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国会会議録

内閣委員会

第221回 · 参議院 · 第8号 · 2026-05-19

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-06-27 14:54 JST 記録 #2719 ↗

発言 94

会議録情報

令和八年五月十九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北村 経夫君     理 事                 今井絵理子君                 松川 るい君                 渡辺 猛之君                 杉尾 秀哉君                 堂込麻紀子君     委 員                 青木 一彦君                 佐藤  啓君                 鶴保 庸介君                 寺田  静君                三原じゅん子君                 鬼木  誠君                 小島とも子君                 塩村あやか君                 牛田 茉友君                 窪田 哲也君                 司  隆史君                 柴田  巧君                 高木かおり君                 大津  力君                 大門実紀史君                 伊勢崎賢治君    事務局側        常任委員会専門        員        三瓶 朋秀君    参考人        北村エコノミッ        クセキュリティ        合同会社CEO        元国家安全保障        局長・内閣特別        顧問        元内閣情報官   北村  滋君        日本大学危機管        理学部教授    小谷  賢君        弁護士      海渡 雄一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国家情報会議設置法案(閣法第二四号)(衆議院送付)     ─────────────

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  国家情報会議設置法案を議題といたします。  本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO・元国家安全保障局長・内閣特別顧問・元内閣情報官北村滋君、日本大学危機管理学部教授小谷賢君及び弁護士海渡雄一君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、北村参考人、小谷参考人、海渡参考人の順にお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず北村参考人からお願いいたします。北村参考人。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 私は、国家情報会議設置法案につきまして、主として情報統合と統制の制度化という観点から、賛成の立場から意見を申し述べます。  現在の安全保障環境において、軍事、外交、経済、技術、サイバーその他の分野にまたがる情報を政府全体として統合し、適時適切に政策判断へ結び付ける体制が不可欠であります。他方で、我が国の情報機能は各省庁に分散しており、制度上の統合と統制が十分でないという課題を抱えてまいりました。  本法案の内容は、内閣に国家情報会議を設置し、その事務を担う国家情報局を内閣官房に置くことにより、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する司令塔機能を制度上明確化しようとするものと理解しております。  以下、第一に情報活動に対する政治的統制、第二に情報統合機能の強化、第三に政策部門と情報部門との役割整理、第四に情報保全制度との接続と国際連携の観点から賛成の理由を申し述べます。  第一の柱が国家情報会議の設置と情報活動に対する統制であります。  本法案の第一の意義は、秘匿性の高い情報活動について、政治レベルの統制を法制度の中に明確に位置付ける点にあります。  法案では、国家情報会議を内閣に設置し、内閣総理大臣が議長を務めることとされています。また、内閣官房長官、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣などが議員として参画することとされております。  この仕組みは、情報活動を一部の実務機関に委ねるのではなく、政府全体の責任において取り扱う枠組みを明確にするものであります。情報活動の強化は必要ですが、その正当性を支えるのは、権限そのものではなく、適切な統制の仕組みであります。  その意味で、国家情報会議を法定の機関として位置付けることは明確な意義があります。もっとも、将来における情報収集権限や活動領域の拡張のありようによっては、行政府内の統制だけでは十分でなくなる可能性も出てまいりましょう。その際には、国会による監視や検証の在り方についても議論がなされるものと考えております。  しかしながら、そのことを前提としても、本法案は情報活動の制度化に向けた重要な第一歩として評価できるものと考えます。  二つ目の柱は、情報統合機能の強化についてであります。  第二の意義は、各省庁に分散している情報を政府全体として統合的に取り扱うための法的基盤を整える点にあります。  従来の我が国の情報体制では、各機関がそれぞれ情報を保有していても、それを横断的に集約し、分析し、政策判断に結び付ける制度が十分であったとは言い難い状況にありました。  本法案では、この課題に対し、国家情報会議と国家情報局を制度上位置付けることで対応しようとしております。とりわけ、法案第七条は、内閣官房長官及び関係行政機関の長に対し、会議の調査審議に資する資料及び情報を適時に提供することを求め、さらに、議長の求めに応じて説明その他必要な協力を行わなければならないと定めております。これは、省庁間の情報共有を慣行に委ねるのではなく、法的義務として明確にしたものと言えます。  また、国家情報局は、会議に関する事務を処理するだけでなく、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する企画立案、総合調整、内閣の重要政策に関する情報の収集調査などを担うものとされております。  情報統合は、個々の機関の機能や専門性を否定するものではなく、それぞれの知見を政府全体の判断へ結び付けるための仕組みであります。その意味で、本法案は組織法上の基盤整備として支持し得る内容を備えていると考えます。  三番目の柱は、政策部門と情報部門の役割整理についてであります。  第三の意義は、政策立案を担う部門と情報収集、分析を担う部門との役割分担を制度上より明確に整理しようとしている点であります。  情報分析は政策判断に資するものである一方、政策の都合に過度に従属すれば、その客観性が損なわれるおそれがあります。したがって、両者の適切な距離と関係を制度として整えることが重要であります。  本法案では、国家情報局長を法的に位置付けることにより、情報機能の責任主体をより明確にするものと理解できます。これまでの体制では、情報の集約や評価が制度よりも運用や個人の力量に左右されやすい面があると指摘されてきました。国家情報局長を制度上明確に位置付けることには情報機能の安定性と継続性を高める意味があります。  一方、不肖私は、国家安全保障局長、内閣情報官として、政策部門と情報部門の双方の事情を存じております。この観点から見ましても、本法案が両部門を対立させるものではなく、両者の役割を整理し、より適切な関係を築くための制度整備であると考えるところであります。  四番目の柱は、情報保全制度との接続と国際連携であります。  第四の意義は、既存の情報保全制度と接続しつつ、国際的な情報連携の基盤を強化する点にあります。  現代の安全保障上の脅威は国境を越えており、情報連携の重要性は一層高まっております。我が国では、特定秘密の保護に関する法律に加え、重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律が施行されており、機微情報を保護し活用するための法制度は段階的に整備されてまいりました。  本法案は、そうした制度の上に、情報を統合し分析する司令塔機能を位置付けようとするものであります。その意味で、保全と活用の双方を視野に入れた制度整備として理解することが可能です。  国際的な情報連携においては、秘密保全能力に加え、政府内で情報を統合し、継続的にやり取りできる明確な窓口の存在が重要であります。国家情報局の設置は、その基盤整備としての効果が強く期待されます。米国、英国、豪州といった同盟国、そして同志国においては、今般の我が国における情報制度改革を必ずや歓迎するものと信ずるところであります。  以上、申し述べましたとおり、国家情報会議設置法案は、情報活動に対する統制、各省庁の情報集約、政策部門と情報部門の役割整理、情報保全制度との接続、国際連携という点において、我が国をめぐる厳しく複雑な安全保障環境をして現行体制の課題に対応しようとする法案であります。もちろん、今後の審議におきましては、調査審議事項の範囲、プライバシーへの配慮、情報の中立性、監督の在り方などについて、なお丁寧な議論が必要です。しかし、これらの論点を踏まえてもなお、本法案には制度整備として強く支持すべき意義があるものと考えております。  以上をもって、簡単ではございますが、私の意見陳述といたします。御清聴ありがとうございました。

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) ありがとうございました。  次に、小谷参考人にお願いいたします。小谷参考人。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 皆様、おはようございます。日本大学危機管理学部の小谷賢と申します。  本日は、本委員会におきまして、参考人として意見を申し上げる機会を頂戴しましたこと、心より感謝申し上げます。  本日は、国家情報会議設置法案に賛成の立場から所見を述べさせていただきます。  私は、これまで防衛省の研究機関や大学において、日本を含む各国のインテリジェンスの制度や歴史を研究してまいりました。本日は、そのような研究に基づいた知見からコメントをさせていただけますと幸いに存じます。ちなみに、本法案内ではインテリジェンスという用語が重要情報活動と表記されておりますが、私自身、余りなじみのない用語でありますので、私の所見内ではインテリジェンスと表現させていただきますことを御容赦ください。  まず、なぜ本法案に賛成なのかという話でありますけれども、日本は、直面している国際環境の厳しさは言うまでもなく、更なる問題は、冷戦期のように、日本政府は、安全保障からインテリジェンスまで全てを同盟国であるアメリカに頼れなくなってきているという現状があります。  内閣情報調査室の前身である内閣総理大臣官房調査室が創設されましたのは一九五二年の話ですが、当時の吉田茂総理と緒方竹虎官房長官は、同室をアメリカの中央情報庁、CIAのような総合的で中央集権的な組織を構想されていたと言われております。ところが、当時の報道機関や世論がこれに一斉に反対したため、同室は、予算や人員、権限をほとんど与えられないまま七十年以上が経過したことになります。ただ、冷戦期には、日本は外交安全保障政策の決定のためにインテリジェンスを必要としてきませんでしたので、大きな問題とはなりませんでした。ところが、冷戦後、日本政府は、外交安全保障の分野のみならず、危機管理等の様々な分野でインテリジェンスの欠如によって対処がうまくいかなかったケースが散見されるようになります。それらは、例えば一九九八年の北朝鮮によるテポドンミサイル発射事案でありますとか、二〇一〇年代に海外で邦人がテロ組織に誘拐、殺害されるといった事案であります。  これまで日本政府はアメリカの情報提供に大きく頼ってきた経緯がありますが、アメリカにとってもインテリジェンスは機密であり、同盟国とはいえ、それを全て共有してくれるわけではありません。また、アメリカとの外交安全保障の方針が一致しない場合も、先方からの情報提供は期待できません。そうなりますと、我が国は、様々な状況を想定し、自ら情報を収集、分析、活用できるような体制を整えておく必要があると考えております。例えば、アメリカの偵察衛星の画像情報については、必ずしも日本が必要とした情報が提供されてきませんでしたので、日本も国産の情報収集衛星を打ち上げることになった次第であります。  なぜ内閣官房に国家情報会議と国家情報局を設置するのかという理由については、三点挙げさせていただきたく存じます。まずは政治主導によるインテリジェンスサイクルの確立、政府の情報活動に対する監督権限の強化、そして内閣官房への情報集約力の向上にあると考えております。  一点目のインテリジェンスサイクルの運用については、戦前からの課題でもあります。本日、皆様にお配りしましたこの資料にインテリジェンスサイクルの概念図が書かれておりますので、こちらを御参照ください。  インテリジェンスサイクルとは、政策決定者が政策判断を行う際に、インテリジェンス部門に情報要求を出し、それを受けて、情報組織は情報収集、分析、評価を行い、加工済みの情報を政策決定者に提供するものであります。  昭和戦前期の日本政府や軍部においては、インテリジェンスは非常に軽視されました。これは、作戦重視、情報軽視という言葉が残っていますように、まずは政策や作戦ありきで、情報は付け足し程度の認識でありました。例えれば、あした大雨が降るという天気予報を見ておきながら、以前から計画していたキャンプを強行するようなものであります。  他方、戦後は、情報よりも閣議でのコンセンサスが重視されるようになりました。つまりは、インテリジェンス情報よりもコンセンサスのための根回しが重要になってくると考えられます。そのため、戦後長らく、総理から時の内閣情報官に対する情報要求は極めて低調であったというふうに伺っております。  イギリスなどではこのような状況を回避するために、戦時にはいわゆる戦時内閣を設置し、そこにインテリジェンスも集約して首相とごく少数の閣僚で迅速な意思決定を図るわけでありますが、これは現在では、国家安全保障会議として、我が国を含む各国で運用されているものです。  今回の国家情報会議でも、国家安全保障会議と同様に、参加する閣僚を制限し、さらには国家安全保障会議と並行的に開催されることで意思決定を円滑に進めようという方針だと理解しております。  また、総理を含む関係閣僚が国家情報会議並びに国家安全保障会議に出席することでインテリジェンスに基づいた外交安全保障分野の政策判断を経験するということになりますので、そのようなスタイルの意思決定がようやく日本にも根付くのではないかと期待しております。そうなりますと、官邸や国家情報会議から国家情報局への情報要求が発せられ、インテリジェンスサイクルを円滑に機能させることも可能となるのではないでしょうか。  二点目の政府の情報活動に対する監督権限の強化につきましては、様々なところで指摘されていますような、国家情報局が時の権力者の道具として使用されるというニュアンスとは異なる印象を私は持っております。むしろ、これまで内閣情報調査室は、政治的な監督権限、さらには政治説明から隔離されてきた印象があります。  現在の内閣情報調査室は官房長官にぶら下がっている形ですが、歴代の官房長官が内閣情報調査室の活動についてコメントしたことはほとんどありません。内閣情報調査室の方は、総理や官房長官に定期的なブリーフィングは行う一方、活動や組織について何らかの統制は受けてこなかったと思います。むしろ、今回、国家情報会議と国家情報局を直接のラインでつなぐことにより、選挙によって選ばれた政治家がインテリジェンス組織に対する監督を行う、つまりは民主的統制の強化につながるのではないかと期待しております。  他方、今後のインテリジェンス改革や不測の事態への対処においても、政治によるインテリジェンスへの関与が必要になると考えられます。例えば、一九九八年の内閣衛星情報センターの創設や二〇一三年の特定秘密保護法の制定は、当時の政権が推し進めた成果でもあります。  また、今後、海外で日本の国家公務員が逮捕された、若しくは国内で世論を二分するような偽情報が流布されたといったような事態も想定されます。これら事態が生じた場合、事務方である国家情報局では政治的な対処ができませんので、その上部組織となる国家情報会議で政治レベルの解決策を提示する必要性があります。そして、政治的な判断から解放されました国家情報局は、本来の任務である情報収集、分析、集約業務に専念できるものと考えます。  三点目の情報集約力の向上については、今回設置されます国家情報会議の権限として、各省庁は会議のために必要があればインテリジェンス情報を提供することが明記されております。そして、国家情報会議の事務をつかさどる国家情報局が、新たに付与された総合調整権限によって、実質的には情報局が各省庁からの情報を集約することになります。  これまでの内閣情報調査室は、各省庁に対する連絡調整の権限しか持っていなかったため、言わばお願いベースで情報提供を促していた形になりますが、これでは内調に情報は集まりませんでした。そのため、中曽根政権期の一九八六年には内閣官房に合同情報会議を設置したり、第二次安倍政権期の総理ブリーフィングの強化等によって各省庁のインテリジェンス情報を内閣官房に集約しようとしてきたわけでありますが、どれも運用上の工夫であり、また、各省庁も必要があれば総理秘書官等を通じて官邸に直接情報を上げるラインが整備されていたため、総論としては、必要な情報が全て内閣官房に集約されていたとは言い難い状況が続いておりました。  インテリジェンス分析の分野では、オール・ソース・アナリシスと言いまして、情報提供者からの情報、ヒューミント情報、通信傍受情報、シギント情報、衛星画像情報、ジオイント情報、公開情報、オシント情報、全てのこういった情報を集約し分析することで確度の高いインテリジェンスが生み出されるとされます。  例えば、衛星で外国の様子を調べたときに見慣れない施設が造られているときがありますが、それを調べるためにはその施設に出入りする協力者が必要になることもありますし、同じく、衛星で我が国に外国の漁船が多数押し寄せてくることが確認されても、通信傍受情報がなければその意図を把握することができません。  アメリカのインテリジェンスは、収集できる全ての情報を集約、データ化し、それをAIに解析させることで政府や軍の活動を支援していますが、これもオール・ソース・アナリシスとなります。  我が国では、インテリジェンス情報のデジタル化どころか、集約の段階でつまずいている状況が長く続いてきました。今回の法案によって、国家情報会議と国家情報局に関係組織のインテリジェンス情報を集約することができれば、日本のインテリジェンス能力は格段に高まっていくことも期待されます。  最後に、私なりの懸念を二点指摘しておきたいと思います。それらは、国家情報会議に対する国民の信頼性の確保、そして国家情報局の組織の在り方といったものになります。  インテリジェンス研究の分野では、情報機関の中立性という言葉が聞かれますが、これは国家のインテリジェンスが特定の党派に加担してはならないという考え方で、政治の側にもこれは成り立ちます。つまり、国家情報会議はインテリジェンス情報と外国情報活動への対処のみを扱うべきであり、そこに党派に関わる情報や国民のプライバシーに抵触するような情報を持ち込むべきではないという考えになります。  そして、この種の疑義を招かないようにするためには、運用上の透明性が確保される必要性もあります。現在の国家安全保障会議がウェブサイト上で議事のテーマを公開しておりますように、将来的には国家情報会議にも同様の説明責任が必要になってくるように思料します。また、情報会議の議事録は恐らく特定秘密に指定されることになるかと想像しますので、そうなりますと国会の情報監視審査会の監視対象にもなりますし、さらには将来的な公開的に備えることも必要になってくるのではないかとも思います。  国家情報局の組織の在り方については、特定の省庁に偏らない人事配置が必要になってくるのではないでしょうか。既に衆議院の内閣委員会でも議論となりましたが、内閣情報調査室のトップは警察、次長は外務省といった人事配置が七十年以上続いてきました。また、内調の幹部の多くは警察出身者で占められております。今後設置される内閣情報局が各省庁からの情報集約を強めるのであれば、いつまでも特定官庁に偏った人事配置は、インテリジェンスの運用上、支障を来す可能性も指摘できます。これは、内閣情報局長と次長の出身官庁を変えればよいというだけの話ではなく、幹部人事が特定の官庁に占められていると、トップが替わっても運用の実態は変わらないのではないかとも想像できます。  これにつきましては、本年三月に発表されました自民党政務調査会の案にも、特定の省庁の出身者の指定席とするべきではなく、人物本位、能力本位で任命を徹底すべきであると明記されているとおり、各省庁がインテリジェンス分野の人材を競って育成していく姿が望ましいように思います。そして、今後、内閣情報局の規模が拡大していくのであれば、独自の採用試験による総合職や専門家の採用、さらにはインテリジェンスの研修所も必要になってくるのではないかと思料しております。  私の意見は以上となります。御清聴いただきまして、ありがとうございました。

