令和八年五月十四日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 四月十七日 辞任 補欠選任 秋野 公造君 原田大二郎君 四月二十三日 辞任 補欠選任 かまやち敏君 小野田紀美君 原田大二郎君 秋野 公造君 四月二十四日 辞任 補欠選任 小野田紀美君 かまやち敏君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 小川 克巳君 理 事 石田 昌宏君 自見はなこ君 小西 洋之君 田村 まみ君 秋野 公造君 委 員 かまやち敏君 神谷 政幸君 木村 義雄君 福岡 資麿君 古川 俊治君 本田 顕子君 山田 宏君 石橋 通宏君 郡山りょう君 山内佳菜子君 庭田 幸恵君 芳賀 道也君 川村 雄大君 猪瀬 直樹君 新実 彰平君 岩本 麻奈君 宮出 千慧君 白川 容子君 天畠 大輔君 国務大臣 厚生労働大臣 上野賢一郎君 副大臣 内閣府副大臣 津島 淳君 厚生労働副大臣 仁木 博文君 大臣政務官 厚生労働大臣政 務官 栗原 渉君 事務局側 常任委員会専門 員 佐伯 道子君 政府参考人 こども家庭庁長 官官房審議官 竹林 悟史君 総務省大臣官房 審議官 福島 秀生君 国税庁課税部長 高橋 俊一君 厚生労働省大臣 官房医薬産業振 興・医療情報審 議官 森 真弘君 厚生労働省医政 局長 森光 敬子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局長 大坪 寛子君 厚生労働省医薬 局長 宮本 直樹君 厚生労働省職業 安定局長 村山 誠君 厚生労働省保険 局長 間 隆一郎君 厚生労働省政策 統括官 辺見 聡君 経済産業省大臣 官房審議官 田中 一成君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○健康保険法等の一部を改正する法律案(閣法第二五号)(衆議院送付) ○参考人の出席要求に関する件 ─────────────
厚生労働委員会
発言 343
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に秋野公造君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長間隆一郎君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。上野厚生労働大臣。
○国務大臣(上野賢一郎君) ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。 少子高齢化の進行により、社会保障制度の支え手不足が深刻化する中で、将来にわたり我が国の医療保険制度を持続可能なものとしていくためには、現役世代を中心に保険料負担の上昇を抑制しながら、全世代を通じ、医療保険制度に対する信頼や納得感を維持し、向上させる観点から、医療保険における給付と負担を見直すことが重要です。 こうした状況を踏まえ、応能負担の徹底等を通じて、必要な保険給付等を適切に行い、世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るとともに、限られた医療保険財政及び医療資源を効率的に活用することを目的として、この法律案を提出いたしました。 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。 第一に、要指導医薬品又は一般用医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養等については、適正な医療の提供を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑み、その要する費用のうち一部を保険給付の対象外とする一部保険外療養という新たな制度を創設します。 第二に、後期高齢者医療において、上場株式等の配当等を保険料の算定や窓口負担割合等の判定に公平に反映することができるよう、金融機関等がオンラインにより当該配当等の支払等の金融所得に係る情報を後期高齢者医療広域連合に対して提供する義務等を設けます。 第三に、出産に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、出産に係る保険給付体系を見直し、厚生労働大臣の指定する施設等において行われる分娩に関する新たな給付を創設するとともに、一定の現金給付を行うこととします。加えて、厚生労働大臣の指定する施設に対し、分娩の手当等の内容や費用に関する情報の報告を義務付けます。 また、妊娠に伴う妊婦の経済的負担を軽減するため、母子保健法に基づく妊婦に対する健康診査について、国が定める望ましい基準に係る標準額を診療報酬等を勘案して定めるとともに、市町村及び医療機関が当該健康診査を行うに当たっては、当該基準及び標準額を勘案するよう努めなければならないこととします。加えて、国が、妊婦に対する健康診査の内容や費用に関する情報を収集し、公表することとします。 第四に、現在、未就学児の被保険者を対象としている国民健康保険における均等割保険料等の五割を軽減する措置について、その対象を、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日以前である被保険者まで拡充します。 第五に、高額療養費の支給要件等を定める際には、特に長期療養者の家計への影響が適切に考慮されるよう、法律上明確化することとします。 第六に、業務効率化、勤務環境改善に取り組む医療機関を支援する新たな事業を地域医療介護総合確保基金に設けるほか、計画を作成して業務効率化、勤務環境改善に取り組む病院を厚生労働大臣が認定する仕組みを設けます。 第七に、令和八年度から令和十年度までの特例として、全国健康保険協会に対する国庫補助に係る特例減額の控除額を引き上げる時限的措置を講じます。 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和九年四月一日としています。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○委員長(小川克巳君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本田顕子君 おはようございます。自由民主党、本田顕子でございます。 昨日、本会議において、高市総理大臣御出席の、そして上野大臣、厚労大臣御出席の下、質疑が行われました。重要広範でございますので、本日の委員会で更に確認と、この改正の趣旨を質問をさせていただきたいと思います。 まず、医療分野における業務効率化、勤務環境改善について政府参考人に伺います。 これまで医療政策として、医療法上、勤務環境の改善や業務効率化を求めてまいりました。今回、新たな区分を設けることで保険制度上の措置を講じていただき、進展が期待できると考えております。 他方、努力義務として各施設に自主的に勤務環境改善と業務効率化に必要な措置を求めることにあっては、それら取組をサポートする観点とばらつきを少なくする観点で、あらかじめ一定の標準的な指針や基準のようなものが必要になるのではないでしょうか。とりわけ、地域医療総合確保基金の活用を通じて各施設の取組を支援するのであれば、取組の妥当性を知ることも必要になってくると思います。 そこで、積極的かつ計画的に取り組む病院の認定要件と役割や、総合確保基金とのひも付けの仕方はどのようなものになるのか、その認定プロセスの透明性確保の観点と、多様な専門職種を念頭に置いた運用の在り方を含めて説明をお願いします。 加えて、勤務環境の改善や業務効率化は、医療法上同じ医療提供施設である薬局においても共通の課題でございます。今後、可及的速やかに薬局についても今回のような制度的対応の必要性に関する検討を始めるべきと考えますが、政府参考人の御見解を伺います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、今般、保険医療機関につきまして業務効率化等に取り組むよう努めることとして、あわせて、地域医療介護総合確保基金に新たな事業を創設し、医療機関の業務効率化等の取組を継続的に支援することとしております。 その上で、医療機関が業務効率化等に効率的、効果的に取り組めるよう、例えば好事例集の作成、共有を行うほか、病床規模や機能ごとのモデル取組例を作成して積極的に周知するなどの取組を進めてまいりたいと考えております。 また、施行に当たって、御指摘の厚生労働大臣による病院の認定等につきましては、その要件としまして、議員御指摘の多職種でこの業務効率化に取り組むといったようなことも含めて検討してまいりたいというふうに思っております。また、補助金申請の手続等についても分かりやすく示し、都道府県とも連携して医療機関に丁寧に説明していきたいというふうに考えておるところでございます。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 二〇四〇年に向けまして生産年齢人口が更に減少し、医療従事者の確保がますます困難になると見込まれる中で、業務の効率化、勤務環境の改善というのは、医療機関同様、薬局においても同様に課題であるというふうに認識しております。 先般の薬機法改正におきまして、調剤業務の一部外部委託を可能とするなど対物業務の効率化を推進するとともに、電子処方箋の導入や機能拡充への対応に関する医療情報化支援基金等による補助、あるいは、薬局DXに資する医療機関、薬局間の情報共有、標準化の検討等に関する事業の実施などを現在行ってきておりまして、薬局の勤務環境の改善や業務効率化に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○本田顕子君 ありがとうございます。 今、宮本局長から地域医療総合確保基金、御答弁ありましたけれども、この地域医療介護確保基金は、第八次医療計画において、地域包括ケアの拠点となる病院、薬局の薬剤師確保においても使えるようにはなりましたけれども、現場のお話を伺いますと、なかなか活用が進んでいないという声を伺います。そこに進めるためにもやっぱり業務を効率化していきたいけれども、なかなか使い勝手が我々薬局にはというお話を聞いたので、ちょっと今日は取り上げさせていただきました。 今回の改正の趣旨では、医療機関も薬局も地域医療提供体制の下でかなりの機能、役割が求められるようになります。これを確実に実行していくためには、やはり地方行政医務主管部局と薬務主管部局双方の体制整備と、やはりこの議会で地方行政の予算と人材の確保が必要であることも述べさせていただき、次の質問に入ります。 次に、協会けんぽによる保健事業について政府参考人に伺います。 我が国の国民皆保険制度は世界に誇るべき制度であり、長寿社会の実現に寄与してきました。これまで協会けんぽによる保健事業の実施が現行法第百五十条にて努力義務とされている中で、今回の改正によって一歩踏み込んだものになること、改正の狙いと、改正の実効性を高めるために厚生労働省として考えている今後の施策についてまず伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 予防、健康づくりは、御本人のQOLの向上だけではなくて、社会全体の活力の向上という意味でも大変重要だと考えております。現在でも各保険者で積極的に取り組んでいただいております。 協会けんぽでは、現在、データヘルス計画を策定し、それぞれの加入者の属性や健康状態、地域性を踏まえた保健事業を実施するとともに、各都道府県支部、協会けんぽは各県に支部がございますけれども、その取組や成果については本部が主体となって好事例の横展開を進め、さらには、積極的な取組を進める都道府県支部に対するインセンティブ制度を設けるなどの取組を現在行っております。 今回の改正案は、こうした取組を一層推進する観点から、協会けんぽが加入者の年齢、性別、健康状態等の特性に応じたきめ細かい予防、健康づくりを適切かつ有効に実施していくことを法律上明確化したものでございます。こうしたことと軌を一にして、協会けんぽにおきましては、今年度、健診実施率の更なる向上等につなげるために、被保険者に対する人間ドックの費用助成を開始するということとしております。 今後、本法案による改正も契機としつつ、協会けんぽにおいて現役世代の健康づくりが促進されるよう、例えば、コラボヘルスの推進、保険者と企業が協力したようなコラボヘルスの推進という観点から、関係団体等への働きかけを私ども協力して実施するなど取組を進めていきたいと、このように考えております。
○本田顕子君 ありがとうございます。 続きまして、今ほど御答弁の中に保健事業のところもお話があったわけでございますが、その内容を更に深掘りで質問させていただきます。 これまで、この特定、済みません、保健事業の多くは生活習慣病の予防を念頭に置いた取組として、特定健診であったり特定保健指導は一定の成果を得ていると考えております。また、感染症予防に関しては、日常のうがいや手洗いなどの推奨やワクチン接種を促す情報発信を行っていただいております。 予防接種で考えますと、これは、これ自体は市町村が実施主体となり、病院、診療所などが連携する仕組みでありますけれども、例えば、ワクチン接種を含む感染症の予防に関する取組については、今回の改正で被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うということを条文に書き込んでいただきますので、より多様なアイデアや方法を駆使して、国民、被保険者の健康意識を高めるための支援にもつなげていくことも、より幅広い皆さんに周知徹底していくというときにいいんじゃないかなというふうに思うんですが、支援策について政府参考人の御見解をお伺いします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 予防、健康づくりの重要性は先ほど申し上げたとおりでございまして、それに関連して、ワクチン接種を含む感染症の予防についても、保険者としてできる取組は進めていくことが重要と考えております。 例えば、HPVワクチンのキャッチアップ接種に関しては、厚生労働省内の関係部局が連携して、保険者に対して周知用のリーフレットを送付し、基礎教育を終了したキャッチアップ接種対象者への周知啓発を行ってございます。 保険者単体でというのがあれかもしれませんけれども、保険者と行政が協力しながら、感染症予防にという視点に立った保険者の取組も重要でございますので、どのような取組が考えられるのか、省内関係部局、また保険者とも連携して検討してまいりたいと、このように考えております。
○本田顕子君 ありがとうございます。 今ほど間局長からHPVワクチンのお話ございました。厚労省からもかなりの資材を作って提供していただいていることは分かっているんですが、でも、それが多くの方に届いているかというと、まだまだ不安をあおるところが強調されておりまして、厚労省の正しい情報が浸透していないというふうに思っておりますので提案させていただきました。引き続き、健康リテラシーの向上に向けて取り組んでいただきたいと思います。 次に、この負担の公平性について質問をさせていただきます。改正の方向性について、肯定的な立場であることを前提に制度設計の妥当性と実効性ある制度改正とするための適切な運用を願って、質問をさせていただきます。 まず、法定調書の保険者への提出を金融機関等に義務付けることについて、今回、金融所得を勘案するに当たり、かなりのインフラ整備が必要になってくると感じます。厚生労働省が考えている工程表によれば、金融所得を勘案した今回の対応が動き出すのは改正法の公布後四年から五年程度とされています。 他方、これまでのマイナンバーカードの導入やマイナ保険証への移行などのケースを見ていると、様々な事情があると思います。特に、今回の改正は、全ての市町村とも歩調を合わせながら仕組みを構築する必要があります。 遅れることなくそれぞれが体制をつくることを考えますと、法定調書のオンライン提出に必要なシステムの仕様とその受発注の準備、そして関係府省との連携体制づくりはどの程度進んでいますでしょうか。当初の工程表のとおりに準備を進める上で必要な環境整備や財政的措置などとしてどのようなものを想定しておられるか、政府参考人の御見解を伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回の後期高齢者医療制度における金融所得の勘案の導入に向けては、関係省庁と協力しながら検討してきたところでございます。今後、その具体的な準備としては、委員御指摘のように、金融機関等の法定調書の情報を集約するデータベースの構築、あるいはそのデータベースから連携される情報を基に窓口負担等の判定等を行うための市町村後期高齢者医療広域連合のシステムの整備、そして、御指摘にもありました金融機関等の法定調書のオンライン提出等に関するシステムの整備と、こういった多くのシステム整備が必要になるというふうに考えております。 こうしたシステム整備については、現在、運用面やシステム面の事前の検討を関係省庁等と事務的に行っているところでございますけれども、本法案が成立した暁には、御指摘のシステムの仕様等に係るより具体的な検討を関係省庁とも足並みをそろえながら速やかに進めていきたいと考えております。 また、これらのシステム改修に係る財政措置については、地方団体や金融団体からも御要望をいただいているところでございます。予算編成過程において適切に検討したいと、このように考えております。
○本田顕子君 御答弁ありがとうございました。しっかり政府・与党としてもサポートをしていきたいと思います。 次に、負担の公平性を確保するためのもう一つの柱である、いわゆるOTC類似薬と呼ばれている医薬品を使用した場合の薬剤費の一部を保険給付外とする改正について、政府参考人に伺います。 医療用医薬品には、OTC医薬品との代替性が特に高いと言われる効能、効果のみならず、セルフケア、セルフメディケーションの域を超えた重篤で治療の難易度が高い疾患に関する効能、効果を併せ持つ医薬品が多数あります。今回の一部保険外療養の対象となるのは、医薬品そのものが対象になるという仕組みではなく、効能、効果の違いや成分、用量の違いなどを十分考慮した上で、その医薬品の使用目的がOTC医薬品との代替性が特に高いとされる場合であると理解をしておりますが、まだ整理がある意味はっきりしていない状態であります。 そして、いわゆるOTC類似薬の保険除外というこの単語が先行していることで、医療用医薬品を製造、販売する製薬産業界において業績への影響を懸念する声が上がり、また、医療用医薬品からOTC医薬品へのスイッチ化の阻害要因になるのではないかといった、こうした心配の声を伺っております。また、患者側から見れば、改正によって最適な医療の提供が損なわれたり、自己負担が重いとか少ないといった、そういう受け止めによって必要な医療がゆがめられることはあってはなりません。 そこで、保険診療上必要な効能、効果を併せ持つ医療用医薬品の供給に支障を来すことなく、これまでどおりの治療機会を患者の皆さんが得られるよう、OTC医薬品との代替性が特に高いとする対象範囲又は定義などのルールについて今後厚生省令などの通知が示されていくと思いますが、是非、医学、薬学の専門的見地に立って、慎重かつきめ細やかな方法と手順を踏んでいただきたいと思います。加えて、スイッチ化の阻害要因にもならないように、スイッチ化はスイッチ化としてこれまでの方向性を堅持していただくことを願いますが、政府参考人に伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回の制度の新しい仕組みの対象となります代替性が特に高い薬剤を用いた療養には、OTC医薬品と成分、投与経路が同一で、最大用量が異ならない医療用医薬品七十七成分が該当してございます。 今後、今委員からもるる御指摘いただきましたことを始め、法案の御審議も踏まえながら、施行に向けては、広く関係者の意見をお聞きしながら本制度の在り方について丁寧に検討するとともに、医療現場や患者の方々に向けて分かりやすく周知していきたいというふうに考えております。 また、委員御指摘のスイッチOTC化に関しても、これは企業や消費者を含む様々な立場の方々から広く要望を受け付ける機会を設けるとともに、承認申請資料の簡素化等、企業負担の軽減などの対応を行うといった施策を進めてございまして、こうした取組を通じて、引き続きスイッチOTC化を着実に進めていきたいと考えております。
○本田顕子君 御答弁ありがとうございます。 引き続き進めさせていただきます。 厚労大臣に伺います。 今回の仕組みでございますけれども、処方医や処方箋調剤を行う薬剤師、そして卸売業者、患者家族の皆さんにとっても新しい仕組みであります。二〇二四年から既に導入されております選定療養においては、医療現場での丁寧な説明の負担が増えているという声を伺っております。 今回の一部保険外療養については、医療上の必要性から出された薬剤の種類に応じて自己負担額が追加されるため、そのことへの理解を深めるための説明を行う医師、薬剤師にとってはかなりの負担になります。そして、医療機関、薬局の注文を受ける卸のMSさんにとっても、知識量の増加とより高い説明力が求められることになります。そのため、制度が始まるまでの準備として、理解を促すための資材や広報、これは国民の皆様と同じく、お薬を提供する従事者の皆様にとっても大変重要になります。 制度が始まってからの現場負担の解消又は軽減のための支援策を考慮いただきたいと思いますが、上野厚労大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘のとおり、本制度の趣旨、あるいは配慮を行う方の範囲などにつきまして、国民の皆様はもとより、医療現場の様々な職種の皆さんに丁寧な周知行っていくことは非常に大事だと考えています。 このため、国から医療現場の関係者や国民の皆様に本制度の周知を行うのみならず、医師、薬剤師の皆さんを始め、医療現場の皆さんにその現場で使っていただけるような周知素材、これをしっかり作っていきたいと考えています。また、現場での判断に偏りが生じないように、国から一定の基準などをお示しをする予定でございますが、それもできるだけ皆様に分かりやすく伝わるように取り組んでいきたいと考えているところであります。 そのような取組を通じまして、円滑な施行、あるいは現場の負担感の軽減などに取り組んでいきたいと考えています。
○本田顕子君 大臣、ありがとうございます。範囲の部分まで触れていただき、ありがとうございます。 続けて大臣に伺います。 今回の取組は、セルフケア、セルフメディケーションの普及にも通じているとするならば、一部保険外療養の導入を機に、OTC医薬品の適正使用や適正販売をより強化、推進するために、OTC医薬品を取り扱う薬剤師及び登録販売者の資質向上を強化する必要があります。そのため、支援策について考えていただくことも必要かと思いますが、厚生労働大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 薬局の薬剤師の皆さんにおきましては、処方箋調剤などの医療提供だけではなくて、OTC医薬品の販売、健康相談など、地域住民に向けた健康サポートの面でも役割を担っていただくことを期待をしております。 薬剤師の皆さんがこれらの重要性を認識するための取組を進めていくとともに、昨年成立をいたしました改正薬機法で、健康増進支援薬局、この認定制度を創設をすることとしておりますが、こうした役割について更に推進をしていきたいと考えています。 また、登録販売者の皆さんにおかれましては、まず、店舗販売事業者等は従事する登録販売者に研修を毎年度受講させなければならないということにしておりますが、厚生労働省といたしましても、この研修のプログラムの作成に対して補助を実施をして支援をしているところであります。 OTC医薬品の販売に当たりまして、この資格者によるOTC医薬品の適正使用への働きかけは重要であると認識をしておりますので、薬剤師また登録販売者への研修体制の強化など、必要な対応を引き続き実施をしていきたいと考えています。
○本田顕子君 大変心強い答弁、上野大臣、ありがとうございます。 しかしながら、具体的に予算でいいますと、薬剤師の資質向上に関する研修の予算があります。また、登録販売者も含めてあるものは、一般用医薬品適正使用のための研修という。予算は令和七年も令和八年も同じ額なんですね。一般用医薬品の適正使用のための研修に至っては、令和八年も令和七年も五百万円、まあ公募制ですね。 なかなか、現場は一生懸命、五月からもこの指定濫用防止医薬品の販売規制が強化されたことで取り組んでいただきますけれども、その思いに応える裏付けある予算がちょっとまだまだ不足をしているなと思いますので、これはもう応援も込めて、是非その辺も少し片隅に置いて考えていただければなというふうに思います。 最後に、高額療養費について厚労大臣に伺います。 この改正の条文に追加していただいた考慮事項を十二分に勘案して政令などの法令を整備していただきたいと思います。そして、考慮することと同じぐらい大事なことは、国民への情報発信であり、改正の趣旨とその内容を理解していくための広報で、全国各地で社会保障制度の持続性をテーマにして集会や交流の場をつくり、税金、社会保険料、一部自己負担の三つの柱で国民皆保険制度が成り立っていることへの理解を、意識を高め、どうやって持続性を確保すべきかを、政治、産業界、行政、アカデミア、分け隔てなく議論していく待ったなしの時期と思いますが、そのことにつきまして厚生労働大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我が国の社会保険制度につきましては、相互扶助の理念の下に成り立つ国民皆保険の制度であります。制度の支え手であり、また利用者でもある国民お一人お一人の理解と納得を得ていくことが制度への信頼、また将来にわたっての持続可能性の確保という意味で極めて重要だと考えています。 今回の高額療養費制度の見直しにおきましても、このような優れた仕組みは他国に類を見ないものであります。これを我々の子や孫の世代にまで継承していく責務があるということ。また、こうした制度自体は国民の皆さんの分かち合いにより支えられているものだというようなこと。また、少子高齢化が進み、高額薬剤等が普及していく中で、制度を持続可能なものにしていくためには一定の見直しは避けられないといったこと。また、特に長期療養者や低所得者に寄り添ったものにしなければいけないということ。そうしたことをできるだけ分かりやすくお伝えをし、御理解をいただけるように、具体例なども用いながら丁寧な周知に努めていきたいというふうに考えているところであります。
○本田顕子君 ありがとうございます。 社会保障制度の充実と強い経済の実現を両輪として、我が国の強靱化のために我々も取り組んでいくことをお誓いをいたしまして、私の質問を終えさせていただきます。 ありがとうございます。
○自見はなこ君 自由民主党の自見はなこでございます。よろしくお願いいたします。 健康保険法の一部を改正する法律案は、より公正な負担の実現、効率的な給付の確保、出産等の次世代支援や、現役世代からの予防、健康づくりの拡充、必要な医療の確保、その他の大項目でこの国会に提出されていると承知をしてございます。本日、限られた時間でございますので、今述べたところの次世代支援を軸に今日は質問させていただきたいと思います。 まず、資料の一を御覧ください。お手元にある資料御覧いただけますでしょうか。 一問目でありますが、児童精神分野における診療報酬の改定について質問させていただきたいと思います。 現在、我が国の次世代を担う子供たちの成長、発達の中でも、発達障害ですとか、あるいは不登校に対する対応というものが社会的な課題となってございます。政府もこれらに大変強い問題意識を持っていただいておりまして、こども家庭庁でも五歳児健診、また、文科省でも小学校への架け橋事業など様々な政策を打ち出していただきまして、政府全体として、医療、療育、教育、福祉と家族支援、これを一体的に行うための様々な施策、対応を急いでいるところと承知しております。 その中で、今回、令和八年度の診療報酬改定におきまして、御覧のように、精神保健指定医以外が行う場合の通院・在宅精神療法の評価が引き下げられました。御案内のように、精神科領域は大きく二系統、児童精神ございまして、今まで精神科をやってきた先生たちが担っていただいている分野、パターンと、それから小児科のドクターたちが研さんを積んで担うというのが、これが大きく二通りの入口があるというのが特徴的なのでありますけれども。そうしますと、今回のこの非精神保健指定医ということになりますと、地域で長年にわたり児童精神を担っている小児科を入口とした先生たちがこの資格を有していないというケースが多々あるということになってございます。 精神科医療におきましては、精神保健の指定医ということは、これ非常に重要です。患者本人の意思によらない入院ですとか、一定の行動の制約ということも行うことがございますので、患者様の人権にも十分配慮する医療があるということは、医療を行うということは、これ極めて重要ですので、要件と運用というのは厳格であるべきだということで、これも私も一〇〇%同意でありますし、また同時に、今回の改定は精神科の医療の質を高めるという意味でも高く評価しております。 ただ一方では、先ほど申し上げました実態としては、小児科医が児童精神をやっている、発達外来とか児童思春期のメンタルケアといったところをやっておりますので、今回の見直しにおいて、残念ながらこの小児科がやっている児童障害診療とか児童精神領域の外来が継続が困難になるんだというお声をたくさんいただいているんですね。厚労省としてはいかがお考えでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 通院・在宅精神療法、今委員が資料でお示しいただきましたこの改定の資料でございますけれども、精神疾患の患者に精神科を担当する医師が専門的な治療を行う場合の評価でございまして、実施する精神医療に関する一定の知識、技術が必要であることから、令和八年度診療報酬改定では、精神医療の質を適切に評価することを主な趣旨として、精神保健指定医、あるいは指定医でない場合も精神医療に関する専門的な業務を行っている医師を中心とした治療を評価するよう見直すこととしたものでございます。 ただ、全体としては、報酬改定におきましては、小児の精神領域については別途、診療の質を確保しつつ、診療体制の充実を図っていくことが重要であり、この改定の中で、児童思春期の精神疾患患者の受入れ体制が整った医療機関への評価の充実も図ることとしております。 それから、今特に御指摘がありました小児科入口の先生方が発達障害に関しても関わってくださっているというのはそのとおりでございまして、この小児の発達障害等に関する診療については、これとは別途、小児特定疾患カウンセリング料として評価を行っており、小児科の先生方にはこうした点数を活用して診療いただくこともできると、活用いただくこともできるというふうに考えています。 その上で、委員から大変御指摘いただきました小児の精神領域の診療体制に対する御懸念については、今回の改定の影響について実情を把握するとともに、精神医療の質の向上と診療体制の確保の両面から、関係者の御意見もいただきながら引き続き検討し、必要に応じて適切に対応したいと、この問題についてしっかり取り組みたいと、このように考えております。
○自見はなこ君 是非六月の前に対応をお願いしたいと思っております。 メールを御紹介いたします。小児科の開業医の先生で熱心に地域で発達障害のお子さんたちを診ていただいています。 私の診療所では、医師四人、看護師三人、事務二人、心理士の常勤二名と非常勤六人を雇用しています。私は、小児科医、十年間勤務し、その後、精神科に移籍して八年間になりますが、今回の要件になっている精神保健指定医ではないため、この度の改定で診療による売上げが恐らく年間一千万ほど減ることになります。 心理士による心理相談は、心理療法は自費で行っていますが、患者さんが利用しやすいように金額を抑えており、その分、医師の診療で稼ぐ形にしています。そのため、今回の要件ではスタッフの継続雇用が厳しくなります。ですから、私は自分自身が精神保健指定医を取得しなければいけないと考えています。 この先生は現在、精神科病院で勤務するための病院を探しております。開業医です。 しかし、そうなると、現在私が診ている患者さんを他の医師に引き継がなければなりません。毎月新患を十人診ているので、かなりの人数になってしまいます。他の医師も、引継ぎに要する時間を考え、新患をしばらくストップさせざるを得ない状態です。患者数の急激な増加で医師の医療の質も下がります。何よりも今診ている患者さんたちの動揺が心配ですということです。 これ以外にももう一通ありますが、時間の関係で御紹介いたしませんが、これはかなりちょっと深刻な影響を現場に及ぼしているなと思います。是非、精神科医療の質の向上と同時に、よくよく現場を見ていただいた上で、実態が大きく変わらないように、今継続、今やっていらっしゃる先生たちはしっかりと引き続き子供たちの心を診れるように、そういった責任を持った対応をお願いしたいと思います。 次の質問に移ります。資料の二であります。 今度は、北海道の医療提供体制についてでございます。浦河赤十字の話であります。 私は、去年の九月でありますが、ここのまさに写真に載っている浦河赤十字病院を訪ねてまいりました。この日高振興地域というのは、東京都の面積が二倍ありまして、新千歳空港から大体三時間、札幌から四時間車で掛かりまして、大体九十数床の病床というのがホームページ上の内容になっております。日高の二次医療圏において唯一の病院の中、病院群の輪番制の産科病院で、小児医療センターで、そして地域周産期母子医療センター等々の役割を担っていただきまして、もう大変重要です。 ところが、私が去年伺った際には、病院の薬剤師が足りなくなったということで、熊本の日赤からヘルプを頼んでいるとか、何とか地域から頼みながらローテしていますと。今年は少しめどが立ったという話もありました。 お産は、今までは百二十名、年間だったのが、今は八十件ということでありまして、これは毎日、部長クラスが来ています。常勤はいません。帝王切開になると、外科医と一緒に入るということであります。もしここの病院がなくなると、苫小牧までは二時間半ということでありまして、小児科の常勤は一人です。ヘルプ入れて時々二人と。歯を食いしばっていただいているわけであります。 このように、限界地に隣接する公的病院につきましては、小児・周産期医療等の維持が大変困難な状況になってございます。 そこで、地域医療提供体制の確保に私は総務省の役割が非常に重要だと認識をしております。このような公的病院への財政の措置の拡充につきまして御見解をお伺いします。
○政府参考人(福島秀生君) お答えいたします。 総務省におきましては、公立病院や公的病院等が不採算医療や特殊医療などの地域医療にとって重要な役割を担っていることなどを踏まえまして、これまで必要な地方財政措置を講じてきたところでございます。 令和八年度におきましては、公立病院が地域に必要な小児・周産期医療を引き続き提供できるよう、小児・周産期医療の特別交付税措置を拡充するとともに、周辺人口が少ない等の不採算地区におきまして二次救急など地域医療の中核的な役割を担う不採算地区中核病院がその機能を維持できるよう、特別交付税措置の基準額を三〇%引き上げるなどの地方財政措置を講じているところでございます。 また、公的病院等につきましても、公立病院における措置と同様に、小児・周産期医療の特別交付税措置の拡充や、不採算地区中核病院に対する特別交付税措置の基準額の引上げを行うこととしております。 今後とも、公立病院や公的病院等の状況を踏まえつつ、持続可能な地域医療提供体制を確保するため、関係省庁と連携し、必要な措置を講じてまいります。
