令和八年四月二十三日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月二十一日 辞任 補欠選任 吉田 忠智君 徳永 エリ君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 藤木 眞也君 理 事 朝日健太郎君 上月 良祐君 東野 秀樹君 石垣のりこ君 かごしま彰宏君 委 員 井上 義行君 江島 潔君 進藤金日子君 野村 哲郎君 山下 雄平君 山本 啓介君 田名部匡代君 徳永 エリ君 横沢 高徳君 舟山 康江君 高橋 光男君 竹谷とし子君 佐々木りえ君 杉本 純子君 岩渕 友君 国務大臣 農林水産大臣 鈴木 憲和君 副大臣 農林水産副大臣 山下 雄平君 大臣政務官 農林水産大臣政 務官 山本 啓介君 事務局側 常任委員会専門 員 西村 尚敏君 政府参考人 農林水産省大臣 官房総括審議官 押切 光弘君 農林水産省農産 局長 山口 靖君 農林水産省経営 局長 小林 大樹君 農林水産省農村 振興局長 松本 平君 水産庁長官 藤田 仁司君 海上保安庁総務 部参事官 高橋 徹君 参考人 農林中央金庫代 表理事専務執行 役員 長野 真樹君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○農林中央金庫法の一部を改正する法律案(閣法第二八号)(衆議院送付) ○農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案(閣法第二九号)(衆議院送付) ─────────────
農林水産委員会
発言 178
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、吉田忠智君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリさんが選任されました。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省大臣官房総括審議官押切光弘君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に農林中央金庫代表理事専務執行役員長野真樹君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤木眞也君) 農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横沢高徳君 皆様、おはようございます。立憲民主・無所属の横沢高徳でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まずは、昨日、四月二十二日午後、岩手県大槌町で林野火災が発生しました。住宅や牛舎を含む百九ヘクタールが焼失し、現在も延焼が続いております。県は自衛隊に災害派遣要請をし、本日も未明から懸命な消火活動が続いております。 先日の本委員会でも田名部委員から林野火災や災害復旧についての質問があったばかりではありますが、まずは早期鎮圧と避難者支援、今後の復旧、そしてまた一月から五月は林野火災が起こりやすい時期でもありますので、改めて林野火災防止の徹底が重要と考えますが、まず大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 岩手県大槌町の林野火災につきましては、昨日、小槌地区及び吉里吉里地区の二地区において発生をして、現在も延焼中でありまして、県からの報告によりますと、建物七棟の被害が発生し、地域住民への避難指示も出されているところであります。延焼面積が、午前八時現在で、吉里吉里地区においては約百四十ヘクタール、そして小槌地区は約十五ヘクタールとなっております。 今朝も消防による懸命な消火活動が続けられておりまして、今先生からもありましたが、自衛隊への災害派遣も要請されておりますので、農林水産省としても、引き続き、これ、被害状況の把握に努めるとともに、まずは早期の消火に向けて協力してまいりたいと思います。
○横沢高徳君 まずは早期鎮圧が第一ではありますが、その後の復旧に関してもまたお力をいただくことがあると思いますが、よろしくお願いを申し上げます。 次に、鳥獣被害対策についてちょっと触れます。 これも岩手なんですが、一昨日、私が住んでいる隣の町の紫波町にて、行方不明者を捜索していた警察官が熊に襲われて顔や腕にけがをし、近くの沢で成人女性の損傷した遺体が見付かりました。環境省によりますと、死亡した女性が熊被害と断定されれば、二〇二六年度初の犠牲者と見られるそうでございます。心から哀悼の意を表し、けがをされた方にお見舞いを申し上げます。 先日、これも田名部委員の質問でもありましたが、熊、鹿、イノシシ、猿などによる鳥獣被害対策の増加に歯止めが掛かっておりません。鳥獣被害対策の予算、先日、大臣も現場のニーズの積み上げが重要とおっしゃっておりましたが、改めて、農林水産省を始め政府全体の現場ニーズの積み上げ、予算の確保をより進めるべきと考えますが、改めて大臣のお考えをお伺いをいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 私も今朝、そのニュース、テレビで拝見をいたしまして、まず、お亡くなりになった方に私からも哀悼の意を表させていただきたいと思いますし、また、今、熊が岩手に限らず様々な地域で目撃をされておりますので、でき得る限り皆様にもお気を付けをいただきたいというふうに思います。 農林水産省では、市町村を中心とした農地周辺での対策といたしまして、ICT及びデータを活用した捕獲対策、そして省力的管理が可能な侵入防止柵の整備、人材育成、確保などの取組を鳥獣対策交付金により支援をしているところであります。 さらに、今後の予算を把握するに当たっては、これ現場のニーズをしっかり把握するために、現時点においてこの地域の維持管理計画が固まっているなど、侵入防止柵の事業として挙げられてきた要望に加えまして、現時点では地域で必要性の声が上がっているだけの段階にあるなど、今後、事業の要望になる可能性があるものも含めて、ちょっとしっかりとニーズ、幅広に把握をさせていただきたいというふうに思っております。 これにより、ちょっと幅広にしっかりとニーズを把握した上で、これに基づきまして、来年度の事業の要望を正確に見込んで、適切に予算要求を行ってまいりたいと考えております。
○横沢高徳君 やはりこれだけ被害が増えているとニーズも高まっていると思いますので、是非そのニーズを集約していただいて来年度予算につなげていただきたいというふうに考えます。よろしくお願いいたします。 今日は農林中金法改正ですね。 ちょっと農業のまずは倒産件数の推移について伺います。 東京商工リサーチの調べによりますと、二〇二五年度の農業の倒産は百五件で、四年連続で増加しております。倒産が百件を超えたのはここ三十年で初めてで、過去最多とのことです。負債総額は四百二十一億五千七百万円で、大きいところですと負債約百五十八億円など、負債一億円以上が四十一件と増加し、負債総額は二・四倍と膨らんでいるそうです。 政府は、効率化、合理化の下、大規模化を推進してきましたが、大きくなるにつれてリスクも増えていきます。もちろん、経営ですから、良いときもあれば悪い、厳しいときもあるとは思いますが、倒産件数が増えている現状について、まず大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 これ、民間の調査機関におきまして、農業事業者の倒産件数が二〇二一年度から四年連続でまず増加をしております。そして、二〇二五年度は過去三十年で最多を記録したというふうに発表されていることは承知をしております。 これ、個別の農業事業者の倒産要因は様々であるんですが、この報道を見て、私たちもちょっと細かく聞き取りをして、どういう状況で結果としてこういうことになったのかということを調査をさせていただいたところ、近年の倒産事例では、施設園芸などの野菜作や、酪農、肉用牛生産などの畜産が多くなっておりまして、その背景として、これ要するに大規模な設備投資などを行ったものの、当初の事業計画に対して受注減少などによる販売の不振、若しくは技術力不足などによる生産の減少、要するに思ったより生産が上がらなかったなどにより収益が上がらず、資金繰りに行き詰まり、倒産に至った場合が多いというふうに承知をしております。 これ、ちょっといいですか、私、お話ししても。要するに、これコストが高騰しているということももちろん要因としてないわけではないんですが、そのコスト高騰と倒産との関連もちょっとどうなのかというのも、たしかあれ予算委員会で徳永先生から御質問いただいたので、ちょっとよく調べたんですけれども、一般に、農業者は、生産資材などのコスト高騰に対しては短期借入れによって運転資金を確保して対応することが多い一方で、販売不振に加えて設備投資などで多額の負債がある場合は、結局、その外部からの短期の借入れが、コストが上がっちゃったときに、いっぱい借金があるものですから、短期で借り入れるということの追加が、追加借入れが難しく、結果として資金繰りが困難となって倒産に至ってしまったというケースが基本的には多いんだろうというふうに考えております。 なので、これ結局、そのコストの高騰が最後、何というか、要するに借入れをもうこれ以上できないということで駄目押しをしてしまっているということはあるんだろうと思いますので、我々も、この園芸、施設園芸なんかにはセーフティーネット資金やったりとか燃油の価格高騰対策とか、あと、これから食料システム法による合理的な費用を考慮した価格形成など、農業経営をちょっと下支えはしっかりやっていきたいというふうに考えております。
○横沢高徳君 分かりました。 そこで、農業近代化資金融通法、法案の方に入っていきたいと思います。 今回の改正案では、貸付上限額は、個人は二億円、法人は七億円とされています。借入額が大きくなればなるほど経営者のリスクも大きくなっていきます。天候や、やはり気候に左右されやすい一次産業でありますので、万が一経営がうまくいかなくなっても、負債を抱え、また補助金などの返還も重くのしかかるなど、大規模化のリスク対策も十分考慮する必要があると考えます。 生産者が万が一のときに負債を苦に命を絶つようなことにならないように、農林水産省としても、大規模化へのリスク対策もこれから必要と考えますが、まずは大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木憲和君) これ、今回の法案でいいますと、農業近代化資金の融通、融資を増やす、増やすというか、限度額を増やすということなんですけれども、やはり大事なことは、過剰な投資が行われたり返済不能な負債を借入者に生じさせるということは決してないように、民間金融機関において、融資により導入しようとする施設、農機具などがこの借入れをする方の経営規模や経営内容等に見合ったものであるのかどうか、そして、借入れをする方の事業内容から見て、借入れをする方の返済可能性に問題はないのかどうかなどの審査を適正に実施した上で必要な額が貸付けされるようにする必要があるというふうに認識をしております。
○横沢高徳君 それで、まずは農機具代、次伺いますが、生産現場を回りますと、最近やっぱり機械代がどんどん上がっていくんだよと。大規模化に伴って機械に求められる性能も上がっていますし、それもスマート化によって高性能化も進んでいます。 ただ、高額な機械代が担い手参入のハードルになっているという現状もあります。融資額が上がることで、それに伴って、今大臣もおっしゃったように、更に機械代もそれに伴ってちょっと業者の方が上げていくとか、そのようにならないようにやはり注視していく必要があると考えますが、この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木憲和君) これ、農業機械の価格については、農業物価統計調査における農機具の物価指数が、令和二年平均を一〇〇とすると、直近の令和八年二月は一一六・五と、上昇となっております。 今回の法改正によって、この貸付上限額を、従来の上限額を大幅に超える個人二億円、法人七億円まで引き上げるなどの資金内容の拡充を行いますから、まず、その農機具代高くなった分は、それで要は借入れというのは対応ができるということになりますが、ただ、今ちょっと先生御心配の過去の例、これちょっと調べてみますと、この上限額を、借入れの上限額を引き上げた際に農機具の物価指数が上昇するといった関連性は確認はされておりません。
○横沢高徳君 是非注視をしていただきたいと思いますし、農機具代だけじゃなくて、やはり機械代が高額になってきているのとともに、やはりメンテナンス代、整備代もやっぱり最近上がっているんだよと。やはり、大規模化の流れですね、一つの機械に掛かる負荷もやっぱり増えていますし、やっぱりそこの辺のランニングコストへの対応策もこれから考えていかなきゃいけないと考えています。 やっぱり、最初の初期投資とともに、先ほど大臣がおっしゃった短期借入れの部分ですね、メンテナンスしてどうやって継続していくか、そこも注視していく必要があると思いますが、大臣、御見解をお伺いします。
○国務大臣(鈴木憲和君) まさに、これ、私の地元も先生の地元も一緒の東北地方で、農機具のメンテナンスも含めて、特にこれ、要するにもうメンテナンス出してもすごい待たされるとか、若しくは部品が届くまでにすごい時間が掛かるとか、場合によっては営業所がだんだんなくなっていって、地域によっては本当に必要なときに機械のメンテナンスができないという事態も、少しずつですけど生じているというふうに私も思っております。 ですので、本当にこれ、農業機械全体で、この前も三菱農機ですかね、島根の方で、マヒンドラか、あれ撤退するという話がありましたけど、この状況をやはり我々もちょっと問題意識を持たなければならないと思っています。 同時に、やっぱり経営にこのメンテナンスも含めてランニングコストがどのような影響を与えるかというのは、本当にちゃんと、定点的にちゃんと観測をして、その経営が、標準的な経営がそれで成り立っていくのかということはよく見ていく必要があると思いますので、そこはしっかりやらせていただきたいと思います。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 そこもしっかりと農水省の方でも注視していただきたいと考えます。ありがとうございます。 それでは、農業近代化資金について伺います。 平成六年以降、貸付額の減少の要因をまず伺いたいのと、特に日本政策金融公庫のスーパーL資金と比べると一割程度の融資残高となっている点があったり、今後の対応が必要な部分があると考えます。この点、政府の御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 先ほど紹介のありましたスーパーL資金は、融資実績を見ますと、平成七年は九百九十九億円であったものが、令和六年には二千三百六十五億円ということで、三十年ほどでこれだけ伸びている一方で、近代化資金の方は、平成七年は千七百七十五億円であったものが、逆に令和六年度には五百八十一億円にまで減って逆転していると、こういう状況になっています。 この原因は、やはり農業経営の規模拡大などによりまして、特にこの一経営体当たりの資金需要が拡大する中で、借入限度額が低いことなどの理由で農業近代化資金が低迷したと。一方で、こうした資金需要の多くがスーパー資金によってカバー、スーパーL資金によってカバーされたということが原因ではないかと考えてございます。
○横沢高徳君 それでは次に、検討段階での都道府県との意見交換の点について伺います。 農業近代化資金は、都道府県の利子補給を受けた貸出しがほとんどを占めています。本法律案の検討段階で都道府県からの意見、要望はどのようなものがあったのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 今回の農業近代化資金の見直しの検討に当たりまして、全ての都道府県に課題等を聞いたわけなんですけれども、その際、県からは、都道府県からはですね、やはり借入限度額が低いだとか償還期限が短いなどといった、この資金内容についての意見などが多く寄せられたという状況でございます。
○委員長(藤木眞也君) タカサワ高徳君、あっ、横沢高徳君。
○横沢高徳君 横沢です。ありがとうございます。 ちょっと時間もあれですので、次に農林中金法について伺いたいと思います。 まずは、農林水産業のメインバンクであります農林中金が多額の赤字を計上した事態に対しての、まず、監督官庁の農林水産省としての、なぜ未然に防げなかったのか、この点について伺います。
○大臣政務官(山本啓介君) 農林水産省といたしましては、金融庁と連携しながら、農林中金に対し、ヒアリング、検査などの通年のモニタリングを実施してきたところであり、米国金利上昇に伴う影響などについても適時把握、確認するとともに、適切なリスク管理体制の整備やその高度化に向けた対応を求めてまいりました。 しかしながら、農林中金が巨額の赤字を発生させる事態となったことについては、農林水産省といたしましてもこれを重く受け止め、令和六年九月から有識者検証会を開催し、赤字発生の原因等を検証しました。 その検証会においては、こうした今回の運用損失の発生要因として、各部門の組織体制、権限と責任が不明確、農林中金の理事がいずれも職員を経て理事となっていること、理事会に外部の視点がなく多様な視点が確保できていなかったことなどが指摘をされております。 今後、農林水産省といたしましては、農林中金のガバナンスの強化等について、検証会の提言を尊重し、農林中金の対応を確認、指導するという方針の下、農林中金の取組が着実に実施されるよう、引き続き、金融庁と連携し、モニタリング、指導を続けてまいりたいと考えております。
○横沢高徳君 そこで、お聞きいたします。 今回、外部理事を選ぶということになりますが、そこでその外部理事を選ぶ際に、その出身母体との間に取引関係や利害関係などが出るということで、農林中央金庫の業務にまず万全を期す必要と考えますが、この点についてのお考えをお伺いします。
○政府参考人(小林大樹君) では、お答え申し上げます。 まず、この外部理事でございますけれども、外部理事に限らず、農林中央金庫の理事につきましては、例えば利益相反取引、いわゆる利益相反取引を行う場合には、経営管理委員会に事前にその内容を開示して承認を得るなどのルールが農林中央金庫法に定められております。 こういったルールも活用しながら、外部理事の方々の適正な業務運営というのはしっかり農林中金の中でも自律的に管理していただきたいというふうに考えてございます。
○横沢高徳君 まだまだ聞きたいことあったんですが、時間ですので終わります。ありがとうございました。
○石垣のりこ君 立憲民主・無所属の石垣のりこです。 まずは、仙台塩釜港に係留中だった宮城海上保安部の巡視船から重油が流出した件について質問いたします。 三月二十五日未明に通報されまして、最大で一万五千リットルの重油が海に流出し、周辺で養殖していたノリ、ワカメ、昆布などが廃棄処分をせざるを得ない状況になったということで、大きな被害が生じております。 間もなく一か月ということで、既に衆参の農林水産委員会ほかで質疑がなされておりますので、私からは更に直近の状況を踏まえて何点か伺います。 おとといの二十一日から、塩竈市ではワカメなどの処分が始まりました。ワカメ類で千トン以上、千五百トン以上とも言われております。廃棄をしなければならない状況になっております。 まず、この初日となりました二十一日、県漁協で七トンを処分したというニュースがあったんですけれども、これ、塩竈市の方の漁協で契約した処理会社は、一週間で、一週間で二十トン程度は処分できるということで、一日に大体二十トンぐらいずつ揚がっているという話もありましたので、これ処理が追い付いていかない状況なんですね。ようやく契約はできたということなんですが、これから気温も上がってまいりますし、できるだけ処理を早めた方がいいと考えます。 これ、かつ収穫の部分というのか処分のために引き揚げる部分というのか、これは漁業者の皆さんに御協力いただくしかないんですが、処分に関しては、この代金を出すというのは当然なんですけれども、漁業者任せにするのではなくて、海上保安庁もですけれども、水産庁も、例えば、処理会社ちょっと探して、きちんとやっていただけるようなところをあっせんする等、紹介する等、積極的に協力すべきだと思いますが、水産庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。 今委員御指摘のとおり、既に陸揚げが進んでおりますワカメ、これにつきましては、宮城県の方でしっかりその処理業者のあっせんが行われまして、それで、二十一日には焼却に向けて搬出が開始されていると。順次処理が今のところ進められているという状況でございます。 私どもも、しっかりその状況を注視して、今後円滑に処理が行われるようにしっかり協力をしてまいりたいと考えてございます。
