令和八年六月十八日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 六月十六日 辞任 補欠選任 いんどう周作君 山崎 正昭君 六月十七日 辞任 補欠選任 山崎 正昭君 見坂 茂範君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 伊藤 孝江君 理 事 古庄 玄知君 こやり隆史君 打越さく良君 川合 孝典君 横山 信一君 委 員 有村 治子君 岡田 直樹君 見坂 茂範君 鈴木 宗男君 福山 守君 山谷えり子君 泉 房穂君 牧山ひろえ君 小林さやか君 嘉田由紀子君 安達 悠司君 仁比 聡平君 北村 晴男君 国務大臣 法務大臣 平口 洋君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 法務大臣政務官 福山 守君 最高裁判所長官代理者 最高裁判所事務 総局家庭局長 馬渡 直史君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 政府参考人 内閣府科学技術 ・イノベーショ ン推進事務局審 議官 恒藤 晃君 警察庁長官官房 審議官 阿部 竜矢君 警察庁生活安全 局長 山田 好孝君 こども家庭庁長 官官房審議官 源河真規子君 法務省民事局長 松井 信憲君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 出入国在留管理 庁次長 内藤惣一郎君 国土交通省大臣 官房審議官 大窪 雅彦君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査 (現行犯逮捕の運用に関する件) (在留資格「経営・管理」に関する件) (元大阪地検検事正の性犯罪事件に関する件) (死刑制度に関する件) (離婚後の子の養育に関する件) (外国人の土地取引に関する件) (再審制度の見直しに関する件) (出入国在留管理の現状に関する件) ─────────────
法務委員会
発言 134
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、いんどう周作さんが委員を辞任され、その補欠として見坂茂範さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官恒藤晃さん外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木宗男君 警察庁にお尋ねします。 私、六月二日、当委員会で質問が予定入った際、局長に、山田局長に、火曜日はあなたおられますかと、あなたに出て答弁いただきたいと言ったら、あんたは私に、いとも簡単に、審議官を出しますと、こう言いました。私は、これ国会で決めるルールだから、何であなたがあのときですよ、いとも簡単に審議官と言ったのか。 同時に、あなたはこの二日の国会では、国会がお決めになることですということで、正確には答えているんです。私の電話のやり取りでは、あなたは上から目線というか、私に、審議官を出しますからと、こう簡単に言われましたね。この乖離というか、その判断というのはどういうところにあったのか。 なぜかというと、私のところにたくさん、鈴木先生は気が弱くて声が小さいですねといういろんなお叱りの電話をもらったんですよ。警察の局長がそんなに偉いのかということで来たものですから、これ、あえてただしておきます。 私は、局長、若いときから知っていますからね、何もあなたをいじめるために言っているんじゃないんですよ。私は、これは信頼関係と、国会でのは議事録に残りますから、何だこれ、鈴木、いいかげんな質問だなとか、魂入っていないなと思われたら困るものですから、事実関係だけはしっかり私はこれ残さぬといかぬと、こう思ってお尋ねしているんですけれども。 局長のその私とのやり取りで言った話と国会での答弁が百八十度違うんですけどね、これはどこから来たものかだけ、正確に教えてください。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 先般の法務委員会において、私の発言についてのお尋ねでございます。 鈴木先生と、鈴木議員とのやり取りにおきまして、電話でのやり取りにおきまして、私の方が鈴木議員からお尋ねがあった際に、通常、法務委員会におきましては、警察庁の政府参考人、警察庁生活安全局の政府参考人が出席する場合には審議官が対応しているケースが多いものですから、審議官の対応について鈴木議員の方に申し向けたところでございます。 一方で、私自身の認識としては、国会において誰が答弁するかについては国会の判断を、国会の判断によるものというふうに認識をしておりましたことから、前回の法務委員会での答弁におきましてはそのように答弁をさせていただきました。 ですので、鈴木議員との電話でのやり取りにおいて、私が、国会に誰が答弁、国会において誰が答弁するかについて、国会で、国会における判断によるものということを電話の中で申し上げたわけではないということはここで述べさせていただきたいと思います。
○鈴木宗男君 だから、局長ね、私が言っているのは、あなたは、私はあなたに出てほしいという意向で、確認の上で電話したわけですよ。でも、あなたが、いや、審議官を出しますという答えだったんです。ところが、二日の答弁では、あなたはきちっと定番で、政府委員の派遣はそれは国会が決めることですという、まあ当たり前のことを言ったわけですよ。 だから、私の電話のやり取りでも、それは国会の判断にお任せしますと言えばいい話なんですよ。審議官と言ったところに問題があるわけですよ。余計な言葉なんですよ。それだけは、あんた、ちょっと勘違いしていたというか、判断違いしていましたというのが事実じゃないですか。どうです。
○政府参考人(山田好孝君) 私の正確な認識を鈴木議員との電話のやり取りにおいてもお伝えした方がよい、よかったのではないかと今考えているところでございます。
○鈴木宗男君 局長、今の答弁だと、一般の人が聞いても日本語として分からぬと思います。だから、勘違いしていましたなら勘違いしていましたと、国会の判断と言えばよかったものを、私はそれをちょっと省略してしまいましたと言えば答弁済む話なんだよ。 あなたも上級職で今のポストにいるぐらいだから勉強したと思うけれども、やっぱり世の中、大事なのは頭なんです、頭の良さが問われますから、言葉のごまかしは利きませんよ。少なくとも、あなたよりは私は人生経験多い方ですから、そういった意味でも、正しく、いや、あのときは勘違いしていましたとか、いや、判断違いしていましたとかいうのが真っ当じゃないですか。どうです。
○政府参考人(山田好孝君) 先ほど申し上げたとおり、私自身の認識としては、国会において誰が出席し答弁するかについては国会の判断によるものと考えております。それを鈴木議員との電話におけるやり取りにおいてお伝えした方がよかったというふうに考えております。
○鈴木宗男君 これだけで時間行くの、もったいないですからやめますけれども、局長もまだ将来あるわけですから、やっぱり人との対話だとか、しかもこういう公の場所での言葉というのは残りますから、この点しっかり認識しておいてください。まだ私は五年一か月の議員任期ありますから、またどこかで局長とやり取りすることあるかもしれませんから、しっかり頭にだけは入れておいていただきたいなと思います。 そこで、局長、今日も阿部監督の件で聞くんですけれども、阿部監督の自宅に行った警察官、何人で、その警察官は野球チームはどこのファンであったか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(山田好孝君) お答えいたします。 お尋ねの件につきまして、警視庁からは三人の警察官が現場に臨場したというふうに報告を受けているところでございます。また一方で、御指摘のどこの野球チームのファンであったかを含め、警察官個人の趣味、嗜好について警視庁では把握していないというふうに報告を受けているところでございます。 いずれにいたしましても、警察におきましては、平素から各警察官に対しまして、厳正公平に職務執行に当たるように指導しているところでございます。警視庁からは、本件においても、公平性、中立性に疑念を抱かせるような状況はなかった旨報告を受けているところでございます。
○鈴木宗男君 私のところには、アンチ巨人の警察官だから、あえて相当無理して逮捕したんでないかなんという、うがった見方をしている人の声もたくさん来ているんです。私は、さもありなんと、こういう感じはします。さっきも有村先生とエレベーターの中で一緒だったら、ある国会議員が、うちの家内はカープファンなんですよと、もうカープが勝ったときは機嫌がいいけれども、カープが負けたときは大変なんですとかという話もあったものですから、私は警察官でもそういう人もいても不思議じゃないと思うんです。人間、感情のものですからね。 ただ、そこで、私からの感じからすれば、なぜ現行犯逮捕か、今でも任意でよかったんじゃないか。その上で、私は、逮捕するなり何かして結論するならいいけれども、あの場所で、少なくとも阿部監督というのは有名人です、もし何かあったら間違いなくこれは大ニュースですよ。今もそのニュース続いていますからね。私のところには、やっぱり、阿部、あれは不当逮捕でないかと、行き過ぎじゃないかという声がたくさん来ていますよ。私もそう思っている一人ですけれどもね。 その点からしても、本来、しかも家族、娘さんがいる前で私は逮捕するべき必要性があったのかどうかというのは疑問なんですよ。その三人の警察官が行って、その判断に足るだけのその話。娘さん自身が警察官が来るとは思っていませんでしたと、もう警察官が来る前にも仲直りして終わっていますということを言っているわけですから。それをまた、娘さんは後で、私の過度な説明なんかによって大変な事態になりましたということもこれ公にしていますわね。こういったことから考えて、更に大事なのは、局長ですよ、報道では、警視庁が寛大な処分をお願いしているということを付けて送検したというふうになっていますね。 正確に寛大な処分という表現なのかどうか、また、そういった文書を付けたことが事実なのかどうか、その寛大な処分、表現は別にしてですよ、いわゆる穏便にとかよくよく配慮いただきたいという何がしかのそういったメッセージ性を帯びたものを付けて出したのかどうかだけをはっきり教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山田好孝君) お尋ねの件でございますけれども、阿部前監督の暴行事件については、六月の十五日に、これは東京地方検察庁で起訴猶予処分したというふうに承知をしております。 また、警察からの送致、書類送致につきまして御指摘のような報道がなされていることは承知をしているところでございますが、警視庁からは、本件については情状等に関する意見については公表していないと報告を受けておりまして、個別事件における背景事情にも関わってきますことから、警察庁としても、どういう処分意見を出したのかについてはお答えは差し控えたいというふうに考えております。 その上で、一般論として申し上げますと、逮捕時において現場の警察官が必要性を認めて現行犯逮捕したものに対して、その後の捜査で事案の全容を解明して起訴猶予を求めることが相当と判断されたものについて、寛大処分との意見を付して送致することはあり得るものと承知しております。 また、先ほどのちょっと私の答弁で一点訂正でございますが、先ほど、どこの野球チームのファンかも含めて警察官の趣味、嗜好については警視庁では把握していないというふうに答弁いたしましたが、正しくは、どこの野球チームのファンか、先生御指摘の警察官の、警察官個人の趣味、嗜好について警視庁では把握していないという趣旨でございましたので、訂正させていただきます。
○鈴木宗男君 局長、何がしかの言葉は添えて書類送検したということでいいんですね。
○政府参考人(山田好孝君) 御指摘のとおりでございます。
○鈴木宗男君 私は、これだけ社会問題と言ってもいいぐらい話題になっている話ですから、隠す話じゃないと思うんですよ、局長。だから、何がしかのことは付けた、付けたから、あら、それならば何で逮捕したんだろうかとかいうのが一般的な思いになりますね。それを私は聞いているんですよ。 だから、一般的な公表できませんと言うけれども、いずれ明らかになるでしょう、恐らく。そこでまた困るのは警察だと思いますよ。そういったものは、だから、かくかくしかじかでこういって、こういうことを付け加えてありますときちっと言った方が、私は、逆に警察の信頼は得ると、こう思いますので、局長、この点も、今後のことも踏まえて、お考えを、お考えというか、これから警察の人も逮捕してほしいなと、こう思っております。 もう時間もありませんから、最後に、法務大臣、いよいよ明日から再審法が参議院でもこれが審議されることになります。与党内調整をして、私は最善、最良のものが閣法として国会に出されたと、こう思っております。しかし、残念ながらというか、衆議院の審議の中で修正も入りました。 この一連の動きについて、法務大臣として、法務大臣が閣法として出したわけですから、一〇〇%の自信を持って出したと、こう私は受け止めておりますけれども、それが修正になったということについては大臣はどんな見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 刑事訴訟法の一部を改正する法律案について様々な御意見があることは承知しておりますが、現時点で再審制度を確実に前進させるものとして重要な意味を、意義を有すると考えております。 その上で、衆議院における修正は、再審請求審における証拠の目的外使用の禁止、検察官保管証拠の一覧表の交付、提出、裁判所による証拠の提出、開示の勧告及び検察官による任意での証拠の提出、開示に関する衆議院での御議論を踏まえたものと理解しておりまして、法務省としては非常に重く受け止めているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○鈴木宗男君 はい。 当委員会でも来週以降議論されると思いますけれども、ここは大臣、しっかりと各委員の声、質問に向き合って、間違いのない判断をいただきたいなと、こう思っております。 終わります。
