令和八年七月七日(火曜日) 午前十時三分開会 ───────────── 委員の異動 六月二十三日 辞任 補欠選任 三上 えり君 徳永 エリ君 原田大二郎君 竹谷とし子君 七月六日 辞任 補欠選任 横沢 高徳君 羽田 次郎君 竹谷とし子君 佐々木雅文君 七月七日 辞任 補欠選任 羽田 次郎君 横沢 高徳君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 藤木 眞也君 理 事 朝日健太郎君 上月 良祐君 東野 秀樹君 石垣のりこ君 かごしま彰宏君 委 員 井上 義行君 江島 潔君 進藤金日子君 野村 哲郎君 山下 雄平君 山本 啓介君 田名部匡代君 徳永 エリ君 羽田 次郎君 横沢 高徳君 舟山 康江君 佐々木雅文君 高橋 光男君 佐々木りえ君 杉本 純子君 岩渕 友君 国務大臣 農林水産大臣 鈴木 憲和君 副大臣 農林水産副大臣 山下 雄平君 大臣政務官 農林水産大臣政 務官 山本 啓介君 事務局側 常任委員会専門 員 西村 尚敏君 政府参考人 農林水産省大臣 官房総括審議官 押切 光弘君 農林水産省大臣 官房技術総括審 議官 堺田 輝也君 農林水産省消費 ・安全局長 坂 勝浩君 農林水産省輸出 ・国際局長 杉中 淳君 農林水産省農産 局長 山口 靖君 農林水産省経営 局長 小林 大樹君 農林水産省農村 振興局長 松本 平君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第四八号)(衆議院送付) ─────────────
農林水産委員会
発言 183
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、三上えりさん、原田大二郎君及び横沢高徳君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリさん、佐々木雅文君及び羽田次郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官押切光弘君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○東野秀樹君 おはようございます。自由民主党・無所属の会、東野秀樹であります。 早速入ります。 まず、今回の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案には、一つ目に多様化する流通実態の把握の強化、二つ目に機動的な民間備蓄の新設、三つ目に国による生産調整規定の廃止、そして、それらをもってして需要に応じた生産の促進を図ることがうたわれてございます。 その中でも、私は、現場と一体となって需要に応じた生産の促進をどう実現するのかということが極めて重要かつ最大のミッションだと考えております。さらに、需要に応じた生産の促進は、生産者が需要を意識して作付けを行うだけでは実現ならず、流通、加工、販売、サプライチェーン、いわゆる出口までがしっかりと連動しなければ実現できないものと考えてございます。現在の環境、情勢変化を踏まえ、実に大きな変革と、それを伝えるメッセージが必要だと思います。まさに今、この国の生産者から消費者に至るまでのサプライチェーンに希望と安心、日本の食の未来ビジョンを示さなければならないと考えております。 そのような思いも込めて、本日、私からは、食料安全保障に資する需要に応じた生産の促進、これを実現するためにはという観点から、私も国会議員である前に一生産者でありますので、現場実態も踏まえて質問をさせていただきます。 まず、需要の開拓に向けた取組についてお伺いをいたします。 生産現場において、生産者が需要を意識して生産活動を行うことはこれまで同様当然必要だと思いますが、一方で、米の国内外の需要開拓に政府が主体的に取り組むこと、これもまた非常に重要だと考えております。政府の需要開拓に向けた国内外での取組状況について、鈴木農林水産大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 この需要に応じた生産を推進するに当たりまして、一般の主食用はもちろんでありますけれども、業務用、米粉用、輸出用といった多様な用途の米について国内外の需要をしっかり開拓をしていくことが重要だというふうに考えております。 まず、業務用のお米につきましては、中食、外食や消費者のニーズに応え、多様な価格帯の米を安定供給をするということが重要であります。生産コストの低減に向けた取組とともに、産地と実需者とのマッチングへの支援などを行っているところであります。 また、ノングルテン米粉などの米粉の利用拡大に向けましては、付加価値を持つ新たな商品開発などへの支援や喫食機会の増加に向けた情報発信などに取り組んでおります。その一環として、七月の一日に米粉のイベントを農林水産省で開催をさせていただきました。私自身も参加をしましたが、有名シェフなどとの対談のほか、米粉を使用した洋菓子の試食などを通じ、米粉の魅力を広く発信するとともに、生産者や実需者の取組拡大に対する機運を高めていく考えであります。もう皆さんが御存じのあの有名なメーカーも、米粉で作るといいものができるということで一緒に取り組んでいただいているところであります。実際に販売をするところまで皆さんと取り組んでいきたいというふうに思います。 さらに、米や米粉の輸出拡大に向けては、日系に加えまして、現地系のスーパーやレストランなどの新たな販路や商流の開拓などに取り組んでおります。その一環として、私自身、先月、フランスに出張しました。現地系大手スーパーの幹部や現地のすし製造事業者及び日本食材の卸事業者との意見交換を行い、すしなどへの日本産米の利用について働きかけるなど、日本産米や米粉製品のトップセールスを実施をしているところであります。 政府が前面に立って米の需要を開拓し、またその情報を生産現場にしっかりと伝えて、一緒になって需要に応じた生産、米の生産の持続的な発展を図ってまいりたいというふうに考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 このように、大臣自らが広く需要開拓に乗り出していただけることは、生産現場にとっても大変心強いメッセージになると思います。今後、米のみならず、牛乳・乳製品、畜産物、果物、お茶など、更なる需要開拓に向けても、大臣を始め国を挙げた出口対策、需要拡大の取組に引き続きよろしくお願いしたいというふうに思います。 このように、需要開拓に向けた輸出の拡大は大変重要なことでありますが、気掛かりな側面もございます。以前の質疑でも大臣が触れられたビジネスの鉄則でございます。余った分を輸出することではないと。安定して契約を履行、継続することの重要性であります。 一昨年、店頭で米不足の最中に、ネット上で事実誤認のデマが流されました。それは、国内でお米が不足しているのに国産米が海外へどんどん輸出されている、それを見た方々から多くの問合せや誹謗中傷が寄せられたとのことでありました。結局、これは三年前の米需給緩和時に産地が積極的に輸出開拓に取り組んだとき、このニュースを利用して、あたかもそのときに行われたかのような事実をねじ曲げた情報でありました。 このように、誤った情報を意図的にさらす行動は、残念ながら現在様々散見されることでありますが、それよりも、我が国で生産された食料は余ったものを輸出に回せばよいという概念が多くの国民の理解だということの一面があらわになった局面でもありました。 国民が食料を調達できなくなることは当然あってはならないことでありますが、それと同時に、輸出に対する国民理解を得るためには、今回の改正に向けて、いかに精緻な米の流通実態を把握し、サプライチェーン全体に共有できるか。そして、その実効性を高める水田政策と機動的な備蓄の運用をもって国内の需要と供給のバランスを保つこと。そして、沖縄から北海道、中山間地域から都市農地に至るまでの国内農地のフル活用をもって国民の食料を最大限自国で生産し続ける。これこそがまさに我が国の食料安全保障だと考えております。 次に、農業所得確保の在り方についてお伺いをいたします。 さて、昨年閣議決定をした食料・農業・農村基本計画において、食料安全保障の観点からも、米のみならず、輸入依存作物である麦、大豆についても増産していくことが示されてございます。我が国において、米、麦、大豆は欠かすことのできない重要品目でございます。しかしながら、昨年の米価格の高騰を背景に、水田で麦、大豆の作付けが主食用米にシフトし、国内麦、大豆は供給量の減少、主食用米は過剰となり、主食以外の多用途なニーズのお米については不足するといった状況が既に生じてございます。 他方、海外に目を向ければ、肥料調達不足、コスト増や干ばつ等を背景に、オーストラリアの今年産小麦が二、三割減少するため、価格上昇や世界的な穀物不足も懸念するとの報道もございます。やはり、我が国の食料安全保障を確立する観点からも、様々なニーズの米、麦、大豆を始めとした作物等がバランスよく安定的に生産、供給されていく、まさに需要に応じた生産が必要不可欠だと感じております。 生産者が持続可能な農業を確立、継続するためには、やはりまず再生産、再投資可能な農業所得を確保することができるのかという点になります。幾ら需要があるからといっても、安定した農業所得を確保できない作物は生産者も作り続けることはできません。単に米、麦、大豆といっても、作物によって販売価格の決まり方や、流通の慣習やシステム、さらには作付けする地目によって受けられる政策支援が異なるのが現状であります。 一方で、主食用米については、資料の二枚目にも示したように、広い立場の専門家で構成される専門部会においてコスト指標が示され、今後の実効性に不安はあるものの、適正な価格形成と再生産、再投資が可能な農業所得をイメージすることができるようになりました。しかしながら、麦、大豆を始めとした畑作物については、生産費統計と現場の生産費の実態について乖離があるとの声も聞きます。 そこで、麦、大豆を始めとした畑作物について、国は、現場実態を的確に捉えた生産費等を把握した上で畑作物の直接支払交付金の算定を行う必要があると考えますが、農林水産省の見解をお伺いいたします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。 畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策につきましては、客観的な統計情報などを用いて、担い手経営安定法に基づいて交付単価を算定しているところであります。ゲタの交付単価は三年に一回見直しているわけですけれども、昨年十一月の交付単価の改定の際には、この交付単価の算定に用いる統計情報などについて、現場の実態、実感と乖離しているのではないかとの御意見を頂戴したところであります。私自身、麦、大豆の産地の佐賀県の選出ですので、私自身も直接、この足下の非常に物価高を反映しているのかという声を累次いただいてまいりました。 こうした声を踏まえて、主要な産地の生産者や生産者団体などの皆さんと意見交換を行ってきたところであります。これまでの意見交換では、ゲタの算定に用いる生産費統計の物財費は必ずしも現場の実感とは合っていないのではないかでありますとか、水田や畑あるいは地域で生産性が異なる、こうしたことにもっと配慮してほしいといった様々な御意見をいただいているところでありまして、こうした御意見を踏まえた検証を行いまして、令和九年度における単価改定の是非も含めて制度の運用を検討してまいりたいというふうに考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 麦、大豆については、御存じのとおり、海外産との競争の中で入札で価格が決まります。その分、国内生産者は当然、生産コスト割れを起こしてしまいます。それを埋める政策が、副大臣お話しいただいたとおり、畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策であって、しっかりとその差額分の補填が担保されなければならないというわけであります。 このゲタ対策については、担い手経営安定法に基づいて、諸外国との生産条件の不利を補正するため、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分を支援しているもので、令和八年産では、これまでに確定値を用いる手法から、現況の急激なインフレに対応するため、直近の推計値を用いて単価を算定する手法へと見直すなど、これまでにない対策も講じていただいたものと承知をしてございます。 しかしながら、副大臣お話しのとおり、産地からは、生産費の上昇分や生産現場のコスト実態が的確に交付単価に反映をされていない、また、収量増によって交付単価が下がってしまい、生産者の努力が反映されづらい、さらには、近年増大する流通保管経費は交付単価の算定に含まれていないため、直接的に生産者の所得減少につながっている等といった課題の声が昨年の推計値を用いる対策以降も多く聞かれてございます。 配付の資料にも示しましたが、国内の麦、一枚目であります、大豆の生産のかなりのボリュームを担う、地目、畑に分類される、特に純畑作地帯は水田政策の支援対象ではなく、このゲタ対策が適切に機能しない場合、経営は危機的な状況に陥ります。既にその兆候は顕著でありまして、更なる離農者も出てきております。 地域では、不耕作地を出さないためにも、地域の限られた担い手がその農地を引き受けざるを得ない状況が加速をしてございます。純畑作地帯の多くのウエートを占める我が北海道についても、三、四品目の輪作の徹底を図りながら安定生産に努めてはいるものの、機械力の増強で完結できる作物、すなわち麦、大豆のウエートを高めながらも何とか農地を守り続けておりますが、もうこれ以上の規模拡大は限界だという声も数多く聞かれます。 そこで、国産麦や大豆を始めとした畑作物の自給率を向上させ、我が国の食料安全保障を確立するためには、やはり万全な経営安定対策の確立が必要不可欠であると思います。農林水産省は、このような生産現場の声を聞いていただき、真に生産者が再生産、再投資が可能な農業所得を確保できるよう、本改正法案の第五条四項にも記載があるとおり、政府は、需要に応じた生産が可能となるよう云々、様々な関連施策を講ずることにより米穀の生産の持続的な発展を図ることとすると記されているとおり、水田政策とともに畑作物の直接支払交付金の充実が極めて重要だと考えておりますが、農林水産省の見解をお伺いいたします。
○副大臣(山下雄平君) ゲタ対策については東野先生が御指摘いただいたような仕組みで、また、この九年度の単価の改定は、是非も含めて、今制度の運用を検討しているところでありますけれども、こうしたゲタ対策に加えまして、生産者の皆さんが再生産、再投資が可能となるように、収入保険やナラシといったセーフティーネット対策に加えまして、農業機械の導入や共同利用施設の再編、集約、合理化を強力に進めているところでありますけれども、様々な施策を併せて農業者が再生産、再投資が可能となるような整備に全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 新たな水田政策の見直しにおいて、水田、畑地にかかわらず、麦、大豆等に支援を行うとの方向性もまた示されておりますが、やはり畑作物については、ゲタ対策も車の両輪として連動させながら、それぞれの現場実態を包括的に支えることが一丁目一番地だと思います。万全な当初予算をもって、極力シンプルで分かりやすい制度設計を是非ともよろしくお願いしたいと思います。 次に、新たな水田政策の基本的な考え方、また仕組みが策定をされました。具体的な支援水準等は、今後、現場の声を丁寧に踏まえつつ策定していくのだと理解をしてございます。水田、畑地にかかわらず支援の対象を拡大するのであれば、現行水準以上の支援はもとより、既に九年度作付けの種子等の取りまとめ注文も始まっておりますので一刻も早いその明示が必要かと思いますが、今後の具体化に向けたスケジュールと農林水産省としての予算拡充なども含めた意気込みについてお伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 令和九年度からの水田政策の見直しでは、水田、畑にかかわらず、作物ごとの生産性向上などへと転換し、食料安全保障の強化を図ることといたしております。この取組を実行するための予算については、現行の水活の見直しや見直しに伴う既存施策の再編により得られた財源を活用し、将来にわたり国民に食料の安定供給を果たせるよう必要な額の確保に努めてまいります。 また、具体化に向けては、令和九年度から開始することを基本としつつ、現在開催している地方説明会などを通じて現場の農業者や関係団体の皆様の御意見を丁寧に伺った上で単価などの要件について予算編成過程の中で決定していくこととなりますが、できる限り早く必要な情報を生産現場に伝えていきたいと考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いします。 それでは、最後に備蓄米についてお伺いをいたします。 本改正案は、新たに米の民間備蓄を創設することとしてございます。これは、今までの政府備蓄では機動的な対応ができず調整、流通に時間を要したことなど、今般の米の流通実態の分析、また反省も踏まえたものであると理解をしてございます。 そこで、今回、法律で義務化をし、民間に備蓄を担っていただくのであれば、協力していただく民間事業者の実務全般の負担とコスト増加につながらないよう、備蓄する米の定義や国の役割を明確化し、国が責任を持って十分な支援をする必要があると考えます。また、そのためには、現在公募している実証事業を通じて民間事業者の意見を十分に踏まえることが必要だと思いますが、この民間備蓄制度の在り方について農林水産省の考えをお伺いいたします。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 政府備蓄を補完する役割である民間備蓄につきまして、国としては、定期報告などを通じて供給不足を把握した場合には、不足している地域や業種を示して、民間備蓄事業者に対して備蓄の放出の要請を行うことなどをできることとしております。また、民間備蓄の常時保有に当たっては、民間事業者によっては通常より多い在庫保有を求められることとなる中で、その保有を円滑にするために政府が必要な財政上の措置その他の措置を講ずるという規定も設けさせていただいているところでございます。 具体的な運用につきましては、委員御指摘の民間備蓄の実証事業を踏まえた検討をすることとしておりますが、民間の既存の流通を活用した備蓄米の機動的放出を可能とする民間備蓄の趣旨、あるいは平時から基準保有量が常時保有されることの必要性などを鑑みれば、現時点で備蓄米の放出の方法につきましては、所有者は事業者、基本的に通常在庫の中で回転備蓄を行うというような形で検討を進めていくことを想定しております。 いずれにいたしましても、委員が御指摘の民間備蓄の実証事業の検討結果を踏まえまして、民間事業者とよく意思疎通を図りながら、負担が余り過度にならないように、制度の施行までに周知を努めてまいりたいというふうに考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいというふうに思います。 今、生産現場からは、過去にない現在の需給緩和状態をいち早く正常レベルに戻すとともに、国民の備蓄米の必要総量を確保して、米流通、サプライチェーン全体を安定化に向けて、昨年五十九万トン放出をした備蓄米の買戻しの早期実行について、全国各地から大変強い要望をいただいてございます。加えて、大臣も常におっしゃるように、昨年の備蓄米の放出は一歩遅れた面があったというふうに思います。まさにこの買戻しの局面では同じ過ちを繰り返してはいけないというふうに思います。 需要に応じた生産を行う役割、この最終判断は生産現場、すなわち生産者にしかできません。しかしながら、備蓄を機動的に放出したり確保をしたりする決断は、逆立ちしても生産者にはできません。まさに最後の重要な判断をするのは政府にしかできないのであります。今回のような機動的な民間備蓄のルールを作っても、責任ある速やかな判断ができなければ、ルールそのものが無意味となります。重ねて、一刻も早い対応をよろしくお願いしたいというふうに思います。これについて、大臣の決意も含めて一言いただければ有り難いというふうに思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今、大切な御質問をいただいたというふうに思います。 生産現場の皆さんから見て、御不安に思われなくて済むような需給の環境というのは大変大事だというふうに思いますから、これからも政府としてしっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいというふうに思います。 最後に、我が国のみならず、世界的な食料、農業、農村をめぐる情勢は、言うまでもなく、様々な気候変動、さらには国際情勢、円安等相まって、生産資材高騰等、本当に止まらない状況であります。そういう状況だからこそ、生産者、消費者共に将来が見通せる食料安全保障の確立が必要であり、これだけ大きな環境、情勢変化を踏まえて、過去に定めた法律、政策大綱や政策の検証を行うとともに、課題があれば現場実態に即したものへと見直しを行っていくことが求められているのだと思います。 最後に、私も、需要に応じた生産が実現できるよう、生産現場の役割の理解促進に向け全力で努めますので、大臣始め農林水産省の皆様には、政府にしかできない役割の着実な遂行に向けて共に汗をかいていただくことをお願い申し上げ、私の質疑を終了します。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 皆さん、おはようございます。立憲民主党の徳永エリでございます。二週間ぶりの委員会ということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。 今日は、食糧法の改正案の質問をさせていただきます前に、大臣に二点お伺いしたいと思います。 一つは、肥料価格の上昇についてです。これは予算委員会でも質問させていただきましたけれども、時間が十分になかったものですから、改めて質問させていただきます。 私の地元北海道からは、主要な肥料の価格がこの六月から前年比の二四・七%も来年の五月まで上がるということでございます。国の支援を求める声が生産現場から上がっておりまして、大臣からは、食料・農業・農村基本計画において肥料の小売価格の急騰が見込まれる場合は影響緩和対策を実施することにしておりますというお話がございましたが、いまだに何の対策も打たれていないという状況であります。 令和四年のときに、肥料価格は前年比で七八・五%も、同じ肥料ですけれども、急騰いたしました。このときは、予備費七百八十八億円で肥料価格高騰対策事業を実施していただきました。今回は二四・七%ということではありますけれども、この令和三年から令和四年にかけて七八・五%価格上がった、そしてその後少し下がったんですけれども、徐々に徐々に上がってきて、今回二四・七%ということになりますと、令和三年肥と比べると、何と一九八・二ということで、九八・二%も価格上がっているということなんですね。つまり、五年間で倍になっているということなんですよ。 しかも、昨日の日農新聞の記事になっておりましたけれども、農林水産省が農業生産資材の価格動向を表す農業物価指数の五月の値を発表したということですが、二〇二〇年の価格を一〇〇としたときに、資材全体は一三一で過去最高となったということで、肥料だけではなくて、全ての農業資材価格が高騰しているという状況であります。 この肥料に関してちょっとお伺いしたいのは、令和六年十月に改正した食料・農業・農村基本法第四十二条の第三項ですけれども、「国は、農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるものとする。」と。そして、食料・農業・農村基本計画においては、肥料小売価格の急騰が見込まれる場合は、肥料価格高騰対策事業の仕組みや効果等を踏まえ、影響緩和対策を実施する旨を規定し、機動的に影響緩和対策を講じる仕組みを整備と書かれています。 これ、急騰というのは、確かにこの七八・五%というのは誰がどう見ても急騰でした。で、この二四・七と聞くと、これ急騰とは判断できないんでしょうか。だけど、五年間で倍になっているんですよね。これをどのように理解したらいいのか、まずは御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 肥料を含めまして、農業資材の価格の著しい変動につきましては、農産物価格の変動や豊凶などの状況によって農業経営に及ぼす影響が様々であり、定量的な基準を設けるとかえって硬直的な対応となりかねないことから、どの場合がこの急騰に当たるのかというのを一概に申し上げるということは正直言ってちょっと難しいというふうに思います。 ただ、農林水産省としては、農業資材の価格や農業経営に及ぼす影響は注視をしております。大事なことは、やっぱり経営がこれで成り立たないということにならないということだというふうに考えておりますので、その状況に応じて必要な対応は講じさせていただきます。
