令和八年五月二十六日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 五月二十一日 辞任 補欠選任 若井 敦子君 青木 一彦君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 北村 経夫君 理 事 今井絵理子君 松川 るい君 渡辺 猛之君 杉尾 秀哉君 堂込麻紀子君 委 員 青木 一彦君 佐藤 啓君 鶴保 庸介君 寺田 静君 三原じゅん子君 鬼木 誠君 小島とも子君 塩村あやか君 牛田 茉友君 窪田 哲也君 司 隆史君 柴田 巧君 高木かおり君 大津 力君 大門実紀史君 伊勢崎賢治君 国務大臣 内閣総理大臣 高市 早苗君 国務大臣 (内閣官房長官) 木原 稔君 事務局側 常任委員会専門 員 三瓶 朋秀君 法制局側 第一部長 小野寺 理君 国立国会図書館側 専門調査員 石原 隆史君 政府参考人 内閣官房内閣審 議官 町田 達也君 内閣官房内閣審 議官 岡 素彦君 内閣官房内閣審 議官 鎌谷 陽之君 内閣官房内閣情 報調査室内閣衛 星情報センター 次長 和田 薫君 警察庁刑事局長 重松 弘教君 警察庁警備局長 千代延晃平君 公安調査庁総務 部長 渡部亜由子君 外務省大臣官房 審議官 三宅 史人君 外務省大臣官房 サイバーセキュ リティ・情報化 参事官 花田 貴裕君 外務省国際情報 統括官 七澤 淳君 財務省主計局次 長 吉沢浩二郎君 経済産業省大臣 官房審議官 西脇 修君 防衛省防衛政策 局次長 松尾 智樹君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○国家情報会議設置法案(閣法第二四号)(衆議院送付) ─────────────
内閣委員会
発言 257
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、若井敦子君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国家情報会議設置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官町田達也君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 国家情報会議設置法案を議題とし、内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松川るい君 自由民主党の松川るいです。 高市総理は、さきの本会議における私の質問に対し、国家情報会議設置はインテリジェンス改革の第一歩として、今回の国家情報局の設置をその先の対外情報庁設置の第一歩と明言されました。私は、背筋が伸びる思いでありました。 私は、高市総理の使命は、戦後レジームからの脱却を完成させることだと確信をしております。戦後レジームというのは、日本が敗戦した後に、軍事的脅威とならないように日本を弱体化したままにするため、普通の国であれば当然備えている国家としての機能がそがれた体制です。例えば、集団的自衛権の制約、防衛装備移転の過度な規制、そして、その最たるものが独立した対外情報機関が存在しないことであります。 戦後八十年、安倍総理を筆頭に、歴代内閣の努力により、平和安保法制で集団的自衛権は日本自身を守るために最低限必要な手当てはできたと思います。また、防衛装備移転の五類型も撤廃できました。 今、時代が変わりました。力が支配する危機の時代、AI、量子技術の登場で、世界の変化のスピードも劇的に変わる時代に向かっています。インテリジェンス改革も、ジェームズ・ボンドの世界というより、もう今はサイバーインテリジェンスが非常に大きな割合を占めておりますし、そういう意味で、サイバーインテリジェンスの最高峰の枠組みであるファイブアイズと対等に渡り合い、ギブ・アンド・テークで情報共有ができることも、従来とは比較にならないほど重要になっていると感じます。 これまで我が国は、重大な国家機密や脅威の兆候については、アメリカを始めとする同盟国から情報を教えてもらう言わば受け身のポジションにあることが多かったと思います。ただ、他国に頼り切りの、もらうだけの国のままでは激動の時代に国民の命を自前で守ることはできない。サイバー、宇宙、経済安保、あらゆる分野で一目置かれる主要プレーヤーに脱皮できるかは、この先の具体的なステップに懸かっていると考えます。 そこで、総理にお伺いします。 国家情報局の誕生を機に、日本を、情報をただ待つだけの国から脱却し、次なる段階である対外情報庁の設置への検討と、ファイブアイズからも一目置かれるインテリジェンスの主要プレーヤーと脱皮する覚悟とともに、世界のインテリジェンスの中枢にどう切り込んでいくのか、総理の力強い御決意を求めます。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 複雑で厳しい国際環境の中で、我が国が平和と繁栄を維持して重大な危機を未然に防ぐためには、政策部門の的確な意思決定を情報部門がしっかりと支えていくことができる体制を整えることは極めて重要でございます。 本法案において、閣僚級の国家情報会議と政府全体の総合調整機能を有する国家情報局を設置するということで、省庁の垣根を越える分野横断的な脅威や課題に対しても情報面で一体的かつ総合的に対応する体制を確立できると考えております。 一方、本法案による司令塔機能の強化というのは、あくまでも改革の第一歩であります。インテリジェンス機能の更なる強化に向けて、委員御指摘の対外情報機能の充実も重要な課題です。そうした残された課題への取組を不断に進めていくことで、高い情報力を備えた国家として、同盟国、同志国との間で強固な情報協力のネットワークを構築して、国民の皆様の安全、安心や国益を守り抜いてまいる決意でございます。
○松川るい君 ありがとうございます。力強いお言葉をいただきました。 昨日、ストラテジーとインテリジェンスの世界的第一人者でもある、長らくの友人でもあるエドワード・ルトワック博士と意見交換をする機会がありました。そのときに、やっぱりCIAの失敗を繰り返すなということも言っておられました。才能ある人をリクルートして適性のある人に訓練を施すことである、そうでないと良いインテリジェンスオフィサーにはなれない、また語学力も必須といったこともおっしゃっていました。 私は、是非、今後の政府の取組として、自分の国は自分で守る、特定の他国に依存しない、真に自立した国をつくる、そのために、他国の例も学びながら最高のインテリジェンス改革を推進することを心から期待しております。また、自分自身も取り組んでいきたいと考えております。 本日はありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主・無所属の杉尾秀哉でございます。 本法案の質疑の前に、選挙の際の高市総理陣営の中傷動画疑惑について伺います。 配付資料を御覧ください。 疑惑発覚当初、今月十一、十三日、総理は国会質疑で、秘書を信じるとか報告を受けているなどと、人ごとのような答弁を繰り返しておられました。この時点で渦中の地元第一秘書にどういう聞き取りをしたか、具体的に答えてください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 通告がありましたことに関しまして、地元の秘書に電話で聞き取りを行いました。
○杉尾秀哉君 御自身で聞かれましたか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私自身が電話で聞きました。
○杉尾秀哉君 この後、先週二十二日の本会議で総理は、高市陣営として動画の作成や発信を依頼していないと、こういうふうに答弁されました。 これも資料ですけれども、これについて動画を作成したとされる男性は、十八日のネット番組ノーボーダーニュース、自分が主導してやった、秘書とは会っていないがオンライン会議をした、こういうふうに発言をしています。 仮に、総理がおっしゃるとおり、高市陣営として動画作成を依頼していないとしても、地元秘書とこの男性との間で全くやり取りはなかったし、またオンライン会議もしていないと、総理、断言できますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、事務所の職員に事実確認をいたしましたが、自民党の総裁選挙や総選挙の期間中には、面識のない方も含め莫大な数の電話やインターネットのやり取りがありましたが、週刊誌の記事にあったような内容は確認できないし、記録もないということでございました。
○杉尾秀哉君 私は、そんなこと聞いていません。やり取りをしたか、オンライン会議をしたか、これを聞いています。
○内閣総理大臣(高市早苗君) これは、インターネット上の莫大な数のやり取りがあった中でそういったやり取りの一つ一つを確認することは困難ですが、週刊誌の記事にあったような内容は確認できないということでございます。
○杉尾秀哉君 じゃ、オンライン会議したことは否定しないんですね。 じゃ、報道によりますと、地元秘書と当該男性との間のやり取り、メール、LINE、シグナルなど六十七通、オンライン会議は少なくとも八回だったそうです。証拠も示されています。この証拠は確認しましたか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 秘書に事実確認をいたしました。週刊誌の記事にあったLINE、シグナル、ショートメッセージのやり取りについても、その存在は確認できなかったと報告を受けております。
○杉尾秀哉君 じゃ、秘書が否定をするならば、この男性か地元の秘書のどちらかがうそをついたということになります。 総理の説明どおりだと、この男性がうそをついているということになりますが、違いますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 私は、面識もない方に対して、その方の名誉を傷つけるようなことは申し上げたくございません。
○杉尾秀哉君 先日の総理の答弁によりますと、初当選以来、私は他候補を批判したり人格攻撃をしたことがない、こういうふうにおっしゃっていました。なのに、自らの哲学に反することを見ず知らずの人にされて、怒らないでそのままって、おかしくないですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) その見ず知らずの方がそういうことをやったかどうかということについても、私が承知する立場にはございません。 また、先ほど来、オンライン会議とおっしゃいますけれども、私自身、総裁選挙の候補者でありました。総裁選挙の期間中、とってもたくさんのオンライン会議をやりました。全四十七都道府県回れるわけではありませんから、どこどこの県とつながっていますというようなことでオンライン会議をしましたけれども、十数人、二十人の方が次から次に出てきてですね、お名前をおっしゃる方、お名前をおっしゃらない方、いろいろありました。そういったことの一つ一つについて私が明確に覚えているか、オンラインを誰々とやったかという、こんな記録、記憶があるわけないじゃないですか。 ですから、委員がおっしゃるとおり、秘書に確認をしましたけれども、記録はないと、そしてそういった週刊誌にあったやり取りはないということを誠実に確認をいたしました。
○杉尾秀哉君 私は、そういうことを勝手にされて何で怒らないのかと聞いているのに、何で全然違うことばっかり答弁するんですか、おかしいでしょう。 最後になりますけれども、総理は、これ消されたそうですけど、ブログの中で、高市事務所では、秘書は、代議士の了承がなければ、陳情や依頼を勝手に処理してはいけないということだそうです。何か問題が起きたときに、私は知らなかったと言いたくないと、こういうふうにもブログで書かれていました。今回は、私は分からない、知らなかったで済まそうというんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 週刊誌の記事の件については、秘書が勝手にやったことと申し上げているのではなくて、秘書もそのようなことはしていないと申し上げております。
○杉尾秀哉君 管理責任と説明者責任が問われているというふうに思います。この疑惑が事実であれば、まあ、何でもありですよね、民主主義の根幹に関わります。総理辞任どころか、議員辞職にもつながりかねない重大な問題だと思います。逃れようと思っても逃れられないということは申し上げます。 では、本法案について聞きます。 いきなりこれも総理に聞きますけれども、国家情報会議とNSC、国家安全保障会議の関係について、情報部門であります国家情報会議と政策部門でありますNSCの分離、峻別の重要性、これについてはどう考えていますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 政策部門と情報部門は、相互に干渉し過ぎないように活動することが重要でございます。政策部門への配慮により報告すべき情報が報告されなかったり、逆に情報部門の意向で政策がゆがめられたりといったことがあってはならないです。 この点、本法案によりまして、情報部門である国家情報会議が政策部門である国家安全保障会議と同格のものとして整備されることで、情報の客観的な分析、評価を進める仕組みが整備されるものと考えております。
○杉尾秀哉君 今、総理は、相互に干渉しないというふうにおっしゃいましたけれども、総理はどちらの会議も議長なんですよ、トップなんですよ。メンバーの閣僚も同じなんですよ。こんな組織、欧米諸国見てもどこもありませんよ。総理に権限が集中し過ぎていますよ。これで政策と情報の分離ができるんですか。一人二役をするんですか。一体化の懸念って払拭できるんですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 憲法上、内閣総理大臣は、行政各部を指揮監督するとされています。そもそも総理は、安全保障政策に関しても情報活動に関しても、関係機関を指揮監督するための権限を有しております。 このことを前提に、本法案では、総理を議長とする会議体やその事務局組織を設置しました。各省庁の情報活動に対する方向付けや情報の集約などを行う上で必要となる行政機関相互の規律を設けるものでありまして、総理が有している指揮監督権限を増やしたり、あるいは集中させたりということを行う法律案ではございません。
○杉尾秀哉君 答弁になっていないですね。 もう一つ聞きます。 これ、時の総理がNSC、それからNSS、国家情報局、この局長の人事を自在に操ることができる。実際に、総理は、NSSの岡野局長を九か月で更迭をいたしました、交代させました。国家情報会議ができれば、総理を頂点として国家情報のピラミッドができます、権限が強大になります。さらに、両組織の人事が総理の一存で決まるということになりますと、なおさらです。 ただでさえ内調が総理の私的機関化していると言われる中で、総理の独裁的権限を防ぐ手だてが……
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○杉尾秀哉君 この法律にないということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○牛田茉友君 国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。 国家情報会議設置法案につきまして、高市総理に質問させていただく機会いただきましたこと、ありがとうございます。 我が党は、インテリジェンス機能の強化そのものについては、現在の国際情勢を踏まえまして、必要不可欠であると認識をしております。しかし、同時に、インテリジェンスは、国民の生命を守る力である一方で、その運用を誤れば、国民の自由や権利、民主主義に影響を及ぼしかねない極めて強い力であるとも考えております。 本法案は、単なる組織の新設ではなくて、国家が情報という力をどのように扱うのかという統治の根幹に関わる問題だと考えております。本日は、その点につきまして、総理の認識と責任を中心にお伺いしていきます。 まず、制度の実効性を左右する最重要基盤として、予算についてお伺いしたいと思います。 今回、内閣情報調査室を国家情報局へと格上げして国家情報会議を設置するという改革を進める中で、何よりも問われるのは、その実効性であると思います。我が国のインテリジェンス機能を抜本的に強化するためには、様々な継続的かつ相応の規模を持った財政的裏付けが不可欠であるというふうに考えております。この点におきましては、我が国の安全保障を担う総理も同じ考えであるというふうに確信をしております。 しかしながら、現状に目を転じますと、各省庁の予算要求には、いわゆるシーリング、概算要求基準の壁がありまして、実際の査定におきましても十分な増額が認められているというふうには言い難い状況にあるかと思います。このままでは、制度を整えただけでも、実際の機能強化にはつながらずに、この箱をつくっただけに終わるおそれがあるのではないかと危惧しております。 総理は、これまでの既存の予算の枠組みの中で対応されるおつもりなのか、それとも、インテリジェンス機能の強化に向けまして、必要に応じて特別枠の活用なども視野に入れ重点的な予算措置を講じる決断をされるのか。この改革、形だけで終わらせないという総理の国家リーダーとしての強い御覚悟と、そして前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 来年度の予算編成の在り方につきましては、今後、骨太の方針に向けて議論を行いまして、予算の作り方を根本から改めるべく検討を進めてまいります。 その上で、インテリジェンス機能強化というのは、昨今の厳しい国際環境において、危機を未然に防ぐ、そして、国民の安全や国益を戦略的に守るために必要不可欠でございます。 国家としての情報収集、分析能力を高めて、正確な判断を行っていくということが重要です。そのため、今後、国家情報会議や国家情報局が設置されましたら、その総合調整機能の下で、インテリジェンス関係省庁において情報収集、分析能力強化に関する具体的な検討を進め、そのために必要な予算を確保して、インテリジェンス機能の強化を進めてまいります。
○牛田茉友君 必要な予算を確保されるという強い前向きな御答弁をいただきました。 今、予算というハード面についてお尋ねいたしましたけれども、制度を機能させて実効性を担保するのに人材というソフト面も欠かせない視点だと思います。 これまでも私も質疑を行わせていただきまして、前向きな御答弁を頂戴いたしました。インテリジェンスを機能させるのには、人材育成、人材確保が非常に重要だと考えております。その議論の前に、まず、人材登用におきまして、人物本位、能力本位での人材登用が大前提であるということは申し述べておきます。 インテリジェンスの分野におきましては、サイバー、地政学、経済安全保障といった多岐にわたる分野があって、長期的な経験の蓄積や専門性の深化が不可欠だと思います。しかし、現在の我が国のこの行政組織ですと、各省庁からの出向や数年単位のローテーションが中心となっておりまして、いわゆるゼネラリスト育成型の人事慣行があるのが現状だと思います。 こうした現状ですと、なかなか継続的な専門性の蓄積が難しい構造となっていると思います。特に、司令塔となるべき組織におきまして、上層部、そして分析の核心を担う職員が短期間で出向元の省庁に戻っていって入れ替わっていくという形ですと、中長期的な視点に立った分析や判断を行うのは難しいのではないかと思います。 例えば、民間から高度人材の、高度専門人材の登用であったり、さらには、その専門性にふさわしい独自の給与体系の構築に加えまして、出向元の省庁への復帰を前提としない片道切符で専門性を蓄積していくという人材の確保といった考え方なども検討すべきではないかと思うんですけれども、総理としての御認識をお聞かせください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 昨今のインテリジェンス業務におきましては、例えばAIですとかサイバーですとか、高度な専門知識が求められるようになっております。こうした先端領域におきましては民間で養われた優れた技術や経験も必要でございますので、企業からの専門人材の登用については一層拡大してまいりたいと思います。 それから、処遇面について申し上げましたら、そうした専門人材も含めて、御党も唱えておられる情報部門特有の事情に起因した危険や労苦に見合う処遇の確保というのは重要な課題だと認識しておりますので、具体的に検討してまいります。 在勤年数の問題なんですけれども、出向元の事情ですとか個々の職員の考えもありますので、他機関への転籍を強いるということは難しい面もございますが、出向期間を長くしたり、一度きりではなく複数回出向いただいたり、また、各省庁の情報部門を歴任していく横断的なキャリアパスなどを確立するということも考えております。 専門性の蓄積と向上のための人事政策を進めてまいります。
○牛田茉友君 是非とも柔軟な人事登用をお願いいたします。 では最後に、この新しい制度が国民から正当なものとして受け入れられるための信頼の基盤についてお伺いします。 短くお尋ねしますが、政府として本制度の意義や方向性についてどのように説明をして理解を広げていくのか、この改革を国民とともに進め、信頼という揺るぎない土台の上に築いていくという総理の強い御決意をお願いいたします。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 民主主義国家における情報活動というのは国民の皆様の理解と信頼の上に成り立つものですから、秘匿性と透明性のバランスというのは大変重要だと考えております。 ですから、手のうちをさらさない範囲ではございますけれども、国民の皆様に対して、情報活動の目的、課題、必要性、情報機関の大まかな運用状況、どのような法律、手続に基づいて情報収集が行われているかといった点を丁寧に説明してまいりたいと思っております。
○牛田茉友君 ありがとうございます。 こうした人事慣行の打破や、そして情報の客観性の確保、そういったものを、国民の信頼に足る誠実な運用を強く求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○窪田哲也君 おはようございます。公明党の窪田哲也です。 複雑な我が国を取り巻く安全保障環境、戦後最も厳しい状況にあると思います。そうした意味で、情報面で国民を守っていく、大変重要なことであると思っております。しかし、国民のこの理解、納得、これが大前提だと思っております。識者もこの点については多くの方が指摘をされて、理解を得ながらインテリジェンスの機能強化を進めていかなければならないということを指摘をされているとおりであります。 国民の理解醸成に向けて総理はどのように具体的に取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 我が国のインテリジェンス機能を強化するに当たって、国民の皆様の御理解を得るということが大変重要だというのは、私も窪田委員と認識を全く同じくするところでございます。本法案の審議においてもできるだけ丁寧な説明を心掛けてまいりました。 委員の皆様から示されました、個人情報やプライバシーが無用に侵害されたり、特定党派の利益を図るような情報収集が行われたりはしないかといった御懸念に対しても、そういったリスクを高める法案でないことについて、私も法案担当の官房長官も説明をしてまいりました。 本法案は今後進めなければならない改革の第一歩でございますので、本法案以外にも検討を進めるべきインテリジェンス施策があります。それらにつきましても国民の皆様の理解と納得を得ていくことがとても重要ですから、一つ一つ丁寧に御説明申し上げます。
○窪田哲也君 それで、この法案、仮に成立したならば、情報活動の推進方策文書、中長期的な、これをまとめられて国会に報告して公表されるということですけど、その中身について伺いたいと思います。 この文書に書き込む内容、そして策定のめど、時期、さらに、今総理もおっしゃいましたけれども、個人情報、プライバシー、これ無用に侵害しない、そして政治的中立性、これしっかり担保していくのだと、このようなことも当然この文書の中には書き込まなきゃならないというふうに考えておりますけれども、具体的な中身等について伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 本法案によりまして国家情報会議が設置されました暁には、政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書をしかるべき時期までに作成、公表したいと考えております。 その具体的な中身については、今後、まさに国家情報会議において自由闊達に議論して検討していくことになります。例えば、衆参両院の審議でもその重要性を御指摘いただきました現下の国際環境や取り巻く脅威、情報と政策の分離によるインテリジェンスの客観性確保、また人材確保や人材育成の方針、先端技術の導入、活用といった点のほか、個人情報やプライバシーを無用に侵害したり、政治的中立性を損なうような情報の収集、提供を行わないための具体的方策についても文書の取りまとめの際に議論したいと思っております。 それで、時期についてもお尋ねがありましたが、本法案をお認めいただいた後、その施行については公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日とされていますので、まず本法案が施行されて、その後、国家情報会議において議論をいたしますので、現時点で文書の取りまとめ時期を明確に申し上げることができないことは御理解くださいませ。
○窪田哲也君 この我が国のインテリジェンス機能の強化、これはとても大事なことであると思っておりますけれども、一方で、それと同時に、国民の側のインテリジェンス機能の強化、これが私とても大事なことだと思っております。 今、我が国も民主主義をゆがめられかねない、そういう外国勢力の動きもあるという中で、国民一人一人の情報リテラシーの向上、国としての体制強化とともに、国民一人一人のこのインテリジェンス機能強化、情報に対する感度の引上げというか、偽・誤情報に対する耐性の強化、耐える性能ですね、耐性の強化、こうしたことも必要だと思っておりますけれども、今回設置を目指している国家情報会議、これが設置をされたならば、国民のこのインテリジェンスに対する情報リテラシーの向上をどのような形で引き上げられていくのか、この関係性等について伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 昨今、例えば外国勢力が自国を有利な立場にする目的で我が国の世論を誘導するための偽情報を拡散するなど、国民の皆様の認知領域をターゲットとした工作が活発に行われていると承知しております。対処していくためには、世代を問わない国民の皆様の情報リテラシーの向上が大変重要です。 本法案によって設置される国家情報会議が外国情報活動への対処に関する基本方針を示して、各省庁がこの基本方針に沿って様々な取組を行っていくことで、外国による諸工作の実態や手口がどういうものか、そういう情報が収集されます。これをリテラシー向上のための諸施策に生かすということが期待できると思っております。
○窪田哲也君 そうしたことも国民の理解につながっていくと思いますので、よろしくお願いします。 最後に、外国勢力や外国政府、この利益を図る目的で国内で活動する外国代理人登録法、この必要性について、総理は今どのような認識に立たれているのか、そして、今言われているこの法の、どのような法整備で、そしてどのような外国代理人が登録することになるのか、このことについて最後伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 外国代理人登録法と言われるものですが、外国政府などの指示や依頼によって政策誘導や世論形成のために政府や議会に働きかけを行ったり、情報活動や宣伝活動を行ったりする人物又は団体に対して届出や登録を義務付ける制度として米国や英国などでは既に整備されていると承知しております。外国による不当な干渉を防止するための制度として、我が国においても検討する必要があると考えております。 ただ、こうした制度は、民主主義を守る機能が認められる一方で、国民の皆様の権利利益にも関わり得るものでございますので、丁寧な検討が求められるものです。届出や登録の対象をどうするかといったことを今すぐお答えできる段階にはありませんけれども、様々な御意見を賜りつつ、丁寧に検討を進めさせていただきます。
○窪田哲也君 どうか、今後の検討においても国民の御理解を得られるように丁寧に進めていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 本日は、高市総理に思いを込めて御質問をさせていただきたいと思います。 これまでの審議を通じまして、国家情報会議の設置、すなわち情報の司令塔を法律に基づいて創設するという今回の取組はまさに大きな意義があると確信をしております。 これまで、外交、防衛、そして経済、サイバーと、それぞれの省庁が縦割りで抱えてきた情報を内閣総理大臣を頂点とする法律上の司令塔に集約し、総合調整によって政策判断に届ける仕組みを初めて制度として確立するというわけです。覇権主義国家による複合的脅威が現実のものとなっているこの時代におきまして、政治のリーダーシップの下で基本方針を定め、役割分担を明確にし、情報を統合、分析していく体制をつくるということは、国家として当然整えるべき基盤であると考えております。 しかし、率直に申し上げて、司令塔ができたとしても、それだけでは足りません。その足らざる部分の一つが自民党、日本維新の会の連立合意書に書き込まれました対外情報庁の設置でございます。 現在の日本には、外国政府や外国組織に対して能動的に情報を収集する対外専門機関、いわゆるヒューミント機能が事実上存在しません。CIAやMI6のような対外インテリジェンス機能を日本だけが持っていないというのでは、世界で渡り歩いてはいけないと思います。ファイブアイズを始めとする同盟国、同志国との情報共有におきましても、このような状況ではギブ・アンド・テークはできないというわけでございます。司令塔が幾ら優れていても、この集まってくる情報の質と量に限界があれば、正確な判断ができないというふうに思います。 そして、もう一つの足らざる部分というのが、インテリジェンス・スパイ防止関連法制の整備であると思います。 先端技術や防衛関連情報の流出が疑われる、まさにそういった事案が複数起きているにもかかわらず、法的手段が限られているために十分な対処ができていないというケースが散見されます。国民への丁寧な説明と御理解を得るということは大前提としつつも、やはり、いかにすれば我が国の国民の命と安全をしっかり財産も含めて守っていけるのかという視点が大変重要だと思います。 先ほど申し上げました対外情報庁の設置、それからインテリジェンス・スパイ防止関連法制の整備を今こそ前に進めるべきときが来ていると考えますが、連立合意を踏まえ、高市総理の今後のビジョンと強い御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) インテリジェンスの司令塔機能を強化するという本法案は、進めなければならない改革の第一歩でございます。これで完成するものではございません。 本法案以外のインテリジェンス政策につきましては、現行の制度や運用の中で足らざる点をよく見極めながら、我が国に対して行われる外国による影響工作のような安全保障上の脅威への対処や対外情報機能の充実といった重要な課題について、一つ一つ丁寧かつ着実に検討を進めなければなりません。 我が国が直面する困難な課題に対処し、国民の皆様の安全や国益を守るために、御党との連立政権合意書を踏まえつつ、政府、与党とで緊密に連携をして、実効性のあるインテリジェンス政策をしっかり立案してまいる考えでございます。
