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国会会議録

厚生労働委員会

第221回 · 参議院 · 第15号 · 2026-06-25

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-07 00:09 JST 記録 #3634 ↗

発言 206

会議録情報

令和八年六月二十五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月十九日     辞任         補欠選任      青島 健太君     猪瀬 直樹君  六月二十五日     辞任         補欠選任      木村 義雄君     脇  雅昭君      石橋 通宏君     小島とも子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         小川 克巳君     理 事                 石田 昌宏君                 自見はなこ君                 小西 洋之君                 田村 まみ君                 秋野 公造君     委 員                 かまやち敏君                 神谷 政幸君                 木村 義雄君                 福岡 資麿君                 古川 俊治君                 本田 顕子君                 山田  宏君                 脇  雅昭君                 石橋 通宏君                 郡山りょう君                 小島とも子君                 山内佳菜子君                 庭田 幸恵君                 芳賀 道也君                 川村 雄大君                 猪瀬 直樹君                 新実 彰平君                 岩本 麻奈君                 宮出 千慧君                 白川 容子君                 天畠 大輔君    国務大臣        厚生労働大臣   上野賢一郎君    副大臣        内閣府副大臣   津島  淳君        厚生労働副大臣  長坂 康正君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        川崎ひでと君    事務局側        常任委員会専門        員        佐伯 道子君    政府参考人        内閣法制局第二        部長       栗原 秀忠君        人事院事務総局        給与局次長    植村 隆生君        内閣府健康・医        療戦略推進事務        局次長      江澤 正名君        警察庁長官官房        審議官      服部  準君        個人情報保護委        員会事務局審議        官        小川久仁子君        消費者庁審議官  尾原 知明君        こども家庭庁長        官官房審議官   竹林 悟史君        こども家庭庁長        官官房審議官   源河真規子君        こども家庭庁長        官官房審議官   水田  功君        消防庁審議官   鳥井 陽一君        文部科学省大臣        官房審議官    松浦 重和君        厚生労働省医政        局長       森光 敬子君        厚生労働省健康        ・生活衛生局長  大坪 寛子君        厚生労働省健康        ・生活衛生局感        染症対策部長   鷲見  学君        厚生労働省医薬        局長       宮本 直樹君        厚生労働省労働        基準局安全衛生        部長       安井省侍郎君        厚生労働省社会        ・援護局長    鹿沼  均君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    野村 知司君        厚生労働省老健        局長       黒田 秀郎君        厚生労働省保険        局長       間 隆一郎君        厚生労働省人材        開発統括官    宮本 悦子君        厚生労働省政策        統括官      辺見  聡君        国土交通省大臣        官房審議官    原田 修吾君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (薬剤師の養成に関する件)  (医療分野の個人情報保護に関する件)  (職業能力開発に関する件)  (労働安全衛生対策に関する件)  (介護報酬に関する件)  (感染症対策に関する件)  (子ども・若者支援策に関する件)  (医療費適正化に関する件)  (自殺対策に関する件)  (ハンセン病問題に関する件)  (障害者差別解消に関する件)     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、青島健太君が委員を辞任され、その補欠として猪瀬直樹君が選任されました。     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬局長宮本直樹君外二十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 木村義雄です。おはようございます。  それでは、実は二十年前の平成十八年度に薬学部が四年制から六年制に移行になりました。そのことに関して今日はちょっと議論してみたいと思います。  さきの健康保険法改正で、OTC類似薬の議論については制度改正として一応の整理がなされたのですが、あの議論を見ていまして強く感じたのは、本来議論すべき本丸から逃げているのではないかという点なんですね。その本丸というのは、言うまでもなく、薬剤師の役割の在り方、特に六年制移行の意味なのです。  OTCの問題というのは、薬の販売の方法や値段、価格だけのことではなくて、本来、薬剤師の専門性をどう生かすかという議論と不可分だったはずなのです。にもかかわらず、そこは深掘りされずに終わりました。  まず確認いたしますが、厚生労働省として、今回の一連の議論の中で、薬剤師の職能そのものを再設計という問題意識を持っておられたのか、率直にお答えください。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  薬剤師の職能の在り方については重要な課題であると認識しております。とりわけ、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担することで、相互に独立した立場で専門性を発揮し、安全で効果的な薬物療法を実施を行う医薬分業の考え方の下で、医療の安全性を確保しながら、薬剤師が適切に職責を果たすということが重要であると考えております。  こうした観点から、チーム医療の中で薬剤師が専門性をより発揮できるよう、対人業務の充実等の施策を進めているところでございます。加えて、地域における薬局薬剤師の機能も、処方箋調剤を担うだけの存在ではなく、健康相談、OTC医薬品の販売など、健康増進支援機能も含めた形への見直しを進めているところでございます。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 今の答弁を伺っていまして、まあそこが非常に問題だと思っているんですが、今局長は、重要だとか進めているとか、そうおっしゃっていましたけど、現場は本当にそうなっているのかということなんですね。  薬学部を六年制にしたとき、これは大きな政策判断でした。実は私自身もその決断に関わった者として申し上げますけれども、何をやろうとしていたのか、これははっきりしていたはずなのですね。当時は、薬剤師が薬局の中に閉じこもるのではなくて、患者に向き合い、薬物療法に主体的に関わり、医師と同じくらいの臨床対応能力を身に付けるために臨床教育を強化するということでした。臨床、患者を診るということなんです。二年、二年を延ばして六年制にしたわけですけれども、これは単に勉強量を増やしたという話ではなくて、役割を変えるという制度改革だったはずです。  ところが、現状はどうか。現場を見ればまだまだ多くの薬剤師が、まあ少しは改善しているところもあるのですけど、依然として調剤業務に時間を取られています。いわゆる対物業務というやつですね。この対人業務、患者を直接診る、薬物療法に主体的に関与する、そういう姿にどれだけなっているのでしょうか。率直に言って、あの制度改正の狙いはまるで実現していないのではないでしょうか。  ここで伺いたいのは、評価ではありません。なぜ実現できていないかです。制度は二十年前に変えたんですよ、二十年前。教育も変えた。にもかかわらず、現場が変わっていない。ちょっとカタツムリのごとくの歩みであったかもしれませんけどね。であれば、それは現場の問題ではなくて、制度の運用あるいは政策の持っていき方の問題ではないでしょうか。  さらに、ここでより考えねばならないことは、薬剤師の魅力が低下しているんじゃないかという、そういう感じがしてならないんです。特に、薬学部に進学した人たちの意欲が低下しているのではないでしょうか。国家試験の合格率も決して褒められたものではありません。むしろ毎年、残念ながら、薬学部廃校する、そういう動きが、そういう話も出ているわけであります。  この最大の背景は、せっかく六年制になったにもかかわらず、やっていることはテクニシャンでも十分にできるし、最近は自動調剤機というものが取って代わろうとしているのが現状なんですね。これじゃ四年制と全く同じじゃないですか。薬剤師の医療人としての崇高な使命は一体どこに行ったのでしょうか。  厚生労働省は、六年制の導入の狙いと現状との関係をどう総括するのか、しっかりお答えいただきたいと思います。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  薬学教育六年制につきましては、先生御指摘のとおり、臨床における実践的な能力を有する薬剤師を養成することを目的として導入されました。これは、チーム医療の中で薬学的知見に基づき疑義照会や処方提案を行い、薬学、薬物療法の安全性、有効性、適正使用を確保する対人業務の役割を発揮することにあると考えております。  一方、先生御指摘のとおり、現場において多くの時間を取られている対物業務の効率化を図り、対人業務の充実により、薬剤師の専門性を十分に発揮していくことが重要でありまして、これは道半ばではございますが、そのために各種の施策を進めてきたところでございます。  具体的には、平成三十一年に薬剤師の指示の下で薬剤師以外の者が実施可能な業務の基本的な考え方を示したほか、令和七年の薬機法改正においては調剤業務の一部を外部委託可能とすることといたしまして、対物業務の効率化に資する各種施策を進めているところでございます。さらに、ICTや各種医療情報を活用し、対人業務の効率化も進めていく必要があると考えております。  厚生労働省としては、薬剤師が対人業務に一層注力し、その専門性を十分に発揮できる体制の構築を引き続き進めていきたいと考えております。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 これまで議論してきたとおり、六年制で薬剤師の能力は確実に引き上げられていると思うんです。しかし、まだまだ、今お話がありましたけど、制度はまだ十分に追い付いていないんです。この点、将来を見据えて考える必要があると私は思います。今はまだ医師偏在の問題という形で議論をされておられますが、将来的には、人口構造の変化の中で医師不足の地域が残る一方で、薬剤師は相対的に余剰になる時期が来るという、そういう推計もあるんです。(発言する者あり)医者は地域偏在、そう言いましたから。直美ばかり行ったら駄目なんですよ。ちょっと脱線しました。済みません。  そうであれば、今のうちから役割の再設計をしておかなければ医療資源のミスマッチを固定化することになるんです。いわゆるタスクシフト、タスクシェアリングの課題です。その一つの方法としては、私は、薬剤師法第二十三条を見直して、一定の範囲で軽医療を薬剤師が担えるようにすべきではないでしょうか。もちろん、最初から無制限にやるというような話ではありません。軽度な症状、既に診断が付いている慢性疾患、薬物療法が中心の領域、それらの点において薬剤師が一定の判断と対応を担う仕組みです。  処方箋がなければ調剤ができない、医師の処方を絶対的前提とするこの二十三条の規定は、薬剤師の役割を構造的に受け身に固定する規定でありまして、これある意味で封建時代の身分制度みたいなものじゃないですか。  その一つの例がですね、挙げますと、零売です。これもいろんな問題あるんですけど、本来は薬剤師が自らの判断で医薬品を提供し、国民の身近な健康問題に直接応えることができる数少ない機会だったはずなんですね。適切に運用すれば患者がわざわざ医療機関に行かなくて済むのですよね。三時間待って三分診療なんて今でもまだ続いていますよ。利便性の満足度が上がります。結果として、この医療費の抑制にもつながるじゃないですか。  そういう可能性を持っていたにもかかわらず、昨年の薬機法の改正ではそこをむしろ絞る方向になっていて、そこが、私にはどうしても、薬剤師の能力を生かす方向ではなくて、逆に抑え込む方向に制度が動いているように、仕方がありません。  この間も、百ミリグラムのバイアスピリンを、ちょっと医者にもらったのが足りなくなったので薬局、赤坂の周辺の薬局を歩いたけど、どこも扱ってくれない。それで、今度は逆に零売薬局に行ったら、うちは五百錠しか売りませんとか、うちは会員になってもらいますとかね、百錠しか、百錠単位ですとかね。だから何か、零売の制度が今、変な改正したからますますおかしくなって、だからこれは、当局の話によると、普通の薬局でもその程度だったら十分に対応できるということに今なっているんだそうです。だから、現場と当局の話が全然違っているんですよ。私はもう赤坂で三時間ぐらい歩いたからよく身をもって体験しましたが、三時間じゃない、もっと歩いたかな。  ここは、患者の利便性向上にもつながるし、医療機関の負担軽減にもつながる。ちゃんとやればですよ。六年制でここまで能力を高めた以上、制度がそれを受け止める段階に来ているのではないでしょうか。薬剤師法第二十三条の見直しによる役割拡大について、政府当局の、政府参考人の所見を伺います。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  薬剤師法第二十三条を含む現行制度は、医師による診断、処方と薬剤師による調剤、鑑査を分離し、それぞれが独立した専門的立場から関与することで医療の安全性を確保するいわゆる医薬分業の考え方を基礎とするものでございます。  この枠組みは、薬剤師が医師から独立した立場で処方内容を確認し、適正な薬物療法を担保する観点から重要な意義を有しており、こうした観点を踏まえれば、薬剤師の独立性を損なう制度改正には慎重であるべきであると考えております。  他方で、薬剤師の役割の充実は重要であり、健康増進薬局の推進、スイッチOTCを含むOTC医薬品の活用、地域における健康増進薬局機能の強化等により、薬剤師がその専門性を発揮できる環境整備を進めており、引き続き薬剤師の機能強化を図ってまいりたいと考えております。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 ちょっと脱線していて、何か少しずれちゃったんで。  これまで議論していたとおり、六年制で薬剤師の能力は確実に引き上げられているんですね。しかし、制度が追い付いていない。この点は将来見据えて考える必要があると思うんですが、今はまだ医師偏在の問題という形で議論されているんですが、将来的には、人口構造の変化の中で医師不足の地域が残る一方で、薬剤師は相対的に余剰になる時期が来るという推計もあって、その辺をお話をさせていただいたんですが、今の答弁では、健康増進支援、OTCの活用、セルフメディケーションの推進と薬剤師の役割を広げていく方向性は示されているわけなんですが、しかし、そうであるならば、私はどうしても一点腑に落ちないところがあるのですね。そこまで健康増進を前面に出すのであれば、なぜ薬剤師に予防接種を担わせないのか。  コロナ禍では、医療提供体制が非常に逼迫する中で、他職種には一定の役割を担ってもらいました。一方で、薬剤師については、ワクチンという最も薬剤に近い分野であっても関与させませんでした。これ、どうしても不思議だなと思っていまして、海外では薬剤師どころかボランティアにどんどん打たせているのですね。  これはどう見ても、能力の問題ではなく、制度の問題です。健康相談はやる、OTC販売やる、しかも最も分かりやすい健康増進である予防接種はやらせない。これでは役割の線引きが中途半端になっているのではないでしょうか。もっとも、このことに関してはちょっといろんな御意見があるので、ここは、ちょっと時間がないので、今日はここは省かさせていただきます。まあ、いろいろとうわさが流れていると、こういうことですね。  今お話にあったように、医薬分業の観点から制度改正が難しいのであれば、特区で限定的に薬剤師による軽医療や予防接種を試行するというアプローチは考えられないのでしょうか。更に申し上げれば、法改正に至らないとしても、少なくとも次の点は進めるべきであります。第一に、教育の強化です、教育ね。臨床の中で、慢性疾患患者のフォロー、軽度症状への初期対応、ワクチンを含めた予防医療に体系的に関与できるような実践教育を強化すべきです。  ここで文部科学省さんに来ていただいているのでお尋ねしますが、文部科学省としては、現在の薬学部の様々な課題、今後この辺どのように対処していくのか。特に臨床教育の実施に関してお考えをお聞かせいただければと思います。

松浦重和 文部科学省大臣官房審議官

○政府参考人(松浦重和君) お答えいたします。  薬学教育を通じまして、科学的探求力とともに、薬物治療の実践力を兼ね備えた薬の専門家としての薬剤師を養成し、常に高度化、多様化する医療に対応していくという課題に対応することは極めて重要であります。  そのため、文部科学省といたしましては、特に臨床教育の充実に向けて、これまでも薬学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて、薬局及び病院、それぞれ十一週間、計二十二週間の実務実習の実施を盛り込み、薬物治療やセルフメディケーションに係る実務経験を積む機会の整備等に取り組んできたところであります。  さらに、二十二週の実務実習に加えまして、患者の状態を総合的に評価することや、長期的な経過を追うことでより患者に合った薬物療法を実践することや、地域における住民向けの健康教室等の活動に参画することで、より地域における医療や予防、健康支援に主体的に貢献することなどを通じまして、薬物治療の個別最適化の経験を更に深め、薬学生の実践力を更に向上させることを目的とした八週間程度の実践実習を実施できるよう、体制整備を行うことを各大学に求めておりまして、具体的な準備を進めていくよう働きかけを行っているところであります。  引き続き、関係機関と連携し、次期薬学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂における必要な対応を含めまして、社会構造の変化に対応しながら、社会に貢献できる資質、能力を備えた薬剤師の養成に取り組んでまいります。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 今の話によると、文科省さんは、要するに、医学部では八十週間以上あったのが、薬学部では二十二週間を八週間延ばすと。前進しているじゃないですか。文部科学省さん、ありがとうございました。是非、文科、厚労、両省が力を合わせて薬剤師の魅力を更に未来に向かって発展させるために御尽力をいただきたいと思います。大きく期待をしてやみません。ありがとうございました。  質問を厚生省に戻します。今までの御説明では、制度を動かさない理由にはなっていても、試すことすらしない理由にはなっていないと思っております。正面からの法改正が難しいのであれば、特区による実証など限定的でも新しい役割を試し、その結果で制度を考えるというのが筋ではないでしょうか。  そこで、医薬局長さんにお伺いします。これまでの答弁を踏まえてもなお、特区やモデル事業といった形で段階的に実施するという発想はなぜ出てこないのか、制度の結論ではなくて、研修の仕組みについてどう考えているのか、整理をしてお答えいただきたいと思います。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 松浦審議官におかれては、御退室いただいて結構です。ありがとうございました。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) 先生御指摘のとおり、今後の役割の在り方を検討するに当たりましては、地域の医療資源の状況や患者のニーズ、薬剤師の資質、研修等も踏まえつつ、どのような範囲まで対応し得るかという視点は大変重要だというふうに考えております。  一方で、薬剤師の業務範囲の見直しに関わる事項については、医師との適切な役割分担や保健衛生上の安全性の確保の観点から慎重な検討が求められる分野であるということ、また、先生御提案の特区の取組につきましては、地域や事業者などの具体的なニーズや提案に基づき個別に検討される仕組みであることから、具体的な個別の事情を踏まえて慎重に考える必要があるというふうに考えております。  厚生労働省といたしましては、まずは現行制度の下で薬剤師がその専門性を十分に発揮できる環境整備を進めるとともに、御指摘のような役割の拡大の在り方についても、医療提供全体の中での位置付けを踏まえながら、引き続き検討させていただきたいと考えております。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 今の医薬局長さんの答弁聞いていてちょっと気になったのは、慎重に検討というお話でしたけれども、昔から言われているんですが、そもそも厚生労働省でいう検討という二文字は何もしないということと同意だと、そういってやゆされてきたんですよ。今回はそれに対して、更にその上に慎重にという二文字が付いていて、これじゃ、何か全くお話にならないと、こんな感じがいたしてなりません。それじゃ、先ほどから申し上げているとおり、現場は何も変わらない可能性があるじゃないですか。  そこで、ここでいよいよ大臣に御登板を願います。  制度の抜本的な見直しという議論に至らないとしても、現行制度の中で実際にどこまで広げていくのかという具体論は避けて通れないはずですよ。その中でも、現実的に動かせるのがスイッチOTCです、スイッチOTCだと思います。  昨年の骨太方針、骨太の話を、あんまり好きじゃないんだけど、ちょうど都合よく出ていますので。これは経済財政運営と改革の基本方針二〇二五ですね、では、当初の医師の診断や処方に基づき症状の安定している患者が定期的に服用する医薬品、もう一回言いますよ、当初の医師の診断や処方に基づき症状の安定している患者が定期的に服用する医薬品あるいは低侵襲性検体である穿刺血を用いる検査薬を含む医薬品の、検査薬の更なるスイッチOTC化、こう書いてあるんですよ、を推進することになっています。ここまでは政府として既に決定しているんですね。決定している話なんです。  更に言えば、スイッチOTCであれば、調剤を前提とする薬剤師法第二十三条、この薬剤師法第二十三条に縛られることなく、薬剤師が直接関与できる領域を広げることができるのです。制度をいじらなくたって動かせる領域なんですよ。  ですから、私としては、非常に単純に伺いたいのですが、高血圧や糖尿病などの生活習慣病などが診断が付いて長期に安定している患者の医薬品については、これはもう何年も、十何年も同じような処方箋でずっとやっている人たくさんいますよ。その長期に安定している患者の医薬品についてはOTC化を進め、薬剤師が継続的に関与できる仕組みを構築すべきではないか。  これは、患者の利便性の向上、さっき言ったように、薬局うろうろ歩かなくても済むという、こういうようなことではなくて、行ったらすぐにもらえるとか、医療機関の負担の軽減、いいじゃないですかね、地方では。医療費の効率化に資するものであり、政府の方針としても整合的です。政府の方針と厚生労働省の方針と多少違うのか、財務省の方針と多少違うのか、これ政府の方針とも整合的です。  繰り返します。能力は既にあるのです。問題は、制度が追い付いていない、あるいは役所が追い付いていないのか、その辺はあるのですけれども、海外でも余り例はありませんが、日本の薬剤師教育を考えればちゃんとできるはずであり、高血圧や糖尿病といった慢性疾患領域について本気でスイッチOTC化を進めるつもりがあるのか、大臣の御見解をお伺いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今日、委員の方から、薬剤師をめぐる様々な課題につきまして御提案をいただきました。対人業務を中心として、これから更に役割、十分に能力を発揮をしていただくためにその環境を十分整えるということは大事だということを改めて認識をしたところであります。  その上で、委員御指摘のございました骨太の方針、昨年でございますが、そこに記載をされておりますとおり、当初の医師の診断や処方に基づき症状の安定している患者が定期的に服用する医薬品のスイッチOTC化を進めることによって、薬剤師が慢性疾患患者の継続的な支援に関わる場面、こうしたことを広げていくことは大変重要な政策の方向性だと考えております。  具体的にどのように進めていくかということにつきましては、まだまだこれからという面もございます。委員の御指摘も十分踏まえながら検討をしてまいりたいと考えています。こうした点も含めまして、薬剤師の皆さんが専門性を十分に発揮をしていただけるように、実効性のある政策を進めていきたいと考えています。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 骨太の方針にここまで明確に書き込まれているのであれば、方向性は、今おっしゃられたように、議論の余地はないと思います。問題はやるかやらないかではなくて、いつ行うのか、どのスピードでやるのか、どこまで踏み込むことができるのか、そこに尽きるのではないでしょうか。  大臣とそれを支える厚生省の担当者の皆さんには、是非現場の環境、現場の変化につながる形で覚悟を持ってこの課題に取り組んでいただきたいと思います。  このように見てくると、薬学部六年制移行に一番阻害的な動きをしていたのは医薬関係局ではなくて、他の財政関係の局ではないかと強く疑うようになってまいりました。本来であれば、OTCの制度改正を薬剤師の活躍に資する制度にすべきであったにもかかわらず、財政当局の意向を忖度したのか……

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 木村委員、時間が参っております。質疑をまとめてください。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 患者の選定療養として患者負担増の話にすり替えてしまったのでしょうか。この課題の最初に、この議論の最初に、本丸から逃げているという話をしましたが、まさにこのことなんです。自分たちの都合のいい部分だけを先取りして、時間の掛かる都合の悪い部分は後に追いやってしまうという議論の仕方を実行してきた……