○徳永エリ君 是非、もっと分かりやすい、具体的にですね、このくらいになったらこれは急騰と判断するんだということをお示しいただけると農家も安心するんじゃないかというふうに思います。 それで、北海道のある農家に聞いてみたんですけど、水稲二十ヘクタール、そして大豆を九ヘクタール、麦を八ヘクタール、トータルで三十七ヘクタール作っている農家なんですけれども、昨年一年間で肥料代が約四百万円、そして農薬代が三百六十五万円、諸材料費が約百二十八万円ということで、もうこれ年間、生産資材だけで一千万円近く払っているということなんですね。今回二四・七%上がったので、この農家は肥料代だけで年間百万円も費用が増えるということなんですよね。 じゃ、農産物の価格はどうなっているんだということでありますけれども、生産コストはどんどん上がっていく、価格はなかなか上がらないという状況ですから、相当現場は厳しいんだということを御理解いただいて、早く必要な支援をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 先ほども申し上げさせていただきましたけれども、我々としては、大切な農業経営なさっている皆さんが、これによって、資材価格の急騰によって成り立たないということにしてはならないということはもう肝に銘じております。 今、直近の状況というか、今まで調達した分とこれから調達する分でその経営に与えるインパクト、そして価格がどうなっているかということも同時に見ていかなければなりませんので、そうしたことを総合的に判断をして、ただ、手遅れにならないように我々としては対応させていただきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 重点支援交付金でということではなくて、これ自治体ごとに対応が違うと、隣の町では支援があるのにうちにはない、こんなことにもなりますので、是非とも補正予算、予備費まだ使い道決まっていませんよね。大臣からしっかりこの農業の厳しい現状を伝えていただいて、支援をしていただくように政府に申し入れていただきたいということもお願い申し上げたいと思います。 それから、次でございますけれども、これは米国からの生食用ジャガイモの輸入についてであります。二〇二〇年の三月から米国から求められておりました、生食用ジャガイモの輸入解禁について伺います。 今年三月に、輸入解禁に向けた協議の進展を示す外国貿易障壁報告書を米国が公表いたしました。私、結構農水省の皆さんとはこの問題で頻繁にやり取りをしていたんですけれども、全くこの情報は耳に入っておりませんでした。 この中で、二〇二三年九月に日本は食用ジャガイモの最終的な害虫リストを提示し、害虫リスク評価の進展を約束したと、二〇二五年十月の植物検疫に関する二国間会議では、日本はアメリカに対し、追加五種類の害虫はほぼ完了し、残りは二種類だけであると伝えたと書かれています。 これが事実であるかどうかということと、それから、お手元に資料を配らせていただきました、輸入解禁に係る標準的手続、十一段階ということなんですけれども、この手続が今どこまで行っているのか、御説明ください。
○政府参考人(坂勝浩君) お答え申し上げます。 米国産の一般流通用生鮮バレイショにつきましては、委員御指摘のとおり、二〇二〇年に米国側から輸入解禁についての要請があったところでございます。 委員の配付資料でもお示しいただいておりますけれども、農林水産省におきましては、植物の輸入解禁協議につきまして標準的手続を定めているところでございます。この標準的手続に従いまして、日米両国の検疫当局間で現在、病害虫のリスク評価を行っております。リスク管理措置が必要となる病害虫の特定に向けた協議を進めているというところでございまして、お示しいただいた配付資料でいきますと三番の段階でございます。このプロセス、現在も続いておるところでございます。引き続き検討を続けてまいりたいと思っております。 また、委員御指摘の米国政府作成の外国貿易障壁報告書でございますけれども、これ、米国政府作成の文書でございますので、その内容の逐一についてコメントすることは差し控えさせていただきます。
○徳永エリ君 それ、おかしくないですか。それ、事実かどうかちゃんと確認できないと対応できないじゃないですか。どうなんですか。
○政府参考人(坂勝浩君) 繰り返しになりますけれども、現在、米国産一般流通用生鮮バレイショの協議につきましては、病害虫リスクの評価を行っている段階でございます。 このリスク評価が終了次第、その結果を公表して、リスク管理措置の協議に移行することとしておりますけれども、いずれにしても、このリスク管理措置が必要なものとして病害虫を特定された場合は、その病害虫が我が国に侵入することのないよう科学的観点から検疫協議を実施してまいる所存でございます。
○徳永エリ君 今の御説明では、心配している生産者の方々に私たちどう説明したらいいんですか。本当に何か納得できない答弁ですけれども、時間がないので行きますが。 あと、今三番という話がありましたけれども、私この間農水省に聞きましたら、もう四番目まで行っていて、この夏にも恐らく農林水産省のホームページに公表するんじゃないかという御説明をいただきましたが、どうなんでしょうか。
○政府参考人(坂勝浩君) 現在、三番の段階のリスク評価の実施を行っているところでございます。それにつきましては、もうこの協議自体が二〇二〇年から六年続いております。慎重に科学的な協議を進めているところで、その協議が大詰めのところに来ているというのは事実でございます。 いずれにいたしましても、病害虫が特定された場合、この病害虫が我が国に侵入することがないよう、検疫当局間で科学的知見に基づいて病害虫ごとの特性に応じたリスク管理措置の策定についてしっかり協議してまいりたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 私は、四番まで行っていると、この夏にも農水省のホームページに公表しますので確認してくださいというふうに農水省から言われましたので、お話ししておきたいと思います。 それから、ここまで六年掛かっているわけです。通常ならこの十一段階ということでまだまだ時間掛かると思うんですけれども、米国からの政治的圧力で、幾らWTOのSPS協定に基づく科学的リスク評価に基づいてとはいえ、日米交渉の文脈の中で、その圧力によって一気に手続が進むのではないかということを現場は大変に懸念をいたしております。 これ、大体この全ての手続が終わるまでにどのくらい掛かるというふうに考えたらよろしいでしょうか。
○政府参考人(坂勝浩君) お答え申し上げます。 この三番のリスク評価が終わった段階で、リスク管理措置が必要な病害虫、これを特定して公表するということになります。 その上で、特定した病害虫につきまして、これらが我が国に侵入することのないように、その病害虫ごとの特性に応じたリスク管理措置を策定するという、両国の検疫当局間の協議に入るということになります。 この協議につきましては、その両国の検疫当局間で適切と考えるような措置の内容に見解の相違がある場合もございます。また、そのリスク管理措置が本当に効果があるかどうか、その検証に時間を要する場合もございます。そういったことを考えますと、実際、両国間で完全にそのリスク管理措置について合意に達するまでというのは、案件によりまして時間がまちまちでございますので、現段階では予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。
○徳永エリ君 時間がまちまちということは、何年も掛かる場合もあるし、一気に進む場合もあるという理解でよろしいですね。
○政府参考人(坂勝浩君) それぞれ案件によって違いますけれども、一般的に数年程度掛かっているというのは事実でございます。
○徳永エリ君 いずれにしても、輸入は解禁されるということですね。このリスク評価の結果、やっぱり解禁できませんということにはならないという理解でよろしいですね。
○政府参考人(坂勝浩君) 病害虫の侵入を理由とした貿易の制限というのは、WTOのSPS協定に基づきまして、適切なリスクの特定、それからその管理措置の合意、こういったものがなされるまでの間、暫定的に貿易が止まっているという状況でございます。両国の検疫当局間で、科学に基づきましたリスクの評価、それと、適切なリスク管理措置の合意、こういったものがなされた場合は、SPS協定に基づいて貿易を差し止める理由がなくなりますので、その場合は輸入が解禁されるということになります。 輸入解禁について標準的手続を定めているところでございますけれども、この流れに沿いまして両国間で科学に基づいた協議がなされるというふうに理解しております。
○徳永エリ君 これからも注視していきたいと思いますし、農水省とも折に触れて意見交換はしていきたいというふうに思っております。 これまで、ジャガイモシストセンチュウやジャガイモシロシストセンチュウが発生した地域は、根絶が極めて困難で、大変に苦労しているんですね。解禁となりましたら、防疫上の問題もそうですけれども、今ジャガイモの供給不足ということが言われておりまして、種芋も足りないと言われておりますけれども、大量に米国から安価なジャガイモが輸入されるということになれば、経営はもちろんのこと、我が国の需給基盤を守る観点からも大変に大きな問題だと思うんですね。 これ、北海道だけの問題ではありません。全国でジャガイモの生産しておりますけれども、種芋の九割はこれ北海道で生産していますから、これ、北海道でもしこのシストが大量に発生して、種芋をそれこそ移動できないということになると、全国の生産に影響するということであります。農水省としては、今の御答弁にもありましたけれども、余り悠長に構えていられない状況なんではないかなと思います。 この経営への影響、それから防疫上の問題もそうですけれども、こういった問題に農林水産省として今後どう対応していくのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) バレイショは、全国的に生産をされ、農業経営、地域産業及び食料安全保障の観点から大変重要な農作物であります。万が一国内未発生の病害虫が侵入することとなれば、国内生産に重大な障害が生じかねません。 農林水産省といたしましては、我が国の農業に悪影響を与えるおそれがある病害虫の侵入は許さないとの考え方で、協議には慎重に対応し、万全な措置を講じてまいります。
○徳永エリ君 経営に影響が出た場合の農家への補償、そういったこともしっかり検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) この米国産の生食用のバレイショが輸入解禁となった場合の影響については、現在協議を行っている段階であることから、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。 いずれにせよ、国内のバレイショ生産をめぐっては、労働力の不足、病害虫などの足下の課題にまずはしっかりと対応していくことが重要だというふうに認識をしております。 品種転換や機械化一貫体系の導入、そして集約化、施設の整備などの推進により、今後とも産地において安定的な生産が行われるよう、これ、要は供給力をいかに確保していくかという観点で生産基盤の強化を進めてまいりたいと思います。
○徳永エリ君 北海道のオホーツク地域などは、白物三品、麦と、それからでん原バレイショと、それからビート、これしか作れないと、この三輪作体系を回している地域もあるわけですね。 今、ビート、てん菜は、温暖化の影響でなかなか糖度が上がらなくて、減収、収入が減っているんですね。さらに、これ、ジャガイモにも影響が出たら何を作ったらいいんだと、どうやって経営をしていったらいいんだと、三輪作体系にも大きな影響が出るということでありますので、しっかりと、本当にこの問題は慎重に対応していただいて、未来に禍根を残さないようにしていただきたいということをお願いを申し上げたいというふうに思います。(発言する者あり)ありがとうございます。 それでは、食糧法の改正案について御質問させていただきます。 まずは、需要に応じた生産についてお伺いいたしますが、米粉の需要は二五年度が六万トンと過去最高でした。グルテンフリー、こういったことなどで米粉の需要が高まる中、製粉会社が原料米の調達に苦戦しているということであります。しかし、二五年産の米粉用米の生産量を見ると一万九千トン程度となっておりまして、増えるどころか、前年産を約四割下回っているという状況であります。二六年産の米粉用米作付け意向は〇・四万ヘクタールで二万トン相当にとどまり、二年続けて年間四万トンほどの不足が見込まれているということでございます。 需要に応じた生産について、大臣からは、前回この委員会で、主食用、米粉用、輸出用といった多様な用途の米について、国内外の需要を創出した上で、その需要を満たすよう生産することを意味しているという御答弁がありました。でも、実際には、需要があっても農家は作っていないわけですよね。 先ほども、需要に応じた生産の推進が今はできていないという状況の中で、しっかりと生産を促していくということでしたけれども、このできていないという現状と、それから、どうやってその需要に応じた生産をしてもらうのか、ここについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今の徳永先生からの御質問は、要は、米粉用の例えばものが需要はあるのに生産が追い付いていない、一体全体これは何でなんだろうねという話が基なんだというふうに思っております。 基本的には、この一、二年の状況を見ますと、米のまさに主食用の価格と米粉用のお米を生産した場合の生産者側の手取りとの間に乖離がかなりあるということが、結果として今まで米粉を作っていた皆さんも主食に行っちゃおうということになったということなのかなというふうに私としては理解をしております。 ただ、その一方で、是非御理解をいただきたいのは、ある、これはある県というか、まあ、ある富山県なんですけれども、富山県なんかは、この状況下であったとしても、米粉用のお米の作付け、出荷量ですね、変わらないで対応をしていただきました。これはやっぱり、富山県のその生産者側の皆さんのお話を伺えば、要するに、いいときと、主食用の価格がいいときとそうでないときというのがあるんだけど、やっぱり私たちはそのいろんな多様なものについて安定供給をするということが責任だというふうに思っているということを生産者の皆様にも御理解をいただいて、そういう米粉用のお米の生産量変わらずということで昨年対応させていただきましたというお話だったんです。 もちろん、米の価格がすごい私は難しいと思うのは、一年一年、要するに一年で一作ですから、要するに今の価格と来年の、要するに、何というんですかね、作付けのこの判断をする材料というのが、ちょっとタイムラグが当然あると。タイムリーに全部が判断できないという難しさはありますが、やはり、私としては、生産者側もその安定供給をちゃんとするということ、この意識をいかに、これ輸出用も特にそうです、いかに持って対応していくかということがやはり大事かなというふうに思いまして、私としてはそういう理解が進むように政府としても努力をさせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 理念はすばらしいと思います。だけど、実際に経営、生活が懸かっているわけでありますから、やっぱり価格、それから交付単価など国の支援水準、ここが非常に需要に応じた生産をしてもらうためには重要だと思っています。 北海道のある水稲農家に聞きましたら、米が暴落するかもしれない、価格が、そう言われているのにまた主食用米作っているのと言ったら、まあいろいろ考えたんだけれども、下がったとしてもまだ主食米を作っている方が収入が多いだろうと思ったので主食米用の作付けをしたというふうに言っておりました。そういう経営判断をやっぱり農家はするんだと思うんですよね。しかも、生産資材コストがどんどんどんどん上がっているわけですから、収入が増えても生産費を引いたら所得はマイナスみたいなことになりかねないという状況の中で、やっぱり入りをいかに増やしていくかということを考えて経営判断していくんだと思うんですよ。 だから、やっぱり価格と国の支援、まあ来年からの支援水準も明らかになっておりませんけれども、ここがはっきりしないとなかなか需要に応じた生産はできないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) これ、全てのものは、要は、その来年の需要がどうなるかというのは、一〇〇%未来を予測するということは難しいわけですよね。ただ、そういう中で、おおよその傾向というのは、私たちも当然なるべく精緻に需要の見通しというのを示させていただいています。現状の主食用の作付けの見込みがどうなっているかということも、情報提供を相当各県別にさせていただいておりますから、やはりそういうことをトータルで判断をいただいて経営判断していただきたいと思います。 先ほど、私は、済みません、特定の富山県の話、申し上げましたけど、北海道のあるJAの皆さんも輸出に取り組んでいらっしゃって、主食用の価格が上がったとしても、輸出用の方が正直言うと手取りとしては確かに減っちゃうんだけど、それでもやっぱり減らさないという決断をしていただいているJAもあります。これは、何でそういう決断できるんですかという話を聞けば、やっぱり何て言っていただけるかというと、トータルで私たちの地域の米生産が持続可能で再投資ができればいいというふうに考えていますと。そして、やっぱり今まで開拓をしてきたお客様との信頼関係をここで途切れさせるわけにはいきませんということで生産者の皆さんに御理解いただきましたと。 これは、その農協が頑張っていただいたということでありますから、そういう事例も出てきているので、今、確かに目の前の価格でこういうふうに判断しようというふうなことだったかもしれませんけど、これからはそうじゃない世界をつくらないと、いつまでたっても米の世界が持続可能で安定的になるということになりませんので、なるべくそっちの方向になるように、私たちとしては需給見通しの策定の仕方も変えて、現場の皆さんと意思疎通図らせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 また生産資材コストの話になりますけど、非常に短いスパンで価格がどんどん上がっていっています。円安の進行、もうこれ本当に大きな影響があると思うんですね。このままでは、米の価格が下がらずとも生産コストが増加して赤字に陥るかもしれないという懸念もあるわけです。 参議院の代表質問の際にセーフティーネットの必要性について大臣に御質問した際に、食料システム法の施行を受けて公表された米のコスト指標は、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止しようとするものだという御答弁がありました。つまり、セーフティーネットは必要なんじゃないかという御答弁だったんだと思います。 その米のコスト指標ですけれども、精米五キロ換算で、生産段階千九百一円、集荷段階二百三十五円、卸売段階二百十七円、小売段階四百六十二円、合計で二千八百十六円となっておりますが、これが決まったのは四月です。この四月の段階から既に生産資材コストもどんどん上がっています。輸送コストも上がっています。コスト指標もやはり短いスパンで見直しを行わなければ、結果的にコスト割れが起きてしまうのではないかということを心配しております。 このコスト指標の見直しについては、期間やどういう場合に見直すのかなど決まっているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 米のコスト指標、委員御指摘のとおり、本年の四月に策定をさせていただきましたが、おおむね一年ごとに改定を行うというのをまず基本原則として、費用の急激な変化など特段の事情が生じた場合には関係者の判断で随時改定をすることも可能ということで、これは大臣が定めました食料システム法の基本方針に明記していただいているところでございます。 その上で、米穀機構が米のコスト指標を策定したわけでございますが、この公表された米のコスト指標についても、その策定方法として、毎年、年一回改定して、原則三月に公表するというのを、これを原則とした上で、費用の急激な変化など特段の事情が生じた場合で、その生産、流通、販売などの関係者で構成されるコスト指標作成委員会で必要と判断された場合に随時改定を行うという形でルール化をされているところでございます。 農水省としては、このコスト指標が取引においてしっかり活用できるよう、この委員会の判断ですとか取引関係者の意見を聞きながら必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 先ほども申し上げましたけれども、短いスパンでどんどん価格が上がっているということで、一年ごとではちょっと遅いと思います、現状では。 それと、先ほどから急騰とか急激とか言っておりますけれども、これが曖昧なので、もっと具体的にどういう場合なのかというのを是非とも示していただきたいなということをお願いしておきたいというふうに思います。 次に、米の需要開拓、輸出の促進についてお伺いいたします。 食料・農業・農村基本計画では、米、パック御飯などの二〇三〇年の輸出を三十五・三万トン、金額ベースで九百二十二億円とすることを目指しています。上月先生からは、先日、高い目標だというお話もございましたが、私はそうは思っていないんですね。世界の米の輸出国と比べると、僅かな量ですよ。日本の米の輸出量は世界のトップテンにも入っていないという状況です。 インバウンドが四千万人を超えて、日本食の人気も世界で高まっているとはいえ、その国で米をどのように食べているのか、どのように販売する工夫をすればいいのか、そのことによって輸出増にどうつなげていくのかというやっぱり研究、分析、それからマーケティング、これが非常に重要だというふうに思っております。 価格の問題もありますし、精米で勝負をすることができるのかどうか。大臣がおっしゃるように、スーパーの棚を確保したとしても、並んでいる米を手に取って、果たしてその地元の方が食べてもらえるのか、買ってもらえるのかというのは問題だというふうに思うんですね。 私も、米国にいたときに、カリフォルニア米食べていました。非常においしかったです。冷めるとやっぱり日本のお米の方がおいしいなと思いますけど、炊きたてはそんなに変わらないなと思いますから、わざわざ価格の高い日本米を買うだろうかというのは大変に疑問に思います。 私は、やはり精米を売るよりも、これまでも申し上げてきましたけれども、日本の優れた加工技術、それから味や種類の多さなどバリエーションを生かした加工米飯、冷凍食品、こういったものに期待ができるんじゃないかと思います。やっぱり加工品だったら高くても消費者って買うんですよね。おいしい、珍しい、そう思ったら買うんですよ。ですから、是非そういうところに力を入れて、どんどん、お米を原料とした加工米飯、冷凍食品などを作っていただきたいなと思いますし、それから、ジェトロによりますと、今海外の日本食レストランは十八万一千店もあるんですよね。 これもずっと申し上げてきましたけれども、やっぱり何か認証みたいなものを付けていただいて、それで、日本のお墨付きがあれば、例えばお米の何割は日本のお米を使ってください、お酒の何%は日本のお酒を置いてください、こんなことをお願いして、その代わり、その国に行ったときにはそこのレストランに行ってもらうように消費者の方々にしっかり宣伝をしますよとか、あるいは一年に一回日本食の何かレシピを指導に行きますよとか、何かインセンティブを付けて、お墨付きをもらわないと評価されないということではなくて、レストランの方から希望して日本政府のお墨付きをもらって、そのことによってメリットがあると、そういう形をつくってあげることが必要なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、今までも何度も質問してきましたけれども、この何か認証の仕組みをつくるということに関しては、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 まず、輸出の拡大に向けては、日本産米の価値や日本の技術、食文化を最大限生かしながら訴求することが重要です。 