令和八年四月二日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 三月三十一日 辞任 補欠選任 吉井 章君 片山さつき君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 熊谷 裕人君 理 事 赤松 健君 石井 浩郎君 古賀 千景君 伊藤 孝恵君 金子 道仁君 委 員 上野 通子君 清水 真人君 末松 信介君 鈴木 大地君 橋本 聖子君 宮本 和宏君 勝部 賢志君 斎藤 嘉隆君 水野 孝一君 下野 六太君 谷合 正明君 中条きよし君 後藤 翔太君 吉良よし子君 国務大臣 文部科学大臣 松本 洋平君 事務局側 常任委員会専門 員 北脇 達也君 政府参考人 文部科学省大臣 官房文教施設企 画・防災部長 蝦名 喜之君 文部科学省総合 教育政策局長 塩見みづ枝君 文部科学省初等 中等教育局長 望月 禎君 文部科学省高等 教育局長 合田 哲雄君 スポーツ庁次長 浅野 敦行君 文化庁次長 日向 信和君 農林水産省大臣 官房生産振興審 議官 佐藤 紳君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○令和八年度一般会計予算(衆議院送付)、令和八年度特別会計予算(衆議院送付)、令和八年度政府関係機関予算(衆議院送付)について (文部科学省所管) ─────────────
文教科学委員会
発言 174
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、吉井章さんが委員を辞任され、その補欠として片山さつきさんが選任されました。 ─────────────
○委員長(熊谷裕人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長蝦名喜之さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷裕人君) 異議なしと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(熊谷裕人君) 去る三月三十日、予算委員会から、四月二日の一日間、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木大地君 おはようございます。 自由民主党、緊張していますね、自由民主党の鈴木大地です。 本日、文教科学委員会で初めて質問に立たせていただきます。本当にオリンピックの決勝ぐらい緊張しておりますが、よろしくお願いいたします。 実は私、長い間、大学の教員を務めておりまして、学生への授業や部活動の指導に加えて、研究や社会活動などにも取り組んでまいりました。今でも現役の教員、研究者でありまして、自ら科研費をいただいて研究に従事しております。更に言えば、教育委員やPTA会長も経験しまして、中高の保健体育の教員免許も保持しておりますので、これまで生涯にわたって教育に向き合ってきたわけでございます。 平成二十七年からは五年間スポーツ庁長官として文部科学行政の一部に携わらせていただきました。苦楽を共にしました職員の皆さんと、またこうして日本のために共に仕事ができることを大変うれしく思っております。 また、現在は日本水泳連盟の会長、世界水泳連盟、国際大学スポーツ連盟の理事を務めております。こうした役職を続けさせていただく理由は、国内外のスポーツや教育の現場に実際に身を置き、生の声を国政の場に反映させていきたいという思いがあるからでございます。 実際に、教育やスポーツを取り巻く環境は日々刻々と変化し、少しでも対応を怠れば課題が山積してしまうという状況にあると感じております。現実問題として、一部には長年手付かずの問題や根本的な解決に至っていない問題が残っていると思っています。それらを後世への負の遺産として残さないためにも、微力ではありますが、私自身の経験を将来の日本のために生かし、そうした難しい課題に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 前置きが長くなりましたが、質疑に入らせていただきます。 まず、人材力についてであります。 高市総理の施政方針演説では人材力の強化を、そして先日の大臣所信も冒頭で人への投資の好循環の実現を掲げていらっしゃいます。長く教育の世界、人を育てる仕事に携わってきた一人として、こうした総理や大臣の決意は大変うれしく、また心強く感じております。 私も日々、産官学、国内外問わず、様々な方と意見交換をいたします。そうした意見や私自身の経験を踏まえたときに、やはりこのグローバル人材の育成、そして理数系人材、デジタル人材の育成が急務であると考えております。 人材への積極的な投資が見込めるこの高市内閣におきまして、人材力の強化は待ったなしであると思いますが、文部科学大臣の決意をまずお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 国力、特に経済力の基盤となるのは人材力であります。経済力というお話をしましたけれども、社会のありとあらゆる森羅万象はやはり全ては人が礎になっているものでありまして、そういう意味では、この人材力をいかに高めていくのかということは我が国にとって極めて重要だというふうに考えております。 加えて、私自身の問題意識でありますけれども、やはり、今、日本の国を取り巻く状況が大きく変化をしている状況だと考えております。人口が減少をしているということもそうでありますし、またAIやデジタル技術の発展というものもそうでありますし、様々なそうした社会の変化に教育というものがどのように対応していくのかという、そういう今大変重要な時期に差しかかっているというのが、私自身のそもそもの根本の意識であります。そうした社会の変化やDX、AI化の進展といった産業構造転換に対応した人材育成、これが大変重要だと考えております。 このため、現在、日本成長戦略会議人材育成分科会の取りまとめ担当である私の下で、高校教育改革や高等教育改革、リスキリング、実践的な職業人材育成など、高校から大学、大学院までを通した人材育成システム改革に向けた方策を検討しているところであります。 高校教育改革につきましては、先般改革の方向性などを示したグランドデザインを公表をいたしまして、特にアドバンストエッセンシャルワーカー等育成支援、理数系人材育成支援、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保といった先導的な学びの在り方を構築する高校改革のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。 また、大学、高等専門学校における理工、デジタル系分野の人材育成の強化、人口減少下でも地域に不可欠となる人材を育成する方策を地域で協議、実行する仕組みの推進などの取組を通じた高等教育の構造改革や、産業界、大学の実情を踏まえたリスキリングプログラムの充実、多様な科学技術人材の育成確保、活躍促進と、その中核となります研究大学群の形成や国立研究開発法人の機能強化などについても検討を進めているところであります。 今、こうした改革のこともお話をさせていただきました。これらをしっかりと、高市内閣が目指す強い経済、未来への成長を実現するためにも、引き続き、関係省庁とも連携をしつつ、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。一方で、やっぱり、この教育の中で変わらなきゃいけない部分と変わってはいけない部分と、この両面があるということも同時に意識をすることが大変大事なことではないかというふうに考えているところであります。 いろいろと先生方からも御指導を賜りながら、教育改革進めてまいりたいと思います。
○鈴木大地君 大臣、ありがとうございます。 今いろいろと、覚えられないぐらい施策が展開されているということで、是非、ありがとうございます、各省の、各局とですね、しっかり横断的に人材力強化を図っていただければと思っております。 さて、グローバル人材や理数系人材の育成については、やはり中学校、高校といった早い段階から、実社会とのつながりを重視した教育によって、児童生徒が理数科目を嫌いにならずに主体的に学びに取り組めることが重要であると思っております。先般発表されましたそのグランドデザイン、高校教育改革に関する基本方針については、既にこの委員会で様々な質疑がありましたので、私からは専門高校に特化して質問をさせていただきます。 まず、我が国の産業基盤を支えてきたこの専門高校、特に工業高校や農業高校の存在意義について伺います。 これまで、工業高校の卒業生は現場の物づくりの最前線でテクノロジーの進歩に、また農業高校の卒業生たちは食料安全保障やバイオテクノロジーの進歩にも貢献しています。しかしながら、教育現場や社会全体の風潮として、高校といえば普通科という強い偏重があるのではないかと危惧しております。専門高校の彼ら、彼女たちが日本経済の屋台骨を支えてきた存在であり、今後もそうあるべきだというふうに思っております。 文部科学省の政府参考人に、専門高校の果たす役割、現状への評価を改めてお伺いします。
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。 工業高校や農業高校を始めとしました職業に関する教育を行う専門高校につきましては、今、鈴木委員から御指摘のとおり、我が国の優れた技術を生かした物づくりの産業あるいは地域産業の発展を支える大変重要な役割を果たしてきているものと考えているところでございます。現在、専門高校の生徒数は、高校生全体の二割未満となってしまってございまして、地域の社会、経済を支えていくいわゆるエッセンシャルワーカーの不足も懸念をされているところでございます。 グランドデザインのお話をいただきましたが、グランドデザインにおきましても、生徒のみならず、保護者や社会の間に高校はとにかく普通科などといった意識が仮にあるとすれば、AI等によって社会全体が大きく変わり、従来の進路選択の見方が必ずしも今後妥当するものではなくなりつつあるという危機意識を社会全体で共有する必要があるというふうな考えを示しているところでございます。 今後の就業構造の変化も見据えながら、産業界や大学等との連携、協働、あるいは地域との連携による専門高校の機能強化、あるいは高度化を図りまして、専門高校の魅力を広く社会に発信してまいりたいと考えてございます。
○鈴木大地君 ありがとうございます。是非、将来を見据えて展開をいただきたいと思っております。 私、これからの時代、この専門高校の生徒たちこそこのイノベーションの源泉といいますか、こういったものがあると考えておりまして、単に技術を習得するだけではなく、そこに幅広い教養、リベラルアーツを掛け合わせることで、自ら課題を見付け、テクノロジーを駆使して社会変革を起こす人材が育つと信じております。つまり、専門高校を単なる職業訓練の場からイノベーション創出の拠点へとアップデートしていく必要があると考えております。 グランドデザインにおいては、専門高校の機能強化、高度化との文言が入っておりますけれども、先ほど申し上げた技術掛けるこの教養を兼ね備えた人材を具体的にどのように養成、育成しようとされているのでしょうか。 また、専門高校というグループ全体の価値を再定義し、生徒たちが誇りを持って学び、社会からも高く評価される仕組みをどう構築されていくのか。例えば、大学教育や産業界との連携強化とか、あるいは先端設備の導入支援など相応の予算確保も必要だと思いますので、具体的な施策の方向性について政府参考人の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(望月禎君) グランドデザインにおきましては、アドバンストエッセンシャルワーカーの育成など、大学や地域と、あるいは地域の産業界と連携をして、専門高校の機能強化、高度化を進めることが大きな柱の一つ、高校改革の柱の一つになってございます。 これを都道府県で具体化をしていただくために、まず、令和七年度の補正予算で、約三千億の高校教育改革推進基金を通じまして、その先導的な学びを広く都道府県に普及していくと、パイロットケースの創出に取り組んでいただきたいということでございます。 そして、デジタル等成長分野を支える人材育成のために数年前から実施をしてございますDXハイスクールにつきましても、今の専門高校生の割合が二割を切っている中で、令和八年度のDXハイスクール事業の採択校数を学科別に見ますと、専門高校は三割以上指定をしてございまして、技術だけでなく、社会のつながりやあるいは人間力を育てる、そうした学科として大きな、専門高校には我々としても期待をしたいと思っているところでございます。 中学生やその保護者の方のために、これまで全国産業教育フェアあるいは事業成果発表会の開催なども進めてきてございますけれども、専門高校の優れた取組の周知を更に進めるとともに、AIやデジタル技術を駆使しながら地域産業や社会の課題を解決できる人材の育成を行うことによりまして、専門高校がより社会から評価される存在となるよう、国としても引き続き支援に取り組んでまいります。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 都道府県ですとか地域という話もございましたけど、地域特性もあろうかと思いますので、特色あるそういう学びを進めていただきたいと思っております。 さて、次に、理数系人材、デジタル人材の育成に関連し、大学の課題について伺います。 一般的に、この理数系学部の入試は難しいというふうに思われやすく、苦手意識や諦めからチャレンジする生徒を十分に確保できない、その結果としてこの分母を増やせないという声も聞かれます。 トップ・オブ・トップのごく一部の大学は別かもしれませんけれども、基本的には、間口を広く、そして大学の後半からしっかり専門性を身に付けさせることで出口を狭くする方がよいのではないかというふうに感じているところです。 更に申し上げれば、AIですぐにこの単一の正しい答えが得られる問題だけではなく、高校でのこの学習成果を総合的に生かして、例えば自ら課題を設定しそれを解決する方法を提案する探求型の入試というんですかね、そんなものを加えていくなど、入試の内容も時代に応じて変革すべきだと思います。 推薦入試や総合型入試が増えているとは聞いておりますけれども、こうした大学入試の改革、さらには大学入学以降の伸びを重視するような具体的な取組があれば、政府参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 先生おっしゃっておられたとおり、OECDのPISA調査によれば、義務教育終了段階の十五歳の段階では日本の子供たちは数学的リテラシーも科学的リテラシーも共に世界トップレベルを維持しているにもかかわらず、数学や理科に対する苦手意識によって高校、大学へと進学するにつれて関心を失ってしまっていることは大きな問題だと考えてございます。この改善のためには、まず入試の前の高校におきまして、数学や理科が日常生活や社会、職業とどのような関係を持っているかを理解しながら学習することが大事だと考えてございます。 この観点から、現在、中央教育審議会で御審議いただいている次期学習指導要領の中で、例えば高校の数学において、生徒が数学を学習する意義を実感できる、社会を読み解く数学の追加等について検討されているところでございます。 さらに、入試後の大学教育におきましては、成長分野転換基金を活用して理工、デジタル分野への学部転換を促進していくとともに、数理、デジタルの学びの充実などによる文理分断型の学びからの脱却や大学入学以降の大学教育での伸びが重視される出口の質保証の取組を進めているところでございます。 このように、高校の学びと大学の学びの双方が変わる中で、両者をつなぐ大学入試も更に改善をしていく必要がございまして、先ほど御指摘がございましたように、文理分断の限られた科目やその細かな知識の有無で評価される入試からの転換を行うことが必要となると考えてございまして、引き続き、高校教育、大学入試、大学教育における一貫した取組を通じて、理数系人材やデジタル人材の育成、確保を促進してまいりたいと考えてございます。
○鈴木大地君 ありがとうございます。やはり、高校生にとってはこの入試を一つのゴールとして日々学習しているところでもありますけれども、また大学に入ってからも非常に重要ですので、引き続きよろしくお願いいたします。 次に、日本の大学の国際化について伺います。 最近、日本の大学を飛び越して最初から海外の大学に入学するという例をよく耳にします。スポーツ界も例外ではなく、同様のケースが増えてまいりました。例えば、米国の大学などは間口が比較的広くて、世界中から学生が集った環境で興味のある学問を修めつつ、整った施設で得意なスポーツを極めるという点に、何といってもこのビジネスレベルの英語も併せて話せるようになるという利点があるかと思います。 一方、我が国の大部分の大学では、英語は外国語の一つの科目にすぎず、また英語が学部生の授業や卒業研究におけるコミュニケーションの言語として使われている例はごく僅かではないかと思います。加えて、この海外留学する学生の割合も四%程度というふうに聞いておりまして、高いとは言えません。 今後、日本人が日本の大学に進学しても、高い語学力、異文化理解やグローバルな視点といったスキルが自然と身に付くために、さらには外国からも多くの留学生が日本の大学を希望するようになるためにはどのようなことが課題になってくるのでしょうか。具体的な取組の成果や課題を政府参考人に伺います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、大学が我が国の創造的な成長をリードし国際的に活躍できる人材を輩出するためには、多様性の中で学生が切磋琢磨し、自らにとって必然性のある学びを重ね、大学としても学習の質を高め学生の力を伸ばすことが重要でございます。その際、大学の国際化という手段の目的は大学の国際競争力の強化だと存じております。 文部科学省におきましては、そもそもでございますが、学習の量と質に課題があり学びの密度が希薄である社会科学系分野の再構築と、学習の水準が一定確保されている理工、デジタル、メディカル分野の一層の充実によって我が国の大学の魅力を増すとともに、日本人学生の成長にも資する多様で優秀な外国人学生の受入れについては、経済安全保障の観点にも留意した上で、G7やASEAN等の重点地域からの誘致等に取り組んでございます。もとより、日本人学生の海外留学を促進する取組も充実を図りたいと存じております。 今後、留学生に関する施策につきましては、今申し上げたように、我が国の大学の国際競争力の強化という目的のために、量ありきではなくて、在籍管理の一層の徹底等も通じて、質の向上を図る観点を重視しながらしっかり取り組ませていただきたいと存じております。
○鈴木大地君 ありがとうございます。 この人材育成というのは一朝一夕に進まないと思いますので、継続してよろしくお願いいたします。 次に、辺野古沖合におきまして、平和学習を目的とした海上での活動中に船が転覆し、高校生が亡くなるという大変痛ましい事故につきまして詳細を確認したいと思います。 本件に関しては、現在調査中とはいえ、いろいろと問題点が指摘されております。定員超過で、悪天候下での強行出航による転覆といった物理的な危険。そして、無届け業者による違法な旅客運送の法令違反。学校側による業者確認の不備。そして、現場での安全判断の放棄によるガバナンスの欠如。教育の中立性、妥当性への疑念といった教育の偏向性。 文部科学省においては、関係者から必要な情報収集を行っている段階かと思いますが、現場の安全管理は準備段階を含めてどのように行われていたのか、実施可否の判断は妥当であったのか、そして、どのような学びを得る目的でどのような学習を行っていたのか、把握されている範囲で結構ですので、御回答お願いしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。 三月十六日、沖縄県名護市辺野古沖で同志社国際高等学校二年生の研修旅行中のコース別学習のうち、辺野古コースに参加していました生徒十八名を含む二十一名が乗船していた二隻の船が転覆し、生徒一名と船長一名の二名がお亡くなりになられたと承知してございます。 本事案に係る学習活動の現場の安全管理及び当日の実施可否に関しましては、本年の乗船について事前の下見が欠けていた、事故当日は波浪注意報が発令されていたが、出航の判断は船長の判断によるものであった、出航の判断基準及び現地の安全管理体制が適切であったかについて海上保安庁等が調査中であることなどにつきまして、学校側から説明がなされていると承知してございます。 同じく学校側の説明におきましては、学習内容の目的に関して、当該学習は二〇一五年頃から平和教育の一環として取り組まれており、二〇二三年から海上から基地の様子を見学する本コース別の学習が実施されているとの説明が学校側から行われていると承知してございます。 こうした説明が学校側からなされてはございますけれども、文部科学省としましては、所轄庁である京都府と連携しながら、当該教育活動が適切なものであったか否かを含めまして、現在事案の確認を進めているところでございます。 今後、学校外における活動の安全確保等や再発防止に向けまして必要な対応を行ってまいります。
○鈴木大地君 今世間の関心事でもありますので、是非お願いしたいと思います。 ちょっと時間がなくなってきたんですが、校外学習における事故を防止するために、あるいは万が一起きてしまった際の対応のために、文科省としてこのガイドラインの策定や必要な通知などを行っているのでしょうか。 私がスポーツ庁の在任中、二〇一七年に那須におきまして雪崩による事故が発生し、八人の方が亡くなられたということがございました。その後、学校登山においては厳しいルール作りがされたものと承知しております。 今回の事案についても、十分な調査が行われ、この水中や水上の活動を含む校外学習の安全管理の在り方についても十分に検討され、そして二度とこうした事故が起こらないような周知徹底を図るべきだと考えますが、政府参考人の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 学校における校外活動時を含めた児童生徒の安全の確保につきましては、学校保健安全法に基づきまして、各学校におきまして危機管理マニュアルの作成が義務付けられております。 文部科学省では、学校における危機管理マニュアルの策定に資するよう手引を作成しており、校外活動時における事故に係る事前の対策につきましては、校外での活動を行う場合は、事前に現地の状況や気象状況などを十分に把握すること、悪天候などで活動変更又は中止する場合を想定し、事前に代案を決めておくとともに、活動中は気象情報に配慮することなど、必要な対策を実施するよう周知をしております。 また、河川等での活動に特化した安全対策につきましては、特にゴールデンウイークから学校等の夏休み期間にかけまして水難事故が多発しているということを踏まえまして、関係省庁と連携し、毎年度、河川等における水難事故防止に向けた通知を発出しております。その中で、例えばライフジャケットの着用の呼びかけのほか、関係省庁や団体が作成している教員や児童生徒向けの教材等の資料を紹介いたしまして、事故防止に向けた注意喚起を図っております。 今回の事案につきましては、現在、関係機関の調査が進められているところと承知しておりますが、文部科学省といたしましても、事案の確認を進めつつ、こうした事故が再び起こることのないよう、危機管理マニュアル等の内容も踏まえ、各教育委員会、学校等における安全確保の取組の徹底を促してまいります。
