令和八年五月十四日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月二十三日 辞任 補欠選任 宮本 和宏君 山崎 正昭君 五月十三日 辞任 補欠選任 有村 治子君 上野 通子君 山崎 正昭君 出川 桃子君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 伊藤 孝江君 理 事 古庄 玄知君 こやり隆史君 打越さく良君 川合 孝典君 横山 信一君 委 員 上野 通子君 岡田 直樹君 鈴木 宗男君 出川 桃子君 福山 守君 山谷えり子君 泉 房穂君 牧山ひろえ君 小林さやか君 嘉田由紀子君 安達 悠司君 仁比 聡平君 北村 晴男君 国務大臣 法務大臣 平口 洋君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 内閣府大臣政務 官 古川 直季君 法務大臣政務官 福山 守君 文部科学大臣政 務官 福田かおる君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 政府参考人 内閣府大臣官房 審議官 後藤 一也君 内閣府大臣官房 審議官 由布和嘉子君 警察庁長官官房 審議官 服部 準君 こども家庭庁長 官官房審議官 源河真規子君 総務省大臣官房 審議官 坂越 健一君 法務省大臣官房 司法法制部長 内野 宗揮君 法務省民事局長 松井 信憲君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 出入国在留管理 庁次長 内藤惣一郎君 外務省大臣官房 参事官 上田 肇君 外務省国際法局 長 中村 和彦君 文部科学省大臣 官房学習基盤審 議官 堀野 晶三君 国土交通省大臣 官房審議官 藤田 昌邦君 防衛省大臣官房 長 小野 功雄君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査 (検察庁の組織改革に関する件) (児童虐待の防止に関する件) (再審制度の見直しに関する件) (外国人労働者の就労の適正化に関する件) (肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する件) (親権制度に関する件) (法務省が行ったいわゆる東京裁判の記録収集調査事業に関する件) (在留資格「経営・管理」に関する件) (難民認定制度に関する件) ─────────────
法務委員会
発言 148
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、宮本和宏さん及び有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として出川桃子さん及び上野通子さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 国家情報会議設置法案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官後藤一也さん外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古庄玄知君 おはようございます。自民党の古庄です。 大臣にお伺いいたします。 近時、冤罪事件が多発しております。袴田事件、福井女子中学生殺人事件、大川原化工機事件、日野町事件、プレサンス事件、それから、ちょっと古いが村木事件、それから、新しいところでは神奈川県警交通違反不正摘発事件、これは二千七百件の不正がありました。佐賀県警DNA不正問題、これは百三十件。 このように、近時、冤罪が多発しておりますけれども、こういう現状について大臣はいかなる御認識でしょうか。
○国務大臣(平口洋君) お尋ねの冤罪については、法令上の用語ではなく、また、その意味内容が必ずしも一義的に明らかでないことから、法務省としましては、冤罪の定義について特定の見解を有しているものではございません。しかしながら、当然のことながら、処罰されるべきでない者が処罰されることはあってはならないと認識をいたしております。 一般論として申し上げれば、検察当局においては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて検察官の間で問題意識を共有して、反省すべきは反省し、その後の捜査、公判の教訓とするなど、「検察の理念」を踏まえ、基本に忠実で適正な捜査・公判活動の遂行に努めているものと承知をいたしております。 引き続き、こうした基本に忠実で適正な捜査・公判活動に努めていくことが肝要であると考えております。
○古庄玄知君 私が聞いたのは、こういうふうに多発していることに対するその御感想ということなんですけれども、御感想は今のようなことだということでよろしいんですか。
○国務大臣(平口洋君) 結構でございます。
○古庄玄知君 そうしますと、こういういわゆる冤罪事件というのが多発した原因はどこにあると思うのか、そしてこれらは、どうすればこういう事件は減ると思うのか、この点についての御見解をお教えください。
○国務大臣(平口洋君) 一くくりに冤罪と言っても個々の事件でございますので、個々の事件についてはお答えを差し控えたいと思いますし、それぞれの事件には特性があるというものと考えております。
○古庄玄知君 そうすると、総合的にはどこに原因があるかについてはきちんとした見解は持っていないと、そういう理解でよろしいんですか。
○国務大臣(平口洋君) 繰り返しになりますけれども、お尋ねの冤罪については、法令上の用語ではなくて、また、その意味内容も必ずしも一義的に明らかではないことから、法務省としては、その定義について特定の見解を有しているものではございません。 具体的事件において無罪判決が言い渡される理由は様々でございまして、処罰されるべきでない者が処罰されるような事態が生ずる原因としてどのようなものかを一概に申し上げることは困難でございますが、過去の無罪判決や検察当局の検証においては、例えば、客観証拠の吟味が不十分であったこと、また、自白の信用性に対する吟味、検討が不十分であったこと、さらに、新たな科学的捜査手法に対する理解、検討が不十分であったことといったような指摘がなされてきたものと承知をしております。 これらを踏まえて、検察当局においては、客観証拠を適切に収集、分析すること、また、積極、消極を問わず十分に証拠を収集、把握し、冷静かつ多角的にその評価を行うこと、また、供述の任意性の確保その他必要な配慮をすることなどの「検察の理念」を踏まえて、基本に忠実な捜査・公判活動の適正な遂行に努めているものと承知をいたしておりまして、引き続き、こうした基本に忠実な捜査・公判活動に努めていくことが肝要であると考えております。
○古庄玄知君 質問に真正面から答えていないということだと思いますが、次の質問に行かせてもらいます。 検察庁法十四条によると、法務大臣は、検察官を一般的に指揮命令することができるというふうに規定されております。近時のいわゆる冤罪事件が多発している状況に鑑み、法務大臣が検察庁に対して何らかの対策を指示したことはあるでしょうか。あれば、その内容を具体的に教えてください。
○国務大臣(平口洋君) 検察の活動は国民の信頼の上に成り立っているものでございまして、検察権の行使の適正さに疑いが生ずることがあれば検察の活動の基盤を揺るがしかねない事柄であると存じております。 その上で、本年二月に開催された検察長官会同におきまして、まず、検察がその使命を果たしていくためには、「検察の理念」に沿った検察権行使が徹底されることはもとより、検察が国民の皆様の信頼に支えられ続ける存在であることが求められるということ、次に、各庁の組織のトップとして部下職員を適切に指導していただきたいことといったような法務大臣訓示を行ったところでございます。 個々の捜査・公判活動が適正に行われるべきことについて、まずは検察当局において適切に対処、対応していくものと承知をしておりますが、私も法務大臣として検察の活動を注意深く見守ることとしたいと考えております。
○古庄玄知君 訓示というのはお言葉みたいなことであって、対策の指示ではないと思います。注意深く見守るということですが、要するに対策の指示をしたことはないと、そういうふうに受け止めました。 それで、今後、こういういわゆる冤罪の防止のために具体的な対策を検察に指示するお考えはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として申し上げますと、個別の取調べ又は処分に対する具体的指揮権の行使については、検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と検察権の独立性確保の要請との調和を図るという検察庁法第十四条の趣旨に鑑み、検察の検察権の不当な制約とならないよう、極めて慎重に対応する必要があると考えております。 その上で、お尋ねの冤罪防止のための具体的な指示というものが個別の刑事事件を前提とした指示を想定しているのであれば、具体的指揮権の行使につながりかねないことから、極めて慎重に対応する必要があると考えております。 他方で、お尋ねの趣旨が個別の刑事事件を前提としない指示を想定するとしても、具体的指揮権が制約されている趣旨に鑑みますと、一般的指揮監督権についても個別の刑事事件における検察の活動を不当に制約することがならないよう慎重に判断する必要がありますので、こうした指示をすることについても慎重に対応する必要があると考えております。
○古庄玄知君 そうすると、一般的指揮命令権の行使もしないと、そういうふうに理解しました。 今言っているのは具体的な指揮権でなくて一般的な指揮権なので、これは検察庁法に当然規定されているので、法務大臣が必要があればしなければならない指揮権なんですけれども、その指揮権も行使しないというふうに理解させていただきました。 時間の関係がありますので、次の質問に移らせていただきます。 いわゆる冤罪が発生する原因は様々ありまして、一概には言えません。自白が偏重し、自白するまで身柄を拘束する人質司法の問題、それから密室における取調べの問題、それから不利益証拠を隠蔽する問題、それからマスコミに情報を流して世論を誘導する問題、それから検察庁に追従する裁判所の事なかれ体質、あるいは弁護人の能力などなどが複合的に影響しているというふうに思われます。その中でも特に大きいのが、検察の組織の在り方ではないかと考えております。検察の独立性は必要ではありますが、法務大臣がほとんど口出しできないような強固な閉鎖性や、間違いや無罪をよしとしない極端な無謬性が横たわっているのではないかと思われます。 民意の下支えのない権力の行使は極めて危険であるというふうに考えますが、その前提で、法務大臣において検察庁の組織改革の必要性についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 「検察の理念」におきまして、あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすがごとき姿勢となってはならないこと、自己の名誉や評価を目的として行動をすることを潔しとせず、時としてこれが傷つくことも恐れない胆力が必要であることなどとされております。 検察当局においては、「検察の理念」に示された検察の精神及び基本姿勢を指針として適正な検察権行使に努めているものと承知しておりまして、御指摘は当たらないものと考えております。 他方で、検察職員が過度なプレッシャーを感じたり、報告や相談をしにくい状況に陥らせたりすることがないよう、上司や同僚にいつでも相談でき、相互支援を可能とする良好な組織風土を醸成することは重要であると考えております。 検察当局においては、こうした良好な組織風土の醸成に向けて不断に検討を重ね、職員一人一人が働きやすい、より良い職場環境の構築に努めているものと承知をいたしております。私も法務大臣として、検察当局におけるこうした取組を見守ってまいりたいと考えております。
○古庄玄知君 法務大臣としては検察庁の組織改革の必要性はないと、そういうお答えだというふうに理解いたしました。 ところで、海外では、検察の独立性と検察の暴走防止、これを両立させるための検察に対する外部監視制度というのが存在しております。イギリスでは検察サービス監察総監、フランスでは司法監察総監、それからアメリカとかブラジルとか、あるいは韓国でも高位公職者犯罪捜査処というふうなのがあります。 そういう意味で、検察庁から完全に独立した検察監察委員会のような外部監督機関を設けて、検察権の行使を外部のチェックにさらすようなシステムが必要だというふうに考えますが、この点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として、先ほども申し上げました無罪判決等がなされた場合の検察当局における対応に加え、御指摘のような第三者機関を設置して個別事件の検証を行うことについては、検察当局ではなく第三者機関が検証を行う必要性が問題となることに加えまして、まず、司法権の前提となる検察官の活動を検証の対象とすることは、検察官の活動を踏まえた評価であるところの裁判所の判断にも影響するものとならざるを得ない、失礼、検察官の活動を踏まえた評価であるところの裁判所の裁判も評価するものとならざるを得ない点で司法権の独立の観点から問題が生じること、次に、秘匿性の高い刑事事件に関する情報を検察当局以外の第三者に開示することとなるため、関係者の名誉、プライバシーを侵害するおそれもあること、こういったような観点から慎重な検討を要するものと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○古庄玄知君 はい。 全てについて消極的だというふうに理解いたしました。 以上で終わります。
