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国会会議録

厚生労働委員会

第221回 · 参議院 · 第17号 · 2026-07-09

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-09 00:15 JST 記録 #3671 ↗

発言 228

会議録情報

令和八年七月九日(木曜日)    午前十時二分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 克巳君     理 事                 石田 昌宏君                 自見はなこ君                 小西 洋之君                 田村 まみ君                 秋野 公造君     委 員                 かまやち敏君                 神谷 政幸君                 木村 義雄君                 福岡 資麿君                 古川 俊治君                 本田 顕子君                 山田  宏君                 石橋 通宏君                 郡山りょう君                 山内佳菜子君                 庭田 幸恵君                 芳賀 道也君                 川村 雄大君                 猪瀬 直樹君                 新実 彰平君                 岩本 麻奈君                 宮出 千慧君                 白川 容子君                 天畠 大輔君    国務大臣        厚生労働大臣   上野賢一郎君    副大臣        厚生労働副大臣  長坂 康正君    大臣政務官        財務大臣政務官  高橋はるみ君    事務局側        常任委員会専門        員        佐伯 道子君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局官房審        議官       向井 康二君        厚生労働省労働        基準局長     岸本 武史君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       安井省侍郎君        厚生労働省職業        安定局長     村山  誠君        厚生労働省老健        局長       黒田 秀郎君        厚生労働省保険        局長       間 隆一郎君        厚生労働省政策        統括官      辺見  聡君        農林水産省大臣        官房生産振興審        議官       佐藤  紳君        農林水産省大臣        官房審議官    神田 宜宏君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案(閣法第五六号)(衆議院送付)     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長岸本武史君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

石田昌宏 自由民主党・無所属の会

○石田昌宏君 おはようございます。石田です。  早速質疑に入ります。  労災の保険給付に関する情報提供の在り方について御質問いたします。  今回の法改正は、令和八年一月に労政審で労災保険部会が報告書をまとめて、それに基づいて行われていると思います。法改正マターはここで今審議しますが、それ以外の事項もありますので、そこも含めて質問いたします。  このまとめられた内容の中で、事業者への情報提供の項目があります。報告書によると、労災保険給付の支給とか不支給の決定の事実については、今、被災労働者には伝えていますけれども事業者の方には伝えていないといった状況ですが、それを条件付で一定の情報を提供するといった方針が出て、それに基づいて進められていくんじゃないかと思います。  労災の防止とか再発の防止に関しては、もちろん被災者のプライバシーに関しては配慮した上でですが、事業者に対して情報を提供することは重要だということだというふうに思っています。とはいえ、この労災保険部会、この議論、かなり労働者代表側委員と使用者代表委員では相対する意見が出ていますので、まずその意見を整理していただきたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  労災保険部会におきまして、御指摘の点につきまして、使用者代表委員からは、労災保険の支給、不支給の情報は労働災害の再発防止に必要な情報であり、保険料を事業主が負担していることからすると、労働者に通知されている情報と同じ情報を同じタイミングで全事業主に通知すべき、あるいは、事業主は災害防止の努力が必要であるが、そのためには災害の内容を知ることが重要、個人情報への配慮は必要であるが全ての事業主に情報が提供されることが必要である等の意見が出されたところでございます。  一方、労働者代表委員からは、そもそも事業主としては、請求時の事業主証明や監督署の調査協力を通じて請求があることは把握しているはずであり、そうした情報を基に社内で事故内容を調査し再発防止に努めるのが筋であり、情報提供は不要、職場で業務災害が発生した場合は再発防止措置をとるのは使用者として当然の責務であり、労災保険給付の支給の有無に関わるものではない、事業主に対する情報提供は慎重であるべき、労災保険給付の支給決定事実を事業主に情報提供するとなると、事業主はメリット制適用で保険料が上がることを見据えて、将来の保険料が上がるのは労災認定されたせいだとして、被災労働者や遺族、さらには被災労働者に協力する資料提供者や証言者などに不当なプレッシャーを与えることが懸念される等の意見が出されたところでございます。

石田昌宏 自由民主党・無所属の会

○石田昌宏君 使用者側からは、再発防止などを踏まえて情報提供してくれという話、労働者側からは、慎重にというか、かなり強いトーンの慎重にという感じで今聞き取れました。  あと、公益代表委員もいて、公益代表委員の方からは、例えば、労働者の疾病等が業務災害か否かは使用者が労働基準法の義務を果たすために必要な情報であると、これまで事業主に情報提供が一切なされてこなかったことに疑問を思うですとか、労働基準法の使用者責任、保険料を負担しているのが使用者であるという、こういった観点からすると、事業主に更に情報提供することは当然といった意見もあったというふうにあります。かなりこの難しい意見の中で、先ほどの方針が見えてきたと思います。  同じくメリット制についても同じような議論があって、ここちょっと今は省略しますけれども、情報提供についてはかなり複雑な状況になっている中で最終的な報告書がまとめられたというふうに思っています。  ただ、この報告書をまとめるプロセスの中で、これ労働側だと思いますけれども、労災隠しとか労災保険給付を受給した労働者に対する事業主による報復行為とか不利益取扱いとか、こういった、つながる懸念がかなり出ていて、これに対して実態を調査すると、そしてその結果に基づいて必要な検討を行うという、こういったことも書かれていますので、これはこれで重要かと思うんですけれども、これ、よく考えると、今、情報提供がなされていない段階で実態調査しても、その不利益行為とかが情報提供された結果起きたかどうか、そうじゃないかということは、まだされていないので分からないんだと思います。実際、情報提供された上で、情報提供された結果、不利益行為が起きたということは情報提供されないと分からないので、今行う実態調査は、情報提供の結果何が起きているかといった調査結果にはなり得ず、むしろ情報提供がない段階で、今時点で報復行為とか不利益取扱いとかが明らかになって、それをどう対応するかという、こういった検討にならざるを得ないんだというふうに思っています。  もし調査の結果、不当行為若しくは不利益取扱いが明らかになった場合は、むしろ今は労働基準法でそもそも事業主による不利益取扱いの禁止の規定があるので、その規定が十分に機能していないとかそういった話になるので、もしそういった事態が明らかになった場合は、情報の提供の在り方というよりも、労災法の保険の中で、法律の中で不利益取扱いに対する例えば規定を入れていくとか、そんな根本的な議論になっていくべきだというふうに考えますが、これに対してちょっと見解いただきたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘がありましたとおり、一月の労政審の建議におきましては、メリット制が労災隠し、あるいは労災保険給付を受けた労働者等に対する報復行為や不利益取扱いにつながる、そういった懸念について実態を把握するということとされました。このため、今年度、事業主による労災隠しが行われていないか、あるいは報復行為や不利益取扱いが行われていないか等について実態把握を行うとともに、来年度以降も継続をして行う予定です。  建議では、この実態把握の結果に基づいて、事業主に対する支給決定等に関する情報等の提供の在り方について必要な検討を行うことが適当とされております。この実態把握の結果次第ではございますが、委員御指摘のように、労働基準法で定められているような事業主等による不利益取扱いを禁止する規定を労災保険法に設けることなども含めまして検討する必要が出てくることはあろうかというふうに思っております。

石田昌宏 自由民主党・無所属の会

○石田昌宏君 ありがとうございます。  情報提供は私は必要なことだというふうに思ってはいますけれども、その是非の問題と、そもそも不利益な取扱いがあるかどうかという問題、この二つ今重なってきていると思いますので、そこはやっぱり論点なり議論が複雑にならないように、またずれないように丁寧に進めていって、より良い現場をつくっていただきたいというふうに思います。  次に、訪問系サービスについてちょっと御質問したいと思います。  今年、埼玉県で、ケアマネジャーが訪問先で危害を加えられてお亡くなりになるという、とても残念なことが起きてしまいました。絶対にあってはならないことだというふうに思っていますし、これから再発防止、しっかりと努めていかなければならないと思います。  この事件を踏まえて、厚生労働省は六月に、介護支援専門員等の在宅介護従事者の安全確保の徹底についてという通知を発出されています。ケアマネジャーの安全確保のために、利用者宅に複数名で訪問したときの必要な経費については、地域のケアマネジメント提供体制確保支援事業の利用が可能だと、こういった解釈をここで示しているので、これはまあ良かったかなというふうに思っています。  ただ、これ、七年度の補正予算の事業になってくるので、継続的に今後実施するには、本予算でしっかりと位置付けなければならないというふうに思います。予算の確保について、まずお伺いしたいと思います。

黒田秀郎 厚生労働省老健局長

○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。  今回のような事件を未然に防ぐためにも、ケアマネジャーの方々を含めた在宅介護従事者の安全確保は極めて重要でございます。  委員御指摘くださいましたように、令和七年度の補正予算で事業を計上しておりますが、この事業が令和八年度に繰越し済みであります。あわせまして、同様の支援を令和八年度の当初予算における地域医療介護総合確保基金のメニューとしても位置付けておりますので、そのような当初予算での対応も行っておりますので、そのことも申し添えます。  あわせて、令和九年度以降の対応につきましても、引き続き、関係者と連携をしながら、予算上の対応を含めて、ケアマネジャーを始めとした介護従事者の安全確保のために必要な取組を検討してまいります。

石田昌宏 自由民主党・無所属の会

○石田昌宏君 ありがとうございます。  予算の確保、私たちも一生懸命頑張っていきたいと思いますので、それは協力してやっていきたいと思いますし、委員の皆様にも是非一緒に予算確保を頑張っていただけたら有り難いと思います。  ただ、地域医療確保基金なので、これ結構取り合いの話になってきますので、確実にケアマネジャーの元に行くように、その御配慮も是非お願いしたいと思います。  ここは一つの前進だと思っているんですけど、同じく利用者宅への訪問である訪問看護とか訪問介護、医師も薬剤師もリハビリも保健師も訪問しますので、そういったものもあると思いますが、こういったものにつきましては、例えば訪問看護を介護保険で行く場合は、今、複数名訪問加算というのがあります。これ、要件見ると、幾つかの要件があるんですけど、その中の一つで、暴力行為、著しい迷惑行為、器物損壊行為等が認められる場合に複数名訪問の加算が取れると、算定できると、こうあります。  今これで対応していることになっているんですが、さっきのケアマネジャーの補助金は、これ補助金です、利用者負担は二人で行っても発生はしないんですけど、訪問看護や介護の場合は、例えば介護報酬、それから診療報酬などもありますけれども、これは加算になるので、利用者の自己負担分の増加というのが出てきてしまいます。  また、報酬の算定をするので、当然、説明と同意が事前に必要になりますので、これ、例えば、現場で、あなたは迷惑行為が著しいので、一人じゃなく二人で訪問させていただきます、つきましては負担の増加がありますということをそもそも説明できるかという、こういったことです。これは多分、現場では現実的にはこんな説明はできなくて、この仕組みは所与の目的の達成のためには使えない仕組みと言わざるを得ないというふうに思います。  利用者の負担を増やすことなく、かつ、同意とかそういった枠組みと別の枠組みで複数名の訪問看護を可能にする仕組みをつくっていかなければならないと思います。それはケアマネジャーだけでなくて、訪問する看護や介護やほかの職種含めてだと思います。そうしないとやっぱり悲劇というのはなくなっていかないと思いますが、これどう対応するつもりか、大臣、よろしくお願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、訪問介護・看護においては、これまでも介護報酬上、利用者及びその家族の同意を得た上で複数名で訪問を行った場合の加算の算定を可能としております。また、ケアマネジャーも含めまして、今お話のありました地域医療介護総合確保基金などによりまして、複数人での訪問を実施する際の経費の助成といった支援も行っているところです。  その上で、本年十月には改正労働施策総合推進法が施行されます。介護事業者を含む全ての事業主に対しまして、カスタマーハラスメントを防止するための雇用管理上必要な措置が義務付けられることになります。  このため、このハラスメントの対応状況等の実態把握、これを行った上で、ケアマネジャーや訪問介護・看護の従事者の安全確保のために必要な取組について関係審議会において議論をしていきたいと考えておりますし、予算上の対応を含めた様々な観点から検討を行っていきたいと考えています。

