令和八年六月十六日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 六月十六日 辞任 補欠選任 片山さつき君 滝波 宏文君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 熊谷 裕人君 理 事 赤松 健君 石井 浩郎君 古賀 千景君 伊藤 孝恵君 金子 道仁君 委 員 上野 通子君 清水 真人君 末松 信介君 鈴木 大地君 滝波 宏文君 橋本 聖子君 宮本 和宏君 勝部 賢志君 斎藤 嘉隆君 水野 孝一君 下野 六太君 谷合 正明君 中条きよし君 後藤 翔太君 吉良よし子君 国務大臣 文部科学大臣 松本 洋平君 副大臣 文部科学副大臣 小林 茂樹君 事務局側 常任委員会専門 員 北脇 達也君 政府参考人 文部科学省初等 中等教育局長 望月 禎君 スポーツ庁次長 浅野 敦行君 文化庁次長 日向 信和君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○著作権法の一部を改正する法律案(閣法第六二号)(衆議院送付) ─────────────
文教科学委員会
発言 124
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 著作権法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省初等中等教育局長望月禎さん外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷裕人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(熊谷裕人君) 著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤松健君 おはようございます。自由民主党、赤松健でございます。 では、早速質問に入らせていただきます。 今回の著作権法改正で創設するレコード演奏・伝達権、これは許諾権ではなくて報酬請求権であります。そして、指定団体を通じて徴収することや、使用料規程の作成、届出、それに当たっての利用者代表者との協議とかいった大まかな仕組みが法定化されます。その上で、具体的にどのように徴収して分配するか、これ施行までの三年間掛けて検討されるものと理解をしております。 ただ、徴収、分配について、金額も含めて、多数の懸念や要望も上がっていると聞いております。そうしますと、報酬請求権として権利が創設されるからには、金額の公平性、相当性をこれしっかり確保して、徴収と分配が分かりやすく、できるだけ簡潔に、かつ正確に行われることが重要だと考えております。 ところで、店舗でのBGM利用について、個人使用のみを対象とする定額制の音楽配信サービスありますよね。これを使って音楽を流しているケースが見られます。こういうような店舗などの商業空間での商業利用は利用規約によって禁止されていることが多いと承知しているんですけれども、ストリーミング音楽をBGMとして店舗等で流したら、これは公の伝達に当たるので、今回の法改正が実現すれば報酬請求権の対象になると考えられます。 そもそも規約違反になるため、レコード協会とかが注意喚起をして正規のBGM配信サービスへ誘導しているというのは承知しているんですけれども、この場合には実際に報酬請求するのか、どのような整理を検討されているのか、教えてください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 本法律案においては、送信可能化されたレコード、配信音源も権利の対象に含むこととしており、ストリーミング送信される音源も商業用レコードに含まれることとなります。そのため、個人向けのストリーミング音楽配信サービスを利用して公衆に音楽を聞かせるなど、商業用レコードの公の再生又は伝達が行われている場合には権利者は二次使用料を徴収することができるものと考えております。 なお、委員御指摘のとおり、このような個人向けの音楽ストリーミング配信サービスについては、一般的にそれらの利用規約において店舗等における再生等の商業利用が禁止されていると承知をしております。 文化庁としましても、音楽の権利関係や利用方法等に関し、音楽を利用する方々の理解を深めることが重要であると考えており、本法律案をお認めいただいた場合には、音楽著作権管理事業者や関係団体等とも連携して、適切な音楽の利用が行われるよう周知等に努めてまいります。
○赤松健君 ありがとうございます。 個人用の定額制音楽配信サービスを使って店舗等で音楽を流している場合について、既にレコード演奏・伝達権を導入済みの国、諸外国ではこの公の伝達権行使についてどう扱っているのかを教えてください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 文化庁におきましては、令和五年度に委託調査を実施し、いわゆるレコード演奏・伝達権に関する諸外国における徴収状況について調査をいたしました。 御指摘の点につきまして、この調査では、例えばドイツ及びフランスにおいては、音楽配信事業者から徴収するいわゆる元栓徴収ではなく、店舗からの個別の徴収が行われていると考えられることが報告されております。
○赤松健君 適切な音楽の利用が行われるよう周知も大事なんですけれども、他方で、報酬請求権はこれ発生するので、もし使われたら徴収していくことが必要だと思います。ただ、個人用定額制音楽配信サービスでは商業利用は想定していないのだから、元栓徴収というのは現実的じゃないと思います。海外の利用の例も参考にしながら、どのように対応するか、しっかり検討を進めていただければと思います。 あと、簡便な徴収方法の例として、報告書でこの電子決済サービス等活用が挙げられているんですけれども、これ具体的にはどういう案が出ているのか、教えてください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 徴収方法については、本法律案成立後、指定団体において検討、構築が行われることとなりますが、令和八年一月九日に開催された著作権分科会の小委員会において、電子決済サービス等の活用についての検討状況の報告がございました。 具体的には、まず、電子決済サービスの事業者用画面において音楽使用料の支払に関する通知を表示すること、音楽使用料の支払が必要な利用者は、その画面を通じて利用者情報の登録や支払方法の選択などの申請作業をワンストップで行うことができるようにすること、音楽使用料の支払について電子決済サービスから入金される売上金から相殺する形で支払うことができるようにすること、音楽著作権管理事業者と協力して対応できるようにすることを検討していると報告をされております。 文化庁としましては、指定団体において具体的な検討が進められるよう、必要に応じ指導、助言等をしてまいります。
○赤松健君 これ、いいですよ。相当いい。利用者に負担が少なくて、かつ簡便な徴収方法として、案としてはもう画期的だと思います。これ、ただ、課題もいろいろあると思うんですけれども、公平性、透明性を確保するという観点からもしっかり検討していただければと思います。 徴収なんですけれども、利用者団体で慎重な意見を表明している団体もありますよね。例えば、私は、ジャズ喫茶とか、これを機に衰退しちゃうと、すごいこの文化の、何というんですか、衰えにつながっていきかねないと思います。過度な負担にならないように十分に配慮していく必要があると思うんですけれども、文化審議会報告書では、小規模事業者等に対する減免等の特例措置を設けることも期待されると記載があるんですけれども、これ、文化庁としてはどのように担保するのか、教えてください。
○国務大臣(松本洋平君) よろしくお願いします。 御指摘のとおり、小規模な事業者への負担につきましては、文化審議会の報告書におきましても、事業規模等を適切に反映するため、面積や定員数などに応じて段階的に金額を設定するなど、事前に十分に協議をいたしましてきめ細かく検討をすること、規模などの特に小さい事業などに関しましては支払免除や減額の措置を講ずるよう検討すること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げるなどの緩和策を検討することなどと指摘されていることも踏まえる必要があると考えております。 本法律案においては、二次使用料の額を定めた二次使用料規程を策定する際に、指定団体は利用者と協議、調整しなければならない仕組みとしているところであります。この協議、調整の中で、指定団体が文化審議会の報告も踏まえるとともに、小規模な事業者を含めた利用者の御意見を丁寧に聞くことが期待されます。 文化庁におきましても、必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応をしてまいりたい、そのように考えております。
○赤松健君 ありがとうございます。 文化審議会報告書では、利用者負担がかえって商業用レコードの利用の妨げになって、音楽やほかの活動の展開を萎縮させたり、過度な負担を生じさせたりすることのないよう、権利者側においては、各利用者の懸念や不安等に向き合って適切な配慮を講じていくことが重要とされています。 この点、今後、例えばAIで作成した、生成した音楽をBGMで流すというようなこのケースも増えてくるのではないかと予想されます。そうすると、商業用レコードの再生や伝達を通じたレコード製作者及び実演家への還元がその分期待できなくなると思われますけれども、こういったあれについて、この不安について、これ文部科学大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 今委員が御指摘をいただきましたとおり、生成AIの発展によりまして音楽の利用状況や実演家等への対価還元にも様々な変化が生じ得る、そのように考えているところであります。 レコード演奏・伝達権の二次使用料の額や徴収の方法につきましては、本法律成立後に指定団体において具体的に検討することになるわけではありますが、利用者負担がかえって商業用レコードの利用の妨げとならないように、BGMなどの利用者の過度な負担にならないように配慮することは大変重要である、そのように考えているところであります。 文化審議会の報告書におきましても、新たな負担がかえって商業用レコードの利用の妨げとなることのないよう適切な配慮を講じていくことが重要であること、そうした観点から、指定団体が二次使用料規程を定める際には、事前に各業界や業種の関係者と十分に協議をいたしましてきめ細かく検討することや、利用者の事務負担を減らすための措置について検討、調整すること、徴収の開始に当たりましては、利用者に対して事前に十分な周知を行うとともに、猶予期間を設けるなどの緩和措置を検討、実施することなど、利用者の負担にも配慮した措置を検討するよう指摘されていることを踏まえる必要があると考えているところであります。 BGMの利用者にとって過度な負担が生じ、商業用レコードの利用が妨げられないよう、適切な配慮について検討を促すなど、文化庁において指定団体に対して適切に指導、助言などを行うことにより、音楽が広く国民の皆さんの近くにあるような環境も維持してまいりたい、そのように考えているところであります。 おっしゃるとおりで、これが、もちろんその演奏家、実演家の適正な対価の獲得というものも大事でありますけれども、同時に、それを広げていくためにも、やはり音楽というものが常に国民生活の身近にあるという環境をしっかりと守っていく、この二つの両方を我々としては考えていくことが必要不可欠である、そのように思います。
○赤松健君 ありがとうございます。 最後に、著作権の啓蒙普及について意見を申し上げます。 今回は、著作権法における著作隣接権の改正になるんですけれども、著作隣接権についてこれ余り理解が浸透していないですよね。こういったこの著作隣接権という制度の存在とか意義とか、著作権と実演家の権利、レコード製作者の権利の違いとか、この今回の改正を機に国民に対して分かりやすく周知、啓蒙を図っていくことがこれ非常に大切だと私は思っています。その辺りも是非実施していただければと思います。 私の質問をこれで終わります。
○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主党の勝部賢志です。 ただいま議題となりました著作権法の一部を改正する法律案について、私からも質問をさせていただきます。 著作権についてはこの間も様々な法改正等が行われてきましたが、今般は、演奏家、アーティストにも著作隣接権者としてBGM等の使用料が支払われるようになるための法改正というふうに理解をしております。ビッグアーティストと呼ばれるような少数の人たちを除いた大多数の演奏家、あるいはアーティストの皆さんは、レコード会社や出版社、あるいはテレビ局、ラジオ局などの大企業に対して大変弱い不利な立場に置かれていると思います。正当な評価、相応の対価が支払われる仕組みが極めてこれまで不十分だったわけですが、そのような現状が改められることは望ましく、私としては何ら反対するものではありません。 ただ、この改正を真に実効性のあるものとするためには、演奏家、アーティストへの適切な対価還元と権利保護の必要性が広く社会に理解されることが不可欠だと思います。そういった前提に立って、以下何点か質問をさせていただきたいと思います。 衆議院の質疑でも周知の重要性が指摘され、大臣も、利用者の国民の皆様の御理解と御納得が極めて重要であると、大事であるという御答弁をされています。また、著作権分科会報告書においても、指定団体は徴収、分配の状況などについて情報開示や説明責任を果たすことが重要であるとも指摘されています。 しかし、この理解を得るための具体的な方策として大臣が挙げられたのは、SNSなどの様々な広報媒体を用いる周知、利用者団体との連携のほか、指定団体等による周知が行われるよう必要な助言等を行っていく、こういうことにとどまっています。今ほども要請がありましたように、やっぱり国民に深く広く理解を促すということがこの改正の趣旨を全うする意味でも極めて重要だと思っております。 放送の二次使用料の徴収に関しては、演奏家、アーティスト、レコード製作者、それぞれの指定団体がウェブサイト上で徴収額を公表していますけれども、総額の推移などは示されているんですが、どのくらい公平に徴収されているのか、どの程度の額が演奏家やアーティストに分配されているのかといったことは読み取れない状況であります。もちろん、技術的にも、プライバシーの問題もありますので、全てをつまびらかにするということはできないかもしれません。むしろしない方がいい点もあるのかもしれません。けれども、やっぱり演奏家、アーティストの皆さん方が、先ほど申し上げたような対価還元をしっかりと図られ、対価還元が図られ、そして本改正の趣旨と利用者の納得を得るという観点からは改善の余地があるのではないかと考えています。 そこでお伺いをしたいと思いますけれども、本法律案成立後には指定団体を監督することになる文化庁として新たな二次使用料の徴収、分配の状況等を広報する在り方についてどのように考えておられるのか、その見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 指定団体による二次使用料の徴収、管理、分配の透明性を確保することは、制度の信頼性を確保する上で重要な課題であると考えております。 文化審議会の報告書におきましても、指定団体においては、各権利者に公正公平な分配がなされるよう、正確な分配の基礎となるデータの収集等に努めるとともに、透明性の確保を始め適切な運営を行う必要があると指摘されており、これを踏まえる必要があると、このように考えております。 徴収、管理、分配の仕組みについては、本法律案成立後、指定団体において具体的に検討、構築することとなりますが、御指摘いただきましたとおり、既に放送における商業用レコードの利用について放送事業者から徴収した二次使用料をデータに基づき権利者に分配する仕組みが構築をされており、こうした仕組みが一定程度参考になるものと考えております。 また、指定団体の業務に関しては、本法案成立後に定める予定の政省令におきまして、二次使用料の分配方法等に関する事項を指定団体の業務規程に定めさせ、文化庁長官に届けさせること、二次使用料関係業務に関する事業報告書や収支決算書を作成し、文化庁長官に提出させるとともに、公表させることなどを規定することを検討しております。 こうした仕組みも通じ、指定団体における情報開示等が適切に行われ、徴収、管理、分配の透明性が確保されるよう、先生御指摘の点も含め、指導、助言等を行ってまいりたいと、このように考えております。
○勝部賢志君 今御答弁のあった二次使用料の分配の透明性というのは、利用者の納得を得るということに加え、個々の演奏家、アーティストが自身の作品の利用状況あるいはそれに応じた分配状況を確認する上でも極めて重要だと思います。それができるだけ簡便にというか、分かりやすく公表されるということが求められるというふうに思っています。 しかし、サポートミュージシャンを含め、多数の演奏家、アーティストへの分配は簡単なことではないだろうなというふうに、私、素人の私から見てもですね、見てもというか、考えても、そういうふうに想像ができます。 放送の二次使用料においては本年三月から分配方法の見直しが行われたということなんですけれども、公正な分配の実現に向けた取組が今続けられているところであり、更なる、何というんですかね、改善が必要になってくるのではないかというふうに思っています。 先ほど申し上げた著作権分科会報告書においても、指定団体は、正確な分配の基礎となるデータの収集等に努めるとともに、透明性の確保を始め適切な運営を行う必要があるとされています。 そこでお伺いしたいと思いますけれども、個々の演奏家、アーティストから見た分配の透明性を確保する上での課題について、文化庁としては、どのように認識し、指定団体をどのように、先ほど指示をするとおっしゃっていましたけれども、それも含めて監督していこうとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 御指摘いただきましたように、実演家の放送二次使用料を管理している指定団体が、よりきめ細かな権利者への分配を実現するため分配方法の見直しを行っていること、このことは承知をしているところでございます。より適切な分配方法の実現に向けて、権利者団体において必要に応じこうした柔軟な見直しを行っていくこと、このことは大変重要なことと考えております。 また、より適切な分配を実現するためには、権利者に関するデータベースの充実、このことを図るとともに、デジタル技術の活用などによって、音楽の使用実績をより簡便かつ正確に把握することが重要であると考えているところでございます。 文化庁としましても、指定団体において、より正確なデータの把握ときめ細かな分配のための仕組みが構築をされるとともに、事業報告書の公表等を通じて必要な情報が公開をされるよう、指導、助言等を行ってまいります。
