましても、それを全面的に目的外使用の名の下に禁止することは行き過ぎでありまして、犯罪に遭った被害者や関係者らとのバランスというのは個別対応で可能なのでありますから、両者に目配りするような法改正こそが望ましいのでありまして、現状、七十八年間、そういった禁止規定がなくて特に大きな弊害も生じていないことに鑑みたときに、あえて今回、全面的な禁止規定を罰則付きで設けるというのは、これは改悪と評価せざるを得ないと思います。 この点、修正案におきましては、証拠開示については広く開示を命じられるようにした上で、一覧表についての交付もできることにし、加えて、目的外使用につきましても個別対応という修正内容となっております。そして、もう一つ重要なことは、証拠がちゃんと適正に保管されていないことには始まりませんから、この点につきましては、修正案検討事項に入れております。 こういった点から、やはり確実な救済の観点から、原案に賛成することはできません。 もう一つは、迅速な救済でありますけれども、やはり抗告のテーマでありまして、やっぱり立法事実に鑑みたときに、十分な根拠ということだけでこれが担保できていると思えません。そういう意味におきまして、修正案におきましては、これにつきましてはドイツやフランス同様に一律禁止というような内容にしております。 こういった観点から、政府案原案には反対、そして修正案に賛成の立場です。 なお、この後の採決がどうなろうとも、冤罪に苦しむ被害者がおられる、そうである限り、立法府としてしっかり責任を果たすことは今後も変わらないと思います。立法府である以上、すぐに更に見直しをすることも可能です。五年ごとという規定がありますが、別に五年待つ必要もありません。引き続き、しっかり冤罪の被害者の救済に向けて、与野党を問わずしっかり力を尽くし合うことを皆さんにお願い申し上げ、私の討論といたします。共に頑張りましょう。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 会派を代表して、刑事訴訟法改正案に対し、原案に賛成、修正案に反対の立場から討論を行います。 理由の一つは、衆議院で要望した修正案の可決です。 法務省が作成した政府案は、与党内の議論による修正を経て衆議院に提出されました。その上で、参政党の要望した修正案により、任意の証拠開示、五年後の見直し対象が明確化され、完全ではありませんが、賛同できる内容となりました。 具体的には、附則四条二項により、検察官による任意の証拠開示を、従来の運用を後退させないことはもとより、これまで以上に適切に行うものであることが本会議での総理答弁や委員会での法務大臣答弁によっても確認されました。また、証拠一覧表の扱いが、目的外使用禁止規定についても五年後の見直し対象として明記されることになり、運用の適正が期待されます。 第二に、従来より前進した内容であることです。 次に、本法案は、新たな証拠提出命令の創設や検察官抗告の原則禁止に加え、即時抗告期限の延長、決定日の通知など再審手続規定が整備され、無罪確定時の弁護人報酬も含めた費用補償の規定など、冤罪被害の救済や誤判の防止について前進した内容であると評価されます。 近年、国境を越えた犯罪の増加や外国人に対する刑事裁判、外国との捜査協力の動きがますます進む中で、より一層我が国の適正な刑罰権を確保し、国民の権利、自由を守り、また、我が国の刑事司法に対し信頼を高める必要があると考えます。 第三に、被害者の権利や捜査協力の確保に関する観点です。 今回の法案は、参考人として来られた刑事訴訟法の学者である成瀬参考人からは、裁判官や検察官に明確な行動指針を示し、再審開始決定や無罪判断の確実性を高め、支持できるとの評価をいただいております。また、被害者支援に取り組む宇田参考人からは、かなりバランスを熟慮して、考慮し構築された法案であると評価されています。 再審請求に時効はありませんが、捜査や公判維持の重大な問題が明るみに出て再審無罪判決に至った事例もあり、真相解明のため、権利の救済のために再審制度が重要であることは言うをまちません。他方で、調査手続の要件緩和や証拠提出命令の運用により、被害者のプライバシーや裁判所、捜索機関にどのような影響が出るのかは慎重に見極める必要があると考えます。 私も、弁護士として、真相の解明、また冤罪被害の救済は非常に重要だと考えますが、今回は、様々な経緯により、原案に賛成、そして修正案に反対することといたしました。 以上で討論を終わります。