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 木村委員、時間が過ぎております。

木村義雄 自由民主党・無所属の会

○木村義雄君 財政当局寄りの厚生部局に、更に追従した、この場にはいませんが、一部議会関係者に強く反省を求めたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 立憲民主・無所属の小西洋之でございます。  まず、個人情報保護法の改正案が今出されていますけれども、医療情報の関連で当委員会で質問をさせていただきたいと思います。  まず、内閣府に質問をさせていただきますが、これ、病院に行ったときの診断情報などの患者さんの情報、その医療情報というものがAIの開発事業者に、何の許認可もない開発事業者に生データがそのまま渡すことができる、本人も同意もなくできるという法律になっているわけなんですが、この患者情報、医療情報というのは、もう個人情報保護法上も要配慮情報になっていて、我々、一般社会上もとても機微な、一番機微な情報の一つであることは疑いないと思います。  よって、当然、憲法十三条のプライバシーの保障、この保障の下にある情報だと思うんですが、質問なんですが、この憲法十三条のプライバシーの保障の下にある情報であるにもかかわらず、本人の同意もなくAI開発事業者に医療機関から生データを情報提供できる、そうしたことに関するこの立法事実、憲法十三条があるにもかかわらず、そうしたことをしていいという政策上の必要性と合理性、それを記した、まとめた、整理した文書というのは内閣府の中にあるんでしょうか。それをイエスかノーかで答えてください。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) 小西委員の御質問にお答えいたします。  文書として存在するかどうかについては文書としてはございませんが、御質問がありました政策の必要性、そしてこの立法事実について端的に御説明をさせていただきます。  まず、政策的な必要性につきましては、AIが急速に発展、普及する中、幅広い分野において複数の事業者が持つデータを共有し、横断的に解析するニーズが高まっている事実がございます。  このため、あらゆる分野に適用される一般法としての個人情報保護法に、新たにこの統計作成等の特例という制度を設けることを提案しております。  そして、合理性に係る立法事実について、本特例は、特定の個人との対応関係が排斥された統計作成等のためのみに個人情報が利用される場合であれば、個人の権利利益を害するおそれが少ないことから、第三者提供について本人同意を不要としております。加えて、本特例には、一定の事項の公表や目的外利用の禁止等が規定されていること、そして、本特例に違反する行為は課徴金対象となり得ることなど、個人の権利利益の保護を十分に図るための措置を併せて設けております。  これらを踏まえ、本特例を設けるに足りる立法事実があるものと考えております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 内閣法制局にも来ていただいていますが、今の質問ですが、憲法十三条との関係で、先ほど申し上げた医療情報の第三者提供、AI開発事業者への提供について、この政策上の必要性、合理性、立法事実の審査は文書としてはしていないということでよろしいですね。イエスかノーかで答えてください。

栗原秀忠 内閣法制局第二部長

○政府参考人(栗原秀忠君) お答えいたします。  御指摘の統計作成等を目的とする場合の特例の創設に関しましてですが、ただいま御答弁ございましたように、その立法事実や個人の権利利益の保護の観点からの合理性につきましての説明は受けておるところでございまして、当局としてはその説明を了としたものでございますが、お尋ねの憲法第十三条との関係でということでございますと、今般の個人情報保護法の改正案についての当局における審査におきまして、本特例の創設と憲法第十三条との関係について整理した文書を個人情報保護委員会事務局より審査資料として提出をいただいたことはございません。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 そこがまず根本的に私はおかしいと思うわけですね。  政務官に質問させていただきますけれども、別途、この医療情報については個人情報保護法の特別法である次世代医療基盤法があって、これについては、加工事業者、データの加工事業者というのはこの許認可権限、大臣の許認可権限の下に服しているわけですね。  ところが、今回の個人情報保護法の改正におけるAI開発事業者はそういう許認可制度もないわけなんですけれども、なぜ今回、同じ医療情報なわけですから、なぜ特別法の構成にしなかったのか、なぜ個人情報保護法というこの緩い一般法の体系でやったのか、なぜ特別法にしなかったのか、その理由を答えていただけますか。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) お答えいたします。  御質問ありました国による事前の許認可制度を設けなかった理由について御回答させていただきます。  まず、前提といたしまして、一般法である個人情報保護法は、まず、当事者間における自主的な取組によって適正な取扱いが実現されていることを重視し、例外的に問題が生じた場合に独立に監督機関が是正するという事後チェック型の制度となっております。このような制度的な枠組みは、活発なデータの流通を確保しながらその適正な取扱いをも実現する観点から合理的なものとして、今回のこの法案も同様の枠組みを図ることとしております。  その上で、本特例においては、先ほども御回答させていただきましたが、個人の権利利益の保護を十分に図るための措置を設けており、国による事前の許認可を受けなくても個人の権利利益の保護を十分に図ることが制度的に可能であるために、国による事前の許認可制度は設けておりません。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 だから、今おっしゃったように、当事者間でちゃんとした何か取り決め、合意があればいいとおっしゃるんですけれども、ただ、そうしたものでは大切なプライバシー権を、医療情報のプライバシー権を守れないということで、次世代医療基盤法についてはその許認可にしていると思うんですね。  かつ、活発なデータのやり取りというんですけど、いや、この医療情報って一番恐ろしい機微なプライバシー情報ですから、それは、私も医療に関するAIの開発はそれも大いにやっていただきたいと思うんですね。ただ、それはあくまでプライバシーの保障が十全に図られた上で、そういう仕組みの上でなされるべきであって、いや、AIを開発するためにいろんな情報を活発にやり取りできる社会のための個人情報保護法ですといっても、それは理由にならないと思うんですね。  なので、質問するんですが、その活発なデータをやり取りできるようになっている個人情報保護法の体系を使って一番機微なプライバシー情報である医療情報の生データの提供をやっていること自体が間違いであって、今回はやはり次世代医療基盤法のような特別法の構成を組むべきじゃないんですか。もう一度政務官に聞きます。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) お答えいたします。  まず、そもそもの今回の個人情報保護法の改正については、委員おっしゃるように、医療も含め様々な分野でのデータの活発、流動性を持たせるために改正をするものでございます。  そして、その上で、本特例というのはあくまで、様々な今申し上げたような一般法の改正を行った上で、それでもなお特別法が必要というようであれば、特別な規律を設けることについては妨げるものではありません。  以上です。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 今の答弁は、運用していろんな問題が出た場合には特別法を検討するということですか。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) お答えいたします。  今回の個人情報保護法はあくまで一般法でありますので、その上で本特例が必要ということであれば、それは御検討いただく内容だというふうに思います。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 御検討いただくじゃなくて、検討するのは政府の責任なんですけれども。  いや、今回、もう既に、この一般法の個人情報保護法において、医療情報が、何の許認可権もない、許認可にも服さない事業者の生データでどかんと提供されることが問題なのであって、それを、将来特別法が必要だということを想定し得るんだったら、それはもうこの法案を引っ込めて特別法に切り替えるべきではないですか。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) 御回答申し上げます。  先ほど申し上げたように、今回の法令については、課徴金の制度等を設けた上で、個人権利利益を害するおそれが少ないというふうに判断をして法案を提出をさせていただいております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 いや、だから、さっきの答弁は、それでも運用で足りなければ特別法で対処しなければいけないという政府としてのお考えということでよろしいですか。さっき特別法を検討するということをおっしゃったので、それを確認させてください。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) お答え申し上げます。  特別法を考えているというわけではなく、まず、これは一般法でありますので、一般法で十分な対処を図っているというふうに政府としては考えております。その上で、特別法を考えるというような状態になったときに、これはそれを妨げるものではございませんという答弁をさせていただきました。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 いや、だから、私は今すぐこれを特別法でやるべきものではないかということを申し上げているわけなんですけれども、ちょっとこれ、話がかみ合っていないんですが。  いろんな、東京、どこでもありますが、大きな病院がありますよね。そこに国民の皆さんが診断を受けてかかっているわけですけれども、そこのデータが第三者にどかんと渡されて、その第三者が清く正しい人だったらいいですよ、ただ、その清く正しい人かどうかということについて何の許認可権にも服さないわけですから、その人がどういう資質を持って、どういう組織構成をして、どういうガバナンスをやっていて、どういうルールを守っていくかということを、そういう、当事者間で決めて何か公表するということになっていますけれども、それでいいんだったら、世の中、許認可は要らないと思うんですね。だから、これこそは本当しっかり行政が責任を持って許認可の体制をつくる法律でなければいけないというふうに思います。  そもそも、憲法十三条のプライバシーの保障を受ける患者情報、医療情報について、にもかかわらず、同意もなく、かつ許認可もないところに情報提供ができるということについて、憲法十三条との関係を立法事実として整理している文書もないこと自体が私違憲立法じゃないかと思うんですよ。これ、訴訟を起こされたら勝てるんですかねというふうに私は思うところなんですけれども。  ちょっと一つ伺いたいんですけれども、なぜ生データを提供しなければ、医療分野ですね、医療分野に限って、なぜ生データを提供しなければ医療分野のAI開発ができないのか、それを説明してください。

川崎ひでと デジタル大臣政務官・内閣府大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○大臣政務官(川崎ひでと君) お答え申し上げます。  昨今のAIの進歩は大変早うございます。それゆえ、これまではテキストデータのみのAIの開発でよろしかったとは思いますけれども、現在は画像、動画あるいは診断による音声のデータというものも十分なデータとして活用されます。それゆえ、こうしたものも提供するに当たっては、今までのテキストデータであればマスキング等の対応が可能だったかもしれませんが、まさにマルチモーダルという様々なデータが活用する以上は、こうした加工を医療現場で付すのはかなり困難だというふうに判断をしております。  それゆえ、データの提供をするに当たっては、その提供事業者とのしっかりとした監査を基にやり取りを行い、そして契約しデータを渡すという、こうした流れを組んでおります。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 例えば音声データだったら、医師と患者のやり取りだとか、あるいは医療従事者間の治療行為についてのカンファレンスだとか、いろんなものがあると思うんですけれども、少なくともそれは患者の同意をやっぱり取らないと出してはいけないものだと私は思うんですけれども、ということが非常に話がよく分からないんですね。  もう一つ質問するんですが、政府の方からの説明で、カルテなど削除が容易なものについては削除して、削除というか仮名化だったんですが、そういうふうに個人情報の特性を分からないようにして提供する義務が掛かっているというんですけれども、ちょっとそのことについて説明していただけますか。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) 御回答させていただきます。  今回の統計特例等でございますけれども、あくまでも統計作成等のために必要なデータのみが提供できるということになっております。なので、今委員御指摘の創薬などの場合でございますけれども、創薬研究などの場面においては、原則としては氏名等は不要であり、これを削除して提供することが現在も通例となっているというふうに承知しておりまして、これを踏まえまして、統計作成等の場合についても必要とされる情報のみが提供されるということで、必要とされない情報については提供されないということでございます。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 今おっしゃった氏名等削除ですか、通例っておっしゃったんですが、これは法的な何か義務は掛かっていないということなんですか。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) お答えをさせていただきます。  今回法案になっております統計作成等の場合には、あくまでも統計作成のために必要なデータのみが提供されることが認められるということになっております。  そうしますと、創薬などのために氏名、住所などが不要という場合も十分想定されますので、不要という場合には、今回の統計特例の特例がお認めいただけましたら、不要な情報について提供することは認められないといったような形になると、今回の法案がお認めいただけましたらそういう形に、法的な義務になるということで御理解いただければと思います。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 じゃ、統計作成のために必要なもののみが提供が許されるということで、その反対解釈で不要なものは駄目だという、法的に駄目だという意味なんだと思うんですけど、医療に関するAI開発で名前が必要なもの、住所が必要なものって何かあるんですか。そこをお答えいただけますか。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) お答えをさせていただきます。  二つ想定があり得まして、例えば名寄せのためにどうしても必要という場合があるかもしれません、これはあくまでも仮定の場合でございますけれども。もう一つ、今政務官の方からも御指摘がございましたように、例えば音声のデータなど、必ずしも必要でないかもしれないけれども削除が非常に困難な場合というのも想定され得るということかと思っております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 じゃ、ちょっと、例えば病院のカルテですとか、あといわゆる例えばMRIだとかCTとかの診断書といったようなものについては、名前とか住所の情報を削除しない限りは、この改正法の下でもAI開発事業者に提供できないと、法的義務として提供できないということでよろしいですか。端的に答えてください。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) お答えをさせていただきます。  まず、開発しようとしているAI、AI開発であるとか統計作成の目的のために必要かどうかということがまずございます。それで、必要でないという場合について容易に削除できるものについては当然削除するということになります。  一方、先ほどの音声の話もございましたけれども、手書きで自由領域に書き込まれている場合などで、それを見付け出して完全に削除するのが難しいという場合もあるかもしれませんので、そういった場合にはその状況に応じてということはあるかもしれません。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 いや、だから、さっきのやつが、普通、カルテだとかいろんな診断書が病院にかかったらできるわけですけど、そういう一般的なカルテだとか診断書、もちろんフォーマットはありますから、御存じだと思いますけど、電子カルテにしろ診断書も全部フォーマットがありますから、名前とか住所とか生年月日書いてあるんですけど、そういうものは削除されると、この法律の下で削除される。それで、削除しなければ法的な義務に反して、ペナルティー、何か罰則などがあるんだったらそれも含めて説明してください。まず法的に削除する義務が掛かるのかどうか、それを答えてください。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) お答えをさせていただきます。  まず、御質問の趣旨として、氏名、住所が不要だった場合ということの御質問と認識をいたしました。  その場合に、御指摘のとおり、電子カルテなどについてもフォーマットがございまして、そのフォーマットのところに記載された氏名、住所については削除することが技術的に困難ということではない場合が多いと思いますので、それについて不要な場合については削除するということが十分想定されるわけでございます。  一方、手書き領域などに書かれているものというのがもしあった場合は、それはフォーマットに従って削除するのが難しい可能性もあるかもしれません。あくまでも仮定の話でございますけれども、そういったことかと思われます。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 削除しなかった場合、フォーマットにある名前、住所、生年月日など、それは罰則などが、ペナルティー掛かるのか、それを簡潔に答えてください。時間があれなので。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) 不要な情報であって削除が容易なものについては当然削除して提供することが想定されますし、それを行っていない場合には今回の特例に該当しないということになります。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 特例に該当しない場合にどういうペナルティーありますかと、簡潔に答えてください。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) 仮に特例に該当しない場合には、特例ではない一般的な個人データの第三者提供の規律が掛かることになりますので、その場合には通例ですと個人データの第三者提供のための同意が必要ということになりますので、同意なく提供した場合にはそこのペナルティーが掛かり得るということかと認識しております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 さっきの診断書などのフォーマットにある氏名などが統計作成上必要でないと、必要でないというふうにそれを判断するのは誰ですか。それは当事者間ですか。病院、医療機関とAI開発事業者だけが判断するんですか。あるいは、政府が示すそのガイドラインなどでそうしたものをきちんと拘束できるのか、それを答えてください。

小川久仁子 個人情報保護委員会事務局審議官

○政府参考人(小川久仁子君) お答えをさせていただきます。  こちら、医療データの関係につきましては、厚生労働省とも共管のガイドラインなど、ガイダンスなどもございまして、この法案についてお認めいただいた場合には、医療情報の場合にどう適用されるのかということについてはこのガイドラインなどでもしっかりとお示しをしていく予定としております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 いや、ちょっと厚労大臣、今のやり取り聞いていただいて、医療分野のガイダンスというものがあるんですけれども、私はこれ、十三条との関係も何か立法事実も整理されていないのでもう法律の体を成していないんじゃないかと私は思うんですが、かつ特別法で政策的にも対処すべきだし、できたものなので、これは法案として私は廃案にすべきだと思うんですが、仮にですよ、仮にこの法律がもし成立する場合には、今私がやり取りしたような、もう普通にそのフォーマットが各病院にあって、そこで容易に削除できるようなものについてはちゃんと削除をすると、そういうふうなガイダンスを大臣として責任持って検討する、ちょっとその考えについて答弁してください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、昨年の二月に個情委の方からこの考え方が公表されまして、それについて当時、当省の懸念点を伝えたところであります。  その後、個情委との協議を行う中で、統計作成等の詳細を定める規則あるいはガイドライン等の策定の際に、リスクに応じた具体的な対応策を明確にすることとされました。これによって当省の懸念を払拭する方法が確認をされたと理解をしております。  ですから、厚生労働省としては、こうしたガイドライン等の策定において、実際に懸念を払拭できるように主体的に関わっていきたいと考えています。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 ちょっとさっきの反対解釈ですね、統計作成上必要なものが渡せてそうでないものは渡せないというところなんですけれども、ちょっとそこも含めて、政府としてちゃんとその立法事実も含めた整理をして法案審議を求めるべきだというふうに思います。極めて問題の多い法案だというふうに思います。  次の、じゃ、質問に行かせていただきますが、ちょっと時間が。政務官、退室されますか。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) じゃ、内閣府の先生方、御退室いただいて結構です。ありがとうございました。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 じゃ、ちょっと失語症に関する質問をさせていただきます。  失語症については、自見先生とも一緒に取組をさせていただいております循環器基本法の体系の中で、基本計画、閣議決定文書の中でも、この失語症の患者さんの持っている生活、あるいは日常生活、あるいは社会生活上の大変な困難について何とか少しでも改善をしていこうということで取り組んでいるんですけれども、本当に課題が多岐にわたるんですけれども、就労支援のことですとか、あるいは基本的なリハビリの体制がまだ整っていないですとかあるわけですけれども、今日はそれを中で絞って、失語症の患者さんの皆さんの障害等級が三級までしかない、また年金等級も二級までしかないと。  この問題、この委員会でも何度か取り上げたことがありますけれども、失語症という病気、それに伴う障害の実態、また先ほど申し上げた日常生活やあるいは社会生活、あるいは年金でしたら稼得能力ですね、お金を稼ぐ、に及ぼす影響などの実態に考えると、どう考えても不合理な形になっているんですが、それを何とか改善をしたいということで、厚労省として、そうした実態のための調査研究事業なども取り組んでいっていただいているところなんですが、その政策の進捗状況について、政府参考人の方からお願いします。

野村知司 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。  失語症の方々につきましては、この失語症者の実数でありますとか、生活における障害の程度であるとか、あるいは社会参加の状況などを網羅的に調査したものというのが今までございませんでした。そういったことから、失語症の方々の生活と支援に関する包括的な把握、これが必要ではないかというふうに認識をしております。  このため、令和七年度から三か年の予定で、厚生労働科学研究、失語症者の障害等級の妥当性の検証及び生活の質の向上のための調査というものをやっております。この中で、失語症者の方の人数の把握を含め、失語症者に対する必要な支援策の検討を行う際の基礎資料の作成などを目的としているところでございます。この研究では、七年度にはまず、失語症者の実数の推計でございますとか、生活実態、支援ニーズなどを調査するための方法や項目の整理、検討を行ったところであります。本年度は、この倫理審査、調査に関する倫理審査が承認され次第、各調査を実施して、年内のデータ収集完了を目指しているという、そういう段階でございます。  この調査研究によりまして、生活実態とか支援ニーズ、こういった現状などを把握をした上で、御指摘の障害者手帳であるとか、また障害年金の等級の検討であるとか、どのような施策が必要かといった関連施策を進めていくための検討につなげていきたいというふうに考えております。

