令和八年七月十六日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 七月十四日 辞任 補欠選任 広田 一君 徳永 エリ君 七月十五日 辞任 補欠選任 田名部匡代君 勝部 賢志君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 藤木 眞也君 理 事 朝日健太郎君 上月 良祐君 東野 秀樹君 石垣のりこ君 かごしま彰宏君 委 員 井上 義行君 江島 潔君 進藤金日子君 野村 哲郎君 山下 雄平君 山本 啓介君 勝部 賢志君 徳永 エリ君 横沢 高徳君 舟山 康江君 高橋 光男君 竹谷とし子君 佐々木りえ君 杉本 純子君 岩渕 友君 発議者 舟山 康江君 発議者 徳永 エリ君 国務大臣 農林水産大臣 鈴木 憲和君 副大臣 農林水産副大臣 山下 雄平君 大臣政務官 農林水産大臣政 務官 山本 啓介君 事務局側 常任委員会専門 員 西村 尚敏君 政府参考人 消費者庁審議官 井上 計君 総務省大臣官房 審議官 橋本憲次郎君 財務省主計局次 長 中山 光輝君 農林水産省大臣 官房技術総括審 議官 堺田 輝也君 農林水産省消費 ・安全局長 坂 勝浩君 農林水産省輸出 ・国際局長 杉中 淳君 農林水産省農産 局長 山口 靖君 農林水産省畜産 局長 長井 俊彦君 参考人 国立研究開発法 人農業・食品産 業技術総合研究 機構理事長 千葉 一裕君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(閣法第四六号)(衆議院送付) ○種苗法の一部を改正する法律案(閣法第四七号)(衆議院送付) ○主要農作物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等に関する法律案(参第一一号) ─────────────
農林水産委員会
発言 204
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、広田一君及び田名部匡代さんが委員を辞任され、その補欠として徳永エリさん及び勝部賢志君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官井上計君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構理事長千葉一裕君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案、種苗法の一部を改正する法律案及び主要農作物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○進藤金日子君 皆さん、おはようございます。自由民主党・無所属の会の進藤金日子でございます。 本日は質問の機会をいただきまして、委員長、理事の皆様方、また委員の皆様方、ありがとうございます。 早速入りたいと思いますが、冒頭、備蓄米についてコメントをさせていただきたいというふうに思います。 高市政権下におきまして、鈴木大臣は一貫して、政府は米の価格にはコミットしないとずっと断言しているわけであります。仮に、政府として、消費者の米の価格の値段が上昇する可能性を懸念して備蓄米の買戻しを控えているということであれば、それはやはり米の価格に政府がコミットしていることになるんじゃないかというふうに思います。 現在、御案内のとおり、備蓄米は約三十二万トンとなっているわけであります。昨年は、米の供給量の不足等から、五十九万トンの備蓄米を市場に放出いたしました。そこで、米の価格にコミットすることなく、食料安全保障確保の観点から備蓄米の買戻し等を早急に行うべきであります。現在の状況が継続すれば、政府自ら、備蓄米の適正水準百万トンを否定することにつながりかねないというふうに思います。最近の地震の多発を考慮すると、南海トラフ地震発生や富士山の大噴火の可能性もこれは否定できないわけであります。是非とも早急に備蓄米の買戻し等を決断して実行していただきたいと強く要請いたします。 その上で、生産者と消費者の米の価格は市場で決まるものであります。早期に需給バランス、需要と供給の需給バランスが図られて、食料システム法が機能していくように、農林水産省として御努力いただきたいと思います。これは私の強い要望でありまして、答弁は求めませんが、是非とも、鈴木大臣もう御理解されていると思いますが、もう果敢に決断をして具体的な行動に移していただきたいと思います。 それでは、質問に入りたいと思います。 クビアカツヤカミキリについてでございますが、このクビアカツヤカミキリは全国十九都府県で発生が確認され、桜の街路樹や梅、桃、スモモといった果樹にも寄生し、農業生産にも被害が及んでいると認識しております。 私にも、昨年、そして昨日も和歌山県の市町の方から対策に関する要望が届いております。また、六月二十四日には、全国町村会から農林水産省と環境省に対して対策の強化に対する要請がなされたとお聞きしているところであります。七月九日、本委員会で岩渕委員の方から質問がありまして、鈴木大臣から、先週末の、政務のどなたかを現地に派遣して、その上で何ができるか考えていきたいという御答弁がありました。本件は極めて深刻かつ重大な事案と認識しております。 クビアカツヤカミキリに関する今後の対策の方向性について、鈴木大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、米の需給環境についての進藤先生からの御指摘、重く受け止めさせていただきます。 その上で答弁させていただきます。 外来生物であるクビアカツヤカミキリにつきましては、本年度に入って山梨県及び香川県において成虫が確認をされ、現在、十九都府県において発生を確認をされております。徐々に発生拡大する傾向にある状況に鑑みまして、先日は岩渕先生からも御質問いただきましたので、山下副大臣が、先週末、和歌山県及び奈良県において現地を視察をし、地元自治体から課題を聴取してまいりました。 課題を聴取したところ、クビアカツヤカミキリの蔓延防止のためには、農地以外の街路樹や公共施設の桜などの防除も必要であります。また、例えば河川に植わっている桜なんかも見ていかなければなりません。そして、いろいろ、どのようにして防除を現実的にやるのかという話を山下副大臣からよく伺いましたら、相当人手が掛かる、若しくは特効薬が何かあるという状況では今ないということです。 そうしたことから、今後、全国知事会、全国市長会、全国町村会などとも連携をさせていただき、そして関係省庁が一丸となって漏れなく対応することが必要であります。ですので、石原環境大臣と私が本部長を務める対策本部を設置させていただくことといたしました。我が国の、まずは農業、そして桜を始めとした文化を守るために、この虫の対策にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 鈴木大臣、ありがとうございます。 対策本部を設けるということでございます。是非とも、両省、環境省、農水省連携して、なおかつ、地方公共団体、関係団体とも連携を深めていただいて、このクビアカツヤカミキリの被害の鎮静化に取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、議員立法で提出されました主要農作物種子確保法案に関連してでございますが、法案の内容を精査させていただきました。立法趣旨には共感できる点もございますが、本法案に関して農研機構や農林水産省に確認したいことがございまして、質問させていただきたいと思います。 まず、農研機構の試験研究に係る施設や機器等の現状と課題をお聞かせ願いたいと思います。農研機構理事長、よろしくお願いします。
○参考人(千葉一裕君) 農研機構の千葉でございます。 御承知のとおり、国の研究機関のつくば移転からもう相当の期間が経過するなど、農研機構においては、地方の拠点も含め、施設や機器等の老朽化が進行しているというふうに認識しております。このような状況下においてでも、重要施設や機器の整備を行いつつ、AI等の最新の研究も取り入れ、優れた研究成果を出せるように努力しているところでございます。 気候変動等、農業の現場が直面する課題を解決するために農研機構の役割は更に重要になると考えておりまして、農研機構に求められる役割を果たすため、施設、機器については戦略的に整備し、機能を維持向上することが必要と考えております。 以上です。
○進藤金日子君 千葉理事長、ありがとうございました。やはり施設、機器等の老朽化が相当進行しているというお話でございました。 農研機構が抱える課題は、地方公共団体の試験研究機関等においても同様な状況であると推察されるわけでございますが、農研機構及び地方公共団体の試験研究機関等の課題に対する農林水産省の認識と対処方針をお聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(山下雄平君) 農研機構は古くから農業研究に取り組んでおりまして、その施設や機器について相応の老朽化が進んでいる状況であります。また、地方公共団体の試験研究機関などにおいても同様の状況にあるというふうに認識しております。 一方、農研機構は日本の農業研究の中核的機関であります。新品種の開発などにおいてこれからも中心的な役割を果たしつつ、地方公共団体の試験研究機関などと連携強化を図ることが大変重要だというふうに認識しております。 このため、農林水産省におきましては、農業構造転換集中対策によりまして、農研機構の全国五か所の各拠点について、施設を集約しつつ、機能強化を行う整備などへの支援を行っているところであります。また、地方公共団体の試験研究機関に対しましては、農研機構などと連携した重要品種の開発を行う場合に、必要な分析機器などの整備についても支援を行っているところであります。 農研機構そして自治体の施設、それぞれの強みを生かした重要品種の開発が行われるよう、必要な予算の確保に力を入れてまいりたいというふうに考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。しっかりと認識されているようでございますので、予算措置等お願い申し上げたいと思います。 実は、試験研究機関の機器や施設の老朽化問題は、農研機構や地方の農業関係試験研究機関に特化したものではなくて、国立大学法人等の機器や施設等にも同様な課題があるものと認識しております。 例えば、文部科学省の国立大学法人等の施設整備に関する検討会では、令和八年度国立大学法人等施設整備の方向性を示して、課題解決に積極的に取り組んでおられます。また、都道府県においては、地方創生に関する交付金を活用して、試験研究機関の施設整備等を行っている事例も見られます。 さらに、先般、参考人の質疑におきましても、長野県農業試験場の栗原部長から、国からも試験研究に必要な支援をいただいているけれども、海外ライセンスの許諾料を特別県単独プロジェクト研究に充当して、新たな品種育成を図るといったお話もお聞きしました。 いずれにしましても、試験研究機関の自助努力、これは重要だと思います。その自助努力を促しながら、分野別所管官庁からの支援のみならず、組織横断的な地方創生等の枠組みを活用するなど、あらゆる方策を駆使した上で、足らざるところはやはり所管官庁がしっかりと支援していく、これが重要だというふうに考えております。 次に、昨年閣議決定されました食料・農業・農村基本計画におきまして、開発段階から産学官連携を強化し、政策ニーズに対応しつつ実需者や生産者のニーズに応じた優良な品種の開発と普及を迅速化する、こういうことを明確に位置付けているわけでございますけれども、気候変動等対応品種法案について、この時期に立法する緊急性と必要性をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 近年、温暖化そして気候変動によりまして、農業生産活動へのマイナスの影響が顕在化をしてきております。こうした状況の中で食料安定供給を確保するためには、高温耐性や多収性などの形質を持ち、広域での課題解決に資する新品種の育成と普及を図ることが喫緊の課題であると認識をしております。 このため、本法案では、気候変動等に対応するための品種を重要品種と位置付け、重要品種の育成と種苗生産を振興することとしており、本制度を措置することで、スマート育種支援システムなどの農研機構の先端的な研究設備を活用し、産官学の連携による早期の重要品種の育成、そして地域の合意形成を通じた安定的な種苗生産環境の構築を促してまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 大臣、ありがとうございます。 気候変動等対応品種法案では、今大臣御答弁の重要品種、この重要品種は稲、麦、大豆などの主要農作物以外の野菜や果樹の品種も含んでおりまして、重要品種育成事業を担う者は公的試験研究に加えて民間事業者も含まれているというふうに解しているところでございますが、本法案における国の責務として、重要品種育成事業等を行う者に対して、集中的、効果的に支援を行う旨の努力義務を課しているわけであります。 この想定される具体的支援についてお聞かせ願いたいと思います。
○大臣政務官(山本啓介君) 種子、種苗は、農業の基盤であります。特に、昨今の気候変動等の課題に対応し、品種の育成と種子、種苗の生産体制をより強固なものにしていくことが重要であります。その結果として、食料安定供給の確保にもつながると考えています。 本法案においては、国の責務として、重要品種育成事業及び重要品種種苗生産事業活動を行う者に対して集中的かつ効果的に支援を行うよう努めるものとする旨を規定をしているところであります。 農林水産省では、これまでも、農業構造転換集中対策において、新品種の開発を位置付け、気候変動等に対応した重要な品種開発の予算を措置するとともに、これに必要な分析機器などの整備を支援するメニューを新設するなど、支援を強化してきたところであります。 引き続き、本法案における国の責務規定の趣旨も踏まえ、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。しっかりとお願いしたいと思います。 本法案の枠組みでは、稲、麦、大豆などの主要農作物以外の野菜や果樹の品種改良等についても、重要品種であれば、官民問わず、地方についても国が支援できることとなります。 ここで重要なのは、重要品種以外の試験研究に関しても、先ほど農研機構の千葉理事長からもいろいろ御指摘ございましたけれども、御答弁ございましたけれども、やはり、その重要品種以外の試験研究に関してもこれまで以上に国がしっかりと支援していくこと、これ重要だと思いますので、是非お願いしたいと思います。 次に、種苗法の改正案につきまして、植物新品種の流出防止対策を強化することは極めて重要な課題だと認識しているところでございますが、今回の法改正で、今まで対処不能な具体的事項に対して、何が対処可能となり、その効果をどのように見込んでいるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。 日本の優良品種は海外での評価が非常に高く、今後とも、そうした優良品種を海外に持ち出そうとされる方がいるというこのリスクというのはなくならない、残念ながらなくならないというふうに考えております。そうしたことに加えまして、品種登録前で育成者権取得前の流出という新たな課題も明らかになっております。 優良品種の海外流出は大変重要な喫緊の課題だというふうに認識しておりまして、今回の法改正は、流出防止対策を強化するため、品種登録前の種苗の輸出差止め請求権の創設でありますとか、また、登録品種の輸出目的保管の育成者権の対象への追加などを盛り込んでおります。これまで法的措置がとることができなかった場合にも差止め請求などを講じることができるようにするものであります。 農林水産省としましては、法改正が成立した際には、その円滑な施行を図るとともに、関係機関と連携して実効性のある流出防止対策にも取り組んでいく考えであります。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 今副大臣から御答弁いただきました。やはり流出防止対策、これに、今まで抜けていたところもしっかり網羅的に精査して、例えば品種登録前の対応だとか、そういうことについてもしっかりやっていただくということでございますので、是非、徹底してこの流出防止を強化いただきたいというふうに思います。 次に、種苗法の改正法案におきまして、育成者権の存続期間の延長を図ることとしているわけでございますが、これによりまして育成者権の保護が更に強化されるものというふうに認識しております。 今回の法改正で、育成者権の存続期間が延長されない場合、育成者権の存続期限が切れる具体的な品種についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 育成者権の存続期間が延長されない場合に、年内に存続期間が切れる品種は十八品種ございます。また、二〇三〇年までに存続期間が切れる品種は二百六品種ございます。 このうち、農研機構が開発した品種としては、年内に、かんきつのせとか、梨のあきづきの登録が切れ、また、都道府県が開発した品種としましては、二〇三〇年までに、神奈川県のかんきつの湘南ゴールド、愛媛県のかんきつの愛媛果試第二十八号、いわゆる商品名は紅まどんな、それから、鹿児島県のかんきつのかごしま早生などの登録が切れることになります。 こうした品種の育成者権の保護が継続して延長されるということにより、品種の保護と品種を活用した地域農業の活性化を通じ、育成者権者と品種を利用する農業者の双方に裨益するというふうに考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。これは極めて重要な点だと思います。 先般、新聞報道にもございましたけれども、やはり今局長御答弁の中身についても国内の農業者の方々にもしっかり周知願いまして、今回の法律のいわゆる改正で具体的にこういうことが保護されるんだよということもしっかり周知いただいて、なおかつ、我が国は、やはり断固としてこの我が国で開発した種子等を、種苗等をしっかりと守るんだということを強く訴えていくということも重要ではないかなというふうに思っております。 あと、予定した質問は以上でございますけれども、また、あえて、大臣、やはり米の話、最後にさせていただきたいと思います。 最近、米農家の方から本当に多くの意見が届くわけです。先週末も米農家の方々の意見をお聞きしてまいりました。その概要としては、次のような感じなんですね。昨年は、消費者の米の値段が上昇して、それに対して政府は備蓄米を放出したんだと。これは分かると、消費者の方が困っているんで。だけれども、今年は民間在庫量の増加で、出来秋の米の概算金が食料システム法に基づいて示された標準的なコストを大幅に下回る懸念があるんだと。そうなれば、農家は再生産や再投資が困難となって、米農家の離農が加速する可能性が高いと。それは結果的に消費者にとってもマイナスなんでしょうと。是非とも、国として、昨年の備蓄米放出分を早急に買い戻して、あるいは買い取ってほしいと。国には今回は農家の状況を直視してほしいんだということ、声であります。 鈴木大臣は米の大生産地の山形の選出でございますから、私が申し上げたことはもう百も承知で、農家の心情を痛いほど理解されているというふうに思うわけでございます。 やはり、我が国の主食は米であります。米の価格は基本的に、先ほど私が申し上げましたように、市場で決まります。しかし、生産者には再生産、再投資が可能な価格が不可欠であります。同時に、消費者には納得のいく価格、これは食料システム法に基づく合理的な価格形成のプロセスの見える化によって納得感のある価格だと私は思っているんですけど、こうした生産者、消費者双方における、米の価格が両者の相互理解の下で、持続的でなければ主食の米は守れないと思います。その中におきまして、こうした状況をつくり出すためには、この諸条件をやはり整備する必要があります。この条件整備こそが政府の責務ではないかと思うわけであります。 こうしたことも十分踏まえて、食料安全保障確保の観点から、再三申し上げて恐縮なんですが、早期に備蓄米の買戻し等決断して、実行していただくことを再度申し入れまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。 どうもありがとうございます。
○上月良祐君 自民党の茨城県選出、上月良祐でございます。 進藤先生の質問に引き続きまして、何問か、農水省、財務省、総務省に質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、大臣にお聞きしたいと思います。 米等の主要農作物に関しましては、もちろん民間にも頑張ってもらわなきゃいけないというふうに思いますが、やはり国や都道府県の役割というのは大変重要なものがあるというふうに考えております。その点、発議者座っていただいておりますが、野党の議法にも共感できる点はあると私は思っております。 一方で、データを冷静に見ると、民間も新品種の出願しているんですね。やっぱり民間にも頑張ってもらわなきゃいけないという意味では、民間を、何というんでしょう、やる気をなくさせるようなこともまたいけない、ディスカレッジしてはいけないんだと、両方が頑張らなきゃいけないんだということなどから、議法にはちょっとどうかなと私は思うような点もあることも事実であります。 国や都道府県の役割が重要であるという中では、まず、先ほど概括的に千葉理事長からも御答弁があったわけなんですけれども、農研機構や都道府県の農業試験場等における研究環境を含めた新品種開発の状況、取組状況、これをしっかり把握しないといけないというふうに思いますが、そこがまだまだ十分に把握し切れていないと。この間のプロセスでも何度も農水省さんとやり取りはしたんですが、まだまだ十分に把握し切れていないなと思っております。 平成十九年というのは、ちょっと特異年がありまして、ちょっと突出して多い年があるんですが、品種の登録ですが、出願が。そこをベースに考えるとちょっと、何というんですか、正しい分析にはならないと思うんですが、より長い、三十年単位ぐらいで見たとしてもやっぱり少しずつちょっと落ちているかな、力が落ちているかなというようなことも感じるところであります。現場の状況を的確に把握して、各県の取組姿勢などを含めて多角的に分析を行う必要があると私は思っております。 その上で、必要な予算や地財措置について、まず的確に農水省から要求をしていただきたいということをお願いしたいと思います。その上で、農研機構や各県の環境に合った研究開発を後押しをしていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 米、麦、大豆はもとより、果樹、野菜などの供給においても、国や都道府県の果たす役割は大変重要であると認識をしております。今、上月先生からいただいた御指摘も踏まえまして、農研機構や都道府県の農業試験場などにおける新品種開発に係る研究環境などを含めた取組の状況について、まずは的確に把握、分析を行わさせていただきたいと思います。 その上で、必要な予算や地方財政措置の要求も行っていきたいというふうに考えております。農研機構や各都道府県における、高温耐性品種の開発を始めとする現下の課題に対応する取組を農林水産省として責任持って後押しをしてまいります。
