令和八年六月二日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 六月一日 辞任 補欠選任 石橋 通宏君 勝部 賢志君 川村 雄大君 原田大二郎君 六月二日 辞任 補欠選任 勝部 賢志君 石橋 通宏君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 小川 克巳君 理 事 石田 昌宏君 自見はなこ君 小西 洋之君 田村 まみ君 秋野 公造君 委 員 かまやち敏君 神谷 政幸君 木村 義雄君 福岡 資麿君 古川 俊治君 本田 顕子君 山田 宏君 石橋 通宏君 勝部 賢志君 郡山りょう君 山内佳菜子君 庭田 幸恵君 芳賀 道也君 原田大二郎君 猪瀬 直樹君 新実 彰平君 岩本 麻奈君 宮出 千慧君 白川 容子君 天畠 大輔君 国務大臣 厚生労働大臣 上野賢一郎君 副大臣 財務副大臣 舞立 昇治君 厚生労働副大臣 長坂 康正君 厚生労働副大臣 仁木 博文君 事務局側 常任委員会専門 員 佐伯 道子君 政府参考人 こども家庭庁長 官官房審議官 竹林 悟史君 総務省大臣官房 審議官 福島 秀生君 厚生労働省大臣 官房年金管理審 議官 三好 圭君 厚生労働省医政 局長 森光 敬子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局長 大坪 寛子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局感 染症対策部長 鷲見 学君 厚生労働省医薬 局長 宮本 直樹君 厚生労働省労働 基準局長 岸本 武史君 厚生労働省労働 基準局安全衛生 部長 安井省侍郎君 厚生労働省職業 安定局長 村山 誠君 厚生労働省雇用 環境・均等局長 田中佐智子君 厚生労働省社会 ・援護局長 鹿沼 均君 厚生労働省社会 ・援護局障害保 健福祉部長 野村 知司君 厚生労働省保険 局長 間 隆一郎君 厚生労働省人材 開発統括官 宮本 悦子君 厚生労働省政策 統括官 辺見 聡君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査 (歯科保健医療に関する件) (労働時間法制に関する件) (医療提供体制の整備に関する件) (育成就労制度に関する件) (がん対策に関する件) (医療費適正化に関する件) (新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する件) (職業紹介事業に関する件) (障害者支援策に関する件) ─────────────
厚生労働委員会
発言 225
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、川村雄大君及び石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として原田大二郎君及び勝部賢志君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長森光敬子君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田宏君 おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。 本日は、前回の委員会引き続き、高市総理の看板政策となってございます攻めの予防医療の重要な柱の一つ、国民皆歯科健診の実現について御質問をいたします。 この生涯を通じた歯科健診を充実していく、これはもうずうっと骨太の方針に書いてございますが、これがいわゆる国民皆歯科健診として昨今まさに普通名詞のように捉えられるようになりました。この攻めの予防医療という中に国民皆歯科健診というものが位置付けられている意義、理由というものについて、改めて大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、攻めの予防医療につきましては、総理が施政方針演説の中で、健康寿命の延伸を図ることで、皆が元気に活躍をし、社会保障制度を含めた社会の支え手となっていただけるよう、がん検診や歯科健診の推進などを通じまして攻めの予防医療を具現化をする旨を述べられております。 歯と口腔の健康を保つことは、口腔への影響だけではなくて全身の健康にもつながるというふうに認識をしておりまして、攻めの予防医療の重要な柱の一つとして歯科健診の機会の拡大に取り組んでいきたいと考えております。具体的には、今後策定する予定であります攻めの予防医療を推進するための総合的な対策の中に、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の推進に向けた各種の取組を盛り込む方向で現在検討しているところであります。
○山田宏君 口腔の健康が全身の健康につながるというのは今やもう常識になってございます。改めて申し上げますと、歯周病と糖尿病は合併症、どちらかが悪化すると一方がまた悪化していくと、こういった関係にございます。それだけでなく、心臓や脳血管の、脳梗塞、心筋梗塞などの原因にも、この血管の壁にプラーク、歯周病を起源とする様々な物質がくっついていることが分かってございます。 また、アルツハイマーについても、歯周病の作る物質が、たんぱく質が、海馬という脳内の記憶をつかさどるところでアミロイドベータという認知症の原因となる物質を作り出すということがもう分かってございます。 そのほか、虫歯についても、その菌が消化器を使って、消化器を通して大腸で悪さをして大腸がん等の原因になってくるというようなことなどももう明らかになりつつあります。 そういった意味で、口腔の健康を維持することが実は、いや、最近の病気というのは大体、慢性病、生活習慣病でございますから、まさにそれらの予防をするという意味ではまずお口から入るということが大事だと、こう考えてございます。 この国民皆歯科健診の実現を高市総理は打ち出しているわけですけれども、どういう状況が皆歯科健診となるのかということについて、その達成目標について伺いたいと思いますが、今日は資料をお配りをしてございます。 これは、令和六年の歯科疾患実態調査、まあ何年か一回にこういうことをやっているんですが、今回は令和六年、一番最新の数字ですけれども、一万四千六百九十五人を対象に、一歳以上の方々について無作為抽出をした結果であります。 一番左、六三・八と書いてございます。これ、この一年間に歯科健診を受けましたかという質問に対して受けたと答えた者の割合は六三・八%ということで、全体と、中で三分の二程度が歯科健診を受けたと答えていますが、いまだにやっぱり三六%ぐらいの方は、よほど口腔内が悪化して、もう痛くて痛くてしようがないというとき以外は行かないし、歯医者さん嫌いだという人たちも多うございまして、そういった中で、なかなかここが進んでいないと思ってございます。 厚労省は、現在こういった状況にある、国民皆歯科健診まではまだ程遠いと、こう思っているんですけれども、達成目標等があったらそれを御教示いただきたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 現在の目標といたしましては、令和六年度から計画期間が始まった第二次の歯科口腔保健の推進に関する基本的事項において、令和十五年度を目途に、過去一年間に歯科健診を受診した者の割合を九五%にすることを目標としておりまして、現在の現状とは相当差がありますので、力を入れなければいけないと改めて感じているところであります。
○山田宏君 そうですよね。令和十五年度までに六三・八%を九五%まで引き上げるということですから、そう簡単じゃないと私は思ってございます。 二枚目の資料を御覧ください。この六三・八%の年一回歯科健診を受けているという人、答えた人たちの中で、五五・七%、五五・七、六三・八の中の五五・七ですから、約八七%の方がかかりつけ歯科医院で定期的なものを受けている。歯医者さん、もう行き慣れている、もう決まっているわけです。だから、定期的に行く癖が付いている。この人たちはいいんですけれども、問題は、自治体などの健診が年一回でも受けている人たちの中で一・九、職場健診〇・九ということで、それぞれ三%又は一・五%程度しかこの六三・八の中に占めてございません。学校健診はもう全員がやらなきゃいけませんから、これはこれが目いっぱいだと思うんですけれども、この自治体と職場健診がやっぱり一番問題ではないかというふうに考えているんですけれども、ここを伸ばさないと、やっぱり九五%までならないだろうと思うんですね。 そういった点で、この点についてはどうお考えになっているか、御所見を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに御指摘のとおりでございまして、歯科健診の受診率を引き上げるためには、自治体、また職場などでの歯科健診の機会の拡大、これが不可欠だと考えています。 また、さらに、受診者にとってもより簡便で負担が少ない方法で歯科疾患のリスクが高い方を歯科医療機関への受診につなげること、このことも重要であると考えています。このため、職域等におけるモデル事業を通じた歯科健診の受診率向上等に資する健診方法等の検証や、唾液などの検体を用いた簡便な歯周病のスクリーニング検査の開発研究を行ってきたところであります。 これらの結果を踏まえまして、現在、令和七年度の補正予算で措置をいたしましたパイロット事業におきまして、より多くの人を対象に歯科健診を実施するための新たな方法の検証として、保険者及び事業主、自治体に対して、一般の健診などに併せて簡易な口腔スクリーニングを行う取組などを支援しているところであります。 こうした取組を実施して検証することにより、自治体や職場での歯科健診の機会の拡大や歯科医療機関への受診の拡大、これを図っていきたいと考えています。
○山田宏君 国民皆歯科健診実現に向けては、職場での受診をやっぱり拡大していく、もう一つは自治体での受診を拡大していくというところにこれからは重点を置いていかなければなりません。 職場は、労働安全衛生法によって一般労働者の健診項目を省令で定めることになってございまして、今は血圧とかいろいろな十一項目が義務となってございます。しかし、歯科健診につきましては、酸を扱うような事業所は義務となってございますけれども、そうでないところはいまだに義務化されていないということで、職場でのやっぱり歯科健診増やすためには、やっぱり、この労働安全衛生法上の中の一般労働者の健診項目に歯科健診を入れていくということが大事だと思います。 それについては、やはり今大臣おっしゃったように、歯医者さんが来て診てもらうというのは、これ、人数からいっても、多分お金、予算からいっても大変なことになってしまいますので、まずは、今お話があったように、職場においては、今開発中の検査キット、これ薬機法通ってございますので、これらをやはり利用してまずはスクリーニングをして、問題のある人をなるべく診療につなげ、そして、その診療所でしっかりと検査をしてもらってから治療すると、こういうようなことをきちっとやはりルール付けていかないと駄目だということであります。 この点につきましては、前回、何とか職場での健診項目に歯科健診を入れていくために、口腔疾患と労働、労働というか業務との関係というものについては科学的にやはりその関連性をしっかり調べていくということが大事だと思いますので、その点についてお願いをしておきたいと思います。 自治体の方ですけれども、これは、健康増進法に基づいて、自治体において歯周病検診が行われているということであります。昨年からは、二十歳、三十歳、四十歳、五十歳、六十歳、七十歳と十年刻みなんですね、十年刻み。自治体によっては、自分が、自治体がお金を出して毎年やっているところもあります。私、千代田区の宿舎に住んでおりますけど、毎年千代田区はこの検診の案内がやってまいります。そういうところは、財政力のあるところはできるんですけれども、一般的には十年ごとということになっていて、しかも、たしか国が三分の一出して、自治体、都道府県三分の一、市町村が三分の一で、市町村がやっぱり出さなきゃいけない部分もあってなかなか踏み込めないというような現状です。 国の方が国民皆歯科健診と言うんだから、これ、十年に一回じゃ皆歯科健診にならないでしょう。やっぱり本当は毎年自治体の検診もやらなきゃいけないということを、全国的にですよ、やっぱりそれを進めるのが筋だと思うんですね。 先ほど、歯周病疾患、歯科疾患実態調査も、質問は、あなたは年一回歯科の健診を受けていますかという質問なんですよ。でも、国がやっている自治体での検診は十年に一回なんですから。質問は毎年一回と聞いておいて、国が進めているのは十年に一回ということではいけないのではないかと。 やっぱり自治体での検診も、今後、まあ費用は掛かりますけれども、やっぱりその部分、毎年この歯周病検査というものを自治体で行えるように国がしていくべきだと、こう考えていますけれども、その点について前向きの御答弁を期待しております。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員から御指摘がありましたとおり、市町村が実施をします歯周病検診については、令和六年度から、歯科健診の受診機会の少ない二十歳、三十歳を対象に追加をいたしました。また、受診機会を更に拡大をしていくために歯科健診の実施主体の負担軽減が必要でありますので、唾液等の検体を用いて歯周病等のリスク評価が可能な簡易な口腔スクリーニングツール、この開発支援を行ってきたところであります。その成果も踏まえ、現時点で七品目が体外診断用医薬品として使用可能となっております。 厚労省では、このような簡易な口腔スクリーニングを活用した歯科健診をパイロット事業として実施をしております。その効果検証をしっかり行っていきたいと思っておりますが、その結果を踏まえまして、歯科健診の在り方について具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。 その際に、歯周病検診の実施期間、実施間隔ですね、これも委員から御指摘がありました。非常に大事な御指摘だと思いますので、財源の問題など様々クリアすべき課題はありますが、できるだけ具体的に、間隔についても検討を深めて結果を出していきたいと考えております。
○山田宏君 できるだけ間隔を狭めて検討していきたいだと、いつまでにやる、つまり、私も行政の場におりましたから、検討となるともうずっと検討なんですよ。だから、やっていないじゃないかと言ってもやっていますよと、こうなる。 そうじゃなくて、これあと七年間で九五%まで持っていこうとしているわけだから、やっぱり期限を定めて、この皆歯科健診と言うならば、国がやっぱり率先垂範して、この自治体での検診をやっぱり十年に一回ではなくてもう五年以内に毎年やるというところまで踏み込んでください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 市町村の検診の具体の在り方については、今、実施の間隔も含めまして、先ほど申しました攻めの予防医療の総合的な対策の中でしっかり方向性を出させていただきたいと考えています。
○山田宏君 いやいや、ちょっと、しっかり方向性を出していきたいというのを聞いているんじゃなくて、もうやはり決意として、七年で九五%まで年一回の歯科健診を、受診者をつくると言っているんだから、やっぱり毎年歯周病検査、自治体におけるですね、はやるということを向けて、やっぱりいつまでにこれやっていこうとするのかということについては、今後検討みたいなことでは納得いかないので、もう少しやっぱりこの九五%達成に向けてしっかりと踏み込んでもらいたいと思うんですが、もう一度お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 私としては前向きに答弁をしているつもりなんですが。 いずれにいたしましても、財源の問題も含めまして、あるいは市町村の実施体制もありますので、その点を十分見極めた上で検討する必要が、結論を出す必要があると考えておりますので、先ほど申しました攻めの予防医療対策の中で、攻めの予防医療の総合的な対策の中で具体的な方向性をしっかり出していきたいと考えておりますし、その際には委員からの御指摘も十分踏まえて対応していきたいと考えています。
○山田宏君 ここ、大事なところなので、もうちょっと踏ん張っていきたいと思うんですけれども。 じゃ、大臣は、毎年この自治体での節目検診をやっていくという私の考え、主張というのについては賛同してくださっているんですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 毎年というのは毎年齢ごとにという意味ですよね。済みません。
○山田宏君 いやいや、二十歳の後は二十一歳、二十二歳、二十三歳、毎年。毎年、自治体での歯周病検診というものを実施、今は十年ごとなんですけれども、実施をしていくという方向について、私の意見については、まあいろいろと課題はあるけど、課題はあるけれども、そういうことについては賛成か反対なのか、どっちか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 毎年ですね、先ほど九五%と申し上げているので、毎年何らかの形で歯科健診なりあるいはそれに類するような形、簡易的なものも含めまして、それをやっていただくというのは、当然我々としても目指しているところであります。 ただ、それを具体的にどう進めていくかというのは、歯科医師の皆さんの体制あるいは市町村の体制、財源の問題、様々クリアすべき課題がありますので、大変恐縮ですが、今ここで具体的な方法について申し述べることは少々困難だということを申し上げているところであります。
○山田宏君 いや、それは分かっているんですけれども、上野大臣の思いだけでいいので、それをお聞きしたかっただけなので。首を縦に振っているんで、そのとおりだというふうに認識をしております。 もう時間がこの問題でなくなってまいりましたけれども、最後に、ちょっと五月十三日の衆議院の、これ質問じゃありませんから、十三日の厚労委員会、衆議院で、リハビリに関わる専門の部署というか統括調整室というのをつくるということで明言されました。 リハビリ分野というのは言わば理学療法士、作業療法士、言語聴覚士。この分野も非常に歯科と関わってございまして、やっぱり健康な人というのは自分の口で食べられる、自分で口で食べられなくなったら、もうやっぱりだんだんだんだん弱っていっちゃうんですね。だから、自分の口で食べられるということが非常に大事で、そのためには、単に歯医者さんだけではなくて、こういったリハビリ系の専門の方と連携をして、例えば、かむ力、顎、又は嚥下、飲み込む、こういったことが一体としてきちっとやれるようにしていくという意味では非常に時機を得たことだと考えておりますので、しっかりお進めいただきたいと思います。 私からは以上です。
○郡山りょう君 皆さん、御安全に。(発言する者あり)ありがとうございます。立憲民主・無所属、郡山りょうでございます。 昨日の決算委から連日、大臣始め政府参考人の皆様、ありがとうございます。本日も、昨日の質問とは違って、働き方中心に、あとは賃金の関係中心に質問をさせていただきたいと思いますが、私も、歯科健診の話、ちょっと振り返ると、小学校の頃、健診あったんですが、私、例えば虫歯指摘された後、行かなかったんですよね。で、物すごく今後悔していて、今は二、三か月に一回はやっぱり行ってるんですよね、検診に。それぐらい歯は大事なんだと思っていて、やはりその入口のところですよね、というところは改めて、山田委員の質問を聞きながら、大事だなと思いますので、そちらの推進も、全然関係ないんですが、今これからやるのと、お願いしたいなと思っているところです。 さて、私の方は、まず最初に働き方について質問をしていきたいと思います。 今年の二月の二十日に、高市総理は施政方針演説において裁量労働制の見直しを表明されました。同年三月十一日、日本成長戦略会議の分科会として労働市場改革分科会が初開催され、何回か議論をされて、で、五月の二十七日、取りまとめを行い、これ、これから質問するところもあるんですが、裁量労働制などの規制緩和を示唆する内容が盛り込まれ、連合の方からは極めて遺憾とする事務局長の談話も出されたところでございます。 その中で、私、ちょっと疑問があることがあるんですが、例えば、労政審の労働条件分科会で労使合意に至っていない段階で、首相直轄会議の取りまとめの方向性が事実上今後の議論の方向性を、何というんですか、方向を付けて、方向性を決めていくものだとするんだったら、労政審の存在意義というものを空洞化させることになるのではないかと疑問に私は思っています。職場実態を直接代表する仕組みを欠く直轄会議の分科会において労働時間法制の方向付けがなされることは、例えばILOが定義している公労使の三者構成原則との整合性が私は問われると思います。 今後の制度改正プロセスにおいて労政審の答申をいかに位置付けるのか、まずは明確にしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、日本成長戦略会議の下に設置をされました、今お示しのありました労働市場改革分科会でございますが、これは、我が国の経済の成長を実現する観点から、生産性の高い分野への円滑な労働移動や働き方改革を含めた労働市場改革について検討を進めるために、幅広い分野の知見を有する方々に構成員のお立場で御参加をいただいたものでありまして、改革の方向性について御議論をいただきました。 取りまとめを二十七日、先月に行ったところでありますが、ただ、各制度に関する具体的な議論、これにつきましては、まさに公労使の三者で構成をされます労働政策審議会において具体的に議論をしていただくことが必要でありますので、今後、その労政審における議論をしっかりと進めていきたいと考えています。
○郡山りょう君 ちなみに、日本成長戦略会議は内閣官房の領域なんですが、分科会は御省ということで、構成メンバーについて、公益、労働者側、使用者側の委員がそれぞれ何名ずつ配置されているのか、先ほど言ったILOの三者構成原則に照らし合わせると適正であるのかどうかをお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(辺見聡君) 労働市場改革分科会でございますが、労働者代表、使用者代表として参画していただいているものではございませんが、構成員全て十一人のうち、使用者団体の日本商工会議所、日本経済団体連合会からそれぞれ一名の計二名、労働者団体の日本労働組合総連合会から一名に御参画をいただいているところでございます。 労働市場改革分科会においては、構成員の皆様に取り組むべき改革の大きな方向性について御議論いただく一方、改革の見直し、制度の、各制度の見直しに関する具体的な議論は公労使の三者構成で構成された労政審議会において行うとしておりまして、ILO条約の求める三者構成の原則とも整合的であると考えているところでございます。
○郡山りょう君 そうですね。ただ、労働市場改革分科会を見ると、神保事務局長が労働者側で出ておられて、これ、使側という形でいうと、商工会議所の専務理事であったり、あとは、ある企業の執行役員の人事本部長ということで、もう使側が二名、私の解釈からすれば、労働者側一名になっている。さらに、コンサルティング関係の皆様もこの中の構成員にいるとするんだったら、恐らく労働側は一で、使用者側的な者、四という構成に私は見受けられるんですが、そちらは認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(辺見聡君) 労働市場改革分科会の役割といたしましては、あくまで取り組むべき改革の大きな方向性について御議論をいただいているというところでございます。 ILO条約とも関わります各制度の具体的な見直しにつきましては、三者構成であります労働政策審議会において議論を進めるということでございまして、こうした前提で御審議いただいているというところでございまして、ILO条約との関係で問題があるということではないというふうに考えております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 その構成のメンバーの中で取りまとめが出されたと思うんですが、内容を見ると、報道とかにあるように、裁量労働制の拡大を今後前提でやっていくとかという方向付けがなされたとかとあるんですよね。 中身ですね、様々ほかにもあるんですが、その中で、この取りまとめ私も読んだんですけど、どう考えても、拡大するような取りまとめの方向性には、これ見るとなっていないと思うんですよね。確かに、それぞれ広げるべきだとか、いやいや、抑えた方がいいというところの取りまとめになっていると私は受け止めているんですよね。 ただ一方で、労政審に行くときに、今後、当然健康を前提にした議論をとなっていること自体が私非常に違和感を感じているんですが、そちらの認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 労働市場改革分科会、日本成長戦略会議の下に置かれます労働市場改革分科会におきまして、労働時間法制のみならず、労働移動の問題ですとか、労働生産性、リスキリングの問題など、幅広く議論をいただきました。 その中で、一定の議論の集約、取りまとめという形で五月二十七日に議論をいただいたところでございますが、内容御覧いただきましたとおり、特に労働時間法制につきましては、具体的な裁量労働制ですとか、変形労働時間制、勤務間インターバル、連続勤務規制などにつきましては、夏以降、労働政策審議会で議論するという形を明記をいただいておりまして、そのような形で労働市場改革分科会と労働政策審議会の言わばこの役割分担といいますか、そういったものは整理されているというふうに認識をしております。
○郡山りょう君 ただ、そのどうあるかの議論の前提で、やっぱり拡大とかという言葉が出てきているんですよね。じゃなくて、そもそも裁量労働制をもう一度見直すというのは、拡大もあるし、より厳しくしていく方向もあるわけなんですよね。その両方の意見がこの取りまとめの中から出てきているのに、何でその拡大ありきで、健康とかそういう観点に留意しながら広げていくというところが私は疑問に思いますし、また、裁量労働制の対象業務って、まず幾つありますかね。ちょっとお答えください。済みません、突然。
○政府参考人(岸本武史君) 裁量労働制の対象業務でございますが、大きく言いますと、専門業務型と企画業務型と法律上二つに分かれております。 専門業務型につきましては、更にどういった内容をその中に含むかということについて省令以下で定めておりまして、現在二十種類の業務が指定をされていると。企画業務型は法律で、企画、立案、調査、分析という概念でくくられておりまして、種類としては一種類と、こういうことでございます。
○郡山りょう君 実は、この二十業務の、これ、この業務の中で裁量労働制導入している人たちとしていない人たちがいるかもしれないんですが、この年収なんですが、五百九万から一千百十七万円の範囲で分布しているわけですね。 例えば、健康に留意するとかそういったのも大事なんですが、そもそも裁量労働制って、裁量、要は任されているわけで、そもそも裁量なのかどうかも議論しなきゃいけないと思うんですよ。 例えば、今後拡大しようとしている営業なんて、客先にコントロールされるのに裁量できるわけないんじゃないかと私は思っているわけですよね。客先に呼ばれれば飛んでいかなければいけないというときに、自分自身で働き方を決めることができるのか、自分の仕事もある中でというところで、様々な疑問がある中で、それだけの業務をやる方たちの収入って、私はもっと高くあるべきだと思うんですけど。 例えば、ゲーム用ソフトウェア創作ですよね。これは日本が誇る産業でもあるとは思うんですが、平均五百五十七万で裁量労働やったりするわけですよ。ある意味、裁量労働ってプロなわけですよね。本当にこういう年収のあるべき姿ってどうなのかというところも、いろいろな観点を含めて本当は議論すべきだと思っているんですよね。それも含めて、(発言する者あり)ありがとうございます。拡大の立法事実がございますか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 裁量労働制につきまして、労働市場改革分科会でも、また昨年から御議論いただいております労働政策審議会の労働条件分科会でも様々な御議論があることは御案内のとおりでございます。その中には、それは主に経営側の委員からでございますけれども、拡大を求める声もございます。 これに対しまして、労働市場改革分科会の方でも、何か結論を決め打ちにしたような書き方をされているわけではないというふうに認識をしておりますが、様々な御議論がある中で、裁量労働制について、一方では、今御指摘もありました、実際にその裁量が与えられているケースといないケースとあって、制度の趣旨にのっとったとは必ずしも言えない、裁量がしっかり与えられていないですとか、長時間労働の助長になっているですとか、人件費、割増し賃金の節約手段に使われているとか、そういった御批判もある制度であることも認識をしております。 そのような観点からは、裁量労働制について見直し、拡大の方向での見直しを求める声の中でも、併せて濫用防止措置が必要だというような議論もいただいているところでございまして、そういった議論を、しっかりと様々な議論を受け止めて、今後の議論に生かしてまいりたいというふうに考えております。