○自見はなこ君 是非、こういった病院の生の声をしっかりと聞いていただいて、必要な措置がされるように引き続き総務省の皆様にもお願いいたしたいと思いますし、上野大臣は総務省の出身でもあられますので、是非、こういった本当にへき地のところの医療を支えている方々についても特段の御配慮を、総務省と厚労省と併せてお願いを申し上げたいと思います。 次に、津島内閣府副大臣に質問させていただきます。 今日は、厚労委員会までお越しいただきまして、本当にありがとうございます。津島副大臣は青森の御出身でございますけれども、常に持続可能な地域の医療提供体制、いつも教えていただいておりますことにも感謝申し上げます。 医師養成の過程から医師偏在是正を求める議員連盟というものを自民党でさせていただいております。もうかれこれ九年近くになりますが、ここで一緒に活動させていただいておりまして、医学部のCBTの公的化、あるいはスチューデントドクターといったものは、津島先生なしには実現しなかったものでありまして、心から感謝を申し上げたいと思います。 さて、担当副大臣としてでありますが、資料の三を御覧いただきたいと思います。 本年の六月からの診療報酬改定におきまして、新たに産科管理加算が新設をされました。出産という医療の枠組みの中に産前産後ケアの連続性が評価される初めての画期的な、これ母子保健が入ったという意味で初めての画期的な診療報酬でありますが、ただ、都道府県行政から見ると、医療と母子保健が部局が違うことが多うございまして、国でも厚生労働省とこども家庭庁と、部局、省庁自体が違います。 産後ケアもようやく、都道府県の役割を明記する法改正、既に行っていただきましたので、これで都道府県が策定する地域医療計画と、これでようやく整合性が取れるというところまで来ました。妊娠、産前ケア、産前として生まれる前のケア、出産、そして産後ケア、これ切れ目がないということが非常に重要です。 今後、こども家庭庁と厚労省でいろんな通知を出されると思いますが、連名で出すなど一体的な取組が望まれます。助産師への活躍の期待も併せて是非御決意をお伺いできればと思います。
○副大臣(津島淳君) 自見はなこ先生には過分なお言葉をいただいて、大変面映ゆい思いでこの場に今立っております。引き続き、今の立場の中でできることをしっかり取り組んでいきたいと思っております。 青森県のこともお触れをいただきました。若干お話をさせていただければ、小児科医が不足をしていること、また地理的、気候条件、こうしたことから小児医療にアクセスが難しい、そういった課題があるとも認識をしてございます。これは、青森県に限らず、日本の地方において大きな課題でもある、そのようにも認識をしております。 そういった御指摘いただいた中で、こども家庭庁としては、妊産婦の方々が住み慣れた地域において、助産師を含めた専門職等による切れ目のないケアを受け、小児医療の提供体制を含めて、安心して妊娠、出産や子育てができる体制を整備していくことが大変重要であると考えてございます。 そのために、市町村や都道府県の母子保健担当部局と都道府県の医療政策担当部局が連携し、助産師を含めた専門職等を活用しながら、妊婦健診を行う産科医療機関、周産期医療センター等の分娩取扱施設、そして産後ケア施設、以上三つ、三か所について、三施設について、地域の体制を整備しつつ、妊産婦の方々を支援していくことが重要と考えてございます。 そこで、本年四月に、市町村や都道府県の母子保健部局に対し、市町村が実施する母子保健事業の提供体制と都道府県の周産期医療の提供体制との連携や地域の実情に応じた切れ目のない支援体制の構築について、関係部局、関係機関と密に連携していただくよう、厚生労働省と連携して事務連絡を発出したところでございます。 また、妊産婦の方々が妊婦健診や分娩、産後ケアなどのため遠方の施設に通う場合の交通費を支援してございます。 引き続き、厚生労働省とうまく連携をしながら、市町村、都道府県の母子保健担当部局と都道府県の医療政策担当部局との連携について周知や働きかけを行ってまいります。 以上です。
○自見はなこ君 ありがとうございます。本当に感謝をしております。 資料の七と八も併せて御覧ください。 津島先生、副大臣の御答弁にもありました青森でございますが、小児科の開業医として小児科医会に登録していらっしゃる方は三十三名です。青森県内で開業している医療機関の数字とほとんど同じです。それぐらいの少なさだってことは理解をした方がいいと思いますし、それから、資料八は、これは日本産婦人科医会からいただいた会員数で、青森は正会員数七十二名です。もちろん一つの医療機関に何人か会員の先生働いておりますので、実際の医療機関という意味ではもっと少ないということであります。 その中で、産後ケアがきちんと入っていって支えていく。妊産婦さんは、基本的に当事者は一人でありますから、あるいは赤ちゃん入れて二人でありますから、この体制をしっかりと両省庁合わせてやっていただくということが大変重要だということであります。感謝を、御答弁に感謝申し上げます。 その流れの中で申し上げますが、次の質問でございます。 いかに少子化におけるこの小児提供体制と周産期医療提供体制を今後支えていくのかということでありますが、御承知のように、保育は一歩先に進んでいます。今回、こども家庭庁では、過疎地の小規模な施設に向けまして特別地域保育体制確保対応加算というものが創設されたんですね。これはすばらしいことでありまして、ほかの省庁よりも全くもって異次元の、ある意味飛び出した形になっています。 もう一方で、資料の六を御覧いただきたいと思います。 厚労省は今まで、累次とは言いませんが、全く今まで何もしてこなかったのか。それぞれ頑張ってはくださっていますが、今回の診療報酬改定見ても、診療所に対しての割合というものは正直横ばいであります。大学病院や救急をやってくださっている病院については大変手厚い。ただ、診療所横ばいですよね。 その中で、過去ですけれども、コロナ禍においては子供たちの患者が急激に減ったということがございましたので、未就学児について、臨時特例として一定期間、一年半でありますけれども、初再診で百点の上乗せを行ったんです。そうしましたら、小児科の開業医というだけではなくて、耳鼻科の先生や皮膚科の先生など、子供を診ている、あるいは産婦人科の先生で子供を一緒にちょっと診ましたみたいなですね、子供を診た方に対して上乗せを一定期間やったんです。大体九十億円の規模でありました。これ、御覧いただきますとなるほどと思われるかもしれないんですが、もう出来高払が限界を超えています。さっき申し上げた日高についてもそうでありますし、子供の数が今年減れば来年から外来の患者減りますので、もう相当シビアです。 私も、連休前に小児科の先生方とヒアリングしたときに、本当に自分自身のこの在り方を相当反省いたしましたけれども、もう学校医に行けないと言われました。午前中の外来、自分が休んで学校医に行くと、その分診る子供の数、頭数、頭数が減るので、数十万の売上げを蹴って行くことになるんだけど、今までは頑張っていましたと。だけど、もうこれでは、学校医の診療、学校医の報酬は大変少ないので、これはもう無理だということで、小児科医だけど、背に腹は代えられなくて、もう学校医に行けなくなりつつある。これ、ちなみに東京の市ですからね、青森とかじゃないですから。東京の二十三区以外の市、自治体の小児科の先生から言われたわけであります。ちょっとしんどいなと思っています。予防接種も含めて、今、こども家庭庁と、それから厚労省合わせて、予防接種のデジタル化、あるいは母子手帳も含めた乳幼児健診のデジタル化、あるいは学校健診のデジタル化等々いろんな業務を新たにお願いしようとしているんですが、そもそも小児科開業医がもういなくなってしまうんじゃないかというぐらいの局面です。 そこで、大臣にお尋ねしたいんですが、その恒久的な財源の措置というのをそろそろ考えませんかということです。 その際、ちょっと資料の四と五を御覧いただきたいと思います。 この資料の四と五は、石破政権のときの政府の骨太方針であります。これは、小児科の学会等医会から、申し訳ないんですけど、大変な御批判もいただきました。去年の骨太で有り難かったのは、物価、賃金上昇に対して財政フレームを見直して上乗せしていただいた、これ本当有り難かったんでありまして、それも三十年ぶりの大改定につながったんではありますが、ここに、小児科のところに何て書いてあるかというと、医療機関の集約化、重点化って書いてあるんですよ。 私は昨日、本会議で質問させていただきましたけれども、外来は集約化になじまないという話をさんざんさせていただいたんですね。学校医の役割を担っている公衆衛生活動もできないんじゃないかということまで併せて申し上げたわけであります。 あわせて、去年の、資料五を御覧ください。骨太には地方創生の文脈で何て書いてあるかというと、子供、子育て云々というところは、国の役割をちゃんと明記しています、国の役割と書いています。そして、ナショナルスタンダードの観点も踏まえて、全国的な支援の在り方も財源を含めて検討するというふうに書かせていただいているんです。これ地方創生パートできちんと入れて、閣議決定していただいています。 その上で、実は、昨日の総理の御答弁の中では、小児のところですね、これ、出産の現物給付化のところについての答弁の後に何とお答えになったかというと、地域に不可欠な小児医療の拠点となる機能を持つ病院への支援で、次のことに入りました。私の言わんとすることはもうよくお分かりだと思いますけれども、これ小児科学会からもあるいは医会からも、去年からの地域医療計画の中の構想会議の中でも懸念が示されて、ホームページにも議事録にも載っております。 改めて大臣にお伺いしますけれども、昨日の総理の答弁の補足をちょっとしていただきたいと思っておりまして、外来も入っていますよねと、財政支援の対象に。ここは明確に確認を併せてさせていただきたいと思います。 御答弁お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 昨日、総理の答弁におきましては、補正予算の関する説明の中で、小児の外来医療を支えるためにも、地域に不可欠な小児医療の拠点となる機能を持つ病院に対して体制整備に係る費用を支援をしているという、まあ一つの例示としてお話をされたものと承知をしております。もちろん、医療提供体制の確保、子供を産み育てるための様々な施策、そうしたものにつきましては、当然、病院のみならず診療所の役割というのは非常に大きいというふうに考えております。 これから人口減少の中で、地域を支えていただいております診療所を始めとする多くの皆さんのそうした御意向であったり、あるいは現状であったり、そうしたものはしっかり見て、どういった対策が必要かということは考えることが重要だと考えています。
○自見はなこ君 補正予算とおっしゃったんですが、それでよかったでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 昨年度の補正予算のことだと承知をしています。
○自見はなこ君 もう一度整理を一旦していただきたいと思います。 私、去年の補正予算の話は質問で聞いておりません、総理には。ですので、ちょっと擦れ違っておりますので、改めて整理をして、役所から説明を別の機会に求めたいと思っております。 いずれにしても、入院だけじゃない、外来が非常に重要だということの御理解を上野大臣はいただいていると今認識はいたしましたけれども、私が質問した趣旨をいま一度御理解いただきたいというふうに思っております。 非常に重要なところでありまして、もう来年、再来年から小児科の外来が立ち行かなくなるかもしれないと、そういう切迫感の中で私はここに立たせていただいておりますから、是非、その切迫感を、緊急的な措置、それから恒久財源が必要な措置ということで程度を分けて、と同時に、浦河日赤のような地域についてはまた別建ての対応が必要だと、こういう大きく三つの分類をしていただいた上で御対応いただきたいと思っております。 大変申し訳ありません。時間がなくなりましたので、上野大臣にもう一問用意をしておりましたものにつきましては、私からは言うにとどめたいと思ってございますけれども、是非、学校健診についても、今後、学校医の先生方、高齢化しております、そして六月までにやらなきゃいけないという中で、六月までの間、集中的に外来を休んで、開けていくということが本当困難になっておりますから、文部科学省と連携していただいて、六月までという時期については早期に撤廃といいますか、延長をしていただきたい。六月という時期にこだわらず、例えば十月までにやるんだったらもう少し外来を休むこま数を調整できるとかありますので、そこはやっていただきたいと思いますし、また、家族性高コレステロール血症などの非常に重要な疾病予防、攻めの予防医療というものもやっていただきたいと思っておりますので、ここについて、将来のPMHというところも併せて、済みません、あと二十秒ありますので、厚労大臣に一言決意だけ伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 学校健診の関係を始めとして、御指摘いただいた関係につきましては、国民の生涯を通じた健康を支援していくことにつながると考えておりますので、文部科学省を始め関係省庁ともしっかり連携をして取り組んでいきたいと考えています。
○自見はなこ君 ありがとうございました。終わります。引き続きよろしくお願いいたします。
○小西洋之君 立憲民主・無所属の小西洋之でございます。 法案について質問をさせていただきます。 昨日、代表質問の機会をいただいて高市総理に質問させていただいたんですが、多分、高市総理がなるべく答弁を短くしろというふうに官僚の皆さんに言ったんだと思うんですけど、私の質問がちゃんと答えていただけないところがあってですね。 というのは、今回の百十五条の高療費の見直しのところですね。その見直しに当たって、大臣が三月の二十四日、所信表明の中で立派な答弁いただいて、高療費は国民皆保険制度の中核制度であるという立派な答弁をですね、初めての答弁いただいたんですが、そういう考え方、また、高市総理、四月には憲法二十五条の生存権の趣旨に適合しなければいけないという答弁も高市総理自らなされていますが、そういう考え方に基づいて昨年の見直しがなされて、また、そういう認識に基づいてこの条文が作られて、政府として今後の不断の検討に向かおうとされているのかという質問をしたんですが、高市総理はそこをすっ飛ばしましたので、そこのところから質問をさせていただきたいと思います。 まず根本的なところから行きたいと思うんですけれども、厚労大臣に伺いますが、国民皆保険制度の目的と意義、必要性などについて、どういう政府として認識にあるのか、それを説明していただくとともに、国民皆保険制度と憲法二十五条の関係について、大臣の認識、政府の認識をお願いいたします。質問の八番ですね、八番からです。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我が国の医療保険制度、これ全ての国民が一定の負担で保障を受けられるようにすることで、誰もが直面をし得る傷病等のリスクを国民全体で分かち合うことを目的とするものであるというふうに考えています。 我が国は、国民皆保険の下で広く国民に医療へのアクセスを保障する、このことを通じまして、世界最高レベルの平均寿命、また保健医療水準を実現をしてきております。今後もこの国民皆保険制度を堅持をする必要があろうかというふうに考えています。 その上で、憲法二十五条の生存権保障の趣旨に適合しなければならないものだと考えておりますが、いずれにいたしましても、将来にわたって国民が安心をして医療を受けられる基盤を堅持をしていきたいと考えています。
○小西洋之君 今おっしゃった、大臣がおっしゃられたのは、誰もが人生において直面するこの疾病などのリスクについて、国民全体でそのリスクを分かち合う制度だということなんですけれども、なぜそういう制度をつくることが大臣がおっしゃった憲法二十五条の生存権の趣旨に適合するんでしょうか。 疾病というのは、我々一人一人の国民において、人生においてどういう意味を持つのか、かつ、それを、そのリスクをみんなで分かち合うということが、なぜ憲法二十五条の生存権の趣旨に適合する、というか、逆に言うと、憲法二十五条の生存権の趣旨はそういう制度であることを要請しているんだと思うんですけど、そこのところについて、大臣のお考え、あるいは、ちょっと深掘りになるので政府参考人で、補佐でも結構なんですけれども、お願いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 この医療保障そのものは、国民皆保険を基盤として、最終的には生活保護も含めて、あるいはその他税制なんかを含めた社会保障、あるいはその国の制度全体で憲法の二十五条の生存権の保障を実現していくということだろうと思います。その中で、国民皆保険につきましては、基本的には国民の皆様それぞれが御加入いただく中で、全ての国民が一定の負担で保障を受けられるようにすると先ほど大臣からお答えいたしましたけれども、そのことで、そのリスクを国民全体で分かち合って、生活、その、何というんでしょうか、つらい局面に当たったときにも生活していける、前を向いて生活していけるというようなことを目的としているということでございますので、国民皆保険と二十五条に関しましては、ただいま申し上げたとおり、その全体の制度の中のかなりコアの部分の仕組みとしてこれは機能すべきものなんだろうというふうに考えているところでございます。
○小西洋之君 ちょっと政府参考人に聞きます。 昨日は私も本会議の壇上で、私の父親も脳卒中で二十一年余り寝たきりだったんですけれども、誰もがそうした重い病気や事故も含めなるリスクがあると。で、一旦そういうことになってしまうと、かけがえのない個人としての尊厳が大きく犠牲になるわけですよね、侵害、脅かされ、犠牲になってしまう。そうした個人の尊厳というものを救うには、医療ってお金が掛かりますから、あるいはその医療の提供体制をつくるというのにも莫大な財源やいろんな社会資源が掛かりますから、そういう疾病などから、個人の尊厳を著しく傷つける疾病などから国民の尊厳を守り抜くと。そのことについて、日本は、憲法二十五条の生存権です、健康で文化的な最低限度の生活、すなわち人生が送れるようにそれを保障するということが書いてあって、そういう考え方の下に国民皆保険制度があるんだと思うんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 先ほども申し上げましたとおり、憲法二十五条の保障は、様々な社会保障制度、国民皆保険を始めとする様々な社会保障制度全体で支えていくべきものだと思います。 その意味では、今委員御指摘もありましたけど、憲法二十五条にある全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するという、それは言わば、委員の御指摘のように、その尊厳を守るということでもあろうかと思いますが、その実現に寄与する大きな重要な制度だというふうに考えています。
○小西洋之君 ちょっとこの筆頭理事になってこの委員会に戻ってきて一発目の質問で、厚生労働省の皆さんの日本国憲法にもおける使命って何ですかという答弁を、質問させていただいて、官房長から、今おっしゃられた十三条と二十五条、個人の尊厳尊重と生存権、それを守るために頑張るのが厚労省職員の使命ですという格調高い答弁をいただいておるんですけれども。 なので、この国民皆保険制度と憲法二十五条、今政府参考人も答弁していただきましたけれども、憲法二十五条というのは十三条とともに日本国民のかけがえのないこの人格的な価値、また人生における幸福追求というものを守るためのものが、制度が憲法二十五条の生存権であり、それを具現化したのが国民皆保険制度だと思うんですよね。 じゃ、それで、問いの九番に行かせていただきますけれども、質問なんですが、大臣に伺いますが、高額療養費制度が国民皆保険制度の中核制度という答弁をいただいているんですが、なぜ中核制度だというふうに考えるのか、その理由を答弁ください。また、中核制度という認識を有すると有しないのでは行政の在り方として何がどう変わるというふうにお考えなのか、大臣の認識をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高額療養費制度は、家計に対する医療費の自己負担、これが過重なものとならないように自己負担額に上限を設ける制度でございますから、患者の皆さんにとりましては重要なセーフティーネットであり、医療保険の中の重要な仕組みの一つであると認識をしておりまして、そういった意味で中核制度というような表現も取り得るのかなというふうに考えております。 今回の見直しに当たりましては、患者団体の方を始め、保険者、労使、医療関係者など、この制度を支える多くの関係者に御参画をいただいて丁寧な議論を積み重ねてまいりました。 このように、社会保障審議会の下に専門委員会を設置をして、医療保険制度全体との関係、これを意識をして、専門委員会の議論、また医療保険部会の議論、相互に報告をし、全体感を持った議論を重ねてきた結果が今回の見直しでありますが、こうしたプロセスそのこと自体もこの医療保険の中で重要な仕組みの一つであるからこそ、こうしたプロセスを取って丁寧な過程で検討を深めてきたものでございます。
○小西洋之君 今の大臣の答弁は、家計の自己負担という、家計における医療費のこの自己負担というのをやっぱり抑えなきゃいけないであろうと、まあそういう意味でセーフティーネットということなんですが、さっきのこの個人の尊厳というような文脈でそれを考えると、じゃ、何でそれだけ医療費が掛かっているかというと、やっぱりそれだけ重い疾病であったり、あるいは長期間のこの治療を必要な疾病であるということなので、それだけ個人の尊厳の中核である生命の危険が大きい。あるいは、長期の治療になれば、それだけいろんな負担という意味でも、人格的な価値、尊厳について重い負担になるということなんだと思うんですね。 単にお金が掛かるから、何かそれを、負担を下げなきゃいけないじゃなくて、何でお金による負担を下げなきゃいけないのかというところの考え方があると思うんですが、ちょっと政府参考人、今私が言った文脈で、高額療養費が国民皆保険制度の中核制度であるというのは私が言ったような認識も当然に含まれていると考えるんですが、どうですかね。
○政府参考人(間隆一郎君) この国民、社会連帯の仕組みであるその社会保険におきましては、今委員がおっしゃられたようなものを実現していくために、やはりこの制度に参加される多くの方々の御理解、御協力をいただきながらやっていくことが必要なんだろうというふうに思っています。 その中で、今そういう、何というんでしょうか、医療だけじゃなくて介護なんかもそうなんですけれども、その人の生活、尊厳を大事にするという視点は非常に重要だというふうに思っています。 ただ、そこには、その一定の、それを大事にしつつそれを支えるリソースをどういうふうにしていくのかということについては、現実的に見るとなかなか様々難しい課題があるわけですけれども、それを一つずつ向き合って、関係者の協力、理解、あるいは協議も経ながら解決をしていくという姿勢が非常に重要なんじゃないかというふうに考えています。
○小西洋之君 局長はこの中核制度という答弁を呼び水としてなされた方なんで、もうちょっと頑張った答弁してほしいと思うんですけど。 もうちょっと、じゃ、厳しく踏み込んでやりますけれども、そういう認識は全然今回の高療費の検討においてはできていないと思うんですね。 一例を挙げると、政府が高額療養費のこの負担を上げなきゃいけないという理由で使っているのが、高額療養費と一般の国民医療費のこの伸びの比較というのをよくおっしゃられているんですが、この国会でもよく言っていますけど、手元に資料があるんですけど、二〇一五年から二〇二二年の間に、高額療養費は、二〇一五年を一〇〇とすると一一九%、伸びていると、一九%伸びていると。国民医療費というのは一一〇%であって、一〇%であると。一九%と一〇%で二倍の伸びになっているというんですが、これ、三党の合同部会でも私これインチキの説明じゃないかというふうに指摘したんですけれども、国民医療費の方は、二〇一九年から二〇二二年のコロナの影響でがくっと下がっているわけですよ、がくっと下がっている、国民の一般の医療費の方は。その後の伸びは、実は高額療養費と国民医療費の伸びって平行で、伸びの角度は、上昇の角度は同じなんですよね。 ところが、一般の国民医療費はコロナでがくっと下がっているんだけど、高額療養費というのはほぼ横ばいなんですよ、下がっていないんですよ。これが意味するところは、高額療養費で受けている医療というのは、先ほど私からずっと言っているように、国民にとって命そのものに関わるような重要な医療であったり、国民にとって生活や人生そのものについて重い負担を課すような、長期にわたるようなやめられない医療ということであるんだと思うんですね。 そういう証拠としてこの資料を使うべきであるのに、いやいや、高額療養費は倍に伸びて、国民医療費はその半分ですから、高額療養費の伸びがひどいから高額療養費を削らなければいけないというのは、憲法二十五条の生存権に基づく国民皆保険制度の趣旨及びその中核制度である高療費制度の趣旨の本質を厚労省が残念ながら認識できていない議論をこの間やっているという証拠以外の何物でもないと思うんですが、大臣の見解、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに委員が先ほど来御指摘をいただいているとおりなんですが、私どもやはり、これを、長期的な療養者の方を始め、セーフティーネット機能の非常に重要な仕組みだというふうに考えておりますので、そういった意味では、先ほど委員がいみじくもおっしゃったように、長期療養者なり、そうした皆さんの負担に十分配慮をすることで、この制度自体を持続可能なものとしてしていくことが大事だというふうに考えています。
○小西洋之君 大臣、今何か、先ほど委員がおっしゃっている御認識のとおりというふうに言ってくださったんですが、さっきから私が申し上げた国民皆保険制度の趣旨ですとか、憲法二十五条の生存権との関係ですとか、高額療養費が国民皆保険制度の中核制度であることという考えですとか、ちょっと私の考えを申し上げたんですけれども、大臣から見ても、なるほどなと、そうではないかと思えるようなことを私が言っていたというような認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 済みません、大変恐縮ですが、その直前におっしゃった医療費の伸び云々のところはちょっと考え方が違うかもしれませんけれども、最初に概念的なお話をされたところは、確かに委員のおっしゃるということもあろうかなというふうには感じています。
○小西洋之君 昨日の本会議の壇上の高市総理の私をにらみつけるようなあれに比べると、本当、上野大臣のそうした姿勢については大変私も共感、大臣、ですから、厚労省の皆さんと私も話していて感じたんですが、厚労省の皆さんも本当はもっといい高額療養費の制度つくりたかったんだと思うんですね。ところが、もろもろの制約の下でそうしたことができなかったんじゃないかと思うんですが。 ちょっとその問いの七番を、まさにその質問なんですけれども、今申し上げた厚労省の本心としては、高療費の見直しについて、年額上限の所得区分や、あるいは月額上限の維持したり新しく導入したりとかされているんですが、やっぱりその在り方そのものを含め、もう少しいい制度に、きめ細やかな制度にしたかったんじゃないかというふうに考えるんですが、やっぱりそれができなかった理由というのはどういうものがあるでしょうか。これは、この財源の問題とか常識的に考えてあるところはあると思うので、厚労省としては与えられた条件の下で、内閣の中の与えられた条件の下でやるだけやったということなんでしょうけれども、いろんな課題があるから衆議院の附帯決議もあるんだと思うんですけれども、大臣として、なぜ現行のような見直しになったか、それについてお考えをお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 厚労省として、議論を開始する前から何らかの制度設計を具体に念頭に置いて議論を進めてきたわけではありません。当事者の皆さん、当事者の方々を始め、多くの関係者の皆さんの御意見を積み重ねて基本的な考え方で合意した上で制度設計をさせていただいているところであります。 そうした議論の中で、やはり多数回該当の維持であったり年間上限額の新設であったり、そうしたこともとりわけ患者団体の皆さんからの御意見が大変強うございましたので、そうしたものを踏まえて制度設計をさせていただきました。 もちろん、全体としては委員がおっしゃったように財政的な面からの検討というのもあったかとは思いますけれども、考え方自体はそうした多くの皆さんの議論の積み重ねだと私としては認識をしています。
○小西洋之君 ちょっと、じゃ、まとめてまた議論させていただきますが、個別の問題について質問させていただきたいというふうに思います。 今回の見直しなんですけれども、さっき申し上げた憲法二十五条の生存権の趣旨を守る上ではなかなかそうなってないんじゃないかと思われるところがあるんですが、一つの例で年額上限の制度なんですが、問いの一番なんですけど、年額上限の制度ですね。所得区分、これは従来のものを引き継いだということなんですが、二百六十万円から三百七十万円の年額上限は五十三万円なんですね。ずうっと上の区分に行って六百五十万円から七百七十万円、七百七十万円を上限としてやはり五十三万円なんですね。そうすると、さらに、その下ですね、二百万円から二百六十万円も五十三万円なので、年収二百万円の人と年収七百七十万円の人の年額上限が同じ五十三万円というのはやはり制度としてはきめ細やかさに欠ける。 厳しい批判をすれば、やっぱり憲法二十五条を考える上ではちょっとずさんな制度になってしまっているのではないかというふうに考えますけれども、大臣の認識いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の見直しにつきましては、専門委員会での議論を踏まえまして、一つは、月額上限額につきましては応能負担の考え方等に基づきまして所得区分を細分化をしております。一方で、長期療養者のセーフティーネット機能の強化という観点からは、先ほど申しました多数回該当や年間上限等によりまして負担額が現行よりも増加をしないよう、所得区分を細分化をしておりません。また、年収二百万未満の課税世帯の方の多数回該当の金額を引き下げることにもしておりますが、年間上限について今委員から御指摘がありました。これは既存の制度を起点にして、繰り返しになりますが、長期療養者の方の負担額を現行より増加をさせない、そうした観点から制度設計をさせていただいたところでございますので、そうした趣旨につきまして御理解をいただければと思います。
○小西洋之君 ただ、現行より増加、負担を増加させないというふうに今おっしゃいましたけれども、現行でも受診を断念したりあるいは生活困窮に陥っている例があるというのは、衆参のこの審議の中で参考人の患者当事者の方々、あるいは学者の方々などからも、社会的にもそうした指摘があるところなんですが。 問いの二番なんですけれども、大臣として、年額上限五十三万円について、年収二百万円の方、あるいは三百万円、あるいは四百万円でも相当きついと思うんですけれども、こういう患者の皆さんに受診断念やあるいは生活困窮が生じないというふうに考えるでしょうか。あるいは、いや、さすがに厳しいことも生じるんじゃないかというふうに考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の見直しにおきましては、患者お一人お一人が置かれた状況が様々であるという前提に基づいて、専門委員会におきましては、延べ二十を超える様々な事例、あるいは家計の収支状況に関する資料などをお示しをして、様々な角度からの議論を重ねた上で決定をさせていただきました。 繰り返しになりますが、多数回該当や年間上限の新設などによりまして、長期療養の方の負担額が現行よりも増加しないような、そうした新たな仕組みも設けているところであります。また、年収二百万円未満の課税世帯の方につきましては、多数回該当の金額を引き下げております。そうしたことから、必要な受診が抑制をされるということは想定をしておりません。
○小西洋之君 いや、受診抑制って生じないんですかね。これ、私も今ちょっと苦笑いで申し上げたんですが、これは生じるんだと思うんですね。それは見直しの前からやっぱり生じていて、そういう意味で、我々、我が国の国民皆保険制度に大きな課題があったということなんだと思うんですけれども。 ちょっと、問いの三番、大臣に伺いますけれども、さっき言った国民皆保険制度の趣旨、憲法二十五条との関係にも関わる問題、質問なんですけれども、年収二百万円の人と三百万円の人と四百万円の人と、あと七百七十万円の人が同じ年額上限、五十三万円なんですよね。 こういう制度の在り方が、誰もが直面する疾病や事故のリスクから、自分の力では守ることができない命や尊厳を守り抜き、あるいは家族を守り抜くための公的医療保険制度であるんですけれども、こうした年収二百万円の人と七百七十万円の人が同じ年額上限であるというのが、今申し上げたこの国民皆保険制度の趣旨ですね、考え方は大臣の言葉も引用しましたけれども、それにかなうようなものになっているというふうにお考えでしょうか。大臣の認識をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになって恐縮でございますが、現在、もう委員よく御案内のとおりでございますが、現在の制度を起点としてこの制度設計を考えております。したがいまして、月額上限に関しましては、応能負担の観点からこれは細分化を行う。その一方で、新たに創設をする年間上限につきましては、今よりも負担額が増加をしないように所得区分をそのままにするという考え方で今回改正を進めてまいりました。 もちろん、委員御指摘の点は我々も十分認識をしておりますが、あくまでこれまでの制度を起点として、長期療養者の皆様に更なる負担をお掛けをしない、そういった観点から制度設計をさせていただいているところであります。