○石垣のりこ君 残念ながら、何か手伝ってもらっているという認識は余り、ちょっと場所にもよるのかもしれないですけれども、認識はなくて、もう事故が起きました、被害が出ました、お金は出すから処理はよろしくねというような状況で、もう既に現場任せにされているという認識があるという状況になっておりますので、きちんと連絡も含めて取っていただきたいと思います。迅速に御処理をお願いいたします。 今回の事故で、被害額、ノリだけでは三億円を超えるということで、総額どのくらいになるかちょっと分からないんですけれども、この申請をして査定して決定して支払われるまでに一定の時間を要すると思います。賠償されるものの中でも、例えば今御紹介したような廃棄物の処理費用のように、金額が確定して請求書が送られてくるようなものに関しては、もう先に、このサーベイヤーの査定待たずに、これ漁業者に支払う、これは組合になるかもしれませんけれども、支払うことができないか。また、もう原因者は海上保安庁にあるということは明らかなわけですから、これ海上保安庁が直接処理業者と契約して漁業者通さずに支払うというようなことも、これ額面大きくなってきてなかなか待たされると肩代わりするのも大変だと思いますので、こうしたことを検討してはいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋徹君) まずは、この度、海上保安庁の巡視船が油を流出させ、漁業者の、漁業関係者を始めとします地域の皆様に多大なる御迷惑と御心配をお掛けしていることについて、改めて深くおわびを申し上げます。 海上保安庁としましては、今回の油の流出によってノリやワカメなどの海産物に被害が生じたことにより収入を断たれた漁業者の皆様の生活を守るため、一刻も早く賠償金をお支払いすることが重要だと考えております。 このため、現在、賠償に向けて早期に被害状況を確認するため、海上保安庁の本庁、管区本部、海上保安部に対策チームを設けるとともに、損害査定の専門家であるサーベイヤーの人数を増やしてその支援を得ながら、被害のあった海産物等の調査を実施するとともに、できるだけ効率的かつ効果的に調査を行えるよう、漁業者の皆様にも補償に関する説明会を実施したところです。 引き続き、漁業者の皆様から誠意を持ってお話を伺い、海産物の廃棄処理に関する費用、それから海産物を販売できないことによる逸失利益、また汚染等によって使用できなくなった漁具の交換費用など、油の流出によって生じた様々な損害について、可能なものから順次金額の確定を進めるなど工夫をして、可能な限り早期に賠償の支払ができるよう努めてまいります。 また、今後の海産物の廃棄処理を海上保安庁が直接産廃業者と契約を行って進めるということについては、海上保安庁としても漁業者の皆様からよくお話を伺って、その御要望を踏まえながら工夫をして、被害に遭われた漁業者の皆様の御負担を少しでも軽くすることに努めてまいります。
○石垣のりこ君 是非、現場に事務的な負担も含めてできるだけ掛けないような工夫をしていただきたいと思います。 今申し上げたように、あとお答えいただきましたように、査定が必要でいろいろ検証が必要なものはある程度仕方がない、時間が掛かっても仕方がないと思うんですけれども、もうごみ処理とかというのはそんなにいろんな査定が必要というか、もう決定したものに関しては払えるものであると思いますので、そこの区別を早くして、できるだけ早く支払をお願いを申し上げます。 今お答えにも多少ありましたけれども、補償についてこのサーベイヤーが査定を行っているということは承知しているんですが、今回のこの油の流出事故によって生じた損害について、賠償しますと、広く賠償します、丁寧に個別に対応して検討していきますというお答えはいただいているんですけれども、漁業者からすると、いつ確定して、いつ支払われるのかというのが非常に不安です。 また、漁業者が加工、販売の会社などを経営している場合、これはもう漁業組合から離れて個別に対応しなければならない事案になっているということで、自分のところで本来だったら原材料を捕って加工して販売、卸をしていたというような会社の場合は、この仕入れが自分のところでできなくなったからほかから買わなきゃいけない、その分の差額、あるいは工場を停止していた間の雇っていた人件費をどうするかとかですね、販路がすぐに見付からない、一旦また再開はしたけど、販路がすぐに見付からないような場合の損害も想定されるということで、こうした加工、販売などをしている会社などが関連する事業が行っている損害も補償の対象になりますでしょうか。
○政府参考人(高橋徹君) 加工、販売などの関連事業者の皆様への影響が今回の油の流出による損害に当たるものとして補償の対象になるかどうかは、個別の事例ごとに一つ一つ状況を確認して判断する必要がありますが、海上保安庁としては、できる限り御迷惑をお掛けした地元の皆様に寄り添って対応してまいります。
○石垣のりこ君 きちんと補償していただかないと、この事故がなかったらそういうこと生じないわけですから、誠実に対応してください。 また、ここの塩釜港はワカメなどの種苗も栽培しているんですね。今後、その水質の問題もあって、取引業者から大丈夫なのかというお電話とか大変問合せも出ているということで、一旦、もう被害額の申請が一旦締め切られた後でも、万が一影響が出ているというようなことが分かった場合は、きちんとここも補償の対象にしていただくということを、これは御快諾というか、きちんと御答弁いただけませんでしょうか。
○政府参考人(高橋徹君) 種苗などの生育に油の影響が出た場合など、時間がたってから油の流出による被害が発生したということが分かった場合には、私ども、その時点でよくお話を伺って、誠意を持って丁寧に対応してまいります。
○石垣のりこ君 いずれにしても、もう一か月たちますし、事故に関して不可解な点も多々指摘されております。事故調査の結果を早く出すということ、また、発表されている範囲の情報だけでも、交通事故でいえば過失割合としてはもう漁業者はゼロだと思いますので、せっかく今季、例年にない品質であったところで、ここでこの事故なので、本当に皆さん、気持ちが本当にどんよりというか、沈んで、本当、残念で悔しい思いをしていらっしゃいますので、誠実な御対応を引き続きお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 海上保安庁の事故の件に関しての御答弁者は、ここで御退室、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(藤木眞也君) それでは、高橋参事官におかれましては退席されて結構です。
○石垣のりこ君 続きまして、農林中央金庫法、農業近代化資金融通法の改正案について質問いたします。 まず、農林中央金庫法について伺います。 今回の法改正なんですが、農林中央金庫が一定条件下で企業への出資について許可不要、届出のみとする見直しが行われます。この理由及び政策的必要性についてお答えください。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 農林中金は、これまでもグループ会社であるアグリビジネス投資育成株式会社を通じて、主に育成段階にある比較的小規模な農業法人などに出資をしてきたところであります。 今後、農林中金には、こうした実績により蓄積されている法人育成のノウハウに加え、加工、流通、小売を含む食品産業分野へのネットワークも生かしまして、更なる事業拡大を目指す農林水産業、食品産業分野の法人への出資によって農林水産業への発展に貢献をすることが期待をされております。 このため、今般の法改正で、地域の農林水産業の発展に資する会社に対して農林中金が直接出資する際の手続を緩和し、農林中金には、育成段階にある法人への出資にとどまらず、更なる事業拡大など発展段階にある法人への出資についても積極的に強化していくことを期待をしております。
○石垣のりこ君 今回の法改正で当該出資の対象となる企業の具体的要件、業種であるとか規模であるとか、こちらの御紹介をお願いします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 今回の法改正におきましては、地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務を専ら営む国内の会社として主務省令で定めるもの、これに対する出資につきまして出資手続を緩和するということにしておりますけれども、これは、地域の活性化でありますとか生産性向上などのこの地域の農林水産業の持続的な発展に寄与する会社ということを想定しています。 具体的な業種につきましては、地域の農林水産業の持続的な発展に貢献する限りにおいては、まず農林水産業を営む法人、これはもちろんのこと、農林水産物や食品の製造、流通、販売、輸出などの業務を営む会社についても広く対象となるというふうに考えてございます。
○石垣のりこ君 広くということなんですが、農林中金法案の第七十二条第一項第十二号の農林中央金庫の利用者の利便の向上に資する業務若しくは地域の活性化、産業の生産性の向上、地域における農林水産業の持続的な発展そのほかの持続的な社会の構築に資する業務又はこれらに資すると見込まれる業務を営む会社、また、同じく七十二条一項第十七号の十二号に挙げる会社であって、農業生産の増大そのほかの地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務を専ら営む国内の会社として主務省令で定めるものの具体的な業種、事業類型などを実例を挙げてお答えいただけますか。
○政府参考人(小林大樹君) 業種につきましては、先ほど申し上げましたとおり、もちろん農業を営む法人というのは、これは入るわけでございますけれども、食品の製造でありますとか流通、販売、輸出、こういった食のサプライチェーンに関する部分も入るというふうに考えています。 ただ、要件といたしましては、先ほど御紹介がありましたように、あくまでも地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務ということが要件になりますので、ここに該当する業務を行っておる必要があるというふうに考えてございます。
○石垣のりこ君 食に関する、農林水産業に関するサプライチェーンということで幅が広いんですね。 確認ですけれども、第七十二条第一項第十二号の、資すると見込まれるという条件に関しては、これ、出資を受ける段階で具体的な実績がなくても、資すると見込まれるということであればよいんでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) 御指摘のとおり、例えば新たに会社を設立して、そこに出資するという場合がございます。そういう場合は、もちろん出資を受ける段階ではその会社にはこの事業の実績がないわけでございまして、こういった場合もございますので、出資を受ける段階で必ずこの事業の実績がなければいけないという、こういう要件は課さないということで考えてございます。
○石垣のりこ君 ということで、新たにスタートアップの企業なども対象になっているということですが、農林中金が出資する企業は、国内の会社であれば、その筆頭株主が外国企業や外国人の場合であっても出資はこれ問題ないですよね。もし制限がある場合はその内容も示してください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 ここの出資の規制の緩和のところは、繰り返しになりますけれども、地域における農林水産業の持続的な発展に資する業務を専ら営む、それから国内の会社であるということでございます。したがいまして、例えばこの筆頭株主が外国企業であるとか外国人であるということのみをもって対象から外れるということではございません。 ただ、やっている事業の中身はあくまでも地域の農林水産業の持続的な発展ということでございますので、例えばこの外国企業や、例えば外国企業のために事業を行う会社については対象にはならないということでございます。
○石垣のりこ君 ここに制限が掛かると、それはそれで問題があるので、そのとおりなんだと思います。 さらに、今回の農林中金法改正では外部の専門人材の理事への登用が可能になるという、外部理事を兼職、兼業規制の対象から外す理事の兼職、兼業制限の緩和が盛り込まれておりますが、この農林中金の外部理事に想定されている人材というのはどのような人材ですか。
○参考人(長野真樹君) まず初めに、会員を始めとするステークホルダーの皆様方に多大なる御心配と御迷惑をお掛けしましたことを深くおわびを申し上げたいと思います。 それでは、御回答させていただきます。 外部理事に想定される人材ということでございます。有識者検証会からの御提言のとおり、組織全体で専門性の高い外部の見識を取り入れるために外部の理事を任用する必要性があるというふうに認識してございます。 これを踏まえまして、外部理事には、経済、金融、それとガバナンス、こういった分野に専門性をお持ちの方を複数名招聘させていただくことを想定してございますが、農林水産業協同組合など、協同組織中央機関としての特色も十分御理解していただきつつ、農林中金の経営判断に当たりまして多様な視点を確保したいというふうに考えてございます。
○石垣のりこ君 多様な視点を確保ということですけど、投資会社であるとか、例えばコンサルタント会社などの人が理事になる可能性もあると思うんですね。こういう場合、当該理事が関与した企業へ出資すること、また、当該企業からの紹介案件への出資ということが制度上可能かどうか、またその制限があるかどうか、お答えください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 この外部理事に限らず、外部理事を含めた農林中央金庫の理事につきましては、農林中央金庫法に基づきまして、まず、農林中金のために忠実に職務を遂行する、こういった義務が課せられております。また、いわゆる利益相反取引をする場合には、経営管理委員会に対する事実を開示していただきまして、経営管理委員会から事前の承認を得なければいけないと、こういう義務が、二つの義務が課されているところでございます。 その上で、一般論として申し上げますと、農林中金の理事が農林中金のために忠実に職務を行わないなどその任務を怠ったときには、またこれは農林中金法に基づきまして、農林中金に生じた損害を賠償しなければいけないということとされているところでございます。
○石垣のりこ君 そのような利益相反というのはあってはならないわけですから、当然チェック機能が働かないといけないということなんですけど、具体的にこの防止措置として、法令上の規制、内部規定、第三者的なチェック体制というのはあるんでしょうか。
○参考人(長野真樹君) お答えいたします。 まず、外部理事の選定方法につきまして申し上げさせていただきますと、主に会員の代表で構成される役員推薦委員会で推薦された候補者を経営管理委員会で選任をいたしまして、総代会におきまして承認することによって会員の意思を反映する枠組みということになってございます。 また、理事就任後におきましては、農林中央金庫法で理事の忠実義務等が定められておりまして、理事が自己又は第三者のために農林中金と取引をしようとする際には、経営管理委員会において当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないとされてございます。 以上から、改正農林中金法の趣旨、会員の皆様の意思に反しまして、協同組織ではなく、特定の企業等のために行動する者が外部理事に就任して農林中金の資金を流出させるようなことは事実上ございません。
○石垣のりこ君 事実上ございませんということで、チェック機能は具体的に法的なものではないということですよね。あくまでも手続上の中でそういうふうに担保されるであろうという御回答ですよね。 農林中金の投融資・資産運用に関する有識者検証会で組織体制が十分に機能しなかったのではないかというふうに問題点も指摘されているわけなので、それで大丈夫だと言っていただくと逆に心配になるわけなんですけれども、一旦、農林中金法の改正についてはここまでで、続いて、農業近代化資金融通法について伺います。 近代化資金融通法の改正で、農林中金が出資した農林水産業の持続可能な発展に資する業務を専ら営む国内の会社への融資も可能になっております。例えば、これまで農業と無縁のAIとかシステム会社が農業分野に進出を計画して農林中金から出資を受けて新たな会社を設立するなど、実績がない企業も融資の対象になりますか。簡潔にお答えください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 現在、農業近代化資金法におきましては、農業振興事業を主たる事業として営む株式会社であって、農業者、農協、農協連合会が総議決権の過半数を有しているもの、こういったものについても農業近代化資金の貸付対象にしているところでございます。なお、この場合の農業振興事業というのは、農産物を原材料として使用する製造、加工の事業、流通の事業、生産資材の製造の事業、農作業の受託事業などとされているところでございます。 今回、この農業近代化資金法を改正いたしまして、こうした会社に農林中金が出資したとしても引き続き農業近代化資金を借り受けることができるように、これまでの農業者、農協、農協連合会のほか、農林中金も含めて総議決権の過半数を占めていれば近代化資金の貸付対象に含めるということになります。したがいまして、この要件に当てはまれば農業近代化資金の対象になるということでございます。
○石垣のりこ君 要件は幾つかあると思うんですけれども、対象になれば、当てはまれば対象になるということでございます。 農林中金から農業近代化融資を受けた企業が、農林水産業に関するシステム、製品を開発したとしますよ。その製品を購入する農業者は、これ、近代化資金の融資対象、いろんな条件あるかもしれません、なるかならないか、ちょっと簡潔に、イエスかノーかでお答えをいただいていいですか。
○政府参考人(小林大樹君) 農業近代化資金は、資金使途といたしまして、農業経営の改善に必要となる資金というのを広く対象としております。 御指摘のありました農業に関係するこのシステム等の購入経費につきましても、融資対象にはなるということでございます。
○石垣のりこ君 では、製品を購入する農業者が農業近代化融資の対象となる場合、その融資を活用できるという前提で農業者にその会社が営業することは、これ制度上可能ですよね。
○政府参考人(小林大樹君) 一般に、製品を売るこういう事業会社が営業活動を行う際に、農業近代化資金も使えますよということを併せて紹介するということは妨げるものではありませんけれども、実際に融資が受けられるかどうか、これはあくまでも判断するのは民間金融機関でございます。 したがいまして、製品を売る事業会社の方で融資が確実に受けられるというようなことを言うことはできないものと考えてございます。
○石垣のりこ君 そのとおりだと思います。 モデルルームを見に行ったときに、今こういうローンがありますよ、非常にお得ですよと、それを受けられるかどうかはもちろんそれは判断は別だと思いますけれども、そういうことができると。 この融資を前提に営業することが可能だということになりますと、融資限度額の上限に張り付くように価格が設定されるおそれがあります。この物価高もありますし、融資額が引き上げられることによって、それに伴って便乗値上げが生じることを防止しなければならないと思うんですが、そのような措置は講じられているんでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 これは農業近代化資金に限られるわけではございませんけれども、一般に、民間金融機関が行うこの融資審査、この場面では、融資によって導入しようとする製品でありますとか施設、こういったものの価格が市場価格と照らして適正な水準かといったような視点も含めて融資の可否を判断するというふうに承知しているところでございます。 このため、製品をなるべく高い価格で売りたいというような企業が市場価格と懸け離れた水準まで仮に値上げをしたとしても、これは民間金融機関の方もなかなかそれで融資を実行するということはないというふうに考えてございます。結果として、借入者の方でもそういった商品は購入できないということになるわけでございまして、私どもとしては、御指摘のようなことが行われる可能性というのは低いのではないかと考えているところでございます。