○高木かおり君 力強い御答弁、ありがとうございます。 本法案は、まさに我が国の情報体制を抜本的に強化するための第一歩であると私自身も思っております。 今回の法案審議を通じまして、私も、この外国の影響工作への対処体制であるとか法整備の必要性、インテリジェンスサイクル、こういった様々な論点を御質問させていただいてまいりました。やはりこれにとどまらず、先ほど総理からもおっしゃっていただきました連立合意の精神の下で、インテリジェンス機能をしっかりと高めるために着実に実行に移すことが重要だと私自身も思っております。我々もしっかり尽力をしてまいりたいと思います。 国民の命を守り抜く情報体制の確立をしっかりとつくっていくことをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 参政党はこの法案に対して賛成をするつもりでおりますけれども、むしろまだまだこれでは足りないと、これはあくまでも第一歩であると、そのような認識の下、今日も総理に質疑をさせていただきます。 まず初めに、本法案の背景となる、やはり日本が情報戦にさらされているという認識についてでございます。まだまだ多くの国民の中には、やはり日本はずっと平和だったんだから特にそうした争いには巻き込まれてはいないんだと、脅威にさらされていないんだと認識されている方がいらっしゃるんです。やはり今厳しい情報戦にさらされておりますから、是非とも総理の口から、今、日本のこの情報戦の現状について改めて御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 外交、防衛、経済、技術などをめぐる激しい国家間競争の背後におきまして、各国の情報機関が非公然の諸工作を活発に展開しており、我が国もまたターゲットとされております。 例えば、接近工作を行う情報機関員への先端技術情報の流出、また官民の重要秘密を狙ったサイバー攻撃、自国に有利なよう世論を誘導する偽情報の拡散などは我が国で現実に起こっている脅威であり、その対処は急務でございます。これは、政府のみが狙われているのではなくて、企業秘密や有権者の皆様の認知領域もターゲットでございます。 今後、政府を挙げてその解明に取り組み、その結果、判明した工作の手口や実態を企業や国民の皆様にお伝えして、官民一体となった情報戦への対処を進めてまいります。
○大津力君 ありがとうございます。 次に、この法案が審議されるに当たりまして、連日、私の事務所にファクスが届いておりまして、そのファクスというのは、国家情報会議設置法案は国民を戦争に巻き込む法案だから反対をしてくださいと、戦争法案に反対と、このような内容のファクスが、昨日辺りでもう百枚ぐらい届いておりまして、連日ファクスの紙がなくなってしまって困っているんですけれども。 そういった方々の声に向けて、私たちは、やはりこの法案というのは、厳しい情報戦に備えることでむしろ国民を戦争の惨禍から逃れるようにするための法案であると認識をしておるんですが、これまでも官房長官にもこういった件お答えいただいたんですが、改めて総理の口から、この法案ができることによって戦争から逃れることができるんだと、そういうような答弁を是非いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 委員のお言葉をそのままお借りしたら、戦争から逃れることができるということも含めて、危機を未然に防いで我が国の平和と繁栄を維持するためのものだと考えています。 一例を挙げましたら、我が国の安全保障や国民の皆様の安全にとって脅威となる相手国の意思や軍事動向について誤った分析に基づく政策判断がなされてしまえば、事態をより緊張させることにもなり得ます。 ですから、こうした事態を避けるべく、平素から質の高い時宜にかなった情報をできるだけ多く収集して、総合的に分析するための基盤を整備する、そういった法案でございます。
○大津力君 ありがとうございます。 最近、私、こう言ったら自民党の方に怒られてしまうかもしれないんですが、元安倍総理に似てると言われる機会が増えまして、安倍総理も生前、このスパイ防止法制に関しては、日本を取り戻す、また戦後レジームからの脱却ということでスパイ防止法制に大変前向きであったと認識をしております。高市総理も、安倍総理の遺志を継ぐある意味第一人者の一人といたしまして、このスパイ防止法制に関しても大変前向きに考えられていると思っております。 そんな意味で、今回の法案は、やはり国家を守るための情報戦略の第一歩という認識でございますから、今後、我々参政党も今国会においてもいわゆる包括的スパイ防止法の法案を提出しておりますから、今後のそうしたスパイ防止法制の取組が大事であると思っております。 改めて総理の口から、最終的に、この後、スパイ防止法制が国を守るために必要なんだということを改めて総理の口からいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 外国情報機関などによる非公然の工作というのは、我が国の安全保障上の重大な脅威となっております。この対処能力の向上というのは急務です。外国勢力による不当な干渉を防止するためには、様々な取組を総合的に進めていく必要がございます。大津委員御指摘の法制面の手当ても、また放置できない重要な課題でございます。 今後、一つ一つ丁寧かつ着実に検討を進めて、実行に移せる施策から実行に移してまいりたいと考えております。
○大津力君 是非とも、日本を守るためにはこの情報戦に何とか備えないといけませんから、この法案が通った後も、またスパイ防止法制のような検討に入るときも、是非とも国民の理解を得られるように丁寧に説明をしながら、そして日本のこの現状と、そしてどういう形であれば日本が守れるのか、そういったことを是非とも発信をしていただきましてスパイ防止法制につなげていただきますことを望みまして、私の質疑とさせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 高市総理とは大学が一緒ということで、よろしくお願いいたします。同じ六甲山の麓を通いながら、その後は正反対の道をたどったのではないかというふうに思います、感慨深いものがございますけれど。 質問いたしますが、総理は、御著書の「国力研究」の中で、今後、日本もアメリカのようなDCSA、あれですね、国防防諜安全保障局ですかね、DCSAを設置する必要がありますと明確に述べておられます。DCSAというのは、いろいろ、要するに簡単に言えば、アメリカの二百万人以上の政府職員あるいは防衛関連産業に働く人たちを、セキュリティークリアランスといいますか、もっと言えばリアルタイムの自動データ照合によって継続的に監視をしているというような組織でございます。 総理は、将来こういうものが日本にも必要だというお考えで御著書の中で述べられたんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 正確に言いますと、著書というより編著書でございますけれども、この記述は一国会議員としての当時の考えを述べたものです。内閣総理大臣としての立場でコメントすることは控えます。 しかし、その上であえて申し上げましたら、我が国の政府職員に対して外国情報機関が諸工作を行うということも想定されることを踏まえれば、情勢に応じて、セキュリティークリアランスも含めて、諸工作への対応の在り方について不断の見直しを図るということは重要だと考えております。 こうした問題意識は、本法律案において国家情報会議の調査審議事項の一つとして外国情報活動への対処が位置付けられているのと同様のものでございます。
○大門実紀史君 実は、このアメリカの場合は、デュアルユースをかなり広く捉えておりまして、なかなかこのことが広い国民監視につながるんじゃないかという指摘をされているところでございます。 もう一つお聞きしますが、今回の法案の国家情報局が各省庁から膨大な個人情報を集めるわけですけれども、それは、要するにAIとかビッグデータ解析ですかね、蓄積、分析、ファイリングがされて膨大な情報を処理するんですが、その仕事、システムづくりというのは、到底、霞が関含めて各省庁ではできないと思うんですよね。 アメリカも実は民間企業にシステムを含めて委託しておりまして、お手元に資料を配っておりますけれど、それがパランティア・テクノロジー、アメリカで最もこの分野で躍進している企業でございます。 この新聞記事によりますと、パランティアというのは軍事作戦に活用されているということしか書いてございませんが、実はパランティアというのは、アメリカにおける市民監視にも広く使われているシステム、技術でありまして、例えば移民税関捜査局、ICEによって移民を監視する、あるいはFBIの犯罪予測システムにも使われて、要するに、大量の個人情報をプロファイリングして、集めてプロファイリングして、過剰監視ということで、人権団体から不必要な大量監視だと、一般市民のプライバシーの侵害だと強く批判をされている企業でございます。実はドイツでは、二〇二三年に、このパランティアのシステムがドイツ連邦裁判所が違憲だと、憲法違反だというふうなことを判断している、そういう企業でございます。 なぜ、こういう企業、まあ所詮一企業なんですけど、とわざわざ総理が会談する必要があったんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 三月五日に訪日中のピーター・ティール氏の表敬を受けました。そのときの話なんですが、非常にトランプ大統領とお近しい方だということで、米国の内政ですとか、SMRを含む日米の先端技術分野の現状と今後の展望について意見交換を行いました。面会の目的、内容というのは細かくは相手方との関係もございますので差し控えますが、私が話した主な内容は、以上申し上げたとおりでございます。 それから、多分委員はパランティア社のサービスを使うんじゃないかということを懸念されているのかもしれませんが、現時点で何ら決まったものはございません。
○大門実紀史君 パランティアというのは、トランプさんが後押ししているということで、やっぱりその関係で御紹介があったのかも分かりませんが、世界の主要国に営業を掛けているという団体、会社でございまして、しかも、パランティアしか持っていない技術があるということで、この法案が通った後、国家情報局がいろいろ各省庁も含めて膨大な資料を集めて処理するというときのこの技術でいうと、このパランティアしかないんじゃないかと言われるぐらい技術を持っているわけですね。そういう点でいいますと、そういうことも想定して向こうの方は総理に会いたいということで来たんではないかというふうに思います。 申し上げたいことは、先ほどのDCSAも含めて、またこのパランティアも含めて、こういうことがあるので、国民の中から、監視が強まるんじゃないかと、国民監視が、必要以上の国民監視がですね、プライバシーの侵害を含めて強まるんじゃないかということが日々、かえって懸念が広がっているのではないかと思います。その点では、後のことじゃなくて、今回のこの法案を提案されるときに、そんなことはありませんよと、大丈夫ですよと、ちゃんとチェックもしていただきますよというふうな第三者機関あるいは国会の監督、監視システム、今回やっぱり提案されるべきだと思うんですけど、これは、総理のお考え、いかがですか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今回、私ども、この法律案をお認めいただいて、ちゃんと国家情報会議ができてからではございますけれども、その方針についてはしっかりと国会にもお示しをさせていただきます。
○大門実紀史君 私は、この段階でこの法案の審議を終局して、採決とかですね、もう到底早いと。やっぱり、一旦やっぱり廃案にしてよくよく考えるべきだというふうな、大変危険な法案だということを最後に、委員会でも指摘してまいりましたけど、改めて申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊勢崎賢治君 総理、おはようございます。どうも。始めます。 歴史上、世界中の権力が反政府的な動きを抑圧するために用いてきた常套手段がございます。それがいわゆるエージェントプロボカトールですね。プロボーク、挑発、エージェントですから工作員、挑発工作員であります。これ、十九世紀のフランスを起源とするこの手法は、平和的なデモの中に、デモンストレーションですね、の中に、権力側の人間が紛れ込み、意図的に暴力を誘発すると、そして、その暴力を口実に抗議活動全体の正当性を奪い、より強硬な治安出動や監視の拡大を正当化する手法であります。これ、よく知られている手法であります。 しかも、これは独裁国家だけの話ではありません。同盟国アメリカにおいても、FBIが行った、近年ですよね、カウンター・インテリジェンス・プログラム、通称COINTELPRO作戦というのがございます。これは、当時の公民権運動やベトナム反戦運動ですね、など、国内の合法的な政治活動が脅威とみなされ、潜入や分断工作、そして信用失墜工作が謀られたことが後に議会調査で明らかになりました。これはアメリカしっかりしていますね、こういうところね。 総理、新設される国家情報局が、この手法、いわゆる、すなわちエージェントプロボカトールを用いる、つまりデモなどで起きた一部の過激な行動を口実に政府に批判的な国民への監視を恒常化、若しくは拡大する組織へ変貌させない保証をどのような制度で今回担保するのか、お示しください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 国内事象であれ国際事象であれですけれども、分析の客観性を担保するということは、信頼に足るインテリジェンスにおいては不可欠だと認識をしております。 例えば、現在、内閣情報調査室では、情報収集を行う体制とは切り離した形で、高度な情報の分析に専従する内閣情報分析官が、総合分析、オール・ソース・アナリシスを行うなどの取組を通じて、先入観を排した分析評価に努めてまいりました。この考えというのは国家情報局においても継承してまいります。 委員の御心配の旨だと思うんですけれども、本法案は情報を集約することで的確な分析評価につなげるということを目的としておりますが、例えば、政府を批判するデモであったり集会であったり、それに参加したことのみを理由として、その参加者の動向を調査したり、分析対象とすることは想定されません。また、そのような情報活動を行うことを総理大臣が各情報機関に指示することもございません。
○伊勢崎賢治君 もう制度上の努力目標にしか僕にはちょっと聞こえなくて、保証ではまだあり得ないということです。この制度上の保証に関しては、木原長官とさんざん議論しましたので、ブリーフィングを受けていただければ幸いでございます。 総理、国民が自由よりも安全を求めるようになったとき、繰り返します、国民が自由よりも安全を求めるようになったとき、若しくはそう仕向けられたとき、今言ったエージェントプロボカトールは最も水を得た魚になります。今がそうかもしれません。 続けます。 インテリジェンスが真に国益を守るのであれば、その目は単に外の脅威だけでなく、時に内なる脅威ですね、すなわち国家の意思決定を内側からゆがめる権力中枢の病理にこそ、向けられてこそ、その真価が問われると思います。 そこで、仮定の話をいたします。例えば、外国につながりを持つある特定の団体が、その組織的な背景を、組織的な力を背景に、長年にわたり政権与党の政策決定や選挙活動に深く浸透し、結果として、本来あるべき国益の判断をゆがめているのではないかという深刻な疑義が浮上したとします。仮定の話です。これは、外国による直接的な工作とは異なる、より巧妙で根深い民主主義への侵食であり、インテリジェンスが最も警戒すべき事態と言えます。 総理閣下御自身が議事を進める、議長を務める国家情報会議、そして、その手足となって動くのが国家情報局だと理解しております。 そこで、伺います。 国家情報局は、政権にとって不都合な真実を調査した場合、それを隠匿して閣下の手足であり続けるのか、それとも真実を報告して自らの長である閣下と対峙するのか。この組織は一体どちらを向いて仕事をするのでしょうか、お答えください。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 仮定の御質問、なかなか難しい問いでございますが、情報部門が政策部門における予見や思惑に左右されることなく独立した客観的な分析を示すということは、情報と政策の分離の観点から極めて重要だということは認識しております。 この法案によって、閣僚級の国家情報会議が設置されて、安全保障政策と情報活動の意思決定メカニズムが別個のものとして機能するということになります。このことは、政策が正しい情報に裏付けられているかどうかをより客観的に評価することを可能にするものですから、例えばさっきおっしゃった外部からの不当な影響力の的確な検知を含め、情報の客観的な分析、評価を確保する制度的担保になると考えております。 私にとって不都合な情報、これをしっかりと捉えたときには、それは政策決定機関に対して情報機関は伝えなければならないし、忖度をしてはならない、こう考えます。
○伊勢崎賢治君 あの有名な事件がありましたね、イギリスのケンブリッジ・ファイブ事件ですね。これ、昨日、問取りに来られた若い官僚の方と、これドラマになって、ドラマの素材になっているんですよ、非常に話が盛り上がったんですけれどもね。このように、国家の中枢にいるエリートたちが長年にわたり国益を売り渡した事例は本当に先進国の中で数多くがございます。 まとめます。 先ほどの私の仮定の話ですね。これは実は、統一教会問題を念頭に置いておりました。国家情報局の最初の任務として、この問題に照準を当てることを期待しております。韓国のインテリジェンスがこれもう既に動いた問題であります。日本が動かない理由はございません。 終わります。
○委員長(北村経夫君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 高市内閣総理大臣は御退席いただいて結構です。 本案の修正について杉尾君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。杉尾秀哉君。
○杉尾秀哉君 私は、国家情報会議設置法案に対し、立憲民主・無所属を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。 これより、その趣旨について御説明いたします。 本法律案について、省庁横断的なインテリジェンス機能を強化するための司令塔組織を設置する点については賛同できるものでありますけれども、本来これと同時に提案されるべき民主的統制のための措置や、日本国憲法が保障する基本的人権の不当な侵害の防止、政治的中立性の確保のための措置等が講じられておりません。そこで、本修正案は、国家情報会議及び国家情報局を設置する前提として、個人情報やプライバシーの保護に必要な歯止めとなる措置を講じるなど、国民の懸念を払拭するために必要な修正を行うものであります。 以下、修正案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、重要国政運営の例示のうち、テロリズムの発生の防止をテロリズムの発生又はそれによる被害の防止に改めるとともに、重要情報活動において収集調査の対象とする情報を、重要国政運営においてその政策決定に必要となる情報とすることとしております。 第二に、国家情報会議の所掌事務として、重要情報活動の実施又は外国情報活動への対処に際しての国民の基本的人権の不当な侵害の防止及びこれらに従事する職員の政治的中立性の確保のための方策について調査審議することを追加することとしております。 第三に、政府は、毎年少なくとも一回、国家情報会議の調査審議の結果並びに重要情報活動の実施及び外国情報活動への対処の状況について国会に報告するとともに、公表するものとしております。 第四に、政府は、重要情報活動の実施若しくは外国情報活動への対処に際して国民の基本的人権が不当に侵害され、又はこれらに従事する職員の政治的中立性が不当に損なわれていないかどうか等を独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関の設置について検討を行い、その結果に基づいて可能な限り早い時期に必要な措置を講ずるものとするほか、所要の規定の整理を行うこととしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(北村経夫君) 本案及び杉尾君提出の修正案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松川るい君 松川るいです。改めて質問させていただきます。 孫子の戦わずして勝つは、百戦百勝は善の善なる者にあらず、戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者とありまして、この意味は、戦いに勝つことが最上の策ではない、戦争をせずに相手の意図をくじくことこそが上策である、このくだりに続きまして、じゃ、そのためにどんな手段を取るべきかということが書かれております。ゆえに、上兵は謀、はかりごとを討つ、その次は交わりを絶つ、その次は兵を討つ、その下は城を攻む。つまり、そのための手段として最善なものは謀、インテリジェンスである、次は外交、離反策ですね、そして最悪なのが総力戦、城を攻むであります。すなわち、古今東西、軍事力の行使に頼らざるを得ないような状況を避けるために最も重要なのがインテリジェンスであるということは古今東西の英知であるということだと考えます。 そこで、でも、今朝はファクスが動かなくなるぐらい本当に大量の抗議のファクスが、多分委員の皆さんのところにも届いたと思います。 そこで、お伺いします。 今回、国家情報局が対象とするインテリジェンスは、本邦の活動を含むと思うんですけれども、あくまでも外国の意図や能力の把握や外国の悪意ある活動に対する対処が主であって、善良な日本人の監視は全く我が国のインテリジェンス活動の関心外と理解してよいでしょうか。
○政府参考人(岡素彦君) お尋ねの趣旨は、その一般の市民の方々を監視するための組織かどうかということにつきましては、累次申し上げるとおり、全くそうではございませんし、例えばそのデモ活動に関して申し上げると、その普通の市民の方々が一般に想定される政治的主張をするための活動としてデモに参加されている限りにおいて、私どもがそこに関心を向けることもなく、情報収集活動の対象とすることもございません。 また、本法案第二条に定める外国情報活動の対処につきましても、こちらにつきましては、外国の利益を図るために行われている秘密取得のための活動や当該国に有利な政策決定や世論形成を導くための影響工作等を指しておりまして、それへの対処とは、委員御指摘のとおり、外国情報機関の意図や能力、さらには彼らの非公然活動の実態や手口等を把握することが中心的な課題となります。 ただし、他方で、そうした中で仮に日本人が協力者として彼らの下で活動していたりすることがございますれば、その動向を把握することもまた必要にはなってまいります。
○松川るい君 次の質問はちょっと飛ばさせていただこうと思います。 関心のない個人の情報に接する機会がある場合もあるんですけれども、そういう情報が悪用されないことについてもしっかり担保していただきたいとお願いをしておきます。 インテリジェンスがどういうふうに役に立つのかがいま一つ国民の皆さんにぴんとこないので、それでこういう不安の方ばかりがかき立てられる結果になっているんじゃないかと思うんですね。そこで、どのようにインテリジェンスが役に立つのかということに関してお伺いをしたいと思います。 例えば、私、安全保障上問題のある土地の取得、利用規制は今ありますけど、そもそも取得させないことが大事なわけです。そのときにも私はインテリジェンスは非常に有益な活用ができるんじゃないかと考えています。今もそれはもしかしたら一部使われているのかもしれませんけれども、この安全保障上問題のある土地取得を未然に防止する上でのインテリジェンスの効用についてお伺いします。
○政府参考人(岡素彦君) 土地取得と安全保障の関わりにつきまして様々な問題が論じられていることにつきましてはよく承知をしておりますし、時に情報部門が情報関心を寄せるということも否定はしませんけれども、個別具体にわたるそれぞれの施策について情報部門がどういった貢献をし得るかということにつきましては、手のうちを明かすことにつながりかねないので、お答えは差し控えます。 ただし、安全保障上の各種政策判断に資する情報を収集調査することが情報部門の本来の役割であることは改めて申し述べます。
○松川るい君 手のうちはということではありましたが、インテリジェンスが有効だということはおっしゃっていただいたと思います。 次に、やっぱり現代のインテリジェンスというのはサイバーインテリジェンスの分野というんでしょうか、その果たす役割は非常に大きくなっていると思います。これはウクライナ戦争を見ても、事前に米英の諜報機関は攻撃のタイミングとか攻撃の意図について正確に把握をしていたわけであります。そして、その意図を事前に公表することによってロシアのナラティブを防ぐということもできたと思います。 そういう意味で非常に重要になってくるわけですけれども、今、これ、いわゆるサイバー攻撃というのが必ず戦争が起こる前には起きて、その前には影響工作があるという、こういう影響工作、サイバー攻撃、DDoS攻撃、インフラが落ちてケーブルが遮断されてといったことがあって、そして戦闘に至るという、こういう過程がよく、ウクライナにおいてもほかの場合でも見られるわけですね。 そのときに、我が国が対処できる能力の問題としてのサイバー攻撃対処は今、NISCが改組されたNCOになると思うんです。これは内閣に属していると。その影響工作対処は国家情報局ということでありますから、言ってみれば、手段として活動する部隊と、その意図を察知したり指令をするところが分かれていると思うんですね。これはどのようにして連携を図っていくのかということを長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 委員と同様に、政府としても、そのサイバー空間の安全で、そして安定した利用の確保というのは、安全保障上極めて重要と考えています。 国家を背景とする主体がその秘密の窃取やシステムの停止などを狙って平素よりサイバー攻撃を行っております。委員御指摘のとおり、有事の際にも恐らく武力攻撃等の前段階としてサイバー攻撃を行ってくるということが想定をされるわけです。このため、脅威が顕在化するというのを、これは待ちの姿勢ではなくて、平素からサイバー攻撃のトレンドであったり、サイバー主体の意図や能力などを的確に把握、分析するサイバーインテリジェンスの取組が重要と認識しています。 現在、そのサイバー攻撃への対処についても、サイバー空間上の影響工作への対処についても、国家サイバー統括室であったり内閣情報調査室を始めとする政府内の各機関がそれぞれの特性に応じた役割分担の下で連携して対応に当たっております。 国家情報会議や国家情報局が立ち上がった暁には、サイバー分野においても関係省庁と連携し、インテリジェンスの司令塔としての役割を十分に発揮できるように、その特性に応じた運用をしてまいりたいと思っております。
○松川るい君 ありがとうございます。 今でも連携を現状の体制のままでもやっているんだということをお答えいただいたと思うんですけれども、私は例えば、いろんな委員も御意見があるかもしれませんけど、日本にインテリジェンス体制を整えていく上で、オーストラリアという国は、とてもサイズ感から議院内閣制の下での体制という意味でも親和性があるなと思っているんですね。 そのオーストラリアに二年ほど前にサイバーセキュリティーの関係で調査に行ったんです。そのときにオーストラリアサイバーセキュリティセンターという、サイバーセンターというところに行ったんですが、そのサイバーセンターはインテリジェンス機関の一部にあるんですよ。上にシギントのいわゆるインテリジェンス機関がありまして、何が言いたいかというと、最終的にはやっぱりサイバーの対処能力というのとインテリジェンスというのは常に組織的に連動ができるように、ある意味、広い意味でのインテリジェンスの一部にしていくということもやっぱり考えていくべきじゃないかというふうに私は思っているということであります。 長官にこの点をお伺いするのはあれですけれども、体制まではあれですけれども、そういったことも是非御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岡素彦君) 先ほど長官が述べたとおりでございますけれども、NCO、国家サイバー統括室と内閣情報調査室はサイバーインテリジェンスという点で密接不可分な関係にございまして、平素から定期的に会議を開催したり、連絡を取り合ったり、情報交換をしておりまして、極めて密接な関係にございます。 それは危機発生時も同様でございまして、仮に大規模なサイバー攻撃が発生した場合には、私どもは私どもでその対処部門に対するサポートを行いますし、対処部門から我々に対する情報要求が参るものと理解しております。
○松川るい君 ありがとうございます。 今でも緊密だということではありますけれども、やっぱり、例えばサイバーセキュリティーの関係で、平素からの、平時の活動として見ているときに、何だか変な攻撃態様があるということを把握する。一方で、インテリジェンスの方では、恐らくこのような意図があるであろうという具体的な兆候が見られるということがあったときに、膨大なサイバーの空間の中でやみくもに探すのではなくて、インテリジェンスがあることによって、相当限られた人材であったりリソースであっても、大きなインテリジェンス上の成果というか、それからサイバー攻撃を未然に防ぐとか、そういったことができるようになると思うのですね。 ですから、私は、体制は今後のこととしても、少なくとも、インテリジェンスとそれからサイバーを対処をする組織とが同じところにおいて責任を、責任所在の下にあるということが大事、同じボスに最終的にアカウンタブルであるということが非常に大事ではないかというふうに思っているということを申し上げたいと思います。 そして、諸外国のインテリジェンス体制、これまでも恐らく政府でも様々な研究してきたと思いますけれども、どの国の体制が日本として最も参考になると考えていらっしゃるのか、現時点で分かることがあれば簡単にお答えください。
○政府参考人(町田達也君) 御指摘のとおり、本法案の立案に際して、様々な国の共通点としていること三つほどあるかと思います。 一つは、インテリジェンスコミュニティーという情報機関の集合体が形成され、それが中央組織に集約され、総合的な分析を行うプロセスが確立している、二つ目は、政策部門からの要求に基づき情報活動が推進され、その成果が政策部局に提供され、さらにフィードバックを踏まえて次の活動がなされるというインテリジェンスサイクル、三つ目は、情報部門と政策部門が連携しつつも、客観性、独立性、過度な相互干渉が行われないような分離がなされている、こういったことが挙げられると思います。 特定の国を参考にしたというよりも、各国の共通項を参考にしているところでございます。
○松川るい君 各国、日本は、幸いというか、私としては残念なことではありますけれども、対外情報庁これまでありませんでしたので、逆に世界の様々な対外情報庁の在り方を調査なさって、していただいて、日本にとってベストな体制をつくっていただくことをお願いしたいと思います。 次に、長官にお伺いしたいと思います。 まさに先ほどもお伺いしたところ、総理にもお伺いしたところですけれども、インテリジェンス改革の第一歩というふうに今回の国家情報会議設置は位置付けられると思います。やはり目指すべきは、日本が同盟国とともに対等なインテリジェンス活動が行うことができるようにするというのがやっぱり一つの到達点というか目標であるべきだというふうに思います。 今、インテリジェンスを中心にして、そのインテリジェンスを交換すること自体が自身の情報の深化にとっても大事ですけれども、同時に、外交という面でも、高い、質の高いインテリジェンスを交換できることが同盟の深化であったりパートナー国との関係の、外交的な意味での関係の深化にも資するという意味で、インテリジェンス外交といったことも大事になってくるんじゃないかと考えているところです。 今後、今回のが第一歩ということでありましたら、改めて、具体的なインテリジェンス活動が最終的にそういったレベルまで到達できるようにするためにどのようなステップを踏み、どのようなことに取り組んでいくべきと考えておられるか、長官にお伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 我が国が高い情報力を備えた国家として、同盟国である米国であるとか、あるいは先ほどの事例出されたオーストラリアのような同志国との間で強固な情報協力のネットワークを構築するということは、ひいては国民の皆様の安全や国益を守り抜いていくという上で重要というふうに考えております。同盟国、同志国が期待をするのは、我が国との間でより一層良質なインテリジェンスを交換することであり、このような情報協力の促進というのは我が国自身の平和と安全の確保にも資するものであります。 こうした認識の下で、我が国の一層のインテリジェンス活動を進めていく。そのためには、本法案により設置される国家情報会議と国家情報局という司令塔がまずしっかりと機能し、我が国のインテリジェンスコミュニティー全体として良質なインテリジェンスを生成するとともに、我が国自身が重要な情報をタイムリーに取得そして活用できるよう、対外情報機能の充実などのインテリジェンス改革を丁寧かつ着実に前に進めていくことが重要ではないかと考えているところです。