○鈴木大地君 ありがとうございます。ただでさえ少子化ですので、子供の安全をしっかり担保していただきたいと思います。 この文科省、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化振興を一体的に行う、また創造的な人材育成や生涯学習の推進、世界最高水準の研究開発を通じ、日本の知的、文化的基盤と持続的な発展を支える重要な省庁ですので、引き続きよろしくお願いいたします。 たくさん質問を用意していたんですが、申し訳ないです、私の質問をこれで終わります。ありがとうございました。
○古賀千景君 立憲民主・無所属の古賀千景です。今日は六十分という長い時間になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、三十一日の大臣の答弁について質問いたします。 大臣は、三十五人学級、中学校三十五人学級のときに、教員の不足について聞かれたお言葉で、必要な教師が不足することは直ちに生じないということをおっしゃいました。 まず、ちょっと細かくて申し訳ないんですが、必要な教師が不足することは生じない、必要じゃない教師がいるんですかとちょっと思ったので、そこをお尋ねします。
○国務大臣(松本洋平君) 御指摘の答弁につきましてでありますが、三月三十一日の義務標準法改正法案の審議におきまして、クラス数が増えることによって教職員の不足は問題ないのかという質疑に対しまして私からお答えをしたものであるというふうに承知をしております。 令和八年度政府予算案におきましては約七千六百人の定数改善を計上しておりますが、その一方で、全体としては、子供の数自体が大きく減少することに伴いまして七千八百人の自然減を見込んでいるところであります。この定数改善による増と自然減を考慮いたしまして、中学校三十五人学級化が新たな教師不足の要因とはならないと考えられる趣旨で答弁をさせていただいたところであります。 言うまでもなく、教師一人一人がそれぞれの役割を果たすことで学校の教育が成り立っております。そういう意味では、今申し上げた趣旨で答弁をさせていただきました。必要ではない教師というものはいない、存在をしない、そのように考えていることを改めて申し上げたいと思います。 よろしくお願いします。
○古賀千景君 安心しました。 私、言葉ですけど、文科省の皆さん、教師と言われるんですけど、私は学校は教師だけではないと、教職員だと思っていますので、教職員という言葉を使わせていただきます。 学校は、よく文科省が言われるようにチーム学校ですので、全ての少数職種の皆さんも含めて、とても大切な必要な教師だということを是非私の方も確認させていただきました。 今お言葉あったのは、それは中学校三十五人学級になるに当たっては不足はない、しかし、じゃ、中学校二年、三年生は不足するかもしれない、こう取っていいんですか。お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 今年、今年度から中学校一年生が四十人から三十五人ということになるわけでありますけれども、これを来年以降も順次拡大をしていくということになっているところであります。 そうした状況の中で、今年度だけではなくて、来年度以降のこの教員の、教職員の状況について、我々といたしましても現場の確認をさせていただいているところであります。 今後につきましても、各自治体におきましてその対応をしていただいている、そのように理解をしております。
○古賀千景君 今学校は四月で二日目、新しい学校で二日目、子供たちも新しい学年になりわくわくしている時期ではありますが、では、今の御答弁の中で、確認します、全ての教科において教職員が不足なく授業が行えるというふうに捉えていいですか。お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 中学校における三十五人学級の推進は、令和六年十二月に文部科学大臣、財務大臣の合意に加えまして、昨年六月に修正をされました改正給特法の附則においても令和八年度からの実施が規定をされているところであります。これらを踏まえまして、各自治体におきましては、教職員の確保など準備をいただいているものと承知をしております。また、文部科学省としても、各教育委員会に状況を伺いながら準備を進めてまいりました。 一方、教師不足につきましては、全国的に厳しい状況だということは認識をしております。教師に優れた人材を確保するため、学校における働き方改革の更なる促進や処遇改善、指導、運営体制の充実などの教師の働きがいと働きやすさを共に実感できる環境整備などを通じた質の高い教師志願者の確保、特別免許状の更なる活用や、柔軟な任用形態の拡大による専門性を持つ社会人等の入職などの多様な分野からの入職促進などを進めているところであります。 文部科学省からは、各自治体に対しまして、教育活動に影響が出ないよう、改正の趣旨を踏まえました教職員の人材確保、配置などを促しているところでありまして、引き続き、教師の確保、そして教職員の確保に努めてまいりたいと、そのように考えております。
○古賀千景君 努力していただいているのはよく分かりました。本当に授業が全ての教科でそろって四月からスタートできるか、そこは文科省どう考えるか。数字とかそういう法令とかじゃなくて、どのように現状を捉えていらっしゃるか、お願いします。
○政府参考人(望月禎君) 中学校三十五人学級の実施によりまして学級数が増えることになりますけれども、免許を保有する教師の確保が難しいと一般的に言われております技術科などにつきましては、他の教科と比較して標準となる授業時数が少ないということもございまして、必ずしも直ちに教師を新たに確保しなければならない状況になるわけではないとは考えてございますが、免許保有者が絶対数として少ない都道府県もあるという観点から、そうした採用倍率の低い教科等において教師の確保が難しいといった、そうした都道府県からのお声も聞いているところでございます。 先ほど大臣から答弁をさせていただきましたけれども、自治体によりましては計画的な採用に向けてのいろいろな手だてを講じてはおりますけれども、その中でも特別免許状などの活用や円滑な入職のための研修教材の提供によりまして、もう一度教壇に立って子供たちの前で授業を行っていただく、そうした方々の採用など、いろいろな工夫をしているということが実際だと思います。 私どもとしては、この度の三十五人学級の実施によりまして、どの学年においても子供たちの学習が途切れることがないように、都道府県と、あるいは政令指定都市ともしっかりコミュニケーションを取りながら、子供たちの教育環境というものの整備に力を尽くしてまいりたいと思ってございます。
○古賀千景君 多分、今この時期すっごい探していますよ。それも、校長の仕事ではないけれど校長が。業務外の仕事言われて、うちの学校に技術がいない、どうする、誰か知り合いおらんか。だって、学校の保護者に免許持っていませんかってチラシを配る時代ですよ。それぐらいの人数足りないというのを自覚していただきたいと是非思います。 それと、今話が出てきました特別免許又は免許保有者が少ないということで、臨時免許などの発行がよく行われていると聞いております。教師不足のために臨時免許制度がありますが、臨時免許制度、どうやったら取れるのか、どんな制度なのか、御説明ください。
○政府参考人(望月禎君) 免許状の種類につきましては、普通免許状と特別免許状と臨時免許状がございますけれども、今、古賀委員から臨時免許状がどうやって取れるのかというお話をいただきました。 臨時免許状につきましては、教育職員免許法に基づきまして、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限り、授与された都道府県内で三年間有効な免許状でございます。 臨時免許状の授与に当たっての具体的な基準、あるいは申請、手続の方法につきましては、都道府県教育委員会において定めてございますけれども、受験者の人物や学力や、あるいは実務や身体の状況、そうしたことを総合的に確認をした上で授与の判断を行っているところでございます。
○古賀千景君 臨時免許は、例えば数学の教員が、教職員が、技術が足りないから技術の免許取ってくれと言われて免許を取る、ですよね。そして、そのときに技術の研修は全く受けない、受けずに、何も受けずに、ただ免許状を取ってくれと言われて取るというふうに私は思っていますが、それで間違いないですか。
○政府参考人(望月禎君) 臨時免許状の授与に当たりましては、本人の状況もよく確認をしながら学力や実務の状況についても確認してございますが、専門教科に関するそうした研修等などにつきましては法律等で義務付けられておりません。 要すれば、今、古賀委員御指摘の形で、例えば技術の先生が不足していて一時的に臨時免許状を数学の先生にやっていただくということにつきましては、人物を見ながら、あるいはこれまでの経験を踏まえながら、教育委員会の方で採用をしている、そのときの研修等については法律等で義務付けられておりません。 ただ一方、やはり元々免許持ってございますので、教職に関する知識、技能を確実に担保する観点からは、採用前後にその専門知識等に関する必要な研修を自治体に促したりすることが考えられるところでございまして、文部科学省としては、そうした方に対してオンデマンドの研修動画の校内研修シリーズなど教職員支援機構が提供しているそうした教材の活用を勧めたり、あるいは都道府県教育委員会のいろんな相談に乗って、適切な研修の企画、実施をするよう周知をしているところでございます。
○古賀千景君 誤解していただきたくないのは、研修を増やしてくれと言っているわけじゃないんです。ただ、全く知らない教科を子供たちに教えるというのが、そんな簡単に免許を出していいのかなと。特に中学校ですね、小学校じゃなくて。そこを私は思っているんです。 全国に何人ぐらい臨時免許取得者がいますか、教えてください。そして、増加傾向にあるかどうかもお願いします。
○政府参考人(望月禎君) 臨時免許状の授与件数でございますけれども、令和六年度、これは幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の計でございますけれども、九千八百九十八件が令和六年度の授与でございました。 三年前の令和四年度の状況では、合計一万六百二十九名となってございまして、大体令和四年度、令和六年度もおよそ全国で十九万人くらいの免許授与件数ですので、おおむね五%ぐらいの臨時免許状の授与率だというふうに考えてございます。
○古賀千景君 それは増えているんですか、減ってきているんですか。
○政府参考人(望月禎君) 私も昨日、十年ぐらい前からの状況を拝見を、見てみましたけれども、今申し上げましたように、四年度と六年度はむしろ授与件数は減ってきていて、率についてもおおむね同じような状況でございます。
○古賀千景君 その全く専門的に免許を持っていないところの人が授業をするということは、文科省としてはどのような御見解をお持ちですか。
○国務大臣(松本洋平君) 臨時免許状でありますけれども、今局長からも答弁をさせていただきましたとおり、普通免許状を有する教員を採用できない場合に限りまして教育職員検定を通じて授与をすることができる、そういう免許状となっているところであります。臨時免許状の授与に当たりましては、各授与権者においてこうした制度の趣旨を十分に踏まえた上で適切に御判断いただく必要があると考えているところであります。 過去に文部科学省からは通知も出させていただいているところでありまして、やはり本筋は、臨時免許状ではなくて、やはり普通免許状であったり、こうしたところでしっかりと教員を確保していただくということが本筋であるということはお示しをさせていただいているところであります。
○古賀千景君 確保していただくではなく、文科省が主体となって、どうやって確保するか、そこをしっかり考えていただきたいということも思います。私は、これでは、質の高い教育とよく言われますが、これは実施できないのではないかということも思います。実はそれ、教員も大変なんですよ。だって、教えたこともない教科をいきなり、技術って糸のこしたりとかパソコンやったりとか、そんなのを教えなければいけないということで、負荷が掛かっているんです。 私は音楽の免許を持っていますが、私、一回だけ臨時免許も取らずに美術を教えたことがあります。そのとき、美術って、私、高校、音楽でしたので、中学までしか美術していないんですよ。そして、美術を教える。でも、教え切らぬと思いました。だから、どうしたかというと、私は一年一組と二組でした。だから、一年三組と四組の授業を子供と一緒に受けました。一緒に絵を描きました。そして、それをやって、同じことを一組、二組にやる。やっぱりそれぐらい責任を持って教壇に立ちますので、そうやってやっていくわけです。きっとその臨時免許の方たちもそうだと思います。そうやって努力をしながらやっていく。ただ、評価はし切らなかった、美術の評価は。基準が分からない。だから、評価だけはしてもらいました。こんなふうにいろんなことを努力してやっています。 そして、臨時免許というのはお金が掛かりますよね、取得に。多分三千円ぐらいと思うんですけど。それが、例えば校長先生から技術の免許取ってくれと言われて、仕方ない、この学校の状況はと思って、取ります。これ、自腹のところがあるんですよ。頼まれたのに、えっ、自腹で払うのって。自治体によりますけどね。 そういうところも是非知っていただきたいと思うし、今増えているのは、小中一貫校。中学校とかの教員で、こま数がちょっと余ったりした人は小学校に行って授業をしてくれ、これもよくあるパターンです。ただ、私は中学国語で合格したのに、国語は分かりますよ、もちろん、でも、小学校、中学校は違うんですよ、やり方が全然。そういうところで簡単に、こまのように、この授業をさせるために、小中一貫校に、中高一貫校にして一緒に授業をさせていく。そして、あるところでは、異動させてまでも中学校の先生が小学校に行って英語をしている。そういうところもとても増えています。 こういうところも、苦労も、教職員のやりがい搾取につながっているのではないかということも私は思っています。数合わせのために教職員が苦しんでいる。そして、何より、免許を持っていない先生から勉強を学ぶという子供たちの教育の質というところはこれから考えていかなければいけないと思っています。 やっぱり臨時免許ではなく、正式な、正規採用、免許を持った人がきちんと免許の授業をする、それが必要だと私は思いますが、文科省としていかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 先ほど申し上げたとおりでありまして、臨時免許状は普通免許状を有する教員が採用できない場合に限り授与することができる、そういう免許状となっております。 そのため、基本的には、教師の任命権者である教育委員会において、普通免許状又は特別免許状を有する教師人材を確保、配置をしていただくことが大変重要であるというふうに考えているところでもあります。先ほども申し上げましたけれども、令和四年ですかね、通知の方も発出をさせていただいております。 今おっしゃられたように、こうした背景も踏まえまして、現在、中央教育審議会におきまして、より多くの学生が教員免許取得を目指したり、教職生涯を通じて能力向上への意欲を喚起するような教員免許状の在り方などについて御議論をいただいているところであります。 やはり、今委員からも現場の実態のお話をしていただきましたけれども、やはりこの教師、教職員を目指す、やはりそういう人たちの数というものをしっかりと増やしていくということが大変大事だと思っておりますし、以前もお話をさせていただきましたけれども、民間の調査によりますと、将来子供たちが、教師になりたいという希望を持っている子供たちが多いにもかかわらず、実際の職業選択においてはそれに結び付いていないという、こういう現状も考えたときに、まさに処遇の改善、働き方改革、そして指導、運営体制の充実、こうしたものをしっかりと図っていくことによってこのギャップを何としてでも埋めていきたい、そのように考えているところであります。
○古賀千景君 よろしくお願いします。 現状を言いますが、今、四月、担任、今必死に探しています。けど、昨年度を見たときに、担任が一年間いなかった学級もあるんですよ。それとか、一年間に五人担任が替わる、病休とかで。そんな学校になっていることをもっと知ってほしいんです。私聞いた中で、フルタイムで働く教職員の最高齢、八十九歳でしたよ。それぐらい足りないんですよ。だから、本当に考えてほしいということをもう強く、学校、努力してどうにか授業していますが、もうへとへとです。是非そこを考えていただきたいと私は思っています。 それでは、話を変え、話題を変えて、中学校の三十五人学級による教室数について伺います。 先日も話題となっておりました。十二月の調査で、今年四月からの対応方法が未確定な教室は二百二、それが九室に、どうしようもないというところは九室になったということを聞きました。この二百近い教室不足を解消するのに、九室まで減ったというのはどんな背景があったのか、どうしたのか、御存じだったら教えてください。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。 委員御指摘のように、昨年の十二月に公表した調査におきましては、対応が未確定といったところが二百二室分ございました。それらにつきまして、本年一月に、補充調査といいますか、各自治体にその後の検討の状況についてお伺いをいたしました。その結果、二百二室のうち転用により対応が可能であるというふうに判断に至ったものが百三十四室ございました。また、そもそも、よくよく考えたところ、対応が不要というふうに判断をしたところが六十四室ございました。また、当該年度に仮設により対応するといったところが一室ございまして、残る三室が当該年度に対応が困難という仕分になったということでございます。 これを十二月調査の時点で対応が困難としていた六室と合わせますと、九室が年度当初に対応が困難ということになっているというものでございます。
○古賀千景君 十二月に対応が困難って、でもね、学校って大体十二月に来年四月はどうなるかなってめどは大体立てますよ。それで、多分すごい苦しんで、この二百二室はどうにかしようとやったと思います。 じゃ、その九室ですね、対応困難という九室は四十人学級のままでしょうか。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。 今ほど、対応が困難なものが九室、これらについてはどうかというお尋ねでございます。 今般の義務標準法の一部改正法の附則におきましては、文部科学大臣が定める特別の事情がある中学校は例外的に学級編制の標準を四十人とする旨の経過措置を設けてございます。その際の特別の事情としては、小学校三十五人学級の実施の際と同様に、教室不足であり、適切な施設の確保が困難であることというふうにしてございます。 したがいまして、これらにつきましてはそのような事由に該当するものと考えてございまして、四十人学級編制ということになりますけれども、あくまでも中学校三十五人学級の実施ができるように余裕教室の転用や施設整備を通じて必要な教室数を確保していただくことが原則だというふうに考えてございますから、そのため、文部科学省としても必要な状況の把握や支援に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○古賀千景君 今年は分かりました。来年度、対応が未確定の教室は四百十九室、もう困難だと分かっているのが十二室、再来年度、未確定な教室が六百十室、これは文科省として早めに動いて、子供たちが三十五人学級になるようにする必要があると思いますが、そこはどのように対応されるか、教えてください。
○政府参考人(蝦名喜之君) 今ほどお話のございました昨年十二月に公表した調査におきましては、委員御指摘のような数値が上がってございます。そのうち、その対応が未確定というものにつきましては、引き続き、まずは今年度の実施の状況を確認をさせていただきながら、来年度以降に向けて検討を促していくということだろうと思ってございます。 他方で、この時点で九年度当初から教室確保が困難であるというところが十二教室、今回上がってきているところでございます。これらにつきましても、法令的には先ほど申し上げた経過措置の対象となるというふうに考えているところでございますけれども、この経過措置は令和九年度末まで、つまり三十五人学級が一年生、二年生、二年生の学年進行の終了時までということとなってございますので、この経過措置の期間中に施設整備等を是非進めていただき、令和九年度末までにそれを完了させて、教室不足が解消された状態とすることを強く求めてまいりたいというふうに考えてございます。そのために必要な支援、状況把握等も引き続き行ってまいりたいと考えております。
○古賀千景君 調査だけではなくて、財源も必要ですから、そこもしっかりと文科省としてやっていっていただきたいと思っています。 それと、特別教室の確保について私、以前お伺いしたんですが、特別教室は足りるのかと。教室が増えるので理科室を使う学級が増えていく、家庭科室を使う学級が増えていくというところです。そしたら、調査はしていないけれども、特段困っているという声は聞いていないということを私は部屋に来て教えていただきましたが、学校現場に聞くと、結構困っているよという声は私の方には入ってきました。 一つの学校で何クラスぐらい、そんな大きくはないと思いますが、この三十五人学級になるに当たって、一番多いところでは何クラスぐらい学級増になりますか。
○政府参考人(蝦名喜之君) まず、各学校ごとにどれぐらい教室数が必要になるかという調査、大変恐縮ですが、そこまでの調査が行えてございませんが、トータル、全国で見ますと、昨年の十二月に公表した調査におきましては、教室確保の対応が何らか必要な学校の数が一千四百六十三校ございました。そのうち、確保が必要となる教室、それらにおいて確保が必要となる教室の数は千六百七十九教室ということでございますので、多くの学校では一教室の増加ということなんだろうと思いますが、複数教室の増加が見込まれるところもあるだろうというふうに認識をしてございます。
○古賀千景君 学校現場では、例えば第一理科室、月曜日一時間目、何年何組、何年何組できちんとはまっています。ここが、例えば一クラス増えると分かっても、なかなかぎゅうぎゅうで入らないところもあるんですよね。そういうところは、家庭科室、理科室、例えば体育館を一つの、二つに割って動かなければならなかったら運動量減りますよね。そういうところとかは大丈夫ということですね。確認です。
