令和八年四月九日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月二日 辞任 補欠選任 西田 英範君 石井 準一君 四月三日 辞任 補欠選任 石井 準一君 西田 英範君 四月九日 辞任 補欠選任 小池 晃君 大門実紀史君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 宮本 周司君 理 事 船橋 利実君 星 北斗君 森 ゆうこ君 上田 清司君 上田 勇君 委 員 小林孝一郎君 櫻井 充君 高橋はるみ君 西田 昌司君 西田 英範君 舞立 昇治君 宮沢 洋一君 柴 愼一君 高木 真理君 江原くみ子君 原田 秀一君 杉 久武君 浅田 均君 片山 大介君 塩入 清香君 松田 学君 大門実紀史君 大島九州男君 ラサール石井君 国務大臣 財務大臣 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(金融)) 片山さつき君 副大臣 内閣府副大臣 岩田 和親君 財務副大臣 舞立 昇治君 大臣政務官 内閣府大臣政務 官 金子 容三君 事務局側 常任委員会専門 員 村田 和彦君 政府参考人 内閣府大臣官房 審議官 多田 洋介君 金融庁総合政策 局長 堀本 善雄君 金融庁総合政策 局総括審議官 柳瀬 護君 金融庁総合政策 局審議官 岡田 大君 金融庁企画市場 局長 井上 俊剛君 金融庁監督局長 石田 晋也君 こども家庭庁長 官官房審議官 水田 功君 法務省大臣官房 審議官 吉田 雅之君 財務省主税局長 青木 孝徳君 国税庁次長 田原 芳幸君 文部科学省大臣 官房審議官 松浦 重和君 参考人 日本銀行総裁 植田 和男君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査 (財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件) ─────────────
財政金融委員会
発言 189
○委員長(宮本周司君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告をいたします。 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官多田洋介君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小林孝一郎君 おはようございます。自由民主党の小林孝一郎です。 私は、医師として長く地域医療の現場に携わってきました。医療の現場におりますと、経済や財政というものは決して抽象的な数字ではなく、国民の暮らし、命、そして地域社会そのものに直結する政策であるということを日々実感いたしております。 歴史を振り返ってみますと、歴史家ポール・ケネディは、大国の興亡は、軍事力そのものではなく、経済力と財政力のバランスによって決まると指摘しています。言い換えれば、国家の将来を決めるのは財政の選択であると言っても過言ではありません。 今、我が国は、長く続いたデフレ経済を脱却し、賃上げと投資による成長型経済への転換点に立っています。片山大臣は所信の中で、日本経済は、デフレ・コストカット型経済から新たな成長型経済へ移行する段階まで来たと述べられました。しかし一方で、我が国は、人口減少、物価高、そして安全保障環境の変化という、言わば静かな有事ともいうべき課題にも直面しています。 政府の経済見通しでは、令和八年度の実質GDP成長率は一・三%、名目成長率は三・四%とされていますが、物価上昇の影響もあり、国民生活の実感としては依然として厳しさが残っているのも事実であります。 こうした国家の転換点においてどのような財政運営を行うのか、本日はその観点から、通告に従い、質問をさせていただきます。 まず、責任ある積極財政についてです。 片山大臣は所信の中で、強い経済を実現する予算として危機管理投資と成長投資を進めると述べられました。実際、令和八年度予算では、防衛力強化、子ども・子育て支援、GX、AI・半導体など、将来の成長につながる分野への重点投資が盛り込まれています。さらに、今回の予算は、複数年度での政策推進を前提とした編成となっている点も特徴であります。こうした政策は、単年度で完結するものではなく、継続的な投資と政策の一貫性が不可欠であります。 一方で、大臣は、責任ある積極財政とは、いたずらに規模の拡大を追求するものではないとも述べられました。つまり、未来への投資と財政規律の両立を目指すものと理解しております。 そこでお伺いします。複数年度での政策推進という観点も踏まえ、政府は責任ある積極財政をどのような考え方で実行していくのでしょうか。また、その考え方は、来年度以降の予算編成にどのようにつなげていくのでしょうか。大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 高市内閣では、予算編成改革として、民間事業者の方々や地方自治体の取組を後押しするため、政府予算の予見可能性を確保する観点から、必要な予算は可能な限り当初予算で措置することとしています。 七日に成立させていただいた令和八年度予算、これはその第一歩として、責任ある積極財政の考えの下、複数年度の取組あるいは歳出構造の平時化に向けた取組を推進し、重要施策について当初予算での増額を実現するとともに、財政の持続可能性にも十分配慮するなど、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算となっております。 この予算編成改革は、今年夏の令和九年度予算の概算要求から本格的に取り組むこととしております。約二年掛かりの大改革になると思いますが、今後、今年の骨太方針に向けて議論し、政府の予算の作り方を改めてまいりたいと考えております。 いずれにせよ、令和九年度においても、責任ある積極財政の考えの下、特色ある予算になるものと考えておりまして、危機管理投資や成長投資といった投資すべき分野には大胆に投資するなど、強い経済の実現に取り組むとともに、予算全体のめり張り付けを行いつつ、財政の持続可能性に十分配慮するなど、強い経済の構築と財政の持続可能性の確保を両立させてまいりたいと考えております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 今回の予算が、単年度の予算ではなく、日本の将来に向けた投資の流れをつくる予算、予算編成改革に果敢に取り組んでいかれるという御答弁でありました。御期待を申し上げます。 次に、財政規律についてお伺いします。 今回の予算では、公債金は二年連続で三十兆円を下回り、公債依存度も三〇%を下回る水準となり、財政規律にも配慮した姿となっています。また、一般会計のプライマリーバランスも、当初予算として、二十八年ぶりに黒字化したとされています。これは重要な成果だと受け止めています。一方で、政府債務残高はGDPの二倍を超える水準にあります。したがって、経済成長を実現しながら、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことが極めて重要であります。 そこでお伺いします。今後、財政健全化をどのような指標で評価し、どのような道筋で政府債務残高対GDP比の改善を図っていくのでしょうか。また、市場からの信認を維持するための具体的な財政運営の考え方について、御見解をお聞かせください。
○副大臣(舞立昇治君) 高市内閣におきましては、経済あっての財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行い、強い経済を構築すると同時に、財政の持続可能性を実現してまいります。 責任ある積極財政というのは、この強い経済と財政の持続可能性をバランスよく同時に実現することであり、それが今を生きている国民と未来を生きる国民に対する責任でもあると考えております。 引き続き、日々の市場動向を十分注視しつつ、国内投資の促進を徹底的にてこ入れし、潜在成長率を引き上げることを通じて名目成長率を押し上げ、その名目成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑えることによりまして債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を実現しながら、マーケットからの信認を確保していきたいと考えております。 今後とも、債務残高対GDP比の引下げに向け、具体的な指標も明確化しつつ、今年の骨太の方針の策定に向け、検討を進めてまいります。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 市場が財政を評価するときには、やはり必ず基準となる指標があろうかと思います。これ、今後、財政健全化を示す指標を考えながら、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていっていただけたらと思います。財政規律にも配慮した予算編成をよろしくお願いをいたします。 次に、物価高と国際情勢についてお伺いします。 現在、世界経済は、貿易政策の変化や地政学的緊張の高まりにより大きな不確実性の中にあります。とりわけ、ここ数週間の中東情勢の緊迫化は、原油価格の上昇や海上輸送の不安定化を通じて世界のエネルギー市場に大きな影響を与えています。 我が国は原油の約九割を中東地域に依存しており、ホルムズ海峡をめぐる緊張は日本経済にとって極めて重大なリスクであります。実際に、国内ではガソリン価格が一リットル当たり百九十円台に達するなど急激な上昇が見られ、政府は補助金の再導入や国家備蓄の放出などの対策を講じていると承知しております。 また、エネルギー価格の上昇は、物流費や石油化学製品のコストを通じて幅広い物価上昇につながる可能性があり、企業収益や金融市場にも影響を及ぼすとの指摘も出ています。 そこでお伺いします。今回の中東情勢の変化が日本経済、物価動向、さらには金融市場にどのような影響を及ぼすと政府は分析しているのでしょうか。また、ガソリン価格対策や石油関連製品の供給確保を含め、物価高に対し政府はどのような対応を検討しておられますでしょうか。国民生活と経済の安定という観点から、御見解をお伺いします。
○副大臣(舞立昇治君) まず、金利を含む金融市場においては大きな変動が生じていると認識しておりますが、これまでも大臣から御答弁も差し上げているとおり、様々な要因を背景に金利は市場において決まるもの、その動向について具体的に申し上げることは差し控えさせていただきます。 また、足下ですね、御指摘のとおり、原油価格高くなっているというところでございますが、政府では、ガソリン等に係る緊急的激変緩和措置を先月十九日から実施しているところでございます。 情勢は依然として流動的でありますから、現時点で今後の具体的な経済、物価への影響やその程度について確たることは申し上げられませんですけれども、政府としては、中東情勢が経済に与える影響を注視しつつ、経済・物価動向に応じて経済財政運営に万全を期すとともに、G7や関係国際機関等とも緊密に連携しつつ、適切かつ必要な対応を図ってまいりたいと考えております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 日々情勢というのは変化をしているということであります。情勢の変化を注視していただきまして、適時適切な対応をお願いいたしたいと思います。 次に、医療・介護分野についてお伺いします。 現在、多くの医療機関や介護施設では、物価高、人件費の上昇、そして人材不足という、言わば三重の課題に直面しています。令和八年度予算は、令和七年度補正予算に続き、診療報酬の改定、介護報酬の改定において、経済・物価動向を一定程度反映したものとされています。 しかし、上がり続ける物価に対し、現場からは、今年は大丈夫でも来年以降が心配だという声も少なくありません。医療や介護は、単なるコストではなく、国民の命と生活を支える社会基盤であります。医療、介護を過不足なく地域に届けるためには、医療機関や介護施設の安定的な運営と人材確保が不可欠であります。過度な効率化や削減を前提とするのではなく、国民の命と健康を守るために、真に必要な持続可能な医療・介護提供体制を整備していくべきと考えます。 そこでお伺いします。医療・介護分野における物価高への対応、そして賃上げも含めた人材確保に向けた財政措置について、政府として、どのように考え、今後どのように取り組んでいかれるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○副大臣(舞立昇治君) 社会保障を充実する観点からは、この医療・介護分野の賃上げや物価対応というのは非常に重要であると認識しております。 医療分野におきましては、令和八年度診療報酬改定において、医療機関に勤務する幅広い職種の賃上げに向け、令和八、九年度にそれぞれ三・二%のベースアップを実現するための措置ですとか、施設類型ごとの費用構造に応じたきめ細やかな物価対応のための措置を講ずることとしております。また、今後の経済・物価動向が大きく変動し、医療機関等の経営状況に支障が生じた場合には、加減算を含む必要な調整を行うこととしております。 また、介護分野におきましては、令和九年度の定例改定を待たずに令和八年度介護報酬改定を行い、介護職員のみならず、介護従事者を対象に幅広く月一万円、三・三%の賃上げを実現する措置に加えまして、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員を対象に月〇・七万円、二・四%の上乗せ措置を実施することとし、介護職員につきましては定期昇給込みで最大月一・九万円、六・三%の賃上げが実現する措置を実施することとしております。 今後も、経済・物価動向等を踏まえ、医療・介護分野の賃上げや物価対応等に適切に取り組んでまいります。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 三十年ぶりにプラス三・〇九%という形で、診療報酬の改定いただきました。二年の平均でプラス三・〇九%ということであります。また、先ほど副大臣の方から、今後の経済・物価動向を見ながら、支障が生じた場合には加減算を含めた対応を行っていくと御答弁をいただきました。ありがとうございます。 一方で、私の地元岡山の医療機関等から切実な声を聞いております。医療や介護は公定価格で運営をされ、物価上昇を価格に転嫁ができません。現場では、手袋、ガウン、透析チューブ、点滴チューブなどの医療材料コストの上昇に加え、中東情勢の緊迫化による原材料、物流への影響も懸念されております。 医療材料は、単なる消耗品ではなく、国民の命を守る基盤、すなわち医療安全保障です。経済・物価動向や国際情勢の影響も踏まえ、今後も地域医療、介護を守るために、財政支援や予算措置による機動的な対応などデータに基づく細やかな対応をお願いいたしたいと思います。こちらの方は要望とさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。 次に、復興と防災についてお伺いをいたします。 東日本大震災、そして一昨年の能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に心より哀悼の意を表するとともに、被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。 東日本大震災から十五年という歳月が経過をいたしました。私自身、医師として、西日本豪雨災害、そして一昨年の能登半島地震の際には、JMATチームの一員として被災地に入り、災害医療支援活動に携わりました。現場では、医療だけでなく、道路、通信、物流といった社会基盤がどれほど人命を左右するのかを身をもって痛感いたしました。さらには、日本は改めて災害大国であるということも思い知らされました。今後は、南海トラフ地震など国難級の大規模災害の発生も懸念されるところであります。 そこでお伺いします。東日本大震災の復興の継続、能登半島地震への中長期的支援、そして将来の巨大災害に備えた国土強靱化の推進とそのための安定的な財源確保について、どのような方針で取り組んでいかれるのでしょうか。災害への備えとは、国民の命を守る覚悟を財政の中でどう示していくかということだと思います。大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(片山さつき君) 東日本大震災からの復興、創生というのが日本の未来に向けた挑戦であるというのは、もう皆様と同じ気持ちでございます。 第三期復興・創生期間の五年間も政府として総力を挙げて取り組んでまいる決意ですが、復興財源についても今般復興財源確保法の延長をお認めいただいたところでありまして、引き続きその総額を確実に確保し、被災者の心のケア、被災した子供に対する支援など、被災地のニーズに応じたきめ細やかな支援に取り組んでまいります。 また、能登半島地震への対応でございますが、これも引き続き、インフラ復旧、生活となりわいの再建等の課題が残っていると強く感じておりまして、創造的復興への取組を政府として引き続き推進してまいりたいと考えております。 その上で、将来生じ得る災害への備えとしては、インフラの予防保全などの防災・減災の取組を進めることが非常に重要と考えておりまして、これを実現するためにも、国土強靱化実施中期計画、これは令和七年の六月に閣議決定をしておりますが、これを踏まえまして、安定財源の確保に向けた具体的な検討を関係省庁と進めてまいる所存でございます。 また、防災庁、今年中の設置ですが、この今年中の設置を目指し防災庁設置法案等が国会に提出されているところでありますが、これは国会においてお認めいただければということでございますが、防災庁を災害対応の司令塔として、大規模災害への対応力を更に高めてまいれるのではないかと、そのようにしなければいけないと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 医師として災害現場に入った経験から申し上げます。災害への備えこそ、国家の安全保障ではないでしょうか。道路が寸断され、通信が途絶えれば、医療も行政も機能をせず、地域社会は立ち行かなくなります。国土強靱化は、国民の生命と国家機能を守る基盤であります。 そこで、再度お伺いします。防災・減災、国土強靱化を、単なる歳出ではなく、国家安全保障を支える基盤投資として位置付けてはいかがでしょうか。財政運営の考え方を改めて大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 委員おっしゃるとおり、まさに基盤投資だと考えております。 また、危機管理投資、成長投資というものをこの高市内閣では戦略の肝に据えているわけですが、こういったものの中で、十七の成長投資あるいは危機管理投資の中でも、国土強靱化、防災・減災というものがはっきりと位置付けられております。 先ほど申し上げましたように、今後予算を改革していく上でも、皆様が予測可能性が持てて、国民の間に不安がもうなくなるというか、この問題については不安が持たれることがないぐらいにきちっと手当てをしてまいれればと考えておりますが、これも皆様の御協力を得て、令和九年度予算に向けても、きっちりとその予算作りのところから、予算編成改革も含めて対応してまいりたいと、かように思っております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたします。 次に、研究開発税制についてお伺いします。 日本の成長力を高めていくためには、企業による研究開発投資をいかに促進するかが極めて重要であります。今回の税制改正では、研究開発税制の強化が盛り込まれ、我が国の研究人材や研究拠点の維持強化を図る観点から、研究開発の海外委託について一定の制限を設ける方向が示されています。これは、国内の研究基盤を守り育てるという点で重要な考え方であると理解しています。 一方で、製薬やバイオなどの分野では、臨床研究や高度な解析などにおいて、海外の研究機関や企業との連携、あるいは研究委託が不可欠となる場面も少なくありません。つまり、国内研究基盤の強化と国際的な研究連携の推進、この二つの政策的要請をどのようにバランスさせるかが制度設計の鍵になると考えます。 そこでお伺いします。今回の研究開発税制において、研究開発の海外委託についてどのような措置を講じておられるのでしょうか。また、その制度を通じて、日本の研究人材、研究拠点を守りつつ国際的な研究連携も促進する形で、我が国の研究開発力をどのように高めていかれるのでしょうか。御見解をお聞かせください。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 令和八年度の税制改正におきましては、研究開発税制につきまして、委員から御指摘がありましたように、国内の研究人材や研究開発拠点の維持強化を図る観点から、海外への委託に係る試験研究費を控除の対象から段階的に五〇%まで制限することとしております。 一方で、医薬品等に係ります試験研究のうち、その医薬品等の有効性及び安全性の確認のために行う臨床試験、いわゆる治験につきましては、日本の人口だけでは必要な症例数の確保が困難であるということや人種の違いなどの観点から、日本人のみの治験データに基づいて欧米での承認申請を行うことができないといった理由から、今般の見直しの対象外といたしまして、引き続き全額の控除を可能とすることとしておるところでございます。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 最後に、税関行政についてお伺いします。 近年、電子商取引の拡大に伴い、少額輸入貨物が急増しています。また、訪日外国人の増加に伴い、不正薬物や金の密輸なども摘発が続いています。大臣は所信の中で、厳格な水際取締りと円滑な通関の両立に取り組むと述べられました。 そこでお伺いします。税関体制の強化とデジタル化を通じて、取締りと迅速通関をどのように両立していかれるのでしょうか。御見解をお伺いいたします。
○副大臣(舞立昇治君) 先生御指摘のとおり、本当に、少額貨物の輸入件数、そして入国者数の急増、手口の巧妙化等々、不正薬物、金等の密輸リスク一段と高まるなど、税関を取り巻く環境、非常に厳しいものとなっておりまして、離島を含む全国津々浦々の水際の最前線で昼夜、休日を問わず職務に励む税関職員一人一人の負担も増大しております。 こうした中で、円滑な物流、人流を確保しつつ、厳格な水際取締りを遂行するという税関の責務を確実に果たしていくためにも、電子申告ゲートの導入、AIによる航空機旅客の検査選定支援など税関業務のDXに取り組むとともに、高性能な取締り機器や検査機器の整備、業務の増加等を踏まえた機構、定員の充実、厳しい勤務環境で働く職員を支えるための庁舎、施設の整備や処遇改善等々、質、量の両面で今後とも税関の体制強化に全力で取り組んでまいります。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○高木真理君 立憲民主・無所属の高木真理です。 通告に従って質問させていただきます。 まず、大臣所信に対する質疑でありますので、三月十九日、片山大臣述べられました大臣所信について伺っていきたいと思います。 高市内閣の財政政策の骨格となっている事項について、この三月十九日の大臣所信においては、度々当委員会の質疑の答弁でも用いられるキーワードを中心にされ、コンパクトな形で、後半に予算案の説明もありましたので、端的に述べられていたかと思います。責任ある積極財政については様々質疑がなされておりまして、具体の予算も出てきたという、見させていただいた中では姿が分かってきたところもあるのですが、逆にその見え始めた姿を踏まえまして、改めて質問していきたいというふうに思います。 まず初めに伺いたいのは、アベノミクスとの関係でありますけれども、高市総理は、安倍元総理の政策あるいは政権像への憧憬が深いのではないかというふうに思っております。今井参与を迎えられたり、積極財政という言葉に込められているものについても、アベノミクス再びという意味合いを強く感じるところであります。 確かに、あのリーマン・ショックからの回復途上に東日本大震災が襲っていた日本で、そこから日本の景気を明るくしていくのに、当時の状況で、アベノミクス、これは安倍元総理提唱されましたけれども、大変この国の経済を明るくしてくれるのではないかと期待が高まったものだというふうに思います。必要な政策でもその当時あったというふうに、振り返っても、当時の導入については思う部分があるわけでありますけれども、しかし、二年で二%の物価上昇と言って始まったけれども、それは、なかなか二%にはならないということがずっとずっと続いてきまして、在任中の七年八か月にも達成されず、その後の内閣が路線を引き継いでもデフレ脱却宣言はなかなか出ないという状態になっていったということであります。 アベノミクスの三本の矢には民間投資を喚起する成長戦略も入っていましたし、あれだけ国債発行をして資金供給も行っていたというところでありますけれども、この高市総理が今再びと目指しているように見えるアベノミクスは、逆にどんな原因で最終的なデフレ脱却や経済成長を生み出すことができなかったと考えますでしょうか。緊縮志向とかデフレマインドという言葉だけでは片付けられないように思います。これをなぜ破れなかったのかということも大事かと思いますが、片山大臣、お願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 今お話がありました我が国の経済の状況でございますが、一九九〇年代のバブル崩壊以降、企業が足下の収益の確保のために賃金や成長の源泉である投資を抑制し、消費者も将来不安などから消費を抑制したという結果、需要は低迷、そしてデフレが加速するという悪循環が生じる中で、いわゆるコストカット型の経済に陥ってきたものと考えております。 こうした中で、アベノミクスについては、デフレでない状況をつくり出し、GDPを高め、雇用を拡大し、企業収益の増加傾向にもつながったものと認識しております。一方で、いわゆる第三の矢としての民間投資を促す成長戦略については、国家戦略特区を始めとした規制改革を進めたものの、そのコストカット型経済から脱却して企業の投資の拡大につなげていくという意味では十分ではなくて、結果として潜在成長率が低迷して、賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇への移行は道半ばとなっているものと考えております。 そういう状況であります、認識ということでは。