○打越さく良君 立憲民主・無所属の打越さく良です。 四月十四日に続いて、在留資格、経営・管理について質問をいたします。省令改正のプロセスが曖昧であり、目的と効果の関連性、実効性に余りにも乖離があるからです。 質問当時、三万人余りだった法務大臣宛ての#推しエスニックいつまでもと題した署名、今や六万七千筆を超えています。この署名は、「客が来ても、黒字でも、閉店。カレー屋を潰す「資本金三千万円」ルールを止めてください」というサブタイトルが付されています。この署名は、資本金額だけではなく、事業実態に基づく審査基準への転換、経過措置の延長、定量的な影響評価の実施、公開を求めています。 大臣、この署名に対する受け止めはいかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘の署名と要望書を受けまして、基準改正前から経営・管理で在留している方々の御不安を改めて認識したところでございます。 もとより、主要な御要望である事業実態のある既存事業者を一律の資本金基準で排除しないという点については、当省としてもそのように考えており、これらの方々には一定の配慮を行うこととしております。 まだ十分に当省の考え方が伝わっていない点もあり、署名等の受領後、出入国管理行政庁のホームページにおいても案内を追記いたしておりますが、こうした情報発信を充実させるなど、引き続き皆様に丁寧に御説明をしてまいりたいと考えております。
○打越さく良君 情報提供が不十分だから不安になっているんではなくて、この省令改正自体が不安にさせているわけですよね。その点が署名を受け取られても御認識が不十分なのではないかと思っています。つまり、法務省はこの意見を真摯にまだ受け止められていないのではないかと。つまり、この当事者がなぜ不安になっているのか。やっぱり当事者の御意見を伺わないままにこんな省令を改正をしたと。やっぱり排外主義的な風潮にただ流されてしまったと。本当に残念でなりません。 私の質問以降も、だからこそ国内外のメディアから、外国料理店とか輸入食品などを経営する外国人の方たちが非常に不安になって廃業の危機に直面している、そういった記事が相次いでいるわけですよ。本当にもう、むしろそういうことで日本の名声、日本はこうやってほしいままに恣意的に、立法事実も明らかでなくて、目的、手段の合理性も何もないような、こんな政策どうこうしてしまうのかということで、むしろ国益を害していると言わざるを得ません。 そして、報道によると、移住目的の取得が国会などで問題視されたため、政府はこの昨年十月の省令改正で抜け道を防ぐということに乗り出したと報じられています。確かに、私も国会審議を調べました。そうしたら、二〇二五年以降、昨年以降ですね、外国人によるスクラップヤード運営の問題とか、外国人が入ってくることによって治安あるいは政治情勢が影響するんだという質問とか、移住目的の中国人がペーパーカンパニーを立ち上げる動きが助長されるんじゃないかとか、民泊への利用とか、まあいろんなことが一部の議員から指摘されていました。 それで、これは資本金額の低さが問題なんじゃないかとかいろんなことが言われて、そして、こうした定住を希望する外国人が日本を目指す参入コストが低過ぎるんじゃないかとか、日本社会のコストが高過ぎたり、治安や日本の良さが失われるんじゃないか、そういった国会議員の質問が相次いだわけですね。それに対して、これはやっぱり立法事実とかファクトとかエビデンスが、そうじゃないんじゃないかみたいなことを当初は政府側もその質疑に対して答弁をしていたわけですけれども、だんだんこれが押された結果がここに行っているんじゃないかと思われます。 そして、問題にしたいのは、そうであっても、この国会審議の中で、こうした今問題になっている外国人経営者、これ日本で真面目に飲食店とか小規模企業、そうしたものを営んでいる小規模事業者のことは全然念頭になかったわけですよ。国会で取り上げられてきたこの論点とこの省令改正にはもう関連性がないわけですね。もうその認識はさすがに法務省もおありですよね。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答えを申し上げます。 昨年の国会質疑におきまして、在留資格、経営・管理の許可基準について様々な御指摘をいただいておりまして、これらの指摘をも踏まえて省令改正を行ったという意味におきまして、国会質疑との連関性はあるものと考えております。 また、今般、いろいろ御議論があります、既に在留中の方々への対応につきましては、省令事項ではございませんが、出入国在留管理政策懇談会やパブリックコメントでいただいた御意見も踏まえて一定の配慮を行うべきと、ガイドラインにおいて対応を明らかにしたものでございます。
○打越さく良君 一定の意見を聞いたようなことをおっしゃいましたけど、結局、今、日本にいて真面目に事業を営んでいた方たちのその声は聞いていないわけじゃないですか。何か一定聞いたみたいな、そんなアリバイづくりはやめていただきたいですね。全く聞いていないことで、そして国会で問題にされてきたこととももう連関性が全くないようなことにも取りかかっちゃったわけですね。それで省令改正を進めてしまったと。 それも問題なのは、もう率直に申し上げますと、この省令改正は自民党主導で行われてしまった。昨年六月に出された自民党の「国民の安心と安全のための外国人政策第一次提言 違法外国人ゼロを目指して」、この中で、在留資格、経営・管理に関する悪用、かぎ括弧悪用ですね、悪用の実態把握と事業規模に係る資本金等の額等の要件を含む見直しを早急に図ることと、ここに明記されているんですよ。省令改正は自民党のこの提言、昨年六月の提言に基づいたものと受け止めざるを得ません。 ですから、大臣、今回の省令改正は法務省が積み重ねてきたということではなくて、自民党に従っただけであるということはお認めになりますね。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 在留資格、経営・管理が移住の手段として利用されているという趣旨の御指摘は、党派を問わずいただいていたものと承知をしております。 また、そのような国会質疑の状況を踏まえ、状況等を踏まえ、昨年五月に、鈴木前法務大臣から出入国行政管理庁に対して基準改正の検討が指示をされ、同庁において改正案を立案したものでございます。
○打越さく良君 何か自民党だけじゃないよというような、何か言い訳めいた御発言だったんですけれども、更に時系列を見ていくと、その後の法務省の出入国在留管理政策懇談会においては、新たな厳しい上陸許可基準が更新のときの基準に使われてしまうと、軒並み今あるそういう飲食店みたいな小さな事業主はみんな廃業しなければいけないという、これ真っ当な指摘がなされているんですね。そしてまた、ほかにも、正直者が損をするような帰結になり得るのかもしれないと、こうした危惧も表明されていました。 ところがです、懇談会の報告書では、見直し時点において既に同在留資格で在留している者に対しては、その置かれた立場に十分に配慮されるべきであるとの意見があったととどめ置かれているだけです。結局もう結論ありきと、自民党などの提言に沿ってやっていくために、この有識者に聞いてももう結論ありきで、ちょろっとそういう意見もありましたぐらいな形で記述があるにとどまっています。 そして、先ほどもおっしゃったように、パブリックコメントもしましたよということを言うんですけれども、別にこのパブリックコメントも、もう結論ありきの省令改正のために、それを、省令をオーソライズするためにやったに違いないわけですね。七百通寄せられているわけですけれども、もう法務省のコメントは適切に審査とか今後の参考とか、そういうことを羅列しているだけであって、危惧する、重要な点で非常に危惧があると、これは踏みとどまるべきだという意見があったにもかかわらず、全く修正をする気持ちは更々ないと。というか、ガイドラインの作成をしますみたいな形で済ませているわけですね。 ということを確認したいんですけど、法務省は、パブリックコメントを受けて省令案に修正を行ったということはありませんよね。
○政府参考人(内藤惣一郎君) まず、事実といたしまして、在留資格、経営・管理の基準見直しに当たりまして実施したパブリックコメントを踏まえて省令案を一部修正させていただいております。 具体的には、基準の一つである、申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有することにつきましては、パブリックコメントの意見募集時の改正案には含まれておりませんでしたが、近隣の住民等と日本語でコミュニケーションが取れることを担保する必要がある等の御意見を踏まえ、検討した結果、省令案を修正させていただいたものでございます。 なお、委員が問題意識としてお考えの既に在留中の方への対応につきましても、パブリックコメントでいただいた御意見も踏まえまして、一定の配慮を行うべくガイドラインにおいて対応を明らかにしたものであり、パブリックコメントに寄せられた意見は適切に反映しているところでございます。
○打越さく良君 いや、だから、ガイドラインにじゃなくて、省令自体を考えてはどうかと、それは踏みとどまってはどうかという意見に対しては何も反応していないわけですし、そして、より今までいる外国人の方たちが困ってしまうような、厳しくする方のことではパブリックコメントは参考にしたけれども、そうじゃない方向には参考にしていないわけですよ。 法務省は、四月十四日の私への答弁で、今もおっしゃっていたようなことをおっしゃっているんですね、一定の配慮しますみたいな。でも、その一定の配慮って自体が、行政の裁量次第、ブラックボックスなわけですね。だから、その基準を明らかにすべきなんですよ。 その経営実態についてもうしっかり調査をすると、もう真面目に暮らしてきた外国人の方たち、真面目に暮らすというのもすごい、曖昧な形でなくですね、何というか、地道にやってきた方たちを排除しないと、皆さん安心して大丈夫ですよというような、そういうことを明言すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 委員御指摘のとおり、改正前から在留資格、経営・管理で在留中の方につきましては、改正後の許可基準を直ちに適用することなく、一定の配慮を行うこととさせていただいております。 具体的には、許可基準見直しの施行日から三年を経過する日、令和十年十月十六日までの間は、改正後の許可基準に適合しないことのみをもっては、在留期間更新許可申請を不許可とはしないこととしております。また、施行日から三年を経過した後においても、原則として改正後の許可基準に適合することを求めるものの、適合しない場合であっても、委員御指摘のように、法人税等の納付状況や経営状況等を総合的に考慮して許否の判断を行うなど、改正の、失礼しました、個別の状況を踏まえて対応する予定でございます。 許否の判断につきましてあらかじめ断言することはできませんが、冒頭大臣から御答弁あったように、事業実態のある既存事業者を一律の資本金基準で排除しないという点につきましては、出入国在留管理庁としてもそのように考えており、個別の状況を踏まえ、丁寧に審査を行ってまいりたい、このように考えております。
○打越さく良君 やはり、この省令自体が非常に厳しいものなので、なかなか、個別にと言われてもなかなか安心できないところだと思います。 元々、二〇一五年に開始された在留資格、経営・管理は、日本国内企業において、事業の経営・管理活動を行う外国人を広く迎え入れることができるようにするということでした。ところが、省令改正後は、資本額、要求条件の多さ、永住権取得要件、起業のしやすさ、帯同家族全員の更新、その頻繁さとかですね、もう今や世界最高水準の難易度を持つ在留資格にしてしまったと。 大臣、この世界最高水準のその難易度にした理由は何なんでしょうか。ヨーロッパ各国では、資本金から事業の質という考え方に移行しつつあるわけですね。そういった現状も踏まえて御答弁をお願いします。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 在留資格、経営・管理については、許可基準が諸外国の同様の制度と比べて緩く、移住目的の方法として悪用されているという指摘がされていたほか、在留審査においても、事業の実態がないことが判明する事業も認められていたと承知をしております。 このような状況の中で、同在留資格が我が国の経済社会の活性化に資するという本来の目的に沿った形で運用されるよう、基準の見直しを行ったものでございます。
○打越さく良君 やはり、ずれていると思うんですね。事業実態がないということが指摘されたんだったら、まあ前から申し上げているとおり、事業実態を把握すればいいわけですよ。それなのになぜ資本金を引き上げるのかと。事業実態があるところに対しても厳しくすることになるわけですよ、いられなくするわけです。だから、その目的、手段がおかしいのではないかということを繰り返し申し上げています。 そして、私の質問に対しても、先ほどもおっしゃっていましたけれども、我が国の経済社会の活性化に貢献いただくことが期待されるとか、そういうことを言うわけですけれども、当初の政策目的とはもう変質しているわけですよね。地道に納税義務を果たして、地域になじんできた小規模事業主に対する背任とも言える政策変更でございます。 もう先ほどから伺ってはいるんだけれども、結局、今までいらっしゃる方たちがとても不安になっているのは、もう本当にこの省令改正のせいだ、それはもう行政の継続性というものをどう考えているのかが問われているわけですね。だから、もう改めてではございますけれども、明言していただきたいんです、もう。これまでどおり更新すると、今までいらっしゃる方についてはこれまでどおり更新するという、その決意ですね、その決意を改めて強く、力強くおっしゃっていただきたいです。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 先ほど政府参考人から答弁したとおり、改正前から在留資格、経営・管理で在留中の方については一定の配慮を行うこととしております。許否の判断についてあらかじめ断言することはできませんが、委員の御懸念の趣旨は理解をしたいと思います。 出入国管理庁に対しましては、個別の状況を踏まえ丁寧に審査を行うよう指示をしたいと考えております。
