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国会会議録

国土交通委員会

第221回 · 参議院 · 第5号 · 2026-04-02

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-06-26 12:37 JST 記録 #2695 ↗

発言 162

会議録情報

令和八年四月二日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月三十一日     辞任         補欠選任      今井絵理子君     長谷川 岳君      見坂 茂範君     馬場 成志君      松川 るい君     阿達 雅志君      天畠 大輔君     木村 英子君  四月一日     辞任         補欠選任      馬場 成志君     見坂 茂範君  四月二日     辞任         補欠選任      西田 実仁君     佐々木雅文君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         辻元 清美君     理 事                 滝波 宏文君                 山本佐知子君                 蓮   舫君                 後藤  斎君                 三浦 信祐君     委 員                 阿達 雅志君                 見坂 茂範君                 酒井 庸行君                 永井  学君                 長谷川 岳君                 山本 順三君                 若井 敦子君                 羽田 次郎君                 吉田 忠智君                 礒崎 哲史君                 平戸 航太君                 佐々木雅文君                 西田 実仁君                 青島 健太君                 石井めぐみ君                 安藤  裕君                 初鹿野裕樹君                 ながえ孝子君                 平山佐知子君    国務大臣        国土交通大臣   金子 恭之君    副大臣        国土交通副大臣  佐々木 紀君        国土交通副大臣  酒井 庸行君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       加藤 竜祥君        国土交通大臣政        務官       永井  学君        国土交通大臣政        務官       上田 英俊君    事務局側        常任委員会専門        員        清野 和彦君    政府参考人        内閣府大臣官房        審議官      岡本 直樹君        公正取引委員会        事務総局官房政        策立案総括審議        官        藤井 宣明君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     吉田 恭子君        法務省大臣官房        審議官      竹林 俊憲君        外務省大臣官房        長        大鶴 哲也君        財務省大臣官房        審議官      植松 利夫君        経済産業省大臣        官房審議官    浅井 俊隆君        国土交通省大臣        官房総括審議官  岡野まさ子君        国土交通省大臣        官房上下水道審        議官       石井 宏幸君        国土交通省大臣        官房技術審議官  小林賢太郎君        国土交通省総合        政策局長     鶴田 浩久君        国土交通省都市        局長       中田 裕人君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        林  正道君        国土交通省道路        局長       沓掛 敏夫君        国土交通省鉄道        局長       五十嵐徹人君        国土交通省物流        ・自動車局長   石原  大君        国土交通省海事        局長       新垣 慶太君        国土交通省港湾        局長       安部  賢君        国土交通省政策        統括官      佐々木俊一君        観光庁次長    木村 典央君        海上保安庁次長  坂巻 健太君        環境省大臣官房        審議官      成田 浩司君        防衛省防衛政策        局次長      松尾 智樹君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○令和八年度一般会計予算(衆議院送付)、令和八年度特別会計予算(衆議院送付)、令和八年度政府関係機関予算(衆議院送付)について  (国土交通省所管)     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、天畠大輔さん、今井絵理子さん及び松川るいさんが委員を辞任され、その補欠として木村英子さん、長谷川岳さん及び阿達雅志さんが選任されました。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官岡本直樹さん外二十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 異議なしと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 去る三月三十日、予算委員会から、本日一日間、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管について審査の委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  政府から説明を聴取いたします。金子国土交通大臣。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) おはようございます。  国土交通省関係の令和八年度予算につきまして、概要を御説明申し上げます。  一般会計予算の国費総額は、六兆七百四十九億円です。うち、公共事業関係費は五兆二千九百五十億円、非公共事業費は七千七百九十八億円です。  このほか、復興庁の東日本大震災復興特別会計に三百四十八億円、財政投融資計画に一兆三千七百九億円を計上しております。  次に、令和八年度予算の基本的な考え方を御説明申し上げます。  我が国は、頻発する自然災害や甚大な被害が想定される大規模地震、老朽化したインフラの保全等の課題に直面しています。こうした中、暮らしの安全、安心を確保するとともに、強い経済を実現するためには、危機管理投資と成長投資を強力に進めていくことが必要です。このためには、東日本大震災や能登半島地震からの復旧復興に全力を尽くすとともに、埼玉県八潮市の道路陥没事故等を踏まえたインフラ老朽化対策の加速化を始め、防災・減災、国土強靱化の着実な推進、交通の安全、安心の確保、海上保安能力の強化等により、危機管理投資等を進めながら、国民の生命、財産、暮らしを守り抜くことが必要です。また、持続的な経済成長に向けて、成長分野への国内投資の持続的な拡大、賃上げにつながる人への投資、生産性の向上等に寄与する戦略的な社会資本整備、インフラシステム海外展開、観光立国、物流革新、造船能力の抜本的強化に向けた取組、DX、GXを推進します。加えて、地方創生や国土計画の実現に資する地域活性化、町づくりの推進、交通空白の解消等に向けた地域交通のリデザインの全面展開等に取り組んでまいります。  これらの施策を実現するため、令和八年度予算では、国民の安全、安心の確保、持続的な経済成長の実現及び個性を生かした地域づくりと持続可能で活力ある国づくりを三本柱として、令和七年度補正予算と合わせて、切れ目なく取組を進めてまいります。  この際、公共事業を的確に推進するため、労務費確保の必要性や近年の資材価格の高騰の影響等を考慮しながら適切な価格転嫁が進むよう促した上で、必要な事業量を確保するとともに、第三次担い手三法等も踏まえ、建設産業における賃上げ等の処遇改善、働き方改革の推進、外国人材の受入れ、育成等を通じた中長期的な担い手の確保等に取り組んでまいります。  それでは、各分野の主要事項を御説明申し上げます。  第一に、国民の安全、安心の確保についてです。  東日本大震災や能登半島地震を始めとする大規模自然災害からの復旧復興を図るとともに、第一次国土強靱化実施中期計画に基づく取組等、国土強靱化の取組を強力に推進します。具体的には、切迫する大規模地震への対応、流域治水の加速化、深化、線状降水帯、火山噴火等の観測・予測体制の強化、テックフォース等の機能強化等に取り組みます。また、広域的、戦略的なインフラマネジメントの視点も踏まえたインフラ老朽化対策の加速化を始め、運輸分野の総合的な安全・安心対策、通学路等の交通安全対策、海上保安能力の強化、総合的な防衛体制の強化等に資する公共インフラ整備に取り組みます。  第二に、持続的な経済成長の実現についてです。  住宅、建築物の省エネ化や木材利用の促進、まちづくりGXを含むインフラ分野、運輸の各分野における脱炭素化、国土交通分野のDX、造船・海運業の競争力強化、持続可能な観光立国の実現に取り組むとともに、国内投資拡大、生産性向上等に資する社会資本の重点整備、地籍整備、インフラシステムの海外展開、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化等を積極的に進めます。加えて、物流や建設業を始めとする国土交通分野における担い手の確保、育成を図るため、処遇改善や働き方改革に取り組むとともに、生産性の向上を促進します。  第三に、個性を生かした地域づくりと持続可能で活力ある国づくりについてです。  バリアフリー化の推進、二地域居住等の促進、地域生活圏の形成、離島や半島を始めとする条件不利地域の振興、ウポポイを通じたアイヌ文化の復興、創造等の促進、首里城の復元に向けた取組、コンパクト・プラス・ネットワークの推進、スマートシティーの社会実装の加速、次世代モビリティーの普及促進、交通空白の解消等に向けた地域交通のリデザインの全面展開、多様な世帯が安心して暮らせる住まいの確保等に取り組みます。  以上、国土交通省関係の令和八年度予算について御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

滝波宏文 自由民主党・無所属の会

○滝波宏文君 おはようございます。自民党、福井県選出の滝波宏文です。  時間の限りもありまして、早速質問に入らさせていただきます。  地元の国道百五十八号線、福井市から私の自宅の大野市に戻るときにも通る道に沿って流れている足羽川というのが、河川がございます。福井市の中心部を通るものとして最大の河川でありますが、資料一のように、二〇〇四年の福井豪雨で堤防が決壊し、人命を含め甚大な被害が出ました。  実は、それ以前から足羽川ダムの計画があったのですが、当時、公共事業悪玉論的な論調も多い中で、地元の理解がなかなか進まないうちに福井豪雨になってしまったというわけであります。残念ながら、この豪雨被害によってダムの重要性が証明された後に上流の池田町の御理解をいただいて、現在、足羽川ダムが整備中で、鋭意建設中であります。  さらに、近年は、線状降水帯の多発など、気候変動による水害の変化も見受けられます。すなわち、この足羽川のような国管理の大きな河川以外に、県や市の管理する小さな支流でも線状降水帯の発生で一気に川があふれることがよく起きております。例えば、福井県内でも、四年前の夏、南越前町の鹿蒜川や勝山市の滝波川などで線状降水帯により河川があふれ、大きな被害が出ました。  再び、造っておけばよかったとならないように、この足羽川ダムのような国管理河川の対応はもちろん、都道府県や市町村管理の支流においても、激甚化する自然災害に対し早急に対応が必要だと考えますが、新年度予算も活用してのダム、河川早期整備について、決意を水管理・国土保全局長に伺います。

林正道 国土交通省水管理・国土保全局長

○政府参考人(林正道君) お答えいたします。  近年、気候変動により水害が激甚化、頻発化しており、毎年のように全国で甚大な被害が発生しております。委員御指摘の足羽川など九頭竜川水系においても、二〇〇四年の福井豪雨や二〇二二年の記録的な大雨によって大きな洪水が発生しています。  このような災害に対する再度災害防止に加え、地球温暖化の影響による災害の激甚化、頻発化を踏まえた事前防災対策を進めることが重要と考えてございます。九頭竜川水系においても、福井県管理の滝波川、鹿蒜川などにおいて再度災害防止対策を行うとともに、事前防災の観点から、堤防の整備、河道掘削などを計画的に進めているところでございます。また、二〇二九年度の完成に向けて足羽川ダムの建設を進めているところでございます。  国土交通省としましては、全国の河川においても、流域のあらゆる関係者が協働し、ダムや河川整備などのハード対策、そして、マイタイムラインの取組や避難を含めた情報提供体制の確保などソフト対策が一体となって、対策を総動員する流域治水に取り組んでいるところでございます。  今後とも、早期に地域の治水安全度が確保されるよう、流域治水を加速、深化し、国民の生命、財産、暮らしを守り、強い経済を下支えする再度災害防止対策、そして事前防災対策に全力で取り組んでまいります。

滝波宏文 自由民主党・無所属の会

○滝波宏文君 よろしくお願いします。  地元福井県の現在北陸新幹線の終着駅ともなっております敦賀市には、敦賀港という港湾法上の重要港湾にも指定されている天然の良港があります。  私が当選した十三年前には、鞠山南地区の埋立拡張の地元要望がありましたが、十分な利用量がないだろうということで、半分の埋立てからスタートしました。しかし、その後、モーダルシフトの動きもあって敦賀港の取扱貨物量が増えていき、資料二にありますが、これまで運航していなかったローロー船の敦賀―博多間が二〇一九年につながって、現代版の北前船と言っていいかと思いますが、敦賀の鞠山南地区の埋立ても、半分どころか、この十数年前の当初要望以上に事業化されるに至っているところであります。  このような、敦賀港を始め全国の港湾においてモーダルシフトに対応した整備をしっかりと進めるべきだと考えますが、新年度予算も活用しての港湾局長の意気込みを伺います。

安部賢 国土交通省港湾局長

○政府参考人(安部賢君) お答え申し上げます。  敦賀港は、背後圏となる関西、中部圏、中部と北海道や九州を結ぶ海上物流拠点であり、現在、フェリー、ローロー船は、週十七便就航しております。このうちローロー船については、取扱貨物量が十年間で約二・五倍に増加し、船舶の大型化も予定しております。  このような動向を踏まえ、国土交通省では、敦賀港などにおいて岸壁等施設の整備を進めているほか、全国でICTを活用して荷役の効率化を図る次世代高規格ユニットロードターミナルの形成を目指し、令和八年度から車両の位置管理システムの導入に対する補助制度の創設を予定しています。  引き続き、モーダルシフト需要に対応するため、ハード、ソフトの両面で港湾機能の強化に取り組んでまいります。

滝波宏文 自由民主党・無所属の会

○滝波宏文君 しっかりよろしくお願いいたします。  さて、新幹線について、三点まとめて大臣にお伺いしたいと思います。  まず一点目、北陸新幹線の敦賀以西のルートについては、現在、私自身、与党新幹線プロジェクトチームの事務局長として北陸新幹線敦賀・新大阪間整備委員会の司会を務め、再検証を行っているところでありますが、改めて北陸新幹線の早期の認可、着工、そして全線開業への政府の意気込みを伺いたいと思います。  そして二点目、その敦賀以西関係者の合意、早期開業のためにも、新幹線予算が少ないと思います。高市内閣も責任ある積極財政を掲げ、成長投資、危機管理投資を増やすとする中、まさに公共事業の中でも、成長戦略、国土強靱化、そして地方創生にも資する優等生と言える国の新幹線予算が余りにも少ないと思っているわけであります。  この点、先日の所信質疑でも吉田先生も触れていらっしゃったかと思いますが、道路予算二兆円等といった中で新幹線予算が僅か八百四億円ではちょっとどうかなと。ルート決定を受けて、是非、更に一千億円超、四桁億円台にしていくべきだと考えますが、大臣の所見を伺いたいと思います。  最後に三点目、新幹線の基本計画についてです。優れた事業なのにこのように新幹線予算が少ないのは、言わば分割統治されていて、基本計画があってもいつまでたっても回ってこない、それぞれそういう地域の諦めの中で、整備費が付く整備計画に格上げされている地域だけが盛り上がって、ほかの地域が盛り上がらなくなっている。つまり、本来、我が国の成長の鍵ともなる新幹線が限定的な地域問題に矮小化されてしまっている。ある意味、我が古巣でありますが、財務省の術中にはまっているところもあるかなと思いますが、基本計画が昔のままでは力が入らないという問題があります。  具体的には、五十年以上前の昭和四十八年に決定された基本計画。例えば、新幹線、北陸新幹線の関係でも議論がありますが、京都から舞鶴の方につながると期待されている山陰新幹線、この資料三、四を見ていただくと、実は基本計画には、この大阪から山陰新幹線は鳥取、松江、下関としか規定されておりませんで、そこに舞鶴も京都も書き込まれていない。これを今こそ基本計画に書き込んでいくべきときじゃないかと思います。  また、米原ルートというのは、基本計画上は北陸・中京新幹線に当たり、敦賀と名古屋をつなぐと規定されておりますが、事業者も全く見向きもしていない。今、北陸と中京を本当に結ぶというんであれば、インバウンド等も伸びている金沢と岐阜、名古屋を結ぶというふうな形に基本計画をアップデートすべきではないかと考えております。  また、四国の方ですと、京都の西田昌司北陸新幹線共同委員長もおっしゃっているように、北陸新幹線の新大阪からの延長としてのこの関空新幹線を、この四国新幹線の一部開業として基本計画、アップデートの中で位置付けるべきではないかと思います。  このように、各地の議論が基本計画のアップデートにつながるべきときではないかと考えておりますが、これも大臣の見解を伺いたいと思っておりまして、以上、北陸新幹線の早期認可、着工、全線開業、新幹線予算の大幅増額、基本計画のアップデートについて、三点まとめて大臣よりお答えをいただければと思います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 滝波委員には、整備新幹線の推進について御尽力いただいておりまして、心より感謝を申し上げたいと思います。  新幹線は、交流の促進、産業発展や観光立国、地方創生に重要な役割を果たすとともに、災害時の代替輸送ルートの確保など国土強靱化の観点からも重要であり、順次その整備を進めてまいりました。  まず、委員御地元の北陸新幹線についてでございますが、これまでに東京―敦賀間が開業し、残る敦賀―新大阪間については与党内でのルートの再検証が進められており、委員も与党PTの事務局長として御尽力されていると承知をしております。今後とも、与党における議論も踏まえつつ、一日も早い全線開業に向けて、国土交通省が鉄道・運輸機構とともに丁寧かつ着実に取り組んでまいります。  こうした北陸新幹線を始めとした整備新幹線の整備財源は、法令上、貸付料など等、それを除いた額の国と地方による負担とすることとされており、まずは貸付料をしっかりと確保することが肝要であります。現在、交通政策審議会の下に設置した小委員会で貸付料の在り方の議論を進めておりまして、こうした場での議論も通じ、適正な額の貸付料が継続的に確保できるよう検討を進め、貸付料を含めた必要な整備財源の確保を図ってまいります。  基本計画路線のお尋ねもありましたが、まずは北海道、北陸、西九州の各整備計画路線の確実な整備にめどを立てることを最優先に新幹線の整備を進めている中、基本計画路線について全国から御要望をいただいているほか、各地域で様々な検討が行われていると承知をしております。こうした基本計画路線については、新たな取組として、初めて基本計画路線に係るケーススタディーを実施することとし、必要な経費を令和八年度予算案に盛り込むなど、更なる取組を進めてまいりたいと考えております。

