令和八年七月九日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 七月七日 辞任 補欠選任 若井 敦子君 鶴保 庸介君 七月八日 辞任 補欠選任 鶴保 庸介君 小林孝一郎君 七月九日 辞任 補欠選任 大門実紀史君 山添 拓君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 北村 経夫君 理 事 今井絵理子君 松川 るい君 渡辺 猛之君 杉尾 秀哉君 堂込麻紀子君 委 員 青木 一彦君 小林孝一郎君 佐藤 啓君 寺田 静君 三原じゅん子君 鬼木 誠君 小島とも子君 塩村あやか君 牛田 茉友君 窪田 哲也君 司 隆史君 柴田 巧君 高木かおり君 大津 力君 山添 拓君 伊勢崎賢治君 衆議院議員 発議者 松野 博一君 発議者 藤原 崇君 発議者 高木 啓君 発議者 長谷川淳二君 発議者 勝目 康君 発議者 鈴木 英敬君 発議者 塩崎 彰久君 発議者 石橋林太郎君 発議者 平沼正二郎君 発議者 黒田 征樹君 発議者 阿部 圭史君 発議者 飯泉 嘉門君 発議者 豊田真由子君 事務局側 常任委員会専門 員 三瓶 朋秀君 政府参考人 内閣府大臣官房 長 笹川 武君 警察庁刑事局長 重松 弘教君 法務省大臣官房 審議官 堤 良行君 外務省大臣官房 参事官 門脇 仁一君 文化庁審議官 梶山 正司君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○国旗の損壊等の処罰に関する法律案(衆第一八号)(衆議院提出) ○参考人の出席要求に関する件 ─────────────
内閣委員会
発言 242
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、若井敦子君が委員を辞任され、その補欠として小林孝一郎君が選任されました。 また、本日、大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房長笹川武君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松川るい君 ありがとうございます。自由民主党の松川るいです。 国旗損壊等の処罰に関する法律案について御質問させていただきます。 まず、今回の趣旨説明におきまして、国旗を大切に思う気持ちは万国共通であると、しかるに、我が国では、G7で唯一、外国国旗の損壊に関する罪の規定はあるものの、自国国旗の損壊については同様の規定がないということに関する問題意識をおっしゃられました。 最近の例でも、ワールドカップでも、日の丸、日本選手が大変、日本人も活躍したわけですけど、日の丸で応援をするということ一つ取っても、本当に我が日の丸というのは日本人の自然な国民感情として大事にしたいという思いは、もうこれは国民の共通の感覚だというふうに思います。 一方で、外国国章損壊罪は、一九〇七年、明治四十年の刑法制定時からずっと存在するということであります。つまり、この矛盾状態とも言うべき事態というのはかなり長い間続いてきたと思うんですね。 なぜこの本法律を今成立させなければならないのかということについて、そしてまた、守るべき法益というのを改めて国民の皆様に分かりやすく説明していただけないでしょうか。そして、それは一九〇七年から続くこの国章損壊罪との違いというのは何なのか、ここを是非、国民の皆さんに分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○衆議院議員(平沼正二郎君) お答えを申し上げます。 国旗を尊ぶ心は万国共通の価値観でありまして、外国国旗であれ日本国旗であれ、損壊等のやり方によっては国旗を大切に思う国民感情や尊厳を害することになると考えております。 そもそも、国旗は国家の象徴として大切に扱われているものではありますけれども、我が国では、G7諸国の中で唯一、外国国旗の損壊は処罰対象になるのに、自国国旗の損壊については処罰する規定はございません。このため、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通にあるにもかかわらず、我が国では、外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されずアンバランスであると受け止められる状況にあると考えております。 この点に関し、日本国旗の損壊等の事案については器物損壊等によって対処可能な部分もございますけれども、自己所有の国旗を損壊等したところで処罰されるというわけではなくて、また親告罪であるため、被害者からの告訴がなければ起訴されないこととなっております。 しかし、本法案における保護法益は国旗を大切に思う国民感情であると考えておりまして、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにかかわらず、国旗を損壊する行為自体がその保護法益を侵害する蓋然性が高いわけでありますから、そのような行為を行った者は処罰対象となります。 このようなことを踏まえて、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護し、現行法では対処できない領域をカバーするため、国旗損壊罪を制定する意義があると考えております。 なお、外国国章損壊罪は、我が国の外交関係の円滑、安全という国家的法益を保護法益として、外国に侮辱を加える目的で国旗等を損壊する行為を処罰するものであり、さらに、外国政府の請求を公訴提起の要件としております。本法案とは保護法益や構成要件、被害者の請求を前提とするか否かという点において違いがあります。 以上であります。
○松川るい君 ありがとうございます。 やはり現状のままでは、例えば自己所有の国旗について損壊を加える行為なんかは対象になっていないということで、国旗を大切に思う国民の感情というのを保護するには不足の部分があるのではないかという御指摘だと承りました。 あと、私は、やっぱり昔の時代と違ってSNSというのが非常に発達する中で、自己所有若しくは他所有にかかわらず、その行為が与えるインパクトというのは昔とは違う部分もあるのではないかというふうに思っております。 他方、G7の中一つ取っても、先進諸外国でも自国の国旗の損壊について処罰をしていない国もあるわけですね。ここについてはどういうふうに思われるのか。どういう国が処罰をしていないのか、それはなぜなのか、教えていただけますでしょうか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 本法案の立案に当たっては、諸外国の立法例も調査をさせていただきました。その調査の結果、先進諸外国のうち、イギリスやカナダについては自国の国旗に関しても外国の国旗に関しても処罰規定を設けていない旨を確認をしております。このほか、アメリカ、フランス、中国では、自国の国旗の損壊等に対する処罰規定はありますけれども、他国の国旗の損壊等に関する処罰規定はございません。また、ドイツ、イタリア、韓国では、自国の国旗に関しても外国の国旗に関しても処罰規定が設けられております。 このため、少なくともG7諸国の中では、外国国旗の損壊が処罰対象になる一方で、自国国旗の損壊についての処罰規定がないのは我が国のみであると承知をしております。
○松川るい君 大変分かりやすい御説明ありがとうございます。 非常にアンバランスだということであります。つまり、カナダやイギリスのように、自分の国の旗も保護していないけれども、そういう国というのはほかの国の、つまり外国の旗も保護していないと。一方で、自分の国の旗は保護するけれどもほかの国の、外国の旗は保護しないという中国なんかがあると。でも、外国の旗は保護するのに自分の国の旗は保護しないというのは日本だけだということが非常によく分かりました。やはり、このようなアンバランスな状態は解消して、国民の国家、国旗を大切に思う、国旗を大切に思う国民感情を保護するということは非常に自然なことではないかというふうに改めて思ったところであります。 ただ一方で、表現の自由とか、それから思想や良心の自由との関係で問題となってしまうんじゃないかという懸念の声も国民の皆様から聞くところではあります。ここについては、この法律ではどのような手当てがなされているのか、どのような工夫がなされているのか、この点についても分かりやすく教えていただけますでしょうか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 御質問ありがとうございます。 松川委員のおっしゃるとおり、この表現の自由に関しては非常にいろいろ議論をさせていただいたところであります。 まず、本法案二条の罰則は、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでありまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条を処罰するものではございません。その思想、信条に反する特定の行動も強いるものでもありませんから、思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないと考えております。 また、表現の自由は基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであると考えております。国旗を大切に思う国民感情の保護という社会全体の重要な利益の保護を図るため、本法案二条の罰則を設ける必要性が極めて高いこと、本法案二条の罰則は、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものにすぎず、表現の自由に対する制約の程度は小さいことなどから、本法案二条の罰則は必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えております。 以上のように、本法案二条の罰則が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目して規制を加えたりするものではないことは、侮辱を加える目的といった主観的な要件ではなくて、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件とする規定や、今申し上げた方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めている規定などの本法案の規定自体から明らかであると考えております。 なお、本法案は、以上を前提としつつ、なお入念的に、三条において、本法の適用に当たって、いやしくも国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのないよう、いわゆる適用上の注意の規定を設けて、その万全を期すこととしております。
○松川るい君 今の御説明で、内心には全く立ち入らず、外形のみ、客観状況のみを処罰の対象としているということは明らかになったと思いますし、また、私も拝見いたしましたけど、適用上の注意ということで、第三条で、表現の自由その他日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないという、この法の精神についても明らかにされているということは、私は重要なことだというふうに理解しました。 他方で、ただ、人に著しく不快又は嫌悪の情を催されるような方法によりというところにおいて、なお、どういうものが人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法なのか。公然は割と分かりやすいと思うんですね、一般の人がいるところと。公然と国旗を損壊しの、その前半のところの人に著しい不快、嫌悪の情を催させる方法というのはどういう方法なのかについては、なお不明確な部分があるんじゃないのかなという国民の皆様の声もあるわけであります。 そこについて、不明確な部分ができるだけなくするためにはどのような対応をしていくおつもりか、どのような、そうですね、国民の皆様に対して分かりやすくしていく工夫をしていくかについて教えていただければ。
○衆議院議員(平沼正二郎君) ありがとうございます。御質問にお答えします。 本法案では、国旗損壊罪について、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法を構成要件としております、委員御指摘のとおり。この点について、処罰対象が不明確なのではないかとの御指摘が衆議院の委員会質疑等でもあったところであります。 改めて説明いたしますと、ここに言う人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法というのは、一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ、又は不愉快に感じさせるような行為をいい、これに該当するかどうかについては、行為者自身やこれを見た者が現実に不快感や嫌悪感を覚えたか否かではなく、あくまでも一般通常人を基準として、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるか否かによって判断されます。 二条二項は、こうした判断に当たって、行為者の表現内容にかかわらず、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況はどうであったのかなどの客観的事情を総合的に勘案し、社会通念によって判断されることを明確にしたものであります。そして、この文言は、著しく不快又は嫌悪の情を催させるものという構成要件を設けているストーカー規制法等を参考にしているところでありまして、本法案についてのみ不明確であるとの御指摘は当たらないものと考えております。 なお、どのような場合に本法案に処罰されるのか、国民にとって分かりやすいものになるよう、本法が成立後には政府において適切に周知を図ってもらうことを期待いたしているところでありますけれども、まずは、この国会審議も通じて丁寧に説明をしていくことが重要であると考えております。
○松川るい君 おっしゃるとおりだと思うんですね。 ストーカー規制法とかほかの法律でも同様の、要するに一般人の感覚に照らして著しく不快であるかどうかということが基準になっていたりするのはあるわけでありまして、およそ法が、何でしょう、の基になるものは、コモンセンスというものを、その常識にベースにするということは間々あることでありまして、そこをもって不明確だというのは私も違うと思っています。 ただ、国旗というのを扱ってどうかというのは今回が初めてですので、同時にやはり、例えばお子様ランチの旗とか、それは分かりやすい例だと思いますけれども、どういうのが駄目でどういうのがいいんだということについては、やはりかなり手厚く事例集といいますか、そういったものを発信していくということが重要なことではないかというふうに私も思っているところです。 この観点で、もうこれも衆議院でも質疑されたところかもしれませんけど、例えば、よく一般的に大丈夫かなというところで改めてお聞きしますと、サッカーとかスポーツ応援のときに手作りの旗、これ終わった後に捨てて帰ることもあるわけですね、とか、お子様ランチの旗捨てちゃうとか、国旗が印刷されているいろんなチラシとかあったり、こういうのも何かごみ箱にぽいとかするわけでありますけど、こういうのは別に対象にならないという理解でよろしいんですかね。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 本法案で対象となる国旗とは日章旗のことを意味いたしますけれども、必ずしも国旗・国歌法に定める正式にのっとったものでというふうには限らず、少なくとも、社会通念上国旗の用に供している、認められる有体物であればこれに当たると考えております。そして、この趣旨を明らかにするために定義規定を設けているところであります。 その上で、委員がお示しになった事例のものが国旗に該当するかどうかというのは、個別具体的な事情に応じて判断されるものであり、一概にお答えすることは困難であるんですけれども、少なくともお子様ランチの旗や国旗が印刷されているチラシについては、基本的に社会通念上国旗の用に供しているとは認識できていないんではないかと考えております。
○松川るい君 じゃ、国旗を燃やすとかいう不適切だと明らかに思うもの、SNSやライブで配信する行為自体も処罰をされるのでしょうか。
○衆議院議員(平沼正二郎君) 本法案の第二条第一項では、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法により公然と国旗を損壊した者を処罰対象としております。 ここに言う公然というところでありますけれども、物理空間かネットの空間かに問わず、不特定又は多数の人が認識できる状態をいうため、人に著しく不快な又は嫌悪の情を催させるような方法で国旗を損壊している等の状況をSNSなどを通じてライブ配信する場合も処罰対象になり得ると考えております。
○松川るい君 分かりました。 これからも、私は非常にこの法案、大事な法案だと思っておりまして、成立を一日も早く願うものでありますけれども、是非、四党での合意で作成されて、共同提出もいただいております重要法案でありますので、国民の皆さんに丁寧に分かりやすくこの法案成立後にしっかり御説明をいただくことをお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○塩村あやか君 おはようございます。立憲民主党、塩村でございます。よろしくお願いいたします。 私も国旗を大切に思う気持ちを持つ一人でございます。しかし、今回の法案、今審議をしているのは、国旗を大切にするという、そういった感情とか信条の問題を超えて、国家が刑罰を科して、逮捕とか捜索とか差押えができるということをするという、新たな犯罪を設ける、そういう法律だというふうに私は認識をしています。逆に、国旗、もしかして損壊に当たるのではないか、怖いなということで、逆に国民感情として、国旗には触らないでおこうとか、本来であれば掲げようと思って持っていたものとかも、こういうのをやめようということが起こり得るんじゃないかというふうにやっぱり思うわけなんですね。逆の方向に行ってしまう可能性もあるということで、私は今回とても危惧をしています。 そして、今朝、NHKのニュースを見ていました。たくさんの国旗がたなびく中で何が行われていたのかというと、ヘイトスピーチです。これ、国民感情として、国旗がそのようなヘイトスピーチ、これ犯罪ですよね、そこに使われることの方が国民感情を私は害するというふうに思っています。 今回は損壊しないということでそこは対象にならないということだと思うんですけれども、こうした問題について、国民感情、ここをしっかりと守っていくというのであれば、なぜそういったところが外れてしまうのか、今日は今朝ニュースを見て感じたので、まずこれをお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 塩村先生が今おっしゃったNHKのそのヘイトスピーチに関する報道、私も見ておりましたが、もちろんヘイトスピーチなどが好ましくない、そうしたことが行われない方がいいという思いは私も全く共有しております。 それはまさにそのとおりでございますが、今回の法案自体は、国旗という多くの、塩村先生も含めて大切に思っている国旗をしっかり守っていきたいという、その国民感情はどういうふうに保護法益として守っていくかという観点から法案として提出させていただいているものでございまして、ヘイトスピーチはヘイトスピーチとしてしっかり対応していくことが肝腎かと思っております。
○塩村あやか君 何か納得できないんですね。そういった犯罪的なそのヘイトスピーチの中で国旗がたなびいている、そういった犯罪に当たるようなものに国旗が使われる、そうしたものも対象にしていかなきゃいけないのに、どうしてそっちが対象にならずに、ちょっと私は非常に、今御答弁を聞いて、まだちょっと解せないところであります。 それでは、通告に従って質問をしていきたいというふうに思っております。 衆議院の中では、衆議院の質疑の中では、政治的抗議として行った場合であったとしても、法案に定める方法で国旗を公然と損壊をすれば構成要件に該当し得るとの答弁がございました。一方で、政治的な意見を表明をする目的であったり、行為に至る経緯や動機などを踏まえて社会通念上相当と認められる場合には、違法性が阻却される可能性があるともございました。 しかし、政治的抗議であれば原則として違法性が阻却されるのか、それとも、原則として犯罪になって、例外的な場合に限って違法性が阻却されるのかというところを明らかにされておりませんでした。これでは、どういうことで処罰をされ、何であれば阻却されていくのかということが分からないということになります。 政治的な抗議として公衆の面前で自己所有の国旗を損壊した場合、どのような場合であれば違法性が阻却されて処罰されないのか、具体例と判断基準を幾つか教えてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 今回の法案は、政治的意見そのものを処罰対象とするものではございません。こちらは、この構成要件としては、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊、除去又は汚損する外形的、客観的な行為態様のみを構成要件としております。そういった意味で、政治的な抗議としてなされたかどうかということにつきましては、直接その構成要件該当性の判断の枠組みとは別の要素ということになってまいります。 その上で、仮に構成要件に該当したとしても、刑法三十五条の正当行為など、この違法性阻却に該当する場合というのはあり得るということでございまして、そのときの判断基準としては、社会通念上相当かどうか、つまり、社会一般に通用している常識や見解に照らして、個別具体的な事案ごとに行為の目的、態様、行われた状況、一連の経過など、こうしたものを踏まえて判断されるものと理解しております。 今、そうしたことについての判断基準、より具体化できないかというお話ありました。なかなかこの違法性阻却について類型化するというのは難しいところでございますが、一つの判断要素としては、例えばその方法以外による方法で政治的な意見表明ができないような社会的に状況にあったかどうか、こういった要素というものは挙げられるというふうに我々としては考えております。
○塩村あやか君 ありがとうございます、御答弁。 であれば、そうした方法を用いて以外に政治的な表明ができない場合は阻却されるというふうに今御答弁あったんですけれども、それって、ほとんどの場合がほかに手段があるだろうと言われて、はい、アウトというふうになり得るんじゃないかなというふうに私は感じるわけなんですね。そういうことになるんじゃないですか。 逆に、手段、それ以外に手段がないという方法で政治的な表明が行われたという場合は、逆にそれは何なのか、逆に教えていただきたい。だって、それしかないわけですよね。それしかないって、例えば、じゃ、どういったものを想定されてそのような御答弁を用意されたのか、聞かせてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 まず、一義的には、今、違法性阻却のお話がここで議論されていますけれども、まずは構成要件に該当するかどうかということが中心的な論点でございます。そこにおいては、政治的な意見表明としてなされたかどうかというその目的や内心ではなく、行為の外形に基づいて判断をさせていただくというのが今回の法の枠組みでございます。ですので、まさに外形上多くの社会的な市民感情、保護法益を害するかどうかという、ここの判断が主体となってくるという、そこの点で明確性を担保させていただいておるところでございます。 その上で、違法性阻却のお話ということにつきましては、なかなか、これはほかの犯罪類型でも同様でございますが、違法性阻却事由というのは、まさに個別具体的にこの構成要件に該当した上で、しかし例外的に阻却をするというものでございますので、なかなかここで類型化するということは難しいということについては御理解いただければと思います。