石田昌宏 自由民主党・無所属の会

○石田昌宏君 予算上の対応を含めて検討していただくのは有り難いと思いますし、是非それも後押ししていきたいと思います。ただ、実態調査してから検討するって結構時間掛かるかもしれないので、これ多分命懸かっている話ですので、早急に取り組んでいただいて早急に実施していただきたいと思います。  まだちょっと質問あるんですけど、今日ちょっとスタートが遅れてしまったので、早めですけれどもここで終わって、次に譲りたいと思います。  どうもありがとうございます。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 立憲民主・無所属の石橋通宏です。  今日は、労災法ということで、極めて大事な法案の審議ですので、時間限られておりますが、事前に詳しめに通告もレクもさせていただいておりますので、できるだけ簡潔明瞭な答弁に努めていただきたいということで、まずお願いしておきたいと思います。  冒頭、資料の一にも配付をさせていただいています。我々、やはり何としても、労働災害、死亡、様々な障害も含めて何としても根絶をしていきたいということで、これ厚生労働省としても、長年にわたって労使とも連携して取組を進めてきていただいた。結果として、かつて極めて多数の死傷者が残念ながら記録をされていたのが、この間の取組で累次減少をしてきた。このことは評価をし合うべきだろうというふうに思いますが、ただ、ここ見ていただけると、昨今またぞろ死傷者が増加に転じてしまっております。  まず、大臣、残念ながら、様々取組は継続していただいているとは思いますが、ここ十年ぐらいで死傷者がまた増加に転じてしまっている、このことについての大臣のまず問題認識と、その原因が一体どこにあるのかということについての所見を簡潔にお願いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 近年の労働災害の発生状況につきましては、委員が今お示しをいただいた資料のとおり、死亡災害は減少傾向にありますが、休業四日以上の死傷災害は、昨年は僅かに減少していますが、増加傾向が継続をしております。この原因、理由等については様々な要因が考えられると思いますが、一つにはやはり高年齢の労働者が増加をしていること、あるいは外国人労働者の増加ということも背景にあろうかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、労働災害が増加をしておること、これは大変懸念をされる状況でございますので、重要な課題だと認識をして対策を講じていくことが必要だと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 まず、大前提として、これ、分かっている、ちゃんとして労災等で記録されているデータの数です。この裏には恐らく、後ほど触れる労災隠しの問題等も含めて、実際に働く現場で様々な死傷事故が起きている。しかし、それが記録にも残らないままに、残念ながら労働者が泣き寝入りせざるを得ないと、こういった問題も現にある。ひょっとするとこの数倍にも及ぶ実は労働現場での死傷事故等が起こっているかもしれないということも、大臣、是非改めて認識をしておかなければいけないのではないかと思います。  その上で、今二つ大臣としても挙げていただきました。一つは高年齢者。資料の二でデータお配りをしております。これもかねてからこの委員会でも何度か取り上げさせていただきまして、その抜本対策。一方で、六十歳超え、今六十五歳超えの継続雇用、努力義務も企業にもお願いをしておりますが、六十歳超えの高年齢雇用労働者の皆さんの労働災害がやはり顕著に増えているという問題があります。  大臣、この間の取組、一体どうなっているんでしょうか。累次警鐘を鳴らして、この取組を抜本的にとお願いはしているのですが、残念ながら数は減っていない、いや、むしろ増えているという状況にあると思いますが、この点について、いかなる取組をきちんとしていただいているのかを説明してください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 高年齢の労働者につきましては、かねてからその労働災害防止のための施策に取り組ませていただいているところでありますが、とりわけ労働安全衛生法の改正によりまして、本年四月から、高年齢労働者の身体機能の低下などの特性に配慮した作業環境の改善等の措置を事業者の努力義務といたしました。また、本年二月には、事業者が講ずべき具体的な措置を大臣指針により示し、周知を図っているところであります。また、エイジフレンドリー補助金などによりまして、中小企業事業者が実施する対策を支援をしているところであります。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 これ、今後も六十歳超え、六十五歳超えの就労継続を一方で支援していく、であれば、やはりこの抜本対策をきちんと対策を講じていただかなければならないと思いますので、大臣、ここは是非この法案の審議も契機にしっかり対応していただくことを重ねてお願いしておきたいと思います。  資料の三。もう一方で、外国人労働者の数が今、ずっと増加しております。その一方で、残念ながら労働災害の発生状況も、これ見ていただくとおり、技能実習生もそうなのですが、それ以外の在留資格の方々もこれだけ増加をしてしまっている状況にあります。  大臣、外国人労働者の方々、様々な在留資格がある中で、それぞれの在留資格に応じた、やれ特定技能、まあいろんな形があるわけですが、きちんとそれに応じた外国人労働者の皆さんの災害防止、これ徹底していただいているんでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 外国人労働者の労働災害ですが、発生率などを業種別に見ますと、やはり業種によって違いが見られますので、その状況に応じた対策が必要だというふうに認識をしています。そうしたことから、令和八年度においては、労働災害、外国人の労働災害についての詳細な分析を行った上で、災害の実態をいま一度把握をして、業種別の労働災害防止マニュアルの作成などに取り組んでいきたいと考えております。  また、日本語でのコミュニケーション能力の不足ということも要因の一つではないかと考えられますので、母国語による安全衛生教育テキストの作成や、あるいは直感的に危険性を理解できるような動画教材の作成などの対策も併せて現在講じているところであります。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 ここ是非、そういった多様な言語で仕事をされている、中にはやはり文化的にも母国と違う日本の環境ということもあると思います。そういったことも含めた外国人労働者の皆さんの命、健康、安心、安全を守るという観点で、今の対策は是非徹底して、これ、これ以上増加するんじゃない、減少にしっかり転じていただけるように対策、これもお願いをしておきたいと思います。  その上で、先ほどもちょっと触れましたが、これひょっとすると数字上出ているのは氷山の一角かもしれないという問題、つまりは、残念ながら労災隠しが現場で横行しているのではないかという問題認識もあります。  これ、資料の四にもあるんですが、労災隠しとしてちゃんとした数字、データって出てこないというふうに聞いております。これ百条、百二十条送検件数、これ全体を把握したものなので、一体本当に労災隠しの実態ってどうなっているんだろうか。これ双方に、事業主側にも、メリット制の問題等を含めて、労災が明らかになるといかぬから言うなよみたいな話をしている。一方で、労働者の側も、いや本当はきちんとした保護を受けたいんだけれども、それを言うと企業内で不利になるかもしれない。いや、これ本当に現実に、大臣、起きているわけです。  まず大臣、これ労災隠し、断固根絶していかなければならないと思いますが、大臣、同じ思いだということでよろしいですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) このような労災隠しであったり、あるいは労災保険給付を受けた労働者に対する報復行為など、そうしたことについては、建議でもその実態を十分把握するように伝えたところでありますので、そうしたことが起きないようにしっかりとした対応を取ることは大変重要なことだと考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 これ、先ほど来話が出ている、今回実態調査をされるということで聞いておりますけれども、その中にこの労災隠しがどのような形で残念ながら存在するのか、事業主側の事情、労働者側の事情、特に労働者側がなぜ、なぜそういった労働災害に遭いながらも労災の申請をためらうような状況に置かれているのか、そういったこともきちんと丁寧に実態調査していただけるということでよろしいですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 調査におきましては、労災隠しや先ほど申し上げましたような報復行為等が発生をしているか、発生している場合にはその内容等について調査をする予定でありますので、当然、働いている労働者の皆さんからの視点というのも十分大切にして調査を行っていきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 これ、是非実態調査、そうやって網羅的に、特に労働者の側が本当に残念ながら泣き寝入りせざるを得ないと、そういった実態、状況にある、こういったこともきちんと丁寧に調査をしていただきたいということ、これお願いをしておきたいと思います。  その上で、先ほど石田委員からも、いなくなっちゃった、石田委員からも指摘がありましたが、メリット制の問題、これもやっぱり、我々、今回、労働側若しくは労働弁護団の皆さんからも、このメリット制が労災隠しの原因になっているのではないかという強い問題提起、指摘が行われております。  まず、大臣、見解を教えてください。このメリット制が労災隠しの原因になっている、この点について、大臣、厚労省としてはどういう見解をお持ちなんですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 令和五年に労働安全衛生法第百条違反による労災隠しで送検をした事業者について、労災隠しを行った動機を調査しましたけれど、その際には、メリット制による労災保険料の増額を懸念したという回答はございませんでした。  ただ、労災保険部会でもそのデータを確認をしながら議論をしていただいているわけでありますが、一方、メリット制が労災隠しの原因となっているのではないかという指摘など、その後の議論があったところであります。  こうしたことも踏まえまして、労働政策審議会の建議では、メリット制が労災隠し等につながったのではないかと、そういった懸念について実態を把握することとされたところでございます。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 事業主に聞いたらそう言いますよ、大臣。だから、なかなかそれは余り信用できるデータとは言えないと思うのですが。  じゃ、逆に聞きます。メリット制がこの事業主の労災防止、この対策の強化に現につながっているというデータはあるのですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) メリット制による災害防止の効果につきましては、労政審やあるいは労災保険制度の在り方に関する研究会においてもデータに基づいた御議論をいただいたところでありますが、メリット制による保険料が引き上げられた事業場における被災者数の前年度からの増減率は、全事業場の被災者数の前年度からの増減率よりもおおむね低いことが示されておりますので、一定程度メリット制の効果があったと考えられます。  例えば、令和四年度にプラス四〇%でメリット制が適用された製造業における被災者数の増減率はプラス〇・七%であるのに対しまして、全事業場における被災者数の増減率はプラスの四・二%でありましたので、一定程度の効果があるというふうに考えているところであります。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 いや、でも、それメリット制があるからそうなのか、なくてもそうなのか、その区別のある科学的なデータ、根拠にはならないのではないですか。大臣、そこまでお調べになって言っておられるのかどうか分からないけど、現場からは、いや、かえってメリット制、むしろ労災隠しの原因になっているので、逆に言えば、メリットはそれほどないのではないかという指摘も受けています。  それから、もう一つ、現場から強い反対意見というか指摘を受けているのは、不公平な制度ではないのかと。結局、メリット制の対象になる事業者というのが一部大きい企業に限定されてしまっていると、百人以上若しくは二十人以上百人未満の一定の要件を満たすところに限定されてしまっていると、小さいところ対象になっていないですよ。幾ら努力をいただいて、そこが労災ゼロでずっと頑張っていただいても、そういうところにはメリットがない。これ、大臣、不公平だという指摘にどう答えるんですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、メリット制は、事業主間の保険料負担の公平性の確保と事業主の労働災害防止努力の一層の促進を目的としているものであります。委員から御指摘ありましたとおり、一定の労働者数以上の規模の事業場に適用をしております。  規模の要件でありますが、仮に小規模の事業場で偶然生じました一件の労働災害によって事業主に御負担いただく保険料が大幅に増加をしてしまう、そうしたことも考えられるわけでございますので、そうしたことを避ける目的などでこうした取扱いとしているところであります。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 いや、余り意味が分かりません。  対象となっている特定事業主で、これメリット、つまり減額のメリットを受けている企業どれだけありますか、参考人で結構です。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  メリット制適用事業場数、令和六年度の数字でございますが、全体で十五万二百九十四事業場、このうち引上げに働いている事業場が二万二千七百二十七事業場、引下げに働いている事業場が十二万五千百三十一事業場でございます。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 八割以上が実は減額の恩恵を受けております。重ねて、対象とならない事業主、大臣さっき、いや、一件でもあったらと言われたけれど、逆に努力をいただいてずっとゼロで頑張っていただいているところは、でもメリット制の対象にはならないので、一切そういう減額の措置が受けられません。  そういったことも含めて、現場からは、これメリット制はむしろ抜本的に見直すべきではないのか、むしろ廃止も含めて検討すべきではないのかという指摘があったはずですが、今回なぜこのメリット制、存続させるのですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) やはり、その建議の中におきましても、そういったメリット制についての御議論を頂戴しております。まずは、先ほどの労災隠し等の課題もありますので、その実態をまず把握するということとされたところでございます。  そうした実態把握を実施をした上で、その結果を踏まえ、必要な対応を取っていく必要があろうかと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 今回、実態調査の対象にこの点も含めるということで先ほど御説明いただきましたので、改めてメリット制の是非についてしっかりと調査をしていただいて、存続の可否も含めた見直しをまた今後やっていただきたいと思いますし、我々も物申していきたいと思いますが。  この点の最後に、今労災隠しについて大臣また触れていただきましたけれども、じゃ、この労災隠しを根絶していく意味で、ほかにもいろんなやるべき取組というのがあるし、厚労省としても取り組んでいただいているんだろうと思いますけれども、今後、厚労省としてまたこの労災法改正を機に、隠しを根絶していくという決意で、具体的に何をやるのが最も効果的なのか、何をやらなければいけないのかという具体的な施策、これあるのであれば、これ参考人でも結構ですから、教えてください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  労災隠しは、その概念がそうでございますが、発生した労働災害をその行政庁に報告をしないという行為でございますので、なかなか待っていても見付からないというものでございます。したがいまして、労働基準監督署による事業場に対する訪問でありますとか、あるいは労働基準監督署にそういった情報をお寄せいただくということが発見の端緒になろうかと思います。  そういった点につきまして、今でも取り組んでおりますけれども、引き続き、労災隠しという法違反が横行しているというような、そういった批判に応えられるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 これ、やはり、きちんと労働者がやっぱりそれを言うことによって、極めて大きな不利益を得るのではないかという懸念、心配が、労働者側もちゅうちょしてしまう、ためらってしまうことになる。それをどう、きちんと、やっぱりそういうことはあってはいけないので、まずは表に出していただかないと、対策も講じられないし救済もできないという、その実態を是非徹底して、労働者がそういった不利益を受けないような形で、きちんとそれを申告、申請して届け出ていただけるような体制整備を、これを何としてもやっていただきたいということも含めて、今言っていただきましたけど、対応の方を大臣も責任持ってお願いをしておきたいと思います。  次に、先ほど石田委員も、これも触れていただきましたが、今回、労政審の報告書で、この労災給付の事実等、あとはメリット制の、メリットがなくなって引き上がった事業主に通して根拠情報を提供するということが提起をされています。  これ、さっき答弁もいただきましたけれども、労働側からは断固反対であるという強い懸念が、これやっぱりさっきから言っているとおり、労働者側が極めて不利益を得るもう危険性が現にあるのだと、だから駄目だということで強い批判が出たにもかかわらず、これ、やるんですか。本当にやるんですか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) 御指摘の事業主への情報提供でございますが、労働政策審議会の議論の中で労働者代表委員から反対の御意見があったことは事実でございます。その後の議論を経まして、労働政策審議会の建議におきましては、事業主に早期の災害防止努力を促す等の観点から、労災保険給付の支給決定等の事実を事業主に情報提供することが適当とされたところでありますが、あわせて、メリット制が労災隠しや労災保険給付を受給した労働者等に対する事業主による報復行為や不利益取扱いにつながるといった懸念について、その実態を把握し、その結果に基づき必要な検討を行うことが適当というふうにされたところでございます。  この実態把握は、この議論の過程での労働者代表委員の皆様からの御意見も踏まえたものでございまして、厚生労働省としましては、今後、実態調査をまずは行いまして、その結果に基づいて、事業主に対する支給決定等に関する情報提供の在り方について必要な検討を行ってまいりたいと考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 ということは、大臣、実態調査を丁寧に、先ほど来からいろいろ項目も含めて議論させていただいていますが、実態調査を丁寧にしっかりやっていただいた、その結果として、やはり労働者の不利益が生じ得ると判断をされれば、情報提供を行わないという判断もあり得るということでよろしいですね。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 実態把握の結果を踏まえて、また労政審で議論をしていただく必要があろうかと思います。  その上で、結果次第ではありますが、何らかの必要が、対応が必要となった場合には、その措置が講じられるまでの間はこうした情報提供を停止をしたり、あるいは開始をしない、そうしたことも可能性としては考えられると考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 開始をしないということもあり得るという大臣答弁をいただきましたし、やった上で何か不利益がもし生じた場合には止めるということもあり得るという答弁だったと思いますので、これは大変重要な答弁いただいたと思いますので、しっかりそれを踏まえていただきたいというふうに思います。  これ、絶対、今でさえ、先ほどのメリット制で、表に出たら自分のところが不利益になるから、絶対表に出すな、申請するなみたいなプレッシャーが現に掛けられているんですよ、大臣。だから、結局、何かあったら、犯人探しとか、労災申請をした、当然の権利としてやるべき、やっていただくべき、そういった方々が不当な圧力を受けたり、不利益取扱いを受けたり、そういったこと、決してこれあってはいけない、当たり前ですが。  大臣、なので、万々が一、やっぱりそういうことが起こってはいけないから、そういうことがやっぱり起こり得るという判断になれば、やっぱり情報提供をやめていただきたいと思いますし、逆に、そういったことが起こったときには、現にそれを、その行為を行った事業主、経営者に対しては断固とした処罰、これをやっぱり講じていただくべきだと思いますが、大臣、これもそういったことでよろしいですかね。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘の点は、まずは実態把握をしていこうという段階でございますので、その結果次第であろうかと思っておりますが、実態把握の結果に基づいて、事業主に対する支給決定に対する情報提供の在り方について必要な検討を行いますとともに、また、その結果において必要であれば、例えば先ほども出ました、事業主等に対する不利益取扱いについて労災保険法の中で規定していくといったことも含めて検討してまいりたいと考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 重要な点ですので、重ねて、これしっかりとした実態調査、把握、その結果としてどうするか、改めてしっかりと労働側の意見もきちんと聞いていただいた上で判断をしていただきたいということ、そのことを重ねてお願いをしておきたいと思います。  次に、これまで暫定措置となって任意適用となっておりました農林水産業の小規模個人経営事業への労災保険の適用が今回行われるということでありましたが、ちょっと懸念しておりますのは、この施行までに五年の準備期間が設けられるというふうになっていると理解をしておりますが、これまで、本来適用されるべき方々も含めて、任意ということで適用が極めて低率になっていた。  今回適用するのですが、これ、なぜ五年も掛けるのですか。結果的に、五年掛けた、やっぱり五年たってもなかなか進まない、そういうことが起こり得る。もうすぐに適用にしていただいて、もう適用になったんだと、なので、みんなで一〇〇%適用していきましょうという立て付けの方がよっぽど労働者保護の観点から適切だと思いますが、なぜ五年も猶予期間設けるのですか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  労災保険は、現行制度におきましては、原則として労働者を使用する全ての事業に適用されますが、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部につきましては、家族労働を中心とする自営業に近いなどの実態を考慮しまして、当分の間、暫定任意適用事業として労災保険の全面適用の例外となっているところでございます。  これについて、今般、審議会での議論なども踏まえまして、暫定任意適用という扱いから全面適用に移行するとの内容を法案に盛り込ませていただいておりますが、その際、関係審議会からも円滑な施行に必要な期間を設けることが適当であるとされたところでございます。  具体的には、労災保険の全適用事業場、現在約二百九十七万ございますが、今般、今回の改正が仮に成立をいたしますと、約二十二万の非常に小規模な農林水産業の経営体の皆様に対し労災保険に加入をいただくということが出てまいります。  適切な労務管理を含めた制度の周知ですとか、現行でも可能な任意加入を促進しながら制度の円滑な定着を図るためには一定の施行期間が必要であって、やはり混乱のない形で適用に移行するためには一定の準備期間が必要であるということで、今回の法案の中では五年以内の政令で定める日というのを施行日とさせていただいているところでございます。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 一定の期間がというのは一部分からないでもないけれども、なぜ五年なのかということ。これまで長年にわたって本来適用されるべき方々が適用除外に置かれてきてしまった、何かあっても救済すら求められなかった。一日も早く救済すべきですよね、大臣、当然ながら。本来加入対象になるべき方々がこれで適用になる。そうしたら、もう明日からでも本来は適用対象になって、救済、守るべきではないですか、大臣。であれば、なぜ五年なんですか。一年、二年でやったらどうですか、大臣。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど局長の方から答弁したとおり、これまで関係者等あるいは関係審議会等の議論を経て、施行日五年以内の政令ということで合意をしているものでございます。  やはり、施行に当たりましては、小規模な事業者の方が大変多い、そうした実態も十分踏まえた上で対応する必要があろうというふうに考えておりまして、そうしたことで五年という時間を設定をさせていただいたことでございますので、その点につきましても御理解を賜りたいと思っています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 いや、当事者の方々なかなか理解されないと思う。二十二万とさっき局長おっしゃった。つまり、それだけの方々が適用されるべき方々ですよ。除外されてきたということでしょう。この五年の猶予期間の間にそういった方々、何かあったらどうするんですか、大臣。救済されないじゃないですか。だから五年も悠長なことを言っていたら駄目だと。  これ、大臣、これ法律できれば五年ということにこのままなる。しかし、五年待たずに、とにかく全ての適用対象になる方々が一日も早くきちんと適用されるように、厚生労働省として、大臣責任持って、あらゆる資源、手段を使って救済する、そのために加入いただく、そのために努力をいただくということでよろしいですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) そうした方々が守られるということは非常に大事でありますので、任意加入の促進などをしっかり進めていきたいと思います。  二十二万の農林水産業の小規模な個人経営体について、令和十一年度末までに任意加入率八割、そうしたことを達成することを目指して、円滑な全面適用に向けて努力をしていきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 五年猶予、極めて私は課題があると思っていますが、大臣今答弁いただいた、とにかく一日も早く全ての方々が加入できるように厚労省としても責任持って対応いただく、そのことで、是非我々も後押しをしていきたいと思います。  それから、消滅時効期間の見直しについて触れておきたいと思いますが、今回一部の疾病に限って消滅時効期間が五年に延長されるということになりました。これ、なぜ一部に限ってしまったのかが現場からも懸念の声が上がっています。  二〇一七年の民法改正で、一般債権の時効は五年に既に延長されております。しかし、今回、対象外の疾病等については二年に据え置かれてしまった。つまり劣後が続くことになります。なぜ劣後させるんですか。なぜ、今、現状で二年で、資料にも付けております、資料の六にありますけれども、残念ながら時効が来てしまったので、時効徒過による、申請ができない、救済がされないという実態が現にあるわけですから、大臣、これ全部、全面的に五年に延ばす。なぜそうしなかったんですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 療養補償給付等の一部の給付については、早期に請求を行うことによりまして、事業主による迅速な再発防止措置や労働者の早期回復による迅速な職場復帰が可能となります。また、時間の経過とともに過去の事実の立証が困難になる、そうしたこともありますので、早期に権利を確定をさせて労働者救済を図ることが必要である、そうした趣旨から消滅時効期間が二年とされているところであります。  他方で、脳や心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病については、疾病の想定される要因が多岐にわたることから、業務上災害であるか否かの判断が難しい場合があり、実際に時効後に請求がなされた件数の割合が比較的高いということも確認をされております。  そうしたことから、その性質上、業務災害等に当たるかどうか容易に判断することができない疾病についてのみ消滅時効期間を五年とすることとしたものであります。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 脳・心臓疾患、今回五年に延ばす、そこは我々も是としているというか、そうすべきだと思いますが、逆に対象から漏れた、例えばここでいうと、介護等給付、これ三割が時効徒過なんですよ、大臣。これ、今回も救済されなくなっちゃう。三割ですよ。なぜ、じゃ、この人たちはいいんですか、救済されずに、三割もの方々が。  下のところに、徒過した理由といって、一応介護とあるんですけれども、全然これ件数調べていないので、実際にこれだけの時効徒過の件数があるにもかかわらず、その時効徒過の理由が分からないんです、全然。大臣、これで、この方々、今後も時効徒過でこういった方々が救済から除外をされる、そんなこと、大臣、許していいんですか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  資料六でお配りいただきましたとおり、介護補償給付、時効に係る割合が高くなってございます。  これにつきましては、介護補償等給付の場合、障害補償等給付の支給決定があって初めてその支給要件が生じる、そういう性格の給付でございますので、一連のものとして、私どもも、その介護補償給付を受け得るということは、障害補償給付を決定した段階で情報としては分かっていることでございますので、その点を生かしまして、障害補償等給付の請求書と同時に介護補償等給付の請求書を配付することですとか、労災年金受給者の方々に対して、受給条件の変更があった場合に必要となる手続を年一回お知らせをしておりますけれども、この中でも介護補償給付に係る請求手続についても周知を行うことなどによりまして、この点について運用改善を図ってまいりたいと考えております。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 これまでにも、厚労省、いろんな取組してきたでしょう。してこなかったんですか。いや、してきたでしょう。してきてなおこれだけの、現実的に、時効徒過の方々が出ているわけですよ。でも、今回、二年にとどめたので、こういった方は結局また今後も二年で時効が来ちゃう、救済されない、その状況が続く。  じゃ、大臣、約束してくださいね。断固、この制度を知らなかったり、制度を申請しようと思って間に合わなかったり、そういうことが絶対にないように、これまで以上の対策を徹底的に強化をして、こういった方々、時効徒過によって救済されないような、そんなことは今後ゼロにしていくんだという決意で臨む。大臣、よろしいですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、介護等給付において、時効期間を徒過し支給に至らなかった介護等給付が相当程度あることについては大変課題だ、問題だというふうに考えておりますので、今局長の方からお話がありましたけれども、医療関係者への更なる周知協力の依頼や、あるいは保険給付に係る請求書の様式を見直しまして、消滅時効に関する記載を盛り込むなど、請求期限を徒過しないように注意喚起、こうしたことを徹底して行っていきたいというふうに考えております。  また、一連のものとして、障害等給付の請求書と同時に介護等給付の請求書を配付することなど、様々な手法を通じてその周知徹底に取り組んで、運用の改善を図っていきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 ここは是非きちんとした対応、大臣、お願いします。我々もまた引き続きこの点についてもウォッチしていきたいというふうに思いますので、今後、重ねて、本来であれば全てやっぱり五年に延ばすべきではなかったのかというふうに問題意識は改めて提起はしておきたいと思います。  その上で、次の課題ですけれども、冒頭、残念ながら数字上出ているのはひょっとすると氷山の一角かもしれない、多くの働く者が本来、決してやっぱり労働災害に遭ってはいけない、でも、万が一のことがあれば、そこはしっかりと救済をされなければならない、補償されなければならない、そして、命、健康、安心、安全を守っていくんだ、そういう趣旨で徹底していかなければいけないんだというふうに思うのですが、これも私、かねてからこの委員会でも、残念ながら、偽装請負とか偽装フリーランスとか、本来使用従属性があるにもかかわらず、そういったフリーランスとか個人事業主とかが制度的に悪用されてしまっているんですね、使用者責任を逃れるために。  やっぱりこれ、大臣、重ねて、使用従属性が認められている、そういう働き方、そういうカテゴリーの労働者については、これ確実に本来の強制加入としての労災保険に加入していただくべきだ、加入できるように確保すべきだというふうに思いますが、大臣、まず見解をお願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) IT技術等の進展によって働き方も多様化をしておりまして、委員から再三この問題についても御指摘をいただいているところでございます。  ただ、そうした状況ではございますが、私どもとしては、やはり契約の名称や内容にかかわらず、その働き方の実態が労働者に該当をし、業務や通勤に起因する災害であると認められる場合には労災保険給付の対象としているところでございます。フリーランスあるいは個人請負事業主の方が業務上被災をし、保険給付をされた場合には、労働基準監督署において労働者性を適切に判断をして、必要な給付を、保険給付を行っているものだと認識をしております。  こうした取扱いについては、今後も窓口あるいはホームページ等で引き続き周知徹底に努めていきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 こういった方々が、本来やっぱり労働契約でちゃんと使用者、労働者として働いていただくべき、そして使用者にきちんと保護責任を果たしていただくべきそういった方々が、偽装、先ほど言った偽装請負だったりフリーランス契約を強いられたりして、使用者が責任を果たさず、労働者が、本来労災保険本体に入れるべき方々が特別加入に入れるから特別加入で入れとか、自分で民間の保険に入れとか、そういったことを絶対やっぱり厚労省としては許してはいけないというふうに思うわけです。  これ、かつて、もう裁判例が出たので、我々、例えばウーバーイーツとか、ああいうプラットフォームワーカーについて、これは明らかに使用従属性が認められる働き方であるというような裁判事例が出たような働き方、職種の労働者については、きちんと厚労省がもうお触れを出していただいて、こういう方々は、これはもう使用従属性のある労働者だから、ちゃんと労災保険に加入させなければいけませんよというふうに明確に指示していただきたいわけです。お触れを出していただきたいわけです。大臣、いかがですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働基準法上の労働者性の判断、様々な御意見がございますが、現在、令和七年の五月から、学識経験者で構成をされた労働基準法における「労働者」に関する研究会を開催をしまして、現在、判例あるいは国際動向、そうした状況について把握、分析を進めているところでございますので、引き続き、そうした場を中心に、その判断基準の在り方等についても検討を深めていきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 大臣、遅いですよ。もう、僕、この問題取り上げたのは二年、三年前だと思いますよ。そのときも検討しますって言っておられた、まあ歴代大臣の責任かもしれませんが。  大臣、いつまでも検討、検討、検討で、結果的に、そういう労働者の方々が、現場、労災保険に入れていない、現場で事故が起こっている、労災の救済を受けられない。大臣、こういう実態見ていないのですか。見てくださいよ。いつまでも検討、検討って言っている間に命が、労働者の安心、安全が損なわれているわけじゃないですか、大臣。この点について、大臣、きちんと認識をしていただいて、いつまでも検討ではない、既に先ほど言ったとおり、裁判事例が出ているようなそういった働き方については、もうこれは適用になるんですと、厚労省がちゃんと指針出していただければいいわけですから。大臣、もう一度。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 当然、判例ですとか、先ほど申しました国際動向の状況とか、そうしたものを十分踏まえて今後の判断の在り方については検討していきたいと、検討で大変恐縮ではございますが、しっかりその問題の重要性を認識して検討させていただきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 いみじくも、今回のILO総会二次討議で、プラットフォームワーカーの新しい条約、勧告ができました。日本も賛成をされたんだろうというふうに思います。  重ねて、こういった本来労働者として守るべき方々が守られない、大臣等言っているIT等の普及によって。これはもう何としても、いつも後追い後追いなんですよ、不利益を受けるのは労働者ですから、そうならないようにきちんと先んじて労働者を守り抜く、その決意で、大臣、しっかり頑張っていただきたいと思います。  今回、特別加入団体の要件、これが厳格化をされます。それはそれで、一方で、残念ながらいいかげんな対応をされているようなところに対して厳格な対応をしていただく、それはよしとしたいとは思いますが、ただ一方で、結果的に、そういった特別加入のところが承認を取り消されたようなときには、じゃ、そこで加入をしてくれている働く者が無保険状態、全く守られない状態に放り出されてしまうこと、これはやっぱり絶対に避けなければいけないというふうに思いますが、これはどういう対処、対応していただけるんでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 特別加入団体に対する業務改善命令やあるいは保険関係を消滅させることについては、特別加入者が労災保険のセーフティーネットから抜け落ちることがないように留意して取り扱うことが大切だと考えています。  まずは、特別加入団体の運営が適切に行われるということが大事でありますが、それでもなお保険関係を消滅をさせるような必要がある場合には、その地位を失う特別加入者がもう可能な限り不利益を被らないように取り組むことが必要です。  したがいまして、原則として、保険関係の消滅は保険年度末期である三月末頃までの期間を確保するということとともに、ほかに同種の事業、作業に関する特別加入団体が存在している場合には、特別加入者に対してその特別加入団体への移行、それを勧奨する、そうした運用を行うことを考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 今大臣も言っていただいたとおり、これも、残念ながら、いいかげんな対応されるところについてはきちんとした厳正なる対応していただきたい。ただ、労働者の不利益になっては絶対にいけないので、そこはもうとにかく制度的な対応も含めて、しっかり支援、サポートをしていただきながら労働者の命を守っていただきたい、そのことを重ねて、大臣、しっかりやっていただくことをお願いしておきたいと思います。  あと、最後になるかもしれませんが、これも、大臣、スポットワークの問題について、かねてから問題提起、課題認識をさせていただきましたが、一点、このスポットワークって今すごい登録者がいて、いろんな方々がいろんな形でこのスポットワークを使われている。確かにメリットがあるという評価もある一方で、私、個人的にはすごく問題意識を持っておりますが、この労災の観点でいきますと、通勤災害の問題があります。  というのは、これも以前取り上げましたけれども、今の労災の厚労省の通勤、これは自宅から決められた職場までというので一辺倒な対応されていますが、このスポットワークなんて新しい働き方って、自宅から決められた勤務先じゃない。大臣、よくお分かりですね。もう出張中とかどっか行っている間に、時間があります、あっ、その場でいい仕事、就労先ができました、じゃ、そこでって、いや、それは全然自宅から決められた通勤先ではない。これもう新しい概念なんですよ。  大臣、これいいかげん、従来の伝統的な通災のこの自宅から勤務先という、そうではない新しいこの働き方、雇用形態、もし厚労省が今後もスポットワークはメリットがあるんだといって容認をされるのであれば、余計にちゃんと、そこで労働者が万々が一通勤中に災害に遭うようなことになったときにきちんと労災で救済、守ることができる、まさに使用者が責任を逃れられないように定義を変えていただく必要があると思いますが、大臣、いかがですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) この点につきましても、再三委員からも御指摘を頂戴をしているところでございますが、労災保険、これは使用者に災害補償責任がない通勤災害についても、通勤が業務と密接な関連を持つことから保険給付の対象としております。原則として、住居と就業の場所との間の往復を前提としているものでございます。  委員御指摘のようなケース、これから増えてくることも想定をされますが、現在のところはこうしたケースで労災請求された事例は承知をしておりませんけれども、引き続き、都道府県の労働局を通じて、やはりまずは実態把握、これをしっかりやらせていただく必要があろうかと考えておりますので、その上で必要な対応についても検討していきたいと考えています。