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) ありがとうございました。  次に、海渡参考人にお願いいたします。海渡参考人。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 私は、人権保障を職務とする弁護士、そして人権保障の専門家として、この国家情報会議設置法案、国家情報局法案の人権保障上の問題点と、我が国の情報法制に対する人権保障の角度からの提言を述べさせていただきたいと思います。  今回制定されます国家情報会議は、内閣総理大臣を議長とし、安全保障やテロ、緊急事態などについての情報収集、インテリジェンスと、外国のスパイ及びそれと一体と疑われる活動への対処、カウンターインテリジェンスについての調査審議をする機関であります。そして、この国家情報局は、内閣総理大臣を議長とする国家情報会議の事務局として、インテリジェンスの司令塔となるとされております。  今、小谷先生からも言われましたが、戦後の歴史において、情報局のようなものを持つべきだという議論は幾度もなされてきました。しかし、それは実現しませんでした。むしろ、歴代の自民党政権はこのような選択を自制してきたと言えるのではないでしょうか。それはなぜなのか。国際紛争の解決手段として戦争という方法を放棄した日本国憲法の下で、戦争の道具となりかねないような国家情報局、さらには対外情報庁といったような制度は、平和国家日本にふさわしくないと考えられてきたのではないでしょうか。  今日の私の話は、諸外国において、情報機関についてどのような法規制、どのような監督制度が設けられているかを見ていきたいというふうに思います。詳しい資料をお配りしていますが、簡潔に申し上げたいと思います。  まず、ドイツですが、ドイツの連邦情報局、BND、これは外国情報が中心であって、今回、日本政府がつくろうとしている国家情報局に相当するような組織ではありません。むしろ、それは憲法擁護庁だというふうに思いますけれども。  このBND法によりますと、このBNDは、警察機関に附属してはならない、必要な情報であって他の方法で得られない、他の官庁が所持していないものに限って収集できる、警察権限は持たない、この権限を警察に代行させることも禁止する、対象者への侵害が最も小さい措置を選ばなければならないといったことが定められております。  また、個人情報について、誤っているものについては訂正と削除をしなければならない。国外にいる外国人の通信内容データの収集は認められますけれども、ドイツ国民などの個人データを取得することは原則として禁止です。聖職者、弁護人、ジャーナリストからの情報収集は禁止されております。また、私的生活の核心領域の絶対保護といったことが期待されております。二〇二〇年の五月十九日、二〇二四年の十月八日の連邦裁判所の判断などによって、これらの権限については厳しい制約が課されております。その詳細については省略いたします。  この連邦情報局は、情報収集のみを任務として、対外的な工作などは行わないことが法に規定されています。にもかかわらず、二〇一七年に明らかになったところでは、連邦情報局がBBCやニューヨーク・タイムズ、ロイター通信などの電話を盗聴していたといったことが報じられております。  どれだけ透明な法的制度をつくったとしても、ドイツのような制度の下でもこのような事象が起きているということは、情報機関を設置する際に極めて慎重な姿勢が必要であるということを示していると思います。  次に、オランダの制度について御紹介したいと思います。  オランダでは、二〇一七年の法改正、これに当たっては当初の制度について国民投票で否決されるということを踏まえて非常に厳しい法律改正が行われました。この一枚のパワーポイントをここに載せてありますけれども、見ていただきますと、事前審査のためのTIBというシステム、事後監督、苦情処理のためのCTIVD、さらには議会による監督CIVD、そして特定の場面、これはジャーナリストや弁護士に対する通信傍受に関してはハーグ地方裁判所が判断する、このような非常に複線的な統制回路を形成しております。  私は、このオランダによる情報機関の統制がこのように議論して進められたという点は、今後の国会の議論でも非常に参考にしていただきたいというふうに思っております。  イギリスとアメリカについても詳しい資料を用意しましたけれども、時間の関係で省略させていただきますが、イギリスにおいても情報機関は政党のために行動してはならないということがちゃんと定められています。そして、様々な情報機関について精密な監督制度が設けられております。  アメリカはとても制度が複雑なんですけれども、そして、この情報機関がたくさんの人権侵害を引き起こしてきたわけですけれども、これらの人権侵害を経て、そして九・一一の経験を通じてたくさんの法改正が行われて、活動の透明化、監督制度の整備が進められてきている。これも一枚紙のパワーポイントにまとめておきましたので、是非とも見ていただきたいというふうに思います。  最後に御紹介したいと思うのは、韓国の国家情報院のことでございます。  この点については、五月十三日付けの東京新聞で韓国国会の情報委員会のナンバーツーである朴議員のインタビューが掲載されておりました。KCIAの後継組織である国家情報院は一九九九年に制定されましたが、李明博、朴槿恵大統領の下で反政府的な文化人、ポン・ジュノ監督や作家のハン・ガン氏らを含むブラックリストが作成されていた、バイトを雇って革新系大統領候補をおとしめるネットの書き込みがなされていた、こういった不祥事の発覚を受けて、二〇二〇年に法が全面改正されております。  この全面改正された法が大変注目されるのは、政治的中立の維持、集めた情報の職務外使用の禁止、調査は必要最小限、政治活動への関与の禁止、職権を濫用した逮捕、監禁の禁止、違法な検閲、通信傍受、位置情報の追跡が禁止されました。  二〇二四年の尹錫悦大統領による非常戒厳宣言の発令時には、大統領は政権に批判的な政治家の拘束、位置情報の追跡をこの国家情報院に命じましたが、国家情報院の幹部はこの改正法を根拠としてこのような指示を拒否しました。大統領の指示した違法行為に国家情報院は加担しなかったのであります。明確な法規制があったからこそ、韓国の民主主義体制は守られたというふうに言えると思います。  ここから国家情報局法案の問題点について申し上げます。  内閣情報調査室を国家情報局に格上げすることに果たしてどのような立法事実があるのかが問われなければならないと思います。そして、内閣情報調査室、警備公安警察、自衛隊の情報保全隊、公安調査庁などの既存の情報機関がどのような問題点があったのか、そして、どのような改善しなければならない点があるか、その歴史的検証を欠いてはならないというふうに思います。  次に、今回、国家情報会議のトップは内閣総理大臣なんですが、本日、参考人にも招聘されております北村先生は、二〇一二年九月に公刊された「情報と国家」の中で内閣情報機関の設置を提言され、これまで府省が取り扱っていた情報のうち、我が国の対外政策、安全保障、危機管理の基本に関わるものについては、法令上の権限として、内閣情報機関の長の各種情報に対するアクセス権が保障されるべきであるというふうに提言されておりました。まさしく、先ほどの北村先生の公述の中で、本法案の七条がこのことを法定しているのだというふうに思います。しかし、この国家情報局が強制力を持って府省の情報を集約できる、そこにどんな歯止めが掛けられるのか、そのことがこの委員会でまさしく問われているのではないかというふうに思います。  この問いに関しては、政府は、国家情報局法案は組織法であり、新たな権限を付け加えるものではないから、その活動の限界を画する法制度は不要であると説明されています。しかし、情報収集のための活動が作用法による規律が必要ではないというふうに考えに立つとすれば、明示的な法的枠組みを欠いた諜報活動を許容してしまうこととなり、法治国家として許容することができないというふうに考えます。  マイナンバーでひも付けられた様々な情報、能動的サイバー防御法に基づいて集められたIT情報、これについても、政府は必要があれば利用するというふうに答弁されております。このような国会審議を基に考えると、政府が集めた情報の目的外使用が常態化するおそれがあるのではないかというふうに考えます。  次に、国家安全保障会議と国家情報会議が、いずれも内閣総理大臣をヘッドとして主要閣僚によって構成される組織として並立することとなりました。政治・政策部門と情報部門が、一応別個の組織にはなっていますが、むしろ融合してしまう危険性があるのではないでしょうか。日本の安全保障に関する政治・政策部門と情報部門が、先ほど来、小谷先生からも懸念が表明されておりましたが、いずれも警備公安警察の出身者によって担われるというようなことになれば、いびつな政治構造が生まれてしまう危険があるのではないかと思います。  また、警察組織は本来、政治的に中立であるべきだったと思います。ところが、この警察組織の中の秘密警察組織である警備公安警察が日本の国家の政治部門と情報部門の中枢を壟断するというような体制が生まれたときには、日本国家としての経済・外交政策、バランスの取れた政策の遂行が難しくなるのではないかというふうに懸念いたします。  高市首相は、衆議院の審査において、政府の政策に反対するデモそのものが情報活動の関心の対象となることは一般的に想定し難いというふうに言われました。しかし、この答弁は事実に反していると思います。多くの公安警察官が、私たちが主催しているスパイ防止法案に反対するペンライトデモについて、個人を特定するような形で情報収集をしているというふうに見えました、我々の立場から見てですね。公安警察が適法な市民運動に対する情報収集活動をしていた、そのことが違法であるということが名古屋高裁の二〇二四年九月十三日の大垣署事件で判決されています。公安警察は、まさに適法な市民の活動について情報を収集しているのです。  また、加計学園問題で、安倍総理大臣ら官邸幹部が大学の認可について特に便宜を図った可能性が指摘されました。文部科学省前事務次官の前川喜平氏が記者クラブで会見しようとしたところ、それに先立って、読売新聞の朝刊に、同氏が出会い系バーに通っていた事実が報じられました。前川氏はその後、雑誌の取材などに答えて、これには個人的に官邸の関与があったのではないかというふうに証言されています。同氏の社会的評価を失墜させるための工作があったのではないかというふうに考えられます。  国家情報局をつくる前に、日本の情報法制には数々の問題点があると思います。その中で、たくさんの項目を挙げましたけれども、特に⑥番、あっ、④番から読みますね。  情報機関は、政治的に中立なものでなければならないし、警察機関と明確に分離されていなければならない、情報機関は、弁護士やジャーナリストの職業上の秘密を侵害してはならないし、個人のプライバシーの中核となるような情報を収集してはならない、こういうことを法に定めていただきたいと思います。  また、安全保障分野の情報機関に特化した独立監視機関というものが必要となると思います。この機関には、集められている情報を見た上で、それについてきちんとした判断ができる権限が認められるべきです。能動的サイバー防御法に基づいたサイバー通信情報監理委員会がつくられ、これには元札幌高裁長官の近藤宏子氏が委員長に選ばれております。この委員会の権限は非常に限られたものですけれども、こういう制度を情報機関全体に権限を及ぼすようなものとして是非ともつくっていただきたいと思います。  まとめます。  良識の府である参議院においては、時間を掛けて、国家情報局を今立ち上げなければならないのか、どのような立法事実があるのかというところは徹底的に議論していただきたいと思います。  そして、以上に述べた我が国の情報法制の欠陥を是正する法制度の提案とセットでなければ、国家情報局の設立を認めることはできないという立場にこの委員会も立っていただきたいというふうに思います。  そして、一、情報局による情報収集の限界を法制化する、二、国家情報局の政治的な中立性、そして警察組織との明確な分離を法的に規定すること、三、政府から独立した第三者機関による実効性のある監督措置という三つの修正がこの法律には絶対に必要不可欠だと考えます。このような修正がなされないままの法案の制定については、私は強く反対させていただきます。  以上です。

