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国会会議録

法務委員会

第221回 · 参議院 · 第5号 · 2026-04-16

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-28 19:13 JST 記録 #3463 ↗

発言 150

会議録情報

令和八年四月十六日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  四月十四日     辞任         補欠選任      加藤 明良君     有村 治子君      小林孝一郎君     山崎 正昭君  四月十五日     辞任         補欠選任      山崎 正昭君     東野 秀樹君      牧山ひろえ君     柴  愼一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         伊藤 孝江君     理 事                 古庄 玄知君                 こやり隆史君                 打越さく良君                 川合 孝典君                 横山 信一君     委 員                 有村 治子君                 岡田 直樹君                 鈴木 宗男君                 東野 秀樹君                 福山  守君                 山谷えり子君                 泉  房穂君                 柴  愼一君                 小林さやか君                 嘉田由紀子君                 安達 悠司君                 仁比 聡平君                 北村 晴男君    国務大臣        法務大臣     平口  洋君    副大臣        法務副大臣    三谷 英弘君    大臣政務官        法務大臣政務官  福山  守君    事務局側        常任委員会専門        員        武蔵 誠憲君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      篠原 英樹君        警察庁交通局長  日下 真一君        法務省大臣官房        司法法制部長   内野 宗揮君        法務省民事局長  松井 信憲君        法務省刑事局長  佐藤  淳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案(閣法第四二号)(先議)     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、加藤明良さん、小林孝一郎さん及び牧山ひろえさんが委員を辞任され、その補欠として有村治子さん、東野秀樹さん及び柴愼一さんが選任されました。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長佐藤淳さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 おはようございます。大分県選出の古庄です。  資料一を御覧ください。  時速百九十四キロの事故が大分市内の通称四十メートル道路で発生したのは、平成三年二月九日です。その後の事件の流れは、令和、済みません、間違えました。平成じゃなくて、令和三年二月九日です。その後の事件の流れは、その資料一記載のとおりです。  既に足掛け六年ですけれども、まだ解決しておりません。資料二のとおり、一審と二審の判断が異なっているからです。被害者側の処罰感情はまだ鎮静化しておりませんし、また、加害者の社会復帰もはるかにかなたにあると、そういう状況です。  この法律の条文が曖昧であり、おかしい、そういうふうに思って、四年前から再三この国会で取り上げさせていただきました。それがようやく日の目を見ることになりました。今回の法改正、数値基準を導入し、犯罪成否の明確化を図ったのは大きな前進だと思いますが、なお確認したい点があるので、以下、質問させていただきます。  まず、改正法第二条一号、飲酒類型についてお尋ねします。  数値基準、これ、呼気アルコール濃度一リットル当たり〇・五ミリグラムというふうになっておりますけれども、聞くところによると、〇・三ミリグラム以上とすべきじゃないかという意見もあったそうです。  そこで、なぜ〇・五ミリグラムというふうな基準を採用したのか、その点について、政府参考人、お願いします。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  本法律案による自動車運転死傷処罰法第二条第一号の改正は、現行の正常な運転が困難な状態との構成要件を、個別具体的な事情問わず一律にそのような状態と認められる数値基準を設けることでより明確化するものでございます。  判例上、この正常な運転が困難な状態とは、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たるとされているところでございます。  そして、アルコール医学の知見によりますと、体内アルコール濃度が呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムに至っている場合には、個人差を問わず、注意力や警戒心の低下、反応の遅延といった運転に必要不可欠な能力への影響が生じているとされているところでございます。そのような影響が生じていれば道路交通の状況に応じた運転操作を行うことが困難な状態に至っていると評価できると考えられるところでございます。  そこで、少なくとも、身体に呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上にアルコールを保有する状態であれば一律に正常な運転が困難な状態と評価できると考えられることから、これを数値基準として改正後の法第二条第一号に定めることとしているところでございます。  他方で、数値基準を呼気一リットルにつき〇・三ミリグラムとする案については、法制審議会の部会についても議論が行われたところでございました。  これに対しては、アルコール医学の知見によると、実験によって裏付けられている範囲で、何人にも注意力の低下等の症状が生じていると認められる体内アルコール濃度は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムであるとの異論が示され、幅広い支持を得るまでには至らなかったということでございました。  なお、数値基準は、あくまでも個別具体的な事情を問わずに一律に正常な運転が困難な状態であると認められる症状が生じる数値として認定しているものでありまして、この数値基準に満たない場合であっても、個別具体の事情に照らしまして正常な運転が困難な状態と認められる場合には危険運転致死傷罪が成立し得るところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 また、飲酒類型なんですけれども、正常な運転が困難な状態という文言、これ不明確で、罪刑の明確性に反するんじゃないかと、そういう御意見もあろうかと思うんですが、この点について法務省はどのようにお考えでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 一般に明確性の原則とは、刑罰法規は明確でなければならないとするものでございまして、憲法三十一条の罪刑法定主義の内容を成すものだと理解されていると承知しております。  そして、刑罰法規が明確性の原則に適合するかどうかについて、判例によりますと、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきであると判示しているところでございます。  改正後の正常な運転が困難な状態との要件は現行においても規定されているところでありまして、この要件については、最高裁の判例におきましても、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たるとされているところでございます。  このように、御指摘の文言につきましては、どのような行為をした場合に処罰の対象となるかが十分に明らかになっており、明確性に欠けるところはないと考えているところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 それでは次に、改正法第二条四号、高速度類型についてお尋ねします。  この高速度類型についても数値基準導入したのは大きな前進だと思います。ただ、最高速度が六十キロ以下の道路の場合は五十キロオーバーした場合、それから最高速度六十キロ以上の道路は六十キロ以上オーバーした場合、この場合に危険運転致死傷罪が成立すると、こういう話なんですけれども、この基準も高過ぎるんじゃないかと、こういう意見が出ております。この辺、どういう根拠でこういう数字を基準として用いたのか。  それから、聞くところによると、制限速度の一・五倍とか二倍とか、そういう倍数でいくという見解もあったと思うんですが、その辺じゃなくて、この何キロオーバーというふうに基準を数値を用いた、そこのところをちょっと教えてください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  改正後の法第二条第四号は、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避する、すなわち適切な対処をすることが著しく困難となるという高速度運転の危険性を捉えるものでございます。  同号の数値基準は、その速度以上の速度で自動車を運転する行為であれば、道路や交通の状況を問わず一律にそうした高度の危険性、すなわち対処困難性が認められるとともに、悪質性も認められ、適切な対処をおよそ放棄していると言える速度を定めるものでございます。そうした数値基準を定めるに当たっては、道路交通の事情に照らすと最高速度に応じて定めることが合理的であると考えられるところでございます。  その上で、今いろんな最高速度の定め方があるということでありましたけれども、具体的な数値の在り方については、最高速度を遵守していれば回避できる障害物をおよそ回避できなくなる、これが、物理モデルに基づく理論的な限界速度を参考にしつつ、道路交通に関する社会通念をも考慮した結果、ここに定めるような数値基準以上の速度で自動車を運転する行為には一律に高度の対処困難性及び悪質性が認められると言えると考えられたことから、数値基準をこのように定めたものでございます。  なお、走行速度が数値基準を下回る場合であっても、数値基準に準じる速度であって道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度との要件を満たすときは危険運転致死傷罪が成立し得るところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 ちょっと次の質問飛ばします。  そうすると、数値基準を超えて高速度で走行していたところ、被害者に気付いて急ブレーキを踏んで、数値基準は下回ったものの、避け切れず被害者と衝突して死傷結果が発生したと。そういう場面にも本類型は適用されるんでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 犯罪の成否は、収集された証拠に基づいて個別の事案ごとに判断されるべき事柄でありまして、一概にお答えすることは困難ではありますが、その上で、改正後の法第二条第四号の罪が成立するためには、同号に規定する行為と人の死傷結果との間に因果関係が認められることが必要でございます。  そして、一般に判例は、犯罪に係る因果関係の存否について、生じた結果が実行行為の危険が現実化したものと評価できるかどうかという枠組みにより判断していると考えられているところでございます。また、判例は、実行行為と結果との間に介在事情があった場合には、その介在事情が著しく不自然、不相当であったかどうかによって因果関係の存否を判断していると考えられるところでございます。  このような判例の考え方を前提といたしますと、数値基準を満たす高速度で自動車を運転して死傷事故が起きた場合、高速度での運転行為と結果との間に何らかの介在事情があったとしても、それが著しく不自然、不相当なものである場合でない限り実行行為の危険性が現実化したと評価でき、因果関係が認められ得ると考えられるところでございまして、具体的には、例えば介在事情が運転者自身による前方不注視等の注意義務違反であるような場合には、基本的に、著しく不自然、不相当な介在事情であるとは評価できず、因果関係が認められ得ると考えられる一方で、仮に的確な運転行為を行っていたとしても衝突の回避が不能な場合、例えば自車の直前に飛び出してきた歩行者と衝突したような場合などにつきましては因果関係が否定され得るのではないかというふうに考えられるところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 この危険運転致死傷罪というのは故意犯だというふうに言われておりますけれども、この今の数値基準、例えば六十キロ以上をオーバーしているかどうかと、そういう犯罪類型に関して考えた場合に、その故意の対象というのは何になるのかという点についてお答えください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 改正後の法二条第四号の数値基準を設けた場合、同号に係る危険運転致死傷罪の故意としては、犯行時に自車に適用される最高速度の認識及びそれに対応する数値基準を満たす速度で自車を運転していることの認識が必要であると考えられるところでございます。  もっとも、いずれの認識につきましても、概括的、未必的なもので足りると考えられるところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、例えば、この道路は制限速度百キロだと。自分は今百五十キロで走っているというふうに認識していたと。客観的には百七十キロで走っていたと、だけど自分は百五十キロだろうと思っていたと。その場合はこの条文は適用されるんですか、されないんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 今お話しした速度とそれから自車の速度の認識でありますけれども、概括的、未必的なもので足りると考えられて、もとより個々の事案における証拠に基づく事実認定の問題ではあるとは思います。  とはいいながら、アクセル操作の状況であるとか景色の移り変わりであるとか、周囲を走行する車両との比較などから自車の速度について概括的又は未必的に認識することは比較的容易であると考えられることからすると、実務的には、客観的に数値基準を満たす速度で自動車を運転していた場合には、本人の供述によらずとも、様々な事情に照らし、自車の速度に関する概括的又は未必的な認識が認められることも多いのではないかと考えられるところでございます。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 そうすると、多いのではないかという答えなんだけど、要は、そういう客観的なものなんかが全くない場合にね、ない場合で、本人はあくまでも自分は百五十キロだと思っていたと、客観的には百七十キロだったと。本人が、自分が七十キロ以上オーバーして走っているというその認識を客観的に証明できない場合、この場合はこの危険運転致死罪は成立しないと、そういう理解でいいんですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 今の故意については、あくまで概括的、未必的なものであると、で足りるというふうに考えているところでございますが、先生おっしゃるように、そこの故意が概括的な、未必的な故意も認められないということになればこの罪は成立しないというのは、論理的にはそういうことでございます。  とはいいながら、今の交通事情であるとかドライブレコーダーであるとか、そういったことの客観証拠から見て、こういうふうな、現に百七十キロで走っているという認識が、ことが認められる場合には、本人も自ら自分で運転して、アクセルを踏んで運転しているわけでございますので、そういった概括的、未必的な認識が認められる場合が多いだろうということを申し上げているつもりでございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になりましたので、おまとめください。