○石垣のりこ君 考えていて、そのとおりになればいいんですけれども、大体、AIとかシステムとかって、まずその価格がそもそもどこが適正価格かというのは分かりづらいし、その業界がたくさんの競合相手があるわけではないという面もありますので、非常にここの見極め、客観的な指数というのは難しいと思うんです。 ここまでの質疑を総合して考えていきますと、農林中央金庫が農業者ではない企業に対して出資及び融資を行って、事業拡大を金融面から支援することが可能になると。つまり、今回の二法案の改正は、農業者に対する直接的な金融支援に加えて、企業への出資及び当該企業を通じた事業展開を支援する仕組みを導入するということだと思います。このことは、農業者への直接金融を中心とした従来の支援から、企業を通じた間接的支援へというふうに比重を移行させるというふうにも考えることができると思うんですが、いかがかということ。 ちょっと時間の関係もありますので、二問一緒にお答えいただきたいんですが、今回の二法案の改正によって、農林中央金庫が農業者ではない企業に対する出資及び融資を通じてその事業展開を支援することが可能になります。農林中央金庫は、農業者等を構成員とする協同組合金融機関として相互扶助を基本原理とするものであるということに鑑みますと、この業務運営が協同組合として設立された趣旨を踏み外すことがあっては基本的にならないと思うんですね。この改正後に農業者ではない企業への支援が拡大する中で、協同組合としての性格、趣旨が損なわれることを防止するために、どのような考え方及び具体的措置によってこれを担保するのかということ。 この二点、大臣に伺います。
○国務大臣(鈴木憲和君) まず、最初の点ですね、今回の法改正を契機といたしまして、農林中金にはその豊富な資金力や幅広いネットワークなどを生かして、農業者の経営拡大に伴う大型農機やスマート農機の導入、大規模なハウスなどの農業用施設の設置、物流、加工、輸出などの取組の進展に伴う加工流通施設の整備、さらにはフードテックの進展に伴う植物工場や陸上養殖などの整備など、農協や信連では対応が難しい大規模な資金需要を伴う案件に対する融資、出資にこれまで以上に積極的に取り組んでいただくことを期待をしているところであります。 そして、後半の点でありますが、農林中金は協同組織金融機関でありまして、今回の法改正によっても、農林中金のこうした基本的な性格に変更を加えることでは全くありません。むしろ、今回の法改正により、農林中金法の目的規定に会員の構成員たる農林水産業者のために金融の円滑化を図ることが明記されますので、農林中金においては、融資、出資を含めたその金融機能の強化を通じて、その会員の構成員たる農林漁業者の利益につながる業務運営を行うべき旨がより一層明確化されるものと考えております。 いずれにしても、農林水産省としては、この農林中金が担い手経営体や大規模施設、そしてフードテックなどへの融資、出資を拡充をし、農林水産業の生産基盤強化と食料供給力の向上に貢献していただけるよう、その対応状況についてはモニタリング、指導をしっかりとやらせていただきます。
○石垣のりこ君 今回の法改正後、今日の質疑で指摘したような問題が生じないよう、目的どおりにきちんと運用されていくことを願いまして、質疑を終わります。
○かごしま彰宏君 おはようございます。国民民主党・新緑風会のかごしま彰宏です。 本日は、金融二法案の審議ということで、こちらに絞って御質問をさせていただきます。また、本日は、農林中金から長野代表理事専務執行役員にお越しをいただき、誠にありがとうございます。 まず、中金法についてお伺いをさせていただきます。 農林中金の資産総額八十三・五兆円、一方で、この農業者向けの融資が六百三十六億円、つまり総額の〇・一%以下にとどまっています。関連融資を含めても総額の〇・三五%程度ということで、この農林中金が持っている資産総額に比して、やはりこの農業関連に対する融資の割合が大変低いという状況であると思います。 中金法第一条には、目的規定として、農林中央金庫は、中略、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とするというふうにあります。つまり、やはり農林中金としてはこの資産をしっかりと用いて農林水産業の発展に寄与しなければならないと、そのための組織であるということで私は理解をしております。 そうした中で、農林中金にお伺いをしたいのが、この融資額の比率の低さについてどのように受け止め、そしてこの比率の低さの原因は何だと分析をされておりますか。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 我々農林中金は、適切なリスク管理の下、国際分散投資を通じまして、会員への安定的な収益還元の役割を果たしてございます。これによりまして、農協等の経営の安定、農林水産業に貢献する取組をサポートしてございます。 一方、農林水産業向けの融資につきましては、JA、都道府県段階と役割分担をして取り組んでございます。農林中金では、JAによる農業融資への利子補給などの支援なども行ってまいりました。 農林中央金庫といたしましては、まだ十分に御期待に応えられていないというふうに思ってございますので、農協等と一体的な事業運営を行う中で、農業者が必要とする融資を適切なリスク管理を行いながら従来以上に積極的に行って、農業生産、販売の拡大、生産効率の向上等を引き続き支援してまいりたいと考えてございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 グループ全体での取組であったり、しっかり運用をして増やして還元をしていくんだというお話だったと思います。それに関する御質問も後ほどさせていただくんですが、その前にもう一問ですね。 今回、昨年の二月に公表された資料の中では、農林中金による農業及び食品産業への出融資を増やすと明確に書いてございます。そうした中、今回の改正内容は、柱は大きく三つで、中金の業務規定の見直し、出資規制の緩和と外部理事の制限緩和の三つであると理解をしております。こうした改正内容で農林中金として出融資を増やすことができるのかどうか、できるのだとしたらどうやってやっていくのかについてお伺いをしてもいいですか。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 今回の法改正における目的規定の改正の趣旨を踏まえまして、農林中金として、農林水産事業者の生産基盤の維持強化、あるいは担い手確保、経営力向上に資するような農業金融をこれまで以上に取り組んでまいりたいと考えてございます。 まず、農林水産業者や食品事業者向けの融資につきましては、JA、信連と役割分担の上、JAなどで対応できない大規模案件、県域をまたぐような案件、こういった農林中金が取り組むべき領域に対しまして、体制面を強化いたしまして積極的に対応をしてまいりたいと考えております。 また、出資につきましては、主にアグリビジネス投資育成株式会社を通じまして二十年以上にわたり行ってございまして、現在、出資件数、金額共に増加基調でございます。 今後は、今回の法改正の趣旨も踏まえまして、アグリ社を通じた出資を強化するとともに、アグリ社で対応困難な大規模な案件などにつきましては、農林中央金庫が直接的な出資、こういったものも取り組んでまいりたいと考えてございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 やはりこの出資、融資をどのように増やしていくのかと、そしてこの農業の経営規模の拡大、発展に対してどのように農林中金として後押しをしていくのかといったことを考えねばならぬと思っています。 そうした中で、今御答弁もいただいたんですけれども、やはり運用という面と、そしてグループ全体での取組ということで、それぞれ一問ずつお伺いをさせていただきます。 まず、運用について、今回、外部理事の制限の見直し、これが運用に関しては大きな論点であると思っています。ただ、なぜこの制限緩和に至ったかといえば、やはり、この令和六年度、一・八兆円の損失を計上したということで、その反省に立脚をしているというものだと思います。つまり、重要なのは、外部理事の制限を緩和するというのはあくまでツールであり、運用は失敗した、その反省をどう踏まえて、今後の運用をどう改善をするかというのが問題の本質であると理解をしています。 そうした中で、外部の知見をより取り入れて、内部の同調性であったりですとか、そういったものを極力排除していくということが外部理事の制限緩和だと思いますが、ただ、それだけだと、やはり、じゃ、これからの運用の成功、失敗が外部理事の人選によると。いい人を採用できればいいけど、外れてしまったらまた失敗するということになります。だから、やっぱり問題の本質を鑑みれば、外部理事、誰を採用するかももちろん当然大切ですが、農林中金全体の組織として同じ失敗を二度と繰り返さないために何をするかであると考えています。 そうした中で、お伺いをしたいのが、農林中金全体の組織として、今回の反省にどう立脚をして運用面をどう強化をしていくのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 有識者検証会では、委員御指摘のとおり、理事が同質的であって、専門性の高い外部の意見を聞く体制が必要であることなどを御指摘いただきましたが、農林中金といたしましても、組織運営における同調性が適切な判断を遅らせてしまったことが今回の原因だというふうに認識してございます。具体的には、外部理事には、農林水産業協同組合など、協同組織中央機関としての特色も十分御理解いただきながら、経済、金融やガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方を複数名招聘することを想定してございます。 また、昨年度におきましては、役員体制の方を見直させていただきまして、経営管理体制を強化したほか、理事会の傘下にCFOを議長とする財務戦略委員会を設置いたしまして外部有識者を招聘するなど、多様性を高めることで組織運営体制の強化を図ってきたところでございます。 今後、同様の事象が発生しないよう、こうした多様な視点を確保した柔軟な意思決定ができるような体制を引き続きしいてまいりたいと考えてございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 役員の増強、委員会の設立、そういったことも通して、是非、ほかの金融機関見てみても、投資うまくいっている、運用がうまくいっているところはたくさんあるわけですね。なので、やっぱり、せっかく農家さんから預金を預かって、それを元手にして運用して増やして還元をしていくといったことを取り組んでいるわけでありますから、組織全体として、外部役員の理事の人選だけによらない運用体制の強化を実現をしてもらいたいというふうに思っております。 最後、一問、グループ全体の話をお伺いしたいと思います。 農林中金さんの資料によれば、組合員等から農協へは百七兆円の預金がございます。一方で、農業者から農業関連団体への融資としては、農協から一・一兆円、信連から〇・九兆円、農林中金から〇・四兆円と、合わせても、百七兆円の預金に比べて二・四兆円の融資というような状況であると。もちろん、借りたくない人に無理に貸すものではないと私も理解をしております。一方で、ただ、この百七兆円預けていて二・四兆円だというのは、やっぱりちょっとこの農業の発展に資するという農林中金の目的に照らしても、少ないのではないかというふうに思っています。 最初の問いでは農林中金さんとしてどのように取り組んでいくのかということをお伺いをしましたけれども、やはり一体としてこのJAグループ、JAも信連も中金も縦でつながっているわけでありますから、このグループ全体としてどのようにこれから取り組んでいくのかという点について、農林中金さんの御意見と、そしてこちらについては大臣の御意見もお伺いできれば幸いです。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 農業経営体向けのJAバンクにおける融資につきましては、農業法人の大規模化でありましたり、新型コロナや激甚災害などを受けた政策金融の役割発揮もございまして、JAバンクのシェアにつきましては約五〇%、民間農業融資に限りますと約七〇%のシェアを確保してございます。 今回の農業近代化資金法改正におきましては、現場のニーズを踏まえまして、貸付限度額の引上げなど貸付条件を拡充する方向と認識してございます。JAグループ全体として、引き続き、総合事業機能の発揮、これを踏まえた改正後の農業近代化資金を十全に活用するということを通じまして、農業者の資金ニーズにしっかりと応えてまいりたいというふうに考えてございます。
○国務大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 この農業融資に限らず、金融機関による融資は資金需要に応じてなされるものであるため、この貯金の規模に融資の規模が直ちに連動するものではないと考えていますが、その上で、我が国の農業融資の実態について見ますと、令和六年度農業融資新規貸付額に占める国内銀行などのシェアが一割程度であるのに対して、農協系統のシェアは約五割程度を占めており、農林中金や農協を始めとするJAバンクは、我が国の農業融資において重要な役割を果たしていただいているものと認識をしております。 ただ、他方で、このJAグループにおいては、現在調達している貯金などの規模からすると、今後も拡大が見込まれる農業分野の資金需要に対してはまだまだ融資ができる資金力を備えているものと認識をしております。 このため、農林中金において、今回の法改正を契機として、その豊富な資金力や幅広いネットワークを生かして、担い手の経営拡大や事業の多角化に加えて、フードテックの進展に伴う大規模投資も含めて、フードテックに設備投資するとすごい金額が一気に掛かりますから、そういったものも含めて、大規模案件に対する融資、出資を強化していただきたいというふうに考えますし、また、農協などにおいては、今回拡充されるこの農業近代化資金なども活用いただきながら、中小規模の農業者も含めた資金需要にしっかりと対応していただくことを期待をしております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 JAグループに集まっている資金をしっかりと活用して、農業者さんたちの、事業者さんたちの後押しをしていく、頑張りたい人の熱意をしっかりと応援をしていく、もう一歩勇気が足りない人たちの背中を押していく、それでいて農業の発展に寄与をするための中金であってほしいと、JA全体であってほしいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 続いて、ここからは近代化資金についてお伺いをさせていただきます。 本制度は、民間金融機関が融資主体となって農家や事業者を支援するというものだと思います。制度の立て付けを考えても、融資の審査、事業計画のフォロー、こういったものは通常の民間金融機関が行っている融資と同じであるという理解はしております。その中であえてお伺いをするのですが、この近代化資金制度、これを利用して貸付けを受けた事業者の事業実施状況、これを国としてはどのようにフォローしているでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、農業近代化資金のこの融資機関が、借受け者がこの融資によってまず何を行おうとしているのか、こういった事業の内容でありますとか、それから融資後の借受け者の事業が計画どおりいっているのかという、こういう実施状況、こういったものにつきまして融資機関の方で適切に把握してフォローしていくということは、融資機関が審査を適切に実施して借受け者の経営発展を伴走支援していくと、こういう観点からも非常に重要であるというふうに考えてございます。 したがいまして、こういった事業の実施状況のフォローなどにつきましては、国としては直接やっておりませんで、ここの部分は民間金融機関、融資機関の方で担っていただいているというのが実態でございます。 その上で、農林水産省といたしましては、これは近代化資金は制度資金でもございますので、この近代化資金を取り扱う民間金融機関に対しまして、例えば、融資の際に借受け者からは、将来の計画の、済みません、将来の経営の姿などを記載した経営改善資金計画書、こういったものの提出を求めるでありますとか、融資後も借入者から必要に応じて経営状況の報告を求める、こういったことを融資機関の方に求めておりまして、この融資機関に対して事業者の事業実施状況の適時の把握に努めるように国としては指導をしていると、こういう状況でございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 あわせて、もう一点お伺いを、確認をさせていただきたいのが、今回の近代化資金の拡充を利用して貸付けを受ける者はどのような者を想定をされておりますか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 今回、この農業近代化資金につきましては、地域計画に位置付けられた方々等を対象といたしまして、新たなメニューとして農業経営高度化資金というものを追加いたしまして、この貸付限度額の引上げでありますとか資金使途の拡充、こういったことを行うこととしてございます。 こうした資金内容の拡充によりまして、例えば、地域の農地を引き受けて規模拡大をしようとする農業者の方が農業機械を追加取得しようとする場合でありますとか、若しくは大型の農業機械を導入しようとする場合、またハウスなどの農業用施設の増設をしようとする場合、こういった場合でありますとか、また、農産物の付加価値向上に取り組んでいる農業者の方が加工施設の整備をしたいと、こういった場合などのうち、これまでの貸付限度額では対応できなかったような比較的大きな資金需要に対しましても、今後の農業近代化資金では対応ができるようになるというふうに考えてございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。やはり、今資金需要がなかなか足りなくて、もうちょっと借りられたらもっと事業規模を拡大できるんだという方々に対する応援の制度であるというふうに理解をしております。 それで、確かに本制度というのは、民間のスキームをお借りをして民間の資金を呼び込むと、そこに対して国が利子補給なりで後押しをしていくという制度であると思っています。この制度の性格上、やっぱり民間のスキームを借りているものですから、やはりこの民間の責任、事業の審査であったり計画のフォロー、こういった部分が重くなるというのは私も当然理解をしております。 ただ、この大規模化であったりですとか効率化、高付加価値化、こういった政策の誘導の方向性は制度として国が決めているわけであります。そうした中、この方向性が、例えば合っているのか間違っているのか、あるいは合っているけどもっと拡充しないといけないのか、こういったところをどうやって改善をしていくかというところは、やっぱり国において判断をしていくべきことであると。反対に、それが分からなければ、民間のスキームだからといって余り国がタッチしないと、こういった事業の改善もできないのだろうというふうに思っております。 そんな中でお伺いしたいのが、果たして、政府としては、この農業近代化資金制度において国の責任というのはどこにあると思われますか。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。 この近代化資金におきまして、例えば対象者であったりとか、また限度額などの資金内容でありますとか借入れされる方の状況の把握など、融資機関が実施すべき内容についてまず国が定めまして、そして、利子補給契約をされる都道府県などを通じて制度の趣旨に沿った対応を融資機関にしていただくという役割分担をしております。 御指摘の借入れされる方のフォローに関しましては、債権管理はもちろんのこと、この融資機関が伴走支援していただくという観点からも重要であることから、一義的には、おっしゃるように、融資機関の責任において実施しているところでありますけれども、国としても、この近代化資金が経営の高度化に資するような制度の趣旨に沿った運営をされるように、都道府県などを通じて融資機関をしっかりと指導していきたいというふうに考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。やはり今御答弁をいただいたとおり、どういった方を応援をしていくのかというのは国の方で責任持って決めているわけであります。 