令和八年七月十四日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 七月十四日 辞任 補欠選任 山本 順三君 赤松 健君 木村 英子君 天畠 大輔君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 辻元 清美君 理 事 滝波 宏文君 山本佐知子君 蓮 舫君 後藤 斎君 三浦 信祐君 委 員 赤松 健君 阿達 雅志君 見坂 茂範君 酒井 庸行君 永井 学君 長谷川 岳君 山本 順三君 若井 敦子君 羽田 次郎君 吉田 忠智君 礒崎 哲史君 平戸 航太君 西田 実仁君 青島 健太君 石井めぐみ君 安藤 裕君 初鹿野裕樹君 天畠 大輔君 ながえ孝子君 平山佐知子君 国務大臣 国土交通大臣 金子 恭之君 副大臣 国土交通副大臣 佐々木 紀君 国土交通副大臣 酒井 庸行君 大臣政務官 内閣府大臣政務 官 金子 容三君 国土交通大臣政 務官 永井 学君 国土交通大臣政 務官 上田 英俊君 事務局側 常任委員会専門 員 清野 和彦君 政府参考人 内閣官房日本成 長戦略本部事務 局次長 坂本 里和君 金融庁総合政策 局審議官 新発田龍史君 総務省大臣官房 審議官 福島 秀生君 法務省大臣官房 審議官 竹林 俊憲君 国土交通省大臣 官房上下水道審 議官 石井 宏幸君 国土交通省総合 政策局長 鶴田 浩久君 国土交通省水管 理・国土保全局 長 林 正道君 国土交通省道路 局長 沓掛 敏夫君 環境省大臣官房 審議官 成田 浩司君 参考人 政策研究大学院 大学シニア・フ ェロー 家田 仁君 東京都立大学都 市環境学部特任 教授 滝沢 智君 甲南大学経済学 部教授 足立 泰美君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○下水道法等の一部を改正する法律案(閣法第三八号)(衆議院送付) ○政府参考人の出席要求に関する件 ─────────────
国土交通委員会
発言 194
○委員長(辻元清美君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 下水道法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、政策研究大学院大学シニア・フェロー家田仁さん、東京都立大学都市環境学部特任教授滝沢智さん、甲南大学経済学部教授足立泰美さんでございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、本案の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、家田参考人、滝沢参考人、足立参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず家田参考人からお願いいたします。家田参考人。
○参考人(家田仁君) おはようございます。 それでは、お話しさせていただきます。 もう法案の内容については十分レクチャー受けているところだと思いますので、その背景あるいは大局的な流れのところを私からお話ししたいと思います。 お手元に参考資料ということでスライドのコピーが入っていると思いますが、それを見ながら御説明させていただきます。 早速ですが、二枚目、一枚めくっていただきますと、道路の老朽化対策の本格的実施に関する提言というのが出ていると思うんですけれども、これが二〇一二年、あっ、一四年の、笹子トンネル事故の直後に出された社会資本整備審議会における答申でして、ここに書きましたように、最後の警告と、本格的なメンテナンスにかじを切れと。それまでいろんなものを造るということは一生懸命やってきたけど、それを上手にマネジメントするというところにどうも力が及んでいないねということからこんなような答申を出した次第です。 その後、これは道路の事故なものですから、道路の設備の点検の周期をきっちり決めるとか、あるいはいろんなインフラを束になって関わっていくという、群マネというんですけれども、地域インフラ群マネジメント戦略とかいろんなことをやってきたところではあるんですけれども、なかなか思ったとおり進んでいるとも言えないと。問題は着実に進行しているというところでございます。 一枚戻っていただきますと、昨今のいろいろな事態を列記してございます。 今申し上げた笹子トンネル天井板落下事故というのは一番下にあります二〇一二年のものでございますが、その後も、赤く塗ったような、主として災害系のもの、あるいは青く塗ったような、主としてインフラのメンテナンスに直接関わるものというふうに挙げましたが、決してその災害の方とインフラのメンテナンスが全く別物ではなくて、どっちも人災的な要素と、それから外力の力、強さというようなことが相まって起こっている時代でございます。 一番最近のところでは、二〇二五年の八潮の下水道事故があるというのは皆さんのもう御存じのとおりですし、途中、和歌山市の水管橋の落橋事故とか、あるいはずっと遡りますと、JR北海道の線路点検データの改ざん事件というようなものもあります。これが全部、インフラに対する国民の信頼を揺るがすような事態であるというふうなことでございます。 二枚めくっていただきますと、国土交通省に対して出しました、下水道に起因する大規模な道路陥没事故を踏まえた云々の第三次提言というのがございます。これについて御説明したいと思います。 今お話ししましたように、八潮の事故が起こって、それから鋭意検討されてきたわけですけれども、特に十一月、十二月、この段階で第三次提言というのが提言されております。これは、私から見るところ、これまでのインフラのマネジメントに関するかなり抜本的な方針の変更と改善、改革を目指している、そういうものなんですが、その一部の内容が今回の下水道法等の改正に反映されているということでございます。 太く書いてあるところだけ説明しますが、まず一つ目の黒ポツのところに、新設プラスメンテナンス、矢印マネジメントへの転換と書きました。これは最も根本的なところでありまして、戦後、一生懸命社会資本の整備を進めてきたわけで、例えば高速道路もゼロというところから一万二千何百キロまで来ましたわけですし、下水道にしましてもほとんどゼロというところから処理率が九十何%というところまで来たんですから、整備の効果はもちろん上がってきたと思われます。 しかしながら、どうしてもそれを上手にメンテナンスするというのは先ほど申し上げたとおり十分ではなかったと思うし、これからは、この新設とメンテナンスを両方でということではなくて、更にそれを大きく捉えてマネジメントというふうに捉えるのがいいのではないか。特に人口減少の中では、今まで造ってきたものを全部そのまま維持するということではなくて、物によっては除却も必要ですし、あるいは使用の用途を変えることも必要であるし、あるいは物によってはもっと改良していいものにする。例えば、首都高速を地下化して日本橋の上をすっきりするなんというのはこれ改良ですね。というような、広い意味でのマネジメントに突入する、それが必要じゃないかと思っております。 今回の法律改正に直結しているようなことが下の五つの道筋というものでありまして、一番、これが見える化です。二つの見える化と書きましたが、一つ目の見える化というのは、今、例えば下水道の管路が十分見るべきものを見えているのかと、見ているのかという意味での見える化です。きっちり見て初めてそれを評価して作業ができるわけですが、これはやらなきゃいけない。 もう一つの見える化というのは、専門家が見ていればそれでいいというものじゃなくて、国民や市民が、下水道なり橋なりなんなりの現状、どこが悪くてどこが困っているのか、財源的にはどこが大変なのか、それをつぶさに知ることがスタートであるべきであって、その上で理解をしていただいて前に進める、これがもう決定的に重要だと思っています。 ある調査によりますと、市町村千七百四十団体くらいありますけれども、そこにやられたアンケートがありまして、見える化というのは進んでいますか、あるいは必要と考えますかという質問に対して、約半分の自治体は必要ないと考えているというような答えが出されております。こんなのが実情ですから、この見える化というものを相当力強く推進しないといけないというのは、先生方十分お分かりのところじゃないかと思います。 二番目にありますのはめり張りでございます。今まで造ったものを全部そのまま一律に管理して一律に維持するなんてことはもうこの人口減少の中で適切ではないし、また、先生方の御家庭の中でも、いろいろ買い込んで全てそのまま置いているんだったら、それはもうごみ屋敷になっちゃうわけでありまして、要らないものは除却すると、もっといいものにするものはいいものにするというめり張りが必要です。 重点化と軽量化、その両方を両輪のようにして進めるめり張りをこの第三次提言では特に強調しております。下水道法の中でも、機能を高度化するというようなところはこの重点化という方向になりますし、管理の仕方なんかも、場所に応じてもう少し軽便化するなんというのはこの軽量化の方に該当するわけであります。 三番、もっと光を、それから四番、統合マネジメント。この辺はざっとにしますが、四番の特に統合マネジメントというのは、今回の下水道でも、道路の管理と、それから道路から占用許可をもらって種々のものを管理している占用者の管理というのがちっとも一体化していなくて、下水道がどうなっているかというのを道路管理者も知らないし、逆もまたしかりということでございます。そこのところをより統合的に進めるというのは極めて重要なことでありまして、今回の改正にも一つの柱になっているわけであります。 しばらく前になりますけれども、二〇二一年に熱海の土石流というのがありまして、あれは砂防の行政、あるいは開発許可の行政、森林行政、都市計画の行政、これがてんでんばらばらであるというふうなところに一因がありますけれども、そういう面でも統合的マネジメントということが重要ではないかということでございます。 一枚めくっていただきます。最後のページでございます。 これは、もちろん、政策、技術というようなもの、あるいは民間企業の経営力、あるいは市民に協力してもらうといったような地道な努力によって改善は進められなきゃいけないんですが、何といっても重要なのは、こういうインフラのマネジメントの問題というのはどうしても先送りにされがちな、あるいは見て見ぬふりをされがちな面があります。そういうものを推し進めるには非常に強い政治的なモメンタムが必要で、そういう意味では、今日おいでの先生方を始めとして政治家の方々には是非頑張っていただきたいというエールを勝手に送りますけれども、これで私のスピーチにさせていただきます。 どうも御清聴ありがとうございました。
○委員長(辻元清美君) ありがとうございました。 それでは次に、滝沢参考人にお願いいたします。滝沢参考人。
○参考人(滝沢智君) 私は、上下水道を専門とする研究者の立場から、日本の下水道の普及と成り立ち、現在の課題、そして今後やるべきことといった順番で御説明をさせていただきたいと思います。 日本の下水道は、古くは明治に造られた神田下水のようなものもありますが、現在我々が利用している下水道の多くは昭和三十年代以降に造られたものでございます。日本の下水道は、都市への人口集中に伴う汚水の処理、処分の問題、都市開発による雨水の排除が重要な課題となり、その対策として普及してまいりました。その結果、今日では、国民の八二%が下水道を利用して、安心、安全で快適な生活を送れるようになっております。 日本の下水道は、昭和三十年以降のおよそ三十年間で急速に普及しました。これほど短期間で下水道が普及したのは、下水道法の制定を始めとした下水道に関する制度の確立、国による財政支援、地方自治体における熱心な取組と、何より市民の理解と支援があったためだと思います。 しかし、集中して整備してきた下水道施設は、供用開始から五十年後にはほぼ同時に老朽化が進み、これが今大きな課題となっております。下水道施設の老朽化については、下水道管の腐食が最も重要な課題です。 家庭から下水道管に流入する下水の中には、食品や各種の飲料に含まれる硫酸イオンが含まれています。この硫酸イオンそのものは有害性や腐食性はありませんが、下水道管の中で下水中に含まれている有機物により腐敗が進行し酸素がなくなりますと、微生物の働きによって下水中の硫酸イオンは硫化水素に還元されます。このようにして生成した硫化水素は、気体となって、下水の中から下水道管の気相部、空気の部分に揮発し、さらに、下水道管の頂上部、上の部分に付着し、今度は空気中の酸素に酸化されて硫酸に変わります。硫酸は御存じのとおり非常に強い酸性の物質でありまして、この硫酸がアルカリ性のコンクリート構造物である下水道管と反応して下水道管の腐食が引き起こされることが知られております。 下水道管の腐食に起因する道路陥没の問題は以前から知られており、五年に一度の頻度で腐食しやすい箇所を点検することが定められております。このように、点検、修繕を繰り返すことで、下水道管の破損に起因する道路陥没の回数は記録がある平成十九年以降減少しており、令和四年のデータによりますと、道路陥没件数は全国で約二千六百件となっております。ただし、そのうちほとんどが陥没深さ五十センチ未満の比較的浅い陥没事故でございまして、深さ一メートルを超える大きな陥没は全体の二%になっております。 このように、下水道管のうち腐食しやすい箇所については今日までに少なくとも一回の点検が完了しておりますが、下水道管内は常に下水道が流れた状態にあるため、人が入って点検、調査することが難しく、さらに通常の点検機器では十分に点検ができない点検困難箇所がございます。この点検困難箇所が、今後、陥没事故等の潜在的なリスクとなっております。埼玉県八潮市におきまして発生しました下水道管の陥没事故も、このような点検困難箇所の一つでございました。 埼玉県八潮市における陥没事故が提起したもう一つの問題は、大口径の下水道管の事故による社会的な影響の大きさでございます。この事故では、周辺の住民の生活や事業者の活動に影響が出たほか、約百二十万人の人が下水道の使用自粛を余儀なくされました。これらの社会的な影響を見て、多くの国民の皆様が二度とこのような事故を起こしてはならないと感じたことと思います。 下水道施設の老朽化に加えまして、令和六年一月一日に発災いたしました能登半島地震では、下水道施設も大きな被害を受けました。特に、下水道の要となる下水処理場、ポンプ場、大口径の下水道が被害を受けると、下水道システム全体が使用不能となってしまいます。これらのことから、下水道システムの中でも急所となるような施設の耐震化も、老朽化対策と併せて極めて重要な施策でございます。 以上に述べたことから、下水道施設、特に下水道管の老朽化対策と耐震化は、国民の安心、安全な生活を守る上で最優先で取り組むべき施策でございます。その際に、下水道の機能を維持するために重要であり、かつ社会的影響も大きい大口径の下水道管のうち腐食しやすい箇所を的確に把握して、その重要度に応じて、これまでの五年に一度の点検頻度を更に上回るような頻度でしっかりとした点検をするようにすることも必要でございます。 その際に、これまで自治体ごとにばらばらであった管路の安全性を評価する基準を国が統一的に定め、それを基に安全性を評価するといったことも必要でございます。また、下水道管理者の責務として、このように点検、調査した結果を市民に公表することも重要でございます。また、点検、修繕が困難な大口径下水管については、センサーなどのDX技術を開発し、これらを用いて異常を検知するほか、必要に応じて複線化等をすることで、災害や事故に備えることも必要です。 このように、大規模な下水道管及び下水道施設の再構築は、これまで想定していなかったことであり、将来の世代に安心、安全で災害に強い下水道施設を残すために必要な施策でございます。また、下水道管路や施設に使われる資機材は時代とともに高性能で耐久性の高いものになっており、既存の下水道を再構築することによって、これからも長く安心して使える下水道に生まれ変わらせるという効果もございます。 また、下水道管路の点検、維持管理、再構築を進めるためには、下水道管理者のみならず、下水道管理者と道路管理者が密接に協力し、さらに、道路下に埋設されている各種の管路の位置や情報、状態に関する情報を共有する必要がございます。 また、中小規模の自治体で技術系の職員を確保することが困難になっているという現状を踏まえて、これまで市町村が単独で行ってきた規模が小さい下水道においては複数の自治体が一体となって運営したり、更に規模が小さい自治体に対しては都道府県が管理を代行したりすることが有効な施策となります。また、人口減少が著しい地域では、下水道を維持し続けることが困難な場合、下水道区域を廃止又は縮小して浄化槽等に切り替えることが合理的な場合もございます。 下水道は、国民を支える最も基本的で重要な社会インフラでございます。今や当たり前となった水洗トイレの使用に加えて、高度に処理した下水道を放流することで、日本の河川や湖沼、沿岸海域の水質を保全するというような役割を果たしております。また、近年多発する線状降水帯による集中豪雨に対して、都市を内水氾濫から守り、市民の生命と大切な財産を守るという役割も果たしております。 このように、重要な役割を果たしている下水道施設の老朽化や耐震化を推進することは、市町村などの地方自治体のみの責務ではなく、国が自治体と協力して取り組むべき事業ではないかと思います。国を挙げて下水道の老朽化と耐震対策を進めることで、国全体の政策目標である国土強靱化にも大きく貢献できるものと考えております。 以上、御報告申し上げます。
○委員長(辻元清美君) ありがとうございました。 次に、足立参考人にお願いいたします。足立参考人。
○参考人(足立泰美君) 本日は、参議院国土交通委員会におきまして意見を申し述べる機会を承りましたこと、本当に改めてお礼申し上げます。 私は財政を専門としておりまして、これまで上下水道を始めとする地方公営企業の経営や財政運営について研究してまいりました。本日は、その立場から下水道法等の一部を改正する法律案について意見を申し述べます。 まず、結論から申し上げます。 まず、皆さんのお手元の資料、一ページめくってください。 今回の法改正は、下水道事業を取り巻く環境変化を踏まえた重要な制度改正であり、その方向性は高く評価しております。とりわけ、施設の整備拡大を中心とした時代から、安全で持続可能な下水道サービスを将来にわたり提供する時代への転換を示した点に大きな意義があると考えております。 二ページ目めくってください。 もっとも、制度を整備をするだけでその目的が実現するわけではございません。法改正の成果を着実なものとするためには、それを担う地方公共団体の経営基盤と財政基盤を強化するとともに、実効あるガバナンスを構築することが重要です。 以下、今回の法改正の意義を確認した上で、その成果を確かなものとするために必要な財政、経営上の課題の方向性について申し上げていきたいと思います。 まず、我が国の下水道事業は、現在大きな転換点を迎えています。高度経済成長期以降に整備された施設が一斉に更新時期を迎える一方、人口減少によって使用料収入の大幅な増加は期待しにくく、地方公共団体の経営環境は厳しさを増しています。さらに、自然災害への備え、技術職員の不足にも対応しなければなりません。 その点で、今回の法改正では、管渠の診断基準の法制化、維持管理状況の公表、計画的な改築と収支の見通し、道路管理者との連携、広域的なマネジメントに加え、下水道区域の見直しや、また汚水処理方式の転換など、持続可能な事業運営に向けた制度の整備が進められています。 私は、この法改正の本質は、事後、発生後に対応する事後保全から、点検、診断と計画的な改築による予防保全への転換した点にあると考えています。また、道路管理者、地方公共団体及び民間事業者など多様な主体の連携によって、下水道サービスを支える新たなガバナンスの方向性が示されたことにも大きな意義があります。 人口減少、縮退社会におきましても法改正を着実に機能させるには、新たな維持管理やマネジメントの責務に見合う地方財政計画や地方交付税措置など、財政基盤の整備が不可欠です。制度と財政基盤が相まって初めて法改正の実効性が確保されるものと考えております。 皆様のお手元の資料、三ページ目の方行ってください。 したがいまして、地方財政の観点から申し上げれば、法改正の実効性を左右する鍵は、五つの財源を適切に組み合わせることにあります。 まず第一は、国庫補助金です。人口減少地域や財政力が弱い自治体におきましては、必要な下水道サービスを維持できるようしていく必要があります。そのためには、耐震化、浸水対策、重要施設の更新、広域連携、群マネジメント、デジタル技術の導入など、公益性、政策性の高い事業につきましては、国による重点的な支援が求められます。 第二は、使用料です。使用料は、受益者負担の原則に基づき、日常的な維持管理を支える基本財源です。将来の更新需要や経営状況を住民と共有し、中長期の財政見通しに基づく計画的な見直しが必要です。 第三は、一般会計繰入れです。雨水公費、汚水私費の原則に基づき、雨水対策など公益性の高い事業は、一般会計が適切な役割を果たす必要がございます。政策的、公益的な経費についても、一般会計と下水道事業会計との役割を明確にすることが重要です。 第四は、地方交付税です。地方交付税につきましては、人口減少地域や財政力が弱い自治体におきましても必要な下水道サービスを維持できるための地域間の財政力格差を調整する役割を担います。また、法改正に伴う新たな責務を着実に実施できるよう、地方財政計画及び地方交付税措置へ適切に反映することが重要になります。 そして最後、第五は、企業債です。更新投資の便益は将来世代にも及ぶため、企業債は世代間負担の公平を支える重要な財源です。今後は、金利のある経済を見据え、償還計画と中長期の金利動向を踏まえて戦略的に活用する必要がございます。 この五つの財源は、それぞれ異なる機能を担います。重要なのは、地域の人口動態、更新需要、財政力に応じて最適に組み合わせることです。ただし、財源の組合せだけでは十分ではございません。投資判断、料金設定、広域連携へと結び付ける経営の仕組みが必要になります。 そこで次に、法改正の実効性を支える五つの経営ガバナンスについて申し上げたいと思います。 次のページめくってください。 まず第一に、統合アセットガバナンスの確立です。今回の法改正では、下水道マネジメントの強化が柱とされています。しかし、老朽化や更新需要を把握するだけでは十分ではございません。診断結果を投資計画、財政計画に反映し、更新需要の平準化、財源配分、PPP導入を含む経営判断へと一体的につなげることが重要です。アセットマネジメントの本質は、資産を管理することではなく、限られた財源をどの資産に優先配分するかという意思決定です。すなわち、統合アセットガバナンスにあります。 第二は、財源ポートフォリオガバナンスの確立です。五つの財源は、支出の性質や地域の実情に応じて中長期に管理する必要がございます。特に企業債は、世代間負担の公平、金利動向、償還計画、将来の更新需要を一体的に捉え、将来世代に過度な負担を残さない運用が重要です。また、国庫補助金や地方交付税は、重要管路、災害リスク、公益的影響を踏まえ、重点的に配分すべきです。こうした財源構成を継続的に見直す仕組みが財源ポートフォリオのガバナンスになります。 第三は、料金ガバナンスの確立です。使用料は受益者負担に基づく基本財源である一方、その改定は、議会の議決を伴う政治的、民主的な意思決定です。必要な料金水準と受容可能な水準が乖離すれば、改定が先送りされ、更新財源の不足、事故リスク、将来負担、増税を招きます。したがって、料金改定をその都度の政治判断に委ねず、説明責任、住民理解、議会との合意形成を備えた料金ガバナンスが必要です。 第四は、広域・契約ガバナンスの確立です。人口減少、技術職員不足に対応するには、広域連携、DX、PPPの活用が不可欠です。しかし、重要なのは導入ではなく統治です。広域連携では、調整主体、更新順位、費用分担を明確にしなければなりません。中心自治体のみが調整コストを負担し、参加自治体が便益を享受する構造では、フリーライドが生じます。そのため、調整機能を制度的に評価する必要がございます。また、PPPを導入しても、最終責任は地方公共団体に残ります。広域化、官民連携が進むほど、自治体には高度な契約管理、監督能力が求められます。したがって、広域調整と契約管理を一体的に担う広域・契約ガバナンスの確立も不可欠です。 最後、第五に、政府間ガバナンスの確立です。今回の法改正の実効性を高めるには、国、都道府県、市町村の役割、権限、財源を整合的に設計することが重要です。国は、制度設計、政策誘導及び財政面での支援を、都道府県は、流域下水道の管理に加え、広域連携の調整、技術支援及び人材育成を、市町村は、施設管理、経営判断及び住民サービスの提供になります。各政府がそれぞれの役割と責任を果たしながら相互に連携する仕組みを政府間ガバナンスとして確立することが重要です。 以上の五つの経営ガバナンスは相互に関連しており、資産、財源、料金、広域、官民連携及び政府間の役割分担を一体的に運営して初めて法改正の実効性が確保されるものと考えます。 最後のページになります。 今回の法改正は、予防保全の転換と持続可能な下水道サービスの実現に向けて重要な第一歩であり、その方向性を高く評価しております。その成果を確かなものにするには、診断結果を更新投資と財政運営へ確実に結び付けることが不可欠です。その基盤となるのが、五つの財源による財源ポートフォリオと、それを支える五つの経営ガバナンスです。今回の法改正を契機として、制度、財政、経営が一体となった持続可能な下水道経営の基盤が構築されることを期待しております。 以上で私の意見とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
○委員長(辻元清美君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本佐知子君 どうもありがとうございます。自民党の山本佐知子と申します。 先日、我々参議院の国交委員会は、辻元委員長御提案の下、理事を中心に埼玉県八潮市の下水道陥没事故の現場に参りました。そして、埼玉県、また八潮市から、事故の原因、下水道行政の課題などを伺いました。大変な事故であって、そして、犠牲になられた方には改めてお悔やみを申し上げます。 県と市からは、点検の在り方、そして技術開発の必要性、そして複線化、事故対応から災害対応に移行したことに伴う各適用法へのスムーズなアプローチ、ロボティクス措置への円滑な移行などが指摘をされました。 今回の法律改正も、下水道事業というのは最も重要な生活インフラの一つでありまして、その事業の充実に更に寄与することを望んでおります。 まず、家田参考人に伺います。 今、メンテナンスにおいてめり張りと見える化の視点が重要と、そしてマネジメントの重要性について御説明をいただきました。 今、国は、今、他のお二人の先生方も、参考人の皆様も言及されておりましたけれども、国は、広域連携、そして上下水道一体化を推進をしています。コスト削減、人材不足克服のためには正しい方策であると思いますけれども、これは基礎自治体任せではなかなか進まないのが現状です。 具体的に言えば、細かいところだと、管の径が異なっていたり計算式が異なっていたりなど多くのハードルがありまして、なかなか、特に小さい自治体同士で本当は連携をすれば、水道事業者もすごく少なくなっている中で大変効率がいいとは思うんですけれども、現実はなかなか難しいというのはやっぱり現場ではたくさん伺います。 今回の法改正でも、県が、都道府県が広域連携推進計画を策定する制度を創設をいたします。広域連携を進めるために、都道府県がどのような役割を、具体的に、あるいはもっとプッシュするべきところをする、どういうような役割を期待されているのか、家田参考人に伺いたいと思います。
○参考人(家田仁君) 御質問ありがとうございます。 県の下に多数の基礎自治体がありますので、今日の下水道直結の話とも限らないんですが、様々な細かな自治体が多数の橋を持っていたりするんですが、もう人手もないし技術的にも難しいので、束ねるということが決定的に重要と。その際に、隣近所の自治体が一緒になるということは一つの方法なんですが、なかなか誰が旗振るのというのは難しいところがありますよね。そうすると、より広域の行政単位である県、都道府県が一つの推進母体になるということはリーズナブルな話だと思います。 ただ一方で、今回の八潮の事故でよく分かったように、じゃ、都道府県ならば何でもできるのかといったらそんなことは全然ないわけで、例えば技術的な基準、あるいはめり張りをするにしても、どういうものは除却するかというようなある種のスタンダード、こういうようなものをガイドライン的に作るのはやっぱり国のリーダーシップ取るべきところでもあります。そういうことで、地方自治体の中でも都道府県には大いに期待するところですが、それだけに頼っているということではないと思います。 最後にもう一言申し上げますと、何といっても、例えば下水道の場合ですと、もちろん自分ちにトイレはありますけど、そこから先どうなっているかというのは想像もしたことないのが国民のほとんど、私もそうですね。下水道がどこの道路を通って最終的にどこの処理場に行くかなんて、誰も気が付きもしない。我が事化しないとできない。 したがって、行政だけに任せるんじゃなくて、国民自らが自分のことと考えてくれるような体制を十分取る、そのためには見える化を徹底的にやる。そういう国民の声あるいは市民の声を背中に押してもらって、それで行政が頑張るということがより重要じゃないかと思っているところでございます。 以上でございます。
