S4RCIV 公的記録の観測ログ

観測した事実を記録し、判断はしない 監視対象 2,820 件 直近署名チェックポイント seq#3,618 (08-05 01:00 JST) ▸検証

← タイムライン
国会会議録

法務委員会

第221回 · 参議院 · 第17号 · 2026-06-23

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-05 00:06 JST 記録 #3615 ↗

発言 268

会議録情報

令和八年六月二十三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月十八日     辞任         補欠選任      見坂 茂範君     山崎 正昭君  六月二十二日     辞任         補欠選任      有村 治子君     上野 通子君      山崎 正昭君     若井 敦子君  六月二十三日     辞任         補欠選任      上野 通子君     加藤 明良君      岡田 直樹君     加田 裕之君      若井 敦子君    いんどう周作君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         伊藤 孝江君     理 事                 古庄 玄知君                 こやり隆史君                 打越さく良君                 川合 孝典君                 横山 信一君     委 員                いんどう周作君                 上野 通子君                 岡田 直樹君                 加田 裕之君                 加藤 明良君                 鈴木 宗男君                 福山  守君                 山谷えり子君                 若井 敦子君                 泉  房穂君                 牧山ひろえ君                 小林さやか君                 嘉田由紀子君                 安達 悠司君                 仁比 聡平君                 北村 晴男君    衆議院議員        修正案提出者   藤原  崇君    国務大臣        法務大臣     平口  洋君    副大臣        法務副大臣    三谷 英弘君    大臣政務官        法務大臣政務官  福山  守君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局刑事局長   平城 文啓君    事務局側        常任委員会専門        員        武蔵 誠憲君    政府参考人        法務省大臣官房        司法法制部長   内野 宗揮君        法務省刑事局長  佐藤  淳君        財務省主計局次        長        吉沢浩二郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○刑事訴訟法の一部を改正する法律案(閣法第六一号)(衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、見坂茂範さん及び有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として若井敦子さん及び上野通子さんが選任されました。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  刑事訴訟法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長佐藤淳さん外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。平口法務大臣。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  罪を犯していない人が処罰されることはあってはならず、仮に犯人でない人を有罪とする確定裁判があれば、速やかに救済されなければなりません。再審制度は、そのための非常救済手続であり、重要な意義を有するものです。  しかし、近時、一部の再審無罪事件において、再審の請求から再審無罪判決の確定までに相当な長期間を要し、再審請求者等に大きな負担を生じる事態となっています。  そして、こうした事態の原因に関し、捜査機関が保管する裁判所不提出記録の提出までに多くの時間を要しているといった指摘や、再審開始の決定に対する検察官の不服申立てにより再審の手続が長期化しているといった指摘がなされているほか、刑事訴訟法上、再審請求審の手続に関する規定が少なく、裁判所の裁量に委ねられている部分が多いことなどを理由に、再審請求者等の手続保障が十分でないといった指摘がなされています。  こうした事態や様々な指摘は、従来の再審制度やその運用の在り方に大きな反省を迫るものであり、これを真摯に受け止めた上で、再審制度の趣旨に立ち返りつつ、反省、改善すべき点について速やかに手当てを講ずる必要があります。  そこで、この法律案は、こうしたことを踏まえ、再審請求者等の手続保障の充実や再審請求審の手続の円滑化、迅速化を図りつつ、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、刑事訴訟法を改正し、所要の法整備を行おうとするものであります。  この法律案の要点を申し上げます。  第一は、再審請求審における証拠の提出命令に関する規定の整備であります。すなわち、審判開始の決定をした裁判所は、一定要件の下で、検察官に対し、再審の請求に関連すると認められる証拠の提出を命じなければならないこととするとともに、再審の請求の手続において謄写された検察官提出証拠の複製等の適正管理及び目的外使用の禁止に関する規定を整備するなどの措置を講ずるものであります。  第二は、再審開始の決定に対する検察官の不服申立てに関する規定の整備であります。すなわち、再審開始の決定等に対しては、当該決定等が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、即時抗告等をすることができることとするとともに、政府は、再審開始の決定等があったときは、遅滞なく、その旨並びに検察官が当該決定等に対する即時抗告等をしたかどうか及び当該即時抗告等をした場合におけるその理由を公表することとするものであります。  第三は、再審の手続における裁判官の除斥に関する規定の整備であります。すなわち、通常審における判決等に関与した裁判官を一定の範囲で再審の請求の手続及び再審公判から除斥するとともに、再審の請求についての決定に関与した裁判官を一定の範囲で再審公判から除斥することとするものであります。  第四は、再審請求審において審理を要する事件を選別するための調査手続及び審理を要すると判断された事件についての審判手続に関する規定等の整備であります。すなわち、再審の請求を受けた裁判所は、遅滞なく、その請求について調査しなければならないこととし、当該裁判所は、調査の結果に基づいて、審判開始の決定又は再審開始の決定若しくは再審の請求を棄却する決定をしなければならないこととするとともに、再審請求者等は、審判開始の決定をした裁判所に対し、事実の取調べを請求することができることとし、当該裁判所は、審理終結日及び決定日を定めた上、それらの日を再審請求者等に通知しなければならないこととするほか、再審の請求に係る一定の決定に対する即時抗告等の提起期間を延長するなどの措置を講ずるものであります。  第五は、再審請求審に要した費用の補償に関する規定の整備であります。すなわち、再審開始の決定が確定した事件について、無罪の判決が確定したときは、一定の範囲で、その再審の請求の手続に要した費用の補償をすることとするものであります。  このほか、近年における再審の手続に関する諸事情に鑑み、再審開始の決定等に対する不服申立てについて、その係属する裁判所の決定が事件の受理日から一年以内にされるよう努めなければならないこととすることを含め、所要の規定の整備を行うこととしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において一部修正が行われております。  何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員藤原崇さんから説明を聴取いたします。藤原崇さん。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 衆議院議員の藤原崇でございます。  刑事訴訟法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明を申し上げます。  修正部分は、いずれも衆議院における委員会質疑を踏まえた内容となっております。  第一に、証拠の目的外使用の禁止や検察官の保管する証拠の一覧表の交付について、多くの御指摘がございました。現状においては、政府原案のとおりとするのが適切であると考える一方で、これらの論点については、残された課題であるとも認識するところであり、適切にその対処に当たるべしとする立法府としての意思を示す必要があると考えたところであります。そこで、政府によりこの法律の施行後五年ごとに行われる検討の対象に、再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度及び検察官が保管する証拠の一覧表に関する制度を例示として追加することとしております。  第二に、証拠提出命令制度が創設されることにより、これまで実務運用で行われてきた裁判所による証拠の提出や開示の勧告、検察官による任意の証拠の提出や開示といったものが縮小されてしまうのではないかとの御懸念が示されてきたと承知しております。そこで、近年における再審の手続に関する諸事情に鑑み、従来行われてきた再審の請求の手続における運用上の措置としての裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るもの及び検察官による任意での証拠の提出又は開示は、事案に応じ、適切に行うものとするとの規定を新たに附則に設けることとしております。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄です。  まず、大臣にお伺いします。  先ほどの刑事訴訟法の一部を改正する法律案提案理由説明の中で、大臣は、再審制度の趣旨という言葉を使われましたが、この再審制度の趣旨というのは、具体的に言うとどういうことでしょうか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。  処罰されるべきでない者が処罰されることはあってはならず、万が一そのようなことが生じた場合には速やかに救済されなければならないのであって、再審制度はそのための非常救済手続でございます。  本法律案の提案理由における再審制度の趣旨とは、このような意味で用いたものでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、人権を救済する、そういう最後の手段だと、そういう理解でよろしいですか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) おおむねそういうことでいいかと思います。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 それでは、以下は刑事局長の方にお尋ねします。  まず、本件で、証拠開示という言葉と証拠提出命令という言葉が出てきて、どうも審議の中でごっちゃになっている懸念がありますので、まず、この証拠開示と証拠提出命令を詳しく、どういう点が違うのかを明らかに説明していただきたいと思います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  現行刑事訴訟法上設けられている通常審の証拠開示制度と本法律案における証拠の提出命令制度には様々な違いがあるところでございますけれども、まず、裁判所から命令を受けた場合に検察官が取るべき対応について申し上げますと、前者、通常審の証拠開示制度につきましては、被告人又は弁護人に対して証拠を開示するということになるのに対しまして、後者、今回の証拠の提出命令制度におきましては、裁判所に対して証拠を提出するということが、まず大きなことでございます。  その上で、何が、様々な点で違いがあるわけですけれども、証拠開示制度、通常審における証拠開示制度といいますのは、検察官と被告人、弁護人という訴訟当事者が訴訟追行の主導権を持つ、当事者主義と呼んでおりますけれども、そういう主義の下に、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに反証を行うといった対審構造の下、争点や証拠を整理するとともに、被告人が十分に防御の準備をすることができるようにすることを目的としたものでございます。こうしたことを前提として、検察官が被告人側に証拠を開示する仕組みとされているところでございます。  これに対しまして、再審請求審というのは、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございます。本法律案では、こうした再審請求審における手続構造を前提といたしまして、裁判所が審理のために必要と認めた証拠につきまして、検察官に対し、裁判所への提出を命ずる仕組みとしております。  その上で、検察官から裁判所に提出された証拠につきましては、弁護人が閲覧、謄写することができることとされておりまして、再審請求者が弁護人を選任していない場合における証拠の閲覧においても、裁判所において個別の事案に応じて適切に対応されるということを考えているところでございます。  また、個別の事案に応じて、例えば検察官が裁判所に証拠を提出するのと併せてその写しを再請求者側に交付するといった運用も否定されないと考えているところでございます。  その他もろもろございますが、取り急ぎ大きな点を申し上げたところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 局長にお願いしたいんですけれども、聞かれたことに端的にまず結論を答えてください。さっきの質問は、再審請求云々なんていうこと私言っていません。証拠開示と証拠提出命令の違いはどういう点にあるのかと聞いたんで、それに対する答えを端的に言ってください。余り先の方、先の方って先走らないでください。議論がこんがらがります。よろしいですか。  そうすると、証拠開示と証拠提出命令というのは、いろんな意味で違うということですね。  それで、これから佐藤局長にずっと聞いていくんですが、ちょっと個人的なことを聞いて申し訳ないんだけど、佐藤さん、検事歴は何年ですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えします。  個人的なことを申し上げるのはこの場で適切かどうかはともかくといたしまして、私は、平成四年修習、平成六年の任官ということでございますので、それ以来公務員として生活しているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、当然、裁判官の経験あるいは弁護士の経験、これはないですね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 済みません。ここで、法務省刑事局長としてここに答弁席に座っているものですから、個人的なことを申し上げるのはと思いながらも、先生の御質問なのであえてお答えいたしますと、弁護士の職務経験であるとか裁判所で裁判官として勤務した経験はございません。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 当然、再審裁判を立ち会ったと、経験したということもないですね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  当然、裁判所あるいは弁護士として経験したことはございませんので、そのような形で私自身が経験したことはないのでありますけど、申し訳ございません、やっぱり、ここは私、法務省刑事局長として答弁に立っている、刑事局を代表してここで答弁しているところでございますので、個人的な事柄についてお答えするのはできるだけ御容赦願えたら有り難いなと思っているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 今回の改正案は、証拠開示は全く改正法案の中に入れていないですね、証拠開示。  そこで聞きたいんですけれども、今回、証拠開示を改正案の中に入れなかった理由、それと、通常審では証拠開示が三百十六条の十四で認められているのに、今回の再審法ではこの証拠開示を入れなかったその理由について明らかにしてください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど先走って答弁してしまった部分かもしれませんけれども、先ほど申し上げたように、通常審における証拠開示制度というのは、検察官と被告人、弁護人という訴訟当事者が訴訟追行の主導権を持つ当事者主義の下で、検察官が公訴事実を立証する、これに対して被告人、弁護人が反証するといった対審構造の中で行われる手続であるのに対しまして、再審請求審は、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございますので、これを前提として、裁判所が審理のために必要と認めた証拠について、検察官に、再審請求者側への開示という形ではなくて、裁判所への提出を命じる仕組みとしたところでございます。  その上で、先ほども申し上げたとおり、裁判所に提出された証拠については、弁護人が閲覧、謄写できるという枠組みになっているということでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ここで職権主義という言葉が出てくるんですけれども、職権主義というのは、訴訟の主宰者である裁判所が中心になっていろいろ訴訟の指揮をするという、分かりやすく言えばそういうことですよね。  職権主義か当事者主義かというのは訴訟構造論だと思うんですけれども、形式的な訴訟構造論以外に、実質的に証拠開示を認めない方が冤罪被害者を救済するためには適切なんだと、そういう実質的な理由は何かありますか。  私は聞いていて、実質的にはなくて、この場合になると、佐藤さん、職権主義、職権主義って言うんだけど、検察官抗告のときは、あれは抗告は認めると、あそこは当事者主義的な考え方を持ち込んでいて、この証拠開示のときは職権主義だと、うまいこと当事者主義、職権主義というのを使い分けて利用しているというふうに思うので、そういう形式的な職権主義か当事者主義かじゃなくて、さっき大臣が言ったように、無実の人間を救うためには証拠開示をしない方がいいんだと、そういう理由があれば、それを明らかにしてください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 通常審における証拠開示と再審請求審における証拠提出というのは、提出先、開示先、まずは裁判所に見せてそれを弁護人が見る仕組みにするのか、弁護人がまず見て、そこで弁護人が取捨選択をした上で証拠提出するかという違いであるというふうにまずは理解しているところであります。  その上で、先生の御質問の趣旨は、再審請求人側が可能な限り広い証拠、とりわけその争点に関連するような、主張に役立つような証拠の開示を受けたり、あるいは提出を経由して、何といいましょうか、閲覧、謄写ができると、その範囲がメインの話だと私は理解しておりまして、その提出か開示かによって再審請求人側の利益が大きく異なる、その証拠を見る範囲ではですね、そういうことではないというふうに理解しているところでございます。  その上で、再審請求審が、裁判所が主体となって調べる、審理を進めていく手続であるので、証拠の提出というのを基本この制度としてつくっている。その上で、様々御指摘がありましたけれども、実務運用におきましては、現在の、従来の実務慣行が必ずしも否定されるものではない。したがいまして、裁判所に提出する場合には、同時に弁護人側に開示するというようなことも当然考えられるわけでございますので、そのような意味では、弁護人側、再審請求人側からの利益状況というのは同じなのではないかというふうに考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 私は全然同じとは思いませんので、またこれは後ほど聞いていきますけど、その職権主義は、裁判の主宰者である裁判所が主導してやっていくということでよろしいですよね。  そうすると、村山裁判官、衆議院のときに言っておりますけれども、裁判を主宰する裁判官であったとしても、直接に証拠は検察官の方から請求人及び弁護人の方に渡してもらった方がきちんと真実解明に役立つんだと。裁判官に、裁判所の方に提出命令を掛けて裁判所に出させてもらったって裁判所は分かりにくいので、直接当事者に渡してもらった方がいいんだというふうに訴訟を主宰する裁判官もそう言っているわけですよ。これはまさに、職権主義に、職権主義構造に適しているんじゃないですか。裁判官が言うとおりにやってくれということですから。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 御質問の趣旨にお答えしているかはちょっと私も疑問があるのでありますけれども、通常審あるいは従来の再審請求審の中で、そのような形で、証拠開示の勧告などがなされて検察官から弁護人に開示がされた事例というのはあるんだと思っています。また、そのような実務運用が否定されるわけではないということであります。  その上で、そのような、どのような範囲の証拠を裁判所に提出させるか、あるいは弁護人に開示させるか、今、村山弁護士さんがおっしゃったような意味でいうのは、勧告をするにしても命令をするにしても、これは裁判官が判断、裁判所が判断するわけであります。  まずは裁判所の判断がそこに一つ関与して、その範囲の証拠を弁護人が取捨選択してから裁判官が見る仕組みとするのか、それとも裁判官が全て見る仕組みとするのかということによって、再審請求人側からすると、取捨選択した上で百のうちの十の証拠を裁判所に見てほしいとやるのか、裁判所に百の証拠が全て出て、その百の証拠を弁護人が見て、百のうちの十の証拠をちゃんと見てほしいというふうに立証する、主張するのか、その違いであると理解しておりまして、そういう意味では、裁判所が、弁護人側、再審請求人側の主張となる根拠というのはそのような形でそちら側にも渡るということでありますので、そこは手続の順番の違いではないかというふうに思われるところです。  それがなぜそうなっているのかと申し上げますと、先ほど申し上げた手続構造論であるとか、あるいは通常審と再審請求審のそれぞれにおける被告人、済みません、再審請求人側や被告人側から見た証拠の把握の困難性であるとか、そういったことに基づくものであるというふうに理解しているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 これは、後の提出命令のところでもちょっと聞きたいと思うんですが、裁判官も検察官がどういう証拠を持っているか全然分からぬ状態ですよ。  例えば段ボール箱二箱の証拠がありますと、片一方の段ボール箱を検察官が有罪立証で通常審から証拠で出しましたと、もう一個の段ボール箱にそれ以外の押収した証拠が入っていますと。だけど、それ以外のもう一方の段ボール箱に何が入っているか、弁護士も分からなければ裁判官も分からないわけですよ。それを、裁判官だったら提出命令掛けられるなんというのは、佐藤さんは裁判官やったことないからそういうことを言っていると思うので、裁判官を約四十年間やった村山先生は、裁判官はそんなこと分かりませんよというふうに言っているわけですよ。  だから、提出命令を掛けるから証拠開示認めなくていいなんという、そういう理屈は全く通らないというふうに思いますが、いかがでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  済みません、私の答弁が必ずしも先生の御質問に答えているかどうかもあるのですけれども、現状においても、通常審におきましても、そのような、証拠がどのようなものがあるかということが必ずしも全て裁判官も弁護人も分からない中で、そのような主張、立証がなされて、裁判官が、この範囲の証拠を通常審では開示するように、今回の再審請求の今までの実務運用の中でも、こういうものを開示するように、あるいは提出するようにといったような判断を裁判所はしてきたというふうに思っていまして、そのような中で、現在までの例えば再審無罪事件に結び付いたものもあるというふうに理解しているところでございます。  その上で、今回の証拠提出命令制度におきましては、そのような、裁判所がどのような証拠があるのかについて必ずしも把握していないことを踏まえて、必要があると認めるときには、証拠そのものの提示であるとか標目の一覧表の提示、これは関連性があるものないものに限らずに一覧表の提示を命じることができることとしておりまして、そのような形で必要な証拠が裁判所に提出され、弁護人が閲覧、謄写できるようになるという意味におきまして、これまでよりも裁判所の判断はしやすくなるのではないかというふうに考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ちょっとそれは後でまた議論をしたいと思いますけれども。  今日提出した資料の一、二、元刑事裁判官だった方たちの声明文、それから刑事訴訟法の学者、こういう人たちが、今回の改正は改悪だということで、何とかやめてほしいという声明を出していることは御存じですね。その中でも、そういう元裁判官の方たちが盛んに訴えているのは、やはりどういう証拠が検察庁の元にあるか分からない、それを分からない中で再審の立証しろなんて言われたってそれはできないということを盛んに訴えているわけですよ。この点についてはどういうふうに考えますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど答弁したところでございますけれども、先ほどと繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、現状、通常審におきましても、裁判所は、そのような形で証拠の開示の範囲などを公判前整理手続の中でそれを裁定する仕組みがありまして、裁判所はそのような判断をしているということでありますし、従来の再審請求審におきましては、裁判所が検察官に対して証拠開示の勧告などをしまして、そこの範囲にある証拠を開示するようにといった御判断をされて、裁判所の意向を踏まえて検察官からそのような証拠が開示されたということで今まで動いてきているところでありまして、従来の実務慣行というのは今後も否定されるものではないわけでありますので、そこの判断の根拠は従来と同じである上に、さらに、今回の証拠提出命令制度におきましては、証拠そのものの提示であるとか標目の一覧表の提示を命ずることができるというふうな裁判所に手段を与えているところでございまして、これまで以上に従来の再審請求審における手続よりも裁判所に手段を与えて、そのような判断に資する、再審請求理由に関連する、その判断に資する証拠、裁判所は範囲を設定することがこれまでよりも容易になるのではないかというふうに考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 私が聞いているのはあくまでも証拠開示であって、証拠提出命令とは違うんで、今、証拠提出命令をつくったから証拠開示は要らないという、そういう論法みたいですけれども、私が聞きたいのは、証拠開示を認めなかった根拠、職権主義だという、そういう訴訟構造論以外にあえて認めなかった積極的な根拠を教えてくれと、そういうことを聞いているわけです。  衆議院のときに佐藤さん何と言ったかというのをちょっと出しますと、こう言っているわけですわ。衆議院のときには、裁判所における証拠の提出命令制度の解釈に困難が生じ、再審請求審における適切な運用を確保することが困難となるおそれがある、制度全体としての理由であるとかバランスを考えてそういう制度は設けないことにしたというふうに六月十日の國重議員の質問に対する答えをしているんですけど、ちょっと私、この意味がよく分からない。佐藤さん、今日はいいです。次回にもう一回聞きますので、そのとき答えて。  それで、あなたが盛んに証拠提出命令のことを言いたそうなので、ちょっと証拠提出命令のことを聞きますけれども、時間の関係があるので。証拠提出命令については、この改正法の四百四十五条の二に証拠提出命令が規定されていて、どれを提出させたらいいかよく分からぬときは、四百四十五条の三で、一回ちょっと見せてちょうだいよと、こういう規定の仕方ですね。  それで、一回ちょっと見せてちょうだいよと、そういう規定、それに何て書いているかというと、裁判所は、必要があると認めるときは、検察官に対し、当該判断の対象となる証拠の提示を命ずることができるというふうに書いていますね。四百四十五条の三です。いいですね。また、二項で、裁判所は、第一項の決定をするか否かの判断をするに当たり、必要があると認めるときは、検察官に対し、その保管する証拠であって、裁判所の指定する範囲に属するものの標目の一覧表を提示することを命ずることができると、こう書いていますね。  それで、質問です。  判断の対象となる証拠、裁判官が検事にこれこれこれの証拠を出してくれというとき、まず裁判所はどの程度特定すればいいのか。検事に対して、あなたが持っている証拠を全部出してくれと、これでも特定は十分なのか。それ以外、それでは余りにもでか過ぎるので、証拠の範囲が広がり過ぎるので、供述調書、目録だけ、検面調書だけにするとか、何かそれ以上に特定する必要があるのか。もう検察官さん、あなたが持っている証拠を全部出してくださいと、そういう特定の仕方でいいのか。それについてまずお答えください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  この四百四十五条の三の証拠提出命令の前の段階での証拠の提示であるとか標目の一覧表ということだと思いますけれども、これについては、検察官が、そこに、裁判官が求めているものが何で、すなわち、この証拠は個別の証拠を見たときにこの中に入っているというふうに判断できればいい、個々の証拠が識別が可能であるか、これを、この証拠を見たときに今の裁判官のお求めに入っているものかどうかということが判断できればいいというふうな理解でおります。  その上で、例えば、全部といった、検察官手持ち証拠の全部といったことが可能かということでありますれば、これは必要となる証拠の特定ができます。検察官が現に手元に持っている証拠全部ということであれば特定できますので、そのような提示をさせることは可能であるというふうに考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 それは間違いないですね。  裁判所が検事に対して、今まで証拠で出ていないけれども、あなたが検察庁で保管している証拠を全部出してくださいよと、全部見せてくださいよと言っても、検察庁はそれに応じるということでよろしいですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  今お答えしているのは、刑訴法四百四十五条の三の証拠の提出命令の前段階の提示命令であるとか標目の一覧表の提示を指しているわけですけれども、そこで全部、検察官が現に手元に持っている証拠全部ということであればこれは特定できますので、そのような提示命令も可能であるというふうに考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、じゃ、また戻って申し訳ないんですけど、四百四十五条の二で、これは提出命令ですけれども、これ、裁判所は、再審の請求の理由に関連すると認められる証拠については、決定で、検察官に対し、当該証拠の提出を命じなければならないというふうに書いていますね。  そうすると、例えば、ほんなら、裁判所がこれこれこれの証拠を出してくださいと、そういうふうに言ったときに、関連性があるかないかというのは誰が判断するんですか。裁判所は、関連性があると思って、これこれこれの証拠を出してくださいと、ちょっと特定の仕方はよく分からぬけど、言うたと。そのときに、検察官が、いや、それは関連性がないから出しませんというふうに言えるのか言えないのか。裁判所が関連性があると思えば全て検察官はそれに従うのか、従わない場合があるのか、これはどうなんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  今のお答えは、証拠の提出命令、先ほどのとは、問いとは違って、証拠の提出命令制度ということでございますので、証拠の提出命令において必要となる証拠の特定の程度ということだけで申し上げますと、論理的には、例えば当該事件に関して検察官が保管する全ての証拠といったことで特定は足りるわけであります。  問題は、先生御指摘のとおり、再審請求理由に関連すると認められる証拠について、提出を受ける必要性の程度と提出に伴う弊害の内容、程度を考慮して相当と認められるときということでございますので、今、全ての検察官の手持ち証拠を見た上で、この要件に当てはまるか否かを裁判所がまずは判断するということでございます。  その上で、この法案におきましては、その全てのそのような要件を満たすかどうかということについて決定をするに当たっては、検察官の意見を聴く、それから、その決定に関しては、あるいはその請求を却下する決定につきましては、即時抗告をすることができるということになっておりまして、まずは、裁判官、裁判所がまず判断をするというのが大前提でありまして、不服申立ての機会はあるということでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、例えば、裁判所が、これらの証拠は関連性があると、なおかつ必要性とか弊害のおそれもほとんどないと、そういうふうに判断して、出してくれと言っても、じゃ、検察官の方が、いや、裁判官さん、それは関連性がありませんよ、あるいは弊害が起こりますよ、そういうふうに言って拒む場合もあるわけですね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 済みません、御質問の趣旨が、命令が出た後ということであれば、それが即時抗告はできますけれども、それが即時抗告が退けられた場合にはこれは検察官は義務でありますので、当然、全てをもう既に裁判所が見ていることを前提とすれば余計にですけれども、そのものを提出する義務を負うということでありまして、拒めるということではございません。  その上で、その命令が、例えば検察官手持ち証拠の全部が再審請求理由に関連して必要性、相当性、そういった要件を満たすというのがどの程度想定し得るかというのはいろいろあるわけでありますが、例えば、被害者のプライバシー、捜査協力者のプライバシーに関するものについては弊害があると考えて、そこについては例えばマスキングをするなりの対応が必要だというふうに検察官が主張することは想定され得るところでございまして、そこについて裁判所の判断をまた仰ぐということは考えられるのではないかと思いますが、命令が出た以上は義務でございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっております。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 はい、最後。  証拠を全部裁判官が何月何日の供述調書とか特定して理解していればいいけど、よく分からないので、例えばこの被告人の犯罪性に関する証拠全てというふうに言ったときに、検察官が、いや、これは関係がないだろう、いや、これは必要性がないだろうというふうに検察官が判断して提出しないという場合もありますよね。  そうしたら、そのときは、その証拠はもう検察庁の倉庫の中に眠ったままで日の目を見ることはないと。実は、その検察庁の倉庫の中で眠った証拠が再審無罪を決めるための決定的な証拠だったとしても、検察官が関連性がないと判断して裁判所に提出しなかったら、それでもうその人は一生無罪判決を勝ち取ることはできないと、そういうふうになるんじゃないの、この条文を読めば。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) もう時間を過ぎておりますので。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 はい。  じゃ、一応私の質問は。回答を短めにするならどうぞ。  じゃ、終わります。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 立憲民主党・無所属の牧山ひろえです。  六月十九日、日野町事件の再審公判を前に、検察が有罪立証を行わない方針を示し、服役中に亡くなった阪原弘さんの無罪が事実上確定することになりました。しかし、その無罪を本人が聞くことはかないませんでした。  当日のテレビ報道で長男の阪原弘次さんが、衆議院を通過した法案は証拠開示に対して万全ではない、冤罪被害者が救われる法案に修正して衆議院に戻してほしいとインタビューに応じたのが大変印象的でした。  日野町事件では、捜査側の不正を示す証拠が開示されたことで再審開始に至りました。再審制度は国家の誤りを正す最後のとりでです。この刑事訴訟法の改正案が参議院で審議入りしたその日に日野町事件の節目を迎えたのは、もしかすると冤罪被害者を救済したいと心から願う検察のメッセージだったのかもしれません。  大臣にお聞きします。この法案は改悪だという現場ですとか被害者、彼らの声に真摯に応える、そのお気持ちをお聞かせください。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 検察としては、過去の検察の行動を踏まえて、日野町事件についてはしかるべく結論を出したということでございますから、近時、再審無罪判決の確定までに相当な長期間を要していますので、再審請求者に大きな負担を生じさせないという、こういう配慮をしたものでございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 もしそれがお気持ちなんでしたら、これから、批判されている法案ですので、是非真摯に、被害者の、そしてお亡くなりになった方のことを一番に思った改正をお願いします。  さて、これからの各論は、弁護士である三谷副大臣にお願いします。  再審制度について海外と比較すると、日本の司法制度が時代の要請に乗り切れず、ともすると、諸外国から十年も遅れているように感じます。もっとですね、十年以上遅れている。  資料二を御覧ください。  例えばイギリスでは、一九九七年に独立機関でありますCCRCが設置されました。CCRCが付託決定を出した事件の有罪判決が破棄される割合は、近時において約六割で、設置から二十四年間で二万六千件以上の請求を受けて七百五十三件についての再審を裁判所へ勧告できたと、そういった実例が報告されています。日本では毎年二百件ほどの再審請求がありますが、再審に至るのはゼロ若しくは数件。第三者委員会がある国とない国とでは、まさに雲泥の差でございます。  アメリカでは、第三者委員会を含む四つの大きな改革が次々と進んでいるんですね。アメリカの検察庁内部の冤罪を検証する組織、CIUでは、二〇一九年の全米の冤罪事件百四十三件のうち五十五件の救済を果たしたとのことです。  一方では、遅れている日本はどうかというと、どうでしょうかね、冤罪防止という観点からすると、恐らく日本は諸外国から少なくとも十年は遅れていると言いましたけれども、しかも、今回の法改正で後退が懸念される、そうした印象だと思います。  三谷副大臣、この状況を見て、一刻も早く日本でも第三者機関を立ち上げるべきではないでしょうか。御見解をお聞かせください。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  諸外国における再審制度を含む刑事手続の在り方はそれぞれの国の実情等に応じて様々でございまして、単純な比較ができるものではないというふうに、まず考えているところでございます。  その上で、イギリスのCCRC、これ御指摘いただきましたけれども、これにつきましては、裁判所から独立した第三者機関に再審請求の審査を担わせるという、そういった点があるということは御指摘のとおりではございますけれども、とはいえ、一方で、新証拠の評価のみならず、その立証命題に関連する旧証拠の評価という確定判決の判断に立ち入って審査を行わせることとなり、憲法上保障されている司法権の独立との抵触が問題となることから、慎重な検討を要するものというふうに考えているところでございます。  日弁連において各国の様々な制度についての調査が行われているということは承知をしております。とはいえ、先ほど申し上げたとおり、イギリスですとかドイツですとか、この再審に関しては、不利益な再審というものも認められる、そういった様々な制度の違いというものもございまして、この単純な比較がなかなかできるものではないということは御理解いただければと思います。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 参考にしていただけますか。諸外国で実績のある、ちゃんと第三者委員会を設けている国々をお手本に、もちろん諸外国の事情はあると思いますけれども、でも、おおむね似ている事情だと思いますので、これ、この成功例というか、実績を参考にするということはいかがでしょうか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  御指摘の点も含めまして、この再審制度のみならず、刑事訴訟法については、不断の、より良いものをというふうに考えていかなければいけないというのは当然のことでありまして、特にこの今回の改正法においては五年ごとにしっかりと検討を行っていくという条項がございますので、そういった中でもしっかりとより良いものは何であるべきかということは検討させていただきたいというふうに考えております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 五年を待たずに、一刻も早く、一日、一秒が大事ですから、是非一刻も早く検討を開始してください。  次に、証拠の目的外使用禁止に関する規定について伺います。  この規定は、冤罪救済とプライバシー保護のバランスに関わる重要な論点だと考えています。四百四十五条の五及び六は目的外使用禁止の規定及び罰則を設けることとしていますが、現状では再審請求事件には目的外使用規定はありませんが、問題は生じていません。少年事件や犯罪被害者の場合は必要に応じて個別に条件を付けるだけなのに、なぜ再審手続だけは全員に一律の利用制限を課すのでしょうか、副大臣。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) この一律の目的外使用禁止規定を設ける趣旨という点についてのお尋ねだというふうに理解をしております。  一般に、刑事手続の過程で収集される証拠は、関係者の名誉、プライバシーに関する情報や捜査上の秘密を含み得るものでございまして、本来の目的以外に使用されると、関係者の名誉、プライバシーの侵害のほか、罪証隠滅や証人威迫、今後の捜査への協力確保の困難化等の様々な弊害が生じるということでもございます。  さらに、一旦例えばインターネットで公開される等々になりますと回復困難な場合もございますので、そういった場合においては、確実な防止を図る観点から、再審請求審においても、これ通常審と同様に、証拠の目的外使用というものを一般的に禁止させていただくということになるわけでございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 もう何でもかんでもプライバシーとかその理由で見せられない。問題がある部分をちゃんと黒塗りすればいいということも衆議院の方でも言われていましたよね、こういうことも検討しなきゃ駄目ですよ。  韓国では、証人威迫や被害者を苦しませるなど、他の目的で使用することを禁じるガイドラインがちゃんと定められています。韓国のように、証拠の使用禁止は極めて限定的であるべきです。可能な限り広く証拠を開示すれば、袴田事件のみそ漬け実験のように、普通の方が真相を解明してくれるかもしれません。韓国のガイドラインの話と、この袴田事件のように普通の人が事件の解決に導いたことを踏まえてお答えください。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  まず、この韓国のガイドラインに関してですけれども、御指摘のガイドラインについて、申し訳ありません、その存在のそのものを把握していないところでございますので、それはまた別途御指摘をいただければというふうに考えておりますが、一方で、法務省といたしまして、諸外国の法制度の詳細を網羅的に把握しているものではない、これ先ほどに関連しますが、大韓民国の刑事訴訟法においては、通常審で、検察官が弁護人又は被告人に閲覧、謄写させた証拠に係る目的外利用を禁止する規定があるものと承知しておりますが、一方で、再審請求審についてはこの目的外利用を禁止する規定というものはないわけであります。  一方で、加えてですけれども、韓国においては、この目的外利用禁止の規定もなければ証拠開示の規定というものもないという状況の中でのことだというふうに考えておりますので、そういった形で、どういうふうに証拠を取り扱うかというのは運用でいろいろと実務で積み重なってきているんだろうというふうには推測されるところでもございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 やっぱり一律禁止するということじゃなくて、ちゃんと何が目的外禁止なのかというのがある程度ガイドラインがないと、もう雲をつかむようで分からないと思うので、是非韓国の事例も含めてこれをしっかり速やかに検討してください。  四百四十五条の六は、弁護士が証拠の目的外使用禁止規定に違反した場合について、処罰の対象となり得るか否かの基準がなお不明確です。そのため、例えば、弁護人が再審事件についての著書を出版して印税を得たりテレビ出演で報酬を得たり、利益を得る、これを、その場合、利益を得る目的と評価される可能性はありませんか。その本の読者ですとか、あるいはそのテレビ番組を見ていた人たちが、素朴な視点、疑問を持って真実発覚の鍵となることだって、袴田事件のようなことがあるわけですよ。目的は真実を追求する理由であっても罰則を科すわけですか、副大臣。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  この改正後の四百四十五条の六の第二項におきまして、弁護人又は弁護人であった者が、こういった証拠の複製等を、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的で、そういった交付したり提供したりした場合は刑罰に処せられるというのは御指摘のとおりでございます。  その上で、いかなる場合がこれに当たるかということに関してなんですけれども、それはもうまさにその個別の事案ごとに具体的な事実関係等を踏まえて判断されるべき事柄であるので、なかなか一律にお答えするということは難しいところではございますけれども、例えば、この再審事件に関する著作物の制作や報道対応等に使用する行為、こういった活動の中で金銭を得ることもあろうと思います。そういった中で、再審手続の準備に使用する目的によるものと認められない場合には、目的外使用の禁止違反となり得るというふうに考えられるところでございます。  もっともでありますけれども、この弁護人による目的外使用が罰則の対象になるのは、こういった対価として利益を得る目的であった場合に限られるところではございますけれども、先ほどお答えしたとおり、一概にお答えすることは困難であるということ、また、この改正後の四百四十五条の五の第二項において、こういった目的外使用した場合の措置についても明示的に規定するところでございまして、複製等の内容、行為の目的、態様等の個別の事情を考慮するということを明記させていただいております。  当該措置をとるべき者においてこの条文に基づいて適切な判断がされるべきものというふうに考えております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 そのガイドラインが曖昧だと、個別ごとに判断するということだと、皆さん、これを解決、冤罪を救済しようという気持ちがあっても、怖くて萎縮しちゃうんじゃないですか。活動が萎縮によってもう止まっちゃうと思うんです。現場の人たちの声です、これは。  やっぱり、目的は、真実を追求するわけですから、この目的を果たすためだったら基本的にいいというお考えでよろしいでしょうか、副大臣。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) 先ほど答弁させていただいたとおりのことでございますので、個別の事案ごとに判断されるべきということになります。  この条文上、対価として財産上の利益その他の利益を得る目的というものでまさにこの処罰範囲が規定されているというところになりますので、まさにそこに掛かるかどうかという判断、これは個別事情に基づいて判断をしていく形になります。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ちょっと駄目ですよ。やっぱり、この問題を解決するには弁護士は不可欠なんです。弁護士の人たちが、ルールもなくて、そして罰せられるということだけ決まっている。これじゃ、萎縮して、冤罪活動するなというふうに言っているようなもので、やっぱり目的は、真実を追求するという主な目的であれば、これは絶対に、罰するということは残酷だと思います。いかがですか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) そもそも、この証拠開示についての規定が設けられた際にも、この措置についての詳細な規定というものが追記されたというふうに承知をしております。まさにそういったことがないようにするために、この四百四十五条の五の第二項において、この再審請求に係る利益又は再審における被告人の防御権を踏まえ、この行為の目的及び態様、関係人の名誉、その他私生活若しくは業務の平穏が害されているかどうか、こういった具体的な考慮要素を挙げて規定させていただいておりますので、それを踏まえて、それぞれの機関において、団体において検討していくことになるというふうに考えております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  そうすると、被害者に被害を与えるような、それがメインの目的であった場合のみということでよろしいですね。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) 最終的に、そういったことではなく、その他利益を得る目的があるかどうかということによって個別具体的に判断されていくという仕組みということは御理解いただければと思います。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 是非、弁護士活動が、せっかく気合を入れて冤罪救済をしようとする人々、そして弁護士の活動をストップさせないように、むしろ応援してあげるように是非お願いします。  私は、真実を追求することがこの再審法改正の一番の目的だとすると、目的外使用の禁止ではなくて、目的内使用の容認、この表現の方が私は制度の趣旨に沿うと思いますが、いかがでしょうか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) そもそも、この証拠開示に関する規定とこれパラレルに設けさせていただいている、これはこの再審のということではなくですけれども、そういった様々な議論がある中で、証拠開示という制度を導入する際に目的外使用を禁止するという形で整理がされてきたというこれまでの経緯もございます。  そういった流れの中で今回の規定を設けさせていただいておりますので、いろんな考え方はあろうかと思いますけれども、様々な観点から、もう一度ゼロベースから考えるべきだというような御意見としては承知をして、理解はいたしますけれども、今回は、そういった形ではなく、この検討、条文案を提示させていただいているというふうに御理解いただければと思います。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 是非、ゼロベースで考えて、目的外使用とかいう言葉ではなくて、目的内使用の容認、もうこの観点からゼロベースで始めていただきたいと思います。  次に、再審請求審における国選弁護制度について伺います。  法制審では、再審請求審への国選弁護制度の導入について、公費負担の在り方を根拠に慎重な姿勢を示しました。実際には、再審開始決定に至るまでの証拠収集や法的主張の整理は高度な専門知識を要します。弁護人の助力なしに請求人自らが無実を立証することは現実的に困難というか、不可能です。  再審請求審こそ刑事事件に精通した弁護人による支援が私は必須だと思いますが、いかがでしょうか、副大臣。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  再審請求審において国選弁護制度というものを設けるべきではないかという御指摘に関しましては、法制審議会においても議論が行われていたところでございます。  この点、再審手続は、国選弁護人による援助を含む十分な手続保障と三審制の下で確定した有罪判決について例外的にこれを是正する非常救済手段であることや、本格的な審議が必要となる事件はごく一部にとどまることに照らすと、再審請求審において公費で弁護人を付す必要性について通常審と同様に考えることは困難であるということ、それから、これは同一の者が繰り返し再審請求を行う例も見られて公費支出の適正の観点からも疑問が残るといった、そういった意見が法制審の中で大勢を占めて、答申に盛り込まれなかったものというふうに承知をしているところでございます。  また、ちょっと長くなりますけれども、準備段階においても、再審請求すらしていない者についても公費で弁護人を付すものであり、必要性、相当性についてより慎重な検討を要するとされ、答申には盛り込まれなかったものというふうに承知をしております。  そういった観点から、いずれも慎重な検討を要するというふうに考えております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 附則第七条では、費用補償として、費用面の支援について検討規定がありますが、再審で無罪確定後に支払うとなっています。しかし、そこまでたどり着いた人というのは、弁護士を最初の再審請求で雇えた一部の人に限るんです。濫用的な再審請求への対応は必要だとしても、衆議院での局長答弁にもありますとおり、対象事件の範囲や選任要件、国費負担の在り方など様々検討課題があると承知していますが、それは一定の要件や審査の仕組み、これで対応すべき問題だと思うんですね。  資料一を御覧ください。  最高裁判所の資料によりますと、再審請求を申し立て、既済、つまり再審の入口まで出られた人は毎年たった二百人台です。令和三年を基に説明しますと、裁判所に係属している受理件数は四百四十二件で、そのうち、その年に新たに提起された数が二百五十五件、その年に終了した事件が既済人員で二百五十四件、再審開始決定がされた人員がたった一件ということです。  最も弁護士の支援が必要なのは再審請求の時点なのに、制度そのものを設けない理由にはならないんではありませんか。弁護士でおありですから、是非それを踏まえて、副大臣、お願いいたします。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  御指摘の令和三年における受理総数と既済人員の件数というものが御指摘のあるとおりであるということは承知をしております。  その上で、繰り返しになりますけれども、やはりこの再審請求審において公費で弁護人を付す必要性について、先ほどの観点から通常審と同様に考えることは困難であるということ、本当に、それから、繰り返し再審請求を行うという例もございますので、そういった観点から、公費支出の適正の観点からも疑問が残るという、そういった法制審の指摘というものは重く受け止めなければいけないというふうに承知をしております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ですから、繰り返されるそういった事例というのはまた別問題なので、それはそれで対応する。でも、そうじゃない場合はやっぱりありますので、その大半の人たちのことを考えたら、ちゃんとしっかり弁護人を付けるということを考えてください。  閣法四百四十五条の二のように裁判所提出型とした場合には、弁護人は閲覧や謄写の権利はありますが、再審請求人にはないんですね。弁護人がいない請求人にはそもそも証拠が見られないということになっているんですが、これ、どう思いますか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) 先ほど、今御指摘の点ですけれども、証拠の閲覧主体についての御質問だというふうに承知をしております。  現行法においても、刑事訴訟法第四十条一項により、弁護人は閲覧、謄写をすることが可能であるというふうな規定になっているということでございます。その点について、この弁護人がいなければそういった権利がないではないかという御指摘だろうというふうに思いますけれども、それはまさに、現行法もそうでありますけれども、この改正後も、裁判所の判断により閲覧をすることが、これは権利ではないけれども、可能となりますし、裁判所において個別の事案に応じて適切に判断されるものというふうに考えているところでございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ここで、資料三の七、これ附帯決議ですけど、副大臣、申し訳ございませんが、この七番をお読みいただけませんか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) この刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対する附帯決議でございます。この前提、冒頭の頭書きのところですね、「本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。」というふうに書いた上でこの七項がございます。「附則第二条の規定による検討に際しては、必要に応じ、捜査機関が作成した書類及び収集した証拠物の保存の在り方並びに再審請求の準備段階及び再審請求審における国選弁護制度についても検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。」。  以上でございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 このように、衆議院では附帯決議において再審請求審における弁護人支援の在り方について検討を求めています。  この附帯決議を受けて、政府はどのような体制でいつから検討を開始するんでしょうか。再審請求の段階で弁護士を付けないこと自体が冤罪を許しているということになるわけです。それが分かっているわけですから、今こそ、法施行を待たずに速やかに着手すべきではありませんか、副大臣。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  この附帯決議の七項というのは、当然なんですけれども、重く受け止めなければいけないことだというふうに承知をしております。  その上で、お答えいたします。この附帯決議については、本法の施行に当たり、その後、格段の配慮をすべきということになっておりますので、改正法が成立、施行した後にどういう状況になるかということは、しっかりと、この七号に書いてあることをしっかりと検討するということにはなるというふうに承知をしております。  その上で、この本法律案の附則第二条においては、施行後五年ごとの検討条項というものが設けられるということになっておりますので、当然ですけれども、この先ほど御指摘いただいた点も含めまして、再審に係る制度についての検討、これをしっかりと行っていくというふうに承知をしております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 五年後に検討するんじゃなくて、もう既に、こういう再審請求の場面というのは本当に素人じゃできないのお分かりですよね。普通の人たちができるわけないですよ。これ本当、大変な作業です。  やっぱり、弁護士がいるといないのでは大違い。だから、やっぱりお金があって弁護士が雇える人はいいですよ。でも、雇えなかったり、サポートが周りから得られない人は、専門家の知識や専門家の手伝いがない状況で再審請求できると思いますか、本当に。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  今の問題意識、そして質問に対して適切にお答えすることになるかどうかと、これは分かりませんけれども、この検討を具体的にどのような体制や方法で行うこととするかということについては、現時点で未定であるということは申し上げなければなりません。  しかしながら、この改正法として成立した場合には、御指摘のそういった同条の趣旨も踏まえまして、実務における運用状況の正確な認識に基づきまして、この再審制度の在り方について幅広い観点から充実した検討がなされるよう、これ適切に、そこはそういうふうに思っていただければと思いますけれども、我々としては適切に対応してまいりたいというふうに考えています。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 反対意見があったという話ですけれども、そういう方、事情を聞いて、どういうことなのか、そういう方々だと、反対した方々だとしても、じゃ、その人たちに聞いてみてください、自分がこういう同じ立場だったら再審請求できるのか。素人だったら絶対無理なんで、もう無理だって分かっていることを五年後とか言わないで、やっぱり常識的に考えて、もう今、本当に一刻一秒を争っている人たちのために今始めてください。あしたとかあさってじゃなくて、今から検討してください。  財務省としても、再審請求審への国選弁護制度が創設されれば、当然必要な予算措置を講じられてくれますよね。