○牧山ひろえ君 参議院の牧山ひろえです。 今日も、共同親権に関する附帯決議についてフォローアップしたいと思います。 配付資料一を御覧ください。配付資料を御覧ください。 十一番についてフォローしたいと思いますが、附帯決議にありますとおり、DV及び児童虐待を防止することは共同親権をめぐる議論で度々取り上げられました。 まず、児童相談所を担う児童福祉司や児童心理司については、増員が求められる一方で、激務による離職ですとか人材定着の難しさが大分前から課題となっております。 現場の負担ですとか定着率の現状をどのように認識しているのか、そしてまた、処遇改善ですとかメンタルケア、DX化を含めて、今後どのように人材確保、定着支援を進めていくのか、こども家庭庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。 児童相談所における児童虐待相談対応件数は依然として多く、こうした状況に対応するため、御指摘いただいた児童相談所の体制強化は急務であると認識しております。 こども家庭庁では、令和四年十二月に新たな児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、児童福祉司、児童心理司について毎年度全国的に計画的な増員を図っておりまして、令和八年度においても必要な地方財政措置を講じることとしております。 新規採用により一定の人材確保は図られておりますが、業務の負担が大きく、心身の不調や業務上の悩みなどを理由に離職する方も多くて、職場定着は大きな課題であると考えております。 このため、児童相談所職員の新規採用や定着支援に向けて、自治体が行う採用活動に対する補助、児童相談所業務等の魅力発信といった人材確保支援を進めるとともに、職員の働く環境や質の向上を図るため、児相職員のメンタルヘルスをケアする専門職員の配置に対する補助、ICT化による職員の業務軽減、効率化の支援などにも取り組んでおります。さらに、児相職員同士が仕事の悩みの相談や意見交換をする場を提供するピアサポート等の人材定着支援事業も行っており、こうした取組を通じ、今後とも、児童相談所の人材確保、定着に向けて、国としてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○牧山ひろえ君 本当に、児童相談所はどこでも本当にお困りだというふうに古くから聞いておりますので、是非、今年は共同親権が施行されましたので、より一層充実させていただければと思います。 続きまして、関連して、児童虐待防止について話題を移します。 これまで私は、児童相談所虐待ダイヤル、いちはやく、一八九について、そもそも、いち早くという言葉は大人の言葉だと思うんですよ。小さい子供で、虐待を受けている子供がいち早くという言葉をぱっと思い付くかどうかといったら、私は、いち早くという言葉、小学校一年生が使わないんじゃないかなというふうに思うんですけれども。前々から言っているんですけど、子供がいじめに遭ったり迷子になったりしたときに、子供でも、そして何も子供と大人と別々の番号にする必要もなく、子供でも大人でも覚えられる一括した子供に関する問題のSOS番号、子供でも簡単に覚えられるSOS番号が必要だというふうに私はもう本当長年訴えてきているんですけど、やっといちはやくというのができたと思いきや、これはもう児童虐待専門のということですけど、幾つもつくる必要ないので、一括して、例えば一二三のように、どの子供でもぱっと覚えられるような番号にすれば、もしものときの子供の救済にもつながると思うんですね。 これについて、政務官、子供でも簡単に覚えられるこのSOS一括番号、必要だと思いませんか。
○大臣政務官(古川直季君) お答えいたします。 委員御指摘の児童相談所虐待対応ダイヤル、いちはやくは、虐待を受けたと思われる子供を見付けたときや、子供自身が虐待を受けたと思ったときなどに、ためらわずに児童相談所に通告、相談ができるよう、分かりやすい全国共通の三桁番号として平成二十七年から運用をしております。いちはやくの運用開始から十年以上、国民への周知啓発に努めてきたところであり、国民に浸透してきているものと考えております。また、令和五年からは、子供や保護者などが親子関係や子育てについて悩んだときに気楽にSNSで相談できる窓口として、親子のための相談LINEの運用を開始しているところであります。 したがって、現時点でいちはやくとは別に新たな専用ダイヤルを設けることは考えておりませんが、委員の御指摘も踏まえ、子供への分かりやすさという観点も重視しながら、児童相談所虐待対応ダイヤル、いちはやくや親子のための相談LINEといった各種相談窓口の周知啓発に努め、児童虐待の発生の予防、早期対応につなげてまいります。
○牧山ひろえ君 いちはやくの番号ももう浸透大分してきたということであれば、それを止める必要はないかもしれませんけれども、もう最初から大人はいちはやく、子供は子供用の一二三とか、そういうふうに分ける必要はなかったなと、今更ですけど、もういちはやくができる大分前から言っているんですけど、でも、是非、子供用の、子供が本当に虐待を受けている間に、例えば、その虐待している大人がちょっと出かけたり、ちょっとの隙のときにぱっぱっぱって電話ができるように、子供でも覚えられる番号にしてもらいたいなと。そうしないと、子供、もちろん大人が児童虐待を発見することもあると思うんですけど、大体クローズの場で子供は虐待されると思うので、子供自身が電話できなきゃ駄目だと思うんですね。なので、是非、一二三のように子供でもぱっと覚えられるような番号を取り入れていただきたい。それから、もちろんSNSですとかいろんな、子供が最近使っているいろいろな手段があると思いますけれども、いろんな方法が命を守るきっかけとなりますので、あらゆる手段を備えるという意味でも、是非私の提案、一二三でもいいんですけれども、こういう簡単な番号をお願いします。 引き続きですけれども、共同親権の附帯決議十一番についての議論をしたいんですけれども、先ほどの児童虐待対策に加えて、DVの被害対策もより一層対応するよう述べられております。その方法を聞いたところによりますと、各地に設置されている配偶者暴力相談支援センターに相談した先には配偶者暴力防止法に基づく協議会というものがあり、これは四十二都道府県にあるとのことなんです。四十七のうち四十二まで来たんです、今年の一月には。 目標としては、二〇三〇年までに全国四十七都道府県に設置されるというふうに承知しておりますけれども、まだ設置していないのが大阪府、静岡県など五県、あともう五県ですから、女性新法などほかにも関係する救済枠組みがあるとはいえ、せっかくここまで来たんですから、あと五県、二〇三〇年を待たずに是非、人の命が関わるこの緊急性の高い課題についてですから、具体的にその残りの五都道府県がなぜ立ち上がらないのか、立ち上げるために何をいつまでにやるのかということをお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(由布和嘉子君) お答えいたします。 配偶者等への暴力の被害者支援に当たりましては、委員御指摘のとおり、配偶者暴力支援センターと関係機関との連携が重要であると考えております。このため、第六次男女共同参画基本計画におきましては、配偶者暴力防止法に基づく協議会を設置している都道府県数について、二〇三〇年四月までに四十七都道府県とするとの成果目標を掲げております。 現時点で配偶者暴力防止法に基づく協議会が設置されていない都道府県につきましては、例えば、既存の非法定の協議会を法定協議会にするに当たりまして、その機能の充実を検討しているなど、設置準備に時間を要している自治体があるものと認識しております。 内閣府といたしましても、全ての都道府県において配偶者暴力防止法に基づく協議会が設置されるよう、自治体に取組をしっかりと促してまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 是非一つ一つ具体的に、なぜ立ち上がらないのかということは調べてはいただいていると思いますけれども、期限を決めて、去年からもう大分増えたと思いますけれども、あと五都道府県しかないので、せっかくですからもうすぐやってください。こうすることによって、本当に緊急性を伴う高い課題ですし、こうすることによってDVの被害対策、すぐに対応できると思いますので、是非この協議体を早急にあともう五つつくっていただければと思います。具体的なお願いでございます。 それから、話題は変えますが、ギャンブル等依存症対策について法務大臣にお伺いしたいと思います。 三年ごと改正の第二回となる令和七年三月二十一日公表の基本計画には、省庁横断的に各省が連携を取りながら依存症対策に当たるように指示されているんですね。法務省では、日本司法書士連合会がシンポジウムなどを開催して啓発活動するよう記されているんですけれども、このシンポジウムに関して、昨日法務省に聞きましたところ、主体的には連携していないということが分かったんです。ちょっと拍子抜けしてしまったんですけれども、一応、基本計画には省庁横断的に、ちゃんと法務省と具体的に書いてあったので、やっぱり司法書士にお任せしているというのは、お手伝いぐらいは、講師が必要だったらお手伝いぐらいはしますよという、そういうレベルだという実態が分かったんですが、やっぱりギャンブル依存症は本当に深刻な問題。例えば、自己破産とか犯罪とか自殺とか、こういった本当にもう家族だけではもうどうしていいか分からないという多くの人たちの悩みを聞いておりますけれども、こういった問題の引き金になり、場合によっては人権をも奪う深刻な社会問題だというふうに言われております。 法務省が、例えば厚労省と連携して精神的ケアを図るなど、もっと主体的にリードしていくぐらいの決意を示すべきだと思いますが、法務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) ギャンブル等依存症対策につきましては、関係機関が相互に連携し、総合的に進める必要があると認識をいたしております。 御指摘の基本計画においては、関係省庁は関係機関に対して通知を発出し、各地域の包括的な連携協力体制に積極的に参加すること等を促進することとされております。法務省も日本司法書士会連合会に対して通知を発出し、特に多重債務問題への対応の観点から、司法書士会の積極的な参画を促進してきたところでございます。 法務省としましては、引き続き、基本計画に基づいて、ギャンブル等依存症対策において司法書士がその役割を果たすことができるよう、日本司法書士連合会としっかりと連携してまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 司法書士会等いろんな団体さんにお願いしているのはいいんですけれども、積極的に主体的に一緒になってやっていただきたいと思いますし、また、例えば日本司法書士連合会がシンポジウムを開催するに当たりどういうものが必要なのかということも具体的に聞いて、そしてそれをちゃんと応えてあげていただきたいし、さっきも言いましたように、いろんな団体に言うんじゃなくて、自ら法務省が発案して関わっていただきたいなと思うんです。 この問題は、また機会があれば私も引き続き取り組んで発言してまいりたいと思いますが、本当に苦しんでおられる依存症の方々、そして依存症の特に家族の方の思いを込めて、私もこれからも法務委員会でもまた引き続き応援していきたいなと思っております。 ありがとうございました。質問を終わります。
○泉房穂君 泉房穂です。 再審法に関してです。大きく状況が変わりました。いよいよ国会議員の出番です。政府案が提出されます。そして、超党派の議員立法案も提出されると聞いております。 私個人の立場としては、超党派の議員立法案を可決すればいいという立場ですが、仮にそれが難しくても、提出されるであろう政府案を立法府の責任において修正すべきが私たち立法府の責任。立法府は法律を作るところです。私たちが法律を作り、それに従って検察や法務省が動いていただくというのが国会議員の仕事だという認識であります。 それを前提に、今日は刑事局長に質問しますけど、時間十分なんで、もう端的にお答えをお願いします。 前提として、ペーパー配っておりますけれども、このテーマの問題は何か。冤罪の被害者が、犯人でないのに長期間放置されている。冤罪被害者を早期救済するのが目的です。与野党対決のテーマではありません。まさに被害者救済という正義のテーマです。 何をすればいいか。簡単です。どうしてこんなに長期化しているか、どうしてこうなっているか。証拠を隠すからです。捏造した証拠を捜査機関が隠し続けるから、だから長期化しているんです。それを早く出せばいいんです。もう一つ、再審の開始決定がしたら、すぐちゃんと再審の裁判をすればいいのに、引き延ばしをするから掛かるんです。簡単に言えば、証拠をしっかり開示する、抗告を禁止する、これはメインであります。 それに加えて、あとの論点もありますので、二枚目のペーパー、御覧ください。大きく四つほど論点が言われております。時系列に沿っていきます。 まず、いわゆる再審が始まる前の調査手続を、今回政府案は入れようとしています。誰も望んでいません。冤罪の被害者救済のための法案なのに、どうして早く棄却するような内容を入れる必要があるんですか。調査手続については、私は不要と思います。 これは、まず確認します。今、こんな規定ありませんよね、現状、現行法に、局長。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 御指摘のとおり、今、再審の請求審に関する手続規定は極めて少ないものでございまして、いわゆる調査手続については、今回の法改正で、法案を提出すべく準備している中で出てきたものでございます。
○泉房穂君 であれば、これは修正で削除します。 次、行きます。二つ目です。いわゆる証拠開示の問題です。 証拠開示は、おっしゃるように、御指摘のとおり、現行法では十九条しか再審の条文がなく、証拠開示に関する規定が不足している点は、そのとおりであります。 今回ですけど、現状よりひどくなる案作ってどないするんですか。今よりも証拠が出にくくなるような改悪じゃないですか。私は本当に情けなく思います。 一点、まず聞きます。一つ目です。 証拠の一覧表、日野町事件の第一次再審請求審では、現行法に規定はないけれども、裁判官が命じて一覧表出てきています。これ違法ですか、端的に、違法か違法でないか、お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません、個別の事件のその経過も、私、今全て把握しているわけでございませんので、法務当局としてちょっとお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○泉房穂君 実際、現行法の状況でちゃんと出てきて、弁護側が見ているんです。今回は見れないんです。 確認します。今回の政府案だと証拠の一覧表、見れるのは裁判官だけで、弁護人側は見れないということになっていますが、合っていますね、どうぞ。
○政府参考人(佐藤淳君) 現在、法制審で答申を受けた案におきましては、裁判所が検察官に命じて提示させる一覧表については、裁判所は何人にも閲覧、謄写させることはできないこととされているところでございます。