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

今井絵理子 自由民主党・無所属の会

○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。  本日は、それぞれのお立場から大変貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございました。  国家情報会議設置法案については様々なお考えがあると受け止めております。私は、こうした意見のこの違いというものは、決して対立するものではなく、より良い制度をつくっていくために必要な視点だと考えております。  国民の皆様の中にも、日本のインテリジェンス機能は今の国際情勢に十分対応できているのかとか、サイバー空間や情報戦、認知戦に今の体制で本当に対応できているだろうかという不安があると思います。しかし、一方で、インテリジェンス機能を強化することで国民の権利やプライバシーが脅かされるのではないかという不安を持つ方もいらっしゃると思います。だからこそ、私は、このインテリジェンス機能の強化と国民の権利を守るということは、対立するものではなくて両立させなければならないものだと考えています。大切なのは、必要な情報機能を高めながら、同時に国民の信頼を得られるような仕組みを整えることだと感じています。そして、そのことを国民に分かりやすく示していくことだと考えています。  今回の法案というのは、先ほど参考人の皆さんがお話ししたように、国家として情報を集約して分析して、政策判断につなげるための司令塔機能を設けるものだと理解しています。でも、制度というものは、つくって終わりではなくて、どのように運用されるかが極めて重要だと考えています。  そこで、北村参考人、小谷参考人にお伺いいたしますが、この法的義務、省庁間の情報共有が法的義務とされているんですけれども、実際にどこまで実効性が期待できるかという点が重要であると思っていて、この省庁間の情報共有は十分に進むとお考えなのでしょうか。また、仮にそれだけでやっぱり十分ではないなといったときに、実効性を高めるためにどのような対策が必要だとお考えであるか。また、ちょっと国家情報局の規模感をお伺いしたいんですけれども、国家情報局の規模感というのはどの程度、そして具体的にどの程度の職員の数があればその機能を十分に果たすことができるかということをお二人にお伺いしたいなと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、今回のいわゆる国家情報局の関係省庁への情報アクセス権でございますけれども、先ほど小谷先生からのお話はございましたけれども、現在においても情報を収集している各役所から官邸に情報が来ていないかといえば、それはそういうことはなくて、やはりこれはそれ時々の内閣の求心力というのにもよりますけれども、そういった形の情報提供といったもの、特に私は思いますけれども、国家安全保障局といったものが設置された段階で、安全保障に関する情報の集約といったものは飛躍的に高まったというふうに考えています。  ただ一方、情報の投げ手と受け手ということになると、安保局が受け手で情報調査室が投げ手ということになりますけれども、要するに投げ手の方にそういったそのアクセス権といったものを規定しないということは、最終的にこの良き運用がいつまでも続くということにはならないだろうというふうに、かように考えておりまして、そういった意味で、今回、安保局にも、それからまた国家情報局にも同じような形での各省庁に対する情報のアクセス権といったものが定められたということは、今後の運用の継続性とか安定性を考える上で極めて重要だと、かように考えています。  それから、規模感でありますけれども、これも今、定員で内調、まあ衛星センターも入れてでありますけれども、五百強と聞いております。まあ実員で七百という話が答弁で出ておりましたですけど、七百強と出ておりましたが、情報を収集するセクションと、それから情報を分析するセクションでこれ強く分けて考える必要があると思います。  実際に、衛星センターを除けば、内調の分析部門、二百強でありますから、今後、国家情報局になって、特に偽情報対策とかこの辺はまだ作業が緒に就いたばっかりというふうに考えておりますので、こういったところの増員といったものが必要になるかと思いますが、私はおかげさまで八年近く内閣情報官やらせていただきましたけれども、基本的には現時点でそれほどその分析、それからまたその意思決定者に対する情報の伝達という意味では不便を感じない規模にはなっているかなと考えております。  是非、立法者の方に御認識いただきたいのは、情報を収集する部門と、それから集約して分析する部門というのについての要するに規模感というのはかなり違ってくるということだということでございます。  以上です。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) まず、国家情報局の各省庁の情報に対するアクセス権の話でありますけれども、こちら既に国家安全保障局、NSSの方にこれ法的なアクセス権が認められております。  現状では、各省庁は国家安全保障局に対してはちゃんと情報を出さないといけないということになっておりますけれども、私がいろいろ伺っておる、まあ恐らくこちらにいらっしゃる北村さんの方がお詳しいとは思いますけれども、今のところ、国家安全保障局が設置されましてもう十年以上たちますけれども、それほど問題にはなっていないというふうに伺っております。こちらもやはり法的な権限と同時に、やはりその時々の政権の意向次第だということでありまして、やっぱり総理がこういう問題に関心を持って更に政治的影響力を発揮すれば情報は集まると思いますし、総理が関心を抱かなければやっぱり各省庁は情報を持ってこなくなるというふうなことだというふうに考えております。  国家情報局の規模感につきましては、これはなかなか難しい問題であります。こちらも今、北村参考人の方から御意見ありましたけれども、今、大体、内調本体が二百五、六十名といったところでありまして、ただ、今後、偽情報対策等を付与するのであれば、やっぱり若干の人員の増加は必要かなというふうに思います。つまり、二百五、六十人ではちょっと回せないのかなというふうな印象を持っておりますので、多少の増員は必要かというふうに考えております。  以上でございます。

今井絵理子 自由民主党・無所属の会

○今井絵理子君 ありがとうございました。  次に、海渡参考人にお伺いさせていただきます。  私は、慎重な御意見や懸念の声というものは大変重要だと思っております。国家情報会議を設置することについて、様々な懸念点、先ほどお伺いいたしましたが、これ、最も懸念をお持ちなのはもう何なのか。その懸念を解消するために、じゃ、どのような制度上の歯止めというものが必要なのか。  あわせて、仮に国家情報会議を設置しない場合でも、この現在の我が国のインテリジェンス機能というのは先生からしては十分だとお考えなのか。もし十分でないとお考えであるならば、国家情報会議という形以外にどのような方法で機能強化を図るべきだとお考えなのか、具体的にお聞かせ願えればと思います。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  私が懸念していることは、先ほど公述の中でも申し上げましたけれども、今回できる国家情報会議、そして国家情報局のその活動を規制する、どのような情報を集めてよいのか、どのような情報を集めてはならないのか、どのような活動をしてよいのか、どのような活動をしてはならないのか。政治、政党に仕えるような行為をしてはならないとか、警察組織との間で明確な分離を図らなければならないというのは、ドイツなどでははっきり規定されております。  そういう作用法的規制というふうに行政法的に言いますけれども、組織法を作っただけではなくて、作用法的な規制が必要なのではないか。そういうものを諸外国では時間を掛けて作ってきているところがありますので、その成果を見た上で、僕が一番進んでいるなと思うのはオランダの制度で、こういう制度をつくるときに国民投票までして、そしてそこで出た意見に基づいて事前と事後のかなり独立性の高い機関をつくり、そして国会にもその監視機関を置き、そして裁判所までかませているんですね。そういう制度をつくるということによってかなり懸念は解消されるのではないかと思います。  この国家情報局、国家情報会議を設置しない場合の御質問がありましたけれども、実は私、いろいろ調べてみたんですが、対外情報局みたいなものは確かにG7の諸国でつくっておりますけれども、国家情報局のような制度は余りないと思うんですね。アメリカの場合はFBIというのがありますけれども、あれは捜査機関なんですね。確かにイギリスにはMI5という非常に似た制度がありますけれども、ドイツの連邦情報局というのも、これも対外的な活動をする組織であって、国内についてはテロリストがいないかどうかということを監視する憲法擁護庁という組織しかないという。  そういう意味で、やっぱり国家情報局のような非常に大きな権限を持った組織を国内向けにつくるということについてはかなり危険性があるのではないかなと。犯罪行為を行うような人がいないかどうかということについては警察組織というものがあって、警備公安警察などもあってちゃんと管理されているでしょうし、公安調査庁という組織だってあるわけです。  それに対して、どうして国内向けに国家情報局、国家情報会議というものが必要なのかというところは、世界のこういう制度を横串にして並べてみても、ちょっと僕は、まあMI5はあるんですけど、MI5のような組織はあるんですけれども、なくてもやれるんじゃないかなという感じがしております。  以上です。

今井絵理子 自由民主党・無所属の会

○今井絵理子君 ありがとうございました。  私は、国際情勢がやっぱり大きく変化する中で、国家として必要なやっぱり情報を集めて分析して政策判断につなげるこの機能を高めていくということは、国民の命と暮らしを守る上でこれ避けて通れない課題なのではないのかなと思っています。  ただ、先ほどいろんなやっぱり懸念点がございました。それはやっぱり解消していくことも私は必要だと思っておりますし、あと、やはりこのインテリジェンス機能を強化するということは、決して国民を監視するためのものではなくて、私はやっぱり国民を守るためのものではならないと、守るもののインテリジェンス機能なんだということが必要なのだと思っております。  本日は参考人の方のいろいろと意見を聞かせていただいて、我が国にとって本当に必要なインテリジェンス体制とは何かというものを、またここから委員会で建設的な議論を深めてまいりたいと思っています。  本日はありがとうございました。

塩村あやか 立憲民主・無所属

○塩村あやか君 立憲民主党の塩村でございます。本日はよろしくお願いいたします。  お三方それぞれにお伺いしたいんですけれども、まず北村参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。  資料をいろいろいただいておりまして、参考人はインタビューで、将来、対外情報機関を創設する場合には、特定秘密保護法の制定時に設けられた情報監視審査会がオーバーサイト、つまり監督、監視の役割を担うという趣旨のことを述べられておられました。一方で、今回の国家情報会議については、政府は監督や統制の仕組みまで明確に答弁しておらず、将来的な検討課題という趣旨の答弁にとどまっている状態です。  しかし、国家情報会議も、各省庁の情報を集約をして分析をして、そして政府の意思決定につなげる中枢的な機関であると私は認識をしております。そうであれば、対外情報機関については情報監視審査会によるオーバーサイトを想定する一方で、国家情報会議については監督や統制の在り方、この法案の中で、私、明確にしていった方がいいのではないかという疑問を持っております。  そこで、お伺いをいたします。  参考人は、国家情報会議を設置するのであれば、その設置と同時に監督、監視の仕組みも制度化すべきではないかとお考えなのかということ。  そして、もう一点なんですが、対外情報庁やスパイ防止法制定の、そういった議論もやっぱり出てきているわけなんですね、聞こえてきます。これ、国論を二分するという形になってくると思うんですが、そうなったときに、先送りをされるとか決まらないということも十分にあるというふうに私は思っているんですが、今回この国家情報会議だけが先行して運用されていくと、国民の不安は、この国家情報会議についても統制とか監督の視点で残ってくるというふうに思うんです。そのため、少なくとも施行後二年から三年以内に、この国家情報会議ですよね、国会の定期報告や監督機関設置につけて方向性を、ちゃんと設置するんだという方向性を定めておく必要があるのではないかというふうに考えるんですが、参考人の御意見、二点、お伺いしたいと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、国会のオーバーサイトの関係でございますけれども、これは、平成の二十六年の特定秘密保護法の制定、それからまた情報監視審査会の設置に関する国会法の改正、いずれも関係をしましたですけれども、この際に、対外情報機関ができる場合においては、要するにオーバーサイトの在り方について検討するというような附則だったというふうに考えております。  したがって、この国会についてのオーバーサイトについては、まさに国会の御判断でございますので、それは対外情報庁の場合においては行われるんだろうということでありますが、今回は、先ほど申しましたとおり、基本的に民主的統制という観点では、ほとんどが国会議員であられる閣僚によって構成される会議体といったものがこの情報活動をある意味統制すると、これは広い意味で民主的統制だというふうに思っております。そういったことで今回の法案といったものが策定されたものと、かように考えております。  それから、今井先生のちょっとお話で、若干、海渡先生がこの国家情報局類似のものは世界的にないというお話がされましたが、これはあえて言わせていただきますと、国家情報局は情報を収集するための機関ではないわけでございます。ある意味で政策決定者とインテリジェンスコミュニティーといったものをどのような形で接続するかということでありまして、その観点から申しますと、米国においてはODNI、国家情報長官オフィス、それからまたイギリスにおいてはJICですね、それからまたオーストラリアにおいてもONIという形の機関が設置されているということでありまして、昨今の情報機構改革の一つの流れということの中においては、MI6を取り入れるようにという御議論もいろんなところでございますが、基本的には、我が国の同盟国、同志国が昨今行った情報とそれからまた政策の分離、そういったもの、それからまた情報機関と政策決定者の有機的な連携といったものを図る国際的な情報機関改革の一つの流れの中にあると、かように信じているところでございます。  申し訳ございませんでした。