○高木真理君 まさに規制緩和などをしても、それは、それが投資に向かうきっかけになればよかったけれども、そうはならなかったというのを、それで駄目なんだったら、違う方法で投資を呼び込むにはどうしたらいいかということを結局やらないまま長く引っ張ったということの反省の下に、今、次をつくろうとされているのかなというふうにも今の御答弁を受け止めましたけれども、長くその状態を放置し過ぎたかなというふうにも強く思うところでもあります。 次に伺いたいのは、この段階で出てきているサナエノミクスですね。これはアベノミクスとどこが違うのか。今の御答弁の中にも多少お答えは含まれていたかとは思いますが、どう違うのか、なぜその点を変えたのか、経済状況などの背景から変わったこと、変わった点あれば、その事情とセットで御説明ください。
○国務大臣(片山さつき君) 繰り返しになりますが、九〇年代のバブル崩壊以降、いわゆるコスト型経済に日本経済が陥っている中で、アベノミクス当時において企業が投資不足であったということに加えまして、足下の経済状況という面でも、そのマクロの需給バランスが需要不足といった局面から供給制約の局面へと変化している中で、その供給力を強化していくために国内投資を促進していくことが、今この高木委員のおっしゃるサナエノミクスの時点では更に重要だというふうに考えております。こうした状況というか、状況の変化というか、違いもございますね。 そういう中で、高市内閣では、責任ある積極財政という考え方の下、戦略的に財政出動を行うことによって、経済安全保障、食料安全保障などの様々なリスクを最小化する危機管理投資や、AI・半導体、造船などの先端技術を花開かせる成長投資といった民間投資を促進することで、日本の供給構造を強化して潜在成長率を引き上げ、家計の所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がるという好循環を目指して、その実現に邁進するというのが、いわゆる委員のおっしゃるサナエノミクスの考え方と承知しております。
○高木真理君 戦略的に投資をしていくことでということは分かるんですけれども、それ裏返すと、今までも、ここまで来る間にも政府はいろんな投資というのはしてきているわけで、先日、片山委員の御質問の中にもそうした御質問もありましたけれども、いろいろ投資もしてきているが、今の御答弁だと、それらは戦略的でなかったので結果が出ませんでしたと告白されているようなものなのかなというふうにも受け止めざるを得ません。 次に伺いたいのは、責任ある積極財政という言葉についてであります。 これの中身がだんだん分かってくるわけですけれども、この積極財政の部分は、これからの十七分野に対する投資が実際に始まっていかないと形が見えにくいからというような部分もあるのかもしれませんが、意外と、今年度の予算案も、公債金は十七年ぶりに三十兆円を下回った前年度当初予算に続いて二年連続で三十兆円から更に低下、公債依存度も二十七年ぶりに三〇%を下回った前年度から更に低下、一般会計のプライマリーバランスは当初予算で二十八年ぶりに黒字化ということで、これは責任がかなり強まっていて、積極財政とは呼べないんではないんだろうかと各方面から予算の審査の中でも指摘があったところであります。 景気の気は気持ちの気でありますので、高市総理が御自身の持つメッセージ性を発揮して積極財政をアピールすることで景気の気が上向きになって、そうだ、みんな投資してみようとか、元気になろう、企業活動ももっと前向きに進むぞというふうになるのは大いに結構なんでありますけれども、内実が特に積極財政ではない点から見ると、責任ある積極財政は言葉によって期待値を膨らませるキャッチコピーなのではないかとも思えてまいります。 今までに、国論を二分するようなとかワーディングが高市総理はなかなか、おおっという驚きとか新鮮味というのがあって、複数年度予算も、先ほども触れていらっしゃいましたけれども、これからどうやって予算管理をするのだろうかとか、そういういろんな期待も高まるわけですね。 でも、複数年度予算も、成長投資分野についての予見可能性を高めるために行うという、その投資分野に限定したものなのかなというような印象を受けるところがありまして、その部分だけでいくと、今までも基金だったりGX投資だったり複数年度のやり方は過去も存在したわけで、そんなに目新しいのかなという気持ちがだんだんしてくるわけであります。 補正予算を前提としない本予算というのも、この後でも質問するんですけれども、ある意味で本予算を作るときに補正予算を前提としないのは当たり前の話でありまして、この緊要性については野党からも今までも追及をしてきたところでありますけれども、どのくらい本当に補正予算を全く組まないのかなというところについては、どうもそうではないのではないかというのが聞こえてきて余り目新しくはありません。 そういうふうに見ていくと、今回の責任ある積極財政も、アベノミクスの再来、皆さん期待してくださいという新鮮さで打ち出す中であるけれども、そんなに今までと変わらないのではないかという気もしてくるんですけれども、これはいかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 責任ある積極財政、私たち、この責任ある積極財政ということを強く掲げて、ずっとそれを政策の柱にしてきているわけです、この約半年ですけれども。 確かに、御期待をいただいていて、足下、既に民間投資が百兆円を超えたところでまた更に増えてきているので、それは、今回通していただいた本予算においても税収見込みがこれだけ伸ばすことができたということはその裏返しでもあるわけで、まさに、期待により経済に実際に数字が伴ってくるというのはもうこれは当然のことなんですけれども、その中にはもちろん気もあるかもしれません。長らく、政治の場面では気という言葉はそのように使われております。 ただ、客観的に、先ほどから何回か示唆させていただいておりますように、潜在成長率が低迷しているというのは、これは日本においてそのウイークポイントの一つで、これ主要先進国と比べてもずっとその状況なんですが。そこで、その構成要素がありますよね、人的要素とか。その中で、やっぱり資本投入量、つまり国内投資が圧倒的に足りないと、ひところマイナスだったわけですから、今でもそのプラスの割合がどうなのかなという議論をしているわけですが、そこに徹底的なてこ入れをするということに専ら産業政策において眼目を置いたのは、恐らく高市政権が初めてだと思います。 ですから、施政方針演説、総理のですね、の中でも、その産業政策における積極性というのをある程度くくっているわけで、海外においては、官民一体となって引っ張る大型投資というのは、規模の意味ではやっぱり米国と中国が圧倒しておりまして、それは幾らやってもなかなか、もはや経済規模で引き離されていますから、全く同じレベルには行かないものの、それまではそれほど大きな規模を目指そうということを正面に掲げたわけでもなかったわけですよ、産業投資を官民で引っ張るという意味でですね。 当然、官の方の歳出も立ってくるんですよね。単に規制を弱めたり、あるいは特定の産業においていろいろな優遇制度ということを飛び越えて広い範囲で税制上の償却措置を講じたり、あるいは官の方が投資をするという意味では、よく例に挙げさせていただいているAI・半導体の部分ではもう既にラピダスは先行して、毎年お認めいただいている予算の中でかなりの先行投資をしておりますが、ここまでの規模というのは近年しかなかったことですから、これがこの九年度予算案以降、さらに十七分野の中で用意ができているものの中では、広がっていくという意味では既に八年度予算においてもGX、AI・半導体等のものが増えてきておりますが、さらにこれから成長戦略とそれから危機管理を踏まえまして、かなり広い分野においてこれが出てきて強い経済につながるということが違いといえば違いであると考えております。
○高木真理君 国際的にも中国とアメリカの例出ましたけれども、官民でという、その官が引っ張るという部分の事情が変わってきているというのは私も理解をするところでもあります。 次に行きたいと思いますけれども、資料を御覧をいただきたいというふうに思います。高市政権の責任ある積極財政、私も理解をしようと思っていろんなものを見聞きしたりするわけでありますけれども、公聴会に、予算委員会で三月二十四日お越しいただきました会田卓司公述人の方から資料提供がある中から今回作らせていただいております。 会田氏によれば、グローバルスタンダードでは、国債というものは永続的に借り換えることができるから国債費に債務償還費は入らないと。日本も国債費を純利払い費だけにすれば予算の全体像の見え方も違うし、国債費は財政を圧迫していないから、もっと、言ってみれば国債を増やしても大丈夫だというようなニュアンスもありました。 そして、この資料の下の五ページみたいな形になっているところですけれども、ネットの資金需要マイナス五%の官民連携の投資超過で経済規模を強く拡大させるんだと、拡大させるんだということを御主張されていました。このグラフの左側の青いグラフが企業の貯蓄率、グレーのグラフが財政収支ということで、このネットの資金需要というものも書いてありますけれども、要は、財政収支を緊縮に持っていってしまうと、企業がその分ため込んだものを、企業の国内支出の不足に対して財政支出が足りなくて経済規模が膨らまなかったんだということであります。 なので、人口動態の悪化は原因じゃなくて投資不足が原因なんだという根拠で示されて、あっ、なるほど、高市政権の積極財政ってこういう考え方を背景にやろうとしているのかなというふうに理解できる部分があったんですけれども、私なりの疑問もありまして、例えばアベノミクスの当時を、もっと政府支出を増やしていたら本当に経済規模は膨らんだのか、あるいはコストカット経済から抜け出せていたのか、償還費は借り換えるので予算から外して考えれば心配しなくていいと思うけれども、日本は残高そのものが大きいので利払い費が利率が上がれば膨らんでいくリスクがあるんじゃないかとか、いろいろ疑問があるわけです。 そこで伺います。政府の財政政策として、このネット資金需要マイナス五%の官民連携の投資超過で経済規模を強く拡大させるためには、その水準まで企業がため込みに入ってもなお投資に向かって吐き出し始めるまで注入を続ける必要があると政府も考えているかどうか、伺います。
○国務大臣(片山さつき君) この責任ある積極財政というのは、ただ拡張的に財政支出を拡大するのではなくて、戦略的な財政出動により企業の前向きな国内投資を徹底的にてこ入れし、日本の潜在成長率の引上げを図っていくものであって、ワイズスペンディングの徹底であるというふうに総理も私も随所で申し上げております。 すなわち、政府支出の量的な規模を追求するのではなくて、企業の前向きな投資というか、成長力を引き上げるような投資につながるように戦略的に財政支出を行っていくというものであって、単純に企業と政府の資金需要の合計が一定の水準に達するまでひたすら政府支出を拡大させ続ければいいというようなことを考えているわけでは全くありません。 そもそも、政府と民間を合わせたネットの資金需要というのを財政の何らかのめどとして設定しようとしても、このネットの資金需要というのは、各部門が全部行動した結果として事後的に確認する、これはそういう数字ですよね、日銀の、日銀の統計だと。ということは、事後的にしか確認できないし、企業部門の貯蓄・投資バランスを政府がコントロールするのかと、それは余り、諸外国においてもそういう発想はどこも取っていないし、それがもうそもそも困難であるということは容易に想像できることでございますので、課題がありますから、我々はそういうことは考えていないし、客観的にも難しいと思っております。
○高木真理君 拡張主義的ではないというところで確認させていただいたところでもありますけれども、ただ、この先生によれば、そこまでやらないと効果は出ないよみたいなこともおっしゃっているので、効果を出すためにはどういう規模なのかとか、そこもやり方だけではなくて出てくるかと思いますので、これからも注意をしてまいりたいというふうに思っております。 ちょっと一問、ごめんなさい、飛ばして、六番目にしていた項目に行きますけれども、補正予算をなるべく組まない本予算編成にするという方針が出されています。 私、これまでも、グローバルファンドに対する拠出に対して何回か質問したことがあるんですけれども、グローバルファンドで拠出していくプレッジの資金などは補正予算で組まれることが多くありました。あと、道路予算とかも、あんなに毎回組まれるんであれば、どうして当初予算で組まないのかなというふうに道路予算について思っていたところがあるんですけれども、このグローバルファンドなどは、やはり補正予算を組むぐらいの時期にいろいろ、そのグローバルファンド側に緊急で今このぐらい必要だというような要請もあって、そうした時期に組まれるものになっていたということも聞いています。 そうした背景からいくと、これをもう、とにかく補正予算を作らないで当初予算にというふうにしてしまうと、いろいろ支障が出る予算も出てくるのではないかというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○副大臣(舞立昇治君) まず、当初予算と補正予算の関係についてでございますが、これまでも総理答弁されてきていますように、毎年、当初予算に計上すべきものは当初予算で計画的に計上し、その時々の経済・物価動向等を踏まえ、各事業の緊要性に基づき必要な事業を補正予算にするとの考え方が重要と認識しており、これまでもこうした考えで対応してまいりました。 補正予算につきましては、財政法第二十九条において、義務的経費の不足を補うほか、予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出を行う場合などに作成することができることとされておりまして、これまでも、補正予算編成に当たっては、その時々の状況を踏まえまして、その緊要性が認められる事業について、必要性などをきちんと精査した上で予算措置を行ってきております。 他方で、補正予算について、近年は常態化すると同時に規模が拡大しているといった指摘がなされていることも承知しておりまして、こうした中、政府としては、今後、特に民間事業者や地方自治体の取組を後押しするため、政府予算の予見可能性を高める、確保することが必要だと考えておりまして、必要な予算につきましては、可能な限り当初予算で措置することとしているところでございます。 今後の補正予算編成については、予断を持ってお答えすることはできませんが、こうした考え方の下、今後も、事業の必要性や実効性など個々の事業の状況等をよく踏まえた上で適切な編成に努めてまいりたいと考えております。今後、今年の骨太方針に向けて議論しまして、政府の予算の作り方について検討を深めて、進めてまいります。
○高木真理君 まあ若干苦しい御答弁だったなというふうに思いますけれども、これまでも緊要性を踏まえていましたとおっしゃるんですけれども、これからは緊要性を踏まえて、何かもっと当初予算にしますというような御答弁で。 ちょっともう一度聞きますけれども、そういう本当に緊要性があって、その時期にしか計上できないものはそこにするということで、つまり、補正予算で組むことももちろん考え、そこ必要だけれども、本予算に持っていかなきゃいけないから、その時期に資金需要が出ても、ちょっと当初読めないけどこのくらいで積んでおいたんでというのだけでいって支障が出るということはないということでよろしいですか。
○副大臣(舞立昇治君) 今後の補正予算の編成について、先ほど予断を持ってお答えすることはできませんというふうに申したところでございますが、補正予算を組まないとは申しておりません。
○高木真理君 分かりました。今まで緊要じゃないものも実は含まれていたかもということを告白なさったのかなともちょっと思いました。 それでは、ちょっともう一つ飛ばして、スルガ銀行事件に行きたいというふうに思います。スルガ銀行問題ですね、事件。 まず、金融庁の責任について伺いたいというふうに思います。 三月二十六日の財政金融委員会で、柴委員が、金融庁には三つの過失があるという指摘をしています。まず、様々な被害が訴えられたにもかかわらず初動の対応が遅れたということ、二点目は、森長官によりスルガを称賛するような発言があったこと、で、被害を拡大させたこと、三点目は、業務改善命令についても実効的な指導が行われてこなかったこと、この三点の過失があるという指摘をしております。 片山大臣も、これらの過失については認めていらっしゃって、なかなかその指導が後手になったり十分じゃなかったというようなことは、いろいろ読んでいると答弁の中に出てくるわけでありますけれども。 私、今回のスルガ銀行事件、調停ということになっておりましたけれども、これ、民事で銀行側を訴えるようなことになったので、それぞれ証拠が示せるかどうかによって、残念ながら証拠で示すことができないものについては勝訴をすることができなかった、調停で相手方から補償を引き出すことができなかったというような結果も生んでいるのではないかというふうに思います。 ただ、裁判の立て方によってはですね、これ金融庁の不作為があるわけですよ。指導を、最初の相談が上がってきた時期からしっかりと対応をしてこんなことをやめさせていれば、こんなに被害は拡大しなかったんです。この不作為を賠償せよということだったら、この裁判どうなっていたんだろうかというふうに思うんです。 薬害だったら、こうやって、薬害エイズのときもそうでしたけれども、途中で血液製剤の危険性をしっかり対応して、それに対する差止めとかやらなかったことによって健康被害があれだけ拡大したということは、国、最終的には、これ和解に応じるでしたかね、そういう結果になっているわけであります。 この通報があったのに動かなかった不作為、長官お墨付き、こういうことも、被害を認識しても適切な行政指導もしなかった、こうした金融庁の責任について、裁判の立て方によってはどうだったんだろうねというところも含めてお答えください。
○国務大臣(片山さつき君) 国の責任ということで、一般論としてですが、国が何々をした、あるいは何々をしなかったことにより賠償の責を負うべきかどうかという訴訟は、それは当然あり得るわけで、被害を御主張される方が訴えを提起されて、これを受けて最終的には裁判所が国家賠償法上の要件に基づいて司法判断をなさるというものでございまして、今のところそういったものは提起されてはこの件についてはいないけれども、ですから、それがどういうものになって争点がどこになってということについて私どもが想像してお答えするのは余りにも不適切な、まあ重たい問題でもありますから、ことかなと思うので、それは御理解をいただきたいと思います。 その上でですが、何回も申し上げておりますが、この二〇一八年にシェアハウスを向けた融資をめぐる問題が社会的に大きく取り上げられるまで、そのスルガ銀行の経営管理の態勢ですとか内部の管理の態勢において、この重大な問題を金融庁として察知できなかった、できていなかったというのは事実でございまして、こうした事案を踏まえて、今後再発してはいけないということで対策は講じてまいっております。 つまり、同様の問題の再発防止に向けたコンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方というのを定めて、それを発信して実行してきたわけですが、二〇一九年にはその金融機関における投資用不動産向け融資ですね、ジャンルとしてくくればこういうものになりますので、これについてモニタリングを強化して、必要に応じて行政処分を行うなど、改善を促してまいりました。これは、スルガ銀行以外にも、二〇一九年五月にある信金に対して業務改善命令を出しております。 金融庁といたしましては、いずれにしても、この問題を踏まえまして、引き続き、投資用不動産向け融資を含めて、金融機関の業務運営の適切性についてしっかりとモニタリングをして対応してまいりたいと、このように考えております。
○高木真理君 この事件について責任を問うて、もっと被害者救済までしっかりやるのが金融庁の責務ではないかということを問わせていただいている際に、今までの御答弁の経緯でいくと、これは調停にかかっていて、そういう呼び方をしてはいけないということを柴議員からも指摘させていただきましたけれども、債務者の方の今後をどうするとかという言い方になったり、そうした裁判に委ねている部分があるのでそれ以上のことは金融庁は触れませんということだったり、そこで決着が付いていますという言葉が出てきたり、そうやって今回民事裁判で進んでいったことによって、何かそばで見ていれば、自分たちにはもうそれ以上のことはできない、責任はないと言わんばかりに聞こえる対応になっているところに大変問題を感じております。 ちょっと時間が残っていないので幾つか飛ばすんですけれども、金融庁がこの救済へのロードマップを提出してくださいということで理事会の方で要求をしたところ、四月の二日に配付をされたものが出てまいりました。でも、これについては、各理事からも全くこれでは解決にならないと、情報の非対称性や問題への対処能力の格差が生じる、これについては、金融庁はだからこそ利用者保護のための役割を果たさなければいけないと金融庁の検査・監督方針に明記しているのに、この被害者はこういうふうに守ってもらえないままになっているということについては、これではロードマップ足りないぞということで各指摘があって、再度の提出をということになっていると承知をしております。 これ、担保物件を売り払っても返済がまだ残金が残る、だから、で、どうしてそんなことになっているかというと、まさにその人の支払能力を超えたものに、通帳のコピーなども改ざんをされて、自分の支払能力以上のものを貸出しをされてしまっている。こんな、今質問は飛ばしましたけど、詐欺じゃないかと、普通に、いろんなこと分からなかった、詐欺に遭ったという感覚になるような被害を受けている人たちがこんなことになっているというのは、本当に救済されなければいけないというふうに思います。 この担保物件売却後に返済がせめて残らない形で決着できるような指導というものはできないんでしょうか。伺います。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 本件につきましては、二〇二二年二月に被害者弁護団から申立てがございました民事調停につきまして、この調停対象となっていました全六百物件につきまして、先般、調停が成立若しくは調停外の和解により示談が成立したところでございます。 この調停の内容については一律ではございませんで、この六百件のうちの百九十三件につきましては不法行為の申立てに係る解決金支払の対象ということにされた一方で、四百七件につきましては不法行為の申立てに係る解決金支払の対象外とされまして、当銀行の不法行為が成立しないことを前提として、今後の返済プランについて誠実に協議し、示談に向けた解決を目指すということを内容として双方で合意したというふうに承知してございます。 この解決金支払の対象外とされた物件につきましては、この双方が合意した調停事項に基づきましてこの返済プランが協議されることになりますけれども、この協議に際しましては、家賃収入ですとか資産価値等、資力や財産の状況等、それぞれの債務者の事情に応じまして、あらゆる選択肢というものを排除せず、具体的な検討が進められるべきものと承知して、考えております。 私どもといたしましては、この当銀行が調停勧告に従った示談の成立に向けて適切な対応を行っているのか、この協議の過程についてしっかりと確認し、可能な限り早期に問題解決が図られるように取り組んでいきたいと思っております。