○小西洋之君 現在の制度を起点としてと言っていたんですけれども、現在の制度の延長で考えるんだったら、新しい上野大臣要らなくなっちゃうんで、前の大臣でいいことになっちゃいますから、上野大臣は衆議院の筆頭理事としてこの高療費の問題について昨年の国会で参議院の予算修正を受けて活躍をされた方であられるので、今回の法案審議の中でまたこれを契機として制度の抜本見直しを上野大臣の手でやっていただきたいと思うんですが、ちょっと今の同じ観点で質問で、今度政府参考人の方に聞きますけれども、この年額上限です。 今回新しく導入した制度で、厚労省も限られた制約の中で頑張ってこういう制度をつくって導入されたこと自体は私も評価させていただきたいと思うんですが、いかんせん厚労省も手足が縛られて財源も限られる中、もうやむを得ずつくった制度だと思うんですが、政府参考人に伺いますが、この年額上限、今、五十三万円、七百七十万円のところは五十三万円なんですが、そこから上の所得区分に行くと百十万円に、百十一万円に、約倍に跳ね上がるんですね。 そうすると、まあ制度設計そうなっちゃうんでしょうけど、例えば、年収七百五十万円の人は年額上限五十三万円で、年収八百万円の人は年額上限百十一万円になるんだというふうに思うんですが、やっぱり五十万円一気に跳ね返るという、跳ね上がるというのは結構なもので、やっぱり厚労省としてももう少し細かいグラデーションの利いた制度をつくりたいというふうに思っていたとは思うんですが、今言ったように、年収で五十万円ぐらいしかもう違わないような幅で、やっぱり五十万どんと上がるようなことがこれも起きちゃうんだと思うんですが、そういう意味では、制度として、厚労省としてもなかなかつらいものがあったと。制度としてもちょっとやっぱりこういう粗めの、荒っぽい、荒っぽいというか、まあ粗い目の制度になってしまったという、そういう認識ありますでしょうか、政府参考人。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 去年のですね、昨年の予算案での審議のときの議論を思い返しますと、昨年の案は、月額上限について、今まさにその大ぐくりな所得区分であるがゆえにだんとこう上がるところがあると。今委員が御指摘になられた七百七十万超えたところなんかもそうだったわけですけれども、そこについてもっと所得細分化して階段をつくっていって、まあリニアとまでは言いませんけれども、ある程度そのなだらか、なだらかというか、リニアに上がっていくような、そういう仕組みを御提案しましたところ、大変厳しい御指摘もいただいたわけでございます。 そういった議論も踏まえての今回の議論につきましては、この年間上限の金額の設定に関しては、長期療養者の方の負担額が現行よりも増加しないよう、昨年の議論におきましても、特に多数回該当についてこれ大事だよねというような御指摘が非常に重点的にあったかと思います。こうしたことを踏まえて、現行の所得区分を前提とした制度設計をした上で、長期療養者の負担に配慮すべきという専門委員会における議論を踏まえたものでございます。その上で、今委員御指摘になられましたように、制度設計のつくり方については、専門委員会におきましても、この所得区分の在り方については今後の課題だというような指摘もいただいてございます。 いずれにしても、高額療養費に限った話ではありませんけれども、この社会経済情勢も変化してございます。全世代型社会保障の構築という観点からは、医療保険制度全体についても、その在り方について不断の検証が必要だという点は専門委員会の中でも認識をされたところでございます。 ただいまの御指摘の点につきましては、この応能負担をもう少しこう、こんなに段ができないようにした方がいいんじゃないかという御指摘も含めて、制度のあるべき姿については今後も研究を重ねていきたいというふうに思います。
○小西洋之君 ちょっと大臣に。 じゃ、今、やっぱりこの制度としては今後政令でつくられるんでしょうけれども、あっ、そうか、大事なことを聞かないといけないですね。ちょっとその政令について質問するんですが、問いの十一番なんですけれども、あっ、ごめんなさい、問いの十一番じゃなくて別の問いだと思うんですが、この高療費の見直しは政令で措置されるわけなんですけれども、その政令の射程なんですが、今年の八月から、今、この高療費の見直しでこれ二段階にやることになっていますけれども、今年の八月から施行する部分と令和九年の、来年の八月から施行する部分があるんですが、それを一つの政令でまとめて制度としてつくろうとしているのか、あるいは別の政令でやろうとしているのか、ちょっとその立法方針について、制度の設計方針について政府参考人にお願いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の高額療養費の見直しは、委員御指摘のように、令和八年八月実施分と令和八年九月と二段階でございますけれども、これは全体としてパッケージとして実施するものだというふうに政府としては考えてございます。 それの実際の政令改正のやり方については現在政府部内で調整中ということでございますが、そういうパッケージのものであるということを踏まえたものとして検討をしているということでございます。
○小西洋之君 パッケージというのを踏まえて検討するということは、令和九年八月の負担増の部分も一つの政令で、一つの政令というのは、今年の八月から新しい制度に、今、政府はしてと言っていますから、八月までに作られる政令の中で、来年、令和九年八月のものについても措置すると、そういうことを検討しているということでよろしいですか。
○政府参考人(間隆一郎君) 政令の具体的な形式につきましては、政府部内で現在検討中でございます。
○小西洋之君 私は、それは是非切り離して分けてやったらいいと思うんですね、大臣。先ほどから大臣も政府参考人も、高療費についてはある意味いろんな要素について抜本的な検討を行っていくというふうに言っているわけですから、一年間あるので、これはやっぱりちゃんと切り離して別々の政令でやられたらいいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、政令の作り方につきましては、これは法制的な観点も必要でございますので、法制局なり政府全体の中で形式等については議論していくことが必要だと考えております。 その上で、これは予算委員会での議論も含めまして、これまでこの問題に関しましては、私ども一貫して、令和八年度、そして令和九年度の見直しにつきまして御議論をいただいてまいりました。各委員の皆様もそれを前提に御発言をいただく方が多かったというふうに思っております。そういった意味で、私どもとしては、これをパッケージとしてお示しをさせていただき、そしてこれを実施をするようにしていきたいというふうに考えているところであります。
○小西洋之君 そこは非常に重要な問題だと思うので、是非切り離して、抜本改革というものをやるようにすべきだというふうに思います。 大臣に質問なんですが、今後そうした高療費の見直し、見直しって、去年の冬の見直しじゃなくて、ここから更に抜本的に見直していく、衆議院の附帯決議もありますけれども、そうした見直しなんですが、そうした見直しに当たっては、さっき大臣もお認めいただいた私の今日の質問なんですけれども、よろしいですか、国民皆保険制度の趣旨、また、その国民皆保険制度とこの憲法二十五条との関係性、また、それらを踏まえた高療費が国民皆保険制度の中核制度である趣旨、そういう私が申し上げたような考え方踏まえて、政府としてもそういう抜本的な高療費の検討をしていただくと、そういうような認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員からの問題意識、委員の問題意識というのはよく理解をさせていただきましたが、これから具体的に、将来的にですね、今回の見直しではなくて将来的に改正をする場合にどういう考え方に基づくかというのは、附帯決議でもお示しをいただきましたけれども、そうしたことについては、附帯決議もしっかり踏まえて検討はさせていただく必要があろうかというふうに考えています。
○小西洋之君 大臣固いので、政府参考人に言います。 政府参考人、今申し上げた、私の指摘した国民皆保険制度の趣旨や憲法二十五条との関係、あるいは何ゆえに高療費が中核制度であるのか、そうしたような私が申し上げた考え方も政府として参考にしながら制度の見直しを行っていただくということでよろしいですか。
○政府参考人(間隆一郎君) 予算の委嘱審査のときでしたでしょうか、委員から御指摘いただいて、高額療養費は中核の制度だと私お答えしたと思います。 こういった制度については、やはり多くの方の納得が得られるように、患者の方も含めてですけれども、医療関係者や有識者、あるいは支払側も含めてですね、多くの関係者の理解と納得を得ていく必要があるというふうには考えております。 そういった中で、こういった、憲法、あるいはその国民皆保険の趣旨というものを体現できるように努力をしていきたいというふうに考えております。
○小西洋之君 本当はちゃんと答弁を大臣と政府参考人に用意していただいた上で今の質問をしたかったんですが。 残りの時間で、この附帯決議のことなんですけど、衆議院の附帯決議、ある意味、政府にとっても、与党がこれお認めになったものですけれども、当然政府もこれを認めているというものなわけだと思うんですけどね、政治的にはですね。ちゃんとよく認めていただいたなと思います。 川村先生いらっしゃいますけど、実は、衆議院に出した法案ですね、我々三党、立憲と公明なんですけれども、我々もその立案に参加してというか、我々は結構頑張ってやっていたものでもあるんですが、その内容が、法案の内容がほとんど全て附帯決議の方に衆議院では入っているんですけれども、これは是非遵守して頑張っていただきたいと思うんですが、もう一つ重要なことがあって、大臣先ほど、世界に冠たる国民皆保険制度といったような趣旨をおっしゃられていたと思うんですが、私もそうだと思うんですよ。日本の国民皆保険制度、よくできたものだと思うんですが、ただ、事この高療費に当たるようなものについて見ると、諸外国に比べて結構日本のこの高療費の制度というのは厳しい。例えば、御存じだと思うんですけど、フランスだと、このがん治療だとかいうものになれば患者負担というのは何かゼロのぐらいになるようなものになるし、あとドイツです、ドイツだったと思うんですが、年収の二%まで、そういうがんなどの治療、医療費については負担を下げるというふうになっているんですね。 なので、大臣に質問なんですけれども、今後の見直しですね、将来的な見直しにおいては、こういう諸外国の制度についても、高療費に当たるような制度についてもちゃんと参照しながら見直しを行うという、そういう理解でよろしいでしょうか。もうこれははっきり答えてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 各国、これもう委員御案内のとおりですが、社会保障の制度というのは様々でありますし、その負担と給付の在り方についても様々でありますので、ある部分だけを取り出してそれでどうかという議論というのは、正直私はなかなか難しいというふうに考えています。
○小西洋之君 ちょっと今のはあれなんですが、憲法二十五条の生存権の主張を踏まえた高療費制度にしなきゃいけないという決意を改めて認識したということを申し上げて、質疑を終わらせていただきます。
○山内佳菜子君 立憲民主・無所属の山内佳菜子です。 本日は、出産無償化と高額療養費についてお伺いいたします。 資料一を御覧ください。今年三月の社会保障審議会医療保険部会で、出産の現物給付、いわゆる無償化が示された資料です。 ここで、上野大臣にお伺いいたします。改めて、今回の見直しの背景、現物給付のメリットをお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の出産に係る給付体系の見直しでありますが、出産費用が年々上昇する中で、妊婦に対する経済的な負担、これの軽減を図るものであります。 これまで出産費用は御案内のとおり自由価格でしたので、出産育児一時金の支給額を引き上げても、出産費用もそれに合わせて上昇してしまって負担軽減につながらないという課題がありました。 今回の改正によりまして、いわゆる正常分娩の部分については現物給付化をされ、妊婦に負担が生じない仕組みとなります。また、あわせて、全ての妊婦に定額の現金給付を支給をすることとしておりますので、これによりまして出産時に発生する様々な費用負担の軽減が図られると考えているところであります。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 実は、この医療保険部会の委員でもある日本産婦人科医会の石渡勇会長に、昨日、お電話でお話を伺わせていただきました。非常にお忙しい中、丁寧に御対応いただきました。ちょっとメッセージもいただきましたので、現在の周産期医療の環境を皆様とも共有したく、ちょっと読み上げさせていただきたいと思います。 我が国は、世界で最も安全で満足のいく周産期医療を国民に提供しています。妊産婦死亡率も周産期死亡率共に最も低い状況です。これは、一次施設である産科診療所と私的病院、そして二次施設である公的病院、総合病院、さらに、いかなるハイリスクも扱う三次施設、周産期母子医療センターの機能分担と密な連携が周産期医療圏ごとにできているからです。現在の分娩割合は、産科診療所が四七%、私的病院が二〇%、二次、三次合わせて三三%ほどを担っています。 そのような中、産婦人科医会が二〇二四年五月から六月にまとめた地域における産科診療施設の事業継続見込みに関する調査では、もし正常分娩の費用が保険適用となった場合、分娩中止又は内容によって中止と回答した産科診療所は、回答があった五百九十施設のうち四百一施設、つまり七割に上りました。二次医療圏は全国に三百三十五ありますが、既に産科診療所がない医療圏は八十四に上ります。その背景として、現在、出産育児一時金が五十万円支給されていますが、一次機関にはそれ以外に恒久的な公的な助成がなく、企業努力のみで運営をされているという現状があります。 昨今の物価高、人件費の高騰で病院経営は苦境に立たされ、多くの一次機関が分娩から撤退を余儀なくされています。地方で分娩機関のないいわゆるお産難民が続出し、国是とする少子化対策に逆行する現象が見られています。 この度、健康法等の一部改正が行われる予定となっておりますが、本会は強い危機感を持っています。このままでは、制度内容により中止を考えると回答した診療所が、分娩を中止する可能性がある医療圏、八十六医療圏を合わせると、半数以上の医療圏で産科診療所による分娩ができなくなりますというような非常に強い危機感をお示しいただきました。 大臣に今御懸念をお聞きいただきましたので、このような現場の懸念に対する大臣の見解についてお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の見直しによりまして正常分娩に相当する部分については現物給付化をされるわけでありますが、その水準が課題だというふうに考えています。 地域や施設にかかわらず、今回一律の基本単価とした上で、施設の体制、役割等を評価して加算を設けることとしておりますが、その際には、具体的な水準につきましては、加算措置の在り方も含めまして、保険料への影響あるいは分娩取扱施設の経営実態、こうしたものを十分踏まえつつ、関係者の御意見を丁寧にお伺いをしながら、施行までにしっかり検討していきたいと考えています。 また、その水準に関しましても、一旦決めたらその金額で固定というわけではなくて、施行後に各施設の経営実態、これも十分考慮をした上で、定期的に検証をし、必要に応じて見直しを進めていくこととしています。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 大臣のその御認識を更に深掘りをしていく質問をさせていただきます。 ちょっと基本的なデータも確認させてください。参考人に分娩を取り扱う産科医療機関数と全国的な傾向をお伺いいたします。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 分娩を取り扱う医療機関数は、一九九六年に三千九百九十一施設あったものが、二〇二三年には千七百六十六施設に減少をしております。分娩取扱施設が減少する中でも妊婦の方々が安心して分娩できる周産期医療体制を確保するということが重要であると考えておりまして、そのために都道府県においては、地域のニーズや実情を考慮しつつ、二次医療圏にとらわれることなく周産期医療、周産期母子医療センターを基幹とした医療機関機能の集約化、重点化を行うとともに、地域の分娩取扱施設や妊婦健診、産前産後を担う施設との適切な役割分担や連携を行うところの取組を進めておりまして、厚生労働省においても財政的支援を行っているところでございます。 こうした取組を通じて、都道府県や市町村とも連携しながら、地域で安心、安全に分娩できる周産期医療体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 今皆様のお手元の資料二のグラフのことについて御説明をいただいたので、また御覧いただけたらと思います。 さらに、資料三を御覧ください。 こちらは、先ほど御紹介させていただきました日本産婦人科医会が二〇二四年に行った調査です。正常分娩が保険適用となった場合、制度内容によっては分娩を中止する、又は中止する可能性があると回答した産科診療所が七割に上りましたというような内容になっています。 この日本地図なんですけれども、全国三百三十五の二次医療圏で分かれている状況ですが、黒色が既に産科診療所がない医療圏で八十四、赤色が全ての産科診療所が保険適用になった場合撤退の可能性があるというふうに回答した医療圏で八十六あります。それで合わせて百七十。つまり、半数以上の医療圏で産科診療所の消失、撤退の危機があるというふうに日本産婦人科医会さんとしては主張されているという状況でございます。 石渡会長のお言葉で、一回止めたら二度と戻らないというような非常に重いお言葉もいただいております。今回の出産費用の無償化はもちろん、妊産婦さんの負担軽減もすごく大切なことであり、その点については感謝を申し上げたいと思いますが、このことによって地方の分娩施設の撤退が加速したら本末転倒であるということで、また一緒にその点について考えさせていただきたいというふうに考えております。 そこで、大臣にお伺いいたします。 先ほども少し御説明をいただきましたが、例えば地域で数少ない分娩施設への加算ですとか、不採算地区病院指定の基準緩和などをすることによって地域の分娩施設を守るための支援を拡充する、若しくは給付水準をどのように今後考えていかれますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の給付体系の見直しは、先ほど申し上げましたが、妊婦の経済的負担の軽減、それと同時に、地域の周産期提供体制の確保、これの両立を図るということが大切でありますので、その意味では、先ほど来申し上げておりますとおり、この給付水準をどのような水準に設定をするかというのが重要だというふうに考えています。その給付水準の考え方は、先ほど少しお話をいたしましたけれども、全国一律で考えておりますが、必要に応じてそれも定期的には見直しを進めていくことになります。 加算のお話がありましたけれども、やはりその地域の周産期提供体制の確保という意味では、医療保険制度という観点だけで考えるのではなくて、供給体制の面も含めて、より大きなといいますか、より広い視点で考えていくことが必要だというふうに考えております。 供給体制の面では、各地域が抱える様々な課題に対応するために、現在におきましても、地域の周産期提供体制の整備や分娩機能、分娩取扱機能の維持のための支援なども行っているところでありますが、今後とも、自治体ともしっかり連携をして、地域の実情に応じて安心、安全に出産できる環境を整えていきたいと、それが地域の周産期提供体制を確保することだというふうに考えています。
○山内佳菜子君 また資料一に少し戻りまして、大臣から今お話があっています給付水準のことでちょっとお伺いしていきたいと思います。 一回の分娩当たりの基本単価については、いつ誰がどのような根拠で設定をするのでしょうか。また、現在、物価高や人件費の高騰、非常に厳しい状況でありますが、そのようなことを反映する仕組みも必要だと思います。どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 正常分娩の給付水準や加算措置の在り方については、保険料への影響を考慮しながら、分娩施設の経営実態等も踏まえ、最終的には中医協、中央社会保険医療協議会に諮問した上で決定することとなります。 この水準をどのように設定するかが一番のポイントなわけですけれども、水準の検討に当たっては、単に平均費用でということではなくて、施設の機能別、地域別、診療報酬の算定の有無など、できる限りきめ細かく費用構造などを分析、把握した上で、各団体に御協力いただきながら丁寧に検討していく必要があるというふうに考えています。 それから、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、この施行後におきましても、各施設の経営実態等を考慮しつつ定期的に検証し、必要に応じて見直しを図っていく考えでございます。 今回の法案におきましても、そういったことについて関係機関に御協力いただくような、そういう規定、報告を求めるような規定も入れさせていただいておりまして、そういうデータに基づいて考えていきたいということでございます。 具体的な給付水準をお示しする時期については現時点でいつとはちょっと申し上げられない点、御理解いただきたいと思いますが、新制度の給付水準がどうなるかという御不安のお感じになっている分娩取扱施設の方々多いと思います。そういう方に御安心いただくためにも、できるだけ早期に決定したいというふうに考えております。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 是非、現場の声を聞きながら、早期に案を示して、その案についての意見も反映する形で確定させていくというプロセスも大事にしていただきたいというふうにお願いをしたいと思います。 入院日数のことについてもちょっとお伺い、済みません、その前に、正常分娩の費用が平均約五十万程度ということですが、そこを基にするだけじゃなくて、様々な状況も勘案しますというような御答弁をいただいたというふうに受け止めております。ありがとうございます。 この点に関しては、やはり少し利益率も含めなければ、今後、持続可能な産科・周産期医療体制をつくることはできないという御意見もいただいていますので、その点を是非加味をいただきたいというふうに求めまして、次の質問に移ります。 入院日数や一日当たりの入院料の設定について、現在お持ちのお考えがあればお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) 正常分娩の基本単価の設定の考え方や具体的な水準につきましては、今後、保険料への影響や分娩取扱施設の経営実態等も踏まえつつ、関係者の御意見を丁寧にお伺いしながら施行に向けて検討したいと思っております。 診療報酬のように、一日当たり幾らみたいな形にするのがいいのかどうかというのは、これは実は議論になっておりまして、やはり、分娩の場合には、御案内のように、割とすっと生まれるケースもあれば、何日も待機しているというようなケースもあったりして、だから、一部、なかなか出来高そのものになじまないという声もいただいております。 そういう観点から、今回は給付体系は一分娩当たり幾らというふうに設定する方がいいのではないかということで、審議会でも御議論いただいたところでございます。まさしく、今委員から御紹介いただいた石渡先生にも御参画いただく中で御議論いただいているところでございまして、具体的なことは今後関係者ともしっかり議論してまいりたいと思います。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 日本の標準的な分娩の入院日数が大体五日ぐらいで、OECD平均だとその半分ぐらいだというような指摘もあるんですけれども、そういう長さ、期間が確保されているからこそ日本の新生児の死亡率が低いですとか、そういう日本の周産期医療の良さというものも是非生かしながら今後御検討いただけたらというふうに思います。ありがとうございます。 出産費用に関して最後の質問に移ります。 昨日の本会議で庭田幸恵議員も指摘をされていましたが、正常分娩と異常分娩の方の公平感についてお伺いしたいと思います。 今回は正常分娩の方について現物給付をするということで議論がされていますが、帝王切開など既に保険が適用されている分娩については現物給付をするお考えはないのでしょうか。また、昨日の御答弁では、現金給付において対応するというような答弁もありましたけれども、そうであるならば、例えば異常分娩で保険が適用されて自己負担三割分が残っている方については、現金給付で差額を付けることで公平性を担保するというようなお考えはないのでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 分娩に伴って行われる保険診療には様々なものがありまして、御案内のとおりでございますが、現在でも医療として行われており、ほかの医療行為と同様に一定の自己負担が発生をするものであります。 他方で、出産に伴う経済的負担の軽減という観点からは、出産時に保険診療を伴う医療行為が行われた場合にも、できる限り妊婦の経済的負担を軽減していくことが望ましいと考えております。 このため、今回の見直しにおいては、正常分娩に対する現金給付と併せ、保険診療が行われた場合の自己負担分等に充当できる現金給付を創設することとしております。この現金給付の取扱いについては、保険診療が行われた場合の自己負担分も含め、出産に伴い様々な負担が発生する妊産婦の経済的負担を軽減できる水準とする必要がある一方で、保険財政への影響や保険料負担者の理解も得られるものとする必要がありますので、関係者の御意見も伺いながら、施行に向けて丁寧に検討していきたいと考えています。
○山内佳菜子君 私も帝王切開経験者ではあるんですけれども、やはりそういった部分で不公平感が出て分断が生まれないような柔軟な対応についても是非御検討いただけたらと思います。お願いいたします。 それでは、幾つか、済みません、質問を飛ばさせていただきますが、続きまして高額療養費についてお伺いいたします。 年収、所得によって自己負担額の崖があるということを先ほど小西議員がずっと指摘をしてくださいました。資料四になりますが、このことについてはもう先ほども御指摘をいただいておりまして、時間の関係で少し私は割愛をさせていただきたいと、崖のような負担増を緩やかにしていただきたいということを求めて、続いての質問に移ります。 多数回該当について、保険者が変わるとリセットをされる問題について、衆議院の方で高市総理からも、できるだけこのことを早急に引き継がれる仕組みの実現を目指したい、関係者との調整を急ぐというような御答弁をいただきました。ありがとうございます。 今は転職が一般化しておりますし、病気によって転職、退職が余儀なくされる、保険者の変更が行われるということも想定をされますので、保険者リセット問題の解消についてどのような手順で検討して、いつぐらいの改善を目指すのか、お伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 多数回該当の取扱いについては、専門委員会で整理をいただきました基本的な考え方におきまして、実務的な課題があるものの、カウントが引き継がれる仕組みの実現に向けた検討を進めていくべきであると整理をされました。 この考え方に沿って検討を進めていきたいと考えておりますが、ただ、実現に向けましては、実現に向けては、それぞれの被保険者の所得、あるいは毎月の医療費の支払額について、こうしたものを各保険者でしか所有しておりません。それぞれのシステムで管理をされているので、この各保険者の情報を連携をさせるために実務面、システム面での対応が必要でありますし、また個人情報保護法との関係もこれは整理をする必要があろうかと考えております。 そうした課題、それぞれクリアさせていただいた上で、しっかりとしたものにしていきたいと思います。ただ、現時点で具体的な実現の時期についていつまでにできるというのは、なかなか正直申し上げることは難しいわけでありますが、精力的に取り組ませていただいて、できる限り早期に実現ができるように関係者との調整を行っていきたいと考えています。
○山内佳菜子君 精力的にというお言葉もいただきました。ありがとうございます。 続きまして、幾つかある課題の中のもう一つ、二万一千円の壁についても引き続き伺わせてください。 やはり、この七十歳未満という年齢区分は撤廃すべきだというふうに考えております。昨日の本会議の御答弁の中で、優先順位もありますからというような御答弁もあったかと思いますが、それではどのような優先順位をお考えなのか、確認をさせてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) この二万一千円問題も、私も、これまでから何度も申し上げておりますとおり、課題として大変意識をしているところであります。この取扱いを解消すべきではないかという御指摘、これもちろん理解をしておりますが、一方で、昨日も、総理答弁ですかね、ありましたとおり、一千億円を超える財源が必要になりますので、厳しい医療保険財政においてその点をどのように考えるのかということが課題になろうかと思います。 優先順位ということでありますけれども、具体的にどういったものを優先していくかというのはなかなか難しいわけでありますが、やはりこのセーフティーネット機能ということを考えますと、長期療養者、あるいは所得の低い方、そうした皆さんへの配慮というのを将来的な見直しにおいても検討をする必要があるのかなというふうに現段階では考えておりますので、そうしたことも含めました全体の中で議論していくことが必要かと考えています。
○山内佳菜子君 非常に難しい問題ではありますけれども、是非、思考停止せずに、優先順位についても考えを整理しながら、一つずつ進めていただきたいなというふうに思います。 続きまして、長期療養者、低所得者への配慮は一定程度いただいたということには私も感謝を申し上げたいと思いますが、働く世代の皆様についての配慮という点で、随時改定の仕組みについて質問をさせていただきます。 これまでの御答弁の中で、病気で減収してしまった場合、既に随時改定という仕組みもあって、それでも一定程度救済されるのではないかというような御趣旨の説明もいただいております。しかし、この随時改定が適用されるためには、標準報酬月額の区分でいうと二等級以上という結構大きな減収がなければならないというのが一つの壁。二つ目の壁が、それが三か月連続しなければいけないという期間の壁。さらに、適用されたとしても、それが適用されるのは四か月目からというタイムラグ、そして遡及はないという厳しい壁が待っています。場合によっては、給料が下がったのに等級は変わらず、高額療養費の自己負担額が高いままというケースが出てくるおそれがあります。 そこで、大臣にお伺いいたします。 働く現役世代への配慮として、随時改定についても減収の影響を即時に反映したり、若しくは柔軟に対応できるような見直しも必要ではないかと思います。お考えをお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の随時改定でございますが、被用者保険におきまして、固定的賃金に変動があって、それが三か月間継続した場合に標準報酬月額を臨時で見直す仕組みであります。これはもう御案内のとおりでありますが、高額療養費制度のためにある制度ではなくて、むしろ保険料の算定にそれをできるだけ実態に合わせてという意味で設けられているものでありますので、これは正直申し上げまして、下がる場合もあれば上がる場合もある、そうした前提の制度であります。そうしたことになりますと、即座にということになりますと、急にその保険料負担が上がったりする場合ももちろんあるわけでありますので、それが理解、納得を得られるのかという問題もあろうかと思います。 また、この随時改定によって標準報酬月額が下がりますと、保険料額等については下がる、高額療養費の負担限度額も減少しますが、一方で、手当、諸手当ですね、これが下がる可能性もあるわけでありますので、そうした問題についても御理解をいただく必要があろうかと思いますし、年金受給額についても減少するということになります。 また、実務的に、毎月毎月変動するということになりますと、これ、やはりその保険者を始め、関係の皆さんの実務的な負担というのは非常に大きいものになりますので、なかなかその即時対応というのは困難な課題が多いのかなというふうに正直に考えています。
○山内佳菜子君 それに対応するためにマイナ保険証などデジタル化、DX化を進めているのではないかというふうに思いますので、是非そういった部分についての御努力、御検討も続けていただきたいというふうに考えます。 幾つか質問を飛ばします。資料五を御覧ください。 先ほどからお話があっています高額療養費制度については、長期療養者の家計への影響を考慮することが明記をされます。そのためには、やはり実態を正確に把握することが不可欠です。 お伺いいたします。 調査は、調査が必要だと思いますが、いつどのように行い、どのように検証するのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 恐らく、まず今回のということの調査という意味でよろしいでしょうか。(発言する者あり)ということでしょうか。 まず、今回の話について申し上げますと、今回のその高額療養費の見直しによる長期療養者や低所得者の方を含めた実際の受診行動の変化については、よく注視する必要があるというふうに再三申し上げているとおり、そのように考えてございます。御指摘もいただいてございます。 今回の見直しは、先ほど来の議論にもございましたけれども、令和八年分と令和九年分と言わば全体パッケージとして実施するものでありますから、見直しによる影響の検証も、見直しパッケージ全体についての影響について検証することが適当と考えてございます。 これについては、やはり何かピンポイントで一月の、例えば令和八年八月とか令和九年八月の状況だけで見るというよりは、ある程度の期間を通じた受診行動への影響を注視していく必要があるというふうに考えてございます。この受診行動の影響に関する検証の方策については、過去の分析手法も参考にしっかり検討したいというふうに考えております。 また、今後のことでございますけれども、高額療養費に限ったことではございませんけれども、やはり制度改正によってどのような影響があったかとか、制度改正の目的が達成できているか等の把握を行うことは、EBPMの観点からもしっかりやっていかなきゃいけないことだというふうには認識をしております。 その意味で、まず、今回の高額療養費の制度に関しましても、実際の受診行動にどう影響したかを検証していくことは必要と考えておりまして、そのような観点から、今回の見直しの影響を丁寧に検証し、また様々な御指摘も踏まえながら不断の見直しを図っていきたいと、このように考えております。
○山内佳菜子君 改めまして、その調査を実施する目的をお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 調査につきましては、今回の改正による影響といいますか、そうしたものをしっかり見ていくことが必要だと考えておりまして、これが例えば実際の受診行動にどういう影響があったかということは検証していく必要があろうかというふうに考えております。 そういった観点から調査を行っていきたいと考えておりますけれども、先ほど局長が申し上げましたとおり、一月だけの調査ではなくて、継続した一定の範囲内の中で調査を行うことが必要だと考えています。