○山本佐知子君 ありがとうございます。 最後はその市民に対する見える化というところも実は本当に御質問しようかと思っていたんですけれども、よく分かりました。先生の御説明、ありがとうございます。 次に、滝沢参考人に伺いたいと思います。 先ほど様々な視点から多くの論点を御提示をいただきまして、ありがとうございます。事前資料にも、先生、点検の重要性、検査の重要性が書かれている資料がございました。予測精度の高いモデルを使って管路を更新することで漏水事故件数が大きく減少するという御指摘もありました。つまり、科学的なエビデンスに基づくやはり検査、そして点検の重要性のことをおっしゃっているんだと思います。 この技術開発がやはり求められるところなんですけれども、この技術開発、どんどん進歩をしていく中で、どんどん取り入れていけばいいと思うんですが、ここと、やっぱり国も含めての現場の認識、あるいは法律の何かハードル、障害、そういったところの乖離がもしあるとすればどのような点なのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(滝沢智君) 腐食のメカニズムは、先ほど御説明したとおり、もう分かっております。何が問題かというと、下水道管は非常に複雑に地下を錯綜しておりまして、その錯綜している中を点検して回るということが一番困難だということでございます。 中には、地下に潜ったり、また上がったりといった地域が、下水道管がございまして、この潜っているとか上がっているところ全てを点検をするということは、現在持っているような技術でもなかなかうまく点検が、十分な点検ができないということでございます。最近、あるDXのようなものを活用した点検のロボットの開発が進みつつございますけれども、まだまだ十分そういった困難な箇所がしっかりと点検できるところには至っておりません。 技術開発の問題としては、日本の下水道は地方自治体がやっておりますけれども、地方自治体そのものが技術開発を行うことは極めて難しい状況がございます。これにつきましては、是非とも国が、下水道、日本の下水道全体で使えるように、しっかりとした技術開発に資金、財政的な資金、技術的な援助も投入して国全体として技術開発をし、それを地方自治体の下水道担当部局が積極的に活用していくということが望ましいのではないかというふうに考えております。
○山本佐知子君 どうもありがとうございます。 最後に、足立参考人、お願いいたします。 今、下水道事業の財政経営基盤の強化についてお話がありました。その中の官民連携、少し取り上げたいと思います。 この官民連携ですね、もし一層、今これをプッシュしているわけなんですけれども、これがますます広く社会で広がり、一層促された場合、大規模下水道の更新や今回のような事故が発生した場合の費用負担について、やはり円滑な資金投入の決断ができるのかという懸念があるんだと思います。事前資料には、むしろ官民連携の方が柔軟な資金調達ができるのではないかという箇所もあったかと思いますが、その辺について足立参考人のお考えをいただきます。
○参考人(足立泰美君) 今、官民連携ということで、いわゆる官民連携につきましては、民間の参入障壁と市場形成との方向性、これが問題になります。 まず、なぜ下水道PPPがなかなか進まないのか、それには幾つか理由があります。例えば事業規模、例えば需要の減少、使用料の改定をしなくちゃいけない、更新需要の不確実性、長期契約自体も見えてこない。さらに、法的責任と、並びに権限、これも曖昧な状況がございます。加えまして、財源構造が複雑であり、データですね、データ自体がもう非標準化しています、標準化されておりません。に加えて、自治体の契約、管理能力をどう進めていくのか。さらに、市場競争が不足している点です。今お伝えしたキーワードがまずございます。 そういった中で、例えばですね、例えば事業規模、こちら下水道につきましては小規模自治体が多くございます。そうなりますと、契約額や対象施設が限定されてきます。そうなった場合に、固定費が回収できず、採算性が確保しにくい、つまり、ここには単体の自治体ごとの発注では市場規模が形成されにくいんですね。そこには、複数自治体の広域化、先ほどの広域連携の話が重要になってきます。加えて、施設業務のハンドリングですね、どう共同発注していくのか、こういったような多大な問題がございます。この辺りをまず論点にしながら問題の方を解決していく必要があるかと思います。 以上になります。
○山本佐知子君 ありがとうございます。
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。 三人の参考人の先生方、貴重な御意見ありがとうございました。 まず、家田参考人にお伺いしたいんですが、今、全国の下水道管路の総延長が大体約五十万キロメートルある。そのうち、耐用年数五十年を経過した管路の延長は今約四万キロ、これが十七年後には二十一万キロで、今全体の七%の耐用年数超えの管路が十七年後には全体の四二%、急速に老朽化が進むんですね。 維持管理、保守点検だけでも大変大きな課題なんですが、八潮の事故を受けて国交省が行った調査では、一年以内、五年以内の緊急で対策が必要な管路が優先実施箇所の四一%に当たる三百十二キロ、これはやっぱり相当な距離だと思うんですが、先ほど実態の見える化が必要というお話で、ただ、自治体の半分がその必要ないという衝撃のアンケートだったんですけれども、こうした認識とかの中で、自治体の余力でこの優先的点検というのは現実的なんでしょうか。
○参考人(家田仁君) むしろ、蓮舫先生がおっしゃるのでいうと、重点化しない限り現実的にできないと、むしろそっちですね。逆かもしれません。 というのは、八潮の事故が起こった後に、とにかく五十万キロ、約四十九万キロですが、どうなっているのかというのをもう一回ちゃんと調べようってなったんですよね。だけど、五年に一回四十九万キロを測定している、しかも、先ほど滝沢先生がおっしゃったように、全部が調べ切れているわけでもない。そうなってくると、本当に心配なところ、つまり、年数がたっていて、径が大きくて壊れたら大変なことになる、しかも前回の調べでは何だかよく分からないというような、言わば心配なところを約千キロを選んで、それだけ緊急に夏までに調べようよってやったんですよね。ここでももう既にめり張りを利かせております。 そういう中で、ある種の覚悟が必要だったんですが、結果的には、そうやってめり張りを利かせていかない限り、そしてまた人口が減っていく中では、今まで管路を広げるというところばっかりに一生懸命やってきたところを、場所によっては浄化槽に切り替えてもいいんじゃないかというような、姿形を変えていくと、あるいは要らないものは捨てていくというようなことも込みにしてやっていく。そしてまた、仮に維持するものにしても、大事なものは予防保全的なものを徹底的にやるし、五年に一回なんて言わないでモニタリングぐらいやったっていいんですが、そうでもない。径が非常に小さいところでは、仮に壊れたとしても影響は非常に小さいので事後的に直したっていい。つまり、予防保全、一張羅でできもしないようなことを言っているよりは、現実的にやるべきことをやれるようにやるということだと思います。 ただ、それにしても、国民の意識を変えていかない限りにはそれすらできないと。ということで、先ほどのアンケートの結果を言いますと、まずは自治体の意識も変えていかなきゃいけないというところで、まだまだ道は遠いなというところでございます。 以上です。
○蓮舫君 ありがとうございました。 続いて、滝沢参考人にお伺いいたします。 まさに、点検、調査、今、家田参考人からありました選択と集中で優先的に見ていく。ただ、点検と調査、一番難しいのは、やっぱり技術系職員の確保だと思っているんですね。その件にも触れられておられましたけれども。 今回の下水道法改正案では、下水道業者間の広域連携、この推進を図って、スケールメリットによって経営の効率化、広域化による技術系職員の充実を図るとしているんですが、これは現実的でしょうか。
○参考人(滝沢智君) 下水道事業は、東京都のような非常に大きなところから地方自治体の小さなところまでございますが、下水道の仕組みそのものはほとんど変わりがありません、規模はとても違いますけれども。小さなところでも、東京都がやっているような同じようなことをその自治体の中でやらなければいけないということがございます。そうしますと、どうしても、技術系の職員の確保よりも、もっと事務的な手続、使用料の算定や改修の問題、いろいろなところに職員を充てざるを得ず、どうしても技術系の職員を確保することが自治体の全体の職員定数の中で難しくなっているということがございます。 これに関しては、自治体の、あるいは下水道事業の規模を大きくすることで、ある程度は、役割分担を踏まえて、技術系の職員は確保できる余地は高まるのではないかというふうにも思います。また、中には、流域下水道といいまして、主に都道府県がやっておりますけれども、こういったところには技術系の職員さんも多くいます。県と県下の自治体が協力することによって、技術系職員の知識、経験を小さな市町村にも活用することができるという可能性は高いのではないかと思います。
○蓮舫君 ありがとうございました。 続いてもう一つお伺いしたいんですが、特に中小企業事業者、ただでさえ今人手不足、そこに個別に人材育成を行う余力もない。実際に現場では、元請、下請、孫請、業務の再委託もこういう多層構造になっていて、なかなかその人材確保のみならずスキルアップも難しいという現状の中で今回の点検頻度強化を打ち出して、これは当然必要なんですけれども、それが結果として、現場に負担、それが併せて事故リスクにつながるものを物すごく懸念しているんですね。その部分はいかがでしょうか。
○参考人(滝沢智君) 点検頻度を強化する対象としては、主に大口径の下水道管となります。この大口径の下水道管は、先ほど申し上げた流域下水道を始め、大都市がお持ちの下水道管が中心となります。 中小規模の下水道においては、規模が小さいということもございまして、それほど大きな口径の下水道管はないという点もございます。ただし、点検をしなくていいということではもちろんございませんので、御指摘いただいたとおり、点検に必要な人員の確保、技術の確保ということはこれから必要になってまいります。それにつきましては、先ほど言ったような広域化、県との連携とともに、やはり技術開発を国が中心となって推し進めて、研修を長い期間受けなければ使えないような技術ではなくて、現場の方でも容易に使えるような点検技術、ロボットも含めてですね、開発をして、こういったものが使われるようにならなければいけないと思います。 下水道界におきましては、こういった点検、調査、修繕が主流となっていくということを全国に知らしめて、話をしてですね、民間事業者の方も、こういった技術開発をすることで、将来的にはそこで自分たちが様々な業務を受注するチャンスがあるというふうに考えていただくように転換していくことが必要だというふうに考えております。
○蓮舫君 ありがとうございます。 まさに御指摘のように、ドローンであるとかロボットであるとか、最先端のDX技術を活用した点検技術というのを国が開発して地方自治体と共有をしていく、この必要性は全く同感でございます。 足立先生にお伺いしたいんですが、今、全国の下水道事業のおよそ四分の三が使用料で汚水処理費用を回収できない、いわゆる原価割れの状況にあります。この法改正をもって国から予算対応されるという説明を私どもも受けているんですが、その予算が、今現在、既に積載している赤字補填に補充をされたり、あるいは人口減少のさなかでは、小さい規模の自治体ほど更なる使用料の値上げにつながるんではないかという懸念は、これなかなか拭えないんですね。 先生は、先ほど財源ポートフォリオの提言をいただきました。理想だと思っております。ただ、小さい自治体規模ほどこのポートフォリオを導入するというのはなかなか現実的には厳しいように思えるんですが、そこはいかがお考えでしょうか。
○参考人(足立泰美君) まず、論点ですね、今の論点、二つあるかと思います。 実際に、老朽化に伴う更新需要の増加もございます。それに加えて、更新費用をどのようなルールと手続で基づいて使用料に反映するのか、この点も実は実際に決まっておりません。実際には各地方公共団体であります事業団に委ねている状況がございます。その点を考えましたら、持続可能な料金制度、これはどう構築するのかという実は抜本的なところもございます。 そういった中で、今回ですね、今回の法改正でいいところ、よしとするところにつきましては、改築費を含む収支見通しの作成、公表、これがもう求められているんですね。つまり、将来の更新需要と財源不足を明らかにまず可視化してくださいと。その上で、料金決定の必要性を議会と住民に説明するための客観的な基礎資料、これもう準備してくださいというのが今回法改正で明らかになっております。このようなことがあって初めて中長期な経営の視点というのが出てきます。 先生のおっしゃる二点については、まず前提が今回の法改正であるというのをまず御認識していただきたいなと思います。 その上で、下水道使用料につきましては、地方自治法及び地方公営企業法の枠組みで条例で定められるため、使用料の決定は単なる経営判断ではないんですね。その条例改正を伴うこの意思決定も一つ問題になります。ですので、市長の政策判断、議会の議決、住民の理解、この三要素、この三要素を経て初めて決定されるという、まずプロセスですね、これがまず妥当なのかどうか、これを見ていただきたいと思います。 その上で、現実です、現実ですね、既に経営上必要な料金水準と、政治的です、政治的に需要の可能な水準、乖離しているんですね。先ほど蓮舫先生おっしゃっていただきました、住民が負担できないから、そもそも料金水準が必要とされる水準との乖離がずっと続いております。 その中で、さらに、人口減少地域で使用料が減少しますと、一人当たりの負担が増加しますと、使用料だけでは事業の持続可能性がもうできません、そういったような話が来ております。となりますと、この後何をすればいいのかというのが今回の内容かと思います。 使用料決定のその料金改定には、まず中長期的なルールをきちんと定めていただきたい。その際には、具体的ですよ、具体的には、長期更新計画と収支見通しを毎回議会に報告すること、毎年ですね。もう三年に一回とか五年に一回とか、下手したら料金というのはもう二十年以上変更されていないところがたくさんございます。それをまず避けていただきたい。二つ目、支出削減です。支出削減をまずしていただく。その上で、更新投資の優先順位。これを全てやった上でやむを得ず料金改定するんですという、その辺りの議論をもう定期的にやっていただく。 その上で、先ほどお伝えしました企業債の役割があります。国庫補助、一般会計繰入れ、使用料、もう既に役割分担が決まっているんですね。その役割分担を明確にした上で初めて資産維持です。また、料金につきましては、更新需要がございますので、資産維持を含めた上で原価を整理していただく。この辺りのルールづくりですね。 住民に対しては、値上げではなくて、安全で持続可能な下水道サービスを、将来、我々の息子、娘、また孫たちに負担していただくというためにどうしても必要なんですと。そういうプロセスが、実は今回、法改正でやっと一歩踏み込んだのかなという状況がございます。 以上になります。
○蓮舫君 ありがとうございました。
○平戸航太君 国民民主党・新緑風会の平戸航太です。 参考人の皆様、御意見いただきましてありがとうございます。 まず、家田参考人にお聞きしたいと思います。 先ほどの説明の中でも、インフラの見える化、そして重点箇所を明確にしためり張りのあるマネジメントの重要性について御説明をいただきました。 一方で、現場で深刻化しているのが、市町村レベルにおける技術者の不足であります。特に、土木、インフラ分野では、地盤条件や施工の履歴、過去の災害対策、対応など、その土地固有の情報を踏まえた現場代理人を始めとする生きた知見が不可欠になるかと考えております。これが失われれば、点検、更新の高度化そのものが成立しないと考えております。こうした中で、小規模自治体が限られた人員の中でも生きた知見、現場の知見をいかに継承し必要な人材を確保していくのかは喫緊の課題であると考えております。 家田参考人が提唱される地域インフラ群再生戦略マネジメントは、地域のインフラ面を面的、群として捉え、広域的な知見共有や人材育成を可能にする枠組みと理解しておりますが、具体的にどのような仕組みが有効と考えられるのか、御見解を伺います。
○参考人(家田仁君) 御質問ありがとうございます。 今、先生に言及していただきましたのは、いわゆる群マネと称する地域インフラ群マネジメントという概念なんですけれども、基本的には小さい主体でやっている限りは駄目だねと、まあそれに尽きるんですね。束になって掛かろうということなんですね。 この群マネというのの検討を始めたのはもう数年以上前になるので、国土交通省一生懸命やっていただいて全国で十幾つくらいのところでトライアルをしているところなんですが、スタートしているのが官の群マネというところなんです。つまり、発注する側の官庁、具体的には市町村なんかが隣近所あるいは県なんかと一緒になって、一つでやっているのを三つ四つまとめてやれば、発注の回数も減るし人員の交流もできていいんじゃないかと、こういうことでやっているんですが、それだけでうまくいくわけではないですね。 あと二つ、群マネというのを用意しているんですけれども、二つ目が民の群マネでございます。民間、受注側の群マネですね。 地域の建設業というのはすごい数がありまして、四十八万社もあるんですけれども、一個一個は非常に零細な企業で、社長の私が辞めるともう終わりかねみたいなことを言っているようなところであります。ただ、こういう企業が、地域の災害のときの復旧とかあるいは除雪とか、極めて重要な役割担ってくれていることも確かですので、こういう人たちが安心して仕事の継続できるようにすることは極めて重要なんですが、だけど、一方でDX化を進めるとかあるいは新しい機器を入れるとかとなると、企業の体力が、こんなに小さいところがたくさんいるんじゃ難しいですよね。したがって、何らかの格好でやっぱり民間側も束になっていただく、地域の中で束になっていただいて、ジョイントベンチャーでも結構ですし、何らかやっていくと、これが二つ目の群マネ。 三つ目は人の群マネと称しているんですが、何も契約であるとか産業であるとかというレベルだけじゃなくて、直接は関係ないんだけれども、志を持っているような技術者が個々の自治体の枠を超えてつなぎ合うと。それが、今、一般社団法人行政エンジニア支援機構、通称そらゑというボランティアみたいな組織がありまして、そこで会員が百人だか二百人だか入って意見交換しているそうです。それによって、こっちのノウハウがあっちに伝わるとか、こっちの文句があっちにも共有できるとか、そういうことも進められつつあるところです。 そういったようなつながりを持つことによって、例えば五人しか自治体職員がいないところでは、一人の新しい新入社員を研修のためにどこかに出すといったって無理ですよね。でも、仮に五個、十個の自治体がそういう共同活動をやるようになれば、そうすれば人材育成だってはるかに楽になるわけですね。そんなことを狙っているんですが、これも先ほど申し上げたように政治的なモメンタムが強くないとなかなか進みませんので、是非御支援をいただきたいと思っているところでございます。 以上です。
○平戸航太君 ありがとうございました。 群マネ、官、民、人という観点から、知見共有、人材育成というところで非常に効果があるものと今再認識して聞きましたので、しっかり進めていきたいと思います。ありがとうございます。 続きまして、滝沢参考人にお聞きしたいと思います。 人口減少の進行、維持管理費の増大、さらには災害時のレジリエンス確保を踏まえると、従来の集中型から分散型、浄化槽等への分散型へと段階的に移行していくことは国として検討すべき課題かと考えております。 滝沢参考人も論文等で個別処理の在り方に対して言及されておりますが、実際に下水道区域を縮小、廃止し、浄化槽等へ転換する際には、技術的なハードルに加えて、地域住民の理解と合意形成が極めて大きな鍵になると考えております。特に、維持管理責任の所在や費用負担の変化、既存管路の撤去、残債処理など、地域に具体的な影響が生じる点については丁寧な説明と選択肢の提示が不可欠かと考えております。 こうした課題を乗り越え、分散型への移行を現実的に進めるためには、技術面、制度面の双方で最も重視すべき要素は何か、御見解をお伺いいたします。
○参考人(滝沢智君) 分散型に関しましては、我が国では既に浄化槽が広く使われて、普及しております。そうした意味では、分散型の処理技術そのものは、これまでの浄化槽を使ってきた経験も踏まえて、相当程度、確立済みというものだと思います。 より問題となるのは、これまで下水道区域として下水道計画に入っていた地域を改めてそこから外すというようなことになりますと、当然、その地域、地区にお住まいの方々の、将来はここで下水道が使われるようになるんだという予定でおうちを建てられたりお住まいになっていらっしゃる方々が影響を受けるというようなことがありまして、そういった方々が、今後、分散化を進めていく中で、いろいろな地域で対象となる方がいらっしゃるだろうと思います。 そういった方々には十分な御説明をするのは当然ではございますけれども、その下水道区域から外した地区にお住まいの方々、不利にならないような制度、仕組みというのをしっかりと考えて、その上で、御説明、御理解をいただくということが必要でございまして、当然のことですけど、一方的に区域から外すということはしてはいけないことだろうと思います。あくまでも、住民の皆様と御相談をした上で、将来的な費用分担の在り方に関しても、国、地方自治体、それからお住まいの皆様との間で合意が成り立つような仕組みというのをこれからつくっていく必要があるだろうと思います。
○平戸航太君 説明のみならず、その地域にお住まいの方が不利にならない制度を設計するということが大切だと認識しました。ありがとうございます。 最後に、足立参考人にお聞きしたいと思います。 資料の中でも、財政ということで五つの財源ポートフォリオがございました。この五つの財源、最適な在り方を構築すべきかと考えておりますが、この点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(足立泰美君) 御質問ありがとうございます。 今、実際に、老朽化対策を進めるための財源、この論点につきましては、国、地方公共団体、使用者の間でどのように分担するのか、これが一つ論点なのかなと思って、今の御質問聞いております。 重複することが多々ありますけれども、今回、明らかに、法改正につきましては、維持管理、改築の必要性を制度上明確化しました上で、安全性を最優先する下水道経営の転換を示してきております。この点が、まず本当に評価できる点になります。 そうなった場合に、老朽化対策、かなり巨額な投資が入ってくるのが皆さんも御推察されるかと思います。しかし、国庫補助だけでは財源は確保できません。使用料だけでは住民負担が過重になります。企業債だけでは将来世代への負担が過大になります。一般会計繰入れになりますと、今度は自治体財政を圧迫させてしまいます。ですので、それぞれだけでやってしまいますと、単一の財源でやってしまいますと、やはりそこには何らかの負担が過度になってくるという状況ございます。その中で、人口減少地域では料金収入が減少して、もう小規模自治体では財政力限界なんですという、こういったような地域が実情がございます。 ですので、先ほどの最適というのは、あくまでも国庫補助を増やすか使用料を上げるかという二者択一ではなくて、重要なのはあくまでも、この国庫補助、企業債、使用料、一般会計繰入れ、交付税措置、もう役割決まっておりますので、そこの最適性。具体的には、国庫補助はもういわゆる公共性、外部性を支える財源じゃないですか。自治体に政策誘導に、それに合う規模の大きいお金が入ります。企業債はいわゆる世代間負担ですよね。今の世代の料金だけではやはり難しいであろう、だから未来の子たちにお金を借りるんですという、そういったような負担になります。使用料に加えまして一般会計繰入れは、政策目的ですよね。政策目的を支える財源になります。そこに、交付税措置は地域間格差を調整する状況です。 ですので、この辺り、もう目的決まっておりますので、じゃ、その点において実際に先生方が何をしたいかですよね。どういう政策にてこ入れしたいのか、それ次第で大分変わると思うんですね。例えば国庫補助は、一律配分ではなくて、例えば重要管路や耐震化、防災、減災、広域的影響が大きいこういったことに重点的にやりたいんですというのであれば、まさに国庫補助じゃないですか。また、企業債や交付税措置、使用料等につきましては全く違う役割分担がございます。 ですので、どういう政策をしたいのか、そしてその政策によってどこまでが過度に負担を、まあ上限ですね、この上限以上はやはり難しいんじゃないかというこの点を見極めた上でやっていく、これがもう最適という言葉で置き換えられてくると思います。 以上になります。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。 三人の参考人の先生方には、大変貴重なお話をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。 最初に、家田参考人、そして滝沢参考人に、技術的な観点から質問させていただきたいと思います。 八潮の事故では、陥没をするという大変痛ましい事態を招いてしまいましたけれども、私の認識では、コンクリートが年間にそんなに、一センチも二センチも削れるようなことというのは余りないという認識がありました。もちろん、硫化水素の効果というのが相当大きかったんだというふうに思いますけれども、前回の点検、見れなかったということを現場で教えていただきましたけれども、正確に見れなかったということも踏まえても、三年間で底が抜けてしまって土砂が流入するという事態というのは、決して安易に考えてはいけないというふうに思います。 そういう点から見ますと、そもそも耐用年度という考え方がこれまでの延長線上にあってはいいのか、また、設計した当時に比べると安全係数というのも変わってきているというふうに思います。加えて、場合によっては水の取り方が変わってきて、地下水の下からの圧も変わってきているという大きな変化がある中で、そもそもこの期間固定で点検をするというだけで本当に今後安全性を確保できるのか、また、この知見をどうやって生かすかという視点についてお答えをいただければというふうに思います。
○参考人(家田仁君) 先に私からお話しして、よりシャープなところは滝沢先生にお願いしたいと思いますけれども。 今回の八潮については、周りにざっと四十センチの厚さのコンクリートがあるわけですね。そこの中には鉄骨も入っていると。それが、これまでの研究結果をいろいろ伺うと、幾ら減ったって年に七ミリとか一センチですよと。それで、このトンネルは四十年前にできたんですよ。とすると、四十年掛かって年間に一センチずつ進んだとすると、ちょうどこのくらいになるねということでありまして、残念ながら三年前の結果では分からなかったかもしれないけれども、決してこの三年間で進んだんではなくて、四十年間に異常が進んだことをチェックできなかったことの方の問題であると。したがって、これはコンクリートに罪があるんではなくて、あるいは構造に罪があるんではなくて、マネジメントに罪があるというふうに言わざるを得ないと思っております。 一方で、大体の構造物は、例えば耐用年数五十年とか三十年とか言いますけど、これは会計処理上の問題であって、決してそれだけで壊れるわけではありません。したがって、適切な点検、チェック、モニタリング、必要な修繕をやれば、八十年でも九十年でも使っている橋は幾らでもあるわけですね。 一方で、もう一つ重要なことは、点検しやすいような、修繕しやすいような構造になっていたかというと、下水道については決してそんなことがないと。例えば鉄道線路ですと、点検と修繕を前提にして構造設計されていますので、何とかかんとかこの百年の歴史の中ではうまくやれたんですが、下水道はこの五、六十年間で一生懸命造ってきたから、そういうようなところまで、率直に言って知恵が及ばなかった面があります。そういうのを良くすることを、メンテナビリティーを上げると。つまり、メインテインしやすいような構造に設計しなきゃいけないと、例えば通路を造るとかですね。「レ・ミゼラブル」の中でジャン・バルジャンが下水道を歩きますけど、あれは通路があるんですよね。今回のは通路ありませんから、是非そういったような意味で、複線化なり、あるいは代替通路なり、あるいは分散化なり、メンテナビリティー強化するためでの、何というんですかね、改良なんてことは是非これからやらなきゃいけないことだと思っております。 以上です。
○参考人(滝沢智君) 平均耐用年数という考え方でございますけれども、これまで我々、平均耐用年数といった考え方をしばしば使ってまいりました。これは、下水道計画あるいは更新計画の中で、将来的に十年、二十年間にどれだけの下水道管を更新すべきかということを計画するときには、平均的な耐用年数と更新に掛かる費用を掛け合わせれば全体的な費用としては計算ができますので、更新計画の時点では適切なものだったかもしれません。しかし、今問題になっているのは、平均値ではなくて、平均よりもずっと早く、ずっと短い期間で腐食してしまう下水管があるという事実でございます。維持管理、それから点検、更新については、あくまでも平均ではなくて、平均よりも早く腐食が進んでしまう下水道管をいかにしっかりと見付けて保守点検あるいは更新をするかというところが問題でございます。 これにつきましては、これまでの技術、いろいろ開発してきたところではございますけれども、まだまだ十分ではなく、これから点検困難箇所と言われるところでもしっかりと点検できるような技術を開発していく必要があると考えております。