○塩村あやか君 それだとちょっと困るんですよね。結構、政治的なデモで、さっきも言いましたけれども、国旗が使われることはあるわけなんですよね。そのときに、何がよくて何が駄目なのか。例えば、日本は特別な歴史を持っておりまして、戦争というものが、さきの大戦がありました。そうしたときに、どうしてもこの国旗というもの、国に対しての責務であるとか、そうしたものに抗議をしたい場合に国旗を使うということもやっぱりあるというふうに思うんです。そうしたものについてはどうなのかと。 例えば、一つの要件として、バツと書いたら今回これは該当し得るんじゃないかという話もあるわけですが、そうした場合であったとしても、そうした表明をすることは許されない法律なのか、その確認をさせてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 繰り返しで恐縮でございますが、仮に政治的なデモの場で行われた行為であったとしても、そうでなかったとしても、構成要件上はまさにその国旗の損壊行為、この態様が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法であるかどうかと、ここによって判断されるものとなってまいりますので、そうしたことについての構成要件該当性を判断するということになってまいります。 なお、具体的な事例として、より挙げられるものがないかということがありましたので、衆議院の方の理事会におきまして、我々の方から、基本的に構成要件に該当すると考えられる事例又は該当しないと考えられる事例につきまして、追加で例示を提出させていただいた次第でございます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 その衆議院の資料を何とかして手に入れたわけなんですけれども、違法性が阻却される可能性がある場合というところにおきまして、先ほど御答弁いただいたとおり、政治デモにおいて国旗を損壊する等の以外の手段では主義主張を伝えることができない状況で行われた行為であると、ここが阻却されるというんですが、であれば、これほとんどアウトになるというふうに思うわけなんですよ。幾つか選択肢があって、こっち使えるだろうとなったときに、はい、アウトという形になってくると、ちょっとこれ、ほとんど阻却される可能性なんてほぼないんじゃないか、政治の関係においてはというふうに思ってしまいます。 なので、ちょっと御答弁いただきたいんですが、先ほど私がお伝えしたように、様々な主義主張があって、悲しい歴史があって、そして国に抗議をするときに、日の丸に、どうしてもそこにバツと書いたという事例があった場合、これはこの法律でいけばアウトになるのか、教えてください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 こちらで提出させていただいた資料の中で、違法性が阻却される可能性がある場合として、先ほど国旗を損壊する等の以外の手段では主義主張を伝えることができない場合というのを挙げておりますが、これ以外であれば全て違法性が阻却されないという書き方をしているものではないということは委員も御案内のとおりかというふうに思います。 まさに違法性阻却につきましては、個別具体の判断という刑法の枠組みになってまいりますので、なかなか類型化すること、一般化すること、仮定の状況の下でこの場合はどうかということを判断することが事前には難しいという性質のものであるということでございますので、今回、可能な限り明確にということで、我々としての考え、可能な範囲としてお示しをさせていただいたものでございます。
○塩村あやか君 その資料の中に、阻却、違法性が、汚損したとかに該当しないと考える事案が書かれているんですが、国旗を新品の靴で踏み付けて、それでも不潔にしていないのであれば大丈夫という、一体何なんですかねとみんな思いませんか。さっきのことが、政治的な主張で本当に気持ちを込めて主張をしているのに、それはもしかするとアウトになるかもしれないのに、片や一方で、新品の靴で踏んで不潔になっていなければオーケーというような例示がされているという、ここの私は理解ができないので、改めて御説明いただいてもよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) これ、なかなか一つ一つということになりますと、それぞれ難しいところでございます。あくまで今回の法律につきましては、外形的、類型的に見て、この行為の客観的な状況から人に著しく不快な思いをさせるものかどうか、これが構成要件の規範でございます。 じゃ、それの判断の指標としてどういったものになるかというところで、個別具体から少し考えて入っていったときに、この資料の中でお示しした一つの例が、国旗を新品の靴で踏み、何ら不潔にすることがない場合。確かに、新しい靴で間違って国旗を踏んでしまったというような場合に、ああ、もう国旗がダメージを受けてつらいなというふうに皆さんが思われるかどうかというところで考えたときに、まあ、それぐらいはいいのかなという方が、まあ考えられるのではないかという一つの整理としてお示ししたものでございます。 どうしてもこの文書の性質上、かなり、それはさすがにないだろうというものをお示ししているものであるということは御理解いただいた上で、御判断の参考となればというふうに思っております。
○塩村あやか君 済みません、理解してくれということですが、これを理解しろというのは難しいというふうに国会の場では思います。 改めて、今後ろから何か入ったようでございます。明確に答弁をいただきたいと思います。こちらの方からもしっかり答弁してくれという、何が違うんだと、しっかりと、それぐらいというのはいいのかと、そこもしっかりと、どういう意味ですかねと、それがいいというのは。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 塩村先生から御質問をいただいているのは、まさに汚損の定義に当たるかどうかというところでございまして、損壊、除去又は汚損が構成要件でございますが、新しい靴で踏んだとき、そして国旗が汚れていなければ、これは汚損に当たらないのではないかという考えをお示しさせていただいた次第でございます。
○塩村あやか君 ごめんなさい、ちょっとこういうことで時間使いたくないんですけれども、新しい靴だったら汚れないからオーケー、じゃ、古い靴で汚れなくてもそれはオーケーなんですかとか、何か本当にいろんな疑問が出てまいりまして、これもうちょっとちゃんと整理された方がいいというふうに思います、これ刑罰科すものですから。これ最後の手段ですよね、刑罰科していくのって。本当にそれ以外手段がないときに刑罰を科していくという観点から考えると、今のその御答弁とかいただいた資料を見ても、これ、本当に本気でこれやるつもりなんだ、やるつもりなのかというやっぱり疑問を感じるんですね。 その観点でお伺いしたいんですが、これ原則として、個別具体でその判断するというのはちょっとやめていただきたいと思っているんですよ。基本的な考えとして、例えば政治的な抗議で使われた国旗の損壊というのは、原則として違法性が阻却されるのかと、又は原則として犯罪となって、例外的な場合に違法性が阻却されるのか、まずここをちょっと、まず一問目なんですね、これ、お願いします。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 塩村先生からの御質問にお答えいたします。 政治的な抗議として行われた場合に、これは原則として違法性が阻却されるのかということでございますが、我々としては、違法性阻却事由というのは、これは個別具体的に判断されるというふうに考えておりますので、政治的な抗議だから原則としてという考えに立つものではございません。
○塩村あやか君 それで聞きたいんですけれども、最終的に違法性が阻却されるという正当な政治表現であったとしても、これ、この後にいろいろ聞きたいことにも関わっていくわけなんですけれども、私人の逮捕とかも聞きたいんですが、これ、ここまで行かないと思います、私の今の通告の順番で行くと。 まず、調べなきゃ分からないですよねということで、まずは捜査とか逮捕とか捜索、差押え、起訴の対象になり得るということでよろしいですか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) まず、構成要件該当性についての判断ですが、これは政治的な意思や目的、思想、信条を対象要件としているものではございません。また、捜査の過程の中でそうした、例えば、御質問、通告にもいただいておりますけれども、端末などが捜索、差押えの対象になるのかどうかということでございますが、これ、捜査につきましては、これは、任意捜査の場合を含めて当然、必要性、そして関連性、相当性、これを欠かない範囲で行われなければならず、また、とりわけ物の捜索、差押えなどにつきましては、これは令状主義の下で厳格に要件が定められておりますので、その範囲内でのみ行い得るものというふうに考えております。
○塩村あやか君 なので、やっぱり否定されないわけなんですよね。となってくると、そこで何が行われるのかというと、その人がどんな思想を持ち合わせているかとか、そうしたところにやっぱり踏み込んでいく法律になるというふうに考えれば、やっぱり原点から立ち返って改めていろいろ考え直すべきところがあるんじゃないかと。だって、それやらないことには分からないこともあるわけですよね、これまでの御答弁でいけば。それしないと分からないことがある。となってくると、それをやらなきゃいけないという形になってくると、思想に踏み込んでくる形にもやはりなるわけなんです。 そうしたことがないようにしていただきたいというふうに思っているんですけれども、法的な限界をちょっとお伺いしたいと思っています。 問い三なんですけれども、三条について、先ほども松川委員の質問にもありましたけれども、表現の自由でありますとかそのほかの権利を不当に侵害しないようにというふうに留意してくれという規定を設けてあるわけなんですが、この三条は警察による逮捕、捜索、差押え、取締りを具体的に制限をする法的な効果を持つのか、持つのであれば、どのような場合にその捜査を制限するのか、お伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) この三条の規定でございますが、これは、本法案が憲法に違反するものではないということを前提に、なお念のため、本法の適用に当たっての留意事項として、憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害することのないよう、その旨を定めたものでございます。 そういった意味では、この刑事手続、刑事訴訟手続のですね、逮捕、捜索、差押え、取調べ、こういった手続を要件を変更するというものであったり、新たな手続的な制限を設けるというものではなく、これは当然、刑事訴訟法に基づいて適切な捜査が行われるというふうに思っております。 他方で、この第三条というのは単なる宣言というものにとどまるものではないというふうに考えておりまして、本法を適用する全ての機関において向けられた規範としてしっかり尊重していただくように趣旨が及ぶものと考えております。
○塩村あやか君 じゃ、つまり、直接制限しない、訓示規定ではないということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 第三条は単なる宣言というものにとどまるものではなく、やはり、この三条の趣旨を踏まえてこの法律の運用、施行などを進めていってほしいという、そういう趣旨が及ぶものと考えております。
○塩村あやか君 であれば、お伺いしたいんですが、この三条を捜査実務に確実に反映をさせていくために、逮捕とか今申し上げた捜査、差押え等、慎重に判断すべき場合を定めた統一的な運用指針、こちらを施行前に作成して公表するということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 今の点につきましては委員からの御提案ということかというふうに思いますが、ちょっと今ここで即答することは避けさせていただきたいと思いますが、今申し上げたとおり、いずれにしても、この第三条の趣旨というものが運用の中で具体化されていくべきものとして我々法案提出者としては考えております。
○塩村あやか君 これまでやり取りする中で、御答弁のその整合性を取るためにも、きちんとそうしたものは作っていった方がいいと思います。そうしないと、結局あやふやなままになってしまって何も解決しないことになりますから、これちゃんとやっていただきたいというふうに思っています。じゃないと、実務上の歯止めがなくなるということになりますから、三条が死文化してしまうわけなんです。これちゃんとやった方がいいというふうに思うので、お願いをしておきたいというふうに思います。 よろしいでしょうか。改めて御答弁いただけますか。
○衆議院議員(塩崎彰久君) やはり、この今回の法律を通じて表現の自由とか様々な権利が侵害されるべきでないという思いは我々も同じ思いでございます。そうした中で、この第三条というものがしっかりと運用の中で反映されていくということを、我々も思いは同じくするところでございます。
○塩村あやか君 ちゃんとやってくださいというふうにお願いをしておきます。そうしたものを作らないと、何回も申し上げますけれども、この法律、国民にとって安心できるものではなくて、国旗が怖いものになってしまいますので、是非お願いをしておきたいというふうに思っております。 時間がありませんので次の質問に入らせていただくんですけれども、今回この法律の立法事実なんですが、これまで、昭和六十二年、平成三年、平成八年、平成二十年、これを立法事実として示されているところだと思います。 一方で、提出者自身が、これらはいずれも他人が所有又は管理をする国旗に対する行為で、器物損壊罪や暴行罪等により検挙された事例であるというふうに認めていらっしゃるところでございます。さらに、自己所有の国旗を損壊した具体的な事例については把握していないとの御答弁でございました。つまり、衆議院で示された具体例は既存法で既に対応済みでありまして、本法案によって新たに処罰される自己所有旗につきましては具体的な国内事例が示されていないという、立法事実がないというような不思議な状況になっているというふうに思うんです。 そもそも、平成二十年以降、十八年ぐらいですかね、直近十八年間、国内事例も示せないのに、なぜこれ緊急に立法していかなきゃいけないのかという疑問があるわけなんですね。SNSの時代だから必要と言いますけれども、SNSの普及後に国内事例が確認されていないということを踏まえれば、むしろちょっと私おかしいなというふうに思っていまして、立法が不要の根拠にもなっているんじゃないかというふうに指摘をさせていただきたいというふうに思っています。 そこでお伺いしたいんですけれども、現行法では対応できず新たな刑罰を設ける必要が生じた自己所有旗の損壊に関する具体的な国内事例、あるのであれば改めてお示しいただきたいというふうに思っています。新たな事例が示せないのであれば、このSNSの時代に、なぜ自己所有旗を処罰対象から除外しないのか。そもそも自分が持っているものって財産ですよね。そうしたものから考えるとちょっと疑問が湧くわけなんです。お答えください。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 自己所有である国旗の損壊等の事例につきましては、まさに現行法においてこういう行為を処罰の対象とする法律がないため、その件数の統計であるとか、又は報道で取り上げられる、そういったことがなかなかないということでありまして、そうした背景もあって、具体的な事実として現在確認をしているものではございませんというふうに答弁をしております。 ただ、だからといって立法事実がないというふうには我々は当然考えているわけではなくて、まず、この現行法の下でも、SNSが加速度的に普及している中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊等する行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところになり、様々な形で影響を与えることは否定できないというふうに思っております。 また、立法事実の考え方につきましても、これは既に発生した被害事例の存在に限られるという、そういうお考えももしかしたらあるかもしれませんが、将来における法益侵害の蓋然性についての合理的な予測に含まれるという考えも十分あり得るというふうに我々は考えているところでございます。 そういった意味で、塩村先生が今おっしゃられたように、自己所有の旗だったら何でもしていいんじゃないかというお考えももちろん一部ではあるかもしれませんが、我々としては、自己所有の国旗であったとしても、多くの方の目に見える場所でそれを損壊したり汚損したりする、これについてはやはり守るべき社会的な法益があるのではないか、そうした立場から今回提案させていただいている次第でございます。
○塩村あやか君 ちょっと次に入る前に、私は別に自己所有の国旗に何もしていいなんて一言も言っていないです。自分で持っているものは財産に当たるので、そこに国家が介入していって刑罰を与えていくことに対しての疑問があるというふうに申し上げただけでありまして、誰も自分が持っている国旗に対して汚損してもいいとかそういうことは一言も言っていないです。そこだけはちょっと間違いがないように言っておきたいというふうに思っています。 その上で、二つあったと思います。海外のSNSの事案であります、そして予防的な立法に関してなんですけれども、海外で拡大していると、で、日本にも影響を与えるという判断を裏付ける具体的な資料というものは示されていないというふうに思うんですね。 なので、教えてください。海外のどの国でどの期間に、自国旗の損壊行為がどの程度増加していったのかというところをお伺いしたいというふうに思っています。その海外事例が、国内における、日本国内における、海外の例が日本国内における自己所有旗の損壊を誘発するという因果関係又は具体的な蓋然性を示す調査、そしてそのほか分析したもの、そうしたものを参考にして立法されたのか、お伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) お答えいたします。 塩村先生から、海外の事例が国内で同様の行為を誘発するということの因果関係を証明したような論文とかそういったものはあるかという御質問がありました。 なかなか、特定の海外事案が国内の特定の行為を誘発したということを個別の因果関係を持って統計的に立証するということを立法の前提として求められるとすると、これはなかなか厳しいところではないかというふうに思っております。 むしろ、我々として立法事実として考えておりますのは、そうした個別の因果の証明ではなくて、やはり規制の必要性を基礎付けるこの社会的事実として、やはり海外でもそういったことが起きている、そして国内でも多くの市議会などからそうした懸念の声が上がっている、同様の行為を行ったときにこの処罰の間隙が今の規制の体系の中にあるのではないか、こうした点を立法事実として考えているところでございます。
○塩村あやか君 何かちょっと、説明を聞いていて、これ大丈夫なのかと不安に思うところなんですね。やっぱり国旗って大切なものだからこそ、こうしたあやふやな形で立法されてしまっていいのかというところは非常に疑問に思います。 私も海外にいたときに、例えば応援しているチームが勝って日の丸が掲げられたときにはとても誇らしい気持ちになりました。そうしたことによって国旗を大切にしていこうという気持ちを醸成していくことの方が重要だと思うんです。 残り一分になりました。 もう一問、先ほど聞き落としたんですが、予防的な刑罰立法ですよね。調べたんですけれども、これってないことはなくて、日本にも、条約上の義務とか、現実に発生した重大な被害、生命、身体の具体的な危険でありますとか、犯罪の計画や準備行為など客観的な立法根拠があるもので、これまで予防的に日本でも立法はされているということを私は確認したところですが、今回、これまでの御答弁聞くと、そうじゃないわけなんですね。 今回、海外の行為が日本にも影響を与えるという可能性否定できないという形で御答弁いただいたんですが、それ以外、新たな刑罰を、だって確認できなかったわけですよね、刑罰を正当化する客観的な根拠は何なのか、これ最後にお伺いをしたいと思います。
○衆議院議員(塩崎彰久君) 立法事実についてのお尋ねだというふうに理解いたしました。 この予測について立法が無限定に許されるという趣旨で申し上げているつもりではもちろんございません。本法案につきましては、先ほど申し上げた現行法との間隙や、又はその海外事案、その伝播してくる可能性の状況、諸外国の立法例、こうした様々なものを前提に、やはり立法事実として社会的な保護法益、つまり、国旗を大事に思う、それを目の前で公然と損壊されたくない、汚損されたくないというこの国民の皆さんのお気持ちにしっかり正面から立法で応えていきたいと、そういう思いでございます。
○塩村あやか君 答弁を聞くにつれて、非常に問題が多い法律なのではないかというふうに国旗を大切に思うからこそ感じてしまうところでございます。 この後、鬼木委員の方から様々な問題点、指摘があると思います。本当に問題が多いままこれ通してしまっていいのか疑問に思うと申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○鬼木誠君 立憲民主・無所属の鬼木誠でございます。本日はよろしくお願いいたします。 過大な前振りをいただきまして、実は質問時間以上の質問通告をさせていただいておるところでございますので、大変申し訳ございませんけれども、塩村委員との重複等々につきましては省略をさせていただきながら質問させていただきたいというふうに思いますが、私も立法事実から始めたいんですが、その前に、一ポツで、愛国心の醸成という衆議院における答弁、ここについてまずはお尋ねをしたいというふうに思います。 本法案の成立を契機に、国民が自国についての帰属意識、一体感を抱くことになりまして、国民の気持ちの上での統合の役割を果たすという国旗の意義がますます向上し、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成をされていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかという答弁がなされている。 これって、国旗への敬意を強制する、あるいは愛国心の強要につながる、ある意味、これ提案者の本音がにじみ出たような答弁ではないかというふうにも受け止めているところでございますし、これは思想、内心の自由の侵害にほかならないというふうに思っています。 これ、どういう真意でということをお伝えはしたく、それを聞くつもりはないんです。本当にそんな狙いを持ってこの法案を提案をされたのか、そのことをお尋ねをしたい。もし違うのであれば、今申し上げましたような答弁は撤回をいただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) お答えを申し上げます。 今ほど鬼木委員の御質問にありましたのは、六月二十六日、衆議院内閣委員会で日本維新の会、阿部圭史委員が答えられた答弁に関してだと承知をしております。 この答弁でございますけれども、これ、質疑者の方から政治家として御答弁をいただければと、このような振りがありまして、それに対して答弁があったものというふうに認識をしております。したがいまして、国旗への敬意の強制でありますとか、愛国心の強要というものが本法案の真の狙いということでは全くございません。 この本法案の考え方、申し上げさせていただきますと、この本法案二条の罰則でありますけれども、あくまで国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものであります。個人の内心に立ち入って、この行為の基礎となった思想、信条、これを処罰するものでもありませんし、その思想、信条に反する特定の行動を強いるものでもございません。 このことはこれまでも累次答弁をしてきたところでございまして、思想、内心の自由への侵害になるという御指摘には当たらない、そういう法案であるというふうに認識をしております。
○鬼木誠君 あのね、政治家として答弁したなんて、使い分けたらいかぬですよ。提案者が答弁しているんだから、法案を提案した人が愛国心を醸成することにつながる、こう言ってしまったら、この法案の狙いや本当の目的は愛国心の強要にあると受け止めてしまうじゃないですか。 政治家として問われたから政治家として答えたなんて、そんな言い訳したらいかぬ、使い分けしたらいかぬ。撤回するんですか、しないんですか。もう一回お願いします。
○衆議院議員(勝目康君) 提案者としては、先ほど申し上げたとおり、これはあくまでこの行為の方法に着目をし、それを構成要件としてのこの犯罪類型を新たに設けるものでありまして、思想、内心の自由に立ち入るということは一切この法案の目的としているものではございません。
○鬼木誠君 撤回するかどうかをお答えいただきたい。撤回するんですか、どうですか。
○衆議院議員(勝目康君) 先ほど申し上げた阿部圭史委員の御答弁も、この立法者としてこの内心の自由に立ち入るということを想定しての御答弁ではありませんので、そのようなものとして御理解をいただきたいと思います。
○鬼木誠君 通告を出した段階で、この撤回をするか否かということを私が問うことは御了解をいただいているはずなんです、御理解をいただいているはずなんです。 そしたら、答弁された本人がここに来て、撤回する意思があるかどうかというのをお示しをするというのが本来の姿やないですか。何でそれができなかったんですか。法案の核に関わる部分ですよ。 愛国心の強要につながるかどうか。この法案が、先ほど塩村委員も指摘をしたけれども、もし仮に施行されたとしたら、国旗に近寄りたくない、変な触り方したら罰せられるかもしれない、そんな思い、恐怖心を抱くことにつながるんではないか。さらには、政治的なメッセージの封殺につながるんではないか。あるいは、国旗というものは大切にしなければならないというのが国民の当たり前の感情だと、そんな言説が広がるんではないか。いろんなことに心配をしている国民の皆さんがたくさんいらっしゃる。 そういう中にあって、愛国心の醸成につながるというふうに提案者がお答えになった。そのことの重さをもっと受け止めてもらわないかぬ。しっかりここはお答えください。