古庄玄知 自由民主党・無所属の会

○古庄玄知君 分かりました。  いずれにしても、多分大丈夫だろう、だけど、理屈の上では成立しないことになるよという、そういうお答えですね。  終わります。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 泉房穂です。  法案に関して質問させていただきます。二十五分間いただいております。法案質疑ですので、当然法案に関する確認についてさせていただきますが、前提として、立ち位置、少しだけ説明させてください。  私も三十年前から弁護士をしており、刑事弁護たくさんしておりました。当時、交通事故死の刑事弁護側をしておりますと、弁護士としてお通夜や葬儀に参列しますと人殺しと言われましたし、そのお気持ちはごもっともだと感じたものであります。その当時、どうして日本の国は罪を犯した側に弁護士がすぐ飛んでいくのに被害者側に弁護士が寄り添わないのかと、おかしいではないかと、もっとしっかりと被害者支援が必要だと思ったのが三十年前であります。  そういった経緯の中で、二〇〇一年、今回の法改正の基となる危険運転致死傷罪ができたと認識をしておりますし、私、二十数年前、国会議員のときに、犯罪被害者基本法の議員立法、私も担当させていただいた経緯の中で、もちろん犯罪被害者支援に一貫して取り組んできた認識でありますが、ただ、やはり法というものは法の謙抑性というのがありまして、幾ら被害者感情、被害者のニーズが強いからといっても、その個別事案に関してしっかり法としての対応をすべきだという観点も必要だと思っております。  加えて、そもそも大事なのは、厳罰化を否定はもちろんしませんけれども、厳罰化にとどまることなく、そもそもそういった被害者を生まないような取締りであるとか、被害に遭ってしまった後にしっかりと厳罰化以外の幅広い総合的な支援とかいうことの重要性も感じている立場ですから、そういった観点から質問をさせていただきたいと思います。  まず、大臣に総論的な質問をさせていただきます。  この法律が最初できた二〇〇一年、二十五年前は、当時は交通事故の発生件数が百万近い状況にありました。かつ、死者数も当時、ごめんなさい、発生件数が百万近く、死者数も一万近い状況で高止まりしている状況の中で、何とか交通事故を減らしたい、死者の数を減らすためにもしっかりとした厳罰化が必要だという機運を私はよく覚えております。  そういった中でこの法案が、法律の基ができ、順次改正されてきた経緯でありますが、今、実は発生件数激減しておりまして、交通事故の数は、百万から今は二十九万ぐらい、三十万割っているぐらいです。三割程度になっています。死者数も、八千七百ぐらいだったのが二〇〇一年、今は二千人台だと理解をしております。  非常にそういう意味では、交通事故の発生件数、死者数も激減している状況の中で今回この法改正に至るという経緯につきまして、個別事案の大変非常にセンセーショナルな動きの中で今回の法改正がなされた経緯はあると理解はしておりますが、改めて大臣に法の趣旨を確認したいと思います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。  危険運転致死傷罪については、近時、例えば飲酒類型に関し、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態との構成要件の該当性の判断にばらつきが生じているということ、また、高速度類型に関し、常識的に見て極めて危険性の高い高速度運転であってもその適用が否定される場合があるということ、そしてさらに、車体を横滑りさせながらカーブを曲がったり、二輪車の前輪を浮かせて後輪だけで走行するなどの運転行為を直接捉える類型がないことから処罰の間隙が生じていることといったような指摘がなされているところでございます。  本法律案は、こうした状況を踏まえて、自動車運転による死傷事犯について事案の実態に即したより厳正な対処を可能とするため、所要の法整備を行うものでございます。  以上です。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 総論部分についてはそういうことだと理解をするんですが、率直に疑問が幾つかありますので確認したいと思います。  刑法では、通常、数値基準をこういった規範には用いなかったと理解をしております。今回につきましては、むしろ数値基準を作るべきだという要請から今回の議論が始まり今日に至っていると理解しますが、恐らく刑事法のこういう処罰規定でいわゆる数値基準をもって処罰するというのは珍しいのではないかと、聞くところによると初めてではないかと思っておりますが、その点、いかがですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 本法律案による改正後の飲酒類型や高速度類型の数値基準は、アルコール医学の知見や自動車工学の知見を踏まえて、これを満たせば個別具体的な事情を問わずに一律に危険運転致死傷罪として処罰すべき実質的な危険性、悪質性が認められると言える数値を定めるものでございます。  したがいまして、数値基準を設けることによりまして、危険運転致死傷罪として処罰すべき実質的な危険性や悪質性が認められない行為までがこの罪の対象となるものではないということが大前提となるかと思います。むしろ、一律に危険運転致死傷罪として処罰すべき実質的な危険性、悪質性が認められると言える数値基準を設けることによりまして、構成要件がより明確になるものというふうに考えているところでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 端的に、数値基準を用いた同様の例はありますか、ありませんか。今回初めてでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 少なくとも法務省刑事局所管の法律に定められている犯罪には、委員御指摘のとおり、本法律案のよる改正後の危険運転致死傷罪の高速度類型のように、特定の数値を基準として定めた上で、当該基準、数値基準を定めているというものは見当たらないということでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 恐らく日本の法律上初めて数値基準を用いる、ある意味画期的とも言えますし、非常に悩ましい状況の法律だと理解をするんですが。  これ、規範としては、正常運転ができないという規範ですから、当てはめで裁判所が認定をすればいい、足りる話であって、あえて立法化が必要かという論点は残ると思うんですけど、裁判所の認定をもって足らないと、あえて数値基準をもってまでして類型化する必要性はどこにあるかという質問にどう答えられますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) まず、現行法第二条一号及び第三条第一項の飲酒類型に関しまして申し上げますと、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態との構成要件についてその該当性判断にばらつきが生じているという指摘がなされているところでございます。  本法律案においては、構成要件をより明確化して適切な運用を確保するという観点から、個別具体的な事情を問わずに一律にこのような状態にあると認められる体内アルコール濃度による数値基準を設けることとしたものでございます。  次に、高速度類型についてでありますが、常識的に見て極めて危険性の高い高速度運転であっても、実際に進路を逸脱していないような事案においてはその適用が否定される場合がありまして、実態に即した適切な対処ができていないのではないかとの指摘がなされていたところでございました。  そこで、本法律案においては、こうした第二条第二号とは異なる観点から高速度運転の危険性を捉える類型、すなわち、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難となるという危険性を捉える類型を新たに設けた上で、その速度以上の速度で自動車を運転する行為を個別具体的な事情を問わずに物理的なモデルなどを用いた数値を用いて一律に危険運転致死傷罪の対象とする数値基準を設けることとしたということでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 今回の法改正、明確性の原則からいうと、数値基準を設けるのは、そういう意味でいうと、罪刑法定主義からして分かりやすく基準が一律化する面はあると思うんですが、今回の法改正、数値基準を設けながら、かつ加えて、その他類型でこれまでどおりの正常運転でないのを残しておられます。  とすると、恐らく今後の実際の実務においては、このいわゆる数値基準を超えているけれども、正常運転だったという主張がなされると思います。恐らく刑事裁判の中で、弁護士の中では、多分、今回の法律改正を違憲と争って、これは違憲であると、つまり、数値基準をもって全てが一律に当てはまるというのは行き過ぎであって、数値基準を超えていてもそれに当てはまらない例もあるのではないかという疑問は多分あると思います。  今回は、恐らく、数値基準を超えていなくても正常運転でなければ処罰するということだと思うんですが、片方の数値基準を超えていなくとも処罰するのはよく分かりますけど、数値基準を超えていたら全て処罰するというのは、恐らく今後、裁判所で違憲訴訟が行われると思いますが、この点、どのような理解をすればよろしいでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 済みません。仮定の御質問でありまして、かつ、犯罪の成否というのは、やはり収集された証拠に基づいて、当事者の主張を踏まえた上で裁判所において判断されるものであることから、法務省として現段階で一概にお答えすることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 そもそも数値基準を用いるのが日本で初めてというのもすごいことですけど、その数値基準の相当性も恐らく争われると私は理解をするんですけど、そのときに、飲酒類型につきましては、現行法でも、例えば呼気でいきますと、今回〇・五という基準ですから、現行法でも、〇・一五を超えるといわゆる俗に言うところの免停ですね。〇・二五で免取り、いわゆる〇・二五で一発で免許取消しになっていると思います。その倍の〇・五ですから相当すごいというふうな理解はしやすいんですけど。  この点、高速度類型については、高速度類型は、一般道も五十キロオーバーしても免停九十日ですよね。高速道路につきましても五十キロオーバーで免停九十日にすぎず、免許取消し一発ではないという状況。  その辺りについて、飲酒類型と比べて、高速度類型については、現行法の他の法律との整合性がどうかという議論はあろうかと思いますが、この点、どのように理解すればよろしいでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  飲酒類型と高速度類型で様々な事案の観点、事案の視点の観点から考慮すべき事情が異なるという指摘はそのとおりでありまして、今回の法案もそのような形で設けているものでありますけれども、この高速度類型につきましては、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避する適切な対処が著しく困難となるという高速度の危険性を捉えるものとして新たに設けるものでございます。  その上で、その数値基準を定めるに当たっては、道路交通の実情に照らすと最高速度に応じて定めることが合理的であると考えられたということでありまして、先ほど来答弁申し上げているとおり、具体的な数値の在り方については、物理的モデルに基づく理論的な限界速度を参考にしつつ、道路交通に関する社会通念をも考慮して、こうした数値基準以上の速度で自動車を運転する行為には一律に高度の対処困難性と悪質性が認められると言えると考えられたことから、このような規定となったものでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 今回については、いわゆる危険運転致死傷罪についての数値基準を設けて明確化する。実質的には厳罰化の一つだと思いますけど、私からすると、そういう被害者が生じた後の厳罰化にとどまることなく、むしろこういった行為をさせないための取締りの強化が重要だと思うんです。  この点、今回、道交法の一部改正がなされて、飲酒類型については、いわゆる酒酔い運転につきまして呼気〇・五という基準を設けて、そうすると、より厳しく、まさに免取りも〇・二五で免許取消しですけど、そのとき欠格期間がそれは二年だと思うんです。〇・五の酒酔いになりますとその期間が延びてより長期間免許取消しなど取れない意味では、サンクションもある状況なのでここは整合性があると私は理解するんです。  この点、いわゆる高速度類型については、今回、六十キロ超をまさに対象としながら、いわゆる取締りにおいては、六十キロ超を類型化することなく、今回の法改正もしていない。つまり、取締りの新設も対応もなされないのは、私、何かバランスを失しているというか、飲酒類型についてそういう形で取締りを強化するんであれば、高速度類型についても何らかの対応があってしかるべきではないかという問題意識を持つんですが、この点、所管違いますかね、よろしくお願いします。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  いわゆる高速度類型に関しまして、道交法上、速度超過については、先ほど委員御指摘のありました罰則設けられております。行政処分についても先ほど申されたとおりでございます。  この運転免許の行政処分につきましては、将来における道路交通上の危険を防止するという行政上の目的を達成するために行われるものであり、刑事処分とはその目的、手続等、本質的に異なっているものの、御指摘の点につきましては、自動車運転死傷処罰法の改正後の道路交通情勢や現行の我々の行政処分の交通事故防止効果等を勘案しながら見直しの要否を検討してまいりたいと考えている次第でございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 数字もう一回言いますけれども、もう一回言いますね。飲酒類型の場合には、今回、呼気〇・五が一つの基準ですよね。それに至らない〇・一五で免許停止九十日、半分の〇・二五で一発免許取消しです。そして、今回の〇・五は、さすがにそこまで行けばひどいだろうとは理解しやすいんだけど、繰り返します。  いわゆる速度超過については、一般道の場合、三十キロオーバーでいわゆる三十日間の免許停止、五十キロオーバー、今回の基準ですね、今回の基準は、一般道の場合には免許停止九十日にすぎないということです。飲酒類型だと一発免許取消しで厳しい処分なのに、スピード違反については免許停止九十日でいいのかという議論はあろうかと思います。  加えて、私が気になるのは、何度も言いますよ、今回、六十キロ超というかなり本邦初の数値基準を刑法の処罰に入れておきながら、取締り規定においては六十キロは何の手当てもしていないのは、私は何か手当てをだったらすべきではないかと。具体的に言うと、今回の六十キロ超、オーバーであれば、だったら一発、せめて免許取消しぐらいにする方がしっかり取締りの実効性が担保できるし、そもそも事故が発生してからじゃなくて、そういった事故を起こす前提としての極端なスピード違反をなくす方向でやるべきではないかという問題意識を持っておって、本来であれば、今回の法改正に合わせてこのいわゆるスピード違反についてもちゃんと整合性の取れる法改正が必要ではないかという問題意識ですが、もう一回、お答え願えますか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたように、行政処分の目的と刑事処分の目的異なっているところでございますが、先ほど申し上げましたように、委員御指摘のとおりでございまして、自動車運転処罰法の改正後の交通事故情勢とか我々の行政処分の交通事故防止効果等を勘案しながら見直しの要否を検討してまいりたいと考えています。  他方、交通指導取締り、違反の取締りでございますが、これにつきましては、交通の秩序を確立し、安全で円滑な交通環境を実現するために不可欠な交通警察活動であります。引き続き、交通事故の発生状況、悲惨な事故をなくしてほしいという国民の切実な願い等を踏まえ、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置いた交通事故抑止に資する交通指導取締りを全国警察一丸となって推進してまいります。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 次のちょっと問題意識に行くんですけど、私、これ二〇〇一年に最初の法律ができ、一回目の改正は二〇〇四年、私、当時衆議院の法務委員会の委員におりました。その当時からの問題意識なんですが、これ、用語がよくないとずっと思っているんです。  危険運転というと、それは交通、まさに死傷を伴うような事故が起こった被害者遺族には危険に決まっていますがな。それを危険じゃないと言われると、うちの家族が命を失っているのにその当該行為が危険でないと言われると納得するわけもなくて、やっぱり用語の使い方が、危険運転、危険運転の用語が独り歩きしちゃうと、それ以外は危険運転でないというように勘違いされるので、私は、今回間に合わないでしょうけど、何度も法改正なさっておられますから、何かもう少しそれに適したような用語を考えていただきたいと思うんです。  例えば、アメリカの場合には無謀運転という用語を恐らく日本語で訳すと使っておられると思いますし、身勝手運転とかいう言葉もイギリスではあるようですし、日本語に訳すとですよ。  だから、やっぱりその危険運転という、危険という二文字が何か実態と即していないというか、多くの者からすると、それはもう事故が起こってすごい結果が生じたらそれはもう危険運転に決まっとると思うのは当然で、今回の数値基準を設けたとしても、当てはまらない場合には恐らく同様の、どうして私の家族が亡くなっているのに危険運転致死傷罪で処罰されないんだという論点は残り続けるのかなということを懸念しますが、この用語の問題どのように理解されておられますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  委員御指摘のような意見もあるということは承知しておるところではありますが、法務省といたしましては、危険運転致死傷罪という用語は、この自動車運転死傷処罰法第二条、第三条に定められている罪の内容に照らしますと、それらの罪の名称としてふさわしいものと考えているところでございまして、また、平成十三年の危険運転致死傷罪の制定以降、相当の期間を経て既に広く社会に定着しているものと、定着したものとなっていると考えておりまして、我々としては現時点においてこの用語を用いているということでございます。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 改めて、これまではそうであっても、私からするとやっぱりちょっと一般国民の認識と用語がずれることはいいことじゃないと思うので、是非検討をお願いしたいなと思っております。  そして、被害者支援に関してです。  今回の危険運転致死傷に関しても、被害者、一定の場合には法テラス、今年の一月からいわゆる支援が新たに始まりましたけど、残念なのは、相も変わらず資力要件残しておられて、三百万円までの人しか支援しないっておかしくないですか。  危険運転致死傷罪のそれによって命を失った家族に対する支援は、そういう資力要件を気にせずにちゃんとスムーズに早期総合支援をすべきだと本当に思うんですけど、この点、法テラス、何か運用を改善できませんでしょうかね、お答えください。