○泉房穂君 改悪じゃないですか。現行法でできることをできなくする必要はありますか。何のための改正なんですか。 次、二つ目行きます。 開示するときのまさに対象ですが、議連案では弁護人側というか再審請求人側ですが、今回の法案では裁判所にという形です。ここの議論もいろいろあると思いますが、今日はそれは聞きません。 ポイントは、開示される範囲が、今の政府案では、関連性の名の下に縛る、つまり制約する、これまでよりも証拠が出にくいということが多くの方から言われています。 この点、今の説明は、恐らく今回の政府案でもちゃんと十分出てくるという説明かと思いますが、議員立法案の規定の仕方は当然御存じでしょうけど、議員立法案と政府案とで、実際証拠の出る範囲は違うのか違わないのか、お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません、議員立法のことについて私からコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、その上で、今の御質問は、いわゆる関連性を問わない裁判所の裁量による証拠開示命令制度を設けるべきではないかという御質問だとして受け止めますと、その上で、御指摘のような制度を設けることについては、法制審議会において議論が行われたものの、再審請求審においては裁判所が再審請求理由の有無を判断する手続でありまして、この再審請求理由と関連しない証拠まで提出を命ずることは裁判所、再審請求審の構造と整合しないであるとか、再審請求理由との関連性を問わずに証拠の提出の要否を判断することは困難であるとか、今の答申の証拠の提出命令制度によって必要十分な証拠が提出されることになるので別途規定を設ける点については乏しいといった意見が大勢を占めて答申に盛り込まれなかったものと承知しておりますが、法務省としては、法制審議会の答申を重く受け止めつつ、与党内審査における議論も踏まえて、できる限り速やかに法案を提出するよう、できるよう準備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○泉房穂君 その説明は十分これまでもしておられますから、もう今日はその段階ではありません。立法府において修正するということです。それが違うのであれば、より幅広い証拠開示が必要なわけですから、議員立法案の内容に修正すればいいし、もし変わらないというのなら抵抗する必要はないはずです。条文の書きぶりを変えた方が多くの方が狭くなると懸念しておられるわけですから、条文の書きぶりを、今の政府案を議員立法案の書きぶりに変える修正案を私は出す予定ですので、そのことをお伝えしておきます。 さらに、もう一点、今は現行規定がないので、裁判所が命じて証拠が出てきました。袴田さんの事件の写真もそうです。日野町事件のネガもそうです。ところが、今回は縛っているので、それが出てこなくなるのではないかという懸念が言われているところであります。現状は裁判官次第で命令できているような内容が、今回の政府案によって縛られてしまうという懸念であります。 現状の裁判官がやっている証拠開示の命令は違法ですか、違法ではありませんか、お答えください。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 証拠開示命令の今の運用が違法であるということはないというふうに思っております。 その上で……(発言する者あり)
○泉房穂君 違法でないのであれば、違法でないことを今より悪くする必要はありません。 現状できることは少なくともできるように法改正必要ですから、裁判官の裁量による、まさに証拠開示命令、証拠提出命令でも私は構わないですけど、いずれにしても、今より悪くしては駄目だという考えから修正が不可欠だと考えております。 次、目的外使用のものです。現行法上、こんなものありませんよね。どうぞ。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 現行で、再審請求審におきましては、いわゆる証拠、いわゆる証拠開示命令制度、あるいは証拠提出命令に関するルールはございませんので、目的外使用の禁止についても通常審と異なって、ないということでございます。
○泉房穂君 現行ないのに改悪することないじゃないですか。現行法で別に何か問題起こっていないんですよ。現行法で問題ないのに、なぜ改悪するんですか。こんなの削除でいいと思います。 最後に、抗告です。 抗告はもう多く議論されております。今回、大きく修正、政府案修正がなされると理解をしております。いわゆる刑訴法上四百五十条に規定する抗告規定の部分から四百四十八条一項の再審決定の部分を削除するという条文であります。だったら、もうそれでいいじゃないですか。それを削除すれば、それで全面禁止になるんですから、新たな新設条文を作る必要はないと私は考えます。 質問は端的です。この委員会にてその新設条文を削除すれば全面禁止が実現します。それはそれで合っていますね。
○政府参考人(佐藤淳君) 済みません。お尋ねにつきましては、与党内審査において議論いただいているところでありますので、現時点において私からお答えするのは差し控えさせていただきます。
○泉房穂君 じゃ、ここをもう一回聞きます。 四百五十条の抗告規定から……
○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、新たな質問の方はお控えください。
○泉房穂君 再審決定の部分がまさに削除されれば、全面禁止になるという理解を私はしております。その方向でやるかやらないかは立法府の責任なので、もう今となっては法務省を責める気はありません。ある意味、立法府の責任において修正を果たすということでありますので、今おられる委員の皆さん、是非共に頑張りましょう。よろしくお願いします。
○川合孝典君 国民民主党の川合です。 本日は、来年からいよいよ施行されることになる育成就労制度、これに伴って外国人労働者の方が今後入国される方が増えてくるという、こういう状況下にあって、外国人労働者の方の就労の適正化についての取組、このことの必要性について少し現状を踏まえて議論させていただきたいと思います。 まず、政府参考人にお伺いしますが、現在の資格外就労を含む不法就労者の全国的な状況について御説明をお願いします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 令和七年中に出入国管理及び難民認定法違反により退去強制手続又は出国命令手続を取った外国人は一万八千四百四十二人でございまして、そのうち不法就労が認められた者は一万三千四百三十五人で、全体の七二・九%を占めております。不法就労が認められた者の就労場所は、茨城県三千五百十八人が最も多く、次いで千葉県千九百六十七人、群馬県千四百二十六人と続いているところでございます。
○川合孝典君 ありがとうございます。 この今、茨城、千葉等で出てきた人数については、これは資格外就労も含むということですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 含むところでございます。
○川合孝典君 基本的な質問になりますけれども、これだけの数の資格外就労が発生している原因というのは一体どういうものなんでしょう。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 資格外就労者を含む不法就労者でございまして、これ全員が資格外就労というものではないと理解しておりますけれども、やはり不法就労者が発生する原因は、在留資格やそのお立場、個々の事案によっても様々かと思って、一概にお答えすることはなかなか困難かなとは思っております。
○川合孝典君 恐らく、いわゆる在留資格を確認せずに雇用している方がいらっしゃるということがその原因の大きな一つだと理解しているんですけれども、在留資格を確認せずにいわゆる外国人労働者を雇用する、そういうことをやっていらっしゃる方々に対する何らかの具体的な対応が必要だと思うんですけれども、そういったことについては検討はされておりますでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 不法就労対策に関する御質問と伺いましたけれども、出入国在留管理庁では、不法就労対策として様々な取組を行っているところでございます。 例えば、在留カードの偽変造が非常に精巧となっていることへの対策としては、在留カード内のICチップ内に記録されている情報をスマートフォン等の画面に表示し、カード券面と見比べることで偽変造の有無を確認することが可能となる在留カード等読取アプリケーションを無料で提供しているところでございます。また、在留カードの番号を入力することで在留カード番号の有効性を確認できる在留カード等番号失効情報照会を出入国在留管理庁のホームページ上で公開しており、これらを併せた利用についても雇用者等の方々に対して周知することで、不法就労の防止に努めているところでございます。 加えて、独自にあるいは関係機関の協力を得ながら不法滞在者の情報の収集、分析を行い、事案に応じて警察等とも連携して調査を進め、不法就労や不法残留等の違反事実が確認された場合には取締りを実施しております。特に、不法就労助長者、雇う側を念頭に摘発を積極的に行うほか、不法就労助長者につきましては、刑事処分の内容にかかわらず、警察等から情報提供を受けるなどして、積極的に逮捕等、退去強制手続を取ることとしております。 さらに、不法就労等の防止、不法滞在者の地方出入国在留管理官署への自主的な出頭の促進等に向けた広報啓発活動及び指導、これを積極的に実施しているほか、警察、厚生労働省等の関係機関と連携し、不法就労外国人対策等関係局長連絡会議を設置して、不法就労等外国人の問題について連携、協力しているところでございます。 引き続き関係機関とも連携を強化し、不法就労対策に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 不法就労対策のメニューは、今説明を受けると、完璧に対応していただいているように聞こえるわけでありますが、にもかかわらず、この一万八千人以上の不法就労者が発生しているんだとすれば、これは、そういった事態を受けて今そういう体制を整えているのか、やっているのにこれだけ出ているのかということについてはいかがですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 不法就労者を含めます不法滞在者につきましては、ゼロプランの下、鋭意削減に取り組んでいるところでございまして、近年、六千人という、六千人、七千人というオーダーで減少しているところであって、着実に効果は実現できていると、こういうふうに認識しております。
○川合孝典君 取組を進めていただいて、その効果の検証をどれだけきちんとするのかということが、そのことが求められていると思いますし、いわゆるアプリを活用して本人確認を行うといったようなことと、また啓発活動も非常に大事なことだと思いますけど、よく国の取組であるのは、メニューはいっぱい作ってそれをホームページにもしっかり載せてということはやっているんだけど、あること自体を当事者が知らないということで、作ったけど使われていない事例というのが極めて多いということを考えると、ゼロプランを今進めていらっしゃるということですので、来年度の、来年の春以降のことを想定して、今のうちからやはりそういった取組については広報啓発、それからそうした制度の枠組みの利用促進に向けた取組はもっと発信をしていただきたいと思います。恐らく、今説明を受けた皆さんも、委員の皆さんも、あっ、そこまでやっているんだということは今回初めて聞く方が多分多かろうと思いますので、当事者である入管庁の皆さんは深く御理解していらっしゃると思いますけれども、入管庁以外の方は知らないということを前提としてどう啓発活動を行っていくのかということ、このことをお願いしておきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 近年、近頃、いわゆる外国人専門人材、技人国の人材の単純労働の問題について、まあ資格外就労ということでありますが、そのことがマスコミ等でも取り上げられることが多くなっております。 ここで質問ですけれども、技人国人材の単純労働防止のため、今回、誓約書を出させる取組、運用が始まったということを私も新聞の報道で知りました。誓約書を出させるというこの取組について、具体的な内容を少し御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出入国在留管理庁においては、現在、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策に基づき、在留資格の適正化に向けた様々な取組を進めているところでございます。 お尋ねの在留資格、技術・人文知識・国際業務につきましては、特に派遣による就労の具体的活動内容の実態が十分に把握できていないことや、認められた活動内容に該当しない業務に従事する事案への対策が必要となっているところでございます。 そのため、令和八年三月九日以降、外国人が派遣形態で就労する場合に、派遣先において資格該当性のある活動に従事させることについて、派遣元と派遣先、この両方から誓約書の提出を求めるなどの運用の見直しを行ったところでございます。 誓約書について具体的に申し上げますと、申請書で申告した事項や提出書類の内容が虚偽でないこと、派遣元に対しては、申請人及び派遣先に対して申請人の在留資格で認められる活動範囲等を説明し、理解させること、派遣先に対しては、申請人の在留資格で従事可能な活動範囲等を自らが理解し、申請人をその活動に従事させることなどの内容について誓約を求めるものとなっております。 このほかも様々な取組やっているんですけれども、誓約書というところに限って御説明しますと以上のようなものになりますが、誓約に違反した場合の措置についても御説明いたしますと、当該申請者に係る在留申請を不許可処分とするほか、違反のあった所属機関において就労する外国人の在留諸申請については、誓約を守らなかった所属機関であることを前提として慎重に審査を行うなど、厳正に対応することを考えております。 出入国在留管理庁としては、引き続き、在留資格、技術・人文知識・国際業務の適正化に取り組んでまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 派遣で働いていらっしゃる方がつまりは対象になっている、今回のその誓約書提出の対象になっているということで理解をいたしました。誓約書を出しただけでどれだけ守るのかということについて、ちょっと新聞報道だけでは理解できなかったものですから、説明を伺って理解ができました。 その上で、このいわゆる技人国と言われるそのカテゴリーですね。技術・人文知識・国際業務と物すごく幅が広い実は枠組み、カテゴリーであって、永住資格者に次いで多い。たしか四十五、六万人対象者がいらっしゃるということで、ざくっとカテゴライズしているがゆえに、かえって管理というかチェックしにくい、監督しにくい側面があるんじゃないのかということをちょっと私自身は懸念をいたしております。 