○打越さく良君 丁寧にということでも、やっぱりブラックボックスなわけですね。 もうやっぱり国会質疑ですら、すらというか、国会質疑でも、納税義務を果たして地域に定着したような、そんな事業主も追い出してしまえとか、そういうことは一言もなかったわけです。 だから、懇親会での意見も、そういった事業主どうなるんだと心配が要するにあったと。だから、そこが踏まえられずに、自民党の意向に省令が動かされてしまった。ここが非常に猛省を促したいと思っています。 私が四月十四日の当委員会で申し上げたように、地域を支えるレストランとか、解体業とか、その御家族、ここ日本で生まれ育った子供たちと、そういった子供たちへの配慮というものは、もう全然、この国会の審議とかあるいは懇談会において十分に取り上げられてきたのかと疑わざるを得ません。そして、やっぱり人権侵害とも言うべきなんじゃないでしょうか。こういう、日本で生活してきた子供たちがどういう目に遭うかと、そんなことを全く、その効果を考えられていなかったわけですね。 これは、法務省に対しては、やっぱり幾ら説明しますとか理解を進めますとかそういうことを言っても、やっぱり限界があるということが今日の質疑でも明らかになりましたので、省令については撤回していただきたいと改めて申し上げます。 そして、次の質問になりますけれども、驚いた報道で、外国人の在留資格の適正化を求める政府の方針に従って、五月二十五日の時点で全国百十五の自治体が、国民健康保険料の滞納状況が悪質と判断した外国人の情報を入管庁に提供するということなんですね。この悪質性と情報提供の要否について自治体がそれぞれの基準で判断していると。もうこれ、私は驚きました。 日本人が滞納した場合、何か滞納した場合に、自治体以外の知らぬどこかの官庁が自分の情報を入手しているということなどはあり得ないと思うんですね。滞納状況、悪質性という基準は何なのでしょうか。各自治体任せでいいんでしょうかね。その各自治体がそれぞれの、これが悪質だなとかそういうことで勝手に考えて、そして勝手に入管庁と共有していると、そういうことになるのはもう本当に公正な行政に反すると思うのですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 御指摘の基準につきましては、これを明らかにすると在留審査業務等に支障を及ぼすおそれがあることから、詳細を明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、あくまで一般論として申し上げると、基本的には、一定期間の滞納があり、地方自治体において滞納に係る対応を尽くしてもなお回収が不能である者であって、かつ支払ができないことに正当な理由がない者について情報提供を受けているものでございます。
○打越さく良君 何かレクのときとちょっと説明が変わったような気がするんですけれども。レクのときには自治体任せのような御説明だったと思うんですが、ただ、そこが、結局、自治体が悪質と判断したら、そうなんだなということで受け止めて、それを何に使うかも非常に怖いわけですよね。むしろ、何が自治体には必要なのか、ちょっとよく考えていただきたいと思うんです。 外国人の方々の相談を受けて、そうした地域の方から伺ったんですけれども、今年の確定申告にたくさんの外国の方たちが相談にいらしたと。その方たちは、今まで確定申告もしていない、そして扶助控除もしていなかったと。一人親控除もできたはず、社会保険料控除もできた、あるいは生命保険の控除もできたはずの人たちが、そういうことをしないで高いままの納税を支払っていたと。そういう方たちもとても多いらしいんです。的確に相談を受けていたらそういうこともできたし、各種控除申請もしていたら、そうしたらどうだったのかねと。国民健康保険だって、総額を書き込めば、そうしたら控除されると、そういったことを知っている方たちも全然いらっしゃらなかったそうです。事業所得ある人たちも、全然その経費のこととかもどうやって計算したらいいか分からずに、もう本当高額に納税をしている方たちも多いわけですね。 そういうことで、税金の還付をしっかり受けていれば、もう家計にそれが戻ってくると、そして保険料の未納分だって払うことができる。そういったことも、たくさん、きめ細やかな住民サービスをしていればできているはずと。そういうことをしないまま、自治体が不透明な基準で、何か通報するぞみたいなことを言ったら、そうしたら払ってもらいやすいとか、そういう雑な住民サービスをするんじゃなく、住民サービスというか住民管理をするのではなくて、しっかりときめ細やかな情報提供をすると。それこそが、何というか、共生社会につながると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国在留管理庁では、納税や社会保険に関するルール等を含めまして、在留外国人への情報提供や相談対応を多言語で行う一元的な相談窓口の設置、運営に取り組む地方自治体を外国人受入環境整備交付金で支援しているところでございます。また、今年度は、いわゆるアウトリーチ型の情報発信等にも同交付金を活用できることとしております。 加えて、当庁では、我が国で生活する外国人にとって有用な情報をまとめた外国人生活支援ポータルサイトにおきまして、住民税等の納付義務や納付方法、国民健康保険等への加入義務や要件、給付内容、手続等も含め、多言語で情報を発信しております。また、中長期在留者が入国する際には、このポータルサイト等を案内するリーフレットを手交して周知を図っているところでございます。
○打越さく良君 もう一つ、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランにおけるB案件の類型化、この危険についてじっくり質問したかったのですが、時間がなくて、次に回します。 しかし、難民条約批准国として、こういった類型化をして全くブラックボックスと、そして、自分がB案件に振り分けられたんだとか、B案件としてさくさくと問答無用で不認定にされる、そして非正規滞在に追い込まれる、どうしてそういうふうに自分が振り分けられたかとか、弁護士を付けて争うとか、そういったことも適切に行われないようにしてどんどんと不法滞在者をつくっていく、むしろ、不法滞在者ゼロプランに逆行している、不法滞在者を増やしてしまうという、そういう政策を法務省が進めていることには断固抗議して、質問を終わらせていただきます。
○小林さやか君 国民民主党・新緑風会の小林さやかです。 いよいよ参議院でも再審法の議論が明日から始まります。ここまでの議論がこれほどまでに紛糾してきた背景には、検察への国民の不信感が根底にあると思います。法案の随所に見られている例外規定、これを検察が自己保身のために使わないとは信じ切れない事案が相次いでいるからです。 今からお尋ねする大阪地検の元検事正による部下の女性検事に対する性暴力、この事案の経緯を聞くにつれ、通常の組織では考えられないほど自浄作用が効いていないと言わざるを得ません。自己の組織にとって都合の悪い事案に対してどこまで向き合えるのか、この対応を真摯に行うことさえもできないようであれば、誰が検察の無謬性を前提にした再審法の例外規定、適切に運用できると信じられるでしょうか。 検察官による地位や立場を利用した性暴力は氷山の一角だと私は捉えています。今なお声を上げることができず苦しんでいる女性が必ずほかにもいるはずです。その声なき声を代弁するために私は議員になり、ここに立っています。必ず真摯に御回答いただけますようお願い申し上げます。 二〇一八年、大阪地検の検事正が、酒に酔って抵抗できない部下の女性Aさんを官舎に連れ込んで性的暴行を加えて、二〇二四年になって元検事正は逮捕、起訴されました。本件の対応を聞けば恐らく刑事局長は、係属中の事案だから答えられないとおっしゃるのではないかと思います。 ただしかし、本件は、刑事事件としてのみならず、国家公務員法の人事院規則始めとした服務規程違反なんじゃないんでしょうか。ただしかし、検察は、この元検事正に対し何らの懲戒処分をすることもなく、退職金を満額支給して定年退職させました。 大臣にお尋ねいたします。本件は人事院規則違反に相当する重大な問題をはらむ事案なんではないんでしょうか。御認識をお尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 検察の元幹部職員が当時の部下職員に対する準強制性交等罪等事案について逮捕、起訴されるに至ったことは、検察に対することを所管する法務大臣の立場として誠に遺憾であると言わざるを得ません。もっとも、お尋ねは現在公判中の個別事件に関わる事柄でありまして、法務大臣としてこれ以上の所感を述べることは差し控えたいと思います。 その上で、一般論として申し上げれば、職場内における性加害事案については、犯罪に当たる場合はもとより、犯罪に当たらない場合であっても、事案により、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントなどの国家公務員法及び人事院規則に定める服務規律に反する行為に該当することになるものと理解をいたしております。
○小林さやか君 個別事案とおっしゃいますけれども、個別事案の積み重ねなのではないでしょうか、全ては。今、後半の部分、大臣の心少し感じることできたとは思います。 大前提として、この被害者Aさんに一切の同意はありませんが、そもそも同意があろうがなかろうが、幹部職員、しかも検事正が部下の女性と性的関係を持とうとすること自体、地位や立場を利用したハラスメント行為です。人事院規則違反です。 これまで、幹部職員に対して当然部下職員に性的接触をしてはならないと指導していたんですよね。ハラスメント防止に対する研修って行ってきたんでしょうか。もしそうした研修を行っているのだとしたら、このような事案を引き起こしていて全く効果が、実効性がなかったと言わざるを得ません。 この件、事前のレクでは、人事院規則違反なのではないかというところで、退職しているから懲戒処分ではないんですといったようなあきれた御回答がありまして、それでは逃げ得ではないんですかね。事実、この検事正は、Aさんが被害申告できないように、直筆の書面で、今回の事件が公になった場合、私は絶対に生きていくことができず自死すると、半ば脅しのような形で口止めをして、その翌月定年退職していきました。退職したから懲戒処分できないと言うんだったら、もう調査もしないと言うんですかね。 福井県知事のセクハラをめぐっては、福井県では、退職後であっても第三者が懲戒免職相当と認定すれば退職手当の支給制限につなげる制度改正を行いました。本件についても、退職しているからとして事実認定しないというのはおかしいのではないでしょうか。 当該元検事正の余罪、不適切事案の有無、背景事情の聴取、さらには、当該元検事正以外の検察職員による性的被害、不適切事案の有無、これらについて、検察庁の職員全体を対象にした第三者調査、実施すべきではないでしょうか。見解を伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 検察当局におきましては、一般的に、刑事事件につきまして、検察官に認められた権限を行使して捜査を遂げた上で処分を行うところでございますけれども、この御指摘の大阪地検元検事正による女性検事への準強制性交等事案につきましても、事件が発生した経緯や当該被告人の余罪を含めまして所要の捜査を遂げたということで、起訴すべきものは起訴したということを対外的に説明しているというふうに承知しているところでございます。 また同様に、一般論として、検察当局は公判段階におきましても裁判所により適切な事実認定及び刑の量定がなされるよう、必要な主張、立証を行うものと承知しておりまして、この大阪元検事正、大阪地検の元検事正の事案についても同様の対応を取るものというふうに考えているところでございます。 このような意味で、この事案につきましては、検察当局において起訴して現在公判が係属中でありまして、まさに刑事訴訟法に基づく手続が進行している状況にあるということでございますので、そのような事案について第三者による調査を行うことは、関係者の名誉、プライバシーの観点の問題、それから公判審理に影響を生じさせるおそれがあるなど、司法権の独立からも問題があることから極めて慎重に考える必要があると考えているところでございます。 他方で、本事案を離れて、検察庁内部における性加害事案やハラスメント事案の有無などにつきましての調査についての御指摘もあったと思いますけれども、検察当局におきましては、昨年五月の次長検事名でのハラスメント防止等に係る取組を徹底する指示に基づきまして、本年度中に全職員を対象としたハラスメント調査を実施することを決定しております。 また、そこには、客観的な視点を加味する方策がないかも含めて検討しているものと承知しているところでございまして、引き続き、ハラスメントを防止し、働きやすい職場環境の構築に努めていくことが肝要であると考えているところでございます。
○小林さやか君 今、二つの論点併せてお答えくださったと思うんですけれども、ちょっと一つずつ聞いていきたいんですけれども、関係者の名誉、プライバシーの侵害って、関係者って誰なんですかね。被害者のプライバシーがあるということだったら性暴力の事案なんか何の調査もできないですよ。関係者って誰ですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 被害者がもとよりいるわけでありますが、今回の被害者の方につきましては、様々なことを自ら発信されているということもありますので、そういう部分、プライバシーとかいった考慮が比較的少なくなっているということはあるのかもしれませんけれども、この調査、捜査に協力した者というのは、本当に、一対一の話ではなくて、多くの関係者から話を聞いて、それ以外にどういうことがあったのか、その経緯も含めて調査を行ったということでございまして、そういったものにつきましては、これがオープンになる前提で話を聞いているわけではないというのは事実でございまして、そういったものも含まれるということでございます。
○小林さやか君 オープンになることを前提にしていなくて調査しているのであれば、そのプライバシーが守られることを前提に再調査すればいいんじゃないんですかね。 資料四の以下は、いずれも陸上自衛官の女性に対する自衛隊内での性暴力に関する資料です。 この性暴力を実名で顔出しで告発した五ノ井里奈さんの取材、私、前職の記者のときにしておりました。彼女も、最初は組織内の上司が適切に対応しなくて退職に追い込まれたんです。当時もこの隠蔽体質に辟易としましたけれども、今考えてみれば、防衛省の方がずっと自浄作用働いています。 資料五、御覧ください。防衛省は、刑事事件係属中であっても、特別防衛監察実施しています。 資料十、御覧ください。第三者委員会も設置しています。 何で防衛省にできて、検察にできないんですか。もう一回お尋ねします。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の防衛省の事案は、自衛官による同僚の女性自衛官への性加害事案に関するものであることは認識しておりまして、ここに特別防衛監察であるとか有識者会議等が設置された経緯はつまびらかに私ども把握しているわけではございませんが、その事案については、有識者会議が設置された当時に、自衛官が検察当局に起訴されて公判が係属していたという事実はないというふうに理解しております。 その上で、特別防衛監察もそうですけれども、今回の事案につきましては、検察当局として事案を把握した後は、早急に捜査を遂げて、その被告人を起訴して、今公判で係属して必要な主張、立証を行っているということでございまして、それについては、検察当局として自らの権限の中でやれることはやった、やったといいましょうか、そういう対応はしているということは御理解いただきたいと思います。