そうした中、その民間のお金を借りて事業規模の拡大にチャレンジをする。成功するならいいと思うんですよ。もう成功するんだったら国は手放しで喜んでいればいいと思うんですが、やっぱり問題になるのは失敗したときですね。やっぱり、国が後押しをしてお金を借りた方々がいた、でも失敗をしてしまった場合には、やっぱりそこに対しては、国として後押しをした責任というのも当然あるんだろうというふうに理解をしています。 先ほど、横沢先生からの質問でも同趣旨のものがありました。ただ、私、これはしっかりと国としてもフォローしていくべきだと思うので改めて御質問をさせていただきますけれども、こうした事業拡大にチャレンジをするけれども、民間金融機関の、要は負債を負うわけですから、その返済が当然リスクになるという点も考慮をしなければならない。融資主体が民間だからというのは分かるんですが、この制度の方向性、国が決めている以上、こうしたうまくいかなさそうな事業者に対するリスクを国もしっかりフォローしていくべきだと思っておりますが、大臣の御所感、お伺いしてもよろしいですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) ちょっと先ほどからの議論も、やっぱり私もちょっとなるほどなと思うところもあればあれなんですけれども、意外と金融機関、審査むちゃくちゃ厳しいですよ、まず。基本的には余り貸してくれません。貸してくれない中で、いかにしてちゃんとした事業計画を立てて、どうやって経営を成り立たせていって、何というか、ちゃんと借入れをして事業を回していくかというのが、まさに経営そのものなわけです。 まず、その上で申し上げると、この農業近代化資金の融資に当たっては、過剰な投資が行われたり返済不能な負債を借入者に生じさせることのないよう、これ多分、民間金融機関は本当に厳しいので、こういうことは、まずほぼほぼ起きないというふうに私は思いますが、民間金融機関において、融資により導入しようとする施設、農機具などが借入者の経営規模、経営内容などに見合ったものであるか、そして、借入者の事業内容などから見て借入者の返済可能性に問題はないかなどの審査を適正に実施した上で必要な額が貸し付けられるようにするとともに、融資後においても借入者の事業や経営の状況把握などを適切に行っていただく必要があると認識をしております。 その上で、融資後の様々な事情によってこの融資の返済が困難となった場合には、民間金融機関においては、再生可能性があるうちの早期再生と再生後の持続的な経営再建に向けた支援についても取り組んでいただきたいと考えております。 今般、この貸付上限額を引き上げることになりますが、農林水産省としても、改めて、近代化資金を取り扱う民間金融機関に対して、農業者の財務状況や借入状況などを十分に踏まえた融資を行うとともに、融資後も債務者の状況把握や経営支援について農業者に寄り添って取り組むようにしっかり指導してまいりますし、恐らくこれ、様々な借入れをしながら規模拡大するとかいろんな事業をやる方というのは、国の別の補助なんかも受けながらやるんだというふうに思いますから、当然、そのいろんな資金を我々として支援する際にも、それは何というか、まあ厳しい、厳しい審査というか、ちゃんと寄り添いつつも、やっぱりちゃんとそれが成り立つのかということもよく踏まえて、今後ともそれは徹底をさせていただきます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございます。是非国としてもフォローしながら、そうした部分、徹底をしていただきたいと思います。 やっぱり民間の金融機関の審査、極めて厳しいものであるというものは私も承知をしております。こうしたリスクがたくさんたくさん発生をするんだと言うつもりはないわけでありますが、ただ、衆議院の農林水産委員会でも我が党の長友委員が御質問させていただいたと思います。こうした融資の返済を苦にしてやっぱり倒産をされる、あるいは自ら命を絶たれる方も実際にいらっしゃるという点については、こうした制度を国として運用していく上ではやはり気に留めておいていただきたい、是非念頭に置いていただきたいというふうに思っております。 続いて、今回の近代化資金の制度改正によって、具体的にどういったところに資金が集まっていくのかという点についてお伺いをしたいと思います。 先ほど、この規模拡大をしていく、高付加価値化をしていく、そういった方々が新たに引き上げられた貸付額借りていく見込みであるということの御説明はいただきましたけれども、そうしたことに加えて、今回の改正では貸付対象者に農林中金が主たる出資者等となっている法人等を追加をするというふうにもあるわけですけれども、その趣旨はお伺いしてもよろしいでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 農業近代化資金は、基本的には農業者が貸付対象になっているということでありますけれども、一方で、この生産現場のみならず、農産物の流通や加工の段階などにおける取組も重要でございますので、農業近代化資金の貸付対象者として、農業者や農協等がその過半を出資しているような法人、こういう法人でありまして、農産物の集荷でありますとか加工、流通、生産資材の製造、こういった事業を行う法人も近代化資金の貸付対象としているところであります。 こういった法人について具体的な事例を御紹介申し上げますと、例えば農協の子会社になっている、要は農協が過半を出資しているような食品加工会社に対して食品加工工場を建設する資金を農業近代化資金で融通するとか、それから、例えば全農の子会社である配合飼料の会社、こういうものが飼料工場を建設するときの融資として近代化資金を活用する、こういった事例があるわけでございます。 今般の改正につきましては、今般、まず農林中金法の改正で農林中金の出資手続を緩和も行うわけでございますけれども、近代化資金につきましても、先ほど申しましたような農業者や農協等が過半を出資しているような法人、こういったものも現在貸付対象になってございますが、そこに更に農林中金が追加を出資するということも想定されるわけでございます。こうした場合に、農林中金が出資したことによって、これまでの規定のままですと、例えば農協とか農業者の出資比率が五割を切るというようなことになりますと、農業近代化資金の貸付対象から外れてしまうということになってしまいますので、今回は、こういった農業者や農協等に加えて、農林中金も含めて、こうした方々が過半の出資者となっているような法人については引き続きこの農業近代化資金の貸付対象にするというような改正をしたということでございます。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 御答弁いただいたとおり、やっぱり規模拡大をしようと思って大規模な出資、融資を主に担っている農林中金さんからの出資を受けた場合に制限が掛かってしまうと、頑張ろうと思ったら制限が掛かってしまうというのはやっぱり良くないと思いますので、そういったところで規定の見直しをされるんだと思います。 そうした中で、最後お伺いをしたいことが、この近代化資金の融資主体は、何度も繰り返しておりますとおり、民間の金融機関であります。だからこそ、大臣もおっしゃられていたように、審査は厳しいわけですし、当然やっぱり返済見込みが立たないような計画には出資が、融資がされないということであると思っています。もちろん、民間のスキームを使っているので、それを否定するつもりはないんですが、ただ、この農林中金法の改正も含めて、やはり大規模事業者であったり、規模拡大を狙っていくんだという前のめり、前向きな事業者に対しての資金が集まりやすい制度になっていくということについては変わらないと思っています。そうした際に、規模をレイヤーで見たときに、トップを走っている人たちとか審査に合格するような人たちというのは出資を、融資を受けられるようになるけれども、その下のレイヤーにいて、なかなか、いや、経営状況もしんどいんですみたいな方々については民間金融機関の審査は通らないと思いますし、こうしたところとの格差、資金の集まりやすさというものは変わっていくんだろうというふうに思っています。例えば中小事業者であったり、条件不利地域の農家であったりですね。 この点については是非注意をしながら、今回の改正で融資を受けやすくなる方々以外の方々もちゃんと農業の持続的な発展に資するような制度と総合的に捉えられるような運用の仕方をしていただきたいと思いますが、政府の御見解をお伺いをいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) お答えいたします。 令和六年度の実績を見ましても、借受け者の約七五%が個人農業者であります。これまでも中小規模の農業者を含めて御活用いただいているところであります。 今回の貸付限度額の引上げ等により大きな資金需要にも対応できるようになりますが、他方、これまで同様、比較的小規模な資金需要にも対応できる資金であることは変わりなく、中小規模の農業者の資金ニーズに対しても引き続き応えていけるものと考えております。 したがって、今回の農業近代化資金の見直しが農業者間の格差の拡大につながるものではないと考えておりますが、委員御指摘のとおり、農林水産省といたしましては、農業近代化資金が引き続き、中小規模の農業者も含めて現場で頑張っておられる方々に活用をしていただけるよう、しっかりと周知をしてまいりたいと考えております。
○かごしま彰宏君 ありがとうございました。 今御答弁いただいたように、中小規模の方々でも借りられている方はいらっしゃるわけです。ただ、その借りられる方々の下には借りられない方々、審査に受からない方々というのが当然いらっしゃるわけであります。この審査に受からない方々をどこまで国として救っていくのかといったところはもちろん議論をしなきゃいけないと思っておりますが、ただ、最後、ちょっと通告に載せられなかったので、大臣にお伝え、申入れだけさせていただきたいことが一点だけございます。 この制度を食料安全保障という観点から見たときにどう捉えるかということであります。 民間のお金を使っておりますので、民間としては、食料安全保障について必ずしも守っていく必要性というのはそんなにないんだと思っています。なぜなら、食料安全保障を守るというのは、片や稼げる農業でもあるし、片や稼げない農業でもあるからです。この稼げない農業に民間の融資を投入するということであれば、民間がやはり資金を回収できないということにもなり得ますので、やはりここについては民間が一歩引くだろうというのは私も理解をしています。 一方で、国としては、この食料安全保障というのは担保をしていかなきゃいけない。そうした中で、農林中金、農水省が監督官庁です。近代化資金というのは国の利子補給も入っています。言ってみれば、国と民間の半々なんだろうと私は理解をしています。 こうしたスキームで民間資金を投入をするときに、どこまで食料安全保障をしっかり担保をしていくのか。民間資金を使っているからということで、ここからは一歩引きますよということであれば、是非ちゃんと補助金で食料安全保障は担保をしてもらいたいと思いますし、一方で、そうじゃないんですよということであれば、ちゃんと民間の資金ももうちょっと参入しやすいような制度も考えてもらいたいというふうに思っております。 本日の金融二法については、稼げる農業をしっかり応援をしていくということだと思いますし、私もそれは応援をしております。ただ、どうか、この食料事情全体として捉えたときに、金融の法律もそうですし、補助金もそうですし、幅広い視点でこれからも議論をさせていただければというふうに思っております。 以上で終わります。ありがとうございました。
○高橋光男君 おはようございます。公明党の高橋光男でございます。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。 今日は、農林中金法、そして農業近代化資金融通法の改正審議でございますので、ちょっと専門的な話となりますけれども、お伺いしてまいりたいと思います。 今回の法改正は、二〇二四年度の金利変動などによりまして農林中金に一・八兆円もの大きな赤字が見込まれる事態になったことを受けまして、有識者検証会というものが設けられ、その報告書を踏まえて提出されたものでございます。この有識者報告書では、この運用の在り方にとどまらず、農業や食料の現場に資金をいかに届けていくのか、組織の体制をどのようにして見直していくのか、また制度資金をどう使いやすくしていくのか、そうした課題が示されているところでございます。 その意味で、今回の審議は単に農林中金の立て直しにとどまるものではございません。食料の安定供給を支える金融をこれからどう強くしていくのか、そうしたことを問う大事な法改正だと認識しております。有識者検証会の報告書と、現場からいただいたお声なども踏まえまして、質疑に入らせていただきたいと思います。 最初に、農業、食料システムへの出融資の位置付けについてお伺いいたします。 今回の法改正では、農林中金の目的やこの業務の中に、農林水産業者のための金融をこれまで以上にはっきり位置付ける方向が示されております。有識者報告書でも、農業、食品産業向けの出融資を強めていく必要があると指摘されております。加えまして、昨今の農業の規模拡大や加工、物流まで含めた食料システム全体の変化を見ますと、県をまたぐ大型案件や、農協組合員以外の利用も多い物流、加工施設などへの資金需要に対しましては、全国機関であるこの農林中金が果たす役割が大きいものと認識しております。 そこで、お伺いをいたします。 今回法改正を受けて、どの分野のどのような案件に重点を置き、どの程度の広がりでこの出融資を増やしていくのか、川上から川下まで食料システム全体の強靱化にどのようにつなげていくのかにつきまして、大臣及び農林中金の見解を伺います。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 農林水産省といたしましては、今回の法改正を契機として、農林中金には、その豊富な資金力や幅広いネットワークを生かしまして、農業者の経営拡大に伴う大型農機やスマート農機の導入、大規模なハウスなどの農業用施設の設置、そして物流、加工、輸出などの取組の進展に伴う加工流通施設の整備、さらにはフードテックの進展に伴う植物工場や陸上養殖などの整備など、農協やこれ信連では対応が難しい大規模な資金需要を伴う案件に対する融資、出資にこれまで以上に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。 特にこのフードテックなんかは、植物工場でいうと一案件で数百億円規模の投資が必要になりますし、陸上養殖も、今大規模なもので数百億円の投資が必要になってきていて、なかなかそこにやはり、何でしょうね、これ正直リスクも当然伴いますから、リスクを一緒に取って、食料の供給力を増していくということに一緒になってやっていけると大変有り難いなというふうに考えております。 その上で、農林中金においては、こうした取組を通じまして、生産分野のみならず、加工、流通、販売なども含めた食料システム関連分野における民間投資の円滑化に寄与していただき、農林水産業の生産基盤と食料システムの強化を通じた食料供給力の向上に貢献していただくことを期待をしております。
○参考人(長野真樹君) お答えいたします。 まず、農林水産業者や食品事業者向けへの融資につきましては、JA、信連と役割分担の上、JAなどで対応できない大型案件ですとか、県域をまたぐような案件、こういったものに対しまして農林中金が取り組むべき領域と位置付けた上で体制面を強化し、積極的に対応をしてまいりたいと考えてございます。 また、出資につきましても、主にこれまでアグリビジネス投資育成株式会社を通じまして実践の方を行ってきておりまして、現在、出資件数、金額共に着実に増加をしておるところでございますが、大規模案件につきましては、我々の資金量あるいはネットワーク、こういったものを生かして、農林中金による直接的な取組、こういったものも進めてまいりたいと考えてございます。 このように、農林中金におきましては、川上と川中、川下、全ての領域に接点を持つ強み、この中には資金量でありましたり、独自のネットワークも含まれますけれども、こういったものを生かしながら、林業、漁業も含む第一次産業の持続性確保のために、強靱で持続的な食料システム構築へ貢献していくことを目指し、これまで以上に取組を進めてまいる所存でございます。
○高橋光男君 今回の法改正の方向について確認させていただきましたが、本当にこれからが大事だということだと思います。 条文を直せばいいということではなく、やはり農業、食品、物流まで含めて、現場で本当に足りないところに資金を手当てしていくことができるようにしていくこと、これをしっかり目に見える形で進めていくことが大事だというふうに思います。 続きまして、人材確保と育成、そして融資の実行体制についてお伺いしたいと思います。 有識者報告書におきましては、農林中金は有価証券中心に運用構造がありまして、出融資を担う職員は二割程度にとどまるとされております。また、案件を組み立てていくには相応の時間も手間も掛かるわけですが、人の体制が課題だというような説明もなされております。 現場でも、資金需要があっても、それをしっかりと見立てて事業性を見て案件の形にしていく人が足りなければ、実行にはなかなか結び付かない現実があると思います。 そこで伺いますが、農業、食料システムへのこの出融資を担う人材をどの分野でどう確保して育てていくのかと。農林中金は、本店と支店、支店も十七支店ほどですかね、限られているということですので、その中でこのJAや信連との連携、また人員配置、審査や案件形成の仕組みなどをどう見直して融資の実行体制を強めていくのかにつきまして、農林中金の方針を伺います。
