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国会会議録

法務委員会

第221回 · 参議院 · 第14号 · 2026-06-11

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-18 23:31 JST 記録 #3219 ↗

発言 110

会議録情報

令和八年六月十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月九日     辞任         補欠選任      進藤金日子君     有村 治子君      若井 敦子君     山崎 正昭君  六月十日     辞任         補欠選任      山崎 正昭君     西田 英範君  六月十一日     辞任         補欠選任      鈴木 宗男君     朝日健太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         伊藤 孝江君     理 事                 古庄 玄知君                 こやり隆史君                 打越さく良君                 川合 孝典君                 横山 信一君     委 員                 朝日健太郎君                 有村 治子君                 岡田 直樹君                 鈴木 宗男君                 西田 英範君                 福山  守君                 山谷えり子君                 泉  房穂君                 牧山ひろえ君                 小林さやか君                 嘉田由紀子君                 安達 悠司君                 仁比 聡平君                 北村 晴男君    事務局側        常任委員会専門        員        武蔵 誠憲君    参考人        一般社団法人全        国手をつなぐ育        成会連合会顧問  久保 厚子君        新潟大学法学部        教授       上山  泰君        公益社団法人日        本社会福祉士会        参事       星野 美子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○民法等の一部を改正する法律案(閣法第四三号)(衆議院送付) ○民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(閣法第四四号)(衆議院送付)     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、若井敦子さん及び進藤金日子さんが委員を辞任され、その補欠として有村治子さん及び西田英範さんが選任されました。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 民法等の一部を改正する法律案及び民法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。  本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問久保厚子さん、新潟大学法学部教授上山泰さん及び公益社団法人日本社会福祉士会参事星野美子さんでございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、久保参考人、上山参考人、星野参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず久保参考人からお願いいたします。久保参考人。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) 全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。  本日は、このような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。  私どもの会は、知的障害のある本人と家族、活動に賛同する方々で構成をし、全国全ての都道府県に育成会を組織している団体でございます。  本日は、二〇二一年に当会で成年後見制度に関するアンケート調査を各都道府県、政令市の育成会に三十人ずつ依頼をし、千六百五十人中、千三百八十六人の回答がありました。その報告書を御説明申し上げながら、私ども育成会が望む成年後見制度を申し上げたいと思っております。  まず、アンケート結果を見ていただきますと、五ページの一番下のQ2でございますけれども、成年後見制度の認知度は八三%でございました。成年後見制度を利用している人は、そこのQ3になりますけれども、約一〇・九、利用していない人は八七・八%でございます。そして、Qの4の(2)でございますけれども、後見人は親族後見七〇%、複数後見は六%、専門職は一四%でございました。  それから、ページ七のQ4の(4)になりますけれども、利用した理由は、相続等が二七・五%、親の高齢化二四・二%、その他二二・八%、その他の内容は福祉サービスとか介護保険の契約が二〇・八%ございました。それとあとは、良い制度と思ったので利用したというのが一八・八%ありました。  利用しての問題点でございます。八ページ以降になります。成年後見制度を一度利用したら一生止められない、そして、報酬は高い、本人のお金を本人のために使えない、本人の様子を見に来てくれない、身上保護をしてくれないのに報酬だけ毎月払い続けなければならない、本人の気持ち、意思を排除して後見人が全て決めてしまう、障害のことや障害福祉サービスのことを余り分かっておられない人たちで全て決められてしまう、こうした意見は回答のグラフにも自由筆記にも大変多く書かれております。  私たちの願いは、成年後見制度は人生の伴走者のようであってほしい。要するに、視覚障害の方がランナーとして走られるときに伴走者がおられます。その伴走者は、そのランナーの息遣いだとか足音だとか表情だとか、そういうものをしっかり受け止めながらゴールを目指されるということになりますので、そのような成年後見制度であってほしいというふうに思っております。  誰のための、何のための法律なのかをよく考えていただきたい。本人のできることは本人がする、できないところだけ本人の気持ちをよく聞いて手伝う、支援をする、そんな制度にしてほしい。成年後見制度のお品書きですね、これとこれとこれとができますよというのがあって、それを、本人が手伝ってほしいことを選べるような制度であってほしい。  そして、遺産相続で成年後見制度を利用すると、その後は特に何事もなく暮らしているのに後見人に報酬を払わなければならないので、必要なときだけ利用できるようにしてほしい。要は、障害基礎年金で暮らしている障害者の方がほとんどでございますので、その収入だけで、親がいなくなったらその収入だけで生きていかなければならないということでございますので、一級年金は八万八千円ぐらい、二級年金は七万円ぐらいです。そのうち、グループホームで暮らしておられると五万円がお家賃です、平均。それで、二級年金の方大変多くおられますので、七万の年金の中から、五万円お家賃を払って、食費を払って、光熱水費を払って、共通で使うものの雑費を払うと、そうしたら幾らも手元に残らないということですね。だから、とっても必要な制度であるということはよく分かっていても、払うものが払えないから使わないというようなのが今の状態なのかなというふうに思っています。  それから、裁判所も、専門職も障害特性とか障害福祉の制度を余り御存じないということで、本人たち、私たち親たちは身上保護が第一でございまして、それに伴う財産管理をしてほしいんですということです。それから、本人の気持ちや意思を尊重して、意思決定支援を第一に考えていただきたい。現在、既に成年後見制度を利用している人で特段問題なく暮らしていると確認できる方の場合は、申請をして改正後の成年後見制度に移行できるようにしてほしい。そんなような意見がたくさん出ております。  今回の民法改正への期待として、育成会としましては、今の成年後見制度には、アンケートでもお分かりいただけるように、本人や親が感じる問題点がたくさんあります。それが見直され、今回の民法改正による成年後見制度になることについてはとてもうれしくて、歓迎し、期待もしております。みんな、今年からいろんな大会だとか研修会は成年後見のことをやるというのがたくさんあります。  それで、次に、それでも不安が残ります。成年後見制度が終了した後、地域の権利擁護支援が全国どこに行っても受けられるかどうかは心配しています。必要なときに、必要な時期だけ成年後見制度を利用するようになるのはとてもうれしく、是非実現していただきたいというふうに思いますけれども、地域において生活やお金の世話をしてくれる人がいないということだけではありません。たとえ誰かが管理してくれたとしても、本人が自分の好きなこと、大切にしたいことを選びながら本人らしく生きていけるのでなければ、親としては安心ができないというふうに思っています。  また、本人の安心と豊かさをもたらしていくためには、意思決定支援、重度の方だと支援付意思決定の確保は欠かせないというふうに考えております。本人が迷っていても、言葉にならなくても、今日決めたことを明日変えたくなっても、それは私たちと同じです。私たちもそういう気持ちになるときがありますので、分かっていないからではないというふうに思っていただきたいと思います。当然のこととして、当たり前のこととして受け止めていただき、日常の中で本人が何を好み、何を嫌がり、誰といると生き生きするのかを知ろうとしていただきたい。その積み重ねがあって初めて本人の意思決定による制度につながるのではないかと考えております。そうした制度が親としては、安心して後見制度を利用し、終わらせてもよいと思える一つになるのではないかと思っています。  最後に、親亡き後のことになります。家族は、本人にとって最も身近な存在ですが、家族だけで一生を背負うことはできないということは育成会の会員は痛切に感じております。家族の中でも、親、兄弟の誰かに負担が偏ること、支援者と意見が食い違う、それから、事業者や制度の都合で、本人が真ん中に置けない、本人の思いを見えなくなってしまうということがあります。そして、そのほとんどが親は本人よりも先に別の世界に逝くことになります。兄弟がいても、多くの場合、本人と年齢が近い存在でございますので、兄弟の方が支援が必要になったり、先に別の世界に逝くこともあります。家族だけでは本人の一生を支えられないことがたくさんあります。  私たち親や家族は、我が子が、我が兄弟が本人らしい人生を安心して安らかに暮らしてくれることができる法律、制度、仕組みをつくっていただきたい、今回の成年後見制度がその大きな一歩になると思っております。どうか、今回の民法改正による新しい成年後見制度を実現していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  以上でございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ありがとうございました。  次に、上山参考人にお願いいたします。上山参考人。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 新潟大学の上山でございます。  本日は、意見陳述の機会を与えていただき、誠にありがとうございます。  私は、法制審議会民法(成年後見等関係)部会委員として調査審議に参加しておりました関係で、今回は成年後見制度の改正に論点を絞って所見を述べさせていただきます。  今回の改正案を貫く最も基本的な目標は、成年後見制度を利用者側の目線に立った利用しやすい仕組みへと改めることです。  それでは、逆に一体どこが利用しづらいのかというと、今の仕組みは柔軟性に欠けていて、状況の変化に応じた融通が利かないのだという声が強かったわけです。  法定後見について言えば、この指摘は二つのないに象徴されます。終わらない後見と変わらない後見人です。  終わらない後見という悪評は、本当に必要なときに本当に必要な範囲で使える仕組みであってほしいという利用者側の希望の裏返しにほかなりません。そうであれば、この問題の解決は、単に制度終了の要件を変えるだけでは足りません。  まずは、そもそも利用開始に当たって、御本人の権利擁護に、つまり補助人の権限、同意権や取消権、代理権が本当に必要なのか、仮に必要だとして、具体的にどの範囲で必要なのかをできる限り丁寧に解き明かしておかなければなりません。なぜなら、ここでこの判断をざっくりと、例えば認知症がかなり進んでおられるからといった具合に抽象的に判断をしてしまうと、認知症が回復しない限り制度が終わらなくなってしまうからです。  御本人の判断能力だけではなく、生活状況なども踏まえた上で、利用の具体的な必要性を確認し、その範囲で補助人の権限をオーダーメード的に設定していく、これが今回の制度設計の基本原則である必要性の原則です。  S、M、Lの三つのサイズのTシャツしかなければ、人によってはいかにも窮屈だったり、逆にぶかぶかだったりするでしょう。小さいサイズを無理やりに着せるのは難しいので、大は小を兼ねるの発想で、大きなサイズを着せてごまかしてしまうことになるかもしれません。  これを後見に引き直せば、支援者が何でもできる後見の意見にしておくのが無難だろうとなりがちなわけです。しかし、これは自己決定への過剰な介入ではなかったかという反省も必要性の原則の導入には込められています。  変わらない後見人問題も、御本人の生活環境が変わったのに支援者を簡単には交代してもらえないというまさに硬直性への不満から生まれたものです。これには、本人の利益のために特に必要がある場合には、補助人に不正行為などの義務違反がなくとも解任できるという、欠格事由と結び付けない新しいタイプの解任事由を導入することで対応しようとしています。  もう一つの重要な制度設計の基本指針が、御本人の意思をできる限り制度の運用に反映させることです。  この点では、本人意思尊重義務の修正が重要です。現行規定がとても抽象的なのに対して、法案は、補助人の権限行使に当たって、まずは御本人に情報提供をしてその御意向を把握しようとしなければならないというふうに、補助人が取るべき行動を具体的に示しています。こうした行動は実は意思決定支援の基本でもありますので、個人的には、この修正は実質的に補助人の意思決定支援義務を法制化したものと考えております。  さて、ここで我が国の成年後見の歴史を簡単に振り返ってみたいと思います。  明治期に導入された禁治産宣告制度は、判断能力の程度という唯一の基準で利用者を二つの鋳型にいささか強引に振り分ける仕組みでした。この振り分けに当たって、御本人の生活実態などは顧みられず、制度の利用のニーズは、判断能力の程度だけから抽象的かつ画一的に評価されていたわけです。  現行制度を導入した平成十一年改正は、新補助のベースであるオーダーメード型の補助を新設したことで、制度の柔軟化に大きく道を開きました。補助の陰に隠れて目立ちませんが、このとき、保佐の代理権もオーダーメード型の仕組みとして導入されています。  令和七年末時点で、保佐が約二三%、補助が約七%。約七割を占める後見に比べると確かに見劣りはするものの、それでも全体の三割の案件が実はオーダーメード型の権限設定の要素を含んでいます。  改正案は、新補助への一元化と必要性の原則の導入によってオーダーメードの仕組みを原則化したわけですが、これを可能としたのは、実は、補助と保佐におけるオーダーメード型の権限設定の四半世紀にわたる運用実績なのです。表面に現れた制度の見かけ上の大きな転換は、我が国の後見実務が地道に積み上げてきた成果を支えにしています。この意味で改正案は、例えば目新しい仕組みを海外からやみくもに輸入しようとするものではなく、むしろ現行制度を正当に進化させようとしている側面が強いと言えます。  同じことは制度の基本理念にも言えます。新制度も現行制度と同じく、弱いパターナリズムに基づく御本人の客観的な保護と御本人の自己決定の尊重のバランスを図ろうとしています。確かに新制度は、現行制度よりも自己決定の尊重に少し重心を置く形でバランスの取り直しを図ってはいますが、しかし、このてんびんの枠組み自体を壊そうとしているわけではありません。  任意後見にも一点だけ触れておきます。それは、新補助との併存が持つ意義です。  例えば、消費者被害の高リスク者事案では、補助を部分的に活用することで、任意後見だけではカバーし切れない取消権型保護の要請に対応できます。また、同じ人が任意後見人と補助人を兼ねることは当然できますし、補助人の選任時に本人の意見が考慮されることを考えると、任意後見契約がある場合には、任意後見人あるいは任意後見受任者が補助人に選任されることも多いでしょう。仮にこうした運用が一般化していけば、自分の信頼する人とあらかじめ任意後見契約を結んでおくことが、事実上の補助人の指名としての意味をも持ち得ることになると言えます。  時間の都合で触れることはかないませんが、今回の民法改正は、地域福祉の仕組みを支える社会福祉法改正と一体的に進められていることが極めて重要です。補助終了後の受皿問題は、地域福祉の充実がなければ、終われる後見が絵に描いた餅に終わりかねないことをはっきりと示しています。  私個人としても、成年後見制度利用促進専門家会議の一員として、第三期計画の策定などを通じて今後もこの課題に真摯に取り組みたいと考えております。  