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国会会議録

国土交通委員会

第221回 · 参議院 · 第15号 · 2026-07-23

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-26 11:48 JST 記録 #4067 ↗

発言 118

会議録情報

令和八年七月二十三日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  七月十六日     辞任         補欠選任      見坂 茂範君     若井 敦子君  七月十七日     辞任         補欠選任      岡田 直樹君     見坂 茂範君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         辻元 清美君     理 事                 滝波 宏文君                 山本佐知子君                 蓮   舫君                 後藤  斎君                 三浦 信祐君     委 員                 阿達 雅志君                 見坂 茂範君                 酒井 庸行君                 永井  学君                 長谷川 岳君                 山本 順三君                 若井 敦子君                 羽田 次郎君                 吉田 忠智君                 礒崎 哲史君                 平戸 航太君                 西田 実仁君                 青島 健太君                 石井めぐみ君                 安藤  裕君                 初鹿野裕樹君                 木村 英子君                 ながえ孝子君                 平山佐知子君    衆議院議員        国土交通委員長  冨樫 博之君    国務大臣        国土交通大臣   金子 恭之君    副大臣        国土交通副大臣  酒井 庸行君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       栗原  渉君        国土交通大臣政        務官       永井  学君        国土交通大臣政        務官       上田 英俊君    事務局側        常任委員会専門        員        清野 和彦君    政府参考人        厚生労働省大臣        官房審議官    熊木 正人君        林野庁林政部長  清水浩太郎君        国土交通省大臣        官房官庁営繕部        長        佐藤 由美君        国土交通省不動        産・建設経済局        長        楠田 幹人君        国土交通省住宅        局長       宿本 尚吾君        国土交通省物流        ・自動車局長   石原  大君        国土交通省海事        局長       新垣 慶太君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第三九号)(衆議院送付) ○建築士法の一部を改正する法律案(衆第三八号)(衆議院提出)     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、岡田直樹さんが委員を辞任され、その補欠として若井敦子さんが選任されました。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省住宅局長宿本尚吾さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 自由民主党の見坂茂範でございます。本日も質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。  さて、住宅や建築物の省エネ政策につきましては、オイルショックを契機とした一九七九年、この省エネ法の制定以来、これまで段階的にその制度の拡充が進められてまいりました。そして、昨年の四月からは、原則全ての新築住宅や建築物について省エネ基準への適合が義務付けされております。我が国全体の温室効果ガス排出量のうち、建築関連分野がその全体の約四割を占めているということを踏まえますと、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて更なる取組を進めていく必要があると考えております。  そもそも住宅や建築物の省エネ政策というのは、当初は、オイルショックを契機として、我が国が輸入に頼っている化石燃料をなるべく使わないようにというところから始まりました。その後、地球環境に優しい住宅や建築物を目指しましょうという流れになっておりますが、私は、少し見方を変えますと、省エネ住宅や省エネ型の建築物というのは、そこに住まわれている皆さんのお財布にも優しい、そして企業にとっても経済的にも経費が節約できる、そんな建物になっているんじゃないかなという見方もできるんじゃないかと思います。ですので、当初のイニシャルコスト、建設コストは多少掛かっても、省エネ住宅や省エネ建築物はその後のランニングコストが安くなるということで、トータルとしてお財布にも優しい、そういった建物になっていると、そういったことも私たちは理解すべきじゃないかなと考えております。  少し話が脱線しましたが、早速最初の質問に入らせていただきます。  住宅や建築物は、人々の生活や経済活動にとって欠かせないものであり、まさに社会の姿そのものでもあります。これまでの住宅、建築物の省エネ政策によりどのような成果が得られ、また、今回創設するライフサイクルカーボン評価によりどのような社会を目指そうとしているのか、政府の見解をお願いいたします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  住宅、建築物の省エネルギー政策につきましては、一九七九年の省エネ法制定以来、これまで長年取り組んできたところでございますが、この取組によりまして、断熱性能の確保、高効率な暖冷房設備、給湯設備の採用などが一般化されてきております。また、例えば新築のZEH水準の適合率は、二〇一九年度には一二%であったものが、五年後の二〇二四年度には六〇%に増加をしております。  今回の法案では、省エネ対策の更なる促進と併せまして、これまでの住宅、建築物の省エネ政策では評価をしてこなかった資材の製造段階や施工段階、解体段階を含め、建築物のライフサイクル全体の脱炭素化の取組を評価をするライフサイクルカーボン評価制度を創設することとしてございます。  この制度を通じまして、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けて、建築物の長寿命化や低炭素建材の活用など、建築物のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を削減するように考えた建築設計の定着を図っていきたい、そしてまた、資材製造段階の脱炭素化の取組を促してまいりたいと考えております。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 先ほど申し上げましたとおり、住宅政策や建築物の省エネ政策は、日本の社会の在り方そのものを左右してまいります。二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けてしっかりと取組を進めていただくよう、お願いしたいと思います。  一方で、足下の住宅市場を見ますと、住宅の販売価格が高騰しております。なかなか住宅の購入が困難な時代に入ってきております。このため、国民の皆さんが少しでもマイホームを購入しやすくするためには、住宅ローンの制度の拡充、充実が必要ではないかと私は考えております。  そういった中で、最近、残価設定型住宅ローンというのが注目されております。皆さん、御存じでしょうか。車の購入に当たりましては残価設定型のローンというのがかなりメジャーになってきておりますけれども、この住宅購入の分野ではまだまだ認知度が低いんじゃないかなと思っております。  そこで、次の質問でございます。  残価設定型住宅ローンの概要と残価設定型住宅ローンのための保険制度の仕組みについて、分かりやすく御説明をお願いいたします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  残価設定型住宅ローンは、将来的な住宅の価値、すなわち残価に着目をいたしまして、住宅取得者のローン返済対象を金融機関から借り入れた総額から残価を差し引いた金額とする仕組みにより、月々のローンの返済負担を軽減するものであります。既に幾つかの民間機関や住宅供給事業者、例えばJTI、一般社団法人移住・住みかえ支援機構などにおいて先駆的な試みが行われているものと承知をしております。  住宅金融支援機構による保険制度は、長期優良住宅などを対象にこうした残価設定型の住宅ローンを提供する金融機関に対し、残価が当初の想定を下回った場合の損失をカバーし、金融機関が安心して残価設定型住宅ローンを提供できるようにする制度であり、昨年度の補正予算により創設をしております。  金融的な仕組み上の難しさがあることから、まずは試行的な制度のスタートとなっておりますが、残価設定型住宅ローンは、月々の返済負担が軽減され、物価高の影響を受けやすい子育て世帯などの負担軽減となり、また、残価を除く部分の返済が終了した高齢期には月々の返済が利払いのみとなるなど様々なメリットが期待できると考えており、引き続き普及を図ってまいりたいと考えております。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 今、説明ありがとうございました。  この残価設定型住宅ローンというのは、これは、金融機関が安心してユーザーの皆さんに提供するためには、そのための保険制度の充実そのものも大事でございます。この保険は住宅金融支援機構において実施されておりますが、保険内容の更なる充実と、その上で残価設定型住宅ローンが住宅購入者の皆様にとってより使い勝手のいいものとなるように、引き続き政府としても取組の強化を推進していただきたいと思います。  最後に、金子大臣に質問をさせていただきます。  今後の建築物は、壊して造る、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドではなく、他の公共インフラと同様に、予防保全型で長寿命化を図りながら既存ストックの有効活用を推進する、そういったことも重要ではないかと考えております。  そういった観点からも、今回創設する建築物のライフサイクルカーボン評価は非常に有効な制度だと考えますけれども、大臣の所見をお伺いいたします。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) おはようございます。  見坂委員には、専門的な見地からいつも御質問いただきまして、ありがとうございます。  先ほど、残価設定型住宅ローンについてのお話がございました。予算委員会でも何度か御質問をいただき、我々もしっかり取り組むということを答弁させていただいたところでございますが、より使いやすい形となるよう、保険制度を運用している住宅金融支援機構において制度の充実、普及に取り組んでいただくとともに、国土交通省としても必要な協力を行ってまいりたいと思っております。  また、御指摘のとおり、造っては壊すスクラップ・アンド・ビルド型の社会から、いいものを造って、きちんと手入れして長く大切に使うストック型の社会に移行することが、建築物を取得する際の経済的負担や地球環境負荷の軽減などの観点から大変重要だと考えております。国土交通省では、これまでも適切な維持保全の下、長く使用できる住宅の普及、耐震、省エネ、バリアフリー等の支援、既存住宅が流通しやすい市場環境の整備、改修時に適用される基準の合理化など、様々な施策を講じてまいりました。  本法案で創設する建築物のライフサイクルカーボン評価においても、建て替える場合と必要な改修を行った上で既存ストックを使い続ける場合とを定量的に比較することで既存ストックの活用を促進できると考えておりまして、引き続き、本法案も含め、しっかりと取組を進めてまいります。