○山内佳菜子君 ありがとうございます。 資料六を御覧ください。 過去に、間局長が過去にこういった調査もしております、影響分析もしていますという御答弁をいただいたものをちょっと資料としていただいたんですけれども、例えば、その後期高齢者の窓口負担が上がったときの影響の分析として、医療サービスの利用割合とか、医療費総額とか、利用日数とか、そういった数字、六ページ、七ページ、八ページと続いています。受診日数なども見ているようですけれども、やはり今回は家計への影響ということなので、これまで以上に、より深くそれぞれの個人や家計をしっかりと見ていくということを取り組まなければいけないというふうに思います。 それで、例えば、所得区分、年齢、疾病、教育費を含む家計への影響ですとか、受診抑制や重症化が本当にあったのかなかったのか、健康格差が起きていないのかということを把握するような実態調査のようなものが行われるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、様々な観点から調査を進めていくことは非常に大事だと考えておりますし、患者一人一人の皆さんが置かれた状況というのは様々であるので、可能な限り多様な属性の方への影響、これが把握できるようにはしたいと考えておりますが、なかなか、これを実際にやろうと思うと、正直難しい面たくさん出てくると思います。 それがどういったものかということも含めまして、これからしっかり、調査手法も含めて、また分析の手法、分析のやり方も含めて、しっかりこれも検討させていただきたいと考えています。
○山内佳菜子君 それこそ専門委員会で御意見をいただいていた学識者の先生ですとか保険者の方、プラスやっぱり患者団体の皆さんの御意見ですとか、協力もいただける部分もあると思いますので、是非連携しながら、本当に実態により近い調査というものを取り組んでいただきたいというふうに考えます。 また、その調査をして終わりじゃないと思うんです。調査をして、仮に影響が出てきた場合、特にまずい影響が出てきた場合については、やはり間局長が先ほどおっしゃってくださいました不断の検証、これで終わりではなく、不断の検証、そしてさらに反映をするということがやはり必要ではないかというふうに考えています。 どのような場合、例えば見直しが必要になった場面については、どのような場合に誰が何を基準に制度の見直しについて行うのかといったような見直しのルール、必要だと思いますが、どのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになる点もありますが、今回の見直しによる影響を正しく評価をするためには、例えば、本年八月という一時点の数字だけを評価するのではなくて、ある程度の期間を通じて受診行動などへの影響を見ていくことが必要だと考えています。 制度改正による影響を評価するという意味では、制度改正前後で受診動向がどのように変化をしたかということを分析をすることが必要でありますので、そのためには本年八月以前のデータについても分析をしていくことが必要だと考えております。具体的な分析方法については、大変恐縮ではございますが、過去の分析手法も参考にしながら、どのような方策が適当か、今後しっかり検討していきたいと思います。 なお、分析結果については、現段階でどう取り扱うということを確定的に申し上げることは難しいわけでありますけれども、社会保障審議会等に報告をしていきながら議論を進めるということは将来的にあろうかというふうには考えています。
○山内佳菜子君 調査については、パッケージが終わってからじゃなくて、ちゃんと見直しの前から調査をしていただけるというお言葉をいただいたのは、今日、本当に有り難いなというふうに思っています。 先ほど小西委員から御提案がありましたけれども、令和八年、令和九年の見直しについて、政令は、まだ一つにするか二つにするかは検討中であるというようなお話もありました。是非、そこはやはり切り離して、その影響調査しっかりしていただけるのであれば、その調査を見極めながら、令和九年も踏み出すのか、若しくは何らかの反映をするのかといったことは御検討すべきではないかというふうに考えております。 続きまして、これも改めての質問になります。 必要な受診が抑制されることは想定していないという御答弁を重ねていただいておりますが、やめられない医療なのではないかというような非常に重い指摘が小西委員からもあったと思います。大臣にとって必要な受診とは一体何なのでしょうか。 高額療養費を必要とする方々は、既に切実な受診、やめられない医療を行っているというふうに私は考えます。給付の縮小は必要な受診を削らせることになるのではないでしょうか。大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、先ほどの調査で少し誤解をお与えしたかもしれませんが、調査を本年八月の前から実施をするということではなくて、本年八月以前のデータについても、それを使って分析をしていくという意味でございますので、そこは御理解をいただきたいと思いますし、また、かねがね申し上げているとおりでありますが、私どもとしては、八年度分、九年度分をパッケージとして考えておりますので、このパッケージとしての影響がどうかということを検討をさせて、調査をさせていただきたいというふうに考えておりますので、あえてその点については申し上げさせていただきたいと考えております。 また、必要な受診について御指摘がありました。機械的に、これは必要です、これは必要じゃないですということを分けるのは正直なかなか難しいと考えております。患者さんの置かれた状況というのは千差万別ではありますけれども、一般論で申し上げると、必要な受診の抑制とは、例えば疾病の性質に応じて、高度な医療であったり手厚い医療、そうしたものを必要とする方が、医療費が一体幾ら掛かるか分からないなどの理由で受診を控える、こういったことが想定をされるのではないかと思いますが、その意味におきましては、私ども常々申し上げているとおり、多数回該当を維持をしたり、あるいは年間上限額を設定をすることなどでセーフティーネット機能の強化ということを果たしておりますので、そうした点からは必要な受診というのが抑制されるということは想定をしていないというふうに申し上げているところであります。
○山内佳菜子君 非常に矛盾した答弁だと思います。なぜ機械的に分けられないのに必要な医療がないと断言できるのか。非常に矛盾した答弁だというふうに受け止めております。 最後に、撤回を求める署名が三十万人分を超えています。寄せられている署名、要請、集会について、大臣はどのように受け止めていますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の署名につきましては、事務方からも報告を受けております。高額療養費制度の見直しに対して不安を感じていらっしゃる方々のお声の一つとして受け止めているところであります。 今回の見直しに当たりましては、患者団体の方にも御参画いただいた専門委員会におきまして大変熱心な御議論をいただいてきたところでございまして、超党派議連の御提言も踏まえて検討を進めてまいりました。 先ほど来申し上げておりますとおり、長期療養者や低所得者の皆さんへのセーフティーネット機能の強化もさせていただいているところであります。様々な患者団体の方を始め、保険者、労使、医療関係者など、高額療養費制度を支えていただいている多くの関係者と丁寧な議論を積み重ねたものでありますので、こうした見直しの趣旨、あるいは一番不安に感じておられる今後の医療費の見通しにしっかり向き合った年間上限の設定、そうした点などをこれから国民の皆さんにもしっかり丁寧に御説明をさせていただきたいと考えています。
○山内佳菜子君 必要な受診かどうか決めるのは患者です。 以上で終わります。
○委員長(小川克巳君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。 まず、法案の審議に入る前に、医療、介護、福祉の現場での医療資器材の不足について伺いたいと思います。 医療、介護、福祉に共通して必要な医療用の器材、手袋、グローブの不足について、さらには価格高騰について、政府の対策を教えてください。 また、糖尿病などの腎疾患の患者さんが受ける人工透析の透析回路、つまり、腎臓、人工腎臓、ダイアライザーのポリスルホンやポリエーテルスルホンでできている中空糸膜や、塩化ビニール製の血液回路、塩化ビニール、ポリエステル製の透析液供給ライン、ポリプロピレンやポリカーボネート製の穿刺針、刺す針ですね、そして留め置く針、留置針、ポリエチレン、ポリプロピレン製の生理食塩水バッグ、そしてポリプロピレン製のシリンジなど、ナフサ不足、どれ一つ不足しても、生理食塩水バッグ、ポリプロピレンのシリンジなど、どれ一つ不足しても透析を受ける患者さんの命に関わります。 人工透析に必要なこれらの医療資器材の確保について政府の対応を教えてください。
○政府参考人(森真弘君) 今御指摘いただいた全ての品目について、私ども一つ一つ丁寧にサプライチェーン調査しながら対応しているところでございます。 特に医療用手袋については、全体として直ちに供給が不足する状況ではございませんが、一般のネット通販を利用している歯科診療所等の一部の医療機関では、医療用手袋の購入が行えず、確保が困難になっているという状況にありまして、目詰まりの状況にあると承知しております。 厚労省としては、こうした目詰まりの解消に向けて、医療機関や関係団体に対して、医療用物資等について必要量に見合う量の発注、受注、それから医療用手袋等が適切に供給されるよう依頼を行ったところでございます。 また、目詰まりによる医療用手袋の確保が困難な医療機関向けに医療用手袋の備蓄を放出することとしておりまして、五月十八日月曜日より医療機関からの要請受付を開始し、五月下旬のできる限り速やかな時期に順次医療機関に配送することとしております。 また、人工透析で用いられる資材については、メーカー各社から相談寄せられておりましたが、経産省と連携し、ダイアライザー、それから注射針、透析装置洗浄剤について供給不安を解消し、透析チューブについても、供給元企業に対する優先供給の働きかけやメーカーによる増産により、少なくとも九月末までの全国の必要量に対する十分な供給を確保したところでございます。 十月以降も安定的に資材を供給できるよう、経産省と連携し、供給元企業に対する優先供給の働きかけや、海外工場における原材料確保を推進していきたいというふうに考えているところでございます。
○芳賀道也君 現場ではより危機感もあるし、非常に不安が広がっていると思うんですが、そうした対策で厚労省として安心していいんだということを明言していただけるということでいいんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の中東情勢をめぐる課題につきましては、高市総理からも、医療において万が一の事態は絶対に許されないという強い問題意識の下、目詰まりゼロに向けて全力で取り組むよう指示を受けているところでございます。 ナフサ全体の供給につきましては、経産省の方で責任を持って対応していただいておりまして、年を越す辺りまでは大丈夫だというような報告を受けておるところではございますが、今少しお話のありましたとおり、目詰まりが生じているケースがあります。 私ども、川上から川下まで様々な手段を用いまして情報収集を徹底をしております。その情報収集の網に掛かった案件について、それをリスク評価をして、供給不安が起こる可能性があるというものについてはすぐさま経産省と連携をして、その目詰まりの解消、これまでからも行ってきたところでございまして、それはまさに命に関わるものだということで優先的な対応をさせていただいているところであります。こうした方針はこれからも変わりません。こうした取組を徹底をして、国民の皆さんの供給に対する不安、これを解消できるように全力で頑張っていきたいと考えています。
○芳賀道也君 力強い答弁ありがとうございます。 ただ、一つ付け加えると、このところ政府は、必ず使う言葉で目詰まりという言葉があるんですが、これ、目詰まりという言葉自体が国民を不安にさせている。あの米不足のときに、延々、政府は目詰まりだ目詰まりだと言ってきて、その後どうなったか、国民は覚えていると思うんですね。目詰まりなどという言葉に頼るんではなくて、より具体的に、これだけの数量を確保した、大丈夫だということを丁寧に説明をしていただきたいと思います。 次に、先日の厚労委員会参考人質疑でも、東南アジア諸国のナフサ不足、コスト削減を兼ねて日本の製薬メーカーも多くの製剤工場を東南アジアに移しているということで、この東南アジアでの日本への医薬品がうまく製造できないと困るのだと、海外でのナフサの供給もしっかりやってほしいということが日本医療機器産業連合会の宮田副会長、副会長だけではなく、Meiji Seika ファルマの小林会長からも要望がありました。 この要望を受けて、厚労省あるいは政府も取組を始めていらっしゃると思いますが、この取組を教えてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 厚労省といたしましては、この情報収集ですが、国の内外問わずやらせていただいているところでございまして、先ほどお話のあった透析の一部の機器についても海外での調達というのがしっかりできるということを確認をしているところであります。 その上で、今、これは総理のリーダーシップの下で、アジアにおける原油、石油製品の調達、サプライチェーン維持のために、パワー・アジアという仕組みを活用して、金融的な支援、海外の工場等に行っているところでございます。第一号の案件としてベトナムで工場への支援が決定をいたしました。これも、こうした支援を通じて日本企業、日系企業のサプライチェーンの強化、図れるものだと考えておりますので、こうした取組につきましても、経産省、外務省ともしっかり連携して取り組んでいきたいと考えています。
○芳賀道也君 経産省そして外務省とも連携して取り組んでいただけるということで、ありがとうございます。引き続きお願いをいたします。 それにも関連するんですが、この厚労委の参考人質疑があった翌日、官房長官が四月十六日に記者会見をしてということになりますが、失礼、四月十六日の参考人質疑をして、この海外でもナフサが足りない、確保してほしいという意見を伺った翌日に官房長官が、石油ショックとは思っていない、前年と同じもの、量ということでしょうけれども、同じ量を出せば、それほど足りないということはないだろうと会見を行いました。 これが事実だとしても、これでは安心につながらないのではないかと思うんですね。せっかく厚労委での参考人質疑の翌日にこうしたことがあると、国が取り組んでいるのかという疑心暗鬼にもつながりますし、この官房長官発言、前日の参考人質疑の委員会審議、これを踏まえたものだったのか、医療用機器業界、医薬品メーカーの要望を踏まえた段階での発言だったのか、これを確認させていただけませんでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 御指摘の四月十六日の参考人答弁におきましては、ナフサ及び石油関連製品の継続的な供給に対して不安の声が上がっていると、そういう旨の発言があったものと承知しております。 その後、官房長官は、翌四月十七日の会見におきまして、原油や石油製品について代替調達や備蓄石油の放出により日本全体として必要な量を確保できている、その上で、ナフサについては、川中製品の在庫活用、国内での精製、さらには中東以外からナフサ輸入量の増加により川中製品の在庫使用期間を半年以上に延ばすことが可能と。一方、足下では一部の供給の偏りや流通の目詰まりが生じており、その解消に努めてまいりたいという趣旨の発言をされたものと承知しております。
○芳賀道也君 つまり、東南アジアでの日本の製薬メーカーのナフサ確保、こういったことは含まれていなかったということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) そこら辺の詳細は承知しておりませんが、官房長官には関係省庁からしかるべき情報をインプットされております。
○芳賀道也君 では、それを受けて、やはり参考人質疑で、多くの日本の製薬メーカーが東南アジアにも工場を持っていると。ここでの確保という要望もありますので、これについて、経産省として、厚労省とも協力をし、外務省とも協力し、しっかりやっていただけるのでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 委員何度も御指摘のとおり、アジアの燃料供給不足やサプライチェーンの停滞、これはアジアから日本への医療物資の調達に影響を及ぼす可能性があるほか、我が国の経済社会にもこれ影響を及ぼすおそれがあります。 これ、大臣からもありましたけれども、先月開催されましたAZECプラスオンライン首脳会合において、高市総理が発表いたしましたパワー・アジアも活用しながら、アジア大でのエネルギーの安定供給に取り組むことで、我が国企業のサプライチェーンの強靱化につなげてまいります。 また、原油やナフサなどの石油製品について、日本全体として必要となる量は確保されておりますが、何度も申し上げて恐縮ですけども、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりに対して、これ一つ一つ解消してきているところでございます。 引き続き、医療物資の安定供給について、厚労省と連携しながら取り組んでまいります。
○芳賀道也君 しっかり努力した上での話なんですが、例えば、ある東南アジアの国の日本の製薬メーカー、どうしてもナフサの確保がおぼつかないということになれば、日本国内では十分足りているということですから、これは例えば、外務省、厚労省とも協力して、こうした原料になるナフサを日本から、その足りていないアジアのある国の日本の製薬メーカーに提供するようなことは可能なんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 仮に、日本から、日本でナフサがある程度十分余裕があるという場合におきましても、日本から海外に例えばナフサを送ることになった場合は、例えば、現地でそれを生成する設備があるのかどうか、さらには、その設備とナフサの性状の適合性、さらには、ナフサというのは揮発性が高いものですから、揮発性の高いナフサを輸送するための国内外のこのロジスティクス、そういったものを確保しなきゃいけないという、そういったことを総合的にこれ検討しなければ、総合的に検討する必要があると考えております。
○芳賀道也君 そういう技術的なものも当然あるでしょうけれども、それだけ日本の命を守る薬を東南アジアで作っている日本の医薬製造メーカー、危機感を持っているんだということで、通産省も、それから厚労省、外務省とも協力して、引き続きやっていただきたいと思います。 繰り返しになりますが、厚労大臣、この海外の製薬メーカーの原材料も含めてしっかりやるということで、一言いただけませんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 海外の工場で日本向けに生産をされている医療機器、これについても、厚労省はしっかり注視をして、必要な対応を経産省と連携して取り組んでいきたい、取っていきたいと考えています。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 次に、日経メディカルには、医療資器材や医薬品の不足が迫っていることに加えて、診療抑制を行うべきではないかという現役の医師の意見が掲載されていました。それだけ現場で危機感や不安があるんだということでしょうけれども、こうした診療抑制は、行うなどということになったら大変なことですし、まだその段階にはないと思いますが、厚労省として、新型コロナのときのように、この燃料費や物価の高騰、そしてホルムズ・ショックも加わってこの高騰が更にひどさを増しているという状況にありますので、厚労省として、新型コロナのときのように一定の補助金を出して、医療機関、病院、診療所、製薬会社などの経営をサポートすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、これまでの物価高騰への対応といたしまして、昨年度の補正予算、そして令和八年度の診療報酬改定で一定の取組を進めてまいりました。まずは、これをしっかりと医療機関等にお届けをする、これが今大切かと考えております。 実際に、病院への支援等については、もう既に八千病院のうち約七千の病院についてはお届けができている状況かと考えておりますけれども、こうしたことをまず優先的にやっていく必要があろうかと思います。 その上で、病院あるいは医療機関の経営状況ですが、これがどういう状況にあるかというのは我々もやっぱりしっかり見ていく必要があろうかというふうに思います。ただ、コロナのときと比べて、今大きく、大変厳しい状況に更に陥っているというような情報はありませんので、引き続き状況は注視をしたいというふうに思いますが、現段階でコロナと同様の対応を取るということは考えておりません。
○芳賀道也君 コロナほどではないという認識ということですが、かなり現場では不安と危機、それから、そもそも診療報酬の値上げがまだまだ足りないという中で新たにホルムズ・ショックが加わっておりますので、この辺は注視して、是非命を守るためにしっかりと厚労省頑張っていただきたいと思います。 それでは、法案の審議に移ります。 まず、衆議院の厚労委員会でも多くの方々が負担増となる高額療養費制度の変更について議論をされました。この高額療養費制度について関連して伺いたいのですが、WHO、世界保健機関では、医療費の患者自己負担によって経済的に苦境に陥るような支出を破滅的医療支出と呼んでいます。この破滅的医療支出とはどれくらいの患者自己負担のことなのか、WHOの定義を教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 WHOが提唱しますいわゆる破滅的医療支出という概念は、家計が支払う医療費が、食費、住居費、水道光熱費といった生活費を考慮した医療費の支払能力の四〇%を超える水準と定義をされております。 ただ、この医療費の支払能力についてWHOの定義では具体的な試算方法まで示されておらず、その意味で明確にされていないものと承知しております。
○芳賀道也君 では、大臣に伺いたいんですが、我が国では現状の医療保険制度の下で破滅的医療支出の患者やその家族が現状でどのくらいいるか、こうしたことも厚労省として把握をされているんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) それぞれ患者の皆さんが置かれている状況というのは本当に様々でございまして、病気の状態、あるいは世帯構成、また就労の有無、預貯金の状況など様々でございます。こうした状況の下において、患者の皆さんの家計の収支状況、これを網羅的に把握するということは非常に困難でございますし、また、今局長から答弁があったように、この破滅的支出の具体的な計算方法等についても必ずしも明確になっていないのではないかと考えておりますので、そういった点からも、お尋ねの人数についてお示しをすることは難しいと考えています。
○芳賀道也君 では、我が国では現状、厚労省は、可処分所得、支出のどれだけの医療費支出であれば適正と考えていて、これ以上ではまずいぞというふうに考えているのか。四割というのがありましたが、可処分所得の四割では破滅的支出だという考え方をしていないのであれば、どれだけ医療費支出なら適切と考えていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の高額療養費の見直しの際の議論の話になろうかと思いますけれども、専門委員会で様々なデータをお示ししながら議論を重ねましたけれども、いわゆるその委員御指摘になられた破滅的医療支出という議論も頭に置いて御議論があったというふうに思います。 私どもとしては、それそのものかどうかは別としても、家計調査を基に、家計の総収入から税、社会保険料や生活費を控除した額と、それと高額療養費制度における年間の自己負担額、これは現行ということになりますけれども、関係を整理した資料もお示ししたところでございます。その上で、今回の見直しでは、年間上限を創設してこうした負担を抑える必要があるというような、その議論の成果、到達点としてですね、そのような御提案を申し上げているということでございます。
○芳賀道也君 具体的にそれぞれの家庭で可処分所得の何割が医療費なら大丈夫だろうということは、厚労省としてはそういうルールというかハードル等は設けていないということでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) こういう破滅的医療支出という議論も念頭に置きながら議論したのは、御議論いただいたのは事実でございまして、これだからいいとか悪いとかというような一律のものが、一連の今回の高額療養費の議論の中でも様々な御家庭があるというお話がございました。そういったものの具体について議論がなされているわけではありませんけれども、今回、その家計の総収入から税、社会保険料や生活費を控除した額を家計の支払能力と仮に仮定をしまして、そして、この金額の四〇%に当たる額と今回新たに導入する年間上限の額を比較した場合には、年収二百万円、家計調査そのものが刻みが五十万円刻みか何かになっているものですから、そういうもので考えた場合に、年収二百万円未満の方を除いた全ての所得階層においていわゆる破滅的医療支出に該当しないものと試算しています。そういう資料になっていると。また、年収二百万円未満の課税世帯の方については、多数回該当の金額を約一万円引き下げたところでございます。 このように、医療保険制度全体の見直しとの関係を踏まえながら、今回の見直しは長期療養者やセーフティーネット機能を強化したというふうに、専門委員会の議論を踏まえてそのようにさせていただいているというふうに考えてございます。
○芳賀道也君 よく国の答弁でもエビデンスという言葉が使われますが、これ、実際にどういった状況にあるのかを調べて、このぐらいの支出なら大丈夫だというようなことも必要だと思うんで、これ、医療支出で苦境に陥っているような家庭がどれぐらいあるのかとか、そういった調査を行うべきではないかとは思うんですが、今後の改定も考えてですね、この辺は、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど来議論のありましたとおり、私どもとしては、まずは今回、八年度、九年度でこの改革をさせていただくわけでありますが、それについて、受診行動にどういう影響があったかということにつきましては、できるだけこれまでの調査手法も参考にしながら、より実態が分かるような形で調査を進めていきたいというふうに考えておりますので、それに注力させていただければと考えています。
○芳賀道也君 実際に幾つかの大学の先生なんかもそういったことを調査しているんですが、東京大学の五十嵐中准教授の調査によると、健康保険組合に加入している方々に由来する日本システム技術株式会社レセプトデータを基にした研究で、低所得の方の三七・八一%が破滅的医療支出に当たるという研究結果が出ています。また、同じ五十嵐教授によると、健康保険組合加入に限定されないDeSCヘルスケア株式会社のレセプト調査では、全体の一七%、六人に一人が破滅的医療支出をしており、年収五百五十万円以下の方々に限れば、破滅的医療支出に当たる人の割合が三六・四%、三人に一人という結果でした。 本法案に関連する政令改正で、高額医療費についても、長い間高い支出が続く患者さんについて多数回該当を据え置きし、患者負担に年間上限を設けてもらっています。また、低所得者への配慮として、住民税非課税世帯では引上げ率が抑えられ、住民税非課税を少し上回る年収二百万円未満の患者さんの多数回該当の金額が引き下げられ、また、七十歳以上の患者さんの外来の自己負担額、外来特例について、住民税非課税世帯は月額上限の据置き、年間上限の導入がされる一方、それ以外の大半の患者さんにとっては、一人当たり医療費の増加を踏まえた限度額見直しと応能負担により負担増となります。 厚生大臣にお尋ねしたいのですが、自民党は今年二月の総選挙で全ての世代の安心を訴えてこられましたが、この政令改正で、医療費支出で本当に困っている家庭、破滅的医療支出の方はゼロになるのでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今いみじくも委員の方から御紹介があったとおり、私どもとしては、長期療養者あるいは所得の低い方に対するセーフティーネット機能の強化ということを今回の改正の一つの大きな柱とさせていただいているところでございます。 一方、短期の方といいますか、応能負担等で、あるいは医療費の伸びによって引上げをさせていただいている部分もありますが、先ほど来お話をしているとおり、長期の方、所得の低い方に対する配慮をさせていただくことによりまして、先ほど来お話をさせていただいておりますが、必要な受診が抑制されることはないと私ども考えておりますので、そうしたことだと御理解をいただければと思います。 いずれにいたしましても、先ほど来申し上げているとおり、今回の見直しについての受診行動の変化等についてはしっかりと検証はしていきたいと考えています。
○芳賀道也君 家計に非常に負担を与えている方がどれだけいるのか、そうした調査も含めてしっかりと、負担する能力がある方に負担してもらわなきゃいけないという状況は我々もそのとおりだとは思っていますが、その辺やはりエビデンスが必要ですので、調査等はしっかり行って今後生かしていっていただきたいというふうに思います。 次に、二〇二二年四月から不妊治療が保険適用となり、健康保険が適用される治療には高額療養費が適用されるようになりました。しかし、不妊治療では、健康保険が利かない自由診療の先進医療なども多く、高額療養費の対象にならない治療の負担も大きいことが知られています。 厚労大臣に伺いたいのですが、自民党は今年二月の総選挙の際に現役世代の負担軽減を訴えてこられましたが、不妊治療を受けている現役世代の夫婦の医療費の負担、これも軽くしてもらえませんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 不妊治療は、今委員から御説明いただきましたように、令和四年四月から保険適用されました。その自由診療という話がありましたけれども、その時点で保険適用するにはエビデンスが不十分とされた不妊治療の治療法のうち、将来的な保険適用の可能性があると評価されたものは先進医療として今実施されております。 先進医療として行われている技術の保険適用の可否は、先進医療の結果によって得られる有効性、安全性に係るエビデンスも踏まえて、先進医療会議そして中央社会保険医療協議会において評価することとなります。 引き続き、その安全性、有効性等が確認された先進的な治療の保険適用を進めて、そういう負担軽減につながるようにしていきたいと思います。
○芳賀道也君 保険適用になる間も、現役世代の負担軽減、子供は少子化の中で社会の宝、子宝ですので、そうした何か施策というようなものは考えられないのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 様々な自治体でも工夫をされている例があるというふうには承知しております。 私どもとしては、オールジャパンということでございますので、こういう基本となる医療保険制度において、しっかりした効果のあるもの、不妊治療にも様々なものがあるというふうに言われてまいりました。その中で、有効性のあるものについてはしっかり適用できるようにするのが私どもの務めかなというふうに思っておりますが、そういう先進医療の状況というのをよく把握して、そして、しかるべきタイミングでしっかり保険適用できるように取り組んでいきたいというふうに思います。
○芳賀道也君 是非、現役世代の負担軽減も考慮していただきたいですし、山形県も含めて、やはり不妊治療には補助金を残して自己負担がないようにしようという市町村も多くなっています。そうした全国の状況も調べていただいて、必要であれば、やっぱり国がこれもやっていくということもお願いします。 次に、年齢が七十歳未満の方の高額療養費の世帯合算をする場合、同じ世帯の被保険者と被扶養者の医療費を合算して基準額を超えるかどうかで判断する、具体的には、家族それぞれについて、一人一か月当たり同じ医療機関単位で、医科、歯科も別に計算し、外来と入院も別に計算して、二万一千円以上になったものについてだけ合算する。これでは、大家族、子育ての、子だくさんの家庭は大変です。 破滅的医療支出を防ぐ観点からも、家族それぞれの、一医療機関当たりの、医科、歯科、外来、入院の保険診療一か月の医療費、それぞれ二万一千円を超えていなくとも、被保険者と被扶養者の家族全体の保険医療、医療費、薬剤費を合算できるようにこれ改めるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、高額療養費制度の一月当たりの自己負担額の算定に当たっては、七十歳未満の場合には自己負担額がレセプト一枚当たり二万一千円以上の場合にのみ合算するという取扱いとなっております。この取扱いを解消すべきではないかという御指摘は、課題認識として承知をしておりますし、理解もしております。 その上で、これを実現しようと思いますと一千億円を超える財源が必要となりますので、この厳しい医療保険財政においてその点をどのように考えるか、そして、仮にその財源が確保できたとした場合に、高額療養費制度の中で見直しの優先順位をどのように考えるのかと。例えば、長期療養者や低所得者への配慮を優先すべきではないかといった課題を整理する必要があるというふうに考えておりまして、この点については全体の中で慎重に検討していきたいというふうに思っております。
○芳賀道也君 財源の問題がありました。これもしっかり財源を探していくということも必要でしょうけれども。 では、技術的なことを聞きますが、医科、歯科別々、入院も外来も別々、これ、デジタル化も進めている中で、これ一緒にするのはそれほど難しくないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 七十歳を超える、七十歳以上の方について合算をしているということからしますと、技術的に不可能ではないということだと思います。
○芳賀道也君 是非、家計の占める支出としては、これ二万一千円でストップが掛かるわけではなくて、これ四つのカテゴリーがありますから、掛ける四になる場合もあるわけで、こうしたこともしっかりと検討して前へ進めていっていただきたいと思います。 次に、年間七十歳未満の皆さんの高額療養費の多数回該当は、ある月の医療費の算定に当たり、その月以前の十二か月に高額療養費に当たる医療支出が三か月以上あった場合、その月の高額療養費の基準を下げて、より低い金額の医療費であっても高額療養費と認められやすくするという制度です。 これ自体は非常にいいと思うんですけれども、意義ある制度だと考えますが、被保険者が転職や退職で健康保険組合が別になったり、健康保険組合から協会けんぽや国民健康保険に移ったり、国民健康保険に加入していた方が引っ越して別の県の国民健康保険に入ったりすることで保険者が変わった場合には、多数回該当が受けられなくなります。これはおかしいと思うんですね。 なぜこうなっているのか。破滅的医療支出を防ぐことから考えたら、転職や退職で医療保険が変わったときには、転職や退職では収入が下がることも多いのですから、また引っ越しで費用も掛かる、高額療養費の多数回該当が適用されるように考えるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま委員から御指摘のありました高額療養費制度における多数回該当の件については、このいわゆる保険者またぎと通常言われているものですけれども、専門委員会でも大変御議論がございました。 専門委員会で整理いただいた基本的な考え方におきましては、実務的な課題もあるものの、カウントが引き継がれる仕組みの実現に向けた検討を進めていくべきであるというふうに整理されたところでございます。 今後こうした考え方に沿って検討を進めていきたいと考えておりますが、実現に向けては、逆に言えば、じゃ、なぜ今できていないのかということの裏返しになるわけですけれども、それぞれの被保険者の所得や毎月の医療費の支払額の情報は各保険者でしか所有していないと、現状ですね。それから、各保険者がそれぞれのシステムで管理している中で、各保険者の情報を連携させるためには、実務面、システム面での対応が必要になることなど課題が存在していることに加えまして、個人情報保護法との関係も整理が必要ということになってまいります。 必要な経費や期間など実現に向けて整理すべき課題を抽出しまして、衆議院で総理からも御答弁申し上げましたように、できる限り早期に実現できるよう、保険者を始めとした関係者との調整を進めてまいりたいというふうに思います。