○松川るい君 時間が来たので終わりたいと思いますが、本当に重要な一歩を踏み出したところだと思いますので、力強くインテリジェンス改革を進めていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。 参議院では、ここまで約十七時間にわたる慎重な審議を通して、インテリジェンス機能を強化する必要性、そして本法案によって不当に国民の権利が侵害されるおそれがないことなどについて確認が重ねられてきたものと受け止めております。その上で、国民の皆様に本法案の必要性を更に御理解いただき、不安を少しでも払拭していただくためにも、本日も是非丁寧な御答弁をよろしくお願いいたします。 今回の審議を通じて、インテリジェンスが国家の命運を左右する重い機能であるという認識は少しずつ広がってきたと感じております。インテリジェンスとは、不確実で、断片的で、時に莫大な情報を収集し、そして分析し、国家としての判断につなげていくものです。それは、国民の命と暮らしを守るための極めて重要な行政機能です。言い換えれば、インテリジェンスとは、私たちが当たり前のように過ごしている平和で安心な暮らしを守るために不可欠なものだと考えています。 そして、その私たちの平和と安全は、表に出ることの少ない、目に見えない献身によって支えられています。私たちが決して忘れてはならないのは、その実務の最前線で日々緊張感を持って職務に当たっている一人一人の職員の姿です。 私自身、政治活動の中で大切にしてきた信念がございます。それは、光が当たらないところに光を届けること、この政治の力で光を届けるということです。本日は、そうした視点から、制度の在り方だけではなく、それを支える人、そして実際の運用について質問をさせていただきたいと思います。 まず、情報収集や分析の最前線で働く職員の皆様についてお伺いいたします。 総理大臣を議長とする国家情報会議が新設され、政府の意思決定に関わる情報の収集、分析が一概的に行われることは、国を守る上で極めて重要です。そして、その実務の担うのは、制度や組織ではなく、生身の人間です。職員の皆様は、日々重大な機密情報に触れて、そしてサイバー攻撃や外国からの影響工作といった目に見えにくい脅威と向き合っています。そして、絶対に情報を漏らしてはならないという極めて重い守秘義務を負っています。 そのため、仕事上の重圧や悩みをたとえ家族であっても打ち明けることが難しく、孤立を深めてしまう場合もあるのではないでしょうか。また、危機を未然に防ぐための地道な努力は表に出ることはございません。一方で、事案が起きたときには、結果だけが厳しく問われることもございます。 私は、こうした見えない重圧の中で国を守る職務に当たっている職員の皆様に深い敬意を表したい、同時に、国を守る重責を現場の職員の一人一人のこの精神力や自己犠牲などに委ねてはならないと考えているんですね。 そこで、官房長官にお伺いします。 インテリジェンスという特殊で緊張度の高い環境で働く職員の心理的負担について、政府はどのように認識されているのでしょうか。また、職員が一人で悩みを抱え込まないための例えば専門家によるメンタルケア体制の整備、相談しやすい環境づくり、さらには必要に応じて民間の専門人材の知見を柔軟に活用することなど、職員の皆様が少しでも肩の力を抜いて働けるような組織的サポートを今後どのように進めていくのか、官房長官の御所見をお伺いします。
○国務大臣(木原稔君) 今井委員におかれましては、情報機関の職員のことをおもんぱかっていただきまして、ありがとうございます。 情報機関の職員は、そういった職務上、対象組織や対象国から危害を加えられることへの不安感であるとか、あるいは、同僚や家族、友人に職務内容を明かせることができないということに起因する孤立感であるとか、また、業務の結果が国や国民の安全を左右しかねないというそういった重圧感など、そういった委員御指摘のような心理的な負担が大きい、そういう環境、職種であろうかと思います。こうした心理的負担の解消を、これ職員個人に委ねるのではなく、これは組織による対応を講じる必要があると考えています。 そういう点も海外の事例を参考にさせていただいておりますが、このため、まずは業務監督者や人事担当者が厳しい業務を担当する職員の状況を見極め、親身に相談に乗り、的確な助言を行うよう努めるとともに、秘密保全が担保される形でカウンセラーなどプロの外部人材への相談ができる環境を整えなければいけないというふうに思っています。 また、長期にわたり強い負荷が掛かり続けることのないように、業務や人事のローテーションを的確に行い、そのために必要な代替業務者や後継者の育成とその配置も着実に措置するようにしたいと、そのように考えているところです。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 是非、やはりインテリジェンス職員のこの心理的負担の軽減については、やっぱり精神論や使命感への依存からの脱却が私も急務だと思いますので、是非、専門家の例えば産業医、心理カウンセラーの配置を拡充するとともに、柔軟な働き方を共有する新たな人事評価制度なども構築すべきだと考えていますので、どうぞ職員に寄り添った体制整備、よろしくお願いいたします。 次に、新しくできる国家情報局の組織の在り方についてです。 今回、現在の内閣情報調査室が国家情報局へと格上げされ、政府全体のインテリジェンスの司令塔になります。各省庁を取りまとめますから、業務の量は今までよりもずっと多くなると思っております。 しかし、発足時の規模は、現在の約七百人程度と、七百人体制とほぼ同じで、来年から専門のキャリア職員の採用などを進めて増員を図る方針だと聞いておりますが、なかなか高度な専門知識を持つ人材を急に集めるというのは、これ民間企業でもとても難しい現実です。どんなに立派な組織の枠組みをつくっても、人が足りなくて現場が回らなければ意味がございません。ですから、限られたこの人員をどう賢く配置するかが問われると思います。これまでやってきた業務の中で削れるものは思い切って削って、新たに必要となる本当に重要なところに人を集める、この選択と集中が必要だと思われます。 是非、内閣情報調査室からこの国家情報局へと生まれ変わるに当たって、これまでの業務のやり方の見直し、限られた人材というリソースをどう効果的に配分していくおつもりなのか、参考人にお伺いします。
○政府参考人(岡素彦君) 新たな課題が次々と出現する中におきまして、国家情報局では限られた人員を効率的に運用していく必要があるということは委員御指摘のとおりでございます。考え方としましては、内閣官房でございますので、各省庁に委ねるべきことは委ねて、内閣官房に置かれた組織に特に求められる課題や役割に集中的に取り組む発想も重要かと存じております。 どこに重点をという点につきましては、衆参両院の審議を通じて御指摘のございました事項として、一つは経済安全保障に関する情報、さらに偽情報の拡散や外国による対日諸工作に関すること、それから情報の整理、分析へのAIの活用、さらに省庁横断的な教育訓練などに関する取組につきましては、政府としても重点的に推進してまいりたいと考えております。 また、新設される閣僚級の国家情報会議を支える事務局機能を万全とする必要もございます。組織全体で支えていくべきものではあるのですが、同会議やその下に置かれる幹事会の運営事務を担当するチームを新設し、そこに優秀なスタッフを配置したいと考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございました。 続いて、重要国政運営の例示についてちょっとお伺いいたしますが、本法案第二条では、重要国政運営の例示として、安全保障、テロへの対処と並び、緊急の事態への対処が掲げられております。大規模災害への備えが求められる中で、国家情報局が各省庁の情報を集約して政府全体の判断を支える役割を果たすことは、国民の安全、安心を守る上で重要だと考えております。 緊急事態への対処において、内閣情報調査室の後継組織となる国家情報局は具体的にどのような役割を果たしていくのか、また、現在、内閣情報調査室が運用している情報収集衛星の活用を含め、これ、情報の集約、分析、共有の面で国家情報局はどのように機能していくのか、お答えください。
○政府参考人(岡素彦君) 大規模な自然災害発生時の対応を例に申し上げますと、国家情報局には、二十四時間体制で国内外の緊急かつ重要な情報を収集、集約する内閣情報集約センターが置かれておりまして、そこで得られた情報につきましては、例えば、危機管理対処に当たるために官邸に参集した内閣官房や各省庁の幹部職員又は政務三役等の手元に直ちに届けられることになります。また、同じく国家情報局に置かれる内閣衛星情報センターにおきましては、情報収集衛星によりまして上空から見た被災地の状況を撮像し、所要の分析を行った上で、被災状況の推定地図や加工処理画像を作成し、関係省庁等に幅広く配付するとともに、更なる活用と周知を図るため、内閣官房のウェブサイトを通じて公開もいたします。 自然災害以外の緊急の事態について申し上げますと、例えば、外国で武力紛争が生じた場合におきましては、在外公館を含む政府内各機関のあらゆる情報源、情報収集手段をフル活用して、諸外国の情報協力も得ながら、外交方針の決定や邦人の救出オペレーション等を支える情報を国家情報局が集約、分析し、担当政策部局に提供することとなります。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 この中核となる情報収集衛星については非常に私も大切だと思っておりまして、昨今の材料費高騰に左右されないようなこの安定的かつ長期的な予算確保スキームもこれは必要だと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 最後に、インテリジェンス改革は戦後長らく放置されてきた課題でありますが、ようやく踏み出す大きな一歩です。日本を守り抜くという確固たる信念を持ってこの改革を力強く前に進めていくために、官房長官の御決意を最後にお聞かせください。
○国務大臣(木原稔君) 昨今の厳しく、そして複雑な、また変化の早い国際環境においては、外交、防衛、経済、技術、そういったあらゆる面で我が国を強く、そして豊かにしていくためには、我が国の情報力を高める必要があると思っております。 まずは、本法案によって国家情報会議と国家情報局を設置し、政策部門の迅速、的確な意思決定を情報部門がしっかり支えることができる体制を整えたいと考えておりますが、その上で、今後検討を進めるその他のインテリジェンス施策を真に実効性のあるものとしていく必要があると考えています。 本法案を含め、これから進めていくインテリジェンス改革は、重大な危機を未然に防ぎ、平和と繁栄を維持するためのものであります。これによって、国民の皆様の生命、財産、そして国土の安全を守り、また先端技術の進歩を支え、経済水準の向上を図り、もって国民生活をより豊かなものとしてまいりたい。私としましても、そのことに全力を尽くしてまいる所存でございます。
○今井絵理子君 ありがとうございました。 私の質疑は以上となります。ありがとうございました。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。よろしくお願いをしたいと思います。 これがどうやら最後の私にとっては質疑になりそうですが、衆議院も含めて大変長らく審議をしてきました。繰り返しになるというか、確認の意味を込めてあえて繰り返しの部分もありますし、一方で、これまで触れられていない、取り上げていない問題もお聞きをしてまいりたいと思います。 まずは、先ほどからもありました対外情報庁についてお聞きをします。 この法案が成立をすれば、この対外情報庁の設立に向けても議論が本格化するものと予想していますが、どういうものをつくっていったらいいか、もう既にいろんな意見、アイデアが出ているところでございます。その一つが、このいわゆる国際テロ情報収集ユニットもその一つなわけですが、このユニットは、御存じのとおり、平成二十七年ですかね、シリアの邦人事件であったりパリ連続テロ事件等があって、この非常に厳しさが増すテロ情勢を踏まえて、我が国の国際テロ情報収集・集約体制の抜本的強化を目的に設けられたものでございます。 そこで、まずお聞きをしますが、このユニットのこれまでの取組と成果を、まずこれは外務省にお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(三宅史人君) お答え申し上げます。 国際テロ情報収集ユニットは、今御指摘のございましたとおり、二〇一五年の発足以来、官邸等の情報関心、これを踏まえまして、国際テロ情勢に関する情報収集を精力的に行ってきているところでございまして、各国の情報治安機関等との協力関係、これを構築をするとともに、在外公館に配置されております担当官、それから、本部ですね、本省の本部の出張者、これを通じまして、各種の国際テロ情報、これを収集をしてきているところでございます。 具体的には、例えば二〇一六年七月のダッカ襲撃テロ事件、これでは、その発生後、ユニットが直ちに、即座に現地に出張いたしまして、相手国情報機関等からの情報収集を行ったところでございます。また、これも今委員から御指摘ありましたけれども、シリアにおけます邦人ジャーナリスト拘束疑い事案、これにつきましても、日本政府といたしましては、ユニットを中心に、カタール国、それからトルコ共和国を始めとする関係国、これにも協力を依頼いたしまして、様々な情報網を駆使して全力で対応に努めたところでございます。 外務省に置かれましたユニット本部、ここには、情報関係各省庁、これの専門的知見を有する要員、これを結集しておりまして、官邸を司令塔といたしまして政府一体となって情報収集を行ってきているところでございまして、そこで収集されました情報、これは速やかに関係省庁に共有されるとともに官邸の意思決定にも反映されておりますし、国際テロ対策にも活用されているというところでございます。 また、加えまして、テロに対する国際連携、この強化にも寄与しているものと考えております。 以上です。
○柴田巧君 今細かく御説明がありましたが、このユニットを、今まではこれはいわゆるテロに特化した情報収集に当たってきたということでありますが、この対象情報の拡大や増員を図って対外情報庁の組織に変えていくべきではないかという御意見などがあります。 この前来ていただいた参考人質疑で、北村滋さんなんかもそういう考え方に立たれるものと承知をしていますが、これからいろいろ、どういう情報庁をつくるか、対外情報庁をつくるかという議論が進んでいくものと予想しますが、このアイデア、考え、このユニットを拡充をして対外情報庁の大本にしていくと、この考え方について官房長官の御意見をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 申し上げているとおり、厳しい国際環境の下で国民の安全や国益というのを守り抜くというのが目的でありますが、そのために対外情報収集機能の充実というのは必要であります。本法案の審議の過程においても、今、柴田委員のように、多くの委員の方からもその必要について御意見をいただいたところであります。 この点、国際テロ情報の収集については、先ほど外務省の参考人からありましたが、外務省に置かれた国際テロ情報収集ユニットというのは一定の成果を上げてきているというのは事実であります。 今後の政府の対外情報機能の充実、これに関しては、現在関連する課題や論点を整理しているところであります。その具体的な方向性についてはまだお示しする段階にはありませんが、そういった国際テロ情報収集ユニットを始めとする既存の体制がございます。そして、これまでに蓄積してきたノウハウというのは、今後の政府の対外情報機能を充実させるに当たっての基盤となるだろうと思っております。 今後も、様々な方々から御意見を伺いながら、丁寧に検討を進めていきたいと考えております。
○柴田巧君 ありがとうございました。 これから対外情報収集能力の議論は進んでいくと思いますが、いろんな角度からよりいいものを目指して議論を進めていただきたいと思います。 次に、スパイの問題を取り上げたいと思いますが、昨今、いわゆる中国スパイと言われる方、中国スパイが、世界でいろいろ活動を活発にしています。この前も取り上げられましたが、あっ、その前にか、その前に、済みません、今ちょっと次に行ってしまいましたが、こちらの方からですね、順番どおりにいきます。 昨年の七月に、中国において、製薬会社勤務の日本人男性に、反スパイ容疑で懲役三年六か月の有罪判決が出たことは記憶にまだ新しいところだと思います。報道によると、日本の情報機関の指示を受けて中国国内で調査活動を行い、報酬を得ていたとされています。 一般論として、情報機関が民間人の協力者から情報を収集することは考えられますが、協力者に安全を保証せずに必要な協力が得られるものではなかなかないだろうと。この対外情報収集能力の強化を議論する上で、民間人の協力者を保護する制度についてもやっぱり検討すべきでないかと考えます。 仮に、協力者の身柄が拘束されてしまった場合でも、協力者の身柄を取り戻せるような体制を構築することも協力者の安全を保証することにつながるのではないかと考えますが、そこで、今申し上げてきたような点、この対外情報庁の設置の検討と併せて議論していく論点ではないかと思いますが、官房長官の御認識をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) これ、一般論として申し上げるしかありませんが、情報源となる人物の完全な秘匿とその身の安全の確保というのは、情報機関の任務遂行上、生命線と言える極めて重要な要請であります。我が国が貴重な情報を継続して入手していく上では、これはなくてはならないものであります。 仮に、これらが保証されないとこれが感じられてしまった場合には、必要な協力はもう得られることができないということになり、こうした人的情報源に関する情報というのは厳格に管理されており、また、活動を推進する上でも、組織的に最高度の注意を払われるべきものであります。 一般的にこうした情報源となる人物の安全の確保措置というのは、国内で講ずるよりも国外で講ずる方が難易度が高くなるため、対外情報機能の充実を図っていく上では大変重要な課題であると認識をしており、どのような措置が有効かつ現実的であるかというのは、よくこれは検討していかないといけないと思います。
○柴田巧君 ありがとうございます。 よく検討していただきたい論点だと思いますので、お願いをしたいと思います。 続いて、ちょっとさっき途中まで話をしてしまいましたが、今世界中で中国のスパイ活動が非常に顕著になっています。 先般も取り上げられましたが、これ、今月でしたかね、アメリカでは、カリフォルニア州のアルカディア市長が、中国の工作員だった容疑で訴追をされています。イギリスにおいても、外国の諜報機関を支援した罪で、ロンドンの入国管理局の元職員と香港経済貿易代表部の元幹部職員が有罪判決を受けたほか、国会議員の夫を含む三名が外国の諜報機関を支援した疑いで逮捕されています。ノルウェーでも、今月だけでも二件、同じような中国スパイが逮捕されているということで、ほかにも挙げれば切りがないんですが、こうした摘発事例を鑑みれば、我が国においても同様の可能性を軽視することは到底できないと感じられます。 そこで、我が国における中国のスパイ活動の現状について、この諸外国での事例を踏まえ、官房長官、どのように認識をされているか、また、こうした中国を含む外国からの情報活動に対して、本法律案が成立をすれば、外国情報活動への対処として国家情報会議の調査審議事項となるわけですが、そういう意味でもより厳正な対処を求めたいと思いますが、官房長官の決意も併せてお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 今委員の御指摘のあったような各国の政治経済あるいは行政、学術、そういった様々な分野の関係者には、各種情報収集活動や通常の外交活動とは異なる手法を用いた働きかけなどの諸工作が積極的に行われていると承知をしており、恐らく我が国においてもそのような活動があるものと見ているところです。 こうした外国情報活動への対処という観点で申し上げれば、政府や企業の秘密を窃取する行為や、偽情報の拡散などの影響工作について一層厳正に対処していかなければならないという問題意識を私は持っております。 本法案をお認めいただいた際には、国家情報会議が定める統一的な方針の下で、外国情報機関等による活動の実態解明を進め、得られた情報を総合的に分析していくことを通じ、実効性のある対処につなげてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非よろしくお願いをしたいと思います。 次に移ります。 国民の皆さんに、このカウンターインテリジェンスの必要性を理解をしていただくというのはこれから非常に大事なことになると思いますが、そのためにも、手のうちを明かさない範囲において、この外国情報活動への対処に関して脅威評価を公表することも非常に大事なことだと思います。既に、例えば警察白書なんかでは、対日有害活動の動向と対策として中国などの工作活動について公表しているのもありますが、この個別の情報コミュニティー、省庁の活動の成果は現状でも確かに一部公表されていますけれども、それぞれ個別の省庁の刊行物に点在している程度にとどまっているというのが正直なところであります。 これ、本会議でもお聞きになったところでもありますが、今のところ、その答弁の中でも国家情報局が重ねて同様の取組をすることは検討していないという答弁はあったのですけれども、承知はしていますが、国民の理解を深める観点から、この国家情報局において、政府の情報発信の在り方をやっぱり検討すべきものではないかと思いますが、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(岡素彦君) 外国情報活動への対処について申し上げますと、委員御指摘の国民の皆様への御理解を深めるという観点に加えまして、脅威評価や活動の成果を対外的に発信することは、企業や研究機関などの行う自主的な保全対策の充実強化にもつながることが期待されます。 一方で、その発信に当たっては、当然ながら我々の活動に支障を及ぼすことのないよう留意することも大事でございまして、脅威評価や実施状況の詳細を明らかにした場合に、手のうちを読まれて対処の更に裏をかかれた、裏をかいた手法による活動に出ることを容易にし、彼らを利することにもなりかねないとも感じてはおります。 国家情報会議において作成、公表することを検討している政府の中長期的な情報活動の推進方策につきましては、こうした透明性の確保という要請と秘匿性とのバランスも考慮して取りまとめていく方針でございます。御指摘のような情報活動の実施状況やその成果としての脅威評価について、可能な範囲で国民の皆様に丁寧に説明してまいる所存でございます。
○柴田巧君 いろんな意味で限界はあろうかと思いますが、より丁寧に、伝わるように努力はしていただきたいと思います。 次に、先ほどからも出ておりますが、これは、この法案の成立はあくまでも第一歩にすぎず、これから本当の意味でこの国の情報インテリジェンス機能を向上させていく上でいろんなものを順次整備をしていかなきゃならないと思っております。 御承知のとおり、自民党さんと我々日本維新の会で連立政権合意の中にもそのことは盛り込んでいるわけでありまして、インテリジェンススパイ防止法の関連法制、これのやっぱり一日も早い整備を目指していかなければなりません。基本法、外国人登録法及びロビー活動公開法等でありますが、改めて言うまでもありませんが、スパイ防止法については、外国スパイ勢力による監視制度の言わば要であって、多くの欧米諸国では当たり前のように導入をされているわけです。 加えて、昨今、先ほどもちょっと取り上げましたけれども、中ロなどの勢力によるサイバー攻撃や影響力工作などいわゆるグレーゾーンの工作も実施をされてきていますから、世界の国々は、これに対応すべく、スパイ防止法の改正であったり新法の制定などによってしっかり取り組んでいるところであります。スパイ防止法を、今まであったものを強化していこうという方向になってきているわけで、そんな中で我が国だけがそういうものがもしないとすれば、これからも持たない、放置をし続ければ、国家の機密のみならず、民間の情報漏えいというもののリスクも高まりますし、同志国、同盟国からもなかなか信用されないということになると思っています。 そこで、連立合意に基づいて令和七年中に検討を開始するとされているこのインテリジェンス・スパイ防止法関連法案について、これまでの検討内容の報告を求めるとともに、八年度中の対応について具体的な説明をこれ求めたいと思います。
○政府参考人(岡素彦君) 連立合意文書に御指摘の記載があることは承知しておりまして、また、本法案の審議の過程におきましても、その外国情報機関が行う諸工作に厳しく対処すべきとの御意見を頂戴いたしました。 昨今の情勢鑑みますと、外国勢力が我が国の意思決定や世論形成に不当に干渉するリスクが高まっておりまして、そうした活動を阻止するための仕組みが求められております。これについて、例えばということで少々申し上げますと、まず、対象となる活動をどのように類型化できるのかということ、それに対してどのような規制の方法が考えられるのかということ、さらに、所管する行政機関がどのような監督措置を講じることが考えられるかといったことについて検討しているところでございます。 まだ論点整理中でございますので、詳細な内容、スケジュールをお示しする段階にはございませんけれども、いずれにせよしっかりと検討してまいるつもりでございます。
○柴田巧君 是非、鋭意詰めていただきたいと思います。 ここで、官房長官に決意をお聞きをしたいと思いますが、今もいろいろ御説明ありましたけれども、あくまでもこの法案は入口にしかすぎません。対外情報庁あるいはこのインテリジェンス・スパイ防止法が順次整備されて、初めて本当の意味で目的を達していけると思っていますが、その今後の取組と、この連立合意実現に向けた、これを通して実現することがこの国のインテリジェンス機能を高めていくことになる、国民を守ることになるということも含めて、是非、官房長官の決意をお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) まず、本法案は、複雑で厳しい国際環境において、国民の皆様の安全や国益を守るために進めなければならないインテリジェンス改革の第一歩に位置付けられるものであると考えています。その上で、政府としても、国民の皆様の安全や国益を守り抜いていくためには、政府の対外情報機能について充実させていくことが必要であると考えました。また、我が国をターゲットとした外国情報機関による諸工作というのは活発に行われていると認識をしており、そうした不正な干渉を防止するための仕組みが求められていると考えています。 これら連立合意に掲げられたインテリジェンス施策を含め、現在、関連する課題や論点を整理しているところであり、具体的な方向性や実施時期というのはお示しできる段階にはありませんが、このように様々な方々から御意見をいただいております。丁寧に検討を進め、実効性のある法制度、あるいは運用の改善などを立案してまいる所存です。
○柴田巧君 是非、官房長官のリーダーシップでしっかりやり遂げていただきたいと思っております。 次に、骨太の方針との関連でお聞きをしたいと思いますが、この法案が成立する、そして、今官房長官もおっしゃったように、これから順次そういったものも整備をしていく、そこをしっかりやっぱりこの骨太の方針に明記をしていくということは非常に重要なことで、この骨太の方針は政権の重要課題等の方向性を示す、国内はもとより国際的にも注目をされる文書、政権の意気込み、決意を表すものだと思っていますが、去年の骨太の方針でこのインテリジェンスのというのは、何十ページかあって、外交や安全保障の方はあるんですけど、たった一行、二行ぐらいしかなくて、偽情報対策、人的情報を含む情報収集、分析や戦略的コミュニケーションの取組を強化するための体制、能力を整備を進めるぐらいしか書いてないんですが、せっかくこうやって、まずは国家情報会議設置法案ができて、これからさらに政権としての先ほど申し上げた大きな目標もあるわけですから、今年は七月になるんだったかもしれませんが、この骨太の方針二〇二六にはこの具体策をしっかり明記されるべきではないかと思いますが、官房長官のお考えをお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) これから各機関が行うインテリジェンスの業務を充実強化していくためには、組織や人員、教育訓練、情報収集に用いる機器や施設、また情報の分析、共有、保全のためのシステムなど、様々な点についてその在り方を見直していく必要があると考えています。 こうした検討を内閣官房と各省庁が連携して進めていく中において、骨太の方針に盛り込むということがふさわしいものがあれば、それは関係府省庁とも調整し、適切な記載を行っていきたいと考えています。
○柴田巧君 せっかくこうやって法案も成立して、いろんなことをこれから整備していくんですから、これまでのように一行や二行でばくっと書いてあるというのではなくて、しっかり具体的なものを書いて示して、国内外にやっぱりそういうものをはっきりと明確に示していただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。 続いて、公開情報によるインテリジェンス、オシントについてお聞きをしたいと思います。 偽情報あるいは誤情報を含むインターネット上の膨大な情報を収集、分析するためには、AI基盤の強化が必須のものと考えています。この点について衆議院の議論でも、防衛省の情報本部において、例えば、情報戦対応に必要となる公開情報や、SNS情報の自動収集、分析にAIを活用するなどしているとの答弁があったのは承知をしていますが、内閣情報室におけるこれまでの活用状況と、これ、国家情報局になった場合に、そこにおけるAI活用の方針についてどういうことを考えているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 インテリジェンス部門において扱う情報は、偽情報、誤情報、サイバー攻撃や経済安全保障といった幅広い分野に拡大しておりまして、その情報量も一層膨大になってございます。情報収集、分析の高度化を実現するに当たっては、AIの利活用は必須であると認識をしております。 こうした観点から、内閣情報調査室では、SNSの分析や各種の衛星画像情報の自動識別といった分野におきまして既にAIを利活用しております。今後、国家情報局が設置されまして国内外の情報機関から提供される情報量が更に増大すると期待をされますし、また、インターネット上の情報もますます拡大し、その分析の必要性は増す一方であると予想をされます。 これらの情報について高度な分析を行うとともに、政策部門に迅速に情報提供するため、AIの利活用を更に進めてまいります。
○柴田巧君 よろしくお願いをしたいと思います。 続いて、デジタル庁は、この生成AIの利用環境「源内」の実装を進めているということでありますが、この利用についてお聞きをしたいと思いますけど、今のところ、二〇二六年度中ですから、今年度中には全府省庁、約十八万人の政府職員が生成AIを利用可能とする予定だというふうに聞いております。恐らくは汎用的なものから進められて、当分は機密情報を扱い得るものではないのかなと理解をしていますが、公開情報であるオシントについては利用を進めることが十分考えられるのではないかと思います。 既に、例えば今もデジタル庁のウェブサイトでは、既に警察庁が犯罪実行者募集情報に該当する可能性のあるX投稿のフィルタリング処理を行っていることも紹介をされているというふうな状況ですけれども、そこでお聞きをしますが、この情報コミュニティー省庁における「源内」の活用の可能性、特にオシントでの活用についてはどういうふうに考えているのか、お聞きをしたいと思います。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 先ほど申し上げたとおり、情報収集、分析の高度化の実現に当たりましてはAIの利活用が必須であると認識しているところでございますけれども、AIをインテリジェンスの分析に用いるに際しまして特に配意しなければならないことは、このAIに対する指示文であるプロンプト、これが部外に把握されて政府のインテリジェンスの関心事項が漏えいしてしまう、そういった懸念でございます。 このため、内閣情報調査室におきましては、先ほど申し上げた衛星画像情報の自動識別、これにAIを用いておりますけれども、システムは外部に接続をしておりません。SNSの分析については、これもAIを活用しておりますけれども、利用に際しては情報関心が漏えいをしないように工夫をしているところでございます。 現時点、「源内」については外部接続型でありますので、利活用に一定の制約がありますけれども、その特性を生かしまして活用方法を検討してまいります。