見坂茂範 自由民主党・無所属の会

○見坂茂範君 大臣からの答弁、どうもありがとうございました。  この省エネ政策というのは、冒頭申し上げましたとおり、経済的合理性の面でも、あるいは地球環境に優しい住宅という面でも、もはや後戻りのできない重要な政策でございます。特に、住宅や建築物は私たちにとって最も身近なインフラでもございます。  今回の法改正を踏まえて、金子大臣の強いリーダーシップの下で、国土交通省を挙げて建築物の省エネ政策を一層進めていただくようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 立憲民主・無所属の吉田忠智です。どうぞよろしくお願いします。  建築物省エネ法改正案の質問の前に、一問質問をさせていただきます。ホルムズ海峡に残留する日本関係船舶四隻の安全確保と早期離脱についてでございます。  この間、国土交通大臣、また海事局を始め関係者の皆様の御努力で、一時は日本関係船舶四十五隻、船員が約一千百人、ホルムズ海峡内に滞留をされていましたけれども、あと四隻を残すのみとなりました。  この四隻の船員の皆さんの今の状況、そして、今後どのようにしてこの四隻の離脱に取り組んでいかれるのか、大臣に伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 吉田委員には、本当に、中東情勢に関してこれまでも国土交通省をしっかり後押ししていただきまして、ありがとうございます。  ペルシャ湾及びその周辺海域については引き続き厳しい状況が続いていると承知をしておりますが、日本関係船舶については、事案の発生当初四十五隻だったものが、本日までに四十一隻が当該海域を出るなどし、現在は四隻となっております。この間、日本関係船舶に対しては、国土交通省として、各運航会社を通じまして毎日安否確認などを実施しておりますが、残る四隻についても引き続き同様の安否確認を実施してまいります。なお、当該四隻については、各船員共に無事であるほか、水、食料等の必要物資については必要に応じて現地で補給がなされるなど、現在までに特段の問題には至っていないとの報告を受けております。  また、当該四隻につきましては、各運航会社において諸般の事情を勘案し、いまだに海域を出るに至っていないものであると承知しておりますが、その個別の事情につきましては、安全確保上の要請等からお答えを差し控えます。加えて、ペルシャ湾をめぐっては日々刻々と状況が変化しており、今後の見通しなどについて予断を持ってお答えすることは困難であります。  いずれにしましても、引き続き、情報収集を徹底をし、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携をし、残る日本関係船舶の安全確保に万全を期してまいりたいと思います。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 デリケートな問題も含まれておりますのでこれ以上申し上げませんけれども、是非、早期離脱に向けて全力で取り組んでいただきたいと思っております。  それでは、本日議題の法律改正案につきまして何点か質問をさせていただきます。  まず、ライフサイクルカーボン、LCCO2評価制度の対象範囲と今後の拡大スケジュールについてでございます。  本法律案ではLCCO2の届出義務を五千平方メートル以上の事務所から開始するとしていますけれども、この規模、用途に限定した合理的根拠は何なのか。また、国際的にはより小規模な建築物や住宅への義務化が進む中で、日本として、第二ステップへの移行、具体的には、大規模マンションや中規模建築物への対象拡大を行う具体的なタイムラインや判断基準をどのように描いているのか、伺います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  御指摘いただきましたとおり、ライフサイクルカーボン評価結果の届出義務につきましては、五千平方メートル以上の事務所ビルを対象とする予定でおります。  五千平米、五千平方メートル以上の大規模な事務所は、着工棟数に比べて温室効果ガス排出量が大きいことに加えまして、構造種別が多様で、すなわち、鉄筋コンクリート造もございますし、鉄骨造もございますし、さらには木造もございます。また、内装、外装が充実しており様々な建材が活用されておりますので、建材の排出量データの蓄積が期待されること、設計上の削減措置が多様であり、知見の蓄積が期待されることなど、ほかの建築用途への波及効果が大きいことから、まずは今回の届出の対象としたものであります。また、これまで行われてきましたライフサイクルカーボン評価の実績や環境不動産に係る認証件数につきましても、事務所用途が最も多いことから、建築主や設計者、施工者にとっても抵抗感なく算定を開始できる対象であるとも考えております。  一方で、大規模マンションを含む住宅につきましては、一律にライフサイクルカーボン評価実施を求める届出義務の対象にはしておりません。  御指摘の届出義務の対象拡充につきましては、今後講じる多様な施策によるライフサイクルカーボン評価や設計の知見の蓄積状況など、制度開始後の運用状況に加えて、事業者の負担、経済活動への影響なども踏まえ検討をしてまいりたいと考えております。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 EUでは二〇二八年から一千平方メートル超の新築建築物への算定、公表が義務化されるということでございますので、日本はちょっと遅れております。これからまた是非加速をしていただきたいと思います。  次に、基本理念に掲げられた国民の負担能力、アフォーダビリティーの担保と性能向上の両立について伺います。  基本理念に国民の負担能力を考慮することが明記されましたが、これは単なる精神規定にとどまるのか。ZEH水準を上回る上位トップランナー基準の導入など更なる性能向上が求められる中で、住宅価格の上昇により若年層等の住生活の質、広さや安全性が損なわれることがないよう、具体的なコスト低減策や財政的支援とどのように連動させていくのか、伺います。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) お答えをさせていただきます。  省エネ性能の向上の取組は、住宅を含む建築物の取得等に当たっての国民の負担能力を考慮しつつ行うべきものであることから、本法案においてその趣旨を基本理念として定めております。  このため、今回新たに導入する上位住宅トップランナー制度を通じて、省エネ性能の高い建材、設備の一般化によるコスト低減を図ってまいります。また、省エネ性能の高い住宅につきましては、みらいエコ住宅二〇二六事業による補助や、住宅ローン減税などの税制措置フラット35Sによる金利引下げなどの支援措置も講じているところでございます。  引き続き、国民の負担能力を考慮しつつ、省エネ性能の高い住宅の普及に努めてまいります。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 是非、それが負担の軽減につながるようにまた取り組んでいただきたいと思います。  次に、上位住宅トップランナー制度の実効性と地域の中小工務店への波及策について伺います。  上位住宅トップランナー制度により大手が市場を牽引するとしていますけれども、これが単に大手と中小の格差を広げる結果に終わらないか懸念されるところであります。高性能建材のコストダウンが地域の中小事業者にまで確実に行き渡るためのEBPM、根拠に基づく政策決定の観点からの検証体制や、地域の工務店に対するBIM活用支援、施工技術講習などの重層的な底上げ策をどう強化していかれるのか、伺います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  現行の建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度においては、大手の住宅供給事業者に対して国が省エネ基準よりも高い目標を設定をいたしまして、住宅の省エネ性能向上の取組を既に進めているところであります。  具体的には、ZEH水準の省エネ性能の適合義務化を目指す二〇三〇年度よりも前に、住宅トップランナー事業者についてはZEH水準に相当する省エネ性能の達成を求めており、その結果といたしまして、ZEH水準の住宅に求められる省エネ性能の高い建材、断熱材ですとか窓サッシなどになりますけれども、こういった建材が一般化をし、地域の中小工務店においてもZEH水準の住宅に取り組みやすくなるなどの効果を上げているところであります。  この法案で創設をいたします上位住宅トップランナー制度につきましても同様に、省エネ性能の高い建材の一般化により、地域の中小事業者においても省エネ性能の高い住宅を供給しやすくなるものと考えております。  国土交通省といたしましては、今回の上位住宅トップランナー制度が施行された後、各地域における住宅の省エネ性能の向上について、実態の定量的な把握や中小事業者へのヒアリングなどを通じた課題の分析などを行うことにより、制度の効果を検証してまいります。  また、地域の中小事業者を含めたあらゆる住宅供給事業者が、省エネ性能向上に向けて必要な情報を得た上で技術力の向上を図ることができるような、そういった環境整備にもしっかりと取り組んでまいります。具体的には、設計者、施工者などの人材育成のための予算を活用いたしまして、BIMの活用への支援、講習会や住宅の断熱施工の研修会の開催、相談窓口の設置など、住宅供給事業者へのサポート体制の確保にも万全を期してまいります。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 通告しておりました括弧四番はちょっと飛ばさせていただきます。  次に、建設現場の深刻な事態打開と建設国保の基盤強化について質問いたします。  まず、建設資材の価格高騰及び供給不安定への直接的支援について伺います。  現在、大分県の、私の地元大分県の建設現場では、塗料単価が対前年比で一二〇%、二倍以上上昇するなど、各種建設資材の異常な値上げ通知が届いています。他府県でも同様の状況かと思われます。断熱材や塩ビパイプの入手困難により、足場を組んでも工事が進まず、工務店が契約解除を余儀なくされる異例の事態も発生をしています。  政府は、情報の周知にとどまらず、地域経済の担い手を守るために、高騰した資材の公的補填や、休業を余儀なくされた事業者、とりわけ一人親方への直接的な所得補償も行うべきではないかと思いますけれども、見解を伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) お答えを申し上げます。  以前から吉田委員にお話がありましたように、大変現場の中に混乱、そしてお困りということで、大分もそうでありますが、私の地元熊本でもそのような大きな声を聞くわけでございます。  今般の中東情勢によりまして、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品の供給の偏りや流通の目詰まりが生じていると認識しており、その解消に向けて、経済産業省、国土交通省等関係省庁が連携して政府全体で取り組んでいるところでございます。  建設事業者への建設資材の安定供給につきましては、これまで国土交通省において、業界団体を通じた情報収集や情報提供に加え、地方整備局等において、建設労働組合の全国組織でございます全建総連等の中央組織と連携をし、よりきめ細かく丁寧な情報収集や情報提供を行っております。  また、いただいた情報を基に、経済産業省と連携をして目詰まり箇所の特定及びサプライチェーンへの働きかけを行い、目詰まりの改善に取り組むほか、特に不安の声が大きかったシンナーについては、シンナーメーカーから直接販売するための仕組みを開始し、活用いただいているところでございます。  こうした政府全体での取組の結果、依然として物資確保が困難な事業者もおられますが、通常どおり手に入るようになった、納期が短縮したなどの声が聞かれるようになり、徐々に成果が出てきていることも確認できております。  価格の上昇に関しましては、工務店等が建築主と請負代金の変更協議を円滑に行われるよう、関係団体を通じまして、建築主に早期に状況や今後の見通しを説明することや、建設業法に基づく契約変更の協議の仕組みの活用等について周知したところでございます。これを踏まえ、例えば全建総連においては、資材価格変動時の工事代金の変更等について施主と合意するための書類のひな形を作成し、組合員に情報提供するなどの取組が行われております。  また、事業継続に懸念のある建設事業者等に対しましては、関係省庁と連携をいたしまして、中小企業等を支援するセーフティーネット貸付け等の施策の周知にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、現場の声をきめ細かく積極的に伺いながら、安定的な事業活動が可能となるよう取り組んでまいりたいと思っております。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 ちょっと順番を変えまして、関連しますので括弧三番、一人親方及び技能者の離職防止と担い手確保策について質問します。  大臣から今も答弁ありましたけれども、資材の高騰や仕事の停滞によって一人親方が廃業し、他業種へ転職する事例が相次いでいます。大工などの技能者の減少は、将来の日本の住まいを支える技術の喪失に直結する重大な問題です。政府は、改正担い手三法に基づき適正な賃金支払や処遇改善を掲げていますが、現状のような、仕事があっても資材がなくてできない、できても赤字という現場の危機的状況を打破するために、処遇改善と担い手確保をどのように進めていかれるのか、伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。  大工さんなどの建設技能者は就業者数の減少や高齢化が進んでおり、住宅の建設や維持管理を持続的に行っていくためには、担い手の確保、育成を通じて技能の継承を図ることが必要不可欠であります。  このため、国土交通省では、昨年全面施行いたしました第三次担い手三法に基づき、技能、経験に応じた職人等の処遇改善を図るとともに、厚生労働省と連携をいたしまして、教育訓練や技能向上に係る各種支援制度の活用を働きかけるなど、若い世代がキャリアパスの見通しを持てる産業を目指した取組を進めております。  また、本年三月に閣議決定されました新たな住生活基本計画においても、住まいを支える担い手の確保、育成や技能の継承を位置付けるとともに、住宅建設に必要な技能を習得するための研修などに対し支援を行っているところでございます。さらに、今年度中を目途に住宅建設技能者の確保に向けた中長期的なビジョンを策定いたしまして、官民が連携して育成環境の整備や担い手の裾野の拡大などの取組を強化することとしており、引き続き担い手の確保及び育成に積極的に取り組んでまいります。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 AIの普及によって事務的な仕事はAIに置き換わるという状況の中で、やっぱり現場の仕事ということが最近注目をされております。是非、そうした状況を捉まえて、担い手確保に向けてしっかりまた取り組んでいただきたいと思っております。  次に、建設国保の財政基盤の強化と国庫補助の拡充について質問をいたします。  今日は厚生労働省栗原政務官においでをいただきました。ありがとうございます。  建設国保は、一人親方や小規模事業主など、病気やけがが即座に収入断絶に直結する建設従事者の命の綱です。しかし、現在、医療費の自然増や物価高騰に加え、新たに導入された子ども・子育て支援金の負担により、保険料を引き上げざるを得ない深刻な財政状況にあります。  建設従事者の負担を軽減し、安定した運営を継続できるよう、現行の補助水準にとどまらない国庫補助の更なる拡充を強く求めますが、厚生労働省の見解を伺います。

栗原渉 厚生労働大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(栗原渉君) お答え申し上げます。  吉田委員御指摘のとおり、建設国保は、建設業に携わる組合員の、組合員とその御家族の皆様の健康と命を守る大切な医療保険制度として重要な役割を果たしているものと認識しております。国保組合に対しては、その運営基盤を確保する観点から、所得水準に応じた定率の国庫補助を行っているところでございます。建設国保に対しては、その中で最も高い三二%の補助率を全ての組合員に適用しているというところでございます。  引き続き、建設国保が自主的な運営に基づく保険者機能を発揮いただけるように国としても必要な支援を行ってまいりたいと、そのように考えております。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 担い手確保の観点からも大変建設国保は重要な役割を担っておりますので、しっかり拡充に向けて取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、住宅政策、これは若年層、中堅層、高齢者、それぞれ重要でありますけれども、若年層に光を当てた住宅政策について、時間の範囲内で質問させていただきます。  先般、労働者福祉中央協議会、いわゆる中央労福協が、若年層における住宅に関する意識・実態に関する調査を行いました。私は、これは画期的な大変意義深い調査だと思っております。これに基づいて質問します。  まず、最低居住面積水準の削除と住まいの貧困に対する国の責任についてでございます。  調査によりますと、独身の独り暮らし世帯の三二・九%、既婚夫婦世帯の一七・〇%が、かつての指針である最低居住面積水準を下回る環境で生活している実態が浮き彫りになりました。  こうした中、今年三月二十七日の住生活基本計画改定により、五十年にわたり居住保障の根拠であった同水準が削除されたことは、深刻な住まいの貧困を多様なライフスタイルとして容認し、客観的な居住水準の保障責任を事実上放棄したものではないかと、そのようにも思われます。  本調査を分析した小田川華子博士は、「若者の住まいの現状と日本の住宅政策の課題」というレポートにおいて、最低限の広さの住宅に住むことは権利であると強調していますが、基準削除が若年層の、もちろん若年層だけじゃありませんけれども、居住環境を更に悪化させる懸念にどう応えられるのか、伺います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  御指摘の最低居住面積水準は、新築住宅の量的、質的な充足を進める中、住生活基本計画の前身であります住宅建設五か年計画において設定をされたものであります。導入から半世紀余りを経て、住宅ストックは量的には充足する一方で、我が国の人口、世帯構成が大きく変化をし、また国民の住宅に対するニーズも多様化するなど、最低居住面積水準を定めた当時とは大きく状況が変化をしております。  このように、これまで住宅市場が前提としてきたものが大きく変容する中、新たな住生活基本計画では、住宅が多世代に住み継がれる循環型市場の形成を実現するため、面積水準だけにはとどまらず、基本的な機能、性能を備えた住宅ストックの供給、流通を促していくことに重点を置くことといたしました。  国土交通省といたしましては、住生活基本計画に基づき、国民のニーズに基づき住宅を適時適切に確保できる循環型の住宅市場の形成や、今後増加が見込まれる相続空き家を含む既存住宅の本格的な有効活用などに取り組んでまいります。  なお、住宅の供給に当たっては、立地、広さ、価格の多様性と量のバランスの確保が重要と考えております。このため、新たな住生活基本計画においては、コンパクトな住宅が極端に増加をしないかを注視するための指標を設定しており、持家、借家それぞれの面積別の住宅ストック数を確認することとしております。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 次に、剥奪リスクに基づく代替的な居住保障の枠組みについて質問します。  この調査によりますと、若年層の月収の四分の一が住居費に消えており、二人に一人が生活が苦しいと回答しています。面積基準という客観的指標が消えた今、住宅困窮者への支援根拠が失われる懸念があります。  小田川華子氏がその論文、「家賃負担が子どもの生活に与える影響 広さ・家賃負担・その他の支出のせめぎあいの実証分析」において指摘するように、住居費負担率が三〇%を超えると、食料や衣類といったベーシックニーズの剥奪リスクが激増します。  最低居住面積水準に代わって、こうした剥奪を防ぎ、若年層の健康で文化的な生活を保障するための公営住宅やセーフティーネット住宅制度などの居住保障の充実に向けて、国として具体的にどう構築していかれるのか、伺います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  国土交通省では、低所得者や子育て世帯など、住宅の確保に配慮が必要な方の居住の安定を図るため、公営住宅の整備やセーフティーネット住宅の供給などの施策を講じているところでございます。  こうした施策においては、それぞれの制度の趣旨を踏まえた面積の水準を国において定めており、御指摘のように住生活基本計画から面積水準の記載をなくしましたが、引き続きこれらの施策については着実に推進をしているところであります。  また、公営住宅については、事業主体である地方公共団体に対し、社会資本整備総合交付金などにより支援をするとともに、子育て世帯の優先入居などの取組を促しているところであります。  さらには、令和六年度には住宅セーフティーネット法を改正いたしまして、新たに居住支援法人が入居中サポートを行う居住サポート住宅の認定制度を設けるなど、住宅セーフティーネットの充実に取り組んでいるところでございます。  国土交通省といたしましては、引き続き公営住宅を含む住宅セーフティーネットの構築にしっかりと取り組んでまいります。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 時間の関係でちょっと括弧三番は飛ばしまして、括弧四番、居住支援基本法、仮称の制定と居住権の確立について質問をいたします。  調査によりますと、親と同居する若者の三二・三%が、独立した場合、住居費負担の重さを理由に挙げており、経済的な壁が若者の自立を阻んでいると言われています。小田川華子氏は、住宅を、お金がある人だけが確保できる商品ではなく、経済状況によらず、誰もが保障されるものへ転換すべきだと提言しています。  面積基準の削除により住宅の商品化が加速する中、住宅を権利として確立する、また福祉政策として強く位置付ける居住支援基本法、仮称、制定に向けた検討を開始すべきと考えますが、大臣に伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 住まいは生活の基盤であり、誰もが希望する住まいを選択できる環境を整えていくことが重要であると認識をしております。  住生活基本法におきましては、低額所得者など住宅確保要配慮者の居住の安定の確保を始めとする基本理念にのっとり、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画を定めることとされており、これに基づき住生活基本計画を策定しております。  本年三月に閣議決定いたしました新たな住生活基本計画におきましては、吉田委員御指摘の最低限の居住水準につきまして、直接の位置付けはないものの、住宅確保要配慮者が安心して暮らせる居住環境、居住支援体制の整備や、若年世帯や子育て世帯が希望する住まいを確保できる社会の実現などを目標としております。  国土交通省としては、住生活基本計画に基づきまして、低所得者を対象とした公営住宅の供給や住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の確保、家賃低廉化等への支援、地域の総合的かつ包括的な居住支援体制の整備など、様々な施策に取り組んでいるところでございます。  吉田委員より、住宅を権利として確立をする新法制定に向けた検討をすべきとの御指摘がございましたが、まずは住宅政策の基本的な方向性を定めているこの住生活基本計画に基づき引き続き各種施策に取り組むことによりまして、国民一人一人が希望する住まいを確保できる環境整備に取り組んでまいります。