○小林さやか君 国民民主党・新緑風会の小林さやかです。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び修正案共に反対の立場から討論を行います。 近時、袴田事件や福井女子中学生殺人事件を始め、再審無罪事件は相次ぎました。共通する課題は、誤判を是正するため、必要な証拠が十分に明らかにならず、再審請求手続が真実に到達する機能を十分果たしてこなかったことにあります。この反省を踏まえ、長年運用に委ねられてきた再審手続を法定化しようとしたその方向性自体は評価いたします。だからこそ、我が党、我が会派が党是とする対決より解決の立場から、より実効性のある制度となるよう、本委員会におきましても提案型の質問を重ねてまいりました。 しかし、それでもなお、立法府の一員として、二点、どうしても譲ることのできない課題が残されております。 第一は、証拠の開示です。 提出命令は法定化されましたが、その対象はなお再審請求理由との関連性が前提とされています。再審請求人は新証拠を示さなければ制度を利用できない一方で、その新証拠が存在するかもしれない証拠の全体像すら把握できません。再審請求理由との関連性を問わない証拠の開示は、結局のところ任意の運用に任されています。人も組織も誤り得るからこそ、運用ではなく、制度としてより実効的な証拠開示を職権で命令で保障すべきと我が党は提案し続けてまいりました。 第二は、目的外使用禁止規定です。 犯罪被害者等の保護は極めて重要ですが、そのために一律の禁止を罰則付きで設ける制度設計には賛成できません。我が国には、少年事件や犯罪被害者保護制度等において、裁判所が利益衡量を行いながら閲覧、謄写を認める仕組みがあります。再審請求手続においても、被害者の保護と真実の発見を両立するため、個別具体的な判断による制度とすべきです。若しくは、公益目的の例外規定を置くべきです。証拠は検察官や弁護人のためにあるわけではありません。真実を明らかにし、無辜を救済し、司法に対する国民の信頼を守る公益のためにあるのです。その制度設計になお重大な課題を残した本法案には賛成できません。 ただ一方、全てが完璧な状態でスタートを切ることができる法もまたなく、不断の検証と見直しが必要となります。様々な課題をはらんでおりますが、その中でも何よりも今回指摘したこの二点だけは譲れず、最優先すべき課題と考えます。現実的な解決策を提示する我が党としては、この最優先課題二点に注力すべきという立場から、修正案にも反対とさせていただきます。 以上を申し上げ、私の討論といたします。
○横山信一君 公明党の横山信一です。 私は、公明党を代表し、原案に反対、修正案に賛成の立場から討論を行います。 現行の再審に関する規定は十九条の条文だけであり、再審の手続保障は不十分でした。再審請求者等に証拠開示に関する請求権がなく、検察官による裁判所不提出証拠の開示も積極的にはなされませんでした。加えて、裁判体が検察官に証拠開示を求めるかどうかによる再審格差を生じていました。また、再審が開始されても、検察官の不服申立てにより審理が長期化していました。これらを踏まえると、政府案は冤罪被害者の速やかな救済を図る内容とは言えません。 以下、その理由を述べます。 一点目に、再審請求者や弁護人は検察官が保管する証拠の内容や量を知ることができない点です。 政府は、通常審と再審請求審との手続構造の違い等によって、証拠一覧表の交付を否定しています。しかし、これまでの再審無罪事件の多くは、捜査機関が保管する証拠の中に無罪を決定付ける証拠が存在していました。 修正案では、裁判所が必要と認めるときは証拠の一覧表を再審請求者や弁護人に提供を命じる規定を設けています。 二点目は、検察官保管証拠に対する開示制度が明文化されていない点です。 修正案では、裁判所の職権によって、証拠の提出命令に加えて、証拠の開示を命令できることとしています。また、開示の時期や方法を指定し、開示の条件を付すことができるとしており、犯罪被害者のプライバシーへの配慮も可能です。 三点目として、罰則付きの証拠の目的外使用の禁止規定により真実発見が遅れる懸念です。 政府が主張する被害者のプライバシーについては、裁判所が適当と認める条件を付すなど、個別対応による配慮が可能です。 修正案では、証拠の目的外使用の禁止規定と罰則規定を削除するとともに、被害者のプライバシーに配慮すべく、条件を付して弁護人に謄写させることを可能としています。 四点目としては、検察官による不服申立ての原則禁止です。 原案では、十分な根拠がある場合に限り不服申立てが可能とされました。しかし、これは抜け道にほかなりません。 この点、修正案では、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することとしております。 そのほかに、再審手続を円滑に進行させるためには捜査機関の証拠の適正管理が必要であり、そのための検討を速やかに開始すべきです。 冤罪被害者の確実かつ迅速な救済を図るため、修正案への委員各位の御賛同を申し上げ、討論といたします。