○衆議院議員(勝目康君) 我々提案者の趣旨といたしましては、これまで累次にわたり御答弁をさせていただいているとおりでございます。 加えて、先ほど来このやり取りがございますこの三条の入念的な規定、こちらで、この表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないというのが、まさにこの条文に書いてあるとおりでございます。そして、先ほど来のこの阿部圭史議員の答弁というものは、御本人として、この質問委員が政治家として答弁いただければというそういう質問をされて、そこに答えたものでございますので、立法者としての意思は先ほど来申し上げているとおりであります。
○鬼木誠君 あのね、ここで時間使いたくないんです。 おっしゃったように、政治家として問われたから政治家として答えた、この筋は通りませんよ。絶対に通らない。提案者としてそこの答弁席に座ってあったわけですから。隣の議員に聞いたなら別ですよ。違うでしょう。提案者としてお座りになっている方に尋ねた上で、提案者がお答えになった。だったら、この法案を提案をした議員は、あるいは提案をした者の中には、この法律は愛国心を醸成するために作るんだという意思と意図があるというふうに周りの人は捉えてしまうじゃないですか。 答弁をされた本人がお見えになっていないから撤回をすると他人の私が言うわけにはいきませんということであるなら、答弁なさった方連れてきてください。御本人が来て撤回するか否か、意思を確認させてください。いかがですか。
○衆議院議員(勝目康君) 先ほど来御答弁させていただいておりますように、その御本人のこの答弁に当たって質疑者が政治家としてどうかというふうに質疑をしているわけであります。それに対する答弁としてでありますから、それは政治家として答弁をされたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(北村経夫君) 御静粛に願います。
○衆議院議員(勝目康君) 立法者、立案者としてのこの答弁は先ほど来申し上げているとおりであります。
○鬼木誠君 繰り返しになって申し訳ないけれども、このやり取りずっと続けるつもりはないんですが、これ、やっぱり撤回してもらわないと、この先進めないですよ。 この法案の狙いが何なのか、立法事実、保護法益、聞きたいことたくさんある。聞きたいことあるけれども、副次的な効果として、真の狙いは愛国心を醸成することなんだ、提案者がお答えになっていることについて、やっぱりはっきり言ってもらわないかぬ、本人から。そこどうですか。
○衆議院議員(松野博一君) 立法の趣旨、目的に関しては答弁をさせていただいているとおりでございますが、発言者の意図に関しては、委員長の御指示をいただいた方法において何らかの形でこちらから示させていただきたいと思います。
○鬼木誠君 それでは、委員長、是非取り計らいをよろしくお願い申し上げます。
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で検討、協議いたします。
○鬼木誠君 では、どうぞよろしくお願いいたします。 改めまして、立法事実から入らさせていただきたいというふうに思います。 これも衆議院の答弁でございますけれども、国内にとどまらず海外でも生じている国旗損壊などの行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で云々という答弁をなさっています。 国内における損壊事例については先ほど塩村委員からもありましたけれども、この間お示しをいただいている国旗損壊事案というのは極めて限定的というふうに思っています。そういう限定的な状況の中で、国内にとどまらずという表現をなさって答弁をされていると。これは、国旗損壊事案が日本国内でも増加をしていっているんだというようなことを、そういう印象を与える不適切な答弁ではないかというふうに思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) 今ほど御指摘をいただきました答弁の趣旨について申し上げたいと思います。 立法事実をどう考えているのか、こういう御質問でありまして、それに対しまして、国内で国旗を損壊等する事例が確認をされている、このことをまず申し上げました。これに加えまして、SNS等が加速度的に普及をし、グローバル化が進展をする中で、国内のみならず海外でも生じている国旗を損壊する等の行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々の知るところになり、そして様々な形で影響を与えることは否定できないことでありますから、そういった事情も踏まえつつ、国旗を損壊等する事案の発生を将来に向かって抑止をする必要がある、こういうことも立法事実の一つであるというふうに説明をしたところでございます。 先ほど塩崎議員からも御答弁申し上げましたとおり、現在、例えば自己所有のものでありますとか、そういう国旗についてはこの構成要件に該当いたしませんので、それを立件しているという数字、もちろんこれはないわけでありますし、それに基づいた報道というものもないということの中で、そうしたデータは必ずしもございませんが、このような将来にわたっての影響といったようなこと、この抑止の必要性ということを立法事実の一つというふうに説明を申し上げているところでございます。
○鬼木誠君 国内における国旗損壊事例が年々増加をしている、そんな事実は確認できていない、そういうことだと思います。 さらには、先ほど塩村委員とのやり取りの中で、外国国旗の損壊事例がSNS等を通じて日本国内の人々に知れ渡ることになったとして、そのことが国内における日本国旗の損壊につながり得ると、あるいは増加をしていく、そういう明確な根拠やデータも示し切れていない、そういうことだと私は思っています。 ここがやっぱり分からないところなんですよ。何で増加をするというふうに見込まれているのか、何で外国国旗のSNSによる損壊事案が拡大することが日本国内における国旗損壊事案の拡大につながるというふうに判断をされたのか、そして、何で急いで今作られようとしているのか、ここら辺がよく分からないんです。 通告の四ポツ、五ポツに関わるところでございますけれども、今後増加をするんだ、きっと増加をするんだというふうに判断されている根拠、あるいはデータ等あれば是非お示しをいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) まさに、この現在のグローバル化あるいはSNSの進展というのは、世界中で起きていることをリアルタイムないしはそれに近い形で日本にお住まいの方がこれを知ることになる。そしてまた、アテンションエコノミーなんという言葉もありますけれども、より過激であればあるほど耳目を集めるという、こういう傾向というものもこれは一般論としてあるのではないかということでございます。 そうした中で、そういった行為が日本国内においてそういう影響を与え得ると、そこは否定できないのではないかというようなところで、そうした事情も踏まえながら、将来に向かって国旗損壊事案の発生を抑止する必要があるということをもって、私どもとしては今回の立法に至ったということでございます。
○鬼木誠君 影響を与え得ることが否定できないというふうにおっしゃいますけれども、なぜ否定できないのかという根拠が全く示されていないんです。そのことが、この法律の立法事実として、何を根拠に法律を立てるのかということの理解の難しさ、困難さにつながっているということは改めてお伝えをしておきたいというふうに思っています。 先ほど来、処罰をしていないから確認できないというような答弁がある。この処罰をしていないから確認できないというのももう逃げの答弁で、これは、ただ、今のところそういう立法事実はありませんということをおっしゃっているのにほかならない。将来に向かって抑止をするということ、これも先ほど塩村委員の方からありましたけれども、例えば将来への懸念だけで刑罰を新設できる、論理的にはこれあらゆる行為が処罰の対象にできる、将来何が起こるか分からないから今のうち刑罰付けておこうと、何でもできるじゃないですか。こんな曖昧な法律を作っちゃいかぬというふうに思うんです。 今ある予防的立法が許容されているその法律は、害が生じてからでは取り返しが付かない事態に陥る、そういう領域に限られているのではないかというふうに私は理解をしています。そこに翻ると、国旗が損壊をされる、そのことでいかなる取り返しが付かない事態が生じるのか、今予防的立法をしておかないと国旗損壊によって取り返しの付かない事態が生じるとしたらどういう事態なのか、そのことを教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(勝目康君) この立法事実についてでございますけれども、このSNSであるとかグローバル化ということは申し上げてきたとおりであります。加えて、これも先ほど塩崎議員からの答弁で申し上げておるところでございますけれども、各国の立法状況、そういったところなども総合的に見まして、まさにその法体系の中の欠缺といったようなそういったことも踏まえまして、そして、将来にわたってのこのSNS、そしてグローバル化が進展する中での影響を与えかねない、これを将来にわたって抑止をしないといけない、こういう問題意識で今回のこの法案というものを提示をさせていただいているところでございます。 国旗を大切に思う、これはまさに、先ほどの塩村委員、そして鬼木委員共通であろうと思いますけれども、こうした国民感情、これが広く行き渡ってきている中にありまして、この人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法、これはあくまで個人個人としてそうだということではなくて、一般通常人を基準とするわけでございますけれども、そういう方法で公然と国旗を損壊する行為、これについて処罰規定を設けるという、こういうものでございます。
○鬼木誠君 予防的な立法によっていかなる取り返しが付かない事態が生じるのかという点については全くお答えになっていないというふうに思います。つまり、取り返しの付かない事態というものについては、提案者の中ではないということではないかと。そうなると、現状も立法事実はない。そして、将来予防するための取り返しの付かない事態ということについての立法事実についても明確に提案できていない、説明できていない。立法事実の曖昧さということがより一層明らかになったんではないかというふうに思います。 保護法益についてお聞きをしたいというふうに思います。七ポツでございます。 保護法益が、国民感情が毀損をされるというふうに御説明になっている。で、国民の国旗を大切に思う心が損壊によって毀損をされる、そのことが社会にもたらす具体的な不利益、このことについて教えていただきたいと思います。
○衆議院議員(勝目康君) この法案におけます保護法益についてでございます。 これは、国旗を大切に思う国民感情という社会的法益ということでございます。したがいまして、この法案二条一項に定める方法によって公然と国旗を損壊等した場合には、そのような国民感情が害されるという不利益が生じるという、こういう構造になっております。 なお、この法案の罪と同じく、ある種の社会的に共有される感情を社会的法益として保護するものといたしましては、例えば礼拝所不敬罪というもの、これが刑法百八十八条に規定がございますけれども、こうしたものがございます。この罪に係る違反行為があった場合における具体的な不利益は何なのかと問われたときも、そのような一般的な宗教的な感情が害されるという不利益が生じることになると、こういう答えになるのと同様であると解しております。
○鬼木誠君 これも曖昧なんですよ。社会にどんな不利益が起こるかということについて、明確に国民の皆さんが、ああ、なるほどと思えるようなことの答弁がやっぱりこの間なされないし、今の答弁も分からないです、はっきり申し上げて。 私が懸念をしているのは、感情という曖昧なものを保護法益とする、そういう、そのこと、立法事実が乏しいまま議員立法で新設をする、しかも刑罰があると。こんなむちゃなことが先例化をしてしまうと、日本の法の支配を混乱させる、その危険性があるんではないかというふうに思うんです。感情を保護法益とする罪の拡張、罪刑法定主義の形骸化、空洞化にもつながりかねない。 一番心配しているのが、国旗を大切に思う国民感情を保護法益とすることは、国家が、国が標準的な国民感情は国旗を大切に思うことなんですよというふうに規定することにあると思うんです。結果として、国旗を大切に思わない人は標準的ではないというレッテルが貼られてしまう。国旗を大切に思うことが強制につながっていく。冒頭質問した、こだわったのはそういうことなんです。 この法律によって、国旗を大切に思う国民感情というのが当たり前なんだと、したがって、その感情を守らないといけないんだと。国旗を大切に思うことができない、あるいは国旗を大切に思うということに少し違和感を感じているというのは、あなたは当たり前の日本人じゃないんですよ、この法律はそういう仕組みを持つということを是非お伝えをしておきたいというふうに思います。 そして、このことは、衆議院の参考人質疑において、信条による差別を禁じた憲法十四条に抵触するんではないかというような指摘もされている。この点についての見解を改めてお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(勝目康君) 本法案の構成要件でありますけれども、これはあくまでこの外形的な方法によるということは累次御答弁を申し上げているとおりであります。つまり、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然と国旗を損壊等する、これが構成要件に当たるわけでございます。 したがいまして、内心の自由に立ち入ってこの法案が、法律が適用されるという性質のものではございません。したがって、この国旗を大切に思う国民感情というのは、あくまでそういうその保護法益でありまして、この処罰規定そのものは、先ほど申し上げた客観的な、外形的な方法という、こういうものを構成要件としてこの法案が立案されているものであります。 したがって、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条、これを処罰するものでは毛頭ありませんし、その思想、信条に反する特定の行動を強いるものでもございません。 したがって、この法案というものは、標準的な国民感情を規定するでありますとか、あるいは国旗を大切に思うことを強制するでありますとか、そういう趣旨のものではありませんし、したがいまして、憲法十四条に抵触するものではない、こう解してこの国会に提案をしているところでございます。
○鬼木誠君 損壊行為が、あるいは国旗を使った表現がどのような内心に基づいて行われたのかということを今問うたわけではないんです。 保護法益が国旗を大切に思う国民感情を守るということに設定をされている。そうなると、国旗を大切に思っていない国民の方がいらっしゃったとして、国旗を大切に思うということに違和感を感じている国民の方がいらっしゃったとして、その方々のその思いというのは保護の対象にならないということにほかならないんですよ。 繰り返しになりますけれども、国旗を大切に思うということが当たり前の日本人の感情なんだよということをこの法律は示してしまう、国家が国旗に対する感情を規定してしまう、そのことの重みというものを今問うたつもりでございます。 恐らくこれはこれ以上の回答出ないだろうというふうに思いますので、次の九ポツ、罪刑法定主義、明確性の原則について触れさせていただきたいというふうに思います。 今まで申し上げましたとおり、不快感、嫌悪感が感情であるということ、個人の主観、政治的立場、時代背景等によってその感情は大きく変わる曖昧なものであるということ、そのことをこの立法の中で明確に説明できていないということ、何が処罰の対象になるのかということについて、これは明らかに罪刑法定主義や明確性の原理に反するものであるというふうに改めて伝えておきたいというふうに思います。 同じ行為であっても、著しい不快を感じるか否かというのは、それぞれ行為が行われた場所やそのときの状況によって異なると。例えば、けがをした人がいた、緊急に手当てをする必要がある、国旗を切り裂いて包帯の代わりにして止血をした、そういう状況を見た方については、国旗を切り裂いたことに対する不快感というのはほとんどお持ちじゃないだろうと思うんです。ところが、切り裂く場面だけが切り取られる可能性がある、今、SNSでは。その切り裂く場面だけがライブ配信をされたとしたら、手当てをしているということは分からない。そうなると、それを見た人たちについては極めて不快に思う人もいるだろうというふうに思うんです。同じ行為であっても、それを見る場面であるとか時間帯であるとかということによって感情の沸き立ち方が違うと。ここがやっぱりこの法律の一番曖昧なところだというふうに思うんですね。 ストーカー規制法の話が先ほど出ました、ストーカー規制法を参考にされた。ただ、ストーカー規制法には何が不快な感情を与えるかということの具体的な例示がされている。ところが、本法案には例示がない、難しいというふうにしかおっしゃらない。この罪刑法定主義の下では、本来、条文に書き込むべきだということは多くの方が指摘をされているところでございますけれども、例示の不記載ということ、なぜ書かなかったのか、なぜ書けないのかということについて改めて、僕は立法の不備だというふうに思いますけれども、この点、答弁をいただければと思います。
○衆議院議員(勝目康君) 明確性の原則に対する御質問でございます。 国旗の損壊に当たって人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法、これが構成要件であるというのはこれまで御答弁をしているところでございます。そして、これは、あくまで一般通常人というものを観念して、そこで判断するということであります。そして、まさに公判を通じて刑が確定していく中にあって、先ほど委員が御指摘になったようなケースというものであるかどうかというところは、これは当然、この判断をされていく中で、先ほど申し上げた著しく不快、嫌悪の情を催すものに当たるかどうかということが判断をされていく、これが刑事法に基づくまさに訴訟の中で明らかになっていくことなんだろうというふうに思っております。 その上で、例示がないではないかという御指摘でございます。 御指摘のとおり、ストーカー規制法においては、汚物であるとか動物の死体であるとか、そういうことを挙げておりますけれども、本法案におきましては、国旗を損壊等する方法というのは様々な態様が考えられるということも踏まえて、例示として何かを明記するということはいたしておりませんけれども、ただ、これは、例示は例示でありまして、例示がないということをもって立法の不備に当たるとは私どもとしては考えておらないということでございますので、何とぞ御理解賜りたく、よろしくお願いいたします。
○鬼木誠君 例示がないことが立法の不備ではないというふうに御回答、答弁なさいましたけれども、少なくとも国民の皆さんに対しては極めて不親切であることは間違いない、何が処罰の対象になるのか分からないですから。ここを明確にしてくださいということをお願いをしているわけです。しかし、この間の答弁では、違法性阻却も含めてですけれども、類似的に示すこと、明確に示すことがなかなかできないという答弁しか繰り返されていない。ここがおかしいと思うんですよね。 一般通常人を基準としてというところについても全然分からないんですけれども、一般通常人を基準とするということについて、判断を主観的な感情に依拠してしまう。そうすると、実際の場面では、これ捜査当局の裁量が大きくなるのではないかというふうに思うんです。しかも、この法律は私人逮捕も可能ですよね、これ先ほども塩村委員おっしゃっていましたけれども。そうなると、誤認逮捕であるとか冤罪であるとか、そのようなことが拡大をしていくんではないかというふうに思っていますし、政治的表現や政治的メッセージについてはもうなるべく控えようという気持ちになっていく、つまり、封殺にもつながりかねないというふうにも思っています。 十一ポツでお聞きをしているところでございますけれども、国民の過度な監視を誘発をする、あるいは誤認逮捕、あるいは政治的表現の封殺、こういう効果があるんだと、あるいはこういうことが起き得るんだということについてどのような見解をお持ちか、是非お聞かせください。
○衆議院議員(勝目康君) ここで言うところの感情というのは、特定の個人の感情ではなくて、あくまで一般通常人ということでございます。そして、この一般通常人が基準として、国旗を大切に思う感情を害するに足ると認められるそういう方法であるかどうかと、こういう判断基準というふうになっているわけでございます。 この判断に当たって、これは、やはり刑事法規というのは個々の行為において適用されるものでありますので、そのまさに行為における、どのような、その一連の行為の過程で行われたのか、周囲の状況どうだったのか、こうした客観的な事情を総合的に勘案をして、社会通念にのっとって判断をされるということでありまして、そこの客観性というものをこの法案において明確に示させていただいているところでございますし、また衆議院の方では、この構成要件の該当性というものを一つ、一部例示をもってお示しをさせていただいているところでございます。 したがいまして、この構成要件該当性というのは、その判断を主観的感情に委ねる、依拠するという、こういうものではございませんで、捜査当局においてこの恣意的な運用、あるいは国民による過度な監視の誘発、政治的メッセージの封殺といったような御懸念は当たらないし、そのような運用があってはならないと思っております。 なお、私人逮捕につきましては、その濫用については刑事的、民事的な責任を問われるものでありますから、その点を付言させていただきたいと思います。
○鬼木誠君 時間が来たので終わりますけれども、やっぱり曖昧ですよ。曖昧極まりない。国民の皆さんが今日の答弁をお聞きになって、分かった、安心したというふうにはとてもなっていないということを改めてお伝えをした上で、質問を終わらさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○牛田茉友君 国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。 質問に入る前に一言申し上げます。私自身、日本の国旗であります日の丸を大切に思っておりますし、国旗を粗末に扱う行為に共感するものではありません。しかし、国旗への敬意というものは、刑罰によってつくり出されるものではなくて、理解と納得の中で育まれていくべきものだと考えております。 その上で、刑罰法規を新たに設けるということは、国家が刑罰権を持って国民の行為を規制するということになりますので、その必要性、保護法益、構成要件の明確性については慎重な検討が求められるものと考えております。 今回、国民民主党、共同提出者として修正、見直し規定を設けることをもって名を連ねることとなりましたけれども、今日は、今回なぜこの立法が必要だったのか、何を保護しようとしているのか、その上で、何が許されて何が許されないのかという基本的な考え方を確認していくという思いで、全て国民民主党に質問させていただきます。 まず、先ほど塩村委員も立法事実について伺っておりましたけれども、本法案の立法事実について私も伺います。 沖縄国体での日の丸焼却事件、靖国神社で参拝客の日の丸を奪って踏み付けた事例などが紹介されておりますけれども、これらの事案は、器物損壊罪、暴行罪、住居侵入罪など既存の法令によって対応されてきたものと理解をしております。 これまでの法体系では対処できず、新たに国旗損壊罪を創設しなければならない具体的な事例とは何なのか。また、自ら所有する国旗を公然と損壊し、国民に著しい不快感や嫌悪感を与えた事例というのはこれまでどの程度確認をされているのか。ほとんど存在しないということでありましたら、あえてこの刑罰法規を創設する必要性をどのように説明されるのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) お答えをさせていただきます。 確かに、今お話がありますように、現行法上でも対処可能な領域がある、このことはおっしゃったとおりであります。例えば器物損壊罪、これでいきますと、自己所有の例えば旗、これを損壊した場合には処罰がされない。また、器物損壊罪の場合には親告罪でありますので、当然その所有者、被害者が告訴をしなければ起訴されないということになります。 しかし、この法案の保護法益が国旗を大切に思う国民感情である以上、例えば、国旗、その所有者がどうであるのか、あるいは被害者からの告訴があったかどうか、こうしたことにかかわることなく、国旗を損壊する行為自体が、その保護法益、こちらを侵害する蓋然性が高いわけでありますので、そのような行為を行った者に対しては処罰の対象となるものであります。 このように、現行法では対処することができない領域があるところでありまして、国旗を大切に思う国民感情、こちらを正面から保護する必要がある以上、本法案、制定する意義があると、このように考えるところであります。 また、自己所有である国旗の損壊の事例につきましては、現行法においてそのような行為を処罰対象としていないため、確かに報道で取り上げられてこなかったということがありまして、そうした意味では、なかなか具体的な事実、これが顕在化をしてこなかった、こうした点があるところであります。 しかし、昨今、SNSなどが加速度的に普及をする、特にグローバル化しているところでありまして、今、日本の国民の皆さん方も海外の様々な事例、例えば海外で日本の国旗を焼かれる、あるいはこれが毀損される、こうした事例が身近に入ってくる、こうした傾向があるところでありまして、そうしたものが様々な国民の皆様方に影響を及ぼす、こうしたことは否定し得ないところでありまして、そうした意味では、国旗を損壊するなどの事例の発生を将来に向けて抑止をする必要があるということも一つの立法事実、いわゆる予防的立法事実であると考え、今回のこの法案の取りまとめに至ったところであります。