吉田忠智 立憲民主・無所属

○吉田忠智君 質問はいたしませんでしたけれども、この住宅政策においては、やっぱり地方自治体、直接住民と接する市区町村の役割が極めて大きいと思っております。  国土交通省としても、それぞれ地方自治体に対して、この今回の住生活基本計画の改定を踏まえた通達も出していただいていると思っております。是非、地方自治体、都道府県、市町村としっかり連携を図って、まさに住宅が権利として保障されるように、是非、私が提案をしましたこの法律、新法の制定も含めて、検討も含めて、より充実していただきますように、住宅政策をしっかりと進めていただきますように要請をいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず冒頭、ちょっと中東情勢に関する国内産業への影響について一問だけ質問をさせていただきたいと思います。  六月の当委員会の質疑で、自動車整備工場におけますエンジンオイルですとかブレーキオイルの入手困難の実態についてお話をさせていただきました。その後も継続して現場の声を集めて、お話を、対話をしてきましたけれども、直近でまた少し困ったというお話を伺いまして、というのが何かというと、グリス、ベアリングですとかそういうところにあるグリスですね、ちょっと黒い、固い、固いといいますか粘っこいやつ、あれがなかなか入手できなくなっているということなんです。  エンジンオイルですとかそういったものですと、走行距離で、まだ距離が短いからちょっと今回はまだ交換しないでというようなことができるんですが、このグリスというものが結構重要視されるのは、例えばダンプですとか、あるいは作業車ですね。走行距離は短いんですけれども重量物を取り扱っているものですとか、重いものを動かす、こうした車両にこのグリスが欠かせないものになります。このグリスの交換を怠ると、それこそベアリングですとかそういった可動部分が故障する、壊れるとなりますと、これしばらく修理にまた時間が掛かるということで、使い物にならなくなるということも懸念されます。  そういった状況から、実は前回も、車検制度何とかなりませんかという声が少し出始めたというお話をさせていただきましたが、いよいよ経営者の方からも、ちょっと本当にこの車検制度何とかならないと、グリス交換できないまま、ちょっとこの車、車検通せないよという声も、一部なんですけれども、やはり今出始めているような状況です。そういう意味では、事態としては悪化している部分もあるのかなというふうに私自身は今受け止めているところです。  前回もお話しさせていただいて、様々取組をされていると思いますので、まずは、今お話をした状況に対します政府の認識と、また改善に向けた取組について、まず確認をさせていただきたいと思います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 委員にはこれまでも、エンジンオイル、ギアオイル、様々な自動車に関係する石油製品等々、いろいろ御指摘をいただきました。今回はグリースということで、しっかり受け止めさせていただきたいと思います。  エンジンオイル等の石油製品の供給制約、供給不安に関しては、国土交通省としても、これまで、相談窓口を設置するとともに、業界団体への聞き取りのみならず、声の届きにくい中小事業者を含め、地域の声、現場の声をこちらから積極的に伺うなどを通じてきめ細やかな状況把握に努めてきたところでございます。私自身も、先月、自動車整備の現場を訪れまして事業者の声を直接伺いましたが、改めて現場の切実な実態と懸命な御努力を実感した次第でございます。  その上で、御指摘のエンジンオイル、特にグリースを含む石油製品の供給制約等に関する情報は経済産業省と共有をいたしまして、川中、川上の販売事業者への働きかけ等を通じて、一つ一つ供給の偏りと流通の目詰まりの解消を図っております。また、エンジンオイル等の潤滑油については、経済産業省と連携をいたしまして、先月から自動車整備工場等の事業者がメーカーから直接購入することができる直販スキームの仕組みも導入させていただきました。  この結果、自動車整備を始めとする国土交通省所管業界におけるエンジンオイル等に関する供給不安の声は、ピークであった五月に比べて直近では約八割ほど減少し、大きく改善していることが確認をされておりますが、さらに、今お話ありましたようなグリースの問題とか、また委員におかれましては、引き続き、いろんなお気付きの点がありましたら、私の方に直接お話をしていただければ、しっかりと対応させていただきたいと思います。  引き続き、きめ細やかな状況把握に努めながら、所管業界において安定的に事業活動が行えるよう、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 大臣、是非よろしくお願いをいたします。様々対応を取っていただいているということで今御説明ありました。  ちなみに、もう三月の話ですけれども、インタンクへの話ありましたけれども、あれもすぐに対応していただいて、助かりましたという声をたくさんいただいていますので、そのこともお伝えはさせていただきたいと思います。  今、グリスの方も対応いただきたいですし、エンジンオイル等はかなり対応進んできたという印象は持っていますが、やはりディーゼル系のオイルは少ないんですね。これは、添加剤を含めたものがかなり特殊で、そもそも作っている業者が少なかったり、輸入量が結構限定されていたりというところもどうもあるようです。ですので、その点も是非きめ細かく情報を集めながら、販路だけの、国内のところだけではなくて、少し海外とのその取引のところにも目くばせをしていただけると大変有り難いなと思いますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、法案の中身について質問をさせていただきたいと思います。  まず、今回、この建築物の省エネ対策ということで、一番最初、見坂委員の話の中でもオイルショックのときの話がございました。そこから日本のこの省エネ対策というものが進んできているというふうに私も認識をしてございます。  改めてなんですけれども、まずは政府の方にお伺いしたいのは、その過去の様々な建築物に対する省エネの対策、そして今回の見直しと、これまでのそれぞれの省エネ対策、そこに対する政府の振り返り、どういう方針を持って取り組んできたのかというその振り返りについての確認、あわせて、では、これまでの間それによってどのような省エネの効果があったのか、どのように評価をされているのか、その点について確認をさせていただきたいと思います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。  住宅、建築物の省エネルギー政策につきましては、先ほどお話がありましたように、オイルショックを契機とした昭和五十四年の省エネ法の制定以来、これまで、省エネ基準の整備、建築主の届出制度や住宅トップランナー制度の創設、東日本大震災を契機といたしました平成二十七年の建築物省エネ法の制定など、段階的に制度の見直しを実施してまいりました。おおむね半世紀を掛けまして、昨年四月に戸建て住宅を含めた全ての新築住宅、建築物について省エネ基準適合を義務化することに至ったところでございます。  これまでの長年の取組によりまして、断熱性能の確保、高効率な暖冷房設備、給湯設備の採用など、標準的な設備として住宅に整備されるようになり、住宅、建築物の省エネ性能向上が図られました。具体的には、新築住宅の省エネ基準適合率が、二〇〇四年度に一五%あったのに対して、昨年度の適合義務化により一〇〇%に達しております。さらに、新築住宅のZEH水準適合率は、二〇一九年度に一二%あったところ、二〇二四年度には六〇%に増加をしております。  二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、本法案により住宅、建築物の省エネ性能の更なる向上を図ってまいります。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、大臣から御説明をいただきました。建築物そのものももちろんですけれども、それ以外にも様々な省エネの設備ということでお話がありました。  この昭和五十四年の省エネ法制定のときはオイルショックが背景ということで、また、平成二十七年のこの建築物省エネ法制定については東日本の大震災による様々なエネルギーの危機的な状況、これが背景にあったということで、やはり社会的な情勢がその背景にあったことが多いというふうに思います。  これはもう建築物だけではなくて、例えば自動車でいけば、一九七〇年代にアメリカでマスキー法という排ガス規制の法律が制定されて、それを乗り越えるためにどうするんだというので日本のいわゆる省エネの車の評価が一気に高まって、日本のアメリカに対する車の輸出が増えた、商品価値がそれで高まったということですよね。  ですから、省エネという取組をしていく社会的な情勢の変化、それに合わせて技術革新がそこで起きたことによって日本の優れた商品価値が上がっていくというような背景もあったかというふうに思います。それこそ、家電製品の省エネというものもその一つだと思いますし、それをいち早くトップランナー制というものも家電では導入しながらこれまで進めてきたんだというふうに承知をしてございます。  ですので、この後の質問につながっていくんですけれども、一つ、省エネという観点だけではなくて、こういう技術革新であったり、あるいはそれによる日本の企業の価値創造、こういったところも総合的にやはり考える必要があるのかなと、そんなことは今頭の中で私自身は思っているところです。  では、そういった観点も含めて次の質問なんですけれども、具体的に今、省エネの取組進んできたと、パーセンテージも、ZEHあるいはZEBのこの適用基準の家も増えてきたということでお話がございました。  ここで確認なんですけれども、二〇二五年の省エネ基準、それから二〇三〇年の基準というもの、これはZEHですとかZEBの基準というものがあると思いますので、この具体的な基準について確認をさせていただきたいと思います。あわせて、今のは日本の基準になりますけれども、海外ではどういう基準になっているのか、比較可能なデータで結構なので教えていただければと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  まず、住宅の省エネ性能については、外壁や窓などを通じた熱の損失量、これはUA値と言われておりますが、こういったものと、日射熱の取得量に関する数値、これはイータAC値と言われております。さらには、設備機器のエネルギー消費量に関する数値、これはBEIと言われておりますが、こういったものがございます。ZEH水準は現在の省エネ基準よりも厳しい水準を満たすことが必要となります。  具体的な住宅の仕様で申し上げますと、ZEH水準の省エネの性能と申しますのは、アルミ樹脂複合サッシや複層ガラスを用いた窓、厚さが十センチを超えるような断熱材を用いた外壁、高効率な給湯設備などにより、基準となるエネルギー消費量、これは現行の省エネ基準のベースとなるものでありますが、そこから二〇%削減した水準となってございます。  また、非住宅建築物の省エネ性能につきましては、設備機器のエネルギー消費量に関する基準がございまして、当然ながらZEB水準は現在の省エネ基準よりも厳しい水準を満たすことが必要となってまいります。  海外との比較でございます。海外の省エネ基準につきましては、例えば住宅における外壁や窓などを通じた熱の損失量に関する数値、先ほど申し上げましたUA値で比較をいたしますと、おおむね日本のZEH水準と同程度か、ZEH水準より高い値になっているものと承知をしております。  政府といたしましては、いずれにいたしましても、二〇三〇年度の新築住宅についてZEH水準、新築の非住宅建築物についてZEB水準の省エネ性能を確保することを目標としており、引き続き目標の達成に向けた取組を進めてまいります。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、数値をもって御説明をいただきました。ちょっと分かりづらかったかもしれませんが、皆さんのお手元にお配りしました資料の二ですね、二の方のところにその具体的な数字を書かせていただいたところです。今お話がありましたBEI値ですとか、あとはU値あるいはイータ値ということでここに記載があるとおりで、今、足下では、一番左側の省エネ基準、これをしっかり守ってくださいよということになりますが、二〇三〇年になると、このトップランナー基準のところが標準的にもうやってくださいよということになってスライドしていくということですから、かなり厳しくなっていくということでもあります。  あわせて、その下に、外皮性能の基準値というものが、下に細かい表も書かれておりますけれども、一から八というのが、地域によってそれぞれ基準値が変えられているということで、それこそ北海道に求められている基準と沖縄に求められている基準というのは当然同じではないということですね、気候が当然違いますので。それによってこういった細かい目標値が定められているということであります。厳しい基準にしてより快適な家を造っていくという意味では、それはもういいことですし、どんどん進めていただくことが必要だというふうに思います。  その意味で、今、海外との比較ということで、実は海外は更に厳しい基準にされているということで御説明がありました。そうすると、いや、もっと厳しくしていいんじゃないのということも素朴には思うんですけれども。  そこで、ただ、そうは言っても、じゃ、厳しくすればいいのかというと、ちょっと一つ確認をしておきたいデータがありまして、何かというと、次の質問になりますが、実際に、じゃ、エネルギー消費って具体的にどれぐらいエネルギー使っているのかという観点で見たときに、その推移ってどうなってきているのかと併せて、これも海外と比較したときに、日本のそもそも使っているエネルギー、消費しているエネルギーというのは海外と比べて優れているのか劣っているのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  私ども、住宅、建築物は、全体の分類でいいますと業務・家庭部門というところに分類をされておりまして、業務・家庭部門におけるエネルギー消費量は、一九九〇年より二〇〇〇年代の初頭まで増加をして、その後減少しております。しかしながら、一九九〇年時点と比べますと我が国のエネルギー消費量全体は減少しておりますので、業務・家庭部門が占める割合は増加をしており、現在では全体の約三割を占めるに至っております。  また、海外との比較に関しましては、我が国の世帯当たり、それぞれの御家庭当たりのエネルギー消費量は、アメリカの三分の一程度、ドイツなどのヨーロッパ各国の半分程度となっており、特に暖房のエネルギー消費量が少なくなっております。一方で、シャワーではなくて湯舟につかる入浴文化でありますので、給湯のエネルギー消費量が多いといったのが日本の特徴となってございます。  いずれにいたしましても、我が国の世帯当たりのエネルギー消費量は、アメリカの三分の一程度、ヨーロッパ各国の半分程度となってございます。海外と比べました優劣、これを一概に申し上げることはなかなか難しいのでありますけれども、我が国は我が国の生活習慣の特性を踏まえた住宅、建築物の省エネ対策、これを加速化させることが重要だと考えてございます。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、数字を御説明いただきました。  実際のエネルギーの消費という観点ではいろんな指標があるかもしれませんが、今御紹介をいただいた数字でいけば、アメリカの三分の一、EUの二分の一ぐらいになっているということで、かなり省エネ自身、エネルギーの消費そのものは日本はかなり抑えられているんだということでお話がありました。  今お話があったとおり、基準を厳しくしていけばいいのかというとそうではなくて、最後はバランスが大事だと思うんですよね。厳しいものを作って、それはそれでいいのかもしれませんが、結果的に高いコストを掛けなければ住めない家になってしまうとすると、それは誰も買えなくなってしまいますので。最終的には、その技術革新のスピードであったり、あるいはそこに掛かるコストであったり、そして実際にどれぐらいのエネルギー消費効果があるのかというバランスの中で決めていくということだと思いますので、一概に欧州と比べて基準値が甘いのかなというふうに思いきや、実はそうではないんだと。その意味では、私は個人的には妥当な線を今はいっていただいているのではないかなというふうには思っております。  もう一つ、それを少し踏まえつつなんですけれども、今回、そうした様々なデータを踏まえた上でライフサイクルアセスメントの考え方を今回導入をしていくと、これが法律の一番大きな肝になっているかというふうに思います。  このライフサイクルカーボン評価を今回のタイミングで導入をする理由について改めて確認をさせていただきたいということと併せて、その指針の内容、具体的にどういう内容にしていくのか、ここについても確認をしたいと思います。もう一つ併せて、今回のその指針というものは、いわゆるISOというふうに言われますけれども、国際標準、国際基準に準拠したものになるのかどうか、するのかどうか、その点についても併せて確認をさせていただきたいと思います。

