令和八年四月十六日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月十三日 辞任 補欠選任 上野 通子君 松山 政司君 四月十四日 辞任 補欠選任 松山 政司君 上野 通子君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 熊谷 裕人君 理 事 赤松 健君 石井 浩郎君 古賀 千景君 伊藤 孝恵君 金子 道仁君 委 員 上野 通子君 清水 真人君 末松 信介君 鈴木 大地君 橋本 聖子君 宮本 和宏君 勝部 賢志君 斎藤 嘉隆君 水野 孝一君 下野 六太君 谷合 正明君 中条きよし君 後藤 翔太君 吉良よし子君 国務大臣 文部科学大臣 松本 洋平君 副大臣 文部科学副大臣 中村 裕之君 事務局側 常任委員会専門 員 北脇 達也君 政府参考人 内閣官房内閣審 議官 成松 英範君 こども家庭庁長 官官房審議官 竹林 悟史君 こども家庭庁長 官官房審議官 源河真規子君 文部科学省総合 教育政策局長 塩見みづ枝君 文部科学省初等 中等教育局長 望月 禎君 文部科学省高等 教育局長 合田 哲雄君 文部科学省高等 教育局私学部長 森友 浩史君 スポーツ庁次長 浅野 敦行君 文化庁次長 日向 信和君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査 (文教科学行政の基本施策に関する件) ─────────────
文教科学委員会
発言 244
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官成松英範さん外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷裕人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(熊谷裕人君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木大地君 おはようございます。自由民主党の鈴木大地でございます。 まず、本日は、辺野古沖の転覆事故に関してお伺いします。 四月二日の委員会でも本件を取り上げましたが、今般の同志社国際高校における研修旅行については、安全管理を始め多くの課題があったものと認識しております。亡くなった方もいらっしゃるわけですから、深刻に受け止めるべきだと思います。今般の事案を踏まえ、このような事故が二度と起こることのないよう、原因の徹底究明、そして全国の全ての学校への安全確保の徹底に取り組んでいく必要があると考えております。自由民主党としても、本件を重要な問題の一つと捉え、様々な議論、検討を重ねているところでございます。 その上で、本題に入ります。 前回の委員会では、問題点の一つとして、教育の中立性への疑念について述べさせていただきました。先週四月七日に出された文部科学省から全国の学校設置者に対する通知においては、校外学習における安全確保の徹底に加え、政治的中立や多様な視点の学びに留意するよう記載がされました。省内でも様々な議論があったかと思いますが、私としては極めて当然のことだと考えておりますし、今回の判断を評価したいというふうに思います。 当該高校の研修旅行のしおりには、過去、基地移設に反対する座込みへの参加を呼びかける文言があったとの報道もあります。もし政治活動へ参加させる意図があったとすれば、教育基本法が禁止している政治教育、政治的活動に該当するのではないかと強い懸念を覚えます。そして、一面的で偏った見解に基づく活動のみを体験させ、多様な意見、多角的な視点の学びが行われていなかったとすれば、生徒たちが主体的に考え、判断することを妨げてしまっているのではないかと危惧しております。 改めて、今回の通知の機会に政治的中立や多様な視点の学びへ留意するようにとの文言を盛り込まれた意図について、文部科学大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 高等学校に限らず、義務教育諸学校も含めまして、教育基本法第十四条第二項に基づきまして、特定の見方や考え方に偏った取扱いによりまして生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう、政治的中立性を確保した上で教育を行うこと、これが大変重要であるというふうに考えているところであります。 今回の事案につきましては、現在、所轄庁であります京都府を通じて事実関係を確認中でありますが、新年度の教育活動が本格化する前に、全国の学校に対しまして、安全管理の徹底とともに、改めて政治的中立性を確保するよう周知をしたところであります。 文部科学省としては、当面、本通知に基づく対応の徹底を図ってまいりたいと存じます。そして、今回の事案についての事実確認を現在進めているところでありますが、その結果を踏まえまして必要な対応を検討してまいりたい、そのように考えております。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 全国の教育委員会や学校など学校設置者におかれては、国公立、私立を問わず、改めてこの通知の内容を熟読していただきたいと思います。そして、安全管理の徹底はもちろんですし、この政治的中立や多様な視点の学びが欠けている教育内容があれば、この機会に是非とも改めていただきたいと思います。 次の質問に移ります。 次に、大臣所信でも述べていらっしゃいましたいじめの問題について伺います。 今年の年始には、SNSにおけるいじめ動画の拡散事案がございました。その際、教育委員会や学校に対して、まずは見過ごされている事案がないかどうか確認する、そういった指示がされたと承知しております。 学校が把握できていないいじめはもちろん減らす必要があります。その意味で、学校側の認知件数が増えてくるというのは大切なことかもしれません。しかし、こうした取組は、あくまでも対症療法にしかすぎないと思っております。視座を高くしてこの現状を見たときに、そもそもいじめそのものを減らさなければならない、そして、なくさなければならない、そのことを私たちは決して忘れてはならないと思っております。 そして、近年、特に大きな問題となっております子供たちの自殺や不登校、その原因の多くがいじめに起因することも私たちは改めて認識する必要があるかと思います。ここで、あえて多くと申し上げているのは、例えば自殺の場合、各省庁の調査では、明確にいじめが理由という件数はそれほど多くないわけでありますが、原因不詳という件数も相当数ありますし、調査結果に出てこないものが一定数あると推察されるからであります。 そこで、大臣にお伺いします。 これだけ多くの件数のいじめが起きているその根本的な要因、それは一つだけではないと思いますが、どのような要因があるとお考えでしょうか。この今後の教育政策全体を中長期的な視点で見たときに、その要因をどのように取り除いていくべきとお考えでしょうか。御見解をお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) まず冒頭、いじめは絶対に許されるものではないということをまず冒頭申し上げたいと思います。犯罪につながるものでもあります。是非、その点は是非、子供たちにもよく知っていただきたい、理解をしてもらいたい、そのように考えております。 その上で、児童生徒がいじめを行う原因でありますけれども、人の痛みを想像できないことや、異質な者への嫌悪感情、嫉妬感情やふざけ意識など、多様なものが考えられるところであります。こちらの方は生徒指導提要のところにも書かせていただいているところであります。 このため、文部科学省といたしましては、いじめ未然防止教育や人権教育、道徳教育など、学校の教育活動全体において、いじめが犯罪につながるものであり、決して許されないものであるという指導、児童生徒の自己理解や他者理解の促進、児童生徒の社会性や自己肯定感の育成、多様性に配慮した学校づくりなどを通じましていじめの未然防止に取り組むことが重要である、そのように考えているところであります。 あわせて、いじめへの対応に当たりましては、組織的な対応を行うことや、保護者と連携を図ることが重要であります。特に、加害児童生徒が様々な背景を有する場合には、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家とも連携した適切な支援を行うことも必要であると考えております。 文部科学省としては、こうした内容について、いじめ防止等のための基本的な方針や生徒指導提要などにおいて示すとともに、いじめの理解を促す動画教材や指導のポイントなどを作成、公表しているところであります。 繰り返しとなりますが、いじめは犯罪にもつながるものであり、絶対に許されるものではありません。このことについて、児童生徒、学校や教育委員会等と共通認識を図るとともに、いじめの未然防止に向けた取組の推進に全力を尽くしてまいります。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 加害者側が抱える何らかのストレスとか排除意識、そして妬みなど、幾つかの要因を列挙いただいたわけでございますが、この対応策のですね、ついても御説明をいただきました。 是非、このいじめや暴力を減らしていくということに取り組んでいただきたいと思いますし、私も長年教育に携わってきた者として、この問題に粘り強く向き合っていきたいというふうに思っております。 このいじめですけれども、最近、具体的に、SNSにおけるいじめの動画拡散、投稿について更にお聞きしたいと思います。 この暴力行為というのは、いかなる理由があっても言語道断であります。栃木県や大分県においてこの事案があります。都道府県の教育長に対し、学校で見過ごされている暴力行為やいじめがないかの緊急点検、そして警察との連携、そして情報モラル教育の強化などを要請する緊急会議が開催されたとも聞いております。 まずは、学校や教育委員会がこのいじめをサーチし、発見したなら認知して、決してこの隠蔽をしないということをまず徹底してもらいたいと思いますし、そして、この詳細を調査後、加害側、被害側双方に対する的確な対応、特に警察との連携も含めた加害側に対する毅然とした対応を行うことが重要かと思っております。 加えて、今起きているいじめの事案の一部は、インターネット上のいじめ、いわゆるネットいじめ、こういったものを含む、SNSが関わることで複雑化しているかと思います。 このインターネットやSNSも関連するこうしたいじめの現状に対して、今後、具体的な対策について政府参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 御指摘のとおり、一月末に、本年年明け以後の暴力行為等の動画の拡散を受けまして、全国の教育委員会、学校法人等、都道府県を通じまして通知を発出いたしまして、改めまして、いじめあるいは暴力行為等から被害者を守ること、そして加害者に対しては毅然とした対応をすることなどについて点検と確認、あるいは見過ごされているいじめがないかどうかという観点からのチェックをお願いしたところでございます。また、いじめはもとより許されるものではないということを改めて徹底をしたところでございます。 今、鈴木委員からもありましたように、子供たちが安心して学校生活を送ることができるということは、当然、学校生活の基本中の基本でございます。児童生徒が声を上げられることができる環境の整備を進めるとともに、それを、今ほど大臣からも申し上げましたけれども、複数の教職員が組織的に対応することや、保護者ともしっかり連携を取りながら対応していく必要があると考えてございます。 その上で、被害児童生徒の安全確保を最優先に心身のケアを実施すること、加害生徒に対しては学校教育法に基づく懲戒や出席停止等の措置をとることや、あるいは暴力行為やいじめは犯罪にもつながるものであるということもございますので、そうした事案については、日頃からの連携が大事ですけれども、警察等関係機関とも連携を取ることの改めて大事さも申し上げてございます。 ネットいじめに関して御指摘ございました。 これは、文部科学省だけで学校を離れた場所でのいじめというものについて対応が完結できるものではございません。関係省庁とも連携の上で、インターネットの適切な利用に関する教育、啓発、学校教育活動の情報活用基盤の整備の中においても取り上げるとともに、各省とも学校が連携をして、済みません、学校が法務局や警察等の関係機関とも速やかに連携が取れるよう、関係省庁とも我々としても連携をして、相談窓口等の周知を行っているところでございます。 引き続き、ネットいじめを含みますいじめの防止、暴力行為の防止について対応をしてまいります。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 このいじめや暴力は絶対にいけないというこの教育の徹底に加えて、今ちょっと言及いただきましたけれど、この警察との連携ですね、しっかりと毅然とした対応を警察と取っていく、こういうことが、社会、そして子供たちに見せていくことで抑止力にこれがつながっていくんではないかというふうに考えておりますので、是非お願いしたいと思いますし、この文部科学省のリーダーシップを期待したいというふうに思います。 次に、ちょっと話題を変えますけれども、我が国の学校教育における水泳授業の在り方についてお伺いをいたします。 日本の学校におけますこの水泳の授業でございますが、これは単なる体育の一単元ではなくて、国民の命を守るという観点から重要な教育施策として位置付けられてきたという歴史的事実がございます。戦前、日本水泳連盟の前身であります日本水上競技連盟が掲げた国民皆泳という理念がございます、これはみんな泳ぐという意味ですけれども。この国民皆泳の理念には、水難事故から国民を救い、健康を増進するという極めて崇高な目的がございました。 昭和十三年には、このラジオ体操の水泳版とも言える国民皆泳の日が全国で一斉に開催をされまして、川や海、湖で子供たちが一斉に泳ぎました。全国津々浦々で夏季になれば水に親しみ、泳ぐ力を身に付けるといった流れができたわけでございます。この歩みは、皮肉にも悲劇によって加速されることになります。 昭和三十年五月、宇高連絡船紫雲丸の沈没事故で修学旅行中の児童が百六十八名犠牲となりました。その僅か二か月後には、三重県の方の橋北中学校というところで水泳訓練中に女子生徒が三十六名溺死するという、痛ましくも凄惨な水難事故が相次いで起こったわけであります。当時の松村謙三文部大臣が二度とこのような惨事を繰り返さないということを誓いまして、それを一つの契機として、我が国では学校プールの設置が国家施策として強力に推進されたわけであります。この世界に類を見ない充実した水泳教育環境は、先人たちのこの血のにじむような努力と、子供たちの命を守り抜くんだというこの国家の執念が生み出した財産であります。 大臣、まずこの基本認識を伺います。 命を守るスポーツとしてのこの学校水泳の歴史的重みをどのように受け止められておられるか。近年、施設の取壊しとか老朽化、あるいは教員の負担増を理由に、学校体育における水泳実技を縮小する、あるいは断念する動きというものがあります。あるいはこの地域格差によって不公平な事実がございます。文部科学省としてこの水泳授業の意義をどのように考えられておられますでしょうか。御見解をお伺いします。
○国務大臣(松本洋平君) 学校における水泳授業でありますけれども、水泳を通じて児童生徒の心身の健全な成長に資するだけではなくて、水に親しむ楽しさや喜びを味わう、また泳法などを身に付けるとともに、水難事故から身を守るための力を育てることにもつながるものであると考えております。特に日本におきましては、美しい海や河川、湖に恵まれているところでもありまして、我が国の子供たちにとって重要な教育的な意義がある、そのように考えているところであります。 一方で、御指摘のように昨今、学校プールの老朽化や暑さの影響などによって適切な活動場所の確保が困難である際には、やむを得ず実技の実施を見送っている場合もある、そのように承知をしているところであります。 こうした課題への対応といたしまして、例えば、プールの集約化や社会体育施設との複合化を計画的に進めているケース、また公営、民営の屋内プールを授業に活用しているケースもあるというふうに承知をしております。このような事例も参考といたしまして、今年二月、持続可能な水泳授業の実施に向けた対応の参考資料を作成をいたしまして、全国の教育委員会などに周知をしたところであります。 文部科学省としては、引き続き、子供たちの大切な学習機会の確保に向けて、各地域の実情に応じた持続可能な水泳授業の実施のための取組、これを推進してまいりたい、そのように考えております。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 大臣との間で、今、水泳のこのスキルを子供たちが身に付けることの重要性、つまり学校授業におけるこの水泳実技の実施が不可欠であるということを、この認識を共有できたこと、大変意義があるというふうに考えております。 次に、この水泳の授業の実態について御質問をさせていただきたいと思います。 この昭和三十六年のスポーツ振興法制定により、国が学校プールの建設費に補助金を出すなどしまして、全国各地に屋外プールが設置されるようになってきました。 スポーツ庁の体育・スポーツ施設現況調査報告によれば、昭和三十八年にはこのプールが僅か一二%、設置率が一二%だったそうですけれども、平成三十年には小学校で九四%、中学校で七三%に達したわけでございますが、令和三年になりますと同設置率が少し下がってきまして、小学校で八七%、中学校で六五%と減少傾向になってきております。 一方、この水難事故による死者、行方不明者の数というのは、昭和五十年に三千名を超えていたわけでございますが、令和六年には八百十六名まで減少していますので、プールの設置件数の増加とともに、死者、行方不明者が逆比例といいますか、反比例して減ってきているとも言えます。とはいえ、まだまだ多くの事故が起こっており、取組は道半ばであると考えております。 こうした歴史的な背景がある一方で、近年、この学校現場における水泳授業を取り巻く環境は厳しさを増しています。設置から五十年が経過し、プール施設の取壊しや老朽化も問題となってきておりますし、水量や水質の管理を始めとしたこの教員の負担増、さらにはこの猛暑による安全確保の問題を理由に学校体育における水泳実技を縮小、断念する動きが見られます。 この学校プールの減少といった課題の解決策として現在急速に進んでいるのが、先ほど言っていただきました、スイミングクラブへの民間委託でございます。この民間委託自体は、専門的指導で技能習得のノウハウを持った指導者からの指導を生徒たちが受けることができ、かつ屋内温水プールを活用するということで、季節、天候を問わず授業が実施される、できるという利点があります。 ここで、この南北に広い国土を持ちます我が国の水泳授業の実態について詳細に調査をする必要があると考えます。現在、全国でどの程度の割合で学校において水泳授業が実施されているのか、どの程度外部委託されている授業をやっているのか、授業が実施されていない地域では何が課題となっているのか、また施設や天候の都合で、先ほど言われましたこの座学のみと、それで済まされている学校がどれほど存在するのか、こうした地域それぞれが持つ特有の課題に早急に、かつ詳細な実態把握が必要と考えますが、政府参考人にこの件、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 水泳授業の実態につきましては、これまでスポーツ庁が実施してまいりました全国体力・運動能力、運動習慣等調査により、授業の実施場所等の把握を行ってきたところでございます。 令和六年度で申し上げますと、小学校におきましては、自校のプールで実施すると回答があったものが約八割ぐらい、自校以外のプールで実施するといった回答が二割という形でございました。それに対して、中学校の場合は、自校のプールで実施するというのが六割ぐらい、それから自校のプール以外で実施するというのが一五%ぐらいということで、あと残りの二三%はその他ということで、恐らくこれが委員御指摘の座学等が含まれているというふうに思われます。 そういった形で、昨今、各地におきましてプールの老朽化や暑熱等への対策が取られている中で、委員御指摘のとおり、民間事業者との連携の状況や実技実施に対する具体的な課題等について、より実態を把握することが必要と考えております。 スポーツ庁におきましては、各教育委員会等と連携を図りながら、水泳授業に関して、実施場所、実施時期、指導体制などを含めた実態及び課題の把握に努め、各地における具体的な課題などを踏まえた上で必要な対応を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 既にこの実態把握に向けて動いておられるということが確認できまして、大変安心いたしました。ただし、これ、表向きのきれいな回答ではなく、学校が直面している課題、先生方が実際に悩まれているような実態を正確に把握できることを強く望みたいと思います。 次に、今お話もありましたけど、この水泳授業の民間委託について伺います。 先ほど、今、小学校で二〇%ですか、中学校で一五%ぐらいの学校以外のところでの水泳授業が行われているという話もございましたが、当初、このスイミングクラブが学校の授業を受託するということで、生徒の水泳技能の向上とともに、スイミングクラブ側も営業面での利点もあったわけでございます。 地域によっては、自治体、教育委員会、学校からの依頼が実は多過ぎて、今、スイミングクラブの社員の労務負担増ですとか、施設のキャパシティーオーバー、そういったことが起こりまして、この学校からの依頼をお断りしなきゃいけない、そういうケースも出てきたわけでございます。その場合、その地区の学校の水泳授業はどうなるのでしょうか。座学になるのか、逆にその学校の授業を受託したいという、そういうスイミングクラブもあるわけでして、そうすると、委託価格のゆがみといいますか、いわゆるダンピング、ダンピング受託というのが起こらないとも限らないということでございます。 一部自治体では、この予算削減の圧力を受けまして、受託者側が原価を割り込むような低価格で引き受けているという例があると聞いております。その場合、この必要な人員配置をできないということになりまして、経験の浅いインストラクターが指導にも関わらざるを得ない、そういう状況も生まれてくるわけですが、そうなると指導の安全とかこの質の担保、これができないというようなことが出てくるわけでございます。 子供の命を預かる現場で安かろう悪かろうは絶対に許されないわけでございます。適切な指導資格を持つこの人員が安全な比率で配置されるためには、これ相応のやっぱりコストが掛かってきます。行政側が必要なこの予算を確保し、適正な委託価格となるように監視し、質の高い安全水泳が担保されるよう、ガイドライン若しくはこのポイントをまとめて周知していただけないかということなんですが、スポーツ庁の見解を伺います。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 学校における水泳授業は、水の中という特殊な環境において様々な動きや運動を経験し、水に親しむ楽しさ、喜びを味わうことができるものですが、一方で、その活動環境の特性から子供たちの命に関わる状況が発生することもあり得る活動であり、その指導に当たっては、委員御指摘のとおり、安全面の対応について万全を期すことが不可欠の前提と考えております。 スポーツ庁におきましては、先ほど御答弁申し上げましたが、各地における水泳授業の実施状況の把握により努め、それぞれの地域の実情に応じた安全で安心できる質の高い授業が実施されるよう、民間事業者等との連携の在り方の視点も含めて必要な情報を整理、提供し、適切な対応を促してまいりたいと考えております。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 基本的なことですが、皆さんとコミュニケーションを図りながらしっかりと進めていただきたいと思います。 ちょっと時間が来ていますけれども、プールの施設について伺いたいと思います。 今、一校で一プール、こういう維持がだんだん困難になってきたと、そういう時代だと把握しております。私たちもこのスポーツの水泳場、水泳プールのインフラの在り方を根本から考えなくてはなりません。学校単位で屋外プールを維持するのではなく、民間スイミングクラブに依頼し使用させてもらう。地域に民間施設がない場合は、地域に一つ、高機能な公営屋内温水プールの整備が必要となってきます。学校の授業やスイミングクラブ、そして市民の健康増進拠点を統合した多目的シェアリングへの転換です。こうした施設整備には多額の費用が掛かり、地方自治体間で格差が生まれてくる。子供が泳げるかどうか、この格差に直結していると考えています。民間施設がない中山間地域では、財政力の弱い自治体を見捨ててはならないというふうに思います。 既存プールの解体、維持だけではなく、こうした地域型のハブ型プール、この設置に対するこれまでにない次元の財政支援が必要になってくるかと思いますが、この予算確保が今後重要になってくると思いますが、文部科学大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 公営の屋内プールを整備するということは大変大事なことだと思っておりますし、実際、全国各地から屋内プールを含むスポーツ施設整備に対するニーズは急速に高まっている、そのように認識をしているところであります。 このため、スポーツ庁におきましては、地方公共団体におけるプールを含む社会体育施設の整備に対しまして、学校施設環境改善交付金などにより支援を行ってきているところであります。さらに、令和七年四月からは、社会体育施設等、学校プール等の他の公共施設との複合化、集約化を行う事業に対しまして補助率を三分の一から二分の一に引き上げる措置、これを講じてきたところであります。 引き続き、必要な予算の確保に向けて取り組んでまいります。
○鈴木大地君 ありがとうございました。これで私の質問を終わります。
○斎藤嘉隆君 立憲民主党の斎藤です。今日もよろしくお願いをいたします。 私、奨学金事業について、ずっとこの委員会でもいろいろやり取りをしてきて、政府もJASSOもいろいろ努力をしていただいていると、そのように思います。なかなか導入されなかった給付型奨学金も、先進国では多分最終便ぐらいで何とか、中身はですね、ちょっと対象は一部ですけれど導入をされて、そこは認めたいというふうに思いますけれども、まだまだ制度改革をして、見直しをしていかなければいけない内容が多くあるというふうに思っているんですね。 この奨学金についてお伺いをしたいと思いますけれど、第一種のいわゆる無利子奨学金、それから第二種の有利子奨学金、それぞれ今年度の貸与金額見込みというのはどれぐらいでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 日本学生支援機構の貸与型奨学金についてでありますが、基準を満たす希望者全員に貸与することができるように予算措置を講じているところであります。 お尋ねの令和八年度の貸与金額についてでありますが、無利子の第一種奨学金におきましては約四十八万人に対しまして二千五百九十九億円を、有利子の第二種奨学金においては約六十八万人に対しまして六千三百十六億円、これを見込んでいるところであります。
○斎藤嘉隆君 すごく基本的なことをお伺いしますが、第二種の有利子奨学金、この適用利率は、これはいつ決まるんでしょうか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 日本学生支援機構の有利子奨学金の利率につきましては、学生が利率固定方式と利率見直し方式のいずれかを選択する仕組みになってございます。 なお、学生は貸与開始時にいずれかの方式を選択することになっておりますが、貸与終了年度の一定期間までは算定方式を変更することが可能であり、学生は直近の金利の動向等を踏まえて選択し直すことができる仕組みになってございます。 いずれの方式にいたしましても、適用される利率は貸与終了時、一般的には卒業時ということになってございます。
○斎藤嘉隆君 卒業時の利息が、利率が適用されるということなんですけれど、じゃ、第二種奨学金を利用した今年三月卒業の学生たちに適用される固定型の利息というのは、水準はどれぐらいでしょうか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 お尋ねのございました、本年三月に大学等を卒業したことにより、日本学生支援機構の有利子奨学金の貸与を終了された方に適用される利率固定方式の返還利率は二・四二三%となってございます。
○斎藤嘉隆君 今年卒業した子たちの固定型の利息というのは二・四二三%なんですね。まあ上限三%ですから、かなり近づいてきているんですけど。 じゃ、この子たちが四年間貸与を受けたとして、入学をしたときですね、例えば、これはそうなると、二二年四月になるんですかね、このときのこの基本利率というのを見ますと、ちょっと資料を用意をしたんですけど、〇・三六九%なんです。奨学金を受け始めたときの利息が〇・三六九%で、実際に奨学金を受けて卒業した、これから返済をする、しようというその段階で、本当の意味で適用されてくる利息というのが二・四二三%なんですね。 これちょっとお聞きしますけど、貸与奨学金って、利用するかどうか、一番最初に本人がそういうことを考える、模索をする時期というのは一体いつなんですか、これ。