○高木真理君 裁判というか、その調停の結果が出ているからそれに従っていかなければいけないという前提に立つ時点で、もう被害者は置き去りにされていて、金融庁から見放されている状態に残念ながら今なってしまっています。それは、証拠を示すことが、結果的に、この被害者の皆さんは、銀行の中でどんなふうに通帳のコピーが差し替えられてとか、不動産屋さんからその銀行に行くときにどんなやり取りがあってとか、分からない内部のこと、証拠が出てこない、だから被害に遭ったものを救済されないわけなんですよ。そこのところを、もう裁判でそうなっているんだからしようがないでしょうということを言ってしまったら、救済できないんです。 この構造のおかしさに是非気付いていただいて、そんなことではなくて、全体としてもうそういうことが行われていたということであれば、この担保物件を売却した後に返済が残らない形で決着できるようにせめてするべきではないでしょうか、もう一度お答えください。
○政府参考人(石田晋也君) 証拠書類の件につきましては、当委員会でこれまでも御説明したとおりでございますけれども、この調停のプロセスにおきまして、当銀行からは、裁判所の求めに応じました必要な情報提供を調停委員限りの形で行ってきたものと承知してございます。その上で、先般、理事会にもこれまでの参考人招致の件についての回答をさせていただいているところでございます。 繰り返しになりますけれども、今般のこの調停が成立したということを受けまして、この調停の事項に基づいて両者の間で具体的な返済プランというものを協議して示談に向けて進めていくということになりますので、私どもといたしましては、銀行に対しまして、この協議に対して誠実に取り組むように確認、指導をしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
○高木真理君 これ、明らかにやっぱり、貸した側が借りた人の返済能力以上の与信をあえて吹っかけて、どんなことしてでも搾り取ろうという貸出しを行っている不正事件ですよ。だから、こんなことは今後二度とあっちゃいけないし、今回だって救済されなければいけません。そして、これがこうやって見逃されるということは、あっ、こうやってもいいんだって、ほかの銀行もやりますよ。それを見逃しているということと同じになりますから、是非再発防止に向けてもこの救済をきっちりやる、そして再発防止に向けて法改正も必要だと私は考えますけれども、今後法改正などを検討するか、伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 一般論として、貸し手、銀行、金融機関ですね、借り手、債務者ほど借り手の信用力に係る情報というのは有していないというのがこれが普通ですが、その中で、御本人の支払能力以上の与信とならないように返済可能性を確保して適切に信用リスクを管理するために、借り手の財務状況の調査分析ですとか将来キャッシュフローの予測といった必要な収支審査を行っているべきであるんですね。 また、返済が滞った場合の損失というのは貸し手が負うことになりますから、そうした不測の損失の発生に備えた財務基盤の構築に努めていると、これが今の金融の監督体制でございます。 融資に当たって、金融サービスの提供等に係る業務を行う者の職責等を定める金融サービス提供法において、銀行は顧客の最善の利益を勘案した誠実かつ公正な義務遂行を求められていると、この法律においては求められております。 その上で、スルガ銀行の問題を銀行一般の問題と捉えて、仮に、委員が御指摘のように、例えば担保物件の価値を一定以上上回る与信はするなとか、したら違法だとかいうようなことを制度として設けますと、やっぱりそれは金融仲介機能の方については一定の制限になりますから、その発揮がある程度は阻害されるだろうし、国民の経済活動に影響を与えてくるような可能性はあるとは思います。 いずれにしても、このスルガ銀行の事案につきましては調停における双方の合意が守られていくことが非常に重要と考えておりまして、金融庁としては、スルガ銀行に対して、引き続き、債務者に十分に寄り添った適切な対応をしていただくように促すとともに、同行が調停勧告に従った示談の成立に向けて適切に対応を行っているかをしっかりと確認し、可能な限り早期に問題解決が図られるように取り組んでまいります。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○高木真理君 はい。 今の大臣の御答弁では今回の被害者は救われないということを申し上げて、質問を終わります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。国民民主党・新緑風会の江原くみ子でございます。 私は、今回、NISAについて伺いたいと思います。 今回NISAを取り上げるのですが、現在、資産所得倍増プランですとか資産運用立国実現プランなど、様々な計画がございます。我が国の家計金融資産は長年にわたって預貯金に大きく偏っておりました。その構造を転換することは重要な政策であり、課題である、重要な政策であると認識をしております。特に、貯金金利がほぼ付かない中で、公的年金だけに依存しなければならない資産形成の必要性は高まっており、NISAのみならず、個人が自ら資産を形成していくことは必要な状況です。 その意味において、貯蓄から投資へ、その中核的な制度として位置付けられているNISAですけれども、今回さらにこどもNISAへの制度改正もされますけれども、制度としては一つ完成形に近づいているものであると理解をしております。 そこで、改めてNISAの金融政策における位置付けと足下の評価を伺いたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 金融行政を通じまして経済や国民の生活の向上を図るためには、国民の投資への関心を高めて、貯蓄から投資への流れというのを進めることが重要と考えております。 こうした中で、NISAは、家計の安定的な資産形成を促すとともに、経済成長に必要な成長資金の供給を拡大するということを目的とする制度だと位置付けております。 足下では、家計の金融資産における株式や投資信託等といったリスク性資産の残高が過去最高を記録しておりますほか、現預金の割合が初めて五〇%を割るなど、貯蓄から投資への流れも着実に進んでいるというふうに受け止めさせていただいております。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 貯蓄から投資への流れを促進して経済成長とその分配の好循環を実現すると、この二つが大切ではないかというふうに考えております。 そこで、政府におけるNISAについてのKPI的な指標というのはどういったものでしょうか、伺います。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 NISAに係るKPIといたしましては、口座開設数と買い付けの累計額を設定しております。それぞれ、二〇二七年十二月末までにNISA口座数三千四百万口座、NISA口座での総買い付け額五十六兆円の達成を目標としております。 なお、総買い付け額については二〇二五年十二月末時点で七十一兆円となっておりまして、政府目標を二年以上前倒しで達成しているところでございますが、開設口座数につきましては同じ時点で約二千八百二十六万口座となっており、目標には到達しておらず、金融庁といたしましては、引き続き目標の達成に向けて、NISA制度の適切な活用に向けた周知、金融経済教育の充実等の取組を推進してまいりたいと思います。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 二〇二七年の十二月末までには三千四百万口座、買い付け額が五十六兆円ということですけれども、数の方はまだ未達ですけれども、買い付け額についてはもう既に七十一兆ということで達成しているというふうに理解をしましたけれども、指標としてはこのNISAの口座数と買い付け額しかないということでよろしいのか、確認します。
○政府参考人(岡田大君) そのような理解でございます。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 大臣の評価と数値的な評価、KPI等も伺いましたけれども、ここから若者のNISA活用について伺いたいと思います。 私は地方議員を長らく務めさせていただきまして、直接たくさんの皆さん方から声をいただいてまいりました。直接、お一人様にまつわる課題なども多く、特に最近は若者の孤独、孤立について多くの声をいただいておりますので、そういった観点も含めまして質問をさせていただきたいと思います。 若い世代からNISA貧乏という声が聞こえております。片山大臣は三月十日の財務金融委員会の質疑において、NISA貧乏の認識を問われ、それまでもしかしたら認識はなかったようでもございますけれども、ショックを受けたということですし、だからこそ金融教育であったりライフプランニングであったりということが重要だということでありました。 私たち以上の世代は、元々預貯金が中心、そもそも投資は余裕資金の範囲で行うというのが常識であった時代です。だからこそ、いわゆるNISA貧乏にはならないのではないかというふうに私自身は推測をしております。 しかし、若者はどうでしょうか。私は、子供と接するボランティアも長年、二十年以上やっておりますけれども、若者と話すと、何かを問いかけたり何かを問うと、まず今スマホなんですね。 私たち世代は、自分には自分の考えを自分で持っているというふうに思っています。自分の知識や情報を集めて様々な人たちと対話をしたり、それまでの価値観を総合的に照らして自分の考えを導き出しているんではないかと思います。 一方、ちょっと私は実感としては分からないんですけれども、デジタルネーティブと言われる今の若い人たちは、自分の考えよりもまずスマホに聞くところから始まるという傾向が本当にあると思っています。自分でまず考えるのではなくて、答えはスマホの中にあって、それを探し出すというような思考になっている若者が多いのではないかと感じています。 資産所得倍増プランの中にも、二十代から三十代の若年層の利用が急拡大されているとありますが、現在の三十代までの若者のNISA活用状況について伺います。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 三十代までのNISA口座開設数は、二〇二五年六月末時点で、十代は十五万口座、二十代は三百十二万口座、三十代は四百七十二万口座となっており、口座開設数全体の約三〇%を占めております。 また、二〇二五年一月から六月までの総買い付け額は、十代は約二百三十三億四千七百三十二万円、二十代は約六千七百七十六億二百八十八万円、三十代は約一兆八千四十九億七千八百二十一万円となっており、総買い付け額全体の約二四%を占めております。
○江原くみ子君 十代におけるNISA口座の開設についてですけれども、昨年の六月末時点での前年比増加率がほかの世代よりも大分多いですね。ほかの、二十代は六・一、三十代は五・三ですけれども、十代は二八・五%の増加率ということですけれども、こちらは、その背景は、学校教育の影響なのか、家庭の影響なのか、SNSの影響なのか、どのように捉えておるか、伺います。
○政府参考人(岡田大君) 御指摘のとおり、令和七年六月末時点における十歳代の、十代の前年度比口座開設数増加率は二八・五%となっております。 増加要因は様々考えられますが、十歳代におきましては、口座開設可能な年齢が十八歳と十九歳ということで、その他の世代と比較して開設口座数が少ないということがございまして、増加数がそれほど大きくなくても、この母数が小さいことから増加率が大きくなっていることが主な要因として考えられると承知しております。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 元々の基数自体が少ないということで認識をいたしますけれども、いずれにしても、若者世代に急拡大をしているという状況だと思います。 私たち国民民主党は、現役世代の手取りを増やそうと様々な提案をしておりますけれども、若い人たちは所得が少ないにもかかわらず、三十代では利用率が最も高い数字が出ております。さらに、社会的な風潮として、投資をしなければ将来に備えられないといったような認識が広がっており、特に若い世代においては投資が選択ではなくて前提のように受け止められている傾向があるのではないかと思っております。本来であれば、若い世代は、自分に投資する、スキルアップなど、また自分が必要なものに使っていく、そんな大切な時期だというふうにも思っております。 NISA貧乏については、バランスの取れない資金配分、実際に数字でそのNISA貧乏というのがどの程度、把握するというのは難しいというふうには思っておりますけれども、私自身は強い問題意識を持っております。 そういう意味で、先ほどの答弁では、指標は、口座数、投資額のみということでございましたけれども、本来問われるべきは、その投資がどのような形で行われているのか、長期的な資産形成につながっているのか、そして何よりも、国民の生活の安定や将来への安心に寄与しているのかというような質の側面が大変必要なのではないかなというふうに思いますけど、その見解について、あればお願いいたします。
○委員長(宮本周司君) 答弁はどちらに。どなたに質問ですか。いいですか。 金融庁総合政策局岡田審議官。
○政府参考人(岡田大君) 御指摘の点も大変納得いくところではありますが、他方で、政府のKPIとして設定していく場合に、そういう質的な形での設定などをどういうようにやるのかというのは少しちょっと考えないと難しい面もあります。 いずれにいたしましても、御指摘のような問題意識も踏まえながら、金融経済教育、それからNISAの施策を進めてまいりたいと思います。
○江原くみ子君 よろしくお願いをいたします。 本当に若い世代においては、生活と投資のバランスが崩れた場合、その影響は長期間に残っていく、わたる可能性があります。だからこそ大切だというふうに思っておりますけれども。 そこで、金融教育が本当に大切だなというふうに考えております。金融リテラシー、金融教育の取組、主にJ―FLECについてかと思いますけれども、こちらについて伺います。
○政府参考人(岡田大君) お答え申し上げます。 政府は、全国での金融経済教育を推進するための主体として、二〇二四年四月に金融経済教育推進機構、J―FLECを設立いたしました。J―FLECでは、最低限身に付けるべき金融リテラシーを体系的に整理した金融リテラシー・マップに沿って様々な年齢層に向けた講義資料を作成、それから、特定の金融機関に偏らないといった要件を満たす認定アドバイザーを認定、公表し、全国の企業や学校等へ講師派遣を行い、家計管理、資産形成の基本などについて幅広く授業を行っています。また、個人が安心して資産形成等に関するアドバイスを受けられる環境の整備も進めているところでございます。 金融庁といたしましては、国民の金融リテラシーの向上に向けてこうした取組を更に進め、幅広い分野の金融経済教育が広く浸透するよう、J―FLECを中心に官民一体となって取り組んでまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 様々な取組を取り組んでおられるのも存じ上げておりますし、J―FLECの取組、私もこれ本当にいい取組だというふうに思っておりますので、広めていきたいというふうに思っています。 ただ一方で、単に利用が広がっていく、認知度が広がっていく、その広がり方が健全なものにしていくことこそ必要なのである、必要ではないかと考えております。最終目標は何なのかということを念頭に置いて、それぞれの教育を、金融教育を行っていただければと思います。 J―FLECの活動、取組、いろいろありますけれども、その推進についてはもちろん重要ですけれども、金融に対して興味、関心のない若者たくさんいます。そういった若者に対する啓蒙についてはいかがでしょうか。
○副大臣(岩田和親君) お答えをいたします。 委員御指摘のように、金融経済教育に関心がない、興味がない層へのアプローチは重要であると、このように認識をしております。 J―FLECにおきましては、無関心層や若年層を含めて幅広い層に金融経済教育を提供する観点から、場所や時間を選ばずに講義動画を視聴できるオンラインの講座の提供や、イベントなどのですね、そういったものと同様に学ぶことができる映像コンテンツの作成やネット配信を積極的に取り組んでおります。 また、若年層に対しては、学校現場において充実した金融経済教育を受けられる環境を整備していくことも重要でございます。そのため、金融庁では文部科学省と連携をして学習指導要領における金融経済に関する内容を充実してきたほか、J―FLECでは全国で学校への出張授業にも取り組んでいるところです。 金融庁としては、引き続き、幅広い層に対して金融経済教育が提供できるようにJ―FLECの取組を後押しをし、社会全体の金融リテラシーの向上を目指してまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 教材や講師の充実はもちろんですけれども、特に若い人などはティックトックとかユーチューブなどでリーチするというのも有効かと思います。 これ、ちょっと、おととしの調査ですけれども、新NISAの認知率は五二・三%、でも、制度の内容認知率は一八%ということになっております。その点について、興味、関心のない人たちにもユーチューブやティックトックなどでやっていく点についてはいかがお考えか、伺います。
○副大臣(岩田和親君) 先ほどお答えもいたしましたけれども、まさに御指摘いただきましたようなインターネット等の動画、こういったものも活用した講座の充実を取り組んでいるところでございます。 重ねてではございますけれども、こういった委員御指摘の無関心層の若者を含む幅広い層に対して金融経済教育が提供できるように、更なる取組を進めてまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 予算委員会の質疑で、若者の孤独・孤立対策について、若者十万人の総合調査について伺いました。もちろんJ―FLECなどの意識調査などももうあると思いますけれども、これからの若者の孤独・孤立対策においてどう感じているのか詳細に取るということは必要かと思います。という意味において、この設問の中に将来への生活設計や貯蓄や投資なども追加すべき、質問項目にと思いますけれども、いかがか伺います。
○政府参考人(水田功君) お答えいたします。 今御指摘いただきました調査は、こども家庭庁におきまして、令和八年中に若者を対象としてその状況や課題を詳細に把握するため、大規模に実施することを予定しております。その中では、若者の経済状況、金銭面の観点も含めて調査を実施することとしておりまして、御指摘の資産形成への関心についても調査項目に含めることを予定しております。 また、アンケート調査項目の設計に当たりましては、より実態を捉えた調査となりますよう、当事者である若者の声を聞くとともに、有識者や若者支援団体等との意見交換を現在進めているところでございます。若者の実態を明らかにできるよう、引き続き検討を進めてまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。そういった意味では、NISAについて様々な若者たちの御意見をしっかりと受け取って政策に反映していただければというふうに思います。 それで、時間がもうございませんので、三問は飛ばさせていただければと思います。 最後に大臣に伺いますけれども、NISAは大変非常に重要な制度であると思っておりますけれども、その評価は、単に利用が広がったかどうかではなくて、国民の生活の安定と将来への安心にどれだけ寄与しているかで判断されるべきであるというふうに思っております。 投資を促す政策と生活の安定を守る政策をどのように両立させていくのか、NISA貧乏の例を出しましたけれども、NISAをやっている人、やっていない人、分断も見られます、若者の中にはですね。 これからの日本をつくっていく特に若年層に対してどのようなメッセージを発していくのかも含めまして、貯蓄から投資へと消費とのバランスについて、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) まさに委員今おっしゃったように、今の若い方ってやっぱり自分なりの自分の個性で決めたいとか、自分の知識でこのようなプランを作ってみたいというお考えって確かにあるなと、我々世代に比べてもすごくあるなと思いますので、この投資への取組、あるいは投資しない分は貯蓄して、それも除いた分は消費するんでしょうけど、最終的には、その人の人生のバランスというか、その人の個人のテイストというか判断というのがすごく大きいわけですよね。それをお手伝いする意味で、そのライフプランを、例えばどういう御職業にお就きになりたいとか、あるいはまた、一回休んで、留学とは言わないかもしれないけど、研修や教育に入りたいとか、そういう場合はそのライフステージがいろいろあるわけで、そこにどういうお金が必要かと。 つまり、消費しなくちゃいけないか、支出があるから、その間に資産形成がどのぐらい必要なのかというのを考えて、その上に様々なリスクがあるので、一番重要なことは分散型ということなんですけれども、分散型投資、投資にしても分散型投資にしていく上で、各々のそのリスクがどの程度だと、リスクが非常に少ないけどリターンもあんまりないとか、リスクはこういう場合にはリスクがあるとか。 今ですと、だんだんだんだんインフレ基調になってくるわけですよ。まだ完全にデフレ脱却とは言ってませんけど、インフレ定着傾向があるわけですが、そうなってくるとインフレヘッジも必要ですから、インフレヘッジする資産ってどういうものなのかとか、それを知識としてまず分かっていただいて、その上でどういうプランを描いていただくかというのは、あくまでも無理のない範囲でやっていただくのがこの資産形成とか貯蓄から投資への流れなんだよということを御理解いただけるように、今るる参考人からも御答弁申し上げましたが、国民の皆様全員漏れなくですね、誰も取り残されることなく、皆様にとって有用な金融リテラシーを持っていただきたいと、そのために知識を増やしていただきたいと、こういうことではないかと思います。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○江原くみ子君 はい。 今回は若者とNISAについて取り上げましたけれども、老後の資産という意味では、iDeCoや今回のこどもNISAなどもあります。いずれの制度も、普及の先にあるのは国民一人一人が安心できる生活です。その視点に立った政策運営を求め、質疑を終わります。
○原田秀一君 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。本日もよろしくお願いいたします。 昨日、議事要旨が公開されました三月二十六日の経済財政諮問会議について質問します。 諮問会議では、元IMFチーフエコノミストのブランシャールMIT名誉教授から、日本の財政政策について示唆に富む提言がありました。低金利下での既発債の影響で、現時点の金利、rと経済成長、gの関係から債務残高GDPを低下させるのは容易である、一方で、今後は世界的に中立金利が上昇し、rとgの差が縮小する、よって五年後にプライマリーバランス均衡を目指す必要があるとの提言です。 大臣は先日のブランシャール教授の提言全体をどのように受け止められたか、教えてください。