滝波宏文 自由民主党・無所属の会

○滝波宏文君 よろしくお願いいたします。  そして、別件ですけれども、私は、これまで障害者福祉にとりわけ力を入れておりまして、超党派の議連の創設時の事務局長を務めるなど、コアメンバーとして、議員立法三本、すなわち読書バリアフリー法、障害者の情報コミュニケーション施策推進法、手話推進法、これらを成立させてきました。  その根底には、障害者に優しい社会は健常者にも生きやすい社会だという考えがあり、健常者にも障害者施策を自分事として認識してもらいたいという思いがあります。すなわち、健常者も年を取るに従って、目が見えにくくなる、耳が聞こえにくくなる、足も弱くなる、いつ何どき事故に遭って車椅子に乗るかも分からない。そういうときに、障害者のハンディをカバーする社会であれば、皆が生きやすいと強く感じるはずだと思っております。  そういう考え方のまさに如実に示すものとして、このバリアフリー、物理的なバリアフリーですが、があると思っております。今ではこういったバリアフリー施策の推進によって大きな駅にはエレベーターが通常備わっているような形になっておりますが、これによって、障害者はもちろんいれば優先ですけれども、そうでない場合には、健常者の方が大きなキャリーを持っていてもスムーズに移動ができると、こういったことになってございます。  このように、象徴的で重要なバリアフリー推進は、当初は補助金を設けて進めてきたと承知しておりますが、これまで国交省としてどのように進めてこられたのか、また、今後、新年度予算も活用し、事業者、自治体と協力しつつ、どのように推進していくのか、見解を伺います。

佐々木紀 国土交通副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(佐々木紀君) ありがとうございます。  委員におかれては、超党派の障害児者の情報コミュニケーション推進議員連盟に創設時から所属されて、事務局長として障害者関連三法の成立に実務的に関与されるなど、バリアフリーの取組全般に対して力を注いでこられたこと、心から敬意を表したいというふうに思います。  鉄道駅のバリアフリー化は、全ての方の安全、安心かつ円滑な鉄道利用に資する大変重要な施策だと考えております。国としても、現行のバリアフリー法の前身である交通バリアフリー法が二〇〇〇年に制定されて以降、順次、整備目標を拡充しつつ、鉄道事業者や自治体と連携しながら、鉄道駅のバリアフリー化を進めてまいりました。具体的には、整備目標の達成に向けて、鉄道事業者が行うエレベーター等のバリアフリー設備の整備について、鉄道駅バリアフリー料金制度、国や自治体による補助制度などによって取組を推進しているところでもございます。  国土交通省としては、引き続き、運賃や鉄道駅バリアフリー料金による利用者の薄く広い負担や予算措置による重点的支援を活用しながら、バリアフリー化を推進してまいります。

滝波宏文 自由民主党・無所属の会

○滝波宏文君 終わります。ありがとうございました。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 おはようございます。立憲民主党の蓮舫です。  今日は、来年度予算案のうち、観光事業について伺います。  いわゆる出国税、国際観光旅客税とは何でしょうか。

植松利夫 財務省大臣官房審議官

○政府参考人(植松利夫君) お答えいたします。  国際観光旅客税は、観光先進国の実現に向けた施策の財源を安定的に確保する観点から平成三十年に創設されたものでありまして、出国一回につき千円、令和八年七月一日以後は出国一回につき三千円を御負担いただくものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 それは目的税ですか。

植松利夫 財務省大臣官房審議官

○政府参考人(植松利夫君) お答えいたします。  お尋ねの目的税とは、その定義が法定されているわけではございませんが、一般的には最初から特定の経費に充てる目的で課され得る租税でございまして、税法の中でその使途を特定されているものを指す用語であると承知しております。  本税はこれに当たらないため、目的税には該当しないものと考えてございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 目的税には該当はしないんですが、普通税とは違って、実は使途は制限されているものなんです。  使途に関する基本方針、これは何に使う財源とされていますか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  国際観光旅客税の使途につきましては、外国人観光旅客の来訪の促進などによる国際観光の振興に関する法律第十二条において定められておる使途を踏まえまして、毎年、観光立国推進閣僚会議において決定している国際観光旅客税の使途に関する基本方針などで定められているところでございます。  具体的に申し上げますと、ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備などによる地域での体験滞在の満足度向上、この三分野に国際観光旅客税の税収を充当することとしているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 その上で、既存施策財源の穴埋めには使えない、納税者の納得、費用対効果の高い取組、地方創生など日本の重要政策課題に合致することが求められているんですね。  使途の予算編成の考え方ではどうなっていますか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答えいたします。  先ほど申し上げました基本方針におきましては、国際観光旅客税の使途に関する予算編成の考え方といたしまして、旅客税財源を充当する具体的な施策、事業につきましては、硬直的な予算配分とならず、毎年度洗い替えが行えるよう、民間有識者の意見も踏まえつつ検証を行い、予算編成するとされているところでございます。  また、受益と負担の関係を明確化し、予算の総合性の確保などを図る観点から、旅客税財源を充当する具体的な事業、施策につきましては、予算書においてもその旨明確化し、観光庁に一括計上した上で、関係省庁に移し替えて執行することとされております。  政府といたしましては、この考え方に基づき、旅客税関係予算の編成を行っているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 今年の七月一日から三倍に増税されるんですね。基本、日本人も外国人観光客も日本を出国するときに、これまで一律千円だったものが七月一日から三千円納税することになるんです。  これ、納税者の四分の三が外国人、四分の一が日本人。単に税収を増やすのであれば、日本人より外国人から多く徴収をする、そういうやり方もあった。あるいは、エコノミー、ビジネス、ファースト、それによって値段を分けるというやり方もあった。一律三千円にしたのは何でですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  一律三千円にいたしましたのは、昨年の骨太方針二〇二五年におきまして、二〇三〇年インバウンド数六千万人、消費額十五兆円を達成するために必要な施策と財源について検討すると定められたことを受けまして、観光庁では、交通政策審議会観光分科会における議論を踏まえ、オーバーツーリズム対策など、六千万人、十五兆円の目標達成に向けたボトルネック、課題解消に資する取組を取りまとめたところでございます。  政府としては、これらの対策を実施するための財源といたしまして国際観光旅客税を充当することが適当であると判断し、必要な財源を確保するため引上げを行うこととしたところでございます。  この際、全ての外国人旅行者一律といたしましたのは、一つには、各国との租税条約におきまして内外無差別の原則というのが適用されていること、それからあと、委員御指摘ありました座席のクラスによって額を分けないということにしたことにつきましては、実際に税を徴税する航空会社の事務負担などを考慮したものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 増税してまで充実強化したいとする観光施策、その主な背景を簡単に教えてください。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  インバウンド観光につきましては、現在、インバウンド観光の旅客数、それから消費額を増やすための取組を政府挙げて取り組んでいるところでございます。旅行者数は、様々な施策の効果もありまして、二〇二五年で四千二百六十八万人、それから消費額が九・五兆円に達するなど、観光立国に向けた歩みは順調に進めているところでございます。  その一方で、近年の旺盛な観光需要を背景に、三大都市圏を始めとした特定の都市、地域、時間帯に観光客が偏在、集中し、過度の混雑やマナー違反などにより、地域住民の生活への質の影響が顕在化しているものと認識しているところでございます。  こうした状況を踏まえまして、先般閣議決定されました第五次観光立国推進基本計画でも、二〇三〇年の訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円の目標達成に向けて、そのためにはオーバーツーリズム対策などの施策を政府を挙げて取り組む必要がある、こういう背景の下、引上げを行ったところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 確かに、閉山中の富士山に侵入して滑落して救助をされる外国人登山者とか、漫画の聖地の踏切に人が殺到して非常に危険な状況が広がっている。オーバーツーリズム対策って、私、喫緊の課題だと思っていて、この増税は理解をしているんです。  ただ、すごいんですね、今年度の予算は四百九十億だったのが、来年度予算案は税収見込みが一千三百億円になるんです。そうすると、今御説明をいただいたオーバーツーリズム対策、相当拡充できると思うんですが、それは徹底したと大臣は断言できますか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) いつも観光に関してお取り上げいただきまして、ありがとうございます。  そういう意味では、オーバーツーリズム対策、今政府委員から述べたとおりでありますけれども、いろんなことができるんだろうと思います。そういう意味では、私的に言えば、この国際観光旅客税の増額分についてはしっかりと対応させていただきたいと思います。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 外務省、日本人旅行者の安全、安心な海外旅行環境の整備、資料三です。それは何ですか。簡単に教えてください。

大鶴哲也 外務省大臣官房長

○政府参考人(大鶴哲也君) お答え申し上げます。  日本人海外旅行客、これの海外におけます治安、災害への不安等を払拭することを通じまして、観光立国推進基本計画で目標が設定されておりますアウトバウンドの回復、これにも貢献するため、日本人海外旅行者の安全、安心な海外旅行環境の整備に関わる経費として計上しているものでございます。  具体的には、安全情報の収集、発信ですとか、邦人からの相談対応、緊急時の邦人保護の拠点ともなります在外公館施設の避難所機能の強化、緊急時の邦人退避等の関連事業を行うものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 来年度の新規事業として観光財源を使う。これは来年度から始まる事業ですか。

大鶴哲也 外務省大臣官房長

○政府参考人(大鶴哲也君) 日本人の海外旅行者を含みます海外邦人の安全、安心の確保、これは、外務省ではこれまでも一般財源でこの保護に取り組んできております。  一方で、今回、国際観光旅客税を財源として行います今般の施策は、先進的な技術、指針も活用しまして、保護機能を強化した形で実施するものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 この事業は、ナイジェリア邦人に対するテロ事件の教訓から、在留届提出義務のない海外短期滞在者の安全確保、緊急事態の安否確認のため、ネットを使った情報配信サービスは二〇一四年から始まっているんです。外務省予算でずっとやってきたものを、何で増税した観光税でいきなり新規事業と計上したのか、私これ分かりません。目的外使用じゃないですか。

大鶴哲也 外務省大臣官房長

○政府参考人(大鶴哲也君) 先ほど答弁ございましたとおり、国際観光旅客税、租税条約の内外無差別の原則によりまして日本人からも徴収をしなければいけないということで、受益者負担の観点から、日本人出国者に裨益する事業は何かということを関係省庁も含めて検討してきてまいりました。  まさに委員御指摘のとおり、これまでもやってきている海外安全の対策の部分につきまして、最新のAIを活用したもの、あるいは緊急時の情報収集、こういったものを最新の国内の指針にも即しまして避難所機能を強化するということで、新しい事業として実施するものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 AIを使おうと何だろうが、外務省が単独でやる事業だと私は思っています。  さらには、観光庁、日米交流関係強化を通じた地方誘客促進事業とは何ですか。簡単でいいです。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  お尋ねの日米交流関係強化を通じた地方誘客促進事業でございますけれども、本年は米国建国二百五十周年に当たることから、その機運も活用しつつ、米国からの我が国への地方部への誘客を促進するとともに日米間の交流拡大を図るものでございまして、令和八年度当初予算案におきまして、国際観光旅客税を充当する事業として三億円を計上しているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 資料四です。日米首脳会談があったから交流関係を発展というものなんですね。  昨年、日本を訪れた観光客、トップは中国、次いで台湾、三番目がアメリカなんですよ。しかも、米国人の訪日観光客は前年度比二一・四%増、今年一月だけでも対前年比一四%増、増えているんです。  何で突然、三億円を使って、有名人を活用して、イベント等のコンテンツ発信を独自に行うんですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、米国からの旅行者につきましては順調に増加しているところでございます。一方で、今後のインバウンド誘致の課題といたしまして、消費額を増やしていくというような取組というのは重要でございます。  その観点から、特に米国の富裕者層向けの日本文化や日本各地への魅力を伝えるための様々なイベントなどを通じまして、地方への富裕者層の誘致を図るために実施しているものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 観光庁ね、言っていることは分かるんですけど、新しくコンテンツを切り出して作る。じゃ、そもそも百三十六億円掛けて戦略的な訪日プロモーションの実施も行っていますが、資料五です。これ何ですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  戦略的な訪日プロモーションにつきましては、インバウンド市場の多様化及び需要の分散に向けた地方への誘客を促進すべく、日本政府観光局を通じまして訪日プロモーションを実施する事業でございます。このうち、令和八年度当初予算におきまして、国際観光旅客税を充当するものについては、八十億円を計上しているところでございます。  なお、先ほどお答え申し上げました日米交流イベントに関する予算で予定しておりますような具体的なイベントの実施ですとか、そういったことはこの予算には含まれておりません。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 観光庁が中心となって各国からの訪日を促進する観光コンテンツというのはもう既に存在しているんですね。JNTO等を通じてイベントも既に行っているんです。同じ観光庁事業を別途三億掛けて新たに新規事業として打ち出すんではなくて、一体となって行った方がよほど私は費用対効果が高いと思っているんです。  ほかにも、国交省、グリーンエクスポ二〇二七年を契機としたインバウンド促進事業とは何ですか。簡単でいいです。

