令和八年三月三十一日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 三月二十七日 辞任 補欠選任 山本佐知子君 西田 昌司君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 宮本 周司君 理 事 船橋 利実君 星 北斗君 森 ゆうこ君 上田 清司君 上田 勇君 委 員 小林孝一郎君 櫻井 充君 高橋はるみ君 西田 昌司君 西田 英範君 舞立 昇治君 宮沢 洋一君 柴 愼一君 高木 真理君 江原くみ子君 原田 秀一君 杉 久武君 浅田 均君 片山 大介君 塩入 清香君 松田 学君 小池 晃君 大島九州男君 ラサール石井君 国務大臣 財務大臣 片山さつき君 副大臣 財務副大臣 舞立 昇治君 事務局側 常任委員会専門 員 村田 和彦君 政府参考人 公正取引委員会 事務総局官房審 議官 向井 康二君 財務省主税局長 青木 孝徳君 財務省関税局長 寺岡 光博君 厚生労働省大臣 官房審議官 佐藤 大作君 経済産業省大臣 官房審議官 畑田 浩之君 経済産業省大臣 官房審議官 田中 一成君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一号)(衆議院送付) ○東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案(閣法第二号)(衆議院送付) ○所得税法等の一部を改正する法律案(閣法第三号)(衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件 ○関税定率法等の一部を改正する法律案(閣法第六号)(衆議院送付) ─────────────
財政金融委員会
発言 136
○委員長(宮本周司君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、山本佐知子君が委員を辞任され、その補欠として西田昌司君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案の修正について森委員から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森ゆうこ委員。
○森ゆうこ君 私は、立憲民主・無所属、公明党及び参政党を代表して、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 まず、特例公債法改正案に対する修正案の趣旨について御説明申し上げます。 政府提出の特例公債法案では、特例公債の発行期間を令和八年度から令和十二年度までの五年間とすることとしております。しかし、平成二十三年度までの特例公債法は単年度の発行を認めるものでした。我が国の経済状況は、円安などの影響から物価高が継続し、金利も上昇傾向にあります。授権期間を複数年度とするのではなく、以前のように単年度ごとに措置する方が市場の信認を得られるのではないかと考えます。 また、政府案では、行財政改革の徹底に関する規定を設けることとしております。しかし、租税特別措置や補助金等の適正化を始め、行財政改革については不断に取り組むべき課題であり、あえて本法律に規定する必要はありません。ましてや、社会保障制度改革のような連立政権の合意に当たって盛り込まれた国民に痛みを与える施策を本法律に設けることは適当ではありません。 以下、修正案の概要について申し上げます。 第一に、令和八年度から令和十二年度までの五年間としている特例公債の発行期間について、令和八年度の措置とすることとしております。 第二に、経済・財政一体改革の定義や特例公債の発行額の抑制に係る条文を削除することとしております。 第三に、行財政改革の徹底に係る規定を設けないものとすることとしております。 次に、所得税法等改正案に対する修正案の趣旨について御説明申し上げます。 政府提出の所得税法等改正案においては、防衛特別所得税を創設する一方、復興特別所得税の引下げと課税期間の十年間延長を行うこととしております。しかし、被災地の復興のために課することとした復興特別所得税を、防衛力強化という目的も性質も全く異なる防衛特別所得税に付け替えようとするのは、目先の負担感を隠して財源の調整を図っているように見えるもので、課税の在り方として極めて不適当です。被災地からは、政府の復興に対する意識が薄らいでいるのではないか、復興が後回しにされるのではないかと不安の声が上がっています。 そもそも、既に講じられている防衛特別法人税の創設とたばこ税の見直しにより令和九年度には一兆円を超える収入が見込まれており、防衛特別所得税を直ちに創設する必要は乏しいと考えられます。また、政府は、復興特別所得税を引き下げることで家計の負担増加に配慮しているとの説明をしていますが、復興特別所得税の課税期間が終了しても防衛特別所得税は存続するので、その部分は純粋に家計負担が増えます。実質所得が伸び悩む中、家計の可処分所得が目減りすることになる改正を、今、このタイミングで行うことが適当でないのは明らかです。 以下、修正案の概要について申し上げます。 第一に、防衛特別所得税の創設に係る改正の施行期日について、別に法律で定める日とすることとしております。 第二に、復興特別所得税の税率等を定める改正の施行期日について、別に法律で定める日とすることとしております。 以上、両修正案の趣旨及び概要について申し上げました。 何とぞ、委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) ただいまの森委員提出の修正案のうち、所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取したいと思います。片山財務大臣。
○国務大臣(片山さつき君) ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。
○委員長(宮本周司君) では、これより三案及び両修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○柴愼一君 立憲民主・無所属の柴です、柴愼一です。 私は、会派を代表し、政府提出の特例公債法改正案及び所得税法等改正案に対して反対、両法案に対する立憲民主・無所属、公明党、参政党提出の修正案に対して賛成、また、復興財源確保法改正案に対して賛成の立場から討論いたします。 所得税法等改正案について申し上げます。 今回の税制改正案には、物価上昇率に連動した基礎控除の引上げや一億円の壁対策などが盛り込まれ、一定程度評価できる部分もある一方、中小・小規模事業者への支援も不十分であり、インボイス制度の経過措置もフリーランス、小規模事業者の厳しい実態を踏まえた措置となっていません。 物価高騰が国民生活を圧迫、今般の中東情勢の緊迫化により更なる物価上昇の懸念が高まる中で、政府が防衛特別所得税の創設を強行することは到底容認できません。東日本大震災から十五年、復興特別所得税の枠組みを流用する形で防衛特別所得税を創設することは、復興制度の趣旨をないがしろにするものであり、明確に反対します。 委員会質疑において多くの委員から指摘されたように、既に決定された法人税、たばこ税の増税により年一兆円強の防衛財源は確保できる見込みであり、追加の国民負担を求める合理的根拠は存在しません。さらに、年内にも安保三文書の改定が見込まれる中、防衛財源確保の在り方は慎重に議論を進める必要があります。 以上の観点から、修正案のとおり、防衛特別所得税の創設については凍結するべきです。 一方で、東日本大震災からの復興再生は道半ばであり、復興施策の実施期間や復興債の発行期間を令和十二年度まで延長する復興財源確保法の改正案には賛成いたします。 特例公債改正法案について申し上げます。 高市政権が掲げる責任ある積極財政により我が国財政に対する市場の信認が揺らげば、急速な円安や金利上昇が進行するなど、国民生活に負の影響をもたらすことが懸念されます。特例公債の発行期間を五年間延長する政府案は、我が国の経済財政状況を踏まえるとリスクが大きく、反対します。 財政民主主義及び市場の信認を維持する観点から、特例公債の発行期間を一年とし、毎年の国会審議を経た上で政府に発行権限を授与する修正案に賛成いたします。 以上、政府提出三法案及び修正案の賛否と理由を申し上げ、討論といたします。
○上田勇君 公明党の上田勇です。 会派を代表し、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案修正案、所得税法等の一部を改正する法律案修正案に賛成、東日本大震災からの復興のために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。なお、修正のない内閣提出の原案には反対であります。 以下、その理由を申し述べます。 三件の法案は性質が異なり、しかも、それぞれが政府の財政運営の方針や国民生活、経済活動等に関わる重要な内容を含んでおり、三件を一括して審議したことは不適切であり、十分な審議ができたとは到底言えません。 特例公債法案は、財政法の特例である赤字国債の発行を可能とする期間を五年間とするものであります。しかしながら、現在、物価上昇が続く中、長期国債の金利の上昇圧力が高まっており、国債発行計画にも影響が出ています。 内閣では、今後の財政政策の方針を見直すとしているものの、内閣が提案する財政の持続可能性の内容は明らかになっていません。こうした内閣の財政政策の基本方針に不透明な要素が多い中で、今後五年間にわたる赤字国債の発行権限を委任するとしたら、立法府として国民への責任を果たすことができません。 したがって、公明党は、立憲民主党及び参政党とともに共同で、八年度のみの発行を認める修正案を提出いたしました。 税制改正法案には、所得税の基礎控除等の引上げなどによる大幅な減税など、物価高の中で家計を支援する、評価できる内容も多く含まれております。しかしながら、防衛特別所得税の創設は、防衛費増大の負担を広く国民に求めるものでありますが、国民的な理解が得られているとは言えず、賛同できません。しかも、一方では所得税の大幅な減税を行いながら他方で増税をするという政策の整合性が取れていません。 厳しさを増す安全保障環境において防衛力を強化していく方針は理解できます。内閣は、安保三文書の改定を年内に行うことを明言をしており、防衛費の負担の在り方について一体的に検討していくべきであります。 公明党は、立憲民主党及び参政党と共同で、防衛特別所得税の施行を凍結する修正案を提出いたしました。 また、消費税のインボイス制度の経過措置を縮小するなど、中小企業・小規模事業者への支援も不十分であります。 私たちが提出をいたしました二法案の修正案につきまして、委員各位の御賛同をお願いし、討論といたします。 ありがとうございました。
○松田学君 参政党の松田学です。 私は、特例公債法改正案、また被災地復興に万全を期すために東日本大震災復興財源確保に関する改正法案には賛成する一方で、所得税法等改正案に反対する立場から討論いたします。 私たち参政党は、国債を財政の堂々たる財源として積極的に位置付けるべきことを主張しておりますが、そもそも特例公債法そのものが国債イコール悪という思想に立脚して、非募債主義を定める財政法四条の下、その例外として規定された建設公債以外の国債はあくまで特例として許すとの発想に基づくものであり、この考え方が日本の財政運営を国債発行額の過度の抑制へと走らせ、国内に十分なマネー循環を起こすことなく、経済停滞と国力の衰退へと日本を導いた一因であると考えております。 現状では、国民生活を支えるために必要な特例公債が国債残高の大半を占めており、もはやそれは特例とは言えず、高市内閣も進めようとしている投資を中心とする積極財政の財源も、財政法四条が許す公共事業向けの建設公債だけでは十分に賄えないはずであります。何よりも大事なのは財政法四条そのものの改正であり、そのことを本委員会でも主張してまいりました。 ただ、現行制度の下で次善の策として考えれば、特例公債法改正案自体は今後の建設公債以外の国債発行に不可欠な法案であります。従来からの規定である第四条に加え、今回は第五条が新たに追加され、これが今後の国債発行の抑制と緊縮財政を正当化する根拠となるおそれがあるところなど、積極財政の立場に立つ参政党として懸念事項はございますが、基本的に賛同すべきものであります。 次に税制ですが、国会の場においても私たちが様々な問題点を指摘してきました消費税については、参政党を排除する形で社会保障国民会議に議論の場が委ねられ、本委員会でも消費税が社会保障の貴重な財源であるという認識を共有できるだけの十分納得できる説明を得るには至りませんでした。 近年、大企業が巨額の利益剰余金を積み上げる一方で、中小零細の事業者や家計の負担が増大してきましたが、まずは国民を豊かにすることを経済政策の最優先課題とする参政党としては、消費税の大幅減税に加え、インボイス制度の廃止、法人税を含めた税体系全体についての抜本的な見直しが必要と考えております。今般の所得税法等改正案は、それとは程遠いものとなっています。 今後、財政運営や制度の在り方も含め、積極財政に向けた本質的な議論を深める必要があることを最後に強く指摘して、私の討論とさせていただきます。 ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 会派を代表して、財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について修正案に賛成、政府案に反対、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案には賛成、所得税法の一部を改正する法律案と同修正案に反対の立場から討論を行います。 公債特例法改正案は、今後五年間にわたって赤字国債を発行できる権限を政府に与えるものです。国会に提示されていない将来の予算について複数年度にわたって赤字公債の発行を認めることは、憲法八十三条が国の財政が国会の議決に基づくと定めた財政民主主義、憲法八十六条が予算の単年度主義を規定した趣旨に反し、国会のチェック機能を奪うものです。 新設される第五条は、自民、維新の党首会談で維新が主張した内容をそのまま盛り込んだもので、社会保障削減につながり、認められません。 なお、立憲民主党、公明党、参政党、三党提出の修正案は、政府案の五年を一年に修正するものであり、賛成します。 復興財源確保法改正案は、被災地の現状を考慮すれば、今後も復旧復興への支援が必要であり、財源確保期間を五年間延長する本法案には賛成します。 所得税法改定案に反対する第一の理由は、戦後初めての軍拡増税である防衛特別所得税を創設する点です。軍拡増税は、長射程ミサイルの配備や全国の基地強化を図り、日本を戦争ができる国にするため、五年間で四十三兆円つぎ込む大軍拡計画の財源の一部であり、憲法九条に真っ向から反し、国民の暮らしを壊すものです。 増税の期限も示されておらず、今後税率を上げて更なる軍拡財源に使われる危険があり、認められません。 反対する第二の理由は、総選挙でほぼ全ての党が公約した消費税減税は盛り込まれず、インボイス制度の経過措置見直しにより、フリーランス、小規模事業者の負担は今より重くなる点です。 そもそも、インボイス制度は、フリーランス、小規模事業者の経営を脅かし、日本の文化や経済を破壊するものです。消費税は五%に直ちに減税し、インボイスは廃止すべきです。 青色申告特別控除の見直しは、納税者間に申告形式による差別を持ち込むものであり、認められません。 反対する第三の理由は、与党大綱で引き上げるとされてきた法人税率引上げを見送り、大企業優遇税制を温存している点です。 安倍政権以降の四回の法人税率引下げ、研究開発減税などによる減税効果は、二〇二四年度で過去最高の十二兆円に達します。所得一億円超の所得の合計額は十年間で三倍、株式譲渡所得額は四・六倍に急増しているにもかかわらず、政府の見直し策では所得六億円以上の二千人しか対象となりません。今こそ、タックス・ザ・リッチ、大株主に課税すべきであります。 なお、三党提出の修正案は防衛特別所得税の創設を前提としているので賛成できないことを申し述べて、討論を終わります。