○芳賀道也君 検討委員会も進めるべきだ、総理もできるだけ早くということですから、これはやる気になればできることだと思うので、しっかりと進めていただきたいと思います。 そして、今回の法改正に伴う政令改正では、高額療養費について多数回該当は据置きということで、七十歳未満、七十歳以上の世帯合算の基準や計算方法は変わりがないという理解でいいのか、確認をさせてください。 また、人工透析や血友病など長期高額特定疾病患者、この負担額、毎月一万円又は毎月二万円、高額介護合算療養費の基準は、これは変わらないということでいいのでしょうか、確認をさせてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま御指摘のありました世帯合算の基準や計算方法、あるいは人工透析や血友病などの長期高額特例疾病患者の負担額、それから高額介護合算療養費の負担額は、今回の見直しの対象ではございません。変わらないということでございます。
○芳賀道也君 分かりました。 次に、健康保険連合会の四月二十八日の発表によれば、令和八年度予算で約七割の健康保険組合が赤字、各健康保険組合から前期高齢者、後期高齢者に納付金、支援金を支出しており、これが健康保険組合が赤字となる最も大きな要因になっているのではないでしょうか。健康保険組合などが前期高齢者納付金、後期高齢者支援金を納付することは、保険の原則、つまり保険金を納めた人が、保険金を支払わなければならない、保険事故に当たって給付が受けられるという保険の原則から外れています。 前期高齢者、後期高齢者への健康保険からの給付はいわゆる再配分であり、保険ではなく税金で行うべきと複数の学識者が唱えています。私も、財源を確保した上で、後期高齢者納付金、失礼、前期高齢者納付金、後期高齢者支援金を健康保険から切り離すべきだと考えていますが、厚労大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高齢者の医療費につきましては、国民全体で支え合うべきという共同連帯の精神に基づきまして、現役世代からの支援金の拠出あるいは保険者間の財政調整、これを行っているところであります。 医療保険制度は、生涯を通じて給付と負担の関係を見たときに、加入者間の助け合いの考え方やリスク分散が成り立つものであり、いわゆる社会保険制度であります。前期高齢者納付金や後期高齢者支援金は、医療保険全体での支え合いの仕組みであるというふうに考えているところであります。 一方、現役世代の皆さんの負担への配慮というのは当然に必要であります。これまでからも、例えば後期高齢者のうち一定所得以上の方の窓口負担を二割にしたり、あるいは高齢者の保険料で賄う割合を引き上げたり、そうした様々な改革を実施をしてまいりました。 今般の改正法案におきましても、後期高齢者医療への金融所得の反映など、より公平な負担の実現に取り組むこととしているところでありますので、今後とも、年齢にかかわらず能力に応じて皆が支え合う全世代型社会保障の構築に向けて、不断の見直しに取り組んでいきたいと考えています。
○芳賀道也君 どうしても社会保険料の負担が現役世代に重くなるという傾向が出てきてしまいますので、これはしっかり、本当に必要なものであれば負担能力のある税で考えるべきだということがありますので、是非これは将来に向けて、今すぐは無理でも、こうしたことは是非進めていってもらいたいし、検討していただきたいと思います。 次に、健康保険組合などが負担している後期高齢者支援金は、各健康保険組合などの特定健診、特定保健指導の実施率次第で加算、減算します。例えば、健康保険実施直前に急遽工場が閉鎖になった、大量の解雇や希望退職があった場合など、健康保険組合自体の事情に全く関係なく、一部の部署に勤める従業員の定期健康診断が実施できなくなり、健康診断や特定健診を受けていない従業員がその健康保険組合の被保険者の過半数になった場合には、災害と同じだとみなして、後期高齢者支援金の加算、これを適用してもらえない、適用しないようにしてもらえませんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員からも御説明いただきましたように、後期高齢者支援金の加算・減算制度は、各保険者の予防、健康づくりの取組を複数の指標に基づいて評価し、その結果に応じて後期高齢者支援金の一定割合を加算若しくは減算をする仕組みでございます。 今いただいたのは、お話というのは、健康保険組合自体の事情によらない事由が原因で特定健診、特定保健指導の実施率が下がった場合には加算対象から除外すべきじゃないかという御趣旨だというふうに受け止めました。現行でも加算対象となった健康保険組合に対して個別に状況をお聞きするということはやっておりまして、例えば、今委員もお話ございましたけど、災害などでやむを得ない事情がある場合には、個別に判断した上で加算対象から除外する取扱いとしてございます。 これまでのところ、実際に雇用調整等を理由とした加算対象から除外という例はないのですけれども、いずれにしても、このやむを得ない事情かどうかというのは個別に判断されるものですので、御指摘の事例がもしありましたら、それは具体的に御相談いただきたいというふうに考えております。 この加算・減算制度そのものについては、六年を一つのサイクルとして制度を運用してございます。現在のサイクルは二〇二九年度までとされておりまして、その後の制度の在り方については今後検討していくことになりますが、この制度が予防、健康づくりの推進という観点から効果的な仕組みとなるよう、評価指標の在り方やデータ収集の方法も含めて、今の点もあろうかと思いますので、関係者の御意見もお聞きしながら丁寧に検討したいというふうに考えております。
○芳賀道也君 是非聞き取り等で、加算する必要のないケースについては救っていただきたいと思います。 次に、本法案について審議していた中医協の報告書でも、医療提供体制の将来像を示す必要があると明記されています。ここ数十年、医師の地域間の偏在、診療科の偏在が続いています。人口減少が避けられない中、東京など大都市に行かなければがんなどの優れた医療が受けられないというような状況を変えて、全国の各県庁所在地、あるいは北海道、東北、ブロックごとの中心都市に行けば優れた医療が全国どこでも受けられる、そうした適正配置、そうしたことも必要だと思いますが、そうした中で、人口の大都市集中を防ぐ、地方や農村に住む人たちの命と暮らしを守る、このことは大事です。 医療機関の適正配置を計画して実施していくために様々な医師会や病院団体など協議を進める必要があると考えますが、大臣、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに、今年から策定に向けて各地域でお取組をいただいております新たな地域医療構想、これにおきましては、今後人口が減少する中においても、全ての地域、全ての世代の患者の皆さんが必要な医療を適切に受けることができる医療提供体制の構築、これを目指すこととしております。 この地域医療構想でございますが、例えば、例示をいただきましたがんについても、高度な医療技術については、症例数を集積をして質の高いがん医療提供体制を維持できるように一定の集約化を検討していくこととしております。 また、関係団体の協議、これも非常に大切でございます。地域医療構想を進める上では、医師会あるいは病院団体を含むそれぞれの地域の関係者の間で十分協議をしていただいて対応を検討していただくことが必要であります。 具体的には、医療機関の役割分担を行い、一定の症例を集約をして、手術や救急医療等を提供する急性期医療の拠点となる医療機関の確保などを進めることとしているところであります。 国といたしましても、様々な技術的支援あるいは財政支援、こうしたものを通じて、地域の実情に応じた医療提供体制の確保、構築ができるように取り組んでいきたいと考えています。
○芳賀道也君 是非、医師会や病院団体とも協調して、地域の医療も守っていただきたいと思います。 次に、OTC類似薬の患者負担増に伴って、負担増にはならない同じ効能の医薬品、保険が利く医薬品が処方される可能性が高いのではないか。それゆえ、過去の保険適用でもあったように、OTC類似薬で患者負担増となる医薬品と同じ効能がある医療用医薬品が不足してしまうおそれはないのか。また、同じ効能であっても、患者負担増となるものとならないものがあるという不公平にはならないのでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、医師は個々の患者の症状などに応じまして最適な薬剤の処方を行うことが原則でございます。本制度の導入後におきましても、医療現場においてこの原則に基づいて処方が行われることが大切だと考えています。 その上で、施行に当たりましては、不必要な処方シフトや、あるいはそれによる供給不足、これが起きないようにしなければいけません。対象となるOTC類似薬の処方を行わないようにする制度ではない、そうしたことは周知をしていく必要があると思いますし、がん患者あるいは難病患者などの医療上の配慮が必要な方には別途の負担を求めないことなど、制度の趣旨を十分周知できるように、あるいは現場で判断に偏りが生じないように国から一定の基準などをお示しをすることを想定をしておりますが、これをできるだけ分かりやすく医療現場の皆さんにお伝えをしていく、このことも大切でありますので、しっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。 施行後におきましても、対象となる医薬品等について、処方数の施行の前後による数量等の比較、こうしたことをやることによりまして、処方シフトが生じているかどうかを含め状況把握を行っていきたいと考えています。
○芳賀道也君 是非こうした面でもお願いをします。 そして、今大臣からの御答弁にもありましたけれども、慢性疾患、例えば気管支ぜんそくは、今回このOTCの中で含まれている薬が使われている。ぜんそくで過去多数の方が亡くなられて、過去には厚労省が、厚生省がですね、ぜんそく死ゼロ作戦を進めてきて、一九五〇年には一万六千人を超える皆さんがぜんそくでお亡くなりになっていましたが、二〇二二年には年間千四人まで減っています。 減っているといっても年間一千人の患者さんが亡くなっていることを考えると、この様々なぜんそくに処方されるOTC類似薬、追加負担を求めることは命を守ることを最優先とする医療保険の上で問題があるのではないかと思いますが、大臣のお答えの中にもこうしたものは防ぐ対策を取っているんだということでしたけれども、これも参考人、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員御指摘になられたとおり、今回の見直しの対象となる成分の中には、ぜんそく治療の一環で使用するものが含まれております。 その上で、本制度においては、引き続き必要な受診が確保されるよう、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と認める方などについては新たな別途の負担を求めないなどの配慮を検討しております。もう少し具体的に申し上げますと、医師の診断や治療の下で年間を通じて症状が持続し、通院した上で、今回の新たな仕組みの対象となる医薬品を通年で服薬することが必要であるような場合には別途の負担の対象外と考えております。 いずれにしましても、別途の負担を求めない方の具体的な範囲については、今回のその法案の御審議も踏まえて、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた後に医療保険部会や中医協でも御議論いただくことを考えておりまして、施行までに広く関係者の意見を聞きながら丁寧に検討していきたいというふうに考えております。
○芳賀道也君 ぜんそくに効く薬、それから、改めて確認しますけれども、同じようにぜんそくのほかにアトピー性皮膚炎、アレルギー症状や、慢性疾患、がん治療を受けている方の痛み止めロキソニン、放射線治療の肌荒れ対策のヒルドイド、肺がん患者の去痰剤、そして様々なOTC類似薬について、医師が必要と認めればこの対象とならない、負担は増えないという認識でいいのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 今具体的な例を挙げていただきました。例えば、そのアトピー性皮膚炎について申し上げますと、医師の診断や治療の下で年間を通じて症状が持続し、通院する必要が認められるような方は、その治療のために対象医薬品が支給される場合は別途の負担の対象外と考えているほか、例えば、がん患者の方について言えば、身体的な負担が重く、継続的な治療が行われるために対象医薬品を使用する場合、例えば末期のがんで肌が非常に乾燥するというような方の保湿剤でありますとか、そういったものは別途の負担の対象外というふうに考えてございます。 先ほど申し上げたとおり、これらの具体の範囲については、有識者の検討会で技術的な観点から議論いただいた後、医療保険部会や中医協でも御議論いただくわけですが、やはり現場で余り判断が、幅があり過ぎてもまた混乱しますので、不公平な形になりますので、国からも一定の基準等をお示しすることを想定してございます。
○芳賀道也君 医師は医療の専門家、命を守る専門家ですから、現場の医師の判断を最大限尊重していただきたいと思います。 次に、医薬品に関連して伺いたいのですが、いわゆる未熟児、超低体重児は、生まれてからしばらくの間、NICUなどで二十四時間ケアを必要としております。この低体重児に投与される薬として一番多いのがグルコン酸カルシウムという成分の薬です。ところが、この薬の製造現場では、原価割れだが命を守るために生産を続けなければならない、もう設備も古くなって更新したいんだが薬価が低いままなので設備の更新もままならないという声を聞きます。 この超低体重児に必要な医薬品で薬価を更に引き上げる、さらにはその設備、ラインが古くなった場合に生産体制を維持するためのサポート、こうしたものが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森真弘君) 超低体重児に使用されるグルコン酸カルシウムについてでございます。 医薬品の安定供給一般については、これまでも製薬企業による増産体制の整備に対する補助や最低薬価の引上げ、不採算品再算定の実施といった薬価の下支え等を行ってきたところでございます。 御指摘のこのグルコン酸カルシウムにつきましては、直近五年間で、令和五年度、六年度、八年度の薬価改定において、企業からの申請に基づき不採算品再算定を適用し、薬価の引上げを行ってきたところでございます。この五年間でそれなりの価格上がってきているところでございますので、こうした対応の効果も見つつ、本来の安定供給を確保してまいりたいというふうに考えております。
○芳賀道也君 やはり不採算品ということで、ここ数年、ほんの僅か薬価は上げていただいているようなんですが、しかし、それでもやはり古くなったラインを更新するようなそうした余力がないという声も聞きますので、こうしたものについてはしっかり持続してこの薬が提供されるように国も考えていただきたいと思います。 この薬ということではないですけれども、大臣、一般論として、こうした対象となる方が本当に少ない、超低体重児、これでも命の守るためには必要な薬、こうしたものが持続できるように、やっぱり様々国も、経済安全保障という言葉もよく言われるようになりましたし、命を守るために新たなラインをつくるときには経産省と協力して補助をするとか、それだけのラインを新しくする収益が上がるような薬価にするとか、そういったことも必要だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに国民の皆様の生命、健康に直接影響する医療上重要な医薬品の安定供給体制、これをしっかり整備をしていくことは、委員御指摘のとおり大変重要な課題でございます。 今ほど審議官から答弁をさせていただきましたけれども、最低薬価あるいは不採算品再算定の実施など、薬価の下支え、これまで進めてまいりました。また、製薬企業による増産体制の整備に対する補助についても取組を進めてきたところであります。さらに、令和七年の薬機法改正によりまして、基金を造成をして、製薬企業間の品目統合などの取組の支援も進めることとしております。 いずれにいたしましても、こうした手法を活用して、医療上重要な医薬品の安定供給体制の整備に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
○芳賀道也君 実際に対象となる患者は少なくとも、そうした命を守る薬が継続して生産できるように、引き続き、大臣、よろしくお願いをいたします。 次に、今回の健康保険法改正では妊婦健診の無料化が盛り込まれています。これに関連して、既に山形県内の市町村の多くで、五歳児健診、これも無料としております。全国で五歳児健診が無料になっているところも多いと聞いていますが、こうしたことを国として把握をしているのか、政府は無料健診の実施状況把握しているのか、教えてください。
○政府参考人(竹林悟史君) お答え申し上げます。 五歳児健診は、個人の成長や発達を診察するだけでなく、集団における立ち居振る舞いを評価して社会的な発達の状況を把握するとともに、子供の特性に合わせて適切な支援を行うなど、就学に向けて必要な支援につなげることを趣旨とする重要な取組でございます。 令和五年度補正予算におきまして自治体への補助を創設し、六年度補正予算におきまして補助単価の増額を行っているところでございます。 先生お尋ねの市町村が無料で実施しているか否かにつきましては、こども家庭庁において網羅的に把握しているものではございませんが、少なくとも、我々が自治体の取組事例について聞き取りを行っている中では、国庫補助を活用している自治体で有償で実施している実例は把握をしていないところでございます。つまり、知っている限りでは無償だということでございます。 引き続き、自治体の実施状況を踏まえながら適切な支援に努めてまいります。
○芳賀道也君 実質的にはやはりほとんどの市町村が無料で実施しているということだと思いますが、そうしたことも、エビデンスというか、調査が行われているかどうかというのが大事だと思いますので、五歳児健診無料でやっているのであれば、国の補助率を上げるとか国自体が無料にするということも必要だと思います。 そして、五歳児健診はこども家庭庁担当ということですが、歯科の五歳児の健診となると今度は厚労省というふうに伺っていますので、この歯科についても、五歳児健診、これについてもほとんどの市町村が無料にしていらっしゃるようですけれども、全国的なエビデンスでどうなっているのか、この五歳児健診、歯科の五歳児健診、こうしたものもしっかりと調べて、必要なことであれば国がそれをもっとサポートする、そうしたことも進めていただきたいと思います。 こども家庭庁、いかがでしょうか。
○政府参考人(竹林悟史君) まず、厚生労働省の方の制度でございますけれども、五歳児健診とは別に、五歳児に対して自治体が独自に実施する歯科健診につきましては、厚生労働省の八〇二〇運動、口腔保健推進事業において補助を実施されているというふうに承知をしております。 しっかり実態の把握もし、自治体の取組が進むように、引き続き厚生労働省と連携して進めてまいりたいというふうに考えております。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 大臣にも、引き続き前向きな回答をいただきましてありがとうございました。 やはり、実態がどうなのか調べることというのは、今日も山内委員からも実際に調査をという質問がありましたけど、それも含めて、健診なども全国どうなっているのか、こうしたデータを国が把握しているというのは大事だと思いますので、引き続きこうした全国の実態も調べていただいて厚労行政に生かしていただきたいと思います。 本日はありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 今回の健保法の改正でありますけども、昨年六月の十一日に交わされました自由民主党と維新と、そして公明党との合意を背景にしているものかと思っております。 この合意ですけども、OTC類似薬の保険給付の在り方の見直しという項目が設けられて、医療の質やアクセスの確保をする、患者の利便性に配慮をする、医療機関における必要な受診を確保をすると、こういったことがきちんと議論をされました。当時、厚労省も同席をされておりましたので、誰が何を話したかという議事録等は残って、大臣も御報告は受けているかと思いますけども、成分が同じだったら置き換えられるんだ、こんな議論から始まりまして、そうではありませんよと、効能、効果が異なるものは置き換えることは簡単じゃありませんよと、そんなことは難しいんですよと、いや、効き目は一緒じゃないか、こんなやり取りが最初は続いておりました。 そういった中で、たとえ効能、効果が同じものであったとしても、その中にはセルフメディケーションができる人もいればできない人もいますので、そんな簡単にできるものではないということを厚生労働省が一番最初に示したその会議の中で、アラセナが、軟こうが示されておりましたので、ヘルペスと分かる人はいいけども、分からない人は、じゃ、どうするんですかと、こういったような議論も行われて、なかなか難しいですねという議論が収れんしていく中でこれが書き込まれたということをまずは確認をしておきたいと思います。 その上で、議論から抜け落ちていると思われる点があると思いますので、大臣に確認をしたいと思います。 資料の一の一の下の段を御覧をいただけたら、イトプリド塩酸塩と書いておりますが、これ大臣御案内のとおり、四月の二十四日には、薬事審議会にて、厚労省が一般用医薬品の二類に移行をさせようとしたときに、結果的に妊婦さんの服用回避を求める意見が出たことから、指定の二類に位置付ける、移行することになったというものであります。 すなわち、OTCにあっては妊娠中の女性に対しては勧めないということでありまして、であるならば、妊娠可能な女性に対してもOTC、ドラッグストア等での勧めるといったようなことがないということは考えられるわけでありまして、そうなりますと、医療用医薬品でしかアクセスをすることが妊婦さんとか妊娠可能な女性はできないと思いますので、そうなりますと、代替性はないと考えられますので特別な料金が課されることはないと考えますが、確認をしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) OTC類似薬に係る制度の見直しでございますが、これは、必要な受診を行った上で、患者本人の認識にかかわらず、結果的に対象となるOTC類似薬が支給される場合に別途の負担を求めるものでありますが、引き続き必要な受診が確保されるように配慮措置を講じることとしております。 具体的には、がん患者あるいは難病患者など、配慮が必要な慢性疾患の方がその疾患の治療に対象医薬品を使用する場合や、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と認める方については、別途の負担の対象外と考えております。 委員御指摘の点も、こうした考え方に基づいて、別途の負担が対象になるかならないかが考慮されるものだと考えております。
○秋野公造君 大臣、私は代替性がないと申しておりますので、今の御答弁は、準備していただいた答弁、全く違います。やり直してください。
○委員長(小川克巳君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小川克巳君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) このイトプリドにつきましては、七十七成分に入っておりますので、代替性はあります。ただ、その個別のケースについてどういう取扱いになるかということは、今後、この委員会での審議も踏まえ、有識者の検討会で技術的な観点から御議論いただいた上で決定されるものだと考えております。
○秋野公造君 大臣、むちゃくちゃな御答弁です。成分が入っているから代替性があるというお考えは、そもそものこの法案の説明の中にはないはずです。取り消した方がいいと思います。レクをお願いいたします。
○委員長(小川克巳君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小川克巳君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員とちょっと議論がかみ合っていないんですが、私どもとしては、七十七成分に入っているので代替性はあると考えておりますが、ただ、医療上のいろんな配慮等があろうかと思いますので、それは様々な検討会あるいは中医協等で議論がこれから進められるものだと考えています。
○秋野公造君 大臣、七十七成分に入っている中で、アクセスをすることができない方にとっては、代替性はありません。成分だけで考える話ではありません。 先ほど私が例に挙げた妊婦さんは、OTCで処方を受けるという選択肢はありません。代替性がないのに、それを置き換えられるような、医療用医薬品からOTCに置き換えられるという議論にはなりませんから、だから特別な料金の対象にはならないんじゃないですかと確認をしているわけです。
○国務大臣(上野賢一郎君) 代替性の定義が委員と私で異なると思います。 私どもは、その代替性というのは、成分によって判断するというふうに考えておりますけれども、それがどのように使われるかということも含めて、委員は代替性とおっしゃっているんですけれども、その点については今後の議論だということを先ほど来申し上げております。
○秋野公造君 代替性は、成分で決められるものでは、そんな議論は、この自公維の三党合意の方、あっておりません。 新たに、勝手に、それは尊重しなかったという理解でよろしいですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変恐縮でございますが、三党の合意については政党間の合意でありますので、この場で私がコメントをすることは控えます。
○秋野公造君 三党合意に基づいて法改正が行われたと理解をしておりますが、それに基づいていないということを大臣はおっしゃりたいと理解していいですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 三党合意は政党間の合意でありますので、それの中身、あるいはそれの結果的な効果についてこの場で私がお話しすることは避けたいと思います。
○秋野公造君 そうすると、この立法事実はどこにあるんですか。(発言する者あり)
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変恐縮ではございますが、最終的には、現在の与党である自民党、維新の政策合意によりまして今回の法案に結果的には結び付いているものであります。
○秋野公造君 その前段の自公維の合意は尊重しないと、そういう理解ですか。ここに立法事実があるんじゃないですか。 今、自民党と維新の間でとおっしゃいましたけれども、その前に行われた自公維の議論が前段になって、その合意が尊重されて立法化をしたんじゃないですか。これが、ここに立法事実があるという理解ではないんですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変恐縮ではございますが、自公維の三党合意と新たな自民党、維新との政権合意、この関係性について私が申し上げる立場ではありません。
○秋野公造君 答弁拒否は困るんです。 元々いろいろ話し合って、そしてそれを法制化するという形で決めて、行政の方でそうしてもらったんじゃないんですか。そんな、差し控えますと言っていて、そして成分で代替性を考えるって、そんな答弁、本当に大臣、大丈夫ですか。
○委員長(小川克巳君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小川克巳君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) その三党合意の際に具体的にどういった議論があったかということは、大変恐縮ですが、私は詳細までは把握をしておりません。必要であればこれから詳細勉強させていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私どもは、自民党と維新の政権合意あるいはそれに基づく様々な協議に基づいて今回の法案を作成をしております。当然、その前段としてこの三党合意というのも参考にされたものだと考えますが、それについて私が政府の立場でこの場でお話しすることは控えたいと考えます。
○秋野公造君 昨日の御説明まで、この三党の合意を尊重して議論を進めてきたという御説明でありましたので、今日の大臣の答弁とは全く乖離しているということを申し上げておきたいと思います。続きはまたやりたいと思います。あっ、止めますか。
○委員長(小川克巳君) 答弁ありますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになりますが、三党合意の後に自民党、維新の協議がありました。自民党、維新の協議について、これは三党合意と全く断絶をしたものではないと、私もそう考えますけれども、それは政党間のいろんな協議の過程の問題でありますので、この場で私が大臣として、それを参考にされたものかどうかということを、自民党、維新の協議がですね、参考にされたものかどうかということを断定的に申し上げることは避けたいということでございます。
○秋野公造君 全く議論が尊重されていないということがよく分かりましたので、しっかりその旨対応していきたいと思います。 資料の二を御覧ください。四月の二日に川村委員が提出した資料、資料二、資料三、資料四であります。 資料二は、直近の保険料の軽減効果ということで、黄色のところにいわゆる長瀬効果と、二千二百、見込んでいるという形で書いておりますけども、その直近のものにつきましては、そこの部分の言葉がきれいに抜けた形になっております。受診抑制はない、ないとおっしゃっているんですけども、第百九十二回の過去の資料においてはいわゆる長瀬効果ということで、資料の四を御覧をいただきますと、給付率が低くなる制度改革が実施されると、受療行動が変化し、受診率が低下したり、一件当たり日数が減少するという形で厚労省の方で定義をしております。 受診抑制、すなわち受診抑制が掛かるんじゃないのかということはこの資料からも明らかではないかと思いますけども、わざわざ直近の資料では長瀬効果という文言を落として御説明になって、実効給付率がどうだこうだという御答弁に終始をしておりますけども、この資料の出し方から考えたら、受診抑制というのは起こるのではないですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘の表記につきましては、これまで国会等でも何度か御説明をいたしました。これは、あくまで実効給付率が変化をした場合の医療費の増減効果を過去のデータに基づいて機械的に計算したものであることを国民の皆様に正確に御理解いただけるよう現在の記載としているところであります。 その上で、今回の見直しによりまして実効給付率が低下をすることから、予算の積算上の取扱いにおいては過去の見直しのときと同様に、実効給付率が変化した場合に経験的に得られている医療費の増減効果を機械的に計算した金額を見込んでいるところであります。
○秋野公造君 そこを聞いているのではなくて、受診率が低下したり、一件当たりの日数が減少するということが起こるのではないですかと聞いております。
○国務大臣(上野賢一郎君) これまでの経験によりまして、一定の式にこれを導入をさせて、導入をして計算した医療費の増減効果、これを表しているところでございます。
○秋野公造君 大臣、厚労省が出している資料ですので、その上で受診率が低下したり一件当たりの日数が減少するのではないですかと聞いておりますから、そのまま答えてください。
○国務大臣(上野賢一郎君) これも何度も答弁させていただいておりますが、これは一定の仮定の下で置いている数字でございます。予算編成上の数字でございますが、これが制度改正の影響、実際に受診行動にどう影響があるかということはよく注視をしていく必要があろうかと思います。 過去も同様の形で予算の積算上使っておりますけれども、受診抑制が見られないようなケースもありました。そうしたことも踏まえて、今後実際に注視をしていきたいと考えています。
○秋野公造君 委員長、次回は、全くお答えにならないようであれば御注意をしていただくようにお願いをいたします。 終わります。