石橋通宏 立憲民主・無所属

○石橋通宏君 時間来ましたので終わりますが、実態把握といってもなかなか、表、明るみに出ないような、こういった働き方の実態、きちんと丁寧に現場の状況を調べていただきたいと思いますので、ちょっと我々もまた助言させていただきたいと思いますので、大臣しっかり対応いただきたいということをお願いをさせていただいて、今日のところの質疑は終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。  通告とは順番を変えて質問いたします。  労災保険法案の質疑に入る前に、五月、六月にこの委員会で審議した健康保険法改正案のうち、高額療養費のことで、まず質問をさせていただきます。  この委員会でいただいた答弁と真逆のことが行われているということなんですが、配付資料の一ページを御覧いただきたいと思います。人工透析患者や血友病の方など長期高額特定疾病患者の高額療養費の負担、毎月一万円又は二万円の扱いは変更しないと、五月十四日、間保険局長が答弁してくださいました。  しかし、資料二ページを御覧いただきたいと思います。その僅か一か月足らず後、財務省の財政制度等審議会の財政制度分科会では、この人工透析患者や血友病の方などの医療費負担について、特定疾病制度の見直しと明記された資料が配付されています。  厚労省保険局長が変更しないとした長期高額特定疾病患者の高額療養費負担を財務省の審議会で見直すとしているのは、閣内不一致ではありませんか。厚労省と相談の上でこの特定疾病制度の見直しの公表だったのか、そのことも含め、財務省の明確な説明を求めたいと思います。

高橋はるみ 財務大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(高橋はるみ君) 御答弁を申し上げます。  御指摘のございました財政制度等審議会建議についてでございますが、これは、あくまでも財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会として、制度創設から長期間が経過していること、他の長期療養疾患との公平性、そして負担能力に応じた負担等の観点から、制度の効果検証や対象者の実態把握等も踏まえつつ、見直しの必要性を含め検討していくべきものであるとの指摘がなされたものと承知をいたしております。こうした建議の位置付けから考えまして、議員御指摘の閣内不一致との御指摘、当たらないと考えるところでございます。  いずれにいたしましても、具体的な制度の在り方につきましては、制度を所管される厚生労働省において検討されていくべきものと認識をするものであります。  また、御指摘ございました保険局長の御答弁につきましては、今回の高額療養費制度の見直しには、高額長期疾病、いわゆる特定疾病制度のことでございますが、の見直しが含まれていないとの趣旨の御答弁であったと理解をするものであります。  以上であります。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 事前に厚労省と連絡、相談などをされたのかということが抜けております。明確にイエスかノーでお答えください。

高橋はるみ 財務大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(高橋はるみ君) 重ねての御質問にお答えをいたします。  これは、あくまでも財務大臣の審議会でございます財政制度等審議会の資料でございますので、事前に厚生労働省と御協議をさせていただく、そういった性質のものではないと認識をいたしております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 これ、命を守るために大事なことですから、当然、検討の前に相談があってしかるべきだと指摘させていただきますし、さらに、この資料なんですが、明確に見直すという表現があるのに、今の御答弁の中では、見直しの必要性を含めて検討していくんだと。  これ、見直しの必要性を含めて検討していくと見直しというのは全く別なものであるし、しかも、この資料なんですが、御覧いただくと分かるように、明らかに意図的なミスリードというか、結論を導くために、必要が長年あると認められてきた長期継続的療養の疾病との比較ということで、人工透析患者とがん患者を並べて、あたかもがん患者に比べて、がんで大変な思いをしている人に比べて人工透析患者の負担が少ないというような意図的な資料を提出している。これ、そもそも問題じゃないですか、こういう資料の出し方は。いかがでしょう。

高橋はるみ 財務大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(高橋はるみ君) お答えを申し上げます。  先ほど御答弁を申し上げましたとおり、財務大臣の諮問機関の財政審における建議でございますので、あくまでも制度の見直し自身は御所管をされる厚生労働省において検討されるべきものと、このように認識をいたします。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 今の答弁にもありました、厚労省が決めるべきということで、厚労省が反対したら、これやらないということでよろしいですね。イエスかノーかで。

高橋はるみ 財務大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(高橋はるみ君) 今後の政策の方向性につきましては、しっかりと御所管の厚生労働省と議論を深めてまいりたいと、こんなふうに思っております。  以上でございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ちょっと答弁が変わりましたけれど。  厚労大臣にも伺います。  今お聞きいただいたように、長期高額特定疾病患者の高額療養費の負担、がん患者に比べて低過ぎるとする資料が財政制度等審議会の財政制度分科会で配られました。財務省から連絡、相談は今なかったという財務省からの話ですけれども、人工透析を受けている患者さんなどは、終わることなく長期にわたって透析を受けなければならないこと、透析のため、週五日働くのは無理で、フルに働く労働者と比べて低い賃金にならざるを得ないことを考えると、長期高額特定疾病患者の皆さんの医療費負担を引き上げることは、必要な医療を受けることをやめなさいと宣言するようなもので、許し難いものだと考えます。  配付資料三ページ、四ページのように、がん治療の場合と比較して長期高額特定疾病患者の負担が軽過ぎるというような資料も配付されていますが、がん患者の負担を軽減する話ではなく、人工透析の患者さんなど長期高額特定疾病患者の負担を重くすべきとする資料であって、到底、命を守る厚労省としては受け入れ難いものではないかと思います。  この財政制度分科会での長期高額特定疾病患者の高額医療費負担を引き上げるべきとする財務省の方針について、厚労大臣の御見解を伺えますでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) これはあくまで財政審の資料だと考えておりますので、これに対しまして私の方から何か意見を申し上げることは控えたいというふうに思っております。  ただ、局長が答弁しておりますとおり、厚労省の立場におきましては、今回の見直しにおきましては高額長期疾病の患者負担は見直しの対象とはしていないというのは、再三申し上げているとおりでございます。  あの財政審の資料はあくまで財政的な立場からの観点で資料を作成されているのではないかと考えておりますが、厚労省としては先ほど申し上げたとおりでございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 長年必要だという皆さんの合意があって行われているこの制度、慢性病の方へのサポートをなくしてはならないというふうに思います。  この委員会の審議の中でも、与野党問わず、がん患者の方も治療のために職を失ったり、通院治療に時間を取られる、収入が減る、更にこのサポートを強めるべきという声が与野党問わず多い中で、全く逆行している。負担の多い方に合わせろ、これは私はとんでもないことだと思います。  命を守る大臣が、長期高額特定疾病患者の毎月一万円又は二万円、高額介護合算療養費の基準、これ守るように全力を尽くすということを表明していただけないものでしょうか。いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 大切な制度だというふうに考えておりますが、やはり社会保障制度全体の改革というのは必要でございますので、特定の政策について、これはどうだということを今この場で申し上げるということはなかなか難しいわけでございますが、大切な制度だということはもちろん十分認識をしているわけでございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 大切な制度として守っていただくよう全力を尽くすということで理解してよろしいでしょうか。いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 大変恐縮ではございますが、制度改正全般について当然様々な議論があり得るわけで、この段階でこれについては絶対にこうするとかいうことはなかなか申し上げられませんけれども、当然、この制度で守られている方がたくさんいらっしゃるわけでありますので、そうしたことを前提にして私どもは政策を考えなければいけないと考えています。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ちょっと残念な答弁ではありますが、与野党問わず、命を守るために頑張っていらっしゃる皆さんと協力してこの制度守っていこうではありませんか。どうぞよろしくお願いをいたします。  それでは、法案の質問に入ります。  昨年九月の第百十九回の労働政策審議会で、労働者代表の一人、JEC連合の副事務局長金井委員が指摘していましたが、本来労災保険の対象ではない一人親方やフリーランスなど個人事業主が労災に特別加入する事務を行う特別加入団体について、特別加入団体の数は一人親方と特定作業従事者を足すと四千超になりますが、特別加入団体の中には誇大広告と思われるような誇大な宣伝で加入者集めを行っていたり、労災発生時のサポートが十分に受けられるか不明と思われる団体もあると聞いております。  金井委員が指摘している、法案では、特別加入の承認要件と取消し要件を労災保険法に明記するとしていて、確かにこれは適切な改正です。ただ、政府が省令で定めるとしている特別加入団体の承認要件について現行の通達を基に検討すると聞いていますが、それだけでは現在起こっている誇大広告や不十分な加入者サポートという不適切な運営を排除し切れません。  そこで、厚労省にお尋ねしますが、一人親方など個人事業主の労災保険の特別加入の事務を行う特別加入団体の承認要件を法制化するに当たって、単に通達の内容を省令に横滑りさせるだけではなく、広告、勧誘の適正性や加入者からの相談体制の整備などを具体的な承認要件として省令に明記すべきではないでしょうか。  また、労災に相当する被害を受けた特別加入の一人親方などが確実に保護を受けられるよう、現行通達以上に踏み込んだ厳格な審査基準を設けるべきではないかと考えますが、厚労省の見解、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  特別加入団体につきましては、現行の通達においても、団体の組織運営方法などが整備されていること、団体の事務体制、財務内容などから見て労働保険事務を確実に処理する能力があること等の要件を満たす必要があることとしております。  その上で、今般の法案におきましては、特別加入団体について、労災保険の特別加入に係る労働保険事務の処理や、特別加入者の業務災害の防止に関する業務等を適切に実施することができる団体として厚生労働省令で定める要件を満たす必要があることを労災保険法に明記しますとともに、その運営に改善が必要である場合には業務改善命令を行うことができることとしております。  特別加入団体につきましては、労働政策審議会における議論におきましても、誇大広告や加入者へのサポートが不十分な団体もあると聞いているといった御意見が労働者代表委員からもあったところでございまして、団体の具体的な要件につきましては、仮に法案成立いたしました場合には、こうした御意見ですとか、現在通達で定めている要件、実効性の観点なども踏まえながら、今後、労働政策審議会でこの要件についても御議論いただいた上で定めてまいりたいと考えております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 一つだけ確認したいんですが、審査を強化しなければならないという意識は厚労省では持っていらっしゃるんでしょうか。このことだけお答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  今回の改正におきまして、全体としましては、要件をその法律に根拠を持ったものにすることですとか、また、現在は仕組みとしてはございませんけれども、その運営に問題がある場合に改善命令を出せるようにすることといった形で、特別加入団体の適正化についてより法制的に対処できるようにしていこうと、こういう考え方でございます。  その上で、この具体的なその承認要件をどうするかにつきましては、この法案成立ということになりました場合には、改めて関係審議会で、この法案の段階での審議会での御議論も踏まえながら、改めて議論してまいりたいと考えております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 これ、やはり審査を強化してもらうということが必要だと思いますので、よろしくお願いをいたします。  そして、一つ、私、漏れておりました。  財務省関連の質問は終わっております。財務省関連の答弁者、中座いただいて結構です。委員長、お取り計らいください。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 高橋財務大臣政務官におかれましては、御退室いただいて結構でございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 次に、労災保険法第三十五条第四項に新たに、特別加入団体が問題のある運営をしていると厚労省が確認した場合、業務改善命令ができるという条項が設けられますが、より具体的に、改善の必要があると認めるときはどのような場合を指すのか、また、業務改善命令はどの範囲まで出せるのか、そして、厚労省が業務改善命令を出すかどうか確認を行うために、特別加入団体に調査に入る権限はどのような範囲で認められるのでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  業務改善命令についてでございますが、特別加入団体の業務運営に改善の必要があると認めるときという要件、また、業務改善命令の範囲につきましては、例えば特別加入団体が業務災害の防止に関する活動を行っていないというような場合に、当該活動を実施するよう指導する、改善命令を出すといったことが考えられると考えておりますけれども、具体的に、それぞれの特別加入団体の業務運営の実態に応じて、指導、改善命令の内容は様々であると考えておりますので、場面や範囲をあらかじめ特定することは難しゅうございますが、いずれにしましても、特別加入団体の運営が適切に行われるような運用をしてまいりたいと考えております。  また、特別加入団体に調査に入る権限でございますが、これは、現行の労災保険法の四十六条という規定におきまして、特別加入団体に対して、同法の施行に関し必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができるという規定がございますので、この規定を用いて必要な調査を行ってまいりたいと考えております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 是非、より調査などの権限も強める方向で、しっかりとしたこの働く者の無保険にならないようにというようなことも守っていただきたいと思います。  次に、ここにいらっしゃる議員の方々には、建設会社が下請企業などを集めて開いた安全大会に呼ばれて挨拶をされたという方もいらっしゃると思いますが、これは労働安全衛生法に基づくものということです。その労働基準局長の局長通知などによると、特定フリーランス事業の特別加入の事務を行う特別加入団体も、少なくとも年に一度、災害防止等に関する教育の機会、つまり災害防止の研修会などを開く必要があるとされています。  厚労省に伺いますが、特定フリーランス事業について、特別加入団体の承認要件が法制化されるに当たって、災害防止等の研修会などの開催は省令で義務化されるのでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  現在、特定フリーランス事業に係る特別加入団体につきましては、現行通達におきまして、加入者に適切に災害防止のための教育を行い、その結果を厚生労働省に報告すること等の要件を課しているところでございます。  今般の法案におきまして、特別加入団体についてこの承認要件等を法定、法律に根拠を持たせることとしておりますが、その内容として、御指摘の業務災害の防止に関する活動を含めて具体的に承認要件をどうしていくかにつきましては、審議会の御議論なども踏まえながら、法案成立した暁には、改めて労働政策審議会で御議論いただきたいと思っております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 次に、特別加入団体が業務改善命令に違反して労災保険が消滅する場合、なくなる場合、一人親方などの特別加入者に落ち度がないにもかかわらず、突如無保険となる事態は防がなければなりません。  五月二十九日の衆議院厚労委員会で、厚労省の岸本労働基準局長が、我が党の岡野代議士の質問に対して、三月末までの期間確保やほかの団体への移行推奨を行うと答弁していましたが、年度途中で緊急に承認を取り消さざるを得ないような悪質なケースにおいて、その日から移行先が見付かるまでの間、無保険状態をどのように防ぐのでしょうか。  また、一人親方など特別加入者が既に払っていた保険料や手数料が団体の不手際で国に納付されていなかった場合など、金銭的な不利益から特別加入者を救済する仕組みも併せて用意しておくべきだと考えますが、具体的な救済フローを教えてください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のとおり、特別加入団体に対する業務改善命令の仕組みや保険関係の消滅といったことにつきましては、特別加入団体の適正化という論点と特別加入者のセーフティーネットの保護という論点と両方が重要であるというふうに考えております。委員御指摘の年度途中で緊急に承認を取り消すことも、せざるを得ないような悪質なケースでございますが、これ個々のケースごとにどういった対応が最善かを考えてまいる必要があると考えておりますけれども、まずは極力、特別加入団体の運営が適切に行われるよう指導していくことが、団体、あるいは当該団体に係る特別加入者への予告の観点でも重要と考えております。  その上で、保険関係消滅させる場合も、極力その地位を失う特別加入者の方に不利益が及ばないように、保険関係の消滅は保険年度末期である三月末まで期間を確保するということがどうにかしてできないかということをやはり模索していくことが重要であろうと思います。また、他に同種の事務、事業、作業に関する特別加入団体が存在している場合には、特別加入者の皆様に対してその特別加入団体への移行を勧奨するなどして不利益を回避するような工夫をしてまいりたいと思います。  また、後段御指摘のございました特別加入制度においては、特別加入団体を事業主とみなして当該団体が保険料の納付義務を負うこととしておりますが、団体の不手際で国に納付されていなかった場合につきましては、例えば特別加入団体の保険関係が成立した上で保険料が納付されていないときに特別加入者が被災した場合には、特別加入者に保険給付しつつ団体から未納分を徴収するなど、個別事案ごとの対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 石橋委員からも指摘がありましたが、そうしたその未保険の状態に、善意の加入者、保険金を払っているがそれが国に届いていなかった、そこはしっかりとやっていただく、大臣もうなずいていただいていますが、お願いいたします。  特別加入制度は、フリーランスなど個人事業者の労災補償を行う上で重要なセーフティーネットです。これ、労働者に当たる者は、特別加入ではなく労災保険本体に加入するのが当然です。労働政策研究・研修機構、JILPTなども指摘していますが、報告書で指摘していますが、ほかの判断材料と併せて、特別加入しているから労働者ではなく個人事業主だと、労働者性なしと判断された例が労災事故について労働基準監督署の監督復命書で複数見られたということです。  そして、五月二十九日の衆議院の厚労委員会で、岡野代議士の質問に対して岸本労働局長は、労働者性の疑いがある場合には労基局の窓口に相談するよう指導してまいりたいと答弁していただきました。しかし、相談だけではまだまだ実効性が伴わないのではないかと思います。  そこで、厚労大臣にお尋ねしますが、特別加入団体の承認要件を法定化し、省令でルールを定めるに当たって、加入希望者が実態として労働者に該当しないかどうかを特別加入団体が厳格に審査する役割をどう持たせようとするのか。あわせて、労働基準監督署の現場において、特別加入の有無という外形的な事実ではなく、実態に基づく労働者性の判断を徹底し、本来の労働者が労災保険本体の保護から漏れることがないようどのような指導を行うのか、厚労大臣の御見解、伺えますでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 形式上は請負や委託の契約形態となっていても、特別加入を希望される方が実態として労働者と同様の働き方をしている場合は労働基準法の労働者に該当いたします。個人で労災保険の特別加入をするのではなくて、その事業場の労災保険に加入することになります。改正法の施行に向けまして、特別加入団体に対してはこうした取扱いについて周知を徹底していきたいと考えております。  また、労働者性に関する自己チェックシートを配付をいたしまして、特別加入申請時において確認をすることや、あるいは労働者性があるのではないかと疑われるような事案を把握した場合には、労働基準監督署等に相談をするよう促すことなどの対応を求めることを検討しております。  特別加入団体の具体的な承認要件については、今後、労政審での議論を経た上で省令で定める予定でありますが、今委員からも御指摘があった点も含めまして、例えば、団体の要件として特別加入希望者が特別加入の要件に該当するかを適切に確認することなども定める予定としておりますので、そのような方向で議論を進めていければというふうに思っております。  いずれにいたしましても、特別加入団体において労働者性があるのではないかというような疑われる事案については適切に対応できるように指導をしていきたいと考えています。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 是非、労基局に相談した後の、やはり問題があるものについて、是正に実効性があるような形もより進めていっていただきたいと思います。  次に、今回の法改正の基となった労働政策審議会の報告書でも、実態把握の必要性というものが書かれていました。具体的に、いつ、どのような手法でメリット制の実態調査を行うのか。単なるアンケートにとどまらず、送検事案の分析や労働者側のヒアリングなど、多角的な手法を使ってメリット制度の弊害を客観的に把握することも必要だと考えますが、厚労省の見解はいかがでしょうか。  加えて、この実態調査の結果、メリット制の弊害が明らかに認められた場合はどのような対応を取る考えか。  さらに、労災を受給した労働者に対して、事業主が、あなたが労災を受給したせいで労災保険料が上がったと責め立てる報復行為は断じて許されません。結果を待つまでもなく、調査の結果を待つまでもなく、メリット制適用事業者に対して、労災申請を理由とした不利益取扱いは違法であり、厳正に対処する旨の周知を改めて徹底すべきだと考えますが、厚労省の見解はいかがでしょうか。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 岸本職業安定局長。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のとおり、本年一月の労働政策審議会の建議では、メリット制が労災隠しや労災保険給付を受けた労働者等に対する報復行為や不利益取扱いにつながるといった懸念が指摘をされ、その実態を把握することというふうにされたところでございます。  このため、今年度、メリット制等を背景として労災隠しが行われていないか、労災保険給付を受けた労働者等に対する報復行為や不利益取扱いが行われていないか、行われている場合どのような行為が行われているか等について実態把握を行うこととしており、また、これについては来年度以降も継続的に行ってまいりたいと考えております。この具体的な実態把握の方法ですとか時期につきましては現在検討しているところでございますが、様々な選択肢の中で検討してまいりたいと考えております。  また、実態把握の結果がどうなるか、現時点ではちょっと何とも申せませんが、実態把握の結果によって、その労災隠しだとか、どういった形で出てくるか、それによって必要な対策も検討してまいりたいと考えております。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 失礼しました。岸本労働基準局長でございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 是非、こちらも、メリット制の実態の調査と、そして問題があればこれを、この問題をなくすための努力、お願いしたいと思います。  次に、二〇二〇年の労働災害データによりますと、建設業の死亡者二百五十八人に対して農作業の死亡者は二百七十人と、建設業の死亡事故より農業での死亡事故が多い。労災事故として補償すべき部分もあると考えますが、農業での事故を減らすためにどうするか、農水省の見解はいかがでしょうか。