○政府参考人(合田哲雄君) お尋ねは、そのどちらの方式を選択するか……(発言する者あり)あっ、失礼いたしました。お答え申し上げます。 これにつきましては二通りございまして、入学前に、採用予約制度ということで、高等学校在籍の段階で申請をし、それから予約採用ということになるパターンと、それから、入学した後、申請し、採用されるパターンとございます。それは区々によって異なるわけでございますが、多くはこの二つの中で学生が自らの学習計画に基づいて判断しておられるというふうに存じております。
○斎藤嘉隆君 まあいろんなパターンがあるんですけど、例えば、高校三年生の六月とか七月に貸与を受けようということを決めて、いろんな手続があって、最終的に手続をするのは例えば入学後とかですね、大学に、内定を受けてですね、そういうパターンが一般的かなというふうに思うんですけど、であれば、これ高校生のときに利用を決めるこの教育ローンですよ、いわゆる、このローンの金利が卒業時、大学卒業時に決まるんです。利用開始時点では何%の金利が適用されるのかって全く分かんないんですね、分からない。一般的に、お金を借りるときに利息、利率が幾らか分かんないのにお金借りる人なんか世の中にいますか、こんな人。これ、やっぱりおかしいんではないかなと思います。 借りる前ではなくて、借り終わった後に利率が決まっていく、こういうことだと思うんですね、こういう理解でいいですよね。こういうことだと思うんですけど、これ、やっぱりちょっとどう考えてもおかしくて、今申し上げたように、例えば、入学のときは〇・三%ぐらいだったのが、じゃ、〇・三%ぐらいだったらこれぐらいの金額を借りようと、卒業後これぐらいの返済だからって、ある程度見込みを持ってですね、卒業のときにそれが二・四%に跳ね上がっている。これはやっぱりちょっと理解に苦しむんですよ、制度として。なぜこんな制度になっているんですか。
○国務大臣(松本洋平君) まず、一般的に借入金でありますけれども、返還期間が長いほど金利が高くなるという傾向がございます。一方で、入学時ではなくて卒業時に返還利率を決定するという現在の仕組みでありますが、この性質を踏まえまして、奨学生の返還期間をできる限り短くすることで利子負担を軽減するということを狙いの一つとしているところであります。 仮に、入学時に利率を決定するとした場合、在学期間が返還期間に通算をされてしまいますので、財政融資資金から奨学金の原資を調達するに当たって、日本学生支援機構が支払う利息が上昇をいたします。奨学生の利子負担も増加することとなることなどから、御指摘の手法は採用していないということであります。 現在の仕組みにおきましては、在学中の貸与に必要な資金は、民間金融機関から三か月単位という短期で低利な借入金などに調達をした上で、その在学中の利子は奨学生には負担をさせず、貸与を終了する卒業時をもって、長期的安定性を有し、同じ返還期間であれば民間金融機関よりも低利であります財政融資資金に切り替えるという手法を採用しているところであります。 これによって、奨学生の返還に係る利率を卒業時の利率とすることによって奨学生の利子負担の軽減を図っているというのが今の制度の考え方であります。
○斎藤嘉隆君 在学中、貸与を受けている期間の利子負担を軽減をするというか、そこをゼロにして、お金は借りているので、少しずつ、その分の利息は取らない、その代わりに、最後に卒業時の利率を適用すると。それは貸す側の都合であって、これ、改めて申し上げますけど、卒業時の方が金利が上がるとは限らないんですね。上昇局面もあれば、下降局面もあるわけです。学生にとって得もあれば損もあるんで、どちらがいいって一概には言えないんですけど。でも、例えば在学中の四年間の平均的な金利を適用するとか、例えば、そういう工夫ってできないんですかね。もう余りにも激変だから、今この金利の上昇局面で余りにも大きく変動があるもんだから、やっぱり戸惑う学生も非常に多いと聞いているんですね。何か工夫はできるんではないか。特に今私申し上げたように、四年間の平均的な貸出しの金利、利率を適用するなどの、それをどこか、卒業時にそれを示すとか、そういう工夫ってできないんですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 今先生からお話がございましたように、この金利の決定時期を入学時にいたしますことは、金利上昇局面と金利下降局面で全く逆の効果が学生にとっては生まれるということがございます。 私ども、これは私ども貸す側の事情だとお叱りを賜るかもしれませんが、日本学生支援機構の有利子奨学金では、奨学生が機構、学生支援機構に返還する利率と機構が財政投融資に国に返還する際の利息が同額となるように利率を設定することとしているところでございます。 特に、私ども、学生である四年間に利率を発生させないということは、それは国費によりまして利子補給をしているということでございます。この奨学金の枠組みをどのような形でどのように投入するかという観点から私ども考えさせていただいて、今の構造になっているということでございます。
○斎藤嘉隆君 まあ、そもそも無利子で四十八万人に貸与するわけですよ。で、六十八万人に、先ほどの大臣のお話によれば、有利子で貸与をするということで、有利子奨学金そのものをどうしていくかという根本的な議論にもこれつながるというふうに思うんですね。これ余りにも、やっぱり一般的には多くの皆さんが聞いていただければ理解しかねる、そんな状況ではないかなというふうに思うので、これ引き続きちょっといろいろ、どんな工夫ができるのか、先ほど局長おっしゃったように、上昇局面もあれば下降局面もあるんで得もあれば損もありますから、その上で平均的にどのような利率を適用するかというのは、これはやっぱり検討の余地が私はあると思うんですね。 今までお話ししたのは固定金利型の話です。先ほどあったように、卒業時等に固定型かあるいは見直し型か、どちらかを選択することもできます。一般的には固定型を選ぶケースが多いというふうに聞いているんですけど、これ、利率を見直すような場合、卒業したときに適用される利率、今、一・幾つですかね、が見直し、見直し型なんでどこかで見直されますよね、見直されるタイミングはいつでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) お尋ねの利率見直し方式の見直し時期についてでありますけれども、日本学生支援機構が有利子奨学金の財源として借り入れております財政融資資金の利率が五年ごとに見直しをされることとなっております。 これから、学生の返還に係る利率についても、貸与を終了した翌月から起算して五年ごとに見直しが行われるというふうになっております。
○斎藤嘉隆君 じゃ、今年卒業した、ちょっと比較が正しいかどうかはともかくとして、今年卒業をした、二六年三月に卒業をした子たちの利率、適用される利率がありますね。 それで、じゃ、五年前ですね、五年前の、じゃ、利率をどうであったかというのをちょっと調べると、これもちょっと資料にお示しをしたんですけど、二〇二一年三月、五年前ですね、このときの変動型の利息というのは、〇・〇〇四%ですね。それが、今年の卒業生、二〇二六年三月のこの変動型の利率というのを見ると、一・六%なんですね。五年で見直し、五年前に卒業した子たちは〇・〇〇四%で返済をしているんですよ。これが、五年後の今年、五年後の今年、一・六%に、四百倍に跳ね上がるんですね、跳ね上がるんです。そして、月々の返還金が変わってくるんですね。 これ、どうですか。幾ら何でも激変過ぎて問題だというふうには思われませんか。
○政府参考人(合田哲雄君) 今お話がございました変動の場合の五年後の見直しによりまして金利が上昇するということでございますが、私ども、こういう枠組みを活用して、より多くの学生の皆さんを支援するということを取り組ませてございますけれども、私どもとしては、学生の利子負担の軽減というものは大事だというふうに思っておりまして、現在、先ほど来申し上げておりますように、在学中の利子は国が負担をしていると同時に、返還利率が三%を超えた場合の利子は国が負担をするということで、利払いが過重とならないような仕組みとしているところでございまして、私どもとしては、この奨学金制度、多くの方にお借りいただく、かつてお借りいただいた方々にお返しをいただく、その循環で回っていくという仕組みをやはり維持していく必要があると考えてございます。
○斎藤嘉隆君 いや、そういうことではなくて、適用されている利率が五年たったら四百倍になる、いきなり。こんなのはやっぱり一般的には、通常では考えられないことなので、こういった場合に関してだけで結構なんですけど、何らかの緩和措置を講じる、こういう工夫の余地というのは、これやっぱり政府側にあるんじゃないでしょうか。 このことによって、月々の返済が数千円単位だと思います、数千円単位だと思いますけれど、がんと上がって、今の若い皆さん、本当に、賃金多少上昇の局面ではあるとはいえ、手取り二十数万円というそういった中で、返済額が三千円、四千円、ぼんと上がる、毎月の、毎月のですよ、月々。これ、本当に影響が大きいと思うんですね。 こういう変動利率の適用の激変の場合の緩和措置、こういったことについても検討すべきではないでしょうか。ちょっと、具体的にいかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 金利負担の軽減という観点からは、今お話がございました、実際に若い世代におかれては一定の負担があるということは事実かと存じております。 私どもとしては、従来より、減額返還制度の拡充、それから返還猶予制度を位置付けて御活用いただくということ、それから企業による代理返還の促進、それから別途給付型奨学金による支援の拡充など取り組ませていただいているところでございまして、特に、私どもは引き続きこの減額返還制度、あるいは返還猶予制度の活用ということをしっかりとお伝えをし、御活用いただくように取り組んでまいりたいと存じております。
○斎藤嘉隆君 今申し上げた問題点って、もうごくごく一部だと思うんですけど、いろいろこれ制度見直しを、借りる側、奨学生の側に立って、具体的にやっぱり検討していくという姿勢が私大切だというふうに思います。若い皆さんが本当に、中にはもう結婚して子供を持つことの妨げになっていると、この奨学金の返還が。こういうのって本当に一般的に言われていますよね。そんなことでは駄目だと思うんですよ。 だから、本来は、やっぱり基本的には給付型を中心に、そして、少なくとも無利子を中心に制度をもう段階的に変換をしていく、今その途上にあると私は認識をしていますけれども、そういったことを、そういうことにこそ、私はこの貴重な国の財源を使っていくべきではないかなと。もちろん、大学に通う子たちは一部であって、そんなのはやっぱりおかしいでしょうと、公平性に欠けるでしょうという、そういう指摘があるのもこれは事実だというふうに思いますけれども、やっぱり学生たちというのは、その後社会に出て、納税も含めて一定程度の役割を果たしていくというふうに思うんですね。だから高等教育があるんだというふうにも思いますので、そのことを是非検討していただきたいと思います。 私、先般の高市総理への代表質問でも、奨学金返還分の一部をですね、一部ですよ、所得控除をする、こういう制度についても検討すべきではないかということを総理に申し上げました。総理は何とおっしゃったかというと、そんなことをやったら必要のない奨学金を借りるモラルハザードが起きると、そういう答弁があったんですね。もう僕は本当に耳を疑ったんです。今私が申し上げたようなこの返還利率の問題ですとか、こういう状況を把握してなお、借りなくてもよい奨学金を借りる、今二・数%という利息を払っているんですよ、そんなケースがあり得ますか、今。私はそんなケースはあり得ないというふうに思っています。 SNS上でも、私めちゃめちゃこのことについて批判を受けました。本当にモラルハザードが起きるから、そんなの、周りで自分の友達でも奨学金を借りなくてもいいのに借りてそれを運用に回している友達が大勢いるとかいって、そういう指摘もいただいたんですけど、それは事実なのかもしれないけど、大勢はいるとは思わない。大勢はいるとは思わないし、これ総理の御発言ですよ。文科省が作ったんですよね、これ、答弁。何か根拠があるんですか、これ。
○政府参考人(合田哲雄君) これは松本大臣からも何度か御説明申し上げておりますように、今回、御指摘を申し上げたようなその事態というものが頻発するということは全く想定するものではございません。ただ、私ども、制度設計に当たりましては検討課題の一つとして申し上げたところでございます。 根拠ということにつきましては、私ども、具体的に申し上げるというよりも、先ほど先生からもお話がございましたように、一部において奨学金本来の趣旨と異なる目的で奨学金の貸与を受けることを勧める情報がSNSなどで発信されておりまして、こういったことからも、まれなケースではございますが、制度設計に当たっては一つの考慮要素として考えていく必要はあるかというふうに存じております。
○斎藤嘉隆君 四年間で四百八十万円の奨学金を利用して二十年で返済をする場合、例えば今二・五%の利息、利率が適用されると、四百八十万円を借りて総返済額は六百十六万円なんですね。こういう状況なんですよ、今。こういう状況であるにもかかわらず、そのお金を必要のない方が借りて、その四百八十万円を、四百八十万円といっても月々十万円ですからね。それを四年間借りて、それを運用に回していく。 で、私が申し上げたのは、所得から控除したらどうかというのは、返済の六百数十万円全部控除してくれと言っているわけじゃないんです。その一部なんですよ。一部でも検討したらどうかということを言っていて、であれば、そんなの、そのために借りなくてもいいお金を借りて、将来的な所得控除できるからという理由でそんなことをする学生が私はいるとは思えない。いないです、正直言って。いないと思います。 こういったことも含めて、いろいろこれ、学生の置かれた環境とか思いを全く理解しない私は答弁だったともう言わざるを得ないんです。学生やこれから大学を目指す若い皆さんにとっても、本当に失礼ではないかなというふうにも思います。是非、こういう考え方を文科省さんがもし持っているとするならば、是非修正をしていただきたいなというふうに思います。 そもそも、現政権発足後、積極財政による財政リスクからこの金利上昇に拍車が掛かっているわけですよ、今。奨学金の金利はこれに当然ですけど連動しているわけで、このことによって返済に苦しむ若者がこれからますます増えていく、こういう局面にあるというふうに思います。 例えば今申し上げたような、利息をどの時点のものを適用するかとか、あるいは返還金の一部控除とか、いろんな工夫はこれやっぱり政府側が積極的に行っていくべきだと思いますので、このことを強く申し上げておきたいというふうに思います。 ちょっと次のことも、どうしても聞きたいことがあるので、お伺いをしたいと思います。話、全然変わります。教育実習についてお伺いをします。 中教審の教員養成部会のワーキンググループで、今後の教職課程ですとか教員免許制度の在り方についての中間まとめというのが出されています。この中で、教育実習の在り方についても様々な議論がなされていることが分かります。 そもそも、この教育実習というのは、その目的は一体何なんでしょうか。
○政府参考人(望月禎君) 教育実習につきましては、一定の実践的指導力を有する指導教員の下で体験を積み、学校教育の実際を体験的、総合的に理解し、教育実践並びに教育実践研究の基礎的な能力と態度を身に付けることを目的としているものでございます。
○斎藤嘉隆君 教員免許を取得するために、これ必要不可欠ないわゆる事業ですよね。事業、実習ですよね。 一種免許となると、一般的に五単位がこの教育実習で必要で、一単位は事前事後の大学での指導に充てるとして、残り四単位。一単位っておおむね三十時間ぐらいだとすると、四単位で百二十時間。一日八時間現場で実習するとすると十五日間ですから、大体三週間で四単位と、こういうことなんですね。 問題は、この実習の手続と内容なんですね。教育実習って当然ですけど学校現場で行うんですけど、誰がどうやって手配をして、実習内容はどうやって決まってくるんでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 教育実習を行うに当たりましては、教職課程を有する大学が受入先の協力を得まして円滑な実施に努めることが教育職員免許法施行規則に規定をされているところであります。 実習生の受入れに関しましては、教育実習が大学の単位であることを踏まえまして、大学が教育委員会又は実習校へ直接依頼を行うこととされております。また、教職課程認定の審査において、教育実習の目標や評価方法、実習内容は各大学の責任において決定をすることとしております。 一方で、実習校が学生を選んだり、実施内容を受入れ校側に委ねられたりしている事例もある、そのように承知をしているところであります。
○斎藤嘉隆君 これ、今大臣の御答弁にもありましたけれど、学校側としたら、次世代を育成をするために、言ってみれば善意で行っているんですね。学校に実習生を受け入れなければならない義務はないんですよ。ないんです。受入れは、正直に申し上げて、私も経験ありますけれど、めちゃめちゃ大変です。負担増をかなり伴うもので、これから教育を担う若い世代をやっぱり育てなきゃいけないという義務感から教育実習やっているんですけど、特に、多くの場合は卒業生中心に受け入れると、こういうケースもあるかなというふうに思います。開放制の関係もあって、すごく増えているんですね、今、実習生自体が。 今、働き方改革で、勤務時間外に実習生指導するということはもう基本的にはできません。できません。全て課業時間に行うことが基本になりますが、このことが日常の教職員の業務にかなり圧迫を与えているのではないかという指摘もこれあります。 働き方改革の観点から、この教育実習、どのように受け止めていらっしゃるか、見解をお伺いします。
○国務大臣(松本洋平君) 今御指摘をいただきましたように、教師の働きやすさと働きがいを両立をいたしまして、学校における働き方改革を進めることとともに、質の高い教師の確保のために充実した教育実習を行うことはいずれも重要ではありますが、ただ、それが現場の大きな負担になってしまっているということに関しては、これ何とかしていかなければいけないということかと思っております。 文部科学省としては、これまでも教育実習は学校の所定の勤務時間の範囲内で行うという考え方を示すとともに、緊急事態を除き、所定の時間数を上回るような実習を行わないこと、教員の通常業務に支障が及ぶような書類作成などを求めないことなど、大学と学校が互いに負担を軽減できる方法を積極的に検討するよう通知などにより周知、対応を図っているところでもあります。 今後とも、大学及び教育委員会に対しまして、質の高い教師の養成と大学における、学校における働き方改革の両立が図られるように我々としては促してまいりたい、そのように考えております。
○斎藤嘉隆君 これ、やっぱり私は教育実習のコアカリキュラム、これをもう大胆に見直すべきだというふうに思います。 現場の実習を見聞きしていますと、少しずつ負担軽減は図られていますけれども、私が教育実習を行った四十年以上前と余り変わっていない、余り変わっていないと思うんですね。教職員の講話を聞いて、授業を見学して、指導案を作って、授業を実際に行って、毎日実習の記録を書いて、担当教員とやり取りをして、地区によってはもうその実習、昔はもうすごく朱を入れる、朱を入れるって、添削をするんですけど、教員が、もうそういうのをやめている地域もあるんですけれど、その添削に応じて例えば記録を書き直すとか、意味のないことだとは思わないんですけど、これ本来は内容を吟味すべき送り出し側の大学も受入れ側の学校も、延々と続いているこの内容というのを僕は大胆に見直すことができていないんではないか、その背景にさっき申し上げたコアカリキュラムがあるんだというふうに私は思うんです。 この在り方についてどのような見解をお持ちか、お伺いします。
○国務大臣(松本洋平君) 教職課程のコアカリキュラムでありますけれども、全国全ての大学の教職課程で共通的に修得する資質、能力を示したものであります。 その上で、現在、中央教育審議会におきましては、教師の質と量の確保の観点から教職課程を含む教員養成の在り方について検討を行っているところであります。このコアカリキュラムの在り方についても、働き方改革と教師の質と量の確保の両立が図れるように見直しを進めてまいりたい、そのように考えております。
○斎藤嘉隆君 是非お願いします。 教育実習ってもっと緩やかで柔軟であるべきだと思うんですね。何よりも学生たちが、現場の厳しさを知る、まず、厳しさを知る、それから楽しさを知る、良さを知る、そういう機会であってほしいというふうに思うんですね。何か負担感ばかりが非常に強くて、もう教育実習行って、もうやっぱりこんなところでは働けない、もう教員目指すのやめようという子供はいっぱいいるんですよ。 だから、そうではなくて、何か、例えばスクールサポートスタッフ的な何か学校業務の一端を担うとか、あるいは子供たちと触れ合うとか行事に参加をするとかいろんな対応の仕方があって、そういったものを例えば先ほどの単位見直しの累積の時間に換算をするとか、いろいろな工夫、何が必要かという、本当の意味で、を考えて対応すべきだと。 不必要だと思いません。必要だと思います、やっぱり実習は。学校それから学生双方にとってプラスがあるものに是非工夫をしていただきたいと、このことを要望させていただきたいと思います。 もう一個、僕、教育実習の最大の問題点、ちょっと余り申し上げるといけないかななんてことも思うんだけど、教員免許の毎年の付与件数と実際に教員になる人数ってどのような感じですか、今。
○政府参考人(望月禎君) 今、斎藤委員からございました、教職課程を取って免許を取得した方がどのくらい、では教員になっているかという、そういう率だと思いますけれども、比較可能な最新のデータでは、令和二年度に教職課程を通じて教員免許状を取得した者の実数は九万三千百十六人でございます。ただ、これ、過去に免許状を取得した方などを含めて、次に申します数なんですけれども、令和三年度に教員として採用された新卒者は三万百五十一人。要すれば、教員免許を取得した令和二年度の方が九万三千百十六人に対して、令和三年度に教員として採用されたのは三万百五十一人で、おおむね、単純な比較は、過去に教員免許を取得している者も採用されることもありますので単純な比較は難しいところではございますけれども、概算すると約三割が教員になっているというところでございます。
○斎藤嘉隆君 教育実習の最大の問題は、実習を受けた学生が教員にならないということですね。なれないのならまだ分かりますが、目指さないんですよ。目指さないんです。単位を取るために、あるいは卒業をするために実習には出向くけれども、学校に行った瞬間から、中には私ははなから教員になるつもりは、なりませんと、ありませんと公言をするもう学生も多いんですね。既に教職以外に就職が内定をしているケースもあるんです。あるんです。それは指導する教職員側も、これは何のために多忙な中、この学生たちのためにいろいろ苦労を重ねながら親身に指導に当たらなければならないのか非常に疑問に思う、それは当然だと思います。物すごい徒労感を感じるんですね。 何とかならぬですかね、これ。どうしていいのか結論が出ないんですよ。何とか、何か免許ちょっと二種類つくるとか、何か工夫して、やっぱり少なくとも現場で将来教員になって子供たちの指導をしようという思いにあふれた方に実習を受けていただく。もう最初からそういう気が全くない方は実習受けなくても何かもうちょっとライトな免許が取れるとか、その結果卒業できるとか、何かそういうことって検討されないんですか、文科省さんって、そういったこと。望月さん、大臣でもいいですけど、何かそういうことを検討するのが役所なんじゃないんですか。
○政府参考人(望月禎君) ありがとうございました。 教員養成課程については、私どもも長年の課題が、今、斎藤委員からも御指摘いただきましたが、あると考えてございます。 教育実習については、教員が教員として子供たちと本当に向き合えるだろうか、それから、今の社会の変化に照らして学校がどういう状況に実際になっていて、そしてこれからの職務としてどういうことが自分として責務課されるのか、それを体感して、あるいは経験をする貴重な機会だと考えてございます。ですから、やはりこれは教職課程の中では一定の活動についての柔軟性は認められるべきだという観点から検討していくことが必要だと思います。 一方で、その教職課程の中で、ではもう初めから教員にならない方も含めて、教員養成課程に教育実習を除いて、では学んでもいいかどうかという観点については、これだけ少子化の中で大学の構造も変わっていく中におきまして、やはり、まず教員を志すという観点の者は、学校現場も知っていただきつつ、やっぱり教育実習にも当たっていただく必要はあると思っています。 ですので、一概にコースあるいは免許を今の斎藤委員の観点から二手に分かれるということは即座にはなかなか検討は難しいところではございますけれども、教育実習の在り方あるいは教員養成の在り方そのものに関しては、私どもとしても非常に大きな課題がはらんでいるものとして、中教審の議論をしっかり見守りつつ、必要な改正を考えたいというふうに考えているところであります。
○斎藤嘉隆君 おっしゃるとおりだと思いますけど、だからこそ、役所が中心になって何が必要なのかというのをやっぱり検討していただきたいんですよ。中教審はまあいいけど、もうそんな、やっぱり文科省が基本的な方向性というのを一定程度持っていないと、やっぱり中教審の議論ってなかなかそれに追い付かないというふうに思うんですね。もうその端的な例がさっき申し上げたカリキュラムだと思いますよ。こんなに長い期間議論重ねていても、そんなに変わっていない、そんなに変わっていないんで。 ただ、やっぱり大胆な改革みたいなの、楽しいじゃないですか、文科省でそういうこと。そういうことを議論することが、役所って何か楽しいんじゃないですか。僕はそう思うんですけど。ねえ、大臣。僕は、そういう、是非文科大臣として、そういう何か創造的な議論を促すような、現場、本当の意味で現場にマッチングしたですね、そういうことを是非大臣にお願いをしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) ありがとうございます。 今お話お伺いをいたしておりまして、本当に委員のおっしゃることはそのとおりだなというのを大変強く感じております。 やはり、この教育実習で現場に出ていったそうした人たちが、やはり教師という仕事により一層魅力を感じてもらうようにしていくということも大変大事でありますし、また、そうしたものを受け入れていただいて、一生懸命頑張っていただいております現場の先生方の思いに応え、そしてその負担をいかに軽減をしていくことができるのかということも併せて考えていくということが大変大事だと思っております。 我々として、何か、はなからこうした議論を受け付けないという話ではなくて、まさに教職員の皆様方の働き方改革、また教員を目指す人たちをいかに確保していくのか、こうした観点から我々としては議論をしているところであります。今の先生の御指摘というものも踏まえながら、我々としても真面目に、真剣にしっかりと議論をしてまいりたい、そのように考えております。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。 ちょっとまだ通告していた中身がありますが、時間が来ましたので、以上としたいと思います。ありがとうございました。