○柴田巧君 ありがとうございました。 続いては、画像情報であるイミント、特にこれ地理情報であるジオイントについてお聞きをしたいと思います。 我が党もこのインテリジェンスの政策、体制については提言を政府に行っておりますが、その中にも、国家としてこのジオイントの能力向上のためには、政府機能を民間にまで拡張し、この衛星情報収集及び分析に係る官民一体となった連携体制を構築すべきであるということを既に政府にも提案をしているところです。 現在、この宇宙基本計画等に沿って十機体制が目指す情報収集能力の向上を早期に達成することを目指していると承知をしておりますが、情報収集衛星の開発については、御存じのとおり、国家情報会議の調査審議事項であることを踏まえて、この民間技術、知見の活用について、国家情報局として、これが国家情報局が立ち上がって実際動き出すとするとどのように取り組むことになるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(和田薫君) 情報収集衛星は、安全保障や大規模災害への対応等の危機管理のために必要な情報の収集を目的としており、開発に当たっては、我が国の技術による自主開発を基本とする方針の下、我が国企業を中心とする民間の技術や知見を活用して取組を進めております。 情報収集衛星により得られた画像情報は正確かつ迅速な政策判断を行う上で重要な役割を果たしており、また、委員御指摘のとおり、本法案において情報収集衛星の開発及び運用に関する重要事項については国家情報会議の調査審議事項となることから、引き続き、我が国独自の衛星開発や運用等の能力を一層高めるため、民間の蓄積した技術や知見を十分に生かしつつ、衛星の能力の向上に取り組んでまいります。
○柴田巧君 よろしくお願いします。 時間が迫ってきたので、最後、一つ飛ばして、最後、官房長官にお聞きをして終わりにしたいと思います。 こうやって、日本のインテリジェンス機能を高めていこうということになってきた、情報部門の下に役割が大きくなったということですが、その理由は、やはり厳しい安全保障環境に直面して、情報部門のカスタマーである政策部門がそういった問題に直面しているということだと、厳しい環境に直面していることだと思っています。 そうした安全保障環境への危機感をやっぱり社会一般に共有することもインテリジェンス機能強化の必要性に係る国民の理解を深めることにつながるのではないか、そのためにも政策部門の的確な意思決定を支えるインテリジェンスについて丁寧な発信に努めていくことが必要だと思いますが、どのように取り組まれるかお聞きをして、最後にしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) これまで、本会議であったりこの当委員会であったり、本法案については、複雑で厳しい国際環境の下で危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全、安心や国益を守り抜くためにこそインテリジェンス機能の強化が必要であるとの説明をるるさせていただいてきたところであります。まさに、政府としては、様々な機会を通じてこういった説明をしていくことは、情報活動の意義、重要性を国民の皆様の理解を深めていただくことにもつながるというふうに考えています。 その上で、本法案をお認めいただいた際には、国家情報会議において政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書を作成し、公表することを検討しているほか、政府が行う情報活動の実施状況やその成果としての脅威評価に関し、業務上の支障が生じるおそれのあるものを除き、公表可能なものがあれば公表してまいりたいと考えており、こうした取組も政府の情報活動に対する国民の皆様の理解に資するものであると、そのように考えております。
○柴田巧君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(北村経夫君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩といたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家情報会議設置法案を議題とし、本案及び杉尾君提出の修正案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩村あやか君 立憲民主・無所属の塩村あやかです。 まず、私たち立憲民主党は、インテリジェンス機能の強化に反対しているということではないということはまず申し上げておきたいというふうに思っております。 その上で、まず修正案提出者にお聞きしたいというふうに思っているんですけれども、国際情勢は厳しさを増している中、テロやサイバー攻撃、そして外国勢力による情報工作や経済安全保障上のリスクなど、政府が的確に情報を収集して分析をして政策判断につなげる必要性は高まっているというふうに思います。 そこで、お伺いをいたします。 今回の修正案は、インテリジェンス機能そのものに反対するものではなくて、必要な情報機能を強化するからこそ、国民の権利でありますとか、民主的統制との両立を図るための修正であるという理解でよろしいでしょうか。インテリジェンス機能強化の重要性も含めて、杉尾提出者の意見をお伺いいたします。
○杉尾秀哉君 御質問ありがとうございます。お答えいたします。 今、塩村委員が指摘されましたとおり、我が国を取り巻く国際情勢、それから安保環境、厳しくなる一方であります。その中で、今お話がありました影響工作、それからサイバー攻撃など、安全保障上のリスクや脅威の増大に対してしっかりと対応するためにも、インテリジェンスの強化は、これは我々は全く否定するものでありませんし、異存はありません。 しかしながら、そのインテリジェンスの機能強化というのは国民の権利利益の侵害にもつながりかねない重大な問題でありまして、国民の理解が欠かせないということが何よりも大事だというふうに思います。また、本法案の立法過程、この本委員会でも私、質問しましたけれども、やっぱり拙速さが否めません。インテリジェンスの強化と国民の権利及び民主的統制の両立を図るために修正案の提出に至ったということを申し上げます。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 この委員会でもそうですし、連合審査の方でもその辺の視点が、我が党の田島麻衣子議員からも、彼女は国連の元職員でありまして、そして外国の外交官の皆さんとお話しする中でも、やっぱりそうしたことは必要であるというような質疑があったというふうに思います。 続けてお伺いしたいんですけれども、次に、市民そして地方議員の皆さんからの懸念について私からも改めてお伺いをしたいというふうに思っております。 まず、提出者の杉尾議員にお伺いするんですけれども、今回の法案につきましては、市民団体や地方議員などから様々な不安の声が寄せられています。午前中の傍聴にも来ていらっしゃいましたし、今もいらっしゃいますよねと。例えば、この国家情報会議に集約をされる情報の中に、地方自治体が保有する情報まで含まれているのではないかという疑念があって、前回、私も質問させていただきました。これ、含まれるということでございました。本人が知らないところで、福祉や医療、税務などの機微な情報が政府内で集約されていくのではないかという疑念の声もありました。これ、政府は否定していないような状況でありまして、市民活動や政治活動の萎縮を生むのではないかという懸念もいただいております。 提出者にお伺いするんですが、こうした市民そして団体や地方議員の声をどのように受け止めているのか、お伺いしたいと思っています。 あわせて、官房長官にもお伺いをしたいというふうに思っております。政府として、こうした懸念は杞憂であるというふうに考えているのか。それとも、国民の不安として真摯に受け止めて対策をしなくてはいけないと考えているのか。お二方にお伺いをしたいと思います。
○杉尾秀哉君 御質問ありがとうございます。 本法案の審議が始まったのは、衆議院で、これゴールデンウイーク前でした。メディアの方も余り報じておりませんでしたし、またこの法案の本質というものもなかなか理解されていなかったというふうに思います。 ところが、一か月強を経て、衆議院から参議院に審議が移って、本法案への疑念の声というのが広がったと。例えば今ありましたように、自分の個人情報は本当に大丈夫なんだろうかと。それから、市民活動が監視されたり、萎縮するのではないか。これに対しては政府はこれまで一貫して否定的な答弁をしておりましたけれども、本当にそうなんだろうかという懸念が払拭できなかった、人権に関わる極めて重大な問題だというふうに思っておりますので。 その中でも特にやっぱり大きかったのが、地方自治体の議員の皆さんとズーム会議、塩村委員も一緒ですけれども、させていただきました。五十人、六十人ぐらいの方が入れ替わり立ち替わり質問いただきまして、この中でも、地方の方でもやっぱりこれだけ心配する声が広がっているんだなというのをある意味衝撃を持って受け止めたところであります。 こうした声を正面から受け止めて、将来の日本のインテリジェンス政策を誤らないためにも、私たち国会議員は地方や市民の声、国民の声に真摯に耳を傾ける必要がある、こういうふうに思ったということであります。
○国務大臣(木原稔君) 五月十二日に塩村委員の方から、自治体の議員さんであるとか、あるいは自治体の職員さんから委員に示された御懸念について質問がありました。内容としては、税務情報であるとか医療、福祉、教育に関する情報、自治体や民間事業者から取得した情報も場合によって含まれるのかという御質問であったものと承知しております。 それに対して、政府参考人からは、本法案の第七条に基づき、資料又は情報の提供等を行うべき主体は内閣官房長官又は関係行政機関の長とされ、この関係行政機関には地方自治体は含まないものであるということ、関係行政機関、すなわち国の機関が現に保有している資料又は情報が自治体や民間に由来するものであったということは当然あり得ること、また、それが無制限に認められるということではなく、安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処、そういった重要国政運営に資する情報の収集調査活動などに関して同会議が調査審議するために必要なものに限られるものであることを政府参考人から申し上げたと承知をしておりますが、仮に提供される資料又は情報の中に個人情報が含まれるのであれば、個人情報保護法のルールにのっとって、関係行政機関との間で適切なやり取りがなされるものであることは、これまでも質疑において繰り返し御説明をさせていただいているところでございます。
○塩村あやか君 つまり、官房長官は、杞憂なんですよというふうにおっしゃりたいのかなというふうに思うわけなんでありますが、でもやっぱり懸念の声は止まっていないというか、広がっているような状況だと思うんですね。 先ほど政府参考人の話がありましたけれども、私への御答弁で、当該行政機関から、例えば自治体などから国家情報会議に提供することはあるけれどもという前置きの下で、その後にしれっと、国家情報会議から直接に自治体に何かこの第七条に基づく求めを行うことは、制度、そういう制度ではありませんという御答弁があって、そこだけ、一番最後に持ってきているので、そこだけ聞くと、あっ、全然大丈夫なんだというふうに思ってしまうんですけれども、その前を読んでみると、結局のところ、そこから得た情報は国家情報会議が直接下さいというような話ではないけれども、省庁が集めたものがそこに上がっていくというところが、まあちょっと暗に隠されているではないですけれども、逆にいろんな方の懸念を生むというような状況になっておりまして、やっぱり誠実に、正しいことは答えているんだけれども、逆に不安を生むような状況になっているというところはちょっと指摘をしておきたいというふうに思っております。 続いて、修正案提出の理由についてお伺いをしたいというふうに思っております。 政府は、これまでこの法案について、国家情報会議という組織を設けるための組織法であると説明をされてきました。しかし、今回の修正案なんですが、単なる組織の設置にとどまらず、対象となる情報の定義、そして、基本的人権の侵害防止とか、職員の政治的な中立性でありますとか、国会への報告など、複数の重要な修正が盛り込まれているんですね、修正案の方には。 そこでお伺いするんですが、提出者は、政府案のどの点に問題意識を持って今回の修正案を提出するに至ったのでしょうか。どのような制度的な歯止めを加える必要があると考えたのか、提出者にお伺いをいたします。
○杉尾秀哉君 今のやり取りの中にもありましたけれども、これまでの質疑の中で、政府側は、本法案はこれまでの組織をただ格上げしてその関係を整理しただけで、情報の収集等に関しては新たな権限を付与されるわけではなくて、懸念は当たらない、こういうふうに再三再四答弁をしてきたところであります。大したことないんだと、これまでと変わらないんだと。法案をスムーズに通すために小さく見せようという意図もあったのかもしれません。 しかし、よくよく考えてみますと、午前中の質疑でも私申し上げましたけれども、国家情報会議の議長の総理を頂点とする、こういう巨大な国家の情報の組織のピラミッドができるわけです。しかも、この国家情報会議議長の総理は、NSC、国家安全保障会議の議長の方も兼ねるという。しかも、この間の関係がよく分からない。この峻別というのが本当に大事だというのは、先般イギリス大使館の館員の方もやっぱりMI5、MI6のことについてやっぱりおっしゃっていたそうです。その意味では、今回の法改正というのは決して小さなものではなくて、重大な政策変更であるというふうに考えているんですね。 しかし、その中でも、この本法案には、情報収集の対象が不当に広く解される可能性がある。それから、人権侵害の防止、政治的中立性の確保の観点がこれ明記されておりません。さらに、国会による民主的統制のための措置が規定されていない。あくまで組織法なので必要ないという、そういうことだったわけですけれども、組織法の中でもこうしたものを規定すること、これは全く私たちは法律的にも問題がないというふうに考えて、今回の先ほど紹介しました修正案を提出したということであります。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 本当にその点に尽きるというふうに思うんですね。不安はやっぱり解消していかなきゃいけないし、それができる状況なのではないかというふうに思っておりますので、引き続きの質疑でただしていきたいというふうに思っております。 一問飛ばさせていただきまして、五番の質疑に入りたいと思うんですが、政府提出案の第七条に基づく情報集約の範囲について改めて官房長官に、今日も先ほど私も申し上げたんですが、改めて確認をしておきたいというふうに思っているんです。 自治体議員さんいらっしゃっていますけれども、税務とか医療情報等についても法令上の除外規定はないということで、さらに、行政機関が保有する情報が自治体や民間由来である場合も含まれるという御答弁があるわけなんですね。 その上でまたお伺いをしていきたいんですけれども、捜査情報とか出入国情報とか税務情報、医療情報、福祉情報、さらには地方自治体や民間への情報まで、法令上の除外規定がないから含まれ得るということであれば、国民の視点から見ると、じゃ、どこまでの情報が集約されるんだろうかというところはまだまだ疑念が拭えず、やはり外で声を上げていらっしゃる方も懸念の声を上げているという状況だというふうに思っております。具体的な説明がもうあった方がいいというふうに思っています。ただし、全部手のうちを明かすこともできないということも分かっています。 改めて申し上げたいのは、私たちはインテリジェンス機能が強化するということは全く反対していないんですが、それと引換えになる国民の個人情報でありますとか様々なところ、ここが懸念だということをお伝えしているんですね。具体的にどのような場面でそうした情報が国家情報会議に例えば自治体とか民間から上がってくるのか。こういう場合ですとダイレクトに言えないかもしれないんですけれども、どういう状況であれば自分の情報が対象になるのか。逆に言えば、ほとんどの皆さんが対象にならないという、そういったところも示していただきたいなというふうに思っているんです。 具体的にちょっと一点お伺いしたいのが、先ほどもお伝えをしたやっぱり民間由来の情報とか行政機関、自治体の情報なんですよね。これが国家情報会議に共有される場面、決済であるとか通信情報とか関連情報とか移動とか宿泊の履歴とか、SNSの関連情報は対象になり得るのかということとか、自治体の情報はまた違う、さっき言った税務とかいろんなものが、健康情報とかあったりすると思うんですが、民間から直接集めたりとか自治体から直接集めるということではないけれども、やはりこれ、国家情報会議がその経由として情報を吸い上げるということは間違いないということでいいのかというところがまず一点お伺いしたいのと、それに対して、それは全部否定することはできないと思うんですよ、当然のことながら。だけれども、じゃ、どういう状況であれば、多くの、ほとんどのと言っていいと、過言ではないと思うんですけれども、国民の皆さんが安心だと思えるような状況なのかというところ、この二点を具体的にお伝えいただきたいというふうに思っております。
○国務大臣(木原稔君) 国の行政機関から国家情報会議に提供される資料又は情報から、委員御指摘のような情報を実際には排除する規定があるわけではないので、確かにこれは含まれ得るということになりますが、国家情報会議の調査審議に必要な範囲にこれは限られるわけでありまして、これと関係のない情報が無制限に集約されるというものではないということは重ねて申し上げておきます。 具体的にどのような情報がどのような状況で会議に提供されるかというのは一概にお答えすることは難しいですが、例えば、企業や又は大学が保有する先端技術情報というのがありますが、そういうのが外国から狙われたりサイバー攻撃の対象となったりする場合がございます。そういった場合には、その手口や被害に関する情報というのをこれは企業の側から所管官庁を通じて提供いただいたりすることは、これはあり得ることだと思いますし、またこれも例えばですが、仮に我が国でテロが発生する、あるいはその他のテロの計画が、まだ実際に起こっていないけれども、計画が明らかになったような場面で、その捜査当局が捜査の過程で得たテロリストに関する様々な情報や、出入国管理当局が保有するテロリストの出入国あるいは在留に関する情報、どこに住んでいるのかとか、そういった情報を御提供いただいたりすることは、当然にこれは想定されることだろうというふうに思います。 今言ったように、テロリストに関する情報であればこういった情報が必要となる場合も考えられますが、一般の市民の方々のそういった情報が必要となるという場合は余り想定されないのではないかなというふうに思います。
○塩村あやか君 その御答弁については、そりゃそうだなというふうに当然のことながら思うんですね。今御答弁いただいた以外は含まれないという認識でいいのかというところを聞かせていただけると安心できるかなというふうに思っています。 そして、やっぱり懸念されるのが、疑いを掛ければ全てのものが対象になるというところが一番の論点じゃないかなというふうに思っているんです。だからこそ、事後検証であるとか第三者の機関を設置するとか、国会の中での自浄作用じゃないですけれども、年一回の報告とか、それをセットで今回出していただきたかったなというのが今回、私たちが修正を出すという動機になっているというふうに思っているんです。 官房長官、もう一度お伺いするんですが、先ほど御答弁いただいた以外は含まれない、それ以外の限定的なものに、これだけですよと言うと、必要な、本当に必要だったときに動けなくなるというようなことがあってもいけないというふうに思うんですが、余りにも今の御答弁だと、疑いを掛ければ、例えば、私であったとしても全部調べられちゃうみたいなことが今の御答弁だとあり得るわけなんですよね。 となってくると、民主主義ですから、政府の出す法案に反対と叫ばれていらっしゃる方もいます。何か疑いを掛けられて、その活動が大きくなっていったときに、正当な方法で大きくなっていったとしても、そういうときに自分が疑い掛けられるんじゃないかというふうに思うと、御本人は声を上げていこうと思っても、例えば御家族に止められちゃったりとか、いろんなことがあったりとかして、そういう活動に参加ができなくなるということがまた逆に民主主義から遠のくんじゃないかという懸念があるんです。 その点について官房長官にもう一言いただけると、官房長官に聞いております、だって時間がないので。済みません、官房長官、お答えいただけたらと思います。お願いします。
○国務大臣(木原稔君) 全ての事柄を例示で出すことはもう当然できませんから、またどのような状況で会議に提供されるかというのをこれ一概に短い時間で答えることはできないし、全てをあからさまにすると手のうちを明かすことになりますので、それは難しいということは御理解いただいた上で、あくまでもこれは国家情報会議の調査審議に必要な範囲に限られると、これと関係のない情報が無制限に集約されるものではないということ、これまでぐらいしか申し上げられないということで御容赦いただきたいと思います。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 いろいろな気持ちも含んで今御答弁いただいたんだなというふうに思うんですが、それでもやっぱり、だからちゃんといろんなその歯止めを掛けておくべきだったのじゃないかな、そうすれば私たちも賛成できたんじゃないかなというふうに改めて思うわけなんです。 続けて六番に入るんですが、修正案についてお伺いしたいんですが、修正案の三条なんですが、第三条、調査審議事項として、基本的人権の侵害防止や職員の政治的中立性確保のための方策を追加しているというふうに思います。これに対して政府側は、これまで法体系のバランスや萎縮効果などを理由に否定的な答弁繰り返して、これ入らなかったという経緯があるんですね。しかし、国家情報会議は、政府全体の情報を集約をして、重要国政に関わる判断に資する情報を扱う組織になります。そうであれば、むしろ、基本的人権の侵害防止とか政治的な中立性の確保、これ明記することは国民の信頼を得るためにも不可欠ではないかというふうにこの長い審議を通じて私は感じているところであります。 提出者はなぜあえてこれらの事項を第三条に追加をしたのか、また、政府が述べている法体系のバランスや萎縮効果という説明に合理性があるのか、提出者に、修正案提出者にお伺いをしたいと思います。
○杉尾秀哉君 お答えいたします。 これまでの政府の説明では、例えば、プライバシーの保護というのは個人情報保護法に書いてある、それから、公務員は憲法で全体の奉仕者というふうに規定されているから、公務員法もあります、人権や政治的中立性を損なうような情報活動は行わない、こういうふうに説明してきたわけですけれども、しかし、そういう説明とは裏腹に、これまでそういうことがいろんな情報機関の中で行われてきたというのはこの本委員会でももう明らかになっているわけなんですよね。 しかし、何というんですかね、政府はそうやって、今回は組織法だから、作用法的なものを書けば、萎縮効果になったり法体系全体がバランスが取れないというふうな、これは私はやっぱり詭弁じゃないかというふうに思います。 法律の専門家の方に聞いても、これは配慮規定ではなくて、これ調査審議事項の一つとして、一項目として入れているということも考えますと、政府も実際、これまでの答弁の中で、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、今日もありましたけれども、公表する際には、個人情報やプライバシー保護を侵害し、又は全体の奉仕者としての立場を逸脱して政治的中立性を損なう情報の収集、提供などを行わないための具体的な方策について検討の上盛り込むと、こういうふうに言っているわけなので、ならば、この法律案の中にこれらの事項をしっかり書き加える、これ自体は何ら問題ないのではないかというふうに思っています。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 もう重ねて申し上げますけれども、私たちはインテリジェンス機能の強化については賛成をしているわけなんですね。 続いて、七番に入ります。組織法における歯止めの可否についてお伺いをしたいというふうに思います。 先ほどからあるように、政府は、今回は組織法であるから個別の活動規制や歯止め規定を詳細に置くものではないという趣旨の説明をされているわけですね。しかし、何度も申し上げますけれども、情報機関、そしてその情報を集約をする組織であったとしても、組織法の中に人権の保障とか政治の中立性でありますとか監督、報告、外部監視といった歯止めを設けることは、制度設計としてはあり得るのではないかというふうに私は考えております。 そこで、お伺いをしたいと思います。 組織法であったとしても、人権侵害や政治的中立性の歯止めを設けている例はないのか。海外の情報機関、情報会議等の組織法において歯止めを置いた例はないのか。国立国会図書館の調査結果、求めたいと思います。
○国立国会図書館専門調査員(石原隆史君) お答えいたします。 海外の情報機関等の組織について定めている法律には、歯止め規定を置いている例がございます。 例えば、まず、ドイツの連邦情報庁法第二条では、権限行使に当たり本人に対する侵害が最少となる措置を選ばなければならないことなどを規定しております。また、第七条では、個人情報が誤っているものについては、訂正、消去、遮断をしなければならないことを規定しております。 次に、韓国の国家情報院法第十一条では、職員の政治関与の禁止、第十三条では、職権を濫用した逮捕、監禁等の禁止、第十四条では、不法な検閲、通信傍受、位置情報の確認等の禁止を規定しております。 さらに、アメリカ合衆国法典第二十八編第三十三章は、連邦捜査局、FBIについて定めており、そのうち第五百三十四条は、司法長官に情報の収集、保存、交換を認める一方で、情報交換の目的や外部提供の範囲の制限についても規定しております。 以上でございます。
○塩村あやか君 あるんですね。 じゃ、国内について法制局にお伺いをしたいと思います。
○法制局参事(小野寺理君) 今回の修正案では、組織法たる本法案において、国家情報会議の所掌事務として、重要情報活動の実施又は外国情報活動への対処に際しての国民の基本的人権の不当な侵害の防止及びこれらに従事する職員の政治的中立性の確保のための方策について調査審議することを追加することとしており、このようなものであれば、法形式上、特に問題はないものと考えております。
○塩村あやか君 そのとおりなんです。なので、この修正案をみんなで賛成していただいて、みんなで賛成ができるような状況をつくっていくことが、私は、国民の皆様の安心と、そして民主主義が成熟していくという形になるんじゃないかなというふうに思っております。 続いて、ちょっとお伺いしたいというふうに思っているんですが、ちょっと八番は飛ばしたいと思いますが、参考人の北村参考人も、こうした歯止めとかオーバーサイトについては、まさに国会の方でお決めいただくことだというふうに参考人の意見陳述でおっしゃっているわけなんですよね。 やっぱり、検討にとどまるという答弁を政府が繰り返しているんですが、歯止めの確認ができていないので、やっぱり今回この修正案を是非皆さんに賛成いただきたいなというふうに思っておりますし、各国も、後から追加してできたというような、歯止めができたという経緯もあります。やっぱり必要なんだということで、やっぱり今、今、日本は組織法ができようとする中で、組織法の中にも歯止めがある国があるのであれば、やっぱりやっておかなきゃいけなかったんじゃないかなというふうに思っております。 続いて、九番の質疑に入りたいと思うんですが、政治家の参加を民主的統制の根拠とする政府の説明でありますとか、参考人もそうおっしゃっていたんですが、それについてちょっとお伺いしたいと思っているんです。 政府は、国家情報会議には閣僚が参加をすることなどを民主的統制の根拠の一つとして説明をしているわけなんですね。しかし、政治家が参加をしていること自体をもってその情報権限に対する民主的統制が十分に働くと言えるのかということ、ちょっと皆さん、これさすがにみんな、えっ、違うよねと思うんじゃないですかね。私はやっぱり思いますよ。 皆さん、覚えていらっしゃいますか、これ。河井克行元法務大臣です。公職選挙法違反で有罪が確定していますよねと。これまで出てきていない例を出しているのでここ出しているんですが、河井氏は当時、現職の与党の国会議員でありまして、当時の総理に近い人物とされ、その後、法務大臣にも就任をしているわけなんですよね、その後ですよ。さらに、裁判の過程で明らかになったのが、警察出身者を使って、それは内調であるとか警視庁だというふうに分かっているわけなんですけれども、そういうふうに報じられていますけれども、対立候補への尾行をこれ三か月もしたということが裁判で明らかになったという形で報じられているわけなんです。これ、氷山の一角ですよね。三か月尾行されたのは私ですよ。そう思うと、これ本当に、ちゃんと民主的な統制が選挙で選ばれた政治家だから利いているのかというと、私はやっぱり違うんじゃないかなと思うんですよ。 今回の国家情報会議は、内調を格上げをして、政府全体の情報を集約、総合調整をする司令塔となる組織なんですね。そうであれば、政治家が会議に参加をしているから民主的統制が働くという説明だけでは不十分過ぎるのではないかというふうに感じています。むしろ、政治家による情報や調査機能の私利、私的な利用、そして政治利用、選挙利用を防ぐためにこそ国会の関与が、やっぱり野党も入って、秘密会でいいと思うんですが、必要だというふうに思うんですよ。官房長官の認識をお伺いするとともに、提出者にもお伺いしたいというふうに思います。 こうした過去の事例を踏まえたとき、修正案において国会への報告を盛り込む意義をどのように考えているのか、お二方にお伺いをしたいというふうに思います。
○杉尾秀哉君 お答えいたします。 今、塩村委員の発言にもありましたけれども、国家情報会議の議員は閣僚ということでありますので、閣僚ということになりますと与党議員ということになりますよね。そうすると、参加者は与党議員に偏るということで、会議にその政治家が参加しているということだけで政治的な中立性が担保されている、十分だというのは、これは幾ら何でもやっぱり無理筋の説明だろうというふうに思うんですね。 やはり、国会の民主的統制の確保は重要であります。修正案においては、国家情報会議の調査審議の結果、それから活動状況について、国会報告及び公表を義務付けております。 それとともに、今後の政府の活動状況、それから立法動向などによっては、将来的には、今、衆参両院に設置されております、私も委員をしたことありますけれども、情報監視審査会を活用する、あるいはこの機能を強化する、こういったことが重要なんではないかというふうに思っております。
○国務大臣(木原稔君) 閣僚級の会議が各省庁の行う情報活動の基本方針を定めていくというこのこと自体は、議院内閣制を取る我が国においては、民主的統制の観点から、大変これは意義のあることだと考えています。委員がおっしゃったように、そういう過去にはそうでない事例もあったことは確かですが、しかし、おおむねその方向性としてはこれは意義のあることだろうというふうに思っています。 国会による行政の監視のありようというのは、これは国会法などの改正も関係する事柄なので、政府としては意見を申し上げる立場にはありませんけれども、その上で、本法案において関連する規定を設けていないという理由については、法案提出者、政府としての考えを尋ねられれば、もうこれは過去にも答弁しましたけれども、この法案というのは、行政機関相互の関係を律するものであり、国民から情報を取得することを容易にするような調査権限、捜査権限を新たに設けるものではなく、また本法案によって、閣僚級の会議が各省庁の行う情報活動の基本方針を定めていくことは、政治による監督の強化、すなわち民主的統制の強化が果たされるものであることから、関連する規定を設けることとしてはいないということ、繰り返しになりますが申し上げておきます。
○塩村あやか君 いろいろ申し上げましたけれども、修正案に何とぞ賛同していただきたいということを最後に申し上げまして、質疑を終わります。ありがとうございました。