上田英俊 国土交通大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(上田英俊君) 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現には建築分野における取組が非常に重要であり、これまでの取組を更に加速させるためには、建築物の使用時だけではなく、建設から解体に至るまでのライフサイクルで脱炭素化の取組を促進していく必要があるというふうに考えております。  このような認識は国際的にも共有されており、二〇二三年の都市大臣会合では建築物のライフサイクルでの脱炭素化の重要性が確認されたほか、EUでは、加盟国に対して二〇二八年から千平方メートルを超える新築の建築物にはライフサイクルカーボン評価の実施を義務付けることを求めているといった取組が進められております。  また、日本国内でも、有価証券報告書において温室効果ガス排出量を開示することが検討されており、こうした動きを踏まえて、大手の都市開発事業者には、自社プロジェクトでの温室効果ガス排出量の削減に向けた検討を進めている事業者もあると承知をしております。  こうした状況も踏まえ、今回の法案においてライフサイクルカーボン評価制度を創設することとしております。  また、今回の法案では、関係省庁が連携し、ライフサイクルカーボン評価のための統一的なルールとして、躯体、内外装材、建築設備など、ライフサイクルカーボンの算定に含めるべき対象の範囲や、資材の製造段階から建築物の解体段階に至るまでの各段階における算定方法などを評価指針に定めることとしております。  この指針の詳細については引き続き関係省庁とも連携しながら検討を進めてまいりますが、検討に当たっては、先ほど申し上げた国際的な取組や国内の検討状況などを踏まえる必要があると考えており、委員から御指摘のありましたISOなどの国際標準の動向にも注視しながら検討してまいります。  以上でございます。

礒崎哲史 国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 今御説明をいただきましたけれども、ちょっと時間がもうありませんので、最後、意見としてお話をさせていただきたいと思いますが。  今、欧州では二〇二八年からの導入ということでありましたし、あと有価証券報告書、これも多分もうグローバルな話になっていくというふうに思いますので、今のタイミングで導入する理由というのは、まさにそういった外的な要因からだということで理解をしています。  その中で、今、ISOの基準に準拠しているかというものを聞いたのは、ヨーロッパはどっちかというと、国際的に今認識されている基準よりも厳しい評価基準を設けようとしていたりするんですよね。ただ、その評価基準というのは、あくまでもヨーロッパの中で通用するような基準を設けようとしたりしています。その中に、日本がその土俵に乗っかって戦えるかというとちょっと観点が違っていまして、というのは、日本って地震が多い国ですから、建築物造るときに、どうしても資材の量が多くなったり、あるいは鉄骨のコンクリートを使う分量が多くなったりもします。そうすると、そういう日本の風土といいますか自然災害へ対応した家を造ろうとすると、どうしても資材の量が多くなる。資材の量が多くなったときに、それがライフサイクルアセスメントではCO2たくさん出しているじゃないかという評価になると、マイナス評価になる可能性もあるんですね。それはヨーロッパの大陸系はいいかもしれませんが、日本はそうではない。  ですから、しっかりとこのISOの基準を作っていく段階で、それをただ単に日本は取り入れるのではなくて、世界標準を作る段階で、日本のそういう風土、気候に合わせた世界標準になるような取組も、今回のライフサイクルアセスメントの取組、もちろん進めていただきたいんですけれども、あわせて、その源流の部分へのルール作りにもしっかりと国交省さんの方で力を貸していただいて、業界と一緒になって進めていただきたいということ、そのことを最後にお願い申し上げまして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  建築物省エネ法改正案について質問させていただきます。  二〇二五年度に全ての建築物において省エネ基準適合を全面義務化を図って、住宅についての一次エネルギー、ビルディング・エナジー・インデックス、BEI基準値を一・〇に義務化していると承知をしております。さらに、二〇三〇年度に〇・八〇と規定しております。  この基準を実現するために必要な建築物を完成させるまでのコストアップはどの程度と予想されるのでしょうか。省エネの理想は、実現することが重要であります。ですが、物価高騰時代にあって消費者負担が大きくなり過ぎれば、むしろ建築物購入機会の逸失によって実現可能性が低くなってしまうことも予想されます。経済とのバランス、また実現するための手段、技術は追従できるとの根拠について伺いたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えを申し上げます。  国土交通省といたしましては、二〇三〇年度に新築住宅についてZEH水準の省エネ性能を確保することを目標としております。ZEH水準への基準引上げにつきましては、市場における住宅の省エネ性能の実態、建材、設備機器のコスト低減や一般化の状況、関係各主体のこれまでの取組の進捗などを踏まえて行うこととしておりますが、具体的なコストアップにつきまして現時点で予測することは困難であることを御理解いただければと思います。  また、本法案においては、省エネ性能の向上の取組は、住宅を含む建築物の取得等に当たっての国民の負担能力を考慮しつつ行うべきものであるという旨を理念規定として定めております。今後の基準引上げに向けては、この理念規定を踏まえ、住宅取得に際し過度な負担が生じないように取り組むことが重要であると認識をしております。  現在、補助事業や税制措置などの支援措置を講じることで、ZEH水準の住宅を含め、省エネ性能の高い住宅の普及を図っているところであります。このような支援措置を通じた省エネ性能の高い住宅の普及によりまして、地域の中小工務店を含む様々な住宅供給事業者において省エネ性能の高い住宅を新築をする、建築をするという技術が確保されるなど、基準引上げに向けた環境を整えてまいりたいと考えております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 金融機関も関わってくることであります。バランスということが極めて重要でありますので、是非ここは整えていただきたいと思います。  先導的な省エネ技術を評価する大臣認定について、個別にZEH、ZEB認定するに当たって、先導的な省エネ技術の例として自然換気システムが挙げられております。熱の除去の場合、顕熱と潜熱がありまして、空調エネルギーを削減するに当たっては、自然換気だけで快適性との関係性を整理するのは、建築物周辺の地形や環境との整合性で課題があるというふうに私は考えます。  これらの科学的根拠、周辺環境との関連性についてどのように適不適を評価していくのか、明確な答弁を求めたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  委員御紹介いただきました自然換気システムでございますが、自然の風を使って夏期や中間期の空調機の運転を抑制してエネルギー消費量を削減できる仕組みでありまして、委員が御指摘のとおり、敷地周辺の地形や風の環境、温湿度の状況、建物の形状など様々な要素を踏まえて評価する必要がある技術であると認識をしております。  国土交通省では、現在、建築基準整備促進事業という補助事業において、建築環境工学の専門家や建築設計の実務者などを含む委員会を立ち上げて、自然換気システムを含む先導的な省エネ技術の評価方法に関する技術的知見の整理を進めているところでございます。  また、大臣認定の評価に当たりましては、大学教授などの専門家による審査を経まして、建築物の計画内容や周辺環境との整合性も含めて、個別に評価をすることとしております。  引き続き、先導的な省エネ技術を適切に評価できるように取り組んでまいります。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 これ、外気温、今日物すごく暑い中でどうやって評価するかという課題というのは、新しい技術を導入しないとそれは物理的に無理であります。そのことを早めに出していかないと、建設、設計、そして建築士の皆さんも、これをどうやって評価していけばいいのかということが分からないということになって遅れてしまうことにならないように、是非御尽力をいただきたいというふうに思います。  次に、建築物のライフサイクルカーボンの評価制度導入に当たりまして、輸入建材に対する二酸化炭素排出量についての評価はどのように行うのでしょうか。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) 輸入建材に関する二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の評価につきましては、建材の製造段階のみならず、建材が製造された国から我が国への輸送時の温室効果ガス排出量についても適切に評価することが重要であるというふうに考えております。  建築物のライフサイクルカーボン評価における算定ルール等の詳細につきましては、関係者の御意見をよく伺いながら今後検討してまいりますけれども、輸送段階における温室効果ガスの排出量については、輸送方法、そして輸送距離の違いを評価できる算定方法を構築いたしまして、一定のルールの下で算定できるよう進めてまいりたいと存じます。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 これ例えば水素とかでも、グリーンだとかいろいろやっています。輸送コストとかは分かりますし、またその過程のことも計算できますが、作っている段階のプロセスというのもありますから、そこについても関連性としては重要でありますから、整理をちゃんとしていただきたいというふうに思います。  次に、我が国のみ省エネ推進によって国際競争力を失っては国益を逸してしまいます。さっき礒崎委員からもありました。本改正において、本法改正におきまして、我が国の建築部門における国際競争力に及ぼす影響について、この法律がどのような効果、また影響があるのかという見解について伺いたいと思います。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) 日本の製品というのはかなりハイスペックということもありますので、現在、建築部門に関わる多くの日本企業が、ZEH、ZEB等の住宅、建築物の設計・施工技術、省エネ、脱炭素に対応した建材、設備等を基に、アメリカや東南アジアにおいて事業を展開してきております。特に、建設市場の拡大が期待される東南アジア等の国際市場におきましては、今後、省エネ、脱炭素などの環境への対応がより一層求められるということが想定をされます。  本法案は、先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度や上位の住宅トップランナー制度、そしてライフサイクルカーボン評価制度を導入することによりまして、省エネ、脱炭素に資する設計・施工技術の向上や、省エネ、脱炭素に対応した建材、設備の技術開発及び実装が促進されることが期待されます。これらの設計・施工技術や建材、設備につきましては、国際市場においても今後ニーズが高まると想定されることから、日本企業の国際競争力の強化や海外展開に資するものと考えております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 これ、デファクトスタンダードかデジュールスタンダードかという課題も生まれてきます。そして、国際標準を取っていくということが実はこれの中には含まれているはずであります。是非、経産省等も含めてよく連携をしていただいて、世界を取りにいくという観点も持っていかないとそもそも俎上にのらないという可能性がありますから、取組をしっかりやっていただきたいというふうに思います。  次に、省エネと安全性はリンクしております。生コンについて伺いたいと思います。  生コンの全国統一品質管理監査制度に合格した工場に交付されるマル適マークについて、現在、公共工事において、土木工事共通仕様書では、統一監査基準に基づく監査に合格した工場から選定することになっておりますが、建築工事では使用することが望ましいとされております。東京都や私の地元横浜市では、マル適マーク生コンが仕様書に記載され、運用されております。日本建築学会、コンクリートの品質管理指針・同解説には、全国生コンクリート品質監査会議からマル適マーク使用を承認された工場であることが望ましいとの記述もあります。  一方で、国交省大臣官房官庁営繕部監修の公共建築工事標準仕様書、建築工事編に、工場の選定はマル適マーク使用が記述をされておりません。また、建築工事監理指針には、マル適マークを交付しているので、工場の選定に必要な品質確保の確認にはこれらの結果を参考にするとよいと記述されておりますが、統一監査基準に基づく監査に合格した工場から選定しなければならないとは記述をされておりません。  国として、構造物の長寿命化に取り組む中、マル適マーク生コンに仕様変更することが必要ではないかなというふうに思いますけれども、是非御対応いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