○郡山りょう君 いや、今のところ、それを聞く限り、立法事実はないという認識なんですが。 例えば、二〇二四年度の改正後に、実態把握が不十分なまま、次の可能性の議論、次の議論に進む問題提起をやはりされているわけですよね。これも、しっかり実態把握をしないまま進むということも、やっぱり立法事実にやはり反するものというか矛盾するものになると思うんですけど、そちらはいかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、裁量労働制につきましては、令和六年四月施行といたしまして、主に省令改正で措置をされている裁量労働制の見直しがございます。対象業務の追加ですとか手続の強化といったことが盛り込まれております。 この六年四月施行の改正の改正後の実態の把握につきましては、現在その調査を行う方向で内容を検討しているところでございまして、そういった調査に基づいて、令和六年四月後の実態も把握をしながら議論をしていくことが必要だというふうに考えております。
○郡山りょう君 まず、なので、やっぱり報道とかで流れているように、業務拡大、健康前提とかというところで中和しているような感じなんですけど、ただ、拡大という文字は残るわけですよね。そのほか、三六協定について、あとは労働基準監督官の、何というんですかね、その内容について、指導内容について、こちらもまた時間があるときに監督官の数も含めていろいろ質問したいとは思っているんですが、そういったところに対してデータが薄いんですよね。 例えば、ある資料を見ると、裁量労働制についてのアンケートって書いていないんですよね。働き方についてのアンケート。しかも、調査内容の期日が二日しかない中で集めたものを裁量労働制の、そこの業務拡大に関するデータとして出しているような傾向もこの中から見受けられるわけで、まだまだこの議論に対してエビデンスだったり、もっと議論が不十分であると私は考えるんですね。 是非、取りまとめが出ましたので、取りまとめの中でも一応バランスしっかりと定義はされていると思いますので、是非、労政審の中でしっかりとここについてもう一度議論をして、じゃ、健康に長い間パフォーマンスを発揮しながら豊かな賃金でそれぞれの地域で働けるようにつなげていくためにしっかりと議論をしていくことを、大臣、お約束願えますか。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさにこれから労政審の中で、先ほど申し上げましたが、具体的な中身についての議論が進展をするものというふうに考えておりますので、そうした際には、健康確保の観点やあるいは処遇の問題というのも当然論点として出てくると考えています。
○郡山りょう君 是非、立法事実というものをしっかりと、健保法の改正の中でも議論されたんですが、出していただきながら、また、提案するんだったら委員会の中で議論をする、そういったプロセスを是非取っていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 続きまして、ちょっと具体的な内容になるんですが、三六協定と連続勤務規制の法定化について御質問をしたいと思います。 精神障害労災の認定基準は、二週間以上の連続勤務が含まれています。しかし、現行の労基法の第三十五条二項の運用では、最大で四十八日間の連続勤務が合法となる余地が残されているんですね。労災認定基準と労基法の整合が取れていないこの状況は、国が予防可能な健康被害を事実上放置しているのではないかと受け止められます。また、三六協定の現行上限の規制、単月百時間未満、複数月平均八十時間以下は過労死認定ラインと同水準であり、上限規制そのものが過労死リスクを内包をしていると思っています。 過労死等の防止について考える議員連盟に提出された資料によれば、過労死等の防止対策推進法が成立した平成二十六年から令和六年を比較すると、精神障害の労災申請件数は千四百五十六件から三千七百八十件と二・六倍に増加し、脳・心臓疾患の申請件数も七百六十三件から千三十件へ増加。そのうち、死亡件数は二百四十二件から二百五十五件に増えているということです。また、勤務を原因とする自殺、自死される方は二千二百二十七人、平成二十六年のデータから二千三百九十人と、百六十三人増加をしているということです。 法制定から十二年を経てなお悪化の傾向が続いていると、これ、いつかの厚労委員会の中で石橋委員からも指摘はあったと思うんですが、こうした実態を踏まえ、やはり連続勤務規制の法定化、勤務間インターバル制度の義務化、時間外労働の上限規制の強化、過半数代表者の選出手続の法定化について、いつまでに結論を出す予定があるのか、考えがあるのか、お示しいただけたらと思います。お願いいたします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 働き方改革関連法の施行から五年以上経過したことを受けまして、労働政策審議会などにおきまして労働時間制度について御議論いただいております。その中では、御指摘いただきました連続勤務規制、勤務間インターバル制度、上限規制など、労働時間制度の全体に関して議論いただいているところでございます。 例えばでございますが、連続勤務規制につきましては、御指摘のとおり、現在の労働基準法が四週の間に四休という定め方をしておりますので、最初の四週の前半、冒頭に四日の休みをまとめ、次の四週の一番最後に四日の休みをまとめますと、理屈上四十八日間の連続勤務が可能。更に言えば、休日労働協定を締結することにすればその四日間の休日も労働させることができるとの現行制度でございますが、これについて、御指摘の精神障害の労災認定基準との整合なども勘案しながら連続勤務を規制することが必要だという御意見、一方で、連続勤務規制について、やむを得ず連続勤務とせざるを得ないケースがあるため、画一的な規制ではなく、現場の実態を踏まえ、労使の合意によって一定の例外を設けられる制度設計が必要ではないかといった御意見などが御議論いただいておりまして、そういった議論を踏まえながら連続勤務規制について検討してまいりたいと思います。 その他、勤務間インターバル制度ですとか過半数代表者の適正化の問題などについても労働政策審議会で昨年来議論いただいておりまして、いずれも現時点で方向性が定まっているものではなく、検討の終期が決まっているものではございませんが、労働市場改革分科会での御議論も踏まえながら、夏以降、労働政策審議会で具体的な議論を進めてまいりたいと考えております。
○郡山りょう君 そうですね。そもそも多くの労使の皆さん、幸い私は、入社、会社に入ったときは労働組合があって、しっかりと安全衛生委員会、労働時間管理協議会とか様々な協議があって、日々の、月の労働時間のチェック、年間の労働時間のチェック、あと安全に働くための何が課題か、で、労災があったらちゃんと分析をして労使で解決していくという環境が整っていたんですけど、多くは、三六協定の締結率が四〇パーと考えると、残りの六割の皆さんがそういった状況にないということは、労働時間等の管理ができている状態じゃないと思うんですね。恐らく、それは悪意的なものではなくて、そうならざるを得ない、管理する人材がいなかったりとか余裕がない中小の皆様も多いと思うんですよね。 その方たちがどうやってそういう従業員代表者制でしっかりと協議をする場を設けるかというところが、最終的には、中小企業が飛躍する、働き方をどう変えていくのか、イコールそれは会社の利益にもつながることですし、イコール賃上げにもつながる、設備投資にもつながる。そこで政府の皆様がいろいろ準備してくれる補助金を活用しながらというところで、やはり中小企業が各地域で盛り上がって、最終的に日本経済が上がって、社会保険料の収入も上がっていくというところにつながると思うんですよね。 それを考えると、これ確かに細かいところかもしれないんですけど、影響は大きいと思うので、是非、今後議論を深めさせていただきたいと思いますし、前向きにこの方向性、議論をしていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、済みません、時間が大分取られてしまったので、第二部、周産期医療における心のケアなんですが、問い三とちょっと問い六のところは割愛しまして、男性の不妊の相談支援体制、あとカウンセリングについてお伺いしたいなと思っています。あっ、間違えました、問い四と問い六についてですね、御質問したいと思います。 不妊の原因の半分は男性側にもあると言われているんですね。こども家庭庁が所管する性と健康の相談センター事業は、性別を問わず相談を受け入れることを目的としています。 まず一つ目が、全国の性と健康の相談センターにおいて男性が一人で相談できる体制が整備をされているか、都道府県の実態をこども家庭庁が把握しているのか。二つ目は、男性相談者数、男性利用件数の全国データがあればお示しいただきたいと思います。把握していない場合は、実態調査を実施するお考えがあるか、お願いいたします。
○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。 不妊の原因の約半数は男性側にもあるため、男性が相談できる体制の整備は大変重要と考えております。 こども家庭庁が令和二年度に男性も含め不妊治療を受けている方などを対象に実施した全国調査におきましても、不妊治療中に欲しいと感じる、あるいは感じていた情報につきまして、心理的サポートと回答した方が三六・九%、ほかの不妊治療経験者との交流と回答した方が一七・七%といった結果が得られております。 こうした結果を踏まえまして、こども家庭庁では、男性も含めた不妊症の方に対する取組として、性と健康の相談センター事業におきまして、カウンセラーなどによる不妊症の悩みを有する方への相談支援、それから当事者団体等によるピアサポート活動等への支援、全国の相談窓口について都道府県別に検索フォームの作成、不妊症・不育症ピアサポーターの育成研修や医療従事者に対する研修などを進めているところです。 いずれの相談窓口や支援につきましても、男性専用の窓口、あるいは男性対応時間帯の設置を必須とはしていないことから、男性への相談体制に関する都道府県別の実態を網羅的に把握しているものではございませんが、基本的には男性が一人で利用することも想定されているものです。 また、令和六年度の性と健康の相談に関する実績におきましては、男性に限った数字ではございませんけれども、不妊に関する相談の実績が最も多く、一万五千六百四十四件となっております。 男性に限定した相談者数、利用者件数についての更なる実態把握につきましては、例えば相談の中には匿名で性別不明の相談もあることなどから、直ちにそういう実態調査を予定しているものではございませんが、引き続き、男女を問わず、子供を持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、不妊症の方々の支援に努めてまいりたいと考えております。
○郡山りょう君 EBPMを観点に考えると、まずはやっぱり調査が必要だと思います。調査した上で、じゃ、やっぱり相談窓口を設けて、相談件数、受診率といったKPIを設定していかないと、なかなかそこの踏み込むことが、どういった施策が大事なのかというところのやっぱり検討してそれを実行していく、そしてPDCAを回していくというところにつながっていかないと思うんですよね。 私も結構全国回っていて、男性の方からの打ち上げが本当に多いんですね。やはり悩んでいるんだけど、やはり相談することを知らない、その窓口自体を知らないという実態があります。周知も含めたことがまず必要だと思いますし、あとは、そもそも言っていいのかという、そもそものそういった知識というか考え方というか、そういったところもまだまだ男性側というのは薄いところもあるのではないかなと思いますので、プレコン推進計画、五か年も含めて、やっぱり男性側の不妊の悩みだったり、しっかりとそれをすくい上げるというか、拾っていくような体制を是非整えていっていただければと思います。よろしくお願いいたします。 では続きまして、残り少なくなりましたので、最低賃金の質問に移ってまいりたいと思います。最低賃金、地方の方の審議会の実態と審議の質の確保についてお伺いしたいと思います。 地賃の審議会において、公益、使用者、労働者側の三者による建設的な議論が成立することが制度の前提です。ただ、もう本当、全国各地から声が寄せられるんですが、一部の地域では三者の建設的な議論が成立していないとも聞いています。 私も実際、特定最低賃金のある業種を担当していました。公益側の先生が、いや、労使の皆さん、ちゃんとエビデンスを出してきて議論しましょうよということで、しっかりとデータを用意して協議に臨んだら、使用者側は全く用意してこなかったんですよね。で、議論にならなかったんです。そうしたら、公益の先生も、いや、仕方ないよねと、向こうも経営苦しいんだからで終わったんですよね。全然、その業界の課題であったり、そういうことを共有して、議論をして、どうあるべきか、どうやったら雇用を広げていくのか、守っていくのかというところに全然議論にならなかった悔しい経験があったんですよね。 その中でも、地賃でも、使用者側の皆さんがもう最初から反対で乗ってこないということもあるんですね。まあ反対は分かるんです。じゃ、反対の中がどういった課題があるのかを三者で共有をし、地域別の特性があると思います、それについてどう解決していくかというところも議事録に残して、それぞれの自治体、そして国がフォローしていくということが本当の審議会の在り方だと私は思うんですが、この現状について、認識と対応についてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 地方最低賃金審議会においては委員の皆様に真摯な御議論をいただいていると考えておりますが、その議論の過程で、労使それぞれの立場や考えの違いに基づいて、ある意味対立のようなものが生じ得る、そうしたこともあろうかと承知をしています。 ただ、地域別最低賃金については、近年は大幅な引上げ、とりわけ昨年度は過去最高の全国加重平均六十六円の引上げを取りまとめをいただいておりますので、そうしたぎりぎりの議論をいただく中で、一部、一定の対立等はあろうかと思いますが、最終的にはまさに建設的な議論の結果として取りまとめをいただいているものだと考えております。 いずれにいたしましても、地方の最低賃金審議会、非常に重要な位置付けでございますので、委員から今御指摘がありましたが、データ等、あるいは地域の実情等、そうしたものを踏まえた形でしっかり議論がされるべきものだというふうに私も考えておりますので、そうした観点から実際の運営方法等についてもしっかり注視はしていきたいと考えております。
○郡山りょう君 地域が元気にならないと日本元気にならないので、それのやっぱりセーフティーネットの最低なところは最低賃金なので、やっぱりそこの建設的な議論がなされてなければやはり成長もあり得ないと思うので、是非国として、地方のことだからではなくて、議事録等ちょっと聞き取っていただいて、より良い審議にしてもらうようにお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山内佳菜子君 立憲民主・無所属の山内佳菜子です。 私の故郷宮崎は、今日、台風の接近に備えまして多くの学校でも休校の判断もなされております。宮崎だけではなく全国で台風の被害が少しでも抑えられるように、そして今日、お気を付けて皆様お過ごしいただけたらと思います。御対応いただいている皆様にも心から感謝と敬意を申し上げまして、私の本日の質問に入らせていただきます。 まず、資料一を御覧ください。 こちらは、五月九日の読売新聞夕刊、築四十年以上の病棟が千五百六十八か所に上る、全国の病院の中の二三%に当たる数が築四十年以上を迎えている病院の老朽化について、まずはお伺いしたいと思います。 国は、この全国的な病棟老朽化の状況についてどのように把握をされていますか。築年数に応じた病床数について参考人にお伺いいたします。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 医療法に基づきまして、一般病床、療養病床を有する病院、有床診療所が報告する病床機能報告によりまして、病棟単位で建物の建築時期を報告いただいております。 建て替え時期を迎えている病院の割合を一概にお示しするということは困難でございますけれども、令和六年度の病床機能報告によりますと、報告されている病棟八千七百二十八病棟、これのうち、築年数が三十年以上の病棟数は二千八百五十病棟、築年数が四十年以上の病棟数は千五百七十七病棟、築年数が五十年以上の病棟数は五百二十一病棟でございました。 以上です。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 この記事でも紹介されていますけれども、例えば東京都の吉祥寺南病院は、建築費も今物価高騰しているという状況で、建て替えを断念したというような話が紹介をなされています。これ、全国でこれからますます深刻化していくのではないかというふうに受け止めております。特に地方でも、その病院がなくなれば救急医療を担えないというような本当に深刻な問題につながっていくというところではございます。特に中核病院についても、国がより重点的に建て替え支援を行うなどの配慮も私は必要ではないかというふうに考えております。 そこで、改めて大臣にお伺いいたします。老朽化についての認識と、国としての建て替えに対する対策についてお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 医療機関の建物の老朽化が進行する一方で、建築単価、これも上昇が続いておりますので、建て替えが進みにくい状況だと認識しています。 必要な地域医療を安定的に提供し続けていくためにも、持続可能かつ効率的な地域の医療提供体制の構築の観点から、必要と認められる医療機関の建て替えについて必要な資金が確保されることが重要です。 これまでも、医療機関等の施設整備を支援をするために、令和七年度の補正予算等による支援、あるいはWAMによる長期、固定、低利の優遇融資を行ってまいりましたが、物価等の動向や経営状況など足下の情勢変化もしっかりと把握をした上で、将来需要を踏まえた施設の建て替え、改修を含む地域に不可欠な施設の計画的な整備を推進する観点から、引き続き必要な対応について十分検討していきたいと考えています。
○山内佳菜子君 この記事でも紹介されていますけれども、ここ十年間で病院の建築費が一・六倍にも跳ね上がっているという状況で、厚生労働省としても二〇二五年度補正予算で四百六十二億円を計上していただいていますが、参考人からも御紹介いただいたように、全国で多くの病院が老朽化をしております。衆院の厚生労働委員会でもこの問題取り上げられておりますが、やはり政府として骨太の方針にしっかりと盛り込んでいただくというような措置が必要だと思います。是非そういった御検討をお願いしたいと申し上げまして、また次の質問に移らせていただきます。 続いて、公立病院の消費税問題についてお伺いいたします。 病院は、医薬品などを買う場合は消費税込みで買わなければいけません。一方で、患者さんから治療費を受け取るときは、消費税は受け取らない非課税の状態でございます。そして、その消費税分については診療報酬に上乗せをする形で国が補填をしてくれるという仕組みになっていますが、その診療報酬による補填が十分ではない、いわゆる控除対象外消費税の問題が、公立病院だけではございませんが、長年、病院全体の深刻な課題として指摘をされております。 例えば、私の住んでおります宮崎県の県立病院三つありますが、毎年年間二十億円の赤字を計上していますが、そのうち七割はこの消費税が占めている状況です。それに対して、もちろん診療報酬での手当てもなされていますが、それが十分ではないということは少し県の方からも伺っているところでございます。 改めてお伺いしたいと思います。全国の公立病院における消費税の平均補填率はどの程度でしょうか。直近の状況を参考人にお伺いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今般の令和八年度診療報酬改定の議論におきまして、医療機関等の消費税負担分に対する診療報酬による補填率を調査し、把握しております。 令和六年度の補填率については、一般病院全体では一〇五・五%、このうち公立病院では八三・二%という結果でございました。この補填率の調査は、医療機関が費用として支出している消費税負担分の金額、これを分母としまして、そして医療機関の収入である診療報酬収入のうち消費税対応分として手当てされているものの金額、これを分子としまして、それを比較する形で行っているものでございます。 公立病院は、他の設置主体に比べて全体の損益率が大幅に低い現状がございまして、すなわち支出が収入を大きく上回る状況にございますことから、いわゆる計算上の分母が大きくなるため、消費税補填率についても同様に低くなっているものと考えてございます。
○山内佳菜子君 資料二を御覧ください。 ただいま間局長からも御紹介をいただいたような状況が、宮崎県作成の令和九年度国の施策・予算に関する提案・要望の中にもまとめられております。 ちょっと文字が小さくて申し訳ありませんが、左手下側の物価高騰に伴う消費税補填不足額の増加という部分でございますが、令和六年度の消費税の補填状況について、確かに一般病院全体で見ると一〇五・五%、一〇〇%を超えてきちんと手当てをされているというような数字が示されていますが、赤枠で囲まれております公立病院については八三・二%、つまり一七%は補填されない状況が続いている、これは県がかぶらないといけないと。それが宮崎だけではなくて、全国の調査ですので、恐らく全国の公立病院で同じような苦境に立たされているというような数字が示されているという資料になります。 今、この補填率も、局長が御説明いただいたように、あくまでも厚生労働省の試算によるものですので、本当にそこまで補填されているのかどうかということ自体、厚労省にしか分からないという状況になっております。診療報酬によって補填しようという工夫も多くいただいているということも事前のレクでは伺っているんですけれども、それはどうしても規模の小さい病院の数字に引っ張られてしまっているですとか、その補助金をカバーするのであれば、民間医療資源が乏しい中核病院、中規模以上の中核病院に焦点を当てたような状態での試算も必要ではないかというふうに考えています。 また、これ公立病院、済みません、全国自治体病院協議会も今年の五月の要望でこの消費税問題については触れられておりまして、医療機関の機能や役割によるばらつきが大きく、統一的な診療報酬による対応には限界があるというふうに明確に課題を指摘されておられます。その上で、改善策として、課税措置への転換、ゼロ税率による還付など抜本的な税制改正が必要であるというふうに御提言をいただいております。 それ以前の話としまして、そもそもこの大きな病院の消費税問題についてしっかりと議論する会議体の設置が必要ではないかという意見もあるとお聞きしています。これ非常に重要な指摘であるというふうに思いますので、是非御検討をいただきたいというふうに思いますが、そこで、改めてお伺いいたします。 公立病院が制度上の消費税負担によって更に経営を圧迫される現状を、上野大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 公立病院の消費税負担分に対するこの診療報酬による補填率ですが、先ほど局長から答弁ありましたとおり、他の設立主体に比べて低い状況であります。 これは、公立病院の費用が収益を大きく上回る構造、すなわち公立病院の損益率が大幅に低いという構造上の問題によることだと考えております。消費税負担に特化する形での対応というよりは、診療報酬上の手当てやほかの施策も通じまして地域医療を支える公立病院への対応を考えていくことが必要かと考えています。 この点につきましては、もう委員御案内のとおりでございますが、令和七年度補正予算による医療・介護等支援パッケージや、令和八年度の三十年ぶり三%台という高い改定率とした診療報酬改定などにより対応をしているところでありますが、特に、公立病院を含む地域で中核的な役割を果たす医療機関に対しましては、今回の診療報酬改定においても、急性期機能を評価するなど様々な評価の新設などを通じまして評価の充実を図る措置を講じております。 こうした様々な取組を通じまして、地域で必要な医療を提供する医療機関を今後とも支援をしていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 様々な工夫をいただいているという御説明をいただきました。ありがとうございます。 ただ、実際に現場の全国自治体病院協議会が一律の診療報酬の対応ではなかなか限界があるというふうに声を上げていただいていますので、引き続きその点については是非御検討いただかなければいけないというふうに私は考えております。 また、診療報酬以外での手当てについても検討していきたいというようなお話もあったと思います。ありがとうございます。 特に、多額の消費税負担が生じているのが、やはり高額医療機器の導入です。地方の民間病院ではそういったものが買えないとなると、ますます公立病院でそういうものを率先して買わないといけない、多額の消費税負担が起きるというような状況が生まれてしまっています。 この点についても是非、購入支援、購入補助についても御検討いただきたいというふうに思っていたところ、この点につきましては、自民党さん、そして日本維新の会さんの連立合意書の中にも、高額医療機器や設備の更新などに関わる消費税負担の在り方の見直しということも明記をされておられました。非常に重要な明記だというふうに受け止めております。 この議論を進めるのであれば、単に大型病院全体を対象とするだけではなくて、今私が御紹介をさせていただきましたような、民間医療資源が乏しい地域で不採算医療や政策医療が支える公立病院や大学病院を始め、本当に地域医療を支えている医療機関にしっかりと届く制度設計が必要であるというふうに考えております。 そこで、大臣に改めてお伺いいたします。特に、公立病院の高額医療機器の整備、更新支援について今後どのように取り組んでいくお考えでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高額医療機器の更新などを含めました医療機関等の仕入れに要する消費税負担については、これまでも診療報酬により手当てを行ってきたところでありますが、とりわけ今御指摘のありました高額医療機器の購入等に際しましては、まず税制において一定の医療機器に関する特別償却制度、これを設けるとともに、公立病院の医療機器の更新等については、総務省において病院事業債によって手厚い地方財政措置が講じられているものだと承知をしております。 公立病院を含む医療機関への支援については、今後とも必要に応じて的確に対応していきたいと考えておりますが、御指摘がありましたとおり、連立政権合意にもありますので、その合意の検討状況についてもしっかり注視はしていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 この連立合意書、非常に重たいものではないかというふうに推察するところではございますので、是非しっかりと形にしていただきたいというふうに思います。お願いいたします。 それでは、少し質問を飛ばしまして、敷地内薬局についてお伺いしたいと思います。資料三を御覧ください。 敷地内薬局については、厳しい算定ルールが設けられていますが、いよいよスタートします診療報酬改定の中では、自治体などが開設したへき地診療所の敷地内薬局などについては一定条件の下でルールを少し柔らかくする、緩和をするというような例外規定が設けられました。その背景には、宮城県七ケ宿町で町唯一の薬局を維持するため自治体が財政支援を続けている実態があり、中医協での議論にもつながったというふうに承知をしているところでございます。 私は、この問題は過疎地だけの問題ではないというふうに考えておりまして、このことについて宮崎市内で薬局を営む男性から相談を受けたので、今回質問で取り上げさせていただきました。その男性は、台風の中でもこの質問を注視をしていただいていますので、是非前向きな御答弁をいただきたいというふうに考えております。 その男性が薬局を営む地域は診療所の近くに薬局がなく、地域の患者さんが薬を受け取ることに苦労している状況を見かねた診療所から強い要望を受けて、敷地内薬局として開設をされました。しかし、その後の制度見直しによって厳しい算定ルールの対象となり、現在も経営的に非常に厳しい状況に置かれています。それでも、地域住民のために営業を続けていらっしゃいます。 周辺およそ三キロ圏内にほかの薬局はありません。厚労省が示しているような四キロ以上ですとか過疎地というような条件は当てはまりませんが、自家用車がなければ移動は容易ではありません。特に、宮崎のように高齢化率が高い、運転ができなくなった高齢者も多い地域では、まさに命綱となる薬局です。薬局からは、もう限界を超えているという切実な声も上がっています。 もちろん、制度を利用した不適切な利益誘導は厳しく防がなければなりません。一方で、高齢者や障害者が必要な薬を受け取れない、いわゆる薬難民を生み出してはならないというふうに考えております。 そこで、参考人に認識をお伺いいたします。今回の特例措置の効果を検証した上で、地域の実情に応じた更なる見直しの余地があるかと考えます。お願いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 いわゆる敷地内薬局につきましては、ただいま今委員からもお話ございましたけれども、医療機関との不動産賃貸借のような特別な関係性を背景として、特定の保険医療機関の処方箋に依拠した運営となりやすく、かかりつけ薬剤師・薬局としての機能を果たしていないという指摘がなされておりまして、中医協で議論の上、調剤報酬上、低い評価を設定してございます。 ただ、その一方で、御指摘のとおり、医療資源が限られる地域において、医療提供体制の確保については重要な課題と認識しております。とりわけ、今回措置しておりますのは、自治体が薬局を誘致するような場合を念頭に、令和八年度調剤報酬改定では、周囲四キロメートル以内にほかの薬局がなく、地方公共団体が持つ土地の診療所又は地方公共団体が開設する診療所の敷地内薬局であり、当該診療所がへき地の医療の提供のために必要であると都道府県知事に認められている場合については、低い評価を適用しないこととする見直しを行っております。 この敷地内薬局に対する診療報酬上の評価については、今回改定の影響の検証を行いつつ、今委員からお話ございましたように、必要に応じて実際の事例も確認しながら今後も中医協において検討していきたいと、このように考えております。