○小島とも子君 立憲民主・無所属の小島とも子です。よろしくお願いいたします。 この国家情報会議設置法案は、五月八日からこの参議院にやってまいりまして、時間を掛けて審議をしてまいりました。非常にシンプルな法案の内容でありますけれども、様々な議論が出されました。既にいろんな答弁がなされているところではありますけれども、納得のいかないところについて改めてお聞きをし、そして確認の意味でも幾つか質問させていただきたいと思います。午前中、いろんな審議がございまして、その中で大変多くの重なりがございます。少しはしょってお聞かせをいただきたいと思います。 まず一つ目が、人材に関してです。確保に関しましては、午前中、牛田さんの質問にしっかりとお答えいただきましたので、その人材育成の具体の方法、それから情報保全の措置を含むことについてお伺いをいたします。 経済安全保障、サイバー攻撃、偽情報拡散による影響工作等の影響が増大をしている。省庁横断的にインテリジェンスに関する知識、技術を習得していただきお進めいただくこと、これについては異論はございません。高いレベルでの人材育成システムが必要だというふうに思います。どういうふうに具体に進められますか。 そして、国家情報局には機密性の高い情報が多く集約されるということが予想されることから、格段に情報保全の必要性が高まるであろうということも容易に予想できます。国家情報局に関与する職員はもちろんのことですが、施設設備についても情報保全を万全に期すこと、これが必要になってくるというふうに考えてございます。具体にどのように進めようとお考えでしょうか。官房長官にお伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 委員おっしゃるように、この専門人材を確保するということは非常に重要なことだと思っております。例えばその方策について申し上げると、特定任期付職員制度の下での指定職級の採用であるとか、あるいは、政府でのその勤務経験を有用なキャリアパスと捉えてくれる先端企業からの出向を拡大するということであるとか、また、中途採用の積極的な実施などの取組を進めていきたいと考えています。 また、人材育成システムという点で申し上げると、職員に先端企業で研修をさせたり、あるいは国内外に留学をさせたり、交流人事を通じるなどして外部の知識や技能を学ぶ機会を増やしていきたいと考えております。 また、情報保全について申し上げると、その職員について、その職責のまず重みを自覚させるということ、またそれだけでなく、外国情報機関が秘密の取得を図る手口や動向を実例も交えて教示をし、秘密保全の意識を徹底的に高めるということが何よりも重要だと考えています。 その上で、特定秘密を取り扱う職員もおります。法定の適性評価の着実な実施であるとか幹部職員による面接指導、定期、臨時での保全検査等の措置を講じてまいりたいと思います。 また、その施設ですね、職場といいますか、そこも、これは現在の内調においても徹底的に指導しているわけですが、その執務室におけるICカードや生体認証による入退室管理、執務室への許可を得ない電子機器の持込みの禁止など厳格な措置を講じておりますが、それを更に徹底する必要があるかと思います。 国家情報局において、引き続き万全の措置を講じて執務環境を整備していく所存でございます。
○小島とも子君 午前中のやり取りでも、高市総理がしっかりと予算措置はしていくというふうにお答えになっていらっしゃいました。やっていただけるものというふうに思っています。 今日は、ここに内閣情報調査室、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省の方々にお越しをいただいております。これからどうやって体制の整備を進めていくか、取組強化をどのように進めていこうかということを具体的にお聞かせをいただきたいとともに、過去に不適切な情報収集、人権侵害等が起こっていたということは事実であります。組織としてどう防止しようとしているのか、そのことも併せてお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岡素彦君) 仮に本法案をお認めいただいた場合には、内調の事務を引き継ぐ形で国家情報会議が内閣の重要政策に関する情報の収集調査を、失礼しました、国家情報局が、内閣の情報政策に関する情報の収集調査を引き続き行いつつ、新たに国家情報会議の事務や同会議の機能を支えるために内閣の立場から政府全体を俯瞰する形で行う企画立案や総合調整の事務を担当することになります。 まず、令和八年度予算におきまして約三十名の増員措置をお認めいただいたところであり、これらには課長級二名、室長級二名分も含まれておりまして、これらを活用して司令塔組織の体制整備を図ってまいります。 また、これまでの国会審議での御指摘も踏まえまして、経済安保関連情報の活動の強化、偽情報の流布などによります影響工作の実態解明、AIなどの先端技術を用いた情報分析手法の確立、省庁横断的な教育訓練の推進などのために必要な体制整備につきましても、できることは年度内に着手をしつつ、一層の体制強化を図るべき取組につきましては、この夏に向けて令和九年度予算概算要求の準備を進めたいと考えております。
○政府参考人(千代延晃平君) 我が国の国益や国民の安全、安心を守るためにはインテリジェンス機能の強化が不可欠でありまして、警察としても不断に情報収集、分析能力の強化を図らなければならないと考えております。 これまで警察におきましては、組織、体制の充実強化、専門性を有する人材の育成、対日有害活動の取締りのための捜査能力の向上、関係省庁や外国治安情報機関との連携強化などに取り組んできたところでございますが、今後もこうした取組を総合的に推進することが重要であると考えております。 また、過去の事案に対する再発防止に関してでございますけれども、令和六年九月十三日の名古屋高裁判決におきまして岐阜県警察の情報収集活動を違法とする判断が示されましたが、警察におきましてはこの判決を重く受け止めております。 都道府県警察の情報収集活動が適切に行われ、また、個人情報の適正な取扱いがなされるべきことは当然でありまして、警察庁としましても、指導、教養を徹底していくことは重要であると認識し、様々な機会を通じて実施してきたところでございます。 引き続き、こうした都道府県警察に対する指導、教養を様々な機会を捉えて徹底してまいりたいと考えております。
○政府参考人(渡部亜由子君) お答え申し上げます。 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する我が国の状況を踏まえまして、公安調査庁といたしましても、引き続き、多様な人材の確保や職員の育成など、必要な体制整備に努める所存でございます。 具体的に少し申し上げますと、当庁業務の柱である人的情報収集の性質上、個々の職員の能力向上が肝要でありますことから、積極的な中途採用の実施による語学力やITスキルの高い人材などといった多様な人材の確保、また職員の適性等に応じた継続的に専門性を高められるような処遇、配置などの取組に引き続き努めてまいる所存であります。これらを通じまして、当庁の強みであるヒューミントを生かした適時適切な情報収集、分析を行い、政策部門の情報関心により迅速かつ的確に対応してまいりたいと考えております。 そして、過去の事案についてもお尋ねを頂戴いたしましたけれども、過去、確定裁判におきまして、公安調査庁の元職員を二十四時間体制で監視するなどした活動について、国賠法上違法であると認定された事案がございます。公安調査庁といたしましては、この判決を重く受け止めてございまして、再発防止のため、職員に対し、様々な機会を通じて指導、教育を行ってまいりました。 公安調査庁が業務を行うに当たりましては、調査に当たっては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に制限することがあってはならないという破壊活動防止法第三条等の規定にのっとって行うことは当然でございますが、さらに、引き続き職員に対する指導、教育を徹底いたしまして、今後とも適正な業務遂行に努めてまいりたいと存じます。
○政府参考人(七澤淳君) 国際情勢が大きく変化する中で、国益を守り、国民の安全を確保するため、外務省としましても、公開情報や人的情報など多様な情報を幅広く収集、分析するための予算、体制の拡充に努めてきております。 例えば、私ども国際情報統括官組織につきましては、現行の国家安全保障戦略が決定されました令和四年度の七・五億円から、主にAI等を活用した情報収集、分析のための予算を増額し、令和八年度予算では約十四・九億円を計上しているところでございます。 また、外務省は、世界全体に百五十六の大使館と六十七の総領事館、十一の政府代表部を設置しておりまして、外務省の強みであるこれら在外公館を通じて、常日頃から情報の収集、分析の強化に取り組んでいるところでございます。 引き続き、AI等新興技術の活用のほか、在外公館の人的基盤の拡充等、様々な形で国際情勢に関する情報収集、分析能力の一層の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(松尾智樹君) 我が国周辺の安全保障環境が厳しさと不確実性を増しており、こうした状況に適切に対応するためにも、防衛省としましても、カウンターインテリジェンスを含む情報機能の強化は必要不可欠だと考えております。このため、防衛省におきましては、スタンドオフ防衛能力の実効性確保のため、画像情報を収集する衛星コンステレーションの構築や、SNSを通じたフェイクニュースや世論操作などにより自らに都合のいい社会状況をつくり上げることを目的とした情報戦への対応に係る機能の充実など、情報収集、分析などに関する能力強化に取り組んでいるところでございます。 こうした情報収集、分析等に従事する人材の確保、育成も極めて重要であると防衛省としても考えており、専門性を持った職員の採用、育成に加え、情報要員が長期にわたってキャリアを形成できるような人事体制の構築にも努めているところでございます。 一方、コンプライアンスについても重要な課題だと認識をしておりまして、平成二十八年二月二日の仙台高裁判決において、自衛隊情報保全隊の情報収集活動について、プライバシー侵害とする判断が示されたところでございます。防衛省におきましては、この判決を重く受け止め、個人情報等の適切な取扱い等のコンプライアンスの確保を図るため、関係法令の教育内容の充実を図るとともに、部隊における教育、指導を徹底しているところでございます。 防衛省におきましては、現在、防衛力の変革に向けた議論をしているところでございますが、こうした検討におきまして、情報機能につきましても、我が国自身の情報収集、分析、保全の能力の強化や同盟国、同志国との協力強化のために何ができるのか、また、そのために必要な適切な体制、方法などについてもしっかりと検討をしていく考えでございます。
○小島とも子君 ありがとうございました。御丁寧に答弁いただきました。 それぞれ真摯に職務に当たっていただいているということは分かっています。本当に御努力いただいているというふうに思いますけれども、職務を全うする中でいろんなことが過去に起きてきたというのは、これは紛れもない事実です。 そこで、少し次飛ばしますけれども、五番目に入ります。 いろんなことがある中で、当然、日本国憲法が保障する基本的人権の尊重というのは最大限に尊重されなければいけない。これは答弁の中でもいつも出てくること、そして同時に、国民を不当に監視する体制の構築にならないように、常に正しいこと、適正を確保しなければいけないと思います。 それぞれの部門から、これからどうやっていくんだということをおっしゃっていただきましたけれども、全体として適正を図る必要性、どのように実現していこうと考えられているか、官房長官にお伺いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 国家情報会議及び国家情報局がその活動を行うに当たりましては、憲法が保障する基本的人権を尊重するということは当然であります。また、本法案ですが、国民の皆様の安全や国益を確保していくためのものでございまして、国民を監視する体制を構築するといったものではないということは、これまで再三にわたって申し上げているところでもあります。 その上で、各省庁が行う情報活動については、これまでもそうですが、この法案が成立後、これからも担当大臣の監督の下に適切に行われるものでございます。
○小島とも子君 ずっとそうやって答弁をしてきていただきました。そのこともよく理解できます。 官房長官に引き続きお伺いをしたいと思います。 衆議院の内閣委員会におきまして、個人情報保護、プライバシー、政治的中立に関する条文が追加された場合、できなくなる活動は何か、そういう問いがありまして、やり取りが行われてきました。その問いに対して官房長官はこのように答えられています。会議体を設置するような一般的な組織法の中では、ほかに規定されていないようなことをこの法案のみで規定するということは、法体系全体の中で特別な意味合いを付与してしまうおそれがあるので、情報活動の萎縮を招きかねないのではないかと考えている。 そして、その例として二つ挙げられています。一つ目が、国民の皆様の安全や国益が懸かっている場面があったとして、局面があったとして、インテリジェンス関係機関が個人情報を不当に収集していると評価されることを恐れて必要な情報を出すことをためらう場合、もう一つは、外国による影響工作について、同じく機関が政治目的を持って活動していると評価されることを恐れる場合、これが萎縮を招くのではないかという例として挙げられていて、制度改正としては、本来、本末転倒であると、そういう事態になったら、そんなふうに答弁をされています。 総理はいつも、情報活動に限らず、政府が行政事務を遂行する際は、官房長官も一緒ですけれども、憲法を遵守し、関連法令に則して、合理的かつ適正に行うべきことは当然であるとおっしゃっております。 としますと、書き込むことで萎縮が起こり、きちんとこの法にのっとった活動ができなくなるのではということと、憲法やほかの法令をいつもきちんと守るんだ、守っているんだということの間にどうも整合性が読み取れないんです。 その辺り、疑問に思うところなので、官房長官の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 先ほど各政府参考人から答弁のありました各省庁が行う情報活動というのは、各省の設置法に定められた所掌事務規定に従い実施されておりますが、そうした設置法に御指摘のような配慮規定というものがなくても、これは国家公務員たる職員は、憲法に保障された国民の権利利益を尊重し、憲法を遵守しながら情報活動を行うということは、これはもう当然のことであります。 こうした考えというのを前提にするならば、各省設置法にそうした配慮規定をあえて規定するということは、憲法その他法令を遵守するということ以上に、これはほかの法体系、法体系全体からいうと特別な意味合いを付与するということになり、このことが萎縮を招きかねないとして、私が先般答弁をしたものでございます。 いずれにしましても、今回新設をしようとしますその国家情報会議、国家情報局ですが、国民との間で情報収集を容易にするような調査権限や捜査権限を持つものではありません。そういったある意味特別な意味合いを付与する必要があるとはこの組織法においては考えておりませんし、情報活動が憲法その他の法令を遵守して行われるというのは当然ですので、その運用というのは、しっかりと政治側と私、政務としてですね、運用というものに配慮して、配意してまいる所存であります。
○小島とも子君 法律の遵守は当たり前なんですよ。みんな分かっているんだけれども、でも、人は間違えて、実際に起こったことがあるということについてのきっと国民の皆さんの不安や懸念なのではないかなというふうに思います。 私は、修正案も出させていただいていますけれども、きちんと書いた上で、恐れずに、ちゅうちょせずに、本当に国益にかなうような活動をしっかりやっていただくことの方が実はこの法案には意味があるのではないかというふうに思っておりますので、ここに書き込まないということについてはなかなか少し理解が進まないところではあります。 この法案は、何度も答弁で、先ほどもありました、組織法でありますという話が出てきています。国民に対する具体的な権限を国家情報局に与えるものにはなっていないという御説明もずっといただいていますし、私もそういう法案であるということは理解をいたしております。 ですので、国家情報局は、テロリズム等が起きる前に予防的かつ秘密裏に、広範に情報を集める任務とか所掌事務というのができる、与えられているというふうに考えます。けれども一方、どのような情報がどのように集められどのように使われるのか、そのことについては、組織法でありますから、書かれていないのは当たり前であります。 警察法は、組織法でありますが、第二条第一項で警察の責務を定めていることから、公共の安全と秩序の維持のためであれば、作用法の根拠がなくても、非権力的な手段で行われる情報収集活動は可能というのが判例、通説になっていると理解しています。 同じように考えれば、今まで言われてきたことの裏返しでありますけれども、国家情報局も作用法の根拠なしに国民監視の活動ができるという可能性があるというふうにも考えられます。ここをはっきりさせる、組織法、作用法という区分けで本質的な課題から目を背けてはならないのではないか、そんなふうに考えるところであります。 第三条、所掌事務の条文に、会議は次の事項について調査審議するとありますが、この先ほども修正案でありました審議事項の項に、基本的人権に関する不当な侵害の防止と政治的中立性を確保するための方策を追加して書き込むべきだ、そのように考えますが、官房長官、いかがでしょうか。繰り返しになりますが。
○国務大臣(木原稔君) 国家情報会議の調査審議事項でありますが、これは、指摘のあったように、法案第三条におきまして、重要情報活動の重点、内外の情勢の基本的な認識といったような、国や国民の安全を守るためにその時々の情勢に合わせて機動的に決定されるべきものが列挙されております。 他方で、基本的人権の不当な侵害の防止や政治的中立性の確保のための方策といったようなことは、これは御党の今の修正案にはあるかと思いますが、国や国民の安全を守るために調査審議すべき重要事項とは、これは性質を異にするものでありまして、また、これは一度定めてしまえば情勢に応じた変更がおよそ想定しにくい規範でありますので、この第三条に置くにはなじまないものだというふうに考えております。 その上で、重ねて申し上げれば、憲法や国家公務員法など遵守が当然に求められる他の法律等があまたある中で、この法案にこうした規定を重ねて置くということは、一般的にはこれ不要であり、かつ実務にも及ぼす影響もこれは懸念をされることから、今回はこういう形の法案とさせていただいたということを申し上げておきます。
○小島とも子君 代わり得る規範であるのでしょうかということが、やっぱりそもそも理解の仕方が違うかなというふうにも思いますが、そこはなかなか議論しても一緒にならないのかもしれません。 でも、この厳しい状況だからこそ、やっぱりしっかりやれるようにみんなで、私は、やっぱりそうだな、必要だなというふうにして応援していきたいという思いもございますので、そのことについて、やっぱり国民の皆さんに理解を得ようと思ったら、お話をするだけ、後からいろんなものを公表するだけではなくて、元々この法案にそういう意図があるということを本当に読み取れるものにしていくということが必要だろうというふうに思っているところであります。 国家情報戦略について、いろんな方がいろんなことをお聞きになっていました。どんなことを書くんですかということについて、午前中でも、こういうことが想定されますというふうに総理からも答弁がありました。ですので、一つだけこの国家情報戦略についてお伺いをします。 この情報戦略、仮称ですけれども、こういうものを後から置くということであれば、本法案にその置くということに対する根拠規定を入れ込むというのも一案だというふうに思いますけれども、そのことについてはいかがお考えでしょう。
○国務大臣(木原稔君) 政府の中長期的な情報活動の推進方策を取りまとめた文書というふうに申し上げておりますが、これにつきましては、法案第三条第一号の重要情報活動に関する基本的な方針、また、同条第二号の外国情報活動への対処に関する基本的な方針などの国家情報会議の調査審議事項に該当するものが盛り込まれるものであり、委員の御質問のあったその根拠規定をあえて申し上げるとすれば、その本法案の第三条ということになります。 具体的な内容については、本法案を成立させていただいた後にまた国家情報会議において検討し、取りまとめていくことになりますが、いずれにしましても、国民の皆様には、その情報活動の意義や、また重要性を御理解をいただけるように、その内容というのは検討をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○小島とも子君 ちょっと時間がありません。国会への関与とか、それから報告についてもやり取りさせていただこうと思っていました。 先ほど、塩村議員のやり取りの中でも同じようなことがありました。杉尾委員のお答えの中に、全く私が考えていることと同じことがありました。国民に選ばれた国会議員が関与するからこそ民主的統制が働く、そういう答弁があります。けれども、基本的に閣僚の皆さんは与党の方々、野党の私たちが、その活動や内容が恣意的でないかどうかということを残念ながら検証するすべがありません。このことについて、やっぱり国会の関与、それから今から申し上げます第三者機関の設置というのが生きて働くことには必要なのではないかというふうに思います。 第三者機関についてです。 先ほどいろんなやり取りがありましたけれども、第三者機関について官房長官にお伺いをしたいと思います。 政府による情報重要活動及び外国情報活動への対処に際して、国民の基本的人権が不当に侵害され、又はこれらに従事する職員の政治的中立性が不当に損なわれていないかどうか、これを公正な立場から検証できる、することが必要だと思います。アメリカ、イギリス、ドイツでは、それぞれ国会議員によって活動をチェックする仕組みがつくられている。 我が国においても、政府から独立した機関の設置、必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 今委員の御質問のあった第三者による機関というのは、ある意味独立した機関による監督という、そういう観点かと思いますが、これは、行政機関に例えばどのような権限を創設するかであるとか、どのような手続の下で権限行使をするのか、そういったことを踏まえて、関係法令との整合性や情報活動の実効性、国民の権利保護とのバランスなどの観点から、検討するのであれば検討すべきものであるというふうに考えます。 一方で、本法案ですが、これは、繰り返しになりますが、行政機関相互の関係を律するものでありまして、この新設いたします国家情報会議、国家情報局にも、また各省庁にも、国民から情報を取得することを容易にするような新たな調査権限とか捜査権限を付与するものではありませんので、それぞれの主任の大臣の監督の下でこれまでと変わらない所掌事務や権限に基づいて適切に行われるものでありますから、そういった第三者による、第三者機関による監督のような仕組みを設けることとはしておりませんで、またこれが必要であるというふうには考えていないところであります。
○小島とも子君 最後にいたします。ありがとうございました。 総理、官房長官もこれまで、憲法を遵守すると答弁の中で繰り返されてきました。憲法の主語は、言うまでもなく国民です。憲法は、国家権力を制約する制限規範としても働きます。 一方、修正案提出者である杉尾議員、塩村議員の質疑からも明らかであるように、私もそうです、インテリジェンス機能の強化は、国際情勢の変化に伴ってその必要性は……
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○小島とも子君 高まっているし、必要だというふうに考えます。どれだけ時間がたっても、やっぱりこの法案をこのようにして作ってよかったというふうに、私たちは立法に関わる人間として本当に思いますので、そのことを最後に申し上げまして、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。 本日は、もうある意味、国家情報会議設置法案の終局というところになります。少し私の積み残した問いがございますので、そこから始めさせていただければというふうに思います。 五月十四日に、私の質疑の最後のパーツで、大川原化工機事件について触れさせていただきました。警察庁及び法務省の政府参考人に対して、令和七年八月の報告書の公表以降、再発防止策として具体的にどのような取組を行ってきたかというところを伺わせていただきました。警察庁からは、緻密かつ適正な捜査の徹底に向けた捜査指揮体制の整備や、各種教養、研修等の充実が挙げられました。法務省からは、勾留中の被告人等の病状等に関する検察庁及び拘置所等の間の連絡体制の強化等が挙げられております。 我が党においては、インテリジェンス機能が適切に統制されずに誤った方向に進んだ場合、それは、外国からの脅威を防ぐ盾ではなく、自国民の自由と人権を侵害するおりと化すというふうに考えております。この大川原化工機事件、その象徴的な例であり、政府が深く反省や検証をした上で、同じような過ちを繰り返すようなことのないようにということを改めて指摘をしていきたいというふうに思います。 そこで、問いです。事件の検証や反省を今後のインテリジェンス施策を遂行していく上でどう生かされていくのか。 こうしたインテリジェンスの失敗というところは、起きないにこしたことがありません。しかしながら、発生した際には、この隠蔽のメカニズム、この把握をすることが大変重要だと思います。組織としても同じような失敗に陥らないよう次に生かすこと、このインテリジェンスの失敗について、木原官房長官の見解をお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(木原稔君) 今委員が御指摘あったような個別の事件に関する教訓につきましては、捜査当局における証拠の評価や逮捕に至る判断などの言わば犯罪捜査に関する教訓が挙げられるのではないかと考えております。 その上で、委員の問題意識というのは、私は、十分に吟味されていない正確性や客観性を欠く情報に基づいて政策判断や意思決定をすることがないようにしなければならないということだと今理解をいたしましたので、その観点でお答えをするならば、まずは、情報と政策を分離することの重要性、これが非常に求められると思っております。 その観点でお答えすると、これらを、情報と政策を分離すること、これを確保することによって、政策部門に過度に配慮した情報部門が、進めたい政策を前提とした情報評価を行うといった事態が生じにくくなるものと考えます。 また、情報分析の信頼性を向上させるということも重要であり、例えば、国家情報会議で調査審議するような重要な事案の総合分析に際しては、当初の結論に対し、これは伊勢崎議員から指摘があったように、批判を加えるチームというのを編成するとか多角的な検証を行ってみるとか、そういったことも一考に値するというふうに思いました。 いずれにしましても、客観的で、過大にもまた過小にもならない的確な情報評価が行われるように、新設する組織の運用面には十分に配意したいと存じます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 国家安全保障を担う機関であっても、この権限の行使というところを誤りますと、国民の権利、これを深刻に侵害し得るというふうに思います。大変重い教訓だというふうに思っております。国家情報局の創設は、能力の強化というところに特化することなく、民主的統制やまた透明性、このセットでなければならないというふうに考えておりますので、是非その点も改めて指摘をしておきたいというふうに思います。 次の質問です。 日本経済新聞によりますと、オーストラリアでは、二〇二三年の七月から一年間の外国のスパイ活動による経済損失、これが約百二十五億オーストラリア・ドルにも上ったとの試算が報じられておりました。これ、日本円に換算しますと、当時の円換算ですが、一兆一千八百億円超になるというふうに思っております。 また、我が国でも国家情報局が創設された後のこうした外国のスパイ活動による経済損失を試算して公表することで、政府のインテリジェンス活動に対する国民の理解を得ることにもつながるんではないかと考えます。こうした点を検討する可能性はあるかどうか、お伺いできればというふうに思います。
○政府参考人(岡素彦君) 外国情報機関による機密情報の窃取などにつきましては、我が国の安全保障上の脅威であり、外交力、防衛力、技術力も含めた国力に甚大な影響を及ぼすもので、ひいては委員御指摘の国家レベルの大きな経済的損失を生むものでもあります。そうであるからこそ、本法案におきましては、国家情報会議の調査審議事項としまして外国情報活動への対処を明確に位置付けるところでございます。 外国情報機関による官民の機密情報を狙った諸工作の実態解明を図り、対外的に公表することも重要な対応の一つと考えておりますけれども、こうした取組は、委員御指摘のとおり、まさに政府の情報活動に対する国民の皆様の理解にも資するものと考えます。 経済損失の試算ということに関して申し上げますと、このオーストラリアの高官もスパイ活動の代償に関する発表は世界で初めてとおっしゃっておりまして、なかなか容易ではないとは考えられますけれども、どのような算出方法があるのか研究してみることも考えられるのではないかというふうに思っております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 是非御検討いただければというふうに思います。外国によるこの情報窃取や技術流出というのは、単なる経済問題ではなく、国力にも大変影響する課題だというふうに考えております。 続いての質問です。 谷内元国家安全保障局長らが令和七年の十二月に公表されています提言があります。我が国においては、有害な情報収集活動を処罰する法令が著しく不十分であり、他国に比して国益に直結する機微情報の流出を阻止する機能が著しく弱い、脆弱であるという指摘があります。これに対して、世界的に見てもこれは異例の状態だというふうにも指摘をされております。諸外国との情報協力の強化を妨げる材料にもなっているというふうな指摘でした。 この外国の利益を図る目的で行われる一定の活動を行う者に係る国への届出制度の創設、これを含む当該活動の把握及びこれを国民に周知するための措置を始めとしたスパイ活動を探知する手法やこの法制度、我が国でも早急に着手するべきではないかと考えますが、この点について、官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 外国情報機関によります機密情報の窃取等は、我が国の安全保障上の脅威になるほか、経済的な損失、さらには外交力、防衛力、技術力も含めた国力というものに甚大な影響を及ぼすものであると考えております。そうであるからこそ、本法案においては、国家情報会議の調査審議事項として、外国情報活動への対処というのを明確に位置付けているところであります。 委員御指摘のあったその法制度について申し上げると、政府や企業の秘密の窃取や取得を図る行為については、既に特定秘密保護法であるとか重要経済安保情報保護活用法であるとか、また不正競争防止法などによって罰則が規定をされております。当局による取締り等が行われ、またこれらの法令に基づき重要な秘密の漏えい防止措置も講じられているところです。 他方で、複雑で厳しい国際環境の下、外国によるこうした行為に対しては一層厳正に対処していかなければならないと考えています。 現在、そのための課題や論点等を整理しているところであり、様々な方々から意見を賜りながら、これについては特に丁寧に検討を進めてまいります。
○堂込麻紀子君 今検討をいただいているというところだというふうに思いますけれども、我が国が国際社会の中でも信頼される情報協力のパートナーとなるためには、この機微情報を守る法制度の整備というのも大変不可欠だというふうに考えます。 続いての質問ですけれども、先ほど触れさせていただきました谷内元国家安全保障局長らの提言についてです。 情報要員のリテラシーの共通化、向上についても触れられておりました。もうるる各委員の皆さんからもこの情報要員の人材育成等にも触れられておりましたけれども、現状の情報要員は各省庁が個別に採用されて個別に養成しているというところが情報リテラシーや情報マインドの共通化を妨げているという指摘です。 どうしたらいいかというと、一つは情報要員を政府横断的に養成する教育機関を創設すること、またサイバーやメディア分野も含めた共通的なリテラシーの向上を図る、そして当該機関での教育の履修を一定のポスト以上へ補職の条件とすべきである、こうした指摘がございました。 これまでも官房長官からは、意欲的にこうしたところにも取り組むという発言をしていただいております。 改めてお伺いします。 省庁横断的な研修や共同研究については、令和九年度の予算の概算要求からそういったものを要求していくというお考えなのでしょうか、また当該機関での教育履修を一定のポスト以上への補職の条件とすべきというこの提言はどのように考えられるのか、御見解をお伺いします。