○国務大臣(片山さつき君) 三月二十六日に経済財政諮問会議でオリビエ・ブランシャール教授とケネス・ロゴフ教授をお呼びして、この経済財政運営についてお話を聞いて議論が行われたということで、ブランシャール教授は翌日、私の部屋の方にも来ていただいて、一時間弱ほどお話もさせていただきました。 まず、諮問会議の場で教授がおっしゃったことの中には、財政運営については、経済の不確実性や債務残高対GDP比を踏まえつつ、機械的なルールを持つよりも信頼に足る中期の道筋を示すことが重要ということを強調されたと。これは、我々も同じようなことを考えているわけですから。また、公的投資については、歳出と想定される歳入の関係性を透明化し、投資予算は別枠管理することが重要と。これも、これからの予算改革の中にも入っておりますし。また、世界的に金利が高まり、不安定化が進む中で、金利上昇に備えたリスク管理が大切と。これも日々マーケットの信認ということを非常に強調しておりますので、我々としてはいい御示唆をいただけたなと思っております。 まさに、この日々の市場動向や経済指標を常に十分注視して責任ある積極財政を行っていくということ、これが我々の経済財政運営の基本線でございますので、いただいた御意見も十分踏まえて、今後とも、債務残高の対GDP比の安定的な引下げに向けて、具体的な指標も明確にしつつ、今年の骨太の方針の策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 ブランシャール教授の資料四ページでは、政府の債務管理において、債務の満期構成には日銀の当座預金も含めて考える必要があるとの指摘があります。ブランシャール教授は、著書「二十一世紀の財政政策」の中で、量的緩和による国債の買入れは統合政府全体で見れば債務の極端な短期化を招いていると警鐘を鳴らしています。実質的に政府と中央銀行を統合政府として捉え、日銀当座預金を期間ゼロの超短期債務とみなすべきとの議論です。 財務大臣として、この視点をどう評価されているかをお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) この件についてはそれ以上のやり取りを私もしていないので、御著書は私もいただいたんですけど、多分、委員がお持ちのものと同じなものかなと思いますけれども、日本語になったやつですね。 政府と日本銀行のバランスシートを連結した、いわゆる統合政府という考え方が前提となっているものだと思いますが、この点につきましては、日本銀行が金融政策を行う上での自主性にちょっといろいろ問題とか疑義を生じさせることになりかねないので、またそれから、つまるところ、この財政ファイナンスを狙っているのではないかといった誤解も生じるおそれがあるので、私どもとしては、統合政府の考え方を前提として財政運営を行うということは考えておりません。ブランシャール教授も、統合的な見方は有益だが単一の数字に依拠することはできないというふうに、結構慎重な言い方をされていたというふうに承知をしております。 その上でですが、仮に日銀当座預金の満期をゼロとして、これ実際にはそうやってすぐに引き出してしまうものもあるんですが、いわゆる長年積まれているものもあるものですから、恐らく教授の考え方は、最近BIS規制が非常に流動性重視になってしまって、大体中央銀行への当座預金というのはゼロになっているので、それである程度そこに積むという金融機関もあるものですから、それを前提にしているんだろうと思いますが、まあ実態がどうかというのはまた別の話なんですが、それで統合政府として債務の満期構成を計算すれば、今よりは当然短くなりますよね。 ただ、申し上げたように、そもそも我々はその統合政府の考え方を取っていませんので、責任ある積極財政という今の我々の考え方の下で、市場の動向とか様々な経済指標を常に十分注視しながら強い経済をつくることと財政の持続可能性の確保を両立するというのが考え方で、そのように受け止めております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 先日の、統合政府で見れば債務の極端な短期化を招いているとの考えから、ブランシャール教授はより長期の国債を多く発行しておくべきだとも提言をされています。 現在の債務管理政策において、この期間の長期化を更に推し進める考えはありますでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 国債につきましては市場との対話を一番重視しておりまして、発行計画をきちっと明らかにしているというのが我が国の考え方でございまして、それを今回は年央の見直しもあり得るということですね、さらに、もっとオンタイムでこれを、市場に優しくというんですか、市場の見方に合うようにということで運営を行っているところでございます。 また、一般論でしかないですが、発行年限の問題というのは、年限が短いと長い国債よりも利払いコストを低く抑えられるということはあるんですが、借り換えるときに急騰しておりますと、それは借換え時の金利上昇リスクが来ちゃいますから、それは、本当に年限や年限構成についてはその時々の市場ニーズを相当よく把握して計画化していくことが必要だと思っております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 続きまして、資料六ページに、ブランシャールさんの資料六ページにありますように、ブランシャール教授は、不確実性を考慮した五年、二十年スパンの動的シミュレーションの採用を提案しています。 米国では、超党派の議会予算局が、毎年、今後十年間の歳入歳出、財政赤字及び政府債務残高の予測を公表します。米連邦議会では、この十年間の財政見通しを土台とした議論が定着しています。 また、英国では、独立した公的機関である予算責任局が五年間の経済財政見通しと五十年間の超長期分析による債務持続性分析を国会に提供し、それが政策立案の絶対的な前提となっています。二〇二五年の最新の分析でも、高齢化や防衛費増大により、二〇七〇年代には債務残高GDP比三〇〇%に達するとの厳しいシミュレーションを示し、この議会での増税か歳出削減かという究極の選択を迫る議論の土台となりました。 日本の国会でも、単年度予算だけではなく、長期の債務見通しについても議論すべきではないかと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) この点につきましては、ブランシャール教授が私の部屋に来ていただいたときにもちょっと深めて議論をしたんですけれども。 今アメリカの議会の超党派の予算局の分析の話とか、あとイギリスの話も出たんですが、確実に非常に信頼されている、中立性があって、国際機関にとっても、あるいは様々なアカデミアにとってもというものが存在している国ってどことどこなんですかって聞いたら、いや、実はそれは一つもないと、なんだけど、あえて言えばチリかなと。アメリカの予算局のことを例を挙げたのは、比較的これが、数字が出るとマーケットがある程度反応すると。つまり、非常にマーケット重視の方で、マーケットから見て一定の聞く耳のある、聞く耳を持ってもらえるということが重要なんだということを強調して言っておられたので、それはそれで一貫性のある御主張なのかなと思ったんですが。 その上で申し上げますと、中長期のシミュレーションは、日本政府はやっていないわけじゃなくて、内閣府が足下の予測や直近の経済動向を踏まえて中長期試算というのを年二回、この一月に出しましたよね、あとは七、八月ですけど、やっている中で、完全にこのSDSAのような確率論を多用したものではないけれども、高成長実現ケース、成長移行ケース、過去投影ケースに分けて、十年間の名目GDPや公債等残高対GDP比などの推移は試算、公表はしているわけでございます。 その上で、SDSAについて、その中長期試算を更にもっと良くしていくことができるかというと、それは当然改善の余地はあるんでしょうから、経済の不確実性とか債務残高対GDP比を踏まえた上で、さらにこのモデル計算の活用で更なる信頼に足るような中期の道筋ができれば、もうそれは我が国にとっても議会での議論にとっても非常に有用ということは言えると思いますので、決して中長期試算が今あるからベストで十分と言っているわけではなくて、あらゆる入手可能なデータが参考にされるべきだし、よく私も申し上げておりますように、三百六十度の目からいろんな見方のデータを見て、テーブルに上げて、多角的な評価をしなければいけないと、このように考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 私、前職では企業全体を買収をするプライベート・エクイティー・ファンドにも在職していたんですが、五年、十年の長期の経営計画をベースに経営陣と議論をして、もっと業績を伸ばすための成長投資や経営改善策というのを実行してまいりました。国の在り方の議論も同じではないかというふうに思っています。毎年、単年度だけ丁寧に見ても、木を見て森を見ずになって、国会の本来の役割が果たせないように感じます。 また、同じように、前職時代にダノンやイーライリリーのような欧米企業の社外取締役の経験者に投資先の企業の経営に参画してもらいましたが、日本企業は何で取締役会で予算の細かい議論ばかりするのだと、それは執行に委ね、長期の経営戦略の議論をするのが取締役会であると異口同音によく文句を言われました。 国民の代表たる国会と政府の関係、それと株主の代表たる取締役会と経営陣との関係というのは非常に似ているなと両方やった経験から感じております。木を見て森を見ずは生真面目な日本人の悪い癖なのかもしれません。是非、長期の債務見通しの議論を国会でもできればと考えています。 次に、資料八ページでは、防衛や危機管理投資について、将来の税収を十分には生まないとの指摘もあります。これらの支出の増大が財政の持続可能性に与える影響を大臣はどのように認識されていますでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) これも議論になったんですけど、ブランシャール教授はこのようにレジュメには書いていらっしゃるんですが、防衛につきまして、フランス人なんですよ、この方、また御活躍の場はMITですからアメリカなんですが、両国とも大変な、産業として防衛産業をお持ちで、非常に国富を形成しておられるので、それは十分お分かりな上で、投資の中にはそういうものもあるし、地球温暖化というのは長期的には人類全体に利益を生むんでしょうけれども、短期的には何々を防ぐとか、何々をしないようにが多いですから、それはそういう見方もあるという意味だということであって、リターンが不確実な投資として教育、研究というのも同じようなことだと言っておられましたので、確かに見方においてはえっと思うところもあるんですけれども、この分類が絶対的なものというようなお考えではないんだろうなと私は後でお会いして思いました。 要は、投資になるから全部中長期的に国債で見て、いろんな財政比率を余り問わないという意味ではないんだよということをおっしゃりたかったようであります。ですから、これらの投資について様々な見方がされると思いますし、財政的収益や成長押し上げ効果があるものもあるかもしれないし、そうでないかもしれないという点では、これは我々もさように思っております。 いずれにしても、この分野を含めまして、成長戦略本部の事務局と内閣府の共同で、私ももちろんメンバーですが、骨太方針の策定前に、今後の予算編成に資するように、この国内投資の伸び全体について定量的に明らかにすると、それから、可能であれば、いわゆるダイナミックスコアリングのように、GDPの伸びや税収増への寄与、あるいは債務残高対GDP比の見通しなどの試算も私どもの方としては内閣府さんに出していただきたいと言っているわけで、こういったものが出てくればより非常にはっきりするということですが、今の時点ではまだその数字が出ておりませんので、そこはなかなか予断を持っては申し上げにくいところだと思っております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 次に、ロゴフ・ハーバード大学教授は、世界中、債務膨張、貿易システムの分断、軍事費の増大等で長期金利が上昇していると、私たちは、ほんの数年前とは全く異なる世界で生きていると、それにもかかわらず政治家の感覚はまだ低金利なままと警鐘を鳴らしました。 日本についても、低金利の恩恵を長く享受してきたが、日本の長期金利が今後数年で三%やそれ以上になっても驚かないと、日本の円安も日本が世界の金利の動向に追い付いていないことを反映しているという言及がありました。 先日のロゴフ教授の提言についての片山大臣の受け止めを教えてください。
○国務大臣(片山さつき君) 金利の上昇についての警鐘とそのリスク管理が大切であるということは、私たちも日頃そのように感じておりますし、まさに市場の信認ということを最重視しておりますので、責任ある積極財政の一つの重要な要素だと思っております。 ただ、私のこの立場では、じゃ、それが何%などということは今までも一切申し上げてはおりませんが、急上昇、それから、先般のですね、先般といってもかなり長いこと続いておりますが、二月二十六日以降、はっきり言って、金融市場全般に余りにも、本来だったら必要のないようなボラティリティーが多過ぎるという状態が続いていて、おととい、昨日の事象でちょっとすとんと正常化したというのは事実ですから、こういうことも考えた上で、今回学んだことは、他の市場や他の状況からの伝播による国際的な金利上昇というのがはっきりあると。それが、かなり予測していたよりも急激にあって、もちろん急激に下がることもあるんですけれども、その影響度が、前から無視はしていませんけど、全く無視できないということをG7の財務大臣あるいは中銀総裁全部入れたオンライン会議でも異口同音にほぼみんなが言っていましたから、ここはまた新たにきちっと対応していかなければいけないということで、そういう意味もあって、三月二十六日の時点では、ロゴフ教授もそれからブランシャール教授も金利についての言及の部分が多かったというのは、そういう時期的なものもあると思います。 また、ロボティクスや多くの分野で日本はそんな謙遜しなくても非常に最先端に行ける、つまり勝てる筋だよということもおっしゃっていただいたので、そういう取組にはどんどんと着手して前向きにいけばいいという御評価もいただいたので、今申し上げたようなことを生かして、我々のリスク管理を含めたこの責任ある積極財政の具体化に向けては考えてまいりたいと思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○原田秀一君 はい。 ロゴフ教授もブランシャール教授も、今消費減税はやるタイミングじゃなくて、ほかのことをやる、もっとやることがいっぱいあるというコメントもありましたので、この質問もしたかったですが、時間が参りましたので、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 早速ですけれども、通告に従いまして、質問に入りたいというふうに思います。 まず最初に、日本版DOGEに関して質問をさせていただきたいというふうに思っております。 政府は、高額な補助金や基金に加え、税制優遇である租税特別措置についても、この日本版DOGEということで横断的に点検、見直し、行うこととされておりまして、この方向性自体はしっかりとやっぱりやっていただきたいというふうに思っております。 ただ一方で、昨年、ガソリンの暫定税率の廃止の議論、私も党を代表して参加をさせていただきましたが、そこでいろいろなやはり財源確保の議論もるるございました。そういった中で、そこのメニューの中にも租特の見直しというものが出ておりました。 ただ一方で、この租税特別措置の財源の議論をすると、大体大きなメニューというものは固定化している、決まっている状況になるんではないかと。 具体的には、研究開発税制、そして賃上げ税制、そして中小企業の法人税の軽減、これがやはり租特の中では大きなウエートを占めておりまして、その中で、特にもう賃上げ税制については、今年度の税制改正、先日成立をいたしましたけれども、大企業分については前倒しで縮減、そして中堅企業については予定どおり今年度で終わるということになっておりますので、余りこれは財源確保の議論ではなく、やはりしっかりとめり張りを付けて見直していくということが大事なんではないかということで、この点を確認をさせていただきたいというのが一点と。 加えて、租税特別措置は、歳出、一般の歳出とは異なりまして、その実態や政策効果が見えにくく、結果として既得権益化しやすいとの指摘もありますので、こうした点も踏まえて、政府として、政策効果や費用対効果、また公平性、利用実績といった点を評価指標にしてしっかりとやっぱり点検を行っていく、そこが非常に大事な部分になるかと思いますけれども、こういった点についてどのように財務大臣としてお考えで、どういうふうに進めていかれるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 租税特別措置については、特定のその掲げられた政策目的の実現に有効な政策手段となっているのかという、この必要性と有効性がちゃんとあるのかということが当然あるわけで、見直しというのはほとんど毎年やっていることになっておるわけで、法律的にも法人のものにつきましてはそれが掛かっておりますし、公平、中立、簡素という租税原則から見ると例外にはなるので、まさにEBPM的なデータに基づいた効果検証が必要ということで、先ほど委員が御指摘の賃上げ促進税制については、大企業、中堅企業、中小企業それぞれの状況の違いを踏まえて見てみると、これは一部廃止を含めた見直しということが適切であるということで、そのようにして、税調の中にあるEBPM専門家会合における議論がこの給与の問題とそれから試験研究費の方では非常に効果を持ったということではないかと思います。 元々、租税特別措置及び補助金の見直しというのを拝命した時点では、これは我々の維新さんとの連立政権合意書にもありますとおり、政策効果の低いものの見直しが必要というのであって、金額が先にあって、政策効果のあるものを捨てちゃえとは誰も言っていないんですよね。 だから、そこが重要でございまして、政策効果が高まるためにちゃんと点検をして、やっぱりその審判者は国民の皆様だと思うので、まずは、二月末までに意見を広く公募させていただいたら三万七千件ありましたので、そう遠くないうちにこれをお示しして、一府十二省庁にも全部持ち帰っていただいて、ほかの今までに指摘されたものも含めてまずそのレビューから始めるということで、基本は令和九年度の予算編成、税制改正の要求、要望段階からやっていただくと。 そうでないと、特に租特の方は税制ですから、いいものはできないので、そういう形で既存の取組も上手に使いながら政務のレベルのリードをしっかりと保っていただいて、やってまいって、私としてはもちろん担当ですから責任を持ってまとめてまいりたいと、かように考えております。
○杉久武君 なので、租特ってやっぱりめり張りが非常に大事だというふうに思っておりますけれども、私も長年この税調の中で議論を重ねてきて、とはいえなかなか簡単にできない部分も、いろんな議論があろうとは思いますけれども、しっかりと当初の目的に沿って進めていただければというように思っております。 続いて、今日は国税庁にもお越しいただいて、ありがとうございます。 食品ロスに関連する税制について確認をさせていただきたいというふうに思います。 私、党内の食品ロス削減PTの事務局長を拝命しておりまして、この食品ロス問題についても取り組んでまいりました。今、分かりやすく申し上げると、食品ロスというのは国民一人当たり一日おにぎり一個分というのが大体目安になるんですけれども、食品ロスが発生をしている状況でございまして、これをできるだけなくしていく、そういった様々な取組が必要だというふうに思います。 なかなかこれだけをやればという世界ではないので、いろんな施策を合わせ技でやっていかなきゃいけないと思うんですけれども、一つの重要な、やはり企業側から見れば、税務上の取扱いがどうなるのかということは非常に大事なポイントになってくるんだというふうに思っております。 その中で、例えば、食品産業、食品を製造、販売している企業がフードバンクなどに食品を提供する、こういった取組も広がりを見せているところでありますけれども、税務上の取扱いが十分にまだ理解されていない部分もあるんではないかというふうに思っておりますので、ここで改めて、企業等が食品を提供した場合における、法人税や所得税においてですね、どういう取扱いになるのか、この点について現行制度を具体的に整理をしてお示しをいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(田原芳幸君) お答えいたします。 一般的に申しまして、企業等が自社製品などの資産を無償で提供した場合には寄附金として取り扱われまして、法人税法上の損金あるいは所得税法上の必要経費の額に全額を算入することはできない取扱いとなってございます。 他方、企業等がフードバンクなどに食品を提供した場合でございますが、これが実質的に食品廃棄として行われるものであれば、その提供に要した費用につきましては寄附金ではなく寄附金以外の費用として全額が損金又は必要経費の額に算入できる取扱いとなってございます。
○杉久武君 今御説明いただきましたとおり、原則は寄附行為に当たる、寄附行為に当たるので、寄附金控除の限度の枠の中でということだと思うんですけれども、今大事なポイントをお示しいただいたなと思います。 実質的に商品廃棄に該当するような状況であれば、ある意味、限度なく損金算入できるという整理だったというふうに思うんですけれども、この実質的に商品廃棄というのはこういう理解でいいのか。例えば、商品を、食品を売る企業は、ある程度賞味期限の残日数が例えば一定期間をもう満たないものについては社内ルール上も廃棄するというプロセスがある、そういった状態になったものを例えばフードバンク等に提供する場合は、寄附の、寄附で損金算入、限度のある寄附ではなくて限度なく損金算入できる、こういう理解でよろしいか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(田原芳幸君) お答えいたします。 実質的に食品の廃棄として行われるというのは具体的にどういうことかという問いというふうに理解いたしましたが、この点に関しましては、国税庁の方で質疑応答事例ということでホームページの方に公表しております。 その内容でございますが、食品の提供が、今ほど委員の方からありましたけれども、社内ルール等に従いまして廃棄予定の食品をフードバンクが回収するものであって、その提供する企業にとりまして実質的に食品の廃棄処理の一環で行われる取引であること、さらには、その提供する企業とフードバンク等との合意書などにおきまして、提供した食品の転売等の禁止でありますとか、その食品の取扱いに関する情報の記録や保存、結果の報告などのルールを定めており、提供した食品が目的外に使用されないことが担保されていること、また、その企業におきまして提供した食品の使途が確認できること、こうした事実関係が確認できれば、実質的にその食品の廃棄であるということで損金算入が可能と、このような取扱いになっております。
○杉久武君 最終的には判断が伴うところだとは思うんですけれども、できる限りやっぱりこれ広く受け入れていく、そういった環境がフードロス削減の大きな一助になるんではないかというふうに思っております。 関連して、この寄附のルート、在り方の部分について更にお伺いをしたいと思うんですが、食品のこういった寄附をする場合、直接、最終的にそれを活用されるところに直接届けるというのはなかなか大変でありまして、やはり間に大規模なNPO法人とかフードバンクも間に入って、さらにそこからまた小分けにして配るという作業が出てくると思うんですけれども、この部分について、何か直接ではなく間接になる場合においてこの課税関係に何か変化があるのか、違いが生じるのか、この点について国税庁に確認をしたいと思います。
○政府参考人(田原芳幸君) お答えいたします。 今ほど御説明いたしました、その提供が実質的に商品廃棄として行われたものであるという要件を満たしておりましたら、その提供先が例えばNPO法人などの仲介団体に提供する場合でありましても、最終受益者への提供者であります子供食堂などへ直接提供する場合でありましても、その提供に要した費用につきましては寄附金以外の費用として全額を損金又は必要経費の額に算入できるという取扱いについては変わらないということでございます。
○杉久武君 よく理解できました。しっかりとやはりこの食品寄附が広がるように、今日お話しいただいたこともしっかりと現場で私も様々な場面で語っていければなと思っております。 続いて、今日は岩田副大臣にもお越しいただきました。ありがとうございます。 社会保障国民会議の実務者会議に関連して少し質問をさせていただきたいというふうに思っております。 昨日も、社会保障国民会議実務者会議が開催をされました。昨日は約二時間、結構長い時間の議論で、私も昨日から党を代表して参加をさせていただきました。内容についてはそれぞれで発言はしないというルールの下でありますので、今日は内容について触れる予定はありませんけれども、感想としては、やっぱり丁寧な現場からのヒアリングができたんではないかなというふうに感じております。 その中で、ちょっと私自身やっぱり整理をしておきたいなと思うことが何点かあります。 一つは、やはり今回の社会保障国民会議においては、食料品に対する税負担の軽減策と、いわゆる食料品の減税ですね、あと給付付き税額控除、これが双方が議論されております。昨日は消費税の話で、来週は給付付き税額控除というふうに議題は聞いておりますけれども、これは政府として、互いに代替的な政策手段として位置付けているのか、補完的なものなのか、この二つの関係というものがいろんな場面で説明あるんですけれども、ちょっとここはしっかりやっぱり整理をした上で議論を深めていかなきゃいけないんではないかなというふうに考えておりますので、財務大臣がお答えできる範囲で御答弁いただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 食料品消費税率ゼロでございますけれども、税や社会保険料負担や物価高に苦しむ中低所得者の方々に対する十分な負担軽減というのが現下の最重要課題でありますので、この対応として、税、社会保険料を含めた給付と負担の全体像を把握した上で、給付付き税額控除によって中低所得者の負担を集中的に軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにすることこそが改革の本丸と考えております。新たな制度である給付付き税額控除を実施するまでの間においても負担軽減を図る必要がありますから、つなぎの負担軽減策として食料品の消費税ゼロを検討しているところであります。 その上で、両者の関係について、代替的な政策手段なのか、それとも補完的な政策手段なのかということ、異なる仕組みでございますし、また給付付き税額控除というのは今後詳細な制度設計を詰めて進めていくものでありますので、代替なのか補完なのかということはちょっと一概には非常に申し上げにくいと思います。 あとは、二年後の話ですか、それはまだいいですか。(発言する者あり)はい。