○勝部賢志君 先ほどちょっと私が申し上げたサポートミュージシャンというか、お一人で演奏しながら歌っておられる方もいらっしゃいますけど、周りでそれを支える人たち、音楽を提供するために必要なサポートもいれば、準備をしたり、事前の、何というんですか、運営を検討したりする、そういうスタッフというか仲間もいると思うんですね。 そういう方々に、先ほど言ったように公平公正に分配されていくというのは、仕事の中身などもあるのでなかなか難しいのかなと思うんですけれど、その辺、具体で今検討されているということがもしあれば、ちょっと教えていただければ有り難いと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 今、具体的にこのようにということを文化庁において検討していることはないわけでございますが、この点は、まず指定団体が指定された暁にその団体において検討することになることになりますが、先ほど先生から御指摘いただいた放送の二次使用料、この件についての見直しについては、これは従来はアーティストごとだったんですけれども、これを楽曲ごとにその配分方法を見直しをしたというふうに承知をしておるところでございまして、こうした見直しの方法などを広く公表し、また指定団体とも情報共有をしながら、今御指摘の点ができる限り実現するように、団体の方を指定された暁には、しっかりと指導、助言をしてまいりたいと、このように考えております。
○勝部賢志君 次に、新たな二次使用料の徴収について伺いたいと思うんですけれども、この度のレコード演奏・伝達権の創設によって演奏家、アーティストは二次使用料を受け取ることになるわけですけれども、その徴収がうまくいかなければ、演奏家、アーティストの手元に実際に届くことにはならないわけです。 放送の二次使用料と異なり、新たな二次使用料は、支払をしなければならない利用者が多数に上りますし、利用形態も多種多様だと思います。著作権分科会においては、新たな二次使用料の徴収に要する事務的費用が二次使用料の徴収額を上回る、いわゆる費用倒れの状態にならないかということが重要な論点の一つであったと承知しています。 徴収コストを縮減するとともに、利用者の支払に係る事務負担を減らすことが求められるというふうに思いますけれども、既に音楽の利用に関する使用料の店舗等から徴収している音楽著作権管理事業者、とりわけ、その中でも影響力の大きいJASRACとの連携や徴収の窓口の一本化等をどうするかというのが課題ではないかというふうに思っています。 この点については、衆議院で政府の制度設計についての質疑が行われました。政府の答弁は、利用者にとってできるだけ簡素な手続となるよう、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいるというふうに答弁されてきたんですけれども、具体どうやっていくのかというのが今後の課題ではないかなというふうに思っております。 改めてお伺いをしたいと思うんですけれども、指定団体と音楽著作権管理事業者の連携や徴収の窓口の一本化の必要性、政府はどのように認識をされているのか、お伺いをします。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 音楽著作権管理事業者は作詞家、作曲家等の著作権者の権利を管理する団体である一方、レコード演奏・伝達権は著作権者とは別の主体である実演家とレコード製作者がそれぞれ権利者となるものでございます。そのため、本法律案では、団体の円滑かつ適正な運営及び各権利者への公正公平な分配を期す観点等を踏まえ、実演家とレコード製作者の団体の中から、文化庁長官が指定する団体がレコード演奏・伝達権を管理することとしておるところでございます。 利用者の手続ができるだけ簡素であることは重要というふうに考えてございます。文化審議会におきまして、実演家及びレコード製作者の権利者団体からは、二次使用料の徴収や利用楽曲の報告等について、音楽著作権の管理団体との連携も検討していることが報告をされております。例えば、電子決済サービスを活用して申請及び支払手続が完了する仕組みについて、著作権管理事業者と協力して対応できるようにすることなどを検討していると、このような報告がされておるところでございます。また、文化審議会の報告書においても同種の記載がなされているところでございます。 具体的には、民間の団体間において今後連携協力の在り方を検討していただく必要がございますが、利用者にとってもできるだけ簡素な手続となるよう、文化庁といたしましても、諸外国の事例等を参考にしつつ、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいりたいと、このように考えております。
○勝部賢志君 次に、指定団体が定めることになる使用料規程についてお伺いをしたいと思います。 この使用料規程は、利用者代表が指定団体と協議をして内容について変更を求めることができるというふうに規定をされています。しかし、この利用者代表は、個々の利用区分における利用者数のシェアや、あるいは支払うこととなる二次使用料のシェアなどを踏まえて決めることとされておりますけれど、業界の統括団体等が想定されるわけですけれど、全ての利用者を代表するものとなり得るのかというのが、私は問題ではないかなと、課題があるのではないかなと思っています。 衆議院の質疑で大臣は、利用者代表が他の利用者から意見を聴取するよう努めなければならないとされていることなどから、幅広い利用者の意見が適切に反映されてくるものと考えていると答弁されましたけれども、これ、それこそ利用者団体全体からどうやって意見聴取をするのかなというのをちょっと想定すると、なかなか皆さんの声を広く集めて、その代表としてそれを伝えるという役割が本当に果たされるかどうかというのはちょっと危惧するところがあります。 利用者代表という枠組みは、著作権管理事業法においても既に導入されているわけですけれど、音楽の利用形態が多様化する中、この仕組みが引き続き十分に機能するかについては、しっかりと注視していく必要があるというふうに考えております。 そこで、大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、このような利用者の意見が十分に反映できるようにするための利用者が納得でき得るプロセスが形骸化されないように、文化庁としてしっかり監督していく必要があると考えますけれども、大臣の見解をお伺いをします。
○国務大臣(松本洋平君) 指定団体は、二次使用料規程の案を策定する段階で利用者から幅広く意見を聴取することとなっております。また、利用者団体の側におきましても、二次使用料規程案につきましては、指定団体と協議を行う際は利用者の意見を聴取することとなっているところであります。さらに、指定団体と利用者団体の協議が調わず裁定の手続に入った場合には、文化庁長官は両当事者の意見を丁寧に聞くとともに、文化審議会への諮問を経て裁定を行うこととしているところであります。 こうしたプロセスを今回規定をしているところでありますが、この中で可能な限り利用者の幅広い意見が反映されるように、文化庁において必要な調整などを行うことによって、今先生、委員から御指摘をいただいたような懸念にできる限り我々としても応えてまいりたい、そのように考えております。
○勝部賢志君 それでは次に、レコード演奏・伝達権の創設は、先ほど来議論していますけれど、演奏家、アーティストを始めとする関係者の悲願であり、確実に適切な対価還元につながるよう、速やかに実現すべきだというふうに考えております。 しかし、近年、演奏家、アーティストが受け取っている様々な使用料等は全体として減少傾向にあるというふうに伺っています。 その理由の一つが、音楽市場が世界的にストリーミング配信サービスに変化しているということだと言われています。そのストリーミング配信サービスでは、大手事業者ほど演奏家、アーティスト等への対価が少ない傾向があるというふうな指摘もされています。いわゆるバリューギャップと呼ばれるこうした課題への対応について、これは文科省だけで解決することができないほど大きな課題ではないかというふうに思うんですけれども、演奏家、アーティストを始めとする文化芸術分野のあらゆる担い手の方々に大きな影響を及ぼす問題でもありますので、これを機に、文化の発展と継承を所掌する大臣として、しっかり向き合っていただくことが必要であると考えております。 今回のレコード演奏・伝達権の創設を機に、文科省にはバリューギャップの解消に向けた取組を、政府として、政府の取組を是非文科省としてリードをしていただきたいと、そのように考えますけれども、大臣の決意を含めて見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 大変重要な御指摘だと存じております。 いわゆるそのバリューギャップの問題については、文化庁文化審議会著作権分科会においても御審議をいただくとともに、関係者からヒアリングなどを行っているところであります。 この結果、著作権等管理事業者とデジタルプラットフォーム事業者との具体的な交渉でありますとか契約内容について、著作権者でありますクリエーターに開示をされておらず、対価還元の仕組みや計算方法が不透明であるなどの課題が指摘されているというふうに承知をしているところであります。そのため、実演家等の文化芸術の担い手に適切に対価還元が行われるためには、透明性の高い適正な契約が結ばれることが重要であると考えているところであります。 引き続き、文部科学省といたしましても、これ、今委員から御指摘をいただいたように、今回の法案というよりももっと大きな課題だというふうに承知をしているところであります。また、これ、文部科学省だけではなくて、経済産業省を始めとした様々な、公取等も入ってくるかと思うんですけれども、そうした様々な省庁とも連携をしながら、適正な契約の重要性などについての周知でありますとか実態把握等に努めてまいりたいと思いますし、また、そうした関係省庁と連携をする中で、どういう形でより適正な対価というものをそうした方々に得ていただくことができるのかどうか、そうしたことも今後いろいろと考えていきたい、そのように考えております。
○勝部賢志君 今回のこの著作権法の一部を改正することによって、冒頭も申し上げましたけれども、演奏家、アーティストの方々に適正な還元がなされていくということを是非実現していただきたいと思っておりますので、私たちもそのような状況をこれからもしっかり見守りながら、必要に応じてまた議論をさせていただければというふうに思います。 ちょっと少し時間がありますので、別な課題についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。 給特法の改正が昨年行われました。ちょうど一年経過をしたところでありますけれども、この給特法改正の最大の狙いは教職員の長時間勤務を解消するとともに教師不足の状態を改善することであり、そのために処遇改善を図り、業務の見直しや負担軽減策を着実に実行していくことだと思っています。 給特法改正の附則で、令和十一年度までに一か月の時間外在校等時間を平均三十時間程度にするということが目標として掲げられました。そして、そのために具体的な措置を講じるということで、具体的に多くの項目がそこの附則に記されています。この目標に向かってこの一年どのような取組がなされてきたのか、その成果と今後の取組について以下質問させていただきたいというふうに思います。 附則に示されている中、附則の中に、教育課程の編成の在り方について検討するというふうにされている点があります。それからもう一つ、教職員の担当する授業時数の削減、これについても検討するというふうに記されています。この両点についてお伺いをしたいと思うんですけれども、文科省では今、次期の指導要領の改訂に向けて議論が進められていると承知をしております。その指導要領の改訂に向けた取組の進捗と、改訂の大きな方向性についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。 次期学習指導要領に向けましては、中教審の教育課程企画特別部会におきまして、教育課程の枠組み、教科横断的な事項を中心に検討を進めてございまして、令和七年九月に論点整理をまとめてございます。 論点整理におきましては、生涯にわたって主体的に学び続け、多様な他者と協働しながら、自らの人生をかじ取りすることができる、民主的で持続可能な社会のつくり手を育成するために、好きを育み、得意を伸ばすこと、当事者意識を持って、自分の意見を形成し、対話と合意ができることを重視し、教育課程全体で実現することを目指してございます。こうした方向性を各学校の創意工夫を生かしながら実現できるように、検討の基盤となる考え方としては、主体的、対話的、深い学びの実装、多様性の包摂、実現可能性の確保を掲げてございます。 これらの基本的な考え方に基づきまして、多様な子供たちの深い学びを確かなものにするための改善をあらゆる方策を用いて具現化したいと考えてございます。 現在、各教科等のワーキンググループについては詰めの検討を行っているところでございます。
○勝部賢志君 指導要領というのは、今答弁の中にもありましたけれど、学校現場で教職員と子供たちが創意工夫して教育活動をしていくということが極めて重要で、その根本となる基準というか、大綱的な基準になろうかというふうに思うんですけれども、私は、今答弁のあった方向性というのは、これから求められている極めて重要な観点だなというふうに思っております。 大事なのは、そこから具体どのように進めていくかというか、具体どのように学校現場で行われるかということだと思うんですけれども、その意味で、これまで大きな課題となってきた働き方改革、この最終の目標は、今、教職員にこの働き方というのは視点が当たっていますけれど、でも、最終的にはやっぱり子供に返ってくるものだというふうに思います。教職員の負担を軽減することによって子供一人一人に寄り添う時間が基本的にできてきて、そして充実した教育活動につなげていくということが、ひいては一人一人の子供たちの学びにつながっていくというふうに思います。 今回の指導要領の改訂の議論で、具体的にその点を含めてどのように検討がなされているのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 次期学習指導要領の検討におきましては、子供たちが学ぶ基本、それから基礎的な技能や能力というのをしっかりと身に付けながらも、調整授業時数制度といったものを創設することによりまして、学校や子供の実態に応じて各教科等の授業の時数の一部を既存教科に上乗せをしたり、あるいは裁量的な時間に充てることを可能とし、一人一人の個性や特性に応じた学び、組織的な研究、研修等の時間を確保できるようにすることを考えてございます。 また、各教科等で育成を目指す資質、能力を可視化をして必要に応じた内容の精選を行う、学校現場の負担を軽減しつつ、実効性の高い学習評価とするために、多様な子供たち一人一人の良さや成長を肯定的に評価できる仕組みとすることなどの方向を検討してございます。 これらを総合的に取り組むことで、教育課程の実施に伴う教師の過度な負担を生じにくい在り方を追求し、教師と子供の双方に余白を生み出すことで、多様な個性や特性を有する子供一人一人の可能性を引き出す教育が実現できるよう、丁寧な検討を進めてまいります。
○勝部賢志君 今、答弁の後半の方でおっしゃった、過度な負担を減らしていく、軽減していくことができればというお話がありました。その中で、特徴的な取組をされているなと思ったのは、調整授業時数制度だと思います。これは、実際に学校現場で弾力的な教育課程を編成することができるということにつながっていきますし、場合によってはその過度な負担を軽減するということにもつながるのかなというふうに思うんですね。 このことが、やっぱり今学校現場である意味非常に望まれている、期待をされている取組ではないかなというふうに思うんですけれども、実際に学校での裁量が使いこなすことができなければ、これはなかなか、何というか、実効性が上がらないというふうに思うので、そういう意味で、学校現場って、やっぱりどちらかというと、今までの、何というんですかね、決まり事とかやり方とかにこだわるというか、縛られるというか、新たなことに挑戦するというのはなかなか難しいところがあるんじゃないか、今言ったように、裁量の時間をというのも、やりたくてもなかなかできないこともあるんじゃないかなと思うんですね。だから、そういうことに対する文科省としてのサポートやあるいは発信というのが私は極めてこの問題では重要だと思っております。 その点、どのように文科省として学校現場の支援を考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 新しい学習指導要領に盛り込む予定にしてございます調整授業時数制度、各学校がこれを活用して児童生徒や地域の状況を踏まえまして柔軟な教育課程を編成していく上では、各学校で参照しやすい事例の創出あるいは蓄積、教育委員会等の支援、指導、助言が欠かせないと考えてございます。 このため、今年度より、各学校の創意工夫を生かして制度導入に先んじて教育課程の柔軟化に取り組む学校につきましてはサキドリ研究校として指定をしまして、研究開発学校と合わせまして全都道府県、指定都市の四百校で多様な実践を進め、新しい学習指導要領の実践の前に知見の蓄積に取り組んでいるところでございます。 文部科学省としましては、こうした学校の全国的なネットワークづくりも大事だと考えてございまして、サキドリ研究校や教育委員会同士の情報公開の場を設けるとともに、多様な取組事例や教育委員会の伴走事例などを紹介するサポートマガジンを立ち上げて全国的な普及にも取りかかり始めたところでございます。 各学校が学習指導要領、新しい学習指導要領を踏まえて子供たちの教育の充実のために様々な取組をする、そうした取組を文科省としても応援したい、そう考えてございます。制度導入後、全国各地の学校がそうした取組を円滑に進めることができるよう、引き続き伴走支援を行ってまいります。