○上月良祐君 積極的な御答弁いただきまして、ありがとうございます。 ハードだけじゃなくて、やっぱり人材って重要なんですね。その人材が、研究だけじゃなくて、研究に必要な予算も獲得していかなければいけませんので、そういったことも含めて様々な技術が的確に承継していかれるように努めていただかないといけないと思います。また、本省も含め、マンパワーが足りないんだったら、これもしっかり要求していただきたいと思っておりますので、大臣にしっかりリーダーシップ取っていただきたいと思います。 続きまして、財務省の中山次長来ていただいていますが、御質問いたします。 農研機構は、日本の農業の最高の知の拠点であります。気候変動や高温化の中でも、食料安全保障を支えて牽引していく最重要な存在であります。食というのは、大変日本にとっても重要な稼ぎの大本になる大切なコンテンツなんですね。成長戦略上も食料安全保障上も大切な重要な資源であります。 その一方で、現場の研究をめぐる状況や研究者の置かれている状況はかなり厳しいものがあると我々聞いております。財務省さんも聞いていただいているんだと思います。財務省さんも、老朽施設や設備の更新需要や現下の物価高騰など、現場の置かれた厳しい状況を十二分に踏まえて的確な予算措置を是非ともお願いしたいと思います。お考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(中山光輝君) お答えいたします。 財務省といたしましても、今先生御指摘いただきましたように、農研機構は新品種の開発などにおきまして非常に重要な役割を果たしていると認識しております。 令和七年度補正予算におきまして、農研機構の施設の再編、集約等に係る整備予算を措置するとともに、運営費交付金の算定に当たりましては、全体の経済・物価動向の反映の一環といたしまして、消費者物価指数の上昇を踏まえるなどの対応をしてきているところでございます。 今後の予算措置につきましては、御指摘いただいた施設の老朽化の状況ですとか物価高騰といった点にも留意し、概算要求等も踏まえながら、農林水産省とよく議論してまいりたいと考えてございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。 もちろん、現時点ではそういう答弁になると思いますし、それをしっかりやっていただきたいと思います。削るとか抑えるとか減らすというのが行革だと思っている人が多いのかもしれないけど、必要なところにちゃんと付けるということなしに行革にはならないんだと私は思っておりますので、特に研究開発みたいに長期間のものは、そういうことをしっかりやっておかないと将来失うものが大きくなりますから、そこをしっかりやっていただきたい。中山次長、官公需の発注でもいつもお世話になっていて、中山さんの双肩に懸かっているところ大きいものですから、よろしくお願いしたいと思っております。 総務省にも最後に一問お聞きしたいと思います。 同様の課題があります。これ、交付税措置が今までどうだったかというようなことも的確にちょっと分析した方がいいと思います、十分な地財措置だったのかということ。もちろん、農水省からきちっと要求もしていただいた上でのことではありますけど、そこ任せにせずに、自分たちでもちゃんと研究開発の状況を見ていただくなどして的確な地財措置やっていただきたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(橋本憲次郎君) お答え申し上げます。 都道府県の農業試験場につきましては、その運営費について、物価上昇や給与費の増加を踏まえて普通交付税の単位費用措置を引き上げているほか、施設の更新、改築等に要する費用につきまして地方債を活用できることとするなど、所要の地方財政措置を講じているところでございます。 農業試験場に係る国の支援の在り方につきましては、今御指摘ありましたように、農林水産省において農業試験場に係る状況分析等を踏まえて検討がなされるものと承知しておりますけれども、総務省といたしましても、農林水産省と連携しながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。
○上月良祐君 ありがとうございます。 我々も継続的にしっかりやっていかないといけないと思います。ここで言ったっきりじゃなくて、きちっとフォローしていきたいと思いますので、大臣始め農水省の皆さんにも、そして財務、総務の皆さんにも、研究という日本にとっては大切なものがしっかり支えられるようによろしくお願いして、私からの質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○石垣のりこ君 立憲民主・無所属会派の石垣のりこでございます。 さて、今回、種苗法関連の法案の改正ということですが、二〇二一年に種苗法が改正されて五年になります。前回の種苗法改正では、登録品種における農家の自家増殖を原則禁止としました。その理由としては、自家増殖が海外流出につながるからだとの説明がなされました。 そこで、当時の委員会で、私は、自家増殖した種苗が海外流出をして日本が損害を被っていると断定できる事例について問いましたら、農水省からは山形県の紅秀峰の一件であるという答弁がありました。また、日本で品種登録された種苗が海外流出していると確認された事例はどのくらいあるのかと質問しましたら、二〇二〇年の調査で流出を疑われる事例が三十六例あったということ、また、それはネットで発見したものであるということ、それもあくまで疑義のあるものであって実際に流出したものであるかどうかは確認できていないという趣旨の答弁でございました。 すなわち、自家増殖が海外流出の主たる原因であるかどうかの確たる証拠も乏しければ、日本の登録品種が海外流出したかどうかを示す明確な証拠というのを農水省としては把握していなかったということになると思います。 その上で、今回の種苗法改正について伺います。 この種苗法改正案の提案理由について鈴木農林水産大臣は、品種登録前の新品種の海外流出などの課題が顕在化していると趣旨説明されています。 では、直近で具体的に何品目、何種類の海外流出を、事前のですね、全体、まずは何品目、何種類の海外流出を農水省として把握しているのか、その中で品種登録前の新品種はどれだけあるのか、この二点について御回答お願いいたします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 昨年、二〇二〇年と同じく農林水産省が中国、韓国の種苗会社などのインターネット販売サイトにおける日本の登録品種の販売状況を調査した結果、日本の登録品種と同じ名称又はその品種であることを想起させる品種が、シャインマスカットを始め八品目五十種程度確認をされました。 また、同調査におきまして、流出時期等から考えまして品種登録前に海外流出したことが疑われるという品種につきましては、イチゴの三品種、紅ほっぺ、さちのかなど、また、かんきつ四品種、あすき、せとか、はれひめなどが確認をされたところでございます。
○石垣のりこ君 ということで、これ同じ名前のもの、そして想起されるものということで、確定した把握ではないということが今の御答弁からあったと思います。 前回の種苗法改正は海外流出を防ぐことというのが目的ということもありまして、前回の種苗法改正から直近まで、自家増殖による海外流出の事例というのは何件把握できたんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 昨年実施した調査結果のうち、前回の種苗法改正が施行された令和三年四月以降に新たに登録出願された品種というのございませんけれども、中国、韓国の種苗会社のインターネット販売サイトで日本の登録品種の種苗の名称を使っているものというものを調査したものであって、それが自家増殖された品種であったことも含めまして、現時点で流出ルートというのは不明でございます。
○石垣のりこ君 ということで、DNA鑑定をしているとかそういうことではないということで、令和四年七月八日にまとめられました海外流出防止に向けた農産物の知的財産管理に関する検討会中間論点整理の中でも、種苗の増殖実態の把握ができていないなど、実効的な流出対策が取られていないということが現状と課題として書かれているわけであります。 海外流出について農林水産省が把握できていない、この確たる証拠、科学的証拠、客観的証拠を含めて、把握できない理由というのはこれなぜなんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 一般論といたしまして、品種の海外流出ルート、これ多岐なルートが考えられるわけですけれども、具体的には、種苗業者への買い付け、また農家の庭先での買い付け、また苗木の盗難、あとホームセンターなど民間での購入など様々なルートが考えられるため、その時期や流出の経緯を把握することは難しいというのが実態でございます。 また、把握できた事例また推定される事例等あるわけですけれども、育成者の権利保護の観点から、個々の流出事例の詳細については刑事事件で公表されたものなどを除きお答えできないということについて御理解をいただければというふうに思います。 具体の品種名については差し控えますけれども、農水省として海外の流出ルートについて調査をして公表できるものというものでございますけれども、先ほど御紹介があった自家増殖から海外流出につながった事例として、山形県の登録品種のサクランボである紅秀峰の穂木を農家がオーストラリア人に譲渡した結果、オーストラリアで産地化され、県が刑事告発したということによって判明した事例。また、品種登録前の海外流出が疑われる事例として、日本で研修を受けた外国人が苗木の枝を手荷物で海外に持ち出した事例などというのがあるというふうに確認をしております。
○石垣のりこ君 把握が難しいという理由は確かに分かるのですが、それにしても、立法の根拠が曖昧過ぎるというのはこれ問題だと思うんですね。 その点、農林水産大臣は、前回の法改正も含めて、こういう現状についてどのようにお考えか、教えてください。
○国務大臣(鈴木憲和君) なかなか、これ要するに見付かってから、これ海外でですね、我々も今調査を掛けておりますけれども、見付かってから、正直その段階ではもうかなり苗木として量が販売をされているという現実があるわけで、要するに海外で増殖をされているわけですよね。それが、要するに数年前に恐らく持ち出しをされたものなのか何なのかと、このタイムラグが正直に言うとあるということで、要するに追うのが相当まずは難しいという現実があるということは御理解をいただきたいと思います。 ですから、我々として実際に、シャインマスカットを始めかなりな面積、海外で生産をもう現実的にはされておりますから、それによる損害というのがかなり大きな額になっております。我が国の農業者を守らなきゃいけませんし、これはやはり種苗の育成をしていただいた皆さんを守らなきゃ、権利者を守らなきゃいかぬということで、やっぱりこれ抑止力をちゃんと働かせるということが私としては必要だというふうに考えております。
○石垣のりこ君 御答弁ありがとうございます。 ただ、シャインマスカットに関しては、これは日本で権利が守られていたものが違法として海外に流出したものではなく、海外に流出をして栽培されて、また逆輸入も含めて、そういう状況になるという想定がなされていなかったゆえの流出でありまして、違法的に持ち出されたみたいな皆さん認識されている方が結構多いんですけれども、そうではなかったということがまずあるということはきちんと押さえておかなければならないことだと思います。 今回の法改正では、品種登録前の新品種の海外流出が顕在化しているということで出願公表中の差止め請求が加えられました。この対象となる行為を輸出に限っています。国内での流出に対しては対象外にした理由について御説明ください。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 今回創設いたしました出願公表中の品種の差止め請求権の創設でございますけれども、これ、輸出に限った理由、これ法律的な審査の中でそうなったわけでございますけれども、まず、国内での無断栽培、これは国内での無断栽培についてもあり得るものでございますけれども、それにつきましては、国内で育成者権を取得をした後、当該無断栽培している農家に対して種苗の利用の差止め請求や裁判期間中の補償金を請求するということができる一方で、海外に一旦持ち出されてしまった品種というのは、日本での育成者権を取得しても種苗法の適用外となりますので、海外での種苗の利用というのを完全に差し止めることができないので、種苗の流出による農業への損害を考慮すれば、登録前であっても輸出される前に差止め請求できるようにする必要があると認められたところによって輸出に限って措置をしたところでございます。 以上でございます。
○石垣のりこ君 ということで、品種登録前にできるものはあくまでも輸出に限っているということでございます、登録前、登録完了前ですね。 この流出の可能性の判断基準としてなんですが、品種名が同じである、あるいは類推される名前が使われているということが挙げられております。 今回の法改正では、登録品種の名称使用義務等の違反に対する罰則が強化されています。過料が十万円から二十万円に上げられております。 では、これまで、まず、この名称使用義務等違反で摘発された件数というのは何件あるんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 これまで登録名称の名称使用義務に違反した事業者、これが複数あったわけですけれども、農林水産省といたしましては、これまで行政指導により改善を図ってきており、結果として過料を執行した実績というのはございません。
○石垣のりこ君 これ、一応過料を請求した事例がないということで、これ、ないということは、この過料の引上げが妥当であるのかどうか、もうそもそもこの十万円での抑止力というのが妥当性というのがどうなのか分からない現状で十万円から二十万円に上げているということにも解釈できるかと思うのですが、この点、いかがでしょうか。大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、これ主なフリーマーケットサイトからの聞き取りによりますと、コロナ禍の後にオンライン上での種苗の販売が増加をしております、現実としてですね。この登録品種名の一部を伏せ字にしたり、そして登録品種名の一部のみを表示をした取引が確認されるなど、名称使用義務違反と疑われる表示が現実として今見られている、増えているというところであります。 今回、この育成者権侵害に係る権利者の負担軽減を図るために、この登録名称を使用している場合には、侵害の推定制度を措置することとしていますが、当該措置が実効性を持つためには名称表示義務が徹底される必要があることから、今般の改正において、過料を現行の十万円から二十万円に引き上げることとしたところであります。
○石垣のりこ君 いや、これまで事例があるのであれば十万円ですごいたくさん摘発されて、ちょっと十万円じゃ抑止力がないんじゃないかという判断の下に二十万円だったら分かるんですけれども、行政指導で一応済んでいるという状況があり、さらに、フリーマーケット、ネット上のマーケットで売られている状況が増えていたとしても、すなわち、すぐに、じゃ、倍にすべきだという判断に余り合理性を感じないんですけれども、もう一度御答弁いただいていいですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今までと、いや、今までというか、過去と今と何が違うかというと、これまで石垣先生実績がないというふうにおっしゃられるんですけど、今後は、これやっぱりネット上で要するにどんどんどんどん売られちゃっているという現実があるわけですよね。ですから、そこにやっぱりこの名称表示義務が義務違反ではないかと疑われる事例というのがこれ明らかに増えているというのも事実としてありますから、その中で抑止力をいかにして働かせるかという観点で、今回この過料を引き上げているということで御理解いただければというふうに思います。
○石垣のりこ君 引き上げることによる抑止力が増えるというのはもちろんあるんだと思いますけれども、それがこの場合として妥当であるのか、このタイミングで妥当であるのかということに対しては、御説明を受けても、すぐに納得、私としてはできるものではないと考えます。 今回、種苗法の改正によりまして、重要品種に指定される品種については、ネットでの流出、今御説明にもありましたように、権利侵害チェックはもちろんであるんですけれども、場合によっては、この生産地をパトロールする、そしてサンプルを持ってきて農水省としてゲノムチェックをする、そういうふうなことで、育成者権の侵害に関してきちんと証拠を集めるということを、この現状把握という点でも農水省としてすべきだと思いますし、今回の法改正の趣旨からしても、こういう点まできちんと踏み込んでやるべきではないかと考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 品種の海外流出への対応につきましては、本当にこれ重要な課題であると認識をしております。 国としては、オンラインで販売されている種苗のチェックだけではなく、育成者権、商標権などの侵害に対する証拠収集などの調査などの支援、そして、十か国・地域の輸出支援プラットフォームに設置をした模倣品など対策相談窓口における疑義情報の提供の随時の受付や相談対応などにより侵害への対応につなげるなど、様々な取組を実施をしてきているところであります。まず、引き続きこうした取組を充実させつつ、取り組むべきと考えております。 また、先生からも御指摘今ありましたけれども、この権利者による侵害対応をサポートできるように、農研機構種苗管理センターにおいても、品種保護活用相談窓口による侵害相談への助言のほか、侵害事実の確認にDNA分析を活用するための登録品種のDNA情報の収集、品種の同一性を確認するための登録品種と疑義品の比較栽培などの業務を行っているところであります。 さらに、育成者権の管理については、育成者権者が訴訟を提起する際など、法的な知識や手続が困難であるという課題もあることから、海外において流出や無断栽培などの管理、侵害対応などに取り組むための育成者権管理機関をできる限り早期に立ち上げることとしております。 今後は、この管理機関に重要品種の利用許諾を行うことによりサポートを受けることも可能となると考えております。しっかりやらせていただきたいと思います。
○石垣のりこ君 これまで、どうしてそこのDNA鑑定のところまで、それは農水省としての事実確認ということも含めてやってこなかったのかという話を伺いましたら、育成者権は個人の財産権に相当するので、ちょっとそこまで踏み込むのはどうかという判断。裁判するかどうかに関しては、もちろんその育成者の方の判断によるんだと思いますけれども、まず、本当にそれが流出したものであるかどうかの確定がない段階で、やっぱり踏み切るというのはなかなか難しいと思うんですね。なので、今回この管理機関もできるということで、そういうGメン、ジーンGメンみたいな、本当にDNA、ほかの手法で客観的に流出しているものだというふうに確認できるような手法をより広範に適用していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 続きまして、ちょっとゲノム編集について伺いたいのですが、今後、ゲノム編集技術等を用いた品種の開発も更に進められていくということが考えられます。 かねてより指摘されていますが、このゲノム編集技術を用いた食品に関しては、遺伝子組換え食品には該当せず、表示義務も課されておりません。ゲノム編集技術を用いた品種をEUなど海外に輸出するということも今後想定されると思うのですが、ゲノム編集技術を用いたことを表示する必要というのは、これ前例ももしかしたらあるのかもしれません。この点、御説明いただいていいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) まずは、現時点でございますけれども、現行のEU規則におきましては、ゲノム編集技術を用いた食品は遺伝子組換え食品と同様に扱われておりまして、事前のリスク評価や食品の表示義務などが課せられているというふうに承知をしております。 また、議員御指摘の制度につきましては、本年六月に欧州議会で採択され、二〇二八年七月から適用予定のゲノム編集食品に関する規則におきましては、一般的なゲノム編集により育成された品種を新しくNGT1カテゴリーというものを創設して、そこに分類をいたします。当該分類については、基本的には従来の品種改良と同等であり、自然界や従来の交雑育種でも起こり得る軽微な遺伝子改変にとどまるということから、事前のリスク評価、市場投入前の認可、食品に係る表示義務というのが免ぜられる一方で、種子などについてはNGT1というそのカテゴリー名を表示しなければならなくなるというふうに承知をしております。
○石垣のりこ君 だから、表示義務としては、このNGT1のカテゴリーをきちんと表示するのが海外輸出のときの条件になるということでよろしいんですよね。ということは、日本国内では現在ゲノム編集技術を用いた食品について表示義務がありません。安全性に疑問を持っている消費者も一定数います。 ここで安全性の有無について問うわけではなく、消費者の選択肢、選択権を担保する意味でも、この遺伝子組換え食品同様に、この表示義務、どういう表示がいいのかはあれですが、この表示義務は最低限でもこれ確保すべきと考えますけれども、この点は消費者庁に伺います。
○政府参考人(井上計君) 食品表示の関係ですので、消費者庁からお答えいたします。 遺伝子組換え食品とは異なりまして、ゲノム編集技術応用食品は、ゲノム編集技術を用いたものか自然界や従来の育種技術で改変が起こったものか科学的に判別をすることが現時点での知見では困難でありまして、表示監視における科学的な検証が困難であること等の課題があることから、罰則を伴う表示の義務付けを行うことは難しいと考えております。 一方で、ゲノム編集技術を用いたものかどうか知りたいと思う消費者の方が一定数いることから、遺伝子組換え食品に該当しないものとして届出され、市場に流通するゲノム編集技術応用食品については、商品を販売する際にゲノム編集技術を利用した旨を容器包装上に記載する等、事業者において自発的に情報提供していただいているところでございます。
○石垣のりこ君 自発的にということで、罰則を設けるか設けないかということはまた別途あると思うんですけれども、これ、やれることではあると思うんですよね。 選択の自由としてやらないところとやるところがあるというのは、それが自主的な基準であるというよりは、きちんとこれは消費者の選択として、使っているもの、使っていないものを表示するということをきちんとこれは企業側にも義務付けることが今後必要になってくるのではないかと私は思います。それがある意味海外基準に、輸出をしていく、輸出を促進していくというこの日本のスタンダードとしてのあるべき姿だと考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) ゲノム編集技術での食品について、今消費者庁の方から事業者が自発的に情報提供を表示をしているというお話ありましたけど、現実的に、まず、ゲノム編集されたものとされなかったものでそもそもこれ表示をしたとしても、見分ける、要するに見付けてこれを表示違反ですといって取締りが可能なのかどうか、検出ができるのかといえば、多分今の技術では現実としてまずそれはできないということかなというふうに思いますし。 もう一つは、科学的に要するに安全なのかどうかという話が、もちろん気持ちとして何となく新しい技術なのでどうなのかなと思う消費者の方がいるというのは正直言ってそれは理解をしますが、そうはいっても、安全上どうなのかというと、それは全く、これ要するにゲノム編集で用いられる技術で起こることというのは、要するに自然界で行われる、行われていることと全く変わりませんので、そうした観点で、今先生からの御指摘にはなかなか応えられないのかなというふうに思っております。