最後に、改めて、意見陳述の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ありがとうございました。  次に、星野参考人にお願いいたします。星野参考人。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 日本社会福祉士会参事の星野美子と申します。  私は、厚生労働省が成年後見制度利用促進専門家会議において第二期基本計画の策定の議論を開始した令和三年度から、専門家会議委員として参加しております。そして、法制審議会開始前の在り方に関する研究会、さらに、法制審議会にも参加をさせていただきました。  本日は、このような大変貴重な場で、社会福祉の現場で実践を行う者として報告の機会をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。  本会の活動につきましては、配付しております二つの日本社会福祉士会ニュースを御参照ください。  社会福祉士会は、後見人等を受任する会員に対して必要な研修を行うとともに、受任後のバックアップ体制を備えた組織である、ぱあとなあという組織を全都道府県社会福祉士会に設置しています。  お手元のニュース二百十八号六ページに社会福祉士の受任状況についての統計資料がございますが、名簿登録者数は現在、最新の情報では一万人を超えております。社会福祉士の受任状況の特徴ですが、身寄りがない方又は頼れる身寄りがない方の生活支援全般に関わる身上保護の課題に対して選任されることが多いです。虐待対応における支援の一環として後見制度につながる事案もあります。首長申立て事案の受任の割合が四〇%弱となっていますが、このような事情が影響していると考えます。  今般の法改正においては終わることができる制度に変わろうとしているわけですが、金融機関の対応や現状の地域福祉のありようでは本当に終わらせることができるだろうかという懸念が強くあります。  厚生労働省においては、これらに対応するために、日常生活自立支援事業の見直し、新たな第二種社会福祉事業の創設について検討を進めておりますが、判断能力があるうちにこういった課題に備えて、自ら契約できる高齢者等を対象とした施策への動きは私が関わっている地域でも検討が進んでおりますが、法改正後に補助制度が終了することを見越した判断能力が不十分な方に対する事業、対応についての検討はほとんど手が着いていないと言ってよい状況ではないかと考えます。  社会福祉士は、お配りしている資料一枚目に記載しているとおり、ソーシャルワーカーとして行政や地域の様々な相談支援機関に配属されておりますが、今回、法改正の下では名称が地域権利擁護相談支援センターとなることが予定されている中核機関ですね、現在の中核機関においても社会福祉士などを中心として、後見人等候補者の受任調整の前の入口の権利擁護支援が必要な方の相談を受けるところから丁寧な関わりをしております。  私がアドバイザーとして関わっている自治体においては、後見制度ありきではなく、その方が求めていること、金銭管理、契約行為だけではない、御本人の状況や状態を総合的に様々な視点から情報を集めて、本人の意向を確認しながら、本人のニーズに対応した支援の在り方を検討しています。  地域包括支援センターや障害者相談支援センターなどにおいては、制度の利用が必要と思われる方を発見し、適切な制度利用に向けてつなげるという支援が今も行われています。このように、社会福祉士は現場での相談支援業務を担う立場と後見人等を受任するという二つの立場、役割を併せ持っている専門職です。  今回の法改正についての受け止めは、配付資料の二枚目に、会長声明に記載しております。社会福祉士として求めてきた意思決定支援の具体化であるとか類型の一元化、期間を設ける、見直しの機会を設ける、こういったことが今回の改正案に多く採用されたことを非常に高く評価をしていますが、今日特にお伝えしたいのは、この会長声明の後半の部分です。本改正の実効性を高めるためには、民法のみならず、社会福祉法を始めとする周辺関連法の改正や諸制度の整備が不可欠であるということ、そして、この改正が社会の意識変革を促し、制度を利用している方が特別な存在とならない、真の共生社会が実現することを目指しているということであり、法改正はゴールではなくてあくまでもスタートであるということをお伝えしたいと思っています。  ここから、今回の改正で更に向き合わなければならないと考えている課題を三点述べたいと思います。  一つは、民法改正と一体的改革が必要と言われている社会福祉法を中心とした福祉、医療の領域における取組です。  この取組のいかんによって今回の民法改正が地域共生社会の実現に資する改正となるのか、有名無実となるのか、その方向性が決まると言っても過言ではないと考えます。地域においては、これから制度につながった方の状況の変化を支援チームが把握して、変化に応じた対応が可能となるような支援、また制度の利用が終了した後の権利擁護支援の体制や環境の整備といった、これまで例外的であった取組が当たり前になるような仕組みを構築していくことが求められています。申立て時に活用がされている本人情報シートの出口版が必要だと思っています。  二点目は、特定補助人の選任が必要とされる状態像の方がどのように選定されていくのかということと、一度特定補助人が必要という審判を受けた方が、特定補助人ではなく補助人の支援が受けられるように変化を目指していくこと、さらには、制度の必要性がなくなったときには終了できること、これは社会の仕組みの構築が必要です。  現行の後見類型の方を少し事例を御紹介したいんですが、私が関わっている類型の方では、後見類型の方でも、まとまったお金の管理をする仕組みがあれば御自分でキャッシュカードを使ってお金を下ろす、その人なりの日常生活を独居で送っていらっしゃる方もいられます。障害者雇用で就労継続し、毎年年末に海外旅行に一人で行かれる方もいらっしゃいます。このような方が現実に後見類型ということで審判がなされているわけです。  法改正があれば、包括的な代理権がなくなる、特定補助人が必要という判断は限定的、例外的なものであるという趣旨を実現していくためには、本人ができること、やっていたことを奪わないという私たち一人一人の意識の変革が必要だと思っています。意識変革なくして社会の仕組みの再構築は実現できないと考えます。端的に言えば、現行の後見類型の方がそのまま新制度で特定補助人選任にならないよう、法が施行された後に注視していきたいと考えております。  三点目です。今回の法改正が制度を必要としている方が使いやすいものになることを求めて発言しますが、衆議院の法務委員会附帯決議十、十一で触れられている報酬の点について発言します。  これまでも専門家会議において当事者の立場から、そして本日も久保参考人から、支援受けたいけれど報酬は負担できない、報酬が高額過ぎるという話はずっと出ております。本人の財産状況から報酬を負担することが困難な場合において、国は成年後見制度利用支援事業というものを用意しておりますが、その実態は、市区町村の予算も一部必要となることから、地域差が拡大しています。  法改正が実現しますと、補助人には限定的な代理権が付与されることとなり、財産管理は希望しないけれど、身上保護の面での医療や福祉サービスの利用契約などを本人が希望する、またその必要性があると判断されて申立てが進むことが想定されます。  報酬を負担することが難しい案件というものは、すなわち、専門職が補助人として業務を行ったときに家庭裁判所が決定した適正な報酬を受領できないということにつながり、担い手の確保ができなくなり、制度の趣旨に沿った安定的、継続的な体制が維持できなくなるのではないかと懸念しています。  先ほどお示しした配付資料、ニュース二百十八号の七ページのところに、四の②、細かい字で恐縮ですが、四の②に当会会員が受任している事案の報酬受領の状況について示しております。現行法においても、報酬が全額受領できない、一部しか受領できていないという事案が一定数、社会福祉士会の中では全体の五%程度存在しております。  報酬額については、改正法が施行されますと、必要なときに有機的に利用をすることになりますので、これまでのように大体月額幾らという考え方では対応できないことは明らかです。  法改正において、本人の資力その他の事情に加えて、補助の事務の内容というものが追記されたことによって、家庭裁判所の報酬額の決定においても助成が期待できるという意見もあります。しかし、そもそも補助開始の審判を受けた者の財産の中からということを見直す必要はないのでしょうか。  最後に、今回の法改正は、本人本位の制度への変換という大きな前進であると受け止めております。しかし、その理念を実現するためには、民法改正だけでなく、社会福祉法の理念に基づく地域福祉施策や高齢者、障害者虐待防止法、精神保健福祉法、消費者を保護する法律などの周辺法の見直し、本人の生活を支えるあらゆる施策との連携が不可欠です。  本日申し上げた三つの課題、地域福祉の仕組みづくり、特定補助人の運用の在り方、報酬に関する課題は、いずれも法務行政だけで解決できるものではないと承知しております。是非、省庁横断的な議論を継続していただきたいと切にお願いをいたします。  御清聴ありがとうございました。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 自民党の古庄です。  参考人の先生方、本日は、お忙しいところを大変ありがとうございました。  まず、三名の方々に、久保先生、上山先生、星野先生の順番にお伺いしたいと思います。  今回の法改正は、後見、保佐を廃止して補助人に一本化すると、必要に応じて本人の意思も尊重しながら補助人を付けていくという、こういう改正だろうと思うんですが、判断能力が極めて低い方もおられると思うんですね。自分の意思をきちんと表明できない方もたくさんおられると思うんですけれども、そういう判断能力が極めて低い方にとって、保護することが可能な制度だというふうに思われるのでしょうか。その辺についてはどのように御認識でしょうか。済みません。久保先生から。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) 私どもは知的障害者の団体でございます。特に私の息子は区分六で、言葉もないですし、身辺自立も確立できていない、そして車椅子に乗っているというような状態でございます。それでもちゃんと分かっていることはたくさんあります。ですから、人も使い分けますし、場所も使い分けます。  ですから、本当を言えば、寝たきりのような方でも、滋賀にはびわこ学園という重心の施設があるんですけれども、そこの先生方もおっしゃいます。本当に寝たきりじゃないの、意思が確認できないと思うような方でも、バイタルでも良いと思っているか嫌と思っているのは分かるとおっしゃいます。要するに、どの人にも意思はちゃんとあって、その表現の仕方を周りの者がどう酌み取るかということだと思うんですね。  ですから、その御本人の状態、どういう人かということを周りの者がずうっとお付き合いをしてよく知っておくということが、御本人の表出された思いというのを受け止めることができるというふうに思いますので、私は、重度の方でも、ちゃんと発言され意思表示をされていることは酌み取ることはできると思っております。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) ありがとうございます。  お答え申し上げます。今、久保参考人の方から御実態的なお話がございましたので、私の方からは少し法律的な観点から補足を申し上げたいと思います。  具体的にポイントは二点あるかなと思います。  一つは、御本人の同意なしに権限の設定、それから補助の開始ができるという仕組みが、一応例外的ですけれども、セーフガードとして導入されているということです。  さらにもう一点は、その御本人の状況の中で、仮に広範な取消権の保護が必要であるという方がいらっしゃる場合には、これも例外的な仕組みではありますが、特定補助という仕組みを残している。  この二つの観点から、例えば現在の成年被後見人相当の方が新補助に移行されても十分な客観的保護が可能であるというふうに私は考えております。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  先ほど私が報告した事例の海外旅行に行く方なんですけど、むしろ保護が必要な方というのはすごく活動ができる方なのではないかなというふうにも思う中で、それで特定補助の問題が今非常に難しい状況にあるなというふうに思っています。今、法的なところは上山参考人がおっしゃったとおりなんですが。  端的に申し上げますと、後見人、保佐人という立場でできることが周辺法の中でもろもろ設定されています。医療保護入院の同意もそうですが。そういった周辺法の整理をする必要があると思っています。ですので、この民法の中だけで保護をするということではなくて、ほかの周辺法の中で必要な方が保護されるという仕組みをつくるべきと考えます。  後見制度を利用している方は今全国で二十五万人ぐらいであって、本当に必要な方がつながっていない、その方たちはどのように保護されているのかというところに目を向けていただければいいのではないかと思っております。  以上です。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ちょっとさっきのを久保先生にもう一度お伺いしたいのですけれども、今現実に後見人を付ける場合は、お医者さんに診断してもらって、お医者さんの方からこの人は保佐なのか補助なのか後見かという診断書を書いてもらって、それを家庭裁判所に持っていって後見の申立てをして、それで裁判所がその書類を見て、あるいは身近な人たちの意見とかを聞いて、そしてどれにするかというふうな決め方をしていると思うんですけど。なかなか、先ほど久保先生の言った、ずっと一緒に生活して一緒に世話をしている状況であればどういう意思なのかというの分かるかと思うんですが、今言ったような、お医者さんの診断書を持って裁判所に申請して認めてもらうというだけではなかなかそこまでは難しいんじゃないかなという気はするんですが、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私は、別に家族でなくても、よく知っている御本人であれば大体分かります。  私は、滋賀県の大津市に住んでおりますけれども、大津市の知的障害のある方でやり取りたくさんの方としていますけれども、大体、この方はこういうことが好きでこれが嫌で、こういう食べ物が好きでとかいうことは大体もう私は分かっています。大体、みんな、お付き合いがあると、その人たち、その人の、何が好きで何が嫌いで、誰といるのが好きなんだとか安心するのかということは分かります。ですから、家族でなくても、周りの者で知っている、その方をよく知っているような人であればちゃんと御本人の意思は受け止めることはできると思っています。  以上です。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 次の質問に行かせていただきます。  今回の法案を読んでみますと、必要なときに補助を付けて、その必要な事項が終了したらもう取り消すことができると、そういうふうな立て付けになっていると思うんですが、その補助開始の審判が取り消された後に誰もその人を保護せずにその人が放り出されてしまうと、そういう状況は懸念されないんでしょうか。その辺についてはどのようにお考えでしょうか。  久保先生から。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私たちもそこが一番心配でして、この法案は通していただきたい、もう私たちが望んでいる方向に行っていますから歓迎しておりますけれども。その後、地域の中で本人の権利をどう守っていくのか、本人をどう見守りながら支援をしていくのかという、そこがちゃんと、言えば、地域福祉の部分になると思います。ですから、そこがきちんとならないと私たちは不安が残ります。ですから、今の状態ではなくて、そこをちゃんとしてほしい、そして、全国どこに行ってもそれが受けられるようにしてほしいという思いを持っております。  ありがとうございます。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  二つの観点からお答え申し上げたいと思います。  今、久保参考人がおっしゃいましたように、まず一番重要なのは、後見、まあ支援補助ですね、支援補助が終了した後の地域での受け止め、つまり、地域福祉の充実をどうきちんと図っていくか、これが最大の課題、政策的な課題であると思います。  もう一つ重要な問題がございまして、これは現在の成年後見でもそうなんですけれども、後見人が単独で支援をするという形ではなくて、できる限り、御本人はもちろん、御本人の御家族の方や御本人に関わっていらっしゃる方たち全員でチームで支援をしていく、チーム形成をしてチームで支援をしていくということが基本的なスタンスとして望ましいのだということが明らかになっています。  そうであるとすれば、きちんとこの段階でチームが形成されていれば、そのチームからたとえ後見人、補助人が離脱したとしてもチーム自体は残っているわけですので、そこをある種の基点として支えていくということが考えられるのではないかというふうに考えております。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  同じような回答になりますが、これ法改正されますと、判断能力の回復がなくて終了する場合は、判断能力の回復がないという状況の中での権利擁護支援の必要性は継続しているわけです。ですので、その権利擁護支援、どのような支援をしていくかということがしっかりと検討されなければ、終了するという判断は家庭裁判所も難しいのではないかと考えます。  