○山内佳菜子君 前向きな御答弁、本当にありがとうございます。地方で歯を食いしばって、地域の薬、薬局を守ってくださる皆様にとっても本当に勇気付けられる答弁であったというふうに受け止めております。 その男性が重い言葉をおっしゃってくださいました。中央か過疎地か二者択一ではないと、現場を知ってもらいたいというお話もしてくださっています。市街地調整区域に基づいて建築にも大変時間が掛かった薬局だったそうで、自分にはここを守る義務がある、よろしくお願いしますというようなメッセージもいただきました。もちろん、公立病院を始め自治体が支えてくださっている医療がある、でも、使命感で続けている民間の薬局もございますので、是非この状況をお酌み取りいただき、今後も、地域から薬局が消えるという状況になる前の御英断、御決断をお願いしたいと思います。 それでは、続きまして、聴覚障害の認定基準についてお伺いいたします。 資料四を御覧ください。 こちらは、五月二十三日の毎日新聞の朝刊に掲載されました。見出しが、「聴覚障害 認定基準「高すぎ」」、WHOより厳しい日本、手帳の有無が進学や経済負担に大きな差を生んでしまうというような記事の内容になっております。 このことに関して、まずは参考人にお伺いいたしますが、一番聴覚障害の認定の中でも軽い等級である六級の認定基準の内容と、現在この基準によって身体障害者手帳が交付されている人数について確認させてください。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 御指摘の身体障害者手帳の認定基準でございますけれども、聴覚障害につきましては、重度のものから順に二、三、四、そして六級というふうになっておりまして、このお尋ねの六級でございますけれども、こちらの基準は両耳の聴力レベルが七十デシベル以上のもの、又は片方の耳の聴力レベルが九十デシベル以上かつもう一方の耳の聴力が五十デシベル以上のものというふうな定められ方をしております。 この聴覚障害による身体障害者手帳の交付者の数でございますけれども、令和四年に実施をいたしました生活のしづらさに関する調査によりますれば、身体障害者手帳を所有している方のうち、聴覚障害のある方の総数は約三十一万人、そのうち六級の方は約九万七千人という推計値が出ております。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 記事でも紹介されていますけど、今、六級の基準になっている両耳の聴力レベルが七十デシベル以上というものは、七十デシベルとは、すぐ近くで鳴くセミの鳴き声が聞こえないという程度に該当するそうです。 一方、WHO、世界保健機構の基準では、聴力レベル、もう少し低い六十五デシベル以上から高度難聴というような指定がなされていまして、記事の中でも、この女性は、日本は基準が高過ぎる、障害者として認める基準を引き下げてほしいというようにお訴えをされています。 大臣、実はこの記事で紹介されている東京在住の牧泉さんという方、後で知ったのですが、私と同じ宮崎市出身で、先日お電話でお話を伺う機会をいただきました。泉さんの二歳の息子さん、渓ちゃんは、新生児聴覚スクリーニング検査で難聴が判明しました。現在は補聴器を装着しながら日々懸命に成長をしておられますが、今後、再検査の結果によっては手帳の対象から外れる可能性がある、今後の進学、そして補聴器補助が受けられるかどうかというようなことで御不安を抱えておられます。 この泉さんなんですけれども、小学校の教員をされておられます。教員としての立場からも非常に不安を指摘されておられますが、例えば、中等度難聴の子供が入学した場合、今の学校現場で十分な情報保障や支援が全ての子供に行き届くとはとても思えない、それほど学校現場も厳しいというお話です。あとは、教室がざわついている中で友達の声を聞き取ることは簡単なことではないですとか、聞こえないからもう言っても分からないよと周囲から置いていかれてしまわないか心配だというような、本当に切実なお話を聞かせていただいたんです。 さらに、その牧さんが、聾学校や特別支援学校ではない一般の小学校に通う五年生の難聴の女の子に相談したそうです。普通の小学校に難聴の子を通わせて大丈夫だろうか、心配なんだというふうに相談をしたところ、その女の子は、いじめられても平気なメンタルがあれば大丈夫と答えられたそうです。本当に胸が締め付けられる言葉だなというふうに考えます。 大臣、WHOでは六十五デシベル以上を高度難聴としています。しかし、日本では、御紹介いただいたように、七十デシベル以上です。なぜ日本はWHOの基準から外れているのでしょうか。私は、これは単に数値の問題ではなくて、子供たちの学びですとか社会参加の機会の確保の問題にもつながる重要な課題だというふうに考えております。 そこで、現在の認定基準が子供の成長や教育を支える観点から本当に適切なのか、大臣にお伺いいたしますが、WHOの考え方も踏まえ、見直しを検討するお考えはありませんか。明快な御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 現在、聴覚障害者については、法に基づきまして、例えば六級の場合は両耳の聴力レベルがそれぞれ七十デシベル以上の方、また、片方の耳の聴力レベルが九十デシベル以上で、もう一方の耳の聴力レベルが五十デシベル以上の方など、聴覚機能に重度の障害がある方を福祉的な支援が必要な身体障害者として障害認定の対象としております。 一方、御指摘のWHOが示している区分においては六十五から七十九デシベルを高度の難聴としておりますが、これは良い方の耳の聴力に基づき判断をされるものであります。WHOの区分でも、やや高度、これ五十から六十四デシベルですが、該当する方であっても我が国の身体障害の認定基準には該当する場合などもありまして、基準によって様々だということでございます。 また、障害、身体障害の認定基準は、日本聴覚医学会の難聴対策委員会の報告による難聴の程度分類における高度難聴及び重度難聴と同等なものであると認識をしております。身体障害者としての認定基準を勘案することについては、他の障害種別とのバランス、関連施策への影響、財政的な影響などを踏まえた慎重な検討が必要だと考えておるところであります。 厚労省としては、障害に至らない難聴の方への支援として、省全体として関係部局が連携して包括的に対応する体制を整えるとともに、補聴器の適正な利用に関する普及啓発や補聴器販売従業者のための手引きの作成などを行っており、障害に至らない難聴の方への支援にも取り組んでいきたいと考えています。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 ちょっと聞き逃してしまったので、もう一度参考人にお伺いしたいんですけれども、現在のこの基準はいつ設定されたのか、また設定された後に見直しをされたことがあるのか、確認させてください。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 今の聴覚障害者の基準、この六級というのは、先ほど大臣からも御紹介申し上げたように、日本聴覚医学会の報告の中では、平均聴力レベル七十デシベル以上九十デシベル未満は高度難聴と位置付けをされておりまして、非常に大きい声が補聴器を用いないと会話が聞こえない、しかし、聞こえても聞き取りには限界がある数字にされているというものではございます。 こうした線で認定基準としているのは、昭和二十九年にデシベル値による基準が規定をされたときからの値でございます。その後、測定方法の変化によりまして若干数字を改定したことがございますけれども、範囲としてはこの範囲を変更したことはございません。
○山内佳菜子君 昭和二十九年からほぼ数字は変わっていないというような御説明だったかなというふうに受け止めました。 やはり、時代の変化に応じてアップデートすることが必要ではないでしょうか。有識者の先生方、そして医療の現場で懸命に支えてくださっている先生方ももちろんですが、やはりここでも、患者団体の皆様や当事者団体の皆様の御意見もしっかりと伺って反映する形で今の時代に合った認定基準というものを設定するということが、今厚労省に期待されていること、求めていることではないでしょうか。 大臣、最後にその点についての思いですとか受け止め、お伺いできますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、認定基準等の見直しにつきましては、先ほど申しましたような観点から慎重な対応が必要かと考えておりますが、当事者団体の皆さんや、あるいは学会の皆さんの御意見などは十分拝聴することは必要だと考えています。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 とても大切な御答弁をいただきました。是非、患者団体、当事者の皆様の意見もしっかりとお聞きいただき、そして反映する形で新たな認定基準の御検討をお願いしたいというふうに考えます。 まだまだ質問を用意していたのですが、時間が参りましたので、また引き続き、現場の皆様からいただいた声、今後も大臣にお伝えをする役割をしっかりと続けていきたいという決意を述べまして、私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○庭田幸恵君 おはようございます。国民民主党・新緑風会、庭田幸恵でございます。 質問の機会をいただき、ありがとうございます。 さて、私は、一九九〇年代に航空会社で国際線に乗務し、その後、観光案内、インバウンド応対などのサービスの現場に経営者として二十年近く携わってまいりました。振り返ってみると、一九九〇年代は機内アナウンスはレディース・アンド・ジェントルマンで始まっていたのが、今はジェンダー平等ということで、オールパッセンジャーズというふうに時代の変化を感じております。 その時代の変化の中で強く感じてきたことがございます。それは、社会には心を削りながら成り立っている仕事があるということでございます。例えば、介護、保育、看護、教育、そして今言った接客やコールセンターやカスタマーサポート、現代社会はこうした人と接する仕事によって多くは支えられています。 一九八三年、アメリカの社会学者アーリー・ホックシールドという方は、こうした働き方を感情労働というふうに定義をしております。感情労働とは、自分の感情を調整しながら、接する相手に安心感や信頼感など適切な感情状態を生み出す労働とされております。 昨今、AIが登場し、肉体労働や頭脳労働の一部がテクノロジーに置き換えられていく一方で、この感情労働の重要性は、私はますます増していくのではないかと感じております。しかし、感情労働の従事者は、バーンアウト、うつ病などの精神疾患、またモチベーション低下など、精神的な負担が大きいとされています。現在の日本の労働政策は、労働時間、生産性、人手不足といった観点を中心に組み立てられているのではないかと考えております。本日は、AI時代における人の感情を支える仕事について伺っていきたいと思っております。 さて、医療や介護の現場では、十分かどうかはさておき、医師の働き方改革が進められ、処遇の改善や人材の確保に向けた制度的な手だてが講じられてきております。しかし、今私が申し上げました感情労働の分野、接客、観光業、宿泊、飲食、カスタマーサポートといったこのサービスの現場はどうでしょうか。そこでは、常に自分の感情とは別に、笑顔でいること、これが日本では求められてきたのではないでしょうか。 私も会社経営の中で企業研修もしておりまして、笑顔は口角を上げれば一円も掛からない、一円も掛からないおしゃれであるというふうに長年指導をしてきましたし、またクレームの対応では、相手の怒りをまずは一旦、自分の感情はさておき、冷静に受け止める、また相手の不安を安心に変えましょうと長年スタッフに指導をし、理不尽な要求にもサービスの現場では丁寧に対応することを指導して求めてまいりました。 例えば、私の地元富山では、冬の観光現場で、雪や寒さ、交通機関の遅れ、外国人観光客の不安対応が重なります。本当に多くの外国人観光客の方が富山を訪れています。おいしい海鮮を求め、雪の世界遺産、五箇山を見に来る方々を笑顔で迎える一方で、現場のスタッフは、寒さ、混雑、列車の遅れ、クレーム対応などを同時に担っております。これはもはや単なる接客ではないと個人的には感じております。地域観光を支える感情労働そのものでございます。 制度上、労働時間、賃金、生産性、人手不足の問題としては扱われても、感情を使い続けることによる労働負荷そのものは十分に評価されていないのではないかとふと気が付いて、これを改善しなくてはならないと私はこの国会にやってまいりました。私は、感情労働を研究してきたわけではございません。感情労働で給料をもらってまいりました。 そこで伺います。 政府は、医療や介護における働き方改革、処遇改善を進める一方で、今言っている感情労働、接客、観光、宿泊、飲食、コールセンターなど、感情労働による負荷が大きいとされるサービス業について、労働時間や生産性だけでは測れない労働負荷をどのように認識し、どのように分析をされているのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(安井省侍郎君) 感情労働につきまして御質問いただきました。 御指摘のいわゆる感情労働と言われる業務につきましては、顧客対応に伴う心理的負荷など、労働時間の長短だけでは測れない負荷があり得るものと承知しているところでございます。 一方で、心理的負荷は顧客対応のみならず、仕事の量や質、役割、地位の変化など対人関係によるもの、複数の要因が関係し得るため、顧客対応による心理負荷のみに特化して分析したデータは存在しないということでございますが、労働安全衛生調査におきまして、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスの有無について調査しているところでございます。 令和六年の調査では、強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある労働者の割合について業種別に見ておりますけれども、産業全体では六八・三%のところ、最も高いのは鉱業、採石業、砂利採取業の九四・一%、次いで医療、福祉の八四・六%となっておりまして、作業環境が大きく影響しているものもあると考えられますし、御指摘のように感情労働に負荷が影響していると考えられるものも見られるなど、多様でございます。
○庭田幸恵君 ありがとうございます。 この感情労働、労働負荷が高い医師の業界では今働き方改革などは進んでおりますけれども、やはり今政府参考人もおっしゃったように、これは自分の感情を抑え続けて仕事をすることそのものがやはり疲労の蓄積になり、労働安全衛生の問題だというところでは共通認識があったのかなというふうに受け止めをしております。 相手に怒りを見せてはいけない、相手を不安にさせてはいけない、これ家庭でもそうでございますけれども、笑顔をずっと保たなければならない、こうした状態が仕事で何年も続けば、普通の人は疲弊します。現場で働いてきた人間として申し上げます。感情を使い続けることによる疲労は確実に存在しています。 では、この感情労働に関する評価基準、ガイドライン等について、政府としては検討、整理しているものがあるのか、お伺いさせてください。
○政府参考人(安井省侍郎君) 心理的負荷に関する評価基準などにつきまして御質問いただきました。 業務上の心理的負荷には、業務の内容に加えまして、業務の質や量、裁量、組織体制等が総合的に影響されるとされております。 例えば、心理的負荷による精神障害の認定基準におきましては、事故の災害の体験、仕事の失敗、過重な責任の発生などなどの出来事の類型を定めまして、個別の出来事を業務による心理的負荷評価表に当てはめて心理的負荷を評価するという手法を取ってございます。そのような性格から、個人ごとに労働者の心理的負荷がどの程度なのかを包括的に把握するための検査が必要でございまして、本人に対して自分のストレスの状況に気付きを与えることが重要であると考えているところでございます。 これを踏まえまして、昨年、労働安全衛生法を改正いたしまして、労働者数五十人未満の事業場も含めましてストレスチェックの実施を義務付けるとともに、実施マニュアルなどにおいて、標準的なストレスチェックの調査票、職業性ストレスの定量的な算出方法、評価基準をお示ししているところでございます。
○庭田幸恵君 昨年から五十人未満の会社にもこのストレスチェックが導入されているということで、私の会社でも導入しておりましたけれども、しないよりはして、どれだけの方がこの労働負荷があるのかというところで、メンタルヘルスの対応を前に進めていくというところでは重要だと思いますが、お客様からのこういう能動的な行動によってというところだけではなく、その仕事をしている、サービス業という仕事をしているその人の心のうちというところのデータ、ガイドラインというものも今後作っていかなくてはいけないのではないかなと、そういうレベルに来ているなというふうに私自身は感じております。 近年、政府もカスタマーハラスメントについて法制化を含めた対応を進めていらっしゃいます。これについては、私は、この感情を削られるという働き方が、単なるその労働者、働く人の忍耐や接客態度の問題だけではなく、労働問題としてこの日本で認識され始めたのだと思って、前向きに捉えています。我が党の田村まみ議員も、このカスタマーハラスメントについてはいつも熱心に進めてくださっているので、本当に尊敬をしております。前に進んでよかったなと思っているんですけれども、この感情労働による負荷というのはこのカスタマーハラスメントというような極端な場面だけではないということをお伝えしたいと思います。 例えば、日常的に、感情を抑え続ける、空気を読む、相手を安心させ続ける、不安や怒りを受け止める、これ普通の日常生活でも大変なことだと思いますが、職場でこれをずっと続けるということそのものが今問題だと思っています。 政府は、感情労働による負荷への対策を、この個人的な接客技術や、本人の適性ややりがい、精神論の問題として捉えるのではなく、日本特有のおもてなし文化を支える労働の在り方そのものとして私はもう捉える時代になったのではないのかなと思っております。東京オリンピックの際には日本のおもてなしが非常に評価されましたけれども、おもてなしは確かに日本が世界に誇る文化だと考えます。しかし、そのおもてなし文化を支えているのは、人の感情に自分の感情はさておき、寄り添い、不安を受け止め、安心を提供しているサービス現場で働く人々、生身の人間でございます。 その負担を個人の努力や献身に委ねるのではなく、おもてなしということで片付けるのではなく、労働安全衛生やメンタルヘルスの課題としてもっと強く位置付けて、より包括的な労働政策として、これから、AI時代ですからね、この人間しかできないこのサービスという感情労働、取り組むべきと考えますが、大臣の見解をここでお伺いしたいと思います。お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、御指摘のような労働者の皆様の心理的な負荷、御指摘の感情労働において特に問題となりがちな顧客との関係、あるいは、それにかかわらず、仕事の失敗や仕事の量や質、上司や同僚など対人関係によるものなど、様々な要因があろうかと考えております。 先ほど来お話のありますとおり、これらを包括的に把握するためには、労働安全衛生法において事業者にストレスチェックの実施を義務付けておりまして、昨年の改正によりまして、令和十年の四月からは全ての事業場において義務化をされることとなっております。 また、このほかにも、昨年の労働施策総合推進法の改正によりますカスタマーハラスメント防止のための事業主への措置義務化、あるいは令和五年に行いました心理的負荷による精神障害の労災認定基準の改正なども順次行っているところでございます。 引き続き、労働者の心理的な負荷を軽減できるような様々な施策について講じていきたいと考えています。
○庭田幸恵君 確かにストレスチェックというのは一つの方策にはなるかもしれないんですが、ストレスチェックでは結局は実効性がないというふうに私思っておりますが、これちょっと通告してないんですが、いかがでしょうか。大臣の見解、もう一度お伺いできないでしょうか。参考人でも結構です。
○政府参考人(安井省侍郎君) ストレスチェックにつきまして御質問いただきました。 ストレスチェックは、ただストレスチェックをするというだけではございませんで、そちらで高ストレスの方が分かりましたら、医師の面接を受けていただくと。それから、集団分析といいまして、職場全体の分析を行いまして、その結果を踏まえて職場の改善を行うというところも含んでいるものでございますので、ストレスチェック、その制度全体としては一定の効果があるものと考えているところでございます。
○庭田幸恵君 ありがとうございます。ストレスチェック、私の会社でも行っておりましたので、その流れは把握はしております。ありがとうございます。 さて、私は、日本社会において、国民が身近で頼りにしている仕事ほど国がその労働者を守っていないのではないかと実は思っています。介護、保育は働く現役世代を必死に支え、そして、接客、カスタマーサポートは国民の日常生活全般を静かに守っております。どれも社会には不可欠な仕事で、AIには代替しにくい仕事です。しかし、実質、現実には、賃金が低い、人手が常に足りていない、離職率が高い。また、今もう何度も出ていますけれども、メンタル不調が集中しているのではないかという課題感を私も持っております。この構造をこのまま放置したままで、本当に日本社会というのは持続可能と言えるのでしょうか。 先日、国交省の方のレクをちょっと受けた機会があったんですけれども、特に観光関係産業、観光に関連する宿泊業ですとか、例えば案内所の人ですとか、そういったところに対する予算を伴う人材支援あるんですかと聞きましたら、予算を伴う支援はないと。私、聞いて愕然といたしました。ちょっとこれ国交省の管轄になるかもしれませんけれども、観光立国というのを目指すならば、まずはインバウンド六千万人目標ではなく、観光産業で働く人たちの人材支援が先ではないかと感じております。 私は長年、この観光や接客現場をもうずっと見てまいりました。その経験から申し上げます。日本社会は、人に寄り添う仕事に余りにも依存しています。そして、その仕事をしている人たちの善意に余りにも依存して成り立っていると思います。私は、AIにできない仕事ほど、人間の我慢、忍耐、そして善意によって支えられる社会になってきているのではないかというふうに危惧をしております。 大臣は、今のこの社会構造にどんな問題意識を持っていらっしゃるでしょうか。また、感情労働分野の人材の確保と、これから処遇改善をしていただけるということであればどのような方向性で取り組むおつもりなのか、お考えを聞かせていただけないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘のいわゆる感情労働分野については、例えば、宿泊業、飲食サービス業では、令和七年賃金構造基本統計調査の結果によりますと、平均賃金は月額二十七・七万円と、全産業平均と比べて六万円ほど低い水準となっております。また、日銀短観の雇用判断DIにおいても不足が過剰を上回っており、人手不足感が強い状況となっております。 こうした状況を改善するために、人手不足が深刻と考えられます飲食業、宿泊業、介護、福祉、保育等の十二業種について、業種ごとの実態把握や省力化促進策、全国的なサポート体制の整備などを内容とする省力化投資促進プランを策定、推進するなどの取組を政府全体として進めてまいりました。また、厚生労働省としても、引き続き、賃上げ支援の助成金パッケージによる支援や、人材確保への支援として、ハローワークによるきめ細かなマッチングの推進、雇用管理改善につながる制度の導入などによる離職率低下を実現した事業主に対する助成金の支給などに取り組んでいきたいと考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。今、実態調査が進んでいるということでございましたが、より本当の現場を知る実態調査というものをしていっていただきたいと願っております。 さて、高市総理が掲げている戦略十七分野ありますけれども、その中には、AI・半導体、量子、宇宙、フュージョン、防衛関連技術など、国家戦略産業は並んでいます。しかし、私が今日テーマとしている介護ですとか保育、観光、地域の交通、地域福祉といった人が支える分野、つまり感情労働の分野、これは戦略分野としては位置付けられていないと承知をしております。 私、もちろん、技術を育み、成長させていく、これ国家戦略だと思うんですけれども、技術を育てることだけではないというふうに思っています。なぜならば、技術を使いこなし社会を支えるのは人だからです。AIが発達するほど、最後に残るのは人にしかできない仕事だと思っています。 では、ちょっと調べてみました。AIの先進国ではその現実にどう向き合っているんでしょうか。 例えば、アメリカでは、コールセンターやカスタマーサポートにAIの導入が進み、簡単な問合せは自動化されています。これはもう日本も既にそうなっております。しかし、その結果、最後に人に回ってくるのは、どうでしょう、皆さんも体験したことがあるかと思うんですけれども、いろんな電話を掛けていて、ボタンで押していて、最後どうしようもないクレームですとか要求をするときにはオペレーターに代わる、そんなことが結構あります。強い怒りや解決が難しい案件、クレーム、感情的な対立ばかり、これ、最後にはやはり人が行っています。現場の精神負荷がAI時代だからこそ人にむしろ高まっているという指摘もあります。 ヨーロッパでは、AI導入と同時に、メンタルヘルス、それからウエルビーイング、感情負荷、心理的安全性を労働政策の中に組み込もうとする動きが既に進んでおります。つまり、単なるAIによる単純化、効率化だけでは社会がもたないという認識をヨーロッパはもう持っているということでございます。ヨーロッパに学んでいきたいなというふうに考えます。 本来であれば、人にしかできない仕事ほど価値が高いはずです。例えば、介護では処遇改善加算というのがございます。しかし、観光、宿泊、接客などの感情労働分野には、同様の視点による政策支援はほとんどありません。私は、AI時代だからこそ、何を生産したのかだけではなく、誰を支えたのか、自分の心の感情を抑えながら誰をサポートしたのか、支えたのか、ここも評価されるべきだと思っております。 そこで伺います。 これちょっと通告していないんですが、もしお答えできるようであればなんですけれども、なぜこの人による価値が高くなってきているというこの時代においてこの感情労働分野のみ低賃金という構造になっていると政府はお考えでしょうか。もし、通告していないので、分かればで結構です。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 十分なお答えになるかどうか分かりませんけれども、感情労働分野と申しましても、医療や福祉もそうですし、御指摘の観光分野あるいは一般的な小売店ですとか様々な分野がございまして、一律にその賃金が高い低いということを申し上げることはなかなか難しゅうございますが、一般的に申しますと、賃金の高い低いというのは労働力需給の影響も受けますけれども、同時に、その分野で例えばその生産性向上のための設備投資がどのように行われているかといった、その職場における人がやることと機械などや情報システムに任せることの分担がどうできているかといったことなどの影響を受けるものと考えております。 対人サービスの仕事は、御指摘のとおり、最終的に人が人を受け止めることが重要であるという要素がある分、なかなかシステム化ですとか機械化がしにくいという影響が一因としてはあるように思います。ただ一方で、これもお話ありましたとおり、コールセンター業務の中で、AIを組み込むことで生産性を高めていくとかいう取組も御紹介いただきましたし、そういった対人サービスの分野においても、ロボット化できるものはロボット化、AI化できるものはAI化といった形で、生産性を高めながら働く人の待遇を上げていく、こういった取組がまさに今進行しているところではないかというふうに思っております。