佐藤由美 国土交通省大臣官房官庁営繕部長

○政府参考人(佐藤由美君) お答えいたします。  公共工事において、コンクリートの品質確保は非常に重要なものと認識しております。国土交通省官庁営繕部が制定する公共建築工事標準仕様書におきましては、建築基準法に定められた要件を満たすよう、JIS規格に定められた品質を確保したコンクリートを使用することとしております。また、当該品質の確認方法を定めており、使用するコンクリートの製造工場が当該品質が確保されたコンクリートを製造できることを発注者が当該工場の品質管理基準等により確認することとしております。マル適マークを取得した工場については品質管理が適切に行われているものと認識をしており、この工場の確認に際して活用しております。  今後とも、施工の実情等を把握しながら、マル適マークの公共建築工事標準仕様書における取扱いについても検討し、コンクリートの品質確保のより適切な実施に努めてまいります。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 これ、マル適マークということは、工場の品質をしっかりと担保しているということになります。JISで規格をされているんだけど、その上にあるということから考えますと、実は、全国の工場がマル適マークを取っていただくということが実は重要だというふうに思います。是非、大事なポイントは、その時間の制約もある中で全国のメーカーの皆さんがそれを取っていただけるように国交省もバックアップをするということが大事だというふうに思いますので、大臣、是非この部分についても大臣のリーダーシップを取っていただきたいというふうに思います。  次に、我が国の夏場における、土木、建築、公共、民間を問わず、建設現場の状況は過酷を極めております。夏季の作業員の労働環境確保に対し、元請、請負企業を問わず、熱中症対策や各種環境改善のための経費がかさんでいるのが実態であります。企業自体の経営体力に及ぼす影響を無視してはなりません。夏季におけるコストを上乗せできるように整えること、不断の見直しを図っていただきたいというふうに思います。特に、学校現場において改修等を行う場合は、夏場にしかできない、そういう場合もあります。厳しい暑さでの労働環境、労務環境を回避できないという仕事も実際にはあります。  夏場における効率性、生産性が低下するからこそ、必要な対策を加味した契約をするように働きかけるべきだと私は思います。発注者への理解も欠かせないことからこそ、請け負う建設業サイドに立った国交省の認識と取組が重要であります。是非お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

楠田幹人 国土交通省不動産・建設経済局長

○政府参考人(楠田幹人君) お答えをいたします。  屋外の作業が多い建設業において、近年の厳しい猛暑の状況を踏まえ、現場の状況等に応じて必要な熱中症対策などを適切に実施できる環境を整備することは極めて重要な課題であるというふうに認識をしております。  このため、国土交通省の直轄工事において、現場の状況等を踏まえながら、猛暑日の不稼働などを考慮した適正な工期の設定や猛暑期間中の現場施工の回避などのほか、委員御指摘の熱中症対策に要する経費の計上についても取り組んでいるところでございます。また、地方公共団体に対しましても、熱中症対策に要する経費の計上などについて総務省と連名で要請を行いますとともに、会議等の機会を捉えて、取組の必要性等の周知や働きかけを行っているところでございます。  今後も、現場の状況等に応じて、熱中症対策に要する費用が適切に計上され、建設業者が安心して熱中症対策に取り組める環境の整備にしっかり取り組んでまいります。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 企業の経営体力しっかり守らなきゃいけないと思います。そして、現場の声よく聞いていただかなければいけないというふうに思います。この省エネ法でしっかりいい建物ができても、それを造る人のことを考えないといけないというのがポイントであります。  現場によって、夏季における日中の作業を休止し、生産性向上のために朝早くと夕刻以降の作業にして、日中については拘束時間を外す、あるいは、別途空調が効いているような作業現場を優先的に選択できるような工程管理にするなど、柔軟な働き方を徹して実現する必要があるというふうに私は思います。  労使共に、効率化、安全性向上への対策を打っていただきたいと思いますが、大臣、御決意も含めてお願いしたいと思います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 大変重要な御指摘をいただきました。  国土交通省では、近年の厳しい猛暑へ対応すべく、昨年十二月に初めて建設工事における猛暑対策サポートパッケージを取りまとめました。これに基づきまして、国土交通省の直轄工事におきまして、委員御指摘のように、猛暑の時間帯等での作業を回避する取組を進めており、例えば、工事によっては作業時間を前倒しし、十四時以降の作業を行わないなどの取組をしております。このほか、猛暑下の人力作業を減らす工夫を入札時の評価点で評価する取組などを進めております。  また、直轄工事以外にも普及させるべく、これら猛暑対策に関する事例集を作成するとともに、猛暑期の労働時間を短縮する代わりに気候のいい季節に長く働く変形労働時間制についても分かりやすいパンフレットを作成いたしまして、発注者団体や建設業関係団体への周知や働きかけを行っているところでございます。  今後も、厚生労働省や関係団体と連携いたしまして、地域の実情や現場の状況等に応じた柔軟な働き方をより一層進め、安全で働きやすく、効率的に作業ができる建設現場の実現に取り組んでまいります。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 大臣、二つだけ、最後。  まず、工期を守れという話になると、それがうまくいかなくなります。工期の柔軟性を確保できるようにリーダーシップを取ってもらいたい、これが一点です。  二点目、公でしっかりできるならば、多くは民間工事です。そこにどう波及するかということに目を配っていただくということをお願いさせていただいて、質問を終わります。  ありがとうございました。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 日本維新の会、青島健太です。  日本の温室効果ガス、その排出に当たっては、建設業界から四割超出ていると。これを聞いて、私、正直ちょっとびっくりしました。多いんだなと思いました。  まずは、この四割を超えるCO2の排出ですけれども、いかなるところから出ているんでしょうか。まず御説明をお願いします。

上田英俊 国土交通大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(上田英俊君) 我が国の温室効果ガス排出量のうち約三割は、建築物に設置された暖冷房設備、換気設備、給湯設備、照明設備などの設備機器を用いることで消費するエネルギーに由来するものです。具体的には、例えば、給湯設備でガスを燃焼させる際や照明設備で使用する電力を発電する際に温室効果ガスなどが排出されます。  また、我が国の温室効果ガス排出量のうち約一割は、資材の製造段階、施工段階や解体段階など、先ほど申し上げた建築物に設置された設備機器の使用段階を除いた建築物のライフサイクルの各段階で排出する温室効果ガスです。具体的には、鉄やコンクリートなどの建材を製造する際や建設現場で建設機械を使用する際に温室効果ガスなどが排出されます。  このような現状を踏まえ、国土交通省としては、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、建築物の使用段階だけでなく、建設から解体に至るまでのライフサイクルで温室効果ガス等の削減に向けた取組を促進していく必要があると考えております。  以上でございます。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 今回の法律によって、建設業界、どのぐらいCO2を削減するのか、具体的な数値目標も伺いたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  政府では、地球温暖化対策計画におきまして、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、二〇三〇年度と二〇四〇年度における部門ごとの温室効果ガス排出削減量の目安を設定しているところであります。  今回の法案により創設する制度は、地球温暖化対策計画においては、産業部門や運輸部門に計上されている脱炭素化を実現させるための取組や、新築住宅、建築物の二〇三〇年度の目標達成に向けて建築物分野における省エネ対策を加速させるといった取組であります。  したがいまして、今回の法改正は、現行の目標に対して追加的なCO2の削減を目指すものではなく、二〇一三年度との比較で温室効果ガスを、二〇三〇年度においては四六%減、二〇四〇年度におきましては七三%減とすることなどの削減目標の実現に貢献するための取組であります。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 これまでCO2の削減は、それをリードしてきたのは、ZEH、ZEB等の、新しいまたその住宅やビルディングということになるかと思います。ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスあるいはビルディングということになりますが、改めてこれもちょっとお尋ねさせていただきます。ZEH、ZEB、いかなる今基準で設けられているんでしょうか。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  具体的な住宅の仕様で申し上げますと、ZEH水準の省エネ性能でございますが、アルミ樹脂複合サッシや複層ガラスを用いた窓、厚さが十センチを超える断熱材を用いた外壁、高効率な給湯設備などにより、基準となるエネルギー消費量、これは現行の省エネ基準のベースとなるものでありますが、そこから二〇%を削減をした水準となっております。  一方、ZEB水準の省エネ性能は、高効率な暖冷房設備や換気設備の導入などによりまして、基準となるエネルギー消費量から、これは用途に応じて原則三割から四割削減した水準となっております。  政府といたしましては、二〇三〇年度の新築住宅についてのZEH水準、非住宅建築物についてのZEB水準の省エネ性能を確保することを目標としており、引き続き目標の達成に向けた取組を進めてまいります。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 言うまでもありませんけれども、ZEH、ZEB、もっともっと日本の中で増やしていくということが大きな対策になっていくわけでありますが、今日またここまでの各委員の御質問の中にその答えも随分ありましたけれども、高性能な家を建てるということになれば、そのエネルギーの収支がゼロになる、あるいは更に効果的なものになるというわけですが、今回の法改正に当たっては、家を建てる前の段階、建材を作るところでもCO2が出る、あるいはそれを家を運ぶところまで、その運んでいくことでもCO2が出る、また解体するところでもCO2が出るということで、家の前後をやっぱりしっかりカウントしないとCO2のトータルな排出が分からないというところで、そこをしっかり抑えようという今回の改革、改正だというふうに理解をしております。  この建築物のライフサイクルカーボン評価制度、改めてですけれども、これは是非、金子大臣に伺います。何を狙って、どういうふうにしていくのかというところを、ちょっとしっかりとお願いいたします。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 青島委員にお答え申し上げます。  建築物のライフサイクルカーボン評価は、これまでの建築物の省エネ施策では評価してこなかった資材製造段階、施工段階、解体段階を含め、建築物のライフサイクル全体の脱炭素化の取組を評価する大切な仕組みでございます。  本法案におきましては、統一的な算定ルールを定めるとともに、算定結果について第三者認証を取得して表示できる制度や大規模オフィスビルについての算定結果の届出制度など、算定を促す仕組みを措置をしております。こうした取組を通じまして、建築物の長寿命化や低炭素建材の活用など、建築物のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を削減するよう考慮した建築設計の定着を図るとともに、鉄、コンクリート、木材などの資材製造段階の脱炭素化の取組を促してまいります。  我が国の温室効果ガス排出量の約四割を建築関連分野が占めていることを踏まえ、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、建築分野の脱炭素化を促進してまいります。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 もう御承知のとおり、今回の流れですけれども、やはりヨーロッパが先を行く形で始まっております。二〇二三年のG7の環境大臣会合コミュニケですか、ここでこのライフサイクルカーボンをしっかり抑えていくという提言がなされました。そして、その翌年、二〇二四年に、EUの加盟国、二八年を目指して、この評価と開示をしっかりやるんだという目標をEUは二八年目指して立てているという中でございます。  でも、私の知る限りでは、もう既に九か国が先行的にやっている。その中の一つの国でありますけれども、デンマークであります。  先ほど礒崎委員からも海外の情報についての御質問もありましたが、ちょっと私事で恐縮ですけれども、うちのせがれ、うちの息子は、デンマーク・コペンハーゲンで、建設というか設計の仕事をしております。まさに、この今回の法案をどうやって形にするのかというところの設計をやっております。エネルギー効率、どういう建物が最も省エネにつながるのか、あるいは、エアコンを一つ付けるのでも、どこに付けたら最も効果的になるのかという様々な工夫がここにあるわけですけれども、それをやっております。  一年ぶりぐらいに彼に連絡取って、おやじが質問するんだからちょっと教えろと言ってデンマークの事情を聞きました。もちろん、レベルの高いライフサイクルカーボンを成し遂げようとすれば当然コストが上がると、これはデンマークも一緒だと言っていました。しかしながら、あそこの国、コペンハーゲンという町自体もカーボンニュートラルはもう先進的にやっている中で、やっぱり一番違うというか、やっぱり意識が非常に高いと、そういう家に住む、あるいはそれこそがやはり自分たちの役割だという意識が非常に高いということを言っていました。その分、でもコストが掛かるんだというところであります。  日本も、少し追いかける形でありますけれども、これをしっかりやることは非常に重要な取組だというふうに理解をしております。  その中で、今回、住宅のトップランナー企業、ここにまず先に、四分の一ですか、評価を報告することを義務付けるという形が始まるんですが、私気になるのは、それ以外の中小ということになるんでしょうか、こういったところも全体で取り組まなければこれ成果が出ないと思うんですけれども、この辺りはどのように取り組んでいくんでしょうか。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  この法案で創設をいたします上位住宅トップランナー制度においては、住宅の供給戸数が特に多い最大手の住宅供給事業者に対して、より高度な省エネ性能の住宅の供給に関する中長期的な計画の提出と、その実績に関する毎年度の国土交通大臣への報告を求めるものであります。  この上位住宅トップランナー制度により、省エネ性能の高い建材の一般化が図られ、地域の中小工務店において省エネ性能の高い住宅が供給しやすくなるということを目的としております。このため、上位住宅トップランナー制度の対象とならない住宅供給事業者に対しても、講習会などを通じてこの制度の意義や仕組みを共有してまいります。  その上で、御指摘の残り四分の三を供給する住宅事業者ということになりますが、この方々が上位住宅トップランナー制度を通じて一般化をされた省エネ性能の高い建材などを活用することにより、より高度な省エネ性能の住宅の供給に取り組んでいただけるようにしっかりと取り組んでまいります。