吉沢浩二郎 財務省主計局次長

○政府参考人(吉沢浩二郎君) お答えいたします。  再審制度の在り方につきましては、まさに国会において御審議をいただいているところでありまして、現時点において仮定の話について何らか予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただければと思います。  その上で、財務省といたしましては、法律上の制度に基づいて予算要求がなされた場合には必要な予算措置を適切に講じていくということが必要であると考えております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 当然ですが、これがちゃんと創設されれば、国選弁護制度が創設されれば、当然予算措置が講じられるのは当たり前のことなので、是非お願いします。  続きまして、プライバシーの問題なんですが、再審法改正の議論では、証拠開示や目的外使用の問題が論じられるたびに関係者のプライバシー保護が重要な論拠として示されています。しかし、そのプライバシーとは具体的に何を示し、どのような不利益の発生が想定されているのか必ずしも明確ではなく、刑事記録はプライバシーの塊との刑事局長の答弁が典型的となっています。  先ほどの諸外国との比較に関連しますけれども、イギリスでは、今までの冤罪事件の下、反省の下、一九九六年にCPIAという公判法が制定されたんですけれども、このCPIAの主な意義は、捜査が公正かつ合法的に行われ、被害者と被疑者の双方の権利が守られることを確保することで、偏った捜査慣行を防ぐ一助となります。  こういったことを参考にするということはいかがでしょうか。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  最初の質問にお答えしたとおりでもございますけれども、各国の制度、もろもろ背景やその狙い等々が異なっておりますことから、一概にどの国でどういう制度があるから我が国にというふうに申し上げることはなかなか困難であることは御理解いただければと思います。  その上で、目的外使用が行われた場合のこの害される可能性があるプライバシーに関しては、例えば、被害者、性犯罪ですとか児童虐待等における被害者の様々な状況ですとか、あるいは被告人に関しても、出生や生育歴、交友関係、前科前歴等々、そういった情報というものがもう本当に事案によって様々考慮すべき要素というものがございます。  そういったことで、これらが明らかに、明るみになることで、精神的な苦痛ですとか、本当に将来の捜査、公判協力、そもそもそういった捜査ですとか公判に協力しないというふうに言ってくる方々もいらっしゃるということもしっかりと踏まえて対応していかなければいけないというふうに考えております。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 是非、冤罪をなくす方向でお願いいたします。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 泉房穂です。  これから三十分間、衆議院の修正案提出者にのみ質問したいと思います。  前提として、法律を作るのはどこか。国会です。立法府です。今回のテーマの立法事実は何か。検察が、ある意味、捏造した証拠や自白の強要なども含めて罪なき者を有罪にしてしまい、それが後に幅広い証拠開示によって発覚し、再審無罪につながっていったと。まさに立法事実は、検察に任せていては駄目なんだというのが立法事実です。  じゃ、どうすればいいか。いわゆる検察や検察と一体としての法務省任せではなく、まさに国民の代表としての立法府たる国会議員が、ちゃんと立法趣旨である冤罪の確実な救済、冤罪の迅速な救済に向けて法整備をしていく、それが私ども国会議員の務めである。その前提に立ち衆議院におかれましても審議がなされ、政府案のままではなく修正がなされたということは、それまでの政府案、提出法案では駄目だという前提だと理解をしますが、ただし、私としては、残念ながら、衆議院における修正ではむしろ改悪ではないかという懸念を抱いております。その辺り、衆議院の提出者にお伺いしたいと思います。  この間、やはり今回のポイントは、冤罪の被害に遭い、長期間わたって何とか救済の道につながってきた方々がどういうスタンスなのかが大事だと思うんです。この点、袴田事件の巖さんのお姉さんのひで子さんはこう言っておられます。政府案だと巖も助からず処刑されていた。政府案のまま可決されたら巖さんは救われなかったと言っておられます。同様の趣旨のことを阪原さんも言っておられますし、ほかの方も言っておられます。まさに今回の政府案は、冤罪の被害者を確実に救済する法案になっていないという前提に立つんだと思います。  この点、お伺いします。衆議院にて修正がなされましたが、このひで子さんの、政府案だと巖も助からず処刑されていたという訴えに対してしっかり応えられる修正となっているか否か、お答えください。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) ありがとうございます。  本修正につきましては、先ほど説明をしたとおりでございますが、法施行後五年ごとに行われる検討対象に、再審請求手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度、それから保管する証拠の一覧表に関する制度を例示として追加するとともに、再審請求手続において従来行われてきた裁判所による証拠の提出、開示の勧告や検察官による任意での証拠の提出、開示が事案に応じ適切に行われることを法文上担保する規定を新たに設ける修正を行いました。  この修正を行った趣旨といたしましては、衆議院における委員会審査の内容、その中には、当然、袴田ひで子さんを始めとする七名の参考人の方々からそれぞれのお立場に立った貴重な御意見、それぞれの実体験に基づいた体験をいただいた、こういうことも含まれております。  これらを十分に踏まえた上で、衆議院として必要と考える修正を行ったと考えております。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 同様に、ひで子さんはこうも言っておられます。助けていただくのは国会議員しかいません。そのとおりだと思います。衆議院の修正に加えて、この参議院にてしっかりと確実な救済、迅速な救済につながる修正をし、衆議院に戻しますから、ちゃんと参議院の修正内容を衆議院でも可決いただきたいと、そういう思いを込めて質疑に入りますが。  今日は、配付資料を配らせていただいております。少し説明させてください。  配付資料の一の方に、この間の審議過程も踏まえて少し整理をした論点整理の、六つの論点で整理をさせていただいているのが資料一であります。このうち、一の証拠開示のテーマ、二の一覧表のテーマ、三の目的外使用のテーマについて衆議院にて一部修正がなされたと理解をしておりますが、後で論点、確認していきたいと思います。  ほかにも重要な論点があると理解をしております。特に重要なのが証拠開示ですが、これは資料二の方で後で論点摘示します。  資料三の方が、これらを修正案の要綱にまとめたもので、六つのテーマにつきまして、もう修正案要綱、もう新旧対照表もほぼできていますので、あとはこの参議院の委員会にて可決をし、本会議で可決をし、衆議院に送って可決いただければいいというふうに私は理解をしております。  資料の四が、まさに衆議院における修正の新旧対照表、論点三つですね。一覧表と目的外使用について検討対象に挙げ、そして現行法なされてきたうちの一部の勧告だけを取り出して、あえて命令の二文字を外したのがこの修正案です。後で聞きます。  資料の五の方が、まさに冒頭もお伝えしたように、なぜ冤罪が起こるのか、なぜ長期化しているかをまとめたペーパーでありまして、要は、証拠を捏造して、その捏造した証拠だけで裁判するから有罪になるんです。じゃ、なぜそれが冤罪が晴れるか。後に証拠開示によって、幅広い証拠開示によって冤罪であることが分かる、すなわち、捏造であることが分かるような証拠、無罪につながる証拠が出てきたからこそ再審無罪につながっていると私は理解をしていて、ポイントは、この五ページ目の特に重要なのは、真ん中の少し下のところで、今回のまさに政府案の再審請求理由と関連する証拠という概念では、救われた袴田さんや日野町事件の阪原さんや、また福井事件の前川さんも救われていないと、出てこないという論点であります。ここが最大の論点ということをこの後聞きたいと思います。  その後の六、七、八は、それぞれの事件の概要についてのペーパーです。御参照ください。  それでは、一番重要論点の証拠開示の論点に入ります。  今もお伝えしましたが、今回の衆議院修正案では勧告だけにしています。でも、実際上、これまでの裁判事例見ても、二〇一五年の一月十四日大阪地裁もそうですけど、ちゃんと命令しています。  これまでできた命令を、なぜあえて命令の二文字を外すんですか。これまでやれてきた運用上を確認的に書くのであれば、勧告のみならず命令も書くべきだと。何が違うか。勧告の場合には義務は生じません。あくまでも任意提出です。検察任せです。検察任せの勧告では足りない。ちゃんと命令の二文字を、これまでできてきた命令をなぜ今回の衆議院修正案で勧告だけにし、命令を入れなかったかの御説明をお願い申し上げます。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 附則第四条第二項におきましては、従来行われてきた裁判所による証拠の提出、開示の勧告及び検察官による任意での証拠の提出、開示について、衆議院における審査においてその重要性が繰り返し指摘されてきたことから、本法律案が改正法として成立した後も適切に行われていくことを法文上担保するために規定をしたものであります。  御指摘の命令について入っていないという点でございますけれど、証拠開示の命令については、裁判所が再審請求審でこれをなし得るか否かについては様々な解釈があり得、裁判所の判断も分かれているところであります。この点について、先ほど先生挙げられました、積極的な判断をしている判決としては大阪地決平成二十七年一月十四日が、一方で、消極的な判断をしている判決としては東京高決平成二十七年七月三十一日がそれぞれございます。このようなことを踏まえ、附則第四条第二項において明記をするということはしておりません。  しかしながら、附則第四条第二項は、裁判所による証拠の提出、開示の勧告及び検察官による任意での証拠開示、提出以外の事柄については言及をしておりませんので、証拠開示の命令について何らかの特定の立場に立つものではございません。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 ここ、とっても大事なんですよ。なぜ今回法整備が要るかというと、検察が証拠を出してこなかった歴史があるからです。実際、実務運用上、今おっしゃったとおりで割れています。裁判所が命令をする裁判所もあれば、命令はできないという立場の裁判所もあります。割れているんです。  なぜ救われたかは、一つの立場、つまり命令ができるという立場に立って裁判所が命令したからです。でも、すぐには出てきていません。検察の方は、そんな証拠は見当たりません、ありませんと平然とうそをつき続けてきている。後から見付かりましたとして出した結果、袴田さんの事件も日野町事件も救われているんです。最初から出したわけではありません。  じゃ、どうすればいいか。ちゃんと法整備をする。命令ができるという規定を置けば、検察は義務を負いますので提出するわけです。ここがまさに立法府の責任。解釈で割れている状況に終止符を打ち、確実な救済をするためには、命令の二文字をちゃんと刑訴法のこの部分に対して位置付けると。勧告のみならず、命令を位置付けることが不可欠だという立場に立ちます。この理解について、何か反論はございますか。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) それは委員のお考えでございますので、一つのあり得る考え方だろうと思います。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 繰り返しになりますが、委員個人の立場もありますから答弁悩ましいのは分かりますけど、まず論点として、まさに証拠が出るかどうかがまさに生命線。証拠が出てこなかったら、その後の論点、出てこなければ、目的外使用の論点の手前で終わってしまいます。再審開始決定につながらないと、抗告の論点の手前です。最も重要な生命線が証拠開示であります。  この点、まさにこの間議論がなされたように、いわゆる今の定めている政府案、衆議院修正そこは触っていませんから、実際のところは極めて限定的な、再審請求理由と関連するという極めて限定的な証拠のみが裁判所が命令しなければならず、検察が提出しなければならないだけで、検察の負う義務は極めて狭いんです。今より狭めるような改正をしてどうするんですかという立場からして、今の衆議院での修正では足らないという立場に立ちますが、あとは参議院に任せるというスタンスでよろしいですかね。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 参議院に今法律は送られていますので、この法案についてどのような取扱いをするかは参議院の先生方でお決めになることでございますので、衆議院議員として特定の立場、お話をする立場にはございません。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 ここ、本当に一番大事なので繰り返しますが、資料、済みません、三の方を少し御覧いただきたくて、資料三の第一のところに、この論点、証拠開示及び提出命令に対する修正案要綱を参議院の法制局と協議の上、作っていただいたものを今日配っておりますけれども、ここで御質問したいのは、ほかの今日の委員も言っておられましたけど、裁判所に提出する、今の政府案は裁判所に提出型です。そうではなくて、通常審の場合には、直接開示型、弁護士に直接開示することが規定されています。ここは意見割れているのは理解をしていますけれども、私は、当然、訴訟指揮権に基づいて裁判所は両方できるのは当然であって、裁判所にできないという解釈ではなく、できる解釈が通例ですので、そのとおり書けばいいという理解であります。  この点、ほかの委員も言っておられましたけど、裁判所に提出する型のみなのか、直接開示なのかという論点割れていますが、この点、衆議院の議論も含めて、恐らく両方可能だという前提で今回の衆議院修正案も勧告についてはできると書いておりますので、この点は両方大事だという認識で大丈夫ですね。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 附則四条二項におきましては、今委員御指摘のとおり、裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出、これは裁判所への甲、乙号証での提出だと思います。開示、任意開示。それから、検察官による任意開示、両方記載をさせていただきます。これにつきましては、衆議院の法務委員会で特にやはり議論があったところでございますので、示させていただきました。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 資料二、改めて確認をお願いしたいと思います。  これ最大の論点だと私は思っています。何が問題かもシンプルです。命令の二文字を明記するか否かにほぼ尽きます。  今の政府案につきましては、いわゆる狭い関連性の要件のときだけが義務があって、それ以外については、今回衆議院で修正もなさいましたけれども、勧告は可能。これ、勧告とはお願いです。それに対して義務は発生しませんから、検察が出すかどうかは検察次第、検察に任せてくださいということになりますが、何度もお伝えします、これまでの立法事実からして、出てきていません。出てきていないからすぐに救われなかったんです。それをすぐに救われるようにしよう、確実に救われるようにしようというのが今回の改正なのに、逆行して、実際、実務運用上解釈が割れているといっても、ちゃんと命令した実例もあるにもかかわらず、あえて命令を外すなんということは、これは後退だという批判を浴びるのは当然だと私は思うんです。  なので、繰り返しになりますが、この右側です。何をすればいいかというと、裁判所が相当と認める場合には幅広く命令も可能にすればいい、これ当然のことです。ずっと説明されています職権主義なんですから、いわゆる通常審のような当事者主義ではなくて、職権というのは裁判所が責任を負うんですから、裁判所が、真実をしっかりと見極める責任を負っている裁判所ができるのは当たり前で、なぜできるのが当たり前なのにできると書かずに限定したところだけにするのかというのが政府案の問題。  今回の衆議院、何度も言いますよ、今回、衆議院でもうちょっと頑張って、勧告のみならず実務運用上なされている命令を入れればよかったと。命令を入れると義務が発生するという理解ですが、何度も繰り返しますが、個人的な思い、少し言えるんだったらお願いします。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 私、非常に、私も弁護士の端くれであったもので、泉先生の大変お気持ちというのも分からないわけではないんですが、私、修正案の説明者として立っているところでございますので、そこについては御理解をいただきたいんでありますが、法案の審議において、もちろんこの再審法の在り方ということも議論はされたんですが、それと同時に、やはり、法務・検察の、特に検察のですね、警察、検察の捜査の在り方ということも、これは議論の中になりました。  やはり、勧告であろうと命令であろうとしっかりそれに公益の代表者としてしっかり対応するということ、やはりそのことは大事なんだろうと思っております。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 ここが最大論点となることを確認した上で、次の論点の方にも移ります。  今回の衆議院の修正案では、証拠の一覧表と目的外使用の二つのテーマをあえて検討対象に入れました。  逆にまず質問しましょう。  あえて入れたということは、つまり、今の政府案のままでは課題があるという認識の下に、その二つを特出ししたという理解で大丈夫ですか。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) ありがとうございます。ちょっとお待ちください。済みませんでした。  検察官が保管する証拠の一覧表の提出に関する制度を設けるかどうか、このことも衆議院において議論がございました。  その議論の経過でございますけれど、証拠の標目の一覧表の提示命令制度、これ本法に入っております。これにおいて、必要であれば全ての証拠の標目の一覧表を提示させることができるということ、また、証拠提出命令制度における証拠の特定については識別可能な程度の特定で足りるということ、このようなことなどから、あえて一般的な制度として検察官保管証拠の一覧表の提出制度を設ける必要があるかどうかということの指摘がございました。  そのほかにも、再審請求審、これはあくまで再審請求理由を審議するのが中心的であるという手続構造と整合しないのではないかという指摘もございました。  その一方で、再審請求者、再審請求を行っている方にしてみれば、再審請求理由についての適切な主張を組み立てるためには、請求による職権、証拠提出命令の検討をするに当たり、検察官保管証拠の一覧表の提出あるいは開示が必要であると、こういう議論もございました。  このような衆議院での議論を踏まえまして、今後の実務の運用を積み重ねる中でその必要性を確認するため、附則第二条の規定による五年ごとの検討対象として特に明記をするということにいたしました。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 二つの論点のまず一つ目、一覧表です。繰り返し言います。証拠の一覧表を提出しなさいと命じた事例は現にあります。  これまでの政府答弁を見ても、これまでの運用は否定されないという答弁で終始しておられますから、ということは、証拠の一覧表を出しなさいと裁判所が命じることができるという理解で大丈夫ですか。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) ちょっと実務的なところなので、法に責任を持つ法務あるいは最高裁に聞いてほしいところではあるんですが、私の理解としては、基本的に訴訟指揮権の中で対応ができるんではないかと思います。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 そうであれば、証拠の一覧表について検討対象にしなくても、今回、附則でできる、いわゆる確認規定は置いているんですから、証拠の一覧表についても、少なくてもその立場に立ったとしても勧告は可能なわけですし、現に実務運用上は命令もしていますから、私は、勧告のみならず命令の対象に一覧表を入れればいいと、別に五年間待つ必要もないのではないかという立場に立ちますが、もう一個の論点に行きます。  さらに、ポイントとなるのは目的外使用です。これ、現行法上ないのに、特に再審において問題も生じていないのに、何であえて一律の禁止を入れるのかという論点でありまして、もう多くの方が指摘されておられますけど、これ本当に法務省の説明ひどくて、その職権主義、職権主義と言って、通常審と違うからと言って提出命令とかいろんなことを入れておきながら、ここだけ通常審と一緒というんですよ。うそです、それ。  まさに職権主義の非公開の手続は少年審判に準ずるんであって、少年審判の場合にはちゃんと個別対応で対応しています。一律禁止ではありません。職権主義であれば、少年審判同様に、一律禁止ではなくて個別対応をすれば足りる話であって、それで被害者などのプライバシーは保てますから、目的が達成できるんです。あえて一律禁止なんてする必要なんかありません。  この点、もう結論出ていると私は思うんですけど、五年待つ必要なくはないですか、どう思われます。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 附則で、先生おっしゃるとおり、目的外使用の禁止について見直し規定の中に入りました。  この経過なんですけれど、刑事手続の過程で収集された証拠について目的外に使用された場合、関係者の名誉、プライバシーの侵害など様々な弊害が生じるおそれがあり、法務委員会、衆議院の法務委員会において、被害者支援に携わる参考人の方からも目的外使用を認めることについてこれは懸念が示されたところではございます。そして、その対策として、同じように、参考人の方からは個別に条件を付すなどの方策も御提示をされたかと思いますけれど、具体的な制度設計や実効性の担保をどのようにするかといった点について課題があることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。  しかしながら、一方で、近時の再審無罪事件などに鑑みれば、目的外使用を認めることについて再審請求者側にとっても大きな利点があると、このことも委員会で指摘をされたところであります。  そこで、衆議院での審議を踏まえて、引き続きの検討課題として、附則第二条の規定による施行後五年ごとの対象として明記をして、実務の運用を見守るという結論となりました。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 ここも本当に大事な論点で、これまでの運用どおりではなくて、これまで禁じられていなかったのに一気に一律禁止しますかという論点であって、わざわざ改悪しなくていいじゃないですか。これ、明らかな、これは、この論点に関しては少なくとも絶対改悪です。なぜ一律禁止するのかと。  今も御説明ありましたけど、被害者のプライバシーを大事にすることは全く否定しません。それをいかに両立、バランスを図るかという論点ですやん。これ実際、現行法上、少年審判においてもそういうバランス取っているんですよ、職権主義で。だったら、同じようにすればいいだけなのに、ここだけあえて、職権主義と言いながら、当事者主義構造の通常審の文章をペーストして持ってきたと、これは行き過ぎだとやっぱり思うんですよ。  もう一回聞きますよ。衆議院でせめてこれはやってほしかったなと思うんですけど、これはもう参議院の先生頑張ってくださいという理解で大丈夫ですか。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 法務省、政府で出してきた際には、恐らく少年事件、確かにその規定もあったんだと思うんですが、その一方で、この再審請求審は、刑事手続として再審公判、そして通常公判から続いている一連の手続だということも考慮したのではないかなとは思います。  そういう中で、衆議院の委員会においては、ある意味で様々な意見があったということで、衆議院の意思としてはこのような形で附則を付けました。ただ、これを参議院の先生方がどのように御判断をするかということは、参議院の先生方の御判断でございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 資料三、改めて確認ください。  もう抽象論じゃないんです。もう具体的に要綱して、もう条文できますので、まさにこれらの条文を入れればいいと思うんです。今御説明したように、第一の方が証拠開示、第二の方が一覧表の問題、これ第三の方がまさに目的外使用の禁止ですね、これは基本的に個別対応すれば足りるという理解に私は立っています。  そして次の論点ですが、第四です。抗告です。これもずっと自民党の与党内審査でも議論してきたわけですよね。結局、政府案は出ましたけど、やっぱり十分な根拠というような条件付けでは結局のところこれまでと変わらないのではないかという指摘が続いているわけですよ。だったら、衆議院でもう思い切って、思い切ってということもないか、本来あるべき全面禁止に踏み切ったらいいと思うんですけど、残念ながら、資料の四ですね、今回の、わざわざ衆議院で修正したのに、抗告については全く触れてもいません。なぜ抗告についてスルーしたのか、御説明をお願いします。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 先生おっしゃるとおり、この再審決定については修正の対象となっておりませんでした。  政府案において、再審開始決定に対する検察官による不服申立てを今回は原則として禁止をしており、例外的に不服申立てができる場合を、決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合というふうに規定をしております。  さらに、四百五十条の二の第三項により、不服申立てをした場合にはその理由をしっかりと対外的に公表するものとし、また、その不服申立て、即時抗告に対する決定につきましては、附則第五条により、基本的に一年以内に決定がなされるという形になっております。  その結果も踏まえて、附則第二条の検討条項により、不服申立てが新たな、今回の立法、仮に成立したとして、適正に運用されているかが定期的に評価をされることとなりますので、これらのことなどから、衆議院としては、今後、再審開始決定に対する不服申立てについてはより慎重で抑制的な運用が確保されるものと考えており、この点についての政府案に対する修正は必要ないという結論に達したということでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 結論は全面禁止すればいいだけですし、職権主義の国でも禁止している国、当然ありますので、むしろ職権主義だと当事者主義と違って抗告権は発生しないので、職権主義だったら別に政策的判断で入れているだけですから、立法事実に鑑みて全面禁止は何ら法的に問題ないと私は理解をしますが、また次の機会に、質疑に聞きたいと思います。  あと残す論点、大事なのは、これ今日も出ていましたけど、証拠が捨てられていたら、証拠開示命令いうてもないんですよ。現に捨てられているんです、いっぱい。DNA鑑定のいわゆる再鑑定しようにも、その基が捨てられてしまったら鑑定できないわけですから、そういう意味でもちゃんと証拠の適正保管というのは大変重要な論点。  議員立法では、少なくともこの点、附則にて、検討しましょう、すぐに検討して法整備しましょうと書いてありますが、今回残念ながら、これも衆議院、これは入れてほしかったな、せめて附則にと思うんですけど、どういうお立場ですか。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 証拠物の保管及び管理につきましては、現在の法令においてもこれを定める規定などが既に整備されているところであり、それらが適切に運用されるということが重要であることから、現時点において直ちに新たな法整備が必要であるとまでは考えておりません。法整備の必要性については、既存の規定等が適正に運用されているかなどの状況も見ながら、必要に応じて検討すべきものと考えております。  しかしながら、その大前提は、あくまで、法律があろうとなかろうと、証拠物を不当に廃棄処分したり、ちゃんと管理をできていないと、そういうようなことがあってはならないということは、これは当然重要なことだろうと思っております。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 もう一回繰り返しますけど、立法事実として、捨てているんですよ。鹿児島県警は捨てなさいまで命令出しているんですよ。その実態に鑑みてどうするかですね。  最後に、資料五をもう一回御覧いただきたいけど、何度も言いますよ、ポイントは、冤罪がそもそも発生しないようにどうするかです。冤罪事件の多くは、何が関わっているか。証拠の捏造です。自白の強要です。鑑定の不正です。これをしっかりと対応していくことも求められるんであって、今回の再審法の議論が、引き続き、冤罪をそもそもなくす議論に続くべきだと思います。その観点から、この点についても検討条項には少なくとも入れるべきだというのが私の立場であります。  特に証拠の捏造に関して大変議論されておられますが、この点につきまして、修正案の提出者の思いがあればお伝えください。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 私、衆議院議員として、衆議院の立場でなんですけれど、ちょっとだけ個人的なお話も、自民党でもこの法案のちょっと関わらせていただきました。  それで、非常に思うのは、この法案というところも大事なんですが、必ずしも警察、検察という捜査機関に対して全幅の信頼を置いているものではないということ、そういうような問題意識が各先生方あられるのかなということは感じました。今回の法律をどういうふうに更にやっていくかということ、そして、先生方の長年の御努力の中で、この捜査手続の在り方ということもしっかりと議論をされております。  今後も、関係当局としても、この国会でも、法律もそうですけれど、この捜査の在り方含めてしっかりと議論をいただいて、それを当局に受け止めていただくということは重要ではないかなというふうに思います。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 今御答弁いただきましたけど、やっぱり、冒頭今日言いました、結局、検察、法務省に任せていたがゆえに今なんです。だから立法府が必要なんです。  国会議員の責任は、検察よろしくってお願いするんではなくて、こうしてくださいというルールを作ることだと思います。そういう意味では、もちろん政府答弁も重要ではありますけど、更に重要なのは法律を作ることです。まさにそれは作れるんです、私たちは。修正案をまさに提案し、可決することも可能でありまして、その提案の内容に従って、可決された内容に従って検察、法務省がしっかりと対応いただくということが望ましいと思います。  最後に、意見として、今回の立法趣旨は、何度も言います、冤罪被害者の確実な救済と迅速な救済です。であれば、その方向に向かって、与野党問わず被害者のために知恵を出し合い、修正を可決し、衆議院に戻したいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  以上です。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、若井敦子さん、上野通子さん及び岡田直樹さんが委員を辞任され、その補欠としていんどう周作さん、加藤明良さん及び加田裕之さんが選任されました。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 休憩前に引き続き、刑事訴訟法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。  午前中に引き続きまして、刑訴法の一部改正する法律案について質問させていただきたいと思います。  先週の末の本会議において代表質問させていただきましたが、その中で、質問に対して、大臣、御答弁を頂戴しております。この答弁内容について確認をさせていただくことも含めて、本日の委員会では質問させていただきたいと思います。  まず初めに、大臣に質問させていただきたいと思いますが、今問題になっている冤罪の問題ですが、このいわゆる冤罪事件、なぜ起こっていると考えておられるのか、大臣の御見解をまずお伺いしたいと思います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 当然のことながら、罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないと認識をしております。  個別事件において無罪判決が言い渡される理由は様々であり、罪を犯していない人が処罰されるような事態が生ずる原因としてどのようなものがあるかということを一概に申し上げることは困難でございますけれども、過去の検証においては、例えば、客観証拠の吟味が不十分であったこと、自白の信用性に対する吟味、検討が不十分であったこと、新たな科学捜査手法に対する理解、検討が不十分であったことなどの指摘がされてきたものと承知しております。  これらを踏まえて、検察当局においては、客観証拠を適切に収集、分配すること、積極、消極を問わず十分に証拠を収集、把握し、評価を行うこと、供述の任意性の確保その他必要な配慮をすることなど、「検察の理念」を踏まえて、基本に忠実な捜査・公判活動の適正な遂行に努めているものと承知をしております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 客観的な証拠等の吟味を進めていらっしゃるということでありますが、にもかかわらず、この冤罪事件についてはその収束が見通せない状況にあるわけでありますけど、その上で、大臣、これは通告しておりませんけれども、今回のこういった冤罪事件を今後生じさせないようにするために何をするべきだと大臣は思われますか。