○勝部賢志君 今、その先取り研究、先取りでやっている学校もありますということなんですけど、この指導要領が改訂されて本格実施になっていくまでの間に、各学校でやっぱり準備とか、あるいはできるものからやっていく、そういう姿勢というのが極めて重要ではないかなというふうに思うんですね。 そういう場合、例えばですけど、さっき私が申し上げたように、新たなことに挑戦するには少しやっぱり抵抗感が、抵抗感というよりも、思い切って踏み込めないみたいなところがあるんで、もし学校現場で、こういうことをやってみたいんだけどと、こういうのってどうでしょうかというようなことを例えば教育委員会などに問合せをする、そういった場合に、文科省からも是非、そういう教育委員会の、今、学校現場の声などをしっかり把握をされて、そこには積極的に、可能な状態のものとか各学校の研究事例とかそういうものを是非お示しをいただいて、自信を持ってそういうことに取り組んでいけるような、そういう体制を是非つくっていただきたいなと、そのように思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(望月禎君) 今、勝部先生御指摘のように、各学校悩みながらも、いろいろな学校全体で考えて工夫をしようと、そうした取組を我々としても応援したいと思っておりますので、教育委員会への御相談、あるいは各学校がこういう点をやったらどうだろうかということを御心配、御不安になることありましたら、是非、文部科学省としてもそうしたことに関して助言に乗っていきたいと考えてございます。
○勝部賢志君 それで、もう一点、内容の精選にも今回この指導要領の改訂で重きを置いて取り組むんだという話だと思います。 先ほど、その過度な負担という中に、私は前にも指摘したことがあるんですけれども、やっぱり学校に求められることがどんどんやっぱり増えていく、時代が変わってきて、その時代に対応するためにAIだとか、あるいは英語もそうでありますし、様々なことが学校に求められていくというのは私も理解できます。ただ、やっぱりそれが子供たちにも相当負担になってはいないのかという観点で、今の教育内容そのものを見直していくという作業は私は当然必要だと思っています。 その中で、精選という言葉は私は非常に意味のある言葉だと思います。つまりは、子供たちにどういう力を今付けることが必要なのかということをまずしっかり見極めた上で、そのために効果的な授業を展開できるような教育課程全体の編成とか、先日は教科書がちょっと話題、課題になりましたけれども、教科書の在り方とか指導方法だとか、そういうことを追求していくのがまさに極めて重要なんだと思うんですね。そういう意味で、内容の精選というふうにお答えが、お答えというか、方針としてあるというふうにお聞きをしましたので、このことについてどのような検討をされているのか。 そして、やっぱり最終的に、小中学校であると高校入試というのが一つのやっぱり大きなポイントになっていて、そこに、試験に出るものだから、あまねくここまでしっかりやらなきゃならないみたいな、そういうのがやっぱり現場にはあるんですよね。そういうことも考えると、内容の精選ということはそのことともやっぱり切り離しては考えられないのかなというふうに思いますので、その点も含めてどのように検討していこうと考えているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 今先生から御指摘いただきましたように、中教審では各教科の本質的な学び、要すれば、どういう力が本当に必要なのか、ここで学ぶべきことは何なのか、どういう力を付けていくかということを、つまり各教科等で育成する、育成を目指す資質、能力を可視化をした上で、学ぶべきことはしっかりと学ぶという中において、その深い学びを実現するための余白があるかといった視点も重視をして、系統性を損なわずに精選が可能な内容を検討をしているところでございます。 教科書につきましても、御指摘のように、各教科等の本質的な内容の理解に資する内容に重点化をして、調整授業時数制度を活用して指導を行う場合でも十分に指導が可能となるよう精選する方向で検討したいと考えているところでございます。 高校入試の話もございました。 今申し上げましたような各教科の内容、そして教科書の在り方、こうした改善が実効を伴うよう、高校入試、高等学校入学者選抜につきましても、学力検査の改善や多様な選抜方法の拡充等につきまして方向性を示しているところでございますけれども、実施主体は各都道府県教育委員会でございますけれども、教育委員会とも連携をしながらそうした方向、取組を総合的に進めることができるよう、引き続き中教審等で検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○勝部賢志君 是非実効が上がる取組を期待をしたいというふうに思います。 それからもう一点、評価についても触れられていました。主体的な学習に取り組む態度について評価の見直しを行っている状況にあるというふうに思うんですけれども、やっぱりこれは、子供たちが次の学習に向かっていく何か意欲にもつながるものであるのと同時に、やっぱり適正な評価というのは必要だと思いますので、その評価の仕方はやっぱり常に見直し、検討がされていく必要があると思っております。 一方で、やっぱりその評価が、評価の内容よりも、評価をしなければならないという、何というか、その事実が負担になっているということなどもあって、本来必要な評価が何かもうしなければならないものになってしまっているというところ辺りがやっぱり大きな負担になっているのかなと思うので、やっぱりこれは、私は、評価というのは極めて重要だと思います。ですので、その内容や在り方についてはしっかり検討をいただけたらと思いますけれど、現状を報告いただければと思います。
○政府参考人(望月禎君) 現行の学習評価におきましては、学びに向かう力につきまして、学習指導要領に示す目標に照らした達成状況の水準を評価し、評定に直接反映する仕組みとなってございます。ただ、これは、挙手の回数、期限内の課題の提出など、形式的かつ過度な評価材料収集につながっていて、その負担に比して資質、能力の育成に効果的につながっていないんではないかと、そうした指摘もございます。 このため、次期学習指導要領の下では、目標に照らした達成状況の水準を評価するのではなく、一人一人の良さや成長を見取り、記述により評価を行うとともに、各教科等の思考、判断、表現の過程で学びに向かう力の積極的かつ継続的な発揮が見られた場合に丸を付す方向とする方向で検討をしてございます。 また、御指摘のように、評価のために記録を残すことが自己目的化して、負担に比して学習の改善に本当につながっているのかといった実態も指摘をされたことを我々も承知をしてございます。評定の総括は学年末のみで行うことが可能であることを明確にしながら、年度途中は学習途中での見取りやフィードバックを充実させる方向で検討をしているところでございます。 こうした改善によりまして、評価材料集めなどによる教師のそうした負担を抑制しながら、多様な子供たち一人一人の良さや成長を肯定的に評価して、子供たちが自信を一つでも持って学校生活を送ることができるように、またその後の自身の成長にも資することのできるように、引き続き丁寧に検討を進めてまいります。
○勝部賢志君 今基本的なことをお伺いをしましたけれども、教育課程、ごめんなさい、指導要領の改訂に向けて今文科省が新たな方向でスタートを検討をしているということが分かりましたので、それがいずれ学校現場にとってプラスになるようなものになるように、是非これからも必要に応じてまた議論をさせていただけたらというふうに思います。 それから、給特法の改正のその附則の中に、不当な要求等を行う保護者等への対応についてというようなことも実は記されております。この委員会でも何度かこの点は取り上げられてきましたし、先日は斎藤委員からもそういう指摘があったというふうに思うんですね。 北海道で二〇二四年の実態調査をした結果、若い人、若年者の離職率、ごめんなさい、全体の中途離職者が一年間で八百五十八人。これは定年退職ではありません。途中退職なんですね。そのうちの二十代が全体で三割ぐらい占めているということなんですね。三十代が一割七分だから、大体半分ぐらい二十代、三十代が占めているという状況があって、その理由、余り細かく調査はしていないんですよ、実は、プライベートなこともあるし、いろいろありますので。だけれども、やっぱり調べてみると、いろいろ聞いてみると、保護者の対応も大変だったということで、精神的な負担を感じて辞めていくという若い人が非常に多いということなんですね。 そこでお伺いをしたいと思うんですけれども、文科省としてこの早期離職者の理由についてはどのように把握をされているのかということと、不当な要求をする保護者って、一概にそう言っていいのかどうかという問題は私はあると思っているんですね。保護者との関係というのは、教育を進めていく上では、良好な関係、お互いの信頼関係をつくるって非常に大事なことだと思うので、一方的にこちら側、教師側から不当だと言っていいかどうかという問題は私はあると思います。 ただ、内容によってはやっぱり相当ひどいなというものも散見されるので、こういう実態をしっかり把握をした上で、どういったところで線引きをするかみたいなことも検討する必要があるのではないかなというふうに思ってはいるんですけれども、不当な、不当というか、そういう過度な要求をする保護者に対する対応ですね、これまでどのように取り組んでこられたのか、併せてお答えをいただけたらと思います。
○政府参考人(望月禎君) 二〇二四年のOECDの国際教員指導環境調査、TALISでは、保護者の懸念に対処することについてストレスを感じている日本の教員の割合は、小中学校共に諸外国の平均を上回っており、前回、二〇一八年調査から小中学校共に増加をしてございます。 また、毎年の公立学校共済組合のストレスチェックデータ分析結果でも、保護者対応というのは教職員のストレス要因の上位に上がってきてございます。 こうしたことからうかがえますように、学校が保護者等と良好な関係を進路指導や学習指導の面で築いていくと、これは大変大事なことでございますけれども、過度な苦情あるいは過剰な要求、不当な要求など、学校のみでは解決が難しい事案への対応につきましては、教師の負担の観点からも大きな課題であるというふうに考えてございます。 給特法の附則等の明示をいただきました。文部科学省では、昨年の給特法等の改正を踏まえまして、昨年の九月に文部科学大臣の指針におきまして過剰な苦情等への対応を学校以外が担うべき業務に位置付けをしまして、本年二月には、令和六年度、七年度に実施をしたモデル事業を通じて把握した全国の教育委員会における先行事例をまとめた事例集を作成をいたしました。 今年度は、昨年度まで行っていました調査研究事業から、教育委員会等において、学校管理職の経験者などを学校問題解決支援コーディネーターとして教育委員会等に配置をする行政による相談窓口の設置や、スクールロイヤー等の専門家を活用できる環境の整備などの体制構築を支援するための補助事業を開始をしたところでございます。 文部科学省としましては、引き続き、こうした補助事業も通じて把握した事例を周知するなど、全国の自治体において行政による学校への支援体制が構築されるよう、その取組を促してまいりたいと考えております。
○勝部賢志君 今少し細かい話もさせていただきましたけれど、保護者の対応によって教職員がメンタルを病んでいるという状況がやっぱりありますので、それについては、今度また時間を頂戴して、具体的なことも含めて質疑をさせていただきたいと思います。 時間が参りましたので終わりますけれども、冒頭の著作権法については、私どもの会派、賛成をしていきたいというふうに思いますので、そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○水野孝一君 国民民主党・新緑風会の水野孝一です。 著作権法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 先日開催されたミュージック・アワード・ジャパンにおいても、高市総理は日本の音楽コンテンツを世界の高みへ押し上げていくとの考えを示されました。日本の音楽コンテンツが世界で更に評価され、多くの実演家やクリエーターが活躍できる環境をつくることが、私ども立法に携わる者に求められていることだと考えております。 人口減少が進む我が国において、世界市場に打って出ることのできる数少ない成長産業の一つがコンテンツ産業です。音楽、アニメ、ゲーム、漫画など、日本が世界に誇るコンテンツの価値を更に高めていくためには、実演家やクリエーターに適正な利益が還元されること、そして利用者から信頼される透明な制度であることが必要です。その観点に立ち、順に質問させていただきます。 まず、著作権法第三十八条について伺います。 同条は、利益を目的とせず、かつ、聴衆や観衆から料金を受けず、出演者等にも報酬が支払われない場合には一定の著作物利用を認めるということとしております。いわゆる非営利、無料、無報酬の場合に著作物の無償利用を認めるという規定です。 しかし、現場では、祭礼や地域イベント、自治会や福祉活動、PTA活動などにおいて、どこまでが非営利に該当するのか分かりにくいという声があります。例えば、出演者から実費相当の参加費を徴収する場合はどうか、企業、団体等からの資金提供、いわゆる協賛金が入っている場合はどうか、出演者に交通費程度の支払がある場合はどうか。さらには、企業名の表示を伴えば非営利ではないと判断されることも聞いており、様々な疑問が寄せられております。 そこで、伺います。 著作権法第三十八条における営利を目的とせずとは何を指すのでしょうか。その法的解釈について政府の見解を伺います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 著作権法第三十八条第一項においては、公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる旨が規定をされております。 ここで言う営利とは、一般論として申し上げますと、反復継続して、その著作物の利用行為自体から直接的に利益を得る場合又は行為が間接的に利益に具体的に寄与していると認められる場合と考えられております。 いずれにしましても、個別の利用行為が同項に言う営利を目的とせずとの要件を満たすか否かについては、権利者と利用者との間の法律関係に係る問題であり、具体的な事実関係に即して個別に判断されるものと、このように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 大臣、私、地元愛知、名古屋でおよそ三十年ほど地域の祭り、イベントに携わってまいりまして、この非営利の考え方、概念に非常に悩まされてまいりました。要するに、定義が曖昧だと思っているんです。そのイベントに例えば企業からのお金が入っていたら、それは営利と解釈する。行政のお金であれば、非営利と解釈をする。又は、企業の看板があれば、もうそれは営利であるという解釈であったり、もうそういう時代ではないように思うんですね。 従来は行政がやっていたことを、民間の活力が、それで代わる時代でもあるというふうに思います。民間の取組でも非営利かつ公益的な取組は存在します。このギャップに全国の多くの催事主催者が悩まされている実態を大臣と共有させていただければというふうに思います。 次に、著作権法第三十八条のその解釈の主体について伺います。 利用者からは、管理事業者によって説明が異なるように感じる、現場で判断に迷うという声があります。法律の最終的な解釈は司法の判断によるものとしても、実務上は利用者が管理事業者からの個々の説明をもって判断する場面も少なくありません。その結果として、地域活動や文化活動の主催者が必要以上に利用を控える、あるいは法的リスクを懸念して萎縮してしまうと、そういった指摘もあります。 そこで、伺います。 第三十八条、この非営利、無料、無報酬に該当するか否かの解釈について、政府は誰がその役割を担うと考えているのか、また利用者の予見可能性を高める必要性についてどのように認識をしているのか、伺います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 著作権は私人の財産的権利であり、個々の著作物の利用行為に関する法律関係は、著作権者と著作物の利用者との間の問題となります。 このため、著作物の利用行為が著作権法第三十八条等の権利制限規定に該当するか否か等について著作権者と著作物の利用者との間に意見の相違がある場合には、当事者間において協議が行われ、最終的には、著作権法の各規定の解釈も含め、個別の具体的事例に即して司法の場で判断されることとなります。 また、著作物の利用料の徴収等についても、まずは権利者の委託を受けた著作権等管理事業者が請求を行い、仮に利用者との間に意見の相違が生じたような場合には、両者の間の司法上の法律関係として適切に取り扱われるべきものと考えており、仮に当事者の間に意見の相違がある場合には丁寧に協議が行われることが望ましいと考えております。 他方で、過度な自主規制、不安などがなるべく生じないように、著作権法の仕組みに関する理解を広く普及することは重要と考えております。著作権に関する教材の作成、都道府県の事務担当者等を対象とした研修会の開催等を行い、引き続き普及啓発に努めてまいりたいと、このように考えております。