日本の、先ほど、今、徳永先生からもありました、この冷凍技術を生かした冷凍ずしや冷凍おにぎりなど、付加価値を持つ米加工品のプロモーション強化などの取組により新たな米のマーケットの拡大を図ってまいりたいと考えております。 やはり、更なる輸出拡大には、現地系の小売店や非日系のレストランなどの事業者に対して正しい日本食材の知識や加工、調理などのエデュケーションが重要になります。このため、海外十か国・地域、十六拠点に設置をいたしました輸出支援プラットフォームにおいて、現地系事業者を含めた輸出先国の事業者を取り込んだ輸出支援プラットフォーム協議会を設置をしておりまして、この枠組みの中で、そういった調理方法の普及など、本当のという言い方はあれですけれども、本当のおいしい日本食を提供できる事業者を増やしていくことで委員御指摘の課題には対応してまいりたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 お墨付きをもらうことは、その海外のレストランにとっても、今これだけインバウンドの方々日本を訪れているんですから、私はメリットになると思いますので、すしポリスの時代とは違いますから、是非とも考えていただきたいというふうに思います。 それから、流通実態の把握の実効性についてお伺いします。 加工、中食、外食事業者など、届出事業者を拡大しました。情報収集や精緻な情報分析を行うために、農林水産省に米流通対策官を、地方農政局に米流通調査係を設置したことや、届出や定期報告について電子申請の導入が検討されるという御説明がありました。全国八ブロックに分かれている地方農政局に、既にこの四月から米流通調査係、補佐各二名を配置しているということであります。全国で十六名と聞いておりますが、各ブロック二名で果たして対応できるんでしょうか。米流通調査係は、精緻な需要の見通しを立てる上で大変重要な役割を担うことになります。 私の地元北海道などは、東北六県プラス新潟の広さ、国土面積の二二%の広さです。今回は、定期的な報告義務、罰則の強化を行うこととしていますが、義務化の措置を導入するまでの間、届出事業者に寄り添って丁寧に説明を繰り返していく、届出の必要性、そのことが生産者の需要に応じた生産の実効性の確保につながることを周知徹底していく必要があるんだと思います。 北海道では、五か所ある支局に人員の配置する必要性を現場から求められています。とても手が回らないと。ただでさえ、地方農政局の仕事は多く、人員不足と言われています。新たな、しかも大変責任の重たい役割です。ブロック二名ではどう考えても足りません。もっと人員の増員を検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今般、この流通実態の把握強化のために措置する新たな届出、定期報告の実効性を確保するためには、今先生からお話がありましたとおりで、現場へのまず周知、そして疑義が生じたときの立入検査などが必要になります。 まさにこのような事務の実施に必要な体制を構築するために、令和八年度で、新たに本省にこの流通実態の把握の専門の室相当の部署として米流通対策官を設置をいたしました。農政局などには米流通調査係を設置をしたところであります。 農林水産省としては、今の体制で流通実態の把握強化に努めてまいりますが、現実としてなかなか仕事が回らないということもあろうかと思います。そういった場合には、柔軟に今後対応させていただきたいと思います。
○徳永エリ君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。 続いて、昨年の政府備蓄米の放出、売渡しについてお伺いしたいと思います。 先日も大臣から横沢委員の質問に対して、主食用米について、量が足りなければ売り渡す、量が足りていれば売り渡さないという、量を前提とした考え方で運営していくという御答弁がありましたよね。そもそも備蓄米は、大凶作や連続的な不作などに限られて、民間在庫が不足しているから放出されるべきものだったのに、突然、江藤大臣、小泉大臣と、備蓄米の基本指針を変えて、流通の目詰まりや価格高騰を理由に放出できるようにしてしまいました。これ、資料お付けいたしましたけれども、下の方、囲ってあるところが、これ、江藤大臣、小泉大臣時代に変えた部分ですよね。 大凶作や連続的な不作というのは、これは大臣、お米がない状態ですよね。国内にお米がないという状態ですね。しかし、二〇二四年産の主食用米の収穫量は六百七十九万トンで、前年産実績よりも十八万二千トン増加していました。当初の見込み収穫量六百六十九万トンを上回っていたわけですね。米が不足していたわけではなくて、インバウンドや中食、外食産業などで新たな需要が生じて需要見通しを六百七十四万トンから七百十一万トンに上方修正した結果、三十二万トンが不足したということですよね。これは、新たな需要に対する供給不足であり、米がなかったということではないんだというふうに思うんですよ。だって、加工品になっているのか冷凍品になっているか分かりませんけど、米はどこかにあるんですから。 あとは、例えば中食とか外食から、例えばおにぎり屋さんがおにぎり作るお米がないとか、お弁当屋さんが御飯提供できないとか、そういう話って全く聞かれていなくて、確かにスーパーの棚にはお米がなくなったかもしれません。でも、それ全てのスーパーの棚からお米がなくなったわけではなかったと思います。 例えば、新米が出てくるまでの間に、パンや麺があるわけですから、もうちょっと様子を見ましょうと、皆さん、パンや麺を食べていただけませんか、お米が食べたかったらコンビニ行っておにぎり買ってもらえませんか、私、そういうメッセージを、本当にお米がなかったわけではないので、政府が出すということがあってもよかったんじゃないかなというふうに思うんですね。ちょっと農水省の方ともこの話をしたときには、そんな話も実はありましたというふうにおっしゃっていました。ですから、指針を変えてまで放出する必要が本当にあったのかなというふうに思うんですね。 今、民間在庫が二〇〇九年以降過去最多となっていて、米が余っている理由も、備蓄米の放出で市場に安い米が流入し、民間在庫調整をこれ乱したということはあるんだと思います。それが大幅増産と重なって過剰感を強めて、在庫のだぶつきを加速させたのではないかなと、あくまでも私の意見ですけれども、私はそのように感じております。 また、売渡し方法も、小泉大臣は一般競争入札から随意契約に移行して、価格抑制が優先となり、安値放出によって追加差損が生じていました。また、小売事業者の指定場所までの輸送コストも政府が負担、備蓄米放出によって空いた倉庫の逸失保管料の補償費、精米や流通支援の補助など、数百億円の財政負担が生じているんではないでしょうか。 小泉大臣による放出、売渡しに掛かった経費は今年の秋にならないと具体的には分かりませんけれども、これ、この備蓄米の放出が本当によかったのかどうかも含めてしっかり検証していただいて、明らかにしていただきたいと思いますけれども、そこはやっていただけるんでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、この昨年の政府備蓄米の放出を踏まえた検証につきましては、昨年十一月十八日に備蓄米に関する意見交換会を開催をしております。備蓄米に関わる集荷業者や実需者などから御意見を伺いました。また、十一月二十八日の米の安定供給等実現関係閣僚会議において、今後の検討項目として政府備蓄の運営見直しを位置付けたところであります。さらには、十二月二十四日の食糧部会においても、今般の放出における課題を報告をし、食糧部会委員の皆様からも御意見を伺いました。 これらを通じまして、売渡しの対象者について、特に随意契約による販売においては、短期間で千近くに上る非常に多くの方から申込みをいただいたため、買受け者の要件確認や契約手続、配送手配の個別対応などに非常に多くの時間を要した、そしてまた、政府備蓄米の倉庫が米の主産地である東北や北陸に多く配置されており、消費地への移送に時間を要した、また、出庫前の品質確認を行うに当たり、紙袋の形態、紙袋のですね、形態で保管しているものは袋から出して確認する必要が生じたため、その確認に多くの時間を要したといった課題が明らかになりました。 今後、これらの御意見も踏まえて、備蓄期間や売渡しの方法、倉庫の地域偏在などについて、より円滑な備蓄米の供給の観点から運用を見直すこととしておりまして、現在、政府備蓄米の保管、管理を委託をしている民間事業者等とも意見交換を進めているところであります。
○徳永エリ君 ちょっと御答弁、質問と御答弁がずれているかなと思うんですが、備蓄米の放出に関して、まあ今御説明していただいたことは分かりますけれども、果たしてそれがよかったのか、ほかの方法はなかったのか、そして、いろんな経費が掛かったんだけれども、そこまで経費を掛ける必要があったのか、その経費が掛かって財政負担が大きくなったことがある意味今回のこの食糧法の見直しにもつながっている部分があるんじゃないかなということを私は懸念をいたしておりまして、何だかすっきりしないので、しっかり検証して明らかにしていただきたいということをお願いしたいと思います。 検証するかしないか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今、徳永先生から御指摘の、何というんですか、あれでいろんな経費が掛かっちゃったからこの食糧法の見直しになったのではないか、そういう経費の観点からですね。これは、もう全くそれは当たらないということはこの場で断言をさせていただきます。
○徳永エリ君 検証していただくということですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) この政府備蓄のまさに出し方とか、そもそも何だったのかということについては、これまでも様々な検証を重ねてきております。当然、私自身も、当時は私は大臣という立場ではありませんでしたけど、様々な意見を表明をさせていただいているところでありますので、そういうことも踏まえてしっかりやらせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 やらせていただくということは、検証していただけると理解してよろしいんですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今後、当然、その掛かった金額どうだったのかとか、様々なデータが出そろってきますので、それは当然その状況に応じて、必要であればそれは省内でしっかりと把握をし、また私もそれはしっかり報告を受けて、一体全体何だったのかということは把握をさせていただきたいと思います。
○徳永エリ君 次に行きます。 これから民間事業者に公募を掛けて民間備蓄の二年間の実証実験を行うということですけれども、この実証事業、何を目的として、どんなことを行うのか、具体的に教えてください。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 民間備蓄の実証事業につきましては、この民間備蓄という制度自身を今回初めて法律上位置付けて運用を開始するわけですが、その際に、事業者の皆さんがどのような点に負担が掛かるのか、あるいは、例えば全国的な流通を担っていただける方を民間事業者として考えているわけですが、そういう方々が例えば本当に離島とかそういうところに実際物流をもって供給したりできるかどうか、その際の負担というのはどういうふうになるのか、そういったことを実験的に確かめるためにやらせていただくもので、その結果を踏まえて民間備蓄の設計の詳細を決めていきたいというふうに考えているところでございます。
○徳永エリ君 民間事業者に備蓄をお願いする際に、例えば集荷団体であれば産地に倉庫がありますよね、在庫も常に持っているという状態です。しかし、卸売事業は基本的には在庫は持たないので、場合によっては保管のための倉庫を建てる、あるいは借りるなど、新たな負担が生じる場合が考えられます。 ほかにも、実証事業を行う中で追加的な費用負担が生じる可能性があるかもしれません。その際には、これは政府が負担します、こっちは民間事業者が負担してくださいというふうにこの負担を切り分けていくことを想定しているのか、それとも民間事業者への追加的な負担は一切求めないのか、現時点でのお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(山下雄平君) 御指摘の法施行後の民間備蓄について、政府として、円滑な保有が行われるよう、必要な財政上の措置その他の措置を講ずることとしておりますけれども、具体的な支援内容につきましては、御指摘のような追加的な経費の負担があるかどうかも含めて、実証事業の中で把握、確認した上で検討していきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 それでは民間事業者は不安で仕方がないと思いますけれども、やっぱり追加的な負担を求められたら、とてもじゃないけど困るという意見がたくさん来ているんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) 恐らく、そのために、まず実証をやった上で、どういった状況にあるかということを精緻に把握していきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 じゃ、今の段階では、あるともないとも言えないということですね。
○副大臣(山下雄平君) 繰り返しになりますが、まだ一度もやっておりませんので、そうしたために実証事業をやるということで御理解を賜れればと思っております。
○徳永エリ君 何かすっきりしない、よく分からないですけど、とにかく民間事業者はやっぱり負担が大きくなっては困るんだと、結局負担が大きくなると最終的には消費者の負担につながっていくんだと、そこをしっかり理解していただいて、もし民間備蓄を求めるのであれば政府からしっかりと必要な支援をしていただきたいということですので、御理解をいただきたいというふうに思います。 それから、田名部さんも質問しておりましたけれども、現在、政府備蓄米の備蓄量が三十二万トン、入札による事前契約が二十一万トンということで、徐々に回復する見通しだということですけれども、今後、政府備蓄米の買戻しはどうするのか。民間備蓄創設までの間に二年あるわけですよね、それまでの間に百万トンまで回復させるつもりはあるのかどうか伺いたいんです。 食料安全保障の観点から、最悪の不作シナリオでも国民の主食を安定供給するための現実的な目安として百万トンが適正水準であると決まったはずです。いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、これ買戻しですかね、買戻しについてということになりますが、米の基本指針におきまして、今後の需給状況等を見定めた上で行うとされているところであります。 今、政府備蓄米の在庫水準が、八年産米の買入れによる二十一万トンが引き渡された場合に五十三万トンの水準となる見込みですが、この水準については、毎年の事前契約による買入れの状況や備蓄米の非主食用向け販売などによっても変動することとなります。加えて、民間備蓄制度を導入後の備蓄運営については、本年度実施しているこの実証事業の結果も踏まえながら今後整理をしなければなりません。 そういう中で、この買戻しにつきましては、米をめぐる様々な状況を総合的に見定めることが重要であると考えておりますので、今後の需給状況や販売動向等を見定めた上で適切に判断をしますし、適正備蓄水準百万トン程度の回復は、しっかりと回復をするように図っていきたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 非常に曖昧だなというふうに思っていて、万が一今大きな災害でも起きたらどうするんでしょうかね。大変に心配であります。 それから、資料を御覧いただきたいと思いますが、これも私これまで委員会の中で心配をして質問したことがありますが、備蓄米放出の穴が埋まらずに倉庫会社が経営の危機に苦しんでいると。二六年度以降は国による減収の追加の支払がないということで、全国定温倉庫協同組合が、備蓄米から手を引くと決めた業者が多いと明かしているということであります。 これ、買い戻す際に保管する倉庫がないなんてことになったら大変だと思うんですけれども、これどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 まず、委員御指摘の政府備蓄米の取扱いをやめるという声の、そういう報道があるということにつきましては、七年度補正で、緊急放出によって生じた倉庫の空きスペースについて保管料相当の手当てをしておりまして、そのことをもって倉庫事業者からも引き続き備蓄運営に協力したいという声をいただいているところでございます。 現在の倉庫の状況ですが、一部の地域について、スペースを空けて、備蓄米の買入れの方の話ですけど、そういうものを想定しているような部分もある一方で、七年産米だとか相当程度入っている状況になっている倉庫も多いというふうに聞いております。 買戻しについては大臣がお答えしたとおりですが、そういうような状況も踏まえまして、我々としても倉庫の状況は注視しているところでございます。
○徳永エリ君 時間がなくなりましたのでまとめたいと思いますけれども、今日いろいろと懸念することを御質問させていただきましたが、感想として、御答弁が大変に曖昧だったなと思います。 生産者の皆さんもすっきり安心できないし、これから民間備蓄を創設する、まあ実証事業をやるということですけれども、民間事業者の方々もやってみなければ分からないという状況ではなかなか取り組めないんじゃないかなというふうに思います。もう少しいろんなことを具体的に示していただいて、関係者の方々に納得していただけるような対応をしていただきたい、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○かごしま彰宏君 国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。本日も質疑の時間を賜り、誠にありがとうございます。 食糧法の話から入ろうかと思っておったんですけれども、ちょっと東野先生からも徳永先生からも備蓄米の話が出ておりました、買戻しについてですね。ですので、流れもくんで、ちょっと質問の順番を最初入れ替えさせていただいて、通告した番号十一番からさせていただきたいと思います。 まず、米の在庫についてでありますけれども、御存じのとおり、市場在庫が膨らんでいます。農家や市場関係者の間には大きな不安が広がっているところでありまして、各種報道を見てみても、やはりこれから米の価格が下がる見込みというものが並んでおります。 昨日ニュースでも、いわゆるDIが一九だったということで、これから価格が下がっていく見込みが大きく報道されている中で、そもそも昨年備蓄米を放出した際には買戻し条件付ということだったと思います。今もその方針変わっていないと思いますけれども、改めて、そろそろ備蓄米の買戻しを検討する時期ではないかと思いますが、まず冒頭、見解をお伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 政府備蓄米は、国民生活と国民経済の安定といった食料安全保障の観点から不可欠なものであります。適正備蓄水準百万トン程度の水準に回復をさせていくことが大変重要であります。 買戻しについては、米をめぐる様々な状況を総合的に見定めることが重要であると考えており、主食用米の販売動向や民間在庫の状況、米粉、日本酒メーカーなどの非主食用米を取り扱う事業者の原料米ニーズの状況、米取引関係の需給動向などの判断に関する調査結果、このような状況やニーズを踏まえた各産地の作付け意向、これらなどを見ながら、米の基本指針に沿って、今後の需給状況や販売動向などを見定めた上で判断することとしております。 いずれにしても、政府備蓄米は食料安全保障の観点から不可欠なものであり、災害や大凶作などの事態が発生し米の供給量が減少した場合に備え、備蓄水準の回復を進めてまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 おっしゃることは分かります。一方で、やっぱり今考えなきゃいけないのが概算金の算定だと思います。これだけ米の需給が緩んで在庫がだぶついている中において、不安が広がっている中においては、概算金の設定においてはやはり弱気にならざるを得ないというのが通常の心理だと思います。そうした中、このままの需給を、まあ様子を見た中でですね、概算金算定のシーズンを迎えてしまえば、農協としても概算金を高く設定できないと思います。そうすると、結局、農家へはそれがそのまま打撃となり、結果として食料、米の安定生産の基盤を損なうことにもつながりかねないと思っております。 だからこそ、この概算金の決定シーズンの前に、政府がある程度、いつ頃買い戻しますといった表明さえしていただければ、今あるこのだぶついた需給を一定程度切り離して考えることができるわけでありますから、そうした中において、是非、様子を見ながら判断しますと言うだけでは結局関係者安心できませんので、米の自給を守っていくこと、先々の生産基盤をしっかりと安定したものにしていくためにも、国が買戻しの方針とおおよその目安、今こそ出すべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 先ほど山本政務官から答弁させていただいたとおりであります。 いつ、どういうふうに何をやるかということについては、しっかりと適切に判断させていただきたいと思います。