○三浦信祐君 まさに、点検の質と技術を上げる、またそれの予見性を共有するということが重要だということを教えていただきました。 その上で、今日お話をいただいた観点から見ますと、足立参考人と家田参考人にお伺いしたいんですが、下水道だけのインフラとしてのメンテナンスだけでは、この経営のガバナンスも含めた統合アセットガバナンスを利かせるというのはなかなか難しいんじゃないかなというふうに思います。すなわち、インフラは下水だけじゃなくて、よく道路で水が噴いたという、上水道も壊れる、また八潮の現場では、竣工図が基本的にはこれから義務化をされますけど、いろんな地中には線が入っていると。そうすると、道路の管理者との関係性から見たときに、またインフラ全体感の目線で見れば、単に下水道だけじゃなくて、トータルマネジメントを図った上で、その一環として、財源は違ったとしても、インフラに対するメンテナンスを図っていくことが重要だというふうに思います。 財政の視点とか、また制度の問題は多々あると思いますけれども、そこにあるのは多くの国民の皆様の生活だという視点で参考人から御意見を頂戴できればと思います。
○参考人(家田仁君) じゃ、私から。 ごもっともだと思います。典型的な話ですけれども、市町村なり都道府県に行きますと、下水道を扱っている部局と隣に道路を扱っている部局があるんですが、例えば下水道ですと悪い方から一、二、三、四になっている、道路の方はいい方から一、二、三、四になっている。隣同士で何か話が合わないなんていうことは、やっぱり縦割りになり過ぎているからその矛盾を感じないんですよね。 でも、基本的には、地面の中あるいは地面の上にあるインフラをどういうふうにマネジメントしていくかという根本思想がそんな変わるわけじゃなくて、これからは人口減少ですからね、細かく分けて広げていくというよりは、なるべくインテグレートして一緒に物考えましょうよというのを基本に置いていかなきゃもう絶対にできないというふうに考えております。 先ほど、法律の中で出てくる道路と、それから道路の占用者との連携なんてのはその糸口にすぎないのであって、もっともっとインテグレートする、その方向にインフラマネジメントの基本思想を構築していく、そこまでいく必要があるんじゃないかと思っております。 以上です。
○参考人(足立泰美君) 今、じゃ、私は、それに加えまして、財政の視点でお話を補足していきたいと思います。 今回の法改正では、道路管理者との連携に加えて、広域連携、PPP、維持管理の強化及び収支見通しの作成など、下水道施設の持続可能性を高めるための制度が導入されました。しかし、これら個別の制度として運用するだけでは十分なのかというのを皆さんには是非とも考えていただきたいなと思います。経営の全体を統合する仕組みまで発展させていただきたいという思いもございます。 といいますのも、今回、法改正では、点検、診断、計画的改築、また見通しの公表や道路管理者との連携、広域連携を制度化していますけれども、従来の事後対応型から、あくまでも経営、維持管理型の転換、これが重要になります。となりますと、道路管理者、実際の道路管理者の点検というのは路面や、また路面下の空洞などを把握しますけれども、下水道管理者は管路や施設を点検します。そこに広域組織であります、点検計画並びに対象区域の調整を行うのが広域になります。もし仮に、そこの調整に加えてPPPの事業者も入れていくとなると、契約範囲内ですね、契約範囲内で実施、報告をしていく。そこには、一体運用の課題としては、データの使用、頻度、共有範囲の統一、これが点検だけでもです、点検だけでも出てきます。そこに診断や更新順位、事業実施、財源、データ、住民説明や災害対応、モニタリングを、道路管理者は道路管理者、下水道管理者は下水道管理者でやってきました。そこをまず整理していただきたい。 その上で、広域化、PPPの事業所を入れるのに、一体、運用上の課題は何なのか、ここの整理がまず必要になるかと思います。そこには、実際にですね、実際に財政の視点で考えた場合に、この道路のPPPと下水道のPPPというのは、実は基本法則も違いますし、会計、経営又は財源構成や資金調達も異なっております。そこに、料金ですね、料金も、道路のPPPというのは一般道路で限定しておりまして、案件によっては料金収入がありますけれども、下水道は使用量を条例で定めて料金改定をしているじゃないですか。この辺りの仕組みをまず整理しませんと、実際に連携連携といいましても、すぐにいくわけではございません。 こういったことを考えた場合に、財政自体がまず整理していく必要があるんじゃないか。それでなければ、広域化、民間ノウハウの活用というのは、実は妨げになる可能性がございます。そういった意味では、下水道のPPPは、使用料、企業債、国庫補助、公営企業会計という視点でお話しさせていただきましたけれども、道路は一般会計の視点でまた別の問題の議論に入っていきます。そこを統合するためにどうすればいいのか、これがまず重要な論点になろうと思います。 以上になります。
○三浦信祐君 ありがとうございました。
○石井めぐみ君 日本維新の会の石井めぐみです。 まず、予防保全への転換について家田先生にお伺いいたします。 私は、今回の法改正は、下水道行政、事後保全から予防保全へ転換する大きな一歩となると期待しております。これまで、下水道などのインフラは、国民がふだんその存在を意識することなく、安心して暮らしを支えております。だからこそ、その価値は見えにくく、予防保全への理解や投資も後回しになりがちです。こうした状況だからこそ、制度を整えるのではなく、事故を未然に防ぐという予防保全の考え方を、現場だけではなく社会全体に根付かせることが非常に重要だと考えます。 そこで、人口減少やインフラの老朽化を見据え、審議会等で社会資本の戦略的な維持管理や予防保全の方向性について議論をリードしてこられた家田先生に、今後の予防保全を社会の当たり前として定着させていくためにはどのような意識改革や取組が重要なのか、お聞かせください。
○参考人(家田仁君) ありがとうございます。 途中でも申し上げたように、予防保全という言葉だけが大事だねってことで進んできたのがこの十年くらいなんですが、その予防保全を実施するに足る制度体系になっているかとか、あるいは、予防保全を実施する、徹底的に実施するに足る人員配置や予算になっているかというと、残念ながらそうもなっていない。それがゆえに、現場では、予防保全と言うのは簡単だけれども、やれないんですよねという状況になっている。したがって、状況を国民につぶさに知ってもらうなんということについ後ろ向きになってしまう、つまりやっていないこと分かっちゃいますからね。ここがポイントです。 したがって、予防保全というのを看板だけで言うんではなくて、予防保全にもめり張りが要るんだというような考え方が必要じゃないかと思いますし、それには、災害に対して昔は単に防災だったんですよね。だけど、東日本大震災くらいから、全てを防ぐということだけではなくて、減災、決定的に大事なことは防災するけれども、そうじゃないものについては減災でいこうよという、ある種のめり張りを利かすようになりましたよね。 同じように、このインフラのマネジメントについても、予防保全を原則にするけれども、それを実施するに当たっては十分なめり張り化と、それを前提にするところの国民の理解、それには徹底的な見える化を図るしかないというところになるかと思います。 以上です。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。 現場だけではなく社会全体に根付かせる見える化、めり張り、非常に重要だと私も感じました。ありがとうございます。 次に、滝沢先生、滝沢参考人にお伺いいたします。 現場では下水道施設の点検や更新計画の策定などを担う技術職員が不足しており、とりわけ小規模自治体では、人材の技術的なノウハウの不足が深刻な課題となっております。 滝沢先生はこれまで、上下水道の維持管理やストックマネジメントに関する検討委員会の委員長などを歴任され、上下水道行政の在り方について議論をリードしてこられましたので、是非御見解をお聞かせください。 今回の法改正では、国が都道府県や下水道管理者に対し、必要な技術的、財政的援助を行うように努めることが盛り込まれておりますが、この規定を現場で実効あるものとしていくためには、国にはどのような技術的支援や人材支援が求められているのかお考えでしょうか。特に、小規模自治体への支援の在り方について、滝沢先生のお考えをお聞かせください。
○参考人(滝沢智君) 御質問ありがとうございます。 これまでも人材育成の必要性とか小規模自治体の技術者不足というのは指摘されてきたところでございますけれども、いよいよ維持管理、点検の時代に入って、その問題が非常にクローズアップされ、深刻化しているということが明らかになってきています。 これを進めるためには、先ほど話題になりました広域化あるいは県との連携を進めていくということもございますが、もう一つは、官と民が連携した取組を更に進めていくということだろうと思います。下水道の点検、維持管理を実際に今でも担っているのは、その多くは民間の事業者さんでございます。大きな建設会社さんもいますが、地方の小さな建設会社さんもこういった業務を担っています。 地方自治体だけで人を確保するということを目指すのではなくて、その地域全体で技術者を確保するための方策を考える。更に言えば、県全体で技術者を確保する方策を考えるということで、様々な工夫の仕方はありますけれども、その県全体で下水道の事業量をお示ししつつ、その示された下水道事業量に合うような民間会社の、民間企業さんの職員さん、技術者の確保を民間にもお願いするというのも一つの手だてだと思います。 国としては、そういった取組を各県ごとにバックアップするような仕組みをこれからもつくっていただきたいと思いますし、それぞれの事情に応じたような支援策というのを考えていただければと考えております。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。 まさに、国、県が主導して広域連携を図っていくのが本当に非常に重要、これから非常に重要になっていくのかなと思いました。 また、DX活用についてお伺いします。 AIによる劣化予測や点検ロボットなど、下水道分野でもデジタル技術の活用が進んでおります。一方で、小規模自治体では導入コストや人材不足が課題となっておりますが、デジタル技術を全国、とりわけ小規模自治体に普及させ予防保全を進めるためには、国はどのような支援を行うべきか、どのように考えているのか、お伺いいたします。
○参考人(滝沢智君) 繰り返しになりますけれども、やはり技術開発を国が強力に支援するということが大事だと思います。実際に使われている点検ロボットそのものはそれほど大きなものではありません。しかし、それを実際に活用するためには、使いやすい仕組みをつくる、地方の方でも容易にそれを使った点検ができるような技術を更に確立していく必要がございまして、これについて、国が国総研等も使いながら開発していく必要があると考えております。
○石井めぐみ君 ありがとうございました。 最後に、足立参考人にお伺いいたします。 下水道施設の更新需要が増加する一方で、資材価格や人材費の高騰、さらに人口減少による使用料収入の減少など、多くの自治体では更新に必要な財源の確保が大きな課題となっております。必要な更新が遅れれば、事故のリスクが高まり、結果として復旧費用や社会的損失が更に大きくなることも懸念されております。 足立先生はこれまで、地方財政や公益企業経営の観点から、持続可能な上下水道事業の在り方について研究、分析を重ねてこられておりましたが、予防保全を着実に進めていくためには、国と地方がそれぞれどのような役割分担の下で財政負担を担っていくことが望ましいとお考えでしょうか。足立先生のお考えをお聞かせください。
○参考人(足立泰美君) ありがとうございます。予防保全を進めていくにはどういう財源負担かという、その話の御質問かと思います。 今、例えば実際に、滝沢参考人とのやり取りなどにございました人的資本、この辺りについて、じゃ、実際にどういう役割分担が必要なのかという具体的な例などをお話しした方がいいのかなと思って聞いておりました。 実際に、例えば人材につきましては、コストではなくてインフラを支える経営資本であるという観点で考えた場合に、今まさに人口減少で技術職員が確保できないのであるならば、例えばDXですね、先ほどのやり取りでありましたDXを活用していきましょうという話ございました。 じゃ、このDXなんですけれども、例えばこのDX、管路点検のDXもあれば、資産情報管理のDXもありますよね。モニタリング、道路との情報の連携、広域連携、PPPの連携、災害対応、この辺りも全部DXしていくのであるならば、具体的に誰がどれをやるのかという話になると思います。じゃ、例えば管路点検、先ほども管路点検の話ございました。そのDXについては、AIの画像診断が必要になります。テレビカメラの調査、必要になりますよね。ドローンの自走式ロボット。でも、これにつきましては財政支援がございます。社会資本整備総合交付金がございます。防災・安全交付金などもございます。 そういった中で、財政支援がある中で、今度は役割分担、じゃ、誰が何をするのか。自治体は当然、点検計画、最終判断をしていくであろうと。でも、今は人材が不足していますと。となると、民間を入れていく必要があるんじゃないか、民間を入れていく必要があるんじゃないか、この民間に点検や診断の支援をしていただきましょうと。となると、今度は、AIは補助でありながら、最終判断責任が自治体になるような仕組みづくりが必要になります。 ですので、お金は付いているんですよ。じゃ、今度は、先ほど家田委員がおっしゃっていただきましたように、マネジメントですね、マネジメント。実は、思いのほかマネジメントがうまくいっていない可能性があるんじゃないか。そういった状況の中で、下水道法などの施行、また維持管理の基準、こういったものを改めて使いやすいようにした上で、役割分担を明示した上で、最終判断ができるような自治体をサポートしていく。 じゃ、今度は、自治体の最終判断。人材不足があるゆえに、なかなかその監督能力が欠如してしまうんじゃないか。自治体が現場に行くんではなくて、実際にですね、実際に長期契約が管理できるような人材育成が必要なんじゃないか。DXによって得られたデータの分析、評価ができるような人材育成が必要なんじゃないか。また、更新投資の優先順位や有責、妥当性ですね。これ民間に任せた場合に、判断できるような自治体の人材育成が必要なんじゃないか。 ここで言いたいのは、人材は不足します、人口減少しておりますので確保しづらいです。となると、民間へ委ねるときに、実際に、じゃ、自治体のその能力ですね、能力が、実は、かつては現場に行っていたのが、今度は評価、判断、監督、そういった能力が必要になる可能性がございます。この辺りをうまくやっていただきたいなと思います。 以上になります。
○石井めぐみ君 ありがとうございました。終わります。
○安藤裕君 参政党の安藤裕です。 本日は、三人の先生方、どうもありがとうございました。 まず、家田参考人にお伺いしたいと思いますけれども、事前にいただいている資料の中で、笹子トンネル事故最後の警告から十三年、八潮陥没事故を受けてというこの文書をいただいておりまして、その中で、笹子トンネル天井板崩落事故から十三年が経過し、インフラマネジメントの重要性は、以前から見れば進んできましたが、根本的なところで本当に徹底しているかというとまだまだなところがありますと、人は事故直後には関心を持ちますが、時間とともに忘れてしまいがちです、八潮の事故も同様に風化していくなというのが笹子の経験から思います、これを防ぐためには風化のスピードを上回る積極的な活動が必要ですと、こういうことが書かれているんですけれども、私もまさにそのとおりだなと思っておりまして、例えば、東日本大震災の後には国土強靱化が大事だということになって法律も作られましたけれども、残念ながら、この国土強靱化の予算は当初予算には計上されないで補正予算に計上されると、こういうことが続いております。そして、じゃ、日本中の道路とかそういったところの補修の予算付いているのかといったら、なかなか付いていない。公共事業予算自体も大きくなっているかといったら、大きくなっていないわけですね。 やはり、こういったところを根本的に変えていって、公共事業は必要なんだと、特にこういったメンテナンスもしっかりやらないと我々の暮らし自体が脅かされていくんだと、こういう問題意識をもっともっと国民の中で広めていかなきゃいけないと思うんですが、それについての御見解を少しお伺いしたいと思います。
○参考人(家田仁君) 基本的には同感ですね。 ポイントは何かというと、地域で我々の生活やいろんなものを支えているのはハードインフラだけじゃないですよね。例えば教育もそうだし、福祉もそうだし、いろんなものがそうですね。今の物価高なんというのは、産業政策もそうですよね。そういったものを国民、市民が我が事として考えて、どういうところはもうちょっと料金を負担しなきゃいけないかもしれないし、どういうところが、税金払っているものがどこに使われているかもう少し関心持たなきゃいけないねとかいうところが根本ですよね。それに支えられて先生方の御活躍でしかるべきところに予算が付いていくというプロセスが決定的に重要だと思います。 したがって、私の主張は、公共事業をもっと増やせばいいというところよりも、もっとはるかに上流のところで国民がこういう基本問題に常に関心を持ち続けることが必要で、それに必要な体制を取るようにしなきゃいけない。だから、インフラのマネジメントでいえば、徹底的な見える化、どこがどれだけ悪くなっている、どこがどう直した、どれだけお金が掛かっている、よその市と比べるとうちはちょっと掛かり過ぎているんじゃないかとか、うちの業界はもう少し、うちのエリアの業界はもう少しコストダウンする余地があるんじゃないかとか、あるいはよその国に比べてどうかとか、そういう、何というんでしょうかね、国民の皆さんがよく知っていただくことをつくると、先生のおっしゃっているようなところに一歩も二歩も進むんじゃないか。 残念ながら、笹子以降、あるいは東日本大震災の後もそうですが、そのときの刹那として何をつくるべきだというようなところには関心を呼ぶわけですが、あるいはどんな工事をするというところには関心を呼ぶんですが、根本問題はどこにあるのかというところに国民の関心が維持できないというところに、何というんでしょうかね、悩みがあるというところでございます。 以上です。
○安藤裕君 ありがとうございます。まさにそのとおりだと思います。 先ほど足立先生のお話の中にもありましたけれども、やはり子供たちにこういったインフラをどうやってちゃんと残していくかというのが我々の責務だと思いますので、それをしっかり国民の間で共有するというのはすごく大事かなというふうに思いました。ありがとうございます。 それから、滝沢参考人に次お伺いしたいと思いますけれども、今日、硫酸が非常に下水道の腐食を進めているという話ありましたけれども、硫酸がそのように下水道の腐食をこれだけ強力に進めるということは、例えば昭和三十年代に下水道管を布設するときには分かっていたのか、あるいは分かっていたけれどもこれほど早く進むとは思わなかったのか、その辺りはどうなんでしょうか。
○参考人(滝沢智君) 済みません、私、昭和三十年代のことは生まれたばかりぐらいですので十分存じ上げておりませんが、恐らくは、これほどの速度で下水道管が腐食するとは考えていなかったのではないかというふうに思います。 実際のところ、下水道管の全てが腐食しているわけではなくて、下水道管の幾つかの非常に重要な箇所で極めて早く腐食が進むということで、そういう箇所は、例えば伏せ越しといいますけれども、下水管の中で滝落としみたいになってしまうようなところですね、そういうところを、下水中に含まれている硫化水素が揮発しますので、そこが腐食しやすいというようなことですね。 下水道は経験工学で、私も工学出身ですけど、経験工学でございますので、一番いいと思われるものを造って、問題があればそれを直してより良いものにしていくということをこれまで重ねてきております。現在問題になっている老朽化の問題、腐食の問題も、これを教訓として、下水道界を挙げてより良いものを造っていくという我々に課せられた使命でもございますけれども、国を挙げて、是非先生方とも一緒に進めていくべきことだと考えております。
○安藤裕君 ありがとうございました。 次に、足立参考人にお伺いしたいと思いますが、やはりこれだけのことをやっていくには、五つの財源ポートフォリオ、この考え方が非常に大事だと思います。そして、やはり使用料とか一般会計繰入れとか、あるいは企業債というのは、なかなかこれ財源に限りがあって、相当制限されるだろうと思うんですね。そうなると、入れられるのはやはり、国庫補助金あるいは地方交付税の増額というところが一番頼りになるのかなというふうに思います。 そうなってくると、大事だなと思うのは、このように財源を入れて、乗数効果がどのぐらいあって、そしてまた一方で、地方創生の観点から、この下水道業など、こういったものが安定的に経営されていけば、当然雇用も守られるし、地域の企業にもいろんな発注が出ていくわけですから、地方創生の観点からこういった財源を活用することが有効だと、そういう考え方もできるのではないかと思いますけれども、それについての先生の御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(足立泰美君) ありがとうございます。今のお話、本当にすごくその点が重要かと思います。 ただ一方、地方創生という言葉がございました。今回の論点が少し変わってくるかと思うんですけれども、今、明らかに人口が著しく減少していまして、縮退社会に入ってきております。地域社会全体が縮まっている状況がございます。それは皆さんも御承知のように、二〇四〇年、明らかに、今まで唯一増えておりました高齢者さえも減ってきている状況がございます。そういった中で、社会全体が縮まっていくという状況がございます。となりますと、国庫補助金であれ交付税措置、重要なんですよ、重要なんですけれども、将来使わなくなった地域にお金付けてしまいますと、その分だけ負担だけが残ってしまいます。 この辺りなんですけれども、その地方創生、どう描くかです、どう描くか。描き方次第では、地獄絵になるような地域も出てくるかもしれません。このような状況、余りよろしくない言葉ですね、済みません、申し訳ございません。そういった中で、人口減少や居住密度の低下が進む地域がございました場合に、実際に既存の公共下水道、今までのやり方でいいのかどうか。 今回の法改正にとっての一つ、更に有意義なところとしましては、浄化槽の話出ていましたよね、浄化槽の話がありました。既存の公共下水道区域をそのまま維持拡張するんではなくて、もっと効率的なやり方。その中には、場合によっては、公共下水道を維持するよりも、合併処理浄化槽などによる分散型処理などが必要なんじゃないか。そこには、区域の見直しですよね。単に公共下水道を縮小し、浄化槽を設置するだけの政策ではなくて、将来の居住状況を見た上で、じゃ、今ある状況、公共下水道ではなく、場合によっては浄化槽などで置き換えていく必要があるならば、今度は財政の問題です。 実は、公共下水道と浄化槽というのは所管が違います。下水道法を中心として国土交通省でやっておりました公共下水道に対して、浄化槽は浄化槽法を中心として環境省が所管しております。つまり、これ単なる政策体系ではなくて、行政組織間の調整も必要になってくるんですね。 加えて、処理方式異なっておりますし、国庫の支援が違います。公共下水道は社会資本整備総合交付金などがございますけれども、浄化槽は循環型社会形成推進交付金になります。地方債、交付税措置、会計の処理の仕方も違っておりますので、この辺り、もし、将来の状況を踏まえた上で、今ある体制ではなくて一番効率的なやり方を踏まえた上で、国庫補助金の付け方、また場合によっては交付税措置、今までのやり方ではなくて将来を踏まえたやり方に変えていく、その点を考慮したものであるならば意義があるかと思います。 ただ、今あるやり方でやってしまいますと、莫大なお金が掛かってしまうのはもう分かっておりますので、その点を踏まえた上で検討していただきたいなと思います。 以上になります。
○安藤裕君 ありがとうございました。
○ながえ孝子君 愛媛県の議員で、ながえ孝子と申します。よろしくお願いいたします。 今日は貴重なお話を本当にありがとうございました。 まず、家田参考人にお伺いしたいんですけれども、インフラマネジメントの時代に向かって、やっぱり住民の皆さんに自分事として考えてもらうための徹底的な見える化が必要だという御指摘が何度もありまして、そのとおりだと思います。本当に自分事として考えてもらうためには、その後に出てくる再編案ですよね、これをやっぱり複数作って選んでもらう、自分事として、これがすごく重要かなとは思うんですけれども、やっぱり体力や財力のない小さな自治体にとってはこの複数案、再編案を作るということがすごく大変なのではないかと思われるんですが、その辺りについてはお考えはいかがでしょうか。
○参考人(家田仁君) ありがとうございます。 人口が減ってきますし、大変な数なインフラを造ってきましたので、事態は非常に大変であることは間違いないですね。しかし、何も我が国だけが困っているわけじゃなくて、先進国はみんな同じ羽目にいます。しかも、人口密度規模からいったら、うちは決して少ない方じゃないんですよ。したがって、うちでできないんだったらよそもできないはずのところ、よそができているんだったらうちだってできるはず。しかも、ヨーロッパ、アメリカはうちよりも先に老朽化していますので、決して我々が、何というんでしょうかね、とんでもない宇宙人と戦っているわけではないと考えるべきだと思うんですね。 そのときに大事なのは、再三申し上げているように、国民の理解と協力ということになるんですが、その際には、単にこうだから分かってねということだけじゃなくて、参加していただくことが重要であります。 下水道について見ると、下水道の中に参加して一緒に直してねというわけにはなかなかいきませんので難しいんですが、例えば橋のメンテナンスなんていいますと、結構、地方で、住民の方と一緒に橋の上の泥を除去して水の通りを良くして、それでさびないようにする工夫とか、あるいは橋の高欄を住民と一緒にペンキを塗る工夫であるとか、そういう参加型のインフラマネジメントというのが結構人気なんですよね。 したがって、人々がそういうことを通じてインフラを我が事化、少しでもしていきますと、下水道だってその一環だよということになっていくと思うんですね。是非、そんなようなことを考えながら、勇気を出して前に進んでいくということが重要じゃないかと思っております。 以上です。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 じゃ、続いて、滝沢参考人にお伺いしたいんですけれども、八潮市の視察に参りまして、いや、本当に事故ってこうやって確認をスルーしてしまったところに起こるんだなとつくづく感じました。点検困難箇所を技術的にどういうふうに潰していくか、滝沢参考人、研究していらっしゃるかと思うんですが、先ほど、DXを導入する、あるいはAIを活用するとかいろいろ言われているんですけれども、私、文系人間なものですから、それどういう具体的な形になるのか、あるいは今研究されている新しい技術、どういう可能性を秘めているかなどを具体的にちょっと教えていただいてもよろしいでしょうか。
○参考人(滝沢智君) 点検困難箇所というのは、今使っているような、例えば船の形のドローンとか車輪があるドローンとか使われておりますけれども、それでも入っていけないような箇所が中心となります。また、大口径の管になりますと、カメラの精度が高くなっておりますけど、それでも二メートル、三メートル先を小さなクラックまで全てカメラで撮影するというのは困難になっていきます。 そういう意味では、例えばセンサーの精度を上げていくということが一つ、今までのカメラだけではなくて、それから、点検困難な箇所にいかに入っていくのかということに関しては、様々なアイデアが今出ているところです。例えば、蛇のような形をすれば中に入っていけるんじゃないかというアイデアとか、それから、元々下水管を造ったときに光ファイバーを張り巡らせておいて、光ファイバーそのものをセンサーとして使えるんではないかといったような様々なアイデアが出ています。 こういったものを実証し、使えるようにしていくということが、国としても是非支援していただきたい役割だというふうに考えております。
○ながえ孝子君 承知しました。 いろんな技術が開発されるのは是非後押しをしていきたいなと思っておりますが、どういう新技術になろうとも、やっぱり何かバグが起こるとか何か不安が残る箇所というのは必ず起こってくるんではないかという心配があるんですけれども、そういったときはどうしたらいいんでしょうか。