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、再審法政府改定案に反対、立憲、公明修正案に賛成の討論を行います。 政府案は、与野党を超える踏み込んだ質疑にもかかわらず、国民的な改正要求の出発点である再審における全面証拠開示、開始決定への検察官抗告全面禁止に背を向け、無辜の不処罰のための非常救済という再審制度本来の目的に逆行するものです。私は、この質疑終局、採決に断固反対しました。 一昨日、福井女子中学生殺害事件の冤罪被害者、前川彰司さんが急遽参考人質疑への出席を取りやめられたのは、十七日に成立するのなら行く意味がないと感じられたからだというのに、そのとおりに進めるというのか。参議院で再修正をという期待に背き、絶望を強いる政府案はこれからでも撤回し、超党派議連案の原点に立ち返った抜本改正を目指すべきです。 反対理由の第一は、新設する証拠提出命令が再審請求理由との関連性を要件とし、再審請求者への直接開示は認めない不当なもので、これでは、裁判所が職権で積極的な証拠開示を勧告、命令する場合もある現状よりも明らかに開示の範囲を狭める改悪になるからです。 再審無罪事件の多くで決め手になった証拠は、請求時に提出された新証拠ではなく、それまで捜査機関によって隠されてきた証拠です。再審請求では、検察官手持ち証拠を含む新旧全証拠を総合的に判断して、無罪を言い渡すべき明らかな証拠がないかが審理されるべきであり、裁判所が必要と認める証拠は全て開示されなければなりません。 裁判所による積極的な真相解明を促し、検察の不当な主張によって裁判官の手足が縛られないよう、請求人、弁護人の証拠開示請求権の保障は不可欠であり、証拠一覧表はそのための手掛かりです。 法務省は、職権主義だから証拠開示はできない、証拠一覧表は効果が限定的などと言いますが、再審制度が職権主義とされるのは、確定判決を覆してでも無辜の不処罰を図るべき非常救済手続だからであり、当事者の十分な権利保障と両立することは、当委員会の審議で明らかになったと考えます。 第二に、開示証拠について、手続又はその準備に使用する以外の目的という極めて曖昧な要件で罰則を科し、目的外使用を禁止することは、請求人、弁護人、救援運動を不当に制約し、萎縮的効果を生むからです。個人情報、プライバシーの保護の必要性は個々の証拠ごとに異なるのであり、検察官の意見も聞いた上で、裁判所が条件を付することによって解決すべきです。 第三に、政府案は、検察官不服申立てを原則禁止した、十分な根拠が例外と言いますが、結局、十分な根拠の判断主体は検察官、原則禁止は行為規範にすぎないというのであって、羊頭狗肉のそしりを免れないからです。 立憲、公明の修正案は、こうした政府案の重大点を解決しようとするもので、賛成です。戦後も死刑を含む幾多の冤罪が繰り返され、冤罪被害者は、仮に罪を晴らせたとしても、人生を丸ごと奪われる長い闘いを強いられてきました。日本国憲法の下、疑わしきは被告人の利益にの鉄則を全うし、人権救済の最後のとりでとなる再審制度へ何としても抜本改正を進めるために奮闘する決意をもって、反対討論といたします。
○委員長(伊藤孝江君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより刑事訴訟法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、打越さん外二名提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤孝江君) 少数と認めます。よって、打越さん外二名提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤孝江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、打越さんから発言を求められておりますので、これを許します。打越さく良さん。
○打越さく良君 私は、ただいま可決されました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び日本保守党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 過去の再審無罪事件において再審請求審で開示された裁判所不提出証拠が重要な役割を果たしたこと及び開示されるまでに長期間を要した事例があったことに鑑み、検察官は公益の代表者であることを深く自覚した上で、裁判所から勧告があった場合は、裁判所の意向を十二分に踏まえ、任意での証拠の提出又は開示を適切に行うとともに、事案に応じ、裁判所が勧告した場合に証拠の一覧表の提出・交付に応じることを含め、適切な運用の在り方を検討すること。 