中田裕人 国土交通省都市局長

○政府参考人(中田裕人君) お答え申し上げます。  グリーンエクスポ二〇二七を契機としたインバウンド促進事業でございますが、当初予算額で二・五七億円を見込んでおります。来年三月から開催されます横浜グリーンエクスポにおきましては、日本庭園、盆栽などの日本文化、自然豊かな公園などの魅力を国内外の方に発信することとしてございます。  本事業におきましては、これらの博覧会の内容とともに、庭園やガーデンなど関連する全国各地の魅力の発信等を行うこととしており、これによりましてインバウンド需要を全国に波及させることを目的としてございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 日本の造園とか園芸等の魅力、技術を世界に伝えるコンテンツを、これも新たに作成、発信してインバウンドを促進すると言うんです。大事なんですけれども、これも、さっき言った観光庁が元々持っている百億を超える予算で行っているプロモーションで発信した方が、よほど私は費用対効果が高いと思うんです。増税で財源が増えたことによって、既存事業が新規で計上されて付け替えられたり、あるいは、本来観光庁に寄せて効率的な運用を行えばいいものをわざわざ各省庁が別途予算計上してそれぞれ事業を行うという、決して効率的とは思えないような予算計上がされているんですね。  そもそも、この観光税の使途は、硬直的な予算配分にならないよう毎年度洗い替えが行われるように予算編成とあるのに、例えば観光庁のMICE誘致・開催促進事業、これ出国税が始まった二〇一九年からずうっと行われているんですが、目的は、国際イベントを行って、日本の国際競争力強化に向けた基盤整備、あるいはイベント開催地域への大きな経済効果、資料七に付けていますが、それが目的としているんです。だけど、今回、四百九十が千三百億になった増税による財源を大切に使っていくときには、それはオーバーツーリズム対策だと、だから納税者に納得してくれと説明をしているのに、中身を見ると、既存事業をまた規模を大きくして予算を付けている。  大臣、これ、先ほど御答弁いただきましたが、オーバーツーリズムに徹底した予算に本当になっていないんじゃないですか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 今政府委員からるるお話を申し上げましたけれども、日本には、まずは日本に来ていただく、そして、その方々が三大都市圏とかあるいは特定の地域に偏ることによって問題が生じているわけでありますので、来ていただいて、その人たち、併せてそれぞれの地方に行っていただく、そしてそれぞれの地域の観光素材を磨き上げていただく。まずは日本に来ていただく、そしてその方々に全国を回っていただくという意味ではしっかりと活用させていただきたいと思います。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 大臣の言っていることはよく分かります。その大臣の答弁に沿った事業があることも否定はしません。  では確認します。来年度予算案で、観光税財源の中でオーバーツーリズム対策とタイトルを打った事業は幾つあって、予算は幾らですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  令和八年度の観光庁関係予算のうちオーバーツーリズム施策と名の付く事業は、オーバーツーリズムの未然防止、抑制を始めとする観光地の受入れ環境整備の推進一件でございまして、予算額は百億円となります。  この事業は、各地域における混雑、マナー違反などの課題解決のための地域の取組を支援するものでございますが、オーバーツーリズム対策を抜本的に解決、推進していくためには、こうした局所的、地域的な取組に加えまして、地方誘客の推進による特定の都市、地域への集中是正と分散の推進のための施策も必要であると考えているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 資料九です。  四百九十億から千三百億の財源になる観光税によって行われる来年度予算に計上されている事業は三十六あります。その中で、特に増税の理由としたオーバーツーリズム対策というのはたった一つなんですね。しかも百億です。  これ見てみると、新規と書いてありますが、さっきの外務省の事業のように、既存事業が観光税に付け替えられて新規で計上されたり、本来観光庁がまとめて行えば費用対効果が高まるものをわざわざ別々の省庁が新規に立ち上げているもの、あるいは、目的はオーバーツーリズム対策ではないのに二〇一九年から始まっている既存事業がるる続いて計上されているものもあるんです。  これは、どなたがどこで、一体どうやってこの増税財源に充てて合致していると判断したんでしょうか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  お尋ねの国際観光旅客税を財源とした事業を含む令和八年度予算案につきましては、他の予算と同様、財政法等に基づき各大臣が作成した見積りを踏まえて財務大臣が概算の要求案を作成し、閣議の決定を得たものでございます。  国際観光旅客税につきましては、ただいま申し上げました閣議決定の前に、慣例上、観光立国推進閣僚会議の決定を経ることとしております。そこで諮られました令和八年度予算案につきましては、先ほど来申し上げております二〇三〇年インバウンド六千万人、消費額十五兆円の目標の達成に向け、必要な施策を財政当局や関係省庁と調整しながら観光庁が取りまとめたものでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 いわゆる観光立国推進閣僚会議で来年度の予算方針を決定した、それは去年の十二月二十六日です、一千三百億円。それを受けて、それも踏まえて各大臣が財務省と折衝して予算案というのは決めていく。でも、それまでに事務方が事業をちゃんと積み上げて見積案を作るんですね。  資料一にあるんですけれども、そのときは、毎年度洗い替えが行われるよう、民間有識者の意見も踏まえつつ検討を行い予算を編成する。民間有識者の意見はいつ聞かれたんでしょうか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げました予算案の取りまとめに際しましては、国際観光旅客税の使途に関する基本方針などに基づき、行政事業レビューに際して、有識者からいただいた意見を踏まえ、適宜事業の見直しを行っているところでございます。  加えまして、令和八年度の予算編成プロセスにおきましては、交通審議会観光分科会におきまして今後の施策や事業の在り方について御意見を伺った上で、観光分科会の各有識者の委員の皆様に対しまして、来年度の必要な施策と、それを実施する財源を確保するため国際観光旅客税を引き上げることを説明しているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 行政事業レビューは決算です。決算に対して、既に行った事業に対して有識者の意見を聞く。今回計上しているのは、増税した新たな財源で、それをオーバーツーリズム対策で徹底して事業をつくっていくというわけですから、その意見は、今おっしゃられたのは、交通政策審議会観光分科会で有識者の意見を踏まえたと言うんですが、ここで来年度事業の方向性、具体的なオーバーツーリズム対策事業の中身、それの提言を求めるように求めたんですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  先ほど来申し上げておりますように、二〇三〇年の訪日旅行者数六千万人、それからインバウンド消費十五兆円の達成に向けまして、必要となる施策ですとか、そのためのボトルネック、解消しなければならない施策につきまして、先ほど申し上げました交通政策審議会観光分科会において御議論をいただき、御意見を伺ったところでございます。その際、観光分科会の各委員に対しまして、来年度に必要となる施策と、それを実施する財源を確保するため国際観光旅客税を引き上げることを説明したところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 この交通政策審議会の観光分科会は去年四月から十月まで五回開かれて、その意見はまとめられているんですね。観光分野と交通分野、合わせて九つの課題をまとめて、その中のたった一つがオーバーツーリズム、安全・安心対策の御意見がまとめられているんです。確かに旅客税を引き上げるべきだという意見はあったけど、それで何を行うべきだというのは聞いていないし、導いてもいないし、委員に意見を拝聴もしていません。つまり、これと来年度予算案はつながっていないんです。  そもそも、交通政策審議会観光分科会は何をまとめるための分科会なんですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) 大臣からの諮問の理由でございますけれども、二〇二六年度から二〇三〇年度までを計画期間といたします観光立国推進基本計画、これをまとめるための審議を行う、行っていただいたところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 交通政策審議会の観光分科会は、今確認したように、観光立国推進基本計画案をまとめるところなんです。これは、来年度の予算案の観光税を、出国税を財源にした事業をヒアリングしたり、有識者の意見を事業個別に向かって伺うべきところではないんです。  私が伺っているのは、来年度の予算案の観光旅客税財源由来の事業は、いつ、どこで、どんな有識者に伺ったんですか、意見を。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、行政事業レビューにつきましては、過年度の事業を対象としたものでございますけれども、そこでいただきました御意見、こういったことについては次年度の予算編成作業に反映させるというような取組を行っておりまして、令和八年度の予算編成におきましても、それは反映しているところでございます。  それと、あと、先ほど申し上げましたとおり、交通政策審議会観光分科会は第五次の観光立国推進基本計画を取りまとめることを主な事務というか、我々が諮問した理由でございますけれども、三月の二十七日に閣議決定された計画ではオーバーツーリズム対策の強化というのが一番の施策として挙げられておりまして、その中身といたしましては、先ほど申し上げましたように、個別具体的な各地域で起きている混雑やマナー違反対策への対応に加えまして、三大都市圏を始めとした大都市に集中するインバウンドを分散させるための施策ということもオーバーツーリズム対策として有効な施策として取りまとめられたところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 行政事業レビューは私が大臣のときに始めたから、中身よく分かっているんですよ。決算ベースで過去に行った事業を評価をして、民間有識者の意見を聞いて、来年度事業に反映をされる。  去年の事業ではオーバーツーリズム対策と銘打っているものはなかったんです。つまり、レビューの対象になり得ないんですよ。だから、来年度から上げてくる新しいオーバーツーリズム関連事業はどこでどの有識者に聞いたんですかと伺ったら、三月二十七日の観光立国推進閣僚会議でまとめた観光立国推進基本計画に入っていると言いますけど、今年三月二十七日って、もう予算審議入っているじゃないですか。  私は、予算案を誰がどこでどんな有識者に聞いて事業をつくったんですかと伺っているんです。だってそうでしょう。この九枚目の事業を見ても、新規と言われているものには既存事業も紛れ込んでいる、ほかの省庁が観光庁と重なって似たような事業も行っている。こういう整理をちゃんと行っていかないと、せっかく増税した財源が、納税者の理解を私は得られるとは思っていないんです。  内閣府特命大臣をやっていたときに、よく分かるんですけれども、省庁間をまたいだ同じ政策を束ねるには、やっぱり関係省庁の担当者あるいは政務三役が一体となって横串に刺さった会議を行って、そして費用対効果の高い事業をしっかり議論していかなければ、税金が正しく使えないと私は実体験で思っているんです。  実は国交省には、これまで観光立国推進閣僚会議の下に観光立国推進有識者会議もありました。あるいは、国交副大臣を座長としたワーキングチームもありました。これ各省庁間を隔てて、本当にワークしていたんですよ。でも、これ二〇一五年を最後に一回も開かれていません。もう閉じられてしまっているんですね。非常に残念です。  大臣、先ほど来事務方が答えていますこの交通政策審議会って、これは観光に特化した審議会じゃないんです。是非、これから先、観光をしっかり立国していくんだと言ったら、一回閉じてしまったような会議体、もう一回見直すべきだと思うし、こういうところで全く別の説明を事務方がしないで済むような、誰もが客観的に、納税者がこうやって立法ができたんだねと分かるような会議体をもう一回動かしていただけませんか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) これまでいろいろな御指摘をいただきました。しっかり受け止めながら、どういうふうにできるのかも含めて検討させていただきたいと思います。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 観光による旅行消費額は、日本経済にとっても非常に大切なんです。むしろ年々その重みは増しています。二〇二四年の国内外の観光客による旅行消費額は三十四・三兆円なんです。二〇二五年度の速報値を見ても、これ物価上昇要因もあるから一概には言えないんですが、もう既にこの額を上回っているんですね。  観光開発や観光客の増加、これは地域に経済的な豊かさをもたらし、あるいは雇用も生み出します。でも、他方で弊害も生み出してしまっているんです。先ほど来、大臣の答弁にあるように、一定の地域に集中をしてしまうとか、あるいは様々なマナー違反の問題とか、地域住民のトラブルが生まれて、いろいろなものを生み出してしまうのも、これは事実です。  だから、今回、増税をしてでもこうした対策に充てていきたいんだと。私はだから理解をしたんですけれども、先ほど来提案をさせていただいている、指摘をさせていただいているように、千三百億のうち、オーバーツーリズム対策、僅か百億じゃないですか。もったいないと思うんですよ。もっとこれは知恵を働かせることができたんじゃないですか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 計上されている予算額はそういうことでありますけれども、今回、全体を含めてトータルで、オーバーツーリズム対策というふうに銘を打っていなくても、それ以外の予算の中でそこに効いてくる項目もありますので、トータルで考えて、今おっしゃったようなオーバーツーリズム対策はしっかり取り組んでいきたいと思います。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 その取組の考え方を伺わせていただきたいんですが、訪問客が増えると観光客対象のお店が増えますね。で、地域住民向けの生活に必要な店が一方で減る傾向にあるんです。土地所有者は、観光客向け店舗に家賃を高く設定する傾向もこれ明らかになっています。そうなると、チェーン店などの大資本が地域に参入しやすくなる。地域外資本の店だと、観光客の売上げは地域外に流出するんです。それは地域にとっての経済的損失につながるんです。  地域でのこれまでのいわゆる地域住民用のお店が減ることは、地域固有性の喪失にもつながる、地域住民の生活利便性が下がる、こういう問題にはどうやって対応するんですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  消費につきましては、委員先ほど来申し上げられているとおり、全体で九・五兆でいっているところでございますが、インバウンドの旅行者自体もそうでございますし消費額もそうでございますが、大都市に偏在しているというような、そういった傾向がございます。  私ども観光庁といたしましては、先ほど来御答弁申し上げているように、そういったその大都市に集中しているインバウンドのお客さんをなるべく地方に行っていただくと。行っていただくだけじゃなくて、そこで消費をしっかりしていただくための、そういったコンテンツ造成につきまして様々な点から取り組んでいるところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 いや、全くかみ合っていませんよ。  観光客が増えれば、観光客用の店が増える、それまでの地域住民用の店が減る傾向にある。家賃が高くなると、大手資本、チェーン店等が入りやすくなる、地域性が失われていく。消費を増やすとこの悪循環も増えるんじゃないんですか、その対策は何ですかと伺っているんです。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) 地域に根差した食ですとか、それから地域に根差した伝統工芸、こういったものをしっかりとインバウンドの方々に御購入いただく、消費いただくということが重要ではないかと考えております。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 観光地はすごい努力を行っているんです。今の事務方の浮ついた答弁などのレベルじゃないですよ。経済効果や雇用は求めたいけれども、地域が疲弊する、地域が壊れるのは避けたい。自治体や関係者が不断の努力を行っているんです。  例えば石川県金沢市、条例で、地域で販売する土産品に制限を掛けています。歴史的町並みが残る地区にある日用品販売以外の店舗では、主に伝統工芸品など、金沢にゆかりのある物品しか販売できないようにしているんです。例えば東京の銀座、地区計画で、銀座に立地する宿泊施設の一部屋当たりの最低面積を決めることによって、実質的にカプセルホテルのような狭小宿泊施設を制限しているんです。  その地域の魅力やその地域の特性をいっときの観光需要で壊さないように努力をしているんですよ。それを支援するのが観光庁だし、国交庁だし、納税者が納めた税金による事業だと思っているんです。  そもそも観光庁や国交省は、こうした地域住民あるいは自治体が取り組んでいる事例は既にもう把握しているんじゃないですか。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  御質問いただきましたとおり、観光庁では、令和五年十月に観光立国推進閣僚会議において取りまとめられたオーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージに基づきまして、各地域が行う様々なオーバーツーリズム、住民の質の確保の向上に向けた取組の支援を行っているところでございます。令和五年補正予算と令和六年度の補正予算で合計九十億が措置されたところでございますが、これによりまして、延べ六十を超える地域の取組を支援したところでございます。  取組事例につきましては、観光庁の方でしっかりと収集いたしまして、様々な自治体、関係者に対して展開しているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 そうなんです。令和五年度の補正予算で五十億、令和六年度の補正予算で四十億。これ、二〇二三年にまとめたオーバーツーリズム未然防止・抑制による持続可能な観光推進のために自治体事業を補助してきたんですね。二年掛けて実証実験的な取組を具体的に行いました。その弊害の実態と対策を把握しているんですよ、もう既に。  例えば岐阜県の白川郷、人口千五百人の村に年間二百十五万人、村民の千四百倍以上の観光客。主な弊害事例、対策、助成事業の中身、成果を簡単に教えてください。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  この地域では、例えば、観光客を乗せた大型バスが駐車場の収容台数以上に来訪することにより、生活道路での渋滞が発生し、住民の地域内移動にも影響を及ぼしている場合があるほか、集落内はどこに入ってもよいという誤解等により、田畑、住宅敷地等への侵入、個人宅の駐車場への駐車、ごみのポイ捨てといった観光客によるマナー違反が生じているところでございました。  このため、白川村におきましては、令和五年度補正予算を活用いたしまして、繁忙期に発生する観光車両による駐車場待ちの列の解消に向けた町内駐車場の混雑状況のリアルタイム配信、混雑予測カレンダーの発信、各道路の交通規制状況に関する情報発信用のウェブページの整備、路上喫煙、たばこのポイ捨てを始めとする白川村のホームページを活用したマナーに係る情報発信を実施したところでございます。  その結果、白川郷インターチェンジから本線への大規模な渋滞発生日が減少したほか、マナー啓発に係るウェブページの閲覧件数が約十倍となるなど、マナー違反に対する理解の浸透やマナー遵守に対する機運の醸成が図られたといった成果が出ているところでございます。  続きまして、令和六年度補正予算を活用いたしまして、更にその対策を進めるべく、一部駐車場に集中する観光車両の分散化に向けて村営駐車場料金の変動制を導入するためのシステムの改修、大型バスの流入管理のための大型バス向けの駐車場予約システムの開発、導入、マナー啓発につきまして、外国人にも分かりやすいよう漫画を活用するなど、情報発信を多様化させた取組が実施されているところでございます。  その結果、システム、それから駐車場につきましては本年六月より稼働することとなっておりまして、世界遺産集落内の混雑緩和が期待されるほか、マナー啓発に係る一層の理解の促進がつながるものと期待しているところでございます。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 このほかにも、例えば北海道の美瑛町とか、京都の自治体のオーバーツーリズム対策とか、もう既に観光庁は九十億円掛けて、何が効果的か、その事業そのものを把握しているんですね。  観光庁の事業報告あるいはその他専門家の報告等をよくよく熟考させていただきますと、オーバーツーリズム対策というのはやっぱり分散化が有効的なんです。時間的、空間的、平日、休日から平日に、混んでいる昼間から朝や夜に、こういうふうに変えていく。あと、空間的、一極集中ではなくて、その奥にあるまだ知られていない地域に訪問客を誘導していく、これがとても効果的であると。  例えば、その手段として、ICT、DXの最大活用が有効。先ほど大臣が予算の概要説明で、観光立国にDXが大切だと言った。もうその実証実験の成果は持っているんですよ。例えば駐車場の事前ネット予約管理をすることによって、空いている時間帯に車を誘導できる、駐車場渋滞がなくなる。で、客も一定の数以上増えないから、これは結果として、そこの駐車場を管理している事前の人員体制も管理することができる、あるいは観光客の満足度も上がる。  こういうことが既に分かっているのに、来年度の予算案、九十億掛けた成果があるのに百億しか事業を出していないというのが私は非常にもったいないと思っているんです。大臣、いかがですか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) もう観光の場合は、本当に私の地元でもばらばらに、これまで旅館、あるいは交通機関、あるいは飲食店でばらばらにやっていたのを、今観光庁でも、皆さん方が一体となって、その地域にお金が落ちるような、外から大手の人が来なくてもできるような、そこで全てが成り立つようなものに対しても支援をしているところであります。  今御指摘もいただきましたので、これまでの観光庁の予算、あるいは国際観光旅客税で増額した分も含めて、トータルで地域の観光業を盛り上げていきたいと思います。