○杉久武君 私もこれ何度か国会で取り上げてきていまして、そのつなぎと本丸という話ではあるんですけれども、やはり、これを一緒に議論している当事者としても、なかなかここの整理が難しいなというのが肌感覚としてありましたので、ちょっと今日も質問させていただきました。 正直、今の御答弁でも何かこう、すっと落ちるという感じではないんですけれども、ちょっとまた引き続きここはやっぱりでもしっかり整理をして、やっぱり国民にしっかりと説明をしていかなきゃいけない重要な部分になってくるのではないかなというふうに感じております。 次に、岩田副大臣にお伺いをしたいと思うんですけれども、今後の進め方なんですが、論点整理から制度設計へどういうふうにこれが進んでいくのか、最終的な、まあこれは政治的な判断も非常に重要な取組だというふうに思っておりますので、現時点での見通し、またこの実務者会議でのヒアリング結果や有識者の意見が最終的にどういうふうに反映されていくのか、この全体像について改めて確認をさせていただければと思います。
○副大臣(岩田和親君) お答えをいたします。 社会保障国民会議の議論の進め方についてでございますが、まずは給付付き税額控除と食料品の消費税率ゼロを同時並行的に議論を進めまして、その両者について、令和八年夏前をめどに中間取りまとめを行うこととされております。これを踏まえて、議論の具体的な進め方につきましては参加政党とよく御相談をしていくものだと、このように考えております。 その上で、政府としましては、国民会議での議論を経て、最終的には政府としての案を決定をし、必要な法案については国会に提出することになると考えておりまして、こうしたプロセスの中で、御指摘の実務者会議でのヒアリングの結果や有識者の御意見を含む国民会議における議論を踏まえて政策判断を行っていくものと、このように考えております。
○杉久武君 やはりこれどうやって実現していくのかというのが非常に大事だというふうに思っておりまして、正直、私も昨日も参加をさせていただくと、いろんな課題が出てはきてはおります。ただ、やっぱりその課題をどう乗り越えていくのかというのを、やはりこの前向きな、具体的な議論を今後私も提案をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。 続いて、今国会で金融庁の方から提出が予定されております金融商品取引法の改正の中身について、まだ国会には法案提出は、もうすぐ出されるとは思うんですけれども、ほぼ固まっているとは思いますので、ちょっと幾つか、先取りにはなりますけれども、幾つか論点について、現状の金融庁のお考えを伺いたいというふうに思っております。 それは、今回、金商法の改正は何点か論点はありますけれども、そのうちの一つがサステナビリティー情報の開示と保証、これが今回導入をされるということでありますので、私自身、議員になるまで約十五年、監査という保証の業務の世界で仕事をしてまいりまして、やはりこの部分について幾つか確認をしていきたいという論点がありますので、よろしくお願いいたします。 今回、サステナビリティー情報に対する保証業務につきましては、今これ検討会で、ワーキンググループで検討を重ねて、一月の今年の八日ですね、金融審議会のサステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループで報告が取りまとめられまして、それをベースに今回法案が作られているというふうに思っておりますが、このサステナビリティー情報に対する保証業務については、公認会計士に担い手を限定しない方向が示されております。その中で、この保証の専門性や能力をどういうふうに担保していくのかが重要になってくると思いますけれども、非会計士を含めた担い手について、どのような資格要件や実務経験、能力基準等を設けていくのか、その設計の方針を金融庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 サステナビリティー情報に対する第三者保証につきましては、国際基準と整合性が確保された基準に準拠して実施し、保証業務実施者を法人に限った上で登録制とし、監査法人、監査法人以外のいずれも要件を満たす場合には登録可能とする制度を現在検討しているところでございます。その上で、保証業務の質を十分に確保できるように、登録要件において業務管理体制の整備や保証業務の責任者の知識、経験などを求めていくことを考えております。 具体的な登録要件の詳細につきましては今後の検討ということでございますけれども、サステナビリティー情報は気候変動や人的資本など分野が多岐にわたるところ、資格によって能力を一律に担保する仕組みはなじまないとも考えられるため、こうした点にも留意して引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
○杉久武君 続いて、担い手の今能力や実務経験の話をしましたけれども、やっぱり保証するという観点では、私が長年仕事をしてきた中でやっぱり一番、一番というか非常に重要な要素になってくるのが、やっぱりその保証の信頼性確保のためには、独立性や倫理性の確保、これやっぱり非常に重要な問題だというふうに思っておりまして、これをどういうふうに独立性確保し、また倫理基準を求めるのか、またそれをどういうふうに確保されている、その遵守状況をどういうふうに確保して検証していくのか、金融庁の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、我が国における第三者保証制度について保証業務の信頼性を確保するためには、保証業務実施者の独立性や高い倫理性の確保が重要であると考えております。このため、国際基準との整合性も踏まえまして、保証業務実施者に対して、財務諸表監査に求められているものと同様に、企業が安心して情報提供できるような守秘義務を課すほか、サステナビリティー情報の作成業務を提供した企業に対して保証業務、別の保証業務を同時に提供することを禁止し、また保証業務の責任者に対して、一定期間で同一企業に対する保証業務を外れること、いわゆるローテーションルールを求めるといった行為規制を課す必要があると考えております。 現在、こうした内容を盛り込んだ金融商品取引法等の改正法案について国会への提出に向けて準備を進めている段階でございますけれども、仮にお認めいただきまして制度を導入した後におきましては、保証業務実施者においてこのような規制が遵守されるよう、金融庁においてしっかりと監督してまいりたいと考えております。
○杉久武君 同じような論点でもあるんですけれども、今度は保証業務、質の確保の観点から伺いたいというふうに思います。 やっぱりこの品質管理ということは保証業務において非常に重要な要素でありまして、ただ今回は、公認会計士に限らないという状況の中で、事業者間の品質格差、また価格競争の激化による品質の低下といったリスクに対してどういうふうに制度的対応を講じていくおつもりなのか、この点についても金融庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 第三者保証制度において保証業務の質を確保するためには、保証業務実施者に対して、自身の行う保証業務の品質管理を適切に評価する仕組みなど、品質管理システムの整備を求めることが重要であると考えております。 このため、国際基準との整合性も踏まえまして、保証業務実施者に対して、財務諸表監査に求められているものと同様に、品質管理部門又は品質管理に主として従事する者を設置することや、個々の保証業務に携わるチームが行った重要な判断及び到達した結論について客観的評価を実施する審査担当者が十分確保されることといった体制を整備されていることを登録要件等において求めることが必要であると考えております。 御指摘のような保証事業者の質が損なわれるようなおそれにつきましては、登録審査及び登録後においてこうした体制が整備されているかどうかということも含めてしっかりと確認を行うことで対応してまいりたいと考えております。
○杉久武君 品質管理は、今、内部的な管理のお話があったと思うんですけれども、ただ、これは担い手は登録制で、今回はこれは金融庁に登録をするということになろうかというふうに思いますので、新たに金融庁の中にこの登録業者を検査監督する、こういった仕組みをつくっていかなきゃいけないというふうに思っております。 これをどういう体制で組まれていくおつもりなのか、また、今回の開示と保証は対象企業数を段階的にこれ拡大をしていくスケジュールになっておりますので、この対象の拡大、担い手の多様化が進んだ場合にどのように監督体制を強化していくおつもりなのか、こちらも金融庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 金融審議会での議論におきましては、登録された保証業者に対する検査監督は当面の間金融庁が担うべきとされたところでございます。これを踏まえれば、保証業者の保証の質を確保する観点から、委員御指摘のとおり、金融庁における体制整備は重要であるというふうに考えております。 金融庁では、これまでもサステナビリティー情報の開示、保証に対して一定の体制整備を行ってきたところではございますけれども、制度導入後においては、サステナビリティー情報の開示基準の適用や保証義務化の対象となる企業を段階的に拡大していくことが見込まれております。 こうした実務の状況等も踏まえながら、必要な体制を適時適切に整備してまいりたいと考えております。
○杉久武君 最後に大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 今のお話の若干繰り返しでもあるんですけど、本制度は限定的な導入からスタートをいたしまして、将来的に対象拡大をして制度を充実、拡充させていくわけでございます。 制度全体としてどのような発展ビジョンを描いていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 日本におけるこのサステナビリティー情報の開示基準の適用とそれから第三者保証の義務化については、グローバルな投資家さんたちともその建設的な対話を志向するというのは、このプライム市場、やっぱり上場企業の中でプライム市場でございますので、そのうちでも時価総額の大きな企業から順次義務付けるということで検討させていただいております。 これは、公認会計士協会ともよくお話合いをしておりますが、具体的に、時価総額が三兆円以上の企業につきましては、これは大体七、八十社あるのですが、二〇二七年、二〇二七年の三月期、それから一兆円以上の企業は、これ二百八十社ぐらいになるのですが、二〇二八年の三月期、五千億円以上の企業になりますと二〇二九年の三月期という、段階を追って義務化していくということ。それから、この第三者保証については、これらの翌年から義務化ということを考えておりまして、さらにその将来につきましては、企業の実際の開示の状況がどうだったのかと、投資家さんがそれを見てどう考えられたと、更なるニーズは何だということを考えて今後検討をしていかなければならないと、このように考えておりますので、また委員の貴重な御意見を承りたいと思います。
○委員長(宮本周司君) 質問おまとめください。
○杉久武君 時間になりましたので、続きは法案審査の際にも行わせていただければと思います。 ありがとうございました。
○委員長(宮本周司君) 午前中の委員会はここまでといたしまして、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十七分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(宮本周司君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 今日は、大臣所信に対する質疑ということでございます。 それに関連して、先日、経済財政諮問会議の配付資料を見ておりました。そうしたら、そこに、現時点における高市政権の取組は、日本は技術革新力、労働の効率性という底力があるのに、国内投資が不足し、潜在成長率が低迷しているを基本として掲げ、過度な緊縮志向、未来への投資不足からの脱却と官民協調による国内投資促進を政策の核心に置いているというふうに書かれてあります。 ここを読んで、私はちょっと腑に落ちないというか、こういうところを高市政権はやりたいんだなというのは分かるんですけれども、何でそこに行くのかというロジックが明確でないので、まずその点から質問させていただきたいと思います。 先ほど申し上げました政府資料の暗黙の論理といいますかね、投資不足が潜在成長率の低迷の主因であると、だから、財政を積極化し、官民協調で国内投資を推進すれば、潜在成長率が上昇し、成長と財政の好循環が実現するという、背後にこういうロジックがあると思います。 潜在成長率というのが出てきますので、その潜在成長率についてまず質問させていただきたいと思うんですが、潜在成長率というのは、日本の経済の実力といいますか、潜在GDP、日本経済の実力、それが毎年どの程度で伸びているのか、あるいは縮んでいるのか、それが潜在成長率でございます。 この潜在成長率につきまして、二〇二五年度からその内訳について、過去投影ケース、成長移行ケース、高成長実現ケースのそれぞれの場合について、内閣府に説明を求めます。
○政府参考人(多田洋介君) お答え申し上げます。 内閣府が本年一月に公表いたしました中長期の経済財政に関する試算の各ケースにおけます今後の中長期的な潜在成長率及びその内訳である全要素生産性、すなわちTFP、資本投入量、労働投入量の寄与について御説明いたします。 まず、過去投影ケースでは、潜在成長率は二〇二五から二九年度の平均でプラス〇・七%程度、二〇三〇から三五年度の平均でプラス〇・五%程度となっております。このケースでは、TFP上昇率は、直近の景気循環以降、足下までの平均並みの〇・六%程度で推移することを想定しております。こうした下で、資本投入量の寄与は、二〇二五から二九年度、二〇三〇から三五年度とも平均プラス〇・一%程度と小幅なプラスで推移し、労働投入量については、生産年齢人口の減少が影響し、二〇二五から二九年度は平均マイナス〇・一%程度、二〇三〇から三五年度は平均マイナス〇・二%程度と、マイナスの寄与が拡大していく姿となっております。 これに対しまして、成長移行ケースの潜在成長率は、二〇二五から二九年度平均でプラス一・一%程度、二〇三〇から三五年度平均ではプラス一・五%程度。高成長実現ケースの潜在成長率は、二〇二五から二九年度平均でプラス一・二%程度、二〇三〇から三五年度平均でプラス一・九%程度となっております。 このうち、TFP上昇率は、成長移行ケースでは、二〇二五から二九年度の平均でプラス〇・九%程度、二〇三〇から三五年度の平均でプラス一・一%程度と、過去四十年間の平均である一・一%程度に高まっていくと想定しております。高成長実現ケースでは、二〇二五から二九年度平均でプラス一・〇%程度、二〇三〇から三五年度平均でプラス一・四%程度と、日本経済がデフレ状況に入る前の平均である一・四%程度に高まっていくと想定しております。 これらのケースでは、TFP上昇率の高まりなどによりまして設備投資が促進され、資本投入量の寄与が高まる姿となっており、成長移行ケースでは、二〇二五から二九年度平均でプラス〇・三%程度、二〇三〇から三五年度平均でプラス〇・五%程度、高成長実現ケースでは、二〇二五から二九年度平均でプラス〇・三%程度、二〇三〇から三五年度平均でプラス〇・六%となっております。 労働投入量につきましては、女性や高齢者の労働参加が進むと想定しております一方、人口減少、高齢化の影響もあり、成長移行、高成長実現ケース共に、二〇二五から二九年度、二〇三〇から三五年度のいずれも平均でマイナス〇・一%程度の寄与となっております。 以上でございます。
○浅田均君 ありがとうございました。 質問しておきながらこういうことを言うのも何なんですが、今ずっと数字を挙げていただきまして、私は資料を持っているんでよく分かるんですけれど、聞いておられる方々は持っておられないので、細かい数字については、まあ多分、よっぽど記憶の良い方を除いて頭に残っていなかったんではないかと危惧しております。資料を配付すべきだったなと思っておりますので、あらかじめ皆様方におわび申し上げます。 それで、今、説明していただきました。各ケースについて、過去投影ケース、成長移行ケース、高度成長ケースと、それぞれ潜在成長率について御説明をいただきました。 その中に、資本投入の寄与度、それからTFPが寄与する割合、労働投入が寄与する割合と分けてもう御説明いただいているんですが、先ほど申し上げましたように、潜在成長率が低いと、そのよって来るゆえんは投資が不足しているからであると断定的になっておるんですが、繰り返しますけど、潜在成長率というのは、資本投入量の寄与があって、労働投入の寄与があって、それからその他のTFPから構成されております。ところが、どうしてこの投資不足だけを強調されているのかという点が気になりましたので、財務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘の潜在成長率でございますが、資本投入量、労働投入量、それから全要素生産性、TFPですね、それぞれの伸びから構成されている中で、我が国において、その労働投入、さっき御説明もありましたが、これまでも女性や高齢者が労働参加に向かいましてその取組も進めてきたので、就業者数自体は潜在成長率の押し上げに寄与してきたところはあるんですが、人口動態を踏まえますと、更なる押し上げ余地というのはそんなに、ある程度制約もあるような状況だというのが今一般的な認識ではないかと思います。 こうした中で、資本投入については、諸外国に比べても圧倒的に不足しているところ、国内投資を促進していくことで資本ストックを高めるとともに、省人化、研究開発投資などを通じて生産性の向上等のTFPの上昇にもつなげていくことができるというか、それが重要というふうに考えるのでこのようにしているという、このように表現しているということであります。
○浅田均君 今の内閣府の説明によりますと、潜在成長率が伸びていく、その寄与度においては、資本投入量よりもTFPですね、全要素生産性が上がってきているんで潜在成長率が上がってきているというふうに解釈するのが普通の解釈であって、それならば、TFPをもっと上げるようなところにお金を回していくというふうな説明をされた方がいいと思うんですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) 今も申し上げたんですけれども、今、これから資本投入として設備投資を行うと、我々も成長戦略十七分野でこれから今出していこうとしているわけですが、単に量としての資本ストックが高まるということではなくて、必ずそこにAIロボティクスとか省人化、研究開発も含めて、生産性向上に直結するような投資しかほとんど難しいというか、その税制改正においてもそういった部分ですね、これを強調して条件の一つにもしておりますので、それがつながるということで、資本投入量高まるから、それによって、付随してそれ以上にTFPの方も進化するというか上昇につながらないと人口減少下ではそもそも仕事自体が回らないので、そういうことで潜在成長率の上昇につながると、こういう説明であります。
○浅田均君 その部分はよく分かります。 それで、その資本投入量を増やすことによって、これ、労働投入量というのはカバーできないと思うんですけれども、その点に関しまして財務大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 成長戦略本部の初回のときもそういう御意見申し上げたんですけれども、これだけの投資が官が引っ張る形で民間で始まるということになると、日本の場合、一番最初に危惧されることは労働人口が足りるのかと、逼迫しないかということでございまして、そこで横串として全ての分野で省力化、ロボティクス、その他AIなどを通しているということもあるんですけれども、そこの辺の投資の見通しとかも含めて、複数年度である程度見通しが付くように、予見可能性があるようにしていくということで今委員がおっしゃったような現実的な問題に何とか対応していこうということでございまして。 具体的には、委員が御指摘のように、長年の国内投資の不足の要因にはまさに、中長期的に人口が減るだろうから投資をしてもその分だけの収益が見込めるのかということもあるかもしれませんけれども、やはり過度な緊縮志向があったということも否めませんので、その人口が減少したら、新しい需要が出なければそういう見通しもありますが、新たな需要が開拓されて新たな成長もあるということが我々の成長志向の経済成長の重視の政策のこの前提でございますので、人口が減少したら需要はもう絶対伸びないということ自体がいわゆるまさに縮み志向だったわけですから、そこを転換させるためには、やはり研究開発投資も含めて、新たな展開、新たな需要を生み出す方向での産業政策というか成長投資が必要という考え方であっております。
○浅田均君 財務大臣、くどいんですけれど、今のところをもう一回質問させていただきます。 なぜ投資が不足してきたかというと、財務大臣今おっしゃったように、人口と労働力が減少して需要が縮小していると、だから企業の投資、期待収益率が低下していると。だから、新たな、さはさりながら、新たな需要をつくっていったらいいわけであって、そうすることによって潜在成長率も高まるというふうなお考えを今述べられたんだと思うんですけれども、もう一度、財政を拡大することによって、今まで、これまで、これからもそうですけれども、人口が減っていくという社会に対して新たな需要を創出することができるというふうに今御発言だったと思うんですけれども、そこのところをもうちょっと詳しく御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 投資を大きく二つに分けて説明しているのが高市政権の強い経済をつくる戦略で、繰り返し申し上げて申し訳ないんですけど、経済安全保障、食料安全保障などの様々なリスクを最小化する危機管理投資ということになりますと、これは食料安全保障で輸入の国内代替ということがあります。経済安全保障については新たな分野がかなりあると思います。 そして、AI・半導体、造船は既に複数年度的なアプローチも始めているんですが、造船は、かつては日本国内で日本の造船と日本の造船の補修を全部賄っておりましたが、今は半分以上中国に行っているわけですから、その分の需要というのを取り戻すことに当然なるんですよね。そして、国内でのその造船という欠くべからざる産業を自前の設備で賄っていこうというのは当然の代替でございますし、半導体につきましても、元々が我が国のお家芸だったものが今のような状態になっているところに、もう一回、ラピダスの二ナノも含めて、極めて競争力が高く勝ち筋になるものをつくっていこうということで、かなり攻めのサプライサイドというか、そういうものでございまして、現状と同じという発想であるとまさにそこに投資は生まれていかないんですが、それが野方図で無謀な計画になったら意味がないので、先ほどもお話を午前中にしましたが、ダイナミックスコアリング的な見通しも出していただいて、そこで将来的にどのぐらい売上げにしても利益にしても展望が開けるかと。それは当然、税収やその他になって国内経済にプラスの影響をもたらすわけですから、財政を掛ける価値はあるという、そういうことも今回の成長戦略本部では初めからある程度申し上げた上で臨んでいることで。 まず、何よりも、これらを支える地盤の中の一つとして、国土強靱化等の、あるいは社会保障の安定的な、医療、介護も含めた部分で不安を取り除く部分も土台に置きながらの今言ったような投資戦略でございますので、これは、まさに我々が臨んでいる成長路線というのにつなげる上で決してこの財政は意味のないものではなくて、有効なものであるという御説明にはきちっとなっているのではないかと考えているところでございます。