小西洋之 立憲民主・無所属

○小西洋之君 済みません、時間になってしまいましたので終わりますが、医政局長、済みませんでした、申し訳ないです。あと、また、内閣府の担当の方も申し訳ありませんが、終わらせていただきます。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 皆さん、御安全に。(発言する者あり)ありがとうございます。いつもありがとうございます。立憲民主・無所属の郡山りょうでございます。本日もよろしくお願い申し上げたいなと思います。  今回、今までの特別国会が始まって厚生労働委員会の質問の中でもちょっと恐らく初めてじゃないかなと思う技能ですね、人のスキル、これはやはり多くの日本の産業の中で必ず必要なもの、日本を支えている人が支えている多くがやっぱりスキル、これが重要だと思いますので、技能五輪や技能検定を通じて、今後、日本としてどう技能を向上していく、プレゼンスを上げていくのかというところに関して、是非大臣と政府参考人の方に御質問していきたいと思っております。  まず、技能五輪の概要についてお伺いしたいと思います。  全国大会、国際大会とあるんですが、まず全国大会は、二十三歳以下の若者を対象とした競技大会であり、今回から介護も含めて、介護の競技を含めて四十二種目での開催と承知をしております。また、国際大会は、二十二歳以下の若者が参加するワールドスキルズインターナショナル加盟国・地域が一堂に会する大会であり、本年九月には上海で六十四職種での開催が予定されているということでございます。  改めて、技能五輪全国大会及び国際大会の制度的な概要、参加規模、所管省庁としての位置付けについてお聞かせいただければと思います。参考人、お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  技能五輪全国大会は、厚生労働省が、若年層の技能の向上を図るとともに、物づくり分野等の技能の重要性、必要性をアピールすることを目的に、毎年、原則二十三歳以下の青年技能者を対象として、千人ほどの参加規模で開催しているものでございます。  一方、技能五輪国際大会は、ワールドスキルズインターナショナルが参加国・地域の職業訓練の振興、技能水準の向上を図り、国際交流と親善のため、隔年で、原則二十二歳以下の青年技能者を対象に開催しているものでございます。  厚生労働省は、国際大会への日本からの参加について所管してございます。技能五輪国際大会の参加規模といたしましては、前回、二〇二四年のリヨン大会では、六十参加国・地域より千三百十三人、日本からは五十五人の選手が参加しております。二〇二八年には愛知県で開催することが決定しておりまして、六十五参加国・地域より千七百人程度の参加を想定してございます。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  やはり、昔、技能が高い日本ということで、そうですね、高度成長期の中で日本は世界から評価されてきたと思うんですが、かつて、日本、技能五輪国際大会においては、二〇〇七年の静岡大会を中心に金メダルを多く取るという卓越した実績を誇っていたんですが、しかし、近年は中国や韓国などのやはり技術力の向上、台頭によってメダル獲得状況が変化してきていると理解をしております。  日本の技能を引き続き負けないように上げていく、その証左である金メダルの獲得に向けた今までの推移と、近年の国際競争力をめぐる現状及び課題について、参考人から認識をお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  日本の金メダル獲得数は、二〇〇〇年以降では、二〇〇七年の静岡大会で最多の十六個を獲得したのを最後に、二〇一七年大会では三個で過去最低の順位九位となってございます。しかしながら、その後、二〇一八年から、選手の競技力強化のため、企業や団体それぞれで強化を行う方法から、職種単位で職種別分科会などを設置して選手を強化する方法に変更し、二〇一九年では二個で七位、前回二〇二四年リヨン大会では五個で五位と回復傾向にございます。  近年は、大会の参加国・地域が二〇〇七年の静岡大会の四十六か国・地域から前回二〇二四年のリヨン大会の六十か国・地域へ増加しており、より一層金メダル獲得の厳しさが増しておりますが、日本で開催する二〇二八年大会に向けまして選手強化に最善を尽くしてまいりたいと考えております。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 結構、もう二十三歳で入社、十八歳で入社してから、ほぼ毎日これに特化して、ある意味青春をこれに懸けてやっているぐらい、やはり高度な技術を競い合うというところでございます。  その中で、非常に、今回、二〇二八年に国際大会開催するに当たって、同年に開催する全国大会の開催については、昨年六月なんですが、関係者の負担を踏まえ、開催見送りをホームページ上で公表されたと承知をしております。一方で、多くの関係者の皆様から開催を求める声が上がっていることも事実でございます。現在、御省において競技実務担当者や関係職種にアンケート調査を実施中であり、来月の一日を締切りとして最終決定に向けた調査を進めているとのことでございます。  我々、国際五輪を推進する議連の方も、先日、上野大臣の方に国内大会の開催を是非という要請書を手交させていただいたところですが、現時点でのその開催の可否の状況と課題、今後の対応方針について是非参考人の方からお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  二〇二八年に技能五輪国際大会の日本決定が決定いたしました。他方で、技能五輪全国大会は、企業や団体を始めとする競技関係者の負担を考慮し、同年の開催を見送ることを昨年の六月に決定したところでございます。その後、関係者、関係企業などから様々な御意見を頂戴し、さらに、六月三日に設立されました超党派によります二〇二八年技能五輪国際大会(日本・愛知)を成功させる国会議員連盟から、技能五輪全国大会について、二〇二八年の開催に向け準備を加速することとの決議をいただいております。  厚生労働省といたしましては、この決議をしっかりと受け止め、現在、職種ごとに関係者から競技実施の意向等の調査を実施しており、現時点では、競技実施の希望をいただいている職種がある一方で、一部の職種からは大会運営に従事する人員の確保に関する御意見もいただいているところでございます。  この結果などを踏まえまして、方針について判断してまいりたいと考えております。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  まさにこの全国大会というのは、御省からの支出により運営される公的な大会でありながら、競技問題の作成であったり、大会運営は民間の皆さんの協力なしには成立しない構造であるということで、まさにその難しいんじゃないかというところは人的リソースの確保が最大の課題だと私も理解しております。  開催見送りの判断に至った人的、財的な課題の具体的な実態について大臣にも御認識を共有いただきたいと思います。また、こうした課題を官民協働で乗り越えていくための取組の方向性について御見解をお願いしたいと思います。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  技能五輪全国大会の開催に当たっては、競技の実施に必要となります資機材の調達、競技課題やルールの作成、競技当日の審査や採点などを担う人員が必要となりますが、これらの確保につきましては、企業や団体を始めとする職種関係者の方々の協力が不可欠となっております。  我が国で同じ年に国際大会に加えて全国大会を開催する場合、職種関係者の方々に特に人的な面で多くの負担が生じることが想定されます。このため、国際大会と全国大会の開催時期の調整、また職種関係者の方々の負担軽減策について関係者の方々と丁寧に意見交換を行い、検討してまいりたいと考えております。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  例えば、二〇二八年に二十三歳を迎える一生懸命競技をされてきた方が、全国大会でその自分の技を皆さんに見せて競技をする機会を失うということも、あわせて、人的、今まで掛けてきた、会社も含めてですね、本人も含めた、そういう時間を考えると、是非前向きに検討いただきたいですし、それに当たっては、我々もそのリソースしっかりと確保していくような取組を、議連だけじゃなくて、多くの皆さんの協力をいただくことを呼びかけますし、我々もしっかり取り組んでいきたいと思いますので、是非前向きな結果を期待しておきたいと思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。  続きまして、技能五輪と中小企業の関わりについて、次、質問を移らせていただきたいと思います。  技能五輪は、特定の企業に限定せず、広く参加を、門戸を開いているとのことですが、溶接、旋盤、精密機器製造等の職種においては、長年培われた教育訓練プログラムであったり、練習設備を有す大手や、やはり伝統的な、その持った企業ですよね、のところに有利な実態があるのではないかと考えております。練習時間の確保、指導者の確保、費用負担という三点において、やはり企業規模の大きさが競争条件に影響しているのではないかと思います。中小企業の皆さんでも、やはりその技能って考えると、埋もれている、物すごく埋もれている人たち、本当はその競技させれば物すごい技術を持った人たちが多くいらっしゃると思います。  その中で、中小企業が技能五輪に参画することの現状と課題、そして、企業規模にかかわらず、若者が公平にそれぞれの技能を磨ける環境整備についてどのような取組を行っているか、お聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  技能五輪全国大会への中小企業の参加につきましては、例えば二〇二四年の第六十二回大会では、左官や建築大工などなりわい系の職種で多くの中小企業の参加が見られる一方で、機械組立てやメカトロニクスなど物づくり系の職種では限定的である状況が見られております。  課題につきまして一般論として申し上げませば、企業の規模や人的資源などが指導者の確保や訓練環境の整備などに影響する場合があるものと認識しております。このため、中小企業からの大会参加を支援するため、物づくり分野で優れた技能及び経験を有する熟練技能者をものづくりマイスターとして認定して中小企業などに派遣し、技能五輪全国大会に参加する選手への実技指導を行っております。また、大会に参加する選手及び指導者の旅費や競技に必要な工具などの運搬費を支援しており、これらの取組を通じて大会に参加しやすい環境の整備に努めているところでございます。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 問い三の②のところもほぼ答えていただいたと思います。やはり、この技能五輪の参加を通じて、やはり中小企業のそれぞれのプレゼンス向上、人材確保にも効果があると思うので、是非そのような形で推進をしていただければと思っております。  続きまして、問い四、技能人材の確保についてお伺いしたいと思います。  技能五輪には、若者、若年者、学生向けの別枠競技大会が設けられていると聞いております。高校生、専門学校生、職業訓練校生等も参加できる仕組みがあるということでございます。一方、私立高校の無償化、いいことなんですが、その影響もあって、なかなか、専門校、工業高校、専門学校への進学者が減少傾向にあるとの懸念や打ち上げがございます。工業高校等における技能五輪関連のプログラムであったり部活動的な取組を通じて、若い段階から物づくり人材の裾野を広げていく方策について、政府の取組をお聞かせください。お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  厚生労働省では、若年技能人材の裾野の拡大を図るため、工業高校の生徒など、企業などに就職していない原則二十歳以下の若年層を対象に、毎年、若年者ものづくり大会を開催しております。開催に当たりましては、大会開催地の都道府県と連携し、広く大会開催の周知、広報に努めるとともに、関係団体や学校などに大会への参加を促す取組やものづくりマイスターによる大会出場選手への実技指導などの支援を通じ、大会に参加しやすい環境整備に努めております。  引き続き、若年者ものづくり大会開催の周知、広報などに取り組み、若年者に大会への参加を促すことにより技能人材の裾野の拡大に努めてまいりたいと考えております。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  今、広報活動もということなんですが、やはりサッカーのワールドカップ盛り上がっているんですが、この技能五輪も、結構過去にNHKスペシャルか何かで、二〇〇七年か八年の、ある自動車メガサプライヤーの方の取組をやっていて、国際大会のときに、実は審査員というかその大会の運営側が用意した図面の間違いを指摘して、競技をストップさせて、修正させて実は競技をしたという、なかなか、物づくりの私も現場出身なんですけど、とてもその図面の指摘まで見ると、どうしてもかみ合わないと、で、チェックしたところ、そういったものをあえて審判の方に指摘するという、本当に感銘を受けたんですが、やっぱりそういったところをもっと、今テレビを見る若者も減ってきている中で、ユーチューブ、SNS等を通じてもっとこういった、スポーツ競技みたいにもっと周知する必要も、こういうやっぱり技能五輪に対する興味であったりそれぞれの産業に対する魅力、そこに働いていくというところにつながると思うんですが、そのメディア活用や広報戦略について政府の取組方針をお聞かせいただけたらと思います。お願いいたします。

宮本悦子 厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。  技能五輪を含め各種技能競技大会の社会的な認知を高めることが重要と考えており、物づくりや技能尊重の機運の醸成を図るため、関係機関と連携し、各種競技大会の情報をまとめた特設ウェブサイトの開設、競技のライブ配信、ポスター、パンフレットの関係団体や教育訓練機関等への配布などにより、大会の認知向上に努めております。  また、二〇二八年国際大会の日本開催を契機として、全世代型リスキリング国民運動を実施し、国際大会を含め、全国的かつ訴求力のある周知、広報キャンペーンや、小中学生を対象に、国際大会や技能五輪のメダリストなどに協力をいただき、実践的な技能体験などを通じた技能五輪の魅力を伝える取組などを行うこととしております。  引き続き、未来を担う世代に技能への関心を持っていただき、技能人材の育成や技能振興につながる周知、広報に努めてまいりたいと考えております。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 ありがとうございます。  最後に、大臣にこのセクションをお伺いしたいと思います。  やはり技能五輪は単なる競技大会じゃなく、先ほどの企業プレゼンス向上、それのその先ですね、日本の産業を世の中にやはりアピールしていく、そして競争に勝っていくところにつながると思います。やはり社内だけではなく社会に貢献する、先ほど、ものづくりマイスターの人材を送り込みながら、また更に育成をしていくという好循環が生まれていくと思います。  そこで、今後、国内の大会開催の検討も含めて、大臣に、今後の物づくり人材育成に向けた覚悟と決意をお伺いしたいと思います。お願いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) これまで我が国の経済成長をお支えをいただいたのは、やはり物づくりの技術であり、そうした技術を有する多くの人材の皆さんのおかげだというふうに思っております。  そういった意味で、今これから人口減少に直面をし、また若者の皆さんの技術離れといったことも指摘をされている中で、先ほど来委員から御指摘のあるとおり、若い技能者を始めとする技能人材の確保、育成、そして技能の継承、そうしたことは本当に大事なことだというふうに考えております。  厚労省におきましては、これまでからも、技能五輪全国大会のみならず、若年者のものづくり競技大会や技能グランプリなど様々な機会を通じて、若年技能者から熟練技能者まで幅広い層の技能の人材、技能人材の育成を進めてまいりました。また、二〇二八年には国際大会が開催をされますので、これも我が国の優れた技能を伝える絶好の機会だというふうに考えております。  そうした大会の開催を契機といたしまして、これまで以上に、技能五輪も含めた各種技能大会の周知、それから参加促進に向けた取組、こうしたものをしっかりやっていきたいと考えておりますし、技能が持つ本来の魅力の発信であったり、あるいは技能を尊重する機運の醸成など、各般の施策にしっかり取り組んでいきたいと考えています。

郡山りょう 立憲民主・無所属

○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。是非前向きに推進していくようにお願い申し上げたいと思います。  ちょっと時間がないので、技能検定、誰でも受けれるチャンスがある技能検定制度についてはまた次回質問をさせていただきたいと思います。  最後になるんですが、実は技能五輪もやっぱり物づくりのイメージあるんですが、やっぱりサービス業、例えば料理だったり、美容師、理容師もそうですし、園芸もそうですし、服飾関係もそうですし、今回入った介護も結構なボリュームの中の競技内容になっているんですね。是非そういったものをもっと周知をして、それぞれの産業にマッチングした若い人たちがそこの産業を担う人材になっていって、日本産業、日本経済を盛り上げるようなことにつながるように、引き続き私も協力していきたいと思いますので、最後にそのことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 おはようございます。国民民主党・新緑風会、庭田幸恵でございます。  私は、国会議員になる前、ある小論文にこう書いております。なぜ日本人は幸せを感じられないのかと。あれから一年余りがたちましたが、今も同じ問いを持っています。日本には、医療、介護、そして福祉制度がございます。しかし、制度があっても、助けてと言えず苦しんでいる人がいると思っています。今日は、誰かを支える、人が孤立しない社会という視点から質問をしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  さて、内閣府の調査では、孤独感をしばしば、そして常に感じると答えた人は全体のおよそ四%。また、時々感じるまで含めると四割を超えています。特に、働く世代では孤独感は決して低くはございません。管理職だからなかなか相談ができない、経営者だから弱音を吐けない、そして家族を介護しているから自分の悩みは後回しにしてしまう。医療、教育の現場でも、人を支えている人ほど一人で抱え込んでしまうことがあると思います。  私は、会社を経営する中で、ある管理職から、部下の悩みは聞くけれども自分の悩みは話せない、夜なかなか眠れないと打ち明けられたこともございます。責任感が強い人ほど、助けを求めることができない、支援につながりにくいという現状があると思っています。  孤独・孤立対策というと特に高齢者や若者に目が向きがちですが、私は人を支える側が孤立しているという問題を今後の孤独・孤立対策の重要課題として位置付ける必要があると考えております。  そこでお伺いします。  働く世代の孤独、孤立、とりわけ管理職、経営者、介護者など、人を支えている側にある人の孤立を厚生労働省はどのように認識をしているのか、政府参考人にお伺いします。

辺見聡 厚生労働省政策統括官

○政府参考人(辺見聡君) 孤独・孤立対策推進法に基づきまして政府が定めております重点計画におきまして、孤独、孤立の状態は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものと記載されているところでございます。  厚生労働省といたしましては、関係省庁の一つとして職場や地域における孤独・孤立対策に取り組んでいるところでございますが、御指摘の人を支える立場にある方も含めまして、孤独、孤立の状態が何人にも生じ得るとの認識の下、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図っていくことが重要であると考えております。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 既に制度はあるという御答弁をいただきました。  職場において、管理職は本来ゲートキーパー、自殺対策における命の門番として広く知られております。悩みを抱えている人に管理職が気が付いて、声を掛けて、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守る役割の人のことを指します。しかし、私が思うのは、このゲートキーパー自身が孤立している場合が昨今多いのではないかということです。このゲートキーパー自身が孤立していては、誰をも支えることができません。部下の異変に気が付いて、声を掛けて、必要な支援につなぐ、そうした役割を強く担っているのが管理職であり、また中小企業では経営者である場合が多いです。  しかし、私は時々不思議に思うことがあるんです。それは、同じ労働者、人間、働いている人なのに、なぜ支える側には弱音を吐く場所が少ないのだろうかということです。制度はあります。確かにあります。しかし、弱音を吐く場所が少ないと思っています。  先ほど、ちょっと委員会途中、上野厚労大臣が大きなあくびをしているところを見て、例えば上野厚生労働大臣が孤立や、ちょっと疲れたなといったときには、厚生労働省のトップでありますから、一体どなたに相談をするんだろうと頭の中をよぎった次第でございます。  同じ人間なのに、従業員には産業医がいて、相談窓口があって、休職制度があります。しかし、上野厚生労働大臣のように人を支えている側、支える立場の側はどうでしょうか。リーダー、経営者、支援者、ケアをする方など、支える側に弱音を吐く場所が少ないのは、社会通念上、責任の重さ、そしてケアする側、例えば厚生労働大臣は強くあるべきという無意識の規範が関係しているように感じております。  警察庁の統計によりますと、二〇二五年の年間の自殺者数、これ暫定値でございますけれども、過去最少の一万九千九十七人、統計開始以来初めて二万人を下回りました。しかし、二万人です。これ、私の地元の市町村の人口よりも多いです。二万人の方が自ら命を絶っているという現実が日本にはあります。依然として男性の自殺者数は女性のおよそ二倍以上。  私、この孤独・孤立対策、自殺対策を、支援を必要とする人への対策にとどめず、弱っている方を支援するということだけではなく、支援をしている側、例えば管理職、経営者、そして介護をしている方、医療、福祉の従事者など、人を支える側のメンタルヘルスや相談支援を明確な政策対象としてそろそろ強く位置付ける時期に来ていると考えます。  そこでお伺いします。  現在の孤独・孤立対策、自殺対策において、支えている人を支えるという視点を今後どのように強化していくのか、大臣にお伺いしてよろしいでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、孤独・孤立対策推進法に基づいて政府が重点計画を定めておりますが、その計画の中におきましては、御指摘の職場での孤独、孤立も含めた社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を進めることとしております。  厚労省におきましては、この孤独、孤立というのは人生のあらゆる段階において何人にも生じるものだと、そうした認識でございます。ですから、職場や地域での取組など、包括的な対策に取り組んでいるわけでありますが、当然ながら、今御指摘のあったとおり、経営層の方、あるいは管理職の方の相談にも対応しているところであります。  こうした委員御指摘の、いわゆるゲートキーパーというお話がございましたが、経営層や管理職の皆さんが職場において孤独、孤立になりやすい、そうした議員の問題意識、こうしたものは十分受け止めさせていただきたいと考えております。  その上で、具体的にどういった対策をするか、関係省庁とも連携をしながら、重点計画の取組などを着実に進めていきたいと考えています。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 この問題は本当に解決するのが難しいなと私自身も感じております。何人にも生じ得るというのがこれ肝でして、孤独、孤立、これいっときは幸せに暮らして仕事をしていても、病気になったり、介護を抱えたり、育児の途中、誰もが孤立、孤独になるということをちょっと感じております。  次に、職場における人間関係についてお伺いしてまいります。  私は富山で会社を起業して、五十人のスタッフと働いてまいりました。その中で感じたのは、ハラスメント防止の重要性が認識される一方で、要は、注意する側の管理職がパワハラを気にし過ぎて、どこまで注意をしていいのか、どんなふうに注意していいのか分からない、部下との距離感が難しい、声を掛けることすらためらってしまうというふうに言う場面が増えているということです。  パワハラ、ハラスメント防止は確かに重要です。しかし、だからといって、指導しない、関わらないという職場をつくることが本来の目的ではないはずです。今後は、安心して指導できる管理職教育、相談しやすい職場の風土づくり、心理的安全性の高い職場形成を、これ企業任せにするだけではなく、国も一緒に考えていく必要があるのではないかと考えます。  そこで伺います。  厚生労働省は、ハラスメント防止と人材育成、そして相談しやすい職場づくりをこれどうやって両立をさせていくべきだと考えているのか、また現在どのような課題があると認識をしているのか、お伺いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、職場におけるハラスメント対策については、その防止を図るため、関係法律によりまして、事業主に対して相談体制の整備あるいは事後の迅速かつ適切な対応など、雇用管理上必要な措置を義務付けているところであります。  その上で、ハラスメント対策を適切に実施をしていくためには、やはり職場におけるコミュニケーションというのは非常に大事だというふうに考えています。その上で、コミュニケーションの希薄化など職場環境の問題、こうしたものを解消していくことが重要だと考えております。  それぞれハラスメントの防止指針がございますが、その指針においても、職場におけるコミュニケーションの活性化や円滑化を図るための取組を行うことが望ましい、そうしたことを示しているところでありますので、引き続き、こうした職場の円滑なコミュニケーションの重要性も含めたハラスメント対策の周知啓発、また労働局による事業主への指導などを通じた法律の履行確保など、職場におけるハラスメント対策に取り組んでいきたいと考えています。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 そうですね、本当に、コロナ禍以降、リモートワークが増えて、なかなか職場のコミュニケーションが円滑に進まないというような会社も多くなってきていると思います。今リモートから現場での仕事に戻ってきている会社がある反面、そのままリモートというところもございます。職場の人間関係によって防いでいくというのは私も非常に重要だと感じています。  続いて、離職についてお伺いします。  健康上の理由による離職者は毎年一定数存在しています。厚生労働省の調べによりますと、年間数十万規模に上ります。また、総務省の労働力調査では、一七・二%が健康上の理由で退職、離職というふうにデータもございます。  ただ、私が気になるのは、病気ではないけれども、不調を抱えながら働く、いわゆるプレゼンティーイズムによる経済損失、これ年間数兆円規模に達していて、日本企業の全体でおよそ七・三兆円に上るという最新の試算もございます。これは、体調不良による欠勤や直接的な医療費を大幅に上回る規模で、経営においても見過ごせない隠れたコストとなっています。  私は、これからの時代は、離職というのを病気、それから介護、看護、育児という制度上の分類だけで見ていては本当の姿は見えないのではないかと思っています。二元論で捉えるのではなく、更年期、睡眠障害、慢性疲労、メンタル不調、このプレゼンティーイズムを背景とした就業継続困難を労働政策上の重要な課題として明確に位置付ける必要があると考えております。  政府は、こうした健康と病気とのはざまにいる人たちの離職実態を把握しているのでしょうか。また、今後の労働政策において、不調による離職という視点を持つお考えはあるのか、これも大臣にお伺いしてよろしいでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず一点目でございますが、総務省の就業構造基本調査、令和四年ですが、これによりますと、過去五年間に前職を辞めた方が約二千万人いらっしゃるわけでありますが、その離職理由別の人数を見ますと、病気、高齢のためを理由とされる方が約二百十六万人となっております。委員の御指摘にちょうど当たるわけではございませんが、統計上はそのような分類で把握をさせていただいております。  また、委員から御指摘がありました健康と病気の間にいる方たちについては不調による離職と、そうした視点を持つことの大切さにつきまして今御指摘をいただいたと考えておりますが、仮に心身の不調を感じて離職までお考えになるようであれば、まずは医療機関を受診をしていただくということも考えられるのではないかなというふうに考えています。  ただ、いずれにいたしましても、心身の不調を理由とした望まない離職とならない、こうしたならないようにしていくということは大切でありますので、誰もが安心して健康に働き続けることができるように、労働者の皆さんの心身両面の健康の保持増進に様々な制度なども活用しながら取り組んでいきたいと考えています。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 本当に大きな数、二百十六万人の方が健康上の理由で離職をしているという数値データも大臣から御答弁いただきました。ありがとうございます。  次に、見えない健康課題への支援について伺ってまいります。  四十代、五十代、ちょうど私も五十代なんですけれども、企業でも、地域でも、そして家庭でも中核を担う世代でございます。しかし、先ほどからも言っているように、不調があってもまだ頑張れる、それから周りに迷惑を掛けられないと考えて、我慢しながら本当に無理をして働いている方も少なくないと思います。  私は、更年期、これ男性も含めてです、それから睡眠障害、介護疲れなど、一つ一つを別々に扱うのではなく、見えない健康課題による就業継続支援として横断的に、もう省庁横断的に政策を整理する必要があると思います。  政府は、更年期、生理痛、睡眠障害、慢性的な疲労、介護疲れ、そして、前回、私質疑させていただきましたけれども、感情労働による消耗、そして男性の更年期などを含む見えない健康課題が就業継続に与える、昇進の辞退、業務量の削減などへの影響をどのように認識をされているのか、政府参考人にお伺いします。