蓮舫 立憲民主・無所属

○蓮舫君 自然環境とか文化遺産、地域コミュニティーは、一度失われたら回復させるのが本当に困難なんです。だからやりましょうということを提案をさせていただいているんですね。  しかも、観光国際旅客税は安定財源ではないんです。コロナのときに人流は止まりました。あるいは、去年、高市総理の不用意な台湾発言によって中国側の反発を招きました。いろいろな支障が出ているんですけれども、中国人観光客が最も移動する春節の今年一月、対前年比、中国人客は六〇・七%減りました。二月は四五・二%減りました。つまり、感染症の流行、為替の変動、あるいは政治的な不安定な要因によって人の流れって動くんですね。  安定財源じゃないからこそ、ほかの省庁が乗っかってくるとか、別の目的だけれども財源があるから使ってしまおうというようなやり方は最もしてはいけない財源だということを最後にお伝えを申し上げ、質問を終えます。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 国民民主党・新緑風会の平戸航太です。国土交通委員会では二回目の質疑になります。よろしくお願いいたします。  本日の委員会の冒頭、大臣からの予算概要説明の中で、能登半島地震からの復興復旧に全力を尽くすとございました。  昨年十一月の本委員会でも取り上げております能登半島地震に伴う土地境界問題について、まずは質問をさせていただきます。  私、昨年の十二月、能登半島の付け根にございます石川県の内灘町、そしてかほく町、あっ、かほく市を訪問いたしました。内灘町ですね、内灘町とかほく市を訪問いたしました。  この地域は、地震の際に液状化が発生し、地盤が水平に動く側方流動が発生しており、深刻な被害を受けた地域でございます。私が現地を訪問した当時、地震の発生から二年近く経過しておりましたが、地震発生時の状態のままの建物や道路が残っており、復旧復興がまだまだ進んでいないという現状を見てきました。  能登半島地震では、側方流動により土地境界が不明確となっており、住宅再建や公共工事の遅れにつながる深刻な課題が生じております。  そこでまず、土地登記記録上の境界である筆界についてお聞きいたします。  現地では、甚大な側方流動により筆界を越える広域的な地盤移動が生じているにもかかわらず、政府は依然として、能登半島地震における事例は局所的な移動であり、筆界は動かないものとして取り扱うという従来の解釈を維持しております。  この認識が現地の実態と乖離しているのではないかと考えておりますが、政府参考人に見解をお伺いいたします。

竹林俊憲 法務省大臣官房審議官

○政府参考人(竹林俊憲君) お答え申し上げます。  筆界は、登記された土地の客観的範囲を区画する公法上の境界でございまして、基本的に動くことはないものと解されております。先例では、崖崩れ等により局部的に地表面の土砂が移動しても筆界が動くことはなく、地震による地殻変動に伴い広範囲にわたり土地の地表面が水平移動した場合に限って、例外的に筆界が移動したものと取り扱うこととされております。  今回の液状化に伴う側方流動は、地震による地殻変動を伴わない局部的な地表面の土砂の移動でございますので、崖崩れの場合と同様に、筆界は移動しないものと取り扱われるものでございます。仮に、側方流動で筆界が移動するとした場合には、しわ寄せを受けた土地の所有者は所有権の一部又は全部を失うおそれがあるなどの懸念がございますので、従来の解釈を変更することには慎重な検討が必要であるものと考えております。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  地殻変動を伴うか否かというところが筆界の移動の取扱いに関わってくるという認識を私自身も持ってはおりますが、しかしながら、現地の被災者の立場からすれば、地殻変動であれ液状化に伴う側方流動であれ、我々が見えている範囲で起こっている事象というもの、土地が広範囲に移動しているというところでは変わりはございません。こういった実情を踏まえ、これから検討も進めていただきたいと思いますが、被災者に寄り添った対応をしていただきたいと思います。  続きまして、復旧復興、そして住民の生活の再建、これを進めるためには、土地境界の確定、その迅速化と住民負担の軽減、そして専門人材の確保が不可欠であると考えております。  土地境界確定への対応についてお聞きします。  政府としては、昨年、令和七年九月一日に土地境界再確定加速化プランを取りまとめ、今年、令和八年一月には土地境界確定加速化プラン第二版を策定しておりますが、これまでの進捗状況と現時点での達成度を政府参考人にお伺いいたします。

佐々木俊一 国土交通省政策統括官

○政府参考人(佐々木俊一君) お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、液状化に伴いましてずれが生じてしまいました土地境界につきましては、早急に再確定する必要があると我々としても考えております。このため、御指摘のとおり、昨年九月に関係自治体とともに土地境界再確定加速化プラン、これを策定しまして、その作業を迅速に進めるため、必要な予算の確保、全国の自治体への応援職員派遣の働きかけ、こうした取組を進めてきているところでございます。  現在のところ、例えば金沢市におきましては、先行地区において、土地所有者の方々との境界立会いを終え、測量工程に、具体的な測量工程に取りかかっております。また、委員も御訪問いただいた内灘町におきましては、今月から、この四月から、元の土地境界と現況とのずれを把握するための現地調査、実際に測量に入る現地調査に着手するなど、それぞれの市町におきまして、加速化プランに沿って具体的な取組が進められている状況と承知しております。  今後とも、関係自治体、事業者と連携しつつ、境界再確定に向けた調査が早急に完了できるよう必要な対応を取ってまいりたいと思います。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  今月からも取組、体制を見直しながら早急な対策を進めていただいている点は理解しておりますが、しっかりと現地の皆様が安心してその地域に暮らせるような発信をしていただきながら、取組を進めていただけたらと思います。  次に、住民負担の観点からお聞きをしたいと思います。  境界是正に必要な分筆、所有権の移転、測量などの費用が依然として住民負担となっており、復旧復興の大きな足かせとなっております。一方、令和八年度税制改正で登録免許税の免税措置が講じられている点があることは把握しておりますし、この点は評価しております。  ただ、政府として復旧復興に全力を尽くすのであれば、被災者の負担を実質的にゼロに近づけるように、登記費用の公費負担や手数料の免除など、より踏み込んだ支援策を検討するべきではないかと考えますが、政府参考人に見解をお伺いいたします。

佐々木俊一 国土交通省政策統括官

○政府参考人(佐々木俊一君) 今委員から御指摘いただきましたとおり、境界のずれに対処するために幾つか方法ございますけれども、そのうちの一つとして、土地所有者双方が合意しまして、そのはみ出した部分を譲渡して相手方に移すという、そういう形での対応もあり得るわけでございます。この場合には所有権の移転登記が必要になりますので、住民の方々に一定の負担が生じてしまうという課題があるのは我々としても認識をさせていただいています。  このため、この点につきましては加速化プランの中でも議論をさせていただきまして、まず国としましては、地元からの御要望をいただきまして、令和八年度税制改正において、先ほど御指摘いただいたとおり、登録免許税の免除という措置を要望させていただきまして、措置を講ずることとなっております。  また、それ以外の必要となる措置につきましても、例えば不動産取得税ですとか、あるいは委託料ですね、行政書士さんへの委託料、こうした様々な費用につきまして現地でどう対応するのか、石川県において必要な予算の確保に努められるということが加速化プランの中には記載されております。  我々としましては、関係自治体へのノウハウの提供など、引き続き土地境界の再確定が円滑に進むように必要な対応を取らさせていただきたいと考えております。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  土地境界の未確定が公共事業を含むインフラ復旧の遅れにつながっている現状を政府としてどう把握しているのか、お伺いしたいと思います。  また、政府は令和八年度中の調査完了を掲げている一方で、現地からは、行政、住民双方の合意形成を支える土地家屋調査士、司法書士などの専門人材が不足しているとの声をいただいております。  国として全体像を把握した上で、必要な専門人材の確保、派遣を含め、体制強化を早急に講じるべきと考えておりますが、この点についても政府参考人にお伺いいたします。

佐々木俊一 国土交通省政策統括官

○政府参考人(佐々木俊一君) 内灘町などの液状化被災地におきましては、道路などのインフラにつきまして、応急的な復旧、こちらにつきましては完了し、日常の交通などは既に確保されているものとお聞きしております。  その上で、今後、本格的なインフラ復旧を図ることが必要になります。そのためには、先ほど来お聞きしておりますとおり、引き続き土地境界の再確定、これ必要でありますので、しっかりと進めさせていただきたいと思います。  また、御指摘いただきました専門人材、土地家屋調査士を始めとする専門人材につきましても、こちらにつきましても、しっかり体制を組んで必要な作業が進められるようにしなきゃいけないということで、昨年の十一月に、我々国交省と法務省共に業界団体に対しまして協力要請を行って、必要な要請があれば、それを受けて迅速に対応いただけるように申入れを行っているところです。現在のところ、石川県や各市町からは、事業実施に必要な体制は確保できる見込みであるということでお伺いしております。  引き続き、専門人材を含めた十分な体制の確保、これ必要になりました場合には、県、市町と緊密に連携して必要な対応を図ってまいりたいと考えております。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  今の御答弁にもありましたように、地域との、各自治体との連携を密に取りながら進めていただきたいと思います。  最後に金子大臣にお聞きしたいんですが、能登半島の復旧復興関係予算の中に地籍調査という項目がございます。この項目、令和七年度補正予算では約二億円でございましたが、令和八年度当初予算は約三十二億円の内数とされており、どの程度の規模なのかが明らかとなっておりません。予算というものは政府の方針を示す大切な数値だと考えておりますが、令和八年度予算からは土地境界の問題に対する政府の思いが見えてこないと私は考えております。  そこで、最後に、これまでの一連のやり取りも踏まえて、土地境界問題への対応、そして能登半島地震の復旧復興に向けた考え、意気込みをよろしくお願いいたします。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 平戸委員御指摘のとおり、能登半島地震による液状化に伴ってずれが生じてしまった土地境界につきましては、住宅再建や土地取引に支障を生じ得るといった課題につながることから、早急に再確定することが必要と認識をしております。このため、国土交通省としては、土地境界再確定加速化プランに基づきまして、予算や体制の確保を図ることなどを通じて、関係自治体等と緊密に連携をしながら、本来七年要するとも見込まれた境界再確定に向けた調査を、最短で二年となる令和八年度中に完了できるよう取り組んでいるところであります。  特に、自治体における人員体制につきましては、国土交通省から全国の自治体に働きかけを行った結果、三重県津市や大阪市、岡山市、鹿児島県指宿市から、内灘町に四名、かほく市に一名の応援職員を派遣していただくことになり、昨日から自治体における体制を強化した上で、土地境界の再確定に向けた事業を進めることとなりました。  国土交通省としては、被災地に寄り添いながら、引き続き、関係省庁、自治体、事業者等と一丸となって、一日も早い復旧復興に向けて全力で取り組んでまいります。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  今の答弁の中で、最短で令和八年度中ということで触れていただきました。これ、元々七年近く掛かるとされていたものが本当に短縮されているという取組であることは理解はしておりますが、ただこれ、最短で令和八年度中ということなんですが、現地の皆様、八年度中に終わるというふうに考えている方も多くおりますので、現地の皆様が安心して生活できるような迅速な対応を進めていただきたいと思います。  そして、今回、土地境界の問題を取り上げましたが、私が現地を訪れた際、側方流動の原因となった液状化、これについても住民の皆様から声をいただきました。実際、私が訪問した場所においても地面から地下水が湧き上がっており、雨が降っていないのに地面に水がたまっているという状況もございました。復旧復興に向けては様々な課題があると思いますが、こちらの対応も併せてお願いしたいと思います。ありがとうございます。  続きまして、テーマを変えまして、国際海底ケーブルについて質問をさせていただきます。  我が国は、国際通信の約九九%を海底ケーブルに依存しております。AIやデータセンターの需要の急拡大に伴い、今後の国際海底ケーブルの増設が見込まれております。このような現状を踏まえれば、我が国における国際海底ケーブルの重要性は言うまでもございません。  一方で、世界では、意図的に海底ケーブルを切断したと考えられる事案が報じられております。また、我が国周辺は多くの海底ケーブルが敷設されていることもあり、損壊事案が集中しているエリアでございます。また、物理的な脅威だけでなくサイバー的な脅威も増大しており、国家として対応強化が急務であると考えております。  そこで、海底ケーブルの防護の観点から質問をしたいのですが、海底ケーブルの防護、どの省庁の所管なのかというと、第四期海洋基本計画においては、海底ケーブルの安全対策に係る機関として、警察庁、総務省、そして国土交通省が言及されております。  まず、国土交通省に対して、海底ケーブルの警備強化について、昨年十二月四日の参議院外交防衛委員会において国民民主党の山田吉彦議員から質疑があり、取り上げております。様々な課題があると認識はしておりますが、海底ケーブルの防護の現状をどう認識しているのか、国土交通省にお伺いいたします。

坂巻健太 海上保安庁次長

○政府参考人(坂巻健太君) お答えいたします。  海上保安庁では、平素から、巡視船艇、航空機等により我が国周辺海域の監視警戒を実施しております。また、関係省庁や関係事業者等から国際海底ケーブルが敷設されている周辺海域において不審な船舶がいるといった情報があった場合には、防衛省を始めとした関係機関と連携を緊密に図りつつ、適切に対応することとしております。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  今の答弁の中で防衛省という言葉も出てきました。連携をしながら進めていただきたいと思いますが、今日、防衛省の方にもお越しいただいております。防衛省にお聞きしたいと思います。  世界では、海軍や沿岸警備機関が海底ケーブル防護に関与するのが一般的である一方、日本では、警察庁や総務省には実動部隊がなく、また海上保安庁も非軍事組織であるため、高烈度の有事には限界があると指摘されております。  こうした脆弱性を踏まえ、有事のケーブル切断を防ぐためどのような対策を講じていくのか、防衛省の参考人の方にお伺いしたいと思います。

松尾智樹 防衛省防衛政策局次長

○政府参考人(松尾智樹君) お答えいたします。  海底ケーブルは国民生活や経済活動に欠くことのできないインフラであり、防衛省としてもその安全性の確保は極めて重要であると考えてございます。  防衛省におきましては、海上自衛隊の哨戒機によりまして我が国周辺海域を航行する船舶等の状況を毎日監視するとともに、必要に応じて護衛艦などを柔軟に運用し、警戒監視、情報収集活動を行っているところでございます。加えまして、滞空型無人機や衛星など様々な手段を適切に活用し、隙のない情報収集、警戒監視体制を構築していくことが重要だと考えておりまして、そのための能力強化にも取り組んでいるところでございます。  こうした中で、海底ケーブルに関しましても、平素からの警戒監視活動などで得られました関連情報を総務省、警察、海上保安庁といった関係省庁と共有するとともに、事態の推移に応じて関係機関と連携して必要な措置を講じると、そのための対応について万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  最後に、先ほども申し上げましたが、第四期海洋基本計画においては、総務省も海底ケーブルの安全対策に関与する政府機関として位置付けられております。今日、総務省の参考人の方にもお越しいただいております。こうした中、海底ケーブルの警備体制の強化にどう取り組んでいくのか、お聞きしたいと思います。

吉田恭子 総務省総合通信基盤局電気通信事業部長

○政府参考人(吉田恭子君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、第四期海洋基本計画において、我が国における安定した国際通信を確保するため、引き続き、国際海底ケーブルや陸揚げ局の安全対策に通信事業者等と連携して取り組むと記載されているところでございます。  総務省としては、これまで、海底ケーブルの損傷や切断のリスクに備え、通信事業者と連携し、海底ケーブルの多ルート化の促進、障害発生時の連絡体制の確立などに取り組んできております。また、昨年十一月に立ち上げた有識者検討会において、国際海底ケーブル及び陸揚げ局の防護策の強化、監督体制や連携体制の強化といった方策を御検討いただいており、今夏を目途に取りまとめを行う予定となっております。  総務省といたしましては、同検討会の議論等を踏まえつつ、引き続き、通信事業者や関係省庁とも連携し、海底ケーブルの安全確保に取り組んでまいります。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。各省庁の皆様から御答弁をいただきました。  海底ケーブル防護には、国土交通省、防衛省、総務省など、複数の省庁が関わっております。本来は、各省庁の対応ではなく、省庁横断で取り組むべき課題であると認識しております。先ほどの総務省の回答の方で有識者の検討会があるというふうな内容がありましたが、この検討会、総務省のみで構成されていると聞いております。今後は、各省庁連携をしながら、総務省のみならず、この議論を進めていただきたいとも思います。  そして、海底ケーブルの防護という点では、新しい技術を開発していく、使っていくというところも大切な点だと思います。海底ケーブルは、十七の戦略分野にも位置付けられております。直近の報道でも、例えば日本が強みを有するソナーやAIセンシングなど、デュアルユースの技術を海底ケーブルの防護に活用するなど報道がございました。こういった民間の企業の取組を省庁連携しながら後押しする、そういった対応を進めていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。  そして最後に、インフラのDXについて質問をさせていただきます。  先端技術の社会実装には、現場の課題を知る中小企業やスタートアップの柔軟な発想に加え、長年にわたり技術開発を牽引してきた大手メーカーの知見と実装力が不可欠です。また、こうした多層的な技術力を結集することがインフラDXの加速と安全性の向上につながると考えております。  一方で、インフラは国民の命と暮らしに直結する重要な基盤であり、DXの進展に伴い、サイバー面での脆弱性にも十分な配慮が必要です。近年、報道を見ておりましても、日本企業に対するサイバー攻撃激化しておりますし、件数も増えております。昨年も大きな被害があり、我々の身近なところでその被害の影響を感じている方も多くおられると思います。これからインフラのDXが進むにつれて、このサイバーセキュリティーの対策が必要だと思います。  そして、交通インフラに対するサイバー攻撃、過去に我が国においても発生しております。例えば、コンテナターミナルのシステム障害あるいは航空会社のネットワーク障害が例として挙げられており、もう既に被害が出ているという現状です。今後、インフラのDXが進展するということは、今DXが取り入れられているインフラに加え、新たな、例えば道路や橋梁といった日常生活に深く関わりのあるインフラの管理システムまでサイバー攻撃の対象となる、そういったリスクが広がるということであります。  こうした新たな脆弱性に十分配慮し、国民生活に影響が及ばないよう、セキュリティー対策を含めた実装方針について、現時点での考えを政府参考人にお伺いしたいと思います。