○石垣のりこ君 でも、やっぱり消費者の選択として、それに資する生産を行って、それで、だから安全かどうかという話をまず今一旦おいておいての話ではあるんですね。 もちろん、そこに対する疑義を持っている方たちもいるし、世界の中ではそこのところをきちんと区別して表示をするというようなところも、対応しているところもあるので、きちんと、安全だから表示をしない、なかなか技術的に厳しいからではなく、きちんとそういうものを材料として使っているということが、業者側としては分かるわけですから、そこはちゃんとやりましょうねということは政府として対応していける範囲なのではないだろうかというふうに考えます。 ここの話は今回の主軸ではないので、ただ、どんどん遺伝子の編集、ゲノム編集の食品が増えていく、食品の材料が増えていくと、生産品が増えていくということが今後想定されますので、今後のこういう課題があるということをここでは指摘させていただきたいと思っております。 続きまして、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案について伺います。 この新法の柱であります重要品種育成事業の認定要件として、事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものというのを認定要件にしておりますが、この判断基準、そして広域の範囲について簡潔に御説明いただけますか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 品種の育成は数年単位での継続した取組を行う必要があることを踏まえまして、重要品種育成計画の認定に当たりましては、この事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれるかどうかを確認することとしております。具体的には、重要品種育成の実施内容とスケジュール、また事業の実施体制や財務諸表等の資料、これを確認するとともに、必要に応じてヒアリングを実施しまして、確実性を判断する方向で検討しております。 また、重要品種の定義の一つである広域に普及することが可能である、可能なものであることの考え方につきましては、二つ以上の都道府県域に、二以上の都道府県域に普及することが可能なものとする方向で検討しているところでございます。
○石垣のりこ君 ということなんですが、基本的に、地域で新たに開発された農作物の付加価値を高めようとする場合に、地域限定で生産することで、希少性、ブランド力が高まったり、あと品質も担保しやすいのではないかと考えます。 一方で、この重要品種の認定は、海外も視野に、二都道府県以上の広域に展開することが条件になっているということで、この重要品種と地域の特性を生かした品種というのをどのような兼ね合いで戦略的に位置付けていくのかという点を大臣から伺いたいと思います。
○大臣政務官(山本啓介君) お答えいたします。 これまでも、各都道府県では、地域の農業事情や気象状況に合わせた新品種の育成に取り組まれていると承知しております。一方で、先日の委員会で長野県の栗原参考人が陳述されていたように、品目によっては県独自で品種育成を行うことは限界があるため、同じような気象条件の都道府県や、大学、民間企業と連携して、広域に普及できる重要品種の育成を進めることが今後より一層重要になると認識をしております。 このため、都道府県の各品目の状況に応じて、従来からの都道府県のブランド品種と併せて、重要品種の育成、普及について取り組んでいただくことを想定しております。
○石垣のりこ君 これ、兼ね合いが、なかなかバランスが難しいところはあるということで、先日の参考人の質疑の中でも確かにございました。 続いて、この農林水産省知的財産戦略の中でも知的創造サイクルというのが推奨されておりまして、知財の活用による稼げる農業にするために、公的機関で培ってきた技術などをライセンス化して収入を得て、次の研究開発の主要な財源とする考え方があります。 民間においてであれば、こうした知財収入を次の開発に生かしてその好循環を維持できることというのは理想的であると考えますが、一方、公的機関の場合は、この知的創造サイクルを自律的に回すということが主軸になってまいりますと、本来は手段であった知財から予算を得ること、もうかることがある意味自己目的化して、本来の行政の目的である公共の利益、そして地域農業への公益的な貢献から離れてしまう、収益性の高い品種への偏重ですとか、行政目的の市場化というのを招くおそれがあるのではないでしょうか。 農林水産省は、知的創造サイクルと行政機関の公共性との関係、どのように整理をしているのか、農林水産大臣から御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 知的財産は、単につくり出すだけではなく、その保護、活用を行い、新たな知的財産の創造につなげる知的財産サイクルを確立していくことが重要であり、これは植物の新品種についても同様であるというふうに考えております。 優良な新品種は農業の生産性、収益性の向上に不可欠であり、継続的に新品種を育成していく知財サイクルを構築することは、農業者の所得の向上、単収の向上などによる食料安全保障の確保等につながるものでありまして、まさにこの公益に資するものであるというふうに考えております。 特に、要するに生産者の皆さんは今何に一番お困りかといえば、気候、暑くなってきていて、暑さに耐えられない今の品種とかでは、これは要するに収益が上がらないので経営が成り立たないというお話なんかもありますので、例えばですけれども、高温耐性など複雑な形質を持つ品種の育成が求められている中で品種育成のコストが増加をしており、海外も含めたライセンスにより新品種育成のための費用を賄っていくことは必要不可欠な方向と考えております。 また、同時に、栗原参考人が参考人質疑で答弁されていたように、実需のある品種の種苗を安定供給することも重要でありまして、このバランスが重要だというふうに認識をしております。
○石垣のりこ君 公的役割ということを、特にこの点見失わないようにきちんとしていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。 続きまして、新品種開発の減少について伺いますけれども、もう官民問わず全体的な傾向ではあるんですけど、特に公的機関においての現状を伺います。 公的機関における新品種出願件数は、二十年前と比べて具体的にどのように変化しているのか、数を示していただけますでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 我が国で育成された新品種の登録出願件数のうち、いわゆる公的機関のものですけれど、国につきましては、二十年前の二〇〇六年は三十五品種、二〇二五年は三十二品種で、若干減っておりますけれどもおおむね横ばいである一方で、都道府県につきましては、二十年前の二〇〇六年は百二十八品種に対して、二〇二五年は四十七品種と、おおよそ三分の一に減少をしております。 以上でございます。
○石垣のりこ君 ということで、具体的に数はもうおよそ三分の一に減っているという現状があるということでございます。 農水省は、新品種開発の減少について開発コストの上昇と専門性の高い研究職員などの人材不足を指摘していますが、コストは具体的に平均してどのぐらい上昇しているのか、また、人材不足に関しては具体的にどのくらいなんでしょうか。この具体的に数字など、平均的なものかもしれませんけれども、お示しいただければと思います。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 まず、育種コストにつきましては、これは品目や品種によってかなり差がありますことから、どの程度増加しているかを具体的にお示しすることは難しゅうございますが、一般的に、育種は、研究員や圃場管理職員などの人件費、また圃場や病害虫抵抗性等の検定施設の維持管理費、また肥料、農薬、DNAマーカー等検定試薬などの資材費、こういったものが必要であることに加えまして、品種開発に至るまでに長期間を要するコストの掛かる研究であると認識しております。 加えて、近年では、これまでに改良された形質を維持しつつ、高温耐性や多収性などの新たな形質を付与することが求められております。品種開発自体の難易度が高くなっておりますので、それに伴い、更にコストも増加傾向にあると考えておるところでございます。 また、育種に関わる人員でございますが、育種の専門家を含む研究職員数が過去二十年間で、農研機構では約三〇%、都道府県では約二三%減少していると承知しております。 このような中、公的研究機関の人的リソース、この制約がある中で我が国の品種開発を持続的に支える体制を強化するためには、産官学のそれぞれの強みを生かしながら連携していくことが非常に重要だと考えているところでございます。
○石垣のりこ君 コストに関して具体的な数字がないというところがちょっと驚くところなんですね。さんざん開発コストが上昇しているという御説明をされている中で、これ、具体的に数字が出てこないということは非常に懸念するところでございます。 その上で、人員は、農研機構で三〇%、三割、そして地方では二三%の減少という具体的な数字を示していただきました。 具体的に、さらに現場の状況を農研機構に伺っていきたいと思います。 これ、機関ごと多少の違いはあると思いますが、人員削減が行われているということが先ほど示されたわけですけれども、進藤委員や上月委員からも御質問がありました施設の老朽化等の認識、そして、必要な予算を付けていくという答弁も、農水省を始め財務省、総務省からもいただいておりますけれども、より具体的な課題について伺いたいと思います。 この官民連携等で共同研究等を実施する際に、本来なら受けたい案件でも人手不足などを理由に依頼を断らざるを得ない状況が生じているのか、農研機構から御答弁お願いいたします。
○参考人(千葉一裕君) 農研機構では、民間との共同研究は、研究成果の社会実装という観点から極めて重要であると認識しております。共同研究の実施に当たっては、試験規模や役割分担を調整し、可能な限り対応してきたところです。 なお、農研機構に過度の負担が掛かる計画などの場合、実施を見合わせることはあるものの、通常は研究の重要性、目標、期間、予算、研究体制等を踏まえて総合的に判断しており、単なる人手不足を理由という形で共同研究の可否を判断することはございません。
○石垣のりこ君 とはいえ、実際に人が足りなければ、研究に対する質的担保も含めて危うくなるということは想定されます。 農研機構で働いている方に伺いますと、運営費交付金不足により、研究実施部門への予算配分が大幅に減少し、有給分賃金払いの見込みが立たないとの理由で、新規大型外部資金による契約職員雇用が二か月以上ストップしているとか、交付金予算が不足しているため高い技能を持った有能な契約職員に泣く泣く辞めてもらったと。このような運営交付金を算定する上での人件費という形で、有期雇用の契約職員の皆さんの人件費として加算されていない分、研究費の方から削らざるを得ないという状況による窮状なども訴えられております。 ちょっと時間の関係上、済みません、農研機構さんの方から具体的な、トイレの惨状、別棟のトイレがいまだに和式で、かつ男女別ではないとか、天井を通っている水道管の劣化が進んでいるのに予算がなくて修理もできず、何度も研究部門内の研究室、居室が水浸しになって、パソコンまで壊れたというようなお話もいただいていて、具体的に私も現場を見せていただきました。 和式トイレの洋式化とか男女別のトイレって、骨太の方針二〇二五にも、女性用トイレの行列の問題の改善みたいな形で、高市政権の目玉政策としてもいいお取組にも入っているわけですね。 こういう現状が放置されていて、国のやっぱり農業研究の最先端であるはずの農研機構さんが、こういうところが、全部とは言いませんよ、こういう部分が残っていて、働いている方から非常に問題であるという声が出ているということをちょっと改めてここで示した上で、今回、議員立法として提出をいたしました、立憲民主党、国民民主党、公明党、参政党、共産党で共同提出をいたしました主要農作物の優良な品種を確保するための公的品種育成の促進等に関する法律案について、これ提出者、発議者の方に伺いたいと思います。この法案が必要であると考えるに至ったのはどのような理由からでしょうか。
○舟山康江君 この法律案におきまして主要農作物とは、主食であり、食料自給率向上に大いに寄与する稲、麦類及び大豆を指しておりますけれども、この主要農作物に関しましては、農研機構や都道府県の農業試験場等の公的試験研究機関が育成、開発の担い手となっている現状にあります。 他方で、民間の新品種開発状況は、平成二十九年に制定された農業競争力強化支援法第八条四項で、「種子その他の種苗について、民間事業者が行う技術開発及び新品種の育成その他の種苗の生産及び供給を促進するとともに、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進すること。」と規定し、種子、種苗に関して、民間活力を最大限に活用した開発、供給体制を構築することを目指すとされておりましたが、現状、新品種の開発や生産は進んでいません。 品種開発の現状に照らしても、また公益性の高い取組としても引き続き、これまでも様々なやり取りありましたけれども、公的試験研究機関の役割は重要であり、その取組を後押しするため、政府提出法案の補完として、重要品種の育成及び普及に関する施策を補強するために、公的試験研究機関における主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われるよう、本法案を提出いたしました。
○石垣のりこ君 主要農作物の優良な品種を確保するための公的品種育成の促進等に関する法律案、略称で主要農作物種子確保法案と申しますが、この法案では対象を米、麦、大豆の主要農作物に限定した理由について御説明ください。
○徳永エリ君 お答えいたします。 本法律案第二条第一項の主要農作物において、稲、大麦、裸麦、小麦及び大豆、これを挙げているのは、これらが国民の生存に直結する基幹食料だからであります。カロリー、たんぱく質の効率的供給源として、食料安全保障を確保する上で大変に重要な作物でありまして、特に米は国内生産でほぼ一〇〇%を賄える数少ない基幹作物であります。我が国の食料自給率を支え、また、他の作物と比べ、大量生産、安定供給、そして多用途性で優位であります。 また、麦の自給率は一七%ぐらいだったと思います。大豆は六、七%ぐらいだったと思いますけれども、輸入依存率が大変高いと。食料安全保障の観点から国産化を進めなければなりませんし、また、麦、大豆の生産性の向上が政策的にも推進されていることから、米、麦、大豆に限定をさせていただきました。
○石垣のりこ君 続いて、この法案に関して、主要作物について公的試験研究機関が新品種の育成を行う意義についてはどのように考えているでしょうか。
○舟山康江君 私どもも、主要農作物に関して民間の開発を否定するものではありません。 ただ一方で、民間の新品種開発状況を見ますと、先ほども述べました平成二十九年の農業競争力強化支援法、ここでは民間活力の最大の利用ということで、種子、種苗に関しても民間の開発、供給体制を構築するということを目指したんですけれども、現状は品種開発は進んでおりません。まあゼロではないと聞いておりますけれども、ほとんどないという状況ということを考えますと、改めて、やはりこういった、特に自給率向上に寄与する、食料安全保障にも関係する、こういった主要農作物に関してやはり公的試験研究機関の役割は非常に大きいというような認識の中で、一方で、非常に今現状は予算がない、施設の老朽化、人が少ない、こういった問題に直面しているという中で、改めてそこの後押しをしながら、国及び地方公共団体といった公的セクターの取組をしっかりと後押しし、食料自給率の向上に資する観点、そういった観点からも重要であると考えております。
○石垣のりこ君 ありがとうございます。 この公的試験研究機関に財政上の措置を講じるよう明記する理由と効果についてどのように考えているか、御答弁をお願いいたします。
○徳永エリ君 今、舟山委員からもお話がございましたけれども、今後も、主要農作物の優良な品種の育成に関して、営利の追求を目的としない公的試験研究機関が主たる担い手になると考えていますけれども、農研機構においては、今日もお話があったように、施設の多くが耐用年数を迎えつつある中で、良質な研究環境を維持するためには施設整備の更新が急務となっていること、また、人材の育成や確保の面で、今後の研究の継続性やノウハウの継承が課題となることが見込まれるとの指摘がある一方で、職員数が近年減少傾向にあるほか、運営費交付金について、一般管理費は年三%の削減、そして業務経費は一%の削減を図ることと効率化の観点からされております。 さらに、物価高、人件費の高騰、大変厳しい財政状況の下、公的試験研究機関において品種育成が中止されるという事例も増加しているということであります。先ほども出願件数が減少しているというお話がございました。例えば、米の新品種の育成に十年以上の年月が必要でありますので、この間に開発コストが上昇し、財政的にどんどん厳しくなっていくと新品種の育成を中止しなければならないということになるわけであります。 このような状況を鑑みて、本法律案においては、第四条として財政措置について明記することといたしました。必要な財政措置が担保されれば、主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われ、農家に安価な種子を提供し続けることができると考えております。
○石垣のりこ君 ということで、予算措置をしっかりとしていただきたいという趣旨を持って本法案が提出されているということでございます。 少し、農研機構さんの方に質問を一問したいと思いますけれども、先ほどちょっと、私、時間の都合上、答弁を一旦していただかないような形で、本法案の趣旨に関しての説明をいただきましたけれども、先ほど、いわゆる契約職員の方たちの支払に関して、この運営交付金を算定する上での人件費としては算定されていないということで私の方から説明しましたけれども、この点、間違いはないでしょうか。確認させてください。
○参考人(千葉一裕君) お答えいたします。 契約職員の方々については、研究の補助など農研機構が円滑に業務を遂行するための重要な役割を担っていただいております。 契約職員を雇用する経費については、人件費ではなく、業務内容に応じて、外部資金や運営費交付金のうち研究を実施するための経費等から支出しているところでございます。
○石垣のりこ君 ということは、やはりその研究費として使う分が人の人件費に充てられることによって、研究の幅がどうしても金銭的には狭められてしまうということがうかがわれます。 先ほど窮状について幾つか御説明しましたけれども、まだまだあるんですね。蛍光灯の安定器が破裂して発煙して会議が中断したであるとか、研究試料を保管している冷凍庫が故障して貴重な研究試料を失ってしまったとか、あと、蚕の飼育室の湿度調整機能がほぼ使えなくて精緻な数値結果が望めないことがあったりとか、実験用の製氷機が劣化して壊れて別棟まで実験用の氷を取りに行くことになったであるとか、家畜舎の鉄の扉が劣化して野ネズミが出入りしていると、こんな指摘も受けております。 こうした蛍光灯の安定器、冷凍庫、湿度調節器、製氷機、鉄の扉などは、この運営交付金の中から購入したり修繕したりすることはできるんでしょうか。これ、研究者から求めがあれば購入して、直してくれたりするんでしょうか。農研機構さん、お答えください。
○参考人(千葉一裕君) お答えいたします。 御指摘のような機器、設備等に不具合が生じた場合には、運営費交付金を活用しながら、必要な更新、修繕を行っているところでございます。現場からの要望等を受け、緊急性や必要性を勘案し、優先順位を付けて対応しているところでございます。
○石垣のりこ君 これ、なかなか改善されていないということで、何度も同じ内容の要請を現場からいただいているんですね。多分たくさんいらっしゃって、それぞれ気付くことがあって要望があるので、もちろんすぐに一度にできないということは分かるんですけれども、余りにもやはり研究環境としてきちんとされていないということが、今の具体的な状況を伺うとより見えてくると私は思います。 なので、先ほど進藤委員また上月委員からも御要望がありましたように、きちんと本当に現場の声を聞いていただいて、能力のある方がこの最先端の状況の中できちんと開発研究をしていただく環境というものを実質的に整えていただきたいということを改めて強く申し上げたいと思います。 今回の新法及び種苗法の改正で産学官の連携、官産学の連携、更に進められようとしている中で、やっぱり公的機関の基礎体力がますます重要になってくるということは論をまちません。税金である予算を大切に使うことはもちろん重要ですが、先ほどもお話にありましたように、削ることだけ、スリム化することだけが大事に使うということではなく、御紹介したような窮状が日本最先端の農業研究の場から出てくるということはゆゆしき問題であると思います。この主要農作物種子確保法の趣旨も踏まえまして、公的研究機関の基盤の強化、また研究環境の改善に向けて是非動いていただきますように強くお願いを申し上げたいと思います。 また、今回、気候変動に対応し、安定して収量が確保できる品種を開発して広めていくということはもちろん重要性を認めるところなんですが、一方で、地域固有の種であるとか種苗を始めとした種としての多様性を確保しておくということは、それこそ気候変動、疫病、虫の被害などに対して生存戦略としても有効であるということは学術的にも実証の場でも示されているところであります。 この多様な品種を維持、利用することは、農業システム全体の強靱性を高めるリスク管理戦略としても位置付けられると思いますので、是非、今回の種苗法等の改正、そして重要品種の育成の新法がこうした基本的な考え方の下にバランスを欠くことがないよう意見を申し上げて、私の質問を終わります。 以上でございます。
○かごしま彰宏君 国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。 本日も時間を賜りまして、誠にありがとうございます。 早速質問に入らせていただきます。 まず、本日の議論の土台として、政府参考人にお伺いをさせていただきます。 今回提出をされている、いわゆるこの気候変動等対応品種法案、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案について、その提出の意義及び重要品種育成事業計画が認定されるとどのようなメリットがあるのかという点について、事実関係を教えてください。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 気候変動等対応品種法案では、温暖化等の気候変動や農業者の減少等に対応するために、高温や病害虫に強く、単収が多いといった形質を有し、広域に普及可能な品種を重要品種と位置付けまして、その迅速な育成と普及を図ることとしております。 このため、重要品種を育成する研究機関に対し、農研機構が有する先端的な研究設備の供用と専門家派遣の措置を講じ、また、品種育成の効率化、加速化や、技術指導を通じた人材の育成も可能とするほか、品種出願登録に係る出願料と登録料の減免を行い、研究機関の負担軽減を図ることとしております。 法案が成立した暁には、こうした制度の意義やメリットについて丁寧に説明を行い、研究機関の制度活用を促すなど、重要品種の迅速な育成、普及に向けてしっかりと運用してまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 今回、農研機構の知見、人材、施設の供用、こういったものを進めながら産学官連携を深めていって、さらに、新品種の開発を進めていこうと、重要品種の開発を進めていこうというものかと思いますけれども、こうした民間活力を使うということであれば、先ほど舟山委員からもありましたけれども、平成二十九年に施行された農業競争力強化支援法、こちらもそういった趣旨が入れ込まれたものと理解をしております。 その中、言及もありましたこの第八条第四項について、この国の知見を民間に提供して、民間における種子の生産、開発を推進をしていこうという規定でありますけれども、まず前提としてお伺いをしたいのですが、この本規定に基づいて民間において生産をされた新品種というのは、現状においてどれぐらいございますでしょうか。