福山守 法務大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(福山守君) 犯罪被害者等基本法第三条第三項にあるように、犯罪被害者等の方々への支援に関しては、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援を途切れることなく行うための施策を講じていくことが重要であると認識をしております。  本制度は、こうした基本法の趣旨を踏まえながらも、財源や弁護士の対応体制等に一定の制約がある中で、特に経済的困窮等によって刑事手続への適切な関与や被害の回復、軽減のための法的対応等を行うことが類型的に困難な犯罪被害者等に原則として費用を負担させることなく援助を行うため、一定の資力要件を設けることを前提として制度設計をされました。  本制度は令和八年一月十三日に運用を開始したところであり、まずは本制度の円滑な運用に努め、その運用状況を注視したいと考えております。  その上で、現在設置している法テラスの在り方に関する有識者検討会において犯罪被害者等支援も今後テーマの一つに上るものと承知をしており、その検討状況も見ながら、引き続き、犯罪被害者等のニーズや本制度の運用状況等を踏まえた不断の検討を行ってまいりたいと思っております。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 法テラス、私自身、二〇〇四年の法制定時の立法担当者で、衆議院修正のまさに実務を担いまして、私、条文書きましたけど、そのときから犯罪被害者支援するって言っていたんですよ。もう二十数年たって、いまだに年収三百万以下しか支援しないって、私は本当にさみしい限りであって、これ大事なテーマなので、引き続き別の機会に法テラスのテーマ取り上げたいと思いますので、よろしくお願いします。  そして、最後の質問になりますけれども、今回については、基本的には、被害者に寄り添う観点から、被害者感情に寄り添うような法改正と理解はしております。私は別に厳罰化を否定する立場ではありません。ただ、それのみならず、やっぱり被害者の声を踏まえた様々な更なる法制度の拡充が必要という立場からすると、特に強い声、各種被害者団体の声で共通しているのは大きく二つあると思います。  一つは、やはり経済的支援がいまだ不十分、十分ではないと。反響はありますけど、諸外国を見ますと、国が被害者が受け取るべきお金を全額補償した上で、後ほど加害者から求償している国あります。ノルウェーがそうです。私、明石市長のときに、三百万上限ですけど、明石市は実際やっています、条例作って。三百万を上限に立て替えて、加害者から取ることを明石市独自でやっています。これ、被害者から強い要望ずっと昔からあるんです。  もう一つは、被害者庁の創設に象徴されますけど、ワンストップ化です。被害者分野も縦割りであっちやこっち分かれているのをちゃんと総合的に支援すべきだと思うんですよ。  そういう意味で、私なんかは法テラスがしっかりと早期総合支援をすべきではないかと思うんですけど、この辺りのいわゆる犯罪被害者への経済的支援、立替えといいますか補償の問題、そして被害者庁に象徴されるワンストップ化の問題などにつきまして御答弁よろしくお願いします。

篠原英樹 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(篠原英樹君) お答えいたします。  委員御指摘の、国が加害者が支払うべき損害賠償を立て替えて支払い、国が加害者に求償するなどのいわゆる立替払制度を導入することにつきましては、これまでも犯罪被害者等の皆様から御要望をいただいているところでございます。  この点、まず、犯罪被害給付制度におきまして、令和六年の制度改正により、犯罪被害により幼い子供を亡くされた御両親に対して一千万円を超える支給が可能となるなど、給付水準の抜本的な引上げを行ったところでございます。  また、本年三月に新たに閣議決定された第五次犯罪被害者等基本計画におきましては、立替払等の容易に解決し難い制度的な課題に対しても検討を続けていくとしており、具体的には、委員御指摘の北欧を含む欧米諸国等の犯罪被害者等施策について、関連する諸制度等を含めて、より一層充実した調査を行い、調査結果を公表するとともに、必要な対応を行うとしているところでございます。調査の充実に期してまいりたいと考えております。  一方で……

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

篠原英樹 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(篠原英樹君) はい。  ワンストップに関してでありますけれども、例えば、警察によるカウンセリング、地方公共団体の福祉的な支援など、様々な機関、団体が支援を提供しているところ、これらをワンストップで提供する仕組みづくりが必要と考えており、これら途切れなく提供される多機関ワンストップサービスの体制の整備に取り組んでいるところでございます。  以上でございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間過ぎております。おまとめください。