安井省侍郎 厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(安井省侍郎君) お答えいたします。  御指摘の健康課題というのは大変多岐にわたるものでございまして、その原因あるいは就業継続に与える影響についても様々であると考えてございます。  何らかの疾患や症状を抱えながら出勤して業務遂行能力や生産性が低下している状態でありますプレゼンティーイズム、この観点から個別の要因について調査したものが幾つかあると承知してございます。  例えば、疲れている又は元気が出ない、背中又は腰の痛み、睡眠に支障があるといった身体症状についての調査の結果によりますと、当該身体症状の深刻度が高い群が業務パフォーマンスが低いスコアに多く分布する、そういった身体症状と業務パフォーマンスとの関連を示唆する結果もあるところでございますが、プレゼンティーイズムには身体症状以外にも様々な要因があると考えているところでございまして、更なる科学的知見の蓄積が待たれるところでございます。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 御答弁ありがとうございました。  最後に、回復できる職場づくりについて伺ってまいりたいと存じます。  人はいつも万全の状態で働けるわけではありません。しかし、今の日本の職場は、元気に働ける人を前提に制度が組まれている面があると思っています。私、これからの人手不足時代には、誰もが常に健康で働くことを前提とするのではなく、不調になることがあっても休んで、少し休んで相談して、そして回復して再び働ける、そうした職場を増やしていくことが極めて重要だと考えています。  今、人口減少時代でございます。人手不足対策とは、新しい人を、もう新しい人、人口減少ですからなかなか社会に出るまで時間掛かります、探し続けることだけではないと思っています。今いる方が健康を理由に離職しなくてもよい環境をつくることも重要な人材政策だと思っています。  オランダですとかデンマーク、イギリスでも様々な取組があります。イギリスでは、メンタルヘルス・ファーストエイドという考え方が広がっていて、職場の管理職だけではなく同僚までもが気を配る、目配りするというような、そういった仕組みがもう導入されています。  そこでお伺いします。  海外の事例にも学んでいきたいと思いますけれども、不調になってももう一度働き続けられるようにするため、相談窓口の周知、地域産業保健センターの活用、中小企業への相談支援体制の充実を今後どのようにもっと進めていくのか、所見をお伺いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、誰もが安心して健康に働くことができる、これが大切でありまして、先ほど来委員から御指摘がありますとおり、仮に何らかの不調に陥ったとしても、そこから回復をしていただいて、また元気に活躍をしていただけるような、そうした環境、職場、それをつくっていくことが大事かというふうに考えております。  そういった意味で、労働安全衛生法では、労働者の心身両面の健康保持増進措置を事業者の努力義務としておりますが、その大臣指針におきましては、事業場内における産業保健スタッフの配置であったり、あるいは健康相談窓口、これ社外の健康相談窓口などを活用した相談体制の整備であったり、そうしたことを示しているところであります。  また、都道府県にも設置をされておりますが、産業保健総合支援センター、ここに産業保健の専門家を配置をしておりますので、労働者などからの相談対応、訪問支援等に無料でも対応しております。  こうしたことによりまして、とりわけ中小企業の皆さんにもしっかりとした支援が行き届くようにとりわけ努めていきたいと考えています。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 御答弁ありがとうございました。  最後にお伺いします。  私、様々な現場を見てまいりました。部下を支え続けながら自分の不調を相談できず限界まで頑張る管理職。会社を、小さな会社を守ろうとして心身の不調を抱えながら孤独の中で働き続ける中小企業の経営者。そして、家庭では介護を担い、職場では責任を担い、自分の不調を後回しにしている働く世代。私はこうした人たちを自己責任で片付けてはならないと思っています。  これからの日本において健康離職ゼロを目指す社会をどのように描いていらっしゃるのか、大臣の所見を伺い、私の質問を終わりたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今日の議論の中でも、委員から数々御指摘をいただきました。  労働者、また経営層や管理者層も含めまして、そうした皆さんお一人お一人が心身の健康を確保して、生きがいを持って能力を最大限発揮をしていただけるような、そうした環境整備が必要だと考えています。  厚労省におきましては、労働安全衛生法による指針によりまして、健康保持増進措置の実施を進めているところでありますが、また、現在、攻めの予防医療と、そうした観点からも職場での健康保持の増進、それも進めることが必要だと考えておりますので、指針の見直しなども含めて検討を進めております。  こうした各般の施策の中で、まさに委員がおっしゃるような健康離職ゼロと、そうしたことを目指す社会が実現ができればと考えているところであります。

庭田幸恵 国民民主党・新緑風会

○庭田幸恵君 質問を終わります。ありがとうございました。

田村まみ 国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いします。  まず、ちょっと二番目の方の質問を先にさせていただきたいと思います。  今日は、消費者庁参考人にお越しいただいております。ありがとうございます。  先日議論させていただきました社会福祉法の改正の中での成年後見制度のところ、ここにまつわる質問もさせていただきました。  この国会では、成年後見制度の改正も法務省の方で行われておりまして、後見、保佐、補助、この三類型、補助に一本化して終身制を廃止、本人の意思を尊重した柔軟な制度に改正されていくと。今回、社会福祉法の改正によっては、地域権利擁護相談センターを設置可能としていく、身寄りのない高齢者への事業、自治体の支援会議の連携など相談支援の強化、こういう改正がされていました。  そこで、私自身、昨年までは消費者委員会にも所属をして、るる見守りネットワークの質問もさせていただいておりました。消費者庁は、認知症などで判断能力が不十分な高齢者、いわゆる脆弱な消費者の方たちを悪徳商法等々の被害から守るために消費者安全地域確保協議会、見守りネットワーク、これを取組進めてきました。ただ、全ての地域、自治体で実施できているわけではありません。五月の現在時点の数字としては、協議設置自治体が五百八十七、全体でいけば四割も行っていないような状況です。  こういう中で、今回、この地域の連携できる支援会議の中に、この見守りネットワーク、ここも含まれるのかということを厚労省の方に質問させていただきました。そうすると、含まれるということ、そういう答弁いただきました。  そういう中で、今後の施策を推進するに当たって、この協議会の在り方、設置、そしてこの見守りネットワーク、ここをどういうふうに連携していくかというのは大変重要だと思います。自治体の取組ではありますけれども、この支援会議との連携が進むということでの消費者被害対策、どのように資するか、消費者庁の考えと推進に向けての考え、お示しください。

尾原知明 消費者庁審議官

○政府参考人(尾原知明君) お答え申し上げます。  消費者安全確保地域協議会は、消費者安全法に基づき、高齢者等の配慮を要する消費者の被害防止、救済に向けて、地域の多様な主体の参画により、その中でも、見守り体制の構築を目的としております。その中でも福祉関係者は、高齢者等の配慮を要する消費者と接する機会が多い主体として重要な連携先であると考えております。  他方、地域協議会の課題として、福祉部門の参画や同部門との連携が進まない、既に福祉部門において類似の会議やネットワークが存在し、新たに地域協議会を立ち上げるのは容易ではないなどの声をいただいておるところでございます。  消費者庁はこれまで、地域協議会への福祉関係者の参画や地域協議会設置に際し、既存の福祉等のネットワークを活用し、そこに消費者への見守り機能を併せ持つ形で地域協議会を設置することを含め、地域の実情に応じて適切な設置形態を検討いただくよう働きかけを行ってまいりました。  今回の改正社会福祉法においては、福祉サービスの提供体制の確保等に関する国及び地方公共団体の責務として、新たに消費者の利益の擁護及び増進に関する施策との連携が規定され、その中で、頼れる身寄りがない高齢者等を支援する事業を創設すること、判断能力が不十分な方の権利擁護支援の中核的な役割を担う地域権利擁護相談支援センターを設置可能とすること、支援会議が地域協議会等の関係会議と相互に連携を図ることとされております。これにより、国と地方における福祉部門と消費者部門との連携が進展し、地域協議会の設置促進や消費者への見守り活動の実効性向上を図る上で強力な後押しになると期待しております。  消費者庁としては、引き続き、厚生労働省を始めとした関係省庁と緊密に連携しながら、地域住民の消費生活におけるセーフティーネットとしての地方消費者行政の強化に努めてまいります。

田村まみ 国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 答弁ありがとうございます。  間にありました、新たに立ち上げるのが困難と、似たような支援会議、協議会があるから無理なんだという、こういう答弁、消費者委員会でもたくさんいただきました。自見理事も元々大臣されていて、その答弁聞いたり、答弁されたりしたこともあるというふうに思います。  そういう中で、今回、地域会議との連携ができるということなんですけど、そもそも立ち上がっていなかったら連携ができない。だったら、やっぱりどうやって今ある協議会にこの見守りネットワークの機能を持ってもらうかという、こういう視点で進めていかなければ、消費者被害を防ぐというところだけでの協議会立ち上げるのはやはり難しいと思います。  それはなぜかというと、重層的支援体制事業の数を見ても、やっぱり自治体全てに設置できていない。三三・六%の自治体ですし、何よりもやっぱり小規模の自治体は設置数が少ないという状況ですので、是非この視点を持ってもらって、消費者庁には脆弱な消費者を守っていくという視点持って進めていただきたいというふうに思います。  また、今日答弁求めませんが、厚労省、厚労大臣にお願いしておきたいんですけれども、先ほど庭田議員も、るる相談の支援体制が必要だということを幾つかの質問の中で類型出しながら言っていましたけれども、今、厚労省として本当に、この重層的支援整備体制事業も包括的な支援体制整備も、今言った消費者の見守りネットワークも、いずれも努力義務、現場が今ある状況でやっているところを、推進できるためにといって新たなものをつくってつくってつくっています。そして、内閣府の方では、孤独・孤立対策推進法の中の地域協議会もまだまだあります。  こういうふうに、名前が付いて、あっ、私そこに関係するということで、何ですかね、アウトリーチ、タッチポイントが増える、こういうプラスの面はあるんですけれども、結果的に中身としての充実というのが分散していたり、協議会に出るメンバーが全部重なっている、また、予算がそれぞれに付くから、ちびちび、ちまちまで、しっかりやらなきゃいけない支援ができない、こういう課題をもう一度認識いただいてきちっと整理をするという、ここは、私、厚労省が旗振らないとできないというふうに思います。  これ、今日は課題を投げかけるだけで、また質問させていただきたいというふうに思いますので、是非この点については今回の社福法の改正した中で同時に検討いただきたいということをお願いしておきたいですし、そのために、あえて今日、消費者庁の参考人にもお越しいただきました。ありがとうございます。  続いて、三問目の訪問介護の報酬体系について質問させていただきます。  ここについても、社福法の改正の中で、そもそも中山間地の介護の問題を考えるんだったら報酬が問題だろうというのは、もう本当に全ての会派の議員から出たというふうに思います。六月十日の、私、参議院本会議で、地域の実情、事業形態等が異なる訪問介護事業者の区分を分ける方向で見直すべきだという質問をさせていただきましたが、大臣からの答弁は、今年度実施している介護事業経営実態調査において経営状況をきめ細かく把握した上で、九年の報酬改定に適切な単価、検討をしていくという答弁にとどまっています。  過年度までの介護事業経営実態調査において、事業者の立地や規模、戸別訪問型、住宅型有料老人ホーム併設型など、いわゆる業態、形態が違う、こういうことによる報酬や経営の状況、そういう特徴が分かったことがあれば参考人の方からお答えください。

黒田秀郎 厚生労働省老健局長

○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。  訪問介護事業所の経営状況につきましては、委員御指摘くださった介護事業経営実態調査、あるいはそれに先立つ概況調査、それから様々調査研究も行っておりますので、そうした中で明らかになっていることをベースに議論していくということは先生御案内のとおりでございます。  こうしたものの中で、先日大臣からもお答え申し上げましたように、訪問介護事業者の経営状況につきましては、地域の特性、事業所の規模、事業形態等によって様々だということで基本的には認識してございます。  具体的に幾つか申し上げますと、例えば令和六年度の改定検証調査というようなものやっております。こうしたものの中では、住宅型有料老人ホームの入居者に係る訪問介護につきましては、戸別訪問型の提供とは異なって一回当たりの移動に係るコストが少なくて、効率的な運営が可能であるといったこと、それから逆に、中山間・人口減少地域におきましては、地域資源の状況によりやむを得ず移動距離などを要しまして、事業運営が非効率にならざるを得ない等の課題を事業者の方々が抱えていらっしゃるといったことが示唆されているというふうに考えております。  こうした特性の違いも踏まえまして、現在実施しております介護事業経営実態調査におきましても、先日大臣がお答え申し上げましたが、事業者の立地、規模、それから事業形態、この事業形態には、先ほど先生がおっしゃってくださった戸別訪問型なのか集合住宅併設型なのかと、こういったものを含みますが、こうした経営状況をまずは決算のデータ等々をベースにしてきめ細かく把握をさせていただく、これを報酬改定の議論の素地と、素材として御用意し、幅広く御議論いただくということを想定をしております。

田村まみ 国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  先日の介護給付分科会でも、全国市町村会から、市長会から、送迎時間が介護報酬で評価されないため、中山間地域などでは採算性が低く、事業撤退につながっている、こういう指摘もありましたし、調査の中でもそういう数字が出てきているというのは今御答弁いただきました。  そもそも、この訪問介護のところの報酬改定での課題というのは、私は、全く違う事業形態として言ってもいいはずの戸別訪問と住宅型の有料のところの訪問、これが一緒になって数字が出て、経営実態としていいから下げた、こんな結果が出たというのがそもそもの問題だというふうに思っているんですね。  なので、改めて大臣に、文脈上は私はいいふうに今取っているんですけど、明確に御答弁いただけていないというふうに認識なので改めて聞きますけれども、住宅型有料老人ホーム等に併設しているそういう形と、過疎地域等々も含めて戸別訪問しているこの事業者、これは全く違う経営形態ということなので、区分の見直しも含めて私は今回やっていかなければ実態に合った報酬改定できないというふうに考えています。改めて、制度の見直しの議論、この介護給付分科会を始め省内いずれの会議体でしっかりと区分の見直しをしていく、こういうことを明言していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、現行の訪問介護の介護報酬は御案内のとおりでございますが、サービスに要する平均的な費用の額、これを勘案して決定を、設定をしております。  一方で、訪問介護事業所に併設をされております住宅型有料老人ホーム等の入居者についての訪問介護等については、戸別訪問型の提供とは異なって一回当たりの移動コストなどが低いことにも着目をして、同一建物減算などの措置を行ってきているところであります。  その上でもなお過剰な介護サービスの提供によって高い収益を上げていらっしゃるような事業者がある、そうした指摘も承知をしております。  今年度実施をしております実態調査において、事業者の立地や規模、また事業形態など、経営状況をきめ細かく把握をすることとしております。  訪問介護につきましては、今月末から介護給付費分科会での議論を始めることとしておりますが、そこでの議論に適切にそうした経営状況についても反映をしていきたいと考えております。  報酬区分の見直しについては、そうした実態調査等に基づいて、まずは介護給付費分科会等でしっかり議論をしていただくことが必要ではございますが、あくまでその際には、先ほど来申し上げておりますとおり、経営状況をきめ細かく把握をした上で幅広く議論を行っていただくことが必要だと思いますので、なかなか現段階ではこれ以上申し上げられませんが、委員の御指摘なども十分踏まえた上で議論が進められるものだと考えております。

田村まみ 国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 ありがとうございます。  一つ一つの報酬改定のところではその中山間地域とかということがちゃんと反映されていくんだろうなというのは今はっきりと答弁いただいたと思うんですけれども、やっぱり最初に入口として、経営実態として経営がほかの形態よりもいいんだというふうに文言が出た上で、今回、報酬改定、訪問介護のところ下げられたという現実、ここを変えていかなければ、本当の意味で、幾ら法改正して包括的な支払の制度とかつくったとしても、訪問介護事業、ここが守れない、何よりもそれを必要としている人々の生活が守れない、そういう視点で是非議論を進めていただきたいということをお願いして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、木村義雄君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として脇雅昭君及び小島とも子君が選任されました。     ─────────────

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。  資料の一ですけれども、非結核性抗酸菌症、当委員会で何度か質疑をしておりますが、結核とは異なります。薬剤耐性を持ちますから、治療に難渋をしております。人と人との感染はないということでありますから、患者さんに対する差別、偏見が絶対にあってはならないということでありまして、水とか土とかそういう環境から感染をするということが分かっております。  一ページ目、岩手医大で、開院以来、この非結核性抗酸菌症の感染に苦しんでいるということでありまして、厚生労働省に対して支援の相談を承った次第であります。表の中見ていただきますと、左から二つ目の行ですけど、喀たんより二回検出ということで、NTM症、非結核性抗酸菌症の診断基準を満たすであろうと思われる方が十六名いらっしゃって、四名が治療介入されたということで、命に関わるようなことはないということであります。  二ページ目を見ていただきますと、その非結核性抗酸菌ですけど、地下水の中には測定感度以下と、測れない、いるかもしれませんが、測定感度以下ということ。浄水及び受水槽にもほぼ測定感度以下ということでありますが、蛇口には御覧のとおりたくさんいるということ、そしてシャワーにもいるということであります。  国立感染症研究所が支援をしてくれまして、水からこの非結核性抗酸菌を同定いたしました。それから、エアロゾルの間からも非結核性抗酸菌を同定しました。患者さんからも同定いたしまして、遺伝子型全て一致をしたということでありまして、シャワーを介した感染が起きたのではないかということが確認をされております。表の一番下に、病院内の水の滞留で顕著に再増殖したのではないかといったようなことが言われているわけです。  三ページ目見ていただきますと、文科省の科研費でも研究が行われておりまして、研究の概要と、下半分のところですけれども、塩素耐性も強いということでありますから、塩素濃度を高めていいという話には、当然病院でありますから、水に塩素濃度が高まったときには非常に不具合もあります。これも非常に困難な状況であるということであります。下の方、その概要の中を見ていただきますと、シャワーヘッドなどを交換してもまた二か月後には抗酸菌、非結核性抗酸菌がまた現れたということでありまして、非常に難渋をしています。  確認ですが、命に関わるような状況は起きていないということでありますから、一方で、こうして感染経路が明らかになっているということでありまして、四ページ目以降、岩手医大はきちんと患者さんに対して丁寧に説明も行って、不安の解消にも努めているということでありますけれども、感染、いわゆる菌が消えるということはないということであります。  厚労省に対して支援が求められておりますが、ヒアリングなど対応をお願いしたいと考えますが、御見解お伺いしたいと思います。

鷲見学 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  非結核性抗酸菌、いわゆるNTMにつきましては、水や土などの環境中に常在している菌であり、院内感染の原因となり得ることや、NTM症の国内罹患率が増加している可能性があることが指摘されていると承知しております。  厚生労働省におきましても、AMED研究によりNTMの院内感染制御の基盤構築に向けた調査を行うなど取組を進めてきたところでございますが、御紹介いただいた事例でございますけれども、現地の医療機関にヒアリングを行った上で、対応について検討してまいりたいと考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  改めて四ページ目から七ページ目見ていただきますと、これまで患者さんに対して丁寧に不安の解消を含め対応していただいているということで、いい意味で先行事例でもあり、すばらしい取組をしておりますけれども、やっぱりこの非結核性抗酸菌症というものがどういうものなのか分からないということを一から説明をしないといけない状況は、そういったものを困難にしています。  八ページ目御覧をいただきますと、先日、私、鷲見部長に対して、この非結核性抗酸菌症を啓発する期間の設定をやってはどうか、検討してはどうかと申し上げて、前向きにやると御答弁をいただいたところであります。  質疑したの、まだ十日前でありますけれども、進捗につきましてお伺いをしたいと思います。

鷲見学 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、今般の事案も踏まえまして、六月十五日の参議院決算委員会にて私自身答弁させていただきましたとおり、期間を設定して医療従事者に対して適切な検査、治療等について普及啓発を進めるとともに、一般の方にもNTM症の特性などを含めた正しい知識を分かりやすく普及していくことは重要であるというふうに考えております。  このため、九月の結核予防週間及び呼吸器感染症予防週間の期間に関係学会と連携した上で普及啓発を行えるよう、要綱を作成するなど事務的な手続を進めているところでございます。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 ありがとうございます。準備を進めていただいていることに心から御礼を申し上げたいと思います。  私、今回の事例というのは、岩手医大が国立感染症研究所とつながってとても良かったなと。きちんと水にも同定した、エアロゾルにも同定をした、患者さんにも同定をした、全て遺伝子型が一緒であったというような、きちんと感染経路を同定することができたというのは本当に良かったと思っております。その上で、治療がこれからどう行っていくのかということで、厚労省が日本結核・非結核性抗酸菌症学会始め、多様な主体と連携して治療法を定め、医療者にも患者にも普及啓発の期間を設定するというのは、非常にこれ健全な取組でとてもいいことだと思っております。  九ページ目から十一ページ目、大臣とも昨年の予算委でも議論をいたしましたけれども、じゃ、iCROWNという仕組みが一体ここにどう機能してくるのかということで、私大変期待をしておりますけれども、十ページの中段には、会議録お示しをしておりますけれども、iCROWNを介して、二行目からですけど、第三者を入れて客観的に審査を行う、そういう仕組みで治験が行われているんだったらいいんだけれども、そうではないと、患者さんに対する説明書を求めたら黒塗りで出してくると。こういったような状況では、なかなかこういった本当に困っているような医療機関に対する支援というのは私は難しいと思っております。それを大阪HIV原告団の団長でありました花井さんとも指摘をいたしました。  改めて、こういった事例、多様な主体の連携というのが非常に重要であります。コロナの手引きも五学会のコロナの診療の指針に置き換わりました。iCROWNを検討する委員にこういった多様な学会の関係者、それぞれ入っていただいて、多様な知恵を統合して、これから感染症研究、感染症対策進めていくべきかと考えますが、御見解お伺いをしたいと思います。

鷲見学 厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部長

○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。  今先生が御指摘のiCROWN事業につきましては、外部委員が参画する委員会における審議を経る体制を構築しているところでございまして、今後は日本感染症学会などの五学会から各学会を代表する方にも参加いただく方向で検討を進めていくこととしております。  厚生労働省といたしましては、JIHSが実施する臨床研究がしっかり進められるよう、そして透明性のある事業運営が行われるよう監督してまいりたいというふうに考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。  十二ページを御覧いただきますと、昨年、診療報酬改定前に、写真の中に写っております佐々木先生、西村先生を厚生労働省に御案内をさせていただきました。左側は、大臣にもお届けするように要望書も出させていただきましたが、ホスピス型住宅に訪問看護が不正に、過剰に請求を行っているのではないかという問題意識で要望をさせていただきました。  包括型にするということも検討するべきではないか。訪問介護の重要性というのは、もう百も承知であります。どれだけ訪問看護に当たる看護師の皆様方が大きな貢献をしているかということをよく理解をした上で、こういったホスピス型住宅における不正な過剰な請求は大変残念であるということで、記事の中にもありますけれども、例えば在宅ではなく施設として再分類してはどうかとか、包括化としてはどうかと、こんな御提案もさせていただきました。  十三ページ以降も、不正、過剰請求が行われている実態でありますとか、十五ページ、めくっていただきまして、一番下の段からですけど、ホスピス型住宅の多くが外部の訪問看護ステーションの利用禁止を、制限しているような例とか、必要性の低い複数回、複数人、早朝、深夜の訪問を手掛けているとかいったような状況もあるということで、十六ページ、下から二つ目のパラ、佐々木先生、西村先生は包括報酬化といったようなことも御提案をしたわけであります。  十七ページに、有り難いことに、今回、診療報酬改定におきまして、包括型訪問看護療養費ということで、これが新設をされたということに心から御礼を申し上げたいと思いますが、緊急訪問看護加算といって、これは中重度の要介護者の在宅生活を支えるためには大切な仕組みなんですけれども、またここで不正、過剰請求が同様に起こっているのではないかという懸念がありまして、厚生労働省から疑義解釈を早急に出していただいたことも大変良かったと思っているんですけど、あえて申し上げますけど、例えば表の中のハとかニとかいうのが、下のポツの、下から二つ目にありますけれども、ナースの皆さん方が常時一名以上付いている状態でありまして、病院で、例えばナースの方がいらっしゃって、ここに緊急訪問看護加算と、そこがかぶるような必要性が果たしてあるのかといったようなことなども考えますと、例えばイとかロとかいったところは、本当に訪問看護の当たる看護師の皆さん方が活躍する場面でありましょうけれども、少なくとも、常置、必置であるハとニについて、これはなくてもいいんじゃないのかと私は思っております。  適正な改定のためにどう取り組んでいくのか、御見解をお伺いしたいと思います。