○牛田茉友君 予防をする目的で立法されたものというふうには理解はいたしました。 今御説明にありました保護法益について伺っていきたいんですけれども、保護法益、国旗を大切に思う国民感情を保護するものと説明をされております。附則の第二項にも書かれております。 法制局にレクでお伺いしたところ、見かけた人が不快だったかどうかではなくて、一般国民の八割、九割が不快又は嫌悪の情を催すような場合を想定しているという御説明がありました。この国民の八割、九割という基準は具体的にどのような方法で判断するのかなと思うんですけれども、これ世論調査を行うわけでもなくて、客観的な統計が存在するわけでもありませんから、結局は捜査機関であったり裁判所の主観的判断を委ねられることとなって、罪刑法定主義が求める明確性を欠くのではないかという懸念の声がありますけれども、その点はどのように御説明されるのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 本法案の第二条第一項、この罪は国旗を大切に思う国民感情といういわゆる社会的な保護法益、社会的法益を保護法益とするものと、このように考えているところでありまして、ある種の社会的に共有をされる感情を社会的法益として保護をするものとしては、例えば、今、罪刑法定主義のお話がございましたので、類例として、礼拝所に対する一般の宗教的な感情を保護する礼拝所不敬罪、刑法百八十八条であったり、あるいは健全な性秩序、性風俗ないし公衆の性的感情を保護する公然わいせつ罪、刑法百七十四条などが該当するものであります。 また、本法案は人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と国旗を損壊した者を罰するものでありますが、ここに言う人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるという方法とは、一般通常人から見てひどく快くない、あるいは不快である、不愉快を感じさせるような方法をいうところであります。 これに該当するかどうかにつきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、行為者自身あるいはこれを見た者が不快感あるいは嫌悪感を覚えたというものではなく、あくまでも基準としては、一般通常人を基準として、損壊行為がどのような一連の行為の過程で行われたのか、行為の外形であったり、あるいは周囲の状況がどうであったのかなどの客観的な情勢、これらを総合的に勘案をした上で、しかも社会的通念、これによって判断をされることとされておりますので、そうした意味では主観的な判断ということには当てはまらないのではないか、このように考えるところであります。 なお、判断基準となるこの一般通常人につきましては最高裁の判決がございまして、ちょっと御紹介をさせていただきます。 刑法百七十五条のわいせつに該当するかどうかの判断に当たりましては、その判断基準を一般社会において行われている良識、すなわち社会通念と設定をし、ここに言う社会通念とは、個々人の認識の集合又はその平均値ではなく、これを超えた集団意識である、個々人がこれに反する例えば認識を持つことによって否定をされるものではない、このようにされております。 今、レクのお話がございました。八割、九割といえば、いわゆる大多数ということでありますが、そうした意味で説明がなされたものと、このように考えるところでありまして、これを例えば踏まえるといたしますと、本法案につきましても、国民の皆様方個々人の感じ方の集積によりまして人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するか否かの判断がなされるものではないことから、必ずしも、そのように感じればといった数値的な、今統計的なというお話がございましたが、そうした基準で定まるものではないと、このように考えるところであります。
○牛田茉友君 御説明ありがとうございます。 この保護法益について、諸外国との違いについてもお尋ねしていきたいんですけれども、国立国会図書館に依頼して調査していただいた限りですと、諸外国の国旗損壊罪は、国家の権威や国家の象徴に対する敬意あるいは国を侮辱する目的を要件としているものが多くて、国民感情を保護法益として、かつ客観的、外形的な要件のみをもって処罰するという立法例は見当たりませんでした。 今回の法案で、なぜ諸外国とは異なって、国旗を大切に思う国民感情を保護するという保護法益を整理したのか、この保護法益、諸外国の国旗損壊罪と比べましてどのような特徴があると考えているのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 先ほども申し上げていますように、本法案のいわゆる保護法益につきましては、国旗を大切に思う、その国民の皆様方の感情であります。 我が国においては、いわゆる日の丸が長年の慣行により国旗として国民の皆さん方の間に定着しているところでありまして、これを踏まえ、その根拠を明確に規定をするために、平成十一年、国旗及び国歌に関する法律が制定されたところでありまして、これも踏まえ、国旗損壊罪の保護法益は、国旗を大切に思う国民の皆さん方の感情、すなわち社会的法益とすることが適切であると、このように考えたところであります。 今御質問をいただきました諸外国における国旗損壊罪は、いわゆる国家的法益と思われるものを保護法益とするものが多く見られるところでありまして、ただし、これも国によっては様々、それぞれの国の歴史や文化、あるいは国民の皆さん方の感情を踏まえて形成されてきたものであると、このように受け止めているところであります。
○牛田茉友君 ありがとうございます。 今諸外国のお話をしましたけれども、外国国章損壊罪との関係についてもお尋ねしていきたいと思います。 自民党の小林鷹之政務調査会長は、外国の国旗を含めた国章には罰則付きの規定があるのに、日本国旗にはないのは法体系上違和感があるという発言を過去になさっておりました。しかし、この外国国章損壊罪が制定された経緯を振り返りますと、その立法趣旨と本法案は異なるものだと思います。 先ほども塩村委員からも御説明ありましたけれども、外国国章損壊罪、明治二十四年の大津事件を契機として導入されたものでありまして、外国の国旗や国章を侮辱する行為が外交問題や国際紛争を招くことを防止するための規定です。その保護法益は国際関係の安定や外交上の利益であって、外国国旗への敬愛感情を保護するものではありません。一方で、今回のこの保護法益、先ほども御説明ありました、国旗を大切に思う国民感情であるというふうに説明をされております。 両者は保護法益が異なりますので、外国国章損壊罪があるのだから日本国旗についても同等の規定が必要だという説明はこういった立法経緯を踏まえていない議論ではないかというふうな御指摘もあると思いますが、この点をどのように御説明されますでしょうか。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今お話の出ました日本の刑法九十二条、外国国章損壊罪、こちらにつきましては、今のお話のあった明治二十四年の大津事件、これを契機として、明治四十年、制定をされたものでありまして、あくまでもその保護法益は国益、つまり外交上の利益とされているところであります。 こうして考えたときに、日本国の国旗損壊罪が今ない状態でありまして、少なからず、国民の皆さん方にとりまして、国旗を大切に思う国民の皆様方のその気持ちは万国共通であるにもかかわらず、日本におきましては、外国の国民の皆さん方のお気持ちは保護される一方で、日本国の国民の皆さん方の気持ちは保護をされずアンバランスではないか、このような受け止め、これも一つあるところであります。本法案は、そのような状況を解消することも言わば立法目的の一つと言えるのではないかと考えております。
○牛田茉友君 ありがとうございます。 次に、元々の法案にありました第二条第二項についてお伺いいたします。 この後、都合上、旧第二条第二項というふうに表現いたしますけれども、これ刑罰法規は、国民に刑罰を科す以上、その処罰範囲は必要最小限であって、できる限り明確でなければならないというふうに考えます。 その観点から、私は、SNSでのライブ配信が処罰対象となるかという点も含めまして、国立国会図書館に主要国の制度を調査していただきました。その結果、SNSでのライブ配信が国旗損壊罪の対象となるかについては、アメリカ、イタリア、韓国については確認できる情報が見当たりませんでした。イギリス及びカナダにつきましては、国旗損壊罪自体が存在しておらず、この点に関する刑罰規定もありませんでした。資料にありましたフランスにおきまして、国旗の破壊等の行為の記録を流布し又は流布させる行為が処罰対象というふうになっているんですけれども、条文上、破壊等の行為の行為者と、その記録を流布し又は流布させる行為の行為者が同一の人物と想定されているという整理がなされております。 これ、記録の流布行為まで処罰対象に含める場合であっても、対象範囲を一定程度限定したものというふうに読み取ることができるかと思います。もちろん、各国の法制度異なりますので、単純な比較はできませんけれども、できる限り限定的かつ明確にしていくと、刑罰の対象をしていく必要があるのではないかと考えます。 当初案ですね、旧第二条第二項におきまして、国旗を損壊する行為そのものを撮影し、その映像や画像を不特定多数に提供し又は公然と陳列する行為を独立した処罰対象として旧第二条第二項は規定しておりました。これに対しまして、国民民主党は旧第二条第二項の削除を求めて、最終的に修正が実現し共同提出者となったわけですけれども、この旧第二条第二項にどのような点に課題があると考え削除を求めたのか、その削除によって表現の自由との関係でどのような線引きが実現できたと考えているのかを御説明いただきたいと思います。 その上で、修正後の法案では、SNS等でライブ配信をしながら国旗を損壊する行為、第一項の公然によって処罰対象となり得る一方で、損壊行為を録画し、時間を置いて配信する行為については処罰対象外となるというふうに理解をしておるんですけれども、この両者の違いはどのような法理によって説明される、整理されるのか、国民民主党の見解をお伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 与党原案の旧二条二項につきましては、今委員からお話のあったとおりでありまして、事後配信についてかなり詳細な処罰規定、対象、こうしたものが書かれていたところであります。 しかし、憲法第三十一条、罪刑法定主義、明確化の原則であれば、極力罰を伴うものにつきましては明確にしていく必要があるということから、やはり公然と行われたもの、これに極力限定をすべきである、国民の皆様方の感情も当然、公然という場合と時間を経た場合とではかなり差が出てくる、こうした点があるところでありまして、この二条二項を削除を求めたところであります。そうした結果、与党の皆様方あるいは参政党の皆様方も御理解がなされまして、四党の共同提案と、このようになったところであります。 こうした形で、今回はより処罰規定の範囲が限定をされる、しかも、SNSなどこれからどんどん広がってくる、予告配信も多く広がってくる、そうしたネット時代におきまして、そうしたものを対象からこの段階で外せたといったことについては、表現の自由、こうした点について大いに進捗したものと、このように考えておるところであります。 なお、じゃ、リアルと予告配信とどこが違うんだというお話であります。あくまでもリアルの場合には、目の前で公然となされるこの行為というのは、やはり国民の皆様方のそのお気持ち、これを痛める蓋然性というものは非常に高いところでありますし、また、それを録画をして配信をするというのは、あくまでも事後配信、情報を伝達をするという行為でありますので、ここの点については行為が大きく違うものと、このように考えているところであります。
○牛田茉友君 今、公然というお話がありましたけれども、公然の概念について伺っていきたいと思います。 レクで不特定又は多数人が認識し得る状態というのが公然に当たるという御説明がありました。衆議院でもそのような議論が出ていたと承知をしております。その境界線ですね、必ずしも明確ではなくて、公然に該当するか否かを一般の国民が判断するのはなかなか容易ではないと思います。 この国民民主党が共同提出者となった理由の一つに、国会審議を通じまして、条文の解釈や構成要件の外形をできる限り明確にし、国民の皆様に分かりやすく示していく考えもあったというふうに承知をしております。この法律が制定された後、国民の皆さんがどのような場合に処罰の対象となり、どのような場合は対象とならないのかを理解できるようにするためにも、可能な限り具体的な事例に即して整理しておくことが重要であると考えます。 この後幾つか具体的な事例を挙げながら、公然に該当するかどうか確認をさせていただきたいと思うんですけれども、まずこの具体例に入る前に基礎的な点を確認させていただきたいんですが。 この不特定又は多数人とされておりますけれども、この不特定とはどのような状態を指すのか、多数人とはおおむねどの程度の人数を想定しているのか、提案者のお考えをお伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 公然の定義について御質問をいただいたところであります。 公然についての様々な判例、こちらにつきましては、先ほども幾つか引用いたしましたが、刑法百七十四条の公然わいせつ罪であったり、あるいは刑法百七十五条、わいせつ物頒布罪、あるいは礼拝所不敬罪、百八十八条の第一項に用いられておりまして、これらの判例を少し御紹介をさせていただきます。 判例では、不特定とはどのような状況を指すものなのか、あるいは多数人とはどの程度の人数か明示したもの、こうしたものがぴたっとしたものはまだないところではあるわけでありますが、まず、公然性が肯定をされた裁判例としては、夜間一定の部屋を密閉をし、不特定多数の人を勧誘した結果、集まった数が数十名のお客の前でわいせつ行為をした事実が、また逆に公然性が否定をされた裁判例としては、わいせつ行為を見た者が被告人の知人及びそのマージャン仲間ということで四名であった事実がございます。
○牛田茉友君 なので、今のところその具体的な数字はないというところかなと思いますけれども、具体的な事例について確認をさせていただきたいと思います。 私有地で行われた場合について伺っていきます。 例えば、自らが所有する開けた私有地において自らが所有する国旗を損壊する行為が行われ、その場所は公道から見ることができ、そして公道を通行している人がその様子を認識できる状態にあったといたします。このような場合は、公然に当たり、本法案の処罰対象となり得るという理解でよろしいのか。この場合に、公然と判断する上でどのような点が判断要素となるのか、併せてお伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今御質問の、例えば私有地であったとしても通行人から容易に見られるような状況である、あるいは殊更外部の目を引くようなそうした方法で国旗を損壊した場合には、公然性、こちらの要件を満たす可能性が当然ございます。 また、公然と行われた否かを判断をするに当たりましては、先ほどもお答えをいたしましたように、不特定又は多数の人が認識をし得る状況にあったのかどうか、これを行為の場所、外形ですね、あるいはその周囲の状況その他の状況を客観的に判断をして行うものと、このように考えるところであります。
○牛田茉友君 では、一方で、会員制の集会についても伺っていきたいんですけれども、事前に会員登録をした人だけが参加できる会員制の集会におきまして自ら所有する国旗を損壊する行為が行われた場合、この行為は公然に当たるのか、参加者が限定されている以上、公然には当たらないという整理になるのか、そこもお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今の点につきましては、衆議院の内閣委員会のときでも、実は具体的な事例の一つとして、会員制というだけではなくて、ネット上で、ある会員の皆さん方に配信をリアルで行うと、こうした場合の事例として出されたところでありまして、あくまでもそれが少人数でなされ、しかも会員制ということですから特定であると。しかし、こうした場合であったとしても、多くの皆様方が知り得る、そうした環境にあり、こうした認識ができる状態であるかどうか、そこが公然性の要件を満たすかどうかの大きな判断、メルクマールとなるところであります。
○牛田茉友君 なので、その公然性、ネット上でリアル配信をしていることも含めまして、その公然の概念に当たるのであれば対象となるという理解かと思います。 次に、参加者の属性について伺っていきたいんですけれども、例えば、特定の政治思想や主張を共有する方だけを対象として参加者を募って、その限られた参加者だけが集まる集会におきまして自ら所有する国旗を損壊する行為が行われた場合に、この行為は公然に当たるのか、これ会員制の集会との違いはあるのか、お伺いできればと思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今の点につきましても、やはり、基準となる公然の場合については、不特定又は多数ということが認識をできる状況でなされているのかどうか、そこが会員制の集会の場合と同じ公然性の要件を満たす可能性もあるということになります。 ただ、公然と行われたか否かをする判断に当たりましては、先ほどからお答えをさせていただいていますように、不特定又は多数の人が認識をすることの状態であったのかどうか、ここがメルクマールになるところでありまして、繰り返しとなりますが、行為が行われた、つまり行為の蓋然性であったり、その置かれた状況、客観的な周囲の状況、これらを総合的に判断をした上でなされるものと、このように考えております。
○牛田茉友君 ありがとうございます。 では次に、損壊行為そのものではなくて、損壊した後の国旗を掲示した場合についてお伺いしたいと思います。 例えば、誰にも見られない室内で自ら所有する国旗を切り裂いたりとかぼろぼろにしたりするなどしてその損壊行為を完了させたとします。その後、その損壊された国旗を持って屋外に出て、不特定又は多数人の人が見える場所で掲げた場合、この行為は本法案の処罰対象となるのかどうか。本法案で公然と損壊する行為そのものを対象としていることから、この損壊行為自体が人前で行われていない以上、処罰対象にはならないという整理になるのか、どのような形なのか、提案者の御見解をお伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今の御質問の場合には、既に損壊をされた国旗、これを例えば掲示をするということになりますので、当然公然性でないと。つまり、国旗を損壊をする行為が公然となされたのかどうか、ここがメルクマールになるところでありますので、これらにつきましてはそもそも構成要件に該当をしないということで、処罰対象外となるところであります。
○牛田茉友君 ありがとうございます。 最後に、この具体的な事例について、少し角度を変えた事例についてお伺いいたします。 提案者からは、SNSでのライブ配信についても公然に当たり得るというふうに御説明がありました。例えば、演劇の中で演出の一場面として国旗を損壊する場面があって、その演劇自体をSNSでライブ配信をした場合は本法案の処罰対象となり得るのかどうか。その演劇が特定の政治的思想や主張を表現する目的で行われている場合と、政治的な意図はなく芸術作品として上演されている場合とでは、この公然や構成要件該当性の判断に違いは生じるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) まず、公然性、ここにつきましては、先ほども少し触れたところでありますが、物理的、リアルに行われたものであるのか、あるいはネット空間であるのか、ここの点については問わないところとなります。そして、不特定又は多数、ここが要件としてかぶってくるところであります。 それでは、今お話のありました演劇の場合ということでありますが、まず大前提として、憲法二十一条、表現の自由、これについては最大限尊重をされるべきと我々も考えるところでありまして、その中でも特に芸術性の点あるいは政治的な点につきましては配慮がなされるものと、このように考えるところであります。 しかし、その行為自体が公然となされ、また多くの皆様方が見る、あるいは一般的、社会通念的に見てもやはりこれは非常に著しく不快であると、そうした場合には構成要件に該当することがないとは言えないところでありますが、それぞれにつきましては、個別の事例につきまして、違法性の阻却事由、その判断、有無、ここに関わってくるということになりますので、個別の事案の判断ということになります。
○牛田茉友君 個別の判断ということで理解をいたしました。 一つ前の質問に関連して、最後に改めて保護法益について伺っていきたいんですけれども、様々な事例確認してまいりましたけれども、改めて整理しますと、本法案で処罰対象となりますのは公然と国旗を損壊する行為そのものであります。 一方で、先ほど確認させていただいたように、誰にも見られない室内で国旗を切り裂いたり燃やしたりして損壊した後、その損壊された国旗を不特定多数の人が見える場所に掲げたとしても、その行為自体は本法案の処罰対象にはならないという整理だったと思います。 私自身、そのような切り裂かれた国旗、燃えて一部が失われた国旗を公然と掲げられることを見ましたら不快に感じますし、国旗を大切に思う多くの国民も同様ではないかなというふうに思うんですけれども、この本法案が保護しようとしているものがこの国旗を大切に思う国民感情であるとするならば、そのような行為も国民感情を害する行為ではないかというふうに考えることもできますけれども、ここをどのように整理しているのか、お伺いいたします。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今回の答弁、今累次させていただいたところでありますが、あくまでも公然であるというのが大原則。例えば、先ほども答弁させていただいたように、事前に損壊をしたものを逆に公然と掲げると、こうしたものはまず対象外としているということ。 あるいは、リアルなもの以外、予告配信であるとか、例えば一時間後あるいは二時間後、予告配信をしたもの、こうしたものについても最大限、こちらは表現の自由、こうした点に配慮をして、これらを対象外とさせていただいているところであります。 しかし、今委員の方からお話がありましたように、あくまでも保護法益は国民の皆様方が国旗を大切と思うそのお気持ち、ここがどうなのかということでありますので、委員からは、じゃ、事前に損壊をしたもの、これを例えば陳列をする場合については、いや、不愉快に思うよね、こうしたお話、恐らくそうしたことを思う方も多くおられるのではないか、このように思うところであります。 しかし、憲法二十一条、表現の自由は非常に重いもの、特に芸術性あるいは政治的な行為、これは非常に配慮をしなければならない、こうしたことから今ある法体系になっているところであります。 ただし、今おっしゃるようなお気持ちを持っている方も多々おられるのではないかということで、附則の第二項、ここの中に実は見直し規定、今後三年という、こちらを設けさせていただいているところでありまして、この中では、今おっしゃられた点につきましても、それが非常に多発をし、多くの国民の皆さん方が、あれはまずいんではないか、そうした御意見がたくさん例えば寄せられる、あるいは審議の中でいろいろ出てくる……
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 失礼しました。 そうした場合については当然見直しということもあり得るのではないか、このように思うところであります。 失礼いたしました。
○牛田茉友君 ありがとうございました。 質問を終わります。