○庭田幸恵君 本当に急な質問だったのに答えていただきまして、ありがとうございました。 さて、感情労働を含む労働集約型産業では、私の会社もそうでございますが、変形労働時間制、中抜け勤務、分断勤務が広く使われています。私は、この制度そのものを否定するものではございません。しかし、現場では、中抜けでも遠くには行くことができない、常に連絡を気にしている、そして次の勤務への緊張が続くなど、制度上は休みであっても、実際には心身が十分に回復していないケースが少なくありません。特に、感情労働では、勤務が終わっても、対人ストレス、感情の緊張を引きずって、心が仕事から離れない状況が起きます。私はここに感情労働特有の疲労の問題があると思っています。 そこでお伺いします。 政府は、感情負荷の高い職場において、制度上の労働時間だけでは見えにくい精神的な拘束、回復不足、感情の疲労といった実態についてどのように認識をして、この感情労働分野における変形労働時間制の実態についてどのように認識をされているでしょうか。お答えをお願いします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、感情労働分野というくくり方ではございませんが、変形労働時間制の導入状況につきまして、令和七年就労条件総合調査でもって把握をしております。全産業では六〇・二%の導入状況でございますが、例えば、宿泊業、飲食サービス業では六五・四%、生活関連サービス業、娯楽業では六二・二%、医療、福祉では六七・七%となっているところでございます。 また、適用労働者の割合で見ますと、全産業では五〇・五%でありますところ、宿泊業、飲食サービス業では六二・三%、生活関連サービス業、娯楽業では六〇・五%、医療、福祉では五九・七%となっているところでございます。
○庭田幸恵君 六〇%以上の会社、企業、それからそういった人々が変形労働時間制で勤務をしている。これを私はそもそも否定しているわけではございませんが、人手不足を埋める手段として使われているケースがあるということをちょっとお伝えしておきます。 現場では休んだことになっている、拘束されていないことになっている、しかし実際には、常に呼出し待機、心が休まらない。私自身、客室乗務員としても勤務していた時代があると先ほど申し上げましたけれども、休息時間とされていても、人はボタン一つで休息モードには、休憩モードには切り替わりません。例えば、外地で二日間ステイ、お休みという拘束があったんですけれども、その間も、次の乗務のことを考える、乗務についてリサーチをする、体調を整える、生活リズムを整える。時差の中、心は仕事から離れることができませんでした。 現場で働いた人間として申し上げます。勤務が終わったことと疲労が回復に向かうことは違うと言えます。大臣はこの違い、どう認識をされているでしょうか。また、これは変形労働時間制の実際の現場を見ていくと、その実態ですね、今政府が目指している働き方改革、本来の趣旨、ワーク・ライフ・バランスではなく、私、これ、ワーク・ワーク・ワーク、逆方向ではないかと思っているんですが、御見解をお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の観点、まさに現場で頑張っていただいている皆様の率直な御意見ではないかというふうに感じました。 人手不足の中で、労働生産性を高め、心身の健康の維持を前提に柔軟で多様な働き方ができるようにして、労働参加を進めることが重要だと考えております。 御指摘の感情労働分野は、対人サービス業と重なる場合が多いかと思います。シフトを組むために変形労働制が活用されているような場合もあるというふうに承知をしております。このような分野に限らず、労働者の健康確保などの観点から、勤務からの解放に関わるルールとして勤務間インターバル制度、また、いわゆるつながらない権利を求める、そうした御意見もあろうかと承知をしています。 勤務間インターバルについては、十一時間のインターバルを義務化する方向で検討すべきだという御意見がありますが、その一方で、現行の努力義務の下で各企業の実態に応じて様々な制度を導入しているので、画一的な規制には反対だといった御意見もあります。 また、つながらない権利については、企業の垣根を越えた労使の相互理解の下に取組を進めなければ実効性が上がらないため、法制化も念頭に置いた検討が必要という御意見もありますが、まずは、メール送付の抑制やシステムへのアクセス制限などの手法の通知を行って、社会全体の意識改革を進めることが重要だという意見も示されているところであります。 いずれにいたしましても、労働時間規制の見直しについては、今後、夏以降の労働政策審議会において具体的な議論を行っていく予定でございまして、御指摘のような観点もそうした議論の中で進んでいくというふうに考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 今大臣から、勤務間インターバルを前向きに進めていくとか、つながらない権利というようなところも出ました。まさにここを、ある意味、サービス産業こそもっともっと強く前に進めていかねばならないというふうに私も思っている一方で、このサービス業というのはやっぱり人手が足りない。企業の経営者から、例えばこれを義務化したらもうシフトが回らないんだよというような声も全国から届くような気がするんですけれども、ここは産みの苦しみということで、やはり心身の疲労回復せめてできる勤務間インターバル十一時間、いや、十二時間というところを前に進めていけないかなというふうに私自身思っています。 今大臣の方から答弁がございましたので、質問七は飛ばさせていただきたいと思います。 野村総合研究所などでは、質問八に入っております、日本の労働人口の約半数が将来的にAIや自動化の影響を受ける可能性があるとも指摘をされています。一方で、介護、保育、接客、観光、対人支援など、人に向き合う仕事は代替されにくい、これもう何度もこの委員会で今申し上げております。 しかし、現実には、そうした仕事ほど人手不足、高い離職率、メンタル不調が深刻化していて、そのため、今、AI化や自動化が急速にこの日本でも進んでまいりました。皆さんも経験されたことがあるかもしれませんけれども、ホテルの無人のチェックイン、あとはチャットボット、電話対応では自動音声対応、よく使うのがスーパーマーケットのセルフレジ、AIカスタマーサポート。私は、こういった効率化そのものを否定するつもりはありません。しかし、私は、この現場である変化が起き始めているのではないかと思っています。 それは、このAI、AIがですね、システムが定型業務を引き受ける一方で、最後に残された人にクレーム対応ですとか不満の処理、感情の調整、相手の空気、その接客サービスの中での空気を読む仕事、不安を受け止める仕事、こういった難しい仕事ばかりが集中していくという構造でございます。つまり、ちょっとシンプルな言葉で言いますと、楽な仕事がAIに行って、最も消耗する仕事だけが人間に残るという現象です。これを私は心配をしております。 例えば、ホテルでもコールセンターでも観光の現場でも、システムの対応で解決できなかった強い不満や怒りだけが、最後に、顧客対応している、感情労働をしているサービス現場の人間に流れてくる。正直申し上げれば、現場で長年働いていた者として、そういう暴言とか、暴言こそAIが聞いてくれればいいのにと思うことすら実はありました。しかし、現実には、最後は人間が感情を受け止めています。私は、AI時代に本当に必要なのは、人にしかできない仕事をどう守っていくのか、どう心を守っていくのかという視点ではないかと思っています。 そこで伺います。 AI化、自動化によって感情労働の負荷が一部の対人職種へ集中していく可能性についてどのように認識をしているのか、大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、AIや自動化の進展に伴いまして労働者の皆さんが従事される仕事内容にどのような変化が生じていくのかについては、厚労省としても注視が必要だと考えています。 なお、AIの進展に伴う雇用への影響については、一部の職種、職業や作業に対する需要を減少させる可能性を指摘する国際機関のレポートや、米国で人員削減に関する報道などがあることは承知をしておりますので、厚労省としても調査研究を行っていくこととしています。 そういった中で、現時点で確たる見通しを示すというのはなかなか難しいのですが、御指摘のように、AIでは代替しにくいきめ細かな対人対応、これを行う職種に負荷が集中をする、そうした可能性もあると考えています。 いずれにいたしましても、労働者の皆さんの心理的な負荷を把握をして、それに応じて適切な労働安全衛生管理や職場環境を実現をしていくことが重要ですので、厚労省としては、AI時代にあっても、メンタルヘルス対策を始めとする働く方々の健康確保に積極的に取り組んでまいります。
○庭田幸恵君 御答弁ありがとうございました。やはりメンタルヘルス、非常に重要な分野だと思います。 そして、私は、この問題は、今ずっと日本人を想定してお話をしてきたような流れになっておりましたけれども、日本の労働者だけの問題ではないと思っています。日本人の労働者だけの問題ではないと思っています。 今、介護や宿泊業、外食業、観光など感情労働を伴う現場では深刻な人手不足が続いておりまして、外国人材の就職というのも非常に多く、都内のホテルなんかは本当にフロントですとか外国人の人材が多く接客に当たっていらっしゃる姿、皆様も目にされたことがあるのではないでしょうか。重要なのは、単に人手を確保するということだけではなく、外国人スタッフにも日本で安心して働いて定着してもらえる制度になっているのかという視点ではないでしょうか。 外国人材といっても様々な形態の方がいらっしゃいますけれども、次に、ここでちょっと話題を切り替えまして、来年四月の制度施行まで一年を切った育成就労制度について伺ってまいります。 技能実習制度から育成就労制度への転換は、実習から就労定着へ転換するものだと理解をしております。私は、これは重要な前進だと思っています。 一方で、現場からは様々な不安の声も聞こえてきます。まず、原則として一定期間を経なければ転籍できないという仕組みです。悪質な労働環境に当たった場合でも、実質的には一定期間、その職場にいて耐えなければならない構造になるのではないでしょうか。なぜ最初から自由な転籍が認められていないのか、参考人に伺います。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 育成就労制度におきましては、外国人の労働者としての権利保護をより適切に図る観点から、技能実習では認められていなかった本人意向転籍を認めることとしてございます。 育成就労制度におけます転籍制限期間は、昨年三月に閣議決定いたしました基本方針におきまして、一年とすることを目指しつつも、当分の間、育成就労産業分野ごとに、その業務内容等を踏まえて一年から二年までの範囲内で設定するものとされてございます。ただし、重大悪質な契約違反行為があったなどやむを得ない事情がある場合には、転籍制限期間を経ずとも転籍が可能となってございます。 育成就労外国人から相談があった場合には、外国人育成就労機構や監理支援機関などが連携して、転籍が円滑かつ迅速に行われるよう対応してまいりたいと考えてございます。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 ちょっと一年から二年という幅があるということでございましたけれども、悪質な環境からはやっぱりすぐ離れたいというのが同じ、外国人の方も日本人も同じだと思っております。 また、転籍には日本語能力や技能試験が必要になるとされています。しかし、ハードルが高過ぎれば実質的には転籍できず、従来の技能実習制度と変わらない支配構造が残るのではないでしょうか。大臣はその御懸念、お持ちではないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 育成就労制度は、外国人の労働者としての権利保護をより適切に図る観点から、本人の意向による転籍を認めつつ、転籍先でスムーズに育成就労を継続できるよう、技能と日本語能力に係る要件を設けているところであります。 技能については、転籍の意向の有無にかかわらず、育成就労制度の一年目の目標として技能検定基礎級等への合格を求めていることから、基本的に転籍には影響を与えないものと考えています。また、日本語能力ですけれども、原則、日本語能力のA1相当とA2相当の間の一定のレベルを求めておりますけれども、これはやはり育成就労をスムーズに継続するための最低限の能力を担保するものだというふうに考えております。 いずれにいたしましても、転籍に伴うトラブルを防止をし、円滑な転籍の実現に資するものでありますので、本人の意向による転籍を制限するものではないと考えています。
○庭田幸恵君 本人の転籍を制限するものではないというふうに御答弁いただいて、ありがとうございました。 さらに、入国時に一定の日本語能力が求められる方向というふうに認識をしておりますが、送り出し国によって教育環境には本当に大きな差があります。結果として日本に行きたくても行けない、他国へ流れるという事態も起こり得るのではないでしょうか。 海外では人材獲得競争を前提に、今選ばれる国になる政策が進んでいます。例えばドイツでは、就労と語学学校を一体で支援しています。また、カナダでは、外国人を単なる労働者ではなく、地域社会を支える人材として受け入れています。また、オーストラリア、豪州などでは、賃金、キャリア、永住可能性まで含めて、この国で人生を築ける国、この国でちゃんと住めるんだよ、働けるんだよ、生活が幸せになるんだよということを訴えて競争しています。 私、これからの外国人労働政策で重要なのは、管理することではなく、外国人の労働者の皆様に日本が選ばれることだと思っております。日本で働きたい、日本で暮らしたい、そう思ってもらえる国になれるか。 大臣は、現在、この国際的な人材獲得競争の状況をどのように認識をしていらっしゃるのでしょうか、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 近年の労働力不足の深刻化でしたり、あるいは国際的な人材獲得競争、これが激化をしておりますので、そういう状況に鑑みますと、やはり我が国が魅力ある働き先として選ばれる国になるということも必要かと考えております。そのため、キャリアアップの道筋を明確にするとともに、適切に人権が保護されるよう育成就労制度を創設をしたところであります。 育成就労制度においては、三年間の育成期間で計画的に特定技能一号水準の人材育成を目指すものであり、例えば、日本語能力についても、特定技能一号への移行に必要となる水準にまで段階的に向上させる仕組みとしております。また他方、就労開始前ですね、就労開始前においては、A1相当以上の試験に合格していなくても、A1相当講習を受講すれば育成就労を開始することは可能です。 育成就労制度が外国人にとって魅力あるものとなり、長期にわたり産業を支える人材が確保されるように、制度内容をしっかりと周知をして、円滑な施行に向け準備をしていきたいと考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 また、地方企業からは、時間もコストも掛けて育てても、結局、都市部へ外国人材が流出してしまうという切実な声があります。これ、私の声でもありました。特に、宿泊、介護、外食、地方サービス業では深刻です。 私の経験になりますけれども、経営者として、外国人スタッフの住居の保証人になった経験もございます。在留資格取得の支援をして、生活アパートを借りる保証人になって、日本語の指導もし、例えば、ごみ出しのルールなど、それから銀行口座の開設の方法を支援するなどしたこともございます。 しかし、地方の現場では、外国人を単に雇っただけではなく、その生活そのものを支えているケースがある中で、在留資格が取れた後、数か月働いた後に都会の、東京や大阪など都会の会社に転職をするというような構造も結構ありました。私、これは単なる本人の問題ではないと思っております。 地方に人が定着しない背景には、賃金の都市間格差があると思っております。もちろん、住環境、そして地方にはやはり外国人材非常に少ないんですね。少ないということによる孤立、そして本当にこのままここで仕事をして働いていていいのかという不安、こういった構造的な課題があるのではないかというふうに感じております。 外国人材の地方の定着について、外国人労働者に対して大臣はどのような支援策が必要だと考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我が国に在留をする多くの外国人の方々、地域、産業を支えて日本社会に貢献をしている存在であると考えています。 本年の一月に、外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策を関係閣僚会議で決定をいたしまして、全省庁横断的にライフステージ、ライフサイクルごとの施策を明示し取り組んでいるところであります。 やはり、地方で活躍していただくためにも、厚生労働省においては、例えば適正な労働環境の確保という観点から、外国人労働者の方々が労働局や労働基準監督署、ハローワーク等において、労働相談や職業紹介について多言語で相談をしていただけるような体制整備に取り組んでいただいているところでございます。そのほか、住環境や孤立、様々な課題があろうかと思いますので、関係省庁とも連携を通じて、全国どこであっても外国人労働者の方々が適切な行政サービスを受けることが可能な環境整備、これを図れるように取り組んでいきたいと考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 では逆に、今労働者、外国人労働者への支援についてお伺いしましたけれども、地方で外国人労働者を採用して働いてもらっている企業への支援、公的な支援の拡充が私は必要と考えますが、この支援の現状、また今後の政府の取組についても教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 特定技能及び育成就労に関する政府の基本方針において、地域における人材不足の状況に配慮をする観点から、大都市圏等に外国人労働者が過度に集中することを防ぐために多角的に取り組むということとされております。 こうした観点から、厚労省では、業所管官庁に対して定期的に人手不足の状況を提供しています。また、各地域における優良事例の周知も行っておりますが、例えば介護分野などにおいては地方企業の魅力発信などを実施をしております。あわせて、外国人雇用管理指針の周知徹底や事業主による就業規則の多言語化に係る経費の支援なども行っておりますので、そうしたことを通じて引き続き外国人労働者を雇用する地方企業の支援を続けていきたいと考えています。
○庭田幸恵君 就業規則の多言語化の支援があるということはちょっと私も初めて知りました。ありがとうございます。 私は、これからの日本に必要なのは、人を使い切る成長ではなく、人が壊れない成長だと思っています。AI時代だからこそ、人にしかできない仕事の価値はむしろ高まっていく。不安な人を安心させる、そして苦しい人には寄り添う、怒りを受け止める、笑顔で空気を和らげる、こうした仕事は単なるサービスではありません。私は、社会を支えている、ある意味見えないインフラだと考えています。 感情労働、これはもう日本社会の土台だと思っています。観光関連産業だけでも裾野を含めればおよそ九百万人の雇用を支えていると言われています。しかし、日本ではそのような仕事をしている人たちほど十分に報われているとは言い難い現実があります。私は、ここを変えるためにこの国会に参りました。 支える人、働いている人が幸せになる、そんな社会を共につくっていくことを最後にお誓い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(小川克巳君) ただいまより厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、勝部賢志君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○原田大二郎君 ありがとうございます。公明党の原田大二郎です。ありがとうございます。 本日、私、初めて厚労委員会の方で質疑をさせていただきます。御許可をいただきました委員長始め理事の皆様、そしてまた、本日答弁いただきます上野厚労大臣、また政府参考人、また仁木先生も含めまして、大変にお世話になります。よろしくお願いをいたします。 私自身は、約二十年、医師として、呼吸器内科医、またがん薬物療法専門医として診療に当たってまいりました。特にがんの患者さんにおきましては、四国がんセンターで診療、また臨床試験も含めまして携わらせていただきました。本日は、そういった患者さん、また御家族、また医療チームの皆様の思いを受けながら、しっかりとその思いを質疑させていただけたらと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 まず最初は、進行がん患者さんの治療と仕事の両立及び所得保障の制度的接続ということのテーマでお話をさせていただきたいと思っております。 皆様既に御存じのように、がんは多くの場合、発生初期にはほとんど症状がありませんが、次第に増殖をし、周囲の組織を破壊しながら進行し、やがて転移を来して、全身の臓器機能を障害し、最終的には命を奪う進行性の疾患でございます。 ちょっと資料の方をお配りしております。ちょっと飛ばしまして、三ページをちょっと見ていただきますと、資料の二になります。日本では、現在、年間およそ三十八万人の方が毎年がんで亡くなっております。今、二人に一人が生涯のうちにがんに罹患をし、三人に一人ががんで死亡するといった状況になっております。つまり、人が三人集まると、そのうち一人はいずれがんで亡くなるというのが本邦における厳然たる事実になっております。 また一ページ目に戻っていただきたいんですけれども、ちょっと、私、肺がんを専門にしておりましたので、肺がんを例にお話をさせていただきますが、肺がんは年間七万六千人の方が亡くなられておりまして、がん種の中で一番トップを占めると、男女計で一位となっているわけでございます。 一般的に、ちょっとこれは肺がんの診療指針ということでございます。こちら、日本肺癌学会の患者さん、また御家族向けの資料から出させていただいておりますけれども、一般的には、一期、二期、三期、このがんの患者さんは、手術やまた根治的放射線治療、これが標準治療となりまして、治療目的はこれは根治であるということでございます。中には、手術や放射線をした後、再発率を下げるために術前又は術後に抗がん剤治療をされる方もおりますが、基本的には予定治療が終わればあとは無治療で経過観察と、これが一般的でございます。 一方、転移を有する四期のがん患者さん、この方は、抗がん剤治療が一応標準治療、様々な今選択肢出てきておりますけれども、一般的にはお薬による治療をし、治療目的は、残念ながら根治ではなくて寿命を延ばしていくと、元気で長生きをしていくということが目的であります。そして、その抗がん剤治療は一般的には、効果があり、効果が持続をし、そして副作用が許容範囲であれば生涯継続して投与するということが原則になります。そのため、副作用の問題や、また抗がん剤の長期治療による経済的困窮に最も陥りやすいのは四期の患者さんであると考えてもいいのかと思っております。しかも、がんで亡くなられる患者さんは、一般的にがんの進行によって四期の状態となり、衰弱して亡くなられるというわけでございますので、一部の出血や窒息などの急変を除けば、がん種は多くの場合、四期の状態を経て亡くなるというふうに考えていいかと思います。 今現在、医療の進歩によりまして、四期の進行がんの患者さんであっても長期にわたり働きながら抗がん剤治療などを継続するケースが増加をしておりまして、医療的なケアのみならず、経済的課題や日常生活を送りながら治療を継続するための課題が今クローズアップをされております。しかしながら、その実態がどうであるかということでございます。 また、四ページ、五ページ目、ちょっと、資料三と四になるんですけれども、こちらはがんセンター中央病院の方が出している令和五年度患者体験調査の中から出しておりますけれども、この患者さんの治療や、また様々な経済状況も含めた患者さんが体験している状況を患者さん自身がアンケートで答えると、こういった調査がなされているわけでございますけれども、これが、この対象者が、一期から三期の患者さんと四期の患者さん、このデータが平均化をされてしまっている状況でございます。四期特有のがん患者さんの就労困難や収入減少、経済的困窮の実態が十分に解析できないという問題があると思います。 実際にこの調査では、その資料三のところ見ていただきますと、四期の患者さんは、一番右端の真ん中辺りになるんですけれども、一四%しか含まれておりませんし、また、現在、がん治療で、次のページになりますけれども、このアンケートに答えられた方、現在治療中、入院している、通院している、今まさに治療を受けている患者さんは一九%しか含まれていない。つまり、残りは、ほかの方は、治療が終わって経過観察をしているという方がちょっと多く入っていると、そういった形になっているわけでございます。 また、いわゆる再発に関しまして、再発又は四期患者さんにおける離職や休職期間、収入減少、経済的困窮、それによる治療選択への影響、また傷病手当金や障害年金などの社会保障サービスの利用状況などを的確に把握することはなかなかこの状況では難しいかなと思いますので、四期相当の進行がん患者さんに焦点を当てた別枠の全国実態調査を実施すべきではないかと思っております。 先ほどの二ページ目にまた戻っていただきますと、もう一つ、実は四期の患者さんのところの、二ページ目開いていただきますと、実は一期、二期、三期であったとしても、いわゆる再発をしたという状況になると、いわゆる遠隔転移再発で四期の状況と同じような状況であった場合は、そういった患者さんはステージ四と考えて治療が行われるべきであると思うんですけれども、実際、今回のこのアンケート調査では、六ページ目をちょっと開いていただきますと、資料五になりますが、このアンケートにおきましては、再発した患者さんのデータはちょっとはっきり分からないと。この資料五の右下の真ん中辺りにある問い九というアンケート調査、この調査では、あくまでゼロ、一、二、三、四、分からないという分類になっておりますので、いわゆる再発しているかどうかというのはこのアンケートでは分からないという状況になっております。 これも含めまして、正確に解析をしていくためには、再発症例を別分類又は四期相当として統計を取るべきではないかと思いますけれども、これらの問題点に関しまして厚労大臣の見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) この調査につきましては国立がん研究センターの実施するものでありまして、我が国のがん対策の進捗状況を評価する観点で調査をしております。その中では、例えば治療に関する説明状況であったり、妊孕性に関する説明状況、また就労に関すること、また一部経済状況に関する項目など、多岐にわたる項目について、患者の皆さんがどのような体験をされたかということに焦点を当てて調査をしているものであります。 四期相当の進行がん患者、再発したがん患者に限らずに、現在、早期がんも含めた全てのがん患者の方の経済状況について実態把握を行っているところでございますが、今委員からの御指摘のあったことも踏まえて、今後、国立がん研究センターともよく相談をしながら調査体制については研究を深めたいというふうに考えておりますが、なかなかそこの部分だけ取り出してということが難しいかもしれませんので、実態どうなのかということを踏まえて研究を進めていきたいと考えています。