冤罪事件を今後生じさせないようにするために一体何をするべきだと大臣はお考えになりますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 一般論として申し上げれば、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討しまして、必要に応じて検察官の間でも問題意識を共有して、反省すべき点については反省するということが大事であろうと承知をしております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 検察官の間で必要に応じて証拠吟味を行うということになっておりますけど、正しい裁判を行う上では、検察と、そして裁判所と、さらには申立人、弁護人との間で正しく証拠、情報が共有される必要があると私は思うんですけど、その点について、検察だけでよろしいんですか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 午前中も議論ございましたけれども、再審請求審というのは職権主義を取っておりますので、それからすると、検察が裁判所の命令に応じてやるということが基本だろうと思います。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 冤罪被害者救済のことについて、私、代表質問の最後のところで、この冤罪被害を訴えている方が生きている間にこの再審法制のいわゆる救いの手が届かなければ意味がないということを申し上げて、そのことについても、重く受け止めているとおっしゃいました、大臣は、ですよね。  その上でなんですけれども、この冤罪の、いわゆる再審請求審も含めて、冤罪の裁判が遅々として進まない理由はどこにあると考えていらっしゃいますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) いろいろな事情があろうかと思いますけれども、検察の方が少し怠慢だったという面もあろうかと思います。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 検察に問題があるといった趣旨の御答弁をいただいたこと自体はきちんと受け止めさせていただきたいと思います。  その上で、この裁判、再審請求審が前に進まない最大の理由として、もう皆さん既に御指摘されていますけど、いわゆる証拠の提出命令の在り方がどうあるべきなのかというところにまず行くわけでありますけれども、ここでもう一度整理する目的で、これはもう佐藤刑事局長で結構ですので、問い二で質問させていただいておりますが、証拠のいわゆる提出命令と開示の違い、何が違うのかということについて、改めてかいつまんで御説明をお願いします。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案で設けることとしている証拠の提出命令制度における証拠の提出と現行刑事訴訟法上設けられている通常審の証拠開示制度における証拠の開示とでは様々な違いがあるわけでありますけれども、端的に申し上げますと、裁判所から命令を受けた場合に検察官が取るべき対応について、前者、いわゆる証拠の提出命令制度におきましては、裁判所に対して証拠を提出する、その上で裁判所に提出された証拠を弁護人が閲覧、謄写するという証拠の流れが取られるのに対しまして、後者、すなわち通常審の証拠開示制度におきましては、検察官が被告人又は弁護人に対して証拠を開示する、その上で、弁護人側が証拠を取捨選択して、その上で裁判所への証拠採用を求めるというような違いがあるというふうに考えられるところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 その上で、刑事局長に御質問したいと思いますが、再審の、いわゆる再審請求というのは、かなり以前に起こった過去の事件に対して申立てが行われているものが圧倒的にやはり多いわけでありますね。  そういたしますと、裁判所も、その事件について時の判事がまだいらっしゃるかどうか、残っていらっしゃらない、人が替わってしまっていることが当然考えられるわけであり、そうした状況の中で、必要と認められるいわゆる証拠の提出というものを本当に裁判所が検察に対して適切に命令することができると思われますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、再審請求事件、かなり長くなっているものもありますし、極めて複雑、証拠関係が複雑な事件もあるわけでございまして、弁護士先生、弁護人の方々は比較的長期にわたってそういうことを弁護人として活動している場合が多いかもしれませんけど、裁判官と検察官におきましては必ずしもそうではないというのは、実態として転勤制度がありますので、そういうことだと理解しています。  その上で、今の御質問についてですけれども、従来も証拠開示ないし証拠提出という形で、再審請求審でも裁判所は現に証拠の提出あるいは開示を勧告したりするような運用を行ってきたわけでありまして、それがなぜできるかと言われれば、これは、やはり再審請求審の中で裁判所が弁護人あるいは検察官とコミュニケーションを取って、様々な意見を聞いて、そのような中で証拠の提出、開示といったものを判断しているという実態があるからだというふうに思っていまして、確かに、すぐ証拠を、大量の証拠を見た裁判官がその判断ができるのかと言われますと、確かに難しい判断というか、自分がなったと想像しますと大変難しいことだなと思いつつも、とは言いながら、弁護人などとコミュニケーションを取りながらそういう判断をしていくのが裁判所あるいは検察庁の検察官の役割であろうというふうに考えているところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 結局、理想の形としては今刑事局長がおっしゃったような話になるんでしょうけれども、必ずしもそうなっていないがゆえに、いつまでたっても膠着状態のままずるずると時間だけが経過している事案が積み重なっているんだということを踏まえた上で、どう再審法制というものを今後組み立てていくのかということが議論されなければいけないんだと思っております。  必ずしも霞が関で考えていることと現場で起こっていることは違うということ、そのことを前提とした上で、長期化、これ以上いわゆる冤罪事案を長期化させずに一定の結論が得られる方向に向けて、どういう制度の枠組み、法律の枠組みが求められているのかということを是非議論していただきたいと思います。  その上で、これ、通告している質問に戻りたいと思いますけれども、これも刑事局長に御質問させていただきたいと思いますが。  裁判所のいわゆる判事が証拠をきちっと検証できるのかどうか、何が必要なものなのか、関連性があるものなのかを要は判断できるのかどうかということについて、元判事の方々の意見なんかも聞き取らせていただきましたところ、実務上の問題として、裁判所は何がその関連性があって必要な証拠なのかということについて判断することは物理的に不可能だといった趣旨の発言をしていらっしゃるんですけれども、そうした実態が実務の現場で起こっているにもかかわらず、裁判所を経由しないと証拠にアクセスできない今回の制度、法律の枠組みということについて問題があると刑事局長は思われませんか。問題は起こらないんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  従来から、弁護側あるいは、が開示してほしい、提出してほしいという証拠の内容については、再審請求人側から様々な主張がなされて、それを受けて裁判所が任意の勧告であるとかそういったことをしてきたものだと思っていまして、そういう意味で、とりわけ再審請求審というのは対審で行われる手続ではありませんので、期日間、期日の中でいろんな議論が行われて、こういう範囲の証拠をないかどうかを探すといった作業が続くんだと思いますけれども。  私どもの理解としては、提出と、裁判所への提出として弁護側が閲覧、謄写する仕組みとしても、直接開示してそこで取捨選択をして裁判所が見る仕組みとしても、少なくても再審請求人側に渡る証拠というのは、範囲としては同じようになるのではないか。したがって、従来の実務慣行が否定されるものではないと言っているのもそのような趣旨でありますし、今回、そこに加えて、命令制度を設けるということによって広がるというのがもう一つでありますし、実務上、直接裁判所に提出して閲覧、謄写という枠組みを取らなくても、事案によるとは思うんですけれども、直接検察官側から提出する証拠を弁護人側に交付すると、写しを交付するといったことは当然あり得ると思いますし、今後のことを言いますと、例えばデジタル証拠になってくるわけですので、そういったことが極めて容易になるだろうという印象もございまして、私どもとしては、裁判所が、この範囲の証拠を見たいと、自分も見たいし、弁護人側においても見たいのではないか、それは、再審請求理由に関連する、あるいは判断に資すると判断するのであればそのようにできるわけでございますので、そのような形で同じような運用がなされるのではないかというふうに考えているところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 あくまでも、できる規定であって、やるかどうかというのは、これは検察の判断ということなんでしょうか。そういう理解でよろしいですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  御指摘のとおり、提出命令制度におきましては、これは裁判官、検察官の義務ということになりますけれども、それ以外の、その命令制度を用いたもの以外については任意の形で行われますし、ただし、提出命令制度を使うに至るまでに、通常は、裁判所とコミュニケーションを取りながら、そういう開示勧告など、開示とか提出の勧告を受けながら、命令に至らぬ前にそういう柔軟な運用がなされるというのが通常の動き方ではないかというふうに思っているところでございます。  すなわち、現に通常審でもそのようなことが行われているわけでありまして、開示命令に至らなくとも、柔軟に、あるいは裁判所の意向を踏まえてということもあるかもしれませんけれども、そういったことで証拠の共有というのは行われているということだと理解しています。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 という御答弁なんですけれども、現実問題として、再審請求が棄却されて今も再審請求をしている案件というのがあるわけですよね。その事例なんかが実際どういう運用になっているのかというところが、正直言って、私としては知りたいなと思います。  その上で、ちょっと切り口変えて局長に質問したいと思いますけど、これまでもそうした運用がなされているという御説明ではあるんですけど、現実問題、例えば福井事件なんかもそうですが、度重なる証拠開示の要求に対して、要は二度再審請求審が行われていますよね。二度目の再審請求審のときに二百数十件の写真等証拠が出てきた、その証拠の中から、いわゆる有罪を立証できないというか、無罪を類推させるような証拠が出てきたということがあって現在に至っているわけでありますけど、証拠開示に時間が掛かった理由は何だったんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  個別の事件でどのような経緯を経てそのような訴訟活動が行われたのかというのは、法務当局の立場でお答えするのは大変難しいことであることは御理解いただきたいと思うんですけれども、一つ間違いなく言えますのは、従来から述べているように、平成十六年の公判前整理手続における証拠開示制度の創設がございます。  それ以外にも、その頃、多々法制度の整備が行われたわけですけれども、それまで、例えば刑事裁判というのは、これをどう評価するのを法務当局の立場で言うのが難しいところもありますけれども、検察官が請求した証拠を順に調べていって、争点なども明らかにならないまま十年を超えるような裁判が現に行われていたという実態がありまして、それに問題意識を持って、司法制度改革審議会も含めまして様々な議論が行われて、その中で一つ、平成十六年において公判前整理手続、すなわち争点があって整理などの必要があるという事件については、証拠開示、公判前整理手続をつくりまして、その中で、証拠の開示、検察官請求証拠はもとより、主張関連証拠、いわゆる主張関連証拠であるとかいわゆる類型証拠であるとか、こういったものの証拠開示制度が設けられたわけであります。  そういう中で、徐々に、おっかなびっくりなどと私は理解しているんですけれども、そのような運用が通常審において行われるようになり、それは公判前整理手続に限らず、そのような要件に当たるようなものについては法曹三者間で開示するのが通常であるといったような運用が行われるようになった。  それを、そのような運用が行われるようになる中で、再審請求審においてもそういった考え方を裁判所や検察官も一定程度共有するようになって、そういった関連する証拠、言わば通常審における主張関連証拠のような再審請求理由に関連する証拠につきましては、ちゃんと弁護人に見せた上で、提出ないし開示した上で再審請求審を進めた方がいいと、これ以上再審請求審を長くさせるのはいかがかと、しかも法の考え方に沿っているというような認識が徐々に広まってきたということだと理解しています。  そのような中で、福井女子中学生殺人事件のことを申し上げれば、第一次請求審というのはそれ以前の事案だったようにまず思いますのと、第二次請求審は、平成、済みません、ちょっと、その後のことでありますけれども、(発言する者あり)二〇二二、二四年ということかと思いますけれど、そういう中で、裁判官もそのような発想に基づいて任意の開示を求め、検察官も様々、渋々などと御指摘は受けることはあるのでありますけれども、そういう考え方に乗ってそのような幅広い証拠を提出ないし開示した。そのときは恐らく開示だと思うんですけれども、弁護人側に見せることになったということだと思っていまして、私が理解しているのは、そういう時系列がこの刑事法制の中にもたくさんあって、再審請求審においても同様であるということでございます。  ちょっと長くなりました。恐縮でございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 御答弁にあったとおり、平成十六年の刑事訴訟法改正によって証拠開示についてのルールが整備されて、それ以降、証拠開示が徐々にではありますけれども進んできた。そのことによって、いわゆる再審が、再審請求が認められて、無罪の方が出てきているという意味では、それ以前とそれ以後とで変わってきていること自体は私もそのように理解はしているんです。  なんですが、図らずも今刑事局長がおっしゃったように、対応する検察官、裁判官の姿勢によってその取り扱うスピード、姿勢というものがまるっきり違うということがありますので、やはり、その証拠開示に対してネガティブな姿勢をお持ちの担当の検察官の場合にはなかなか証拠の開示が進まないといったようなことが起こっていると思います。  私は、特に過去の古い事例ですよね、DNA鑑定もできなければスマホも普及していなくて、位置情報や監視カメラ等、今のような技術も進んでいない状況の中での捜査と集めた証拠、それに対して今は科学的な捜査が行えますし、過去の証拠についてもDNA鑑定等もできるという意味でいけば、科学的に要は検証はできる状態になっているんだとすると、過去からずっと保留されてきてしまって再審請求が認められていない事案については、これは正直、証拠をきちんと、ある証拠はきちんと全開示した上で、まずその科学捜査に供するということをやることが、速やかに検察に対する国民の不信感を払拭することに私はつながると思うんです。  中途半端に証拠開示に制限を掛けているがゆえに、何か保身に走っているんじゃないかと、そういったような受け止め方をされていると私は理解しておりますので、そういったことを、いつまでにどう進めていくのかということを、そのことを是非この参議院においては議論させていただきたいと思います。  次のちょっと質問に行きたいと思います。  通告している質問の四番ということで、今回、修正案、自民さんと維新さんと参政党さんによる修正案は、従来行われてきた再審の請求手続における運用上の措置としての裁判所による検察官に対する勧告であって任意での証拠の提出又は開示に係るものや検察官による任意での証拠の提出又は開示は、事案に応じ、適切に行うものとするという規定が附則の四条二項に加えられております。  が、しかしながら、これ読んでいる限りは、実効性を制度的に担保するものが何もないと私自身は受け止めているんですけれども、これ刑事局長にお伺いしますが、自民、維新、参政による修正案は従来行われてきた運用上の措置としての裁判所による検察官に対する勧告と何が違うのか、具体的に教えていただきたいと思います。同じに見えます。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  御指摘の附則四条二項でありますけれども、従来行われてきた運用上の措置としてのということでありまして、これが従来と何が違うのかという話でありますと、基本的には従来どおりのことをしっかりやっていくということが法文上担保されているということだと理解しています。  すなわち、様々な御指摘、この証拠の提出、開示については様々な御議論がありました。その中で、この証拠の提出命令制度を創設することによって逆に狭まるのではないかといった御指摘を多々受けたわけでございます。そのような中で、そのようなものではない、すなわち、法文上、従来どおり適切にこういった運用が行われていくということを答弁しているわけでありますが、それに対する懸念があることを踏まえて法文上このような条文を作ったということでございまして、したがいまして、この本法律案が改正法として成立した場合には、検察当局におきましては、任意の証拠の提出又は開示の運用について、従来より後退させないことはもとよりでありますけれども、この附則の規定の趣旨を踏まえますと、やはり公益の代表者として、個別の事案に応じることにはなりますけれども、これまで以上に適切な対応に努めていかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ということは、改めて確認ですが、この附則の四条二項を理由として、検察官の判断で証拠の開示が拒否されることは決してないという理解でよろしいですね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  この法律案、衆議院での修正で行われたものでございまして、私どもとしては、そのような趣旨が入っているものというふうに理解して、そのように運用していく必要があるというふうに受け止めているということでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 この辺りのところは今後の委員会質疑の論点になろうかと思いますので、テークノート、皆さんしておいていただければ有り難いと思います。  その上でなんですけど、再審請求人や弁護人への証拠の開示が適切に行われるようにするために、裁判所が検察官に対して再審請求人、弁護人への証拠の開示を命じることが、直接証拠の開示を命じることができる権限をきちんと法律に明記してしまえば、それで余計なことを言わなくても済むと思うんですけど、その点についていかがですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  済みません、今の開示命令を設けると速やかになるのかと言われますと、証拠の提出命令に応じて提出するのであっても、先ほど御指摘のあったように、弁護人に直接開示するような仕組みとしたとしても、本質的には時間的には変わりはないというふうに私は理解しています。  その上で、やっぱり問題は、その証拠をどう扱うかについて、裁判所は、命令を発するに当たって、再審請求理由との関連性や必要性などを判断することになるはずでありますので、そういう中で、それをちゃんと適切に行うのか、行えるかということを再審請求審の中で法曹三者がちゃんとコミュニケーションを取ってそのような判断を迅速にやっていくということがそもそも重要なところではないか。  むしろ、事務的に、済みません、事務的にと言っちゃいけないですけれども、その証拠の流れが裁判所経由になるのか弁護人経由になるのかによって、その証拠が弁護人の手に渡る、あるいは裁判所の手に渡るという意味においては、裁判所の手に渡る範囲は広くなるわけでありますが、弁護人の手に触れる、元に渡る範囲は一緒、少なくとも範囲が一緒であれば一緒のものになる、制度としてはそういうことになると思いますので、そのように理解しているところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 裁判官に渡る証拠と弁護士に渡る証拠とでは、その証拠の範囲が違うということですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 済みません。今申し上げた趣旨は、証拠の提出命令制度においては、その範囲のものをまず裁判所に提出して、それを、証拠を閲覧、謄写する仕組みとなっていると、再審請求人側ですね。だから、百の、何といいましょうか、百の証拠があれば百裁判所に提出して、それを百を弁護人側が閲覧、謄写するという仕組みであります。それを、検察官はその百の証拠をそれと同時に任意に開示することも運用上は行われていることだと思いますので、それもできるだろうというふうに思っているところでございます。  その上で、百を開示した後に、裁判所が職権主義ということで、当事者主義ではないということで、弁護人が取捨選択してそのうち十を裁判所に提出する仕組みにしているわけではないのは事実でありますけれども、そういう意味で、裁判所が見る証拠は増える、論理的にはですね、この制度のことだけを語ればそういうふうになるんですけれども、弁護人が見る証拠は一緒なのではないかというふうに思っているということであります。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 百の証拠とは別の証拠を任意開示するとおっしゃいましたけど、正しい裁判を行う上でエビデンスを全開示することに何が問題があるのかが正直私には理解ができないわけです。  ちょっとその上でですけど、深掘りしているとこれだけで終わってしまいそうなので、ちょっと次の質問に移りたいと思いますが、証拠リストの開示についてということで、これは大臣にお伺いをしたいと思います。  代表質問において、裁判所に証拠開示請求を行う上で証拠リストの開示は不可欠と考えるが見解を求めますと代表質問をしたところ、平口法務大臣は、検察官に提出を命ぜられるべき証拠としてどのような証拠があり得るかについては、ある程度想定することが可能であると考えられると、このように御答弁をされていらっしゃいます。  聞いていてひっくり返ってしまったわけでありますが、このある程度とはどういうことなのか、わざわざ想定させなければいけない理由が何なのかということについて、平口法務大臣の御答弁を求めます。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答え申し上げます。  再審請求者側において、検察官に提出を命ぜられるべき個々の証拠を具体的に特定することは困難であるとしても、仮に犯人でない人が有罪判決を受け、再審請求をする場合には、確定審の証拠や判決の内容から、判決のどの部分が誤っているかを把握していると考えられます。そのことから、検察官に提出を命ぜられるべき証拠としてどのような証拠があり得るかということについては、相応に考えを及ぼすことが可能であると考えられるところでございます。  御指摘の答弁は、ただいま申し上げました趣旨で申し上げたものでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 証拠に、決定的な無罪の証拠になるかもしれないものが検察官の保管証拠の中にあるかもしれないという状況の中で、一方で、この冤罪被害を訴えている方は、事件によっては死刑判決を受けていらっしゃる方もいらっしゃるわけでして、命を守るためにということで必死で支援者の人たちと一緒に裁判を闘おうとしていらっしゃる状況の中で、持っている証拠をわざわざ想定させなければいけない理由が分からないです。  これ、刑事局長で結構ですので、なぜ、ある程度の想定をさせればいいということで、証拠開示、リストの開示をしない理由になるのかを教えてください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  わざわざ想定させているという趣旨ではなくて、想定することは可能だということを申し上げている趣旨でございます。  やはり、再審請求審というのは、通常審において三審制の下で既に審理が行われておりまして、検察官の手持ち証拠につきましても、刑事訴訟法の規定によって既に通常審の段階で開示を受けていると。その上に、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても判示されていて、証拠構造とか裁判所が取った判決の論理の流れといいましょうか、そういったものを再審請求人が全て把握しているということでございます。  そういう中において、犯人でないのに有罪判決を受けた者であれば、これは確定判決のどこに問題があるのか、どの鑑定を読み間違っているのか、あるいはどのような共犯者の、あるいは共犯者じゃなくても、参考人の供述の信用性の評価を誤っているのか、そういったことは想定できる、把握できるというのが通常であると考えておりまして、それを前提として、通常どのような証拠が収集されるかを念頭に置いて証拠の提出命令を裁判所に申し立てることが可能ではないか、可能であるというふうに考えているということでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 わざわざ想定できるであろうから出さないという、出さないことの合理的な理由には全くなっていないと思うんですけれど、なぜそうなるんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  少しちょっと答弁いたしますと、まず一つは、大きいのは、通常審と再審請求審の手続構造の違いというのが大きいのは先ほど来話として出ているとおりであります。  通常審におきましては、当事者主義の下で、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに対する反証を行うという構造になっておりまして、弁護人としては、弁護人側としては、検察官が立証に用いようとする証拠を吟味して、それを踏まえつつ、自ら必要となる証拠の取調べを裁判所に請求する立場という形で活動するわけでありまして、その手掛かりとして、検察官が被告人、弁護人に証拠の一覧表を交付する制度が設けられているということでございます。  それに対しまして、再審請求審は、先ほど申し上げたとおり、職権主義の下で裁判所が主体的にやっていくということでありますし、検察官保管証拠を吟味する立場にあるのが裁判所でありますので、そういう形で、本法律案におきましては、提出命令によりまして検察官が裁判所に先ほどの標目の一覧表などを提出するような枠組みとしているわけでございます。  そして、通常審で行われているその証拠の一覧表の交付といいますのは、検察官が起訴状を裁判所に提出することで訴追が開始される、これによって被告人は防御すべき立場に置かれる。しかも、公判前整理手続において、被告人、弁護人が検察官から取調べ請求予定証拠の開示を受けて検察官が立証しようとするまず証拠の内容を知るわけでありますが、この証拠開示に関して、その請求証拠の信用性、証明力を吟味するために、類型証拠と呼ばれますけど、その証拠を開示を請求するとともに、さらには自分の主張を支える証拠の有無を判断、把握するために主張関連証拠の開示を請求するという段取り、流れになっているわけでございます。  これは全て、検察官による立証が開始される局面において応訴することを余儀なくされる被告人側の防御のために行われるものでございます。  そういう意味において、先ほど再審請求審においてはということで、さっき、先ほど申し上げたことは繰り返しませんけれども、ここは、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠については全て判示され、取捨選択されてそこに判決書に書いてあるという状況の中で、それについて、犯人でないのに有罪判決を受けた者であれば、通常審でいうところの主張関連証拠、自らの再審請求の理由に関連する証拠というのはどのような証拠が収集されるのか、私どもとしては、刑事弁護人のような方であればそれを類型的に想定することは可能であるというふうに考えているということでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 手続としてはそういうことなのは分かるんですけれど、仮にそれが適正に運用されているのであれば、福井事件のあの再審の二次の請求の後に新たに証拠が二百数十何件出てきたといったようなことで、裁判が本来ひっくり返らないはずですよね。適正に裁判が行われているのであればそもそも冤罪は起こらないということで、なぜ冤罪が生じるのかというところが議論のスタートラインになっているということを考えたときに、理屈として今御説明いただいた内容はそのとおりだと思うんですけど、それでうまくいっていないからどうしましょうかということの議論をしているんだということは改めてここで確認しておきたいと思います。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  証拠リストの開示を行うことに関して本会議で質問させていただいたところ、平口大臣の御答弁の中で、大臣に御質問しますが、証拠の一覧表が通常審における証拠の一覧表の交付制度の一覧表と同様のものを想定しているのだといたしますと、再審請求審の審理の在り方や手続構造との整合性に問題があることから、証拠一覧表の開示については慎重な検討を要するものと考えますと、こういう御答弁をされていますが、具体的にどのように手続構造との整合性に問題が生じるとお考えなのかをお答えください。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お尋ねは、現行法上の通常審における検察官保管証拠の一覧表の交付制度と同様の仕組みを再審請求審においても設けるべきとの問題意識によると思われます。  このような仕組みを設けることについては、これまで再審請求審における審理の在り方や手続構造との整合性が問題になると答弁してきたところ、その理由は次のとおりでございます。  すなわち、再審請求審は、通常審とは異なり、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理、判断する手続であることから、再審請求理由との関連性を問わず、裁判官保管証拠の全てが記載される一覧表を裁判所に提出させるのではなく再審請求者側に開示させる仕組みは、ただいま申し上げた再審請求審における審理の在り方や手続構造との整合性に問題があるというふうに考えられるところでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 刑事局長に同様の質問をしますが、なぜ整合性に問題が生じるのか、分かりやすく御説明いただけますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど結構長く答弁したところと同旨になりますので、あえて繰り返しませんけれども、基本的にはその手続構造論の話が一つであります。  それが、裁判所が主体的に見ていくという仕組みの中で、そこに例えば裁判所に対する証拠の提示命令であるとか標目の一覧表の制度であるとか、そういったいろんな制度を設けて、裁判所が関連性のある証拠を適切に判断できる仕組みをつくっていくと。そういう枠組みとその証拠の今回の開示という話は、任意に行われている分にはいろいろやりようがあると思うんですけれども、この事件の審理の在り方、進め方といったものが、その整合、論理的にも、済みません、理屈の上で整合するかどうかという話が一つと。手続をどのように進めていくかという上で法曹三者間で様々動きがあるはずだと思うんですけれども、今の再審請求審では、やはり職権主義で行われているものだと理解しておりまして、そのような構造の中で証拠のありようについても判断していくのが、その紛れがないといいましょうか、そういうふうな進め方が正しいという、正しいといいましょうか、そういう方に進めていきましょうという法の立て付けになっているということだと理解しています。  例えば、スクリーニングの手続にしましても、その他のもろもろにつきましても、やはりこの職権主義というのを基調といたしまして、現実に起きた問題、様々な立法事実との兼ね合いでこういう制度をつくる方がいいというときに、裁判所が主体的に判断していき手続を進めていくということを前提に制度をつくってきたということの意味で、手続構造との整合性というふうに申し上げているということだと理解しております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 そもそも三審制で、要は最終的に最高裁で判決が出ればそれで結論は本来出なければいけないし、終わっているはずのものが終わっていないことに問題があるということなわけで、今御説明があったところの、要は理屈のスタートラインのところが、そもそも三回で終わっていないということ、三回の裁判で終わっていないということに納得いっていないという言い方が正しいかどうか分かりませんけれども、そこにやっぱり含むところがあるがゆえにその先のやり直し裁判ということに対する要は受け止めというものにも、我々との間に感覚にそごが生じているというか、違いが生じているのかなと、今話を聞いていて思いました。  この問題についても後日また深掘りさせていただきたいと思いますが、時間がなくなってまいりましたので、最後に簡単な確認だけさせていただきたいと思います。  刑事局長で結構です。標目の一覧、改正法の四百四十五条三の第二項の標目の一覧表というのは、いわゆる検察官保管証拠の一覧記載のものと何がどう違うのかということについて、分かりやすく教えていただけますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案における標目の一覧表は、あくまで証拠の提出を命ずるか否かについての裁判所の判断に資するために作成させるものでございます。そのため、標目の一覧表には、証拠の表題、作成の年月日、供述者の氏名等にとどまらず、例えば供述調書における供述事項なども記載され得ることを想定しているところでございます。  その上で、いわゆる通常審における証拠の一覧表というものは、例えば供述の内容などは含まれておりませんし、というような違いがあるかと思います。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 時間が参りましたので、今日はこれで終わりにさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