そこで、先ほど申し上げた中核機関、そういったところが丁寧に検討する仕組みをしっかりとつくる、そして地域に戻っても本人の権利が守られる、そうした体制があることで終了するというふうになる形をこれからつくっていかなければならないというふうに思っております。  以上です。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ありがとうございました。  それで、今回の制度は、期間制、それとか必要最小限制というふうな立て付けになっておりまして、それを判断するのが家庭裁判所ということになっております。  これ、お分かりかどうかちょっと分かりませんけれども、現在の家庭裁判所のその制度とか人員とか、これでそういう細かい判断までできるのかどうか、その辺りはどういう御認識でしょうか。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  そこも私は心配をしておりまして、家庭裁判所、ちゃんと人員が足りて回っていくのかなということを心配しております。  今までも、こういう言い方をするとあれですけれども、親が例えば保佐でいきたいと思っていて、医師の診断書も保佐というふうになっていますけれども、家庭裁判所ではどうせ後見になるんだから後見にしておきなさいみたいな感じで言われることは何人も聞いておりますので、ですから、そういう手間を省くという言い方をすると大変語弊があると思いますけれども、もう一気にそこに行ってしまえばいいというような感じのお仕事ではちょっとこれからは困るなと思いますので、裁判所の方の大丈夫かしらというのは心配しております。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  この点について、お二つの観点からお答え申し上げたいと思います。  一つは、家庭裁判所の人員不足、マンパワーの不足というのはまさに御指摘のとおりでございまして、しかもこの点は、前回、平成十一年の改正のときにも同様のことが言われている、それが現在にまで引き続いている問題だということをまずもって申し上げておきたいというふうに思います。  したがいまして、特に近年であれば、離婚後共同親権の導入など含めて家庭裁判所の役割というのはますます重大になってきておりますので、やはり家庭裁判所のマンパワーの充実ということは当然真剣に考えていかなければならないだろうというふうに私も考えております。  二点目なんですけれども、そうはいっても、家庭裁判所の人員をいきなり極端に十倍にできるかというと、予算等の関係もあって難しいかもしれません。ここで考えなければいけないのは、今回の改正において、行政、特に基礎自治体と家庭裁判所との連携という視点が法案の中でも強力に推し進められている点でございます。  具体的に申し上げれば、補助の開始であったり、あるいは逆に補助を終了させる場合について、家庭裁判所が自治体や、あるいはいわゆる現在の中核機関などに対して意見照会を行うことができる。そうした機会をきちんとうまく使いながら連携を図って、家庭裁判所の負担だけではなくて、地域全体としてこの問題を支えていくという、まさに地域連携ネットワークというのをより充実させていくということで、ある程度問題に対応できる側面もあるのではないかというふうに考えております。  以上です。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 私は、現場の実務の立場からお話ししたいと思います。  量の問題がまずある。私が申し上げたいのは質の問題ですね。量だけではなくて質の問題ということでいいますと、第二期基本計画がスタートしてから、情報共有と連携というところでいろんな取組が各地域で進んでいて、家庭裁判所が地域に出てきてくださっているという印象を非常に強く持っています。いろんなところで協議会の中にも出てきておられます。  ただ、これからますます情報共有、連携というところの仕組み、家庭裁判所というのは福祉の者から見ると非常にハードルが高く、情報共有がほとんどできず、理由を聞いても教えてもらえないことが多いので、そこのところをこれからどうやって解消していくか、量だけではなく質的な問題も考えていただければと思っております。  以上です。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ありがとうございました。  時間が来たので、これで終わらせていただきます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 本日は、参考人として御出席いただきました皆様に心より御礼申し上げたいと思います。それぞれのお立場から、長きにわたり制度の運用や研究、それから実務に携わってこられた知見を伺えることは、大変貴重な機会だと思っております。  今回の法改正は、急速な少子高齢化ですとか、あるいはデジタル化の進展など、社会の環境が大きく変化する中で、国民一人一人の権利と尊厳を守りながらより利用しやすい持続可能な制度を構築していくための重要な見直しであると考えております。誰一人取り残されることのない仕組みとなるように、実効性とそれから利用者本位の観点から議論を深めてまいりたいと考えております。本日は、忌憚のない御意見を賜りますよう、よろしくお願いいたします。  それでは最初に、星野美子参考人にお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  社会福祉士は、地域共生社会の実現ですとか権利擁護を支える中核的な御専門だと思っております。ですが、現場では人材確保が大きな課題となっているというふうに聞いております。社会福祉士の国家試験合格者数は毎年一定数いますけれども、資格を取得しても福祉分野に就職しない方ですとか早期に離職する方々も少なくないというふうに聞いております。賃金の水準がほかの専門職と比較して必ずしも高いとは言えず、複雑なケース対応やほかの機関との連携による業務負担も増しています。  そこでお伺いしたいんですが、現在の社会福祉士を取り巻く状況につきまして、専門性を生かしながら安心して働き続けられる環境を整備するために、どのような制度改革や支援策が必要とお考えか、是非現場の声をお聞かせいただければと思います。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  そうですね、社会福祉士全体のところを質問されることをちょっと想定しておりませんで、十分な回答にならなかったら申し訳ありません。  議員の質問のとおりで、人材確保の問題というのがどの現場においても課題になっております。離職が進んでいるということもあります。そこは、確かに、何ですか、仕事のしやすい環境整備とか報酬の問題とかいろいろありますが、私が思うに、これすごく個人的な意見で申し訳ありません、社会福祉士の資格の取得の在り方とか、それから社会福祉士をなぜ目指したのかというところからのそもそもの問題、そして職場の中での育成、職員の育成の状況の在り方、今回、ニュースでもお配りしたように、スーパービジョン体制とかいろいろなことをつくることで会としても努力はしているんですが、なかなかそういった人材育成的なところに手が届いていない実情があり、これは専門職団体だけの努力では当然組織率も低い団体ですから難しいので、やはり国を挙げてこういった専門職が社会福祉士の現場の中で定着できる環境というのをつくっていく必要があると思います。私たちは、専門職団体としては、質の向上というところをしっかり取り組んでいきたいというふうに思っています。  済みません、十分な回答ではありません。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。社会福祉士の皆様が安心して、かつ生き生きと働ける現場となるよう、政治の面からも支えさせていただきたいと感じております。  連続して恐縮なんですけれども、星野参考人に、今回の成年後見人、後見制度の見直しについてお伺いしたいと思います。  今回の見直しでは、本人の自己決定権を尊重し、そして本人にとって必要な範囲と期間で支援を受ける方向で議論されていますが、現場の社会福祉士としてこの見直しをどのように評価されるか、お教えいただければと存じます。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  今回の法改正については、私は長年、この制度ができた二年後から後見人として実務をしておりました中で、類型を振り分けて考えることの矛盾というか難しさ、ずっと考えておりました。そして、必要以上のことをやらなければならないと期待されて、本人の意思があるのにその意思を尊重できなかったというじくじたる思いを抱えて今もおります。そういった意味では、本人にとって必要な最小限度、そして原則は本人の同意を必要とするんだというこの法改正、ずっと長年目指していたこととして非常に受け止めております。  ただ、そうはいっても、後見制度だけではない、先ほど来申し上げていますが、様々な福祉の仕組み、あるいは医療、医療問題が今、一番大きいところもありますので、そういうところが後見制度という、まあ補助制度ですね、新しい補助制度をしっかりと理解をして、その趣旨を理解して、そして、対応できるような周知啓発というものがとても重要になってくると思っております。  以上です。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  では、上山泰参考人に、補助制度への一本化についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。  現行の法定後見人の後見、保佐、補助の三区分については、利用者に分かりにくいとの指摘があるかと思います。補助を中心とした制度への再編について、どのようなメリットや課題があるとお考えでしょうか。お教えいただければと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問どうもありがとうございます。  まず、新補助制度に一本化されたことで、判断能力が不十分な場合に、例えば代理による支援や同意取消しによる支援が必要だという場合には、取りあえず類型を考えることなく補助を申し立てれば済むという点で極めて分かりやすい仕組みになるのだろうと思います。  他方、問題は、オーダーメード型で権限を設定するということになりますので、実際にその申立てをする時点、あるいはその途中経過の中で、この権限が、この取消権が、あるいはこの同意権が本当に必要なのかという絞り込みについて慎重に行う必要性が出てくる。  もう一つは、原則同意ということではございますけれども、やはり御本人の状況によってはなかなか明確な同意を取ることが難しいことはあり得るかと思います。  また、私たち自身もそうですけれども、気持ちが揺れ動く、特に重要な決断に当たっては気持ちが揺れ動くということがありますので、どのタイミングで同意と考えるのかというような実務的な運用の問題というのも出てくるかと思います。  しかし、これも陳述の中で申し上げましたように、保佐や補助の現行実務の運用の中でも一定程度実務的に対応している部分でございますので、その辺りをきちんと丁寧に運用の中で行っていく、そこが課題であるのかなというふうに感じます。  以上でございます。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。非常に分かりやすい説明、ありがとうございます。  続きまして、久保厚子参考人にお伺いしたいと思います。いわゆる親亡き後問題に関してです。  知的障害のある方の御家族からは、親亡き後の生活や財産管理への不安が長年指摘されていると承知しております。今回の成年後見制度の見直しは、そうした不安の解消につながるとお考えでしょうか。また、なお残されている課題があれば是非お聞かせいただければと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  財産管理だけではなくて、御本人に必要な支援というのはやっぱり必要なんですね。だけど、後見制度でやらなければならないことなのかということなんですね。  成年後見制度で財産管理しっかりというのは今までの形でございましたけれども、それだけで、私たちが先ほど申し上げたように、身上保護をしていくのが、本人がどう生きていくのか、本人が生き生きと楽しく生きているのかということが一番心配なんです。それに伴っての財産を上手に使うという管理をしていただきたいんですね。  ただ残せばいいというものではないわけですので、財産管理というのは大変重要な管理でございますけれども、今は信託制度だとかいろんなことが、信託預金とかいろいろありますので、それを使おうかみたいなことが親の中では言われておりまして、きちっと大きなお金が、財産がある場合はそういうものを利用しながら、そして、日常生活支援事業みたいな、社協さんがやっておられる日自のようなことで支えてもらえたら、後見制度を終わっても、本人の権利擁護をしっかり守っていただいて財産管理もできるんではないかというふうには思っております。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  上山参考人にも、先ほど久保参考人にお伺いしましたいわゆる親亡き後問題に関して、今回の成年後見制度の見直しがそうした不安の解消につながるとお考えか、知見をお聞かせいただければと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問どうもありがとうございます。  私も一定の範囲で今回の改正が親亡き後の対応として意義を持ち得るものというふうに考えてはおります。  一つには、陳述の中でも申し上げましたけれども、任意後見契約と、それから新補助というのをその状況によってうまく使い分けるというか、場合によっては同時に使うことができるという点が一つ重要かなと思います。  なかなか、知的障害のある方の将来の行く末全てを例えば任意後見契約を結ぶときに見通して契約の内容を設定するというのは、仮に身近な御親族の方であったとしても難しいかもしれません。そうなると、勢い、何でもかんでも任意後見契約の代理権の中に詰め込んでおくしかないかなという形で、現在はかなり幅広な任意後見契約が設定されているのが通常かと思います。  しかし、本当に困ったときには補助を一時的に動かすこともできるのだ、しかもその補助によって、状況によれば消費者被害に遭ったようなときに取消権による保護も受けられるのだということになれば、任意後見の設定をもう少し今より気軽に御親族の方、あるいはもちろん御本人の方が利用できるようになるのではないかなと、そういうふうに考えております。  以上です。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 星野参考人にも同じことをお伺いしたいんですけれども、御自身のお考えでもいいですし、今のお二方の参考人のお話を聞いて何かコメントがあれば教えてください。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  福祉の現場でこういった御家族からの相談、非常に多く受けている実情があります。そのときにどちらの目線で見ているかなということ、いつも気になり、親の不安、それからあと御本人自身の生活の支援、やはりこの二つの局面があるというところを考えますと、今回の新しい制度は、親というか御家族の不安にも応えられるし、御本人の状況を見ながら必要な支援、だから制度ありきではないという中での、法改正されるからこそ本人の同意が難しい状況もある中で、どういう支え方がいいのかということを検討する。これが先ほども陳述で申し上げた、今、中核機関の中で入口の相談を非常に多く受けています。  もう制度につなげるための話合いではなくて、どういう方法がいいだろうということで、このときに対象者は二人いると、まあ二人というか複数いると、御本人だけではない、家族も対象者なんだという捉え方で進んでいる実情がありますので、この法改正がそういった意味で親亡き後の問題にも十分対応できる制度になるのではないかと考えております。  以上です。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 ありがとうございます。  上山参考人にまた別のことをお伺いしたいんですけれども、上山参考人は障害者権利条約の理念を踏まえて、本人の自己決定を尊重する制度設計の重要性を御指摘されていると承知しておりますが、今回の見直し案をどのように評価、そういった点においてどういった評価をされていますでしょうか。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  障害者権利条約の観点のみならず、利用者側の、現在の利用者側の方や、あるいは利用が想定されている方たちが望んでいたことというのが後見制度を利用した後もできる限り御本人の意思が尊重されて、自分らしい生活を人生の最後まで送ることができるようにという、そうした願いがあったというふうに考えております。  そのことを、陳述でも申し上げました本人意思尊重義務、その補助人が御本人の意思を、あるいは御意向を尊重するために具体的にどういう行動を取らなければいけないかということをこの法文の中で明確に示した。あるいは、少し小さな改革に見えるかもしれませんけれども、補助人を選任するときに、現行法でも御本人の意見というものは条文の中に置かれてはいるんですけれども、一番最後にやや申し訳のように置かれているものを、これを一番冒頭に持ってきたというのも今回の改正の基本的な姿勢、つまり御本人の自己決定、あるいは御本人の意向というものを尊重しようというものを明確に表している、そういう心構えを示したものだというふうに考えておりますので、その点で、今回の法案を評価することができるのではないかというふうに感じております。  以上です。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、おまとめください。