よって、今後のいわゆる育成就労、育成就労生と技能実習生が移行するケースと、幾つかのパターンで今後外国人の労働者の方が国内で働かれることに多分なるんだろうと思いますけど、制度移行時に少なからず混乱が生じることが想定されておりますので、この技人国というそのカテゴリーについても、どういう枠組みで管理をすることが適正な就労促進につながるのかという、そういう観点から是非御検討いただきたいということで、この点、指摘をさせていただきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 留学生のアルバイト時間の管理の強化ということについても今回取組を始められたということでありますが、このアルバイト時間の管理強化策の内容について具体的に少し御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 お尋ねの在留資格、留学について、総合的対応策におきましては、資格外活動の実態等を踏まえつつ、資格外活動許可及びその管理の在り方、日本語教育機関による在籍者の資格外活動の適切な把握及び指導の在り方を含む、について検討する、外国人雇用状況届出を活用し、複数の稼働先で資格外活動を行っている留学生を特定するなどし、教育機関と連携した実態把握や指導を行うこととされております。 これらを踏まえ、今般、出入国在留管理庁から日本語教育機関に対し、三か月に一度、資格外活動に係る許可の有無、活動先、活動内容、活動時間を確認すること、出入国在留管理庁から情報提供する、複数の稼働先で資格外活動を行っている留学生については、とりわけ慎重な確認を行うこと、これらの確認結果について、内容に応じて最寄りの地方出入国在留管理官署に適切に報告することなど、日本語教育機関による在籍者の資格外活動の適切な管理の在り方を示すとともに、教育機関と連携した実態把握や指導を行うこととしたものでございます。今般の対応につきましては、本年四月十日付けで当庁から各日本語教育機関に周知を行っておりまして、既に運用を開始しているところでございます。 出入国在留管理庁としましては、本取組の適切な運用を含め、引き続き、在留資格、留学に係る運用の適正化に努めてまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 確認なんですけど、この留学生というのは、日本語学校へ留学した方を限定対象、限定して管理を強化するという理解でよろしいですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 在留管理の適正化というのは、我々、どの在留資格についてもすべからく不断に見直して、適正化を常に考えていかなくてはいけないと思っております。 ただ、今御説明しました三か月に一度云々という、ここら辺の部分でございますけれども、これは日本語教育機関に対するものでございます。
○川合孝典君 日本語教育機関以外のいわゆる一般の教育機関に留学されている方については、その対象ではないということでよろしいですね。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 現時点では、そのようなものになっております。
○川合孝典君 私自身にも具体的なアイデアがまだ浮かんでいない状況ではあるんですけれども、留学生を受け入れるに当たって、特に日本語学校への留学生について、そこを対象にしているということは、その背景にあるのは、いわゆる就労目的で留学をするといったようなケースに対する対応の必要性を感じていらっしゃるがゆえに、日本語学校の留学生を対象に三か月に一回チェックをするという、こういうことに多分なっているんだろうと私は理解はしているんですけれども。 例えば、就労目的での留学、就労目的で留学を名目にして入国をされるということを基本的に防ぐということなのであれば、勉強のために来ているということなのであれば、例えば諸外国、アメリカなどでは、親の年収ですとか貯蓄ですとか、そういう、要は経済的な背景というものもきちんと入国審査のときに資料提出させるわけでありますので、そういったことも対応として考えられると思うんですが。 例えば、これ入管庁に聞く話ではないと思うんですけど、留学生の経済状態などを事前に確認をすることについて、どのように理解するのかということ、これ全く事前に通告していませんけど、もし、大臣、今の話を聞かれていてお感じになるところがありましたら、是非、御意見、見解頂戴したいと思いますけど、無理ですか。はい。じゃ、入管、お願いします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 先生がまずその点について御関心持たれているということは事前に若干伺っていたものですからちょっと御説明させていただきますと、留学生の入国・在留審査等においては、真に学習する目的を持っているかを見極めるために、勉学の意思、能力や経費支弁能力等について慎重な審査を行っているところでございます。 この点、経費支弁能力については、上陸基準省令第二号で、申請人がその本邦に在留する期間中の生活に要する費用を支弁する十分な資産、奨学金その他の手段を有することと規定されており、これらに基づき適切に審査しているところでございます。 出入国在留管理庁におきましては、経費支弁能力がなく日本国内での就労を目的とする留学生を受け入れることがないよう、引き続き、先ほど御答弁申し上げた取組含め、教育機関とも連携し、在留資格、留学に係る運用の適正化に努めてまいりたい、このように考えております。
○川合孝典君 今御説明のあった運用というのはいつから始まっていますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) これはもう従前からのものでございます。
○川合孝典君 従前からのものなんだとすると、そのチェックが甘いんじゃないかと思います。要は、絵に描いた餅で、きちんとチェックし切れていないがゆえに、いわゆる就労目的で留学生として入国される方がやっぱり複数指摘されているということであります。 私がこのことを申し上げたのも、以前、名古屋入管で問題が生じたスリランカの方のことがありましたけれども、あの方も語学留学、留学をするということで日本語学校に入学をする予定だったんだけれど、その学費を稼ぐために手間取っていていわゆる在留資格を失ってしまったというのが一番最初の発端、いわゆる失踪しなければいけなくなった発端にあったということでありますので、経済状態が事前にきちんと確認されていればそんなことは絶対起こらないという意味でいけば、これまでからやっているという説明、やっているということなのであれば、今の体制が十全に本来の目的を達していないということだと私は理解します。 したがって、今御指摘を申し上げた点も含めて、改めて体制について、何をすべきなのかということについて御検討をいただければと思います。 おおむね時間が参りましたので、私の質問、これで終わります。ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一です。 今日は、生成AIについて伺ってまいりたいと思います。 生成AIの急速な普及により、肖像や声の権利侵害にどう対応するのかが問題になっています。 私も使っているXでは、X上に投稿された画像をGrokで編集できるようになっており、他人が投稿した画像も手軽に加工できます。そのため、悪用への懸念が広がっているという状況です。 実は、私の投稿した写真が昨年にはイーロン・マスク氏に使われていました。この法務委員会を写した写真だったんですけれども、悪用ではないので気にはしなかったのですが、しかし、本人の同意なしに、それはまあ同意はなかったんだけれども、本人の同意なしに性的画像に加工することもあり得るわけで、そういう場合は、X上には被害に遭っているという声が上がっているところであります。 平口法務大臣は本年四月十七日の記者会見において、生成AIの普及等により、肖像、声等の無断利用の事案における民事責任の在り方に関し、現行の法令や判例の解釈、適用等について整理するため、肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会を設置すると発表されました。また、その結果を公表することを目指して、三谷法務副大臣に具体的な検討を指示をしたと。また、第一回の会議も開催をされたということであります。 そこで、本検討会の設置に至った背景について伺います。
○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。 近時、生成AIの普及等により他人の声や肖像の無断使用の事案が相次ぎまして、いわゆるパブリシティー権等の侵害が深刻化しているとの指摘がある反面、その外延が明確ではないという指摘があることも承知をいたしております。 このような指摘を踏まえて、民法を所管する法務省において、パブリシティー権等の侵害による民法上の不正行為の成否等の解釈について一定の整理を行うことが適当であると判断をいたしました。そこで、その具体的な検討を三谷法務副大臣に指示をいたし、本検討会の設置に至ったものでございます。
○横山信一君 じゃ、三谷副大臣に伺いますけれども、この急速なAIの発展により、これまで想定されていなかったあらゆる人権侵害に対する懸念が広がっているわけですが、具体的にどのような被害が生じているか、また実態を調査する必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 本検討会は、先ほど大臣が答弁されましたとおり、生成AIによる肖像、声等の無断利用の事案に関しましてパブリシティー権等の侵害による民法上の不法行為の成否等の解釈について整理を行うこと等を目的とするものであり、今御指摘のありましたこの実態調査は必要性感じておりますけれども、それ、権利侵害の実態調査それ自体を目的とするものではございません。 もっとも、本検討会におきましては、生成AIによる肖像や声の権利の侵害の実態等についても知見を有する方々に委員として参加をいただいておりまして、そのような被害の実態等を踏まえた議論がされているものというふうに承知をしております。 また、本検討会では、今後、権利侵害の被害を訴えておられる声優等の方々からヒアリングを行うことを検討しておりまして、やはり、そういった活動を通じまして、御指摘のとおり、被害の実態というものをしっかりと把握をしてまいりたいと考えております。
○横山信一君 被害を訴えている方たちの声を聞くというのは大事でありますけれども、実態はどうなのかということもですね、まずは検討会を立ち上げてということですけれども、その実態調査も更に踏み込んでやっていただきたいというふうに思います。 今、答弁にもありましたパブリシティー権について伺っていきます。 このパブリシティー権は、氏名権や肖像権とともに人格権に由来するものとされますけれども、肖像等の有する商業的価値に着目してこれを保護する権利として、肖像権とは区別されているものであります。 我が国におけるこのパブリシティー権の権利性について初めて正面から判断を示したものとしては、ピンク・レディー事件最高裁判決があります。これは、ピンク・レディーの写真を女性週刊誌が無断掲載したことに対して、肖像の顧客吸引力を利用する権利、すなわちパブリシティー権の侵害を訴えた裁判であります。平成二十四年二月二日の最高裁判決では、パブリシティー権を認めつつも、専ら顧客吸引力を目的とする場合が違法との基準を示し、ピンク・レディー側の訴えを棄却をいたしました。 そこで、現行法上、パブリシティー権や肖像権に関してどのような規定があるのか、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えさせていただきます。 パブリシティー権や肖像権につきましては、これらを直接定めた規定というものは、御指摘のとおり、ございません。その代わりということではございますけれども、これまで判例におきまして、その法的権利性や内容、こういったものが権利として保護される場合の要件等々がややきれいにされてきたところでございます。 民法七百九条は、不法行為による損害賠償について、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と定めておりまして、お尋ねのパブリシティー権や肖像権についても、御指摘のピンク・レディー事件に関する最高裁平成二十四年二月二日判決により、人格権に由来する権利として不法行為法上保護される権利であるということが認められているというところでございます。 そして、このピンク・レディー事件の最高裁判決では、パブリシティー権について、肖像等が商品の販売等を促進する顧客吸引力を有する場合に、このような顧客吸引力を排他的に利用する権利であるとした上で、この結論だけ申し上げれば、肖像等を無断で使用する行為は、肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用し、商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品に付し、あるいはこの肖像等を商品等の広告として使用するなど、こういった三つの場合を例示として挙げまして、専ら肖像等の有する顧客吸引力の利用を目的とすると言える場合にパブリシティー権を侵害するものとして不法行為法上違法となる旨判示をしているところでございます。 また、同最高裁判決は、肖像権についても、人の氏名、肖像等は個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると判示しているところでございます。 なお、この肖像権に関しては、法廷内写真撮影事件に関する最高裁判所平成十七年十一月十日判決におきまして、容貌等の撮影について、ある者の容貌等をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは、被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活受忍の限度を超えるものと言えるかどうかを判断して決すべきである旨判示したところでございます。 以上です。