○浅田均君 お立場上そう言わざるを得ないですよね。 今大臣の方から、攻めの、攻めのサプライサイドとおっしゃいましたのは、まさにそのとおりやと思うんですね。 私は、九〇年代かな、第五世代コンピューターというのに間接的に関わっておりまして、当時の経産省ですよね、が投じたお金はどこへ行ってしまったんだろうと。今のAIにせよ生成AIにせよ、やっているところはほとんどアメリカあるいは中国で、だから、ああいう第五世代コンピューターに関わっての投資がリターンとなって返ってくる、あるいは更に自己増殖して発展するということを考えたら今のAIの時代に直結していたわけですけれども、そこはもうどういうわけか途絶えてしまっていると。 そういうところに我が国経済の問題があるんであって、また経済政策の問題があって、僕は自分なりに思っているんですけれど、政府が関わり過ぎやと。レッセフェールで自由にやってもらって、今、日本の企業というとおかしいですけれども、世界的に一番評価されているのは、漫画とかアニメとか規制も何もなかったところから生まれてきた産業なんですよね。だから、そういうところにも注目してほしいと思いますし、政府が余り関わり過ぎることに関してもちょっと注意して見ていきたいと思っております。 それで、企業収益のお話が出ましたので、日銀総裁にお伺いしたいと思います。 我が国の資本収益率、ROEというのは、どう言ったらいいのかな、バランスシートの、自己資本と他人資本があって資産を形成しているというのがバランスシートです。PL、損益計算書というのは当期利益というのがあって、当期利益が資本のどれだけの割合になっているかというものを示す数値でございますが、これが正確に言うと自己資本利益率と言うんですかね、が西洋の企業に比べると低いと言われております。 日銀は、この日本の企業の自己資本利益率が低いと言われることをどういうふうに評価されているんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 我が国企業のROEでございますが、委員の御指摘のとおり、個別の企業間のばらつきは大きいんですが、全体として平均して見ますと、米欧の企業と比べて低い水準、低めの水準で推移しております。 背景としてですが、我が国の企業がデフレ下で慎重な投資スタンスを取り内部留保を蓄積する動きが続いてきたため、株主資本の伸び率が相対的に高いことなどが指摘されております。 ただ、最近では、企業収益の改善が続く下で資本効率の向上を意識する企業も増えてきていまして、我が国企業のROEは全体として改善傾向にあると認識しております。
○浅田均君 それで、全体としては改善傾向にあると言われている今のその自己資本利益率ですよね。エクイティーって資本に対する当期純利益の割合。この資本収益率の慢性的な低さを改善されてきていると今、植田総裁はおっしゃいましたけれども、財政を拡大することによって、これ、今内部留保のお話がありましたけれども、財政を拡大することによって、例えば補助金とか税制優遇とか、そういうやつが内部留保の方に増えてしまうので、財政拡大ではそのROEを悪化させるリスクすらあると考えるんですけれども、これは財務大臣と日銀総裁、お二人の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 財政支出の拡大が日本企業の自己資本収益率に与える影響というのは、どういう財政支出の拡大かにもよるんですけれども、それで一概にはだから言えないと思いますけれども、成長分野への投資を支援する、直接、当然、生産性を上げるとか、ROEも当然上がる分析がなければ大企業が大きな投資はそもそもしないと思いますけれども、それを更に後押しするとか、需要の創出を通じて企業の収益率や資本効率そのものを向上するような形につながる場合というのは当然あるので、その場合は改善方向に寄与するということが言えるでしょうけれども、その生産性の低い分野に財政支出が偏ってしまって、非効率な企業の経営改善等の取組が先送りされたり、あるいは、金利が上昇してしまうことで成長分野への投資が阻害される場合に、日本の場合は当面余りないと思いますが、そういう場合に下押し方向に作用する可能性はあるというのは言えると思います。 こうしたことがございますので、政府としては、先ほどから申し上げております成長戦略本部で、官民の投資ロードマップというのを主に十七分野を中心に示して、そこに金融等の横串も入れて、AIや半導体を始めとした各分野の戦略的な投資を進めていって予見可能性をちゃんと展開しておくということで、各企業のメルクマールというか、そのめどにもなりますし、日本企業の収益力ですとか資本効率の改善、ひいては自己資本収益率の改善にも寄与し得るような流れをつくることができると期待をしているところです。
○参考人(植田和男君) 片山大臣のお答えとほぼ同じでございますが、財政政策のROEへの影響については様々な可能性があって、一概には評価は難しいと思います。 ただ、一般論として申し上げれば、ある場合には、財政支出の拡大で市場金利が上昇して投資が抑えられるという結果としてROEが低下するということもあり得ますし、あるいは、財政支出の拡大によって、浅田委員御指摘のとおり、結果的に収益性の低い企業が存続しやすくなるという状況でROEの改善が遅れるというケースもあり得るかと思います。 他方で、財政支出が呼び水のようなものとなりまして、企業の前向きな支出、投資が拡大し、収益性が向上してROEの改善につながるという可能性もあるかと思います。
○浅田均君 あと一分半ぐらいですので、三十秒で質問しますから一分で答えてください。 これ、今のお話なんですけど、公的投資の拡大が民間投資の増加につながるかということで、日銀総裁にお答えいただきたいんですけれど、いわゆる、今需給ギャップがゼロ近傍、ちょっとプラスになったとか言われていますけれども、こういうところでクラウディングインが起きるのかクラウディングアウトが起きるのかは分からないと思うんですけど、日銀総裁の御見解をお聞かせください。
○委員長(宮本周司君) 簡潔におまとめくださいませ。
○参考人(植田和男君) 財政支出に伴いまして、市場金利が上昇してクラウディングアウトが生じる可能性はあると思います。 ただ、現状では、短中期のゾーンを中心に実質金利ははっきりとしたマイナスで推移しておりまして、緩和的な金融環境が維持され、民間の設備投資も緩やかな増加基調が維持されていると認識しております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ております。
○浅田均君 時間になりましたので、終わらせていただきます。この続き、またやらせていただきますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○塩入清香君 参政党の塩入清香です。本日もよろしくお願いいたします。 本日は、政府が新たな財政規律として掲げる債務残高対GDP比について、その妥当性と実効性を中心に伺ってまいります。 まず、確認をさせていただきます。政府が債務残高対GDP比の引下げを新たな財政規律として重視する理由は何でしょうか。
○副大臣(舞立昇治君) 債務残高対GDP比につきましては、政府が負う債務について、その返済の原資となる税収を生み出す元となる国の経済規模、すなわちGDPに対しどの程度の割合になっているかを示した指標でございまして、財政の持続可能性を見る上では有意義なものと考えております。 また、一般論として申し上げれば、債務残高対GDP比の高い我が国におきましては、金利が上昇し、利払い費が増加すれば、政策的経費を圧迫するおそれもあるところ、債務残高対GDP比を安定的に引き下げることで、こうした金利上昇によるリスクを低減させ、それを更なるマーケットの信認の確保につなげていくことが重要であると考えております。 この問題につきましては、先日の経済財政諮問会議にお越しいただいたブランシャール教授、ロゴフ教授も重視されていたところでございまして、引き続き、責任ある積極財政の考え方の下、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保してまいります。
○塩入清香君 ありがとうございます。 つまり、市場の信認を確保するために重要な指標だと見ていらっしゃるということなんですが、市場の信認とは、つまり投資家がその国の国債を安心して持てると信じられる状態のことを指すと思うんですが、これを維持するためということと認識いたしました。 次に、長期金利について伺いたいと思います。 最近の長期金利の上昇について、先日の予算委員会でも、政府の財政出動、高市内閣によるばらまきが原因で国債の信認が失われているのではないかという他党からの指摘がございました。私の認識では、まだほとんどばらまいていない段階なので、違うのではないかなと思ったんですけれども、現実には、米国の金利上昇、インフレ環境の変化、日銀の政策修正、イールドカーブコントロールの終了とかですね、複合的な要因が存在していると思います。 現在の金利上昇の主因は、財政拡張によって国債の信認が揺らいだせいであると認識していらっしゃいますか。大臣の見解を伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 何度もお答えしているんですけれども、先月の三十日の月曜日にG7各国の財務大臣・中銀総裁の合同会合が開催されて、今般の中東情勢がエネルギー市場や世界経済、そして世界中のあらゆる金融市場に与えた、また与えつつある影響について幅広い観点から議論いたしましたが、ここのところの債券価格が下がっているということは金利が上がっているということですから、それは明らかに影響としてこのところの、二月の末以降の中東、イランの関係が非常に大きいという認識をみんなでしたわけですから、できるだけこれが長引いては困るということの共同声明にもつながったわけでございますが。 今般成立させていただきました令和八年度本予算につきましても、新規国債発行額は二年連続で三十兆円未満、公債依存度は下げ、そして、御党からは批判されてしまっておりますが、一般会計のプライマリーバランスも二十八年ぶりに黒字化したものですから、そういうこともあって、財政の持続可能性には一定の御理解をいただいて、一月にもちょっと誤解があって金利が跳ね上がりそうになったときもあったんですが、そのときは、国際投資家のようなところの周りに囲まれたところに私、国際会議でいたものですから、この話を何回も繰り返したところ、それは鎮静化したという事実はあるので、そこのところに戻れば、今回についても一定の収束は見るものと、日本だけではなくて各国の当局もこういう観点からメッセージを出し続けているものかと思っております。
○塩入清香君 ありがとうございます。伺いたかった答えが言っていただけたので、ありがとうございます。 つまり、必ずしも国債増発が金利上昇の原因ではないという認識ということで、様々な複合的な理由があるということです。 金利の上昇はイコール信認の低下ではないということを意味していると思うんですが、市場が見ているのは、結局は、債務の大きさではなくて返済の可能性、経済の供給力、成長力ではないでしょうか。 つまり、その信認を決めるものというのは供給能力であり、債務の量そのものは問題にならないというふうに考えておりますが、この点について大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) これもまた繰り返しになりますけど、国債の金利というのは様々な要因が背景にございます。 先ほどはこのところの一か月の特殊要因について申し上げたわけですから、具体的にどのレベルということはいつものように私の立場では申し上げることは控えさせていただきたいんですが、市場の信認が確保されている状況というのは、将来にわたって国債の償還可能性とか債務の持続可能性の分について維持されていると、そのところに信認があると、財政に対する信認があるという状態で、中長期的に発行コストがある程度抑えられて、安定的で円滑な資金調達が実現されている状態を指すものと私どもは考えておりまして、市場との対話というのを非常に重視をしておりますので、国債の発行計画、今年度からは中期におけるその見直し等々も、市場との対話ということを更に強化して取り組んでいるところでございます。 それを申し上げた上で、そもそも信認のベースとなっているのはやっぱり強い経済だと考えておりますので、強い経済を実現する経済政策とともに、財政の持続可能性も両立させることによって、日本の経済への信認、ひいては国債に対する市場の信認も維持されていくものという考えの下で、名目成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑える等の目標を立てながら運営をしていくということで考えております。
○塩入清香君 おっしゃるとおり、その信認の根本には強い経済があるということをおっしゃっていただいたんですけれども、だとするならば、なぜ対GDP比で債務残高の引下げを目標にするのでしょうか。 今の内閣では、政府の投資が圧倒的に足りないということが、足りなかったということがネットの資金需要で事後的に分かっているわけです。なのに、成長の方の目標値がなくて、債務残高だけGDP比で引き下げていくというのは、結局はどのくらい国として投資するのかという量が見えてこないんですね。 債務残高を引き下げていくことと、経済成長あるいは国民を豊かにすることには相関関係はありません。経済成長に着目するのであればGDPの目標値であったり、国民の所得に着目するならば所得を一体どのくらい増やしていくのか、何倍にするのかなど、成長を軸にしたプリミティブな指標こそ必要だと考えます。 債務残高対GDP比では、比率のみに意識が向かって、実際の供給力や成長力を見誤る可能性がございます。経済成長を目指す高市内閣がなぜ経済成長に関係のない指標を採用するのか、整合性がないと感じております。 もう一つ指摘したいのは、この債務残高対GDP比という指標は、デフレ時にはGDPが縮むため、相対的に債務が大きく見えるため緊縮圧力になります。好景気時にはGDPが膨らむため、逆に相対的に債務が小さく見えますから、財政拡張の余地が生まれるというところはいいところなんですが、実際の供給力以上に国債を発行して更にインフレを悪化させる懸念もございます。つまり、景気に対して逆方向に働く可能性があるわけです。 実際、債務対GDP比を法律化したEUでは、既に不況のときに財政抑制をしてしまって景気を悪化させてしまったという例もあったり、そもそもこの比率自体を守れない国も多くて機能していないという側面がございます。責任ある積極財政の指標として本当に適切なのでしょうか。見直しを求めてまいりたいと思います。 そして、時間がないので、伺いたいのは相続税についてです。 片山大臣も御存じだと思うんですけど、今、中山美穂さんの御子息が二十億円の遺産相続を放棄されて、その相続税が十一億円だったということで、昨今、相続税の負担の重さについて国民の間で大きな関心が高まっております。資産規模が大きい場合に相続税の支払が困難となり、やむを得ず相続放棄や相続税支払のために不動産の売却に至り、それが市場に流れて外国資本に買われるというケースも指摘されております。実態として深刻な問題が顕在化しつつあります。 また、相続税については、所得税との二重課税ではないかとの指摘も根強くあります。これに対して政府は相続人の担税力に着目した課税であるというふうに説明されておりますが、国民の間での納得感というのは非常に乏しいと感じております。 そこで伺います。国際的な比較において、日本の相続税の在り方をどのように認識されているのか。これは副大臣の方から御説明いただければと思います。
○副大臣(舞立昇治君) 御質問ありがとうございます。 まず、我が国におきまして、相続税というものは、資産の再分配を通じて格差の固定化を防止するなど、税制の中で非常に重要な役割を果たしているものと考えております。 その上で、諸外国と比較して重いのではないかといったような問題意識かと思いますけれども、一般論として申し上げれば、我が国の相続税の最高税率は五五%でございますので、この点だけ見れば諸外国と比べて税負担が重いという評価もあり得ますが、その一方で、我が国では一〇%から五五%まで八段階の税率構造でございまして、実際の平均的な負担率、平均税率といたしましては約一四%でございます。英国のように、イギリスのように四〇%の単一税率を採用している国も存在すれば、アメリカのように、最低税率は一八%と日本より高いものの、二十億円超の多額の基礎控除を認めている国もあるなど、基礎控除等の制度も各国でそれぞれ異なりますことから、この負担状況につきまして単純に国際比較することは難しいということは御理解いただければというふうに考えております。
○塩入清香君 ありがとうございます。 しかしながら、おっしゃることも分かるんですけれども、日本の相続税は、やっぱり英国とか米国と比べてその適用される課税対象の範囲が広くて、結果的に中間層にも課税が及ぶという構造になっております。そのため、やはり不動産を放棄したりですとか、あるいは不動産を売却して相続税を払うなんていう例も多くて、それがきっかけで、いわゆる空き家問題とか、外国人がそこに、その不動産を狙って、そういう手引みたいなものが海外では流通していたりしますので、結果として、現行の相続税制が国内資産の国外流出を促す側面を持っていないかという懸念を持っています。なので、外為法に基づく外資による買収の監視と併せて、相続税制そのものについても見直していく可能性があるのかということを今後改めて伺ってまいりたいと思っております。 片山大臣におかれましては、一方からは財政出動が足りない、一方からはもっともっと減らせと様々な意見があると思うんですけれども、やはり事後的に三十年間振り返ってみますと、日本は圧倒的に財政出動が足りないということが事後的に分かっているものですので、この点は十分に考えていただいて、この債務対GDP比もヨーロッパの指標ですから、日本にそのまま持ってきて適用するのがふさわしいのかどうか、検討していただければと考えております。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○松田学君 参政党の松田学でございます。よろしくお願いいたします。 私からは、積極財政と国際マーケットとの関係を中心にいろいろとお聞きしたいと思っていまして、今般成立した令和八年度予算、二十八年ぶりのプライマリーバランス黒字化、参政党から叱られてとさっき大臣御答弁ありましたけれども、そういうのを見ましても、従来からの財務省の財政健全化路線が見事に結実した予算のように見えます。高市内閣で積極財政になっても財政健全化路線は守り抜いたというのが官僚たちの本音ではないかなというふうにも思える予算なんですが、最近の片山大臣の発言も、いわゆる積極財政なのかなと思われる発言が結構多うございまして、今日は所信に対する質疑でもありますので、先般の財政演説では、責任ある積極財政はプロアクティブな財政運営であるとされました。そして、先般のこの委員会での質疑で大臣は、プロアクティブをエクスパンジョナリー、規模の拡大的、それの対極にあると答弁しておられまして、つまり、規模の拡大とは逆とも言える考え方にも取れる答弁がございました。 他方で、高市総理の施政方針演説で、これまでの政策の在り方を根本的に転換してまいります、その本丸は責任ある積極財政ですとか、長年続いてきた過度な緊縮志向云々の流れを断ち切りますとして政策転換を訴えていまして、また、各国政府は大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策を展開していますと大規模な財政支出を示唆しておりまして、どうもこの施政方針演説や政策転換ということとは、大臣の最近の御答弁、矛盾しているように感じますが、これどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) まず、総理の施政方針とか総理の度々の国会答弁でございますが、必要な政策をきちんと積み上げた結果があるべきであって規模ありきではない、規模ありきで財政運営を行っているわけではないということを何度も申し上げ、マーケットからの信認を損なう野方図な財政政策は取らないということも総理御自身が何度もおっしゃっていただいております。 その中で、プロアクティブ、先を見据えたというのは、まさに今回、成長戦略で展開しようとしております、日本がいろんな意味で危機管理や成長のために必要という分野をある程度ターゲティングして、まあ十七ぐらいあるんですけれども、各々について、官民の投資についてロードマップを作って、予測可能性を持たせて、その中で積極的に投資していくと。今までのように、官では頑張ってねと規制改革を言うだけであって民間は御自分で御判断をということだと、結局失われた二十年、三十年で民間投資伸びなかったという現実がありますから、そこは変えないと、モードを変えないとということで、産業政策の分野については総理は施政方針演説でかなり強くその部分を言ってきておりまして、御指摘の文脈というのはその辺りに書いてあるところが多いと思います。 無駄なものはどんなときにも無駄なんであって、先ほど申し上げましたように、ROEにプラスな財政出動と、かえって非効率部分を温存してしまう財政出動というのは経済的に当然あるので、そういったことも含めた上で、私たちの産業政策というのはまさに二兎を追うものでございまして、経済成長でしっかりと強い国をつくると、強い経済を実現するということと財政の持続可能性を保つということを両立することが高市政権のモットーでございまして、これが責任ある積極財政ということで閣内は一致していると考えております。
○松田学君 規模というのにこだわりますのは、私たちは規模という点から見てもまだ足りないというふうに思っておりまして、高市内閣は、日本列島を強く豊かにと、これを投資をもって実現すると。 昔、日本列島改造論というのがあって、公共事業という投資が昔行われたんですが、これ、今回は投資の内容がAIとか半導体等々に置き換わっていると。ただ、共通しているのは、国のお金の回し方として、大企業の事業にお金を回して、最近では大企業もグローバリズム勢力と結び付いていると私どもも言っているんですが、その点で自民党的なお金の回し方であると。 投資は確かに大いにやらなければならないんですが、ただ、私たちは、そうした上からのお金の流れだけでなくて、国民に直接お金を回すといいますか、あるいは負担を軽減するというお金の回し方が大事だという観点に立っていまして、日本の経済の長期的な最大の危機は言うまでもなく少子化でありますから、草の根のところから豊かにする、私たちに言わせれば、日本人を生き生きと豊かにということになるんじゃないかと、まず国民だということが強い日本になるということで、その面での財政政策の規模が足りないと。 さらに、参政党は、一応公約として子供一人当たり月十万円の給付を、これ大体ざっと計算すると十七兆円ぐらい掛かりまして、先般の六十年償還ルールのところで議論した債務償還費の十七兆円にほぼ相当する金額なんですね。さらに、消費税ももう一律に減税をしてほしいと。つまり、我々、エクスパンジョナリーな、言わばですね、ただ、それ必要な政策だということなんですが。 ただ、そこで大きな壁として立ちはだかっているのがマーケットの信認という話がありまして、二六年度の国債発行計画での国債発行額も昨年度の補正後に比べて少なくなっていまして、いたずらに規模の拡大を追求しないというスタンスの背景には、これ以上の国債発行にはマーケットの側からの制約があるという認識があるのかどうか。そうした制約を克服することも考えなければ、マーケットからの信認を確保しながら政策転換と言えるだけの積極財政を展開するのは難しいんじゃないかと思いますが、そのためにどんな工夫や政策を考えているのか。あるいは、先ほど私が御紹介した参政党の政策の障害となっているのはやっぱりこのマーケットの制約だとお考えなのか、この辺についての御見解をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 昔、理財局で、やっぱりマーケットキャパというのがあるんだという議論や研究をしていた頃があるんですよ、私も委員もまだ財務省に在籍していた時代のことで。やはり、国債というのはやっぱり相当着目を浴びた、注目を浴びた頃なんですけれども、その頃から比べて、もう残高自体が倍増ではないけど五割ぐらい増えていますが、国債償還は確実に行われておりますので。 先ほどお話に出ました経済財政諮問会議がお招きしましたオリビエ・ブランシャール教授も議論をさせていただいて何度もおっしゃっていたのは、投資家というか世界のマーケットが懸念しているのは、その国の国債なら国債で事実上コントロールがもうできない、コントロールが失われているということ、あるいはその中長期的なコミットメントはないということということを非常に悪いことというか、これが危機というふうに認識されているんで、絶対的な規模についての基準の議論もさせていただいたんですが、元々フランスの方だから、マーストリヒト条約を推進した側の国ですから。 そのときに、確かにいろいろお話が出ておりますように、財政収支のフローの方はGDPマイナス三%、これは結構有名ですが、それから、総債務とか純債務のGDP比が一定以内になることというのを設定したんですけれども、実際には多くの国がそれを破っていて、その後は、それを引き下げていくような計画を出せよというふうに言われて出しているんですが、それが必ずしも遵守できている国ばかりではない中で、重要なことをブランシャールさんの御表現によって気が付いたのは、その計画をきちっと作って出して、それがEUの議会で議論されてみんなが知っていると、そちらの方向に行こうとはしていると、そのコミットメントがあると回復してくると。 こういうようなお話もありましたので、それもあって、お約束という意味で、マーケットの信認の確保のために日本は政府残高の対GDP比の安定的な引下げの姿勢を堅持するということを申し上げているわけでございます。