○参考人(滝沢智君) 大規模な管路につきましては、これ大変な困難ではありますけれども、できるだけ早いうちに複線化を進めていくことが必要ではないかと思います。 大規模管路につきましては、下水を止めて点検、修理することができません。そういったことを考えますと、早い時期に計画的に複線化し、新しい下水道管路を使用している間に古い管路を点検、修繕し、両方で使うといったようなことを考えていく必要があると思います。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 じゃ、続いて、足立参考人にお伺いしたいんですけれども、やっぱり地方自治体が財政基盤の整備が必要で、しっかりとそのポートフォリオの考え方を導入するべきだと。それ自体がすごい改革だと私は受け止めているんですけれども、この後、国が最優先でやっぱりこの制度は変えた方がいいと、制度改正をする必要があるなと、財政面からですね、お考えがありましたら教えていただけますか。
○参考人(足立泰美君) ありがとうございます。優先順位、どの制度改正をするのかという話かと思います。 実際、制度改正、例えば広域連携やPPP、デジタルという話あったかと思います。それぞれに対して実際に制度改正が必要なんじゃないかという話が一つ御回答になるかなと思って聞いておりました。 じゃ、例えばですね、例えば、もしPPPを本当に入れるのであるならば、課題が幾つかございます。じゃ、その一つ、契約です、契約が課題になります。長期契約で、締結時点では人口や明らかに汚水量が変化しますよね。料金収入もこの先著しく変化するというのが今皆さんの合意だと思います。なおかつ、地下施設ですので、劣化状況が目に見えない、明らかにされにくい中で、じゃ、官民連携で民に契約をいたしますと、契約当初よりも想定を超えるような事象が発生する。先ほどの御質問でもあったかと思います。実際に、技術革新や大規模災害を完全に予測することはできません。そういった場合の、じゃ、協議手続、対価調整、契約変更、リスク負担、こういったものというのは、自治体ではできないんじゃないですか。国はもう先んじてやっていただかないと。 そこには、二つ目、権限と責任の分担ですよね、権限と責任の分担。民間事業者が維持管理や運営を担ったとしましても、実際に施設の管理、事業主体、こういったものは公的責任に残しておいた方がいいんじゃないか。こういったものはもう既に、民間の契約のときに各自治体が考えていくには余りにもリスクが高いです。そういったような最低限のルール、民間にどこまで委託したらいいのか、事業者の裁量はどうしたらいいのか、また、公共側については確認事項、緊急時の指揮命令、こういったものをいわゆる制度化していく必要がございます。 そういった中で、じゃ、資金です。資金調達と最終負担の区分です。PFIなどを入れますと、民間が資金調達を行う場合がございます。そうなった場合に、サービス購入型で来ておりました長期にわたる対価、これをどう考えていくのか。今までなかった考え方に入っております。しかも、今、金利や物価変動がございますので、この辺りがリスクになってきます。 じゃ、そういったような資金調達、最終負担の区分、そういったような状況というのは、実は公共側、いわゆる契約していくための監督能力というのが今まで求められてきておりませんでしたので、そこは国がやらざるを得ないというか、むしろ国がやらないと自治体は動きません。ですので、逆に言えば、なぜPPPが進まないのか、なぜ広域化が進まないのか。そこには、最終責任が自治体自体だけでは取れない、そこには国の保障というのが必要になると思います。 以上になります。
○ながえ孝子君 ありがとうございました。
○平山佐知子君 平山佐知子と申します。 今日は、本当に貴重なお時間、お話、ありがとうございました。 私も、先週、八潮の現場に行ってまいりました。全国各地、このような事態になりかねないんだということを改めて現場で感じさせていただきまして、家田参考人の事前の資料でもありましたけれども、実質を伴わない点検や調査を事務的に行うだけではなくということで、自主的にどう防いでいくのかというのが、これからあらゆる方面からしっかりと考えるべきだと改めて感じています。最後の警告という言葉もありました。様々これからやっていきたいと思っていますけれども。 今日は、これから三人の参考人の皆様方にそれぞれの立場からの見解があれば伺いたいなと思っているんですけれども、最近の局地的な豪雨というのは本当に猛烈なものになっています。先日、六月二十六日、大雨で、大阪市の生野区で下水道管に雨水が急激に入ったことで、マンホールの蓋どころか、その周りのアスファルトまでぺらっとめくれ上がって、本当に吹き飛んでいくような、私も映像見ましたけれども、本当にすごい事態がありました。 マンホールの蓋というのは、圧が掛かっても外れないようにストッパーのようなものが付いていて、多少浮いた状態で圧を逃がす仕組みになっているそうなんですけれども、今回はそのマンホールを止めている土台ごとめくれ上がった、吹き飛んだということでした。幸いにもけが人は報告されていないということでしたが、これタイミングが悪ければ人命にも関わる事態になりかねないと懸念を持っているところです。 全国のマンホールというのはほぼ似た構造だとは思いますけれども、根本的には施工し直すという必要があるのかなと思っているんですが、全国全てをやり替えるにはやはり相当な費用と時間が掛かるということで、これ、例えば当面の間だけでもこうしたら防げるんじゃないかという御意見、御提言がもしあればお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(家田仁君) マンホールの蓋は国民的にこの頃人気だそうでありまして、写真撮って集めるなんていってね。こういうのも国民の関心を集める意味では非常にすばらしいと思うんですが、その蓋の模様だけじゃなくて、マンホールの下はどうなっているのかなと、いざというときには何が起こるのかなみたいなことも、やっぱり関心持っていただけるようになるいい糸口だとは思うんですけどね。 川の方については、ハザードマップというものが、まあ随分昔ですけど、最初は、そんなもの出したら俺のところの家の価値が下がっちゃうといって反対が起こって、全然見える化が進まなかったんだけど、少しは良くなりましたよね。大河川だけじゃなくて中小河川も出すようになりつつある。 だけど、次に目指すべきは、その下水道系のところで、内水氾濫、つまり豪雨が起こったときに一体どの場所がリスクが高いのか、あれは別に同じじゃないですからね、水が谷のようになって集まってくるところに一番圧力掛かりますので。そういうのはどこなんだろうかという見える化をやることによって、下水道の蓋だけじゃなくて、まあ蓋、雨のときには写真撮ったりするどころじゃないねみたいな意識になってくれれば、これは一歩ですよね。 一方で、膨大な量がありますから、物理的にそれを改善するというのは相当な時間掛かりますし、何らかの改良をするときに併せてマンホールの蓋の改良が必要であればやればいいと思うんですが、僕は、それより前にやるべきことは、危険度の見える化、そしてその共有じゃないかと思います。 以上です。
○参考人(滝沢智君) 昔は、大雨が降りますと下水道のマンホールの蓋が飛んで、けがをされた方が出た時代もありました。その教訓でマンホールは蓋が飛ばないようにというふうになりまして、今は、委員御説明のとおり、圧力を逃がして、水が少し噴いていますけれども、大きな事故にならないようにというマンホールが開発されてきているところでございます。 大阪で事故があったところは、去年横浜でも実は同じような事故ございましたけれども、幸いにけが人等はなくて、そうやって、恐らくそういった事故が起こりやすい箇所なので、そういうマンホールを付けていた箇所ではないかと思います。したがいまして、想定はしていたんですけれども、まあよく言いますけれども、想定以上の雨が降ってしまったのでそういう事故につながったということだと思います。 これから、実はそういうマンホールの蓋が飛びやすいという、圧力が掛かりやすいところは、多くは両側から水が来る、下水が来る、谷間にあるようなところが多くありますけれども、そういう地点については、それぞれの自治体が把握されているんだろうと思います。そういう地点のこれまで取ってきた対策がありますけれども、それ以上の雨が降ったときにどういう方策を考えるかということを改めて各自治体に御検討いただくのが最も直接的で効果がある方策ではないかというふうに考えております。どこかに水を一旦ためるような遊水地を付けるということが一番望ましいとは思いますが。
○参考人(足立泰美君) 今、実際に事故ですね、事故につきまして、実際に道路と下水道、下水道というのはやはり埋設されておりますので、実際にどういう状況なのか把握するのはなかなか難しいであろうと。じゃ、その早期発見に、道路が先に陥没しているのであるならば、そのリスクがあるんじゃないか、そういったようなことも考えられる可能性がございます。ここで言いたいのは、道路の安全性と下水道の情報ですね、これを共有していく必要もあるであろうと。今回、法改正では、まさにその点、入れ込んでおります。 であるならば、例えばですよ、道路舗装を更新する前に、地下管路の健全性、更新費用、さらに企業債の償還見通しや使用料への影響、こういったものも併せて検討することによって、いわゆる早期発見につながるような仕組みが必要であろうという状況があるかと思います。 じゃ、そういった中で、例えば道路の中でモニタリングが必要であろうと。早期発見するんであれば、流量監視や遠隔操作、こういったものについて、下水道法、河川法ございます。そこには、国庫補助や地方債の対象事業になっております。その際に、自治体ですね、監視対応ができるような状況をつくっているんですね。この辺りを踏まえて、なおかつ、じゃ、そこに道路との情報連携を入れていく必要があります。 道路につきましては、路面下空洞調査ございますので、この路面下空洞調査には社会資本整備交付金が付いております。そのような交付金を使いながら、道路管理者と下水道管理者の管路情報、道路情報を相互に利用できるようなデータの情報基盤、これはすぐにでもできるかと思います。それをうまく使いながら、災害対応ですね。被災状況の把握、応急システム、こういったものについては、災害対策基本法に基づいて、防災・減災関係の補助がございます。この補助金、実際にもっとうまく災害時に使えるような、災害対応の指揮を執る自治体に使い勝手どうなっているのか。これを平時から十分使いこなせる状況にあるのかどうか、この辺りのチェックなどが今すぐできる内容かなと思って聞いておりました。 以上になります。
○平山佐知子君 家田参考人に伺います。 下水道の現場など、土木の現場というのは、当然ながら夏は暑くて冬は寒くて、大変厳しい過酷な状況で仕事をなさっているということになると思います。一昔前ですと、例えば地域の方々が暑いからお茶を飲んでくださいとか、ゆったり御苦労さまという話があったりしたんですが、今、聞くところによると、工事開始前、現場監督さんなどが地域を一軒一軒回って頭を下げて工事への理解を賜るようにお願いをして回っても、地域の方々、中には、いつまで掛かるのとか、うるさくしないでくださいねという、嫌がられることもあるんだということを聞きます。 家田参考人おっしゃっていたエッセンシャルジョブにもっと光を当ててと、まさに私もそのとおりだと思っていまして、私たち国民側も意識を変えていく必要があると思っています。この辺り、一言何かあれば、また教えていただきたいと思います。
○参考人(家田仁君) ありがとうございます。 途中で、もっと光をという言葉を第三次提言でも使っているのを御紹介しましたけれども、今回はこのインフラのマネジメントの話なので、インフラマネジメントに携わる人たちへもっと光をということなんですが。 ちょっと振り返ってみますと、コロナ禍のときに医療関係の方々のあの頑張りというのは物すごいものがありましたよね。あるいは災害のときに、自衛隊の方々が、あるいは消防の方々が、警察の方々が頑張る。実は、インフラのマネジメントに限らず、どんな仕事も必ず現場で自分で作業している人たちがいるんですよね。そういう人たちへ、我々国民はどういうまなざしを向けるのか。 そのときに、何ていうんでしょうかね、DXは格好いいねとか、これからAIで何でもやりますよというだけじゃなくて、実はベースでやっている仕事というのは全てエッセンシャルジョブなんですよね。そこへまなざしを向けるというのが意図でございまして、決して外で働いている土木の人だけじゃなくて、みんなそうだというふうに御理解いただけるといいんじゃないかと思います。 以上です。
○平山佐知子君 ありがとうございます。
○委員長(辻元清美君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(辻元清美君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、山本順三さんが委員を辞任され、その補欠として赤松健さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(辻元清美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 下水道法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省大臣官房上下水道審議官石井宏幸さん外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻元清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(辻元清美君) 休憩前に引き続き、下水道法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若井敦子君 自由民主党の若井敦子でございます。 本日は、質疑の機会をいただき、誠にありがとうございました。 私が初めて国交委で質疑をさせていただいた際、インフラ老朽化対策についてお伺いをさせていただき、金子大臣からは、予防保全型メンテナンスへの転換を積極的に進めていくとの御答弁をいただきました。 本日の下水道法改正の審議に先立ち、昨年発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故現場を視察させていただきましたが、午前中の参考人からのお話にもありましたが、今回のこの事故も下水道管の腐食に起因するものであったとの現場でも御説明をいただいたところでございます。まさに、めり張りの利いた予防保全型メンテナンスを着実に進めていくことが最も重要になる分野であるということを私も実感をさせていただきました。 また、下水道特有の課題として、管路内で点検作業に従事する方々の安全対策が極めて重要であるということも今回の視察現場で再確認をさせていただきましたが、昨年八月には埼玉県行田市で、また今年四月には福島県福島市で、管路内での点検作業中に作業員の方々が命を落とされるという誠に痛ましい事故が相次いで発生をいたしました。お亡くなりになった方々へ心よりお悔やみを申し上げます。 現場で働く方々の安全を守るためにも、人が管路内に立ち入ることなく点検を行える新技術の導入を積極的に進め、危険な作業を可能な限り減らしていくことが極めて重要であります。今回の法改正により実際に現場で新技術の導入が進むよう、国が是非とも先頭に立っていただき、自治体が安心して導入をできる環境を整えていただきたいと思います。 また、今回の法案では、下水道の老朽化の状況を確実に把握するために、管路の安全性を評価する診断基準を法制化するとともに、政省令の改正などを通じて、点検方法や頻度の基準を強化するとされております。こうした取組によって点検の実効性が高まっていけば、これまで把握できていなかった更新や修繕が必要となる箇所も当然増えてくるものと考えられるわけでございます。実際に、昨年から全国で実施されている特別重点調査の結果でも、更新や修繕が必要な箇所が多く見付かっている現状でございます。 一方で、耐用年数を迎える管路や処理場設備など、今後、老朽化施設の更なる増大が見込まれており、その対策に係る事業についても計画的に推進していく必要があります。予防保全型メンテナンスという観点からは、必要な対策を決して先送りすることなく確実に実行していくことが不可欠ではありますが、多くの自治体は厳しい財政状況にあり、必要性を認識していても十分な更新や修繕ができない、踏み切れない実情があります。 令和八年度予算において重要管路の更新を推進するための個別補助制度が創設され、重点的な支援が期待されるところではありますが、あわせて、自治体の計画に基づく改築、更新等の老朽化対策を着実に推進していくための国庫補助金や交付金の確実な確保、また必要事業費、予算の総額の拡大も必要と考えます。 そこで、金子大臣にお伺いをさせていただきます。 八潮市のような道路陥没事故を二度と起こさないため、また下水道事業運営の持続性確保のため、自治体が必要な予算を確保できるよう国による財政支援が不可欠であると考えますが、大臣の御所見をお伺いさせていただきます。
○国務大臣(金子恭之君) 若井敦子委員にお答え申し上げます。 本法案におきまして、診断基準を法制化するとともに、あわせて、管路の点検基準を強化することとしております。また、今後、処理場設備などの老朽化施設の更なる増大が見込まれることから、本法案においては、施設の計画的な改築に努めなければならないこととしております。これらの措置の実効性確保には、委員御指摘のとおり、国が、地方自治体が行う計画的な点検、施設更新、予防保全の考えに基づく老朽化対策に対し、しっかりと支援を行うことが必要であります。 このため、国土強靱化実施中期計画に下水道施設の老朽化対策や耐震化を位置付けるとともに、令和八年度予算においては、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路の更新を重点的に支援する補助制度を創設するなど、下水道システムの強靱化に計画的、集中的に取り組んでおります。 今後とも、国土交通省としては、本法案の趣旨を踏まえ、必要かつ十分な予算を確保し、自治体の取組をしっかりと支援し、強靱で持続可能な下水道の構築を実現してまいります。
○若井敦子君 非常に前向きな御答弁ありがとうございました。是非とも、自治体への財政支援、更なる拡充を私からもお願いを申し上げます。 改めて申し上げますが、今後は、めり張りの利いた予防保全型メンテナンスの観点から、点検や維持管理を持続的に実施できる体制を構築していかなければなりません。こうしたことから、下水道分野では、自治体と民間企業が連携する水の官民連携、いわゆるウォーターPPPの導入を政府が推進されておられます。長期契約で管理、更新を一体的にマネジメントできる仕組みであるウォーターPPPは、予防保全型メンテナンスを進める上で有効な手段の一つではありますが、現場では、主としてコスト縮減を目的に進められているのではないか、また、その結果として現場を支えていただいている技術者の処遇にも悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声が上がっているのも事実でございます。 そこでまず、このような現場の懸念について政府のお考えをお伺いさせていただきたいと思います。そしてさらに、今後、自治体が積極的に予防保全型メンテナンスに移行できるよう地域の実情に合った形でウォーターPPPを導入できるようにするために、小規模な自治体での導入や地元企業の参画という観点からどのような支援を講じていかれるのか、御見解をお伺いさせていただきます。
○副大臣(佐々木紀君) 水の官民連携、いわゆるウォーターPPPは、職員不足という課題に直面する自治体が執行体制を確保することを目的としております。予防保全を進める上でも、民間の人材、ノウハウの活用などが可能となり、効果的な老朽化対策が期待をできるものでございます。 国土交通省としては、自治体が地域の実情を踏まえ水の官民連携の導入検討を進められるよう、民間事業者への意向調査等による適切な発注条件の設定や物価変動等への対応方法、地元企業が参画する先行事例やそのための工夫等の内容をガイドラインにまとめて周知をしております。特に地元企業の参画ということについては、二十四時間三百六十五日の緊急時の即応体制の確保を評価して入札時に加点する方法や、入札参加者の所在地を入札参加条件とする地域要件の適切な活用などについてガイドラインに記載しているところでもございます。 また、そのほかにも、小規模自治体等における導入検討の伴走支援、事業実施段階におけるモニタリングへの助言を行うなど、各種の支援を着実に進めているところでもございます。また、事業開始後も、新技術の導入などの民間事業者の提案を活用し、官民双方にメリットのある事業運営の改善も可能としております。 国土交通省としては、地元企業も含めた民間事業者の参画により上下水道の基盤強化が図られるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。 現場の方々というのは、大変厳しい環境の中で地域の暮らしの安全を守るという崇高なる使命感を持って御尽力をいただいております。どうか、地域の実情に沿った形で丁寧に進めていただきますよう、私からもお願いを申し上げます。 次の質問に移らせていただきます。 我が国では、人口減少の進行に伴い、地域では過疎化が進んでおります。こうした状況の中で予防保全型メンテナンスを着実に進めていくためには、従来どおりの施設配置や維持管理の在り方を前提としたままでは持続可能な下水道運営を維持していくことは困難であるということはもう言うまでもございません。そのため、インフラそのものを人口動向に踏まえて適切な規模や形へと見直しを進め、維持管理が自治体にとって過大な負担とならない持続可能な仕組みへ転換していくことも必要であります。 今回の法案では、現在供用している下水道区域を廃止して浄化槽へと転換するために必要な措置が盛り込まれているわけでございます。これは、人口減少社会において、地域の実情に応じた汚水処理の在り方を実現し、その持続可能性を確保していくための大変意義のある制度改正であると考えております。これを実効性あるものとするために、浄化槽への転換について自治体が適切に検討し判断できるようにするための一定の判断基準を示して、そして手続を明確化することが重要になってまいります。あわせて、これまで下水道を利用されてこられた住民の方々の理解と同意を得ながら進めていくことも非常に重要であると考えております。 そこで、政府として、円滑な浄化槽への転換を進めていくためにどのような対策を講じていかれるのか、御所見をお伺いさせていただきます。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道から浄化槽への転換に当たっては、あらかじめ下水道使用者の同意を得ることを前提としておりますが、調整が難航することも想定されるため、下水道に代わる措置として、自治体が設置管理する公共浄化槽への転換を基本として運用することを想定しております。その上で、使用者の御理解が得られるよう、下水道を維持し続けるよりも浄化槽へ転換する方がトータルコストで有利となり、持続可能性が向上するなどのメリットを丁寧に説明していくことが重要と考えております。 転換に当たっての判断基準については、人口密度が著しく低下をしている、あるいは今後低下が見込まれる地区において、下水道を更新するよりも浄化槽を整備する方が維持管理も含めたトータルコストで有利となることなどを想定をしております。 国土交通省としては、関係省庁と連携し、検討フローや具体的な同意取得の手続などについてのガイドラインを作成するなど、自治体が地域の実情に応じて下水道から浄化槽への転換を円滑に進められるよう、技術的な支援を行ってまいります。
○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。 地域の実情を踏まえた下水道区域の見直しを是非ともお願いを申し上げます。 最後に、環境省にお伺いをさせていただきたいと思います。 この下水道から浄化槽への転換を適切に進めていくためには、国交省と環境省、この連携も不可欠であると考えております。この浄化槽設置について、環境省としてはどのような支援を講じていかれるのか、是非とも御見解をお伺いさせてください。
○政府参考人(成田浩司君) お答え申し上げます。 環境省におきましては、下水道等の集合処理から合併処理浄化槽への転換など浄化槽の整備に当たりまして、循環型社会形成推進交付金による支援を行っているところでございます。合併処理浄化槽への転換のうち、特に推進を図るべき公共浄化槽への転換に関しましては、令和八年度より交付率を通常の三分の一から二分の一にかさ上げしたところでございます。 また、汚水処理につきましては、各自治体が集合処理から浄化槽への転換を含めた最適な処理方法の選択をしていただくことが重要と考えております。 このため、環境省といたしましては、国土交通省等とも連携いたしまして、汚水処理施設の最適化に関するガイドラインの策定に向けた検討など、今後も必要な対策に取り組んでまいる所存でございます。
○若井敦子君 御答弁ありがとうございました。 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○羽田次郎君 立憲民主・無所属の羽田次郎です。 先ほどの若井先生の御質問とも若干かぶる部分もございますが、私なりにしっかりと質問してまいりたいと思います。 昨年一月の埼玉県八潮市で発生した大規模な道路陥没事故は、今般の下水道法改正の契機の一つであると承知しております。先週、私も皆様と一緒に当委員会視察団の一員として現地を拝見させていただきました。完全な復旧復興にはまだ五年以上要するというお話でしたが、まず、八潮市の陥没事故を踏まえて幾つか質問させていただきます。 昨年二月、埼玉県知事から国土交通大臣へ提出された要望書では、事故の応急対策に高度な技術力と多額の費用が必要になるということで、国の技術的支援と財政的支援が求められました。国として、八潮市の道路陥没事故に対しどのような技術的支援を行ったのか、国土交通省にお伺いいたします。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 国土交通省では、救助活動や下水道の応急復旧が速やかに進むよう、現地に技術職員を派遣し、技術的助言や関係機関との調整を行うとともに、陥没箇所の水位を低下させるため、地方整備局から排水ポンプ車を派遣するなど、最大限の支援を行いました。また、陥没現場の復旧に向けて、埼玉県が設置した復旧工法検討委員会に国土交通省の職員も参加するなど、関係機関と連携して技術的支援に取り組んだところでございます。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 八潮市の事故が起きた、この発生翌月に災害救助法の適用対象となっておりますが、知事が昨年六月、防災担当大臣宛てに提出した要望書には、事故から災害へ移行したと記されておりました。 本法律案では、都道府県による災害復旧の権限代行制度が創設されることになっております。あってはなりませんが、もし今後、八潮市の事故と同様の災害級の事故が発生した場合、その事故を災害とみなして権限代行による復旧工事を行うことは可能なのでしょうか。その場合、事故はどの時点から災害とみなされ、権限代行が可能となるのか、国土交通省の御説明を伺います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 本法案に盛り込んだ都道府県による公共下水道の復旧工事の代行制度は、自然災害だけでなく事故災害も対象としております。都道府県による代行は、事故災害が発生した場合において、市町村から要請があり、かつ当該市町村における復旧工事、復旧に関する工事の実施体制、その他の地域の実情を勘案して、都道府県が復旧に関する工事を当該市町村に代わって自ら行うことが適当であると判断した時点で可能となります。
○羽田次郎君 市町村の判断によって権限代行が可能になるというふうな御答弁だったと思います。 道路法や河川法とは異なって、本法律案には、国による災害復旧工事の代行規定が設けられておりません。国による代行規定が設けられない理由について御説明をお願いします。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道の整備、管理は、都道府県や市町村が実施をしており、国は実施をしていないことから、国が復旧工事を代行する制度は設けていないところでございます。 なお、日本下水道事業団が、高度な技術力を必要とする管渠の復旧工事について、自治体からの要請に基づき代行する制度などが設けられております。
○羽田次郎君 国の代わりに日本下水道事業団が行っているということでございました。 本法律案は、都道府県による復旧工事の代行は、代行対象の公共下水道が当該都道府県管理の流域下水道と管理上密接に関連していることを要件としております。しかし、山間部や島嶼部が多いなど、地理的要因等で流域下水道が存在しない県も幾つかございます。仮に流域下水道に接続していない地域で市町村による復旧工事が困難な損傷が発生した場合、当該市町村は都道府県による復旧工事の支援が得られないことになるのではないでしょうか。こうした場合、国としてどのような支援が考えられるのか、国土交通省の御説明をお願いします。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 本法案に盛り込まれた都道府県による公共下水道の復旧代行制度は、流域下水道の管理者である都道府県が行うものであり、流域下水道を実施していない都道府県は、実施体制が備わっていないため、その代行を規定しておりません。また、都道府県の代行する公共下水道は、流域下水道に接続する公共下水道のほか、接続していなくても、例えば流域下水道と一体的に復旧を行うことが効率的な公共下水道なども対象となります。 なお、先ほど答弁をしたとおり、日本下水道事業団が、高度な技術力を必要とする管渠の復旧工事について、自治体からの要請に基づき代行する制度などが設けられております。 大規模な自然災害や事故が発生した場合の国の支援としては、現地に技術職員を派遣して技術的助言や関係機関との調整を行うこと、地方整備局から排水ポンプ車等の資機材を派遣することなどにより復旧が速やかに進むよう支援することとしております。さらに、自治体の災害対応力を強化する観点からも広域連携による執行体制の強化を推進することが重要と考えており、国土交通省としては、その取組を支援してまいります。