○ラサール石井君 社会民主党のラサール石井です。 会派を代表し、公債特例法改正案、所得税法等改正案の政府原案に反対の立場から討論申し上げます。 まず、これだけ広範な内容の法案の審議を僅か二日間、十時間だけで終局させてしまったことは、極めて深刻な問題です。熟議の府である参議院では、落ち着いた審議を行い、原案と修正案を比較対照する時間が必要だったはずです。 公債特例法改正案の原案は、財政法が原則禁止する赤字国債の発行を行う権利を向こう五年間政府に与えるものです。かつて我が国が軍事国債を乱発したことの反省に基づく財政法の規定を空文化して、財政規律を緩め、軍事費拡大の余地を政府に与え続けることは容認できません。授権期間は一年にすべきです。 また、防衛特別所得税の徴収にも反対です。 本委員会の審議でも、将来にわたって税率が引き上げられる可能性は否定されませんでした。高市政権によるいわゆる安保三文書の前倒し改定により、今まで以上に軍事費が拡大し、軍拡のための増税が進むことは目に見えています。軍事費のための恒久財源がある限り、平和憲法に反する大軍拡に歯止めを掛けることができません。 法人税法については、一定程度めり張りを付けたものと認識していますが、特定の業種に政策減税を行い、結果として不透明な大企業優遇が行われるという租税特別措置そのものの問題は解決されていません。 政府は、租税特別措置や補助金の見直しにより財政健全化を図ると言いますが、ガソリン暫定税率の廃止、そしていわゆる教育無償化のための財源のほか、どれだけの財源を捻出できるか判然としません。その中で、新たな租税特別措置の類型を設けることは適当とは言えません。 与党税制改正大綱でも法人税率そのものの引上げが言及されていますが、結局、今回の税率は変わりません。財政健全化は、持てる者に応分の負担を求める公平な税制の樹立で達成すべきです。法人税率の引上げと累進制の導入を検討すべきです。 個人所得課税については、物価高に応じた基礎控除、給与所得控除の引上げのほか、二年間に限った基礎控除の特例引上げを行うとしていますが、課税ベースを縮小させて税の再分配機能を低減しているほか、二年後の予見可能性がありません。物価高の中での貧困対策として効果があるのかも疑問が残ります。 以上、政府原案に対する賛否とその理由を申し述べ、私の討論とさせていただきます。
○委員長(宮本周司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。 まず、森委員提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 少数と認めます。よって、森委員提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 次に、所得税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 まず、森委員提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 少数と認めます。よって、森委員提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、森委員から発言を求められておりますので、これを許します。森ゆうこ委員。
○森ゆうこ君 私は、ただいま可決されました所得税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び社会民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 令和十年分以後の所得税の基礎控除の額及び給与所得控除の最低保障額の二年ごとの見直しの枠組みについては、課税最低限について生活保護基準額を勘案することを基本とするとともに、物価変動に対して柔軟に税制が対応できる仕組みへの改変なども含め、予見可能性を確保しつつ、源泉徴収義務者の事務負担に配慮しながら、物価変動による影響を税制上軽減する制度となるよう引き続き検討を進めること。 二 消費税のインボイス制度導入に係る経過措置の一つであるいわゆる八割控除については、免税事業者等が取引から排除されないよう配慮する観点から、免税事業者等の取引の実情を踏まえつつ、不断の見直しを行うこと。また、インボイス制度の運用状況等を把握した上で、必要に応じて適切な対応を行うこと。 三 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置、いわゆるこどもNISAの実施に当たっては、格差の固定化につながらないよう、利用機会の平等や世代間の公平の実現、簡素な制度の構築を目指し、利用状況と効果を適切に把握し、不断の見直しを行うこと。 四 極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置については、暗号資産の分離課税化等の影響も含め、施行後における所得税負担率の動向等を確実に把握し、税負担の公平性の観点からその効果を見極め、必要に応じて適切な見直しを行うこと。 五 給与等の支給額が増加した場合の特別税額控除制度、いわゆる賃上げ促進税制の令和九年度以降の中堅企業向け措置の廃止に当たっては、中堅企業が地方経済や地域の雇用の中核を担っているという重要性から、これらの企業に対して十分な支援措置を講ずるよう検討を行うこと。また、令和九年度以降の中小企業向けの措置については、中小企業を取り巻く経営環境及び賃上げの実施状況等を十分に踏まえた上で検討を行うこと。 六 特定生産性向上設備等を取得した場合の特別償却・特別税額控除制度、いわゆる特定生産性向上設備等投資促進税制に係る控除限度超過額の繰越控除制度の実施に当たっては、企業の予見可能性に配慮する観点から、その適用要件の詳細を速やかに示すよう努めること。 七 租税特別措置については、補助金等を始めとする他の政策手段に対する比較優位性が認められ、政策目標の具体的な達成時期や定量的な水準等が明確であるものを創設又は継続することとし、その効果検証に当たっては、必要なデータを幅広く収集し、EBPMの考えに基づき必要性及び有効性を分析し、効果が不透明なもの等は廃止・縮減すること。 八 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、インボイス制度の円滑な実施及び制度定着に伴う事務量の増加、消費税不正還付事案への厳正な対応、複雑・困難化する租税回避スキーム事案への対応など、社会情勢の変化による税務執行に係る事務量が増大していることに鑑み、調査事務拡充による税務コンプライアンス向上が必要不可欠であることを踏まえ、適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払い、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) ただいま森委員から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 全会一致と認めます。よって、森委員提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、片山財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山財務大臣。
○国務大臣(片山さつき君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
○委員長(宮本周司君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 関税定率法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省関税局長寺岡光博君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮本周司君) 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木真理君 立憲民主・無所属の高木真理です。 関税定率法改正案について質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず、そちらに入っていく前に、今ニュース等いろいろなっております、財務省が外為特会を使って原油先物に介入することを検討ということのニュースについて伺いたいというふうに思います。 資料一に御用意しておりますけれども、このほかにもいろいろこのニュースについて識者からのコメントなどが載っている記事は出ているところでもあります。この検討は、原油先物市場における投機的な動きが為替市場にも影響という片山大臣の発言から始まっているようでありますけれども、原油価格上がると日本の貿易赤字拡大をする、海外に支払う外貨が増えて円安ドル高圧力となる、これを抑え込むためにということでこんな検討が結果として出てきているのではないかというふうに思うんですけれども、識者からは様々、効果は疑問で、弊害が目立つという指摘が相次いでおります。 先物の価格が売り付けた価格より上昇するケースでは、買い戻す際の損失は論理的に無限大に膨らむリスクを負うことになるでありますとか、原油介入に外為特会のドル資金を充てた場合、損失が拡大すると通貨防衛の余力が低下しかねない、円の信認に間接的な影響を及ぼす可能性もある。また、政策判断での介入があると、市場価格の信頼性を損なってしまい、この原油の価格統制の色彩が濃くなる。それから、米国でもこれ、この手法は話題にはなったそうなんですけれども、この介入が検討中というふうに伝わると、関係者からは、聖書に出てくるような壊滅的な大惨事を招くという非難が出たりしてもおります。金融市場では、現実的ではないと、懐疑的な見方が広がっているとのことであります。 こうした中で、この手法、もう取らないというふうに明言をしてもらった方がいいのではないかというふうに思います。それとも、それ以外の手法が取れないほど円安の対応は手詰まりなのか、財務大臣に伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 足下、原油先物市場に加えまして、為替市場でも投機的な動きが高まっているとの声が聞かれるところであります。 私からは、かねてより断固たる措置にも言及しておりますが、御指摘のニュースに係る点や今後の対応については、具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしても、政府としては、為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえ、あらゆる方面で万全の対応を取る所存であります。
○高木真理君 具体的に言及は、明言はしていただけないんですけれども、昨日もこの質問のことで問合せをさせていただいていると、資料一の記事の真ん中、一枚目の真ん中よりちょっと下にありますけど、特別会計法七十六条では取引ができるというふうになっているから法律上は大丈夫なんですよみたいなやり取りとかも出てくるわけですよね。やっぱり検討しているんだなということですし、これ、そもそもが市場関係者にこういう問合せをしていることから端を発していまして、こういうこと自体非常に問題なのではないかと。 直接的に為替に介入する方が合理的、安いときに買ったドルを高値で売ればよいだけでシンプル、これができないということはドル売り介入しにくい事情があるのではないかと勘ぐられかねないという、ロイターのこれ記事から取っていますけれども、そういう指摘もありますけれども、やはりもう少し踏み込んで、これやらないというところに姿勢を示した方がむしろ市場に安心感を与えられるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) いずれにいたしても、昨日もG7のオンライン会合がございまして、その場でも為替を含めた金融市場の安定化につきまして様々な議論があって、コミュニケにも、金融市場の安定と、それからホルムズ海峡通過を含めたイラン情勢が非常に大きな影響を持っていると、いわゆるWTIも含めた原油市場、原油先物市場のそういった問題についても議論があったんですけれども、先ほど申し上げたとおり、為替市場でも投機的な動きが高まっておりますので、断固たる措置に言及もさせていただいておりますけれども、為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえて、あらゆる方面で万全の対応を取るということしか今申し上げられることはないので、また繰り返させていただきます。
○高木真理君 原油先物相場の値動き、投機的と言えるのか、疑問の声も多くて、介入をしたとしたらこの大義自体が立ちにくいという指摘もあります。様々今弊害について述べさせていただきましたので、よくそのことを頭に置いていただいて、ゆめゆめそんな検討をされないようにお願いを申し上げまして、次の質問に移ります。 今回の関税定率法の改正案について、特別緊急関税制度、これ、農産物の輸入が急増又は価格が低下した際に自動的に追加関税を課して国内産業を保護する制度でありますけれども、一九九四年のウルグアイ・ラウンド合意に基づいて導入されたものから様々なものがあり、導入から二十年以上のものが九割以上となっております。 関税・外国為替等審議会関税分科会でも、委員から、例えば三十年も毎年改正していく姿が正しいのかという指摘もあったところでありまして、長期間にわたっているものは基本税率化し、国内産業、国際交渉の状況次第で再び暫定税率化するという考え方もあると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 関税の暫定税率が設定された品目につきましては、毎年度要望を省庁と品目ごとに協議して、国内産業保護と消費者等の利益確保の観点から、暫定税率を引き続き設定する必要があるのか、設定する税率の水準は適正なのかといった点について検討の上、見直しを行うこととしております。 この本改正案におきましては、石油化学製品製造用の揮発油、いわゆるナフサですね、などについて暫定税率を基本税率化し、その他の品目について国内産業保護、消費者等の利益確保、国際交渉上の必要性などにつき個別に検討した結果、必要性等が認められたことから、暫定税率の適用期限を一年延長することとしております。 今後とも、この税率水準や暫定措置について、毎年度その必要性等について見直しを行ってまいります。