○国務大臣(木原稔君) 情報部門の省庁横断的な研修、また共同研究に必要な予算というのはこの夏に行われます概算要求に盛り込むことを、これは内調に今検討させております。 現段階で、研修等への参加を各省庁の特定ポストへの登用の条件とするとまでは現時点で考えてはおりませんけれども、各省庁においては当然に人事配置上の参考にするものだと思われます。また、将来的にその内容が充実していくにつれて、特定ポストへの登用とリンクさせていくということも制度設計としては考えられるのではないでしょうか。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。既に今、概算を、内調の方で予算組みをしようというところだというふうに思います。先ほども触れておりますが、優れた人材なくしてこの組織は成り立たないというふうに考えますので、是非更なる検討をしていただけるようお願いいたします。 また、情報要員の養成の部分についても触れさせていただきますが、今年のゴールデンウイーク中にオーストラリアの首脳会談がございました。その首脳声明では、インテリジェンス協力が明記をされております。こうしたオーストラリアなどから知見を得るなり、職員を研修出すなり等も、これも一案かなというふうに思っております。 また、十九日に行われた参考人質疑の中でも、米国、英国、豪州におけるインテリジェンス機関においては、今回の我が国の情報機関、情報機構改革、こういったものにはもうもろ手を挙げて喜んでいると、賛成しているというところでございました。 情報要員の養成における米国、英国、豪州、これの協力要請についての官房長官のお考えをお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(木原稔君) 情報活動に従事する職員の専門的な知識及び技能の向上を図るためには、外国関係機関の助力を得ることは有益だというふうに考えています。 あくまでも、我が国の情報活動の適正性や主体性が損なわれないということが大前提ではございますが、ニーズに適したものがあれば、御指摘のあったように、研修に参加させるというやり方もこれはあると、そのように考えています。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。我が国の主体性も尊重しながら、是非期待をしていきたい取組だというふうに考えております。 続いての質問ですが、先日の参考人質疑において私は、インテリジェンスに従事する者、またその協力者の安全を確保するための必要な施策、これを講じることの重要性について問わせていただきました。 北村参考人からは、安全確保の面は非常に重要なポイントであろうというふうに思うとおっしゃっていただいています。既に警察においては、仮装身分といった形での捜査が始まっております。それに劣らない形で、危険に身をさらすということもあり得るというふうにおっしゃっておりました。そのための措置を制定してもらうということが、何よりも任務に当たる職員の安全の確保にもつながるという発言です。 これを踏まえて、警察庁の政府参考人にお伺いできればというふうに思いますが、令和七年一月に仮装身分捜査実施要領が定められまして、この令和七年には十三件の仮装身分捜査が行われまして、そのうち四件五名の逮捕に結び付いたというふうに承知をしております。 警察庁としては、この成果、どのように評価をされているのでしょうか。仮装身分という捜査、これが現場で犯人に分かってしまって、逆に捜査員が危険な目に遭ってしまったというケースがなかったんでしょうか。 また、現在我が国では、仮装身分は捜査実施要領に基づいて、法の下ではないというところなんですけれども、実施されております。G7等の欧米主要国では、こうした捜査、我が国のようなやり方なのか、それとも法律に基づいて実施されているのか。こうした視点で、我が国においても近い将来、仮装身分捜査を法律できちんと位置付けるといった検討はなされないのかというところを伺えればと思います。
○政府参考人(重松弘教君) 委員御指摘の仮装身分捜査でありますけれども、捜査員がその身分を秘して架空の身分証を提示するなどして、インターネット上の犯罪実行者募集に応じ、詐欺や強盗などの検挙につなげる捜査手法のことを言っております。警察におきましては、仮装身分捜査実施要領に基づいて、現行法の任意捜査の範囲内で実施をしているところでございます。 令和七年におきましては、仮装身分捜査を十三件実施をして、強盗予備、詐欺未遂で四件五名の被疑者を検挙するとともに、この検挙四件を含めまして七件の被害防止を図っております。仮装身分捜査を通じて、SNS等のインターネット上において犯罪実行者が募集された上で実行される犯罪の検挙や、その被害の未然防止が図られたものというふうに承知をしております。 仮装身分捜査の実施に当たりましては、犯人に接触する捜査員その他の従事する職員の安全確保は極めて重要でありまして、万全を期しているところでございます。これまでに捜査員に危険が及んだ例は承知をしておりません。 また、海外における身分を仮装して行われる捜査につきましては、過去、警察庁において調査をしたところによれば、法令やガイドライン等に従って、例えば、捜査員が仮装の身分を用いて経済活動などを行うことや、犯罪組織に一定期間潜入して組織の情報を収集し、必要に応じて犯罪行為を行うといった捜査活動が行われているものと承知をしておりますけれども、我が国において実施要領に基づき実施している仮装身分捜査とはその内容が大きく異なっているというふうに承知をしております。 その上で、我が国で行っております仮装身分捜査につきましては、現行法の下において実施可能な範囲で行っているものでありますことから、新たな立法措置を行う必要はないというふうに考えておりまして、警察としては、引き続きこの実施要領に基づいて適正に実施してまいりたいと考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 仮装身分捜査が一定の成果を上げていると、また捜査員の安全確保も今のところは図れているという状況でございました。確認できてよかったです。今後、この制度の活用が広がることで、法的根拠また統制の在り方についても議論していく過程がこれからあるかもしれませんので、その点についても検討させていただければというふうに思います。 続いて、インテリジェンスの世界において、この仮装身分による情報収集を導入する場合に期待される効果、また留意点はどのようにお考えなのか。また、導入する場合、警察の例と同じく実施要領を定めていくのかと、法定するかというところなんですが、この点について、政府参考人からお伺いできればと思います。
○政府参考人(岡素彦君) お答えします。 一般的に、身分を仮装することによりまして、接触しにくい人物と接触しやすくなったり、あるいは、当該職員が後に対象組織や対象国から報復を受けるリスクを低減させたりするなどの効果が考えられます。ただ一方で、情報活動推進上の有効性や困難性、危険性などについても留意をすべきものでございまして、現時点で今後の取組方針について詳細な検討状況を明らかにすることはできず、この点、根拠法令を整備するかどうかという点も含めまして、お答えできる段階にはないことを御理解いただければと思います。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 情報収集の実効性の向上という観点からは大変有効な手段というふうにも考えますが、権限の濫用を防ぐための統制というのも一方で必要ではないかということもあります。この点についても、今後また、実施要領だけではなく、法的根拠についても考えていければというふうに考えております。 続きまして、スパイには、国家の機密情報を狙うようなスパイと企業や産業の重要情報を狙うような産業スパイがあるというふうに考えます。この後者の産業スパイや技術流出の対策については主に経済産業省が所管しておりまして、警察庁とも連携した取組を実施しているというふうに思います。近年の取組、その中での成果、またこれについての課題、どのように認識をされているのか、経済産業省からお伺いできればというふうに思います。
○政府参考人(西脇修君) お答え申し上げます。 産業スパイと申しますと、その業種や情報の内容、出口などは様々であり、その対策について一概に申し上げるのは困難でございますが、その上で、技術流出対策については、経済産業省においても、警察庁を含む関係機関と連携しつつ、企業などに対して普及啓発に取り組んでいるところでございます。 具体的には、経済産業省において技術流出対策ガイダンスを策定し、技術流出が生じ得る状況に応じて具体的な対策例を提示しております。例えばですが、生産拠点の海外進出、人を通じた技術流出、共同研究、取引先とのすり合わせといった場面ごとに留意点や対応の方向性を分かりやすく整理してお示ししております。 また、各地域の経済産業局などと連携して、当該ガイダンスを活用しながら、普及啓発に向けたセミナー等を日本各地で開催しているところでございまして、昨年度は例えば合計千人ほどの参加を得たところでございます。その際には、警察庁など関係機関にも実際の流出事例や留意点について説明いただくなど、出席者の方々への問題意識の浸透を図っているところでございます。 まさに先生御指摘の課題でございますが、中堅・中小企業は、人員や資金などの制約から対策の実装が容易でない場合がやはりございます。このため、経済産業省では、分かりやすいパンフレットやチェックリストを作成した上で、まず着手すべき事項を明確にお示しして丁寧な説明に努めているところでございます。 引き続き、警察庁を始め関係機関と連携しながら、企業のこういった取組を支援してまいりたいと思います。
○堂込麻紀子君 今もおっしゃっていただきました、中小企業がやはりどうしても課題になってくる部分を多く抱えているかなというところと、技術流出の手口も大変今高度化しておりますので、この点についても官民連携による対策強化というところが非常に重要な点になってくるんだと思います。 それに関連しますけれども、警察庁では令和四年の四月に経済安全保障室というのを設置しまして、技術情報等の流出の未然防止のための取組、これを都道府県警察と連携して推進しているというふうに承知をしております。 現在、この同室は何名の規模となっているんでしょうか。また、どのような活動、貢献をされているのかというところを伺えればというふうに思います。
○政府参考人(千代延晃平君) お答えいたします。 警察庁では、令和四年四月、外事課に経済安全保障室を設置いたしましたところ、この体制は本年四月一日現在、約四十名でございます。 その上で、警察では、技術流出防止対策としまして産業スパイ事案等の実態解明と取締りを推進しておりますほか、警察から先端技術についての情報を保有する企業や大学、研究機関に対して技術流出の手口や有効な対策を提供するいわゆるアウトリーチ活動を行っておりまして、経済安全保障室では、各都道府県警察におけるこうした取組に関する指導等を行っているところでございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 都道府県警にあるということではありますが、経済安全保障室、これが果たしている役割の重要性というのは今後更に高まるんではないかなというふうに考えます。 技術流出の未然防止というのは大変目に見えにくい活動でございますので、こうした国益を守る上で極めて重要だというふうにも考えております。重要な人員体制、また予算規模についても、強化についても検討いただければというふうに思います。 続いて、産業スパイの関係において、現行制度では、不正競争防止法の所管省庁でもある経済産業省が中心となって、警察庁や、場合によっては外務省などとも連携し対応に当たっているというふうに伺っております。 国家情報局が創設された後は、産業スパイへの対応は国家情報局が中心になるんでしょうか。それとも、経済産業省と国家情報局、これが複線的な形で連携しつつ対応するということになるのか、お伺いします。
○政府参考人(岡素彦君) 本法案第二条によりまして外国情報活動への対処は国家情報会議の調査審議事項とされまして、その事務局である国家情報局が各省庁に対する総合調整を行い、我が国の先端企業が持つ重要な秘密を狙う外国機関の諸工作に対しまして省庁連携による取組を推進していくこととなります。 それを推進していく上で、情報機関とターゲットにされやすい先端技術や重要な営業秘密を保有する企業、研究機関と平素から関わりの深い経済産業省や文部科学省とが的確に連携することが重要であり、先ほど経産省からもコラボレーションの取組が御紹介ありましたけれども、諸工作の実態把握や広報啓発などを相互に協力して実施するなど、対処の実効性が高まることが期待されるところでございます。
○堂込麻紀子君 それぞれの情報機関と、また各省庁それぞれの強みを生かしながら連携図っていくというところが大変重要な要かなというふうにも考えますので、その点の役割分担も明確にしていく必要があるのではないかと指摘をしておきます。 続いての質問です。 インテリジェンスに対する国民の理解を増進させるための一つの方策として、十九日に行われました、参考人にもお越しいただきました小谷参考人から、政治家による説明が第一というふうに述べられておりました。 このインテリジェンスについて、こうした取組があって未然に危機が防止されたとか、結果としてこうなりましたとか、国の国力につながりましたと、こういった事例を政治家自身が国民に発信をして国民に周知をする、知ってもらうという意義が大変あるというふうにも考えております。この点について、官房長官の見解をお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(木原稔君) インテリジェンスに関する施策を進めていくためには、政府の情報活動について指揮監督する立場にあります政務の側においてこの施策の必要性を国民の皆様に説明していくことが効果的という、そういう御指摘をいただきましたが、政府の情報活動の意義や重要性に対する国民の皆様の御理解を深め、その信頼を得ることは大変重要なことと私どもも考えておりまして、その点は委員と認識を同じくするものだと思います。 インテリジェンスに関する成功例とかあるいは失敗例ということを、これを公表するということは手のうちにつながりますので慎重な判断が必要とは思っておりますが、国民の皆様への効果的な発信の在り方についてこれからよく検討していきたいと思います。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 今、この国家情報会議設置法案を審議している間は、政府からの趣旨説明は大いにあるというふうに思っています。やはり、できてからの説明だったり周知だったり、この点がやはりこれまで欠けているのではないかなというふうに感じておりますので、是非その点も提案、指摘をしていきたいと思います。 最後の質問になりますけれども、米国のキャンベル前国務副長官が、四月二十七日、時事通信とのインタビューにおいて、インテリジェンス能力を強化する国家情報会議などの設置に関しても、国家安全保障会議発足を始めとする取組からの自然な流れだという支持を表明をされておりました。この創設に向けて、米国としても相当な支援が可能だろうというふうに語ったというふうにもされております。 私が、八日に参議院の本会議において、国家情報会議、国家情報局が創設された後は、今般の中東情勢のような危機的な事態に直面する際に、質、量共に充実した情報収集が行われ、政策に活用することが本当にできるのかどうかというところを問わせていただきました。その点、同志国、同盟国との情報連携を深めることが重要だというふうにお伝えをさせていただきました。高市総理からも、そのように、同盟国、同志国との情報協力が死活的に重要ですというふうにおっしゃられておりました。 こうした同盟国、同志国とのインテリジェンス機能との連携や協力を深めていくために、こうした機関とどのようにギブ・アンド・テークをしていくのかというところを、木原官房長官、これからの展望というところになりますけれども、御教示いただけないでしょうか。
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、簡潔に答弁をお願いします。
○国務大臣(木原稔君) 御指摘のとおり、同盟国、同志国との連携を強化し、情報共有を促進していくことは一層求められていると感じます。 インテリジェンスの司令塔機能を強化する本法案によって、政府の情報活動のパフォーマンスが最大化、そして最適化され、インテリジェンスサイクルがより充実するということから、新設組織において、より多くの質の高い情報プロダクト等が生成されることが期待をされておりますので、諸外国のカウンターパートとの協力関係と情報共有を一層深化させていく上でのこれは力強い後押しになっていくものと考えております。
○堂込麻紀子君 質問を終わります。
○司隆史君 公明党の司隆史です。 国家情報会議設置、本当に議論が重なって、積み上がってきているなというふうに思っております。御参加の皆様の事務所にも多数ファクスも、私のところも入っておりますけれども、身近な方と、こういった法律があってどう思われますかということを、率直に何名かの方ともお話をする機会がありました。やはり、インテリジェンスとはどういうものかというイメージができない中で、何、私の情報が行政通じて何か使われてしまうのと。いやいや、そういうことではなくて、今回は組織の中で情報を扱いやすくできるように、司令塔をつくって、インテリジェンス情報を得て、海外の動きを知って対策を取っていくんですよというようなお話をさせていただくと、ああ、今はそういうことなんですねと。テレビで何かお話聞くと、それぞれの行動が制限されるんじゃないかと、いや、それはこの先の議論の話なんですよという立て分けをしながらお話をすると、ああ、そういうことなんだなというふうなお話をいただきます。 ただ、一方で、本当にそのように運用してくれるんですかという、いわゆる国に対する信頼というものがやはり最後に懸念として抱かれる方が多くいらっしゃるわけでございます。 実は、少しお時間、冒頭いただいていいですかね。今、決算委員会で私、個人情報保護法改正について、昨日も議論をさせていただきました。これは何かといいますと、統計作成、AIに使うのに、要配慮個人情報を本人確認なしで民間の事業者に渡すという法律でありまして、私はかなり懸念をしておるわけなんですけれども、ただ、私が昨日申し上げたのは、例えば医療情報、機微な情報です、ですけれども、国で、またガイドライン含めたこのガバナンスを利いた形で、本人確認がなくても、医療の発展のために使われるのであれば、行く行くは自分自身の医療の発展に使われるんじゃないかというようなことをきっちりと説明をし、透明性のある管理であり使われ方ということをしっかりと説明をすればもっともっと使われるんじゃないですかということを御提案をさせていただいて、政府の方も前向きな御答弁をいただいたところなんですね。 今これ、私、何が申し上げたいかというと、やはり自分の情報がしっかりと自分の利益につながる、また透明性のある形でしっかりと担保されているということがきっちりと説明をされ得れば、国民の皆さんは信頼をし、国の取組に前向きに議論ができてくれるようになるんじゃないかなということを感じたところなんですね。 今回、国家情報会議においても、医療とインテリジェンスというのは全く違う分野でありますし、全てを透明化を図るということは難しいことはもちろんなんですけれども、やはり説明、何のためのインテリジェンスであるのか、また、今回、収集するような対象というのはどういう対象の方々なのかということをやはりしっかりと説明すること、そして、インテリジェンスの効果を国民の皆さんにお伝えすることが信頼につながり、また、これまたインテリジェンスの強化につながっていくということを、今日、私は、信頼、国民の信頼とインテリジェンスの強化というのはもう隣り合わせであり、サイクルなんではないかなというふうなことを思うところでございます。 少し長くなりましたけれども、その意味で、今日は、修正案を提案されていらっしゃいます杉尾委員の懸念点と政府の取組を少し比べながら、今までの議論を総ざらいしながら、改めて国民の皆様の説明に尽くすような、そんな質疑にさせていただきたいと思います。 という意味で、修正案の方に三問聞いて、政府に三問だったんですけど、順々に聞かせていただきたいと思いますので、済みません、急遽の変更で、申し訳ございません。 まず初めに、修正案の第二項目でございます。 国民の基本的人権の不当な侵害の防止及び従事する職員の政治的中立性の確保するための方策を調査審議することを追加するということでございまして、この考え方、また方策について、具体的なイメージをちょっと、提案者としてのお考えをお伺いできますでしょうか。
○杉尾秀哉君 御質問ありがとうございます。 今、司委員もおっしゃいましたけれども、私も同じことを話を聞きながら考えておりまして、やっぱりその政府に対する信頼、政治に対する信頼というのが、日本は決して諸外国に比べて、特に北欧諸国なんかは高いというふうに言われますけれども、それがやっぱりベースにあるのかなというふうに思います。 その上で、あえてこの基本的人権の侵害防止及び職員の中立性確保の規定、これを書き込む、三条に書き込むことにしたのは、これは政府の答弁の中にもありましたけれども、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、公表する際には、個人情報やプライバシーの保護を侵害し、又は、これは憲法が規定をしておりますけれども、全体の奉仕者としての立場を逸脱して政治的中立を損なう情報の収集、提供などを行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込む旨、こういうふうに明言をされてきたところであります。これは、繰り返しこういう答弁がございました。こうした答弁の内容を、今回は修正案の中で、国家情報会議の三条の五号として、調査審議事項として書き加えたということであります。 例えば一例を挙げますと、憲法の規定とか、個人情報保護法とか、国家公務員法などに触れる、例えば人権侵害や政治的中立性を損なうような指示が上司からあった場合の対処方法の明文化、そういったものが具体的に考えられるというふうに思います。 いずれにしても、そういう方策を調査審議事項として検討して、それを基に活動してもらうための、そういう修正というふうに御理解ください。
○司隆史君 ありがとうございます。具体的な職員間のやり取りの対処方法ということも具体的に想定をいただきました。 では、政府の方にお伺いをいたします。 今回、この修正案は修正せずに、懸念点としてある基本的人権の不当な侵害、また政治的中立性を確保するのを、修正案はせずにということで提案をされていらっしゃる本法案ですけれども、これは現法案でどのように担保をされるか、お伺いできますでしょうか。
○政府参考人(岡素彦君) 提出された修正案そのものではなくて、修正案を離れたプライバシーの保護や政治的中立性を、本法案を含めた現行の法体系の下でどのように担保するのかというお尋ねだと受け止めた上でお答えいたします。 本法案は、行政機関相互の関係を律するものであります。新たな調査権限、捜査権限を付与する規定を設けるものではありません。国民の安全や国益を守ることを目的としたものでありまして、情報を政治目的で利用したり特定党派の利益又は不利益を図ったりするものでもありません。また、各省庁の情報活動は、各主任の大臣の監督の下、これまでと変わらない所掌事務や権限に基づき、個人情報保護法や国家公務員法などの関係法令を遵守して行われるものであることもこれまでとは変わりはございません。 したがいまして、本法案により、国民のプライバシーを無用に侵害したり職員の政治的中立性を逸脱したり、それらのおそれを高めるといったことはなく、そのための制度的担保は現行の法体系で既に整備をされていると考えます。そのため、現行の規定に重ねて同旨の規定を改めて本法案に設けることはしておりません。 ただ、もっとも、個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性を逸脱しないことにつきましては、本法案の衆院、参院、両院の審議を通じまして御懸念が示されたことはしっかりと受け止め、衆院の附帯決議には同旨の規定もございますので、その内容を十分配意し、関係法令を遵守した本法案の適切な運用と適切な情報活動に努めてまいります。
○司隆史君 ありがとうございます。 法案の立て付けのお話をいただいた上で、少し前向きな内容もあったわけですけれども、やはり一番大事なのは、中長期の方針を示すというところにおいて、私自身も、先ほどおっしゃった、杉尾議員がおっしゃったような、インテリジェンス機能と司令塔のこの内閣情報会議・局との関係性ということも含めて、これはそういった中身も記載するということでお聞きしておりますので、きっちりと中長期の戦略の中で記載をいただきたいなというふうに思います。 続いて、第三項目ですね、第三項目、修正案につきましては、政府は、少なくとも一回、国家情報会議の調査審議の結果並びに重要情報活動の実施及び外国情報活動への対処の状況について国会に報告をするとともに、公表するものとすると。 これ、衆議院の附帯決議でも書かれているものについても修正案として法案に入れようというようなことであると思うんですが、提案者の方にお聞きをしたいのは、この国の監視機能設置というのは、報告について書いていただいていると思うんですけど、海外の例を取りますと、国による監視機能、そういったものも含めたもっと強力な対応というものも取っている国もあると思うんですが、その辺は、国の報告にとどめるということでよかったのかどうか、また全体的な意味も含めてお伺いできますでしょうか。
○杉尾秀哉君 先ほどから岡審議官がいろいろ、るる説明されていますように、現行の法体系の中で、無用に侵害したり、現行の法体系の中で整備されているからいいんだという、そういうふうな、これ言ってみれば、お題目であって、建前にしか私はすぎないと思うんですよね。それをやっぱり法律の中でどうやって制度的に担保をするかということが重要であって、その視点が決定的に欠けているんじゃないかと。 私も、今回の、自分で質問するに当たって法制局にいろいろ聞いたりしましたけれども、そういうことを検討されている、これはもう後回しでいいんだということで、検討されているやっぱりその形跡が見られなかったのであえてこういうことを我々としては考えた、そして制度的な担保として書き込ませていただいたということであります。 今回は、国会報告及び公表、少なくとも年一回という、そこにとどまっておりますけれども、これは実は衆議院段階で提出をしようと思っていた修正案でありまして、それから、さらにこの参議院でのやり取りを聞いて、この後、質問があるかも分かりませんが、これでは足りないのではないかということで、参考人の御意見なんかも入れながら、第三者機関の設置とその検討というのもさらに四つ目の修正案として書き込ませていただきました。 いずれにしても、国会の機能を有効に使うということであれば、現在ある情報監視審査会、これを活用するということと、それから、実際に、情報監視審査会、特定秘密、ほとんど見られていないんですよね。だから、この情報監視審査会の運用の在り方というのもまた含めて検討する必要があるんじゃないかというふうに思っております。
○司隆史君 今いただいた国会の報告の修正案について、現法案において国としてはどのように担保をされるか、改めてお伺いできますでしょうか。
○政府参考人(岡素彦君) 繰り返しますけれども、議員が御提案なさった修正案について、政府としてはコメントがしにくいところでございまして、修正案を離れた国家情報会議による活動の国会への報告ということで、その担保方策をお尋ねになっているという理解でお答えしますと、国会への報告も含めた国会による行政監視のありようについては、もとより政府としては御意見申し上げる立場にございませんけれども、あえてお答えすれば、政府の情報活動に対する国会による監視の仕組みを検討するに当たりましては、国会を通じて国民への責任を果たすという透明性の確保に加えまして、情報活動という性質上の制約でもある秘匿性についても十分配慮することが必要であると考えております。 そのような配慮を踏まえた上で、繰り返し申し上げているとおり、政府の情報活動につきましては、国会からのお求めがございますれば、そのお求めの内容に応じて適時適切に説明をしてまいります。これも答弁申し上げましたけれども、何か包括的な説明をということであれば、しかるべく対応する所存でございます。 このことは、衆院の附帯決議におきましても、国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、政府の情報活動の中長期的な推進方策を取りまとめた文書とは別に、国民の懸念を払拭するために、関係法令、本法案に関する国会答弁及び附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、その求めに応じるなどして、国会に適時適切に説明することとございますので、政府といたしましては、その趣旨について十分に配意をしてまいります。
○司隆史君 ありがとうございます。 政府としても、衆議院の附帯を踏まえて配慮するということ、また先日の参考人質疑においても、今回の法案に賛成という参考人の方々からも、年に一回、定期的な報告ということはあってしかるべきということで、あくまで国会の要望に応じてということなので、そこは実効性が担保されているのではないかというふうに思います。 最後に、第四項目についてお伺いをしたいと思います。 独立した公正な立場において検証し、及び監察することのできる新たな機関の設置について検討を行い、その結果に基づいて可能な限り早い時期に必要な措置を講ずるものとするという修正の内容が入っております。 第三者機関の設置ということだと思うんですけれども、これについてどのような機関を想定されていらっしゃるのか、提案者にお伺いをいたします。
○杉尾秀哉君 お答えいたします。 先ほども少し触れましたけれども、重要情報活動の実施又は外国情報活動の対処に際して、基本的人権が不当に侵害されていないかなどを検証して監察をする政治的中立性や専門技術性などがこの第三者機関には求められるのではないかというふうに思っております。 このため、新たな検証・監察機関の在り方を考えるときに、内閣から独立した地位にある機関、例えばこれアクティブサイバーディフェンスのときにできましたけれども、例えばサイバー通信情報監理委員会のようないわゆる独立行政委員会を設置をするということを想定しております。 先日の参考人の質疑の中で、政府の外に置くという、そういうふうな考え方もあるとは聞いておりますけれども、まずは、政府の中にあって、しかもその独立した行政委員会として活動ができる、そうした機動的な監視機能が発揮されるような、そういう第三者機関の設置というのが望ましいのではないかというふうに思っております。
○司隆史君 ありがとうございます。第三者機関、政府の中にという御提案も具体的にいただきました。 政府については、修正案の中身というよりは、改めて、様々な今回の委員会の中で御提案をいただく委員も多くいらっしゃいました。第三者機関の設置、監視機能を追加し、担保するべきではないかというような御意見多数ありますけれども、現法案でどのように認識をし、対応されようとしているか、政府の認識を教えてください。
○政府参考人(岡素彦君) お答えします。 本法案は、国民の個人情報やプライバシーを無用に侵害したり職員の政治的中立性を逸脱したり、それらのおそれを高めるものではございません。また、各省庁の情報活動は、それぞれ主任の大臣の監督の下、これまでと変わらない所掌事務と権限に基づき、個人情報保護法や国家公務員法などの関係法令を遵守して行われることに加えまして、本法案により各インテリジェンス関係機関の司令塔となる国家情報会議は、総理を議長とし、関係大臣を議員とする会議体となるため、政治による監督の強化が図られることになります。 その上で、一般論として申し上げますと、統制やガバナンスの仕組みというものは専ら国民の権利や自由を保障するという観点から講じられるものでありまして、例えば作用法であるところのアクティブサイバーディフェンスの法律におきましては、憲法で保障される通信の秘密が一部制約されるという事情を捉えまして、いわゆる三条委員会であるところのサイバー通信情報監理委員会が設けられました。このように、第三者機関の監視といった監視機構の対応というのは、行政機関が国民に対して行使することとなる権限の内容や強さなどに応じて個々具体に検討されるべきものと考えています。 そのため、情報機関に新たに調査権限や捜査権限を付与する規定を設けていない本法案におきましては、御指摘のような統制の規定の、統制の仕組みを設けていないわけでございますけれども、今後、更なるインテリジェンス施策として、仮に国民の権利や自由を制限するような制度を導入するのであれば、その際には、どのような権限を創設するのか、どのような手続の下で権限を行使するのかなどといったことを踏まえて、関係法令との整合性や情報活動の実効性、そして国民の権利保護とのバランスなどを考慮しながら丁寧に検討すべきものと考えております。