佐々木紀 国土交通副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(佐々木紀君) 御指摘のとおり、インフラは国民の命と暮らしを支える重要な基盤でございまして、国民生活に影響を及ぼさないように、サイバーセキュリティーの確保に取り組むことが大変重要でございます。  国土交通省では、サイバーセキュリティ基本法を踏まえて、所管する空港、鉄道、港湾などを重要インフラに指定して、情報セキュリティ確保に係る安全ガイドラインを通じて事業者の取組を促すなど、サイバーセキュリティー対策の強化を進めてまいりました。また、重要インフラ以外の御指摘の道路や橋梁についても、技術基準の改定などを通じて、外部との接続部分におけるファイアウォールの設置や、必要な監視や通信の制御システムが設置されている区域の入退室の制限といった対策を所管事業者とともに進めることとしております。  今後も、セキュリティー技術の進展を踏まえて対策の不断の見直しを行い、インフラの安全と国民生活の安定を確保してまいります。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございます。  サイバーセキュリティーを強化していく、攻撃に対して備えていくということも大切だと思います。と同時に、近年の日本企業に対するサイバー攻撃においては、復旧にかなり時間を要しているというような報道もございました。インフラにおいて復旧に時間が掛かれば、我々の生活にも影響ございますし、経済の停滞にもつながってくる、国の安全にも関わってくるというところで、いざ攻撃されたときの復旧についても対策等、計画等を進めていただきたいと思います。  そして、サイバーセキュリティーを進めていく中でも、DXを推進していく中でも、人材育成というものが必要だと思います。私自身、電機メーカーで技術者として仕事をしてきました。いろんな、例えば鉄道であったり、医療機器というところで設計者として仕事をしておったんですが、やっぱり技術継承であったり人材不足、これ本当に今深刻な状況でございます。  これから新しい技術を導入していく、DXを進展させていく上では、人材不足がある中で、ただ、新しい技術も導入していかなければいけないという難しさがあると思います。現場では技能者の高齢化、人材不足が深刻化しており、これからのインフラメンテナンスを担う人材の技術継承とスキルアップの支援、これが不可欠だと思いますし、喫緊の課題であると認識しております。  こうした新技術を現場に導入する際、国として人材育成、教育支援をどのように進めていくのか、お伺いいたします。

鶴田浩久 国土交通省総合政策局長

○政府参考人(鶴田浩久君) お答え申し上げます。  現場職員の人材育成、教育支援につきましては、国土交通省職員を対象とした研修への自治体職員の受入れ、また自治体への専門家の派遣による支援などに取り組むとともに、地方整備局に相談窓口を設け、技術の継承や習得の支援などを行っております。  また、ドローン等のデジタル技術を活用し、作業員の安全性向上にも資するICT施工の分野では、その普及拡大を図るため、各地方整備局においてICTアドバイザー登録制度を設けまして、自治体職員や民間事業者への研修などを実施しております。  さらに、民間技術者の人材育成、教育支援において、建設分野の技術資格をより若いうちに取得できる制度とするなど、建設分野を志す若者の資格取得も促進しているところであります。  国土交通省としては、引き続き、建設分野の人材育成、教育支援にしっかり取り組みながら、持続的なインフラメンテナンスの実現に取り組んでまいります。

平戸航太 国民民主党・新緑風会

○平戸航太君 ありがとうございました。  様々な面から進めていただいている点、安心したところもございます。ただ、今いろんな技術ございます。人材不足に対しても、あるいは現場の作業者の方の負担を下げていくというところでも、活用できる技術、たくさんあると考えております。  一方で、これ国だけが進めていく話でもないですし、民間企業との連携があって、両輪となって進めていくものと考えておりますので、そういった、私は民間企業出身ですので、そういった経験も生かしながら、様々な提言をしていきながら、このインフラのDXを進めていきたいというふうに考えております。  通告していた質問は全て質問させていただきました。以上とさせていただきます。ありがとうございました。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。  今日は、我が国の経済を担う港湾物流、海上コンテナ輸送について質問したいと思います。  まず、国際貿易の九割が海運を利用し、その多くが海上コンテナを活用しております。海上コンテナは、国境を越えた物流の基幹を担う重要な役割を果たし、グローバル経済を支えております。規格標準化された寸法によって船舶、鉄道、トラックでの積替えが容易であり、物流の効率化、正確性の向上等の効果をもたらしております。  私の地元横浜港は、世界銀行とIHSマークイットによるランキングで、二〇二〇年コンテナ港湾効率性指数、CPPI、これで世界一位となりました。コンテナ一個の荷役に掛かる時間が平均一・一分と、世界の三分の一程度で取り扱う世界最高水準の生産性を実現をしております。最近では、このCPPI、二〇二四年版では十六位と若干下がってはおりますけれども、G7の中では一位であります。多くの関係者の皆さんによっての御努力であることは言うまでもありません。  しかし、忘れていけないことがあります。それは、海上コンテナ輸送を行うトラックドライバーさんの長時間待機解消、この問題であります。今後、船が大型化します。横浜港も喫水を大分下げて、かなりの大きな船が入れるようにしてきている。だからこそ、積載する物の量も多くなるので、トラックの輸送力がこれは律速をするといっても過言ではありません。  お手元に資料を配らせていただいております。  コンテナを積載した状態で一時仮置きができる施設、オンシャーシデポについて、横浜港にて実証実験を行ったと承知をしております。普通、荷物は、荷主、倉庫の方からコンテナ輸送によって直接コンテナターミナルに持ってこられる。それも、逆のパターンでもあります。しかし、このオンシャーシデポ、貨物を搭載したままでシャーシだけを置くという中継地点を使えば、よりドライバーさんの待機時間が減るであろうと、こういう取組だと承知しております。  そこで、本施策の重要性、得られた効果、知見について佐々木副大臣に伺います。

佐々木紀 国土交通副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(佐々木紀君) 関東地方整備局では、コンテナターミナルの近傍にオンシャーシデポを設け、シャーシを一時仮置きした上で、国土交通省開発の予約システム、CONPASを用いることで、コンテナターミナルの閑散時間帯にコンテナの搬出入を行う現地実証を行っております。  横浜港において、令和七年十一月下旬から十二月上旬にかけて実施した現地実証では、コンテナターミナル近傍での滞在時間を約五十分削減できた事例があったと承知しております。  本取組は、社会的な問題となっているコンテナターミナルのゲート前における長時間待機の改善に資するものであり、トラックドライバーの労働環境の改善につながる重要な取組であると認識しております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 認識をしていただいたということでありますから、これは事業者の皆さんが携わっていただいた実証実験だと思います。  このオンシャーシデポの現地実証を行った結果、事業者の皆さんから国交省の皆さんはヒアリングをしていただいていると思います。そこで得られた声、明確となった課題はどのようなことで、どう整理されているのか、港湾局に伺います。

安部賢 国土交通省港湾局長

○政府参考人(安部賢君) お答え申し上げます。  現地実証を行った結果、関係者から課題として、オンシャーシデポの設置に必要な用地の確保、異なる事業者間でのシャーシの不具合などに関する情報の連絡体制の構築、輸送状況やオンシャーシデポの予約状況に関してリアルタイムで把握、共有できるシステムの構築などが挙げられております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 今の具体的な問題を解消するということが、先ほど来副大臣が御答弁いただいたことに、実証につながると思います。是非、これを解消していくという取組をしていかなければいけないと思います。  加えて、横浜市が相当協力をしていただいたので土地を確保できました。これ、ほかに展開するときには基礎自治体との連携が極めて重要だということも証左していると思います。  その上で、コンテナ物流の効率化、生産性向上に向けてのコンテナターミナルのゲート前混雑の解消、そしてコンテナトレーラーのターミナル滞在時間の短縮を図るために横浜港で導入をされている、先ほどありましたCONPAS、これ何の略かというと、コンテナ・ファスト・パスの略称だと理解をしておりますけれども、この搬出入予約等による効率化が進んでいるということで、現場でもこれ非常にいいなということがあって、より進化してもらいたいという声もあります。  この活用に当たっては、港湾におけるセキュリティー管理、港湾エリアの入退出に、地方整備局が発行しているPSカード、これポートセキュリティーカードがあります。  これ、原則企業が管理をしているものの、ドライバーさんが離職をしてカードを返還されていないケースがあるとも伺っております。セキュリティーのためなのに、これが管理ちゃんとされないといけないという問題意識があります。そういう面では、保安上の問題、ここに私は注目せざるを得ません。企業における点検、管理の徹底を指導すべきであります。ましてや、CONPASのフローの中でこれが存在していますから、きちっと管理をするということが重要です。  今後、このPSカードとCONPASが、オンシャーシデポ等での活用も考慮に入れてマッチングを図って、効率的なコンテナ輸送につなげるべきことも考えていただきたいというふうに思います。システムの構築を見越して対処すべきと考えます。是非これはしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

安部賢 国土交通省港湾局長

○政府参考人(安部賢君) お答え申し上げます。  PSカードは、ターミナル内の人の出入りを確実かつ円滑に管理するために国が設置、管理する出入り管理情報システムの一環として、国が適切と認める者に対して発行しております。  カードの使用許可申請、使用、管理に関しては国が使用規約を定めており、カードを使用する者や所属する事業者はこの規約を遵守しなければならないとしております。この規約において、ドライバーの離職等による不要となったカードについてはカードを使用する者が所属する事業所が地方整備局等に返納することとなっておりますが、委員御指摘のことを踏まえまして、更に徹底されるよう事業者等を働きかけていきたいと思っております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 是非そのとおりにしていただきたいと思います。  私も、学生時代、空港で飛行機の中の掃除をする仕事をさせていただいたことがあります。そのときに、制限区域内に入るときにそのカードがなければ入れないという厳格性があります。なぜそうしているかといえば、当然テロリスクとかそういうことを管理をきちっとしていて、その企業もその厳格性というものを担保しているということを私は学ばせていただきました。  港湾でも、ちゃんと仕事をしている事業者の皆さんであれば、その信頼性が担保されていることでカードの意味があります。なので、企業の皆さんにも協力を仰ぎながら、しっかり、それを企業だけに任せるんじゃなくて、もっとちゃんと丁寧に対応していただけること、重ねてお願いしたいというふうに思います。  さて、オンシャーシデポ、今港湾局長にお伺いしましたけれども、縦割りの問題を解消していかなければなりません。大臣、最後にお聞きしますから、よくここから聞いておいていただきたいと思います。  このオンシャーシデポを実行するに当たっては、自動車局所管の課題解消も必須であることが陸運事業者の皆さんの現場からの声として上がっております。現状、道路運送車両法及び道路交通法により、連結に関する規制があります。トラクターヘッドとシャーシの連結について、物理的連結が可能であるものの、自動車検査証記録事項に連結可能な車両が記載されている特定車種のみしか牽引ができないと。ある意味、安全性の観点から当然のことだと思います。しかし、牽引できる、できないシャーシがオンシャーシデポに混在している状況では機動性が確保できないとした課題が明らかになりました。これを解消する必要があると思います。  もちろん、安全基準の適合確認、そして運行管理体制、すなわち、本当にきちっと的確に仕事をしている事業者の方を大前提とした上で、トラクターとシャーシの車検証上でのミスマッチ、運用レベルで解消する規制緩和、これができればより効率的な、実効性が担保できるようなオンシャーシデポができ上がるというふうに思います。  是非対応していただきたいというふうに思いますし、こういう問題が生じているのは、将来的にはこのトラクターヘッドとシャーシの連結部に関する共通性を確保するような規格を統一すれば問題が解消することの可能性も十分はらんでいます。是非メーカーさんを含めて検討していただきたいと思いますけれども、自動車局長、いかがでしょうか。

石原大 国土交通省物流・自動車局長

○政府参考人(石原大君) お答えいたします。  トラクターヘッドとシャーシにつきましては、連結した場合の安全性を審査した上で、今、運転者が安全に運行できる組合せを特定できるよう、自動車検査証、いわゆる車検証に連結可能な車両の型式を記録することとし、組合せに追加があった場合には当該車検証の記録の変更手続を現在必要としているところでございます。  ただ一方、委員御指摘の車検証の運用に関する規制緩和でございますが、こちらにつきましては本年二月に業界団体からも御要望を頂戴しているところでございまして、物流を効率化する上でも重要な課題であると当局でも認識しております。現在、その方策の検討を前向きに進めているところでございます。  引き続き、安全の確保を大前提としつつ、業界の皆様の御意見を踏まえながら速やかに具体化をしてまいりたいと、このように考えております。  それからまた、最後に御指摘ありました将来的な規格の統一でございますけれども、こちらはメーカーによる設計変更もこれを要するということで、これもメーカーを含めた関係者の御意見丁寧にお伺いして、この車検証の運用に関する規制緩和のこの効果も踏まえながら勉強してまいりたいと、このように考えております。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 速やかにやっていただけるということ、先ほど大臣も冒頭の発言の中で物流の生産性の向上を促進しますと断言をしていただいたので、それが一つの解であるということで取り組んでいただきたいと思います。  その上で、特殊車両、いわゆる特車の通行許可の申請をもっと短時間で入力申請できるように、私自身も二〇一八年から本委員会にて特車申請の日数の短縮について議論を重ねて、例えば道路情報電子データ化、また首都高速の通行可能なルートの見える化の電子化などを、取組を共に進めさせていただいて、実現をしております。  これまでも一貫として進めさせていただきましたけれども、オンシャーシデポの実証実験でも声が上がっていると伺っておりますけれども、更なる特車申請作業の短時間化、また円滑化、これを取り組んでいただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