○高木真理君 今回ナフサが基本税率化するというのは承知をしておりますし、こういった流れというものは検討されたんだろうなというふうには思うんでありますけれども、まだまだ圧倒的に多くの品目が、導入から二十年以上たっているもの九割以上であってもそのままということなので、更なる検討を今後も進めていただきたいというふうに思います。 次は、今般の改正案に含まれている課税価格決定の特例の廃止について伺います。 越境ECサイトで国内消費者向けに商品を販売する国外事業者において、輸入時に個人使用貨物の課税価格の決定の特例、これは海外小売価格の六割分だけということの特例があるわけですけれども、この廃止というものが盛り込まれております。諸外国には見られないこの特例は、海外旅行の手土産を念頭に創設されたものというふうに伺っておりますけれども、もっと早く見直しが必要だったのではないか。なぜ今のタイミングになったのか、伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 足下で個人使用貨物の輸入を取り巻く環境は大きく変化していると認識してございます。すなわち、コロナ禍を契機としまして、国境を越える通販貨物の急増を背景に、輸入許可件数は、令和元年の四千六百万件の水準から足下の令和七年は約二億二千七百万件と約五倍となってございます。 こうした状況の中で、海外から個人が商品を手に入れる方法としては、海外旅行のお土産品として購入してくる場合、国内小売業者から輸入品を購入する場合、越境ECサイトにより輸入品を購入する場合、このうち、お土産品とする購入する場合、あるいは越境ECにより直接輸入してくるという場合には御指摘の課税特例、課税価格決定の特例が適用されるわけですが、このようにいろいろな方法がある中で、いずれの場合であっても課税の公平性が求められることに加え、近年、越境ECサイトから輸入品を購入する場合が大宗を占めることとなっておりまして、特に課税価格決定の特例による国外事業者と国内事業者の間での競争上の不均衡が顕在化していると認識してございます。 このような中、昨年九月、経団連等の産業界からも本特例を含めた越境ECに関する課税制度の見直しを行うべきとの要望が提出されたことも踏まえ、今般の改正により本特例を廃止することとしたということでございます。
○高木真理君 背景は理解できました。急増しているというのはよく理解するところでもあるんですけれども、それ、コロナ禍で急増したのは分かるけれども、その前もそれなりの分量はあったんではないかなというふうには思って、昨日質問のときにさせていただきましたけれども、事前のレクで伺いましたけれども、コロナ禍になる前まではやはりその個人輸入のものもなかなか微増であって、それほどの伸びではなかったのでそのまま置かれていたということだったので、実際の事業者さんからの要望もあるということでこのタイミングということだというふうに思います。 次に、この国外事業者と国内事業者間の競争の均衡のためにこの特例廃止、必要だということは理解するんですけれども、結果的にはこれ、今まで六掛けでよかった個人にとっては、個人輸入する際に、日本の消費者より高い代金を今度はこの特例廃止で払うことになるというふうに思います。この特例廃止の影響総額、関税と消費税でそれぞれどれぐらいになるのか、伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 令和六年度の輸入実績を基に一定の仮定の下で試算を行いますと、個人使用であることが推定される輸入貨物を抽出し、これらの貨物に適用される税率について一定の仮定を置いた上で試算をいたしますと、関税額で約八十億、消費税額で約三百億の増収ということになります。
○高木真理君 これがそれぞれ各個人の負担、消費者の負担ということになってくるんだと思いますけれども、この負担が増えるということについて消費者の理解をどのように得るべく説明していくのか、伺います。
○副大臣(舞立昇治君) 先生御指摘のとおり、今回、特例の廃止によりまして、個人使用貨物の課税価格が商業貨物と同等となることから、一部の消費者の支払価格には一定の負担増の影響があると考えております。 他方で、本特例が存続された場合、国内外の事業者間の競争上の不均衡が引き続き問題となるほか、個人の方の国内での再販売目的での不正利用事案などの問題も適切に考慮する必要があると考えております。 財務省といたしましては、本特例の廃止によりましてこうした問題が是正され、消費者にとって真に競争力のある事業者や商品が選択できる状況に近づくと考えておりまして、こうした制度改正の背景及びその目的等につきまして、税関のホームページですとかSNS等を活用して消費者の皆様に広く丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○高木真理君 しっかり説明していただきたいというふうに思います。 次、伺います。保税業者に対する業務改善命令の創設についてです。 これに当たっては、これまでは行政指導に加え、貨物の搬入等の停止、保税地域の許可取消しといった行政処分があるものの、この行政処分は出しにくい、保税業者にとって過酷な現実が背景にあると言われています。 なぜ出しにくいのか、業務改善命令が創設されることの効果をどのくらい見込んでいるのか、伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 委員御指摘のとおり、現行の税関による保税業者に対する監督の手法といたしましては、処分を伴わない行政指導という方法と、搬出の停止処分や保税地域の許可取消しといった行政処分がございます。 このうち、搬入停止処分は、例えばでございますが、海外から到着した貨物等の搬入を一定期間停止する処分ということになりますので、貨物量が多い保税業者にとっては企業活動にも大きな影響を与えるものだというふうに考えてございます。 こうしたことから、不適正な事案を起こした保税業者に対していたずらに搬入停止等の行政処分を行うのではなく、事案の内容や改善状況に応じた実効性のある監督を行うことが重要であると考えてございます。 このため、本法律案において、言わば行政指導と行政処分の中間に位置するものとして、業務改善命令を創設することとしてございます。保税業者の方々の業務の内容も先ほど来の少額貨物の増加等により大変複雑化していると理解してございまして、今回の改正により、より業者の方々の業務に寄り添った、実態に寄り添った実効性のある対応が可能となり、保税業者の方々の法令遵守や適正な業務運営の確保に資するということを期待ができると考えてございます。
○高木真理君 これ、実際、何か想像してみるに、保税業者の方の業務というのは、本当にそれだけの貨物量があったら大変だろうなというふうに思いますので、これ、今回の業務改善命令、中間に当たって実効性を持たせることができるということで期待をしたいというふうに思いますけれども、運用してみる中で、なかなかこれだけの業務量なので、大変というところも見えてくると思いますので、是非適正な執行につなげるようにお願いをしたいというふうに思います。 一つ飛ばしまして、アンチダンピングのことで伺います。 改正案に、アンチダンピング関税における迂回防止制度の創設が盛り込まれています。WTO協定で定められている国際的な基準に沿った元の制度では、データ収集期間は三年、調査期間が十二か月となっているところ、迂回防止措置では、データ収集期間が一年、調査期間十か月と短縮が図られています。 この迂回でダンピングをされてしまうということの損失をなるべく小さいうちに対処するためには必要な措置と思いますけれども、これら縮める上でどのような課題があり、どのような工夫をしなければいけないか、どのような難しさがあるか。迂回行為に対する調査というのは、不当廉売措置の対象国だけではなくて、更に第三国での事業活動など様々な調査も必要だと思われるんですね。この第三国の協力を得る体制はどうか、新たな対応を取るのに体制が十分か、伺いたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 不当廉売関税制度の実効性を高めるためには、より迅速な調査により速やかに課税を実行に移す必要があるところでございますが、迂回防止制度においては、既に調査を経て不当廉売関税の課税を行われている物品が対象であることを踏まえ、元の調査結果を活用すること等により、元の不当廉売関税よりも手続の迅速化を図っていきたいと考えてございます。 御指摘のとおり、第三国の生産者等に対する調査という新たな手続、これが必要となる場合には、現行の不当廉売関税でも同様でございますが、そうした者の協力を得られるよう要請して現地調査などを求めてまいりますが、仮に協力が得られないような場合には入手できた証拠の範囲内で認定を行うなど措置をとることが可能な制度というふうになってございます。 今後見込まれる迂回防止調査の申請にも適正かつ迅速に対応していくため、国内産業を所管する経済産業省等と緊密に協力し、関税局、税関として、人員を確保する等、体制を万全にしてまいりたいと考えてございます。
○高木真理君 それでは、戻りまして、覚醒剤やフェンタニル等の不正薬物や金の密輸阻止など、次々と現れる密輸法を見破らなければいけないという大変なお仕事が今税関の職員さんに課されております。このことについて伺います。 水際でこれらは食い止める必要がありますけれども、新たな手口様々出てまいりますので、それを発見するために、現在どのような情報収集や技術的工夫を採用しているのか。ほかにも、社会のデジタル化の進展等の技術革新ありますので、厳しさを増す安全保障環境など、税関を取り巻く経済社会情勢が急速に変化している中、関税業務全般を行うには検査に使用する新機器の開発も重要と考えますが、予算は十分かについて伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 少額貨物の輸入件数や入国者数が急増する中で、不正薬物等の密輸リスクが一段と高まっており、御指摘のとおり、手口もますます巧妙化、そして組織化も見られているということでございます。 こうした中で、新たな密輸手口に対応するため、関税局、税関においては、まずは情報の活用が極めて重要でございまして、入国旅客の乗客予約記録などの情報の入手や国内外の関係機関との緊密な情報交換を行うとともに、技術を活用するということで、AIによる航空機旅客の検査選定支援など税関業務のDX化による一層の高度化、効率化を進め、さらに、先端技術を活用した高性能な取締り機器ですとか検査機器の整備といったことを進めてございます。 このために、税関を取り巻く経済社会情勢が急速に変化する中、限られた人員で実効性のある水際取締りを実現していくためには最先端の機器の活用を更に進めていくことが不可欠でありまして、必要な予算の確保にもしっかりと努めていきたいと考えてございます。
○高木真理君 これ、とても重要な点だというふうに思っているんですけれども、私、以前、関税をやっている現場を視察をさせていただいたことがありました。本当にこれを見抜いていくというのは職人技だなというふうにも思いましたし、あの手この手がすごいわけですよね。 今、この見抜くための機器というのは新たに開発していかなければいけない部分とかもあったりすると思うんですけれども、その点とかというのは、共同開発じゃないですけれども、世の中にあるものを買ってくるというだけではなくて、いろいろ日々知見をやり取りしながら開発していっているということか、ちょっと追加で伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 私どもとしましては、関税の中央分析所といった専門の機関を持って、職員によりまして実際に起こりました密輸事案から新たな手口に対応できるような技術の開発ということも行ってございますし、また、AIの活用ですとかエックス線やCTを使った機器の新たな先端技術の活用という点では、他の諸外国の例を参考にすることもありますし、他の機関との協力を得ることもございますし、民間企業さんからお話を聞いてそうした活用を進めるということもございますので、まさに多面的に、しっかりと新しい技術取り入れて、年々、委員御指摘のとおり密輸手口は巧妙化していくわけですから、それにしっかり対応できるように予算も確保しつつやっていくということでございます。
○高木真理君 先ほど御答弁の中に人員の増強のことも入っておりましたけれども、相当な負荷が掛かっているというふうにも思っておりますので、是非その点も、この点の人員増強については国会もみんな認めていくことになると思うので、しっかり要求もしていただいて、進めていただければと思います。 以上で質問を終わります。
○原田秀一君 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。 本日は、冒頭のアイスブレークのネタも切れてしまいましたので、直接質問に入らせていただきます。 日米政府の八十兆円の戦略投資イニシアチブについて、その八十兆のうち五十二・五兆円は日本貿易保険、いわゆるNEXIが保険を付与する形で資金支援すると理解をしています。そのため、政府は、NEXIの財務基盤を強化すべく、令和十一年三月三十一日までの間三兆円を上限として国債を発行し、交付する措置を検討しています。 経済産業省の説明によれば、NEXIの財務基盤を三兆円強化すれば、従来の損失率等により計算して、レバレッジ二十倍として約六十兆円分の保険枠を確保できるとのことです。正確には、保険付与時にアップフロントで五%の保険料が入るので、その三兆円分も加味して計六兆円に対してレバレッジ十倍で計算して六十兆円、すなわち損失率一〇%になっても大丈夫なようにNEXIの財務基盤を手当てしたとの御説明です。 そこで、この三兆円の財務手当ての妥当性について、まず片山大臣の見解を聞かせてください。
○国務大臣(片山さつき君) 日米政府の戦略的投資イニシアチブの五千五百億ドル、これ約八十兆円、この投資についてですが、この投資を着実に履行していくためには、そのような事態は基本的に想定されていないとはいえ、万が一、日本貿易保険、NEXIにおいて巨額の保険金支払が生じた場合に備えて、NEXIの財務基盤を強化をしておいて保険金支払に万全を期すという必要があるということでございます。 そのため、将来必要な資金を必要なタイミングで措置することができる交付国債の形で対応することといたしまして、先般、経済産業省が必要な貿易保険法の改正法案を、三月六日ですね、国会提出しておりまして、今後国会で御審議がなされるものと承知しております。 この交付国債の発行上限額三兆円につきましては、NEXIのこれまでの保険引受け実績やレバレッジ、さっき御説明ありました、を踏まえ設定されたと聞いておりますので、私どもとしてはこれが適当ということを判断してお願いをしております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 従来のNEXIの保険について確認させてください。 NEXIは、本来、貿易相手国や進出国で政変や戦争が起きる、あるいは政府に資産を没収されるといった新興国のカントリーリスクを補償するものです。 配付資料を御覧ください。 NEXIの保険責任残高十五・五兆円のうち、四四%は製品を輸出した後の代金回収リスクをカバーする貿易保険です。次に多いのが、三五・五%の五・五兆円を占めるのが海外事業資金貸付保険です。いわゆる新興国へのプロジェクトファイナンスへの保険です。 今回の日米戦略投資イニシアチブに係る保険はこのカテゴリーに入ると説明を受けました。NEXIがこれまで支援してきたプロジェクトファイナンスは、例えば資源開発や発電所建設など、相手国政府と長期契約に基づいて将来のキャッシュフローが極めて手堅く見積もられるものに限定されてきました。そこに新興国特有の政変や送金停止というカントリーリスクがあるからこそ、NEXIの出番があったわけです。 また、プロジェクトの総額の二、三割を占める自己資本が損失吸収バッファーとして機能することが前提となっています。その自己資本に対して優先する七割、八割のローンの部分をNEXIが保険でカバーする形態です。住宅購入でいうと、三割の自己資金を出す前提で残りの七割の借入れについて保証する形です。 これに対して、今回の日米戦略投資イニシアチブはどうでしょうか。まず、損失バッファーとなる自己資本投資はゼロで、全額ローンです。さらに、AI、半導体、クリーンエネルギーといった、技術変遷が激しく、事業リスクの高い先端分野が多く含まれています。形式こそローンの形式であっても、そのリスクの実態は事業が失敗すれば一番にロスを被るエクイティーリスクを含むものではないでしょうか。 片山大臣にお伺いします。 今回の対米投資のリスク特性は、従来の貿易保険が想定してきたカントリーリスクに対する保険ではなく、事業リスクに対する保険ではないでしょうか。とすると、三兆円という元手だけで五十二・五兆円もの保険提供の損失をカバーできますでしょうか。言い換えますと、損失率一〇%で収まりますでしょうか。御見解をお伺いします。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、今回想定しておりますのは、この海外事業資金貸付保険でございます。その保険につきましては、本邦外で行われるプロジェクトのために銀行などが実施する事業資金の融資などが、非常・信用危険に起因し償還の遅れが生じる損失をカバーいたします。 そのプロジェクトにつきましては、この日米戦略投資イニシアチブのプロジェクト、このリスク管理につきましては、日米の了解覚書に基づきまして、日米両政府の協議委員会における協議を通じて収支相償、償還確実性、また日本への裨益、メリットなどについて精査、確認して、適切なリスク管理を行うこととなっております。その上で、プロジェクトの実施合意後も、プロジェクトの円滑な実施のため、日米で連携して着実にフォローアップするとともに、具体的な事業の運営を担う各社に対しては適切なインセンティブを付与することとしております。 日米両政府と今後具体的な事業の運営を担う各社で共同してこのプロジェクトの円滑な実施に努めていく所存でございます。