泉房穂 立憲民主・無所属

○泉房穂君 引き続き、共に被害者に寄り添う制度拡充、頑張りましょう。ありがとうございました。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。  法案の内容について御質問させていただきたいと思います。  本法案につきましては、論点がかなり明確でありまして、既に自民党さんと立憲民主党さんの御質問でもろかぶりをしている部分が多うございます。したがいまして、準備した質問の順番をちょっと変えさせていただいて質問に入らせていただきたいと思います。  私も、これまでの御質問で御指摘があったとおり、今回の危険運転致死傷罪のいわゆる行為類型が三つプラスをされるということ、そのことによるいわゆる危険運転と言われる行為の抑止効果が高まってそもそも事故を発生させないということの効果を期待しておりますので、そういう意味では、本法案については前向きに賛成の立場で受け止めさせていただいております。  その上で、重要なことは、今回、明確な数値基準を設けて罰則、罰するということでありますので、その判断の基準に揺らぎが生じるということが当然あってはならないわけでありますので、そうした意味で、今回の例えばアルコールの数値基準について、〇・五ミリといういわゆる酩酊状態と呼ばれる状態まで酒を飲んだ、飲酒をした上での運転が罰則の基準になっているというこの数字自体が合理的な判断基準なのかということについて、今後の、今回の立法の背景も考えたときに、今後世論の動向によってはこの数値が更に見直されて、もっと低い数値に見直すといったようなことの議論も生じてくる可能性があると私は思っております。  したがって、そうしたいわゆるエモーショナルな議論につながらないようにするためにも、今回、法制審でこの〇・五、呼気〇・五という数字になったことのそもそもの判断の理由について、これは政治判断だと思いますので、法務大臣から御説明をいただきたいと思います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 法制審議会の部会におきましては、現行の危険運転致死傷罪の飲酒類型の正常な運転が困難な状態との構成要件を明確化するための数値基準を設けることについて議論が行われたところでございます。  ちょっと長くなりますが、具体的には、その数値基準は、個別具体的な事情を問わず一律に正常な運転が可能な状態にあると、あっ、困難な状態にあると認められる体内アルコール濃度とする必要があることについては、委員の間で意見の一致が見られました。  そして、具体的な数値の在り方については、体内アルコール濃度が呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムに至っている場合には、個人差を問わず、注意力や警戒心の低下、反応の遅延といった運転に必要不可欠な能力への影響が生じているとのアルコール医学の知見を前提に、そのような影響が生じていれば一律に正常な運転が困難な状態に至っていると評価できることについて幅広い意見の一致が見られたものと承知をしております。  その上で、一リットルにつき〇・二五ミリグラム又は〇・三ミリグラムとすることについても議論が行われたものの、アルコール医学の知見によると、反証を許さずに一律に正常な運転が困難な状態に該当することとなる数値基準としては相当ではないとの異論が示され、幅広い支持を得るとは至らなかったものと承知をしております。  法制審議会においては、こうした議論を経て、飲酒類型の数値基準を呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムとすることなどを内容とする答申が取りまとめられたものと承知をいたしております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  アルコール影響正常運転困難状態の定義をどうしていくのかということ、このことについて既に皆さん異口同音に懸念や疑問の質問していらっしゃるわけでありますけど、このいわゆる改正後の施行状況をきちっと検討した上で、基準の適正化に向けたというか、適正運用がなされているかどうかということも含めてきちんと検討、検証を行うということを今から考えておく必要があるんじゃないかと私は思っておりますが、この点について大臣どう御認識されているか、お聞かせください。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 危険運転致死傷罪の飲酒類型における数値基準は、あくまでも体内アルコール濃度がその数値に達していれば個別具体的な事情を問わず一律に正常な運転が困難な状態に該当することとなる数値を規定するものであります。それに至らなくても、個別具体的な事情を踏まえて正常な運転が困難な状態との実質要件を満たす場合には、危険運転致死傷罪が成立することとなるわけでございます。  数値基準を下回る場合に実質要件を適用することに消極的な運用となるのではないかとの御懸念もあると承知しておりますが、数値基準に至らない場合であっても、危険運転致死傷罪の対象となり得ることは条文上明らかでございます。そのため、そうした御懸念は当たらないものと考えておりますが、本法律案が成立した場合には、危険運転致死傷罪の適正な運用を確保するために、関係機関に改正の趣旨や内容についての周知を徹底してまいりたいと考えております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 飲酒をした上での速度超過による事故ということで今この議論しておるわけでありますが、今のいわゆる判断基準でいきますと、飲酒を伴う事故で危険運転致死傷罪に該当しない、つまり、数値基準が今回設定した基準以下のものに関しては、当然、過失運転致死傷罪に該当し得るものと考えられるわけでありますけど、そもそもの話なんですが、酒飲んで運転すること自体が故意以外の何物でもないと思うんです。  それが、要は、罰、いわゆる量刑としては過失運転致死傷罪が適用されるということに今はなっているわけで、この場合の過失性というのは一体何なんでしょうか。  要は、つまりは、そのこと、要は裁判のときに判決が出たときに、明らかな社会通念上、危険な、お酒を飲んで泥酔状態で運転をして、そのことによって被害に遭われた関係者、御遺族はもう悲しみに暮れていらっしゃって、それで判決が出たら過失運転致死傷罪と、過失と言われているわけなんですけど、この場合の過失性というのがどこにあるのかということについてちょっと教えていただきたいと思います。これは刑事局長で結構です。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  今委員御指摘のような事例で、正常な運転が困難な状態というふうに当たれば、当然、飲酒類型で処罰できる、数値基準に当たらなくても処罰できることにはなりますが、そうでならない場合、委員御指摘のように、過失運転致死傷罪と酒気帯び運転、酒酔い運転との併合罪というのが考えられるところでございます。  そのときに、過失とは一体何かというお話ですけれども、人の死傷という結果に対する注意義務違反というものになりまして、飲酒であるとか、飲酒による注意力の低下であるとか、もろもろの注意義務違反がそこでいう過失の内容となるということでございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 そのことは分かっているんです。  その上で、お酒を飲んでいるということ自体が過失という罪名になることのそもそもの理由が何なのか。  済みません、時間がなくなるんで自分で少し言いますけど、現行法上は、いわゆる過失運転致死傷罪と道路交通法といわゆる罰則規定の併合罪という形で量刑がされているということであるんですけど、そもそも飲酒運転による事件、事故ということが生じた場合には、過失運転致死傷罪ではなくて飲酒運転致死傷罪ということなんじゃないのかと。  これは、犯罪被害者、あっ、被害者の方のお気持ちもそうでありますけれども、同時に、やっぱり社会全体がそのことを理解しやすいいわゆる罪名であるべきなんじゃないのかと、私、今回のことで思ったんですけど、いかがでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  御指摘の点に関しましては、法務省で、法制審議会の前に開催いたしました自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会におきまして、この飲酒運転をして人を死傷させた場合を故意犯として処罰する新たな犯罪類型を設けるか否かについて議論が行われたところでございました。  その中の議論では、先ほど来話が出ていますように、過失運転致死傷罪と酒気帯び運転罪、酒酔い運転罪の併合罪として対処が可能であり、別途新たな犯罪類型を設ける必要性、合理性が乏しいのではないか、あるいは、法体系としての整合性を保持しつつ適切な法定刑を定めることができるかといった課題もあるといった指摘がなされて、慎重な検討を要するというふうにされたものと承知しているところであります。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 苦しい説明ですね。  今回新たに初めてこの数値基準まで設けて厳罰化をするということは決断はできるにもかかわらず、このいわゆる新たな行為類型を設定するに当たって、新しい罪名というのがいいのか、罪というものをつくるということについては消極的であるというのも、これも何か議論全体の中での整合性が正直取れていないのではないのかと。  大切なことは、重罰化をというか、ただひたすら厳罰化を望むということではないんですけれども、今回のこの法改正の背景にあるのが、やっぱり被害者感情だとか世論だとか、そういったものも含めて今回法改正がなされているということなのであれば、明確に一発アウトの数値基準を設けるということを今回やったのであれば、そのことと同時に、そのことを要はいわゆる周知するための仕掛け、仕組みというものもやっぱり同時に検討しなければいけなかったんじゃないのかなというふうに思います。  いずれにしても、併合罪で量刑としては重い量刑になるんだからいいんだというのは、あくまでも要は司法側の理屈であって、それを受け止める一般の国民の皆さんからどう受け止められるのかという、そういうちょっと観点が不足しているんじゃないのかということを指摘させていただいた上で、今後この点についても検討を進めていただきたいと思いますが、大臣、今私が申し上げたことについて今後取り組んでいただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 私も交通事犯の被害者や遺族の方々と面会して、その悲しみや苦しみをじかに感じてきたところでございまして、危険、悪質な自動車の運転による死傷事故がなくなることを願っております。  危険、悪質な運転による死傷事犯についての罰則の在り方については、御指摘のように様々な意見があることは承知しておりまして、今後とも、死傷事犯の実情を注視し、必要に応じて適切な対応をしてまいりたいと考えております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。  次の質問に移らせていただきたいと思います。  次に、高速度類型の危険運転致死傷罪に該当するいわゆる行為基準についてということで、先ほど泉先生が御質問されたことに関わる話でありますが、一般道における速度超過のいわゆる行政罰から刑事罰に切り替わる境目が、三十キロオーバーということになっています。三十キロ未満であれば行政罰としての反則金、そして三十キロをオーバーすると刑事罰としての罰金という形になっております。  今回、新たに五十キロオーバー、一般道において五十キロオーバーすると危険運転ということになるわけでありますが、では、三十キロオーバーから四十九キロオーバーまでの間のいわゆる罰則というものについては今までどおりということでよろしいんでしょうか。  いわゆる抑止効果、防止効果を狙って今回法改正を行うということなのであれば、この三十キロから四十九キロまでのいわゆる判断が分かれるところについての基準というものも何らかあった方がいいのではないのかという考え方もありますけど、この点についていかがでしょうか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) 道路交通法におきましては、最高速度違反につきましては、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金が科されますが、最高速度違反に加えてその際に人の死傷が発生した場合には、自動車運転死傷処罰法第二条が適用されないときでも同法第五条が適用され、併合罪がなるかどうかは別論といたしましても、少なくとも七年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金が科されることとなります。  この度の自動車運転死傷処罰法改正により、最高速度違反に伴い人の死傷が発生した場合において、従来同法第五条が適用されていた事案について同法第二条が適用されることが想定されますが、これをもって、人の死傷が生じない場合の道交法上の最高速度違反の罰則を引き上げることにつきましては、この度の自動車運転死傷処罰法改正後の交通事故情勢や最高速度違反の科刑状況等を勘案しつつ、その要否を検討する必要があると考えている次第でございます。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 この指摘させていただきましたのは、要は、逆の受け止めで、五十キロを超えなければ危険運転には該当しないという受け止めになると困るなということでありまして、したがいまして、当然、運用上というか、これまでも判例上はそういった対応をしていただいていることは分かっているんですけれど、しかしながら、一般の方々、ドライバーさんがそのことを理解しているのかといったら、ほぼ無知な状態だと思いますので、そうしたことも含めて、今回の法改正と同時に、周知をするということについては是非お取組をいただきたいと思います。  もう時間がなくなってまいりましたので、次の質問入らせていただきますが、第二条六号のいわゆる殊更滑走等類型、ドリフト走行についてですけれども、危険運転致死傷罪に該当する行為類型について、ばらつきを生じさせないようにするために、いわゆるドリフト走行というものが危険運転であるということを認定するための具体的な構成要件ってこれ何なのかを、刑事局長で結構ですので、御説明ください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) もう一回質問をお願いしてもよろしいでしょうか。申し訳ございません。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 問いの五番の、危険運転致死傷罪に該当する行為類型について、適用にばらつきを生じさせないようにするための具体的な構成の要件というのは何でしょうか。Qの五です。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 構成要件は、「殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為」ということでございまして、この殊更にという要件が過失との関係では異なるものであるというふうに考えております。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 殊更にタイヤを滑らせることで、その進行を制御することが困難な状態にさせて自動車を走行させる行為、これいわゆるドリフト走行だということで書かれているわけでありますが、そもそも、ドリフト走行って、殊更にタイヤを滑らせることでコーナリングを制御するためのドライビングテクニックでもあるわけでありまして、制御することが困難な状態、ドリフト走行により進行を制御することが困難な状態という今回のその法案の記載の内容というのは、定義として矛盾があるのではないのかという御指摘もあるんですけど、この点についていかがですか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  委員御指摘のドリフト走行につきましては、法制審議会の刑事法部会の期日外視察におきまして、専門家から、元々カーブを曲がるための技術として発展してきたものではございますけれども、現在の道路事情や自動車の性能を踏まえると、公道上でカーブを曲がるためにそのような運転行為をする必要は認められない、さらには、遠心力とアクセルで前に進む力のバランスを保ちながら走行するものであるため、一般道で行った場合、路面の凹凸や落下物、他の交通関与者の動きなどの影響を受けて、容易にそのバランスが崩れて制御困難な状態に陥るおそれがあるといった説明がございました。  その上で、この「殊更に」という文言は、「タイヤを滑らせ又は浮かせ」のみを修飾するものであるところでございますが、たとえ制御することを意図していたとしても、タイヤを滑らせたり又は浮かせる行為をやむを得ない事情がないのに意図的に行って、その結果として進行を制御することが困難な状態となって人を死傷させた場合に危険運転致死傷罪が成立するものとすることについては合理的なものではないかというふうに考えているところでございます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

川合孝典 国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 はい。  時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、ドリフトといわゆるスリップというものをどう見極めるのかということを、タイヤ痕で確認するということも昨日の質問通告で言われましたけれど、それだけで本当に、例えば舗装道路でないところでそれをどう立証するのかといったようなことも含めて、ドリフト走行のこの認定というのは極めて難しいんじゃないのかということを感じておりますので、そのことだけは指摘させていただいて、質問を終わります。  以上です。

横山信一 公明党

○横山信一君 公明党の横山信一です。  この危険運転致死傷罪は、当初、刑法の平成十三年改正により新設をされました。飲酒類型、高速度類型、赤信号無視類型などがこのとき規定をされました。その後、平成二十五年に自動車運転死傷処罰法が制定され、刑法に規定されていた危険運転致死傷罪と自動車運転過失致死傷罪は自動車運転死傷処罰法に規定されました。令和二年にはあおり運転の追加などがされて、現在に至っています。  このように、危険運転致死傷罪の規定は、制定以来、累次の改正を経てきたというものであります。それでも、危険で悪質な運転行為による死傷事犯に適切に対処できていないではないかという様々な指摘がなされるようになり、令和六年二月から十一月にかけて、自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会というのがつくられまして、計十一回の議論がなされ、報告書が取りまとめられ、それに基づく法改正というふうになったということであります。  そこで伺いますけれども、二番目になりますけれども、本法律案による改正後の自動車運転死傷処罰法第二条には、正常な運転が困難な状態とあり、第三条には、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態とあり、そしてまた道路交通法第百十七条二は、正常な運転ができないおそれがある状態と類似した表現が使われています。  そこで、これらの構成要件について具体的にどのような場合を想定しているのか、これは法務省と警察庁、両方にお聞きいたします。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) まず、法務省からお答えいたします。  本法律案による改正後の第二条第一号の数値基準は、現行の自動車運転死傷処罰法の正常な運転が困難な状態との構成要件をより明確化する観点から設けることとするものでございます。したがいまして、この同号の正常な運転が困難な状態と、同法第三条第一項の正常な運転に支障が生じるおそれがある状態との構成要件の解釈については、数値基準を設けた場合にも変更はないと考えているところでございます。  その上で、正常な運転が困難な状態とは、先ほど、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態と解されておりまして、例えば、アルコールの影響によりまして前方の注視が困難となったり、ハンドル、ブレーキ等の操作の時期やその加減についてこれを意図したとおりに行うことが困難な状態である場合などがこれに当たり得るとされているところでございます。  また、正常な運転に支障が生じるおそれがある状態とは、正常な運転が困難な状態にあることまでは要しないものではありますけれども、自動車を運転するのに必要な注意力、判断能力あるいは操作能力がそうではないときの状態と比べて相当程度減退して危険性のある状態と、それに加えて、そのような危険性のある状態になり得る具体的なおそれがある状態の両者を含むというふうに解されておりまして、例えば、道交法の酒気帯び運転の罪に該当する程度のアルコールを身体に保有している状態であれば、通常はこれに当たるとされているところでございます。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) 警察庁からお答えします。  道路交通法第百十七条の二第一項第一号では、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転した場合を酒酔い運転として処罰しております。この状態につきましては、アルコールの影響によって車両等を正常に運転するのに必要な能力を欠くおそれがあると認められる状態を想定しております。  その具体的認定、取締りの現場で行いますが、運転者の言語状況、歩行能力、直立能力等について総合的に確認した上で、この状態に当たるか否かを判断しております。