○古賀千景君 立憲民主・無所属の古賀千景です。 まず、質問に入る前に一言申し上げます。 皆様も御存じのとおり、京都府南丹市で痛ましい事件が起きてしまいました。御遺族、関係者の皆様に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、亡くなられた児童、結希さんに心より御冥福をお祈りいたします。 事件を受けて、児童も教職員も精神的に大きな衝撃を受けていると思います。報道によると、南丹市教育委員会は、養護教員、スクールカウンセラーの増員を行う方針と伺っております。子供たちに対して最優先で様々な角度からの心のケアに力を尽くしていただきたいと思います。同様に、教職員も肉体的にも精神的にも大きな負担が掛かっています。是非、一番の子供たちです、一番に子供たち、そして、ここは文教科学委員会ですので、教職員そして学校関係者の皆様に是非御配慮をお願いしたいと思いますし、文科省としてもできるだけ手厚いサポートをお願いしたいと思います。 通告しておりませんが、大臣、何か一言ありますか。お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) まずは、今回の事件によって尊い命が失われたということに対しまして、大変残念に思うと同時に、亡くなられた児童に対して心から御冥福をお祈りを申し上げたいと思います。 その上で、今回の事件に関しまして、学校の生徒たち、そして教職員の皆様方も大変大きな衝撃を受けていらっしゃるということもお伺いをしております。実際に、報道を通じてではありますけれども、今回の事件で学校をお休みをされている児童がいるというようなお話も聞いているところであります。 私どもといたしましても、現場としっかりと連携をいたしまして、サポートをし、児童そして教職員の皆様方のケア、できる限り努めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、質問の方に入らせていただきます。 先日の中学校の三十五人学級、義務標準法の審議のときに、中学校三十五人学級化に伴って直ちに必要な教師が不足する、そのような事態は生じないものと考えているところでありますと大臣は御答弁いただきました。 また、私が全ての教科において教職員が不足なく授業が行われるというふうに捉えていいですかとお尋ねさせていただいたところ、各自治体におきましては教職員の確保など準備をいただいているものと承知しております、また、文部科学省としても各教育委員会に状況を伺いながら準備を進めてきましたとお答えいただいております。 まず一つ、通告しておりませんが、私が聞いたときは三十五人学級の法案の審議でしたが、今、この御準備いただいているというのは、中学校一年生だけではなく、小学校から中学校、高校まで、全ての学年でそうやって御準備いただいているというふうに捉えてよろしいでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(望月禎君) 古賀委員御指摘のとおり、それぞれの教育委員会で計画的な採用というのを私ども促してございます。 その際、今回は義務標準法の改正で、中学校三十五人学級の、中学校一年生からというところはとりわけ教師不足にならないようにということを昨年からお話しし、私どもも直接、教育委員からいろいろお話を聞いています。 中学校だけではなく、小学校や高等学校といった子供たちに直接携わる教員が、しっかり授業を受けることのできるようにという体制について、全体、指導をお願いをしているところでございます。
○古賀千景君 ありがとうございます。 じゃ、それから、あれは四月二日でしたので、今、新学期が各学校で始まっております。一つの小学校の例ですけれども、この小学校だけ足りないというわけではないと思うので、聞いてください。 児童数は四百人強ぐらいです。そして、学級数は特別支援学級を含め十八クラスの小学校です。まず、産育休取得者が三人いらっしゃって、そのうち二人はいない、代替者がいないということです。これは定数になります、フルですので。そして、この方たちは五月と秋に復帰される予定で、多分そこまでは代替者は来ないだろうという話です。そして、学力アップ加配、不登校対策、初任者代替、非常勤の定数が三ありますが、これも誰も来ていない。初任研代替非常勤講師に至っては、三年間一度も来たことがないということです。今、管理職が必死に探しています。 この、一つの学校で定数が二、そして非常勤講師が三足りないというこの状況を、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(松本洋平君) 教師不足の現状につきましては、全国的に大変厳しい状況にある、そのようには認識しているところであります。 我々として個別の事例について把握をしているわけではありませんが、負担が発生をしている学校においては、その分、現場の教師の負担が大きくなってしまうものと考えておりまして、文部科学省としても教師不足の解決に向けて全力で取り組んでいるところであります。 何としてでもそうした状況を解消していくためにも頑張ってまいりたい、そのように思っております。
○古賀千景君 私はこの質問何度もしているんですが、代替者を探すのは校長の仕事なのか。業務の三分類で、いつも文科省はこの業務の三分類にのっとっていろいろ言ってくださいますが、校長が探すべきなのか、誰が探すべきなのか、お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 教師の確保や配置につきましては、まずは任命権者であります都道府県、指定都市の教育委員会などが主体的に取り組むべきものであると考えております、承知しております。 一方で、欠員の代替者を確保する過程におきまして、校長の属人的なつながりをもって依頼をする場合もあると考えております。なお、その場合にも、教育委員会の主導の下で、学校管理職である校長に過剰な負担が掛からないようにすべきである、そのように考えているところであります。
○古賀千景君 では、校長のつながりとかがあって、こういう人がいましたといって、そしてそれを交渉したりとか、来てくださいとか、いろんな連絡を取り合うのは教育委員会ということで間違いないですか。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほど三分類の話もあったわけでありますけれども、学校と教師の業務の三分類において御指摘の業務を想定したものは例示はしておりませんが、三分類の趣旨を踏まえた上で教育委員会が主体的に取り組むことが適当だと考えておりますし、当然、任命権者は教育委員会でありますので、そこは教育委員会の方でやはりやっていただくということが基本だと考えております。
○古賀千景君 では、きちんと教育委員会ですね、確認させていただきました。 では、先ほど話した、五人、教職員が今の時点で足りない、この学校はどんな状況でほかの教職員がフォローしていると想像されますか、大臣。
○国務大臣(松本洋平君) 産育休などによりまして学校に欠員が生じた場合の代替者の確保でありますけれども、今年三月に公表をいたしました教師不足に関する実態調査におきまして、例えば小学校の学級担任の不足につきまして代替者が新たに確保できない場合には、少人数指導や教科担任制の実施のために配置を予定していた教師、教頭、主幹教諭、指導教諭などが代替をしているという結果になっているところであります。
○古賀千景君 主幹教諭とか、例えばそうしてくださっていますよ、教頭先生も担任に入って、五時まで子供たちの担任をして、五時から自分の本来の仕事、教頭の仕事、教務の仕事、これをされているんです。これで働き方がうまくいくわけがないと私は思っています。 四月は学校はまだ教員がいるんですよ、無理やり持ってくるから、いろんな人にその連絡を取り合って。これから後、病休が出ていく、産休代替者がいない、この状態でどんどんどんどん減っていきます。だから、教務主任の集まり、会議があるときに、いろんな学校がですね、一人ずつ抜けていく、そして最後は半分ぐらいになるんです。 このような状況にあるということを是非知ってほしいし、そこで一番困るのは教員じゃないんですよ、子供です、授業が月水金で先生が変わっていくとか。教員はやっぱり、月曜の様子を見て火曜日の授業を組み立てる、火曜の様子を見て水曜の授業を組み立てる。それが違う先生に変わって、子供が一番困っているということを是非感じていただきたいと思います。そんな学校が全国にあります。この子供側から見て、大臣いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) おっしゃるとおりでありまして、この教師、教員不足というものが最終的には当然子供の教育に大きく影響してくるということを、我々としてもしっかりと認識をしていかなければいけないと思っております。 そういう意味におきましても、この教師不足を解消をするために、処遇改善、また働き方改革、また組織運営体制の見直し、こうしたものを我々としても進めてきているところでもありますし、また、先ほど斎藤委員からもお話をいただいたところであります。そうした厳しい認識というものにしっかりと立脚をしながら、こうした取組を何としてでも進めていくように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 ありがとうございます。 そうやって努力していただいているのは、私もやっぱり現場の声を聞きながら分かっております。でも、もっともっとと思って、ついつい毎回同じようなことを質問しておりますが。 私はSNSを毎日投稿することにしていて、大体千人ぐらいしか見てもらえないんですけど、この前、三十五人学級化に伴って直ちに必要な教師が不足する、そういう事態は生じないものと考えているという大臣の御答弁を投稿したら、十万千人の人が見てくれました。驚きました。これは、やっぱり全国の教職員が、えっ、違うんじゃないって思っているんじゃないかと思います。 中学校三十五人学級に向けて各教育委員会に状況を伺いながら準備を進めてきたとおっしゃいますが、中学校一年生の学年でもやっぱり欠員は出ています。準備が足りなかったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 先日も答弁をさせていただきましたとおり、今年の四月からこの中学校の三十五人学級が始まったわけでありますけれども、その前段階といたしまして、各教育委員会を通じて実際にこれにどう対応できるのかということの調査を進め、そしてまた同時に、その対応というものをお願いをしてきた中で、先般私の方から御紹介いただいたような答弁をさせていただいたところであります。 一方で、実際に四月からこの制度というものがスタートいたしました。そして、そうした様々な現場の状況がおありになるということもあるのかとは思っております。一方で、まだちょっと私どもとしてその実態というものが調査し切れているわけではないということも御理解をいただきたいと思います。 その上で、我々といたしまして、しっかりと現場の状況というものも注視をしながら、根本的にはやはりこの教師のなり手不足、教員不足というものをいかに解消をしていくのかということが最も大切な取組だと思っております。 我々といたしましても、こうした現状というものを重く受け止めて、これに対する対応というものを進めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 もう様々取り組んでいらっしゃるのは本当に有り難く思っています。 新たな取組を何か考えていらっしゃったら教えていただきたいんですが、何かありますか。
○国務大臣(松本洋平君) 三月に公表をいたしました、三月に公表いたしました教師不足に関する実態調査では、対策として効果的な取組の一つとして、現職以外の免許保有者向けの研修会を回答した自治体が多く見られたところでありまして、その中で、例えば複数回の実施や県外会場での実施などの工夫も見られたところでありまして、こうした事例も展開をしているところでもあります。 また同時に、私から事務方に対しまして教師不足に関する対策プロジェクトチームというものを指示をいたしましてつくりまして、こちらを中心にいたしまして更なる対応を検討をしているところであります。特に状況が厳しい自治体に対する伴走支援などを通じまして課題の解決に全力で取り組んでまいりたいと考えておりますけれども、このプロジェクトチームでの議論というものを通じて、できれば、早ければ、短期のもの、長期のものいろんな対策があると思いますけれども、早いものであれば今年の概算要求にも是非それらを盛り込むことができるような、そういうスケジュール感で是非このプロジェクトチームにおける議論というものを進めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 特別免許とかも、すばらしい能力をお持ちの方が担任として入ってくださるのはいいと思うんですけど、大丈夫か。私から見たらですね、いきなり担任とかできるのかなとちょっと心配をするところはあります。 それでは、話を変えて、人材確保法についてお伺いします。 まず、制定の目的をお願いします。
○政府参考人(望月禎君) 学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法、この第一条にいわゆる人材確保法の目的がございます。学校教育が次代を担う青少年の人間形成の基本を成すことであることに鑑み、義務教育諸学校の教育職員の給与について特別の措置を定めることにより、優れた人材を確保し、もって学校教育の水準の維持向上に資することを目的とするというものでございます。
○古賀千景君 ありがとうございます。 当時、教職員の給与水準はとても低くて、塾を開いたり、又は予備校でバイトをしないと生活ができなかった、そのような状況だったと言われています。これでは優秀な人材がほかの職へ行ってしまう、そうして学校教育の質が落ちていくという危機感があり、その頃言われた言葉には、先生にでもなるか、先生にしかなれない、でもしか先生と言われた時代です。このような状況の中、当時の文部省初等中等教育局長が、教職員の給与改善をと田中角栄総理に訴え、そして自民党文教族議員の皆さんの進言もあり、田中総理が法案提出へ踏み切ったとお聞きしています。この法案で教職員志願者が増え、学校教育の質が高まったとも言われます。 大臣、この田中角栄総理の決断をどう思われますか。
○国務大臣(松本洋平君) 人材確保法は、昭和四十九年、当時の田中角栄内閣におきまして、人間形成の基本が小中学校で定まることを思えば、義務教育を充実し整備することは何より大切な問題であるとの認識の下、子供を導く先生に良き人材を得て、先生がその情熱を安んじて教育に傾けられるような条件を一日も早くつくりたいとの願いから制定されたものであると承知をしております。 人材確保法の制定により、子供たちへのより良い教育の実現に向けて、教師の処遇改善を図り、優れた人材を確保するという大きな改革がなされたことは重要な意義があったものと考えておりますし、その考えは現在にも当然引き継がれるべきものだと考えております。
○古賀千景君 ありがとうございます。そのとおりですと思っております。 人材確保法第三条、「義務教育諸学校の教育職員の給与については、一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」とされております。 人材確保法の完成時において、一般行政職と比した教職員給与の優遇分は七・四二%でした。しかし、七・四二%まであった一般行政職との教職員給与の優遇分については、その後、一般公務員の職務の級の増加や昇格制度の改善、また、小泉政権下の二〇〇六年の行革推進法等に基づく義務教育等教員特別手当、義務特法ですね、の削減により相対的に低下しております。現在では、優遇分は二〇一八年度から二二年度の五年間で、昔は七・四二%であったものが、今は〇・三五%まで低下をしております。 今、教職員志願者は不足して、担任がいない学級もあります。でもしか先生さえいないというこの状況だと私は思っています。採用試験を大学三年生から受けていいという制度も入れられました。年に二回採用試験を行っている自治体もあります。幾ら採用試験を早めても、何回も回数をこなしても、それでも人が足りない。教職員は疲弊して精神的な病休者も過去最高です。 学校教育がこのような教職員不足により崩れかけている今、大臣の所信にも、公教育の再生に全力を挙げてまいりますというお言葉がありました。 一つお伺いしたいんですが、再生ということは、今はもう崩れているというふうに取っていいですか。いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 決して今が崩れている、委員のお言葉をお借りすれば、というような認識には立っておりません。 ただ一方で、大きな課題というものも散見をされているということでありまして、まさに、例えば人口が減少をする中で、なかなか地域の教育というものをこれからどう維持していくのかということも大きな課題であろうかと思いますし、また、様々な背景を持つ子供たちが増えてきていることによって学校の現場並びに教職員の皆様方が置かれている環境というものが変化をしてきているということもあります。また同時に、先ほど来御指摘をいただいておりますとおり、働き方改革なども進めていかなければ、やはりその教職員の皆様方の負担が大変過重なものとなっていることによって非常に教育の現場が疲弊をしているというような状況もあろうかと思っております。 こうしたものを捉まえて、私どもとして再生をしていかなければいけない、そうした言葉というものを、発言というものをさせていただいたところであります。
○古賀千景君 二三年五月にまとめられた自民党さんの特命委員会の令和の教育人材確保実現プランにおいて、人材確保法の初心に立ち返った教師の処遇改善を実現する必要があるとされています。 給与を増やせというと、教職調整額を上げたときっとお返しになるでしょう、一日百円ですけど。担任手当を付けた、主務教諭の新職を導入した、このようなことを言われると思いますが、担任手当の課題については、この前、先日質問させていただきました。 しかし、実は、増やしているけど減ったものもありますよね、今回の改定で。小泉政権のときと同じく、義務特手当は減らされました。ほかにも特別支援の調整額、多学年学級担当手当が一月よりなくなりました。かなり上がったように言われていますが、きちんとほかのもので減らされています。それが実態だと私は思っています。 若い教職員は、賃金面で辞めるという人は余り聞きません。しかし、定年延長又は再任用の教職員は賃金面で退職をしています。私が前回最後に発言した定年延長の七割賃金というところです。定年延長で責任はより重くなる、自分が学校を引っ張らなければならない、若い子を育てなければならない、子供たちをしっかり見ていきたい、思っていらっしゃいます。経験もあります。しかし、賃金は月に十万減ります。年収としては二百万円減ると伺っています。一年目とかは、本当はもう六十で辞めようかなと思っても、ああ、学校に人がおらんけん、先生残ってとみんなから頼まれて、そうね、あと一年ぐらい、じゃ、もうちょっと頑張ろうかと思うんですけど、実際、給与表見て、うわっ、十万下がっとるとなったときには、やっぱりばからしいと、これだけ責任もあるのに、という方でどんどんどんどん辞めていっています。若い教師よりも賃金が低くなっている人もいるので。 教職員には七割で働ける職はありません。初めは担任外とかにしていても、代替者が来なかったら、そこの担任に入ってくれと言われたら嫌と言えない。そうやって十割で働きます。欠員状況で担任もいない今、この定年延長の七割賃金をやめると、私は学校に教職員が残ると思っています。 文科省は教職員の志願者増とよく言われますが、志願者増というのは、一人指導担任を付けなければならないので、結局、賃金的には二倍掛かりますよね。そのようなことを考えたときに、定年延長の方の賃金を見直していくと。経験はある、学校のことも分かっている、若い教職員へのアドバイスもできる。七割賃金だから早期退職をする、こう考えている教職員が辞めずに残ってもらう。今のこの教職員不足を、状況を考えてみたときに、私は、この定年延長の教職員の見直しを考える、賃金見直しを考える必要があるのではないかと思っています。 きっと給与改善は国家公務員に準じてと言われると思いますが、この人材確保法を使えばいいんじゃないですか。賃金の見直しが教育の再生の鍵を握っている、そして子供たちの未来を明るくする、私はそう思っています。 定年延長の賃金を見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 済みません、今御指摘をいただいたとおりの答弁になっちゃう部分もあると思うんですけれども、公立学校の教職員を含め地方公務員の給与は、地方公務員法に基づきまして、国家公務員等との均衡の原則などを踏まえた上で、各地方公共団体の条例において規定されているものと承知をしております、認識をしております。定年引上げに係る給与制度は、公立学校の教師を含め公務員全体に共通する制度でありますため、七割水準とされている俸給月額などを直ちに引き上げることは困難であると考えております。 他方、国家公務員の給与水準については、定年前後で連続的なものとなるよう検討がされておりまして、地方公務員の給与制度などにどのような影響があるか、文部科学省としても動向を注視してまいりたいと考えております。 なお、教師の処遇改善の観点からは、令和七年に給特法を改正をいたしまして、教職調整額の引上げ、率の引上げなど、全般的な処遇改善を進めているところでありますが、こうした処遇改善は定年引上げの教師にも適用されることとなっているところでもあります。 我々といたしましては、引き続き処遇改善に努めてまいります。
○古賀千景君 たしかあのときは、一〇%、一〇%、五%と二五%賃金が上がっていますよね、田中総理のときはですね。 そのようなことも鑑みたときに、私は全部を言っているわけじゃないんです。人材確保法の方でどうにかこの六十歳からの後の皆さん方の賃金がどうにかならないだろうかということを考えているところ、思っているんです。是非御検討いただけたらと思います。 ちょっと話を元に戻します。 欠員状況を補充していくのが臨時採用教職員です。大体、普通働くときって、働いた初日に辞令というものをもらうと思うんですが、私は教員しかしたことがないんですが、多分そうだと思います。 先日、臨採者に話を伺ったとき、四月の十二日でした。四月一日から働いているけど、辞令はまだもらっていないという方がほとんどでした。 質問をちょっと分けて伺いたいんですが、大臣、辞令というのは普通いつ配付されるべきだとお考えになりますか。
○国務大臣(松本洋平君) 一般的にではありますけれども、職員の任用の日に辞令が交付されるものというふうに承知をしております。
○古賀千景君 そのとおりだと私も思っていますが、私も二十年臨採をしていましたが、働く初日にもらった経験はありません。常にその後、一か月後ぐらいかな、職員室の上にぽんと辞令が置いてある、これが私たち臨採者でした。 私は、その後、正規になっていきますが、そのとき辞令交付式があって、一人ずつ辞令をもらうということに、ああ、辞令ってこんなに重みがあるんだって。たかが紙ですよ。分かっています。たかが紙だけど、そこで、私がこの職場で大事にされているのかなっていうことはとても悲しく思っていました。 大臣、この臨採が初日に辞令をもらえないというのはどう思われますか。御見解をお願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほども申し上げましたけれども、任用の日に辞令が交付されるものというふうに一般的には承知をしております。 ただ一方で、採用の決定が勤務直前となりまして、辞令交付等の事務手続が遅れる場合などもあるというふうに承知をしているところであります。その場合においても、速やかに辞令を交付するとともに、勤務に支障が出ないよう適切な対応を図るべきと考えているところでもありますし、また、委員の御指摘のとおり、やはりそうした一つの区切りの中で、改めて自分自身のその職務の重さであったりとか、自らの仕事に対して誇りを持ったりとか、そういうことにもつながっていくということかと思います。 現場のいろんな実例の中で様々な状況があるというふうには承知をしておりますけれども、いずれにいたしましても、そうした辞令の交付というものを速やかにするのと同時に、勤務に支障が出ないように、また同時に、これらを通じて、実際にその職員の皆様方におかれましても、働きがいといいますか、そういうものをしっかりと実感していただくことができるようにしていただくこと、これが大切なことだと考えております。
○古賀千景君 急な場合もありますが、もう何年もずっと続けてやっていったりとか、教職員の辞令って大体三月には固まりますので、準備できると思うんですよね。そういうところも大事にしていただきたいなということを申し上げます。 そして、それはもらえないのは辞令だけじゃないんです。勤務内容とか賃金とか休暇等が書かれている労働に関する契約書も何ももらえません。 今年の現場の話ですが、四月一日からの辞令で、ですから学校来てくださいって言われて、で、行きました。そして、行ったら、四月三日の日に、あなたは十月までですからと管理職に言われたと、そのようなことが起きています。校長先生の方は、もう一人でもたくさん、四月一日にここに教職員がいてほしいという思いを込め、十月って言ったら嫌って言われるかもしれないので言わない。臨採者は、そんなところで、えっ、いつまでですかとか聞いたら、何か嫌に、悪く思われるかなと思って聞けない。このような状況の中でお互いに言わないということがありました。 確かめなかったのも悪いかもしれませんが、一般的に、雇用主が雇用者に労働条件を説明するのは労使関係の中で当たり前だと私は認識しています。私も初めの頃、自分の賃金が幾らで、どんな休暇が何日あって、勤務時間が何時から何時か、それさえも契約書、説明をもらっていないし、校長先生からの説明もありませんでした。 臨採は自分の仕事がないと暮らせないし、この仕事断ったら次来ぬかもしれぬという思いから、常に労働契約はどうなっていますかとか聞ける立場ではありません。そういうとき、労働者として雇用の契約書をもらえない、また業務内容の説明もない、このような状況って、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(松本洋平君) 各教育委員会や学校において、勤務に支障が出ないように、任用の期間や業務内容などの基本的な勤務条件が職員に対して速やかに説明される等の適切な対応を図るべき、そのように承知をしているところであります。
○古賀千景君 それすごく大事で、そして例えば会計年度任用職員の方とかは四時まで勤務の方とかいらっしゃるんですよ。そういう方をきちんと学校職員にお伝えいただけないので、四時以降にも仕事を頼まれたりしていたりとか、学校の教職員としての研修を四時から入っていたりとか、そういうところもあるので、そういう勤務条件に関しては本人にも、当事者にもきちんと話をしていただきたいし、学校職員にもきちんと理解をしていただきたいということをお伝えしていただきたいんですが、その辺ちゃんと何か出したりできませんか。
○国務大臣(松本洋平君) 大変重要な御指摘だというふうに承知をしているところであります。 我々といたしましても、必要な周知を行ってまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 そして、先ほども申し上げましたが、業務内容というのが、それが雇用条件にないために、すごくあやふやなんですね。 例えば非常勤で、今日は一、三、四に入っているとか、授業が、そして一時間は授業の準備とかがあるとしたときに、それをきちんと学校の方で把握していなくて、だってあの人たちはそのこま数しか賃金出ませんから、というときに、あっ、ごめん、二時間目空いているなら、ちょっとあそこの作業を手伝ってとか、あそこの自習監督にちょっと入ってとか、そういうことも学校の中では起きています。今、欠員ですからね。そのこま数しかもらっていない賃金なのに、でも、自分も子供たち好きだから、やっぱり行ってくださるんですよ、してくださいます。でも、それって働く側からしてとてもおかしなことだと私は思っています。 だから、業務内容の提示というのもきちんとしなくちゃいけないということを思っていますし、確認します。基本的には、その業務内容と言われたことをきちんとすればよくて、そういう自習監督とかほかの作業とか頼まれたら断っていいんですよね。それは確認です。済みません、通告していません。
○政府参考人(望月禎君) 学校にはいろいろな形態の方がチームとして働いていると、そのときに、その方が校務分掌としてどのような役割、仕事を担うかということに関しましては、先ほどの、もちろん、その任命権者が業務内容についても校長等と連絡を取ってしっかり御説明をし、そして、それは学校内で共有をされている必要があると思います。その上で、勤務の割り振り、あるいは校務分掌については、校長の判断によりまして、その時々の状況によりまして変更することは、それはあるというふうに考えてございます。 いずれにしても、共有をしていくことが必要だと考えてございます。
○古賀千景君 フリーで一日幾らというか、月額の賃金換算ならそうだと思うんですけど、こま数、例えば今、今幾らだっけ、二千三百円、二千四百円とか二千五百円とか違うと思いますが、掛け幾つですよね、何時間授業する。この人たちも、そんないろいろほかの仕事をしなくちゃいけないんですか。私はちょっと違うと思うんですけど、違います。私の認識が違いますかね。
○政府参考人(望月禎君) 臨時講師として学校で授業を持つ場合に、フルタイムの場合なのか、それとも各こまごとに入って、それを幾つかの学校を掛け持つのかと、いろんな形態があろうかと思います。 仮に後者のような場合につきましては、それは学校の校務分掌の中で、その授業ということを基本中心として任されていたり、あるいはその状況についてを共有するということになりますので、それ以外のことは一切学校の機能を担ってはいけないということは、それはないというふうには考えてございますけれども、そうしたまさに業務の内容というものによって決まってくるというふうに考えてございます。