○参考人(長野真樹君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、ここから農林水産業向けの融資を強化していくに当たりまして、それを支える人材育成、ここをいかに担保していくかといったところは非常に重要な課題だというふうに受け止めてございます。 その上で、私ども農林中央金庫では、農林水産業向け出融資を強化するために、昨年度に農業融資担当者を一割増強したということでございます。あわせまして、人材マネジメントポリシーを定めまして、一次産業と地域への貢献意識を持った職員一人一人が金融の専門性を醸成する人事制度、こういったものを開始してございます。 具体的には、農業融資機能を強化し、貸出業務等における経験、知見、こういったものに応じた研修、それと現場実践を通じた人材育成、こういったものを進めるとともに、農林水産業に知見を有する人材のキャリア採用、こういったものも進めております。 引き続き、中長期的にプロフェッショナルとなる職員の育成と確保、こういったものに不断に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋光男君 融資担当者を一割ほど増やすというようなお話がございましたけれども、大事なのは、現場に寄り添った人材、案件を組み立てていけるこの専門人材、どのようにして増やしていけるのかといったことが大変重要だというふうに思いますので、その辺りしっかりと取り組んでいただくことをお願いしたいと思います。 続きまして、今日も幾つか議論ございました外部理事の登用についてお伺いしたいと思います。 今回の法改正で外部理事の登用が可能となると。有識者報告書でも、多様な視点を確保するためには理事を含め組織全体でこの外部の見識を取り入れる必要があるというふうにされております。 ただ、この外部理事を置けばそれで十分かというと、私はそうではないというふうに思っております。なぜならば、今日も組織の全体としてというような議論もありましたが、まさにそことも関わるんですが、やはり、しっかりとこの現場の情報とか提案が上がってくる、そうした風通しの良い組織体制といいますか、そうしたものがなければ十分に機能しないというふうに考えるからでございます。 そこでお伺いいたしますが、この外部理事の登用を実効的にするためにも、理事会と下部組織との情報共有、また報告の流れ、議題の立て方、リスク情報の上げ方などをどのようにして改善していくのか。あわせて、理事会が適切に方針決定をできるようにどのような環境整備や組織体制の見直しを進めていくお考えなのか、農林中金の考えを伺います。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 まず、外部理事の任用におきましては、経済、金融やガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方を複数名任用することを想定してございまして、これによって多様な視点を確保し、柔軟な意思決定を行ってまいりたいと考えてございます。 また、その会議体の在り方、これにつきましても、しっかりとその会議体、会議体ごとの役割と責任、こういったものを明確化するという一つの取組といたしまして、理事会の傘下に、新たに財務戦略委員会というものを設置してございます。昨年度からこの中に外部有識者二名を招聘するなど、理事会が適切に方針決定を行える環境の整備、こういったものに取り組んでおるところでございます。 なお、外部理事へ御就任いただいた際には、理事会当日、ただ御出席をしていただくということだけではなくて、理事会で適切に議決権を行使いただけるように、事前のレクチャーでございましたり、あるいは事後のフォローアップでありましたり、こういったものにもお時間を割かせていただきたい。加えまして、こういったことを通じてしっかりと、委員御指摘のとおり、適切な意思決定に資する情報の連携、こういったものを図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○高橋光男君 是非、現場の情報が経営判断に直結いたしますので、そうした共有がしっかりなされるようにお願いしたいと思いますし、これ実務としてしっかりとそういったことを詰め切っていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、金利上昇局面におけるJAの財務健全性と地域金融機能についてお伺いしたいと思います。 今回の検証は主として農林中金が対象となっておりますけれども、現場のJAからは、金利上昇が長引けば、低金利の時期に保有した長期債などで評価損が生じて、収益や自己資本に影響が出るのではないかといったお声をいただいております。そうなりますと、農業者向けの融資や共同利用施設などの整備、組合員向けのサービスなどにも影響を及ぼしかねません。地域の農業投資を支えるこの金融機能が弱まれば、担い手の育成や設備更新にも響いてくるかと思います。 そこで、お伺いいたします。 政府として、最近の金利上昇がJAの保有資産、収益、自己資本などにどのように影響を与えているというふうに見ていらっしゃるか。また、その影響が地域金融機能に及ばないよう、JAバンク全体の実態をどのように把握をし、どう対応していくお考えかについて御答弁をお願いします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 個別の農協のこの財務の健全性に関することにつきましてはコメントを差し控えさせていただきたいと考えておるわけでございますけれども、御指摘のとおり、農協において国内のこの金利上昇に伴いまして国債などの有価証券の評価損が発生しているということは、私どもも把握しているところでございます。 農水省といたしましては、各農協が健全性を維持して、農業金融を含めたこの地域金融機能、こういったものをしっかり発揮していただけるように、農協の監督官庁であります都道府県、それからJAバンク法に基づきまして農協信用事業を指導する農林中金、こういったところとも緊密に連携をいたしまして、まずはこの金利上昇といった経済・金融市場の動向が農協経営に与える影響、これがどうなのかというのをしっかり把握するとともに、各農協の有価証券運用の状況を含めて、この財務の健全性でありますとかリスク管理の体制等につきまして、しっかりモニタリング、指導をしていきたいというふうに考えてございます。
○高橋光男君 ありがとうございます。 事前の御説明でも、農水省はそうした都道府県やまた農林中金等を通じて各JAのそうした財務健全性を確認されているというふうにお伺いしておりまして、昨年度の決算、まだ出ておりませんが、確認する限りは特段の問題はないということもお聞きしておるところでございますけれども、やはり是非、今のこういった金利上昇面において地域の農業金融にしわ寄せが出ていないのか、そうした視点でも見ていただきたいというふうに思います。農家の方々が必要なときに必要な資金を借りられる状態を守ることが何より大事だということを申し上げておきたいというふうに思います。 それでは、具体的に、そのような金利上昇の下で農業投資をどのように後押ししていくかについてお伺いいたします。 JAなどの現場からは、施設更新や機械の更新、暑さや水不足への対応など、これからの農業に必要な投資は増えていく、一方で、金利が上がると資金調達の負担が重くなって投資が先送りされやすいといったようなお声もいただいております。特に若手やこれから規模拡大に挑む経営体ほど、返済額が将来変わらないような固定金利のような融資メニューや利子負担の軽減、またあるいは保証制度の強化、こうした仕組みが重要だといった御指摘もいただいております。 そこでお伺いいたしますが、政府としてJAを含む地域金融機関とどのようにして連携して農業投資の金利負担を抑えつつ必要な投資が止まらないようにしていくのか。今申し上げたような固定金利だとか利子補給、保証、つなぎ資金、こうしたものの確保なども含めて、是非前向きな投資を後押しをしていく、そのための具体策についてお伺いいたします。
○大臣政務官(山本啓介君) お答えいたします。 農業者の資金ニーズに対して地域金融機関から円滑に資金が供給されるよう、低利かつ固定金利で長期の借入れも可能とする農業近代化資金などの民間の地域金融機関が取り扱う制度資金や、農業者が担保や保証人を提供しなくても資金を借りやすくするため、農業者の信用力を補完する農業信用保証保険制度のほか、地域計画に位置付けられた認定農業者への貸付け当初五年間の金利負担軽減措置や保証引受け当初五年間の保証料助成措置などの様々な施策を講じることにより、チャレンジする農業者の農業投資に係る負担を軽減しているところであります。 今後とも、農林水産省としては、これらの措置を継続し、農協を始めとする地域金融機関と連携して、チャレンジする農業者の経営改善や規模拡大に向けた前向きな投資をしっかり後押しをしてまいりたいと考えております。
○高橋光男君 今の御説明のあったような既存の仕組みがあることも承知をしておりますけれども、やはりこの負担感、これからも増していくというふうに思います。したがって、制度がしっかり本当に投資の後押しになっているのかということも含めて、利用のしやすさも含めて点検していただきたいなというふうに思います。 その関連ででありますけれども、この融資手続の簡素化、また迅速化についてもお伺いしたいと思います。 有識者報告書におきましては、農業近代化資金につきましては、借入限度額が少ない、農地取得に使えない、償還期間が短いといったような課題に加えまして、都道府県の利子補給手続に時間が掛かるために貸付決定や融資実行が遅れて、営農に影響するおそれがあるとも指摘されております。最近のように金利の動きが大きい局面においては、手続の遅れそのものが利用者の資金計画を不安定にしてしまいかねないかというふうに思います。 そこでお尋ねいたしますが、今回の法改正を機に、借入限度額、これ引き上げられますけれども、この申請書類とか審査、また利子補給の決定など、この融資実行に至るまでの各段階、これをどのようにして簡素化し、迅速化していくのか、利用者にとっても分かりやすく使いやすい制度にしていくための取組の方針についてお伺いいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 御指摘のありましたこの融資実行のタイミング、こういったものも含めまして、農業者のニーズに応じた融資実行がしっかりなされるということは極めて重要だというふうに考えてございます。 このため、都道府県等の関係機関と連携いたしまして、まずこの農業近代化資金に係る都道府県の利子補給手続、これにつきまして、各県が農業者からどういった申請書類を提出していただいているのか、こういったものを国としても一回検証いたしまして、簡素化を図るということが一点でございます。 それからもう一点は、この借入れの申込みから融資決定までの期間を短縮するという観点でございますけれども、この間、融資を実際に行う民間金融機関、それから保証を付けるということでありますと農業信用基金協会、それから利子助成をするのは都道府県というふうに主体がいろいろございまして、それぞれが順番に審査をやっていますとやっぱり時間が掛かるということになりますので、こういった各審査を同時並行で実施すると、こういったことも検討しまして、融資手続の簡素化、迅速化というのを図ってまいりたいと思いますし、また、この今回の改正に当たりまして、こういったことを都道府県でありますとか融資機関にしっかり説明を重ねていって、こうした手続の簡素化、迅速化の取組が徹底されるように進めてまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君 御答弁ありがとうございます。 しっかり、制度はあっても、これなかなか遅くて使えなければ、現場では役に立たないといったようなこともあろうかというふうに思いますので、不断の改善を進めていただきたいなというふうに思います。 今回のその近代化資金、どのようにして利用を促していくのかといった取組の一つとして、これまで農地取得等に使えなかったというような課題に対して、新たな今回対応として今年度から導入されたこの農業経営高度化資金というものが使われるものと承知いたします。この資金では、今申し上げた農地等の取得や借換えなどにも使えるようになります。 一方で、この対象者なんですけれども、これまで近代化資金というのは、農業者とか共同利用事業者とか、それらに限られてきたわけですけれども、新たに地域計画に位置付けられた者というものが、等というふうな形で対象が変わります。この地域計画自体、今進められているわけでありますけれども、ただ、現場では、まだその手続上間に合わないといいますか、今後位置付けられる見込みはあっても、まだしっかりとこの担い手として位置付けられていない方であったりとか、また、兼業農家さんも含めて、地域農業を支える多様な経営体、いわゆる多様な担い手と言われる方がいらっしゃいます。真に資金を必要とする方が使えるように柔軟な運用が必要ではないかというふうに思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 大切な御指摘だというふうに思います。 農業近代化資金の貸付限度額の引上げによって、例えば、農業経営の規模を拡大しようとする場合に行う大型の農業機械の導入やハウスなどの農業用施設の増設、そして、農産物の付加価値向上に取り組む場合に行う加工施設の整備などのうち、これまででできなかった比較的大きな資金需要に対しても、農業近代化資金でまずは対応できるようになると考えております。 そして、御指摘の新たに設けます農業経営高度化資金につきましては、その規模の大小にかかわらず、地域計画に位置付けられた者である限りにおいて、これは貸付対象となります。 そして、地域計画も、今まだ、何というか、進行途上のものもたくさんありますので、進行途上なんだけれども借りたいということが当然あり得ますので、そういう場合は、今後、この地域計画に位置付けられることが確実であることの証明を市町村から受けた者なども対象とする考えであります。 実際に、地域計画に位置付けられた者については、認定農業者などの担い手を中心に、小規模な経営体も含めた多様な経営体が位置付けられているところでありまして、もちろん、これ兼業農家の方も入っているケースも多々あります。また、改正後の農業近代化資金については、これまで同様の小規模な資金需要に対しても対応できることには変わりはありません。 今回の改正後の農業近代化資金が、中小規模の方々も含めて、前を向いて現場で設備投資して頑張ろうという方にしっかり応えていけるように周知もさせていただきます。
○高橋光男君 ありがとうございます。 兼業農家さんも含めて、多様な担い手が対象になるという重要な答弁だったかというふうに思います。 前回の委員会でも議論があったかと思います。そうした多様な担い手の方々に対する経営安定対策といいますか、セーフティーネット的な位置付けとしても、今回新たに設けられましたこの農業経営高度化資金というものがしっかり活用されるように、政府から促していただきたいなというふうに思います。 続きまして、現場からは、機械や施設のための資金は借りやすい一方で、雇用とか人件費、資材購入、出荷までなどのつなぎなど、必要な運転資金は借りにくいといったお声をいただいております。特に、規模拡大の時期ほど先に資金が必要になりますけれども、十分な支援が受けにくく、経営拡大の壁になっているというお声をいただいております。こうした実情を踏まえますと、設備資金のみならず、運転資金も含めて農業経営全体を支える視点が必要ではないかというふうに思います。 政府として、政府系金融、信用保証、利子負担の軽減など、どのように組み合わせて、農業者が実際に借りやすい仕組みにしていくのかについて見解を伺います。
○副大臣(山下雄平君) お答えします。 高橋委員が御指摘のように、この設備投資だけではなく、資金、運転資金のニーズなど、多様なニーズに応えていくことが大変重要だということは認識しております。 このため、近代化資金におきましても、これまでも、設備資金だけではなく、資材購入などの農業経営に必要な費用を広く長期運転資金の対象としてきたところであります。さらに、今回、この近代化資金の中に設けます経営高度化資金につきましては、借換えなども使途の対象に追加することにより、より一層様々なニーズに応えていきたいというふうに考えております。 また、近代化資金を利用しやすくという点におきましては、先ほど政務官の山本からも答弁申し上げましたけれども、農業者が担保や保証人を出さなくても資金を借りやすくするために、信用力を補完する農業信用保証保険制度の対象とすることでありますとか、認定農業者への貸付け当初五年間の金利負担の軽減でありますとか、保証引受け当初五年間の保証料の助成措置などといった措置、負担軽減措置を通じまして、より一層利用しやすくなる制度としていきたいというふうに考えております。
○高橋光男君 しっかりと副大臣のお言葉で述べていただいて、ありがとうございました。 最後に、一般金融機関も含めた農業向け新規貸出しの拡大についてお伺いしたいと思います。 有識者報告書では、この制度を所管する農水省と、実際の貸出しを行う農林中金を始めとする農協系統において、制度資金の在り方を検討し、農協系統による農業向け貸出しを促進するというふうにされております。 一方で、現場からは、この農協系統だけで全ての資金需要を支えるのではなくて、地方銀行など地域金融機関も含めて農業向け新規貸出しの裾野を広げる必要があるということが指摘されております。 一方で、地銀などからは、農業法人の経営情報とか現場の実態はつかみにくいんだと、またリスクを見極めにくいと、さらには、農地の評価や生産、販売の不確実性から審査に手間が掛かること、制度資金に加えて民間資金を借りようとした際に、相談先や審査が分かれていて農業者にとって提案しにくいのではないかと、ワンストップで対応できないのかといったような課題も指摘されております。特に、大型案件や加工、物流などを含む案件においては協調融資とか役割分担が重要でございますが、今回の法改正を機に、地銀等と農協系統や公庫等との連携、案件情報の共有、審査の知見の横展開など、どのように進めて農業向け新規貸出しを促す環境整備につなげていくお考えなのかについて、最後、お尋ねいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 この農業融資を拡大していく上では、農協等に頑張っていただくというのはもちろんなんですけれども、あわせて、御指摘のありました地方銀行などにもしっかり農業融資頑張っていただくと、こういうことが大事でございます。 こういった地方銀行などが農業融資に取り組みやすくするような環境整備につきましては、現在、日本政策金融公庫におきましてやっていただいておりまして、例えば、この融資判断をやる上での参考とするための農業経営の実力を数値化した情報サービス、こういうACRISというものがございますけど、こういったものの提供でありますとか、日本政策金融公庫と地方銀行等が協調融資などしまして審査ノウハウを横展開するでありますとか、それから農業経営のアドバイスを行う農業経営アドバイザー制度、こういったものを日本政策金融公庫の方で取り組んでいただいているところであります。あわせて、民間金融機関が取り扱う農業者向けの制度資金についてもしっかり内容を充実させていくということも重要であるというふうに考えてございます。 農水省といたしましては、引き続き、この地銀等による農業融資の環境整備に取り組んでおります日本政策公庫とも連携しながら、今回の改正によりまして資金内容が拡充されたこの農業近代化資金につきまして、地方銀行も含めてしっかりと周知いたしまして、こうした地銀も含めた民間金融機関による農業融資がしっかり促進されるように努めてまいりたいと考えてございます。
○高橋光男君 時間が参りましたので、しっかりと農水省としましても現場の課題を丁寧に洗い出していただきまして、地域金融機関のお力も引き出しながら、この農業向けの貸出しが広がっていくように御対応いただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○杉本純子君 参政党、杉本純子と申します。本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。 早速ですが、農林中央金庫法の一部を改正する法律案に関して、今回の改正には、これまでの内部出身者だけだった農林中金の理事について、兼業を禁止する規定を削除して、外部人材を招くことが目的として含まれていることと理解しております。また、その背景には、令和六年度に生じた約一・八兆円の赤字があると認識しています。今後の改善を図るために、兼職、兼任もできる外部理事を採用していくことで、より金融のプロを入れることとなり、専門性の高い見識を取り入れることによってリスクを回避し、最適な運用をとお考えだと思います。 そして、この今回の法案に関しましてはSNS等で様々な意見が飛び交っています。その多くが、農林中金の多額の資産が外資に奪われていくのではといった懸念の声です。そういった国民の声に対して、正確な情報をお伝えしていくことの重要性を踏まえて質問させていただきます。 予定されている外部理事を任用するに当たり、外部からお願いする必要性を改めて御説明いただきたいのと、本改正案が成立した後、外部理事を実際に任用するまでのプロセスについて、またその選定において適格性の確認をいかに行っていくおつもりなのか、加えて、今後の経営への意思決定の影響についても、改めて国民の不安の声に対して丁寧に説明するという意味も込めまして、この四点併せて御説明のほどよろしくお願いいたします。
○参考人(長野真樹君) お答えいたします。 有識者検証会から御提言いただいたとおり、組織全体で専門性の高い外部の見識を取り入れるために、今次、外部理事を任用する必要性があるというふうに認識してございます。具体的には、経済、金融、ガバナンスなどの分野に専門性をお持ちの方を複数名任用することによりまして、今回と同様の大規模な損失事象、こういったものを発生させないよう、多様な視点を確保して柔軟な意思決定を可能とする体制をつくってまいりたいと考えてございます。 また、理事任用のプロセスについてでございますが、十七名の構成員のうち十五名を会員の代表が占める役員推薦委員会、こちらの方で推薦された候補者を経営管理委員会で選任いたしまして、総代会において承認することによって会員の意思を反映する枠組み、こういったものになってございます。したがいまして、改正農林中金法の趣旨や会員の意思に反しまして外部企業のために行動する者が外部理事に就任することですとか、外部理事が理事の過半数を占めて理事会の意思決定を支配する、こういったことはございません。 また、理事就任後につきましても、理事は、農林中金法で定められた忠実義務等を負いまして、自己又は第三者のために農林中金と取引をしようとする場合には、経営管理委員会におきまして当該取引につき重要な事実を開示して承認を受ける必要があるということでございます。 加えまして、外部理事には、農林水産業協同組合など、協同組織中央機関としての特色も十分に御理解していただきながら意思決定に参画いただくことになりますので、組合員から離れた運営がなされるような状況になることはないようにしたいというふうに考えてございます。