○政府参考人(堺田輝也君) 民間事業者が公的研究機関の知見を活用して品種を開発した最近の事例ということでお答えしたいと思いますけれども、例えば、全農と農研機構が共同で育成した多収で食味の良い業務用水稲品種、また、製粉企業と農研機構が共同で育成した柔らかくもっちりとした食感の製品を製造可能とするパン・中華麺用小麦品種、こういった事例を承知しているところでございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 この民間における種苗の開発、種子の開発といった取組について数点御紹介をいただいたと思うんですが、やはりここで一つ明確にしておきたいなと思うのが、この民間における種子の開発というのがどれぐらい大変なのかという点であります。 引き続いて、この同法、農業競争力強化支援法第八条第四項に着目をして質問をしたいんですけれども、この法の施行前後で、果たしてどれくらいこの民間の研究開発の状況が促進をしたのかという点であります。 やはり民間からすると、本日もるる話題に出ておりますけれども、新品種の開発というのはとても時間も掛かる、コストも掛かる、人も必要という中で、とてもハードルが高いものと理解をしておりますが、そうした中において、この農業競争力強化支援法、施行から丸九年たちますけれども、その法前後で研究開発プロジェクトの数というのは果たして増えたのかどうか、御教示いただけますか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 民間事業者における研究開発、例えばプロジェクトの数など、全体の実施状況を網羅的に把握することは非常に困難でございまして、定量的に進捗状況をお示しすることは難しいことを御理解いただきたいと思います。 一方、先ほど御紹介したような、近年、公的機関と民間との連携による実需に即した品種開発の実績が出ていることも事実でございますので、一定の成果が出ているものと考えているところでございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 なかなか網羅的に状況を把握するのが難しいという中においても、やっぱりそれだけ機運がしっかりと醸成をされて、研究開発進んでいれば、やはりもっと前向きな成果というものが目に見えて見えてくるところなんだろうとも思います。 そうした中で、やっぱり民間がいかにこの種苗の開発にしっかりと取り組んでいくかというものが難しいということはやっぱり理解をする必要があるんだろうなと思う中において、これは大臣にお伺いをしたい点でありますけれども、今回の提出されている閣法においても、この一丁目一番地にタイトルからも出てくる気候変動であったりですとか、あるいは昨今の国際情勢の変化等を踏まえても、やはり食料安全保障の観点からも重要品種の開発といったものはより一層進めていくべきというふうに考えています。 今もお話しさせていただきましたけれども、なかなか民間にとってハードルが高い部分があると。確かに、上月先生もおっしゃっていましたけれども、民間も国もしっかり取り組んでいく必要があろうという中においても、やはり、特にこの食料安全保障に係る部分については国がしっかりと前面に立って取り組んでいく必要もあろうかと思いますけれども、この公的研究機関がそこに担う役割、これについて大臣の御見解、お伺いできますでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 気候変動や農業者の減少による影響は全国的に品目を問わず生じております。現場のニーズを踏まえて、稲、麦、大豆のみならず、幅広い品目で高温耐性や多収性を有する新品種の育成が必要となっていると認識をしております。 また、高温耐性などを有する品種の育成といった難しい課題の対応に当たっては、公的機関のみならず、民間企業や大学も含めた産官学の連携の取組が必要です。 このため、本法案では、気候変動等に対応するための品種を重要品種と位置付け、産官学の連携による迅速な重要品種の育成や、効率的な種苗生産体制の構築による重要品種の普及を後押しすることで、官民の総力を挙げた重要品種の育成、普及の迅速化を図ることとしております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 この産官学の連携が大切だというのは、これもちろんおっしゃるとおりであります。ただ、そうした中において、この食料安全保障に関わるもうこれは絶対に進めていかないといけないんだというような部分については、必ずそれを推し進めていくために、ある種公的研究機関が担っていく役割というのが大きいのだろうと思います。 そうした中、今回並行審議に付されております主要農作物種子確保法案について、法案の発議者にお伺いをしたいと思いますが、今回、閣法と並行審議という形で、この公的研究機関の役割といったところを増していくんだといった趣旨の提出かと思いますけれども、改めて、発議者の方から、この法案の提出の趣旨や意義、こういったものをお伺いできますでしょうか。
○舟山康江君 ありがとうございます。 先ほど委員からも提起がありました農業競争力強化支援法、これ平成二十九年に施行されております。この当時、かなり民間の知見の活用ということで、民間の事業者へいわゆる公的試験研究機関の知見を提供するということと併せて、民間事業者が行う研究開発、新品種の育成、生産供給を促進すると。促進ということで国はかなり力を入れて民間への移行ということを目指したんですけれども、現状は、先ほど農林水産省から御答弁がありましたとおり、まあゼロではありませんけれども、米で一つ、小麦で一つということで、ほとんど研究開発の実績はありませんし、これ農林水産省の分析の中でも、公的機関が開発したものが流通の大宗を占めるという記述があちこちに見られます。そう考えますと、やはり改めて公的機関の役割が大きいということですね。 しかも、加えてですけれども、申し上げるまでもなく、農産物の中でも、米、麦、大豆、この主要農作物は主食を形成するものであることから、食料自給率の向上に資する観点からも、食料安全保障の観点からも、その優良な品種の確保と安定供給は国及び地方公共団体といった、やはり公的セクターの役割と責任がとりわけ大きいものであると考えています。 今申し上げたように、品種開発のこの現状ですね、現状進んでいない、やはり公的が多く、大宗を占めるというこの現状と併せて、公益性の高い取組として公の役割が非常に大きいというこの両面を考えたときに、引き続き公的試験研究機関の役割は重要であり、その取組を後押しするために、政府提出法案の補完として、重要品種の育成及び普及に関する施策を補強するために、公的試験研究機関における主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われるよう、本法案を提出した次第でございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 やはり、食料安全保障に資するような主要農作物については、ある程度リスクを取ってでもしっかりと前面に、前に進めていかなければならないというのは、これはもう国の責務かと思いますので、是非その点について、今回提出をされている参法もしっかりと取り入れていただきたいなというふうに思っております。 そうした中において、ちょっとまた質問は政府に戻させていただきますけれども、本日も、この農研機構の設備の老朽化であったりですとか人材の不足といったものがるる議論をされております。もう既にたくさん話されておりますので、私の方からそれを御紹介はいたしませんけれども、やっぱり、じゃ、今、農研機構が現状、良質な研究環境かと言われると、程遠い状況であるというのはもう共通の認識かと思います。 一方で、今回、重要品種育成法案、気候変動等対応品種法案ですね、この中では、メリット措置として、農研機構の器具、資材であったりですとか人材の供用といったものが進められますけれども、その受け入れる側の農研機構がもうキャパシティーオーバーだとなってしまうことも当然想定をされます。また、その機械を使おうと思っても、もう古過ぎて使えないとか、冷凍庫が壊れてしまって試薬が溶けて使えなくなってしまったなんというのは、ちょっとあり得ないと思うので、そうしたこの農研機構の整備をしっかりしていかなきゃいけないという点は、これもう待ったなしだと思いますけれども。 そうした中において、先ほど運営費交付金の話もありました。予算措置あろうかと思いますけれども、果たして、今回、農研機構の受入れをもっと拡大をしていこうと、農研機構をもっと活用していこうという法案の中において、農研機構の措置を拡充をしていこうといった予算、これについては法案の中では措置されているんでしょうか。
○大臣政務官(山本啓介君) 農研機構は、都道府県の公設試験場や大学、民間企業等をつなぐ産官学連携のハブとして、研究開発が円滑に行われるよう、これまでも必要な予算を措置し、施設整備を進めてきたところであります。 委員御承知のとおり、本法案では、国に対し、重要品種育成事業を行う者に対して集中的かつ効果的に支援を行うよう努めるものとする旨の責務規定を置いており、本法案が成立した暁には、施設供用のニーズや実績も踏まえながら、必要な予算の確保、受入れ体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 また、先ほど来御議論いただいております、各委員からも御発言いただいておりますけれども、農研機構等の施設の内容について様々な現場の声をお届けいただきました。この内容については、法案とは別にしても、少ししっかりと確認をして、農水省としては改善に努めてまいりたいというふうに思います。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 農水省としても改善に努めてまいりますということで御答弁をいただいたので、そこは是非しっかりと進めていただきたいと思います。 やっぱり、ただ、例えば冷凍庫、そもそも冷凍庫が機能しないって、これはもうあり得ないんで、これはもうまず真っ先にやってもらいたいですし、エアコンが入らないから研究環境が悪いですとか、試薬が買えないとかなると、そもそも研究ストップしますので、やっぱりこれは必要な予算が確保できていないということだと思うので、是非ともこれは獲得をしていただきたいという中において、本法案進める中においても、必要な予算獲得できないとやっぱり進まないんだと思うんですよ。なので、この必要な予算と本法案がしっかり制度として確立されていくこと、これはもう両輪で、どっちもやっていかなきゃいけないことだと思います。 そんな中、これは参法の法案の発議者の方にお伺いをしたいと思いますけれども、今回、私も農研機構に対する予算の措置がなければ、そもそもこの閣法の制度も達成されないんだということを申し上げましたけれども、今回提出をいただいている参法の方では、こういった点、どのように手当てをされているのか、お伺いをできますでしょうか。
○徳永エリ君 農研機構のこの老朽化、あとは人員不足、本当に財政的に厳しいということは毎年私もこの委員会で質問してまいりました。しかし、これだけ多くの方にこの問題に触れていただいて、本当に大変なんだということを今日共有できてとても良かったなというふうに思っております。 私も、つくばの農研機構には何度も行っておりますけれども、さっき石垣委員からも話がありましたけれども、建物の壁が崩れて落ちています、天井板が外れています、もうこんな状況です。研究機材がもう老朽化していて、精緻なデータが取れなくて、研究者が論文書けないんですよ。そんな状況なんですね。日本の農業研究の中枢機関とはとても言えないような現状です。優秀な研究者の方々がその力を最大限に発揮して働けるような環境ではないというふうに思っています。研究基盤が整わなければ、気候変動に対応した品種を研究開発することもできなくなってしまいます。 また、今かごしま委員からお話がありましたけれども、気候変動等対応品種法案では、重要品種育成事業の認定のメリットとして農研機構の研究施設設備の供用となっていますが、果たしてメリットなんでしょうか。財政措置の対象やその内容は、第三条において農林水産大臣が定める基本方針等に基づき実施されることになる施策により具体化されると考えておりますけれども、御指摘のような公的試験研究機関の研究基盤を整えることも含まれると想定いたしております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 今回、参法の方はこの閣法の内容を補完するといったところで、本当にこの参法に規定をしているこの予算措置の部分、人材の手当ての部分、これがないと、閣法の制度目的達成できないと思うんですよね。農研機構の受入れ拡大したとて、受け入れた先の農研機構がぼろぼろで、人もいない、機材も使えない、冷凍庫に資材しまったら翌朝に溶けてしまっているなんてことはもうこれちょっとあり得ないと思うので、是非ともそうした点は課題を認識をしていただければなというふうに思います。 次の問いに移らせていただきます。 またちょっと政府にお伺いをいたしますけれども、今回、産学官の連携をした研究を進めるという中で、これまでも産学官の取組あったと思いますけれども、それをより一層増やしていくという点かと思います。 そうした中、やっぱり、これまでも、しっかりやっていただきたいのが、これまで農研機構等で、公的研究機関で蓄積をされてきた知見が流出をしないようにしていただきたいと。もちろん、産学官連携の中でこれまでもやってきた取組とは思いますけれども、改めて、これを深めていくというのであれば、この知見の流出の防止、これについては徹底した取組を改めてお願いしたいと思いますけれども、見解をお伺いをいたします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。 かごしま理事御指摘のように、流出防止対策というのは本当極めて重要だというふうに思っておりまして、農研機構のこの施設の供用を含む計画の運用に当たりましては、申請者の国籍でありますとか資本の構成比、また日本国内の拠点の有無の確認に加えまして、財務状況の把握によります事業の実効性の確認、また技術的な妥当性について計画に参加される全ての研究者の経歴と実績に照らして確認を行うなど、様々な角度から丁寧に確認を行い、厳格に審査することを検討しております。 また、農研機構が有します、今ひどい状況だという話ばかりでしたが、先端的な研究設備も備えておりまして、そうした先端的な研究設備を供用するに当たっては、その利用者と農研機構の間で秘密保持契約を結ぶなど、知的財産の流出防止に留意しつつ、制度の運用を検討していきたいというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 是非、そこは厳しく見ていただいて、この知的財産の流出防止には取り組んでいただきたいと思います。 特に、今回重要品種を開発をしていくという中でありますから、これから国の食料事情の中で肝となっていく品種の知見を取り扱っていくチームなわけであります。ここの情報管理をとにかく徹底をしていただきたいというのと、その中でも、特に食料安全保障に関わるような米、麦、大豆、こういったところの研究知見というのは、これが仮に海外とか若しくは別のところに流出をして先取りされてしまったとかなると、もうこれは将来の国の食料安全保障の根幹を揺るがすぐらいの大事件となり得るかもしれないという中において、こちらは参法、種子確保法案の発議者の方にお伺いをしたいと思いますけれども、こちらだと、公的研究機関で米、麦、大豆の研究を進めていくという中において、こうした知見の流出のリスク、こういった点にはしっかりと対応できるようなものになっているんでしょうか。
○舟山康江君 御指摘のとおり、主要農作物に関する研究知見や育種技術は、食料安全保障を支える極めて重要な基盤であり、国家として守るべき貴重な知的財産だと考えています。そのため、公的試験研究機関が責任を持ってこれらを蓄積、管理し、国益に資する研究開発を継続的かつ強力に推進していくことが重要であると考えています。 その観点から申し上げれば、平成二十九年に制定された農業競争力強化支援法第八条四項において、独立行政法人の試験研究機関及び都道府県が有する種苗の生産に関する知見の民間事業者への提供を促進することとされたことについては、長年にわたり公的試験研究機関が蓄積してきた知的財産の管理、活用の在り方として、私たちは慎重であるべきと考えております。とりわけ、こうした知見が万が一にも国外へ流出するリスクについては十分留意する必要があると考えます。 そこで、本法律案では、稲、麦類及び大豆を主要農作物として位置付け、公的試験研究機関における公的新品種の育成等について規定するとともに、必要な財政上の措置を講ずることにより、公的試験研究機関による新品種育成が継続的かつ安定的に行われることを目指しています。あわせて、公的試験研究機関が有する公的育成品種に係る知的財産権の重要性に鑑み、その適正な保護、管理について国民の理解と関心を深めるため、啓発活動その他必要な措置を講ずるよう努めることとしております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 やはり、私も実は大学の頃は白衣を着て、三年間、DNA解析やったり、たんぱく質の解析やったりしていたわけなんでありますけれども、そのときも、例えばDNAの配列の一部分を解読をするというだけでもそれなりの時間が掛かる。その一歩一歩を積み重ねていって、その先にある程度のゲノムのカセットが解読をできたりするわけでありまして、ただ一方で、それを流出させるときは簡単なんですね。ぱっとコピーして、ぱっと入れて、USBで持っていっちゃったりすれば、もう持っていかれちゃうわけです。こういった流出のリスクはどこにでも存在をしている、だからこそこれは徹底的に排除をしていかなきゃいけないものであると思っています。 そうした中、一つ、さっきも少し話題になっておりましたけれども、ゲノム編集についてもお伺いをしたいと思います。 今回の閣法の中では、このゲノム編集、制度の対象となるかと思いますけれども、まず冒頭お伺いしたいのが、従来の交配育種による品種改良とゲノム編集による品種改良、これについてそれぞれ、技術的な話は大丈夫ですが、実態としてどういった違いがあると考えているのか、あるいはこのゲノム編集進めていく上での課題をどのように現在認識をしているのかという点についてお伺いできますか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 交雑育種についてまずお答えしますが、これは性質の異なる品種同士を掛け合わせて良い性質を併せ持つ品種を作る手法でございます。膨大な品種の組合せから生まれる個体の中から優良なものを選抜する必要があり、品種開発に長期間を要するというところが課題だというふうに考えております。 一方で、ゲノム編集育種でございますけれども、これは自然界で起こるランダムな突然変異を狙った場所で起こす技術でございます。品種開発のスピードを速めることができ、画期的な育種技術の一つとして期待されるものだと考えております。他方、このゲノム編集技術で品種を育成するには、その基となる情報、遺伝子の機能が明らかになっていることが前提となりますので、このような基礎的な知見の蓄積が必要であると考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 この点はおっしゃるとおりかと思いまして、やっぱり交配育種ですと、出てきたものは従来の育種ですのでそのまま多分すくすくと育っていくことが見込まれる中において、ゲノム編集というのはやっぱり狙った遺伝子に突然変異を起こす、今日もかねてから議論になっていますが、別のものを入れるわけじゃなくて、未来に起こり得る突然変異を先取りをしているものでありますので、そうした点について、外来遺伝子は入っていないわけでありますが、やはり先取りした突然変異ということであるので、それが正しく育つかどうかというのは分からないと。これをしっかり解明をしていくためには、全ゲノム解析は前提として、その狙った突然変異、その元となったものがホルモンかたんぱく質か分かりませんけれども、これがそもそもの生体機構の中でどういった役割を果たしていたのか、これはやっぱり相互関係の中で成り立つものでありますので、この相互関係がどうだったのかみたいなところをそもそもの知見として蓄えないと、ゲノム編集の開発ってなかなかできていかないと。 ただ一方で、その相互関係とかゲノム解析を行っている中ではやっぱり新品種の開発ってまだできないんですよ。だから、民間からするとその段階ではまだ乗り込めない、こんなリスクもある。 だからこそ、こうしたゲノム編集進めていきたいのであれば、こうした基礎研究の部分はもっとしっかり国でちゃんと担保をして取組を進めていくべきだと思います。その上に民間による研究開発というものが乗っかってくるんだろうと思いますので、この点、御認識をお伺いをできますでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) かごしま理事御指摘のように、ゲノム編集の育種を進めていくためには、作物の性質とそれに関わる遺伝子情報につきまして基礎的な知見の蓄積が本当に大変重要だというふうに認識しております。ですからこそ、このような基礎研究について、農研機構としても更に力を注いでいかなければならないというふうに思っています。 加えまして、こうした基礎研究は大学などにおいても取り組んでおりまして、例えば、病害抵抗性を向上させる遺伝子の機能に関します大学の知見を基に、小麦やバレイショのゲノム編集による品種開発が進められております。 ですからこそ、気候変動などの課題に対応するためには、農研機構ももちろんですけれども、加えまして、各機関が強みを持ち寄りながら品種開発の促進を図ることが重要でありまして、法案が成立した暁には、農研機構としてもそうした基礎研究に更に力を入れていくとともに、産官学の連携を強化する取組も進めてまいりたいというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 この農研機構における取組を更に進めていきたいというところで、是非ともこの農研機構の窮状に対して予算措置もしっかりと手当てをしていただきたいなというふうに思います。 そうした中、ちょっと時間も参りましたけれども、最後に二問、種苗法関係でお伺いをできればと思いますけれども、今回の改正では、この海外への流出防止措置、これが一つの柱かと思います。様々ありますけれども、やっぱりこの海外の事例を見れば、流出は起こり得るというものを前提にしっかりと考えていかなければならないと思います。 今回、この育成者権をしっかりと強化をしていく取組かと思いますけれども、やっぱり、この徹底した水際措置をとっていくためには、この夏に立ち上げる予定の育成者権管理機関、これはやっぱり肝になってくるんだろうと思います。 ここの機関が、とにかく、先ほど流通ルートの話もありましたけれども、こうしたところももっとしっかりと解明をしながら、育成者権設定して、海外で設定してもやっぱり流出をするというところが海外で起きているわけですから、やっぱりこれに対してしっかり手当てをしていくためにこの育成者権管理機関がそこをしっかり対応していただきたいと思いますけれども、この点についてまず見解をお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(山本啓介君) 海外流出を防止するためには、海外での育成者権を取得するだけでなく、権利に基づき適正なライセンス契約の締結や、権利侵害を発見すれば速やかに訴訟などを行うことが不可欠であります。 しかしながら、農研機構や都道府県等の育成者権者にとっては、海外における契約の締結、訴訟を行うことは語学や法令の専門知識などが大きな負担となっていると承知しております。 このため、第二のシャインマスカットなどを生まないように、優良品種の育成者権者から委託等を受けて、国内において優良品種の普及と流出防止に向けた管理を行い、海外においても流出や無断栽培等の監視、侵害対応等に取り組んでいく専門性のある育成者権管理機関をできる限り早期に立ち上げたいと考えております。管理機関が立ち上がれば、弁護士などの専門家と連携し、委員御指摘の海外での流出防止がしっかりと図られる体制が構築されるよう、国といたしましても連携を図ってまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 訴訟も触れていただきましたけれども、こういったところを毅然と対応していく必要があるんだろうと思います。 第二のシャインマスカットを生まないと。これ、もちろん第二のシャインマスカット生んではならないと思いますが、先ほど石垣さんからもありましたけれども、シャインマスカットは育成者権の設定がなってなかったから起きたわけでありまして、こうしたところをやっても流出をするというのが海外で起きている事例です、ゼスプリであったりですとかですね。 だからこそ、第二のシャインマスカット生まないのは当然なんですけれども、それはやっぱり育成者権をしっかりと設定をしていくと。その上で、育成者権設定しても流出するような事態も、これもちゃんと防いでいかないといけないというところの問題意識を持って、是非とも、最終的に出てしまった場合にどうするのか、これはやっぱり小さな種苗会社ですとか、若しくは個人さんだと、じゃ、その相手に対して訴訟するって正直無理ですから、こうしたところは育成者権管理機関がちゃんとバックアップをして、何ならもう訴訟主体と伴走する形でちゃんと闘っていく姿勢を見せていくことこそが大臣のおっしゃる抑止力につながると思いますけれども、最後、大臣からその意気込みをお伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) まずは、海外においても流出や無断栽培などの監視、侵害対応などに取り組んでいく専門性のある育成者権管理機関をできる限り早期に立ち上げをさせていただきたいと考えております。この管理機関には、弁護士などの専門家と連携をし、海外での流出防止がしっかりと図られる体制、そしてまた、何よりもこれ訴訟になりますから、そういったことに対してしっかりとした体制を構築をできるように、我々としても全面的にバックアップをして立ち上げをさせていただきたいと思います。