○かごしま彰宏君 ありがとうございます。塩だなと思ってしまったんですけれども。 やっぱり概算金の算定に影響するんじゃないかというふうに思いますが、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 概算金も含めて、米の価格は、需給バランスなど民間の取引環境の中で決まるものであります。概算金については、農業協同組合などの民間団体が、今後の販売見込みや需給動向等の市場環境を踏まえて自主的に設定しているものであります。 我々の、何か、何というか、いろんなことを我々も考えながら対応させていただきますし、先ほども申し上げましたが、やはり生産者の皆さんにとって、そしてまた消費者の皆さんにとっても、需給が安定をしているという状況が大変大事かというふうに思います。 そしてまた、百万トンの備蓄水準回復に向けてしっかりと道筋を示していくということも、私としては重要だというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 政府として、言えるところ、言えないところあるんだろうと思いますけれども、ちょっともう一歩欲しいなというふうに思います。 やはり、農協が概算金を決める、つまり民間が決めるということは、やはりリスクは取れないわけであります。一方で、この安定供給、米の安定供給を実現をしていくという中においては、やはりこの概算金どんどん下げられてしまったら、農家さん、経営できなくなってしまう方も当然出てくると思います。そうすると、それは結局生産基盤を損なうことになるわけですから、米の安定供給を基盤としてしっかり整えていくためには、これから、今米の在庫がだぶついているのも、これ米不足の流れをくんでのものでありますから、ここに対しては政府がある程度責任持ってしっかり対処していくべきだと思っております。 そうした中、もう目前に迫った概算金算定のシーズンでありますから、そこに対して、安定供給という側面から考えてもやっぱり一歩政府が、ここはある程度、これまでの経緯も鑑みて需給を引き締めるために買戻しそろそろしますよということは表明しておかしくないと思いますけれども、大臣の御認識、伺えればと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) この場で言えることと言えないこととあるということは是非御理解をいただければと思いますが、気持ちは全くかごしまさんと私は変わらないというふうに認識しております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 気持ちは変わらないということでして、危機感もですね、大臣もお持ちになっていらっしゃるんだろうと思います。是非とも、行く行くの生産基盤しっかり守っていくという観点で、状況を注視するとおっしゃいますけれども、機動的な、速やかな御対応をお願いできればというふうに思います。 さて、食糧法の審議に入らせていただきます。通告番号一番からやらせていただきます。 まず、需給見通しについてお伺いをいたします。 今回、食糧法改正するとしても、この需給見通しというのは引き続き生産者の需要に応じた生産の重要な参考指標になると思います。ただ、この需給見通しで示すものというのはあくまで国全体としてどれだけのお米が必要になるかという推計でありまして、これは国としてお米をどうやって安定供給をしていくかといった観点のものです。 一方で、各団体とか自治体が生産者の皆さんに情報提供、援助をするとありますけれども、生産者の主体性に基づいて生産をするというのは、これはあくまで経営的観点の話であります。 そうした中、国で示している安定供給、全体のマクロの話と、生産者が取り組む経営判断、ミクロの話で、需要に応じた生産の捉え方がやっぱり国と生産者では違うのではないかと思っております。 そうした中において、この生産者のミクロの経営判断による生産を積み上げていった結果として、国としてマクロの安定供給をどうやって担保し得るんだろうというのが率直な疑問でありまして、こちらの点について見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 この需給見通しは、生産者の皆様が市場の動向についての十分な情報を持った上で自らの経営判断で作付けを行う需要に応じた生産を行っていただくに当たり、不可欠なものと認識しております。 委員から今御指摘のあったとおり、需給見通しは国全体のマクロベースのものであります。そのマクロベースのものを前提として、各生産者が需要に応じた生産を行えるよう、地方公共団体は地域の特性に応じその区域内の需給の見通しなどに係る情報提供を行うよう努めることや、また、生産者団体はこうした情報を基に構成員たる生産者に対して必要な助言や協力などを行うよう努めることを改正法案に盛り込み、生産者段階の情報提供がしっかりと行われるように措置をしているところであります。 先ほどもちょっと富山県の事例を徳永先生とのやり取りの中で触れさせていただきましたが、やはり、こうした行政や関係団体などの関係者が一体となって、各生産者により需要に応じた生産が取り組んでいただけるような環境をつくるということで、その積み重ねの結果、国全体として需給の安定が図られていくものと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 大臣御答弁をいただいたとおり、この需要に応じた生産を進めていくという観点の中において、生産者に対して団体や自治体がどういった情報を提供していくのかといったことは非常に重要になってくるんだろうと思います。 そうした中、振り返ってみると、二〇一八年以前までは生産数量目標の配分といったことをしておりました。これは、今と比べてみると、やはり需要に応じた生産というのを国がある種統制的にリードをしていたのがこの生産数量目標の配分であります。 一方、今回の法律も団体とか自治体が情報提供するということで、生産者が全くフリーハンドにやるという状況ではないんだろうというふうに思っています。あくまで参考情報があるという状況。 という中で、参考情報が全くないフリーハンドのときと、参考情報でがちがちに固めた生産数量目標の配分のときの、どこかの真ん中のレンジを今回狙っていくんだろうと思うんですけれども、それはやっぱり、どういった情報が提供され、どういった援助がなされるかによると思いますけれども、今回の法改正の中で、具体的に自治体や団体からの援助や助言、情報提供というのはどういったものを想定をされているんでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 生産者による米の需要に応じた生産を促進するため、JAなどの生産者団体の皆様には、主食用米の販売状況、加工用米など非主食用米の取組状況に関する情報を提供していただく、あとは、営農指導などを通じた生産に必要なサポート、これも実施していただくということを想定しております。 地方公共団体につきましては、その区域内で生産される米穀の需給情報の提供、あと、その地域の特色ある産品の産地づくりに向けたビジョンの策定、こういったことを行っていただくことを想定しております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 そうした形で情報を提供して、生産者がそれを基に経営判断をしていくということになると思いますけれども、ちょっと済みません、三番と四番、順番入れ替えさせていただいて、四番先にお伺いをしたいと思います。 今おっしゃっていただいたように、団体とか自治体からは様々な助言、情報提供あると思いますけれども、最終的には農家の経営判断になってまいりますので、その助言、情報提供に従うかどうかも農家の主体性によるものであると思います。 一方で、この需給見通しに沿った生産というものを進めていきたいのであれば、これは可能な限り、やっぱりこの情報提供に沿ってもらわないと困ってくるわけです。 そうした中において、やはりこの主体性が優先をされればされるほど需給見通しから離れていくリスクというものは大きくなっていくんだろうと思いますけれども、こうした中において、生産者の主体性というものをこの法律の中ではどこまで尊重しているのか、それは助言や情報提供に従わなかったとしてももう致し方なしというものなのか、その点についてお伺いできればと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 需要に応じた生産につきましては、あくまでも、産地、生産者が、主食用米の需要動向などを踏まえまして、自らの御判断で、経営の御判断で作付けを行っていただくというものでございます。 これを前提とし、生産者におきましては、例えば自ら需要を開拓し実需者につながっている方もいらっしゃるでしょうし、自らは生産に特化して、販売については、JAなど、出来秋に相談する方、いろんな方いらっしゃると思いますが、それぞれの皆様がそれぞれの御判断に基づいて今も営農を行っていただいているというふうに思っております。 今回、その生産者、先ほど申し上げました生産者団体による助言ですとか、あるいは地方公共団体による助言、情報提供は、こうした生産者の経営判断を行う上で、やはりその需要動向とか在庫の状況、情報をしっかりと提供することが生産者の判断の確度を上げるというか、よりしっかりと御判断いただくためにそういう情報が一層重要になるというふうに考えまして規定しているものでございます。 確かに、生産者の主体性を尊重し、その経営判断をしていただくということが経済的には合理的なものにつながるとは思いますが、一方で、団体ですとか自治体の皆様にもそういう情報提供をきめ細かくやっていただくことを通じてその御判断がより確度の高いものになっていくということだと思っていますので、そのどちらかがどうだということじゃなくて、両者相まってより良い判断をしていただくものと、我々としてはそれをサポートしていきたいというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございます。 続いて、問い五に移らせていただきますけれども、今、山口局長おっしゃったような情報提供の観点も分かるところはもちろん分かるんです。 一方で、その需要の拡大、近々、来年の需要が増えますといったようなことはなかなか見通しづらい中で、このパイが決まっている中において、やっぱりどの部分を各農家が占めていくのかといったことを考えてほしいというような側面もあるんだろうと思いますけれども、一方で、政府として今掲げているのは、生産性向上、収量のアップ、そうしたことによって収益性をアップをしていこうということでありまして、これについては私も当然賛成をしておりますけれども、一方で、みんなで足並みをそろえて需要に応じた生産をしていこうという中において、いや、うちは収益性を上げていくために収量をアップして数を増やしていくんだということになると、このパイの中の取り合いということにおいていえば、やっぱりどこかにめり込んでいくわけです。 そうしたことによって、やっぱりこの生産者の主体性に委ねますよという姿勢だけを強調していると、この需要に応じた生産というものに対して、それに沿った生産がしづらい側面が多々あるんじゃないかというふうに思っておりますけれども、こちらは政務の方にお伺いをしたいと思いますが、この主体的に需要に応じた生産を行うということと、主体的に自分の利益を上げて収益性を向上させていこうということについては、ある種反発も生まれてくると思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(山本啓介君) 先ほど来の御議論の中で確認されたのが、生産者の主体性とはということで先生とのやり取りが行われたというふうに理解しています。 重なるところが十分あるんですけれども、主食用米の需要動向などを踏まえ自らの経営判断で作付けを行うことが農業者による主体的な需要に応じた生産ということで先ほど答弁があったというふうに踏まえた上で、農林水産省が示す国全体の需給見通しなどの情報に基づき各生産者や産地がどのような経営判断を行うかは、委員御指摘のとおり一様ではないというふうに想定されます。需給見通しを踏まえて生産量を増やす農家と減らす農家が混在することはあり得るんだというふうに理解します。したがって、産地、生産者の作付け意向など、各生産者の主体的な経営判断による需要に応じた生産の動向に関する情報などを把握するとともに、国全体としての需給の安定が図られるよう、精緻な需給見通しの策定や情報提供を今後更に行ってまいりたいと思っています。 その上で、結果として不作等により主食用米の供給不足が生じた場合には、政府備蓄や今般の食糧法改正案において新たに位置付けた民間備蓄も活用していくとともに、豊作などにより需給緩和が生じた場合に備え、引き続き、米穀周年供給・需要拡大支援事業を措置していくというふうな考えであります。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 今御説明をいただいた内容を踏まえると、やはり需要に応じた生産という枠組みそのものは私も反対しないです。やっぱり需要がないのに生産をして余ってしまったら、価格は下がるし生産基盤の崩壊にもつながりかねないので、やっぱり需要に応じて、しっかりそれを狙って生産をしていくという考え方は当然いいと思うんですけれども、一方で、今回、この需要に応じた生産の土台にあるのは需給見通しです。 この需給見通しに沿った生産をしっかりしていくんだということは、これは国のある種安定供給の側面での責任でもあると思っておりますけれども、やはり、そうした中でお伺いしたいのが、結局この需給見通しというのは今回の法律の中でどのように位置付けられているのかという点であります。もちろん参考指標として重要ではあるんですけれども、需給見通しをゴールにするんだとすると、やっぱりこの生産者の主体性という取組の中でそれを実現をしていくにはリスクが大きい、変動要因が大き過ぎると思っています。 善しあしはさておきですね、善しあしはさておき、いや、需給見通しはあくまで参考値であって守らなくてもいいですよというんだったら私は分かります、おっしゃっていること。ただ、需給見通しになるべく沿っていただいて安定供給を目指していきましょうという大きな箱を決めた中においては、余りにこの主体性に委ねてしまうと、結局その箱を飛び出ること、箱からめり込むこと多々あるんだと思うんですよ。 そうした中で、政府は今回この需給見通しというのをどういうふうにこの法律の中で位置付け、それは需給見通しに沿った生産をしていくべきだと思っているんでしょうか。この点について見解を伺えればと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 需給見通しにつきましては、従前はこの需給見通しというのが、法文でいうと、米の需給及び価格の安定を図るため、米穀の需給の適確な見通しを策定し、これをもって、整合性をもって需給均衡を図るための生産調整の円滑な推進、これを行うための、まあ何ですか、装置として考えられてきたのが需給見通しということでありますが、今回、この考え方を改めまして、米穀の需給の安定を図り、これを通じた価格の安定を図るために、米穀の需給の適確な見通しを策定し、これを踏まえていろんな施策を講じていくという形にして、これはあくまで、その需給見通しは、我々としてはこういうふうな形で制度を運用していくという方針ではありますが、それを厳格に守らせるために何かをするというよりも、そういう方向に向かっていろんな施策を組み合わせて、そういう安定化を図っていくというような形の需給見通しに変更したというふうに我々としては考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございます。 本当はこの後、問い番号七番で大臣にお伺いをしようと思っていたんですけれども、ちょっと今の御説明だと、どうしてもこの流れの中で問い八に飛ばないといけなくて、飛ばさせていただきますけれども、やっぱり需給見通しに沿った生産をするからこそ、国は安定供給の責任を果たせるんだろうというふうに思います。一方で、この需給見通しはあくまで参考指標であって、外れるかどうかというのはあくまで結果論なんですみたいなことになってくると、じゃ、外れた場合にどういう措置をとるのかというのが国の責任になってくると思います。 そうしたときにおいて、まずはこの需給見通しの精度をしっかりと上げていく点、そして、その次の問いでは、外したときの対応についてお伺いをさせていただきますけれども、需給見通しってあくまで見通しです。なので、外れること多々あると思います。そして、今回の米不足は、やっぱり大きくとんとんと二回外したということが大きな理由であろうと思います。この一年目のときに、おお、これはまずいぞと思って軌道修正できていれば、今回ほど大きな混乱にはならなかったんだろうと思いますけれども、そうした中、今も見通しと実績の比較自体はしていると思いますけれども、これをもうちょっとちゃんと丁寧にやって、見通しの精度を向上させていくためにも、見通しと実績の乖離に対する要因分析と結果の公表、これについては制度として丁寧にやっていくべきだと思いますが、御見解をお伺いいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 委員から今御指摘をいただきました今般の米価の高騰については、昨年の八月の米の安定供給等実現関係閣僚会議において、その要因と対応の検証が行われ、多様化する流通ルートを的確に把握できていなかったことなど、需給見通しを見誤った要因と結果を明らかにしたところであります。 これらを踏まえ、昨年九月の食糧部会に諮問した基本指針においては、これまでの需要のマイナストレンドを前提としていた需要見通しの算定方法について、インバウンド需要の動向や精米歩留りなど、直近の様々な情報、データを加味して定める方法へと改めたところであります。 食糧部会は少なくとも年に三回開催し、基本指針について諮問をしております。その都度、需給の状況や変動要因などを説明し、それらを反映した需給見通しなどについて審議していただき、答申をいただいているところであり、答申をいただいた最新の需給見通しはもちろんのこと、その審議に用いた資料や議論の内容も逐語での議事録にて公表をしているところであります。 この食糧部会に諮問する基本指針の作成に当たっては、データだけではなく、生産者、流通事業者団体や個別事業者との定期的な意見交換などを通じた情報把握を行った上で検討を行っております。 引き続き、様々な視点、要素から検証、検討を行うことで、精度の高い的確な情報発信を今後も行ってまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 食糧部会の方で有識者の皆さんを交えて振り返りをしているということは私も承知をしております。一方で、それをやっても米不足防げなかったわけですから、やっぱりもう一歩ちゃんと、どうやったら防げたのかということを考えるべきなんだろうと思っています。 そうした中、今、その食糧部会の方で有識者の皆さんとの意見交換も通して、資料も議事録も公表しているということであります。それは私も承知をしておりますけれども、やっぱり、これで防げなかったんだから、もっと丁寧に制度としてやるべきなんだろうと、それこそが反省に立った上での制度の見直しだろうと思いますけれども、もう一回よろしいですか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 需給見通しの精度の向上の検証につきましては、昨年の八月の関係閣僚会議におきまして対応の検証が行われて、いろいろ農水省として問題点があったということを踏まえまして、例えば需給見通しにつきましては、マイナストレンドを前提とするのではなくて、直近の消費実績、インバウンド等の需要あるいはその精米歩留り、こういったものを考慮して需給見通しを算定する、あと、生産見通しは余裕を持って設定するという考え方で今回見直しをして運用しているところでございますし、また、今回の改正法も、届出対象者の追加ですとか、あるいは在庫数量、取引数量を定期的に報告する制度を今回法案という形でお願いしているわけでございますが、これもその流通事業者の需要実態を幅広く把握させていただいて、それを踏まえて、その都度都度の状況を踏まえて情報を入手して、それを需給見通しに反映させる、それを逐次見直しを行っていくということを通じて、委員おっしゃる乖離はあり得るわけですが、なるべく大きな乖離が発生しないようにすると。あと、それを一回決めたら見直さないというんじゃなくて、都度都度見直して、より、何というんですか、余り外れが大きくならないうちに修正をしていくと。 そういうような制度にしていくという観点で考えておりますので、委員の御指摘踏まえて、そういうことを的確にやっていけという御趣旨だと思いますので、我々としてはその趣旨を踏まえて丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 この需給見通しの精度を向上させていくことそのものについては私も大賛成です。なので、是非、その今局長おっしゃっていただいたことも、主にはやっぱりこのPDCAでいったらPの部分なんだろうと思うんですよ、事前に情報収集をして、様々なものを計画に練り込んでいこうと。一方で、このCの部分をもっとしっかりやってほしいと。それがもっとちゃんとできていれば、米不足は一回目の見通しの外しで何とか嗅ぎ付けることができたんじゃないかということでありますので、是非、このPDCAのCの部分をしっかりやっていただきたいなということで、これについてはここまでとさせていただきたいと思いますけれども。 続いて、先ほど申し上げたとおり、今は需給見通しの精度を向上させるためのチェックのお話でした。ただ一方で、やっぱり、需給見通しを外した、しかも二年連続で、それが米不足の大きな誘発要因になったというところでありまして、外した際にどういった措置をとるのかといったことはこれ当然考えるべきであるというふうに思います。 そうした中、まずは参考人にお伺いをしたいんですけれども、私、本会議でも、先日同様の質問をさせていただきました。そのときには大臣から需給見通しの精度を向上させていきますといった御答弁をいただいたんですけれども、やっぱりこの外したときにどう対応するか、これについてもう一度お考えをお伺いできますでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) 外したというか、需給見通しから乖離が生じた場合の対応ということだと思いますが、仮に例えば供給不足が生じた場合ということでありますと、基本となるのは政府備蓄での対応ということでございますが、やっぱり瞬時になるべく消費者の皆様に届けるという、円滑に届けるという観点で今回の改正法案で新たに民間備蓄というものを位置付けさせていただくよう法案をお願いしておりますので、成立した暁にはこの民間備蓄を機動的に運用することで丁寧に対応してまいりたいと。 また、需要に応じた生産を行ってもなお豊作などで需給が緩和する場合も当然ございますので、こういった場合には、米穀周年供給・需要拡大支援事業によりまして、主食用米を長期的に販売する取組ですとか、加工用米や輸出用米での販売促進、商品開発の取組、こういったものをやっていくという形になろうかと思っております。 参考に申し上げますと、周年事業につきましては、今年につきましても公募を行ってきたところでございますが、現在、速報で三十二万トンほど申請が出てきている状況でございますので、こういう措置を機動的に組み合わせることで丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 最後、問い十ですけれども、大臣にお伺いをいたします。 今局長おっしゃっていただいたこと、私もよく分かります。不足時はやっぱり備蓄米だと、で、過剰時に対しては周年供給事業だということだったんですけれども、やっぱりこれ、主食用米で収穫をした後に備蓄というか、保管をしておいても、やっぱり主食用米として出していくことになるわけです。 今、八月中旬頃までは米の用途変更も認めていると思います。そうした中で、可能な限り需要に応じて収穫をしていくといった制度にしようとしているんだとは思いますけれども、やっぱり収穫後だって需要の状況って変わっていくわけでありまして、この収穫後の需要の変動に対してはなかなか対応できないというのが今の状況だと思いますので、これ一個御提案でありますけれども、せっかく水活の見直しをしているので、是非、この収穫後も用途の変更できるような柔軟な見直ししてみたらどうかというふうに思います。 当然、その支援によって単価が違うので簡単にはいかない、調整が難しいというのは私も承知しておりますけれども、せっかく見直すので、収穫後の用途変更による需給への対応、是非いかがでしょうかと。大臣、御見解をお願いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 各産地や生産者が自らの経営判断で生産を行う需要に応じた生産を推進するために、先ほどかごしま先生からもお話ありましたが、水活交付金の申請に必要な取組計画の確定日については、もう本当にこれ収穫直前の八月二十日まで延長してきているところでありますので、需給動向の変化に柔軟に対応できるようにしているというふうに考えております。 この収穫後に用途変更して、例えば餌米でとか、そういうことについてはどうなのかということなんですが、確かに論理上はそうやってある種最後の何かをやるということはあり得なくもない、論理上はですよ、論理上はあり得なくもないとは思う一方で、現実的にその制度を仕組んだときに何が起こるかといえば、需要がないにもかかわらず、じゃ、最後何とかなるから主食用の生産がんがんやろうみたいなことになっては、やっぱりこれは元も子もないわけです。 これは、我々の是非この歴史を振り返らなければならないのは、先生も歴史から学ばないといけないというふうに座右の銘で書いてありますけれども、食糧法のこの歴史というのは、やっぱり政府がずっと管理してきて、在庫が積み上がって行き先がないのにもう、で、過剰米の処理をしなきゃいけない、しかも何兆円というお金をそこに使わざるを得なかったということから、やっぱりその需要に応じた生産が大事だよねということでここに至っておりますから、論理上はすごい私も分かりますけど、多分全てそれがうまくいくかどうかといえば、それは歴史が私は証明しているというふうに思いますので、ちょっとなかなか、今のおっしゃったような収穫後にということはちょっと正直言って難しいのかなというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 大臣もおっしゃいましたように、やっぱり一番大切なものの一つはこれ需要をいかに拡大をしていくかということだとも思いますので、そうしたところも是非また引き続き議論、御提案させていただければと思います。 