○川村雄大君 続きまして、公明党の川村雄大でございます。連日ありがとうございます。 今回、健保法改正、多岐にわたる重要広範でありまして、私も非常に関心のある論点様々ありますが、やはりとりわけ高額療養費制度についてまた質疑を重ねたいと思います。 先ほども議論がありましたけれども、政府はこの見直し案に関して二十余の個別の具体の症例を挙げて、負担が減る方、増える方等の御説明をされておりますが、大きな制度改正するに当たっては、専門家によるエキスパートオピニオンとかマクロのデータに基づく客観的なエビデンスが大事でありますとともに、やはり個別具体に光を当てるという観点は大事であるというふうに私も思います。 余り委員会の場で申し上げるのはふさわしくないかもしれませんけれども、私もやはり、この制度の改正の議論に当たっては、これまで担当してきたやっぱり患者さんの顔が浮かぶわけでございます。 ある私と同世代の方は、小腸の希少ながんのような腫瘍性疾患、GISTといいますけれども、になりました。これで肝転移を起こしまして、二回の肝切除、それから薬物治療の継続が必要になりました。また、肝臓の手術の合併症で腸に損傷を来しましたので、一時的な人工肛門造設、それから人工肛門の閉鎖、二回の手術が追加になっているわけでございます。そうしますと、当然治療が長引きまして、そうすると、休職期間が延びまして、そう休職を続けられないということで、やはり退職を余儀なくされました。この方、二歳半のお子さんがおられて、社宅に住んでおりましたけれども、その社宅も退去をせざるを得なくなった。それから、当然保険者も変わりましたので、多数回該当もリセットをされました。そうした方、まさに予期せぬ病気によって生活そのものが大きく崩れてしまったという実例でございます。 これ、個別の例でありますけれども、政府は二十余の個別の例を出して、こういう場合にはこういうふうになるんだ、全部を説明し尽くすことはできないというふうな形で取り上げておられますので、私もたくさん個別の例を知ってございます。 一方で、統計的にも、闘病に伴って収入が減少するということは複数の調査で示されているわけでございます。例えば、令和五年度の国立がんセンターから出た患者体験調査では、がん患者の方の二四・二%が金銭的な負担により生活に影響があったと回答しました。 また、東京都福祉保健局が平成三十一年に出した調査では、がん罹患後、本人又は世帯の収入のいずれか又は両方が減った人は三八・六%であります。 それから、私も委員会等で取り上げましたが、今年の三月にはがんセンターの横断調査で、現時点でがん患者の六九%が経済的な負担で治療の選択そのものに影響を及ぼしている、それから四・八%が経済的理由で治療を諦めた、それからがんと診断された後に五一・七%は減収して、一三・八%は収入がゼロになったというふうに回答をしている、こういう結果ががんセンターから出ています。 がんと診断された後に収入が減るということは明らかであります。現行制度では、所得区分は前年度の所得のみを反映して、制度設計にはそれらの影響を試算をしていないという過去の答弁もありました。治療前の年収区分だけではなくて、治療開始後の収入変動は少なくとも加味すべきではありませんか。大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 患者の皆さんお一人お一人が置かれた状況は様々であると、そうした前提で今回も議論をさせて、議論を進めてまいりました。 専門委員会におきまして、今委員から御紹介がありましたけれども、関係者からヒアリングを行うとともに、家計への様々な影響を検討するため、延べ二十を超える様々な事例あるいは家計調査を用いた資料、こうしたものを提出をし、御議論をいただいてきたところであります。 様々な角度から丁寧な御議論をいただいたと考えております。専門委員会の委員からは、扶養家族がいるにもかかわらず負担限度額が同じであることは負担感が大きい、あるいは、就労面では収入の減少や非正規雇用への転換というケースも少なくないなど、様々なケースを念頭に置いた御意見もいただいております。 このような丁寧な議論の積み重ねの成果といたしまして具体的な見直し案を決定したものでありますけれども、とりわけ当事者の皆さんからは、長期にわたり治療が必要となった場合に将来の医療費負担に対する見通しが立ちにくく、この点が非常に不安であるといったお声を聞くことが多かったところであります。 そのため、今回の見直しでは年間上限という仕組みを導入することで経済的負担に見通しを立てやすくなるようにしているところでありますが、今後とも、こうした見直しの趣旨、できるだけ分かりやすく丁寧に説明を重ねていきたいと考えています。
○川村雄大君 年間上限額の新設がセーフティーネット機能で、本当にそれが十全に果たされるかどうかということについては、ちょっと後ほどまた質疑をさせていただきたいと思いますけれども。 私は、本当に繰り返して言いたいのは、既存の統計的データを援用する、つまりエビデンスに基づく政策立案を、これはもう厚労省もEBPMやっていくということをおっしゃっているわけであります。個別具体を全部網羅するのは不可能だけれども、だからこそ統計的データがあるわけで、しかも公的な機関が複数、これまでにがん患者は収入が減るというデータを取っているわけであります。 この高額療養費制度、もちろんがんだけでは対象、ありませんけれども、がんは多くの場合高額療養費に該当するわけでありまして、この今回の金額を見直すという制度設計に当たっては、少なくともこのようながん患者の体験調査等々の、収入が減るとかそういった実態調査については当然加味すべきであったと思いますし、治療開始後の収入が減るということについては試算はしていないという過去の答弁がありましたので、それはもうEBPMの観点にも反するものであるというふうに考えております。 それで、またこの高額療養費制度というのは、がんや難病患者さんだけではなくて、現役世代の方にも無関係ではありません。令和四年四月から不妊治療にも一部保険適用になりました。この不妊治療も、実は高額療養費制度を利用されている方がいるのではないかと思います。 令和四年度から保険適用になっていますけれども、これまで令和四年度の保険適用された不妊治療にかかって、実際に保険適用された不妊治療を行った患者さん、三十七万人を超えていると政府資料で提示されておりました。体外受精とか顕微授精では、採卵、受精、胚培養、胚凍結、胚移植など重なりまして、保険診療部分だけでも一周期で十万円台、二十万円台になることがあり得ます。実際に多くのこの生殖補助医療を提供している医療機関のホームページ見てみますと、高額療養費制度の案内がほとんどのホームページで一ページ目出てきます。 不妊治療が子供を希望する方にとって精神的にも経済的にも負担である、今、芳賀委員からも別の角度からの御指摘あったとおりでございまして、支援が必要であることは言うまでもありませんが、それでは、保険適用となった不妊治療において、高額療養費が適用された件数、支給額等々の影響は今時点で把握されておりますでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 高額療養費全体のうち、不妊治療に限って、その適用件数や支給額については現時点では把握しておりません。
○川村雄大君 この議論は本当に国民の誰しもが当事者になり得るという、私はそういう意識を持っている中で、また、現役世代の負担軽減というのも、これも我々に課せられた大きな課題であることは認識をしておる中で、この不妊治療が保険適用になって多くの方に福音となっているのは事実だと私も思っておりますけれども、高額療養費に実は頼っている方もおられます。 今回の自己負担額引上げによって負担が増えてしまう方も当然一定数出るのではないかというふうに思いますので、不妊治療についてもしっかり高額療養費制度の観点からも実態調査をすべきであると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 不妊治療、私どもこれも大変重要な課題だと考えております。 今、現時点でデータは把握しておりませんが、委員からの御指摘でもありますので、どのような形でデータの収集、整理が可能か、検討すべき点はありますけれども、どういう対応ができるかについて考えていきたいと考えています。
○川村雄大君 ありがとうございます。 これも再三申し上げていますけれども、今回の見直しによって、フルスペックでいった場合に、実際に保険料負担軽減額は年額平均千四百円と、月額ペットボトル一本分にも満たないというところでありますけれども、多くの場合に自己負担が引き上がって、また、現役世代、今日は特に不妊治療に焦点を当てて取り上げましたけれども、多くの方は負担が引き上がってしまうと。受益と負担のアンバランスを感じる、実際にそういうことが起きるわけでありますので、こうした方についてもしっかりと周知をしていただきたい、配慮をしていただきたいというふうに思います。私は、受益と負担がアンバランスであるというふうに思っております。 続いて、年間上限額について伺いたいと思いますけれども、当然、年間上限額が設定されたこと自体は前進でありますけれども、まさに額面どおりにセーフティーネットの強化に直結したかについては検証が必要です。例えば、償還払いのままで現物給付がされていないと診断直後の生活に影響が極めて大きいわけでありますので、改めて大臣から、現物給付を急ぐべきであるという認識、御決意を改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回新たに創設をする年間上限ですが、長期療養者の皆さんへのセーフティーネットとして大変重要だと考えています。 本年八月から導入をするとしておりますが、専門委員会でも整理をいただいた見直しの考え方におきましても、保険者におけるシステム面での対応が制約条件にならないよう、患者本人からの申出を前提とした運用で開始することも含めて、実現に向けた制度設計の詳細や課題を早急に整理すべきとされておりますので、まずは早急に実現を図るということが大切ではありますが、システム整備等も非常に大事な課題であります。 委員からも御指摘のありましたとおり、現物給付化をしたいということは私も思いは共通をしておりますので、ただ、千四百程度の保険者が存在する中で、システム上の課題、実務面の対応、詰めるべき点がたくさんありますが、早急にそうした点をクリアできるように、我々としてもしっかり努力をして取り組んでいきたいと考えています。
○川村雄大君 これ、なぜ現物給付が必要かといいますと、高額療養費制度を利用する方は、あえて言えば、がんや、そういうがんの疾患の方、月や年の単位を待てないという方もおられるからであります。 では、現物給付が実現するまでの間、年間上限の払戻し、償還払いというのは、その上限額を超えて大体何か月後くらいに償還されるんでしょう、返ってくるんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 年間上限については、八月から翌年七月までの一年間の自己負担額について、翌年八月以降に年間上限額を超えた部分を事後的に償還するというのがまずスタート時点の仕組みということになります。この実際の償還時期につきましては、これ全く年間上限自体が新しい仕組みなものですから、実務を担う保険者によって多少異なると考えておりまして、今の時点で何か月後と申し上げることは難しい点は御理解いただきたいと思います。 ただ、年間上限に到達した方に対してできる限り速やかに償還していただけるように保険者等への協力を求めていきたいと、働きかけていきたいと思います。
○川村雄大君 確かに、政府資料でも令和九年八月以降というふうに小さい文字で書かれてありましたけれども。 年間上限決まっていて、例えば一月でその年間上限額を超えるような高額の治療を受けた場合でも年間上限額でセーフティーネットとして救済されるというのが制度の趣旨でありますので、それも、その後の保険者等への周知云々ということの猶予期間というのは、もうできるだけ早く短縮をさせた上で現物給付が一番いいと思いますけれども。 現行でも、例えばマイナ保険証を使ってもやっぱり駄目なものなんでしょうか。システム上、あるいは制度上の最大のその現物給付ができない、すぐにはできない最大の理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 現物給付化というのを、その方向に向かって進みたいとは思っているわけですけれども、それぞれの保険者において、被保険者の自己負担額、被扶養者がおられる場合には被扶養者分も含めてリアルタイムで把握、集計した上で、年間上限額に到達した場合に即座に被保険者に通知するといったことが考えられるわけでございます。 ただ、そもそも現行の診療報酬の請求実務では、医療機関は御案内のように診療月の翌月十日までに請求するということでございますので、累積自己負担額をリアルタイムで保険者が把握するという仕組み自体を一からつくる必要が出てまいります。その上で、仮に何らかのシステムで対応することになった場合でも、被用者保険だけで千四百程度の保険者が存在する中で、そこの全保険者にシステム改修をお願いする必要があるといった課題があるということでございます。 しかしながら、患者負担の軽減の観点からこれ大事なテーマだと思っておりますので、システム上の課題に加えて、実務面の対応も含めまして、関係者とできるだけ早期に課題整理を行っていきたいというふうに思います。
○川村雄大君 絶対努力していただきたいんですけれども。何たって、この制度が整理される前に治療困難、継続困難になってしまって命が失われてしまっては誰も責任取れませんので。そうした危機感から、再三、委員の皆さんも同じ思いだと思いますけれども、様々なエビデンスを挙げて、様々な学者の皆さんの検証のデータを挙げて、何なら、先ほど提示された五十嵐先生のデータなどは例えば専門委員会等でも提示されていたものと承知をしておりまして、そういった議論がなされているのはそういう危機感、切迫感からであります。 また聞きますけれども、高額療養費、現時点でですね、年一回以上該当する方は、令和五年度で七十歳未満で四百十万人、七十歳以上八百七十万人で合計千二百八十万人とあります。一方、新たな年間上限に該当する者、この制度の下で試算した場合、同年度、令和五年度のデータで試算をしますと約五十万人ほどであるというふうな衆議院の厚生労働委員会での答弁がありました。これ単純計算をしますと、千二百八十万人のうちの五十万人が年間上限額に該当するであろうということでございまして、大体三・九%程度ということでございます。そうしますと、残りの九五%以上の方が自己負担は上がる可能性が高いということで、そういう解釈でよろしいでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員から御紹介いただきました三・九%という試算については、私どもの受け止めですけれども、厚生労働省がお示ししている資料を基に、今回新たに導入する年間上限額の対象者数約五十万人を分子として、そして令和五年度における外来特例等の利用者を含めた現行の高額療養費制度の利用者数約千二百八十万人を機械的に割り算することにより算出したものと承知してございます。 その上で、分母となるこの千二百八十万人には、外来特例のみを利用される方も含まれております。このうち、基礎年金のみの方については今回の見直しにおいては負担が増加いたしません。また、年間上限に該当しない方であっても、これも予算委員会などでも議論になりましたけれども、本年八月施行時点で多数回該当に該当している方、これ大体年間でいくと百六十万人ぐらいいらっしゃるのですけれども、そういう方については見直し前後で、要するに八月時点で多数回該当になっていますと、その後、過去十一か月に該当している人は引き続きその八月以降も多数回該当の該当になり得ますので、その場合には見直し前後では負担が増えることはないということでございます。また、年収二百万円未満の課税世帯について、むしろ多数回該当の金額を引き下げることもあるもの、引き下げて負担が軽減されるケースもございますので、単純に負担増となる方の割合をお答えすることが難しいということは御理解いただければというふうに思います。 三・九%というのはかなり全体の話をおっしゃっているんだろうというふうに考えております。
○川村雄大君 長期療養者への配慮等々で年間上限額というのを設けたということを政府がおっしゃいますので、じゃ、どれぐらいの人が実際その恩恵受けるのかと考えるのは当然なわけでございます。 その年間上限額、システム自体いいと思います。ただ、足らざるところはある。現物給付が達成されていないこと、それから、実際に受益する人が全体の中で、過去の統計でいうと大体三・九%くらいだということは事実としてお認めになったと、お認めになったというか、事実だと思います。その上で、やっぱり自己負担が実際増える方、そして減る方というのは、あらあらでもいいので、大体どれぐらいの方がこの見直しによって実際に負担が増えるのか減るのかということは当然示された方がいいのではないでしょうか。今お答えできたら示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の、先ほど来の議論の中でも私の方からもお答えしていますとおり、これは、おっしゃるとおり増える方もいらっしゃるし、変わらない方、減る方もいらっしゃるということでございますけれども、その重複等もございますので、それからあとデータ上の統計上の制約もあって、先ほど申し上げたような多数回該当で、次の年にそのまま多数回該当になる方が百六十万人のうち何人ぐらいいらっしゃるのかと、相当な数いらっしゃると思いますが、その辺りについては統計上は分からないということもございます。 こうしたことから、単純に負担が増加する患者と負担が減少する患者の人数をお答えするのは難しいということを申し上げざるを得ないというふうに思っています。 かなり、予算委員会での御議論の中で申し上げれば、高額療養費の利用者数、外来特例を除いた方が八百二十三万人いらっしゃって、そして年一回から三回までの利用者数が約六百六十万人いらっしゃると。他方で、年間上限の該当者五十万人。年収二百万以下で引下げの対象になる方が三十万人。そして、多数回該当の方が、百六十万人のうち一定数がそういうような形で次の年度も適用になるということでございますので、そういった形で、粗いものとしては、そうしたもので私ども受け止めているところでございます。
○川村雄大君 度々、長期療養者への配慮ということが今回の改正でうたわれているわけでございまして、その根拠として、年間上限額の設定、多数回該当の据置きという主にこの二点。低所得者への配慮ということはちょっとまた別の機会に取り上げますけれども、この二点を前面に押し出しておっしゃっているわけでありますから、であるならば、それによって実際何%の方がこの恩恵にあずかるといいますか、これで負担が減るであろうとか、そういったことは言うべきでありまして、そしてまた、再三、委員の方から、ほかの委員の方からもあったように、闘病に係って収入が減るという事実を過去の統計データから政府は承知していたにもかかわらず、破滅的医療支出になり得る方が非常に多くなる制度設計であるということが医療経済学者等々から示されているにもかかわらず、それを反映させないで、金額ありきでこの制度をつくってしまったということ自体が、私はどうしても、患者さんの不安の声には全く応えることにはなっていないというふうに思っております。セーフティーネット機能が率直に言うと毀損されかねないということを危惧しているわけでございます。 エビデンスベーストの政策意思決定は極めて大事でありまして、そのために様々調査をするわけですけど、新たに調査を起こすということもそうですけれども、既存のデータをしっかりと使う、そしてそれを使ってきたということを公表すべきであります。透明性を高めていくべきだと思います。 今日、私が本当に例示したのは本当に少数の例でありまして、様々、収入、闘病に係る収入、それから生活実態調査というのを、とりわけがん患者に関しては今までもずっとやってきているわけですから、これを今この制度設計のときに反映させないで、何のためのデータだったのかとさえ思えるわけでございます。 それから、エビデンスに基づけないのであれば、なおのこと、エクスペリエンスといいますか、個別具体の例をしっかり勘案するべきでありますので、だったら、やっぱり患者さん、当事者の声をしっかり聞くべきであるというふうに思うわけであります。 この専門委員会で第九回目に、昨日の本会議での総理答弁でもありましたけれども、具体の金額が提示をされて、八回目までで基本方針については合意をして、九回目に金額を提示して御議論がなされたものというような、そういった趣旨の御答弁がありましたけれども、九回目に金額を提示されて議論ができたというのは、その九回の専門委員会の中の金額が提示されてからその九回の会議が終わるまでのこの時間が、金額を提示された後での患者を交えた議論ということになるわけでありまして、これは質疑でも言いましたけれども、この専門委員会、まだ後に持つべきであったというふうに私たちは思って質疑もしておりました。 年明けにどうしてこの議論が、金額が提示された後、つまり第十回目以降が持たれなかったのかという質疑に対しまして、上野大臣の方から、選挙もありましたしというような御答弁もございましたけれども、そういった社会的な情勢、まして選挙が影響しているかのようなことで協議を終わらせていい話ではないわけであります。 その点について、この在り方委員会の持ち方、専門委員会の持ち方についてもやはり丁寧さを欠いていたというふうに言わざるを得ないというふうに思いますので、大臣、この患者さんが今不安に実際に陥っているわけでございます。この見直しによって我々は治療を中断しなくてはならなくなるのではないかというような声が我々にも届いているわけでございます。この方に対して、患者さんに対して、しっかり安心できるような言葉で、大臣の方から、この見直しは、命の選択につながるものではない、治療の継続性を損なうものではない、セーフティーネットを損なう改革ではないということを大臣の口から患者さんに向けて説明してあげていただけませんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、選挙の話は、予算委員会でその後お話をさせていただきましたけれども、誤解を与える表現だったというふうに思います。それは、選挙があったことによって、様々なシステム上の課題とか具体的な運用の問題について省内での議論が少し遅れてしまって、それを踏まえて今後専門委員会等での議論ということにつなげていく可能性があるわけでありますから、そうしたことが遅れてしまったことの一つの例として挙げさせていただきましたけれども、やはり委員御指摘のとおり、余り適切な表現ではなかったというふうに考えております。 その上で、今回の目的でありますが、やはり一つは、やはり制度そのものが持続可能だということ、それをやはり将来的にも我々は守っていかなければいけませんので、そうしたことを前提にした見直しであるということ。そして、もう一つ大切なのは、私どもが何度も申し上げているとおり、長期の療養者の方、あるいは所得の低い方、そうした皆さんに対して、これセーフティーネット機能はしっかり準備をさせていただいて、これまでと負担額が増えるということはないということをしっかりとお伝えをするということだというふうに思っております。 この二つの軸で今回制度改正をさせていただきました。まだまだ御理解をいただいていない面があろうかというふうに思いますので、これからも、我々としては、そうした趣旨が十分皆さんに伝わってしっかりとした受診を受けていただけるように努力をしていきたい、最大限努力をしていきたいと考えています。
○川村雄大君 時間参りました。終わります。
○新実彰平君 日本維新の会の新実彰平でございます。 今日は、まずOTC類似薬の医師処方時における特別料金の設定について伺ってまいります。 厚生労働省さんは、その制度趣旨につきまして、医療用医薬品の給付を受ける患者とOTC医薬品で対応している患者との公平性の確保並びに現役世代の保険料負担の軽減、この二つを挙げておられます。この制度趣旨にはおおむね賛同するところでございます。今日は、その結果生じる状況について、しっかりと対応できる体制が存在しているのかどうかについて伺ってまいりたいと思います。 まずは、その制度趣旨に保険料負担の軽減を挙げておられるわけですけれども、改めて伺わせていただきます。OTC類似薬の特別料金の設定によって生じる保険給付の削減効果額の総額と、そのうち、特別料金の支払によって薬剤費への保険給付が減る分を除いた、純粋に行動変容に伴って削減できる保険給付額、効果額、これを教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 保険給付額ということなんですが、まず医療費から、その上で保険給付額をお答えしますが、今回のOTC類似薬の保険給付の見直しにおける財政影響については、六年度レセプトデータを基に対象品目の薬剤費を集計し、医療費の削減効果、約九百億円を算定してございます。そのうち、患者にお支払をいただく別途の負担分が約五百億円。もう一つ、行動変容の話がございました。例えば、患者が医師の診察を受け確診、確定診断を得た場合に、二回目以降はOTC医薬品を利用するといった患者の行動変容によって減る技術料等の医療費を約四百億円と見込んでおります。その上で、この給付への影響については、医療費の影響のおおむね約八割というふうに考えております。
○新実彰平君 ありがとうございます。ですから、行動変容によって生じる保険給付の削減額はおおむね三百億円ちょっとという概算であろうと理解をいたしました。 これ、あくまでも、受診抑制によるものだという表現は厚生労働省さんは使われないわけでございます。必要な受診は維持をされるんだと。ただ、昨日も上野大臣が御答弁をされたように、また今も局長よりいただいたように、一回目は病院に行くけれども、診断を受けて、そのときは処方を受けて、ちょっと高いなというふうにお気付きになった方が行動変容を起こされて、二回目以降はドラッグストアでのOTC薬の購入にも移られると、そんなストーリーを今御披露いただいたんだと思うんですけれども、これは、何といいますか、一回目の必要な受診機会は守られているんだというこの立て付けを大変重要に思われているということだと思いますけれども、必要以上の受診が一定程度控えられるということは、やはり一部肯定的に捉えてもよいんだろうと私は思っています。 これまでずっと議論があったように、高額療養費の月額上限の引上げによって受診控えが起きるということはあってはならないというふうに思いますけれども、まさにこうした軽微な症状における受診に対して多少なりとも負担を高めて行動変容を促していくという、これを否定していては保険料負担の抑制などできませんので、そろそろ厚生労働省さんにも徐々にマインドセットを転換をいただいて、しかるべき受診抑制というものもあるんだという前提に一緒に立てないかなということを思ったりもするわけでございます。これは少し余談ですけれども。 とにもかくにも、厚労省さんの言うところの二回目以降については、これはセルフメディケーションと呼んでもよいのだろうと思います。これも、あえてセルフメディケーションに誘導するための施策でないという立て付けも大変重要視をされていますけれども、これはセルフメディケーションと呼べるんではないか、二回目以降は、思います。ですので、それに備えた体制づくりが同時に必要であるという観点で御質問をさせていただきます。 薬局やドラッグストアにおいてOTC薬の購入による、いわゆるセルフメディケーションで対応しようとする患者に対して、薬剤師の皆さんに求められる対応とはいかなるものでしょうか。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 OTC医薬品は、薬剤師等から提供された情報に基づき購入者の選択により使用されるものでございまして、購入を希望する方に対して薬剤師は、既往歴、他の医薬品の使用状況など、購入者の状況を適切に把握し、当該医薬品等の適正な使用に関する情報提供を行うとともに、必要に応じて医療機関への受診勧奨を実施することなどが求められていると認識しております。
○新実彰平君 ありがとうございます。丁寧な服薬指導と、そして時に受診勧奨、これが重要になるという御説明だったと思います。 この受診勧奨が大変重要になってこようかと思います。OTC類似薬の特別料金においても、また、今後展開されるであろう高齢者の方の窓口負担割合の変更をどうしていくのかという件についても、やはりこれに反対をされる方のロジックの最たるものは、受診控えによって重大疾病を見逃す可能性があるというものだからであります。そんなにあることではないんでしょうが、一方で、確かにそういったケースは否定できませんし、そうしたことがあってはならないというふうにも思います。 ただ一方で、必要以上の受診による医療費支出の増大も抑制せねばならないという難しい命題を抱えているわけですが、それらを両立をさせるためには、ごくごくまれに起き得る受診していれば防げた重大疾病を見逃してしまったというリスクを薬剤師の方の受診勧奨によって防ぐということであろうと思います。それができれば、医療費支出を抑えながら健康を損なわない体制が構築をできるものだというふうに考えております。ですので、ここからは、薬剤師の皆さんがそうした丁寧な患者との向き合いを実践するための仕組みづくりについて考えたいと思います。 一つの鍵ではないかと考えていますのが、去年の臨時国会でも質問をさせていただきました改正薬機法によって可能になります特定調剤業務の外部委託でございます。薬局の業務を一部外部委託可能とすることで、これ薬剤師の皆さんを過度な対物業務の負担から解放して、対人業務に充てられる余力をもたらそうとするものでございます。 さきの臨時国会の質疑で、厚生労働省さんからは、この改正法の施行に当たって特定調剤業務をどういう範囲に設定をするのかの検討に当たっては、大阪市でいわゆる一包化のみを対象に行われている国家戦略特区を利用した実証事業、この状況を踏まえるというふうに明言をいただきました。大阪で実際に一包化のみを対象にやっていますので、ここをもう少しこうすれば対象の件数が増えて、真の意味で薬剤師の皆さんの対物業務を減らせるんじゃないか、対人業務に充てる時間を生むことができるんじゃないかという、その制度をつくっていくに当たって大阪を参考にいただくというのは前向きな御答弁だというふうに受け止めさせていただいています。 いよいよその規制緩和をする法律の施行まで一年という現段階になりまして、特定調剤業務の内容について政府の案が取りまとめられまして公表をされておりますので、それらについて伺わせていただきます。 まずは、さきの臨時国会でも御提案をした、大阪市の国家戦略特区でも対象としていない、厳密な意味での一包化に含むことができない別包の薬剤、漢方薬などですけれども、これをテープなどで組み合わせる作業も今回の政府案では特定調剤業務に加えるという、一歩踏み込んだ案を提示をいただいています。そこに至った議論の経緯などを教えていただきたいということに加えまして、一方で、軟こう薬などの使用のタイミングが一包化対象薬剤とは必ずしも一致しない薬剤の取りそろえについては特定調剤業務の対象とはしないという方針にされている、この理由も併せて教えてください。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 この特定調剤業務の範囲につきましては、昨年十一月のこの委員会で委員から御指摘をいただいたところでございますけれども、今年の二月から四月に開催をいたしました厚生労働省の有識者検討会においてまさに大阪の国家戦略特区の関係者の方からヒアリングを行った結果、同一の処方箋において一包化に適さない医薬品がある場合に委託元と委託先で別々に取りそろえを行うことの非効率性について指摘があったところでございます。 このため、一包化を行う際の一連の作業の流れの中で、一包化された薬剤を、いわゆる散剤、漢方薬等の粉薬です、などの同一時点での服薬を前提とした他の薬剤とを組み合わせる作業については、先生も御指摘のように広義の一包化に当たるというふうに考えておりまして、それは服薬時点が一定間隔など定型的な作業であり、外部委託した場合に負担軽減が見込まれる、また、同一時点での服薬であり、患者の飲み忘れ防止など医療上の有用性もある、そういった観点から特定調剤業務の範囲に含めるという結論にして案を提示したところでございます。 一方で、これ以外の医薬品につきましては、頓服薬や外用薬などの使用のタイミングや使用方法が異なる様々なものでございますので、定型化とか効率化につながるかということが検証されていないので、特定調剤業務の範囲には含めないということにしたものでございます。
○新実彰平君 ありがとうございます。 その軟こう薬などの取りそろえまで一括して委託をしても、どこまで委託元薬局の業務の効率化に資すのかということが今時点では分からないと、検証してもそんなに業務の効率化に資さないんではないかという思いももしかしたらおありかもしれません。 ただ一方で、仮に委託先の薬局から患者さんの元への薬剤の直送、直接送るという行為まで仮に許容をするのであれば、軟こう薬などの取りそろえもセットで許容をする必要があるわけであります。逆に言うと、今回、その直送を認めていないからこそ、処方箋に書いてある全ての薬剤の取りそろえを特定調剤業務の対象とすることの必然性がないんだろうというふうに思うんですね。 そこで伺わせていただくんですが、今回の案では、一包化した薬剤はあくまでも委託元にまた戻されて、委託元が確認をする鑑査を行って患者の元に渡すということになりまして、委託元の業務負担は一部残るわけでございます。また、患者の元に届くまでの時間も一定程度要すということになってしまうわけですが、これは、その委託元がそれを遠隔で委託先にある状況の薬を鑑査をする、写真なんかを見て鑑査をする、写真なんかを見て取りそろえを正確になされているのかどうかチェックをすることが難しいからやっぱり委託元に戻さざるを得ないということなんだろうと思いますけれども、だとすると、この鑑査自体を、つまり最終チェック自体を委託先の薬局が行うことをよしとすればよいのではないかと思うわけであります。 ちょっと整理をして伺いますが、委託先の薬局自身が鑑査、最終的な取りそろえのチェックを行うことは法律上は可能なのでしょうか。もし不可能なんだとすると、どういう理由でしょうか。教えてください。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 令和七年の薬機法改正により調剤業務のうち外部委託が可能となる業務は、調剤業務のうち当該業務に著しい影響を与えない定型的な業務というふうにされているところでございます。 法律上、調剤業務のうち著しい影響を与えない範囲で限定されている理由といたしましては、委託行為は、委託元の責任の下で、薬局としての自主的な役割を損なわない範囲で行うということが適当だということでございます。 先生御指摘の最終鑑査というのは、薬品の取りそろえの正確性にとどまらず、処方内容の妥当性とか薬歴の整合性の確認などを含む総合的な判断を要する行為でございますので、この行為は、著しい影響を与えない、いわゆる調剤に著しい影響を与えない定型的な業務とは言えない部分でありますので、最終鑑査は委託薬局側が行う必要があるというふうに考えております。
○新実彰平君 ありがとうございます。 確かに、今の法律の書きぶりは、著しい影響を与えない定型的な業務のみを特定調剤業務とし得るということでありまして、今御説明いただいたように、その鑑査という言葉の中に、取りそろえのチェックのみならず、処方自体の妥当性、これは処方歴等に鑑みてしっかりとチェックをするということまで含めて鑑査だということであればおっしゃるとおりなのかもしれませんけれども。 ちょっとあえて頭の体操としてお考えをいただきたいと思うんですが、同じくその委託先薬局による鑑査について法的な課題は認識をいたしました、法改正が必要なのかもしれませんけれども、他方、実務的には、委託先の薬局においても当然ながら有資格者たる薬剤師の方がいらっしゃるわけでございまして、委託先の薬局が責任を持っていわゆる取りそろえのチェックについては行うということも実務上可能なのではないかと思うわけであります。 その処方自体の妥当性とか、あるいは服薬指導みたいなものは処方箋を受け取った時点で委託元薬局が、これは手元に薬がなかったとしても、患者さんとコミュニケーション十分に取り得るわけでありますので、そういった責任と役割の分担というものをし直せば十分可能なのではないかと思うんですが、実務上可能か不可能かというちょっと御見解をいただきたいです。
○政府参考人(宮本直樹君) 重ねて同じ説明になるかもしれませんけれども、御指摘の最終鑑査を受託薬局で行われてもよいということになれば、委託側の薬局の実質的な役割というのはなくなってしまうわけなので、そういうことにもつながりかねないということに加えまして、患者との関係では委託元が責任を負うということになっておりますので、最終鑑査はそのための印としても委託薬局において実施すべきというふうに考えているところでございます。