○かごしま彰宏君 流出事案に対しては、国が前面に立って闘っていくんだという姿勢を見せることが大切かと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上です。終わります。
○高橋光男君 公明党の高橋光男でございます。 本日は、気候変動等対応品種法案と種苗法改正案について質疑をさせていただきます。 いずれも、気候変動に対応する品種を育て、国内で種苗を安定的に作り、優れた品種を守り、生かすための大事な法案でございます。ただ、制度は現場で使えてこそ初めて意味があります。私はこれまで、採種、養蜂、農業の現場の方々、また、知財などの実務を扱っていただいている専門家の方々と対話を重ねてまいりました。そこで見えてきた課題を本日は取り上げたいと思います。各質問の論点は配付資料に整理をさせていただいておりますので、委員各位の皆様には是非御参照いただきながらお聞きいただければと思います。 最初に、国内採種基盤の維持と基本方針や各計画への明記ということで、資料一の一の一についてお尋ねをいたします。 重要品種を幾ら育成しましても、国内で安定的に採種できなければ農家には届きません。委員派遣で視察をさせていただいた宮城県の現場では、採種農家の高齢化、後継者不足、採種地の減少など、切実なお声をいただきました。また、網室、ネットで囲った栽培施設でありますが、であったり、パイプハウス、ビニールハウスですね、での採種への投資の負担、また水源確保の負担など、率直なお声をいただきました。これらの環境整備は地方だけではできません。 したがって、我々野党全会派で提出をさせていただいた公的新品種育成促進法案の意義も私はここにもあるんだろうと思っております。すなわち、国が都道府県を財政面、人材面で手当てをし、支えていく、その中で公的な新品種育成と種子供給を守る基盤が不可欠となっておりますので、それが民間の品種開発にもつながる土台になるというふうに考えます。 そこで、政府には、国内採種基盤の維持をしっかりと基本方針に明確に位置付けていただき、重要品種育成事業計画や都道府県の基本計画などにも確実に反映させることを求めたいと思いますが、大臣、お答えください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 気候変動等対応品種法案におきましては、国内における重要品種の種苗の生産活動を対象に特例措置を講じることとしており、種苗生産圃場の集団化による効率的な種苗生産体制の構築を後押しすることで国内採種基盤の維持に寄与するものと考えております。また、新品種の迅速な育成に向けて、重要品種育成事業では、農研機構による先端的な研究設備の供用などの措置を講じ、産官学が連携した育成体制の構築を後押しすることとしております。 基本方針においても、効率的な種苗生産につながるよう、良好な生産団地を形成するための集団化などの取組や関係者間の連携の重要性、そして、効率的な品種育成に向けた先端技術の利用や農研機構を中心とした産官学連携の強化などを位置付けることを検討しておりまして、それを踏まえ、国としても必要な支援を行うよう努めてまいります。 あわせて、基本方針に定める内容が各計画に適切に反映されるように進めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。 基本方針にしっかりと位置付けていただくという御答弁でありましたけれども、その位置付けにとどまらず、しっかり予算と人材の支えまでつなげていくことが大事かというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、ここからは、交配用蜜蜂の問題につきまして何問か伺ってまいりたいと思います。 資料の二になります。 気候変動への対応を急ぐ中で見落としてはならないのが花粉を運ぶ蜜蜂であります。私も、大臣所信、三月、あったときに、この交配用蜜蜂の重要性につきまして、大臣にも質問をさせていただきました。 主要な農作物の七割は蜜蜂などの花粉を運ぶ力によって支えてもらっています。そうした意味で重要なわけでありますが、現場では、例えばイチゴやメロンなどの農作物だけではなくて、タマネギなどは種子生産でも交配用蜜蜂の不足が今深刻な問題となっております。地元の養蜂家からも、養蜂家側だけではなくて、そうした生産現場からも声を上げてほしいといったような声もいただいているところでございます。交配用蜜蜂の不足は単なる養蜂振興ではございません。種苗生産と食料安全保障の基盤であります。 そこで、大臣に重ねて伺いますが、種苗会社、養蜂家、自治体、農研機構などが連携して、需給の把握、供給調整、ダニの問題、ダニの防除、さらには人材育成、代替技術研究などを一体的に進めていくべきと考えますが、御答弁をお願いします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 施設園芸、果樹、種子などの生産現場では蜜蜂を花粉交配用に利用しておりまして、農産物及びその種子の安定的な生産を図る観点から、花粉交配用蜜蜂の安定供給は極めて重要であります。このような中で、近年は花粉交配用蜜蜂不足が施設園芸や果樹だけではなく種子の生産現場にも及んでいるものと承知をしており、種苗会社も含めた関係者が需給状況等を把握しつつ花粉交配用蜜蜂不足に対応することが必要になります。 このため、農林水産省では、令和八年度に、まず、このダニの増殖を抑える技術実証を全国三か所で行うほか、養蜂人材の育成として、今年も都道府県の獣医師に対する講習会を五月に開催をしたところであります。 また、代替技術開発については、イチゴの花などに振動や気流を与え、雌しべに花粉を付着させるドローンなどの研究開発を支援してきているところであります。 これらの対策を講じることにより、引き続き現場の状況をよく把握をしながら、花粉交配用蜜蜂などの安定供給に努めてまいりたいと思います。
○高橋光男君 ありがとうございます。 本当に蜜蜂は農業の裏方と言ってもいいと思います。裏方が倒れれば、生産が成り立たない、そういった意味でしっかりと対応していただくことをお願いしたいと思います。 続きまして、新品種開発における花粉媒介昆虫との適合性評価と銘打って、資料の三に示させていただきました。次のページになります。 新品種を作っても、採種や生産段階で受粉が安定しなければ現場は使えません。養蜂家からは、品種によって花粉量、蜜量、花の形などが変われば蜜蜂が訪花しにくくなる、花に訪れにくくなるというか、行きにくくなるという場合があるというふうな御指摘をいただいております。 そこでですが、収量、品質、高温耐性、病害抵抗性だけではなくて、蜜蜂、マルハナバチ、マメコバチなどとの適合性も大切になるかというふうに思います。 そこでお伺いしますが、基本方針であったり、研究開発指針、また普及段階のガイドラインなどで、是非、花粉量、蜜量、また花の形質、推奨される花粉媒介昆虫などを確認していただき、現場に情報提供する考え方を位置付けていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 受粉が必要な野菜や果樹等につきましては、品種育成の段階で蜜蜂などの花粉媒介昆虫を利用した栽培試験を実施しているところでございます。 一方で、高温耐性等の形質を有し、広域への普及に対応した重要品種を育成するに当たりましては、受粉を含む栽培管理の観点や収量の安定性の観点から、品種を利用する農業者とも育成段階から連携することが重要と考えております。 このため、重要品種育成事業計画では、育成段階から普及の加速化に向けて農業者を含む関係者と連携する取組を必須とする方向で検討しておりまして、基本方針においてもこうした評価の必要性を位置付けてまいりたいと考えております。 また、育成された重要品種については、現場への普及に資するよう、情報の提供元である品種育成者の意向も踏まえつつ、品種特性や花粉媒介昆虫等の情報も含めた栽培マニュアルなど、必要な情報の提供に取り組んでまいりたいと考えております。
○高橋光男君 本当に、育てる段階から実際それを使われる現場のことを考慮していただく、この姿勢を徹底していただきたいというふうに思います。 あわせまして、蜜蜂を支える地域環境についてもお伺いしてまいりたいと思います。 資料の四になります。 蜜源植物、緑肥作物への支援をしっかりと農政上の支援体系に位置付けることというふうに書いております。 蜜蜂不足の背景には、猛暑、ダニ、農薬等だけでなく、地域の蜜源不足もございます。養蜂家の努力だけでは限界があります。農地や公共施設、河川敷、のり面など、地域ぐるみで蜜源環境を整えていく必要があります。 私の地元兵庫県の稲美町というところでは、水活のメニューに蜜源植物を加えていただいているんですけれども、支援単価が低いんだということで活用が広がりにくいといったお声をいただいております。この点、蜜源植物やこの緑肥作物を蜜蜂の餌の、餌源と言うんでしょうか、餌の元となる、そうした環境として確保していただくこと、また、していくこと、さらには地力の向上、また化学肥料の低減、生物多様性、さらには耕作放棄地対策に資する取組として評価をしていただいて、国としてしっかり後押しをしていただきたいというふうに考えますが、見解をお願いいたします。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 上質な蜜が取れる植物といたしましては、桜、ニセアカシア、レンゲ、トチ、アカメガシワ、菜種、ソバ等が養蜂家には人気があるなど、蜜蜂の蜜源となる植物は我々の身近なところに存在していると承知をしております。 代表的な蜜源でありますレンゲにつきましては緑肥作物としても有効であるなど、蜜源となる植物は様々な利用目的で植栽管理されていることも多く、関係する部局と蜜源利用に関する理解を深めることは双方にとって有益であるとともに、そこから得られる蜂蜜を活用すれば地域振興にも役立つものと考えております。 農林水産省では、養蜂等振興強化推進事業におきまして、養蜂家と耕種農家等の連携により、レンゲを始めとする蜜源作物の種子代や樹木の苗代、植栽後の管理費用、また環境保全型農業直接支払交付金において緑肥としてのレンゲの作付け、水田活用の直接支払交付金の中の産地交付金においてソバや菜種の作付けなどの支援を可能としているところであります。このほか、最適土地利用総合対策では、中山間地域の農地を対象として、地域ぐるみの話合いにより行う農用地保全のために蜜源作物の作付け等の粗放的利用を行う取組を支援しているところであります。 こうした支援を地域で活用していただけるよう、関係部局間の連携を密にしながら、全国ブロック説明会での情報提供等によりまして取組の推進を図ることによって蜜源の確保に努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 ありがとうございました。 緑肥の関係でレンゲのお話ありましたけれども、私のこの稲美町では、ヘアリーベッチ、これを使って有機のお米等に挑戦をされておりまして、既に十アール当たり八俵の収穫を得ておりまして、慣行栽培米とほぼ同等のそうした収穫も得ているところでございますので、是非、現場がそうした支援を活用し、あわせて蜜源対策にもなるという、一石二鳥の取組になるわけですから、しっかり国としても後押ししていただきたいと思います。 続きまして、農薬とドローン散布による蜜蜂等への影響についてお伺いをいたします。 この点は、三月の所信でも私聞かせていただきました。ドローンの技術の進歩というのは非常に早いんですね。一方で、養蜂家からは、大型ドローンによる高濃度の農薬散布、また収穫後に開花した作物や切り株への訪花、また、訪花というのは花に訪れると先ほど申し上げたとおりでありますが、残留農薬の影響に強い懸念が示されております。技術が進むならば、安全評価も進めていかなければいけないというふうに考えております。 農水省では、この散布方法や一時的な高濃度被曝の可能性も含めまして、養蜂現場や専門家の科学的知見を継続的に反映していただきたいというふうに思っております。あわせて、農薬評価については、評価後であっても新たな科学的根拠が示された場合は速やかに運用を見直すプロセスを明確にしていただきたいと思いますが、答弁をお願いいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) お答えいたします。 農薬の安全性を一層向上させるため、平成三十年に改正された農薬取締法に基づき、全ての農薬について最新の科学的知見に基づく再評価を順次行っているところであります。再評価においては、蜜蜂などへの影響評価の充実を図った上で、ドローンによる高濃度散布も含め、様々な使用方法に即した評価を行っているところであります。 再評価の進捗としては、例えば、ネオニコチノイド系の農薬の一つでありますイミダクロプリドについては、専門家により蜜蜂への影響評価の案が取りまとめられ、開花期においてドローンによる高濃度散布を制限する案が検討されているところであります。このイミダクロプリドについては、現在、消費者庁において食品中の残留基準の評価に関する手続が行われているところであり、再評価が完了すれば、変更となった農薬の使用方法について現場への周知、指導を徹底してまいる考えであります。 なお、農薬取締法においては、評価濃度、再評価後も含め、現に登録されている農薬について定められた使用方法で使用してもなお蜜蜂を含む人畜に被害を生ずるおそれがあり、これらの事態の発生を防止するための必要があるときには、専門家の意見を聞いて、登録内容の見直しなどの措置を講ずることができる旨明文で規定をされているところであります。
○高橋光男君 このドローンなんですけれども、例えば、今最大散布量が毎分四十リットルというような大型ドローンというようなものも使われ始めているわけでありまして、先ほどイミダクロプリドについては再評価を進めているということですが、そうした農薬も様々な種類がある。一方で、その評価を進めていただくに当たって、その散布方法ですよね、そうしたまだ規制が掛かっていないものも含めて、何の今法的な制限がない中でやっているということで現場は戦慄しているというふうなお話もいただいているところでございますので、しっかりと対応していただくようにお願いいたします。 ここからは、種苗法改正に関しまして、主に知財の専門家である弁理士の先生方からいただいたお話を中心に取り上げさせていただきたいと思います。 資料一の三の六を御覧ください。 今回の種苗法改正は、単に育成者権を厚くするだけではありません。気候変動に耐える品種を育て、守り、食料安全保障、輸出競争力、知財を活用した稼ぐ農業につなげる制度改正だと理解しております。 一方で、令和二年改正で、海外持ち出し制限や自家増殖の許諾制が整備されました。しかし、出願中品種の流出であったり、また輸出目的保管、侵害事案への立証責任といったような課題、また損害額算定など課題がある中での改正というふうに思っておりますが、この令和二年改正で何が改善し、何が残された課題なのか、今回の改正の立法事実は何かについて伺います。あわせて、品種登録件数とか、海外出願件数、侵害対応件数、ロイヤリティー収入など、今回の改正後の効果をしっかり今後検証し、公表すべきと考えますが、政府の見解を求めます。
○大臣政務官(山本啓介君) 令和二年改正では、海外流出防止の対策を強化するため、育成者権者が登録品種の海外持ち出しを制限できる制度を導入し、現在、国内育成品種では三千三百三十品種で海外持ち出し制限が明確されているほか、登録品種である旨の表示の義務化などの制度の充実を図った結果、登録品種の海外流出問題への国民の認知度は高まっており、海外流出防止に一定の抑止効果があったと考えております。 他方で、かんきつのあすきなどが出願中、登録前に海外に持ち出されたことが明らかになるなど、現行の種苗法では対応できない新たな課題が判明したことなどを踏まえ、今回の改正を行うものとしております。 今回の種苗法改正法案については、五年後をめどに、法施行後の状況を把握し、その結果を踏まえて見直しの検討を行うこととしております。その際には、例えば、我が国の優良品種の海外流出の状況について調査し、抑止の効果を把握するとともに、食料・農業・農村基本計画において海外ライセンス推進などの新たな施策が打ち出されていることから、ライセンスによる知的財産収入の状況など、優良品種の保護、活用の効果について把握することが想定されます。このほかにも、海外出願件数などについてもその状況を把握することは重要であると考えております。 今後、種苗法改正の効果を把握し、必要な見直しを検討していくこととなりますが、その際には、指標も含めてどういう検証結果を公表できるか、今後検討してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非しっかり検証し、公表していただくことをお願い申し上げます。 続きまして、資料の七番を御覧ください。 ここは大臣にお尋ねをいたします。 今回の改正法では、育成者権の存続期間を現行二十五年から三十五年へ、永続性植物については三十年から四十年へそれぞれ十年延長し、既存の登録品種にも適用されます。新品種の育成や産地形成には長い年月が掛かります。現場でも、白菜では最低十年、タマネギでは、採種の機会が限られておりますので、最低二十年も要するという声がありますので、期間延長には一定の意義があると考えます。 しかし、中小育成者や、また自治体などにおいては、出願費用、海外出願費用、侵害事案への対応費用、また許諾契約の管理などが重くのしかかってくるかと思います。先日の参考人質疑でもその点を確認させていただき、国による更なる支援設計を求める指摘をいただきました。 そこで、大臣にお尋ねしますが、存続期間延長によりどのような投資回収効果を見込むのか、あわせて、費用の支援や専門家による相談を組み合わせた支援制度が必要かと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 育成者権者が頑張って育種をしようというふうに思えるかどうかのこの最大の課題は、やはりこの増大する開発コストを回収できるかどうかに懸かっているというふうに考えております。このため、国内外にライセンスなどを行い開発コストを回収し、更なる新品種育成につなげていくというこのサイクルを回していくということが重要になります。 また、育成者権者にとっては、海外における契約の締結などは、語学や法令の専門知識などが大きな負担となっていると承知をしております。 このため、先生からも今御指摘ありますが、中小の種苗企業や個人の育種家も含めて、優良品種の育成者権者から委託などを受けて、国内において優良品種の普及と流出防止に向けた管理を行い、海外においても海外の信頼できるパートナーとのライセンス契約の締結、そしてライセンスを受けた品種の無断栽培の監視や権利侵害に対する訴訟などを行う専門性を持った育成者権管理機関をできるだけ早期に立ち上げることとしております。 こうした取組に加えまして、中小事業者も含め海外出願や侵害対応を専門家に依頼する費用などについて支援を行っております。 これらの施策を併せて、品種の保護、活用を推進してまいります。
○高橋光男君 そうした支援が実際、本当に現場の方々に使っていただけるものにしていただくこと、また、そしてその専門家といったときに、従事される実務者の方々がしっかりと関与できるような体制にしていただくことが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、資料の八に移りたいと思います。 輸出目的保管への育成者権効力の拡張と実務フローというふうに書かせていただいております。 改正案では、海外持ち出し制限の届出をした登録品種について、譲渡した後であっても、海外持ち出し制限国への輸出を目的として倉庫等に保管する行為に対して育成者権の効力を及ぼすことになっております。輸出をされてからではもう遅いといったところで、そうしたところに手当てをするということが大変大事だということだと思います。 一方で、どのような事実があればこの輸出目的保管と判断されるのか、その辺りが明確になっていないのではないかという御指摘をいただいております。権利者がどのような証拠を整えればよいのか、不明確なままでは使えないと思います。 購入代行、また倉庫、物流、ECプラットフォーム、税関なども含めて、相談窓口、関係機関との連携、民事差止め、刑事対応等との関係などを整理した実務フローをしっかりと示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 現行法では、種苗の輸出を行わないと育成者権侵害とはならず、かつ当該輸出貨物が日本の国外に移動すると我が国の法律あるいは種苗法が適用されなくなるため、差止めの命令を行える機会は非常に限定的であるというものでございました。このため、本改正において、差止め命令等の実効性を高めるために、その前段階の輸出目的の保管についても育成者権者の効力が及ぶこととするものでございます。 この輸出目的の保管について、輸出目的と物流、これ一般的には、最終的には通関事業者に委ねられることが多く、その前段階で引渡しのための保管が行われ、通関後は保税倉庫に保管されるということが一般的でございます。したがって、通関事業者向けの貨物であるということが一つの判断基準というふうになると思います。それ以外にも輸出目的保管となるものは存在し得るため、輸出目的保管の判断に資する具体例も含めて、QアンドAなどによって関係者に周知をしていきたいと考えております。 育成者権者、種苗の利用者などを含めて、関係者が本制度を理解することで、育成者権侵害に対して育成者権者が行動するということも容易になると考えております。