○羽田次郎君 なかなか山間部ですとか島嶼部では広域連携というのは進めたくても進められないという事情もありますが、そうした中で日本下水道事業団がしっかりと支えていく、そして国も技術的支援をしていくということだと理解いたしました。 次に、道路管理者と下水道管理者の連携について伺いたいと思います。 本法律案では、下水道法と道路法の双方で下水道管理者と道路管理者が協力して施設の維持管理を行うための制度が整備されておりまして、路面下空洞調査の共同実施等によって、一段と道路占用物の安全性が向上すると思われます。 昨年、国土交通省が実施した緊急点検でも路面下空洞調査が実施されたものと承知しております。このときの調査では、緊急点検対象の下水道管が埋設されている道路が調査対象になっていたと承知していますが、今後は全ての道路で順次調査が実施されるのでしょうか。現時点において、調査の対象箇所、頻度をどのようにお考えか、国土交通省に伺います。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 国が管理する道路では、路面下空洞調査を五年に一回の頻度で実施することを基本としており、周辺施設や地下構造物の種類、過去の空洞の発生頻度に応じて、調査頻度を一年又は三年に一回というふうにしてございます。地方公共団体につきましては、国が実施する路面下空洞調査の箇所や頻度などの考え方を参考にして、それぞれが管理する道路の特性等に応じて調査を実施しているものと認識しております。 過去の陥没実績によれば、例えば砂質土が多い地形では陥没発生頻度が高いなど、道路陥没が発生する箇所には一定の特徴があると考えており、現在、国土交通省では、過去の陥没実績や路面下空洞調査のデータなどを用いて重点的に対策を行う箇所の条件などの整理に向け、分析を進めているところです。 今後、分析結果を踏まえ、効率的な調査の考え方について地下占用物連絡会議の場を通じて自治体に周知し、安全、安心な道路空間の確保が図られるよう必要な取組を進めてまいります。
○羽田次郎君 国管理道路と地方公共団体管理の道路では、技術力ですとか人員体制の面において様々異なる部分があるのだと思います。国道と地方道で調査の実施状況に差が生じないよう、御説明のとおり、頻度の目安を示したり調査の実施に要する各種支援等を実施する必要があると考えております。 現在、路面下空洞調査に要する空洞探査車等が、全国の道路管理者とか、また地方整備局に十分に備えられているのかということを国土交通省に伺いたいと思います。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 路面下空洞調査については、民間の調査会社が調査車両等を保有しており、国や地方公共団体から調査会社に空洞調査を委託することにより必要な調査を実施しております。全国の調査会社が保有している調査車両の台数については、網羅的には把握を行っておりませんが、最大手の調査会社に確認したところ、約四十台を保有しているというふうに聞いてございます。今後、限られた調査車両の中で路面下空洞調査を進めるためには、効率的かつ計画的に実施することが重要であるというふうに考えております。 このため、効率的な調査が行えるよう、過去に発生した道路陥没や空洞のデータを用いた傾向分析により重点的に調査を実施する箇所の考え方を整理するとともに、道路管理者、道路占用者の両者が計画的かつ連携して調査が行えるよう、今回の法改正において、占用物件等維持修繕協定の制度を創設いたします。また、地下占用物連絡会議の場などを通じて、地方自治体や道路占用者との連携体制を構築してまいります。 国土交通省といたしましては、めり張りある効率的かつ計画的な調査の実施に努めてまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 この探査車は、国が所有しないで民間が持っている、そうした中で、大手において四十車ぐらいという話で、若干この数が少ないんじゃないかというような声がちょっと周りから聞こえてきたような気はするんですが。 まず、この空洞探査車でスクリーニングをして、空洞の疑いがあると判定された場合は目視で確認する二次調査というプロセスになっているのだと思いますが、そうした詳細確認も含めて全て民間に委託しているという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(沓掛敏夫君) 路面下空洞探査で、まずは、どのようなところに空洞があるかというのをまず一次的に調べてもらいます。その後、いろいろスクリーニング等を掛けて、それが本当にどういう影響がありそうなものかと調べます。 いろいろそういった調査はしていただきますが、最終的な判断はそれぞれの道路管理者がしっかりと行うということになっております。それでいろいろなデータを提出していただいて、それを判断するのは道路管理者がやっているというような状況でございます。
○羽田次郎君 やっぱり、当該自治体ですとか国にこのノウハウとかが蓄積されていくことも必要だと思いますので、やっぱりそうした大事なところは行政の方でしっかりと担っていただきたいなというふうに思います。 調査後の着実な空洞補修につなげるために、地方公共団体に対してどのような技術的、財政的な支援を進めているのか、金子大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(金子恭之君) 羽田委員には、先日の本会議にも御質問いただきまして、ありがとうございます。 委員御指摘のとおり、路面下空洞調査を適切に実施をし、調査結果を踏まえた着実な空洞補修には、自治体に対する技術的、財政的な支援が必要であります。 技術的支援につきましては、国土交通省において、過去に発生した道路陥没事故などのデータを踏まえ、陥没が発生しやすい地質条件や道路条件など、重点的に調査を実施する箇所の考え方を整理しているところでございまして、今後、道路管理者や道路占用者で構成される地下占用物等連絡会議の場を通じて、自治体に周知してまいります。 財政的支援につきましては、自治体の老朽化対策に対して、防災・安全交付金や道路メンテナンス事業補助制度により支援をしてきたところであり、引き続き、路面下空洞調査の推進を含め、道路の老朽化対策のための予算確保に努め、その中で支援を行ってまいります。また、昨年六月に定められた国土強靱化実施中期計画において、道路陥没による事故を防ぐための調査や対策等を集中的に実施することを盛り込んでおり、国土強靱化予算も最大限活用しながら支援を進めてまいります。
○羽田次郎君 ありがとうございます。しっかりとした支援をしていただけるということだと思います。 道路地下空間マネジメントについて、次にお伺いしたいと思います。 今回の視察でも御説明いただきましたが、道路地下空間には、下水道のほかにも様々な占用物が埋設されております。本法律案では、道路占用許可に係る手続規定が改正されて、電柱、電線、水管、下水道管、ガス管等の維持管理に関する事項について申請書に記入することとされております。社会資本整備審議会道路分科会の議論の中では、下水道以外にも破損した際の影響が大きい占用物があるのではないかとの指摘がありました。 国土交通省としては、どのような占用物が破損した場合に住民生活に重大な影響が及ぶと認識されているのか、具体的に教えていただければと思います。また、そうした占用物の点検等について道路管理者が協力する体制の構築等は本法律案においても想定されているのか、お答えください。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 道路における占用物件は、委員御指摘のとおり、地下に埋設されている管路のほかに、電柱であったりですとか、あるいは看板ですとか、そういったものが地上に設置されている物件もございます。 破損によって住民生活に重大な影響が及ぶものとしましては、いろいろな影響があると思うんですが、やはり今回の八潮であったような下水道管、特に大きな径の下水道管であったり、あるいは水道管ですね、よくニュースでも噴き出ているような映像が出ておりますが、水道管あるいはガス管、さらに、よく災害のときに電柱などが倒れて道路が塞がれるようなことがあります。こういった占用物は、破壊、破損によって大きな影響が出るというふうに考えているところでございます。 また、道路管理者による占用物件の点検等への協力体制の構築、これにつきましては、本法の改正におきまして、道路管理者と道路占用者が連携して、道路や占用物件を適切かつ効率的に点検や維持修繕するための占用物件等維持修繕協定を締結できる制度を創設しております。これに関しましては、下水道管理者だけではなくて、いろいろな占用物件の管理者と協定が結べるという仕組みになってございます。 国土交通省においては、この協定のひな形あるいは費用負担の考え方などを整理するとともに、関係者に周知するなどして道路管理者と道路占用者との連携を強化して、道路空間の安全性、これを確保してまいりたいというふうに考えております。
○羽田次郎君 詳細な説明をありがとうございました。 次に、上下水道施設の更新に対する財政支援について伺いたいと思います。 令和六年能登半島地震や八潮市の道路陥没事故を受けて、国土交通省は、令和八年度予算で、重要管路更新の推進に係る個別補助を創設いたしました。この個別補助は、緊急輸送道路下や重要物流道路下の管路のほか、口径八百ミリ以上の水道管路、口径二千ミリ以上の下水道管路が対象とされております。 こうしたいわゆる重要管路等の延長は、圏域の面積が大きいほど長く延びることになります。例えば私の地元長野県では、全国四位の面積を有するということもあって、給水区域、処理区域は広範囲に分散して広がっております。そのために、対策が必要な基幹管路、重要管路延長、浄水処理場数等は全国平均に比べて大変多くなっております。具体的には、浄水場、配水池の数は全国一位、水道の基幹管路延長は全国十一位であるほか、下水処理場数は全国三位、下水道の重要管路延長は全国十位となっております。しかし、こうした施設を更新していくには、個別補助の採択要件となっている管路口径の大きさが壁になっております。 水道では、防災・安全交付金、耐震化事業の国費率が下水道に比べて低率で、特に老朽管更新に係る水道管路緊急改善事業の国費率は四分の一と、低くなっております。また、要望額に対してなかなか満額が措置されないことから水道事業者における負担が大きく、要件に該当しないため財政支援を受けられない事業者もおります。下水道でも同様で、防災・安全交付金が満額措置されていない上、個別補助の要件である口径の大きさも満たさない事業者に対する交付金要望額の措置率が低いと聞いております。 予防保全の観点から、上下水道システムの耐災害性強化と戦略的維持管理、更新のため、重要管路更新や耐震化に係る防災・安全交付金と個別補助事業の採択要件を緩和して国費率の引上げを行うとともに、十分な予算を確保すべきだと考えますが、金子大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(金子恭之君) 上下水道は国民生活や経済活動に不可欠な重要インフラの一つであり、強靱で持続可能な上下水道の構築に向け、しっかりと取り組んでいくことが重要だと認識をしております。 このため、国土強靱化実施中期計画に上下水道施設の耐震性強化等災害対応力の向上と戦略的維持管理、更新を位置付けるとともに、令和八年度予算において、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす上下水道管路の更新を重点的に支援する補助制度を創設するなど、上下水道の強靱化に計画的、集中的に取り組んでおります。 このように、補助制度の充実等を行っているところであり、また、先ほどお話がありましたが、補助率につきましては、料金、使用料等との適切な役割分担の観点も踏まえ慎重な検討が必要とはなりますが、今後とも、自治体の要望をよく伺いながら、交付金、補助金の採択要件あるいは重点支援する対象など、補助制度の在り方について必要な検討を行ってまいります。 加えて、国土交通省としては、本法案の趣旨も踏まえ、委員御指摘のとおり、必要かつ十分な予算の確保に全力で取り組み、自治体の取組をしっかりと支援をし、強靱で持続可能な上下水道の構築を実現してまいります。
○羽田次郎君 先日視察をさせていただいた八潮市の場合も、これ完全な復旧復興までに大体三百億ぐらい掛かるんじゃないかなんという話も現場でされておりましたが、一たび事故が起こると本当に莫大なお金が掛かってしまうというのがあるので、当然、めり張りを付けた予算の配分というのが必要なのは承知しておりますが、やっぱり事故が起きてからでは遅いということで、しっかりとした補助をお願いしたいというふうに思います。 次に、広域化について伺います。 本法律案では、広域化が論点の一つで、繰り返し皆様からも御質問があったと思います。私も代表質問でも申し上げましたが、二〇一八年に改正した水道法を下水道に応用する形で、基本方針で広域連携に関する方向性を示し、それに基づく広域連携推進計画を都道府県が策定し、都道府県の旗振りで広域連携を進めていこうという内容であると理解しております。 急激な人口減少への対応、高いところから低いところに流れる水インフラにおいては、脱炭素の観点からも、広域化によるスケールメリットを創出していくことは有効な政策の方向性だと理解できる点もございますが、地方自治の観点からは複雑な課題も含まれております。参考としている水道法の改正から八年余りが経過しましたが、水道では各地で都道府県主導の広域化の検討が進み、それに伴って課題も見えてきております。 私の地元上田市が、まさにその課題の現場となっております。上田市では、長野県が主導し、長野県、長野市、千曲市、坂城町、そして上田市の水道事業を企業団方式で一体経営していこうという計画が進んでおりました。ただ、三月二十九日に行われた上田市の市長選挙においてこの水道広域化が一つの争点となりまして、広域化を推進してきた現職が敗れて、そして広域化反対の新人が当選するという結果になりました。 なぜそうなったか。広域化の推進が示された中、慎重に協議した結果として、広域化のメリットが小さいと市民が判断したからだと思います。前市長の諮問機関である上下水道審議会においても広域化の是非について議論がなされましたが、有識者の議論においても、上田市にとって広域化による明確なメリットがあるとの結論は導き出せませんでした。 地域によって事情が異なるため一律に評価できないことは十分承知しておりますが、その上で伺いたいと思います。 上下水道共に政府が広域化を支援するスタンスを取る中で、自治体が検討の結果として広域化への参画を見送るという判断を行った場合、国土交通省として何か対応を取るお考えがあるのでしょうか。
○副大臣(佐々木紀君) ありがとうございます。 今ほど、上田市が広域連携を見送る判断を行ったということについて御質問がありました。 ただ、多くの自治体においては、単独で事業運営していくことが困難になっていく中で執行体制を強化して事業をより効率的に進めていくために、複数自治体が一体となって広域連携に取り組んでいくということがやはり重要なんではないかと考えております。そのためには、地域の核となる自治体を中心に複数の自治体間で連携の枠組みなどについてしっかりと議論することが重要でありまして、本法案に広域連携推進のための協議会の規定を盛り込み、関係自治体の間で十分な協議をしていただくものとしております。 このような協議を経た上で単独での事業運営を選択した自治体に対しても、その協議の経緯や取組内容を踏まえて必要な財政支援は行ってまいりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○羽田次郎君 単独になった場合でも、財政支援、必要な部分はしていただけると国土交通省からの御答弁いただきましたが、総務省としての御見解があれば伺いたいと思います。
○政府参考人(福島秀生君) お答えいたします。 人口減少等に伴う料金収入の減少などにより下水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、将来にわたり住民生活に必要なサービスを提供していくためには、スケールメリットによる経費削減等の効果が見込まれる広域化の取組などを通じ、経営基盤の強化を図っていくことが重要であると考えております。 総務省といたしましては、広域化に係る施設整備に対して地方財政措置を講ずるほか、広域化の取組を技術的に支援する専門アドバイザーの派遣などを行ってきたところでございます。 他方、離島などの地理的要因等により広域化の取組が困難な地域もあると認識しており、単独での事業運営を選択した自治体に対しても、下水道事業に要する経費については地方財政措置を適切に講じているところでございます。 下水道事業が将来にわたり持続可能な経営を確保することができるよう、各自治体の実情を把握しながら、引き続き関係省庁と連携し、適切に対応してまいります。
○羽田次郎君 もちろん上田市は離島というような条件ではないんですが、ただ、やはり、市民の判断として今の現状を維持していきたいという思いが今のところ勝っているという状況だとは思いますので、また引き続きの総務省も含めた御支援をいただければと思います。 広域化を進める一方で、人口減少下においては、その対極にある分散型の選択肢についても同時に位置付ける必要があるのではないかと考えます。我が国の汚水処理事業においては、環境省所管の下、浄化槽行政が展開されており、特に人口減少地域においては、下水道に代わる持続可能なインフラとして重要な役割を担っておりまして、先ほど若井先生からもそうした質問があったと思います。しかしながら、現場の声を聞いた実感としては、下水道中心の政策体系の中で、施設整備の補助率も異なり、浄化槽は補完的な位置付けにとどまっている印象も否めません。 そこで、環境省に伺います。 分散型インフラとしての浄化槽について、今後どのような政策的位置付けを行っていくのか。また、設置、更新、維持管理に対する財政支援の現状とその強化の必要性について、御認識を伺います。
○政府参考人(成田浩司君) お答え申し上げます。 老朽化や人口減少など、汚水処理をめぐる社会情勢が大きく変化している中で、環境省といたしましては、下水道等の集合処理から浄化槽への転換を含めまして、持続可能で最適な処理方法を各自治体が選択できるような環境整備が重要であると考えているところでございます。また、浄化槽の設置、更新に当たっては、財政支援や適正な維持管理が課題であると認識しているところでございます。 このため、下水道等の集合処理から合併処理浄化槽への転換に対しまして、循環型社会形成推進交付金による支援を行っているところでございます。特に推進を図るべき公共浄化槽への転換に関しましては、令和八年度より交付率を通常の三分の一から二分の一にかさ上げしたところでございます。 また、維持管理に関する助成につきましては、少人数高齢世帯に対する維持管理費の負担軽減を図るため、助成対象を公共浄化槽から個人設置型にも拡充してきたところでございます。さらに、令和八年度当初予算におきましては、交付期間を三年から五年に延長するなど、支援の拡充を進めているところでございます。 引き続き、国交省など関係省庁とも連携いたしまして、財政的支援や技術的な助言など、必要な対策に取り組んでまいる所存でございます。
○羽田次郎君 浄化槽についてもしっかり取り組んでいただけるということで、安心いたしました。 先ほど来申し上げているとおり、広域化については、地元や現場から課題や懸念の声が聞こえてきております。事業圏域が広がることで、災害時の対応の遅れですとか、地域をよく知る技術者が減っていくおそれもあります。そして、私が懸念するのは地方自治との乖離です。 御案内のとおり、水道、下水道共に原則として市町村が運営主体であることが法律で定められております。これは、両事業共に公衆衛生を目的としてきた制度の成り立ちに由来するものであり、営利目的ではなく、地方自治政策との相互作用の中でその効果が発揮されてまいりました。上下水道の創設期には保健衛生部局との連携が大きな役割を果たしており、近年では、コンパクトシティーなどの政策と一体となって展開されてきております。 各地で、水道広域化後には水道事業を共同で運営するための企業団が創設されます。企業団は構成団体の議会から選ばれた議員から構成されるため、市民意思が反映される仕組みは形式上担保されておりますが、間接的なものとなり、実態としては形骸化しがちであるとの懸念もございます。広域化により一部事業組合として水道が水道だけで独立し、下水道においても同様の流れが強まれば、地方自治との乖離が大きくなり、水道、下水道の運営を市町村原則とした制度趣旨から離れるおそれもあります。特に、下水道法は元々都市計画法と密接な関係を持つ制度であり、町づくり政策との一体が重要であると考えます。 昨今、上下水道業界で注目されている話題についても少しだけ触れたいと思います。 大手ゼネコンであるインフロニア・ホールディングスが、国内最大級の上下水道施設の維持管理場数を誇る水ingを約九百十二億円で買収し、今月一日に完全子会社化されたことが報道をされております。これは、政府が進める広域化、PPP、PFIの動きを受けた水インフラ分野における事業者の集約、大規模化が進みつつあることを象徴する動きだと受け止めております。 こうした中で、政府はウォーターPPPの推進を掲げているわけですが、制度設計や運用を誤れば、市場の寡占化や地域性の喪失といったリスクも想定されます。さきの水道法改正において法律に位置付けられたコンセッション方式についても、政府では選択肢の一つとしておりますが、上下水道の現場の受け止めとしては、コンセッションありきの政策誘導だと認識されているのが実態です。内閣府PPP/PFI投資促進タスクフォースでは、ウォーターPPPの対象から更新支援型を外して、更新実施型とコンセッションに絞った方がいいのではないかという意見が出ているとも認識しております。 更新支援型というのは、現場の情報を積み重ねて、老朽化が進むインフラをエビデンスベースで最適なストックマネジメントを行うアプローチであって、導入済み又は導入検討を行っている事業者も多くあります。地方からのニーズがあるにもかかわらず事業現場の選択肢を狭めるのであれば、水道法改正時同様に、またしてもコンセッションありき、ビジネスありきの制度設計をしていると地域住民が不信感を強めるのではないでしょうか。水道、下水道は、公衆衛生と地域生活を支える基盤であり、単なるビジネスとして扱うべきものではありません。私は、ウォーターPPPそのものに懐疑的な声をたくさん聞いておりますので、地域事情に即した制度設計を強く望みます。 そこで、国土交通省にお伺いしますが、ウォーターPPPの推進に当たり、市場の集中や地域の実情との乖離といったリスクについて、どのように認識し、どのような対応を講じていくお考えでしょうか。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 多くの自治体で執行体制が脆弱化している中、水の官民連携、いわゆるウォーターPPPにより、民間の人材、ノウハウなど生かし事業を持続的に運営していくことは喫緊の課題と考えております。水の官民連携を導入する場合であっても、自治体が上下水道に関する最終的な責任を持って地域のニーズに即した上下水道サービスの提供を確保していくことが重要と考えております。 このため、国土交通省としては、地元企業を含む民間事業者に対する市場調査などを通じて地域のニーズを踏まえ、水の官民連携の様々な方式から適切なものを選ぶとともに、その業務内容を適切に設定するよう自治体に求めております。 そのほか、地域の実情に精通した地元企業を活用するため、二十四時間三百六十五日の緊急時の即応体制を入札時に加点する方法や、地域要件の適切な活用などをガイドラインに記載し、多様な民間事業者による事業参画を促しております。加えて、定期的なモニタリングの結果、事業の実施状況が適切でない場合においては、民間事業者に対して改善の指示などを行うこととしております。 これらの措置により、都市政策などの地域の行政ニーズとの整合を図りながら水の官民連携を推進し、強靱で持続可能な上下水道の構築に取り組んでまいります。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 どうしても海外での失敗事例のようなものが世の中には出回っておりますので、そういう意味では、先ほど参考人質疑の中でも見える化見える化というお話ありましたが、そうしたことが市民の理解も深めていくのかなというふうにも思っております。 ただ、最後になりますが、広域化推進一辺倒の施策ではなくて、広域化に参加しないという判断を行う自治体の事情にも是非寄り添っていただきたいというふうにお願い申し上げます。広域化のデメリットの一つは、本会議でも申し上げましたが、命や生活に直結する上下水道事業が地方自治体から離れてしまう不安だと考えております。上田市民の懸念の一つもそこにあります。行政区域の中で起こることを地域を知る自治体職員が様々な視点で見守り、現場で働く人、建設業や工務店の皆さんが近いところで関わるからこそ、健全なインフラと安全、安心な暮らしが実現されるのではないでしょうか。 そこで、金子大臣に伺います。 上下水道において広域化や経営の一体化が進んでいく中で地方自治政策と乖離してしまうおそれや、御紹介した上田市の事情も踏まえ、上下水道の広域化について地域の実情に応じた慎重な検討の上に実施すべきとの声に対し、御見解をお示しいただければと思います。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 上下水道は、重要な都市インフラとして、その推進に当たっては、都市計画や土地利用等との都市政策を整合して検討する必要があります。また、気候変動による内水氾濫リスクに対応する下水道の雨水対策や、避難所等の重要施設につながる管路の上下水道一体での耐震対策等については、防災政策とも密接に関連しており、整合して推進する必要があります。このような各自治体における都市政策や防災政策と上下水道政策との整合性の確保の必要性は、広域連携や水の官民連携を行う場合でも変わるものではありません。 本法案及び水道法に基づき国が策定する基本方針には、上下水道政策と都市政策や防災政策とが整合して取り組むべきことについて明記する予定であり、各地域の上下水道政策が町づくりや防災の取組と一体となって取り組まれ、強靱で持続可能な地域づくりにつながるよう、しっかりと対応してまいります。
○羽田次郎君 ありがとうございました。 時間になりました。終わります。
○後藤斎君 国民民主党の後藤でございます。 大臣、冒頭ちょっと、下水道法とは関連はするんですが、お尋ねを申し上げたいと思います。 昨日から米・イランの暫定合意が実質的に破棄をされて、応酬が激化をしたというふうに言われています。特に、先ほどの報道では、アメリカが二〇%の、ホルムズ海峡を通過をするときに通航料を取るという報道もあります。イランの方はUAEやカタールにも攻撃を仕掛けているということで、北海原油は、昨日は北海ブレントが一〇%先物が上昇したということであります。 これもう何度もお聞きをしているんですが、いわゆるナフサ関連商品は、このホルムズ海峡の影響を非常に強く受けていました。今でもそうだと思っています。特に、いろんな報道、最近メディアもこの一週間前までは、ほとんどもうナフサの問題とか原油の問題も取り上げなくなったという嫌いはありますけれども、やっぱり現場を見ると、まだ、特に下水道に直接整備に関係をする塩ビ管も、二月の、五か月前の紛争前に比べれば一二%上がっているという統計もありますし、さらに、業界の中では二五%上昇しているという数値もあります。四月に発注をした塩ビ管がようやく六月に納入をされたという形で、まだ調達も遅れているというのが、要するに供給不安というものが現実にあるという中で価格が高騰しているというふうに、これは、シンナーは七〇%、いろんな建築資材が軒並みやっぱり高止まりをしているというのが現状であります。 やっぱりこれは、昨日も本会議で赤澤大臣は、いや、大丈夫だというふうなことを繰り返し申しているんですが、やっぱり現場を預かる金子大臣としたら、この建築資材、塩ビ管も含めて、やっぱり高止まりをしているという現実を踏まえて、このまま推移すると、後でも触れますが、いかに予算を言わば現状維持をしても、これから老朽化対策はもっとしなきゃいけないということで、事業量が減っていくということになりますから、しっかりとここは、今の時点でナフサ製品、塩ビ管やシンナーやもろもろの資材というもの、建築資材をしっかりと冷やして、価格を冷やすということも、手だてをしていただくもう状況にあるというふうに強く思います。 その点について、大臣、今の現状の御認識と、今後どういうふうに具体的に価格を冷やすのかということをどんな形で対応されていくのか、御所見をお伺いをまずしたいというふうに思います。