○古賀千景君 分かりました。 でも、やっぱりこま数の賃金だから、それなら何か違う賃金形態で、この午前中とかしていったらそうかもしれないなと思うんですけど、基本的、非常勤って授業をするために来ているというのが、私の地域だけかもしれないけど、そう思っているので、そこがちょっとどうなのかなということ。校務分掌も余り入っていないと思います、非常勤の方って。だから、その辺ちょっとどう思いますか。
○政府参考人(望月禎君) 私の説明がちょっと不足していたら済みません。 臨時講師の場合には、フルタイムの場合、非常勤の場合等ありますので、非常勤で、まさにその授業の、その教科の授業のみということで、初めからその業務内容が課されているのであれば、そのことについての業務ということに、専科ということになるかと考えてございます。
○古賀千景君 ありがとうございました。 では、話を変えます。 昨年の四月から始まった多子世帯支援を含む高等教育の修学支援新制度について伺いたいと思います。 昨年度、支援対象を大幅に拡充をしていただいて、とても喜ばしかったんですが、その支援対象になるという学生やその保護者が気付いたときにはもう申請が締め切られていたということが一年前にありました。また、学生、保護者の中には、申請しなくても自動的に支援がされるというふうに誤解していたとかいうこともあって、制度の存在や申請手続の必要性について十分に情報が得られずに困惑したというケースがあったと思います。その後、締切り四月十日だったところが六月三十に大分延ばしていただいて、申請できるようにしていったという、文科省がしていただいたところがあると思います。そのときに、来年度以降はこうしたことがないよう、今年度中に様々な周知徹底を進めてまいりたいという御答弁がありました。 やっぱり、大学生、多子世帯、三人お子さんがいらっしゃって、そして、少しでもその大学生が補助が出てくるということはとても有り難いことなので、是非これは周知徹底させていただきたいとお願いしたところでしたが、今年どのようになっているか、今年の進捗状況を教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 この件につきましては、昨年五月、本院決算委員会でも古賀先生から御指摘をいただきました。ありがとうございました。 先ほどおっしゃったとおりでございまして、結果的に、二〇二五年度に新たに拡充された多子世帯として支援の対象となった学生は約二十七万人という見込みでございます。 こうした状況を踏まえまして、今年度は早期に支援が受けられるように、まず五月三十一日までに申し出るということにしてございますが、様々な事情により申請期限に間に合わない場合は、各大学通じて六月三十日まで申請を受け付けることを大学等に本年二月にあらかじめ要請しているところでございます。 また、本制度の対象となり得る学生が適切に申請できるよう、日本学生支援機構や各大学等を通じた学生、保護者向けの周知徹底のほか、文部科学省としても特設ホームページやLINE、X、インスタグラム等、各種SNSによる発信などにより制度に関する一層の周知徹底を図っているところでございまして、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○古賀千景君 ありがとうございます。 高校とかには何もないんですか。高校にそういう支援を、こういうシステムがあるよとかいうところの紹介とか。高校に対してはいかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 私ども、これは当然高等学校にも御説明をさせていただいているところでございまして、高校から大学にかけて進学する際にこういう制度が適切に使われるように、しっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○古賀千景君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(熊谷裕人君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊藤孝恵君 四月二十五日が来ると、JR福知山線脱線事故から、その発生から二十一年になります。当時、私は記者として、乗員乗客百七名の皆さんが亡くなった、その事故を現地で取材をしておりました。一番大好きだった上司夫妻の死亡報道も私自らいたしました。あのとき、多くのメディア、JR西日本の企業体質、日勤教育の是非、過密ダイヤ、そういったことを報じておりました。それから、亡くなった人生一つ一つ、それらを報道しておりました。もちろん、それらも大事でありますが、私は、なぜ事件が起きたのか、じゃ、この事故を二度と起こさないためには何が必要なのかというのをずっと追っておりました。それが上司への何よりのレクイエムになると信じたからでございます。 今日は、大臣に同志社国際高校の辺野古沖転覆事故について伺います。 亡くなった武石知華さんの無念と恐怖、筆舌に尽くし難いこの理不尽を思いながら、二度とこのような人災を起こさないための立法府の責務とは何かという観点で伺いたいと思います。 そして、あえて今日は女子生徒とは申し上げません。武石知華さんと申し上げさせていただきます。なぜなら、御遺族は実名報道を選ばれました。それは、恐らく知華さんが生きていたらそのような選択をなされたんだろうなというふうに、御遺族も逡巡しての御決断だと思いますので、国会議事録にも知華さんの名前を、そして知華さんが変えていく様々を記していきたいとの思いで、お名前で御質問をさせていただきたいと思います。 そして、実は、本日の委員会に、学校法人同志社又は同志社国際高校の関係者に参考人としてお越しいただくよう要請を続けておりました。結果は、事故からまだ一か月で、保護者対応等で多忙なため上京するのは難しいという御返答でございました。では、来月ならどうか、再来月ならいかがかというふうに伺っておりますが、御調整の御意向というのはいただけておりません。 大臣に伺います。文科省はこれまで、同志社側に私立学校を所管する京都府を通じて書面で安全管理状況等の確認を試みたというふうに承知をしておりますが、十分な回答が得られなかったとのこと。よって、文科省が直接確認のための異例の現地調査を行うとお伺いをしております。不十分な回答と判断した具体の理由について教えてください。
○国務大臣(松本洋平君) まずは冒頭、私からも、今回の事故で命を落とされました武石知華さんの御冥福、心からお祈りを申し上げたいと思いますし、我々といたしましても、こうした事故を二度と起こさない、そうした決意で取組を進めてまいりたい、そのように考えていることをまず申し上げさせていただきたいと存じます。 その上で、文部科学省におきましては、事故発生以来、所轄庁であります京都府と連携をしながら今回の事案の確認を進めてきているところであります。現在まだ調査中の案件でありますので、個別のやり取りの詳細につきましては差し控えさせていただきたいと存じますが、その上で、学校法人を所轄する文部科学省といたしまして、学校法人同志社を訪問することも含めて今後の対応を検討をいたしている、そういうところでございます。 以上です。
○伊藤孝恵君 個別は控えるというのは一定度理解するところではありますが、それは足りないと判断するに至るその状況について、どのような判断を誰がしたのか、では、教えてください。
○国務大臣(松本洋平君) その何が足りないのかとかというようなことも含めて、大変恐縮ではありますけれども、詳細なやり取りにつきましてはこの場での回答というものは控えさせていただきたい、そのように考えております。 ただ、事故発生以来、随時所轄庁を通じて様々なやり取りというものをさせていただいているところであります。そうした中におきまして、私も適宜報告を受けているところであります。 更なる調査というものが必要であるということで現在調査を継続している、そういう状況であります。
○伊藤孝恵君 報道では、四月中というような報道もございますけれども、いつなさるんでしょうか。まさか、報道で報じられているのに、国会で答弁できないということはないと思います。 いつ、どのような規模で、又はその目的というのはお答えになれる範囲かと思います。お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) いつということに関しましても、現在こちらの方は調整中ということにもなっているところでもありますので、お答え、具体的な日時の見通しにつきましてもお答えは差し控えさせていただきたい、そのように考えているところであります。 ただ、いずれにいたしましても、調査というものをしっかりと行って、事実確認を行った上で適切な対応というものを講じていかなければいけないという観点で我々としてもしっかりとそうした調査に関しましては進めてまいりたい、そのように考えているところであります。 また、その内容につきましてでありますけれども、こちらの方に関しましても細かいところというものは差し控えさせていただきたいと思いますが、当然、安全対策もそうでありますし、またそれらを実施する上においての学校側がどういうことをしてきたのかということもそうでありますし、また教育の内容、こうしたものにつきましても我々としては調査をしていくというような形を想定をしているところであります。
○伊藤孝恵君 その目的というのは、教育の中身であったりとか安全確保というものだったりとか、これ今回、じゃ、自治体の権限と文科省の権限、公立と私立、そういったことの議論にも発展してくる、それは容易に想像ができるところであります。そういったことも含めて調査をするということなのか、いや、単に回答が不十分だったからその回答を取りに行くのか、それ、大きく違うと思います。その目的について私は先ほどからお伺いしております。
○国務大臣(松本洋平君) あくまでも、今回の調査の目的でありますけれども、それは今回の事案に関する調査ということになります。 一方で、そうした調査の結果というものに応じまして、これが実際に何に起因をするものなのか、それによって当然対応の仕方というものも変わっていく、そのように我々としては承知をしているところであります。
○伊藤孝恵君 分かりました。 四月十日、始業式での西田校長の言動に私は大変怒りを覚えております。なぜ黙祷がないのかのみならず、なぜ、今回の事故の直接的な原因は私たちにあるわけではありませんと枕言葉を付ける必要があったのか。そして、なぜ、学校はある意味でリスタートしますなどと軽率な言葉選びができるのか。リスタートって、亡くなった知華さんも御遺族もリスタートなんてできないんですよ。そんな中で、何てこの非道な言葉を使う教育者なんだと非常に憤りを覚えました。そして、なぜ、おかしいな、変だなと思うことがあれば直接校長室に来て話し合いましょうなどと呼びかけられるのか。話が聞きたいんだったら、あなたが校長室出てきなさいって話です。そういう部分で、あまた認識の相違があるんではないかというふうに思います。果てはです、傷ついた生徒たちに、皆さんも自分の主張を押し通すのではなくなどと説法をされる始末です。今、傷ついた、動揺する、学友を失って、そしてあのとき自分にも何かできたんじゃないかと自分を責めるような、そういう苦しみの中にいる生徒たちにそんなことを今言う必要ありますかね。ただただ今は、生徒の話を、言葉を聞いたらいいんじゃないかというふうに思います。 こういった吐き出せない環境をつくっていることの罪に、もうちょっと教育者は、学校は、校長は自覚的になったらよろしいんじゃないかと思うんですが、大臣はいかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 報道や、またSNSを通じて、校長先生がそういう発言をされたとのことは私自身も承知をしているところであります。 ただ、いずれにいたしましても、そうした点も含めまして、今、調査継続中の案件であります。そうした調査を通じて、学校側の体制、そして今回のことに対する認識、そうしたものも含めて是非我々としては把握をしてまいりたい、そのように考えております。
○伊藤孝恵君 そして、聞き捨てならないのが、生徒に向かって、皆さんは学校に対して真の安全を求める権利がある、是非その権利を行使してくださいって、これ逆だろうと思うんですよね。生徒が権利を行使する、それを求めるではなくて、この真の安全を提供する義務は学校にあります。当然、校長にあります。 望月局長に伺いたいと思います。 学校保健安全法第二十九条の要請するところは、生徒が安全を求める権利ではなく、学校が危機管理マニュアル等を作成し、安全を確保する、提供する義務だと私は承知をしておりますが、いかがですか。
○政府参考人(望月禎君) 学校保健安全法に基づきまして、学校の危機管理マニュアル、これは、学校として責任を持って定め、それを生徒や保護者に示すものでございます。
○伊藤孝恵君 では、この校長が生徒に向かって、学校に対して皆さんが安全を求める権利を行使してくださいって、おかしな言いぶりだと思いませんか。
○政府参考人(望月禎君) 今、伊藤先生が、伊藤委員がおっしゃった校長の全文を私どもも把握しているわけじゃありませんので、余りその一言の部分について申し上げるのは難しいところがありますけれども、いずれにしましても、校長は、学校の生徒の安全を確保し、そして教育活動においても、いずれの教育活動においても、基本的な前提として、教育の充実のためには安全をちゃんと確認、そしてそれを体制として取る義務があるというふうに考えてはおります。
○伊藤孝恵君 先ほどから、大臣も望月局長も承知しているところではないとおっしゃるので、是非この始業式の御挨拶、礼拝の中での言動というのをお取り寄せになって御覧になったらいかがでしょうか、調査の前に。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) そのように我々としても努めてまいりたい、そのように思います。
○伊藤孝恵君 資料一を御覧ください。 亡くなった武石知華さんのお父様が事故の十二日後からnoteで情報発信をしておられます。お嬢様のことを正しく伝え、誤情報や誹謗中傷の訂正をし、御家族が実際に見聞きした内容を発信し、事実解明につながる情報を広く収集することが目的だと書いてありました。慟哭の中にあって、かくも理知的に、そして愛情深い言葉選びをされるこのお父様に、ただただ敬服をします。 このnote、大臣は御覧になっておりますか。
○国務大臣(松本洋平君) こちらのnoteにつきましては、以前から全て目を通させていただいております。
○伊藤孝恵君 大臣も一人の親です。私もそうです。忘れられない、心に残ってしまう、そういうフレーズ等あったと思います。 大臣、特にどこに御注目されましたか。
○国務大臣(松本洋平君) 私も、委員から御指摘のように、父親という立場もあるわけであります。 やはり改めて、お嬢様に対する深い愛情、そして逆に、お父様が、そして知華さん御自身が、やはりその学校に対して強い信頼を寄せていたということ、一方で、やはりそれが、結果としてこういう結果に結び付いてしまったということ、そうしたところが私自身は大変強く印象に残っているところであります。
○伊藤孝恵君 本当に、日常ですよね、我々の前にもある日常。全然鏡の前から離れなくて、あともうちょっと早く用意すれば学校遅刻しないで済むのにといっていらいらする、私の日常です。そこで昼寝をしている娘の顔、それをしげしげと見る、それも私の日常です。 私たちにある、日常が突然奪われた、その御遺族の皆さんの慟哭を思い、文科省の方も、そして大臣も是非見てください。この資料配付一、見てください。 この第三者委員会のくだり、三月二十八日付けで学校法人同志社が第三者委員会を設置したと発表しています、事故当日のプロセスや安全管理面の話はしっかり解明されると思いますが、コース設計の経緯と人選、透明性、チェック機構、そして平和学習の在り方についての実態調査を行い、正すべき点は速やかに正していただくことを期待していると書いてあります。 こういったその解明、当然、学校法人同志社によるこの第三者委員会、機能させる必要がありますが、これ、文科省の現地調査でも是非これ明らかにしていただきたいと思うんです。第三者委員会のこの調査が足りなければ、文科省がしっかりとコミットして調べていただきたいと思うんです。 これ、事前に配付をすることを申し上げておりますので当然読んでいただいたかと思います。このコース設計の経緯と人選については、過去に遡って、どのような経緯でこの沖縄旅行のコースが固定化されていったのか、生徒に説明や講義を行う人選の、人物の選定、誰がどのような基準で行ってきたのか、それはなぜなのか。透明性に関しても、沖縄旅行において協力を依頼する企業、組織、団体と学校との契約は透明性が担保されていたのか。そして、何よりチェック機能です。教員内で研修旅行のレビュー、中立性、安全性の観点を含めて実施されていたのか、その際に異論を唱える教員はいなかったのか。 この点、文科省の調査でも明らかにしていただきたいと思います、お約束をしていただきたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 今御指摘になられましたように、お亡くなりになられた生徒の御遺族が作成したと伺っておりますnoteにおきまして、学校法人同志社が設置した第三者調査委員会にて解明されることを期待することとして、御指摘のように、コース設計の経緯と人選、透明性、チェック機構の記載がなされていることを承知しております。 その上で、文部科学省といたしましても、所轄庁であります京都府と連携をしながら今回の事案の確認を進めているところでありまして、その中におきましては、ボートに乗船するプログラムを導入することとなった経緯や校内協議などの詳細を含めまして確認を進めているところであります。あわせて、今月七日に発出いたしました通知におきましては、全国の学校に対し適正な教育活動の実施について周知を行ったところであります。 文部科学省として、これらの趣旨の徹底を図るとともに、現在行っております同志社国際高校への確認なども踏まえつつ、今後、どのようなことができるかについて必要な検討を行ってまいりたい、そのように考えております。
○伊藤孝恵君 公立であれば、例えば、教育委員会要領等で事前の調査、危機管理計画、引率の教職員の体制、保護者への説明、同意取得、これ細かく定められております。こういった抗議船や抗議団体と直接やり取りをするなんていうことを、じゃ、教育委員会に報告をしたら、それはどんなチェック機能が働くのか、これは日の目を見るより明らかです。公立にはあって私立にはない。そして、私立だからこそ、その建学の精神等、私も重んじること承知をしております。でも、この、事この案件に関して、その聖域たるものを主張することがもしあるのであれば、それはしかるべき対応を取っていただきたいと思うんです。 この公立にはある当たり前の透明性が私立にはない、その課題感を大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(松本洋平君) 私立学校法は、その目的を、私立学校の特性に鑑み、この自主性を重んじ、公共性を高めることによって私立学校の健全な発達を図ることと定めているところであります。 当然、そういう意味では、私立学校の自主性ということの中で、建学の精神であったり様々なそういう独自性というものが認められるところでありますが、一方で、当然私立学校といえども公教育の一翼を担っている点においては国公立と変わりはありません。教育基本法に基づきまして公の性質を有するものとされているところでありまして、私立学校におきましても、公立学校と同様に学習指導要領に基づいて教育課程を編成、実施することとされているところであります。 こうしたことを踏まえまして、仮に私立高等学校等の教育内容に法令違反の疑いなどがあった場合には、所轄庁たる都道府県が学校に対し、行政手続法に基づく行政指導を行ったり、私立学校法に基づく報告書の提出を要求したりすることで改善を図る仕組み、そのようになっているところであります。
○伊藤孝恵君 御遺族からは、平和学習の実態調査についても付言がございました。文科省はそれに応える責務がこれはございます。これは所轄、所管の話ではなくて、平和教育の話ですから。既にこれ調査を開始されていると思いますが、どんな観点で調査をしているのか、教えてください。
○国務大臣(松本洋平君) 教育基本法の中にも、一方に偏ることがないように、また様々な視点で教えることによって子供たちのその主体的な判断が妨げられることがないようにというようなことが規定をされているところであります。 こうした様々な教育基本法を始めとするそうした法律、また、などに照らして、それが適正であったかという観点であります。
○伊藤孝恵君 この平和学習には報告義務はありません。その理由も一定度理解できるところでありますが、何を信じるか、何を正しいと思うかは自由ですから。ただ、行き先や内容に報告義務はなくても、安全確保については報告義務、これ、あると思うんですよ。それ、なきゃいけないと思うんですよ。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 今のは安全確保に関する報告義務ということでありましょうか。(発言する者あり)平和学習、はい。 今回の同志社国際高校の事案に関わりましては、私立高校の修学旅行先に係る所轄庁への報告義務がないことに対して課題を指摘する声があると承知をしております。 私立学校における修学旅行の実施につきましては、学校設置者である学校法人において情報把握を行い、その上で、設置者としての権限に基づき必要な指導を行うことが基本であります。このため、設置者を飛び越えて所轄庁である都道府県が各学校の修学旅行の行き先を詳細に全て把握をするといった運営は一般に行われていないものと考えておりますが、所轄庁は必要に応じて指導、助言を行う必要があります。 文部科学省としては、修学旅行に係る指導、助言が設置者や所轄庁において適切に行われるよう、教育委員会や私立学校担当部局に対する指導、助言を徹底するため、先般四月七日付けで発出した通知においてもこの旨を明記をしたところであります。我々といたしましては、こうした通知、そして我々の考え方というものに応じてそれぞれ適切に対応してもらいたい、そのように考えているところであります。
○伊藤孝恵君 よく分かるんですが、今回、修学旅行、こういったものの中の、別行動だったわけですね、Fコースというのは。 この修学旅行というのは、学校教育法の施行規則における特別活動の一環として位置付けられておりますので、学習指導要領や文部科学省の告示に基づいて実施されるものではありますが、私立学校法における自主性、学校教育法における学習指導要領の適用対象の関係、さらには文科省と自治体の監督権限の整合について、今御答弁を聞いていてもどのように整理をされているのかちょっとよく分からなかったんです。私学部長、教えてください。
○政府参考人(森友浩史君) 先ほどの大臣の答弁とちょっと重なるところございますけれども、私立学校法で、その目的を、私立学校の特性に鑑みて、この自主性を重んじ、公共性を高めることによって私立学校の健全な発達を図ることとまず定めております。 その上で、私立学校の自主性とは、こうした法の目的に基づき、私立学校が私人の寄附財産等により設立されたものであることに伴って、その運営を自律的に行うという性格のことを指すというふうに解釈をされているところでございます。 そういった考えの下で、私立学校法ではこのような私立学校の自主性を尊重するということで、例えば所轄庁の権限を国公立の学校の場合に比べて限定するなど、制度上の措置もなされているところでございますけれども、先ほど大臣が述べておられたとおり、私立学校といえども公教育の一翼です。国公立の学校と変わりなく教育基本法に基づいて公の性質を有するものとされておりますので、私立学校法におきましても、学校教育法体系、そして学習指導要領に基づいて教育課程を編成、実施することとされておりますので、そういった教育活動の面では国公立と変わりないということでございます。
○伊藤孝恵君 おっしゃるとおり、とはいえ、私学助成の原資というのは主に国や地方公共団体からの助成金、つまり税金ですので、また、その歴史をひもとけば、私学側も自ら公共的性格を有すると主張されてこの私学助成というものが行われておりますので、聖域でも何でもないわけです。 なので、例えば調査をないがしろにしたり改善を怠るようなことがあれば、当然、学校法人への私学助成というのは保留をされたり減額されたりいたします。実際にそういう事例がございます。 私学部長に、過去、助成金の取扱要領で減額、不交付になった具体例、教えてください。
○政府参考人(森友浩史君) 例えばでございますけれども、平成十八年当時、当時の各地の高等学校におきまして、卒業に必要な必履修科目を履修をさせていないというようなことが判明した、判明しまして、全国的な問題となったことがございました。 その際、埼玉県の私立高校二校におきまして、県の再三の調査に対して未履修はないと回答しておりましたけれども、その後の調査において未履修が発覚をし、校長名の文書報告が虚偽であったということが判明した事例がございました。この校長名の文書報告が虚偽であったことは、組織として不誠実な対応であるとともに、学校の管理運営に適正を欠くことから、該当二校に対しまして埼玉県において私学助成が減額された例があると承知をしております。
○伊藤孝恵君 その件は、未履修だったり虚偽だったりという、言語道断でありますし、私も私学で育ちましたので、同志社国際高校と同じプロテスタントの学校で育ちました。この建学の精神の重要性も分かるし、私立学校法第一条も今日も熟読をしてきました。ただやっぱり、だからといって、あの船に乗せることの有意味性がどうしても、どうしても感じられないんです。 ここ、私学部長に引き続きお伺いしたいんですけれども、修学旅行等における関係団体の安全配慮というのに一定の基準を求めること、その報告の義務を課すことというのは難しいんでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) 学校の安全確保の担当でございますので、私の方から答弁申し上げます。 修学旅行を含めました校外学習等における安全確保につきまして、文部科学省が示しております学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドラインにおきまして、訪問先、宿泊先、旅行代理店等、関係者との安全確保に関する事前調整を行うことなどを定めております。 また、修学旅行等の実施に関する通知におきましては、関係業者を利用する場合には、関係業者に過度に依存することなく、学校が主体性を持って旅行、集団宿泊的行事の安全確保に万全を期することなどを定めて、求めております。 一般論といたしまして、旅行代理店以外の団体ですとか民泊等の事業者でありましても、その役務の提供に際しまして事故を防ぐための措置を講じるということは当然の義務であるというふうに考えております。 その上で、学校におきましては、旅行代理店等のその介在の有無にかかわらず、団体が提供するプログラム、また民泊等を利用する場合には、先ほど申し上げましたような文科省作成しておりますガイドライン等も踏まえまして、児童生徒の安全の確保のための対応を徹底する必要があると考えております。
○伊藤孝恵君 済みません、ちょっと分からなかったんで教えてください。 公立学校は、教育委員会にそういった安全確保についての報告をしなければいけません、義務です。私学は、これは、自治体にこれは報告をしなければいけない義務なんですか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。 その点に関しまして、私立学校が都道府県の担当部局に報告をしなければならないという義務はないと承知しております。
○伊藤孝恵君 大臣、これ、義務掛ける必要あるんじゃないですか。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほども申し上げましたけれども、まずは今回の調査というものを我々としては進めさせていただきたい、そのように考えております。 その上で、再発防止のために何が必要なのかということに関しましては、しっかりと我々として検討をいたしてまいりたい、そのように考えております。
○伊藤孝恵君 必ず検討していただくように。 じゃ、ちょっとここも大臣に伺いたいんですね。私立学校法で規定される自主性を重んじること、私立の柔軟な教育課程の編成を守ることというものを重んじるが余り、自治体の監督権限が機能していないというような指摘があります。これは制度上の不備、課題と言えるのではないかと思うんです。 今の大臣の玉虫色の御答弁だったり様々な今般の事故に関する課題というのを突き詰めていくと、公立では当たり前なことが私立では当たり前じゃない。それは何かというと、建学の精神である、聖域であるというような、自由なその編成に、自由な学校教育に別に物を申しているわけではなく、子供たちの安全に関してのそういった義務を掛けていくという全然別の話にもかかわらず、その課題が顕在化した後もなお、そうやって玉虫色の答弁を続けられると、検討することにそんなにハードルが高いのかと思ってしまうんです。 大臣、もう一度御答弁お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 決してハードルが高いというわけでもないと思いますし、大変、玉虫色ということで恐縮でございます。 現時点においては、今調査をしている段階であります。具体的に、この調査の結果といたしまして、こうしたことが二度と繰り返されることがないようにしていくためにどうした対応が必要なのかということを我々としてしっかり考えさせていただいて、その上で対策を講じさせていただきたい、そのように考えております。