○横山信一君 次に、氏名や声の権利についても伺います。 これまで、裁判所で声の権利が明示されたことはありません。今回、検討会でも声についてこれから検討を始めるというふうに先ほど答弁がありましたけれども、声についても、氏名や肖像と同様に、その人物を識別する情報であり、顧客誘引力がある場合にはパブリシティー権の保護対象と考えられます。 昨今のAIによる声の複製、いわゆるAIボイスというふうに言っているそうでありますが、このAIボイスの問題を受け、日本俳優連合などは声の肖像権を訴えています。 憲法第二十一条の表現の自由ですけれども、この表現の自由は一律に無条件で保障されるものではありませんが、個人の氏名や声といったもののうち、それ自体が商業的価値を有するものとはどのような関係になるのか、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答え申し上げます。 個人は、氏名、肖像等の顧客吸引力を排他的に利用する権利、いわゆるパブリシティー権を有しているというふうに考えられておりますところ、御指摘のとおり、個人の声についてもこの権利の保護の対象となるというふうに考えられるところでございます。先ほどお示しいただきました検討会におきましては、こういった考え方について基本的には異論がなかったところでございます。 もっとも、本当に表現の自由との関係というものをしっかりと考えていかなければいけないというところでございまして、氏名や声に顧客吸引力を有するという者は、当然ながら、社会の耳目を集めるなどして、その氏名や声を時事報道、論説、あるいは創作物等に使用されることもあるので、これは最高裁の先ほどのピンク・レディー事件の判決でもこういった形で論旨しているところでございますけれども、それを使えば何でもパブリシティー権の侵害となるということではなくて、その使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというふうに考えられるところでございます。 このピンク・レディー事件最高裁判決、繰り返しになりますけれども、一定の限度で氏名等の使用を正当な表現行為等として受忍すべき場合があると判示した上で、パブリシティー権侵害となる行為類型を先ほどの三類型ということで具体的に示しておりまして、これは一般に、パブリシティー権侵害となる場面をできるだけ限定をいたしまして、これを明確に示すということにより、表現行為あるいは創作行為等に対する萎縮効果を防ぐためであったというふうに理解されているものと承知しています。
○横山信一君 副大臣、ありがとうございます。多くの答弁をしていただいて、ありがとうございます。 非常に重要な観点で、今この声も割と比較的簡単に複製をすることができてしまうということになっていまして、私もいろいろな行事に参加すると、記念式典なんかで以前の町長の声を複製して町の紹介をされたりとかするのが、役所の人たちが作ったのを見てちょっと驚いたこともあるんですが、それほど割と手軽にできてしまうという現状があって、そういう意味では、こうしたパブリシティー権の考え方をしっかり整理しておくということは非常に重要であります。 一方で、経産省においては、このAI利活用に伴う事故発生時の民事責任における論点や考え方の整理等を行うこととして、AI利活用における民事責任の在り方に関する研究会というのが行われまして、本年四月九日にAI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引きというのを公表しています。 この手引きは、裁判例が乏しい現状において、民法や製造物責任法、いわゆるPL法ですけれども、これがどのように適用されるかの方向性を示したものであります。具体的には、民法の一般不法行為により、AIの開発者、提供者、利用者に過失があればその責任を負うことになるとか、あるいは、PL法により、AIを組み込んだ製品に欠陥があった場合には製造業者が責任を負うと、こういったことが示されているわけでありますが、この研究会における手引きと今回法務省において検討するものの違いについて伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 経済産業省のAI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引きは、AIの開発、提供、利用の各段階においてAIを用いたサービスやシステムが事故に寄与した想定事例を題材に、主として、不法行為法等の観点から民事責任に関する現行法の解釈適用上の論点及び考え方の整理を行ったものであるというふうに承知をしております。 他方で、この本法務省における検討会は、生成AIによる肖像や声等の無断利用の想定事例を前提に、パブリシティー権等の侵害の有無、損害賠償請求の範囲等に関する整理、検討を行うことを内容とするものでございます。 AI開発から利用までの各段階のうち、主に利用段階における侵害に着目し、またパブリシティー権等を対象としている点で、経産省の手引きとは異なる意義があるというふうに考えております。
○横山信一君 AI技術を悪用したものとして、ディープフェイクポルノがあります。昨年成立したAI法の衆参の附帯決議では、このディープフェイクポルノ、とりわけ児童の画像等を使用したものへの対策を求めています。参議院の附帯決議では、各種法令の適用による厳正な取締りと被害者の保護、サイト管理者への違法な情報削除依頼、被害者による告訴等の負担軽減、被害発生防止のための教育、啓発などを求めているところであります。 今回、今回というか、被害者が未成年の子供であるディープフェイクポルノの被害状況について伺います。
○政府参考人(服部準君) お答えいたします。 警察におきましては、十八歳未満の児童の画像を生成AI等により性的に加工し悪用した事案について、令和六年中に百十件、令和七年中に百十四件取り扱っているところでございます。この種事案は新たな類型の性被害であると認識しておりまして、警察においては、引き続き、被害者に寄り添いつつ、法と証拠に基づき適切な対処に努めるとともに、関係省庁と連携し、未然防止の取組も進めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 今、この被害の状況ですけれども、その分析について、その特徴や傾向とはどういうものか伺います。
○政府参考人(服部準君) お答えいたします。 今申し上げました警察において令和七年中に取り扱った事案百十四件について申し上げますと、被害児童については、中高生が約九割を占めております。また、行為者につきましては、同じ学校の生徒や同級生が約六割を占めているほか、教員等の被害児童と面識のある大人、SNS等を通じて被害児童と知り合った者、生成AIによる性的画像への加工を有料で請け負った者なども一定数把握されております。 この種被害については潜在的な事案も含めて今後も注視すべき状況であると考えておりまして、その上で、警察においては、個別の事案に応じて、刑法の名誉毀損、わいせつ物頒布等を適用しての検挙や指導、警告等を適切に実施するほか、平素より学校等の関係機関と連携し、この種事案の未然防止のための広報啓発等を推進しているところでございます。
○横山信一君 ちょっと時間がなくなってきたので、ちょっと最後の質問に行きます。 AIの急速な進化に伴って新たな権利侵害が生じているという状況でありますが、法務省として今後どのように対応していくのか、最後、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 法務省では、検討会において検討結果が取りまとめられ次第、その結果を公表することを予定しております。 これを肖像、声等のビジネスに関わる方、放送関係者のほか、生成AIを利用する国民に広く活用いただくことにより、肖像、声等の無断利用による権利侵害によって生ずる民事責任について予見可能性が高まり、紛争の予防に資することを期待しているところでございます。 御指摘のとおり、生成AIの急激な普及等によって生ずる権利侵害につきまして、適切な救済が図られることが重要でございます。 法務省といたしましては、引き続き、民法を所管する立場から、可能な対応を関係省庁とも連携しつつ適切に検討してまいりたいと考えております。
○横山信一君 ちょっと最後、ディープフェイクポルノは中途半端になっちゃいましたけれども、生成AIに関わる権利侵害の象徴的なものではあるというふうに思いますが、いわゆるその顧客誘引力というところにとどまらず、急激なこの生成AIの技術革新によって私たちの身近なところでどんどん使いやすくなっているということでありますから、早急にこの権利侵害の状況をまとめていただいて、適正な利用に努められるようにお願いしたいということで、質問を終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 十分しか時間ありませんので、急がせていただきますが、共同親権の法案、これに関わって、現場で起きていること、今日、二件、説明、また法務省また文部科学省さんの御意見を伺いたいと思います。 資料一として、中日新聞の五月一日の資料です。 別居理由に運動会の観覧を拒否された大津の男性が市などに損害賠償請求をしたという記事をお出ししております。 少し背景を説明させていただきますと、まずは文部科学省さんに伺いたいんですが、学校教育法でいう保護者とはどういう規定になっているでしょうかと。この大津市のKさんは、離婚協議中で、別居中ではありますが、親権は持っています。また、このKさんの場合、事前の面会交流で、実は、数年前に別居しながら、今、中学校、去年の十月、中学校三年生、小学校六年生のそれぞれに事前の面会交流で、お父さん、運動会に来ていいよと本人の了解を得ていたんですが、スクールロイヤーのアドバイスを受けた大津市の教育委員会が、親権者であっても子を現実に養護、監護していない別居親は保護者と位置付けられないとして、運動会への参加を拒否されました。 この大津市教育委員会と大津市のスクールロイヤーの決断、文部科学省さんはどう評価なさるか。特に選択的共同親権の法案が施行された今年の四月一日、これは四月一日以前の例でありますが、全国にもう多分、数万、数十万件同じような例があると思いますので、この四月一日以降だったらどう判断するかということで、文部科学省さんの御見解をお伺いします。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 学校教育法における保護者につきましては、同法第十六条において、子に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは未成年後見人と規定されております。 御質問いただきました大津市の事案については、係争中の事案と承知しておりますので、お答えを差し控えさせていただければとは思いますが、一般論として申し上げれば、離婚協議中の事案については、両親に親権がある状態であり、改正民法に基づき、共同親権を有する状況の場合の対応と基本的に変わらないものと認識しております。 また、こちらも一般論にはなりますが、父母の別居後も親権を有する父母の双方が適切な形で子供の養育に関わることは、子供の利益の観点からも重要であると考えております。 令和六年に成立しました民法などの一部を改正する法律の趣旨を踏まえた学校での対応の内容については、文科省を含む関係府省庁による連絡会議において作成いたしましたQアンドA形式の解説資料に示しております。御指摘の学校行事への参加については、この資料において、子と同居しているか否かにかかわらず、親権者が単独で自己の参加に関する判断を行うことができる旨を明記しております。 文科省としては、こうした考え方について、これまでも会議や事務連絡などを通じて周知を図ってまいりましたが、今月も市町村の教育長を対象とした会議においても説明を予定しております。 引き続き、制度の適切な周知を行っていきたいと思っております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 千七百四十一自治体に教育委員会ございますので、是非徹底していただきたいと思います。 この点について、法務省さんはどういう見解でしょうか、お願いします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 お尋ねは個別の事案における学校行事への保護者の参加についての教育委員会の判断に関するものでございまして、法務省として御答弁は差し控えたいと思います。 その上で、一般論としてお答えしますと、運動会等の学校が保護者に参加を呼びかけたものに参加する行為は、通常は監護及び教育に関する日常の行為に該当すると考えられるため、父母双方が親権者である場合であっても、各親権者は単独で自己の参加に関する判断を行うことができます。 そして、学校行事への参加者の範囲をどのように設定するかについては当該学校において判断されることでございますが、父母が学校行事の現場で高葛藤状態にあり、その参加が学校行事の運営に混乱を来す可能性が高いといった理由がある場合などには、学校は学校管理の観点から行事参加を制限するといった対応を取ることも考えられます。 お尋ねの事例は、婚姻中で父母双方が親権者である場合に関するものであるため、離婚後の共同親権制度が導入された令和八年四月以前とそれ以降とで違いは生じないと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 私、この法務委員会で多分もう七十数回、共同親権のことを質問させていただきました。その背景には、先ほど牧山さんが、牧山議員が質問しておりましたDVと虐待です。 滋賀県の知事になって、二〇〇六年なんですけど、DVと虐待の事案が大変多くて、児童相談所、県は当時二つあったんですが、これでは対応し切れなくて三つ目の児童相談所もつくりました。そして、知事として、なぜこの子供の貧困、DV、虐待があるのかというのを、私は元々アメリカで社会学学んできましたので、アメリカなり海外との社会学の構造を見てきたら、やはり単独親権が問題の一つではないかと。 つまり、一人親というのはあり得ないんです、子供は男女がいないと生まれませんから。ですから、未婚だろうが離婚した後だろうが、男性がもっともっと責任を持たなければいけないと、子育てに関して。そういうところで男性の育児参画なども進めてきたんですが、これは民法を変えなきゃいけないということで国会に来させていただいた理由もありますので、ここのところは何としても、ようやく法案変わったので、現場でこの子供の貧困、一人親の貧困、あるいは虐待の加害してしまうというところに対して構造的な転換を是非していただきたいと思っております。 そういう中で、今日、文部科学省さんと法務省さんが広げていただくということ、是非とも、特に、法務省は出先機関が家裁と地方裁判所なんです。ほとんど現実に広がっていかないんです。ですから、文部科学省さんは全国にありますので、教育委員会が、ですから、是非とも文部科学省さんにこの共同養育、共同親権の価値ということを広げていただきたいと思います。 次の質問ですが、ここも、未成年者の転出、転入、転居において親権者全員の確認の同意書を求める、これも諸外国ではやられています。つまり、同居中に配偶者に無断で子供を連れ去る、居所を移動するということは、例えばアメリカなどでは、州によりますけれども、犯罪に、刑法犯になります。フランスでもそうです。日本はそれが、実家に帰りますとか、あるいはまさにDVから逃げるということでシェルターに行ったりということがありますけれども。 ここのところを、本来の父、母がたとえ離婚しても、父子、母子の縁を切らないという本来の親子の愛情を維持できるような仕組みづくり、これは是非現場で進めていただきたいと思いまして、神奈川県の寒川町では、町役場が言わば住民票の届出の様式、資料二にございます、未成年者の転出・転居・転入に係る同意書ということで、親権者父、親権者母、両方の同意を得る様式を作られました。これがもっと全国に広がってほしいんですが、あらかじめこれ、連れ去り行為の防止や、あるいは大津であったような訴訟リスクを避けるためでもあります。 この寒川町の事例について、法務省さん、どう判断なさいますか。他の自治体に推奨できますか。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 未成年者の転出、転入、転居の届出の取扱いは、住民基本台帳法の解釈、適用に関わる問題でございますので、法務省としてはお答えを差し控えます。 その上で、民法の観点からお答えしますと、共同親権における親権の共同行使とは、身上監護や財産管理等の親権の行使を父母が共同の意思で決定をすることをいいまして、このことは親権の行使としての子の居所の指定についても同様でございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。