○原田大二郎君 先ほどもお話ししましたように、やはり経済的な影響、困窮、また治療期間が長く、長期にわたる、そういった患者さんというのは特にその進行期四期の患者さんだと思われますので、やはりその経済的な状況であるというものを、がんの患者さん全てでもちろん大事ではあるんですけれども、もちろん一期から三期も含めて当然調べるべきでありますが、特にその四期の患者さんというものの実態をしっかり調べていただく。先ほども言いましたように、日本で一番亡くなっている病気はがんということでありますので、亡くなられる方は先ほども言いましたように四期を経て亡くなられるわけではございますので、ですから、一四%しかいないわけではなくて、多くの方が影響を受けるのだということを、やはりその実態に即した形の調査をして、それに基づいた政策立案をしっかりやっていくべきではないかということを申し上げたいと思います。 そういうところでありまして、上野厚労大臣の方におかれましては、先般からの高額療養費制度の議論におきましても、高額療養費制度は、見直しに関する議論の中で、実際の受診行動にどういう影響があったかということについては継続した一定の範囲内の中での調査を行うことが必要だと発言をされておられます。 政府が今後実施を検討しているとされている影響調査につきまして、具体的にいつ、どのような規模で、どのような対象者、項目を設定して実施をしていく方針なのか、また、単なる患者体験調査の延長ではなくて、先ほども申し上げましたように、進行がんの患者の就労、所得、生活困窮を的確に把握をし、適切な政策立案に資する調査とすべきであります。 そして、一般に、興味、関心のある事項が決まっているのなら、前向き観察研究、つまり、今からこういう調査をしますというのをあらかじめ決め、そしてそこから患者さんにリクルート、登録をしていただく、これを前向き観察研究といいますけれども、そのデータの方が抜けもなく、いわゆる後ろ向き観察研究といいまして、今までの人はどうだったかなと後ろ向きで調べるというものよりも解析精度が高い、またエビデンスレベルも高いという状況でございますので、政府が本気でそういった実態を調査をしていこうというのであれば、直ちにこれ研究計画を、今回のは高額療養費制度の見直しがございましたけれども、この影響を調べようというのであればすぐに、もう研究計画は直ちに立てることはできるわけでございますので、研究計画をしっかり立てて前向きに観察研究を行っていくべきと思うのでありますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 具体的な検証方法につきましては今後検討を深めていきたいと考えておりますが、過去の分析手法も参考にしつつ、既存データで対応できるものなのかなども含めましてどのような方法が考えられるのか、統計的な面からも含めてよく研究をしていきたいと考えております。 また、その際には、可能な限り、多様な属性の方への影響、具体的に申し上げれば、年齢別、疾病別、所得別などでデータを整理し、分析をできるようにしていきたいと考えております。 できるだけ早期に研究計画を立てるようにしたいと考えておりますが、今その準備を進めているところでございまして、現在いつということはなかなか申し上げられませんが、しっかり努めていきたい、頑張っていきたいと考えています。
○原田大二郎君 ありがとうございます。是非、しっかりと前向きに進めていただけたらと思います。 続きまして、がん患者さんの障害年金受給実態についてお伺いをいたします。 病気の進行などによって働きづらくなった結果生じる収入減と医療費、生活費の増加を公的年金で補うために、悪性新生物による障害の認定基準が設けられております。七ページ目、資料六の方に添付をさせていただいております。 こちらの方が、ちょっと抜粋になりますけれども、悪性新生物による認定基準の方が一級、二級、三級と示されております。そして、次のページめくっていただきますと、がんの患者さんにおきましては体力が低下をしてきますので、その状況に応じてそれぞれ一級、二級、三級相当の区分が書かれているという状況でございます。ア、イ、ウ、エ、オということでございますけれども、このように認定基準が明確に示されているという状況でございます。 そこで、実際に、このがんで体力が低下をし、進行をし、日中も横になって過ごす時間が必要になるようなそういった場合、恐らく障害認定の基準、障害年金受給の資格になって認定基準を満たしてくるかと思うんですけれども、障害年金の受給対象となり得る障害になった患者がどの程度その障害年金を申請をし、受給をしているのか、どの障害認定基準を用いて認定をされたかなどを把握する政府統計が存在するか、お伺いをいたします。
○政府参考人(三好圭君) お答え申し上げます。 傷病別の障害年金受給者数についてのお尋ねでございますけれども、これ、私ども厚生労働省が令和元年に実態調査というものを実施しておりまして、障害年金の受給者データに基づきまして、この傷病名が新生物である方というのが約二・二万人あるというふうに推計をしております。これ、当時の受給者全体二百十万人に対して二・二万人ということでございます。 ただ、ちょっと一点留意が必要でございますのは、例えば、今先生も悪性新生物の認定基準について御紹介いただきましたけれども、例えば肝炎由来で肝がんになったような方について、この悪性新生物の認定基準を用いて障害年金を受給される場合もありますけれども、その後、その肝臓の状態が悪くなって肝臓、肝疾患の基準を用いて障害年金を受給されるという方がいらっしゃいますので、この二・二万人以外の方でもがんを元々は基にして年金を受給していらっしゃる方はいらっしゃると、そういう意味では幅を持って解釈する必要がある数字だとは思ってございます。
○原田大二郎君 ありがとうございます。 先ほど、年間三十八万人の方が亡くなり、そして肺がんの患者さんに関しては約七・六万人ということもありますので、そういった母数を考えると、この二・二万人という数が妥当なのかどうかということも含めまして、しっかりと統計の方をまた今後も取っていただけたらというふうに思っております。 制度の、やっぱりこの障害年金に関しましては、その利用の不足や支援の空白があるのではないかというふうに思っておりまして、今後、傷病名ごと、また認定基準ごとに、その障害年金の申請、認定、また受給実態を把握できる統計をしっかりできれば、毎年取るであるとか、そういったものをしっかりとまた取っていただけたらと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(三好圭君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げました実態調査、あれはスポットで実施したものでございますけれども、それ以外も、障害年金につきましては、日本年金機構におきまして、毎年一回、障害年金業務統計というものを公表して、等級別、診断書の種類別、あるいは都道府県別の決定件数、あるいはその内訳というものをお示ししております。 先ほどと同じ理由で、これ、がんの方に特化して何人だというのをお示しするというのはちょっとなかなか難しい面もございますけれども、今後もできる限り分かりやすい形で障害年金の受給状況をお示ししていきたいと考えてございます。
○原田大二郎君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 傷病手当金の支給の期間は、通算で一年六か月となっております。それが終了する時点で、例えば病状が改善をせず就労困難な患者さんが経済的に追い込まれる所得保障の空白期間が課題となっております。傷病手当金終了時に円滑に障害年金に移行できるよう、早い段階から医療ソーシャルワーカーなどが障害年金の可能性を案内し、患者さんにですね、また御家族に案内をし、そして初診日から一年六か月の要件到達前から申請準備や事前相談を進められる体制を構築すべきではないかと思いますけれども、現在の現状と今後の取組についてお伺いをいたします。
○政府参考人(三好圭君) お答え申し上げます。 今の先生のお尋ねに関しましては、やはり患者さんに障害年金が受給できるよということをしっかり周知すると、そういう仕組みがあるということをしっかり周知するということと、早い段階から相談に応ずるということが大事だというふうに思っております。 前者のその周知に関しましては、一般的な周知も行っておりますけれども、がん患者さんにフォーカスした取組といたしましては、政府広報のポータルサイト、こちらにおきまして、「障害年金の制度をご存じですか?がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です」という、題する記事、これを常設で掲示をさせていただいておりますし、また、障害年金のリーフレットにつきまして、がん診療連携拠点病院等のがん相談支援センターとも連携をして、こちらでも相談対応できる、していただけるように協力依頼なども行っているところでございます。 さらに、相談でございますが、これは障害認定日、基本的には初診日から一年六か月後というふうになっておりますが、もちろんその前のタイミングから相談、どういう書類が必要かとかですね、そういう相談に応ずるということはこれ年金事務所もやっておりますし、実際の審査は、障害認定日の後に申請していただくことになりますけれども、こちらにつきましても標準処理期間というものを設けておりまして、迅速な審査、支払の支給決定につなげております。また、支給決定されればもちろん障害認定日に遡って年金をお支払をしておりますので、傷病手当金と切れ目ない形でお金をお支払いするということができる仕組みになってございます。
○原田大二郎君 ありがとうございます。是非、プッシュ型というか、こちらからしっかりと情報を伝えていくような形の取組なんかも進めていただけたらというふうに思っております。 抗がん剤の副作用や倦怠感等の結構見えにくい障害により就労が著しく制限される患者の生活実態が、医師が診断書を書く際にその診断書になかなか適切に反映されにくいのではないかという現状があります。どうしても患者さんは、診察室に入るときは何とか元気に振る舞って、ふだん元気ですよと言ったりするようなこともあったりする場合があったりいたします。また、多忙な臨床医にとりましては、紙の診断書を作成するのは大変大きな負担となっているという状況もございます。 診断書のDX化や書式を記入しやすいものにするなど、また、日常生活動作の制限が的確に診断書に反映されるような、そういったような書式の見直しを図るべきと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(三好圭君) お答えいたします。 書式を記入しやすくするということと、日常生活動作の制限というものを正しく伝えられるようにするという、この二点のお尋ねだったかと思います。 まず、診断書の書きやすさという点につきましては、紙の診断書以外でも、電子媒体も年金機構のホームページに掲載しておりまして受付を行っておりますし、さらに、それを電子でやり取りするということも今後考えていかなければいけないわけでございますけれども、こちらにつきましては、診断書、これは政府が令和五年に決定しました医療DXの工程表の中でも、電子的な提出を実現をして提出可能な文書を拡大していくという、こういう方針が示されているところでございますので、まだ私どもの方ではこれからの課題ではございますけれども、障害年金の診断書についてもどのような対応を考えられるかということは検討していきたいと考えてございます。 また、日常生活能力に関する記載でございますけれども、これは診断書の様式の中でもそういった能力を記載する欄を設けておりますし、また、診断書と別に、御本人や御家族の方から病歴・就労状況等申立書というものを提出していただくことになっておりまして、こちらの方で日常生活の状況等、まさに御本人さんの実感に即した形で詳細に記載していただいて、それに基づきまして認定を行っているというところでございます。 診断書の様式も含めまして、今後も不断の改善というものを図ってまいりたいと考えてございます。
○原田大二郎君 ありがとうございます。是非、様々な改善の方をよろしくお願いいたします。 悪性腫瘍の障害のうち、人工肛門や人工膀胱などにつきましては、特例的な取扱いが明文化をされております。これはその障害認定日の特例ということでございますけれども、ただ、しかしながら、現在は悪性腫瘍全般への特例は認められておりません。 資料七を御覧いただきたいと思います。 最後のページになりますけれども、これが今、非小細胞肺がん、これは肺がんの中の約八割を占める、多くの肺がんの場合はこの非小細胞肺がんでありますけれども、これは今最新の統計に、日本も含む世界の中の統計でありますが、一期、二期、三期、四期とありまして、四期の患者さんのこれ生存率を示しております。下の二つが四のAとBに分かれているんですけれども、一般的にやっぱりこの四期の方は、真ん中の生存期間中央値が四Aの方は一・三年、四Bの方は〇・七年ということで、一年程度というような、そういった非常に厳しい数字が、現実、今あるわけでございます。 そういったことを考えたときに、やはり一年六か月というのは、なかなかこういった四期の患者さんが受給できない、そういった場合が多いのかなと思われます。そういったことを考えた場合、特に進行が早く、予後が限られているであろう、そういった進行がん患者さんに対しまして、障害認定日、一年六か月のそういった部分に関しまして、特例的な対応につきまして、なかなか線引きは難しいと思われるんですけれども、臨床実態を踏まえまして、今後慎重に検討をしていただくということはできないか、ちょっと見解をお伺いをいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 障害年金は、疾病や負傷によって障害の状態が長期間継続することによる稼得能力の喪失に対して支給されるものであります。 その認定日は、障害の原因となった傷病の初診日から起算して一年六か月を経過した日としております。その症状が固定し、治療の効果が期待できない状態に至った場合等には、一年六か月を経過する前にも障害認定を行うこととしております。 今委員からも御指摘がありましたがんについても、人工物の装着や肢体の切断など、症状が固定したと判断できる場合は一年六か月を経過する前に認定することになりますが、一方で、症状が固定せず進行しているものについては、障害状態が長期間継続することに対する所得保障という制度目的を踏まえ、一年六か月を経過した日を障害認定日としております。御理解をいただければと思います。
○原田大二郎君 ありがとうございます。 続きまして、がん患者の就労継続ということで、少しちょっと質問飛ばさせていただきまして、がん患者や長期療養者の雇用継続に向けた会社側の配慮、これを今現在、個別企業の善意に頼っているような部分がどうしてもあるのではないかと思います。これ、できれば社会全体で標準的な取組として定着させていくという方向性が重要ではないかと思っております。 治療と仕事の両立支援を推進をするために、そのための例えば助成金制度であったり、健康経営等の認定制度、公共調達における評価、伴走支援などを組み合わせ、企業がメリットを理解し、そしてかつ容易に申請でき、がん患者の就労継続を支えやすくする総合的な取組やインセンティブ制度の構築、また社会全体での支え合いの機運の醸成を進めるべきではないかと思いますけれども、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) がん等の疾病を抱えていらっしゃる労働者の皆さんの治療と仕事の両立、これを支援するための取組については、その定着に向けて、労働施策総合推進法の改正によりまして、本年四月から事業主に対し努力義務化をしたところであります。 企業における治療と仕事の両立支援の取組は、休暇制度、勤務制度などの整備や相談窓口の明確化などがありますが、その取り組み方自体が分からないという課題があります。国としては、都道府県の産業保健総合支援センターによる技術的支援を無料で提供することなどを通じて中小企業に対する必要な支援を行うことが効果的だと考えているところであります。 また、治療と仕事の両立支援に積極的に取り組んでいただいている企業を評価する仕組みとして、安全衛生優良企業公表制度の評価項目の一つに治療と仕事の両立支援の取組を設定しています。 また、経産省と連携をいたしまして、今御紹介がありましたが、健康経営の顕彰制度におきましても、その評価項目の一つとして治療と仕事の両立支援に関する取組を評価しているところでありますので、厚労省としては、こうした様々な取組、制度等によりまして、社会全体での両立支援の機運の醸成等を図ってまいりたいと考えています。
○原田大二郎君 ありがとうございます。 続きまして、ちょっと次のテーマに行かせていただきます。 粒子線治療の国内普及、適正普及に向けた体制整備ということに関しましてでございます。 先日、量子科学技術研究開発機構、QSTを視察をさせていただきました。特に印象に残りましたのは、研究開発が単なる基礎研究にとどまらず、がん治療など、そういった技術的な部分が実際臨床で患者さんの元に届くという形で活用されているということ、またその治療が患者さんの負担軽減やまた治療の成績向上に役立っていると、こういった極めて実践的な技術がしっかりと活用されているということを知れたことは非常に重要でございました。 しかしながら、その一方で、こうした優れた技術が限られた施設や一部の地域に住んでいる患者さんだけにとどまってしまったりしている、その地域間格差ということがやはり問題ではないかというふうに感じました。そんな問題意識から、粒子線治療を始めとする先端医療の評価と普及の在り方について質問をさせていただきたいと思っております。 粒子線治療は、高度な装置や専門人材が必要であるため、なかなか全国に乱立をさせることは難しいという状況で、集約化をしていくということも重要な政策であると知っております。 一方で、均てん化ということも重要でございますが、これは施設を均てん化するのではなくて、どこに住んでいても適切にその治療選択肢や適応判断が得られ、そしてアクセスができる、そういった状態を全国どこであってもできると、こういったことがいわゆる均てん化に相当するのかなと考えております。 粒子線治療は、保険適用の部分と、先進医療Aなどで行われているエビデンスを集積している最中の部分と、ちょっとこれが混在をしているという状況でございます。第四期がん対策基本計画が掲げる新医療技術の速やかな医療実装との関係で、今後、新たな疾患への保険適用拡大を目指すに当たって、現在集積されているエビデンスを厚労省としてどのように評価をし、どのような政策的観点を持って適用の拡大を進めていく方針であるかも重要でございます。 我が国において粒子線治療をどのように今後位置付け、普及、活用していくのか、現状確認とともに、今後の方向性について大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 粒子線治療は、様々な種類のがんを対象といたしまして、まずは先進医療の枠組みで進められておりますが、その後、診療報酬上の評価については、先進医療会議において有効性、安全性などの観点から検討を行い、これを踏まえ、中医協での議論を経て決定されております。今後とも、そうした方針で適切に評価をしていきたいと考えています。 体制整備についてでございますが、粒子線治療を含む放射線治療の体制整備については、がん医療提供体制の均てん化、集約化の議論を行う検討会の報告書において、粒子線治療を都道府県又は更に広域での集約化の検討が必要な医療として例示をしたところであります。 この考え方に基づいて、がん患者の治療を行う施設へのアクセスの確保に十分留意をしながら、都道府県がん診療連携協議会において、今後、地域における患者数や治療装置数といった情報なども踏まえながら、将来的な装置の導入、更新を見据えた計画的な議論を行うことを促していきたいと思います。また、がん患者が受診先を選択できるように、医療機関ごとの診療実績の発信に取り組むこととしているところであります。 粒子線治療を含めまして、放射線治療が必要な患者が受けられるように、必要ながん診療の提供体制の確保にこれからも取り組んでまいりたいと考えています。
○原田大二郎君 よろしく、ありがとうございます、是非取り組んでいただけたらと思っております。 ちょっと、一問飛ばさせていただきます。 粒子線治療の適応判定加算の要件におきましてはキャンサーボードの開催がございますが、形式的な会議開催にとどまらず、適応の可能性がある患者にしっかりと実質的に検討がされ、拾い上げられる仕組みがそういったキャンサーボードにおきましては重要でないかと思います。 ただ、やはり地方の拠点病院ではそういった専門医、重粒子線治療の専門医がなかなかいない、少ないということもございまして、選択肢がなかなか提示されにくいような懸念もあるかと思われます。 そこで、例えば粒子線治療施設の専門医が負担の少ないオブザーバー的な形でオンラインなどで地域のキャンサーボードに参加をし、地域の医師が気軽に相談、適応判断を受けられる遠隔キャンサーボードの仕組みなども検討すべきではないかと思いますが、国としてどのような運用改善やモデル事業を検討できるか、お伺いをいたします。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 がん患者の病状に応じて適切ながん医療の提供、これがなされることは極めて重要だと思っております。放射線治療分野におきましても、キャンサーボードを通じて治療方針が決定される、これが望ましいというふうに思っております。 私どもは、国が定めておりますがん診療連携拠点病院等の整備に関する指針、この中で、国が指定しておりますがん診療連携拠点病院等に対しましては、がん患者の診断並びに治療方針に関するカンファレンス、これの開催を必須としております。その際、放射線治療に関わる専門的な知識及び技能を有する医師等の参加を求めているところであります。 先生御指摘のように、このカンファレンスにつきましては、オンラインによる実施を妨げているものではございませんので、治療方針の決定に当たりましては、各医療機関において実情に応じて運営していただければと思っております。
○原田大二郎君 ありがとうございます。 次ですけど、がん相談支援センターにおける役割ということでございますが、がん相談支援センターでは、患者さんやその御家族が比較的気軽にアクセスをし、治療内容や在宅ケア、また経済的課題などを相談できる重要な窓口になっております。現在、患者自身が粒子線治療を正しく知る機会がなかなか少なくて、適応がある可能性を全く知らされないまま治療選択肢を失うことがあるとすれば、それは問題ではないかと思います。 一方で、偏った情報により奇跡の治療と誤解されることも防ぐ必要があると思います。相談員向けの研修において粒子線治療を含む高精度放射線療法の基礎知識をより明確に位置付けるとともに、国立がん研究センター等のホームページだけではなく院内掲示なども含めて、必要な人が正しく選択肢を知ることができる環境整備をどう強化していくか、お伺いをいたします。
○政府参考人(大坪寛子君) がん診療連携拠点病院においては、がんの相談窓口、これを設けることになっておりまして、ひとしく患者様からの相談に応じるという体制を取っております。 患者様の病状に応じまして提供される治療法につきましては、当該患者を診察する医師が周辺状況を踏まえて、医学的な必要を勘案して情報提供がしっかりなされているというふうに承知をしております。 国が指定をいたしますがん診療連携拠点病院、これが有すべき診療機能といたしましても、粒子線治療等の高度な放射線治療についても患者への情報提供が行う体制を整備していること、これを必須の条件としております。 医療機関におかれましては、必要に応じて粒子線治療に関する情報提供が実施されているというふうに考えておりますが、先生御指摘のように、国立がん研究センターにおいて相談支援センターの相談員に対して実施している基礎研修、こういったことも相談員に対して提供しておりまして、比較的高度な放射線療法の基礎知識などの教育も行わせていただいているところであります。 患者様の病状に応じて適切に情報提供できるように努めてまいりたいと思います。
○原田大二郎君 ありがとうございます。 実際に患者さんが、また御家族がどれぐらい知識があるか、事前に聞いていたかということで、やはり患者さんや御家族に聞かないと最終的には分からないかなと。こちらは伝えているつもりでも認識をされていないという可能性は十分にあるかと思いますので、例えば、ですので、先ほどもありましたが、今後行われるであろう患者意識調査、体験調査等におきまして、患者さん、御家族に、粒子線治療の知識であるとか、また医師から説明を受けた、相談支援センターで説明を受けた、そういったことがあったかなかったか、適応があるかないかは別といたしまして、どれぐらい普及をして知識として知られているかということについても、今後そういったアクセスを均てん化を進めていく上で大事な指標になってくるのかなと思いましたので、そういった項目なども今後検討していただけたらと思っております。 ちょっとお時間がもうそろそろなので、最後、やはり粒子線治療装置を持っている病院と持っていない診療連携拠点病院がより綿密に連携をしながら、そういった適応がありそうな患者さんがいればすぐに相談ができるような体制をつくっていないと、なかなか診療連携拠点病院といたしましてもアクセスが難しく、ハードルが高くなってしまいますので、なるべくそこの垣根を取っていただいて、相談しやすい体制の構築ということをしっかり進めていただけたらと思っております。 以上で私の質問を終わらせていただきます。本日は大変にありがとうございました。
○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。 本日は、外来受診の医療費について、医療の質を維持しつつ、どのようにして削減したらよいのかということを考えていきたいと思います。 資料一を御覧ください。 二〇二一年にOECDから出された国民一人当たりの年間外来受診回数の各国比較になります。この表はたまに使うことあると思うんですけれども、日本の一人当たりの年間外来受診は十一回、韓国に次いで二位で、韓国十六回かな、これ。先進三十六か国の平均は六回で、倍近いんですね。 外来受診が増えれば医療費も増えることになって、そのしわ寄せが保険料を多く払う現役世代に来るわけです。この回数を減らすということが、まず政策目標としてきちんとやるということなんですね。 健保連の調査によると、生活習慣病の患者の外来受診を二か月に一回に抑制すると、その後に入院するリスクが上がることなく二千億円以上の医療費を削減できると、こういう分析もしています。頻回受診を抑制することが医療費削減において重要であることが分かりますね。 これ実は、韓国何でこんな多いのかと、日本も多いけど韓国多いよねと、これちょっと調べてみたんですけれども、調べてみました、みていないでしょう。それで、これ調べてみたら、韓国は二週間とか一か月の処方が多いんですよ。結局、だから、またすぐ来ちゃうということなんですね。処方期間が日本より短い。こういう原因調べてみると、これ他人事じゃないなと思うんですね。 これまで僕は何度も主張してきたんですけれども、やっぱり不要不急の受診を抑制する、長期処方やリフィル処方を一層推進していかなければいけないんだというふうに思うんですね。 たまたま僕、三日前の土曜日に、あるクリニックでちょっと受診したんですけど、三か月後にまた来てくださいと、薬はね。三か月、八月に来たときは、今度はその薬は半年で出しますと言うんですよ。そうしたら、来年一月に行けばいいんですね。それで、だから、それでもうその受診回数は明らかに少ないわけで、そのお医者さんはやっぱり患者さんたくさん来て繁盛していましたけど、やっぱり評判もいいところはそういうふうにきちんとやるんですね。だから、受診回数で稼ぐなんということはしていないんですよ。 それはともかく、この前もリフィル処方のことを言いましたけれども、資料二に記載がありますが、二〇二四年度の診療報酬改定で、長期処方を行った場合に加算できる特定疾患処方管理加算というのがあるんです。これ算定可能とされました。では、これによって実際どの程度の効果があるんでしょうか。上野大臣、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘のとおり、より少ない受診頻度で例えば慢性疾患の処方管理を評価する観点から、処方料及び処方箋料の特定疾患処方管理加算において、薬剤の処方期間が二十八日以上の長期処方又はリフィル処方を行った場合の評価を行っております。 様々な要素が含まれるのでこの加算による効果とは限らないわけでありますが、リフィル処方箋の月当たりの処方回数は、本加算の改定前である令和五年度の約三万三千回から改定後の令和六年度は約五万回と増加傾向にあります。 今後は、当該加算の算定状況やリフィル処方箋の発行状況、こうしたものの推移について把握をしつつ、その効果について調査検討を行って、その結果を踏まえ、より適切で質の高い外来医療の評価に向けて中医協で検討していきたいと考えています。