○委員長(北村経夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国旗の損壊等の処罰に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。 私も国旗を大切に思っている一人であります。私、幼い頃、やはり我が家にも国旗がありまして、大切にしまっておりました。休日、祝日になるとそれを玄関に掲げた記憶もあります。また、幼い頃、皇室をお迎えするときに、国旗を作って、それを自分で作って、それを振ったのを覚えているんですね。このように、国旗に対する愛着、大切に思う気持ちというのは何も国家の力によって強制的に進めていくものではない、私はそのように思います。人それぞれ、どのような信条があるか、それは自由です、内心の自由。国旗に対する愛着は自然と私は育まれていくべきものだと思っています。 今回、この国旗について処罰を設けるという、こういう法案ですね。処罰というのは、人の自由を奪う、国家権力として一番強い権力行使ですね。あえてそこに踏み込んでいかれたのはなぜかということを伺いたいと思っていますけれども、本来であればこれは内閣が、重い法案ですから、責任を持って起草をして、法制審議会しっかり時間を掛けて、国民の皆様の合意を得て、それこそ大多数の、ほぼ八割というお話されましたね、本来であればそのような形で提出をしてしっかりやるべきものだと思うんですね。 ところが、今回、議員立法でこれを出してこられた。なぜ議員立法なんですか。
○衆議院議員(松野博一君) 窪田先生にお答えをさせていただきたいと思います。 国旗損壊罪の創設は、国旗を大切に思う国民感情を保護するためのものであり、様々な御意見があり得ることも踏まえ、政府から提案をするよりも、国民の意思を代表する立法府において案が作成されることがより適切と考えたものであります。
○窪田哲也君 より適切ということで出してこられているんでしょうね。 ところが、この議員立法で出てきた法案ですけれども、提案者がそろっていない、いらっしゃらない中で衆議院で可決をして、今、本院に送られてきている。私は、これは参院軽視も甚だしいと思っています。 なぜそういう状況になっているのか、また、こういうふうな形で、言うならば片肺飛行、このような状況で参議院に送られてきている、どう受け止めていらっしゃいますか。
○衆議院議員(松野博一君) お答えをいたします。 提案者といたしましては、これまで本法案の趣旨や内容について丁寧な説明に努めてきたところでありますが、参議院における審議の中でもしっかりと説明をさせていただきたいと考えております。
○窪田哲也君 いや、だから、私が聞いたのは、衆議院で提案者がいない中で可決をされて、今ここに来ている、そのことについてどう思うのかということをお伺いしました。
○衆議院議員(松野博一君) お答えをさせていただきます。 私たちの思いとしては今申し上げたとおりでございますが、院の運びに関しましては、議運を始め国会の御判断に従って進めてきたということでございます。
○窪田哲也君 議員立法ですから、そろって、院の運びということじゃなくて、そのような状況で可決をされた、このこと自体はどのように考えていらっしゃいますかという、提案者としてどう思いますかということを聞いているんです。
○衆議院議員(松野博一君) 提案者としてはというお尋ねでございますが、私たちとしては、先月二十六日に衆議院の内閣委員会において本法案について採決が行われ、可決をしていただきました。提出者としては、本会議において採決をいただき、衆議院としての結論をいただいたということでございまして、参議院においても慎重に御審議の上、速やかに御可決をいただけるようお願いをするところであります。
○窪田哲也君 そのような中で可決をされてきているということについてどう思うかということを聞いたんですけれども、まあこれは一種の考え方の違いなんだろうし、国対の運びということであればそういうことなんでしょうけれども。異常な状態でこの国旗に対する、国旗をどう扱うか、日本人にとって大事なことですよ。その法案、議員提案でやったのに提案の皆様がそろっていない、そういう状況で送ってきて、はい、議論しろという。提案者、ほかの党の提案者にも伺いたいところですけれども、まあこれは衆議院の御意思ということで受け止めたいと思いますけれども。 今回、今、国民生活が非常に物価高でとても厳しい。しかも、これに加えて円安、住宅ローン、奨学金の返済、さらに中小企業の借入れ、いろんな問題が山積みしていますよ、今、日本中には。なぜこれ急いでいるんですか。
○衆議院議員(松野博一君) 窪田先生から御指摘をいただいたとおり、国内外に様々な問題、重要課題があることは、もう私ども認識をしているところであります。同時に、今回、議員立法として提出をさせていただきましたこの国旗損壊に関する法律案も、その保護法益からしても、私たちにとっても国民の皆様にとっても極めて重要な法案だというふうに認識をしておりますので、これは他の重要分野における御審議と並行してできるだけ速やかに進めていきたいというところでございます。
○窪田哲也君 これは国旗を扱う、お言葉を借りれば重要な法案だからこそ、しっかり国民の皆様の御納得をいただくことが大事だと思っているんですね。大慌てで、自民党のPTが初めて開かれた三月三十一日、結論が出たのが六月一日でしたね。僅か二か月ですよ。二か月で国の非常に重要な心に関わる、そういうところに踏み込む法律を作られた。これは、余りにも私は、逆に国旗を軽々しく扱っているのではないかということを疑問を持ちます。 そしてもう一つ、今SNSで様々な議論が起きておりますし、やられていますけれども、例えば限界事例を試すような、そういう動きも今起きています。これまではそういうことはなかったんですよ、日本の社会の中で。国旗をそのように痛め付けたりとか汚したりとか、そういうことほとんど、四件ですか、なかった。なかったのに、今この法案が出てきた途端にそういう、言わば限界事例を試すような、そういう動きが今起きているんです。これは、私は逆にこの法案を提案した罪だと思いますよ。むしろ、そのような動きを、今この法案を提出した、提案した、審議をしていることによって、日本の国民の間にそういう動きが起きてきている。これは私はとても悲しくて、寂しくて、国旗を大切に思っている一人としてとても悔しい。こんなことあっちゃならない、そのように私は思っております。 これまで国旗をそのように損壊する事例はどれぐらいあったんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 国旗を損壊する事例に関しては、例えば昭和六十二年、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火を付けて掲げた後、その場に投げ捨て半分ほど焼失された事例、平成三年に大学生四人が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、平成八年に旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を焼いた事例、平成二十年に神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏み付けた上、さおを折った事例などを確認しております。 これらはいずれも報道されて事実関係が明らかになった事例であったということで確認をできたものでございまして、報道等でされていない事例についてはその他にもあるのではないかと推察されます。
○窪田哲也君 じゃ、そのことによって我が国にどのような混乱が起きたのですか。法律を作ってそういう動きを止めないとならないような社会的な混乱、事態、どのような事態が起きたんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 本法案につきましては、国旗を大切に思う国民感情を保護法益とするものであり、社会の秩序維持といったものを保護法益とするものとしては考えておりません。そのため、国旗の損壊によって社会が混乱するような事態が起きること、そのことを前提としているわけではありません。
○窪田哲也君 社会的に特にそういう困った事態は起きていないという認識を私は持ちました。たとえこの法律がなくても、社会は平穏にできていたわけですよね、そういうことですよね。それが逆に、今この法案を提出したことによって、ネット上、様々な動きが起きています。逆効果、あるいはそういう国旗に対する、言ってみれば汚したり損壊したり、そういう事例を今回の法案が呼び起こした、こういうふうに私は捉えています。立法事実はないんだというふうに思います。 何が立法事実なんですか。そして、将来に向けてということを衆議院でも答弁をされましたけれども、この予防的立法事実、将来に向けたですね、そういう刑罰を含む法律がこれまで制定をされてきた例はあるんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 本法律案につきましては、先ほどお答えしたとおり、国旗の損壊事例が生じていることに加えまして、SNS等が加速度的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊などする行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところとなり、様々な形で影響を与えることは否定できないことから、このような事情を踏まえつつ、国旗を損壊などする事案の発生を将来に向かって抑止する必要があるということを立法事実の一つであると考えております。 その上で、刑罰法規は一般的に法益が害されることを予防するために立法するものでありますから、実際の発生件数の多寡にかかわらず、将来発生する事案の予防のための必要性を踏まえた上で立法されているものでございます。 なお、現在国会で審議されているヒトゲノム編集胚の取扱いの規制に関する法律案やヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律の罰則規定も、将来的な事案の発生を予防するとの考え方に基づいているものと理解しております。
○窪田哲也君 じゃ、将来、日本国旗が損壊されることがたくさん日本中で起きるという、そういう蓋然性はあるんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 繰り返しでございますけれど、SNS等が加速度的に普及し、グローバル化が進展する中で、国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊などする行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知るところになり、様々な形で影響を与えることは否定できないと考えております。 したがって、このような事情も踏まえると、多発するなどの統計的な予測が可能なわけではないものの、国旗を大切に思う国民感情を保護するために、国旗を損壊などする事案の発生を将来に向かって抑止する必要があると考えております。
○窪田哲也君 我が国の国民はそれほど愚かなんですか。国旗を大切にする国民感情、これはみんな持っていると思うんですよ。海外からそのようなSNSがどんどん流れてくる、それによって、じゃあ、私も国旗を損壊しようかなという、そういう人がたくさん出てくるかもしれないという、だからこの立法が必要なんだという理屈ですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 国内にとどまらず海外でも生じている国旗を損壊などする行為がリアルタイムあるいはそれに近い形で我が国の人々が知ることになり、様々な形で影響を与える、そういう可能性があると考えています。
○窪田哲也君 これは、可能性、可能性とおっしゃいましたよ。可能性だけで立法して、しかも処罰をつくる、このようなことがあっていいんですか。このようなことがあっていいんですか、我が国として。可能性がある。可能性をどう証明するんですか。分からないじゃないですか。 私は、日本国民はそのような愚かな国民ではないと思いますよ。影響を受ける人がいるかもしれない。だけれども、国旗大切にしようというのは刑罰をもってやるものではないのではないかと。家庭教育とか社会環境とか仲間とか、そうしたところで育んでいく。郷土を思う心、家族を大切にする、国を大切に思う、そうしたことはそのような処罰をもって推し進めていくことではないと、そして、思っておりますので、なかなか納得できませんけれども。 次、一般論として、刑罰の在り方について伺いたいと思いますけれども、刑罰をつくってやるというのは、一般論として、なぜこれ必要なんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 特定の法益を守るために刑罰を持つというのが一般的でございます。
○窪田哲也君 じゃ、この刑罰を今回設けるわけです。設けるわけですけれども、国旗損壊が将来たくさん起きかねない、だから刑罰をもってこれを防止をするという、こういうことでよろしいと、こういう考え方だと思うんですけれども。 じゃ、これまでの検討の中で、刑罰以外に、刑罰というのはやはり国家の最終手段だと私は思うんですよ。もうどうしても刑罰を設けなければ社会が混乱をする、成り立たない、守ることができない、そうしたときに最終手段として、国の強い権力ですから、設ける、これが刑罰だと私は思っておりますけれども、そこに今回踏み込んでいくわけですから、刑罰以外で、この国旗の損壊がもし今、日本中で起きて、あるいは将来にわたってこれを防止しなければならないとなった場合に、ほかの方法は検討されたんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 国旗の意義などを教育を通じて教えていくべきではないか、罰則はなくてもよいのではないかといった議論はあったものの、損壊行為によって国民の国旗を大切に思う感情が害されることを防ぐためには、罰則によって担保することが適切と考えたものであります。
○窪田哲也君 いやいやいや、私が伺ったのは、刑罰でなくても国旗損壊を将来にわたって防止をしていく方法はゼロだったんですか、そういうものは議論されたのですかということを聞いているんですよ。
○衆議院議員(藤原崇君) 現行法の器物損壊罪等でも対応ができるのではないかという議論もございましたけれど、自己所有の国旗等について含めると現行法では対処できない領域があり、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護する必要がある以上、本法案を制定する意義があるということで考えております。
○窪田哲也君 もう一度伺います。大切な国旗、これを損壊する行為を将来にわたって防止していかなければならない、そういうことですよね。であれば、刑罰をもってしなくてもほかに方法があるかなということを議論、検討されたのですかということを伺っているんです。
○衆議院議員(藤原崇君) 国旗の意義などを教育を通じて教えていくべきではないか、罰則はなくてよいのではないかといった議論はあったものの、最終的に、損壊行為によって国民の国旗を大切に思う感情が害されることを防ぐためには罰則によって担保することが適切と考えたものであります。
○窪田哲也君 これは人の内心の自由、そういうところに踏み込んでいく法案ですから、やはり様々な角度から議論、検討をしてやっていくべきだと思うんですね。処罰でないとこれを防ぐことができないというのはちょっと違うんじゃないかなというふうに思います。 今の、現代の刑法は、二つまとめて伺いますけれども、罪刑法定主義について伺いたいということと、もう一つは、この刑法は、法益の明確化、限定化という流れに今あるというふうに私は理解をしていますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(藤原崇君) まず、第一点目、罪刑法定主義についてですが、罪刑法定主義とは、いかなる行為が犯罪となり、これにどのような刑罰が科されるかにつきましては、あらかじめ国会が制定する法律によって定められていなければならないとする原則であります。 そして、もう一点目、今は法益の明確化、限定化の流れにあるのではないかという御指摘でございます。 一般論として、刑罰法規をもって保護すべき法益については、刑法の謙抑性の観点から明確に、また限定的なものとすべきとされているということは承知をしております。他方で、近年の刑事立法につきましては、社会の変化に対応して、その法益侵害性がいまだ明らかではない行為を広く刑罰により抑止しようとする方向に動いており、いわゆる危険犯処罰の増加がその特色となっているとの指摘もなされているものと承知しています。 したがって、一概に御指摘のとおりとも言い難い面もあるのではないかなというふうに考えております。
○窪田哲也君 もし分かったら教えていただきたいんですけれども、この刑罰、私、限定化の流れだと思っているんですけれども、そうでもないというお答えでしたけれども、実際に、今、状況、刑罰は限定化でないということでよろしいんですか、増えているということなんですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 処罰の早期化の具体例としては、いわゆる支払用カード電磁的記録不正作出等について、未遂罪等あるいは電磁的記録不正作出準備、いわゆる準備行為についても対象となっております。あるいは、不正アクセス行為の禁止等に関する法律におきましては、何人も不正アクセス行為の用に供する目的でアクセス制御機能に係る他人の識別符合を取得してはならないというふうに規定をされておりまして、いわゆるアクセス行為の準備段階についても、これは処罰の早期化として捉えられている事例として認識をしております。
○窪田哲也君 やはりそのような予備的なことだと思うんですけれど、それは当然でありまして、防がなきゃならないですからね、それは当然だと思います。 先ほどの罪刑法定主義ですけれども、やはり何をしたら罰せられるのか、限定化ともう一つ、明確化ということを私伺ったんですけれども、やはり明確でなきゃならないと思うんですよ。すぐに分かる、何をしたらよくて何をしたら駄目で、何をしたら検挙されるのかということは、これは分かっていなきゃ生活できないし、軽々しく国旗を扱えないですよ。 ですので、やはりこれは明確に、これから運用ですか、作るというふうに伺いましたけれども、そういうところで定めていくんでしょうけれども、やはり明確に限定をして線引きをしていくことはとても重要なことだと私は思っているんですけれども。 ちょっと分かりにくいのが、この国旗損壊のライブ配信は処罰対象だけれども事後配信は処罰対象外と、これがよく分からないんですけれども、どういうことですか。
○衆議院議員(藤原崇君) 与党の原案では、当初は、自ら国旗を損壊などしている状況を撮影した動画を事後的に配信する行為を処罰する規定が置かれておりました。もとより、与党原案のままでも十分に表現の自由との関係について配慮されたものではありましたけれど、多くの会派からの御賛同を得るという観点から、その処罰対象を、国旗を大切に思う国民感情を害する蓋然性が最も高い行為である、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊などする行為に限定した上で、本法案を四会派で共同提出するに至ったものでございます。
○窪田哲也君 これは、事後配信でも同じように不快に思って感情を害する人はたくさんいらっしゃると思うんですよ。 そしてもう一つが、バツ印を付けた国旗、これを演説会場に持ち込んで振る行為、これは処罰対象外なんですよね。この意味もよく分からないんですよ。教えていただけますか。
○衆議院議員(藤原崇君) 本法案は、公然と国旗を損壊などする行為を処罰対象としております。これは、国旗を損壊などして、その状況を人に見せる行為が保護法益である国旗を大切に思う国民感情を侵害する蓋然性が最も高いと考えたからでございます。 したがって、御指摘のとおり、あらかじめ日章旗にバツを書いた上で、それを演説会場に持ち込んで振る行為については処罰対象とならないというふうになっております。
○窪田哲也君 これ、一つ一つやっていったらもうよく、何がよくて何が悪いのかというようなことが分からなくなる。極めて不明確な、限界が分からない。これ、限界試す、そういう人もたくさん出てくると思いますよ、何がいいんだろうと。 午前中の議論で、新しい新品の靴で国旗を踏む行為、これについては処罰対象にならないというふうに伺いましたけど、それでよろしいですか。ごめんなさい、これ通告にしていないですけど。
○衆議院議員(藤原崇君) 通告にない中でございますけれど、犯罪の成否については一般通常人から見て著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するかどうかというところで判断をするわけですので、靴が新品かどうかという一事だけで物事が決まるわけではなくて、様々な事情を総合考慮して判断をすることになるわけですが、そういう中で、一般的に、新品の靴ということは、これは犯罪の成立を否定する方向に行く要素だというふうに考えています。
○窪田哲也君 ごめんなさい、ちょっとよく分かんないですけど、これ、一回しか履いていなくて全く汚れていない靴、ほぼ新品、ほぼ新品、これは該当するんでしょうか。
○衆議院議員(藤原崇君) 済みません。犯罪の成否というふうに今お聞きをしましたけれど、汚損という行為の該当性のという御質問でございましたら、汚損という観点では、新品の靴で全くきれいであってやれば汚損という概念には当たらないということです。 先ほどお話をしたのは、犯罪が成立するかどうかという観点でございましたので、少しああいうお答えをさせていただきましたが、汚損をするかどうかについては、新品の靴であれば汚損という概念には当たらないということです。
○窪田哲也君 まあよく分かんないですけど。 一つだけ、もう時間もありませんので伺いたいと思います。 午前中、鬼木議員が、提案者、衆議院での議論でございましたけれども、これによって愛国心が醸成をされていく、法案によって、それが、そのような答弁をされているんです、提案者が。これは、もちろん聞いた方は一議員としてということですけれども、提案者ですから、一議員ですけれども。これは、愛国心を強要する、こういうことになるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(藤原崇君) 衆議院内閣委員会において、西田委員からの御質問に対し、御指摘の答弁をしたことは事実でございます。それにつきましては、政治家として御答弁をいただければとの西田委員の御発言を踏まえ答弁をしたものだというふうに考えております。 その上で、本法案の考え方を申し上げれば、本法案二条の罰則は、あくまで国旗の損壊などとして外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものであり、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想や信条を処罰するものではございませんし、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものではないことはこれまでも答弁してきたとおりであります。
○窪田哲也君 済みません、もう時間来ていますけれども。 となると、今日答弁者来られていますけれども、あの答弁は間違いだった、撤回するということですか。
○衆議院議員(阿部圭史君) お答えいたします。 提案者としては、国旗に対する受け止めは、最終的には個々人の内心に関わる事項でございまして、この法案は個人の内心に立ち入って特定の思想、良心や行動を強いるものではないことは改めて申し上げる次第でございます。 その上で、六月二十六日の衆議院内閣委員会では、政治家として御答弁いただければという御質問をいただきましたので、あくまでも私自身の政治信条として、国民が自国についての帰属意識、一体感等を抱くことによりまして、国民の気持ちの上での結合、統合の役割を果たすという国旗の意義がますます向上し、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていく、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかというふうに考えておりますと答弁したところでございます。 あくまでも私自身の政治信条として、できるだけ多くの国民の皆様に、国旗についての理解を深め、国旗を大切に取り扱うよう努めていただきたいということと、自国の歴史や文化について正しい知識を持ち、自国に自信と誇りを持つことは大切なことではないかということを申し上げたということでございます。
○窪田哲也君 もう時間ありませんので。 これは、じゃ、撤回されないということで。されるのかされないのか。
○衆議院議員(阿部圭史君) 改めて、提案者としての説明と政治家としての個人的な信条の区別が分かりにくかったということでございましたら、改めて明確に申し上げますが、提案者としては、国旗に対する受け止めは、最終的には個々人の内心に関わる事項でございまして、この法案は個人の内心に立ち入って特定の思想、良心や行動を強いるものではないということを改めて申し上げたいと思います。