○嘉田由紀子君 はい。時間、はい。 実は、今日は総務省さんにも来ていただいていますので、総務省さんに一言、この寒川町の事例、どう評価なさいますか。全国に展開できるでしょうか。
○委員長(伊藤孝江君) もう質問の方は、時間過ぎておりますので、済みません。もう時間過ぎておりますので、質問の方は終わらせていただきたいと思います。よろしいですか。
○嘉田由紀子君 済みません、十分しかなくて。 また、じゃ、総務省さんの方は、内々で結構ですので答弁いただいて、それでまた後から紹介させていただきます。全国の自治体が関係してきますので、どうかよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。以上です。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 まずは、今国会に提出された後見制度に関する民法改正案の背景についてお尋ねします。 今国会に提出された民法改正案は、後見、保佐、補助の三類型を廃止して補助に一本化し、後見人の包括代理権や取消し権をなくすものです。 ところで、令和四年十月の国際連合、国連の勧告では、我が国に対し、意思決定代行制度の排除並みの民法改正を求めています。国連の障害者の権利に関する委員会による日本の第一回政府報告に関する総括所見二十八項には、意思決定を代行する制度を廃止する観点から、全ての差別的な法規定及び政策を廃止し、全ての障害者が法律の前にひとしく認められる権利を保障するために民法を改正することとされています。 そこで、法務大臣にお尋ねしますが、今回の民法改正案には、上記の国連、先ほど言いました国連の勧告がどれほど影響していますか。また、意思決定代行制度の廃止要求と、廃止の勧告と後見類型の廃止にはどれほどの関係性があるのか、説明を求めます。
○国務大臣(平口洋君) 今国会に提出した民法等の一部を改正する法律案は、成年後見制度について、後見人が本人の包括的代理権を有する後見の制度を廃止して、本人にとって必要な範囲で利用できるようにするものでございます。 本法律案は、法制審議会の部会で障害者やその家族等が参加して議論をした結果取りまとめられた要綱を踏まえたものでございまして、本法律案の内容は国内の制度利用者の声に基づくものであると認識をいたしております。もっとも、このような内容は国連障害者権利委員会の勧告の趣旨をも踏まえたものであると考えております。
○安達悠司君 そうしますと、政府は、現行の成年後見制度は差別的であり、国民の権利を不当に制限するものだったと認識しているのですか。
○国務大臣(平口洋君) 現行の成年後見制度については、障害者権利条約第十二条の二との関係で国連障害者権利委員会の勧告がされているものと認識をしております。 現行の成年後見制度においても、本人が権利能力を有することが前提とされておりまして、障害の有無によって権利能力の取扱いを別にしてないから、障害者権利条約第十二条の二に反しているものとは認識していないところでございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 要するに、国連の勧告の趣旨には従ったけれども、別に今は違反していないと認識しているということでした。 近年、我が国の法改正の背景にはこの国連の勧告や国際機関の基準や勧告などが存在しているケースは決して珍しくはありません。例えば、令和六年十月二十九日、国連の女性差別撤廃委員会による皇室典範の改正、あるいは夫婦の姓の選択のための法改正の勧告ですとか、あるいは平成三十一年の二月一日には国連子どもの権利委員会による離婚後共同親権のための法改正の勧告、これは我が国でも民法改正に至りました。また、平成二十五年五月十七日、国連の社会権規約委員会による矯正や刑としての強制労働廃止の勧告、これは懲役や禁錮刑を拘禁刑に一本化する刑法改正に至りました。また、ほかにも不同意性交罪、こういったもの、強姦罪がですね、に変わった刑法改正の背景にも今言った国連の勧告があったということであります。 もちろん、国連や国際機関の基準や勧告のとおり法改正を行うこと自体が直ちに悪いわけではありません。しかし、グローバルスタンダード、世界国家に組み込まれていくような法改正をするべき場合もあれば、他方で、我が国固有の文化や歴史的背景を由来する規制やパターナリズム的な、温情的な法思想を守るべき場合もあると考えられます。 国連や国際機関の基準や勧告を絶対視するのではなく、グローバルなイデオロギーに対しても相対的な視点で一つ一つ我が国の固有性や文化の持つ意味も考えながら判断していくべきではないかと思います。具体的には、また法案審査のときに議論させていただきます。 次に、ちょうど八十年前の昭和二十一年五月から始まった極東国際軍事裁判、以下、東京裁判と言いますが、これについてお尋ねしていきます。 法務省は、昭和三十年から昭和四十八年まで十八年間にわたり、東京裁判を始め、日本人に対して行われた戦争裁判の記録を収集、調査する活動を行ってきたということであります。この活動は法務省の当時の司法法制調査部というところが行ったようでして、平成十二年に集めた資料を国立公文書館に移管したということでありました。 そこで、法務省の司法法制部にお尋ねしますが、この調査の目的と法務省成果物の内容の説明、また国立公文書館に移管した理由をそれぞれお答えください。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 当時の収集計画実施の詳細な経緯、経過につきましては、現時点においては不分明でございますけれども、国立公文書館の資料によりますれば、昭和三十一年に当省で省議決定されました戦争裁判関係資料収集計画大綱において、調査の目的は、今次大戦において戦争犯罪を犯したものとして日本人に対してなされた裁判に関する資料を調査、収集、整理し、その重要なものを編さん、印刷して、これらを後世に残すこととされております。 その上で、当該省議決定に基づきまして、当時法務省が行った調査等に係る資料につきましては、平成十一年度に既に国立公文書館に移管済みでございます。また、移管された当時の資料も残っておりません。 したがいまして、委員お尋ねの点につきましてお答えすることは困難な状況でございます。
○安達悠司君 ただいまの件ですね、法務省の行った内容がお答えできないというのは、ちょっと私はこれ理事会で協議して、詳細に法務省が調査した上で回答いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(伊藤孝江君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○安達悠司君 ということで、私せっかく法務省がいいことをしていると思っているわけなんですけれども、それがその当時の司法法制、大臣官房ですね、司法法制調査部が行って、そのまま司法法制部が引き継いでいるはずなんですけど、それをお答えできないというのは大変残念なことです。 また、今の戦争裁判の様々な記録に関して、国立公文書館に移管されましたが、この文書の保管期限はいつまでですか。また、国立公文書館、建て替えが予定されていますが、建て替えによって記録管理の方法が変わるのですか、お答えください。
○政府参考人(後藤一也君) お答えいたします。 戦争犯罪裁判関係資料につきましては、平成十一年度に法務省から国立公文書館に移管されたものと承知しております。 公文書管理法上、国立公文書館等の長は、各行政機関から移管された行政文書につきまして、原則として永久に保存しなければならないとされていることから、法務省から移管された戦争犯罪裁判関係資料につきましても同様の扱いというふうになります。 現在、新たな国立公文書館の建設工事を進めているところ、新館開館後におきましても、これまでと同様、公文書管理法に基づきまして、各行政機関から移管された行政文書につきまして適切に保存してまいりたいというふうに考えております。
○安達悠司君 永久保存ということで理解しました。 私も、法務大臣官房司法法制調査部が昭和四十八年三月に作成した、この戦争犯罪裁判概史第二十冊という、これね、国立公文書館にありましたので読んでみました。そうしたら、例えばこんなことが書いてありまして、かくのごとくして、戦争犯罪裁判に関する国際法が成立しているかのごとく認めている向きもないではないが、たとい、一応裁判の形式こそ取られたにせよ、その実質を見れば種々の疑念を生じせしめたことから、戦争の勝者側が一方的に敗者側を裁くということ自体、裁判の公正を疑わしめるとして、この裁判に対する非難もまた極めて大きいのであると、これ二ページ。これ、法務省の文書でございます。 こうやって思いが噴出している部分もあれば、また、最後のところ、この事業を終わるに当たって、切にこいねがうところは、今後、これらの資料を補正、整備するとともに、死蔵することなく、平和日本の再建と世界平和、国際親善等々の面に活用されたいということであると、八十一ページと、こう書かれてありまして、そのあと残された課題として、東京裁判公判記録の刊行など、この収集資料がちゃんと後世に平和のために活用されるようにということは、法務省自身が求めていたことでありました。 東京裁判は、連合国が我が国に対して行った軍事裁判でありまして、昭和二十一年五月三日から昭和二十三年十一月十二日まで、判決が出されて、十二月二十三日に刑が執行されました。 この裁判は、いろいろ言われますけれども、法務省が、今述べたように、戦勝国による一方的な裁判であり、また、後から犯罪、刑罰をつくり出して事後法によって処罰したということで、近代法の原則にも反する上、人違いや伝聞など不十分な証拠によって判断されたものも少なくないと言われております。 昭和三十五年、愛知県西尾市三ケ根山においては、東京裁判の弁護人を務めた三文字正平氏ら弁護士や地元の県議、幡豆町長を始め、関係者の尽力により殉国七士廟が建立され、現在に至るまで毎年慰霊祭が行われておるということであります。 昭和三十七年に日弁連会長となった林逸郎弁護士は、この東京裁判の弁護人として殉国七士廟の建設に関わり、昭和三十五年に出版した著書の中で、あの戦争は、日本が不当な侵略戦争を不意に仕掛けたものではなく、アメリカを主軸とする各対戦国が多年にわたって日本に圧迫を加えてきた結果、その圧迫に耐えかねてやむなく防衛のために立ち上がったものである、日本だけが勝手に起こした侵略戦争であるかのごとき逆宣伝したのを信じている内外人の目を開き、戦争の起こった本当の原因を究明して、永久平和の確立のために少しでも寄与したいからであると、こういったことを述べておられます。 法務省も、この十八年間にわたって資料収集を行い、本当に、見ますと、調取書をたくさん作っているんですね。例えば、そのA級戦犯とされた荒木貞夫男爵のおうちに五回も行きまして調取書を作ったり、これ法務省の職員の方が作られたり、先ほど、林逸郎弁護士の方からも、法務省の調査部参与といった方が調取書をまとめていて、資料の総数が六千三件、関係者のヒアリング約七百人ということで、かなり一生懸命されたようなんです。 何でここまで当時の法務省が一生懸命することができたのかということは、ちょっとやっぱり考えてみたいと思うんですね。また、何でこの資料を死蔵させず平和のために活用してほしいと法務省は思ったかなんです。 これは、ちょっと時間もないので、私の感想なんですけれども、私は、この東京裁判や戦争裁判を通じて日本の冤罪の苦しみを知ったんではないかと思うんですよね。今、再審法の改正が行われていますけど、やはり冤罪事件というのは、本当に何十年にもわたって資料を集めて、で、再審請求を行っているのも、真実解明を求める気持ちからだと思うんですね。 そこで、法務省にお尋ねしますが、法務省は現時点で収集した資料の出版、今後の活用についてどのように考えていますか。また、東京裁判について分かりやすく解説したウェブサイトをつくって後世に残すなど、こういった取組についてはどのように考えておられますか。
○政府参考人(内野宗揮君) 先ほど申し上げましたとおり、現在では当時の資料を国立公文書館に移管をしておるところでございます。なお、国立公文書館では、当該資料等の利用を希望される方には、個人のプライバシーなどを考慮しながら、公開の有無、是非を判断されておられるというふうにお聞きをしております。 したがいまして、法務省といたしましては、現在、御示唆のような収集した資料の出版等を行う、そういう予定を有しているものではございません。
○安達悠司君 今こういうふうな気持ちになれないのも、やはり私は教育が問題だと思っているんですね。当時の人は、自ら裁判された方のお知り合いだったり、いろんな方がいたわけですけど、しかも東京裁判の重大な欠点は、再審がないんですね。上訴もありませんしね。そういったこともありません。ですから、このような裁判では本当に平和を維持することはできないと先人たちも気付いたんではないかと思うんですね。 ただ、防衛省の方で、市ケ谷台にある東京裁判の法廷として使われた講堂、これを展示公開されています。この展示公開の目的や内容、近年の来場者数についてお尋ねいたします。