佐藤紳 農林水産省大臣官房生産振興審議官

○政府参考人(佐藤紳君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、農業分野における就業者十万人当たりの死亡事故者数が増加傾向にある中、同じく機械を使用する建設業と比較しても、依然として高い状況であるということでありまして、農作業安全対策の強化は極めて重要な課題であると認識しております。  このため、農水省としては、農業機械に係る死亡事故が多いことを踏まえまして、トラクターのシートベルト、警報器の装備など、新たな検査基準に基づく農業機械の安全性検査を開始するとともに、農作業安全に係る指導者を育成し、農作業安全研修を推進しており、令和七年度には延べ二十一万人の受講を得たところであります。  さらに、失礼いたしました、いずれにいたしましても、農作業安全の取組につきましてはこれまでも様々な取組を展開しているところでありますが、引き続き緊張感を持ってしっかりと対応してまいります。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 私のふるさと山形はサクランボの産地。高齢化も伴って、高所作業もあるので、このところ転落による事故なども増えて社会問題になっております。  農林水産省に伺いますけれども、サクランボなど果樹栽培そのほか、高所からの転落事故はこのところ増えているのか。また、落下事故にかかわらず、死亡事故や後遺症が残る事故の件数などは調査をされているのか。また、これが労災などに入っていなくて困っていらっしゃる方の例、数、こうしたものも調査をされているのか。農業従事者や手伝っている人が事故となり、労災など補償がなくて困っている人がどれだけいるのか、農水省で調査をしているのか。調査のデータがあれば教えてほしいし、データがないのであれば、これ大事な問題ですので、調査すべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

佐藤紳 農林水産省大臣官房生産振興審議官

○政府参考人(佐藤紳君) お答え申し上げます。  果樹などの高所からの転落による死亡事故は近年減少傾向で推移し、令和五年は十七人まで減少しておりましたが、一転して、令和六年は三十二人まで急増しています。前年からの増加分の十五人のうち約半分の七人は六から八月に増加したということでありまして、令和六年が例年と比べて高温であったことが影響している可能性があると分析しておりまして、現在、全国で夏の熱中症対策声掛け運動を展開しているところであります。  このように、事故の防止対策を講じていくためには事故の発生状況を把握することが重要であります。事故に遭った方のうち、後遺症の有無、あるいは労災保険等に加入していない方の数、こういったところは把握はできておりませんけれども、死亡事故件数については、厚生労働省の人口動態調査の結果を用いて農水省において全件を把握、集計しているほか、死亡事故以外の事故についても、地方自治体や農業関係団体の協力を得て、毎月情報を収集し、公表しております。  これに加え、今般の法改正により、雇用者については労災保険への加入が義務付けられるということでありますので、事故情報についてもより広く把握することができると考えております。  今後とも、幅広い事故情報の収集、分析を通じまして、事故発生の抑制に努めてまいる考えであります。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 今の答弁によると、今回の労災法の改正で新たに労災の対象となる農業従事者、どれだけいるかというのは分からないと、これからということでよろしいのでしょうか。そして、そもそも労災がなくて困っていらっしゃるけがをした農業従事者、手伝いの方、これ調査必要なんじゃないですか。どうですか。

佐藤紳 農林水産省大臣官房生産振興審議官

○政府参考人(佐藤紳君) 御指摘のデータについては、先ほどお答えしたとおり、現時点では把握できておりませんけれども、農水省へ自治体等からの事故報告において、例えば御家族などを通じて聞き取ることが現実的に可能であるのかなど、実際の把握手法を含め、自治体の担当者などとも議論してみたいと思います。

神田宜宏 農林水産省大臣官房審議官

○政府参考人(神田宜宏君) お答えいたします。  今回の改正で新たに加入義務の対象となる農業従事者の見込みについてでございます。  農林水産省で実施をいたしました二〇二五年農林業センサスによりますと、新たに労災保険の加入義務の対象となります農業経営体自体は約二十万経営体と見込んでおりまして、これらの農業経営体の雇用者数でございますけれども、常雇い、臨時雇いを合わせまして、延べ人数で約八十万人と見込んでおります。  農林水産省といたしましては、今回の法改正によりまして、新たに労災保険の対象となる農業者の方々が安心して農作業に従事できるよう、厚生労働省とも連携をいたしまして、法施行に向けまして加入推進を進めてまいりたいと考えております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 是非、農業従事者、それからお手伝いの方、この安全も守っていただきたいと思います。  最後になりますが、大臣に伺いたいと思います。  ちょっと飛ばした問題ですけれども、二〇二三年のフリーランス法の制定以来、翌年以降の施行によって、労働基準監督署、フリーランスの人が労働者に当たるか個人事業主になるのか、業務が圧倒的に判断するために増えている、現場の方から聞いています。もちろん労働基準監督署はこれ以外にも多くの業務を担当、業務が増えているのに監督官が増えておらず、残業が増えて大変だという話を聞きます。  労働者性の判断に限らず、労働基準監督署で職員が適正に事務が執行できるよう、労基局の監督官の定員を増やすべきだと考えますが、大臣、御見解はいかがでございましょう。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働基準監督官については、厳しい定員事情の中にあっても一定の人員を確保しておるところでありますが、令和八年度の全国の労働基準監督署における定員は前年度から増加をし、三千百四十五人となっているところであります。  引き続き、私どもとしては増員要求を行い、必要となる人員や体制の確保に取り組んで、効果的、効率的な監督指導を行っていきたいと考えています。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 是非労働者を守るために引き続き最大の努力をお願いをいたします。  時間ですので終わります。ありがとうございました。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  まず、ナフサ不足でシンナーや塗料が入手をできないといったようなお声が非常に強く、現状は変わっていないと思います。ホームセンター等で、業務用はともかく、一般消費者用に販売されている製品が労働現場で使用されていることがあると承知をしておりますが、そのときに安全データシートが添付されていない、こういう実態があると認識をしております。  労働者が使用する場合には安全データシートの交付が必要であると私は考えますが、指導の状況を伺いたいということと、ナフサ不足で、労働者の安全を守るために特段の配慮が必要な状況だろうと思っております。対応をお願いしたく、通知などを含めて対応をお願いしたいと考えますが、御見解をお伺いをしたいと思います。