時間参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男でございます。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。 本日は、食糧法改正と不可分である、来年度からの水田政策の見直しについてお伺いしてまいりたいと思います。 前回の質疑で政府は、主要食糧、特に米について、需給の安定を通じて価格の安定化を図ると、政府が責任を持って取り組むと答弁をしていただきました。ならば、その責任は理念で終わらせてはなりません。予算を確保し、単価を示し、経営を支える具体策として現場に届けていく必要があります。したがいまして、新たな水田政策の中身が問われるわけでございます。 この点、私はこれまで多くの現場のお声を伺ってまいりました。そのお声を基に、先日、中道改革連合、立憲民主党、公明党の三党で提言をまとめ、鈴木大臣に提出をいたしました。そこから本日扱いたい点を抜粋して資料一にお示しをしておりますので、適宜御参照いただければと思います。 本日は、この提言と、現場の声や実態を踏まえて、具体の制度についてたださせていただきたいと思います。時間限られておりますので、的確な答弁をお願いいたします。 まず最初に、今日も何度か触れられております備蓄米の運用改善についてお伺いいたします。 私は米価を国が維持すべきだとは申し上げません。一方で、改正案第一条のとおり、需給の安定を通じて、結果として価格の安定化を図るべきだと考えております。その点、先日の参考人質疑でも、武本参考人からは、政府在庫や備蓄の運用を抜本的に見直すことは、政策的、政治的に議論すべき段階に来ているとの御指摘がございました。私も同感でございます。 政府備蓄米は百万トン程度が適正水準でございます。しかし、現在三十二万トン台まで低下しております。民間備蓄制度の本格導入は令和十年度以降であります。その間、有事や需給が緩んだ場合に一体どう対応するのか、ここが全く見えていないのが問題だと思っております。 そこで、政府として、備蓄米の買戻し、買入れを進め、適正水準に早期に回復させ、民間との連携を含め、主食用米が過剰となる局面にも備えるべきだと考えます。価格の維持のためではなくて、需給の不安定化による価格の不安定化を防ぐこと、これがひいては生産者を含む国民生活の安定に資するという、法第一条の記されています目的に照らして、是非、政府には、需給安定のための備蓄制度の機動的な運用改善について、明確な答弁を求めます。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。 政府備蓄米は、国民生活と国民経済の安定という食料安全保障の観点から不可欠であるために、この適正備蓄水準の百万トン程度の水準に回復させていくことが大変重要だというふうに考えております。 御指摘の買戻しにつきましては、主食用米の販売動向や民間在庫の状況、非主食用米を取り扱う事業者のニーズの状況、各産地の作付け意向などを踏まえて、今後の需給状況や販売動向などを見定めた上で検討してまいりたいというふうに考えております。 また、政府備蓄制度の運用につきましては、昨年の備蓄米の放出時において、保管倉庫が米の主産地であります東北や北陸に偏在しておりまして、消費地への移送にすごく時間が掛かったことでありますとか、出庫前の品質確認に多くの時間を要したことなどの課題が明らかになってきております。このため、現在、備蓄米の保管、管理を委託しております民間事業者などとの間で備蓄米の運用方法について意見交換を行っているところであります。こうしたことを踏まえて、政府備蓄制度の運用の見直しを検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 御答弁ありがとうございます。 政府備蓄制度の運用について、今後民間事業者等との意見交換を通じて見直しを検討するというふうにおっしゃられました。 その民間事業者の方々が求めているのが、需給のバランスが崩れて値崩れが起きる、こうしたことに備えて是非備蓄に今過剰となっている米を吸い上げていただきたい、その声が今あるわけですから、やはりそれに対して政策的、政治的にどのように対応していくことができるのか。不足時の放出だけでなくて、現在のような過剰時における需給安定のための備蓄の運用改善でなければならないというふうに私は考えております。そのような意味で、一定の御理解を私は示していただいたと認識をいたしました。 備蓄を適正水準に早期回復させるためにも、是非、民間の皆様と連携して、過剰時の運用改善に向けても御対応いただくようによろしくお願いいたします。 次に、水活、水田活用の直接支払交付金の後継対策についてお伺いいたします。 令和九年度からの見直しは、単なる補助金の組替えではありません。来年の作付け、出荷契約、施設投資などに直結する制度転換でございます。現場が知りたいのは極めてシンプルでございます。作物ごとの単価は幾らになるのか、どんな条件なら支援されるのか、その具体が見えなければ農家は作付け判断できません。三党の提言では、現行単価を超える水準を早期に示すこと、そして十分な財源を確保することを求めております。この点、本会議での財務大臣の答弁は補正予算の話に終始し、食料安保予算が低水準のままである説明としては極めて不十分であったと私は受け止めました。 農水省として、是非、来年産の作付けに間に合うように、新制度の全体像と予算の規模をいつ示すのか、そして価格下落や資材高騰時の経営安定対策についても後継制度と一体で示すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 今後、令和九年度予算について概算要求を行い、政府内の調整を経て概算決定をし、政府案を作成するという編成過程に入ることになります。新たな水田政策の単価等の要件についても、令和九年度予算の編成において同様の過程の中で決定していくことになりますが、でき得る限り早く必要な情報を生産現場の皆様にお伝えをしていきたいというふうに考えております。 今週までに副大臣、政務官に地方それぞれ行っていただき、地方の説明会などを行わさせていただきました。現場の皆さんからもいろんな意見をお伺いをしておりますので、この御意見を丁寧に把握しつつ、詳細な制度設計の検討を進め、制度を円滑に開始できるように努めてまいりたいというふうに考えております。 また、必要な予算におきましては、将来にわたり国民に食料の安定供給を果たせるよう、現場の皆様から見ても納得感のあるような形で、必要な額の確保、しっかり努めさせていただきます。
○高橋光男君 今御答弁いただいたのは予算等の話でございまして、私はセーフティーネットの対策についても求めさせていただいて、これを同時に私はきちっと検討していただいて、強化していただく必要があるというふうに考えております。 その観点で、現行制度についてお伺いしていきたいと思います。収入保険とナラシ対策等についてでございます。 これらは大変重要な制度であります。一方で、現場では、加入要件や事務負担が厚い壁となっているというお声をよくお伺いいたします。兼業農家や小規模な家族経営体からは、制度はあっても入れないという声を頻繁にお伺いをいたします。 そこで、資料二を御覧いただきたいと思います。これは全ての制度についての加入状況を示したものでございまして、最新の数字でも、収入保険の加入は水稲作付け経営体の約一一%となっております。ナラシ対策と合わせても約一八%しか入っておりません。青色申告の経営体数も減っております。政府は、青色申告要件は必要だとか、ナラシに規模要件はないなどと説明をされます。しかしながら、現場で加入が伸び切らないこの現実をどう直視して何をやっていくのか、私はそれが求められているというふうに思っております。 今の特にインフレ局面においては、両制度のように、売上げ、すなわち販売収入だけを見ても手取りを守ることはできないんですね。主食用米には直接の補助もございません。それで果たして地域の供給力を守り切れるとお思いでしょうか。現行制度で十分とお考えかについてお答えください。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 米価の大幅な下落が生じたことにより農業収入が減少した場合のセーフティーネット対策につきましては、現在、委員御指摘のとおり、収入保険、ナラシ対策などを措置しているところでございます。 ナラシ対策を始めといたしました経営所得安定対策につきましては、認定農業者あるいは認定新規就農者といった個人や法人だけでなく、集落を単位として営農に取り組む皆様がつくられた集落営農も対象としておりまして、そういう中では、委員の御指摘の中小農業者ですとか兼業農家の方も集落営農へ参画することでナラシに入っていただける、こういった仕組みも設けさせていただいているところでございます。 また、収入保険につきましても、個々の農業者の収入などを的確に把握して適正に保険を運用するという観点から、青色申告の要件は不可欠であると考えておるところでございますが、例えば、これまでも青色申告の実績などにつきまして、一年でも加入できるような見直しなど、現場の実態を踏まえた可能な限りの柔軟な対応を進めております。 我々としては、こうした柔軟な対応を、周知も含めて丁寧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 その中で、例えば、今ナラシ対策についても様々おっしゃられましたけど、加入者数推移等を御覧いただければ、減っているじゃないですか。今三万五千経営体、令和三年、五年前は六万経営体近くあった中であります。それで、何か加入が増えている、中小農家も入れる、それで大丈夫なんでしょうかということを私はただしているわけでありまして、収入保険も青色申告が必要だということが大きな壁となっているわけであります。 そこで、私は、こうした今インフレ局面の中において、やはり是非、米価が乱高下、この下落局面において、今の現行制度だけでは支え切れない様々な資材等の高騰、こうしたものを踏まえた上での新たな制度が必要だというふうに考えておりまして、そこを具体的にお示しをさせていただきたいと思います。 まず、もう少し背景から説明をさせていただきたいと思います。現場からは、令和三年から四年産期の米価下落で赤字が広がり、離農に拍車が掛かったという悲痛なお声が上がっています。実際そうだったことを資料三にお示しをさせていただいております。 この期間の水田作経営体の所得は僅か一万円であります。そして、水稲作付け経営体数は、直近五年間で約二五%、十七万五千件も激減をいたしました。その理由は明確であります。 資料四を御覧ください。米は面積が小さいほど生産費が高くなるからなんです。価格下落局面では、小規模農家や中山間地、そして棚田などの条件不利地から真っ先に経営が行き詰まります。市場任せでは地域の農地も供給力も維持できないというふうに思います。 この点、先日、参考人質疑におきまして、日本大学の西川参考人からは、今回の法改正で生産調整が緩む中で、主食用米へのセーフティーネットは当然考え得る、コストに着目した不足払いのような支援については明確な基準を示す必要があるが、政策的安定性の観点から何らかの基準による固定払いも考えられる旨陳述されました。私は、こうした御指摘を踏まえれば、再生産を守る安全弁、安全措置は十分設計可能だと思いますし、実行に移すべきと考えます。 そこで、参考にさせていただいたのが、資料五にある畜産のマルキン制度であります。こちらを御覧ください。個々の実費を丸ごと補填する仕組みではなく、標準的な生産費と販売価格の差額を基準にするために、過大コストを助長せず、財政規律を確保できるものであります。これを米に応用し、地域別、規模別などの標準的生産費、今であればコスト指標を精緻化して設計すればよいと考えます。 私が強調したいのは、新たな制度の包摂性です。一部の担い手だけに限定せず、農家に一定の積立てを求めながら、財政規律を保ちつつ、小規模農家や兼業農家も加入できる制度にしていくこと、資料にもお示ししているとおり、地域計画への位置付けや需要に応じた作付け、またコスト低減の取組など、現場に御負担をいただける最低限の要件とすれば、経営安定と生産性向上は両立し得るものと考えます。 この制度は新規で立ち上げることもできると思いますけれども、現行の例えばナラシ対策の仕組みをコスト高騰にも対応できる制度へと発展的に置き換えるのも一案だと考えます。その方が既存の予算枠や事務組織をベースにすることができるため、ゼロから新制度をつくるよりも現実的でスムーズな移行もできると思います。あわせて、既存の収入保険との両立も明確に整理できると思います。新制度を例えばマクロな市場リスクを下支えする一階部分とし、青色申告を要件とする収入保険を減収リスクをカバーする二階部分と位置付ければ共存ができると考えます。 そこで、大臣にお伺いしたいと思います。 以上に申し上げた小規模兼業農家も加入できる包摂的な水田作版の発動型経営安定制度について、是非具体的な検討に今から入っていただきたいというふうに考えます。対象者、算定方法、発動要件、既存制度との関係などについて速やかに論点整理を行っていただいて方向性を示していただきたい、示すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 まず、今、今年の現状といたしましては、この本年四月の食料システム法が施行されました。ですので、米のコスト指標がありますので、まず、生産から販売に至る各段階のコストを明確にし、コスト割れでの供給を抑止するというものでありますので、この実効性をまずは確保し、本制度を着実に実施することが重要であるというふうに考えております。 もう何回も申し上げておりますけれども、米価の大幅な下落に伴い農業収入が減少した場合には、ナラシ対策や収入保険などのセーフティーネット対策、既に措置しております。これらの施策を着実に推進をしてまいりたいというふうに考えております。加えて、生産コストの低減を図ることが重要ですので、土地改良を始めとした取組も進めてきているところであります。 委員から、牛・豚マルキンを参考にした、すごい御丁寧な水田作版の発動型経営安定制度の創設ということのイメージを今いただきましたけれども、これ、農家数や専業、兼業の割合、そして規模別の経営状況など、畜産と水田作では農業構造が大きく異なる実態にあります。また、まずは食料システム法の施行した直後でございますので、この米の取引がどのようになっていくかなども踏まえる必要があろうかと思います。 そうしたことから、今すぐにこれを検討しろと言われても、済みません、なかなか今、私としてそういう状況にないというふうに考えております。
○高橋光男君 私がこのような提案をさせていただいているのは、まさに危機感からなんです。大臣もよくお分かりだと思うんですけれども、やはり既存の制度では救い切れない経営体が大多数なんですよ、実際のところ。やっぱりその中で、そうした方々も含めたどのようなセーフティーネットが可能なのか、これを真剣に考えて、急いでやらなければいけない。だからこそ、私はこのような提案をさせていただいているところでございます。 ちなみに、食料システム法との関係でコスト指標についても言及をされました。しかし、先日の参考人質疑では、この作成委員会の議長を務められた西川参考人御自身がこのようにおっしゃられたんです。需給が本格的に緩む場合、コスト指標を下回る価格が形成されることは十分に考えられるというふうにおっしゃられて、その下支え機能としてはやはり限界があるという御認識をお示しになられました。 そうした中で、どうやって小規模家族経営を守るのかが問われているというふうに思っております。是非、私が申し上げた新たなセーフティーネットの検討、お願いをしたいと思うんですけれども、もう一度、大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) すぱっといい答弁ができなくて大変申し訳ないなというふうに思っておりますが、まずは食料システム法の施行をしっかりとやって、このコスト指標をどのように活用されるのか、これをまずは見ていかなければならないというふうに思っております。 また、これ、昔の民主党政権以来、戸別所得補償のときから始まりまして、いろんなセーフティーネットの在り方については様々な考え方があると思っております。またゆっくり、今後、先生と議論させていただければと思います。
○高橋光男君 ゆっくりとという意味は、やはりきちっとこういった我々野党の提案についても向き合っていただいて、そして、こういったことは、私は、与野党を超えて、やはり現場のために必要な制度を一刻も早く導入していくべきだというその観点に立って是非議論を進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、中山間直払いと多面的機能支払についてお伺いいたします。 これらは条件不利地の農地を守る基礎的制度であります。急傾斜地の草刈りや水管理は大変危険で、手間も掛かります。それでも交付水準が見合わない。また、対象なのに事務負担が重くて申請ができない。現場はそういった悲鳴を上げております。 我々三党の提言では、条件不利性を再評価し、単価と予算の増額を求めております。対象を広げることは必要です。それは皆さん思っていらっしゃるというか、実際そのような方向になると思います。しかし、予算を増やさずに対象だけ広げれば、今支援を受けている地域の水準が下がるのではないかと、そうしたおそれもあるかというふうに思います。それでは本末転倒だというふうに思います。 対象の拡大と支援水準の確保をどう両立させていくのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 先生御指摘の二つの支払につきましては、食料・農業・農村基本計画を踏まえ、令和九年度に向けた水田政策の見直しの中で、中山間地域等直接支払は条件不利の実態に配慮し支援を拡大する、多面的機能支払は活動組織の体制を強化することとしております。 これらの両支払について、都道府県や市町村と連携した集落の皆様への制度の周知も含めたサポートの強化、中山間地域等直接支払の集落協定が既存の組織のままで多面的機能支払もまとめて申請できる仕組みの導入、郵便局などとの連携による事務局機能の強化、対象農地の選定を効率化するデジタル技術の活用促進による事務負担の軽減といった検討を進めることとしており、今後、関係者の御意見等を踏まえ、取組強化と両支払の一体的実施の推進に向け、詳細な制度設計を検討してまいります。 予算につきましては、これまでお取り組みいただいている方々も、またさらに新しく取り組みいただく方もしっかりと支援できるような、既存施策の再編により得られた財源を活用して必要な予算を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、予算の拡充も大事ですけれども、あわせて、手続の簡素化ということも併せてよろしくお願いしたいと思います。申請する側が申請しやすく、また現場でも確認をしやすく、そして負担を過度に掛けない、そうした制度にしていただきたいというふうに思いますので、ちょっと時間の関係から、要望だけにとどめさせていただきますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、新たな環境直接支払制度についてお伺いしたいと思います。 来年度以降は、同一圃場での同一取組への支援は、みどり認定の期間である五年までというような基本的な考え方が示されました。しかし、有機農業や土作りは、同じ圃場で続けてこそ効果が積み上がるものです。五年で支援が打ち切られ、取組が後退すれば、みどり戦略とも整合しないと思います。有機農業は五年で直ちに収益が安定するとも限りません。我々三党の提言におきましても、計画満了後も取組が継続されるよう、継続的な支援を求めております。 この導入期の支援と定着期の支援、これをどのように整理されるのでしょうか。既に環境直払いを受けて有機農業を続けている農業者も、新制度の初年度から継続支援の対象にすべきではないでしょうか。また、五年間で十分に普及した取組は新たに確立された取組に入れ替えると、このように記されておりますけれども、是非、中山間地域とか小規模農家だとか、こうした現場の実情を反映していただきたいと思っております。どのように対応されるのかについて答弁を求めます。
○政府参考人(堺田輝也君) お答えいたします。 新たな環境直接支払は、取組継続と経営安定の両立に向けまして、コストだけでなく減収リスクにも対応した支援とし、みどり認定と市場評価の向上、生産安定化の取組を要件化することで、五年間で取組の定着と拡大につなげる仕組みとする方向で検討しているところでございます。 また、取組定着、継続のために、環境直接支払だけではなく、農業者の栽培技術習得や販路確保等を対象とした地域の関係機関によるサポート、また、みどり認定者への設備投資や流通体制構築等のメリット措置、こういったものを総合的に進めていく考えでございます。 加えまして、既に環境保全型農業直接支払を受け有機農業等に取り組まれている農業者につきましても、取組の定着拡大を促していくことが重要でありますので、みどり法の計画認定を受けて取組を行うなど、チャレンジを行おうとする場合にはこれを後押しする支援となるように検討してまいりたいと考えております。 なお、新制度の支援対象取組は、五年ごとに見直し、十分に普及した取組は新たな取組に入れ替えますけれども、この具体的な基準につきましては、委員もお話にありましたように、地域の実情や現場の御意見を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋光男君 改めて強調させていただきますが、この環境負荷低減はやはり継続してこそ意味があるわけでありまして、それに見合う支援としていかなければならないと。現場には大きな不安が広がっております。そうした方々のお声をしっかりと受け止めて、丁寧に対話をしていく中で、新たな制度をしっかり示していただくことをお願いしたいと思います。 多様な米需要の拡大について、続いてですね、米粉用米、飼料用米、酒造好適米に関してお伺いをしたいと思います。 これらについては、作る段階の支援だけでは足りないというふうに思っております。使う側の需要と結び付かなければ産地は計画的には作れません。 そこで、例えば米粉用米については製粉コストや販路等が課題となっております。飼料用米についても、畜産農家との継続契約、耕畜連携、こうしたものがなければ続きません。酒造好適米も酒造業との安定した需給調整が欠かせません。特に酒米は、私の地元兵庫で全国の半分以上を生産しております山田錦を始め、地域ブランドにも関わる大切な作物であります。 政府として、現場が主食用米の価格動向に振り回されず、これらの多様な米を産地が計画的に作れる仕組みをどう整え、支援していくのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 令和九年度以降の水田政策においては、生産性向上の取組に対し、収量に応じた面積払いにより支援する方向で詳細な制度設計を現在検討しております。 例えば、米粉用のお米については、需要拡大に合わせた製粉コストの削減などに取り組む実需者と複数年契約などを行う場合に、追加で支援を行う仕組みの検討を進めているところであります。 飼料用のお米については、国産の飼料用米にこだわって利用する畜産農家が必要量を確保できるよう、実需者側と生産側との複数年契約などを要件とし、追加で支援を行う仕組みを検討しているところであります。 酒造好適米につきましては、実需者への安定供給に向け、引き続き生産者団体と酒造組合の情報交換の場を設けさせていただいておりまして、まず両者の連携強化を図るとともに、どのような支援が必要か、検討をしっかり進めてまいります。 引き続き、様々な関係者に御意見伺いながら、具体的な仕組みの検討を深めてまいります。