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。 中学校の三十五人学級の実施に伴って普通教室の対応の方法としては、特別教室の転用を行うという学校もあるものと承知をまずもってしてございます。これにつきましては、各地方公共団体において、特別教室を活用した教育活動が損なわれることがないように御検討をいただいた上でこのように判断して活用しているという事例なんだというふうに考えているところでございます。 実際には、特別教室は各学校の教育課程の編成状況によって活用の状況は異なると思います。学年同士でかち合わないようにとか、様々な調整を経て特別教室の活用というのがなされていると思いますので、その結果、どれだけ不足感があるかといったようなことについて把握するのは非常に難しいと考えてございまして、そういう観点から、特別教室の不足の状況についての調査は現状行っていないというふうにお答え申し上げましたが、いずれにしても、これ、教育活動に支障が生じるようなことになりますると、これは子供の教育環境として大変問題ですので、我々文科省といたしましては、地方公共団体のニーズを踏まえて適切な教育環境の整備が行われるよう支援をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○古賀千景君 どうぞよろしくお願いしますし、もしよかったら調べていただきたいなというのを思います。どれくらい困っているか。 私が、これ三十五人学級ではないんですが、小学校が、がっとマンションが建って、とっても子供たちが一気に三十人、四十人転入してきて学級が足りないといったときに、その学校は家庭科室を潰しました。家庭科室を潰して、だから、じゃ、その学校の家庭科の実習はどうしたかというと、中学校まで移動して中学校の家庭科室を借りている。これは確実な話です。 このような現状が起きないようにと私は思っているんです。もったいないもん、移動する時間が。だから、そういうことが起きないようにきちんと確保をしてほしい。ある程度できているというお答えですので、私の方もまたいろいろ現場の声を聞いてお伝えさせていただきたいと思っています。 それと、特別支援学級について伺います。 大体、特別支援学級は一クラス最大八人と言われますが、その一クラスでがっと教室に入るという感じなんですけれども、私のイメージは。教室の広さというのは規定はありますか。
○政府参考人(望月禎君) 小学校や中学校を設置するための最低限の基準として小学校設置基準あるいは中学校設置基準を定めてございますけれども、特別支援学級を含めまして個別の教室の面積を定める規定はございません。
○古賀千景君 なぜそんな質問をするかというと、教室は決まっていますよね、通常学級はちゃんと決まっているけど、特別支援学級は特にそういう決まりはないということかもしれませんが、実は学校が、今その二百二が三まで減ったというのも私はとても疑問に思っているんですが、特別支援学級を真ん中で、同じ広さの、通常学級の、パーティションでくくって二学級一緒に授業をする、これは結構どこでもあっているんです。 特別支援学級のお子さんですから、いろんなことに集中できなかったりとか、歩いてちょっとうろうろしてみたりするんですけど、そういう特別支援学級だったらパーティションで切って二学級一緒に入れてもいいみたいな、そういう現状って文科省はどう思いますか。お願いします。
○政府参考人(望月禎君) 子供たちの状況というのは、まさに学校、それから障害を持っているお子さんの状況によっても様々ですので、一概にその教室の面積を定めて、その広さが一人当たりどのくらいかということをしゃくし定規的に決めてしまうというのは、むしろ、先生方が子供たちとの関わりの中で、また保護者も来る場合も特別支援の場合もありますし、逆に教育活動がやりにくくなる場合もあるんじゃないかと思ってございます。 そういった観点も含めまして、古賀委員の方からは、普通教室は教室の規模は定まっているじゃないかというお話をいただいたんですけれども、先ほどちょっと私の答弁が混乱を招いてしまった可能性はございますけれども、文部科学省の方で校舎と運動場の面積については定めてございますけれども、小学校も中学校も普通教室についても教室の、特別支援学級もそうですけど、この面積を定めているわけではございません。 いろいろな教育活動の教科やあるいは科目、あるいは子供たちの状況によってその活動の広さややり方も違っていると思います。学校の状況で見て、確かに手狭だなと思うようなところもあるかもしれない。そうした場合には、その教室以外のところの活用を含めて、あるいは合同授業なんかの実施も含めて考えていただくとか、もう現場で、学校現場でいろんな工夫をしている状況を私も、古賀先生ほどじゃないけど、知っております。 一つの形として子供たちの学びやあるいは活動の空間というのはしっかり保障される必要はあると思ってございますけれども、パーテーションを一つの教室に区切ったから、それによって活動ができなくなると言うかどうかは、これはまさに学校現場の御判断かというふうに考えてございます。
○古賀千景君 学校現場の判断、足りないから仕方がない、これはおかしくなりますよね。だって、子供の資質、教育の質のためにその広さがある程度規定されるのであって、私は、特別支援学級だからこそ広くあるべきなのではないかと私は思います。 ですので、多分パーティションで区切っているところとかいっぱいあると思うので、そういうところを是非改善の方向に向けて私は動いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 今局長から答弁をさせていただいたとおり、それぞれの学校現場において御判断をいただくということであろうかとは思いますが、ただ、文部科学省としては、学校施設整備指針におきまして、特別支援学級関係室の計画に当たっては多様な学習活動などに柔軟に対応できる空間を確保することが重要であることを示しているところであります。それに基づきまして、設置者においては適切な整備を促すということをさせていただいておりますとともに、教室不足の解消などのための新築又は増築に対する国庫補助、こういうものも行っているところであります。 こうした制度というものも活用をいただきながら、引き続き適切な教育環境の確保を行うことができるように、地方公共団体の整備の支援、これに取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 では、続いて、特別支援学級の子供たちのことについて伺います。 三十五人学級といいますが、三十五人学級は、例えば一年一組とかいうのが三十五人学級で、もしその子供の、そして特別支援学級に例えばA組とかあったら、特別支援学級に行っているお子さんは除外ですよね。別にカウント、三十五人学級はここ。例えば、一年一組所属なんだけど、特別支援学級に配属されているお子さんは三十五人には入らないですよね。 だから、でも、そのお子さんたちは、文科省も進めているとおり、インクルーシブ教育も進めなければなりませんので、教科によってはその子たちは戻ってきて、この教室で学んでいきます。当然です。私はそれが当たり前だと思っているので。 そうしたら、教室は、その学級は三十五人じゃないんですよね。五人、特別支援学級のこのお子さんがいたら、そこは四十人学級になります。給食なんかは多くは子供たち一緒に食べていますので、四十人。これ、文科省が言っている三十五人学級の意図とちょっとずれるんではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が触れ合うこと、そして共に活動する交流及び共同学習というものは大きな意義がある、そのように考えているところであります。 また、障害者基本法におきましても、「国及び地方公共団体は、障害者である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによつて、その相互理解を促進しなければならない。」というふうにされているところであります。 その上で、今御指摘の学級の考え方についてでありますけれども、年間を通じて当該学級において活動する児童生徒によって編制されるものであることから、特別支援学級において年間を通じて活動することとなっている児童生徒を普通学級の編制に当たっての児童生徒の数に加えることは制度上想定をしていないということであります。 通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒につきまして、これまでも障害の状態に応じた特別の指導を行う通級による指導や日常生活上の介助や学習活動のサポートを担う特別支援教育支援員の配置などの取組を講じているところであります。 こうした制度というものも使いながら、ちょっと委員からの御指摘に対して真正面から答えているものにはならないかもしれないですけれども、引き続き障害のある子供一人一人の教育的ニーズに応じた適切な支援が行われるように特別支援教育の充実に我々として取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 全てのことが、学校で行われていることは教育です。給食も教育です。そうやって食育でやっているんだから。そうやって、それが四十人になるというのよりも、やっぱり一緒に、ずっと一緒に三十五人というカウントでやっていけるような制度改革を是非していただきたいなと。そこに支援員さんが付いたりとかしてやってくださっているのは重々分かっています。しかし、初めから三十五人なら、その子たちも入れた数でカウントができるようにならない、是非してほしいという声はたくさん聞いておりますので、どうぞよろしくお願いします。 予算について。 少子化の時代、私、子供が減っていく、校舎を造らず、今を我慢すればちょうどよくなるとよく言われます。経費の削減にもつながります、今の子供たちには我慢してもらおう。教職員の定数もそうです。今ここで、少子化で教職員の定数を増加すると、将来教職員の数がだぶつくと財務省にも私も言われたことがあります。このような今の子供たちを見ない、国の経済的な理由で子供や教職員に我慢をさせていると私は思っています。 先日の文科委員会でも言わせていただきましたが、今の子供たちに目を向けていただきたい。そして、先進国の中でほぼ最下位と言っても過言ではないこの日本の教育予算、これから国を背負っていく子供たちです。 大臣も先日言っていただきました。子供の数が減っていくから比例して教育の資源を減らしてはいけないと私は思っています、そして、そうした教育資源というものをより多く振り分けていくことで、よりきめ細かく、そしてより教育の質を高め、そしてより教師の皆様の働き方、魅力向上につながっていくような、そんな取組というものをしっかりと進めていくことによって、何よりも子供たちのためになるような、そして教育の充実というものを図っていくということが私は極めて大切な事柄だというふうに思っておりますというお言葉もいただきました。 教育予算、増やすべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 教育は子供たちの未来をつくる上で重要な役割を担うものであります。一人一人が持つ可能性を最大限引き出すため、教育費の負担軽減とともに、教育の質を不断に向上させることが必要であります。 そのため、文部科学省におきましては、令和八年度予算案におきまして、高校就学支援金制度の拡充や学校給食費の抜本的な負担軽減とともに、教師を取り巻く環境整備や不登校、いじめ対策の強化、国立大学法人運営費交付金など基盤的経費の拡充も含めた様々な施策を通じて教育の質の向上を図ることとしているところであります。 委員から先般の私の委員会での答弁のことも御紹介をいただきました。あくまでも、枕言葉に個人の思いとしてということでお付けをさせていただいたところでありますけれども、ただ、その思いは私自身全く変わるものでは当然ありませんし、まさにおっしゃるとおりで、先ほど来お話もしているとおり、やはりこの人材力というものが我が国の全ての礎になるものであります。 そういう意味では、改めて、子供たちの数が減るから比例して教育予算を削減し、教育資源というものを減らしていけばいいという、そういう考え方に私は立ってはいけない、むしろ、しっかりと教育予算を確保し、そして教育資源を確保していくことによって教育の質を高めていく、また、先生たちの処遇の改善を実現をすることによって一層子供たちの教育というものが充実をしていく、そうした取組を進めていくことが大変重要だと思っております。 今の委員からの御指摘というのは我々に対する大変大きなエールだというふうにお受け止めをさせていただいて、一生懸命頑張ってまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 大臣のそのお考えを是非広めて、エールを送ります。どうぞよろしくお願いいたします。 それで、今回の義務標準法で、本当は養護教員の数が概算要求では全校配置でしたよね、と文科省は要望していただいたと思っています。私は喜びましたよ。いや、さすが文科省って、全校配置をついに実現させてくれるかと思っておりましたが、残念ながら予算案には消えておりました。 改めて、なぜ養護教諭の全校配置が必要だと思われたんですか。教えてください。
○政府参考人(望月禎君) いじめや不登校がこれだけ増えまして、そして、子供たちの心と健康のバランスを考えながら、子供たち一人一人の状況をよくきめ細かく把握しながら、そして、チーム学校全体としての役割分担の中で、養護教諭とそれから教師とあるいは専門家が一緒になって子供たちを考える、そういう体制を、学校環境の整備を図っていくことが大変大事だと考えてございます。 この間の御質問でもございましたけれども、コロナ以降、宮本先生からの御質問ございましたけれども、コロナ以降、特に不登校の児童生徒も急激に増えてきているという実態もございます。そうした中で、養護教諭の配置基準につきまして少しでも改善を図れないかと考えまして、複数配置の基準の改善とともに、小規模校における全校配置についても概算要求に計上をさせていただいたところでございます。 その予算の編成過程におきましては、中学校三十五人学級以外にどういった事項につきまして我々としては更に進めていくことが必要かということにつきまして、地方自治体やあるいは学校現場のたくさんのお声をお伺いをしまして、最終的には、中学校三十五人学級以外に、共同学校事務室の複数配置の基礎定数と、そして、これ二十五年ぶりになるんですけど、二十五年ぶりに養護教諭の基準の五十人の引下げというのを小中学校で予算事業で計上、予算としても計上させていただいたところでございます。 御承知のとおりだと思いますけれども、アレルギー疾患の方がお子様には増えていて、それがかなり顕在化していて、かなり命の危険など伴うような、気を付けなきゃいけない事案も結構出ている。メンタルヘルスの観点は、これ教師もですけれども、教職員もですけれども、子供たちにも一人一人考えなきゃいけない。そういった中で、健康課題が多様化、複雑化している中におきまして、養護教諭の今回の配置の充実につきましては、加配定数の措置あるいは養護教諭の経験者等を活用した支援体制の強化ということも併せまして、体制の充実あるいは支援の充実を図っているというふうに考えているところでございます。
○古賀千景君 すばらしいです、そのとおりです。絶対養護教諭は学校に必要なんです。だって、自分の子供さんとかお孫さんが通っている学校に養護教員がいなかったら心配じゃないですか。うちの子、熱出したらどうするっちゃかと。けがだってありますよ、大けがもあります。そんな中で、養護教諭がいない学校に通わせる保護者の思いを考えたときに、私は絶対全校配置が必要だと思っています。子供の容体はくるくる変わりますので。 是非、これからも複数配置に向けて、そして全校配置に向けて取り組んでいただけるということは、大臣、いかがでしょう、やっていただけますか。
○国務大臣(松本洋平君) 今委員から御指摘をいただいたとおり、概算要求ではそういう形の要求をさせていただきましたけれども、様々な交渉、また検討の経緯、また同時に、小規模校を含めた児童生徒の心身の健康課題に対応するための加配定数の措置等々のこうした措置というものも加えつつ、今回はこうした形に落ち着いたところであります。 まずは、今回五十人、その基準の引下げというものを小中学校で行ったところであります。まずはこれをしっかりと着実に進めつつ、しっかりとその養護教諭の配置、そして、子供たちの心身の健康を維持するため、どういう形で今後進めていくのか、委員からの御指摘というものも踏まえつつ、我々として今後も検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 教職員の中で、養護教諭はまだ倍率高いんですよ、十何倍とかあります。ということは、志願者いっぱいいるんですよ。だから、合格してもらえれば、その子たち、全校配置にすぐ結び付きますし、複数配置に結び付きます。是非、その部分もよろしくお願いします。 教職員の免許取得について伺います。 先日の附帯決議の十番の中に、「質の高い教員の確保に向けて幅広く人材を活用するために、多様な知識又は経験を有する社会人が働きながら教員免許状を取得すること」というところがあり、その文面がありましたが、全部は読みません。私が聞いている中で、今、今年の四月から通信で働きながら理科の免許を取りたかった人がいるんです。しかし、今、日本の学校で理科の免許を取るのが一校もなくなりました。だから、働きながら理科の免許を取ることができなくなった。その理科の先生は実習教員として働いていて、私も授業がしたいなと思って、理科を目指したいと思って、四月からその通信制を受ける。だって、生活があるから働かなければならないと思って、夢を持っていたのに、その私立大学が一切募集を受け付けなくなり、日本でゼロですよ。この現象、どう思われますか。
○国務大臣(松本洋平君) 委員御指摘のとおり、令和七年度時点で唯一、中学校及び高等学校理科の通信制の教職課程を提供していた大学が令和八年度以降の課程の認定を取り下げた旨の報告を受けているところであります。なお、こうした教職課程の開設や取下げについては、あくまでも各大学において経営判断を含めた判断をしていただくものと承知をしております。 通信制以外の課程を通じた中学校及び高等学校理科免許状の取得は引き続き可能ではありますが、社会のニーズを踏まえた様々な教職課程が開かれていることは、多様な人材に教師になっていただく上で重要である、そのように考えております。今委員から御指摘をいただいたとおりであります。 こうした認識の下、中央教育審議会の議論におきましても、大学内や大学間での連携の促進などを通じた柔軟な教職課程の構築を可能とする方向で制度を見直すべきなどの御意見も頂戴をしているところであります。 こうした議論も踏まえながら、引き続き多様な教職課程が開設されるよう、文科省としても必要な検討を進めてまいります。
○古賀千景君 せっかくやる気もあり経験もある、しかし生活のためにそれを諦めなければならなくなるような、そこを救ってこそが国の、文科省の役目だと私は思いますので、是非そこの道を開いていただきたいということをお願い申し上げます。 それと、次、担任手当について伺います。 担任の概念を教えてください。担任。
○国務大臣(松本洋平君) 給特法改正を踏まえました政省令改正における通知におきまして、基礎的な学習集団の単位である学級における生活指導や教科指導を担当する業務を担当している教師のことを学級担任というふうにさせていただいております。
○古賀千景君 生活指導という言葉がありましたが、それには、例えば今、さっきもお話ありました、養護教員とかは、いろいろ心の悩みを聞いたりとかしているというところでは担任の概念にちょっと当てはまるんじゃないですか。いかがですか。
○政府参考人(望月禎君) 校務分掌によりまして、養護教諭等も学級担任になることはできるというふうには考えてございます。
○古賀千景君 学級担任にならなければ出ないということですか。
○政府参考人(望月禎君) 学級担任手当につきましては、職務や勤務の状況を考慮した処遇とする観点から、児童生徒の学習や学校生活の基盤である学級の運営を担当する学級担任に対して支給される手当でございまして、国庫負担上は学級担任のみに支給することを想定してございます。 なお、先ほどの古賀委員からの御指摘のところで、ちょっともしかしたら私の説明が不足していたかもしれませんけれども、養護教諭とか栄養教諭とかにつきましては、学級担任にはなり得るとは思いますけれども、基本的に、例えば保健室とか、働く場所が学級ということを想定をしているわけじゃありませんから、学級担任として我々が配置をしているということを基本的に国庫負担上想定をしているものではありません。
○古賀千景君 文科省はチーム学校を推奨しているんですよね。子供たちは、学校全体でチームとしてやっていくというところは推奨していますよね。確認です。
○政府参考人(望月禎君) 子供の状況が様々になる中で、学校には多様な、もちろん教師以外の、そうした養護教諭とか栄養教諭とかあるいは支援スタッフとか、まさに、先般来御議論のある事務職員もいます。チーム全体で、校長のリーダーシップの下で、学校の状況、地域の状況を様々考えながら学校運営がなされていると承知してございます。
○古賀千景君 その状況、チーム学校でやっていこうとするときに担任にだけ手当が付く、これおかしくないですか。いかがですか。
○政府参考人(望月禎君) 学校の運営につきましては、校長のまさに指揮命令の下で様々な教職員や支援スタッフが協力しておりまして、学級につきましても、学級担任である教諭等が中心となりまして、他の教職員と必要に応じて連携しながら運営をしている、これは御承知のとおりでございます。 一方で、先ほど申し上げましたけれども、学級担任に対する手当は、職務や勤務の状況を考慮した処遇とする観点から、学級の運営を担当する学級担任に対して支給されるものでございまして、国庫負担上は学級担任のみに支給することを想定してございます。
○古賀千景君 国庫負担上はというのはどういうことですか。
○政府参考人(望月禎君) 端的に申しますと、国庫負担上は学級数に応じた学級担任手当を都道府県等に対して支給しているということでございます。
○古賀千景君 御存じだと思いますが、中学校とかでは、進路指導とか大変だから担任外すんですよね。とか、授業数が多い人は、ちょっとこの人授業で大変だから担任外そうかという形で、やっぱり学校、中学校やっていますが、その人たちには出ない。これ、おかしくないですか。どうですか。
○国務大臣(松本洋平君) 学校における校務分掌につきましては、各教職員ごとの業務の状況や学校全体の状況などの様々な要素を勘案をして、各学校において御判断をいただいているものと承知をしております。 なお、学級担任に対する手当は、学級は児童生徒にとって学習や学校生活の基盤であること、学級担任の職務は、日々の学習指導に加え、学級に関する様々な業務や保護者への連絡、相談対応などに取り組んでいること、令和四年度に実施した教員勤務実態調査において、学級担任以外の教師と比較して時間外在校等時間が長いことなど、職務や勤務の状況を考慮した処遇とする必要があることから、義務教育等教員特別手当において、困難性などを考慮して加算を行う校務の類型として定め、手当を加算することとしているものであります。単に業務が多忙であることのみをもって支給をしているものではありません。 また、学級担任に対する手当以外にも、例えば校務分掌として、生徒指導などを担っております主任などには主任手当を支給するとともに、主幹教諭や令和八年度から創設しております主務教諭として任命される教師はそれぞれの職責に応じて本給で処遇をするなど、校務分掌や職責に応じた処遇を行っているところであります。