牧山ひろえ 立憲民主・無所属

○牧山ひろえ君 分かりました。  お三方の御意見、本当に勉強になりました。あらゆる観点から御知見をシェアしていただきまして、大変勉強になりました。ありがとうございました。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党の川合孝典と申します。  お三方の参考人の皆様には、大変貴重な御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。  いわゆる裁判所、家裁と、それから、その後、地域福祉というものがシームレスに連携しなければいけないということの必要性はよく理解できたんですが、ここは法務委員会ということでもありますので、司法のサイドでの課題について質問を幾つかさせていただきたいと思います。  まず、よく言われていることなんですけれども、被後見人のいわゆる家族が後見人に指名されないということについて、御家族の皆様がそのことを問題視されているといったようなことがよく指摘をされているわけでありますが、今回の法改正によってこうした問題の解消につながるのかどうかということについて、三名の参考人にそれぞれ御意見をお伺いしたいと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私たち育成会の中では、半分以上、先ほどアンケートの報告で申し上げましたように、使っている、利用している人の中での七〇%が親族後見でございますので、そんなに親族が後見人になれないという意識は余りございません。  ただ、我々仲間の中でも、やはり少し、御本人の年金を御家族が使ったりとかそういうことがあると、ちょっとというふうに家庭裁判所で言われる、言われたという方は聞いておりますけれども、そんなにたくさんおられるというふうには承知しておりませんので、大丈夫かと思っています。  ありがとうございます。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問どうもありがとうございます。  まず大前提として、現在の日本の人口構成というものを考えていきますと、なかなか御本人の御親族の中に適切な候補者それ自体を見出すことが難しいという環境があるのが一つ大きな構造的な原因ではないかというふうに思っております。  実際、少なくとも近年の家庭裁判所の運用を客観的に見ておりますと、意図的に親族後見人を排除しようとしているわけではないように見受けられます。というのも、実際に申立ての時点において御親族の方が候補者として挙げられている場合には、そのおよそ八割がそのまま親族後見人として選任されているという事実があるからということになります。  私、ちょっと角度を変えたお答えになるかもしれませんけれども、今回、仮に新補助ということになりますと、補助人は本当に重要な部分だけ法律的な権限を持って関わるにすぎないという立て付けになります。そうであるとすれば、現在の成年後見人の負担というのは、年に一回、家庭裁判所に報告をするなど、かなり広範な権限とそれに伴う義務を持ってございますので、非常に重い責任を負うことになります。  そうなりますと、御家族の方がそうした重い負担を負いつつ、かつ法律的な権限を持った上で御本人と関わるということが本当に御家族にとってよろしいことなのかというのは少し意見が分かれるかもしれません。当然、御家族、御本人を取り囲む御家族の中で、温かい支援環境、親密圏の中で御本人が適切な生活を送られるということは最も望ましいことですけれども、その負担の重い法的な権限の役割についてはむしろ外に出してしまった方が親密圏としての家族の役割をより適切に機能させることができるのではないか、そんな観点もあるのかなというふうに感じております。  以上でございます。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  社会福祉士が関わっている案件をちょっと鑑みますと、例えば、親族と複数でやっている事案というのも相当あるということもありますし、それから、法改正になりましたときに、適切な親族がいれば交代するということも考えていくということができる事案もあるかなというふうに思っているんです。  そこをなぜかというところでいくと、今後、法改正されますと、永続的ではなくなるわけですね、もう終身のものではなくなるということ。それから、何を目的に申立てをしたのかというのが今以上明確になりますので、その目的に沿った形で支援できる親族がいるのであれば、親族に交代するという考え方は当然出てくると思います。  ただ、残念ながら、社会福祉士会の中では、先ほど申し上げたとおり、身寄りがない方であるとか、身寄りはいらっしゃっても遠方にいらっしゃって支援ができないとか、いろんな状況があるので、そういったことも鑑みながらできるのではないか。  家庭裁判所は、どうしても親族に対しては結構年齢的なことが妨げになっているという実情がありますので、こういったことも、今後は何を目的に申立てをされたのかとか、それがスポット的な有期的なものなのか、継続的なものなのか、そういうことも含めた慎重な対応をすることで、先ほど議員がおっしゃられた解消につながるのではないかなと個人的には感じています。  以上です。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  今の御説明を承った上で、改めて三名の参考人に御質問させていただきたいと思いますが。  今回の法改正によって、途中で成年後見を終了することができる制度が導入をされるということになっているんですけれども、実際に終わるかどうかの判断自体を家裁の裁量でやっているということで、そもそも明確な基準がないということでありますので、それでは家裁の動き次第ではこれまでと同じなのではないのかと、こういった御指摘もあるわけですけれど、こういった御指摘について、三名の参考人はどのような御見解をお持ちなのかをお教えいただきたいと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私どもは、確かに家庭裁判所が最終的に終われるかどうかというのを決定していただくわけですけれども、そこにやはり家族として、また、今まで保佐人をやってきた者として、きちんと意見を言えるという、思いを、家庭裁判所に状況をお伝えするということは十分にできるようになっておりますので、それで判断をしていただけたらいいのかなというふうには考えております。  以上です。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  二つ申し上げたいと思います。  一つは、まず、中核機関を中心とした行政との適切な情報共有ということが大事になるだろうと思います。あくまでも、その家庭裁判所がある種独断で、もう終わらせていいよねという判断をするわけではなくて、現在でも、例えば市町村長申立てをするような場合、典型ですけれども、受任者調整という利用の入口の段階で、司法と行政が一定情報共有をしつつ適切な候補者の選任をしているというような実態もあるわけです。こうした観点を、実際に補助を終了させる場面でも当然用いるということが重要かと思います。  例えば、現在開始のところで行われている本人情報シートの活用といったものを、終了の時点でも当然活用することで、単に法律的な判断というよりは、御本人の生活環境が本当に補助人がいなくなっても成り立つものなのかどうかということを、家庭裁判所の独断ではなくて、丁寧に審査をしていくということが大切かと思います。  もう一点簡単に申し上げますが、今回、実務で既に定着しております年一回の定期報告ということが法制化されます。この年一回の定期報告がきちんと機能をすれば、御本人の生活環境がどのように変わっているのかということを家庭裁判所に適切に情報共有がされることになるはずですので、この定期報告に基づいた情報などを基に、また必要に応じて関係者に意見照会を行うことによって、適切に終了の判断を家庭裁判所において見極めていただくことが可能になるのではないか、こういうふうに考えております。  以上です。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  今、定期報告が出ましたので、実務の方から情報提供をしますが、定期報告の書式が昨年の四月から変わっており、その中では、後見人が行った実務に対して、本人の意向に沿ったものになっているかどうかということを聞かれております。そして、チーム支援がどのようなメンバーでいるかということも書くような書式に変わっております。  こういった中で、家庭裁判所は恐らく、本人の意向に沿っている、それをどうやって担保しているかというところを見ているはずなので、先ほど来出ているように、その内容だけでは終わることが難しいという判断というのはしていただくことが可能ではないかと期待する反面、何度も申し上げているように、権利擁護支援のニーズが消えるわけではないということです、補助の制度終わる人が。  ですから、その権利擁護支援というのは、私が考えるには、意思決定支援をどのように受けることができるかとか、日常的な金銭管理をどのように行うのか、行政手続においても法的な難しい判断を必要としないたくさんの行政手続、こういったものをどのように誰が支援をするのか、こういったことがやはり残るニーズなんですね。こういうことをどなたが、どういう立場の方がどういうふうなやり方でやるのかというところがはっきりしていないと終わるという判断は難しい。じゃ、そのためには、中核機関、地域との情報共有、連携というものが求められるだろうというふうに考えております。  以上です。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  もう一点、お三方に御質問させていただきたいんですが、本人の意思確認、意思決定を尊重するという枠組みが今回非常に重要視されることになるわけでありますけれども、先ほど久保参考人がお話しされて、いわゆる知的障害のある方でも意思はあって、きちんとそれは理解できるということをおっしゃいましたけど、まさにそれはふだんから横に寄り添って伴走していらっしゃる御家族であり、近しい方であるがゆえに分かっていらっしゃるということで、そのことを裁判所に期待、果たしてそこまでできるのかというところがそもそもの問題なんだろうと、私お話を聞いていて感じました。  となったときに、裁判所の体制だとか人員だとかということについても皆様言及されているわけでありますけれども、要は、大切なことは、日頃からその被後見人にどう寄り添うのかというところが求められるということになったときに、裁判所の調査員だとか職員が単純に定期的に要は報告をするということだけではなくて、いわゆる後見の在り方について裁判所が判断するに当たって、有識者が何らかの形でその意思決定に関与するといったようなことをした方がよほどきめ細かい対応ができるんじゃないのかなと私は感じたんですけど、この御意見について三名の参考人の御意見をお伺いしたいと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私どもの考えておりますのは、本人の意思決定をお手伝いする人が必要だと思っています。要は、そういう人をたくさんつくらないと駄目だというふうに思っております。その人は、私どもが考えるのは、聴覚障害の方が手話通訳者がいるように、知的障害の本人が考えていることを、その支援をするのではなくて、その人、御本人の代わりに支援をする人に伝える役割、そういう人を養成していかなければならないというふうに思っております。  それを是非制度化してきちっと、そういう人をたくさんつくって、本人に寄り添いながら、意思を確認しながらやっていくということが必要ではないかと思っております。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  今の久保参考人のお答えと一部重複いたしますけれども、家庭裁判所に限らず、どこか一つの機関、あるいは誰か一人という者が御本人の意向を評価する、判断するというのは、たとえ御家族であったとしても難しい場合もあり得るかと思います。  したがいまして、御本人を取り囲むサポーターである複数の関係者がチームとして御本人の意向を丁寧に確認しながら、それを必要に応じて適切に家庭裁判所へとつないでいく、そうした仕組みというのを地域社会の中でつくっていくということが極めて大切かなというふうに思います。  その中で、委員御指摘の有識者の方がそうした地域の連携ネットワークの中に積極的に御参加いただくことで、やや間接的な形になるかもしれませんけれども、そうしたある種の専門的な判断というものを取り入れるということも十分に可能なのではないかというふうに私は考えます。  以上です。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 今までのお二人の発言と重なりますが、まさに今、地域連携ネットワークの中で様々な専門職が参加して地域課題を考えるときに、それぞれの立場、それぞれの視点から意見が出てきます。個別のケースに誰かが、一人の人が関わるというよりも、そういった地域をつくっていく、意思決定支援がなされていたのかどうかということが当たり前のように疑問になるような、そういう地域というのをつくっていくときに今のような仕組みが必要だと思っています。  厚生労働省の方では、権利擁護支援アドバイザーということで養成して、専門職を養成して、そういった者を自治体の方に派遣できるような、そういう取組も進んできておりますので、そういったことが進むことが必要かと思っております。  以上です。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 貴重な御意見ありがとうございました。  終わります。