○新実彰平君 役割がなくなるとは思わないということを先ほど申し上げたわけでございまして、つまり、処方自体の妥当性と服薬指導は、手元に薬がなかったとしても、目の前で患者さんに対する委託元の薬局がコミュニケーションを取れば可能なような気もするわけでありまして、まさにその責任と役割の分担を変えれば十分可能性はあるんではないかなというふうに個人的には思っておりますけれども、また私も勉強させていただいて、今後議論をさせていただければというふうに思います。 また、こちらも前回緩和を御提案をしました委託可能な薬局を同一都道府県内に限るとの運用、これ当時は三次医療圏内という表現でしたけれども、北海道以外は三次医療圏と都道府県、都府県か、のエリアが一致をしているということで、今は同一都道府県内という表現に変わっておりますけれども、これも緩和をいただけませんかというふうに御提案をしましたが、なぜかというと、本来は県境を越えて目の前にもっと近い委託できる薬局があるのに、どういうわけか委託先として使えないというのは、これは不合理ではないかと思うからでありますけれども、残念ながら、規制を残される理由も伺いますと、都道府県を越えた保健所設置自治体同士の情報共有の仕組みが現状ないことが理由だというふうに伺いました。 是非ともお願いをしたいんですが、今後、この都道府県を越えた委託も可能とするべく、都道府県を越えた保健所設置自治体同士の情報共有の仕組みを整えていくために国としても積極的に行動いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮本直樹君) 先生御指摘のとおり、委託先の地理的範囲につきましては、現時点では、都道府県をまたいだ適切な監視指導、これ都道府県と保健所設置市がやるわけですけれども、が実施できないおそれがあるという意見を自治体から現にいただいたということもありまして、施行の時点では同一都道府県の範囲内とした上で、施行から二年以内を目途に見直しを検討するという案にしておるところでございます。 厚労省の有識者会議においても、許可台帳や監視情報をリアルタイムで他の自治体と情報共有する仕組みがないという課題を指摘いただきましたので、これらの課題を踏まえつつ、自治体の意見も聞きながら具体的な対応策について検討してまいりたいというふうに考えています。
○新実彰平君 ありがとうございます。 是非とも、国でリーダーシップを取っていただいて、薬剤師の皆さんをより過度な対物業務の負担から解放する仕組みを是非とも御検討いただきたいと思います。 その上で、これもさきの臨時国会で御提案をいたしましたけれども、やはり薬剤師の皆さんを対物業務から解放した分、その時間と労力は、能力は対人業務に充てられることが望ましいわけでございます。それが今回のOTC類似薬処方時の特別料金の設定とも整合するわけです。 処方薬なのかOTC薬なのかにかかわらず、適正な服用、適正な飲み合わせが可能な状況につながるわけですし、また、これも大変重要です、必要な受診を的確に促していただけるようになるわけでございまして、そういう状況に何とかつなげたいわけですけれども、そうなれば、ただ薬剤師の皆さんから調剤業務とそれに伴う利益を奪うだけのような形にはなってはなりません。対人業務に対価が伴う必要があるというのは前回も御指摘を申し上げたとおりでございます。ですので、今回の調剤報酬改定についても伺わせていただきたいと思います。 今回、政府は、かかりつけ薬剤師指導料を廃止をされまして、実際に行った対人業務に対して加算を行うかかりつけ薬剤師フォローアップ加算、かかりつけ薬剤師訪問加算等を新設をされました。その狙いを教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 御指摘のかかりつけ薬剤師指導料、これ廃止したものでございますが、元々、趣旨は、かかりつけ薬剤師が医師と連携して患者の服薬状況を一元的、継続的に把握し、服薬指導等を行った場合に算定できるものでございました。ただ、これに対しては、これまでも、この指導料の算定回数を現場の薬剤師に対してノルマとして課する薬局があるといった御指摘でありますとか、実際の取組内容ではなくかかりつけ薬剤師であることのみをもって評価することは適当ではないといった御指摘もあったところでございます。 こうした御指摘も踏まえまして、今回の調剤報酬改定におきましては、かかりつけ薬剤師指導料を廃止する一方で、薬剤師が実際に取り組んだ電話等による服薬状況の確認や患者宅への訪問による服薬管理を評価するかかりつけ薬剤師フォローアップ加算やかかりつけ薬剤師訪問加算を新設することで、実績重視の評価体系へと転換させることとしました。その意味で、対人業務を更にちゃんと評価するということでございます。 こうしたことを通じて、一元的、継続的な服薬管理指導による適正な薬物療法を実現するために、薬剤師の対人業務を更に推進し、かかりつけ薬剤師機能の向上を促進したいと考えてございます。
○新実彰平君 大変前向きな制度変更だというふうに思います。 従前存在していたかかりつけ薬剤師指導料については、とにかく患者さんに同意をしてもらってかかりつけ薬剤師というふうに名目上一回なれば、御本人が取消しを求めない限りは、きちんとしたフォローアップをやっていようがやっていまいがずっと調剤の度に加算を取り続けられるという状況があったように伺っておりまして、これ、誰が悪いわけではありませんが、どう考えてもモラルハザードが起きやすい仕組みだっただろうというふうに思います。現に、そのノルマのお話も御言及いただきましたし、またどうすればこの同意を患者さんから取りやすいのかというようなノウハウが学会で共有されていたような事例すらあるということも伺っております。ようやく廃止をされて、実質的行為への加算にリニューアルをされたことは歓迎をいたしたいというふうに思います。 そのほかにも、今回の調剤報酬改定では、かつて九州大学が最大三千億円超の医療費支出の削減効果の可能性を指摘していました残薬、薬の飲み残しの問題についても、患者の手元にある残薬を確認して薬剤師さんの判断で処方量を減らすことを可能とするとともに、そこに加算を行うという仕組みも新設をされたと伺っております。まさに健康を損なわずに医療費支出の適正化に寄与する可能性がある、これもすばらしい制度変更だというふうに思います。 また、こちらについて伺います。都市部において、多数の薬局が集中して立地している場所に新規に薬局を開業し、かつ特定の医療機関からの処方箋が集中をしている状況にある、いわゆる門前薬局については、調剤基本料を十五点減算するという新しい仕組みも導入をされました。 まず伺いますけれども、この門前薬局等立地依存減算ですが、この導入に当たって、いわゆる門前薬局に対して政府はどのような問題意識を有しているのか、改めて伺わせてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 特定の医療機関の周辺に立地して、そこから交付される処方箋に依拠している、いわゆる門前薬局につきましては、これまでも特定の保険医療機関に依存しているため薬剤師による主体的なかかりつけ機能が発揮されにくいという課題等が指摘されている中、いわゆる門前薬局が増加し続けているという現状がございます。こうしたことから、平成二十七年に厚生労働省が策定いたしました患者のための薬局ビジョンに掲げられた「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」という方針にそぐわない面があったと考えております。 こうした問題意識の下、医薬分業の更なる推進のため、既に多数の保険薬局が所在する地域等に新たに開設する保険薬局であって、特定の保険医療機関からの処方箋集中率が高いものに対する減算として、令和八年度調剤報酬改定において、門前薬局等立地依存減算を新設したところでございます。
○新実彰平君 ありがとうございます。 まさに、しっかりとした能力を有していらっしゃる薬剤師の皆さんには市中にどんどん出ていただきたいと、そして患者さんと向き合っていただきたいということだろうと思います。 この門前薬局等立地依存減算についてもう少し深く伺いますけれども、実は今月までに保険指定を受けた薬局は対象外ということになっておりまして、六月の一日以降、新規に開設をされたいわゆる門前薬局のみがこの減算の対象になっています。これを、厚生労働省さんの資料を拝見すると、資料上は経過措置というふうに表現をされているわけでありまして、言葉どおり読めば、今後、既に設置をされている薬局についても場合によっては本減算の対象として、より積極的にこの患者のための薬局ビジョンにかなう薬局を増やしていく、そういうアクションを取るおつもりなのかなとも読めるわけなんですけれども、現状の方針、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま御指摘のとおり、門前薬局等立地依存減算は、新設するわけでございますけれども、既存の保険薬局で調剤を受けていた患者の方々が、この減算を受けることによって保険薬局が移転等をすることによって継続的な服薬管理を受けられなくなることを防止するという観点から、中医協における議論を踏まえつつ、診療報酬改定の施行日の令和八年六月一日以降に新たに保険指定を受ける保険薬局のみ適用することとし、令和八年五月末までに保険指定を受けた保険薬局には適用しないこととしております。 これ、様々な議論がございます。この減算につきましては、令和八年診療報酬改定の答申書附帯意見におきまして、これは中医協の附帯意見でございますが、「今回の改定による影響の調査・検証を行うとともに、適切な医薬品提供拠点の在り方も含め、薬局ビジョンを踏まえた薬局・薬剤師の在り方について引き続き検討すること。」とされていることを踏まえまして、また議員の御指摘も踏まえまして、今後、中医協において適切に議論していきたいと思います。
○新実彰平君 ありがとうございます。可能な限り前向きな御答弁をいただけたのかなというふうに思います。 残念ながら、現にこうした薬局が多数存在していて、ある種の医薬分業の機能不全と指摘をする方もいるわけですが、これもその薬局さんが悪いというよりは、そういう仕組みになっている中にあって、そういう場所に立地をさせようというインセンティブが働くのはある種当然であったと思います。 既にそういう場所に立地をしてしまっている薬局さんが、今後特定病院の処方箋の集中率を下げていく営業というのをどうやってやっていけばいいのかというのを考えますと、非常に難しいだろうなとも想像できますので、頭ごなしに全ての門前薬局にこの減算を適用すべきだとまでは現時点で私も申し上げる根拠がありませんけれども、ただ、方向性としては、やはり経過措置をとった上で、減算なのかどうか分かりませんけれども、より、繰り返しますが、薬剤師の皆さんに市中にどんどんと出ていただいて患者さんの元に向かっていただくと、そういうインセンティブを何とか制度上付けていただきたいというふうに御提案をさせていただきます。 このテーマ、最後に上野大臣に伺わせていただきます。患者のための薬局ビジョン、「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」が策定をされまして十一年が経過する中で、ようやくという形ではあるものの、このビジョンを体現できるチャレンジングな調剤報酬体系へと大きくかじを切られたというふうに受け止めておりまして、歓迎をいたしております。 ちょうど今回の法改正でOTC類似薬処方時の特別料金の仕組みも導入をされるわけであります。必要以上に受診をすることが当たり前の状況から、これは厚労省さん誘導しているわけではないというお立場ですが、セルフメディケーションも一定程度取り入れる社会に導いていくということで医療費の無駄な支出を削る、一方で国民の健康は損なわない、むしろ増進をさせていくと。そのための重要な役割をやはり薬剤師の皆さんが担っていらっしゃるというふうに思います。 薬剤師の皆さんがしっかりと地域に根差して、そして待ち構えてくださっている、そういう体制を是非ともつくっていただきたいと思いますが、こうした方向性についての大臣の所見と決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 薬局の薬剤師の皆様には、処方箋調剤などの医療提供だけではなくて、OTC医薬品の販売や健康相談など、地域住民に向けた健康サポートの面でも役割を担っていただくことを期待をしているところであります。また、OTC医薬品の販売に当たっては、購入希望者からの相談に基づいて、適切な医薬品の選択、適正使用に向けた情報提供に加え、必要に応じ受診勧奨を行うなど、医療につなげていただくことも重要だと考えております。 昨年の改正薬機法で健康増進支援薬局の認定制度を創設することとなっておりますけれども、こうした役割を更に推進をしていきたいと考えています。
○新実彰平君 ありがとうございます。 医療費の支出の適正化を図るOTC類似薬の保険給付の見直しと、そしてセルフメディケーションの促進と、さらには、薬剤費の支出の適正化をしながら健康を維持増進し得る薬剤師の皆さんの対人業務における活躍、これらをしっかりとパッケージにしていただいて、一気通貫した制度を是非とも構築をいただきたいというふうに思います。 ちょっと時間なくなりましたので、何問か次回に回させていただきます、大変恐縮でございますけれども。 出産費用の無償化についても少し伺わせていただきます。 お産は、始まった時点では正常でも、途中で出血や胎児の機能不全、吸引分娩、緊急帝王切開、新生児の蘇生等々、救急的対応も必要になるものでございます。一方で、二十四時間三百六十五日の体制を整備することも求められるという、大変なコストの掛かる領域だというふうに認識をしております。今回の制度変更は、単なる価格抑制ではない、周産期医療のインフラを守る制度設計が求められているというふうに認識をしております。 残念ながらそうならないんではないかといぶかっていらっしゃる産科さんが多いということが分かるのが、先ほど山内委員も御紹介をされていましたけれども、日本産婦人科医会さんの調査でございまして、この制度が導入をされたときに分娩の取扱いをやめたり、それを検討するという医療機関が大変多い。不信感を持っていらっしゃる、不安感を持っていらっしゃる医療機関が多いわけでございますが、まずは大臣に伺わせていただきます。 今回の新制度におきまして、どのような周産期医療体制を構築することを目指しておられるんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の見直しは、妊婦の経済的負担の軽減のみならず、地域の周産期提供体制の確保、この両立を図るものであります。その意味では、正常分娩の給付水準、どのように設定するかが重要でありますが、これにつきましては、保険料への影響を考慮しながら、考慮しつつ、分娩施設の経営実態等も踏まえながら、丁寧に検討していきたいと考えています。 その上で、地域の周産期提供体制の確保という意味では、医療保険制度という観点だけで考えるのではなくて、供給体制の面も含めた、より大きな視点で考えていくべきだと考えております。供給体制の面では、各地域が抱える様々な課題に対応するため、地域の周産期提供体制の整備、分娩取扱機能の維持のための支援、そうしたものを行っておりますが、今後とも、地域の実情に応じて、自治体と連携しながら、地域の周産期提供体制を確保できるよう、しっかり応援をしていきたいと考えています。
○新実彰平君 ありがとうございます。様々な施策をフルで活用してということなんだろうと理解をいたしました。 正常分娩の基本単価をどうするのかということも大変もちろん重要ですし、加算も重要だし、それのみならずというような意味合いとして受け取らせていただきましたけれども、やはり、その加算がどういう形になるのか、地域の実情に応じてという御発言もありましたけれども、ポイントになってこようかと思います。 都市部においては概して物価高とか人件費高の影響が産科の運営を直撃をしておりますし、地方においては分娩件数そのものが大きく減少しているということが大きな影響を運営に及ぼしていると思います。都市部と地方部で異なるこの各産科を取り巻く課題感という中で、加算の在り方、どのようにお考えなのか。何を評価をして加算を行うことでこの地域の周産期医療体制を確保していかれるおつもりなんでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 特に加算についての御質問だと思いますが、この在り方については、今後、保険料への影響や、分娩取扱施設の経営実態等も踏まえつつ、関係者の御意見を丁寧にお伺いしながら施行までに検討していくことになりますが、現時点で想定しているのは、機能、役割に着目した加算としては、例えば手厚い人員を配置している施設、あるいはハイリスク分娩を積極的に受け入れるなど地域の周産期医療提供体制において重要な役割を果たしている施設などを評価することが考えられるところでございます。 その上で、地域ごとにということでいくと、様々あるわけですが、今委員がおっしゃいましたように、都市部は一定の出生数がある一方で物価が高いと、地方は物価は安いかもしれないけれども人数は減少していると、残念ながらそういうような状況にあると思いますので、そういったことをよく踏まえて、その意味では、やはり基本単価をどう設定するのかというのが大事だというふうに思っています。 その上で、仮に都市部のみが算定できるような加算制度を設けた場合には何が起きるかというと、心配しているかといいますと、地方から都市への医療資源の流出が加速して、地方における周産期医療提供体制の確保に支障を来すおそれがあるのではないか、また、分娩に当たって診療報酬と併せて請求している事例が相当程度ある、つまり保険診療の併用のケースが相当程度ありますので、それで診療報酬については基本的に全国一律で設定されている点にも留意する必要があると考えております。 いずれにしましても、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この地域が抱える周産期医療提供体制の課題への対応としては、医療保険制度はもとより予算措置などを通じて総合的に支援していくことが必要だと考えておりますので、妊産婦の方々が安心して安全に出産できる環境を整えるため、自治体と連携しながら地域の周産期医療提供体制を確保したいというふうに思っております。
○新実彰平君 ありがとうございます。 保険制度のみならず、予算措置も含めて総合的にというお話をまたいただきましたし、現時点でその加算でおっしゃれることとしては、やはり地域の中核的な分娩を担う体制への加算というものは念頭に置かれているというお話がありましたが、そこに加算が集中をするということになると、地方のですね、もうちょっと分娩は取り扱うのしんどいかもしれないな、でも外来だけ続けようと、こんな思いを持っていらっしゃる産科さんも少なからずいらっしゃるわけですが、こういう地域の小規模にやっていらっしゃる産科はこれからどうなっていくんだろうと。こういったものの存在も、妊産婦のコミュニケーションの窓口としても安心、安全につながるものとしても大変重要だと思いますので、この辺りをどういうふうに制度上守っていかれるんですかと。セミオープンなんという仕組みもありますが、この辺りについてはちょっと次回に回させていただこうというふうに思います。 済みません、準備をいただいた方、今日お時間拘束した方、大変申し訳ありませんが、次、もう一度機会がございますので、必ずやらせていただきます。 ありがとうございました。
○岩本麻奈君 参政党の岩本麻奈です。 昨日、本会議場にて質疑させていただきましたが、引き続き、本日も、国民皆保険を守る立場から、単なる負担増ではなく、必要な医療を守りながら制度をどのようにして持続可能にしていくのかという観点で伺わせていただきます。 まず、後期高齢者医療制度における金融所得の反映について伺います。 今回の改定では、後期高齢者医療において、上場株式の配当などの金融所得を保険料の算定や窓口負担割合などの判定に反映するため、金融所得の支払に関する法定調書を金融機関などがオンラインで後期高齢者医療広域連合へ提出する仕組みを設けるものと承知しております。 そこで、最初の質問です。 このシステム改修において、法定調書データベースの構築、金融機関側の対応、市町村システム改修、後期高齢者医療広域連合システム改修などを含め、総事業費はどの程度を見込んでいらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 ただいま委員から御紹介いただきましたとおり、今回のその後期高齢者医療制度における金融所得の勘案の導入に向けては、システム面としては大きく三点、法定調書の情報を集約するデータベースの構築、そして、その法定調書の情報を受け止めて、それを保険料や窓口負担に反映するための市町村や後期高齢者医療広域連合のシステム改修、そして金融機関からデータベースに向けてのオンライン提出のためのシステム改修などが必要になると考えております。 この総事業費につきましては、実は現在、金融機関等に対してシステム改修の要否も含めた実態把握等を行っているところでございまして、現時点ではお答えすることは困難でありますが、いずれにしても、できるだけ早期に施行できるように精査していきたいというふうに考えております。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 では、この制度開始後の、今度、維持運営費を含めた中長期コストについての試算はおありなんでしょうか。具体的に教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) 恐縮ですが、まさにその点も含めまして、ランニングコストも含めまして、総事業費と同様に調査中でございますので、現時点ではお答えできませんが、これについても早急に把握できるように取り組んでいきたいというふうには考えております。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 現時点で明確な試算が示されていないということは、ちょっと自分でも驚いているんですけれども、多分大体どのぐらいというのはお分かりなんだとは思ってはおります。まあ普通はやはり、ある程度そういうものを算定して構築を始めるものではないかと思っているからです。 仮に極めて大きなコストを要する一方で、制度の効果が限定的であったならば、そもそも、何かしら設計自体を考え直さなくちゃいけないと思いますし、そのような制度設計自体の合理性がなくなってしまうと思うからなんですね。 次にお伺いします。 対象が後期高齢者医療制度に限定されるにもかかわらず、今回の制度実装には交付後数年、実際の制度反映まで四、五年程度を要すると説明されておりますが、正直なところ、四、五年はかなり、このDX化を進めている時代、掛かり過ぎではないかという感想を抱いております。 それだけの時間、期間と予算を費やしてどのぐらいの効果を生むのか、今回の制度改正によって見込まれる保険料増収額というのは年間どのぐらいだと試算なさっているのか、教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) 後期高齢者医療制度におきまして、金融所得の公平な反映が実現すれば、これまで把握できていなかった金融所得を把握できることになるため、結果として保険料の賦課ベースの拡大が見込まれます。 七十五歳以上の方の今回のその金融所得の公平な反映に向けて、対象となる金融所得が総額二兆円ぐらいあるんじゃないかというような指摘もございますけれども、他方で、この確定申告されていない上場株式の配当等の金融所得が後期高齢者の中でどのように分布しているのかというのが実は詳細が不明なために、現時点で確たる保険料増収額の見込みを直ちにお答えすることは難しいということでございます。 また、現行制度を前提とした場合には、高齢者が負担する保険料の総額そのものは変化しないので、金融所得のある高齢者の保険料負担が増え、金融所得のない高齢者の保険料負担が減るという高齢者間の所得再分配の効果が想定されるところでございます。このため、施行に向けて、高齢者間における負担の公平性の確保や現役世代の負担の軽減といった観点からどのような対応が考えられるかについても引き続き検討していきたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、かなり期待していただいている面もあろうかと思いますので、早期の施行に向けて関係省庁とも協力していきたいというふうに思います。
○岩本麻奈君 ありがとうございます。 そうですね、せっかくそれだけのやはり期間と、あと人材とか、いろいろなものを掛けていくものだと思うので、そこでちょっと、今回非常に、ちょっと念のための確認をしたいんですけれども、今回の金融所得の反映は、現時点で、原則として七十五歳以上の後期高齢者医療制度を対象とするものであり、国民健康保険、協会けんぽ、健康保険組合など七十五歳未満の医療保険制度を直接対象とするものではないというところは間違いないでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 結論から申し上げると、おっしゃるとおりだということでございます。 本法案では、窓口負担割合や保険料の判定に際して金融所得を公平に反映させる仕組みを後期高齢者医療制度において導入するわけですけれども、これなぜかと申しますと、一つはその七十五歳以上の高齢者が一律の対象であると、要するに同一の制度になっているということと、それから、負担能力に応じて窓口負担割合が一割、二割、三割、現役は原則三割で統一されております。その意味では、より公平性を図る必要性が高いと、つまり現役はみんな三割だと、高齢者は一割、二割、三割だということなので、高齢者の中でもその負担能力についてより公平性を図っていく必要が高いということから、今回の改正は後期高齢者医療制度のみを対象としたところでございます。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 私が厚労省資料でちょっと拝見した中に、医療・介護保険における金融所得の勘案について、後期高齢者医療制度、今回の制度のほかに、国民健康保険制度、介護保険制度における負担への金融所得の反映の在り方を検討する旨というのが示されておりました。 国民が不安に感じているのは、一度この金融所得を社会保険制度側で把握し保険料や窓口負担割合に反映する仕組みができ上がってしまうと、将来的に介護保険制度やそのほかの拡大検討のみならず、国民健康保険、各種所得制限、高額療養費制度などへ順次拡大されるのではないかという点なんです。国民の不安に応えるためにも政府は横展開の可能性とその歯止めを明確にすべきではないかと考えますが、そこで上野大臣にお伺いいたします。 国は将来的にこの金融所得の勘案をどこまで拡大するのか、あるいは、そうでなければ横展開の歯止めについてはどのように考えていらっしゃるのか、政府の見解をお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 金融所得の勘案についての今回の改正は、先ほど局長からお話をさせていただいたとおり、後期高齢者医療制度のみを対象としております。 横展開等のお話がありましたが、やはりほかの制度の導入については、今回、後期高齢者医療制度における施行状況、これを踏まえて議論を進めなければいけないと考えておりまして、まずはこの後期高齢者医療制度の対象となる方への金融所得の反映ということをやらせていただきたいというふうに考えております。
○岩本麻奈君 ちょっと確認なんですが、今は考えていらっしゃらないというところで、将来的には可能性はゼロではないという形でしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 将来的な可能性について今ここで言及することは避けたいと思いますが、横展開等については様々な課題があるというふうには承知をしています。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございました。 日本の後期高齢者医療制度は、七十五歳以上の別建ての制度として、公費、現役世代支援金、高齢者保険料で支えるという国際的にも割と特徴的な仕組みだと思っております。そのため、現役世代は自ら医療保険料を負担しながら、更に後期高齢者医療制度への支援金も担うという構造になっております。後期高齢者の公平な負担の実現というものは当然目指すべき方向だと思っております。 一方で、やはり、これ以上現役世代の負担を増やすべきではないと思っております。会議での答弁を受けますと、今回の制度改正というのは、現役世代の不安軽減策というよりは、高齢者間における能力の負担、能力の調整、すなわち高齢者内の再分配という性格が強いようにも見受けられます。 日本では、社会保険料を含む国民負担は重くなり続けた結果、現在の国民負担率は約五割に近づいております。また、国会でも度々指摘されているように、現行の後期高齢者医療制度の財源構築、すなわち、公費約五割、現役世代からの支援金約四割、高齢者保険料約一割というこの構造そのものについて今後どのように持続可能性を確保していくのかは極めて重要な課題であると考えます。 今回の金融所得勘案の導入についても、単なる制度の複雑化に終わるのではなく、現役世代の負担軽減や制度全体の持続可能性向上にどのようにつなげていくのか、その視点を政府は是非明確にしていきたいと思っております。現役世代の過度な負担増は可能な限り回避すべきだと申し上げ、次の質問に移らせていただきます。 次に、高額療養費制度と超高額薬剤時代の対応について伺います。 高額療養費制度は、単なる給付制度ではなく、国民にとって病気になっても人生が破綻しないという最後のセーフティーネットであるのは重々承知しております。 一方で、現在、レカネマブ、ドナネマブなど認知症治療薬を始め、約三億円するエレビジスや約一・七億円のゾルゲンスマなど、極めて高額な新薬が次々と登場しております。特に、認知症治療薬は一人当たり年間数百万円とも言われ、対象患者数も極めて多いという特徴があります。 薬剤費だけではありません。アミロイドPET、MRIによる安全性監視、専門医療体制、長期フォローアップなど、医療システム全体への影響も極めて大きいものです。 さらに、昨日、iPS細胞を用いた再生医療製品が公的医療保険の対象になるというニュースがございました。パーキンソン病に対する治療で、薬価は約五千五百万円とされております。これは、日本の医学、再生医療にとっては大きな前進であり、希望でもあります。 私自身、再生医療に関わる医療現場にも関わってまいりました。その中で、再生医療が患者さんにとってどれほど大きな希望になり得るのかを見てまいりました。一方で、その実施には、高度な技術、専門人材、厳格な管理体制、そして相応の費用が必要であることも現場で実感してまいりました。だからこそ、希望があるからこそ、その持続可能性という視点から制度設計を考えなければ、いずれ皆保険制度そのものが持続困難となる可能性もあります。 日本の公的医療保険制度は、一定の要件を満たして加入する方であれば広く支えられる制度です。今後、再生医療、遺伝子治療、ゲノム医療などが更に高度化していけば、今回の五千五百万、それが一億円、三億円、あるいは五億円規模の医療なども現実のものになっていく時代も入る、時代になっていくかと思います。 認知症やパーキンソン病は高齢者に多い疾患であり、今後、対象患者数も大きな規模となり得ます。その医療を支える財源の多くは、現役世代の保険料や税によって支えられております。つまり、医療技術の進歩は希望である一方で、その費用を誰がどのように支えるのかという問題を避けては通れません。だからこそ、限りある医療資源をどこまで、誰に、どのような基準で配分していくのか。先ほどから出ている持続可能性のことなんですけれども、これは今後の日本の公的医療制度にとって避けて通れない問いになっていくのではないかと思います。 そこで、大臣に伺います。 政府は、今後の超高額薬剤時代において、医療資源の配分をいかに適正化するおつもりか、具体的な判断基準についてお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高額な医療品、医薬品が今御紹介をいただいただけでもたくさん出てきておりますし、それが通常使われる可能性というのも高まっているというふうに思っております。 そうした中で、医療費全体の課題、それが持続可能性のあるものでなければ、医療制度自体が持続可能性があるものでなければならないという観点から、まさに委員がおっしゃるように、それを誰がどのように負担をするかというのは非常に大きな課題だというふうに思っております。 そうしたこともありまして、今回の法改正におきましても、医療制度全体の改革の中で、一つ一つの積み上げは、一つ一つの改革自体は金額にすればそんな何兆円というものではありませんけれども、そうしたものを積み上げることによって、現役世代の負担の低減であったり、制度自体が持続可能なものになるようにということで改革を進めることが必要だと思っておりますので、そうした観点から、不断の改革、制度の見直し、これはしっかりとやっていく必要があると考えております。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。私自体も非常に再生医療とかゲノム治療とかいうのを期待しておりますので、それをいかに値段を高くしないで皆さんに使っていただく、そういう保険を希望しておりますので、この構築が大変だと思うんですが、是非よろしくお願いしたいと思います。御答弁ありがとうございました。 〔委員長退席、理事自見はなこ君着席〕 日本ですが、この患者アクセスを重視し、まず保険適用した上で価格調整を行う制度になっております、日本の場合ですね。一方、欧州では、公的保険をどこまで賄えるのかを費用対効果も含めて慎重に判断しております。つまり、日本のこの保険制度は患者アクセスを優先しており、欧州は費用対効果評価重視の傾向があるとも言えます。どちらも理念があるとは思いますが、今後の超高額薬剤時代において、日本としてどのようなバランスを取るのかは極めて重要な論点だと思っております。 例えばイギリスなどでは、費用対効果の観点から、高額のお薬の公的医療制度での使用についてはかなり慎重な判断がなされております。先ほどの認知症薬も保険から外されたという事実もあります。EUの一部の国では、医療技術評価、いわゆるHTAですね、ヘルス・テクノロジー・アセスメントを通じて、実臨床での有効性や費用対効果を継続的に評価する仕組みというのが整備されております。 そこで伺います。 日本でも、欧州のような医療技術評価、HTAや実臨床での有効性や費用対効果を継続的に評価する仕組み、その仕組みによってはある薬はそこから外れると、指定から外れるとか、そういったもの、そういうような導入ということは考えていらっしゃるかどうか、その辺りの所感をお聞かせください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 高額な薬剤というのはありますけれども、もうそれでもって今まで治らなかった病気がかなり改善するといったような期待も含めて、やはりそのイノベーションが、薬におけるイノベーションをやはり国民の皆様に届けるということもまた大事なことではないかというふうに思っています。その意味で、一定の薬価がやっぱり必要だというふうに思います。 