○国務大臣(金子恭之君) 後藤委員御指摘のとおり、この委員会でも度々御答弁させていただいているんですが、高市内閣においても、中東情勢に関する関係閣僚会議をこれまで十一回開催をして、その都度、国土交通省であれば、建設資材とか燃料油とか、あるいは様々な製品についての品不足、安定供給をどうしていくのか、あるいは価格の高騰にどう対応していくのかということを、それぞれ経産省や様々な省庁と連携をしながら検討をしてまいりました。そういう意味では、いまだに、建設資材の安定供給や価格の高騰というのはいまだ非常に現場においては大変な状況にあるというふうに認識を持っております。 そういう中で、中東情勢を踏まえたナフサ等石油関連製品の供給に関しましては、これまではその所属する団体からの聞き取りを中心にやっておりましたけれども、途中から、一人親方やあるいは工務店等々、小さな中小企業や零細企業においてはなかなかその声が届いていない、そういう企業こそ非常に厳しい状況であるというのを認識をしまして、こちらから積極的に現場の声を伺っております。私自身も先月、住宅の建設現場、自動車整備の現場を訪れまして直接お声を伺って、改めて現場の皆様の切実な実態と懸命な努力を実感をいたしました。 また、経済産業省と連携をして、先月三日からは、塗料、シンナーの原料となるトルエン、キシレン等について、最大で例年の一・八倍の大幅な供給を可能とする仕組みが整い、シンナーの増産が始まりました。加えて、シンナーメーカーから直接販売するための仕組みも開始をし、一人親方、工務店等々と自動車整備工場から、七月九日時点で四十九件、千六百六十四リットル分の申込みをいただいております。 こうした政府全体での取組の結果、依然として物資確保が困難な事業者もおられますが、目詰まり解消を求める供給要請件数や相談窓口等に寄せられた情報提供件数は、四月から五月をピークに減少傾向にございます。通常どおり手に入るようになったとか、納期が短縮したなどの声が聞かれるようになり、成果が出てきつつあるということも確認をしております。 一方で、価格高騰に関するお声は引き続き頂戴しておりまして、今後とも対策をしっかり講じる必要がございます。具体的には、原材料価格等の上昇を踏まえた価格転嫁に関する配慮について、経済産業大臣、公正取引委員会委員長と連名で関係事業者団体に要請を行ったほか、建設Gメン、トラック・物流Gメンが中東情勢の影響に関する調査を重点的に実施をしております。また、関係省庁と連携をいたしまして、中小企業等を支援するセーフティーネット貸付け等の施策の周知にも取り組んでいるところでございます。 引き続き、現場の声をきめ細かく積極的に伺いながら、安定的な事業活動が可能となるよう全力で引き続き取り組んでまいりたいと思います。
○後藤斎君 大臣、これも何度も言っていることなんですが、大臣以下、役所の皆さん方も本当に熱心にお取組をいただいていることには心から敬意を申し上げたいと思います。ただし、まだ高止まりをしているものがほとんどです。まだ一部製品については入荷が十分に行われないという現場もたくさんあるということも事実です。 ですから、それを踏まえて、ちょっとこれから下水道法の方に移りますけれども、やっぱりこの価格が固定をしてしまうと、事業量が、予算をせっかく同額を取っても事業量が減るということにつながるので、ここは、今の時点でしっかりとこのくらいまでやっぱり下げていこうという目標感を持って対応していく時期だということを重ねてちょっと強調していきたいと思います。 資料一を御覧になっていただきたいと思います。 今回の下水道法の改正では、改正の一条に下水道の基盤強化という文言を追加をされました。これは、下水道に関わる人的、物的、財政的基盤を強化をし、そして下水道の持続可能性を確保するということが多分目的ではないかなというふうに思います。 資料一を御覧になっていただければと思うんですが、現在と二〇五〇年まとめと、比較という形で、昨年の水道法改正に当たっての上下水道政策の基本的なあり方検討会の資料から抜粋をしたものであります。 二〇二五年と二〇五〇年を比べた場合、人口は一五%減り、有収水量は二三%減り、料金収入は下水道では二〇%減るという中で、物価は、八・六から一八という形で非常に幅がありますけれども、四倍以上になるということと、老朽化施設の規模も、管の部分では三万キロから十七万キロ、五・七倍に増える。そして、維持更新費用も六三%増えて一・三兆円になると。 これ、大臣、この数字も去年の数字ですから、今回のホルムズの部分は入っていません。ちなみに、建築資材とか労務費の上昇というのを日本建築業会連合会の資料を拝借をすると、今年の三月と去年の三月分の労賃の上昇は九・五%労務費が上昇し、そして、今お話をしたように、生コンも二〇%、アルミも四三%、アスファルトも三〇%近くアップをし、大体、材料費の五〇%から六〇%、労務費が三〇%と仮定すると、この二年間で建築資材の高騰、労務費の上昇により、全建設コストは四・四から五・一%上昇するというふうなことのようであります。 ということは、大臣、この維持更新費に例えば一・三兆円充てていても、これは、どんどん物価もこれから上がる。大臣が先ほど価格転嫁をするということについておっしゃいましたけれども、これも、ある意味では税の部分と個人の部分で分けて考えなきゃいけないかもしれませんが、いわゆる下水道、税の部分だと全てしても、この労務費や建築資材が上がった分の事業量は減っていくということになるので、また、この老朽化している施設の下水道のこの十七万キロ、四倍以上になる部分の手当てが非常に難しいという裏返しだと思うんです。 先ほど同僚議員もお話をされたように、先週の八潮で私非常に衝撃的に思ったのは、事故現場もそうなんですが、現状で今大体三百億ぐらい掛けて復旧事業をしていると。今度、復興の部分で、要するに下水道のバイパスを造った方がいいと、今日、参考人もおっしゃられていましたけれども、それをすると約一千億円掛かるかもしれないと下水道管理者がおっしゃっていました。一千億ですよ、大臣。 というものがこれから発生を多分してくるという前提であれば、やっぱり、今こういう事業をしっかりと継続的に、国の責任、都道府県の責任、地方自治体の責任という形でしっかりやっていくということは、方向性は誰でも一緒だと思うんです。その財源を誰が持つのかと。先ほど、一条の改正をして、じゃ、国が全部対応するなんということは多分できないはずなんです。必要な部分は、流域であれば都道府県、そして市町村にという形と、利用者の使用料、この税か使用料の、大きく言えばこの二択しかないはずなんです。それをしっかりと、今抑えられる部分は抑えながら、価格の部分で、そして持続可能な老朽化対策、更新という形につなげていくということが僕は必要だと思うんです。 そういう意味で、この更新の財源というものをどういうふうに大臣見られて、そして、国がどこまでしっかりと支えるのか。全部と言えば都道府県も市町村も安心するかもしれませんけれども、先ほどもお話があったように、いや、使用料って上げちゃ困るんだという人が多分ほとんどのはずなんです。という個人と公の部分の差も含めてやっぱりしっかり峻別をし、国がここまでだったらしっかり支えるよということを、この一条の基盤強化というものを付け加えた以上、やっぱりその水準を示すべきだというふうに考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) やはり、後藤委員は知事もやっておられたので、現場のことをよく御存じであるということを認識をしております。また、今おっしゃったように、同じ予算額であれば、物価高騰あるいは人件費の高騰で事業量が減るということはもうおっしゃるとおりであります。 ですから、我々は、国土強靱化第一次中期計画の中で、これまで三年間で七兆円を、五年間で十五兆、そして今回は五年間で二十兆強、これはそのときの状況によって予算は二十兆が二十一になりということが考えられるということでございますので、その中でしっかり対応していくということは必要であるというふうに思います。 その上で、今後急速に進むと見込まれる下水処理施設の老朽化対策につきましては、計画的に施設を点検し、その結果に基づいて、重大な損傷や故障に至る前に修繕、改築を行う予防保全型メンテナンスへの転換を図ることとしております。これを着実に実施するための財源としては、使用料等に加え、下水処理施設が有する公共用水域の水質保全の役割などを踏まえた防災・安全交付金等による財政支援を適切に組み合わせることが重要だと考えております。 このため、本法案におきまして下水道使用料の算定の考え方の明確化を盛り込むとともに、国土強靱化実施中期計画に基づき、老朽化対策の取組を重点的に、先ほど申し上げましたように、財政支援をしてまいります。 国土交通省としては、これらの具体的な考え方に基づきまして下水処理施設の老朽化対策を着実に進めてまいりたいと思いますし、公共工事について、非常に物価が一か月したらもっと高くなっている、それではなかなか事業として成り立たない場合はスライド条項ということであって、直近の価格を採用するということになっておりますし、例えば塩ビ管等々については、本当に設計変更をしてその分もしっかり取り込むということの制度も今つくりましたので、そのことも踏まえてこれから取り組んでいきたいと思います。
○後藤斎君 大臣、おっしゃることはよく分かります。 ただ、市町村が主体になっている下水道事業というのがほとんどで、流域の部分も当然あるんですけれども、やっぱりそのときに、今日も同僚議員からお話があったように、人材不足、人材確保、専門人材の確保が必要だと。ピーク時から四割減ったという、ピークと比べていいかどうかというのは別としても、なかなか人が集まらないと。 これは、いわゆる小規模自治体だけではなくてもう大きな政令市でも、いわゆる専門的な下水道管を扱ったりする機械職や電気職等の部分が、日経新聞の先週の部分でいろいろと、相模原でも応募がなかったということで、これは、大きな政令市でもそういう状況がもう当たり前になっているというふうなことの中でどうやって市町村が人材を確保するかというのは、私も経験値からいうと、ほとんど流域下水の部分は、下水道、山梨県でいえば、公社がその任をまとめて対応して、県から出向ないし専門職を、機械職、電気職を育てるという形で流域下水の関係する自治体の専門職を引っ張ってくるということは、なかなかもう人材確保できないので、そういう形で今はもう広域でやっています。 ただ、そのときでも、もう人が集まらないというのは定番です。これは以前もお話をさせていただいたように、霞が関でももう同じことが起こっているわけですから、それが地方に行けばますますその状況は強いという形で、資料三をちょっと御覧になっていただければと思います。 これ、佐々木副大臣とちょっとやり取りをさせていただきたいんですが、もう既に、これ二四年ですから、二年前の地方公営企業決算状況という形で、下水道の維持管理費用の内訳という形で一兆一千億強を支出をされているということで、これちょうど十二年前と比較すると五割くらい、五割じゃないか、二五%、全体でいえば総額が増えています。 ただ、その内訳で一番特徴的なのは、委託費、委託料が五割増えています。これはまさに官民連携をしてきた、要すれば、専門職員がもうなかなか対応できないという形で、民間にいろんな業務を委託する部分が非常にこの十二年間でもう既にこれだけ増えているという裏返しだというふうに私は理解をしました。職員の給与を見ると、九%以上減っていると。普通であれば、人件費、人勧で増えていくというのが普通の流れだと思いますけれども、減っているという形で、人も減るという形での、如実に表れていると思います。 そういう意味で、やっぱりもう政令市でも専門職の方が雇えないと。そうであれば、やっぱり官民連携ということを、PPP、ウォーターPPPという制度自体がいいかどうかは後でちょっとお話をさせていただきますけれども、やっぱり官民連携、要するに民間ができるものは基本的に民間にやってもらう。ただし、やっぱり一部の自治体に見られるように、海外企業が水の管理運営を全て賄うというのは、僕は個人的には大反対です。やっぱり、自治体が何らかの形で絡んで、やっぱり日本の中、その地域の水、国民、住民の分はしっかりと公の部分で守ると、供給をするというスタンスが当然大前提だと思いますけれども。 やっぱり、細々したその制度や契約書を一年ごとに更新をするとか、二、三年で見直しみたいなことであれば、ウォーターPPPが普及をするわけもないし、そんな能力があるのはやっぱり大企業ばっかりなんですよ。さっき大臣がお話をされたように、もっと地元に密着した業者さんがやっぱりそれを担当するんであればまだいいですけれども、全部東京の大きな会社がその業務委託を受けて、それで遠隔でやって、何かあったときには東京から出張して山梨や長野に行くというのは、やっぱりどう考えてもおかしいと思います。 その点、佐々木副大臣、今後、やっぱり官民連携というのは私はしっかりもっと徹底すべきだと思いますし、そうしなければ人材は集まりません。やっぱり、今日も参考人にありましたように、エッセンシャルワーカーという部分で、言葉はきれいですけれども、やっぱり下水というものは、一般的な見方とすればなかなかそう、私は下水道の部分でというふうなことを言えるような部分でない部分も一部あると思います。ですから私は、後ほども触れますけれども、もっとこの下水道処理センターという機能自体を、やっぱりエネルギーの生産拠点であったり、肥料の生産拠点であったり、地域の循環型社会の一つの大きな起点にしていくべきだという思いを強くしながら、それは後でお尋ねをしますけれども、是非、官民連携を深める際にどういうふうなことに留意をしながら対応を進めることが一番ベストな手法なのか、佐々木副大臣にお尋ねをしたいというふうに思います。
○副大臣(佐々木紀君) 御質問ありがとうございます。 やはり、人材の確保、これは大変大事だと思っておりますし、また下水道マネジメントの強化、これも非常に大事な観点だろうと思っております。 自治体においては下水道事業を担う人材の確保が厳しくなっているという、今御指摘いただいたとおりでございます。やはり、官民の枠を超えて相互に連携する、そういう執行体制を補完するということが大変重要だと認識をしております。そのための水の官民連携でありまして、民間のノウハウや専門人材を活用して、執行体制の確保や事業の効率化を図ることが必要でございます。あわせて、複数の自治体による広域連携を推進していくということもこれ大変大事でございまして、専門職員を広域的に確保して最適に配置することが可能となっていくわけであります。 国土交通省としては、人員体制の補完に有効な水の官民連携、広域連携、こういった取組をしっかりと支援していきたいと考えております。
○後藤斎君 これ、大臣、多分、水道事業をこれからも持続可能な形でやっていくには、先ほど申し上げましたように、国から自治体へのサポート、そして自治体自らが一般会計で、特に雨水処理の部分は公益性があるという形で支出をする部分、それと個人個人から、住民から取る使用料というふうなこと、この三本柱だというふうに思います。 実は、水道料の、ちょっと下水とは違う、まあ連動はしていますけれども、昨年、私の地元の北杜市で、もう二十年間、合併当時からばらばらだった水道料金を、老朽化対策ということを目的にしながら、平均で二五%上げたという。これも、実は安かったところが非常に高くなって、そこそこ高かった旧自治体はそんなに上がらずにという形で、実は議会の中でも真っ二つにほぼ分かれて、八対十一で賛成で統一的な水道料金にしたということがありました。 今年の、ちょうど先々週、七月一日から新しい料金が改定をするという形で、当時はやっぱり旧町村別に、いろんな議員の中、市民の方も、まあ対立と言ったらあれですけれども、やっぱり意見の相違というのがあったんです。これは、やっぱり下水も同じ。今、上水道連動型の部分がほとんどだと思いますけれども、やっぱり先ほど大臣もちょっと触れていただいたように、使用料というものが何なのかというのはほとんどの人が多分分かっていないはずです。 ですから、例えばこういう、議会の合意形成というふうに先ほどもどなたかの答弁でお話をされていましたけれども、合意形成をこれから広域化すればするほど難しくなります。上げるという意思決定を市町村長は、基本的には特に選挙の前はしたくないというのが当たり前です、これも。ですから、なかなか上げづらく、一般会計から繰入れの部分を増やして全体の維持管理を、だましだましという言い方もちょっと語弊があるかもしれませんが、そういう形で多分やっているという事例がほとんどだったと思います。 ですから、そういう部分で、使用料というものは何なのか、要するに自己責任の部分の汚水処理だよということをしっかりと、ある意味では、先ほどマニュアルという話を大臣されたと思うんですが、何かの基準を、下水道部長名でもいいですし、局長名でもいいですし、しっかりと国交省が、こういうものだよと、こういうときにはこういう形で上げるよと、やっぱり国がこういうふうに決めたということが自治体から見ると非常に対応がしやすいということがあるので、是非、その部分は、使用料の部分はしっかりとした、マニュアルではなくて基準を国交省として作るべきだと思いますけれども、佐々木副大臣、いかがですか。
○副大臣(佐々木紀君) ありがとうございます。 今おっしゃったように、下水道はやはり生活や産業活動の基本インフラとして大変公共性が高いものでございますから、予算で補う部分と使用料で補う部分ということがあろうかと思います。その上で、使用料、下水道の使用料については議会の議決を経て条例で定めるものというふうに現状なっておりますので、議会の議決が必要だということでございます。 一方で、自治体などから、昨今のエネルギー費用の変動、これを使用料に反映できる仕組みを導入してはどうだと、導入する必要があるんではないかという御意見もあるのも承知をしておるところでもございます。 国交省としては、自治体など関係者の御意見を聞きながら、持続可能な使用料制度の在り方について検討してまいりたいというふうに思っております。
○後藤斎君 大臣、またちょっと別途、時間が余ったらですけれども。 やっぱり、下水道をこれからも維持管理、更新も含めてしっかりと持続可能性ある形には、国からのしっかりとしたサポート、そして自治体の税収での一般会計からの繰入れ、そして使用料と。 もう一つ、大臣、柱をつくりませんか。これを、私が前から繰り返してきた、要するに、肥料化をする拠点にする、そしてエネルギーの発電の拠点とする。そうすれば、これを例えば施設を民間開放をして民間に対応させても、その消化ガスを売った売却益であるとか地代収入であるとか、そういうものを一本柱を、いわゆる公営企業ですから、柱は立てられるはずなんです。そうやって、持続可能な形で、できるだけ収入を別のところからも得て、使用料をできるだけ上げないように努力をするというのが基本であれば、住民、市民の皆さん方も納得をする可能性が高いというふうに私は思います。 是非そんな形で、そしてそのときに、補助のスキームというのは、ウォーターPPPもそうですが、余りがんじがらめに細かくし過ぎるとやっぱり民間参入はできないということになりますから、野方図にしろとは言いませんけれども、使い勝手が良くてウィン・ウィンの関係に、自治体、国、そして事業者という形に持っていけるような流れというものが必要だと思いますけれども、大臣、是非そんな形で第四の柱をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) 後藤委員にはこれまでも、そのような御指摘をいただいております。 もうまさに、下水汚泥を活用して下水処理場をエネルギー、資源の製造拠点とすることは重要な取組であると認識をしております。実際、国土交通省としては、下水処理場を拠点として、下水汚泥のエネルギー利用につきましては下水道脱炭素化推進事業、これ十分の五・五、それから肥料利用などに取り組む地方公共団体に対しては、技術的、財政的な支援として、下水汚泥資源の肥料利用拡大に向けた重金属、肥料成分等の分析支援事業等々、メニューを持っております。 そういう意味では、しっかりと下水汚泥からエネルギー、肥料の新たな可能性を追求していただいて、その中で上がった収入をそれに向けていただくということも非常に重要だと思っておりますので、民間事業者と連携も推進しながら、下水汚泥のポテンシャルが最大限発揮されるよう取り組んでまいります。
○後藤斎君 下水道にもっと光をと訴えて、質問を終わります。ありがとうございました。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。 下水道法改正案について、また関連する内容も含めて質問させていただきます。 国交省の統計では、二〇二四年度に全国で九千八百六十六件の道路陥没が発生し、その約一九%が地下埋設物の破損に起因して、そのうち下水道管路によるものが千三百三十一件を占めていると承知をしております。埼玉県八潮市の大規模陥没事故は、この問題がいつ、どこで起きてもおかしくない段階にあると言っても過言ではないこと、発生してしまった場合の影響は甚大であることも現地視察で理解をさせていただきました。 下水道管路は約五十万キロメートルにも及び、その全数を人手で点検をするということは、財政面でも人員面でも現実的に不可能であります。全部を点検できないという前提に立ったとき国に問われるのは、限られた資源をどこに集中させるかを科学的に決める仕組みと、万一管が損傷しても陥没に至らない備えの二つが重要であると私は考えます。金子大臣の見解を伺います。
○国務大臣(金子恭之君) ただいま重要な御指摘をいただきました。 今後増大する老朽管路につきまして、限られた人員や予算の中で着実に対策を実施していくためには、事故発生時に多数の地域住民に重大な影響を及ぼす管路に点検を重点化し、その結果に基づいて重大な損傷や故障に至る前に対策を行う予防保全型メンテナンスへの転換を図ることが重要だと考えております。 このため、本法案では、各自治体が客観的に判断できるよう診断基準を法令で定め、劣化の状況に応じて対策の優先度等を明確化することとしております。また、十分な点検ができないなど明確な診断が困難な場合には、陥没による被害を防ぐため、例えば巡視の強化や地盤改良等の安全確保措置を自治体に求めることとしております。 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じて、埼玉県八潮市における道路陥没のような事故を二度と起こしてはならないとの強い決意の下、強靱で持続可能な下水道の構築にしっかりと取り組んでまいります。
○三浦信祐君 具体的に質問したいと思います。 下水道管路に起因した陥没というのは、管の穴そのものではなくて、周辺地盤の土砂流出と空洞化によって生じ得ます。高いリスクの箇所では、液状化対策として実績のある薬剤、こういうものを注入して管周辺の地盤をあらかじめ補強しておけば、仮に管に穴が空いても、補強地盤が蓋の役割を果たして陥没に至るという破局には至りません。 これはまさにフェールセーフの考え方であります。航空機でも、あらゆるものにも適用されている考え方であります。ですので、今後、この考え方を下水道の維持管理に導入すべきと考えます。これらについてどう取り組むのか、国交省に伺いたいと思います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えいたします。 今後の下水道の維持管理においては、管路内の水位が常に高いなどの理由により点検や修繕が困難な箇所については、ただいま御指摘のありましたとおり、フェールセーフの考え方に基づきまして、陥没による被害を防ぐため、セメントで地盤を固めるなどの安全確保の措置を講じることとしてまいります。 さらに、そのような箇所における抜本的な対策として、管路の複線化を行いリダンダンシーの確保を図ることとしており、国土交通省としても、こうした取組を技術的、財政的に支援してまいります。
○三浦信祐君 複線化、よく分かるんですが、複線化でき上がるまでどうするんだという課題があるし、この液薬を、薬剤を投入するということ自体は実は多くの建設事業者の方ができるんです。事業者の皆さんがそこに関われるということで持続性が担保できるのは、別に予算があればできるわけじゃなくて、事業者の方が助けてもらったからこそできるということもあって、そういう視点を持ってもらいたいということですので、是非検討していただきたいというふうに思います。 下水道管路の老朽化対策について、めり張りある点検と管理を掲げて、社会的インパクトの大きさ、発生確率の二つの軸を掲げてリスクコントロールマネージを図ることとしているというのは理解をしております。この実現に当たっては、先ほど来あります官民連携と広域化がキーワードだと専門家は提唱されております。 現場の実情を把握し、先進的な技術を有する官民の知見を融合させたような、要は箱という意味ではなくて組織による管理が有効だと考えますけれども、佐々木副大臣に見解を伺います。
○副大臣(佐々木紀君) 人口減少に伴い、執行体制や財政などの事業運営の基盤が脆弱化していることから、自治体の人員不足を補完し、民間のノウハウや専門人材を活用する水の官民連携を推進し、執行体制の確保や事業の効率化を図ることが必要です。これにより、自治体の有する地域ニーズと民間が有する先進的な技術を融合させ、相乗効果を発揮することが可能になると考えております。あわせて、本法案に盛り込んだ複数の自治体による広域連携を推進することで、専門職員を広域的に確保し、最適に配置することも可能になります。 国土交通省としては、これらの取組を着実に進め、強靱で持続可能な下水道の構築に向けて、地方自治体をしっかりと支援してまいります。
○三浦信祐君 スケールメリット、大事です。ただ、周辺の自治体だけで集まったら技術が集まるとは言えません。むしろ、全国各地の技術者同士が自由に話せるようなネットワークをつくると、これがポイントだというふうに思います。是非御検討をしていただきたいというふうに思います。 次に、浄化槽について質問させていただきます。 本法案に規定されている公共下水道管理者による排水区域廃止が図られた場合に、浄化槽への変更に対する接続へ、地域との合意形成はどのような段取りが想定されるのでしょうか。また、廃止となった下水管は、どのような主体が管理等の責任を負うことになるんでしょうか。加えて、不動産業者の重要事項説明との接続についてどのように整理されているのか、伺います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道から浄化槽への転換に当たっては、あらかじめ下水道使用者の同意を得ることを前提としておりますが、調整が難航することも想定されるため、下水道に代わる措置として、自治体が設置管理する公共浄化槽への転換を基本として運用することを想定しております。その上で、使用者の御理解が得られるよう、下水道を維持し続けるよりも浄化槽へ転換する方がトータルコストで有利となり、持続可能性が向上するなどのメリットを住民説明会などを通じて丁寧に御説明をし、住民の不安の解消を図りながら合意形成を図ることが重要と考えております。 また、廃止となった下水管については、撤去を行うことが原則であり、必要に応じて雨水管へ転用するなど、自治体が責任を持って対応することとしております。さらに、本法案に基づき下水道の廃止を予定している区域において、不動産取引等の際に宅建業者が重要事項として消費者に説明すべき内容等については、今後検討を進めてまいります。 国土交通省としては、関係省庁とも連携して、自治体が地域の実情に応じて下水道から浄化槽への転換を円滑に進められるよう取り組んでまいります。
○三浦信祐君 最後、一人一人のお手洗いを使ったときのその先のことでありますから、よくよく説明体制を整えると同時に、地域住民の皆さんが理解できるかどうかというのは極めて重要だと思います。加えて、線引きをどこでやるのかということが基礎自治体にとっても大きな課題になります。こういうことを国交省も、よくよく現場の声にのっとって整理をしていただけるように御尽力いただきたいというふうに思います。 次に、今後、本法改正によりまして浄化槽が増えることも今のように想定できます。その際、浄化槽の法定検査率アップが必要であります。国としての現状認識と対策を伺いたいと思います。 また加えて、浄化槽の清掃と汚泥を抜くのは年一回必要だということを私は承知をしております。実際に検査を実施する許可は都道府県が、そして一方で清掃は市町村の許認可であり、複雑な状況でもあります。保守と水質検査、清掃の三つセットでコントロールが必要であります。同じテーブルに着く法定協議会が全国で実施できるように本改正を機に推進すべきと考えますが、環境省、是非取り組んでいただけませんでしょうか。
○政府参考人(成田浩司君) お答えいたします。 委員御指摘の法定検査の受検率につきましては、令和六年度末時点で、浄化槽法第七条に基づく浄化槽設置後の水質検査が九七・二%である一方、浄化槽法第十一条に基づく定期検査では五〇・九%にとどまっている現状でございます。 環境省といたしましては、受検率の向上に向けまして、自治体向けの指導・助言マニュアルの周知や、受検をより効果的に促す基盤となる浄化槽台帳のデジタル化に関する事例集の周知などを進めているところでございまして、自治体の取組を引き続き支援していく所存でございます。 また、保守点検、清掃、法定検査という維持管理の実施率や受検率を向上させていくためには、法定協議会の活用が重要であると考えているところでございます。 環境省におきましては、先ほど申し上げました事例集の中で、法定協議会を通じて、浄化槽の維持管理情報の収集活用に取り組む自治体の先進事例を取りまとめ、公表する等の取組を行ってきたところでございます。 今後も、法定協議会の設置及び活用が一層図られるよう、環境省といたしましても後押しを進めてまいりたいと考えているところでございます。