○原田秀一君 ありがとうございます。 例えば、二〇二六年三月に発表された六兆円規模の次世代原子炉、SMRの建設案件があります。日立製作所やGEがテネシー州とアラバマ州でSMRを建設します。技術的、商業的に未確立な分野であり、建設コストの超過や規制変更など極めて高い事業リスクを内包しています。 また、五兆円のオハイオ州での天然ガス発電所案件。オフテーク契約があるから安全だと思われるかもしれませんが、その電力の買手は州政府ではなく、新しくデータセンターを建設するソフトバンクです。電力の最終使用者はオープンAIと言われています。AIは、アンソロピックやグーグルGemini等、激烈な競争下にある勝者総取りのハイリスク・ハイリターンの事業です。ソフトバンクは、別途、そこに最新鋭のデータセンターを総額五、六兆円で建設をします。ゴールドマン・サックスがその資金調達を支援するとも言われています。 ちなみに、ソフトバンクのCDS、つまり企業の倒産リスクを対象にした保険料は三・八%で、日本企業で圧倒的に一番高く、米国のハイイールド債の平均である三・二%よりも保険料は高いです。 したがって、プロジェクト全期間で五%の三千億円の保険料という計算になりますが、十年間のプロジェクトであれば、三・八%掛ける十年分の三八%である一・九兆円の保険料をもらわないと、そろばんが合わないプロジェクトではないかと考えます。 私も前職時代、たくさん孫さんと仕事をさせていただき、その先見性や実行力、尊敬をしています。しかし一方で、御存じのとおり、リスクテーカーです。NEXIが過去投資しているプロジェクトファイナンスのローンとはリスク量が異なり、かなりリスクの高いプロジェクトと言わざるを得ないと思います。 ここまでの説明で、片山大臣、もし御感想があればお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 日米投資イニシアチブにつきましては、JBICによる出融資と、その今議論になっておりますNEXIの保証付きの民間金融機関融資の形で資金提供が行われるという、こういうスキームでございますが、今、経産省の方からもお話があったように、個別案件ごとの償還確実性がJBICでは求められ、それから勘定全体として収支相償が求められておりまして、NEXIも同様に収支相償が求められているから、個別具体的なプロジェクトが発表はされておりますけれども、法的な最終的な契約書ができているわけではないので、私が都度都度と担当者に指示しておりますところにおいては、きちっとチェックできる項目をちゃんと常に残しておくということを指示しておりますので。 いずれにしても、日米両方で構成される協議委員会等でその精査を行う上に、私たちは財政当局ですから、そういうことをきちっと言っておいて、それを聞いていただかなければ困ると思っておりますので、また、当然そういうことの上で案件がだんだんだんだん具体的な融資の実行とかそういうところに行くんでしょうけど、まだそこには大分段階がございますので、きちっと皆様の御懸念のようなことに当たらないように対応してまいりたいと思っております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 JBICの方も非常に、私もお仕事をさせていただきましたが、審査能力高い方でありますので、是非、それらの方々の審査能力判断した上で、実行の可否、御検討いただければと思います。 続きまして、関税定率法の改正案について質問をします。 最初に、少額輸入貨物への対応について伺います。 本法律案では、少額輸入貨物について、個人使用のうち、個人使用貨物について課税価格を六割とする特例を廃止するとしています。また、消費税法改正案において、一万円以下の少額輸入貨物の消費税免税についても見直すとしています。 これらの改正に当たり、主に念頭にあるのはテムやシーインといった中国系ECの急拡大であろうと思います。これらのEC事業者が従来想定しなかった規模で拡大していることは、私も理解します。ただし、海外ECを利用する国内の消費者にとっては純粋な負担増になるわけであり、丁寧な議論と説明が必要です。その観点で幾つか質問をさせていただきます。 まず、課税価格への六掛けの廃止について伺います。 政府からは、インターネットの普及や海外旅行の一般化、国内小売業者との競争条件、不正利用への対応を挙げられています。確かに、制度が創設された昭和五十五年当時とは様々な環境が違うことは理解します。ただ、この特例が、商業輸入が卸売価格で仕入れられるのに対し、個人輸入は小売価格であり、課税価格の公平性を失するというのが理由です。 今日、業者が大量仕入れを行う卸売価格と個人がECで一個単位で買う小売価格では、本当に同水準になったのでしょうか。この点、政府はなぜ廃止を妥当と判断したのか、調査結果や具体的な根拠があれば、政府参考人に説明を求めます。
○政府参考人(寺岡光博君) 少額輸入貨物の課税特例、課税価格の特例制度は、御指摘のとおり、一九八〇年、当時珍しかった海外旅行の土産品等を念頭に、個人使用貨物と輸入される商業貨物の間の課税の公平性を確保する観点から法制化されたものでございます。 他方、本特例制度の導入から四十年以上が経過しておりまして、海外旅行は一般化した一方、越境ECサイトを利用して個人が商品を輸入することが容易となるなど、制度を取り巻く環境が大きく変化しているということでございます。 近年では、中国や香港、韓国などの国外事業者からの越境ECサイトを利用した個人使用貨物の輸入が急増しており、その際には本特例が適用され課税価格が〇・六掛けとなるのに対し、国内小売業者が商業貨物として輸入し国内消費者に輸入品として販売する場合には適用されず、相対的に割高となるなど、国内外の事業者間の競争上の不均衡が顕在化してございます。加えて、輸入者が個人使用貨物の輸入であると偽り転売目的で本特例を不正に利用する事案、これも発生してございます。 こうした環境に対応し、国内事業者の競争力を確保するとともに、適正公平な課税等の徴収を実現するため、本特例を廃止するということとしたわけでございます。
○原田秀一君 ありがとうございます。 次に、一万円以下の少額免税制度の見直しについて伺います。 現在、一万円以下の少額輸入貨物についても、消費税も関税も免除されているところ、消費税の免除をやめるというものです。より厳密には、購入者は引き続き免税だが、テム、アマゾンといった海外のEC事業者を納税義務者として消費税の納税義務を課し、結果として購入者は価格に含まれる消費税相当分を負担するという仕組みです。 なぜこのような増税を行うのか、まずその理由を政府参考人、御説明ください。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 国境を越えて行われる電子商取引につきましては、その商品の輸入者に消費税の納税義務を課しておりましたが、円滑な通関の観点から、一万円以下の貨物は原則免税とされております。 越境ECサイトの利用が、先ほどの関税局長からの御答弁にもありましたように、昨今拡大している中で、国内外の事業者間で競争上の不均衡が生じているとの課題は少額輸入貨物の免税制度についても同様でございます。 このため、令和八年度税制改正におきましては、円滑な通関を維持しつつ、国内外の事業者間の公平な競争環境を確保するために、国境を越えて行われる電子商取引のうち、一万円以下の商品について、販売者に消費税の納税義務を課すこととしております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 他国の、米国の事例でお伺いしたいのですが、少額免税の見直しの動きで我々の記憶に新しいのが昨年のトランプ関税です。少額免税制度が設けられていましたが、昨年、大統領令によって急遽撤廃されました。米国での少額輸入免税見直しの動きは従来からあったものですが、昨年、トランプによる突然の廃止で、米国の消費者、事業者は大きな混乱と負担増に見舞われています。 政府は、これらの米国の消費者、事業者の受けた影響をどのように評価されていますでしょうか。大臣、御見解を教えてください。
○国務大臣(片山さつき君) 消費税の少額輸入免税制度の見直しの背景というのは、今参考人からもお話をさせていただいたんですけれども、トランプ政権においても一連の関税政策においてそういうことが行われたということは承知しておりますが、現場のいわゆる実務の混乱等につきましては、そこまで詳しい資料を今現在持っておりませんので、御通告がなかったので。 ただ、当然、ショートノーティスということだったらそういうことになってくることもあり得ると思いますので、我々は、税制改正、関税改正においては、円滑な通関を維持しつつ、こういうことが行われる場合に、ちゃんと御理解をいただいて、スムーズに事を運べるようにするというのは当然考えているところで、その辺について米国がどうであったのか、大変申し訳ないですけど、今そこまでの情報はこちらで持っておりません。申し訳ありません。
○原田秀一君 ありがとうございます。 更に申し上げたいのは、消費者への影響です。 国自身が認めているように、今や少額貨物を利用する消費者は昔とは比べられないほど増えています。物価高の中で低価格の商品を求め、越境ECを利用する人も少なくありません。その中で六掛けの廃止や少額免税廃止を進めることは、結局のところ、一般の消費者の負担増につながります。 少額輸入の制度を利用して急成長している海外ECには、国内事業者が競争上不利な立場に置かれるために対応が必要という危機感自体は私も理解します。ただ、国民は数年、物価高、物価高騰に苦しんでいます。その中で、多くの国民、特に中所得者の方々が格安の海外ECを日常的に利用しているという現実もまた踏まえねばなりません。政府が改正の背景とする少額輸入の急増自体が生活防衛に走る国民の現状を示しています。 今回の改正は、その中でこれだけの負担を国民に新たに求めることになります。本改正が庶民の家計に与える影響について政府はどう検証したのか、生活への圧迫に対してどのように対応するつもりか、大臣、お答えください。
○政府参考人(青木孝徳君) 今般の見直しによりまして、海外から輸入される一万円以下の物品についても、御指摘のとおり、消費税が課されることとなります。 家計のネットショッピングにつきまして私どもの方で調べた範囲では、ネットショッピングの多くは、今回の見直しの影響を受けます海外からの物品の輸入ではなく、国内発送される商品でございます。こうした国内発送される商品につきましては従来から消費税が課されているところでございますので、一般家計における負担増というのは限定的なものではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、今般の見直しでございますが、これは国内外の事業者間の公平な競争環境を確保するものでございまして、税負担の公平の観点からも必要なものであるというふうに考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 続きまして、税関の体制について伺います。 この越境ECの貨物急増はもとより、外国人旅行者の増加、不正薬物や密輸対策、経済安全保障対応など、課題が年々重くなっています。その一方で、税関の定員は、十年前、平成二十九年の九千百七十八人から来年度予算の一万三百二人まで増えてはいるものの、その増加は限定的で、予算額も一千億と、ほぼ横ばいが続いています。もし本当に今回の課税強化を進めるのであれば、その増収の相当分を税関の人的体制強化に充てるべきではないでしょうか。 国は長年、国家公務員の定員合理化、人件費抑制を続けてきましたが、その結果として、税関を始め現場の公共サービスが過度に圧迫されてきた感は否めません。高市内閣が責任ある積極財政を掲げるのであれば、国家公務員の定員、人件費についても過度な抑制方針を改め、実情に応じた人員確保に転ずるべきではないでしょうか。大臣の認識を伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 税関の体制強化について御理解をいただいて、ありがとうございます。 少額貨物の輸入件数や入国者数が急増しておりますので、当然、不正薬物や金等の密輸リスクも高まっておりますから、税関のお仕事は増えていて、しかも環境は非常に厳しくなっておりますので、私も着任いたしましてから年内に羽田空港を視察して、この拡大ぶりというのを本当に実感をさせていただきました。 ですから、今おっしゃったようなことも踏まえて、円滑な物流、人流を確保しながらも厳格な水際取締りをちゃんと行うためには、当然高性能な取締り機器や検査機器の整備も必要ですが、業務の増加、複雑化を踏まえた機構、定員の充実が必要ですし、そのためには当然処遇改善も必要でございまして、公務員は御承知のように人事院勧告で今回も一定程度のアップが予算案にも盛り込まれているところでございますが、それに加えて、様々な勤務環境を、それから整備等の処遇改善もきっちりと取り組んでまいりたいと、かように思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○原田秀一君 ありがとうございます。 関税の、消費税を除いて関税の少額免税の廃止は、国民負担だけでなくてダイレクトに税関の業務が跳ね上がりますので、是非慎重に御検討いただくとともに、免税を廃止するのであれば、より抜本的な税関の体制強化を同時に図るようにお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。 まず最初に、日本の貿易政策、関税政策の基本的な考え方についてお伺いしたいというふうに思います。 日本は、自由な貿易、投資の国際秩序がもう世界経済の安定と繁栄に寄与すると、そういう考えを基本として、WTO協定などの国際的なルールを尊重しつつ、農林水産業を始めとする国内産業の保護が必要な場合にはルールにのっとって適切な関税を課すという姿勢で臨んでいるものというふうに理解をしております。ところが、残念ながら今のアメリカは、こうしたルールを無視した恣意的な関税を濫用をしていて、世界の安定と平和に対する脅威にすらなっているのではないかというふうに感じています。 もちろん、アメリカにこうしろああしろということをなかなか言うことには限界があるわけでありますけれども、そんな中で、日本として、やはりこの自由貿易を基本として国際的なルールを尊重するという日本の基本的な姿勢をもっと積極的に発信していくべきではないかというふうに考えますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) ルールに基づく自由貿易体制の維持拡大というのが我が国の従来からの経済外交の柱でございまして、日本経済を含む世界経済の成長に不可欠な基盤を提供してきたものと考えております。 この国際経済の不透明感が高まっているというのは委員御指摘のとおりでございまして、多角的貿易体制につきましては、なかなかWTOとも進んでおりません。かなり長いことそうなっておりますし、我が国は自由貿易の旗振り役としてリーダーシップを発揮していかなければならないし、そのことは役割としてますます重要ではないかと考えております。 こういう観点から、幅広い分野をカバーした高い水準の共通ルールを掲げているCPTPPですとか、ほかのマルチの枠組みについても、日本は本当に設立当初から積極的にリードして、むしろつくってきた側にあるものと考えております。 引き続き、このルールに基づく自由貿易体制ですね、これを維持拡大するという政府全体の方針の下、しっかりと、当然この適切な関税政策もそうですが、国益に資する形で適切な関税政策にも取り組んでまいりたいと考えております。