○猪瀬直樹君 それも、きちんともっと大々的に厚労省としてやったらいいんですね。先ほどお話ししたクリニックは、リフィル処方を貼ってありましたよ、目立つところに。だから、そういうところはやっぱり違うんですね。そういうものがもっともっとどんどん普及していけばいいわけですよ。そういうポスター、前も作ってくださいって言いましたよね。格好いいポスター作ったらいいんですよ。 頻回診療と併せて医療費が膨らむ大きな要因として、出来高払による過剰診療があると言われていますね。この問題に対処するために、出来高払から包括払いへの制度変更をする方法が考えられます。 生活習慣病については、資料三に記載のとおり、二〇二四年の診療報酬改定で、従来の生活習慣病管理料を生活習慣病管理料一としました。これは、検査、注射、病理診断などを包括するもので、検査等を別途出来高払で算定する生活習慣管理料二と比べると、包括払いの性格が強いと言えます。 この生活習慣病管理料一は、二〇二六年度改定では点数を四十点引き上げられていますよね。こういう一連の措置を見ますと、出来高払による過剰診療を抑制するため、包括払いの性格が強い生活習慣管理料一を政府は推進しているように見えますけれども、そのような理解でよろしいでしょうか、参考人。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 まず、委員御指摘の生活習慣病指導管理料は平成十四年度に創設されたものでございますが、今御紹介ありましたように、令和六年度の診療報酬改定におきまして、検査等の費用を包括した生活習慣病管理料の一というものと、検査等を包括しない生活習慣病管理料二というのに分けております。 この一の管理料の趣旨は、生活習慣病患者に対して栄養、運動、体重測定、服薬等の生活習慣に関する診療ガイドラインに沿った総合的な治療管理を行うことを評価することにございます。その意味では、出来高払による過剰診療を抑制することを主たる目的としているものではございませんけれども、こういう検査等の費用が包括された生活習慣病管理料一は、過剰な検査等を招きにくくする効果が期待できるものと考えております。
○猪瀬直樹君 もうちょっと率直に答えていただいた方がいいけどね。 この包括払い制度は、過剰診療に歯止めを掛けるという点で医療費削減の観点からメリットがあると思うんですけどね。一方で、過少診療になるなどのデメリットも指摘されていますね。 それで、検査を余り行わない患者に十分な説明もしないで生活習慣病管理料一を請求する医者までいるということも報じられていますが、制度のつくり方が悪ければ制度を濫用する者が出てきます。政府は、そのような濫用を防止する仕組みを制度に入れ込まないといけません。 そこで、参考人に伺いますが、医療関係者が生活習慣管理料一の仕組みを濫用するのを防ぐために何らかの対策を講じているのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) 委員御指摘のように、過剰であってもいけませんし、また過少であってもいけないということだと思います。その患者さんに合った医学管理が行われることが必要だと思っておりまして、今御指摘の生活習慣病管理料一につきましては、先ほど申し上げたように、令和六年度の診療報酬改定で、血液検査等が包括評価となる生活習慣病管理料一と包括評価とならない生活習慣病管理料二に分けまして、その実施状況については令和六年度に調査を行っております。 この結果、令和六年十月から令和七年三月までの六か月間に生活習慣病管理料一又は二を算定した患者に占めるこうした血液検査等を実施した患者の割合を医療機関ごとに算出し、その中央値を見ております。そうしましたところ、当該管理料二、つまり包括していない方ですね、を算定する患者と比較して、管理料一、包括している方でございますが、を算定する患者の方が血液検査等を実施した割合が低くなっておりました。 こうした調査結果に基づきまして、中医協での議論を踏まえて、今回の令和八年度診療報酬改定では、生活習慣病管理料一におきまして、診療ガイドラインに沿った医学管理を促す観点から、原則として必要な血液検査等を少なくとも六月に一回以上行うことを要件としたところでございます。
○猪瀬直樹君 だから、結局、そういう過少の診療もあるということだよね。 それで、イギリスでは、包括払い制度のデメリットを補うために、疾患ごとに細かい目標数値を設定して、達成すれば成果報酬が支払われる制度を導入しました。 日本では、資料四に記載のとおり、二〇二六年度改定で成果報酬の要素を含む充実管理加算が新たに設定されまして、この充実管理加算新設の背景にはどのような問題、立法事実があったのでしょうか。なぜ充実管理加算を新設しなければならなかったのでしょうか。この充実管理加算って何か響きはいいけど、何か怪しい響きもあるよね、充実に決まっているんだから、こんなものね。まあいいや、充実管理加算を新設しなければならなかったのはどういうことでしょうか。上野大臣、お答え願います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 その充実管理加算の前に、生活習慣病、イギリスの例も御紹介いただきましたけれども、こうした、どういった形のもの、検査があったら適当なのかということにつきましては、今回のこうした改定による影響の調査、検証を行いながら、診療ガイドラインに沿った質の高い計画的医学管理が推進されるように引き続き検討したいと考えております。 その上で、今御指摘の充実管理加算でございますけれども、これ、生活習慣病に関連するガイドライン等に沿った診療を行う医療機関を高く評価する観点から、今回の改定において新設したものでございます。 これ、この加算は、医療機関間で取組状況に差があるという調査結果があったことも踏まえて、質の高い生活習慣病管理に係る実績を有する医療機関をより高く評価することを目的としています。そういう意味では、より高いものをより良く評価するということでございまして、現在の生活習慣病の診療に問題があるということではないというふうに考えて、そういうことではなくて、より良いものをより高く評価するという観点から設けたものでございます。
○猪瀬直樹君 充実管理加算という名前がちょっと怪しいと思うけど、これ、最も高い加算でもたった三十点なんですね。ということは、これ、おまけみたいな点数じゃないですかね。包括払いのメリットを打ち消すだけの効果はないと思うんですよ、その三十点とか、おまけみたいなやり方は。そこは改めてもらった方がいいと思いますよ。 それから、今まで話したように、包括払いは過少診療を、出来高払は過剰診療を誘引しがちではないかと、そういうふうに思うんですね、これ。万能な制度はないから、制度の濫用をする者に対して厳しくチェックする、そういう体制が必要だというふうには思います。 そこで、例えば健康保険法等を改正して、地方厚生局に対し、保険医療機関等の診療報酬の不正、不適切な請求に関する通報を受理できるようにして、受理した場合には必要な調査を行い、通報対象事実があると認められる場合には法令に基づく処分又は勧告等の措置を講じられるようにしたらよいと考えますけれども、上野大臣、この見解をお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 地方厚生局におきましては、診療報酬の不正請求に関する情報提供があった場合には適切に対応しているものと考えています。 一般論ですが、地方厚生局に対して、診療報酬の不正請求が疑われる、そのような情報提供があった場合には、速やかに情報の確からしさなどを確認をしております。必要と認められる際には、健康保険法等の規定に基づき、個別指導や監査などにより事実関係の確認を行います。その上で、監査の結果に応じ、保険医療機関等の指定や保険医等の登録に対する措置をとることとなり、事例によってはこれらの取消処分に至る場合もあります。 引き続き、診療報酬の不正請求が疑われる情報提供があった場合には適切な対応を行うとともに、仮に不正請求があった場合には厳正に対処してまいりたいと考えています。
○猪瀬直樹君 次に、かかりつけ医についてお尋ねします。 かかりつけ医については、二〇二三年の医療法改正で、資料五に示したかかりつけ医機能報告制度というのが導入されました。 この制度については、過渡期の仕組みであると財政審も昨年十一月に指摘しておりますけれども、資料六はその財政審の配付資料ですけれども、あるべき姿としてかかりつけ医の登録制を提案しています。 国民一人一人が自分のかかりつけ医を登録できる仕組みをつくらないと様々な問題が起こります。例えばコロナ禍で、発熱した患者が自分のかかりつけ医と考えていた医者にかかりつけ医ではないと受診拒否された事例が相次ぎ、問題となりました。今後も同様の問題が生じるおそれがあります。また、諸外国のように、医師が予防診療の相談、健康相談などを受けることもかないません。 そこで、上野大臣に御質問します。 諸外国の責任あるプライマリーケア体制を実現するために、全国民がかかりつけ医を登録する方向に医療制度を変えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 必要なときに迅速に必要な医療が受けられるフリーアクセスの考え方の下で、国としてもかかりつけ医を持つことの大切さの周知に取り組んでいます。 令和五年の改正医療法によって、かかりつけ医機能の有無について医療機関から報告を求め、国民に情報提供を行うこととしておりまして、この報告制度は令和八年一月から開始をされ、今年の夏以降に国民の皆さんに閲覧をしていただくことが可能となる予定であります。 さらに、幅広い領域の疾病に対応ができる総合診療医の養成に向けて、大学医学部における総合診療医の養成、確保のための拠点の整備に対する支援や、主に中堅以降の医師を対象とした総合医療に関する能力を高めるためのリカレント教育などを推進をしておりまして、こうした取組を着実に進めることによって、国民の皆さん、患者の皆さん一人一人が受ける医療サービスの質の向上につなげていきたいと考えています。
○猪瀬直樹君 それ、ちゃんとやればいいんだけど、結局、現行の制度は過渡期のものと言われる理由は、診療報酬との連動がないんですね。だから、例えばかかりつけ医機能報告制度、さっきの、資料七に挙げてありますけれども、かかりつけ医機能に関連する報酬体系が関連付けされていないんですね。これじゃ、積極的にかかりつけ医機能を報告、発揮するインセンティブが医療機関に働かないのではないかと。で、報酬体系について言えば、かかりつけ医機能を国民に周知するインセンティブ付けも弱いと思うんですね。 これは、あるべき姿を見据えるという意味で報酬体系を改めるべきじゃないかということを、参考人、ちょっと理詰めできちっと答えてくださいね、これ。
○政府参考人(森光敬子君) かかりつけ医機能制度と、それからかかりつけ医機能を評価する診療報酬として創設されたその報酬の体系というのが関連付けられていないということに関してでございますけれども、そして、積極的にかかりつけ医機能を報告するインセンティブ、これが医療機関に働かないんじゃないかと、御質問だったかと思います。 今後、地域の実情に応じて、各医療機関がその機能や専門性に応じて連携しつつ、そしてかかりつけ医機能を発揮していただくという、この点が大事だと思っております。この考え方の下、医療法の改正が行われ、この制度ができました。 この報告制度というものについては、報告を行う医療機関にとっても、地域のかかりつけ医機能を可視化するということで、地域の相互の医療機関の連携の円滑化に寄与するとともに、協議の場での議論、これを行うよう指導しております、あっ、義務付けておりますので、協議の場での議論を通じてかかりつけ医として必要な機能を地域全体として確保することにより、各医療機関がそれぞれのかかりつけ医機能を発揮しやすくすることができるというふうに考えております。 こうした取組を通じて、各医療機関が機能や専門性に応じて連携しつつ、地域で必要なかかりつけ医機能、これを確保できるように促していきたいというふうに考えております。
○猪瀬直樹君 時間少なくなりましたので、一言述べて終わりにしますけれども、かかりつけ医機能報告制度をつくったことで満足するんではなくて、かかりつけ医の登録制を導入して、併せて登録者数に応じて報酬が決定される包括払い制度と、包括払い制度の欠点を補完するための成果払い制度を導入するなどの報酬体系の大幅な見直しを進めていただきたいなと、こういうふうに思います。 以上で本日の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○岩本麻奈君 参政党の岩本麻奈です。 昨日の決算委員会では、安達委員から新型コロナワクチンや健康被害救済制度についての質疑がありました。本日は、私は検証の仕組みと安全性評価の在り方についてお伺いします。 コロナパンデミックから数年が経過しましたが、次のパンデミックに備えるためにも、成功と失敗の両方、双方を検証することが必要だと思います。 これまで政府は、コロナワクチンについて、有効性、安全性や重症化予防効果を説明してこられました。しかし、現在、アメリカや欧州では、若年男性の心筋炎リスク、追加接種、小児、妊婦接種、メッセンジャーRNAプラットフォームの長期安全性などについて、政策見直しや再検証の議論が進んでおります。さらに、アメリカでは、テキサス州やカンザス州がファイザーの有効性、安全性表示をめぐって提訴をしております。 そこで伺います。 現在のアメリカ、欧州における新型コロナワクチン政策の再評価や安全性議論について、厚生労働省はどこまで把握し、分析しておられますでしょうか。また、それらは政策評価や政策判断にいかに反映されておりますでしょうか。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 米国の個別の州の詳細な情報は把握してございませんが、一般論として、米国や欧州等の規制当局が講じた添付文書改訂などのワクチンの安全性に関する措置につきましては、製造販売業者による報告等を通じて把握し、国内において措置を講じるに当たって参考にすることとしております。 新型コロナワクチンの安全性につきましては、必要に応じて、海外規制当局の措置も参考にしつつ、審議会において副反応疑い報告や国内外の様々な科学的知見を評価しており、現時点で重大な懸念は認められないと評価しております。 引き続き、科学的知見の収集に努めるとともに、審議会において適切に評価を行い、新たな知見が得られた場合には速やかに医療機関や国民の皆様に情報提供を行ってまいります。
○岩本麻奈君 テキサス州やカンザス州の例というのは、私が以前から問題視している相対リスクと絶対リスクの、この表示についての議論でございます。海外の推薦、情報だけではなく、また、マイナスというか、疑念や再検証の動きなどについても同様に検証していただけることを望みます。 次の質問に移ります。 新型コロナワクチンに関しては、接種後の症状や死亡事例などを幅広く把握し安全性を監視するための副反応疑い報告制度と、接種による健康被害について個別に審査し医療費や死亡一時金を給付する予防接種健康被害救済制度の二つがあります。これ、この二つは目的も判断基準も異なる制度となるという理解でよろしいでしょうか。また、両者の症例については、突合され、比較検証されているのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 副反応疑い報告制度につきましては、ワクチンの安全評価に用いることを目的として、医師等がワクチン接種との関連性が疑われる症状を知ったときに厚生労働大臣に報告することを義務付ける制度でございます。一方、予防接種健康被害救済制度は、予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、御本人や遺族からの申請に基づき、予防接種と健康被害との因果関係を個別に審査会で審査した上で幅広く救済する制度であり、ワクチンの安全性の評価を目的としておりません。 このように、副反応疑い報告制度と予防接種健康被害救済制度は、制度の目的、報告主体、報告又は審査の基準等が異なるため、救済制度の認定件数等を根拠にワクチンの安全性を評価することは適切ではなく、安全性を評価する目的で両者の症例の突合及び比較検証は行ってございません。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 今なお接種後の症状で苦しんでいる方とかもいらっしゃると思います。私は、実質的に比較検証、突合すべきだと思っています。片方は認定、否認、保留で、もう片方はアルファ、ベータ、ガンマと違う形で評価されておりますし、分母、母体も違うので、これは突合すべきだと思っております。 この新型コロナワクチンについては、医療機関や企業から約六千七百件、ごめんなさい、約六万七千件に及ぶ副反応疑い報告があり、重篤症例は九千件、死亡報告も二千件を超えていると承知しております。また、健康被害救済制度においても、進達受理件数は約一万五千件、認定件数は既に九千件を超え、一時死亡金又は葬祭料の認定も直近のデータで千七十件となっております。これらは過去数十年間のほかのワクチンの累積認定件数を大きく上回る規模です。 私は、これら個々の症例全てについて因果関係があると言っているわけでは決してありません。ただ、この膨大な報告事実は非常に重いと思っております。 大臣に伺います。 これほど大規模な副反応疑い報告、健康被害救済認定が生じた理由について、厚生労働省はどのように分析なさっているのでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、新型コロナワクチンの副反応疑い報告ですが、接種回数が四億回を超えております。そうしたことに加えまして、ワクチン接種との因果関係が示されていない症状も含め幅広く評価を行っていく必要がありますので、医師等に対して積極的に報告を行うように依頼をしているところです。 また、予防接種健康被害救済制度についてですが、これは、厳密な医学的な因果関係までは必要とせずに、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない、そのような場合も対象とするという考え方に基づいて個別の症例について審査を行っています。このような対応や考え方に基づきまして、必要な副反応疑い報告又は救済認定がなされているものと考えています。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 そうなりますと、接種回数が多かったことが主な理由であるという感じでよろしいでしょうか、ちょっと確認なんですけれども。
○政府参考人(鷲見学君) 先ほど大臣からも御説明させていただきましたが、新型コロナウイルス感染症の臨時の予防接種に係る対応につきましては、我が国において使用実績がないワクチンであることを踏まえまして、これまでワクチン接種との因果関係は示されていない症状を含めて幅広く評価を行っていく必要があるというようなことから、先ほど大臣からお話がございましたように、積極的に報告を行うよう依頼してきたと、そういう状況でございます。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 次の質問ですね。 それでは、過去のほかの定期接種ワクチンと比較し、接種回数や接種人数当たりに補正した形での解析というのは行っていられるのでしょうか。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 副反応疑い報告につきましては、ワクチンごとに接種可能延べ人数当たりの報告件数を算出した上で審議会に提示し、ほかの科学的知見とともに評価していただいておりますが、新型コロナワクチンと他の定期接種ワクチンでは対象疾患、接種対象者等が異なることから、副反応報告の頻度を単純に比較することは適切ではないと考えております。 また、予防接種健康被害救済制度につきましては、予防接種を受けた方に健康被害が生じた場合、御本人や遺族からの申請に基づき、予防接種と健康被害との因果関係を個別に審査会で審査した上で幅広く救済する制度であり、ワクチンの安全性の評価を目的としていないことから、救済認定の結果を根拠にワクチンの安全性を評価することは適切ではないと考えております。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 私はやはり必要なのは補正された比較分析ではないかと思うんですけれども、そのように審議会がということであれば、それがお答えだと思います。 次に、症例の判断基準についてお伺いします。 ちょっと細かいことになるんですが、今年の四月二十二日の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会で報告された七十三歳男性の死亡症例のことについてです。病理解剖の結果、びまん性肺障害・肺胞出血による呼吸不全と診断され、報告医からは、ワクチン関連免疫性血小板減少症による致命的出血性病態が示唆されるとの記載もありました。これらは、副反応疑い報告におけるアルファ評価にかなり近い事例だと自分では思うのですけれども、専門家評価としてはガンマ、要するに情報不足により評価不能とされました。 特例臨時接種期間中、接種後死亡として報告された事例は二千百五十一件であり、そのうち二千百三十八件、約九九・四%がガンマ評価、すなわち評価不能とされております。 そこで伺います。 報告医がワクチンとの関連を疑い、医学的所見や解剖所見等において関連が示唆されていたにもかかわらず、専門家評価ではガンマ、すなわち評価不能となった事例がどのぐらい存在するのか、厚生労働省は把握されていますでしょうか。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 新型コロナワクチンも含めまして、予防接種法に基づき医師等から報告を求める副反応疑い報告では、報告医から因果関係の有無や報告医の意見を記載する欄を設けておりまして、それらを含めてPMDAへ報告されているということでございます。PMDAでは、報告された副反応疑い報告について、個々の症例ごとに、因果関係の有無や報告医の意見も含めた医学的所見、解剖所見等の情報に基づいて、専門家による因果関係評価を行っております。 御指摘の報告医がワクチンとの関連を示唆している事例でPMDAの専門家評価でガンマ評価とされた事例の数は、具体的には把握しておりませんが、報告医から因果関係があると報告された事例の多くがガンマ評価になっているものというふうに承知しております。 この理由でございますけれども、この違いは、専門家による因果関係評価は、個々の症例の評価だけではなく、国内外の学術論文等の科学的知見や報告された症例全体の情報など、様々な情報を基に評価を行っているためであるというふうに考えております。 いずれにいたしましても、副反応疑い報告の因果関係評価については、報告された因果関係の記載や報告医の意見も含めまして、医学的所見等の情報に基づき評価を行うとともに、ガンマ評価とされた事例も含めまして、全体の集団としての情報を基に解析評価を行い、審議会において安全性の評価を行っているところでございます。 引き続き、科学的知見の収集に努め、専門家に評価をいただき、ワクチンの安全性の評価を適切に行ってまいりたいと考えております。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 やはり、ガンマ評価の中に一体どういう症例が含まれているのかということを検証し続けていただきたいと思います。少なくともやはり報告医評価と専門家評価が乖離した事例については、より詳細を把握し、分析し、安全性評価に活用すべきだと考えております。 このようなガンマ評価が大半を占める状態、状況をもって、なぜ政府は重大な懸念は認められないと結論付けられるのでしょうか。たとえ審議会がそうだとあったとしてもです。厚生労働省はどのような逆に条件がそろえばワクチンの安全性について懸念ありと判断するのか、その判断基準についてお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 副反応疑い報告の個々の症例について、情報不足等によって因果関係が評価をできない、ガンマ評価ですが、と評価されたものであっても、安全性の評価には必要な情報だと考えております。ガンマ評価の症例を含む報告頻度、この頻度も含め評価を行っているところでありますので、このような報告頻度の評価によって、例えば新型コロナウイルス接種後の心筋炎、心膜炎に関する注意喚起なども行っているところであります。あっ、新型コロナワクチン接種後のですね、心筋炎、心膜炎に関する注意喚起等を行っているところであります。 安全性については、懸念ありと判断するための一律の基準は設けてはおりませんが、審議会において副反応疑い報告を全例評価をしているほか、報告頻度についても審議会に示した上で評価をしており、国内外の学術論文などの科学的な知見も含めまして総合的に評価をした結果、現時点で重大な懸念は認められないと評価をされているところであります。 引き続き、科学的知見の収集に努めるとともに、審議会において適切に評価を行い、新たな知見が得られた場合には、速やかに医療機関や国民の皆様に情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○岩本麻奈君 新薬であれば、数例の重篤事例や死亡事例で慎重な検討が行われるところだと思います。一方で、やはりこれほど大規模な報告があっても重大な懸念なしとするのであれば、どのような条件がそろえば懸念ありと判断するのか、それを知りたかったのですけれども、現代はデジタル時代ですので、安全性シグナルの評価についてもより透明で客観的な基準が必要でないかと思われます。 さらに、この症例なんですが、七十三歳男性、更に申し上げれば、今回のこの症例は、同一症例と思われるものが異なるワクチン名で別々に整理されておりました。これ、審議会のところではそれをもって分かったという形なんですが、これだけ重い転帰をたどってしまった症例において接種ワクチン名の確認や整理が十分されていないのであれば、評価以前の情報管理に重要な懸念があるのではないかと私は思っております。 一件の死亡報告というのは、単なる統計上の一件ではございません。その背後にはやはり一人の人生がございます。だからこそ、評価不能で終わらせるのではなく、一例一例に敬意を持ち、丁寧に検証していただきたいと思います。 次に、このお手元の資料を御覧ください。 この資料は、日本で公開された超過死亡とワクチン接種との関連を検討した幾つかの研究を整理したものです。例えばこの左上ですね、高橋淳氏は、四十七都道府県を対象とした解析において、三回目までの接種率は超過死亡減少が関連する一方で、五回目以降の接種率は超過死亡増加が関連するという可能性を報告しています。これらの研究では、個人単位データを用いた解析や都道府県レベルのエコロジカル研究、方法論批判など、異なる研究レターが含まれております。当然ながら、これらは性質が異なるため、そのまま単純比較はできません。 なお、ちょっとこの資料の右下の岩本氏の論文に関する図なんですけれども、ちょっと私、ミスをいたしました。こちらは浜松市と松戸市のデータを用いたものであり、ここにエコロジカル研究と書いてありますが、こちらはそうではないことを訂正しておきます。 これら、対象地域や症例数には限界があるので、これだけで結論を出すものではないですけれども、むしろ重要なのは、このような突合解析を全国規模で行えるデータ基盤が必要だとある点であります。したがって、現時点でこれらをもって度重なるワクチン接種が超過死亡の原因であると断定することはできません。 こちらなんですけれども、この左上の一と二というか、これ同じように、やはり三、四回目までは超過死亡を減少、その後、五、六回目から超過死亡を増加という形ですね。あと、その下の三番目の小島先生でも全く同じような感じで、五回目から増加。その後の三つはレターになりますので、ちょっとまた違う形になりますけれども、似たような兆候があると。おおよそ初回から数回の追加接種まで、それと、その後の接種がちょうど逆の結果になっていると。 先ほどから何度も言うように、これだけで因果関係を証明するものではないんですけれども、異なる研究手法や異なる集団を用いた研究で類似した傾向が繰り返し報告されているということは事実であると思います。 そこでお伺いします。 厚生労働省は、このような複数の研究の存在と内容というものは把握していらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 御指摘の研究の詳細につきましては把握してございませんが、一般的に新型コロナワクチンの接種と死亡率の関係を分析した学術論文は複数あり、そのうち信頼性の高い雑誌の査読済論文等で疫学的にも新型コロナワクチンの有効性が確認されていると承知してございます。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。この資料の一と二はたしか査読論文であったと思うんですけれども、是非こういうものも今後検討していただきたいと思います。 これらの研究内容ですけれども、私は、やはり少なくとも安全性シグナルとして科学的に無視できないものであると考えております。エコロジカル研究だから直接の因果関係がない等と切り捨てるのではなく、むしろ安全性シグナル、警報として位置付け、追加検証につなげることこそ科学行政として重要ではないかと考えておりますが、その認識をお伺いします。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 先ほど答弁させていただきましたが、新型コロナワクチンの接種と死亡率の関係を分析した学術論文は複数ございまして、例えば、昨年フランスで発表されました、ナショナルデータベースを活用しました、全体で約三千万人弱のデータを用いました新型コロナワクチンの接種群と非接種群を比較した場合に、新型コロナによる死亡率も全死因による死亡率もワクチン接種群の方が低かったという結果を示した論文等、ワクチン接種群において死亡率が低くなるという論文が複数あるというふうに承知しております。 また、先生が御指摘されるように、研究内容について、審議会で例えばこうしたようなものについても議論すべきではないかというような趣旨ではないかと想定いたしますけれども、死亡数増加と新型コロナワクチン接種との関係を評価するには、個人別の接種記録と死亡情報を連結した上で、年齢や基礎疾患、感染既往等の交絡因子を調整した生存時間解析等が必要となるほか、感染流行状況や医療提供体制の変動など、時間とともに変化する要因についても適切に扱う必要があるというふうに考えているところでございます。こうした交絡因子の調整等を適切にされているものをベースに審議会で適切に議論されることが適切だろうというふうに考えているところでございます。