○高橋光男君 ありがとうございます。 かなり専門的な話になっていくと思いますので、おっしゃったようにQアンドAとか、そうした情報をしっかりと整理していただいて、提供していただくことをお願い申し上げたいと思います。 続いて、九番になりますが、登録品種名で販売された種苗に関する推定規定というものがございます。登録品種の名称を使用して譲渡、貸渡し等がなされた種苗については、今回、改正案では、育成者権の侵害訴訟上、実物の入手や栽培試験などを要せず、当該登録品種の種苗であるということが推定されるということが新たに規定されます。 例えばですが、第三者がシャインマスカットの名称を勝手に使用してネット販売している場合には、育成者権者がその種苗を入手して立証しなくても販売された種苗が登録品種の種苗だと推定されるわけでありまして、無断販売への抑止として有効な措置になってくるかというふうに思います。 一方で、現場からは、登録品種名とか流通名、商品名、商標名、こうしたものが様々混在している中で、この名称の関係、それぞれの関係が曖昧なままでは制度が過剰に働くおそれもあるし、逆に機能しないおそれもあるんじゃないかといったような御指摘をいただいております。 そこで、推定規定の適用範囲をしっかり明確にしていただき、品種登録データベースや表示制度を整えるとともに、訴訟時の専門家活用などと併せて、これにつきましてもQAとかガイドラインに示すべきと考えますが、今後の政府の対応について答弁をお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 登録品種につきましては、まず商品名、またおっしゃったような商標登録をしたときのその登録商標名などを別途使用している場合であっても、登録品種については名称を使用してしっかり表示するという義務がございますので、推定規定は登録品種名称のみを対象にしているところでございます。 ここで大事なのは、登録品種の名称使用というのがしっかり行われるということを遵守することが大切でございますので、今回の改正では名称使用義務違反の過料も引き上げることとしておりまして、この登録名称の使用を徹底していきたいというふうに考えております。 今回の改正によって、委員御指摘の商標名や商品制度との関係、これについて根本的な変更を行う必要はないと考えておりますけれども、登録品種名称の使用義務を含めて、QアンドAなどで各制度の関係も明確にしながら、新しい制度について周知していきたいと考えております。
○高橋光男君 しっかり周知をお願いいたします。 時間がなくなりましたので、最後に、十一、蜜蜂による自然交雑の責任範囲とQAによる萎縮防止ということで、短くお尋ねいたします。 蜜蜂は数キロ飛び回ります。したがって、養蜂家が野外の自然交雑を完全に管理することは不可能です。過度な権利保護へのおそれが現場の萎縮を招いてはならないと思います。 養蜂家が管理できない自然交雑は、通常は育成者権侵害の対象にならないと理解してよいでしょうか。そして、そうした現場の不安を払拭するため、その旨もQアンドAなどで明確にお示しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(藤木眞也君) 時間が参りましたので、答弁は簡潔にお願いします。
○大臣政務官(山本啓介君) 一般論として、育成者権侵害に当たるかどうかは個々の事例の関係を踏まえ裁判所が判断するものであり、行政が判断するのは適切ではないと考えております。 その上で、海外における類似の判断を踏まえれば、一般的に、蜂による自然交雑自体は養蜂家による育成者権の侵害に当たるとは考えられません。しかしながら、養蜂家が自然交雑により入手した品種を増殖すれば権利侵害に当たることも考えられます。 いずれにしても、国が知財権侵害にならないケースを具体的に示すことは、知財権侵害につながるリスクを排除できないことを御理解いただきたいと考えております。
○高橋光男君 時間が参りましたので終わりますが、どこまでも現場第一で、そうしたお声をいただいて、今回の法改正が皆さんにとってしっかり理解され、活用されるものとなることをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(藤木眞也君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案外二案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木りえ君 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。日本維新の会、佐々木りえです。 本日は、政府提出の二法案及び議員立法である主要農作物品種育成促進法案について質問をいたします。 現在、気候変動や国内市場の縮小が進む一方、海外では、巨大企業がAI、ゲノム解析や知財戦略を一体化させた攻勢を強めています。日本農業が生き残るには、品種開発を国家戦略として位置付ける必要もあるのではないかと思います。これまで地域の農業試験場が果たしてきてくださった役割は極めて、もちろんこれからも重要です。しかし、財政や人材が逼迫する中、今後も各都道府県が独立した体制のまま、限られた予算と人材で国際競争に勝てるのか、従来の体制維持で本当に十分なのか、そういった観点で本日は質疑をさせていただきたいと思います。 そこで、まず発議者の方に質問をさせていただきたいと思います。 説明をお聞きすると、公的機関が担う稲、麦、大豆品種育成について、国が財政支援を行う旨を規定するものであり、政府提出法案を補強するものとして提出されたと理解をいたしました。 一方で、政府提出の閣法は、温暖化に対応し、高温耐性や多収性等の形質を持つ品種の迅速な育成と普及を目指し、品種育成と種苗生産を振興する計画制度を設けるものです。また、条文には、国の責務として、重要品種育成事業者に対して集中的かつ効果的な支援を行うよう努める旨の規定も存在しています。 そのような中で、今回の議員立法において、重要品種に限らず、稲、麦、大豆全般にわたる品種育成への財政支援を明記されたその立法事実をお伺いしたいと思います。
○舟山康江君 政府提出の重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案におきましては、今お話しいただいたように、重要品種として、広く農産物全般について、高温耐性、省力化、多収化等に資する形質を有することとの条件に加えて、広域な普及が見込まれる品種、この両面ですね、これを併せて指定することとしているところ、本法案では、後段の要件、広域な普及が見込まれるとの要件は課さず、前段の要件をもって優良な品種として、その対象品目を主要農作物に限定して生産を育成、普及させることを目的としています。 その理由は、農産物の中でも、稲、麦類、大豆といった主要農作物は、主食を形成し、食料自給率向上に資することから、広域な普及の有無を問わず、高温耐性、省力化、多収化等に資する形質を有する優良な品種を育成、普及させることが、それそのものが重要であるということからこのように規定しましたし、しかも、その育成、普及の大部分は公的試験研究機関が担っているということから、財政支援を含めて、政府提出法案の補完、補強として、主要農作物の新品種の育成が継続的かつ安定的に行われるよう提出したものであります。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 稲、麦、大豆、その育成に都道府県が果たす役割は非常に大きいということはもちろん異論はございません。しかし、国の財政に限りがある中で、議員立法によって対象が広がると、必要な支援が、少し、私個人としては、個人的には薄くなる可能性もあるのではないかなと思っております。 そこで、重ねて発議者にお伺いをいたしたいと思います。 稲、麦、大豆の品種育成において、農研機構が果たす役割が大きいということも理解しております。農研機構が品種育成を安定的、継続的に進めていくに当たっては、昨今の光熱費の高騰などを始め、物価上昇も踏まえ、必要な経費を運営費交付金で確保していく必要があります。 運営費交付金は消費者物価指数を勘案して算定することになっており、原則としては物価上昇分も運営費交付金の中で対応するというのが通常のルールになっていると、もちろん御存じだと思いますが。ですので、別途、財政支援ではなく、運営費交付金自体を十分にすべきだと思えるのですが、御意見の方、お伺いいたします。
○徳永エリ君 お答えいたします。 農研機構の厳しい現状については、午前中いろいろとお話がございました。なぜ運営費交付金の中で対応できないか、国が別途財政支援をしなければならないのかということでありますが、御指摘の運営費交付金につきましては、国は業務の見直しや効率化を進めてきており、例えば、一般管理費は対前年比の三%の実は削減、そして業務経費は一%の削減を図ることとされておりまして、農研機構の中長期目標にもその旨が記載されております。 一方で、光熱費や物財費、人件費、短いスパンでどんどん上がっていっているわけですよね。さらに、施設の老朽化によって修繕費なども掛かるんです、一か所や二か所じゃありませんから。そんな状況がありまして、財政的に大変に厳しくて、また、今年度は、研究者一人当たりの交付金、研究費も僅か十五万円ということでありまして、研究者の命ともいうべき論文掲載料さえ払えないというお話も伺っております。 ですから、国は必要な財政上の措置を講ずる必要があると考えまして、第四条にその旨を規定したところでございます。
○佐々木りえ君 丁寧な御答弁ありがとうございます。論文掲載費が払えないと、本当にゆゆしき事態だと思います。 発議者の皆様の強い思いは私もしっかりと、もうこの国の基の作物、稲、麦、大豆の未来を憂慮された、また現場を支えたいという強い思いはしっかりと理解をいたしました。 独立行政法人の運営交付金や物価高の対応については、やはり、農研機構の個別の課題にとどまらず、国費をあずかる独法全体の問題だと思っております。したがって、物価高騰への対応は、できる限り政府全体の統一的なルールの変更や運用の見直しの中で議論していくことがまた望ましいとも思います。 上月委員を始め各委員から、本日も発議者の皆様に、様々、現状でも施設の老朽化、施設の老朽化には、上月委員からも直接お聞きしておりましたが、もう驚いてしまいました。その厳しい状況がしっかりと伝わってまいりましたので、予算措置をしっかり私たちも政府に訴えていきたいと思っております。 次に、政府にお伺いしていきたいと思います。 今回の政府法案は、計画制度の創設や農研機構の設備供用など、産官学連携による重要品種の育成、種苗生産の強化が盛り込まれています。 そこで、議員立法の趣旨も踏まえ、確認をいたします。稲、麦、大豆についても、高温耐性や多収性、輸出促進など、政策ニーズに合致した重要品種に該当すれば、品種育成と種苗の生産の両面から本法案の支援対象になり得るという理解でよろしいのか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) お答えいたします。 重要品種の定義として、まず第二条第一項において、高温耐性や多収化などに資する形質を有すること、広域に普及することが可能であること、品種登録を受けたものであることの三要件に該当するものと規定をしております。 このため、定義に合致するものは、委員御指摘のとおり、稲、麦、大豆を含め、幅広い品目で重要品種の対象になると考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 稲、麦、大豆においても重要品種であれば支援の対象になるということを確認させていただきました。 今回の法案が掲げる産官学連携や農研機構の設備の供用は重要ですが、単なる連携や設備の貸し借りにとどまってよいのか。 これまで、公設試験場が地域の農業を支え、果たしてきた役割は極めて重要です。そして、現在、各試験場は、研究者不足や老朽化、AI、ゲノム解析への投資、知財への国際管理など、単独で対応できない課題に直面していると思います。競争の相手は、今までとは違って隣の県ではなくて、世界の巨大な種苗企業や海外の研究機関に広がっていると思います。都道府県がばらばらに限られた人員と予算で開発を続け、従来体制のままでは、日本の品種開発は強化できないと思います。 そこで、政府にお伺いいたしたいと思います。 農研機構を中核に、都道府県の知見やデータ、知財を集約し、作物ごとの全国拠点化、知財管理、海外展開の一元化など、国全体の育種力を高めるまで踏み込んでいくという検討をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 今後の農業に欠かすことのできない新品種の開発、あるいはスマート農業技術なども含めまして、農研機構が中核となって研究開発から成果の社会実装までをスピード感を持って推進することが重要だと考えております。 このため、農研機構の地方研究拠点である地域農業研究センターなどをハブとして、農研機構が有する先端技術、そして公設試験場が有する地域の気象条件や栽培等の知見、民間企業が有する市場ニーズへの対応力など、各々が持つ強みを連携して、集約、活用するプラットフォーム活動に取り組むこととしているところでございます。また、これらに対応するために、農業構造転換集中対策を含め、前年度比四割増の四十六億円の施設整備予算を措置し、全国五か所の各拠点について、施設を集約しつつ機能強化を行う整備に着手したところでございます。 農林水産省としては、農研機構が中心となって行う産官学連携の取組により、それぞれの取組を生かした重要品種の開発などが行われるよう、しっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。
○佐々木りえ君 是非、農研機構が中心となって推し進めていただきたいと思います。 次に、知的財産の管理と海外展開についてお伺いをいたします。 一昨日の参考人質疑において、栗原参考人から、長野県産リンゴ、シナノゴールドの極めて先駆的な海外知財戦略について御説明をいただきました。イタリアのコンソーシアムとライセンス契約を結び、現地ではYELLOというブランド商標で栽培、販売を認めつつ、日本への逆輸入は不可とする極めて緻密な流出防止とブランド管理の仕組みを構築されていました。この現場の取組に大変深く感銘を受けました。 しかし、海外の品種登録や現地の侵害調査、ライセンス交渉、商標管理、そうした万が一の訴訟対応といった分野は極めて高度な法制度の理解と専門性が必要です。これを各都道府県がばらばらに限られた予算と人材だけで対応を続けるのは、長野県も十年掛かったとおっしゃっていました、明らかに限界があると思います。シナノゴールドのようなすばらしい成功事例を全国に広げ、我が国の優良品種を海外で守りつつ世界で稼ぐ強力な知財へと育てるためには、国が一丸となった支援体制が不可欠だと思います。 そこで、農林水産省にお伺いをいたします。 国の農研機構、そして育成者権管理機関などが一体となり、海外出願から、そして侵害調査、ライセンス契約、商標戦略まで、全国横断で強力にサポート、主導する体制をどのように構築していくのか、お伺いをいたします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。 これまでも、政府といたしましては、農研機構や都道府県、また種苗会社の知的財産権の獲得に向けた出願の支援をしてきたところでありますけれども、佐々木委員御指摘のように、都道府県の研究機関でありますとか、中小の種苗会社におきましては、訴訟でありますとか、またこうしたライセンス契約の締結などの法律事務が非常に負担となっておりますので、できるだけ早く、早期に専門性のある管理機関を立ち上げていくことによって、育成者権者からの委託を受けて、国内におきましては、優良品種の普及でありますとか流出防止に向けた管理を行っていき、また、海外におきましては、流出や無断栽培の監視、そして侵害対応に取り組んでいかなければいけないというふうに考えております。 管理機関が立ち上がりましたら、農林水産省としても、管理機関による海外流出防止や海外ライセンスに向けた取組を支援していくこととしておりますので、都道府県などの育成品種におきましても、専門的な対応を行える体制を早期に構築してまいりたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 官民問わず、是非、政府の方がしっかりと立ち上げていただきまして、サポートの方よろしくお願いいたします。 次に、種苗法改正についてお伺いをいたします。 今回の流出防止策は重要ですが、ただ守りをがちがちにするだけでは意味がないと思います。守り抜いた知財を国内農家が安心して使えるようにし、海外で稼いだ収益を次の新品種開発へ還元する持続可能な好循環をつくることが本質だと思います。 そこで、政府に伺いをいたします。 令和二年法改正の際には、現場の農家に許諾手続の煩雑化や、そして苗木価格の高騰といった負担が掛かるのではないかという懸念が指摘されました。これまで国としてどのように支援されていたか、また、知財保護を稼ぐ農業へとつなぐ次の研究開発へ投資を還流させる仕組みをどう構築するか、お伺いいたします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 令和二年の種苗法改正の議論の中で、登録品種の自家増殖にも許諾が必要となることなどにつきまして、農業者にとって負担の増大になる、つながるのではないかといった懸念が示されたことを受けまして、登録品種の許諾手続が負担にならないよう、例えば農研機構におきましては、作物分類ごとに自家増殖の許諾手続の要否を含め許諾手続に関してホームページ上で公表するなど、周知徹底を図ってきたところでございます。 また、種子や種苗の価格についてでございますけれども、資材費や人件費が高騰している中でも、令和二年から令和六年の間で、ほかの資材である肥料や飼料と比べ、価格指数ベースで肥料は三六・九%、飼料は四〇・五%も価格が上昇している中で、種苗、苗木については九・六%の上昇にとどまっており、価格の高騰は存在しますけれども、大きな問題にはなっていないというふうに考えております。 現場からの意見でも種苗法改正によって許諾手続の煩雑化や苗木価格の高騰などの負担が増えたといったような声はなく、適切な運用が図られているものと考えます。 また、一方で、品種開発等種苗の増殖に係るコストが増大している中で、次の研究開発へ投資を促進するためには種子の販売やライセンスなどの知財収入を確保していくことが重要でございます。 このため、食料・農業・農村基本計画におきましても、利用者に応じた戦略的な許諾料設定を推進するとともに、海外ライセンスでの許諾料収入も利用して、新たな知財財産の創出につなげることを打ち出しております。加えて、育成者権者からの委託を受けて海外ライセンス契約などを行う育成者権管理機関、これ、できるだけ早期に立ち上げることとしておりますので、管理機関を通じましたライセンス契約に基づく許諾料収入を次の研究開発への投資に還流できる仕組みの構築というものを進めていきたいと考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 農家の皆さんが安心して使えるよう、そして良いライセンスサイクルが構築できるように、引き続きよろしくお願いをいたします。 最後に、今回の議論の本質は、予算や制度の枠組みを超え、我が国の品種開発体制を国際競争に勝てる組織へとアップデートできるかにも懸かっていると思います。私は、今回の二つの閣法を出発点として、日本のすばらしい品種と、そして、先日も私たち維新の会から要望させていただきました、我が国が誇る植物工場の技術をセットにした種とビジネスパッケージで世界市場に打って出て勝負すべきだと考えております。 このように、農研機構を中核とした全国的育種研究体制の再編強化を進め、日本の農業を世界で勝負できる産業にしていくという方向性について、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 我が国の優良品種は海外でも高い評価を得ております。例えば農研機構が開発をしたサツマイモのべにはるかは、非常に糖度が高く、スイーツの材料としても人気でありますが、こうした品種の力もあって、カンショ、カンショ加工品の輸出が伸びており、二〇二五年は前年比で二四%増の四十五億円となりました。国全体の育種力を高めることにより、品種開発を着実に行いつつ、これらの産地形成を後押しし、更なる輸出拡大につなげることが重要であります。 農林水産省では、御審議いただいている法案により、多収性や輸送適性などマーケットが求める特性を有する品種の開発、そして海外の需要やニーズに応じた優良品種の産地への導入、また、求められるロットに対応した輸出産地や輸出事業者の育成などを通じて輸出拡大を図っていきたいというふうに考えております。 また、この知財の保護も重要でありまして、今回、育成者権者からの委託等を受けて知的財産権の侵害対応などを行いつつ、輸出と競合しない形で海外ライセンスを実施する育成者権管理機関をできるだけ早期に立ち上げ、ロイヤリティー収入も得ていきたいというふうに考えております。 我が国の優良品種という強みを武器に、こうした取組を通じ、輸出などにより旺盛な海外需要を取り込むことで、成長する海外市場からの稼ぎにつなげてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございました。 次の臨時国会でも引き続き議論できることを楽しみにして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○杉本純子君 参政党、杉本純子です。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 早速ですが、種苗法の改正案の中にあります育成者権の延長についてお伺いいたします。 長い年月を掛けて多くの御苦労をされ、やっと開発した優良品種の果物や野菜が海外に流出し、しかも現地で安価に栽培されてしまうということが長らく指摘されています。こうした問題に対して、やはり、日本の優れた品種を海外でしっかりと守るためには、開発者の方々に大切な品種を登録いただくことが必要であります。 しかし、現在の規定では保護期間が短く、開発者が高度な技術と大変な労力を要したのに十分な利益を得られないまま権利が切れてしまうケースや、また、しっかりと産地形成するには非常に時間が掛かるという実態があるとも聞いております。 こうした状況に対応するために、登録品種の独占生産期間を二十五年から三十五年へ、永年性の植物は三十年から四十年へと延長することがこの改正には盛り込まれてはいますが、育成者の努力と権利を手厚く守る一方で、日々の農業現場や流通の現場にどのような影響を与えるのかも慎重に考えていく必要があると考えます。 午前中に石垣先生が同じ質問をされましたので、育種するコストがどのくらい増加していて、具体例がどうなのかという質問に関してはカットさせていただきます。 答弁によりますと具体的な数字はないということではありましたが、品種開発に係るコストを把握することは育成者権の延長を検討する上で重要な材料になると考えます。育成者権の存続期間をどのように設定するのかという議論は、今後、判断材料のためにも是非把握していただき、検討に生かしていただけたらと思います。 次に、生産技術の確立、そして普及のための産地形成に係る期間にはどのくらい時間を要するものと見込まれているのでしょうか。また、今後その期間の長さはどう変化するとお考えなのか、具体的な例や全体としてどうなのか、お示しください。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 まず、先ほどあった、まず開発コストのことで、具体的な定量的な把握というのが難しいというのは答弁のとおりなんですけれども、種苗業界からは、品種開発の主体が、過去には、外見ですね、花の色とか見かけとかそういうものが中心だったんですけれども、今は気候変動対応とか病害虫抵抗性とか外見で判断できないものが増えておりますので、こういった品種開発については、有望株を効率よく選抜するDNAマーカーの開発とか、高温耐性を評価するための検定施設の整備など、非常に設備投資が掛かるようになっているという形でコストが増えているという指摘があるところでございます。 また、産地形成の話ですけれども、これまで答弁したとおり、育成者権を存続期間の上限まで登録するというのは一七%でございまして、このようなものは公的機関、特に地域ブランドを維持しているような都道府県からの要望が強かったところでございます。 こういった都道府県等の地域ブランドを有するような、育成するための産地形成につきましては、先日、長野県の栗原参考人からは、長野県のリンゴの例では、新しい品種の産地化には少なくとも六年ほど掛かると。また、愛媛県からは、栽培技術の確立、あとプロモーションをして大々的に売り出されるようになるまで、県育成品種のオリジナル産地というのの確立には約十五年程度掛かるというような意見もいただいているところでございます。 さらに、近年では輸出に力を入れている産地も多いと。その輸出をする場合には、海外での販路開拓だけではなくて、育成者権等の知財権の権利取得と、これも相当程度の期間を要するということを考えた場合には、品種を作ってから実際的に産地として本格的に販売するという、その開始できる期間が非常に延びているという中で現在の育成者権の期間では短いということで、今回、そういった要望も受けて育成者権の存続期間を十年延長するということとしたところでございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 続けて、育成者権が延長されることで農家さんが負担することになるコストについてお伺いいたします。 今回、育成者権が延長される対象には、今後登録される新品種だけではなくて、既に登録済みのものも含まれています。そうしますと、農家さんは予定していた年数よりも更に十年追加してコストを支払うこととなります。本日の答弁にも、今年期限切れとなるものがたしか十八種類だったと思いますが、改めて当該品種の数や主な品目、作付面積や、ほかの品種と比較した利用割合などとともに、この追加のコストについても、単年度及び延長される十年間、農家さんにどのぐらい費用が掛かってくるのか、累計額を併せてお示しください。