○松田学君 安定的な引下げ、GDPの成長率よりも国債の伸び率が低くなるという、いずれにしても国債は増えていく中でGDPをそれ以上に成長させるということなんだろうと思いますが。 一方で、日本は主要国に比べて国債残高そのものの対GDP比が圧倒的に高いと。その中で、例えば、昔、赤字国債も六十年償還のルールにしたのは一九八五年だったと思いますけども、その後、借換え借換えが続いて、日本は必要以上に国債残高増えちゃったと。また、それが一種の永久国債みたいに根雪のようになってこびりついてしまって、本来投資に回る貯蓄がその債務ストックの方に行っちゃっているという、それも成長に対する足を引っ張っているんじゃないかとか、いろんな議論があると思うんですね。 そういった意味で見ると、やはりこの伸び率ベースで見るだけじゃなくて、またマーケットは、そういった日本の国債残高が大きいと、巨額である、それ自体がですね、それもあるから、ちょっと積極財政や消費税減税と言うと過剰に反応するという面があるのかどうか、この辺の御認識はどういうふうにされているでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) まず、その六十年償還ルールのお話の上にそういうお話もあったんですけれども、これ八五年ですと、私も委員もまだ若かりし頃、その議論が非常に盛んだった頃に省内にいたわけでございますが、今となっては、これだけの国債残高を抱えて六十年償還ルールを維持してきている日本ということはみんなが知っている、国際的にもみんなが知っているルールですが、これを今この残高の下でなかなかいじるという自信は私は財務大臣としてはないですけどね。 ただ、それが、それだけが因果関係なのかというと、そういう問題ではなくて、先ほどるる申し上げたように、国際的にもかなりこなれたルールになっているその残高の問題とかで説明していくということは、理解を得る意味では重要だということを都度申し上げているわけなんで。 絶対的な数値基準というのを設定しようとしても、やっぱりマーケットの受け止めというのが、やはりそのときの需給というのがあるわけですが、そのときの需給というのは、先ほどの委員の御表現によれば、その根雪になっている残高が全部マーケットの需給として来るわけじゃないですからね、状況があるわけですよ。それに応じて対応できているかということだから、国債管理政策は難しくはなりますが、今のところはきちっとした方針をしいて何とかやれているわけなので、その範囲においてできるだけ積極財政を私どもとしては頑張っているつもりなんですけど、御党におかれては不十分だとおっしゃって、また別の党におかれてはそれはそもそも無意味じゃないかと言われて、なかなか往復びんたで大変なんですけれども、その中でも一定のルールを作ろう作ろうという努力を私どもは、まあまだ半年の政権でありますが、しているということは御理解をいただきたいと思います。
○松田学君 また追って時間をいただければこの議論を続けたいと思いますが。 最後に、参政党は、発表している政策の中に、国債償還政府通貨の発行による積極財政の実現と国債利払いからの脱却というのを掲げていまして、これはまた機会がありましたら議論をしたいと思いますけれども。 今、世界的に暗号資産が拡大し、ステーブルコインも現れ、そして各国の中央銀行がCBDCという法定通貨検討している、そして、二〇二九年にはヨーロッパ中央銀行がブロックチェーンでデジタルユーロを発行する、中国はもうとうにデジタル人民元を発行していると。こういう大きな、通貨の世界、大きな変動がありまして、また、ブロックチェーンを使いますと、単なるお金のやり取りだけじゃなくていろんなサービスも、ここに附帯的なサービスとして付けられると。いろんな通貨の概念そのものが、人類史上始まって以来大変革を遂げつつあるという大きな流れがあると思いますけれども、こういった流れの中で、大臣は、デジタル通貨の世界で今起きている現象全般についてどういうふうな評価、展望を持っておられるか、御見解を最後にお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) ブロックチェーン技術を活用した新たな決済手段ということでは、ステーブルコインですとかトークン化預金が出ておりまして、また、CBDCについては、これは日本銀行とそれから我々の財務省の方では理財局も協力して実験をずっとやっているんですが。 アメリカにおいては、トランプ政権の発足とともに、このブロックチェーン型の技術を活用して分散型で決済をしようと。つまり、中央集権的ではなくて分散型の決済で、デジタル技術を使って、速く、この地球上全部、グローバリーにカバーして、しかも手数料も驚異的に安く合理化しようという、この思想でございましたね。まだ私がこの立場になる前ですが、昨年の一月に訪米しまして、関係者たくさん、SECの委員長も財務省の関係者も皆お会いしたんですけれども、そこでは反CBDCの大統領令が出て、監視国家反対法案みたいなものは出されてすぐ下院は通っておりました。 ユーロの、デジタルユーロの方は、どちらかというと、ブロックチェーンよりはCBDCに各国中銀が入ってきて実験もしてみようかということだったんですが、やはり最近、財務相のG7同士の会合とかで話をしてみると、やはりアメリカがあそこまで行っているし、ブロックチェーン技術というのは相当広まっていますし、理想的に運営されればピア・トゥー・ピアですわね、つまり、究極の、情報を守れるということになっているわけですよ、鍵が壊れたり鍵が盗まれなければ。そこの技術に信頼するのであれば、信頼性も迅速性も、あるいは低コスト性もあるというような議論が割に強くなってきていて、その妥協策としてあり得るのが、銀行が主に取り扱えるトークン型預金の、お互いがそれで決済できるというものがあるのかなという。 ですから、金融庁の方でもPIPという実験制度をつくっておりますが、どれにも対応できるように、最近、メガバンクからあるいは独立系からいろんなところの実験を金融庁として御支援を申し上げて、技術的に立ち遅れることがなく対応できるようにしております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○松田学君 はい。 またこの議論は更に深めていきたいと思います。 本日は御答弁ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。 財政金融委員会で質問するのは久しぶりでございます。よろしくお願いします。やっぱりこの第三委員会室っていいですね。何か、何となく議論が格調高く感じていいなと思っております。懐かしいでございます。 私の方は、現場の問題について、損保代理店問題について質問させていただきます。 この問題は、二〇一七年に最初にこの委員会で初めて質問させていただいて、今回で十三回目の質問になります。それぐらい問題が深いなと思っておりますけれども、片山大臣にお聞きするのは今日が初めてでございますので、よろしくお願いします。 若干経過を申し上げますと、資料を配っておりますけれども、損保業界というのは、大手の損保会社があって、東京海上とか損保ジャパンとかあるわけですね。その大手損保会社が代理店と契約を結んで、代理店を通じて保険商品を販売する業務サービスを遂行するということでございます。地域の中小代理店は、災害のときなどは被災者の保険申請などで地域のセーフティーネットの役割も果たしてきていると。そういう中小代理店が、このグラフの、一番左のグラフの上の括弧でございますが、専業代理店、全国で二万数千社ございます。皆さん地域密着型で大変頑張っておられます。 ところが、この大手損保会社の方が一方的に代理店の手数料を決めて減らしたり、あるいは売上げが少ない代理店に廃業を迫るというようなことが横行してきたわけでありまして、いわゆる優越的地位の濫用と言われるような事案が平然と行われてきたわけでございます。 それで、九年前、二〇一七年三月のこの委員会で、当時の麻生太郎金融担当大臣に、大手のですね、余り理不尽なことをさせないようにということで金融庁に手を打ってほしいという質問しましたら、麻生さんが、中小代理店は地域経済の重要な担い手だと、大事な存在だというふうにおっしゃっていただいて、実態を調べて必要なことをやりますと、かなり踏み込んだ答弁をしていただいて、金融庁も大変頑張っていただいて、その後、大手損保の露骨な代理店いじめ、あからさまな事例はかなり少なくなってきたというのが現状です。麻生大臣の後の鈴木金融担当大臣、加藤金融担当大臣も継続して御尽力をいただきました。 まだまだ問題もありますので、いろいろ改善はしてきましたし、監督指針にも代理店のことを入れてもらったりして前進はしてきているんですけれども、引き続き、片山大臣にもこの問題で御尽力をお願いしたいと思いますが、まずいかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 損保代理店、損害保険代理店は、損害保険会社と顧客をつなぐ役割を担っていただいていて、特に中小の代理店さんが地域密着で地域における保険ニーズを酌み取って保険商品を販売していただいている重要な主体であるというふうに認識をしております。 こうした代理店の役割踏まえまして、損保会社には、例えば、代理店手数料の設定等の際にも一方的な押し付けとならないよう、代理店側の意見にしっかりと耳を傾けて丁寧な対応に努めていただきたいと考えており、これまでも金融庁として、損保会社に対して、そうした取組を業界との意見交換会等においてもう何度も何度も繰り返して求めてきております。 また、昨年の八月には、保険会社向けの総合的な監督指針、これを改正いたしまして、中小の代理店から課題を指摘されることの多いこの代理店手数料ポイント制度ですね、委員にもずっと御指摘をいただいている、これについて、損害保険会社が、規模、増収に偏ることなく代理店の業務品質を重視して、業務品質の具体的な指標について顧客にとってサービス向上に資するものとすること等を求めているところで、今後も適切な運営となるよう、しっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 また、この問題は党派を超えた各党の先生方の御協力があった、応援があったから前進してきたというふうに思います。特に、参議院のこの財政金融委員会の先生方のお力添えが大変有効に働いたと思います。西田先生、もう大御所で、公取への働きかけ、大阪の集会にまで足を運んでいただきましたし、船橋先生もこの前質問していただきましたし、委員長も、宮本委員長もいろいろ御理解をいただいて、亡くなられましたけど大塚耕平さんが大変力を入れていただいたし、上田先生も院内集会来てもらったり、立憲民主党の先生は各地域で衆参共に議員の皆さんがお力添えをいただいておりまして、本当に党派を超えて応援してもらっています。また、全国から、一年に一度、院内集会ということで、中小の代理店の方が百数十名規模で集まられて、そこにも金融庁も出てもらって報告してもらったり、各党の先生方も来てもらうということで、非常にみんなで応援しようというテーマになっている、そういう問題でございます。 一番の問題は、今も触れられましたけど、大手損保が一方的に手数料を決めて、それを代理店に押し付けると、一方的に手数料を下げるということがいまだ続いている問題です。 その仕組みというのは、ちょっと私たち普通では余り常識的に考えられないんですけど、大手損保と代理店というのは一応合意の上に委託契約を結ぶわけですね。一応これは合意の上で結びます。包括的な契約を結びます。 しかし、それとは別に手数料規定というのを設けるんですね。この手数料規定というのが、大手損保会社の方が一方的に代理店をポイントを付けて評価をして、手数料を一方的に決めるという別規定になっております。これまで合意していないのに、別規定のところでぽんぽん手数料下げたりするわけですね。 大手の言い分は、委託契約を結んだんだから、その手数料規定も込みなんだと、認めているはずなんだと。そんなこと言われたって、毎年ころころ変わるのに合意するわけありませんけれど、その問題が、委託契約の問題があって、それを一方的に、手数料を一方的に減額したりするのは余りひどいんじゃないかということで、優越的地位の濫用、力関係を利用してということになっていて、これは最大の問題でございます。 そして、資料の二枚目に、大臣おっしゃっていただいたように、そういうことがあったので、監督指針に、ちゃんと協議して合意して手数料を決めなさいと、協議、合意により決定されているという言い方をしてもらって、本来、協議と合意によって決定されているはずだと、そういうものだということを示してもらって、逆に言えば、さっき言った実態が違うんじゃないかということを、本当の意味で協議、合意のものにしてほしいという意味の監督指針が出されたわけでございます。 局長で結構です。改めて、この意義をちょっと教えてくれますか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの監督指針の記載につきましては、損害保険会社と保険代理店の委託契約は事業者同士の対等な契約であり、代理店手数料を含め、よく話し合った上で合意に至るべきという一般的な原則を述べたものでございます。 一方、一部の保険代理店からは、例えば代理店手数料体系の見直しがあった場合などに損害保険会社から説明がなかったといった、代理店手数料算出方法の運用上の懸念が示されていることは承知してございます。 金融庁といたしましては、こうした指摘も踏まえまして、損害保険会社による代理店への説明や協議が一方的なものとならないよう、引き続き損保会社に対しまして丁寧な対応を促してまいりたいと思っています。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 せっかくこの監督指針を出していただいたんですけれど、なかなか大手損保の方は、その金融庁の趣旨をそのままやろうとしないということで、ある大手損保の内部文書を入手いたしまして、どこの会社か金融庁には名前をお伝えしてありますが、あえてここでは名前出しません。是非早急に改善してほしいという思いがあって今日は名前出しませんが、入手した資料というのは、もう名前を言えばすぐ分かる大きな大手損保の社長さんが社内の所管部局に問い合わせた文書です。 それは何かといいますと、先ほどの監督指針に、手数料というのは代理店と協議し、合意により決定されているはずだと、そうされるべきだというふうに出てきているけれども、監督指針に出てきているが、それに対して合意なんかしていないというふうな異議申立てをする代理店が出てきたらどう対応したらいいのかという社長さんの問合せに社内の担当部局が答えている、そういう文書でございます。 要するに、丁寧な通知があれば足りるんだと、協議の必要はない、あくまで通知して説明するだけと。それでも納得しない場合、そういう異議申立てをする代理店があったら、営業店に呼んで、営業店に呼んでですね、行くんじゃなくて、説明、対談、面談記録を保管すると。これはよくあることでございますが、後でトラブルになったときの争いに備えるというような体制ですね。その上で、どうしても納得しない代理店には、取引解消なども念頭に置いた対話を実施すると。取引解消、つまり、あんまりそんなぐずぐず言うならば、あんたのところとはもう取引しないよと、契約解除するよというようなことも含めた対話をしなさいと。何といいますか、どこまで行ってもこの監督指針にある協議しましょうというのはないわけですね。一方的に説明して、分かんなきゃ契約解除、取引停止もあるよと、うちの保険使えなくなりますよというような脅しですよね、そんなことも含めた対応をしなさいというのが、もう本当に大きな大損保、一、二位を争う大損保の中でこんなやり取りがされているわけでございます。 この場では一般論で結構ですけれども、こういう対応があるとしたら、監督指針の趣旨とは違うんじゃないでしょうか。金融庁、いかがですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 委託契約につきましては、個々の保険会社と個々の保険代理店の間で締結されるものでございまして、契約締結に至るまでのプロセス、契約内容等は区々であると考えられることから、それらについて一概にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、その上で、ただいま御指摘のとおり、一部のこういった保険代理店から代理店手数料算出方法の運用上の懸念、問題が示されてきているということは承知しておるところでございます。 代理店手数料ポイント制度につきましては、先ほど申し上げましたけれども、その監督指針でも示しているとおりでございますが、当事者間でよく話し合ってその在り方等が決定されるべきものでありまして、当庁といたしましては、引き続き損保会社に対しまして丁寧な対応を促してまいりたいと思っています。
○大門実紀史君 もう一つ、この大手損保の内部文書なんですけど、この監督指針ありますね、規模とか増収とか、つまり大きいだけで判断するなと、業務品質、つまり顧客サービスを含めて代理店のことを評価しなさいと(1)にありますよね。ところが、それを受けているはずなのに、その大手損保の手数料のこの評価、代理店に対する評価ですね、業務品質といいながら、結局、顧客サービスができる体制なのかどうかとか、人数がちゃんとそろっているか、つまり結局規模で評価をすると。 規模、増収に偏重しないというようなことに対して言えば、逆に、小さな規模のところほどもっと格差が拡大するようなポイントを付けているというようなことがもう明らかになっておりますので、これも何か監督指針の言葉尻、言葉を逆手に取って違うことをやっているんじゃないかというふうに思いますし。 もう一つ、これは金融庁がよく御存じだと思うんですが、金融庁からある損保会社に当局懸念事項と、つまり金融庁が懸念していますよという文書が出されております。それは、一方的な、今おっしゃったように一方的な押し付けをしちゃ駄目ですよというようなことが書かれて、そういうことがいろいろ耳にするのでと、つまり、金融庁にそういう苦情が来ているので注意してくださいという懸念事項がある大手損保に出されております。その大手損保が社内で、そういう金融庁から通達といいますか、連絡があったのでということで共有メールを出しているんですけど、その中に、いろんな説明をすっ飛ばして解約、取引停止ですよね、解約などをちらつかせるような会話がなされないように注意しましょうと。つまり、解約をちらつかせた会話もあったということをその損保は認めて、注意しましょうとなっているんですね。 やっぱり、金融庁のこの監督指針が、せっかく出してもらったものが、ちょっとかなりゆがめられて現場でいる、まあ出されたばっかりですけれど、心配な点が多々あるわけでございます。その辺は御承知だと思います、いろいろ議論しておりますのでね。 改めて、最後に片山大臣に、せっかく金融庁頑張って代理店のために監督指針出していただいたんですけれど、まだまだ徹底されていないというか、趣旨が伝わっていない部分等ありますので、引き続き御努力、御尽力いただきたいと思いますが、最後に一言いただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 中小代理店が地域に果たしている保険販売の重要な役割、もうしっかり認識しておりまして、今お話を聞いていて、確かにそういう内部マニュアル的な取扱いで、私どもはこういう方針で監督指針を出しているわけですが、中ではそういう取扱いをしているということでは非常に本意ではございませんので、そういった実態把握に努めて、まさに代理店において地域で顧客本位の考えに基づいてお仕事ができるように取り組んでまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。終わります。
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。 今日は、午前中もちょっとありましたNISAの関係ですけど、つみたて投資枠年齢要件の撤廃、いわゆるこどもNISAと。前回もちらっと問題提起をしましたけれども、こどもNISAをやるというこの目的というのをちょっと簡潔に教えていただければ。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。 NISAのつみたて投資枠の年齢要件の撤廃は、現行のNISAのうち、つみたて投資枠について十八歳未満においても投資を可能とするというものでございます。 これは、成人後の様々なライフイベントに伴う必要資金、この中には結婚や住宅費用なども含まれておりますけれども、をより早期から備えられるように措置されたものでございます。
○大島九州男君 この間の説明では、教育とかいうふうに言っていたでしょう。 私が、財務省がヒアリングに来ますからね、そこでいろいろ話して、子供が自分で投資するんですかと。子供がお年玉をそのNISAに入れるなんてことはないわけですよ。じゃ、誰がそうするかって、親とか、おじいちゃん、おばあちゃん。特に、おじいちゃん、おばあちゃんは、孫に対して、教育資金だと。昔は学資保険とか、郵便局にそうやってみんな預けて、確実に、その子が入学するときとか、卒業して今度は大学入るときとかいうふうに、安定した形でいくようになる。 じゃ、これはそうやって安定した形になるのかと。だから、教育資金とかいうようなことでこのNISAを言うというのは、それこそ相続税対策のために変額保険があると、この変額保険でやれば相続は大丈夫ですよなんというような説明をするのと同じような問題だと、だからこういうことが起こる原因の一つ。だから、それって、いやいや、財務省がそういう説明するから、金融関係の銀行だとか、さっきの保険会社もそうですけど、何かそういう倫理観に欠けているんじゃないのという話をヒアリングで財務省の皆さんとやっていたので、今、こどもNISAの説明に教育資金という答弁は、俺は絶対しないよねという話をしたら、答弁に教育資金が出てこなかった、ライフイベントと。 私が言ったのは、だから正直に言えと。いや、このこどもNISAは、もしかしたら、入学とかそういう大学入試とかでお金が要るというときに、決してもうかっているということはありませんよと。もしかしたら運が良ければもうかっているかもしれないけれども、損している場合もあるんですよと言って国民に勧めるべき商品じゃないのと。 いや、だから、教育資金の関係でいうなら、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置と、言うなればこれ教育信託と言われるようなやつと、そういうのがあるんだからそれは確実でしょうと。そうしたら、財務省は何て言ったかといったら、いや、この教育信託はニーズがないので、こういうこどもNISAというものを導入するんですと説明したんですよ。 いや、そうかと、本当にニーズはないのかということを、文科省、教えてください。
○政府参考人(松浦重和君) お答えいたします。 教育資金の一括贈与に係る非課税措置につきましては、これ、直系尊属から子や孫への資産移転を促進させることで将来の教育資金の早期確保を図り、我が国の将来を担う人材の育成を強化するとともに、子育て世代の将来不安を和らげ、消費の活性化を促すことを目的として平成二十五年に開始された制度であります。 この措置に関する信託の新規契約件数につきましては、制度創設時は約六・八万件でありましたが、ここ数年はそこから減少したものの、毎年約七千件の新規契約が結ばれておりました。このような状況を踏まえまして、文部科学省では、令和八年度税制改正要望におきまして、一定のニーズがあるとして本措置の延長要望を行ったところであります。 しかしながら、本措置につきましては、与党の税制大綱におきまして、利用の実態や格差の固定化の懸念、教育費の無償化や負担軽減の進展、NISAの拡充等も踏まえまして、令和七年度末の適用期限を延長しないというふうにされたものと承知しております。