○古賀千景君 先日の義務標準法の附帯六、賛同いただきました。「特定の教員が一人で学級経営を担う体制を見直し、いわゆる「チーム担任制」の導入を含め、複数の教職員が協働して学級・学年を支援することができるよう指導・運営体制の充実を図ること。」という文面があります。合っていますか。整合性ありますか。ちょっと私はないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 今申し上げたように、それぞれの校務分掌の中で、それぞれの担任の先生を始めとするそれぞれの先生方に対しまして、そうした手当というものを支給をする仕組みとさせていただいているところであります。 これが一概にチーム学校と整合性を欠いているのではないかという指摘に関しましては、私どもとしてなかなかそれにお答えをするすべを今持ち合わせていないところではありますけれども、ただ、附帯決議にもお示しをいただきましたし、また、我々といたしましても、そうしたチームとして学校運営をし、子供たちに教育を進めていく、子供たちの教育を進めていく、そうした取組というものは我々として大変必要なものであると考えておりますので進めてまいりたいと思いますし、それを進めるに当たって必要な施策というものも併せて考え、進めてまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 複数担任制で二人で担任をしていたら千五百円、千五百円ですよね。そして、今四月から、女性が働きやすくなるためにということで、七月までに産育休に入られる方がいらっしゃるところは四月から複数でと国は言ってくださっていますよね。その人たちも千五百円、千五百円ですよね。何かこれ、そういう人たちにプラスアルファで何かお配り、ちょっとチーム担任で頑張ってやっているからとか、そういうプラスアルファは付けていないんですか。全く厳格に学級数のみ。いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 御指摘のように、いわゆる複数担任制として、一つの学級の担任業務を複数の教員で分担をしたり、また副担任を配置している学校がある、そういう実情があるということは承知をしているところであります。 先ほど局長から答弁を申し上げましたけれども、この義務教育費国庫負担金の算定については、学級担任への手当の加算は学級数に応じて配分することとされているところであります。そういう意味で、委員御指摘のような複数の教員で学級担任業務を分担している場合には、給与負担を担う都道府県、指定都市の判断によりまして、その分担に応じて学級担任への手当を加算することが可能となっているところであります。また、実際に加算している自治体も存在をしているところであります。 我々といたしましては、制度として、その学級数に応じて配分をするという形になっているところであります。あくまでも、その先生の数で配分をするという形ではなくて、学級数に応じてこの国庫負担金を算定をするという仕組みになっているのが現状の姿であります。 各学校における業務負担の実態に応じて、都道府県、指定都市、教育委員会において適切に支給方法などを御判断いただきたい、現在ではそのように考えております。
○古賀千景君 では、数で、三千円掛け何クラス、何クラスですよね、クラス。じゃ、それを、学校の校長裁量とかで、うちは十五クラスだけど二十人教職員いるから二十で割ろうとか、そういうことは可能なんですか。
○政府参考人(望月禎君) 今ほど大臣から御答弁させていただいたとおり、国庫負担金上、学級数に応じて配分したものにつきまして、それを学校の状況、あるいは、これは服務監督権者の方でどのような形でそのチーム学校制の中で教員に分担をして配分するかということについては、それぞれの自治体の御判断かと思います。 なお、チーム担任制を対象とする自治体につきましては四十五自治体あると現時点では承知をしてございまして、そうした自治体においてそれぞれ手当を案分したりするなどのいろいろなやり方を取っているところがあるというふうに承知してございます。
○古賀千景君 ありがとうございます。私の希望としては、全員に三千円、お金が掛かって無理でしょうけど、私はそう思っています。 それと、最後に一つだけ。これは法改正が必要ですのでなかなか難しいことですが、六十歳の定年延長、これの七割給与、これをやめれば絶対教職員は増えます。みんなそれで辞めているんだから。月十万ぐらい減っている。これをやめていくということを要望して、私の質問を終わります。
○水野孝一君 国民民主党・新緑風会の水野孝一です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 私からは、高等学校教育改革についてお伺いをいたします。 人づくりこそ国づくりであります。もし日本が百人の村だったとしたら、今この村を実際に支えている言わば現役世代はおよそ四十人であります。そして、これからこの村を支えていく次の担い手、今学んでいる世代、およそ二十人しかいません。更に申し上げれば、その二十人の中でも大学進学を前提とする層、地域で働き支える層、多様な進路を歩む層に大きく分かれていく中で、この二十人をどう育て、どのように活躍してもらうのかによってこの国の将来は大きく変わっていきます。とりわけ重要なのは、この二十人が地域に残るのか、又は離れて戻らないのか、あるいは地域と関わり続けるのかという点です。その分岐点にあるのが、まさに義務教育を終えた十五歳からの学び、高校教育だと考えています。 現在、多くの地域では、普通科中心、大学進学前提の構造の中で、若者が地域から流出している現実があります。一方で、地域の産業や医療、介護、インフラを支える人材は深刻に不足しています。だからこそ、今問われているのは、単なる高校の在り方ではなく、この国の人材構造そのものをどう設計し直すのかという問題であるように思います。 本日は、文部科学省がネクストハイスクール構想としてグランドデザインを描いている高等学校教育改革と総務省の財政措置も含めて、この改革を点ではなく構造転換として実現できるのかという点で順に伺っていきたいというふうに思います。 初めに、自治体から公立高校が消滅するという危機課題について伺います。さきの高校無償化法案の質疑の際、我が党、我が会派の伊藤孝恵議員からの提起のあった課題です。 我が国には約千七百の市町村があります。そのうち高校が存在しない市町村が約五百、一校しかない市町村が約六百あるとされています。この一校は、単なる教育機関ではなく、地域の人材供給、地域コミュニティーの核、そして若者定着の要という極めて重要な役割を担う、まさに地域のインフラと言えます。 そこで、大臣にお伺いをいたします。 この高校一校自治体問題を文部科学省としてどのような構造課題と認識しているのか、また、今回の高校改革は教育の構造を変革することを目的としていると理解しますが、今回の改革の中で、この高校一校自治体問題をどのように解決していかれるおつもりなのか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 公立高校の配置の在り方につきましては、その域内の事情などをしっかりと把握できます都道府県が、その責任において地域住民の御意見を伺いながら判断をいただくということが大切になってまいります。 他方で、今委員から御指摘をいただきましたように、公立高校は多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応えるセーフティーネットの役割も果たすとともに、地域が求める人材育成などの観点から、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると考えているところであります。 先般公表をいたしました高校改革のグランドデザインにおきましても、全国どこにいても多様で質の高い学びを提供できるよう、視点の一つに一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保を掲げております。生徒の地理的アクセスの確保に留意することを明記をさせていただいているところであります。 これを踏まえまして、高校教育改革促進基金などの活用を通じまして、小規模校を含む遠隔授業等の推進や、地域や産業界との連携、協働の強化などに取り組みまして、公立高校の教育の充実をしっかりと進めてまいりたい、そのように考えております。 公立高校はどのように適正に配置をされるべきなのかということに関しましては、それぞれの地域によって特性また事情というものがありますので、国の方から何か画一的にお示しをするということは難しいわけでありますけれども、今申し上げたように、グランドデザインにはそのアクセスの確保という観点を入れさせていただくことによって、この観点に沿って都道府県においては計画を策定をしていただきたい、そのように考えているところでもありますし、また、実際、先般、私、福島県のふたば未来学園に行ってまいりましたけれども、この地元で高校生活を送ったことを一つのきっかけにして、大学はまた別の地域に出ていってしまうけれども、実際の就職にはまた地元福島双葉郡に戻ってくるというような、そういう子供たちもいらっしゃるというようなお話を学校の先生からも聞いたところであります。 いずれにいたしましても、やはり高校の存在というものはその地域にとって大変重要な存在である、そのように考えております。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 この一校は、単なる教育機関ではなくて、極めて重要な役割を担う、まさに地域のインフラであるということを大臣と共有できたというふうに思います。そして、この問題は、学校の存廃にとどまらず、地域における教育機会の確保そのものであるというふうにも思います。この前提で、具体的な中身の改革や制度設計について伺ってまいりたいというふうに思います。 普通科改革についてお伺いいたします。 現在の高校教育は、依然として普通科中心、大学進学中心の構造です。しかし、全ての生徒が大学進学を目指している時代ではなくなろうとしています。加えて、現実の社会では地域の経済社会を支えるエッセンシャルワーカーの圧倒的な不足、理系人材の不足、産業イノベーションを担う人材育成の必要性といった構造的課題が顕在化しています。現在の普通科中心の教育構造が社会の人材需要と十分に接続できているのかも問われているように思います。 こうした中で、文部科学省のグランドデザインでは、二〇四〇年に向けて大きく四つ目標を掲げているように拝見をいたしました。一〇〇%の専門高校で産業界や大学等と連携した実践的な学びを通年で実施をすること、一〇〇%の普通科高校で文理横断的な学びを実施すること、普通科における文系、理系の割合を同程度に是正すること、進路未決定者の割合を半減させるといった明確な目標であるように思います。さらに、高等専門学校、いわゆる高専への転換や新設も人材育成の重要な選択肢と位置付けられて、事業債の対象にも含まれています。つまり、普通科改革は、単なる教育内容の見直しではなく、日本全体の人材構造を転換する政策そのものだというふうに考えます。 ここで、大臣にお伺いをしたいと思います。 普通科から専門科への転換あるいは再編について、文部科学省としてどの程度の規模感と時間軸で構造転換を進めるのか、さらには、こうした二〇四〇年目標を踏まえ、普通科改革が単なる名称変更に終わることなく、教育内容や進路の多様化につながるための具体策、よろしければお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 高校教育改革のグランドデザインにおきましては、普通科改革の方向性といたしまして、複眼的に物事を捉えながら課題解決をしていく資質、能力を養うため、探求、文理横断、実践的な学びを重視することなどを示しているところであります。 その上で、普通科の在り方の転換、魅力の強化といたしまして、一〇〇%の普通科高校において文理横断的な学びに取り組む、将来的には文系、理系の区分がなくなることを目指しつつ、個々の生徒の進路選択の結果、普通科高校の生徒のうちいわゆる文系の生徒と理系の生徒の割合が同程度となるよう、特色、魅力ある普通科、高校改革を進めるといった、これ、二〇四〇年までに達成を目指す目標としてお示しをさせていただいているところであります。 このグランドデザインに基づきまして、各都道府県において首長や関係部局、大学、地域の関係者や産業界と十分に連携、協働をいたしまして高校改革の実行計画を策定いただくこととなっております。 また、高校改革は、中学生やその保護者、地域の方々に対して広く共有しつつ進めることが重要であります。この中学生や保護者、地域の方々にその思いを共有していただくというのは大変大切なことだと思っておりまして、やはり子供たちが自らの将来の進路というものを選択をするに当たりまして、やはり早い段階からある程度、自分が何を将来やっていきたいのかとか、やっぱりそういうことをある程度明確に持っていただいた上で、じゃ、そのために自分が進むべき道というのはどういう道なんだろうということを考えていただくということもまた併せて進めていくということが私はとても大切なことなんではないかということも考えているところでもあります。 また、当然、いわゆる普通科のみならず、専門高校も含めましてその教育の内容というものを充実をさせていくということも、今回、高校教育改革促進基金というものをつくらせていただきましたし、また高等学校教育改革等推進事業債というものも新たな制度としてつくらせていただきました。また、安定財源の確保を前提といたしまして、今後も、交付金の仕組みを何とか我々としてはつくって、改革をこれからも継続的に後押しをしていきたい、そのように考えているところでもあります。 こうした取組というものを通じ、また同時に、こうした方向性というものを各自治体のみならず、是非、保護者の皆さんでありますとか子供たちにも理解をしていただいた上で各都道府県における改革を進めていただきたい、そして我々としてもそれを伴走してしっかり後押しをしていきたい、そのように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 ここまで明確な目標が掲げられている以上、問われているのは実行力であるというふうにも思います。大臣の力強いリーダーシップにも期待をしているところであります。 理念は共有されている一方で、社会の人材需要とのミスマッチ、これをどのように是正できるのかというところが問われているようにも思います。どのようなスピード感でどこまで現場を変えられるのか、その具体化が不可欠だというふうに考えます。 続きまして、その具体的なモデルについて、高等専門学校、いわゆる高専モデルの活用について伺います。 現在、高専は、全国で五十八校、一学年当たり約一万人規模で、実践的で専門的な技術者を育成しています。産業界からの評価も極めて高く、成功している教育モデルの一つであるというふうに思います。さらに、近年では、高専をローマ字表記でKOSENと表し、諸外国への導入や国際的な質の保証に向けた標準モデルとしての展開も進められています。このように、国内外で評価されている教育モデルが存在する中で、このような知見をどのように広げていくのかが問われています。 ここで、大臣にお伺いをいたします。 十五歳以上の学びという視点で考えたときに、高専の教育手法や産業連携の仕組みなどの知見を高校教育にどのように活用していくのか、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 高等専門学校は、高度な技術者を養成する高等教育機関として、例えば企業からの教材作成の支援や専門家講師の派遣受入れ、企業との共同研究やインターンシップの実施といった地域の産業界と連携した教育を進めるなど、地域課題や社会課題解決に貢献する即戦力を育成していただいております。専門高校の機能強化、高度化のためには、高等専門学校で取り組まれておりますこのような産業界などと連携をした取組は大変重要だと考えております。 先般公表いたしましたグランドデザインにおきましても、専門高校が産業界との連携、協働により、企業などの専門家による継続的な指導、高校での理論学習と企業等での実践の往還による学びの深化など、具体的な取組を掲げているところであります。 文部科学省としては、こうした専門高校の取組について、まずは高校教育改革促進基金を通じ支援をすることとしております。引き続き、専門高校が我が国の優れた技術を生かした物づくり産業や、農業、医療、福祉などを担う人材の育成、地域産業の発展を支えるという役割を果たすことができるように、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。 実際、具体的に幾つかの自治体から、地元に高専を新たにつくりたいというそういう御要望もいただいておりまして、そういうところも我々として支援をさせていただいているところでもあります。こうした取組、是非進めていきたいと考えております。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 義務教育以降の十五歳からの学びという点で、その高校教育と高専教育、二つに分かれているようにも思いますけれども、是非、十五歳からの学びということで一緒に捉えていただきながら、そのような視点でこの知見を生かしていただきたいというふうに思います。 続きまして、専門科の多様化についてお伺いします。 現在の専門高校は、工業、商業、農業などの分野が中心となっておりますが、今後は医療、介護、デジタル、観光など、地域ごとの産業構造に応じたより多様な専門教育が求められています。高専では、TSMCの熊本県進出に伴い、教材提供や人材育成の取組が産学連携で進められている事例も生まれています。こうした動きは産業と教育が直接結び付くモデルであり、今後の高校教育の方向性を示す一つであるというふうにも考えます。 ここで、大臣にお伺いいたします。 専門科の新設、再編について、制度上どこまで柔軟に対応が可能なものなのか、地域産業と連動した学科設計を国としてどのように後押ししていくのか、また、高専は、現在は工業のみしか設置することができないということですが、高専の工業以外への展開も検討できないものなのか、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(松本洋平君) 専門高校は、我々にとりましても大変重要なそういう役割を担っていただいている、とりわけ、こうして人口減少であったり様々な社会の構造が変化をする中におきまして、やはり地域産業の担い手、また地域の担い手として、こうした専門高校を始めとしたそうした教育を充実をさせることによって、そうした社会の担い手をいかに確保していくのかということはこれからの極めて重要な課題である、そのように考えているところであります。 そうした認識の上に立って、まさに今回それぞれの地域によって専門高校が果たす役割というものも率直に言って違います。例えば、水産業が非常に盛んな地域では水産高校というもの、また、農業が盛んなところでは農業高校、また、工業高校、工業が非常に盛んなところでは工業高校、いろんな形の専門高校というものがあるわけでありますけれども、それぞれやはりその地域の実情に合わせてそうしたものがしっかりと整備をされていくということが極めて大事なことだと思っております。 そういう意味では、グランドデザインに基づいた各都道府県における計画策定において、そうした点もしっかりと理解をしていただきながら、この専門高校というものをどのように整備をしていくのかということを進めていただきたいと思っておりますし、また同時に、そうした専門高校における教育の質を向上をさせていくためにも、例えば、今の時代、農業でいえば、例えばトラクターの運転なんかも、今やもうGPSを使ってもう無人でそういうトラクターが走っているような時代の中にあって、高校教育の段階でそういう設備が整っていないみたいなところを、やはりこうした基金などを活用をしていただきながら、今の時代に即したそうした教育というものも是非実現をしていただきたい、そのように考えているところであります。 また、高等専門学校につきましては、今工業系しかないというのはそのとおりであります。ただ、こちらに関しましては、法令でたしか規定をされている事柄でありまして、現状はこうした姿になっているということであります。 今後のありようにつきましては、またいろいろとその社会の実情、ニーズに応じて我々としても検討してまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 ありがとうございます。 教育と産業の接続、地域に人材を残す政策そのものだというふうにも思いますので、是非とも御検討よろしくお願いいたします。 続きまして、地域における特色ある学びについてお伺いいたします。 国は、地域高二留学を推進しています。これは、高校二年生の一定期間、他の地域の高校で学ぶ機会を提供することで、多様な学びの機会の確保、地域間の教育資源の共有、そして生徒の視野拡大や主体性の育成を図る取組と承知しています。また、都市部から地方へ、あるいは地域間を生徒が移動することで、地域の魅力化や関係人口の創出にもつながる施策として位置付けられています。 一方で、こうした取組を実効性あるものにしていくためには、居住機能、すなわち寮の存在が不可欠です。この点で、寮を有する高専モデルの仕組みは重要な示唆を与えるものと言えます。 ここで、大臣に伺います。 文部科学省として、地域における特色ある学びの充実のために、様々な制度を併存させるだけではなく、それらを戦略的に結び付けていくということが必要だというふうに思いますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 高校生が多様な学習ニーズに応じた教育を受けるに当たっては、学校間連携を通じて高校生が自分の育った地域から離れた地方の公立高校へ留学することも一つの学びの形であると考えております。 今般の高校就学支援金法の附帯決議におきましても、通学や寮、地方の高校への留学などに関する環境整備などについて御指摘をいただいているところであります。 高校教育改革促進基金や今回創設される高等学校教育改革等推進事業債においても、改革に伴う施設設備、施設や設備整備を支援の対象としているところであります。 また、これ内閣府になりますけれども、地方公共団体と高校の連携によって、他地域の高校二年生を地域留学生として受け入れる地域高二留学事業を実施しているというふうに承知をしているところであります。 文部科学省といたしましても、高校生の多様な学びを進める観点から、内閣府と協力をいたしまして、高校の魅力化、高校を核とした地方創生に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 そういった様々な制度があるわけですけれども、地域における特色ある学びの充実のために様々な制度を時に壁を乗り越えて戦略的に結び付けていくということも是非とも御検討いただきたいというふうに思います。 続きまして、総務省の高等学校教育改革等推進事業債についてお伺いいたします。 これは、地方負担に対して、地方債を発行できるようにし、元利償還金の一部を交付税措置するという極めて強力な財政誘導策であります。 都道府県の実行計画を前提に、令和八年度から十三年度で一千億円、充当率九〇%、交付税措置五〇%、新増築や建て替えは三〇%という設計となっています。新増築、建て替えのみの交付税措置が三〇%に規定されているという制度のインセンティブは、何を進めたいのか、何をやってほしいのか強く規定しているようにも見えますが、自治体としてはこの機会を前向きに捉えているというふうに認識をしています。まさに、単なる老朽化対策ではなく、教育の中身を変える投資として使えるのかが問われているように思います。 ここで、お伺いをいたします。 文部科学省として、総務省のこの制度をどのように評価し、どのような活用を期待しているのか、文部科学省の見解をお願いいたします。