安井省侍郎 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(安井省侍郎君) 化学物質の対策につきまして御質問をいただきました。  御指摘いただきました一般消費者の生活の用に供する製品は、そもそも労働者が使用することを想定しているものではございませんが、そのような製品を用いる場合であっても、事業者はリスクアセスメントを実施して適切な措置を講ずる義務がございます。  リスクアセスメントの実施に当たりましては、ドア塗装作業など、典型的な作業におけるリスクアセスメント結果に基づく必要な措置をまとめた業種別、作業別マニュアルを活用するなど多様な方法がございますので、そういった方法について、通知などによって周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。本当に大変な状況だと思いますので、特段の御配慮に感謝をしたいと思います。  次に、私も労災保険給付請求権等の消滅時効の期間の見直しについてお伺いをしたいと思います。  資料の二ページ目には労政審の議論を付けてございます。このとき、二年から五年に延長するものとして、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病等ということで、等を付けていただいておりますけれども、一ページ目に戻っていただきますと、実際に厚生労働省が定めたものでは等は落ちてしまっている状態であります。  一体その等、労政審でお示しになられた等を厚労省の中でどのような検討をしたのかといったことに関心があるわけでありますが、私は難聴、騒音性難聴をここにきちんと加えるべきではないかと思っております。その理由は、騒音性難聴ってとても分かりにくくて、気が付いたときにはもう難聴がかなり進行しているという状況でありまして、離職前あるいは離職後に気が付くといったようなことも多く、こういった疾患こそこの中に追加をすべきではないかと考えるからであります。  大事なお話でありますから、大臣に御見解をお伺いしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今般の消滅時効の見直しにおきましては、疾病の性質上、業務災害等に当たるかどうか判断が難しい場合があり、実際に時効後に請求がなされた件数の割合が比較的高い疾病について消滅時効期間を五年としているところであります。  これは、これまでの労政審での議論、また労政審での建議等を踏まえまして、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病を対象に今後政令で規定をする予定としておりますが、騒音性難聴によって、今議員から御指摘がございましたが、時効期間を徒過した件数はなかったことから現時点で対象疾病に含むことは想定をしておりませんが、施行状況を踏まえて、対象疾病の必要な追加や見直しについては検討していきたいと考えています。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 大臣、今、時効期間を徒過した件数がなかったことを理由にされましたけれども、今回の法改正の理由は、災害補償の事由に該当するものかどうか等を容易に判断することができない疾病と書いてあります。私は、先ほど御説明したとおり、加齢といったこともありましょう、なかなか分かりにくいという背景もありましょう、だからこそ騒音性難聴を追加すべきではないかとお伺いをしております。  別の理由を、ここに書いていない、自らがお示しをした資料に書いていないことを理由にされるのはやめていただきたいと思います。改めて御見解をお伺いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、労政審の中で、この脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病については、先ほど申しましたエビデンス等も含めて御議論をいただいて、建議の中でも明記をしているところでございますので、委員御指摘の騒音性難聴につきましては、これまで議論はされておりませんので、そういった意味で、先ほど現時点では対象疾病に含むことは想定をしていないと申し上げたところであります。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 大臣、労政審で騒音性難聴について議論はされましたか。どういう結論になったかをお伺いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 済みません、議論はしておりません。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 議論をしないで追加をしないと言い切る理由は何ですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の追加につきましては、労政審でエビデンスも含めて御議論をいただいたものについて今後政令で規定することを予定しているものでございますので、労政審で議論していないものは現在指定をすることは想定をしていないと申し上げました。  しかしながら、今後、施行の状況を踏まえまして、対象疾病については、必要な追加や見直しについては検討していくと先ほど申し上げたところであります。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 施行の状況を待たずに労政審で議論をしていただくのはいかがですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) もう一度、お願いします。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 騒音性難聴について、労政審で議論をしていただいてはいかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今後の施行状況を踏まえまして、必要なものについては追加、見直し、また当然、労政審での議論というのはあり得ると考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 私が申し上げているのは、施行の状況を待たずに御検討をされてはいかがですかと申し上げております。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 施行前におきましても当然様々な議論が労政審で行われますので、そうした場での議論というのを否定するものではございません。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 否定しなかったらどうなりますか。していただけるということで理解してよろしいですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今後の労政審の中でどういった議論をするか、労政審の委員長を始め皆さんと相談をしていく必要があろうかと考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 では、よろしくお願いをしたいと思います。  聴力の低下が見られる方には、保護具の使用を指導するということを事前に御説明をいただきました。ガイドラインを示してあるということで聞いております。  四つ目ですけれども、耳栓とかイヤマフといった聴覚保護具を付けながら作業している労働者、これ、安全確保のために指示を受けて作業する場合、指示が聞こえないといったようなことがあります。聴覚の保護と業務の遂行を両立させなくてはならない場合、これなかなか困難でありまして、例えばでありますが、イヤホンと耳栓、あるいはイヤホンとイヤマフが付いたもの、こういったものの開発、普及が必要ではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、騒音障害防止のためのガイドラインにおいては、危険作業等において安全確保のために周囲の音を聞く必要がある場合や会話の必要がある場合は、遮音値が必要以上に大きい聴覚保護具を選定しないよう配慮することとしているところであります。  騒音環境でも会話がしやすい、そうした聴覚保護具については既に市販されているものもあると承知をしておりますので、事業者が状況に応じて適切な聴覚保護具を選定できるように指導していきたいと考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 今大臣がおっしゃった遮音値が必要以上に大きい聴覚保護具を選定しないよう配慮することということでありますけど、繰り返しになりますけれども、聴覚の保護と、指示とかいった情報を取るということの両立は非常に難しくて、今おっしゃった答弁というのは矛盾も含んでいるということを指摘せざるを得ないということであります。  それから、市販をされているということで御紹介をいただきまして調べたんですけれども、例えば二十六デシベル下げることができるといった大変優れたものだとは思いますが、一方で、これ、百十一デシベルを超える環境下では、八十五デシベル、すなわち労災の中では非常に重要な論点だと思いますが、そこを超えることを前提としたこのイヤマフを今お勧めになっているということも、どうぞ大臣、わきまえていただかなくてはなりません。  すなわち、新たな開発は私は必要ではないかと考えますが、そこに対して何らかの支援を行う考えがあるか、お伺いをしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、音を遮断をしながらも必要な情報については入手をするといいますか、会話ができる、そうしたことは大事だと考えております。  現在におきましても、聴覚保護具にバッテリー、集音マイク、スピーカーなどを加えることによって、騒音環境においても遮音性能を維持をしながら会話を容易にしたり、外部通信機器などと接続してコミュニケーションができる、そうした聴覚保護器が既に市販されているというふうに認識をしております。レベルディペンデント型と言うそうでありますけれども、そうしたものが市販されておりますので、状況によってはそうした聴覚保護具を使用するということも選択肢の一つだと考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 今大臣がお話しになっている機器と、保護具と、私が申し上げている保護具は多分一緒のものだと思います。  繰り返しになりますが、これでは二十六デシベル下げることしかできない、一定の限界があります。更なる開発の支援が必要ではないかという質疑に対して、答弁をお願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員からも御指摘をいただきましたので、その状況をちょっと十分把握をさせていただいた上で、どういった対応が必要かについては検討していきたいと考えています。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 よろしくお願いいたします。  騒音性難聴の方に対する健診、非常に重要だと思いますけれども、この二次健診、アフターケアの制度においてもこの騒音性難聴の方を対象とした十分なケアが行われているか、お伺いをしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労災保険の二次健康診断等給付についての御指摘かと思いますけれども、これ、過労死防止の観点から、労働安全衛生法に基づいて、定期の健康診断において脳・心臓疾患に関する一定の項目に異常の所見が認められた者を対象に二次健康診断等を行うものでありまして、騒音性難聴については対象となっておりません。  ただ、他方で、騒音性難聴の方への対応は重要だと考えておりますので、労災保険の義肢等補装具費支給制度において、補聴器の購入、修理に係る費用の支給などを行っているところでございます。  被災労働者の方の円滑な社会復帰等の促進を今後とも取り組んでいきたい、図っていきたいと考えています。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 音を聞こえるためということであればそれでいいんですけど、耳鳴りとかいった様々な症状等もありまして、医療へのアクセス等は必要だと考えますので、引き続き御検討をお願いをいたします。  終わります。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 公明党の川村雄大でございます。  引き続きまして質疑をさせていただきます。  今回の改正におきましては、遺族補償年金等について、夫にのみ課されていた支給要件を撤廃することや、疾病の性質上、災害補償の事由に該当するかどうか等を容易に判断できない一定の疾病について、療養補償給付、休業補償給付、介護補償給付等の請求権の消滅時効時間を二年から五年に延長すること等が盛り込まれております。いずれも労災保険制度のセーフティーネット機能を強化する重要な改正であるというふうに思っております。また、男女の格差を是正するという観点からも重要だというふうに考えております。  一方で、制度を知らないために申請に至らない、あるいは事業主との関係を懸念して請求をためらう、それから医療機関や相談窓口でそもそも労災の可能性が十分に考慮されないなど、従前から指摘されてきた運用面の課題は改正後も残り得るというふうに考えます。  そこで、今回の改正によって新たに補償や救済の対象となる方がどの程度いるのか、それから、なお救済にたどり着きにくい方がどこに残るのか等を整理する観点から、以下、質疑をさせていただきます。  まず、遺族補償年金における支給要件等の見直しについて伺います。  遺族補償年金は、業務上の死亡により遺族が失った被扶養利益を補填する労災補償制度の本旨に関わる給付であるというふうに考えております。今回の改正では、夫にのみ課されていた妻の死亡時に五十五歳以上又は一定の障害状態にあることという要件を撤廃するわけであります。これは、男性は自活できるはずという古い前提を改め、労災補償制度における男女差を解消する重要な改正であるというふうに受け止めています。  そこで、まず現状について伺いますけれども、現行制度における遺族補償年金について、直近の受給者数と新規支給決定件数、被災労働者の男女別、受給権者の続柄別にあらましをお示しください。また、今回の夫要件撤廃によって新たに遺族補償年金を受給可能となる夫は年間何件程度と見込んでいるか、その推計の前提も含めてお伺いしたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  令和六年度末の遺族補償年金等の受給者数九万九千九人のうち被災者の性別が不詳である方を除きました九万七千五百二十四人につきまして、被災労働者の男女別受給者の続き柄別に見ますと、まず被災労働者が男性の場合でございますが、続き柄、夫はゼロ人、妻が八万七千二百八十八人、子は一千三百七十人、父母は五千四百七十一人、孫は三百五十一人、祖父母二百五十五人、兄弟姉妹六百七十七人の合計九万五千四百十二人、また被災労働者が女性の場合でございますが、こちらは、続き柄、夫が千百四十人、妻ゼロ人、子は二百四十二人、父母は五百七十一人、孫七十三人、祖父母三十人、兄弟姉妹五十六人の合計二千百十二人となっております。  次に、遺族補償年金等を令和六年度に新規に支給開始された人数は、被災労働者が男性の場合は二千五十六人、被災労働者が女性の場合は五十九人となっておりますが、この方々の続き柄別の集計はしてございません。  また、今般の法案におきまして、遺族補償年金等について夫のみに課されている要件を撤廃することを盛り込んでいるところでございますが、これにより遺族補償年金等の受給者、新たに年間三十三人程度増える、こういう見込みを持っているところでございます。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございます。  予想どおりといいますか、データでありますけれども、やはり現状でも夫が受給しているというのは全体の一%程度、妻に比べてやっぱり大分少ないというような現状かと思います。  それから、今回の夫要件撤廃による新規対象者数、精緻な推計は困難だと思いますけれども、数十人という単位であるというふうに今御答弁がありまして、これまでの経過から考えますと、一旦は限定的な規模かなというところかと思います。もちろん、労災はなくすべきでございまして、この数値が低いことは当然いいわけでありますけれども、一旦限定的な対象者ということになろうかと思います。  次に、いわゆる施行日前事案について確認をしたいと思います。  改正案の附則第二条では、令和九年四月一日の施行日前に支給すべき事由が生じた遺族補償年金等については、遺族の範囲、順位等は、なお従前の例による、従前の例によるとされております。したがって、施行日前に労働者たる妻が業務上亡くなられて、夫が、生計維持関係にありながら、死亡当時五十五歳未満かつ一定の障害状態になかったために遺族補償年金の受給権が発生しなかったという事案については、改正後も救済対象とならないものと理解をしております。  では、こうした施行日前事案がどの程度存在するか、政府として把握されておりましたら教えてください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のようなケースにつきましては、具体的な件数は把握をしてございません。  ただ、令和二年度から令和六年度に、被災者が女性で遺族補償一時金が支給された人数は、令和二年度六十二人、令和三年度四十人、令和四年度五十二人、令和五年度六十人、令和六年度六十七人でございまして、夫にのみ課された支給要件によって年金の方の受給権が発生せず、一時金を受給された方というのがこの各年度の支給人数の内数として存在するという関係でございます。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございました。やはり数十人という単位かなというふうに思います。  であれば、少なくとも財政上は、実態を把握した上で、例えば、過去に遡及まではしないまでも、施行日後分に係る経過措置の可否については検討をすべきではないかと、こう感じたわけであります。これについて、実は衆議院の厚労委員会でも議論があったというふうに理解をしておりますが、困難であるというような御答弁でございました。  いずれにしても、現行でこれだけ妻と夫の受給件数に差があることもあって、改正後も、自分が対象者になったという認識が持てない男性が発生するのではないかとも懸念をいたしますので、是非制度の周知徹底をお願いしたいと思います。いずれにしても、男女の別をなくした制度設計というのは重要な観点であるというふうに思っております。  次に、消滅時効時間の見直しと対象疾病について伺いたいと思います。  今回の改正では、疾病の性質上、労災保険給付を支給すべき事由に該当するか容易に判断できない疾病について請求権の時効を二年から五年に延長するとされています。政府資料上は、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病が想定されていると承知をしておりますけれども、この政令で定める対象疾病について、具体的にどのような疾患名、病気が想定されるか、少し具体的に、それらを想定した根拠とともに伺いたいと思います。また、施行後の請求状況等を踏まえて、必要に応じて対象疾病を追加あるいは見直す考えはあるか、確認をしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今般の消滅時効の見直しにおきましては、疾病の性質上、業務災害等に当たるかどうか判断が難しい場合があり、実際に時効後に請求がなされた件数の割合が比較的高い疾病について消滅時効期間を五年としているところであります。  対象疾病については、本法案の成立後、政令で定めることとしておりますが、具体的には、脳梗塞、心筋梗塞、うつ病、石綿による肺がん、中皮腫等を想定をしておりますが、またその後の施行状況を踏まえ、必要に応じて見直しを検討していきたいと考えています。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 適時適切に対象疾病見直していくということでございました。脳・心臓疾患って、つまり虚血性の疾患であります。  関連して、高次脳機能障害を取り上げたいと思います。  高次脳機能障害は、外見上分かりにくく、本人や家族、医療機関もなかなか気付かないまま放置されてしまうということが問題でございます。例えば、記憶障害、新しいことを覚えられないとか、注意障害、一つのことに集中できない、遂行機能障害、それから社会的行動障害、感情のコントロールが難しくいらいらしやすい等々がその症状として説明をされております。つまり、本人の性格や感情のコントロールの問題と片付けられて、自身でも病識が持てず、周囲からも理解がされず、困難を抱えてしまうわけであります。高次脳機能障害、その原因の多くは内因性の脳血管障害に起因しております。  そこで、確認ですけれども、業務に基づく内因性の血管疾患を原因として高次脳機能障害が生じた場合、本人や家族が労災との関係に気付くまで時間を要することが想定されます。こうした事案についても、今回の時効延長の趣旨から漏れないように、対象疾病や運用上の取扱いを明確にしていただけないでしょうか。必要に応じて政令又は運用通知等で明確にすべきではないでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  業務上疾病の中には、御指摘の脳血管疾患のように、当初の業務上疾病の経過又はその進行により新たな疾病を発症する場合がございます。  当初の業務上疾病と新たに発病した疾病について医学的な関連性が認められます場合には、新たな疾病は当初の業務上疾病等と一体のものとして取り扱うこととしておりますので、当初の業務上疾病の方で労災保険給付請求がなされていれば、新たな、後から、後続した新たな疾病について消滅時効には掛からないということになっております。  その上で、脳血管疾患につきましては、今般の時効期間の見直しにおきまして政令で指定をする疾病の一つとして検討している内容でございますので、そうなりました暁には、現行制度の周知と併せまして、新制度の円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございます。  高次脳機能障害につきましては、昨年の臨時国会で高次脳機能障害者支援法が成立をいたしておりますので、この高次脳機能障害ということについてもしっかり社会的にも認知を高めていきたいというふうに考えております。  次に、職業性がんと労災病院の役割について伺います。  全国に三十ある労災病院等では、独自の病職歴調査を行っております。これは、労災病院に入院した患者さんは、病歴だけでなくて職業歴等を詳細に調査をして、職場環境と疾病との関連を研究に役立てております。労災病院の病職歴調査というのは、職業歴データが四百六十万件、病歴データは八百六十八万件を蓄積する世界的にも貴重なデータベースでございます。  二〇二五年に出された疫学調査論文によりますと、複数の先進国の推計では、がん患者の二から五%が職業性暴露に起因するとされておりまして、これはかなり多い数値だと思います。  例えば日本では、二〇二三年に新たにがんと診断された方、百万人ですから、これを単純に当てはめれば、年間二万から五万人が職業性暴露に関連して発がんをしているということもあり得べしであるわけでございます。  しかし、我が国において、職業性がんを含む職業性暴露関連疾患について労災補償の新規支給決定件数は年間千件程度で、その大半は石綿関連疾患であります。職業性暴露によるがんの中には石綿関連疾患以外にも様々あるわけでございまして、例えば芳香族アミンによる膀胱がん、印刷職場における胆管がんなど、過去に規制対象外、あるいは十分認識されていなかった暴露によって発生した事例も知られております。  そこで伺いますけれども、石綿以外の職業性がんについても、発症までの潜伏期間が長くて、本人も医療機関も過去の職業歴との関係に気付きにくいため、労災請求にたどり着きにくい疾病類型であるという認識はおありでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  今般の改正案におきましては、その性質上、業務災害等に当たるかどうか容易に判断することができない疾病について消滅時効期間を二年から五年に延長する、そういった対象を政令で定めるという内容を盛り込んでいるところでございますが、現時点で想定しております脳・心臓疾患等につきましては、やはり想定される疾病の要因が多岐にわたることから、業務上災害であるかどうかの、否かの判断が難しい場合があり、実際にも時効後に請求なされた件数が比較的高いことも確認されているところでございます。  御指摘の職業がんでございますが、業務において発がん性物質に暴露することにより発症する職業がんの中には、暴露開始から数年ないし数十年かけて発症するものもあると承知をしております。また、その要因が多岐にわたるような場合には、労働者自身が業務が原因となってがんを発症したかどうか気付きにくい、こういったケースも考えられるというふうに承知をしております。  本改正案、成立をいたしました場合には、施行後の状況なども見ながら、必要に応じて対象疾病の追加についても検討をしてまいりたいと考えております。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございます。  まさにアスベストのみならず様々なことが職業がんの引き金になるということも考慮、検討、常に入れていただければと思います。  そして、最後、改めて、全国に今三十ある労災病院等の社会的使命をどのように位置付けているのかを御見解を伺えればと思います。また、この労災病院で蓄積をしてきたこの病職歴調査の知見を最大限に活用して、職業性がんを含む職業性疾病に関する科学的知見を集積し検証するとともに、政令指定疾病の将来的な見直しにつながる等、より広く医療の発展に生かしていくべきと考えますけれども、併せて大臣の御見解を伺います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労災病院等を運営をいたします独立行政法人労働者健康安全機構に対して、厚生労働省が示す中期目標がございます。それにおいては、労災病院は、勤労者医療の充実に向け、疾病の予防から診断、治療及び治療と仕事の両立支援までの一貫した取組等を推進することや、得られた知見や好事例を他の医療機関に情報提供すること等を政策的役割としております。  御指摘の病職歴調査については、職業と疾病との関連性について研究をし、研究成果を疾病の予防等に活用するため、入院患者を対象に病歴と職業歴を調査をしているものであります。今般の消滅時効の見直しの対象疾病につきましては、本法案が成立した暁には政令で定めることとしておりますが、その将来的な見直しについては、その後の施行状況や御指摘の医学的知見の蓄積も踏まえ、病職歴調査をどのように活用できるのかも含め、必要に応じ検討していきたいと考えています。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 どうもありがとうございました。以上で終わります。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。  まず、労災保険について伺います。  今般の法改正で、労災年金の一つである遺族補償年金の受給者の資格要件が変わることになりました。具体的には、夫だけに課せられていた、配偶者の死亡時に五十五歳以上又は一定の障害の状態にある者という要件が撤廃されます。これ、どういう影響があるかということは先ほど川村議員が質問しましたので、これについては質問省略させていただきますね。  この労災保険について気になっているのは、積立金なんですね。資料一、御覧ください、資料一。(資料提示)  この積立金は約八兆円あるんですね。埋蔵金と言われてもどうかなと思いますが、これほど巨額のお金が何で必要なのか、この積立金の運用について、上野大臣、お答えください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働災害に伴う補償責任は、事故が発生をしたその時点における事業主集団が負うべきだとの考え方から、労災保険の年金の給付に要する費用については、事故が発生した時点において、将来の費用も含めて保険料として全額事業主から徴収をしています。この年金の給付に要する費用を含めた保険料などの収入から保険給付等と社会復帰等促進事業に要する費用などを差し引いた額について、積立金として積み立てているものであります。  御指摘の積立金の額については、約十八・五万人おられる年金受給者に対して、将来にわたって確実に年金を支払う原資、責任準備金として必要な額を確保しているものであります。また、その運用については、財政融資資金法上、全て財務省の財政融資資金に預託しなければならないこととされています。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 だから、運用については財投でということは分かりましたが、しかし、その財投の運用益の使途についてお尋ねしますけれども、財投の運用益、資料二、御覧になってください。上の方に九百四十四億円、財投、預託金利利子収入九百四十四億円と書いてありますね。この収入がどこに行くかというと、今度、下の方、左下の方に、右下の方に社会復帰促進事業に七百九十七億円回っていますと。  そこで、上野大臣に伺いますけれども、社会復帰促進事業から予算が交付されている団体として労働者健康安全機構とかいろんな災害防止団体ありますけれども、これらの団体は毎年どれほどの収入が割り当てられているのか。そして、この団体の役員には元厚生労働省職員がいるのであれば、その役員の報酬も確認します。お答えください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) この社会復帰促進等事業から予算が交付されている団体等、多数ありますけれども、そのうち労働災害防止に関係する独立行政法人は一団体、特別民間法人は五団体であります。これらについてお答えをさせていただきたいと思います。  各団体の令和六年度決算における収入については、まず、独立行政法人労働者健康安全機構の収入は約三千八百七十五億円ですが、そのうち社会復帰促進等事業からの交付額は約三百十六億円となっているところであります。また、特別民間法人である各労働災害防止協会の収入ですが、これは約七十一億円から約五・五億円、そのうち社会復帰促進等事業からの交付額は約九・二億円から約一・二億円と、交付額は収入の一部にとどまっているところであります。  これらの団体のうち、役員に厚労省職員のOBがいらっしゃる団体ですけれども、中央労働災害防止協会、建設業労働災害防止協会、陸上貨物運送事業労働災害防止協会の三団体で、計六名となっております。このうち、常勤の役員としては三名となっているところであります。  報酬。(発言する者あり)報酬。これら厚労省職員OBの常勤役員三名の本俸及び地域手当相当額の平均額は月額で八十七万六千八百円となっております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 今のことで重ねてお尋ねするけれども、中央労働災害防止協会は、専務理事はそちらの天下りですね。月額百三万円というふうに僕は聞いていますけれども。それで、これボーナス入っていないんで、年収レベルで幾らになりますか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 中央労働災害防止協会の常勤の専務理事につきましては、年額で約千六百万円となります。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 それでは、ついでにお尋ねしますけれども、建設業労働災害防止協会の専務理事は幾らですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 建設業労働災害防止協会の専務理事、常勤でありますが、年額で約千七百万円となります。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 そちらにいろいろと問合せをして月額しか出してこなかったんですけど、今お答えで、年収レベルで千六百万とか千七百万とか、かなり高額な報酬を受けているということが分かりました。  つまり、これ天下り先というのをつくるためにこういうふうなシステムになっているんじゃないかと疑わざるを得ないんですが、この役員報酬というのは適正だと思いますか。大臣、お答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  各団体の役員報酬の額でございますが、それぞれの団体において職責に応じた報酬額を適切に設定しているものと考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 適切だという根拠は何ですか。お答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) 各団体の意思決定手続において、役員の報酬として幾らがふさわしいか、そういったことを決めているということでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 大臣、お答えください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まさに、そのOBがいらっしゃるということでありますけれども、役員の選任については、過去とは選任の方法、相当異なると考えておりまして、それぞれの団体におきまして、適切な選考方法をもって、またその職務に照らして妥当な者を任命をしているというふうに考えています。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 そういうお答えは予想はしていたんですが、改めて、もう一度資料二の方を御覧になっていただきますが、財投の預託金利子収入が約一千億円あるわけですね。そして、天下り組織に八百億円近く行っていると。このシステムをそのままやりながらこれを続けていくということであれば、保険料、保険料を更に下げるという措置を講じた方がよいかというふうに思うんですね。  今後も、この天下りについて目を向けて注視していくつもりですけれども、こういうことが割と知られていないし、隠されている中で、この積立金のように労災保険のお金がどんどんどんどんたまっていく。そして、恒常的に毎年毎年こうやって天下り組織を維持できているということについて、これからもう少し広く知られていいんではないかと思っております。  時間もありませんので、次の質問に移りますけれども、労働政策についてお尋ねします。  労働者が一時間に生み出す付加価値である労働生産性と実質賃金の伸び率が比例的な関係にあるとも言われていますけれども、資料三、過去三十年の日本とアメリカ、中国の労働生産性と実質賃金の推移をグラフにしました。もうこれ分かりやすいですね。日本の労働生産性は一九九五年から二〇二四年まで約一・二倍から三倍、実質賃金はほぼ横ばい。一方、アメリカの場合は労働生産性が二倍、実質賃金が一・六倍。中国に至っては労働生産性が約四、五倍、実質賃金は三、四倍と。日本の平均給与は二〇二四年時点で四百六十万円ですが、アメリカ並みに伸びていれば、アメリカ並みに伸びていれば六百八十万円、二百二十万円のアップ、大幅に賃金が増えていたことになります。  上野大臣にお尋ねしますけれども、実質賃金を増やすために労働生産性を上げることが重要と僕は考えますけれども、同意されますか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まさに賃金を持続的に上げていくためには、労働生産性を持続的に上昇させるということは重要であります。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 同意していただけたということで、次の話に移りますけれども、一般に労働市場の流動性を高めることはマクロの労働生産性や経済成長率を高めると言われますが、なぜなら、労働生産性の低い業種の労働力が高い業種へとシフトしやすくなるからであります。特に、AIや自動化などの技術の進歩が劇的な現在、労働シフトが起こる可能性が高まっています。  では、具体的にどのような仕事でシフトが起こるのでしょうか。  資料四です。アメリカの労働統計局の試算ですけれども、二〇三四年までの十年間で、例えばレジ係の雇用は三十一万人分なくなるとか、そういうことが予測されていますけれども、資料五、アメリカでは随意雇用原則を採用しておりまして、原則、解雇は自由であります。一時解雇、いわゆるレイオフという仕組みもしばしば取られます。その労働市場の流動性の高さがアメリカの労働生産性の高さの背景にあると思います。AI時代が到来した今、日本も労働生産性を上げるため、労働市場の流動性を高める必要があります。ただ、ある日突然、上司に呼ばれてお前首だと言われるような労働環境はよろしくないけれども、日本にはなじまないというところもあるかもしれない。だけど、給付付き税額控除の仕組みとのセットであればどうでしょうか。  社会保障国民会議で、僕を含めて多くの委員が、今後導入する給付付き税額控除制度に生活保護制度を統合すべきと主張しています。それが実現すれば、一家の大黒柱が突然解雇されても家族が路頭に迷いません。大黒柱も、もっと賃金の高い職に就くためのスキルアップ、キャリアチェンジに安心して取り組めます。  この給付付き税額控除の導入とセットで随意雇用原則を導入すべきと考えますが、上野大臣、思い切った答えをいただきたい。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働者の解雇につきましては、御指摘の米国では、随意雇用原則では使用者がいついかなる理由であっても労働者を解雇することができる、そういうふうにされているのは承知をしておりますが、海外でも米国以外の国では、解雇には法令の規定ぶりなどは、これは国によって異なりますが、日本と類似をした正当な理由、これが求められるのが一般的だと承知をしております。  我が国における解雇ルールの在り方については、多くの労働者が賃金によって生計を立てていることなどを踏まえまして、企業の雇用慣行や人事労務管理の在り方等も併せて、労使間で十分に議論が尽くされるべき問題であると考えております。  委員から円滑な労働移動のお話がありましたけれども、現在、日本成長戦略会議の下に設置をされました労働市場改革分科会のとりまとめにおきましても、成長分野への労働移動の促進を支援をすると、そのように記述をされているところでありますので、そうした点についてはしっかり応援をしていきたいと考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 しっかり考えていただいて、社会保障国民会議で給付付き税額控除のことを今やっているわけですけれども、そういうことをどんどん進めていかないと、日本がイノベーションのジレンマに陥ることなく国際競争力を維持し続けるためには、労働流動性を高めて労働生産性を上げる必要があるんですね。  今大胆な政策を次々と打ち出さないと、日本は先進国から転げ落ちてしまいます。その瀬戸際にいるという危機感を持たないといけないので、そのことを特に指摘して今日の質問を終えるんですが、先ほどの天下りみたいのがあると、労働の流動性なんて、役人が範を示していないで、逆だということですよね。  時間がないのでこれでやめますけれども、もう一度、先ほどのようなこの天下りシステムを我々のお金を使って維持しているということは、やっぱりこれ、やっていちゃ駄目ですよね。  今日の質問はこれで終わります。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 参政党の宮出千慧です。よろしくお願いいたします。  本日は、労災保険法の一部を改正する法律案について御質問いたします。午前中の他の委員の方々と質問が少々かぶるところもありますが、よろしくお願いいたします。  今回の改正では、その疾病の性質上、業務上の疾病に該当するかどうかを容易に判断することができないものとして政令で定める疾病について、療養補償給付等を受ける権利の消滅時効期間を二年から五年に延長することとされております。これにより、業務上の疾病であることの認識に時間を要するなどの理由で時効によって請求権を失ってしまう方を減らし、被災労働者の救済可能性を広げる改正であり、評価できるものと考えております。  そこでお伺いいたします。  今回の労災保険法等の改正案において、対象となる一部の疾病に係る請求権の消滅時効期間を現行の二年のままではなく五年とした理由、根拠について政府の見解をお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  まず、現行の原則でございますが、療養補償給付等一部の給付につきましては、早期に請求が行われることにより、事業主による迅速な再発防止措置や労働者による早期回復による迅速な職場復帰が可能となることに加えまして、時間の経過とともに業務起因性の立証が困難となりますことから、早期に権利を確定させて労働者救済を図る必要があること等の趣旨から消滅時効を二年としているところでございます。  他方で、今般の議論におきまして、脳・心臓疾患や精神疾患、石綿関連疾病につきまして、想定される疾病の要因が多岐にわたることから業務上災害であるか否かの判断が難しい場合があり、実際に時効後に請求がなされた件数の割合も比較的高いことも確認をされました。  そこで、今回の改正におきましては、その性質上、業務災害等に当たるかどうか容易に判断することができない疾病というのを政令で定めると、こういう条項を設けさせていただきまして、そういった疾病については消滅時効期間を五年とすることで、全体として、労災保険制度の運営において過去の事実の立証の困難を回避するという、そういった必要性と、より多くの保険給付の可能性が高まり、労働者救済、労働者保護が図れるようになるという両面を考慮いたしましたそういった内容を提案しているところでございます。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 今回の改正では、今おっしゃっていただいた脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病の三つを想定して政令で定める予定であると承知をしております。  一方で、業務上の疾病の中には、この三つの疾病以外にも、同様に因果関係の認識に時間を要するものが将来的に明らかになる可能性は否定できません。医学的知見の発展や働き方の変化に伴い、新たな業務起因性疾病の存在が明らかになることも考えられます。  そこで、大臣にお伺いいたします。  厚生労働省として、今回政令で定める予定の三疾病に加えて、今後、他の疾病についても、その性質上、業務上の疾病に該当するかどうかを容易に判断することができないものに当たるかどうかを定期的にモニタリングをして、必要があれば労政審に諮り、政令の対象に追加することも検討する予定はあるのでしょうか。また、そうした検討を行う場合の判断基準なども併せてお聞かせいただければと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、今後、施行状況を踏まえまして、対象疾病の必要な追加、見直しを行うということも考えられますので、その際には労災保険部会へ諮ることとしたいと考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  次に、労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止についてお伺いいたします。  現行制度では、農業、林業、水産業の一部の零細事業について、例えば農業であれば、個人経営で常時使用する労働者数が五人未満の事業については労災保険の加入が義務ではなく任意とされる、いわゆる暫定任意適用事業とされてまいりました。これは、昭和四十四年の労災保険法改正の際に、零細な第一次産業の事業主の事務負担等に配慮し、暫定的な措置として設けられたものとして承知をしておりますが、今回の改正案では、この暫定任意適用事業の仕組みを廃止し、当該事業についても労災保険の加入を義務化する方向であると承知しております。  事業者にとっては、新たに保険料負担が生じるほか、労働保険の、労災保険の年度更新含め日々の事務負担も増えることになり、特に今、人手や事務体制に余裕のない零細な農林水産業者にとっては、決して小さくない負担となる面もあろうかと思います。しかし、長年にわたり暫定措置とされてきたものを本則化し、農林水産業に従事する労働者の保護を強化するという観点では、このこと自体は望ましい方向性であるのではないかと考えております。  そこで、こうした制度改正が、近年急速に広がりを見せている農業分野でのスポットワーク利用の実態とどのように関わってくるのかという点について伺いたいと思います。  近年、農業分野におきましても、いわゆるタイミーなどのスポットワークサービスを通じた短期、単発の人手確保が広がっております。繁忙期の収穫作業や出荷作業など、限られた期間に多くの人手を要する農業の特性上、こうしたスポットワークは零細な家族経営の農家にとっても人手不足を補う有効な手段として活用が進んでいるものと承知をしております。  このようなスポットワークについては、業務委託ではなく雇用契約に基づく勤務であることから、労働基準法上の労働者に該当し、受け入れる事業者、すなわち農家自身が労災保険の適用事業主となる立て付けであると認識をしております。  そこで伺います。  こうしたスポットワークサービスを利用する零細農家等における労災保険の加入について、現在の状況と今回の法改正によりどう変わっていくのかをお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  今般の法改正の案の中で、従来任意適用とされております、例えば農業については個人経営で常時五人未満の労働者を使用する場合、これにつきまして全面的に移行するという内容を盛り込んでいるところでございます。  スポットワークとの関係ですが、スポットワークのサービスを使って人を雇うという場合、その雇う農家の方が雇主となりますので、現在の労災保険の適用の線引きと同様に、個人経営でも五人以上の労働者を雇用しているところで雇われる場合には労災保険の対象となり、五人未満のところでスポットワークを通じて雇われる場合には任意適用であるというのが現状でございます。  今般の法案が仮に成立をいたしました場合には、五年の周知期間というのを設ける内容としておりますが、施行された暁には、一人でも雇った場合には労災保険の対象となるということになりますので、スポットワークを経由して雇う場合、そうでない場合も含めまして、労働者を雇った場合には労災保険に入っていただき、その支払った賃金の総額に保険料率を乗じた額を保険料として納めていただくと、こういうことになったところでございます。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  本当に、普通の労働者の感覚として、こうしたマッチングサービスを通じて農家で働くと、農業で働くという以上は、その農家は当然に労災保険に加入をしていて、万一の事故の際には補償が受けられるものと私はちょっと考えていたんですけれども、しかしながら、実際には、現在は必ずしもそうではないということで、今御答弁いただいたとおり、暫定任意適用事業の仕組みの下では零細な農家が労災保険に未加入のままスポットワーカーを受け入れている可能性もあるとのことです。  仮に、労災保険に未加入のまま労働災害が発生した場合は、スポットワーカーは労災保険による補償は受けられず、また農家自身も多額の補償責任を個人で負うことになってしまいかねませんので、このようなスポットワークサービスを利用する零細農家等にも、今回五年以内にということではありますけれども、できるだけ早期に労災保険に加入していただけるように、政府としても様々な手段を活用して周知に取り組んでいただきたいと思います。  これに関連して、農林水産業、特に農業においては、家族従事者、短期雇用、季節雇用など就業実態が多様であることに加えて、近隣の農家同士で忙しい時期に人手を貸し借りする、あるいは農業に関心のある友人、知人に手伝ってもらうといった、地域の中での互助的、慣行的な労力の提供も広く行われてきたところでございます。こうした実態は、いわゆる雇用契約に基づく労働とは性質が異なる面もあり、労働者性の判断が容易ではない、制度上の線引きが難しい場面も少なくないと考えております。  とりわけ、今回の暫定任意適用事業の廃止により、零細な農家においても労災保険の加入が義務化されることとなりますと、こうした従来から行われてきた御近所同士のお手伝いや労力の貸し借りについても、果たして労働者性が認められ、賃金台帳の作成や労災保険の適用対象となるのか、現場の農家の方々からは戸惑いの声が上がることが予想されます。どこまでが労働契約に基づく労働であり、どこからが地域の互助的な慣行として整理されるのか、その判断基準が必ずしも明確ではないように思われます。  そこでお伺いいたします。  こうした判断基準について、政府として明確な基準を設けているのか、また、今回の暫定任意適用事業の廃止に伴い、こうした労働者性の判断をめぐる不透明さや現場での混乱が生じることのないよう、農家を始めとする現場の関係者に対してどのように制度内容の周知徹底を図っていかれるのか、お聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  暫定任意適用事業の廃止につきましては、適用対象となる農林水産業の小規模な個人経営の方々の御理解を得ながら丁寧に進めることが重要であると思っております。  例えば、農業について申しますと、御指摘のように、家族経営の中で人手の貸し借り、お互いにその集落なら集落の単位の中で農作業を手伝い合う、そこに金銭の支払だとかは伴わないといった形での農作業の相互扶助、こういったものがあることも承知をしております。ほかの産業における雇用労働とは違った形の労務提供でありまして、こういったものが、通常こういった場合には雇用労働に当たらないことが一般だと思いますけれども、いずれにしましても、労働者に該当するか否か、これが農業の実態に照らしてどういうふうに判断できるのか、働く場所や時間が指定、管理されているかなどの要件がございますけれども、そういった要件を総合的に勘案して、労働者に該当するかどうかについてやはり分かりやすく周知をしていくことは重要であるというふうに考えております。  こういったことから、まずは、その小規模な農林水産事業の皆様向けに分かりやすい例えばチェックシートを作成するとか、そういったことを検討してまいりたいと思います。  また、厚生労働省のみならず、農林水産省とも連携をいたしまして、都道府県レベルで地方自治体、関係団体などとともに労災保険適用に向けた推進体制を構築をし、小規模経営体への説明会、相談会を開催しますですとか、労働保険事務組合や社会保険労務士さんのお力も借りて小規模経営体からの相談体制、相談対応を行う体制を構築するといった取組も考えておりまして、よく連携をしながら進めてまいりたいと考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 次に、本改正案において、労災保険の特別加入制度における特別加入団体の要件を法定化することが盛り込まれております。  特別加入制度は、本来労災保険の対象とならない中小事業主や一人親方等について労働者に準じた保護を及ぼす仕組みであり、その加入手続の窓口となるのが特別加入団体です。  現行制度では、この特別加入団体の承認要件は、法律や政省令ではなく、昭和四十年の通達により定められてきたものと承知をしております。特別加入団体の中には、いわゆる名義貸しや実体を伴わない形式的な団体運営など、制度の趣旨に沿わない不適切な運営を行う団体の存在も一部で指摘されてきたところであり、こうした背景も踏まえて、今回、団体の承認要件を通達から法律事項へと格上げすることで、要件の法的位置付けを明確化し、その実効性を高めようとするものであると理解をしております。  その上で、この要件を満たさなくなった、あるいは不適切な運営が確認された団体に対しては、現行の通達ベースの運用の下での対応と比較して、今回の法定化に伴う対応でどのような点が強化されることになるのでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のとおり、現在、特別加入団体の要件や実施すべき業務については、その多くが通達で定められているところでございますので、仮に要件に適合しなくなった団体が生じましても、法令違反の状態であるとは言えないというのが現状でございます。  今般の法案におきまして、特別加入団体について、労災保険の特別加入に係る労働保険事務の処理や特別加入者の業務災害の防止に関する業務等を適切に実施することができる団体として省令で定める要件を満たす必要があることを労災保険法に明記をしますとともに、その運営に改善が必要である場合には業務改善命令を行うことができるようにすると、また、命令に違反した場合には保険関係を消滅させることも可能にするといった措置を盛り込む案としてございます。  こういった内容が仮に実現しました暁には、厚生労働省令において現在通達で定められている要件なども踏まえて適切な要件を定めるとともに、業務改善命令という仕組みも活用して、問題のあるような運営が行われている特別加入団体が出てきました場合には、要件の法令上の明確化と業務改善命令の実施の両面でもって適正な運営を図っていくことができるようになると、このように考えているところでございます。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  ちょっと質問六を飛ばさせていただいて、次に行かせていただきます。  今回は労災保険法の改正が中心ではございますが、労働災害防止のための事前の予防措置を定める労働安全衛生法と実際に被災した労働者の補償を担う労災保険法とは、言わば車の両輪として労働者を守る仕組みを構成しているものと考えます。そこで、関連する論点として、改正労働安全衛生法における高齢労働者対策についても伺いたいと思います。  近年、労働災害全体の発生件数に占める高齢労働者の割合は年々上昇しており、特に休業四日以上の死傷者数で見ますと、六十歳以上の労働者が占める割合は増加傾向にあります。転倒や墜落、転落など、加齢に伴う身体機能の変化が影響しやすい労働災害が高齢者で目立って発生している状況を踏まえ、こうした中、令和八年四月一日から、労働安全衛生法に基づき、事業者に対し高齢労働者の身体機能の状況等に応じた作業内容の調整や安全通路の確保、照度の改善といった配慮措置を講ずることが努力義務として明記されました。しかしながら、この措置はあくまで努力義務にとどまり、これを講じなかった場合の罰則や行政処分によって担保される仕組みにはなっておりません。  一方で、政府は、第十四次労働災害防止計画において、二〇二七年までにこの高齢労働者対策に取り組む事業者の割合を五割以上とするという数値目標を掲げております。努力義務という事業者の自主性に委ねる取組の中で、こうした目標を確実に達成していくためには、単に法律上の規定を設けるだけではなく、事業者への働きかけや支援を通じた実効性の確保が不可欠であると考えます。  そこでお伺いいたします。  罰則や行政処分によって担保されない努力義務という枠組みの中で、政府としてどのように実効性を担保し二〇二七年までの目標達成につなげていくつもりか、お聞かせください。