青島健太 日本維新の会

○青島健太君 造る方の意識というのは大事なのはもう当たり前なんですけれども、これを発注する方の意識が上がらないと、やっぱり、多少コストが上がってもそういう家を造りたい、そういうビルディングにしたいという思いがなければそれは発注されませんので、そうなると、やっぱり、国内的なこういった分野への関心をどうやって高めていくのかということも非常に大事だと思います。  私、それは絶好のチャンスが来年来ると思っています。二〇二七年国際園芸万博が横浜で開催されます。これ、木のことや環境のことをいろいろ学ぶ機会でありますけれども、ここで是非、国民的な理解を醸成するためにも、こういった取組、自然に、地球に優しい家を日本で建てていこうと、そういうことも是非この機会に訴えていただきたいということをお願いして、質疑を終わります。  ありがとうございました。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 参政党の安藤裕です。今日はよろしくお願いします。  今の青島先生の質疑と正反対の立場で質疑をさせていただきたいと思いますが、我々参政党は脱炭素に極めて懐疑的な立場を取っておりますので、その立場から質問させていただきます。  まず、伺いますけれども、元々この法律は建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律という名前でしたけれども、これを今回、建築物のエネルギー消費性能の向上及び脱炭素化の促進に関する法律と名前を変えることも提案されています。あえてこの法律名を変更する理由について教えてください。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現のためには、我が国の温室効果ガス総排出量の約四割を占める建築分野における脱炭素化の取組は非常に重要であります。このため、この法律案では、建築物の使用時の省エネだけでなく、資材製造段階、施工段階や解体段階も含めた建築物のライフサイクル全体の炭素排出量を評価する建築物ライフサイクルカーボン評価制度を創設することとしております。  このように、建築物の使用時の省エネに加え、新たにこうした建築物の脱炭素化を促進するための措置が規定されたことを踏まえまして、法律の題名からもその趣旨が明らかとなるよう、法律名に脱炭素化の促進を加えることとしたものであります。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 ありがとうございます。  我々は省エネには大賛成ですけれども、じゃ、この脱炭素というものがどれほど効果があるのかということなんですが、日本のCO2の排出量は世界全体の約三%にすぎません。その中で建築分野の排出が国内の約四割を占めるとしても、本法案によって削減されるCO2の排出量は世界全体から見ればごく僅かです。日本全体で二〇五〇年にCO2ゼロを達成することによる気温の低下は僅かに〇・〇〇六度という試算もあります。  そこで改めて伺いますが、本法案のライフサイクルカーボン評価制度によって、二〇五〇年までに何トンのCO2削減を見込み、それは世界の平均気温上昇を何度抑制する効果があるのか。試算がないのであれば、効果を測定できない規制を国民に課す根拠は何か、教えてください。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  政府では、地球温暖化対策計画において、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けて、二〇三〇年度と二〇四〇年度における部門ごとの温室効果ガス排出削減量の目安を設定しているところであります。  今回の法案により創設をする建築物のライフサイクルカーボン評価制度は、地球温暖化対策計画においては、業務・家庭部門に加えて、産業部門、運輸部門に計上されている脱炭素化を実現させるための措置であり、現行の目標に対して追加的なCO2の削減を目指すものではなく、お尋ねの数値についてお示しすることは困難でございます。  今回のライフサイクルカーボン評価におきましては、あくまでも二〇一三年度との比較で温室効果ガスを、二〇三〇年度においては四六%減の七億六千万トンCO2、二〇四〇年度においては七三%減の三億八千万トンCO2とすることなどの削減目安の実現に貢献するための取組であることを御理解いただきたいと考えております。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 この法律による効果はよく分からないということでございました。  一方で、世界に目を向けると、中国が世界一のCO2排出国で世界の排出量の約三割、第二位のアメリカと第三位のインドを合わせれば、この三か国だけで世界の半分を超えます。  これらの三か国で建築物のライフサイクルカーボン届出を法的に義務付けている国はあるんでしょうか。主要排出国が同等の規制を導入していない中で、日本だけが建築分野に新たな法的な義務を課すことは地球全体の温暖化抑制にどう寄与するのか、お尋ねします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  アメリカにおきましては、建築物の省エネルギー政策や脱炭素化の政策、これは州ごとに取組が進められておりまして、例えばカリフォルニア州においては、二〇四〇年のカーボンニュートラル達成に向けて、一定規模以上の非住宅建築物を対象として、建材の製造時などにおける温室効果ガス排出量に上限を設ける制度が導入されているものと承知をしております。また、ボストン市においては、一定規模以上の建築物を対象として、建築物の許認可手続にライフサイクルカーボン評価結果の報告制度が導入されているものと承知をしております。  また、中国におきましては、二〇六〇年のカーボンニュートラル実現に向けて、建築物のライフサイクルカーボンに関する統一的な算定ルールを国として整備をしており、一部の都市においては建材製造時などの温室効果ガス排出量に上限を設定する取組も行われているものと承知をしてございます。  さらに、インドにおきましては、二〇七〇年のカーボンニュートラル達成に向けて、政府が策定をいたしました表示制度において低炭素建材の採用が評価項目として位置付けられていると承知をしております。  このように、温室効果ガス排出量の多い国々におきましても、省エネルギー対策に加えて、建材の製造時の温室効果ガスの削減に向けた規制措置も含めた具体的な施策が講じられております。  建築物のライフサイクルカーボンの評価は国際的な潮流となっており、国際社会の一員として地球温暖化対策に貢献することに加え、また他国に後れを取らないよう、本法案により、省エネ、脱炭素に資する設計や施工技術の向上や、省エネ、脱炭素化に対応した建材、設備の技術開発、実装を促進してまいりたいと考えております。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 ありがとうございます。  一部では進められているということでしたけれども、今、世界の流れもこの脱炭素というものに懐疑的な考え方も改めて広がってきていると我々は認識をしております。そういった意味でも、世界の潮流に後れを取らないというのは、その考え方にも後れを取らないということが大事だと思いますので、是非その辺りの世界の流れもしっかり見ていただきたいと思います。  そして、ライフサイクルカーボンの算定には、専門知識を持つ人材や算定ソフト、建材ごとの排出量データへのアクセスが必要です。大手ゼネコンや大手ハウスメーカーは専門部署で対応できるけれども、全国の中小工務店の大半は、従業員が数名から十数名程度であり、専任の者を置く余裕はありません。  本法案の立案に当たり、中小工務店、小規模設計事務所への影響、つまり、追加コストとか、あるいは廃業とか撤退するという見込みがあるかどうか、そういったことを分析しているのか、教えていただきたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  本法案で創設をいたしますライフサイクルカーボン評価制度におきましては、中小工務店などが設計することが多い戸建て住宅などの小規模建築物については、届出制度や説明制度共に対象外としてございます。  建築物ライフサイクルカーボン評価に係る事務負担などの費用は、建物の規模や用途、算定方法などにもよりますので一概には申し上げられませんが、令和七年度に私どもがライフサイクルカーボン算定費用の補助事業を行った実績では、一件当たりおおよそ三十万円から三百万円となってございます。これらの追加費用は基本的に、戸建て住宅であれば戸建て住宅の注文主、またビルであればビルのオーナー、すなわち建築主が負担をするものと考えてございます。  また、今申し上げました補助事業の実績におきましては、補助事業を活用した事業者の約半数が中小の事業者となってございます。中小の事業者もこうした市場に参入をしているということを確認しているところであります。  このように、ライフサイクルカーボン削減をアピールしたい中小工務店などもこの制度を活用可能でありまして、現時点でも中小事業者の取組や、取組の実績やニーズもございますので、この制度のために中小事業者が廃業したり撤退するといったことは想定をしていないところでございます。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 ありがとうございます。  今、三十万から三百万円の負担が生ずるという話もありましたけれども、これは、負担できるところは負担できるだろうし、負担できないところは負担できません。最終的には建築主が負担するということですから、これはコスト増ということになって、国民の生活にも影響するということになります。  そして、次の質問へ行きますけれども、本法案は、設計を受託した建築士に対して、建築主のライフサイクルカーボン評価に必要な協力を行うということを義務付けています。一人から数人でやっている小規模の設計事務所にとって、これは実質的に無償の追加業務となるのではないかと。そして、この協力に要する実務時間とコストを政府はどう見積もっているのか。また、算定に誤りがあった場合の責任は誰が負うのか、そのコストを設計報酬に転嫁できるという保証はあるのか、お尋ねします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  御指摘の建築士が行う必要な協力は、ライフサイクルカーボン評価を行おうとする建築主の依頼に応じて行うものであります。したがいまして、これに要する費用については、必要な経費として建築士が建築主に当然に請求できるものと考えております。建築士業務の報酬の適正化を図るために、国土交通省では、建築設計などの報酬の算定方法に関する業務報酬基準というものを定めております。ライフサイクルカーボン評価に要する費用もこれに従いまして、評価に要する費用を積み上げて報酬を算出することが基本となると考えております。  こうした算定の考え方や業務量に見合った報酬とすることなどを周知をし、発注者の理解を促すといったことを通じまして、建築物のライフサイクルカーボン評価に関する業務の対価が適正に支払われる、そういった環境の整備に努めてまいります。  なお、算定に誤りがあった場合の責任につきましては、算定業務を契約したという観点では、依頼を受けた建築主が負うということになると考えております。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 ありがとうございます。  適正な単価がきちんと支払われればいいですけれども、なかなかこれも力関係もありますので難しいところもあるのかなというふうに思います。  それで、次に、住宅トップランナー制度が拡充されますけれども、これは市場の約四分の一を占める大手供給事業者を前提とした制度です。そして、この脱炭素対応力で企業を序列化すれば、対応できる大手への発注の集中が進み、地域の工務店が担ってきた木造住宅の文化や職人の技能継承が失われかねないのではないかと考えています。  政府は、本法案施行後の住宅市場における大手と中小のシェアの変化をどう見通しているのか、中小の淘汰は起きないと断言できるのか、できるのであればその根拠を示していただきたいと思います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  現在の建築物省エネ法におきましても、住宅トップランナー制度という制度がございます。この住宅トップランナー制度においては、供給戸数で市場のおおむね二分の一をカバーするいわゆる大手の住宅供給事業者に対して国が省エネ基準よりも高い目標を設定をし、住宅の省エネ性能の向上の取組を進めているところであります。  具体的には、ZEH水準の省エネ性能の適合義務化を目指す二〇三〇年度よりも前に、この住宅トップランナー事業者につきましてはZEH水準に相当する省エネ制度の達成を求めているところであります。その結果といたしまして、ZEH水準の住宅に求められる省エネ性能の高い建材、これは、窓でありますとか断熱材でありますとか建築設備、給湯器でありますとかそういう機器でありますが、こういった性能の高い建材が一般化をし、御指摘の地域の中小工務店においてもZEH水準の住宅に取り組みやすくなるなどの効果を既に上げていると考えてございます。  一方で、現在あります住宅トップランナー制度に起因をして中小工務店の淘汰が行われたという声は聞いていないところであります。また、こうした取組を実施してきた結果、近年、住宅トップランナー事業者の中のより大手の事業者については、ZEH水準を更に上回る、より高度な省エネ性能の住宅を多数供給している状況となってございます。  この法案では、こうした状況を踏まえて、住宅供給戸数が特に多い最大手の住宅供給事業者に対してより高度な省エネ性能の住宅の供給に関する計画の提出などの新たな規制を課すことで、現行の住宅トップランナー制度と同様に、省エネ性能の高い建材の一般化が図られ、地域の中小工務店においても省エネ性能の高い住宅を供給しやすくなるものと考えているところであります。  このため、この新しい制度、すなわち上位住宅トップランナー制度に起因をして中小工務店の淘汰が起こるとは想定しておらず、本法案の施行後の大手事業者と中小事業者の受注に関するシェアの変化の見通しも持っていないところでございます。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 いろいろおっしゃっていただきましたけれども、相当中小にとっては厳しくなってくるんではないかと。  そして、ライフサイクルカーボンの評価に使用する全ての建築資材について、製造、輸送段階の排出量データが必要となりますが、これを、日本の建材メーカー、大半が中小企業ですけれども、そこに負担させるのは相当問題ではないかと思いますが、この点についての答弁をお願いします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  建築物のライフサイクルカーボンを評価するに当たっては、御指摘の建材、設備の温室効果ガス排出量原単位を用いて算定することとなります。排出量原単位といたしましては、個々の建材の事業者や建材の業界団体が作成をする製品ごとのデータと、製品データがない場合に代わりに用いるために国が、国土交通省があらかじめ定める値、いわゆるデフォルト値がございますが、どちらを用いてもライフサイクルカーボン評価を行うことができます。  また、製品データについては、第三者が検証を行ったデータと検証が行われていないデータ、いわゆる自己認証のデータもございますが、今回の評価制度においては、自己認証のデータについても活用可能とする予定にしてございます。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 ありがとうございます。  かなり、もっともっと時間取って質問したいんですけれども、中小企業にとっては相当負担が掛かるのではないかと思いますので、是非、大臣、御検討いただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。    〔委員長退席、理事蓮舫君着席〕