塩村あやか 立憲民主・無所属

○塩村あやか君 ありがとうございます。  私は、やはり国民の皆さんが心配しているのであれば、この国会審議の中で歯止めであるとかそうしたところはしっかりと議論して、ピン留めしておくことが必要ではないかなというふうに考えている立場でございます。  次に、小谷先生にお伺いをしたいというふうに思います。  先ほど明確な問題点を御指摘いただきまして、本当にありがとうございました。私もそのとおりだというふうに思うんです。  朝日新聞のインタビュー、読ませていただきました。国家情報会議、情報局については、首相自身がもっと説明をする必要があると、そして国民の理解を得る努力は欠かせないというふうに述べられていらっしゃいます。そして、ほかの新聞の記事、産経だったと思うんですが、対外情報庁の創設は最もハードルが高くて、国政選挙で国民の信を問う必要があるという趣旨を指摘されているというふうに思います。  そこでお伺いしたいんですが、参考人は本法案に賛成とのことなんですが、今回の国家情報会議、国家情報局についても、政府による説明や国民理解の形成は十分とは今言い難い中で、更にその先にある例えば対外情報庁、先ほどから出てきておりますけれども、そしてスパイ防止法の議論に進むということは、制度の進め方として今順調にいっていると言えるのかどうか、適切であると言えるのかどうかという点でございます。その前提として、先ほど総理の説明がもっと必要だということだったんですが、最低限何が求められるのか、先ほど二点の指摘も踏まえて、端的に御意見を改めて伺いたいと思います。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) まず、今回の国家情報会議と国家情報局の設置というのは、今後の日本のインテリジェンス改革の議論のために必要だということであります。  報道されていますように、現政権は今後、スパイ防止関連法でありますとか対外情報庁構想をしておりますけれども、そもそも、これまで日本政府の中にこういったインテリジェンスの政策に関わる議案を審議、検討するところがなかったというのが実情であります。ですので、今回設置されます国家情報会議においては、こういった将来的なインテリジェンス改革について議論できる場をつくるというのが私はまず優先順位として上げられるべきと考えておりますので、順番として私はこの今の順番でいいかというふうに考えております。  ちょっと私、対外情報庁設置のために国政選挙をすべきだといった種の議論はちょっと発言した覚えが、記憶にございませんで、ちょっとその点については何とも申し上げられないんですけれども、ただし、やっぱり各改革につきまして、時の政権の説明ですね、これはやはり国民に対しては積極的に行われるべきだというふうに考えております。  ですから、今回の国家情報会議、国家情報局の設置についても、やはり総理若しくは官房長官のもっと明確な具体的な説明というのがなされるべきだというふうに考えておりますし、それは今後のいろんな改革においてもやはり政治説明というのは必須になってくるというふうに考えております。  以上でございます。

塩村あやか 立憲民主・無所属

○塩村あやか君 こちら、いただいた資料の中に、先生のインタビューの中にしっかりと書かれておりまして、また後ほど御意見伺われたらと思うんですけれども、先ほど御指摘いただきましたやっぱり運用上の透明性というのは、私は非常に重要だというふうに思っております。御意見ありがとうございます。  海渡参考人にお伺いをしたいというふうに思っております。  資料、分厚いのを今いただきまして、本当にありがとうございました。各国の制度や仕組み、歯止めがしっかりと書かれているというふうに思っております。  海外では、情報機関や情報コミュニティーに対して、独立監察や議会監督や報告の制度など、何らかのチェックの仕組みが置かれているという状況だと思います。一方、本法案について、政府は組織法であるというふうに説明をしているんですけれども、情報を集約、分析をする中枢の組織である以上、やっぱり組織法であったとしても、統制や監督を後回しにしていいとは言えないのではないかというふうに考えております。  本法案の審議の過程でも、先ほども申し上げたんですが、その歯止めの仕組みというものはまだ明言されておりませんで、この本法案成立時に、今、今日もたくさん傍聴にいらっしゃっておりますけれども、皆さんが御懸念されている点というところがクリアにならないと、政治の不信にもつながっていくのではないかと。  一方で、この委員会質疑を見ていても、インテリジェンス機能についての明確な反対をしているような委員はほとんどおらぬというふうに、いないというふうに思っておりまして、やっぱり制度をつくるのであれば、しっかりと歯止めをつくるというところがセットであるというところが見えないと不安なんだというところが一番の懸念点、問題点なんだろうというふうに思っております。ですので、組織法であると言っておりますが、それを後回しにしていいと言えるのかという点がまず一点と。  そして、海外制度との比較から見て、重複するかもしれませんけれども、組織を先行して統制は将来検討するとの今回の立法手法は、国民理解の点から見ても適切なのか、そして海外の点から見ても適切なのか。安心のために、国民の安心につながるために参考になる事案やアドバイスがあればお伺いしたいと思います。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) ありがとうございます。  私は、後回しにすべきでないと思います。各国の、先ほど僕が説明したような法制度というのは、全て組織を定める組織法の中に定められている。どのような活動をしてよいのか、どのような情報を集めてよいのか悪いのかといったことをちゃんと決めた上で、そのような法規制が守られているかどうかを監督するために監視・監督機関をつくるという立て付けになっていると思うんですね。  確かに、韓国の先ほど国家情報院の話をしましたけれども、これも最初からその規制があったわけではないです。いろいろ不都合なことが起きて、そういうことが起きないようにということで恐らくドイツやオランダの制度を導入してきて、ああいう法制度を二〇二〇年につくられたんだと思うんですね。  だけれども、日本はこれからこの国家情報局をつくろうというんですから、やっぱり最初から弊害が起きないように諸外国の例に倣ってきちんとした歯止めの掛かった、簡単に言いますと、どういう行為をしてよいのか、どういう情報を集めてよいのか悪いのか、それがきちんと実定法で法規範として決まっていて、それを独立の立場で、事前、そして事後、そして議会、そして司法もかませてやるというような、能動的サイバー防御に関してできた制度は、僕はまだ機能始めていませんから評価はできませんけれども、高裁の長官を委員に据えたといったところからも非常に僕は期待はしているんですね。だけど、あれは本当に限られた権限しか持っていないので、同じような機関がもっと幅広い権限を持って設置されることを強く願っております。

塩村あやか 立憲民主・無所属

○塩村あやか君 最後にもし時間があればお伺いしたいんですけれども、今の話を聞いていて思うのは、やっぱり制度、仕組みをつくるときに、今回の法案、そして歯止めがセット、この両方のセットであれば賛成、セットであったとしても賛成か、北村参考人と小谷参考人に短くお伺いしたいと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 私の理解では、基本的に今回のものについては、民主的統制の側面といった、もう既にセットとして入っているということだろうと思います。  それから、二つ目でございますけれども、立法の順番については、これ外国のものを見ても、作用法ができる前に組織法作っちゃまずいということは必ずしもないのかなと私は思っておりまして、例えば、先ほど申しました国家情報長官室、ODNI、アメリカでございますが、これは九・一一の反省に基づいてということでございますし、それからまた、我が国でも有名なNSCとかCIA、これも国家安全保障法に基づいて設置されているということでございますから、やはり国がどういった方向で作用を強化していくかという意味において、組織法を先行させるということは無意味なことではないと、かように考えております。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 私も同じ考えでありまして、もう既に国家情報会議を設置するということで、ここで民主的統制がセットで入っているというふうに考えておりますので、私は基本的には賛成の立場でございます。

塩村あやか 立憲民主・無所属

○塩村あやか君 残り数十秒なんですが、賛成のお立場の二人からするとセットでなくてもいいというふうに取れますけれども、やっぱり大きな転換点でございますので、国民の理解がある方が私はいいのではないかと考えておりますので、海渡参考人の意見も参考に、引き続き、国民の皆さんの疑念が晴れるような国会審議、行っていきたいと思っております。  今日は本当にありがとうございました。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。  本日は、参考人の質疑ということで、お三方の皆様からの示唆に富む御教示、ありがとうございました。  まず初めに、北村参考人からお伺いしていきたいんですけれども、基本理念と民主的統制について伺います。  これまでの質疑にも入っておりましたけれども、国家情報会議設置法案において、政治的中立や民主的統制、また国民の自由と権利の尊重、こういった基本理念が条文に明記されていないという点について、政府は、組織法であるのでということで説明をこれまでされてきております。  しかしながら、手前どもで申し訳ありませんけれども、国民民主党が、インテリジェンスに係る態勢整備法案、これ衆議院の方で否決をされたものでありますけれども、インテリジェンス態勢の整備に当たっては、民主的統制や国民の権利への配慮、これを制度的に担保することは不可欠であるという立場で明確にさせていただいております。  こうした考え方に照らしたときに、今回の法案に基本理念を明記しないというこの政府の整理、どのように評価をされているのかというところの率直な見解を伺いたいというのと、もう一つ、インテリジェンス機能の強化と並行して、国会による関与、またこの統制の仕組みを整備することが重要だというふうに考えておりますが、参考人は、年次情報評価書の作成と国会報告の必要性にも言及をされております。こうした実効的な民主的統制を担保するための、確保するためのどのような制度設計が望ましいかというところを伺えればというふうに思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、私も長く役人をやっていたので、おまえの考え方は古いと、こう言われる可能性もあるかと思います。  基本的に組織法の今回改正でございますので、基本的に国民の権利、自由との関係の記述はないという整理だというふうに思います。  そういったところに基本的に憲法の尊重義務であるとかそういったものを書き込むことが多いのかというと、私、実は、オウム新法でございますとか、それからまた特定秘密保護法とか、こういったものの策定にも関わってきましたけれども、こういったものには、例えば報道の自由の尊重とか、そういった規定が入ってくるということであります。  したがって、今回そういった規定が入らないのは、まさにそういった基本的に立法技術上の問題であろうと、かように考えているところであります。  また、国会の統制については、先ほど申しましたけれども、特定秘密保護法の制定に伴います情報監視審査会の設置に伴う附則の関係もございますので、国会においてどのような形でこういった組織、それからまた作用についてオーバーサイトしていくのかと、これはまさに国会の方でお決めいただくことと、かように私は理解しております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  続いてなんですけれども、北村参考人、小谷参考人にお伺いしたいと思います。  安全の確保という点、観点からです。  この国民民主党の先ほどの法案なんですけれども、国が、インテリジェンスに従事する者及び協力者の安全確保、これに必要な施策を講ずることを明確に規定しておりますが、少し時間軸は先になるというふうに思いますけれども、こうした具体化のところなんですが、例えば、その任務の性質上、身分を秘匿する必要がある職員に対する仮装身分だったりとか、それに基づく公的書類の発行だったり整備だったり、また国内外におけるセーフティーハウス、こういったものの整備が必要ではないかなというふうに思いますけれども、こうした安全確保措置について、その必要性と制度化の妥当性、どのように評価されるのかという御見解と。  また、これらの制度は有効である一方で、権限の濫用、また国民の信頼との関係といったリスクも大変内包している問題だというふうに思っていますので、このリスクとのバランス、有効性とリスクとのバランスというところをどのように考えて制度設計を進めていくべきかというところを御見解をお伺いできればというふうに思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、安全確保の面でありますけれども、これは非常に重要なポイントであろうというふうに、先生御指摘のとおりだというふうに思います。  特に、情報機関が情報源をいかに守っていくかということについては、これ非常に全力を尽くしてやっていかなければいけないと。現在、我が国の情報機関でそういったプリンシプルが十分守られているかどうかという問題はまた別途あるというふうに私は実は感じておりますが、そういった中で、実際にそういった任務に当たる職員の安全の保護、これも極めて重要だというふうに思います。  そういった意味で、既に警察等においては偽装身分といった形での捜査が始まっているというところでありますけれども、それに劣らない形で危険に身をさらすことというものはございますので、そのための措置といったものは是非、私は制定していただければ、それぞれ任務に当たる職員の安全の確保といったものに資するものと、かように考えております。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 私も、その情報収集の段階におきましては、そういった職員でありますとか情報提供者の安全の確保というのはこれは必須だというふうに考えておりますけれども、ただ、今回は国家情報会議と国家情報局の段階ではまだ情報収集までは想定されておりませんので、こちらは将来的な課題になるかというふうに考えております。  あと、国民の個人情報に係るリスクにつきましては、この今回の設置法案を見ましたところ、基本的に今回、国家情報会議は、いわゆる重要情報活動、いわゆるインテリジェンスに関わる情報と、もう一つは外国政府機関の活動に対抗するための情報、この二点の情報のみしか扱わないというふうに明記されております。ですから、そこに基本的には何か国民のプライバシーに関わる情報については基本的には扱わないということになっておりますので、私はこの立て付けで基本的には問題ないのではないかというふうに考えております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  続きまして、インテリジェンス機能の強化に伴って情報保全体制にまつわる質問をさせていただきます。ここについても、北村参考人と小谷参考人にお願いします。  インテリジェンス機能の強化に伴って情報の集約が進む中で、施設設備、また先ほど人的規模という話ありましたけれども、この点での情報保全の強化というのは不可欠だというふうに考えております。  今、インテリジェンス体制全体の信頼性の確保というところも重要で、この強固な情報保全体制というのが求められるんだというふうに考えています。現在、内閣情報調査室の体制を前提とした場合に、これで今の時点で十分なのかというところがあると思います。抜本的な強化が必要ではないかという御意見もこれまでも出てきておりました。人的な保全等の観点としても政策決定に関与する、また、政務三役を含めた適性評価の在り方も重要な論点かなというふうに思っています。この二点についてお伺いできればというふうに思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) そのような御指摘をいただいて、非常に心強く思っております。  二〇一三年に特定秘密保護法、まさに保全体制の強化ということで、これ、安倍内閣のまさに安全保障政策を強化する上において、そういった情報の交換がなされないという状況をいかに打破するかということで取り組ませていただきました。  そういった中で、現在、特定秘密保護法の施行については、既にその制定後、直後からですけれども、内閣情報調査室が保全等についての、人的な適性評価についてのオーバーサイトだけではなくて、物的な資料の閲覧等についてもどういった状況になっているのかということについての総合調整の任に当たってきているというふうに承知しています。  さらに、民間部門に更に広がるような形で重要経済安保情報保護活用法といったものが成立しましたけれども、そういった観点においても、民間も含めて保全体制の強化といったものがインテリジェンス能力を強化するという意味では重要ということを申し述べておきたいと思います。