○岩本麻奈君 まさに、こちらだとこの右上の忽那先生のものになりますが、こういった悲観的な、専門家からもやはりエコロジカル研究だけではなくて個票レベルで検証すべきだということを指摘なさっております。だからこそ、もう分からないということではなく、今後も接種歴、受診歴、死亡情報など、連結した個票データで是非検証させていただきたいと思います。 この一番右下の、この岩本氏の松戸と高松のものなんですが、このレベルで一応実施できているということであれば、国としてできない理由はないと思いますので、是非科学行政の責任を追及していただきたいと思います。 次に、HPVワクチンについてお伺いします。 私は、もちろん子宮頸がん予防の重要性を否定する立場ではございません。しかし一方で、接種後深刻な症状を訴え、今なお訴訟が続いておられる方々がおられることもまた事実です。 ここで、男子へのHPVワクチン接種については、パートナーを守る、思いやりといった表現が度々用いられることがあります。しかし、私はこのような表現には慎重であるべきだと考えています。コロナ禍においても、思いやりワクチンという言葉が用いられ、結果として接種しない人への心理的圧力や同調圧力につながった側面がありました。ワクチン接種は、本来、一人一人が利益とリスクを比較考量し、自ら判断する医療行為だと思っております。だからこそ、みんなのため、周囲のためといった倫理的なメッセージが先行することについては慎重であるべきだと考えます。 そこで伺います。 現在も副反応を訴えられる方々がおられ、長期的検証や社会的対話が十分終わったとは言い難いこの段階において、こういった表現は、同調圧力あるいは接種しない者への道徳的非難につながり得ますので、厚生労働省として自治体や医療機関の啓発活動に一定のガイドラインを示す必要があるのではないかと考えますが、お答えください。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 HPVワクチンに関してでございますが、予防接種法に基づく定期接種については、現在、小学六年生から高校一年相当の女性を対象としているところでございます。 先ほど議員からの御指摘は男性接種に関するものと理解しておりますが、厚生労働省が作成している情報提供資材におきましては、パートナーを守るであるとか思いやりといった表現は用いていないところでございます。 また、定期接種につきましては、対象となる疾病により接種対象者やワクチンの有効性、安全性が様々であるため、啓発表現に関して一律のガイドラインを設けることは難しいと考えております。 他方、定期接種の対象者と保護者の方が正しい理解に基づいて接種を検討、判断できるよう、分かりやすい情報提供が重要であると考えておりまして、厚生労働省において、自治体において活用いただけるよう、リーフレット等の情報提供資材を作成し、厚労省ホームページ上で掲載するとともに、自治体説明会等においても周知しているところでございます。 引き続き、接種対象者本人や保護者がワクチン接種の検討、判断ができるよう、必要な情報提供を努めてまいります。
○岩本麻奈君 ありがとうございました。 厚生労働省としては特に思いやりとかパートナーのためということはおっしゃっていないということですよね。ただ、クリニックのいろんな宣伝とかいろいろSNSとか見ますと、そういう言葉が非常にあふれ返っておりますので、その辺をちょっと危惧いたしました。接種しない人へも、ちゃんと逆に思いやりを持っていただきたいなと私は思っております。 次に、リスクと効果の説明についてお伺いします。 私は、医療政策においては、相対リスク減少だけではなく絶対リスク減少を国民に分かりやすく示すことが極めて重要であると考えます。例えば、何%予防できるという表現と何人接種して何人の発症を防ぐのかでは、国民の受ける印象は大きく異なると思います。 この点、HPVワクチンについての有効率が示されておりますが、その多くは相対リスク低減として提示されています。例えば、よく引用されるスウェーデンの大規模研究というのがあるのですが、三十歳までの子宮頸がん累積発症率は、接種群で十万人当たり四十七例、非接種群で十万人当たり九十四例と報告されております。したがって、相対的には五〇%の減少となります。 一方で、絶対リスク減少として見ると、がんの発症が十万人当たり九十四名から四十七名に減少したにすぎないことになります。言い方を変えれば、約二千百名に接種して子宮頸がんを一例だけ減少させる規模感となります。重要なのは、相対と絶対の両方を国民に提示しなければ政策効果のスケール感は伝わらないという点です。 そこで伺います。 厚生労働省は、HPVワクチンについて、国民向けの説明において、相対リスク減少だけでなく絶対リスク減少についても十分説明なさっているでしょうか。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、HPVワクチンの最新の知見等を踏まえたリーフレットの改訂、SNS等の活用、ホームページ上でのQアンドAの掲載等により、ワクチンの有効性や安全性等に関する情報提供を行っているところでございます。 議員御指摘の絶対リスク評価につきましては、同じ感染症であっても、データを収集した時期や場所などにおける流行状況の違いによって感染症の発症率が異なることから、試験間での数値の比較が難しいという側面がある一方、相対リスク評価は、データを収集した時期や場所における感染症の流行状況による影響を受けにくく、ワクチンの有効性を評価する指標として一般に用いられているものであると承知しているところでございます。 いずれにいたしましても、引き続き、接種を希望する方が適切な理解に基づいて接種を検討、判断できるよう、周知に努めてまいります。
○岩本麻奈君 絶対リスク減少を併記すること自体は至ってそんなに難しいことではないと思うのですね。国民一人の判断にとってのやはり一つの一助になるのであれば、その指標は私は記すべきだと思います。 先ほど冒頭にコロナワクチンの方で触れましたテキサス州とカンザス州のファイザーの訴訟問題ですね、これについても、このワクチンの種類は違いますが、やはり絶対リスクを表示しないことというのが大きな問題となって、今アメリカで訴訟が起きているという形です。このまま相対リスクを中心とした説明を続けていれば、国民から見て都合の良い数字だけを示しているのではないかという不信を招きかねないと思います。 医療政策において必要なのは、国民を説得するための情報ではなく、国民が自ら判断するための情報ではないかと思っております。これからは、やはり一律ではなく様々、個々の体というか、の状況が、個体差というのがございますので、そういうものをもう自分自身が決める、AIもだんだん、メディカルAIとかいうのも出てきますので、そういうので個別化でワクチンの方の接種も決めていくといいのではないかと思っております。その中で、やはり絶対リスクというのも一つのすごい指標になるので、是非掲載、掲載というか、周知をお願いしたいと思っております。 もう一つ重要な論点がございます。それは、私が元々、常々言及している長期的アウトカムを検証するためのデータ基盤のことです。 HPV関連のがんは、数十年単位で発症する疾患です。したがって、本来であれば長期にわたる追跡と検証が不可欠となるはずです。しかし、我が国では、医療データは分断され、接種歴、受診歴、検診歴、発症、死亡情報など、長期に連結して検証できる基盤が十分整備されてはいませんでした。そもそも子宮頸がんワクチンを接種するのは思春期ですが、がんが発症する可能性はおよそ三十代後半から四十代です。そこには長いタイムラグがございます。 そこで、大臣にお伺いします。 HPVワクチンの定期接種対象を拡大していくのであれば、長期検証に堪え得る検証の仕組みもまた同時に設計していくべきではないでしょうか。厚生労働省として、今後、長期的な安全性、有効性を検証可能とするためのデータ基盤整備についてどのように取り組むのかをお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 予防接種の有効性、安全性については、これまでも審議会において、様々な科学的知見を収集をした上で、専門家の意見を伺いながら検討を行ってまいりました。その上で、予防接種の有効性、安全性の調査研究を迅速に分析をする基盤の構築などを目的といたしまして、予防接種の実施状況や副反応疑い報告に係る情報などを格納する予防接種データベースの運用を昨日から開始をしているところであります。このデータベースの構築、運用によりまして、これまでの副反応疑い報告に加え、医師等による報告を待たずに安全性に係る評価分析を実施をし、安全性等に関する科学的知見を継続的、安定的に収集、評価することが可能になると考えております。 引き続き、感染症に関する情報収集、分析、リスク評価の体制を有しますJIHS等の関係者とともに、データベースを用いた有効性、安全性分析を進めていきたいと考えています。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 ちょうど今日、今日からというか六月からですね、厚生労働省は六月から新データベースの運用を始め、本人が接種歴を確認できるようにするとともに、研究者らもワクチンの有効性や安全性を調べやすくし、二〇二八年夏までには全国民の情報を集めるとのことです。確かにニュースになっておりました。 これらについては、私がまさにずっと訴え続けていた検証のためのデータ基盤ですから、基本的にはもちろん歓迎しております。できたら本当はカルテ、五年のカルテも是非長いものにしていただきたいんですが、少なくともワクチンに関して長く追いかけられるというのは私はとても歓迎はしています。 ただ、これ、運用を誤れば、心理的に言わば国民に、先ほど言っていたのとまた逆の形でワクチン接種を強制する結果にもなりかねないのかなと懸念しております。既にネット上ではこのような懸念が多く投稿されております。やはり、今後、管理社会というか、そういったものの入口になっては決していけないと思っております。 そこでお伺いします。 この新データベースは、あくまでワクチンの接種歴や副反応疑い事例を集約し、検証するための仕組みであって、国民に接種を促すためのもの、あるいは過去の、過去接種していないからといって、そこで何かしら不利益を高じさせるものではないという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) この予防接種データベースにつきましては、これまでの有効性、安全性評価に加えて、医師等による報告を待たずに評価、分析を実施することができるようになるものです。 予防接種の判断はあくまで個人の判断に基づくものでありますので、国が個人に接種を強制をする、そのようなことは考えていません。この予防接種データベースに格納された情報は匿名加工情報ですので、国が個人の接種記録を特定をして接種を強制することはそもそもできないものであります。 引き続き、デジタル化後におきましても、科学的知見の収集に努め、ワクチンの有効性、安全性の評価を適切に行ってまいりたいと考えています。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 今の御答弁を踏まえ、データベースについては長期的な検証基盤として評価しております。今後、ワクチンを受ける人も受けない人もひとしく尊重すべきであると考えます。 厚生労働省には、目的外利用の禁止、本人の権利保護、未接種者への不利益取扱いの防止について、そういったものの原則を示していただきたいと思うんですけれども、これについては、ちょっとこれは通告していないんですが、お答えはできますでしょうか。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 最終的にこのデータベースの活用につきましては、例えば第三者の利用などを含めてデータを共有するということも今後考えていく必要があると思っておりますが、その際には先生御指摘のような点も十分に留意しながら私ども制度を運用させていただきたいというふうに考えております。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。今のお言葉を信じてまいりたいと思います。 医療における信頼というのは、国民を管理することではなく、検証し続けることによって生まれていくものだと申し上げ、今回の私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○白川容子君 日本共産党の白川容子です。 本日は、医療や介護事業者などケア労働者の人材紹介手数料の問題について質問をさせていただきます。 今、全国どこでも、物価高騰、そして人件費の増加で、病院も介護事業所も経営が立ち行かず、過去最大の倒産件数となっています。職員の賃金引上げも他産業に比べて進まず、人手不足が慢性化する中で、人材紹介手数料が経営上大きな負担となっています。 日本医師会など医療団体や首都圏の首長などからも、対策を切望する声が上がっています。私も各地で医療や介護、保育などの現場を訪ねると、必ずと言っていいほどこういった声をお聞きしております。先輩の議員さんたち、これまでも様々な場で質問もあったかと思いますけれども、今日はこの分野についてお聞きをしたいと思います。 そこでまず、医療・介護分野では、総額で年間どれくらいの額が人材紹介手数料に流れているのか、直近の額をお教えください。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 お尋ねの金額につきまして、委員からも資料を配付していただいているところでございますけれども、令和六年度職業紹介事業報告書の集計結果に基づきまして、職業紹介事業者が徴収した職種ごとの手数料総額を職種ごとの常用就職件数で除して得た一件当たりの手数料を見てみますと、医師では約百八万円、看護師では約七十三万円、保育士では約六十七万円、介護サービスの職業で約六十万円となっており、医師を除きましては、全職種で同様に算出した平均値である約百三万円よりは低い状況にございますが、申し上げたような状況になっているということでございます。
○白川容子君 ありがとうございます。 私の配付しております資料一にも、十年前の二〇一五年、平成二十七年では、医師が百十二億円、そして看護師が三百十九億円、保育士が十九億円、介護は三十七億円で、総額四百八十九億円でした。医師、看護師は二倍に、そして介護士、保育士は約七倍になり、総額は十年前よりも二倍以上になっている現状です。 年々この人材紹介手数料の総額が増額をしています。当然、経営に対しての影響はとても深刻です。医療、介護、福祉事業所が加盟をする民主医療機関連合会によれば、二四年度の決算で、紹介手数料に一法人当たり平均一千万円が支出をされていて、少ないところで数百万円、多いところで五千万円から六千万円に上っています。 病院や介護事業所への経営の影響について、実態は調査をされていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員御指摘の有料職業紹介事業の手数料負担による病院や介護事業所への経営の影響について把握することを主目的とした調査は、厚生労働省では行っておりませんが、診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として隔年で実施しております医療経済実態調査におきましては、費用の調査対象に紹介手数料の項目を設けております。昨年度実施した調査では、一般病院全体の平均として、収益に対する紹介手数料の構成比率は、令和六年度決算で〇・一%程度という結果となっております。 また、介護施設、事業所の収支状況を把握することを目的とした介護事業実態調査においては、介護施設、事業所における人材紹介手数料の状況を調査の一項目として把握しておりまして、これも昨年度実施した調査によりますと、例えば介護老人福祉施設では、令和六年度決算における費用に占める割合は〇・四%となってございます。
○白川容子君 ありがとうございます。 先ほど述べました民医連の調査では、紹介手数料というのは、大方、事業収益比の〇・二%だというふうに言われています。〇・二%ですとか、お答えいただきました〇・一%程度というと、どうもインパクトが小さいような、そういう数字に感じられるかもしれませんけれども、多くの赤字病院、そして黒字だとしても数%程度の黒字という、今、医療現場、大変な状況からすると、〇・二%というのは一つの病院にとっては数千万円の負担になるわけです。ですから、本当に大きなこれは負担です。 資料二にもお示しをしておりますけれども、過去十年で見ますと、医師、保育士、介護士の人材紹介手数料の平均手数料は倍の額になっています。医師であれば二〇一四年に五十五万円だったのが二四年には百七万円、保育士は一四年三十三万円が二四年には六十六万円に、介護は二十五万円が五十九万円になっています。平均率で見ると、年収の二、三割が持っていかれているというような現状です。 他の産業に比べたら低いといいますけれども、他の産業とは違って、やはり医療現場、公定価格、介護の現場も公定価格ですから、価格転嫁はできません。大臣のところに医師会とか地元からどのような声が届いていらっしゃるでしょうか、お教えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、この件に関しまして様々な団体からもお声をいただいておりますが、例えば本年の三月に日本医師会四病院団体協議会から、有料職業紹介の手数料総額が年々増加をしていることから、上限規制の導入などの有料職業紹介事業の適正化とハローワークの機能強化の要望をいただきました。 手数料上限規制についてでありますが、この要望書におきましても、仮に上限を高く設定した場合は高い水準に収れん、固定化してしまうリスクがある、また、過度に低く設定した場合には現場の体制維持が困難となるおそれがあるというようなお話もいただいておりますので、上限規制自体については厚生労働省としても同様の観点から慎重な検討が必要だと考えておりますが、この人材紹介手数料をめぐる課題につきましては、適正紹介事業者認定制度の活用促進など、我々としても引き続きしっかりとした取組を進めていきたいと考えています。
○白川容子君 日本医師会は、このまま手数料が増大をすれば、個々の医療機関の経営基盤を揺るがし、地域の医療提供体制そのものの持続性を脅かすと訴えられています。この指摘に対してはどうお考えですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) いずれにいたしましても、手数料負担、有料職業紹介事業の手数料負担につきましては様々な観点から課題があるというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたような適正紹介事業者認定制度の活用であったり、あるいは事業の見える化のための手数料実績の公開義務化など、病院や介護施設などが実績やサービスの質が良い事業者、紹介事業者を選択できる環境の整備を進めてきたところであります。 さらに、医師会等の要望でもありましたハローワークの活用なんですが、本年四月から全国全てのハローワークの最重点事項としまして、事業所訪問を通じた求人充足支援を抜本的に強化をしておりまして、四月の一か月だけで三千三百事業所を既に訪問をして、取組に着手をしているところでございます。 こうした取組をこれからもしっかりと、全力で取り組んでいきたいと考えています。
○白川容子君 ありがとうございます。 大臣が今お答えいただきましたハローワークの強化というところで、ハローワークが病院に出かけていって様々御意見をお聞きする、これはすばらしいことだと思うんです。この件については、本当にこれからも強化をして取り組んでいただきたい、続けていただきたいというふうに思います。 しかし、今、日本医師会も、この診療報酬のベースアップ評価料の新設以降、紹介手数料が上昇しているという指摘があるとして、診療報酬を引き上げても、増額分が人材紹介業に流れ、医療現場の職員の処遇改善につながらないとすれば大きな問題だと指摘をしています。これは、やはり介護でも保育でも同じだと思います。この指摘についてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 職員の待遇改善につきましてはもう様々な方策を取り組んでおりますが、例えば、令和七年度補正予算の医療・介護等支援パッケージにおける処遇改善の取組、また、令和八年度の診療報酬改定におきましても、医療従事者の賃上げを要件とするベースアップ評価料、これを設けまして取り組んでいるところであります。今般の改定によりまして、このベースアップ評価料もその規模や対象職種を拡充するなどの対策を講じているところでございます。 こうした取組を着実に実施をいたしまして、処遇改善、人材確保、我々としてもしっかり応援をしていきたいと考えています。
○白川容子君 しかし、やっぱり皆さんが本当に努力をされて、現場の皆さん国会にも駆け付け、何度も要望して、そして六月から診療報酬をようやく引上げになったわけですけれども、しかし、こういった増額分が人材紹介会社に流れているというのは本当に大変大きな問題だと思うんです。 先日、私、愛知県に行きましたところ、介護の施設で働く方からこういう御意見をお聞きいたしました。今現場では採用が本当に大変で、人材紹介会社から紹介された方がほとんどで、しかし、来てくれるのは、この介護の現場で無資格の方ばかりだと。初心者の方ですよね、要は、それで、無資格。三か月掛けてマンツーマンで一緒に仕事をしながら研修的なことをやり、仕事を教えるんですけれども、三か月をたつと辞めていかれる。昔だったら、これ、研修の費用といいますか、研修を受けているようなものですから、もう本当だったら研修費用をこちらがいただきたいぐらいだと。そんな状況が繰り返されると、やはり人材紹介会社に払うのが嫌になるし、現場はますます疲弊するんだという御意見でした。もっともだと思うんです。 現行の紹介ビジネスは、病院が赤字でも紹介会社が成功報酬によって確実に利益を得る構図です。医療、介護は国民の命と尊厳を守る公益の事業であって、原資は公的な保険財源です。国民の保険料、そして税金です。 財務省の諮問機関、財政制度審議会は、昨年五月二十七日に、人材紹介会社の規制強化について取り上げています。どういう内容だったのか。財務副大臣、御出席いただいてありがとうございます。お答えいただけますか。
○副大臣(舞立昇治君) 御指摘ありがとうございます。 先生御指摘の財政制度等審議会の令和七年五月の建議におきましては、医療の節と介護の節、それぞれにおいて人材紹介会社の規制強化に係る考え方が示されております。 うち、医療につきましては、保険料や税金等で賄われている医療機関の経営原資が必要以上に紹介手数料に流れることにより更なる保険料の上昇を招くことのないよう、実態を把握の上で必要な対応を図る必要がある。具体的には、ハローワークや都道府県等を介した公的人材紹介の充実と併せ、手数料の多寡や定着状況により紹介業者が選別、淘汰される仕組みを推進し、必要に応じて更なる規制強化を検討すべきであるとの考え方が示されております。 また、介護におきましては、手数料の多寡や定着状況などのパフォーマンスによって紹介事業者が選別、淘汰される仕組みを推進するとともに、労働者の転職を誘引する金銭提供の禁止の対象事業の拡大、強化を通じ、不適正な事業者の排除を徹底する。また、ハローワークや都道府県等を介した公的人材紹介を充実させるべきである。そうした取組による効果や実態把握の状況も踏まえ、必要に応じて更なる取組の改善、推進や規制強化を検討する必要があるとの考え方が示されているところでございます。
○白川容子君 ありがとうございました。 この財政審でも示された資料の中でも、いつまでたっても足下を見て紹介手数料を決められている感じがするですとか、国として紹介料の上限を妥当な金額に設定するなど何らかの基準を設けてほしいなどの声が寄せられています。 私も各地で、人材不足の中で自分の命を削るような思いで現場で、医療現場で仕事をしてきたけれども、その努力が人材紹介会社に持っていかれるむなしさ分かりますかという、そういう御意見をたくさんいただきました。この保険料と税金で賄われている医療機関の経営原資が必要以上に紹介手数料に流れることで更なる保険料の上昇を招かないように、実態を把握して、そして必要な対応が必要だと述べられているわけです。 厚労省にお聞きしますけれども、本来、医療や介護従事者の処遇改善、そして患者や利用者へのサービスに使われるべきお金が関係のない人材紹介業者に流れていること自体をどう考えていらっしゃるのか、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今し方副大臣からお話のありましたけれども、まさにハローワークの強化であったり、あるいは実績等の見える化、これは我々も既に取り組ませていただいているところであります。 医療機関や介護事業者と人材紹介事業者との契約内容、実態、これは様々でありますので、その費用の状況についてこれを一概に評価をすることはなかなか難しいと考えておりますが、ただ、医療分野、介護分野、現下の人手不足の状況を勘案しまして、一定の条件を満たした場合には、例えば看護職員の配置基準の柔軟化であったり、介護報酬の減算の適用猶予期間の延長を認める、そういった取組を講じているところでございます。 こうした取組を着実に実施をすることで、引き続き医療・介護分野における人材確保に全力で取り組んでいきたいと考えています。
○白川容子君 配置基準の柔軟化とおっしゃるんですけれども、それをやるとやっぱり現場は本当に大混乱するんですよね。踏ん張って頑張っているところ、これまでよりももっと柔軟化しますよと幾ら言われても、現場は本当にもうぎりぎりのところでやっていますから、それ持ちこたえられないんです。 厚労省が進める認定制度ですとか見える化、今もお答えいただきましたけれども、そういうことで事業者の選定に向けた情報提供の義務付けや、転職奨励金、過去のお祝い金の禁止など、これは進んではきましたけれども、でも、この特別相談窓口の設置とかそういうことだけでは医療や介護事業者の抱える問題解決にはなっていないということを申し述べておきたいと思います。 それで、これほど経営を圧迫していても、病院も、そして介護事業所も人材紹介会社に頼らざるを得ないのは、やっぱり人手不足だからだと思うんですね。なぜここまで人手不足であるのか、厚労省としては要因をどう分析しているのかをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、医療分野におきましては、地域によって人手不足が生じる要因は、例えば医師については、医師の養成状況、勤務や生活の状況、地域の医療提供体制等の様々な要因、そうしたものによる地域の偏在、そうしたことが課題だと考えております。そうしたことに対応するために、医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージ等に基づく取組を行っているところです。 また、看護職員についても、地域ごとの就業者にはばらつきが見られます。地域によっては人材確保が重要な課題となっておりますので、地域医療介護総合確保基金を活用した地域の実情に応じた看護職員の養成、確保の取組の支援などを行っているところであります。 また、介護人材につきましては、他産業と比較して有効求人倍率が高く、昨今の賃上げで先行する他産業と人材の引き合いとなっている状況にあると考えられます。累次にわたる処遇改善など、様々な取組を実施しているところでありますが、引き続き介護人材確保に向けて総合的な対策を推進してまいります。
○白川容子君 私は、やっぱりそもそもの原因というのは、社会保障費の公的給付を抑えるために診療報酬のマイナス改定を続けて、そして介護報酬も引き上げずにここまで処遇を劣悪にし、そして人手不足の環境に追い込んだ政治の責任だというふうに思っています。 現場は、やはり人材紹介業者に頼らざるを得ないんです。二五年度の厚労省の調査、病院の人材確保に関する調査でも、職員が不足しているが七割、そしてその要因として六割が他産業より低い賃金水準を挙げています。一方、二四年、二五年度のいずれも賃上げを実施した病院というのは四割程度です。二四年度の一人平均賃金の改定率を見ると、全産業平均が四・一%であるのに対して、医療、福祉は二・五%と、十五大産業の中で最も低い水準でした。 診療報酬や介護報酬の引上げ、処遇改善こそ必要なのではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに、そういった状態、実態に即して処遇改善をしっかりやるために、医療分野においては、令和七年度の補正予算の医療・介護等支援パッケージにおける処遇改善の取組、また診療報酬においては、医療従事者の直接的な賃上げを要件とするベースアップ評価料といった措置を講じているところであります。また、介護分野においては、同様に七年度補正の医療・介護等支援パッケージに加えまして、介護報酬においても、加算額の全額を職員の賃金改善に充てることを要件とする処遇改善加算といった措置を講じております。 こうした取組を着実に実施をし、医療・介護現場の、分野の現場で働く皆さんの着実な賃上げにつなげていきたいと考えております。