間隆一郎 厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  今、ただいま委員の御提示いただきました資料の十二ページなどにありますように、一部のホスピス型住宅における訪問看護について適正化必要じゃないかという御指摘をかねてより頂戴しておりました。  その上で、今、これも委員から御紹介いただきましたけれども、今回の診療報酬改定におきましては、訪問看護ステーションが併設、隣接する高齢者住まい等に居住する利用者に対して、二十四時間体制で頻回の訪問看護を行った場合を対象とした包括型訪問看護療養費を新設をいたしました。  この訪問看護、包括型訪問看護療養費には、一日当たりの訪問時間や建物に居住する利用者の人数により複数の区分が設けられておりまして、そのうちの一部の区分、先ほど委員からもイ、ロ、ハ、ニのところの御指摘、具体的な御指摘いただきましたけれども、このニの区分は請求できないんですが、それ以外の三区分については、主治医の指示により予見が難しい重篤な症状の出現に緊急に対応する場合に緊急訪問看護加算を別に算定できる仕組みを残しておるということでございます。  ただ、ここも御指摘ございましたように、包括型訪問看護療養費は、計画的な訪問看護だけではなくて、随時の対応も含む評価でございます。だからこそ包括型なわけでございますので、緊急訪問看護加算につきましては、通常とは著しく異なる対応を対象とするものであって、同日に多数の利用者に算定するなど安易に算定することはできないとの考え方を、さきに六月十七日に疑義解釈でお示しをしました。  今後についてでございますけれども、包括型訪問看護療養費や緊急訪問看護加算について、今後、今、ただいま委員からの御指摘も踏まえまして、レセプト情報等の活用や訪問看護ステーションへの調査等によって今回の改定の検証を行いたいと考えておりまして、中医協において必要な検討を行ってまいりたいと、このように考えております。

秋野公造 公明党

○秋野公造君 そこまで見ていただくなら安心であります。  終わります。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 公明党の川村雄大でございます。  今日はこ家庁の方も来ていただきまして、ありがとうございます。  令和七年中の小中高生の自殺者は五百三十八人でありまして、統計のある昭和五十五年以降で最多となりました。本当に胸が痛みます。当然背景は一様ではありませんけれども、学業、進路不安、対人関係の悩み、心身の不調、それから家庭環境など複合的な要因が重なっていると受け止めております。  子供、若者が困ったときに頼れる居場所をつくり、特に支援の必要性が高い子供、若者にとってのセーフティーネットを整備していくということは極めて重要であると思っております。  その中で、若者団体や当事者から、予期せぬ妊娠、性感染症、性の悩み、心の不調などについて産婦人科や精神科を受診したくても、医療保険を使うと医療費のお知らせなどを通じて保護者に知らされるのではないかという不安から、受診をためらう若者がいるとの声を伺いました。つまり、家庭環境に困難を抱える若者ほど、親に知られるという不安が相談や医療へのアクセスを妨げている可能性があるわけでございます。  こうした課題に対して、子供、若者が親や学校に気兼ねなく性や心身の悩みを相談できて、必要に応じて適切な医療につながれる仕組みとしてユースクリニックという取組があります。例えば、スウェーデンでは同様のシステムが全国に二百数十か所存在しているということでございます。これ国会でも、令和七年二月の衆議院の予算委員会の第五分科会で、当時公明党の福重衆議院議員が取り上げております。また、東京都では今年度から、若者への相談支援や若者が来院しやすい環境づくりを行う医療機関を支援するユースクリニック補助事業を開始しております。ユースクリニックのセーフティーネットとしての社会的認知が高まっている状況でございます。  アカデミアからは、東京科学大学の寺内公一先生らによる科研費を用いた研究がございまして、これによると、ユースクリニックには性に関する幅広い悩みに対して適切な情報を提供するという一次相談機能に加えて、相談者の課題に応じて適切な機関や医療につなぐハブ機能が期待されると。また、今後の課題としては、ユースクリニックの定義の明確化や財政基盤の整備等が挙げられております。  そこで、まずこども家庭庁に伺います。  国内でユースクリニック又はこれに類する機能を提供している医療機関、自治体、NPO等について、施設の数、運営形態等の実態を把握されておりますでしょうか。既に科研費を用いた研究で課題が整理されている以上、全国的な実態把握を行っていただきまして、この研究成果を踏まえて政策を具体化していくべきと考えますけれども、御見解を伺います。

竹林悟史 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。  先生御指摘のいわゆるユースクリニックにつきましては、民間団体等が中心となって、十代や二十代の若者からの妊娠、避妊、性感染症などの相談支援等に取り組まれているものと承知をしております。  こうした学童、思春期における性や健康に関する悩みに対応できる診療や支援体制の実態を把握するため、令和四年度こども家庭科学研究におきまして調査を行った結果、施設数につきましては全国で五十八施設、運営形態につきましては、産婦人科クリニック併設型、小児科クリニック併設型、自治体運営型、NPO法人運営型の四つに分類されることを把握しております。  また、こども家庭庁では、若い世代における性や妊娠に関する悩みなどの相談窓口を整備するため、性と健康の相談センター事業を実施しております。この事業におきましては、令和六年度から、医療機関等に相談する場合の費用の補助やオンライン相談実施のための初期設備整備に対する支援を行っているほか、令和八年度からは、夜間対応を含めて、SNSを活用したオンライン相談に対応する場合の補助も実施しております。  引き続き、この事業における相談実績などの実態把握も行いながら、若い世代の方々に対する相談支援体制の整備を進めてまいります。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございます。既に全国で五十八か所あると、少しずつ広がっているんだろうなというふうに思います。  今、こども家庭庁の方からも言及がありましたこの性と健康の相談センター事業、これ非常にいい事業だと思っております。令和八年度予算が前年度と同額の六億円を計上しておりまして、非常に重要な事業でありますけれども、先ほど確認した、既に取り組んでいる、いわゆるユースクリニックと銘打って取り組んでいる事業が全国にあるわけですけれども、このような民間や医療機関が必ずしもこの性と健康の相談事業を利用しているわけではないというように理解をしてございます。  それから、この性と健康の相談センター事業で行われた相談支援を子供、若者が受けた場合に、その相談内容については必ずしも保護者に通知されているわけではないというふうに思っていますけれども、実際の運用についてはどうでしょうか。

竹林悟史 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。  性と健康の相談センター事業の相談窓口における相談内容につきましては、事業の実施要綱におきまして、子供、若者から相談があった場合の保護者への通知について特段の定めを設けているものではございませんが、相談指導については、相談者のプライバシーが十分保護されることを求めておりまして、機械的に保護者を含めた第三者に情報提供するといった運用にはなっていないものと認識をしております。  なお、相談窓口の中には、匿名での相談を受け付けているところもあります。そうした場合、一律に相談者の個人情報を把握した上で必ず保護者に通知をするなどといった運用にはなっていないものと承知をしております。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 分かりました。ありがとうございます。  相談センターというのは、あくまで相談支援でありまして、その場で医療を提供するというものではないと思います。その場で例えば緊急避妊薬を処方できるとか、抗菌薬処方できるとか、医療と一体的な体制ではありません。  次いで、医療への接続について伺いますけれども、この性と健康の相談センター事業の相談窓口から必要と判断された場合には、医療機関の受診を紹介するということは行われているんでしょうか。

竹林悟史 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。  性と相談の、失礼いたしました、性と健康の相談センター事業におきましては、月経、性感染症、妊娠などを含め、思春期における性や健康に関する様々な悩みを有する方に対し相談支援を行っています。相談者の相談内容に応じまして、医療機関における対応が必要と考えられる場合には、相談者の意向等を踏まえ、受診の勧奨を行うなど、適切な対応が行われているものと承知をしております。  なお、妊娠や性感染症などで悩んでいる若者や特定妊婦の方につきましては、必要に応じて産科等への医療機関への同行支援なども実施しているところです。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 ありがとうございます。分かりました。ありがとうございます。  つまり、性と健康の相談センター窓口に相談した事実というのは、当然に保護者に伝わるものではないものの、一旦医療へ接続してしまうと、そこから先は医療費の通知等を通じて保護者に伝わってしまうため、アクセスしづらいんだという難しさが依然として残るということが当事者の方からの声でございます。  子供、若者が保険診療を受けますと、子の保護者である被保険者に医療機関名などが分かる可能性があるという問題について伺いますけれども、例えば現行制度においても、夫婦間のDVなどの事案については、申出により医療費通知に受診情報を記載しないなどの配慮を行う仕組みがあると承知をしておりますが、一方、未成年者、十代の若者についてはどうでしょうか。  先日受けた政府のレクでは、保護者に知られることを不安に感じている一般の未成年者については全国共通の取扱いはなくて、個別の受診情報を除外することには保険者の実務上の課題もあるとの説明でありました。そのとおりであると思います。  そこで、あえて伺いますけれども、厚生労働省として、この医療費通知のシステムが若者の産婦人科、精神科等への受診行動にどのような影響を与えているのかといったことについての課題感といいますか、実態について把握をされているものがあれば教えてください。

間隆一郎 厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  いわゆる医療費通知は、御自身や御家族の健康への意識向上に加え、医療保険財政との関係について意識をお持ちいただくため、それぞれの保険者で取り組まれております。  その上で、委員から御紹介いただきましたように、現行でもDVとか虐待等の被害者の方に配慮して、被保険者宛ての医療費通知にはその被害者の方に係る情報を記載しないことを保険者に求めるなど、個人情報に配慮した取組を行ってございます。  その上で、委員の御指摘は、その配慮対象者にDV等の被害者だけじゃなくてお子さん、それ、しかも特定の診療科というのが念頭にあるかと思いますが、そういう新しい御提案をいただいたというふうに考えております。そのようなお声があることについて、御指摘としては受け止めたいと思います。  他方で、やはり子供のそういう、何というんでしょうか、虐待みたいなそういうカテゴライズされたものではなくて、特定の診療科を念頭に置いたものだとすると、お子さんのその養育、保護を行う保護者が扶養義務のあるお子さんの健康状態を把握できなくなる。健全な成長という観点からも課題がないかどうかといった点についてもやはり留意が必要だとは考えております。  現時点では、今委員から御質問のありましたような医療費通知が、そういう若い世代のですね、対して受診行動に与える影響についての実態と、あるいはそういう研究というものは行っておらないところでございますけれども、委員から大変デリケート、かつ、限界事例といいますか、大変難しい事例について課題提起をいただいたと考えておりますので、いろいろと課題ございますけれども、例えばそのような声が寄せられたことはあるかどうかなど保険者から意見をお聞きするなど、各保険者における運用の現状についても研究していきたいというふうに考えております。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 局長、大変におもんぱかっていただいた御答弁、ありがとうございます。  まさに、私もこれ、本当にこの声をいただいたときに、私も十代の娘が二人いる父としても、ああ、本当にそういうことだなと思った次第でありまして、まさに親に知られたくない、親に相談したくない、けど医療にかかりたいという若者がいるということ、これをまず認識すべきだというふうに考えております。  そして、困難を抱えた子供、若者の中には、必要な医療にアクセスできさえすれば守れるケースがあるのではないかというふうに考えております。まさに今局長おっしゃったように、これはもう十代の若者の知られたくない権利と、監護それから保護の観点との相克だと思いますけれども、何せ若者当事者の訴えは、親ばれしないで医療にかかれるスキームを目指しているということでございます。確かにこの観点、実際にどうやっていくかということはこれからしっかり議論すべきですが、この観点は、若者の居場所、それから若者を守るという観点から私は重要だというふうに考えております。  このユースクリニックというのは、今実際にもう全国で取組が行われているものでありますけれども、若者の居場所をつくって適切な医療への接続を図って、困難な若者を守るために有効なプラットフォームを構築していこうということでございます。そのインフラとして既存のインフラを使うとした場合に、例えば保健所を利活用することも想定されると思っています。保健所って各自治体にあって医師が常駐しておりまして、医療への接続のハブとしては有効ではないかというふうにも思案しているところでございます。  子供、若者の居場所政策は、中心はもちろんこども家庭庁でありますけれども、その先の医療へのアクセスということについては厚労省の責任分野ではないかと思っております。厚労省として、是非、こども家庭庁や自治体等とも連携をして、ユースクリニックなど、困難を抱える若者が必要かつ適切な医療にアクセスできるような仕組みづくりについて前向きに取り組んでいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

森光敬子 厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。  いわゆるユースクリニックにつきましては、民間団体等が中心になり、妊娠や避妊、性感染症等に関する若者からの相談支援に取り組んでいるというものだというふうに承知しております。  その上で、議員が御指摘されたとおり、困難を抱える若者も含めて、国民が必要な医療に適切にアクセスできる、こういう環境を整えるということは重要だと考えております。例えば、こども家庭庁においては、性と妊娠に関する悩みなど、生涯にわたる健康に関する相談支援を推進するために、先ほど御紹介にありました性と健康の相談センター事業を実施しておりまして、保健所等に設置されたセンターにおいて、医療機関等でのオンライン相談や特定妊婦等に対する産科受診等の支援など、相談者を適切な医療につなぐための支援にも取り組んでいるものと承知をしております。  困難を抱える若者の医療のアクセスを高める取組につきましては、引き続き、こども家庭庁と連携しつつ、医療機関への周知、これを含めて必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。

川村雄大 公明党

○川村雄大君 大変にありがとうございます。  私、東京選出でありますけれども、東京都ではまさにそういった取組をする医療機関に対しての補助事業というのを今まさにやっているところでございまして、こちらについても、東京都の方にも私もいろいろ実態をお聞かせいただきながら深めていきたいと思っております。ありがとうございました。  質疑時間が残り三十秒程度になってしまいましたので、済みません、残余の質問を用意したんですけれども、御答弁も用意いただきましたけれども、次回委員会がありましたら、そのときに質疑させていただければと思います。  以上で終わります。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。  前回もモラルハザードということで質問をしています。やっぱり、モラルハザードというのが医療費の削減とどういうふうな関係にあるかということをやっぱりきちっと把握する必要があるんですね。  まず、子供医療費助成に関するモラルハザードについて今日は質問します。  子供の医療費については、各市町村が主体となって医療費の自己負担分を全額又は一部助成する制度が広く採用されています。この助成制度について、過剰受診などのモラルハザードが生じてしまうことや、自治体間の過度な給付拡大競争を招くため基本的には好ましくなくて、一部自己負担をきちんと徴収すべきだというふうに指摘されています。  これまでには、そのような指摘も踏まえて、子供医療費を助成する市町村に対して、国から市町村に支給される国の負担部分、つまり国民健康保険の国庫負担分を減額する措置、いわゆるペナルティーを課していたんですね。しかし、二〇二四年度からはこの国庫負担の減額調整措置が廃止されました。つまり、ペナルティーをなくしたということなんです。  なぜ廃止したのか、参考人、まずお答えください。

間隆一郎 厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  国民健康保険の減額調整措置は、自治体が、これ子供に限らずですけれども、これ、自治体が行う医療費助成により患者の窓口負担が軽減される場合に、その結果増加する医療費分は他の自治体との公平の観点から当該自治体が負担すべきとの考え方の下、増加した医療費分に相当する国費を減額調整する仕組みでございます。  これについては、自治体が行う子供の医療費助成について、おおむね全ての自治体において医療費助成が実施されていたと、つまり自治体間にそう大きな差がなくなったというような状況も踏まえまして、国と地方の協議の場での議論を踏まえまして、令和五年十二月に閣議決定されたこども未来戦略方針において、減額調整措置を廃止し、あわせて、適正な抗菌薬使用なども含め、子供にとってより良い医療の在り方について検討することとされました。  こうした中、社会保障審議会医療保険部会でも議論を行いまして、令和六年四月から廃止することとし、その際には、子供にとってより良い医療の在り方の実現や限られた医療資源の適切な配分の観点から、保険者インセンティブにおいて、医療機関窓口での自己負担額の支払を求めている場合などを評価するといった取組も行うこととしたものでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 今の説明で納得はできたのだけれども、この減額調整措置を設ける目的の一つというのが、自治体間の過度な給付拡大競争を防ぐということで、もう拡大競争始まり、もう全部行っちゃったからしようがないというふうな言い方なんだけど、とにかく市町村の大半が子供医療費助成をしたような現在で、減額調整措置はもう意味がなくなったというふうな言い方ですけれども、過剰受診というモラルハザードというのを防ぐ意味では基本的にはあるわけです、減額調整措置の目的は。  自治体が独自に自己負担を減額すると、受診のハードルが下がって、結果として全体の医療費が増加すると、こういうことになる。その傾向は、無償化、つまり自己負担をゼロとした場合、顕著に表れます。こういったモラルハザードによって国の財政負担が際限なく増大するのを防ぐための調整が、減額調整措置としての役割だったはずなんです。  その点からいうと、せめて子供医療費無償化、つまり自己負担ゼロにする自治体に対して、やっぱりペナルティーは残すべきだったと思います。要するに、サービス競争みたいなのが始まっちゃっているわけですね、これ。自己負担を設けていない市町村だけでなくて、自己負担を設けている市町村まで減額調整措置の適用を廃止するやり方は、モラルハザードを後押しすることから、非常に乱暴だと。  ちょっとここで一つ、今、資料一を御覧になっていただきたいんですけれども、(資料提示)ある自治体の例なんですけれども、この自治体は、導入したやり方というのは、自己負担を小学生は五百円、中学一年から十八歳までは二千円と、こういうふうにやったんですね。これ、この市内の小児科医療従事者からは非常に喜ばれたと聞いています。なぜなら、軽症患者が受診を控えることによって、重症患者に適切な医療サービスが提供できるからなんです。  つまり、減額調整措置の廃止というのは、そのような現場の実態を知らない官僚が机上の空論でやったことじゃないかと。上野大臣は、総務官僚として岩手県とか佐賀県に行っていますよね。いろいろ現場の実務担当していますから、そういう現場感覚の重要性って非常に大事だと思うんですよね。  上野大臣に伺うのは、子供医療費助成について、国民健康保険の国庫負担の減額調整措置を復活した上で、一定の自己負担を認める場合などには措置対象外とするなど、より現場に即したきめ細かな仕組みとすべきと考えるんですけれども、見解をお聞かせください。今のこの例なんかも、とっても分かりやすいと思うんですよ。大臣、お願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 減額調整措置の廃止につきましては、今し方局長から答弁をさせていただきましたそのような理由によりまして廃止をさせていただきました。  その際、当時を思い起こしますと、やはり、各自治体からその廃止に向けて大変強い御要請があったというふうに承知をしております。その際ですが、子供にとってより良い医療の在り方について医療保険部会でも議論を行いました。この減額調整措置の廃止に伴って医療費助成の内容、範囲が拡充をされますので、被保険者の受診行動が変容するなどの課題が考えられる、そのような指摘があったところでございます。  そうしたことを踏まえまして、限られた医療資源の適切な配分等の観点から一定の措置を現在講じているところであります。具体的には、保険者インセンティブにおいて、子供医療費について医療機関窓口での自己負担額の支払を求めている場合や、あるいは子供の保護者に対して適切な受診を促す周知啓発を実施をしている場合、こうした場合を評価をすることとしておりまして、達成状況に応じて交付金を交付しているところであります。  引き続き、このような取組を通じまして、保険者、自治体に働きかけを行い、子供にとってより良い医療の実現を図るために、限られた医療資源の適切な配分に向け努力をしていきたいと考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 限られた医療資源の適切な配分というのは一体何なのか。要するに、ポピュリズムでサービス競争をやることが本当に子供の医療のためになっているのかということをもう一回考え直すべきだと思います。  そういう流れの中で、もう一回、今度違う質問になるんですけれども、つまり、安易な医療機関に対する利用の仕方、コンビニ受診という言葉あります。コンビニ受診というのは、夜間や休日などの救急外来において、緊急性の低い軽症にもかかわらず、患者自身の都合によって二十四時間営業のコンビニみたいに気楽に病院を受診すると。  これ、長年問題になっていて、医師を対象とするアンケート調査によると、二割以上の医師が、夜間、時間外に受診する患者の六割以上がコンビニ受診だと感じると、こういうふうに答えています。  このようなコンビニ受診を抑制するためにどのような手段が有効か。資料二を御覧ください。  この二〇二二年、特定の大病院に紹介状なくて初診で受診した患者は、診療費とは別に最低七千七百円を選定療養費として徴収されるようになったんですね。そうしたところ、その特定の大病院においては、紹介状なしで受診した患者の割合は四三%から三五%に減少した。約八ポイント減少したんです。  そこで、参考人に伺いますが、この選定療養費義務化の取組の経緯と結果についてどのように見ていますか。評価を確認したいと思います。