○三浦信祐君 これやはり、下水道の排水区域を変えたときに、浄化槽が普通に点検されて維持できると、これ前提で皆さんが理解をされるはずです。ですので、国交省も環境省ともよく連携していただいて、加えて、法定協議会ってたしか半分ぐらいしか全国の中でできていないはずであります。これから選択をするに、でき上がってからテーブルでは困りますので、大臣も、是非その辺、御尽力をいただきたいというふうに思います。 次に、本法改正において、安全対策確保を最優先する下水道マネジメントの確立が挙げられ、確実な老朽化対策、計画的な改築を進めるとしております。下水道のみならず、防災、国土保全に関するインフラについても、安全性等の機能を持続的に確保することが必須であります。先ほど午前中の参考人の先生方からも、下水道のみならず総合的なマネジメントの観点でお話を頂戴しました。 八潮市での道路陥没事故を踏まえれば、単に下水道だけじゃなくて、社会的影響の大きいインフラにおける機能喪失リスク低下対策が重要であります。河川ではどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(林正道君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、河川においても、人口、資産の集積地を守る堰や水門、排水機場など、機能不全に陥ると社会的影響の大きい施設の老朽化が進行しており、これらの施設の維持管理を適切に行うことが重要だと考えてございます。 このため、国土交通省では、今年四月に専門的な知見を有する学識者を委員とする重要河川施設の機能喪失回避のための施設マネジメント検討会を設置し、重要施設の選定や維持管理の手法について、三回にわたって御議論いただきました。具体的には、人口、資産の集中する地域に設置された一定規模を超える施設について、リダンダンシーやメンテナビリティーの向上の観点も踏まえて、通常の維持管理水準を引き上げて対応することなどの御意見をいただいたところでございます。 今後、本検討会よりいただく提言を踏まえまして、速やかに具体的な重要施設の選定や維持管理方法を検討し、重要施設の機能喪失リスクの低下対策を進めてまいります。 以上です。
○三浦信祐君 インフラ全体で見たときに、この急所というのは、河川の構造物だけではなくて、ダムにおいても同様であります。構造物そのものの維持管理、更新だけではなくて、ダム等の施設の機能に影響する土砂に関する対策も欠かすことはできません。すなわち、下水道だけ注目すると、そこに投資をするだけではやっぱり駄目で、全体を見なきゃいけないということを議論したいと思います。 社会的な影響が大きな大規模な水害被害をなくすためには、上流で洪水を調節するダムの役割が重要であるということは論をまちません。気候変動に対応しつつダムの機能を持続的に発揮していくためには、堆砂対策の強化が求められます。どのように取り組むのか、国交省に伺います。
○政府参考人(林正道君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、気候変動の影響により水災害の激甚化、頻発化が懸念されている中、大雨の際に貯水池に水をため、下流河川への流量を低減させるダムは水害のリスクを低減させるために重要な施設であり、ダムの機能を持続的に発揮していくために堆砂対策を適切に行っていくことが重要であると考えてございます。 国土交通省では、堆砂の影響が懸念されるダムにおいて、ダム貯水池に堆砂した土砂のしゅんせつ、掘削、必要に応じて土砂の流入を防止する貯砂ダムを設置したり、土砂を下流に直接流す土砂バイパストンネルの整備など、対策を実施してきたところでございます。 例えば、神奈川県内を流れる相模川水系の宮ケ瀬ダムにおいても、令和七年度より貯砂ダムや掘削土砂の仮置場の整備を進めており、掘削した土砂の一部はダム下流へ置き土し、下流河川へ還元する取組を進めているところでございます。 引き続き、気候変動に対応しつつダムの機能を持続的に発揮していくために、効率的な堆砂除去に向け、排砂手法、堆積した土砂を貯水池から排出する手法の検討など技術開発を進めまして、関係機関とも連携し、ダムの堆砂対策の強化に努めてまいります。
○三浦信祐君 気候変動という言葉もありました。今、気候変動によって海面は上昇して波浪が強くなるために、海岸の砂浜がますます浸食が進むのではないかという懸念もあります。今、砂防ダムを造って下流に砂が流れ込まないようにということをこれまでやってきましたが、今度は砂が供給されないと養浜ができないという、同じ局の中でもそれぞれの取り合いが生じているというのも、これが現実であります。まさに、インフラって点を見てはいけないということを証明しているものだというふうに思います。 私自身の地元神奈川県でも、多くの方々が来られる湘南海岸、これ大分砂がなくなっています。特に相模湾岸での養浜は喫緊な課題となっております。昔は大分遠浅のところで野球をやったとか、いろんな海岸で遊んでいたというところが、その砂浜は消失して、ありません。今後どのようになっていくのかというのは、漁業権のみならず、その横を通っている有料道路、ここの足場のところにも直接波が当たって、今までの設計強度とは全然違うという、そういう現実もあります。 すなわち、この養浜ということについての課題がどう克服できるかということが持続可能性のある安全性が高い海岸を得ていくことになっていくと思います。海岸保全に向けてどのような取組をしていくのか、国交省に伺います。
○政府参考人(林正道君) お答えいたします。 気候変動の影響により海面水位の上昇や波浪の強大化などが見込まれるために、国においては、海岸の保全に関する基本的な方針を定める海岸保全基本方針、これを令和二年十一月に見直しまして、海岸堤防などの整備においては、気候変動の影響で生じる高潮、波浪など、外力の増大を考慮した対策に転換することにいたしました。これに基づきまして、海岸のある三十九都道府県で海岸保全基本計画の見直しに着手しており、現在までに二十四の都道府県で変更が完了してございます。 例えば、神奈川県が令和八年三月に変更した相模灘沿岸海岸保全基本計画においては、気候変動の影響による平均海水面の上昇量や台風の強大化を考慮した結果、海岸の堤防は以前の計画より平均一・四メートルのかさ上げが必要とされ、今後、順次対策を進めていくことにされています。一方で、砂浜につきましては、これまで神奈川県の西湘海岸で突堤の整備や養浜を行うなど、各地で浸食対策を進めているところですが、気候変動による影響については、予測の不確実性が大きく、更なる検討が必要という状況でございます。 このため、国土交通省としては、モニタリングを充実するとともに、予測モデルの信頼度を向上させるなど、浸食対策のための研究や技術開発を早急に進めまして、関係機関と連携して対策の強化に努めてまいります。
○三浦信祐君 これまでの質問を踏まえて、土砂に関する課題はダム、河川、海岸といずれにも関係するものであって、流域の上流から下流、海岸の土砂収支が安定していれば、洪水、高潮等の防護が容易にできることが想像されます。気候変動の進展に備えるほか、流域における総合的な土砂を管理していくことがますます重要になると私は考えております。国としての取組の強化を図っていただきたいと思います。是非取り組んでいただけませんでしょうか。
○政府参考人(林正道君) お答えいたします。 御指摘のとおり、土砂の課題は上流域のダム、下流の河川、そして海岸が連鎖的に影響するため、土砂の管理は、流域で土砂収支を総合的に考え、連携して対応することが必要でございます。今後、気候変動の影響により、洪水流量の増大に伴い河川上流からの土砂供給量が変化したり、波浪の強大化に伴い海岸における浸食が更に進行したりするなど、土砂に関する課題が深刻化、複雑化することが想定されます。 このため、例えばダムにおいては、堆砂土砂の掘削や放流設備の改造など、各種対策による効果、これの定量化を行ったり、海岸においては、砂浜が回復するために必要な河川からの供給土砂量の定量化などの技術開発に取り組んでまいりたいと思います。 このような技術開発、そしてモニタリングを充実することにより、山地から海岸までの連鎖的な作用を見える化して流域全体で効果的、効率的な対策を選択できるようにするなど、関係機関と連携して調整を図りながら、総合的な土砂管理の強化に努めてまいります。
○三浦信祐君 大臣、最後に、質問はしませんが、まさに総合的な管理をこういう自然のところでもやっているわけであります。人工物でありますから、老朽化対策、また検査の体制、これを、単に下水道だけじゃなくて上水道も含めいろんな地盤に埋まっているものを効果的に、そして、投資額が小さくても効果が得られるようにするという総合的なインフラに対する対応をするということが重要だということも今お聞きいただいたというふうに思います。 是非、大臣先頭にその取組を加速をしていただきたいということをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○石井めぐみ君 日本維新の会の石井めぐみです。よろしくお願いいたします。 先日、委員会派遣で、埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故現場を視察してまいりました。 まず初めに、事故により亡くなられた方に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。 また、事故対応や復旧作業に昼夜を問わず尽力された関係者の皆様に深く敬意を表します。 今回の事故は、私たちが日々当たり前のように利用している下水道が国民生活や経済活動を支える極めて重要な社会インフラであること、そして、その老朽化対策が待ったなしの課題であることを改めて示したと思います。高度成長期に集中的に整備された下水道施設は、今後一斉に更新時期を迎えます。一方で、人口減少に伴う使用料収入の減少、資材価格や人件費の高騰、さらには自治体の技術職員不足など、現場を取り巻く環境は一層厳しさを増しております。 その中で、今回の改正案では、安全性確保を最優先とした下水道マネジメントの確立や、国による技術的、財政的援助に関する規定が盛り込まれており、その点は評価しております。しかし、申し上げるまでもありませんが、法律を改正するだけでは課題が解決するわけではありません。今回の改正を契機として、事故が起きてから対応する事後保全ではなく、事故を未然に防ぐ予防保全への本格的に転換し、それを支える財政基盤や技術支援、さらにはDXの活用まで含めた着実な取組を進めていくことが重要であると考えます。 そうした観点から、順次質問していきます。 まず、予防保全への転換について伺います。 今回の改正案では、下水道施設の安全性を評価する診断基準の法制化や計画的な改築の実施、収支見直しの作成、公表など、安全性確保を最優先とした下水道マネジメントの強化に向けた措置が盛り込まれております。また、これまでも国土交通省においては、老朽化が進む下水道施設の点検や維持管理、ストックマネジメント計画の策定など、事故防止に向けた様々な取組を進めてこられたのも承知しております。 一方で、八潮市の道路陥没事故は、一たび事故が発生すると、人命に関わるだけでなく、住民生活や地域経済にも甚大な影響を及ぼすことを改めて示しました。だからこそ、今回の法改正を契機として、安全性確保を最優先とする考え方を更に徹底し、事故が起きてから対応する事後保全ではなく、事故を未然に防ぐ予防保全へと本格的に軸足を移していくことが重要であると考えます。私は、今回の法改正は、安全性確保を最優先とする下水道マネジメントへ転換していく大きな節目とすべきだと思っております。 そこで、国土交通省として、本法の改正がどのような意義を持つものと位置付けているのか、また、本法により目指す事後保全から予防保全への転換について、その必要性と実現に向けた考えを金子大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(金子恭之君) 石井めぐみ委員にお答え申し上げます。 今後の下水道行政におきまして老朽化対策を着実に実施するためには、計画的に点検し、その結果に基づいて、重大な損傷や故障に至る前に修繕、改築を行う予防保全型メンテナンスへの転換を図ることが重要だと考えております。 このため、本法案において、診断基準の法制化や診断結果の公表の義務化、下水道の計画的な改築に努めるべきこと等を盛り込むとともに、政省令を見直し、点検基準の強化を図ることとしております。さらに、国土強靱化実施中期計画に戦略的維持管理、更新を位置付け、下水道の計画的な改築、更新を重点的に支援することとしております。 国土交通省といたしましては、こうした取組を通じて委員御指摘の予防保全型メンテナンスへの転換を着実に進め、埼玉県八潮市における道路陥没のような事故を二度と起こしてはならないとの強い決意の下、強靱で持続可能な下水道の構築にしっかりと取り組んでまいります。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。予防保全の下水道行政の基本的な考え方と方向性については、よく分かりました。 次に、財政支援について伺います。 現在、多くの自治体では、老朽化した下水道施設の更新の必要性は十分認識されております。しかし、その一方で、資材価格や人件費の高騰により、以前と同じ事業を実施するにもこれまで以上の予算が必要となっております。加えて、人口減少に伴う使用料収入の減少も重なり、自治体の財政努力では必要な更新投資を着実に進めることが困難な状況にあります。さらに、自治体からは、必要な更新事業に対する国庫補助が要望どおり措置されず、事業の先送りや縮小を余儀なくされているとの声も、実際に私の自治体、取手市からも、うちは広域なんですけれども、そういった声も上がっております。 その中で、施設の老朽化は着実に進行しております。更新が遅れればその分だけ事故のリスクが高まり、結果として復旧費用や社会的損失がより多くなることは明白です。 そこで、伺います。 こうした現状を国土交通省としてどのように認識しているのでしょうか。また、予防保全型への転換を着実に進めていくためには今後どのような財政支援を講じていく必要があるのか、伺います。
○副大臣(佐々木紀君) 資材価格等の高騰の中でも自治体が下水道の計画的な更新、改築に着実に取り組むことができるように、国としてもしっかりと支援していくことが重要であると認識をしております。下水道の計画的な改築、更新には、国土強靱化実施中期計画に戦略的維持管理、更新を位置付け、重点的に支援することとしております。 引き続き、近年の資材価格や人件費等の上昇を考慮し、必要かつ十分な予算がしっかりと確保されるよう、全力で取り組んでまいります。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。必要な予算を適切に措置して全力で付けていただけるということで、期待しております。 次に、技術的援助制度について伺います。 現場では下水道施設の点検や更新計画の策定を担う技術職員が不足しており、とりわけ小規模な自治体ではその状況はより深刻となっております。現場からは、更新の必要は分かっていても、人のノウハウも足りず、事業を前に進めることができないといった切実な声も聞こえてきます。 今回の改正案では、国が都道府県や下水道管理者に対し、必要な技術的、財政的支援を行うよう努めることが新たに規定されておりますが、予防保全へと着実に転換していくためには、この規定に基づき、国の支援が現場でしっかり機能していくことが何より大切だと思います。 そこで、政府として、今後どのような技術的援助を進めていくお考えでしょうか。また、特に技術職員の不足が顕著な小規模な自治体に対してはどのように支援していくのか、お聞かせください。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 委員御指摘のとおり、本法案では、新たに国の責務として、自治体に対する技術的、財政的援助に努めることが定められております。 このうち、技術的援助につきましては、管路の安全性を評価するための診断や点検、修繕、改築等の容易性を考慮した構造等の具体的な基準を定めるとともに、それらの基準が現場において円滑に運用されるためのガイドラインの策定、自治体向けの説明会の開催などを行うこととしております。 また、技術職員の不足が顕著な小規模自治体においては、複数の自治体が連携して事業運営を行う広域連携や、民間のノウハウや専門人材を活用する水の官民連携などによって執行体制の強化を図ることとしており、具体的な検討を行う自治体への伴走支援など、きめ細かい支援を行ってまいります。 国土交通省としては、本法案に基づく自治体の取組が円滑に行われるよう、しっかりと技術的な支援を行ってまいります。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。 制度は整備して終わりではありません。制度が現場で十分に機能し、住民の安全、安心の確保につながってこそ、その意義が発揮されるものだと思います。そのためにも、自治体の実情に十分に寄り添い、必要な更新事業を計画的に進められるよう、十分な財政支援と技術的支援を是非お願いいたします。 次に、DXの活用について伺います。 技術職員の不足や担い手不足が深刻化する中、これまでと同じやり方で下水道などのインフラ維持をしていくことは、今後ますます難しくなると考えます。そのため、限られた人員でも効率的かつ高度な維持管理を実現するためには、AIやICTなど、デジタル技術の普及、活用が不可欠です。 近年では、AIによる劣化予測や画像解析、管路点検ロボットやドローンなど、新たな技術の開発、実用化も着実に進んでおります。こうしたデジタル技術を活用することで、点検の効率化はもとより、劣化状況の的確な把握や更新の優先順位付けが可能となり、限られた予算や人員の中でもより効果的な予防保全につながるものと考えます。一方で、新技術の導入には費用や専門的な知見が必要であり、特に小規模な自治体では導入のハードルが高いのが現実です。 そこで、国土交通省として、いわゆる下水道DXを今後どのように推進、普及していくお考えでしょうか。また、新技術の導入に取り組む地方公共団体に対しどのような支援を講じていくのか、お聞かせください。
○大臣政務官(上田英俊君) 多くの自治体において、技術職員の減少など執行体制に関する課題が深刻化している中で、八潮市の事故も踏まえ、下水道の老朽化対策を着実に実施していただく必要があります。 このため、AIやICTなどのデジタル技術を活用し、効率的かつ高度な維持管理を実現することが重要であると考えており、国土交通省から自治体に対し、技術開発から実装までの一連のプロセスを積極的に支援することとしております。 これまでにも自治体に対する支援策として、例えば、点検の精度や効率性を高めるための技術開発や、点検においてデジタル技術を活用する際の仕様書や積算基準などの整備、デジタル技術を活用した管路点検への防災・安全交付金などによる財政支援といった取組をしているところであります。また、今回の法律に基づき国が策定する基本方針においても、デジタル技術を始めとする先端的な技術の活用を定め、自治体の取組を更に促進していきたいと考えております。 国土交通省としては、こうした取組を通じて、下水道の維持管理の現場にデジタル技術が実装されるよう、引き続き自治体の取組を技術的、財政的にしっかりと支援してまいります。 以上でございます。
○石井めぐみ君 ありがとうございます。 最後に、金子大臣にお伺いいたします。 今回の法改正は、八潮市の道路陥没事故を教訓として、下水道行政を事後保全から予防保全へと転換していくための重要な一歩であると期待しております。一方で、法律を整備するだけで課題が解決するわけではありません。老朽化はこの瞬間も進んでおり、人口減少や技術職員の不足、資材価格の高騰など、自治体を取り巻く環境は今後更に厳しさを増していくと考えられます。重要なのは、今回の法改正を単なる制度改正に終わらせることなく、その理念を現場に着実に根付かせ、全国どこに住んでいても、誰もが安全で安心な下水道サービスを将来にわたって受けられる環境を維持していくことです。 下水道は、ふだん、その存在を意識する機会は少ないかもしれません。しかし、一たびその機能が損なわれれば、私たちの暮らしや経済活動に深刻な影響を及ぼす、まさに社会を支える基盤です。もちろん、制度を整備することがゴールではありません。国と自治体が連携し、その理念を現場で着実に形にしていくことこそ、国民の命と暮らしを守ることにつながると考えます。 そこで、伺います。 今回の法改正を契機として、下水道行政、事後保全から予防保全へ本格的に転換し、持続可能な下水道行政を実現するため、今後どのような方針で下水道行政を進めていくお考えか、金子大臣の御決意をお伺いします。
○国務大臣(金子恭之君) 本法案は、八潮市で発生した道路陥没事故を踏まえ、将来にわたり強靱で持続可能な下水道を実現することを目的としたものです。 国土交通省としては、今後、診断基準の法制化や診断結果の公表の義務化、点検基準の強化などによる安全性確保を最優先する下水道マネジメントの確立、複数の自治体が連携して事業を運営する広域連携や、官民連携の推進などによる基盤の強化を強力に推進してまいります。 このような取組を行う自治体に対して、技術的、財政的に支援し、強靱で持続可能な下水道の構築にしっかりと取り組んでまいります。
○石井めぐみ君 ありがとうございました。終わります。
○安藤裕君 参政党の安藤裕です。 埼玉県八潮市の道路陥没事故で大切な人命が失われました。改めて、犠牲になられた方の御冥福を心からお祈り申し上げます。 しかし、この八潮市の道路陥没事故は氷山の一角にすぎません。下水道の整備は高度経済成長とともに進められ、日本全国での管路延長は約五十万キロにも及びます。私が子供の頃には近所に肥だめなどもあり、私の家も浄化槽でした。しかし、下水道が普及していくに従って、肥だめなどは見なくなりました。私の家も浄化槽ではなく、下水が引かれたことを覚えています。 下水道の整備とともに衛生環境も向上し、日本人は快適に、汚物の処理をすることも目にすることもなく生活ができるようになりました。このように、下水道を整備してくださった先人に感謝しなくてはなりません。しかし、毎日当たり前に下水道が使えることに対して感謝する人はほとんどいないでしょう。 国土交通省管轄の仕事は、残念ながら、人々の生活を支える大事な仕事なのに感謝されないという、とても悲しい現実があります。皆さんもここに来るまでに道路や鉄道を使って来たと思います。しかし、道路や鉄道に毎日ありがとうと言う人はいません。また、大雨が降っても、以前であれば洪水の被害が発生していた地域でも、ダムや堤防が整備されたことによって災害が発生しなくなっています。以前なら甚大な被害が発生していた地域でも、多少の雨なら安心して枕を高くして寝ていられます。でも、雨が降った後にダムや堤防に対してありがとうと言う人はほぼいないでしょう。 一方で、公共事業はずっと敵視されてきました。公共事業は無駄だと、公共事業をなくせ、そして、公務員の数は多過ぎる、公務員を減らせと、これが一時期とても流行した政治的なスローガンでした。このような政治的なスローガンの下、公共事業予算は削減され、公務員の数も減らされていきました。 今の日本は失われた三十年と言われていますが、まさにこの失われた三十年は、公共事業予算の削減や公務員の削減に代表される緊縮財政が実行された時期でもあります。我々は、便利な下水道を利用して快適な生活を享受してきました。しかし、当たり前のことですが、下水道もメンテナンスが必要です。メンテナンスをしなければ、当然、管路はいつか壊れて使えなくなります。 今、日本中の上下水道が管路更新がなされずに老朽化しています。私たちは、先人たちが努力して整備してくれた上下水道設備を使い、便利な上下水道を当たり前に利用してきました。その一方で、次世代にこれを安心してこれからも使うことができるようにメンテナンスすることは怠り、次世代にはぼろぼろの設備しか残さない、公共事業を敵視して予算を削減した結果、管路のメンテナンスは行われず、公務員を削減して、管理できる人材育成もできなくなってしまった。とんでもないことをしてしまったと、三十年にも及ぶ政治の失策を我々は強く反省しなくてはならないと感じています。 そこで、まず内閣官房に伺います。 今、高市内閣では、責任ある積極財政という名の下に、十七の成長分野を指定をして投資をしようということを今計画しておりますけれども、この成長分野に上下水道が入っていないのはなぜなのか、この成長産業の選定基準は何なのかをお尋ねします。
○大臣政務官(金子容三君) 日本成長戦略における十七の戦略分野は、世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラを開発し、国内外に提供することで日本の成長につながること、あるいはイノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保につながることが期待できるものとして、数多くの分野から厳選したものでございます。 その上で、日本成長戦略では八つの分野横断的な課題にも取り組んでいくこととしておりますが、その一つである新技術立国・競争力強化におきまして、産業クラスターの形成に向けて、工業用水を含め、産業立地に必要なインフラの整備、機能強化などを実施し、危機管理投資、成長投資につなげてまいります。
○安藤裕君 もちろん成長投資が必要なことは分かりますけれども、上下水道がぼろぼろで、蛇口ひねっても水が出ないとか、あるいは下水が壊れていて、トイレ使うのを我慢してくださいとか、お風呂入るのは三日に一遍ですとか、そんなところに誰も来ないですよね。なので、やはり我々の暮らしを支えるこのインフラこそがまず成長産業の基盤なのだと、そういう考え方を是非政府には持っていただきたいと思います。 そして次に、下水道利用料の算定方法の考え方について伺います。 やはり、今の、今日の質疑でもいろいろありましたけれども、これからの管路更新とか、あるいはいろんな費用を利用料で賄おうと思ったら相当高くなります。やはり適切な国民負担の水準というものがあると思いますけれども、その適切とされる料金水準というものは国土交通省で考えておられるのか、伺います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道使用料の算定の対象となる経費については、施設の減価償却費、人件費、光熱費等の原価から国庫補助金や一般会計からの繰入れを除いたものとされておりますが、今回の法案において、将来の改築費用を原価に算入することも含め、下水道使用料の算定の考え方を明確化することとしております。 下水道使用料の水準につきましては、自治体の地理的条件や施設の整備時期などが様々であり、どの程度が妥当かは一概にお答えすることは困難でありますが、それぞれの自治体が、事業に要する経費とともに、地域の実情なども踏まえ適切に判断し、条例で定めるものとなっております。
○安藤裕君 条例で定めることとなっておりますということですけれども、やはり、先ほど質疑でもありましたが、なかなか下水道料金上がってしまうと生活ができないということになってきますので、是非、この国庫の補助の在り方についてもこれから検討していただきたいと思います。 それから、次の質問ですけれども、管路の更新などについて、老朽した管がかなり増えているということですけれども、管路の更新などについての国による補助金はどのような基準で支給されるのか、その考え方をお伺いします。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道管路の更新等につきましては、自治体の規模などに応じ補助対象となる管路の大きさを定め、防災・安全交付金等により支援してきたところでございます。一方、多くの自治体で執行体制が脆弱化している中、水の官民連携により民間の人材ノウハウなどを生かし、事業を持続的に運営していくことは喫緊の課題と考えております。 このため、令和五年のPPP/PFI推進アクションプランにおいて、令和九年度以降の汚水管の改築、いわゆる更新に係る国費支援については、水の官民連携の導入を決定済みであることを交付要件とすることとされ、これに沿って対応することとしております。 また、昨年六月に閣議決定された国土強靱化実施中期計画において、下水道の戦略的維持管理、更新や耐震化などが盛り込まれており、この計画に基づいて取組を進めているところでございます。具体的な交付要件につきましては、本年六月に改定された同アクションプランにおいて、小規模案件の乱立等により事業の広域化が妨げられることのないよう制度設計を行うとされたところであり、本法案の趣旨も踏まえつつ、国土強靱化や広域連携の取組と整合を図り、自治体の御意見なども丁寧に伺いながら検討を進めてまいります。
○安藤裕君 ありがとうございます。 つまり、PPP/PFI推進アクションプランというものの下でウォーターPPPの導入を決定済みであることを令和九年度以降に要件化するということになっておりますが、下水道事業の官民連携を進めることが政府として推奨しているということでございます。 そして、我々参政党は反グローバリズムを訴えている政党です。この反グローバリズムって分かりにくいと思うんですけれども、改めて少し説明をすると、グローバリズムというのは何かということですが、グローバリズムというのは、多国籍企業が国境を越えて自分たちに都合のいい市場をつくる行為や、その思想をいいます。もう少し分かりやすく言うと、新自由主義とか株主資本主義とも言われます。つまり、株主や大企業の利益を最大化する行為のことです。これが進展すればするほど低賃金化が進み、格差が拡大していく。だから私たちはグローバリズムに反対をし、反グローバリズムを主張しています。 今、下水道の官民連携には外資系企業や上場企業も参入してきています。その官民連携が果たして本当に国民のためになるものなのかということを議論していきたいと思います。 そこで、まず法務省に伺いたいと思いますが、株式会社とは一体誰のものでしょうか。