○窪田哲也君 時間になりましたのでこれで終わりますけれども、また続けてやりたいと思います。 済みません、ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。 本日は、国旗の損壊等の処罰に関する法律案について順次伺っていきたいと思います。 私自身も国旗を大切に思う一人でございます。 まず冒頭、皆様にお伺いをしたいと思います。 小学校一年生の音楽の授業などで親しんだであろう「日のまる」という歌を覚えていらっしゃいますでしょうか。一番の歌詞は、白地に赤く日の丸染めて、ああ美しい、日本の旗はという歌でございます。日本の国旗を題材にした名曲で、小学校学習指導要領におきまして、音楽の教科書に載っている共通教材として歌われてきたものでございます。 共通教材として、そのほかには「うみ」や「ひらいたひらいた」、「かたつむり」がございます。いずれも、小さな子でも歌いやすい、とてもシンプルで美しい楽曲だと思います。そのうちの一つがこのまさに「日のまる」でございます。 この「日のまる」の歌は、高野辰之氏作曲、岡野貞一氏作曲のお二人のコンビで作られておりまして、有名な文部省唱歌、例えば「ふるさと」、「春がきた」、「もみじ」など、お二人はそのほかにも多くのこの文部省唱歌を生み出していらっしゃいます。日本のすばらしい四季折々の風景や日本人の心を歌った名曲でございます。 聖徳太子の時代から日出る国として歩んできた歴史の中で、この日の丸のデザインは、日本という国号、日の本そのものを象徴する旗として、我が国には自然な形で定着してまいりました。そのような中で、この日の丸を公然と損壊する行為は、単なる物の破壊にとどまらず、多くの国民が共有する国旗を大切に思う国民感情、この感情を著しく傷つけるものだと言わざるを得ないと私自身は思っております。そういったことで、この感情を法的に保護することの重要性そのものについては、私も深く共感するものでございます。 現在でも、この文部省唱歌「日のまる」は、小学校学習指導要領におきまして小学校の一年生の音楽の共通教材として位置付けられ、全国の小学校で歌唱指導が行われていると承知をしております。 本日、文科省にお越しいただいておりまして、お伺いをしたいと思います。 この「日のまる」という楽曲が我が国の学校教育においてどのような形で今まで扱われてきたのか、この点について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(梶山正司君) お答え申し上げます。 子供たちが世界の中の日本人という自覚を持ち、国家及び社会の形成者として必要な資質を養う上で、国旗の意義を理解し、これを尊重する態度を養うことは重要です。その上で、小学校の音楽科では、学習指導要領において、歌唱の指導に当たって取り扱う曲について、児童の発達段階を踏まえ、我が国や郷土の音楽に愛着が持てるよう共通教材を示しております。 御指摘の「日のまる」については、初めて学習指導要領が告示された昭和三十三年から現行の平成二十九年告示に至るまで継続して小学校第一学年の歌唱の共通教材として位置付けているところであり、教科書においても掲載されております。
○高木かおり君 まさに、この子供たちの時代を通じて長きにわたって国民に受け入れられ、歌い続けられてきたという事実は、まさに国旗が国民に根付いてきたことのあかしであると私自身受け止めております。このこと自体が国旗を大切に思う国民感情を法的に保護する必要性があるものだと言えるのではないでしょうか。 以下、法案提出者に順次お伺いをしてまいりたいと思います。午前中から質疑が重なるところがあるかとは思いますけれども、御容赦を願いたく存じます。 まず、本質的な意義について。諸外国では、この自国の国旗を保護する法制が既に整えられている国も少なくない一方で、我が国では、外国の国旗を損壊する行為は刑法の外国国章損壊罪により処罰されるにもかかわらず、自国の国旗については器物損壊罪等により限定的な保護にとどまってまいりました。こうした法制度の不均衡をまさに今是正する必要性と本法案の根底にある本質的な意義について、改めて御見解をお聞かせください。
○衆議院議員(黒田征樹君) お答えいたします。 法案の根底にある本質ということでありますけれども、国旗を尊ぶ心は万国共通の価値観であり、外国国旗であれ日本国旗であれ、損壊等のやり方によっては国旗を大切に思う国民感情や尊厳を害することになるというふうに考えております。 そもそも国旗は国家の象徴として大切に扱われているものではありますが、我が国では、G7諸国の中で唯一、外国国旗の損壊は処罰の対象になるのに自国国旗の損壊については処罰をする規定がないということで、このため、少なからぬ国民にとって、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されずアンバランスであるという受け止められる状況にあります。 この点に関しまして、日本国旗の損壊等の事案については器物損壊罪等によって対処可能ではないかとの御指摘がありますけれども、自己所有の国旗を損壊したところで処罰されるわけではなく、また親告罪でもありますので、被害者からの告訴がなければ起訴がされないということになります。 しかし、本法案における保護法益が国旗を大切に思う国民感情である以上、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにはかかわらず、国旗を損壊する等する行為自体がその保護法益を侵害する蓋然性が高いわけでありますので、そのような行為を行った者は処罰対象となってしかるべきであるというふうに考えております。 このようなことを踏まえまして、国旗を大切に思う国民感情を正面から保護して、現行法では対処できない領域をカバーするために国旗損壊罪を制定する意義があるというふうに考えております。
○高木かおり君 まさに今御答弁いただきましたとおり、その外国国章損壊罪との比較において、自国のこの国旗については、これまで器物損壊罪等による限定的な保護にとどまってきたという法制度のまさにこの不均衡を、それをしっかり是正をする必要性について丁寧に今御答弁をいただいたかと思います。 この意義を踏まえまして、次に問題となりますのが、その是正を図る手法の選択だと思います。元々自民党案では刑法改正という案もあったと承知をしておりますけれども、本法案は、刑法改正ではなく単独の特別法として、この国旗の損壊等の処罰に関する法律案という形式を取ったということでございます。 衆議院の審議におきましては、本法案第二条第二項の総合的勘案の規定ですとか第三条の適用上の注意といった慎重な限定規定を既存の刑法典に直接盛り込むということは法技術的に困難であると、こういった答弁があったかと承知しておりますけれども、あえて別法という、こういった形式を選択した法理的、実務的な理由について、改めて詳しく御説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 今委員の御承知のとおり、衆議院の委員会質疑においては、本法案が国旗の定義を定める規定を設けるとともに、構成要件該当性の判断は客観的事情を総合的に勘案して行う旨のその二条二項の規定、そして、本法の適用に当たっては表現の自由等を不当に侵害しないように留意する旨の三条の規定を設けておりまして、このような規定は刑法になじむものとは言えないという、そういう答弁をさせていただいたところであります。 これらの規定は、本法案の立案に至るまでの議論の経緯や立法の内容を踏まえた本法案特有のものでありまして、国旗の定義については、刑法に定める外国国章損壊罪では定義を設けることなく国旗の文言が用いられていることとのバランスをどのように考えるのかという問題がある。 二条二項の規定については、このように構成要件該当性判断の方法を規定する刑法の罪というものはないということで、三条の規定については、このような規定を含む条項を刑法に定めた場合、ほかの刑法の罪の適用に当たっては表現の自由等に対する留意は不要となるのかといった誤解を招く余地があるということ、そういう理由から、刑法になじむものとは言えないという、そういう答弁をさせていただいたところであります。
○高木かおり君 今まさに、なかなか刑法になじまないということで特別法という形式を取ったということでございました。この条文設計により、柔軟性を持たせることができたという点かと思います。 そういった中で、次の質問にちょっと移りたいんですが。 これ、第一条は、国旗を、国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物をいうと定義をしております。電子データや映像を含めない極めて限定的な定義と思われますけれども、あえて有体物に厳格に限定した理由をお聞かせいただきたいと思います。 また、国旗を切り裂くライブ配信、今日もライブ配信のお話が何度か出てきましたけれども、こういった場合は、動画自体は無体物であって、ライブ配信内で損壊している国旗が有体物という理解でこれ相違ないでしょうか。伺いたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) まず、委員御指摘のとおり、本法案における国旗というものは、国旗として用いられているという社会通念上認められる有体物、これを限定することにしております。 これは、現実世界において国旗を損壊する行為と電子データ等で国旗が損壊される状況を画像として作成する行為とでは、保護法益に与える影響が全く同じというわけではないとの評価もあり得るということ、仮にこのような行為も処罰対象にする場合には、アニメ、漫画、ゲームといった創作物全般を対象とするのかといったようなことについて検討を及ぼさざるを得ないということで、処罰範囲が広範になるということ、おそれがありますので、表現の自由に配慮する必要があるというふうに考えております。 そしてまた、御指摘の事例に関しましては、ライブ配信の現場において実際に損壊等の行為を行っている対象が有体物としての国旗であれば、国旗を損壊等するという構成要件に該当し得るものだというふうに考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。 その電子データ、映像を含めず、あえて有体物に厳格にこれ限定をしたという御趣旨かと思います。このライブ配信の場面でも、配信内で損壊される国旗そのものは有体物であるという整理だったかと思います。 続いて、今回の法律に対してやはり一つ一つ丁寧に今確認をさせていただいているわけですが、この法律がそもそも何を保護しようとしたのか。冒頭、私申し上げた国旗を大切に思うこの国民感情、これについても触れましたけれども、この保護法益の問題についても改めて確認をしたいと思います。 外国国章損壊罪は、国家の対外的安全及び国際関係の平穏という国家的法益が保護法益になっているわけです。一方で、この本法案の理由及び提出者の説明におきまして、本罪のこの保護法益というのは、国旗を大切に思う国民感情という社会的共同利益、すなわち社会的法益であるとされているわけです。このような保護法益の設定も、国家による特定思想の強制を避け、行為者の精神的自由、内心の自由に配慮をしたと、そういった結果であるということでよろしいでしょうか。
○衆議院議員(黒田征樹君) まず、この本法案の二条の罪の保護法益というのは、国旗を大切に思う国民感情と先ほどから申し上げておりますけれども、この社会的法益であるというふうに考えております。 これは、我が国においては、いわゆる日の丸が長年の慣行により国旗として国民の間に定着していることを踏まえ、その根拠を明確に規定するために平成十一年に国旗・国歌に関する法律が制定されたところでもありまして、このことも踏まえ、国旗損壊罪の保護法益は、国旗を大切に思う国民感情、すなわち社会的法益とすることが適切であるというふうに考えております。 なお、これまでも申し上げてきましたけれども、本法案の二条の罰則は、国旗を大切に思う国民感情を害し得る行為として、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた客観的な行為を処罰の対象とするものでありまして、個人の内心に立ち入って、その行為の基礎となった思想、信条を処罰するものではありませんし、その思想や信条に反する特定の行動を強いるものでもないということから、思想及び良心の自由を保障する憲法十九条に違反するものではないというふうに考えております。
○高木かおり君 繰り返しこの国民感情についてお聞きをさせていただいているわけですけれども、やはり保護法益を、国旗を大切に思うこの国民感情という社会的法益に、ここに置いて、国家による特定思想の強制を避けて、そして行為者の内心の自由に配慮したという御説明だったかと思います。 この内心の自由への配慮という観点は、次に伺う構成要件のつくり方、これにも大きく関係してくると思います。 この第二条第一項、諸外国の例や外国国旗損壊罪に見られるような国家又は国旗を侮辱する目的でといった行為者の主観的な意図、目的を構成要件としていません。著しく不快な方法という要件に加えて、目的を要件とすれば、その分適用範囲は狭まりまして、表現の自由への配慮も厚くなるはずです。 それにもかかわらず、あえて目的要件を置かず、客観的な方法にのみ着目した行動規制としたのは、これは憲法第十九条が保障する、まさにこの内心の自由との関係、すなわち行為者の思想、信条を不当に詮索しないための配慮によるものだと考えますけれども、この点について改めて提案者に御見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) この本法案において新たに設けられる国旗損壊罪は、国旗を大切に思う国民感情を保護法益として、これを害し得る行為を客観的な態様に着目して規定するものでありますので、行為者の主観面である侮辱目的を構成要件の要素とするのは、そもそもなじまないというふうに考えております。 また、侮辱を加える目的の有無など個人の内心を詮索せず外形的、客観的に判断することによりまして、処罰範囲が明確になるとともに、行為の態様を限定することができるというふうに考えております。このため、目的要件を付与する、付加する必要はないというふうに考えております。
○高木かおり君 ありがとうございます。 目的要件を置かない代わりに、やはりこの該当性の判断基準として置かれているのが第二条第二項の総合的勘案規定だというふうに思います。この第二条第二項、この前項の方法に該当するかどうかの判断というのは、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとすると規定をされているわけです。 この二条一項に当たるのかの判断基準をこれが示したものであると理解して相違ないでしょうか。この点について、まずはお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 今御質問の中で示していただいたような内容は、もうまさにおっしゃるとおりでありまして、本法案が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目して規制を加えたりするものではないことを明らかにするものであります。
○高木かおり君 ありがとうございます。 それで、次に気になるのが、この芸術活動や政治的デモといった正当な表現活動との関係でございます。 芸術活動や政治的デモの一環として国旗が損壊された場合で、客観的状況から著しく不快な方法ではないと認められる場合には二条一項には当たらず、本法案が適用されないと理解して相違ないか、この点をまずお伺いしたいのと、あわせて、仮に著しく不快な方法と判断された場合でも、あくまで政治的、正当なデモ活動の一環である場合には、刑法第三十五条、正当行為として総合的に勘案して違法性が阻却される可能性があるのか、併せてお答えをいただきたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) お答えします。 著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に当たるかどうかの判断というのは、あくまでも行為それ自体の客観的な態様やこれを取り巻く客観的な状況などを考慮して行うものでありまして、芸術活動や政治的デモの一環として行われたという場合であっても、行為の目的は構成要件該当性を判断する際にこれは考慮されません。 その上で、御指摘のような場合で、著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当しないということであれば、当然処罰対象外となります。 仮に、そのような方法に該当すると判断された場合には違法性阻却事由の有無が検討されることになりますけれども、その際には、刑法三十五条の正当行為に当たるか否か、すなわちその行為が社会通念上相当性を有するものとして許容されるべきであるか否かが、芸術活動なのか政治的デモなのかといった行為の目的を含めて、個別事案ごとに認められる諸事情を総合的に勘案して判断されるということであります。
○高木かおり君 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。 それを踏まえて、やはり表現の自由への配慮ということは大変重要な点だというふうに思っています。その中で、これについて言及されているのがこの第三条だと思います。表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないという、適用上の注意を置いているわけです。 この規定がなくとも、法律の運用に当たっては、国民の基本的人権に配慮して運用するということが当然であると考えているわけですが、この規定によって、正当な政治的表現や批判的意見表明に伴う行為に対して本法案が適用される場面は事実上極めて限定的になると考えられますけれども、第三条もまた不適切な処罰を抑制する注意規定と考えてよろしいんでしょうか。あえてここでこの三条を設けた意味も併せて御説明をいただきたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 本法案の第三条の適用上の注意の規定を設けた理由でありますけれども、本法案二条の規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目をして規制を加えたりするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されるものであることを前提としつつ、なお入念的に、本法の適用に当たって、いやしくも国民の思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのないよう万全を期すためであります。 以上です。
○高木かおり君 今まで御質問させていただきまして、これ振り返ってこの法文詳細に見てまいりますと、対象を有体物に限定し、そして、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然と損壊し、除去し、又は汚損した場合に限るなど、複数の限定が重ねられてまいりました。これに加えて、第二条第二項の総合的勘案と、第三条の、先ほど御答弁いただきましたこの第三条の適用上の注意まで置かれているという状況でございます。このように、二重、三重の慎重な限定を重ねた法文設計ということでございます。 こちらに至った真意について、お伺いを改めてしたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) お答えいたします。 本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護法益としていると。繰り返しになりますけれども、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で公然と国旗を損壊する行為に対して罰則を設けるものであります。 すなわち、本法案は、対象を有体物である国旗に限定した上で、あくまでも国旗の損壊等として外形に表れた行為態様に着目をして構成要件を定め、その趣旨を明らかにするために、構成要件のうち、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法に該当するか否かを判断するに当たっては、行為の外形、周囲の状況その他客観的な事情を総合的に勘案する旨の規定を置くとともに、さらに、このような本法案の罰則規定が、個人の内心に立ち入って規制を加えたり、表現の内容に着目をして規制を加えたりをするものではなくて、必要かつ合理的な規制として憲法上許されることを前提としつつ、なお入念的に、本法の適用に当たって、いやしくも国民の思想、信条、あっ、思想及び良心の自由や表現の自由等を不当に侵害することのないよう万全を期すため、三条においても適用上の注意の規定を設けるものとしたものであります。 このような規定をした趣旨といたしましては、表現の自由等への侵害にならないよう十分に配慮した上で、処罰対象を限定的かつ明確なものとして定めようとしたことであります。 以上です。
○高木かおり君 ありがとうございました。 ちょっと時間の関係で、ざっと飛ばして、問い二十に行きたいと思います。 今日、ライブ配信についての御質問もたくさん出たということで、私からもこの点について伺いたいというふうに思います。 この本法案はライブ配信の場合にも適用されるというふうに伺っておりますけれども、本当に今の時代はこのSNSの威力は計り知れないなというふうに思っている中で、この第二条第一項の文言からは必ずしも、当初読み取りにくいというふうに私自身思っておりました。 この第二条第一項をどのように解釈すればこのライブ配信にも適用になるのかということも改めてちょっとお聞きをしたいということと、また、恐らく、この衆議院での附帯決議によれば、政治的意見表明や芸術表現など、表現の自由として正当に保障されるものはそもそも構成要件に該当しない、又は提出者答弁によると、該当しても違法性阻却されるものと理解しておりますけれども、現代のこのSNS社会においては、明確な政治的主張や思想的背景を持たずに、単に受け狙いですとか面白半分、炎上目的で国旗を著しく不快な方法で損壊する動画を公開する者が現れることも、今日もお話ありましたけれども、懸念がされるところかというふうに思いますが、こうした行為は表現の自由として尊重すべき高尚な精神的価値を持たないとの見解もあり得ますが、その線引きは容易ではないのかもしれませんが、精神的自由には高度な保護と慎重な規制が求められるべきだと考えます。 私自身、表現の自由は尊重されるべきものと考えてはおりますけれども、単なる悪ふざけによる公然たる損壊行為に対しても本法案は著しく適用され、あっ、申し訳ございません、本法案はひとしくですね、ひとしく適用されるのか、見解を伺いたいと思います。
○衆議院議員(黒田征樹君) 本法案における公然ととは、公然わいせつ罪における公然とと同様に、物理空間かネット空間かを問わずに、不特定又は多数の人が認識できる状態を指しております。このため、人前で国旗を損壊等する場合のほか、国旗を損壊している等、損壊している状況をライブ配信する場合も処罰対象となり得ます。 以上です。
○高木かおり君 ありがとうございます。 最後の質問にしたいと思います。 今日、警察庁にもお越しいただいておりまして、質問二十三問目ですけれども、この国旗損壊をしている状況に遭遇した場合の国民の対応について伺いたいと思います。 本法案の施行後に、現実に国旗を損壊している状況に一般の方々が遭遇することや国旗を損壊しているライブ配信が流れてくることが考えられるわけです。このような場合に、国民はどのような対応を取るべきでしょうか。複数の方法を挙げて具体的に御説明いただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 一般に、国民の皆様が犯罪行為を目撃した場合におきましては、緊急の対応を要するという場合には一一〇番通報をしていただくことになりますけれども、そのほか、最寄りの交番や警察署への届出をしていただいているというところでございます。本法律案が成立した場合におきましても、同様の対応になろうかというふうに考えております。