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) 参考人に申し上げます。挙手をお願いいたします。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 今、北村参考人の方から説明がありましたように、情報保全につきましては、既に二〇一三年の特定秘密保護法の導入によって、国の情報、機密を保全することについては既に制度は確立されているというふうに考えております。  今後の課題は、こちらも今、北村参考人の方から説明がありましたように、重要経済情報安全、安保法です、保護法ですね、において、民間企業にも今後クリアランスが与えられるということになりますと、今度は国の情報を民間企業も共有する可能性が考えられるわけです。そうなりますと、今度は国の情報が民間企業を通じて漏えいするような事態も想定されますので、その場合、やはり企業、民間企業の保全体制をどうしていくかというのが今後の改善点といいますか、議論しなければならない点になってくるかというふうに考えております。  以上でございます。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  最後の質問にさせていただきたいと思いますが、小谷参考人と海渡参考人にお伺いできればというふうに思います。国民理解と信頼というところになります。  国民民主党の法案においては、インテリジェンスに対する国民の理解を増進し、信頼を向上させるための活動概要や成果の公表というところを求めております。インテリジェンスというのは秘匿性に、これを本質としつつも、民主国家においては国民のやはり理解と信頼の上に成り立つものだというふうに考えております。インテリジェンスに対する国民の理解、そして信頼の向上、この重要性について参考人の基本的な認識をお伺いできればというふうに思います。  ちょっとそこに加えてなんですけれども、先ほど小谷参考人からは成功事例の公開についても話伺いました。その意義と限界、またさらに、成功事例の公開以外に国民の理解を深めるための有効と考えられる具体的方策について伺えればというふうに思います。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) まず、繰り返しになりますけれども、やはりその政治説明、政治家による説明というのが大事になってくると思います。どちらかといえば、やっぱり今、国民とか世論感情の反発に配慮して、もう粛々と進めたいというような方針で今進められているふうに私には見えますので、やはりこちらはきちんと政治家が国民に対して、なぜこれをやるのかということを説明するという必要性があると思います。  もう一つは、やっぱり、先ほど私もこれ述べさせていただいたんですけれども、今回の国家情報会議の議題、内容は、恐らくは特定秘密に指定されると。そうなりますと、これは国会の審査会の審査対象となるということになりますので、そうなりますと、審査会が毎年発行しております年次報告書の中に、国家情報会議でどのようなことが、まあそんなに中身は書けないとは思いますけれども、どういう議題が論じられたかみたいなことについては報告書の方で説明責任を果たすということが私は妥当かというふうに考えております。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  国民の理解と信頼を得るために重要なことは、事後的にでもあっても、どういう活動をしているかということが明らかになるということが非常に大事だと思います。諸外国では、一定の秘密であっても、年限を限ってそれは必ず明らかになる。日本の制度でも明らかになる道はあるんですけれども、アメリカの場合には必ず、時間が掛かる場合もあるんですけれども、その情報が明らかになるという制度があります。  あと、問題となる、成功事例も公表していただいていいんですけれども、失敗事例、問題の事例、例えば大川原化工機事件であるとか、最近でいうと大垣署事件とか、そういう事件があるわけですけれども、これについてどこに問題点があったのかというのをきちんと第三者的な立場で検討して問題点を指摘して、それを改善する点はどういう点にあるのかという、そのことがまさに私が先ほどから提言していた第三者機関がやるべきことなんですけれども、そういう制度をつくっていただきたい。それによって、少しずつでもあっても制度が改善されていくんではないかというふうに考えております。  以上です。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 更に議論を深めさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

司隆史 公明党

○司隆史君 公明党の司隆史です。  本当に、今日の御意見交換が、この場自体が国家情報会議・局設置の一番重要な場になっているのではないかなというふうに私も感じておりまして、本当にありがとうございます。  私からも、かぶる部分の問題意識というのがありまして、やはりなぜ今なのかということ。実際、個々人のプライバシーが保護されるのかどうかという御不安のお声が多数いただいております。  今日、小谷参考人の方から、一九五二年の議論があって、七十年ぶりと、七十年経た議論を今しているということがあったんですけれども、やはり国民の皆さんがこういった議論に慣れていない、また情報、材料がない、どう判断すればいいのか。いろんな声があれば、それにそうなのかどうなのかというのがやっぱり今の現状なのじゃないかなというふうに思っておるんですけれども。  改めて、今のこの日本が、七十年というお話がありましたけれども、北村参考人、小谷参考人にお伺い、海渡参考人にもお伺いしたいんですけれども、日本のこれまでインテリジェンス議論がそこまで進まなかった改めてその理由と、また、それを今始めようとしていることにおいて、説明だけで乗り越えれるようなレベルの話なのか、きっちり時間を掛けていくべきではないのかというふうに感じる部分がありまして、これまでの日本のインテリジェンスの進まなかった原因と、これ今後進めるに当たってどのような観点が大事なのかというところをお三方にお伺いできればと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 私は、この国家情報局、それから国家情報会議設置法で、ある日突然インテリジェンスの議論が沸き起こったというふうには考えておりません。国家の構成要素というのはDIMEというふうに言われていますけれども、戦後のこの国の形というものがあって、確かに、内閣情報調査室以外は、情報を専らにする機構といったものは我が国には存在しなかったと。これはまさに戦後の我が国の形に規定されたものということでありまして、なぜ議論がなされなかったのかということはそこにも起因するということだろうというふうに思います。それが一番目のお話です。  二つ目は、やはり各政党におけるこのインテリジェンスに対する問題が非常に高くなってきたということがあると思います。どこの政党というふうには申し上げませんけれども、やはり今後インテリジェンスといったものをどのように考えていくのかと。これは先ほど申しましたけれども、国家情報会議につながる話でありますが、政治によるインテリジェンスの統制というものについて各政党が強い関心をお持ちだということが一つ大きな推進力になっているというふうに思います。  そして、なぜインテリジェンスなのかということを申しますと、先ほど、いわゆる作戦と情報の違い、作戦軽視というふうに言われましたが、今様々な形で世界で生起している軍事オペレーションありますけれども、これは、見えない分野で戦場形成をいかにするかということによって最終的にはその戦闘の成否は決まるということであります。  そこで重要なのは、まさにインテリジェンスでありますし、それからまた電磁波の分野ということでありまして、そういった極めて厳しい現在の安全保障環境といったものを考えた場合に、いかに我が国の、テクニカルインテリジェンスを含めた形でありますけれども、インテリジェンスを統合していくのかと、それを政策に反映するのかということが重要になってきていると。それがまた政党の様々な関心といったものも呼び起こしていると、かように認識しているところでございます。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) まず、なぜ今なのかという御質問に対してでありますけれども、急にこれインテリジェンスの改革の話が出たというわけではなくて、これまでもずっと政府の中ではいろんな検討がなされてきました。  特に、インテリジェンスを集約するためにいろんなこれまで運用上の工夫というのがなされてきたわけでありますけれども、やっぱりその限界が見えてきたということが一つであります。  もう一つ、やっぱり二〇一三年に国家情報局と国家安全保障会議がつくられたときに、こちらはちゃんと法律で各省庁の情報協力の点を明確化したわけですね。ですから、今回はもう運用では限界だということで、NSS若しくは国家安全保障会議に比例するようなものをインテリジェンスの分野でつくるということでありまして、これはそんなに変な、何というか、唐突に出てきたというような印象を私は受けておりません。  もう一つ、やっぱり近年になりまして、サイバー空間、こちらがインテリジェンス、主戦場になりつつありまして、各国のインテリジェンスが、主にサイバー空間におけるサイバーセキュリティーでありますとか偽情報対策ということを担うようになってきました。日本もこれを早急に対応が求められているわけでありますけれども、旧来の仕組みではなかなかこういった新領域に対応できないという状況がありまして、今回、国家情報会議をつくって早急にこの分野でどういう対応をすべきかということを検討するためにも、私は国家情報会議の創設が必要だというふうに考えております。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  まず、先ほど緒方さんという方の名前が出ました。この情報局を戦後つくろうとされた方ですね。この方は、朝日新聞の編集局長をされていた方ですけれども、この方は、満州事変が起きた直後に、当時の陸軍参謀本部の作戦課長であった今村さんという人から、これは謀略であるということを打ち明けられているんです。しかし、そのことを戦争が終わるまで報道しなかった人なんです。その方が、戦後もまた情報局をつくろうというふうに言われたというようなところから不信感があったのではないかということと、もう一つ、後藤田正晴さんという方がいました。  後藤田さんは北村さんの大先輩で、公安警察出身の大政治家ですけれども、彼は、日本に情報機関をつくるべきではないかというふうに言われたときに、そういうものがあったらいいなというふうに朝日新聞の記者のインタビューに答えているんですけれども、しかし、それはもろ刃の剣なんだよなと、どうするかというふうにすると自分も迷うんだというふうに言われています。ちょっと現物が今はないのでうろ覚えで言いましたけど、恐らくそういうふうに言っていると思うんですね。それは、戦後の自民党政権の下で情報局をつくらなかった、非常に真摯にこういう問題考えてこられた政治家の意見だというふうに思っております。  やっぱり、日本国憲法の下で、情報局を持つということについては慎重だということが戦後の政治の中で選ばれてきたのではないかというふうに私は考えております。

司隆史 公明党

○司隆史君 ありがとうございます。  お三方の、そのインテリジェンスに対する必要性ということについては否定はないかと思うんですね。やはり、この激変する国際情勢において、サイバーのお話もありましたけれども、どう立ち向かっていくかという問題意識については共有されていらっしゃると思うんですけれども、あえて賛成のお二人にお伺いをしたいんですけれども、やはり懸念としては、海渡参考人がおっしゃったように、組織法であっても歯止めを掛ける、オランダの例を例に取られまして、国会、地方での歯止め、チェック、監督ということが必要だと。  お二人の、賛成のお二人の記事を読ませていただくと、やはり今後の作用法の部分においては、かなりきっちりとそういうものを取り組んでいく必要があるということの御認識は読まさせていただいているところでありますので、改めて、今組織法の話ですけれども、作用法においてしっかり歯止めを掛ける、チェックを掛けるということに対しての必要性を、賛成の立場であるけれども、やはりそういった面が改めて重要だというところを御表明いただければうれしいなと思いますが、いかがでしょうか。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 先ほどの後藤田正晴先生の、朝日新聞ですけれども、私も何度も読ませていただきました。  若干、海渡先生と私、パーセプションが違っていて、そこでは明確に情報機関の設置を反対はされていないというふうに読みました。基本的に後藤田先生は、我が国の憲法体制といったものは専守防衛であるということをそこで明示的に述べられています。その上で、いかに情報機構があるべきかということで、長い耳を持った国にならなければならないということをおっしゃっています。  それからまた、必ずしも後藤田先生は警備公安部門が長かったというふうに私は認識しておりませんが、やはり戦時中における軍との関係において、専守防衛を旨とする我が国の憲法においてどういった対外情報活動が必要かという中において、謀略はいかぬよと、先ほど先生の中からもそういう話がございましたけれども、そういったことが発言として読み取れたということを申し上げておきたいと思います。  そして、作用法の部分について歯止めの問題ということがございましたけれども、これは様々な立法技術というものがあると思います。それはまさに、その当該作用法が国民の権利、自由とどの程度関連するかという中においてそのチェック・アンド・バランスといったものも決まってくると、かように認識しております。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) チェック体制につきましては、今回の国家情報会議創設は、基本的にはこれ行政府によるチェック体制をつくるということだと思います。G7諸国ではこれに、行政府によるコントロールに加えまして、あと立法府ですね、議会による統制、監視というものが行われていると。日本にも国会の監視審査会というものが既に存在しておりますけれども、これは特定秘のみに限定した監視を行うということになっております。  ですから、今後、日本のインテリジェンス体制が拡充されていく中で、本当にこの特定秘密だけの監視でいいのかというところは議論すべきだというふうに私は考えておりますし、可能であれば、そういった審査会の権限を、監視権限を強化していくということも検討される必要があるというふうに考えております。

司隆史 公明党

○司隆史君 ありがとうございます。  最後にもう一つ。  あえてこのインテリジェンスのこの国家情報局・会議を、まあ今回の議論で、はい、できましたという話ではなくて、やはり持続的に、永続的に、PDCA回しながら、いいものにしていく必要があると思うんですけれども。  小谷参考人にお伺いしたいんですが、記事の方でも、切れ目、やはりそういう制度の上で、政治的指導者がそこをどう持続可能なものにして、具体的には、内閣総理大臣、官房長官含めた、人事で人が替わろうともきっちりと教育をしていく必要があるというお話をしていただいておりました。また、インテリジェンス機関が持続的に、人事でどんどん変わるのではなくて、しっかりとその精神というか信念のものをしっかり受け継いでいく必要があるというところが私も大事だなというふうに思っておるんですけれども、とはいえ、その監督する人というのが替わっていくかと思うんですけれども、どのように持続可能なインテリジェンス機能を強化しながら、いいものにしていくためにどうしていけばいいかというのはどのようにお考えでしょうか。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) まず、これは、政治の側がインテリジェンスを使いこなすという意識を持たないといけないというふうに考えております。  これまでの歴代の日本の政権というのは、総理になってから初めて情報官がやってきて、情報ブリーフィングを受けていろいろやり始めるわけでありますけれども、結局、慣れてきたごとに皆さんお辞めになってしまって、また新しい方がやってきて、それの繰り返しということが延々繰り返されてきたわけであります。  ですから、今回、国家情報会議というものを創設して、これは総理以外に各大臣、関係各大臣が入ってくるわけですよね、そういった大臣の中には、将来の総理になられるような方も恐らくは参加されることになるというふうに思いますので、そういった情報会議で情報が上げられて、それを基に審議するということが習慣として日本に根付いていって、将来的にはその情報会議を経験した方が総理になられるということが私は理想的な形じゃないかというふうに考えます。