○司隆史君 ありがとうございます。 提案者の方にはお聞きするのは以上なんですけれども、一つ一つ今、項目をそれぞれ確認しながら感じるところというのは、やはり政府の方針というか答弁の見えている景色というのは、やはり本法案の先にある対外情報庁であったりスパイ防止法であったり、第一里塚であり第一歩であると、で、その先に広がっていくものがあるということですよね。 やはり、懸念される方々というのは、それも今法案にセットじゃないかというか、それも含めた不安を持っていらっしゃるので、改めて整理をすることはもちろんなんですけれども、この後長官の方にお伺いしたいのは、私自身が一番最初から抱いている気持ちというのは、全体像を改めて提示をし、この後に控える作用法も含めたパッケージで提案ができればやっぱりよかったんじゃないかなということを常々感じております。この後、質疑しますけど、参考人の方は丁寧にその理由を教えていただきました。それをあえて言わずに、改めて今、当初抱いていた私の疑問である、作用法も含めたセットで今回の法案というのをきっちり審議してよかったのではないかという御質問を改めて長官の方にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) まず、本法案ですが、国家情報局の母体となるのは内調ですよね。内調が存在していたというのは、これ非常に大きなことだと思います。したがって、比較的短期間で立案できるというもの、そういう性質のものになりました。 他方で、その対外情報機能の強化であるとか外国からの干渉を防止する制度等については、外国における情報活動のありようを検討したり、また国民の権利利益を制約し得る制度の設計をしたりするなどの必要があると、そのように考えられました。 したがって、これらが全てまとまってから、まとまってから一つのパッケージとして委員のおっしゃるようにお示しするというやり方もあったかと思いますが、これを採用したならば、後ろの方に合わせなきゃいけないので、かなり時間を要するというふうに考えました。常々申し上げております国際環境が複雑で厳しく、しかも変化が速いというこの現状においては、できることから順に進めていくことが望ましいと判断した次第です。 また、本法案による司令塔機能の強化というのは全ての情報活動を支える基盤となるものでありますから、先行して国会の御審議をいただくことが適当だと、そのように政府として判断した次第でございます。
○司隆史君 ありがとうございます。 参考人の方々に私もこの純粋な疑問をぶつけさせていただいたら、二点回答をいただきました。 一点目は、なぜ今回の法案を先出しをするのか。それは、今後控える作用法における懸念をしっかりと解消するために、詳細論点と対策を整理するために内閣情報局、内閣情報会議を設置をするのだと、作用法をきっちりと議論をするために検討する場をつくるべきだということが一点。もう一点は、一歩一歩進む中で、国民の皆さんに、一足飛びに議論を飛ばすんではなくて、一歩一歩進めていきながら、その都度その都度丁寧に説明をしていく、そのためにも順々に検討していくべきではないかというような二点をいただきまして、私も、前向きにインテリジェンスをいいものにしようという観点でその参考人のお話を聞いたときに、ああ、なるほどなというふうに思った点があるわけでございます。 改めて、このように参考人の方々が示していただいた作用法における懸念を解消するために、詳細論点を議論をし、対策を整理をするために、今回、国家情報局・会議を先出しで進めるんだということの御意見に対して、政府の認識と、またそれを踏まえた検討の方向性等、もしあれば聞かせていただけますでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 本法案は、そのインテリジェンス機能強化の第一歩であるということを常々申し上げてきました。 現下の厳しい情勢に適切に対応していくにはこれからまだ続きがあるというふうに考えておりまして、対外情報機能の強化や、また外国勢力による不当な干渉の防止などといった更なるインテリジェンス施策を着実に進めていく必要がございます。 更なるインテリジェンス施策については、現在、関係する課題や論点を整理中であります。ですから、その具体的な検討項目とか方向性、スケジュール感というのはまだ御披露する段階ではありませんが、インテリジェンス施策を推進するに当たりましては、この本法案とは異なる作用法になりますと国民の権利利益に直接関わるような制度も考え得るところでありますので、その際は、もとより当然のことですが、憲法に保障された国民の権利や自由を尊重し、関係法令に定められたルールとの整合性を適切に検討していく所存であります。 いずれにしましても、変化の速いこの国際環境においては、できる施策から順に進めていくことが望ましいと、そのように考えました。
○司隆史君 ありがとうございます。 これまでの答弁の部分と重なるところはあると思うんですけど、私は提案をさせていただきたくて、なぜ国家情報局・会議が前出しなのかということについては、この後控える作用法の懸念点をきっちりと整理をし、国民の皆さんに丁寧に説明をするために一段上らせていただいているということについては、私自身としては説明を一つできる角度の部分なのかなというふうにすごく感じている部分もありまして、先ほどの答弁に更に政府としても説明を尽くす一つの参考人からの御意見ですけれども、後押しになる部分ではあるのかなというふうに思いました。 一問、もう答えていただいた内容がかぶりましたので、最後の質問にさせていただきたいと思うんですけれども、改めて冒頭申し上げさせていただいたのは、国民の本当に信頼とインテリジェンスの強化というのは、もちろん両輪もそうなんですけど、やはり僕はそのサイクルなのかなというふうに思うんですね。信頼が高まればインテリジェンス機能を発揮できる流れにもつながっていくということであると私自身は感じておりまして、改めて、国民の信頼とインテリジェンスの強化、これはしっかりバランスを取り、いいサイクルをつくるという意味で、最後の御質問になりますけれども、長官として、今後その視点を持って取り組んでいただくその決意をお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) インテリジェンス活動といいますのはやっぱり秘密裏に行われるものが多いものでありますが、そうであるからこそ、その必要性、有用性というのを国民の皆様に御理解いただくこと、これが大変重要で意義があることと認識しています。 そもそも何のためのインテリジェンス機能を強化するかということなんですけれども、そういうことを改めて今申し上げると、それは危機を未然に防ぎ、国民の皆様の安全や国益を守り抜くためであり、また我が国の平和と繁栄を維持するためでありますが、民主主義国家である我が国において、国民の理解と信頼なくしてはインテリジェンス施策を推進することはできないと考えています。 そして、国民の皆様の信頼を確保しながらインテリジェンス施策を推進するために政府として取り組むべきことは、先日の委員会でも司委員とやり取りをさせていただきましたけれども、様々な方策が考えられるところでありますが、もう時間がありませんので一言で言うと、国民の皆様の御理解に必要な情報を政府自ら適切に発信していくこと、このことではないかなと考えています。 今後とも、丁寧な説明を心掛け、本法案を含めたインテリジェンス施策が実効性あるものとなるよう、誠心誠意努めてまいりたいと存じます。
○司隆史君 今回の内閣情報会議、委員会を通じて、私自身も国民の一人として、インテリジェンスの重要性を学ばせていただいた一人でございますと同時に、国民の皆さんの懸念もありながら進めていかないといけないということも学ばせていただいております。 是非、政府といたしましては、その懸念をしっかりと直視しながら前に進んでいただくようにお願いをしたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 本日、もう質疑も最終日ということでございまして、大分質疑の内容も煮詰まってきておりまして、私も数々質疑をさせていただきまして、この法案の内容や、また今後の政府の方針等、理解したつもりでございます。本日は、最後でございますので、少し細かい部分に、細部にわたりまして主に参考人に質疑をさせていただきたいと思っております。 まず、情報の管理についてお尋ねをいたします。 五月八日付けのニュースでは、内閣情報官が、米連邦捜査局、FBI、そちらの長官と会談をし、国家情報局の役割や狙いを説明をしたと報じられておりました。その中で、FBIの長官の方からは、日本の取組は両国間の連携を強化すると、そのように発言をされて、今後の情報共有、米国を始め日本の同盟国やまた同志国と情報共有を更に進めていくと、そのようなことも分かったところでございます。 情報が国家を超えて共有されるわけでございますから、外国からの情報も今後、管理をしていくということでございますから、この管理は大変重要だと思っております。もちろん、このセキュリティーに関しては細心の注意を払っていることとは思いますが、改めて念のために問わさせていただきますけれども、この共有された情報はどのような形で保管されていくのか。今後、今現在と変わらずでいくのか、それとも、今後この国家情報会議設置により高度な情報が集まるということでそれが変わっていくのか。そのセキュリティー等も含めて、管理方法についてお尋ねをいたします。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 国家情報局におきましては、各省庁が収集した機微な情報を集約することになりますので、その情報の秘匿度に応じました情報の管理というものを適切に行う必要があると考えてございます。 現在でも、内閣情報調査室におきましては、具体的な物理的な管理の在り方といたしまして、例えば共有フォルダへのアクセス権については、職員ごとに設定することによって知るべき者のみが情報に接することができるようにしております。あるいは、特定秘密に指定されるものにつきましては、文書の場合でありましたら三段式の文字盤鍵の掛かる保管金庫又は鋼鉄製の容器で保管をする、また、電子データにつきましてはインターネットに接続していない電子計算機等での取扱いをすることとするなど厳格な取扱いをしているところでございまして、国家情報局におきましてもこれまでと同様の厳格な管理措置を講じていくことになると考えております。
○大津力君 ありがとうございます。 これまで以上に厳重な管理をお願いしたいところでございますけれども、何か今、情報通信の中のセキュリティーの技術として何か量子暗号通信というのがあるんですかね。この量子を使ったそういった形にすると、ほぼ情報が漏れても解読ができないという、そういった技術もあると聞いておりますので、参考に生かしていただければと思っております。 続きまして、国家情報局に集約された情報についてお尋ねをいたします。 今後、この国家情報局に集約された情報についてでございますが、そういった情報は、これまでと同じように特定秘密に分類されたり、若しくはそれ以外の一般公文書として扱われるのか、それが今後この情報局設置により変わることがあるのか。また、今後、国民から情報開示といったものがあった場合、それがどのように変わるのか変わらないのか、その辺についての公開、非公開の判断基準についてもお尋ねをいたします。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 国家情報局におきましては、様々な内容、秘匿度の情報が集約されることになりますので、一律にこの特定秘密に当たるであるとかあるいは当たらないといったものではないというふうに考えておりますけれども、特定秘密保護法の定める要件を満たすものにつきましては当然ながら特定秘密として指定されまして、特定秘密保護法に定めるルールにのっとり管理をされる、そのようになります。 また、要件を満たさないものにつきましては、公文書管理法にのっとり、あるいは秘文書や取扱いに注意を要する文書に関するルールにのっとりまして適切に管理、取扱いがなされることになります。 また、これらの行政文書に対しまして情報公開請求が行われた場合には、これまでと同様に、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づきまして、その開示の可否を判断することになります。
○大津力君 分かりました。 続きまして、この情報を扱う職員の適性評価についてお尋ねをいたします。 まず、この適性評価とは、政府が保有する国の安全保障上の機密情報を扱う人に対して、それを外部に漏らすリスクがないかを事前に調査、確認をする制度でございますけれども、これまでの政府に対する聞き取りでは、この適性評価は七項目行っているということでございました。一つ目はスパイ、テロ活動への関与について、二つ目は犯罪や懲戒歴について、三つ目が情報取扱いルールの違反歴について、四つ目が薬物について、五つ目が精神疾患について、六つ目が飲酒の節度について、七つ目が経済状況についてでございました。 こうしたものを適性評価として職員に行っているということでございますが、今後、また今回のこの国家情報局の設置によりまして、こうした適性評価はどのように変わるのか、また同盟国や同志国と同等の適性評価となっているのか、また政府三役に対する適性評価の実施はどうなっているのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(木原稔君) いわゆるセキュリティークリアランスについての御質問でありますが、国家情報局長を含めまして、国家情報局において特定秘密や重要経済安保情報の取扱いの業務を行う職員については、特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法の適性評価を行うこととなります。 我が国では、米国、英国、またオーストラリアなど、同盟国、同志国や機関との間で情報保護協定を締結しておりますが、締結に当たっては、適性評価の制度運用を含め、情報保全体制の同等性というのを相互に確認しているところです。 ちなみに、政務三役、私どもに対する適性評価については、総理がその任命を行うに当たり、情報保全に関し必要な考慮がなされることから、これらの法律の適性評価の対象とはなっておりませんが、仮に政務三役が特定秘密や重要経済安保情報を漏えいした場合には、それぞれ十年以下の拘禁刑や五年以下の拘禁刑などの罰則の対象となります。
○大津力君 ありがとうございます。 今官房長官お答えいただきましたとおり、日本は米国と同等の適性評価を行っているということでございまして、政務三役においても、日本の場合は内閣総理大臣が指名をしているので、その段階で同等の事前検査、いわゆる身体検査は行っているといったお話でございました。 しかしながら、これまでも、最近はありませんけれども、大臣等、役に就いてからスキャンダルが発覚をして辞任につながってしまった、そういった部分もございまして、必ずしもこの身体検査が十分ではないんじゃないか、そのような懸念もございます。別に官房長官を全然疑っているわけではないんですけども。 そうした適性評価の在り方についても、今後、参政党としてはやはり検討した方がよろしいんではないかという立場でございますので、御一考いただければ幸いでございます。 続きまして、情報分析についてお尋ねをいたします。 この同盟国、同志国との情報の共有については理解をいたしました。それでは、この分析の分野について今後どうなるのかお尋ねいたしますが、集められた情報分析において、同盟国や同志国との関わり方はどのように変わるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(町田達也君) 本法案によりまして、司令塔機能が強化され、政府内の情報がより的確に集約、共有されることとなれば、我が国政府が行う総合分析や総合評価の水準は質、量の両面において向上するものというふうに考えております。 同盟国、同志国との情報協力において重要なのは、相手国にとっても有益な分析や評価を提供し、我が国として有益な情報を得ていくということでございます。その意味で、我が国自身の分析能力が高まることは、情報協力の実効性を高める基盤になるものというふうに考えております。 また、総理をトップとする閣僚級の推進体制を創設、新設すること自体がインテリジェンス強化に対する日本政府の強い意思を示すものであり、同盟国、同志国からもこうした取組について好意的に受け止められているものと認識しております。こうした機運も情報協力の一層の充実強化に資するものと考えております。 今後とも、複雑な国際環境の下で各国が正確なインテリジェンスを必要としているとの認識を共有しつつ、我が国としても相互に利益のある継続的かつ実質的な情報協力を推進してまいりたいと、そのように考えているところでございます。
○大津力君 ありがとうございます。 そうしましたら、続きまして、この分析機能について、一元化についてお尋ねをしたいと思います。 これまで、現状は各省庁で情報を分析をし、そして今後、国家情報局が設置されますと、そちらで新たにまた組織をつくって分析を行うということでございますので、それぞれが各省庁と国家情報局で分析を行うと、そういったことになると思うんですが、今後、この国家情報局にも分析の職員を各省庁からも集めるということになると思うんですが、その際に、各省庁で割とエース級の方々が来られるんじゃないかなと想定しますと、逆に各省庁ではこれまで頼っていた方がいなくなってしまうということで、そういった意味では分析のパフォーマンスが落ちてしまうんではないか。 そして、同じようにこれからまた分析をそれぞれでやっていきますとどうしてもパフォーマンスが落ちてしまうのであれば、国家情報局に一元化をしてもう分析をして、それでより強固な分析能力を備えた組織にした方がよろしいんじゃないかなと思うんですが、今後、そうした分析のこれまでと各省庁で同じようにやっていくのか、それとも一元化をしていくのか、また、もし今までどおり併存させるのであれば、その併存のメリットについてもお考えをお尋ねをいたします。
○政府参考人(岡素彦君) 政府の的確な意思決定のために分析の正確性や客観性を確保していくためには、特定の省庁による情報や分析のみに頼るのではなく、各省庁が保有する多様な情報や分析結果を集約して様々な角度から検討を加えることが必要と考えています。そうした趣旨で、従前も特定の分野や地域に関するオールソース分析を行う内閣情報分析官が内調に置かれており、各省庁から集めた情報を基に総合分析をしているところでございます。 〔委員長退席、理事渡辺猛之君着席〕 他方で、各省庁がそれぞれのソースを用いて同じ事柄に対して別の視点から評価を行い、それを国家情報局で突き合わせることで、より多角的な分析につながるという効果もまた期待をされます。ですので、どちらが良いということではなくて、これらの要素のバランスを考慮しながら適切な運用を図っていくことが求められているものと受け止めております。 また、各省庁から内閣官房エース級を引き抜くと各省庁の水準が劣るのではないかということでございますけれども、これもやはり、先ほど来、人材育成というお話が出ておりますけれども、まずは政府全体としてのそのパイを増やすといいますか、分母を増やす努力というのがまず先にあって、その次にこの最適配分というのをよく考えていきたいというふうに考えております。
○大津力君 そうですね、やはり人材育成、この情報に対する人材育成は本当に大切だと思っております。この国家情報局設置によって省庁の分析能力が下がってしまっては本当に意味がないことだと思っておりますから、是非とも情報人材の育成というのは引き続き力を入れていただき、本当にこれが、設置によって相互が、お互い向上するような、そうした運営を心掛けていただきたいと思っております。 次に行きます。 分析におけるAI活用について、これまでも、今日も委員からこのAI活用についての質疑がございましたけれども、政府では「源内」というAIを活用していると思いますけれども、私は、この日本国産のAIを使った分析、活用というのは大変よろしいことだと思っております。 これは、海外の企業のAIを使うことによってやはり情報漏えいのリスクが高まるというところと、またデジタル赤字、いわゆるその費用を外国企業の方へ支払うわけでございますから、円が海外に流出してしまうと、そういった観点、二つの観点から、やはり国産のAIを是非活用していただきたいと、そういう立場でございますけれども、現在考えておられますこの分析において、国産AIの活用についての方針をお尋ねいたします。
○政府参考人(鎌谷陽之君) お答えをいたします。 国産のAIでございますけれども、やはり日本語のニュアンスでありますとか、あるいは日本語で書かれた文章を読むといった能力、また、日本の制度、習慣、歴史、文化等の理解については優位性があるということで、インテリジェンス業務におきましても、日本語あるいは日本固有の情報の分析に利活用することの利点はあるのではないかというふうに考えております。 〔理事渡辺猛之君退席、委員長着席〕 一方で、この情報漏えいのリスクということについて言えば、生成AIに対する指示文であるプロンプトが外部に把握されてインテリジェンス機関の情報関心が明らかになる、このリスクについては、必ずしも、国産であるから低く、外国製であるから高いというわけでは必ずしもないというふうに考えております。 それぞれの持ち味、あるいはその特性がございますので、それを生かした形で利活用を図ってまいりたいと考えております。
○大津力君 ありがとうございます。是非とも、そういったところのセキュリティーも含めて、なるべく国産のこうしたIT、AIも含めたこのITの技術、また産業を是非とも後押し、政府として後押しをして育てていただくような、そうした運用も是非心掛けていただきたいと思います。 それでは、最後の質問でございます。情報の国民への還元についてでございます。 これも先ほど司委員からも、またその前の堂込委員からもありましたけれども、この国家情報会議、情報局では、情報を集めること、こちらの方に大分視点が行っておりますけれども、私は、やはりこれ、情報を集めて、それを国民に有用な形にして国民に還元する、そうした動きというのも大事だと思っております。 これは、国民だけではなくて、地方自治体にもそうですし、また企業や研究機関、そうしたところにもこの情報の還元というのはあるべきものだと思っておりまして、これがもう少し見えますとやはりこの法案に対しての国民の理解もまた一層深まるんじゃないかと思っておりまして、どうしても何か国民は、情報を取られるばかり、そうした意識が今強くなっているんじゃないかと懸念をしているんですね。 ですから、逆にこれは、集めた情報を国民にも還元する、そうした方向性もあるんだということを是非ともお答えいただきたいんですが、その還元の方針についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(木原稔君) 国家情報会議と国家情報局ですが、政府のインテリジェンス機能を高めることを通じて、最終的には国民や自治体、企業等への安全や利益に資する組織でなければならないと考えております。 集約、分析された知見を可能な範囲で直接、自治体、企業、研究機関、国民等に還元していく視点も重要です。例えば、特定国の地域の危険情報であるとか、偽情報の拡散の手口やまた見分け方、外国機関の工作活動の実態や典型的な手法などについて、必要な秘匿性を損なわない形で分かりやすく提供することで、国民や事業者等の皆様らが自ら警戒し、また適切な措置を講じやすいようにすることは十分考えられるところです。もっとも、そのような情報発信に当たっても、政策部局を通じた提供が効果的であるかもしれないところです。 いずれにしましても、情報というのは宝の持ち腐れにすることのないように、最適な還元の仕組みを今後よく検討してまいります。
○大津力君 是非とも、情報によって国民が守られますようこの法案が運用されますことをお祈り申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。 少し今までと違う角度で質問させていただきます。 対外情報庁でございますけれども、与党の方から、対外情報庁があれば北朝鮮の拉致問題は解決していたという御意見がありましたけれども、木原官房長官、同意見でしょうか。
○国務大臣(木原稔君) たしか、委員のお尋ねの質問はいただきましたけれども、そういった仮定の質問のお尋ねについてはお答えはしかねるというところでございます。
○大門実紀史君 私もそう簡単には言い切れないといいますか、実は逆じゃないかなと思うところがあるんですけれども。 北朝鮮の拉致問題は長い歴史がございまして、政府が最初にこの問題に北朝鮮が関与しているというのを国会で認めたのは、一九八八年ですね、我が党の橋本敦当時の参議院議員が質問した中で、初めて北朝鮮の関与ということを国会で政府が認められたということなんですね。 この問題は、捜査は当時、公安警察外事課、いわゆる外事警察ですよね、大変頑張っておりまして、捜査コードネームがムカゴと言ったらしいですね。ムカゴというのは山芋の一種ですかね。つまり、何か地中の小さな茎がだんだんだんだん育っていって大きな実になると。つまり、地道な捜査の積み重ねが拉致問題を解決するであろうという信念に基づいて外事警察の皆さんが大変頑張っていたと、地道な証拠集めをしていたんですよね。 八〇年代半ばぐらいからかなり情報が集まってきて、一九九〇年代に入って、とうとう北朝鮮のある関係機関又は個人に強制捜査を掛けられるというところまで行ったわけでございますが、その強制捜査の前日に与党からストップが掛かったと。これはもう明らかになっておりますが、なぜかというと、当時、自民党の金丸副総理が、副総裁ですかね、日朝国交正常化に向けて動きを始めておられて、そういうときに北朝鮮の機嫌を、機嫌損ねるなといいますか、余計なことをやるなということで、外事警察、公安外事に捜査やめろという圧力が掛かって、実際、その一九九〇年の九月に金丸訪朝団が実現したわけです。当時は社会党の田辺副委員長も一緒に行かれたんですよね。これが拉致問題の解決のきっかけを失わせたというふうに言われていることですね。しばらく捜査が頓挫をいたしました。この辺りのことは、NHKのドキュメンタリーでも、当時の外事警察の捜査官御本人が、顔を隠した形ではありましたけど証言されていて、もう事実として今や明らかになっていることなんですね。 つまり、対外情報庁などなくても、当時の公安外事警察はそれと同等の、あるいはそれを超えるような仕事をして頑張っていたわけでございます。私が公安をカバーするのも変なんですけど、公安は頑張っていたわけですね。それをむしろ邪魔したのは与党、政権だったということなんですよね。 実は、何が言いたいかといいますと、先日参考人で来られた小谷賢さんはいろんなところで述べて、本にも書かれていますが、情報の政治化、化は化ける方ですけどね、情報の政治化というのは気を付けなきゃいけないと、古今東西、一番多い失敗だと。なぜかというと、情報機関が政権に忖度をして、政権の望むような情報をわざわざ提供すると。忖度して提供する。これは、この委員会でも言われてきた、イラク戦争のときに大量破壊兵器があるという情報をブッシュ政権が望んだからわざわざそういうものを出すと。忖度して出すと。不確かだったにもかかわらず出したわけですね。実はこのとき、アメリカだけじゃなくて、イギリスのブレア政権にもMI6はそういう情報を出した、同じような忖度をしていたんですよね。 ただ、私は、この小谷賢さんの御意見にもう一つ加えるべきじゃないかと思うんですね。情報の政治化、政治に忖度だけではなくて、この北朝鮮の拉致問題の経過を見ますと、政権に忖度するだけじゃなくて、逆に政権からの圧力が掛かると。政権が情報機関の情報とか捜査を潰すというような面も実際あったんだなということをこの北朝鮮の拉致問題では思うわけでございます。 つまり、今回、国家情報局に格上げされて、より情報活動は、官邸といいますか時の総理、政権に直結するわけですよね。集中されるわけですね。そうすると、政権に都合の悪い情報、調査はストップが掛かることもあるんではないかと。 金丸さんのときは、外事警察と当時の政権、自民党金丸総裁とのタイムラグがあったんですね。後から、何でそんな捜査をしているんだということで、せっかくずっとやってきたことを後からストップ掛けたわけですね。ところが、今回こういうふうに情報局が政権と直結すると、最初から、もっと言えば最初からですね、そういうことは調べなくていいとか、そういう捜査をやらなくていいということがより起きてしまうんじゃないかと。 そういう意味での情報の政治化、忖度じゃなくて、圧力が掛かるというかコントロールするというような危険性が一つあると思うんですが、いかが思われますか。
○国務大臣(木原稔君) 私は、拉致問題の担当大臣でもあります。 それで、北朝鮮による拉致問題というのは、我が国の主権及び国民の安全に関わる重大な問題であり、国の責任において、これは主体的に取り組み、解決を目指すべき課題であると強く認識をしています。拉致問題の解決のためには、拉致被害者及び北朝鮮情勢に関する情報収集あるいは分析が極めて重要であり、政府としては、あらゆる情報収集手段を活用し、拉致問題の解決に向けて取り組んでいるところです。 本法案お認めいただいた暁には、これは閣僚級に格上げされる国家情報会議の下で様々な情報収集、分析が行われることになり、拉致問題を含む重要な政策課題に関する情報の収集、分析というのになお一層力を注いでいくことができると、そのように考えているところであります。
○大門実紀史君 全く私聞いたことにお答えになっていないんですけど。 そういう情報の政治化というのは、忖度だけじゃなくて、政権から圧力掛かることも過去にあったと。アメリカでもあったかも分かりませんよね。そういうことは、今度のこの内調が国家情報局に格上げされると、より政権と直結するし、情報も集中されるわけですね。そういう中でそういうことが起こり得るんではないかということを質問したんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) 一番最初に申し上げたように、私自身が拉致問題担当大臣でありますから、私が責任ある立場としてそういう圧力を掛けるということは、そういうことはありませんので。もちろん、この拉致問題の解決に向けて情報収集、分析、これに全力を尽くしていく、しっかりと自分自身がコントロールしていくということになります。
○大門実紀史君 私、北朝鮮拉致問題を例に取って言っているだけで、これからいろんなことが起きた場合のことをお聞きしているわけでございます。いずれにせよ、答えにくいのかなと思いますけれど、そういう懸念があるということを是非御承知おき願いたいなと思います。政権に対する忖度というのは何度も取り上げられてまいりましたけれども、逆の、政権からの圧力が直接掛かると、今度はですね、そういう懸念について十分御承知していただきたいというふうに思います。 次に、情報機関に対する民主的規制で、これはもう何度も私も含めて取り上げられてまいりましたけれど、もう今日が最後と。私どもは、委員会審議、終局すべきじゃないと、終局すべきじゃないと申し上げましたが、最後ということですので、改めて、この民主的統制機関ですけれども、資料配りましたが、参考人のときもありましたが、ツワネ原則というのがございます。 その前文、冒頭の文章のところ、ラインマーカーしたところですね、これ大変優れた文章でございまして、ちょっとだけ読みますと、国家安全保障と一般人の知る権利はしばしば、正反対の方向性を持つものとみなされていると。今回、そういう議論ですね、委員会でもですね。国家安全保障を理由として情報を秘匿しようとする政府の意向と、公的機関が保有する情報に対する一般人の権利との間には、緊張関係が生じる場合もあるが、近年の歴史を先入観なく振り返れば、正当な国家安全保障上の利益が最大限に保護されるのは、実際のところ、国の安全を保護するために実施されたものも含めた国家の行為について、一般人が十分な情報を提供されている場合であると。 簡単に言うと、要するに、国民に信頼される情報活動こそ、情報活動も進みますよというふうなことを言っていると思うんですね。隠すんじゃなくて、一定の、第三者機関も含めて、公開性とか権利を守るということ、はっきりしている方が国家の情報活動も進むということが書かれているんですけど、これ非常に大切な、立場違ってもですね、考え方だと思いますが、長官、いかがですか。
○国務大臣(木原稔君) ツワネ原則の概要というのを、特に今回、その冒頭部分ですが、お尋ねもありましたので、目を通させていただいたところです。 およそ行政機関の活動というのは国民の皆様の理解と信頼の上に成り立っておりますから、行政機関が国民に対し説明責任を果たしていくということは重要なことと当然認識をしております。このことはインテリジェンスの分野に限らない共通事項でもあり、また、御指摘のあったそのツワネ原則が指摘しているかどうかとは関係なく重視されるべきものであろうと思います。 こうした観点から、我が国の情報公開法の第一条は、国民主権の理念にのっとり、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責任が全うされるようにすると規定がなされております。 その上で、政府の情報活動について申し上げれば、その性質上、さすがに手のうちをさらすこととなるような事柄については秘匿せざるを得ない部分はあるという、そういう制約があるものの、国民の理解を深めるための取組というのは、他の行政分野と同様に重要であると考えております。