横山信一 公明党

○横山信一君 そもそも、アルコールを飲んで車を運転するということはそもそもおかしな話なんですけれども、それの量刑を、今のような説明になっているということでありますけれども。  じゃ、これらの具体的な内容について政省令で定めてもいいんじゃないかと思うんですけれども、副大臣に伺います。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  この正常な運転が困難な状態及び正常な運転に支障が生じるおそれがある状態との要件の意義や、どのような場合にこれを適用し得るかにつきましては、先ほど刑事局長が申し上げたとおりでございます。  これまでの判例や立法時の解説等によって相当程度に明確なものになっているというふうに考えておりますが、その上であえて申し上げれば、仮に、この各要件の具体的な意義や適用され得る場合等について仮に政省令で詳細に定めようとした場合には、個別具体的な事実関係に応じた判断をすることが制約され、その結果、処罰すべき行為を適切に処罰することが困難となるおそれがあり、結果として適切な処罰というものを行い得なくなるということが考えられるわけでございます。  したがいまして、御指摘の点につきましては、政省令で定めるべきものとは考えていないというところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 適切に対応できなくなるということでありますけれども、今回の法改正で数値基準が入ったということで率直に感じるところなんですが、この飲酒類型、高速度類型の構成要件により定められていますけれども、どうして今まで数値基準を導入してこなかったのか。数値基準の方が明快で分かりやすいというふうに思うんですけれども、その理由を伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  危険運転致死傷罪は、重大な死傷事犯を惹起する危険性、悪質性が類型的に極めて高い運転行為を行って人の死傷結果を生じた場合に重い法定刑により処罰するものでありますけれども、お尋ねにつきましては、個別具体的な事情を問わずにそうした高い危険性、悪質性が一律に認められると言える数値基準を定めるということについて本格的な検討を開始する契機がなかったというのが実情であるというふうに理解しているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 分かりやすくなったのはいいと思うんですけれども、ちょっと今まで検討してこなかったということでありますが、危険運転致死傷罪の飲酒類型それから高速度類型については、数値基準を導入したということによって、その施行に当たっては、血液又は呼気中のアルコール濃度、それから自動車の速度、これを正確に測定をするということが求められるというふうに考えます。  このアルコール測定器の誤差範囲がもし大きければ、信用を失いかねないわけですね。また、先ほども出ていましたけれども、ドリフト走行で出ていましたが、例えば速度に関して言えば、スピードガンを使って測定することはできないわけです、事故を起こしちゃった後にですね。そういう意味では、現在使用されている測定機器の精度というのはどうなのか、これについて伺います。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  まず、アルコールの濃度の測定でございますが、方法といたしましては、交通事故現場等における警察官による測定器による測定や、裁判官が発付する令状に基づく血液の採取及び鑑定がございます。  アルコール濃度の測定誤差の程度につきましては、捜査手法に関することであり、答弁を差し控えさせていただきますが、現行使っている測定器の性能、測定器の実際の使用方法、血液の採取及び鑑定の手法に照らし、新たに設けられることとなる数値基準該当性の立証上、警察といたしましては問題がないと考えている次第でございます。  また、事故発生時の自動車の速度につきましては、事故後の自動車の破損状況や自動車搭載のイベント・データ・レコーダー、EDRでございます、それから防犯カメラ映像等の客観的な証拠を収集し、これらを踏まえて特定しているところでございます。これにつきましても、新たに設けられる数値基準該当性の立証上問題はないと警察では考えている次第でございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 問題がないということなんですけれども、ここはやはり厳格にやっていただきたいということであります。それが事故を防いでいくということにもなっていくというふうに思いますので、お願いしたいと思います。  一つ飛ばしまして、本法律案は、危険運転致死傷罪の飲酒類型について、新たな数値基準を設けるとともに、その他アルコールの影響により正常な運転が困難な状態として現行の実質要件を維持することとしていますが、なぜそのように維持することにしたのか、その趣旨について伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  議員御指摘の数値基準は、あくまでも個別具体的な事情を問わずに一律に正常な運転が困難な状態であると認められる症状が生じる数値として設定したものでございます。そういう意味で、体内アルコール濃度が数値基準に満たない場合であっても、個別具体的な事情に照らしまして正常な運転が困難な状態と認められる場合はあり得るというふうに考えておりまして、そこで本法律案においては、数値基準とは別に実質要件を存置することとしたものでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 アルコール基準より下回っていても危険運転致死傷罪はあり得るんだということで、ここは重要なところだというふうに思っております。  危険運転致死傷罪の飲酒類型と高速度類型において導入することとしている数値基準、この具体的な数値を政令に委任しなかったその理由について伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  一般に、特定の事項の定めを政令に委任するのは、それが技術的、専門的である場合や、社会情勢等により頻繁に変化するものであって、その変動に応じて柔軟に規律を改める必要がある場合ということであると考えられます。  その上で、本法律案における危険運転致死傷罪の飲酒類型及び高速度類型の数値基準につきましては、重い法定刑が定められているこの構成要件の中核的な要素であること、それから社会情勢等の変動に応じて柔軟に変更すべき性格のものではないというふうに考えられることから、原則どおり法律で定めることとしたものでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 重い法定刑なので、しかも今回の基準というのは専門家等の科学的な裏付けをもって作っているということであるのでということなんですけれども、社会的な要請によって変わる可能性も、数値基準、今までもこの危険運転致死傷罪については幾つもの変遷を経ているわけですから、そういう意味では、社会的な背景の中で今後も変わる可能性もあるというふうに考えています。  現行の危険運転致死傷罪の高速度類型は、その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為というふうに定められていますけれども、具体的にどのような行為が想定されているのか、伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  現行の自動車運転死傷処罰法第二条第二号のその進行を制御することが困難な高速度とは、一般に、速度が速過ぎるため道路の状況に応じて進行することが困難な速度を意味するものとされております。具体的には、例えばカーブを曲がり切れないような高速度で自車を走行させるなど、そのような速度の走行を続ければ、道路の状況や車両の構造、性能等の客観的事実に照らして、あるいはハンドルやブレーキの操作の僅かなミスによって自車を進路から逸脱させて事故を発生させることとなると認められる速度をいうと解されているところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 分かりました。  この高速度類型の数値基準なんですけれども、法務省はこの数値の根拠に、自動車工学の専門家によって示された、最高速度を遵守していれば回避できた障害物を回避することができなくなる理論的な限界速度というのを挙げています。しかし、これは、天候や気温によって変わるものだと私は思いますけれども、具体的にはどういう条件下で算定された速度なのか、伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  今の御指摘の高速度類型の数値基準を定めるに当たって参考としているのは、法制審議会の部会における自動車工学の専門家のヒアリングで示された理論的な回避限界速度でございます。これは、天候等の条件を捨象した物理モデルを用いて算出されたものでございます。  具体的には、まず直線道路において、前方にある障害物をハンドル操作による横移動のみによって回避する、具体的には、約一車線分に相当する三・五メートルの横距離を、横の距離をブレーキ操作等は行わずにハンドル操作のみによって移動して安全に回避することをまず想定いたしまして、そうした条件下において、最高速度を遵守していれば確実に回避できると言える最も近い障害物までの距離を算出した上で、その距離にある障害物を同じくハンドル操作のみによる横移動でおよそ回避できなくなると理論的に考えられる限界速度を算出するというものでございました。  その上で、最高速度が低い場合につきましては、同様の条件下で、ブレーキ操作のみによって、ハンドルではなくてブレーキ操作のみによって前方の障害物をおよそ回避できなくなると理論的に考えられる限界速度についても算出していただいたところでございます。  改正後のこの数値基準は、このようにして算出された理論的な回避限界速度を参考にしつつ、道路交通に関する社会通念も考慮して、危険運転致死傷罪として処罰すべき高度の危険性及び悪質性が認められる速度を定めたというところでございます。

横山信一 公明党

○横山信一君 次に、ながら運転について伺います。  スマートフォンを注視した運転による死傷事案が広く報道されるなど、一般的に危険な行為として認識されているというふうに思います。自動車の運転中にスマートフォンへ神経が集中した場合、現行の危険運転致死傷罪の実質要件にある正常な運転が困難な状態に匹敵するのではないかというふうに考えます。  ながら運転は、本法律案の検討会で論点の一つになったということも承知をしておりますけれども、この正常な運転が困難な状態になるこのながら運転を新たな類型として検討すべきではないかというふうに考えますが、副大臣に伺います。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  委員がおっしゃるとおり、このスマートフォンを使用又は注視しながらの運転行為等のいわゆるながら運転というものは、一般的に危険な行為と言われるのはそのとおりだというふうに思っておりますが、これを危険運転致死傷罪の対象とすることについては、もう御指摘のとおり、この令和六年に法務省において開催いたしました自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会において、交通事犯被害者遺族の御要望等も踏まえて議論が行われたところでございます。  この点、このながら運転には、危険運転致死傷罪として処罰すべき危険性、悪質性を有するものが含まれるものの、他方で、注視等の対象物、時間、状況によって様々な態様のものがございますため、危険運転致死傷罪の対象とすべき高い危険性、悪質性を有する行為を的確に切り出して規定することは困難であるということなどから、同検討会の取りまとめにおいては慎重な検討を要するというふうにされたものと承知をしております。  そのため、現時点におきましては、このながら運転を危険運転致死傷罪の対象とすることについてはなお慎重な検討が必要であるというふうに考えております。

横山信一 公明党

○横山信一君 最後になりますけれども、この本法律案の正常な運転が困難な状態という実質要件が残されています。これらの実質要件の運用においては、検察には刑事手続における厳格で厳正な立証活動が求められます。この法案の施行にどのような覚悟で取り組んでいくのか、最後、大臣に伺います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 改正後の自動車運転死傷処罰法においては、数値基準を下回る場合であっても、個別具体的な事実関係に照らし、アルコールの影響により正常な運転が困難な状態又は道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度との実質要件に当たる場合には、危険運転致死傷罪が成立し得ることになるわけでございます。  この点に関しましては、法制審議会の部会においても、複数の委員から、数値基準を下回る場合にも実質要件の下で危険運転致死傷罪の成否を十分に検討することが重要であるといった指摘がなされていたところでございます。本法律案が成立した場合には、こうした議論等も踏まえ、改正の趣旨、内容について関係機関に対して十分に周知を行い、適切な運用の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、検察当局においても、改正法の趣旨を踏まえて、法と証拠に基づいて、悪質、重大な交通事犯に対し、刑罰法規の厳正な適用実現に努めていくものと承知をしております。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。

横山信一 公明党

○横山信一君 厳格で適正な運用をよろしくお願いいたします。  終わります。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子です。  十分の時間をいただいておりますので、まずは、既にかなりかぶる質問ではあるんですが、今回の法改正の経緯と危険運転致死傷罪による厳正な処罰を可能にする意義について、法務大臣に伺います。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) お答えいたします。  危険運転致死傷罪については、近時、高速度運転など危険、悪質な自動車運転による死傷事犯に適切に対処することができていないのではないかという観点から、様々な指摘がなされているところでございます。  そこで、本法律案においては、飲酒類型について、アルコールの影響による正常な運転が困難な状態との要件を明確化するための数値基準を規定し、それ以上のアルコールを身体に保有する場合で自動車を運転する行為を一律に同罪の対象とするということ、それと、高速度類型につきましては、道路、交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度を捉える類型を新設した上で、数値基準を規定いたしまして、それ以上の速度で自動車を運転する行為を一律に同罪の対象とすること、殊更にタイヤを滑らせ又は浮かせることにより、その進行を制御することが困難な状態にさせて、自動車を走行させる行為を同罪の対象とすることといたしております。  これらにより、危険、悪質な自動車運転による死傷事犯について事案の実態に即したより厳正な対処が可能となるとともに、そうした死傷事犯の抑止に資するものと考えております。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  大臣御答弁のように、飲酒、高速度運転については基準が明確になりましたけれども、他の運転類型については変更がありません。  例えば、二〇二四年の九月、埼玉県の川口市で、中国籍の男性が酒気帯び運転で一方通行の道路を時速百二十五キロで逆走し、交差点で乗用車と衝突して、乗用車の男性が死亡するという大変痛ましい事故もありました。  この一方通行の逆走や無免許で運転を繰り返す行為など、一般的な常識では危険と考えられるその運転類型についても今後適切に適用できるよう、更なる法整備あるいは現場での運用についてはいかが検討されているでしょうか。法務省刑事局に伺います。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  危険運転致死傷罪につきましては、累次にわたり改正が行われているところでございます。平成二十五年改正においては、一方通行道路等の通行禁止道路を進行して、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為が危険運転致死傷罪の対象として追加されたほかに、無免許運転中に人を死傷させた場合について、事案の実態に即した処罰ができるよう、無免許運転による加重規定が新設されたところでございます。  その上で、本改正に当たりましても、法務省で開催した自動車運転による死傷事犯に係る罰則に関する検討会におきまして、交通事件の被害者御遺族のヒアリング結果を踏まえまして幅広い論点について御議論が重ねられましたけれども、本法律案による改正事項以外の論点については、いずれも様々な課題があるとして慎重な検討が必要とされたところでございました。  もっとも、危険、悪質な運転による死傷事犯に係る罰則の在り方については様々な御意見があることは承知しております。今後とも、自動車運転による死傷事犯の実情等を注視して、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えておりますし、検察当局においても、悪質、重大な交通事犯等に対して、個々の事案の特質を踏まえた適切な事件処理に努めていくものと承知しております。  法務当局といたしましても、本法律案が成立した場合には、必要な調査を行って、改正後の規定の施行状況を注視してまいりたいと考えているところでございます。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 今までも議論になっておりますけれども、交通事故に巻き込まれて命を失ったり、あるいは大けがをしたりと、そういう被害者の立場から納得できるような法の運用を是非ともお願いしたいと思います。  あと五分ほどしかないんですが、実は私自身が家族法にこだわっておりますのは、日本の子供が国際的に見て主観的な幸福感が大変低いんですね。その大きな理由が、家族から愛されているという率が大変低いんです。  それでこの家族法の問題をこだわっているんですけれども、今世間で大変関心があります京都府の十一歳の男の子が命を失ってしまった、事故ではなくて事件だろうということが昨日から今日、急展開しておりますけれども、これ、家族の離婚、再婚の問題と関わっていると、今後の捜査を見させていただかないといけないんですが。  三谷副大臣に、前回の質問を、項目出させてもらって時間切れだったところを少し戻らせていただきますけれども、子供の連れ去りというのは、子供にとって大変大きな、ある日突然、学校替わったり、住まいを替えたり、そしてほかの人と関係が切れてしまうという大変重要な問題でもあります。  そういう中で、この子供の連れ去りが今まで虐待があるからということで社会的にもなかなか問題にならなかったんですけれども、この虐待の問題、先回もデータ出させていただきましたけれども、ここに支援措置というのがありまして、DV、虐待の証拠として支援措置を掛けることが逆に一一〇番通報するよりも容易に虐待として利用されるということがあります。DV、虐待について白黒はっきりさせるためには、私自身は、やはり警察の捜査や調書として記録に残し、裁判所による認定が大前提であると思っておりますけれども、副大臣にお尋ねします。  客観的な証拠や証言が皆無でも、支援措置の事実あるいは児相への相談記録だけで、一方当事者の主張だけでDV、虐待の嫌疑ありと言われる場合があるということですが、今回の共同親権の選択の中で、連れ去り後に支援措置を掛けるような場合であっても、その共同親権の選択の中にDV、虐待のおそれというのがあります。この支援措置を掛けられるだけでDV、虐待のおそれと、その根拠となり得るでしょうか。かなり細部に入っておりますけれども、三谷副大臣の御見解をお願いします。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  まず、裁判所において個別の事案ごとに具体的な事情を踏まえて行われるものであるので、一概にお答えすることが困難であることを前提に、あくまで一般論として申し上げさせていただきます。  父母の一方から他方についてDV等支援措置が講じられているという事情が主張された場合ではございますけれども、裁判所は、当該措置が講じられる過程で必ずしも当事者双方の主張が聴取されるわけではないということも踏まえまして、当該措置が講じられている事実や一方当事者の主張のみだけで判断するのではなく、そういった措置が講じられた経緯ですとか、そういった措置が行われたことに対する他方当事者の反論を含めた様々な事情を総合的に考慮をするということになるというふうに考えております。