司隆史 公明党

○司隆史君 本当に、意見交換をするたびに本当に深まる議論だなということを改めて実感をさせていただいております。引き続き、参議院でも深めた議論を続けさせていただきます。  以上です。ありがとうございました。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  今日は、お忙しい中、三人の参考人の方々には御出席を賜り、また、それぞれのお立場、御経験を基に貴重な御意見を頂戴しまして、その点、私からも感謝を申し上げたいと思います。  私どもは、改めて言うまでもありませんけれども、これだけ日本を取り囲む国際状況が、安全保障環境が変わる中で、この状況、このことを踏まえれば、やっぱりインテリジェンス機能を向上させていく必要がある、また情報軽視はもうもはや許されないというふうな考え方に立ちます。  したがって、この法案の成立を第一歩として、しっかりとこの体制を、戦後八十年、劣位に置かれてきたインテリジェンス政策、体制というものをしっかり見直していく必要があると、そういう考え方に立つわけですけれども、そういう観点に立って具体的なことをお聞きをしてまいりたいと思います。  まず最初に、北村参考人、小谷参考人にお尋ねをしたいと思いますが、やっぱりこのインテリジェンス機能を向上させていく上では、いろんな制度、仕組み、器をつくることはもちろん大事ですけれども、そこに関わるやっぱり人材、人に問題がやっぱり帰着するんだろうと思っています。  そこでお聞きをいたしますけれども、この国家情報局プロパー職員の育成に当たっては、やはりこれ専門的な能力を習得させるための高度な教養訓練が不可欠だと思いますが、この外国の情報機関などとの交流や連携も含めてどのようなものが必要だとお考えになっているか。  一方で、この待遇や評価というのは、これ一般の公務員とはまた別の考え方に立たなければいけないのではないか、その職務の特殊性からいっても。したがって、そのインテリジェンスに関わる人材の待遇であったりその評価、職務評価の在り方、これはどうあるべきだとお考えになっていらっしゃるか、北村参考人、小谷参考人にお聞きをしたいと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、人材の育成でございますけれども、これ非常に一つの難しい問題だということを申し上げておきたいと思いますが、ただ、一つの学校をつくればそれでいいのかということでは全然なくて、例えばそのシグナルインテリジェンス、イメジェリーインテリジェンス、それからヒューミント、それから電子戦も含めてということになってくると思いますが、やはりそれぞれのかなりのインテリジェンスというか、その見えない分野における専門知識といったものはかなり高度なものが要求されているということでありますので、そういった意味で、そういった専門知識は、現時点はそれぞれの機関機関において、オン・ザ・ジョブ・トレーニングという言い方はちょっと古いのかもしれませんが、そういった形で養成されているということだろうと思います。  ただ、若干足りていない分野は、やはりその海外における情報活動について、先ほどから御指摘ございましたけれども、いかに安全を守るのかというための様々な方策については、そういった形の実地の訓練といったものが十分できていないかなという気が私はしております。  いずれにいたしましても、それぞれの、これも先ほどから話が出ていますが、各インテリジェンスコミュニティーを形成するそれぞれの機関は、それぞれの特徴があってそれぞれの情報収集をしているということでありますから、今までもそのインテリジェンスについて人材養成がされていないかと、それはそんなことはなくて、それぞれのところで一生懸命やられているということでありますが、更に言えば、やはり全体的な、我が国の情報政策全体についての方針といったものをどういった形で伝えていくかという意味において、上部の養成機関のようなものをつくるというのは一つの考え方かなと個人的には思っております。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 待遇とかあるいはその職務評価の在り方はどうですか。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 職務評価は、これ、私も長くやってきました。基本的に目立っちゃいけないというのが一つ大きくて、逆に言うと、称揚もなかなかできないということがあるということもございます。  そういった意味で非常に難しい部分ありますけれども、ただ、また国家公務員制度全体の中で、基本的には多くの場合、一般職の国家公務員、そうでない公安職の方もいらっしゃるかもしれませんけど、そういった方をどういった形で特殊な任務において評価していくかというのは、これは、給与とかそういう観点かそれ以外の特殊な勤務ということで評価していくのかという、かなり実務的な問題になってくるかなというふうに思っております。  申し訳ございませんでした。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 私は、これ、人材の採用の段階から考えないといけないというふうに思います。今のような国家公務員試験を一律でやって、そこから人材が得られるのかというと、私はやっぱり必ずしもそうではないというふうに考えております。  ですので、例えば外務省がやっていますような専門職採用試験のようなものをやはり考えないと、この分野に向いた人材が採れないんじゃないかというふうに考えます。もちろん、入った後はちゃんと教育訓練もしないといけませんし、できましたら、これも外務省がやっていますように、海外に留学させて、その国で語学などを学ばせるということも必要になってくるというふうに考えます。  人材評価につきましては、これは公安調査庁というところ、こちらが情報に徹した、特化した省庁でありますから、この公安調査庁でやっているような人材評価の仕組みを導入すれば私はいいんじゃないかというふうに考えます。  以上でございます。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 どうもありがとうございました。  次に、ファイブアイズの国々との連携といいますか、お聞きをしたいと思いますけれども、これ、小谷参考人、北村参考人の順でお聞きをしたいと思いますが、この法案の成立を得ることによってこれは国際連携というものが進んでいくものと、そのお話は先ほども言及がありましたが、具体的にどのように信頼関係が高まっていくか、また、連携の在り方はこれまでとどう具体的に変わる、まずはどういうことが変わるかということがあれば教えていただきたいのと、しかし、一方において、この法案を成立しただけでは済まない部分、それだけではまだ残る課題というのもあるんではないかと思われますが、もしあればそれぞれ教えていただければ幸いでございます。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 私の個人的な所感ではありますけれども、少なくともファイブアイズ諸国、つまり日本の同盟国、友好国は、今回の法律を大変これ関心を持って見ております。  私のところにも各国の大使館から話を聞きたいといって呼び出されて、どういうものを日本はやろうとしているんだということを彼ら真剣に知りたがっていますので、恐らくは、やっぱり日本がインテリジェンスを強化して、将来的にはそういった国々との連携を強めたいという思考があると思いますけれども、ただ、これ、組織ができただけで終了というわけにはいきませんので、やっぱり今後は運用面でそういった国際協力をどのように進めていくかというのは、これは組織ができた後に考えるべきことかなというふうに私は思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) これ、どこまで言えるかという話がありまして、ちょっとやっぱり表現には気を付けたいと思いますが、少なくとも米国、それから英国、それから豪州におけるインテリジェンス機関においては、今回の我が国の情報機構改革といったものはもろ手を挙げて賛成しているというのが実態だろうと、かように思っております。それは先ほど意見の陳述でも述べたところであります。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございます。  続いて、じゃ、お聞きをしたいと思いますけれども、これまでの答弁、政府の答弁等の中において、重要国政運営に資する情報の収集調査に係る活動である重要情報活動等の基本方針については、この国家情報会議において調査審議されることになっていきます。  その情報活動を公表することも明らかに答弁の中で出ていますけれども、しかし、安全保障に与える影響を考えると、国民の皆さんにいろいろ御理解をしていただかなきゃならないという観点に立てば公開していくのももちろん大事なことですが、一方で、安全保障に関わることですから、全てを公開をするということはなかなか難しい話だろうと考えます。  だとすると、どういう公表、公開に努めるべきなのか、この辺はどういうふうにお考えになっているか、北村参考人、小谷参考人の順でお聞きをできればと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) これは、非常に秘密情報活動で有名なCIAも、年次報告という情報評価書は出しております。実は、情報評価という形では、現在のインテリジェンスコミュニティーでもそれなりの取組がなされているものと承知しておりますが、これをいかに開示していくのか、我が国のインテリジェンスコミュニティーとして国際情勢をこういうふうに判断するんだということを公開していくというのは一つの考え方だろうと思いますし、それからまた、先ほどから御議論いただいておりますけれども、情報活動といったものを国民の方々に理解していただくという観点でも非常に重要ということだと思います。  ですから、そういった方向性というのは一つの在り方だと思いますし、今後、国家情報会議といったものがどういった形でその成果物を出していくのかという観点からも検討すべき課題ではないかなと、かように考えています。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 今回の国家情報会議は既に設置されております国家安全保障会議に準ずるものだというのが私の理解でありますので、そうなりますと、国家情報会議の情報公開については、現在、国家安全保障会議がやっていますような情報会議に準じて行われるべきだというふうに思います。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 どうもありがとうございました。  続いて、海渡参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、先ほどもお話をしましたように、触れましたように、やっぱりこの日本を取り囲む安全保障環境が大きく変わっていく中で、戦後の初期のときといろいろと全く変わってきていると思います。特に近年の変わりようはすさまじいものがありますし、認知戦であったりサイバーであったり、これまで、かつてはなかった領域も増えてきていると。  そういう中で、国民の安全を守り、国家の国益を守っていくということに当たっては、やはりこのインテリジェンス体制をしっかり向上させ、同盟国、同志国との連携がやっぱり深まっていかなければならない、そのためにはこのインテリジェンスの体制を整備していく。そのことによって、逆に言うと、なければ入ってこない情報もあると思われますね。そのことがかえって国民の命に関わったり財産に関わったりするんではないかと、国の生存に関わったりするんじゃないかと思いますと、やはりこのインテリジェンス政策を、これを皮切りに順次進めていく必要がやっぱりあるんではないかと思っていますが、改めて御見解をお聞きをしたいと思います。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  今まで日本にインテリジェンス機関がなかったわけではなくて、たくさんのインテリジェンス機関があって、そして、北村先生がそのヘッドをされていた内閣情報官、そして内閣情報調査室という機関があったわけですね。私も、そのインテリジェンスという作用が国家において必要だとは当然思います。  しかし、それは適正に行われなければならないし、こういう新しい機関をつくる、それも大きな権限を持った機関をつくるのであれば、やはり、今までのインテリジェンス機関が果たしてきた役割、そしてそこにおいて問題事例がなかったかどうか、そういうことを丁寧に見直して、どういう機関をつくるのか。そして、海外において同じような機関が現実にあるのか。国内の情報機関、そして対外情報庁というようなものでどういうものがあって、そこにどういう法規制がなされているのか。  私の意見書の中ではツワネ原則のことなども一生懸命言いましたけれども、国際原則などもある、そういうものに沿った制度をつくっていかないといけないんじゃないか。そうしないと国民の権利利益が侵害されるおそれがあるということを私は人権を保障すべき弁護士の立場として申し上げたもので、インテリジェンスに関する国の作用というものは現にあるし、それはより良いものにしていかなければいけない。  そういう点では共通の認識を持っているつもりですけれども、それによって今回提案されている国家情報局法案というのはやっぱり足りない部分があるのではないか。やっぱりこの議会、委員会で一生懸命そこに歯止めを掛けるようなことを是非とも議論していただきたいなというふうに思います。  以上です。

柴田巧 日本維新の会

○柴田巧君 ありがとうございました。  お三方には、本当に貴重な御意見をいただいたことには改めて御礼を申し上げて、また、今日お聞きをしたことをこれからの法案審議にまた生かさせていただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