沓掛敏夫 国土交通省道路局長

○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。  道路の設計は一定の規格の車両の寸法や重量などを想定して設計されており、道路の構造を保全し又は交通の危険を防止するため、その規格を超える車両、私どもこれを特殊車両と呼んでおりますが、特殊車両が道路を通行する場合には車両や経路ごとに通行許可などが必要となっております。  これまで、特殊車両通行申請の効率化に向けては、特車のオンライン申請システムと車検証データベース等を連携させることにより、オンライン申請時の車検証添付の省略化、あるいは一度に多くの車両を申請可能な包括申請の導入などに取り組んできたところです。  また、審査日数の短縮に向けては、審査に必要となる道路幅や橋梁の重量制限値等のデータベース化による自動審査化の拡大、あるいは即日で通行可能経路が確認できる特殊車両通行確認制度の利用促進などに取り組んできたところでございます。  国土交通省としては、更なる申請の効率化や申請の日数の短縮に向けて、申請実績のある経路のデータベース化推進による確認制度の利用可能経路拡大など、申請される方々の利便性向上が一層図られるよう、更なる改善に取り組んでまいります。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 これとても重要なことです。私、初めて質問させていただいたとき、申請に四十六日たしか掛かったと思います。それを努力していただいて十日に減って、あともう一歩、まだ十日と思う方もいますし、ここまで来たという思いもあります。ですが、十日も待たないと物が運べないという時代はこのDXの時代にちょっと耐えられない議論だと思いますので、努力をしていただいていることはしっかりと理解をしていますが、事業者の皆さんは目の前にある物が運べないということを解消することが生産性向上を直結するものだと思います。是非、これはもう全力で応援しますから、頑張っていただきたいというふうに思います。  大臣、出番でございます。  実は今、局長三名質問させていただきました。これが横串が刺されないと、オンシャーシデポも生産性向上もできないことであります。比較的前向きな答弁をしていただきました。  その上で、海上コンテナの輸送の効率化に向けては、各局にまたがる案件を解消するために横断的に取り組まなければいけないと、これが俗に言う縦割り、これを横串を刺していくということが重要であります。大臣の指示がないとなかなかクリアできないものだというふうに思います。ですので、大臣が陣頭指揮を執っていただいて、これを是非実現していただきたいと思います。  加えて、横浜での知見を活用して、横浜モデルとしてこのオンシャーシデポの全国展開、是非取り組んでいただきたいと思いますが、大臣、お願いできませんでしょうか。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 三浦委員から様々な、オンシャーシデポについては非常に効率化、生産性向上に資するものであるし、政府の中でも港湾ロジスティクスということで成長戦略に位置付けられております。委員御指摘のオンシャーシデポにつきましては、トラックドライバーの労働環境の改善につながる重要な取組であり、現地実証で明らかになった課題を踏まえ、関係事業者や港湾管理者とも連携して取組を前に進めてまいります。  海上コンテナ輸送は我が国の産業や国民生活に欠かせない物資の輸送を支えており、この効率化は我が国の物流の機能維持や産業の国際競争力強化の観点から極めて重要であると考えております。このため、本年三月三十一日に閣議決定をされました総合物流施策大綱に、複数事業者間でのコンテナ、トレーラー等のシェアリングを通じた輸送効率の向上などの取組を盛り込んだところであり、関係府省庁や省内各局と緊密に連携をして、海上コンテナ輸送の効率化を強力に推進してまいります。  実は、近いうちに横浜港を視察する予定にしております。という意味では、今日三浦委員から御指摘されたことも踏まえて、ある程度問題意識を持ちながら、更に詳しく見た上で、横串を刺せるようにしっかり努力をしていきたいと思います。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 是非見に行っていただきたいと言おうと思ったんですが、見に行っていただける準備が整っているということを確認をさせていただいたと同時に、その是非横串を刺していただきたいというふうに思います。  その上で、私自身ライフワークにしていることは、渋滞の解消、そして待機時間の解消を図るということであります。そういう視点においては、実はトラックが運んでいくのは結構内陸地が多いです。埼玉もそうですし、群馬もそうですし、かなり多くのドライバーさんが長距離を運んでいただいているということもあります。そして、西に向かうルートも、横浜から見れば静岡の方、その先にいかにスムーズに行けるかということが極めて重要であります。  そういう視点から見たときに、神奈川県内の渋滞について質問させていただきたいと思います。  神奈川県内は、東名高速道路の厚木ジャンクションを中心に、海老名インター周辺道路への影響、交通集中に伴い渋滞が重なっており、経済損失が大きいというのが課題となっております。現状、新東名高速道路が海老名から秦野まで開通をしております。これに加えて、首都圏中央連絡道路のうち、高速横浜環状南線、横浜湘南道路が開通することで、東京を始め、横浜港からのアクセスが格段に良くなるとともに、渋滞解消が期待できます。  難工事の場所、慎重さが求められる工程もあると承知しておりますけれども、現地のみならず多くの運送事業者の皆さんが一日も早く開通を望んでおられることだというふうに思います。進捗、そして見通しについて伺いたいと思います。

沓掛敏夫 国土交通省道路局長

○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、神奈川県西部から西の方に向けて、ネットワーク、今様々な事業を行ったり、また計画作りを行っているところでございます。一つ、神奈川県西部から静岡県東部を結ぶ高規格道路で今議論をしているところ、計画中の路線が、伊豆湘南道路というものがございます。これは、委員も今御指摘されたように、人流、物流の円滑化であったり、さらには観光交流の促進、あるいは大雪、地震時などの災害時の代替性の確保など、様々な効果が期待されているところでございます。  これまで神奈川県及び静岡県におきまして、この道路につきましては、令和三年度より学識経験者から成る委員会を設置して、概略ルートや構造などについて検討を進めてきたところでございます。本年三月に第六回の委員会が開催されまして、住民への意見聴取の結果を踏まえた広域的な道路の役割等について議論が行われていると聞いております。  また、当該地域、地形や地質が複雑で、火山帯や断層帯、断層などのリスクがございますので、それらの課題についても専門的な知見を踏まえ検討していくため本年一月に学識経験者を含む技術検討専門部会を設置しまして、地域の地形、地質の状況などについても議論を進めているところでございます。  国土交通省としましては、神奈川県及び静岡県と連携しつつ、両県が行う検討に対して引き続き必要な支援を行ってまいりたいと思っております。  また、先生から御質問のありました圏央道の関係でございますが、こちらにつきましては、横浜環状南線、それから横浜湘南道路につきまして、圏央道の一部を構成して神奈川県内の東西軸方向の交通を担う東名高速道路あるいは保土ケ谷バイパスの慢性的な渋滞、これに関しての緩和に向けての効果が期待されているところでございます。  現在、横浜環状南線につきましては、令和七年十月までにシールドトンネルである公田笠間トンネルあるいは桂台トンネルの掘進が完了し、現在、栄地区の橋梁工事あるいは庄戸地区のトンネル工事などを実施しております。  また、横浜湘南道路につきましては、現在、トンネル工事、改良工事などを実施しておりまして、このうちトンネル工事については、上り線の掘進が完了し、令和七年十月に下り線の掘進に着手して、慎重な掘進を実施しているところでございます。  国土交通省としましては、この事業中の区間につきましては、早期完成に向けて安全に配慮しながら事業を推進してまいりたいと思います。  長い答弁になりまして、恐縮でございます。

三浦信祐 公明党

○三浦信祐君 今、局長、私はもう一つ、伊豆湘南道路についてということについて尋ねることを先にお答えをいただいて、全般にお答えをいただきましたけれども、いずれにせよ、渋滞解消と、そして多くの皆さんが本当に効率性が上がって稼ぎが上がる、待機時間の解消、国交省を挙げて取り組んでいただきたいと思いますし、この予算がそうなっていることを信じて、質問を終わります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 日本維新の会、石井めぐみと申します。  本日は、トラック運送業をめぐる取引環境、そして物流現場の課題についてお伺いしてまいります。  中東情勢の緊迫化や原油価格の変動に伴い、トラック運送業を始め物流現場では、燃料費の高騰や運賃の適正化、荷待ち時間の削減など、多くの課題が顕在化しております。こうした状況にあって、政府の対応や関係省庁の取組について、順にお伺いしてまいります。  政府においては、三月二十七日に関係省庁連名にて、トラック運送業における価格転嫁の徹底に向けた要請を発出いただいており、その効果に期待しております。これまで物流の現場では荷主の協議が進まないケースも散見されており、トラック運送事業者にとって死活問題だと言っても過言ではない状況が続いてきました。政府もこの問題の深刻さを認識されての今回の要請の発出であると思います。そこで、今後はどのようにして価格転嫁の実効性を担保していくのかが問われます。  そこで、公正取引委員会にお伺いいたします。独占禁止法や下請法の関係法令の運用に加え、トラック・物流Gメンによる働きかけなどを通じ、価格転嫁の適正な実施をいかに確保していくのか、その方策について伺います。

藤井宣明 公正取引委員会事務総局官房政策立案総括審議官

○政府参考人(藤井宣明君) お答えいたします。  本年一月から施行された取適法、改正下請法では、荷主と運送事業者との取引が適用対象に追加されたほか、協議に応じない一方的な代金決定などが禁止行為に追加されました。さらに、公正取引委員会、中小企業庁、事業所管省庁が連携した面的執行の強化を図る観点から、事業所管大臣にも指導、助言の権限が与えられたところでございます。  トラック運送業における価格転嫁の実効性を確保するためには、国土交通省を始めとする関係省庁との連携が重要と考えております。連携に関する取組の一環としまして、公正取引委員会は、国土交通省のトラックGメンと連携いたしまして、取適法の違反行為未然防止の観点から、荷主事業者の営業所や全国の高速道路のサービスエリアなどにおいて合同パトロールを実施しております。また、中小企業庁と連携し、運送事業者間の取引に関して集中調査を実施しております。  さらに、関係省庁の連絡会議というものを開催しておりまして、執行連携を進めるための実務的な意見交換を行ったり、取適法の調査手法に関するマニュアルを公正取引委員会において作成し、これを用いた事業所管省庁向けの研修を開催するなどして、法執行のノウハウを共有し、取適法の面的執行が実効的なものとなるように取り組んでおります。  加えて、取適法の実効性を確保するためには改正法の内容とか法運用に関する考え方を事業者の皆様にもしっかり知っていただくということが重要であると考えておりまして、そのための周知、広報を大規模に進めてきたところです。具体的には、国土交通省や全日本トラック協会と連携した説明会、全国四十七都道府県での説明会などを実施しております。  公正取引委員会としましては、引き続き違反行為には厳正に対処するとともに、周知、広報の取組も進めることで適切な価格転嫁や取引の適正化が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 ありがとうございます。  制度の趣旨が現場で確実に機能するよう、実効性ある対応を求めます。  次の質問に移ります。  先ほどの要請文には、燃料高騰分の確実な運賃転嫁を向けた燃料サーチャージ制度の重要性が指摘されております。これは、燃料価格の急激な変動がトラック運送業事業者の経営に直結する中で、運賃の適正化、また安定的な物流確保の観点から大変重要な制度だと思います。しかし、現場では必ずしも十分に活用されておらず、制度の存在が十分に浸透していないとの声も聞かれます。  それでは伺います。  制度の周知をどのように進め、荷主の理解を広めることで実効性ある運用につなげていくのか、政府としての具体的な政策を伺います。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) お答え申し上げます。  トラック運送業におきましては、コストの上昇分を適切に運賃料金に転嫁することが基本でございます。荷主等の理解を得つつ、トラック運送事業者が適正な運賃を確保できる環境の整備が必要でございます。このため、国土交通省といたしましては、軽油価格が高騰した場合においても、燃料価格の上昇分を別建ての運賃として設定することによって運賃へ転嫁を円滑に進められるよう、令和の六年三月には燃料サーチャージ制度を盛り込んだ新たな標準的運賃を告示するなど、燃料サーチャージの制度の導入促進に取り組んでいるところであります。  さらに、今般の中東情勢の変化に伴う燃料価格の高騰を受けて、中小受託取引化適正法を所轄する公正取引委員会や、及び中小企業庁との連名によって、燃料サーチャージ制の導入や運賃改定等を通じて今般の燃料価格の変動分も含めた価格転嫁が徹底されるよう、荷主団体に対して本年三月二十七日付けで文書による要請をしたところでもございます。  国土交通省としましては、引き続き、燃料サーチャージの制度の導入促進等を通じて、トラック運送事業における取引の適正化を図ってまいります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 ありがとうございます。  物流効率化法の施行により、荷主にも、荷待ち時間の短縮や梱包、荷姿の標準化、適正な情報提供など、トラック事業者が効率的に業務を行えるよう一定の責務を課されております。しかし、特に中小荷主においては、制度の理解や対応の遅れが指摘されております。  理解促進にとどまらず、行動変容につながる具体策を経済産業省にお伺いいたします。

浅井俊隆 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(浅井俊隆君) お答えいたします。  物流の負荷軽減や効率化を進めるに当たりましては、物流事業者のみならず、荷主事業者の取組が極めて重要であるというふうに考えております。私ども経済産業省は、荷主の多くを所管しておりますことから、荷主の意識や行動の変容を積極的に促進していかなければならないと考えております。  このため、令和七年四月に施行されました物資の流通の効率化に関する法律におきまして、御指摘の中小企業を含めました全ての荷主に対して、荷待ち・荷役等時間の短縮などに向けた努力義務を課した上で、必要な場合には指導、助言を行うこととしております。さらに、この法律の実効性を担保するため、関係省庁や業界団体などと連携いたしまして全国各地での説明会を実施してきたことに加えて、チラシやポスターの作成、配布、全国紙やウェブメディアへの広告などを行っております。政府広報枠を用いたテレビ、ラジオでの政策の紹介なども含め、あらゆる手段を使って、きめ細かく荷主の皆様への普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  経済産業省といたしましては、引き続き、関係省庁と連携して荷主と緊密にコミュニケーションを図りながら、物流効率化法の実効性の確保に努めてまいります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 ありがとうございます。  また、現場からは、制度を理解していても消極的な荷主が存在するとの声も聞かれております。国民の生活を支えるトラック物流の安定を確保する観点から、特に中小荷主への周知啓発や具体的な支援策をどのように講じ、制度の運用が現場で確実に浸透するよう取り組むのか、政府、経産省のお考えをお聞かせください。

浅井俊隆 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(浅井俊隆君) お答えいたします。  先ほども申し上げましたとおり、物流の負荷軽減や効率化を進めるに当たりましては、物流事業者のみならず荷主の取組が極めて重要でございます。このため、経済産業省といたしましては、中小企業を含めた全ての荷主が効率化に向けて取り組むべき事項について分かりやすく説明した解説書や、既に効率化に向けて取り組んでいらっしゃる荷主の取組をまとめた事例集を作成、公表いたしまして、荷主における物流効率化の具体的な取組方針についての理解を促しているところでございます。  加えて、今年度には全ての地方経済産業局にこの物流効率化法専任の担当者を追加で配置しております。地域の実情や個々の企業の実態に応じて、より一層きめ細かな支援、働きかけを行ってまいります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 ありがとうございます。  制度の理解があっても現場で行動に移さない荷主も存在することから、実効性を確保するために、より具体的な方策が必要だと考えます。現場で制度が実際に機能する環境づくりを引き続きよろしくお願いいたします。  じゃ、次の質問に移ります。  荷待ち時間の削減や積卸し効率化は、トラック事業者が効率的に業務を行う上で重要な課題です。しかし、現場では、特に中小企業の荷主において対応の遅れが目立ちます。物流効率化法では、荷主に一定の責務を課すとともに、政府による制度周知や支援の実施が求められており、制度の目的を現場で確実に達成するためには政府の積極的な関与が不可欠です。  そこで、好事例の横展開や関係者への働きかけに加え、中小企業の実情を踏まえ、荷待ち時間削減や積卸し効率化に向けた取組を政府としてどのように進めていくのか、お考えをお聞かせください。

岡野まさ子 国土交通省大臣官房総括審議官

○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。  荷待ちや積卸しなどの荷役の時間につきましては、二〇二〇年度と二〇二四年度を比較しますと約三時間のまま横ばいとなっていることから、その短縮に向けた取組をしっかりと進めることでトラックドライバーの負担を軽減していく必要があると考えてございます。  このため、国土交通省では、荷待ち・荷役時間の短縮に向けて、公正取引委員会等とも連携して、トラック・物流Gメンによる荷主等に対する是正指導を行っているところでございます。これまでに二千五百件を超える法的措置を実施しておりまして、このうち約半数近くが長時間の荷待ちに関するものとなっております。  また、昨年四月に施行されました改正物流効率化法に基づきまして、御指摘の中小企業も含めた荷主等に対して荷待ち・荷役時間の短縮などの努力義務を課して、荷主を所管する経済産業省、農林水産省などの関係省庁とも連携しながら、その着実な執行に取り組んでいるところでございます。  さらに、改正物流効率化法が今年の四月から全面施行されたところでございます。大手の荷主等に対しまして中長期計画の作成や物流統括管理者の選任などを義務付けることで、中小企業への波及や横展開も含めて、物流効率化に向けた実効性の確保を図ってまいります。  国土交通省といたしましては、関係省庁とも緊密に連携しながら、トラックドライバーの荷待ち・荷役時間の短縮に向けて、荷主企業や消費者の行動変容、意識改革も含めて、全力で取り組んでまいります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 ありがとうございます。着実な実行をお願いいたします。  最後の質問になります。  価格転嫁の徹底や燃料サーチャージ制度の活用促進、中小荷主への協力要請や物流効率化といった施策は、国民生活を支えるトラック物流の安定に直結する重要な政策であります。こうした施策が現場で着実に実行され、物流現場の負担軽減や具体的な行動変容につながるよう、国土交通省として引き続きリーダーシップを発揮し、政府一体となった取組を進めることを、進める取組について改めてお伺いいたします。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 石井委員から、政策を現場で確実に機能させるための決意というふうにお聞きしておりますが、今、国土交通省、公正取引委員会、経済産業省からそれぞれ具体的にお話をさせていただきました。  国土交通省としては、本年四月に全面施行されました改正物流法や本年一月より施行された中小受託取引適正化法に基づきまして、経済産業省等の荷主所管省庁や公正取引委員会といった関係省庁とも連携をしながら、取引環境の適正化や構造的な賃上げ環境の整備を進めてまいります。  国土交通省としては、引き続き、トラック運送業界における健全な取引環境の実現やドライバーの賃上げ等について、先頭に立ってしっかりと取り組んでまいります。

石井めぐみ 日本維新の会

○石井めぐみ君 金子大臣の下、リーダーシップの下、実効性のある取組を期待しております。  以上です。ありがとうございました。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 午後一時に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時八分休憩      ─────・─────    午後一時開会

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) それでは、ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、西田実仁さんが委員を辞任され、その補欠として佐々木雅文さんが選任されました。     ─────────────