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  本日は、建築物省エネ法について質問いたします。  二酸化炭素の増加による温暖化は、危機的な気候変動を起こし、国民生活に重大な影響を招いています。今回の法案は、脱炭素化に向けて、建築物を建てるところから解体するまでの過程においての二酸化炭素の排出量を算定するライフサイクルカーボンという仕組みを制度化するものとなっています。  この二酸化炭素の排出量の数値を評価するに当たり、今回の改正では、五千平方メートル以上のオフィスビルのライフサイクルカーボンを着工前に算定して国に報告する義務が課されています。一方、国民生活に欠かせないライフラインである病院や学校などの建物は今回のライフサイクルカーボンの取組の対象になっていませんが、その理由について、国交省のお考えをお聞きします。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  建築物のライフサイクルカーボン評価結果の届出義務につきましては、今回、五千平方メートル以上の事務所ビルを対象とする予定であります。この五千平方メートル以上の大規模な事務所ビルにつきましては、着工棟数に比べて温室効果ガス排出量が大きいということに加えまして、構造種別が多様で、内装や外装が充実しておりますので、建材の排出量データの蓄積が期待をされることがございます。さらには、設計上の削減措置が多様でありまして、設計上の知見の蓄積が期待をされることなど、ほかの建築用途への波及効果が大きいことが確認されております。また、これまで行われてまいりましたライフサイクルカーボン評価の実績や環境不動産に係る認証件数を見ましても、事務所用途が一番多いことから、建築主や設計者、施工者にとっても最も抵抗感なく算定を開始できる対象であると考えたところであります。  施策の導入につきましては、その効果や許容性などを踏まえて段階的に進めていくということにしておりまして、届出義務の対象といたしましては、まずは五千平方メートル以上の事務所ビルを対象といたしまして、病院、学校、御指摘の病院や学校は今回は対象としないとする予定でございます。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 分かりました。  脱炭素化の対策について、学校や病院についても重要な課題だと思いますので、ライフサイクルカーボンの導入について今後検討していただきたいと思います。    〔理事蓮舫君退席、委員長着席〕  一方、ライフサイクルカーボンという新しい仕組みが導入されることで、建築物に関する様々なコストが増えることも予想されます。その際、これらの、これから建てられる建物のバリアフリー化が遅れてしまうのではないかという懸念があります。障害者や高齢者などが社会生活をする上で、建物のバリアフリー化は必須の課題です。国交省として積極的に進めていただきたいと思っていますが、大臣の見解を求めます。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 木村委員にお答え申し上げます。  バリアフリーは非常に重要なことであります。本法案では、建築物の脱炭素化に取り組むに当たって、建築物に必要な性能を確保することや国民の負担能力を考慮することなどを基本理念として定めております。バリアフリー性能は建築物に必要な性能の一つであり、脱炭素化の推進を図りつつ、同時にバリアフリー化を進めることが重要であると考えております。  国土交通省といたしましては、バリアフリー基準の遵守を徹底するとともに、バリアフリー設計のガイドラインに基づく取組を促すこと等によりまして、引き続き建築物のバリアフリー化をしっかりと推進してまいります。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。バリアフリー化を今後もしっかりと進めていただきたいと思います。  次に、ライフサイクルカーボン算定という新しい制度を導入するに当たり、建築設計に関わる方に適切な報酬が得られるような対策が必要だと考えます。  資料一を御覧ください。  パブリックコメントによると、業務量が増えることで、適切な報酬、対価が反映されるのかという心配の声が上がっています。これに対して国交省は、対価が正当に支払われる環境の整備に努めていくと答えてはいますが、そのためにはどのような仕組みをつくっていくのでしょうか。そしてまた、働く人に対して、仕事量に見合った報酬が保障されるべきだと考えますが、国はその責任を果たすためにどのように取り組んでいられるのか、国交省のお考えを教えてください。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  建築物のライフサイクルカーボン評価を含む建築設計などの報酬につきましては、個々の契約において定められることが基本でありますが、建築士の業務の適正化を図る観点から、業務に見合った適正な報酬が確保されるといったこと、重要でございます。  このため、国土交通省といたしましては、報酬の算定方法に関する業務報酬基準といったものを建築士法に基づく大臣告示として定めております。この中で、具体的には、業務に必要となる費用を積み上げて算出する実費加算方式を基本とするということを定めております。したがいまして、建築物のライフサイクルカーボン評価に要する費用についても、積み上げる費用に含めて報酬を算出することが基本と考えられます。  国土交通省といたしましては、こうした報酬算定の考え方や業務量に見合った報酬とすることなどを周知をし、発注者の理解を促すことを通じて、建築物のライフサイクルカーボン評価に関する業務の対価が正当に支払われる、そういった環境の整備に努めてまいります。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 ありがとうございます。  仕事量が増えたのに報酬が上がらないということがないように取り組んでいただきたいと思います。  また、建築士の方の人手不足というのがすごく深刻化しています。人手不足の背景はいろいろありますけれども、高齢化もあり、家族の介護を理由に離職も増えています。こうした課題についても国として注視しながら、建築士の方の働きやすい環境整備を含めて取り組んでいただきたいとお願いしまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。  今回、建築物のライフサイクル全体でCO2の排出量を評価し、環境性能を見える化するという仕組みが導入されます。低炭素な建築物がしっかり評価される制度として大変期待をしています。  その中で重要な役割を果たすのが、木材だと思っているんです。木は貴重なCO2の吸収源で、特に若木で伸びていくときにたくさんのCO2を吸収して、建築物として使われている間は長期間蓄えます。なので、育てて切って使って、また植えて育てるという循環がしっかり回っていくようにするために、国産材の利用を拡大することが大変重要だと思っています。二〇二四年の日本の建築物の木造率というのは四七・二%、まだ半分以下なんですね。私の地元愛媛県は全国有数の実は木材産地なので、今日は国産材の需要拡大を願って質問をさせていただきます。  例えば、役場、病院、保育園など公共の建築物の木造率は二〇二四年度で全体の一五・九%、まだまだこの木造化というのは大きな余地があります。一般競争入札では、やっぱり価格が重視されるんですね。そうすると、木造や木造ハイブリッド、コンクリートや鉄筋と組み合わせたものですが、こういったものはちょっと割高になるので、入札では不利になってしまいます。入札で木が負けてしまう仕組みのままで木を使えと言っても、事は進みません。  今改正でせっかくライフサイクルカーボン評価の仕組みができ上がるので、一歩進んで、このライフサイクルカーボンの削減量などを入札での評価項目にしっかり位置付けて、木造など環境評価の高い建築物が実際に選ばれやすくなる制度にアップデートすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  委員御指摘のとおり、環境性能の高い建築物を普及する一環として、公共建築物においてライフサイクルカーボン評価を率先して取り組むこと、これが重要だと考えております。  この法案におきましては、ライフサイクルカーボン評価の、ライフサイクルカーボン評価実施の義務付け対象として、民間建築物につきましては五千平方メートル以上の事務所の新築、増改築とする予定でありますが、国が建設をする建築物につきましてはその対象を少し広げまして、二千平方メートル以上の事務所の新築、増改築とすることとしてございます。  また、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画におきまして、地方公共団体が建設する建築物についてライフサイクルカーボン評価の実施を位置付けるよう、これは環境省を通じて働きかけ、取組を促すこととしております。  こうした取組に加えまして、国土交通省といたしましても、関係省庁や地方公共団体に対して、公共建築物の発注の際に環境性能の高い提案を評価する取組などを周知をいたしまして、国や地方公共団体の建築物におけるライフサイクルカーボン評価の実施を促してまいります。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 しっかりお願いをいたします。  日本では、戸建ての住宅の木造率というのは実は九一%を超えているんですね。一方、中高層建築物、つまりビルです。ビルの木造率というのは一%でしかありません。でも、技術面ではこの木造ハイブリッドの技術が進んできておりまして、増えております。  資料一を御覧ください。一番左側が、来年の一月、日本橋に日本で一番高い十八階建ての木造ハイブリッドオフィスビルが完成をいたします。同規模のビルに比べて、CO2排出量およそ三〇%削減ですね。真ん中が日本の木造の草分けであります、ビルの草分け、大林組の研修所で、純木造の十一階建てのビルです。右側の上が、もう既に稼働しているホテル十二階建て、木造ハイブリッドです。下が、再来年完成予定の多分日本で一番高い木造ビルになる地上二十階建てというふうに、進んできております、技術は。  次の課題は金融と資産評価だと思うんです。木造というのは税法上の法定耐用年数が短いです。ですから、実際耐久性はあるんだけれども、融資期間ですとか担保評価ですとか、ここで不利になってしまうことが少なからずあります。ですので、法定耐用年数に引きずられることなく、実際の耐火性あるいは耐久性など、木造ビルの資産価値が適切に評価されるように取組を進めていただきたいんですが、いかがでしょうか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。  我が国の森林資源が本格的な利用期を迎える中、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けては、木造建築物の一層の普及を図ることが重要と認識をしております。  実は、私、自民党のまちの木造化推進議員連盟の会長をやっておりまして、これまで、まちの木造化推進法もある程度の我々も役割を果たしたわけであります。その中で、この金融評価というのは非常に重要なんですね。まさに、その中で、今日も農林水産省もお見えいただいている。ちなみに事務局長は農林水産大臣が今やっております。  木造建築物につきましては、耐久性確保のための措置を適切に講ずることで長時間使用することが可能である一方、税制上の法定耐用年数は、例えば事務所の場合は鉄筋コンクリート造の五十年より短い二十四年となっておりまして、金融機関においてこれを参考にして融資期間が短く設定されるなどの課題があると承知をしております。  このため、国土交通省では、令和六年十二月に木造建築物の耐久性に係る評価のためのガイドラインを作成するとともに、令和七年四月より本ガイドラインに基づく第三者評価の仕組みを開始をいたしまして、建築主、設計者、金融機関も含め、広くその周知と活用促進に努めているところでございます。  国土交通省といたしましては、こうした取組を通じて木造建築物の資金調達を円滑化するなど、農林水産省や関係団体等とも連携をし、木造建築物の普及に積極的に取り組んでまいります。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 これからも大臣として、議連の会長として、更なる御尽力をよろしくお願いをいたします。  さて、資料一の裏側ですね、二を御覧ください。オーストラリアのシドニーでは、今、世界一の木造ハイブリッド超高層ビル三十九階建て、建築中です。  実は、この施工に日本の大林組が参加しています。大林組は愛媛県でCLT木材強化パネル作っているんです。ですから、私、この世界一のビルは愛媛建材で建つんだとすごい期待していたんですけれども、残念ながらこの世界最高の木造ビルは、欧州産、ヨーロッパ産のCLTで建てられるということなんですね。日本企業がせっかく施工に参加しているのに、どうして日本の木材は採用されない。その理由を林野庁はどう分析していますか。