○白川容子君 しかし、それが確実な賃上げにつながっていないのが大問題なんですよね。 二六年度の診療報酬改定のこの賃上げ対応分では、他産業との格差縮まっていません。三・〇九%のうち賃上げ対応分野が一・七〇%とされて、医療現場での生産性向上の取組と合わせて三・二%ベア実現だとされていますけれども、やはり二五年度の春闘の大手企業の平均賃上げ率が五・三九%、そして中小企業でも平均四・五〇%、二六年度春闘でそれ以上が想定をされていますけれども、人材確保に十分な額でないことは明らかだと思います。 日本医師会、二〇二五年、病院の緊急経営調査結果によれば、経営利益の赤字額というのが前年度の四倍増となる一施設当たりマイナス一億円余りだと。経営利益の赤字割合が四八・八%から六二・二%に大幅増加、物価上昇もあるけれども紹介手数料の負担が大きいと。委託費、人材紹介手数料のこの手数料は二三年度の六百五十四万円から二四年度は七百六万円に増加、これはプラス七・九%です、しており、特に医療法人での負担は大きくて、二四年度の百床当たり平均八百四十三万円だった。 日本医師会が求めるように、緊急的に上限規制などの規制を設けるとともに、処遇改善のための診療報酬や介護報酬の公定価格の大幅引上げ、現場への緊急支援が必要だということを申し述べておきます。 その上でお聞きをいたしますけれども、具体的なことなんですけれども、有料職業紹介事業の禁止や、そして処遇改善こそ必要ではあるんですけれども、現行の制度においても、紹介手数料の上限規制以外にも、現場から改善要望がされています。 一つは、職業安定法の第三十二条の十三には、有料職業紹介事業者は、手数料に関する事項を求人者及び求職者に対して明示をしなければならないと規定をされています。しかし、現状では求職者や求人側への明示が十分ではありません。 厚労省が今年三月に行った医療等分野における雇用仲介業者に関する調査研究事業報告書でも、企業など雇用側が紹介手数料を負担しているということを知っている人、七割いると答えられた一方で、どの程度支払われているかは八割の方が知らないと回答しています。 人材総合サービスサイトで公表されている手数料表には、当該のこの求職者の就職後一年に支払われる賃金の例えば一五〇%を上限とするなどといった曖昧な表現が多くて、具体的な金額は分かりません。求人側も、紹介手数料率しか分からないために、実際に幾ら支払うのか分かりません。 求職者に対して求人側が支払う紹介手数料や、そして具体的な金額の記載、必要ではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(村山誠君) お答え申し上げます。 職業紹介事業者は、委員御指摘のとおり、法律に基づきまして、求人、求職の申込みを受理した後、速やかに、求人者及び求職者双方に対して、職業紹介手数料として徴収する金額や就職後の年収に対する成功報酬の割合、いわゆる手数料率を記載した手数料表によりましてそうした事項を明示しなければならないということとされております。 加えて、この手数料表は示されていても実際に幾ら手数料が掛かったか分からないというそのお声について今御紹介がありましたが、このことにつきまして、昨年四月から御指摘のありました人材サービス総合サイトを大幅に改めまして、その手数料表とは別に、職業紹介事業者に対してそのサイトにおける職種ごとの手数料実績の公開を義務付けているところでございます。これによりまして、実際に、じゃ、急募のときとかいろんなときに上乗せしたものを含めて実績で幾ら払っているのかということも今は確認していただけるようになっています。 このことの周知を進めた結果、今までと比べてサイトの実際見ていただくページビューの数も大体前年同月と比べて三割増しぐらいになっているところでございますが、まだまだ周知が行き届いていないところございます。先ほど大臣からございました、全ハローワークでの取組の強化と併せて、それに先立って、この一月から三月にかけて全国五百四十の地方の医療や福祉の団体を直接労働局の幹部が訪問させていただきましたときにも、こうしたサイトの改修ですとかその分かりやすい利用方法につきまして、リーフレットに基づきまして御説明差し上げたところであり、今後とも、御指摘踏まえまして、丁寧な周知に努めてまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
○白川容子君 是非とも今後とも努力を続けていただきたいと思いますし、求職者や求人者が分かりやすくその事業者を選定できる環境を是非とも整えていただきたいと思います。 もう一つ、細かいことなんですけれども、この採用代行サービスの大手ですね、ここでは、契約段階で紹介した際の成功報酬が例えば一五%というふうにされていても、実際には他の紹介者にも採用代行サービスの事業者が声を掛けていて、そして、この他の紹介業者の手数料分、例えば二〇%というふうに示されたら、さっきの一五%と合わせて合計三五%の手数料が必要となるなどということが、複数のこの、複数社による紹介手数料の重複請求が行われているというような実態があるということもお聞きをしているんです。 これ、規制が必要なのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員長(小川克巳君) 時間が参っておりますので、端的にお答えください。
○政府参考人(村山誠君) 個別の事案についてお答え申し上げることは差し控えますが、求人者に対しましても、契約前に明示された契約内容を十分に確認、検討していただくようにいたしますとともに、そうした御指摘のありましたようなトラブル事例につきましても、分かりやすいリーフレットを作成し周知に努めているところであり、先ほど委員からも御指摘のありました特別相談窓口等も設けておりますので、そこで違法な事案と思われるような事案が、疑われる事案を把握した場合には厳正に対応してまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○白川容子君 結局、上限規制がないからこういう事態になるのだと思います。やはり上限規制を行うことが必要だということを申し述べまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○天畠大輔君 代読します。 れいわ新選組の天畠大輔です。 今年四月七日の予算委員会においても取り上げました重度障害者の就労中の介助保障について伺います。 重度訪問介護は本来私のような重度障害者の生活全般を支える制度であり、就労も生活の重要な一部です。しかし、現行制度では就労や修学など社会参加の場面が対象外とされ、その結果、場面ごとに別の制度を組み合わせる複雑な仕組みとなっています。 まず、その制度の線引きについて確認をいたします。賃金の発生しない就職活動については経済活動には該当せず、重度訪問介護の利用対象となり得るという理解でよいか、政府の見解を伺います。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 御指摘の重度訪問介護ですけれども、障害者雇用促進法に基づいて事業主の方に対して障害者に対する合理的配慮が求められていることでありますとか、個人の経済活動に関する支援を公費で負担すべきかといった論点などから、総合支援法による重度訪問介護の対象とはしていないところであります。 具体的な重度訪問介護の支給決定となりますと、各市町村において個々のケースに応じて判断をされるということになりますので、個々具体のケース一つ一つについて国として重度訪問介護の給付の対象に当たるかどうかについて一概に申し上げることは困難であるということをまず御容赦をいただきたいと思います。 その上で、一般論的にはなってしまいますけれども、この御指摘の賃金、対価の発生しない就職活動でございますけれども、こちらの方は個人の経済活動には当たらないというふうに考えられることなどから、重度訪問介護の利用の対象になり得るのではないかと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 続いて伺います。 ハローワークにおける求職活動や求職者支援訓練の受講についても、賃金が発生しない以上は経済活動には当たらず、同様に重度訪問介護の対象となり得るという理解でよろしいでしょうか。簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 個々のケースの判断ということは先ほどと同じなんですけれども、ただ一方で、これも一般論的になりますけれども、御指摘のハローワークにおける求職活動でございますとかあるいは求職者支援訓練、こちらの方は、賃金の発生しない就職活動と同様に個人の経済活動に当たらないというふうに考えられます。ゆえに、重度訪問介護の対象となり得ると考えられるところではあります。 いずれにしても、支給決定を行う市町村において個々のケースに応じて御判断いただくものと考えておりますけれども、御指摘の二点についてはそのように考えております。
○天畠大輔君 代読いたします。 今の答弁で重要な整理が確認されました。賃金の発生しない就職活動や訓練の段階までは重度訪問介護の利用対象となり得る一方で、賃金が発生する就労段階に入ると経済活動として制限されるということです。 しかし、ここに大きな矛盾があります。就職活動という社会参加に向けた重要なプロセスでは介助が保障されるにもかかわらず、就労し、働き始めた途端にその保障が制限される。大臣は就労促進を掲げておられますが、働き始めた途端に支援が後退する制度で本当に就労は進むのでしょうか。制度として極めて不合理です。 政府は、就労を重度訪問介護の対象外とする理由を、合理的配慮は企業の責任、経済活動への公費支出には課題と繰り返し説明してきました。その結果できたのが資料一の重度障害者等就労支援特別事業です。これは二つの制度を複雑に組み合わせた不公平な仕組みです。予算委員会において高市総理にも申し上げました。 資料二を御覧ください。 現場では重度訪問介護と就労支援特別事業の二つの制度それぞれで利用者の自己負担が生じる。支援の中身や量は変わらないのに、重度訪問介護のみを利用するよりも自己負担が倍になる、自己負担額が倍になる。働いているのに自己負担額が増える不公平な仕組みです。 先日の予算委員会において高市総理は、この問題について、負担感が強くなる場合があると答弁されました。しかし、これは単なる感覚の問題ではありません。同じ介助を受けているにもかかわらず、制度を二つに分けた結果、自己負担が二重に生じ、月額七万四千四百円もの負担となる。これは制度のゆがみによって生じた明らかな不利益です。 その前提として確認をしたいのは、そもそもなぜこの事業が地域生活支援事業として位置付けられているのかという点です。地域生活支援事業は、自治体が地域特性や利用状況に応じて柔軟に実施する仕組みとして創設されたと承知しております。しかし、就労中の介助保障については、気候や地理条件によって必要な介助内容が大きく変わるとは考えにくく、本来全国共通で保障されるべき性格が強いのではないでしょうか。重度障害者等就労支援特別事業を全国一律の給付ではなく地域生活支援事業として位置付けた理由について、政府のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 全国一律の個別給付という意味では、まさに重度訪問介護でございますけれども、こちらの通勤、就労時の介助につきましては、先ほどとダブりますけれども、障害者雇用促進法に基づいてそれぞれの事業主に対して障害のある方々に対する合理的配慮を求められているということ、さらに、個々人の経済活動に関する支援を公費による福祉サービスで負担をすべきかどうかといったような観点などから対象としていないところではございます。 そうした制度の前提に立ちつつも、その一方で、地域の実情などに応じて、雇用と福祉が連携して必要な支援を実施できる方策としてこの特別事業をやらせていただいているところでございます。御指摘の自治体への補助事業である地域生活支援事業の中で、事業主の取組に対して支援を行う障害者雇用納付金制度に基づく助成金と組み合わせて補助を行うというような仕組みを導入をさせていただいたところでございます。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 大臣に伺います。 障害の有無にかかわらず、働く権利は全国共通ですよね。一言でお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 障害の有無にかかわらず、そうした権利といいますか、それは全国共通のものだと考えています。
○天畠大輔君 代読いたします。 高市総理は、今国会における施政方針演説において、人材総活躍のために、「性別、障害や疾病の有無、生まれた年代や住んでいる地域、家族の状況などによって、不公平がない社会を目指しましょう。」と述べました。 通告なしですが、大臣に伺います。 現状では、重度障害のある人たちは住む場所によって働くための支援に差が生じている現状です。大臣は、この現状を課題だと認識していますか、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに、先ほど局長から答弁がありましたが、合理的配慮などの観点から今のような枠組みにしているわけでございますが、一方で、やはり今自治体にお願いをしているこの事業、これをできるだけ広げていくということが非常に大事だと考えておりますので、そうした観点をしっかり踏まえて取組を進めていきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 まず、大臣自身が障害を持つ方の働く権利が全国共通になっていないことを課題だと認識されているかどうかをお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) この制度の実施自体が特定の市町村に限られていること、そうしたことを考えますと、どこに住んでいても同じような働き方ができるという観点からは課題があるというふうに考えています。
○天畠大輔君 代読いたします。 自己負担額が倍になる問題のほかにも、運用を自治体任せにすることで重度障害者の就労に制約が生まれています。就労支援特別事業の運用については、自治体の判断で、自営業等における従事時間は週十時間以上、就労支援特別事業では重度訪問介護のように単価に加算を算定できないなどの運用が見られるとの指摘もあります。これは、本人の働き方を制限し、就労に当たり欠かせないヘルパーを派遣する事業所運営への悪影響にもつながります。こうしたローカルルールに対する政府の見解をお聞かせください。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 御指摘のこの特別事業の運用につきましては、実施要綱の中で、自営業の方などがこの事業を利用される場合には、その自営業に従事する時間が一週間のうち十時間以上の方を対象とすることを基本とすること、費用については、障害福祉サービスの費用の額の算定基準において規定された所定単位数に地域単価を乗じて算出した額を基本とすることといった形をお示しをしております。 これはあくまで基本という形でお示しをしているものでありますけれども、この事業の利用される方々の従事が必要な時間数でありますとか、あるいは費用単位の設定につきましては、実際にこの特別事業を実施する各市町村において判断いただいて事業を実施していただくということにしておるところであります。 地域の実情など踏まえて、各市町村において制度の中身を設計して実施をしていただくべきものというふうに考えております。
○天畠大輔君 代読いたします。 今の御答弁で各市町村が判断するとの点は理解しました。地域の実情に応じた運用が一定程度必要であることは否定しません。しかし、問題は、その前提として国が示している基本とすることの扱いです。 例えば自営業等について、週十時間以上を対象とすることを基本とするとされていますが、この線引きに合理性はあるのでしょうか。就労の実態は多様であり、短時間から段階的に働くケースも少なくありません。この十時間という基準が、結果として利用を抑制する方向に働いているのではないでしょうか。 また、費用についても、単位数に地域単価を乗じた額を基本とするとしています。実際の運用では、重度訪問介護で認められている各種加算が算定されないケースが見られます。ヘルパーを派遣する実態は変わらないにもかかわらず、加算が付かないことで事業所の収入が減り、結果としてサービス提供の継続性に影響が出かねません。 政府は、市町村において適切に実施すべきと述べ、運用を自治体の判断に委ねています。しかし、その結果として、自己負担の有無や利用条件、サービス単価等に地域差が生じ、重度障害者の働き方そのものが左右されています。これは、国の制度設計によって生じた問題を現場に転嫁していると言わざるを得ません。まずは自己負担の設定の仕方を始めとして、自治体の運用状況、判断の理由、背景をしっかり把握し、改善策を検討すべきではないでしょうか。自己負担の有無や制度運用の実態が明らかにならなければ、国としてどのような制度改善や支援策が必要なのかを判断することも難しいからです。 まずは、昨年度分の実績報告から、自己負担の有無を始め、単価の設定、利用時間の制限など、各市町村における運用の実態を把握すべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 実態を把握するのはとても大切なことだと考えています。 令和四年の障害者総合支援法等改正法の……(発言する者あり)済みません。
○委員長(小川克巳君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小川克巳君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 本事業を実施をしている市町村の実績報告、また国で実施をする調査研究などによりまして、事業の実施状況やニーズなどを把握をして必要な見直しを行ってきております。 例えば、令和七年度からは自治体における周知広報のための費用を補助対象に追加をしたり、加えて、昨年度分の実績報告では、事業の実施人数等に加えて、新たに利用者本人の自己負担の設定の有無、支援する費用の考え方といった自治体ごとの運用状況についても報告項目に追加をしたところでありますので、引き続き、事業の実施状況を確認をしていきたいと考えています。
○天畠大輔君 代読します。 改善の具体策を導き出すための実態把握をお願いいたします。 就労支援特別事業の自己負担額については、軽減措置をとる自治体もあります。千葉市では、自己負担は実質生じていません。また、大阪市や堺市でも自己負担額の大幅な軽減が行われています。これらの事例は、自己負担を課さなくても制度運用が可能であることを示しています。にもかかわらず、現状では多くの自治体で自己負担が残されており、その有無や水準によって就労機会に差が生じています。 就労支援特別事業は本来、重度訪問介護の制度上の制約を補完し、重度障害者の就労を後押しするためのものです。新たな自己負担を課す構造になっていること自体に無理があります。 自ら軽減措置を講じている自治体が存在する以上、本来は国として制度的に整理すべき課題ではないでしょうか。自治体の財政力や判断に委ねるのではなく、重度障害者の就労促進の観点から、自己負担の解消について、国として統一的な措置を講じるべきだと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、自己負担、利用者本人の自己負担については、事業を実施をしていただいている市町村において地域の実情などを踏まえて判断をしていただくことにしておりますが、この事業について、国は二分の一の補助を行うこととしており、市町村が自己負担なしで実施をした場合も同様の補助を行うこととしております。 自己負担の設定については各市町村で適切に判断するものである旨を改めて周知をしたところでございますが、昨年度分の実績報告で利用者本人の自己負担の設定の有無なども新たに調査項目、報告項目に追加をいたしましたので、そうしたことも踏まえて今後の対応についても検討していきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 周知の問題ではなく、制度設計の問題です。実態把握の上、せめて自己負担の地域差はすぐになくすべきです。大臣、いかがですか。
○政府参考人(野村知司君) 代わりまして、お答え申し上げます。 昨年の事業の取組状況について報告を求めて、それを取りまとめてということになりますけれども、なかなか地域の実情に応じて実施をしていただくということになると、ああしろこうしろという一律の規制といいましょうか、ルール立てというのはなかなか難しい面もあろうかとは思います。 ただ、現状どうなっているのかと見た上で、事業の中身としてどのように組み立てていくのかというのは考えていきたいと考えております。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 改善のための実態把握であることを忘れないでください。あくまでゴールは告示五百二十三号の改正です。代読お願いします。 資料三を御覧ください。厚労省告示五百二十三号により、重度障害者は、就労だけでなく、修学など、社会参加の様々な場面で重度訪問介護が利用できません。 障害者総合支援法第一条では、障害者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営めるよう、必要な支援を総合的に行うことが法の目的として掲げられています。 一方で、法律そのものではなく、告示五百二十三号によって、社会参加の重要な場面における重度訪問介護の利用制限が設けられています。法の理念として社会生活を保障するとしながら、指定障害福祉サービス等に要する費用の額の算定基準を定めた告示によって社会参加の権利を制限するなど言語道断です。 現在のように学校や職場の場面ごとに別の制度を組み合わせるパッチワークの対応では限界があります。利用できる支援も自治体で異なるため、地域間格差は広がる一方です。縦割りのままでは社会参加を支える一体的な介護保障は実現できず、問題の根本的な解決には至っていません。これは、重度障害者の社会参加を支える介護保障の在り方そのものが問われている課題です。就労だけを切り出すのではなく、社会参加全体を支える観点から、重度訪問介護への一本化を検討すべきと考えます。 高市総理は予算委員会において修学も大事な視点だとおっしゃいましたが、こちらの意図がうまく伝わっていなかったと思います。就労はどうか、修学はどうかと縦割りで検討するのではなく、社会参加に係る介護保障をどう考えるか横断的に議論する、その必要性を問うたのです。 この点について、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、御指摘の告示ですが、事業主や教育機関等の役割として、障害者に対する合理的配慮の提供を法令上求める中で、重度訪問介護における外出時の利用範囲を定めているものであります。 この告示の規定を見直すことはなかなか難しいと考えておりますが、令和四年の障害者総合支援法等改正法の附帯決議において、重度障害者の職場及び通勤中における介護について、現在実施している雇用と福祉の連携による取組の実施状況や重度障害者の働き方や介助の実態を把握した上で連携の取組の改善及び支援の在り方について検討することとされておりますので、これまでからも重度障害者の方々の就労中等の支援の在り方について調査を実施をしてきております。 こうした調査結果を踏まえ、重度障害者の方々の就労中の支援ニーズ、企業による合理的配慮の実態等について分析を進めて、議員御指摘の社会参加の観点も踏まえて検討を行ってまいります。
○天畠大輔君 代読します。 今大臣からも、社会参加の観点も踏まえつつ検討するとの答弁がありました。重度障害者の社会参加を場面ごとに切り分けるのではなく一体的に支える介護保障へと転換していくことを求め、次に行きます。 重度障害者の入院時のコミュニケーション支援について伺います。 私は、前回の健保法改正案の質疑で、重度障害者女性の出産や分娩時の支援について取り上げました。分娩であれ手術であれ、重度障害者にとっては、医療そのものだけでなく、医療者とのコミュニケーションをどう確保するかが極めて重要です。 私自身、あ、か、さ、た、な話法を用いて意思を読み取り、周囲とのコミュニケーションを介助者が支えています。入院や手術の場面でもその支援は欠かせません。特に手術室では、麻酔の前後や不測の事態に備え、私の意思を医療者に伝えることに加え、体位交換や呼吸の確保など、私の身体特性を熟知した介助者による支援が必要となります。しかし、実際には付添いを認めてもらうために医療機関に理解を求めて大変な苦労をしてきました。 一方で、先日、医療機器メーカーの社員が手術室内で患者の足を持ち上げ、それが医療行為に関与した、つまり医師法に抵触した疑いが報じられました。もちろん、私たちが求めているのは医療行為ではありません。医療に関係のない介助やコミュニケーション支援です。 そこで確認します。重度障害者が手術室や分娩室に入る際、医療に関係のない介助やコミュニケーション支援を行う介助者が手術室や分娩室に付き添うことは、医師法に抵触せず、また法令上これを一律に制限する規定はないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 医師法との関係についてでございますけれども、ある行為が医行為であるか否かについては個別具体的に判断する必要がございまして、一概にお答えすることは困難でございますが、御質問の介助や意思疎通のための支援等の行為は、当該行為が医療に関係ないと具体的に判断される限りにおいて医師法に違反するものではないと考えられます。患者の処置に当たる現場の医師等の連携の下で実施されるものと承知をしております。 また、医療機関の手術室や分娩室に医療従事者以外が立ち入ることに関しましては、清潔保持や院内感染対策等、医療安全等の観点から一定の制限はあるとは考えておりますけれども、厚生労働省において立入りを直接的に制限をしている、そのようなガイドラインはないと承知をしております。 なお、その特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添いについては、留意事項、これを周知しておりまして、こうした既存の通知の内容を踏まえて各医療機関に適切に判断いただきたいと考えておるところでございます。
○天畠大輔君 代読いたします。 当事者にとっては大変な重要な確認ができたと思います。 その上で伺いますが、厚生労働省の通知では、入院時の支援者の付添いについて医療機関に受入れを検討するよう求めております。これは、病室や診察室だけではなく、手術室や分娩室、処置室なども含まれるという理解でよろしいでしょうか。また、その周知をしっかりしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、支援者の付添いについては、議員御指摘の事務連絡におきまして、医療従事者との意思疎通を図る上で極めて重要な役割を有することから、その受入れを検討するよう求めておるという状況でございます。 付添いは、患者の状態や医療上の必要性、院内感染対策を踏まえて判断されるべきものでありまして、特定の場所に一律に限定されるものではなく、病室や診察室に限らず、御指摘のような手術室や分娩室、処置室を含め、個別の状況に応じて各医療機関において適切に判断されるべきものと認識をしております。 障害福祉サービスの重度訪問介護を受けている障害者であって特別なコミュニケーション支援が必要な方々が、入院中に重度訪問介護従事者が付き添い、その支援を受けられることについては、自治体向けの関係課長会議の場においても周知をしておりまして、当該事務連絡の趣旨について現場に伝わるよう、様々な機会をつかまえまして引き続き丁寧な周知に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(小川克巳君) 質疑をまとめてください。
○天畠大輔君 はい。代読します。 まとめます。 私のように、手術室などへの介助者の付添いについて理解を得るまで苦労している方はほかにもいると思います。通知の趣旨が現場に正しく伝わるよう、より分かりやすい周知や整理について引き続き議論をお願いして、質問を終わります。
○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会
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