○小林さやか君 じゃ、服務規程違反に関してはどうなんですかね。その刑事事件としてしっかりと捜査して、余罪も確認したということを信じるとしましょうと。その服務規程違反について調査すべきなんじゃないんですか。 もう一回、第三者委員会調査しないというわけではないんですね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 服務規程に関する調査というのは、懲戒処分というのは公務員秩序の維持のために行うものでございまして、確かに、退職した職員に対する処分というのは、制度上は想定されていないのは事実であります。 その上で、今お話しになったこの事案の調査ということでありますけれども、私、今、先ほど申し上げたのは、検察当局におきまして、その経緯も含めて、それから余罪の有無も含めまして、その当該被告人に関する関係では、捜査、起訴して公判が係属しているというのがまず一点と。 そして、それ以外のこの当該被告人以外の全体の検察庁におけるセクハラ事案あるいは性加害事案も含めまして、そういうことがあるかないかについては、先ほど申し上げたように、職員の、全庁職員のアンケートなどを行うなどしまして、率直な意見がちゃんとそれぞれに真摯に書けるようなアンケートを実施することが一番肝要ではないかというふうに思いまして、その上でどのような対応を取るかというのは、また考えることにはなるかと思います。
○小林さやか君 六月十五日の決算委員会で大臣もその件御答弁されていますけれども、元々検察当局で、去年五月、次長検事名でのハラスメント防止に係る取組を徹底するという指示を元々出していて、元々、本年度当初には、本年度中に全職員対象としたハラスメント調査を実施すると決めていましたと、特定の事象を契機として実施することとしたものではないと御答弁していますけれども、これ詭弁としか思えないんですけれども、じゃ、何で去年になっていきなりハラスメント調査することにしたんですかね。何のために調査するんですかね。その五月に通知出しているなら、その通知文提示してください。 そのおっしゃっていることが本当だったとして、じゃ、当然この調査は、今回の大阪地検元検事正による性加害事案についても調査対象になるんですよね。後ほど詳しく質問しますけれども、同僚による二次加害も行われていますが、その組織対応についても調査対象とするんですか。一体、いつからいつまでの期間についてこの調査の射程が入るのか、その調査結果は公表するのか、全てお答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 検察当局におきましては、御指摘の通知による指示に基づいて、また、それ以前から各省においてハラスメント防止に向けた様々な取組を進めているところでございまして、実際ハラスメント事案があるのは事実でありますが、そういうことを受けて、各庁においてもその対策として、職員の匿名であったり、まあ自分で顕名する人は顕名するんですけれども、そういうようなアンケートを、調査を行って、その対策を講じるといったようなことを今までも多くの庁で実はやってきたのであります。 その上で、ハラスメント事案というのが現にあることを踏まえて、済みません、特定の事象があるかどうかと、この事案と関係があるかどうかというよりは、むしろハラスメント事案をなくしていくために、良好な職場環境を守るために必要なこととして、これは全庁でやるべきだという判断を本年度の当初に行ったということでございます。 その上で、全職員を対象として本年度中にアンケート調査の方法をやろうと、やるということでございますが、調査対象期間につきましては、例えば昨年一年間とかそういった限定的なものにはならないように、広く一般的に声を吸い上げるような調査を行うことになるというふうに思っておりまして、そういうようなことを今検討しているという状況にございます。
○小林さやか君 済みません、ちょっと一気に聞き過ぎてお答えいただけていないんですけれども、だから、本件についても調査対象だということでいいんですよね。
○政府参考人(佐藤淳君) 今検討しているアンケート調査というのは、本件を対象として皆さんから聞くという類いではありませんが、全てのセクハラ、それは上司も含みましょうし、同僚も含むと思うんですけど、そういうことに関してアンケート調査を行うわけでございますので、過去そういうことがあったということになれば、当然その本件に絡むものもアンケートとして答える方はいるかもしれないということはあると思います。
○小林さやか君 それ公開するんですか、その調査結果。 これ、前回の決算委員会の中ですかね、その調査結果を公開するとプライバシーがみたいなことをおっしゃっているみたいですけれども、この防衛省の資料を見てください。これ、どこがプライバシーに関係するんですかね。必ず調査結果取りまとめて公開していただきたいですが、どうですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お尋ねの調査結果の公表につきましては今後の検討課題であるということでありますが、対象がハラスメント事案であるという事柄の性質も踏まえた上で検討する必要はあると考えているところであります。 いずれにせよ、まずは率直なアンケートが実施されることが最も重要ではないかというふうに考えておりまして、その上で、必要な調査を行った上でそういった対策、どういった対策が考えられるのか、どういう研修が考えられるのか、そういったことを検討していくことになるのではないかと考えているところでございます。
○小林さやか君 必ず本件も対象にした上で、しっかりと調べて公開してください。お願い申し上げます。 続きまして、資料一にもあるんですけれども、本件の性暴力そのものも言語道断なんですが、さらに、組織内での隠蔽工作、二次加害まで行われています。最終的に、被害者であるAさん、退職に追い込まれています。 二〇二四年の五月に最高検の内偵捜査が始まって、参考人として聴取を受けていた同僚が、被疑者の弁護人に捜査情報を漏えいした上で、検事正や弁護人との通信履歴も削除しています。さらに、六月二十五日になって元検事正が逮捕されると、今度は秘匿すべき被害者氏名などの情報を検察の内部で拡散して、まずこのことは全て事実認定されて、二〇二五年になって戒告処分受けているんですね。 じゃ、当局は、これらの非違行為を把握した時点で、この事実関係の調査したらよかったんじゃないんですか。被疑者保護のための措置講じたんですか。特に、被害者と二次加害を行った副検事との接触回避するための配置上の配慮、安全配慮義務、そういう観点から十分な対応を行ってきたんですかね。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の事案につきましては、現在、お尋ねの女性検事が検察当局の対応の当否を含む国家賠償請求訴訟を提起したとされておりまして、詳細をお答えすることは難しいことを御理解いただきたいと思いますが、御指摘の副検事に対して、今御指摘のあったような事実関係に基づいて戒告処分をしたことについては、検察当局に応じて、その当時、状況に応じて必要な調査を行ってそのような処分に至ったというのがまず一点でありまして、女性検事に対する対応につきましては、検察当局において、その時々に把握していた事情を前提にして、女性検事の意思確認をするなどして、その心身への影響にも配慮して対策を講じてきたということでありますけれども、様々な御指摘を受けているところであることは承知しておりますが、このような答弁にならざるを得ないことを御理解いただきたいと思います。
○小林さやか君 女性検事の意思を確認しながら対応したとおっしゃいましたかね、最後のところ。これは被害者の意思を確認したということですか。被害者の意思どおりに全くなっていないですよ。 ちょっと時間ないので次行かせていただきますけれども、本当にちょっとあり得ないと思います。 二〇一九年の十二月に、まさにこのAさんに性暴力を加えた元検事が定年退職した直後、広島地検の検事が自死したという事案もございました。この方、二〇二三年には長時間労働などによる公務災害と認定されて、遺族による国家賠償請求訴訟起こされて、今年二月に和解されました。 この本事案においても、次席検事による配慮を欠いた不適切な叱責があって、国側は、その自死との因果関係は認定していないものの、この次席検事の指導を含めて、上司らの対応が配慮を欠いた不適切なものだったということを認めていると承知しております。そもそも、この広島地検の国賠訴訟の係属中で、勤務環境の安全確保が検察として課題になっている中でAさんの被害申告があったわけです。 何でAさんの勤務環境の安全を確保しないで同僚による二次加害放置し続けたのかなと思うわけですけれども、この令和八年二月、具体的にどんな通知出したんでしょうか。通知踏まえて、職場環境について安全確保を求める申告受けた際の事実の確認の仕方、申告者の保護、不適切な言動がある者との隔離の措置など、今検察ではどのように講じているんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の事案において和解が成立したことを踏まえまして、本年二月十三日、法務省刑事局から全国の検察庁幹部職員宛てに御指摘のような通知を発出したところでございます。 その中身でありますけれども、この公務災害の中身も踏まえまして、職員の在庁時間を適切に把握、管理するよう努めること、それからハラスメント相談窓口の周知を徹底すること、万が一こういった事案が発生した場合には、公務災害報告の要否を検討するための調査を行うに当たって御遺族の心情に十分配慮した丁寧な対応を取ることなどを指示した、通知したというところでございます。 検察当局におきましては、これを踏まえて、職員が健康で職務に精励できる職場環境を醸成するための取組を進めるものと承知しているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。
○小林さやか君 検察組織は起訴権限という強大な力を有しているわけですね。だからこそ、内部の犯罪行為とか非違行為、しっかりと対応する必要があるわけです。 何度でも言いますけれども、被害を受けたことは、もう思い出すだけでもつらいんですよ。声上げたら、まるで被害者に落ち度があったかのように中傷されて、さらに、業務上の地位や立場を利用した上司による行為って、人事という生殺与奪の権握られているわけです。そうしたことが火を見るより明らかだから、女性たち声上げられないわけです。 本当に、この件についてしっかりと御対応いただけない限り、検察に対する信頼は得られないということを強く申し上げて、質問を終えさせていただきます。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 今日は、死刑制度について、前にもお尋ねしましたが、今回もちょっとやらせていただきます。 まず、刑訴法の改正案については、十六日に衆議院から送付をされて、いよいよ参議院でも審議をされるところでありますけれども、この中では、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件、袴田事件ということで、死刑が確定していたんだけれども再審無罪となったという、そういった人たちがいるということを前提にして、前提にしてというか、そういった間違えがあったということで再審制度の見直しが図られていくことになります。中でも、飯塚事件については既に死刑が執行されていて、今再審手続が進められているということであります。 こうしたことを踏まえると、再審によってこの死刑が覆るという可能性がある以上、再審請求がされている死刑確定事件については、これは死刑執行を見送ってはどうかというふうに思いますけれども、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として申し上げれば、再審請求中であることは、刑事訴訟法上死刑の執行停止事由とはされていないところでございます。 そして、死刑の執行に関しては、個々の事案につき関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、再審事由の有無等について慎重に検討をし、その是非を判断すべきであると考えております。
○横山信一君 制度上死刑執行を見送るということはできないのは分かっているんですけれども、とはいえ、今施行、死刑執行の命令を下せる立場にいる大臣として、やはりここは考えていただきたいところなんですね。今ちょうどこういうタイミングで、再審制度を見直していこうというそのタイミングであります。そのタイミングのときに、今、大臣、死刑執行命令を持っている大臣でいらっしゃるというところで考えていただきたいということなんです。 今国会で注目されている再審制度、これは無辜の人の救済のためにあります。これはどういうことかといえば、冤罪は必ず起こることを前提とした法制度です。それを検討しようと。法務省は冤罪という言葉を使いたがりませんけれども、現実、冤罪はあるわけです。無辜の人への死刑が執行されてしまっては取り返しが付きません。 先ほど述べた五つの事件のように冤罪により死刑が確定したという事実がある以上、死刑制度も廃止すべきだというふうに考えますけれども、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 刑事裁判においては、死刑が言い渡される事件について必ず弁護人が付され、厳格な証拠法則の下、慎重な手続により事実認定及び死刑選択の判断がなされている上、三審制の下で被告人に上訴権が付与されており、有罪の認定、刑の量定等について上級審による審判の機会が確保されております。また、確定した裁判に対しても、再審、非常上告といった非常救済制度が設けられており、死刑の執行は再審開始事由の有無等を慎重に審査した上で行われているところでございます。 他方、誤判のおそれを理由として死刑を廃止すべきとの意見については、誤判のおそれは死刑特有の問題ではなく、誤判のおそれを理由に死刑廃止を論じるのは刑事裁判の否定に通じること、また刑事事件の中には誤判の余地のない事件もあることなどの指摘もあると承知しております。 私としては、国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えておりまして、多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないものと考えております。したがって、死刑を廃止することは適当ではないと考えております。
○横山信一君 いかに慎重に死刑という判決が下っていくかということが説明をされていたわけですが、それでも間違いがあるわけですよ。そこに無辜の人がいる。そういう時点で、再審請求をしている、その再審請求をしているのに死刑を執行してしまっては、これは無実の人を殺しているわけですから、こんなことはあってはいけないはずですよね。 平口大臣、就任されてもう八か月になりますけれども、施行、死刑執行命令は出していません。他方、十月二十二日の、昨年の大臣就任記者会見では、死刑制度の存廃は我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重大な問題であり、凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況に鑑みると、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないという発言をされ、今の答弁も似たようなことを言われておりましたけれども、死刑廃止は適当でないという、そういう発言をされておられますが、世論のことについては後ほどまた伺いますけれども、ここは大臣御自身の思いを伺いたいんですが、今後の死刑執行命令、どう考えますか。