嘉田由紀子 日本維新の会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  他方当事者の主張も考慮していただく、これは大変大事です。実態的には、先回もデータを出しましたけれども、他方当事者の言い分なりあるいは意見はもうほとんど聞かれていないというのが実態でございます。  もう時間がないので、次、二つ質問準備していたんですけど、また次の週に回させていただきますけれども、本当に日本の子供が親の離婚や再婚に巻き込まれてまさに不幸な状態になるという、ここは国としても、家族法あるいは民法、それぞれが大人の、立法府の責任でもあると思っておりますので、今後も継続させていただきたいと思います。  以上、終わります。時間になりました。ありがとうございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 参政党の安達悠司です。  今回の自動車運転死傷処罰法の改正案によって、危険運転の要件に数値基準を導入し、一般道五十キロ、高速道六十キロ以上のスピード違反による人身事故を起こした場合もこれ追加されるものですね。また、五十キロ超過していなくても、その速度に準ずるものも同じく危険運転で処罰する規定が設けられています。  同時に、今回、資料の二枚目を御覧いただきたいんですけれども、このポスターがありますけれども、九月一日から生活道路の法定速度を三十キロに引き下げる道路交通法施行令の改正も行われますので、これについてお尋ねします。  今年の九月一日から、中央線のない道路、これを生活道路と呼んでいますが、これの法定速度が六十キロから三十キロに下がります。三十キロも下がるんですね。今まで六十キロで走れていた道が三十キロ以下でしか走れなくなるということです。ただし、標識などで速度指定があればそのままです。道路標識がない、中央線もない、こういった道路の法定速度が一律に三十キロだということですね。  これで住宅街や狭い路地など安心という方もいるでしょうし、他方、田舎の方では、見晴らしもいい、道路も広い、今まで六十キロで走っても何も問題がなかった、こういった農道であるとか山道であるとか林道であるとか、こういった道路が突然三十キロになると、人口が少ない地域や中山間地域などで、通勤、買物、農作業、林業、運搬など移動が非常に不便になるといったデメリットもあるんじゃないかと思います。この政令改正、二年前に行われましたが、国会審議経ていないので十分に国民に周知されているとも言えません。  そこで、御質問です。  九月一日から始まる法定速度の引下げは、地方に居住する方々や人口減少地域の生活や移動、交通アクセスが一層不便になりませんか。警察庁の方にお尋ねします。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  自動車と歩行者、自転車との交通事故を防止するためには、主として地域住民の日常生活に利用される生活道路において自動車の速度抑制を行うことが効果的であり、本年九月一日から、中央線の設置されていない道路等につきましては、いわゆる法定速度が時速三十キロメートルとなります。  他方で、御指摘のような農道等を含め、改正道路交通法施行令の施行により法定速度が時速三十キロメートルに引き下げられる道路のうち、交通量や車道幅員、設計速度等の観点から、時速三十キロメートルの最高速度が適用されることが実態と合わないものにつきましては、交通実態等を踏まえた速度規制等を実施することとしております。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 要は、実態と合わない道路は最高速度を指定して標識を立てるから問題ないんだということでしたが、じゃ、実際に交通実態と合っていない道路、これ日本の全国の道路百二十二万キロあります。生活道路と言われる道路は、調査によれば約八十七万キロ、七割もあるということなんですね。  こうした全国の全部の道路実態を、最高速度の指定とか見直しを、これ、どれだけの範囲の道路を対象にどのような手法で行っているんですか。また、都道府県公安委員会に対していつどのような文書を出して指示、指導したのですか。また、見直しの進捗状況も教えてください。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  都道府県警察におきましては、道路交通法施行令の改正が行われた令和六年七月以降、法定速度の見直しの対象となる道路のうち、時速三十キロメートルの法定速度が適用されることが交通実態に合わないものの把握を進めているところでございます。  警察庁では、本年三月、改めて都道府県警察に対して文書を発出し、原則として五月末までに、規制を見直すべき箇所の選定を終了し、施行までに必要な交通規制を実施するよう指導しているところでございます。  各都道府県警察におきましては、例えば、各警察署における道路標識や道路標示の点検や、地域住民との交流の機会を通じて把握を努めるとともに、当庁から令和七年三月及び七月に発出した文書に基づき、道路管理者や農道管理者等とも連携を強化し、必要な情報の提供を受けるなど、対象となる道路の把握に努めているところでございます。  引き続き、改正道路交通法施行令の円滑な施行が担保されるよう、都道府県警察を指導してまいります。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 全国、道路広いんで、本当に全部点検して見直しを行うのは非常に難しいと思うんです。ある県警本部の方に尋ねたところ、ちょっと議員の方から尋ねてもらったところ、その対象となる道路は非常に広いから、制度が始まって情報が寄せられたらその都度対応するみたいな回答もあったと聞いております。  しかし、この速度の見直しが非常に重要なのは、今審議している自動車の危険運転の法改正が同時に行われるからですね。今回の法改正で、一般道で五十キロ以上スピード違反して人身事故を起こしたら大変重い罪に問われます。すると、今まで法定速度六十キロだった道路が三十キロに下がっていた場合、これを知らずに八十キロで走ったらこれ危険運転ですから、六十キロで走っていた運転を八十キロで走ったら危険運転、これ大変ですよね。  じゃ、こうすると、今回の速度の数値基準に基づいて今回法改正するんですから、生活道路も含め、全ての道路について交通実態と合っているのかどうか全国一斉に最高速度規制の実態調査を見直しを行うべきだと思いますが、その予定はありますか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  警察庁におきましては、速度規制を含めた交通規制について、その効果等の点検、確認を恒常的に行い、交通流量等の交通状況や沿道状況の変化等によって実態に合わなくなった場合は必要な見直しを行うよう、従前から都道府県警察に対して指示しているところでございます。  引き続き、交通実態を踏まえた適切な速度規制を実施するよう、都道府県警察を指導してまいります。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 次に、法務省に尋ねます。  田舎の農道、林道、山道であっても、中央線ないけど相当の幅が確保されている道路など、三十キロに引き下げることが不相当な道路はたくさんあります。これは、警察庁の通達でもそういう実態と合わなくなるような道路の把握しているということなので、警察庁もそういう道路があることは認めているわけですね。しかし、それの速度の変更が追い付かないといったことがあります。  じゃ、このような場合、今回、数値基準のみ設けているので、その実態と合っていない場合、その場合は違法性が阻却される、不可罰だと、こういうケースが起きるんではないかと思いますが、法務省はどう考えますか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  改正後の法二条四号は、道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避する、すなわち適切な対処をすることが著しく困難となるという高速度運転の危険性を捉えるものでございます。  ここに言う数値基準は、その速度以上の速度で自動車を運転する行為であれば、道路や交通の状況を問わず一律にそうした高度の危険性、すなわち対処困難性、悪質性が認められると、適切な対処はおよそ困難、放棄しているという速度を定めるものであるということが前提でございます。  そして、最高速度というのは、基本的に道路の車線数や交通量などといった道路、交通の状況を考慮して定められているものであるところ、それらの要素は高速度運転の危険性に関連するものでございますし、また、最高速度は自動車の運転者やその他の者にとって重要な行動の基準となるものであることなどからすると、最高速度に応じて数値基準を定めることには合理性があるというふうに考えているところでございます。  この数値基準は最高速度を相当程度超過した速度としているところでございまして、最高速度が見直され得るものであることを踏まえてもなお、その速度以上の速度で自動車を走行する行為に危険運転致死傷罪として処罰すべき高い危険性や悪質性が認められるものとは考えているところでございます。  したがいまして、今、数値基準を満たす速度で自動車を運転して人を死傷させたにもかかわらず実質的な危険性が認められないということは想定しにくいということであると思いますが、委員御指摘のような個別の事案における犯罪の成否というのは、あくまでその個別の事情によるということになるかというふうに思います。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 私はそういう場合もあり得ると思うんです。  だから、要するに、六十キロで走っていた道路がたまたま三十キロになっていたけど八十キロで走っちゃったと、それで危険運転だというのは本当に妥当なのかということですね。  あと、また、数値基準を定めているのにそれを下回るアルコール保有量や、数値基準を下回る速度しか認定されない場合も実質要件によっても刑罰を科すといったこともありますが、これは、構成要件の明確性、予見可能性を害する結果を招くおそれもあるため、慎重を期すべきだと考えます。  ただ、じゃ、その数値基準に該当しないのに、何ですかね、この今回の実質要件に該当する場合というのはどういう要件を想定しているのか。また、数値基準に該当しないのにその高速度の認定する速度に準ずるもの、これは一体何なのかということ。さらに、今回ちょっと勘違いされている方もいらっしゃるかもしれないと思うんですけど、今までの、何ですかね、二号の要件ですね。二号の要件の、その進行を制御することが著しく困難な高速度と、これはそのまま残して、こっちは最高裁判例でも百九十キロ出してもこれに当たらないという、こういう判例もあるぐらいのこれは残しつつ、今回、別類型として、五十キロ若しくは六十キロ違反、若しくは実質要件と。この場合はちょっと要件の書き方が異なって、その他道路及び交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難な高速度と、こういう違う書きぶりの要件を追加するということなんですね。  そうすると、この二号要件と今回の新設の四号要件というのは、要は、行為の重さが、行為の要件異なるわけですから、しかし同じ法定刑なんですね。ということは、これ同じ法定刑の中でも、この従来の二号とこれからの四号とこれは量刑に差が出ることもおのずから予定しているのか、その辺りもお聞かせください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 二条四号と現行法の二条二号の関係性という理解でお答えしてよろしいでしょうか。  現行法第二条第二号におけるその進行を制御することが困難な高速度については、一般に、速度が速過ぎるため自車を道路の状況に応じて進行させることが困難な速度をいうと解されておりまして、これは、高速度に運転、起因する危険性のうち、進路保持の困難性を捉えるものであると考えられております。  これに対しまして、今回の改正法の第二条第四号は、道路や交通の状況に応じて重大な交通の危険を回避することが著しく困難となるという、この従来の進行制御困難の類型とは異なる観点から高速度運転の危険性を捉えるものとして、別の類型として定めるものでございます。  もっとも、一つの行為が両方に当たり得るということもあるかと思います。その上で、どちらが量刑が重いか、法定刑はもちろん一緒でありますが、そこは、類型だけに、どちらが類型かというよりも、それ以外に、被害者の数であるとかけがの程度であるとか、それ以外の個別の情状などによるところでありまして、一概に比べることは困難ではないかというふうに思うところでございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 あと、最初に質問した、数値基準に該当しないのに高速度に認定する速度に準ずるものについてもお答えください。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 高速度類型のイ又はロに、先ほどの高速度の数値基準に、速度に準ずるものという類型がありまして、準ずるとは、一般に、ある基準を標準として考える、同等の扱いをするといった意味でありまして、この高速度類型でいいますと、五十キロオーバーあるいは六十キロオーバーに準ずる速度というふうなことを意味するものとして用いているところでございます。  最高速度は十キロメートル毎時単位で定めることとされておりまして、今回も十キロメートル毎時単位で数値基準を定めているところからしますと、少なくともこのイまたロに定める速度を十キロメートル毎時以上下回るような速度、これは準ずるものには当たらないというふうに考えているところでございます。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 ありがとうございます。  最後に、法務大臣に二つお尋ねします。  まず一つは、やはり、この準ずるものというのはどういうものなのかと早期に明確な解釈基準を策定する必要があると考えておりますが、その点はいかがかということがまず一つ。  二つ目は、今のお話にもあったように、五十キロ超だけが処罰されるんじゃなくて、例えば四十キロぐらいでも準ずるものとして処罰される可能性もあると。そうすると、さっきの話だと、法定速度が六十キロのところを、三十キロに下がったんだけど、七十キロで走っていても処罰される危険運転ということもあり得るかもしれないということになると、物すごく萎縮効果というのは出てくるんじゃないかと。特に、これは地方や田舎の方、人口が少ない地域で萎縮効果が出てくるのではないか。そうすると、地域の実情や道路交通実態に合わせた柔軟な走行が妨げられ、全国各地の円滑な走行を滞らせ、低速度の車両が増加することによって、道路の遅延や渋滞を招いたり、また通勤や移動、運送、物流、経済に支障を来すかもしれません。こういったこの本法改正がさっきの三十キロの法定速度の引下げと同時に行われることによって、社会経済的効果、これをどのように試算しているか。  法務大臣に二つお尋ねします。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、簡潔にお答えください。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) はい。  改正後の自動車運転処罰法二条一項又は四項の数値基準を下回る場合に適用され得る実質要件の意義等については、刑事局長から申し上げたとおりでございます。  もっとも、法令の解釈、適用は最終的には裁判所の専権であることから、裁判所の判断を拘束するような解釈基準はお示しできません。  その上で、本法律案が成立した場合には、危険運転致死傷罪の運用が適切になされるようにいろいろ工夫してまいりたいと思っております。  それと、改正後の自動車運転死傷処罰法二条四号の施行によって生じ得る社会的、経済的な影響についてでございますが、もちろんその法改正の内容について一般的な住民がよく知り得るように努力をしなければいけないというのはもちろんでございますけれども、法務省として定量的なシミュレーション等を行っているものではないわけでございます。  もっとも、最高速度は、基本的に道路の車線数や交通量等といった交通の状況を考慮して定められているものであるところ、それらの要素は同号が超える高速度運転の危険性に関連するものであり、また、最高速度は自動車の運転者やその他の者にとって重要な行動の基準となるものであります。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 大臣、時間になっておりますので、簡潔におまとめください。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) そのことなどからすると、同号の最高基準に応じて定めることには合理性があるというふうに考えております。  以上です。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) もう時間ですので。