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。 今御紹介ございました高等学校教育改革等推進事業債につきましては、先般公表しましたグランドデザインを踏まえまして各都道府県において策定される高校改革の実行計画、この実行計画が着実に実施されるよう総務省において創設されたものと承知してございます。その過程におきましては、都道府県知事会からも強い要望を受けているものと承知をしてございます。 具体的には、高校改革の実行計画に基づき地方自治体が地方単独事業として実施する施設設備の整備のうち、先端技術を活用した機器導入などの専門高校の機能強化や高度化について、理数科教育推進のための機器導入などの普通科改革を通じた高校の特色化や魅力化、そして、遠隔授業配信拠点の整備などの地理的アクセス、多様な学びの確保といったグランドデザインを踏まえた計画に盛り込まれる、そうした高校改革の内容を対象としているものと承知をしてございます。 対象経費につきましては、地方債を九〇%充当できることとし、原則としてその元利償還金の五〇%を地方交付税措置とするとされてございますので、地域の実情に応じてこの事業債の活用が高校改革に大いに期待されるところでございます。 この事業債も含めまして、各都道府県が多様な財源活用していただきながら、未来の高校生のために、そして現在の高校生のために高校改革の実行計画を着実に策定、実施できるよう伴走支援してまいります。
○水野孝一君 ありがとうございます。 今回の事業債は単なる支援策ではなく、自治体の方向、政策を方向付ける極めて力強いメッセージであるというふうにも思いますので、是非ともそのメッセージを大臣の方からもまたお願いしたいというふうに思います。 続いて、その事業債に対する懸念点についてお伺いをいたします。 今回の制度は非常に魅力的な財政措置と言われておりますけれども、一方で、施設整備や設備更新にとどまり、教育の中身が変わらないまま終わるおそれもあります。公式資料でも対象例様々に示されておりますけれども、こうした整備が単なる更新で終わるのか、それとも教育改革と一体となるのかが制度の成否を分けるというふうに考えます。 ここで、大臣にお伺いをいたします。 本制度が箱物整備に終わらず、教育改革につながるようにするため、文部科学省として、対象事業が教育改革と一体不可分であるかをどのように判断をしていくのか、また、その成果をどのような指標で評価して公表していくのか、具体的な基準と仕組みについて大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(松本洋平君) 全く思いを一緒にしております。 文部科学省が先般公表した高校教育改革のグランドデザインにおいても言及をしておりますけれども、高校生たちがそれぞれの将来を見据えながらより一層充実した高校生活を送るためには、産業構造の変化やデジタル技術の発展、そして少子化の深刻化といった社会の変化が極めて大きくなっている中にありまして、生徒一人一人がその個性や可能性を最大限伸ばしていくことができるよう、高校教育の中身についても変革をしていくこと、これが欠かせない、そのように考えております。 このようなグランドデザインに基づきまして、各都道府県において地域の実情などを十分に踏まえながら実行計画を策定していただいております。その際、単に施設整備や設備の更新にとどまらず、域内の高校教育改革を広く進めていくための方針が定められることとなっております。 なかなか今、それをどう評価をしていくのかとか、具体的な評価項目は何かと言われると、なかなかそれにしっかりとお答えをする材料というものを我々としては現状持ち合わせておりませんし、また同時に、恐らくそれらというものは、それぞれの地域によってもまた異なるものであるということもあろうかと思います。 ただ、おっしゃられるように、それぞれの地域の実情に応じて都道府県が改革を着実に進められるよう、きめ細かく指導、助言をしてまいりたいと思っておりますし、また、単なるいわゆる箱物の更新だけで教育の中身が何も変わらないというようなことに決して陥ることがないように、我々としてもそこは念頭に置きながら、しっかりと伴走をして、その計画策定にも我々としてもしっかり目くばせをしていきたい、そのように思っているところであります。
○水野孝一君 大臣、ありがとうございます。 まさにここがこの制度の成否を分けるポイントであるように思います。制度が投資になるのか単なる支出で終わるのかはこの評価と運用に懸かっているというふうに思いますので、大臣の力強いリーダーシップに是非とも期待をさせていただきたいと思います。 ここまで、個別の制度や施策について伺ってまいりましたが、重要なのは、それらがどのような全体像に向かっているのかという点ではないでしょうか。 今回の高校教育改革は、基金による先導拠点の創出、事業債による面的整備、そして、今後検討される交付金へと段階的に展開されるという構造になっていると思います。一方で、実行主体は都道府県であり、その結果として、取組の内容やスピード、対象分野にはばらつきが生じる可能性もあります。改革の進度や内容のばらつき、特定の分野や業種への偏りなどが生じることは想像に難くありません。 二〇四〇年の時点で、日本の十五歳からの学びがどのような姿になっているのか、また、国として特に強化していくべき産業分野に即した人材育成をどのように進めていくのか、国として明確な将来像を描いていく必要があるようにも思います。 そこで、大臣にお伺いいたします。 基金、事業債、そして現在検討中と伺っている交付金へとつながるこの一連の施策について、いつまでにどのように実現をしていくのか、ロードマップとその進捗を評価、公表していくお考えがあるのか、お考えをお願いいたします。
○国務大臣(松本洋平君) 高校教育改革のグランドデザインにおきましては、社会状況の大きな変化が見込まれる二〇四〇年を見据えまして、高校改革の視点を踏まえました上で、高校改革の方向性について、専門高校の機能強化、高度化、普通科改革、地理的アクセス、多様な学びの確保の三つを示したところであります。 その上で、二〇四〇年までに達成を目指す目標といたしまして、先ほど述べた普通科改革に関するもののほか、一〇〇%の専門高校において、地域の産業界と連携、協働した取組を行うことや、学びの状況に関する生徒の肯定的な評価の向上などを掲げているところでもあります。こうした計画を前へと進めていくために、基金、交付金、そして地方債、こうした仕組みというものもつくらせていただいているところであります。 都道府県に伴走しながら、二〇四〇年に向けた高校教育改革の取組が着実に進展するよう、しっかり取り組んでまいります。
○水野孝一君 ありがとうございます。 制度、予算で終わらせず、未来を担う人材を育む改革としていただくことをお願いをして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(熊谷裕人君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(熊谷裕人君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、令和八年度総予算の委嘱審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 本日は、教育の未来、特に大学の教育の在り方について伺っていきたいと思います。 我が国の教育基盤を振り返りますと、世界に誇るべき強みがあると私は思います。例えば、直近のPISAにおいても、日本の子供たちは読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの各分野で世界トップレベルを維持しています。また、高い識字率は我が国の近代化と経済発展を支えてきた知的インフラでもあると思います。 国連SDGsの自発的国家レビューにおきましても、ゴール四の質の高い教育をみんなにという分野については、諸外国と比較して極めて高い進捗率を達成していると報告されました。 私自身、アジアやアフリカを訪れて実感いたしますのは、日本の特に初等中等教育の質の高さ、教員の皆様の献身的な取組、また日本の学校独特の運動会ですとか学校給食ですとか、あと教室をみんなで掃除するとか、そうしたことが常に注目されて、高く評価されて現地の教育モデルともなっていることであります。 まず、文科大臣に伺います。 日本の教育の強みについてどのような認識をお持ちでしょうか、また、この強みを変化の激しい時代へとどう引き継いでいくおつもりか、基本認識を伺ってまいりたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 我が国の初等中等教育でありますけれども、今御紹介をいただきましたように、国際的な学力調査でも世界トップレベルの水準を維持していることに加えまして、児童生徒の状況を総合的に把握して教師が指導を行うことで子供たちの知徳体を一体的に育んでいるとして、これまでも諸外国から高い評価を受けてきた、そのように認識をしているところであります。 今年の一月、私もエジプトに訪問をしてまいりましたけれども、エジプトもそうした日本の教育のすばらしさというものを認識をした上で、今、この教育制度というものを積極的に取り入れている、そんな現場も拝見をさせていただきました。 これは、子供たち自身の頑張りはもちろん、日々熱心に児童生徒と向き合いまして指導に取り組んでいただいております教師の方々のお力、そして地域の方々のお力によるものというふうに考えているところであります。心から感謝と敬意を申し上げたいと思います。 こうした学校教育の良い部分をこれからも残すため、学校を取り巻く環境整備に全力を挙げつつ、人口減少やデジタル技術の進展など社会が大きく変化していることなども踏まえまして、学校教育の充実に努めてまいりたいと存じておりますが、やはり、変化にどう対応するのか、改革が必要だというお話をさせていただいておりますけれども、やはり、その子供たちの基礎学力というものをしっかりと向上させるということがやはりそこの基礎にはあるんだろうというふうに思っているところでもありまして、そうしたことも含めまして、この社会の変化に対応をしつつ、日本の教育のいい部分をしっかりと守っていきたい、そのように考えております。
○谷合正明君 守るべきものは守って、変えていくべきものは変えていくという大臣の御発言、午前中の質疑でもそうした御発言がございました。 例えば課題としては、真の生涯学習社会を築いていく、そういう必要性に迫られているというのも事実だと思っております。 私たち公明党は、昨年来、選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現、このことを中道改革政治の柱の一つに据えて、具体的な施策として、社会人や高齢者を含む学び直し、リスキリングの制度的保障を挙げてきました。誰もが一生涯自らの可能性を追求し続けられる社会の実現です。 かつては、努力すれば報われるという社会通念が広く通用していたと思います。しかし、現代の若者は、個人の努力以上に親の経済力が物を言う、機会の平等さえ失われつつある状況に直面しているのではないかと思います。 世代間格差を分析した投資家のピーター・ティールは、こうした若者たちを取り巻く、世界中の若者のこの怒りの根源を、親世代が子供に抱かせた期待と実際に社会で達成できる現実、この間に生じた史上最大級のギャップにあるということを指摘しています。我が国においても、高度経済成長期と現在とでは、同じ努力に対する経済的リターンが根本的に異なっています。深刻なのは、人生のスタートラインにおける世襲化の進行です。 例えば、住宅取得時の資金贈与、親から支援を受けたとされる世帯の受贈額というのは平均で一千万円前後に達するという調査もあります。この一千万円の頭金があるかないか、あるいは卒業して返済すべき奨学金があるのかないのか、こうした差がその後の生活水準であるとか子供の教育機会の差となって、世代を超えて固定化されていくと。 頑張っている人たちの汗が報われる当たり前の国づくり、これは松本大臣の政治理念であります。私もホームページ拝見させていただきました。格差の固定化を解消して努力や汗が報われる社会を取り戻すには、住宅制度ですとか就労、奨学金制度、社会保障を含めた社会の仕組みそのものを現代にふさわしい形へと再設計していく必要があるのではないかと思います。 教育では、新卒一括採用に象徴されるような一度きりの教育システム、そして十八歳から二十二歳のみを主眼とした硬直的な大学モデルを見直ししていく必要があるのではないかと。今求められているのは、大学の存在意義そのものを見直しする包括的な構造改革ではないかと。 教育行政のトップとして、努力が報われにくくなってきた構造的現実をどう受け止めて、それを政治の力でどう変えていくのか、大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 今委員から御指摘をいただきましたように、家庭の背景の違いなどによって高等教育機会への進学率が異なるという現状があります。教育の機会均等に当たりましては、格差の固定化を防ぐ観点からも、意欲のある者が進学を諦めない社会の実現を目指すことが必要であります。 私も全く同じような問題意識を持っておりまして、昨年の三千億円の基金のメニューの一つの中にいわゆる地域と連携をした学校外教育などをすることができるような制度をつくらせていただいたのも、まさにそうした思いを一つの制度として形にするに当たりまして、今回はまずは試行という形にはなろうかと思いますけれども、そうした制度の一歩というものも踏み出させていただいた、そんなつもりであります。 また、今御指摘をいただきましたように、教育、仕事、老後という三ステージの単線型の人生ではなくて、教育と仕事の行き来などによりまして生涯を通じたスキルアップが求められる中、単線的な年齢中心主義から脱却をする、様々なキャリアの可能性を模索する時間と柔軟性を持つ、そうした教育の新たな仕組みづくりも重要である、そのように考えているところであります。 このため、経済的な理由で学びを諦めることがないように、給付型奨学金の支給と授業料等の減免を併せて行う高等教育の修学支援新制度や貸与型奨学金による教育費の負担軽減、産業界と連携した教育プログラム開発などを通じた社会人の学びの場の拡大、社会の実需に対応したプログラムに柔軟に転換を行うための大学のマネジメント改革などに取り組みまして、大学が人々にとって生涯にわたって学び続ける場所となるように高等教育改革進めてまいりたい、そのように考えております。
○谷合正明君 単線型の教育システムじゃなくて、生涯にわたって学び続けられる拠点の場にしたいという話でございました。 そこで、政府参考人に伺いたいと思います。 リカレント教育、このリカレント教育の定義とは何か、政策として着手した時期はいつなのか、及びこれまでの大きな歩みは何なのか。二点目は、施策の進捗度や必要性を測る指標、国際的な比較が分かるような指標は何か。最後に三点目に、リカレント教育推進に向けて国として具体的な目標というのは設定されているのか。この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 リカレント教育でございますけれども、社会に出てからも生涯にわたって教育と労働や余暇などの諸活動、これを交互に行うといった概念でございまして、一九七〇年に経済協力開発機構、OECDが公式に採用し、一九七三年にリカレント教育、生涯学習のための戦略という報告書が公表されまして、国際的に認知されるようになったものでございます。 我が国におきましては、一九七一年の社会教育審議会、文部省の社会教育審議会におきまして、生涯教育の観点から高等教育における社会人の受入れなどにつきまして答申が行われておりまして、二〇〇七年の履修証明の制度化、二〇一五年の職業実践力育成プログラムの制度の創設など、社会人の学び直しの充実に努めてまいりました。 国際比較ということで申し上げますと、我が国は諸外国と比較いたしまして、社外学習、企業の外での学習でございますけれども、社外学習や自己啓発を行っていない人の割合が高い、また、企業におけるOJT以外の人的投資額が低い、また、大学の学士課程における二十五歳以上の入学者の割合や修士課程における三十歳以上の入学者の割合が低いなどの調査結果が存在をしております。 また、国としての数値目標でございますけれども、二〇二三年度に閣議決定した現行の第四期教育振興基本計画におきまして、生涯学習に関連する指標といたしまして、この一年くらいの間に生涯学習をしたことがある者の割合の増加といった事柄を設定しております。
○谷合正明君 今参考人から人材投資の低さ、これは我が国は、OJT除くと、GDP比でいうと〇・一%だと。米国では二・〇かな、欧州は一%台ですから、十倍以上の差が開いているし、自己啓発を行っていないと答えた人の割合も我が国は約五割で、他国では啓発を行っていないと答える割合大体二割前後だというふうに承知をしております。 そうした中で、例えば二十五歳以上の大学進学率、入学率という話もありましたけれども、我が国は僅か二・五%です。これは欧米諸国に比べても低いわけですが、近隣の韓国だとか、急速な発展を遂げるインドに対しても大きく差が開いているのも現実です。 世界トップレベルを誇る十八歳までの教育基盤がありながら、なぜ社会に出た途端これほどまでに学びの機会が失われてしまうのか。五十年も前からリカレント教育の重要性、取組をやってまいりました、今答弁されたとおり。しかし、今日に至るまでこれほどまでに結果が伴っていない事実というのは、やっぱりこの十八歳から二十二歳のフルタイム学生という高度経済成長期のモデルに立脚した仕組みから脱却し切れなかったことの表れではないかと。その証拠に、リカレント教育に関する政府の目標は何かといえば、一年間に生涯学習に参加した人の割合を増やすと、その程度の定性的な目標なんです。社会人が真に学び直せる制度の壁を私たちは長年抜本的に打破してこなかったのではないかと。 そこで大臣に、このリカレント教育が停滞した要因というのは何なのか、率直な認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 大学院の社会人入学者数や割合、これは四十年前と比較すると大きく増加をしているなど、社会人の学びは拡大してきている一方で、今ほど政府参考人が答弁をさせていただいたとおり、海外と比較した場合、学士課程における二十五歳以上の入学者の割合が低いなど、リカレント教育が十分に進んでいない、これも確かであります。 この背景でありますけれども、一般的に、従前我が国におきましては、終身雇用や企業内OJTを中心とする日本型雇用慣行の下で、学校卒業後に大学などの教育機関で学ぶ必要性が乏しいと認識されがちであったことなどが挙げられると承知しております。 また、社会人が大学などで学ぶことにつきましても、大学では企業や社会人のニーズが十分に把握できていない、企業では大学でどのような教育が行われているのか情報が乏しい、社会人は、周りに学んでいる人が少なく、学んでも処遇に反映されることが少ないため学ぶインセンティブが少ないなど、それぞれに課題があると承知をしておりまして、それらによってリカレント教育が進まないという状況が生じていたものと考えております。 文部科学省では、このような課題を解決するため、従前の取組に加えまして、令和七年度から、産学官の連携による社会や企業のニーズを踏まえた大学等の教育プログラム開発を支援する取組をスタートしたところでありますし、また、社会の状況というものが大きく変わっていく中で、そうしたニーズというものも次第に高まっているというふうに承知をしているところでもあります。 引き続き、我々といたしましてリカレント教育の推進、努めてまいります。
○谷合正明君 リカレント教育を補助的な施策ではなくて国家戦略の中核に位置付けていく、そのような取組が必要だと思います。 原因について大臣からも総括がございましたけれども、複合的な要因だということであります。 まず、二十世紀の教育が重視した、知識を覚えて決まった正解を早く導き出す力、これというのはもう今やAIが最も得意とする領域となっております。これからはAIが不得意とする分野、すなわち正解のない問いに対して自ら決断を下す力であるとか、何が本当の問題なのか自ら問いを立てる力であるとか、こうした人間にしか生み出せない付加価値を育む教育へと一刻も早くかじを切らなければならないと思います。大臣、この質の転換を実現するために今何よりも問われているのが大学の在り方そのものだと私は思います。 昨年の中教審の答申では、高等教育の将来像として知の総和の向上を掲げて、その三本柱として質の高度化、規模の適正化、アクセス確保を提示しています。 まず、規模の適正化、アクセス確保ということに関連しますけれども、事例の一つとして取り上げるわけですけれども、この春開学する佐賀県の武雄アジア大学が大幅な定員割れとなっている事実を、これ地域個別事情等もあろうと思うんですが、文科省としてこれどのように受け止めているのか、まず政府参考人、端的に答弁願います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 武雄アジア大学におきまして、初年度入学予定者が未充足状況であることは報道で承知をいたしてございます。私ども、設置認可に当たりましては、大学側が申請した設置計画を審査いたしてございますが、大幅な定員未充足になっている現下の状況におきましては、認可後に大学が学生定員、学生募集などを通じて実際に設置計画が定める定員を集めるための責任を果たせなかったことも含めて、武雄アジア大学の見通しが甘かったものと言わざるを得ず、大変遺憾でございます。 急激な十八歳人口の減少の中で、自ら計画した、作成した計画に基づき適切に履行していくことが求められるものでございます。その上で、文部科学省としては、認可した設置計画の履行状況について調査をし、学生の学習環境は確保しつつも、計画した定員に対して学生が集まらないといった課題が生じている場合には、入学者数の実績に応じた定員規模にするよう厳しく指導し、必要に応じて計画の見直しを求めてまいります。 また、仮に武雄アジア大学が経営悪化傾向となり、経営改善が必要な状況に陥った場合には、経営指導の対象法人として集中的にきめ細かな指導を実施してまいりたいと考えてございます。