○伊藤孝恵君 平和の尊さを学ぶことの重要性については、誰も否定するものではありません。ただ、そのゴールがそれであったときに、なぜ手段が船だったかということ、なぜ命を奪われなきゃいけなかったかということ、そういうことについて真剣に考えていただきたいというふうに思います。 知華さんのお母様が撮影された平和丸の動画があります。こんな心もとない船に乗せられて、波浪注意報が出る中で、海上保安庁が注意を呼びかけているにもかかわらず決行されたかと思うと、憤慨するばかりです。 そして、文科省通知出していただいていますけれども、特に修学旅行等において船舶を利用する場合には、海上運送法の許認可を取得した事業者を選定すべきであると書いてあります。選定しなければいけないにするべきだと私は思います。大臣、どうですか。
○国務大臣(松本洋平君) 学校における校外活動時の安全を確保するために配慮すべき点などを四月七日付けで全国の教育委員会等に対して通知をいたしました。この中で、特に修学旅行などにおいて船舶を利用する場合には、海上運送法の許認可を取得した事業者を選定すべきことをお示ししております。 理由としては、海上運送法の許認可を取得した事業者については、輸送の安全を確保するため安全管理規程を定め、その遵守義務があると承知をしておりまして、修学旅行等における安全確保のためには、船舶の利用に当たってこうした許認可をしているかについて確認をすることが重要と考えているためであります。 今回の事案を踏まえつつ、今般の通知を契機といたしまして、改めて全国の学校現場における校外活動の安全確保等の徹底を促してまいりたい、そのように考えておりますし、また、すべきではなくて、せよというような形にするべきではないかというお問いに関しましては、これが実際にどのぐらいこの通知というものが機能するのか、そうしたものも見極めつつ検討をさせていただきたいと思います。
○伊藤孝恵君 機能するに決まっているじゃないですか。守るために何を変えるかということを真剣に考えていただきたいということを先ほどから申し上げております。 今朝、旅行代理店やホテル等の産業別労働組合であるサービス・ツーリズム産業労働組合連合会の櫻田あすか会長にお話を伺ってきました。修学旅行等において、旅行代理店を介在しない団体、こういった今回のような宗教団体や慈善団体によるプログラム提供や民泊等を利用する学校は、民泊等、増えているそうです。 こういった変化する修学旅行について文科省は把握をしているのか、また、こういった旅行代理店等と懇談を持つなど把握をしているのだろうか。これ、事実関係として、しているんでしょうか、望月局長。
○政府参考人(望月禎君) 教育課程のそれぞれの学校の内容につきまして、文部科学省の方で逐一把握をしているわけではございません。したがいまして、どこの学校がどういう形で修学旅行をしているかということについて、文部科学省で把握をしているものではございません。
○伊藤孝恵君 現場で添乗の仕事をしている方にもお話を伺ってきました。印象的だったのは、自分たちは大変立場が弱いんだとおっしゃっていたことです。学校から、ここは別行動で旅程を組んでくださいと、その示された場所、団体について、この団体大丈夫ですかとか、ここ許認可取っていますかとか、そんなことは聞けるような、そういう関係性ではないというふうにおっしゃっていました。想像できます。 そして、今回であっても、出航すると言っている団体の責任者や、学校の引率者がどうぞと言っている中で、この旅行代理店の方がそれは駄目ですと止める権限もなければ、それを言える商習慣もないという中で、止められたのかと、これは現実的ではなかったんじゃないかというふうに思います。 そして、この同志社国際高校の当該Fコースに旅行代理店の関与は確かにありません。契約上は旅程保証の対象外です。しかし、その方は、契約の問題じゃなくて安全の問題だから、本当に悔しいとおっしゃっておりました。各所、やっぱり値下げ要望というのはあるそうです、修学旅行について。無料で体験を提供するからというふうに言われたら、そこに乗って、送り迎えだけしてくださいというふうに言われることも多々あるそうです。 自分たちが任せられたのであれば、団体の安全配慮義務はもちろんですけれども、過去に事故はなかったか、ちゃんと保険は入っているか、その関係者の身辺はどういう方がいるのか、うわさ等でSNSはどうだったのか等々、リチェックをするというふうにおっしゃっておりましたし、今回、このサービス連合加盟の旅行代理店は、修学旅行等の取扱いについて自主的に調査を始められているそうです。 課題感としては、この料金というのと安全というのがバーターになってはいないか、こういった安全の担保と適切な旅費の設定について、これに課題感はないのか否か。これ、大臣も適切な指示、そしてお取組をお願いしたいんです。懇談をしたり調査をしたり、そういう御用意はございますか。
○国務大臣(松本洋平君) 修学旅行を含めた校外学習等における安全確保につきましては、文部科学省が示しております学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドラインにおきまして、訪問先、宿泊先、旅行代理店等、関係者との安全確保に関する事前調整を行うことなどを求めているところであります。 また、修学旅行等の実施に関する通知におきましても、関係業者に過度に依存することなく、学校が主体性を持って旅行、集団宿泊的行事の安全確保に万全を期することを求めています。また、事故を防ぐための措置を講じることは、旅行代理店以外の団体や民泊等の事業者であっても当然の義務と考えているところであります。 その上で、学校においては、旅行代理店の介在の有無にかかわらず、団体が提供するプログラムや民泊等を利用する場合には、先ほど申し上げた文部科学省が作成したガイドライン等も踏まえて、児童生徒等の安全を確保するための対応を徹底する必要があるものと考えておりますが、先ほど委員から御指摘がありましたように、その旅行代理店としての弱い立場というようなものも、先ほど資料で御提出いただいたnoteにもそういった内容の記述といいますか、当該旅行代理店の方のコメントみたいなものも載っているのを私も拝見をさせていただいているところであります。 そういう意味におきまして、安全確保が何よりも第一であります。そういう観点で、今回の調査を進めながら、確実にこうした事故というものを二度と起こすことがないような対策というものを我々文部科学省としても講じてまいりたい、そのように考えております。
○伊藤孝恵君 大臣、先ほどから学校が主体性を持ってというふうに度々おっしゃっておりますけれども、この主体性を持った結果、事故が起きたんです。 だから、この主体性に一定度の歯止めを掛けるために、様々な義務、報告義務でもいいです、そういうものを掛けていったらどうかというのに対しても、なかなか答弁をいただけないというところで、この旅行業法に別行動の規定というのも、これ、ないんですね。旅行会社には安全確保と旅程管理を負う責任がありますが、実際に決めるのは、やはり学校の校則や学内規則、最終的には学校長の裁量と保護者の同意により決まるそうです。 この学校長が保護者に内容を説明をしていなければ、同意を取るに値するその情報量がなければ、お父様のnoteにも書いてあったじゃないですか、余りにも、その危険性を察知する、その情報量、信頼をしていたというのもさることながら、その判断をする情報が提供されていなかった。であるならば、その判断に資する情報を提供させるしかないじゃないですか、子供たちの安全のために。 様々、文科省が取り組む部分はたくさんまだ残されていると思います。そこについて、大臣の答弁書を読まない答弁を求めております。いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 答弁書を読まずにお答えをさせていただきたいと思いますけれども、思いは委員と私は一緒だと考えているところであります。そういう意味におきまして、文部科学行政の在り方そのものにも関わる問いかけをいただいているというふうに承知をしております。 というのも、やはり、基本的にはやはり所轄庁があり、そこが学校の教育に対して責任を持って様々なことを決めていっていただいているわけでありますけれども、そこに対して国としてどのように関与をしていくのか、そうしたことも含めて議論をしていかなければいけないような、そういう課題なんだというふうに承知をしているところであります。 繰り返しの答弁になってしまって大変恐縮ではありますけれども、我々といたしましても、今回、どこかに責任を転嫁をするというか、国としてこの問題は関係がないなどと言うつもりは一切ありません。我々といたしましては、現状の制度の中でできることをしっかりとやっていくとともに、同時に、そこで見付けられた課題につきましては、我々といたしましても真剣に受け止め、そして、それを、再発を防ぐためにも、制度面も含めてどうした取組をしていくことが必要なのか、そうしたことを我々としてはこれから全力を尽くしてやっていきたい。そして、それをもって、学校のこうした修学旅行を始めとしたこうした活動の安全、安心というものもやっていきたい。それこそが、今回の事故の教訓を将来に生かすという意味だと思っております。
○伊藤孝恵君 大臣は、せっかく大臣なんですから、一つの事象の中に普遍性を見出して、その事故をきっかけとして、より良いものに制度を変えていただきたいと思うんです。 最後に、資料二を御覧ください。 修学旅行下の死亡事故、過去二十年で二十二件ございます。平成十九年の高三男子、平成二十年の高二男子、そして平成二十九年高二女子の溺死事案がありました。このときに何を文科省は教訓とし、何を変えたのか、最後に伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 資料を御提示いただいておりますとおり、平成十七年度以降における修学旅行中に発生した水難事故につきましては、日本スポーツ振興センターが毎年作成をしております報告資料において、それぞれ事故事例として紹介をするとともに、事故防止の留意点といたしまして、環境及び生徒の状況の両面から予測される幅広い危険の有無を点検し改善や指導を行うこと、事故が起こったときの迅速な救助や救急体制を整えていく必要があること、特に校外における学校行事等の実施に当たっては必ず事前調査を実施し、対策を講じておく必要があることが記載されているところであり、これらを全国の教育委員会や学校等に対して周知を図ってきたところであります。さらに、学校の危機管理マニュアル作成の手引などにおきましても留意点を体系的に整理をしたところであります。 今回の事案も踏まえつつ、これらの留意点を踏まえた全国の教育委員会、学校等における安全確保の取組の徹底に努めてまいります。
○委員長(熊谷裕人君) 時間が来ておりますので、簡単にお願いします。
○伊藤孝恵君 はい。 本事案に関してはまだ議論の論点がまみえておりません。文科省の現地調査を踏まえ、参院文科委員会への報告並びに集中審議を求め、お取り計らいを委員長にお願いをして、質問を終わります。
○委員長(熊谷裕人君) ただいまの御提案につきましては、後刻理事会にて協議をいたしたいと思います。
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。 通告をしていないところからちょっとお話をさせていただきたいと思います。別に意地悪なことを言うつもりはありません。 身長が百六十センチ、体重が百二十キロの中学生、これ実際私が関わった生徒でもありますが、体育の授業の中で様々な運動がありますが、どの運動ができるかというようなことをちょっと考えていただきたいんです。文科省の皆さんも大臣も、今日参加されていらっしゃる理事、委員の皆さんにも考えていただきたいんです。百六十センチで百二十キロです。この中学生、この子は、鉄棒はまずぶら下がるのが厳しい、前転は何とかできますけど後転は難しい、そういう状況ですね。様々な運動を楽しもうと思ってもなかなか楽しめない。 その子が活躍できたのが、実は、今日午前に質疑の中で鈴木委員がテーマにされた水泳だったんです。この水泳で、私は大変に、今でもその光景を思い出しますけど、百六十センチで百二十キロの体重のその男子生徒は、ついにクロールで千メートル泳げたんです。そのような活躍を、じゃ、その子がほかのどの運動だったらそれに並ぶほどの活躍をすることができるかとなると、なかなかやはり見当たらないんですね。水泳というのはそういった大きな魅力があると、達成感を味わわせることができるという、また後ほどその話はしていきますけれども。 三つ飛ばして質問の四から行きたいと思います。小学校でプールがない学校はどのくらい今あるでしょうか。学校施設としてのプールは今後どのような方向性になるのかということを問いたいと思います。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 先ほどの答弁の中でも申し上げましたが、スポーツ庁が実施する令和六年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査によると、水泳授業を自校のプールで実施する割合は小学校で七八・九%、中学校で六一・六%、自校以外のプールで実施する割合は小学校で一九・四%、中学校で一五・二%となっております。 水泳授業につきましては、一部の自治体では、学校プールの老朽化を始め様々な地域の事情を考慮し、必ずしも学校にプールを整備するのではなく、地域の公営、民営プールを活用する事例等も出てきております。公営の屋内プールを活用することは、この気候変動による猛暑日が増える中、天候や気温に左右されない計画的な授業の実施が可能となるものと考えております。 こうした状況を踏まえまして、先ほど大臣から答弁をさせていただきましたが、スポーツ庁では、令和七年四月から、学校プールと社会体育施設の複合化、集約化を行う事業に対しては補助率を三分の一から二分の一に引き上げる措置を講じて取組の促進を図っております。 スポーツ庁としては、地方公共団体に対し、気候変動への対応や地域住民にも開かれたスポーツ施設の効率的な整備、運用を促しつつ、水泳授業の持続的な実施環境の確保に努めてまいります。
○下野六太君 そうしたら、水泳の学習指導を、今のような話の中でいうと、自校で実施しているというところが、小学校で七九・八%、中学校で六一・六%というような数字、割合だったと思います。 じゃ、学習指導を外部委託されている自治体数、学校数は、その先ほどの割合でいくと、小学校では約二割、中学校では三割、三割以上が実施されているということになるでしょうか。現状はどのようになっていますでしょうか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 先ほどお話し申し上げた全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果によりますと、令和六年度の状況としては、水泳の授業を民間のスイミングクラブ等で実施し、インストラクター等の指導協力を得ている割合は、小学校は七・二%、中学校は二・九%となっております。
○下野六太君 このような外部委託が進んできている、この背景についてはどのように文科省捉えられておられるでしょうか。そして、文科省の水泳に対する今後の方針を問いたいと思います。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 昨今、各自治体の工夫等により、民間事業者を含む外部指導者と連携しているケースが出てきていると承知しております。 こうした連携につきましては、やはり水泳に関する専門的な知見や技術を有する専門家のノウハウを子供たちへの指導に生かすなどが期待される一方で、学校教育活動として実施する上では、例えば、指導計画の作成や計画を踏まえた指導、子供たちの学習状況の評価やそれを踏まえた働きかけなどについて教師が一切関わらないような状況とはならないように十分な留意が必要であると考えております。 スポーツ庁におきましては、今年二月、こうした外部指導者との連携の際の留意点も含めて、持続可能な水泳授業の実施に向けた参考資料を作成し、各教育委員会等に周知いたしたところでございますが、引き続き、各地域の実情等を伺いながら、より良い水泳授業の実施に関する取組を推進してまいりたいと思います。
○下野六太君 私、危惧するのが、専門家による指導を子供たちが受けるというのは非常に好ましいことであるというのはもう皆さんも一緒だと思いますが、その一方で、こういうことが行われているというのは、その日一日が水泳授業、集中してまとめてやると。朝から行きました、三時間から四時間程度水泳の授業をして帰ってきました、それで年間の水泳授業が終わりです。そして、外部委託をしているので外部の専門家のコーチの方が指導をしてくださいますが、学校の先生が私は責任があると思っているところであるんですけど、学校の先生はそれを眺めているだけというような、こういう状況は私は好ましい姿ではないというふうに思っていますので、そういった点も含めて、これからのあるべき水泳の学習の在り方を考えていただきたいと思います。 それで、私が、実際にこういう話がありました、教師をしていたときに、広島の尾道のある小学校の校長先生から、全然知らない人です、校長先生から電話がありました。尾道のうちの学校まで来て、小学校六年生に、うちの六年生に水泳の授業してくれと。どのぐらいですかと、一時間と。四十五分ですね、小学校ですから。そして、泳げるようにしてほしいと。むちゃだなと思いました。行ったこともないところに行って、知らない子供たちを、会って、四十五分の水泳の授業で、そして泳げるようにできるかと。 いろんなこと、いろんな要請ありましたけど、さすがに断ろうかなと思いましたが、よくよく考えて、三十分間の水泳の授業に入る前に三十分の座学の時間をくださいということを言って、分かりました、座学の時間つくりますということで、行って、こういう授業をしました。三十分間の内容とはどういう内容か。 ここに、目の前に六年生の、今初めて会った六年生が座っています。一人一人に聞きました、あなたはいつぐらいから歩き始めましたか。ある子は十二か月、ある子は十一か月、ある子は一歳一か月、まちまちでしたが、平均をすると十二か月ぐらいで歩き始めたんですねということが分かりました。 その後、ホワイトボードを前にして、そこで、今日あなたはどこを通って、どうやって学校に来ましたかと言いました。そうしたら、全員が家から学校には歩道を通って歩いてきましたと答えました。そうしたら、その図を描きました。家のイラスト、道路、歩道、そして学校描いて、この歩道がもし水路だったら、あなたたちは十二か月ぐらいで歩き始めた、つまり、歩き歴が十年とか十一年、移動手段としての歩き歴が十年、十一年なんですね。それが、物心付く前、一歳ぐらいから、移動手段が全部水路で、泳がないとどこにも行けないということだったら、あなたたちは泳げていますかというふうに問いかけました。そうしたら、全員が、泳げていますというような回答が返ってきました。 そうでしょうと。あの人は運動神経がいいから泳げる、僕は運動神経が悪いから泳げない。あの人は運動能力高い、運動神経がいい、才能がある、自分はそうじゃないからできない。それは間違いじゃないんですかということを言ったら、子供たちは納得しました。そのとおりだと。 それは、じゃ、何の差なんですかと。泳げる泳げないというのは何の差なんですかと。経験の差ですねと。だから、あなたたちは、経験をしていけばみんな泳げるんですよということを、ぱあんと自分たちが閉じているようなところを開いて、その上でポイントを三つ、これを伝えてプールに行ったら爆発的に泳げるようになりまして、千メートル以上泳げる子が続出して、もうプールが活気付きました。本当に感動的な一時間をいただいたものと思っています。 そうやって、自分が教える学年の子供たち、中には特別支援学級在籍の知的障害、情緒障害の子も含め、研究の成果として五年以上掛かりましたけど、二〇一〇年には、学年の生徒たちを、一人も例外もつくらずに、全員をクロールで千メートル泳がせることができるようになって、翌年には全員が平泳ぎで八百メートル。 そして、三年になったときに、その子たちが私のところにやってきました。ちょっと斜に構えて、先生、三年の水泳は何をするんですかと、こう言っているんですね。もう顔に言いたいことが書いています。俺たちは、私たちはクロール千、平泳ぎ八百泳げているから、三年の授業は、水泳授業は自由ですよねということを言いたかったんだなというのが顔に書いていました。そこで私、すかさず言いました。決まっているだろうと、バタフライだと。こう言ったら、ええって物すごく驚いて、やんわりと否定に入りました。 彼らは、スイミングでもなかなかバタフライを教えてくれないんですよと。分かっていると、やってみないと分からぬじゃないかということを言って、やってみたら、僅か三時間で全員がバタフライ二十五メートル泳げるようになって、最終的にバタフライを含む個人メドレー、全員がやり切って、できるようになったときに、子供たちに最後に自由記述の感想文を書かせたら、そこには感謝と喜びがつづられるもんだと思っていたら、最後に来た言葉は感謝や喜びじゃなくて、ほとんど同じ内容で来たんです。ここは判で押したかのような内容だった。感謝や喜びは真ん中辺りにあって、まさかこんなに泳げるようになると思っていませんでした、本当にありがとうございましたという感謝や喜び。しかし、末尾に来たのはほとんど同じ内容。それはどうだったのかと。だから次は英語を頑張りたい、だから次は数学を頑張りたい、だから次は苦手だと思って挑戦しなかったことにも挑戦をしたいということが、決意が、目標が書かれていたんです。 この水泳で味わった喜び、達成感を、今度は数学で、今度は英語でも、苦手だと思って諦めていたことにも挑戦するんだという子供たちのこの前向きな生き方にスイッチが入ったのがこの水泳の授業であったと私は思っています。 ですから、今、日本の社会の中での流れとしては、プールが老朽化している、改修にお金が掛かる、維持にもお金が掛かるというのはよく分かります。しかし一方で、水泳ほど性差や体力差関係なく達成感を味わわせることができるこの運動単元は、水泳が私は最高ではないかというふうに思っておりますので、その点を含めて、これからのやっぱり文科省として水泳の指導を考えていただきたいと思っています。 私は、先ほどの中で、これからの文科省の方針としてはプールは残していくというような方向性で、学校を地域の健康の維持増進の場として捉えたならば、そこで屋内のプールに改修工事をして、そして子供たちが安心、安全な環境下の下で水泳の授業ができるような形、そして地域にも開かれるというような、そういうふうな形で私はやっていただきたいと思っていますけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 下野先生の御自身の御経験に基づいたお話を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。学校教育においてすごく大切な観点が詰められたお話を、詰まったお話をされているなということで、大変有り難く拝聴をしたところであります。 おっしゃるとおりで、水泳でありますけれども、我々としては、当然これは学習指導要領上も、是非やってもらうというか必修というような形の位置付けをさせていただいているわけでありますけれども、どうしてもの特別な事情があるときにはということで、その例外的なところも置かせていただいているところであります。 それは、先ほど来お話が出ておりますように、施設の老朽化でなかなかそれを工事をすることができないでありますとか、また、大変暑い日が続いている中で、なかなか屋外での水泳の授業が生徒たちの健康を考えると難しいとか、いろんな状況があるところであります。 一方で、今、学習指導要領に関する議論というものも進めているところで、進めていただいているところでありますけれども、当然、そうした中におきまして、この水泳の大切さというものも御議論をいただいているというふうに承知をしております。 また、施設整備も含めまして我々といたしまして進めていくことによって、こうした子供たちが水泳、プールの授業というものを通じて様々なことを学ぶことができるように我々としても努力をしてまいりたい、そのように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○下野六太君 学校は、小学校単位でも中学校単位でも、地域の中の私は一つの大きな拠点になって、今これだけ社会保障費にお金が掛かっているという問題が取り沙汰されているこの現状の中で、やはりプールで、地域に住んでおられる方々が学校施設のプール開放をできるような、そういうふうな仕組みをつくっていけば、より健康になって社会保障費の方も私は抑えられる、そしてより良い本当に人生を謳歌できるんじゃないかと、このように思っておりますので、そういった形での水泳、プールの今後の活用の仕方も含めて検討いただければと思っています。 時間がもうなくなってきていますので、次の質問とその次の質問を続けて伺いたいと思います。 非常に危惧しておりますオーストラリアから始まった青少年に対するSNSの規制について、世界の現状と、そして青少年健全育成に対して、SNS規制に対する文科大臣の見解を伺いたいと思います。
○委員長(熊谷裕人君) まず、大臣お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) じゃ、まず私の方から。恐らくこの後、また実際の各国の状況についてはお答えをいただきたいと思いますが。 SNSの利用に対する規制の議論についてでありますけれども、SNSは情報収集、コミュニケーションツールとして利便性が高い一方で、その利用に起因するトラブルや犯罪に巻き込まれるなど、懸念も指摘されているところであります。というか、実際にそうした例も報告をされているところであります。 文部科学省としては、子供たちがそうしたトラブルや犯罪などに巻き込まれることがないように、情報モラル教育の充実、青少年のインターネット利用に関する保護者向けの啓発シンポジウムの開催など、教育啓発活動をしているところであります。 なお、インターネットの利用をめぐる青少年の保護の在り方につきましては、こども家庭庁が設置する有識者ワーキンググループにおいて課題や論点の整理を取りまとめ、現在、これを受けて関係府省庁連絡会議において更に議論を深めているところであります。 こども家庭庁を始めとする関係府省庁と連携しつつ、文部科学省といたしましても、引き続き、社会全体でインターネット利用を始めとした青少年の健全育成が図られるよう努めてまいります。
○委員長(熊谷裕人君) 次に、こども家庭庁長官官房竹林審議官。(発言する者あり) それでは、よろしいですか。じゃ、下野さん、どうぞ。