安達悠司 参政党

○安達悠司君 はい。  終わります。ありがとうございました。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  人の死傷という重大な結果をもたらす危険運転を根絶をしていきたいということで、まず大臣に飲酒類型の数値基準について端的にお伺いしたいと思うんですけれども、世間には、酒には強い弱いがあるという広い認識があるじゃないですか。この法案は、酒に強い弱いというのは人によってあるかもしれない、人種によってあるかもしれないけれども、法案の数値に達すれば誰であれ正常な運転が困難な状態になるんだという、そういう法案だと思うんですが、そうですよね。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) 改正後の法第二条一号の数値要件は、アルコールが運動能力に与える影響の程度は体内アルコール濃度に依存し、体内アルコール濃度が同じ数値であれば運転能力への影響は同じであるというアルコール医学の知見を踏まえて、何人でも正常な運転が困難な状態であると認められる症状が生ずる数値として設定したものでございます。  したがって、体内アルコール濃度が数値基準に達していれば、何人でも正常な運転が困難な状態であると認められるところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 アルコールに強いというか、飲んでもどんどん分解するとか代謝するとかということで血中濃度なり体内の濃度が上がらないということはあるかもしれないけど、この数値の基準に達してしまえば、それはもう正常な運転なんてできるわけないでしょうというのが知見だというお話なんだと思うんですね。  そこで、ちょっと捜査の実務のお話を伺いたいと思うんですけれども、典型的にはひき逃げ事案だと思います。飲んでこういう結果を起こしてしまったと、だから逃げるということで、その被疑者の特定まで日時が掛かってしまうと。もう一番本当に大変なときには何週間も後になってしまうというようなことがあると思うんですけれども、そういう場合、どのように容疑者、被疑者のアルコール濃度を特定していくんでしょうか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  事件発生から相当期間、相当時間経過後に被疑者を検挙した場合、警察では、飲酒状況について裏付け捜査を徹底するなどして、例えば居酒屋で飲んでいたなどの実態が分かれば、そこの飲酒量を特定しまして、計算式、ウィドマーク式算定法というのがございますが、こういった計算式により事故当時のアルコール濃度を明らかにしているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 そうした危険運転によって重大な死傷事故が起こった場合の捜査というのは、極めて困難を強いられる場合が現場としてあると思うんですね。  この点について、令和六年三月十五日付けで警察庁交通局長が全国に発している、緻密な交通事故事件捜査の推進についてという通達があります。これを拝見しますと、正確かつ綿密な実況見分及び鑑識活動を行う体制の整備が重要だというお話になっていまして、何しろ、事故起こって、誰が容疑者なのかというのは分からないわけですから、例えばその現場に落ちている衝突した車の塗装のかけらだとか、あるいはブレーキ痕を始めとした、あるいは被害者の血痕だとか、そうした状況なんかを本当に緻密に、将来特定する被疑者の言い分などの矛盾を明らかにするためにも徹底して客観的な捜査を尽くすということだと思いますが、そういう理解でいいですか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  御指摘のとおりでございまして、警察では、そういうひき逃げ事件等が発生した場合には、危険運転致死傷等の適用を視野に入れまして、今申し上げましたようないろんな物証の採取とか、あるいは防犯カメラ捜査等を徹底して、事故前後の運転車両のふらつきとか、あるいは工作物の接触、不自然な加速、減速等の事実を明らかにするなどにより、過失、失礼いたしました、危険運転致死傷罪の立証に努めているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 そういう取組、捜査を尽くしても、なお行為者が、被疑者が運転時にこの数値基準を満たしているとまでは推認できないという場合があると思うんですよね。それでも正常な運転は困難な状態だったということをどんなふうに立証していくんでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) 委員御指摘のとおり、実体法上、これが犯罪である、危険運転致死傷罪に当たるという場合であっても、訴訟手続としてそれが立証できるかというのは全く別の問題でございまして、個別の事案に応じて対処するということになりますけれども、例えばということでありますと、飲酒量や飲酒状況、犯行前後の言動等の裏付け捜査によって体内アルコール濃度を立証できる場合はあるということは事実でありまして、これが仮に犯行時の体内アルコール濃度の立証が困難であっても、犯行態様であるとか飲酒量であるとか、酩酊状況、前後の言動などの事情から犯行時に正常な運転が困難な状態であったことを立証できる場合には、危険運転致死傷罪を適用し得ることとなるということであると理解しております。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 高速度類型について、引き続き刑事局長にお尋ねしますけれども。  先ほど来、物理モデルに基づく回避限界速度を取り入れたのが法案の数値基準だというお話なんですけれども、例えば高速道路で、ですから、人が歩いている、歩行者がいるというのは基本ないと思っていますよね。あるいは、先ほど議論があった、地方、田舎の見渡しのとてもいい道路、農道などもそうかなとは思うんですけれども、そこでその数値基準を超えて走行している自動車の直前に人が飛び出したという場合、そうしたその死傷事案というのが直ちに危険運転致死傷罪で処断されることになるのかというと、先ほどの御答弁は、因果関係がないというような判断の場合もあるということだと思いますが、そうでしょうか。

佐藤淳 法務省刑事局長

○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、改正後の危険運転致死傷罪が成立するためには、数値基準を超える高速度運転と発生した死傷結果の間に因果関係が必要であると考えられるところでございまして、その上で、一般論としては、自車の直前に飛び出してきた歩行者と衝突したような場合など、仮に的確な運転行為を行っていたとしても衝突の回避が不能な場合については、著しく不自然、不相当な介在事情があったものとして因果関係が否定され得ると考えるところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 というような理解の下で、危険運転ともちろんその結果の死傷事故が根絶されていくようにということを強く求めていきたいと思うんですけれども、ちょっとその点に関わって、警察庁に、さきに発覚しました神奈川県警の不正取締りの問題についてお尋ねしたいと思うんですが、この事件を受けて警察庁が二月二十日に通達を出していまして、そこを拝見しますと、取締り自体が目的ではなく、交通の秩序を維持し、交通の安全と円滑を確保することを目的としているんだというこの取締りについて、改めて意識させるという通達になっているんですよ。  改めて意識させるということなのかと。もう少し言うと、意識の問題なのかということについて国民的な大きな不信があると思うんですよね。つまり、ノルマ主義、点数主義という構造的問題がありませんかということなんですけれども。  ちょっとそこで、通告をしていないんですが、「法律のひろば」という雑誌がありまして、一九八五年の一月に大学の教授がこんなふうに書いています。警察官をしている友人から、何件の違反を検挙せよというノルマがある、道交法違反による反則金や罰金は交通信号などの整備費用として府県警に還元されることになっているので、ノルマを達成せよと上司からやかましく言われる、そのため、注意すれば足りるような違反、誓約書を取って済ませば足りるような違反でも検挙せざるを得ず、良心的な交通警察官ほど悩んでいますという。  この反則金や罰金が信号機などの整備の財源になるんだと。それは本当なんですか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) 交通違反についていわゆる反則金というのがございまして、反則金は、一旦国に入りまして、それは、事故状況とか、それに応じて各都道府県警察、あっ、各都道府県に配分されまして、それは、今おっしゃりました信号等の交通安全施設等の整備に充てられるというのは事実でございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 そうすると、どういうことが起こるのかと。この問題、かなり古い議論で、一九六三年十月、もう六十年以上前ですけれども、警察学論集という雑誌がありますが、ここに、東京地裁の佐藤千速さんだと思うんですが、交通事件の若干の問題という論文をお書きになっているんですよ。ここで、当の警察官はノルマを果たすため、軽微な規則違反でもどんどん立件して、所定の件数に達すればほっとして、その後、類似の違反があっても看過するという傾向になる、しかも、そのノルマを果たすことが昇進につながる問題だとすれば、警察官の心の中にひそかに事件を喜ぶ心理が生まれ、あえて立件するという傾向にならないだろうかと。事件を製造しているようなものであると。それも思い出したように時々行うと。不意打ちのためにはその方が有効であろう、しかし、挙げられた側では、自己の非を認めつつも、自分は運が悪かったと考え、警察に対して悪感情を抱き、やがて法に対する軽蔑の念さえ持つに至るであろうと。  この神奈川県警の小隊の交通機動隊の白バイなんでしょうけど、やっぱりそんな心理で、交通事犯の根絶ではなくて、このノルマ主義、点数主義、自分の評価が上がるという、そういう構造的な問題が横たわっているんじゃないですか。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  警察庁では、都道府県警察に対しまして、交通違反取締りに当たっては、真に交通事故抑止に資するものとなるよう違反行為の未然防止に努めるとともに、交通事故の発生状況、取締りに対する国民の要望等を踏まえ、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を置くべきものであることを指導しており、いわゆるノルマを設定することはございません。  このような考え方につきましては、今回の神奈川県警察の事案を受けまして、警察庁におきましても、各都道府県警察につきましても、巡回チームをつくりまして、その指導を徹底しているところでございます。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 この神奈川県警の事件も受けて、かつてからある交通事故抑止に資する交通指導取締りについてという通達が、充実されて三月の十日に出されているんですよ、令和七年の。あっ、そうか、事件受けてじゃないですね、その一年前かな、令和七年ですからね。その中で、交通指導取締りの基本として、今局長もおっしゃったような趣旨になるんですけど、国民に警察官やパトカーなどの姿を見せて、目に見える形で行うことを基本とすると。姿を見せずに行う取締りや白バイなどの単独での取締りを行う場合は、その必要性、実効性及び有効性を組織的に検討して適切に実施するという。  いや、それ、そんなことやっていないでしょうというのが国民的な不信だと思うんですね。よくあるのが、一時停止の規制なんかみたいなところで、ドライバーの死角に隠れていて取締りをやるという、だから切符切られるという、そういうことが不信を広げていませんかと。この同じ通達で、交通事故の死傷者数をより一層減少させることが大事なんだと。いや、本当にそのとおりだと思うんですよ。  国民は、摘発件数で警察官を評価しているんじゃなくて、交通事故、中でも死傷事故がなくなってきたねって、頑張ってもらっているねということで応援するわけですから、そのために……