横山信一 公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  今日は、三人の参考人の先生方に大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。  また、今までの議論の中でも非常に参考になるお話たくさん伺っております。若干重複する部分が出てくるかもしれませんが、改めてお三方にそれぞれの立場でお聞かせをいただきたいのが中核機関の在り方です。  今回は、まあこれまで中核機関というのは権利擁護支援とか成年後見制度の利用促進であるとか、司法、医療、福祉等の協議会の機能を持つだとか、そういう部分を担ってきたわけですが、今回、民法改正と併せて社会福祉法が改正をされ、この中核機関を地域権利擁護相談支援センターとして法定化をいたします。  こうした背景と今回の民法改正を含め、民法改正があって、中核機関はどのようになるべきかということをそれぞれの立場から御意見をお聞かせいただければと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私ども育成会が考えておりますのは、中核機関の中にやはりいろんな専門職の方、本人を取り巻く、関係されている方が参加をしていただくという形がベストだというふうに思っております。  人間誰しも、冒頭申し上げたように、うちの息子も人とか場所を使い分けますので、親が知らない本人の顔というのもありますので、ですから、親が、私が一番よく我が子のことは知っていると思っていても、それ大間違いでございますので、そういう意味では、本人を取り巻くいろんな方が関わっていただいて、中核機関の中で、チームで本人を中心に置いて考えていただくということが大変重要になってくるというふうに思っております。  以上でございます。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  議員お尋ねの中核機関の今後の在り方ということでございますけれども、一番重要なことは、今回、補助の関わりというものがある意味限定的な形になるわけですけれども、例えば、知的障害があったり、あるいは認知症がおありになったりする方の支援というのは、実際には人生の最後までずっとニーズとしては必要なものだろうというふうに考えているわけです。いわゆる伴走型支援というものの必要性というのは全く否定するものではありません。  今回の民法改正の中で、そうした状況にある御本人の方たちの人生最後までの伴走的あるいは伴走型の支援について、後見人があるいは新制度の補助人が関わらなければいけないのは、必ずしもずっと全部ではないのではないかという視点が入ったという点が非常に重要です。  そして、実はこの点は現在でも、現在の成年後見でも入口の段階で中核機関は一定の入口支援といったものを行っております。つまり、この人の権利擁護のために本当に後見人を付けなければいけないのか、それとも、例えば日常生活自立支援事業や、あるいは身近な御親族の方の支援によって現状では十分対応が可能ではないかという見極めを現在の中核機関が行っているわけです。これは、当然新制度でも行っていかなければならない。  更に重要になるのが、後見が終われることになりますので、今度は出口支援について中核機関が大きな役割を担うのだろうというふうに考えております。本当に補助人がいなくなってしまってこの方の生活が回るのか、権利擁護は十分なのかという見極めをそこで中核機関が慎重に行い、かつその補助人が抜けた後の補助人なしでのチーム支援の体制というものを、きちんと中核機関が関わることによって確立した上で補助人が手を離すと、そうした仕組みでなければ安心して利用することができませんので、その意味で現在以上に中核機関の役割というのは非常に大きなものになるだろうというふうに感じております。  以上です。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 重なっていないところを申し上げますと、中核機関はこれからますますハブ的な機能が必要になってくる。中核だけで何かをもう全て解決することはできないので、そういったものを、機能を、ハブ機能をいろんな機関に持たせていく司令塔のような役割がますます求められると思っています。  これからますます中核機関は、個人の、ミクロ的なといいますか個人への対応が、それぞれの支援チームが自立して行えるようないろんな仕組みというか、そういうものをつくっていかなければならない。更に言えば、今、市民後見人の育成というものがいろんな地域ですごく動いています。ここで出ているのが、後見人の育成のための研修ではないと。こういった権利擁護のことを学んで、それぞれの地域の中で後見人になるだけではなくて、こういうことを周知をしていったり、そういう認識、視点を持って隣人と向き合う、そういう市民の育成というものに多くの自治体が今取り組んでいるところです。  そういうような、何というか、仕掛けというか、そういうことも中核機関にとっては大きな役割になってきますので、個別の支援を抱え持つというイメージからまたこれから少し脱却していくことも中核機関としては必要かなと思っております。  以上です。

横山信一 公明党

○横山信一君 大変に興味深いお話、ありがとうございます。  久保参考人にお聞きしたいんですけれども、これまで知的障害者、今日のアンケートの集計にもありますけれども、知的障害者の家族というのは、成年後見制度を一度使っちゃうと一生とかいろいろな課題があって、利用は多くはなかったというふうに思います。  今回の改正案で、手をつなぐ育成会の皆さん方が求めてきた終われる後見とか、後見類型一元化するとか、そういうことが実現をするわけですが、これらによって、今後、育成会の会員が、後見制度を利用する人たちが増えてくるというふうに思うんですけれども、どのような準備を進められるのか、お聞きしたいと思います。(発言する者あり)

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) 済みません。  私どもは、まだ会員としては、制度がどのように変わっていくのかというのはまだ分かっていない状態ですよね。ですから、まだ全容が見えてないということになりますので、そこをまずはお勉強するところから始めようということを思っております。  それで、先ほど冒頭意見言わせていただきましたときにも申し上げましたように、各地でみんな、研修会だとかお勉強会をもう既にいろいろ計画を立てていると。そういう意味では、大変期待をし、大変興味があり、そして歓迎している。だから、自分たちは、何をどう使っていくのが一番本人のためにいいのかということを知りたいと思っているわけですね。ですから、まずは私たちは、まずお勉強するところから始めて、そして、一人一人違いますから、その一人一人に寄り添えるような、成年後見になるようなことを、多分、各地で皆さんは、会員の皆さんは選べることが多くなりますので、それを相談するところが欲しいというふうになってくるだろうなというふうには思っております。  以上でございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 ありがとうございます。  上山先生にお聞きをしたいんですけれども、先日、この委員会で特定補助人のことを政府参考人に質問いたしました。それは、事理弁識能力を欠く常況にある者は、口頭によって法律行為をするという場合、外形的な法律行為と見える行動なのかどうかということを聞いたわけです。政府の方から出た答弁というのは、本人の通常の発話の状況、過去に重要な財産行為について口頭で不利益な取引をしたことがあるかなどの具体的な事情を考慮して判断されるものという、こういう答弁だったわけですが、個人の意思の尊重というのは一概に決められないという、まあ一言で言うとそういうことになると思うんですけれども。  そこで、意思決定支援の在り方というのはどうあるべきか、民法の立場から教えていただければと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) お尋ねありがとうございます。  まさに意思決定支援の在り方というのが新しい制度の中でとても問われていくことになるんだろうと思います。そして、その意思決定支援というものを、私たち法律家は何となく、意思表示の効果意思、つまり御本人自身が契約をできるぐらい、その契約の責任を自分で引き受けなければいけないぐらい確固たるものまで高めなければいけないというふうにちょっと直感的に受け止めてしまいがちなんですけれども、意思決定支援で言われている支援されるべき意思というのは、そこまで必ずしも高度である必要性はないというふうに考えます。むしろ、御本人がふだんの日常生活の中でどのようなことをお感じになり、そしてどのような思いを持っていらっしゃるのかということを、広く曖昧な形でも構わないので、それを少なくとも外部に発信していただくそのお手伝いをすると、それを受け止めた上で、必要に応じて、例えば補助人が取消権を行使したり、あるいは代理権を行使したり、そういう関わり方が必要なのではないかというふうに思います。  例えばですけれども、きれいな洋服を着たいなというふうに御本人がおっしゃったとして、きれいな洋服を買ってくることもできますし、あるいは、余りお金がないのでレンタルをするということも可能かもしれません。もっとお金がないので親戚からただで貸してもらうということもあるかもしれません。法律的には売買契約、賃貸借契約、使用貸借契約ということになりますが、その辺りの判断は、まさに代理人の、補助人の裁量によってするべき問題なのであって、まずは御本人の御意向というのをチームで確かめていく、そういう在り方が望ましいのではないかというふうに感じております。  以上です。

横山信一 公明党

○横山信一君 ありがとうございます。  星野先生にもお聞きしたいんですけれども、先ほどの意見陳述の中で、中核機関で相談を受ける段階から社会福祉士は関わっているんだというお話がありました。先生の書かれたものの中に、成年後見制度につながる際に本人の意思決定の支援や意向の尊重がどこまで尽くされたかということが重要なポイントになるということを述べられておりまして、この本人が主体的に成年後見制度を活用することにつながるという観点は、今回の民法改正でも非常に重要な観点だというふうに思っております。  そこで、この本人の意思決定のプロセスというのを、いろいろ実務で経験されておられると思いますので、実務経験も含めてお話をいただけたらと思います。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  非常に難しい質問なんですが、分かりやすい例で言うと、例えば、後見制度が必要だと周りの人たちが思って、本人にどうこの制度のことを説明するかということなんですね。  例えば、後見人という人は、あなたの大事な財産管理をする人です、通帳を預かってお金を届けます。使いたくないと思うんですよね、そんなことを言われたら、嫌ですって。あとは、その意思がある程度ある方を今想定して言っていますけれど。だけど、話し方として、今あなたが、何というか、今の生活の中でいろいろなことをお手伝いしたいんだけど、今いる支援者ではできないことがあると、これは法律の立場がないとできないことなんだと、そういう人に関わってもらうというか、その人が訪ねてくることはどうですかという聞き方をしてもらうんです。そうすると、それはどんな人か分からないと、いいとも嫌とも言えないんですが、候補となる方と一緒に出向くことによって、ああ、あなただったらまた来てもいいよって、そういうふうに、私たちの意思決定支援の考え方というのは、難しいことをいきなり結論を求めるのではなくて、御本人が理解できることについてどう思うかということを聞き、それに対して、嫌だと言っているのに強制することはできないですし、でも、本人が受け入れられるところから関わる、そういうやり方をずっとしてきております。  そういった中で考えると、本人が申立てをすることをいいと言っているのに、今、後見類型になっているという、保佐類型になっているという。やっぱり、その問題が解決できる今、今回の民法改正、補助一本で行くということがとても意義があると思っています。  ごめんなさい、回答がずれたとしたら済みません、申し訳ありません。  以上です。

横山信一 公明党

○横山信一君 ありがとうございました。  ちょっとお聞きしたいことまだまだあるんですけれども、時間が参りましたので終わります。  ありがとうございました。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、鈴木宗男さんが委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎さんが選任されました。     ─────────────