○国務大臣(平口洋君) 申し上げるまでもなく、死刑は人の生命を絶つ極めて重大な刑罰でございますから、その執行に際しましては慎重な態度で臨む必要があるものと考えております。それと同時に、法治国家においては、確定した裁判の執行が厳正に行われなければならないということも言うまでもないところでございます。 特に死刑の判決は、極めて凶悪かつ重大な罪を犯した者に対して裁判所が慎重な審理を尽くした上で言い渡すものでありますから、法務大臣としては、裁判所の判断を尊重しつつ、法の定めるところに従って慎重かつ厳正に対処すべきものであると考えております。
○横山信一君 まあ慎重に対処すべきことはいいんですけれども、大臣御自身のお考えはどうですか、残りの在任期間。
○国務大臣(平口洋君) 私の考えはただいま申し上げたとおりでございます。
○横山信一君 やらないと言ってくれれば格好いいんですけれども。事実、法務大臣の一定の期間、死刑執行がされなかったという、そういう期間もありました。そういう意味では、特に今回は冤罪の人たちをどうするのか。特に再審請求が出ている、死刑が確定しても再審請求が出ているという人たちに対しては、やはりここは慎重に対応すべきだと思いますし、慎重にというよりも死刑執行してはいけないという、そういう対応をすべきだというふうに思います。 凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況という、そういう、今もありましたけれども、重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないと。この考えの趣旨にあるのは、死刑というのが犯罪抑止力として働いているからだということなんでしょうか。 死刑が終身刑などの自由刑よりも強い犯罪抑止になるという確固たる証拠は実証されていません。我が国では、死刑を存続させるためには、その根拠の一つになっているこの犯罪抑止力、これを科学的にまず調査すべきだと考えますけれども、これも大臣の所見を伺います。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 一般に、刑罰は犯罪に対する抑止力を有するものと認識されておりまして、死刑も同様でございます。 また、これまで政府が行った死刑制度に関する世論調査において、死刑がなくなった場合、凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見がありますが、あなたはどのようにお考えになりますかとの質問に対しまして、増えると回答した者がいずれも過半数を占めております。このように、死刑が犯罪に対する抑止力を有することが広く認識されていることも死刑が抑止力を有することの表れであると考えられるところでございます。さらに、死刑制度の存在が長期的に見た場合の国民の規範意識の維持に有用であることは否定し難く、死刑制度は凶悪犯罪の防止のために一定の効果を有しているものと理解をしております。 もっとも、刑罰による犯罪の抑止効果については、その性質上、実証的な評価を行うことは困難でありますことから、現時点において、御指摘のような調査を行うことは考えていないところでございます。
○横山信一君 一般的にというふうに今大臣は表現をされましたけれども、確固たる科学的な調査はないんですよ、していない。だから、要するに死刑の根拠がないということなんですね。そういう意味では、しっかりと根拠づくりをして死刑をやるなら分かるんです、まあそういう制度をつくるなら分かるんですが、今ある制度の根拠がないと。 一つは、今大臣が言われた世論ということがありますが、この世論については、内閣府の基本的法制度に関する世論調査、先ほど大臣も紹介されていましたが、死刑もやむを得ないと答える人が八三・一%あるということが背景にある。また、今大臣が紹介されたように、死刑によって凶悪犯罪の抑止力になっているという、そういう調査もある。しかし、世界の潮流は死刑廃止ですから、何で先進国日本がまだ死刑をやっているんだという目で見られるわけですよ、国際社会の中では。 また、この世論調査の内容ですけれども、二択なんですね。死刑は廃止すべきである、そしてもう一つが、死刑もやむを得ない。この死刑は廃止すべきであるの対になっている答えが、何でやむを得ないになった。やむを得ない、すごく誘導的じゃないですか、これ。死刑は廃止すべきであるの反対だったら、死刑は存続すべきである、そうでしょう。それを何でやむを得ないに変えるんだと。いかにも恣意的な問い方をしているわけですけれども、これについてはどう考えますか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 お尋ねは令和六年実施の世論調査に関するものでございますけれども、御指摘の死刑制度の存廃に関する問いは、既存の制度としての死刑を全面的に廃止すべきであるか否かについての国民意識の動向を把握することを目的としたものでございまして、その回答の選択肢は目的に照らして合理的なものであると考えているところでございます。 すなわち、御指摘の問いは、現に死刑制度が存在することを前提として、これを廃止すべきであるか、それともそうでないかを問うものでございまして、そのそうでないという意見は、必ずしも積極的に維持すべきとする意見に限られるものではなくて、廃止すべきとは考えないことを意味するものであることから、死刑もやむを得ないとの回答選択肢になっているものでございます。 この選択肢につきましては、令和元年に実施した世論調査についても基本的に同じ内容でございまして、この令和六年の調査の実施に当たりまして、法務省で社会調査の専門家などによる検討会を開催して、この聞き方についても検討願ったのですけれども、この令和元年の世論調査における質問、回答選択肢について、基本的に修正する必要はないとの御意見をいただいたということでございます。
○横山信一君 これはどう考えても恣意的です、恣意的です。ですから、廃止か存続かと、それだけを聞けばいいんですよ。そうしたら、多分、答えは変わってくると思います。 まあ、余りこれをぎちっとやっているとほかの質問に行けなくなっちゃうので、性犯罪のことについてもちょっと伺います。 二〇二三年に成立した刑訴法の改正案では、附則の第二十条二項に、「性的な被害を申告することの困難さその他性的な被害の実態について、必要な調査を行う」というふうに定められておりますけれども、この調査、いつ行うのか、どうしていくのかを伺います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘のとおり、令和五年六月に成立した刑法改正法の附則第二十条第一項では御指摘のような調査の規定があるところでございます。 法務省におきましては、附則の規定の趣旨を踏まえて、施行後五年経過後の検討に資するものとなるように、必要な調査を実施して、性的な被害の実態の把握に努めているところでございます。 具体的には、例えば、不同意わいせつ罪や不同意性交等罪によって起訴された事件に関して、刑法百七十六条一項各号のいずれの、いろんな要件があるわけですけれども、そのいずれに該当するとされたのかであるとか、公訴時効の期間の延長に関しまして、事件発生から長期間が経過した後に処理された事案についての調査などを行っているところでございまして、こういった五年経過後の検討が充実したものとなるように、これは関係府省庁もあるところでございますけれども、これと連携しつつ、引き続き必要な調査を行って、準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 有効な調査を期待しています。 多分最後の質問になると思いますが、今、公訴時効も延びているということになりますけれども、特に幼いときに性被害を受けた、子供のときに性被害を受けた人たち、こういう人たちがこの声を上げるまで、告訴に至るまで相当時間が掛かるということが考えられます。そういう意味では、この公訴時効ということを、やはりこれ実施すべきなんではないかというふうに思いますけれども、最後、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 性犯罪につきましては、一般にその性質上、被害申告が困難であることなどから、令和五年の法改正によって公訴時効が期間が五年延長されたところでございます。 また、若年者は心身共に未熟であることから、被害申告がより困難であると考えられることを踏まえ、十八歳未満、被害者が十八歳未満である場合については、その者が十八歳に達するまでの期間に相当する期間、公訴時効期間が更に延長されたところでございます。 法務省としては、まずはそれらの規定が適切に運用されることが重要であると考えております。 その上で、改正法の附則では、政府において、施行後五年を経過した場合に、同法の施行状況を勘案し、性的な被害の実態等も踏まえつつ、速やかに施策の在り方について検討を加えることなどが定められておりまして、公訴時効の在り方についても検討の対象になり得るものと考えております。 法務省においては、附則の規定の趣旨を踏まえ、関係府省庁とも連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
○横山信一君 内閣府が二〇二三年に調査したところでは、この不同意性交の被害に遭って、誰かに相談するまでに十年以上掛かった人というのは二〇%いるんですね。そういう意味でも、この公訴時効についてはしっかりと見直すべきだということを訴えさせていただいて、質問を終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 昨日も、こちらの川合委員が事務局長しておられる、自殺対策基本法、二十年ということで大変努力をいただいて、感謝申し上げます。 その中で、日本の子供たちの自殺、これは本当に国際的にも問題視しなければいけないと思っております。G7七か国で子供の死亡の第一の原因が自殺だというのは日本だけです。その背景を含めて、私、この子供の最善の利益ということで、これまで離婚後の子供の幸せづくりについて質問させていただいたんですけれども、今日四問お願いしておりますが、時間が十分しかないので、急がせていただきます。 まず、子供の貧困の問題ですが、そもそも離別を、一人親というのは、日本がかなり特殊です。アメリカの方、あるいはフランスの方たちとかヨーロッパの人、話をしていて、一人親というのを、死別はそうですけど、離別まで一人親というのはおかしいんじゃないと言われたこともあります。 そんな中で、一人親に関わる福祉支援政策、どんなものがあるかということで、今日、こども家庭庁さんにお伺いしたいんですが、支援、手当、助成金、減免、割引、大変様々な制度がございます。私ちょっと調べただけで十数項目あるんですけど、それぞれの制度、具体的にいつ始まり、現在何万人くらいの受給者がいるのか、その全体的な財政規模など、分かる範囲でお願いしたいと思います。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。 令和六年に一人親家庭の暮らし応援サイト、「あなたの支え」というものを開設し、その中で、他省庁分も含めた支援事業の一覧を掲載しております。 こども家庭庁においては、一人親家庭等に対する支援として、児童扶養手当を始めとする経済的支援、子育て・生活支援、就業支援、養育費確保等支援の四つの柱により施策を推進しております。 幾つか御紹介させていただきますと、子育て・生活支援としては、家事などを支援する家庭生活支援員を派遣するひとり親家庭等日常生活支援事業を昭和五十年度から実施、令和六年度の利用者の延べ件数は二万八千四百二十三件となっております。 就業支援といたしましては、一人親家庭の親が資格を取得する際の訓練講座の受講期間中の生活の負担軽減を図ることを目的として、高等職業訓練促進給付金等事業を平成十五年度から実施、令和六年度の支給件数は八千五百八十件となっているところでございます。 また、これらの事業に係る財政規模でございますが、地方自治体分も含めた全体額をお答えするのは難しいところがございますが、こども家庭庁としては、関連予算として、令和八年度予算に児童扶養手当の額一千五百三十二億円を含めた一千七百四十六億円を計上させていただいているところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 金額的に一番大きいのが児童扶養手当だと思うんですが、これは、国が三分の一、都道府県三分の一、市区町村三分の一で、全体で五千億近いということの数字は把握させていただいております。 そういう中で、二点目ですけれども、今回ようやく、離婚の後も共同養育、共同親権が選べるようになったという、これは子供の最善の利益、子供の幸せに是非具体的に成果が出るようにお願いをしたいんですが。 離婚届の窓口のチェック欄に、親子交流約束しているか、養育費分担約束しているかとチェック欄が入りました。このチェック欄は、まあ普通ですと一年、二年、統計を取ってなんでしょうが、今回は、本当に新しく始まった制度ですので、できるだけ速やかに、来年にならないとこのデータ出ないということではなく、できるだけ速やかに統計的データ、別に全量調査でなくてもいいですけれども、試験的にでもデータ出していただけないでしょうか。つまり、四月一日施行されて、どこまで認知が進んでいるのかということをできるだけ速やかに把握する必要があると思います。質問二です、お願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 法務省では、これまでも、離婚届書のチェック欄を活用し、親子交流や養育費の取決めに関する実態把握に努め、その結果を公表してきましたが、御紹介のとおり、令和六年民法等改正法の施行に伴って、離婚届書の様式を改定し、新たに子育ての分担の取決めに関するチェック欄も設けたところです。 子供の利益を確保する観点から、共同養育計画の作成を促進するためには、離婚届書のチェック欄を活用し、共同養育計画の作成状況を把握するとともに、統計データを公表することが重要であると考えております。 チェック欄の記載の集計には一定の時間を要することを御理解いただきたいところではございますが、委員の御指摘も踏まえ、できる限り速やかな統計データの公表に努めたいと考えています。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。できるだけ速やかというのを、こちらが、どこまで普及して認識広まっているかというのを皆さんが把握できるような、そういう速やかな対応をお願いしたいと思います。 そして、共同養育計画、実は法案の中に共同養育計画が書き込まれなかったというのが、私は、今回の法案の一番の骨がないと。つまり、子供にとっては、日本は協議離婚九割です、そして判こ一つで、サイン一つで、まあ言うたら無法地帯に放り出される。それを阻止するのが共同養育計画の義務化です。ここのところはずっと言い続けて、結果的にはできなかったんですが、今回、ひな形を広く普及できるように、特に三谷副大臣、御尽力いただきましたけれども、ここのところ、共同養育計画がどれだけ現場で広がっているかということを、活用状況も調査、速やかにしていただけるでしょうか。三谷副大臣、お願いいたします。