○杉本純子君 御丁寧な説明をありがとうございます。 外部理事の選出は、当然しっかりとした検討の上で行われることと思います。しかし、多くの一次産業事業者の方々の大切なお金の運用ですので、やはりそうした皆さんが納得でき、信用できる方に入っていただけるよう、そして信頼関係がしっかり保てるようにお願いいたします。 次に、今月十四日の衆議院農林水産委員会におきまして鈴木大臣から御答弁がありましたとおり、農林水産省による農林中央金庫に対する監督機能の強化をされるとのことですが、この監督強化についてお聞きします。 具体的には、この監督強化において何がどのように強化されるのでしょうか。特に、外部理事の人選について、農林中央金庫が民間の金融機関であるということは当然理解していますが、農林中央金庫は極めて高い公共的役割を担う機関です。だからこそ、今回の改正については国民の関心も高いのだと思います。よって、強い権限を持つのではという外部理事の選任が非常に重要で、慎重かつ厳正に選ばれるべきだと思いますが、こうした人選も農林水産省の監督する内容には含んでいくというお考えなのでしょうか。二点併せてお聞かせください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 まず、外部理事の関係でございますけれども、農林中金は民間の金融機関でございます。その理事につきましては、先ほども御説明ありましたように、農林中金の中で法令等に従いまして適切なプロセスを経て選任されるべきものでございまして、個別具体的なこの理事の人選、こういったものに監督官庁である農林水産省が関与するということはございません。 一方で、最初の質問にございました農林中金に対する監督でございます。これは、監督官庁としては、農林中金に対し、適切なリスク管理体制の整備でありますとか、その高度化に向けた対応、こういったものを求めていくという、こういう基本的な姿勢は今回の法律の改正前後で変化はございませんけれども、先般大臣からも答弁がありましたとおり、農水省におけるこうした監督機能の更なる強化、こういうことは重要でございまして、具体的には、例えば、任期付職員制度などを活用いたしまして、外部からの専門人材の更なる登用、こういったことを検討するでありますとか、モニタリング、指導業務におきまして、その専門性を発揮するために、職員への指導、育成を通じてこの金融分野に精通した人材の更なる確保、育成、こういったものを取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 農林中金は、二〇二五年決算資料により、運用資産八十三・五兆円もございます。この農業関係の皆様の大切なお金が、ずっと低迷し続けている日本の経済発展につながり、真面目に頑張っている国民にも還元されていると思えるような、また、国内の日本企業や個人事業主、中小企業が潤うような、そんな日本国内でお金が回る仕組みの中で運用されるよう努めていただきたいと思います。 これは参政党としてもですが、何より一生懸命日々働いている国民の切実な思いだと思っています。多くの国民の生活や人生、日本の農業が懸かっている重大なことであると、あえて改めて強くお願いいたします。 続いて、農業近代化資金融通法の改正についてお伺いいたします。 この改正の貸付上限額引上げの理由は、農業分野の資金需要が拡大していて、今後より一層拡大していくという見込みがあるからだと説明されています。現在、中東情勢の変化もあって、物によっては以前より更に急速に物価は上がっていくことが懸念されます。農業におきましても、資材高騰、餌や飼料、肥料など、経営に関わる資金が増えていること、今後また更に増えていくという厳しい現実があります。 しかし、農業近代化資金という制度資金として見たときに、実際に資金需要は拡大しているのでしょうか。というのも、一九九三年四月に個人への貸付上限額が一千八百万円と政令で定められてから、三十年以上この制度の資金貸付上限額が上がっていません。しかも、その後、法改正で法律上の限度額は引き上げられたにもかかわらず、政令で指定する限度額は据え置かれたまま来ていると認識しています。 資金需要が拡大してきているということなら、ずっと三十年据置きだったのはなぜなのでしょうか。現在に至るまで上限額が引き上げられてこなかった理由は何だったのか、資金需要の現状に併せて、認識と併せてお聞かせください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 まず、資金需要に関してでございますけれども、私どもの認識としましても、この三十年間の農業分野の資金需要の変化について見てみますと、例えばこの担い手の規模拡大に伴う農業機械の追加取得でありますとか大型の機械の導入、またハウスなどの増設、こういったことを背景に、一経営体当たりの借入額もおおむね十倍になっているというふうに認識しています。 農水省としましても、特にこうしたこの一経営体当たりの資金需要の拡大ということは認識してきたところではございますけれども、農業近代化資金につきましては、個別の融資案件ごとに都道府県知事等の承認を受けることで法令の貸付限度額を超える融資も可能であったという事情もございまして、これまでは法令に規定する貸付上限額の引上げは行ってこなかったところでございます。 また、これまでどうだったかということなんですけれども、こうした拡大する農業分野の資金需要についてはどこが担っていたかということなんですが、主に日本政策金融公庫の資金が拡大してきた、これで対応してきたというところでございます。 ただ、今後を考えますと、今後更にこの資金需要が拡大するという局面になってきますと、やはりこの全額政府出資の日本政策金融公庫の貸出しの拡大ということのみに期待するというのも限界がございまして、やはりこの民間資金の更なる活用が必要というふうに考えてございます。このため、今般、民間金融機関が取り扱う農業近代化資金につきまして、法令上のこの貸付限度額の引上げも含む資金内容の大幅な拡充を行ったということでございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 日本の農業がこの三十年間で果たして本当に大きく成長してきたのか、十分に成長できないまま今どんどん失われていこうとしているのではないか、なぜ離農する、土地を手放してしまう農家さんが後を絶たないのか、その理由はもちろん一つではありませんが、もうからないことは非常に大きな理由の一つとなっていると思います。ここが変われば、第一次産業やりたいという人材は確保できると思っています。 現実には、田畑を手放し、その土地が農地でなくなってしまうと、そこがまた再び農地に戻る可能性は、残念ながら非常に少ない、また戻らないとなっています。そんなことが起こらないように、新しい農業者の方に着実に日本の農業を受け継いでいただけるように、国の政策と是非連動しながら必要な資金を提供できる、そんな制度として今後の運用がなされていくことを期待します。 また、資金需要という点では、次の点も重要ではないかと考えています。 農業近代化資金の貸出実績については、昭和五十二年の三千三百九十億円をピークに令和六年には五百八十一億円にまで減少しています。これは六分の一になります。特に農林中央金庫においては、平成二十七年以降、農業近代化資金の貸出実績がゼロとなっています。 今回の改正では、農業近代化資金の上限額は大分引き上げられています。また、農林中金では、農林水産業者への融資等を必須業務とするという変更が提示されています。農林中央金庫に対する資金需要は十分にあると本当に言えるのでしょうか。農林水産業者への融資等を必須業務とありますが、それによる実際の融資額の増加、どう見込んでいるのか、農林水産省の見解を是非お聞かせください。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 まず、この農業近代化資金の融資実績が近年低迷していましたのは、先ほども申し上げましたように、農業分野の資金需要がなかったからと、こういうことではなくて、やはりその近代化資金の方で借入限度額が低いなど貸付条件による面が大きかったというふうに認識してございます。 農水省としては、資金需要の面ではこれからも、例えば、地域の農地の受皿となる担い手の規模拡大に伴います農業機械の追加取得でありますとか、ハウスなどの農業施設の増設、それから物流、加工、輸出の取組の進展に伴う流通加工施設の整備、さらにはフードテックの進展に伴う植物工場の整備といった大規模な資金需要を取り扱う案件も増えていくということが想定されるというふうに考えてございます。 農林中金に関しましては、民間金融機関でありますので、どの程度農業融資を増やすのかについて私ども農水省の方から具体的な数字を申し上げることは適当でないと考えておりますけれども、今回の法改正を契機としまして、農林中金にはその豊富な資金力でありますとか幅広いネットワークを生かしまして、こうしたこの信連や農協では対応が難しい大規模案件にしっかりこれまで以上に取り組んでいただきたいというふうに考えてございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。 では、実際に業務に当たられる農林中央金庫様におきましてはいかがでしょうか。農林水産業者の方々への融資が必須業務となることでどのくらいの融資額の増加を見込んでいらっしゃるのか、今後の融資の在り方についても、意気込みと併せてお聞かせください。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 まず、農林水産業向けの融資につきましては、JA、信連、農林中金が役割を分担して取組をしてきたところでございます。その中で、農林中金におきましては、JAによる農業融資への利子補給などの支援も行ってまいりました。こうしたJAとの役割分担ですとかJAへの支援につきましては、法改正後も変わるものではございません。 なお、農業法人等への資金需要に積極的に対応していくわけなんですけれども、案件ごとにまちまちであるということもございますので、具体的な規模感、これにつきましてお示しすることは差し控えさせていただければと思います。 他方、農林水産省の方からもございましたとおり、今後、農業の大規模化、集約化、これが進展していく中、JAなどで対応できない大規模案件、県域をまたぐようなケース、こういったものにつきまして、我々農林中金が取り組むべき領域、こういったところが拡大していくものと認識してございます。したがいまして、昨年度、その体制強化といたしまして、人員を一割増やさせていただいたということでございます。 農林中央金庫といたしましては、今回の法改正における目的規定の改正の趣旨、こういったところも踏まえまして、農業者の資金調達ニーズに寄り添い、農業者の成長ステージに応じた融資、出資、こういったものを含めた必要な資金メニューを提供していくなど、農業者の生産基盤の維持強化、それと担い手の確保、経営力向上に資するよう、農業金融にこれまで以上に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○杉本純子君 ありがとうございます。是非、日本の農業の発展につながる、そんな融資を積極的に行っていただきたいと思います。 最後に、今回の改正により国内投資が増えることには大きな期待を寄せています。一方で、国内事業者の資金需要がそこまで高くないのではないか、農林中央金庫の豊富な資金を十分に活用することができなかった場合、結局は不動産投資や又は海外への投資に向かってしまうのではないか、そうした懸念から今回は質問させていただきました。 この改正を十分意義のあるものにするためにも、日本の国内一次産業を発展させるためにも、もっと政府主導で大きな道筋やプロジェクトを提示する必要があるのではないでしょうか。是非、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(鈴木憲和君) 大切な御指摘をいただいたというふうに思っております。もうごもっともなので。 まず、政府といたしましては、令和七年度からの五年間の農業構造転換集中対策、この中で、規模拡大などに伴う設備投資が進んでいくものだというふうに考えております。また同時に、今、成長戦略の中で議論をして方向性を打ち出すことになりますけれども、フードテックなどによる新たな食のマーケット、ここの創出をすることで、ここは、ただ、かなり資金が掛かる投資が必要になってまいりますので、圧倒的に生産性の高い、食料供給力アップにつながるような取組を官民挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○杉本純子君 ありがとうございます。 是非、現在の日本の農業分野では、工業化、大規模化が進められていますが、ほかの業種同様、中小企業や個人で頑張っている方の声も是非大切にしていただきたいと思います。 加えて、現在、日本では、国際情勢の変化もあり、家畜の飼料や肥料の原料を海外に依存することを見直していこうという動きも高まっています。また、実際に国内生産を目指す動きも始まっています。政府がやはりこうした動きを成長産業として確立できれば、新たな事業者の参入も増えてくると思います。そして、そうなれば、そこに大きな資金需要も生まれてくるはずです。 是非、こういった姿を実現するために、新たな分野への参入の投資の呼び水となる大きな国家的プロジェクトをつくっていただき、そして、そういったことの呼び水として大きな資金の流れを生み、その流れの中で利益を得て国が豊かになっていく、そういうシステムをつくっていただきたいと、是非お願いいたします。豊かにするべきは何なのか。日本の国益のために是非よろしくお願いいたします。 本日の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(藤木眞也君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(藤木眞也君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林中央金庫法の一部を改正する法律案及び農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○東野秀樹君 自由民主党・無所属の会の東野秀樹です。 本日は、農林中央金庫法、農業近代化資金融通法の改正法案についてお伺いをいたします。 令和六年に改正をされた食料・農業・農村基本法には、まず、政府は、食料、農業及び農村に関する施策を実施するため必要な金融上の措置を講じなければならないこと、そして、農業経営基盤の強化の促進に必要な施策を講ずるものとすることを、これらを規定してございます。そして、昨年策定をされた食料・農業・農村基本計画では、農業経営の規模拡大、さらには農業構造転換集中対策期間も相まって、なお一層の資金ニーズの増大が見込まれることなどから、金融機関が取り扱う制度資金の在り方を検討するとされました。それらを踏まえ、今般、これらの改正法案が国会に提出されたものと理解をしてございます。 まず、農林中央金庫法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。 農林中金は、おととしの二〇二四年度、巨額の赤字を計上し、系統機関、多くの会員、皆さんに不安や心配を与える経過もありましたが、これまで会員に安定的な収益還元を行う役割を果たしており、特に私の地元のような比較的小さなJAの金融資産の運用リスク等をカバーし続けていただいたことなど、会員、地域にとって極めて重要で必要な組織であること、認識しております。 なお、二〇二五年、昨年は黒字の見通しと報道されているところで一安心をしておりますが、今後とも、会員、地域、ひいては農林水産業の発展に貢献いただくことを期待しており、今後とも、安定した運営をもって、地域、系統金融はもとより、一次産業の現場を支える金融機関として是非頑張ってほしい、期待をするところであります。 さて、今回の法改正に当たっての質問でございますが、外部理事の登用により農林中金の理事の過半が外部理事となり、それを受けて、ネット等では海外資本に乗っ取られるのではないかというような臆測まで聞こえてくるところであります。 農林中金は、そもそも株式会社とは違って、出資額の大小にはかかわらず一人一票の協同組合組織であるため、私はそのようなことは決してないというふうに思っておりますが、これについての農林中金さんの見解をお伺いいたします。
○参考人(長野真樹君) お答え申し上げます。 委員御認識のとおり、農林中央金庫は、特定の株主が資金力を持って意思決定を掌握可能な株式会社と異なりまして、JA同様に一人一票を原則とする協同組織でございます。 外部理事の就任に当たりましては、経営管理委員会による選任と総代会による承認、こちらが必要となりますので、会員の意思が外部理事の選任に反映される仕組みというふうになってございます。 また、理事就任後におきましては、農林中金法で理事の忠実義務等が定められてございまして、理事が自己又は第三者のために農林中金と取引をする、そういった際には、経営管理委員会におきまして、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならないとされてございます。 これらを踏まえますと、改正農林中金法の趣旨、会員の皆様の意思、こういったものに反しまして外国企業のために行動する者が外部理事に就任するような状況にはいたしませんし、外部理事が理事の過半数を占め、組合員から離れた運営がなされるような状況にはいたしません。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 農林中金は、これまでも農協、都道府県段階の金融機関とそれぞれの役割分担を担っておりまして、JAバンクとして一体的に農業融資を行ってきたと理解をしてございますが、本法改正の上で、農林中金としての今後の農業金融の取組方針、あるいはビジョン等についてお伺いをいたします。
○参考人(長野真樹君) 御質問にお答えいたします。 農林中金におきましては、強靱で持続的な食料システム構築へ貢献していくことを目指しまして、農業金融の枠を超えた役割も果たすべく、主にこれから述べさせていただく三点を注力領域として取り組んでまいりたいと考えてございます。 まず一点目は、今回の法改正でも御審議いただいておりますが、JA、信連、農林中金が役割をしっかり分担した上で、JAバンク全体で新たな農業近代化資金を積極的に活用することに加えまして、農林中央金庫だからできる出融資のメニューの創設及び出融資の拡充を通じまして、生産基盤の維持強化に貢献してまいる所存でございます。 二点目といたしまして、担い手の経営を総合的に支える担い手コンサルを一層強化するとともに、農業のDX化を支援し、担い手の経営の高度化、所得の向上に貢献してまいりたいというふうに考えてございます。 三点目といたしまして、農林中金固有のネットワークを活用した業界再編の後押しを通じまして、林業、漁業も含む第一次産業の持続性確保のために、バリューチェーンの強化でありましたり最適化、こういったものに貢献してまいりたいと考えてございます。 このような取組を通じまして、農林中央金庫は、川上と川中、川下、全ての領域に接点を持つ強みを生かして、農林水産業及び食品産業の発展に貢献してまいる所存でございます。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 私も農林中金の農林水産業の発展に資する更なる取組に大いに期待しておるところであります。 他方、今回の法改正は、農林中金に政策的な役割を期待するためのものであるため、農林水産省においては、農林中金を監督することのみならず、農林中金の取組を後押ししていただくよう、私からもよろしくお願いしたいというふうに思います。 続きまして、農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 農業近代化資金は、農協、信連、農林中金といった農協系統金融機関や地方銀行など、一般金融機関が国や都道府県から利子補給を受けて長期かつ低利の資金を融通するものであります。昭和三十六年の制度設計以来、農業分野における中心的な制度資金ということであります。また、農業近代化資金の貸付額は、昭和五十二年度の総額三千三百九十億円、これをピークに、令和六年度には五百八十一億円まで減少しております。 今般の法改正で、農業近代化資金貸付上限額を引き上げることとなりました。既存のメニューに加えて、新たに農業経営高度化資金を創設する。このことから、生産現場、私の地元の金融機関も非常にこれ期待をしているところであります。 そこで、今回の改正によって農業者あるいは農業現場に期待をされる効果について、農林水産省にお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 今回、農業近代化資金につきましては、従来の一般資金に加えて、農業経営高度化資金という新たな資金メニューを追加をいたしました。貸付限度額が個人で二億円、法人で七億円まで大幅に引き上げられることとなりまして、また、資金使途についても、より使い勝手よく現場の皆さんに寄り添った形で拡充を行うところとされております。 こうした拡充によりまして、担い手の規模拡大に伴う大型の農業機械の導入やハウスなどの農業用施設の増設、経営の多角化に伴う加工施設の整備など、これまで以上に大きな資金ニーズに対しても農業近代化資金で対応できる場合が増加をします。 農協を始めとする民間金融機関による農業融資が促進されること、そして経営規模拡大や農産物の付加価値向上を図る農業者の投資の後押しになること、これを期待すると同時に、今まさにこの農業構造転換集中対策を進めているところでありますから、やはり、東野元組合長の御地元はモチ米の産地でありますけれども、上の世代が引退をされて、我々世代にもっともっとこの農地が集まってくるときに新たな設備投資、必要になります。そうした需要にもしっかりと引き継いでいって、農業基盤が結果として次の世代に維持をされていくということを是非、我々目指しております。