○政府参考人(杉中淳君) 登録品種の許諾料は、通常、種苗増殖業者から農業者等に対して販売される種苗の販売価格に含まれております。 許諾料の水準というのは、これは原則的に公表されないわけでございますので、具体的な登録品種の名称等については言及を控えさせていただきますけれども、主な品種の育成者権者から聞き取ったところによりますと、水稲などは種苗の販売価格の〇・数%程度、ブドウは数%程度が許諾料に該当するというふうに聞いております。こうした許諾料水準を基に、平均的な作付面積の農業者一経営当たりに発生する許諾料を試算しますと、水稲では十年間で百円から三百円程度、ブドウでは、十年で全て改植すると仮定をした場合に十年間で四千円程度と、これが追加のコストになるというふうに考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 毎年種を買わなくてはならない、またその期間が更に長くなるということで、今の金額だけではなく、農家さんの負担は増えることはあると思います。しっかり考慮していただき、農家さんが生産を続けられるように支えていくべきだと思います。 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案にも関係しますが、種苗の育成やその生産を強化していく、また育成者の権利を保護するだけではなくて、新しく作られた種苗が実際に広く使われ、しっかりと普及することが重要だと考えます。育成者さんも、せっかく作り出した新品種が人気商品となってほしいという願いを込めております。そのため、この品種を普及していくという観点から、登録品種を利用する農家さんを支援していくこともまた重要であると考えます。 この点に関して具体的に何か検討はされているのか、また今後の方針など、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 気候変動や農業者の減少などに対応するためには、高温耐性や多収性などの形質を持ち、広域での課題解決に資する新品種の育成と普及が急務です。 このため、気候変動等対応品種法案では、産官学の連携による重要品種の品種育成と効率的な種苗生産体制の構築を後押しし、重要品種の迅速な普及を図ることで、いち早く農業者が高温耐性などを有する重要品種を利用できる環境を整備することを目指しております。 あわせて、この高温耐性や多収性などを有する新品種を利用する農業者や産地に対しては、稲、麦、大豆の新品種の導入に係る栽培実証などの取組や、果樹やお茶の品種の切替えに向けた改植、新植の取組などを支援することで重要品種の普及、振興を図ってまいりたいというふうに考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 広報や周知、そして新品種を実際に生産される農家さんの開拓のサポートも是非今後もよろしくお願いいたします。 次に、本改正案では、育成者権の延長と並んで新品種の流出防止対策の強化を目的としています。大変すばらしい目的に大いに同意いたしますが、育成者の権利を守るだけでは対策としては万全とは言えないのではないでしょうか。 日本では、代々続けられてきた種の歴史や重要なデータを大切に守り、そして活用してきた育成者権を持っている国内企業がもし会社ごと海外資本に買収されてしまった場合には、国内で開発された新品種が合法的に奪われる又は流出する可能性はないでしょうか。買収に限らなくても、育成者権を守るだけではなく、育成者権を持つ国内企業を守るという観点が重要であると考えます。現在講じられているリスク対策についてお聞かせください。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 品種開発等種子生産を行う日本の種苗会社、これ野菜であれば約四十社、花は十社ほどでございますけれども、そのほとんどが日本発祥で日本に本社を有する企業ですけれども、世界各地で種苗の生産、販売を行っており、知財の保護意識はおおむね高いというふうに認識をしております。 一方、ヨーロッパの種苗会社から出資を受けている企業というのもございます。ただ、こういった企業に関して、これによって日本の企業の知財が海外に流出して問題になったという事例は聞いておりません。 ただ、御懸念のように、海外資本による企業の買収ということについては、やはり慎重に吟味することも必要ということございますので、外為法に基づいて、種苗業者についても、これ国内農林水産業者に含まれるということで、海外からの出資等については届出審査の対象となっており、適切にこれを運用していきたいと考えております。 また、海外資本による日本の種苗会社の買収というよりは、実際のリスクは、外国人のバイヤーを通じて日本の登録品種が海外に流出したと疑われる事例が多数確認されて、こういった品種が海外で育種の材料として使われるということのリスクの方が目前のリスクとしては大きいのではないかと考えております。 そのため、流出防止対策を強化するため、今回の種苗法改正に加えて、こういった農業現場での知財意識の向上というのを図っていくということが重要と考えておりますので、こういった知財意識の向上というのに努めていきたいと考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 国内企業を守るという観点から考えますと、育種家の方々の高齢化や後継者不足もまた大きなリスクだと考えております。後継者がいないことが原因で今まで培われてきた技術や育種のデータが失われていくということになれば、非常に日本にとっても残念であります。種苗産業も人員確保が非常に重要と考えますが、大臣、これについての見解をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 農研機構や都道府県の公設試験場などの人的リソースが減少する中で、この先端技術の活用による品種育成の効率化、迅速化を図るため、これらの技術を活用できる人材の育成、確保が重要です。 このため、品種開発の労力削減などに資するスマート育種支援システムなどの先端的な育種技術の開発を進めるとともに、農研機構による研究設備の供用や専門家の派遣、都道府県職員の研修の受入れなどを通じて研究者の技術習得を支援し、品種育成に係る人材の確保を図ってまいりたいというふうに思います。
○杉本純子君 ありがとうございます。 国内企業と日本の農業を守るためには、やはり人材育成と確保が急務であります。是非、しっかりと目標を定め、計画を立てて、そして目に見える結果を出していただきたいと思います。 次に、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案についてお伺いします。 法案では、重要品種の要件に、広域に普及することが可能なものであるという内容が含まれております。都道府県で育成されている品種に関しては、その地域の気候や土壌など、地域の特性に合わせたものや適した品種を育成されていることと思います。そうした取組が今回の規定によって排除されてしまうのではないかと懸念しますが、法案に言及されている広域とは、実際どのような範囲で、また、このように規定されようとしている理由についてもお聞かせください。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 本法案では、重要品種の定義として広域に普及することが可能であることを要件の一つとして、当該要件の考え方につきましては、二以上の都道府県域に普及することが可能なものとする方向で検討しているところでございます。 都道府県が行う品種育成におきましては、ブランド品種など地域の特色ある品種を単独で育成し、県内に限り普及を目指す場合もあれば、品目や普及目標によっては、農研機構や気象条件の近い県、他県ですね、あるいは種苗業者など、産官学が連携し効率的に品種育成を進め、広域に普及を目指す場合もあると考えております。それぞれ、都道府県の判断に基づき取り組まれているものと承知しておるところでございます。 本法案では、今申し上げました取組のうち、後者ですね、後者の広域に普及を目指す取組を念頭に広域普及の要件を位置付けているものでありますが、運用に当たりましては、地域に根差した品種育成を阻害する意図はないことなど、誤解が生じないように当該規定の趣旨を丁寧に説明し、各都道府県の品種育成の戦略に沿った重要品種の育成の取組を後押ししてまいりたいと考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 高温耐性や耐病性、多収性の品種を広く普及させたいということは承知しておりますが、やはり、それぞれの地域でブランド化されている品種の育成に過度な不利が生じることがないよう、両方大切にするというバランスを是非見ていただきたいと思います。 次に、スマート育種に関してですが、農研機構などの研究開発設備を使用可能になるということですが、AI技術やロボティクス人工気象室、DNAマーカー選抜技術といったものの使用が代表的に想定されていると認識しております。それらにプラスして、放射線育種やゲノム編集、遺伝子組換えの設備や技術も含まれているのか、またあるいは今後取り入れていくのかどうか、お聞かせください。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 農業をめぐる情勢の急速な変化に対応し、迅速に品種育成を進めるためには、ゲノム解析等の先端技術の活用が重要と認識しておりますが、今回の法案において、特定の育種方法を指定したり、あるいは除外することは考えておりません。 こうした方針の下で、供用措置の対象となる研究設備等については、お話ありましたスマート育種基盤、人工気象室、こういったものを始め、農研機構による利用状況や都道府県研究機関等のニーズも踏まえながら、具体的な内容を検討していきたいと考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 本日も、たくさん何度もお話にありましたが、その農研機構の建物の設備の老朽化に関して、想像以上にひどかったことを今日知りました。そういったことを、是非、研究費も厳しいということもありますが、日本の大切な食と農業を守るためには、やはり農研機構の設備を使えるということが大きなメリットとなるように、そして国防の一つとして、インフラ整備にもしっかりと対応と予算をお願いいたします。 先ほど、放射線育種やゲノム編集、遺伝子組換えに関する設備利用も、現時点では利用もあり得るということですが、こうした新品種を想定してお伺いします。 新品種を生産したり、販売したりする農家さんや業者、そして最終的にスーパーで買う消費者に対して、これらの技術が使われたものだときちんと情報を知らせるのでしょうか。この点は関心が高い点だと考えますが、消費者庁さんにお伺いいたします。
○政府参考人(井上計君) お答えいたします。 まず、遺伝子組換え食品につきましては、特定の遺伝子を配列に組み込むこと等により、自然界等では起こり得ない範囲の遺伝子変化を伴う食品であり、食品衛生法等に基づいて安全性審査の手続を経た旨を公表されたものでなければ販売等を認めていないところでございます。こうした中で、食品表示上では、遺伝子組換え農産物を使用している旨や、遺伝子組換え農産物と分別して使用していない旨の表示を義務付けているところでございます。 次に、ゲノム編集食品につきましては、薬事・食品衛生審議会において取りまとめられた報告書に基づき、ゲノム編集でDNAに起こる変化は、自然界や従来の品種改良でも起こり得る範囲での変化であり、安全性も同等と考えられ、安全性審査の義務付けは必要ないと判断されたところでございます。ただし、新たな技術であることや、消費者への配慮も必要なため、事業者から事前相談を受け、遺伝子組換え食品ではないか、有害物質などが産生されていないかなどを食品衛生基準審議会において確認をした上で、利用目的、利用したゲノム編集技術の概要など、事業者から届出された情報を消費者庁ウェブサイトで公表しているところでございます。 その上で、ゲノム編集の食品の表示についてでございますけれども、自然界で生じた、あるいは従来の育種技術を用いたものとの判別を科学的に行うことが現時点での知見では困難であり、表示監視における科学的な検証が困難であること等の課題があることから、罰則を伴う表示の義務付けを行うことは難しいと考えているところでございます。 一方で、ゲノム編集食品であるかどうかを知りたいと思う消費者の方が一定数いることから、販売をする際に、ゲノム編集技術を利用した旨を容器包装上に記載する等、これは消費者庁からも促して、事業者において自発的に情報提供していただいているところでございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 義務はないと承知しておりますが、これは国民の知る権利に関わる非常に重要な問題だと考えています。遺伝子に手を加える技術を利用した食品は、以前より切実に不安の声が寄せられています。私たち消費者にとって、また特にそうした不安を持つ方々には、食品に表示されている情報こそがほとんど唯一の手掛かりであります。アレルギーなども含めて、知りたい情報があるのに確認できないということになりますと、これは食品表示という制度そのものに対する信頼を揺るがしかねないと強く懸念します。消費者の立場に立ち、食品表示の在り方を改めて考えていただきたいと思います。 最後、済みません、時間がないので問題を一つ飛ばさせていただきます。 この種苗法改正は、日本の優秀な優良品種が海外に流れることを防ぐという一定の目的があったことは理解しております。しかし、その一方で、在来種を守り、長年日本の食を支えてきた現場の農家の方に過度な不安や負担を与えてはいけないと思っております。 また、ゲノム食品を始めとする新たな技術についても同様です。国民には何が使われているかを知る権利があり、選ぶ権利があります。情報の透明性を確保し、表示を徹底していただき、国民の不安を解消していただきたいと思います。そして、それこそが日本の食の信頼というブランドにつながると思っております。日本人の大切な食、そして食の安全をこれからも守り抜きたいので、是非よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 前回質問したクビアカツヤカミキリの対策について、大臣の答弁を受けて、早速、山下副大臣に現地に足を運んでいただき、本当にありがとうございました。先ほど進藤委員とのやり取りで、環境省との対策本部を立ち上げるということでしたけれども、予算をしっかり確保していただいて、徹底した対策、是非お願いしたいというふうに思います。 法案の質疑に入るんですが、その前に、環境支払について二問ほどお伺いしたいと思うんです。 環境支払は、その根拠が、いわゆる多面法であれ、みどりの食料システム法に移行するのであれ、市場のメカニズムでは評価されにくい農業の有する自然環境、生物多様性への貢献を評価して支払うものだということでいいのかというのをまず確認したいと思います。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 新たな環境直接支払交付金は、みどりの食料システム法における環境への負荷の低減と、生産性の向上との両立が不可欠という基本法の理念の下で、みどり法の認定を受けた農業者を対象として施策を講じる方向で検討しているものでございます。
○岩渕友君 ちょっと意図した答弁ではなかったのかなというふうにも思うんですけど。 二七年度から同一圃場での同一取組への支援を五年で打ち切るということについて、環境保全型農法と慣行農法との間で収益の差が解消されるという前提に立っているんだけれど、生態系保全の現場の実態とは乖離しているという声が寄せられているんですね。これ、五年で打ち切るということは実態に合っていないし、今答弁でははっきりなかったんですけど、やっぱり農業の有する自然環境、生物多様性への貢献を評価するという趣旨と矛盾するものになるんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(堺田輝也君) 失礼いたしました。 新たな直接支払交付金でございますけれども、みどり法の認定を受けた農業者を対象といたしまして、支援期間中に市場評価の向上と生産の安定化の取組を実施していただくという方向で検討しているところでございます。 具体的には、みどり認定者を対象に、掛かり増しコストに加え、減収リスクにも対応した支援とするとともに、市場評価の向上、それから生産安定化の取組を実施していただくことで、五年間で取組の定着と拡大につなげる仕組みとする方向で検討しているところでございます。 このため、同一圃場での同一取組への支援は五年間を区切りとしたいと考えておりますが、これは、みどり認定では五年間で取組を定着させる計画を立てることとしていることと、あと、現行制度において、五年程度で収量が安定し、価格も含め一定の利益が得られるというデータがあること、こういった実態も踏まえまして、取組の定着に必要な期間として検討しているところでございます。
○岩渕友君 五年ということについては、この委員会の中でも、やっぱり実態に合っていないよねということがほかの委員の先生方からもるる出されてきているわけですよね。方針の見直し、そして要件や手続の緩和、あと単価の引上げ、予算の大幅な拡充行うべきだということ強く求めて、法案の質疑に入りたいというふうに思います。 そもそも、種子は誰のものなのでしょうか。私は、知的財産権の保護は重要だというふうに考えています。その一方で、農作物の遺伝資源は、人類が数千年にわたって先祖代々保存、改良してきた人類共有の財産と言えるものです。 その観点から、国連は、農民の権利宣言で、農家は自家採種の種苗を保存、利用、交換、販売できる権利を有するとし、食料・農業植物遺伝資源条約においても同様の規定が設けられています。 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、この農作物の遺伝資源は、本来、人類の共有の財産だ、こういう認識かどうかを確認したいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 品種は、農業生産の基礎となるものであります。我々が日々目にする品種は、登録品種、一般品種の差はなく、全て品種改良を繰り返して開発されたものであり、野生種とは全く異なるものであります。これは、長年の人類の努力、努力というか、英知の結集というか、その結果によるものでありまして、その結果として、現在、この飢餓の克服による人口の増加や地域経済の振興などをもたらしておりまして、この品種は人類の発展にとって欠かせない重要なものであるというふうに認識しております。 現代でも、異常気象や病害虫の広域化など、農業生産の持続性がリスクにさらされている中で、この農業生産のインフラとして、高温耐性など様々な課題に対応した品種を生み出すことは、人類にとってもますます重要になっております。 育成者権は、新品種の開発を促進するために、品種の開発者にその利用を独占させるとともに、育成者権の期間を制限をし、一定期間経過後には誰でも品種を自由に利用できるようにすることにより、独占と共有のバランスを取る制度であることは申し上げておきたいというふうに思います。
○岩渕友君 非常に大事なものだということは共有できるのかなというふうに思うんですけれども、UPOV条約の育成者権の存続期間が二十五年から三十五年に延長されます。現在、存続期間の上限まで登録を維持しているのは全体の約一七%というふうになっているんですね。それを考えたときに、三十五年というのは長過ぎるんじゃないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 先ほども申し上げましたが、この育成者権の期間というのは、育成者の利益の保護と品種の自由な利用の両面の考慮をしながら、バランスを取りながら設定をされるものであります。 育成者権は、権利者が品種の利用価値を踏まえて、既に後継品種が普及するなど、登録を維持する価値がないと判断する場合には、育成者権者は登録を取り下げるのが通常であります。このため、存続期間の上限まで登録を維持するものは、実際には全体の約一七%にすぎません。 期間上限まで登録が維持される代表的な品種には、都道府県が開発をし、その利用もその地域の農業者に限定されていることが多いと考えておりまして、このような品種は、育成者権を維持することにより地域ブランドが維持されることから、育種を行う県からも期間延長の要望を受けてきたところであります。 ですので、こういったことを総合的に勘案をして、今回この十年間の延長をするということになりました。 以上です。
○岩渕友君 農家の自家採種も許諾制とされて、さらに自由に使えない期間を長期化するということは、地域に根差した品種の保存や、地域社会にとっても影響があるというふうに考えるんですね。なので、ちょっと三十五年というのは長過ぎるのかなというふうに思っています。 それで、次に、重要品種育成法案について聞いていくんですけれども、農研機構や県の農業試験場などの公設試験研究機関と民間企業がコンソーシアムをつくって、公設の研究機関の知見、データ、栽培圃場をより効率的に提供するなど、民間企業による育成者権の取得を後押しするものです。 つまり、旧三井化学アグロが開発した水稲品種のみつひかりのような品種開発を広げよう、民間企業の参入を促そうということです。けれども、みつひかりはどうなったのかということなんですね。品種の混入と産地の偽装表示で種苗法違反となり、今年の三月で三井化学は種子事業から撤退をしました。 種苗法違反、種子事業からの撤退の理由は何だったんでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 三井化学クロップ&ソリューション株式会社が販売しておりましたみつひかりの種苗法違反の原因につきましては、同社の報告によれば、種子生産に関する十分な知識を持った従業員が当社内で不足していた技術的側面、限られた従業員で生産から販売まで行っていたことで社内のチェック機能が働いていなかった管理的側面、従業員に対するコンプライアンスに係る指導が不足していたことによる人的側面が挙げられております。 また、同社は本年三月をもって種子事業から撤退しておりますが、その理由につきまして、昨年十二月に同社が発表したプレスリリースによりますれば、長年にわたりハイブリッドライス種子の生産性向上に取り組んでまいりましたが、技術的、人材的、経済的な要因により、事業の継続が困難であると判断いたしましたと説明しております。