○上田勇君 今大臣から答弁があったとおりだというふうに思います。 やっぱり、世界がアメリカの関税政策に振り回されていて、それに対応することにもう大変な思いが世界中に広がっている、こういうときであるからこそ、やっぱり日本がきちんとしたそういう姿勢を明確に打ち出すことが国際社会における信頼を高めることにもなるというふうに思いますので、是非片山大臣にはまたその積極的な発信をお願いしたいというふうに思います。 次に、合成麻薬フェンタニルの問題についてお伺いしたいというふうに思います。 これは、報道によりますと、昨年六月の日本経済新聞の報道でありますけれども、によりますと、この合成麻薬フェンタニルが中国で生産をされ、日本経由でアメリカに密輸されている疑いがあるとかなり詳しく報道をしております。 フェンタニルというのは、私も調べたら、極めて危険な薬物で、アメリカ国内でもその乱用が大きな社会問題に、政治問題にもなっているというふうに聞いております。 フェンタニルの密輸に関わる拠点が日本国内にあったとすれば、この日本に対する国際社会の信用を著しく傷つけるものであると、重大な事態だというふうに認識をしております。 この件について、現在、政府としてはどのように把握をしているのか、これ厚生労働省の方からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤大作君) お答えいたします。 御指摘のような、米国に合成麻薬フェンタニルを不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いが判明したなどの報道は承知しております。麻薬取締りに関する個別事案についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、フェンタニルを含む麻薬の取締りについては、米国を含む各国の取締り機関と麻薬取締部など日本の関係機関は引き続き適切に連携をすることとしておりまして、密輸等の不正な取引を阻止すべく取締りを徹底してまいりたいと思います。
○上田勇君 個別の案件については答弁できないということであります。まあそこの点はある程度は理解をするところでありますけれども、この件については、アメリカにおける裁判の証言に基づくものであるというふうに報じられています。内容もかなり詳しく、信頼性も、信憑性もかなり高いのではないかというふうに受け止めています。 もしアメリカ国内でこれほど深刻な問題になっているフェンタニルの密輸に日本国内の法人や在留中国人が関与していたとすれば、我が国としても看過できない事案であるというふうに思いますので、事案の解明、そして適切な対処を強く求めるものであります。 次に、このフェンタニルに限らず、税関の資料によりますと、令和五年以降、税関での大麻などの不正薬物の押収量が大幅に増加していると。このことから、市中での薬物の流通量も増加しているのではないかということも懸念を持っています。 これ極めて深刻な事態になっていることもあり得るというふうに思っておりますが、政府でこの薬物の乱用の現状についての認識と、それから対応について、これも厚労省の方からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤大作君) 委員御指摘のとおり、近年、税関における不正薬物の押収量が高い水準で推移しております。令和七年においては、麻薬、大麻の大口事案の摘発もあり、六年ぶりに押収量が三トンを超え、過去二番目の水準であったと承知しております。 近年の薬物事犯の検挙人員を見ると、覚醒剤が減少傾向にある一方、大麻は増加傾向でございます。特に十代、二十代の若年層を中心とした乱用拡大が見受けられるなど、我が国の薬物情勢は予断を許さない状況にあると認識しております。 厚生労働省といたしましては、令和五年八月に策定した第六次薬物乱用防止五か年戦略に基づきまして、引き続き関係省庁と連携の上、予防啓発や取締りの強化などの対策を徹底してまいりたいと考えております。
○上田勇君 対応はしていただいているということでありますけれども、やっぱりこれ、押収した量が必ずしも市中に出回っている量と比例しているとは限らないというふうには思いますが、ただやっぱり、検挙数が多いということは世の中に出回っている量も多いんじゃないかということが大いに懸念をされるものでありますので、対策の強化、これは是非一層進めていただきたいというふうにお願いいたします。 今薬物の問題を取り上げさせていただいたんですけれども、これも税関で水際で摘発するということが非常に重要なわけであります。日本の社会の安全を守るために、税関はそういう意味では非常に重要な役割を担っております。今取り上げました不正薬物のほかにも、テロ関連物資であるとか知的財産侵害物件、そして金地金などの摘発も多いというふうに聞いております。できる限り水際で食い止めていくということが何といってもこの日本の安全のためには一番重要な点であるというふうに思っております。 また、この法案でも、先ほどからちょっと取り上げられておりますけれども、少額輸入貨物への対応とか、また保税事業者への監督の強化など、業務も更に拡大をするわけであります。こうした増大する業務に適切に対応していくこと、それが必要なんですけれども、そのために必要な人員の確保あるいは機材等の交渉など、体制強化がこれはもう不可欠であります。 先ほどからいろいろと質疑でも取り上げられておりますけれども、これまでも努力はされてきているというふうには承知をしておりますが、それ以上に一層の取組の強化、これが必要であるというふうに思いますけれども、御見解をお願いしたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 少額貨物の輸入件数や入国者数が急増する中で、令和七年の税関による不正薬物の押収量が六年ぶりに三トンを超えるなど、不正薬物を始めとする違法な物品や金の密輸リスク、一段と高まってございます。 税関は、迅速な通関と水際の厳格な管理、これを両立していくという役割は極めて高うございます。こうした中で、離島を含む全国津々浦々の水際の最前線で昼夜、休日を問わず職務に励む税関職員というものの負担も増大していると認識しており、今後、税関の責務を的確に果たしていくため、高性能な取締り機器や検査機器の増備、機構、定員の充実、それから厳しい環境で働く職員を支えるための庁舎、施設の整備や処遇改善など、質と量の両面でしっかりと税関の体制強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○上田勇君 やはり日本の安全を確保していくという意味では、やっぱり水際でどうやって食い止めていくかということが一番重要だというふうに思いますので、引き続き、この税関の役割重要であります、その機能の強化に更に努力をしていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、不当廉売関税、いわゆるアンチダンピング関税措置について質問いたします。 財務省の資料によると、我が国の措置、このアンチダンピング関税の発動というのは、諸外国に比べて極めて慎重に対応しているというふうに承知をしております。これまでの発動件数が十七件。そして、これはこのアメリカの六百七十三、EUが三百六十九、中国二百六十八、韓国百十七と比べて一桁違うというか著しくないというふうに伺っております。 近年、特に中国が余剰な製品を海外にダンピングで輸出をしている、これが世界各国の産業に大きな影響を及ぼしているということがこれはもう大きな問題となっているわけでありまして、特にASEANなど東南アジアの諸国ではこれが大きな問題になっているというふうに承知をしております。 もちろん、日本が、冒頭申し上げたとおり、自由貿易を守るという姿勢は理解はするものの、今のこうした状況を考えると、やはり国内産業の公正な権利、その保護の観点からは、このアンチダンピング制度をもっと十分に活用していく、そのことが重要ではないかというふうに思いますけれども、財務省の見解伺いたいと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 我が国における不当廉売関税につきましては、二〇一六年以降の十年間の発動件数は平均して年一件程度にとどまっている一方、昨年七月以降の半年間で新たに五件の調査を開始するなど、昨今の国内外の経済環境の変化を反映して、今後発動件数は急激に増加していくものと見込まれてございます。産業界等からも、不当廉売関税の課税措置が迅速かつ実効性のあるものとなるよう、運用面も含めて調査体制の整備、充実を求める御意見をいただいており、国内産業保護の観点から、不当廉売関税への関心、御要望が強まっていると認識してございます。 そもそも、不当廉売関税は、ルールに基づく自由貿易と国内産業を保護するためにWTO協定で認められた仕組みでございますので、我が国としても、昨今の状況を踏まえ、しっかりと対応していきたいと考えてございます。
○上田勇君 しっかりと対応していただきたいと思います。 もちろん、これを濫用するということになると、これは国際的な秩序が乱されることになるんですけれども、まあこれはちょっと、幾ら何でもほかの国に比べて慎重過ぎるんではないかというふうに思います。 我が国は、日本は基本的に公正な施策を取っているというふうに私は考えておりますので、そんな中で、海外に比べてこの制度活用していない、このことは、やっぱり国内の産業、特にこれ物づくりの関係の産業が非常に大きな影響を受けるんだというふうに思いますので、これ濫用することはよくありませんけれども、やはり先ほど答弁にもあったとおり、ちゃんとWTOなどでも定められたルールでありますから、それを適切に活用していくということは重要だというふうに思いますので、引き続き積極的に対応していただきたいというふうに思います。 次に、外国人旅行者の消費税免税制度について質問をしたいというふうに思います。 本年十一月から、これ持ち出し後にリファンドする方式に変更した。これは、国内での不正な流通を防止するために妥当なものだというふうに考えてはいます。 この免税措置が訪日旅行者の増加や滞在中の消費拡大のインセンティブとして果たしてどこまで機能しているのかについては、今もう様々評価も分かれてきているんではないかというふうに思います。また一方で、オーバーツーリズムの対策とか観光客受入れ環境整備などの自治体などの負担も増えています。 私は、この本制度のインバウンド観光振興の効果は、少なくとも今に至っては限定的になっているんではないかなというふうに疑問を持っております。もう既にアメリカでは、地方税のセールスタックス、この還付制度は元々ありません。そして、最近では英国も廃止をしたというふうに聞いておりますし、元々EUなどでも全額戻ってくるということではないんですね。 そうした動向も踏まえて、還付制度の効果をよく検討した上で、これから段階的に縮小あるいは廃止も含めた検討をすべきではないかというふうに考えますが、その点についていかがでしょうか。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 外国人旅行者向けの免税制度でございますが、外国人旅行者が一定の要件の下で購入する物品につきまして、実質的に輸出取引と変わらないものとして消費税が免除される仕組みでございまして、多くのOECD加盟国において同様の制度が導入されているものと承知しております。 また、御指摘もありましたが、本制度は訪日客の消費促進に資する面がございまして、観光立国の実現に資する制度であるというふうにも認識しております。 本制度につきましては、この令和八年度の与党税制改正大綱におきましても、今後も、不正防止の観点から、本年十一月から実施することとしているリファンド方式の実施状況を踏まえつつ、不正防止、観光立国推進などの観点から制度の有効性などを検証し、その在り方について検討を行うというふうにされておりまして、政府としてはこうした方向性を踏まえて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○上田勇君 時間になりましたのでこれで終わらせていただきますけれども、是非積極的な御検討をよろしくお願いいたします。 以上です。
○松田学君 参政党の松田学でございます。 まず、関税の前に、先般の財政金融委員会でちょっと時間切れで十分お答えをいただけなかったと思っている消費税の輸出免税制度につきましてですね。 これ、輸出大企業に対する補助金じゃないかという批判、そういう理解をしている国民が非常に多いんで、今もリファンドの話出ましたけれども、海外に行ったときに、付加価値税が掛かった分、空港でその余計に払った分を返してもらうというのと似たようなものだということなんですけれども、この批判に応えるためには、輸出大企業に対する納入する下請業者が消費税をきちんと価格転嫁しているエビデンスを示すといった説得力ある説明をする必要があるんですけれども、それは十分にできないものなのか、まずこの点についてお答えをいただければと思います。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。 我が国の消費税を含めまして、各国の付加価値税は、財やサービスの消費が行われる際、消費地国で負担を求める税でございまして、輸出国側では免税とした上で、輸出企業において仕入価格に含まれる仕入れ時に支払った税額が控除し切れなければ還付を受ける仕組みとなってございます。 こうした取扱いは、国産品と輸入品との間で税負担に差を設けない観点から国際的に共通した取扱いとして行われているものでございまして、WTOの補助金協定におきましても輸出補助金には当たらないこととされており、輸出企業を優遇するものではございません。 御指摘のございました消費税が実際に価格転嫁できているのかという点に関しましては、消費税率引上げ分の転嫁状況につきまして、経済産業省が令和五年七月に行ったサンプル調査の結果によりますと、全て転嫁できているという御回答が九割を超えているものと承知しておりまして、基本的に消費税の転嫁はできているというふうに認識しております。