○東野秀樹君 大臣、ありがとうございます。 続きまして、今回の法改正に対する生産現場の、先ほど申し上げたとおり期待も大きい一方で、農業生産額が多く、資金需要の旺盛な地域では、融資枠、総額ですね、が不足しているとの既に声も聞こえてございます。 食料安全保障の確立に向けては、生産現場の資金需要に的確に対応していく必要があると思いますので、各都道府県において十分な融資枠を確保できるよう、農林水産省からも都道府県に対して指導、また地財措置含めた更なる御支援をお願いしたいと考えておりますけれども、これについての御見解をよろしくお願いします。
○副大臣(山下雄平君) お答えいたします。 農協などが融資しますこの農業近代化資金の利子補給は都道府県が行っておりまして、その費用については地方交付税措置がなされているところであります。近代化資金が農業者のニーズに応じて円滑に活用できるようにするためには、委員御指摘のように、都道府県において十分な融資枠が設定されることが必要だというふうに考えております。 これまでの実績におきましては、例えば、令和六年度におきましては、各都道府県の新規融資実績の合計五百八十一億円に対しまして、各都道府県で計九百十七億円の融資枠が設定されたことなど、多くの都道府県で十分な融資枠がこれまで確保されてきたというふうに認識しておりますけれども、今回の制度拡充に伴いまして、その活用が増加することが見込まれておりますことから、引き続き都道府県においてしっかり予算措置がされるように我々働きかけていく必要があるというふうに考えておりますし、今回の改正に伴いまして、農林水産省としても、総務省に対して地方財政措置の要望を行ったところであります。 今後、総務省において地方交付税の適切な算定が行われるというふうに聞いておりますけれども、この近代化資金が円滑に活用されるように、引き続き都道府県と連携を図っていきたいというふうに考えております。
○東野秀樹君 ありがとうございます。 改めて、今副大臣答弁をいただきましたけれども、やはり現場では、地財のキャップが結局掛かっていて、それが総額、総体の限度額になってしまっているという現状もありますので、一件の、個別の融資枠が増えても、総体が変わらないので、件数が恐らく減っていくだろうという認識もありますので、是非とも引き続きよろしくお願いしたいというふうに思います。 時間がありませんので、三番はまたの機会ということであります。 最後に、何より農業現場の農業者の皆さんが前向きな資本投資がしたいと思える環境になることがまさに一丁目一番地だというふうに思っております。生産者、消費者共に将来が見通せる食料安全保障であって、それに資する農林水産業、食料産業となるよう、これからも、皆さんにとっても、現場目線で一緒になって汗をかいていただくことをお願いを申し上げたいというふうに思います。 これらを踏まえて、一言、鈴木大臣の決意というか、思いをいただければ有り難いです。
○国務大臣(鈴木憲和君) 本当に、元組合長ですから、どういうふうに現場がなっているか、また、これは全国、東野先生回られているんで、北海道の名寄の現場と、当然十勝と、また南、九州とは全然違うわけですから、そういうこともよく踏まえて、ただ、全体としてやはり私たち目指さなければならないのは、第一次産業に携わる皆さんがちゃんとそれで稼いで暮らしていくことができるという構造をいかにつくるかということだと思います。 ただ、現実は大変難しい今局面に来ていると思っておりますので、そこを集中、まず対策ですね、しっかりと成し遂げて、次の世代に、農地も含めて農業基盤が設備投資新たにして、いい形で引き継いでいく、このことを精いっぱい皆さんと一緒に頑張ります。ありがとうございます。
○東野秀樹君 大臣、ありがとうございます。 以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○佐々木りえ君 日本維新の会、佐々木りえです。 一昨日に引き続きまして質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。また、本日は、農林中央金庫、長野理事にお越しいただいております。ありがとうございます。 早速、法案について質疑に入ります。 今回の法改正は、農林中金の機能強化、ガバナンス強化に通じて、規模の拡大が続く農林水産業への資金供給を強化するものと理解しています。しかしながら、制度を変えるだけで実態が変わるのか、その点について伺ってまいりたいと思います。 今回の改正では、農林水産業への融資が、これまで任意業務だったものが必須業務へと位置付けが変わることになります。しかし、これまでも当然、農林水産業への融資は行ってきたと認識しております。法律で必須業務に位置付けたからといって、これまで市場運用に大きく依存してきた実態で、急に国内の農林水産業の融資が増えるとは私はどうしても思えないんです。 そこで、伺ってまいります。 今回の法改正によって制度という器をつくっただけで、中身が伴うと言い切れるのか、農林水産業向けの融資が実際に増えると言える根拠はどこにあるのか、農水省として農林中金にどのような取組を期待して厳しくチェックしていくのか、お伺いします。
○副大臣(山下雄平君) 農林水産省としましては、今回の法改正を契機としまして、農林中金には、その豊富な資金力と幅広いネットワークなどを生かして、例えば、農業者の経営拡大に伴いまして、大型の、かなり高騰しています大型の機械でありますとかスマート農業機器の導入、また、農業用の大きなハウスなどの農業施設の設置でありますとか、物流、加工、輸出などの取組の進展に伴う加工流通施設の整備でありますとか、また、さらにはフードテックの進展に伴います植物工場や陸上養殖などの整備など、農協や信連などではなかなか対応が難しい大規模な資金需要に伴う案件に、融資にこれまで以上、積極的に取り組んでいただくことを大変期待しておるところでありますし、農林中金さんとしましても、担い手経営体や大規模施設、フードテックへの融資、出資を拡充するという方針を公表されておられます。 既にそうした取組をスタートされているというふうにも認識しておるところでございますけれども、農林水産省としても、引き続き、農林中金の対応状況についてはこれからもしっかりとモニタリング、指導を続けていく考えであります。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 本日、委員の先生からも損失の話などもございましたが、基本的には市場の運用で稼いでいただき、その得た利益を責任を持って日本の農林水産業に投資をしていただく。それを法律で、もちろん民間ですのでKPIは設定はできませんが、これも理解はしておりますが、しっかりと厳しく、実績を含めて監督をしていただきたいと思っております。 また、農林中央金庫のホームページに、農林水産業が時代の変化を捉えて発展し続ける産業になっていくためには、私たちはこれまで以上に役割を果たしていかなければいけないという力強いお言葉もありましたので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。 次に、農林中金さんに二点お伺いをしたいと思います。 現在、日本の農業は大きな転換期にあります。我が党のマニフェストにもございます農業を守りから攻めへと転換したいという思いを込めて、担い手の集約やスマート農業の推進、先ほども副大臣から力強い答弁がございました。さらには、民間資本を積極的に呼び込むことで産業として国際競争力を高めるべきだと掲げております。こうした構造転換を加速させるためにも、従来の融資という枠組みを超えて、出資という財務基盤の強化と経営面で伴走支援がやはり不可欠だと思っております。 農林中金においては、これまでアグリビジネス投資育成株式会社を通じて、中小規模法人、また農林中金本体において大規模法人への出資対応を行ってこられたと思っておりますが、その成果が十分であったのかという検証も必要だと思っております。また、今まさに求められております植物工場や高度な陸上養殖施設といった多額な初期投資を要する施設型、装置型の農業への大胆なアプローチでもあります。これらは、気候変動のリスクをやはり回避し、安定的な食料安全保障にも資する成長産業化の象徴とも言える分野だと思っております。 農業の構造転換を集中的に進める中にあって、特に攻めの分野として規模拡大に取り組む大規模農業法人の経営発展はますます重要になるものだと考えております。今後、どのように金融面から支援していくお考えか、農林中金に御見解をお伺いいたします。御決意もいただきたいと思います。
○参考人(長野真樹君) 非常に心強いサポートと声援と受け止めさせていただいたと思ってございます。 御質問の方にお答えさせていただければと思います。 まず、委員御認識のとおり、我々が出資するアグリビジネス投資育成株式会社、こちらを通じまして、農業法人への出資、こちらにつきましては、その農業法人の財務基盤の安定化と資金調達、これを同時に実現できる手段として、出資の方を二十年以上にわたって積極的に行ってきたということでございますし、その実績も、件数、金額共に着実に増加してきているというふうに評価しておるところでございます。その規模自体は国内最大級ということでもございますので、一定の実績は積み重ねてこれたかなというふうに認識してございます。また、これまで農林中金におきましても、大規模農業法人に対する出資と併せまして輸出支援や販路の紹介、こういった多面的な成長支援なども行ってきたということでございます。 農林中金といたしましては、大規模化、集約化といった農業の構造変化に伴いまして農林中金が取り組むべき領域は今後拡大してくることが見込まれるというふうに認識してございます。 そのため、農業者の資金調達ニーズに寄り添って、また、農業者やスマート農業、フードテック、こういった関連事業者の成長ステージに応じた融資あるいは出資、こういったものを含めた必要な資金メニューを適時適切に提供していくことなど、農業者の生産基盤の維持強化や担い手の確保、経営力向上に資するような農業金融にこれまで以上に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 今回の法改正で更に期待されるのは、一般の金融機関やベンチャーとはやはり違い、そういった金融機関はどうしても早期リターンを求めたくなると思いますが、農業や陸上養殖などは収益化までやはり長い年月が要すると思っております。 私は、農林中金の最大な強みは、安定した資金基盤を背景に、十年、二十年、ちょっと言い過ぎかもしれないですけど、長期のスパンで投資を是非していただきまして、目先の利益よりも日本の農林水産業という基盤の持続性に懸けられる点だと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。これこそが農林中金の存在意義でもあると思っておりますので、日本の未来を背負う生産業や企業を強力にバックアップする原動力となっていただきたいと思います。 そして、国庫やほかの金融機関にはない農林中金ならではの強みをどう提起されているか、お伺いしたいと思います。 例えば、私の考えとしては、一次産業に特化した経営支援や販路拡大など、専門家集団として事業者に伴走できる体制こそがやはり必要だと思います。こうした専門的な支援体制は、これまでどう取り組み、今後どう強化していくか、併せてお伺いをしたいと思います。
○参考人(長野真樹君) 御質問に回答させていただきます。 我々農林中金におきましては、強靱で持続的な食料システム構築へ貢献していくこと、こちらを目指して、農業金融の枠を超えた役割も果たすべく、出融資の拡充のみならず、農林中金固有のネットワーク、こういったものを活用した業界再編の後押しを通じ、バリューチェーンの強化、最適化、あるいは担い手の経営を総合的に支える担い手のコンサル、こういったものを一層強化するとともに、農業のDX化、こちらを支援して、担い手の経営高度化や所得の向上に貢献してまいりたいというふうに考えてございます。 具体的には、融資先、出資先の事業計画に関する対話を行うときなど、日常接点の中におきまして経営者のニーズをしっかり引き出すとともに、特に金融機関としてのコンサルティング実施先におきましては、規模の拡大、販売戦略、資金繰り、事業承継、法人化、労務管理など、経営者が抱える様々な課題、こういったものをしっかりヒアリングをした上で、課題の抽出と課題解決に向けたソリューションの提供、こういったものを実際に御提案させていただきたいというふうに考えてございます。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 是非、コンサルも含め、伴走の方よろしくお願いいたします。 最後に、組織のガバナンスについて伺います。 今回の改正では、外部理事の登用を可能にするなどガバナンス強化が大きな柱となっております。農林中金は経営管理委員会と理事会という二層の構造を持っているわけですので、監督、意思決定を、運用、実務の分離が制度上図られていると理解しています。そこに更に外部理事として専門の知見を導入することによって、今回の改正に至ったような事態、そういったものは再発防止に努めていかれると思っております。 経営管理委員会、理事会、その中でも外部理事、それぞれ役割分担、ガバナンスの在り方についてどのように機能させていくか、改めて、今回の改正における目的を含めてお伺いいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 農林中金の業務執行体制につきましては、農林中金法に基づきまして、まず、会員、これは農協等でございますけれども、会員の代表者を中心に構成されます経営管理委員会、これがございまして、この経営管理委員会の方で農林中金の業務の基本方針といった業務の重要事項を決定すると、こういう仕組みになってございます。 その上で、実務経験者、こういった方々で構成されます理事会がございまして、この理事会では、資金運用も含めた農林中金の日常の業務執行の決定を行いまして、また、それぞれの理事がしっかり職務を行っているのかという理事の職務の執行を監督すると、こういった役割を担っていると、こういう役割分担になっているわけでございます。 今回の法改正を契機といたしまして、専門的な知見を有する方を農林中金の外部理事として登用するということでございます。これができればこの方には理事会に入っていただくということになりまして、理事会の方ではこの資金運用も含めた日常の業務執行をやってございます。そういう中で、農林中金のこの理事会におきましても、そういった業務執行、中での経営判断に当たって多様な視点が確保されると。この中で市場運用も含めた農林中金のこのガバナンスの強化につながっていくということを期待しているということでございます。
○佐々木りえ君 ありがとうございます。 今回の改正の目的は、小規模の事業者の運転資金というよりも、やはり事業拡大、大規模、生産性向上といった、先ほども申し上げましたが、日本の農業の攻めと守りと、大臣もよくおっしゃるところの分野の攻めを強くしていくという、そこへの資金供給を確保しようというものがメインなのかなと私は思っております。 今回の法改正で、全国のJAから資金を預かっている農林中金がそもそも何のための金融機関なのかという原点が問われているとも思っています。もちろん、確実に安全に運用しながらその運用益を還元する、それが毀損されることがあっては元も子もございませんが、それでもリスクを取らなければリターンもないわけですから、それはどんな金融機関も同じだと思います。 農業の構造転換、そして林業も水産業も畜産業も転換期を迎える中で、八十兆円を超える資産運用をされているわけですから、任意業務だったことが必須業務になった、是非、その意義を常に意識しながら、我が国の第一次産業の発展に寄与していただきますことを期待申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 今日は、主に農林中央金庫法の改正案について、農林中央金庫法に定められたそもそもの農林中金の役割、目的に照らしてどうかということを中心に質問をしていきたいというふうに思います。 初めに、一般の金融機関と異なる農林中金の役割、目的について確認をいたします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 農林中金につきましては、この農林中央金庫法第一条に目的が規定されてございます。目的につきましては、「農業協同組合、森林組合、漁業協同組合その他の農林水産業者の協同組織を基盤とする金融機関としてこれらの協同組織のために金融の円滑を図ることにより、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的とする。」ということが規定されてございまして、農林中金におきましては、この目的に沿って、農協から資金を預かってそれを運用し、その収益をまた農協等に還元すると、こういった役割を担っているところでございます。
○岩渕友君 元々、農協系の金融事業は、戦前、農民が高利貸しに苦しめられたような悲劇が起きないよう、農民同士の助け合いによって必要な資金を相互に融通するという理念で始まりました。戦後は、組合員の協同を基礎として組合内での調達、運用が中心であり、信連や農林中金は単協で発生した資金の過不足を調整する補完的役割を果たすものと位置付けられたものです。 二五年四月一日現在の農林中金の運用資産は八十三・五兆円です。その原資となっている組合員の貯金は、百七・二兆円と巨額になっているわけですよね。農協の預貯金残高は三大メガバンクなどと比べても大きいということが分かります。これだけの額がどのようにして積み上がったのでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 この農協への貯金につきましては、例えば農産物の販売代金を始めとしまして、様々な形でこの農協の組合員の方々から預けられた資金、こういったものが中心となって積み上がったものと認識してございます。
○岩渕友君 過去の農林中金の調査結果を見ると、農協貯金額の内訳として、六〇年代は農業収入が五割前後を占めていましたけれども、九〇年代に入ると一割前後に低下をして、逆に、農地の売却代金や農外収入、勤労収入だったり家賃収入だったり年金などが増えて大半を占めるようになったというふうにあるんですね。つまり、農業の縮小や切捨てと引換えに巨大化したゆがんだ構造になっているということです。 これだけ積み上がっている預貯金がどのように使われているのでしょうか。農協、信連、それぞれの貯金に対する貸出金の比率と、貯金総額のうち農林中金に預けた金額がどのようになっているか、直近の状況について確認をします。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 貯金に対する貸出しの割合であります貯貸率につきましては、令和七年の三月末時点で、農協では二二・八%、信連では一〇・一%となってございます。また、農協、信連から農林中央金庫への預け金につきましては、令和七年三月末現在で四十八・二兆円となってございます。