○大門実紀史君 その一番大事なところは、本当に国民の人権を保障して、いろいろ公開性も担保して、その方が進みますよということなんですけど。 いろんな民主的統制の仕組み、アメリカの話もいろいろ取り上げられてまいりましたけど、簡単に言いますと、アメリカは一番ひどかったんですよね。プライバシーの侵害、個人情報ですね、勝手に膨大な監視をやったりですね。それがいろいろ指摘されて、指摘されて、さすがアメリカだと思うのは、一つ一つそれに対して対応してきて、人権侵害の事件があるたびにいろいろ仕組みをつくってきたわけですよね。私もアメリカで訪問して議会行きましたけど、上下両院にインテリジェンス問題の特別委員会を設置されていますし、予算の承認、高官人事の指名承認、証言、報告の要求、議会による調査といった権限まで持っているんですね。これも、いろんな事件があったからこういうふうにやっているんですね。 あの九・一一が起きたので大変な国民監視が行われて、人権侵害があったということで、それはそれで、二〇〇四年に独立行政委員会であるプライバシー・人権監視委員会が設立されたわけですよね。それ以外にも、大統領直轄のインテリジェンス問題諮問委員会、さらに、インテリジェンス機関の法令を守っているかを監督するインテリジェンス監督委員会まで、これこんなにいろいろ重層的につくっているのは、一つ一つの人権侵害があったからなんですね。 日本ですけれども、日本は、今まで何事もなかったかのように、これから考えますと、これから必要があれば考えましょうということなんですが、この委員会でも今日も取り上げてこられたように、何事もなかったどころか、いっぱいあったわけですよね、裁判でも違法と認定されるようなことが。だったらば、これからじゃなくて、ツワネ原則も含めて、諸外国の事例も含めて今回やっぱり同時にセットすべきじゃないかというふうに繰り返し申し上げてきたんですけれども、これ聞いても同じ答弁ですかね。もう繰り返し、多分その答弁書、同じなのをお持ちだと思うんですけど。 それで、ちょっと聞いていないことを聞きますかね。 今日、実は総理のときに時間がなかったんですけど、ただ、木原長官ならお答えされると思うんですけど、このそもそも国家情報会議・局設置法案とか、一連のこのインテリジェンスありますよね。これ、二〇二三年の日米の2プラス2のときとか、いろいろ経過見ますと、結局は、やっぱりアメリカ、経済安保も含めてなんですけど、アメリカの国家安全保障戦略と連携して日本の国家安全保障戦略も進めるという中でのインテリジェンスでの連携というふうな、日米の連携ということが大本にあるんではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 確かに、米国を含む、同盟国である米国並びに同志国などの諸外国などと良好かつ緊密な協力関係というのを構築をし、それによってタイムリーな重要情報を得ていくということ、そして質の高い情報を得ることができるということ、これは我が国の安全保障上必要不可欠な取組でありまして、その水準を更に向上させることというのもこの本法案の効果としては期待されるところではないかなと思っております。
○大門実紀史君 私は、一般論で言えば、政府が適切に情報を集めて政策判断に生かしていくというのはこれ必要なことで、誰も否定しないわけであります。ただ、それはあくまで自国の国民の利益を守るために、日本国として自分の判断で、自主的な、自分の頭で考えて判断していくべきだというふうに思うわけですね。 その点でいきますと、今回のこのインテリジェンスの問題も、日米連携、アメリカと共同歩調の国家安全保障戦略、経済安保含めて、アメリカって今危ないじゃないですか、このままアメリカに何か付き従うような共同作戦あるいはインテリジェンスというのをやっていっていいのかと。私は、中国の軍民融合も軍拡も決していいとは思いませんけれども、かといって、アメリカにただ付き従っていくような、そういうことはかえって、大体もう国際法違反の批判されるのは、戦争とか各国に脅しの経済圧力を掛けるようなのはアメリカなんですよね。 こんな国に共同歩調でやっていくということそのものが、今回のこの法案がそれの流れの中にあるとして、大変、後々かえって国益を損なう可能性があるんではないかというふうに思います。そういう危惧はございませんか。
○国務大臣(木原稔君) 例えば、私が防衛大臣のときに、北朝鮮からの弾道ミサイルが発射されると、これは、日本の持っている情報と、韓国の持っている情報と、米国の持っている情報ですね、今、総合的に分析をしてそしてどういう状況だったかということを判断することになっております。 実は、その結果、その三国の分析結果というのは違ってくるんですね。ということは、あくまでも情報はそれぞれ三か国が共有するものの、分析する結果はあくまでも主体的に日本がしていくということ、これ、現在今やっているところであり、これからの情報収集はなるべく多くの諸外国と共有するものの、より質の高い情報をタイムリーに情報し、そして最終的には日本独自の判断に基づいて政策判断というのは行うべき、そうあるべきだというふうに考えております。
○大門実紀史君 終わります。ありがとうございました。
○伊勢崎賢治君 官房長官、最後ですので、単刀直入にあえてシンプルに問います。 インテリジェンスは誰のものでしょう。誰のものというのは、誰のためではなくて、誰のものかということです。お願いします。
○国務大臣(木原稔君) まず、それぞれ、インテリジェンス情報というのは、各行政機関がその職務遂行のために適切にまず収集をして、そして管理をし、そして最終的には利用するということになるかと思います。それは、結果としてそれは国家国民のために資するものであるというふうに考えます。
○伊勢崎賢治君 物としてのインテリジェンスを言っているわけで、三つありますよね。収集された生の情報、それとそれを評価したリポート、そしてそれに基づく意思決定、政策決定の過程の記録、こういうものですね。これらは全て国民の税金でつくったものです。そりゃ、秘密にする期間とニーズもあるでしょう。でも、最終的にこれは国民のものです。こういうふうに僕は国際社会でたたき込まれました。この認識は、多分、民主主義国家にとっては共通しているものだと思います。 続けます。 木原長官は防衛大臣を務められました。ですから、海外で任務をこなす隊員の苦労も、彼らが命懸けでしたためる日報の重みも、誰よりも御存じのはずです。防衛省で起きた南スーダン日報問題、PKOのときですね、覚えていらっしゃいますか。最初、破棄したと説明された記録が後から出てきた。これは単なるミスではありません。政治的な、政治的に不都合な記録が隠されるというこの国の特性。なぜかというと、ほかの国ではあり得ません。この軍隊ではありません、絶対ね。軍隊ではあり得ません、これ。だから、この国の特性です。これが露呈しました。そのときの背景というのは、自衛隊がいるあのときの現場が戦闘地域になっているという事実が、この真実が、日本の政治、東京の政治に不都合だった、それだけの理由です。 私は、統合幕僚学校で十八年間、自衛隊の精鋭たちを教えてまいりました。そこでは、記録こそが、万が一の際に、君たち、つまり彼ら自身の身を守る唯一の盾になると。つまり、国家の命令に従った結果、もし現場の君たちの行動が国際人道法違反、つまり戦争犯罪を引き起こしてしまった場合、その日報、つまりこれは作戦日誌ですね、それこそが国家の指揮命令系統にその法的責任を遡及させる唯一の証拠になり得ると。ですから、記録を破棄するという上層部の行為は、その上層部が自ら保身のために君たちを犠牲にするひきょう極まりない行為であると、こういうふうに僕は言います。別にこれ、クーデターあおっているわけじゃないですよ。 元防衛大臣として現場の隊員の名誉と安全に責任を負ってこられた木原官房長官は、この問題の深刻さがお分かりになるはずです。この記録を軽んじる日本の体質を根絶しないまま、より強大な権限を持つ国家情報局をつくることがどれほど危険なことか、少なくとも僕はそう考えます。長官の見解、そして覚悟を伺います。どうも。
○国務大臣(木原稔君) 今は官房長官としてお答えすべき立場であるので御理解いただきたいんですが、その上で、情報機関の活動に限らず、情報機関の意思決定に至る過程を合理的に後付け検証できるようにするということが重要であろうかと思います。それが、ひいては政府の情報活動に対する国民の皆様の御理解や情報機関の信頼性の向上につながるというふうに考えています。 本法案により設置される国家情報局ですが、ここで扱う文書は、公文書管理法を始めとする関係法令のほか、行政文書の管理に関するガイドラインというのがございます。政府内のルールを遵守し、適切な対応に努めなければいけません。加えて、これは衆議院でも附帯決議においても、公文書の作成、保存について、これは記されました。そういったことに十分配意していく所存でございます。
○伊勢崎賢治君 繰り返し申し上げます。 諸外国の軍事組織では奇想天外としか言いようのないこの公的記録の消失という事態、これはこの国の構造的な病であります。ガイドラインとか、まあ僕にとってはそれは精神論にしか見えません。申し訳ない。 ここに、より根深い動かぬ証拠があります。それが密約の話であります。日米間の核持込み密約です。あの問題です。アメリカ側では数十年前に機密解除され、歴史の事実となっているにもかかわらず、日本側では、相手国で公文書が公開された後でさえ、国民に対して、日本国民に対して存在を否定し続けました。これは、政府の裁量に任せていては、国家の根幹に関わる真実さえ永久に闇に葬られることを示しております。 先日、本法案の公聴会では、本法案に賛成する立場の歴史研究家ですら、情報の濫用を防ぐ国際原則の重要性を、国際原則です、重要性を指摘されました。この指摘を踏まえて日本の特定秘密保護法を見れば、その欠陥は明らかです。三十年の指定期間はあるものの、政府の裁量で無期限に延長可能であり、事実上、米英のような自動解除の仕組みが存在しません。これでは、密約と同じ過ちが制度的に繰り返されるだけであります。 そこで、官房長官に以下の二つのことを国家情報局が国民から信頼されるための不可欠な前提条件として提案し、覚悟を問います。 第一番、特定秘密であっても、一定年限経過後は原則として自動的に公開そして移管すること、こういう出口戦略を、既存の別の法律にあるからという言い訳は通用しません、この法律、審議中の法律に明記すべきです。 二番目、その例外の判断を委ねる第三者機関についてです。 現在、今言われたように、独立公文書管理監や情報監視審査会といった既存の監視機関があります。しかし、それらはあくまで行政の内部ないし行政に付随する枠組みの中で、法律の範囲内で運用されております。この中で、日報問題は、日報問題や密約問題を生む国家の体質をこれが形成してきたわけです。今回創設される国家情報局によってこの体質が更に強化されてしまう可能性を僕は危惧をします。 現行の監視機関では、権限も独立性も決定的に不足しております。必要なのは、ツワネ原則が、今、大門さんが言われた、ツワネ原則が求めるような、行政府から完全に独立し、たとえ特定秘密であっても自らアクセスして調査でき、その機関がですね、その是正勧告に法的な拘束力を持つ、ガイドラインではありませんよ、法的な拘束力を持つ全く新しい次元の第三者機関であります。 官房長官、この二つの制度なくして、今僕が繰り返してきたこの日本の体質は変えられません。お考えをお聞かせください。
○国務大臣(木原稔君) まず、特定秘密保護法ですが、これは平成二十六年の施行でしたから、もう十年余りが経過したことになります。私は、その運用は軌道に乗ってきていると評価できる、しかしながらその一方で、その間、漏えいとか、漏えいと評価されるものも含めて、遺憾ながら不適正な事案も発生をしておりまして、制度や運用に関する職員教育の充実強化や取扱業務に関する検査の実効性向上などは引き続き取り組むべき課題があると、そのように認識をしています。 委員の御指摘は、その特定秘密の言わば恒久化ですね、恒久化を防ぐべしだというような御質問だと理解をしましたが、現行の特定秘密保護法では、無制限に特定秘密の指定が行われることのないように、指定に当たっては、上限五年で原則として通算三十年まで延長可能というような有効期間を定め、また、指定の理由を欠くに至った場合には、有効期間内であっても速やかに指定を解除することとされており、特定秘密の恒久化を防ぐ仕組みが組み込まれております。 特定秘密として指定される情報には、人的情報源に関するものなど、有効期間を経過しても公開することが困難なものもございます。一律の自動公開といった原則を設けることは、そのことには私は慎重であると考えますが、各行政機関ではその指定の理由について年一回以上定期点検をしているほか、私も防衛大臣のときにそういうことをしておりました、指定の有効期間を延長するときには、その指定の理由を点検をしています。 特定秘密の指定の妥当性を検証するその第三機関についても御指摘もありましたが、この点については、既に特定秘密の指定解除等の適正を確保するための検証、監察等を行う機関として、内閣府に独立公文書管理監と情報保全管理監、監理室が置かれておりまして、また国会にも情報監視審査会が設けられているところです。 政府としては、これらの機関による検証、監察や調査に対して、指定の理由等について丁寧に説明を行うなど真摯に対応し、特定秘密の要件に照らした厳格な指定など、引き続き特定秘密保護法の適正な運用に取り組んでいく、そういう覚悟を持っております。
○伊勢崎賢治君 まあそういうお答えになるでしょうね。だけど、今言われた大半は、僕がこの質問の中で言った、僕が、僕自身が言ったことであります。僕が言っているのは、ツワネ原則に基づいた別次元の機関が必要だと言っているわけです。なぜか。日本には特異体質があるからです。畳みかけますよ、なぜ我々が特異な体質を持っているかということ。 先ほど密約に言及しましたが、ああ、これまとめですから、質問じゃありません、御心配なく。問題の根は更に深いです。ほとんどの国民は、皆さんも含めて、あの横田基地、東京にある横田基地に今なお存在する朝鮮国連軍、この後方司令部があるということは知りません。朝鮮国連軍です。日本は、この朝鮮国連軍と地位協定を結んでおります。これが日米地位協定に書かれているんです。二つあるんです、我々の地位協定は。 その根拠となったあの有名な吉田・アチソン交換公文の核心部分、密約の部分、これが日本に公開されていない。米国では公開済みです。でも、日本には公開されていない。この密約の下では、朝鮮半島有事で、国連軍、これ実質米軍です、この米軍が国連軍として我が国の基地から作戦行動を取る際、日米安保の安全装置であるはずの事前協議、これが適用されません。 どういうことかというと、これは、日本政府のあずかり知らぬところで戦争が始まり、我が国が一方的に攻撃目標になることを意味します。これが、情報を隠し続けるこの体質を持った国民、国家の末路であります。 このことを、大分前ですが、僕は自民党の有志の議員の方に、多分、自民党で初めて僕、これレクしたんです、大分前。その中には、防衛庁長官、後に防衛大臣になる人もいらっしゃいました。知りませんでした、このことを。これは実動しているんです、これ。これがこの国の仕組みなんです、この国の形なんです。これが知らされていない、我々、秘密です。米国では公開されている秘密が、我々に公開されないということです。 もし、この法律が、法案が成立してしまったら、これ、私は反対する立場ですけれども、本日私が提案した制度改革を最優先で断行することを強く求めます、最低限です。その覚悟なくしてこの法案に賛成することは、未来の我が国民が、未来の日本人が、私たちの時代の過ちを検証し、学ぶ機会を永久に奪い去ることにほかなりません。 この思いを御列席の委員の皆様と共有し、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
○委員長(北村経夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○鬼木誠君 立憲民主・無所属の鬼木誠です。 会派を代表して、国家情報会議設置法案につきまして、修正案に賛成、政府案に反対の立場から討議をいたします。 私たちは、インテリジェンス能力の強化を全て否定しているわけではありません。しかし、国家のインテリジェンス機能は、軍事力や警察力と同様に、強力な権力的機能の一つであり、仮にインテリジェンス機関が暴走することがあれば、国民の人権を著しく不当に侵害する潜在的な危険性をはらんでいます。にもかかわらず、政府案には、そのことに対する危機意識が余りにも希薄であると言わざるを得ません。 当委員会においても、米国や英国を始めとした欧米主要国のインテリジェンス法制には、民主的統制の仕組みが備わっていること、インテリジェンス機関の活動を定期的に国会に報告するなどの仕組みが構築をされていることなど、情報活動特有の秘匿性とのバランスを図りながら可能な限り透明化を図る努力が行われていることなどが委員、そして参考人からも紹介をされ、その必要性が指摘をされてきましたが、政府はそのような仕組みの必要性を認めず、加えて、私たちが主張をしてきた情報収集活動等におけるプライバシー、個人情報の保護や政治的中立性の確保への配慮も明文化されませんでした。 情報収集活動等におけるプライバシー、個人情報の保護や政治的中立性の確保への配慮については、我が党に対し、地方議会の議員を始め、多くの国民の皆さんから懸念の声が寄せられています。 私たちも、この点について重ねて懸念を伝え、質問を行いましたが、官房長官は、今回の法案は一般的な組織法であり、他に規定されていないような規定を本法案のみに規定するということになれば、法体系全体のバランスの中で特別な意味合いを付与することになりかねず、現場に情報活動の萎縮であったり不作為を招きかねないという趣旨の答弁を繰り返すだけでした。全く納得できません。 大川原化工機事件や大垣警察事件を始めとしたインテリジェンス機関が起こしてきた暴走の歴史を踏まえれば、民主的統制に関する措置が明文化されていない政府案に賛成するわけにはいきません。 そのため、会派として、四つの柱から成る修正案を提出をいたしました。 第一の柱及び第二の柱は、国家情報局や警察、公安調査庁などが、本来の業務の範囲を逸脱し、個人情報やプライバシーの保護を無用に侵害する情報収集や政治的中立性を損なう情報収集を行わないための歯止めとしての役割を果たすものと考えています。また、第三の柱により国家情報会議の活動を透明化させることができ、そして、第四の柱でお示しをした新たな機関の設置は、独立した公正な立場において国家情報会議の活動を検証及び監察することができるものとして、民主的統制の確保のために必須の装置と考えています。 今回の政府案は、国家情報会議及び国家情報局に対し、インテリジェンス機関としての権限を強化するものです。だからこそ、民主的統制の仕組みを同時に設けることが必要不可欠であり、この法案に対する国民の強い不信と不安を払拭するためにも私たちの主張する修正が最低でも必要であることを改めて申し述べ、私の討論といたします。 御清聴ありがとうございました。
○牛田茉友君 国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。 私は、会派を代表いたしまして、国家情報会議設置法案に賛成の立場から討論を行います。 安全保障環境が複雑化し、外国による不当な影響力行使の脅威が増大する今、的確な情報に基づく施策実行は、国と国民を守る一丁目一番地です。それゆえ、本法案に賛成いたします。 その上で、この先、実効性のあるものへと発展させるための課題を申し述べます。 我が国が、我々が目指すべきインテリジェンスとは、単なる情報収集にとどまりません。我が党はこれを、国民を守る政策判断の基盤、同時に民主的統制の下に置かれるべき強い力と定義しています。 安全保障施策は、時の政権の主観ではなく、客観的証拠に基づいた戦略性が求められます。インテリジェンス機能強化は不可欠ですが、運用を誤れば国民の自由や権利を脅かす危うさもあります。そのため、我が党は、国民の人権と自由の尊重、国家の存立と主権の防衛、最前線で活動する者の保護を議論の柱とする独自の推進法案を提出してきました。 本法案は、組織の器をつくる第一歩として賛成いたしますが、我が党が掲げる民主的統制や透明性の確保はなお途上です。特に、政治的意図によって情報がゆがめられる情報の政治化は、国家の判断を誤らせる深刻なリスクです。 イラク戦争や大川原化工機の冤罪事件の教訓を繰り返さないため、以下の原則の徹底を政府に求めます。 第一に、国会への誠実な報告と積極的な公表、第二に、政治に左右されないための政策と情報の厳格な分離、第三に、独立的、第三者的な監視機能の導入の検討、第四に、関係者の保護、第五に、歴史的検証を可能とする議事録等の適切な公文書管理と保全。 また、体制強化の核心は人材です。従来のローテーション中心の仕組みを打破し、新たな人事制度や独自の給与体系の整備を求めます。さらに、不当な影響力行使に対処するため、我が党が提唱する外国代理人登録法のような透明性と実効性ある法整備の検討着手を求めます。 我が党が目指すのは、罰則で縛る社会ではなく、信頼と強靱さを持つ社会です。外国の干渉を見える化し、国民が自ら判断できる民主主義の基盤と透明性の高い信頼される政府の実現です。巨大な力であるインテリジェンスは、国民の理解と信頼という土台があってこそ、真の力を発揮します。政府には、中長期的な方針を公表し、不断の説明を尽くすことを改めて求め、その重要な第一歩となる本法案に対して賛成を表明し、私の討論を終わります。
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、国家情報会議設置法案に反対の討論を行います。 本法案は、そもそも、二〇二三年の2プラス2、日米安全保障協議会での位置付けなどでも明らかなように、米国の経済安保を含む安全保障戦略に付き従い、日米共同作戦などその連携を強化するために必要として提出された法案であります。 国際法違反と各国から批判される戦争や、各国に脅しの経済圧力を掛けるようなアメリカに、軍事とともに、情報活動を含め、今後もただ追随していくなど、国益をかえって損なう可能性があります。 また、国の情報活動の前提として、憲法に基づく個人情報、プライバシーの保護など、人権を守ることは不可欠です。 ところが、質疑でも明らかになったように、本法案によって、国家情報局が求めれば、各省庁が保有している個人情報が目的外に提供されること、あるいは、今後、個人情報保護法の改悪によって、本人の同意なしに集めた個人情報が国家情報局に集約、分析されることも可能になります。このことに対する民主的規制が一切担保されておりません。 今までも、違法性が認定された大垣警察市民監視事件や自衛隊情報保全隊による市民監視、また、警察、公安調査庁も関与した旧動燃の職員の思想調査と差別などが司法の場で明らかになっています。各情報機関がこのようなことに何の反省もなく、今後も市民活動を続ける下で本法案を容認することは、更なる人権侵害を拡大する強い懸念があります。 以上が、本法案に反対する理由です。 なお、立憲民主党提出の修正案は、参議院における真摯な御検討と御判断に敬意を表しつつも、残念ながら、第三者機関の設置を検討課題とするなど、法案に賛成するには至りませんでした。 以上、討論を終わります。
○伊勢崎賢治君 れいわ新選組を代表し、政府提出の国家情報局設置法案、立憲民主党提出の修正案、共に反対の立場から討論します。 第一に、強大な情報機関は、外の脅威だけでなく、国内の批判や市民運動に向かい得るという歴史の教訓があります。挑発や分断を誘発し、その混乱を口実に監視を拡大する、そうした権力の誘惑を制度で断ち切る担保が本法案には見当たりません。 第二に、我が国には、不都合な情報が軽んじられ、消され、後から出てくるという苦い経験があります。南スーダン日報問題が呈したのは、現場の記録が政治の都合で弄ばれる現実であります。これは特異体質です。記録は、国民共有の知的資源であると同時に、命令に従って行動した現場の隊員が不当な責任から身を守るための盾でもあります。この記録を軽んじる国家の体質のまま権限だけを強化することは言語道断でございます。 第三に、現行の特定秘密保護法には出口がありません。一定年限が過ぎれば原則公開、そして移管される自動解除の仕組みがなく、延長は政府の裁量で事実上無期限になり得ます。独立した異次元の第三者が例外判断を担う制度も不十分であります。この状態で国家情報局を設ければ、不都合な真実を長期に封印するブラックボックスを制度化しかねません。この法案を修正案を含め通過させることは、未来の国民が私たちの時代の過ちを検証し、学ぶ機会を永遠に奪い去ることを意味します。 以上です。
○委員長(北村経夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより国家情報会議設置法案について採決に入ります。 まず、杉尾君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北村経夫君) 少数と認めます。よって、杉尾君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、塩村君から発言を求められておりますので、これを許します。塩村あやか君。
○塩村あやか君 私は、ただいま可決をされました国家情報会議設置法案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び参政党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国家情報会議設置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。 一 国家情報会議及び国家情報局は、複雑で厳しい国際環境において、インテリジェンス施策の中核を担う司令塔としての機能を発揮することを通じ、国力の強化を真に実現すること。また、情報活動を推進するに当たっては、日本国憲法が保障する基本的人権を尊重すること。 二 情報部門である国家情報会議及び国家情報局が政策部門である国家安全保障会議及び国家安全保障局と対等な関係として新たに位置付けられることに鑑み、情報収集や分析は政策部門の的確な判断に資するために行われるものであることに一層留意するとともに、両部門の適切な連携と分離を確保すること。 三 本法に基づく調査審議の対象となる「重要情報活動」については、「重要国政運営」に「資する情報」の解釈が過度に広範なものとなることのないよう、国民の安全や国益の確保の観点から、政策部門における対応のために必要と認められる情報を取り扱うものとすること。 四 「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に関する情報の収集及び提供並びにそれらの要請に当たっては、個人情報やプライバシーの保護に関し、個人情報保護法等の法令や各組織における関連規定の遵守はもとより、これらが無用に侵害されることのないよう、十分な配慮を行うこと。また、目的外利用となる個人情報の提供及びその要請については、同法を遵守するとともに、提供を受けた情報についても、同法の規定に反する利用目的以外の利用を厳に慎むこと。プライバシーの保護についても、法令の規定の有無にかかわらず、これと同様の取扱いに留意すること。 五 内閣総理大臣や内閣官房長官を始めとする政策部門は、情報部門に対し、その所掌事務とは無関係な情報収集依頼を行わないこと。また、国家情報局及び関係行政機関における「重要情報活動」及び「外国情報活動への対処」に当たっては、国家公務員法等の遵守はもとより、全体の奉仕者としての立場を逸脱するような政治的中立性を損なう情報収集は行わないこと。特に、特定党派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないこと。 六 本法の施行後、政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書としてまとめ、国会に報告するとともに、公表すること。その際、四及び五に反する情報の収集及び提供並びにそれらの要請を行わないための具体的方策についても検討の上、盛り込むこと。 七 国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、六の文書とは別に、国民の懸念を払拭するため、関係法令、本法案に関する国会答弁及び本附帯決議の内容が遵守されているかどうかを含め、その求めに応じるなどして、国会に適時適切に説明すること。 八 事後に検証できるよう国家情報会議の議事の記録を作成し、配付文書とともに、公文書等の管理に係る制度に基づき、公文書として適正な期間保存すること。 九 国家情報局長は一定期間継続して在任することが好ましく、その人選に当たっては、その職責の重要性にかかわらず実質的に同一行政機関の出身者のいわば指定席となっているとの疑念を招くことのないよう、適材適所を旨とし、それまでの経験を踏まえつつ、人物本位・能力本位で行うこと。また、国家情報局の新規採用職員については必要な知識や技術を習得するために一定の研修期間等を確保することや、幹部職員を構成する他省庁等からの出向者についても相当期間在任させること等により、業務の継続性を確保し、インテリジェンス・サイクルが円滑に機能するよう配慮すること。 十 対外情報を収集するための行政機関の設置の法制度や、いわゆるスパイ活動を含む外国による我が国に対する不当な影響力の行使を防止するための法制度であって国民の権利利益を制約するものを仮に検討する場合には、適切に国会が監視できるようにすることを前提に検討すること。また、これらの法制度が実施された場合、国家情報会議及び国家情報局の集約し得る情報は質的量的に大きく変わることも考えられることから、それらによる国家情報会議及び国家情報局に対する情報提供の状況を国会の監視対象とすることも検討すること。 十一 十の法制度も含む、一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持を始め国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。また、外国の利益を図る目的で行われる一定の活動を行う者に係る国への届出制度の創設を含む当該活動の把握及びこれを国民に周知するための措置、情報収集等に係る手法を拡充するための措置、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保のための措置、インテリジェンスに関する専門的知識や技能を有する者の確保のための措置、インテリジェンスの実施状況及びその効果の検証のための措置等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。 十二 国家情報会議及び国家情報局には機密性の高い情報がより多く集約されることが見込まれることに鑑み、施設・設備や構成員などについて万全の情報保全措置を講じること。 十三 情報部門の業務の専門性や複雑性などが増大していることに鑑み、国家情報局においては総合職職員の採用を検討するなど、プロパー職員の比率を高めていくこと。また、情報活動に従事する職員の給与等の在り方については、国家公務員全体の給与の在り方等との公平性に十分に留意し必要な検討を行うとともに、AIやサイバーセキュリティ等に関する民間出身の高度専門人材の確保に当たっては、特定任期付職員制度等の活用についても検討を行うこと。 十四 経済安全保障、サイバー攻撃、偽情報拡散による影響工作等の変化が著しい先端領域の横断的な課題が増大していることを踏まえ、情報活動に従事する職員の士気の向上を図りつつ、省庁横断的に必要な知識・技術等を習得するための研修や共同研究の実施、養成機関の早期の実現、情報コミュニティ省庁間での出向など実効性の高い人材育成を進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(北村経夫君) ただいま塩村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北村経夫君) 多数と認めます。よって、塩村君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、木原内閣官房長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木原内閣官房長官。
○国務大臣(木原稔君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分配意してまいります。
○委員長(北村経夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #2751 観測 2026-07-01 15:17 JST改ざん検知用の値
6fc406fa…83f13e(未計算)
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