○松田学君 いずれにしても、国民に分かりやすく説明していただければと思いますが。 じゃ、次に、関税の方に入りたいと思いますが、私ども参政党は、現場で頑張っている公務員を応援する立場に立っておりますので、基本的に税関を応援するという、そういう立場での質問になりますけれども。 片山大臣は、たしか一九八八年頃に横浜税関の総務部長をされて、あっ、一九九八年、ごめんなさい、で、私も同じポストを経験したことがございますけれども、当時、税関行政を経験されて、そして今般財務大臣として再び税関行政を所管されるようになって、この間の税関行政、どんなふうな変化を特に強く感じられておられるか、その辺りから御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のように、一九九八年から九九年まで一年間、横浜税関の総務部長を務めさせていただいて、たしか私がその後、松田先輩に引き継がせていただいたんだと思いますが、大変同じ職場にいた者の連携が強いのがその税関ファミリーのいいところでございまして、会がずっと残っていまして、横浜関友会というのは私もずっと今でも入っておりまして、この間伺ったら、大臣になったお祝いを半年後にしていただきまして、写真を一緒に撮りましたけど。 とにかくもうあらゆる意味で仕事が増えているというのを直感しておりまして、今御質問をいただいたので調べさせていただいたら、その当時は、年間の輸入許可件数が九百五十万件で、訪日の外国人旅行者数が四百十万件であったわけですが、現在はそれが二億二千万件と四千二百万人になっており、旅行者数の方は十倍なんですけれども、輸入許可の方はそれどころじゃございませんので、いかにICT化が多少進んだとはいえ、もう大変な仕事量でございまして、大臣になってからは、昨年十二月に羽田空港を視察した際には、余りにもその人流がすごいので、これはCIQ全部でございますが、人流、物流、共にすごいので、今昔の感がございました。 こうした業務量の増加に加えまして、先ほど不正薬物や金などの密輸が増えている上に、また手口が巧妙化しているというようなモデルもいろいろ見れて、こんなところまで、こんなことまでするんだなというのがありまして、これを見抜こうと思ったらまた大変でございますし、また経済安全保障の観点からも、不正輸出を防止しなければいけないその対象の複雑性、高度性が出ておりますから、当時と比べて税関の業務内容が多様化、複雑化、困難化していることは間違いないと思います。 離島を含めまして全国津々浦々で昼夜、休日を問わず職務に励む税関職員お一人お一人の負担が増大しているなというのを非常に強く感じておりますので、何とかこの環境に適応すべく、能力を最大限税関職員が発揮できるように、また税関全体として円滑な物流、人流は維持確保しながらも、厳格な水際取締りを遂行して、止めるべきものを止められるような必要な体制整備や執務環境の改善を含めて、大臣もその点でますますしっかりとやるべきことをやり、言うべきことを言わなきゃいけないという決意で税関行政に取り組んでまいりたいと考えております。
○松田学君 ありがとうございます。 片山大臣とは、私から職務を引き継いだこともありますし、横浜税関は引き継がれたという、そういうことであったことを今思い出したんですが。 私は、その後、関税局の監視課長という立場に就きまして、当時は、もう二十年以上前ですけど、同時多発テロというのがあって、テロ対策ということで税関にも期待されまして、顔認識システムというものの導入に私も関わったことがございました。また、出国時に航空会社から取得される事前旅客情報システムでありますAPISというのを当時導入に向けて検討したんですが、今国会では入国管理の方で、法務省で同様の法案を用意しているというふうにも聞いておりますし、それから、近年では経済安全保障が重要な課題になっておりまして、これは国際局マターですが、財務省でも対内直接投資の審査制度の強化に向けた法案を用意しているというふうに伺っております。 この中にあって、税関も経済安全保障の観点でいろいろ活躍しているんだという話はよく聞くんですけれども、これまで、具体的な個別の案件は言えないかもしれませんけれども、どんな仕組みをつくり、どんなような成果を上げてきたのか、お答えいただけるでしょうか。
○政府参考人(寺岡光博君) 経済安全保障上の脅威への対処は政府全体としての重要な政策課題となる中で、関税局、税関としても、本省やそれぞれの税関に体制を整備し、厳格な審査、検査に加え、経済安全保障に係る情報収集等の取組を実施してございます。 具体的には、軍事転用のおそれのある製品や技術の流出につながる貨物の不正輸出等の防止の観点から、税関においても、経済安全保障に関する情報分析を行う機構の設置、また関係機関及び民間事業者等との連携を通じた情報収集、分析の強化、あるいは適正な輸出通関を図るための輸出貨物に関する事後調査の充実といった取組を行っているところでございます。 このような中、各税関の不正輸出等の防止に対する取組により、一例でございますが、令和六年七月にはロシア向け水上バイク等の不正輸出事案、これを関税法違反として告発するなど、一定の成果を上げているというところでございます。 引き続き、関係省庁等と連携の上、情報の収集、分析の強化、適正通関の確保等に取り組んでまいりたいと思います。
○松田学君 頑張ってください。 私は、成田税関支署長というのも経験したんですけれども、旅客がたくさん、旅客がたくさんどっと入ってくるところでの税関職員のこのチェックというのは、長年の経験とか勘に頼る部分が結構あるということを痛感したわけで、最近ではいろんな検査機器とか人工知能とか導入されて、テクノロジーも発達しているんですけれども。 かつては、税関が入手する情報というのは傾向情報と生情報というのがあると言われていて、傾向情報は分析的な情報で、生情報というのは垂れ込みであるとか直接入る情報。生情報が実は一番摘発に確実だと言われてきたんですけれども、ただ、それも近年の情報公開法だとか公務員倫理法とかいろんなのがあって制約が出てきた。当時、そんなことは別に税関に限らず、捜査機関の間でそんな話も出ていたんですけれども、しかし、やっぱり生情報が重要であると。 それから、国際的ないろんな情報もギブ・アンド・テークで、海外の税関当局、中には007のようにスパイ活動をやっているような税関職員もほかの国にはいましたけれども、そういう人たちの人間的な信頼関係といいますか、結局、人間力といいますか、そこに非常に重要なポイントがあるのは引き続き変わらないと思うんですが、この点について、大臣の御認識とか、どんなふうな対策を取られているか、お聞かせいただけるでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のように、どれだけテクノロジーが発達しても一番重要な情報は人間的なというか、まさに極秘情報でしょうけれども、人から聞いた、あるいは、あるいは告発があったりということが大変重要だと思っておりまして、財務省、税関におきましても、特に不正薬物やその密輸につきましては、国内外の関係機関から得られる情報、これは航空会社なんかもありますし、それから入国旅客の記録の活用とか、そういうことをちゃんときちっとやっているのかということでチェックに入れておりますし、それから関係機関、横浜税関の場合は隣が神奈川県警でございますので、たしか定期的にあちらの総務部長と一緒にそういう会議もやっていた記憶がございます。 機器の活用ということとはまた別のレベルでそういうことを努力をし続けているものと承知しておりまして、これはこれからもそういう人の養成みたいのはやらなくてはいけないんで、このためには、もちろん税関の中で様々な職務研修をこの分野においてやらなきゃいけません。カウンターパートから信頼がなければ情報が来ることはないので、そういう人間関係をつくるにはどうしたらいいのかとか、あるいは、現場で培う経験や知見の蓄積で、兆候を教えてというときに兆候が何だか分からないと教えてもらえないので、そういう点も含めて重要な要素で、研修に取り入れていかなくちゃいけないこと、実際にはそういうことを教えているわけですが。 さらに、国内の関係機関との間で人事交流をすることも当然有効ですし、また海外に職員を派遣するといった余裕は余りないけれども、そういうチャンスを背負ってもらうということも重要なので、こういうことも含めて、国内、国外の関係機関との信頼関係の構築も強化して、こういった人材の育成に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○松田学君 そして、もう最後に、先ほどもちょっと質問が出ましたけれども、我々、第二次大戦後、当時はガット体制というのがあって、多角的な自由貿易体制というのをアメリカを中心に推進してきたと。その中で、近年では、さはさりながら、WTOがなかなか機能不全に陥っているとかですね。また、どちらかというと、地域経済圏といいますかね、FTA、EPA、そしてそれを拡大した、日本は、TPPであるとかRCEPであるとか、あるいは日EUのEPAであるとか、あるいは日米貿易協定、いろんなこの地域的な自由貿易の枠組みの中で一番そういう、そういった枠組みに参加している国であるということで、自由貿易の扇の要だという、そういう話も昔ありましたけれども、ただ、それが、このマルチの体制がなかなかうまく進まず、そして地域、いろんな経済圏ができてくるという時代ということで、自由貿易の旗手としてこの日本は先ほども期待されているということで、ルールというのは大事だということで、最近はトランプ大統領も出てきたという話もあるんですけれども。 ただ、今、世界の秩序ががらがらと大きく変わっているということで、年明けのベネズエラ、そして今のイランもそうですが、超大国が力による秩序という時代に入り、世界全体が分断に入り、またトランプさんもああいう関税をやったりしているというふうになってきますと、我々日本は自由貿易の旗手として、工業品の関税をほとんどゼロと、そして農産品の関税、それもどんどん下げていくという形で進んできたんですが、しかし一方で、経済安全保障もありますし、それから国家としての自立、食料、重要物資、あるいはエネルギーですね、いろんな面で自立を図んなきゃいけないというふうになりますと、関税政策の在り方そのものも、単にグローバリゼーションに乗っかって自由貿易推進だと言っているだけでは済まない面が非常に大きくなっているんじゃないかなというふうに思っておりますが、この点、大臣、この関税政策の基本的な考え方、これは日本がこれからどうあるべきかという点についての御見解をお聞かせいただけないでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 先ほどそういうお話も出て、やっぱり全体として日本はその関税について貿易自由化の中で引き下げてきて、農産物などはきちっと国内産業の保護を図ってくるという、こういうポリシーミックスでずっとやってきて、その基本路線として、日本のそういう地位も、要としての地位もございますから、それが今すぐに変更が必要ということを申し上げるつもりは全くないんですけれども。 実は、重要鉱物、レアアースも含めまして、これについての枠組みの在り方というのはG7の財務大臣会合でつくってきておりまして、そういった中には、プライスフロアというのを維持しなきゃいけない、つまり、ダンピングを掛けてくる、主にこの場合は中国ですけれども、ダンピングを掛けている国に対して、たとえほかの正当な形でつくられたレアアースが高くても、そちらのマーケットでみんなやろうという、そういうゲームですから。そうなりますと、そこに差を付けるためには、関税が用いることができる国だったら関税になるし、EUがやっているように国内税制という手もありますし、価格の維持をしなきゃいけないので、そういう議論が、まさに本来WTOで中心になるべきような主要先進国の間で出ておりますので、それは今の時代の局面で様々なことが変わってきていると。 つまり、一か国が異常なぐらい黒字と対外輸出に依存して、それによってほかの超大国が、主にアメリカですけれども、恒常赤字に陥っていて、ほかの主要先進国も大なり小なり赤字になってくるような状況が、構造を変えてしまうと、そういう形については、何らかのことをしないと逆に自由貿易体制の維持からみんながドロップアウトしてしまいますので、そういう議論が出てきているのは、これは確かでございます。 よく状況を見つつ、我が国の国益に一番資する形で考えてまいりたいと思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○松田学君 以上です。どうもありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 関税定率法改正は必要な措置であり、賛成します。税関の体制強化は引き続き重要なので、よろしくお願いしたいと思います。 通関業者が納税義務者である輸入者に代わって関税や消費税を立替払する、いわゆる立替え問題です。 これ、二〇二四年三月の衆議院の財務金融委員会で我が党の田村貴昭議員が質問しました。当時、公正取引委員会は、優越的地位の濫用として独禁法上問題となるおそれがあるという見解を示して、当時の鈴木財務大臣も、これは公取の指摘に沿った形で是正される必要があるというふうに答弁されているんですが、これはなかなかちょっと是正されていないんじゃないかと。 東京通関業会が昨年加盟店社に行ったアンケートで、立替払を行っているのは八七・一%で、これはもう前年の九五・六%から減少はしているんですが、大半は続いています。理由は、荷主からの要請との回答が九〇・一%、また、荷主への値上げ要請を七割の業者がためらっていて、値上げを求めたとしても応じた荷主の割合は二割以下との回答が半数です。 大臣、こうした現状をどう見ておられるのか。やっぱり荷主が立替払を強いられている状況を放置してはいけないんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 通関業者による輸入者の関税等の立替払が商慣習として行われていて、基本的には通関業者と輸入者の間の民間契約なんですけれども、先ほどの事業者団体が行ったアンケートにおいて立替払が負担となっているというお声が圧倒的に、また、公正取引委員会の調査においても独禁法上の問題につながるおそれのある事例としてこの立替払が取り上げられているということはもう十分承知をしております。 これを踏まえて、財務省としても、貿易事業者団体を通じて、優越的な地位を利用して不当に立替払を行わせることが不公正な取引につながるおそれがあるということについて、輸入者への周知に努めますとともに、その立替払の負担軽減にも寄与することから、輸入者の口座から自動的に納税する方法というのも、これもう十年ぐらいになるようですが、これを導入するなど、輸入者自らが関税等を納付しやすくなるような納税環境の整備にも努めておりまして、その周知にも努めているところであります。
○小池晃君 様々手を打っていただいていることも認識はしているんですけど、やっぱりこれは今の現状を是正する必要あると思うんですね。 公正取引委員会来ていただいていますが、今年一月から中小受託取引適正化法、取適法ですかね、これによって不公正な取引についても是正されるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 御指摘のとおり、改正下請法が本年一月一日に施行されております。その中には、新たに特定運送委託というものが適用対象取引に追加されたほか、協議に応じない一方的な代金決定、手形払いの禁止等が盛り込まれておるところでございます。 このような改正法につきましては周知徹底をしたところでございますが、公正取引委員会と中小企業庁が実施したヒアリングにおきましては、事業者から、資金繰りが改善をした、価格交渉が進んだというような声もいただいておるところでございます。 一方で、実効性を高めるためには、周知徹底だけでは足りないということでありまして、積極的な法執行も重要であると考えてございまして、公正取引委員会と中小企業庁では毎年大規模な書面調査を実施しておりますので、そのような書面調査におきまして積極的に違反行為の情報収集をいたしまして、違反行為がありますと積極的に勧告、指導等を行っていきたいと考えてございます。