○副大臣(三谷英弘君) 子供の利益を確保する観点から、共同養育計画の作成を促進することは極めて重要であるというふうに考えておりまして、これまでも法務省では、パンフレットや共同養育計画の重要性に関する動画等を活用した周知、広報を積極的に行ってきたところでございます。 今後、更に共同養育計画の作成を促進するためには、離婚届出書のチェック欄の記載状況だけでなく、法務省作成のパンフレットに掲載されている共同養育計画のひな形の活用状況や民間の支援の活用状況も含め、令和六年の民法等改正法施行後の共同養育計画の作成状況について適切に把握することも重要であるというふうに認識をしております。 協議離婚においては公的機関が関与しないため、離婚届出、離婚届書のチェック欄の記載から判明しない事情を統計的に把握することには困難もございますけれども、嘉田委員の問題意識も踏まえまして、共同養育計画の作成状況を適切に把握することができるよう、法務省としてしっかりと調査方法も含めて検討させていただきます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 いつも申し上げますけれども、市区町村の戸籍の窓口は法定受託事務で、なかなか地元でそれぞれに工夫できないというところですから、何としてもここは調べていただけたらと思います。 質問四点目なんですが、実は、表向きは令和八年三月なんですが、五月ですね、父母の離婚、別居等を経験する子の養育について子の意見等を適切に反映させる方策に関する調査研究報告書、なかなかこれ、タイトルも記憶できないほど長いんですが、大変大事な報告書を出していただきました。二百七十四ページあります。 ここの中で、いかに子供たちが離婚に直面して意見が言えないか、その意見というのは、あるビジョンを持つこと、あるいはイメージを持つことも意見というふうに幅広く捉えておりまして、そして、この調査報告書、今日はもう時間がないから中まで行きませんけれども、この後どう活用してくださるか、結果の概要や活用など、法務省さん、お願いできますか。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、簡潔におまとめください。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 法務省では、令和七年度に、子供の意見等を適切に把握し、離婚後等の養育に反映させるための支援の在り方を検討することを目的として、調査研究を委託して実施しました。この調査研究では、国内外の文献調査や子供の支援等に携わる方々に対するヒアリング調査、未成年期に父母の離婚等を経験した方々に対するウェブアンケート調査等が実施されたほか、子供や父母に向けた情報提供のモデルとしてウェブサイトやリーフレットが試作され、地方自治体や民間支援団体等の意見も踏まえ、情報提供や支援の在り方についての提言がされたところです。 調査研究の報告書では、今後の課題として、協議離婚の場面における父母に対する支援拡充の必要性や子供に対する情報提供等の支援拡充の必要性が指摘されています。この調査研究の成果については、支援に関わる施策を所管する関係府省庁等とも連携し、有効な活用を検討してまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。今後もまた続けて質問させていただきます。 以上です。終わります。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 本日は、生成AIや外国資本の土地買収を中心に質問します。 先日の野球監督の事件でも、生成AIに対する相談が話題となりました。本年二月に内閣府の消費者委員会が実施した生成AIに関するアンケート調査では、生成AI利用者のうち、十代女性の五二・四%が使用目的の一つに悩み相談を挙げています。また、対話型AIの日常的な利用者が気軽に相談できる相手として、対話型AIを一位にした人が一一・八%ということです。しかし、生成AIは本当に安全な相談相手たり得るのでしょうか。 アメリカでは、生成AIの利用が自殺の原因となり死亡したとして、オープンAIやグーグルなどAI事業者が訴えられる事例が起きています。アメリカの報道によれば、アメリカの連邦取引委員会、FTCは、令和七年七月九日、児童に与える悪影響について、アメリカのAI企業に対する実態調査を始めると発表し、アルファベットやオープンAIなど七社を対象に、児童への心理面への影響や中毒性などで有効な対策を取っているかどうかを検証するとのことです。 我が国のAI事業者ガイドラインにも、出力段階のリスクとして、生成AIが事実と異なることをもっともらしく回答するということや、倫理、法に関するリスクとして、利用者が精神的依存状態になる事例も報告されているとあります。 そうすると、生成AIが自殺を助長すると報告されたり、間違った情報を回答することがあるのは、これはなぜなのでしょうかと。一般的な生成AIの基礎となる大規模言語モデル、LLMがいかなる科学的原理に基づくことによるものなのかも含めて、政府にお尋ねします。
○政府参考人(恒藤晃君) お答えいたします。 一般論として申し上げますと、生成AIにおきましては、誤った情報や倫理上好ましくない回答など、不適切な出力をする場合があると承知をしてございます。 その主な要因といたしましては、生成AIは、あらかじめ大量のデータを学習し、前後の文脈を踏まえて統計的に確からしい単語をつなげて文章を生成するといった仕組みであることから、事実と異なる情報をもっともらしく出力する、あるいは不適切な情報を出力するといった場合があること、また、学習データに含まれる不正確な情報や偏りが出力結果に影響を及ぼすことなどが挙げられます。 以上でございます。
○安達悠司君 では、そうした現象が起きるのを防止することは可能なのでしょうか。
○政府参考人(恒藤晃君) 内閣府といたしましては、AI法に基づき昨年十二月に作成いたしましたAIの適正性確保に関する指針に基づきまして、不適切な出力の抑制に向けて最新の技術と知見を活用して取り組むよう促しているところでございます。こうしたことも踏まえまして、AIを開発、提供する多くの事業者におきましては、不適切な出力をできるだけ抑制するよう対策を講じてきているものと承知をしてございます。 とはいえ、生成AIの不適切な出力を完全に防ぐということは現在の技術では困難であるというのが一般的な理解であると認識してございます。
○安達悠司君 要するに、生成AIというのは統計学や確率論を基礎としていて、誤情報や倫理的に正しくない情報が一定程度避けられないのだとすると、やはりその生成AIの限界をきちんと国民に周知すべきだと思います。また、監督官庁もありませんので、そういった回答を発信する事業者の規制も行う必要があると思います。事業者は、防止が可能ならきちんとそうすべきであるし、防止がもうできないというのなら、相談相手にするのはやめるべきではないかということも考えなければなりません。 次に、法務省にお尋ねしますが、対話型の生成AIが自殺を助長するような回答をして自殺した場合、この場合はAI事業者に刑事上の自殺関与罪や民事上の不法行為責任が発生することはあるのでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でありますので、法務当局としてはお答えを差し控えますけれども、その上で、あくまで一般論として申し上げますと、刑法二百二条の自殺関与罪は、人を教唆し若しくは幇助して自殺させた場合に成立するものと承知しているところでございまして、例えば、生成AIを提供する事業者が、生成AIを利用して人を教唆し若しくは幇助して自殺させたと認められるような場合においては、自殺関与罪が成立することもあり得るのではないかと考えられるところでございます。
○政府参考人(松井信憲君) 私からは民法を所管する立場から御答弁申し上げますが、お尋ねのような事案においてAI事業者が民法上の不法行為責任を負うかどうかについては、個別の事案における具体的な事情に即して判断する必要があり、一概にお答えすることは困難でございます。 その上で申し上げると、民法七百九条において、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定されております。一般論としては、AIが自殺の教唆等に当たる回答をした場合においてAI事業者の不法行為責任を負うかどうかについては、個別の事案における具体的な事情に即して、AIによる回答が利用者の自殺という結果を生じさせることについての予見可能性の有無、そのような結果を回避するため当該回答を防止できるような合理的措置を講じたかどうか、当該回答と自殺との間の因果関係の有無等を踏まえて判断されるものと考えております。
○安達悠司君 要するに、事業者が自殺防止のための安全配慮に関していかなる注意義務を負っているかということであり、また、具体的注意義務としてとるべき措置や対策の中身というのを、これは、日本でもこのような、自殺のような、あるいはそれを訴えるような事件が起きる前に、きちんと規制をしなければならないのではないかと思います。 次に、次の質問、ちょっと次飛ばして、一旦、三から行きまして、二を後回しにさせていただきますが、三の外国資本による土地買収についてお尋ねします。 外国資本による土地買収は続いていて、京都でも長らく話題でありますし、また、参政党も、四年前の参議院選挙のときでも、外資や外国人による土地買収を規制すべきだと主張しておりましたし、今も政策に掲げています。外国人や外国資本による土地買収の規制やまたその規制のための実態把握と、実態調査というのが必要だと思います。 政府は昨年十一月に、不動産保有の実態把握に向けた具体的な取組の指示があり、そして法務省で今年の三月三十一日、配付資料の三枚目なんですけれども、不動産登記規則を改正する省令を公布しまして、そして、不動産登記申請時における国籍提供、つまりその申請時に、申請者がいかなる国籍なのかという国籍提供の義務化を行いました。十月五日から効力が発生するとのことですが、これは国会審議も経ていないので、余り国民にも周知されているとは思えません。 この目的は、なぜこれを、この省令改正をやったのかというと、外国人による不動産保有の実態把握や、また相続登記の円滑化のためと説明されますが、なぜこうした改正を行ったかについて、立法事実に当たる改正の背景について具体的な説明を求めます。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 不動産の所有権の登記名義人の国籍を登記所において把握することは、国土の適切な利用及び管理の観点から、外国人による不動産保有の実態を把握するために必要でございます。また、所有者不明土地の発生を予防するため、令和六年四月から相続登記が義務化されましたが、不動産の所有権の登記名義人が死亡した場合に適用される準拠法はその者の国籍によって定まることから、国籍を登記所において把握することは相続登記をより適正かつ円滑に実施することにも資するものでございます。 そこで、法務省では、所有権の登記名義人の国籍を把握するため、本年三月に省令を改正し、本年十月五日から所有権の移転の登記等の申請をする際に、所有権の登記名義人となる者は国籍を申し出るものとしたものでございます。
○安達悠司君 自然人、個人はいいんですけれども、法人はどうなのかということですね。 例えば、法人の場合、外国資本であることの把握はできるんでしょうか。これについて、設立準拠法国、つまり、どこの外国法人なのかは言わないといけないけれども、例えば日本で株式会社や合同会社を設立し、その法人の資本や出資に外国人が関与していたとしても、これは外国人や外国資本として把握することができないという理解でよいでしょうか。そうすると、不動産登記の申請において法人の資本関係を把握することに今回踏み込んでいない理由は何ですか。また、法人の実質的支配者の把握強化に向けた検討状況についても説明を求めます。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 所有者不明土地対策のため、令和三年に改正された不動産登記法では、所有権の登記名義人の識別性を向上させる措置として、内国法人については会社法人等番号を登記事項に追加するとともに、外国法人については設立準拠法国を登記事項とするものとされ、令和六年四月から施行されております。このように、法人については、既に内国法人か外国法人か、外国法人である場合にはその設立準拠国はどこかを登記事項により把握することができるために、今回の省令改正では法人に関する改正は行っておりません。 不動産登記は、取引の安全と円滑に資することを目的として、不動産の所有権等を公示するためのものでございまして、所有者が誰かを超えてその所有者の資本関係まで把握することについては、不動産登記制度の目的との関係で困難と考えられたものでございます。 他方で、委員御指摘のような法人の実質的支配者の把握強化については、マネロン対策を始めとした様々な政策目的から要請されている課題であると承知しておりまして、現在、関係省庁と連携して検討を進めているところでございます。
○安達悠司君 要するに、不動産登記では、これ外資、外国資本であるかどうかの実態把握はできないということになりそうなので、やはりそこもきっちり対策を尽くしていただきたいと思います。 また、我が国では、外国人や外国法人でも土地の取得が認められていますが、土地というのはやっぱり公共性があり、外国人の利用が進むと国民の土地利用が制限されたり、また本国を本拠とする外国人に対する権利行使は困難であることもあるため、禁止ないし制限することは合理性があり、ほかの国でも、例えば、スイスでは州官庁の許可制だったり、オーストラリアでは事前の審査があったり、またイギリスでは追加課税があったり、いろんな規制を行っていることが多いです。 外国人土地法に基づいて政令を定めるなどの方法によって、我が国でも外国人の土地取得を禁止又は制限する必要があるのではないかと思いますが、そのことにつき、大臣はどのように考えますか。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 外国人土地法は、外国人の土地取得等の制限の態様等を政令に包括的、白紙的に委任しているため、憲法第四十一条に違反するおそれがあることなどが指摘されております。したがいまして、同法に基づいて外国人の土地取得を制限することは困難であると考えております。 他方で、現在、政府においては、外国人の土地取得の在り方等について検討を進めているところでございまして、本年の夏までにその骨格を取りまとめることとしております。法務省としては、民法等の民事法制を所管する立場から、関係省庁における検討に必要な協力をしてまいりたいと考えております。