○水野孝一君 では、松本大臣に伺います。 非営利に対する予見可能性が低いというこの今の課題について、どのように認識されていますでしょうか。制度が拡大するほど利用者にとって分かりやすく公平な運用が求められます。 第三十八条、非営利、無料、無報酬に対する考え方や運用の基準について指定団体に対する明確化を図る考えはあるのか、また、広く一般利用者に対する周知をどのように進めるのか、さらに、その運用が客観的かつ適切に行われているかについて国としてどのような指導監督を行うのか、伺います。
○国務大臣(松本洋平君) まず最初に、先ほど委員がおっしゃられたように、これ、今回の件に限らないわけでありますけれども、その非営利というものをどう捉えるのかということについて、現場でいろいろと悩まれたりしているというその問題意識は私も共有をさせていただきたい、そのように考えているところであります。 その上で、個々の著作物の利用行為が著作権法第三十八条等の権利制限規定に該当するか否かなどにつきましては、著作権者と著作物の利用者との間の私法上の法律関係の問題となります。 このため、著作権法第三十八条における非営利に該当するか否かでありますとか、同条の適用に関する著作権等管理事業者の判断が適切であるか否かは、行政機関の判断により一義的に定まるものではなくて、最終的には個別の具体的事例に即し、司法の場で判断されるものとなります。 ですけれども、文部科学省としては、先ほど政府参考人からもお答えをさせていただきましたけれども、これによって過度な自主規制、また不安などが生じないようにすることは大変重要だと思っておりまして、そういう意味でも著作権法の仕組みなどの普及啓発をしていくことが大変大事だと思っております。 引き続き、分かりやすい普及啓発に努めていくことによって、そうした過度な自主規制であったりとか、また現場での不安、これらが生じないように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 関連して、大臣、一つだけ伺わせてください。 三つの団体がそれぞれに非営利を判断するということになるんですけれども、ということは、例えばある一曲を利用するのに、例えば著作権管理団体は非営利じゃないという判断をして、実演家の団体とレコード製作者の団体は非営利だと判断をすると、そういうことが起こる可能性もあるわけですが、私はそこに課題があるようにも思いますけれども、大臣、ここの点いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほども申し上げましたけれども、ここの最終的な判断はあくまでも司法によって行われるということでありますので、私の方として、それに対してなかなか申し上げることは大変難しいわけでありますが、そういった点も含めまして、やはりしっかりと過度な自主規制ですとか不安が生じないようにするためにも、私どもとしてしっかりとこの著作権の仕組みなどを普及啓発をしていく、そして、分かりやすいように現場の皆さんにも御理解をいただくための努力をしていく。これ、政府だけではなくて、様々な団体の皆様方にも御協力をいただきながら、こうした取組というものを進めていくということが極めて大事だと考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 大臣と三十八条に関係する課題感を共有できたと思います。ありがとうございます。 次に、その徴収した使用料を権利者に分配する際の公平性と透明性について伺います。 著作権管理団体の事例では、インディーズや無所属クリエーターなど大きな実績を上げていない権利者、すなわち、作曲者、作詞者などが著作権管理団体に信託又は委託したくても登録させてもらえないということがあります。登録できないと、当然使用料の分配を受けることができません。このように、登録のハードルや徴収した使用料の分配の在り方、分配の透明性などについては様々な課題が指摘されています。 そこで、伺います。 政府は、こうした著作権管理制度の指摘をどのように認識しているのか、公平性や透明性が十分に確保されていると評価しているのか、また、今回の新制度、レコード演奏・伝達権の設計にその教訓をどのように反映したのか、松本大臣にお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(松本洋平君) 本法律案におきましては、レコード演奏・伝達権に係る二次使用料を受ける権利につきまして、指定団体は、権利者から申込みがあった場合には、その者のために権利を行使することを拒んではならないということにしているところであります。このため、団体に所属をしているかどうかの有無にかかわらず、指定団体に権利の行使を委任することによって指定団体を通じて権利の行使が可能となり、利用の実態に応じて分配を受けることが可能であります。 また、個人で活動する方など、多様な実演家などに対して正確な分配を行うために、利用者が利用した楽曲情報をできる限り把握をいたしまして、データに基づく分配方法を検討、構築することが重要であると考えております。この点、文化審議会の報告書におきましては、利用楽曲に関する電子的な報告の仕組みの構築に加え、再生されている楽曲を自動的に把握できるデジタル技術の活用などについて検討を進めることとしているところであります。 公平かつ透明性を持って実演家等の方々に分配がなされますように、指定団体に対しまして必要な助言などを行ってまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 関連してもう一つ伺わせてください。 今回の法改正で実演家やレコード製作者は二次使用料を受け取ることになりますが、作詞作曲等の著作権者は、これまで同様、権利者登録のハードルがあるので使用料を受け取れない等の課題は残ったままとなります。 経済産業省の音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書によりますと、世界の録音原盤市場におけるアーティストダイレクト、いわゆる無所属の売上げシェアについて、二〇二二年には十八億ドルに達し、全体の五・八%を占めると推定されると報告されています。無所属だけでも五・八%、市場規模も決して小さくはありません。 コンテンツ産業政策を進めるためにも、インディーズや無所属クリエーターなど、大きな実績を上げていない権利者を含めた透明性、公平性を確保し、市場を育てていくことが不可欠だと思いますが、大臣の見解を伺います。あわせて、そのために必要な著作権等管理事業法の改正の必要性についても見解を伺わせてください。
○国務大臣(松本洋平君) 著作権等管理事業者についてでありますが、管理委託契約を締結した権利者の権利について管理を行う事務を行っていただくことになります。また、著作権等管理事業法においては、例えば同じ音楽の権利の管理についても複数の事業者が参入できるようになっております。 他方で、事業者側も、どの権利者と契約を結ぶかについて法律上特段の制限は設けられていないところであります。同法におきまして、文化庁は、管理事業者に対して適正な事業執行がなされているかを確認する観点から、管理事業法に基づき、報告徴収、立入検査等の措置をとることも可能となっております。 このように、著作権等管理事業法においては必ずしも指定団体のように特定の事業者が権利の委託を受ける仕組みとなっていないため、御指摘の点について直ちに見直しを要するものではないと考えております。 他方で、公平な分配と透明性の確保は重要であると考えておりまして、引き続き事業者へ必要な対応を行ってまいります。
○水野孝一君 ありがとうございます。 新制度の導入、これは現行の著作権管理制度を検証するきっかけでもあると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、利用実績の把握と分配について伺います。 全ての利用を完全に把握することは難しいということで、一部の利用を抽出して全体を推計するサンプリング調査という形で利用実績を定めているという現状があります。近年、海外では、音声認識技術やデジタル技術、AI等を活用し、利用実績データに基づく分配の高度化が進んでいます。技術の進歩によって、実際に利用された曲目をより正確に把握することも可能になりつつあります。 今回創設される制度についても、利用実績に基づく正確かつ公平な使用料分配を目指すべきではないかというふうに思いますが、そこでお伺いいたします。 我が国における新制度の導入に当たっても、指定団体の指定要件や使用料規程の届出条件として、デジタル技術を活用した利用実績に基づく正確かつ公平で適切な分配の仕組み導入が重要だと考えますが、松本大臣に見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 文化審議会の報告書におきまして、利用楽曲に関する電子的な報告の仕組みの構築に加え、再生されている楽曲を自動的に把握できるデジタル技術の活用などについて検討を進めることとされているところであります。 利用実績の把握でありますとか分配の具体的な仕組みにつきましては、特定の方法を法令などで義務付けるのではなく、指定団体において必要なコストなども踏まえながら検討が行われることとなります。 文部科学省といたしましては、デジタル技術を活用した把握精度の向上など、適切な分配の仕組みが検討、構築されるように、指定団体に対する必要な助言などをしてまいります。
○水野孝一君 ありがとうございます。 透明性は、利用者のためだけでなく、実演者や権利者のためにも必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。 そして、利用者が納得して使用料を支払うためには、集められたお金がどのように使われ、どのようにクリエーターに届いているのか、財務情報やデータのガラス張り化が不可欠だと思います。 そこで、伺います。 指定団体に対し、総徴収額、権利者への分配額、管理手数料、権利者不明等による未分配額、海外との受け払い状況などについて詳細な情報開示を求めるお考えがあるのか、また、徴収、管理、分配の各過程における透明性を担保するために国としてどのような監督指導を行うのか、伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 指定団体によります二次使用料の徴収、管理、分配の透明性を確保すること、これは制度の信頼性を担保する上で重要な課題であると認識をしております。 具体的には、本法律案の成立後、指定団体において検討、構築することとなるわけでありますが、既に放送における商業用レコードの利用について権利者に分配する仕組みがありますので、こうした例が参考になるのではないかと考えているところであります。 また、指定団体の業務に関しましては、本法案成立後に定める予定の政省令におきまして、二次使用料の分配方法等に関する事項を指定団体の業務規程に定めさせ、文化庁長官に届出をさせること、二次使用料関係業務に関する事業報告書や収支決算書を作成し、文化庁長官に提出をさせるとともに、公表させることなどを規定することを検討しているところであります。 こうした仕組みを通じまして、指定団体が透明性の高い分配の仕組みでありますとか業務の実施体制を構築するよう適切に指導監督を行ってまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 利用者からも納得感が得られる制度を是非とも追求していただきたいというふうに思います。 続いては、コンテンツ産業政策としての視点で伺います。 高市内閣は、コンテンツ産業を十七の戦略分野の一つとして位置付けています。二〇三三年には海外売上額二十兆円規模を目指すとしていますが、この巨大な目標を達成するためには、単に市場全体の規模が大きくなったり、管理団体の徴収総額が増えたりするだけでは十分ではありません。実際にコンテンツを生み出している実演家、クリエーター個人の所得が向上し、次の創作活動へ投資できる好循環が生まれて初めて産業として世界の高みへ到達できるというふうに思います。 今回の法改正は、単なる権利保護政策ではなく、コンテンツ産業政策でもあります。今回の法改正を機にコンテンツ産業政策の成果をどのような指標で測定しようとしているのか、市場規模だけでなく、実演家所得、海外収入、輸出額など、具体的なKPIがあればお示しいただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 政府におきましては、日本成長戦略における十七の戦略分野の一つにコンテンツを位置付けておりまして、日本発コンテンツの海外市場規模を二〇三三年までに二十兆円にするという目標を掲げているところであります。今御紹介いただいたとおりです。 現在、コンテンツ産業官民協議会における検討を踏まえまして、官民投資額や経済波及効果を盛り込みました官民投資ロードマップの検討を進めているところでありまして、音楽やゲーム、アニメを始めとした各分野について海外売上げ目標を策定することを予定しております。 今後、この官民投資ロードマップも踏まえまして、担当大臣であります小野田大臣の下で取組を具体化していくこととなりますが、内閣府を始め関係省庁とも連携をいたしまして、文部科学省としても積極的に協力をしてまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 法改正を機にしっかり検討していただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 それでは、松本大臣に伺います。 本制度の施行後三年を目途として、その運用状況や実演家等への使用料分配の状況、利用者負担の状況、海外との権利使用料の受け払い状況、そしてコンテンツ産業発展への効果について検証を行い、その結果を公表するとともに、必要に応じて徴収、分配等の制度の見直しや、その他の措置を講じるお考えがあるのか、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(松本洋平君) 本法案は、実演家等の保護に関する条約に位置付けられております実演家等のレコード演奏・伝達権を創設することを内容とするものでありまして、創設される権利に関しましては、検証や見直しを行う規定等を設けることはしていないところであります。 これに対しまして、一度施行された二次使用料規程について利用者側から変更を求められた場合には、指定団体は協議、調整を行わなければならないということとしておりまして、必要に応じて二次使用料の額などに関して見直しが行われる仕組みとなっております。また、徴収、分配などの仕組みも、運用の実態に応じまして指定団体において改善を図ることが重要と考えております。 本法律案の施行後も、文化庁において状況の把握に努めるとともに、指定団体に対する指導、助言、その他の必要な対応を行ってまいりたいと考えておりますし、なお、施行後において権利行使の仕組み等に大きな状況等の変更が生じた場合には見直しも含め必要な検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 それでは、大臣、通告していないんですが、最後に一つ伺わせていただいてよろしいでしょうか。日本の音楽コンテンツを世界の高みへと総理大臣おっしゃっておられますけれども、松本大臣の決意を改めてお伺いさせていただいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 日本が今海外においてどの分野が売上げを上げているのかということを見たときに、まあ一位は自動車産業でありますけれども、二位は実は半導体とか機械とかではなくてコンテンツ産業が上げているということでもあります。それだけ我が国の経済をコンテンツ産業は支えているのと同時に、逆の目で見てみますと、それだけ世界からの需要が存在をするということとも言えるんだと思います。 その中におきましても、この音楽というものは大変重要な柱でもありますし、また、アニメが輸出をされるときには一緒になって音楽もまた輸出をされるというような形で、やはり音楽というのはその他のコンテンツ産業とも密接に結び付いているというような、そういうところでもあろうかと思います。 そういう意味で、大変我が国のアーティストが海外で高い評価をされているということは大変重要なことでもありますし、また、今回の法改正によってそうした海外での活動の果実というものをアーティスト、実演家の皆さんが受け取ることができることによって、更にその業界を目指す若い人たちが増えていったり、また、更にこの業界が発展をしていくことによって好循環が回っていく、そうした世界というものをつくり上げていくことによって、日本の国としてもそうですし、また国民にとってもそうですし、是非そういう意味では実のある法改正につながっていくように全力を尽くして頑張ってやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 高市総理が掲げる日本の音楽コンテンツを世界の高みへ押し上げるという目標を実現するためにも、創作者が報われ、利用者から信頼される透明で公平な制度運営を求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 今般の著作権法改正案は、公の場でレコード等が再生された際にアーティストやレコード製作者が二次使用料を受け取れるレコード演奏・伝達権を創設するものです。