安井省侍郎 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(安井省侍郎君) 高年労働者の労働災害防止につきまして御質問いただきました。  御指摘のとおり、高年労働者の労働災害は近年増加傾向が続いているところでございまして、重大な課題として認識しているところでございます。御指摘のとおり、昨年、労働安全衛生法の改正によりまして、本年四月から高年齢労働者の身体機能低下などの特性に配慮した作業環境の改善などの措置を事業者の努力義務として、本年二月に事業者が講ずべき措置を大臣指針で示したところでございます。高年齢者の労働災害防止のためには、まずこの指針の内容を知っていただく必要があると考えてございまして、全国で説明会の開催あるいはSNSなどを通じた周知などを行っているところでございまして、事業者に必要な措置の実施を促しているところでございます。  また、本年度予算によりまして、中小企業事業者が実施する各種措置に要する費用の一部を支援するエイジフレンドリー補助金というのがございますが、これを拡充いたしまして、中小企業事業者に対する支援を強化しているというところでございます。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  次に、精神障害に係る労災認定の状況についてお伺いいたします。  厚生労働省が公表した令和六年度の過労死等の労災補償状況によりますと、精神障害の労災請求件数は三千七百八十件、支給決定件数は千五十六件と、支給決定件数が初めて千件を超えて、六年連続で過去最多を更新したとのことです。請求件数、支給決定件数共に右肩上がりの傾向が続いており、精神障害を理由とする労災認定が、もはや特異な事案ではなく、職場における深刻な課題として定着してしまいつつあるということを示していると思います。  支給決定件数の増加の背景としては、大きく分けて二つの見方があり得ると考えます。一つは、心理的負荷による精神障害の労災認定基準の見直しやハラスメント関連事案の追加等により労働者や企業側の制度に対する認識が深まり、以前であれば表面化しなかった事案についても相談や請求に至りやすくなった、つまり、潜在化していたものが顕在化した結果としての増加という見方です。  もう一つは、長時間労働やハラスメント、職場の人間関係など、実際に職場におけるストレス要因そのものが悪化、深刻化しており、精神障害を発症する労働者が実質的に増加しているという見方です。  そこでお伺いします。  この令和六年度の精神障害に係る労災請求件数、支給決定件数の増加について、政府としてはどのように分析をしておられるでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のとおり、精神障害の労災認定件数は増加傾向が続いております。令和六年度に業務災害として労災認定をしました精神障害事案を見ますと、どんな出来事がきっかけで精神障害になったかというのを見てまいりますと、一つは、上司等から身体的攻撃、精神的攻撃などのパワーハラスメントを受けたというのが二百二十四件で最も多くなっております。前年度比で六十七件増でございました。それから、仕事内容、仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があったというのが百二十件、前年度比二十件増、顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた、いわゆるカスタマーハラスメント、これが百八件で前年度比五十六件の増、それからセクシュアルハラスメントを受けたが百五件、前年度比二件増など、こういった出来事が精神障害の原因となっている主な出来事というふうに見ております。  この労災認定件数の増加については様々な要因が影響しているものと考えておりまして、なかなか単一の要因、これがというふうに特定することが難しゅうございますが、やはり一つには、対人関係、特に、精神障害の発症の原因となった出来事で大きく私どもが対人関係とくくっております上司とのトラブルですとか顧客とのトラブルですとか、そういったものによる労災認定件数が非常に増えております。  また、別途都道府県労働局に寄せられておる相談傾向でも、いじめ、嫌がらせですとかハラスメントというのは常に上位に挙がって高止まりをしておりますので、やはりそういった実態としての人間関係、顧客対応などからストレスを抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃるということは一つうかがえると思っております。  一方で、御指摘の労災認定基準の改定ですとか、また最近のその法改正によりまして、ハラスメントに対する社会の認知度が高まり、これは業務災害として扱われるべきものなのだと、こういった認識を持っていただく方も増えてきたということもあろうかと思っておりまして、現時点ではその内訳をお示しすることは難しゅうございますが、両面が影響しているんではないかというふうに考えているところでございます。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  ちょっと質問九も飛ばさせていただきます。  最後に、精神障害の労災に係る業種別の状況についてお伺いをいたします。  先ほどの精神障害の労災請求、支給決定件数について、これを業種別に見ますと、請求件数、支給決定件数共に医療、福祉が最多となっております。令和六年度の支給決定件数は二百七十件と、他の業種と比べても突出した水準にあります。  医療、福祉分野、とりわけ社会福祉、介護事業に従事される方々は、利用者やその御家族への対応、時には、いわゆるカスタマーハラスメントですね、先ほどおっしゃっていただきました、ともいうべき理不尽なクレームへの対応、さらには、人手不足の中での過重な業務負担に加えて、上司や同僚との関係や組織内のハラスメントの板挟みになりやすいなど、対人援護という職務の性質上、他業種に比べて心理的負荷の高い場面に直面しやすい構造的な要因を抱えているのではないかと考えます。  このような状況に対して実効性のある対策を講じていかなければ、ただでさえこの人材確保が困難とされる医療、介護、福祉分野において、担い手の離職を招いてしまい、人材確保がますます困難になるという悪循環に陥りかねないと強く懸念をしております。これは、単に労働者保護の観点にとどまらず、地域における医療、介護提供体制そのものの持続可能性に関わる問題であると考えております。  そこでお伺いいたします。  医療、福祉分野において精神障害の労災認定件数が最多となっている現状について、厚生労働省としてはどのように原因を分析しておられるでしょうか。また、ハラスメント対策など、どのような対策を講じ、この分野で働く方々のメンタルヘルスを守っていくお考えか、大臣にお伺いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まさに今委員から御指摘のあった課題につきましては、労働者保護という観点のみならず、医療、福祉の人手不足、そうしたものにも影響しかねない大変重要な論点、課題だと考えております。  令和六年度に業務災害として認定をされました医療、福祉業でありますが、精神障害の件数、二百七十件ということで大変多うございますし、その中では、顧客からの著しい迷惑行為、カスタマーハラスメント、また悲惨な事故、災害の体験、パワーハラスメントによるストレス、こうしたものを評価して労災認定をしている事案が多くなっているというところであります。  その対応でございますが、医療現場のハラスメント対策といたしましては、各都道府県に設置をしております医療勤務環境改善支援センターにおいて、医療機関からのハラスメント対策に係る相談対応、これを行っているところであります。また、各医療機関において適切な対策が講じられるように、マニュアルの整備など日頃から備えておくべきことや、あるいは発生時に取るべき行動などをまとめたe―ラーニング教材も整備をいたしまして、厚労省ホームページや都道府県、関係団体等を通じまして周知をしているところであります。  また、介護現場での対応でありますけれども、介護事業者が講ずべき措置などにつきまして介護サービスの運営基準や解釈通知により明確化をしております。また、相談窓口の設置等への助成などにも取り組んでいるところであります。  引き続き、こうしたハラスメント対策の充実強化にしっかり取り組んでいきたいと考えています。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  今回、労災の補償状況というものを拝見しておりまして、精神障害の労災認定件数が増えている。もちろん時間外労働の長さであったり複数の要因があるとは思いますけれども、やはり様々なハラスメントも増えているということが分かりました。  これは、もちろん、何がハラスメントに当たるかというこの社会的な感度が高まったということもあるとは思います。そして、政府としても様々なハラスメント対策を今おっしゃっていただいたように講じてくださっていることも、これは重要なことだと考えております。  一方で、このハラスメント対策を毎年のように積み上げていって、企業に求める対策ばかりが増えていってしまい、事業者の負担はどんどん重くなっているのではないかと思います。やはり、根本的にこれを解決していくためには、そもそもハラスメントが生まれにくい社会を築いていかなければいけないというふうに今回改めて感じました。  顧みますと、現代社会に生きる私たちの多くは、程度の差こそあれ何らかのストレスを抱えており、そうした負の感情が力関係において優位に立つ者から弱い立場にある者へと向けられることで、このハラスメントという形で表面化しているのではないかと思います。その根底には、やはり個々の自己肯定感の低さといった個人の内面的な要因もあれば、日本社会全体が経済的に厳しい状況に置かれて余裕を失っていること、あるいは努力をしても報われないという諦めの感情など、社会構造に起因する要因も少なからず存在するのではないかと推察をいたします。  こうした社会に蔓延する負の感情を根本から取り除いていかない限り、ハラスメントは今後も増え続けますし、精神的に傷ついて心を病んでしまう方も増え続けるものと懸念をしております。本来であれば、やりがいを持って生き生きと働くことができたはずの方がその人生の可能性を奪われてしまうということは、当事者にとっての損失であると同時に、社会全体にとっても大きな損失であると思います。  対症療法的な対策にとどまらず、経済政策であったりとか、さらには教育を通じた共感力の涵養なども、こういった社会に根差した問題の根本原因に政府としても向き合っていただきたいですし、私たちそれぞれ政治家もこういった問題にしっかりと向き合っていかなければいけないということを今回改めて感じました。ということを申し上げて、少し早いんですが、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 日本共産党の白川容子です。  早速、労働災害補償法等改正案の質疑に入ります。これまでの質問と重複するところもありますけれども、御容赦いただきたいと思います。  まず、暫定任意適用事業について伺います。  労災保険は、原則として労働者を使用する全ての事業に適用されますが、農林水産業の一部については暫定任意適用事業として強制適用の例外となっています。  同事業は、相互間の労力交換といった農業独自の労働慣行があることで労働者か使用者かの見分けが付きにくいことや、繁忙期のみに労働者を使用することが多くて実態把握が困難であること等の理由から適用されていますが、今回の廃止に伴って労災保険への強制加入が義務付けられます。  農林水産分野では労災が発生していること、それから、雇用就農者が就農前に重視する労働環境として雇用保険や労災保険等の加入が求められていることは私も理解をしておりますし、こうした事情に対応する、そういう面があると思うんですけれども、これまで暫定任意適用事業の、適用が困難だとしてきた適用上の課題が解消されていなければ、十分な労働者の保護できないと考えますけれども、どのようにこれまで対応されてきたのでしょうか。お答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘のとおり、現行制度におきましては、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部につきましては暫定任意適用事業とされているところでございます。  こうした中で、これまでの取組といたしましては、まず、暫定任意適用事業、任意適用は可能でございますので、労災保険の任意加入の案内をいたしまして、また、特別加入等の対象となる事業主の方への特別加入の周知、これ、事業主の方が特別加入をされている場合には、そこで人を雇っていらっしゃる場合には、五人未満でもその雇っていらっしゃる方も労災保険に入っていただくと、適用事業になると、こういう仕組みでございますが、こういったものの周知を進めてまいりました。  また、厚生労働省のみならず、農林水産省におきましても、農業分野における人材確保の観点から、関係団体などを構成員とされます検討会を開催をされまして、暫定任意適用事業の現状分析、課題の洗い出しなど議論を行ってこられたというふうに承知をしております。  こういった流れも受けまして、今般、労働政策審議会で昨年来議論をいたしまして、業所管官庁や関係団体に対してもヒアリングを行いまして、そういった経過も踏まえて、零細事業主の事務負担の軽減などの対応を農林水産省と連携しながら検討していくということを前提に、今回、事務負担の軽減など施行までに相当な準備期間を設けることを内容として盛り込みつつ全面適用に移行する、こういった内容を提案させていただいておるところでございます。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 適用上の課題について、私、質問をいたしましたその課題について、どう解消されたのかという明確な御答弁はなかったんですけれども、人材確保のためだという答弁がございました。  これは、二〇二四年の食料・農業・農村基本法の改定で、農業経営の基盤強化を図るために雇用の確保に資する労働環境の整備が規定をされて、その背景として、少子高齢化等の影響により人材確保が、獲得が全産業の共通の課題となる中で、雇用労働力を確保するためには、他産業と比較しても遜色のない農業の労働環境の整備が重要な課題、こういうふうに認識があったこと、そのことが反映されたものだというふうに思っています。  労働者の保護が必要なことは当然なのですけれども、しかし、必ずしも、労働契約を結び、使用者と労働者の関係性が明確になっている、そういう雇用就農のケースもあれば、そうではないケースもあって、労働者に該当するか否かの判断というのは本当に難しいというふうに思うんです。  例えば、お互いが事業をしていて、相互の労力交換をする、そういう手間替えによる農作業でけがや病気になった場合、労働契約を結んでいなくても労働者とみなし、労災の扱いにはなっていくんでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  労災保険法は労働者を使用する事業を適用事業としておりますが、労働者に該当するか否かにつきましては、働く場所と時間が指定、管理をされているかなど労働の実態を考慮をして、必ずしもその契約の名称だとかにとらわれるわけではなく、実態によって判断をしていくという考え方でございます。  この個別のケースごとの総合判断となりますが、その上で、業務や通勤に起因する災害であると認められる場合には労災保険給付の対象となるというものでございます。  また、労働者に客観的に該当するにもかかわらず労働保険の成立手続を怠っていた場合には、原則として時効の範囲内で、事業主が労働保険の適用となる当該事業を開始した日まで遡及して労働保険料を徴収をするということになるところでございます。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 時間の指定ですとか場所の管理等の要件を勘案をして総合的に判断するということですけれども、どのように労働者性を的確に把握するのかということとともに、労災防止の取組も一層重要さが増してきているというふうに思うんです。  農業における労災の発生も、就業者十万人当たり死亡事故者数も上昇傾向で、他産業と比べても高い状態が継続しています。  二〇二四年の要因別の死亡事故発生状況を見ますと、農業機械作業によるものが百五十六人と全体の半分以上で、その要因は、機械の転落、転倒が八十二人、五二・六%を占めています。特徴的なのは、この死亡者数の年齢構成なのですけれども、やはり六十五歳以上の高齢者の事故が八六・四%を占めているということです。  農業分野の就業者数が減少する一方で、雇用者の割合は増加傾向にあることから、労災防止をどう進めるのか、特に高齢者への労災防止の取組が急がれていると思います。人手不足解消のために、地域おこし協力隊ですとか、スポットワーク、外国人など、非正規の雇用者、産地間の連携バイト、一日農業バイト、副業、農福連携など、様々な働き方がされていますけれども、経験年数少なくて、そして習熟していない従業員による事故も発生していると聞いています。  労災保険の特性上、対象者が増えれば保険給付も増加し、結果として、保険料負担の増加や事務コストの増加、将来的な制度の維持費の上昇につながりかねません。ましてや、先ほど述べたように、農業分野では、人の確保が困難な中、既に、経験が少ない、あるいはないというスポットワーカー等による労働者がいまして、この後取り上げますけれども、特別加入の法定化でこうした労働者が増えることになれば、なおさらのことだというふうに思うんです。事故の増加、厳しい経営状態の下で、保険料の負担などによって就業者の減少につながってしまうことになれば、本末転倒だというふうに思います。  そこでお聞きしたいんですけれども、どのように労災防止に取り組むのか。それから、事業者からは、保険料や事務手続による負担が増えることや労働者性をどう判断するのかといったことに不安の声が寄せられています。QアンドAを作成するなど、労働者に該当するか否かが分かるような考え方を示すとともに、周知が必要だと思いますが、どう対応していくおつもりなのか、お示しください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、労働災害防止対策でありますけれども、農業での労働災害防止対策については、災害発生事業場等への指導などに加えまして、事故の多い高所作業での墜落防止、農業機械の転落防止、刈り払い機による切れ、こすれの防止等について、農水省と連携をして事業者、労働者それぞれが講ずべき対策を分かりやすくまとめた研修資料を作成をいたしまして、その周知に努めているところであります。  また、労働者性の判断でございますけれども、先ほど局長からも答弁がありましたけれども、労働者に該当するか否かについては、働く場所と時間が指定、管理されているかなど実態に関する諸要素を勘案して総合的に判断をしておりますが、農業の就労実態は多種多様でありますので、今般の改正の対象となる小規模な農林水産事業の皆様向けに、分かりやすいように工夫した自己チェックシートを作成をして幅広く配付するなど、分かりやすい対応を検討したいと考えております。  農水省と連携をいたしまして、労働者性の有無にかかわらず、農業従事者による農作業事故を防止できるように対策の充実を図ってまいりたいと考えています。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 今後、労働者性の判断に関するリーフレット等を作成するということでありますけれども、現場に混乱が生じないようにしっかりと対応していただきたいというふうに思います。  でも、そもそもなぜここまで農業の担い手が減少してしまったのかと。私は、農業で生計を立てることが難しいために担い手が減ってしまっているのだろうというふうに思います。労災の適用の義務化など、やっぱり、雇用環境を整えることも必要ですけれども、他産業に比べて遜色のない収入が得られることにすることこそが求められていると思います。  また、継続的に事業が行われるように、こういうところを手厚くすれば人の定着や経験を積むことにもつながって、労災の防止にも一定寄与することになるのではないかということも提案をしておきたいというふうに思います。  そして次に、特別加入制度の法定化について伺います。  特別加入制度は、労働者に準じた働き方をしている自営業者に対して、本人が保険料を自己負担をし、団体を通して任意で労災保険に加入することができるものです。これまで通知で対応していましたけれども、今回、法的に規定をします。  同制度は一九六五年に創設されてから、建設業の一人親方や個人タクシー等の一部の事業等に限られていましたけれども、二〇二一年に芸能関係作業従事者やITフリーランス等も対象となって、二〇二四年十一月からは、企業等から業務委託を受けているフリーランス、いわゆる特定フリーランス事業については、業種、職種を問わず特別加入することができるようになりました。  特別加入制度を法的に規定する意図や方向性として、特定フリーランス事業者も特別加入の対象になったことなどを受けて、今後更に特別加入が広がっていくことを想定し、その基盤として同制度が重要となっていくこと、何か問題が起こったときの業務改善命令のような仕組みの法令の根拠がないことから、規定を設けるとしています。  フリーランスは個人請負のために、仕事の発注者と雇用契約でないことを理由に、労働法制の保護の対象外にされて無権利状態に置かれてきましたけれども、労働者としての保護を進めようとする、そういう点では前進はあると思います。しかし、特別加入は任意でもあり、保険料も本人が負担することに変わりはないだけではなくて、労働三権等も保障されておらずに、まだまだ不十分です。  自ら望んでフリーランスという働き方を選択されている方もいる一方で、安定した雇用の減少や、本業だけでは生活できない、そういう低賃金を背景とした結果、不安定な働き方や副業を余儀なくされている人も少なくありません。また、企業が雇用責任を回避するために、労働者を個人事業扱いする請負偽装の問題もあります。  本来であれば、安定した雇用関係の中で十分な賃金を得て働くことができるようにするべきですけれども、政府は、雇用関係によらない働き方の拡大を進めており、こうした拡大に伴って生じた問題に対して部分的な対応にとどまった改正だと言えると思います。一定の基準に該当する場合、労働者性の推定やプラットフォーム企業を雇用主に推定する、そういうことをするべきではないでしょうか。  また、特別加入の法定化により、労災保険の加入者が今後増えていくことが想定されますけれども、保険料逃れのために偽装請負が増加する、そういう懸念もあります。厳しく対処する必要があると思いますけれども、どのように実効性を担保していくのか、お答えください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 労働者該当性につきましては、先ほど来答弁をさせていただいているとおりでございますけれども、雇用契約によらずに働く場合に、業種、業態によって指導、指揮監督の態様なども様々でありますので、やはり総合的に個々の労働実態を踏まえて判断することが必要であります。  そのためには、個々の労働実態を踏まえずに労働者性を判断することや、プラットフォームを提供する企業を一律に使用者と判断することは適切ではないと考えているところであります。  その上で、形式上は請負や委任の契約形態となっていても、特別加入を希望される方が実態として労働者と同様の働き方をしている場合は労働基準法の労働者に該当しますので、特別加入するのではなくてその事業場の労災保険に加入することになります。改正法の施行に向けましては、特別加入団体に対して、こうした取扱いについてしっかり周知をしていきたいと考えております。  また、先ほど申しました、申し上げました自己チェックシートなどを配付をいたしまして、これを特別加入申請時において確認することや、労働者性があるのではないかと疑われるような事案を把握した場合には、労働基準監督署等に相談するよう促すことなどの対応を求めることを検討しているところであります。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 一律に使用者と判断することを求めているのではなくて、一定の基準に該当する場合に、例えばプラットフォーム事業者が従業者の労働について指揮命令と管理を行っていることを示す事実が確認された場合は、プラットフォーム事業者を雇用主に推定するなど、更なる保護のために検討していただくことを求めておきたいというふうに思います。  最後に、メリット制についても一問伺いたいと思います。  メリット制は、労災の発生実績に応じて事業者が負担する保険料額を増減、すなわち災害、労災が多い、そういうところでは保険料が増加をし、災害が少ないところでは労災料が減少することで、事業主の保険料負担の公平性の確保と労災防止努力の一層の促進を目的として設けられていると理解をしています。  ところが、メリット制の適用に対象となる事業というのは、事業開始から三年以上が経過し、百人以上の労働者を使用した事業であること、又は二十人以上百人未満の労働者を使用した事業であって災害度係数が〇・四以上であることのいずれかだと思います。  いずれも一定規模以上の事業であって、これらの要件に満たない小規模の事業主は、どれだけ災害予防措置を講じたとしても、減額を受けるという、そういう利益を受けることができずに、不公平だという指摘があります。また、労災が発生したら保険料負担に跳ね返るために、事業主にとっては労災隠しの要因になっていること、これまで多くの方から指摘があったというふうに思います。  厚労省は、労災隠しの端緒は労働者からの相談が多いのが実態と答弁されていますけれども、裏を返すと、これは、労働者からの相談がなければ実態を把握するのが困難ということになるのではないのでしょうか。その労働者からの相談も、労災申請をすれば氏名等の情報が事業主に伝達されてしまって、報復を恐れて実行に移しにくいというふうに、そういう構造的な問題もあります。  制度創設の目的からも、労働者保護という観点からも、メリット制というのはやっぱり問題があると思うんです。こうした制度、私はもう廃止するべきだというふうに思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) メリット制は、事業主間の保険料負担の公平性の確保と事業主の労働災害防止努力の一層の促進、これを目的といたしまして、事業場の労働災害の多寡に応じて労災保険料率を増減させる仕組みであります。  メリット制による災害防止の効果でありますが、メリット制によって保険料が引き上げられた事業場については、被災者数の前年度からの増減率、これが全事業場の被災者数の前年度からの増減率よりもおおむね低いということが明らかになっておりますので、一定程度メリット制の効果があったと考えられるところであります。その一方で、メリット制が労災隠しであったりあるいは報復行為や不利益取扱いにつながっている、そうした懸念があるのも事実、懸念があるといった意見があることも承知をしております。  これらを踏まえまして、労働政策審議会の建議においては、メリット制には一定の意義が認められるので、メリット制を存続させ適切に運用することが適当であるが、継続的にその効果等の検証を行うことが適当であるとの指摘がありました。また、メリット制が労災隠し等につながるといった懸念についても、その実態を把握するというふうにされておりますので、今後、継続的にメリット制による効果の検証、これはしっかり行わせていただきたいと考えています。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 先ほど来、御質問の答弁にも、実態調査を実施するという御答弁もありました。この実態調査、この結果を踏まえて、廃止も含めた対応を検討もしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  私はいつも、社会の中で見えにくくされている人たちのことを考えています。制度からこぼれ落ちる人、声を上げたくても上げられない人、働いているのに守られていない人。今回の労災保険法改正案も、そうした人たちに光が当たるものになっているのかという視点から、主にフリーランスの働き方をされている人たちについて質問します。  このほど、全国の俳優、アーティスト、スタッフなど約千人を擁する特別加入団体の日本芸能従事者協会が二つの要望を出しました。一つ目は、報奨金についてです。  厚労省は、現在、政府に代わって中小零細企業から労働保険料徴収事務などを代行する労働保険事務組合に対して、年額一千万円を上限に報奨金を支払っています。ところが、特別加入団体は報奨金の対象になっていないのです。特別加入団体を労働保険事務組合と同じ取扱いにすべきと思いますが、厚労省のお考えをお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  労働保険事務組合は、中小零細企業の労働保険の事務負担を軽減するため、保険料徴収など政府が行うべき業務を代行をし、適正な労働保険手続を確保する役割を果たしていただいております。このような活動を継続的に支援すべきことから、報奨金制度を設けているものでございます。  一方、特別加入制度は、労働者に準じて保護することがふさわしい方に労災保険への任意加入を特別に認めるものでございます。特別加入団体は、加入が任意である方々で構成される団体であり、労働保険事務組合と位置付けが異なりますことから、報奨金制度を設けることは考えておりません。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  確かに、現状では、特別加入の対象は法令上、狭い意味での労働者とは言えないとされる、従業員を雇わない一人親方、フリーランスのアーティストなどです。しかし、一旦労働災害が発生した場合、次の日からの生活が脅かされることは同じです。こうしたフリーランスが法的な労働者として認められるよう、早期に検討することを求めます。  もう一つの要望について伺います。  現行の文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインでは、芸能従事者の特別加入等における費用負担について発注者と受注者が協議することが望ましいとされています。この規定を法令化することについて、上野大臣のお考えをお聞かせください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 発注者と受注者間における特別加入のための保険料は、様々なコストの負担の在り方を話し合う中で合意すべきものであります。また、特別加入は任意であります。そうしたことから、一律に発注者負担とすることや発注者が保険料負担について協議に応じる義務を明確化することはなかなか難しいと考えています。ただ、両者の合意によって発注者が保険料相当額を実質的に負担する、そうしたことはあり得るものと考えているところです。  その上で、芸能従事者については、委員御指摘のガイドラインにおいて、芸能従事者の特別加入等における費用負担について発注者と受注者が協議することが望ましいとされております。こうした芸能分野におけるこうした取組を、厚生労働省としても、しっかり他の分野の皆様も含め周知を行っていきたいと考えております。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 ありがとうございます。ガイドラインの周知徹底と協議の義務化をお願いします。代読お願いします。  ところで、文化芸術分野のアーティストやプラットフォーム事業の就労者などの働き手は、労働基準の遵守やハラスメント防止の面で大きく立ち遅れている実態が指摘されてきました。こうした分野の労働者に対する労働基準法や最賃法上の違法行為及びハラスメントなどの不法行為に関する対応と現状認識について、厚労省からお答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  契約の名称や内容にかかわらず、働き方の実態が労働者に該当する場合には、労働基準法や最低賃金法の適用を受け、労働基準監督署で法違反を把握した場合には指導等を行っております。  また、令和五年の調査で、芸能従事者等を含むフリーランスに対し取引先の従業員等からのハラスメント経験の有無を聞いたところ、特にないが八九・八%、パワーハラスメントが七・一%でありました。フリーランス・事業者間取引適正化等法の適用がある場合、同法によりハラスメント対策の整備等が発注事業者に義務付けられているところでございます。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  ただいま八九・八%がハラスメントを受けた経験なしという調査結果が厚労省から示されました。しかし、日本芸能従事者協会の調べによると、約六〇%がパワハラの、約三五%がセクハラの被害を受けたといいます。厚労省は本当に実態を把握しているのか、懸念が払拭できません。これを機に、ハラスメントのみならず、様々な処遇をめぐってどれだけ自分の要望を訴える機会があるのかなど、広範な調査をやり直すべきと考えます。両者の間に非対称的な力関係があるからこそ、私たちは不断の努力をもって、そこに人権侵害はないか、自分の意見をきちんと伝えられているかなどチェックの目を怠ってはならないのです。  社会には、制度を利用できない人ではなく、制度を利用したくても声を上げられない人がいて、弱い立場の人ほど権利を主張しにくいという現実があります。そのような中、フリーランスのアーティストなど受注者がプロデューサーなど発注者側に対して自分の要望を伝える際、どのような不安、ちゅうちょ、戸惑いを抱くのか、またその理由について詳しい調査をするべきではありませんか。大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) お尋ねのような不安やちゅうちょそのものに関する実態調査というのは承知をしておりませんが、令和二年にフリーランス実態調査において、フリーランスとして働く上での障壁を調査したところ、収入が少ない、安定しないが約六割と最も多かったところであります。また、取引先とのトラブル経験者が約四割でありますが、そのうち交渉せずに受け入れたとする者が約二割見られまして、主な理由は、取引打切り等への懸念となっているところであります。  こうした状況も踏まえ、フリーランス・事業者間取引適正化等法によって取引の適正化及び就業環境の整備、これを図っているところであります。現段階では御指摘のような調査を検討はしておりませんが、この法律の着実な施行にしっかりと努めてまいりたいと考えております。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 声を上げられない沈黙の中にこそ、見過ごせない実態があります。大臣、更なる調査を検討してください。いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) フリーランス・事業者間取引適正化等法が施行されておりまして、これに基づいて様々な政策が進められております。  この法律は、厚労省を始め各省との共管の法律でありますので、調査の実施等についてはこの関係省庁で相談をする必要がありますので、今この段階でなかなか申し上げることは難しいわけでありますが、法の施行状況とか、フリーランスの皆さんの実態であったりとか、そうしたものはしっかり把握ができるように関係省庁と連携して取り組んでいきたいと考えています。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 調査を検討してください。代読お願いします。  ただいま、先ほど、八九・八%がハラスメントを受けた経験なしという調査結果が厚労省から示されました。しかし、日本芸能従事者協会の調べによると、約六〇%がパワハラの、三五%がセクハラの被害を受けたと、失礼しました。済みません、ちょっと元に戻ります。  先ほど大臣が引用した実態調査から見えてくるフリーランスの実態は、まず第一に、四十代以上のミドルシニア層が全体の七割を占めているということです。第二に、収入や病気、けがなどのセーフティーネットを脇に置きながらも、仕事上の人間関係やプライベートとの両立を優先させるという、何かの犠牲の上に成り立つような生活志向が際立っているという点です。  あらゆる形態の労働者が生き生きと働き、暮らせる社会を実現することは、とても大事だと思います。しかし、今起きている働き方改革は、ともすれば、働かせる側を優先しがちな、いびつな改革になっているのではないでしょうか。厚労省は、もっと多様な個人が尊厳の尊重を実感できる厚生労働政策を前進させるべきと思います。  ところで、現在の労働政策審議会における公労使の三者構成を拝見すると、アーティストなどを始めとするフリーランス、あるいはプラットフォーム事業の就労者などの参画が圧倒的に少ないことを危惧します。労働者代表には、あらゆる労働者階層からの声が反映されるべきと考えます。上野大臣のお考えをお聞かせください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) フリーランスを始め、多様な働き方をされている方々の御意見を踏まえながら労働政策に関する議論が進められていくことは重要だと考えています。  これまでも、フリーランスの方々に関連する内容について労働政策審議会において議論を行う際には、フリーランスの関係団体からのヒアリングを通じて御意見をいただいてまいりました。例えば、フリーランス関係団体へのヒアリングについては、労災保険関係でも日本俳優連合や一般社団法人プロフェッショナル・パラレルキャリア・フリーランス協会を始め、各種多数の団体から丁寧に御意見をお伺いをしてきたところであります。  今後とも多様な働き方が進展をしていくと考えておりますので、フリーランスの方からの御意見も踏まえた政策決定がなされるように努めていきたいと考えているところであります。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  労政審における公労使の三者体制が、公正を装う形だけの制度であってはなりません。いわゆる主流と位置付けられている典型的雇用形態の労働者だけではなく、日本国内の様々な働き方、全ての属性を有する働き手が当事者として参画し、その声が政策立案の場で反映されるべきと申し上げて、次の質問に行きます。  公正取引委員会に伺います。  いわゆるフリーランスのアーティストのみならず、プラットフォーム事業者などをめぐってしばしば問題となる優越的地位の濫用について御説明いただけますでしょうか。