○下野六太君 次、また機会あるときに、済みません。ちょっと時間が来ましたので。 SNSの規制を今後掛けていくというような方向で日本の中でも議論が進むかと思いますが、私は、そこに規制を掛けて法律を作るということよりも、直接体験を子供たちにしっかりと環境をつくっていくというようなことが非常に重要ではないかということを申し上げて、またこの続きもさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 私からも冒頭、辺野古沖でのその修学旅行の事故について触れたいというふうに思います。 改めて、尊い命が失われたことに深く哀悼の意を表します。 文科省は、事故から三週間たちました四月七日に、新学期に合わせて安全確保の徹底を求める通知を発出されました。事前の下見の欠如であるとか引率体制の不備だとか、これまでに把握された問題点というのは極めて深刻だと思います。平和教育のありようについても深い疑念があります。 冒頭、質問する予定でありましたけれども、先ほど来、伊藤先生の質問ありましたし、午前中も取り上げられておりますので、私の方からも、しっかりと文科省としても対応を、しっかりとした対応を求めたいということを申し上げたいと思います。 それで、私の今日の質問は、自殺対策について伺っていきたいというふうに思っております。 我が国の自殺者数ですけれども、昨年、二〇二五年一年間の数が確定をされまして、先般公表されましたが、全体の自殺者数は統計開始以来、初めて二万人を下回ったと。特にこれは二〇〇六年の自殺対策基本法施行以降、総数は減少傾向にあるということには間違いありません。 ただ一方で、児童生徒の状況に目を向けると、昨年、二〇二五年の数が五百三十八人と過去最多となりました。これは、統計を開始して以降、過去最少であった平成三年、一九九一年や、平成五年、九三年、このとき百九十五人でありましたから、このときと比較すると実に二・八倍にまで達しています。なお、児童生徒の総数自体がこの三十年余りで四割減少しております。にもかかわらず、そういう数です。特に、コロナ禍以降の増加が顕著であるということについて私は深刻に受け止めています。十代の死亡原因の第一位が自殺ということ、であるというのは、G7諸国では我が国だけであるということであります。 原因、動機については、統計上、学校問題が最も多く挙げられております。もちろん、小学校なのか、中学校なのか、高校なのか、性別で異なります。また、家庭環境だと、健康問題だと、様々な要因が複雑に絡み合っていることは承知しておりますし、原因が分からないという答えが多いというのも分かっております。しかし、子供たちが生活の多くを過ごす学校に関連した事柄が一つの大きな要因となっている事実というものは重く受け止めていかなければならないと思っております。 大臣、まず、この全体の自殺者数が、総数が減少する中で、児童生徒の数が過去最多水準にあるこの現在の状況をどのように受け止めておられるのか、率直な認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 今、谷合委員がおっしゃられたとおり、大変、小中高生の自殺者数が五百三十八名と過去最多となったこと、そして全体の児童生徒数が減少をしている中でこうした数字というものが表されているということ、こうしたことを含めまして大変深刻に受け止めております。何としてでも、こうして自ら命を絶つという選択を子供たちがすることが決してないように我々としてもしていかなければいけない、そのように強く決意をしているところであります。 また、小中高生の自殺の原因、動機といたしまして、学校問題が最多となっております。これも含めまして、文部科学大臣として極めて重大に受け止めているところであります。 一般論として、自殺の原因は多様かつ複合的な原因及び背景を有しておりますので一概には申し上げられませんが、いかなる事情であれ、子供たちが自ら命を絶つようなことは決してあってはなりません。 文部科学省として、児童生徒の自殺対策を一層進めていく必要があると考えておりますし、また同時に、本当に対策を立てるためには、どこに原因があって、どういう対策を取っていかなければいけないのかということを考えることが大変大事だと思っております。そういう意味におきましても、現場としっかりと連携をいたしまして、この原因分析等々も何とか進めていかなければいけない、私自身そのように考えているところであります。
○谷合正明君 昨年、自殺対策基本法、これが改正されております。改めて、その経緯というもの、原点というものか、それを振り返ってみたいと思うんですけれども、この法律自体は、これ参議院における超党派の動きから生まれてきたものでございます。きっかけは、二〇〇一年に、平成十三年、二〇〇一年に自死遺児たちが初めて顔と名前を出してNHK番組で体験を語った。このときに、自殺は個人の問題ではないんだと、社会の問題だと勇気を持って訴えたという番組でございました。 この訴えを政治の場で受け止めたのが、二〇〇五年五月に発足した超党派での自殺対策を考える議員連盟、今でいうこの議連になります。当時は、参議院の厚生労働委員会の与野党理事が中心となってこの問題を取り上げようと、党派を超えてやろうということになった。そこには、故山本孝史先生ですとか武見敬三先生らが党派を超えて集っておられました。議連発足直後のシンポジウムで、当時、尾辻厚生労働大臣なのかな、が出席される中、民間団体だとか遺族が国が動く以外には道はないんだと強く迫って、これを受けて、七月に厚生労働委員会で全会一致で自殺対策に関する決議を行いました。翌年の二〇〇六年に、ついにこの法律が成立すると、でき上がるということになりました。まさに、この自殺を社会の問題として国が責任を持つんだというこの法律ができ上がったというふうに思っております。 今回の法改正も、この法律ができてから二十年という節目を前にして、今、今日的な大きな課題である子供の自殺対策に焦点を当てて改正したということであります。 私自身も、議連の中では、こども・若者自殺対策の本部長として、例えばSOSの出し方教育であるとか、そうしたことをいろんなメンバーと一緒になって提言し、実行してまいりました。 今回の法改正においては、法改正を受けた対策パッケージというのもあるんですけれども、文部科学省や厚生労働省、こども家庭庁ごとにやるべき課題というのも明確に定められております。文科省が新たに実施すべき項目として、例えば学校における精神保健に関する知識の向上ですとか、心の健康保持のための健康診断等の措置であるとか、医療、学校現場が連携した教職員向けのガイドラインの作成と広報といったものがございます。 これらの取組をいつまでにどのように全国の学校へ浸透させて実効性を持たせていくつもりなのか、現在の具体的な取組状況について政府参考人の答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 自殺対策基本法の改正などを踏まえまして、こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議におきまして昨年九月に、御指摘いただきましたこどもの自殺対策推進パッケージを取りまとめ、文部科学省を含めた関係省庁が連携して子供の自殺対策を総合的に推進しているところでございます。 このうち、御指摘いただきました学校における精神保健に関する知識の向上につきましては、発達段階を踏まえつつ、児童生徒が精神保健について正しく理解し、適切な行動が取れるよう取り組むことが重要であり、取組の充実のために保健師や公認心理師等の専門家を外部講師として活用すること、また当該専門家と連携して個別指導を行ったりすることなどにつきまして教育委員会に対して促しているところでございます。 また、学校における心の健康の保持のための健康診断等につきましては、保護者が記入する保健調査票等におきまして、心の健康に係る諸症状について記入する欄を設けるなどによりまして、健康相談、保健指導や医療機関への相談などにつなげることを教育委員会などに促すとともに、現在、学校における保健管理の在り方について見直しを進めておりまして、心の健康につきましてもその中で関係者の意見を踏まえながら検討してまいります。 さらに、医療及び学校現場と連携した教職員向けガイドラインにつきましては、今年度中に学校現場にお示しできるよう、有識者会議での議論を行っております。 引き続き、改正自殺対策基本法や本パッケージなどを踏まえながら、関係省庁一丸となって子供の自殺対策に取り組んでまいります。
○谷合正明君 今月施行されました改正自殺対策基本法第八条に基づいて自治体に設置できることとなった協議会について伺っていきたいというふうに思います。 児童生徒に自殺をほのめかす言動が見られただとか、あるいは自殺未遂をした子供が救急搬送されたなど、学校や地域の医療機関では自殺リスクの高い子供の情報をつかむことがございます。ただ、個人情報保護の観点であるとか、実際そういう情報接したときにどこに連絡すればいいか分からないといったところから具体的な支援につながらないケースが少なくなかったということであります。そこで、法改正をして、学校、医療機関、児童相談所、民間団体など関係機関や専門家で構成される協議会を市町村や都道府県が設置できるということを盛り込んだものでございます。 この協議会の設置、運営に関する予算、また所管省庁はこども家庭庁となっております。しかし、この実効性を左右するのは当然学校現場がいかに主体的に関われるかに尽きますので、私、先般の予算委員会で高市総理に対しまして、この協議会、これ設置ができる規定でありますけれども、国が先頭になって自治体への設置を強力に促すべきじゃないかということを訴えました。総理からは、関係機関が連携し、早期に支援につながる仕組みの重要性を認めまして、設置促進に向けた、強力に働きかけていく答弁をいただいております。 この協議会の最大の意義、一つは、学校や教員が一人で問題を抱え込まなくて済む、そういう仕組みをつくっていくということにもあると私は思います。地域に精神科医や弁護士、福祉の専門家などで構成されるチームができれば、教員は安心してリスクを共有し、役割分担を担うことができます。教職員の過度な精神的負担を軽減することにもつながる、そのことも期待されます。 そこで、大臣に伺います。文部科学省として、この法定協議会の意義をどのように認識して、自治体における設置を後押ししていくために各教育委員会や学校現場に対してどのような具体的なアクションを取るつもりなのか、答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 自殺対策基本法に基づきます協議会でありますけれども、自治体が学校や教育委員会を含む関係機関と必要な情報交換や対処、支援などに関する協議を行う場であります。自殺の危険性が高い子供を早期に発見をし、関係機関などが共通理解を持って迅速かつ適切な支援を行うという観点から非常に重要な意義を有している、そのように考えているところであります。 文部科学省としての取組でありますが、文部科学省としても、こども家庭庁で作成した協議会の設置、運営に関するガイドライン、これにつきまして教育委員会などへの周知を行ったところであり、引き続き協議会の設置促進に協力をしてまいりたい、そのように考えております。 また、現在、文部科学省では、学校が医療等の関係機関と連携しつつ、自殺リスクを抱えた児童生徒への早期対応ができるよう、留意点をまとめたガイドラインの作成に向けた検討を、先ほど局長から答弁をしたとおり行っているところであります。 こうした取組を通じまして、児童生徒の自殺予防に向けて、教職員が抱え込むのではなくということもこれまた大事なところだと思っております。学校が組織的に対応することができるよう全力で取り組んでまいります。
○谷合正明君 この協議会については、こども家庭庁が今年の予算ではモデル事業としてやるということなので、私が恐れているのは、なかなか設置される自治体、少ないのではないかという危惧を抱いているものですから。というのも、自殺対策危機チームというのがあるんですけれども、これも都道府県や政令市で設置するということになるんですけれども、これもまだ全部の都道府県や政令市で設置されているわけでもございません。子供対応自殺危機チームも含めて、この今回の協議会も含めて、しっかりと設置の促進を文科省としてもしっかりと後押しをしていただきたいというふうに思います。 次に、デジタル技術を活用した自殺対策について伺います。 改正法、また昨年九月の対策パッケージの中にも、一人一台端末を活用した心の健康観察の推進が盛り込まれております。自殺で亡くなった児童生徒の四割を超える児童生徒は、亡くなる当日までふだんどおり学校に通っていたという、そういう調査結果もあるとおり、なかなか周囲が自殺のリスクに気付くということは容易ではない。だからこそ、一人一台端末を使った心の健康観察など、SOSを浮き彫りにするということが重要であります。 そこで、文科省に伺いますが、現在、全国の公立小中校において、この端末を活用した心の健康観察はどの程度実施されているんでしょうか。また、これがいまだ導入が進んでいないとすれば、それはどういう原因があるんでしょうか。現在の進捗状況や課題について答弁を願いたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 児童生徒の自殺のリスクを少しでも早く発見し、対応を行っていくこと、これは非常に重要でございます。 今、谷合委員の方からお話ございました一人一台端末を活用した心の健康観察の状況でございますけれども、小学校で五四・九%、中学校で五七・五%となってございます。心の健康観察アプリを、気になるコメントを回答した児童生徒の中で、学校の管理職あるいは学級担任、教育委員会が早期に情報共有できた事例も我々として把握をしているところでございます。 国としては、今年度からスタートしました学校のICT環境整備三か年計画においては、全ての学校でこの一人一台端末を活用した健康観察が進むよう、児童生徒の学校生活を支援するツールとしての標準装備ができるための地方財政措置を講じてございます。これ導入をした効果など、我々ももう少し把握をしながら、他の導入をしていない自治体に対する周知も含めて推進に努めてまいりたいと考えてございます。
○谷合正明君 関連して、AIの活用について伺います。 一人一台端末の普及に伴って、子供たちが誰にも言えない悩みを身近な生成AIに打ち明けるケースというものがあるということであります。AIが子供たちの事実上の相談相手になりつつあるという現実もある。これを放置するのではなくて、むしろこのAIを命を守る側に積極的に生かしていくべきではないかとも考えます。 ただ一方で、海外では、対話型AIが自殺を思いとどまらせるどころか、逆にその自殺念慮に寄り添う結果、この自殺を助長してしまって、悲劇を招いたとして訴訟に発展する事案も報告されております。AIが不適切な応答をしたり、子供を孤立した依存状態に陥らせたりする負の側面を国としてどう克服していくか、これも極めて重要だと思っております。 そこで、こども家庭庁に問いたいと思いますが、このAIを活用した自殺対策をどう進めていくのでしょうか。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。 令和七年の小中高生の自殺者数が過去最多となったこと、こども家庭庁としても大変重く受け止めております。 生成AIの利用につきましては、こども家庭庁が実施した令和七年度青少年のインターネット利用環境実態調査において、高校生の四六・二%が生成AIを利用しているとの結果が示されており、その利用が広がっていると認識しております。また、子供へのアンケートにおいても、生成AIをコミュニケーションや雑談に使っている、不確かな情報が多いなどのデメリットがあると感じているなどの回答がございました。 令和八年四月に全面施行となった改正自殺対策基本法では、自殺対策はICTやAI等の適切な活用を図りながら展開することとされております。このため、令和八年度において、デジタルデータやAI等を活用した新たな取組について有識者の参画を経て検討することとしており、海外の事例も踏まえつつ、安全性等にも留意しつつ、AIの活用について検討を進めてまいりたいと思います。
○谷合正明君 最後、ちょっと一分なんですけれども、最後、大臣に決意を伺って終わりたいと思います。 改めて、子供たちの尊い命を守り抜くために、文科省が先頭に立ってこの課題に取り組んでいただきたいと思っております。そのためにも、大臣自身、是非この自殺対策の相談現場だとか、このリアルの相談現場を訪れていただきたいと思っております。そのことを含めて、最後、大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 所信におきましても、私自身、文部科学大臣として、現場主義の徹底というものを掲げてきたところであります。実態に即した政策を進めるためにも、できる限り現場の状況を把握することは極めて重要である、そのように考えているところであります。 私自身としても、今委員からおっしゃっていただきましたように、今後、機会があれば、是非現場を訪れて、そして拝見をさせていただき、いろいろと直接お話を聞く、そういう機会を設けてまいりたい、そのように考えているところであります。 また、改めてになりますけれども、二十四時間子供SOSダイヤルというものを国が予算措置しておりますが、自殺やいじめ、不登校に係るもののほか、学業や進路に関するものなど様々な相談が寄せられておりますが、児童生徒などが一人で悩まないよう、気持ちに寄り添い、共感すること、緊急の対応を要すると考えられる相談があった場合には関係機関に速やかに連絡することなどに留意をしつつ、相談員の皆様方には昼夜を問わず多様な相談への対応に当たっていただいているところでありまして、この場をお借りいたしまして深く感謝を申し上げる、その次第であります。 悩みや不安を抱えている児童生徒の皆さんには、是非、一人で抱え込まず、御家族や先生など信頼できる大人に御相談をいただくとともに、もし周りの人に話しづらいときには、是非積極的にこうした相談窓口も利用いただきたいと思っております。 失われていい命は一つもありません。是非、子供たちにはそうしたことも理解をしていただいて、何か困ったことがあったら周囲に相談をしていただいてということで是非お願いをしたいと思いますし、そうして相談をしてもらうことによっていろいろな心の負担というものもそれぞれ解決をしていったりというようなこともあろうかと思います。是非、そうした形で、まず、困ったり悩んだり、いろんなことがあったときには周りに相談をするということを是非していただきたい、そのように思っているところであります。 我々といたしましても、教育相談体制の充実を含めました自殺予防の取組にこれから全力を、これからもまた全力を尽くしてまいります。
○委員長(熊谷裕人君) よろしいですか。 もう時間が来ておりますので。(発言する者あり)訂正。じゃ、訂正お願いします。
○政府参考人(望月禎君) 先ほど私の答弁の中で、学校のICT環境整備三か年計画を本年度からと申し上げましたけれども、正確には昨年度からでございました。大変失礼いたしました。
○谷合正明君 終わります。
○中条きよし君 日本維新の会の中条きよしでございます。 これまで、委員会の場でも、自分自身の経験なども踏まえながら、文化や芸能をどう守っていくのかという観点から質問をしてまいりました。 本日は、その延長線上とも言えますが、政府が検討している著作権法改正、特にレコード演奏・伝達権の創設について、また実演家を取り巻く現状について、現場の実態を知る者として率直な思いも交えて伺いたいと思います。 私自身、二十代の頃から今の著作権の仕組みに対してずっと疑問を抱いておりまして、なぜなら、今のこの著作権の仕組みというのは音楽に関わる人たち全体にとって公平とは言えない構造になっています。 まず、音楽を利用するお店側の目線でいえば、私自身も二十代のときにバーというのを経営しておりまして分かるんですが、何で五坪の小さな店と五十坪の大きな店が同じ使用料なんだというようなことなんです。ある国内の音楽著作権を管理する事業者のBGM使用料の例ですが、例えば、面積が五百平米、およそ百五十坪以下の広さなら一律で同じ料金にまとめられてしまっているんです。カウンター数席しかない五坪の店も広々としたその五十坪の店も全く同じ金額を払わされることになるんです。これでは小さい店が納得できずにもめるのも仕方がないことなんです。 一方で、アーティスト側の目線でいえば、もっとおかしな構造もあります。お店で音楽が流れたりカラオケなどで楽曲が利用されたりしても、今のルールでは公の場で実演家への対価の還元が十分とは言えないんです。対価が入るのは基本的には作曲家と作詞家です。なぜ歌っている人間や演奏している実演家には対価が入らないんでしょうか。歌い手がいて弾き手がいて初めてその音楽というのはみんなの心に届くもんだと思っています。音楽を生み出して届ける権利というのは関わったみんなに分配するべきだと思います。 日本の音楽や映像、芸能などのコンテンツ産業は世界に誇る重要な文化産業であり、これからの成長分野でもあります。そして、その土台を支えているのは、実際に歌い、演じ、演奏し、作品を世の中に届けている実演家の皆さんです。 現在の著作権法というのは、昭和四十五年の制定を基礎として、実演家は公の場での再生に対する対価からずっと置き去りにされてきました。実演家本人というのは、おかしいと思ってもなかなか声を上げられません。契約上非常に弱い立場にあるからなんです。不満を持って何か行動を起こせば仕事がなくなるかもしれないと思って萎縮をしてしまいます。だからこそ、その権利というのは制度として守らないといけない、法的に決まらないとどうしようもないんです。 そこで、お尋ねをいたします。 我が国においては、歌手や演奏者などの音楽分野の実演家に対して、店舗など公の場でレコードが利用されてもその利用に応じた対価を受け取ることができない状況が続いています。一方で、世界の多くの国と地域では、いわゆるレコード演奏・伝達権が導入されており、実演家にも一定の対価が還元される仕組みが整備されています。このレコード演奏・伝達権については令和七年度の骨太の方針等で導入について早期に結論を得るとされていましたが、これまでの検討状況はいかがなんでしょうか。お聞かせを願います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 レコード演奏・伝達権につきましては、文化審議会著作権分科会において令和五年度から検討が行われてきており、令和五年度には、我が国におけるレコード演奏・伝達権の実態、国民意識に関する調査研究の報告等、令和六年度には、権利者団体から権利導入後の徴収体制に関する検討状況をそれぞれ聴取し、議論が行われたところでございます。また、令和七年度には、先生から御指摘いただきましたが、骨太の方針等においてレコード演奏・伝達権の導入について早期に結論を得るとされたことを踏まえ、同審議会において利用者団体から丁寧にヒアリングするなど議論を重ねてまいりました。 これらの議論を踏まえて、令和八年三月に取りまとめられた審議会の報告書におきましては、レコード演奏・伝達権を創設することが望ましいとされたところでございます。 文化庁といたしましては、この報告書や関係者の御意見も踏まえ、現在検討を進めているところでございます。
○中条きよし君 ありがとうございます。 最初に申し上げたように、制度として整えないと権利が守れない分野です。実効性のある制度設計というのをお願いいたします。 正直申し上げて、ようやく検討が進んだということは評価しますが、これだけ国際的にも一般化しているレコード演奏・伝達権であるにもかかわらず、そもそもなぜ日本というのは導入がこれほどまでに遅れてきたんでしょうか。 もちろん、制度がつくられた当時の社会状況や、当時の国際的な事情があったことは承知しています。しかし、結果として、日本では、音楽を実際に歌う、演奏している人たちが公の場での利用に対する対価を十分に得られない状態というのが長く続いてきたわけです。この制度の導入が遅れてきた背景を現在の政府としてどう整理しているのかをお聞かせください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 我が国におきまして、実演家等の権利である著作隣接権は、昭和四十五年に全面改正した際に新たに整備をされました。著作隣接権におきましても、著作権と同様、その利用場面ごとに権利が定められております。 当時、その中の一つとしてレコード演奏・伝達権を定めるかどうかが議論されました。その議論の中で、著作隣接権について定めるローマ条約の締約国が当時は十か国程度にとどまっていたこと、当時の喫茶店等の業種では商業用レコードの利用はそれほど多くなかったことなどから、将来の国際的な動向の進展も踏まえて再検討することが適当とされました。 今般、これらの状況に変化が生じたことや、我が国の音楽やアーティストの海外展開の促進、実演家等への対価還元の促進といった観点を踏まえ、文化審議会著作権分科会報告書におきまして、先ほども御答弁申し上げましたが、レコード演奏・伝達権を創設することが望ましいとされたところでございます。
○中条きよし君 ありがとうございます。 音楽の使われ方も社会の在り方も、著作権法が制定された当時とは大きく変わっています。だからこそ、その見直しが必要なんだということだと思います。 さて、次に伺います。 今までは、店舗などで音楽が使われても歌手や演奏者には対価が届かない仕組みであったわけですが、レコード演奏・伝達権が創設されて新しい制度ができるということで、国内での利用に応じた還元というのはどう変わるんでしょうか。 また、海外で日本の音楽が利用された場合についても、相互主義により対価を受け取れる可能性が広がると承知していますけれども、そういったことも含めて、今回の制度の創設によって実演家にとってどのような効果が見込まれるのか、分かりやすく御説明を願います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 現状におきましては、我が国はレコード演奏・伝達権を導入していないため、国内だけではなく、諸外国で我が国の商業用レコードが公に再生、伝達されたとしても、相互主義を理由に我が国の実演家等に対する対価還元は行われていないところでございます。仮にレコード演奏・伝達権が導入された場合には、国内及び海外から我が国の実演家等に対し対価が支払われることとなり、これにより実演家等に適切な対価が還元されることが期待をされます。 また、これは実演家等の活動の新たなインセンティブを生じさせるものであり、特に我が国の音楽やアーティストの海外展開の促進につながることとなると考えております。
○中条きよし君 そうなんですよね、難しいんですよね。とにかく実演家に対価が届く道が開かれるということは、日本のコンテンツ産業の強化にもつながります。実演家にとって実効性がある制度設計を望みます。 次に、一番大事なのが、その権利を誰がどう管理するのかという点だと思います。新しい権利をつくっても、その管理や分配の仕組みが適切でなければ実演家のための制度にはなりません。実演家の権利というのは、実演家自身に近い立場の団体が責任を持って管理し、実演家本人にしっかりと分配される仕組みにすべきだと考えます。レコード会社や既存の著作権管理の仕組みにそのまま委ねるのではなく、あくまで実演家本位の制度設計が必要ではないでしょうか。 今回の制度では、誰がどのような形で権利を行使し、管理し、分配していくことが想定されているのかをお伺いします。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 実演家のレコード演奏・伝達権に基づく徴収や管理、分配につきましては、文化審議会におきまして、権利者である実演家による権利行使の一環であることや、権利処理の円滑化、各権利者への公正公平な分配を図る必要等の観点から検討が行われ、レコード会社や著作権の管理団体ではなく、文化庁長官が指定する実演家の団体が行うようにする旨が報告書に示されているところでございます。 具体的な制度設計につきましては、御指摘いただいた観点も踏まえ、更に検討を進めてまいります。
○中条きよし君 じゃ、ここで実態調査を紹介します。二〇二一年に全国芸能従事者労災保険センターが行ったアンケートでは、二次利用の管理団体と契約している実演家は僅か一五・三%、再利用の状況について分からないと答えた人が八六・一%に上っています。多くの実演家が自分の作品がどのように使われているのか、またどのように分配されているのかを把握できていないのが現状です。せっかく権利をつくっても、その存在を知らない、手続が難しい、利用実態が見えない、結果として本人に対価が届かないということでは意味がありません。 そこで、お尋ねをいたします。今回の著作権法改正については、実演家本人に情報と対価が届くようにするためにどのように対策を考えているんでしょうか。お聞かせを願います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 検討中のレコード演奏・伝達権につきまして、仮に権利が創設された暁には、権利者である実演家の方々に必要な情報と同権利に基づく二次使用料の分配が届くようにすることは大変重要と考えております。 文化審議会の報告書におきましては、同権利に基づく二次使用料の徴収と分配に関する具体的な運用は指定団体が担うことが想定をされております。まずは指定団体におきまして徴収などの仕組みの構築に取り組むことが重要とされており、あわせて、権利の趣旨やその詳細について周知を行う必要があると示されているところでございます。 また、商業用レコードが利用された実演家に対しましては、二次使用料が公正公平に分配されるよう、指定団体において正確な分配の基礎となるデータの収集、分配の透明性の確保を始め適切な運営を行う必要があると示されているところでございます。 いずれにしましても、委員の御指摘を踏まえつつ、更に検討を進めてまいります。
○中条きよし君 ありがとうございます。 きちんと情報と対価が届く仕組みになるようによろしくお願いをいたします。 さて、次に、分配団体の運用と監督について伺います。 昨年三月に、文化庁は、日本脚本家連盟に対して、数億円規模の未払の問題について業務改善命令を行いました。これは別分野の事例ではありますが、集めたお金がきちんと権利者本人に支払われるのかという制度への信頼に関わる重要な点でございます。 新しい権利分配制度をつくるのであれば、権利をつくるだけでなくて、分配団体や管理事業者に対する監督、情報公開、外部検証、必要に応じた改善命令なども含めた制度設計が必要だと考えます。その点について御見解をお聞かせ願います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 現在検討中のレコード演奏・伝達権につきまして、文化審議会の報告書におきましては、実演家の権利は実演家を構成員とする団体で文化庁が指定した団体において管理をすること、当該指定団体は、各権利者に公正公平な分配がなされるよう、透明性の確保を始め適切な運営を行う必要があることが示されているところです。 また、報告書では、当該指定団体に対する監督や情報公開等の在り方について、先行して制度化されている放送二次使用料に関する指定団体制度を基に、文化庁長官による監督の仕組み等を設けるべき旨が示されております。 現在の著作権法におきましても、放送二次使用料に係る指定団体に対し文化庁長官の監督権限が定められているところでございます。 引き続き、委員からの御指摘を踏まえつつ、更に検討を進めてまいります。