これは、現場で努力を続ける実演家等の皆様へ適切な対価を還元し、ひいては日本の音楽コンテンツの海外展開を後押しするものであり、我が党としても高く評価し、長年その実現を後押ししてまいりました。 一方で、現場で音楽を利用する町の飲食店、美容室、公益的な文化団体にとっては新たな負担が生じるという切実な課題も伴います。本日は、クリエーターへの正当な対価還元と地域を支える利用者への配慮、この両立をいかに図り、制度を定着させていくのかという観点から、重なる質問もありますけれども、政府の明確な方針を伺ってまいりたいと思います。 まず初めに、法改正の意義と海外からの対価還元の確実性ということについて伺ってまいりたいというふうに思います。 このレコード演奏・伝達権の創設は、音楽産業にとっても長年の悲願でもありました。衆議院の質疑では、本制度が二〇二四年に導入されていたと仮定した場合に、諸外国からの収入が差引き約八億円の黒字になるとの試算も示されたところであります。しかしながら、法律を作っただけで自動的に海外からお金が入ってくるわけではありません。海を越えて確実に日本の実演家等に適正な対価を還元するためには、指定団体と、今般の指定団体とですね、各国の著作隣接権管理団体とのネットワーク構築や確実な送金プロセスを速やかに確立する必要があります。 衆議院でも附帯決議で求められておりますけれども、これを単に指定団体任せにするのではなくて、文化庁としてどのように助言、指導し、国際的な実効性を担保していくつもりなのか、明確な支援体制を伺ってまいりたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 先生からも御指摘がございましたが、海外において我が国の音楽が利用された場合の対価を得るためには、指定団体と各国の著作隣接権管理団体が連携する必要がございます。既に商業用レコードを放送で利用した場合の二次使用料等を取り扱うために各国の著作隣接権管理団体との間のネットワークが設けられており、こうした例が参考になると考えております。 本法律案をお認めいただいた後、指定団体を指定した際には、速やかに各国の著作隣接権管理団体と指定団体との間で連携が進められるよう、先ほどお答えさせていただいた放送で利用した場合の二次使用料を受けるこのネットワーク、こうしたものも参考としながら、各国の著作隣接権管理団体と指定団体との間での連携が進められるよう、文化庁としても積極的に指導、助言してまいります。
○谷合正明君 次に、利用者への配慮について松本大臣に伺います。 私の地元からも意見が寄せられていますが、飲食店や美容室あるいは地域のバレエ教室などの利用者は、現在のJASRAC等への支払に加えまして、新たな指定団体にも使用料を支払うこととなり、この負担、経済的負担が増加します。物価高騰等で現場が厳しい経営環境にある中、店舗の面積や定員数に応じた低廉な料金設定や小規模事業、公益的事業への免除、減額措置、また段階的な導入といった実効性のある緩和措置が不可欠であります。 衆議院での質疑の中でも、指定団体と利用者側の協議の中で検討するよう促すということでありますけれども、これが単なる検討に終わらず、指定団体の規程に確実に盛り込まれるようしっかりと国としても後押しをしていただきたいというふうに思っております。 まず、大臣に伺っていきたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 御指摘の小規模な事業者でありますとか、先ほども出ていましたが、非営利であったりとか、いろいろなそうした事業者への負担につきましては、文化審議会の報告書におきましても、面積や定員数などに応じて段階的に金額を設定するなどきめ細かく検討すること、規模等の特に小さい事業等に関しまして支払の免除や減額の措置を講じるよう検討すること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げるなどの緩和措置を検討することなどと指摘されていることも踏まえる必要があると考えているところであります。 本法律案におきましては、二次使用料の額を定めた二次使用料規程を策定する際、指定団体は利用者と協議、調整をしなければならない仕組みとしておりますし、またこの協議、調整の中で、指定団体が文化審議会の報告も踏まえるとともに、小規模な事業者を含めた利用者の御意見を丁寧に聞くことが期待されておりまして、文化庁といたしましても、必要に応じて関係者間の調整に努めてまいります。また、協議が調わない場合には、指定団体又は利用者代表は文化庁長官による裁定を求めることができるとしておるところでありまして、裁定においては両者の意見を丁寧に聞いて適切に対応をしてまいります。 こうした手続というものが整備をされているところでもありまして、文化審議会で指定されている事項を十分に踏まえた二次使用料規程が策定されていくような仕組みとなっていると考えているところでありまして、そうした仕組みを通じて、我々としては、適切な料金設定になるように我々としてしっかり指導してまいりたい、そのように考えております。
○谷合正明君 経済的な負担に加えて、別々の団体に手続を行わなければならないという事務負担の増加も懸念事項であります。 利用者の利便性を守り、事務負担を嫌って音楽の利用を控えるという事態、これを防ぐためには、制度開始時から確実にJASRAC等既存の団体と連携した徴収窓口の一元化、ワンストップ化、また電子決済サービスの導入というものが不可欠であると考えます。 また、周知ということでは、新たな支払が必要となる理由について、SNS等を活用して関係省庁、業界団体ともよく連携した対応が必要であります。 特に、この手続のワンストップ化については、先ほど来の別々の権利であるだとか団体も違うんだというお話ではあります。そこも分かった上で、手続上のこのワンストップ化については、制度開始時からしっかりと実現をしていくということが大事だと思っております。文化庁の対応を伺ってまいりたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 レコード演奏・伝達権に係る二次使用料については、本法律案成立後、指定団体において具体的な徴収方法を検討、構築することとなります。利用者の事務負担ができるだけ軽減できるようにすることは重要と考えております。 文化審議会において、実演家及びレコード製作者の権利者団体からは、二次使用料の徴収や利用楽曲の報告等について、音楽著作権の管理団体との連携も検討していること、電子決済サービスを通じて簡便に申請及び支払手続が完了する仕組みを検討していることが報告をされているところでございます。 また、制度の趣旨、対象となる利用、実演家等への分配の仕組み等について、利用者を始めとする国民の皆様に対して丁寧な周知が必要であると、このように考えております。 本法律案をお認めいただいた場合には、文化庁としましても、著作権管理団体との連携、電子決済サービスを利用した手続の導入が円滑に進むよう、指定団体に対して必要な助言等を行ってまいります。また、レコード演奏・伝達権の趣旨等について、SNSなど様々な広報媒体を利用したり利用者の団体と連携したりするなどして、分かりやすく周知をしてまいります。
○谷合正明君 是非、利用者の事務負担軽減に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思っております。 次に、多様な実演家への確実な分配という観点で質問したいと思っております。 私も知人の現役の歌手からこの法案について声を伺ってみたところであります。そうしますと、サブスクが普及した現在、再生単価は極めて低く、一回、多くて〇・一円、〇・五円という実感だと。そこからレコード会社だとか作詞家、作曲家、また実演家と分配されていくということなので、若手ミュージシャンがどれだけバズったとしても生活が成り立たない現状があると。だからこそ、この新制度で、回収された使用料が確実に演者に行き渡ることが何より大事だという声でありました。 音楽業界には、特定の団体に所属していないフリーランスの実演家も多く存在をしております。団体所属の有無にかかわらず、全ての実演家へ確実に分配が行き渡る仕組みの保障が求められます。 従来のサンプリング調査だけでは中小独立系のアーティストの楽曲が漏れてしまう過少分配の懸念があります。店舗等で流れた曲を自動認識するAI楽曲識別技術などのデジタル技術を導入するなど、全ての権利者に正確かつ迅速に分配される体制をどのように構築していくのか、文化庁に伺います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 本法律案においては、レコード演奏・伝達権に係る二次使用料を受ける権利について、指定団体は、権利者から申込みがあった場合には、その者のために権利を行使することを拒んではならないと、このようにしております。このため、団体やグループへの所属の有無にかかわらず、指定団体に権利の行使を委任することによって指定団体を通じて権利の行使が可能となり、利用の実態に応じて分配を受けることが可能となっております。 また、多様な実演家等に対して正確な分配を行うためには、利用者が利用した楽曲情報をできる限り把握することが重要と考えております。 文化審議会の報告書においては、利用楽曲に関する電子的な報告の仕組みの構築に加え、再生されている楽曲を自動的に把握できるデジタル技術の活用について検討を進めることとされております。 文化庁としましては、デジタル技術を活用した把握精度の向上など、正確な分配が図られるよう、指定団体に対し必要な助言等をしてまいります。
○谷合正明君 続いて、AIに関連して質問したいというふうに思います。 生成AIの急速な普及に伴うクリエーターの権利保護であります。 先ほどの私の知人の歌手からも伺いましたが、現在一日十万曲が発表されるんですかね、その八割がAIとも言われていると。膨大な練習時間と労力、情熱を掛けて作り上げた人間の実演と、AIが瞬時に作ったものとの切り分けが極めて重要になっているという強い危機感も寄せられたところであります。 現行の著作権法には、声そのものを直接保護する規定はありません。現状では、著名人の顧客吸引力を保護するパブリシティー権はありますけれども、著名人の要件などハードルが高くて、若手や中堅のクリエーターは極めて不安定な状態に置かれているとも言えます。 AI時代に実演家をどう守っていくのか。関係省庁とも連携して、立法上の課題も含めてしっかりと対応していくべきではないかというふうに思っております。改めて、文化庁の今のスタンス、考えについて伺ってまいりたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 AIと著作権の関係については、関係者からの懸念を踏まえ、文化審議会の小委員会で議論を行い、令和六年三月にAIと著作権に関する考え方についてを取りまとめたところです。 この考え方の中では、AIの開発、学習段階においても、権利者の許諾を要する場合があることについて整理をしたところです。また、AIによる生成、利用段階については、通常の著作権侵害や著作隣接権侵害の考え方と同様の考え方で侵害の有無を検討することとなります。いずれも最終的には、個別の具体的事例に即し、司法の場で判断されることとなります。 文化庁としては、引き続き、このAIと著作権に関する考え方について周知啓発に努めるとともに、著作権侵害に関する判例等を始めとした具体的な事例の蓄積、AIやこれに関する技術の発展、諸外国における検討状況の進展等を踏まえながら、実演家を含む権利者の権利保護の観点も含め、今後も必要に応じた検討を進めてまいります。 また、委員御指摘の声に関するものも含め、AIとの関係では著作権法の範囲にとどまらない様々な課題があることから、関係省庁が連携して取り組んでいくことが重要であり、今後とも関係省庁と連携して対応を進めてまいりたいと、このように考えております。
○谷合正明君 関連して、松本大臣に伺います。 生成AIの急速な普及によりまして、子供たちや学生が単にAIを便利な道具として使うだけでなくて、著作権などAIと知的財産の関係を正しく理解する知財教育を強化していく必要があると考えます。小学校から大学といった教育現場において、教員研修の充実に加えて、弁理士など知財の専門家を活用する仕組みづくりが有効ではないかとも考えます。 著作権を中心とした知財教育の整備ですね、私も著作権というと何か分からないことも結構多くて、AI時代のこの著作権ってどういうものなのかと、大人でも結構分からない部分あるんですけれども、子供たちにはなおさらしっかり若いときからこうした知財教育に触れていただくということは大変重要じゃないかというふうにも思っておりまして、大臣の見解を伺ってまいりたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) インターネットの普及など情報化が急速に進展をする中、他人の創作行為を尊重し、著作権を含めた知的財産権を保護するための知識と意識を醸成することは大変重要であると考えているところでもありまして、今の委員の御指摘、私も共有をさせていただきたい、そのように思います。 御指摘の知財に関する教育についてでありますが、学習指導要領に基づきまして、例えば中学校技術・家庭科では著作権を含めた知的財産権について扱うこと、高等学校芸術科では美術に関する知的財産権や肖像権などについて触れることなどについて指導することとしております。また、著作権については、分かりやすく学ぶため、文部科学省におきまして、学習教材「はじめて学ぶ著作権」、「マンガでわかる著作物の利用」の提供を行っているところであります。 さらに、政府だけではなくて、様々な団体の取組の連携、協働も大変重要であると考えております。今委員から御紹介をいただきましたように、例えば日本弁理士会でありますけれども、学校等へ弁理士を派遣をいたしまして、著作権を含む知財に関する出張授業を行っているなど、関係団体においても積極的な取組が行われているというふうに承知をしているところであります。 内閣府におきましては、学校とこのような団体を含めた地域社会との効果的な連携、協働を図ることを目的といたしました知財創造教育推進コンソーシアムを設けておりまして、文部科学省もこれに協力をしているところであります。 関係団体の協力も得ながら、引き続き知財に関する教育の充実というものに努めてまいりたい、そのように考えております。
○谷合正明君 丁寧な答弁ありがとうございます。 それでは、この著作権の改正案についての総括として、改めて大臣に伺ってまいりたいと思います。 現場で苦闘する歌手の方々、私に、またこうして教えていただきました。音楽というのは、ただで聞くという認識が長く定着してきている中であると。そういう中で、なかなか音楽だけでは食べていけない、また夢のまた夢という、以前にも増して厳しい現状もあるということ。ただ、未来の文化芸術を支えるためにも、夢がかなえばしっかりと生活していけるんだと、そのくらいに音楽界変わってほしいというふうに私に寄せていただきました。 日本のコンテンツ産業は、先ほども大臣の答弁にあるように、自動車産業に次ぐ規模だと、大きなポテンシャルがあるということであります。本法案による実演家等への適切な対価還元を起爆剤として、日本発の音楽やコンテンツを世界で稼げる新たな基幹産業を強力に育てていく必要があります。 関連してちょっと一つ申し上げると、官民ファンドのクールジャパン機構が、報道によると、多額な累積赤字により統廃合の検討対象になっているというのが出たところなんですね。これ、詳しいところは私も承知しておりませんけれども、コンテンツ産業の振興や海外展開を図るという目的は同じでありながら、これまで十分な成果を上げられていないとすれば、その現状を政府全体でよく検証し、分析していく必要があるし、その上で、文部科学省として、クリエーター支援というものを真に現場で功を奏すようにしていただきたいというふうに思っております。 クリエーター支援の基金というものも創設されているというふうに承知しておりますけれども、既に著名な大規模作品への支援に偏るのではなくて、多様なジャンルの開拓や次世代を担う若手クリエーターの育成、挑戦への支援を含め、豊かなコンテンツが生まれる土壌づくりと国際競争力の強化を図っていただきたいということでありまして、大臣の決意を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 音楽を始めとするコンテンツ産業は、我が国の基幹産業であります。これを支える多様なジャンルにおける若手クリエーターの育成支援、日本のコンテンツの海外展開を図ることは大変重要だと考えているところであります。 政府においては、戦略分野の一つにコンテンツを位置付けているところでありますが、文部科学省におきましては、御紹介いただきましたように、クリエイター支援基金として累計三百三十億円を措置するとともに、四月の末、私の下で取りまとめました、高校から大学・大学院等を通した人材育成システム改革ビジョンにもコンテンツ振興を担う人材の育成や裾野拡大を盛り込み、支援を強化することとしているところであります。また、今御審議いただいております本法律案によりまして、実演家等へ望ましい対価還元を図りまして、我が国の音楽やアーティストの海外展開の一層の促進につながることと考えております。 私自身、先日、大臣室にアーティストの方、音楽関係者の方にお越しをいただきまして、その御期待を直接伺ったところでありまして、こうした思いをしっかりと受け止めまして、本制度の導入を着実に進めるとともに、関係省庁、団体等と連携をいたしまして、音楽を始めとする多様なジャンルにおける若手クリエーターの育成支援、日本のコンテンツの海外展開を積極的に推進をしてまいりたいと考えておりますが、やっぱり若手の実際のその実演家の方たちとお話をさせていただいて強く思うことは、やっぱり昔は、昔、このデジタル技術がここまで進んでいない時代は、そうしたアーティストが海外に出ていくというのは物すごい大変なことだったと思いますけれども、今は非常にそこのハードルというものが下がって、いい楽曲というものができ上がると、もう瞬時に世界全体に爆発的に広がっていってというようなこともあるんだろうと思っております。 そういう意味では、そうしたアーティストの方たちが海外に進出をするためのハードルというものは下がっている一方で、その適切な対価をしっかりと受け取ることができるのかどうかということが、ある意味においては今まで以上にすごく重要になってきている時代にも入ってきているのではないかと、私自身、大変、アーティストの皆さん、音楽関係者の皆さんともお話を聞きながら大変強く思ったところでもあります。 そういう意味においても、今回の法改正をきっかけにいたしまして、是非、我々といたしまして、人材育成、そしてそうしたクリエーターの支援、それも今委員がおっしゃられたように、既に競争力を持っている人だけではなくて、やっぱり若手だったりいろんなジャンルの人たちにしっかりとそれらを享受をしてもらうということが大変大事なことだというふうに承知をしているところでもあります。 国といたしましても、政府全体としての取組に加えまして、我々文部科学省としてもこうした取組を進めていくことによって協力をし、是非、こうしたアーティストの海外展開、進出というものも是非サポートをしていきたい、そのように考えております。