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 日本維新の会の嘉田由紀子でございます。  お三方、大変それぞれに現場からの声を聞かせていただき、ありがとうございました。  私は、成年後見制度がそもそも始まった、介護保険とセットで始まっておりますけれども、本来求めている人たち、あるいは必要な人たちに届いていないんじゃないのかと。二十六万人ですね、特に高齢者は、今、高齢者認知症、六百万人、七百万人、この後、認知症千二百万人時代を迎えると言われているところで、二十六万人。  どうなるんだろうということで、実はお三方に共通の質問をさせていただきたいんですけど、そもそも、今回、社会福祉法の一部を改正する法律案通りました。それで、それぞれにとっても望ましいことが書いてあるんですね。今回、特に影響しているのは、地域権利擁護相談支援センターを法定化すると。これはこれで国の立場としては必要だと思うんですけれども、あるいは協議会をつくるとか、あるいは養成施設を増強するとか、国としては法律通すだけでいいんですけど、自治体の立場からしたら、ああ、また仕事が増えるわと、実は現場から悲鳴が上がっております。  私は、滋賀県は、それこそ障害者福祉は昭和二十年代から糸賀一雄さんを先頭にして随分力を入れてきたんですけど、もう正直手が回らないという悲鳴が上がっております。  それから、もう一つは裁判所ですね。裁判所も、例えば、滋賀ですと十三市六町あるんですけれども、大津に家庭裁判所があり、そして彦根と長浜に出張所がありますけど、裁判官常駐していませんよ。  そんなところで、実はこのマンパワー不足、福祉系と裁判系、これに対してどうしたらいいかということのヒントをいただきたいんですけれども、まず、久保委員、ありがとうございます、いつも本当に現場で、また滋賀だけではなくて全国の会長をしていただいて有り難いんですが、今回、特に地域権利擁護相談センターなど、滋賀県のあのパワーの中でどこまで理想的に対応できるでしょうかということと、それから裁判所が、十三市六町、相談に応じられるのかというような、その二点、お願いしたいんですが。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  裁判所のことは先ほども御質問を受けまして、裁判所が回っていくのかなということは大変心配しているところでございます。裁判官をもう少し増やしていただきたいなという思いは個人的には思っております。  地域の中での権利擁護をどうしていくかというのが中核機関を含めて重要になってくるわけですけれども、担い手がないんですよね。ですから、私、前から申し上げているのは、成年後見制度って、乗るお客さんいっぱいいるけれども、運転手もいないしガソリンもないという言い方をしているんですね。ですから、それが現実でして、その成年後見センターみたいなことをやってもなかなか十分に活動ができない、資金的なこともありまして活動ができないというのも現状としてあります。  それで、今この法改正をして、本当だったら必要なのに使っていませんという知的障害者も多分どっと使うようになってくると思うんですね。ですから、今、嘉田委員がおっしゃいましたように、人手不足がますます増えていくなと思っております。  それで、法人後見みたいなものを、前に厚労省のところで話をしていた、議論をしていた部分がございますので、法人後見とか、そういう担い手をもう少し、本人の障害の特性だとかそういうこともよく御存じで、そして成年後見をお勉強していただきながら法人後見もしていただけたら有り難いなと思っています。  私、地元で社会福祉法人の理事長をしておりますけれども、法人後見はしておりませんけれども、家族支援室というのがありまして、職員を一人置いております。御家族が後見人になっておられますけれども、それを報告書出すの、どう書けばいいかというのを相談をして、そして家庭裁判所にも何だったら御一緒するというような職員を一人置いているんですけれども、そういう形でもまた少しはましかなと思いますし、法人後見もたすき掛けで後見をやれば、私は、利益相反になる可能性は極力少なくなりますので、そういうことも考えていく必要があるのかなというふうには思っております。  以上でございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  上山様、お願いします。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  三つ申し上げたいと思います。  委員御懸念の点は私も全く同感するところでございます。その上で三点ということですが、一つは、広域連携という仕組みを推し進める必要があるだろうというふうに考えています。つまり、非常に小規模な自治体にとって、おまえの町だけで何とかしろというふうに言われても、これは人材不足甚だしいところかと思いますので、ある程度地域でまとまりを持って対応していくということも検討する必要があるかと。そのときに、各市町村の自主的な判断だけに委ねているとなかなか先に議論が進まない気もいたしますので、ここでは都道府県が積極的にバックアップをしていくということが極めて重要ではないかというふうに感じております。  二点目ですけれども、例えば支援業務の中でICTを用いることによって効率化できる部分というのはあり得るのだろうと。実際、その現場の中でたくさんの書類を作らなければいけないとか、実際には御本人と会って御本人とコミュニケーションを取りたいのに、書類作成に追われてしまって一番肝腎なことができていないんだという声はよく聞くところでございます。この点は本末転倒ということになりますので、使える技術は使っていくというのが一つあり得る話だろうと思います。  最後、三点目ですが、今、久保参考人からもお話がありましたように、今後重要になってくるのが地域における法人後見の育成ということかと思います。どうしても全国、この領域に限らず人手不足なのはもうこれは構造的な課題ですので、法人格の有無にかかわらず、組織的に地域の中で支援できる中核的な支援団体というものが各地にできていかないと、これは安心して利用できる体制にはなかなかつながらないのではないかというように感じております。  以上でございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  人材不足、そして今後マンパワーを増やさなきゃいけないという共通認識は持っていただきました。  その中で、実はいろいろ現場から聞いてくるのは、裁判所のいろいろな判断の、審判の経過とか、私も幾つも見せてもらったんですけど、たった一行なんですね。理由がなかなかない。それは裁判官の独立性、それこそ憲法で保障されているところですから、ここは法務委員会ですけど、法務委員会で裁判官の判断の説明をしてくれと言っても、いや、それはできないという回答が多いんですけど、その辺り、新潟の現場で見ていらしていかがですか、裁判所の情報開示というところで。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御案内かもしれませんが、実は新潟では、出張所の開催日が減るというような、出張所の開催日が減るというような話もちらほら出てきておりまして、いろいろな意味でその裁判所の体制というもののまず構造的な問題があるのだろうというふうに考えてはおります。  その上でのお答えということになりますけれども、やはり今後、補助が終了できるということも含めて考えていきますと、御本人の生活環境の変化等に関して裁判所がどのように判断されたのかということを、御本人はもとより、御本人の周りの支援者についてももう一歩踏み込んだ話を聞きたいということはあり得るのかなとは感じるところでございます。  一方で、委員御指摘のように、裁判官の独立性という、これ憲法上の問題もございますので、一朝一夕に全てを開示せよという話にはなかなかつながらないかもしれませんけれども、しかし、できる範囲での支援者側との情報の共有というものを何らかの形で考えていくということはとても大切ではないかというふうに個人的にも感じております。  以上でございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  同じ質問を星野参考人にお願いしたいんですが。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  私はちょっと違った視点からまたマンパワー不足の話をしたいと思うんですが、実は、受任をする人たちもどんどんできなくなってきているという現状がどの職種にも起こっております。家庭裁判所からの依頼に応えられない、専門職の推薦ができないというのはどの団体でも起こっています。社会福祉士会も全国で起こっています。  そのときに、今回の法改正を見たときに、必要のある方がつながっていない、まさに私も同じ問題意識を持っています。今までの方をずっと抱え持ってしまわざるを得ないこれまでの現行制度、終われない制度。私たちが今これからできることとして伝えているのは、今私たちが関わっている後見案件、継続する必要性がどこにあるかをもう一度改めて見ましょう、そして、地域、これは社会福祉の方の動きと一体的に行かなければならないんですが、権利擁護支援の仕組みが、後見だけではなくて、ほかの仕組みで支えられる仕組みができていないとしたら、それは地域の中で課題提起をしてつくり上げていくというところにも、後見をやっていたからこそ発言できることがあるはずだということを伝えています。  そして、そこら辺が、だから、何といいますか、循環していないわけですね。もう受けるとそのまま受け続けてしまうということですね。意識変革って先ほど冒頭で申し上げたのはそのことです。意識変革をしなければこの制度は実現できないというふうに思っています。  ちょっと担い手の方のマンパワー不足というところで発言しました。以上です。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  あと三分しかないので、それぞれにお願いしたいんですが、今度は逆に星野さんから。  今、東京辺りでは株式会社が法人化して、そこで透明性の高い、またサービスと報酬を透明度を高めてという株式会社が出ているということも伺っているんですけど、その辺の民間の担い手を増やすというような方向は、星野参考人、どう思われますか。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  営利団体ということだと思うんですが、確かに、例えば身元保証に関わる業務とかいろいろ出てきています。これについては、やはり全部駄目ということではなくて、やはり内容がどうなっているかというところを監督、チェックする仕組みというのが必要になってくると思っています。  介護保険が導入されたときも同じような問題が当初起こったと思います。営利団体が参入したことによる様々なことが起こりました。やはり今回もそのようなことが起こる可能性は高いというふうに危惧します。  ただ、全てが駄目ということではなく、地域連携ネットワークの中に入ってきていただいて、そして透明性を持って、また連携しながらやっていくというところでは、民間の活用ということは当然十分考える必要があると思っています。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  今の星野参考人の御発言とほぼ重なることになりますが、大枠としては、民間事業者の参入というのは人手不足の解消という点で一定の意味を持つものというふうに考えております。  例えば、現在、銀行法の改正によって、銀行子会社が実は地域の権利擁護に特化した子会社をつくることができるような仕組みもあるんですが、残念ながら、ほとんどというか全く活用されていない状況にあります。  このように、社会に一定の信頼性のあるような団体というのか、営利目的ではなく、地域福祉の推進という観点からこの領域に参入していただけるのであれば、それは私としては非常に歓迎すべきことではないか。  一方で、悪質な事業者というのは当然、どの分野においてもそうですけれども、徹底的に排除する必要性があります。とりわけこの場面では、御本人自身は十分な判断能力がなくて、悪質な事業者かどうかの見極めも難しい場合もあるかと思いますので、そこは支えているチーム支援の人たちも含めて、それから行政の監督なども含めてしっかりとした悪質業者、事業者の参入排除というものを考えていく必要があるだろうというふうに考えております。  以上です。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  久保参考人、いかがでしょうか。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  今お二人の参考人と意見としては同じ意見を持っております。人手不足でございますので、民間が入ってきて、きちっとやっていただくことは必要かというふうに思います。  ただ、どういうんですかね、監査のようなことを、それから、始めます、やりたいです、始めますというときに十分調べていただきたい。そうでないと、私たち福祉の方で利用者、利用している者としましては、大変苦い思いもたくさんしておりますので、それは、民間の担い手を増やすということは必要でございますけれども、やり始めるときに任せていいところか、そしてやっているときにはちゃんとできているかというのを厳しく見ていただけたら有り難いなというふうに思います。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございました。よく分かりました。ありがとうございました。  以上で終わります。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 参政党の安達悠司と申します。  今日は、お越しいただき、ありがとうございます。  まず、上山参考人にお伺いしたいんですけれども、上山参考人の元々の御見解は二元論、つまり、判断能力ですかね、事理弁識能力が不十分な方と事理弁識能力を欠く状況にある人、つまりもう判断能力がほとんどない人ですね、この二つの類型に分けるというふうな発想を意見書として部会にも出されていたかと思います。  私はそれはすごく合理性があったんではないかと思うわけなんですけど、今回の法改正では一元論ということになってしまっています。ただ、その中で、若干二元論的なところが取り上げられてもいるんですけれども、しかし、この完全な一元論を取らずに、失礼しました、今回の法改正が完全な二元論を取らなかったことによって、今後どういった課題が起きると考えておられますか。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  まさに委員御指摘のとおり、私、部会の中で、当初二元的な構成というのが合理的な仕組みではないかということを申し上げました。その一方で、法制審議会、部会の議論を通じまして、今回の改正は一元論として一般市民の方にも分かりやすい仕組みにした方がよいのではないかということに最終的には賛同いたしまして、私も今回の一元論を支持しているところでございます。  ただ一方で、委員御懸念のように、例えば、成年被後見人相当の方の受皿をどう考えていくのかという問題が生じるわけでございます。一つには、同意がない形で通常の補助を動かしていく、そしてもう一つには、これが、現在の成年後見類型がそっくりそのまま特定補助に移行してしまうと元のもくあみになってしまうので、そうなってはいけないのですけれども、やはり必要な事案においては特定補助というのをきちんと動かしていく、このことによって、ある程度、委員の御懸念についても対応ができるのかなというふうに感じております。  問題は、その特定補助をどういう方たちに対してどの期間で動かしていくのかということを実務、運用の中で見極めていくということが極めて重要になるだろうというふうに感じております。  以上でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私は、今回二元論を取らなかったことで生じるリスクというのは、本当に必要な人に特定補助人が付されないというリスクではないかと思います。  つまり、特定補助人が付されないと、管理責任のない財産が残っちゃうんですね。誰の管理でもないような財産が、本当に重度の、あるいはもう遷延性意識障害とかの方で、誰が管理しているのかよく分からない財産が残ってしまうというような危険がないかということなんですね。  それだと、例えば、私も後見とかやっていると、結局、本当に誰も管理する人がいないのに特定の法律行為の代理権しか与えられないと、じゃ、これは、例えば預金、この預金は本人の何か弟が持っていますとか、あるいは何かよく知らない人が管理していますといったときに、私は代理権ありませんよということで放置してしまうと、あるいは調査しようにも権限がないと、こういった事態が起きるんじゃないか。この辺りが、その人がまだ良心的だったらいいですけど、責任がないから私は知りませんといった形に対応されちゃったら、本人の保護に欠けることにならないかというふうな、この管理責任ですね、後見人となる、新補助人となる人にもないので、そういうふうな問題をどういうふうに考えていらっしゃるか、上山参考人にお尋ねしたいと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  委員の御懸念、私も法律家として共感するところがございます。  その上でのお答えということになりますが、今回、特定補助に類型を絞ってお答えさせていただきますが、特定補助人に定型的に与えられる権限として、御本人の財産の保存行為についての権限というものが付与されることになります。これは、代理権のみならず、一定の事実行為も含めて、極めて抽象的あるいは潜在的な形ではございますけれども、少なくとも、特定補助人は御本人の財産について一定関与し得る権限をまず与えられていると、これが一つ重要なポイントになるかと思います。  その上で、具体にですね、具体に何らかの代理権が必要で、特定の預金口座であったり、あるいは特定の土地について法律の状況を動かしていかなければいけないというときには、本来、特定補助人の責任において必要な代理権の付与の申請というのを適時に行わなければいけないということだろうと思っております。  では、そのことが今回の法律でちゃんと担保されているのかということが当然疑問になるわけですけれども、補助人には権限付与について申請できる請求権者として位置付けられていますし、特定補助人には、その権限の範囲内ではございますけれども、善管注意義務も、それからいわゆる見守りの義務といったようなものも、解釈上、当然認められてしかるべきであろうと思います。  そうであるならば、御本人の状況の変化に応じて具体の取消権の拡張であるとか具体の代理権が必要だというときには補助人において適宜に請求を行うべき、私は、解釈論としても法律的な義務を導くことが可能ではないか、ワンクッション入りますけれども、それによって一定の保障を確保することができるのではないかというふうに感じております。  以上でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私も上山参考人と同じ問題意識なんですが、ただ、今回の法改正の問題は、まず裁判所が職権で権限付与できないことなんですね。裁判所が、これ、あれっ、権限必要じゃないのと思っても、補助人とか申立人が申立てしてくれないと裁判所の方からそれは職権で付けることができない。この点、上山参考人が元々構成して意見書で描いていた世界と違うわけですよね。それからまた、特定補助人を付けるかどうか、これも申立人の判断ですよね。裁判所で強制的に付けることはできませんよね。その場合、やっぱり権限がない事態というのは起きてしまう。  また、最後に、保存行為というのは一体どこまでできるのかと。これ、前回の委員会で法務省の方に聞きましたら、本人の預貯金等の現状を保存するために必要と言えるときは保存行為として当該親族に対して本人の通帳等の引渡しを求めることができるとおっしゃるんですが、必要と認めるときはということなので、必要と言えるときはということなので、誰が必要と判断するのかということなので、保存行為によって本当に財産を預かることができるのかがはっきりしないんですね、非常に曖昧なんです。これは、補助人となる人の管理責任が曖昧だということなんです。これって本人の保護にとって極めて重大な問題じゃないかと思うんですけど、この辺りいかがでしょう。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) お尋ねありがとうございます。  