○小池晃君 これは、対象取引には特定運送委託、追加されているということでありますが、この荷主が物流事業者との間で物流業務に付随して輸入通関業務を委託する際に、関税や消費税の立替払と併せて手数料などの経済的な負担をサービスとして負担させているという例もあるということを聞いております。 公正取引委員会として、こうしたケースは、これは取適法上問題ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。 最終的には個別事案ごとの判断となることでございますので、一般的、一般論として申し上げたいと思います。 荷主がその取引先である物流事業者に対しまして、本来荷主が納めるべき関税や消費税の支払を立て替えさせ、併せてこれらの手続に係る手数料などを負担させるということによりまして、中小受託事業者の利益を不当に害する場合には取適法上の問題となるおそれがあるところでございます。 先ほどもお答えしたとおりでございますが、公正取引委員会及び中小企業庁におきましては、以前から違反行為に係る情報収集のため定期的な大規模な書面調査を実施しているところでございまして、違反行為を積極的に探知いたしまして、勧告、公表を行うこととしてございます。 公正取引委員会といたしましては、引き続き、具体的な違反被疑情報に接した場合には、しかるべき調査を行った上で、違反行為に対しましては厳正に対処するなど、適切な価格転嫁や取引の適正化が図られるように取り組んでまいる所存でございます。
○小池晃君 財務省としてはこうした事案にどう対応されていくのか、今の公取の見解も踏まえてお答えください。
○政府参考人(寺岡光博君) そもそも、通関業者はその高度な専門知識を用いて国際貿易や通関手続を行う重要な機能を有していると考えてございまして、近年、その役割の重要性が増してございます。一方、料金設定や労務費等の適正な転嫁の問題も指摘されており、通関業者の役割の重要性に鑑みますと、その経営環境の改善を図ることは重要な課題であると認識してございます。 ただいま公正取引委員会から、荷主が中小受託事業者の利益を不当に害する場合には取引適正化法上問題となるおそれがある旨の御答弁もございました。そのため、財務省関税局から貿易事業者団体に対して、優越的な地位を利用した立替払は独占禁止法上の不公正な取引につながるおそれがある旨、輸入者の一般口座の利用といった輸入者が自ら関税等を納付する方法等について所属の会員企業への周知を依頼するなど、今後ともこれまでの周知を継続してまいります。 加えて、財務省が輸入者と通関業者との間での不適正な取引に関する情報を得た場合には、公正取引委員会に共有するなど適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○小池晃君 大臣、今までのちょっとやり取りも踏まえて、弱い者にしわ寄せが行くような業界の慣行はやっぱり改める必要があると思うんですね。しかも、今、原油を始めとして輸入物価上昇が深刻になってきていて、通関業者と輸入者の取引において、経費、労務費の転嫁、一層重要になっているんではないかなと思います。 大臣の今のやり取りを踏まえた御見解をお示しください。
○国務大臣(片山さつき君) 物流全般についてこの問題はあって、私もいろんなところのお話を伺って、まさに委員の御指摘と同じような御指摘を、これ何とかならないのかというようなことをずっと見させていただいている中で、通関業者のむしろ負っていただく役割は増えていて、業務も複雑化していくわけですから、なのに収入が伸びていないということだと、要するに適正に労務費が転嫁されていないということですから、今の世の中の流れとはちょっと逆になりますので、その必要性を輸入者の方にちゃんと御理解をいただいて、適正に転嫁してくださいという流れをつくらなくちゃいけないし、公正取引委員会の方で引き続きお調べいただいたり御指導いただいているわけですから、この優越的な地位の濫用になるんだよということをそもそも認識していただいて、これをその通関業者さんが適正に業務運営の方向が確保できるように改善しなきゃいけませんから、この環境整備、環境改善につきましては私どもも一生懸命努力をしてまいりたいと、かように思っております。
○小池晃君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 それから、所得税法でちょっと取り上げられなかった問題をあと残り時間聞きたいんですが、今回の税制改正で、青色申告特別控除をe―Taxを要件にして六十五万円に引き上げる、又はe―Taxで申告して優良な電子帳簿で電磁的記録の保存などの要件を満たすものを七十五万円に引き上げると。一方で、複式簿記であっても、紙の申告書で申告すると十万円しか控除できないということが入っているんですね。 これ、どうしてこういう差を設けたんでしょうか。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。 令和八年度税制改正におきまして、個人事業者の青色申告特別控除につきまして、近年における会計ソフトの普及や電子申告割合の向上を踏まえまして、記帳水準の向上を図るとともに、デジタル時代にふさわしい記帳や申告を一層推進する観点から見直しを行うこととしております。 高度な電子帳簿を作成、保存し、電子申告を行う納税者を対象としまして、控除額を六十五万円から七十五万円に引き上げる一方で、書面申告の納税者につきましては、控除額を現行五十五万円であるところを十万円とすることとしております。これは、現在青色申告者の八割が、約八割が電子申告をしていることから、租税特別措置としての政策効果を踏まえまして見直しを行うものでございます。
○小池晃君 青色申告、八割が電子申告とはいえ、残り二割の方いらっしゃるわけですね。青色申告制度の意義からすれば、やっぱりこれはあくまで自主申告ですよ。自発的な納税協力を促して記帳水準の向上につながるという、白色申告にはない節税効果のある多くの特典を利用することができるというふうになっているわけですね。 大臣ね、ちょっと一問飛ばしますけど、これ自主申告なんですから、やっぱり上からああせいこうせいということではないと思うんですね。同じ記帳、同じ帳簿で同じように申告するのに、紙の場合は控除額引き下げるというのは、これは不平等ではないか。で、これデジタル化だというふうにおっしゃるんだけれども、これ、紙の申告は五十五万円から十万円になるわけで、実質増税ですよね。 私は、デジタル化というのは、あくまで合意と納得を得てやるべきで、何か懲罰的に控除額を引き下げるというやり方でいいのかと。やっぱりペナルティーを科すようなやり方ではなくて、きちんとデジタル化は合意と納得を得て進めるべきで、こういうその不平等を設けるというのは私はいかがなものかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) もう国税庁は本当に旧大蔵省時代から結構このデジタル化というかICT化やってきている組織でございまして、それを、今回控除額に段差が付いたから懲罰的まで、まあそれは受け取り方ですわね、それがなければ全く控除がないわけではないので。 もちろん、利便性の向上になることですから、合意で納得感を持ってやっていただければというお考えもあると思うんですけれども、組織全体として一貫してそういうことを記帳水準の向上とリンクさせながらやってきたという観点はあるわけですから、発想の延長線上として、めり張りを付けて、今回のような控除額があって段差が付くということがあったらそんなにいけないのかという、私は割とそれは自然に受け止めたところでございますが。 やっぱりこの業務につきまして、これからもAI化、IT化というのを行政の中では一定以上入れていかないと、なかなか、幾らこの機構、定員を頑張っても、元々若者が減っていく社会にいるわけですから、なかなかそれは無制限、無天井にできるわけではないので、さらに、納税される側の方も、デジタル化が少しずつ自主的に進んでいる中で私はこういうことをやっていくというのは、別にそんなに懲罰的ではないし、不慣れな方につきましては、さっきおっしゃったような、やらない方ですね、国税の方で親切丁寧な御紹介、御誘導、御指導も納税者に寄り添ってさせていただいているということなので、お許しいただければ有り難いと思っております。
○委員長(宮本周司君) 時間が来ておりますので。
○小池晃君 時間ですので、もう質問しませんが。 五十五万円から十万円になるわけですから、これやっぱり実質増税なわけですよ。こういったことはやっぱりしないで、北風と太陽じゃありませんけど、プラスのインセンティブを付けるということならいいんですけど、マイナスまでやるというのは私はこれはやや行き過ぎではないかなというふうに言わざるを得ないというふうに思いますので、是非今後の在り方として検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。 関税の関係、まず御質問させていただきますが、買物に行きますと、何か免税レジとか日本人向けのレジというふうな、これ何でかなというふうに思っていたら、外国人旅行者の今回リファンド方式というのを、これ資料ちょっと提出させていただいていますけど、聞くところによると、外国の人が日本で購入するときに免税で買うと、そして、税関のときに、そういったデータがあって、その商品持っているかどうかとかのチェックして何か出国すると。だけど、時間が足りないからというと、もうチェックもそぞろにそのまま出国してしまうと。で、どういうことが起こっているかというと、免税で買った商品を国内に残しておいて、それを何か売るような、そういう脱税の方式があると。ああ、そういうことかと。 それで、今回こういうリファンド方式に変えたというのを聞きまして、それは当然だよなというふうに思ったんですけど、このイメージ図を見ると、この四番に、必要に応じて検査すると。先ほど、税関の関係は経験とかやっぱりそういうのが大きいんだという話がありましたけれども、これ、どういうふうに見て、必要に応じというのはどういうことなのかということをちょっと具体的に教えてもらうといいなと。 実際、こういうことが十一月施行予定ということでありますけれども、税関の執行体制というのはこういうふうに必要に応じて対応するというようなこともあるようですが、どういう体制に変わるのか、今までと大きくね、そこら辺のところを教えていただければと思います。
○政府参考人(寺岡光博君) 輸出物品販売場制度と申しますけれども、免税購入品の国内での横流し等の制度の不正利用に対応するため、本年十一月より、出国時に税関で購入品の国外への持ち出しを確認した場合には消費税相当額を返金するリファンド方式に移行するということになってございます。 この必要な場合ということでございます。現在、本年十一月のリファンド方式移行に向けて、検査対象とする基準を含めて具体的な運用方法の検討を行っているところであって、どのような場合に検査を行うか、ちょっとここでお答えするのは差し控えますが、財務省関税局、税関としては、免税購入金額や購入の回数、そうした購入履歴、これを電子的に把握することが今可能となってございまして、こうしたデータも活用しながら、まさに不正防止を図るために必要な検査、こういったことを行うということでございます。 このリファンド方式では、免税を希望する全ての外国人旅行者が税関で手続を行うこととなりますので、今後の訪日外国人旅行者の更なる増加を踏まえれば、税関の業務量も大幅に増大するというふうには考えてございます。このため、新たな制度が効率的に運用され、万全を期していくために、令和七年度予算及び八年度予算において、リファンド対応のための税関定員の増員、こういったものも盛り込んだ体制整備を進めてございますし、必要十分な台数のキオスク端末を設置した上で利用者の誘導を適切に行うなど、制度の円滑な実施、不正利用の防止に向けて現在準備を鋭意進めているということでございます。
○大島九州男君 非常に必要な対応だというふうに私も理解をいたします。 先ほど、大臣、視察に行かれたりとかして、いろんな経験上から、こういうような制度というか方式に変えていった後、十分にそれが機能するのかとか、やっぱりやってみたらまだまだこれが足りないなというようなこともあるでしょうし、定員と処遇改善の話も先ほどありましたけれども、更なる取組が必要になるような場合は早急に対応するとかいう、そういうちょっと意気込みを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 先ほど、視察に行かせていただいたお話、羽田空港での準備状況でございましたが、着々と準備は進めておるということを私も見させていただいたわけですし、今も局長から答弁させていただきましたけれども、ほかの国は基本的にこの方式が多いので、記憶をたどればそういうシーンがあるなというのは見ておりますので、日本においてきちっと準備をして、混乱が生ずるとか非常に滞るということがないように配置をしているつもりでございます。つまり、運用に万全を期せということですから、混雑は防止され、旅行者の利便性も過度に損なわれることがなく、しっかりと確保できるようにということで。 ただ、やってみたら、いかに事前に想定した場合よりもすごかったということが絶対にないのかというと、それは絶対は世の中にはないので、もちろん、きっちりと状況を見ながら、関係省庁とも、それから事業者の皆さんとも連携しながら、円滑に動き出すように、きちっと抜かりなく配意して対応してまいりたいと思っております。
○大島九州男君 今まで外国の人はそういう、もう支払のときに免税で払っていますから後で還付する手続やらなくていいけど、我々もちょっと、私も外国行ったときに、何かそういう税金返してもらおうと思っても、空港のどこ行ったらいいのとか、どういうふうに書いたらいいのなんていって、何か非常に混乱した覚えが、記憶があるので、そういうふうにならないような簡便な形で、普通の旅行者、真面目な人たちは簡便にできるようにしておいていただければということを申し添えておきます。 次に、航空機部品等の免除制度、当然飛行機のエンジンなんか、何かよくロールスロイスのマークが貼ってあったりしますけど、そういった部品なんかというのは当然外国から持ってこなくちゃいけないので、そういうのはもう免税するというのは、これもう当然だと思うんですけど。 そういう国産困難と認められるものについてはどういうものがあるのかと。そしてまた、国産困難な部品については、日本のやっぱり競争力を高めていくというのにも含めて国産化をしていくべきだというふうに私は思うんですけど、そこら辺はどういうふうな考え方なのか、経済産業省、教えてください。
○政府参考人(畑田浩之君) お答えを申し上げます。 まず、航空機部分品等免税制度と、これは日本において製作することが困難な航空機部品等を海外から輸入する際に関税を免除するものですが、これ輸入する、部品を輸入するケースとしては、例えば認証、これ安全認証が非常に厳しい業界ですので、その認証を取っている国産事業者がその部品について不在であって輸入品を使う必要がある場合のほか、それから、国産で製作するとどうしても割高になるためにコスト競争力に勝る輸入品を使う場合、また、こういうことも含めまして、国際共同開発の航空機におきましては、納入先のメーカーからこれを使えというふうに指定がある場合などがございまして、具体例としましては、今御指摘ありましたようなエンジンも、航空機そのものも含めて、グローバルサプライチェーンの中で航空機の主翼とか担当部分について、そこに使用するより小さな部品などについてこの免税制度を利用して輸入している場合があるというふうに承知をしております。 航空機産業は、裾野も広いですし、付加価値も高いですし、安全保障上も意義が大きいということで大変重要な産業でございますので、経済産業省としては、各種の支援策で技術力それから製造能力の向上を今支援しておりますし、そのほかに関係国、それから関係するメーカーとの調整を行って、グローバル生産体制の中で日本の担当部分の質、量共に向上するように、そういう支援をしているところでございます。 このほか、次世代の航空機で必要とされるような技術支援などを行っているところでありまして、グローバルな航空機生産体制の中で日本がより一層重要な役割を担えるように支援をしてまいりたいと思っております。