○政府参考人(竹林俊憲君) 法務省が所管いたします会社法についてお答えいたしますと、講学上、一般に、株式会社は出資者である株主が所有するものであると理解されていると承知しております。 したがいまして、株式会社については、株主の利益に資するよう、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することが期待されてございます。株式会社には、株主以外にも従業員、顧客、取引先等の多様なステークホルダーが存在いたしますが、企業価値の向上が実現されれば、従業員その他のステークホルダーの利益にもつながるものと考えてございます。
○安藤裕君 ありがとうございます。 私が子供の頃は、株式会社というのは、会社は社会の公器であると、そういうふうに教えられていたんですけれども、最近は、もう法務大臣も、会社は株主のものであると、そのように答弁するようになりました。考え方が大きく変わって、今の御答弁でもありましたけれども、株主の利益を最大化にする行動をするのが株式会社であると、そういうことになっているわけですね。 次に、金融庁に伺いますが、今コーポレートガバナンス改革というものがどんどん進められていって、いろいろ指摘されていますけれども、我々も指摘をしていますが、売上高が余り上がっていないにもかかわらず賃金が余り上がらず、でも経常利益や配当金はどんどん増えていると、そういう状況になっております。このコーポレートガバナンス改革というのは一体何のために行われているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(新発田龍史君) お答え申し上げます。 我が国のコーポレートガバナンス改革は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から推進してきたものでございます。上場企業向けの行動原則でありますコーポレートガバナンス・コードでは、株主との対話に加えまして、従業員や取引先、地域社会などの株主以外のステークホルダーとの適切な協働も、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の観点から重要である旨が示されてございます。 また、現在検討しておりますコードの改訂案におきましても、様々なステークホルダーとの適切な協働の例示として、人的資本への投資等や適切な分配を行うことを挙げているほか、地域社会に資する投資も、中長期的な企業価値向上につながる場合には、会社の存続、活動の基礎をなす主体を活性化するという意味において重要であるという旨を示してございまして、上場企業には、それぞれの置かれた状況を踏まえつつ、この内容を参照していただくことを期待してございます。
○安藤裕君 ありがとうございます。 このコーポレートガバナンス改革はどんどん進められていって、そして、企業も株主の利益を最大化していくという行動を半ば義務付けられているんではないかと、我々はそのように考えております。 そして、今、国内の上場企業もかなり外国人株主の割合が増えてまいりました。それから、この下水道に関しても、外国資本にもこの参入は許されていると、環境になっておりますが、この外国の資本、外国の会社が、じゃ、日本人の生活を最優先で経営を考えているかといったらそんなことはなくて、自分たちがもうかるからこの下水道事業に参入してくると、そう考えるのが当然だろうと思います。 その上で国交省に伺いますが、これからも、外国資本のこの下水道事業への参入はこれからも開放していくのか、そのことについて伺います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 我が国の上下水道事業は、水道法及び下水道法に基づき運営することが求められており、同法の管理者である自治体が責任を持って適正なサービスを提供する義務がございます。水の官民連携を導入する場合でも、料金や使用料は自治体が議会の議決を経て条例で定めることに変わりはなく、施設の所有権も含め、事業運営の最終責任は自治体にあります。 国土交通省では、法令や契約に基づき、外資系企業が参画しているかどうかを問わず、適正かつ確実に事業を実施しているか定期的にモニタリングするよう自治体に求めております。モニタリングの結果、契約上の要求水準に達していないなど事業の実施状況が適切でない場合においては、民間事業者に対して改善の指示などを行うこととしております。 また、上下水道においては、二十四時間三百六十五日、緊急的な対応が求められるため、水の官民連携には地元企業の参画が重要と考えております。そのため、緊急時の即応体制を入札時に加点評価する方法や地域要件の適切な活用など、地元企業が参画するための工夫や先行事例の取組などをガイドラインにまとめて周知をしております。 国土交通省としては、水の官民連携が適正かつ確実に実施されるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○安藤裕君 そうはいっても、やはり民間企業、株式会社が参入している限り、株主に対して配当金は出さなくてはならないと思います。つまり、行政が運営するときに加えて配当金を出さなくてはなりませんから、その分どうしても料金設定は高くなると考えるのが普通ではないかと思いますが、その点についての見解を伺います。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 水の官民連携の導入に当たっては、自治体が実施する導入可能性調査等において、自治体が直接事業を実施する場合と比較したコストや、平常時、災害時の執行体制、DXを始めとする新技術の活用などを総合的に評価した上で導入決定することとしております。 また、自治体が水の官民連携を導入する場合であっても、料金や使用料は自治体が議会の議決を経て条例で定めることに変わりはなく、受託者が一方的に水道料金を変更することはできません。加えて、モニタリングの結果、契約上の要求水準に達していないなど事業の実施状況が適切でない場合においては、民間事業者に対して改善の指示などを行うこととしております。 このため、御懸念のように、配当金により水道料金が高くなるようなことは生じないものと考えております。
○安藤裕君 配当金によりというお話ありましたけれども、でも、当然、民間企業が参入するわけですから、この管理業務に参入をして利益が出るということが想定されているわけですね。そして、想定されて、そして一部は株主に配当として回っていくということは、これは当然なんだろうと思います。一方で、同じ料金でも、そうやって仮に自治体がそのまんま運営していれば、その利益は自治体の元に残って、例えば水道料、下水道の利用料の値下げとか、あるいは次の管路の更新の経費に充てられるはずですよね。そういう意味でも、民間企業をこの下水道事業に参入させるというのは果たして国民の利益に資するのかということに対して、我々は強く疑問を持っております。 次の質問に移りますけれども、民営化をすることによって自治体からこの下水道管理に関するノウハウが損なわれるのではないかという指摘がありますけれども、この点についての国交省の見解を伺います。
○大臣政務官(上田英俊君) 多くの自治体において技術職員の減少が課題となっている中、災害時なども含めて対応能力を確保することや、技術、ノウハウの空洞化を防止することが重要だと考えております。水の官民連携は、職員不足という課題に直面する自治体が民間の方々と連携して上下水道の基盤を強化するものであり、このような取組を通じて、民間の人材、ノウハウなどを活用し、執行体制の確保や事業の効率化を実現することが期待できます。 御指摘の点について、水の官民連携の実施に当たっては、自治体職員に対して受託企業の技術者が有する専門的なスキルを伝授する取組などが行われている事例もあると承知をしております。また、複数自治体による広域連携と組み合わせることで、自治体の技術職員の効果的、効率的な配置や技術力の確保が可能になると考えております。 国土交通省としては、このような取組を通じて、水の官民連携と広域連携を併せて推進し、強靱で持続可能な上下水道を実現してまいります。 以上でございます。
○安藤裕君 ありがとうございます。 我々がこの下水道事業を民営化ではなくて行政でやっていただきたいと言うのは、やはり下水道というのは使わなくてはならないものです。そして、ここに民間企業を参入させると、必ず、どんなに貧乏な人から取り上げた下水道料金も、一部が配当金として回っていくことになるわけですね。つまり、みんなから集めたお金を株主のところに回していくという、そういったシステムができ上がるということになります。そういう意味でも、是非このPPPの推進というものは見直していただいて、国民のための下水道事業をしっかりと構築していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。 かつて日本は、石油危機に見舞われた際に、省エネという考え方を根付かせました。私は、これは日本の大きな財産だと思っています。そこから生み出された省エネ技術、省エネ商品は世界市場を牽引いたしました。まさに、あのピンチをチャンスに変えたいい例だと思うんですね。 〔委員長退席、理事蓮舫君着席〕 これから人口減少とインフラ老朽化が同時に進んでいく中では、省エネならぬ省インフラの考え方が私は必須だと思っています。その省インフラを実現していくためには、やっぱり住民の皆さんからしっかりと御理解と御協力をいただかなくてはなりません。 それには、省インフラというのは単に施設を減らすことじゃ、もう本当に少なくしていくことじゃないんだよと、地域の人口や利用実態に合わせて、残すところは残す、集約する、あるいは分散型に変える、転用する、撤去する。こういった選択肢を組み合わせて維持管理が持続可能な形にしながら、住民の皆さんの暮らしの豊かさですとかあるいは安全ですとか、そういったものはしっかり守っていくのだということを理解していただいての合意形成、これがとても必要だし、重要だと思っています。 午前中の参考人質疑の中でも、インフラ再編のためのこの合意形成に向けては、家田参考人から、徹底的に見える化をやることだと強く強く御提案をいただきました。今回の法改正で計画的な改築や収支の見通しの作成、公表を求めることは、この老朽化の実態と将来の負担を住民の皆さんにまず見える化する第一歩だと私は評価しています。 省インフラを進めていくためには、どの施設を残して、どこは更新し、どこを再編するのかを判断できる正確なデータが必要です。一方、自治体はマンパワー不足、作業の安全性の問題も大事ですよね。そういったことから、ドローンなどの新技術、これを導入することが言われておりますし、先日の八潮市への視察でもその重要性、必要性というのはつくづく感じました。 実際、現在、この下水道の管路の調査にドローンを使っているという、利用率といいましょうか、実施率といいましょうか、どのぐらいなんでしょうか。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。 下水道事業を実施している全国約千五百の自治体のうち、ドローンによる下水道管路の調査手法等のデジタル技術を導入している割合は、令和六年度末時点において約二一%となっております。
○ながえ孝子君 まだまだこれからというところですよね。残っているところが、財政的にも弱いところとか、大きな支援が必要なところだと思うんです。 本格実施に向けて、自治体へのこの財政支援をどうやっていくのか、あるいは、これ使える技術者が必要にもなってまいりますので、そういう人材育成をどうやっていくのかなどなど、サポート体制をいつまでにどういうふうに準備、整備されていくのか、教えてください。 〔理事蓮舫君退席、委員長着席〕
○大臣政務官(上田英俊君) 下水道の管路は、管内の状況が把握しづらく、また作業に危険を伴う地下の閉鎖空間であるため、今後の下水道の点検においては、委員御指摘のように、ドローンなどの新技術を積極的に活用していただくことが必要不可欠であります。 こうした管路の特性や熟練した職員の減少という執行体制に関する課題を踏まえて、効率的かつ安全、確実に点検を実施していただくため、本年四月に国土交通省から自治体に対して、今後の下水道の点検に当たっては、ドローンなどの人が管内に入らない手法を原則とするよう要請したところです。 加えて、自治体に対する支援策として、例えば、点検の精度や効率性を高めるための技術開発や、点検においてドローンなどの新技術を活用する際の仕様書や設計基準、あっ、積算基準などの整備、自治体に対する新技術に関する情報発信の充実、そして新技術を活用した管路点検への防災・安全交付金などによる財政支援といった取組を行っております。さらに、下水道管路のメンテナンスに従事する方々もドローンの操作技術を習得できるよう、資格や研修制度について検討してまいります。 国土交通省では、こうした取組についておおむね五年を目標としたロードマップを作成しており、このロードマップに基づいて、関係機関とも連携しながら、下水道の維持管理の現場においてドローンなどの新技術が適切に実装されるよう取り組んでまいります。 以上でございます。
○ながえ孝子君 先日の八潮市の視察で、人が入れない管路をカメラで調査はしていたものの、画像が不鮮明で確認できなかった箇所があって、結果としてそのスルーしてしまったところが事故現場になってしまったという説明がありました。ですから、新たな先進的な技術が導入されてもこういうケースって起こり得ると思うんですね。確認できない部分は必ず残ります。午前中の参考人質疑の中でも、滝沢参考人からは、リスク管理として、起こることを前提に複線化を進めるんだというような話もありまして、これも今回の法改正のポイントなんですけれども、大きなリスク管理ですね。 私は、リスク管理にもう一つ、それと併せてリスクコミュニケーションも必要なんだと思っているんです。やっぱり、点検結果をその自治体の内部だけに閉じ込めさせないといいましょうか、外部とも共有して重大リスクを見逃さない仕組みを構築するということが重要ではないかと思っていますが、そういう仕組みづくりについてはどうお考えでしょうか。
○大臣政務官(上田英俊君) 下水道管路の点検では、新技術を導入した場合であっても、明確な診断が困難な場合が想定されます。点検が可能であっても映像が不鮮明な場合などには、診断の妥当性を確保するため、必要に応じて外部の専門家等の意見を聴取するなどの対応も併せて自治体に求めることとしております。 また、点検が困難な箇所において、セメントで地盤を固めるなど陥没防止策を講じた上で、これらの箇所における抜本的な対策として、管路の複線化を通じて管路内の水位の低下を可能とし、リダンダンシーの確保を図ることとしております。 国土交通省としては、こうした取組を通じまして、安全性の確保を最優先とする下水道マネジメントの確立にしっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。
○ながえ孝子君 午前中の参考人質疑で、家田参考人から群マネの話がありました。まず、三つあって、一つが官で、一つが民で、三つ目が人の群マネなんだという話がありまして、小さな自治体でも、広域連携じゃないですけれども、いろんなその専門部署の人と会話をすることで、こういうことがあったんだけれども、こういう心配があるときにはどうしているとか、この情報交換がすごく重要だという話がありまして、これが私、リスクコミュニケーションだと思うんですね。 ですので、その三つある群マネで、一つの官がうまくいかないと三つの人の群マネまで行きにくいのかもしれないんですけれども、できるところからというところで、そういう技術者同士の情報交換の場といいましょうか、そういったものは是非先立ちしてやっていただけたらなと思っていますので、よろしくお願いをいたします。 それから、省インフラで難しいのは、その住民合意ですね。技術開発より難しいと私は思うんですけれども。インフラを小さくするとか、あるいは最初はこういう計画だったけど変えますということになると、サービスが下がるんじゃないかとか、負担が増えるのではないかと、住民の皆様、やっぱりネガティブに受け止められやすいですよね。 ですので、視察の際に伺ったんですけれども、八潮市では、事故後の住民対応について、まずちゃんと補償するという姿勢を明確に示すことを第一にしたという説明がありまして、なるほどなと思いました。住民に理解を求める前に、住民が今被っている不利益ですとか、そういった状況を行政としてはほったらかしにしないんだよという姿勢をちゃんと伝えるところから信頼感が生まれる、安心感が生まれていくんだなと思いました。 下水道再編もやっぱり同じだと思います。住民の皆さんが不利益を被らない、損にならない制度設計が合意形成のベースなんだと思います。当事者としてそれをしっかりと判断していただけるように、複数案のやっぱり代替案必要だと思うんです。現行方式を維持する案と管路を集約する案、あるいは浄化槽など分散型へ転換する案、それぞれの初期費用あるいは将来の使用量の予測、災害時の復旧性などを比較できるようにして、住民の皆さんに主役として選択してもらうということが重要なんではないかと私は思っているんですけれども、再編が必要な自治体というのは、マンパワーも足りません。この複数案の費用計算だけでも大変な作業です。不明瞭、国が幾ら支援してくれるのかでさえ不明確なものですから、今ある、起債したものをどうするんだとか、いろんな負担が掛かってくるので大変だと思います。 金子大臣は、こういった再編の合意形成について、ガイドラインをしっかり作っていくんだということと、撤去にも財政支援をするという答弁をされています。もう一歩踏み込んだ伴走支援、手厚くお願いできないかと思っているんです。 例えば、今、国交省、石川県の珠洲市にも伴走支援されているかと思うんですけれども、そういった支援をしながら、モデル事業として、住民理解を得る合意形成のプロセスといいましょうか、まだ構築されていないと思いますが、そういったものを蓄積するお考えはないでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 人口減少が進み、執行体制や財政などの事業運営の基盤が脆弱化している中で、強靱で持続可能な下水道を実現するためには、浄化槽への転換や、複数自治体が一体となった広域連携の推進に取り組むことが重要であります。 浄化槽への転換に当たっては、住民の理解が得られるよう、下水道を維持し続けるよりも浄化槽への転換する方がトータルコストで有利となるなどのメリットを丁寧に説明していくことが重要だと考えております。また、広域連携については、合意が得られた自治体から段階的に参画していく方法や、使用料や会計の統合を伴わない形態を選択するなど、柔軟に進めていく必要があると考えています。 このような地域の実情に応じた合意形成を進めるためには、委員御指摘のとおり、単にガイドラインを作成、周知するだけではなく、具体的な検討を行う自治体をモデルとして伴走支援を行い、さらにその成果をガイドラインの充実につなげるなど、各自治体をきめ細かく支援してまいります。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 今、珠洲市でされていることというのは本当にこれからのモデルになる事業だと思います。市町村設置型の浄化槽へと転換するということなので、是非、この知見を固めて、これからの弱い自治体へのモデルにするように、よろしくお願いいたします。 終わります。
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。 今年四月二十一日の国交省の発表によりますと、五百三十五の地方自治体、合わせて五千三百三十二キロを対象とした下水道管路の全国特別重点調査では、腐食それから損傷が激しく、対策が必要とされた管路は今年二月末時点で合わせて七百四十八キロ、このうち二百七十七の自治体の二百一キロは原則一年以内の対策が必要な緊急度一の状態だったということです。 このような全国特別重点調査が終わって間もない五月の十日には、また大阪府摂津市で道路陥没が起きています。今回の事案は、昭和五十九年に整備された下水道管とマンホールとの間、ちょうど下水道管との接続部分の隙間を塞ぐコンクリートが剥がれ落ちてしまって、そこに水みちのようなものができたことで、それに引き込まれて土砂が流れ込んでいき、結果、空洞ができてしまったことが原因ということですけれども、今回行われた点検ではそうした不具合の発見はできなかったのかどうか。もし重要管路ではないので点検の対象外だったとすれば、今後も同じような事案が全国で発生することになってしまわないかと懸念しています。その点に関して教えていただきたいと思います。
○副大臣(佐々木紀君) 大阪府摂津市の道路陥没事故、これは全国特別重点調査の対象でございまして、マンホール内のコンクリートの剥落が確認されていたわけでございます。同市において対策を検討していた中で発生した事故でございました。 全国特別重点調査は、埼玉県八潮市の道路陥没事故と類似の箇所などについて緊急的に実施したものですけれども、今後は、これらの箇所に加えて、重要な道路や軌道下に埋設された管路などに広げて重点的に点検するものとしております。 国土交通省では、八潮市のような事故を二度と起こしてはならないとの強い決意の下、安全性確保を最優先とする下水道マネジメントの確立に取り組んでまいります。
○平山佐知子君 是非お願いしたいと思います。 今回の摂津市の事案は、埼玉県八潮市に比べれば確かに小規模かもしれませんけれども、やはりそれでも、陥没、およそ三メートル四方で、深さも三メートルほどあったということですので、人命に関わる事故にもなり得るということで懸念をしているところでございます。 それから、先ほども申し上げましたが、対策が必要な管路は全都道府県で合わせて七百四十八キロに上って、このうち二百一キロは一年以内の対策が必要ということでした。 ただ、ここでやはり問題になるのが、今日もずっとそういう議論がありましたけれども、人手不足、現場の人手不足の問題、これがあると思っています。今、下水道事業に携わる地方公共団体の職員は三十年前と比較しておよそ四割減少、土木専門の職員が一人もいない自治体もあるということです。改築工事を担う建設業者の数も減少していて、この人手不足の影響による入札不調も発生している現状もあります。 こうした状況の中で、緊急度一、それから二とされた管路の更新ですとか改築はどのような計画で行われるのか。当然、今後も老朽化する管路、年々増えていくわけですから、それを追い越すぐらいのスピードで改築、それから布設替えをしていく必要が出てくると思いますが、それが実際にできるのかどうか、国としてどのようなタイムスケジュールで取組を支援していくのか、大臣に伺います。
○国務大臣(金子恭之君) 平山委員にお答え申し上げます。 委員からも言及がございましたが、全国特別重点調査で緊急度一と判定された管路については原則一年以内、緊急度二と判定された管路については原則五年以内に対策を完了することとしており、国土強靱化実施中期計画に基づいて、国土交通省としても重点的に支援をしてまいります。 今後増大する老朽管路の対策につきましては、大規模な改築や入替えだけではなく、部分的な改築や小規模な修繕等、手間やコストが掛からない方法も適切に組み合わせて対策を講じていく方針の下、計画的に対応してまいります。 また、多くの自治体で技術職員が減少し、執行体制の脆弱化が進む中、このような対策を着実に実施していくため、本法案では、複数自治体が連携することで効率的に事業を運営する広域連携を推進する施策を盛り込んでおります。 国土交通省としては、こうした取組を着実に進め、強靱で持続可能な下水道の構築にしっかりと取り組んでまいります。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 老朽化対策というのは、地方自治体が中心となって計画を立てていくことになると思いますけれども、下水道施設の現状、点検や修繕計画、布設替えなどによる交通規制の予定など、これにはやはり国民の理解、これが不可欠になってくると思っています。 本改正案には、公共下水道等の施設の工事及び点検等の維持管理に関する情報をインターネットなどで公表することを公共下水道の管理者に義務付けるとされていますけれども、そうなりますと、地方自治体の規模によってこの差が出てしまわないかということも心配しています。 この公表すべき内容の標準化や統一化など、国がきめ細かく支援や指導すべきだと考えますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(石井宏幸君) お答えいたします。 下水道の老朽化の現状や対策の実施状況などについて、市民への徹底的な見える化が重要であり、分かりやすさや自治体相互の比較を容易にする観点などから、公表すべき内容や方法を統一することが必要であると考えております。 具体的には、施設の位置、点検、診断の結果、対策の実施時期、情報の更新頻度などについて、省令やガイドラインにおいて統一的なルールを定める予定でございます。 今後、自治体や有識者の御意見もお聞きしながら、具体的な検討を進めてまいります。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 次に進みます。 私たちがふだん何げなく歩いている道路の下には多くの埋設物があります。上下水道、都市ガス管、NTTなどの光ケーブル、それから無電柱化されているところは電線等もあります。そして、それらは道路沿いに建つ家とかビルなどにそれぞれ必ず接続されているわけです。間口が一間のお宅であろうと、エントランスを構えた大きなビルであろうと、全ての種類ですね、上下水道とかガスとかNTT、電気などが接続されているということになります。つまり、地下にあるので私たちふだんは見えないんですけれども、地下空間というのは私たちが思っている以上に複雑に混み合っているというのが分かると思います。 この本改正案では、道路占用者が工事を完了したときに、工事完了時における施設などの状況を示す図面の提出を義務付けるとされています。今後は、この道路下の占用物を三次元化して一元管理できるようになるという認識でいいのかどうか、伺います。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 道路の地下に埋設された様々なインフラ施設の情報を一元的に管理することは、道路の構造を保全し、安全かつ円滑な道路の交通を確保する上でも重要であると考えています。 このため、本法案において、道路占用者に対し、工事完了時における施設等の状況を示す図面、いわゆる竣工図の提出を義務付けることにより、地下埋設物物件の正確な三次元位置情報を把握するとともに、この情報の一元的な管理を可能とする物件管理システムの整備を進めているところです。 国土交通省としましては、道路管理者及び道路占用者に対し本システムについて丁寧に説明して利用拡大を図り、関係者間における占用物件の三次元情報の把握や共有を進めることにより、占用工事の効率化や道路地下空間の安全性確保に努めてまいります。
○平山佐知子君 先週の視察のときも現場の方に伺ったんですけれども、埼玉県のあの現場でも道路を開けてみて初めてどうなっているか分かったと、やっぱり、実際その前に分かっていればもっと早く進む部分もあったかもしれないというお話がありました。 工事の現場の方々にも、どこに何が埋まっているか今後は分かりやすいように、現場の声を聞きながら引き続き進めていただきたいとお願いを申し上げます。 これで、以上で終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(辻元清美君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、木村英子さんが委員を辞任され、その補欠として天畠大輔さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(辻元清美君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 下水道法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いいたします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(辻元清美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(辻元清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十七分散会
この記録を確かめる
S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #3941 観測 2026-08-23 00:59 JST改ざん検知用の値
59f77b54…3b0131(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #3942 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- 579ed074…b88d04
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。