横山信一 公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  先日、本年二月に再審開始が確定した日野町事件の阪原弘さんの御長男、弘次さんのお話を聞く機会がありました。事件の発生から四十二年、阪原弘さんの逮捕から三十八年、この度、検察側が有罪立証しない方針を示したことにより、無罪判決がほぼ確実になりました。しかし、亡くなられた阪原弘さんとその御家族は、冤罪を疑われたことによって大変つらい思いをされていました。弘次さんは、無実の人を有罪にするための証拠は全て捏造証拠ですと、だから証拠は全部開示すべきですというふうにも訴えられておりました。今回の再審開始の決定は、弁護側の請求を受けて検察側が開示した証拠によって、捜査機関による証拠の捏造ということが明らかになったことがきっかけでした。再審無罪事件の証拠は全て捏造証拠とは、こうした御経験を踏まえたものであり、そのとおりだというふうに思います。  これまで、刑事事件による証拠裁判主義、これは厳格に行われてきているというふうに認識をしております。一方で、裁判の直接的な根拠となる証拠を捏造したり、あるいは隠したりするというのは、検察組織の組織の体質なんじゃないかというふうにも思うわけです。これらの原因はどこにあるのか、まず刑事局長に伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  当然のことながら、証拠を改ざん、捏造するようなことはあってはなりませんし、裁判に顕出すべき証拠は適切に顕出されるべきであるというふうに考えているところでありますということでございますが、他方で、じゃ、なぜそういうことが起きたのかということを例えば過去の事件で申し上げますと、再審無罪の事件ではないですけれども、いわゆる厚労省元局長無罪事件につきましては、主任検察官が証拠物であるフロッピーディスクを改ざんしたとして、証拠隠滅罪により逮捕、起訴されて、懲役一年六月の実刑判決を受けたということがございました。  この事件につきまして検察当局が公表した検証結果報告書におきましては、証拠の改ざんに至った要因などとして、主任検察官はフロッピーディスクが弁護人に開示されることによって公判が紛糾することを避けようとして証拠物の改ざんに及んだこと、主任検察官がこのように考えた背景には、上司の意向に沿う成果を上げなければならないとの強いプレッシャーがあった可能性も直ちには否定できない、できるものではないことなどが指摘されているところと承知しているところでございます。  また、いわゆる福井女子中学生殺人事件におきましては、その確定審における公判過程におきまして、検察官が、関係者供述の裏付けとして主張していたテレビ番組の放送日につきまして、従前の主張とそごする事実関係を示す証拠を得ながら、その後も従前の主張、立証を維持していたことが明らかとなっておりまして、現在、この事件に関与した検察官のヒアリングなどの調査を進められているところではございますが、昨年七月の再審無罪判決の段階で、検察当局におきましては、確定審における公判過程において従前の主張、立証を維持しようとしてそのような公判活動を行ったものと判断せざるを得ないと考えていたということを承知しているところでございます。  こうしたことはあってはならないことでありまして、検察当局におきましては、これらの事態に対する反省も踏まえて、捜査活動の、公判活動の遂行に努めていくものと承知しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 検察のやっぱりこういう実績主義というか、どこの組織でもそれは必要、必要というか、評価をする上で何らかの基準が必要ですから、そういう意味では、検察の持っているこの成果主義、実績主義というのがこういった証拠改ざん、捏造を生み出しているということも一つの要因だと思いますが、一方で、じゃ、そういうその証拠改ざんや捏造した職員に対して何か罰を与えているんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほどの例で申し上げた元厚労省、厚労省元局長無罪事件に関しましては、主任検察官を逮捕、起訴しまして、懲役一年六月の実刑判決が出ているということでございます。  その一方で、それ以外のもので例えば違法な捜査活動、公判活動が行われた場合には、そういうものが把握した場合には、その処分の在り方も含めて、検察当局においては、その都度個別の事情に応じて判断しているものというふうに理解しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 成果主義だけが一方で動いていくと、こういったことって止まらないと思うんですね、これから先も。実績上げたいですから、皆さん。そういう意味では、しっかりと懲戒するとかもう厳罰でそこは両方やっていかないと、この捏造というのは止まらないと思うんですよね。  刑訴法の第三百十七条には、事実の認定は証拠によるというふうに規定をされています。これはもう刑訴法の基本原理の一つ、証拠裁判主義を定めたものでありますけれども、再審請求人や弁護人にとって再審開始につながる証拠が重要であることは言うまでもありません。  だからこそ、検察がこの証拠開示を認めないのは、捏造証拠を知られたくないからではないのかというふうにも思ってしまうわけですよ。どうですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど来、証拠の、例えば通常審における証拠開示制度の運用について答弁したりしていますけれども、捏造証拠を知られたくないといったことではなくて、そもそも証拠の捏造があってはならないのでありまして、捏造されたような証拠があるのであればそれを直ちに、少なくとも捜査段階であれば上に報告するなり様々なことをするのが検察官の務めであると思いますし、公判に至った場合には、そういう捏造が、捏造というのが何を指すのかもありますけれども、明らかにその無罪を示すような証拠がある場合には、それは当然、公訴、起訴をした後も公訴を取り消すであるとか、公判が一定程度至った場合には無罪の論告をするとか、それが、裁判が確定してしまった後でも自ら再審請求をするであるとか、そういったことが検察官には、検察当局には求められているというふうに思っているところでございまして、捏造、済みません、捏造証拠を見られたくないからとか、あるいは不利な証拠を見られたくないから、そういった形で開示する、開示しないを決めるというのは、法の求めるところではございませんし、現に通常審でもそのような運用がなされているということだと私は理解しています。  その上で、再審請求審においても、同様な形で、その有利不利を問わずに、この法律ができる前は任意の裁判所の勧告、裁判所の意向を踏まえた勧告などと、勧告に応じた証拠開示などといった形でありますけれども、それは裁判所が求める証拠、範囲に属する証拠を開示したものだと理解しています。  だからこそ、そのような再審無罪判決、再審開始決定につながった証拠なども開示されてきたものでございまして、その開示に長年掛かってきたというのは、先ほど来答弁して、時系列の問題もあるわけですけれども、少なくても有利か不利かによって開示をするかしないかを決めるといった行動は検察官には許されないものというふうに考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 まさに許されないものなんですけど、今刑事局長もおっしゃったように、時間が非常に掛かっているわけですよね。だから、様々な理由はあるにせよ、出したくないというのが随分出てくる雰囲気がある。そういう意味では、やはり捏造証拠があるのを出したくないというふうに思われても、現状ではしようがないんですよ。だから、そこをどう変えていくかというところが大事なんですけれども。  じゃ、大臣に聞きますけれども、日野町事件では、弁護側の請求を受けて検察側が開示した証拠の中に確定判決が認定した事実関係と矛盾する証拠が多数見付かったことが、再審開始決定につながりました。再審請求人や弁護士にとっては、証拠開示の重要性、非常に大事なんですけれども、大臣はこれをどのように考えますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 再審請求事件の中には、検察官が提出又は開示した証拠を新証拠として再審開始決定がなされる事件があるものと承知をしておりまして、再審開始、再審請求手続においては、再審請求理由の審理、判断に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることが再審請求人や弁護人の訴訟活動上も重要であり、適正な裁判の実現のために不可欠であるというふうに思っております。