大津力 参政党

○大津力君 参政党の大津力と申します。  本日は、三名の参考人の方々には、大変分かりやすい説明と、また示唆をありがとうございます。  それでは、三方に同じ質問をさせていただきたいと思います。お答えいただく順番を、北村参考人、海渡参考人、小谷参考人という順番でお答えいただければと思いますので、よろしくお願いします。  まず、我々参政党は今回の法案には賛成の立場なんですが、むしろ、今回の法案だけでこの今の日本の情報戦におけるこの日本を果たして守り切れるのかと、むしろ、これでは全然不十分ではないかということを言っております。それを証拠に、今国会においてもいわゆるスパイ防止法の参政党案というのを提出もさせていただいておりまして、そこでは、海外の情報の収集の強化ですとか、また、海外工作から守る防諜、例えば、外国の工作を透明化するために、外国代理人登録制度ですとか、また具体的な摘発、そうした工作活動を防ぐための摘発を含めたもの、また国民の情報リテラシーの向上にまつわるいわゆる偽情報を見抜く力、その一方、やはり参考人もおっしゃるとおり、強力な権限を付する場合には、暴走を防ぐためのやはりそれにふさわしい抑止となる監視機関、いわゆる第三者機関若しくは国会への報告、そういったものも合わせた、そうしたスパイ防止法というのを我々参政党は提出もしております。  その上でお伺いしたいんですけれども、やはり今、我々の、国民の大きな課題として、なかなか情報戦に置かれているという認識が国民の理解としてまだまだ不足しているんではないかと思っているんです。その一つの表れに、特殊詐欺の増加、これは過去最高を記録しておりますけれども、もう年間数千億円の規模で今この被害額が増えておりまして、これもいわゆる一つの情報による犯罪でございますから、情報戦に含まれるものではないかなと思っておりまして、やはり国民の情報リテラシーを向上させることは、こうした特殊詐欺にも対抗できる、そうしたまた防止にもつながることだと思っております。  そうした意味でお尋ねしたいのは、国民の情報リテラシー向上におきまして、まず、現在の国民の情報への教育若しくは啓発、そうしたものにおいて、まず現状で大丈夫なのか、その認識から始めまして、大丈夫でないのであれば、じゃ、どのように教育やまた啓発を進めていけばよいか四つの観点でお伺いしたいんですが、一つ目は、まず義務教育において、二つ目が、義務教育以外ですから、大人等への国民への啓発やまた政府の広報、そして三つ目は、そうしたものを進めるに当たっての注意点、こうしたことは注意しながら進めた方がいい、そして四つ目が、もしモデルとするような国がございましたら、その実例も含めて、参考人の皆様のお考えをお聞かせいただければと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、特殊詐欺の話はちょっとおいておきまして、これはちょっと国家情報会議の議題の範疇にあるかどうかというのはちょっとややあれだと思いますので。  まず一つは、国家情報会議が、一つ大きな、重要情報活動であるとか、それから外国情報活動に対する対処という観点で指針といったものを示していくということであります。もちろん議事は多くの場合は特定秘密になるということでしょうけれども、やはり大きな大戦略といったものは国民に示していくというのが筋だろうと私は思っています。  今、防衛三文書というか国家安全保障三文書を検討されておりますけれども、まさに国家安全保障の根幹となる文書といったものは開示されているわけであります。これも当然のことながら、開示されていい部分とそうでない部分といったものが分けられておりますけれども、そういった政府全体がインテリジェンス政策についてどういった方向に行くのかということを内外に示すということは、これ一つ重要なことだろうと私は個人的に思っています。  それからまた、やはり、インテリジェンス当局が現在の国際情勢をどのように評価しているのかということについても、やはりこれも開示可能な範囲で開示をしていくということも一つのありようだろうというふうに思っています。もちろん、国家情報会議といったものはインテリジェンスが中心でありますけれども、先ほど申しましたとおり、シークレットオペレーションで非常に有名なCIAでも情報評価書といったものが開示をされているわけでありますので、そういった方策といったものは当然、取られていくことによって国民のインテリジェンスについての認識といったものも深まっていくんだろうと、かように思っています。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  情報に関して正確な認識を持つということは主権者としても非常に大事なことだと思いますし、小さい頃からそういう点をきちんと教育した方がいいと思うんですけれども、私は、やっぱり歴史の正確な事実というものを教育の場で教えるということがとても大事なのではないかと思います。  とりわけて言うと、日本の場合は、戦前に誤った戦争を起こしてしまったという歴史があるわけで、そして、その出発点であった満州事変において国家が謀略的に戦争を開始して、そのことについて国民に知らせないで国民全体を欺いたという事実、これは非常に重要なことだというふうに思います。そういったことをきちんと教えていくということが、戦争が起きようとしているときに、それに対して国民が正確な事実に気付くことができるかどうかという点において、すごく大事なのではないかと思います。  モデルということのお話があったんですけれども、そういう面でいうと、ドイツにおける歴史教育というのは僕は非常に重要だと思います。ドイツでは、高等教育のレベルですけれども、ナチズムが勃興してから日々刻々どういうことが起きたのかということを克明に教えて、このときあなたは主権者としてどういうことができたと思うかという教育をしているんですね。これは非常に重要な教育で、同じようなことが日本で起きようとしたときに、主権者としてナチスのような人権侵害体制ができることを止められるかということを教育しているんだと思います。  もう一つ、その外国の影響力ということがその政治決定に反映してはいけないということは、私はそれはそのとおりだと思います。そのことに絞った制度をつくるということがあった場合、外国代理人の規制制度というものが恐らく次に出てくると思うんですけれども、諸外国の例を見ると、ロシアなどは非常に広範なことをやって、それによって表現の自由を完全に侵害した状態になっていますし、アメリカやイギリスやいろんな国の制度を調べました、フランスなども調べましたけれども、いずれもどれも広過ぎるというふうに僕は思っています。  その中で、一つ非常に参考になるのは、ドイツはまだこの制度をつくっておりませんけれども、ドイツも検討しているEUの指令で、民主主義防衛パッケージというのがあります。これは、政治的な行為に限って外国のロビー活動について透明性を確保するという制度で、民主主義の防衛パッケージについては是非検討してみていただきたいというふうに思います。  以上です。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 私も、もう義務教育の段階から、偽情報対策でありますとか情報リテラシーの涵養というのは非常に大切だというふうに考えております。  私も、今勤めています大学で偽情報という回の講義を九十分間やらせていただいているんですけれども、それをやると、大体学生から、そんな話は初めて聞いたみたいな感想がほとんどなんです。ですから、いかにやっぱり今、日本人がそういった教育を受けてきていないかということがよく分かるわけですね。  ただし、その情報リテラシーを身に付けましょうだけでは私、若干足りないと考えておりまして、結局、そのネット上に流れる偽情報は流す主体がいて、意図があってそれを流しているんだというところまでちゃんと説明しないといけないということでありますから、単に表面的な情報リテラシー教育をやりましただけでは、やっぱりこれは本質的にはちょっと根付かないんじゃないかというふうに考えております。  もう一つ、やっぱり国とか企業、民間企業がこの分野に対する啓発をもっと行うべきだというのも全くおっしゃるとおりでありまして、日本は相当遅れているわけですね。アジアだけに限定しても、韓国とか台湾の取組の方がはるかに進んでいると。韓国では、毎日、ユーチューブでファクトチェック番組を流して、その日どんな偽ニュースが流れたかみたいなことをやっていますし、これが結構国民に受けているということなわけです。  ですから、日本はもっと、主に国ですね、この偽情報対策というものの告知若しくは番組を作ってもいいぐらいでありますけれども、そういった動画を作って流すと、国民に対して啓発を行うといった活動が今後大事になってくるというふうに考えております。

大津力 参政党

○大津力君 ありがとうございます。それぞれのお考えがよく分かりまして、大変参考にさせていただきたいと思います。  お時間はあと四分ありますので、もう一問、お二人、北村参考人と小谷参考人にお伺いしたいんですが、先ほど海渡参考人から、外国代理人登録制度が広く解釈されて、いわゆるそれによる弊害というお話がございましたけれども、じゃ、お二人におきまして、これを余りそれを広く拡大解釈されて弊害が招かれないような、そうした何か運用、防止策といいますか、そういった案が、お考えがございましたらお尋ねしたいんですけれども。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 実際に政府がどういったことをお考えかもちょっとまだよく分からなくて、直ちにこういった方向がいいということは私申し上げる立場に今ないというふうに思いますけれども、少なくともやはり、実際に対日有害活動を行っている国、これが確実にターゲットになるという形での法制というのが必要だろうと思っております。  いわゆる外国であれば全てみたいな形の、いわゆる投網を広げたような法制自身は、余り権利、自由との関係でもよろしくないというふうに考えておりますので、そこは外為法等でも、基本的に我が国の法制自身、全ての外国を平等に扱っているわけではございませんので、制裁対象の国、それ以外の国という形で、これどのレベルでそういった形での切り分けをしていくかということが重要だと思いますが、やはりその懸念対象について確実にヒットできる、そういった法制にしていくということが一般的には大事だというふうに考えております。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 外国人代理人登録法につきましては、アメリカでは戦前からある非常に歴史の古い法律でありますけれども、欧州では近年になっていろんな国で制定されているということを伺っております。今のところ、これの濫用によって何か問題が起きたかという事案を私は聞いたことがありませんので、ちょっと外国で問題がなければそれを日本に導入してもそんなに大きな問題にはならないのかなとも思います。  ただ、私が一点懸念しておりますのは、外国人代理人登録法というものがもし日本に入ってきたときに、そうなると全ての在日外国人に対する疑義が生じるおそれがあるということであります。これはほんのごく一部の僅かな外国人を対象にしている法律でありまして、ほぼほぼもう日本にいる外国人全てをスパイとして見ろという話ではありませんので、私はむしろそういうことに対する政府のしっかりした説明を、今後もしそういう法律を制定するのであればやっていただきたいというふうに考えます。