○政府参考人(小野功雄君) お答えします。 市ケ谷記念館の大講堂等、こちら旧陸軍士官学校本部、それから旧陸軍省、参謀本部、それから極東国際軍事裁判、いわゆる東京裁判でございますが、これの法廷として使用された様々な歴史を有しておりまして、市ケ谷台の歴史的事実を後世の世代に伝える観点から各種展示物を納めて見学者に公開をしております。 大講堂内の展示物につきましては、市ケ谷台の歩みと題する市ケ谷台の歴史をまとめた映像を公開し、東京裁判の様子などを紹介しているほか、東京裁判に関する当時の写真や本裁判で使用された地図などを所有者から寄贈いただきまして、市ケ谷台の歴史にまつわる貴重な品々を展示をいたしております。 また、来訪者、来省者に関しましては、防衛省市ケ谷地区内におきます所在する庁舎や市ケ谷記念館を案内する市ケ谷地区見学、我々は市ケ谷台ツアーと呼んでおりますけれども、こちらにつきまして、過去三年分の年間見学者数は、令和五年度が約一万二千人、令和六年度が一万三千人、令和七年度が一万四千人でございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○安達悠司君 最後、ちょっと刑事裁判の再審に時効はあるのかということも聞きたかったんですけど、私は、やはり戦争裁判の在り方をもう一度見直すということと、やはり、私たちは本当に大変な打撃を受けたわけですけど、やはり一方的な裁判では平和は実現できないということなんですね。現代のICCですらいろいろ問題をはらんでおります。だから、私たちの先輩は丹念に記録を収集、整理し、戦後、東京裁判がどう受け止められたのか、それを、真実を曲げて事実と異なる理由による処罰を受け入れさせることは難しいと。なので、記録をきちんと後世に残していきたいという思いを法務省の方々は持たれたと思いますので、そういった気持ちを大切に受け止めてまいりたいと思いました。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 四月の二十一日に続きまして、経営・管理ビザの厳格化についてお尋ねをしたいと思います。 この資本金要件を三千万円へ従来の六倍に引き上げるという厳格化が始まったのが昨年の十月なんですけれども、その後、入管庁の対応が極めて厳しくなって在留資格の更新が認められなくなったという声が、昨日も開かれた院内集会でも行政書士の方からお話がありました。 そこで、現在、大阪入管で実際に動いているケースについてお尋ねをしたいと思うんですけれども、調理師の経験を積まれて、我が国での料理店を開業しようということで、経営・管理の在留資格を得て入国をされた。お店を開こうというわけですから、店舗の工事、それから法人の登記、そして保健所の営業許可の取得を取り組んできたという外国人の方がいらっしゃるんですが、この四月の二十四日には保健所から営業許可が下りる見通しが付いて、来週五月の十九日には許可証が交付されるということになっているんですけど、入管庁が在留期間の更新を認めずに出国を迫っているということになっています。 当初の在留期間中に保健所の営業許可に至らなかったというのは事実なんですね。けれど、それは、追加工事が必要になった上、昨今の建設資材の不足、それから建設の職人さんたちの不足によって、受注業者の工事が大幅に遅れたからなんですね。これは、その外国籍住民も日本住民も同じ事態に今置かれているじゃないですか、よくあると言ったっていいぐらいのことだと思うんですね。 それを、営業許可証が書面として入管に提出されなかったから駄目だと、こういうふうに申請者の責めに帰すべきでない事情によって更新を認めないというのは、私は理不尽ではないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 個別の案件についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論としてお答え申し上げますと、在留資格、経営・管理につきましては、本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動でございますところ、入国後速やかに経営又は管理の活動を行うことを前提に許可されたものでございます。 また、在留期間更新許可申請の審査におきましては、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたか、すなわち経営・管理の活動を行っていたか否かを含めて、それまでの在留状況についても確認し、許否判断を行うこととなるところでございます。 申請者によって様々な御事情はあろうかとは思われますけれども、提出書類等に基づき審査において適切に判断した結果であることを御理解いただきたい、このように思っております。
○仁比聡平君 今お話しのように、提出書類に基づいてと言うじゃないですか、つまり書面審査なんですよね。その書面の審査だけで、大臣、前回、個別的対応をしていくんだというふうにおっしゃったけど、それが本当にできますか。 昨日の院内集会、経営・管理ビザ改悪ストップアクションという運動から法務省にも要請書が出されていますけれども、中心の要求は、事業実態のある既存の事業者を一律の資本金基準で排除しないことですと、つまり実態で見てくださいということなんですよね。 今私が申し上げているケースでも、およそ一千五百万円かというぐらいの投資をこの開業のためにしてきているんですよ。先ほど、何だか入国してから活動していないかのような答弁の表現をされましたけれども、そんなことない。一生懸命この日本で営業を開始するための準備を整えているわけですよ。それが、御本人の責めに帰さない日本の建設事情、あるいは資材の事情で遅れるというときに、いやいや、許可証が出ていないから駄目ですよって、そんな理不尽な話がありますかと。 この書面審査の結果をしゃくし定規に押し付けて、結果、在留認められませんという話になったときに、申請者の方、抗議をされたそうなんですね。これに対して入管の職員が、不法滞在で捕まるか、素直に出国するかと、この方を威迫するような姿勢で臨んだというふうに聞きますが、こんなことやっているんですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 先ほど御答弁申し上げたところがちょっと言葉が聞き取りにくい形になってしまったかと思い、ちょっと補正、補充させていただきますと、申請書類のみというお話をしたんではなくて、提出書類等に基づき、審査において適切に判断すると申し上げたところでございます。 また、あくまで一般論として申し上げれば、事務所としての物件の選定等につきましては、経営者になろうとされる外国人の責任また判断によって行われているものと認識しておりまして、どのような物件を入手されるか、ここら辺もやっぱりその方の経営に関わるところなのかなというふうには思っておるところでございます。 その上で、今お話がありました、不法滞在で捕まるか、素直に出国するかというくだりの言動でございますが、まず大前提としまして、手続面について申し上げますと、在留期間更新許可申請中に在留期限を徒過し、二か月間の特例期間中に在留期間の更新が認められないと判断された場合において不許可処分、これを行ってしまうと、申請者は、当該処分をもって不法残留の状態に置かれることとなるわけでございます。このようなことを踏まえまして、当庁に、入管庁、入管におきましては、申請者に対して出国準備のための特定活動への申請内容変更の申出を案内しまして、不法残留状態を避ける取扱いを一般的にしているところでございます。 職員からは、当然、この申請者に対しては、皆さんに対してこのような手続を説明しているところでございまして、当庁の職員が御指摘のように威迫するような対応を取った事案については承知しておらないところでございます。
○仁比聡平君 つまり、違法、不正滞在にならないように案内をしたんだというふうにおっしゃるんですよね。それは職員サイドからするとそうだったのかもしれないんですよ。けれど、生殺与奪の権を入管は握っている。申請者は、ここで認めてもらえなかったら、これまでの投資やそれから夢、あるいは生活の基盤が全部覆されてしまうという、そういう立場にあるんですよね。だから、威迫と感じてしまうという、そういうことはあり得て、それは、そうした受け止めがされないような、そうした取組、私は必要なんじゃないかと思うんですよ。そのことも含めて、ちょっと最後に大臣に後で伺いたいと思うんですけど。 こうした厳格化がペーパーカンパニーを防ぐためだといって取り組まれているわけですね。そのことについて、お配りの資料の最後辺りに読売新聞の記事を配りましたけれども、これなどを見ても、例えばそこのリードの部分に移住目的で実体のないペーパー会社を設立する事例が目立ってきたというようなことがあるんですが、こうした実体のないペーパーカンパニーの不正行為というのは、具体的に何件入管は把握して、これは、実際、在留資格を取り消したり、あるいは、これに基づいて違法行為があるんであれば他機関とも連携して告発をする、ただすということをやるべきなんですよね。先ほどの要請書を出した団体だって、御覧のとおり、ペーパーカンパニー対策を否定するものではありませんというふうに言っているとおりなんですよ。 一体、何件具体的に把握して、どう取り組んでいるんですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) まず、お答え申し上げますと、今般の見直しですけれども、経営・管理につきましては、外国人の企業経営活動を通じて、例えば我が国への投資、雇用の創出、イノベーションの促進等、我が国の経済社会の活性化に貢献いただくことが期待されている在留資格でございます。 これを前提としまして、事業経営の安定性や日本経済に資する事業の規模という観点から、国税庁の会社資本調査等の結果を踏まえて、欠損法人よりも利益計上法人が多くなるのは二千万円超五千万円以下の階級であること、また、諸外国の制度における要件等を参考にして検討し、資本金等の額を三千万円以上とすることが適当と判断したものでございます。もちろんペーパーカンパニー対策もございますけれども、こういう法の趣旨の貫徹という点があったことはちょっと付言させていただきたいと思います。 その上で、在留資格、経営・管理の在留審査におきましては、事業所の実態に疑義のある申請につきましては、入管職員が事業所に赴く実地調査等の実態調査を行っているところでございます。これらの実態調査を行った結果、事業所としての使用実態が確認できないなど事業実態があるとは認められない事案に対しては、在留期間更新許可申請を不許可処分とするなど厳格な対応を取っておるところでございます。 お尋ねの実体のないペーパーカンパニーなどの不正行為の件数につきましては、統計として把握しているものではないため具体的な件数についてお答えすることは困難でございますが、一例として申し上げますと、東京出入国在留管理局において、許可基準改正前である令和五年九月から令和六年十二月末までに事業実態に疑義があるとして実地調査、これを行った約三百件のうち、約九割を事業実態に問題があるなどの理由で不許可としているところでございます。
○仁比聡平君 件数は把握していないということなんですよ。何だかしきりにペーパーカンパニーが山ほどその温床になっているというふうな言われ方をしてきたけれども、件数を把握しているわけじゃないというわけですね。 今一例としてというふうにおっしゃったけど、その三百件というこの調査はこの委員会に提出できるんですね。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 突然のお尋ねなので、ちょっと若干検討させていただきたいと思います。
○仁比聡平君 統計として把握していないんでしょう。それを苦し紛れに、こういうことはやっていますと、九割実体がなかったですって。それ、どんな経営・管理の基準というか、計画で、事業計画で、どう実体がなかったかって、それ全部明らかにしないと。その九割が実体がないかのような、そんな無責任な答弁で自分たちを正当化しようなんというのは本当に許されないですよ。 私は、今入管次長がおっしゃった資料、この委員会に提出を求めたいと思いますが、理事会での協議をお願いします。
○委員長(伊藤孝江君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○仁比聡平君 国交省に前回に続いておいでいただいているんですけど、マンションの価格高騰が中国人の爆買いによるものだという話が昨年夏かなりあって、お調べになりましたよね。実際のところ、どうでしたでしょうか。
○政府参考人(藤田昌邦君) お答えいたします。 近年の住宅価格上昇の背景には需要と供給の両面での様々な要因があるものと認識しておりまして、例えば、需要側といたしましては、利便性の優れた都心部への堅調な住宅需要であるとか、また、供給側といたしましては、そのような堅調な需要を背景とした用地取得費の上昇や資材価格等の建築費の上昇などが影響しているものと認識してございます。 このような要因の一因といたしまして、委員御指摘の国外からの購入も含めた投機的な取引の影響の可能性を指摘する声もあると承知してございまして、三大都市圏等の新築マンションを対象に不動産登記情報等を活用して短期売買や国外からの取得について調査を行い、昨年十一月にその結果を公表したところでございます。調査の結果、例えば東京二十三区で新築マンションを取得した国外に住所がある者につきましてはここ数年数%であり、国・地域別に見ると、コロナ禍以前から中国、香港、台湾が多く見られましたが、直近では台湾が多くなっていることが確認できたところでございます。 一方で、今回の調査の基となる不動産登記情報には国籍が含まれておらず、現時点において国籍別の取得の実態は把握できていませんが、今後、不動産登記における国籍把握が可能となり、データ蓄積が進めば、国籍別も含めた調査を行ってまいります。