間隆一郎 厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  医療機関の機能、役割に応じた適切な受診が行われるように外来機能の明確化を推進する観点から、特定機能病院、二百床以上の地域医療支援病院、紹介受診重点医療機関を紹介状なしで受診した場合には、原則、選定療養における特別料金として一定の御負担をいただいております。こうした取組、これだけではないと思いますが、こうした取組などを通じまして、これらの大病院における紹介状なしで受診した患者さんの割合は減少をしているということでございます。  この取組については順次拡大をしてきておりまして、平成二十八年、二〇一六年から、特定機能病院と五百床以上の地域医療支援病院に紹介状なく受診した場合、初診は特別の料金として五千円以上をお支払いいただくこととしました。二〇一八年、平成三十年には、対象医療機関を四百床以上の地域医療支援病院に拡大いたしました。二〇二〇年、令和二年からは、対象医療機関を二百床以上の地域医療支援病院に拡大しました。そして、二〇二二年、令和四年からは、対象医療機関として二百床以上の紹介受診重点医療機関を追加するとともに、初診の場合の特別料金を七千円以上に引き上げたところでございます。  こうした取組の一定の効果として、先ほど申し上げたようなもの、あるいは委員が御紹介いただいているようなデータにもなっているのかなというふうに考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 やっぱりだから、コンビニ受診に対して患者に定額負担を課す仕組みというのが受診抑制効果があるということは、今おっしゃったように分かるわけですね。これ、よく導入したと思いますよ。だから、すぐ患者に負担求めるというと反対する政党がよくあるんですけれども、あるいは、いや医師会とかいろいろあるけれども、とにかく、やればできるんですよ。  コンビニ受診を防止するための仕組みはどんどん導入していかないと、本当の患者さんを診る時間がなくなっちゃうんですよ。コンビニ受診が特に問題になるのは、救急外来のこの分野ですよ。救急外来の対応を誤ると、命が失われるわけですから。  そこで、参考人に伺いますけれども、本年の診療報酬改定で、救急外来医学管理料や院内トリアージ実施体制加算を新設した、その趣旨を説明してください。

間隆一郎 厚生労働省保険局長

○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。  今回の診療報酬改定におきまして、救急搬送や夜間の外来患者の受入れ体制を整備した上で、実際に患者を受け入れた場合などの評価として、今委員から御紹介いただきました救急外来医学管理料及び院内トリアージ実施体制加算を新設をいたしております。  これは、この背景ですけれども、救急出動件数や救急搬送人数が増加し、一一九番通報を受けてから医師に引き継ぐまでに要する時間も延びる傾向にある中で、救急医療を取り巻く環境が厳しさを増してございます。そして、医療機関における夜間、休日を含めた救急外来の応需体制を確保すると、そういった観点から今回新設に至ったものでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 そのとおりで、休日とか深夜とか、お医者さん、あるいは医療従事者が不足する状況下で、一人でも多くの命を救うために、治療の優先順位というのを決定することは非常に重要なんです。そのための体制整備を進めるべきだということでいいと思うんですね。  軽症の患者の治療は後回しにすべきなんですね。そもそも、軽症で不急の患者が普通の日に診療時間内に受診すればいいわけです。平日に休めないとか、日中は用事があるとか、そういう理由で救急外来を、夜間や休日に受診する人はいますけれども、こういうのを許しちゃいけないんです。そこのモラルハザードが一番問題なんです。  その対策として、ある自治体の取組を紹介しますけれども、資料三ですね、資料三。  この自治体では、コンビニ受診を防止するために、軽症患者が深夜から翌朝までの間に夜間救急当番医を受診した場合は、通常の深夜診療費に加え選定療養費を五千円徴収しています。このような取組は全国に広めるべきだと思います。  そこで、上野大臣にお聞きしますけれども、コンビニ受診を防止するためにも、軽症患者が夜間救急当番医を受診した場合、通常の深夜診療費に加え選定療養費の徴収を法定化したらどうかと。いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員から御指摘のありました選定療養につきましては、緊急の受診は、緊急の受診の必要性はないが、患者の自己都合で時間外診療を希望した場合に医療機関が徴収することができるとして規定をしたものであります。  患者に時間外診察に関する選定療養として特別の料金をお支払いいただくかどうか、これはやはり地域の実情を踏まえて各医療機関において判断をしていただくことが重要だと考えております。現時点で直ちに国としての一律のルール、国の一律のルールとして義務化するということは考えておりませんが、一方で、委員御指摘のように、いわゆるコンビニ受診によって救急医療が逼迫をしている、そのような課題を有していらっしゃるような医療機関においては、この時間外診察に関する選定療養の仕組みが活用できるということを必要に応じて周知をしていきたいと考えています。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 今の答弁、生ぬるいんだよね。それじゃ駄目だよ。  義務化しないと、救急病院の多くというのは、本当に軽症患者来ないように選定療養費を導入しないとやっていけないんです。導入すると住民から苦情が来る、そういうことあるんです。だから、できないんじゃないかと、そういう話ですよ。だけど、国が義務化してくれれば、これ国から言われているんですからと説明できますから。  特定の病院というのは、紹介状のない患者から選定療養費徴収を義務化されているのと同様に、特定の救急病院のみ義務化するのはできるんですよ。こことここは義務化ですと指定すればいいんです。やる気の問題ですよ。これ、本当に救急現場のこと考えたら、コンビニ受診をとにかくやめさせないと、お医者さんの数足りないんですから。大臣、早急に検討してください。  次に、こういう話をまだ続けるんだけれども、次に、救急車のタクシー代わり利用というのがあるんですね。救急外来医療におけるモラルハザードとして、これもしばしば指摘されている問題です。  総務省消防庁によると、昨年の救急出動件数は七百六十九万件、搬送人員は六百七十六万人、そのうち四〇%、約半数の三百十万人が入院を必要としない軽症です。  資料四、資料四ね。これ総務省が配布しているチラシですけれども、救急車を呼んだ悪質なケースとして、蚊に刺されたらかゆい、病院でもらった薬がなくなった、病院で長く待つのが面倒なので救急車を呼んだというようなことを挙げられています。本当、あきれちゃうんだよね、こういうのいると。こういった悪用が生じる理由として、救急車の利用が無料、ただであるからとも言われている。  資料五、救急車の利用を有料化した海外事例の一覧ですけれども、これ、ニューヨークやミュンヘン、パリ、シンガポールなどでは有料化していると。日本でもかつて救急車の有料化を検討したことがあった、だけど見送った経緯があると聞いているんですけど、なぜ見送ったんでしょうか。これ参考人、すぐまたいろんな、言われるからとかそういうことじゃなくて、なぜきちんとやろうとしなかったのか、できなかったのか、参考人、答えてください。

鳥井陽一 消防庁審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。  救急業務の一部有料化につきましてですが、総務省消防庁におきまして、平成二十七年度に救急業務のあり方に関する検討会を開催し、そこで検討をいたしております。この検討におきましては、経済状況により救急要請をちゅうちょするのではないか、有料、無料の線引きや判断が難しいのではないか、料金徴収に係る事務負担が増えるのではないかなど、導入の際に多くの課題があることや、各消防本部からも懸念が示されたことを踏まえると、引き続き慎重な議論が必要という結論になったところでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 有料化すると社会的弱者が救急車の利用をちゅうちょするというふうな、いろいろ言われ方あるけれども、今はそれ解消されたと思いますよ。なぜなら、多くの自治体が救急電話相談を設けているからです。お金を取られるのが心配だったら、まずは電話で相談すればいいんです。  その見送られた当時と違って、今は有料化できる環境が整備されていると思うんですけれども、参考人、いかがでしょう、もう一度。

鳥井陽一 消防庁審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) 議員御指摘のとおり、救急車の適時適切な利用というのは非常に大事でございまして、私どもといたしましても、今御紹介のありました、救急車を呼ぶか迷ったときの電話相談窓口であるシャープ七一一九の全国展開を積極的に推進してきたところであり、その人口カバー率は、令和八年度末時点で、だんだん増えてきていて、八八・一%まで及んでおります。  ただ、やはり先ほど申し上げましたような課題というものは残っておりますと考えられますものですから、それを踏まえますと、引き続き慎重な議論は必要だと認識をしているところでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 先ほどの外国の例で、特に参考になるのはシンガポールで、シンガポールでは、緊急と判断された場合は無料、そうでない場合は有料と分かりやすいよね。緊急性の有無の最終的な判断は搬送医療機関の医師の評価に基づいて行われると、こうやってすればいいわけですよ。あんた有料、あなたは無料、それで十分に判断することできますよ。  それと同様の取組を、日本でも幾つかの自治体のほか、これ茨城県でも実施しているんですね。資料六で、これ、茨城県やったんですよ。茨城県では、二〇二四年から、救急車で搬送された患者のうち、緊急性が認められなかった場合には指定された病院で選定療養費を徴収することにしています。  制度導入後の三か月間、県全体の救急搬送件数は、近県五県で前年より四から九%増加しているのに対して、茨城県は〇・五%減少して、さらに、軽症患者の搬送は九・二%減少し、指定された病院への搬送数も一・六%減少したと。周りの県は増えているのに、茨城県は減っている。とりわけ軽症の患者が占める割合は、前年の四四%から三八%へと五%も減少したと。これ、制度の導入が一定の抑制効果をもたらしたということですね。やればできるんじゃないですか、これ。  上野大臣、やればできるということで、総務省にもおられたし、いろんなこと知っていると思うけれども、救急車のタクシー代わりの利用を防止するためにも選定療養費の徴収を法定化したらどうですかと。いかがでしょうか。見解を伺います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘いただきました仕組みにつきましては、紹介状を持たずに大病院の救急外来を受診した患者について、原則として選定療養として保険外の追加料金の負担を求める、その仕組みを活用されているものだと承知をしております。  この仕組み自体は、救急搬送件数を減らすことを目的として導入したものではなく、外来機能の明確化のために設けたものでありますが、茨城県等においては緊急性が低い救急搬送患者にもこの仕組みを適用して、結果的に、これ茨城県の調査でありますが、緊急搬送件数の減少等の効果があったということを聞き及んでいるところであります。  救急搬送件数への増加への対応については、厚生労働省としても、救急車の適正利用を含む上手な医療のかかり方についての啓発を行っております。また、総務省消防庁における検討、自治体における地域の実情に応じた検討も併せて進められているものと考えておりますが、いずれにいたしましても総合的な検討が必要かと考えております。  現段階においては、この緊急性が低い救急搬送患者に対して選定療養における特別の料金の徴収を一律に求めるということは考えておりませんが、ただ、厚労省としても、真に必要のある、必要性のある患者の医療を確保するための取組については、引き続き消防庁などとも連携をしながら取り組む必要があろうかと考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 よく分からなかった、言っていることが。まあいいや。茨城県、褒めてやってくださいよ、これ。  それで、やっぱり厚労省、それを学んでいかないと、それは。一般的な言い方じゃ駄目ですよ、こういうのは。せっかく例持ち出しているんだから。まあいいや、しようがない。  救急車のタクシー利用がされる一因には、地域の足が不足しているということも考えられる。国交省が推進している公共ライドシェアというのがあるけれども、地域の不足するエリアにおいて住民や市町村が主体となって高齢者や通院、通勤困難者を病院まで送迎する仕組みですが、そこで国交省に聞きますけれども、この公共ライドシェアの普及で地域の足の不足、解消されているんでしょうか。これをちょっとお答え願いたい。

原田修吾 国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(原田修吾君) お答え申し上げます。  地域公共交通は、委員御指摘の通院や買物、教育など、日常生活に不可欠な移動を担っております。しかしながら、人口減少や運転者等の担い手不足により、必要なサービスの供給が厳しくなっている一方で、学校、病院の統廃合等により移動の社会的ニーズは拡大する方向にあり、こうした需要と供給のギャップ等により全国で三千の交通空白が生じているところでございます。  国土交通省では、これらの交通空白を解消すべく、令和九年度までを集中対策期間と定め、大臣を本部長とする「交通空白」解消本部の下、取組を強力に推進しております。  まず、今国会におきましても、地域交通法を改正して、この交通空白を解消するための新たな枠組みを盛り込んだところでございます。また、予算面でも、地方公共団体が交通空白解消のために公共ライドシェアを導入するなどの場合には重点的な支援をいたしております。車両購入費やシステム導入費を含めた必要な経費の三分の二等を補助するとともに、今年度からは更に地方財政措置も含めて手厚く支援を行っているところです。  今後とも、こうした予算、制度面での措置を車の両輪として、あらゆる政策ツールを総動員して、この公共ライドシェアを含めた公共交通空白の解消に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 ライドシェアって、日本遅れているんだよね。自治体や住民主体の公共ライドシェアだけで地域の足不足が解消されるとは思わないんですけどね。諸外国並みのライドシェアを日本にも導入すべきじゃないかと思いますが、先ほど三千の空白、いつまでに埋めるって話なの、もう一回確認したいんだけど。

原田修吾 国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(原田修吾君) お答え申し上げます。  先ほど、令和九年度までを集中対策期間というふうに定めておりますけれども、この交通空白三千ありますけれども、九年度までに解消のめどを付けるという形で、今、交通空白本部の下で取組を進めているというところでございます。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 ライドシェア、日本だけ遅れているんですよ。諸外国ではもう地域の足として立派に機能しているんですね。国交省の答弁はライドシェア余り積極的にやりたくないような答弁に聞こえるけどね。これからもっとライドシェアをやることによって、じゃないと救急車、本当にタクシー代わりで使われちゃうんですから、実際に足がないんですから。その辺で余っているおじさんがすぐ駆け付けるとかできるんですよ、ライドシェアというのは。これから自動運転もあるけど、そういうことできちんとやっていただきたい。  もう時間なくなってきましたので、最後にちょっと、民間救急車というのがあるんですけど、これ料金高いんですよ。これの助成について、ちょっと最後お答え願いましょうかね、これね。お答え願える時間がちょっと一分ありますから。民間、関東では大体三万円ぐらいするんですね。これの助成について、これ参考人かな、よろしく。

鳥井陽一 消防庁審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) いわゆる民間救急と呼ばれている民間の搬送事業に対する助成制度についてでございます。  私どもも、緊急性のない、患者等搬送事業者の認定制度というものを各消防本部で設けて質の確保を図っておりますけれども、これは緊急性のないものを対象としております。それを踏まえますと、消防に関する制度の企画立案担当の消防庁としては、全国一律に助成することまでは考えておりませんが、ただ、これらの事業者活用は救急上対策としては意義があると考えられますことから、情報の関係者との共有ですとか広報など、広報の展開などについて各消防本部に働きかけているところでございまして、今後ともそのような取組は進めてまいります。

猪瀬直樹 日本維新の会

○猪瀬直樹君 民間の救急車というのも必要になっているということで、それはやっぱり何らかの助成が必要だというふうに思っています。  時間が来ましたのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、モラルハザードということで、それでポピュリズムに溺れることなく、きちんとこのモラルハザードに対して歯止めを掛けて医療費の削減につながるようにして、無駄な医療費をなくしていくということが大事だということで、改めて、大臣、モラルハザードのないようにやっていただきたい。  以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 参政党の宮出千慧です。  本日は、現代の若者が抱える問題と機能不全家族という概念について御質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  二〇二四年の九月に東大阪市で大変痛ましい事件がありました。二十六歳の男が、未成年であることを知りながら女子中学生、高校生三人を自宅に連れ込み、そのうち女子高校生一人がせき止め薬を三十錠から四十錠服用して急性薬物中毒で亡くなったという事件でございます。私自身も東大阪に住んでおりますので、この事件、大変ショッキングでございました。心の中に空虚さを抱えて、安心できる居場所を持てない若者が手軽に手に入る市販薬に救いを求めてしまっている、この事件はそうした現実を私たちに突き付けているように感じました。  東京歌舞伎町のトー横、大阪道頓堀のグリ下など、家にも学校にも居場所がない、そういう十代、二十代の若者たちがこうした場所に全国から集まっております。そこでは、オーバードーズはもちろん、性被害や金銭トラブルなど、深刻な問題が次々と起きております。  こうした現状を踏まえて、まず、オーバードーズの実態についてお伺いいたします。  資料の一を御覧ください。  総務省消防庁、厚生労働省の調査によりますと、オーバードーズによる救急搬送者のうち若年層の件数が増加傾向にあります。  ちょっと古いデータですが、二〇二〇年の全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査では、十代患者の主たる薬物は、二〇一四年は危険ドラッグが四八・〇%で市販薬はゼロだったんですけれども、一八年以降急速に増えまして、二〇年の市販薬のオーバードーズが五六・四%でございました。  厚生労働省として、この十代、二十代の特にこの市販薬によるオーバードーズが増えている理由やその背景についてどのように分析しているか、お答えください。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  市販薬のオーバードーズの増加につきましては、様々な要因が考えられますので、特定の理由をお答えすることは難しいのですけれども、例えば、危険ドラッグなどの違法薬物が規制が厳しくなっていく、それと比較した場合の市販薬の入手のしやすさということと、インターネットやSNS等により医薬品に関する様々な情報が容易に入手可能になったことなどの理由が考えられます。  また、オーバードーズの背景につきましては、令和六年度の調査研究において、依存症専門医療機関で治療を受けた十代の患者七十二名が乱用を始めたきっかけとして、複数回答ではありますけれども、家族関係が四三・一%、友人関係が四五・八%、学校でのトラブルが三三・三%でありまして、こうしたことが背景にあるというふうに考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 おっしゃっていただいたように、家庭や学校の悩みから自殺を考えているような子たちが、しんどい日常生活を何とかやり過ごすために薬に頼って生きているということが指摘されておりまして、非行歴がない、いわゆる普通の子たちの間にも薬物が広がっているという深刻な実態が明らかになっております。  厚生労働省では、薬局、ドラッグストアにおける販売規制や声掛け指導、購入制限といった対策を進めていただいていると承知をしております。しかし、例えば消費者が複数の店舗を回って購入する、いわゆるはしご買いを防ぐ実効的な手段が現状では十分に整備されていないのではないかと思います。加えて、近年はインターネット販売においても市販薬が手軽に購入できる環境が広がっており、仮にこの薬局での対面販売に規制を掛けたとしても、若者がECサイトを通じて容易に薬を入手できてしまうという実態があります。  こうした状況を踏まえて、今般の薬機法改正を受けた買い回りやオンライン販売における数量規制、数量制限や年齢確認の実効性について、政府としてどのように評価されているか、御見解をお聞かせください。

宮本直樹 厚生労働省医薬局長

○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。  市販薬の乱用対策につきましては、昨年の薬機法改正におきまして、指定濫用防止医薬品の十八歳未満への大容量製品又は複数個の販売の禁止や、そのための年齢確認の徹底、薬剤師等の専門家による確認等が義務付けられ、今年の五月から施行されております。今回の改正によりまして、店舗での販売、ネットの販売とも薬剤師等による情報提供や声掛けの実効性が一層高まることで、不適正な医薬品入手やいわゆる買い回りの防止に資するとともに、必要な支援につなぐゲートキーパーとしての役割を果たしていただきたいと期待しております。  引き続き、制度改正の効果をしっかり注視をしてまいりたいと考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 インターネットで購入するときにビデオ通話なども取り入れられるということで、しかし、まだまだそれが採用されているECサイトも少ないと、限られているということを伺っております。  こういった規制は強化されつつあると思うんですけれども、一方で、今日はこの件は議論いたしませんが、この日本の市販薬には海外では処方箋が必要なレベルの依存性の高い成分が含まれているケースがありますので、この成分自体を配合から外すというところまで至っていないのが現状であり、これも大きな問題であるというふうに考えております。  次に、資料二と三にあるように、近年、我が国全体の自殺者数は緩やかな減少傾向にある一方で、小中高生の自殺者数は高止まりが続いておりまして、令和六年、七年と残念ながら過去最多を更新しております。これ、社会全体での自殺対策が一定の成果を上げている中で、子供、若者の自殺だけが増加傾向にあるという事実は本当に大変深刻に受け止めなければならない問題だと思います。  こうした問題意識の下、厚生労働省においては、令和六年版の自殺対策白書において小中高生の自殺を特集として取り上げ、その実態や背景、要因について分析を行っていただいたと承知をしております。  そこでお伺いいたします。  今般の白書の特集、分析を通じて、小中高生の自殺をめぐる実態やその背景についてどのような知見が得られたとお考えでしょうか。また、大臣御自身としてこの問題をどのように受け止めておられるか、所感も併せてお聞かせいただければと思います。さらに、その分析結果踏まえて、今後どのような対策、取組を強化していくお考えか、お聞かせください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 自殺者数総数といたしましては、統計開始以来、過去最少となったところであります、令和七年でありますが。一方、小中高生の自殺者数は五百三十八人、過去最多となりました。大変深刻な事態だと受け止めております。  この要因でございますが、令和六年版の自殺対策白書では、小中高生の自殺の原因、動機、これ不詳が多いんですけれども、小学生では家庭問題、中学生では学校問題、高校生では男性で学校問題、女性で健康問題が多く見られるなど、年齢別、男女別で様相が異なっております。  また、小中高生の自殺者に占める自殺未遂歴ありの割合の推移を見ますと、二〇二二年以降では、男女共に自殺未遂があった時期が自殺の一年以内である場合が過半数を占めております。特に、女子小学生や女子高校生では自殺から一か月以内に自殺未遂歴があった自殺者の割合が高いということが分かっているところであります。  こうした状況を踏まえまして、こども家庭庁の方で取りまとめられましたこどもの自殺対策緊急強化プラン等に基づいて、厚労省としても様々な対策を講じております。子供、若者の利用が多いSNS相談について、民間団体及び地方公共団体における相談体制の拡充や相談窓口の周知に努めているところです。  また、都道府県等が精神科医や心理士、また精神保健福祉士などの多職種の専門家で構成されるチーム、これを設置をしていただいて、学校現場や市町村等に対して自殺未遂歴や自傷行為の経験などがある子供、若者の対応に関する助言などを行うこども・若者の自殺危機対応チーム、これを設置をしていただくようにお願いをしておりまして、二日前にも黄川田大臣とも面会をいたしまして、この推進に際して更に力を入れるということで合意をしたところであります。  こうした取組を進めておりますが、今後とも、関係省庁、こども家庭庁を始めとする関係省庁とも連携をしまして、子供の命を守るための取組に全力を尽くしていきたいと考えています。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  続いて、こども家庭庁にお伺いをいたしたいと思います。  子供たちの自殺を防ぐには、まず、なぜ子供たちが死を選ぶのかというその背景、要因を正確に把握することが不可欠です。しかしながら、大人の自殺とは異なり、先ほど大臣からも御答弁ありましたが、この子供の自殺においては遺書が残されないケースが多くて、その子が何を思って何に追い詰められていたのかということを事後的に把握することが極めて困難であると認識しております。こうした調査分析の難しさがある一方で、子供の自殺が深刻化している背景には、学業や友人関係、家庭環境など、複合的な要因が絡み合っているものであります。その表面的な統計データだけでは見えてこない子供たち一人一人の生きづらさの実態を丁寧に見ていくことも重要かと思います。  そこで、こども家庭庁にお伺いします。  子供の自殺が深刻化している背景や要因について、現在どのような方法で調査分析をされているのか、その取組をお聞かせください。