○高橋光男君 是非、作付けと出口を同時に支える支援を具体化していただくようにお願いいたします。 そうしましたら、最後の質問になろうかと思います。 麦、大豆等の支援についてお伺いしたいと思います。 これらについて、是非、条件によってやはり生産、収量等は変わっていく、こうしたことをしっかりと踏まえた手当てをしていただきたいということ、またさらには、これらは食料安全保障上極めて重要な作物でございますが、一方で、現場からは収量や価格が不安定な割には支援が薄いといったようなお声をいただいております。 是非、収穫後の乾燥、保管や実需者との契約などの環境、こうしたものが十分でなければ農業者にとって魅力は高まらないわけでありまして、是非、麦、大豆を戦略作物として位置付け、生産性向上だけでなく、それらの出口まで含めた支援を強化していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) ありがとうございます。 麦、大豆につきましては、輸入依存度が高く、我が国の食料安全保障の強化のためにもその生産拡大が重要であることに加えまして、作業労働時間が短く、水稲などとの作業ピークが異なるといった生産面の利点があることなどから、特に大規模化する担い手の経営の一部としても大変重要であります。 このため、農林水産省では、麦、大豆の安定供給に向けて、豊凶の変動の対応をするために、ストックセンターの整備などを支援するとともに、ゲタ対策やナラシ対策などの経営所得安定対策を実施しているところであります。 さらに、令和九年度からの新たな水田政策におきましても、ブロックローテーションの構築や排水対策などの生産性向上の取組に対して支援する方向で詳細な制度設計を検討しているところであります。 引き続き、現場の声をよく聞きながら、麦、大豆などの生産性向上、安定供給に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○高橋光男君 是非、現場が希望を持てる制度としていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(藤木眞也君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、羽田次郎君が委員を辞任され、その補欠として横沢高徳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 休憩前に引き続き、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐々木りえ君 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。日本維新の会、佐々木りえです。 早速、食糧法改正案について質問をさせていただきたいと思います。 先日の参考人質疑では、三人の参考人の方から、それぞれのお立場に基づく大変重要な御意見をいただきました。法案審議に当たり、本日は、参考人の皆様から示された論点を基に、私の考え方を踏まえて、政府のお考えをお伺いしたいと思います。 まずは、流通実態の把握とそのデータ活用について伺います。 さきの参考人質疑において、西川参考人から、民間備蓄の発動判断には現場の流通業者との日常的かつ緊密な意思疎通が不可欠であるとの重要な指摘がありました。今回の法改正によって流通実態の把握が強化されますが、情報は集めるだけでは意味がありません。単にどこにどれだけの米があるかという現状把握にとどまらず、地域の担い手不足による供給力の変化や需要の動向、さらには将来的にAI活用による在庫偏在の早期検知など、集まったデータを継続的に分析をし、機動的な政策判断に結び付けていくことが重要だと考えます。 そこで伺います。今回の法改正で得られる情報を単なる報告義務のためのデータに終わらせるべきではありません。個別事業者の営業秘密や個人情報の万全な配慮を施した上で、政府と流通業者が日常的に情報を共有し、危機の未然防止や産地形成に生かす生きたインフラとして整備していくべきだと考えますが、農林水産省の御見解をお伺いします。
○副大臣(山下雄平君) ありがとうございます。お答えします。 今般の食糧法の見直しによりまして、精米歩留りや搗精数量などの直近の情報など、定期報告などで得られた情報は需給見通しに反映しつつ、政府におきましても、業務における生成AIの活用などが進みつつあることなどから、例えばAIを活用した市場動向の把握や予測などについて検討することを考えてみたいというふうに思っております。 その上で、こうして得られた詳細な情報につきましては、食糧部会における基本指針の審議の参考資料として説明した上で公表するほか、生産者の作付け判断や流通業者などの経営判断を行うに当たって参考にしていただくべく、都道府県や農業団体との定期的な情報交換の開催や、各関係団体、卸、小売、中食、外食の個別事業者との定期的な意見交換において共有することなど、政策判断の基礎資料としての活用や関係者への情報発信、共有も積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 力強い御答弁ありがとうございます。生きたインフラになるよう、制度構築をしっかりと整えていただきたいと思っております。 次に、改正案に新たに明記される需要に応じた生産について伺います。 参考人質疑において、西川参考人からは、需要に応じた生産が理念の表明にとどまっており、具体的な政策への肉付けが必要であると指摘がありました。武本参考人からは、生産者への努力規定が創意工夫に根差した取組の芽を摘むことにならないかとの懸念も示されました。私も全く同感です。この言葉が単に行政の需要見通しに従い作り過ぎないという意味であれば、従来の生産調整の言い換えにすぎません。本来であるべき姿は、需要に応じた生産とは、生産者自ら経営判断でニーズを見極め、輸出や米粉、地域ブランドへ挑戦をし、政府はそれを情報提供や需要開拓で力強く後押しすることであると考えます。 そこで、二点お伺いします。今回の努力規定は、生産者に対する新たな作付け抑制や行政指導の根拠ではなく、生産者の創意工夫と経営判断を大前提とした、政府がその挑戦を支えるための規定であると理解してよいか。また、この理念を今後どのような具体的政策として肉付けしていく方針なのか、お伺いします。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。 米政策におきましては、平成三十年より生産目標の配分を廃止した上で、各産地や生産者がそれぞれの経営判断で生産を行う需要に応じた生産を基本としておるところでございます。 先ほど委員の御指摘がありましたとおり、生産者が自ら行う需要の開拓や品質の向上など、その創意工夫が最大限引き出せるように環境を整備するものであります。 特に、需要の開拓におきましては、基本計画において、輸出を含めた国内外の需要開拓を行うことによりまして、二〇三〇年の米の生産目標を二〇二三年から増大させることとしておりまして、今般のこの改正案におきましても、新たに第五条第四項を設け、政府の責務として、米の生産の持続的発展を図るため、需要開拓、輸出促進、生産性向上などを講ずる旨を明記したところであります。 この理念や目標の実現に向けまして、海外の現地系スーパーやレストランなどの新たな販路開拓でありますとか、大臣自ら現在取り組んでおりますけれども、また、ノングルテンの米粉、また米加工品などのプロモーションの強化、これは先週、我々、政務でも行いました。そして、そうしたことを通じて米の需給開拓を進めるとともに、新たな水田政策において生産性向上などを支援していくことによりまして、生産者が希望を持って創意工夫しながら生産に取り組める環境を整備してまいりたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 海外のプロモーションなど、しっかりと頑張っていただいているのを私もテレビなどを通して拝見もさせていただいております。しかし、生産者の方に誤解を生まないよう、本来の運用と異なるような運用にならないように、しっかりと農水省としても引き続き周知徹底を行っていただきたいと思います。 次に、政府の責務として、需要開拓についてお伺いをいたします。 西川参考人は、今回の改正案で政府の責務として新たな需要の開拓が記載されることについて、需要の開拓は、自由主義経済の下では原則としては民間の役割であり、それをあえて法律に明記するのであれば、政府は民間にはできないことをやってほしいと述べられたことが、私はとても印象的でした。具体的には、国際的な貿易交渉、知的財産権の保護の仕組みの整備、日本の米産業が海外需要に対応していくための環境整備などが挙げられました。これは我が党の問題意識にもつながるかと思っております。 政府が何でも前に出るのではなく、やはり民間が稼ぐ、で、政府は民間が挑戦できるルール、市場、国際環境を整えること、これが本来の役割分担だと思っています。政府が需要を開拓するというとき、単に補助金で販売促進をするイベントを行って、そして余った米を海外に売るという話にとどまっていては絶対にいけないと思います。輸出先国の検疫や関税、表示ルールの交渉、さらには日本産米のブランド、知的財産の保護、模倣品対策など、これはまさに政府でなければできない環境整備のはずです。 そこで伺います。今回の改正で需要開拓を政府の責務と明記する以上、単なる民間の営業補助に終わらせず、こうした民間では絶対に担えない国家間の交渉や制度設計に今後どう本気で取り組むか、御決意をお伺いいたします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 改正食糧法案第五条第四項におきまして、政府は、米穀の新たな需要の開拓に関する施策、米穀の輸出の促進に関する施策などを講ずることとしております。とりわけ、我が国にとっては人口減少や高齢化が著しい問題となっておりますので、輸出に取り組むということは不可欠だというふうに考えております。 一方、輸出につきましては、国内と異なる商習慣を乗り越えて商流開拓を行うという民間主体の活動に加えまして、議員御指摘のように、輸出先国・地域の規則、規制などに即した施設登録、証明書の発行、あと、国ごとに登録が必要な知的財産制度など、民間だけでは対応が困難な分野がございます。 このため、輸出にチャレンジする事業者を後押しするために、国としては、輸出先国の現地商流を開拓するため、当該国の商習慣やニーズを把握し、これらに対応したロットで安定的に供給できる輸出産地を育成するとともに、それに加えまして、食品安全規制などの非関税障壁の撤廃、緩和などの交渉、協議の加速化、相手国の規制に即した施設認定、証明書の発行体制の整備、優良品種や地理的表示などの知的財産を保護し、日本の品種、ブランドの育成につなげることなどに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。民間の方が安心して世界で日本産米で勝負できるよう、農水省がまた他省庁とも連携していただいて、強力な市場開拓にも期待をしております。お願いいたします。 次に、水田活用直接支払交付金についてお伺いをいたします。 今回の改正で、現行法第二条第二項の稲以外の作物の生産振興に関する政策との有機的な連携という規定が削除されます。これに対して長谷川参考人からは、予算措置の根拠が失われるのではないかという鋭い指摘がありました。確かに、現在は令和九年度以降の新たな水田政策に向けて見直しが進められている最中だと承知しておりますが、条文そのものが消えることは現場の農業者に大きな動揺を与えてしまいます。これまで国の政策を信じて麦や大豆、飼料作物への転換に必死に取り組んでこられた地域からは、はしごを外されるんではないかという切実な懸念の声も上がっています。 そこで、現場の不安を完全に払拭するため、二点お伺いをいたします。 まず、今回の規定削除によって水田活用直接支払交付金や次期水田政策の予算措置の法的根拠は失われることはないのか、また、麦や大豆など輸入依存度の高い作物の生産振興に対して国としても今後も責任を持って支援を継続していただけるのかという方針に変わりがないか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 委員既に御理解いただいていますとおり、そもそも水田活用の直接支払交付金については食糧法を根拠に措置されているものではありません。その上で、食料安全保障を確保するため、輸入依存度の高い麦や大豆などについて、全ての田畑をフル活用し国内生産を図っていくことが重要であることは何ら変わるものでもありません。 このため、今般の改正案では新たに第五条第四項を設け、需要に応じた生産に関する国の責務として、米の需要開拓や輸出促進、生産性向上と並んで、麦、大豆などの生産振興も念頭に関連施策を位置付けたところであります。 さらに、食料・農業・農村基本法第五条においては、農業の生産性の向上及び農産物の付加価値の向上が図られることで農業の持続的な発展を図ることと規定されており、基本法に基づく食料・農業・農村基本計画においても麦や大豆などの増産目標を設定するとともに、委員御指摘の令和九年度の水田政策の見直しの中で、麦、大豆などの生産性向上に取り組む者への支援を検討することを明確に位置付けており、これらによって引き続き食料安全保障を確保していく考えであります。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。先日、舟山委員もこの質問をされていましたが、私も確認をさせていただきました。政策として後退というメッセージにならないよう、現場への丁寧な説明や情報発信などをお願いいたしたいと思います。 次に、備蓄制度について一点だけ確認をいたします。 先日の参考人質疑で武本参考人から、今回の米騒動で問題だったのは政府備蓄そのものではなく、政府備蓄を機動的に放出できなかったことであり、民間備蓄はあくまでも政府備蓄を補完する役割ではないかという趣旨の指摘がありました。この点について私も前回の質疑でかなりお伺いしましたので、本日は確認にとどめます。 今回創設される民間備蓄は、政府備蓄を置き換えるものではなく、あくまでも補完する制度であり、主食である米の安定供給について最終責任は政府にあるというこの理解でよいか御確認を、この理解でいいか、お伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) 国民の主食である米の安定供給は国の責務であります。食料安全保障の観点から不可欠であることから、供給が不足する場合に備え、改正後も引き続き国として責任を持って備蓄を行うこととしております。その上で、機動性を確保する観点から、政府備蓄を補完するものとして民間備蓄を新たに位置付けることといたしました。 その放出に関しては、定期報告などを通じて供給不足を把握した場合に、国が基準保有量の減少を決定した上で、不足している地域や業種を示して民間備蓄事業者に対し備蓄米の放出の要請を行うことができることとしており、民間備蓄が円滑に供給されるよう、民間備蓄事業者とともに、意思疎通を図りながら、国として責任を持って対応をしてまいります。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 しっかりと責任を持ってと、対応していただきまして、ありがとうございます。 最後に、今回の法改正、若者が参入したくなる農業に真につなげられるかという観点から、大臣にお伺いいたしたいと思います。 さきの参考人質疑において、西川参考人は、今回の改正は、短期的な米騒動への対応だけでなく、生産向上を目指した長期的対応としても妥当であると述べていただきました。私もこの長期的視点こそが最も重要だと考えます。 単なる危機の事後対応で終わらせず、若者が自ら飛び込みたくなるような、稼げる、成長できる農業へ変革していかなければなりません。若者が魅力を感じるのは、条件不利地を守る義務感ではなく、スマート農業やデータ活用、輸出、地域ブランドなどに挑戦できる攻めの農業だと思います。 一方で、中山間地域が持つ国土保全や水源涵養といった多面的機能は、国にとっても不可欠なものです。しかし、この重要な役割を農家や若者の自己犠牲やボランティア精神に委ねるべきではないと私は考えます。若者が挑戦したくなる攻めの農業と中山間地域の維持という国の公的責任、この二つは完全に切り離して政策を議論していくべきだと考えます。 そこで、大臣に伺います。今回の法改正を契機に、米産業を若者が希望を持てる攻めの農業へとダイナミックに転換をさせていくこと、そして同時に、中山間地域の維持については、農家の自己犠牲に押し付けることなく、政府が公的責任として総力を挙げて支えていくこと、この明確な方向性について大臣の強い決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 米の生産の持続的発展を図るためには、主食用に加えて、業務用、加工用、米粉用など多様な米の需要拡大、そしてこれらの需要に応じた増産を進めることが重要であります。今回の改正案でも第五条第四項を新設をして、これらの取組に係る国の責務を明記したところです。 やっぱり米の世界の一番の問題は、ずっとこの主食用の需要が減り続けてしまっていて生産調整せざるを得なかったということだというふうに思っておりますので、まずは政府が前面に立って、民間の皆さんと一緒になって、海外も含めて需要を拡大をしていくということかというふうに思います。 そしてその上で、増産に当たっては生産コストの低減が重要であります。農業構造転換集中対策において、農地の大区画化や中山間地域におけるきめ細かな整備、また多収性品種の開発普及、スマート農業技術の導入などの取組を推進をしているところであります。 一方で、この中山間地域は、我が国の総農家数、耕地面積の約四割を占めております。そして、水源涵養などの多面的機能も有していることから、中山間地域の農業を下支えすべく、平成十二年度より中山間地域等直接支払を実施をしてきております。昨年四月の食料・農業・農村基本計画を踏まえて、現在、条件不利の実態に配慮し、支援を拡大する方向で検討を進めているところであります。 引き続き、国が責任を持って、米の生産性の向上といったこの産業政策と中山間地域の振興といった地域政策を車の両輪として、前に向かって推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 どうしても私の考えは、もう守りというよりも攻めの農業にちょっと力が入ってしまいますが、今回の法改正、単なる令和の米騒動の後始末に終わらせてはいけないと思います。私は、農業の特殊性を盾に、国から守られるばかりではなく、経営努力で世界と勝負をしていく、むしろ農業がこれから日本の経済成長をしっかりと支えていくんだという、そういう野心を持っている若者はたくさんいると思います。今こそそれが必要だと思っています。と同時に、若者が魅力を感じるその攻めの農業をつくり出す、それを政府がぐっとサポートしていただくのも重要だと思います。 流通実態の見える化、作付けの抑制に頼らない需要開拓や民間が挑戦できる環境整備、その一方で中山間地域は公的に支える、これはどちらも国の責務だと、先ほどからも大臣も申されました。私も同じ考えでございます。 米価が下落とコスト上昇が続く中、本改正が農政の真の転換に向けた確かな一歩となるよう力強く求め、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○杉本純子君 参政党、杉本純子です。本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 早速ですが、備蓄米についてお伺いします。 前回、六月十八日に質問をさせていただいたのですが、政府備蓄米百万トンのうち二十万トン分を民間保有とすることに関してですが、政府が保有量を減らす二十万トン分は、そのまま民間の備蓄量が増えるということではないとお聞きしました。政府が持たなくなった分を民間が新たに持つということであれば、国内で買われるお米の量は変わりません。しかし、民間での備蓄量が増えないのであれば、政府が備蓄米として購入していた分のお米は、その分は買われないということになってしまいます。そうすると、需要が減ることになってしまい、そうなると、需要に応じた生産の観点からいくと、お米の減産につながるのではないかと前回もお聞きしたところ、政府備蓄米百万トンの保管先が二十万トン分民間と置き換わるだけで量自体は変わるわけではないといった内容のお答えをいただきましたが、改めてまたお聞きします。 これまでは、五年間で一年ずつ約二十万トン買入れして、同時に古い備蓄米から順に放出しながら、百万トンは日本の備蓄米として常時保管しているというはずが、例えば、政府備蓄米の米の量が八十万トンにこれから変わることで、これからは五年間で八十万トンとすると、一年十六万トンずつ仮に買い入れていきます。すると、一年で四万トン減ることになります。つまり、四万トン分需要が減ると考えます。その分が確実に民間で追加して備蓄されるのでなければ、今の政府の米の需要を増やそう、国の食料自給力を上げようという流れと逆になってしまいます。 国がしっかり責任を持って備蓄するのとはどうしても異なるのではと懸念しますが、この懸念に関してどのようにお考えか、大臣、改めてお聞かせください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 まず、この民間備蓄については、今年度実施をします実証事業などを踏まえて、その具体的な運用について検討していくこととしております。官民合わせて百万トンの備蓄水準とすることを前提に、この実証事業の結果も踏まえて民間備蓄数量についても決定をする方針です。 また、この政府備蓄については、保管期間が特に長い米ですね、五年間保管しているとか、そういったものについては品質確認のためのメッシュチェックを行う必要があるわけです。そうすると、実際に流通するまでに相当の時間を要したという課題が今回明らかになりました。こうしたことも踏まえて、備蓄の期間ですね、期間やこれと連動する買入れ数量などについて運営を見直すことを検討しております。 ですので、細かいことはこれから実証事業を踏まえてやっていきますけれども、国として百万トンをしっかりとやっていくということについては何ら変わるものではないということは申し上げておきます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 大切なのは、国民がしっかり安心できる備蓄量の確保です。そして、いざというときの素早い対応ができるかどうか、これが大変重要だと思います。 次に、二〇二八年度から民間備蓄制度が本格的に開始されますが、今現在、民間備蓄実証事業の参加事業者を公募していることと思います。その際に、五万トン程度の民間備蓄を試験的に実施しようということでありますが、この約五万トンは政府備蓄米の基準百万トンの中には含まれているのでしょうか。また、この実証事業がそもそもどういった内容であるのか、先ほども少し出ましたが、改めて詳しくお聞かせください。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 委員お尋ねの民間備蓄の実証事業の約五万トンにつきましては、具体的な運用を検討していくに当たりまして様々な点を確認するというために行っていくものでございますので、百万トン程度の備蓄水準の中には含めずに考えているところでございます。 その上で、民間備蓄の実証事業におきましては、民間備蓄分と通常分の在庫管理の在り方、民間備蓄に係る具体的な経費、保管倉庫の所在地と迅速に供給するための体制構築、放出訓練を通じた民間備蓄の関係者との連携の在り方などについて確認をすることとしております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 様々なことがまだ未定であり、実証事業に参加される業者さんが決まってから詳細も決まっていくということではありますが、本当に民間備蓄は有効なのかを確認するという点で非常に重要であるとは考えております。是非、国民にも分かりやすい形で取り組んでいただき、結果の詳細も公表していただけたらと思います。 今回、民間備蓄を始めようとなったきっかけは、令和の米騒動にて政府による備蓄米放出が決してスムーズとは言えなかったことと、思った以上に時間が掛かってしまったという反省に基づくものと認識しております。 この実証事業の中でも、当然、実際に備蓄米を放出してくださいと国からの指令があった際にどれぐらいの時間が掛かるのか、また実際どのくらいコストが掛かりそうかなどを把握するために放出訓練が予定されているとのことですが、この放出訓練とはどのように実施する予定なのか、また実際に市場へと放出するのか、もし放出するのであれば、市場や流通に影響を与えかねないので、その場合の対応も含めてどのように考えているのか、お聞かせください。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 民間備蓄実証事業におきます放出訓練に係る具体的な内容のお尋ねということでございますが、委員御指摘のとおり、具体的な内容につきましては、今後、事業実施者が決定後に詰めていかなければいけない部分も多いわけでございますが、我々としてまず想定しているのは、市場とか流通に影響が与えないように、まずは机上で訓練を実施するということが大切かなというふうに思っております。 ただ一方で、実際に物が流れないと確認ができないとか、例えば経費がどれぐらい掛かるとか、そういうことは分からない部分もありますので、これ、衆議院の質疑におきまして日本維新の会の原山委員から御指摘があって、流通不足の地域などを想定したシナリオで実施する場合には、やっぱり実際に少量で川下事業者との運送の連携を確認するとか、そういったことをやらないと実際にワークするのかどうかというのは難しいんじゃないかという御指摘も受けましたので、そういうことも踏まえながら、事業者の負担とか市場流通への影響に十分配慮しつつ検討してまいりたいと考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 まだこれからいろいろ取り組んでいくのだとは思いますが、民間に委託することのメリットそしてデメリットをしっかりと検証し、さらに、事業の影響もできるだけ小さくすることにも努めていただきたいと思います。また、是非、有事の際、どんなときに発令されるのかも含めて、しっかり対応できるようにお願いいたします。 国民が本来求めているのは、民間も協力する備蓄ではなくて、国が責任を持って確保する備蓄であると考えます。二〇二八年度には民間が二十万トン持ち始めるから、今年、来年は八十万トンくらいまでの備蓄の回復でいいだろうともし考えているのなら、これは問題のある考え方だと懸念します。 民間備蓄が開始されるとしても、政府備蓄米は早期に百万トンまでしっかり回復しようというお考えなのかどうか確認させていただきたいと思いますが、先ほどお答えが既にありました。しかし、そのつもりであるとか様子を見てといった、曖昧にどうしても聞こえます。今何かあっても心配ないと国民に説明できることが大切です。改めて具体的にお答えいただけますでしょうか。