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 休憩前に引き続き、令和八年度総予算の委嘱審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 参政党の初鹿野裕樹でございます。本日はよろしくお願いします。  さて、訪日観光客の増加に伴い、白タクなどの違法行為が指摘されております。これまで、中国の春節に合わせた空港でのチラシ配布や動画を流すなどの取組がなされてきたと承知しております。しかし、訪日客の中には、来日前に海外の配車アプリやSNSを通じて白タクなどの移動手段を予約しているケースもあります。こうした状況を見ると、現状の取組と訪日客の行動との間にミスマッチが生じているのではないかと感じております。国交省が作成した動画も拝見いたしました。  資料を御覧ください。  日本刀や伝統工芸の映像から入り、本物は見た目だけでは分からないといったメッセージで注意喚起する内容となっています。しかし、これで白タク対策として何に注意すべきかが本当に伝わるのか疑問があります。クオリティーは高いんですが、これ全てを否定しているわけではないんですが、これまでのやり方のままでは白タクの利用は防げないと感じています。  そこで伺います。  白タクや違法なハイヤーの利用防止については、令和七年度補正予算で初めて調査事業などとして五千万円が新規に措置されたと承知しております。この調査事業をどう活用して、どのようにして白タクや違法なハイヤーの撲滅に向けた取組を進めていくのか、考え方を伺います。

加藤竜祥 国土交通大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(加藤竜祥君) お答え申し上げます。  まず、動画について、もっと見やすく変えた方がいいんじゃないかという御指摘がございました。これについてもしっかり、より理解できるように国土交通省としてもこれからも改善等、努めさせていただきたいと考えております。  そして本題でございますけれども、国土交通省では、白タクや違法ハイヤーの撲滅に向けた取組を更に推進していくため、令和七年度補正予算において、委員御指摘のとおり、約五千万円を確保したところでございます。この予算を活用し、例えば、訪日外国人旅行者がどのような手段により、どの交通機関を手配したのか、それらに白タクなどが含まれていないのかなどを調査するとともに、実際に主要空港などにおいて係員を巡回させ違法行為が疑われる車両の確認を行うことにより、効果的な啓発活動や監査につなげてまいりたいと考えております。  国土交通省としては、引き続き、旅客の安全、安心を確保すべく、関係機関と連携し、白タクや違法ハイヤーの撲滅に向けた取組を全力で進めてまいります。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 海外の配車アプリやSNSを通じて来日前に予約するケースも指摘される中、来日後の注意喚起を中心とした対応では十分と言えないのではないかと考えています。関係国政府との連携や大臣間での協議も含め、来日前の段階も含めて、どのように対応を強化していくのか伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 委員御指摘のとおり、もう毎日インターネット上では白タクの問題が話題になっているところでございます。今政務官からお答えしましたように、まずは調査をしっかり進めるということも必要だというふうに思っております。  白タク行為については、海外の配車アプリや旅行予約サイト等を通じて手配するケースが存在することは承知をしております。  これまで旅行業者に対しては、白タクをあっせんする行為は旅行業法の禁止行為に該当し、行政処分の対象となる旨を周知するとともに、法令遵守の徹底を要請してまいりました。委員御案内のとおり、この行政処分、この罰則については、三年以下の拘禁刑若しくは三百万以下の罰金、あるいは又はその両方、そして外国人の場合は、刑罰を受けると在留が認められなくなる可能性があるというふうに、結構罰則は厳しいものであると思います。また、訪日旅行者に向けては、日本政府観光局の海外事務所からのSNSの発信とか、あるいは日本国内の主要空港や観光地におけるチラシ配布等の注意喚起を行ってきたところでございます。  こうした対応に加えまして、委員御指摘のとおり、この問題に関しては関係国政府との連携が重要であると認識をしております。このため、令和六年九月の日中韓観光大臣会合に際し行われた中国との二国間会談では、国土交通大臣から中国側に対して、自国民に対し、日本国内において違法な輸送サービスを利用しないよう積極的な呼びかけを行っていただくよう、トップレベルで働きかけを行ったところでございます。  今後とも、関係国への働きかけを含め、白タク等のあっせんや利用が行われないよう関係機関と連携して適切に対処してまいります。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 シンガポールやソウルなどでは、違法ライドは保険適用外、高額罰金、車両没収などと強く警告するとともに、QRコードから簡単に通報できる仕組みを用意している例もあるようです。日本でも警察庁と連携しつつ、こうした事例も参考に、通年での多言語周知や通報スキームなどの整備、実効性のある対策を検討していただきたいと思っております。  さて、訪日観光客の中には、航空券から宿泊、食事、土産物の購入までを外国の事業者が一体的に提供し、日本の事業者をほとんど介さずに消費を自らのネットワーク内で完結させる、一条龍と呼ばれる形態があると言われております。白タクや違法民泊などと結び付き、日本滞在中もアリペイやウイチャットペイなど海外の決済サービスが利用されることで、消費が国外で完結しやすいとの指摘もあります。その結果、日本のインフラや観光資源が利用されながら、経済効果の多くが国外に流れているのではないかと懸念されております。  大臣は所信で持続可能な観光の推進を掲げておられますが、こうした指摘をどのように受け止めておりますか。また、日本のインフラの利用に見合った形で国内に十分な還元がなされているのか、あるいは課題があるとお考えなのか、見解を伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 委員御指摘のとおり、一条龍の実態の詳細については不明な点が多いわけでございますが、仮に白タクや違法民泊といった我が国法令に違反するサービスがネットワークに組み込まれることがある場合には、国土交通省としては厳正に対処する必要があると考えております。  また、観光については、国内の多様な地域や産業にその効果を行き渡らせることが重要であると考えております。仮に、御指摘のように、一条龍が航空券から宿泊、飲食、物販、決済に至るまで外国事業者のネットワーク内で完結するビジネス形態であるならば、観光がもたらす様々な意義を考えた場合には、必ずしも望ましい形態ではないと考えております。  いずれにしましても、先ほどの白タク等の法令違反の有無を含め、引き続き、調査等も含め、状況を注視してまいりたいと思います。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 訪日観光客の消費が国外で完結し、日本に十分還元されていないのではないかという点は、観光政策上の課題として捉える必要があると考えます。国内にしっかりと経済効果が還元される仕組みの検討をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。  平成三十年の法改正によって、通訳案内士の資格がなくても有償で外国人観光客へのガイドが可能となりました。裾野が広がる一方で、現場では質に関する懸念も指摘されております。例えば、海外の旅行者向け掲示板などでは、外国人ガイドが寺と神社の違いを説明できないまま案内している、そういった指摘が見受けられます。また、私の周りでも、金閣寺の金について、豊臣秀吉が朝鮮から持ち帰ったものと、史実と全く異なる説明が外国語で行われていたという話を実際に聞いております。外国語での案内では誤りに気付きにくいという問題点もあります。  こうした状況を踏まえると、我が国の歴史や文化を適切に伝える観点から、ガイドの質の確保は大きな課題ではないかと考えております。  そこで観光庁に伺います。  我が国の通訳ガイドは、日本の歴史や文化を適切に紹介する顔であり、日本の魅力を発信する上でもその説明の正確性が極めて重要と考えます。他方で、無資格でも有償ガイドが可能な現行制度の下で不正確な説明が行われるおそれについてどのように認識をされていますか。また、無資格ガイドも含めた質の確保についてどのような対応を講じていくのか、御見解を伺います。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  通訳案内士につきましては、かつては試験に合格した有資格者のみが報酬を得て通訳案内業務を行うことができるいわゆる業務独占となっておりましたが、訪日外国旅行者が急増する中で、資格者だけでは需要に対応できなくなり、またガイドに対するニーズも多様化したことから、平成三十年にこの規制を緩和し、試験に合格した有資格者のみが通訳案内士と名のることのできる、いわゆる名称独占制としたところでございます。  一方で、委員御指摘のように、外国人旅行者の関心やニーズが多様化する中で、説明内容の正確性や質を確保することは大変重要な課題であると考えておりまして、観光庁といたしましては、通訳案内士の資格を持っていないガイドの方々を含めたガイド全体の質を確保するための措置を講じているところでございます。  具体的に申し上げますと、観光庁が登録した機関などにおきまして、通訳案内士の資格を持っていない通訳の方々も含め、我が国の歴史、文化などに関する知識や説明スキルを向上させるための研修を実施しているほか、地域の多様な観光資源について、その魅力や価値を適切に伝えることができるガイドの確保、育成を行う地方公共団体などに対し支援も行っているところでございます。  こうした取組を通じまして、不正確な説明がなされないことはもちろん、旅行者の満足度向上を図るべく、ガイド全体の質の向上を図ってまいりたいと考えております。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 全国通訳案内士に対する法定の定期研修では、ツアー運営や安全対策などが中心で、日本の歴史や文化に関する内容が必修とされていないと承知しております。今年度予算では新人向け研修の構築が掲げられていますが、まずは新人の段階からこうした分野をしっかりと扱うことが重要であると考えます。  既存の資格者も含め、研修全体としてどのように充実を図っていくのか、見解を伺います。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、訪日外国人旅行者の多様なニーズに対応し、満足度をより一層高めていくためには、先ほども御答弁申し上げたとおり、全国通訳案内士の質の向上を図ることが重要であると考えております。このため、平成三十年の通訳案内士法の改正により、五年に一度、観光庁が登録した研修機関が実施する研修の受講を義務付ける制度を設け、通訳案内士全体の底上げに取り組んでいるところでございます。  また、先週三月二十七日に閣議決定されました新たな第五次の観光立国推進基本計画におきましても、通訳案内士の質の向上を図るため、通訳案内士試験に合格して間もない通訳案内士への基礎研修や、五年に一度の法定研修の受講促進のための方策などを講ずることとされているところでございまして、今後、研修の内容を含め、具体策を検討することとしております。  なお、御指摘の新人向けの研修におきましては、歴史や文化の内容も含まれていると承知しております。  いずれにいたしても、引き続き、今年度予算も活用いたしまして、研修全体の内容についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 質の向上を図るのであれば、観光庁として主体的に実態を把握しておくべきではないでしょうか。現在の実態把握は都道府県に委ねられていると承知しています。観光庁として、情報をしっかりと吸い上げ分析した上で、質の向上に生かしていく必要があると考えております。  こうした対応についてどのように考えているか、見解を伺います。

木村典央 観光庁次長

○政府参考人(木村典央君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、通訳案内士につきましては、業務に関して利用者などから苦情や問題が生じた場合には、通訳案内士法に基づき、当該通訳士の登録を行っている都道府県が、事実関係を確認の上、必要な措置や指導を行うこととしておるところでございます。  また、観光庁では、従来より都道府県に対する制度運用に関する助言を行ってまいりましたが、今後は、各都道府県に寄せられている苦情や意見の実態の把握に努め、その情報を集約した上で都道府県に提供することにより、ガイドの質の向上を図ってまいりたいと考えております。  観光庁といたしましては、今後とも、都道府県や関係機関と密接に連携しつつ、通訳ガイドの質の維持向上に取り組んでまいりたいと考えております。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 フランスでは、ルーブル美術館やモンサンミッシェル修道院などで有償のガイドを行えるのは、政府公認の資格を持つ者に限られております。また、ギリシャ、イタリアでも、遺跡や世界遺産、博物館などの有償ガイドは、原則として国家資格を持ったガイドに限られており、無資格で行うことは認められていません。  このように、歴史や文化を正確に伝えることが特に求められる場面では、一定の資格を求める考え方が諸外国で取られております。我が国でも、質の担保と通訳案内士の有効活用の観点から、世界遺産や国宝級の文化財などでは有償ガイドを一定の資格を有する者に限定する仕組みも有用ではないかと考えています。  こうした点も踏まえ、これまでの議論のまとめとして、我が国の歴史や文化を正確に発信していく観点から、通訳ガイドの質の確保の在り方について大臣の御見解を伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 委員御指摘のとおり、歴史や文化、自然など、我が国や地域の魅力や価値を適切に伝えることができる質の高いガイドを確保することは、旅行者の満足度の向上や地方誘客の促進等を図る上で極めて重要であると認識をしております。  そのため、先ほど政府参考人から答弁したとおり、国土交通省では、通訳案内人に、案内士に対する研修の充実や、地域の魅力や価値を旅行者に伝えるガイド人材の確保、育成の支援など、ガイド全般の質の向上に取り組んでいるところであります。  私の地元にも日本遺産とかあるいは国宝のお寺とか様々な観光地があるわけでありますが、それぞれの地域の人たちが誇りを持って、ガイド協会を無償で、ボランティアで活動していただいていることを見て有り難いなというふうに思っているところでございますが、今申し上げたとおり、観光庁としても、その辺りは非常に重要なことでございますので、質の向上に取り組んでまいりたいと思います。  そして、先般閣議決定されました第五次観光立国推進基本計画においても、ガイド人材の確保、育成を図っていく旨を掲げているところであり、今後ともガイドの質の確保に向けてしっかりと取り組んでまいります。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 江戸時代、日光東照宮では、私の先祖である日光奉行、初鹿野信政が、堂者引き、現在でいう観光ガイドを組織化し、公認の案内人として位置付けた歴史がございます。言わば、公に認められたガイドの下で案内する仕組みが整えられたということです。  我が国は、早くから案内の質と内容に責任を持つ姿勢を培ってまいりました。外国人に何をどう伝えるかは、そのまま日本がどのような国として理解されるかに直結いたします。不正確な説明が広がることは、単なる観光の問題にとどまらず、我が国の歴史や文化の受け止められ方そのものに影響しかねません。こうした認識の下、通訳ガイドの質の確保について、国として責任を持って取り組むことをお願いしたいと思います。  最後の質問に移ります。  大阪・関西万博に向けて導入されたEVモーターズ・ジャパン製のEVバス百五十台が運行に使われないまま保管され、EVバスの墓場、塩漬けとの批判が出ています。  同社製バスについては、昨年、国交省の指示で全国三百十七台を対象に総点検が行われ、百十三台に不具合が確認された経緯があります。リコール対応も完了したとの説明を受けましたが、一昨日の報道では、大阪メトロが、安全性の懸念が解消されないとして、閉幕後の路線バスへの転用を断念したとされています。これら百五十台の購入費約七十五億円のうち、四十億円超が国の補助金と報じられています。  資料二枚目を御覧ください。  また、大阪府の吉村知事は大阪メトロに対し補助金の返還を求める考えを示していますが、国としては今回の補助金の扱いについてどのように対応するのか、お伺いいたします。

石原大 国土交通省物流・自動車局長

○政府参考人(石原大君) お答えいたします。  今委員から御紹介ありましたとおり、去る三月三十一日に大阪メトロにおいて、EVモーターズ・ジャパン製のEVバスについては今後は使用しない旨を公表したと承知しております。  国土交通省としましては、こうした大阪メトロの方針を踏まえ、今後、補助金返還を求めてまいります。

初鹿野裕樹 参政党

○初鹿野裕樹君 どうもありがとうございました。  時間が参りましたので、私の質疑を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。  今日は、人口減少時代の汚水処理と、併せて災害時の汚水処理について質問させていただきます。  先日、私は、地元の愛媛県の中の人口七千五百人ほどの過疎に悩む町に独り暮らしをしている高齢の女性から切実な声を聞きました。町から合併処理浄化槽への転換を進められている、いや、補助金も出るんだからと強く言われるんだけれども、独り暮らしなのに五人槽という大きな槽を前提にした説明で、これからの維持管理のことも考えるととても踏み切れない、この際、町外にいる息子のところへ移ろうかとまで思っているという声でございました。人口減少対策を言いながら、制度の側が少人数世帯ですとか中山間地域の実態に合っていないなと感じました。このままでは、生活排水対策の遅れだけではなくて、地域から人が抜けていく原因にもなりかねません。  全国の単独処理浄化槽は、令和六年度末で三百二十九万基ほど残っています。さらに、汚水処理未普及人口はおよそ七百八十万人ということです。で、この町ですね、高齢の女性がいらっしゃったこの町、一世帯当たりの平均人数というのは一・八人なんです。全国でも、令和二年の国勢調査を見ますと、一世帯当たりの平均人数は二・二一人です。少人数世帯が本当に増えてきました。  こうした中で、どう汚水処理の仕組みをこれからまた考え、つくっていくのかという問題なんですが、人口減少地域や中山間地域では、下水道を延伸して拡充していくよりも、合併処理浄化槽など、個別処理の方が合理的な地域というのは少なくありません。それはそうなんですけれども、ただ、現場では、この合併処理浄化槽、五人槽を前提にした運用とか説明が先行してしまっています。一戸建ての補助制度というのは五人槽から始まるんですよね。なので、これが独り暮らしの高齢者の実態とずれが生じています。  国として、少人数世帯、高齢世帯の実態に即した浄化槽の整備、それから維持管理負担の軽減、どう具体化していくのか、まずは教えてください。