○谷合正明君 入学する学生に瑕疵はないと思っていますから、しっかり学生に寄り添った対応をしていただきたいというふうに思います。 改めて政府参考人に伺いますが、先ほどの中教審の答申、知の総和では、リカレント教育は具体的にどこにどう位置付けられているんでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 御指摘の令和七年の中央教育審議会答申におきましては、リカレント教育について様々御提言をいただいております。答申の中で、例えば、大学等は、今後は社会人や外国人留学生など様々な国籍、性別を問わない幅広い学生が集まる多様な場としていくことを実現することをより一層目指す必要があること、また、社会の変化が激しい時代では、必要とされる知識やスキル、態度及び価値観を身に付け、それを適切に更新していくリカレント教育、リスキリングが一層求められること、また、リカレント教育を大学のミッションとして明確に位置付け、全学的な体制を整備した上で、制約の多い社会人が受講しやすい教育プログラムを展開していくことが求められることなどが提言されております。
○谷合正明君 政府参考人の方から、多様な学生であるとか、様々な項目の中にリカレント教育が説明されているというお話でございました。 確かに、答申の全文を読んでいけば、確かにリカレント教育に言及がなされているわけです。しかし、リカレント教育という、そういう項目立てがあるわけじゃないんですよ。個別政策の中で読み込むと位置付ける程度では、先ほどから申し上げている五十年間の停滞を打破することなど私は到底不可能だと思います。 私は、リカレント教育とは単なる社会人向けの講座の拡充ではないと考えます。高等教育機関をこれまでの若者、特定世代の通過儀礼の場から全生涯にわたる知識更新の拠点へとその存在意義を根本から転換していくと、これこそが改革の本丸ではないかと思います。 十八歳人口の奪い合いを前提としたモデルは、特に地方においては極めて厳しい局面に立たされています。大学を特定世代の独占から開放して全世代に開くことで、学び手の数を増やして知の総和を拡大することが求められているはずであります。大学の役割を全生涯にわたる拠点へと再定義すべきと考えますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 全くおっしゃるとおりだと思います。 大学は、従来から生涯学習を担う機関としての役割、これが期待されているところでありますが、実際には、我が国においては、十八歳で入学してくる学生を中心とした教育機関である、そのように一般的に認識をされてきた側面もこれまたあると思います。 こうした状況も踏まえまして、令和七年の中央教育審議会答申におきまして、多様な価値観が集まるキャンパスの実現に向けて、大学は十八歳中心主義という前提を改め、社会人など多様な学生の受入れ、キャンパスのダイバーシティーを支える環境整備などについて提言をされているところであります。 先ほど委員からも武雄アジア大学のお話もされましたけれども、これから十八歳人口も減少をしていくという状況の中におきまして、また社会の中で大学に対する期待というものも大きく変貌をしようとしている中におきまして、やはりこの大学教育改革の大きな柱の一つ、それは附属という意味ではなくて、もう本当に本丸の一つとして、やはりこのリカレント教育機関としての大学の位置付けをどのように考えていくのか、そして、そうした整備というものをしていくのかということは極めて重要な観点だと思っているところでもあります。 文部科学省といたしましては、今後とも、大学が人々にとって生涯通じて学び続ける、そんな場所となりますように、そして学んだ知識やスキルを生かして地域や企業の中で活躍するための取組、そうしたものを進めてまいりたい、そのように考えております。
○谷合正明君 大臣と認識は一致していると思います。 知の総和でも、質の高度化、規模とかアクセス確保とかそれぞれ大きな項目立てあるんですけれども、私は、リカレント教育というものは横串に刺していくような、そういうことをしていかない限り難しいと思っています。これまでの延長線上ではない抜本的な改革ということであります。 例えば北欧諸国のように、何年掛けて卒業するかを社会人の実情に合わせて柔軟に選択できるとか、そうした生涯にわたる知識更新の拠点へと脱皮させていくために包括的な改革というのが必要だと思います。 例えばでありますけれども、一つは、今既存の一単位、これを細かく分割して短期間の学習成果を公的に証明するマイクロクレデンシャルを導入して単位取得を柔軟化すべきだと思います。こうした単位を積み重ねて、四年という枠に縛られず、何年掛けても学位取得を可能とするような累積型の学位制度を導入していくべきだと。ほかにも、ほかの大学で履修したことであるとか、実務経験を柔軟に単位認定する仕組み、さらにはオンライン授業の上限規制を緩和しつつ、その質を担保する仕組みなど、社会人がいつでもどこでも学べる制度インフラを整えるべきだと思います。 さらに、財政的なインセンティブも必要だと思います。例えば、社会人の場合にとってみると、履修単位数に応じて支払うような単位従量制授業料を選択肢として、併せて、大学側にとってみると、社会人の受入れ実績に応じて運営交付金などを加算配分するなど、大学側が構造改革に踏み切るための強力な財政的な後押しも行うべきだと考えます。 こうした包括的な改革、取組をしっかりと進めていくべきだと考えますが、大臣の認識を伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 大学におきましてリカレント教育の充実、拡大を図っていくためにも、社会人等の多様な学習ニーズに応じました教育環境の整備、これが重要であります。 文部科学省におきましては、これまでも社会人学生などが柔軟に履修期間や内容を選択できるように、長期履修制度や最短一年の修士課程など、正規課程の早期修了プログラムの促進に加えまして、大学院を含め短期的な履修証明プログラムに対する単位認定を可能とし、単位累積加算制度の活用を含めて、学位取得に接続しやすくする制度改正などを行ってきたところであります。 また、国立大学や私立大学の基盤的経費の算定におきましては、社会人の受入れ状況や組織的な受入れ促進の取組状況を考慮をいたしまして各大学の取組を支援をしているところであります。 加えて、こうした制度的措置と相まって施策の実効性を高めるためには、大学のみで検討する供給者目線のプログラムから社会の実需に対応したプログラムに柔軟に転換できるよう、大学のマネジメント改革と一体的に取り組むことが重要であります。こうしたことも踏まえながら、必要な取組の強化に努めてまいります。
○谷合正明君 私が申し上げた取組例も、あくまでも、それだけでいいとかいうわけじゃなくて、多分いろんなことを同時並行で進めなきゃいけないと思っております。かつ、既にもうやっているよという政策もあるかもしれませんが、それが普及していないのは、やっぱりこれまでの複合的な慣習であるとか要因であるとか、あるいは制度、予算の在り方にも根本的な課題があるのかもしれません、あるんだと思います。ですから、それをしっかりとチェックしていただきたいと思っております。 個別の補助金事業を積み重ねるだけでは、もう繰り返しますけれども、これまで五十年間取り組んで進んでこなかったこのリカレント教育というのは、やはりこの停滞というのは打破できないんだと思います。リカレント教育というのは、単なる教育政策ではなくて、人生をやり直すことができる社会をつくるという言わば国家の意思であり、国家戦略そのものだとも思います。 今求められているのは、国として明確な数値目標の設定。一年間で生涯学習に参加しましたという人の割合を増やすとか、そういうレベルじゃないと思います。そして、今でも文科省、経産省、厚労省は連携して取り組んでおられますけれども、その一体となって推進する強力な組織の構築も必要だと思います。頑張っている人たちの汗が報われる当たり前の国づくり、この理念を実現するためには、教育だとか労働市場の一体的改革を政治家主導で牽引する覚悟が求められると思います。 そこで、改めて大臣に覚悟をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) ありがとうございます。 リスキリングも含むリカレント教育を真に社会に定着をさせる、そのためには、おっしゃるとおりで、文部科学省のみならず、労働政策を所管をいたします厚生労働省や産業政策を所管をいたします経済産業省を始めとする関係省庁が緊密に連携をいたしまして、教育と労働市場、産業構造を一体的に捉え、施策を推進することが不可欠である、そのように考えているところであります。 このため、令和三年度から、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の三省でリカレント教育の推進に係る関係省庁連絡会議を開催をいたしまして、連携して取組を進めているところであります。また、現在、政府の日本成長戦略会議人材育成分科会におきまして、リスキリングも含めた社会が求める実践的な職業人材の育成方策についても、数値目標の設定も含めて検討を進めているところであります。 おっしゃるとおりで、教育は文部科学省、労働は厚労省、そして産業は経済産業省、それぞれが縦割りで考えるのではなくて、やはり一体として考えていくということが大変大事だと思います。今御紹介をいたしました日本成長戦略会議人材育成分科会におきましても、産業界の皆様方からも、そうしたリスキリング、リカレント教育の場として、より一層の大学の活用を是非させてもらいたいというような、そういう産業界からの御要望というものも実は頂戴をしているところでもありますし、また同時に、教育界がそうした産業界からの要望というものにどこまでこれまで応えることができてきたのかということも我々としてもしっかりと見直しをしていかなければいけないということもあろうかと思います。 いずれにいたしましても、今委員がおっしゃられましたように、これは大変国家的に重要な課題であるというふうに認識をしておりますし、また、文部科学省だけで、教育行政だけでこの問題を解決できるという話ではない、そのように我々としても認識をしているところでもあります。関係省庁とも連携をし、そして国民の皆さんの理解もしっかりと高めながら、こうした政策というものを推進していくことができるように頑張って進めてまいりたい、そのように考えております。
○谷合正明君 冒頭の質問で、私は日本の教育の強みをどう変化の激しい時代へ引き継げるのかと大臣に問いましたけれども、私はこの改革をした先に、改革をする先にこそ、日本の教育の強みというものを次の時代に引き継げる、引き継ぐことができると確信しておりますので、是非、機会があれば、もう一度またこのテーマについて質問させていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○金子道仁君 日本維新の会、金子道仁です。本日もよろしくお願いいたします。 本日は、予算委員会の委嘱という形になっておりますので、来年度というか今年度というかの予算の中で、文科行政の非常に大きな変更の一点であるいわゆる給食の無償化に関して御質問させていただきたいと思います。 今回、小学校の給食の無償化がこの予算の中に盛り込まれておりますけれども、法案の改正、学校給食法の改正は行われない形で予算措置としてこれがなされるわけです。ですから、本来であれば法案改正伴ってもおかしくないぐらいの大きな制度改正ですけれども、しっかりとこの場所をお借りして議論はさせていただきたいというふうに思っております。 まず冒頭、この学校給食の無償化に関して、無償化の内容ですけれども、議論がこのようなことがあったということを一言申し上げておきたいと思います。それは、完全無償化と実質無償化、大臣ともさんざんこの件やらせていただきましたが、この議論があったということです。昨年の二月の三党合意では、高校の授業料無償化、いわゆる給食の無償化について、どのような場合でも保護者が一銭も支払わない完全無償化なのか、それとも一定額までは国として支援する実質無償化なのかということで議論がありました。 もう御存じのとおり、高校の授業料無償化に関しては、大阪は完全無償化を取らせていただいています。この完全無償化の目標は保護者の負担をゼロにすること。そのために、高い上限額、キャップをはめてそれ以上の保護者負担は認めない、つまり、学校、高校であれば私学の設置団体がそれ以上は負担をしていくという形になっていきます。上限額はしかるべく高い額になっていくわけです。非常に財政負担が大きくなるということ、また、上限額以上の授業料であったり給食費の設定ができないために特色ある取組ができない、私学団体からは建学の精神を損なうんではないか、そのような御意見もいただいているところです。 他方で、実質無償化、この目標は保護者負担の軽減であり、支給額は一定額、給食であれば物価上昇を加味した全国の平均額、私学も全国の平均額という形で設定しております。それ以上の負担は、費用負担は保護者の負担となるという形になっております。 今回、給食の無償化ですけれども、仮に今回の無償化、完全無償化にする場合、これ議論はそこまでしませんでしたけれども、基準額、最も高い自治体の給食費約七千円強になりますけれども、そのような額を、今回五千二百円ですけど、七千円にした場合、単純に試算しただけでも一千億程度の追加財源が必要になってくる、かなり予算規模が完全無償化にすると膨らんでしまうということがあります。 そして、今まで四千円台で給食の食材費をしていたところも、七千円という上限が掛かれば当然、何というんでしょうか、便乗値上げと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、質を伴わない値上げということも発生しかねないわけです。そして、今後の物価上昇によって、この完全無償化を今後維持していこうとすれば、当然この天井は上げていかざるを得ない、財源も青天井で必要になってしまうということが考えられます。 こうした複雑な問題を鑑みて、まあ、複雑な問題、簡単にぎゅっとまとめて御説明しましたが、政党間また地方自治体の皆さんとの議論も経て、今回は完全無償化ではなく実質無償化という仕組みになったということをこの場所で確認させていただきたいと思います。 他方で、実質無償化の課題としては、無償化という言葉が独り歩きしていく、保護者負担がゼロになるという誤解が生じやすい、そのことも議論の中に出てまいりました。今回の取組の趣旨が学校給食費の抜本的な負担軽減であることを明確にするため、昨年十二月の給食に関する三党合意でも、責任を持って正確な趣旨の周知に取り組むということを合意しており、今回、私の質問もこうした周知の一環としての意味も含めてさせていただいております。我が党としましては、誤解のないように、給食は、いわゆるという文言を付けて、いわゆる給食の無償化という言葉で徹底して説明をさせていただいている次第です。 今回、基準額を上回る自治体、そのような自治体、もちろん、中山間地域で輸送コストが高い等の自治体特殊事情を除けば、平均額より上の給食食材費を設定しているところというのは、やはり給食の質にこだわりがあるというか、給食の質を非常に高く設定しようという、そのような事例が多い、そのように考えております。自治体は地元の食材を生かして特色ある給食を実施し、数百円程度の保護者負担をいまだに徴収している自治体、こういったところも、例えば宮崎県等でもあるというふうに聞いております。 また、報道ベースでは、基準額を上回る部分について、地方創生臨時交付金やふるさと納税を充てて無償化を、保護者負担をないという形で実施している、そのような自治体もあると思います。 元々、給食費は四千円から七千円までかなりばらつきのある中で、そこで基準額を立てたわけですから、それぞれの自治体がどのような対応をしていくかというのは非常に多様な状況が生じている、そのように思っております。 是非、基準額、特に、上回る、下回る、いろいろあると思いますが、自治体の実態調査、また保護者負担の有無については今後丁寧な検証が必要ではないかと思っております。そのような検証について調査を行うべきではないかと考えますが、文科省の見解を伺います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 今般の学校給食費の抜本的な負担軽減の取組に当たりましては、先ほど御指摘いただきました昨年十二月の三党合意も踏まえまして、毎年給食費に関する調査を実施するということとしております。具体的な調査、検証の時期、また項目につきましては、今後、関係省庁とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。
○金子道仁君 今後検討ということですけど、しっかりと検討した結果が様々な懸念を払拭するような、そして、これから質問の中核に入りますが、給食の質の向上につながるような今回の公費負担になる、その辺りをしっかりと証明できるような検証を是非お願い申し上げます。 大事なことは、このいわゆる給食無償化を実現することではなく、その先に学校給食の質の向上を実現していくことであるというふうに考えます。今後の運用、様々な改革、これは必須のことだと考えます。 今回は、学校給食の質の向上について三点、地産地消の推進、一点目、二点目は食材ロスの削減の推進、三点目は非喫食者の扱い、この三つについて今日は御質問させていただきたいと思っております。 まず一点目、地産地消の推進です。今回のいわゆる給食無償化のタイミングで公費が国から地方に流れるわけです。その公費を地産地消の一層の促進につなげていくこと、これは給食の質の向上にもつながりますし、食育の推進にもつながりますし、地域農政若しくは地域の食品産業への資金の循環という形で非常に有効な施策であるというふうに考えております。お隣の国、韓国では、防衛と給食だけは国がしっかりと行って、これによって地方を循環させていくんだみたいな話も聞いたことがあります。 資料の一を御覧ください。こちらは、農水省が作っておられるみどりの食料システム戦略、有機の農業を推進していくという戦略の中で、有機農業がなかなか進んでいかない一つのネックとなっているのが、主要な需要が、固定した需要がないということだというふうに理解しています。今回、学校給食という一定のロットの需要がそれぞれの地域で発生することになれば、地域での有機農業の生産者の方々にとっても非常に良いことではないかというふうに考えますけれども、もう既にここの赤枠で囲ってあるような様々な施策を農水省の方でしておられるというふうに理解しております。これまでの取組の成果について御説明ください。
○政府参考人(佐藤紳君) お答え申し上げます。 農林水産省では、生産から消費まで地域ぐるみで有機農業に取り組むオーガニックビレッジを支援する中で、学校給食への試行的な導入への支援などを行っております。また、学校給食において有機農産物を含む地場産物などの活用のためのポイントや好事例を掲載したガイドブック、これを文部科学省と連携して作成し、周知をしてきたところであります。 こうした取組の成果もあり、学校給食に有機食品を利用している全国の市区町村数は、農林水産省で行った調査によりますれば、令和二年度時点で百二十三市区町村でございましたところ、令和六年には三百二十八市区町村まで拡大しております。 学校給食において有機農産物の活用を進めることは、生産者の努力や生産現場への理解を深める食育の推進、そして委員御指摘のとおり、有機農産物の安定的な販路の確保からも重要と認識しておりまして、引き続き文部科学省と連携しながら学校給食への活用などを図ってまいりたい、このように考えております。
○金子道仁君 御説明ありがとうございます。 資料の四のところを今御説明いただきました。令和二年度のときに学校給食で有機食品を利用している市区町村数が百二十三であると。令和六年度が三百二十八ということで、かなり、三倍とは行かない、二・何倍でしょうか、増えているのは事実です。他方で、母数として千七百ある自治体の中で考えれば、ようやく二割に達したというところだとも思います。 もちろん、その全ての自治体で地産地消及び有機農産物を利用する、例えば東京の千代田区の小学校でそれをしようとすればかなり、いや、ほとんど不可能かもしれません。なので、一律に全国一律の基準を設けることは難しいことは重々承知していますが、でも、何らかの指標というものは作って、これがしっかりと今回の給食無償化で進んでいく、増えていくということは確保していくべきではないかというふうに考えております。 ちょっと順番がずれましたが、資料の三番を御覧ください。第五次食育推進基本計画というものをここで出させていただきました。 この中でも議連に入っておられる先生方もおられると思いますが、今、食育基本法の改正が議論されています。そして、食育基本法に基づいて現在は第五次の食育推進基本計画が検討されています。今年からだと理解していますが、この基本計画における重点項目、目標、指標の中に、この資料三にあります赤字の個人目標と青字の地域目標というのがあって、その地域目標の一つに、赤の一つ目のポツですが、学校給食における地場産物等を活用した食育に関する取組等を増やすと、このような地域としての目標が書かれており、そして右側の指標ですけれども、学校給食における地場産物、国産食材を使用する割合、金額ベースを現状値から維持向上した都道府県の割合を九〇%以上とすると、このようなKPIが今回検討されております。 資料の今度二に、済みません、順番が逆で恐縮ですが、資料の二を御覧いただきますと、これが学校給食における地場産物、国産食材使用割合の推移で、二〇一九年の時点で食材ベースから金額ベースに移ったのでぽんと跳ね上がっていますけれども、今は金額ベースで、全国ですけれども、国産食材は八九・四%、地場産物は五六・四%の金額ベースでの利用が学校給食で行われているというふうに理解しております。 この事実と、資料三にあるKPIなんですけれども、済みません、ここ、こだわりがありまして、是非地産地消を進めていただきたいということで、KPIまで今回はちょっと突っ込んだ質問になっておりますけれども、この都道府県が、維持向上した都道府県が九〇%というこのKPIはちょっと私は疑問があって、つまり、今ある都道府県が国産を例えば五〇%使っていますと、来年までに五〇・一%、ほんのちょっとでも向上すればこの九〇%の中に入っていく。つまり、これは九〇%という定量目標に見えますが、実際は努力目標的な、僅かな維持向上でも九〇%に入っていくようなものになってしまっているんではないか。もう少し大胆に、先ほどの資料の二にあるような目標を、例えば八九・四、五六・四を増やしていくというようなことはどうなのかなと先日も議論させていただきました。 他方で、そんな単純なものでもないというふうにも考えております。例えば、先ほども言いました、東京であれば地産地消、五六・四、全く行っていないわけです。他方で、私の地元、中山間地域の兵庫なんかであれば八〇%くらい行っている。じゃ、この五六・四を六〇にするということになると、東京にとっては高過ぎる目標ですし、兵庫にとっては目標より下げないといけないんですかと、努力しなくていいんですかというメッセージにもなりかねない。 どのようにして全国ばらばらなこの地産地消の現状を数値目標化してKPIを設定していくのかというのはまだまだ議論が必要だと思いますが、例えば現状から、各自治体、地産地消若しくは国産食材を五%五年間で増加させるといった、より細かく具体的な数値目標を設定することはいかがでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 学校給食における地産地消の推進につきましては、各自治体がそれぞれの地域における生産物や食文化、食に関する産業等の実情等を踏まえながら主体的に取り組んでいくということが重要と考えております。 その上で、全国一律に各自治体の現状値から何%増加させると、今御指摘いただいたようなそういった形での具体的な数値目標を設定するということにつきましては、自治体ごとの供給能力や流通網の違いといったことなどを踏まえますと課題が大きいのではないかと考えられることから、各自治体が現状を基点に着実な推進を図る姿勢を評価するということで自発的な地産地消の取組を促すことが重要ではないかというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、第五次食育推進基本計画につきましては、数値目標の在り方も含めまして、今後、食育基本法に基づき開催される食育推進会議において検討を進めていくものと承知しておりまして、文科省といたしましては、会議における御意見なども踏まえながら検討を進めてまいります。