横山信一 公明党

○横山信一君 不可欠だというふうにおっしゃっていただきましたが、しかし今、構造論によってこの証拠開示がなかなか検察側では認めないということになっているわけですけれども。  一方で、先ほど来の答弁を聞いていると、運用上の証拠の範囲は、証拠提出命令ができても実際の運用上も変わらないという、そういう御答弁でありましたが、この今回の改正で設けられている証拠提出命令、これは、審判開始の決定をした裁判所が、再審の請求の理由に関連する証拠であって、裁判をするために必要な証拠を提出を検察官に命じることができると。すなわち関連性と必要性強く求められるわけですけれども、しかし、その証拠の持つ価値を、その関連性とか必要性とか、その価値を正しく理解できるのは、これはもう必死になっている再審請求人とそれから弁護人です。もう自分が無実だということを分かっているのに無実が認められないわけですから、ですから、その持っている証拠の中に、自分が無実であることを証明するためにも必死で探すわけですよね。  そういう意味では、この証拠の持つ価値を正しく判断できるのは再審請求人と弁護人だと。彼らによる分析や検討を経なければ、逆に裁判所はその関連性や必要性を判断することはできないと考えますけれども、最高裁に伺います。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。  証拠提出命令の判断の困難性若しくは容易性ですが、これにつきましては、個別の事件によるものと考えられますので、最高裁事務当局として一概にお答えすることは困難でございます。  その上で、一般論として申し上げれば、再審請求者や弁護人が関連性や必要性に関して具体的な主張をしていただくことによって、裁判所としてその判断がしやすくなるという側面はあろうかと思われます。  しかし、裁判所には、確定記録や、確定判決や取り寄せた確定記録、また再審請求に添えられた証拠等の具体的な資料がございますので、仮に証拠提出命令の請求がありました場合には、これらの資料等に基づきまして証拠提出命令の要否を判断することになると考えられます。必ずしも再審請求者や弁護人による証拠の分析や検討等がなければ関連性や必要性の判断ができないというわけではないように思われます。

横山信一 公明党

○横山信一君 そうかな。  まあまあ、裁判所の裁量というのは、現行法でも非常にこの裁量が求められていて、だから裁判所によって再審格差が生まれてくるわけですけれども、同じ質問を、じゃ、佐藤刑事局長に伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  基本的に再審請求審というのは、先ほど来出ておりますように、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございまして、問題は、裁判所がその再審請求理由をあるとするのか、ないとするのかが全てそこに収れんされるわけであります。  その上で、御指摘のように、弁護人であるとか再審請求人本人がその証拠の中身をよく見れるという立場にある、あるいはいろんな意見を持つ立場にあるというのはそれはおっしゃるとおりだと思っておりまして、そういう意味で、先ほど来私も答弁したと思うんですけれども、確定判決を経て、どのような、判決のどこが誤っていて、どこがその証拠の評価が誤っているのかということを判断できる立場にあるのは事実でありますので、そういう方々の意見がちゃんと再審請求審の中で裁判所に伝わり、あるいはそれが検察官にも伝わり、そういったことがもろもろ重なって、最終的には証拠の提出命令の発出に至るのではないか、その有無を判断することに、裁判所が判断することになるのではないかというふうに考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 ここはすごく大事なところだと僕は思っていまして、証拠提出命令を出すにしても、やはり再審請求人と弁護人がやはりキーになるわけですよ。何度も言いますけど、必死ですからね。  だから、そういう意味では、この人たちにどうやってその提出証拠の内容を把握してもらうのかということは非常に大事だと思うんですけど、これ、もう一回最高裁に伺います。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  まず、提出命令が発せられて提出された証拠に関して申し上げますと、弁護人につきましては、刑訴法四十条一項に基づいて、証拠を閲覧、謄写できると規定されております。また、裁判所への提出と同時に弁護人に証拠の写しを送付させるような訴訟指揮も可能であるというふうに承知しているところでございます。  続きまして、請求人に弁護人がいない場合、こういう場合もございますが、このような場合につきましては、本法律案におきましても再審請求人による閲覧等を禁止するような規定はなく、文献等によれば、刑事記録に関しては、受訴裁判所が司法行政上の措置として、明文上の規定がない者に対しても閲覧等させることは可能であると解されていると承知しております。  このような考え方に基づけば、裁判体において再審請求人に証拠を閲覧させたり、また証拠の写しを送付したりすることも可能であると考えられ、法制審議会の議論においても同様の理解が共有されたものと認識しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 証拠が提出された後は確かにそれはできるんですけれども、提出命令の前が大事なんですよ。だから、そこは裁判所がどういうふうに取り扱うのかということが、ここは大事なところだと思いますので、よくこれから先、対応していただきたいというふうに思います。  通常審においては、刑事手続では、通常審の刑事手続では、検察官が証拠書類又は証拠物の取調べを請求する、また、弁護人又は被告人に閲覧の機会を与えなければならないと。これらにより、検察官請求証拠の内容を早期に確認して弁護の方針を決定すると、いわゆる防御権の行使というのを確保されています。  再審手続においても、再審請求者やその弁護人に対して捜査機関が保管する証拠及び証拠物をできる限り速やかに全て開示して内容を確認する機会を与えることが、結果的に再審公判を円滑に進行することになると、また冤罪からの早期救済を図れるものになるというふうに思うんですけれども、通常審と同様に検察官から再審請求者側に証拠を開示させる仕組みとすべきなのではないかというふうに思うんですが、これは佐藤刑事局長に伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  通常審における証拠開示制度というのは、検察官と被告人、弁護人という訴訟当事者が訴訟行為の主導権を持つ当事者主義の下で、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに反証を行うという対審構造において争点、証拠を整理するとともに、被告人側が十分な防御の準備をすることができるようにすることを目的としたものでありまして、こうしたことを前提といたしまして、検察官が被告人側に証拠を開示する仕組みとされているところでございます。  これに対しまして、再審請求審は、先ほど答弁申し上げたとおり職権主義でありまして、裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございまして、前提を異にするところでございます。  この本法案では、こうした再審請求審における手続構造を前提として、裁判所が審理のために必要と認めた証拠について、検察官に対して、再審請求者側への開示ではなくて裁判所への提出を命じる仕組みといたしまして、その証拠を弁護人が閲覧、謄写することができるという枠組みになっているものでございます。  加えまして、例えば、先ほども答弁いたしましたけれども、証拠の提示であるとか証拠の標目の一覧表などを検察官に提示を命ずるようなことを、様々な手段を裁判所側に与えまして、その関連性の範囲がちゃんと判断されるように担保しているという状況にございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 職権主義だから、裁判所にそれなりの権利を広く与えることによって従来とは違うというふうに言うんでしょうけれども、結局は、この裁判所の裁量というのは、現行法でもかなりその裁判所の裁量によってこの再審の違いって出てくるわけですよね。そこは何も変わっていないというふうに僕は思ってしまうんです。  衆議院法務委員会の質疑において、刑訴法三百十六条の十四に規定する弁護人への証拠の一覧表の開示のような規定を設けなかった理由について、佐藤刑事局長は、どの証拠の認定や証拠評価が誤っているかを自ら把握して主張する立場にある再審請求人の側から見て、その検察官の手持ち証拠がどのような証拠であるのかということを、自分が間違っていると考える事実認定、あるいは、その証拠がそもそも信用性がない証拠であるのに、それによった裁判所の判断が誤っているというふうに主張するためのことをまず念頭に置いて、それに関連する証拠を開示させていくということを狙った手続になるかと思うと。分かりづらいんです、はっきり言ってね。  じゃ、この手続ってどんなものなのか、お答えください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  御指摘の答弁はちょっと言葉が間違っているところもあるなと思っているわけなんですが、この答弁は、再審請求者等による証拠の提出命令の請求を念頭に置いたものでございます。  通常審における証拠の一覧表の交付制度と同様の制度を設けない理由について御質問いただいたことから、これに対して、趣旨としては、仮に犯人でない者が有罪判決を受けて再審請求をする場合には、確定審の証拠や判決の内容から、判決のどの部分が誤っているかを把握しており、検察官に提出を命ぜられるべき証拠としてどのような証拠があり得るかについても想定することが可能であると考えられるため、そうした想定に基づいて証拠の提出命令を裁判所に請求していくことが可能である、考えられる旨を答弁したということでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 現在の再審請求審での証拠開示については刑訴法の明文の規定がないと。裁判所や検察官に証拠開示の法的義務がないので、個々の事案について、裁判所が検察官に対して証拠開示の勧告を行うという対応になっていると。  本法では、本法律案では、再審請求者等の手続保障を充実させるための一つとして、審判開始の決定をした裁判所が、再審の請求の理由に関連すると認められた証拠について、関連性の程度、証拠の提出を受けることの必要性の程度、提出を受けた場合に生じるおそれのある弊害の内容及び程度を考慮して、相当と認めるときは検察官に対して証拠の提出を命じなければならない。こういう証拠提出命令ですね、これを創設するわけです。  じゃ、これは、従来の証拠開示の勧告との違いはどこにあるんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  検察官は、裁判所から任意での証拠開示をするよう勧告を受けた場合には、本法律案の規定による証拠の提出命令を受けた場合と異なり、証拠を開示すべき法的義務を負うものではないと考えられるところでございます。  もっとも、一般論として申し上げますと、現行法の下で、検察官は、再審請求審において、裁判所の意向も踏まえつつ、検察官が保管する証拠を提出するか否かに関しまして、再審請求理由について判断するために必要性や関連性があるか、もう一つは、これを明らかにすることによりまして関係者のプライバシーの侵害等の弊害があるかなどを考慮いたしまして、相当と認めるときに裁判所に提出するという方針で審理に臨んでいるものと承知しているところでございます。  したがいまして、義務の有無は違いますけれども、その過程の中で、証拠の提出命令における関連性等の要件判断と同様の判断を行っている、厳密には法令に基づいたものではありませんけれども、そういった要素を考慮して対応しているものと承知しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 じゃ、内容的には義務が生じるか否かであって、出されてくる証拠というのは従来と変わらないということですか。狭まるということはないということですか。狭まるということはないということですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 繰り返しになりますけれども、証拠の提出命令制度といいますのは、再審請求審における裁判所による勧告であるとか検察官による任意での証拠の提出、開示という従来の実務運用を否定するものではございませんで、衆議院における修正によりまして、これらの運用上の措置についても事案に応じて適切に行う旨が法文上明記されたところでございます。  その上で、このような証拠の提出命令制度が更に加えて行われるということでございまして、これは、従来、検察官がそのような要件がないとして証拠開示、証拠の提出を拒否していたような事案においても、これは検察官の義務、裁判所の義務、裁判所が、裁判所にとってもそのような要件があると判断した場合にはそれが義務になるというわけでございますので、少なくとも、これまでの実務運用よりこの証拠提出、開示される証拠の範囲が狭まるようなことはないと考えているところでございますけれども、いずれにしましても、この改正法が成立した場合には、裁判所や検察庁等の関係機関に対しまして、ただいま申し上げたような制度の趣旨などを十分に周知してまいりたいと考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 制度の趣旨を周知させるということが大事だし、答弁として残っているわけですから、こうした狭まることはないということをしっかりと実現をしていただきたいと思います。  ちょっと一つ飛ばしまして、衆議院の法務委員会における質疑で、裁判所が再審請求についての裁判をするために提出を受ける必要があると認めるときに、検察官に対して、その保管する証拠の一覧表あるいは送致書類等目録の提出を命じる制度にすれば、裁判所が主体という職権主義の構造を維持できるのではないか、そういう質問が衆議院でもありました。  政府は、証拠提出命令制度の運用の中で、裁判所がそのような、証拠の一覧表を作成させる、標目の一覧表を検察官に作成して提出させることはできるわけでありまして、そこの中には弁護人側に直ちに開示になじまないというのは当然入っていると答弁されています。他方、裁判所として弁護人に見せてもいいと判断するものが便宜上その運用の中にあり得るのではないかと思いますとも述べているんですね。  それでは、弁護側が必要としているこの標目の一覧表、これを弁護側に見せてもいいと判断するのはどのような場合なのか、これ最高裁に伺います。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  御質問は、裁判所が検察官に対して、どのような場合に弁護人に証拠の標目の一覧表を交付するよう求めるかという御質問だと理解いたしました。  このような求めをいかなる場合にするかにつきましては、まさしく、各裁判体が個別の事案の内容や再審請求人等の主張に基づいて必要性及び弊害を検討した上で判断することになりますので、最高裁事務当局として一概にお答えすることは困難でございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 一概にお答えすることは困難と言いますけど、要するに、見せてもいいというふうに判断する場合があるということですね。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) おっしゃるとおり、それはあるというふうに認識しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 刑訴法のこの標目の一覧表については、何人にも閲覧又は謄写させることができないと四百四十五条の三の三に規定はされているんでありますが、見せてもいいということだということで、そういうことはあり得るんだということであります。じゃ、どんな形で見せてもらえるんですか。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  まさしく、弊害も考慮しなきゃいけないと思います。ですので、裁判所に提出された若しくは提出されようとしている証拠の標目のうち、一覧表そのものを交付することが適当な場合、若しくはそうでない場合、様々あろうかと思います。そのような弊害等を考慮して、必要な範囲で判断がされるのではないかというふうに考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 確かに何人にもという、閲覧させないという規定がある以上、そのまま見せるということは難しいんだと思うんですけれども、ある意味、ここの部分だとか、あるいは加工してということになるのかもしれませんが、見せてもらえるということは非常に重要なことだというふうに思います。  どんな証拠があるかというのは、先ほど来議論の中にもありますが、再審請求人あるいは弁護側からしても、何にも分かんないわけですから、手探りの状態なわけですから、そういう意味では、標目の一覧の中からある程度目安を付けていく、いけるという、そういうことができるというのは非常に重要なことだというふうに思います。  従来の再審請求審では、再審請求審を担当する裁判体によって検察官に対してその保管する証拠の開示を積極的に求めるかどうかが分かれる、先ほど来話しているいわゆる再審格差というのがあったわけです。  検察官が保管する証拠が積極的に開示されることが冤罪からの早期救済につながると、そういう意味では、この再審請求審を担当する裁判体によって証拠開示の対応が区々になることなく、再審格差を是正するということをどういうふうにやっていくのか、これも最高裁に伺います。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  証拠の開示の促し等をどの範囲で行うかにつきましては、事件や確定判決の内容はもとより、再審請求者や弁護人、検察官といった関係者の主張や新証拠の内容によるところが大きく、各事案に応じた判断が不可欠となることは御理解いただきたいと思います。  その上で、本法律案が成立した場合には、証拠の提出等に関する裁判所の権限と責務が明らかになりますので、これらが必ずしも明らかでなかった現行法下と比べると、提出を求める証拠の範囲、必要性等につきまして、関係者とよく議論をし、認識を深めることができるようになると思われます。  最高裁事務当局といたしましては、本法律案が成立した場合には、その内容や国会等における議論の状況について各現場の裁判官に対して十分に周知するとともに、証拠の提出の在り方等について裁判官同士の議論の場を確保するなどして、適切な運用の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 再審格差、また次回しっかり議論したいと思いますけれども、裁判所によって例えば検察官の抗告を認めてしまったりとか、認めた後に無罪が確定するとか、そういう意味では、裁判体がどういうふうにその再審請求を捉えるかによって大きく変わってくるわけです、その後の流れが。そういう意味では、裁判所の取組というのは非常に重要になってくるというふうに思います。  衆議院でも取り上げられているんですけれども、改めて確認をしておきたいんですが、実務運用として、裁判所の勧告に基づく検察官による任意の証拠の提出や開示、これは否定され得ます、先ほど来何度も出ているわけですが。そういうことを踏まえれば、裁判所の職権によって証拠開示命令を明文化しても何にも問題はないんじゃないかと。職権主義で証拠提出命令が出せるわけですから、職権主義で証拠開示命令も出せるというふうにするのが、これがごく自然な流れだと思うんですけれども、これについてはどうですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  通常審における証拠開示制度と申しますのは、先ほど来も話題として出ておりますように、当事者主義の下で、検察官が公訴事実を立証して、被告人、弁護人がそれに反証を行うという対審構造の中で争点や証拠を整理するとともに、被告人側が十分に防御の準備をすることができるようにすることを目的とするものでございまして、こうしたことを前提として、検察官が被告人側に証拠を開示する仕組みとしているところでございます。  これに対しまして、再審請求審は、職権主義の下で裁判所が主体的に再審請求理由について審理する手続でございますので、こうした手続構造を前提として、裁判所が審理のために必要と認めた証拠について検察官に裁判所への提出を命ずる仕組みとしているところでございます。  この証拠につきましては、弁護人が閲覧、謄写することができるということでございまして、再審請求者が弁護人を選任していない場合における証拠の閲覧におきましても、裁判所において個別の事案に応じて適切に対応されるものと考えているところでございます。また、個別の事案に応じてということでありますが、例えば検察官が裁判所に証拠を提出するのと併せてその写しを再審請求者側に交付するといった運用も否定されないものと考えているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 運用はそうなんだけれども、これ何も矛盾はしないと思うんですよ、この職権主義の下での証拠提出命令も証拠開示命令も。ですから、これをかたくなに拒むというのが、冒頭に申し上げたように、捏造証拠を出したくないんじゃないのというふうに見えちゃうわけですよ。まあいいです、もう聞きません。  改正案では、審判開始の決定をした裁判所が、一定の要件の下で、検察官に対して再審の請求の理由に関連する証拠の提出を命じることができる規定を定めています。  これまでに再審無罪となった事件においては、検察官が保管する証拠が再審請求者や弁護人に開示され、その中に無罪を証明する証拠を発見していたことを踏まえるならば、裁判所に対して、検察官の保管する証拠に対する証拠提出命令だけではなくて、再審請求者や弁護人へ直接証拠の開示を命ずる権限を与える必要があるというふうに思いますけれども、もう一度、佐藤刑事局長に伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど来答弁しておりますのは、職権主義の下においては、裁判所が主体的に再審請求理由の有無を判断していくという手続であるということでございます。  そのような中において、開示という手続、証拠の開示、検察官から弁護人に対する直接の開示というのは、基本的には、通常審などで考えますと、再審請求人側による証拠の取捨選択を前提として、済みません、再審請求人におけるじゃなくて、被告人側、弁護人側における証拠の取捨選択を前提とした制度のように思われるわけでありますけれども、やはり、先ほど来申し上げているものについて申し上げますと、裁判所が主体的に判断していく、証拠を収集して判断していくという仕組みである以上は、弁護人による取捨選択を待つことなくして全ての証拠を見ると。それを弁護側もその証拠、裁判所が見た証拠を全て見て、その証拠の中身について主張をすると。それが、その一定の証拠が、その中にある証拠が再審請求理由の、再審請求理由があることに資するんだという主張、立証していくということにつながるという、全体としてのこの構造があるものですから、そのような制度を構築しているということでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 衆議院でも今日の参議院でも何度もこの証拠の開示というのは議論をされているわけですけれども、証拠開示命令が入っていれば何も問題はないんですけれど、そう運用でやるということにこだわるものですから、ですから、ここのところをどうしても何度も何度も聞いていくことになるんですけれども、先ほどは標目の一覧の質問をしましたが、今度は証拠一覧のことについて伺います。  衆議院の法務委員会では、再審請求者やその弁護人が裁判所に証拠の提出命令の請求をする際の証拠の特定について質問したのに対して、佐藤刑事局長は、証拠の一覧表がなくても提出命令を求める証拠の特定は可能である、これ先ほど川合理事も質問しましたけれども、そういう旨の答弁をしています。  しかし、証拠の一覧表は、証拠を保管し、その全容を保管している検察官が作成しているものであること、そしてまた、再審請求者やその弁護人が証拠提出命令の請求や証拠開示を請求する際の手掛かりを与えるものであること、そして、通常審においては、刑訴法第三百十六条の十四に規定が設けられており、これまでに何ら弊害を生じていないこと、こうしたことを踏まえると、再審請求審においても再審請求者やその弁護人に証拠一覧表を交付することは問題ないと思いますが、何が問題なんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど来答弁している再審請求審における職権主義の構造と、通常審における当事者主義の構造という手続構造論の違いがまず一つあるのは先ほど答弁したとおりでございます。  その上で、通常審と再審請求審における、それぞれにおける被告人側また再審請求者側による証拠の把握の困難性の違いという観点から申し上げますと、通常審におきましては、検察官が起訴状を裁判所に提出することで訴追が開始されまして、これにより被告人は防御すべき立場に置かれるわけでございます。公判前整理手続におきまして、被告人、弁護人は、検察官から取調べ請求予定証拠の開示を受けることで、検察官が立証に用いる証拠の内容を知るわけであります。この証拠開示に関しまして、被告人、弁護人は、検察官請求証拠の信用性や証明力を吟味するために類型証拠の開示を請求し、さらに自己の主張を支える証拠の有無を把握するために主張関連証拠の開示を請求することとなるということでございます。  これらの開示請求というのは、検察官による立証が開始される局面において応訴することを余儀なくされることを前提として、防御のために行われるものでございますので、それらの開示請求をするに当たっての手掛かりといたしまして証拠の一覧表の交付制度が設けられているものでございます。  これに対しまして、再審請求審におきましては、通常審において三審制の下で既に審理が行われておりまして、検察官の手持ち証拠についても、刑事訴訟法の規定に従って既に開示を受けている上に、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても判示されているということでございますので、犯人でないのに有罪判決を受けた者であれば、確定判決のどこに問題があるかは把握できるのが通常であると考えられまして、それを前提といたしまして、通常、どのような証拠が収集されるかを念頭に置きつつ、証拠の提出命令を請求することが可能であると考えられるところでございます。  この提出命令の対象となる証拠の特定と申し上げますのは、請求に係る証拠を識別できる程度のもので足りるわけでございまして、その程度の特定を行うことは証拠の一覧表がなくても容易であると、十分に可能であると考えられる上に、再審請求審におきましては、通常審におきまして公判前整理手続を行ったような場合のように、その手続終了後の証拠調べ請求の制限などは全くございませんので、裁判所に対する提出命令の請求を順次行うことによりまして、新たに発見された証拠に基づいて再審請求理由を追加することも可能ということでございます。  通常審と再審請求審とではこのような違いがあるわけでございまして、こうした違いを捨象して、通常審における証拠の一覧表の交付制度と同様の制度を再審請求についても設けることは相当ではないというふうに考えているところであります。  他方で、この法律案におきましては、裁判所が証拠の提出を命ずるか否かを判断するに当たりまして、必要があると認めるときには、証拠そのものの提示であるとか標目の一覧表の提示を命ずることができるとしているところでございまして、この一覧表は関連性のある証拠がないかどうかを見極めるためのものでございまして、事案に応じて範囲を広く指定することも可能でありまして、問題は、そのような裁判所の心証を得るような主張、立証を再審請求人側におきましてもちゃんと主張、立証して裁判所の理解を得るということが先生の御指摘を踏まえると重要なのではないかというふうに考えるところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 ちょっと時間がなくなってきたので、ちゃんと議事録精査してまた質問します。  最後、大臣に伺いますが、再審請求理由に関連する証拠について、本法律案では、裁判所において、相当と認めるときは、再審請求者若しくは弁護人の請求により又は職権で、決定で、検察官に対し、当該証拠の提出を命じなければならないと規定を設けることとしています。その命令をするか否かの判断に当たっては、必要があると認めるときは、検察官に標目の一覧表を提示することを命ずることができますが、先ほど言ったように、その一覧表は誰にも見せることはできないという規定もされています。  通常審において認められているように、検察官が保有する証拠の閲覧や謄写、その一覧表の提供、これを再審においても可能とする仕組みを設けるべきでありますし、いわゆる送致書類等目録についても弁護人が閲覧、謄写が可能な仕組みを設けるべきと考えますけれども、最後、大臣に伺います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 再審請求審は、確定判決を全面的に見直す手続ではなく、あくまでも再審請求理由について審理、判断する手続でございます。そのため、裁判所が再審請求理由との関連性を問わず証拠の一覧表や送致書類等目録を提出させる制度は、再審請求審における審理の在り方と整合しないと考えております。  他方で、本法律案においては、提出命令制度を前提に、再審請求理由との関連性の判断等に当たって必要な場合に用いるものとして証拠やその標目の一覧表の提示命令の制度を設けることとしており、裁判所は、必要と認めるときは、検察官の保管する全ての証拠を指定して標目の一覧表の提示を命ずることも可能でございます。そのため、これに加えて、裁判所が検察官に対し証拠の一覧表や送致書類等目録の提出を命ずる制度を設ける必要性、相当性には疑問があると言わざるを得ません。  したがって、御指摘のような制度を設けることは課題が多いものと考えております。