○副大臣(山下雄平君) 御指摘の政府備蓄につきましては、現在、在庫水準は三十二万トン程度でありまして、そういう状況を踏まえて、まずは今年度産のお米について二十一万トンを買い入れたところであります。 お話に出ております民間備蓄につきましては、この法改正におきまして公布日から二年以内に施行することとしている中で、今年度、民間備蓄の円滑な実施に向けて実証事業に取り組んでいる状況であることは御承知のとおりであります。 米の供給不足に備えて百万トン程度の備蓄水準の回復は進めていく必要があるというふうに認識しておりますけれども、具体的な買戻しにつきましては今後の需給状況を見定めた上で判断するということに是非御理解いただければ有り難いなと思います。
○杉本純子君 ありがとうございます。 今、民間在庫が余っている状況だから政府はいち早く備蓄米として買い取るべきであるとか、市場の価格を安定させるためにも、そして農家の皆様の不安をなくし農業を支えるためにも、もっと国が支えるべきではないかとか、今回の制度変更は国の責任がしっかりある上でのことなのか、それとも今後の国の備蓄を段階的に縮小していこうとしていくものなのかという不安を感じているといった声を多数実際に聞きます。こういった声をしっかり受け止めて、はっきりとした答えを是非お願いしたいと思います。 また、今、世界有数の備蓄大国とも言われているフィンランドでは明確に政府備蓄を強化するとしており、スウェーデンやノルウェーも備蓄を増やしていくという方向になっています。また、EUでも、市場からの調達に依存しているだけではなく、EU内での備蓄を進めようとしていると承知しております。そんな中、自国で十分な食料を賄えるとは日本は言えない状況である以上、日本も備蓄を強化すると明確に政府がかじを切るべきではないでしょうか。 世界の流れや日本の現状から見て、政府は備蓄を国がしっかりしていくことに関してどのように認識し、対応するべきとお考えでしょうか、お示しください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 世界的な食料需要の増加、そして気候変動による異常気象の頻発化、地政学的リスクの高まりなど、食料安全保障上のリスクは顕在化をしております。そういう中で、北欧諸国を始めとする諸外国においても、各国の情勢に応じて、備蓄も含む食料安全保障の確保に向けた取組を進めているというふうに承知をしております。 我が国においても、一昨年、食料・農業・農村基本法改正をし、この食料安全保障の確保を基本理念の柱として位置付けをさせていただいております。食料供給が大幅に不足をし、国民生活や国民経済に影響が生じる事態への対応のために食料供給困難事態対策法も制定をしております。 その下で、備蓄については、特に食料供給が大幅に不足する事態における初期の対応策として効果的な手段になり得るため、まず公的備蓄として自給可能な米を百万トン程度、そしてこれ、輸入に大宗を頼っている小麦を九十万トン程度を備蓄することとしております。また、国内に存在する民間在庫も含め、官民合わせたトータルでの総合的な備蓄の推進をしているところであります。
○杉本純子君 ありがとうございます。 各国が現在の世界情勢を重く見て、危機感を持って対策を始めています。日本も、少しでもやっぱり輸入依存から脱し、国内だけで食を賄える生産を目指すべきだと考えます。他国から食料を調達できなくなる可能性をもっとリアルに考え、対策を既に実行しているほかの国々を日本ももっと見習うべきであると思います。 自国の食は自国で賄えるという強さを確保するべきだと考えます。需要が減っているから生産も減らしましょうではなく、有事にしっかり備えていくために、平時からむしろ余裕を持って生産し、それらを海外や国内で困っている人への支援などに回していくことが、結果、国を守り、農業の発展につながると考えます。国の責任が見える形で、生産者にも、そして消費者にも安心となる対応をお願いいたします。 次に、業務用米というお米の区分についてお伺いいたします。 令和六年度より、業務用米推進プロジェクトが実施されております。このプロジェクトは、中食、外食、加工用などで使用されるお米、つまり業務用米の安定供給体制の構築を目的とした事業であります。また、米穀周年供給・需要拡大支援事業とは、減少傾向の米の消費を喚起し、主食用米の需給ギャップを縮小させるということを目的としております。つまり、内容は、例えば、米や米粉を活用した新商品の開発を支援したり、もう一つは、生産者がお米を作る前に、食品メーカーや小売店などとどれくらいの量をいつ幾らで取引するかをあらかじめ決める契約の推進を支援することであります。こういった実需者のニーズに合った米の生産計画を作ることが可能とすることで、需給の安定や価格の乱高下を防止しようというものです。 ここでいう業務用米は、カテゴリーとして私たちが家庭で食べている主食用米に含まれるものでありますが、そのほかの主食用米とは具体的にどのように区別されているのか、政策的な支援の対象となっている種類のお米ということですので、定義を明確にお示しください。
○大臣政務官(山本啓介君) 業務用米の定義ということで御質問いただきました。 委員御指摘の業務用米推進プロジェクトなどの事業について、要綱上においてはこの業務用米を明確に定義しているものはありません。この事業は中食、外食事業者などによって取り扱われる米穀の販売促進が図られる取組を対象としているものでありまして、こうした米穀を指して業務用米と称しているところであります。
○杉本純子君 ありがとうございます。 以前、質疑の中で、外食や中食の市場が今輸入米に奪われつつあり、この市場を国産米へと再び取り戻すべきだと申しましたが、この業務用米はまさに奪われた市場を国産米へと変えていくためのものという認識をしております。 ただ、業者や企業以外の個人でも業務スーパーやネットで家庭用として購入できてしまうとなると、なぜ業務用米だけが支援を受けられるのかという問題も生じてくると思います。是非その点の対策も考えていただき、お米の安定的な需要拡大に努めていただけたらと思います。 次に、六月十日の米の安定供給等実現関係閣僚会議の資料によりますと、業務用米などについて、より大きく生産性向上にチャレンジする取組に対しては、収量に応じた面積払いによる支援を検討するとなっております。これらは実需者との事前契約が要件であるため、実際に直接支払受けようとしても、対象がとても狭いのではないかと思います。そうすると、直接支払を受けられる事業者と受けられない事業者との間で販売価格は大きく異なってしまいます。受けられない事業者にとっては厳しいものとなります。特に、業務用米など、その他の主食用米と競い合ってしまうことを懸念していますが、この点をどのように認識してどう対応していくのか、大臣に最後お伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 今般のこの水田政策の見直しで検討している業務用米などへの支援は、特定の生産者の米の販売価格を下げるための補填というわけでは全くありませんで、例えば直まきや再生二期作などのより大きく生産性向上にチャレンジする取組を支援をするものです。結果として、外国産との競争にさらされている業務用米などについての低コスト化を図ることが目的となっております。 農林水産省としては、食料安全保障の観点から、米の安定供給を図っていくため、この外国産との競争にさらされている業務用米を含め多様な価格帯の米を供給していく必要があると考えており、こうした支援を通じて生産者の後押しをしてまいりたいというふうに思います。 その上で、本支援においては、中食、外食などの実需者との事前契約を要件とし、また、その契約数量分が適切に当該実需者に出荷されたことを確認することとしております。その支援対象と数量を特定することで、委員御指摘のとおり、その他の主食用米と区別できるように検討しているところであります。
○杉本純子君 ありがとうございます。 日本の農業の未来を中長期的に考えると同時に、ここ数年でやはり農家が激減しているという大きな問題に取り組むのは、これはもうかなり遅いぐらいであるという危機感にどう対応していくのかで大きく未来が変わると思います。農業は単なるビジネスではなく、命を守るものとして捉えていただき、対策していただきたいと思います。 農業を始めとする第一次産業、食料の生産にコストが掛かることは、国民のために国がすべきことと思えば当然のことであります。このままでは、備蓄ができるかどうかという話ではなく、農業の存続自体が危ういのだと改めてしっかり考えていただきたいと思います。とにかく、田畑を守るにも地方を守るにも、そして生産量を確保するにも、そして日本人の健康と命を守るにも、就業者の増加という人材確保、そして日本の農業の伝承、伝えていくことが急務だと思います。是非結果が見える対策をお願いして、本日の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 杉本委員が備蓄米について、前回も、そして先ほども質問をされていました。政府備蓄米百万トンのうち二十万トンを民間備蓄にするなら、その分需要が減るのではないかと質問をしたのに対し、大臣は前回も、そして先ほどもちょっと答弁されていたと思うんですけど、基本的には国家の備蓄として百万トンがある状態というのは変わるわけではないというふうに答弁をしています。 現在の政府備蓄米は棚上げ方式で、最終的には飼料になっていきます。主食用米が完全に市場から隔離をされて、その後、消費されてなくなりますから、生産者からすれば明確な需要ということになります。 ところが、民間備蓄の二十万トンは、市場から隔離された倉庫で眠ったままになるのではなくて、民間の倉庫に存在をするということになります。先日の参考人質疑で、長谷川参考人が民間備蓄は単なる在庫でしかないと指摘をされていましたけれども、そのとおりだというふうに思うんですね。 民間備蓄は、例えば、民間事業者が保管するお米に加えて備蓄させて五年は販売してはならないとするなど、市場から完全に隔離する棚上げ備蓄として制度化するのかというと、そうはならずに回転備蓄ということになるわけです。これで需要となるのでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、これ、政府全体として、この民間も合わせて百万トンというのがあるわけです。 岩渕先生がおっしゃった要するに需要というのは、要は政府が、これ、通常の年であれば、毎年幾ら備蓄として市場から、市場からというか、要するに備蓄米の生産をお願いをするかという、契約をするかという話であるというふうに思います。 その、何というか、やり方については、これから実際に、民間備蓄が本当に、例えば二十万トンにするのかどうかも含めてですね、費用負担も含めて実証をやりますので、そういったことも含めて考えさせていただくということになろうかと思います。 実際、今回、やっぱり問題だったというか、要するに、五年間政府が保有をして別の用途に仕向けるということを今までは備蓄の運用はやってきたわけですけれども、実際は、本当に備蓄として、主食用としてですね、流通をさせようと思うと、メッシュチェックを始め品質が本当に大丈夫かというチェックに相当これは時間を要しましたので、こうした課題もよく踏まえて、この備蓄期間を何年にするか、そしてまた、これと連動する買入れ数量をどうするかというようなことで運営を見直すことを検討しておりますので、御指摘のように、何か直ちに、何というか、需要がなくなっちゃうみたいなことには当たらないというふうに考えております。
○岩渕友君 民間備蓄を二十万トンとした場合、少なくても年間四万トンは飼料にならずに主食用として市場に戻ってくるということになるわけで、市場からは需要としてみなされない需要減ということになると思うんですね。 参考人質疑で武本参考人が、民間備蓄については第五節に節として置くことになる一方で、国家備蓄についてはその節のレベルでは置いていないときに、民間備蓄を節として置くことの意味が問われるというふうに指摘をされていました。 さらに、令和の米騒動の原因について、この備蓄の機動的な運営の確保は現行の食糧法でも規定されているので、なぜ機動的な運営ができなかったのか、今後はそういうことが起こらないようにするということを法律に書き込む必要があるんじゃないかというふうに指摘もされています。 こうした指摘を、大臣、どんなふうに受け止めるでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 まず、民間備蓄については、民間の事業者に御協力をいただき、米を常時保有していただくという制度であります。民間の事業者にとって、自らが対象となる規制の予見性を高めるとともに、政府が恣意的にその負担を増やすことができないよう、あえて法律の条文に要件や規制の内容を可能な限り詳細に規定した結果、改正案の形で規定をすることとなったものであります。 一方で、政府備蓄については、昨年十一月に開催をした備蓄米に関する意見交換会などで、有識者の皆様から、例えば配送手配の個別対応とか出庫前の品質確認とか倉庫の偏在とか、もう様々な運用上の課題から供給に時間を要したとの御意見をいただいたところであります。 こうした運用の詳細に関する事項を、普通、運用のまず詳細に関する事項というのはなかなか法律にまず書かないわけですけれども、仮に法律に規定した場合、かえって政府備蓄の運用を硬直化させかねない、そして機動性を損なうことにつながりかねないことから、法律上の規定はあくまで政府備蓄が主であり、民間備蓄は補完的位置付けである旨を規定するにとどめまして、実際、これ、やっぱり大事なことは、ちゃんとこの機動的な運用ができるのかということだというふうに思いますから、今回行わさせていただく実証実験の、実証の事業のですね、状況も見て、政府備蓄の機動的な運用の在り方についてもしっかり検討させていただきたいと思います。
○岩渕友君 何で機動的な運営ができなかったのかということ、やっぱり大事だと思うんですよ。政府は、その需給の見通しが正確ではなかったからとか、放出のオペレーションがうまくいかなかったからと言うんだけれども、理由はそれだけなのかということなんですね。現行法も機動的な運営をするように書いているのに、機動的に運用できなかったということですよね。 我が党の紙智子前議員が二〇二四年の春の時点で米不足を指摘したのは、農水省が公表をしていた数字を見て指摘をしたものなんですよね。 そこで伺うんですけれども、二〇二二年六月末の民間在庫量について、前年同月比でどうなっていたでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 令和四年六月末の、米の年間の玄米仕入れ数量が約五百トン以上の出荷業者と、同じく四千トン以上の卸売業者の在庫量を合計した出荷・販売段階での民間在庫量は百七十二万トンで、前年同月に比べて一万トンの減少となっております。
○岩渕友君 六月にマイナスになって、七月、八月はプラスになるんですけど、その後はずっとマイナスが続くんですよね。 二〇二二年から二〇二三年の需要量を確認します。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 令和四年七月から令和五年六月までの主食用米などの需要量は六百九十一万トンとなっております。
○岩渕友君 それに対して、二〇二二年の生産量はどうだったでしょうか。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 令和四年七月から令和五年六月までの主食用米、これ令和四年産ということですけど、主食用米の生産量は六百七十万トンでございます。 なお、この生産量に、先ほどお答えした令和四年六月末の民間在庫の量、合計二百十八万トンを加えた令和四年七月から令和五年六月までの供給量は、八百八十八万トンとなってございます。
○岩渕友君 六百九十一万トンと六百七十万トンで、この時点から需給、需要と供給に二十一万トンものギャップが生まれていたということになるんですね。二三年のギャップは更に拡大をして四十四万トンにもなっています。合わせると、六十五万トンもの不足ということになります。二〇二三年、二四年の大幅な供給不足は、農水省が示した数字からも明らかで、これ国会でも何度も指摘をされたことです。二三年の年末には、加工業者からもお米が足りないという訴えがありました。その時点で既にスポットの大幅な上昇も見られたわけですよね。 この大幅な供給不足を知りながら、備蓄米の放出を決断しなかったのはなぜなのかということなんです。明らかに不足していると知りながら、それでも放出を決断できなかった原因を解明する必要あるんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、令和七年七月から令和五年六月までの需給状況については、令和五年六月末時点の民間在庫量が百九十七万トンとなり、流通関係者が適正水準と認識している百八十から二百万トンの範囲で、米穀としては供給が不足している事態とは言えず、この時点で政府備蓄米を売り渡すとの判断には至らなかったところであります。 他方で、その後の令和五年産や令和六年産では、人口減少などによる需要のマイナストレンドの継続を前提として翌年産の需要量と生産量の見通しを作成していた中で、これを前提として置けば生産量は足りているとの認識の下で、不作時に備蓄米を放出するというルールの下で放出時期が遅れ、米価高騰を招いたというのは事実であります。これ、基本的には、要するに、不作時に備蓄は放出をするというような法律になっていたわけですから、不作では少なくともなかったわけですね、その年のたしか収穫というのは。 ですから、結果としてそういう事態になってしまいましたので、で、やっぱり私は、大事だというふうに思いますのは、当時、私も副大臣やっていて、何人かの皆様から本当に現場では米がどうもないのではないかというお話を何度もいただきました。実際に、これについて国として手当てが何らかできないのかという話もやりましたけど、結果としては備蓄を出すというところまでの行動に至らなかったということは、その結果としてあの事態を招いたことは本当に後悔してもし切れないというふうに思っておりまして、もう二度とこういうことは起こさないということでこの度の法改正の見直しもさせていただいているところであります。
○岩渕友君 二四年、二五年の予想が外れたことだとか、備蓄米の放出に手間取ったということは、表面的な原因にすぎないというふうに思うんですね。令和の米騒動の本質は、政府が需給のコントロールに責任を持とうとせずに、市場任せにするべきだと考えているからじゃないのかということだと思うんですよ。それがこの米騒動を招いたんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今般の米価高騰については、生産量が需要量に対して不足し、民間在庫の取崩しが起き、減少するのに伴い、米が不足するとの不安から業者間の調達競争が発生し、新規の調達ルートや同業者間で取引するスポット市場を通じて比較的高い価格の米を調達せざるを得ない状況であったということであるというふうに認識をしております。 しかしながら、農林水産省は、やはりその生産量は足りているとの認識の下で、あくまで流通の目詰まりが原因と説明をしており、流通実態の把握に消極的というか、現実問題として流通実態がどうなのかというのを明確にはできていなかったということだと思いますし、また政府備蓄米についても、先ほども申し上げましたが、不作時に備蓄米を放出するというルールに縛られて、結果として放出時期を遅延をさせてしまった、その結果、卸売業者などの不安感を払拭できず、更なる価格高騰を招いたということだというふうに考えております。 その後、この米価高騰の要因と対応の検証を行うべく、令和七年六月に全届出事業者を対象にした緊急調査を実施するに至り、同年八月の米の安定供給等実現関係閣僚会議において、このような農林水産省の判断ミスを明確にしたところであります。 何度も申し上げておりますが、市場任せにしたからこういうことが起きたというよりは、我々としては需要の見通しを示して、そこに向かって、ある種、生産現場の皆さんは供給量、供給は比較的ずっと合っていたわけです。それにもかかわらずこの事態が起こったということは、もうまさに私たちの需要見通しの立て方を含めて、そして備蓄の放出の在り方を含めて、もう全く話にならなかったということだというふうに思っておりますので、もう二度とこの事態は起こさないよう、本当に緊張感を持って取り組んでまいります。
○岩渕友君 今回の法案は、米騒動を引き起こした本質的な問題をごまかすものにほかならないと思います。その結果、逆に、本法案は需給に対する政府の責任を放棄するものになってしまっています。政府が需給に全面的に責任を負うこと、そのための手段を整えることが必要です。生産調整はそのための手段の一つです。政府備蓄米の出し入れによるコントロールや、全ての米農家を対象にしたセーフティーネットが必要です。 そこで、今日は是非大臣に聞いていただきたい訴えがあるんです。 京都府の北部で、新規で就農をされていた三十代の米農家の方のことなんですね。周りからも信頼をされて、頼られて、若手だということもあって、農地がどんどん集まってきて、お一人で二十六ヘクタール耕作されていたということなんですね。倉庫を造って、販売まで切り盛りをしていたということです。政策金融公庫から二千万円借金をされていて、今年から、年二回、百二十万円ずつ、年二百四十万円の返済が始まったとのことでした。それ以外にも、高騰する機械、肥料、農薬などの支払が今後次々やってくるわけですね。こうした状況の下で、米価の値下がり傾向が顕著になってきた六月頃から、もう続けられない、倒産すると言うようになって、六月十五日に、全ての田植が終わった翌日、倉庫で亡くなっているのをお母さんが発見をされたそうです。御自宅はきれいに整理をされていたということでした。お母さんから、息子の死を無駄にしないでほしい、同じように悩んで苦しんでいる全国の農家を助けられる政策やってほしいという訴えがあったんですね。 大臣、この若い米農家の方の死をどんなふうに受け止めていますか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今本当に、地域の担い手である生産者の方がどのような事情であれお亡くなりになったことは、米政策の担当大臣として私は、言葉はありません。心から哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。 今先生から、そのお母さんの、お母様の言葉がありましたが、そういう思いを生産者の皆さんがしなくて済むように精いっぱい頑張らさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 この農家の方がここまで追い詰められた原因、二つあると思うんです。一つは現時点の対応の問題で、政府が備蓄米を放出したまま米価が下がるに任せているということなんですよ。もう一つは制度の問題で、今後も安定して生産が続けられる見通しが立たないということです。 一点目について、いつまでもその政府備蓄米の買戻し、買上げをしようとしないということが全国の農家を本当に不安にさせています。出来秋までには必ず買い上げて暴落を防ぐ、価格支えるんだって宣言することが必要じゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) この備蓄米の買戻しにつきましては、先ほどからも答弁何度もさせていただいておりますが、米をめぐる様々な状況を総合的に見定めた上で適切に判断をさせていただきます。 ただ、今先生がおっしゃったような、そういったお気持ちもよく踏まえて適切に判断させていただきたいと思います。