○金子道仁君 地域ごとの実情は当然です。ただ、最初に説明させていただいたとおり、今回の給食無償化が便乗値上げにつながっては元も子もないと。流通コストの中で消えてしまって、食材、子供たちの給食の質の向上につながらないというのは最も愚策になるわけですから、その辺りは、どこまで細かく設定するかは別として、しっかりと子供たちの食材にこのお金が届くような、そういうKPIの設定は是非引き続き検討をお願いいたします。 農水省の政府参考人にお伺いしますが、資料の四、この三百二十八という数字、これもKPIに設定して、例えば五年間でこれを六百にするとか、そういう目標の設定はいかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤紳君) お答え申し上げます。 学校給食への有機農産物の活用に当たっては、地産地消、重要でありますけれども、現状では十分な数量の確保が困難な地域も多く、学校給食への安定供給に課題があると、このように認識しておりまして、学校給食における有機農産物の活用に係る目標設定、これに先立ち、まずは有機農業の産地づくりを推進し、生産拡大を図ることが必要であると考えております。 現在、有機農産物の生産から消費までの取組を進めるオーガニックビレッジの創出などを推進しておりますが、このオーガニックビレッジの約九割が学校給食への活用に取り組んでいただいているところでございます。これを踏まえまして、食料・農業・農村基本計画においては、オーガニックビレッジに取り組む市町村数の目標を設定させて、KPIを設定させていただいておりまして、こうした産地の拡大により学校給食への活用、つなげていきたいというふうに考えております。 また、農水省では、有機農産物の生産流通コストの低減、生産性向上などの取組を支援しておりまして、引き続き、学校給食含め有機農産物を利用しやすい環境整備、これを図ってまいる考えでございます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 鶏が先か卵が先かで、しっかりとした需要、その消費をする場所がないから生産拠点が増えないということもありますので、ここは思い切って設定をしていただきたいと思うのと、オーガニックビレッジの推進の数を出すというのは本当に必要なことだと思いますので、是非しっかりと目標設定、そして達成を目指していただければと思います。 二点目、もう時間がなくなってきましたので、食材ロスの削減についてもお伺いさせていただきたいと思います。 もう既に食育の話はさせていただいておりますが、学校給食における食育の大きなテーマの一つが食品ロスの削減になります。学校現場からは、食育を教える一方で、大量の給食の残食、残品を廃棄している現場の矛盾が非常に大きいというふうな声をいただいております。食品ロスの削減のための行動をするという食育の個人目標、これは子供たちにも当てはまるわけですけれども、この今回の無償化に合わせて、給食現場における食材ロスというものもしっかり取り組むべきだと思っております。 他方で、これ議論している中で出てくるんですけれども、食材ロスというその目標は大事です。ただ、食べる現場で食材ロスを強調し過ぎると、かつて問題になった完食指導、子供たちに無理やり給食を食べさせるというプレッシャー。私はそういうタイプじゃなかったからよかったですけれども、そういうタイプの子供たちからすると、学校の給食こそが嫌だというような子供たちも一定数いたのは事実だと思います。そのような完食指導を復活させることにもなりかねないと。 先日、いわき市であった赤飯の廃棄事案、こういう食材ロスというのは非常に問題であると私個人的には思っておりますが、この食材ロスの削減というものは食べる現場での食材ロスと作る現場での食材ロスとやっぱり分けて考えていく必要があるのではないかと思っております。 今回は、作る現場での食材ロスとして、資料の五ページ目、学校給食衛生管理基準というものを出させていただきました。もうここで黄色いハイライトを付けているとおりなんですけれども、パン、牛乳、おかず等の残品は、全てその日のうちに処分し、翌日に繰り返して使用しないことと、このようにもう全部処分というふうに書かれているわけです。 この食品ロスというものは、学校給食だけじゃなくて、どこでもそうだと思います、スーパーでもそうですが。その衛生管理とのバランスでどこまで無駄を省けるかという丁寧な議論が行われているはずだと思うんですが、学校給食の調理現場では食品ロスの削減を考える余地がない、全て廃棄となっている、これはもう少し細かい基準が必要なんじゃないかと思っております。 現在、有識者会議が開催されていると思いますが、現状をお聞かせください。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 文部科学省では、学校給食衛生管理基準につきまして、学校給食の一層の安全確保と社会環境の変化に適応した効率的な運営を両立させるための基準の在り方について検討するため、新たに有識者会議を立ち上げ、先月二十五日に第一回目の会議を開催いたしました。 その際、御指摘いただきましたような食品ロスの削減につきましても検討事項の案としてお示ししているところでございまして、衛生、安全を確保しつつ、社会環境の変化にも適応した基準となるよう、引き続き有識者や関係団体等からも御意見を伺いながら検討を進めてまいります。
○金子道仁君 よろしくお願いします。 学校現場でこの食材ロスを教える先生方が、実際自分がやっていることも食材ロスを削減しているような行為をしているんだと子供たちにちゃんと胸を張ってできるように、見本を示せるように、良い基準を策定していただければと思います。 三点目、非喫食者、アレルギーや不登校等で給食を食べられない子供たちに対しての質問を最後させていただきたいと思います。 いわゆる給食の無償化の対象にこのような子供たちが含められるかられないかというのは非常に重要だと私自身考えております。様々な無償化が社会で広がる中で、アレルギー児童生徒や不登校児童生徒が無償化の対象外となることは、社会から取り残される、そのようなメッセージになりますし、一人一人が大切であるという文科省が目指すメッセージとは逆のメッセージになってしまうのではないかと思います。 他方で、非喫食者に現金を給付するのはいかがなものか、そういったことも考えられますし、八王子では、先日質疑にありましたが、給食センターで不登校児童生徒のための給食を提供する、様々現場で取組をされているわけです。 そのような取組が少しずつ広がる中で、今回の小学校の給食の無償化の文科省が出しているQアンドAで、自治体が非喫食者の取扱いどうしたらいいんですかというふうに聞いたら、自治体ごとに判断してくださいという、そういう回答しかない、実際にやりたい自治体もどうやったらいいか分からない、先行事例や好事例が分からないといった声が聞こえてきております。 是非、先行自治体への対応例の紹介、また論点や導入の具体的な方策の例示、取組支援等、導入を希望する、特に導入を希望する地方の小規模な自治体に丁寧な伴走支援、検討していただきたいと思うんですが、大臣、見解をお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 非喫食者への支援の取扱いについてでありますが、今御案内をいただいたとおり、その状況も多岐にわたります。現在でも自治体ごとに対応が様々であることから、三党合意を踏まえて、学校設置者の判断に委ねることとしております。 なお、今回の給食費負担軽減交付金を用いまして非喫食者に対する給食費相当額の金銭給付を行う場合などについては、事業の対象者として想定される非喫食者の例などを自治体にお示しをしているところであります。 さらに、今後、今御指摘をいただいたように、非喫食者についての自治体の対応例、これらにつきましても追加でお示しをすることを予定しております。 個別の自治体からの御相談に対しても丁寧に対応をし、こうした非喫食者に対する対応について各自治体がそれぞれしっかりと対応を取ることができるように、我々文部科学省としても支援をしてまいりたい、そのように考えております。
○金子道仁君 是非よろしくお願いします。 報道で様々取組が出て、その報道が出た自治体、この間も鳥取で出ましたけれども、そこに個別に自治体が問合せをして、問合せされる方も困りますし、する方も個別に大変ですので、是非文科省として一括の対応をお願いしたいと思います。 今回、給食無償化、いわゆる給食の無償化について質疑をさせていただきましたが、やはり無償化がゴールではなく、その先にある子供たちに対しての質の向上の確保、これに向けてしっかりと運営をしていただきたいということをお願いして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○後藤翔太君 参政党の後藤翔太でございます。よろしくお願いいたします。 本日は、予算案のポイントにある外国人に対する日本語教育の充実という取組を起点に質疑を進めさせていただけたらというふうに考えております。私は、この政策を単なる教育政策の一つではなく、今後の日本社会の在り方、すなわちどのように共同体を形成していくのかというテーマと密接に関わる重要なものだと認識しております。 まず初めに、大臣に伺いたいと思います。 外国人の児童生徒から成人まで日本語教育を充実させるこの取組は、どのような問題意識や目的意識に基づくものでしょうか。端的にお伺いできればと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 我が国の在留外国人数が増加をする中、外国人の受入れ環境を整備し、秩序ある共生社会を実現をする上で、日本語教育の環境整備を図ることが極めて重要である、そのように考えているところであります。 文部科学省といたしまして、令和八年度予算案におきましても施策を盛り込ませていただいているところでありますが、こうした施策を通じまして、外国人などが日本語を適切に学ぶ機会を確保するなど、関係省庁と連携しつつ、国民と外国人の双方が安全、安心に生活をし、共に繁栄する社会の実現、これを目指してまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 このような、言語は単に一つの手段にとどまるものではなくて、日本人の感性を理解してもらう上でも非常に重要であるというふうに考えます。 さて、我々参政党は、昨年の参議院選挙において、日本人ファーストというキャッチコピーとし、多くの支持をいただきました。また、その一方で、否定的な評価も受け、賛否の意見はそれぞれかみ合わなかったと認識しています。別の陣営を応援する方からは、そもそも日本人とは誰のことを言っているんだという問いかけもあったようです。 私の個人としての考え方ですが、私が日本人と言うときには、人種、レースではなく、ネーションを意識しています。中井遼氏の著作、「ナショナリズムとは何か」においては、同氏は、ネーションは共通の言語、領土、経済生活、日常的文化のうちに現れる心の特性に基づき、歴史的に構築された共同体と定義しております。これは、必ずしも民族的同質性を意味するものではなく、例えばスイスやベルギーのように、多様な民族によって構成されつつも共通の帰属意識を持つ国家も存在します。 翻って、現在、外国人問題は、国籍によって権利義務を明確にする法的な解決が方法として施行されているという印象を受けますが、今あらゆる場面で生じている日本人と外国人との衝突はネーションの問題、つまり共同体としての感覚を共有できていないことにある、そういうふうに考えます。 日本国籍を今この瞬間取得したことをもって直ちに日本人の地域コミュニティーがその人を仲間とみなすかといえば、そうとは限りません。本当の意味での共生を考えるのであれば、我々の根底にある認識や意識、世界観や社会観を左右するものは何かということに向き合う必要があるというふうに考えます。 これを考える上で、中井氏は、言語の違いが特に重要であり、同じネーションとみなすためにも最も重要視されやすいのは、現地語を話すか否かであるというふうに指摘します。つまり、日本語教育は、日本人としての共同体意識を持つ上で非常に重要だということです。 ここで、大臣に伺いたいと思います。 現地語がネーションへの事実上の入場券であるとすると、日本社会での共生を望む外国人に対して、日本語は社会参加とコミュニケーションのための共通規格として位置付けられるのではないでしょうか。このように明確に定義することが日本人、外国人双方の安心と秩序の形成につながると考えますが、御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 我が国で生活、滞在する外国の方、日本社会及び地域コミュニティーの一員として責任ある行動を取るためには、日本語を始め、日本のルールや制度などを理解してもらうこと、これが重要であると認識をしております。 本年一月に関係閣僚会議におきまして決定をいたしました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合対応策におきましては、そうした内容を適切に学習できるようにするため、新たに我が国に在留する外国の方が、外国人が日本語や我が国の制度、ルールなどを学習するプログラムの創設を検討することとされているところであります。 文部科学省として、当該プログラムの創設に向けまして、これは文科省だけではなくて入管庁を始めとした関係省庁と連携をしながら検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 今、先ほど私は日本語を入場券と表現しましたが、これはネーションが拡張可能であるということを意味しているというふうに思います。ただ、ネーションは拡張可能ですが、無限ではなく、会ったことがなくても同じ仲間と思える範囲にとどまると指摘されています。 今、日本というネーションにある戸惑い、つまり、外国人問題は、これまで自分たちのネーションを構成してきたものとは異なる背景を持つエスニックな人々と直面していることにあり、同じ仲間だと思いづらいということが問題だというふうに考えます。 ただ、日本というネーションがそういった異なる背景を持つ人々に直面したのはこれまでの日本の歴史で現代が初めてなのかというと、そうではありません。歴史を遡ると、一九一九年、日本は第一次世界大戦のパリ講和会議により、旧ドイツ領のミクロネシアを国際連盟の委任統治領の南洋群島としてC式委任統治をすることになりました。C式委任統治は併合ではないため、自国領土とはできないものの、実態的には隠された併合と呼ばれていたそうです。 ここで、日本は、領域の中に、これまで包摂した東アジアの人々とは背景の異なるチャモロ人やカロリン人と呼ばれる人々を抱えることになりました。南洋群島を委任統治するための省庁である南洋庁が設立され、現地人向けの教育制度、インフラを整備しました。最終的には、公学校、公学校補習科、木工徒弟養成所という中等教育レベルまで学校が設立され、実際に運営されていました。南洋庁設置以降、現地児童は公学校に、日本人児童は小学校に通い、同じ学校には通いませんでしたが、教員と公学校と小学校間での異動は頻繁にあり、日本人教員と現地児童が教育を介して触れ合いを持ちました。要するに、日本は、こうした日本語を用い、教育を通じて、異なる背景を持つ人々を同じネーションに包摂しようとした歴史があるということです。 ここで、政府参考人に伺いたいと思います。 南洋庁は終戦後に廃止されましたが、南洋庁が南洋群島で実施していた共同体を拡張しようとした教育行政の蓄積が文部科学省に引き継がれているところはあるのでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 御指摘の南洋庁の所管につきましては、終戦後、文部科学省に移管されていないものと認識しております。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 文献でも非常にデータが少ないということが指摘されているので、そのような回答だろうというふうに考えておりました。 もう一段、この歴史を掘り下げて考えてみたいと思います。 ここで行われた教育は、公民化政策や同化政策として、戦後は情緒的な批判をもって総括されています。しかし、このことが歴史的な評価や振り返りを限定的なものとし、真に得られる教訓が見落とされている可能性があるのではないかと私は考えました。 同化政策を行うということは、その善しあしの評価をする前に、前提として、南洋群島の現地人は日本人と同化できる、すなわち教育によって日本人になれると当時の多くの日本人が認識していたことを意味しており、また、これは、日本というネーションが本質的には、閉じたネーションではなく、開かれたネーションであるということを示唆しているというふうに考えます。 ただ、C式委任統治領は自国領ではないため、現地人は帝国臣民ではなく島民と呼称されたり、一等国民、二等国民、三等国民といった差別的な序列が内面化されていたり、さきに述べたとおり、通える学校が異なっていたといった同化意識と反する二重構造があったことも事実です。 しかし、日本史の中で、近代は唯一日本が対外的に拡張する中で民族的な背景の異なる人々を領域内に抱え込んだ時期です。特に、南洋群島は背景の相違が顕著であり、そこで行われた施策は、ネーションという観点から振り返り、現代の外国人問題に生かすことができる教訓があるはずです。 ですが、残念なことに、日本から南洋の記憶は薄れています。サイパン島の観光地としての人気が下がっていることは知られていますし、南洋群島に当たるミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国へのフライトにはお金と時間が掛かり、容易に行くことはできません。かつて怪獣映画で見られた、例えば「モスラ」のインファント島のような南の島が登場することもほとんどなくなりました。お笑い芸人の黒塗りメークは黒人差別と指摘され、歴史的にはチャモロ人やカロリン人に対する差別表現であったことが想起されることもありません。 ここで、大臣に伺いたいと思います。 異なる背景を持つ人々を自分たちのネーションに包摂しようとする際起こり得る問題や課題に対し重要な示唆や教訓をこの歴史から学べる、学び取れるはずだというふうに考えますが、是非、大臣の考えもお聞かせください。
○国務大臣(松本洋平君) 日本で生活、滞在する外国人の方々には、日本語や我が国のルール、制度などを学び、我が国社会及び居住する地域コミュニティーの一員といたしまして責任ある行動を取ることが求められます。このような視点から、文部科学省では外国人の児童生徒から大人までを対象といたしました日本語教育の充実に取り組んでいるところであります。 なお、教育に関する考え方や教育行政の在り方は戦後の改革を経て大きく変化をしております。御指摘の南洋庁による南洋諸島の同化政策から現代の外国人に対する日本語教育への教訓を得ることは考えておりません。
○後藤翔太君 ありがとうございました。お考えをいただけました。 ただ、このようなことをいろいろと考えますと、日本というネーションを特徴付ける要素は、血縁や情緒ではなく言語と規範をしっかりと共有するということに求めるべきではないかというふうに考えます。規範という意味では重要なのは、パブリックとプライベートを分けるということです。特定の宗教、特徴的な例ではイスラム教が挙げられますが、プライベートな信仰をパブリックな公教育に持ち込むことを求める傾向が知られています。かつてのフランスのライシテは見本として紹介されることが多くありましたが、残念ながら、イスラム系移民の増加によりその原則は揺らいでしまっているというふうに考えます。 日本人は和を重んじると評価されることが多くありますが、これは言い換えると、公共の場では自らを抑制し他者の平穏を妨げないという社会技術と言えます。このような規範を共有すると、このような共有、失礼しました、このような規範を共有することを日本というネーションが求めているということは明らかだというふうに思います。 ここで、政府参考人に伺いたいと思います。 令和八年度予算の事業では、日本語指導のカリキュラムやガイドラインを作るとされていますが、ここには言語だけではなく、日本人が内面化している規範を学ぶという観点も重要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 令和七年度補正予算におきまして、日本語教育に関しまして全ての教師等が外国人生徒等に質の高い学びを提供できるようにするための日本語指導に関するガイドラインの作成でありますとか、あるいは、就労分野等におきまして、日本語教育機関と企業等とが連携して教育カリキュラムの質を向上させる取組などを推進するための経費を盛り込んでいるところでございます。 これらの取組に当たりましては、外国人児童生徒等への教育におきましては日本で学校生活を営むための指導、また就労現場、日常生活などに実際に必要となる日本語の学習におきましては我が国の制度やルールなどについても取り上げることなどにも留意すべきと考えております。 文部科学省といたしましては、秩序ある共生社会の実現に向けて、関係省庁と連携しながら、引き続き日本語教育の充実に取り組んでまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 ただいまこちらからお伝えしたことは日本側から外国人に対する、そういった日本語教育の方向性をお伺いいたしました。 ただ一方で、今度は、今、外国人に対する教育のお話をさせていただきましたが、今度は日本人に対してという観点でございます。先ほど申し上げたとおり、外国人に対しては日本人のルール、考え方を理解していただくことが重要ですが、一方、日本人は、内面化している規範を明確に外部に伝えていくという点では日本人は必ずしも得意ではないというふうに考えます。古くはルース・ベネディクトの「菊と刀」に例があるように、日本人には国際的にも特殊な規範意識を有していることが知られています。しかし、例えば、言わなくても分かる、察するといった規範意識から、日本人はそれを積極的に言語化しようとしてきませんでした。例えば、これは共同体としての意識を共有するという開かれたネーションという観点からは課題があるというふうに考えます。 ですので、次は日本人に対しての教育という観点で政府参考人にお伺いしたいと思います。日本人が日本というネーションを対外的に主張、説明できるようになるために、教育行政やカリキュラム編成にどのような工夫が必要か、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答えいたします。 教育基本法におきましては、教育の目標の一つとして、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。」と掲げています。この目標は、日本人としての資質及び国際社会との関わりに関するものであり、自らの国の伝統や文化について理解し、尊重する態度を身に付け、日本人としての自覚を育むとともに、これらの伝統や文化を育んできた我が国や郷土を愛し、その発展に寄与しようとする態度を養うことが重要であること、さらに、自分の国のみならず他国の伝統や文化などを尊重する態度を養うことにより、国際社会の責任ある一員として世界を舞台に活躍し、信頼され、世界に貢献できる日本人の育成を目指す必要があることから定められたものと認識しております。 文部科学省としましては、教育基本法のこれらの目標の達成のため各教育施策を進めており、特に現行の学習指導要領におきましては、小学校及び中学校における特別の教科、道徳において、伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度を育むこと、また、新たに高等学校の必履修科目として設けられました公共におきまして、国民主権を担う公民として、自国を愛し、その平和と繁栄を図ることの大切さを自覚することなどを盛り込むなどの改善を図ったところでございます。 引き続き、教育基本法に基づき教育政策を推進してまいります。