横山信一 公明党

○横山信一君 もう時間ですので終わりますが、今日ちょっと証拠開示ばっかりで終わっちゃいましたけれども、次回、目的外使用含めてしっかり議論させていただきます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。  先ほど来問題になっております刑事訴訟法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。  ちょうど先週六月十九日、本会議でこの問題取り上げさせていただきました。そのちょうど同じ時間に日野町事件の三者会談が行われ、それで、午後のニュースを見てびっくりしたんです。私、午前十一時に質問させていただいたんですけど、午前十時五十八分にその三者会談の結論が出たということで、既に皆さん言及しておられますけれども、この日野町事件、私は一九八一年に滋賀県職員になりまして、それで、滋賀県内フィールドワーク、くまなく歩いていたんですけど、日野町というのは本当にのどかな、日野商人を輩出したところで、この殺人事件が起きてしまったというのは大変つらかったです。  それと同時に、逆に振り返ってみると、本当に、この証拠の捏造から、それから阪原ファミリーをまさに三十八年間犯罪者として地域で扱われてしまった、この苦しみはどんなに大変だったでしょう、この長い時間というところから、改めて地域社会としては、これ検察、警察の問題でもありますけれども、フィルムの捏造は検察に行く前に警察ですね、ですから、警察の責任はどうなるんだ、で、検察はということ、この後、再審の法廷がどうなるのかも含めて、この後、地域社会としても見続けていきたいと思います。  あわせて、実は二〇〇六年から二〇一四年、二期八年、ちょうど知事現職のときに、この一次再審から二次再審に行っていました。それで、私自身は、かなりこれは知事としても関心を持っていました。というのは、県民の皆さんが万一の冤罪に巻き込まれるというのは大変なことだというので、当時、玉木昌美弁護士さんが本当に熱心に命懸けで弁護活動をしていらして、玉木弁護士がこのフィルムの問題を発見をしたわけです。  そういうところで関わっていながら、今日のところは、この時間の問題、それから不服申立ての問題についてあらかじめお願いしておりますので、まとめて、もう二十分くらいしかありませんけれども、質問させていただきます。  十九日の本会議で高市総理から、再審無罪判断の確定までに長期間を要し、当事者の皆様に大変御負担を生じる事態となった事件があることを真摯に受け止め、その反省の下に必要な改善を行うことが現下の急務であると、制度の見直しと適切な運用、現場の運用により、手続の円滑、迅速化が実現すると御答弁をいただきました。  そういう中で、今日は、検察官の不服申立て、抗告に絞って質問をさせていただきたいと思います。  まず、検察官の不服申立て原則禁止としました。これ、全面禁止ではなくて原則禁止としたその目的について改めて確認をいたしますが、不服申立てを抑制し、手続をこれまでよりも早くするためであるという認識でよろしいでしょうか。法務大臣、まずお願いします。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。  本法律案においては、近時、再審開始決定に対する不服申立てについて、これによって再審手続が長期化しているなどの厳しい御指摘、御批判があることを踏まえまして、より慎重で抑制的な運用を確保するため、これを原則として禁止することとしております。  さらに、本法律案においては、不服申立て後の再審請求審の審理の不当な長期化を防止するため、再審開始決定に係る申立てについて一年以内に係属裁判所の決定がされるよう努めなければならないこととしております。  したがいまして、本法律案による他の法整備とも相まって、再審手続の円滑、迅速化が図られるものと考えております。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  この不服申立て原則禁止、最初は附則だったのを本則に入れていただいたということは評価をするところですが、あくまで原則禁止であり、これで少しでも早く再審請求の手続が前に進むんだということを共有させていただきたいと思います。  この手続の迅速化が求められているという法の趣旨の中で、今後、不服申立てをするかしないか判断をする際の基準や運用、具体的にどう改められるのでしょうか。法務省さん、お願いします。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案では、再審開始決定に対する抗告を原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限ってすることができるとしたところでございます。  その上で、本法律案におきましては、検察官の抗告が十分な根拠に基づくものかどうかを国民がチェックできるように、抗告の理由等を遅滞なく公表することとしているところでございます。  また、検察官の抗告に対しましては基本的に一年以内に裁判所の決定がなされるところ、本法律案では施行後五年ごとの検討条項を設けることとしておりまして、裁判結果も踏まえて、抗告の運用状況が定期的に評価されることになると考えているところでございます。そのため、検察当局におきましては、再審開始決定に対する抗告について、抗告裁判所の審査に堪え得る客観的に妥当なものという観点から、組織的に十分な検討を尽くした上で慎重な判断がなされることとなると考えているところでございます。  検察当局におきましては、いわゆる袴田事件の再審無罪判決を受けまして、検事総長訓令によりまして、全ての再審開始決定につきまして、検事正はあらかじめ検事長の指揮を受けなければならないこととするなど、組織的な判断が確保される体制を整備されたところであるというふうに承知しておりますけれども、本法律案が改正案として成立した場合には、その趣旨を踏まえまして、その運用に、その適切な運用により一層努めていくものと承知しているところでございます。  法務省といたしましても、本法律案が改正法として成立した場合には、検察当局に対しまして、改正の趣旨、内容などにつきまして、国会審議の内容も含めまして、その周知徹底に努めてまいりたいと考えているところでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  衆議院の方でも、維新の会の金村議員がやはり平口大臣に、この不服申立ての十分な根拠を示し、そして国民のチェック、国民のチェックを受けるものだということで、これを担保するために不服申立ての理由等を公表すると答弁しておられます。  このことについて、例外的に不服申立てできるとされておりますけれども、その際には理由を公表すると。この根拠がある場合に限り例外的に不服申立てをできるとされ、理由を公表する。ここで、根拠と理由、表現を分けたまさに理由はどういうことにありますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  まず、十分な根拠がある場合というのは、不服申立てにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を意味すると考えているところでございます。  この例外要件を定める文言といたしましては、現行刑事訴訟法の第二百十条第一項、これは緊急逮捕の条文ですけれども、他の法律に例があるように、十分な理由と規定することも考えられたところでございましたけれども、判断根拠として客観性のあるものを必要とするという趣旨を含めまして、ただいま申し上げたような趣旨を明確に表現する観点からは、理由という文言よりも根拠という文言を用いる方がより適切ではないかと考えられたことが一点。  それから、理由という文言を用いた場合に、これ法制上のお話といたしまして、抗告自体の理由と、これ理由と同じ言葉を使いながら、根拠という意味とその抗告の主張、内容みたいなことが意味が二つありまして、そういうものと混同されるおそれがあると考えられたことから、本法律案におきましては十分な根拠という文言を用いることとしたものでございます。  他方で、本法律案で公表の対象としている抗告をした場合におけるその理由につきましては、検察官が原決定が取り消されるべきであるとの主張を基礎付けるものとして構成した裁判所に対する事実認定上、法律適用上の主張を意味するものでございまして、まさに抗告自体の理由そのものでございますので、理由という文言を使ったということでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 皆さん、理解できたでしょうか、根拠と理由の違い。  なかなか、これが国民のチェックに付される対象ですので、是非とも、根拠というのはより具体的なエビデンスに近いもので、理由というのはその周辺の社会状況なども含めてということなんでしょうか。その辺り、勝手な解釈ではいけないんですけれども、今後も国民のチェックを受けるわけですから、きちんと説明をしていただけたらと思います。  この不服申立ては例外的でとありますけれども、この理由が公表されたとき、不服申立ての運用が適正になされていないのではないかという国民の世論の指摘を受ける場合は、五年後の見直しの際に、不服申立ての全面禁止も含めて検討の対象になり得るのでしょうか。全面禁止と原則禁止、このずれですね、ここのところをお教えいただけますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 本法律案におきましては、御指摘のとおり、再審開始決定に対しまして例外的に不服申立てがなされた場合に、十分な根拠に基づくものかどうかを国民がチェックできるように、抗告の理由等を遅滞なく公表することとしているところでございます。  この検察官の不服申立てに対しては基本的に一年以内に裁判所の決定がなされるところでございますが、御指摘の施行後五年ごとの検討条項によりまして、裁判所の決定の結果も踏まえて、不服申立てが適正に運用されているかが定期的に評価され、仮に問題があれば、御指摘の点も含めて、制度の在り方が改めて議論され得ることになるだろうというふうに考えているところでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  今、一年以内ということをお伝えいただきましたけれども、最近いろいろ抗告審でも、DNA鑑定とか実験の事実を調べるとか、いろいろなデータの取り方あると思います。このような場合には、一年以内に決定するのは困難だというような理由、まさに指摘、言い分が出てくる可能性もありますので、この法改正後の抗告審では何をどの範囲で審理すると想定しておられるんでしょうか。質問六です。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  審理の進め方は、個別の事件の内容や当事者の主張等を踏まえて個別の個々の裁判体が判断するものでございます。また、何をどの範囲で審理するかは検察官の抗告理由の内容次第ということにもなると考えられますので、最高裁事務当局としてその一般的な想定をお答えすることは困難ですが、一般論として申し上げれば、抗告審は原決定の当否を事後的に審査するものと考えられていますので、請求審第一審の段階で必要な審理が行われていれば、抗告審段階では新たな事実取調べを行わず、既に取り調べられている証拠に基づいて、再審開始決定をした請求審第一審の判断の当否を審査することになることもあると考えられているところでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 先ほど牧山さんのデータにもありましたけど、再審の要求、二百三十、二百四十ありながら、一件、二件と。本当に、私も、様々な民事の関わっている方たちからも、民事の家族問題でも三か月、四か月掛かるというようなことで、本当に裁判所が今多忙だということは伺っております。  そういうところで、迅速に審理をするための裁判所の体制づくりはどうお考えでしょうか。お願いします。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  本法律案成立後の再審開始決定に対する抗告審の審理の在り方は、審理期間に関する附則五条の規定を十分に踏まえていく必要があると承知しております。  最高裁事務当局といたしましては、附則を踏まえた法律の内容及び議論の内容を十分に周知するなどし、個々の裁判体が附則五条の規定を十分に踏まえて個別の事件の内容等に応じて適切に審理の在り方を検討できるよう、裁判官同士による議論の場を設けるとともに、本法律案の趣旨、内容も踏まえ、引き続き事務処理に必要な態勢面の整備にも努めてまいりたいと考えているところです。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 この不服申立てを全面禁止にするか原則禁止にするかで、再審手続がより早く進むのかどうかと、これ両方の意見があるとも聞いておりますが、例えば法制審の議論でも、不服申立てを全面禁止する場合には、再審請求審の争いが再審の公判に持ち込まれるので、そちらで余計時間が掛かってしまうと。つまり、全面禁止の場合には再審公判で上級審まで行くことになる、そうすると時間が掛かるという意見もございます。  まさに今回の日野町事件もそうですけれども、三十八年、もう当人亡くなってしまって、死後再審というような状態の中で、これは人道的にもあり得ないことです。ですから、再審請求審は早期の救済が大変大事です。そういうところで、これまでの再審事件では、再審の公判においては検察官が有罪立証を断念されたり、あるいは地裁の再審無罪判決が出た際には控訴を断念されたりと、抑制的な対応をしてきたと考えられております。  今回、法制審での議論も踏まえて、あくまでも不服申立てを原則禁止としているわけですから、法改正後においても、再審公判で実務の運用、これまでと同様であると考えていいのでしょうか。この辺り、ちょっと追加的な質問ですが、いかがですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  再審公判におきまして無罪判決が言い渡されたときには、個別の事案ごとに判決の内容を十分精査して、法と証拠に基づいて公訴の要否を判断してきたものと承知しているところでございますけれども、これらの点について、委員御指摘のように、再審公判におきましては検察官による上訴がかなり非常に少ないということは実情としてあったわけでありますけれども、それはこういった点が、本法律案が改正法として成立した場合においても同様のものになるかということについて、引き続き検察当局においては適切、個別の事案ごとに適切に対応していくと思いますけれども、その今委員が御指摘のような趣旨で運用が変わるかどうかについて現時点で確たることを申し上げることは困難でありますが、こういった御議論の内容を踏まえて検察当局においても判断していくことになるだろうというふうに考えているところでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ここは特に質問していなかったんですが、少しコメントを述べさせていただきますけれども、日野町事件については、先ほど横山委員も言ってらっしゃいましたけど、そもそも警察の捜査の現場で捏造があったわけですね。それ自身は、これをどういう状態の中で、言わば偽りの写真を出して、そして偽りの引き当て捜査の捜査書を作ったのか、ここのところは、この後確定したら、改めて、警察の現場、そしてそこから出てきた証拠を検察がどう扱ったのか、これは再検証しないと、またあるいは再発防止にならないんですね。その辺りのところ質問していないですけれども、もし、先ほど村木厚子さんの例ございましたけれども、村木さんの場合にはフロッピーディスクを改ざんした担当者が処罰されましたね。  そういうようなことで、今後、この二つ方向があると思うんですけど、一つは、まさに真犯人を取り逃してしまったという社会的な責任、不安、それと、言わば冤罪で三十年、四十年引っ張ってしまった、そのもとをつくった警察なり検察の責任、この二つ。今後、今日は特に答弁よろしいです、今後、ここのところも是非とも議論を展開させていただきたいと思います。  それからもう一点は、やはり法制審自身が、私はずっとこの法務委員会におりまして、法制審のメンバー選びがどこまで公平中立なのかということも含めて、これ予告的ですが、次に議論をさせていただけたらと思っております。  少し時間が早いですけれども、これで私の方、終わらせていただきます。ありがとうございました。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 参政党の安達悠司です。  本日は、再審に関する刑事訴訟法の改正案について、また刑事司法の在り方についても尋ねていきたいと思います。  今回の法案は、刑事裁判の再審に関して、証拠提出命令の創設など、事実取調べのルールや検察官抗告の在り方などを見直して整備をするものです。この法案につきましては、参政党は、修正案を前提に、修正案とともにですね、衆議院で賛成をしております。  私は、この審議に当たっては、以下三つのことを考えていきたいと思うんですけれども、まず、冤罪や誤判から本当に救済されるのかといった観点でありまして、これに関しては、我が党の神谷代表が六月十一日の記者会見でも述べていましたが、完全に十分ではないけれども、六十点から七十点という話もしていたんですが、しかし、少しでも前に進めると、条件を良くしていく必要があると判断したというふうなお話をしています。  また、他方で、被害者や遺族、あるいは国民から見たときに、処罰すべき人をきちんと処罰できるのか、あるいは被害者や遺族の名誉やプライバシーはきちんと守れるのかと、こういった観点も重要であろうと思います。  さらに、三つ目としまして、現場で働く人たち、法曹三者、これは裁判官、検察官、弁護士も含めてですね、などにとって、職員も含めまして、合理的で使いやすい制度になっているのかと、こういったことをきちんと判断していきたいと思います。  そもそも再審というのは何かということなんですが、再審とは、確定した刑事裁判のやり直しを行う特別の手続です。我が国の裁判は三審制であり、裁判に不服があれば、高裁、最高裁と三回まで審理が行われまして裁判が確定します。しかし、裁判が確定した後で、基になった証拠が偽造であることが別の確定判決で証明されたとか、明らかな証拠を新たに発見したなど、特別な場合に限って認められるのが再審です。  この再審の数なんですけれども、牧山委員の資料にもありましたが、令和五年の数値では、通常一審の有罪が四万四千三百九人、略式起訴で十六万余りなのに対し、再審請求が新たに受理されたのが、地裁百七十人、簡裁十七人、要するに一%もないということですね。そのうち、さらに、再審開始決定が出されたのが二人ということなので、毎年大体四、五万人の有罪の人が一審で生まれて、そして、そのうち本当に再審請求が通る人といったらもうこの令和五年までだと大体ゼロから四人ということで、本当に一万人に一人もいないというぐらいの難易度ということであります。  そういう中で、どんどん再審やり直せばいいじゃないかといった意見もありますが、他方で、我々実務家の立場からしますと、本来、最高裁まで死力を尽くして、検察官、弁護人、そして裁判所も一生懸命頑張っているわけでして、その上で確定したものに対して更にやり直すとなると、やはり処罰の効力や法的安全性といった観点も重要だと思います。  しかし、とはいえ、一度決まったからといって全くやり直しができないと、これも真相の解明や冤罪救済ができなくなり、裁判が国民に信頼されなくなってしまいます。ですから、被害者や遺族の立場を考慮しつつも、犯罪に対し、真相を解明し、そして被告人の権利を守り、国の適正な刑罰の実現を確保していくと、こういった観点が私は重要だと思います。  今回、特に法案におきましては、検察、弁護側双方の即時抗告期限が十四日間に延長されたことや、決定日の通知など再審手続規定が整備されたことや、さらに、無罪確定時の弁護人報酬も含めた費用補償の規定など、明らかに改善されたと言われる点も数多くあります。  この法案に関しまして、先ほども述べましたが、参政党は、六月十一日の記者会見で代表も述べていましたように、犯罪被害者の気持ちや状況、救済などの観点とともに、明らかにひどい冤罪の防止なども考慮しながら議論を続けたところ、完全に十分ではないけれども、少しでも前に進める必要があると判断して、参政党の要望が追加された修正案の共同提出に加わって、衆議院で賛成したというものであります。  そこで、この修正案についてまずお尋ねしますが、修正案の附則四条二項には、検察官による任意での証拠の提出又は開示は、事案に応じ、適切に行うものとするということが追加されています。なぜ検察官の任意の証拠提出、また開示に関し、特に修正を行ったのでしょうか。修正案の提出の背景にある問題意識をお尋ねしたいというのがまず一点です。これは修正案提出者の方ですね。  それから二つ目に、また捜査段階では、失礼しました、再審段階では、多くの場合、遅きに失している場合があるんですね。なので、できるだけ通常審、特に第一審段階から、今まで以上に検察官の任意での証拠開示などが適切に行われる必要があると思いますし、もちろん解釈としてもそうだと思いますが、検察官の任意の証拠提出、開示が、この本修正案の狙いが、再審のみならず、通常審の第一審段階や刑事手続全体にどのように影響していくと考えておられるか、修正案の提出者に以上二点お尋ねします。