二 検察官は、公益の代表者であることを深く自覚し、証拠に反する事実を主張したり、誤った事実関係を前提としたまま公判を遂行させたりすることなどあってはならず、従前の主張や証拠に誤りがあることが判明したならば、速やかにそれを撤回し、裁判所や弁護人に経緯の説明や関係証拠の開示を行うなど、適正な是正措置を講ずること。 三 再審請求審における証拠提出命令については、通常審の公判前整理手続における証拠開示命令の対象となる証拠は、必ずしも検察官が現に保管している証拠に限らず、当該事件の捜査の過程で作成され、又は入手した書面等であって、公務員が職務上現に保管し、かつ、検察官において入手が容易なものを含むと解するのが相当であるとした判例を踏まえた運用が行われるよう努めるとともに、これまで司法警察員から検察官に送致されていなかった証拠が再審無罪につながった事件があったことを踏まえ、捜査機関は証拠を適正に保管及び送致すること。 四 通常審と異なり非公開で行われる再審請求審における証拠の複製等の目的外使用の禁止の規定に違反した場合の措置については、支援者に協力を求めることを含む正当な弁護活動や報道機関を通じた国民の知る権利にも適切な配慮がされるよう周知すること。 五 再審開始の決定等に対する不服申立てにより冤罪被害者の救済に数多の年月を要した事件があるとの指摘を重く受け止め、検察官は本法により再審開始の決定等に対する不服申立てが原則として禁止されることを十分に認識した上で、これを例外的に行うに当たっては、その趣旨を踏まえ、再審開始の決定等を「取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠」の有無を慎重かつ十二分に検討するとともに、公表される不服申立ての理由についても「取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合」に該当するか否かの検証が可能となるよう具体的な明示をするよう努めること。 六 再審開始の決定等に対する不服申立ての理由等の公表の規定は、同規定の施行の際現に係属している再審請求事件について、検察官が不服申立てをする場合にも適用されることを周知徹底すること。また、同規定による公表に当たっては、当該再審開始の決定等に係る再審の請求に係る被告事件についてされた再審の請求に係る再審開始の決定等に対して検察官が同規定の施行日前に不服申立てをしていた場合においては、国民の理解を得る観点から、運用上の措置として、当該不服申立ての理由と当該公表に係る不服申立ての理由との異同も踏まえ、事案に応じて相当な範囲内で、必要な説明を行うよう努めること。 七 本法は、再審の請求に当たり添付が求められている新証拠に関する従前の実務における解釈・運用を変更する趣旨ではないことを周知すること。 八 誤判による有罪判決を未然に防止し、冤罪被害者を生まない刑事司法を実現していくためには、通常審における適切な証拠開示制度が必要不可欠であり、その運用状況を踏まえつつ、不断の検討を行っていくこと。 九 附則第二条の規定による検討に際しては、必要に応じ、捜査機関が作成した書類及び収集した証拠物の保存の在り方並びに再審請求の準備段階及び再審請求審における国選弁護制度についても検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(伊藤孝江君) ただいま打越さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤孝江君) 多数と認めます。よって、打越さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平口法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平口法務大臣。
○国務大臣(平口洋君) ただいま可決されました刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
○委員長(伊藤孝江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会
この記録を確かめる
S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #3927 観測 2026-08-23 00:52 JST改ざん検知用の値
00b65ae5…2d2cce(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #3942 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- 579ed074…b88d04
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。