○安達悠司君 これ、しっかり進めていただきたいと思います。 最後に、二番の電動キックボードの話に入ります。 町で時々見かけるこの電動キックボードは、令和五年七月一日から、特定小型原動機付自転車と位置付けられ、運転免許が要らないなどの新しい交通ルールが適用されています。シェアリングタイプも含め、電動キックボードは特定小型原付として原付に分類されて、時速二十キロまで出て、車道走行が義務付けられますが、立位、立って乗るために重心が高くなり、急ブレーキや急ハンドルも気を付けないといけないですし、またヘルメットの着用も義務化はされていません。 昔、子供がキックボードで道路に遊ぼうとするとそれは駄目よと言われたのに、今はそれが道路で走っているわけですけれども、やはり自動車の側から見ても、転倒リスクが高く見えたり、あるいは歩行者にとっても危険だといった声も国民からはあります。 政府が、この特定小型原付に位置付けて、電動キックボードを運転免許なしで解禁した理由は何ですか。また、免許停止や免許取消し、免許制度上の違反者講習、外免切替えなどの制度がこうしたものには存在しませんが、電動キックボードの交通ルールについて、外国人も含め、利用者に対してどのように周知徹底を行っているのですか。
○政府参考人(阿部竜矢君) お答えいたします。 まず、前段のお尋ねでございますが、いわゆる電動キックボードにつきましては、従来、原動機付自転車等に区分されておりましたが、その使用実態を見ると自転車並みの速度でしか走行しないものもあり、一般的な原動機付自転車等と同等に扱うことが必ずしも適当ではない場合も認められることを踏まえ、電動キックボードのうち、その大きさ、構造上の最高速度等が自転車と同程度であるものにつきましては、自転車と同様の交通ルールを定めることとし、自転車と同様にその運転に免許を要しないこととしたものでございます。 また、後段のお尋ねでございます、交通ルールの周知についてのお尋ねでございますが、特定小型原動機付自転車関連事故の約九割、八五・八%がシェアリングを含むレンタルによるものであることから、特定小型原動機付自転車の安全な利用のためには、特にシェアリング事業者が利用者に対して交通ルールを周知することなどの安全対策を講じることが重要であるというふうに考えております。 これを踏まえ、関係省庁、関係事業者から成るパーソナルモビリティ安全利用官民協議会においてガイドラインを作成、策定し、事業者においては、これに基づいて、交通ルールの周知を含めた各種交通安全対策を推進しているところでございます。例えば、シェアリング事業者においては、スマートフォンを利用して、アカウント作成時に交通ルールの理解度を測るテストを実施し、テストを受けた者でなければサービスを利用することができないといった取組が行われております。 また、警察におきましては、特定小型原動機付自転車に関する広報啓発資料を多言語で作成、公開するなど、外国人を含めた利用者に対する広報啓発活動を行っております。さらに、警察におきましては、信号無視や歩道走行といった悪質、危険な違反の取締りを行うとともに、違反行為を繰り返す者に対しては、特定小型原動機付自転車運転者講習を実施しているところでございます。 引き続き、事業者と連携した特定小型原動機付自転車の利用者に対する交通ルールの周知を推進するとともに、悪質、危険な運転者対策を講じてまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○安達悠司君 はい。 あと、国土交通省にも損害賠償責任や自賠責保険についてもお尋ねするつもりだったんですが。 やはり、電動キックボード、原付の仲間なのか自転車の仲間なのか、どちらかというときに、結局、タイプとしては原付なんだけど、自転車と同じように運転免許要らないとなったことから、様々なやはり国民の間で不安やトラブルも起きていると思いますので、引き続きこれをしっかりと規制を行っていただきたいと思います。 私からは以上です。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 再審法見直しの政府案について、お手元に衆議院の議事録をお配りしていますけれども、六月十二日、稲田議員の質問に対して刑事局長が、証拠提出命令の新設によって、裁判所に提出される証拠の範囲は広がることになると答弁をされているんですが、これはどのような意味でしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の証拠提出命令制度は、裁判所による勧告や検察官による任意での提出、開示といった従来の実務運用を前提に、これに加えて導入するものでございます。今お配りの資料にも書いてあるとおりでありますけれども、従来であれば、証拠の提出を勧告するか否かにつきまして裁判所によって判断がまちまちとなっていたり、それから、証拠を提出するか否かをめぐって検察官と弁護人との間で争いが生じて、検察官が当該証拠の提出を拒否していたような場合であっても、改正後においては、一定の要件を満たす場合は裁判所は証拠の提出を命じなければならず、また、提出を受けた、提出命令を受けた検察官はその証拠を提出しなければならないことから、これにより、裁判所に提出する証拠の範囲は広がることになると考えておりまして、御指摘の私の答弁は以上のような趣旨を申し上げたものでございます。
○仁比聡平君 つまり、一定の要件を満たす場合にはという大きな留保付きではあるんですけれども、これまでなかった証拠開示義務を適切に定めるなら、再審格差をなくして、非常救済手段にふさわしい全面証拠開示は実現できるということだと思うんですよ。問題は、その要件をどう定めるか、それから、再審請求人への開示を制度として実現するということだと思います。 この政府案に対して、再審審議に関与してこられた元裁判官たちの共同声明、以前もこの委員会で取り上げましたけれども、こう言っていますよね。再審請求事件の審理の現状を直視すれば、現状を肯定的に評価することなど到底できないはずである、裁判所が職権によりある程度広範な証拠開示を求める場合もある現状よりも、明らかに証拠開示の範囲を狭める結果をもたらすもので、改悪以外の何物でもない。これが政府案に対する厳しい指摘なわけですが、局長は、逆に広くなると言うんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 再審請求における裁判所による従来の実務運用というのが何を指すかということでもあるかと思うんですけれども、この運用上の措置、これは明文の規定もなくて、要件、効果も定まっていないということでございますので、このような運用上の措置の対象の証拠の範囲をどう取るかという話についてはなかなか個別の事案ごとに難しいところがあるとは思っていますが、私どもがいわゆる法制審議会をやったりする中では、裁判所側の委員であったり、それからヒアリングで来ていただいた現役の裁判官であったり、元裁判官でありましたり、あるいはその法制審の中で、裁判所側委員から御紹介があったんですけれども、東京地裁の部総括あるいは立川支部の部総括らが集まって勉強会を開いた中の中では、この証拠の提出命令制度によって幅広い範囲の証拠が提出されることになると、これは有益であるというような御意見が示されていたというふうに認識しているところであります。 その上で、この再審請求理由に関連するとは再審請求理由についての判断に資するという意味でございまして、相当な広がりを持つものであることから、これを対象とすれば、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されることとなると考えているところでございます。 加えまして、この制度は従来の実務運用を否定するものではございませんので、これは導入後においても裁判所による検察官に対する証拠の提出、開示等の勧告は適切に行われるものと考えており、この点につきましては、衆議院における法案の修正により、附則にその旨を明示する規定を設けることとされたところでございます。
○仁比聡平君 全くはっきりしないと。この政府案が規律するという制度について、請求理由に関連するというのが広くなるというような根拠というのは全くはっきりしない。そもそも、手持ち証拠というのは、再審請求人、弁護人にも、それから裁判所にも分からないわけですよね。検察官が強大な力で収集した捜査資料を独占して、これを公判廷になっても出すか出さないかという判断を握ってきたということに根本の課題が私はあると思うんですよ。 政府案の場合も、今お話しのように、これまで行われてきた裁判所による証拠開示の勧告ということについては変わらないというふうにおっしゃるんですけれども、この勧告に応じるか応じないか、自分たちが手持ちで持っている証拠、これがその勧告に当たるのかどうかの判断も含めて、結局、検察官の判断で行われると。法律に規定する証拠提出命令の要件ではなくて、裁判所による裁量で勧告が行われる場合に応じるか応じないかというのは検察官の判断だと、これはこれまでと変わりませんね。
○政府参考人(佐藤淳君) 今回創設する証拠提出命令制度は、裁判所に証拠の提出命令を出す義務を負わせるものでもございまして、検察官にその、それに提出を命ずる義務を、提出する義務を負わせるものでございますので、そのような意味で、広がるのは疑いないと、そのような場合に広がるのは疑いないと思っているんですけれども、勧告の場合において、検察官がどのような証拠を持っているかということについて分からないのではないかという御指摘だと思いますけれども、今回の証拠提出命令制度におきましては、裁判所がその関連性の有無を調べるために証拠の提示、あるいはその一覧表の提示を裁判所が検察官に命じる、求めることができることとされておりまして、裁判所としては、例えば、全てのこういう証拠、こういう例えば供述調書一切であるとか、この鑑定に関わる、その鑑定結果などとして再審請求と理由と関連するものを、あるいは関連しないかどうかも含めて、一定の証拠を検察官に提示させることができる。その上で、関連性があると認めれば、それを提出させて、弁護人にも、弁護人側にも見られるようになるということでありまして、そのような意味で、相当、その関連性の範囲も含めまして、そういうことを裁判所がはっきり確認できる、インカメラも含めて確認できる手続も整備されておりますので、そういう意味で、証拠の範囲というものは裁判所の適切な判断によって行われることになると考えているところでございます。
○仁比聡平君 結局、政府案が規律しようとする証拠提出命令と、その際にあるかもしれないインカメラとしての提示命令ということについてのお話をしているだけで、ちなみに、その提示命令というのは再審請求人側には開示をされないわけですから。だから、結局、裁判所の判断に全部委ねられてしまうということで、これまでとどう変わるんだというこの争点は法案審議の中できちんと議論していきたいと思うんですけど。 今のようなお話を長く答弁されても、これまでの裁量によって広く行われてきたと元裁判官たちが示しているこの勧告について、検察官が判断して応じる応じない決めることになるじゃないかという点については、お答えはないですよ。 この検察による証拠隠しという、これがどれだけ冤罪をつくり出してきたか。四月十四日のこの委員会で私、福井の女子中学生殺害事件について、六人の目撃証言は実はうそだったと、その信用性はないという証拠、捜査報告書を第一審の福井地裁の公判中に検察官はつかんでおきながら、一審の判決は無罪でした。ところが、これに控訴したと。 あり得ないということを大臣に申し上げましたけれども、自民党のこの法案審査の部会に法務省としての検証が出されたということで、私もいただいて読んでみると、この稲田議員の質問にあるとおりなんですよ。現在の視点から見れば消極的というだけなんですね。 大臣、こんなことで済むんですか。無罪だという証拠を知りながら、一審の無罪判決に対して検察が控訴した。これはあり得ないんじゃないですか。
○国務大臣(平口洋君) お尋ねは個別事件における検察当局の活動内容に関わる事柄でありまして、法務当局としてはお答えをすることは差し控えるわけでございますけれども、その上で、検察当局においては、令和七年七月、御指摘の事件の再審無罪判決を受けて上訴権を放棄するに当たり、同事件における捜査、公判上の問題点等について、それまでの訴訟経過を踏まえて部内で検討を行い、その結果を踏まえた反省点を明らかにするとともに再発防止策を周知したところ、御指摘の報告書は、本年四月の段階で法務当局において検察当局が部内で行った検討内容の詳細を確認し、その内容を取りまとめたものでございます。 御指摘の報告書においては、御指摘の事件の再審請求審における検察官の対応について、第一次再審請求審における特に当初の対応については、現在の視点から見れば消極的とも受け取れる対応を取っていたものと言わざるを得ないとしているが、これは同事件の再審請求審における証拠開示に関する一般的な対応について記載したものであり、御指摘のテレビ番組の放送日に関する捜査報告書の取扱いに関しては、法務当局が取りまとめた御指摘の報告書上、第一次請求審で検察官による是正措置がとられることのないまま、結果的に第二次請求審に至って開示されたことに関して、再審無罪判決において、確定審検察官がこの誤りを適切に是正していれば、そもそも再審請求以前に確定審において原審の無罪判決が確定していた可能性も十分に考えられると指摘されることについて厳粛に受け止めているというふうにされているところでございます。 その上で、検察当局においては、御指摘の捜査報告書に関する検察官の対応を批判する裁判所の指摘を重く受け止め、真摯に反省し、これを教訓とすべきであるとの考え方の下、確定審及び再審請求審に共通する再発防止策として、検察官の従来の主張や証拠に誤ることが判明したならば、速やかにそれを撤回し、必要に応じて裁判所や弁護人に経緯の説明や関係証拠の開示を行うなど、適切な是正措置を行う必要があることなどについて通知を発出した上、その内容を全国の検察官に向けて周知し、一層職務の適正を意識した捜査・公判活動の徹底を図ったものと承知をしております。 やや長い答弁で申し訳ございませんでした。