○高木かおり君 終わります。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 この国旗損壊罪、参政党も昨年の秋に参法として似たような類似した法案を提出しておりますから、今回こうして法案が提出をされ、審議が進んでいることは大変うれしく思っているところでございます。 しかしながら、六月二十六日の衆議院の委員会採決が終わったそれ以降、ちょっと国会がいわゆる不正常という状態になっており、復活をしましたが、この間、私のところにも、この参議院についての意義、そういったものについて多数の声が届いておりました。 この参議院は熟議の府と言われるとおり、私はそうした問いに対してはこのようにお答えをしていたんですけれども、いわゆる衆議院だけでは一つの議論になってしまう、ですから、この参議院があることで、より長い熟議ができる、そしてまた、より慎重に判断をすることができるから、だからこの参議院は必要なんだと。そして、この法案や予算案というのは私たち国民の未来、国の将来に関わる大切な、重要なものでありますから、だから慎重な議論が必要なんだと、そのようにお伝えをしているところでございます。 そんな意味で、本日も非常に深い議論がされていると思っておりますが、大変重要な役目を担っていると、そういった思いを込めて、本日も質問をさせていただきたいと思います。 まず、一つ目の質問でございます。この法律による規制が必要と考えた理由についてお尋ねをしたいと思っております。 この国旗を損壊等する行為を規制する必要性について、例えば、損壊、汚損された国旗を公然と掲示された事案として、二〇二五年の七月十九日、参議院議員選挙中、これ私も選挙に出ていたときでございますけれども、我が党、参政党の街頭演説会場にてこのバツ印を付けた国旗が掲げられていた、そういう事案がございます。また、同じく二〇二五年の八月六日、広島の平和式典で、これはデモ活動家によるこのバツ印を付けたまた国旗、またこのときはアメリカ国旗にもバツ印が付けられていた、そうしたものが掲げられていた事案があったと承知をしております。 〔委員長退席、理事渡辺猛之君着席〕 これらについて、SNSや動画サイトによって多くの国民の目にさらされ、そしてその行為を非難する多数のコメントが寄せられていております。こうした多数のコメントからでも、国旗を損壊する行為に対する規制を求める声があると考えるところでございますが、今回の法案が必要と考えられた理由について、提案者であります豊田議員にお尋ねをいたします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 本法案の必要性についてのお尋ねでございました。 国旗を尊ぶ心というのは万国共通の価値観であると思われます。外国国旗であれ日本国の国旗であれ、その損壊等のやり方によっては、国旗を大切に思う国民感情や尊厳を害する可能性があると考えられます。 そもそも、国旗というのは国家の象徴として大切に扱われてきているものでございますが、我が国では、G7諸国の中で唯一、外国国旗の損壊は処罰対象となるのに自国国旗の損壊については処罰する規定がないと。このため、国民の方の中には、国旗を大切に思う国民の気持ちは万国共通であるにもかかわらず、我が国では外国国民の気持ちは保護される一方で、日本国民の気持ちは保護されずアンバランスであると受け止められ得る状況にございます。 この点に関し、日本国旗の損壊等の事案については器物損壊罪等によって現行の法令の体系におきましても対処可能ではないかとの御指摘もございますが、自己所有の国旗であるかどうか、あるいは被害者からの告訴があったかどうかにかかわらず、国旗を損壊等する行為自体が国旗を大切に思う国民感情という保護法益を侵害する蓋然性が高いということで、そのような行為を行った方は処罰対象とする必要があるというところでございます。 こうしたことを踏まえまして、国旗を大切に思う国民感情を真正面から保護し、現行法では対処できない領域をカバーすべく、本法案において国旗損壊罪を制定するものでございます。
○大津力君 ありがとうございます。 まさにおっしゃっていただいたこの国旗を大切にする心、気持ち、それを保護するということで、本当に、私たち、特に参政党の支持者、支援者の方々から寄せられている言葉でございます。もう本当にこの法案は必要であると認識をしております。 〔理事渡辺猛之君退席、委員長着席〕 それでは、続きまして、二つ目の、この我が党、参政党の思いの反映についてについてお尋ねをしたいと思います。 先ほど述べましたとおり、私たち参政党員を始め参政党支持者は、街頭演説会場にて汚損された国旗を陳列され、心情を痛める事案に遭遇をいたしております。街頭演説は、政党や候補者が政策や理念、そしてまた信条、そうしたものを述べるものであり、その政策や考え方についての反論や批判は、当然この街頭演説の運営に支障を来さない範囲で認められるべきではあると認識をしております。 しかし、この日の丸にバツを付けた旗を掲げる行為は、政党や候補者ではなく、あたかも日本国を否定するかのような、否定する行為であるかのように受け止めた方も多くいらっしゃったと思います。実際、その会場にいた参政党員、支持者、さらに、その様子を見た、インターネット上で見た多くの方から、なぜ自分たちの国を否定されないといけないんだと、悲しいと、悔しいと、そういった多くの声が私たちの元に届いております。私も同様の思いをいたしました。これは、特定の候補者、政党を支持するか支持しないかの問題ではなく、日の丸の国旗、日本という国の象徴をどのように受け止めているのかという問題であると考えております。 今回の法案では、公然と国旗を損壊、除去、汚損した場合に処罰対象となりますけれども、例えば自宅や人の目に付かない場所で国旗を損壊、汚損し、それを公然と掲示する行為は処罰対象となっていないとこれまでの議論でも承知をしております。しかし、ここは参政党にとってとても重要な点でございます。 そこでお尋ねをいたします。 こうした点を踏まえ、今回、どのような議論、経過を経て共同提出に至ったのか。特に、参政党員、支持者の思いをどのように酌んでいただいたのか、その意義について、豊田議員にお尋ねをいたします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 参政党に限らずだと思いますが、政党の候補者や支持者の方々が、見ていらっしゃる方も含めて、街頭演説の際にバツ印を付けた国旗を掲げられたり、大きな声で演説を妨害されたりして、本当に悲しい思いをされているということは、私自身も経験もしておりますし、よく承知をしているところでございます。こうしたことを踏まえて、参政党は、国旗を損壊等する行為を罰することの必要性を痛感し、昨年、そして今国会に独自の議員立法を提出したところでございます。 そして、お尋ねの本法案をめぐる政党間の交渉につきましては、その詳細までを申し上げることは信義則の観点から差し控えたいとは思いますが、御指摘の点につきましては、極めて重要な点でございますので、お相手の御了解を得た上で、ここで御説明を申し上げたいと思います。 自民党案では、自宅など人目に触れない場所で国旗を損壊や汚損し、それを公然と掲示する行為は処罰対象とはならないであります。実際、これを受け入れる、あるいはここを変えるというのは、それぞれの政党におきまして難しいという話も当初ございましたけれども、粘り強く両者協議を行いまして、法案の今後の検討事項の中に参政党の主張が入れられるということとなりました。 具体的には、本法案の附則に、法の施行後三年を目途として、損壊され若しくは汚損された国旗を陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとするとの見直し規定が盛り込まれることとなりました。 私どもは、共同提出をした政党として、責任を持って本法案の施行状況等を注視し、また、見直し規定につきましては、政府、各党の皆様、これは提出者であるかないかにかかわらず、全ての皆様と今後とも真摯に議論を重ねてまいりたいと思っております。
○大津力君 ありがとうございます。 それでは、ただいま、この附則に盛り込まれたということでございましたので、ちょっと附則についてお尋ねをしたいと思っております。 真摯な協議が行われた結果、この本法案の附則に、法の施行後三年を目途として、損壊され若しくは汚損された国旗を陳列する行為又はこれに類する行為の発生の状況とその他この法律の施行状況を勘案し、そして、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする旨の見直し規定が盛り込まれることとなったということでございます。私は、本当に、この附則が盛り込まれたということは大変意義深いものだと思っております。 そして、この本法律案が可決され、施行された後に、もし、処罰対象とならないからといって、損壊、汚損された国旗を持ち込んで掲示をするという事案が収まらなかった場合に、この附則によって見直しをされることが期待されるからでございます。 そこでお尋ねをいたします。 この参政党の要望を踏まえて附則に盛り込まれた見直し規定について、政府及び政権与党として今後真摯に検討をしていっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。自民党の法案提出者にお尋ねをいたします。
○衆議院議員(石橋林太郎君) お答え申し上げます。 今ほど委員御指摘のとおり、国旗を大切に思う国民感情を保護するために、どのような行為を処罰対象とすべきかという点につきましては、本法案の作成に当たって様々な議論を重ねる中で、できるだけ多くの会派からの御賛同をいただいた上で法案を提出することが望ましいと私どもも考えまして、今回は、国旗を大切にする国民感情を最も害する可能性が高い、公然と損壊等する行為に限定をしたところでございます。 他方、これ以外の行為として、例えば、御指摘があったように、既に損壊され、また、汚損された国旗を人前に掲げるような行為も公然と損壊等する行為と同程度に国旗を大切に思う国民感情を害する可能性があるのではないかとの御指摘はいただいたところでありまして、そのように思うところであります。 そこで、この法律の規定については、法律の施行後三年を目途として、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、また、損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況その他この法律の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとする検討条項を設けたところでございます。 法案提出者といたしましては、以上申し上げたような経緯もしっかりと踏まえつつ、本法案成立後は施行状況等を注視しつつ、今後各党間で適宜しっかりと議論をしてまいりたいというふうに考えております。
○大津力君 是非ともよろしくお願いいたします。 できたからこれでいいというわけではございませんので、しっかりとその後の経過を見て議論を進めていただきたいと思います。お願いします。 それでは、続きまして、この表現の自由についてに移らせていただきますけれども、これまでの衆議院による議論、そしてマスコミ、言論人、SNS上での発言において、この表現の自由を侵害するのではないかと指摘がございます。私は、当然のこととしてこの議論を真摯に受け止めなければいけない、そのように思っております。なぜなら、この表現の自由は民主主義の根幹を成す権利だからでございます。 しかし、表現の自由は無制限ではなく、時に制限をされるものであることも認識をしております。例えば、人の名誉を傷つけたり侮辱したりすることで人の権利や利益を侵害するような表現は制限をされるといった名誉毀損罪、侮辱罪というものが存在することがこの裏付けともなっていると思います。 このように、表現の自由は、他者の権利や社会的利益との調整は常に行われているものであると思っております。本法案が対象としているのは、個人の思想や信条そのものではない、あくまでも国旗の損壊、除去又は汚損という行為である。つまり、表現内容そのものを包括的に取り締まるものではなく、国旗という国家の象徴に対する特定の行為態様を問題としているのでございます。 本法案と憲法第二十一条が保障する表現の自由との関係についてどのように整理をしているのか、豊田議員にお尋ねいたします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 申し上げるまでもなく、表現の自由は基本的人権として極めて重要なものであり、最大限尊重、配慮をしていくべきものでございます。 本法案におきましては、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益を図るために必要であると考えられたこと、また、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の具体的内容、すなわち伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行動がもたらす弊害を防止するためのものでありますこと、こうしたことから必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えております。 このことは、本法案におきまして、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により公然とという客観的な行為態様を構成要件とする規定、また、その方法に該当するかどうかの判断につきましては、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定める規定などの本法案の規定にも示されているところでございます。 さらに、本法案では、以上を前提としつつ、なお入念的に、本法の適用に当たって表現の自由等を不当に侵害することのないよう、いわゆる適用上の注意の規定を設けて、その万全を期すことといたしております。
○大津力君 分かりました。 ちょっと通告はしていないんですけれども、表現の自由に関連して一つお尋ねをしたいんですが、違法性阻却事由についてちょっとお尋ねをしたいんですが、この今までの議論の中で、やはり、例えば芸術的分野においてどこまでがセーフでアウトかと、その辺の線引きについても議論があったと承知をしておりますが、実際調べてみますと、例えば蛍光管を使って日の丸をモチーフにしたような芸術があったり、また白地に何か液体の赤いインクみたいなものをぶつけて、それで日の丸のようなものを作っている、そうしたアートがあったりと、そうしたものもございまして、あくまでもそうしたものは、実際、国旗ではございませんから対象にならないとは思いますが、この辺ははっきりと国民に知らせておく必要があるんだと思っております。 そこでお尋ねいたしますけれども、衆議院議員でも議論出ておりましたが、このような芸術活動における違法性阻却事由に該当するであろうこういった事例を含めて、御説明を豊田議員にお願いします。
○衆議院議員(豊田真由子君) 本法案におきましては、芸術表現であれ、ほかの何らかの活動であれ、あくまでもその行為自体が人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法によって公然と行われたのであれば構成要件該当性を満たす可能性がございます。そして、そのことを前提として、個別具体の事情に応じて、その行為が社会通念上相当性を有すると判断されれば違法性が阻却されることがあり得るということになります。 その際の判断基準の一つといたしまして、その方法による以外には芸術表現などなし得ないものと社会一般に理解されるかどうかということが挙げられると考えられます。具体的に一つ事例を申し上げれば、例えば舞台演劇の中で国旗を損壊等する情景がそのストーリー上欠かせない場面におきまして、その情景にふさわしい態様で行われた行為であると社会通念上判断される場合には、こういった場合につきましては、いろんな事例があると思いますが、違法性が阻却される可能性があるものと考えております。
○大津力君 ありがとうございます。 時間の関係上、ちょっと最後の質問はまた次回に回させていただきたいと思っておりまして、ここで思いをちょっと述べさせていただきたいんですけれども、皆さん、今日の委員の皆様も、冒頭に、日本国旗大好きですというような方が大変多くいらっしゃいました。私も大好きでございます。これまでの、今までの方でございますけれども。なぜかといいますと、私は本当に日本大好きなんですよ。本当にこの、私が生まれ育っただけではなくて、過去の歴史を学びますと、いかにこの日本という国が先人たちの努力によって続けられてきたか。いわゆる神話の話にはなってしまいますけれども、二千八百六十八年、失礼しました、二千六百八十六年、神武天皇から続いているというのは、もう世界でも類を見ない長く一つの王朝が続いている国、それが我が国日本なんです。 そうしたこの国をずっと続けるに当たって、様々な困難が本当にあったと思います。国が転覆されるような本当に存亡の危機、何度もあったと思います。しかし、私たちの先人たちは、その都度力を合わせてその困難を乗り越えてきた。今のこの国があるのは当たり前じゃないんですよね。そうした先人たちの努力によってずっと続いてきた国、それを私たちの代で崩してはいけない。そして、その日本の象徴が今、日の丸の国旗なんです。 だから、この日の丸の国旗を大事にしたいという思いから、私たち参政党はこの国旗損壊罪というものを出しているものでございますから、是非ともまた引き続き議論をして、是非可決に駆け付けたいと思います。 ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 日の丸、国旗を大切に思う人もいれば、複雑な思いを持っている人もおります。そして、これは、とりわけ私たちの国においては、やはりあの侵略戦争に導いていった、植民地支配をもたらしたという、そういう歴史は避けては通れないだろうと思います。 自民党の発議者にまず伺います。 できれば松野発議者に御答弁いただきたいと思いますが、高市総理は、総選挙公示日の演説で、外国国旗を汚したり破ったりしたら拘禁刑を受けるかもしれない、でも、日本国旗はどう扱ってもいい、それはおかしいと述べました。外国国章損壊罪があるのに日本国旗についてはないというのは今度の法案の趣旨ともされております。アンバランスということが午前中からも議論されてきました。 ところで、刑法の通説的な見解は、外国国章罪の対象は大使館のような公的機関が掲げる公的なものに限定され、自己所有など私的なものは対象でないとされます。日本の国旗についても、他人所有のものの損壊行為は器物損壊を始め罪に問われます。 したがって、どう扱ってもいいという総理の発言は、これは間違いですよね。
○衆議院議員(松野博一君) 総理の御発言の趣旨について正確に把握をしているものではないため、それについての認識をこの場で答弁することは適切でないかと思います。
○山添拓君 この法案の出発点とされてきたわけです。外国国章罪とのバランス論を殊更強調して、刑罰法規に対しての不信感を意図的にあおった総理の私は基本認識が問われると思います。 確かに、松野発議者では正確なところは御答弁いただけないでしょう。ですから、当委員会に総理に出席いただくよう求めたいと思います。
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で協議いたします。
○山添拓君 この法案は、個人の内心に立ち入ることは想定せず、思想、信条の自由に反するものではないと説明されます。一方、今日も議論がありましたが、衆議院で維新の阿部発議者は、本法案の成立を契機に、今後一層、国旗を大切にするという気持ちが醸成されていくと、そして愛国心、国を愛する心も醸成されていくのではないかと答弁しました。 自民党と国民民主党と参政党の各発議者に伺います。同じ思いでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) この本法案のまさに保護法益といいますのは、国旗を大切に思うというこの国民感情でございまして、この法律を定めることによってそのような社会的法益が保護されることになるというふうに考えております。 この内心に立ち入らないということは、これは累次にわたり御答弁を申し上げているところでございます。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 私も同様でありまして、個々人の内心には踏み込まない、これが今回の法案ということになっております。 以上です。
○衆議院議員(豊田真由子君) 大変恐縮でございますが、私も同旨でございまして、共同提出者としまして、この法案の保護法益、あるいはどういった目的であるか、どういう影響があるかということについては一にするところでございます。
○山添拓君 私が伺ったのは維新の阿部発議者と同じ認識かということなんですが、勝目発議者、いかがですか。
○衆議院議員(勝目康君) 阿部発議者のその当該御答弁につきましては、先ほども別の委員からの御質問にお答えをさせていただいたとおり、この質問者が政治的な見解を求めたというものに対して、一人の政治家としてその思いを述べられたものというふうに認識をしております。 私どもといたしましては、繰り返しになり恐縮ですが、保護法益はあくまでこの国旗を大切に思うという国民感情、社会的法益であって、内心には立ち入らない、あくまで外形的、形式的なものであるということでございます。
○山添拓君 皆さん、この法案は議員立法ですから、そこに皆さん、政治家として座っておられるんですよね。政府の大臣として、政務三役として御答弁なさっているわけじゃありません。ですから、全ての答弁は法案の提出者としての答弁ということになるでしょう。ところが、阿部発議者の答弁と同じ認識だということはほかの方はおっしゃりませんでした。阿部発議者だけがそのようにお考えなのかもしれませんけれども、しかし、私は、与党の発議者が内心に踏み込み、愛国心を抱けと求めていることは重大だと思います。 しかも、この答弁は、先ほどちょっと紹介ありましたが、どういう答弁かと、どういう質疑の中かと、卒業式の君が代で座った生徒がいたと、偏向教育を是正するなどという文脈で飛び出したものです。これ自体、教育への政治介入も甚だしい、国旗・国歌法制定時の議論も全く踏まえない乱暴な姿勢です。 国旗は国家のシンボルです。だからこそ、政府に対する批判や抗議の手段としても使われます。国家権力から不当な扱いを受けたり、国家政策に重大な問題があると考えたりするとき、その国家の象徴である国旗を用いて抗議の意思をアピールすることは当然考え得るものです。 法案は、自宅でこっそり国旗を燃やす、そういう行為は対象にしていません。つまり、表現活動でない国旗損壊は処罰対象としていないわけです。逆に言えば、本質的に表現の自由を制限する立法です。発議者はその認識をお持ちでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) この本法案の刑罰の構成要件というものが、人に著しく不快、嫌悪の情を催させるような方法により公然と国旗を損壊等する行為、これに当たるかどうかということであります。 したがいまして、その動機でありますとかそういった内心というのはこの構成要件の該当性というものにおいてしんしゃくをされないということでございますので、そのような今の御指摘というのは当たらないというふうに認識でおります。
○山添拓君 例えば、スポーツ選手が日の丸を羽織ると、あるいはお子様ランチに小旗を立てる、それを問題にする方は多分いらっしゃらないですよ。だから、摘発や処罰の対象は必然的に表現活動、それも政治的なメッセージを込めた表現行為になるのではないかと伺っています。いかがですか。
○衆議院議員(勝目康君) これも繰り返しになりまして恐縮ですけれども、あくまで、この方法、これを外形的、客観的に判断をして構成要件該当性を問うということ、これが広範にわたっての考え方ということになるわけでありますので、あくまでそうした観点での判断ということであります。
○山添拓君 そのようにおっしゃり、また限定されるものだと答弁もなさると思いますが、しかし、単なる物の破壊ではなく、政治的言論をターゲットにしている罪であることは明らかです。 一九九九年、国旗・国歌法制定時の小渕恵三総理の答弁は、法制化に伴い、国旗に対する尊重規定や侮辱罪等を創設することは考えておりませんとするものでした。 発議者は、本法案は尊重義務を課すものではないとか、あるいは侮辱罪に当たるものではないなどと説明されています。しかし、国旗を大切にする心や愛国心を醸成するためともおっしゃっておりますが、つまり、国旗を大切にせよと、尊重を求めるものですよ。しかも、小渕内閣の答弁書は、侮辱罪かどうかにかかわらず、新たに刑罰の対象とすることは考えていないと、こうしておりました。矛盾するんじゃありませんか。
○衆議院議員(勝目康君) まず、あくまでこの本法案につきましては、尊重義務を課すものでもありませんし、動機を問うものでもないということにつきましては、繰り返しになって恐縮ですが、お答えをさせていただきたいと思います。 そして、今御指摘があった点、これは質問主意書のことではないかと思いますけれども、この質問主意書、どういう質問に対しての答弁書かといいますと、政府の新規立法案、この新規立法というのは国旗・国歌法のことでありますが、刑罰の対象とするのか否かと、こういう質問に対しての答弁書であると認識をしております。つまり、この国旗・国歌法制定において、これをその罰則、ここに罰則を設けるつもりはあるのかということで、それは考えていないというのが答弁書の内容であるというふうに承知をしております。 そうしたことを踏まえて、この小渕総理始め当時の内閣の答弁というものは、この法制化に伴って国旗に対する尊重義務規定や侮辱罪を置くことは考えていない、こういう答弁があったところであり、そして、今回のこの国旗損壊罪の法案は、尊重義務規定を定めるものでもなければ侮辱という目的を構成要件とするものでもないということで、そこは御理解をいただきたいと思います。
○山添拓君 それは理解できません。尊重義務さえ置かないと。 いや、実際には、現場に、とりわけ教育現場に国旗・国歌の押し付けをもたらし、今も大問題になっておりますが、少なくとも強制にわたらないと、こう説明していたわけです。にもかかわらず、本法案は、尊重義務どころか刑罰で強制しようとしているわけです。当時の考え方、国旗・国歌法の下での考え方と矛盾するということは明らかじゃありませんか。