○後藤翔太君 ありがとうございます。 私もそうでしたけれども、外国に行ったときに、日本がどんな国なのか、どういった考え方を持っているのか、そういったことをしっかりと明確に伝えられる日本人が育っていくということは非常に重要かなというふうに考えております。 最後に、大臣に伺いたいと思います。 今回、予算案にある外国人への日本語教育の充実という施策は、日本が開かれたネーションを意識し、外国人がどうしたらネーションの一員になれるのかを示す観点においても非常に重要であるというふうに考えております。改めて、この施策の持つ意味をどのようにお考えになるか、お伺いできればと思います。
○国務大臣(松本洋平君) 我が国に在留する外国人との秩序ある共生社会を実現をするために、在留外国人に対する日本語教育の充実を図ること、これは極めて重要な事柄であると考えております。 日本語教育の充実につきましては、昨年九月に日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針を閣議決定をするとともに、今年一月に、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策を関係閣僚会議で決定をいたしました。 文部科学省としては、こうした方針などを踏まえまして、引き続き、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けまして、外国人の日本語教育の充実にしっかりと取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○後藤翔太君 ありがとうございました。 本日の議論を通じて、日本語教育は、単なる言語習得の支援ではなく、日本社会を形作る極めて重要な政策であるというふうに認識しております。 日本というネーションは閉じたものではなく、言語と規範を有することで参加し得る開かれた共同体であるというふうに考えます。そのような観点から本施策が推進されていくことを強く期待し、私の質疑を以上とさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 本日は、まず国立劇場について伺っていきたいと思います。 国立劇場は、建物、設備の老朽化と時代に合った施設への整備を理由に改修することが決められて、二〇二三年に閉場をしている状況です。 先日の大臣所信では、二〇三三年度の再開を目指し、国の責任で早急に進めますと述べられたところであります。 一刻も早い再開場、そして各劇団などによる国立劇場での公演の再開を願う声というのは日に日に高まっていると承知をしているわけです。 何より、関係者の皆さんの願いは、閉場する前と同じような公演をちゃんと続けていけるという、それを保障されるということだと思うんですが、そこでまず一つ確認をしたいのが、今回の国立劇場の再整備というのはPFI事業で民間が行うことになっているわけですが、この劇場が再開した後の運営、公演をしていくことの運営についてもPFIで民間に委ねるということになるのか、今までどおり芸文振が担うのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 国立劇場の再整備事業は、本年三月三十一日に三回目の入札公告を行いました。本事業で民間事業者が実施する業務は建物の設計、建設、工事及び維持管理となります。 このため、国立劇場の再開後、建物の保守、清掃、警備等の維持管理は民間事業者が行うことになりますが、主催公演の企画、実施、舞台芸術団体への会場の貸出し、伝統芸能の伝承者の養成など運営の主体は、これまでと同様、独立行政法人日本芸術文化振興会が担うことになります。
○吉良よし子君 要するに、公演に関わる運営の主体というのはこれまでと同じように芸文振が担うということで、であれば、過度に使用料を引き上げて使用者が使いにくくなるようなことがないようにということを強く求めておきたいと思うわけです。 問題は、この再開場までの期間がやっぱり長過ぎるということなんですね。当初、閉場した当初は二〇二九年には再開場できるよという予定だったわけですが、ホテル併設を必須とする要件などが折り合わないことで、二〇二二年、二〇二三年と二回も入札の不成立が続いた。その結果、二〇三三年度の再開場と、後ろ倒しになっているのが現状だと思うんですけど、しかも文化庁の資料を拝見しますと、この施設整備期間について、想定する六年六月に加え、一年九か月の余裕期間を設けると書いてあるわけです。この余裕期間というのを含めると再開場というのは最長でいつになってしまうのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 国立劇場の再整備につきましては、二回の入札不調を受け、日本芸術文化振興会が次回の入札を確実にするため、建設業界の民間事業者と対話を重ね、その中で、働き方改革などにより人手不足が課題となっている事業者の参加を容易にするため、建設工事期間に余裕期間を設け、その期間の中で提供できるようにしたものでございます。 余裕期間を含めた建物の完成時期は最長で令和十八年三月の提案が可能になりますが、入札公告におきましてはより短い期間の提案を評価することとしており、文化庁としては引き続き一日も早い再整備に向けて取り組んでまいります。
○吉良よし子君 最長で令和十八年三月、つまり二〇三六年になることもあり得るということで、ただでさえもう三三年開場でももう十年越しで待っていると。その間に劇団の周年行事をやる機会もあるのに、それが国立劇場でできないという残念な声も聞いている下で、やはり本当にできる限り早くというのは強く求めておきたいんですけれども。 この国立劇場を使っていた劇団の皆さんから私直接話も聞いてまいりました。この国立劇場が閉まってから結局民間で会場を確保しなければならないと。それ、会場を探すのにも大変苦労していて、伝統芸能の場合は花道というのがあるわけですね。その花道があるような劇場がそもそもまれである上、それを設置するには一定客席を潰すことが必要になってくると。その分通常の使用よりもキャパが狭くなってしまっていて、減ってしまっていて、しかも使用料が割高で、国立劇場よりも、そういう中で、同じ日数の公演をやるにしても、国立劇場でやるのと比べると、もう採算取るのが本当に厳しい状態になってしまっているということなんです。 一つの公演するためには、衣装や大道具、小道具など、現代劇とは比べ物にならないほどの出費がかさむわけですし、かつらや髪を結う結髪師、音楽を演奏する邦楽家など、公演するのに欠かせない関係者の皆さんへの支払もあるんだと。だから、劇団としては、もちろん自分たちの身を切ってでもそういった皆さんへの出費を惜しむことはできないと思っているけれども、公演自体で採算が取れにくくなっている中で、もう劇団の存続も、劇団を支えるそういう関係者の皆さんの存続も危ぶまれる、まさに伝統芸能存続の危機になっているんだよという声を聞いたわけです。 大臣、やっぱり再開場、国立劇場再開場したときに、その国立劇場を使える劇団がなくなってしまうなんてことがあってはやっぱり本末転倒だと思うわけで、この再開場するまでの間、そういう劇団や公演関係者が存続し続けられるよう支援が必要だと。どういった支援が必要か、何に困っているのか、当事者の声ちゃんと直接聞いて必要な支援策講じるべきと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立劇場が伝統芸能の継承、発展を担ってきた役割を引き続き果たしていくため、閉場中においても伝統芸能に関わる方々の活動が継続できるように十分配慮していくことが重要である、そのように考えております。私も、こうした団体の皆様方お越しをいただいて、直接そうした御要望というものもいただいたところでもあります。 日本芸術文化振興会が主催をいたします公演につきましては、公演施設を有する自治体との協定締結などによって代替場所を確保をし、出演者やスタッフの方々が活躍できる場を確保するように努めております。 また、貸し劇場などで国立劇場を利用していた実演団体や実演家の方々に対しましては、相談窓口を設けまして、公演などの活動を円滑に継続するための支援、これらを行っているところであります。 文部科学省といたしまして、日本芸術文化振興会と緊密に連携をいたしまして引き続き必要な対策を進めてまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 既にお話も聞いていただいたり窓口もつくっていただいたりと動いていただいているのは大事なんですけれども、本当に多種多様な皆さんが関わっていますし、是非とも丁寧に、話を受けて必要な支援があればちゃんと講じていただくと。何よりも早期の再開場に向けて国が責任を果たすようにということを強く求めるものです。 次に、国立美術館、博物館の中期目標についても伺っていきたいと思います。 二月二十七日、令和八年度から令和十二年度までの四年間の国立美術館、博物館等の第六期中期目標というのが発表、示されたわけです。これによりますと、展示事業の自己収入割合の目標を六五%とし、次期中期目標では一〇〇%を目指すとされ、中期目標期間の四年目に自己収入割合が四割を下回るなど社会的に求められる役割を十分果たしていないと考えられる館を再編の対象にするとされていると。 これに対して、国立美術館や博物館が閉鎖されるのではないかという危機感が一気に広がって、「#文化庁による博物館美術館潰しに反対します」という声がSNSで今一気に拡散されている状況があります。文化庁が文化を守ろうとしないなんてどういうことかさっぱり分からないとか、文化を軽んじる行為であり浅はか過ぎるとか、博物館や美術館、利益にならないけど、日本文化や歴史的価値のある財産や知識を継承しているところにこそ税金使うべきでしょうとか、文化意識の低い国は先進国ではないよなど批判の声が次々と上がっているわけですが、確認したいと思います。 ここでいう再編というのは閉鎖や閉館も含まれるのか、そして、自己収入割合が四〇%を下回った場合、直ちに再編の対象になってしまうということなのか、お答えください。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 中期目標の社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館の再編は、各館の役割分担を見直すことで法人全体の機能強化を求めるものであり、御指摘の閉鎖を想定しているものではありません。 また、中期目標に記載されているように、再編は、社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館について、各館の役割分担等を見直すことで法人全体の機能強化を図る趣旨であり、各館の展示に係る自己収入割合が四割未満となることだけをもってすぐに再編の対象とするものではありません。
○吉良よし子君 要するに、四割以下に、収入が四割以下になったとしても、社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられると判断されなければ直ちに再編の対象にはならないということだったと思うんですけれども。 そこで、確認したいと思うんです。この中期目標に言われている社会的に求められている役割を十分に果たせていないと考えられる館というのは、今現時点でどこかあるということですか。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 現時点で国立博物館、美術館の各館で社会的に求められている役割を十分果たせていない館はないと考えております。 中期目標に示した文化財や美術作品の収集、保管、調査研究、教育普及、展示に取り組んでいただけるよう、文化庁といたしましても、引き続きしっかりと各法人と緊密に連携してその機能の充実強化に取り組んでまいります。
○吉良よし子君 社会的に求められている役割、十分に果たせていないと考えられる館は今現時点でないんですよ、ないんですよね。ないのにもかかわらず、何で四年後にはそういう館が出てくるんだということありきで、再編ありきで目標を掲げるのか、やっぱりおかしいんじゃないかと思うんですね。 例えば九州国立博物館のように、立地などでいえば東京や京都と比べれば不利だと思われるところでも、歴史的な文化財などの修復作業を一般に公開するなどの工夫をして、その役割をしっかり果たしているわけです。ほかの施設にもそれぞれ特色や強みがあるわけで、四年後にその役割を果たせなくなるということをやっぱり前提にしてこうした目標を掲げる、再編の方針示すというのはもう間違っていると私言わざるを得ないと思うんです。 しかも、文科省、文化庁は、この中期目標において、運営費交付金及び施設整備費補助金が収入の六割以上を占める状況を改善すると、国立博物館や美術館の運営に国の交付金や補助金が使われていることを問題視するかのようなことまで言っていると。私、おかしいと思うんですよね、大臣。法人化したとはいえ、国立を冠する博物館や美術館に国費を投入するということは当然だと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立美術館、博物館への国費の投入、これは重要であると考えております。 作品等に関してでありますけれども、別にこれ展示をしているだけではなくて、これらの館というのは、収集、保管、先ほど修復のお話もされておりましたけれども、教育普及、調査研究など、様々な役割というものを実際にはこれら美術館、博物館というのが役割を果たしていただいております。これらに係る基盤的経費につきましては、引き続き運営費交付金などを充てることとしているところであります。 令和八年度の政府予算案には、運営費交付金に初めて物価高対応などを含めたほか、インバウンド対応予算の創設など、国立美術館、博物館に対しまして昨年度に比べて三十七・五億円増の予算措置というものを盛り込んでいるところであります。 今後とも、国立美術館、博物館が我が国の文化芸術の顔としてこれまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すことができるように、引き続きしっかりと予算の確保に努め、機能強化や整備に積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 重要だからちゃんと予算も確保しているというお話だったと思うんですね。ただ、やっぱり本当、現状、この国立博物館や美術館も予算も人手も足りないという現状があるんだということは、やはり確認しておきたいと思うんです。 この国立美術館については、外部評価委員会がその活動を評価する取組というのが行われていて、昨年六月に公表された令和六年度外部評価報告書というのを読みました。これによると、各館において、それぞれの特色を生かした収蔵作品展や新たな視点や調査研究に基づく企画展、地方の開催地と連携した巡回展など国立美術館にふさわしい質の高い意欲的な取組が行われているなど、その活動について高く評価するという評価がされているわけです。 その一方で、人員や資金の不足、職員の業務量や、労力や負担の増加、作品購入予算は決して潤沢とは言えないなどの課題があるということを指摘した上で、必要な運営費交付金や専門人材の確保等が実現することを強く望むと結論付けられているわけで、この予算も人員も全く足りない事態に対して、やるべきなのは再編ではなくて、やっぱり国費をもっと増やすということのはずだと思うんですよ。 先ほど大臣は、展示以外の部分ですよね、保存若しくは収集、保存、教育普及、調査研究などについてはちゃんと予算確保していくよというお話だったんですけど、問題は展示なんですよ。今回の中期目標でも、展示事業のみ自己収入割合を一〇〇%目指すと言っているわけです。つまり、それは、もう展示事業に関してはもう国費を出さない、出さなくていい、減らしていくという話になると、それでいいのかということを伺っているんですが、もう一度大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) やはり、これら美術館や博物館というものが果たしているその多面的な役割という話を先ほど私の方から答弁をさせていただいたところであります。 これらの事業の中には、当然採算事業にはふさわしくないような、そうした役割というものがあるわけでもありまして、こうした部分に関しましては運営費交付金などのこうした国費というものも投入をしながらしっかりとその機能を守っていくということも大変大事なことだと思います。 一方で、やはり、より多くの皆さんにこれらの作品に触れてもらう、また知ってもらう、見ていただく、やはりこうした様々な創意工夫を促していくような仕組みというものも同時にあっていかなければならないのではないかという議論の中で、こうした形での今回計画というものになったというふうに承知をしているところであります。
○吉良よし子君 要するに、展示についてはより多くの人に見ていただくために自己資金を確保しなきゃいけないと、自己収入一〇〇%にして国費は出さないんだという方針だということなんですけれども、その自己収入を確保するために中期目標で言われているのが、入場料の引上げとか二重価格の導入なんですね。それを実施するとまで明記しているわけですけど、そのより多くの人に見ていただこうというときに入場料を引き上げてしまったらそれに逆行してしまうのじゃないのかと、裾野を広げるどころか、文化への敷居、ハードルを上げてしまうことになるのではありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 今回、入場料の引上げや二重価格の導入を中期目標に盛り込みました。これは、近年の物価高騰によりまして、展示費用が増加するなどの影響があること、また、鑑賞された方に十分に堪能いただける魅力的な展示や、海外から日本に訪れる方への多言語対応など、より良い鑑賞環境を提供する上で必要な対応を行うためということであります。 このような対応と引き続き多くの方に来館していただくことが両立できるように、適切な金額設定につきましては、国立博物館、美術館と一緒になって検討をしていきたい、そのように考えております。 他方で、子供の無料入館など、社会的、教育的に求められる措置につきましては、これまでと変わらず実施していく予定といたしております。より一層多くの方に文化財や美術作品に触れていただけるように取り組んでまいります。
○吉良よし子君 子供の入館料は無料だというお話ありましたけど、それを連れていく親の側の入館料が上がってしまえば、親が連れていくということもためらうという事態が起きかねない事態だと思うわけで、イギリスの国立美術館や博物館の常設展示については入館料が無料で、それが多くの外国人観光客にとって、イギリスを、英国を訪れる重要な動機付けになっているという研究もあるわけで、逆だと思うんですね。海外の人にも来てもらおうと、そして広く文化に触れてもらおうというのであれば、入館料は値上げじゃなくてやっぱり値下げ、無料化を目指すということがあるべき姿だと思うわけですよ。 おととい三月三十一日に、これだけではなくて、文科省は、博物館運営の基準を改正して、博物館資料の管理について廃棄も含めて検討するということも書きました。これに対しても、歴史的なものを大事にしない国はいずれ滅びる、博物館は資料の収蔵が命、それを廃棄するとは存在意義が問われるし、歴史軽視も甚だしい、一度捨てた歴史は二度と戻らないなどの投稿が相次いだと。今回の再編ありきの目標もそうなんですけど、まるで稼げない文化には価値なしと言わんばかりのその政策についてはもう本当に怒りの声が上がっているわけで、やっぱりそういう声に耳を傾けて、文化芸術予算をちゃんと抜本的に拡充していく、これは国の責任だと思いますが、大臣、最後、いかがですか。
○国務大臣(松本洋平君) 国立美術館、博物館に対する令和八年度予算、先ほども御説明をしたとおり、これまでよりも充実した措置を盛り込ませていただいております。 今後とも、国立美術館、博物館が我が国の文化芸術の顔として、これまで以上にナショナルセンターとしての存在感を国内外に示すことができるように引き続きしっかりと必要な予算の確保に努めるとともに、機能強化や整備に積極的に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○吉良よし子君 ある国立美術館の職員の方は、美術館、博物館は必ずしもお金にならない文化財の保存や修繕も必要で、利益優先のアミューズメントパークじゃないと、もしこの方針が続いた場合、今後日本の文化意識は著しく下がることは間違いないと懸念を語っておられるわけで、やっぱりこの文化予算をちゃんと確保して、国立を冠する美術館や博物館はちゃんと国費を投入して、展示の部分も含めてしっかり守っていく、次世代に継承していく、それこそが必要だということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(熊谷裕人君) 以上をもちまして、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(熊谷裕人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十四分散会
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- 1d42cea9…2dcd71
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