○仁比聡平君 いや、つまり、個々の事件の問題じゃないでしょう。 私、今日聞きたいのは、その大臣がおっしゃった捜査報告書、これ高検、最高検が知ったのはいつなんですか、局長。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘の事件における検察官の対応につきましては、現在、検察当局におきまして、この事件に関与した検察官のヒアリングなどの調査が進められているものと承知しているところでございます。 御指摘の点、関与検察官やその上司がその問題を把握していたのかどうかということなどにつきましても、この調査の中で可及的に明らかにされるものと承知しているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○仁比聡平君 ちょっと時間がなってしまいましたね。 控訴の判断あるいは証拠というのは、これは一人の検察官が、などということではないんですよ。組織として共有して判断していくんですね。 この福井の事件で言えば、だから高検、最高検、それから第一次再審請求審を担当した地検、高検、そして第二次請求審を担当した検察組織が全部一件記録を引き継いでいったわけですね。この現場から最高検の幹部まで膨大な数の検察官がこれに関与している、この捜査報告書の存在を知っていたわけですよ。それを知りながら組織ぐるみで冤罪をつくり出してきたのか。ここに今回の法改正に当たっての立法事実があるのであって、私は、高検、最高検が知ったのはいつかという点について、この委員会にちゃんと明らかにするということを強く求めたいと思います。 委員長、是非協議をお願いします。
○委員長(伊藤孝江君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○仁比聡平君 終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。よろしくお願いします。 本日は入管行政について御質問します。 令和三年に出入国在留管理局の収容施設に収容されていたスリランカ国籍の女性が死亡する事案が発生しました。この点については、重大なもので、入管庁も重く受け止め、対策を講じられたものと認識しています。他方で、そうした事案が起きたからといって、本来収容すべき者を簡単に放免するようなことになってはいけないというふうに考えています。 難民支援等について専門性の高い弁護士から聴取したところによりますと、令和三年の死亡事案以降、例えばハンガーストライキをすれば仮放免で出られるという運用になっていると言われています。令和三年の事案を受けて、入管当局でそのような運用の変更が実際にあったのでしょうか。お聞きします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 御指摘の事案の前後で仮放免の法律上の要件に変更はなく、これは令和五年の法改正まではということでございますね。体調不良者について仮放免を行うという基本的な考え方に変更もございませんが、出入国在留管理庁では、当該事案を踏まえた改善策の一つとしまして、令和三年十二月二十八日、体調不良者等に係る仮放免運用指針を策定、発出し、医師の所見に基づき、仮放免すべき者については仮放免するなどの運用を明確にしたところでございます。 具体的に申し上げますと、この運用指針では、加療が必要であり、かつ収容継続によって生命を保つことができないおそれ又はその健康状態を大きく害するおそれがある旨の医師の所見が付された者などについては仮放免を許可するなどしているところでございます。 したがって、ハンガーストライキを行えば仮放免を許可するという運用はしておらないところでございます。 出入国在留管理庁としましては、引き続き仮放免制度を適切に運用してまいりたいと考えております。
○北村晴男君 体調不良者についての運用変更ということですけれども、実際にハンガーストライキをすればこれは大抵体調不良になりやすいですね、それが継続すれば、医師としてはこれを放置すれば収容に耐えられないというふうに判断するほかないように思います。であるとすれば、結局のところ、ハンガーストライキを継続すれば仮放免が得られるということに事実上ならざるを得ないというふうに考えます。 さて、資料一を見ますと、新型コロナ蔓延時、つまり二〇二〇年から二二年には、仮放免率、これ仮放免の許可率ですね、これは八九%から九八%になっている、これ自体はまあそういうことなのかなと、密を避けるということで仮放免が多かったのかなというふうに理解はできるところです。ところが、その前後を見ますと、その前は三二%とか五一%、そしてその後、つまり令和三年のこの先ほど指摘した事件があった後は、令和五年、令和六年と、新型コロナが収まった後も、八六%、八三%というふうに高止まりしていると、許可率は高止まりしているというふうに見ざるを得ません。 このことから、どうも先ほど申し上げた点があるのではないかというふうに推測せざるを得ないところですが、ここで問題なのは、御本人の意思によらずに体調不良になってしまった方と、それから自身の意思によって食事を拒んで、そして体調不良になりかかっている者、これを同一に扱うというのは、これは明白な間違いなのではないかというふうに指摘しておきます。 ちなみに、例えば不法滞在者は犯罪者ではないなどと言う方がおられますが、それは誤りだと認識しています。不法滞在は入管法違反で三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処せられるべき犯罪行為であります。そうした犯罪者にやすやすと収容所を自分の意思で脱出するすべを与えてはいけない、これは当然のことだと考えています。ですから、仮にハンガーストライキをする方がおられれば、これはまず食事を取るように説得し、その上で栄養剤などの点滴を試みるなどすべきであり、その場合に、例えば、後にマスコミなどから事実に基づかない非難を受けることがないように、その状況を録画するなどして適正な法執行を行うべきだと考えています。 いずれにしても、自分の意思による行為で簡単に仮放免が認められるというような事態は絶対に避けるよう知恵を絞っていただきたいというふうに考えています。その場合には、例えば、未決勾留者によるハンガーストライキ事案の対処の仕方などを考慮していただきたいというふうに考えています。 次に、在留特別許可についてお聞きします。 近年の在留特別許可の件数を調べますと、令和三年のベトナム人に対する在留特別許可件数が突出して多いことが分かります。資料の二と三でございます。これによりますと、ベトナム人に限りましても、この二〇二一年は七千四百五十件、在留特別許可が出ていますね。その前後は二百件程度、まあ多くても二百件程度ということで、極めて突出して多いわけですけれども、これはどういう理由なのでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 令和二年から生じた新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、本国への帰国を希望するものの航空機が手配できないため、送還又は出国命令による出国ができていない不法残留者が多数いたところでございます。 当庁は、令和二年十二月から、このような不法残留者のうち、定期便が運航しておらず臨時便の運航のみの国籍国の者など、一定の条件を満たす者に対し、人道上の観点から、出国が可能となるときまで在留特別許可とする運用を行っていたところでございます。御指摘の令和三年に在留特別許可がされたベトナム人の多くも、この運用の結果、在留特別許可がされたものと思われます。 その上で、令和三年のベトナム人に対する在留特別許可件数が他の外国人に対するものより多かった理由につきまして一概に申し上げることは困難でございますが、ベトナムが令和三年一月一日時点で不法残留者数が最も多い国であって、かつ定期便が運航しておらず、臨時便の運航のみの国籍国とみなされていて、ベトナム人が先ほど御説明した運用の対象となりやすかった、こういうお立場にあったということが、ベトナム人に対する在留特別許可件数が多くなった理由の一つとして考えられるところでございます。 いずれにしましても、ベトナム人についてのみ在留特別許可の判断基準を変えたということはないところでございます。
○北村晴男君 ここで、この資料一に、失礼、資料の二と三で比較してもらいますと分かるように、他国、ほかの国はですね、全く変わっていない。しかも、同じ新型コロナが蔓延した時期、三年間で比較しても、この年だけベトナム人が多いわけですね。これ、今の御説明ではなかなか理解しにくいところ、納得しにくいところでございます。 これは、これだけ突出して特別在留許可が多いと、それについての原因調査というか原因判断は、当時、明確に庁内で調査が行われて結論を出した、その結果を今御答弁されたという理解でよろしいんですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 当時、そこまでの検討はしていないと。現段階から遡って我々がこう認識しているということでございます。
○北村晴男君 これだけ数が違うと、当然、その時点で、入管庁の方々は、ほぼ全員の方、これに関わった方は分かっているわけなんで、この原因を当時調査しないということはあり得ないことだと思います。恐らくこれはまあ様々な、合理的な説明がないと、現時点で遡って推測したらこうなりますと言われても、それは違うだろうと。合理的な説明がなされないと、様々な臆測が乱れ飛ぶということにならざるを得ません。 例えば、ベトナム当局からこの件、物すごい圧力が掛かったんだろうかとか、あるいは、ベトナムから労働者を受け入れている機関に関与する政治家、大物政治家などからの圧力ではないかとか、そういった、根拠があるかどうかよく分からないような臆測も乱れ飛ぶようなことにならざるを得ないので、これ、是非とも、先ほどの説明では全く納得できないところなので、きちんと調査していただきたいというふうに考えています。 そもそも在留特別許可というのは、本来退去強制の対象となる外国人について、人道上の理由など特別な事情を考慮して法務大臣が例外的に日本での在留を認めるものですから、この突出した数というのは、到底先ほどの御説明では理解できないところでございます。 さて、次の質問に移ります。 現在、政府は、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランを施策として打ち出していますが、過去に似たような施策を講じたことがありました。平成十六年から二十年までに小泉政権下で実施された不法滞在者五年半、失礼、五年半減計画のことです。 この約二十年前に実施された半減計画と比較して、現在講じられている不法滞在者ゼロプランの方向性に大きな違いがあるのであれば、できるだけ簡潔に御教示ください。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 委員お尋ねの半減計画につきましては、平成十五年当時、不法滞在者が約二十五万人存在している状況に鑑み、これを半減させるため、不法滞在者を日本に来させない、入らせない、いさせないを三本柱に総合的な施策を実施したものでございまして、具体的には、個人識別情報を活用した入国審査の実施、摘発体制の整備、強力な摘発の推進、出国命令制度の実施等の施策を進め、令和十六年一月一日、失礼、平成十六年一月一日現在の不法残留者数は約二十二万人であったところ、平成二十一年一月一日現在の不法滞在者数を約十一万人に半減させたものでございます。 他方、今回のゼロプランは、不法滞在者ゼロを目指すことを理念として、入国管理、在留管理・難民審査、出国・送還の三段階に分け、各段階における具体的な対応策を取りまとめたものでございまして、その上で、例えば、退去強制が確定したにもかかわらず我が国から退去しない者を放置すれば更にこういった者を誘引することにつながりかねないことから、退去強制が確定した外国人を速やかに送還することが重要であるとの考えに基づき、退去強制が確定した外国人を令和六年末現在の三千百二十三人から令和十二年末までに半減させることを当面の目標としております。さらに、本年五月に発表した強力推進パッケージにおきましては、要因分析を行いまして、様々な施策を取りまとめているものでございます。 先ほど不法残留者数を約十一万人と言いましたんですけれども、あっ、不法滞在者数を約十一万人と申し上げたんですけれども、不法残留者数の間違いでございます。 それぞれのゼロプランと半減計画では、そのときの状況を踏まえて施策を検討していることから、若干差異はございますが、いずれも縮減する、不法滞在する外国人を縮減するという考えに基づくものであることから、その理念に変わりはないところでございます。
○北村晴男君 不法滞在者五年半減計画の期間、すなわち二〇〇四年から二〇〇八年までにおける在留特別許可の件数は、約五万件とのことです。五年間で約五万件ですから、平均約一万件程度です。これに対し、近年の在留特別許可件数を見ますと、先ほど言及した令和三年を除き、大体一年当たり一千件から一千五百件で推移しています。 数字だけ比較して見ますと、不法滞在者五年半減計画のときには、数値目標達成のために在留特別許可を簡単に認めていたのではないかと考える方々がおられますけれども、それについてはそういった事実があるのかどうか、教えてください。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答えを申し上げます。 平成十六年から平成二十年までの五年間に、不法入国者や不法残留者等の入管法第二十四条に規定する退去強制事由に該当する外国人に対して退去強制手続又は出国命令手続を取った件数、つまり入管法違反事件の件数は二十五万三千八百十七件であるところ、同期間中に在留特別許可をした件数は四万九千三百四十三件でございまして、その割合は入管法違反事件の件数全体の約一九・四%にとどまります。 また、不法滞在者五年半減計画及びその前後五年間に当たる平成十一年から二十五年までの入管法違反事件の件数に対する在留特別許可件数の年別の割合は、最小で八%、最大で約三五%となっており、おおむね一〇%台から二〇%台で推移しているところでございます。 したがって、こういうふうな割合で見ていけば、不法滞在者五年半減計画の期間において、その他の期間と比較してより多くの在留特別許可をしたものとは言えず、数値目標達成のために安易に在留特別許可をしていたという事実はないものと認識しております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○北村晴男君 ありがとうございます。今の御説明は数字的に納得できるものだと理解しています。 時間になりましたので、以上で終わりにします。
○委員長(伊藤孝江君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会
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