向井康二 公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  優越的地位の濫用につきましては、一般論といたしまして、取引上の地位が相手方に優越している事業者が、取引の相手方に対し一方的に著しく低い対価での取引を要請する場合であって、当該取引の相手方が今後の取引に与える影響等を懸念して当該要請を受け入れざるを得ない場合には、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなり、独占禁止法上問題となります。また、フリーランス・事業者間取引適正化等法においても買いたたき等を禁止しているところでございます。  これらの行為のより具体的な考え方につきましては、独占禁止法等のガイドラインや、昨年九月に策定した実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針において示しているところでございます。  公正取引委員会におきましては、独占禁止法等に違反する行為に対しまして厳正に対処することとしております。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  この人は自分の言うことに何でも従う、あるいは、自分はこの人に何でも命令できるという関係に陥ったとき、両者の関係性は極めていびつなものに転落し、やがて腐敗すると思います。それを食い止めるのが人権規範であり、憲法上の諸原則です。あらゆる商取引は客観的に見て公平公正でなければならないし、何人も他人を物扱いしてはならないはずです。あらゆる取引の現場でその原則を貫徹せよと命じているのが公正取引委員会の独占禁止規定です。その際に強固な基盤となるのが、公正、平等に裏打ちされた自由な議論なのではないでしょうか。そのことを強く指摘して、次の質問に行きます。  本法案とは直接関連しませんが、年金の併給調整について質問します。天畠事務所にも、障害年金と遺族年金との併給をめぐる問題に関して様々な相談が寄せられています。  日本では一人一年金の原則があります。政府はその理由として次の三点を挙げています。  まず一つは、生活の保障における重複支給を防ぐためです。二つ目は、公平性の確保、年金制度は加入者全ての保険料を財源にして成り立っていることから、特定の人が複数の年金を全額受け取れるようにしてしまうと、他の受給者との間で不公平が生じるとしています。三つ目は、限られた財源を長期的に維持していくという財源維持のためです。いずれの理由も一見もっともな意見に聞こえるかもしれませんが、これは入口段階で大きな間違いを犯していると思います。    〔委員長退席、理事自見はなこ君着席〕  そもそも、全ての年金給付は、それぞれ別個の目的と、それらを実行するための給付内容が決められているので、一人一年金を入口にすること自体がおかしいと思います。例えば、複数の年金の併給が必要となるような状況では、稼得能力の喪失が重複することがあります。その場合、家計の圧迫や困難の増加などといった当事者の不利益は生活破壊的レベルまで増大します。それにもかかわらず、給付を合算せず、一方を停止ないしは減額させることは、不利益の増大部分は受給者が受け止めて耐え忍べと宣告しているのに等しいのではないでしょうか。憲法二十五条が保障する健康で文化的な最低限度の生活並びに国民年金法第一条が規定する健全な国民生活の維持及び向上を踏みにじるものと考えます。  政府はこの際、この一人一年金という制度から根本的に脱却すべきと考えますが、上野大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 老齢年金と障害年金など、二種類以上の年金の受給権が発生をした場合には、原則としていずれか一方の年金のみを支給し、もう一方は支給停止をする、そういった併給調整を行っております。  これは、年金において、老齢、障害、死亡といった複数の保険事故が発生をした場合であっても所得保障の必要性の程度は比例的に加重されるわけではないことを踏まえた取扱いであり、適当なものだと考えております。