大津力 参政党

○大津力君 ありがとうございました。  私も最後の小谷参考人の御意見と同じでございまして、やはりそうした新しいものをつくるときに、どうしてもやはり国民の理解というのが大前提となります。ですから、冒頭申し上げたとおり、国民がこの情報戦におけるやっぱり実相をもっと理解をして、更に情報リテラシーももっともっと能力を高めて、そうでないとやはり高度な議論というのができないと思っております。  ですから、我々政治家がこうした法案を審議するのも大事でございますが、やはり政治家だけがやればいいというものではなく、やはり国民全体で考えていくべき問題でございますから、この議論と同時に、やはり国民全体のこの情報のリテラシーも含めて関心を高めていくことが重要であるということを申し上げまして、質疑の方を終わりにさせていただきます。  どうもありがとうございました。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 本日は、お忙しい中、ありがとうございます。日本共産党の大門実紀史です。  最初に、北村参考人に伺います。  今回、北村さんに直接、しかもこんな近くで質問できるというのは、望外の、何というか、喜びでございますけど、この問題への第一印象でございますのでね。  北村さんの御本を今まで五冊読ませていただいたことがございます。一番面白かったのは「外事警察秘録」でございますけど、今回の法案との関係でいえば「国家安全保障とインテリジェンス」、実はここでの提案が、そのものが今回の法案になったんじゃないかと思うぐらい、スパイ防止法や対外情報庁の今後の提案を含めて全部これに入っているんじゃないかと。したがって、今回の国家情報会議設置法というのは、私にとっても、北村法案じゃないかと思うぐらい思いが入っているんじゃないかと思います。  したがって、もう御主張はよく分かっておりますので、ちょっと違う角度で全体読ませてもらった上でお聞きしたいんですけど、北村さんは安倍元首相を物すごく評価されて、もう信奉をされていたんじゃないかと思うぐらいでございますが、「安倍晋三 回顧録」でしたかね、その監修もやっておられますよね。もう私自身も、安倍さんには経済や現場問題でいろいろ要望聞いてもらったりしたことあるんですけど、ただ、やっぱり憲法改正を強く志向されていたということで、特に自衛隊を憲法上に位置付けるということを目指しておられたんではないかというふうに思うんですよね。  今、高市政権も同じように、自衛隊の位置付け含めて、憲法改正を視野にということを意欲持っておられると。その流れの中でちょっとお聞きしたいんですけれども、自衛隊は、警察とともにインテリジェンス情報機関としては重要なメンバーだと思うんですよね。そうすると、北村さんにとって、この国家安全保障、国家インテリジェンスの強化ということを考えた場合、やっぱり自衛隊を憲法上位置付ける必要があるというふうにお考えかどうか、聞かせてもらえればと思います。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、私の本を読んでいただきまして、本当にありがとうございます。  私が個人的な形でこの憲法改正について意見を開陳する場ではないというふうに考えておりますので、そこは答弁控えさせていただきますが、現在、そういった形での御提案といったものが政党内ではなされているということも承知をしております。  それは一つの考え方でありましょうし、それから、今回の意見陳述の関係で申し上げさせていただければ、防衛省・自衛隊の情報活動といったものは非常に国際的にも高く評価されておりますし、また、その情報部門においても非常に優秀な方々が勤務されておりますし、更に申し上げれば、そういった情報といったものが非常に多く官邸にも提供されてきているということを申し上げておきたいと思います。  以上です。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 分かりました。  ただ、対外情報庁、あるいはスパイ防止法、通信傍受という話も出ていますよね。そういうことを担っていくという点でいくと、流れの中にもう憲法との関係が出てくるのかなというふうには思っております。  もう一つ、この委員会でも議論になったんですけど、内調というのはそもそも、今度、内調は国家情報局に格上げされるということなんですが、一体今まで何やってきたんだろうというので、私もこの前、委員会で取り上げましたけど、例えば二〇一八年に、まさに北村さんが内閣情報官のときですかね、自民党の総裁選挙で安倍さんの活動を、安倍さん、総裁としての安倍さんの活動を支援したとか報道されていましたよね。個別のことはお答えにくいと思うんですけれど、内調というのは、時の政権の、あるいは時の総理大臣のためにといいますか、そういうふうな活動をする、したこととか、することあったんですかね。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) 基本的に、内閣の重要政策に関する情報の収集、分析という所掌事務の範囲で報告をさせていただいているということに尽きるかなというふうに思いますですね。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 海渡先生、海渡参考人にお聞きします。  今回の法案は、単に組織法では私はないと思っておりまして、肝は、国家情報局に格上げされて、内調がですね、各インテリジェンス機関、省庁に寄せられた個人情報を、国益のためと、あるいはこういう目的のためとあるんでしょうけど、その集められたときの目的外に使用できると。つまり、何といいますかね、組織法といいながら、新たな作用を及ぼすという点では、組織法といいながら作用するんではないかと思っておりまして、その点でずっと議論を聞いていますと、お国のためなら個人の人権とかプライバシー権など後回しにしてもいいというような、どうもそういうような考え方というか思想を強く感じるわけでございます。  実は、今、衆議院で個人情報保護法改正案が審議されておりますけれど、これは参議院にまた来ますけれど、要するに、様々な個人情報をですね、行政が集めるものを本人の承諾なしに集められるようにしようというような流れの内容で、例えば、統計を作成するために集められた個人情報なら本人の同意なしに集めてもいいじゃないかというようなことが出てくるわけですね。  そうなりますと、今回の個人情報保護法、これから、まだ審議中ですが、それが通ったと考えますと、さらにこの国家情報局が、もうほぼ制限なしに、国益のためだと、このためだと言えば集められるような、個人情報が本人の知らないうちに知らないところでどんどん使われるような危険性を感じるので、決してこの組織をつくるだけの組織法ではないと、非常に危険な作用をするんではないかというふうに思いますけど、海渡参考人のお考えを聞きたいと思います。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) おっしゃるとおりだというふうに思います。  先ほどの私の公述の中でも触れましたけれども、今回の法案の七条ですね、これに基づいて、各行政機関の情報をかなり強制的に取得できるという根拠になっているのではないかと思います。それから、個人情報保護法の六十九条という条項によって目的外の使用ということも認められているわけですね。そういうものが使われたときに、集められてきた個人情報、各省庁が集めているものが国家情報局に集中するということの可能性があるわけです。  だからこそ、先ほどから私が申し上げているように、どういう情報を取得してはならないのか、どういう活動をしてはならないのかということを、この今回作る法案の中にきちんと書き込んでほしい。そうでないと、暴走を避けられないし、具体的に弊害が起きるような違法な行為、本来規律しなければいけない行為がなされているときに、それを独立の立場から検査して、問題点を見付けて是正を勧告するような第三者的な機関、独立の監視機関というものがないと、これだけ強大な権限を持った機関をつくるときに、権力間のバランスを欠いてしまうんじゃないかということを非常に懸念いたします。  以上です。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 私もそういうふうに思うわけでございます。  小谷参考人に伺いますけれど、この法案に賛成の方々も、有識者の方々も、何らかの民主的規制といいますか、そういうものが必要じゃないかという中で、具体的には国会へ報告をしてもらうと、いろんな白書とかとですね。  ただ、これは、ふだん国家情報局、大体秘密裏に活動するわけですね。国会への報告といっても、自分たちの公にしていいことだけ報告する可能性がありますよね。したがって、点検がしようないわけですよね、その報告でやっては。  あるいは、これ、北村参考人の著書にもありましたけれども、国家情報局は局だけじゃないんだと、情報会議があって、大臣がみんなで議論するんだと。したがって、大臣、政治家が国民を代表して監督するような意味があるんだと、重要なんだとおっしゃっておりますけれど、ただ、国家情報局は、内調時代と同じように、やっぱり総理・総裁直結の形にならざるを得ないし、それが重要な点だということもあるわけですね。そうすると、総理に選んでもらったほかの大臣がそれをチェックするなんてことは事実上あり得ないんじゃないかと思うんですけれど、そんなことで本当に監視とか監督とかチェックできるんでしょうか。小谷参考人。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 国会の審査委員会は基本的には時の政権の指示を受けませんので、やはりそれは独立して調査を行うことができるということですよね。  ですから、必要があれば、今後、審査会の調査権限を強化するということは検討されてもいいかと思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 今申し上げたように、今言われているような国会への報告とか、あるいは大臣が関係するからだけではやっぱり不十分ではないかというふうに思うわけでございます。  そういう点で、海渡参考人の資料、膨大な資料であって、全部御説明受けられなかったんですけど、私もちょっといろいろ海外のことを調べていて、いろいろありますけど、やっぱりツワネ原則というのが大変重要な役割を、世界的に一つのスタンダードとしてあるんではないかと思いますが、先ほどちょっと詳しくは御説明の時間なかったと思うんですけど、このツワネ原則、これについて御説明をちょっと加えてもらえればと思います。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) ツワネ原則は、国連機関がつくったものではありませんけれども、全世界の五百人余りの安全保障と人権の専門家が集まって何度も会議を重ねて、最後は南アフリカのツワネで合意を見たというもので、安全保障というものを原則認めていると思います。しかし、その安全保障が行き過ぎて民主政治を傷つけてはいけないという立場でつくられたものだと思います。  そして、ここで決められている制度というのは非常に各国の新しい制度をつくるときには参照されていて、先ほどから私が申し上げました、情報機関から独立していて、そしてその情報機関の中の情報まで見た上で監督できる制度が必要であるということをはっきり述べているわけですね。そういう意味では、非常に参考にしていただきたいというふうに思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 今回、単に組織だけじゃないんで、今回この委員会でも申し上げたんですけど、この法案を提案するならば、一緒にセットでそういう第三者機関とか国会の監督、監視の仕組みが必要だということを委員会でも申し上げたんですけど、そうはいっても全部一遍にとはならないと思うんですが、日弁連もいろいろ提案されておりますけれど、最低限、最低限これだけはどうしてもというその監視機構とか監督の仕組み、これがございましたら。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 先ほども言いましたように、どのような情報を集めてもいいのか、集めてはならないのかということについての明確な規範を提示すること、そしてその規範が守られているかどうかを情報機関の実際の運用の実態まで見た上で判断できる独立の機関、これは独立の行政委員会としてつくることもできると思いますし、議会の情報監視審査会の権限としてそういう権限を保障するということもできると思いますし、一部の権限については司法機関が判断するということもあっていいと思うんですけれども、そういう制度を組み合わせて、情報機関というものが人権侵害を引き起こさないようにする複合的な監視システムというものが求められていると思います。  以上です。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 先生、海渡先生おっしゃったとおり、ほかの海外の例を見ると、いろいろ起きていろいろ加えていくというのはあると思うんですけれど、やっぱりそういうほかの海外の経験があるわけですから、最初からやっぱり幾つか仕組みをつくっておくべきだというふうに思います。  大変参考になりました。ありがとうございました。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 今日は四つほど質問を用意してきまして、最初の三つが日本の法律家として聞きたいことが、確認したいことがありますので、海渡参考人に。残りの一つは、今話題に上がったツワネ原則、是非、小谷参考人と北村参考人の、このツワネ原則から見たこの法案をお伺いしたいと思っています。  まずは、海渡参考人、よろしくお願いいたします。  僕の質問は、国家が収集、集め、若しくは作成するインテリジェンス、これは一体誰のものかと、最終的にですね。ここでいうインテリジェンスというのは、収集された情報、素材ですよね。それと、それを評価、分析した成果物、リポートのような。最後に、それらに基づく意思決定の過程の記録ですね。これ、行政文書ですよね。  この三つがあると思うんですけれども、これらは、最終的にですね、最終的に内閣、つまり行政府の占有物なのか、それとも公文書管理法が言う国民所有の知的資源として国民に帰属する性格を持つのか。どう整理したらよいでしょうか。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 基本的には、一時的にもちろん国家機関がお使いになるんでしょうけれども、どういうことが行われたかということが最終的に国民にとって分かるということがとても大事だと思います。  先ほど来、私が申し上げていた、特定秘密に指定された情報も最終的には明らかになるということが必要だというのはそういう意味で、おっしゃるとおり、最終的には国民が保有すべきものだと思います。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 二つ目、更に行きますね。  南スーダンの日報問題、覚えていらっしゃるでしょうか。この南スーダンの日報問題にめぐっては、当初、破棄若しくは不存在というふうに説明されて、その後に発見されたわけですよね。大変申し訳ないんですけど、この政治的な不都合な情報ほど記録が消える構造的なリスクを抱えているんじゃないか、日本だけ。  なぜかと申しますと、これ他国の軍隊で起こったら、だって、これ作戦の公式記録ですからね、これ大変なことになります、これ。大変なことになりますので。このことを僕は、防衛省の統合幕僚学校で、高級課程でもう十八年間教えていたんですよ。必ずこれに触れることにしたんですが、みんなぽかんとしてるんです。この重大さが余り日本人は分かっていない、制服組にとってもですね。これは困るんですね。日本人ってこの辺の感覚がちょっとないような気がするんですよね。その上で、ちょっと私情が入って申し訳ありませんが。  国家情報局がこのような、まあ失態ですよね、このような事態を防ぐために、この法案に、若しくはその附帯決議でもいいですよ、最低限どのレベルの、こういうことを招かないために規律を置くべきか、法律家として何かサジェスチョンがあったらお願いします。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 国家情報局は国家機関になるわけですから、その記録を残すということは最低限必要なことですね。そして、その公的な記録というものが最終的には公表される仕組みをつくるということがとても大事だと思います。  その場で公表しろとは言いません。その場で公表してはまずい情報があることはよく分かっているわけですけれども、それが十年、二十年たったときには公表されるということがとても大事で、アメリカのCIAの、僕は余り芳しくないこともたくさん聞きますけれども、CIAの情報というのは最終的に明らかになる、そして問題のある行為をやっていたことがきちんと本にまで書かれるという、そういう形で事後的に検証は可能なんですね。そういう仕組みは絶対つくってほしいと思います。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 その統合幕僚学校で僕が言うのは、国際法との絡みで、もし自分たちが、現場の部隊が中央からの命令でそれに従った結果、もし現場で国際人道法違反を犯してしまったら、その記録があるわけですよね、それを破棄するということは自分たちの首を絞めるということですから、弁護の機会を与える、とんでもないことなんですよね。申し訳ないですけど、本当に自衛隊の精鋭たちの多分教育が足りないと思います、このことに関するですね。ぽかんとしていて、そういう状態です、本当にね。  次に進みます。三つ目ですね。これも海渡参考人にお願いいたします。  アメリカは、さっき御説明があったように、原則二十五年間たったらいわゆる機密解除の枠組み、同じように、英国は原則二十年で公文書館への移管、インテリジェンスの移管、これが義務付けられております。こういうふうに、民主主義国家若しくは法治国家というのは、例外は設けつつも、この情報の出口、最終的な出口、これをどうするかということを制度的にしっかり持っております。  一方、本法案というのは、この出口の設計が余りないように見えるんですよね。これ、運用次第ではこれ永久ブラックボックスになってしまうのではないかと僕はちょっと懸念しているんですよね。一言で言うと、アメリカの場合はこれ、オートマティックディクラシフィケーションという、つまり年限が来たら原則として自動的に公開する。日本の場合は、何といいましょうか、ディスクレショナリーですね、ディクラシフィケーションですね。年限が来ても、政府が非公開と判断すれば公開されないというような、こういう制度になっているんじゃないかなと思います。  そこで、伺います。  一定年限後の原則移管、どこかに移管するとか、原則公開、例えば三十年みたいな感じですね、こういうルールは日本でも制度として置くべきでしょうか、特にこの法案に関してですね。よろしくお願いします。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 伊勢崎先生、ありがとうございます。  今の制度は、特定秘密保護法を作ったときに日弁連が非常に強く主張した制度です。そういう制度が絶対必要であるということを申し上げました。その結果、ある程度公開される制度が運用基準の中でつくられたんですけれども、先生がおっしゃるように、裁量的なものになっていて、義務的なものになっていないという点が非常に残念なところです。  でも、いずれにしても自動的に秘密が解除される制度をつくらないと、情報機関の行動というものは最終的に民主的にチェックできないです。ですから、この制度は、今回のこの国家情報局法案の機会に改めて議論してつくっていただきたいと思います。私の公述の中にもそれは入れてあります。よろしくお願いいたします。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 僕、アフリカが長くて、このツワネ原則、これなぜ南アフリカで生まれたかって、これかなりもうぐっとくるんですよ、やっぱりね。やはりこのアパルトヘイトという、当時ですよね、国家安全保障ということを盾にしたこの極度の情報統制、弾圧と人権侵害の歴史を経た国ですよね。それを克服したわけですよね。こういう国からベースとしてこのツワネ原則が生まれたということですよね。  そこでお伺いしたいのは、北村参考人と小谷参考人、時間があったら、もし、補足という形で海渡参考人もお願いしたいんですけれども、このツワネ原則は、国家安全保障を理由とする秘密指定、秘密指定や非公開指定、これが濫用されないように、行政府から独立し、機密情報を含めてアクセスでき、是正勧告や国民、国会への報告を行える実効的な独立監督機関の存在を前提にしている。これ、こういう考え方でありますね。  日本では、もちろん特定秘密保護法の情報監視審査会や独立公文書管理監みたいな、こういうのがあって、一応、権限独立性、常時監視の体制という点でツワネ原則が求める水準があるように見えますが、果たしてこれで足りるのかということ、将来に向けてですね。特に、このインテリジェンスの司令塔が強化される。僕、どちらかというと、インテリジェンスは必要だという考えの立場ですから、もちろん僕は、政府の代表としてインテリジェンス最前線のアフガニスタンとかにいましたので、この重要性は分かっているつもりであります。  この今で足りているのかという、この独立行政機関のこの在り方、もっと強化すべきだ、別のものをつくるべきじゃないかも含めてお願いいたします。

北村滋 北村エコノミックセキュリティ合同会社CEO/元国家安全保障局長・内閣特別顧問/元内閣情報官

○参考人(北村滋君) まず、特に政府が保有している特定秘密、それからまた、それ以下のカテゴリーの重要経済安保情報、これについてはそれぞれ秘密の開示の年限等が決まっていて、その審査を行うという観点で、特に特定秘密保護法においては、独立公文書管理監、それからまた、国会法の改正によって情報監視審査会といったものもできております。特に、情報の扱いも含めて物的な管理もかなり行われているということでありますので、その意味で、私は、そういった形でのチェック・アンド・バランス、特に秘密の指定がなされている情報についてのチェック・アンド・バランスは制度設計がそれなりにされているというふうに認識しております。

小谷賢 日本大学危機管理学部教授

○参考人(小谷賢君) 原則としてのツワネ原則は、私、大変重要な原則でありまして、これはやはり日本としても遵守すべき姿勢を見せないといけないというふうに思います。  ただし、それを守っているかどうかはまた別問題でありまして、例えば、私はイギリスとかアメリカの歴史公文書をよく閲覧しに行くわけでありますけれども、結局、三十年ルール、二十年ルール、二十五年ルール、いろいろありますけれども、インテリジェンスの公文書ってなかなかやっぱり公開されないんですね。私が知る限り一番長いのは八十八年ぐらい未公開のままになっていまして、ただ、やっぱりイギリスとかアメリカが偉いのは、八十八年たったのにちゃんと公開するというその姿勢であります。ですから、原則としては大事ではありますけれども、やっぱりそれを必ずしも全て守らないといけないのかというと、またこれは運用上は別の問題が発生すると考えております。  もう一つ、現在の日本の内閣府の独立公文書管理監の話でありますけれども、私、若干これ気になっていますのは、これ行政の組織なんですけれども、そこに何か歴史家とかいわゆる大学の研究者が入っていないんですね、どの文書を廃棄するかどうかという判別、判定において。  例えば、よく伺うのは、二部コピーがあるから一つは破棄してもいいみたいなことでどんどん今シュレッダーに掛けているわけでありますけれども、我々歴史家からすれば、二部あったら二部とも取っておいてほしい。要は、どっちかに書き込みとかがある可能性があるので、我々はそういうところに非常に着目するわけでありまして、ですから、やっぱり少なくともそういった研究者とかの、何だろう、要望を聞いていただくような何か体制がつくれないかなと、歴史家として私はそう日々思っております。

海渡雄一 弁護士

○参考人(海渡雄一君) 御質問ありがとうございます。  私は、具体的に、独立公文書管理監と情報監視審査会、制度をつくっていただいたこと自身は大変良かったとは思うんですけれども、そのパフォーマンスとしては非常に不満足です。やっぱり、具体的にこの二つの機関の活動によって、不適切な秘密指定がなされていたということで秘密が明らかになったというケースがほとんどないんですね。  アメリカの場合は、省庁間の監視委員会であるとか自動的な情報の解除によって、様々なCIAの活動において不都合だったことが明らかになってくるわけですね。そういう、もちろんできてからの時間が短くて、まだ二十年たっていないからとかそういうことを言われるのかもしれませんけれども、やっぱり僕は、実際に情報の中身まで見て、これは不適切だと思ったら二十年たたなくても明らかにするという権限だって本来はあるはずなので、そういう活動がきちんとなされているというふうには思えません。  そういう意味で、やはり人員という、そしてその選任の過程とかそういうものも含めて、独立性を更に強めたような第三者機関が情報機関全体に必要不可欠だというふうに思って、今日も御提案をさせていただきました。  ありがとうございます。

伊勢崎賢治 れいわ新選組

○伊勢崎賢治君 以上です。ありがとうございました。  御三方、ありがとうございました。

北村経夫 自由民主党・無所属の会

○委員長(北村経夫君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十七分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #2719 観測 2026-06-27 14:54 JST
    改ざん検知用の値 19b306f3…bf079a (未計算)

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#2724 まで
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署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
3052d108…fb53df

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  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
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いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

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