清水浩太郎 林野庁林政部長

○政府参考人(清水浩太郎君) お答え申し上げます。  御質問いただきましたオーストラリアの事例につきましては、民間企業の経営判断でございますのでお答えは差し控えさせていただきますけれども、我が国、海外で木材を利用していただくということで、輸出の促進に取り組んでおります。令和七年で輸出額五百九十六億円と増加傾向ではございますけれども、品目別では丸太が半分を占めているということで、やはり製材等、付加価値の高い木材製品の輸出を転換していくということが非常に重要だと考えております。  御指摘のオーストラリアにつきましては、建築用の木材製品の多くを輸入に依存しているというふうに承知をしております。したがいまして、国産材輸出の有望なターゲット国として我々も認識をしております。  林野庁といたしましては、日本産木材、製材を海外で利用していただくためには、やはりその輸出先国での規格や基準への対応、あるいはコスト面での課題があると考えております。これはオーストラリアも同様だと考えております。そのために、やはり市場調査ですとか認知度向上、あるいはコスト競争力を高めていくための国産材の供給力強化、こうした取組をしっかりやりまして、木材輸出の拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 やっぱり供給体制だと思うんです。日本はCLTのやっぱり標準化が遅れているので、そこの供給体制、もう大きなビルですから、大量の発注にしっかり応えてもらわないと駄目なんですよね。  ですから、これからやっぱり、丸太が半分ですから、輸出の、加工設備の強化がとても必要だと思っています。性能がちゃんと証明された工業製品として、木材じゃない、もう工業製品として世界に輸出できるものができて初めて日本の林業の収益もすごく上がっていくと思うんですね。そうすると担い手も増えます。そうすると、再造林もできるのでCO2の吸収源も増やしていけますし、日本で今増えている山林火災、山火事の発生リスクも抑えられるということにもつながっていって、波及効果がとても大きいんです。  ですので、しっかりまずは、その加工分野が弱いという分析をしっかりされているようですから、そこに力を入れていただくよう強くお願いをして、終わります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。  これまでの日本は、建物を新しく建て続けることで経済成長を促して都市の価値なども維持してきたと思うんですけれども、この最近の物価の高騰、人件費の高騰、さらには不安定な中東情勢、こういったことも影響してか、全国各地で再開発が中止になったり延期になったりしている事態が相次いでいると伺っております。  一方で、国交省の統計では、維持修繕工事、リニューアルは二〇二四年度はおよそ二十八兆円と、この施工高全体に占める割合はおよそ三〇%となりまして、新設工事との比率はおよそ一対二になるなど、リニューアル工事が増えていると伺っております。  先ほどの議論にもありましたけれども、このように、今後は、修繕をしながら今あるこのストックをやはり長く使うといった方向に更に更にシフトをしていくべきではないかと思っているんですが、これについて、改めて大臣の思いを伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 平山委員御指摘のとおり、造っては壊すスクラップ・アンド・ビルド型の社会から、いいものを造ってきちんと手入れして長く大切に使うストック型の社会に移行することが、建築物を取得する際の経済的負担や地球環境負荷の軽減などの観点から大変重要だと考えております。国土交通省では、これまでも適切な維持管理の下、長く良好な状態で使用できる長期優良住宅の普及を促進しており、これまでに累計で約百九十万戸の認定が行われました。  本年三月に策定いたしました新たな住生活基本計画でも、国民のニーズに応じ住宅を適時適切に確保できる循環型の住宅市場の形成や、インフラ、居住環境の整った既存の住宅、住宅地の本格的な有効活用などを位置付けました。  また、本法案で創設いたしますライフサイクルカーボン評価制度は、新築だけではなく既存ストックの改修時にも活用できるものとしておりまして、ライフサイクル全体での脱炭素化を進める観点からも既存ストックの活用を促進してまいります。  国土交通省といたしましては、引き続き、この法案の運用も含めて適切な維持管理、修繕などを行うことで、良質な住宅、建築物ストックを長く活用する社会を目指して、しっかりと取組を進めてまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。  次に、日本のコンクリート建築について伺います。  国土交通省の資料によりますと、鉄筋コンクリート造りのマンションの平均寿命、これは六十八年と推計する調査ですとか、物理的寿命は百年以上もつ可能性があると推定するこの研究例があるということです。  一般的にコンクリートというのは水と砂と砂利とセメントを混ぜて作られますけれども、その強度は水とセメントの比率が大きく関係してくることになります。一般的な建築現場で使われるこのコンクリートの水、セメント比は六〇%程度ということで、これは施工性などを考えたときに扱いやすいからということですけれども、この水分量を減らせば強度が上がるのに、なぜ今までそうした取組を国は推奨してこなかったのかということ、それも含めて、メンテナンスや修繕にも適切な助成をして建築物の長寿命化を促進することは、今回の改正案の趣旨でもある建築物のライフサイクル全体の省エネ、省資源、脱炭素、これらにも貢献できると思いますけれども、その点はいかがでしょうか。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) 委員御指摘のとおりでございまして、コンクリートに含まれる水分量を減らすことで強度は上がりますが、コンクリートの流動性が悪くなるなど、工事がしにくくなるということも考えられます。加えて、建築物の耐震性能の評価におきましては、構造部材の強度のみだけではなく柱や壁の配置や変形性能も考慮されるところ、構造部材の強度のみを高めることの推奨は行っていないところでございます。  また、建築物の長寿命化を促進することにつきましては、委員御指摘のとおり、ライフサイクルカーボンの削減が図られるとともに、省エネや省資源、脱炭素に資するものと認識をしております。  国土交通省では、建築物の長寿命化に向けて適切な劣化防止対策や維持管理、更新を容易に行うために必要な措置が講じられていることなどを要件といたしまして、長期の優良住宅の認定制度を設け、補助、税制、融資による支援を行うほか、建築物のライフサイクルカーボン削減に資する先導的な取組に対する支援を行っているところでございます。  引き続き、これらの支援も活用しながら、建築物の長寿命化を促進してまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 この建設業界には長年、多重下請構造ですとか短期的な受注競争があって、その後、外国人材が入ってくることなどによって、本来最も重要であるこの人材育成とか技能継承への投資が後回しになってきたんじゃないかなと感じているところがあります。  高性能住宅を建てるには、技術力だけではなくて、当然、知識そして資格を持ったプロの存在が不可欠だと思っています。どんなに高性能な建材を使ったとしても、施工のこの精度が低いと、隙間ができてしまったり、結果的にこの高性能の建材がうたっているようなその効果が発揮できないということになってしまうと思います。  現場を支えている中核人材ですね、たくみ、職人の減少によって、設計はできるんだけれども施工ができないといった構造的なギャップ、これを解消するために、人材育成、技能継承に国はどのような指導、手だてを考えているのか、教えてください。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  建設の現場を支える職人、大工などの建設技能者については、就業者数の減少や高齢化が進んでおり、持続的な産業を実現するためには、担い手の確保を図ることが重要な課題と認識をしております。  このため、国土交通省では、昨年全面施行いたしました第三次担い手三法を踏まえ、建設キャリアアップシステムも活用しながら、技能、経験に応じた職人等の処遇改善を図るとともに、厚生労働省とも連携をいたしまして、教育訓練や技能向上に係る各種支援制度の活用を働きかけるなど、若い世代がキャリアパスの見通しを持てる産業を目指した取組を進めているところであります。  また、建築物の省エネ化といった観点からは、昨年四月の省エネ基準適合義務化に際し、省エネ住宅の施工方法に関するマニュアルの作成や断熱施工の研修会の開催、相談窓口の設置など、施工者の人材育成やサポート体制の確保を図ってきたところであり、今後の省エネ基準の引上げに向けて、引き続き取り組んでまいります。  こうした取組を通じまして、現場を支える建設技能者の育成や技能の継承に努めてまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 日本の住宅というのは、従来、風通しを良くして、高温多湿の夏をしのぐ発想で造られているものが多くて、ただ一方で、冬の寒さ対策が後手に回っていたという指摘があります。  住宅の気密性能を表す値、C値と言われて、隙間面積を示す数値です。今回の改正には盛り込まれていませんが、今後、このC値の基準や測定の義務化などの予定があるのか、伺います。

宿本尚吾 国土交通省住宅局長

○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。  御指摘をいただきました建築物の気密性を表す指標でありますいわゆるC値につきましては、過去から議論がございまして、過去に審議会におきまして、住宅の施工技術も向上をし、また、建材や工法が変化、多様化したことなどによって住宅において一定程度の気密性が確保される状況にあることや、また、戸建て住宅におけるC値の測定を行うことが建築士にとって過度な負担とならないように配慮する必要があることなどの御指摘をいただいております。こうしたことを踏まえて、全ての住宅において一律に義務化を行うという際の基準としては採用しないとしたところであります。  一方で、適切な設計、施工により一定の気密性を確保することは、建築物の省エネルギー性能の向上に当たり重要であると考えております。このため、建築物省エネ法に基づきます基本的な方針におきましても、気密性の確保に十分配慮した措置を講ずるよう努めることと定めるとともに、設計者や施工者向けのマニュアルの整備、住宅の断熱施工の研修会の開催やオンライン講座などを通じて、適切な設計や施工方法の周知に取り組んでいるところであります。  引き続き、こうした取組を通じて、断熱施工の向上と併せて一定の気密性が確保されるよう、設計者や施工者の技術力向上に努めてまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。終わります。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

安藤裕 参政党

○安藤裕君 私は、ただいま議題となりました建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。  反対の第一の理由は、本法案が地球温暖化の抑制にどれだけ効果があるのか、政府自身が説明できないことです。  日本の二酸化炭素排出量は、世界全体の僅か三%にすぎません。委員会審議において、政府からは、本法案によって世界の平均気温が何度分抑制できるのか、定量的な答弁が得られませんでした。効果の見えない規制に確実な負担だけを国民に課すことは、立法として正当化できません。  第二の理由は、本法案が中小零細の工務店、設計事務所の淘汰を招きかねないことです。  ライフサイクルカーボンの算定には、専門人材、算定ソフト、膨大なデータが必要です。専門部署を持つ大手企業は対応できても、地域の住宅を支えてきた数名規模の工務店や設計事務所にとって、これは耐え難い負担です。しかも、届出義務の対象規模は、法律ではなく政令に委ねられており、国会の審議を経ることなく、戸建て住宅にまで対象を拡大できる立て付けとなっています。  地域の工務店が守ってきた木造住宅の文化と職人の技能を脱炭素の名の下に切り捨てることは断じて容認できません。  第三の理由は、建築資材の排出量算定に伴う膨大な手間とコストです。  政府は、建材メーカーの排出量表示を任意の制度と説明します。しかし、データのない建材が市場で選ばれなくなる仕組みである以上、これは事実上の義務化にほかなりません。  大半が中小企業である建材メーカーに、一製品当たり数十万円から百万円を超えるデータ整備の負担がのしかかります。そして、そのコストは最終的に全て建築費に転嫁され、資材高騰と人手不足で住宅取得が既に困難となっている国民を更に苦しめることになります。効果は不明、負担は確実、犠牲になるのは中小事業者と住宅を求める国民です。  本法案は撤回し、費用対効果の検証からやり直すべきであることを申し上げ、私の反対討論といたします。  ありがとうございました。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 次に、建築士法の一部を改正する法律案を議題といたします。  提出者衆議院国土交通委員長冨樫博之さんから趣旨説明を聴取いたします。冨樫衆議院国土交通委員長。

冨樫博之 自由民主党・無所属の会

○衆議院議員(冨樫博之君) ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。  建築士法は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的として、議員立法により、昭和二十五年に制定され、時代の要請に応じて改正が行われてきました。  近年、建築分野における技術革新等により、建築設計、工事監理等に求められる役割や責任は拡大しております。  しかしながら、建築士等の資格者の高齢化の進展、新規参入者の減少傾向が進んでおります。また、契約書面の相互交付義務がない小規模の建築物では、消費者を巻き込んだトラブルの発生が指摘されております。  本案は、このような状況に鑑み、建築物の設計、工事監理等を担う優れた人材を継続的かつ安定的に確保するとともに、設計等の業務に係る契約の適正化を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。  第一に、一級建築士の資格要件について、二級建築士が一級建築士免許を受けるために必要となる実務の経験の期間を見直すとともに、大学等に在学する者で一定の要件を満たす場合には一級建築士試験を受けることを可能としております。  第二に、二級建築士及び木造建築士の資格要件について、免許及び試験を受けるために必要となる実務の経験の期間をそれぞれ短縮するとともに、大学等又は高等学校等に在学する者で一定の要件を満たす場合には二級建築士試験及び木造建築士試験を受けることを可能としております。  第三に、建築設備士の定義について、国土交通大臣が定める機関に登録されたものであることを追加しております。  第四に、当事者による契約書の相互交付義務の対象となる契約の範囲について、建築物の面積等を問わず、建築士が設計、工事監理を行う全ての設計受託契約又は工事監理受託契約を対象としております。  第五に、設計等の業務に係る契約締結について、見積書を作成すること及び同見積書の内容等を踏まえた契約を締結することについて努力義務を課しております。  以上が、本案の趣旨であります。  何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  建築士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いいたします。    〔賛成者挙手〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十一分散会

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  1. 記録 #4067 観測 2026-08-26 11:48 JST
    改ざん検知用の値 687be3b5…14704d (未計算)

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