○衆議院議員(勝目康君) この国旗・国歌法制定時に、この国旗・国歌法において刑罰の対象とするかどうかという質問に対しての答弁書であるということでございます。 今回のこの法案というのは、まさにこの構成要件というのは、あくまで客観的、外形的な方法に限られるところでありまして、動機であるとかあるいはその内心に立ち入るものではございません。そして、何かその内心に反するような特定の行為、行動を強いるものでもありませんので、そこはそういうものとして御認識、御理解をいただければと思います。
○山添拓君 それはちょっと詭弁だと思いますね。 この国旗・国歌法制定時の議論との関係では、当時は、国の威信を保護するための刑罰法規を設けることは考えていない、こういう言い方もしていたと。そして、今度の法案は国の威信の保護のためではないんだと、こういう説明も皆さんされているかと思います。間違いありませんか。
○衆議院議員(勝目康君) この法案の保護法益は、国家的法益ではなくて、社会的法益、つまり国旗を大切に思う国民感情を保護法益としているものでございます。
○山添拓君 衆議院の参考人質疑で百地章氏は、本法案について、国旗に尊重される国の威信と名誉こそ本当の保護法益と、狙いを正確に語っておられると思います。そうしますと、発議者はこの参考人の意見とは違う考えだということでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) 参考人の方、それぞれの思いを委員会の場で述べられたんだろうと思いますけれども、この法案そのものは、条文を御覧いただきますれば、そこはあくまで外形的な方法のみをこの構成要件としているものでありまして、そしてまた、そこから導かれる保護法益はあくまで社会的法益でございます。国家的法益を今回の法案でこの保護法益とするものではないということは、これは累次にわたり立案者より御答弁をさせていただいているところでございます。
○山添拓君 実は、高市総理も二〇一一年のコラムで、日本の威信、尊厳を尊重する国旗に対する愛情や誇りを守りたいと述べておりました。それが出発点になっているだろうと。ですから、徹頭徹尾、本音を隠して合憲を装う法案だと言わなければなりません。 法案の条文について聞きます。 二条一項、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法による損壊や汚損を対象としています。著しくとはどういう意味でしょうか。また、こうした方法の具体例、どのような行為を想定しているでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) ここでの人に著しく不快、嫌悪の情を催させる方法ということでございますけれども、既存のストーカー規制法でありますとか軽犯罪法、こういった法律の文言を参考にしたものでございます。一般通常人から見てひどく快くないと感じさせ、又は不愉快に感じさせるような方法をいうということでございます。
○山添拓君 方法の具体例としてどういう行為を想定していますか。
○衆議院議員(勝目康君) これはあくまで例えばということでございますが、ちょっと比較的に申し上げますと、国旗に何か汚物で書くという行為と、あるいは一般に市販されているマジックで文字を書く、この行為を比べてみれば、通常は、後者というのは人に不快、嫌悪の情を催させる程度が前者よりも低いと考えられるわけでございます。 したがいまして、こうした行為につきましては、それだけでは処罰対象とはならないこととしまして、より限定的にこの処罰対象を画すものということでございます。
○山添拓君 通常は低い、高いと。これでは、私は、やはり適用する側の恣意的な判断によって幾らでも広がり得るだろうと、摘発の段階、それから起訴するかどうかの段階、有罪とするかどうかの段階、どの段階でも際限なく広がり得るものだと思います。 法案の二条二項は、こうした行為に該当するかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うとしています。 構成要件該当性、つまり刑罰法規の違反に当たるかどうかの判断基準としてこういう文言を設けている例はどのようなものがあるでしょうか。
○衆議院議員(勝目康君) 例をということでございますけれども、刑罰法規としてこのような文言を置いている例はないということでございますけれども、この条文の文言を御説明をさせていただきますと、この行為者自身とか、あるいはこれを見た方が現実に不快感、嫌悪感を覚えたか否かということではなくて、あくまで一般通常人というものを基準として、損壊行為がどのような流れの中で、どのような物体を用いて、そしてどのような場所で行われたかと、こうした様々な客観的事情を総合的に勘案をして社会通念によって判断をされるということ、このことを明確にしたものでございまして、あくまでこの一般的、客観的な視点から判断されるもの、そういうことを規定しているものでございます。
○山添拓君 全然明確にはならないんですよ。そして、こんな条文を置いている刑罰法規はほかにないということが今答弁がありました。 刑罰法規には条文としてはないけれども、恐らく裁判例ではこういう言い方しているものがあるじゃないかと、それが立法者のこういう条文を盛り込んだ趣旨でもあろうと思うのですが、しかし、判例が同様の文言を使うのは、条文のそのままでは憲法違反の疑いがあるので合憲的に判断しようと、条文を言わば限定で解釈しようとするような場合です。こういう文言を初めから入れているのは、そもそもこの法案が極めて違憲性が高いということを発議者自身がお認めになっているからにほかなりません。 アメリカの連邦最高裁は、一九八九年、国旗冒涜罪による国旗の焼却が罪に問われたテキサス対ジョンソン事件で、社会が単にその思想自体を不快、不愉快だと感じるというだけで表現を禁止してはならないとして違憲判決を下しました。欧州人権裁判所は、二〇一八年、国王夫妻の写真を燃やした者を王室侮辱罪で処罰したスペイン政府を欧州人権条約違反とした判決の中で、表現の自由は、好意的に受け止められるものや無害又は無関心とみなされる情報や思想だけでなく、不快感を与え、衝撃を与え、動揺させたりする情報や思想にも適用される、これが多元主義、寛容、そして開かれた精神が要求するものであり、これらがなければ民主的な社会は存在しないと述べています。 一方、香港が中国に返還された一九九七年、中国政府は、中国の国旗法の規制を香港にも適用しました。中国国旗を公然と焼いたり落書きしたりして侮辱する行為を罰則で取り締まるもので、中国政府は、こうした行為を民族の感情を傷つけると批判しました。二〇一九年には大規模なデモで、それでも中国国旗を焼いたり海に捨てたり国章に黒ペンキを掛ける、そうした抗議が相次いで、中国政府は、翌二〇年、香港国家安全維持法で抗議活動それ自体を実質的に違法化してしまいました。 これは通告しておりませんが、各党の発議者に伺います。今私が紹介した各国の例を聞いて、率直に言ってどうお感じになりますか。
○衆議院議員(勝目康君) 改めてでありますけれども、その内容について私どもとして構成要件該当性を判断することはないということでございます。 その上で、様々なこの表現行為があるわけでございますが、これは衆議院においてこの委員会への提出資料としてこの違法性阻却事由の考え方あるいは事例についてペーパーを出させていただいております。違法性阻却事由というのは、この全体の個別性が非常に強い中で、なかなかこの類型化するのが難しいということはこれまでも御答弁をさせていただいているところでございますが、そうした中にあって、違法性が阻却される可能性がある場合、逆に違法性が阻却されない可能性がある場合というものをお示しをさせていただいております。 これ以上のことはやはりその個別性が強い中で個々の判断になるということでございますが、ただ、繰り返しになりますが、やはりその表現内容そのものに着目することはないという中で今回立法させていただいております。
○衆議院議員(飯泉嘉門君) 今のお話をお聞きして、中国の場合の保護法益は国家的保護法益、今回のこの処罰法につきましては社会的保護法益ということで、根本的に保護法益が違うと、こうした印象を持ったところであります。 以上です。
○衆議院議員(豊田真由子君) 他国の事案の受け止めということでございますが、今種々御答弁ございましたが、やはり各国それぞれ同じような処罰の法案に、法律に見えましても、その個別の事案の背景、あるいはその法案自体、法律自体の、あるいは国自体の歴史、文化、国民感情、様々だと思いますので、立法府、日本国の立法府の一員として他国の例についてコメントすることは差し控えたいと思います。 我が法案に関しての考え方は発議者同じでございます。
○衆議院議員(黒田征樹君) 今お答えありましたように、保護法益そのものが違いますのと、あとは、この法律につきましては、かなり抑制的に法案として構成させていただいておりますので、今言った事例そのものは今回の法案とは関係のない話かなというふうに理解しております。
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○山添拓君 はい。 時間ですので、終わりにいたします。 いろいろ伺いましたけれども、他国がこうだから日本もというのが出発点だったはずです。そこで他国の例を出したわけです。お答えいただきたかったと思いますし、私は、表現の自由、言論の自由を不快とか嫌悪の情を与えるからといって刑罰で禁じるのは民主主義とは相入れないと考えます。 以上、終わります。
○伊勢崎賢治君 今日は、時間の関係から、事前通告した質問一と二を合体させていただきます。済みませんね。同じこれ提案者に向けたものですから、合体しますね。 今、山添議員から言われたこの二つの保護法益、国家と個人の感情ですね、これが連動するから怖いんです。それが世界の事例なんですね。 続いて、世界の事例をちょっと、事例というのは、つまり、国旗損壊を特別視して厳罰に処すべきだというその意思が、意思が、凄惨なリンチや、個人レベルの、コミュニティーレベルの集団暴力を誘発する引き金となる、これの歴史であります。 現在、川口市、埼玉県の川口市周辺におけるクルド人問題ですね、刑法に国旗損壊罪がある本国のトルコでは、二〇〇五年にメルシン国旗事件と呼ばれるものが発生しまして、これはどういうものかというと、クルド人の子供が国旗を汚損したという報道を機に、一般市民が愛国的な自警行為と称してクルド人住民への凄惨な暴力、集団暴力をエスカレートさせた事件であります。実は、現在、川口市周辺に暮らすクルド人コミュニティーの多くは、まさにこの前後、この事件の前後の迫害から逃れるために日本へ逃れてきたという背景があります。 また、高市政権が、高市総理がきょうだいと呼び合うモディ政権、インドのですね、これ、インドは僕の研究者としてのフィールドですけれども、インドにも国旗損壊罪が存在いたします。モディ政権の後ろ盾はヒンドゥー至上主義勢力であります。ここでも、二〇〇二年にこのモディ政権が全国的な国旗キャンペーン、全ての家に国旗をという、こういうキャンペーンの最中に、南部のコラールというところで、これコラール国旗デマ襲撃事件というんですけれども、何とイスラム教徒の肉屋さんが国旗で肉を包んで客に渡したという偽の写真がSNSで拡散されました。これ、実際には、後で分かったんですけれども、単なる緑色の包装紙だったにもかかわらず、激高した数百人のヒンドゥー教徒が店に押し寄せ、凄惨なリンチを繰り広げました。 国家が国旗損壊を犯罪化することは、大衆に対しては危険な興奮剤を与え、リンチが愛国ゆえの法の正義にすり替わるリスク、これは歴史で実証されております。このリスクは、現代の安全保障における認知戦において更に最悪の形で顕在化すると思います。 特に懸念されるのが、敵対勢力、どことは申しません、敵対勢力が標的国内、我が国の分断をあおる偽旗作戦ですね。例えば、生成AIやディープフェイクを用いて、日本在住の特定グループが国旗を汚損する偽動画がSNSで拡散されたとします。デマによる混乱は、このような法案の、今議論している法案の有無にかかわらず起き得ます、はい、起き得ます。でも、こういう法案はこの混乱を劇的に悪化させると僕は思います。 こういう仕組みです。まず、国旗損壊を犯罪と定めることで、暴走する大衆に我々は国家の犯罪者を、国家の犯罪者を成敗しているのだというリンチへの強力な法的若しくは道徳的な免罪符を与えてしまう。次に、これが非親告罪であるため、偽動画であっても警察は捜査に動かざるを得ないですね。その警察の動き自体が、やはり犯人だったとデマを補強する燃料となり、更なる暴力を誘発する、こういう仕組みです。 つまり、この法律は、偽動画を一本流せば、日本の警察を強制的に動かし、自警団の暴力を国家公認の正義として合法的に誘発できるという、工作作戦にとってこれ以上ない、何といいますか、アタックサーフェスといいますが、付け入る隙であります、を我が国自ら提供することになりませんか。この法案が外国からの分断工作に悪用され、国内の治安を大混乱に陥れるトリガーになり得る、こういう安全保障上のリスク、提案者はこのリスクをどう考えていらっしゃいますか。どうぞ。
○衆議院議員(長谷川淳二君) 伊勢崎委員にお答えいたします。通告の一、二をまとめてのお尋ねでございますので、少々長くなりますが、御答弁申し上げます。 まず、一つ目でございます。 国旗損壊等の行為を処罰することによる私刑、リンチや集団暴行を誘発するのではないかとのお尋ねでございます。 まず、前提といたしまして、本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護するために、まず、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めており、処罰対象を明確なものとしているところでございます。 また、仮に万が一、犯罪行為を現認した者が不当な逮捕行為や私刑的行為をすることは、本法案に限らず想定し得るものであります。その場合には、別途、不当な逮捕行為や私刑的行為に対する逮捕監禁罪や暴行罪等の処罰の対象になり得るものであり、その意味での抑止は働いていると考えております。 したがいまして、法案提出者としては、本法案が、特に私刑、リンチや集団暴行を誘発する、あるいは正当化するものではないと考えているところでございます 二点目でございます。 生成AI等の偽動画が拡散された際の外国の工作勢力に悪用されるリスクについてのお尋ねでございます。 まず、そもそも本法案による保護の客体でございますが、保護の客体である国旗は、国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物に限定することとしており、生成AI等により作成した動画そのものは本法の対象外としております。 その上で、社会通念上認められる有体物である国旗を自ら損壊等して、その状況をライブ配信する行為は本法案による処罰の対象となり得ることから、生成AI等による偽動画に基づいて捜査が始まるのではないかという御懸念でございますけれども、生成AI等の進展によりまして、虚偽の事実に基づいて捜査が始まる、あるいはバッシングにさらされるといった御懸念は、本法案に限らず、およそ犯罪行為全般に想定し得るものでありまして、個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえ、生成AI等による偽動画のみをもって捜査が行われるものではなく、適切に捜査が行われるものと承知をしております。
○伊勢崎賢治君 繰り返して申し上げますけれども、動員とか、大衆の動員というのは、個人の感情の保護法益と国家の今言われたレベルの保護法益、これが連結しちゃうんです。そこが怖いんです。 それと、客観性、このディープフェイクの時代にこれを判断することは非常に難しくなるはずです、これからずっと、ですよね。それによって動員に拍車が掛かる、それに刑罰が加わるということは、それに対して免罪符を与えてしまう、より動員される、このリスクを僕は言っているわけです。まあいいです。続けますね。 我が国は、ここからちょっと専門的な、専門的な議論に入りますけれども、我が国は、表現の自由を保障するいわゆる自由権規約を批准しております。その解釈指針である国連の一般的意見三十四と呼ばれる、の第三十八項は、本法案のような国旗損壊罪に対して極めて重要な警告を鳴らしております。これが資料一でございます。 まず、外務省に伺います。国連が国旗への不敬罪に対して抱く懸念と本法案の整合性をどう考えますか。 そして、加えて、提案者に伺います。この資料一の後段にあるように、国連は、対象、つまり傷つけられる対象の属性のみを理由とした重罰化を強く戒めております。つまりどういうことかというと、つまり、損壊される物は物、侮辱される人は人、これに優劣を付けて刑罰をしてはいけないという、平等に扱わなきゃいけない、これが国連の考え方というか、国際人権の考え方であります。 通常の損壊、器物の損壊は、個人所有なら無罪であり、他人のものでも告訴が必要な親告罪であります。しかし、本法案は、損壊対象が国旗であるという、象徴であるということだけを理由に、自己所有であっても告訴不要の非親告罪として重い刑事罰を科そうとしております。これは、この国連が戒める対象の属性のみを理由とした重罰化そのものではないでしょうか。国際人権基準に真っ向から違反する可能性の高いこの法案をなぜ今制定しようとするのか、その見解を求めます。どうぞ。
○政府参考人(門脇仁一君) お答え申し上げます。 委員御指摘のこの自由権規約委員会の一般的意見、これは、委員御案内のとおり、我が国に対して法的拘束力を有するものではなく、一般的な意見も踏まえてどのように自由権規約を実施していくかについては、各締約国において個別に判断されるものというふうに理解をしております。 その上で、一般的意見で表明されている委員御指摘の懸念については、これが具体的にいかなる行為を指しているのか明らかではないため、一概にお答えすることは困難と申し上げざるを得ません。 我が国としましては、いずれにしましても、引き続き、自由権規約を始めとする我が国が締結した人権条約を誠実に遵守してまいりたいと考えております。
○衆議院議員(長谷川淳二君) お答えいたします。 国連自由権規約委員会が御指摘の記載をしていることは承知をしてございます。その上で、これ先ほど外務省から答弁ありましたように、自由権規約の解釈についてお答えする立場にはございませんが、一般論として、先ほど政府参考人から答弁ありましたように、それに含まれる勧告的内容は各締約国にその実施を法的に義務付けているものではないと承知をしており、国旗を損壊等する行為を抑止する手段としての刑罰の要否や内容については、各国の実情に応じて検討がなされるべき事項であると承知をしています。 その上で、その上で法案提出者として申し上げますと、国旗や象徴に対する不敬が具体的にいかなる行為を指すのかは明らかではございませんが、この本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護するため、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めており、処罰対象を明確なものとしており、かつ国旗に対する侮辱罪を設けるようなものではございません。 したがって、国旗や象徴に対する不敬を処罰する法律でありますとか特定の行為を非難する表現行為を処罰するとの御指摘は当たらないものと考えております。
○伊勢崎賢治君 そのお答えはもう想定したとおりで、つまり拘束力がないからですね。拘束力ないというのは分かっているんですけれども、国際規範に唾を吐く必要はないです。よろしいでしょうか。特に、我が国のような国連主義を外交方針の中心として掲げる国は唾を吐く必要がない。僕は、これは逆行していると言っているんです。つまり、区別するなと言っている。物は物、人は人、それ傷つけられますよ。でも、そこに優劣を付けちゃいけないということを言っているわけ。それだけなの、国連が言っていることは。これが国際人権の基本です。よろしいでしょうか。続けます。 最後です。最後になっちゃいます。 これ、資料二を御覧ください。 これがその自由権規約、有名な二十条ですね。ちょっと耳が痛いと思いますけれども、差別、敵意又は暴力の扇動となる憎悪の唱道、唱道ですね、は法律で禁止する。これ、日本はこの規約をどの条項も留保することなく批准しております。つまり、明確な実害を伴う唱道の禁止を義務付けているんです。 しかし、歴代の政府は、表現の自由を言い訳に、この扇動を取り締まる法整備を怠り続けております。この問題は、この委員会で再三僕は指摘しております。そればかりか、集団殺害を予防するジェノサイド条約すら批准していません。これはG7で日本だけであります。そのG7の中で、この法案の趣旨説明にもあるように、国旗損壊罪がないのはG7で日本だけ。これは非常にミスリーディングですけれども、このジェノサイド条約を批准していないのは日本だけ、G7で。これは本当ですからね。こっちを覚えておいてください。これは本当ですから。まあいいです。 自らを法治国家と呼ぶのであれば、当然、国際法上の義務、扇動を取り締まる法整備、それとジェノサイド条約の批准はもちろん果たすべきだと僕は考えます。 一方で、本法案の第二条は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法という、これは受け手の主観的な感情、すなわち胸三寸を処罰の要件にしております。これどういうことかというと、まとめると、人命を扇動の結果の集団暴力から守るという極めて重大な保護法益の法制化は表現の自由を盾に拒みながら、我が国は、国旗に対する主観的な感情や敬愛の念というこの実態のない感情を守る保護法益のためにはいとも簡単に表現の自由を制約して刑事罰まで科す。これ、めちゃくちゃでしょう、これ。何なんですか、これ。めちゃくちゃです、これ。 国家が、表現の自由という、憲法上、そして国際法上の大原則を政治的都合で都合よく使い分け、弄んでいると言わざるを得ません。この決定的なねじれ、法務省はどう説明しますか。お願いします。 本法案は、この第三条において、表現の自由に配慮するふりをしていますね。ふりをしていますね。しかし、これは、今言った法的破綻を覆い隠すための、覆い隠すためのお飾りにしかすぎません。 提案者に伺います。 表現の自由と、今言った処罰すべき、つまり、集団暴力を生みかねない扇動の、扇動ですね、の境界線について法的な決着を見ないままこの法案を通すことは、人間の属性への、属性への集団暴力に法的な正当性を与えかねない極めて重大なリスクをはらんでいるのではないでしょうか。見解を求めます。
○政府参考人(堤良行君) 現在国会で御審議中の議員立法につきまして、法務省として意見を申し上げる立場にはございません。
○衆議院議員(長谷川淳二君) お答えいたします。 我が国がジェノサイド条約を批准していないことは承知しておりますが、条約の締結は内閣の権能とされておりますことから、ジェノサイド条約を批准していないこととの関係で、委員御指摘のねじれが生じているのではないか、決着を付けるべきではないかという御指摘について、立法者の法案提出者として見解を述べる立場ではないことは御理解をいただきたいと思います。 その上で、本法案と表現の自由との関係について申し上げますと、表現の自由は基本的人権のうちでも最も重要なものでありますことから、まず本法案は、繰り返しになりますが、国旗を大切に思う国民感情という社会全体の重要な利益の保護を図るため、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる方法で公然と損壊、除去、汚損するという客観的な行為態様を構成要件とするとともに、その方法に該当するかどうかの判断については、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情に基づいて行う旨を定めており、処罰範囲を明確にするとともに、国旗に対する侮辱罪を設けるようなものではございません。 さらに、この罰則につきましては、国旗の損壊等の行為によってなされる表現の内容、すなわち、伝達されるメッセージとは全く無関係に、その行為がもたらす弊害を防止するためのものでありまして、表現の自由に対する制約の程度は小さいことなどから、この本法案の罰則は必要かつ合理的な規制であり、表現の自由を保障する憲法二十一条一項に違反するものではないと考えているところでございます。
○伊勢崎賢治君 せっかく締めの言葉を用意してきたんですけど、時間になりましたので。これ、まだ来週時間がありますからね、やりましょう。よろしくお願いします。
○委員長(北村経夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国旗の損壊等の処罰に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会
この記録を確かめる
S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #3771 観測 2026-08-15 00:24 JST改ざん検知用の値
dbc59d63…ac5c95(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #3772 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- d9c9751b…ce4f2e
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。