○仁比聡平君 つまり、そうした根拠はなかったということなわけですけれども。 ちょっと質問時間が来てしまって、ちょっと外務省においでいただいているのが本当に恐縮なんですけれども。 実態を把握せずに真面目に頑張ってきた零細自営業者の要件を一方的に厳格化すると。これによって、事業と生活の基盤が奪われると。これ、国家がやってはならないことだと思います。 信頼、約束を覆すという、こんなことは国際的な道義にも反すると思うんですけれども、時間がもう来ていますから、答弁、申し訳ありません、求めることができないんですけれども、この件も含めて法案の審議の中でもしっかり議論をしていきたいというふうに思っておりますので、大臣、どうぞよろしくお願いします。 今日は終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。よろしくお願いします。 本日は、LGBTを理由とする偽装難民の問題についてお聞きいたします。 四月十五日、イギリスのBBCが、潜入取材を基に、偽装難民を手助けする闇ビジネスの問題について報じました。資料です。イギリスに滞在し続けることを希望する移民に対し、弁護士などが事実に反して同性愛者と偽り難民認定を受けるための助言や証拠の偽造などの手助けを行っているという内容でした。 具体的には、LGBTに該当しない者に対し、LGBTであることを主張すれば難民として認定され得ることを示唆した上で、事実に反して、同性愛者として認定されるためにLGBT団体が虚偽の証明書を手配したり虚偽の同性愛者のパートナー役を手配したりして報酬を受け取っていたという内容です。 この種の虚偽の難民申請行為は、難民の認定を受けること自体が、例えば日本でいえば日本での就労を可能とするものであることから、経済的利益であると考えれば詐欺罪に該当し得るし、証拠書類を偽造するなどした場合には私文書偽造罪等に該当し得ると考えられます。 そこでお聞きしますが、我が国において、このような虚偽の難民申請を行うための手助けをして報酬を得るような事例は確認されているのでしょうか。また、こうした事例があるかどうかの実態調査は行われているのでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘のような事例が確認されているか否かについては、個々の申請内容に関わるものであることなどからお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 また、入管庁におきましては、難民認定申請に対する処分を行う上で必要な範囲で調査を行っておりますが、この範囲を超えて、委員御指摘のような点を特に目的としたような、こういった実態調査は行っておらないところでございます。
○北村晴男君 具体的な調査はレクの段階ではしていないという御指摘でした。 業務負担が非常に厳しい中で、日々入管行政に当たっていただいていることは理解しております。ただ、イギリスではこうした問題が実際に起きておりますので、日本でも同じことをしようとする不届き者がいても全く不思議ではないので、しっかり予算やマンパワーを整えていただいた上で実態調査を行っていただきたいというふうに思っています。 令和八年一月二十三日にまとめられたいわゆる総合的対応策においては、誤用、濫用的な難民認定申請に対する厳正な対応を強化充実させる必要があるとの記述があります。 この厳正な対応を強化充実という中に、虚偽の難民申請の対応、対策といったものも含まれているのでしょうか。含まれているのであれば、現在の検討状況についても併せてお答えください。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 御指摘の誤用、濫用的な難民認定申請に対する厳正な対応につきましては、昨年五月に公表した不法滞在者ゼロプランにおきましていわゆるB案件の類型化を行っておりまして、少なくとも明らかに難民と認められない案件の処理の迅速化等、在留制限の実施を図っているところでございます。 この虚偽との概念的な整理というのはなかなか難しいんですけれども、誤用、濫用的な難民申請という、そういう枠組みで我々対処しておるところでございます。 これらは、申請案件のうちB案件として処理するものを確実に振り分けられるように、最新の出身国情報等を踏まえて、B案件を類型化することで従前の運用を抜本的に改善し、スピードアップを図るとともに、難民認定申請者用の特定活動の在留資格を安易に許可しないことで、誤用、濫用的な申請を抑制することを目的としたものでございます。 このB案件の類型化の結果、難民認定申請におけるB案件への振り分けが令和六年の〇・六%から令和七年には一四・三%まで増加しており、一定程度効果的な振り分けが行われていると考えているところでございます。 B案件の類型化につきましては、最新の出身国情報等を踏まえて不断に見直すこととしておりまして、引き続き、これらの取組を適切に実施することで誤用、濫用的な難民認定申請者に厳格に対処することなど、適切な対応を図ってまいりたい、このように考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。B案件の振り分けについては評価いたします。それで迅速化が図られるものと考えております。 他方で、速やかにB案件に振り分けられなかったものの中には、やはり証拠に基づいて調査しなければ分からないというケースが当然多いわけで、そういった調査の過程で、最終的に虚偽であること自体がほぼ明らかになったようなケース、そういう場合に、例えば申請者に対して弁護士や支援団体などから虚偽申請のアドバイスを受けたか否かというごく簡単なアンケートを取って、その結果、不当なアドバイスを受けた者の名前などが出てくれば、これを捜査機関に通告するというようなことも十分あり得ると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 一般論として、難民認定申請の処分に至る過程におきましては、例えば申請者の申請内容や供述内容に信憑性がないものについて最終的に不認定の判断を行い、処分を行っているところでございます。 そして、難民認定申請における申請者の申立ての信憑性の判断について、一次審査においては、難民認定申請を行った外国人本人から難民認定であるとする理由、例えば本国での迫害状況や内容等を聞き取ることにより、その信用性を慎重に吟味するために、本人の供述や、また提出資料、これにつきまして、合理性はあるか、不自然さはないか、出身国に係る諸情報と整合するか否か等の観点から検討を行っているところでございます。 そして、そういった難民認定申請に対する処分を行うために必要な調査の中で、合理的な根拠に基づき犯罪があると思料される場合にあっては、委員御指摘のアンケート、ここまでを行うこともなく、申請に至った経緯や申請書類などの作成過程などについても所要の調査を行った上で捜査当局に告発をするなど、適切に対応するべきものと考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 BBCの報道によりますと、イギリスでLGBTを理由とする難民申請においては、LGBT関連のイベントへの参加状況やLGBTパートナーとの交際状況などが認定のための有力な証拠となっているようですが、我が国の難民認定申請においても同様にこうした書類をチェックしておられるんでしょうか。また、これらの書類が真正なものか、偽造されたものか、虚偽のものかなどを見破るための方策は講じられているのでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 一般論として申し上げれば、我が国において難民認定申請がなされた場合は、申請者ごとにその申請内容を審査した上で、当該申請に係る処分時までの本人の供述あるいは提出資料、出身国情報等を踏まえて、難民条約の定義に基づき難民と認定すべきものを適切に認定しているところでございます。 御指摘の申請者から提出された資料や供述の信憑性評価も含めた事実認定に関する留意点につきましては、難民認定に携わる職員が参照するために難民認定等の事務の取扱いを具体的に定めている難民認定事務取扱要領に記載しているところでございます。 具体的には、難民認定手続に係る調査においては、申請者の提出した資料のほか、難民調査官による事情聴取における申請者の供述について、出身国情報を活用しつつ、その信憑性を的確に評価することが重要であるとした上で、供述内容の具体性、詳細性についての考え方などについて留意すべき事項を記載し、これを難民認定審査に当たる職員に周知しているところでございます。 その上で、個々の申請者の置かれた状況について適切に配慮しながら、難民該当性判断の前提となる事実の認定を適切に行っているところであり、現状の運用において難民認定手続における事実認定や信憑性評価に対する適正性は十分に確保されているものと、このように認識しております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 LGBTを理由とする難民申請数は、世界的にも増加傾向にあると言われていますし、イギリスではその統計を取っているとのことです。我が国でも、LGBTを理由とする難民申請数及び認定数、国籍別の内訳などの統計を取るべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 御指摘の統計については作成していないところでございますが、我が国で難民認定された方については、難民条約上の迫害を受けるおそれのある理由であります人種、宗教、国籍若しくは特定の社会集団の構成員であること又は政治的意見という五つの要件に応じて、認定事由の統計を公表しているところでございます。 先生御承知のとおり、このLGBTという点は特定の社会集団の構成員という概念で、我々、該当性を判断しているところでございますが、この特定の社会集団の構成員であることは様々な事由を包含するものになっております。 そこで、お尋ねの数値の集計のためには、紙で保存されている申請書等の記録を一件ずつ精査する必要があり、膨大な作業量と相当の時間を要することから対応が困難であることを御理解いただきたいと思います。
○北村晴男君 ありがとうございます。 現在、入管庁で難民申請の電子化も進めておられるものと承知しています。完全電子化に当たり、こうした統計も取れるような形でシステム構築を進めていただきたいというふうに強く希望しておきます。 結局のところ、こうした問題の発端は、LGBTであると主張することが本当にそうであるかを客観的に判定する手段がないというところにあると思います。本人の自己申告と間接事実から判断するしかない上、例えば迫害のおそれについては、迫害の主体が国家でない場合は更に事実認定が難しくなります。 とすれば、以前もこの委員会で指摘しましたとおり、できるだけ正確な審査をするために、現地調査を充実させるべきだと考えます。以前お聞きした際には、現地調査の有用性を認めつつも、様々な制約があって難しいといった趣旨の御答弁だったかと思いますが、こうしたイギリスの実情も踏まえた上で、改めて現地調査の必要性について認識を伺います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 出身国において現地調査をすることは、現地の生の情報に接するといった点で有益と考えておりますが、その国の国情、申請者のプライバシーの保護及び迫害の誘発のおそれがないことなどを十分に配慮する必要性があるほか、調査に係る負担等も考慮しなければならないと考えているところでございます。 その上で、出入国在留管理庁においては、難民認定制度の適正化のための取組として、難民を多数受け入れている諸外国当局と出身国情報に関する情報交換等を積極的に行うことなどを通じて、出身国情報の一層の充実を図っているところでございます。 いずれにしましても、引き続き、真に保護すべき方を適切に保護するための不断の努力、これを押し進めてまいりたいと考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 現地調査については、一件にコストが掛かるという発想はするべきではないというふうに考えています。それに引き続いて、同種の事案、同種の理由でもって難民申請してくるという者が、それを突破口にして多く広がるということが十分予想されますので、コスト面を余り考える必要はないものというふうに理解しております。 さて、日本の難民認定数は、欧米諸国と比べてかなり数としては低いというふうに言われています。これは、入管庁の方でしっかり厳格に審査をしていただいている、頑張っていただいていることによるところが大きいものと理解しております。 他方で、そのような状況にあっても、LGBTを突破口として、なし崩し的に事実に反する難民認定が増えていくのではないかという強い危機感も抱いております。念のため申し上げますが、LGBTそのものを敵視しているのではなくて、その認定の難しさから、そこを突破口にして偽装難民が増えていくのではないかという危機感を持っていると、そういう意味でございます。 さて、最後に一点だけ、帰化制度についてお聞きします。 先月、フィンランド政府は、難民政策厳格化の一環として、フィンランド社会に知識があることを帰化要件とし、帰化申請者に試験を課す、試験を課す、テストですね、を課す法案を提出したとの報道がありました。このテストは、フィンランド社会の仕組みとその原則、ごめんなさい、基本原則に関する知識を評価するためのものであるとのことです。 法務省のウェブサイトによりますと、日本の帰化制度においては、帰化の要件として、国籍法に定める要件のほか、日常生活を営むのに十分な日本語能力を有することや十年以上在留していることなど、日本社会に融和していることが必要との記載があります。 この日本社会への融和との要件、これを満たしているかどうかの判断をするために日本社会や文化の理解度を確認するというようなこと、これは含まれているのでしょうか。お尋ねします。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、フィンランド政府において、国籍取得のために、フィンランド社会の価値観や主要法規、歴史や文化などを問う試験を課す法案を提出したとの報道があったことは承知をしております。 お尋ねの点につきましては、帰化許可申請についての具体的な調査事項等に関するものであり、これを明らかにすることにより帰化の許否の判断に必要な調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることからお答えは差し控えますが、一般論として申し上げると、帰化を許可するかどうかに当たっては、申請者が日本人として日本の法令を遵守する意思を有しているか、日常生活を営むのに十分な日本語能力を有しているかなど、日本社会への融和の観点等から、個別の事案に応じて厳格に審査をしているところでございます。
○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。
○北村晴男君 はい。 時間になりましたのでここで終わりますが、御質問できなかった部分は、日本に対する苛烈な反日教育、反日プロパガンダを長年受けていた方、そういう方の審査、帰化の審査においては極めて厳格にすべきではないかということ、これは次回以降に譲りたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(伊藤孝江君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会
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