まず一つは、陳述の中でも少し触れたかもしれませんけれども、今回、新しい仕組みの中では、中核機関やその他支援者と家庭裁判所との間での情報共有を密にする、月一回の定期報告を通じて抽象的な形で家庭裁判所が情報をキャッチするのではなくて、必要に応じて家庭裁判所の方からも積極的に意見照会などを通じて御本人の状況の変化などをキャッチアップしていかなければいけないと。この意見照会というのは、何となく家庭裁判所からその関係者への一方通行に思えるわけですけれども、これはそうではなくて、双方通行の情報共有のチャネルを開いたという意味合いを持っていると私は思っています。ですから、このチャネルを積極的に活用するということがまずは法的な視点からは重要ではないかというふうに思います。  そして、委員最も御懸念の、保存行為についての責任の所在というものが極めて曖昧ではないかという御指摘です。  確かにそうした見方もできるのかなとは感じます。その一方で、現在の後見人もそうなんですけれども、法定代理人という職種には一定の裁量権限、代理権の行使あるいは財産の管理に伴って一定の裁量権限があるからこそ柔軟な対応がし得るという利点も一方では存在しているということになります。  これはもう個々の事案の最終的には状況に応じることになりますので、なかなか一刀両断にお答えすることは難しいのではございますけれども、ある種の批判的な見地から見れば曖昧さといったものが、むしろ後見人、補助人側から、補助人の支援という観点から見ると、一定の裁量性を保有することによって柔軟な対応を保障していると。それが適切に動いていくかどうかというのは、しかし、新補助制度が施行された後にきちんとフォローアップで調査していく必要性があるだろうというふうに感じております。  以上でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 あと、もう一度、もう一点だけ上山参考人にお伺いしたいんですけど、国際機関の障害者の権利条約が、意思決定の代行制度は廃止すべきだというふうな表現にも受け取れることを言っていると。しかし、ラストリゾートとして、やはり意思決定の代行制度というのは廃止しちゃいけないんだと、こういった考え方もございます。  もちろん、支援は必要ですと、支援はもう本当にやることは必要なんですけど、それを原則としつつも、本当の最後の手段としての意思決定の代行というのは残しておかないと本人保護に欠けるんじゃないかと思いますが、この辺りいかがでしょう。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  今の点につきましては、私、委員と問題意識を共有するところでございます。私の個人的な見解といたしましては、少なくともラストリゾートという観点から一定の代行決定の余地を残しておくということは、判断能力不十分な方の支援に当たって必要である、そして、それは弱いパターナリズムによって一定の正当化はし得るものだと、こういうふうに考えております。  もう一点、委員、法律家でございますので法律的なお答えをいたしますと、代行決定というふうに言われているものと代理というものがどうやら完全に同じものというふうに受け止められる傾向があるわけですけれども、これは必ずしもそうではないのではないかというふうに私は思っております。つまり、御本人の意向をきちんと受け止めた上で、法律上の行使の形態としては代理権を行使しているけれども、実際には御本人の意思が実現されているのだ、つまり、代理権を使って御本人の意思決定が支援されているのだというふうに見ることもできる場合があると思うわけです。  なので、代行決定だから、代理だからという形式面だけで議論をすることは非常に危険で、全ての代行決定を廃止しなければいけないという議論をする際には、もう少し丁寧に具体的な、具体的にどのような行動が行われ、そしてその中で御本人の意向がどこまで保障されているのかというのを丁寧に検証しなければいけない、そのように感じております。  以上でございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 今度はちょっと星野参考人にお尋ねしたいんですね。  先ほど牧山委員から親亡き後の問題というのがありまして、私もそういうふうな、同じような意向を持つ親の方の依頼を受けたこともあるんですけど、やっぱり親御さんは子供のことを心配するわけですよね。その子供にちゃんと後見人というか、財産管理する人が付くかどうかということもやっぱり心配する人もいます。  その中で、私も後見人やるときは、今まで、恐らく星野参考人もそうだと思いますが、今まで後見人になると、預金通帳から家の鍵から車の鍵、証券、権利書といろんなものを預かってまいりました。少なくとも財産、全財産が何があるかということを把握した上で、収支計画や長期的なこの人がちゃんと生活できていけるようにという財産のプランも立てていたわけですね。  しかし、今回、補助の中身が特定の法律行為だけと、あるいは、場合によっては保存行為もある特定補助人でも管理するのは一部だけということになる可能性もあります。しかし、それで本当にいいのかと。少なくとも、全財産が何があって、収支がどうで、そういうふうな本人の全状態をこれ把握しておかないと、補助人というのはやはり本当の意味で本人に対して責任取れないんじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  確かに人によって違うかなと、私も長年経験している中で思います。正直言うと、後見類型の中で全財産が把握できない状況の中でやり続けているケースが今、現にあるんですよね。そこについては家庭裁判所と報告、相談しながらやっておりますけど、何が言いたいかといいますと、全財産を把握しなければならない状況がどこにあるかというところを、これまではもう後見類型ということで全部一律だったものを、これを個別にその必要性見ていくということがこの法改正の意味だと思っておりますので、必ずしも後見人が全財産を把握できないと補助人が支援ができないとは言い切れないというのは、ちょっと率直な今の実務の中の感想としてはあります。  多分、社会福祉士として担っている案件の特性というのもあるかもしれませんが、決して高額財産がない方ばかりということでもないということもあえてお伝えしておきたいと思います。  済みません、以上になります。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 ありがとうございます。  私からは以上です。ありがとうございました。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。ありがとうございます。  久保参考人から、本人の息遣いや足音を受け止めて人生の伴走者となる制度なり、あるいは補助人であってほしいというお話があったように、今回の改正というのは、これまでの硬直した財産保全ではなくて、身上保護、それから意思決定支援をチームで取り組んでいくというこの大本からの転換というふうに私は受け止めているんですけれども。  ちょっとまず久保参考人に、六年前に「実践 成年後見」にお書きになった文章で、家庭裁判所の後見監督について、本人の財産を旅行や記念日のイベント、少し値の張る買物などへ活用した際に注意を受けたり説明を求められたりするという指摘がありまして、ノーマライゼーションからすれば、若い時代、知的障害者であっても旅行や買物などを楽しむ権利、あるいはより条件のいい賃貸住宅への引っ越しといった生活の質の向上を実現する権利があるじゃないかと。私、そうだなと思うんですよ。  今日というか、成年後見利用の二期計画なども進む中で、今でも家裁の監督というのはこうなのか、その辺り、どう思われますか。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  実は、私、滋賀に住んでおりますけど、他府県の方がよくしょっちゅう電話をしてこられるのは、何を言われるかといいますと、御兄弟が後見人になっておられるんですけれども、お医者さんですので、その方は。ですから、亡くなったお母さんも障害のある御本人のところに随分とお金を口座に入れてきた、私も姉のところにお金を口座に入れてきた。その方が後見人になっておられるんですけれども、お正月間近なのでちょっと暖かいいいセーターをと思って、九千円ぐらいのセーターを買ったと。そうしたら、家庭裁判所でぜいたくですと言われたと。電話してきておられるのは、家裁の前で焼身自殺したいというふうにおっしゃって、また電話してこられるから、ああ、やっていないんだなという感じなんですけれども。  今でもそういうお電話が掛かってくるというのがぽつぽつございますので、私のところへ掛かってくるので、本当は全国的にはもっとあるのではないかなというふうに思っておりまして、いや、その九千円のセーターは障害があったらぜいたくなのかしらってみんなで話したら、そんなことないでしょうみたいな話になっておりますけれども、要は財産管理をどういうふうに考えていただいているのかということですね。  冒頭申し上げたように、私たち親は、本人の預貯金になっているものは、大変難しいことなんですけれども、本人が一生を終わるときに、葬式のためのお金だけ残して全部使い切ってほしいと思っているんです。ですから、残していただく必要はない。本当に一番最後に必要なものだけ置いて、あとはざあっと使っていただくということが本人の暮らしを豊かにする、本人の思いのとおりに、本人らしい暮らしをしていくためにお金を使っていただきたいというふうに思っております。ですから、少し、裁判所からそういうふうに言われるのはちょっと心外だなというふうには思っております。  以上でございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございました。  やっぱり、私も含め、法律家というか司法関係者が変わらなきゃいけないということなのかなと思うんですね。  そこで、上山参考人にお尋ねしたいと思うのは、好みも含めた意向の把握がこれは補助人の義務だと今回なるわけですけれども、この点について、先ほど、意思決定支援義務の法制化と捉えるべきだというお話ありました。この意思決定、チーム支援のこの補助人の義務の意義とか、それから何をすべきなのかと、あるいは、これに反した場合の効果などについて、もし教えていただければと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問どうもありがとうございます。  委員御指摘のように、私は、今回の現民法八百五十八条の本人意思尊重義務を改正することを通じて、ある一定の範囲において補助人に対して意思決定支援義務が法律上課されたものと解釈する余地があるのではないかというふうに受け止めています。そうであるならば、もう単純に意思決定支援しなさいというふうに法文に書き込むというやり方ももしかしたらあるのかもしれませんが、現段階において、そもそも意思決定支援というものを法的に定義するとなるとどのようなものであるのかということ、意見の一致をなかなか見ることが難しいという側面があります。  そこで、具体的に、少なくとも意思決定支援というその心構えで御本人と向き合う場合に、必要最低限、補助人はどんな行動を取らなければいけないのかというのを具体化したのが、まさに今回の改正法案であるというふうに受け止めています。  一方で、現在、既に後見実務のガイドラインというものが、これは最高裁判所も関与する形で作られておりまして、その中に、委員御指摘のように、チーム支援を行わなければいけないと。  これは、やっぱり支援者と支援を受けられる側が一対一で向き合って閉じた関係になってしまうと、逆に共依存の状態になったり、いろいろと難しい問題も生じてくることになります。それから、御本人の意向を受け止めるといっても、御本人が発しているものを本当に補助人が単独できちんと受け止めることができるかというと、人一人の個人の判断では難しい側面があろうかと思います。  そこで、立場を異にする法律の関係者であったり社会福祉の関係者であり、あるいは、もちろん親御さんとかの御家族であったりという、それぞれの立場のお持ちの方が御本人とチームで向き合うことによって、自分の、その支援する側の価値観を押し付けずに、丁寧に御本人の意向を確認していく、そうしたことが、一つは補助人の義務としても、法律的な義務としても望まれていくことになるのだろうというふうに感じてはおります。  これ、善管注意義務のある意味の具体化ですので、まさに義務違反になるかどうかというのは、ケース・バイ・ケースで残念ながら判断せざるを得ない。しかし、実務のデフォルトが、実務のスタンダードがそうした方向に変化していけば、当然、裁判所としても、そうした行動を取っていなければ、これは法的な善管注意義務として御本人に対する損害賠償責任を負うのだという判断をするようになるかと思いますので、これも実務の運用を通じてそうした方向に持っていく、それが望ましいのではないかというふうに感じております。  以上です。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 ありがとうございます。  そこで、星野参考人に、とはいえ、現場という、の現状という点を伺いたいと思うんですけど、冒頭、オーダーメードというふうに我々言うけれども、そうした御本人の変化に応じた対応が可能な制度というのは、これまではごく例外と、これを本来の姿にするというのは、これはもう本当に大変なことだというお話だと思うんですよね。  今の点に関して、補助人の候補者を選んでいくという、その受任者調整と言われると思うんですけれども、私が知る限りというか、地方の、特に地方の裁判所、家庭裁判所の所管、管轄では、実際、申立て、これまでの後見申立てで、後見人の候補者が既に決まっているわけじゃなくて、申し立てられるわけじゃなくて、裁判所の側がやっていただけそうな専門職にお願いして回ると。で、なかなか引き受けてもらえなかったり、あるいは、どなたかに寄っていってしまったりとかという。そのチーム支援の法的な要になるべき方がなかなか現実には定まらないというのがこれまでだったんじゃないのかなと思うんですよね。それではやっぱり仏作って魂入れずということになるわけで、この辺りを、特に小規模自治体なんかで具体化していく上でどんなことを考えていらっしゃいますでしょうか。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) 御質問ありがとうございます。  そうですね、小規模自治体というところの問題はあるんですが、私がおります東京では、家庭裁判所が名簿を、名簿から順番に当たっていって全て断られる、社会福祉士会のこの名簿はけしからぬとあの当初言われて、それから、家庭裁判所からの依頼ではなくて、もう支援機関からの相談を先に受ける形を東京ではつくって、そこで候補者を選定して、事前面談というのをもう十五年ぐらい前から私やってきたんですね。それをやったことによって、本人が、この人はいきなり後見人ですとならない形をつくって、これがちょっと全国的にちょっとずつ社会福祉士会の中では広がっているというふうに聞いています。  今回のこの新しい改正になったときに、本人が、本人の意向を聞いて選任するということが、先ほどお話があったように、最初に出てきましたので、本人がどう思うかというところはその人に登場してもらわないと言えないわけですので、そういう運用が必要になってくるだろうと思っています。  意思決定支援の話、先ほどもちょっとあったんですが、補助人だからこそ意思決定支援が難しいと思う場面があります、いろんな権限持っちゃっているから。だから、補助人が入らない形で意思決定支援をしていくということも一方で必要になりますが、今の候補者を選んでいくというところの本人の意思の尊重というところでは、決まってしまってからこの人ですではなくて、決まる前からどうでしょうというやり方を、やっぱりこれも当たり前にしていかないといけないのではないかなと思っています。それをすることによって、見直しをするということにつながりやすいと思っています。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 社会福祉士の皆さんだけじゃなくて、ほかのその専門職と言われる領域の皆さんがこぞってそんなふうな取組になったらいいなと思いますね。  それで、終われるのかと、本当にという、その終了という問題について、まず久保参考人に、まだそういう条件が整っているとは言えませんとおっしゃっていると思うんですけれども、特に重要だと思われる、どんな条件が必要かという、何を求めるかという点について、久保参考人、いかがでしょう。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  私たちの中で、どういうものが整えば大丈夫ねという話を正直きちんと議論がまだできているわけではございません。  ただ、皆さん、会員の皆さんとか役員の皆さんが口々にいろいろおっしゃっているのは、やはり終わったときの本人のその見守りも含めて、権利擁護、財産管理、要は、後見制度は使わないんだけれども、それに代わるものが地域の福祉の中でないと終われないよねと。要は、大変乱暴な言い方かも分かりませんけれども、荒野に放り出されるようなものじゃないのという話をしているんですね。ですから、その荒野にならない地域をどうつくるのかということがこれからの課題だと思いますし、地域福祉の部分も大いにしっかりと整えていただきたいなということは思っております。  以上でございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 あと一分しかなくて、上山参考人にお尋ねしたいと思うんですけれども、という状況をどうつくっていくかと、ここがスタートだということで、三年を目途に施行状況をしっかり見ながら見直していくということがありますよね。それから、先ほどおっしゃった三期計画を見通した専門家会議というのも厚労省所管ではあるわけで、ここに向かって、この本法の施行に当たって何をつかんでいかなきゃいけないのかと、家裁やあるいは法務省が、というのはいかがでしょうか。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 簡単にお答え、できるだけ簡単にお答えしたいと思います。  基本的には、まさに御指摘のように、三年後のフォローアップ調査、更に申し上げれば、まだ可決されていないわけでございまして、可決後二年半ほどの猶予期間があるかと思うんですね。このおよそ五年の間に地域福祉の体制というのをきちんと整える、そして地域福祉の仕組み、例えば、今の日常生活自立支援事業よりも、もっと判断能力の低い方でも扱えるような簡単な金銭管理の仕組みというのを例えば地域で整えていくというようなことを準備をしていくということがとても大切ではないかというふうに感じております。  以上でございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 時間になってしまって、星野さんに聞けなくて申し訳ありません。  ありがとうございました。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。  本日は、お忙しい中、ありがとうございます。  さて、私自身はこの改正案自体は大きく前進するものだというふうに理解していまして、その上で、これまでの後見制度でも解決できなかったのではないかと思っていた問題についてまずお聞きしたいと思います。  弁護士の仕事をしていますと、時々ある御相談が、意思能力自体はある程度おありになる御本人、そういう方について、ただ、御親族の一部とかあるいはお知り合いの一部とかが生活の面倒を見ておられるがゆえに、その方に頼り切っていて、財産管理も全て事実上行っておられると、その人のどちらかというとコントロール下にあるように見えるようなケース。先ほど久保参考人は、死ぬまでに使い切ってほしいという趣旨のことをおっしゃったかと思うんですけど、多くの場合は自分の死期は分からないものですから、使い切ることはなかなか難しい、ある程度残しておかないと不安だというところは外から見ていて思いますと。そういうケースで、どうも面倒を見ておられる御親族や知人の方がその方の財産を食い潰しているように見える、このままだとある時期に財産を失って、そして放り出されるんじゃないかというふうに、周りから見ると非常に不安に思うようなケースで、しかし、御本人は面倒見ておられる方のコントロール下にあると。ですから、これ、改正法の下でも御本人の同意がなければ当然補助も開始できないでしょうから、そういう方についてどうやってその方の財産を守っていかなきゃいけないのかというのは非常に難しい課題だなと思っておったわけですが。  そこでお聞きしたいんですけれども、今私が申し上げたような問題点がそもそもあるのかないのかということも含めて、そして仮にあるとすれば、御経験上どういう制度を構築、システムを構築すべきなのか、御意見があればお三方にお聞きしたいと思います。