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 時間になっておりますので、おまとめください。

仁比聡平 日本共産党

○仁比聡平君 交通事故の実態の分析に基づいて指導取締り方針を策定すると。交通事故が現実にどんなふうにここに発生していて、だから危険だというところで取締りをやるんだという計画を立てて、地域住民の声を聞きながら充実させていくんだという方針になっているんですね。実際にそうなっていたら、今回の神奈川県警のような不正取締りなんか起こるわけがないと。やっぱり徹底して根本から反省すべきだということを申し上げて、質問を終わります。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。  今回の改正につきましては、危険運転についての裁判所の判断のばらつきをできる限りなくして、その結果として国民の裁判制度に対する信頼も回復するという効果も期待できますので、賛成の立場でございます。  さて、既に他の委員の方々から質疑で明らかになっている点、これについてはもう省かせていただきます。  今回の改正の対象となる自動車運転致死傷処罰法は、交通事故の中でも特に悪質な罪を規制するための法律であると認識しています。危険運転致死傷罪に限らず、自動車運転致死傷処罰法により検挙された外国人の数のデータがあればお示しください。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  自動車運転死傷処罰法第二条及び第三条により検挙された外国人の方の数については把握しておりません。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 この点は是非とも統計を取っていただきたいというふうに思っております。  今年二月に警察庁が取りまとめた令和七年における交通事故の発生状況についてという資料一によりますと、外国人運転者による死亡・重傷事故件数が公表されており、死亡・重傷事故全体に占める外国人による事故の割合が近年増加傾向にあることが示されています。令和六年の数字を見ますと、死亡・重傷事故に占める外国人による事故の割合は二・一%です。  警察庁の運転免許統計によりますと、令和六年の外国人を含めた運転免許保有者総数は八千百七十四万人余りで、そのうち外国人の数は、資料三によれば百二十五万人余りとなっています。  運転免許保有者全体のうち、外国人の割合は約一・五%。単純に比較しますと、約一・五%の外国人ドライバーが、死亡・重傷事故のうち二・一%を引き起こしているということです。ということは、外国人ドライバーの方が死亡・重傷事故を引き起こす割合が約四割高いということになります。  危険運転致死傷罪は、交通事犯の中でも特に悪質なものですから、これについても統計を取っていただいて、例えば外国人に対する免許付与の在り方とか、あるいはひいては入管行政の在り方にも関わる重要な情報だと思いますので、是非ともお願いしたいというふうに考えています。  次に、道路交通法の関係で御質問します。  今月一日から道路交通法の令和六年改正が施行され、主に自転車の運転ルールに大きな変更が加えられました。自動車と自転車の関係については、新しい十八条第三項で、自動車が自転車を追い越す場合、自動車と自転車の間に十分な間隔がないときは両者の間隔に応じた安全な速度で進行しなければならないとされ、これに違反すると三月以下の拘禁刑又は五万円以下の罰金に処せられることになりました。  この規定について、十分な間隔とは何か、あるいは間隔に応じた安全な速度とは何か、これらの意味が分かりにくく、一般のドライバーが不安を感じているという声も聞かれますが、警察庁の資料によりますと、一メートルの距離ですとか、あるいは時速二十キロから三十キロの速度といった目安を示されていて、ただ、これはあくまで目安であって、具体的な道路状況、交通状況等により異なるということです。  ドライバーとしてはどういう運転をしなければいけないのかということについて困りますし、罪刑法定主義との関係でも問題がないとまでは言えないので、恣意的な運用、取締りにならないように配慮していただきたいというふうに考えています。  この点で、もう一点、SNSなどでも懸念されているのが、黄色いセンターラインを踏み出して、ごめんなさい、はみ出して追い越すことが禁止されている車線において、自転車が走行している、で、自動車は事実上追い越すことができなくなる、そして大渋滞を引き起こすのではないか、物流にも影響を及ぼすのではないかという話なんですが、この点について警察庁の認識をお聞かせください。加えて、運転者ができる対策などがあればお示しください。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  道路交通法第十八条第三項、それから四項というのも設けておりますが、これは、自動車等と自転車の右側面が接触する交通事故が依然として多く発生していることを踏まえ、自動車等と自転車等が相互に配慮した通行を求めるものでございます。  自動車等が自転車等の右側を通行する場合には、自転車等の運転者の方はできるだけ左側端を走行していただき、他方、御質問の自動車等の運転者の方は、十分な間隔を取れない場合には、速度を調整することにより自転車等の安全を確保するよう努めていただきたいと考えております。  なお、自転車の車道通行が多い区間において追越しのための右側部分はみ出し通行禁止規制が実施されている場合には、道路交通状況に見合った必要な規制区間となっているか改めて点検を行い、関係機関と連携しながら、その実態に即して規制の解除等の見直しを検討するよう都道府県警察に指示しているところでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 ありがとうございます。  例えばですけど、対向車線から車が、全く対向車がないというような状況で、はみ出し追越し禁止路線であると、そういった場合には安全に追い越すことが可能という状況もありますので、そういった場合には例外として許されるというような処置も必要なのではないかなというふうに考えております。  さて、自転車側のルールについて御質問します。  施行されてまだ半月ほどではありますが、四月からのルールについて様々な声、意見が寄せられていると想像されます。自転車への青切符適用について、自転車側、自動車側のそれぞれからどのような意見が寄せられているのか、御紹介ください。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  都道府県警察からの報告によれば、国民の皆様から各都道府県警察に対しまして、例えば、歩道を通行できる場合など自転車の交通ルールが分からないでありますとか、自動車の運転者の側等から、ちゃんと自転車に対する違反の、対する指導や取締りをもっとやるべきだとか、様々な御意見が寄せられていると承知しております。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 ありがとうございます。  令和六年道路交通法改正によって自転車が交通反則通告制度、いわゆる青切符、これの対象になったことに伴い、歩道が設置された場所でも車道を走る自転車が急激に増えたというふうに実感しております。これまで、自動車交通量の多い道路でなぜ多くの自転車が歩道を走っていたのか。これは、明らかに車道を走る方が危険だからでございます。これはもう明らかです。  他方で、歩道を走る自転車の危険運転によって、歩行者を傷つけ、あるいは時には死亡させる事故、これが相当数発生して、その対策が必要であるということも理解はしております。  そうしますと、結局のところ、この問題は、自転車に車道を走らせた上で自動車の安全走行を徹底させるのか、それとも、自転車が歩道を走ることを一定程度許容して自転車に安全な走行を徹底させるのか、この二択、どちらを選ぶのかというのが問題なのだろうと。その際には、日本の道路状況を前提として、どちらが適切なのかという観点から検討すべき問題だと考えております。  今申し上げたこの二択の中で、どちらを取るのがより適切なのかという観点からこれまで議論をされてきたのかについてお聞きします。

日下真一 警察庁交通局長

○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。  委員御指摘にありますように、近年、交通事故件数全体は減少している中で、自転車が関連する交通事故は令和三年に増加に転じ、特に自転車対歩行者事故が増加傾向にあるなど、非常に自転車をめぐる交通情勢、厳しい状況にあるということでございます。  警察庁では、このような状況を踏まえ、良好な自転車交通秩序の実現を図るため、有識者検討会を開催し、幅広い観点から御議論をいただき、その会議において報告書を取りまとめ、それを踏まえて令和六年の道路交通法改正を行ったものでございます。  この有識者会議の中では、自転車の通行場所につき、道路交通法上、自転車は自動車と同じ車両の一種であることを前提とした上で、歩道における自転車と歩行者の事故件数が増加傾向にあることを踏まえ、車道通行を原則とすべきであることが改めて確認されたものであると認識しております。他方で、自転車が車道を通行する場合において自転車保護に関する法制上の措置を講ずるべきとの内容が盛り込まれたものでございます。

北村晴男 日本保守党

○北村晴男君 自転車がかねてから軽車両とされて、車両なんであるというふうに規定されてきたことは承知しております。ただ、日本の道路状況が本当に、自転車が車道を走るということで本当に安全なんですかと。  例えば、自転車専用道路が十分に整備されていて車との接触がなかなか考えにくいとか、あるいは車の自動運転技術が高度に発達して、そもそも自動車を運転していて自転車を引っかける、自転車と接触する事故がほとんど考えにくいというふうな高度な技術の発達があるのであれば別なんですけれども、少なくとも、私の友人などからすれば、自分の子供や孫に法律があるから車道を自転車で走れというふうには絶対言わないよと、死んだら元も子もないもんねという声が強く聞かれます。  先ほどおっしゃった議論は十分になされたことも理解はしていますけれども、今後の課題としては、先ほど申し上げたような、道路状況の整備とかあるいは自動運転技術の発達などまだまだの段階ですので、とすれば、現段階では極めて不適切な選択だと私自身は考えております。  他方で、この法律が施行されて、自転車は車道に法律にのっとって追いやられています。そして、今後、自転車が自動車に巻き込まれて死亡や重傷事故に巻き込まれるというような事例がどの程度発生するのか、これをよくよく検討した上で、他方で、これまでの青切符を適用しなかった時代の自転車と歩行者の事故、これがどの程度発生していたのか、これを比較した上で、果たしてどちらの選択が正しいのかということを国民の声も聞きながら再検討されるように希望いたします。  以上です。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、打越さんから発言を求められておりますので、これを許します。打越さく良さん。

打越さく良 立憲民主・無所属

○打越さく良君 私は、ただいま可決されました自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、日本共産党及び日本保守党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。  一 本法により新たに処罰対象となる罪の趣旨及び内容について、その周知徹底を図ること。  二 本法により導入される「アルコール影響正常運転困難状態」の数値基準については、本法施行後の当該条項の適用状況を踏まえ、必要に応じて、その基準の更なる適正化に関する検討を行うこと。  三 本法により導入される危険運転致死傷罪(高速度類型)の数値基準については、本法施行後の当該条項の適用状況を踏まえ、必要に応じて、その基準の更なる適正化に関する検討を行うこと。  四 本法により導入される危険運転致死傷罪(殊更滑走等類型)については、事案に応じ、適正な運用がなされるよう留意すること。  五 危険運転致死傷罪(高速度類型)に係る数値基準の合理性及び処罰の適正を確保するため、全国各地における道路の最高速度の指定が、当該道路の交通実態を踏まえて適切なものとなっているかどうか不断に見直しを行うこと。特に、本年九月一日からいわゆる生活道路の最高速度が三十キロメートル毎時へと引き下げられることに鑑み、対象となる道路の交通実態に合わせた最高速度の指定及び道路標識等の設置を同日までに行うよう努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) ただいま打越さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 全会一致と認めます。よって、打越さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、平口法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平口法務大臣。

平口洋 法務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(平口洋君) ただいま可決されました自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊藤孝江 公明党

○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十五分散会

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  1. 記録 #3463 変化 2026-07-28 19:13 JST
    改ざん検知用の値 208e5011…345f70 (未計算)
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