○谷合正明君 心強い答弁ありがとうございます。 ここまで著作権法改正を通じて議論してまいりました。クリエーターへの正当な対価、収益の確保と、国民が文化を享受する機会の確保のバランスということでありますが、それに関連して、スポーツの放映権について最後ちょっとお伺いしたいと思います。 いよいよサッカーのワールドカップの北中米大会が開幕をいたしました。日本代表には、最高の景色を目指して、エールを送りたいというふうに思います。昨日、早朝でありますけれども、私もテレビで見ました。大臣も見たのでしょうかね。(発言する者あり)テレビで見ていたということでございます。 近年、こうした国際大会の放映権料が高騰しておりまして、主要大会が有料ネット配信等にも移行しております。今年春、野球の方ですね、WBCの放映権料が前回大会の五倍となる推定百五十億円に跳ね上がって、資金力に勝る外資系配信大手が独占した結果、これまで当たり前だった地上波での無料生中継が消滅をしたというところは記憶に新しいところであります。WBC等で無料のテレビ中継がなかったことに対して、子供たちが夢を育む観戦機会が狭まることや国民が幅広くスポーツを楽しむ環境が損なわれるとの強い懸念も指摘されているところであります。 一方で、ヨーロッパを中心とした海外では、誰もが無料で重要な試合を視聴できるユニバーサルアクセス権を守るための重要イベント指定制度が導入されてもいます。これは、イギリスなどで、国民的関心が高いスポーツイベントの放映権について無料放送局に優先的な交渉機会を与えることを義務付ける法的な仕組みであります。 そこで、我が国の方針について伺ってまいりたいと思います。 スポーツは、一部の富裕層だけのものではなくて公共の文化財産でもございます。巨大な資金力を持つ外資系メディア等の買占めに対して、我が国として、大会運営の原資となる収益の確保、また、それに基づく競技環境整備と、子供たちを含めた国民が無料で幅広く視聴できる、そのバランスをどのように取っていく方針なのか。スポーツにも大変御知見のある松本大臣に見解を伺ってまいりたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) スポーツに関する知見があるかどうかは分からないんですが、私自身スポーツをやっておりましたし、またスポーツを観戦することが大好きな者として大変関心を持って取り組んでいるところであります。 先日開幕をいたしましたサッカーワールドカップはおかげさまで地上波で放送をされているところでありますが、幅広く国民のスポーツを見る機会を確保するということはスポーツ振興の観点から極めて重要である、そのように考えているところであります。放映権料の高騰が見る機会に影響を与えている一方で、放映権収入自体は、スポーツ団体にとって選手育成などスポーツ振興のための重要な資金源であるというふうにも認識をしているところであります。 文部科学省といたしましては、先月、総務省とも連携をいたしまして、スポーツを観る機会の確保及びスポーツ放映に関する検討会を設置をいたしまして検討を開始したところでありまして、国民のスポーツを見る機会確保に向けまして、引き続き検討を進めてまいりたいと思っております。 また、主催団体にも我が国の立場というものをしっかりと伝えることが大変大事だと思っているところでもありまして、先般、私どもの方から、私の個人名でというか大臣名で、WBCの開催団体と、あと国際オリンピック連盟か、の方には書簡を発出を、出させていただいて、是非、日本の国の我々の思いを伝えさせていただいた上で、それに対する理解、協力をお願いをしたいというようなことでレターも出させていただいたところであります。 いずれにいたしましても、そうした大きなイベントを主催している団体にもしっかりと理解をしてもらうような、そういう取組もやっていかなければなりませんし、また同時に、我々の国として、どういう取組をすることによってこのスポーツを見る機会というものを確保をし、また、スポーツ団体にとってのそうした強化にもつながっていくことができるのか、こうした点含めまして、しっかり、今、有識者の皆さんにも、そして総務省にも協力をいただいてこうした検討を進めているところでもありますので、この検討をしっかり進めていきながら、我々として必要な対策、方策というものを取ってまいりたいと考えております。
○谷合正明君 ありがとうございます。 この後、本物の実演家の中条議員の質問に注目したいと思います。 以上です。
○中条きよし君 日本維新の会の中条きよしでございます。 これまでも、委員会の場で、自分の経験なども踏まえながら、文化や芸能をどのように守っていくのかという観点から質問をさせていただきました。また、著作権法については四月の委員会でも質問をさせていただきました。今回法案が提出されたことについては、本当に関係者の皆様の御尽力に心から感謝を申し上げます。 さて、今回の法案では、レコード演奏・伝達権の創設により、その最前線で音楽に命を吹き込み、作品を心に届けている実演家やレコード製作者に対する対価の還元が実現しようとしています。これまで十分に届きにくかった実演家たちに対する対価が還元され、安心して表現に向き合える環境ができることは、日本の文化産業の未来にとって大きな希望になります。 一方で、音楽を流して世の中に届けてくれている店舗などの利用者の皆さんも、音楽、文化を共に育む大切なパートナーです。今回の法案は、利用者に新しい負担をお願いすることになるため、現場の理解を得ることが重要です。 実演家たちに正当な対価を届けること、そして同時に、利用者の皆さんがこれなら応援したいと心から納得できる透明で思いやりのあるルールを作ること、この二つの車輪が回って初めてこの新しい制度は機能します。関係者の心意気だけで回していた時代は終わろうとしています。今回の新しい権利の創設がすばらしい第一歩となることを心から応援しております。どうか、日本の音楽や文化を支える実演家たちと、それを楽しむ社会全体の未来を大事にしていただきたいと思います。 その上で、幾つか法案について質問をさせていただきます。 まずは、店舗などの利用者への周知、普及啓発について伺います。 制度の定着には利用者側の理解が不可欠ですが、著作権の仕組みは非常に複雑です。なぜ演奏家やレコード製作者への対価の還元が必要かという制度の本質を御理解いただくことが重要ではないでしょうか。 また、最近、個人向けの音楽配信サービスをそのままお店のBGMとして流してしまうケースが増えているようですが、もうこれは悪気がなくて、個人で料金を払っているからお店で流しても問題ないと誤解してしまっている場合もあるように思います。 そこで、伺います。 政府は、店舗における音楽の利用の実態や店舗側の認識についての課題をどのように認識しているんでしょうか。あわせて、新制度の開始に向けての具体的な対策や啓発をどう進めるおつもりでしょうか。御説明をお願い申し上げます。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 御指摘いただいたとおり、レコード演奏・伝達権の趣旨や著作隣接権制度の意義等について、利用者を始めとする国民の皆様に対して丁寧な周知が必要であると、このように考えております。文化審議会の報告書におきましても、レコード演奏・伝達権の趣旨やその徴収等の詳細について分かりやすく周知を行う必要があるとされているところでございます。 また、店舗における音楽利用の実態や認識の課題に関し、個人向けの音楽ストリーミング配信サービスについては、一般的にそれらの利用規約において店舗等における再生等の商業利用が禁止されているところですが、文化審議会の報告書において、一部で商業利用されているとも指摘されていると報告をされているところです。 本法律案をお認めいただいた暁には、御指摘等を踏まえ、文化庁において、改正法の施行までの間に、レコード演奏・伝達権の趣旨や制度の意義等について、様々な広報媒体を利用したり、また利用者の団体と連携したりするなどして分かりやすく周知、普及啓発をするとともに、個人向け音楽配信サービスの利用方法等も含め、指定団体等からも十分な周知が行われるよう必要な助言等を行ってまいります。
○中条きよし君 ありがとうございます。 せっかく音楽を利用してくださっているお店や演者など、関係のその皆さんが不快な思いをすることのないように、そして利用者の皆さんが意図せず違法な利用をしてしまうことのないように、丁寧な啓発と支援、更なる課題把握を引き続きよろしくお願いをいたします。 次に、集められた対価を実演家やレコード製作者に分配する仕組みについて伺います。 法律では、使用料の窓口となる指定団体を文化庁長官が定めますが、集まったお金が本当に権利者本人に届くのかという点が重要です。別分野の事例ではありますが、文化庁は、昨年三月、日本脚本家連盟に対して、集めた使用料について数億円規模の未払に関する業務改善命令を行っています。集めたお金がきちんと本人に支払われるかが制度の信頼の根幹です。この問題については、先日の委員会でも政府の監督の観点から質問をしましたが、今回はデジタルの活用の観点から伺います。 どのお店で誰の曲が流れたか把握できないと、集めた使用料というのは団体にたまるだけです。使用料の未分配を防ぐためには、再生楽曲を自動で把握できるデジタル技術や業務用の配信データの活用によって使用実態を正確かつ迅速に把握し分配する仕組みが必要だと思いますが、これをどう構築されるおつもりでしょうか。あわせて、この点は関係者からの質問が私のところにも寄せられているんですが、実演家自身が自分の楽曲がどこでどう利用されて幾ら還元されるのかについて、直接確認できたり、公開のインターネットで確認できたりするような利便性と透明性の高い情報システムを構築すべきと考えますが、その点はいかがでしょうか。見解をお伺いいたします。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 二次使用料の分配の正確性や透明性を確保することは、制度の信頼性を確保する上で重要な課題であると考えております。レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の分配方法については、指定団体において検討し、その仕組みを構築することとなります。 デジタル技術等を用いた使用実態の正確、迅速な把握については、文化審議会の報告書において、利用楽曲に関する電子的な報告の仕組みの構築に加え、再生されている楽曲を自動的に把握できるデジタル技術の活用等について検討を進めることとされております。 また、利便性と透明性の高い情報システムについては、実演家及びレコード製作者の権利団体は、既に放送における商業用レコードの利用について放送事業者から徴収した二次使用料を権利者に分配する仕組みを構築していると承知をしております。 この仕組みでは、権利者団体が既に保有している権利者情報データベースを基に、放送事業者から提供を受けた利用楽曲のデータ等を照合して各権利者への分配が行われております。レコード演奏・伝達権の二次使用料の分配に当たっても、この仕組みが参考になるものと考えられます。 文化審議会の報告書においても、分配に関しては、利用された商業用レコードの情報を基本に、当該実演家やレコード製作者に正確に分配を行うとともに、透明性の確保を図ることとされており、指定団体において適切な仕組みが構築されるよう、必要に応じ指導、助言を行ってまいります。
○中条きよし君 ありがとうございます。 実演家の皆さんへ確実に対価が届き、自らの評価を肌で感じられるシステムの構築を是非後押ししていただければと思います。 次に、本法案に関する実演家の課題として、契約や立場の壁について伺います。 今回の法改正で使用料の分配が進んでも、事務所等と大本の契約が不適切であれば対価は本人に届きません。 個人の実演家やフリーランスの方々というのは、事務所との力関係などから立場上の不安を抱えがちです。この立場の弱さが顕著に現れているのが、過去の音楽作品の扱いです。サブスク等の普及で昔の作品が世界中で大きな収益を生む時代ですけれども、現場からは、契約から十年以上が経過し、利用形態や収益構造が大きく変化しているのに、再交渉に応じてもらえない、対価の還元が不十分であるといった切実な声が関係団体に寄せられているそうです。新しい権利ができても、過去の古い契約に縛られたままでは意味がないんです。 そこで、お伺いをいたします。 長時間利用、配信され続ける作品の契約実態を政府としてどのように把握しておられるんでしょうか。また、今回の改正を機に、レコード会社や芸能事務所等に対し、過去の作品についても実演家との再契約、再交渉の機会の確保や適正な分配を促すべきではないでしょうか。御見解を伺います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 サブスクリプション型の音楽配信における対価還元の実態については、令和三年度の委託調査において関係者からのヒアリング等を行ったところです。この委託調査によると、一般的にレコード会社は実演家から権利の譲渡を受けて配信事業者との間で個別契約を行っており、実演家はレコード会社から対価を受け取っている場合が多いと認識をしております。 また、実演家に支払われる対価は、レコード会社との契約内容に加え、サービス提供事業者の規模により異なっていると、このように承知をしております。実演家に対し適切に対価還元が行われるような適正な契約が結ばれることが重要であります。 文化庁としても、引き続き、実態把握や適正な契約の重要性、また文化関係者への研修会も行っておりますので、こうした研修会の実施等に努めてまいりたいと、このように考えております。
○中条きよし君 過去の作品についても、実演家が不利益を被らないような、そういう取組をお願いいたします。 最後に、大臣に伺います。 日本のコンテンツ産業を底上げし、実演家の皆さんが安心して活動できる環境を確実なものにするためには、大臣の強力なリーダーシップの下で他省庁や関係者とも連携した制度設計が必要だと思います。 また、本法案は施行まで最大三年の猶予がありますが、実演家たちは長年この権利を待ち続けてきました。附則にある準備行為を迅速に進めて、早期かつ着実な施行を目指していただきたいと思います。 本法案の施行に向けた大臣の決意をお聞かせ願います。
○国務大臣(松本洋平君) 本法律案でありますけれども、実演家などへの適切な対価還元と音楽、アーティストなどの海外展開の促進を図るものでありまして、非常に重要なものであると考えております。 私自身、先ほどもお話をしましたけれども、実際にアーティストや音楽関係者の方にお越しをいただきまして、いろいろ直接お話も聞かせていただきました。また、何よりも、これまでも中条委員からはいろいろとお話をいただいているところでもあります。こうした御期待にしっかりと私たちとしても応えていかなければいけないと考えているところであります。 こうした思いをしっかりと受け止めまして、また委員から御指摘いただいた点も踏まえまして、円滑な徴収、分配体制の構築、関係者の方々への積極的な周知などの円滑な施行に向けた準備、これを進めていく必要があると考えているところでもありますので、この法案をお認めをいただいた暁には、関係省庁、また権利団体を始めとする関係者の皆さんとも連携をいたしまして着実に進めてまいりたい、そして、混乱なくしっかりとこの制度を施行していくことによって、国民の皆さんにとっても、そして権利者の皆様方にとっても良い制度とすることができるように全力を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
○中条きよし君 ありがとうございます。 実演家も含め、音楽や映像、コンテンツに関わる皆さん全体に寄り添う支援をよろしくお願い申し上げます。 これまで申し上げましたけれども、かつては実演家で、余り守られない中で才能や努力がありながら埋没していった仲間というのがたくさんおります。時代が変わり、関係者全員が守られる世の中に変わろうとしています。是非、その権利が現場でしっかり機能して、実演家や音楽の作り手本人にきちんと届き、さらには契約や二次利用の場面でも安心して活動を続けられる環境につなげていきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 ありがとうございました。終わります。