久保厚子 一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会顧問

○参考人(久保厚子君) ありがとうございます。  現在もあります、そういう家庭ですね。親御さんが御本人の年金を自由に使っておられるというのもありますし、御兄弟の場合は面倒を見ないとそれが使えないと思っておられるので、御本人を御兄弟が取り合っておられる、そういう例もございます。  私たちは、御本人の意思というのが、そこで御本人にお聞きをしたこともあるんですけれども、御本人の意思は、上手に御本人に話をされますので、御本人は選べないという状態になっておられるんですね。だから、なかなかそれは難しいなとは思いますけれども、はた目から見ても、ちゃんと、何というんですかね、もうすぐうちの子の年金が入るから何か服買うんだみたいな話をされる方も、親御さんもおられますし、いろんなものを買っておられて、いや、それ駄目なんだよと言うと、大丈夫、ちゃんと名前書いてあるからみたいな、そういう話ではないでしょうというような方もおられますから、分かっていても、何で、なぜそういうふうになるかといいますと、扶養手当がございますね、扶養手当の続きのような感覚になっておられるんです。だから、その本人のものだという感覚ではなくて、扶養手当はおうちに入ってきますから、それの続きみたいな感じでおうちに入ってくるお金のような感覚がなかなか抜けないんだろうと思いますけれども、ちゃんと私は、意思決定支援もそうですけれども、本当は家族でない方がいいかも分からないと思っています、本当はですね。意思決定支援も、親の言うことは安心して大丈夫、言うとおりにしていたら大丈夫というふうに思いがちです、本人は。ですから、ちゃんとその間にそういう専門にやっていただく方がきちっと入っていただく。  財産管理もそうです。財産管理も、親が管理するんじゃなくて、別の方に管理していただくという方が私はいいんではないかなと思っています。福祉のところで管理してもらうということもできますので、そういう形がいいんではないかなというふうに思っています。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) 御質問ありがとうございます。  今御家族との関係については久保参考人が実際の御経験を基に詳しくお話しくださいましたので、同様の事案というのは、例えば知人を称する者やあるいは極めて悪質な事業者が御本人を囲い込んでしまうというような状況でも生じ得る問題かなというふうに考えております。  この点についての対応なのですが、私は、少なくとも現在の成年後見制度よりも新しい補助制度の方が対応がしやすくなるのではないかというふうに考えております。  というのは、実際のところ、例えば、御家族による本当に経済的な虐待と呼べるようなものがあるのか、あるいは悪質な事業者の囲い込みなのかというのは、単に第三者が外側から見て確実に評価ができるのかというと、これはなかなか難しいケースもあろうかと思います。そこで、後見人を付けましょうという話になると、いや、まさに終わらない後見ということで、場合によっては御本人にとって取り返しが付かない事態になってしまうという御懸念も御本人あるいは関係者の方に生じるかと思います。  それに対して、今回少なくとも制度としては終われる後見という形になりますので、一時的に、スポット的に財産管理権限を与えられた補助人がその中に直接入ることによって、それによって預金の動きなども補助人の権限で一定確認ができますので、これが本当に経済的虐待なのか、あるいは御本人自身が本当に信頼している御家族に向けた贈与なのかという辺りの見極めがきちんとできるようになるだろうと。そして、その見極めが付いたところで、更に必要な代理権を強化するか、あるいは、これははたから見ていたら少し心配だったけど実は大丈夫だよねということであれば、そこで一旦補助をやめるということもできるようになるわけで、こうした機動的な動きができるようになるという点で一時的に御本人が本当に厳しい状態に置かれているかどうかということをきちんと確認するために利用することができる、その道を開いたという点で新しい補助制度の意義、そこにもあるのではないかというふうに感じております。  以上です。

星野美子 公益社団法人日本社会福祉士会参事

○参考人(星野美子君) ありがとうございます。  私は、現場の中の虐待のことでちょっとお話ししたいと思うんですが、家族による使い込みのようなお話、本来であれば成年後見制度の前に虐待対応があってしかるべきなんですが、その虐待の判断が十分なされないままに、虐待だとあるなしを判断せずに成年後見制度に投げられてきたのが今まで数多くあったというふうに思っています。  なので、今回法改正することに、あっ、そういう問題がまずあるということで、であるとしたらどういう方法をということなんですが、まずはやはり虐待防止法というところ、冒頭で申し上げ、陳述で申し上げた見直しが必要だと思っており、首長申立てを規定している社会福祉法、老人福祉法とか障害者、知的障害者福祉法、この辺りの市町村長申立ての要件というかそういったものをもう一度見直す必要があるかなと思っていて、もしかすると今のような改正案によって有期的になるからこそ本人の意向を尊重できないケースというのが出たときに、その本人の保護をするために特定補助という選任を求めるかどうか、そういったことがやっぱり今後福祉法の、福祉の方で整理されなければならないのかなというふうに思っています。  特定補助の場合は、医師の診断二名ということになりますので、そういう運用面のところもどうするのかというところも出てくるのかなと思っています。  今までは、成年後見は終わらないので虐待があっても後見を使わないというケースもたくさんありました。それはもう本人にずっと後見人が付いてしまうから最後の手段だと。でも、今回はそうではなくて、必要なときにはちゃんと保護ができて、必要なくなれば終わらせられる、そういう意味では新法になる方が私も使いやすくなるというふうに感じています。  以上です。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 ありがとうございます。  もう一点、類似の問題なんですが、今度は、これまで専門家の弁護士も含めて後見人など、これが終わらない後見であったことも理由の一つだと思うんですが、残念ながら横領などの非常に悪質な事案が後を絶たないことがありました。もちろん、親族の後見人のこともあったと思います。  これについて、この新しい改正法ではそれを何とか防ぐ方法として、どういうふうに機能していくのか、どういうものがあるのかについて、上山参考人にお答えをいただければと思います。

上山泰 新潟大学法学部教授

○参考人(上山泰君) お答えいたします。  極めて難しい問題だと私も承知しております。  まず一つ申し上げられるとすれば、月一回の定期報告、失礼いたしました、年一回の定期報告が現状かなり形骸化していると見受けられる部分もあるわけですけれども、これをもっと実質化することによって、不正な状況が起こっていないか、これは親族後見人、専門職後見人かかわらずですね、裁判所が丁寧にチェックしていくという機会が法体制としては整えられたということが一つあろうかと思います。  そしてもう一つ、少し委員のお考えと、その議員のお考えと、御質問とずれるかもしれませんけれども、私は、残念ながら、人間が行う仕組みである以上、全ての不正行為を一〇〇%排除するというのは現実問題として難しかろうというふうに考えております。もしそうした仕組みをつくろうとすると、社会的なコストが跳ね上がってしまって、現実には動かし難いものになりかねないと。  そこで問題なのは、実際に不正行為が行った場合に、それをきちんと適切に、できるだけ速やかにリカバーすることができるか、その仕組みというものを整備していくということが極めて重要ではないかと。  例えば、自動車事故であれば、自動車損害賠償法によって少なくとも一定の補償を得られるということが法制度によって担保されているわけです。後見人は新補助であっても御本人の財産に一定関与するわけですので、そこでトラブルが、何らかのトラブルがあった場合に、例えば損害賠償の仕組みであるとかそうしたものを、もう少し堅い仕掛けとして考えていくということも一案かなというふうに感じております。  以上でございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 ありがとうございます。  私からはこれで以上です。ありがとうございました。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 以上をもちまして、参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十八分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #3219 観測 2026-07-18 23:31 JST
    改ざん検知用の値 0672603f…d8a1dd (未計算)

チェックポイント

記録
#3222 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
4514faea…2c3f38

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。