○岩渕友君 適切に判断するって言っているような状況じゃないと思うんですよ。それぐらいもう事態は切迫しているということですよね。今日も、参考人からも指摘がもう何度もされているわけですよね。これ、一刻も早い買戻し、買上げ必要だということです。 もう一点について、参考人質疑では、長谷川参考人と武本参考人から、農業政策がどうあるべきかという本質的な提言がありました。長谷川参考人からは、実際に米を作る農家の立場から、稲作は自然を相手に一年一作であり、天候、災害により豊作、不作は付き物、農家が春先に需要見通しに基づく生産目安で作付けしても、出来秋に需要ぴったりの生産になることは元々困難だという指摘がありました。武本参考人からは、製造業というのは基本的に需要の変動に対して供給量を調整することが可能だと、ところが農業はそれができない、それをしようがないと済ませてしまうと再生産ができなくなるというふうに指摘がありました。 やっぱり、農家に需給調整、困難だということだと思うんですね。この立場で考えれば、需要に応じた生産で農家の責任にするなどということ起きないはずだというふうに思うんです。 武本参考人は、厳しい情勢の中で生産者があえてリスクを取って生産するということを奨励していくために、予想できない需給、価格の変動による経営への打撃を緩和するような措置を政府はやりますと宣言するべきじゃないかというふうに述べています。私、こういう宣言が今必要だと思うんですよ。農家への打撃は政府が吸収するから安心して生産してくださいということを、大臣、是非言ってくださいよ。宣言するべきじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 済みません、ちょっと答弁に入る前に済みません、私の先ほどの答弁の中で令和七年七月からというふうに申し上げたんですが、正しくは令和四年七月からでございましたので、訂正をさせていただきます。 その上で、今の質問にお答えをさせていただくと、この米政策については、平成三十年に国が生産数量目標の配分を行わない政策に移行して以来、生産者が主食用米の需給動向等を踏まえて自らの経営判断で需要に応じた生産を行うことが実態として根付いてきたというふうに考えております。 今般の食糧法の改正案では、このように生産者が取り組んできた需要に応じた生産をより一層推進するため、政府は、需給見通しを含む基本指針の策定、公表に加えて、米の需要開拓、輸出促進、生産性向上など米の生産の持続的な発展を図る施策を講ずること、そして、地方公共団体は需要に応じた生産に資する情報提供に努めること、生産者団体は、需要に応じた生産に関し、必要な助言、協力その他の援助を行うよう努めることとし、それぞれ需要に応じた生産の推進に当たり果たすべき役割を規定をするところであります。 生産者が需要に応じた生産を行ってもなおですね、まず大事なことは需要に応じた生産を行っていただくということでありますが、それでもなお不作などにより主食用米の供給不足が生じた場合は、要するに備蓄を機動的に放出をさせていただくということと、そして、豊作などにより需給緩和が生じた場合には引き続き米穀周年供給・需要拡大支援事業などを措置をしていきます。 需要、主食用の需要がどのぐらいかというのは、我々として需要見通しを示しております。現実としてどういう用途の米を作付けするかというのは生産者側で御判断をいただくということかというふうに思いますので、天候の話はもちろんコントロールできる話ではありませんが、どのぐらいどの用途の米を生産するかは生産者側である程度コントロールができる話だというふうに私としては認識をしております。
○岩渕友君 まとめますけど、やっぱり現行のセーフティーネットでは不十分なんですよね。長谷川参考人が、米価暴落したときに全部農家にかぶせていいのかという訴えされていました。直接払いでカバー半分でもしてくれと、価格保障で支えてほしいということが必要だと思うと訴えられていました。これは国民の皆さんの願いでもあると思います。 需給にも価格にも責任を持つという国の責任を投げ捨てる本法案には到底賛成できないということを述べて、質問を終わります。
○委員長(藤木眞也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正についてかごしま君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。かごしま彰宏君。
○かごしま彰宏君 私は、ただいま議題となっております主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に対し、国民民主党・新緑風会を代表して修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 今回、食糧法改正は、今般の米問題に対応し、消費者への米穀の供給を安定的に行うため、多様化する流通実態の把握強化、民間備蓄の創設、需要に応じた生産の規定等の措置を講じるため提出されたものであります。米問題の原因に即し、一定の効力を持つものと評価はするものの、政府案は、米問題を二度と繰り返さないための政府の責務を規定するものとなっていません。 そこでまず、米穀の備蓄及び民間備蓄の定義に係る修正であります。 米穀の備蓄の目的につきまして、政府案は、米穀の生産量の減少によりとの文言を削除し、単にその供給が不足する事態に備えとしようとしています。しかし、米価高騰に伴う輸入米の増加が現実となった今、輸入増加により供給不足が解消されれば、備蓄米制度が形骸化する可能性があります。 そこで、備蓄制度はあくまで国産米の市場流通を確保するためのものであることを明確にするため、米穀の消費量がその生産量を上回ること等を明記することとしております。 次に、政府の責務等に係る規定の新設についてであります。 政府案は、需要に応じた生産を生産者が主体的に行うものとしています。しかし、個々の生産者による主体的努力で国全体の需要に応じた生産を達成することは極めて困難であり、食料、とりわけ主食である米の安定供給の確保に責任を持つ政府の役割を法律上明確にする必要があります。 そこで、政府の責務を明確にするため、政府の策定する需給見通しと実情との間において著しい差異が生じたと認められるときの検証、公表及び検証結果の国会報告、著しい差異が生じたことにより価格が著しく変動したと認められるときの価格の安定化を図るための必要な措置等を規定することとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(藤木眞也君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○横沢高徳君 私は、立憲民主・無所属会派を代表し、本法律案原案に対し反対の立場から討論を行います。 本法律案は、日本の主食であるお米をめぐり、政府が需要と供給の見通しを見誤ったこと、また流通実態を的確に把握できていなかったことなどにより、生産者から消費者に至るまで、国民的混乱を招いたいわゆる令和の米騒動を背景に改正されるものであります。今回の令和の米騒動を招いた国の責任は極めて大きいものであり、いまだに国民の不安は払拭されていません。 以下、反対の理由を申し述べます。 本改正では、多様化する流通実態の把握の強化、備蓄制度の見直し、政府による生産調整を廃止し、生産者による需要に応じた生産の促進を主とするものであります。 まず、国全体の需要と供給の見通しを立てるため、届出事業者の拡大や、事業者に対し在庫量等の報告を求め、流通実態の把握に精度を高める点は必要であると考えます。 懸念される点は、米騒動を引き起こした国の責任が背景にあるにもかかわらず、食糧法改正の内容は国の責任の在り方が不十分であり、生産者から消費者に至るまで国民の不安を払拭できるものとなっていない点です。委員会の質疑の中では、国が責任を持ってしっかり支えていくと答弁はありましたが、であれば、条文上に国の責任を明記すべきです。法律案第五条第四項に国の行うべき役割の記載はあるものの、需要の見通しが外れてしまった場合や消費量が生産量を上回った場合など、不測の事態が起こった際の国の責任と国の対応が不明確であり、条文上明確にする必要があります。国民の食料を支えている生産者が万が一不測事態が起こった場合でも安心して生産を続けられるよう、法律の裏付けが必要と考えます。 また、国民の命の源であり、国民皆さんの財産である備蓄米について、機動的な運用の在り方が不明確である点です。備蓄米は、国民全体の財産であるからこそ、その理念や基本的な枠組みを法律に規定し、時の大臣の判断による備蓄米をめぐる国民的混乱を招くことのない運用を法律で担保すべきです。 食べることは生きること、国民の食を守ることは国を守ること、国民の命である食料は何があっても国の責任において守り抜くという気概と責任を明確に成文化する必要があることを申し上げ、反対討論といたします。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。 会派を代表し、政府提出の主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に賛成、国民民主党・新緑風会提出の同法案に対する修正案に賛成の立場から討論をいたします。 政府提出の改正案は、多様化する流通実態の把握強化や備蓄制度の見直しに加え、生産調整方針の規定を廃止し、生産者による需要に応じた生産を位置付けるものです。 食料の安定供給を確保する責務は国にあります。とりわけ、主食である米については、現行法第一条が主要食糧の需給及び価格の安定を目的に掲げ、需給見通しの策定とそれに基づく生産調整を規定することで、需給と価格の双方について国が責任を負う仕組みとなっています。 一方、改正案では、生産調整の法的根拠を廃止し、需要に応じた生産を生産者の自主的な取組と位置付け、その結果として価格の安定を図る考え方に転換しています。平成二十二年以降、生産調整との表現はなくなったものの、引き続き、水田活用政策を通じて主食用米以外への作付け転換を進めてきました。その中で生産調整の規定のみを削除することは、国の責任が後退し、生産者への負担が過度に大きくなるのではないか、そんな懸念がございました。 しかし、委員会審査における大臣答弁や本日議決予定の附帯決議では、需要に応じた米の供給と需給の安定は引き続き国の責務であること、水田政策による支援も継続されること、さらに、備蓄米制度の見直しは国内生産を補完するためのものであり、輸入依存や国内生産の縮小を意図するものではないことが明らかになりました。 生産者が需要に応じた生産に努めることは重要です。しかし、需給見通しの精度を上げたとしても、生産者一人一人の主体的判断による個別行動に頼るだけでは、需給全体の均衡が保たれるとは限りません。だからこそ、大臣が御答弁されたとおり、需要に応じた供給を確保する責任は政府にあります。その責務を着実に果たすことを強く求めた上で、政府案に賛成いたします。 また、我が会派の修正案は、委員会審査で明らかとなった政府の責務や講ずべき施策を法律上も明確に位置付けるものです。さらに、需給バランスが大きく崩れ、価格の暴落や暴騰が生じた場合のセーフティーネットの必要性を盛り込んでおり、生産者と消費者双方の安心につながる内容です。是非とも各会派の皆様におかれましては御賛同いただきますよう、心からお願いを申し上げます。 加えて、今回全ての参考人からも提起された固定払いによる直接支払、我が党では食料安全保障基礎支払と称していますが、今後の制度設計の中で具体的に検討し、導入されることを期待いたします。 食料の安定供給の確保は国の責務という基本理念は時代が変わっても揺らぐものではありません。 また、米の生産基盤である水田は、一度その機能が失われれば容易に回復するものではありません。現在は主食用米の需要を国内生産でほぼ賄えていますが、このまま担い手や農地の減少が続けば、将来需要に生産が追い付かない事態も懸念されます。そうした事態を招かないためにも、平時から生産基盤を維持し、将来を見据えた農業政策を継続していくことこそが食料安全保障の確立につながるものと考えます。 改正後も法律名は変わらず、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律であります。その名のとおり、主要食糧である米の需給と価格の安定に政府が責任を持ち、生産基盤を守り抜く政策を着実に推進されることを強く求め、私の賛成討論といたします。
○杉本純子君 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について、また、提案のありました修正案について、いずれも反対の立場から討論いたします。 近年、世界では、日本の食料安全保障に深刻な懸念をもたらす事態が続いています。危機感を持つ国々が政府による食料備蓄を強化しようと動き始めている現状にもかかわらず、本法案は、食料安全保障に関する政府の責任を弱め、政府備蓄から民間備蓄へと切り替える道を開く改正内容となっております。 一九九三年、日本は戦後最悪の不作により二百万トン以上ものお米を緊急輸入することになりました。このことを思えば、現在の備蓄水準である百万トンも決して十分とは言えません。食料の輸入ができなくなる事態と深刻な不作が重なってしまったとき、日本には国民の命を守れるだけの食べ物が本当にあると言えるのでしょうか。 政府備蓄を民間備蓄に移行する根拠として、民間備蓄の方がより機動的に放出に対応できるということが挙げられています。しかし、備蓄を放出しなければならないタイミングとはお米が足りないとき、つまり値上がりが期待できるタイミングであり、利益を追求する企業としては最も備蓄を放出せずにおくべきタイミングであります。そう考えると、政府の意思がスムーズに実現されるかどうかも大きな疑問であります。 食料安全保障とは国防であり、ビジネスとして捉えるべきではありません。参政党は、危機管理の責任を政府自らが市場を離れた場所で引き受けるべきと考えます。政府備蓄を減らすのではなく、むしろ積み増すこと、また、全国各地に分散配置を進めることで迅速に市場へ放出できる仕組みこそが必要であると考えます。 参政党は、僅か百万トンしかない政府備蓄米を拡充し、小麦、大豆も含め三か月分は確保することを公約として掲げています。有事への備えは、平時にはコストばかり掛かるとコストに目が向けられてしまい、軽視されがちであります。しかし、本当の危機が生じたとき、日本を救うものは、平時からのしっかりとした十分な備え以外にはありません。国家として政府はその責任を果たすべきです。 今必要なのは、これまで以上の国家備蓄体制をつくり上げることであり、責任を民間に肩代わりさせることではありません。問われるべきは、何としてもこの国を守るという強い覚悟であると考えます。 以上の理由から、本法案の内容、またその背景にある方針に対する懸念を強く申し上げ、反対いたします。 また、修正案につきましても、こうした懸念を払拭するものではないと考え、同様の理由から反対することを表明し、私の討論といたします。
○岩渕友君 日本共産党を代表し、本法案に反対の討論を行います。 二〇二四年から続く米の不足と高騰、いわゆる令和の米騒動は、長年にわたる低米価に苦しむ農家の苦境を放置する一方で、政府が米の生産や安定供給への責任を投げ捨て、市場に委ねてきたことが原因です。本来であれば、政府が米の需給と価格に全面的に責任を持ち、農家の生産と安定供給を支える政策に転換することが必要です。 ところが、本法案は逆に、主要食糧の需給と価格の安定と並列で書かれていた文言を、需給の安定を図り、これを通じて価格の安定化を図るに差し替えました。これでは、価格の安定はもはや結果論にすぎず、政府の役割ではないことを明記することになります。これまで政府が繰り返し強調してきた価格にはコミットしないという方針を、法によって固定化しようとするものです。そして、その需給の安定を実現する手段である生産調整を徹底して排除し、国、自治体の責務を情報提供だけに限定した上で、農家による需要に応じた生産を唯一の手段にしようとしています。 個々の農家が翌年の需給状況を正確に把握して作付けし、全体の生産量をコントロールすることなど不可能であり、需給の混乱と価格の乱高下は今後も発生することになります。そして、その責任は全て農家に押し付けられてしまいます。 また、現行の政府備蓄米は棚上げ備蓄であり、米のマーケットから完全に隔離されているのに対し、民間備蓄は、帳簿上の区分けがあったとしてもあくまで在庫でしかなく、需給のコントロールの手段とはなりません。まして、備蓄にMA米を使うことなど断じて許せません。 さらに、本法案は、生産者を含む米穀取扱事業者に、届出、帳簿作成、保存、取扱数量報告など、様々な義務を刑事罰をもって強制しています。政府の責任は次々と放棄し、事業者には刑事罰付きで従わせるなど、余りに非対称です。 主食の需給と価格の安定に責任を持とうとしない政府など要らないではないかと多くの農家が考えるのも無理はありません。米の価格や流通の市場任せを改め、ゆとりある生産の下、政府備蓄米を大きく増やして需給のコントロールを行うこと、そのためにも、農家が安心して生産できる米価を保障し、農村で暮らせる所得の補償を行うべきです。 以上より、本法案に反対します。 なお、修正案にも反対とし、討論とします。
○委員長(藤木眞也君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、かごしま君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 少数と認めます。よって、かごしま君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石垣さんから発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこさん。
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 我が国の主食としての役割を果たし、かつ、重要な農産物としての地位を占める米穀について、今般の価格高騰下で明らかになった課題に対応し、生産者が安心して生産継続できるとともに消費者が安定的に入手できるようにするため、多様化する流通実態の把握を強化するとともに、官民を挙げた備蓄体制を構築することにより、国産米の需給の安定を図ることが重要である。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 食料・農業・農村をめぐる情勢が変化する中でも、将来にわたり米穀が安定的に生産され、消費者へ安定的に供給されるためには、本法施行後も、需給安定への責任は何ら変わることなく、引き続き、政府は必要な施策を講ずる責務を果たすこと。 二 米穀の流通の変化に柔軟かつ機動的に対応できるよう、新設される定期報告の制度を十分に活用し、流通の実態を継続的かつ適確に把握するよう努めるとともに、生産者が需要に応じた生産ができるよう、十分な需要情報の提供に努めること。 三 届出事業者の拡大及び定期報告の制度の新設に当たっては、制度の周知を徹底するとともに、報告手続の負担を軽減するための方策について検討を行うこと。加えて、制度が安定し、円滑に実行されるよう地方農政局の人員の確保に努めること。 四 民間備蓄については、政府備蓄を補完する重要な役割を果たすものであることに鑑み、実証事業の結果を踏まえ、実効性の高い仕組みとなるよう検討を深め、官民合わせた備蓄の機動的な運営に努めること。特に、民間備蓄事業者に対する財政上の措置については、制度の円滑な運用に重要であることに鑑み、措置の対象とする範囲及び水準について、米穀の取引等の実態を十分に把握した上で民間備蓄事業者が制度を円滑に実施できるよう定めること。 五 民間備蓄事業者に対する米穀の常時保有の義務付けの措置については、当該措置に係る手続負担の増加が懸念されることから、手続における様式の統一や電子化を徹底するため、デジタル基盤を活用すること。 六 政府備蓄については、今般の政府備蓄米の売渡しにおける課題の検証を踏まえ、国内生産による米穀の供給が不足する事態に対し、より適確に対応できるよう、倉庫の地域偏在等の見直しの検討を行うこと。その際、現在の備蓄運営の基本的な考え方についても、民間備蓄の導入を踏まえた整理を行い、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いた上で必要な見直しを行うこと。 七 こども食堂、フードバンク等への政府備蓄米の無償交付については、困窮するひとり親家庭をはじめとする支援の必要な者の手元に確実に届くよう、物価高などの状況の変化に応じた機動的な運用に努めること。 八 米穀の需要に応じた生産は、政府が責任をもって国内外の需要を創出した上で、その需要を満たすよう生産することを意味するものであり、その実現を図るために必要な施策を講ずること。 九 米穀の需要に応じた生産について政府が責任をもって実現するため、生産者団体や地方公共団体との連携強化を図るとともに、米穀の需給バランスが崩れた場合には、需給の安定を図るために必要な施策を講ずること。 十 政府による需給見通しは需要に応じた生産の重要な参考指標となるため、定期報告等を通じて米穀の生産者から消費者までの流通の状況を継続的かつ適確に把握し、需給見通しの精度の向上に努めるとともに、需給事情等に変動が生じた場合には、逐次、その原因分析及び需給見通しの見直しを行い、公表すること。 十一 需要の拡大に向けた政府の取組は、将来にわたる食料安全保障の確保の観点からも重要であり、この必要性について広く国民の理解が得られるよう、積極的な情報発信に努めるとともに、民間事業者と連携して輸出拡大に努めること。 十二 米穀の生産を持続的に発展させるため、国内外の需要の開拓を加速化させるとともに、中山間地域等を含め、生産の中核を成す農地や担い手の確保に向けた取組を一層強化するなど、需要と生産基盤の両面から生産者にとって再生産可能となるような総合的な施策を講ずるよう努めること。 十三 生産者が行う米穀の需要に応じた生産に向けては、水田における主食用米以外の作物の生産振興も不可欠であるため、生産調整規定の廃止後も、輸入依存度の高い麦や大豆の生産振興などを通じた、全ての田畑のフル活用を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤木眞也君) ただいま石垣さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、石垣さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林水産大臣。
○国務大臣(鈴木憲和君) ただいまは法案を可決をいただきまして、ありがとうございました。 この附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえて適切に対処してまいります。
○委員長(藤木眞也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十一分散会
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