自見はなこ 自由民主党・無所属の会

○理事(自見はなこ君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。    〔理事自見はなこ君退席、委員長着席〕

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 困難は足し算ではなく掛け算であることを政府は分かっていないようですね。代読お願いします。  ただいま厚労省は、複数の保険事故が発生した場合であっても所得保障の必要の程度は比例的に加重されるわけではないと答弁されました。しかし、私は理解できません。障害を負った上に配偶者を亡くした人、障害を負った上に高齢となり、更に生活基盤が弱くなった人、生活の困窮には様々な理由があります。困難は、決して足し算や引き算ではなく、複雑な要因が絡まる掛け算なのです。  ところが、政府は、困難が重なっても年金は一つですと言います。それは現実の生活を見ている制度と言えるのでしょうか。  憲法二十五条は、全ての国民に健康で文化的な最低限度の生活を保障しています。ならば、本来問われるべきなのは一人一年金という原則ではありません。その人が実際にどのような困難を抱え、どの程度の所得保障が必要なのかということです。制度の都合ではなく、人間の生活実態から出発する社会保障へ転換すべきであることを申し上げます。  最後に、もう一度労災法改正法案に質問を戻します。  今般の改定で、労災保険の請求権について消滅時効を二年から五年に延長することが盛り込まれています。しかし、本当に必要なのは消滅時効の撤廃だと考えております。大臣、消滅時効自体を撤廃する考えはないでしょうか。お考えをお聞かせください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 仮に消滅時効を撤廃をした場合には、過去の事実の立証が困難な事案が増えるなど、多数の事案に対応しなければならない労災保険制度の適正な運営に支障が生じるおそれがありますので、消滅時効の撤廃は困難だと考えております。  労災保険制度の不知や手続の失念等により時効期間を徒過して請求された事案も一定程度存在をいたしますが、消滅時効の期間の延長ではなくて、労災保険の申請を考慮する契機となるように、医療関係者への周知、協力依頼などを行うことや、保険給付に係る請求書の様式に消滅時効に関する記載を盛り込むなど、注意喚起をしっかり行う、そうした運用の改善に取り組んでいきたいと考えています。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 時間ですので、まとめます。  被災労働者を本当の意味で保護するためにも、消滅時効の撤廃を求めて、質問を終わります。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 新たなビジネスモデルで雇用を劣化させてはなりません。代読お願いします。  れいわ新選組の天畠大輔です。  私は、会派を代表して、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。  本法案は、就業構造の変化と働き方の多様化に対応し、労働災害に対するセーフティーネットを強化することを主要な目的としています。改正案には、遺族補償年金の支給要件の見直しによる男女差別の撤廃や、一部の小規模な個人経営の農林水産業で任意加入だった労災保険を強制加入にし、作業者の保護を強化したことなど、評価できる点も含まれています。  一方で、法案の目的に比べて不十分な点が幾つも残されています。  まず、労災保険給付請求権の消滅時効の問題です。  そもそも、労働者にとっては労災請求はハードルが高いことに加え、疾病の種類によっては労災に当たるかどうか判断がすぐにできないケースがあることなどから、労働者側は消滅時効の撤廃を求めてきました。しかし、改正案は二年から五年への延長にとどまっています。消滅時効の延長の対象が特定の疾病に限られていることも問題です。労政審では、疾病の対象を特定しないよう求める意見も出ましたが、採用されていません。この点、改正案は全く不十分と考えます。  第二は、フリーランスなどの就業形態で働く人たちの保護に関する問題です。  今回の改正により、一人親方や芸能従事者、そして急拡大するプラットフォーム事業の就労者などが加入可能な特別加入団体が法定化されることについては、改善点として評価できます。しかし、改正案では、通常は事業者が全て負担する労災保険料をフリーランスなどの就労者側が全て負担せざるを得ないケースが多いことや、労災事務を取り扱う事務組合を対象にした政府の報奨金制度が特別加入団体には適用されないなどといった公平性を損なう制度上の課題については、解決策が示されていません。  かつて建設業界では、けがと弁当は自分持ちと言われることがありました。この言葉は、自らの責任感を強める言葉として美化された面もありますが、もし事故に遭ってもそれは自己責任であるという、現在の労働者保護政策とは懸け離れた考え方を示すものでもありました。そして、今でもこのあしき慣習は業界や形を変えて残っているのです。  働く時間や場所、雇用形態などの多様化が進み、政府統計で二〇二二年に初めて把握されたフリーランスの数は二百九万人に上ります。この大勢の方々に対する保護政策の実施は喫緊の課題であることを指摘して、反対討論を終わります。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、小西君から発言を求められておりますので、これを許します。小西洋之君。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 私は、ただいま可決されました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一、遺族補償年金における夫婦間の支給要件の差の解消に当たっては、単に夫婦間の差を是正するにとどまらず、労働者の業務上の死亡によって失われた遺族の被扶養利益の喪失の補填という労災補償としての制度趣旨を十分に踏まえること。今後、生計維持要件、給付期間、支給要件その他遺族補償年金制度の在り方を検討するに当たっては、労災補償としての責任を薄めることなく、遺族が真に生活を立て直すことができるよう、年金給付に加え、就労支援、心理的支援、子育て支援その他の生活再建支援との連携の在り方についても検討すること。  二、今回の消滅時効期間の延長が一部の疾病に限定されたことを踏まえ、介護(補償)等給付において時効徒過による不支給の割合が高い実態を深刻に受け止めるとともに、消滅時効期間の周知に取り組むこと。併せて、労災保険給付請求が遅れる理由は、疾病の性質により発症後直ちに業務起因性を判断することが困難である場合に限られず、労災保険制度に関する認知の不足、医療機関において労災請求の可能性が十分に示唆されないこと、事業主からの働きかけ、事業主との関係悪化への懸念等により請求をためらう場合もあることを踏まえ、こうした事情により本来受けられるべき給付に到達できない者が生じることのないよう、相談支援、周知啓発及び運用改善に取り組むこと。本法施行後は、対象となる疾病の範囲等について、施行状況等を踏まえ、必要な拡大を検討すること。  三、暫定任意適用事業の廃止に伴い、新たに労災保険の適用対象となる農林水産業の経営体について、その実態把握を適切に行い、労災保険への加入を確実に進めるとともに、新たに事務的負担等が生じることから、必要な支援を検討すること。特に、制度上は強制適用の対象となるにもかかわらず、保険関係成立届その他必要な手続が行われない未手続事業が生じることのないよう、対象となる経営体の把握、個別周知、加入手続支援及び関係機関との連携体制の整備に努めること。また、農林水産業の現場には、家族従事者、短期雇用、季節的な手伝い、乗組員、共同作業、親族の無償協力等、多様な就業実態が存在することを踏まえ、誰が労働基準法上の労働者に該当し、労災保険法の適用対象となるのかについて、具体例を含めて分かりやすく明示すること。さらに、セーフティネットの空白を早期に解消する観点から、公布後五年以内とされる施行期日を待たず、任意加入の促進も含め、可能な限り速やかな移行を促すこと。  四、特別加入団体の承認要件の法定化に当たっては、事務処理体制や財政基盤のみならず、広告・勧誘の適正化や加入者からの相談体制の整備などの具体的な承認要件や、加入時の審査や業務災害防止措置の実施状況を厳格に判断する基準を策定すること。不適切な特別加入団体に対しては、承認取消しも含めた厳格な指導・監督を行うこと。また、特別加入団体の承認取消しを行った場合において、特別加入者の保護が損なわれることがないよう、厚生労働省は、実効性のある指導・監督を行うとともに、特別加入団体の取消しを行った場合においても、特別加入者が不利益を被ることのないよう救済措置を設けるなど万全の措置を講ずること。  五、特別加入団体については、労働保険事務組合との役割の違いを踏まえ、各分野の専門性及び当事者性に基づく業務災害防止措置、相談対応及び加入者支援を担う主体として位置付けること。  六、特別加入に係る労災保険給付の請求については、本人による請求が原則であることを踏まえ、特別加入団体による請求支援を前提として、特別加入団体の判断により本人の請求機会が損なわれることのないよう、必要な措置を講ずること。  七、特別加入団体が行う業務災害防止措置については、団体間で実施内容、実施量及び継続的支援体制に差異があることを踏まえ、実施報告、監査その他の適切な方法により取組状況を的確に把握すること。また、好事例の横展開その他の措置により、業務災害防止の実効性を高めること。  八、児童が業務に従事する場合については、労働基準法第五十六条及び第五十七条に定める児童の使用制限及び学校長の証明書等に係る規律が、契約形態に関わらず、就業実態に即して適用されることを周知徹底すること。  九、「曖昧な雇用」で働く者も含め、労働基準法の「労働者」に該当する者は確実に労災保険法の適用対象とすること。その上で、特別加入制度の活用に当たっては、労働基準法の「労働者」に該当する者が強制適用の労災保険本体ではなく、本人の保険料負担による特別加入を強いられることがないよう、厚生労働省及び特別加入団体における審査体制を抜本的に強化すること。特に、特別加入の事実のみをもって否定的な判断がなされることのないよう、行政運営における徹底を図るとともに、「実態は労働者」と思われる者が特別加入している場合には、速やかに強制適用への是正を指導すること。  十、家事使用人への労災保険適用については、労働基準法の改正論議を注視しつつ、特別加入における保険料の本人負担という現状が加入の妨げとなっているという意見があることも踏まえ、労働基準法の適用の在り方を含め、必要な検討を行うこと。  十一、社会復帰促進等事業の給付に関する決定に対する不服申立てについて、労働保険審査官及び労働保険審査会法に基づく審査請求及び再審査請求が可能となり、労災保険給付に関する決定に対する不服申立てと審査等の請求先が一本化されることから、そのメリットをいかし、裁決までの標準的な審査期間を定めるなど、迅速かつ効率的な審査を実施すること。  十二、政府は、メリット制と労災かくし、労災保険給付受給者への報復行為等との因果関係について実態調査を実施するとともに、その結果に基づき、労災かくし等を行う事業主への対応強化も含め、メリット制の在り方について検討を行うこと。その際、労災かくしの実態把握に当たっては、送検件数のみによることなく、相談件数、是正指導件数、労災申請を断念した事案、労災保険給付の請求又は受給を理由とする退職勧奨、復職拒否、雇止め、配置転換、評価上の不利益その他不利益取扱いに関する相談等も含め、労働者が労災申請をためらう実態を的確に把握すること。  十三、労災支給決定情報の事業主への提供に関する運用の見直しに当たっては、提供する情報を必要最小限の範囲に限定すること。また、不利益取扱いの禁止規定を設ける等、必要な措置を検討することや、労災かくしや不利益取扱いを行った事業主に対しては情報提供を停止するなど、労働者の保護に万全を期すこと。  十四、スポットワークの通勤災害について、その働き方の特性を踏まえ、その保護に欠けることのないよう、万全を期すこと。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) ただいま小西君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 全会一致と認めます。よって、小西君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、上野厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上野厚生労働大臣。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十三分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #3671 観測 2026-08-09 00:15 JST
    改ざん検知用の値 00976c99…0a112a (未計算)

チェックポイント

記録
#3671 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
00976c99…0a112a

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。