藤原崇 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(藤原崇君) 衆議院での審議において法務省が答弁しているとおり、本法律案が改正法として成立した後も、従来行われてきた裁判所による証拠の提示、開示の勧告、そして今御指摘があった検察官による任意の提出、開示が活用されることが想定をされています。  しかしながら、衆議院の審議においては、本法律案が改正して成立した後はそのような運用上の措置が後退するのではないかと、そういった懸念が繰り返し示されました。そうした議論を踏まえまして、本法律案が改正法として成立した後も従来からの運用が事案に応じ適切に行われることを法文上担保することが適切であると考え、附則第四条第二項にその旨を明記するという修正を行うことといたしました。これが前半の問いでございます。  そして、後半の問いでございますけれど、この規定は、再審の手続以外の制度、そして証拠開示、提出命令等についてのみ言及をしている制度でございますので、通常審に直接的に影響するものとは考えていないところでございますけれど、衆議院の審議においては、通常審における証拠の任意の提出や開示も重要であるという議論等もなされておりました。  今後も、こういう議論については、当局においてもしっかりと踏まえた上で適切に対応されるということを望まれるものであります。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 以上で修正案提出者には質問はもうありませんので、御退室いただいても結構です。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 藤原衆議院議員は御退席いただいて結構でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私は、この後法務大臣にお尋ねしますが、この検察官による任意の証拠開示がなぜ重要かというと、私は、三つの重要性があると、三つの観点が挙げられると思うんですね。  一つは、まず検察官が裁判所の判断を待たずに任意に証拠開示に応じていただけるとこれは迅速でありまして、また当事者主義の理念にも適合します。  二つ目に、これまで、運用を後退させないということもありますが、証拠開示の範囲というのは、平成十八年の公判前手続や、また平成二十六年の一覧表交付など、これまで広がってきているわけですね。こうした広がりをきっちりこれからも担保していくということが二つ目。  三つ目に、証拠は、やはり関係者のプライバシーなどもありますので、非常に私はセンシティブなものだと考えております。私、弁護士の立場でもありますが、やはり、その証拠は、捜査の秘密だったり、例えば誤って被告人に伝えてしまったりすると結構大きな影響があったりするわけですよね。例えば、被害者の家の間取りとか状況とかも、場合によっては伝えないといけないこともありますが、ただやはり、不用意なものを伝えてしまうと、それは名誉やプライバシーを害したりとか、例えば銀行強盗に入った人に対して、銀行の中はこうなっていますとか、暗証番号こうですとか、そういうことを教えちゃったら駄目なわけですよね。  ですから、やはりこの証拠の扱いは、本当に弁護人や検察官との、これはもちろん対立構造にあるんですけど、非常にその中でも信頼関係があって、その法曹三者の信頼関係の中で円滑に進むようコミュニケーションを取っていくと。  こういった観点がありますので、やはり任意の開示というのを、これからも弁護人、検察官、そして裁判官がしっかり、協力してというのも変ですけれども、もちろん対立関係にあるんですけれども、その中でしっかり充実して続けていくと、こういった趣旨がこれには含まれていると私は思っております。  そこで、法務大臣にお尋ねしますが、この附則四条二項の修正の趣旨について、高市総理から本会議で、従来より後退させないことはもとより、これまで以上に適切な対応に努めていくといった答弁がありました。法務大臣として、今後の検察官の証拠開示の在り方や運用につき、今の高市総理の答弁をどのように受け止めておられますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 確かに高市総理が御指摘のような答弁をいたしました。  衆議院における御党などからの共同提案による修正案により加えられた附則第四条第二項は、従来行われてきた、一つには裁判所による証拠の提出、開示の勧告、もう一つは検察官による任意での証拠の提出、開示ということについて、今後とも事案に応じて適切に応じていくことを法文上担保するものであるというふうに受け止めております。  私としても、総理が答弁されたとおり、本法律案が改正法として成立した場合には、検察当局において、任意での証拠の提出、開示の運用に関し、従来より後退させないことはもとより、追加された規定の趣旨も踏まえて、公益の代表者として、個別の事案に応じ、これまで以上に適切な対応に努めていくものと考えております。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 続いて、法務大臣にお尋ねしますが、今先ほど修正案提出者に聞いたのと同じ理由から、通常審の第一審段階や刑事手続全体においても、検察官が証拠の任意提出や開示について今まで以上に適切に行うべきと考えますが、大臣はどのようにお考えですか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 御指摘の通常審においては、平成十六年の刑事訴訟法改正により、公判前整理手続等の一部を構成するものとして証拠開示制度が導入されたところ、この証拠開示制度の下で、通常審における証拠開示が大幅に拡充されたものと承知しております。  この証拠開示制度の下、検察当局においては、その運用上、事件が公判前整理手続に付されているか否かを問わず、類型証拠や主張関連証拠に該当すると思われる証拠を中心に、弁護人が開示対象となる証拠を特定することや、裁判所による証拠開示勧告を待たずして任意に広範な証拠を開示するというような柔軟な対応を取るようになっているものと承知をしております。  本法律案が改正法として成立した場合においても、検察当局としては、通常審における証拠開示について、引き続き、個別の事案に応じ、適切な運用に一層努めていくものと考えております。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 続いて、修正案の附則二条の五年後の見直し事項に二つの事項を追加したことについてお尋ねします。  まず、証拠の目的外使用禁止、それから検察官保管証拠の一覧表、この二つが五年後の見直し対象として明記されました。高市総理の答弁では、目的外使用禁止規定によって国民の権利や自由に不当な影響を与えることはないとのことでしたが、この答弁を法務大臣はどのように受け止めておられますか。  続けて、また、被害者の場合は、検察官開示証拠を損害賠償請求に用いることはできます。これ、犯罪被害者保護法三条ですね。しかし、再審請求人や弁護人が記者会見などにおいて冤罪の説明を行う場合や国家賠償請求訴訟を行う場合に、証拠として提出するために特別に例えばこの検察官開示証拠、許可を受けるといった手続は私は存在しないと考えております。  しかし、こうした手続がなければ、再審請求人本人の説明や権利擁護において不都合を来すと考えられるのではないかと思いますが、検察官開示証拠を刑事訴訟の準備以外の目的で使用可能とする、こういった必要性があるんじゃないか、場合によってはですね。この必要性についてはどのように考えていますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) やや長い答弁になるんですが、本法律案における証拠の目的外使用の禁止規定の下でも、証拠の複製等を再審手続やその準備に使用することはもとより許される上、証拠の概要を伝達するなどの行為は禁止されず、禁止に違反した場合の措置についても、複製等の内容、行為の目的、態様などの個別の事情を考慮することとしております。  そのため、私としても、本月十九日の本会議で総理が答弁されたとおり、証拠の目的外使用の禁止により、国民の権利や自由に不当な影響を与えることはないと考えております。  また、刑事事件の証拠が本来の目的以外に使用されますと、関係者の名誉、プライバシーの侵害などの様々な弊害が生じ得ることなどから、目的外使用を可能とすることについては慎重な検討を要すると考えております。  他方で、御党を含む三党の共同提案による衆議院での修正により、附則第二条に再審の請求の手続における証拠の目的外使用の禁止に関する制度が明記されたのは、同条に基づく検討に際して、特に検討の対象とすべきこととする趣旨であると認識しており、法務省といたしましても、その趣旨を踏まえ、適切に対応していきたいと考えております。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私の質問の後段の具体的な必要性についてはどのように考えておられますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 先ほど申し上げたとおりですが、刑事事件の証拠が本来の目的以外に使用されると、関係者の名誉、プライバシーの侵害などの様々な弊害が生じ得ることなどから、目的外使用を可能とすることについては慎重な検討を要すると考えております。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私は、特別な許可をする手続をつくってもいいとは思っております。  次に、除斥、裁判官の除斥という、あんまりちょっとなじみがないですが、一般の方にはですね、除斥事由の拡大についてお尋ねします。  特に、今回問題にしているのは、再審請求審に関与した裁判官の再審における除斥という四百三十八条の二第二項第一号という、非常にマニアックな話ではありますが、これについて法務大臣は本会議で、刑事再審手続に固有の状況を、事情を踏まえ、同手続に限って政策的に導入するものであり、他の手続における取扱いは、手続ごとに検討すべき事柄であるとして、この裁判官の除斥事由を、今回、要するに裁判官が担当を外すという、特定の事件の担当を外すというこの扱いを破産とか民事訴訟とかほかの手続には当然に波及させないと、こういった趣旨の答弁を行われました。  私は、元々この裁判官の除斥規定、つまり再審請求審まで関与しましたと、この人を、再審開始決定が出た後に、そこで引き続きやるんですけど、その後の再審手続に関与させないというんですね。これは、本来この二つの手続は一体だと考えるとおかしいわけですよね。理論的には私はおかしいと思っている。  ただ、こういうふうな手続を今回のその改正案で元々入れたのは、私の推測ですが、検察官抗告禁止規定というのが導入されるのに備えて、言わば一種の保険として、裁判官チェンジできるように使用されたように思われますが、結果として検察官抗告禁止は政府の国会提出法案に採用されなくて、検察側としても、本当にこの除斥規定要るんですかというふうになっているんではないかと思います。  刑訴法の四百三十五条の六号以外の事由で再審開始決定がなされた場合には、再審における実体的判断に何ら裁判官の予断が生じることもありません。  例えば、大津地裁とか福井地裁というのは、裁判官の数が六人以下なんですね、六人より少ないんですね。例えば、大津だったら五人かな、福井だったら三人なんですね。そこで合議体の三人で裁判をしちゃうと、例えば大津で合議体を組んで再審開始決定を出しましたと、再審請求審で再審開始決定を出しましたと。それに対して検察官が抗告しませんでしたと、もういいですよと、そのままもう再審やってくださいとなったときに、その三人の裁判官はできないわけですから、そうすると、裁判官の数が足りなくなるわけですね。大津とか福井ではそうなりますよね。じゃ、そのとき一体どうするんですかと。いや、もうそれ、そのときに、記録も読んでいるのに、わざわざもう一回新しい裁判官を合議でやろうとするなら三人連れてこないといけないわけなんで、非常に不合理なんじゃないかと思うんですね。  こういう場合に、再審を引き続き大津地裁や福井地裁で行おうとすると裁判官の数が足りませんけれども、この事態に裁判所はどのように対処すべきだと法務省は考えているのですか。また、実際、裁判所はどのように対応するのかということも併せてお尋ねします。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  除斥の問題につきましても法制審において議論が行われて、このような、議員御指摘のような除斥事由の拡大が政策、理由としては政策的にということでありますけど、そのように行われたということでございます。そのような意味で、再審開始決定に結び付いた直近の再審請求審において、再審開始、不開始の決定等に関与した裁判官を再審公判から除斥することとしているところでございます。  仮にこれによって再審公判を担当できる裁判官が足りなくなる場合でありますけれども、これ裁判所法による措置でありますが、裁判官の職務代行等の司法行政上の措置であるとか、他の裁判所への管轄の移転による対応が可能でありまして、再審開始決定が確定する事件の数はそれほど多くないということも踏まえますと、裁判実務に困難を生じることにまではならないのではないかというふうに考えているところでございます。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  特に小規模庁においては御指摘のような問題が生じないとは限りません。しかし、仮にそのような事態が生じて刑事部内で対応が難しいということになれば、民事部から応援をしたり、近隣の支部から応援をしたりするなど、まずは当該裁判所内において再審の審理を担当する裁判官を確保できるよう対応を取ることになると思われます。  また、今答弁もありましたが、刑事訴訟法第十七条は、管轄裁判所が法律上の理由又は特別の事情により裁判権を行うことができないときは、検察官は、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならないこととされており、被告人もその請求ができることとされております。  仮に、御指摘のような問題が生じて当該裁判所内で態勢を組むことができないということになれば、同条に基づく請求を経て対応可能な裁判所が審理を行うことになるものと考えています。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私は、今のようなことがそもそも起きないように、この除斥規定自体が要らないんだろうと、今の場合は思っております。  次に、調査手続、スクリーニングの話に行きます。  今度は、法四百四十四条の二第二項第一号ハのスクリーニングの要件として、書面に記載された請求の理由が明らかに各号に掲げる場合に該当しないと認めるときという解釈として、これ、本会議で質問したところ、再審請求者の主張が全て真実であると認められたとしても再審開始事由に該当しない場合、すなわち、いわゆる主張自体失当の場合を意味するといった法務大臣の本会議答弁がありました。  これは、刑事訴訟法三百八十六条一項三号の控訴の棄却の規定とも同一性を見ても、主張自体失当と解釈するのが妥当なんだろうと思いますが、しかし、政府案では元々、スクリーニングの要件として、更に四つ目のニの要件があったんですね。法制審案では、再審の請求の理由がないことが明らかであると認めるときというのがあったんですけれども、これ与党内の議論、自民党さんの議論で削除されましたね。  ということになると、それでも、この元々の主張自体失当のさっきの要件は、当初の解釈や、その当初の法制審の議論や解釈から拡大することはないのかといったことですね。スクリーニングが当初の法制審段階で、平城刑事局長もいらっしゃいましたけれども、法制審段階の議論と全く異なって、スクリーニング規定が非常に意味が乏しくなってきたのではないかということですね。  法制審で平城刑事局長は、十三回の会議議事録において、本人の陳述書がある場合について触れておりますが、例えば、再審開始の要件として多く用いられる、明らかな証拠を新たに発見したとき、この要件該当性、刑事訴訟法の四百三十五条六号ですが、これに該当するかどうかということについて、被告人が陳述書を証拠添付して提出した場合、これもスクリーニングを突破することがあるのかというのがまず一点。  二点目が、例えば有罪の決め手が防犯カメラの解析の鑑定だったとして、有罪の証拠は被告人と同一人物だと判定して間違いないと、防犯カメラに映った人物が犯人で、それが被告人とほぼ同一だというのが例えば有罪の決め手だったとした場合に、弁護側が再審請求で新たな鑑定書を作って、いや、その鑑定書には疑いを差し挟む余地がありますと、こういった結論を書いた鑑定書を出した場合ですね。その場合に、鑑定書の内容いかんによらず、鑑定書が例えばずさんだなと思ったとしても、それでもスクリーニングを突破すると、常にスクリーニングを突破して審判開始決定が出されると、こういった理解でよいのでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  御指摘の条文、委員御指摘のとおりに、再審請求者の主張が全て真実であると認められたとしても再審開始事由に該当しない場合、すなわち、いわゆる主張自体失当の場合を意味するところでございます。  その上で、今のお尋ねでございますけれども、個別の事案ごとに裁判所において判断されるべき事柄であるので一概にお答えするのは困難でありますが、例えば、今例に挙げられましたように、被告人の陳述書のみを新証拠とする再審請求がなされた場合であっても審判開始決定がされることはあり得ると考えられるところでございますし、また、鑑定書が有罪判決を支える重要な証拠である場合に、それと異なる鑑定結果を記載した鑑定書を新証拠とする再審開始請求がなされた場合には審判開始決定がなされ得ると考えられるところでございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 この点ですね、平城刑事局長、ちょうど来られているんですが、十三回の議事録では例えばこんな例を出しているんですね。要するに、再審請求書に被告人、本人の陳述書が添付されてあって、自分が昨日寝て起きたら思い出したという本人の陳述書が付いているというような場合にですね、これは要するに、昨日寝て起きたら思い出したんだと、新しいことを思い出したぞという、そういう陳述書が付いている場合に、これが新規ではないかというと、これは新規性は否定しづらいんだと。他方で、明白性があるかというと、明白性がないということで切ることもないわけではないだろうと思ったりはしますということなんですけど。  ちょっとここで、通告していないんですが、平城局長にお尋ねしたいんですけれども、このときの発言の趣旨というのは、これ、主張自体失当で切るという意味だったのか、それとも、今はもう削除されててないですけど、いわゆる明らかに該当しないという、もう明らか、削除された方の要件で切るという趣旨だったのか、どちらの趣旨で発言されたんでしょう。

平城文啓 最高裁判所事務総局刑事局長

○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。  法制審議会における私の発言の趣旨は後者でございまして、明らかに理由がないときの例として御説明した次第でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 ありがとうございます。  そうすると、スクリーニングを突破しやすくなるので、結構そのスクリーニングの意味自体がどこまであるのかという問題が出てくるように思います。もちろんこれは実務的にまた解釈、運用が変わってくる可能性はあると思いますが、今回の立法者の考え方というのは今分かりました。  次に、検察官抗告の十分な根拠についてお尋ねします。  再審開始決定に対する検察官即時抗告の十分な根拠があるという要件解釈について、参考になるほかの規定例や裁判例、刑事訴訟法に係る専門家の意見等はあるのでしょうか。  また、緊急逮捕では十分な理由、通常逮捕では相当な理由というふうに、十分なという言葉が出てくるのはここにありますが、こういった緊急逮捕の要件などの違いは今回の抗告要件の解釈として参考になるのでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案におきましては、再審開始決定に対する不服申立てを例外的にすることができる要件として、十分な根拠という文言を用いているわけでありますけれども、他の法律においてこのまま用いられている例は承知していないところでございますが、例えば、十分な理由であるとか合理的な根拠といった用例はあるというふうに承知しているところでございます。  その上で、十分な根拠がある場合ということにつきましては、御指摘の緊急逮捕の要件における十分なという修飾語の解釈も参考にいたしまして、不服申立てにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を意味するものと考えているところでございます。  なお、例外要件を定める文言としては、御指摘の緊急逮捕などに例があるように、十分な理由と規定することも考えられたわけでありますが、判断根拠として客観性のあるものを必要とする趣旨を含めてこの趣旨を明確に表現する観点からは、理由よりも根拠という文言を用いる方がより適切であると考えられたこと、理由という文言を用いた場合、抗告自体の理由と混同されるおそれが考えられたことから、本法律案においては、十分な根拠という文言を用いたところでございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 最後の質問になりますが、お手元の配付資料にもありますように、やはり再審も刑事弁護もしっかりやる必要があるわけなんですが、今、弁護士の間で刑事弁護離れが起きているんじゃないかといったことが話題になっています。  再審をこうやって頑張りましょうねというこの法律作っている一方で、実際には、若手も含めて、刑事弁護の例えば当番弁護というこの制度は、国の制度ではなくて、これ弁護士会が自主的にやっている制度なんですけど、この登録率も三〇・七%と、過去最低というのが報道で出ております、去年の数字ですね。  また、刑事弁護の大半は国選弁護で成り立っていまして、資力の乏しい被告人が多くて、その分国庫から支出しているんですけど、この公定価格の基本額も二十年以上変化がないといった現状があります。特に、東京や大阪など大都市圏では、控訴、上告事件も含め、国選弁護の引受手も確保に苦労していると。押し付け合っているとまでは言いませんけど、ちょっとそういった話も聞きます。  物価高や制度改正、社会情勢の変化に対応して、事件も捜査も複雑高度化し、国民の情報や関心も高まって、弁護側の手法や負担も増大しているケースも多いと思います。若い人が刑事弁護をやりたがらなくて、大手のローファームや金銭的に稼げる仕事の方が良いということであれば金銭的な理由もあるんですが、そうだけじゃなくて、検察官や裁判官もすぐ辞めてしまうという話も聞きます。  こういった刑事弁護離れや若手の検察官、裁判官の志望離れや早期退職について、大臣は、法務大臣は、法曹三者の実態をどのように把握し、また、こういった問題、何が原因だと考えていますか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。  刑事に限らず、司法を担う法曹人材が適切に確保されることは、法の支配の観点からも重要でございます。そのためには、多くの有為な人材に法曹を志望してもらい、司法を担う法曹の質、量を更に充実させる必要があると考えています。  法務省といたしましては、関係機関、団体と連携しながら、法曹の役割や魅力を若者に発信する取組を行っているところでございます。  今後とも、有為な人材に法曹を志望してもらえるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 はい。  私は、この点はもう少し具体的な課題を法務省が把握して、やはり法曹三者全体の問題もありますし、また、国が司法にしっかり予算をつぎ込むと同時に、さらに、やはり司法のやりがい、検察官も含め、やはり法曹三者のやりがいをしっかりとアピールしていかなければならないのではないかと思いまして、私からの質疑を終わります。  ありがとうございました。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  私からは、まず証拠開示についての検察官のこれまでの取組についてお尋ねをしたいと思います。  もう今日もるるお話があっているように、従来も再審請求審において証拠開示の勧告や命令がなされるということはあったわけです。この裁判所の勧告に対して、検察はどのような基準で出す出さないをこれまで判断してきたんでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  再審請求審における検察当局の証拠開示勧告への対応について法務当局として網羅的に把握しているわけではございませんけれども、近年におきましては、検察当局において、裁判所から証拠開示勧告を受けた場合には、個別の事案ごとに検討の上で、当該勧告を行った裁判所の意向を踏まえつつ、弁護人が提出した新証拠の明白性を裁判所が判断するため、関連性、必要性があり、かつ関係者の名誉やプライバシーの保護、将来のものも含めたその後の捜査、公判に対する影響などを勘案して、弊害がなく相当と考えられる場合に検察官手持ち証拠を裁判所に提出するなど、裁判所の判断に必要な証拠を柔軟に提出する運用が定着するに至っているものと承知しているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 網羅的に把握していない、あるいはそうした取組が定着するに至っているというようなことであって、つまり基準というのはこれはないわけですね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  基準と申し上げるのが大変難しゅうございますけれども、個別の事案ごとに今申し上げたような要素を考慮して裁判所の判断に必要な証拠を提出する運用が定着しているということを申し上げておりまして、その基準と申し上げているつもりではないわけですけど、その辺は御容赦願います。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 つまり、個々の事案ごとという形の中で、全くはっきりしないという。言い換えると、検察の判断次第と。やっぱりシビアにそう見るべきだと思うんですよ。  改めて確認になりますが、従来、裁判所の裁量において再審請求審において行われてきたのは、裁量による勧告なのであって、勧告を出す義務も裁判所にないし、元々、これが勧告がなされても検察官には従う義務はない。もし義務があればそんな義務を課されるのはおかしいという議論になるんだけれども、再審請求審における証拠開示の運用についてはそういう権利義務の議論ではなかった、だから検察の判断次第と私は言っているんですね。しかも、再審請求審というのは非公開の手続で全く外には見えないやり取りということになってきたということなんですよ。  そこで、刑事局長にもう一点確認しますが、政府案の場合、修正、衆議院での修正を経て、従来の実務慣行は変わらないと今日も答弁されていますけれども、そのこれまでと変わらないというふうにおっしゃる裁判所からの勧告を受けた場合、検察官に出す出さないという判断、これは委ねられるんじゃないですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案における証拠の提出命令制度は、今委員が御指摘のあったような、裁判所による証拠の提出、開示の勧告とか検察官による任意での証拠の提出、開示といった従来の実務運用を否定するものではございませんので、引き続きこれらの運用上の措置も活用されることを想定しているところでございます。  その上で、御指摘の裁判所の証拠開示の勧告には法的拘束力はありませんので、これに応じて証拠を任意に開示するかどうかは検察官が判断することとなると考えております。衆議院における修正により加えられた附則四条二項は、ただいま申し上げた運用上の措置について、事案に応じて適切に行われていくことを法文上担保するものであると受け止めているところでございます。  この法案が改正法として成立した場合には、検察当局において、任意の証拠の提出、開示の運用に関しまして、従来より後退させないことはもとより、追加された附則四条二項の趣旨も踏まえて、個別の事案に応じてこれまで以上に適切な対応に努めていくものと考えているところでございまして、法務当局としては、検察庁等の関係機関に対し、ただいま申し上げた点を含めて制度の趣旨を十分に周知してまいりたいと考えているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 ですから、私は、この法案審議入りに先立って、十八日の一般質疑で、刑事局長がこの政府案によって裁判所に提出される証拠の範囲は広くなるというふうに言うが、それはごまかしだということを指摘したつもりです。今日も古庄委員の質問、あるいはその十八日の私の質問に対してもそうでしたけれども、今のお話のとおり、これまでの実務慣行は変わらない、その上に、権利義務関係にある証拠提出命令、その中に提示命令というのを創設するのだから広くなると、そういう趣旨の答弁をされているんですね。  私はここにごまかしがあると申し上げたいと思うんです。どんなごまかしかというと、裁判官の判断、そして検察官の判断、それがそんなに信用できますかということです。  まず、裁判所について確認をしたいと思いますけれども、従来の職権による再審請求における証拠開示の勧告や命令が全て無辜の不処罰のために行われてきましたか。全ての裁判官が再審請求に当たってそういう証拠に対する向き合う勧告を出していたんだったら、こんな冤罪繰り返されないんですよ。  その点について、再審法に関わる刑事法研究者の声明では、こういうふうに言っています。裁判所の中には、請求人、弁護人が強く求めても、開示の命令、勧告に消極的な姿勢を取り続けたものもあった。そうなんですね、裁判官をそんなに何だか神様のように信頼しちゃならないんですよ。  どうしてそういうことになってしまうのかについて、古庄先生が今日配付をされた元裁判官の共同声明がありますけれども、二枚目の真ん中ほどにこう書いてあります、裁判所は、明確な条文上の根拠がないために検察官に証拠開示を命じることにちゅうちょし、検察官は、法律上の根拠がないとして開示の求めに応じないのであると。これは、刑事法の研究者や再審に関与してきた裁判官を始めとした実務法律家にとってみれば当たり前のことなんですよ、当然の再審の今の現実なんですよ。  だから、何だか全ての裁判官がひとしく真実発見のために再審請求人が求める証拠の開示を求めてくれる、開示命令を、提出命令を出してくれるのような、そんな前提に立つのは全くの間違いである。  だから、刑事局長にお尋ねをしたいと思いますが、これまで、再審格差と言われる、この裁判官が開示を求めるべき証拠について開示を求めてこなかった。それ、実際そうでしょう。だって、袴田事件だって、全て関わった裁判官が、五点の衣類にしても開示を求めたわけじゃないじゃないですか。真剣に吟味して開示を求めた裁判官がいたからこそ、この袴田さんは再審無罪が確定をしました、最後の最後になって。けれど、そうではない裁判官たちが幾人もいたから五十八年も掛かるんでしょう、雪冤まで。その原因についてどう考えているんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  今、先生の御指摘ですけれども、裁判所の判断に関わる事柄につきましては法務当局としてお答えすることは困難であることをまず前提としてお答えした上で、今回の証拠の提出命令制度につきましては、そのような、裁判官によってその証拠の取扱い、提出、開示に関する考え方が違うのではないか、まちまちになっているのではないかという指摘を踏まえまして、このような証拠の提出命令制度の関連、その再審請求理由に関連する証拠の要件なども定めまして、その上で裁判所に義務を、提出命令を出す義務を付与、与えたものでありまして、これに当然検察官もその提出義務を負うということであります。  この判断につきましては、再審請求人側にその証拠提出命令の請求権が付与されておりまして、その判断が棄却されるとなれば不服申立てもできるという形で、再審請求人側がその判断を仰いでいけるということでございますので、そういう意味での、その裁判官によって判断がまちまちになっているのではないかという指摘も踏まえたものになっているというふうな理解でいるところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 政府案の証拠提出命令という仕組みが、今説明があったように、再審請求人も請求できる、これを裁判官が判断する、その決定に検察官は従わなければならないという、そういう権利義務の関係になっていると。そういう意味で、再審請求人の手続的権利の保障になっているということはそうだと、それは十八日も確認したことなんですよ。問題は、その要件と、それから再審請求人に直接開示ができる制度にしなければ再審の意義を果たせないのではないかという問題ですということなんですね。  ちょっと話戻りますけれども、裁判官が、その冤罪を晴らす最後の手段としてのこの再審制度なんだから、ここで証拠を全部出させなきゃいけないというふうになってこなかった理由、このことは本当に大問題だと思います、日本の刑事司法において。それがなぜなのかということについてはしっかり検証されなきゃいけないと思うのですが、これはまたの機会に譲りたいと思うんですけれども、そこに、検察官が主張してきたこれまでの訴訟活動というのがどんなふうに働きになっているのかと、どんな関係になっているのかということを尋ねたいと思うんですね。  今日、古庄先生がお配りいただいた刑事法研究者の声明の二五年の十一月二十二日のものなんですが、下の方の欄に、再審請求手続において、確定判決の見直し、いわゆる旧証拠の再評価を請求人が提出した新証拠と関連する部分だけに限ろうとする裁判実務の動きもあるという記載があります。  意味は分かるでしょうか。再審請求は、確定判決を覆す、無罪と認めるに足る新しい証拠を出さなきゃいけないという手続です。新しい証拠を出さなきゃいけない、その新しい証拠に基づいて具体的な事実を主張する、それが再審請求の理由ということになる。  この声明が指摘をしているのは、そうした再審請求手続において、確定判決の見直し、つまり、確定判決、一審、二審、三審までの証拠を旧証拠と呼んで、これを再評価するに当たって、請求人が提出した新証拠と関連する部分だけに限定しようとするという裁判の実務が現実にありますということが指摘されているわけですよね。  別の声明によれば、これまで検察官は、新証拠とそれに基づく具体的な事実の主張と直接又は密接に関連する証拠のみが開示対象であると、そういう主張を再審請求審において行ってきたのではありませんか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  先ほど答弁申し上げたとおり、再審請求審における検察当局の証拠開示勧告への対応について法務当局として網羅的に把握するものではないということでございまして、また先ほど答弁しましたように、近年においてはという、先ほど、近年においては、裁判所の意向を踏まえつつ、先ほど述べたような要件などを考慮して検察官手持ち証拠を裁判所に提出するなどといった柔軟な対応を取っているということなんでありますけれども、その時系列の話と、かつその個別の事案ごとの話がありますので、ちょっと今の御質問に対して、そうですとか、そうでないとか言うのが大変難しいということは御理解いただけないかと思います。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 はっきりしないでしょう。  つまり、新証拠で再審請求が行われる、それが請求理由とされる、その理由に関連するものについては証拠提出命令を出すということになるというのが、これまでよりも広くなりますと、狭くはなりませんという説明をしている骨格なんですね。  けれど、その関連性ということについて、再審請求理由との関連性ということについて、新証拠と密接不可分のものに限るのかどうか。これ、新証拠と直接又は密接に関連する証拠というふうにもし限るということになったら、それは新しい証拠なんて出てきませんよ。  大臣、通告していませんけど、ちょっと、法律実務家じゃないからこそお尋ねしてみたいと思うんですけど、そもそも新規明白な証拠で再審を請求するというのがどういうことなのかと。あたかも、再審請求人、つまり冤罪の犠牲者が、あるいは一緒に委任を受けている弁護士が神様のように全てを見通している、だから、最高裁まで行った確定判決が再審請求人を犯人としているのはここが間違っているというふうに確定判決の証拠構造の誤りをちゃんと見通しているということであれば、再審請求するときに、こことこことここが間違っている、こういう証拠があるはずだ、そのうち、私はこの証拠を新しく発見しましたといって請求するということになりますよね。だけど、そんなことあるはずないでしょう。隠されている証拠、あるいは捜査機関の手持ち証拠は再審請求人には分からないと言っているのはそういう意味なんですよね。  ですから、実際の冤罪事件でも、例えば袴田事件でも、何が明らかに無罪だと示す証拠なのかという、この再審請求人の主張というのは変化していっています。それは当たり前でしょう。だって、誰が、捜査機関がみそだるに衣類漬け込んで証拠捏造するなんて思いますか。  有罪とする確定判決はおかしいという、そこにはもちろん確信があります、自分は無実なんだから。けれど、その証拠構造のどこに根本的な問題があって、何を明らかにしていけばいいのか、するべきなのかが最初から分かっているなんてあり得ない。大臣、そう思いませんか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 再審請求者側は、通常、再審請求をするに当たりまして、確定審の証拠や判決の内容から、その判決のうちのどの部分が誤っているかを検討していると考えられまして、検察官に提出を命ずべき証拠としてどのような証拠があり得るかについてはある程度想定することは可能であると考えられます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 いや、大臣、本気でおっしゃっています。ある程度想定するって、それはもちろん必死で想定しますよ。どうしてこんな有罪を示すような有力証拠があるのかと、それは真剣に考えますよ。  例えば、福井の女子中学生殺害の冤罪事件で、目撃者が六人も、その日に返り血を浴びた自分を見たと言っている、そんなところに自分行っているわけないのに、見られるはずないでしょう。どうしてその六人の人々がそんな供述をしているのか、それを覆すために真剣に闘いますよ。けれど、誰が、「夜のヒットスタジオ」の番組を見たと言っている番組がそれとは全然違う日の話だったと、その捜査報告書を、警察がそれ後でつかむけど、検察官が自分で手に持っていながらですよ、法廷で、あなたを目撃したという人がいると主張し続けている、誰がそんなこと思いますか。その有罪立証を疑いはします。だから、弾劾をしようとするけれども、その日にこのテレビ番組があっていたという証言によって信用しているんだと、それがうそなんだということを特定しないと冤罪を晴らせないんですか。そんなのおかしいじゃないですか、大臣。  だから、先ほど御紹介した刑事法研究者の声明の中には、請求人側が新証拠に基づいて再審請求の理由を提示すると。そうしたら、再審請求の理由を追加、変更するという、そういう契機になっていくように、再審請求人側への証拠の開示ということをちゃんと制度としてつくるべきだという提案になるんですよね。  袴田さんの五点の衣類でいえば、元々サイズが合うわけがないと、袴田さんの体格からしてあんな物を履けるわけがないと。そうしたら、みそだるに漬け込まれている間に縮んだんだみたいな、そんなやり取りあっていたんですよ、法廷で。そうじゃないと。元々が捏造されたもの、漬け込まれたものだということが明らかになったのは、カラーのネガということが明らかになってからです。その間にどれだけの期間が必要でしたか。  それでも真実が明らかになっていったのは、新規の証拠を請求人が出して再審開始を求めたら、それに対して証拠の開示が全面的になされてこそのことなんですよ。そうしたら、必死で分析が行われて、事柄の真実が迅速に明らかにすることができる。再審請求審というのは、そういうダイナミックなプロセス、無辜の不処罰に向けた本気の最終的な手段でなければならないと、大臣、思いませんか、大臣。そういう制度をつくるんじゃないんですか、私たちは。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) まず、証拠の提出命令に係る判断に当たっては、裁判所は自らが主体的に再審請求理由について審理、判断する立場にあることを前提として、再審請求者等の意見も踏まえつつ、慎重かつ適切に判断を行うこととなると考えております。  この制度の適切な運用により、真に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えています。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 いや、そうならないから、だから、大臣、その法務省が準備した答弁書をずっと衆議院からお読みになり続けているんですけど、それでは再審制度は変わらない。検察組織ではなく、これまでの再審制度を担ってきた実務法曹の感覚に寄りかかることなく、これまで冤罪を晴らすことができなかった制度をどう変えるのかというその政治決断が、政治家としての大臣や我々国会議員に懸かっているんじゃないですか。  今申し上げている再審請求理由との関連性という議論が狭く解釈されると、これまで開示されてきたものも開示されなくなるではないかと一貫して議論になってきました。  時間の関係があるので刑事局長にお尋ねしますけど、法制審でも、私は十分だとは思いませんけど、今の角度の議論はあって、請求人が提出した新証拠ないしそれに基づく具体的な事実の主張と直接関連する範囲を超えてより広く関連性が認められるべきであるという考え方が示されてきていると思うんですけれども、それはそうですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  法制審の中における議論、さらに私どもが繰り返し答弁していますのは、再審請求理由に関連する証拠というのは、その判断に資するという意味でございまして、委員御指摘のような新証拠に関連するといった、直接的であるとかそうでないといった判断基準は使っていないということでございます。  再審請求理由に関連する、その再審請求理由の有無の審理に役立つ、判断に資するという意味は相当の広がりを持つということでございまして、今委員がいろいろ御紹介のあった事例等におきましても相当の広がりを持っていて、そういったものが証拠として提出され、弁護人の閲覧、謄写に付されるだろうということを共有の理解として法制審の議論も成り立ったということでございます。  さらには、おっしゃるとおり、再審請求審もダイナミックな展開、いろんな様々な訴訟運営というような展開を経て様々な動きがあるものでございまして、そういった中で、再審請求理由に関連する証拠を開示を受けていく中で、再審請求理由の追加なども可能とされているところでございまして、そういった意味で、そういった意味も含めますと、再審請求理由に関連するというのは相当な広がりを持つ、これは事実だろうと考えているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 とするなら、刑事法研究者から指摘されている次の指摘、これまで検察官は、新証拠及びそれに基づく具体的な事実の主張と直接又は密接に関連する証拠のみが開示対象となるとの立場を取ってきたという記述、これはこれからはなくなると。  ですから、証拠提出命令の是非だとか、あるいは弁護人、再審請求人からの主張に対しても、新証拠と直接又は密接に関連していないからというような拒絶というのは、これはもう検察官は全く行わないのだということですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  検察官が法に従うのは当然でございまして、今回証拠の提出命令制度ができることによりまして、その要件、効果が明らかになっているわけであります。その内容に、解釈につきましても、法制審議会における議論も含めまして、この委員会でもいろいろ議論されてこのように答弁しているわけでございまして、それを、それから狭くなるような主張を検察官がするというのは本法案が成立した後は考え難いのではないかというふうに思うところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 私は、今の答弁も条文で明らかにはなっていないと思います。具体的な裁判で検察官が不当に争ったときに、それを乗り越えて裁判官が、いや、命令を出すというところまではっきりしているかと、そうではない。だからこそ、職権による証拠開示の命令という制度を今回のこの改正でちゃんと盛り込むべきだという声がやまないじゃないですか。  最後に、刑事局長、お尋ねしますけど、当事者でなければ見付けられない無罪の証拠があるかもしれない、なのに、これを請求人側が見られないことは許されないという村山元裁判官、参考人のこの意見についてどう思われますか。私は、再審を担う裁判官にしてみたら、そうだろうと思いますよ。提示命令って自分はインカメラで見るかもしれない、だけど自分が見抜けない無罪の証拠があるかもしれないと、こんな恐ろしい制度ないじゃないですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 証拠の中身をよく分析、検討できるのが当事者であるというのはおっしゃるとおりだとまずは思っています。その上で、当事者にもそのような検討の機会は与えられなければならないというふうに思っているところでございます。  問題は、その証拠提出ないし開示の範囲について裁判所の判断がそのようなものとなるかどうかということでございまして、私どもとしては、その相当の広がりを持つということと、当然、再審請求人側もその証拠の提出命令の請求権を持っておりますし、その不服申立て権も持っておりますので、そういった裁判例が当然これから積み重ねられていくのだと理解していますけれども、そういった中で、何といいましょう、そのような俎上にのった証拠についてよくよく検討して、主張内容、請求理由を追加したり補正したり、自分たちの請求理由の主張内容を補充したり、そういったことが当事者には当然求められていきますし、期待されているところなんだろうというふうに考えているところでございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 裁判官、検察官任せの政府案の提出命令、提示命令ではこれまでと変わらないと、もっと狭くなるかもしれないと、徹底審議が必要だと求めて、質問を終わります。    〔委員長退席、理事横山信一君着席〕