○後藤翔太君 参政党の後藤翔太でございます。中条先生の後で大変恐れ多いのですが、どうかよろしくお願いいたします。 著作権法の一部を改正する法律案について、主に徴収、分配の観点からお伺いしたいと思います。 まず、二次使用料規程の決定プロセスについて取り上げたいと思います。 文化庁の資料を拝見しますと、指定団体が二次使用料規程案を作成し、利用者代表との協議を経て二次使用料規程を確定する運用が想定されていると読み取ることができます。 しかしながら、この二次使用料については一九六一年のローマ条約に根拠が存在し、また、レコード演奏・伝達権についても一九九六年のWIPO実演・レコード条約にて明確化されていたにもかかわらず、今回の法制化にはかなりの年月を要したというふうに考えます。よって、利用者は二次使用料を払わずに楽曲等を利用してきた期間が長いという事実がございます。そのため、どうしても指定団体の交渉力は劣位に置かれてしまうのではないか、そういった懸念点も残ると思います。 そこで、文部科学大臣に伺いたいと思います。 この二次使用料規程は民間同士の契約かもしれませんが、このような歴史的な経緯を踏まえると、利用者代表と指定団体の交渉力を均衡させ、著作隣接権者の権利行使、十分なものとするためには、文化庁はどのように関わっていこうとお考えでしょうか。裁定という仕組みも設けられるようですけれども、利用者団体と指定団体の交渉を助ける観点から、関わりについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の額などを定めた二次使用料規程につきましては、本法律案をお認めいただいた後、権利者団体の中から指定された指定団体において、利用者側との協議、調整を経て定めることとなります。 この協議、調整の中で指定団体と利用者側との間で双方の納得が得られる形で合意に至ることが望ましいと考えておりまして、文化庁におきましても、必要に応じて関係者間の調整に努めてまいります。また、協議が調わない場合には、指定団体又は利用者代表は文化庁長官に裁定を求めることができるとしておりまして、裁定においては両者の意見を丁寧に聞いて適切に対応してまいります。 こうした仕組みを通じて、指定団体と利用者代表の双方の意向が適切に反映されるものと考えておりますが、小規模事業者等利用者への配慮と実演家などへの対価還元の両立が図られるように、文化庁において、指定団体の取組を後押しするとともに、積極的に両者の調整を図ってまいりたいと思っております。 また同時に、これも先ほど来お話をさせていただいておりますけれども、そのためにもやっぱり納得してもらうということがとても大切なことだと思っているところでもありまして、そのためにも本法律案の趣旨等々についてやはり広く国民の皆さんにも理解をしていただくことができるような周知を行っていくということも併せて大変重要なことだと思っております。こうした多くの皆様方の御理解、御納得をいただいてこの法律案というものが施行できるように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○後藤翔太君 本法案の成立だけでなく、様々なところとの調整も大変難しいところもあるかもしれませんが、是非進めていただければと存じます。 続いて、徴収に関して今お伺いしましたので、分配についてお伺いしたいと思います。 JASRACで知られる著作権集中管理制度に関しては、以前から、インディーズやマイナー曲、爆発的な大ヒットには至らないものの長期間売れ続ける作品を指すロングテール作品に不利な環境であるというような指摘があったと聞いております。 その原因には、分配額を統計的に決めるサンプリング方式がありました。サンプリング方式の場合、利用された楽曲のうち一部のみが調査対象となって、楽曲が利用されたにもかかわらず、著作権料が分配されないことがあるという批判が寄せられたそうです。 そこで、JASRACは、技術的に難しいところを除いて、二〇一九年に基本的にはサンプリング方式をやめて、全曲報告データを用いるセンサス方式を採用したと聞いております。 一方、余り指摘されていないようですが、授業目的公衆送信補償金制度もサンプリング方式を採用しているため、同様の状況が生じているのかもしれません。同制度は教育機関の設置者が指定管理団体に一括して補償金を支払うことで、個別の許諾を要することなく著作物を利用できるようになる制度のことですね。 ここで、文化庁の政府参考人に伺いたいと思います。 このように、せっかく設定されるレコード演奏・伝達権に基づく実施要領に関しては、著作権集中管理制度や授業目的公衆送信補償金制度について生じてしまった分配の不満がこれまでと同様に発生しないような環境を整備していただきたいと思っております。民間同士の契約マターかもしれませんが、この点に関する政府の問題意識を伺いたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 御指摘いただきましたとおり、利用された商業用レコードに係る権利者に、利用された商業レコードに係る権利者に対し適切に分配が行われることは大変重要と考えております。多様な実演家等に対して正確な分配を行うためには、利用者が利用した楽曲情報をできる限り把握することが重要と考えております。 文化審議会の報告書におきましては、商業用レコードが利用された実演家等に対して二次使用料が公正公平に分配されるよう、指定団体において正確な分配の基礎となるデータの収集を行う必要がある旨が示されております。 分配方法等については指定団体において検討していくこととなりますが、放送における商業用レコードの利用について放送事業者から徴収した二次使用料を管理し権利者に分配する仕組みや、著作権管理団体における取組も参考になるものと考えております。 文化庁としては、指定団体に対し、適切な分配方法の構築や、必要に応じて権利者の相談に応じる体制の充実、これらについて文化審議会の報告書も踏まえつつ、適切に行われるよう指導、助言等をしてまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 〔委員長退席、理事古賀千景君着席〕 もう一つ、類似制度から示唆を得るために御質問させてください。 私的録音録画補償金制度は、政令で指定するデジタル方式の機器、媒体に対して、あらかじめ二次使用料を織り込んで機器を販売してもらい、私的使用のための録音、録画について権利者に補償金を還元するという制度でしたが、メーカー側の協力がなかなか得られず、制度が形骸化してしまったと評価されています。実際に管理団体であった私的録画補償金管理協会、SARVHですね、これは二〇一五年に解散してしまい、権利行使が不可能な状況が生じていました。その後、ブルーレイレコーダーが対象となったことで、管理団体、私的録音録画補償金管理協会、今度はsarahですけれども、これが昨年から補償金の徴収を、回収したと聞いております。 ここで、文化庁の政府参考人に伺いたいと思います。 このように設定される権利や制度が形骸化してしまうことは望ましくないというふうに考えます。私的録音録画補償金制度をめぐる経緯から、レコード演奏・伝達権に関する新制度はどのような教訓を得られるのでしょうか。技術の進歩や利害調整の対応が後手に回ったという指摘もございますが、二の轍を踏まないようにするためにはどうしたらいいとお考えでしょうか。コメントをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 私的録画補償金制度については、補償金支払の対象となる機器や記録媒体を政令で指定することとなっていますが、技術の進展に伴い、対象機器の範囲について機器の製造業者と指定管理団体との間で争いが生じ、両当事者間で訴訟に至りました。その後、改めて機器の指定や補償金額の認可等を経て、関係者間の調整の下、先生からも御指摘いただきましたが、昨年十二月より徴収が開始をされているところでございます。 今回のレコード演奏・伝達権に係る二次使用料徴収の対象範囲については、特定の技術を指定して定めるものではありません。このため、私的録画補償金制度と異なり、技術の進展に伴って、対象範囲に関し当事者間の調整の必要が生じてくることは少ない仕組みになっていると考えております。 いずれにしましても、今回のレコード演奏・伝達権の導入に関しては、混乱が生じないように、指定団体と利用者代表との間の協議においては、双方がしっかりと意思疎通をしながら進められていくことが重要であると考えております。文化庁としても、両者の協議、調整が円滑に行われるよう適切に対応してまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 技術の進展も著しいということですので、非常に難しい采配になってくるかもしれませんけれども、是非、全ての方が納得いくような運用をしていただければというふうに思います。 〔理事古賀千景君退席、委員長着席〕 最後に、本改正法案の話題から少し外れますけれども、戦時加算を取り上げさせてください。 著作権分野において、我が国がサンフランシスコ講和条約の締結以来抱えてきた問題が戦時加算ですね。戦時加算とは、戦時に相当する期間を通常の著作権保護期間に加算することで、戦争により失われた著作権者の利益を回復しようとする制度のことです。そして、この制度は、日本は、一部の外国作品、著作権保護期間を約十年延長しなければならないという義務を負っています、また負わされていますね。配付資料にそういった国会質疑の経緯もまとめてみましたけれども、こちらが戦時加算として検索してヒットする著作権に関する国会質疑の一覧でございます。最近であれば、TPP11のタイミングで複数の方が取り上げております。現在我が党の衆議院議員でもあります和田政宗議員も平成三十年に扱っているというふうに考えております。 最終的には時間によって対象を失うものでもありますけれども、戦時加算の廃止や請求放棄に向けた努力の進捗がどのようになっているのか、最後に文化庁の政府参考人に伺いたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 戦時加算の対象となる著作物を国際的に網羅して把握することは困難であるため、正確な状況を示すデータは有しておりませんが、現在も対象となる著作物が存在することは承知をしております。 戦時加算は、サンフランシスコ平和条約に基づいて我が国に課せられている義務であり、戦時加算義務の法的な解消は同条約の権利義務の変更を要することから、同条約の権利義務を変更することは現実的に困難と承知をしております。 その上で、日本と関係国の政府との間で文書を交わし、戦時加算問題への対処のため、権利管理団体と権利者との間の対話を奨励すること、必要に応じてこれらの対話の進捗状況を把握したり、他の適切な措置を検討するため政府間で協議を行うことを確認をいたしました。政府としては、こうした経緯を踏まえ、権利管理団体等の民間主導の取組の進展を注視することが必要と考えております。 そのような民間主導の取組として、これまでのところ、具体的には、二〇〇七年に、著作権協会国際連合が同団体に加盟する海外の権利管理団体に対し、日本が保護期間を延長する場合に、会員である著作権者に対し、戦時加算の権利を行使しないよう働きかける旨の決議を行いました。この決議を受け、これまで、日本音楽著作権協会の働きかけ等を受け、十一か国十四団体から戦時加算を放棄することの同意を受けていると伺っております。こうした取組により、特に影響力のある米国の団体が戦時加算を放棄するなど、民間主導の取組は一定程度進展しているものと考えます。 政府としましては、必要に応じて相手国政府に対する働きかけを行うなど、こうした取組が更に進められるよう支援してまいりたいと考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 終戦から八十年たっても著作権という分野でもまだ戦後というものが続いておりますので、一つ一つ決着を付けて、我が国が新しいステージに進んでいくことが必要だと思います。 今回の質疑では、徴収、分配の観点から、また戦時加算の問題も取り上げさせていただきました。非常に、この法案が成立されて、この実演家たちにいろいろなもの、権利が有することを本当に期待しております。 本日はありがとうございました。 ─────────────
○委員長(熊谷裕人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山さつきさんが委員を辞任され、その補欠として滝波宏文さんが選任されました。 ─────────────
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 本法案は、著作権法の著作隣接権の中にレコード演奏・伝達権を新たに創設するものです。今でも作詞家、作曲家などの著作権者には演奏権があり、著作権料の徴収、支払というのはもう既に行われているわけですが、今回の改正案により、さらに、レコード製作者、実演家にもその権利を認めて、使用料の徴収、支払が始まることになるわけです。 一方、使用料の徴収対象となる店舗、事業者の団体側からは、制度自体は理解するものの、著作権はもう払っているよと言っている人たちに、いや、著作権ではなくて著作隣接権といって更に使用料を上乗せして取ることになりますよということを、個々のお店にこれをどうやって伝えていって納得してもらうかというのはもう我々も本当に頭を悩めているという声も聞いています。 また、実際の徴収業務を行うことになる指定団体など権利者側からしても、利用者である店舗、事業者の皆さんにすべからく制度を知ってもらって使用料を払ってもらうという作業というのは大変な作業になるということが想定されるわけで、だからこそ、やはりこれ団体任せにせずに、使用料徴収の対象となる多数の店舗、事業者に制度の意義を広く周知して理解と納得を得られるようにするというのは、文科省始めとする政府の責任だと思うわけです。 今日もるるその周知については議論されてきているわけですけれども、そして、大臣もこの間、文化庁のホームページ、SNSの活用ということもおっしゃられているわけですけど、もちろんそうしたホームページ、SNSの活用大事なんですけど、そもそもそういう業者や店舗、ふだん文化と全く関わりないような事業者の皆さんがわざわざ文化庁のホームページやSNSを見るのかというところでは疑問が残るわけで、そういう意味では、ふだんからそうした店舗、事業者と接点のある関係省庁との連携というのは、もう周知という点で本当に重要だと思うわけで、大臣、こうした関係省庁との連携、やるということなんですけど、具体的にどうするのか、通知を出すのかとか、若しくは関係省庁にもSNS等の拡散、ポスターの貼り出しなどお願いをするのか、そういった努力、あらゆる努力をすべきと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 御指摘のとおり、制度の趣旨、対象となる利用、実演家等への分配の仕組みなどについて、利用者を始めとする国民の皆様方に対して丁寧な周知が必要であると考えております。 本法律案をお認めいただいた暁にはなりますが、文化庁において、改正法の施行までの間に、関係省庁や、権利者、利用者の団体など関係団体に通知をするとともに、利用者を始めとする国民への周知、広報への協力を要請することを検討しているところであります。 幅広い関係者と連携しながら、レコード演奏・伝達権の趣旨などに関する周知啓発に努めてまいりたいと思いますし、各省庁を始め関係者の皆様方にも我々として御協力をお願いしてまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 通知も出されるということなんですけど、それを出して終わりということではなくて、確実にその関係の店舗、事業者に制度の内容や意義というものが伝わるよう、あらゆる手段使って丁寧に周知いただくように求めるものです。 その上で、もう一つ確認をしたいのが、今回創設されるレコード演奏・伝達権は、許諾権ではなくて報酬請求権だということなのですが、ということは、つまり、許諾権のように差止め請求までしてその利用料を払わせるという性格のものではないと、そういう違いがあるのではないかと思いますが、文化庁次長、どうですか。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 レコード演奏・伝達権は、条約や主要な諸外国においても報酬請求権とされていること、仮に許諾権とした場合に権利処理が複雑化し、かえって著作物の公衆への伝達を阻害するおそれがあることから、二次使用料請求権、報酬請求権としております。 二次使用料請求権は、権利者への許諾を要さず、差止め請求の対象にはならないといった点で許諾権とは異なる性質を持つ権利と言えます。その上で、この権利をどこまで行使するかについては、私人の有する権利であることを踏まえれば、権利者の判断に委ねられることが適当であると考えられており、具体的には指定団体の二次使用料規程において定められることとなります。 本法律案においては、二次使用料規程を策定する際に、指定団体は利用者と協議、調整しなければならない仕組みとしております。また、文化審議会の報告においても、小規模な事業者を含めた利用者の意見を丁寧に聞いてきめ細かくすることが期待されており、文化庁としても必要に応じて関係者間の調整に努めてまいります。