源河真規子 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。  委員に資料三でお示しいただいたとおり、令和七年の小中高生の自殺者数は五百三十八人と過去最多、こども家庭庁としても大変重く受け止めております。  こども家庭庁では、令和五年に策定したこどもの自殺対策緊急強化プランに基づき、こどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究に取り組んでおります。  令和六年度までの調査研究では、自殺で亡くなった子供の背景には様々な要因が相互に関わっていることが改めて確認されました。令和七年度は、令和六年度までの調査研究の知見を踏まえて、子供が亡くなった後の調査では把握し切れない子供本人にとっての自殺の危険因子や保護因子を明らかにするために、インターネット相談事業や匿名オンライン掲示板のデータ分析を行いました。  その結果、子供の自殺の危機は、家庭や学校における複数の悩みを背景に精神的不調や自己への否定的認知が進み、これらが極限に達すると希死念慮が生じ、自殺未遂や自己破壊的行動へ至るというように、段階的に進むことが示唆されました。また、家族との円滑なコミュニケーションや学校での信頼関係、趣味などの活動参加など、保護因子をより多く持つことが自殺のリスクを低減されることが示唆されました。  こども家庭庁においては、引き続き、要因分析に関する調査研究を通じ、子供、若者の自殺の実態把握に取り組み、得られた知見を施策に生かしてまいります。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  自殺者数という統計の表れた数字の背後には、その数倍、数十倍に上る自殺未遂や自傷行為があるとされております。自殺で亡くなった子たちはもちろんのこと、今この瞬間も見えないところで深刻な苦しみを抱えている子供たちが数多く存在しているという現実を重く受け止めなければならないと思います。  こうした子供たちにとって、この自傷行為や自殺未遂は、死にたいというサインであると同時に、やはり助けてほしいというSOSの表れでもあります。このサインを見逃さず適切な支援につなげられるかどうかがその後の命を左右すると言っても過言ではありません。  令和七年に自殺対策基本法が改正され、自殺未遂者への支援強化が法的にも位置付けられたことは大きな前進であると思います。  そこでお伺いいたします。  この自殺未遂を含む自殺の危険性が高い子供の存在が把握されたときに、具体的にどこの機関、窓口につなぐこととなっているのか、またその後の地域における継続的な支援はどのような体制で行われるのか、政府の取組と今後の方針についてお聞かせください。

源河真規子 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。  自殺未遂者の状況については、先ほど厚労大臣からも御答弁がありましたとおり、自殺未遂者等の自殺の危険性が高い子供、若者に対する支援は極めて重要であると考えております。  政府では、関係省庁が連携し、こどもの自殺対策緊急強化プランやこどもの自殺対策推進パッケージに基づき、自殺リスクの早期発見、対応、危機介入、見守り支援に関する取組を推進してまいりました。  加えて、先ほど委員から御紹介のございました改正自殺対策基本法において、地方公共団体は、学校や医療機関等が把握した自殺の危険性が高い子供に関する情報を共有し、関係機関が連携して必要な支援等を協議するための協議会を設置することができるようになったところでございます。  自殺未遂をした子供や緊急に支援が必要な子供に対して、地域において関係機関が共通の理解を持って継続的な支援をしていくために、協議会の運営を通して、対象となる子供の把握、支援の検討に必要な情報の収集、支援の内容等を協議する個別ケース検討会議の開催、関係機関等による継続的な支援、必要に応じて支援方法等の見直しなどを実施することを想定しております。  こども家庭庁としては、地方公共団体における協議会の設置を促進するため、設置、運営に関するガイドラインの策定、効果的な運営に関するモデル事業の実施、都道府県、市町村に対する協議会の設置の働きかけなどに取り組んでいるところでございます。  引き続き、地方公共団体や関係機関と連携し、子供、若者の自殺対策にしっかり取り組んでまいります。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 その協議会がしっかりと機能するように、政府としても定期的にしっかりとフォローをしていただきたいというふうに思います。  ここまで、オーバードーズの問題、そして小中高生の自殺の深刻化について伺ってまいりました。本日は、時間の都合上、取り上げることはできませんが、アルコール依存症や非行、犯罪に走る子供たちが増えているという問題も同様に深刻化しております。これらの問題は、一見するとそれぞれ異なる課題のように見えますが、私はこの根底に共通する構造的な問題があると考えております。それは、これらの子供たち、若者たちの背景には、虐待、ネグレクト、家庭内DV、経済的貧困、そしてヤングケアラーとしての過重な負担といった問題があるということです。すなわち、家族が家族としての機能を果たせていないという、この家族機能の低下、喪失という共通の問題が根底にあるのではないかと考えております。  ここで、機能不全家族という言葉があるのですが、これは行政上の厳密な定義が存在するわけではないことは承知しておりますが、この概念について政府としてどのように認識されているか、御見解をお聞かせください。

源河真規子 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。  ただいま委員から御指摘いただいたような家庭は、様々な事情により子供の養育に関して大きな困難に直面している家庭であるというふうに認識しております。  こども基本法においては、子供の養育については、家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、これらの者に対して子供の養育に関し十分な支援を行うことをこども施策の基本理念として定めているところでございます。  こうした考えの下、家庭や保護者が様々な困難に直面した場合であっても、必要な支援を受けながら子供の養育を行うことができ、子供が心身共に健やかに育成されるよう、家庭や保護者に対する支援にしっかりと取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 この機能不全家族という概念を、様々な問題の共通の土台として政策的にどう位置付けていくかということが私は大事ではないかと思っております。それぞれの問題への対策というのはもちろん大事なんですけれども、それだけでは対症療法となってしまい、根本治療にはならないと考えております。  この機能不全家族の中で育つことによって、家庭養育環境に複合的な困難を抱える子供、若者が増加をしている、あるいは従来見えていなかったものが顕在化してきているという認識を政府はお持ちでしょうか。また、それが増加、顕在化しているとお考えであれば、その背景や原因についてどのように分析されているか、政府の御見解をお聞かせください。

源河真規子 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。  家庭や保護者が様々な事情により子供の養育に関して大きな困難に直面する場合に適切な支援が受けられなければ、子供の心身の健やかな成長に影響を及ぼすおそれがあるというふうに考えております。  子供の養育における困難に関する相談としては、例えば児童相談所に寄せられる虐待相談対応件数が挙げられますが、令和六年度において二十二万三千六百九十一件、前年度と比較して僅かに減少したものの、二十二万件を超えておりまして、依然として多い状況となっております。  その背景として、核家族化や地域関係の希薄化などにより、孤立した状況で養育における困難に向き合わざるを得ない家庭が多くなっていることも影響しているのではないかというふうに考えております。そうした家庭が直面している様々な困難に関しては、社会全体で適切な支援をしっかり実施していくことが必要であるというふうに考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 まさに原因はおっしゃっていただいたとおりだと思います。  この機能不全家族をめぐる問題の中でも、私が特に深刻に受け止めなければいけないと思っているのがこの世代間連鎖という問題です。例えば、虐待を受けて育った子供が親になったとき、自らも子供に虐待を繰り返してしまうというリスクが高いことは広く知られているところです。これ、同様に、依存症家族で育った子供が自らも依存症に陥りやすいとも言われている。そして、貧困もまた親から子へと受け継がれやすい構造があります。こういった負の連鎖が続いていくということですね。  この連鎖のメカニズムを考えるときに重要な視点となるのが、やはり親自身の心理的、精神的な問題です。虐待やDV、貧困といった困難な家庭環境で育った親の多くは、自身が被虐待経験やトラウマを抱えていて、その影響から感情のコントロールが難しかったり、子供との健全な愛着関係を築くことに困難を抱えているというケースが少なくないと指摘されております。言うなれば、この加害者として見られがちな親自身もまた癒やされていない被害者であるという視点が不可欠かと思います。  この世代間連鎖を断ち切るためには、子供への直接支援と並行して、親自身へのメンタルヘルス支援やトラウマケアにより、より積極的に取り組むことが必要ではないかと考えております。  そこでお伺いいたします。  この虐待やトラウマを背景に持つ親に対するメンタルヘルス支援やトラウマケアについて、現在どのような取組が行われているでしょうか。

野村知司 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。  子供を養育するに際して困難に直面している家庭、こちらに支援するに当たっては、それぞれそういった困難の背景にある状況に応じた関係機関の連携が必要であります。そういう中で、御指摘のそのメンタルヘルス面の課題、それも一つだと思います。  例えばですけれども、児童相談所でケースに対応する中で、保護者の方にメンタルヘルス上の課題であるとかあるいは精神疾患などがある場合には、保健所、精神保健福祉センターなどの機関と連携して対応していただくこと、これが重要だというふうに思います。あるいは、これ、児童相談所じゃなくて各市町村に置かれているこども家庭センターの方で同じような保護者の方と接することになった場合にも、同様な観点が必要かと思っております。  そうした中で、このメンタルヘルスの支援でございますけれども、都道府県に設置をされております精神保健福祉センターなどにおきましては、メンタルヘルスの課題を抱える方に対しまして、保健師であるとか精神保健福祉士の方、こういった専門職による相談を行っております。その上で、必要な方には地域の中での医療機関につないでいくといったような努力を重ねているところでございます。  さらに、もう一つ、御指摘具体的にありましたが、トラウマの関係でございますけれども、トラウマに起因する症状に適切に対応できる人材を育てることが大事かというふうに思っております。その観点から、国立精神・神経医療研究センターの方でPTSD対策専門研修というのを実施をしておりまして、医師、保健師、あるいは精神保健医療福祉に従事する職員の方々の資質の向上、こういったものを図っているところであります。  こうした取組を通じまして、PTSDの症状がある方を含めて、保護者世代、親世代のメンタルヘルス支援にもしっかり対応できるような精神保健医療福祉体制の整備を進めていきたいと考えております。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 ありがとうございます。  その特別問題を抱えている親、家庭の親に向けてということではないということなんですが、そういったケアも行われているということですね。  支援の現場において近年注目されているアプローチにトラウマインフォームドケアというものがあります。これは、問題行動や困難な状況に直面したときに、なぜ人は、この人がこういう行動を取るのかと、そういう考え方ではなくて、この人にこれまで何が起きてきたのかという視点に立って支援を行っていくという考え方でございます。虐待、DV、貧困といった、そういった逆境的な経験がその人の行動、感情、対人関係にどのような影響を与えてきたかを理解した上で、批判や断罪ではなく、回復を支える関わりをしていこうというものでございます。御答弁の中でPTSDに対応できる専門人材とおっしゃっていただきましたが、専門人材に限らず、この視点を支援の現場に浸透させていくことが何より重要ではないかと思います。  そして、もう一点重要なのが接続の問題です。子供の問題に関わる中で、その背景に親自身のトラウマや精神的な困難が見えてきたとき、その親をやっぱり適切な支援機関へとつないでいく仕組みが機能するかどうかが連鎖を断ち切れるかどうかの分岐点になるのではないかと考えますので、よろしくお願いいたします。  ちょっと質問九、飛ばさせていただきます。  最後に、この機能不全家族の中で育った子供が抱える問題として、愛着障害についてお伺いをいたします。  この愛着障害という言葉は専門家の間では広く認識されておりまして、その影響の深刻さも十分に議論されております。しかしながら、政府として、これを独立した政策課題として正面から位置付け、体系的な施策を展開してきたとは言い難い状況にあると認識しております。しかし、オーバードーズ、自殺、希死念慮、依存症、非行、これらの問題の背景を丁寧にたどっていくと、愛着形成の困難という共通の問題に行き着くケースが非常に多いと思います。  私の知り合いに少年院を出た子供たちの支援をしている方がいらっしゃいますけれども、彼がその少年院や施設出身者の子供たちからよく言われる言葉が、安心して暮らせる家庭で暮らしたかったと、そして、本当はお母さんと暮らしたかったと、そういうことを言う少年がかなり多いということです。やはり安心できる場所、安全だと感じられる場所が必要なんだと思います。  そして、何より強調したいのは、この愛着の問題というのは治療よりも予防が可能だという点でございます。この乳幼児期という限られた時期に養育者と子供の間を、この子供の間の安定した愛着形成を支援することへの早期投資がこの後の深刻な問題を相当程度予防して、ひいては医療、福祉、司法に係る社会的コストを大幅に削減できる可能性を秘めていると思います。この予防への投資は社会全体にとっても極めて合理的な選択であるはずです。  愛着障害を独立した政策課題として明確に位置付け、政府として取り組んでいただきたいと強く思いますが、政府のお考えをお聞かせください。

水田功 こども家庭庁長官官房審議官

○政府参考人(水田功君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、子供が生涯にわたって幸せな状態で過ごすためには、乳幼児期からの安定したアタッチメント、愛着の形成が大変重要であると考えております。  令和五年十二月に閣議決定されましたはじめの百か月の育ちビジョンにおきましては、子供の誕生前から幼児期までの初めの百か月が生涯にわたるウエルビーイングの向上にとって最も重要な時期であり、特にこの時期にアタッチメント、愛着を形成することは、子供が自分や社会への基本的な信頼感を得るために欠くことのできないものであり、子供の自他の心への理解や共感、健やかな脳や体を発達させていくものであることが示されております。  そこで、こども家庭庁では、アタッチメント、愛着形成の重要性を含めまして、同ビジョンに掲げる基本的な理念や考え方を社会全体で共有をするために、パンフレット、動画の周知、科学的知見の普及啓発、さらには乳幼児期の親子の関係性づくりに関する自治体の取組事例の周知、こういったことに取り組んでいるところでございます。  引き続き、全ての子供が健やかに成長できるよう、アタッチメント、愛着形成の重要性の周知啓発に努めてまいります。

宮出千慧 参政党

○宮出千慧君 これは、子供たちだけでなく、現代の私たち大人の中にも愛着形成がなされないまま大人になってしまった方がたくさんいると思います。これは後からでも取り戻せるものでございます。ですから、是非周知啓発というところに力を入れてほしいというふうに思います。  ただ、今の子供たちに対してそれをやっていくには、この両親の経済的余裕であったり、心の余裕というものも必要だというふうに考えております。この機能不全家族が増えているのは、決して当事者だけの責任ではありません。かつての子育ては、祖父母を含む三世代で支え合って、さらに地域のコミュニティー全体で担うものでした。しかし、現代では、核家族化が進み、両親だけ、時には一人で子育てを抱え込まざるを得ない状況が当たり前になっております。加えて、行き過ぎた株主資本主義により、長きにわたり日本経済が低迷し、家庭に金銭的、精神的な余裕はなく、子育てに割けるエネルギーはますます失われております。  我が党は、子供一人生まれると月十万円を支給するという政策を掲げております。これは単なる経済的支援策ではありません。子供を産んで育てるということがどれほど尊いことか、どれだけかけがえのない営みであるかを社会全体で改めて認識し直そうという、そういう価値観の転換を訴えるものであると私は思っております。  女性が働くことももちろんすばらしいことなんですが、現代社会においてはキャリアを積むことが自己実現の中心に置かれてしまい、その中で、子育てはともすれば負担であったりキャリアのブランクとして捉えられがちです。  しかし、私は、お母さんたちがやはり子育てに誇りと喜びを持てる社会を取り戻さなければならないと強く思っております。子育てという尊いことをしているということを実感できる社会においてこそ、子供たちは安心して愛されて、そして健やかに成長することができると、そして、将来の犯罪や依存症、自殺といった深刻な社会問題を大きく減らすことにつながると考えております。  社会における多くの損失の根源をたどれば、子供の頃に愛されなかった、安心できなかった、認められなかった、そういう経験に行き着くことが少なくありません。逆に言えば、子供時代に安心できる環境の中で愛着を育み、自己肯定感を持って成長することができたなら、その子供たちは、社会的コストとなるのではなくて、社会を支え、未来を担っていく人材となっていたはずです。  そういう意味においても、子供への投資、そしてお母さんへの投資は日本における最大の社会保障政策であるということを申し上げて、私の質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。    〔委員長退席、理事自見はなこ君着席〕

白川容子 日本共産党

○白川容子君 日本共産党の白川容子です。  今日は、ハンセン病療養所の永続化問題についてお聞きをしたいと思います。  人事院からも植村次長、お越しいただきました。質問の順番の関係で一番最後になりますが、申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。  今年は、ハンセン病患者の強制隔離を違憲であったと断じた熊本地裁判決から二十五年、らい予防法廃止から三十年という節目の年です。この三十年というこの歳月、らい予防法の廃止に始まり、隔離政策にピリオドを打ち、国の責任を明確にした上で、社会構造やその責任課題を明らかにしてきた歴史の日々だったと思います。言葉に尽くせないほどの苦難を乗り越えて、人間としての尊厳を懸けた闘いを続けてこられた全ての皆さんに、隔離政策に加担をしてきた日本社会の一員としても、心からのおわびと反省を申し上げるとともに、今、何が問われているのか、何をしなければならないのかを自分自身問いながら質問をさせていただきたいと思います。  私も三十年ほど前からハンセン病問題に取り組んでまいりました。全国ほとんどのハンセン病療養所を訪問し続けてきました。この間も、大島青松園や邑久光明園、長島愛生園の瀬戸内三園を始め、入所者が六名になった鹿児島県の奄美和光園、東京の多磨全生園なども訪問をさせていただきました。  資料でもお配りをしておりますけれども、現在、全国のハンセン病療養所は、国立十三園、入所者数が五百五十一人、平均年齢八十九・二歳です。私立一施設、二名の方もおいでます。この療養所の将来構想、そして永続化の問題というのは待ったなしの状況です。  将来構想の中で最も重要なのは、入所者が少なくなっても充実した医療や介護が受けられることが保障できる体制をつくっておくことです。厚労省は全ての園で将来構想は策定されたという認識のようですが、策定されてからもう既に二十年以上もたつものが大半で、この頃の将来構想は、施設の中にどんな施設を併設をするのかなどということが中心課題になってきました。しかし、現在は入所者数も全体として減少し、最も少なくなったときに職員を確保して入所者の生活を保障することができるのかが将来構想の中心課題になってまいりました。入所者の思いもそこにあります。  しかし、現実を見ると、職員定数は、全国で定員二千五百六十九人に対して、現員はマイナス二百三十八人。特に、看護師がマイナス七十九人、介護職はマイナス九十四人と、満たされていません。つまりは、入所者の治療や暮らしを支える職員数が確保されていないということです。  強制隔離政策の反省に立って、厚労省が約束したように、入所者の最後の一人まで安心して暮らせるよう、また、社会に復帰した退所者がいつでも帰ってこられるように療養所を維持するためには、満たされた職員体制の下で働き続けることができる、そういう担保が必要です。そういうことを想定した将来構想がしっかりと考えられている状況にはまだありません。今ある将来構想の実施の進捗状況にも国が責任を持ちながら、これから先も、最後の一人まで、どのように医療、看護、そして介護を守っていくのかの具体的指針としての将来構想を考えていかなければならないと思います。  国としてどう対応していくのか、厚労大臣にお尋ねをいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 将来構想につきまして御質問をいただきました。  厚生労働省といたしましては、全国の国立ハンセン病療養所の将来構想の実現、これは喫緊かつ重要な課題だと考えております。その実現に向けて真摯に取り組む、そうした責務があると認識をしています。委員からも御指摘ありました、医療、看護、介護、この充実、非常に大事な点でございますので、必要な体制の確保にしっかりと取り組んでいきたいと思っております。今後とも、入所者の皆様に寄り添いながら、入所者の視点に立った政策を推進をし、療養環境等の充実を図ってまいりたいと考えています。  また、委員御指摘のように、この将来構想策定から年数が経過をしております。療養所によってはその見直しに向けた動きがございますので、厚労省といたしましても、その見直しに向けた協議に主体的に参画をさせていただいて、しっかり応援をしていきたいと考えています。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 ありがとうございます。私は、将来構想と永続化、これ両方が切り離されずに作用していくことが大変重要だというふうに思っています。  そんな中、ハンセン病療養所の永続化、大きな課題となっています。入所者の方がいなくなったときに、ハンセン病療養所の敷地全体をどうするのかという問題、待ったなしの課題になってきました。ただ、これは、入所者がいるうちは将来構想、いなくなったら永続化という問題ではありません。地続きの問題であり、私たちは既にこの問題と向き合わなければならないときに来ています。  各園や地元の事情や条件に寄り添って、国が責任を持って永続化に向けた取組を進めていくべきではないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。    〔理事自見はなこ君退席、委員長着席〕

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 入所者の方がいなくなられた後のハンセン病療養所の施設、敷地、これをどのようにしていくか、いわゆる療養所の永続化については、国の誤った隔離政策の歴史を後世に伝え、偏見、差別を解消していくために、厚労省としてもしっかりと検討していかなければならない重要な論点だと考えております。  各療養所は、島であったり、あるいは山間部、都市部など、様々な場所に立地をしております。そうしたこともありますので、それぞれの地域における特性や経緯、そうしたものを踏まえまして、入所者自治会、療養所及び地元自治体による地元での永続化の議論が重要だと考えています。  厚労省としては、その所在する地元での議論が進むように、入所者自治会、療養所及び地元自治会等が意見交換できる環境づくり、これを行っているところであります。こうした場で関係者の御意向を踏まえつつ、ハンセン病訴訟の統一交渉団との意見交換も重ねることによりまして、療養所の永続化に関する議論を進めていきたいと考えています。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 昨年も、天畠委員の質問に、臨時国会で上野大臣、同じような答弁をなさいました。  しかし、今、現実問題として、鹿児島県の奄美大島にあります奄美和光園、もう既に、入所者の皆さん、現在六人になっています。国立ハンセン病療養所で最も規模の小さな施設です。和光園の永続化の問題、具体化することというのが、私も一刻の猶予も許されない喫緊の課題だというふうに思っているわけなんです。  和光園は、永続化を図る上で極めて有利な条件を有していると思います。和光トンネルの開通で市街の中心地から車で十分足らずという条件、しかも、長年にわたって皮膚科診療を地域に開放して、年間三千人超える、こういう外来診療の実績を上げ、大島郡における皮膚科診療の中核病院としての地位を確立をしています。療養所の永続化を図る上で、医療機関としての存続という前提を十分にクリアできているというふうに思うんです。地域住民からも必要とされ、奄美和光園は永続化を実現していく上でどこよりも有利な条件を有しています。  地元医師会も、宿直医の派遣等、日常的に様々な協力を続けてこられました。私も参加をしたんですけれども、五月に奄美市で行われたハンセン病問題市民学会の分科会で医師会長登場されまして、立派なこの和光園の施設を生かして包括的な医療、福祉のエリアとして使えたらというふうに発言もされていました。市長もこの問題に非常に熱心で、市民学会にももう朝から晩までずっと参加をされていました。  そして、令和六年七月五日、全会一致で上げられた奄美市議会からの国立療養所奄美和光園の医療・福祉の充実と将来構想の確立を求める意見書でも、和光園を地域住民の医療・福祉施設として永続化するよう、ハンセン病問題基本法の改正等必要な措置を講じることとして、奄美和光園の永続化、間違いなく地元の総意になっていると私は感じています。  厚労省、そして奄美市、奄美和光園、統一交渉団による協議会をすぐさま開催をするべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