○大島九州男君 是非、国産の飛行機がどんどん飛べるように、いろんな規制が厳しいみたいですけれども、そういうふうに進めていただきたいという願いを込めて、そこは質問をとどめておきますが。 今回、ちょっと前回の質疑のときに租特について大臣にもうちょっと突っ込んで聞きたかったんですけど、結局、この補助金の見直しとか租特の見直し室をつくりましたと言いますけど、まあ私の感覚からいうと、業界団体の陳情によってこういうものが大きく動くと、税は政府が決めるんじゃなくて、税は与党が決めるんだと、まさにそこに与党の力の源泉があるというふうに思うんですけど、どういうふうな方針でいろいろ補助金とかこういう租特を見直していくんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 租特、補助金の見直し担当大臣という辞令も内閣総理大臣からいただいて今回はおりますので、去年の十二月二日に、官房長官や関係大臣、そして各府省庁の副大臣、全部御参加いただきまして、この租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議というのも開催いたしまして、その際に、各府省庁の副大臣には、国民の皆様に対して政策効果の説明責任を十分に果たすため、これまでの会計検査院や行政事業レビュー等における指摘を踏まえた自己点検などを進めて、見直しに積極的に取り組んでいただくこと、それから、今後の取組を政務レベルから強力にリードしていただくことというのをお願いをいたしました。 令和九年度の予算編成と税制改正におきましては、各府省庁の要求、要望段階から査定段階まで一貫して見直しに取り組んでいくこととさせていただきましたので、当面、夏の要求、要望までの期間における点検が非常に重要だと思っております。いわゆるスプリングレビューでございますね。 今後、この見直し室というのは、実際にこの業務をやっている財務省及び関係省庁の方を併任しておりますので、各府省とそこでまた連携をいたしながら、当面、年明けから二月末まで募集した国民の皆様からの御提案、単純集計で約三万六千件あるんですけども、これと、それから行政事業レビュー等の既存の取組における指摘、これだけで相当指摘事項があるわけですよ。で、指摘事項はあるんですけれども、見てみたら金額は減っていなかったりもするものですから、そこにはそれなりの理由があるわけですから、しっかりした成果を出せるように、各担当にも頑張っていただき、各府省庁の政務にも頑張っていただく、また、それを全体統括する私も取組がリードできるように頑張ってまいりたいと思っております。
○大島九州男君 私の要望としては、持っているものとか大企業だとか、そういったところではなくて、本当に困っているようなところ、中小、小規模、そういったところの皆さんの声がしっかり反映されて、これが利権だとかそういうふうにならないように、客観的に誰が見ても、ああそうだねと、そして、日の当たらないところに日が当たっているよねというような租特にして、見直しをいただくことを要望して、終わります。
○ラサール石井君 社会民主党、ラサール石井です。 今までの質問とちょっと重複するところあるかもしれませんが、お願いします。 関税定率法の各論に入る前に、関税についての我が国の考え方をお伺いします。 我が国は、原則として自由貿易の価値を認めながら、安価な外国製品の流入により国内産業が脅かされないよう、難しいバランスを探ってきたのだとは思います。自由貿易は戦争をなくすための最も有効な手段であるという言葉もありますが、トランプ政権の誕生で、自由貿易に基づく国際関係が揺るがされている面もあると思います。 米国を含めた国際社会に対し、我が国の関税についての考え方をどのように説明していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 今日はるるそういうお話が各委員の先生方からありましたけれども、日本はこれまでも、ルールに基づく自由貿易体制を維持拡大するという政府の、まあ基本的には一つの方針だと思いますが、その方針の下に、国内産業保護の観点から、一部の品目については関税率を維持したり、いろいろ制度を維持しながら、全体としては、貿易自由化、貿易自由化の中で関税率を引き下げてまいったということでよろしいかと思うんですよ。 今御承知のように、トランプ政権の関税政策等もありますし、国際経済の不透明感は率直高まっておりまして、多角的貿易体制は、それ以前からWTOは非常に機能しない状態が長く続いておりましたから、二国間の自由貿易協定とか、あるいはマルチの様々な自由貿易協定が別途出てきていた時代というのが今だと思いますが、その中でも我が国はその旗振り役としてリーダーシップを発揮してきたと思いますし、それはこれからもそういうことを役割としてやっていくというのは非常に国益にも資するものと考えております。 非常に広い分野もカバーした上に水準も高いというそのTPPですね、現在のCPTPPですか、十二か国、これは、我が国が本当にその設立当初からリードしてきたというふうに言えるものだと思います。 そういったことですとか、引き続き、ルールに基づく自由貿易体制を維持拡大するという方針の下で、国益に資する形の適切な関税政策に取り組んでまいりたいと考えております。
○ラサール石井君 ありがとうございます。 次に、犯則調査手続の見直しについてお聞きします。 昨年行われた刑事デジタル法改正を踏まえ、関税の犯則調査についても、税関職員が裁判所の許可を受けデータを保管するクラウド事業者等にオンラインによる電磁的記録提供命令を出し、電子データの提供を受けることができるようになります。 刑事デジタル法については、日弁連が、犯罪と関連しない市民のプライバシー情報や企業、団体の秘密情報を捜査機関が収集し、蓄積することへの歯止めを欠いたものだとして修正を求める会長声明を出しており、我が党も慎重な立場を取りました。 刑事デジタル法の参議院の附帯決議案第四条は、電磁的記録提供命令制度の運用に当たっては、対象となる電磁的記録について、犯罪事実との関連性の認められるものをできる限り具体的に特定して令状の請求が行われるとともに、犯罪事実と関連性のない個人情報ができる限り収集されることのないように厳格に令状審査が行われるよう、制度の内容及び趣旨について、関係者へ周知徹底することとしています。 税関職員に対しても、広範な個人情報の収集を行わないように周知徹底をしていただけますか。
○政府参考人(寺岡光博君) お答えいたします。 デジタル社会における個人情報保護の重要性に鑑み、裁判官が発する許可状に提供されるべき電磁的記録等や差し押さえるべき電磁的記録媒体を記載、記録する際、あるいは裁判官の発する許可状に基づいて税関が実際に電磁的記録提供命令を行う際に、犯則事件と関連性のない個人情報を取得することを避ける必要があると考えてございます。 このため、関税法の改正法案の附則において、委員御指摘の附帯決議を踏まえ、できる限り犯則事件と関連性を有しない個人情報を取得することとならないよう特に配慮しなければならないとの規定を設けてございまして、税関職員に対して過度に広範な個人情報の収集とならないように周知徹底をしてまいりたいと考えてございます。
○ラサール石井君 個人情報の不正取得が起きないようにどのような監督を行われますか。また、仮に不正取得があれば、どう是正するのでしょうか。
○政府参考人(寺岡光博君) 今回の法改正のまさに附則に設けましたように、犯則事件との関連性のない個人情報を取得しないようには、税関職員でございますので、まさに徹底、周知徹底してまいりたいと考えてございます。 その上で、万が一犯則事件との関連性のない個人情報を取得してしまったと判明した場合には、新たな制度であり、今後の運用実態も踏まえつつ、関税法の改正法案附則の趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えてございます。
○ラサール石井君 じゃ、次に、秘密保持命令についてお聞きします。 電磁的記録提供命令の発出に際しては、一年を超えない期間を定め、電磁的記録提供命令を受けたことを漏らしてはならない旨を命じることができます。この規定があれば、自らに関する情報が取得された者は、情報が取得されたことさえ分からず、プライバシー侵害に対する不服申立てができません。 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律、これを私たちは盗聴法と呼んでおりますが、これは通信の当事者に対する通知を義務付けることにより不服申立ての機会を保障しています。 収集される情報量やそれに伴うプライバシー侵害の程度が通信傍受を上回る電子データの取得について、捜査機関が取得を行ったことすら知らせないのは、プライバシー保護の観点から大きな問題であり、日弁連は意見書の中で、他人から委託を受けて電磁的記録を保管する者からその提供を受けたとき又はその記録された媒体を押収したときは、当該他人に対し、その旨を通知し、目録を交付しなければならないものとするべきだと指摘していました。 結局、そのような改正を行わないまま刑事デジタル法が成立してしまったのですが、参議院の附帯決議は、電磁的記録提供命令に係る秘密保持命令を発するに当たっては、必要な限度で期間を定めるとともに、その必要がなくなった場合には、捜査機関において、期間経過前であっても速やかにこれを取り消す運用とするよう関係者へ周知することにしています。 これ、税関職員にも同様の周知をしていただけるものでしょうか。
○政府参考人(寺岡光博君) 関税法の改正案においては、改正刑事訴訟法の規定に倣って、秘密保持命令の必要がなくなった場合には、一年を経過する前であってもその命令を速やかに取り消さなければならないこととしてございます。 当該規定を踏まえ、税関職員に対しては、秘密保持命令の必要がなくなった場合には速やかにこれを取り消すように周知徹底をしてまいりたいと考えてございます。
○ラサール石井君 ちょっと時間があれですので、次とその次を飛ばします。先ほど大島議員もリファンド方式には質問されていたので。 それでは、検査・摘発体制の現状についてお伺いします。 二〇二五年上半期の摘発事例の中には、カナダから福岡空港に到着した旅客のスーツケースに隠匿された覚醒剤約三十キログラムを摘発した、あるいはベトナムから到着したコンテナに隠匿された大麻草約一トンを摘発したという事例があります。 大量の不正薬物等を一度に堂々と持ち込もうとする、そういう手口を見れば、日本の税関が急増する旅客貨物の対処に追い付いていないだろうと、ある意味足下を見られているようにも思うのですが、政府の現状認識と、検査体制の拡充のために具体的にどのような取組を行うのか、お答えください。
○副大臣(舞立昇治君) 少額貨物の輸入件数や入国者数が急増する中で、令和七年の税関による不正薬物の押収量は六年ぶりに三トンを超えるなど、不正薬物等の密輸リスクが一段と高まっておりまして、税関を取り巻く環境は極めて厳しいものと認識しております。 こうした中、円滑な物流、人流を確保しつつ、不正薬物等に対する厳格な水際取締りを遂行するという税関の責務を確実に果たしていくため、国内外の関係機関との緊密な情報交換や、入国旅客の乗客予約記録などの情報活用を図るとともに、高性能な取締り機器や検査機器の整備、業務の増加、複雑化を踏まえた機構、定員の充実、厳しい勤務環境で働く職員を支えるための庁舎施設の整備や処遇改善等々、質、量の両面で税関の体制強化に今後とも全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○ラサール石井君 先ほどのリファンド方式の煩雑さもあり、税関職員の仕事が非常に大変になると思うので、是非とも増員とかそういうことをよろしくお願いしたいと思います。 時間になりましたので、終わります。
○委員長(宮本周司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 関税定率法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。 この際、森委員から発言を求められておりますので、これを許します。森ゆうこ委員。
○森ゆうこ君 私は、ただいま可決されました関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、日本共産党及び社会民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 関税定率法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 関税率の設定に当たっては、我が国の貿易をめぐる諸情勢を踏まえ、国民経済的な視点から国内産業、特に農林水産業及び中小企業の利益を十分に配慮しつつ、国民生活の安定・向上に寄与するよう努めるとともに、過度な恩恵を相手国に与えず調和のとれた対外経済関係の強化を図ること。 二 自由で公正・公平な経済秩序の維持・強化を推進するため、我が国の関税制度を不断に見直すとともに、諸外国及び国際機関との連携を強化すること。その際、国内の食料・産業基盤への影響にも配慮すること。 三 覚醒剤やフェンタニル等の不正薬物や金の密輸入阻止に加えて、我が国にとって安全保障上の脅威となり得る国や地域に対する輸出入規制、経済安全保障、キャッシュクーリエ及び輸出免税に係る不正への対応等の観点から、税関においては、警察庁等の関係省庁との連携及び情報共有を強化しつつ、一層厳格な水際取締りを行うこと。 四 社会のデジタル化の進展等の技術革新、厳しさを増す安全保障環境など、税関を取り巻く経済・社会情勢が急速に変化する中で、適正かつ迅速な税関業務の実現を図り、国民生活に悪影響を与える覚醒剤やフェンタニル等の不正薬物・銃器を始めとした社会悪物品や知的財産侵害物品等の国内持込みの阻止により国民の安全・安心を確保するため、高度な専門性を要する職務に従事する税関職員の定員の確保、処遇改善、機構の充実、職場環境及び取締検査機器等を含む業務処理体制の整備等に特段の努力を払うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(宮本周司君) ただいま森委員から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮本周司君) 全会一致と認めます。よって、森委員提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。 ただいまの決議に対し、片山財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山財務大臣。
○国務大臣(片山さつき君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(宮本周司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮本周司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十九分散会
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