○吉良よし子君 許諾権と違う、報酬請求権だという御説明をいただきました。 その徴収料については、使用料についてはこれから協議だという御説明もあったわけですけれども、現場からは、もう自分の生活、お店が潰れないかどうかで四苦八苦しているところに更に使用料をいただきますというのはなかなかきついとか、少なくない店舗、事業者が物価高騰で店が潰れないかという状況にある中で更に負担をというのはなかなか厳しいという状況も聞こえてきています。 先日の委員会質疑の中でも、カウンター数席しかない数坪の小さい店と何十坪もある広々とした店で同じ額の使用料を払うことに納得できないという声があるということもお話もあったわけですけれども、当然、実演家やレコード製作者の権利認めてその正当な報酬を支払うということは必要ですけど、小規模な店舗や店舗を維持するので精いっぱいのような店から使用料をむしり取るというのとはやっぱり違うんじゃないかと思うわけで、その使用料の設定、徴収においてはその実態に見合ったものにするのは当然ですし、場合によっては、小規模な店舗、事業者については減額又は免除、不徴収という措置もあり得ると思いますが、そういうことでよろしいですか、次長、いかがでしょう。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 レコード演奏・伝達権に係る二次使用料の額等については、本法律案成立後、指定団体において具体的に検討し、利用者側との協議を経て確定をすることとなります。 その際、音楽利用の実態を踏まえることや利用者側の負担にも配慮することは重要であり、文化審議会の報告書におきましても、二次使用料については利用の態様や利用状況等を踏まえて検討をすること、社会経済状況の変化や各業界、業種の固有の状況、影響が大きいと考えられる小規模事業者が受ける負担に配慮をすること、面積や定員数等に応じて段階的に金額を設定するなど、事前に各業界、業種の関係者と十分に協議してきめ細かく検討をすること、規模等の特に小さい事業等に関しては事前に十分に協議を行った上で支払の免除や減額の措置を講じるように検討をすること、徴収開始時は徴収額を引き下げ、その後段階的に引き上げることや、徴収開始までに更に一定の猶予期間を設けること等の緩和措置を検討、実施することなどとされていることも踏まえる必要があると考えております。 指定団体において利用者側の意見を丁寧に聞いて協議、調整が行われるよう、文化庁においても必要に応じて関係者間の調整に努めるなど、適切に対応してまいります。
○吉良よし子君 免除も含めて検討していくというお話だったわけで、韓国などでは既にそういった免除する仕組みもあると聞いているわけで、本当に丁寧に免除、不徴収といった措置も場合によってはとるということもしていただくようにということは強く求めたいと思います。 とはいえ、先ほどから言っているとおり、実演家にとって今回の制度創設というのは対価還元が進むという点から大変意義深い制度なわけです。そもそもは現行著作権法制定時から条約にも明記をされていたものであったわけですけれども、それがなかなか実現に至らず、半世紀以上たってようやくこれが実現すると。そもそも、この音楽というのは、歌手や楽器演奏者など様々な実演家がいて初めて音楽として一般に届くわけで、そうした全ての実演家に対価が還元されるべきなのは当然だということは私からも言っておきたいと思います。 しかし、そもそも、これまで、この演奏権というのが認められてこなかったばかりか、映像等の二次使用料もほとんど認められず、だからほとんどの芸能実演家というのは、その他著作権料、著作隣接権等から報酬を得ていない実態があることも確かなわけです。 二〇二〇年の芸団協の実態調査によれば、そうした著作権等による報酬を全く得ていないという人が七八・七%、その報酬を得ている人についても、収入全体については一〇%以下となっているというのが最も多いという結果になっており、そうした対価が不当じゃないかと思ったとしても、よっぽど著名な実演家でない限り、その多くの実演家が立場が弱いわけで、その権利を求めたくても求められない、泣き寝入りするしかない状況がこの間ずっと続いてきていた、続いてきているわけなんです。 ですので、大臣、やっぱり今回の法改正を機に、政治の責任でこの実演家の権利というのを広く擁護して、その使用料が適切に支払われるように、実演家に泣き寝入りをさせないという支援をちゃんと強化をしていかなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 今、本法律案の意義については委員から御紹介をいただいたとおりでありまして、実演家などに適切な対価還元が期待される大変重要なものであります。そのためにも、本法律案をお認めいただいた暁には、円滑な施行に向けた準備を着実に進めてまいりたいと考えております。 また、アーティストや音楽関係者を含む実演家等の権利利益の擁護に向けましては、文化庁で令和四年に、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン、これを公表しておりまして、文化芸術関係者を対象とした研修会を通じた周知に努めているところでもあります。 今後も、実演家等が持続可能な形で活動を継続することができますように、活動基盤の強化、これにも取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 先ほど大臣から文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインについて御紹介がありましたけれども、実際、その二次使用料、二次利用に関しては、その利用について実際どうなっているかよく把握ができていないとか、二次利用が決まっていない段階でギャラが決まるので二次利用分をもらえない、また知らないうちに二次利用をされている場合が多いなどの声が芸能従事者労災センターが二〇二一年に行ったアンケートにも寄せられているとは聞いているわけで、やはりその二次利用についての契約ということがちゃんと事前にされているかどうかというのが大事で、そこで、ちょっと実態を確認しておきたいと思うんですけど、そうした先ほどのガイドライン等が策定された中で、書面での契約というのを進めようということが言われているはずなんですが、実際は現状どうなのか、書面での契約というのは進んでいるのでしょうか。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 文化庁では、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議での議論の参考とするため、現場における契約関係の実態を把握するため、令和四年二月に文化芸術活動における契約関係についてのアンケート調査結果を公表をしております。その調査では、文化芸術分野において個人で活動している芸術家等から二千六百三十三件の有効な回答を得ました。そのうち、契約書を書面で交わすことが四割程度以上あると回答した割合は約三六%でした。
○吉良よし子君 二〇二二年の時点のアンケートだということですけれども、その後そのガイドラインが策定されたわけですが、芸団協の二〇二五年の調査によりますと、仕事の依頼時に仕事内容や条件を知らされた方法、メール、SNSが七三・六%と最も多く、次いで、電話、口頭、六二・七%で、書面による依頼等が三〇・三%ということで、やっぱりまだいまだに文字に残らない電話や口頭での依頼というのが圧倒的多数、六割超えてあるという実態があり、文書による事前通知契約が増えたかどうかという問いには、変わらないという答えが八〇・三%にも上っていると。そういう調査もあるわけで、文書での適正な契約が進んでいるとはまだ言えないと思うわけで、大臣、改めてこの実演家等の二次利用の権利をちゃんと確保していくためにも、この書面での契約、大いに進めていくということを進めなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 今委員が御指摘をいただいたとおり、実演家等が持続可能な形で活動を継続できるよう、契約環境を改善し、その活動基盤を強化することは大変重要でありますし、また、契約内容の明確化のために契約の書面化の推進というものも我々といたしましてガイドラインで明記をさせていただいているところであります。令和四年度から毎年度、様々な関係者延べ四千人を対象した研修会を実施をいたしましてその周知に努めているところであります。 今後も、契約の書面化の推進を含めた実演家などの契約環境の改善について、これ関係省庁ともしっかりと連携をして着実に取り組んでまいりたい、そして進めてまいりたいと思います。
○吉良よし子君 是非大いに進めていただきたいと思います。 そしてもう一点、最後に確認しておきたいのが、その契約にとどまらないやっぱり制度の問題があるということですね。 映像作品に関して芸能実演家が二次利用料をもらえていない背景に、映画作品については、一旦実演家が自らの実演が映画の著作物に録音、録画されることを了解した場合は、原則としてその実演を映画として二次利用する際は改めて実演家の了解を得る必要がないという法的仕組みがあると。これが二次使用料の支払が適切に行われない実態につながっているんじゃないかと思うんですけれども、やはりこうした芸能実演家への権利実現、対価還元のためには、こうした映画作品の二次利用についての法制度、法の仕組みについてもやはり今後見直していかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、最後、大臣いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 映画などの実演を利用する場合、適正な対価が実演家に還元されることは将来にわたって良質な作品を継続して生み出す環境を維持する観点からも重要である、そのように考えております。 御指摘の映画につきましては、実演家の許諾を得て映画の著作物に録画されている俳優の演技などの映像の実演を放送したりするなど二次的に利用する場合には、実演家の許諾は不要とされているところであります。今御紹介いただいたとおりです。 これは、映画の著作物は、通常一つの著作物に多くの実演家による実演が含まれている場合が多いため、当該映画の著作物の二次利用について個々の実演家の許諾を不要とすることで映画の著作物の円滑な利用を図り、実演家は、最初の録画の際にその後の二次利用も含めて対価を得ることとしたものであります。 御指摘の点につきましては、まずは当事者である実演家団体と映画制作者団体等との間で協議が進められることが肝要であると考えておりまして、文部科学省としてもその状況を注視してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 この間申し上げているとおり、契約上非常に弱い立場にあるのが実演家ですので、そうした実演家の皆さんに確実に対価が支払われるようにするためにはそうした制度改正も必要だということを強く求めまして、質問を終わります。
○委員長(熊谷裕人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 著作権法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(熊谷裕人君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、古賀さんから発言を求められておりますので、これを許します。古賀千景さん。
○古賀千景君 私は、ただいま可決されました著作権法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、新たに二次使用料の支払が必要となる利用者が多数かつ幅広く存在することを踏まえ、本改正の趣旨や内容等について、幅広く丁寧な説明、周知を行うこと。 二、二次使用料の支払に関し、利用者を始めとする国民の幅広い理解を得ることができるよう、二次使用料の徴収額・分配額・管理経費・未分配額等の状況をできる限り詳細に公表するとともに、海外との収支の状況等の情報開示を行うなど、二次使用料の透明性の確保に努めること。 三、政府においては、二次使用料の徴収が適正かつ円滑に実施されるよう、関係者間の調整に努めること。特に、二次使用料の支払に係る利用者の事務負担を減らすとともに、二次使用料の徴収が「費用倒れ」となることを防ぐ観点から、指定団体と音楽著作権管理事業者の連携が十分に図られるよう、緊密な協力関係の構築に向けた指定団体の取組を後押しすること。 四、指定団体においては、二次使用料規程の作成等に当たって、権利者への適切な対価還元の実現を利用者の負担への配慮と両立させる観点から、幅広い利用者の意見に真摯に向き合うとともに、利用者代表との協議に丁寧に対応すること。また、文化庁長官による裁定が行われた場合は、政府は判断の根拠や過程を明らかにすること。 五、飲食・小売業等の小規模店舗や公益的な活動に取り組む文化芸術・スポーツ団体等の負担軽減を図るため、店舗面積や収容人数等に応じた低廉な料金設定や、支払の減額・免除、段階的な導入など、実効性のある緩和措置を講ずること。また、利用者の事務負担を最小限に抑えるため、デジタル技術を活用してワンストップで手続が完了する簡素なシステムを早急に実現すること。 六、学校教育や医療施設、高齢者・障がい者福祉施設等における日常的な音楽利用については、国民が文化芸術にアクセスできる機会が損なわれることのないよう、例外規定の適切な運用や減免措置の拡充等、現場の教育・医療・福祉活動の維持に向けた、きめ細やかな配慮を行うこと。 七、利用者が負担する使用料の公平性及び制度運用の透明性を確保する観点から、著作権法第三十八条における「非営利」「無料」「無報酬」の要件について、その解釈及び適用範囲の明確化を図るとともに、その内容の周知に努めること。 八、政府は、二次使用料の徴収・分配を担う指定団体に対し、若手や個人で活動する実演家を始め、全ての実演家等へ迅速かつ正確に対価が還元される持続可能で公平な仕組みを構築するよう指導・監督すること。特にAI楽曲識別技術の導入等によるDX化や、相談窓口の設置など体制整備を促すこと。 九、制度運用に当たっては、デジタル技術の活用により、利用実績に基づく正確かつ公平な分配の実現を図るとともに、権利情報の整備及び相互運用性の確保を推進し、徴収、管理及び分配の各過程における透明性の確保に努めること。また、指定団体における適正な運営が確保されるよう、政府は必要な指導・監督を行うこと。 十、実演家等が関わる音楽・放送番組等の分野での取引の一部について、優越的地位の濫用等の独占禁止法上の観点から問題となり得る行為が確認され、取引の適正化が求められていることを踏まえ、新設される権利による実演家等への対価還元の状況について、関係府省庁と連携しつつ、事後評価を実施すること。 十一、音楽界において個人事業主の音楽家が増加している現状に鑑み、新設される権利が不当に囲い込まれないよう、関係府省庁の連携によりフリーランスの保護や取引適正化に向けた支援・法執行体制を強化すること。 十二、実演家等が受け取る既存の使用料等が全体として減少傾向にある中、利用者が増加しているサブスクリプション型の音楽配信サービスについては、大手事業者ほど実演家等への対価が少ない傾向にあるなど、いわゆる「バリュー・ギャップ」等の課題が指摘されていることを踏まえ、DX時代に対応した音楽を始めとするコンテンツの権利保護と適切な対価還元方策について、引き続き検討すること。 十三、生成AIその他の新たな技術の進展及び国際的な動向を踏まえ、実演家及び権利者の利益保護とイノベーションの促進との調和を図る観点から、著作権制度及び著作隣接権制度の在り方について継続的に検討を行うこと。 十四、本改正が、実演家等の正当な権利保護と処遇改善に資するとともに、海外との相互管理を通じた日本の音楽コンテンツの国際展開やデジタル赤字の解消につながるよう、世界各国の著作隣接権管理団体とのネットワークを速やかに構築し、海外で発生した使用料を確実に日本へ還流させる仕組みを確立すること。また、我が国の音楽を始めとするコンテンツ分野の人材育成、製作、流通、海外展開の総合的な支援を一層強化することにより、次世代アーティストの国内外での活躍を強力に後押しし、日本のコンテンツ産業の興隆を図ること。 十五、本法施行後三年を目途として、その運用状況、実演家等への利益還元の状況、利用者負担の状況、海外との権利使用料の受払状況及びコンテンツ産業の発展への効果について検証を行い、その結果を公表するとともに、必要に応じて徴収・分配等に係る制度の見直しその他の措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(熊谷裕人君) ただいま古賀さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(熊谷裕人君) 全会一致と認めます。よって、古賀さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、松本文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松本文部科学大臣。
○国務大臣(松本洋平君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(熊谷裕人君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷裕人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十四分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #2965 観測 2026-07-08 23:10 JST改ざん検知用の値
ea6f7da8…8ed3b4(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #2971 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- 33d7364b…55d9f2
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。