大坪寛子 厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  療養所の永続化につきましては、入所者の自治会、それから療養所及び地元の自治体による御地元での永続化の議論が極めて重要だというふうに考えております。  今御指摘をいただきました奄美和光園につきましては、既に園、入所者及び奄美市において永続化を地元として議論するための会議の立ち上げに向けて鋭意調整が進んでいるというふうに承知をしております。先生からお話がありましたように、市長も熱心に取り組まれているというふうに承知をしております。  この会議体におきまして、会議の構成ですとか参加者、こういったことにつきましては、今後永続化を考える上で御地元における議論、これは極めて重要だと思っておりまして、奄美市や奄美和光園において検討が進められていることを注視してまいりたいと思っております。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 ありがとうございます。  地元における議論が必要だということなんですけれども、そう答弁をされるんですけれども、この間、統一交渉団との間で行われた二回の意見交換会において、療養所の永続化の範囲について地元自治体の要望があれば検討する余地があることが示唆されて、前進は見られました。皆さんの御努力だと思います。その具体化のための地元自治会の意見徴収も具体化をしていないんですね。意見交換会の開催自体、統一交渉団からの要請がない限り開催されていない状況だとお聞きをしております。  療養所を地元自治体の要望により永続化するに当たって、解決すべき課題とその実現に向かって必要とされる施策について、早急に統一交渉団との間で意思統一を図ることや、自治体の代表者を交えた統一交渉団との意見交換会を緊急に開催することが必要だと考えます。  大臣、療養所の永続化は、誤った隔離政策を推進してきた国の責任において実施していかなければなりません。よもや後のことは地元自治体の責任と選択でなどという考えではないと思いますけれども、国がイニシアを取ってやるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

大坪寛子 厚生労働省健康・生活衛生局長

○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。  まさに先生のおっしゃるとおり、御地元中心にもう長い目で見て永続化ということは議論していかなければならないと思っております。  先ほど御答弁申し上げましたように、今、奄美では、市長が先頭に立って、自治会、また園と、それから御地元での会議体が立ち上がって、これから議論を進めるところと伺っております。その進捗を踏まえつつ、また別の機会に統一交渉団とも協議の場を持っておりますので、私どもとはよくお話合いをさせていただきたいと思っております。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 私はやっぱり国の責任だと思うんです。奄美などはとりわけ条件もあるのですから、厚労省が地元自治体に対してもお願いに行くぐらいにならなければならないと思っています。入所者が六名になったということもあって、奄美での永続化への決断は待ったなしの課題です。入所者も職員も将来不安が募っています。この不安を取り除くことが国の責任だと思います。国は主体になるつもりで取り組む必要があるということを強く要望しておきます。  それから、もう一つ具体的に、香川県の大島青松園なんですけれども、今入所者が二十九人になりました。平均年齢は八十八・五歳。これ、大島青松園は唯一の離島です。職員不足にも悩まされ続けています。大島青松園の場合は船でしか渡れませんから、官用船の存在が将来構想においても絶対条件です。また、官用船として国直営を続けることが必須です。  官用船民間委託問題のときに私も県議会におりましたけれども、ハンセン病問題の歴史を鑑みても許されないと、県議会でも国に対して全会一致で請願が採択をされました。職員を島に渡す出退勤の船は民間委託を強行されてしまいましたけれども、入所者や面会者を乗せる、そういう船は官用船として直営が、国直営が続けられています。将来にわたって直営を維持するのは最低限の国の責任です。  続けるには船員確保が絶対条件です。しかし、御承知のように、船員不足は国家的問題に今なっています。現在、官用船の船長職は二名ですが、二人とも定年の時期を迎えましたが、船員不足の中、延長雇用となっています。給料はこれまでの三割カットです。体力的にも処遇的にも、いつまでも続けていける状況ではないと思います。引き継いでいける船員や船長クラスの職員確保が待ったなしです。  大臣、これからも大島青松園の官用船の国直営を続けることを明言していただきたい。そのためにも、船舶職員確保にどう取り組んでいくのか、その計画もお示しをください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 大島青松園は離島に立地をしておりますので、入所者や面会者にとっては船舶が唯一の移動手段であります。入所者や面会者を乗せる官用船については、これからも安定的に運航することが重要だと認識をしております。  令和八年四月にも新たに二名の船員を採用したところです。船長等の定年退職なども見据えて、必要な採用活動や、あるいは船長に実務経験を積ませるなど、船員ですね、船員に実務経験を積ませるなど、必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 民間委託の前は八名の定員だったんですね。欠員が生じたの何のという経過もあって現在五名の定員になってしまっています。船舶職員五人の定員に対して、二名プラスして七名などという、こういう安易な経過ではないわけです。船舶職員が確保できないからと直営をやめるなどということは、これから先も通用しないし、あってはならないということを申し上げておきたいと思います。  そして、大島は離島がゆえに、民間委託の官用船の欠航により職員が通勤できない場合、在園者の医療、介護、生活に著しい支障が生じることになります。ところが、翌日欠航が見込まれる場合、翌日の勤務のために大島に滞在をすると、現行の賃金制度では残業時間のみの超過勤務手当しか支給されません。一方、欠航によって通勤できなかった場合には特別休暇扱いになります。結果、欠航が見込まれる場合に大島に滞在する職員というのはごく限られていて、現場の職員数の確保に困難を来しています。  今日明日も大変心配なんですけれども、平成十六年に台風十六号が四国を直撃しました。地盤の低いセンターに浸水が発生した際にも、島で待機をしていた職員で力を合わせて入所者を病棟まで誘導して、全員被害なく救助することができました。直近でも、今年五月一日、そして六月二日、悪天候によって船が欠航したときも、使命感や責任感のある看護師や介護員が志願するという形で島で待機をいたしました。  台風や荒天状況などで非常時の現場は、職員の善意のみに支えられています。欠航などで大島青松園で勤務する職員が出勤できなくなれば、入所者の生活にどのような支障が生じると認識をされていますか。

森光敬子 厚生労働省医政局長

○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。  離島に所在します大島青松園は、島外との往来手段が船舶のみになっておりまして、船便の欠航により職員が出勤できない場合には、食事の介助を要する入所者への食事の提供ができなくなる、また寝返りに介助を要する入所者への体位交換ができなくなるなどの支障が生じることがあると考えております。  厚生労働省としましては、悪天候等により船便が欠航する場合においてもこのような支障が生じないように、必要な療養環境の確保に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 入所者自治会も、それから全療協、そして統一交渉団もこの待機手当を求め続けています。これは、隔離政策の国の国策の下で離島に療養所を造った国の責任が問われる大きな問題です。  人事院にお聞きします。職員の待機により入所者の生活や安全の確保にもつながっていることから、待機手当の支給など職員の役割に見合った処遇が必要だと思いますが、どうお考えでしょうか。

植村隆生 人事院事務総局給与局次長

○政府参考人(植村隆生君) お答えいたします。  職員の職務や職責、勤労条件の特殊性を踏まえた処遇の確保は重要な課題と考えてございます。  また、国立ハンセン病療養所の人材確保の重要性についても認識をしております。大島青松園につきましても、勤務の実情等を厚生労働省から丁寧にお伺いしながら、引き続き職員の適正な処遇の確保に努めてまいります。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 何度も申しますが、大島青松園は唯一の離島にあるハンセン病療養所です。誤った国策としてこの島を隔離の島にしてしまった歴史的経過があります。船でしか渡れない離島に造ったがゆえに起きてしまっている問題を、職員の善意のみに委ねて甘んじるようなことが決してあってはなりません。  大島青松園の自治会からは、大島がどのような状況なのか知っていただくためにも、人事院による現地視察の要望が上がっています。この要望に応えるべきではないかと人事院に再度お尋ねをいたしまして、質問を終わります。

植村隆生 人事院事務総局給与局次長

○政府参考人(植村隆生君) お答えいたします。  国家公務員の適正な処遇を確保するためには、全国各地の職場にお伺いし、その実情を丁寧に把握していくことは重要と考えてございます。  人事院といたしましては、これまでも、国立ハンセン病療養所を訪問し、勤務の実態を把握するとともに、療養所の皆様の御意見をお伺いしてきたところでございます。  今後とも、引き続き丁寧に対応してまいります。

白川容子 日本共産党

○白川容子君 もう終わりますが、前に行ったのが十年前だとお聞きしております。是非行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  質問を終わります。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  れいわ新選組の天畠大輔です。  資料一を御覧ください。  今年二月十八日、最高裁判所大法廷で重要な判決がありました。旧警備業法において成年後見制度利用者は一律に警備業に就けないとする欠格条項は、憲法第二十二条の職業選択の自由と第十四条の法の下の平等に反するというものです。法律を違憲とする判決は、優生保護法に続いて戦後十四例目です。  この訴訟を起こしたのは、岐阜県在住、軽度の知的障害がある男性、Aさんです。二〇一四年に警備会社に就職して、工事現場などで交通誘導をしてきました。私は警備員の仕事にやりがいを感じています。ある時、急に休む人が出て、会社から私に電話があって出てくれんと言われたときは、会社から信頼されていると思い、とてもうれしかったです。一方で、二〇一七年、Aさんは親族による経済的虐待から逃れるために成年後見制度の保佐を利用したことで、当時の警備業法の欠格条項に該当し、退職を余儀なくされました。そして、Aさんは提訴しました。  Aさんは最高裁弁論でこう述べています。保佐だからといって仕事を辞めなければいけないのはおかしいと思うし、腹が立ちます。今回私が裁判を起こしたのは、自分以外にも自分と同じような人がいると思うからです。  岐阜地裁と名古屋高裁は、この欠格条項が設けられた一九八二年当時から違憲と判決して、欠格条項を改廃しなかった国会の立法不作為を認め、国に賠償を命じました。最高裁判所においては、いつから違憲だったと認めるか裁判官の意見が分かれ、国賠請求が棄却されたのは残念ですが、立法機関である国会の責任が問われた裁判でもありました。  違憲と判断された欠格条項は、成年後見制度利用者を一律に排除する絶対的欠格条項であり、実は二〇一九年の法改正で条文からは削除されています。しかし、だからといって問題がなくなったわけではありません。  まず、この警備業法を所管する警察庁に伺います。  障害を理由とした欠格事由について、どの条文や通知に基づき行っているのか、また、どのようにその審査を運用しているのか、具体的に教えてください。現在の警備業法は警備業を営む業者と警備員となる人の両方について定めていますが、話をシンプルにするために後者のみお答えください。お願いいたします。

服部準 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(服部準君) お答えいたします。  お尋ねの欠格条項につきましては、警備業法第十四条第一項におきまして、同法第三条第七号の心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者として国家公安委員会規則で定めるものに該当する者は警備員となってはならない旨規定されております。  また、この委任を受けた警備業の要件に関する規則第三条第一項には、法第三条第七号の国家公安委員会規則で定める者は、精神機能の障害により警備業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とすると規定されております。  お尋ねの手法につきましては、令和六年六月二十七日に発出した通達「警備業法等の解釈運用基準について」におきまして、警察庁から都道府県警察に対しまして、警備業者に対して、警備員の採用に当たっては、本人から欠格事由に該当しない旨の誓約書の提出を受けることに加えて、履歴書、診断書等の提出を受けたり、面接調査を行ったり、事前に本人の承諾を得て前の警備業務に係る職場に問い合わせるなどの十分な措置をとるように指導することを指示しております。  警備業者においては、これを踏まえた対応を行っていると承知しております。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  構造が分かりにくいので資料二としましたが、今御説明いただいた一連の規定は典型的な相対的欠格条項です。心身の障害により○○の業務を適正に行うことができない者には免許を与えないことがあるなど、障害を理由に何か審査をした上で資格や免許を与えない可能性があるというものです。  次に、資料三の一と三の二を御覧ください。  二〇〇一年と二〇一九年の法改正により、障害者に関わる絶対的欠格条項は削除されました。絶対的欠格条項の典型は、目が見えない者、耳が聞こえない者又は口が利けない者には免許を与えないといったものです。これがほとんどの法令からなくなったこと自体は一歩前進です。  しかし、二〇一九年に改正された法令百九十一本の約六割に、心身の故障に対する相対的欠格条項が新たに設けられたのです。さらに、その心身の故障とは精神の機能の障害であると政省令で規定されました。この結果、二〇一九年を境に、心身の故障、すなわち精神の機能の障害に対する相対的欠格条項が急増します。その後も、法律の新規制定や改正のたびにコピー・アンド・ペーストされているため、欠格条項のある法令数は年々増加、二〇二五年時点で七百を超えています。  最高裁判決は、この相対的欠格条項を考えるに当たって重要な論点を示しています。私たちは、この論点にきちんと向き合い、議論を尽くすべきです。  資料四の判決文を御覧ください。読み上げます。  本件退職時点に至るまでに、本件規定を取り巻く諸事情は、変化したというべきである。平成二十二年には、成年後見制度の運用上の改善策に関する研究報告において、成年後見等が開始したとしても、その余の能力が直ちに欠如しているとは言えないなどと評価されるようになった。遅くとも本件退職時点までには、被保佐人のうち警備業務を適正に実施するに当たって必要な能力を備えた者が本件規定により一律に警備業務から排除されることによる不利益は、もはや看過し難いものとなっており、以下略です。  ここから引き出せるのは、障害の有無と業務等を適正に行う能力は別だという視座です。原告のAさんは鋭く指摘しています。障害があってもなくても、できることはできるし、できないことはできない。業務や職業上の行為を適正に行えるかどうかということと障害の有無とはそれぞれ独立した別の事象です。それを同一視したり、関連付けて捉える姿勢は、差別、偏見以外の何物でもありません。  警察庁に伺います。  警備業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないという状態の原因は、精神の機能の障害にとどまらないですよね。警察庁、お願いします。

服部準 警察庁長官官房審議官

○政府参考人(服部準君) お答えいたします。  警備業法第三条第七号の精神機能の障害に係る相対的欠格条項は、精神機能に障害がある方の一部にはその障害により警備業務を適正に行うことができない者に当たる方がいらっしゃることに鑑み、他法令も参考としながら定められたものでございます。  なお、仮に障害があったとしても、医師の診断書等によりまして、業務を適正に遂行する能力を有するかどうかという観点からの具体の状況により相対的欠格条項への該当性が判断されることとなるものでございます。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 一部であっても、障害とひも付けるのは差別です。代読お願いします。  一方で、二〇〇一年以降、それまで絶対的欠格条項で門前払いだった医師や薬剤師等の職種においても、障害のある人が免許交付を受けて、各地、各領域で活躍しています。耳の聞こえない総合診療医、目の見えない精神科医、発達障害を持ちながら働く看護師、肢体、視覚、言語、てんかんの重複障害のある社会福祉士といった方々が実名を挙げて自分の体験をイベントで語っています。資料五にQRコードを付けているので、是非皆さんにも見ていただきたいです。  二十年以上前、絶対的欠格条項の改正に向けた議論では生命、安全に関わるといった消極論もあったそうですが、実際はそれらは差別、偏見だったと言えるでしょう。  次の論点に移ります。  資料六の判決文を御覧ください。読み上げます。  本件規定は、障害者である被保佐人を被保佐人でない者と区別して一律に規制の対象とし、精神上の障害を理由として狭義における職業選択の自由そのものを制約するものである。  旧警備業法の絶対的欠格条項は、どの職業に就くか、あるいはその職業を継続するかという狭義における職業選択の自由をも侵害していたと最高裁は判断したからこそ、違憲という重い判決が出ました。  私は、相対的欠格条項についてもこの問いを向けられていると思います。なぜなら、相対的欠格条項であっても、我々障害者の職業選択の自由を侵害しているからです。  二十年近く前、私は大学から社会福祉士の受験推薦が得られませんでした。介助を付けて実習を済ませ、点数も十分だったのにです。社会福祉士の仕事の本質の部分は、介助を付ければこうできるではなく、前例がないという予防的発想の門前払いで、諦めざるを得ませんでした。ほかにも、例えば障害のある人は国家試験に合格してもすぐに免許が交付されるわけでなく、更に障害に関して審査を受けなければなりません。せっかく国家試験に合格しても、審査を経て免許が交付されるまでの期間、有資格者として就職活動もできず、研修の道も閉ざされているのです。  耳が聞こえない今川竜二さんは医師を志しましたが、当時は絶対的欠格条項がありました。高校一年生のときに改正された条文には免許を与えないことがあると書かれており、不安も残ったけれど、それでも可能性に懸けたいと思って勉強し、現役で医学部に合格しました。医師免許を与えないことがあるという条文があるからこそ、障害によりできないことが目立たないようにしようとしていたそうです。迷惑を掛けたくない一心で、聞こえるふりをして自分を追い詰めてしまい、結局、医療現場を一度離れました。  今川さんはその後復帰できましたが、ここから分かることは、障害者には無理、できない、危険という予防的な思い込みを障害者自身にも植え付け、不安からの分離、排除を生み出してしまうのです。  欠格条項は、分離と排除が当たり前の社会をつくっています。法律自体が差別、偏見に基づく限り、障害のある本人や周りの人の不安と萎縮は消えず、今も差別が再生産されています。  厚労省と内閣府に伺います。  これまでどのような視点で相対的欠格条項の見直しを進めてこられましたか。最高裁判決が出たことを踏まえ、今後どのように見直していく予定ですか。お願いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) まず、厚生労働省が所管をいたします国家資格には、いわゆる相対的欠格条項が設けられているものが多くございます。  この欠格条項については、第五次障害者基本計画において、各制度の趣旨や技術の進展、社会情勢の変化、障害者やその他関係者の意見等を踏まえ、真に必要な規定か検証し、必要に応じて見直しを行うこととされております。  厚労省としても、障害者政策委員会におけるフォローアップの機会、これを捉えまして、制度ごとに検討を行ってきておりますが、今後とも、先ほど申しました基本計画の方針にのっとって、その趣旨を踏まえつつ対応していきたいと考えています。

津島淳 内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。  いわゆる相対的欠格条項については、障害者基本計画において、各制度の趣旨や技術の進展、社会情勢の変化、障害者やその他関係者の意見等を踏まえ、真に必要な規定か検証し、必要に応じて見直しを行うこととされております。  なお、社会情勢の変化には、一般的に職場における合理的配慮や環境整備など、それぞれの資格を用いて働く者を取り巻く情勢の変化も含むものと考えられております。  その実施状況につきましては、障害者基本計画の趣旨を踏まえた上で、障害当事者等が過半数を占める障害者政策委員会において必要な監視を行っていただくこととしており、引き続きそのフォローアップをしてまいります。  以上です。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 相対的欠格条項は差別ではありませんか。上野大臣、お願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) いわゆる相対的欠格条項は、障害者であることをもって一律に資格等の取得が認められないというものではなく、業務を適正に遂行する能力を有するかどうかという観点から判断することを求めるものだと承知をしております。  いずれにいたしましても、先ほど申しました障害者基本計画の方針に沿って対応していくことが必要だと考えています。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 相対的欠格条項が差別かどうかを伺っているんです。もう一度お答えください。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになりますが、相対的欠格条項自体は、業務を適正に遂行する能力を有するかどうかという観点から判断するものを求めているものだと考えておりますので、そのこと自体が差別に当たるというふうには考えておりませんが、ただ、いろいろな見方があろうかと思いますので、先ほど申し上げましたように、障害者基本計画の方針にのっとって、その規定が真に必要かどうかということは検討していくことが必要だと考えております。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 明確な差別です。今こそ相対的欠格条項を見直すべきです。代読お願いします。  まず、今回の最高裁判決は、障害者権利条約の批准や障害者差別解消法の施行などを挙げ、障害者施策は保護から法的な権利の保障へ転換したと認めています。さらに、最高裁判決本文に対する反対意見で、三浦守裁判官は、相対的欠格条項について、合理的な配慮の提供との関係が明らかではなく、障害者の機能障害に偏ったものとなっていると述べています。これらは重要な指摘です。  障害者差別解消法は、障害は社会的なバリアと個人の特性の相互作用によって生み出されると捉える社会モデルの考え方がベースにあります。社会参加に当たっては、障害者と周囲の建設的対話に基づき、過重な負担でない場合には合理的配慮を行わなければならないと定めています。  一方で、欠格条項の条文は医学モデルで、機能障害の有無を参考に、認定や雇用をする側が基本的には一方的に判断する仕組みです。これは、保護の客体から権利の主体へのパラダイムシフトとは合わない考え方です。相対的欠格条項と合理的配慮との整合性について、現場に混乱が起き、障害者の権利が奪われている可能性すらあると思います。  先ほど御答弁にあったような、業務を適正に遂行する能力を有するかどうかということは、障害の有無にかかわらず国家試験などで判断することになっています。それなのに、障害者にのみ欠格条項を設けることが問題なのです。  先ほど、津島副大臣からの御答弁では、技術の進展、合理的配慮の広がりを始め、社会情勢の変化、障害者やその他関係者の意見等を踏まえてとのことでした。  最高裁判決や障害者差別解消法による合理的配慮の提供義務化などを考えると、社会情勢は既に変化しており、今こそ相対的欠格条項を見直すべきときです。  改めて内閣府に伺います。相対的欠格条項の見直しの進捗状況を教えてください。

津島淳 内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(津島淳君) お答え申し上げます。  昨年度のフォローアップについては現在精査中であるため、準備が整い次第、障害者政策委員会に報告することを予定しております。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 各省庁による検証は二年前からやっています。相対的欠格条項は差別ですから、即撤廃すべきです。津島副大臣、いかがですか。

津島淳 内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(津島淳君) 二年前、つまり令和六年十月八日の障害者政策委員会において、いわゆる相対的欠格条項の検証、見直し状況についてフォローアップを実施したという、その事実関係のことをお話しされていると思いますが、現在、そのフォローアップについて関係省庁と精査をしておりますが、七月に開催される障害者政策委員会に報告することを予定しているところです。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔 れいわ新選組

○天畠大輔君 早急に検討をお願いします。代読お願いします。  まとめます。  原告のAさんは、最高裁判決を受けて、憲法違反と認められ、そこはうれしいと思った、国会は放置せずに、もっと早く法律を変えてほしかったと述べました。  政府は、各省庁の裁量に委ね、必要に応じて見直すなどとして先送りしようとしていますが、各省庁の裁量や今のスケジュール感では最高裁判決に応えられません。相対的欠格条項をなくすよう、二〇二二年に国連から日本政府は勧告を受けてもいるのです。政府全体として、相対的欠格条項の全面撤廃に向かうように牽引することを求めます。  また、最高裁大法廷からの判決が出たのに、この四か月間、国会での議論はありません。障害を理由とする欠格条項の廃止が求められています。  国会議員の皆さんにも議論を呼びかけ、質疑を終わります。

小川克巳 自由民主党・無所属の会

○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十九分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #3634 観測 2026-08-07 00:09 JST
    改ざん検知用の値 35df0532…10e997 (未計算)

チェックポイント

記録
#3637 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
575b3761…93eb74

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。