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。  大分論点が出尽くしているような感は持っております。  そこで、まず私は、先日、死刑制度に反対する立場からの委員からの質疑がありましたので、私の方からは、まず、再審制度との関係で、死刑制度を維持すべきとの立場から、再審請求中の死刑執行について質問いたします。前段がやや長くなりますが、御容赦ください。  まずは、死刑制度を維持すべきだという理由について申し上げます。  本質的理由は、究極の応報刑としての死刑の意義でございます。何の落ち度もないにもかかわらず無残に殺害されたなどする被害者にとって、人生を絶たれた無念さは察して余りあるものであります。大切な人を理不尽にも奪われた被害者遺族にとっても、耐え難い苦しみの中を耐え抜いておられ、その犯人に対して苛烈な応報感情を抱くのも当然であります。  しかし、法治国家日本においてはその極悪非道な犯罪者に復讐することは許されず、皆、その行き場のない感情にさいなまれておられます。そんな中、殺人などの犯行の中でも特別に犯情悪質なものについてだけは被害者本人や遺族に代わって国が死刑という形で決着を付けてくれる制度、これが整えられていること、すなわち死刑制度が存在すること、それ自体が、遺族にとっても、社会にとっても、ぎりぎり刑事司法制度を信頼する根拠となっているのであります。  これに対し、特にヨーロッパの先進国などから、死刑制度は非文明的であるとか、あるいは日本は人権を軽視しているなどと批判されることがありますが、不適切極まりないと考えています。  そもそも刑事司法実現の過程、すなわち捜査段階で警察官等に射殺されるなどする被疑者の数は、一年間で、フランスであれば三十人から四十人、ドイツであれば二十人から二十五人、ヨーロッパ全体では十三か国で二〇二〇年から二〇二三年、失礼、二〇二二年の三年間の平均は年百六十人以上、銃社会であるアメリカにおいては年間一千人前後であるのに対し、日本では毎年ゼロ名、ゼロから一名、多い年でせいぜい四名であります。    〔理事横山信一君退席、委員長着席〕  他方、日本で死刑が確定した人数を見ても、二〇二〇年には一人、二〇二一年には三人、二〇二二年には四人、二〇二三年には二人にすぎません。日本においては犯罪率が極めて低いことを考慮してもなお、日本と欧米でどちらが被疑者、被告人の人権により配慮しているか、一目瞭然でございます。  他方、死刑があることによる凶悪犯罪への抑止効果の有無については、これを正確に実証することは極めて困難です。ただ、かつて、凶悪な犯罪を行う少年の中に、自分たちは少年だから何をしても死刑にならないとうそぶいていた者が少なくなかったこと、これは事実であります。少なくとも、そうした少年が死刑に、死刑の抑止力を意識していたことは間違いないと考えます。  いずれにしても、死刑存置の理由を殺人などの凶悪犯罪に対する抑止力、抑止的効果のみに求めるのは、その本質を誤っているように思われます。先ほども申し上げたとおり、究極の応報刑としての死刑を最後の手段として残していることが、国民の刑事司法に対する信頼、復讐を許さない法治国家のシステムへの信頼、これを支える最後のとりでであると考えており、その点にこそ死刑制度の本質的意味があるものと考えています。  他方、死刑廃止論の方々が掲げる、冤罪被害者が死刑を執行されてしまえば取り返しが付かない、だから廃止すべきであるとの理由については、理論上は別問題であると考えていますが、しかし、一定の説得力があるものと考えています。我が国が死刑制度を維持する以上、そうした可能性をできる限りゼロに近づける努力、これをしなければならないことについては疑いがありません。また、そうすることが死刑制度の正当性を下支えすることにつながるものと考えています。  この点、参考となる裁判例があります。本年五月十三日の大阪高裁判決、これは資料でございます。再審請求の手続中に死刑が執行され、弁護権を侵害されたなどとして、元死刑囚の弁護人三名の方が国に賠償を求めた裁判の控訴審判決が出され、一審に続き、原告側の訴えを棄却する判決が言い渡されました。  原告の三人は、強盗殺人罪などで二〇〇四年に死刑が確定した元暴力団幹部の再審請求の弁護人であり、元死刑囚は第四次再審請求中だった二〇一八年十二月に死刑が執行されています。この判決では、およそ再審請求により死刑の執行が停止されるとすれば、再審請求が不断に繰り返されることによって死刑の執行が事実上永続的に不可能になるとして、再審請求中に死刑を執行するのは違憲、違法とする主張を不合理としました。当然の判断と思います。  他方、この判決は、再審請求中で再審開始決定がなされることが蓋然性をもって見込まれる状況にあるにもかかわらず死刑執行を命じた場合には、その権限を濫用したものとして、国賠法上違法となる余地があるとしました。再審開始がどの程度見込まれる場合に違法となるかは難しい判断と考えますが、基本的な方向性としてはこの判断は正当と考えます。  そこで、質問します。恐らく法務省は、これまでも、死刑執行に当たっては、記録を精査するなどして冤罪の疑いなど問題があるかどうかを判断した上で執行を指揮していたものと推測しています。そうであるにしても、運用のみで判断を行ってきた現状を改め、再審請求に理由がないことが明白な場合を除き、再審請求中の死刑執行については慎重な判断を必要とするなど、再審請求中の死刑執行について合理的な歯止めを掛ける規定を設けるべきと考えますが、法務省の見解をお聞かせください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  一般論として申し上げれば、死刑の執行に関しましては、個々の事案ごとに関係記録を十分に精査し、刑の執行停止の事由や再審開始事由の有無などについて慎重に検討し、これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発することとされてきたものと承知しているところでございます。  他方で、仮に御指摘のような制度とした場合には、例えば再審請求をしただけでそうなるということになれば、死刑確定者が一応の形さえ整えて再審請求を繰り返せば永久に死刑を執行できないこととなりかねず、刑事裁判の実現を期すことが極めて困難になると考えております。したがいまして、御指摘のような法改正を行うことは相当ではないと考えているところでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 先ほど質疑の中でスクリーニングについて議論があった際、この法案の四百四十四条の二の二項一号のハですかね、これが主張自体失当を指しているかどうかというお話がありました。今のお話は、主張自体失当の場合でも、失礼、このときに、法案審議の前段階では、理由がないことが明らかなときにはスクリーニングをするという審理過程があって、それが結果として落ちたというお話がありました。  私がさっき申し上げたのは、一応の形式が整えられれば必ず執行を停止すべきであるという提案をしたのではありません。なので、今の御答弁は、言わばストローマン論法といいますか、私が言ったことと違うものを想定して、それは適切じゃないという答弁をされたように思います。これはいささか不適切な御答弁だと理解しております。  もう一度言いますと、単に形式を整えたというだけではなくて、ややグレーだなと思えるような証拠関係、主張関係があって、万が一にも再審開始決定がなされることはなかろうという場合を除いてという趣旨ですから、巷間聞くところによると、万が一にも再審開始決定がなされる可能性のない再審申立て、再審請求は数多くなされているとお聞きしています。そういうものは除いてという、そういった死刑執行についての一定の歯止めを掛けると、そういうものはどうかという趣旨ですので、もう一度お答えください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  やはり、死刑の執行に関しましては、個々の事案ごとに関係記録を十分に精査し、刑の執行停止の事由や再審開始事由の有無などについて慎重に検討して、これらの事由等がないと認めた場合、初めて死刑執行命令を発することとされてきたものと承知しているところでございます。  その上で、今御指摘のような、済みません、先ほどの言いようが不適切だったことはおわびいたしますけれども、そのような例えば死刑の執行に要件を付するといったことにつきましては、その要件をどのように規定するのか、どのように判断するのか、誰が判断するのか、そういった論点も生じるということとなりまして、例えば死刑を執行することが極めて困難になるといったことも想定されるのではないかと、済みません、条文見て、条文として要件を考えない上で答弁しておりますのであれなんですけれども、そういうことは考えられるのではないかと思いまして、現状もそのような形で死刑執行命令を発することとされてきているものと認識しているということを答弁していることでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 私が先ほど申し上げたのは、判断は、またこれは私の個人的な考えですよ、その判断はこれまでどおり検察官がされればいいし、ただ、これまで運用でされていたことだけでは、第三者から見ると疑いが生じるんですよね。  これは最近、再審請求中ではなかったけれども、いわゆる飯塚事件では、巷間、足利事件でDNA鑑定が、かつてのDNA鑑定の精度は非常に低かったということが明らかになった瞬間に、同様のDNA鑑定を行った飯塚事件においては死刑を執行されてしまったというふうに巷間言われています。  これ事実かどうかは分かりませんが、そういう批判を浴びていることは事実で、そういったことが、法の規定がなければ、検察官は、死刑が確定している以上は、いかに再審請求がなされていてもこれは正当に死刑執行できるんだというふうに主張できますので、それは運用だけでそうやっているからそうなるのであって、法の規定があれば、少なくともこれは万が一にも再審開始決定がなされる可能性はないものと判断したから執行したんだということに、法律上決まっていればそうなりますから、であれば、その是非が判断されることになるのであって、事後的に検証することが可能になるので、その点は検討していただきたいというふうに申し上げておきます。  さて、通告と順番を変えまして、三番から先にお聞きします。  開示された証拠の目的外使用の罰則が付されているところについてお聞きします。  改正案の四百四十五条の六によりますと、証拠に係る複製等、これを目的外使用した場合、目的以外の目的で、ごめんなさい、何々に使用する以外の目的で、人に交付し、又は提示し、若しくは電気通信回線を通じて提供したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処すると、こうなっていますね。  刑罰規定ですからここはまず明らかにしておきたいのですが、これまで繰り返し答弁されているところではありますが、最初にお聞きしたいのは、証拠の概要をメディアや再審実現を支援する団体に伝えることは可能だということでよろしいのでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案における目的外使用の禁止は、再審請求者や弁護人等が再審請求審で謄写した証拠の複製等を再審手続等やその準備に使用する目的以外の目的で人に交付、提示等をすることを禁止するものであります。そのため、証拠の複製等を再審手続等やその準備に使用することはもとより許されるところでございます。  また、証拠の複製等は、御指摘のとおり、要約、加工等をすることなく、証拠の内容の全部又は一部をそのまま記録した書面等を意味するところでございまして、証拠の概要を伝達する行為などは禁止されないものでございます。  その上で、個別の事案ごとに具体的な事実関係を踏まえて判断されるべき事柄ではございますが、一般論として申し上げれば、要約等によって証拠の概要をマスコミであるとか支援者の方々に伝えるというふうなことについては目的外使用の禁止違反にはならないということで考えております。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 それでは、今おっしゃったことはこの条文案の要件からして当然だとは思っております。  さて次に、メディアなどに供述証拠、ごめんなさい、供述調書の一字一句を読み上げて伝える、これは許されるのでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  目的外使用の対象となる行為のうち、交付とは、証拠の複製等の占有を他人に移転させることをいいます。また、提示とは、他人が証拠の複製等の内容を認識できる状態に置くことをいうと考えております。  その上で、お尋ねにつきましては、個別の事案ごとに具体的な事実関係を踏まえて判断されるべき事柄であるので、一概にお答えすることは困難ではございますが、一般論として申し上げますと、例えば、再審請求者等が謄写した供述調書の全文を読み上げるなどすることは、他人が証拠の複製等の内容を認識することとなりますので、提示に該当する余地があり得るということでございます。それが再審手続やその準備等の目的以外の目的で行われた場合には、目的外使用の禁止違反になる余地があり得ると考えられるところでございます。  もっとも、弁護人による目的外使用が罰則の対象となるのは、対価として利益を得る目的で使用された場合に限られるということでございます。また、目的外使用の禁止に違反した場合の措置については、複製等の内容、行為の目的、態様等の個別の事情を考慮することとしておりまして、当該措置をとるべき者におきまして適切な判断がされることになると考えているところでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 今おっしゃったことは一応理解はできるんですね。全文、供述調書の全文を一言一句伝えたら、これは提示だ、それは条文上も理解できるところなんですが。  ただ、複製等、この複製等というのが、刑訴法、多分二百八十一条の三に規定されている複製その他証拠の全部又は一部をそのまま記録した物及び書面、これを指しているんだと思いますけれども、この複製等というのは。  そうしますと、先ほど御答弁されたように、その全部又は一部となっていますから、例えば、目撃証言がありました、この目撃証言では、あのとき犯行現場近くにいたのはこのAさんではなくて、Aさんとは似ても似つかないBさんでした、そういう供述調書だったとしましょう、それが隠されていて、ここで明らかになったとしましょう。そうすると、調書の全文を読み聞かせなくても、肝腎の部分、目撃したのはAさんではなくてBさんでした、これは一部を読み聞かせたことと余り変わらないんですよね。  非常に難しい判断になるのではないかという気がしていまして、この一部をそのまま記録した、一部を読み上げた場合に今言ったようなこの刑罰法規に当たるとすれば、その要約なのか一部の読み上げなのか、非常に難しい判断になると考えます。この点、いかがですかね。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  お尋ねにつきましては、個別の事案ごとに具体的な事実関係等を踏まえて判断されるべき事柄であることから、一概にお答えすることは困難でございますけれども、一般論として申し上げますと、委員の御指摘のとおり、謄写した供述調書の一部を読み上げることが、その概要を伝えるものにとどまらなくて、他人が証拠の複製等の内容を認識することとなって提示に該当するものと認められるような場合には、それが再審手続やその準備等の目的で行われたものでない限り、目的外使用の禁止違反になる余地があり得るとは考えられるところでございます。  その上で、先ほど申し上げたように、個別の事案ごとに行為の態様や目的などを考慮して、その措置をとるべき者において適切に判断がされるべきものと考えているところでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 この点は、先ほど申し上げたように、問題となり得る部分だなというふうに理解しております。  さて、次に、今回の改正法、改正案では、捜査機関が保管する裁判所不提出証拠の一覧表の取扱いや証拠提出命令の在り方が大きな争点になっています。証拠の提出命令制度が新設されること、これについては、これまで証拠開示にルールや強制力がなかったことによる請求者側の不利益に対処するものだと考えておりまして、そのこと自体には異論はありません。  私の問題意識としては、既に指摘されていますが、法案四百四十五条の三、一項によれば、この証拠提出命令を発するか否かを判断するに当たって、裁判所が検察官に対し対象となる証拠の提示を命じるいわゆる証拠提示命令について、あるいは、同条二項によれば、証拠提出命令を発するか否かを判断するに当たり、一定の範囲の証拠の標目の一覧表の提示を命じる一覧表提示命令、この二つが裁判所には示されるけれども再審請求者や弁護人に示されないこと、これがなかなか難しい問題だなというふうに考えています。  既に皆さんが指摘されているとおり、裁判所は、民事事件にしろ刑事事件にしろ、言わば当事者主義に慣れ切っているように見えます、外から見ると。双方代理人あるいは弁護人、検察官がそれぞれ主張して証拠を出してくる、それを受け身の姿勢で捉えて、果たしてどっちが言っているのが正しいのか、そういう中で訴訟法的な真実を発見していく、あるいは実体的真実を発見していく、そういう受け身の姿勢に終始しているように見えます、裁判所は、我々から見ると。  その裁判所が、そもそも自分が体験していないことについて、その証拠の価値を本当に判断して提出命令を出すかどうか、あるいは本当に重要な証拠にたどり着けるのかどうか、それをまさにピンポイントで提出命令掛けれるのかどうか、これについてはやはり重大な疑問を感じざるを得ません。  この点については既に答弁されているところでありますけれども、改めてお考えをお聞かせください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  裁判所の判断、姿勢に関するお尋ね、御指摘でありますので、法務当局としてお答えすることはなかなか難しいところもあるのでありますけれども、立案担当者としては、再審請求審というのは、通常審と異なりまして、やはり職権主義の下で裁判所が主体的に審理を行う手続であるということから、裁判所はそのことを前提に、必要に応じて再審請求者等とコミュニケーションを取りつつ証拠の提出命令の判断を行うものと考えておりまして、行うことが期待されているということだと理解しております。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 これは、司法修習を経て弁護士を三十六年とか三十七年とかやっている人間からすると、裁判所にも、裁判所全体を批判するわけじゃありませんけれども、裁判所にも当然能力の、裁判官にも能力の差があり、個々にですね、能力の差もあり、そして姿勢の差も大きいように見受けられます。  どういうことかというと、検察官が起訴してきたからまあ有罪認定しておけばよかろうかなというふうに考えているとしか思えない裁判官も確実におられますし、少なくとも過去にはおられました。そういう方々が本当に適切に判断するのかどうかということについては重大な疑問を持っているということをお伝えした上で、本日は終わりたいと思います。  ありがとうございました。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  刑事訴訟法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十五日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会

NDL 国会会議録検索システムで原文を見る ↗

この記録を確かめる

S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #3615 観測 2026-08-05 00:06 JST
    改ざん検知用の値 65f37987…023593 (未計算)

チェックポイント

記録
#3618 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
79c8087c…01d622

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。