○岩渕友君 今確認をしたとおりです。 七〇年代の末には、農協の貯貸率は五割を超えていたというふうに聞いています。農林中金には巨額の資産が積み上がっていますけれども、農林漁業に従事する人が減り続け、農協の数も信連の数も減り続けています。この間の農政によって農業が衰退をして、本来貸し出す先の農業者が減り続けているというのが実態です。その結果、農業向けの貸出しは困難な状況となって、一方、二十五年前の農林中金法改正によって可能となった会員以外の業種限定のない貸出しが増えていて、農業とは直接関係のないリスクマネーに投資せざるを得ない、こういう状況になっているという異常な事態が進行しているということだと思うんですね。 今回の法改正で、現在は任意業務とされている会員の構成員向けの融資を必須業務に追加するというふうになっています。これは、やらないといけない義務的な業務にするということなのかと。 何でこんなことを聞いているのかというと、これ絶対に貸出ししなくちゃいけないのかとか、例えばどこにも融資しないというようなことが許されないのかとか捉えられていて、でも、どこに融資をするかということは、これ農林中金が決めることだというふうに思うんですよ。そういう問題意識があるから聞いているんですけれども、これはいかがでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 今回の法改正では、会員の構成員である農林水産業者向けの融資につきまして、農林中金のこの必須業務として位置付けるということでございます。これは何を意味するかということなんですけれども、農林中金がこの農林水産業者向けの融資を業務として営むと、こういうことを義務付けるということを意味しております。 これは一方で、個別の融資案件につきましては、この融資を実施するか否か、こういった判断はあくまでも農林中金が行うものでありまして、今回の法改正によって、例えば特定の事業にここに融資することを義務付けるとか、こういったことを国が農林中金に強制できると、こういうことにはならないというふうに考えてございます。
○岩渕友君 そもそも、どんな業務に融資をするか、出資をするかというのは農協の判断であり、やるかやらないかというのは農協や農林中金が判断をすることだということです。 今回の法改正の直接の発端は、農林中金が二四年度決算で約一・八兆円の赤字を計上したということから、農水省が有識者検証会を開催をして、結論を法改正に反映をしたというものです。これだけ巨額の赤字を計上したということは問題なんですけれども、国費の投入などをせずに自分たちで解決しているんじゃないでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、農林中央金庫は令和六年度決算におきまして一・八兆円の純損失を計上したということでございますが、これに関して公的資金の投入といったものは一切行われているわけではありません。
○岩渕友君 自前で解決しているというんでしょうかね、ということになるんですよね。 それで、次はちょっと大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、この法案の衆議院の質疑で大臣が、今回の改正を通じて日本の農業のどの分野をどういうふうに強化していきたいのかというふうに質問をされて、こんなふうに答えているんですね。気候変動や温暖化の中で災害が増えていく、そういう中でも食料供給をしっかり担うために、フードテック、ここへの投資が欠かせない、植物工場や陸上養殖、外食含め、国内外に大きく展開していく、これをいかに金融面で支えていくかというのが今回の法改正の一番の趣旨かと思う、金融を通じて、食の分野が日本の成長を支える、そういう柱になれるように、未来をつくれるように努力する、こういう答弁なんですね。 これ、大臣の答弁は、協同組合金融の自治に踏み込むことになるんじゃないかというふうに思うんですね。最初に農林中金の目的を確認しましたけれども、この協同組合の理念からいって、農林中金、農協が決めることなんじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 今、岩渕先生からの私のこの衆議院の委員会での答弁は、今のところだけじゃなくて、その前にももっと大事なことを言っていまして、これ要するに、日本は人口が減る中においても食料供給力を上げていく、このことに尽きていくんだと思っていますと、特に農業の分野では人が減るわけですから、その中で担い手にどんどん生産が集中をしていく、そうすると、規模拡大もしなければならないし、設備投資も必要になるので、そういうところにもです、そういうところにまずはしっかりと資金的な手当てがされていくということが基本中の基本だというふうに思っています。 そして、それと同時に、この農林中央金庫法の第一条の目的に、農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資するというふうに書いてあるわけですから、そこの、何というか、フードテックも含めて、この要するに農林水産業の発展に寄与する分野にしっかりと大規模な資金需要が必要になってまいりますので、それに対するこれまで以上の融資、出資に取り組んでいただきたいというふうに考えております。 ちなみに、その特定の何か、個別の企業の何かとか、そういうことについて私の方から農林中金側に何か介入をするということはあり得ませんし、それ自体は、個別の案件については、当然これは民間金融機関である農林中金が判断していくものだというふうに考えております。
○岩渕友君 農協であるとか農林中金が自分たちで決めると、そして自分たちでやることだということなんですよね。 それで、農林中金の現在の農林水産業向けの貸出額、農林水産業者や食農分野を支える企業などへの出資額が総資産に占める割合が非常に低い現在でも、海外も含め、大企業との共同出資や融資の事業を展開しています。例えば、農作業の自動化などの事業への投資を進める米国のアグファンダーというところがあるんですけれども、このアグファンダーに日本の金融機関で初の出資契約を締結しているんですね。こうした投融資は、何千万円もする農機具の維持や更新に苦しむ現場の農林漁業者の実態と余りに懸け離れているんじゃないのかなというふうに思うんですね。 国内外の農外資本が進める大規模事業への投融資は、農協の組合員、地域の生産者、事業者から収奪し、競合するような事業ではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) この農林中金が、アメリカの食農ベンチャーキャピタルファンドであるアグファンダー・ファンド・フォーに出資を行っていることは承知をしております。 その上で、個別の、先ほども私、先生からも御指摘いただいて申し上げておりますが、個別の融資、出資の判断は民間金融機関である農林中金が行うものであり、農林水産省が介入するものでは全くありません。なお、農林中金によるこのファンドへの出資については、海外のフードテック領域における最先端の動向を把握するとともに、ファンド投資先企業と農林中金の取引先の生産者や食品関連企業との事業連携を進めることを狙いとして行われたものというふうに承知をしておりますので、結果として、日本の農林水産業の発展に寄与するものとなっているというふうに考えております。
○岩渕友君 ちょっと現場の実態紹介したいなというふうに思うんですけれども、北海道内の農協職員の方から、経営がいい酪農家、厳しい酪農家の二極化が加速をしていて、厳しい経営は借入れでしのぐしかない、国の支援策なども受けることができず、先行きが見通せない中、収支が合わず、財産を食い潰すよりはと離農を決断するケースが少なくない、こういう実態が出されているんですね。けれども、借入れでしのぐしかないのに、借りようとしても、その採算の見通しがないといって借りられないようなことが多数起きているんですよね。こうした現場の厳しい実態とやっぱり乖離しているんじゃないかなというふうに思うんですよね。 それで、外部理事の登用についても、農林漁業者のニーズではなくて、農業分野の資金ニーズに応えるもので、現場の実態とは乖離した投融資を加速させるということになるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(小林大樹君) お答え申し上げます。 まず、今回の農林中央金庫の外部理事の登用でございますけれども、何度か出ておりますように、令和六年度に一・八兆円という大きな損失を発生させたということが発端でございます。ここは市場運用の話であったわけでございまして、そういうことを踏まえて有識者検討会でも原因検証とかをやってきたわけでございます。 この有識者検討会においては、農林中央金庫は、理事全員が職員出身となっているために同質的で、専門性の高い外部の理事の意見を聞く体制が必要ではないかとか、農林中金においても専門的な知見を有する者を非常勤の外部理事として登用することができれば、多様な視点が確保されることによってガバナンスが強化され、この市場運用の組織体制の強化につながるのではないかと、こういった指摘があったことを踏まえて、ガバナンスを強化することを狙いとして行われるものであるというふうには理解してございます。 今回の改正では、法改正では、農林中央金庫におきましてこういった外部理事の登用が可能となるように、外部理事を兼職、兼業規制の対象から外すといった措置を講ずるものでございます。
○岩渕友君 農業者向けの融資、出資ということであれば、外部人材ということじゃなくて、農協の中にこそ詳しい方たちたくさんいらっしゃるわけですよね。 衆議院の質疑で大臣が、新たに設置した財務戦略委員会に外部有識者も招聘し、経営判断に当たって多様な視点を確保することなど、既にスタートを切られていると認識しているというふうに答弁されているんですね。 今回の法改正によって外部人材の登用を進めるということは、農林漁業者の資金ニーズではないところを強化する趣旨にほかならないというふうに思うんですね。 衆議院の質疑では、農林中金が融資先を増やすようなプロジェクトを政府として取り組んでいく考えはないかというふうに問われて、大臣が、国内は人口が減るので、農林水産業、食品産業の持続的な発展を図るためには、成長する海外からの稼ぎを増やしていくことが不可欠、輸出だけでなく食品産業の海外展開に取り組むことにしたところ、食文化産業振興ワーキンググループをつくって食品産業の海外展開支援策を現在検討していると答弁しているんですね。 また、四月十日に開催をされた日本の食輸出一万者支援プログラムのキックオフ会合で大臣が、将来的にはマクドナルドやスターバックスのように国際的に展開される外食チェーンを目指して必要な支援策を考えたいというふうに挨拶をされているんです。 これでは、農林中金の豊富な資金を食品産業の海外展開など政府が思い描く大規模な資金ニーズに活用するということ、なるんじゃないかと。現場で、機械の更新できないと、離農が進んでいるような状況で、これやっぱり現場の実態と乖離しているんじゃないかと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木憲和君) 岩渕先生から、先ほどから、現場の感覚とこの今回の法改正の方向がちょっと乖離しているという御指摘なんですけど、これ、もうちょっと大きい視点で見ると決して私は乖離しているとは思っておりませんで、やっぱり、先ほど、要するにやめざるを得ないというふうな判断をされている方々も、やっぱりそもそもの根本的な問題は何かといえば、日本が、要するにこの人口減少も含めて国内マーケットがなかなか胃袋は限られているんで大きくならない中で、ただ、実際は、酪農にしてもですよ、牛乳にしても、生産力はもっと作ろうと思ったら作れるじゃないですか。だけれども、やっぱり国内マーケットが十分にないものだから、国内マーケットだけ見ているとやっぱり価格も上がりづらいし、なかなかその結果採算ベースに乗らなくてやめざるを得ないという方々が出てくるという、これが一番根本的な私は問題だと思うんですね。 米についてはもうまさにそういうことだと思っていますし、ですから、やっぱり私たちはこれから、要するに日本は、日本人が食べたいものを何でもかんでも全部、小麦も含めて全て一〇〇%どこまで作れるかといったら、それは得手不得手が当然ありますから、作れるものはもっと頑張って作って稼いでいくし、作れないものはしようがないから輸入するということにならざるを得ないというようなことで、全体として食料供給力をちゃんと上げていくということが海外展開も見据えると大事だというふうに思っておりますので、それが結果として日本の食料供給力のアップに私はつながるんだというふうに思っておりますので、是非、現場の皆さんとの乖離が少しでも御理解いただけるように私は努力をさせていただきたいと思います。
○岩渕友君 私はそうかなというふうに思うんですよね。やっぱり農村や中山間地の実態と巨額の資金を比べれば、余りに違い過ぎるってことだと思うんですよ。農林中金をゆがんだ状態にしてきたのは、やっぱり農政全体の問題だと思うんですね。 日本農業の再生にこそ農林中金の資金が注げるような農政に転換するべきだということを指摘して、質問を終わります。
○委員長(藤木眞也君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、農業近代化資金融通法の一部改正案に賛成、農林中央金庫法の一部改正案には反対の立場から討論を行います。 農林中央金庫法改正案は、農林水産業への円滑な出資、融資を促進するためとして、目的及び業務の見直しで、構成員向けの融資等を必須業務化するとしています。本来、どんな事業に融資するかは農林中金が自ら決めることであり、全く必要のない改正です。 そもそも、農協系金融事業は、農民同士の助け合いによって必要な資金を相互に融通するという理念で始まったもので、組合員の協同を基礎とし、組合内での調達、運用が中心であり、農林中金は単協で発生した資金の過不足を調整する補完的役割を果たすものと位置付けられてきました。 しかしながら、際限のない輸入自由化と販売価格の低下、農家への支援切下げによって、農家、農村は疲弊し、生産基盤が弱体化してきた結果、現在の農林中金は、本来貸し出す先の農業者は減り続け、農業とは直接関係のないリスクマネーに投資せざるを得ない状況という極めてゆがんだ構造にあります。 農林中金は、既に大規模な農業、食料関連の事業に投融資を行っていますが、この改正により、政府が主導する海外からの稼ぎを増やしていく、食品産業を海外展開するといった事業への投融資を更に促すことになります。 また、農民は今、余りに高額な農機具の維持更新費用に苦しんでいますが、この改正により、農外企業が農林中金の資金を使って農村に入り込み、アグリビジネスと称して高額な機器、資材などを売り付けるような事態も一層進みかねません。一方、農林漁業の現場では、採算が取れない、借りたくても借りられない状況に陥っています。 今回の改正は、農外事業者など大規模な事業者のニーズに応えるためのものであり、現場の深刻な実態や要求と余りにも乖離したものです。農林中金をゆがんだ状態にしてきたのは、この間の農政全体の問題です。 どんな地域でも農業ができるよう、地域の農林漁業のニーズを喚起する日本農業の再生にこそ農林中金の資金が注げる農政に転換すべきだということを指摘して、反対討論とします。
○委員長(藤木眞也君) 他に御意見もないようですから、両案に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、農林中央金庫法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石垣さんから発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこさん。
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました農林中央金庫法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農林中央金庫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 農林水産業を取り巻く環境が大きく変化する中、拡大かつ多様化する農林水産業者等の資金需要に応えるため、農林水産業の発展に寄与することを使命とする農林中央金庫が金融機能を強化することは一層重要となっている。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 農林中央金庫は、経済情勢や組織運営等に関する専門的な知見を有する外部理事の登用などガバナンスを強化するとともに、専門性を有する人材の確保・育成を行うことにより、その業務の執行に最善を尽くすこと。 二 農林中央金庫は、外部理事の選任に当たっては、業務の適正な運営を損なうおそれが生じないよう、利益相反の防止に万全を期すること。 三 農林中央金庫は、その基盤をなす全国の農水産業協同組合が行う信用事業との役割分担を意識し、また、リスク管理を適切に行いながら、資金需要に適切に応えられるよう、農林水産業者への融資の拡大に積極的に取り組むこと。 四 農林中央金庫は、農林水産業の成長産業化等に貢献するため、出資対象会社の選定基準等を適切に定めるなど業務の健全かつ適切な運営を確保しつつ、地域の農林水産業の発展に資する農林水産・食品関連会社等への出資に積極的に取り組むこと。 五 農林中央金庫の業務の範囲や出資規制を見直すことに伴い、農林中央金庫が行う出融資の状況等についてモニタリングを行うとともに、経営の健全性確保の観点から農林中央金庫に対して適切な監督を行うこと。 六 農林中央金庫は、農林水産業者等の所得の向上に資するため、その出融資先に対する販路拡大など経営課題の解決策の提案に積極的に取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(藤木眞也君) ただいま石垣さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 多数と認めます。よって、石垣さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林水産大臣。
○国務大臣(鈴木憲和君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
○委員長(藤木眞也君) 次に、農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、石垣さんから発言を求められておりますので、これを許します。石垣のりこさん。
○石垣のりこ君 私は、ただいま可決されました農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業近代化資金融通法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 農業経営をめぐる状況が大きく変化する中、農業経営の改善に係る農業者等の取組の促進に向けて、民間金融機関が取り扱う長期・低利の制度資金である農業近代化資金が積極的に活用されることは一層重要となっている。 よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 農業協同組合、地方銀行、信用金庫等の民間金融機関や農業者等に対し、農業近代化資金の貸付上限額の引上げ等貸付条件の拡充内容とともに、制度の利点についても丁寧に説明すること。 二 農業者等の資金ニーズにあわせて時宜に応じた融資実行が可能となるよう、融資手続の簡素化などの環境整備を行うこと。その上で、民間金融機関において農業者等の返済に係るリスク管理等が適切に行われるよう必要な助言を行うこと。 三 農業者等の資金ニーズに応じて必要な融資が確実に行われるよう、都道府県とも緊密に連携して、適切な措置を講ずること。 四 物価高騰の中で、農業者等の経営に厳しさが増していることに鑑み、農業用機械、施設、資材等の実勢価格の動向を継続的に把握すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(藤木眞也君) ただいま石垣さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤木眞也君) 全会一致と認めます。よって、石垣さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、鈴木農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木農林水産大臣。
○国務大臣(鈴木憲和君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
○委員長(藤木眞也君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤木眞也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十一分散会
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