○岩渕友君 技術的、人材的な問題をカバーするということになれば、コストが掛かるわけですよね。この経済的要因というのは、コストに見合わないから撤退するということです。 これ、同じような失敗をしないように、重要品種育成事業計画を作るということになるんですよね。これ、確認したいと思います。
○政府参考人(堺田輝也君) 重要品種育成事業計画につきましては、その審査に当たりまして、研究、育種の執行体制、実現性、そういったものをしっかりと審査をして運用を進めてまいりたいというふうに考えております。
○岩渕友君 ちょっと答弁になっていないのかなというふうに思うんですけど、三井化学でさえコストに見合わずに撤退をせざるを得なかったわけですよ。これ、民間企業が参入しやすいように公的なリソース使えるようにしようというのがこの法案なんですよね。 これ、交雑が起きないようにするための圃場の確保が大変だという話も聞いています。事業計画が認定をされれば、生産のために圃場の貸出しなどが行われるのか、生産に協力することもあるのでしょうか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 気候変動等対応品種法案では、気候変動等の喫緊の課題への対応に向けまして、重要品種育成事業計画に基づきまして、品種を育成する研究機関に対しまして農研機構による先端的な研究設備の供用を行うこととしております。例えば、高温耐性の検定等が可能な人工気象室等を想定しておりますが、具体的な施設設備については、現在対象については検討しているところでございます。 以上でございます。
○岩渕友君 今検討しているということなんですけれども、県がこれまで農家に委託生産してもらっていた圃場を使えるようにするということもできるわけなんですよね。 品種登録出願の義務化、出願料等の減免ができるとなっています。この枠組みで知的財産権は誰がどんな割合で持つことになるんでしょうか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 一般的に、複数の研究機関が連携して品種育成を行う場合には、共同研究契約を締結いたしまして、育成者権を始めとする知的財産権の帰属、取扱いについて取り決めるものと承知しております。それらの知的財産権の保有割合については、共同研究契約の取決めに基づきまして、育種素材の提供や研究への貢献度、こういったことを踏まえて当事者間で決めていただくというのが一般的な内容になってございます。
○岩渕友君 民間企業は当然なるべく高く売りたいというふうに考えるわけですよね。その一方で、公的機関が開発をした品種は、長い時間を掛けて多額の予算を投入しても安価で提供をされるわけです。民間企業とは真逆というか、そういうことになると思うんですね。それにもかかわらず、一体どういう価格設定にするのかなと、価格にするのかなというふうに思うんですよ。 外国ではどうなっているのかというのを見ていきたいと思うんですけど、例えば米国の小麦と大豆について、公的品種と民間品種の割合はどうなっているでしょうか。民間企業が参入したことで価格は上がったんでしょうか、下がったんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) まず、米国の小麦と大豆の公的品種と民間品種の推移について説明をさせていただきますけれども、アメリカはかつて公的機関の役割が大きかったわけですけれども、一九八〇年にバイ・ドール法というのができまして、公的品種の特許によるライセンスが認められた、また、一九八〇年代半ばに遺伝子組換え技術が実用されたことによって、大豆、トウモロコシを中心に民間企業の参入が進んだ結果、これらの品種については民間企業による種子供給が大きな役割を占めるようになっているというふうに考えております。 今、小麦、大豆の品種によるシェアというのに関するデータというのは米国の統計でも出ておりませんが、アメリカが公表している特許データ、植物品種保護データによれば、二〇〇五年から二〇二四年の登録品種のうち、大豆は民間育種によるものが九八・五%、公的品種が一・四%、小麦では民間育種が六五・一%、公的育種が三四・八%となっております。 また、民間育種の割合が変化、増大することに伴う種子価格の変化、これもデータございませんけれども、一般的には、公的育種の品種というのはロイヤリティーが低いことから、民間育種の増加による価格は上昇しているというふうに考えております。
○岩渕友君 民間企業が大きな割合を占めているし、価格は上がっているということです。 少し古いんですけれども、二〇一八年の京都大学、久野秀二教授の研究によれば、バイエルやシンジェンタなどの種子バイオ事業によって、米国の小麦は種子市場の四割前後、大豆は九割前後まで寡占化が進展し、これに伴って種子価格が一九九〇年代後半から二〇一四年までの間に小麦は二倍、大豆は三から四倍にも跳ね上がっているというふうに報告されています。トウモロコシや綿花も大豆と同様のようです。現時点では更に上昇しているというふうに思うんですね。 二〇二三年の米国の農務省、USDAの報告書では、民間企業が特許を持つ遺伝子組換え種子の価格は一九九〇年比で四六三%に暴騰していると報告をし、トウモロコシや大豆、綿花などの主要作物において、知的財産権の濫用が価格を押し上げていると分析をしています。 昨年十月に開かれた米上院の農業資材の競争問題に関する公聴会では、農家は巨大企業から特許付き種子と自社製農薬や肥料をセットで買うよう拘束され、ほかの選択肢を奪われているとの指摘がなされています。これがおとといの印鑰参考人が指摘された米国の動きになっているんだろうというふうに思うんですね。日本でも同様のことが起きるんじゃないかと非常に心配をしているわけです。 みつひかりの十アール当たりの種子代について、みつひかり、全品種平均、それぞれ幾らでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 平成二十六年度におけるみつひかりの種子価格は十アール当たり約一万六千円、全品種の平均種子価格は十アール当たり約千六百円となっております。
○岩渕友君 十倍もの差があるわけですよね。 多収なので粗利益が高いと。一般的な普及品種栽培と比べても遜色ない所得確保が可能だというふうになっているんですけれども、多収ということは多くの肥料も必要になるわけですよね。 化学企業が品種開発に参入するということは、種だけでなくて肥料、農薬もセットで販売したいということになります。海外の企業が目指している方向もこういう方向です。それに農研機構などが協力させられるということになるんだということだと思うんですね。 こうして開発された民間企業の稲が奨励品種になるということもあるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 本法案により育成された重要品種については、都道府県が基本計画の策定の際の参考とできるように国が都道府県に情報提供を行うこととしております。 その上で、各都道府県における基本計画の策定とともに、普及すべき奨励品種として取組を進めていく場合には、位置付けていただくことは可能であると考えております。
○岩渕友君 奨励品種になり得るということですよね。 奨励品種になればそれしか選択肢がないということが起こり得るんじゃないかと思うんです。しかも、高い種と肥料、農薬がセットで販売されるということになります。さらに、事業計画に外国企業が参入することも排除されていないわけですよね。 こうした方向性というのは誰の要望なのかということなんですよ。農家が望んでいることなんでしょうか。農研機構や農業試験場では不十分ということなのでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今回この気候変動等対応品種法案が目指すのは、要するに、今この種子、種苗の世界でだんだんだんだん、何というか、新しい品種を開発するのがかなりコストも掛かるし難易度も上がってきていて、そもそもの今の品種のレベルが高いので、更にいいものというと更に難易度が上がってきているわけです。 そういう中で、我々、国内でのいろんな、農研機構はもちろんですけれども、都道府県の試験場なんかもいい品種たくさん持っていますから、全ての力を総合していいものを作っていこうという法案でありますから、あんまりそういう、何というか、しかもそれは、ちゃんとこれから育成者権も守っていこうということでありますから、海外の何か方が入ってきて、それが何かということにはならないというふうに考えております。
○岩渕友君 農家が望んでいるのは、安価な種が安定的に供給されることですよね。それを支えてきたのが農研機構や農業試験場なんですよ。 二〇一六年の規制改革推進会議で農水省の幹部が、みつひかりが奨励品種に指定されていないことに対して、県が自ら種子を開発しているから民間の種子産業の参入をしにくくしているというふうに説明しているんですよ。こうした認識の下で種子法がいきなり廃止をされるということになりました。 農研機構や試験場の予算、人員の問題、今日るる皆さんから出されていますけど、この状況を放置して品種の育成を民間企業に移行しようというのは、公的役割を放棄することになるんじゃないかと思うんです。結局は予算減らしたいってことなのかというふうに思っちゃうんですよね。 そういうことはやっぱり許されないし、本来であれば、農家独自の取組、地域ごとの取組こそもっと進めるべきだし、そこに公的研究機関が農家の独自の取組と一体に取り組んでいくことが大事だということを述べて、質問を終わります。
○委員長(藤木眞也君) 暫時休憩いたします。 午後二時二十二分休憩 ─────・───── 午後二時三十四分開会
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案及び種苗法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩渕友君 日本共産党を代表し、両法案に反対の討論を行います。 両法案は、主要農作物種子法の廃止と、それに続く種苗法の改正に連続するものです。 政府は二〇一八年、各県の農業試験場などの公設試験研究機関を、民間の品種開発を阻害しているとして、その根拠法である種子法を突然廃止し、同時に、公的機関が持つ知見を民間に提供させる農業競争力強化支援法を成立させました。二〇二〇年には、知的財産権の強化を通じて品種開発企業の利益を確保するため、自由だった農家による登録品種の自家増殖を一律禁止とする種苗法の改正を行いました。 しかし、そもそも農作物の遺伝資源は、人類が数千年にわたり保存、改良してきた共有財産とも言えるものです。その観点から、国連、農民の権利宣言においても、農家は自家採種の種苗を保存、利用、交換、販売できる権利を有すると記載されており、食料・農業植物遺伝資源条約においても同様の規定が設けられています。 これまでの一連の改正は、こうした農民の権利への配慮を全く顧みず、種苗企業の参入促進、利益確保に著しく傾くものでした。今回の改正も、更に知的財産権を強化、保護しようとするものであり、農民の種に対する権利を一層制約するものです。 現在、国内の育成者権の存続期間は、既にUPOVで求められている二十年を超え、二十五年となっています。今回の種苗法の改正は、これを加盟国で最長の三十五年とし、知的財産権の大幅な強化を図るものです。 また、育成者権取得前、登録申請中の差止め請求制度の新設、育成者権侵害に対する損害賠償額の拡大など、育成者権の効力の範囲を拡大する改正も、農民の権利を無視し、農家の自由な育種、採種活動を実質的に制限し、萎縮させるものです。 現在、世界的に種子事業の民営化と知的所有権を強化、植物遺伝資源の囲い込みを通じて、独占バイオ産業が、公共種子、農民種子を多国籍企業が開発した特許種子に置き換えようとする状況が進んでおり、農家がこうした独占企業の開発した高い価格の品種を使わざるを得なくなる状況が進展しています。 重要品種法案は、こうした流れに同調し、公的試験研究機関の知見、データ、施設を民間企業に提供させるだけでなく、育種から生産に至るまで全面的に協力させることで、種子、種苗開発に対する公的役割を放棄し、内外の独占企業に移行する足掛かりをつくろうとするものです。 我が国の公的事業による種子、種苗供給は、量的にも質的にも不足が生じているわけではなく、本法案は農家の願いでもありません。優良な品種の開発を促進するのであれば、これまで重要な役割を果たしてきた公的試験研究機関に対する予算、人員増こそ必要だと述べ、反対討論とします。
○かごしま彰宏君 国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。 会派を代表して、政府提出の重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案及び種苗法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。 気候変動による高温障害や病害虫の拡大、農業者の減少、国際情勢の不安定化が進む中、我が国の農業を守り、食料の安定供給を確保するためには、環境変化に強く、省力的で多収性を備えた品種を迅速に育成し、生産現場に普及させなければなりません。気候変動等対応品種法案は、こうした品種を重要品種と位置付け、開発や生産を促進するものです。 農研機構の研究施設等の供用や出願料の減免措置は、今後の新品種生産の促進に資するものと評価をします。一方、新品種の育成には長い時間と多額の費用を要します。民間活力は重要ですが、米、麦、大豆を始め、国として重要な品種の開発をより進めていくためには、農研機構や都道府県の試験場、試験研究機関が中核的な役割を果たし、大学や民間と連携する体制を築くべきです。 同時に、農研機構や都道府県試験場など、公的研究機関の研究環境の整備も喫緊の課題です。今回の政府提出法案では、農研機構の施設の供用などが含まれていますが、そもそも老朽化の進む公的研究機関の整備を盛り込まなければ、制度目的を果たせません。そのためには、制度だけでなく予算が必要です。研究基盤の更新と人材の確保に、国が継続的かつ十分な財政措置を講ずることを求めます。 また、新品種生産に関する知見は国の重要な知的財産です。産学官連携を進める際にも、情報や遺伝資源の流出を防ぐ措置を徹底して行い、国益に資する研究開発を進めてもらいたいと願います。特に、主要農作物に関する研究知見は、将来の食料安全保障の核となる重要な基盤であり、国が責任を持って厳格に管理すべきです。 種苗法改正案は、育成者権の存続期間の延長、品種登録前の輸出に対する差止め請求など、我が国で育成された新品種の保護を強化するものです。優良品種の海外流出が相次ぐ中、必要な改正です。 しかし、権利を設けるだけで流出は防げません。海外での権利取得はもとより、流通を監視し、流出による違法栽培が確認されれば訴訟による栽培差止めを求めていくといった、育成者を一貫して支援する体制が不可欠です。新たな育成者権管理機関が名目だけの組織とならないよう、十分な予算と専門人材の確保をすることを強く求めます。 今回の二法案が、新品種を育てる政策と守る政策、この両輪として日本の農林水産業を強く前に進めることを願い、国民民主党の賛成討論といたします。
○委員長(藤木眞也君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石垣さんから発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこさん。
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案に対する附帯決議(案) 近年、温暖化等の気候変動、農業者の減少など我が国の農業をめぐる情勢が大きく変化し、農業生産活動への悪影響が顕在化する中、農業の持続的な発展と国民に対する食料の安定供給を確保するため、高温や病害虫に強く、単収が多い等の特徴を有する重要品種を育成し、広く普及を図ることが喫緊の課題となっている。このため、産官学連携の下、知的財産の保護にも留意しつつ、重要品種の育成・普及に継続的かつ安定的に取り組むことが求められる。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に係る国の基本方針の策定に当たっては、関係者間の連携・協力を前提に、重要品種の育成者、その種苗の生産者、その種苗を利用する農業者等の関係者の意見を丁寧に聴取し反映させること。 二 基本方針においては、重要品種として育成を進めるべき多収化や高温耐性等の形質を明らかにすることはもとより、産官学連携の在り方、地域の実情を踏まえた対応、多様な品種の確保の方向性等についても示すよう努めること。また、重要品種の名称等の国が有する重要品種に係る情報については、都道府県の関係者をはじめ、幅広く周知すること。 三 育成した重要品種の知的財産の保護が図られるよう、我が国における品種登録出願の義務化、出願料等の減免とともに、海外での品種登録の取組について、必要な支援を行うこと。 四 重要品種育成事業計画の認定に当たっては、我が国の食料安全保障及び経済安全保障の確保の観点から、申請者及び事業の実施内容について様々な角度から丁寧に確認を行う等、厳格な審査に努めること。 五 都道府県基本計画の作成等に当たっては、地域の合意形成に配慮して行われるよう国としても必要な助言等を行うとともに、これらの事務を担う都道府県の過度な負担とならないよう、地域の実情に応じた適切な配慮を行うこと。 六 農業経営基盤強化促進法の特例により認定重要品種種苗生産事業活動実施者が地域計画の協議の場へ参加するに当たっては、当該種苗生産者も地域農業を担う主体であることを十分に踏まえ、協議の場を通じた地域農業者等との交流・連携が確実に進展するよう、環境整備を図ること。また、本特例による取組も含め、地域計画の見直し等の取組が全国的に着実に進められるよう、必要な支援を集中的に行うこと。 七 重要品種の育成及びその種苗の生産がより効果的に行われるよう、人材の育成・確保等の幅広い支援を図ること。 八 産官学による重要品種の育成・普及の取組を支援するための十分な予算を確保すること。特に、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下「農研機構」という。)による施設の供用や専門家の派遣等は、重要品種育成事業の推進への多大なる寄与が期待されることから、農研機構の施設や人員を充実させること。また、農研機構が保有するDNAデータ、栽培試験データその他の育種基盤情報等は、我が国の貴重な知的財産であることに鑑み、その提供・利用に当たっては、知的財産や技術の国外への流出を防ぐ措置を講ずること。 九 米、小麦、大豆等の主要農作物の供給に関する国、都道府県の役割の重要性に鑑み、農研機構や都道府県の農業試験場等における新品種開発への取組状況を把握し、多角的に分析を行うこと。 十 前項の把握、分析を踏まえ、高温耐性品種の開発をはじめ、農研機構や各都道府県における現下の課題に対応した取組を後押しすること。そのため必要となる対応に十分な予算を確保するとともに、地方財政措置についても十分な措置を行うよう努めること。その際、研究開発を行う人材の重要性を強調するとともに、研究開発に係る技術等が的確に承継されるよう努めること。 十一 農研機構や各都道府県の農業試験場等の施設、設備の老朽化の状況、更新需要、現下の物価高騰等を踏まえ、研究開発に極力影響を与えないよう、的確な予算措置及び地方財政措置に努めること。 十二 植物新品種の開発は、利用者である農業者の所得向上、地域農業の振興につながるべきものであることに鑑み、公的試験研究機関等における多様な優良品種の育成が持続的に行われるよう必要な支援を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤木眞也君) ただいま石垣さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、石垣さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林水産大臣。
○国務大臣(鈴木憲和君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
○委員長(藤木眞也君) 次に、種苗法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石垣さんから発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこさん。
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました種苗法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 種苗法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 我が国において農業の持続的発展を図るためには、優良な品種を用いた国産農産物の産地形成や輸出促進が重要であるが、近年、登録品種の育成者権侵害の多様化や品種登録出願中の新品種の海外流出などの課題が顕在化している。こうした状況に対処するため、育成者権保護の更なる強化を図ることが求められる。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 育成者権の存続期間の延長を既存の登録品種に適用するに当たっては、当該品種を利用する農業者への影響がないよう、制度の周知徹底を図ること。 二 品種登録前の出願品種の種苗の輸出に係る差止請求制度を創設するに当たっては、従来の制度と合わせて丁寧な説明を行うとともに、利害関係者からの相談等に対応する体制を整備すること。 三 種苗の輸出目的での保管にも育成者権の効力が及ぶことについて、保管行為等に関わる第三者が意図せずに育成者権侵害事案に関与することを防止するため、幅広い関係者に対して、制度見直しの内容の周知徹底を図るとともに、適切な運用を行うこと。 四 種苗の貸渡しを保護の対象とするに当たっては、従来の譲渡による慣行との相違や、虚偽表示禁止違反の刑事罰化等について、育成者権者、苗木業者、農業者等の関係者に対し、丁寧な制度の説明を行うこと。 五 品種登録出願の優先審査の導入に当たっては、対象要件を明確にするとともに、選定及び審査の透明性を確保すること。 六 幅広い育成者権者の権利の保護・活用を図るため、登録品種の海外における保護・活用を担う育成者権管理機関の早期立上げ・事業化に向けた支援を行うこと。また、海外ライセンス指針を踏まえた戦略的な海外ライセンスの実現に向けては、国内市場への影響や国際市場における輸出との競合等に対する国内産地や生産者の懸念に十分配慮すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤木眞也君) ただいま石垣さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、石垣さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林水産大臣。
○国務大臣(鈴木憲和君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
○委員長(藤木眞也君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十二分散会
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