○大島九州男君 適用しないと。文科省としては要望しているけれど、残念でしたと。これは、税金は与党が決めるものだというふうに言われるので、与党の先生にお願いした方がいいのかどうかは別として。 要は、正直、国民に、言うなれば株式にお金をどんどん投資してもらいたいんだと、株を上げたいんだと。だから、信託にやるよりもこっちの方の株に誘導するというような願いがあって、このこどもNISAを導入しましたと。だから、ちょっとリスクはあるけれども、ハイリスク・ハイリターンというまではいかないけど、ローリスク・ローリターンの積立型ですから、よかったらどうぞというような説明が私は正直な説明であるかなというような気がするわけですけれども。 はっきり言って、これ、大臣、私個人的には、この一千五百万までの教育信託というのはお金持ち優遇だというような意見がある。当然それは、一千五百万も教育信託できる人はそんなじゃないよねと思うけれども、おじいちゃん、おばあちゃんが自分のもう老後を考えて、そしてそれを子供や孫の教育に、その将来のためにという、私はこの制度は、本当に裕福関係なく、やっぱり教育に対するその投資を、そしてその資産、知的資産というか、そういうものを代々残していきたいという思いを私は応援する制度だと思っているので、わざわざ廃止しなくても、NISAはNISAで、教育信託は教育信託で残しておきゃいいと思うんですけど、財務大臣はそれどういうふうなお考えですか。
○国務大臣(片山さつき君) 以前からこどもNISAについても問題意識を伺っておりますし、教育資金の一括贈与の贈与税の非課税は、これ設けられたときにも随分私たち賛成して、党の中の話ですけれども。 ただ、その後、御答弁がありましたように、近年の新規利用件数が年間七千件というのは一定のニーズがあるとしても、導入当初は七万件だったんですが、その後、いろいろと広報をしているにもかかわらず顕著に減っているということに加えて、利用者はやはり富裕層に偏っているのではないかと、今言われている格差の固定化の懸念はあるんじゃないかとか、あるいは、親御さんや祖父母さんの、扶養義務者がお支払いになる教育費というのは、通常必要と認める範囲であれば、いわゆるその都度の都度贈与として非課税であるということ、また、このところ教育費の無償化や負担軽減の措置が拡充され、今般も高校無償化ということが成り立たせていただきましたので、そういう総合的な理由の方で今年の三月末の期限において延長しないということになったものですから、まさに先ほどの様々な特別措置についての、まあ考え方ですけどね、ここは一回締めてという考え方で私はよかったのではないかと、申し訳ないですけれども、考えております。
○大島九州男君 おっしゃるように、教育の部分については高校無償化と、こういったものがあり、それで一旦廃止というのは一つ理解できなくもないわけですよ。 実際、おじいちゃん、おばあちゃんたちが、このニーズというと、教育だけではなくて、実は孫の結婚資金だったりとかいろんなニーズがあるわけですよね。だから、逆に言うと、もう今回、教育だけというのをもっと幅広くして使ってもらうような、言うなればたんす預金を引き出す窓口は広い方がいいわけで、そういうやり方もちょっと是非検討して考えていただいて、教育以外にもそういうものが使えるようにして、要は経済に、市場にお金を回すというような視点の中で、教育に限らず使えるようなもの、たんす預金を引き出す、株だけじゃなくて、市場経済のいろんなところにお金が回るような知恵を出してもらえば有り難いなと思いますので、是非、与党の先生方には何かいろんなそういうお金を引き出す引き出しを数多く出していただければということを要望をしておきます。 それで、食品消費税の関係ですけれども、これ、言うなれば付加価値税という消費税が導入されたとき、三十年前ね、五千万までは免税ですよとかいうのが、これ三十年の間に、その免税が三千万になり一千万になり、今度インボイスになり、そして、今回この消費税ゼロというものの導入に当たって、免税事業者であったり簡易課税事業者が、今まで所得部分、特に免税の人たちは把握できなかったのが、その還付をもらおうと思ったら本則課税であったりとか課税事業者に登録をしなければならないと。 まさに、マイナンバーカードをみんな持ってないと、これ、それこそ今度免許証もそうだし、何ですか、保険証もそうと。当時、マイナンバー導入のとき、私、内閣委員長だったんですけど、いろんなものにいろいろひも付けるでしょうと、だから生まれたときからマイナンバーカード、だから銀行口座もそうやってつくれないとか、そういうふうになるでしょうなんて言ったら、いや、そんなことは想定しておりませんとか、そういうことを言っていたんですよ。まさか私も免許証までひも付けるとは思わなかったんだけれど、結局、そうやって長い間じっくりじっくりやって、そして、もう生まれたときからマイナンバーと、そういうのが政府の狙いなんですよね。 だから、私は、この間も言った復興特別所得税、この復興特別所得税二・一%が、今回、防衛特別所得税を一%入れるといったときに、じゃ、その分、復興は全部確保しなきゃいけないから十年延ばしますよと。で、十年延ばしました、足下の負担は変わりません。で、十年延ばしたのが終わりました、足下の負担は変わりませんということで、防衛特別所得税が二・一%になっていると。もう、今言うように二十年、三十年後のことですから、もう私もぼけて、そんなことはもうどうでもいいやみたいな、こういうゆでガエル作戦みたいなことをやるようなことを政府がやるから、倫理観のないスルガとか、そういう三菱の変額保険とかいうのが出てくるんじゃないですかと。 だから、国が、それこそよく言うんですけど、中道という、中道というのは八つの正しい道だと。正見、正思、正語、正行、正命、正精進、正念、正定という、正しいそういう、要は正しい物の見方で悪口とか陰口たたかないと。そして、まともな仕事で得たそういう収入で生活することで、貪瞋痴という、そういうものがなくなって安穏に暮らすことができると。 だから、政府は国民の幸せを願うわけだから、そういう政府が政策を出していくときに、やっぱり正しく言わなきゃいけぬし、国民を惑わすような、そしてゆでガエル政策のような、将来的に何かもう、ああ、しようがないよねって思わせるようなことだったら、はっきり言えばいいじゃないかと、はっきり。現下のこの国際状況に合わせてこの防衛費を増税するためにはしっかり予算もらわなくちゃいけないんですと、だから、復興は復興、で、こっちの防衛費は防衛費、しっかり負担してくださいと、お願いしますと言った方がすっきりするよと。何かいかにもこうぼやっとして、それで二十年、三十年したら、もう何か、ああ、そうなのかみたいな、国民は何も言わないみたいなね、そういうやり方がスルガを呼ぶんだと。 だから、そういった性根、ここの性根、性根が問題だということを言っているんですけど、まあ答弁はね、そんなことありませんよと言われるのが分かっていて、この間もテレビでもやりましたが、是非、そういう国民に周知したりとか発信するときには正しく言ってもらいたいと、分かりやすくということがあるんですけど、まとめて大臣、答弁お願いします。
○国務大臣(片山さつき君) 食料品の消費税率ゼロについては、改革の本丸と捉えている給付付き税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎの負担軽減でございますので、もうそのほかに何か目的が、先生のおっしゃるゆでガエル的な目的というのは全くございませんので、この事業者免税点制度をお使いの方、簡易課税制度を御利用の方等がそのままそのことによって本則課税に誘導されるということはないので、まだそこについての取扱いについての議論も細かいところも、いわゆる専門家会議ですか、今私たちもまだ出てないんですよ、財政の担当の大臣、私も林さんも最近出てないんですけれども、各党間でそのお話合いをしている時点でまだそこまでも行っていないものと承知しておりますので。 なかなかその意図も何もそこは誤解をしないでいただきたいというのはむしろこちらからお願いを申し上げまして、逆に不安をお持ちの皆様の方にはもうどんどん来てくださいということで、農業関係者とかJAさんも来られますし、全国の食団連とか飲食団体も来られますし、システム関係の方も来られますので、そういう問題も全部俎上に極めて透明性高くのってまいりますので、そういったところで一つ一つ良い結論が得られるものと思いますし、得てまいりたいと考えております。
○大島九州男君 私が懸念しているのは、現実的に、消費税導入のときに、中小零細のところは、免税点五千万、三千万、一千万、そしてインボイスというふうになっている。こういうようなことにならないようにしてもらいたいと。 いつも言うんですけれども、大企業の輸出戻し税みたいなやつはそのまま。それが税率が変わって何か丸々消費税が還付されるんじゃなくて、それが何割かカットになりましたとかいうなら少しは平等、公平だなという気はするんだけれども、そういう制度でもないわけですから、結果としてそういうふうにならないように、まあ警鐘というよりは意見を言わせていただいたということでございますので、今後の議論の中にそういった道がないように、きちっきちっと止めていただくということを要望して、終わります。
○ラサール石井君 どうも、社民党、ラサール石井です。 スルガ銀行問題についてお聞きいたします。 スルガ銀行の不正融資問題については、三月十七日に調停手続が終了しました。とはいえ、三百二物件については、各申立人及びスルガ銀行は、不法行為が成立しないことを前提として、支払条件について誠実に協議し、示談による解決を目指すことを約束するという取決めがなされただけで、具体的な救済のめどは立っておりません。 昨年十二月四日の本委員会で、片山大臣は、スルガ銀行が調停に誠実に対応するとともに、債務者との協議にも真摯に応じるように、債務者に寄り添った対応を取るということをしっかりと指導してまいりますと御答弁されました。 金融庁にお聞きしますが、この間、具体的にどのような指導を行われたのですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 一般に個別金融機関に対する監督上の対応について詳細をお答えすることは差し控えさせていただいているところでございますけれども、昨年十二月以降からの当庁がスルガ銀行に対して行ってきた対応の概要を御説明させていただきますと、調停の進捗状況や調停外の交渉の状況を確認するとともに、債務者支援のためにできることがないか検討を促してきたほか、裁判所の求めに真摯に応じるなど、調停成立に向けて適切な対応を取るよう指導監督してきたところでございます。 こうした中で、同行からは、昨年十二月に、債務者が通常の日常生活を営むことにも困窮するようなことがないように特別対応チームを設置する等の内容とする取組方針等も公表されてきたところでございまして、また、本年一月二十日には、不法行為の申立てに係る解決金支払の対象になった案件について調停が成立し、三月十七日には、解決金支払の対象外となった案件も含めまして、調停対象となっていた全ての六百物件について調停が成立し、若しくは調停外の和解により示談が成立したところと承知しております。
○ラサール石井君 別に個別に今聞いていないんですけど。具体的にとお聞きしたんですが、結局は全然具体性がないお答えですね。要するに、ずっと見守っていたというだけ。 スルガ銀行不正融資に係る調停で多くの方が救済されなかったのは、被害者側と銀行側の間の情報の非対称性、要するに、銀行側はいっぱい証拠や資料を持っていて、被害者側は何も知らされていないということですね。さらに、銀行側が不正行為に関わって処分された行員のリストを被害者側に見せないという不誠実な対応を行ったため、銀行としての過失を立証できなかったことが大きいと思います。弁護団の河合団長も、資料が調停委員会にきちんと提出されていれば、もっと多くの物件が解決金支払対象となり、被害回復ができた案件はずっと多かったはずだと述べておられます。 大臣、スルガ銀行はこの間、被害者の皆さんに対して真摯で寄り添った対応をしてきたと思われますか。
○国務大臣(片山さつき君) 御質問、何点か、いろんな論点があると思いますが、スルガ銀行の処分行員リストでございますね。これ三月二十三日の参議院財政金融委員会理事会への提出資料に記載したとおり、スルガ銀行によりますと、スルガ銀行から東京地裁に対して担当職員の処分の有無を含む資料を提出したとのことであり、その旨は、同行から被害者弁護団に対して書面により提出しているものと承知しております。 また、スルガ銀行が裁判所に確認したところ、裁判所としては、スルガ銀行から当該資料を受け取ったことは否定も肯定もしない、仮に新たな資料提出があったとしても調停結果が変わることはないとの回答があったとのことです。 その上で、被害者弁護団から申立てがあった民事調停に関しては、調停対象となっていた全六百物件について、債権者、債務者の双方が合意する形で調停が成立、若しくは調停外の和解による示談が成立したものと承知しております。 金融庁といたしましては、調停における双方の合意が守られることが重要と考えており、スルガ銀行に対しまして、引き続き債務者に十分に寄り添った適切な対応を促すとともに、同行が調停勧告に従った示談の成立に向けて適切に対応を行っているかをしっかりと確認し、可能な限り早期に問題解決が図られるように取り組んでまいります。
○ラサール石井君 いかにも調停が終了したら終わりみたいな言い方なんですけど、調停終了で幕引きという印象が広がることは避けなければいけないと思います。むしろ、調停が終わったときがスタートということだと思います。 金融庁は、二〇一八年十月にスルガ銀行に対して業務改善命令を出しました。これは今も解除されていないという認識でよいのですね。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 金融庁では、スルガ銀行に対しまして二〇一八年十月に業務改善命令を発出して以来、同行の履行状況の確認を行ってきたところでございますが、当該フォローアップは現在も継続しているところでございます。 現在、スルガ銀行は債務者との間で返済プランの策定に向けて協議を行っているところでございまして、調停勧告に従った示談の成立に向けまして、同行が個々の債務者に対する適切な対応を行っているか、引き続き、我々としてはしっかり確認を行っていく必要があると考えています。
○ラサール石井君 業務改善命令の発出から七年半たってなお解除できていないというのは極めて異例のことだと思います。なぜ解除できないのですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 今申し上げましたとおりに、当庁では、スルガ銀行に対しまして二〇一八年十月にこの命令を発出して以来、同行の履行状況の確認を行ってきたところでございますが、この七年半もということで、確かに非常に長い時間が経過してきたわけでございますが、この背景といたしましては、一つには、この調停というプロセスに入りまして、この調停が長期化してきたということがございました。すなわち、当行の投資用不動産向け融資をめぐる問題につきまして、まず最初にシェアハウス向け融資ということで、これにつきましては、二〇一九年九月に被害者弁護団の申立てにより民事調停が開始されまして、二〇一九年の十一月にこれが成立しておりまして、その後、アパマン向け融資につきましては、二〇二二年の二月に被害者弁護団からの申立てがありまして民事調停が開始され、双方の主張に隔たりがあり調停が長期化する中で、本年の三月に調停成立に至ったということがございました。 以上が、こういった長期化してきたことの背景でございます。
○ラサール石井君 昨年十二月四日の当委員会では、片山大臣と石田監督局長から、業務改善命令から七年以上が経過しているにもかかわらず、いまだに最終的な解決に至っていない、まあ債務者とお呼びになる、まあ被害者ですな、の方々が存在するということ自体が大変遺憾との御発言がございました。 三月十七日の調停終了をもって最終的解決に至ったと判断されてはなりません。三百物件についてはこれから返済プランを作るわけですし、その他の物件についても、銀行側が被害者の皆さんの生活を破壊するような返済を強いることがないか、厳しく監視する必要があると思います。 調停終了をもって業務改善命令を解除するようなことはしないと、大臣、約束していただけますか。
○国務大臣(片山さつき君) スルガ銀行に対する今後の行政対応の非常に具体的な部分についてまでは予断を持って申し上げることは差し控えますが、一般論として、この業務改善命令というものは、これを発出する要因となった問題に関して、改善への取組状況などを踏まえて、業務改善計画に沿って十分な改善措置が講じられたと認められない限りは業務改善命令に基づく履行状況の報告義務は解除されないものと考えております。 スルガ銀行の問題につきましては、現在も同行と債務者、まあ皆さんのあれだと被害者ですけれども、契約上の債務者の間で返済プランを協議中の物件があるところ、金融庁としては、双方が調停勧告に基づいて協議を行っている中で、同行が債務者の自宅処分の強制など通常の日常生活を営むことにも困窮するような取立てを行うことがないように適切に指導監督してまいります。
○ラサール石井君 業務改善命令には、シェアハウス向け融資及びその他投資用不動産融資に関して、金利引下げ、返済条件見直し、金融ADR等を活用した元本の一部カットなど、個々の債務者に対して適切な対応を行うための態勢の確立との事項がありますから、是非金融庁として、銀行側の今後の対応、きちんと監督するよう強くお願い申し上げます。 そして、被害者の皆様によると、スルガ銀行が責任を認めた案件についても、銀行側は返済停止期間中の未収利息や遅延損害金を請求しているとのことなんですね。被害者の皆様からすれば、不正融資に係る利息や遅延損害金まで取られるのは承服し難いことだと思います。また、銀行側は、調停が行われているときも被害者に督促を行うなど、被害者を追い込む対応を行っていました。 銀行は、昨年十二月十五日に弁護団と共同で出した声明において、個々の申立人の御負担や御不安の軽減が紛争解決に向けて必須であると認識しており、これまで公表している個別解決施策等の柔軟な適用を行い、今後も、通常の日常生活を営むことにも困窮するような取立ては行わないと表明していましたが、銀行側がその表明どおりの誠実な対応を行っているとは言えないと思います。 金融庁としてこうした実態は把握されているのですか。
○政府参考人(石田晋也君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のスルガ銀行が責任を認めた案件というものが、今般の民事調停におきまして解決金支払の対象になった案件ということを御指摘になっているものというふうに理解いたしましてお答え申し上げますと、今回のこの調停が成立するまでの間でございますけれども、調停にかかっている案件につきましては、当初の賃借契約に変更ということが行われてきておりませんので、その間、この当初の契約に従いまして、それまでの間の未収利息や遅延損害金というものが発生してきたというふうに理解しております。 一方で、今般のこの調停に基づきまして解決金支払の対象となった案件につきましては、こうした発生した未収利息等の取扱いを含めまして、債務全体にわたってこの返済プランについて当行と債務者双方が合意に達しているというふうに承知しているところでございます。 続きまして、調停成立前の支払督促の件につきましては、以前こちらの国会でも申し上げたとおり、それまで調停での議論を踏まえまして、裁判所によってスルガ銀行の不法行為が認められる可能性が低く、調停が成立する見通しが極めて乏しいといった物件について、かつ投資用不動産から一定の収益が得られている物件に対しましては、今後の返済プランの見直し等について、事案の早期解決を図るため、被害者弁護団に事前に通知した上で、また裁判所の手続に沿ってこうした措置を行ってきたものというふうに聞いております。 なお、スルガ銀行からは、先般の調停成立により、それまでの支払督促につきましては全件取り下げているものと報告を受けております。
○ラサール石井君 調停が終わった今こそ、金融行政による監督の在り方が問われていると考えるものであります。これまでの銀行側の対応を見ていても、性善説に立ってはいけないと思います。 ちょっと時間が迫っておりますので、ちょっと飛ばします。じゃ、もう九番に参りましょう。 そもそも、本件の債務は銀行側が組織的に不正融資を行ったことで生じたものです。まあ詐欺みたいなものです。被害者の皆様は、不正融資による超過純利益は十五年間累計で約三千二十六億円、不正融資の残債から生じる将来純利益は約千四百七十七億円と推計し、不正融資は損をした取引ではない、銀行は確実にもうかっていると指摘されています。第二、第三の、このまま放置しておけばスルガ銀行事件が必ず起きる。 欧米には不適切な金融商品の販売を行った銀行に制裁金を科す制度があり、リーマン・ショック以降、二〇一九年五月までに、欧米では計三千三百億米ドルもの制裁金が科されたということです。 スルガ銀行が自主的に残債免除等をしないのであれば、銀行に制裁金を科して、それを被害者救済の原資に充てるという考え方もあり得ると思っています。 他国の制裁金の仕組みを調べた上で、我が国にも制裁金の仕組みを導入すべきと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 委員のお調べのとおり、欧米の法令におきましては、銀行に対して金銭的制裁による抑止力を働かせるという観点から、法令違反ですとか不適切な業務の運営に行政上多額の制裁金を科すことができる規定が設けられている例があるということは承知をしております。 我が国では、金融規制におきまして、規制の実効性を確保することを目的とする課徴金制度を導入している事例はありますけれども、銀行法にはこれは設けられておりません。 他方、このスルガ銀行の問題を銀行一般の問題と捉え直した上で、御指摘を踏まえて、不適切な融資について多額の制裁金を導入するということを仮に考えますと、このスルガ銀行のアパマン問題においては、訴訟等の場でスルガ銀行に対する損害賠償責任が認められておりませんで、調停においてスルガ銀行の不法行為が成立する余地がないではないとの考えが示されるにとどまったことを踏まえますと、銀行一般の問題として、これが立法事実というふうに言うのは非常に難しいというのは率直なところでございます。 銀行に多額の制裁金を科した場合に、その銀行のほかの取引先企業などの銀行の利用者等がその影響を被ることになりますが、そういったことも踏まえて、対応の難易度は非常に高いのではないかとは考えておりますが、いずれにしても、この問題につきましては、先ほど御答弁を申し上げているとおり、真摯に対応をしてまいりたいと考えております。
○ラサール石井君 投資は自己責任という。私も知人と論争になりました。もうけたいと思って勝手に買って、損したら自己責任じゃないかと。 という、そういう現状を変えるためにも、金融商品をめぐる不法行為責任の立証の在り方を考えるとともに、責任の所在を明確化し、再発防止を図るための立法が必要だと考えますが、大臣の御認識をお答えください。
○国務大臣(片山さつき君) 金融商品版PL法というふうにおっしゃっているらしいということを伺いましたが、まさに金融サービスの提供業務を行う者の職責を定める法律としては、実は金融サービス提供法というのがありまして、これにおいては、銀行を含めた金融事業者に対しまして、顧客の最善の利益を勘案して、誠実かつ公正な義務遂行を求めておりまして、金融庁はモニタリングを通じてこの顧客本位の業務運営を促すという、こういう立て付けの法律になっております。 仮に御提案のような内容を制度化するということになりますと、顧客保護、経済取引の安定性、融資の実務など、幅広い観点からかなりいろんなところに跳ね返ってくる話がありますので、きちっと一つ一つ丁寧に慎重に詰めていくような必要のある問題だと考えておりますけど、いずれにしても、当面今ある法令の下で、金融庁としては引き続き制度の運用や検討にきっちりと取り組んでまいりたいと、顧客本位を実際に実現してまいりたいと思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○ラサール石井君 はい。 まとめますけれども、スルガ銀行、私、芸能界におりましたが、芸能界の人間は住宅ローンを組もうとしてもなかなか組めません、浮き沈みが激しいから。だけど、どこでも断られたらスルガ銀行に行けとずっと言われておりました。それは、審査がすぐ通る、お金を貸してもらえるということです。 その頃から金融庁がもうちょっと監査するなり指導するなりしていれば、こんな事件は起きなかったかもしれない。しかし、当時の森信親長官が地銀の優等生と持ち上げていた、これがまた拡大の一因になったわけです。これは政治の責任も大きいと思われます。 片山大臣は……
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○ラサール石井君 コロナ禍中に赤字負債が膨らんだ事業者の救済に尽力されたと存じ上げておりますが、スルガ銀行の被害者についても政治の責任で救済していただくよう、お願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめたいと思います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会
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