○中条きよし君 ありがとうございます。 透明性と適正な分配が制度の根幹にあるという認識は是非徹底していただきたいと思います。 次に、映像分野における二次利用の契約の在り方について伺います。 映画の著作物とされる放送目的作品の再放送や二次利用の対価については、文化庁のFAQや契約ガイドラインにおいて、実演家の了解を得て映画の著作物に録音、録画された実演についてはその後の利用には著作隣接権が及ばない、いわゆるワンチャンス主義が示されています。 しかしながら、本来は映画を念頭に置いた考え方が、実際には放送目的の作品であるにもかかわらず、映画の著作物であるとされて出演契約に適用されるケースがあると、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議において日本芸能従事者協会の森崎めぐみ委員から指摘がされております。例えば、時代劇や二時間ドラマのように、実質的には放送のための作品であるにもかかわらず、ワンチャンス主義を前提とした契約が結ばれ、その結果、実演家に十分な対価が還元されていないようです。 そこで、伺います。文化庁として、こうした契約や運用の実態をどのように把握しているのか、また、実演家への適正な対価還元を確保する観点からどのような取組を行っているのかをお聞かせ願います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 芸術家等が持続可能な形で活動を継続できるよう、契約を含めた活動環境を改善し、その活動基盤を強化することは大変重要と考えております。 文化庁におきましては、先生からも御質問で触れていただきましたが、文化芸術団体や弁護士、学識経験者等の委員から構成をされます文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議を開催をし、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインを作成をしたところでございます。本ガイドラインでは二次利用も念頭に置いた契約条件を決めておくことの重要性について明記をさせていただき、令和四年度より様々な関係者を対象とした研修会を開催し、その周知に努めているところでございます。 今後も、実演家等の活動環境の改善につきまして、関係省庁とも連携し、着実に取り組んでまいります。
○中条きよし君 次に、契約そのものの問題について伺います。 文化庁が二〇二〇年に実施した芸術家や実演家などの文化芸術活動に関わる方々へのアンケートによれば、報酬や仕事内容が明示されていなかったことがあった人が一九・六%、不利な条件での受託を求められたことがある方が一三・三%に上っています。さらに、問題があっても今後の活動への影響を懸念して交渉せずに受け入れた人が五〇・九%と半数を超えています。つまり、権利があってもそれを現実の契約の中では十分に主張できない、非常に弱い立場に置かれているわけです。特に、個人で活動する実演家にとっては、仕事を失うかもしれないという不安の中で、条件交渉そのものが難しい場合も少なくないと思います。 また、検討会議で、早稲田大学の上野達弘教授から、日本の著作権法というのは権利を与えるだけで、その後の契約を十分に規律しておらず、欧州の著作権契約法のように比例報酬原則や情報提供義務による透明性確保が参考になるという意見もあったようです。 そこで、お尋ねをいたします。我が国においても実演家が確実に守られるように、単に権利をつくるだけではなくて、利用条件や収益情報の開示、適正な利益分配、契約の透明性を含む契約法制の整備まで検討するべきではないでしょうか。そこのところの見解をお伺いいたします。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 令和二年に文化庁が行ったアンケート調査などを通じまして、文化芸術の担い手は小規模な団体やフリーランス等が多く、不利な条件の下で業務に従事せざるを得ない場合もあることを確認をしているところでございます。 これらを踏まえ、文化庁におきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、ガイドラインを公表させていただいたところでございます。また、令和四年度以降、毎年、このガイドライン又は令和六年に施行されましたフリーランス・事業者間取引適正化等法などの内容につきまして文化芸術関係者を対象とした研修会を行い、芸術家等の活動環境の改善に取り組んでいるところでございます。 今後とも、委員の御指摘を踏まえつつ、関係省庁と連携をし、契約自由の原則に留意しつつ、適切な取引が行われる環境整備の強化を図ってまいりたいと考えております。
○中条きよし君 ありがとうございます。 制度設計や運営に当たっては実態を丁寧に見ていただきたいと思います。 さらに、国際的な指摘への対応について伺います。 国連のビジネスと人権の作業部会というのがありまして、訪日調査を踏まえた報告書において、日本のメディア、エンターテインメント分野では、不公正な請負関係の下でクリエーターが知的財産権の保護を不十分なままに契約を結びやすく、搾取されやすい環境に置かれていると指摘しています。これは、単なる個別のトラブルではなくて、実演家やクリエーターが構造的に弱い立場に置かれやすいという問題提起だと受け止めるべきだと思います。 文化庁として、こうした国連の指摘をどのように受け止めているんでしょうか。また、実演家、クリエーターをめぐる請負構造や、知的財産、契約の実態についてどのように調査、把握し、契約の透明化、情報開示、適正な利益分配の確保など必要な是正措置をどのように検討しているんでしょうか。見解を伺います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 国連のビジネスと人権作業部会から二〇二四年五月に報告があったことは承知をしておるところでございます。 文化庁におきましては、先ほど御答弁申し上げましたガイドラインの公表ですとか研修会の実施等を通じて芸術家等の活動環境の改善に取り組んでおります。 また、公正取引委員会におきまして、昨年十二月に映画、アニメの制作現場におけるクリエーターの取引環境に係る実態調査結果が公表されたところでございます。今後、その内容を踏まえた具体的な考え方を示す指針を策定、公表する予定というふうに伺っておるところでございます。 引き続き、関係省庁と連携をしながら、クリエーターが安心して活動できる環境整備に努めてまいります。
○中条きよし君 国際的な指摘を重く受け止めて、是非、具体的な改善につなげていただきたいと思います。 最後に、大臣に伺います。 今回の著作権法改正によるレコード演奏・伝達権の創設は、長年置き去りにされてきた実演家への対価の還元を前に進める重要な一歩であり、その意味は大変大きいと思います。しかし同時に、実演家をめぐっては、映像分野における再放送、配信の対価の問題、契約が不透明で弱い立場のまま受け入れざるを得ないという問題など、なお深い課題が残っております。 新制度が、単なる権利創設や管理のための制度にとどまらず、実演家の尊厳と職業的持続性を支える仕組みとなり、さらに、不公平な契約や対価還元の不備という構造的な問題にも今後しっかり切り込んでいく必要があると考えます。 著作権法改正による制度導入と、その先にある実演家保護の実効性確保に向けた大臣の決意をお伺いいたします。
○国務大臣(松本洋平君) 御指摘のレコード演奏・伝達権でありますが、令和七年度の骨太の方針などにおきまして、早期に結論を得るとされたところであります。これを踏まえまして、議論を重ね、文化審議会におきましてレコード演奏・伝達権を創設することが望ましいとの報告が取りまとめられたところであります。同審議会の報告にもありますとおり、レコード演奏・伝達権は、実演家等への対価還元を図るとともに、我が国の音楽やアーティストの海外展開を促進する上で重要な意義を有するものである、そのように考えているところであります。 また、実演家等の適正な契約関係の構築や適正な対価の還元を図ること、これは大変重要なことでありまして、文部科学省としても関係府省と連携をしながら、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインの公表や、その普及啓発などの取組も行ってきているところであります。 今後とも、こうした取組の一層の充実を図るとともに、レコード演奏・伝達権について、文化審議会の報告書や関係者の御意見、そして、本日、委員からもいろいろと御意見を賜ったところであります。こうした御指摘等も踏まえつつ、制度の導入に向けた検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
○中条きよし君 御丁寧にありがとうございます。 私も半世紀以上芸能の世界というので生きてまいりまして、今ちょっと現場から離れておりますけれども、歌い、演じ、演奏し、人々に喜びや励ましを届けている実演家の皆さんを支えたいという思いは全く今も変わっておりません。ただ制度をつくるだけで終わってはいけなくて、その権利が現場でしっかり機能し、実演家本人にきちんと届き、さらに契約や二次利用の場面でも安心して活動を続けられる環境につながっていくことが大事だと考えます。 どうぞ引き続き御協力をお願い申し上げて、質疑を終わります。ありがとうございました。
○後藤翔太君 参政党の後藤翔太でございます。よろしくお願いいたします。 さて、大臣所信には多様という言葉が六回登場しています。 日本社会が共有できる普通が失われたと言われる現代において、人々は多様な価値観にさらされています。そして、多様な価値観は論争性を伴います。学校教育においても、特に社会科教育において、コントロバーシャルイシューズ、論争上にある問題というテーマが存在します。 二〇一五年に発刊された欧州評議会の白書では、論争上にある問題を、強い感情を引き起こし、コミュニティーや社会を分断される問題と定義しています。政治的な側面から学校教育に関心のある方は、この論争上にある問題に何かしらの思いを持っていらっしゃる方がいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで、今回の質疑では、学校における論争上にある問題を取り上げ、その中でも主権者教育、政治的教養の教育、そして教科書問題を取り扱いたいと思います。主権者教育、政治的教養の教育というと、皆さんはまず平和教育を連想されるのではないでしょうか。 本年三月十六日に発生した辺野古沖転覆事故は誠に痛ましく、私自身胸を締め付けられる思いでございます。御遺族のことを思うと言葉がございません。この場をお借りして、お悔やみ申し上げます。 本件に関して文教科学委員として私にできることは、このような事故が二度と起こらないように、教育行政の視点から予防措置を講じるよう求めることであり、それは論争上にある問題を主権者教育、政治的教養の教育の観点から議論することであろうというふうに思っています。 この度、辺野古沖転覆事故は、特定の政党の支援を受けた団体の政治活動である辺野古基地移設抗議運動に生徒が動員された疑いがあり、実際に学校が抗議活動への参加をお願いしていたことが報道でも明らかになっています。このことは、学校が特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育、その他政治的活動をすることを禁じた教育基本法第十四条第二項に反しているのではないかというふうに考えられます。 ここで、大臣に伺います。 辺野古沖転覆事故の原因となった平和教育は教育基本法第十四条第二項の観点から問題があったというふうに考えますが、いかがでしょうか。また、法規範が存在するにもかかわらず、このような教育の名を借りた政治活動が見過ごされてきたのはなぜだとお考えでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 文部科学省におきましては、今回の事案発生以来、所轄庁である京都府と連携をしながら、事実関係、確認を進めているところであります。 この中で、教育基本法第十四条第二項や学習指導要領などに基づく適切な教育活動であったか否か、これについても確認をしているところであります。このため、現時点では教育基本法第十四条第二項等に定める政治的活動であったか否かについてお答えは差し控えさせていただきたい、そのように考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございます。お立場は承知しております。 論争上にある問題というところですけれども、これは強い感情を引き起こし、コミュニティーや社会を分断させる問題であることから、教育の場におけるその取扱いについて、特に欧米各国で議論されています。中でも有名なものがボイテルスバッハ・コンセンサスです。これは、当時の西ドイツにおいて、冷戦下の激しいイデオロギー対立が政治教育に分断をもたらしたことから、一九七六年に大学の政治教育学者が、政治教育に関する見解の対立をどのように扱うべきかに関して合意を目指して協議を行い、会議終了後に発表されたものでした。ボイテルスバッハ・コンセンサスは、目標や構想に関する実質的な合意というよりは、授業の実施に関する基本原則の合意というべきものです。 配付資料の一ページ目を御覧ください。 ボイテルスバッハ・コンセンサスの三つの原則と文部科学省局長通知の文言を対比した表を用意いたしました。一つ目は、圧倒の禁止の原則です。教員は、生徒を自分の見解をもって圧倒し、生徒が自らの判断を獲得するのを妨げてはならないというものです。二つ目は、論争性の原則です。学問と政治において意見が分かれる問題は、教室においてもそのように扱われなければならないというものです。三つ目は、生徒志向の原則です。生徒が実際の政治状況と自分の関心、利害を分析できるようになることが政治教育の目的であるというものです。 ボイテルスバッハ・コンセンサスには日本的な文脈の再構成が必要であるといった意見もあるようですけれども、学校教育において政治的中立性を保ち、政治的にデリケートな問題を自由に議論する学習環境を可能にするための原則として、ある一定の普遍性があるというふうに受け止めております。 この表の二列目を御覧いただくと、文部科学省の通知はボイテルスバッハ・コンセンサスの原則と重なる部分があるというふうに確認しております。ちなみに、この通知は、二〇一五年に成人年齢が引下げの際のもので、投票権、選挙権を有する高校生が学校に在籍することになるため、学校における主権者教育、政治的教養の教育を取り巻く環境変化に対応するためのものでした。 ここで、政府参考人にお伺いしたいと思います。 平成二十七年十月二十九日発出の文部科学省初等中等教育局長通知、高等学校における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動について、この内容は直接的に参考にされたかどうかは分かりませんが、ボイテルスバッハ・コンセンサスの原則と大きくずれはないという認識ですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(望月禎君) 平成二十七年の局長通知におきましては、多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄、現実の利害等の対立がある事柄等を取り上げる場合には、生徒の考えや議論が深まるよう様々な見解を提示することなどが重要であることなどを示してございます。 御指摘のドイツの政治教育の基本原則でございますボイテルスバッハ・コンセンサスにおきましても、例えば、御紹介いただきました一つに論争性の原則というものを掲げまして、学問と政治において議論があることは、授業においても議論があることとして扱わなければならないとされていると承知してございます。このことは、現実の利害関係等の対立である事柄を取り上げる場合には様々な見解を取り扱うという点では、平成二十七年の通知の趣旨とも重なる部分があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 重ねて、局長にお伺いしたいと思います。 このような通知があるにもかかわらず、改めてですけれども、今回のような事件に関して、事故のように、報じられているような、教育活動の逸脱ともいうべき政治動員、教育の名を借りた政治活動が一部の学校で行われてきたのはなぜだというふうにお考えでしょうか。そして、なぜそれが見過ごされてきたのでしょうか。是非お考えをお聞かせください。
○政府参考人(望月禎君) 先ほども申し上げましたけれども、教育基本法や学習指導要領を踏まえまして、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより、生徒の主体的な考えや判断を妨げることがないよう留意しながら授業などにおいて題材等を取り扱うということを全国の学校に周知をしてきてございます。 今回の事案につきましては、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、事案の確認、詳細を進めてございます。現時点では、その教育活動につきましての判断のお答えは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしましても、今回の事案につきまして多くの保護者や生徒の方も不安になっていることがございます。今後、同志社国際高校はもとより、学校の設置者である学校法人同志社に対しまして本事案についての事実確認を進め、必要な対応を検討してまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 今回に関しまして、政府として、国として徹底的な対応が必要だというふうに私も考えております。 ここで、一つ御紹介させていただきたいと思います。今回の、取り上げましたボイテルスバッハ・コンセンサスという考え方を法規制に反映させている国がございます。 配付資料の二ページ目を御覧ください。 これは、イギリスの教育法、エデュケーションアクトから該当部分を抜き出したものと、その私訳でございます。第四百六条が圧倒の禁止の原則、第四百七条が論争性の原則に対応しているということが読み取れます。 ここで、また局長にお伺いしたいと思います。ボイテルスバッハ・コンセンサスを法規制として組み込んでいるイギリスのこの事例、こういった事例をどのように評価されますでしょうか。御意見をお聞かせください。
○政府参考人(望月禎君) 我が国では、教育基本法第十四条第二項におきまして学校における政治的活動を禁止するとともに、学校教育法に基づく学習指導要領におきまして、特定の事柄を強調し過ぎたり、一面的な見解を十分に配慮なく取り上げたりするなどの偏った取扱いにより、生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう留意することが必要である旨を示してございます。また、将来を担う若者に対し、より良い社会の実現に向けて国家、社会の形成に主体的に参画する力を育むことが重要であるという観点から、社会科等を中心とした主権者教育の取組を推進してございます。 御指摘の英国の制度につきましては、詳細、私どももなかなか把握し切れているわけではございませんが、党派的な政治活動や政治的問題に関するバランスのある取扱いについて法令で定められているものと承知してございます。 これ、我が国と教育制度等も違うわけでございますので、一概にそうしたこの制度そのものを評価をするということは差し控えたいと思いますし、また、このイギリスにおけるこうした取扱いがどういう形で具体的に学校の方に適用されているか等についても、そこは私どももなかなか承知するのは難しいところだと考えてございます。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 今、学校への適用というお言葉いただきましたけれども、今回私が取り上げたボイテルスバッハ・コンセンサスというところにはある一定の考え方、普遍性があるということから、例えばガイドラインのような性質を持つものに対してなじみやすいというような考えを私は持っております。 しかしながら、今回の事案ですね、辺野古沖転覆事故の発生を防ぐことができなかったというところに関しましては、教育現場への浸透、実装に当たって、やはりこういった、これまでの教育基本法の理念やまた通知が浸透し切れていなかった、そういったところがあるというふうに考えます。 事故の発生を受けて、文部科学省は四月七日に三局長連名の通知を発出しております。論争上にある問題、主権者教育、政治的教養の教育に関する記載は五ページ目にありますが、その内容を抜粋したものが配付資料三ページ目でございます。私自身もしっかりと確認をいたしました。盛り込まれている内容を要約しますと、平成二十七年十月二十九日発出の局長通知の再周知、そして学校への要望、学校設置者への要望ということになっています。 改めて局長にお伺いしたいと思いますが、辺野古沖転覆事故のような、教育活動の逸脱、教育の名を借りた政治活動を防止する予防措置の観点から、この対応というものは本通知の発出で十分というふうにお考えなのでしょうか。そうでない場合は、併せてどのような施策をお考えになっているか、お聞かせください。
○政府参考人(望月禎君) 今回の事案を踏まえまして、今御紹介いただきました、四月の新年度が始まる、各学校において新年度の教育活動が本格化する前に、全国の学校に対しまして、校外活動の実施内容が適切であるかどうかの確認を求めるとともに、必要に応じた見直しを図るよう周知を行ってございます。 文部科学省としましては、まずこの本通知に基づく各学校あるいは設置者における対応の徹底を図りたいと思ってございます。今回の事案についてのそうした事実確認を進め、その結果も踏まえまして更に対応の要否を検討してまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 私としては、もう一段踏み越えた対策、対応が必要なのではないかというふうに考えております。というのは、この通知というものは、そもそも学校の設置者に宛てたものであり、その内容がそのまま学校や教員にまで届くわけではないということです。通知や補助教材のほかに、学校や教員の実務上の判断を助ける具体的な運用方針がないと、運用方針がないことがこの問題の核心であるというふうに考えております。この結果、教育と政治活動の境界が曖昧なまま運用が現場任せとなり、結果的に教育活動の逸脱が見過ごされてきたのではないでしょうか。 配付資料の四ページ目を御覧いただきたいと思います。 これは、こちらで考えてみたものですけれども、例えば沖縄在日の米軍基地の問題を扱う場合にはこのように考えるべきといった具体的な運用方針を示すことが、教育活動の逸脱、教育の名を借りた政治活動を防止するとともに、論争性を前提として中立性が手続的に担保され、現実の具体的な政治的事象を取り扱いやすくなるというふうに考えてみました。 ここで、大臣に伺いたいと思います。 私は、今回、辺野古沖転覆事故のような教育活動の逸脱、教育の名を借りた政治活動を防止する予防措置の観点から、教育における論争上の問題に向き合う上でよるべき原則、現状の文部科学省の施策に不足があるということを考え、今回お伝えしました。教育と政治活動の境界が曖昧なままで運用が現場任せとなり、結果的に教育活動の逸脱が見過ごされている現状を改善するため、実務上の判断を助けるような具体的な運用方針を定める必要など、より踏み込んだ対策はお考えになっているでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 文部科学省といたしましては、これまでも、教育基本法や学習指導要領に基づきまして、特定の見方や考え方に偏った取扱いにより生徒の主体的な考えや判断を妨げないよう留意することが必要である旨、あらゆる機会を通じて周知徹底を図ってきたところであります。 これらを踏まえまして、各学校におきましては、学校設置者の管理の下、適切な教育活動を行う必要があると考えているところでありまして、お尋ねの具体的な運用方針のようなものまで定めることは現時点では考えておりませんが、適切な対応というものを是非期待をしているところであります。 いずれにいたしましても、文部科学省としては、各学校において適切な教育活動が行われるよう様々な機会を通じて法律の遵守及び学習指導要領に即した教育の実施について指導を行ってまいりたい、そのように考えているところでありますし、また、先ほど来局長から答弁をさせていただいておりますとおり、今回の事故に関しまして今調査中でありますので、この調査結果というものも我々として踏まえつつ、適切なそして必要な対応を講じてまいりたい、そのように考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 ただいま学校側に期待するというお言葉ありましたけれども、期待するだけではなく、こちら側がしっかりと御提示していく、示していくということも改めて必要かなというふうに考えております。 改めてですけれども、我々参政党は、この名のとおり、国民の皆様に政治に参加してもらう、政治参加を促すことを大切にしております。そして、教育においては、論争上の問題が今おっしゃったように適切に扱われることが重要なことだというふうに考えています。今回の事故に関して、二度と同様の事故を引き起こさないようにするために、あらゆる角度から真意を探り、そして行政的に対応していくことを求めてまいりたいと思います。 さて、続いてですけれども、今回の論争上の問題というところにおいて、社会科の教科書も該当するというふうに考えております。そして、教科書問題に対する姿勢としても、先ほど挙げましたボイテルスバッハ・コンセンサスの原則は適用可能だというふうに感じております。 私は、先日、大手、高等学校の歴史教科書会社からヒアリングを行いました。教科書は学問という知の総和を土台としており、学問の一部をアウトプットしたものであるという認識を深めました。すなわち、本来的には、教科書は学問マターであって、学問のことは学問の世界に委ね、政治化するべきではなく、政治が関与する余地もないというふうに感じました。 しかしながら、それでも教科書に対して政治の役割が期待される部分があるという理由は、学問の名を借りた政治活動が教科書においても潜んでいるのではないか、つまり、学問にも政治が入り込んでいるので、異なる政治の力で学問から政治を切り離して、それによって中立を図るべきだというふうに考えていらっしゃる国民が一定数いるというふうに考えております。 二〇一四年に教科書用図書検定基準が改正され、社会科については、特に、未確定な時事的事象について記述する場合に特定の事柄を強調し過ぎていたりすることはないことを明確化する、近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合は、通説的な見解がないことを明示され、児童生徒が誤解しないようにすることを定める、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合はそれらに基づいた記述がされることを定める、この三項が追加されています。ここにはボイテルスバッハ・コンセンサスの圧倒の禁止の原則が明文化されているというふうに読み取りました。 ただ、今申し上げたように、我が党に寄せられる声に耳を傾けると、近代史、特に第二次世界大戦に関する記述において、感情に働きかける教育体系において児童生徒が圧倒され、一方的な価値観を植え付けられているというような強烈な問題意識を持っている方がいらっしゃるということが分かります。確かに、第二次世界大戦に関しては、余りの壮絶さから感情の動きを喚起しないことは難しいかもしれません。しかし、ほかの時代の歴史や数学、理科のように、冷静に取り扱われる環境を目指し、生徒が自らの判断を獲得することができるようにすべきだというふうに考えます。 その上で、大臣に御意見を伺いたいと思います。 二〇一四年の検定基準改正により、圧倒の禁止というところは制度的に手当てされているはずです。しかし、現実には、近代史教育、とりわけこの第二次世界大戦に関しては、感情的な圧倒、特定の歴史観を、失礼しました、感情的に圧倒され、特定の歴史観を植え付けられたと感じている国民が少なからず存在しています。制度と現実のこの乖離をどのように認識されていますでしょうか。また、生徒が感情的に圧倒されることなく、自らの判断で歴史を受け止められる教育環境の実現に向けて、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 教科書において、学習指導要領を踏まえどのように記述するかにつきましては、記述の欠陥がない範囲において民間の発行者の判断に委ねられているところであります。 