成田浩司 環境省大臣官房審議官

○政府参考人(成田浩司君) お答え申し上げます。  汚水処理施設の整備を政府全体で推進する上で、合併処理浄化槽の整備や維持管理は非常に重要だと認識いたしております。環境省といたしましても、合併処理浄化槽の整備、維持管理に関しまして、循環型社会形成推進交付金などを活用した支援を進め、少人数高齢世帯の負担の軽減に努めているところでございます。  具体的に申し上げますと、浄化槽の整備につきましては、公衆衛生上重大な支障が生じるおそれがある特定既存単独処理浄化槽から合併処理浄化槽へ転換する場合の個人負担の軽減を行っているところでございます。また、維持管理につきましても、少人数高齢世帯の負担を軽減するため維持管理費用の補助を行っているところでございますが、令和八年度予算案におきまして、環境省から自治体への交付期間を三年から五年に延長するなど、支援の拡充を図っているところでございます。  引き続き、先生御指摘の実態を踏まえました浄化槽の整備及び維持管理をしっかり推進してまいりたいと考えているところでございます。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 環境省がちゃんと予算付けをして、高齢世帯の少人数世帯に対して維持管理まで含めて支援策を講じていることはよく承知をしていますし、それはしっかりとやっていただきたいなと思っているんですが、併せてお願いしたいことがあります。自治体に対して、画一的な合併浄化処理槽、これ五人槽からやっぱり補助制度が始まってしまうので、この押し付けだけではなくて、生活実態に合った丁寧な運用を促していただきたいなと思っているんです。  例えば、集落ごとに小規模の施設を設けて、そこに各世帯からの排水を集めてくる農業集落排水という仕組みもあります。これを更に細かくして、何軒か合わせて地域集合処理という考え方もできるでしょう。そういったものと個別処理、これのベストミックスを選ぶ時代に来ているんではないかと思うんです。  そういった方向も考えて、しっかり支援策を多重にして自治体支援を進めていただきたいなと思っているんですが、いかがでしょう。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 私も過疎地で生まれ育ちましたので、おっしゃっていることは理解できます。  その上で、汚水処理の方式には下水道や集落排水による集合処理と浄化槽による個別処理がございますが、委員御指摘のとおり、地域の汚水処理施設の整備に当たっては、それぞれの地域で必要となる処理施設の規模などに応じて集合処理と個別処理を適切に組み合わせて対応することが重要でございます。  下水道施設の整備に向けては、これまで環境省や農林水産省と連携して、人口減少を踏まえた効率的な汚水処理ができるよう、下水道施設の未整備区域について、集合処理と個別処理の適切な組合せの観点も含めて整備計画の見直しを進めてきたところであります。その結果、直近十年間で集合処理の整備計画区域は、約四割に当たる二十三万ヘクタール縮小いたしました。  また、既に下水道を整備済みの地域であっても、今後の人口減少等を見据え、下水道施設を廃止、縮小して浄化槽へ転換する意向を持つ地方公共団体も出てきております。このため、令和七年度に、浄化槽への転換が下水道の更新よりも合理的な場合に下水道の撤去費用を補助する制度を創設したところでございます。  加えて、下水道を整備済みの区域を廃止、縮小する場合の手続を明確化する内容を盛り込んだ下水道法の改正案を今国会に提出をいたしました。  国土交通省として、関係省庁と連携をいたしまして、人口減少を踏まえた集合処理と個別処理のベストミックスの取組を技術的、財政的に支援をし、持続可能な汚水処理システムの構築に取り組んでまいります。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 大臣、やっぱり日本はこれから人口減少時代、未曽有のところに入っていくことで、地域交通もそうなんですけれども、これまでやってきた方法が通じない。なので、ベストミックスを省庁を超えて、これ浄化槽、環境省ですから環境省からお答えがあるかなと思ったんですけど、生み出していかない時代になると思いますので、是非その先頭に立って、縦割りを排して頑張っていただきたいと思っています。  時間がないので次へ進ませていただきます。  災害時の汚水処理について伺いたいんですが、災害時のトイレの問題、避難所の問題というのはよく指摘をされています。  内閣府のガイドラインでは、避難所のトイレについて、災害発生当初は避難者五十人当たりに一基、長期化する場合は二十人当たり一基、これ国際的なスフィア基準ですよね、これに沿ったものがあります。加えて、平時から各避難所について下水道なのか浄化槽なのかといった汚水処理方法を確認しておくことも求めています。でも、現場でどこまで把握されているかというのは、これ見えてまいりません。  この間、共同通信の調査で、避難所の入浴施設について全国の主要八十七市に設置状況を聞いたところ、七四%が実は国指針の基準、スフィア基準、これを満たしていないということが分かりました。トイレはどうなのかですね。  自治体がこの条件を満たすトイレ計画など準備を進めているかどうか、国として把握していますか。

岡本直樹 内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(岡本直樹君) お答えいたします。  被災者の方が避難所において発災直後から尊厳ある生活を営めるよう清潔なトイレを速やかに提供することが大切であり、そのためには様々なトイレの備蓄が重要でございます。内閣府におきましては、自治体向けに災害対策基本法の施行通知や防災基本計画により携帯トイレや簡易トイレの備蓄を求めているほか、令和六年能登半島地震等の課題を踏まえ、令和六年十二月に自治体向けの避難所の取組指針やガイドラインをスフィア基準等に沿って改定したところでございます。  全国の自治体では、令和六年十一月時点で約六千六百万回分の携帯トイレ、約二百三十万台の簡易トイレ、八十一台のトイレカー等が備蓄されているところでございますが、内閣府では、令和六年度補正予算における新地方創生交付金、令和七年度補正予算における地域未来交付金によりトイレカー等の整備を更に支援しております。  また、国においても、発災直後に必要量を被災自治体へ支援するプッシュ型支援を行えるよう簡易トイレの備蓄を進めており、分散備蓄の拠点も十地域十一か所に拡充することとしております。特にトイレ整備につきましては、令和七年六月に、自治体が想定する想定災害避難者数に対して、スフィア基準に沿って避難所における災害用トイレの必要数算定シートを作成し、各自治体における各種トイレ備蓄数に係る検討の支援を行ったところでございます。  引き続き、自治体と連携して、被災者が避難所における良好な生活環境を確保できるよう、簡易トイレなどの必要な資機材の確保に努めてまいりたいと考えております。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 その結果、どのぐらい準備できているかというのをお聞きしたかったんですけれども、時間がないので次の質問に移らせていただきます。  国交省としては、この避難所、マンホールトイレ、予算にも計上しまして、これを進めていこうということなんです。  私はこれは、下水道のマンホールの上に床板ですとか便座を置いて仮設の水洗トイレを造ろうという、とても有効だと思っていますが、下水道が壊れていると使えないんですよね。能登半島地震のときにも、実は水が少なくて、なくて、詰まりを起こしてしまって、結局、石川県内でマンホールトイレ、三市町で十基にとどまっているんですよね。  この辺りの課題をどうクリアして、どういうふうに進めていこうと考えていますか。

石井宏幸 国土交通省大臣官房上下水道審議官

○政府参考人(石井宏幸君) お答えします。  マンホールトイレの洗浄水の確保につきましては、断水時においても使用できるよう、学校のプールの水や井戸水等の代替水源を確保することとしており、そのうち井戸水を確保するために災害用井戸を整備する際は、防災・安全交付金等により財政的に支援をしております。  また、下水道管路の被災につきましては、避難所につながる下水道管の耐震化を優先的に進めるとともに、被災した下水道管の応急復旧が完了するまでの間、し尿を一定量貯留することができる貯留型のマンホールトイレの整備も進めております。  引き続き、災害時におけるマンホールトイレの機能を確保するための取組を推進してまいります。

ながえ孝子 各派に属しない議員

○ながえ孝子君 これもやっぱり縦割りがありまして、大臣、下水道は国交省、それから浄化槽は環境省、防災全体は内閣府というんですけれども、これからやっぱりこの縦割りを排していくというのが一番大事なことではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  これで終わらせていただきます。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。  今日は、造船業界の再興についてお話を伺っていきたいと思います。  我が国の造船業は、一九五六年に欧州を抜いて世界シェア一位となって、世界最大の造船国となりました。その後も九〇年代の初めまではおよそ五〇%のシェアを誇っていましたが、今は日本の船の建造量のシェア、一〇%台にまで落ち込んでいるということになっています。  もちろん、これまで、この間、国交省も何もしなかったわけではなくて、次々と検討会を開いて、その都度、造船政策、方向性ですね、それを取りまとめるなど様々行ってきたと認識はしています。ただ、問題なのは、やはりいろんなことをやってきたのにその造船シェア伸びなかった、低下し続けてきたということだと思います。  今、国内の建造能力拡大に向けて、十年間で三千五百億円の基金創設など、官民一兆円規模の投資計画が動き出しています。この基金を最大限活用するためにも、やはり過去の造船政策、何が足りなかったのかという分析というのもやはり必要、併せて必要じゃないかと思っています。  当時の状況判断、そして戦略における反省点など、どういうふうに捉えていらっしゃるのか、そして、今回の支援策で他国との競争に勝っていけるという認識を持っていらっしゃるのか、まずは大臣に伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 平山委員御指摘のとおり、我が国の造船業は一九八〇年代までは世界をリードしておりましたが、一九九〇年代以降、急速に建造規模を拡大させた韓国、中国との国際競争、二〇〇〇年代後半以降のリーマン・ショックの影響を受けた建造需要の減少等を経験する中で、リスクの高い大規模な施設投資を控えつつ省エネ技術の開発や生産性向上などに取り組むことで、競争力の強化を図ってまいりました。こうした中で、日本の強みである船舶の品質や環境性能の優位性を高めてきたものの、事業所の規模が小さい、船価が高い、人材不足等の要因があり建造量が伸び悩み、結果として建造シェアが低下してきております。  我が国造船業には、これまで培ってきた技術等を生かし、今後拡大が見込まれるゼロエミッション船などの新たな需要をつかむことにより、成長産業として大きく飛躍できるポテンシャルがあります。今回、造船業界は、この機会が最後のチャンスという危機感の下、自ら十年間で三千五百億円規模の投資をする強い覚悟を示していただき、政府としてその覚悟を受け止め、造船業再生基金を設置したところであります。  昨年末、官民が一体となって投資を促進するために造船業再生ロードマップを策定しましたが、これに基づき、建造能力の抜本的向上等の施策を着実に進め、他国に負けない競争力を確保し、世界を牽引する確固たる地位を確保してまいりたいと思います。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 覚悟を持ってということで、是非失われたこの二十数年取り戻すんだという強い意識を持って進めていただきたいなと思っています。  その発展のためにやはり課題となるのが人、その現場を支える人材だと思っています。統計を見ますと、二〇一二年から二二年のたった十年でこの従業員数が、およそ八万四千人から六万八千人へと一万五千人以上も減少しています。自動化、ロボット化、造船DX、これ進めるとしてもやはり現場に人は必要で、その人材をどういうふうに集めてくるのかというのは大きな課題だと思っています。  若い方々に造船業を選んでもらうためには、まずは知ってもらうということと併せて、労働環境の改善ですね、これも欠かせないと思っています。将来性はあるのかどうかとか、賃金は努力に見合っているのかどうかとか、そういうことを、どういうこういう問いに対して答えを出していくのかということだと思います。  特に、若い方とかデジタルネーティブ世代にとっては、その現場、造船業の現場というのは、鉄と油の臭いのする過酷な現場というどうしてもイメージが残ってしまっているんじゃないかと思います。そういう現場のイメージの払拭ですね、それから人材確保に向けた労働環境の改善、こういったことを含めた造船業の認知度向上への考えを伺わせてもらいます。

新垣慶太 国土交通省海事局長

○政府参考人(新垣慶太君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、我が国造船業の再生に向けては、造船人材の確保、育成が重要かつ喫緊の課題です。そのため、国土交通省では、関係省庁と連携し、大学等における造船分野の教育体制の強化や各地域内における産学官による連携の促進等に取り組んでいくこととしております。加えまして、少ない人手での船舶建造を可能とするため、AI造船ロボットの開発や、先ほど大臣からありました造船業再生基金を通じた省力化、自動化の設備投資支援を実施してまいります。  続きまして、そのイメージアップの件でございますけれども、造船業の現場では、この福利厚生の充実だとか、オフィスのリニューアルといった労働環境の改善も進んでおります。これからSNSやメディアなどを通じてこれらも含めた造船業の魅力を発信することにより、次世代の担い手確保に向けた取組を行っているところでございます。  こうした取組を通じて、造船分野における人材不足の課題にしっかりと対応してまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 若い方々が働きたいと思えるような環境づくりを是非お願いをしたいと思います。  そして、今の世界のこのGXの潮流というのは、造船業にとってもゲームチェンジの機会だと思っています。今、次世代船舶として注目されているのはEVや水素、アンモニア、LNG、メタノール、バイオ燃料と、もう本当に多岐にわたっていて、ですから、どの燃料に懸けるべきかという、この業界にとっては大変難しい選択肢を今どう取っていくのかというところに直面していると思います。  大事なのは、国際的な標準化を日本が主導することだと思っています。去年十月には、IMO海洋環境保護委員会の臨時会合が開催されて、国際海運におけるゼロエミッション燃料船の導入促進のための条約改正の審議が行われましたが、採決には至らず、一年後に再度審議を行うことになったと聞いています。  難しいこの状況下で、どう日本が国際競争で勝っていくのかどうかという、次世代船舶動力源の国際的な基準化や導入促進のための国際ルール策定に向けて、今後どのような戦略を持って取り組んでいくのか、酒井副大臣に伺います。

酒井庸行 国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(酒井庸行君) 先生おっしゃるように、今後の国際ルールの策定に向けての戦略的な取組というのは大変重要だというふうに思います。  それに向けて、国土交通省としては、GXの潮流を踏まえて、アンモニア、水素を燃料とするゼロエミッション船の技術開発、普及を通じた造船市場の獲得を我が国造船業再生に向けた取組における重要な柱の一つとしているところでございます。市場の獲得に向けては、国際海事機関、IMOでございますけれども、において、船舶のルールが重要な鍵となっていることから、これまでも我が国はルール作成に当たって主導的な役割を果たしてきたところでもございます。  現在、IMOで審議中の船舶の脱炭素化に関する新たなルールにつきまして、特定の燃料の排除につながるなどの懸念を理由として反対する国が一定国ありますものですから審議が一年中断となっておりますけれども、早期策定に向けて幅広い合意形成のための努力を継続してまいりたいというふうに思っております。その際、燃料の温室効果の面での優劣が正しく評価されるルールとなるよう取り組むとともに、新燃料について、造船、海運事業者自らの複数のものの中から最適なものを選択できるよう丁寧な情報提供を行ってまいりたいというふうに思っております。  国土交通省としては、こうした取組を通じて、海事産業の国際競争力の強化に戦略的に進めていく所存でございます。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 ありがとうございます。  難しい状況にあるこの日本の造船業界ですけれども、国が今回の支援策を打ち出す前からも、海運会社、造船会社はこの日本の造船業の国際競争力強化に向けて動き出していました。去年のアメリカの関税措置に関する日米協議で造船業に注目が集まる中、日本造船工業会では、先ほどもあったように、三千五百億円もの設備投資計画を打ち出したことも、先ほど大臣からもありましたが、もうこの機を最高のラストチャンスと捉えているというのがうかがえます。  最後に大臣に伺わせていただきます。  このプロジェクトを起点に、日本の造船業をどのような形で次世代につないでいくのか、ビジョン、それから決意について伺います。

金子恭之 国土交通大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(金子恭之君) 造船業は、海上輸送に不可欠な船舶を安定的に供給をし、国民生活や経済活動のみならず、安全保障も支える極めて重要な産業です。加えて、日本の海事産業群の中核となり、地域の経済、雇用を支える産業でもあります。  日本の造船業は、中国、韓国に負けない、世界をリードする技術を有しています。この強みを生かしつつ、昨年末に策定した造船業再生ロードマップなどを踏まえた建造能力の抜本的向上等の施策を着実に実施することで、世界に冠たる強靱な我が国造船業を確立することができると考えています。  日本の船は日本で造る、その実現のために、私自身先頭に立ち、全力で取り組んでまいります。

平山佐知子 各派に属しない議員

○平山佐知子君 力強いお言葉、ありがとうございます。  大臣がおっしゃるように、やっぱり島国日本ですから、自国で船を造って、しかも維持する能力を持ち続けるということは、産業の活性化だけではなく、その枠を超えて安全保障という面でも大変重要だと思っていますので、引き続き力強く進めていただきますようお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 以上をもちまして、令和八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、国土交通省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

辻元清美 立憲民主・無所属

○委員長(辻元清美君) 異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十五分散会

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