その上で、文部科学大臣が行う教科書検定は、教科書検定基準などに基づき、検定の時点における客観的な学問的成果や適切な資料などに照らして記述の欠陥を指摘することを基本として実施しておりまして、これは特定の認識や歴史的事象を確定するものではありません。 教科書検定基準では、教科書として具備すべき要件の一つとして、図書の内容に児童又は生徒が学習内容を理解する上に支障が生ずるおそれがないよう、特定の事柄を特別に強調し過ぎていたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりすること、するところがないことなどを基準として定めまして、これらの基準に基づきまして、記述の欠陥がある場合には検定意見を付して記述の修正を求めているところであります。 その上で、歴史教育を行う際は、児童生徒が多面的、多角的な考察を行うことができるよう配慮しつつ指導する必要がある、そのように考えているところであります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 今大臣のお考え、お聞かせいただきましたが、しかしながら、社会学的なテーマ、例えばジェンダーなどの多様性、公平性、包括性、いわゆるDEI、そういったところに関しては、論争性の原則に基づく多元的な提示ができていないのではないかというふうに感じております。これは、社会学領域の政治性が非常に強く、学問自体に政治的、思想的な偏りが存在するということが一因なのではないかというふうに考えております。 メディアやSNSなどの言論空間の受け止めを見るに、社会学領域のテーマの多くは論争上の問題に属するというふうに考えます。このような場合、学問のことは学問に委ねるという原則を守るだけでは構造的に政治的思想の偏りの混入を防ぐことはできないというふうに考えます。 ここで、改めて大臣に伺いたいと思います。 教科書がよって立つべき学問領域自体に政治的、思想的な偏りが存在して、学問に委ねるだけではこの中立性が担保できない場合、政治、行政はどのように対応すべきとお考えでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 繰り返しになって大変恐縮でありますけれども、教科書において学習指導要領を踏まえましてどのように記述するかは、民間の発行者の判断に委ねられております。 教科書検定は、教科書検定審議会における専門的、学術的な審議の結果に基づいて行われているものであり、政治的、行政的意図が介入する余地はないものとされているところであります。この教科書検定審議会には、学識経験者はもとより、学校現場の教員も委員として参画をしておりまして、学術的見地からのみならず、学習指導要領に沿った記述になっているか、児童生徒の発達段階に応じた記述になっているか等についても検定をしているところであります。 そうしたことも前提といたしまして、検定基準では、例えば、図書の内容全体を通じて、多様な見解のある社会的事象の取り上げ方に不適切なところはなく、考えが深まるよう様々な見解を提示するなど、児童又は生徒が当該事象について多面的、多角的に考えられるよう適切な配慮がなされていることなどの基準を定めまして、これらの基準に基づきまして、記述の欠陥がある場合には、検定意見を付して記述の修正を求めているところであります。 今後とも、検定基準等に基づきまして教科書検定を適切に行っていくとともに、各学校において特定の見解を押し付けたり強制したりするのではなくて、事実を客観的に捉え、公正に判断したりすることができるような学習活動を展開することが重要だと考えております。 また、付言をさせていただきますと、そうした政治的な様々な思いというものが、こうした教育、教科書等々に反映をされる、させることがないように、ここに関しましては、時の政府が介入できないような仕組みというものもつくっているところでありまして、こうしたこともしっかりと念頭にし、大切にしていくことが大事だと考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございました。 ただ、今回の事故、そしてそういったそれを防ぐためのもう一個深い対策というところはまだ練られていないというところを感じておりますので、より政府が責任を持った対策、政策を打ち出していくことを期待して、私の質疑を以上とさせていただきます。 ありがとうございました。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 今日は、初めに、学習指導要領の性に関わる指導、歯止め規定について伺っていきたいと思います。 昨年十二月四日の当委員会においても、この性教育について私取り上げて、文科省に届けられた四万二千人筆を超える、「はどめ規定」をなくしていまこそ当たり前の性教育をこの国にという署名について、現在学習指導要領の議論をしている中教審の関係委員にも届けるように求めたところ、大臣からは、中教審議会に所属をする関係の委員などへ事務局から情報提供をさせていただきつつ、専門的かつ総合的な議論を深めていただきたいと考えていると御答弁していただいたところです。 そこで、確認をしたいと思います。その署名については、その後、中教審の関係委員などに情報提供いただいたということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 御指摘の要望書につきましては、ほかの要望書と同様に、中央教育審議会の関係ワーキンググループの委員全員へ今年二月に事務局より情報提供いたしております。
○吉良よし子君 二月に全員に届けていただいたということです。 では、その届けていただいた先の中教審のワーキンググループにおいて、この歯止め規定そのものについての議論が深められているのかという疑問があるわけです。三月五日付けの毎日新聞では、この規定を維持するか否かは議論のテーブルにすら上がっていない、今後も議題に上がらないだろうと関係委員からの回答があったとの報道があったわけです。 その報道から既に一か月以上たっているわけですけど、進捗状況どうなっているのでしょうか。この中教審の教育課程部会体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループにおいて、三月二十七日が最新、第八回だと思っているんですけれども、それまでの間にこの歯止め規定、テーマに議論した事実はありますか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 中央教育審議会のワーキンググループにおきましては、いわゆる歯止め規定といった個別具体的な文面についての議論はされておりませんが、性暴力、性犯罪に関する課題を踏まえた議論もいただいており、いわゆる歯止め規定に限った御意見ではありませんが、子供たち一人一人の発達の状況を踏まえた指導が必要であること等を保健の学習全般に関する意見としていただいているところでございます。 引き続き、社会の変化や子供たち一人一人の学びの充実等の観点を踏まえつつ、更なる専門的な御議論をいただきたいと考えております。
○吉良よし子君 歯止め規定そのものをテーマにした事実はないという、そういう御答弁だったと思うんですね。 性暴力若しくは命の安全教育等についての議論はあるということですけれども、署名等で求められているのはこの歯止め規定そのものを撤廃するべきじゃないかという、そういう意見なのであって、やっぱり歯止め規定そのものが議論されるべきだと私は思うんですけれども。 もう一度確認をしたいと思うんですけど、ワーキンググループってあと何回残っているのか、その議論が終わるまでに歯止め規定そのものがテーマとして上がる予定があるのかどうか、もう一度、次長、いかがでしょう。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 中央教育審議会における議論、まさに今、諮問に基づく専門家による御議論をいただいている最中でありまして、いついつまでにとか、あと何回までということでこの場で今後の進め方についてお答えすることは困難でありますが、通例でいけば、学習指導要領の改訂の通例でいけば、年度内には答申をまとめていくという形になると思います。 引き続き、専門的かつ総合的な御議論をいただきたいと考えております。
○吉良よし子君 年度内にこの学習指導要領についての答申をまとめていくということは、このワーキンググループそのものの議論というのは通例でいくと大体夏ぐらいまでには終わらなきゃいけないと、そういうスケジュール感だと思うんですね。 それまでに月一回の例えばペースで議論していくとすれば、あとワーキンググループってあと数回行われるかどうかと、そういう状況だと思うんで、そこで本当にこの歯止め規定についてちゃんと真正面から議論するのかどうかというのは、もう最大の、性教育を進めてほしいという皆さんからの関心事だと思うんですよ。 というのは、昨年の当委員会でもこの歯止め規定については、性について教えてはならないという趣旨ではないとスポーツ庁次長は答弁されているわけですけれども、実際の学校現場では、しかしそれが性交は取り扱ってはならないとする解釈が一般化されていて、現場を萎縮させて、子供たちにそういう正確な知識を伝えられないと、そういう課題、問題意識が指摘されているわけで、だからこそ先ほど冒頭申し上げたような署名が集まっているわけです。 さらに、お配りした資料一枚目、御覧いただきたいと思うんですけど、先日、四月十三日の時点で、日弁連からも、現在の歯止め規定は余りに硬直的で消極的であり不適切であるとして、学習指導要領の改訂に当たり、歯止め規定の撤廃及び国際セクシュアリティ教育ガイダンスに準拠した包括的性教育の導入を求めるという会長声明まで出されていると。 世論としては、包括的性教育を求め、歯止め規定の撤廃を求めるその声が高まっている、そういう状況で、その声に中教審がどう応えるかというのが今問われていると思うんですけど、大臣、歯止め規定について中教審の場でしっかりちゃんと議題にして議論していくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 学習指導要領の改訂についてでありますが、令和六年十二月の諮問に基づきまして、中教審において総合的かつ専門的な御議論をいただいております。 現在、まさに議論を進めていただいている最中であります。その進め方等について、私の立場から具体的な言及をすることは控えたいと存じます。 引き続き、中教審における総合的かつ専門的な議論の状況を踏まえながら、子供たちが性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるよう対応してまいります。
○吉良よし子君 子供たちが性に対して正しく理解し行動できるようにということのためには、性教育をちゃんとやっていく、禁止規定と取られるような歯止め規定はやっぱりなくしていかなきゃいけないと思うんです。 以前にも御紹介しましたけど、二〇〇八年、学習指導要領の見直しのときの答申では、歯止め規定について、趣旨が分かりにくいため記述の仕方を改める必要があると、そういう答申が出された、そういう事実もあるわけで、今回、これだけ署名が集まって声が届けられている中で、やはり中教審、何らかの応答責任を果たすべきだと私は思っているわけです。 先ほど御紹介ありましたとおり、私も議事録読みましたけど、ワーキンググループの委員の中でも、やっぱり性教育の必要性、子供たちを性犯罪から守るなど、そうした関心を持っていらっしゃる委員はいらっしゃるわけですから、やっぱりそうした議論を進めるよう強くこの場でも求めておきたいと思います。 続いて、大学の学費と学生の支援について伺っていきたいと思います。 アメリカのイラン攻撃による原油・物価高で、大学生も含め、庶民の暮らしというのは一層苦境に追い込まれていると思うわけです。 そこで、今の学生の経済状況、生活状況について確認をしていきたいのですが、日本学生支援機構が行っている学生生活調査、二年置きに調べているわけですけれども、その令和六年度の学生生活調査の結果が出たと承知しているわけですが、この学生生活の生活費、そして学生の収入額に占める内訳の割合等について、それぞれ、前回、令和四年度調査との変化、また、アルバイトに従事する学生の割合を示していただけますか、局長。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 令和六年度学生生活調査と前回、令和四年度の調査を比較いたしますと、まず、学生生活費の総額は百八十二万円から二百二万円と約二十万円増加しており、その内訳のうち、学費よりも生活費に係る支出の方がその金額及び割合共に増加しているという状況でございます。 また、令和六年度調査における学生の収入総額は二百三万円であり、その内訳としては、家庭からの支援が五〇・七%で約百三万円、アルバイト収入が二五%で約五十一万円となっております。一方、前回、令和四年度調査における収入総額は約百九十七万円でございまして、その内訳は、家庭からの支援が五五・八%で約百十万円、アルバイト収入が一九・一%で約三十八万円となってございまして、両者を比較し、収入総額にほぼ変化は見られませんが、家庭からの支援及び定職・その他の金額及び割合が減少し、奨学金及びアルバイト収入の金額及び割合が増加をいたしてございます。 さらに、令和六年度調査におけるアルバイトに従事する学生の割合は八六・四%でございまして、前回、令和四年度調査の八三・八%に比べて二・六%増加しているという状況でございます。
○吉良よし子君 要するに、学生生活に必要な生活費というのは、総額は増えているわけですけれども、それを支払うための収入の割合というのを見てみると、家庭からの仕送りというのは相当減ってしまっている現状があるわけだと。 その代わりにどうなっているのかというと、アルバイトに従事する学生の割合が八六・四%にまで過去最高レベルに増えていて、ちなみに収入の割合で見ると奨学金は増えているんですけど、奨学金の受給者、奨学金を利用している学生の割合で見ると、今回の調査では五一・一%で、令和四年度と比較すると三・九ポイントも利用者が減っている実態があって、つまり、生活費、掛かる生活費は増えているんだけれども、それに対応するためにやっていることというのは、実家にも頼れない、奨学金も借り控えて、アルバイトに頼っているという実態があると思うんです。 それは、この間、東京私大教連が毎年行っている私大新入生の家計負担調査若しくは大学生協連の毎年行っている学生生活実態調査でも同様の傾向がありまして、私大教連の調査でいけば、もう一日当たりの学生の生活費は僅か六百六十円にまで下がってしまっている実態がありますし、また、生協連の調査によると、アルバイトをしている学生、その時間が長ければ長いほど、予習、復習、読書しない学生というのが増えていて、学びの機会が奪われているという指摘があると。こうやって、生活費は掛かるのにアルバイトに頼らざるを得ない事態というのは、やはり学ぶ機会を喪失するゆゆしき事態だと思うんですね。 じゃ、それ何で起きているかというと、やっぱりその背景には、各大学が授業料を値上げしていると、そして、先ほど午前中にも議論ありましたけど、奨学金借りようと思っても、例えば利率が急上昇している、そういう話の中で返済不安というのがもう増大をしていると、そういうことの表れで、それは、それはつまりは、大学への予算を出し渋って学生生活を支えてこようとしてこなかったこれまでの政治の責任ではないかと思うのですが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 学生がアルバイトに費やす時間、またその背景、学生によって様々な要因がありますので、その要因を一つの理由に求めることは困難だと考えております。 ただ一方で、文部科学省としては、経済的な理由で学生が学びを諦めないようにすることが重要であると考えておりまして、そういう意味では、授業料及び入学金の減免や給付型奨学金や貸与型奨学金などの経済的支援について充実を図ってきたところであります。 そのほか文部科学省におきましては、奨学金の返還負担の軽減に向けました減額返還や返還猶予などの返還支援制度の拡充を図るとともに、企業などによる代理返還の更なる利用拡大に取り組んでいるところであります。 アルバイトを希望する学生につきましても、学業との両立を適切に図ることが重要であります。引き続き、学生の経済的負担の軽減に努めてまいります。
○吉良よし子君 様々支援策増やして、拡充をしてきたということです。 また、今回の予算では運営費交付金や私学助成も増やしたということだと思うんですけれども、ただ、それがやっぱり不十分じゃないのかと、その支援策にしても、運営費交付金や私学助成にしても不十分じゃないのかということを指摘をさせていただきたいと思うんです。 というのは、現実には、国立大学での学費、授業料の値上げは、運営費交付金を増やした下でも止まっていないと、そういう動きが止まっていないという実態があるわけです。東京大学、埼玉大学、名古屋工業大学、山口大学などに続いて、今度は熊本大学でも、二〇二七年度から全学生を対象にして授業料を約一割値上げすると、そういうことが、動きが進んでいて、学生たちはその学費の値上げ撤回を求める署名を集めているところなんですけど、この熊本大学の場合は、東大などは新入生から学費の値上げということだったんですけど、熊本大学の場合は、在学生も含めて全ての学生対象に一気に値上げということが行われようとしている、これはやはり看過し難いものなんですけれども。 学生たちも、今回の方針というのは、入学時の契約的信頼を毀損し得るものですと、現行の授業料を前提に生活設計を立ててきた在学生及び学資負担者に対し事後的に全学年一斉の授業料値上げを行うことは、大学に対する契約的信頼を根本から損ないかねませんというふうに批判をしているわけなんです。 こういう熊本大学のように在学生も対象にした授業料の値上げというのは、やはり勝手にやっちゃいけないと思うわけですね。在学生の生活実態や声を聞くなど、民主的な意思決定プロセスちゃんと取っていかなきゃいけないと思いますけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 国立大学が標準額を超える授業料を設定する場合には、学生に対する教育が充実することになること、また、経済的支援が必要な学生が学ぶ機会を逸することがないようにすることが重要でございます。各大学においては、授業料の改定を行う場合、学生と対話する機会を設けることを含め、関係者との丁寧なコミュニケーションを図りつつ適切に対応いただきたいと考えてございます。 なお、熊本大学につきましては、令和八年三月十日に、令和九年度からの在学生も対象にした授業料の改定を検討を行う、改定の検討とともに、今後の教育環境改善の方針を公表したことは承知をいたしております。 今後、大学においては、三月十一日に記者懇談会において説明するとともに、今後、学生や学資負担者との意見交換会を開催し、関係者の意見を踏まえた上で最終的に決定する予定と伺ってございまして、引き続き、関係者の理解を深めつつ御対応いただきたいと考えてございます。
○吉良よし子君 関係者の理解を求める、ちゃんと対話をするということは大事だということでしたけれども。 熊本大学、先ほど御紹介いただいたような意見交換会行われているんですけれども、学生らによりますと、これまでの意見交換会等は、その案内内容が分かりづらい上に、大学側からの一方的な説明、サービス低下か前に進み続ける大学かといった曖昧かつ短絡的な二者択一の提示にほぼ終始していて、学生との真摯な対話を欠いていると、そういう批判があって、今後行われる予定の意見交換会もそうした民主的な合意形成の場とならない可能性が危惧されるんだと、そういう声まで上がっているわけで、これは是正を図っていただきたいということを強く申し上げておきたいと思うんです。 さらに、学生たちは、国の二〇二六年度予算案で運営費交付金百八十八億円増額決定されたにもかかわらず、なぜ授業料も上げる必要があるのかについても十分な説明がなされていないと言っているわけで、やっぱりこれは本当にゆゆしき事態だと思いますし、また、裏を返せば、こうして運営費交付金が引き上げられても、それでも大学の資金不足の解消には至っていなくて、学生に負担を求めざるを得ないような状態が、実態がある。運営費交付金の増額まだまだ不十分だということは指摘せざるを得ないと思うわけです。 そして、もう一つ事例御紹介したいんですけれども、授業料そのものを上げる大学があるだけではなくて、この間でいうと、大学独自で行ってきた授業料減免制度を縮小、廃止をする大学まで出てきているということは私、見過ごせないんです。 京都大学では、国の修学支援新制度より幅広い学生の支援をやっていて、独自の授業料減免制度があったんですけれども、この四月の新入生からこの制度適用されなくなると、そういうことがもう決められ、進められているわけです。この京都大学の独自の授業料減免というのは国の修学支援新制度開始前から行っていて、国の制度が始まった後も、国の基準より高い年収の世帯も免除の対象にする、さらには、国の制度で三分の一、三分の二免除となった学生に対しても、半額や、半額免除、全額免除となるように差額の補填をすると、手厚い支援して、もうこれがあるから京都大学に通えると喜ばれていた制度だったんですけれども、これを昨年十一月、突然大学側が公表して、来年度、今年ですね、この四月の入学者から制度適用しないということを公表したんです。 その理由として挙げられているのは、国の制度で、多子世帯に対する入学料、授業料を無償とする支援が拡充されている状況があるからだという説明があるんですけれども、国が制度を拡充することを理由にして大学独自の授業料減免制度を縮小、廃止して、これまで救われていた学生が救われなくなるというのは、やっぱり国の学生の負担軽減を進めようという制度の趣旨に反するんじゃないかと思いますけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 国の修学支援新制度が二〇二〇年度からスタートするに当たりまして、制度創設以前は、国立大学運営費交付金の一部として各大学の学部段階における授業料減免を行ってまいりましたが、この修学支援新制度の開始によりまして、住民税非課税世帯等の学生に対して、国公私立共通の枠組みにまとめ、大幅に規模と額を拡充してございまして、学生にとって経済的負担の軽減につながっているものと考えてございます。その上で、各大学においてはそれぞれの大学の戦略と財源に基づいて、国の修学支援制度の対象を拡大したり、あるいは上乗せしたりするなど、独自の取組を行うという構造になってございます。 御指摘の京都大学については私どもも承知をいたしておりますが、大学独自の経済的支援につきましては、成績優秀者や災害の被災者、あるいは地方出身者、地方出身の学生や女子学生を対象とするなど、趣旨や対象等が様々であることから、国の制度よりも支援対象を拡大したり上乗せの支援を行ったりすることについては、各大学において適切に御判断いただくものであり、独自制度の縮小、廃止が修学支援新制度の趣旨に反するというふうには考えてございません。
○吉良よし子君 いや、残念な答弁なんですよね。 先ほど、だって大臣は、学生の支援やっていますかということについて、こうやって支援を拡充して負担軽減図っていますとおっしゃっていたわけですけど、その国の制度が出てきたことを理由にして、独自の制度を縮小、廃止をして、これまでだったら半額若しくは全額免除で通えていた学生がこの京都大学に通うということを諦めなくてはならない事態を生み出すかもしれないというのは、いや、大問題だと私は思うんですよ。 だから、京都大学ではこの決定に反対する署名というのは一万筆を超えて集まっていて、アンケートも集まっていて、その中で、私はと、医師を目指して環境の整っている京大で学び直そうとしていたと、しかし、まさかのこの独自の支援制度廃止になってしまって、しかも出願二か月前で今更志望を変えることもできない、もう少し早く言ってくれればその前提で対策を打てたんだが、それさえもできないと、内容といい時期といい、本当にひどい決定だと思うと、そういう声まで届いていて、もう本当に許されない改悪だと思うんです。 しかも、京都大学というのはどういう大学かというところも注目したいと思うんですが、それは、今、国際卓越研究大学に申請し、認定を目指している大学だということなんです。そういう取組を進めている中で、実際には学費減免縮小して、ステルス学費の値上げとも言われるようなことをやっているわけなんですけれども、この国際卓越研究大学一号となった東北大学は、留学生をターゲットに大幅に学費を値上げしました。そして、第二号となる東京科学大学もいち早く授業料の引上げを行っているんです。現在、審査継続中の東京大学も昨年度から学費を値上げしたと。今回、認定目指している京都大学も授業料の減免を廃止する。 政府が鳴り物入りで進めている国際卓越研究大学というのは、そうやって授業料を値上げしたり独自の減免制度をなくしたり、経済的に困難を抱える学生を排除する大学と、そういうことになるんじゃないですか。大臣、いかがですか。それでいいんでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) それではいけないと思います。 国際卓越研究大学の選定に当たりましては、国際卓越研究大学法に基づきまして策定いたしました基本方針におきまして観点が示され、有識者会議において審査をすることとしておりますけれども、授業料の設定は全く関わりがありません。その授業料の設定とは全く関わりなく選定が進められることとされているところであります。 一方で、大学の授業料は、学生の教育環境の充実などのために各大学の設置者において適切に設定いただくものであります。 文部科学省といたしまして、引き続き、高等教育費の負担軽減、これに取り組んでまいります。
○吉良よし子君 授業料の設定、全く関わりないと大臣おっしゃいましたけど、実際としては、事実としては、国際卓越研究大学で学費の値上げや支援の打切りというのが進んでいて、その背景に何があるのかというと、国際卓越研究大学に対しては、自己収入を確保しろと、稼げる大学になれということを政府として圧力を掛けているわけで、それが学費の値上げを進めている、そして経済的に困難を抱える学生を最終的に排除することになってしまっているんじゃないかと思うわけで、やっぱりそうした圧力を掛けるようなやり方というのはやめるべきじゃないですか、大臣。もう一度。
○国務大臣(松本洋平君) 国際卓越研究大学は、世界と伍する研究大学となることを目指しまして、研究活動の発展を支える多様な財源による強固な財政基盤を構築する観点から、年間三%以上の事業成長を求めることとしておりますが、単に事業規模を拡大させるために授業料等の値上げによって学生の経済的な負担を増加させることは想定をしておりません。 我々といたしましては、例えば外部資金の獲得など、こうした取組というものを深め、進めていただくことによって、これらの目標を達成をしていただきたい、そうしたことを我々としては念頭に置いております。
○吉良よし子君 想定していない事態が実際には起きているわけで、授業料の引上げということがね。しかも、それは国際卓越研究大学だけの問題ではなくて、今、中教審では授業料の抜本的な見直しの議論が進められていて、そういう中で、国立大学授業料五十三万円は既に極端に低いとか、最低で百五十万円程度が妥当だとか、もう引上げとか自由化を求める議論というのが進められている、これ見過ごすわけにはいかないわけで、大臣、最後に、改めて、この授業料引上げ、国立大学の授業料標準額の見直し、授業料の自由化なんかはやるべきじゃないし、そうじゃなくて、全ての大学で学費無償化、値下げに進めるように、もっと大学への予算を増やすべきと思いますが、最後、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立大学の授業料についてでありますが、国立大学法人の自主性、自律性を一層確保するために、社会経済情勢等の変化や提供する教育サービスなどに応じまして各法人の経営判断によって設定できるよう、国が標準額を示しつつ、その一二〇%を上限として各法人が個別に設定する制度となっておりまして、直ちに見直しを行うことは考えておりません。 なお、国が示す標準額の設定に当たりましては、国立大学法人の、国立大学の役割を踏まえつつ、私立大学の授業料水準等や社会経済の情勢、家計負担の状況などを総合的に勘案をする必要がある、そのように考えております。
○吉良よし子君 直ちに考える、考えてはいないと、直ちに見直すつもりはないというお話でしたけれども、実際には、政策上の問題、若しくは予算が足りない問題の中で、学費の値上げとか、学生への支援が削られている問題が進んでいるわけで、政治によって学生の負担を増やすようなことは絶対にあってはならないんだと、負担軽減こそ、学費の値下げこそちゃんと進めていただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
○委員長(熊谷裕人君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十五分散会
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