ただ同時に、委員御指摘になられたように、保険財政のことも考えれば、それをどういうふうに評価していくのかというのの一定の仕組みが必要で、海外では御指摘になられたように保険から外すというような例もあるわけですけれども、日本ではそうではなくて、その価格調整をするというような形をやってきているわけであります。一つは、例えば市場拡大再算定というものでありましょうし、もう一つは、今委員がおっしゃいました、その医療技術評価どうする、費用対効果をどうするかということでございます。 後段について、後者について御説明申し上げますと、御指摘の医薬品に対する医療技術評価は、二〇一九年四月から、医療保険財政への影響を重視する観点や薬価制度を補完する観点から費用対効果評価制度として本格運用されております。 この費用対効果評価制度においては、安全性、有効性などが確認され、必要かつ適切と認められる医薬品等を保険給付の対象とした上で、市場規模が大きい又は単価の高い医薬品に対して費用対効果を個別に評価し、その結果に応じて価格の調整を行うということをやっております。これまでに、委員御指摘の認知症治療薬も含めまして五十七品目の費用対効果評価を実施し、四十二品目で価格の見直しを行ったところでございます。 今後、これから実施するその費用対効果評価制度の検証も踏まえまして、追加的な有用性がなく、単に費用増加となる医薬品に係る価格調整の範囲の拡大を図るなどの取組を進めていきたいと考えております。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 私は、この超高額薬剤、これのもたらす希望というものを否定するものでは全くありません。しかし、繰り返しになりますが、やはり今後このような医療が更に高度化し、一回の治療で数千万あるいは数億円なんというような医療が増えていくとしましたら、やはり承認されたものを原則として速やかに保険収載する、すぐにしてしまうという現在の制度設計を将来にわたって本当にこのまま維持できるのかというところが重要な論点だと思いますので、是非いろいろ今後も考えていただきたいと思っております。 この費用対効果や実臨床での有効性の評価、保険収載後の価格調整にとどめるのか、それとも、どの医療をどの患者にどの条件で公的保険として与えるのかという保険給付の範囲そのものの議論に踏み込んでいくのか、ここら辺を曖昧にしたまま、今までのように全て薬剤承認を受けたら保険給付ということになっていくと、このままでも、最初は少なくとも、どんどんこれから高齢者も増えてまいりますし、医療費全体を最終的に押し上げ、さらに、現役世代の負担も増え、皆保険制度の持続可能性が守れなくなるおそれがあると思っております。日本としてどのような皆保険制度を次世代に残していくのか、まさに今その議論に入っていると考えております。 〔理事自見はなこ君退席、委員長着席〕 この高額薬だけではありません。皮膚科領域でも、私、皮膚科医なんですが、例えば尋常性挫創に対するアダパレンとか過酸化ベンゾイルのように、欧米では普通に標準治療であった、使えた軟こうなんかが、比較的安価なものなんですが、これら、多くの患者のQOL改善や瘢痕予防に関する、資する薬剤の導入が大変日本では遅れたという例があります。本当に十年、二十年遅れたかなと思っております。 つまり、今後は単に高額かどうかということだけでもなく、患者数、疾患の負担、あとQOL改善、長期的な医療費抑制効果を含め、どの医療を優先して評価し、保険で支えるのかという透明な基準が必要ではないかと思っております。 次に、出産費用と出産の支援についてお伺いします。 今回の改正案では、出産に関わる給付体制の見直しが盛り込まれておりまして、厚労省資料でも、出産等の次世代支援や現役世代からの予防、健康づくりの拡充が柱の一つとされております。それに関して、私は里帰り出産についてお伺いしたいと思います。 里帰り出産は、出産直後の母体を十分に休ませることができ、家事や育児を実家の支援で分担できるため、身体的、精神的負担の軽減につながります。特に初産では、身近な家族の支えが安心感となり、育児不安や産後うつの予防にも一定の効果が期待されるものです。また、妊産婦死亡の原因として自殺が重要な課題になっているということを考えても、妊娠期から産後にかけて母親を孤立させない支援というものは極めて重要だと思っております。 私は、ちょうど先日、フィンランド議連で妊娠期から子育て期まで切れ目なく伴走するネウボラの考え方について学びました。もちろん、日本には日本の文化がございます。里帰り出産も、家族や地域が母親支えてきた日本型の伴走支援の一つと言えるのではないでしょうか。 一方で、過疎地域では、医療機関自体が少なく、必ずしも十分な設備の整っていない場合も多いという現実があります。今までずっと議論されてきたところだと思います。また、地域によっては、実家の近くで分娩そのものができず、都市部で出産した後に実家へ戻るケースも多いと思われます。しかし、新生児は、黄疸、哺乳不良、あと発熱など、急に状態が変わることもありまして、産後の移動や地域をまたいだ医療機関同士の連結というのは慎重な支援体制が必要だと思っております。 そこで伺います。 厚労省としては、里帰り出産というものについてどのように考えているのか、どのように位置付け、支援とかして、考えていらっしゃるのか、現状を伺いたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 委員御指摘の里帰り出産についてでございますけれども、里帰り出産については個々の妊婦の方々それぞれの背景がございます。ですので、その里帰りを選択する、される、できる方、それからできない方、それから、する方、したくないという、いろいろ様々背景があるというふうに承知をしております。 ただ、いずれの選択をしたとしても、安心して出産できる環境が整えられるということが必要だろうというふうに考えております。そのためには、やはり、例えば妊婦健診等の医療情報が分娩する医療機関と適切に共有され、連携が図られるということが重要ですし、さらに、母子保健サービスによる支援が切れ目なく提供され、安心して出産できる環境が整えられるということが大事だろうというふうに考えておるところでございます。 そのため、その母子保健サービスに関しては、こども家庭庁において、地方自治体に対して、住所地の市町村と里帰り先の市町村間における円滑な情報連携や、妊産婦の方へ切れ目のない支援の提供を努めていただくよう依頼をしているというふうに承知をしております。 引き続き、安心、安全な周産期医療提供体制の構築に努めるとともに、こども家庭庁とも連携をいたしまして、母子の心身の安定、安全の確保に配慮した取組を推進していきたいと考えておるところでございます。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 里帰り出産では、妊婦健診を受けていた医療機関と実際に分娩を行う医療機関が基本的に異なっております。その際、妊娠の経過、検査結果、リスク情報、服薬情報などの、あとは紹介状なども、今の、そうですね、医療DXなんかを含めて共有できるといいかなと思っております。まだ母子健康手帳も、紙の検査結果に依存している部分もまだ多いのでは、大きいのではないかと思っております。 この出産費用や施設情報の見える化というのはもう非常に重要だと思っておりますが、妊婦にとって本当に重要なのは、安全にこの医療情報、これがきっちり引き継がれていくことではないかなと思っております。 この安全性を考えれば、分娩施設や周産期医療の一定の集約化というのは避けられないと思います。先ほどずっと議論になっていた部分だと思うんですけれども、一方で地域によっては本当に出産そのものがもう遠い医療になりつつ、現実もあると思います。 この情報連携については、私も医療DXで何度も言っているんですけれども、よりやはり母子の健康という部分において、この里帰り出産において医療機関の情報が地域をまたいで安全かつ確実に共有される仕組みというのをしっかりと要望して、次の質問に移ります。 次に、帝王切開と無痛分娩についてお伺いします。 もう先ほどから何度か出ているものなんですけれども、我が国では、私もちょっと実はびっくりしたんですが、分娩の約四件から五件に一件が帝王切開となっているということで、もう今は帝王切開自体は決してまれな医療行為とかではなくなっております。例えば、少子化が日本よりもずっと進んでいる韓国では、既に約五割を帝王切開で占めているということなんです。より子供の安全性を見ることで、もう経膣分娩ではなく帝王切開を選ぶ母親が多くなっているということで、もしかしたら日本もそういうような、今のままでいったら、ことも、懸念もあるんじゃないかなと思います。 この帝王切開などの保険診療を行う分娩については、昨日は庭田議員、本日も山内議員も、本当にたくさんの議員さんがやはり気になっているところだと思います。でも、私からもやはりそこのところについてもう一度だけ質問したいなと思っておりましたが、もう一度というか、自己負担についての、もう先ほど現金給付の創設を考慮するという、との方向性が示されたんですけれども、この点についてもう一度御説明、帝王切開についての政府の見解についてお願いできるとうれしいです。
○政府参考人(間隆一郎君) 改めてお答えいたします。 分娩に伴って行われる保険診療は本当に様々なものがありまして、かなり幅広いものがございます。非常に、切開するものからその母体の救命救急処置まで、幅広いものだと考えております。これらは現在でも保険診療として行われておりまして、他の医療行為と同様、一定の自己負担が発生するわけでございます。出産に伴う経済的負担の軽減という観点から、帝王切開を含めまして出産時に保険診療を伴う医療行為が行われた場合にも、できる限り妊婦の経済的負担を軽減していくことが望ましいと考えております。 このため、今委員から言及いただきましたけれども、今回の見直しにおいては、正常分娩に対する現金給付と併せて、保険診療が行われた場合の自己負担分等に充当できる現金給付を創設することとしております。この現金給付の言わば水準というのを考えるときに、保険診療が行われた場合の自己負担分も含めて、出産に伴い様々な負担が発生する妊産婦の経済的負担が軽減できる水準とすることが期待されているわけであります。 それと同時に、保険財政への影響や保険料負担者の理解も得られるものとする必要がございますので、この具体的な水準につきましては、関係者の御意見も伺いながら、施行に向けて丁寧に検討していきたいと考えております。
○岩本麻奈君 どうもありがとうございます。大変前向きな御意見でうれしいです。 続いて、無痛分娩に関して、近年、二〇一八年ぐらいでは約五%だったものが、二〇二四年には約一六%、年間十万件数ぐらいまで実施件数が急増しているとのことです。海外では、フランスではもう既に八割が無痛分娩、フィンランドでは九割近く、アメリカでも六、七割程度とされるなど、分娩時の鎮痛は選択肢の一つとして広く位置付けられております。 私は、無痛分娩を一律に推奨すべきだと申し上げているわけでは決してありません。自然分娩を望む方もいれば、痛みへの不安や体力面の事情から無痛分娩を希望する方もいると思います。重要なのは、妊婦が十分な情報に基づき自ら納得して選択できる環境を整えることではないかと考えております。 また、無痛分娩に関しては、選択的なものについては自費部分が多く、施設によっても費用差があることから、やはり何らかの費用負担軽減について検討を始めるべきではないかと考えますが、政府の見解はいかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、海外だけでなくて、日本でも無痛分娩の実施率は増加傾向にございまして、妊婦さんのニーズも高いことは認識をしております。 それと同時に、無痛分娩には一定のリスクも伴うため、妊婦の方々が適切な知識を得て、自身の希望に応じて選択できるよう、関係団体などと連携した周知啓発等を進めております。また、無痛分娩の実施件数が少ない地域における体制整備や地域での連携による無痛分娩の体制整備の観点から、モデル事業も実施していると。今、現状の地平といいましょうか、到達地点はそういうところでございます。 その上で、医療保険制度におきましても、委員御指摘のとおり、こうした安全で質の高い無痛分娩を選択できる環境の整備を図ることが重要であると考えておりまして、今回のその現物給付の中で評価の在り方や現金給付の水準も含めましてどのようにするのか、施行まで丁寧に検討していきたいというふうに考えております。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 次に、分娩における麻酔体制について伺います。 無痛分娩は単に痛みを取る医療ではなく、硬膜外麻酔などを伴う医療行為であり、母体が急変することとか胎児の機能不全、また場合によっては緊急帝王切開などへの移行を想定した安全管理体制というものが不可欠だと思っております。さらに、帝王切開の麻酔は通常の無痛分娩の麻酔と同じではなく、緊急度や母児の状態に応じて、脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、全身麻酔など適切に選択する必要がございます。 そこで、大臣にお伺いします。 今後、我が国での帝王切開や無痛分娩の増加可能性を鑑みて、分娩取扱施設における緊急帝王切開及び無痛分娩に対応する麻酔体制整備の支援を拡大する考えはおありなのでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 安心して分娩できる周産期医療提供体制を構築をするために、厚労省では周産期医療の体制構築に係る指針を示しています。この中で、帝王切開術が必要な場合には、麻酔科医等との連携確保を求めるとともに、そのための都道府県の体制整備について財政的な支援を行っているところであります。また、無痛分娩を安全に実施できる体制の確保に向けて、これまでも医療関係団体と連携をして、無痛分娩の提供体制に関する情報公開、医療従事者を対象とした研修体制の整備、産科麻酔を実施する麻酔科医の確保などを進めてきています。 さらに、今年度は、地域の医療機関が連携をして、安全で質の高い無痛分娩を提供する体制を整備をするモデル事業を実施をします。各医療機関で麻酔を専門とする医師の確保が困難な状況下にあったとしても、麻酔科医による適切な配置、関与を図ることとしておりまして、こうした取組を着実に推進していきたいと考えています。
○岩本麻奈君 御答弁ありがとうございます。 今のモデル事業というのは、どこでというか、決まっているんでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) これは、令和七年の補正予算で今実施をしておるところでございまして、先日募集を、各都道府県に対して募集を掛けておるところでございまして、もうすぐ決まるという状況でございます。
○岩本麻奈君 私も産婦人科医の同僚が、やはり麻酔科医が足りないとか、その麻酔に関してのやっぱり問題が現場であるというのが分かっておりましたので、そういうことでどんどんそこが進むといいなと思っております。御答弁ありがとうございます。 この出産支援とは、やはり単に無事に産むということだけではなく、妊娠期から産後、子育て期まで母親を孤立させずに支えていく仕組みであると考えております。そのためにも、先ほど言いました里帰り出産における情報連携、DXの整備、そして、今のように、帝王切開や無痛分娩、異常出産というものではもうだんだんなくなってきた帝王切開ですので、これらをやはり安全な分娩体制で迎えるということが大変大事だと思っております。 そして、やはり女性のというか母親の孤立というのが問題になっております。メンタル面とかもすごく問題なので、産後の支援までを一体として整えていくことが大事ではないかなということをちょうどそのフィンランドのお話で私は考えました。 でも、この医療とは、単なる支出でも単なるコストというものでもないと思います。命を支える社会基盤であり、社会の安心そのものです。本当に必要な医療を必要な人へ持続可能性な形で届け続けるために、制度の合理化、情報の連携、医療支出支援の最適化、配分の最適化を進める必要があることを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
○白川容子君 日本共産党の白川容子です。 昨日の本会議に引き続きまして、健康保険法等の改正案に関する質疑を行いたいと思います。今日は、一部保険外療養に絞って質問をさせていただきたいと思います。 国民皆保険の理念の下で、医師が治療で必要と判断したものは原則全てひとしく保険給付にすることによって、患者に安全、安心な医療を保障をしています。その例外として保険外併用療養費制度がありますけれども、現行では、一つ目に、保険導入のための評価を行うものとして評価療養や、また患者申出療養があります。そして二つ目には、保険導入を前提としないものとして選定療養に分類をされています。 本法案では、一部保険外療養を新たに追加をして、保険適用だったものを一部保険外としますけれども、先ほど述べました二つの現行の分類との関係からしますとどのように整理をされたのかをまず確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回、一部保険外療養というものをこれまでの保険外併用療養の類型とはまた別途新たな類型として設けたわけでございますが、これは、持続可能な社会保障制度を構築し、現役世代を中心とした保険料負担を軽減していくために、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける方と保険を使わずOTC医薬品で対応する方との公平性の観点から薬剤料の一部の負担を求めるものでございまして、これまでのその評価療養、患者申出療養、これ保険適用を目指す治療を対象になっております。また、選定療養は患者の選択によるものでございまして、そういうものとは別物として条文上も整理したところでございます。
○白川容子君 保険導入のための評価を行うものでもなくて、保険導入を前提しないものでもないために新たな療養として整理をされたということで、保険適用していたものを保険外としたためだという御答弁でよろしいでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 繰り返しになりますけれども、保険を使って医療用医薬品を処方を受ける方と保険を使わずOTC医薬品で対応する方との公平性の観点から薬剤料の一部の負担をお願いするものでございます。
○白川容子君 現行のこの二つの前提ですね、二つのこの分類、これからしますと、今回のこの一部保険外ということは、保険適用していたものを保険外とするということでよろしいんですかね。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回、OTC類似薬の関係は、これまで薬剤費を全額保険適用としていたものについて、その四分の一について別途の負担をお願いするという意味では委員の御指摘のとおりでございます。
○白川容子君 保険適用されていたものを保険外としたと御答弁だったと思います。 大臣が、これまでも、必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保することが原則と答弁をされていました。であるならば、このOTC類似薬というのは、必要かつ適切な医療ではなくなったということなんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回対象とするOTC類似薬については、引き続き保険給付の対象ではあり、必要かつ適切な医療に用いられるものであります。
○白川容子君 その必要な医療として保険適用されていたOTC類似薬を国の判断で保険から外すことが、どうして必要かつ適切な医療、これ基本、医療は基本的に保険診療により確保することが原則だと言えるのでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) 委員御理解されておっしゃっているんだと思いますが、今回のものは、その薬剤について保険適用を外すものではないということであります。その一部について、その薬剤費の一部について保険給付外とした上で別途の負担をお願いするということでございますので、薬剤費そのものについては引き続き保険給付の対象だというのが先ほど大臣から御答弁した内容でございます。
○白川容子君 理解できませんけれども、医療用医薬品のこの給付受ける患者と、それから市販薬で対応している患者との公平性の確保、これをずっと御答弁でも強調されています。 でも、症状があって受診をしているのに、それを不公平だとして患者側にその追加の負担を求めるということで、受診抑制なども生じることになれば、早期発見とか治療もかなわなくなってしまいます。 そもそも、保険外併用療養費制度というのは、二〇〇四年に厚労大臣とそれから規制改革担当大臣による混合診療の禁止に関する基本合意がされて、そして、将来的な保険導入のための評価を行うものであるかどうかの観点から、先ほど述べた二つの療養の分類に整理をされた経緯があります。 その議論の際に、規制改革・民間開放推進会議が一定水準以上の医療機関には新しい治療法等を含めて包括的に混合診療の解禁を主張したということに対して、厚労省は、時の厚労省は、患者の自己負担が更に増大するおそれがあること、それから安全性、有効性が不明確な医療が保険診療の一環として提供されるおそれがある等の理由から、適切なルールの設定が不可欠であり、誰もが一定の負担でいつでもどこでも安心して必要な医療を受けられることが原則だと主張をいたしましたね。 保険診療だったものを保険外とするということは、必要な医療は保険診療で確保するという国民皆保険制度の理念に反することになるのではないですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 本制度につきましては、必要な受診、これを行った上で結果としてOTC類似薬を支給される場合に別途の負担をいただくものであり、引き続き必要な受診が確保されるよう、一部保険外療養の定義においても適正な医療の提供を確保する旨を明記をした上で、がんや難病患者といった方々には別途の負担を求めないといった配慮を行うこととしております。 本制度は、こうしたことから、必要かつ適切な医療は基本的に保険診療により確保するという国民皆保険制度の理念と矛盾するものではないと考えています。
○白川容子君 それ、もうずっと同じ答弁をされていますけれども、配慮をするですとか、範囲が限られているから大丈夫だとかいう、そういう、反するとは考えていないとかいうような、そういう議論を続けていらっしゃいますけれども、しかし、大臣、我が党の衆議院議員、辰巳孝太郎議員から、OTC類似薬以外の薬剤だとか、薬剤にとどまらず、診察処置、手術なども対象に含まれるのかと問われたときに、附則の検討規定にOTC類似薬とあることから、それ以外は想定していないと大臣、答弁をされました。昨日の私の質問に対しての本会議での総理の答弁も同様でした。そうであるならば、なぜその他の規定というのを設けたんでしょうか。 現行法の第六十三条の一項では、療養の給付として、診察、そして薬剤や治療の材料の支給、それから処置、手術その他の治療等、一から五号までの保険給付の対象となる項目が規定をされています。 まず、確認をしますけれども、一部保険外療養の対象となるこの範囲というのは、この一から五号全てが含まれることで間違いはありませんか。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回の六十三条第二項第六号、そして改正法附則第二条第二項、これを併せ読みますと、この法案全体としては見直しの対象は、この六十三条の、今委員御指摘になられました、一項の二号にある薬剤、とりわけOTC類似薬を念頭に置いたものでございます。 なお、特に代替性が高いといったものが今回その対象とさせていただいています七十七成分、約千百品目でございまして、それ以外に自民党、自由民主党と日本維新の会の政調会長間合意では、その対象範囲について見直す旨の合意がなされておりますので、そういったものがその他のところに入ってくるというふうに考えております。
○白川容子君 一から五号全てが含まれるということで確認をいたしましたけれども、この特別の料金として薬剤全額負担を求めることも可能となっているということ、もうこの間の議論で明らかになっていますので、そうなると、薬剤に限定せずに診察や処置等で全額負担求めるということも条文上可能になりますよね。
○国務大臣(上野賢一郎君) そのようなことは現段階では全く考えておりません。
○白川容子君 条文上できるかどうかをお尋ねしているんです。
○政府参考人(間隆一郎君) 繰り返しになって恐縮ですけれども、一部保険外療養の規定につきましては、本法案の附則においてOTC類似薬の一部保険外療養の見直し規定を設けているように、法案全体としては見直し対象は薬剤を念頭に置いたものになっているところでございます。
○白川容子君 条文上できますよね。もう一度確認します。
○政府参考人(間隆一郎君) 条文上という意味では、先ほど申し上げました、先ほど来何度も申し上げて恐縮ですけれども、附則も併せ読む必要があるというふうに考えておりまして、その意味では、これは薬剤を念頭に置いたものだと、繰り返しの答弁で恐縮ですが、そのように考えております。
○白川容子君 しかし、条文上読めるんですね。お認めになっていらっしゃると思います。 対象が限られているどころか、保険給付のこの対象となっているこの全てが一部保険外療養の対象になるわけなんです。既に保険診療を保険外診療とすることを狙った動きがあります。 四月二十八日の財政制度の分科会、財務省が、医療機関における窓口業務費用の保険給付外サービス化として、本来、窓口の業務は診療行為そのものではなくて、そもそも診療報酬で評価される必然性はないとして、通常の診療の際の窓口業務のコストについても保険給付外サービスとして請求できるようにすることを検討するべきではないかと提起をされています。 窓口業務も条文上の療養の給付に含まれることから、一部保険外療養で保険外しすること、これも可能になるんですよね。
○政府参考人(間隆一郎君) 一部保険外療養については、これも重ねてのお答えで恐縮ですが、本法案の附則において規定を設けていることから、薬剤を念頭に置いたものでございます。 今委員御指摘になりました財政制度分科会の内容については、これ一部保険外療養で御指摘の財政制度分科会の資料に記載されている窓口業務の費用を徴収することが可能になるものではないというふうに考えています。
○白川容子君 想定はしていなくても、可能となる条文になっているから財務省もそういうことを言っているんじゃないんですか。 資格の確認というのは、保険医療機関の義務とされています。ですから、受付というのは診療の前提であるために、保険外しはあってはならないということを指摘をしておきたいと思います。これは、もう厚労省としてはここはもう頑張っていただきたいというふうに思っています。 二〇二五年十二月十九日の自由民主党と日本維新の会による政調会長間合意によるOTC類似薬の保険給付の見直しで、他の被保険者の保険料負担により給付する必要性が低いと考えられるときには、患者の状況や負担能力に配慮しつつ、長期収載品で求めているような別途の保険外負担、特別の料金ですね、を求める新たな仕組みを創設をする、令和八年度中に実施をとしたことを踏まえて、選定療養ではなくて一部保険外療養というふうになりました。 健康保険法の第六十三条の二項五号に、選定療養が、被保険者の選定に係る特別の病室の提供その他の厚生労働大臣が定める療養と規定をされておりまして、この差額ベッドのほか、大病院の初診などが対象とされて、この対象拡大というのはもう次々と拡大をされていきました。治療に必要な医療医薬品にも適用され始めています。 特に、この長期収載品について、ジェネリック医療品があるお薬で先発医療品の処方を希望する場合に徴収する特別の料金として、二〇二四年十月から四分の一の料金が加算をされました。しかし、早くも今年六月から二分の一に引き上げることになりますよね。 こういう、改正案の第六十三条二項六号では、適正な医療を確保しつつ、公平かつ効率的な保険給付を行う必要性に鑑みとありますけれども、その他として、一部を保険給付の対象としないものとする療養として大臣が定めるものというふうにしてあります。 その他が規定をされている一部保険外療養というのは、対象範囲も金額も制限なくて、OTC類似薬にとどまらないその対象の拡大、負担の額の引上げにつながっていくのではありませんか。
○委員長(小川克巳君) 答弁をお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) つながっていかないわけでありまして、現時点でOTC類似薬以外を一部保険外療養に位置付けることは想定をしておりません。
○白川容子君 現時点ではOTC類似薬以外は想定していないと御答弁をされるんですけれども、ちょうど二十年前、二〇〇六年の保険外併用療養制度の創設の法案の質疑の際に我が党の小池晃議員が、評価療養の定義について、その他とは何かということを、ここでもその他と書かれてありましたから、その他とは何かということを質問をいたしました。こういうことをやれば歯止めがなくなってしまうのではないかという質問をしたのに対して、今後は中医協の議論を経た上で厚労大臣が指定するという答弁でした。今と同じじゃないですか。 その後、対象範囲の拡大等により負担増とされてきたのは、もう先ほど述べたとおりです。こうなるのではないんですか。同じじゃないですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど来局長が答弁しているとおり、附則の検討規定等の書きぶり等も併せて考えますと、やはりこれはOTC類似薬、そしてまたその他の薬剤ということになろうかというふうに考えています。
○白川容子君 そういう御答弁繰り返すんですけれども、想定していないと言いますけれども、法改正なく対象範囲の拡大も負担額の引上げも可能な仕組みになっています、条文上はそうなっています。OTC類似薬に限るのであれば、条文上に要指導医薬品又は一般医薬品との代替性が特に高い薬剤を用いた療養とあることから、この規定だけでもう既にOTC類似薬の追加というのは可能ですよね。なぜその他大臣が定めるものと規定をわざわざしているんですか。
○政府参考人(間隆一郎君) 今回議論になりました与党間で御調整いただいた七十七成分、千百品目というのは、そのOTC類似薬の中でも特にその代替性が高いというものに絞った形で御決定をされているわけです。その言わば、それをその代表例として、その特に代替性の高い云々ということで規定をいたしました。 それを仮に対象薬剤を今後検討してその結果として広げるということがあった場合の属性としては、必要な適正な医療の提供を確保しつつ、それを前提として公平性や効率性の観点から云々というようなもので属性を規定しようとしたということでございまして、それ以外の今回の対象以外のいわゆる、OTC類似薬というのは、実は法律上の定義がないんですね、これまではないものですから、そういったものを表すものとしてそのような、委員御指摘になられたような規定ぶりにしてあるということでございます。 そして、そこのところが、考えているのがOTC医薬品で、類似薬であるということを示すためにもその附則で検討規定を置いていると、このように考えております。
○白川容子君 OTC類似薬や薬剤に限らずに、保険適用されていた範囲というのを国の判断で保険外にできる仕組みだということなんですよね。国民皆保険制度を根底から覆すもう重大なこれは問題だというふうに思います。 先ほど申し上げた選定療養というのは、仮にも患者の選択によるものでありましたが、もう一部保険外療養、これはもう、そうではありません。しかも、保険適用だったものを保険外しとするという点では、これまでとはもう全く次元が異なる改悪であって、重大な問題です。 財務省からは、限られた医療資源を前提とすれば、医療の質の確保、患者アクセスの保障、医療提供のための負担の抑制の三つを同時に達成することは極めて困難だと考えられるとして、高齢化や人口減少、医療の高度化が進展する中、従来の枠組みを維持することには、医療に係る公費及び保険料の負担の抑制の観点から一定の制約があると認識すべきだと、医療制度の改革のこの視点が示されています。大臣も、今後、少子高齢化、そして高額薬剤の普及が更に進むことで医療費の増加は避けられない状況だと発言をされています。 医療費抑制の施策から転換しない下では、一部保険外療養で保険外しをして、そして負担と給付の調整弁として運用され続けていくのではありませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 現役世代の保険料率の上昇を止めて引き下げていくことは、現役世代の手取りを増やす上でも極めて重要です。同様に、医療保険制度の持続可能性を確保し、国民に必要な医療、これを保障していくことも極めて重要です。 こうした前提の下に、OTC類似薬の一部保険外療養の実施に当たりましては、これはやはり保険料負担軽減の観点のみで、のみから進めるのではなくて、やはり本制度が医療現場あるいは患者の皆様に与える影響、これも十分把握をした上で、必要な受診が確保されるように丁寧に進めることが必要かと考えています。
○白川容子君 本会議でも指摘をいたしましたけれども、仮に特別の料金が四分の一の負担のままだったとしても、現在、窓口で三割負担の方は五割の負担に実質なります。月三十三円という僅かばかりの社会保険料の軽減と引換えに窓口負担増を強いられることになります。 特別の料金を徴収しない要配慮者について、現時点では、アトピー性皮膚炎の患者さんですとか高校生の年代ぐらいまでの子供さんですとかがん患者さんですとか公費負担の医療の対象となる指定難病の患者さんなど、具体的な対象は今後検討していくとするとしていますけれども、季節性の花粉症は対象にならないなどの見解示しています。 保団連が示している花粉症で受診をする患者の事例では、月千五百円の負担増となる計算になります。現役世代の花粉症患者にとっては大きな負担となります。やっぱり、保険料の負担の軽減を図ると言いながらも、結局はこの医療費抑制のツケを現役世代が払う、こういう仕組みであって、度重なる負担増が強いられることになってしまうと思うんです。 現役世代、全世代の、全世代型社会保障を掲げて応能負担の徹底ですとか公平性の確保と言うのであれば、保険料ではなくて、やはり大もうけしている大企業だとか大株主にきちんと課税をする、そういう税制で対応すべきだということを指摘をして、この質問、終わらせていただきたいと思います。 最後にもう一問、米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発するホルムズ海峡封鎖の雇用への影響についてお尋ねをいたします。 五月八日、建設アクションの皆さんが国会に来られて、建設現場への影響が訴えられました。ナフサ由来の材料そして資材の値上げ、もう新規受注を、注文はあるんだけれども、受注ができないと、供給の制限などの通知がメーカーから次々と届いてくる、もう本当に皆さん大変な状況だということをおっしゃっていました。それでもやっぱり、従業員抱えて大変だから、この従業員の雇用を守らなければならないと踏ん張っていらっしゃいます。 そこで、雇用調整助成金について伺います。 現行制度は、生産量が三か月の月平均で前年同時期比で一〇%以上の低下という要件になっています。現場からは、もう三か月はもたないと、三か月たたないと申請できずに小規模の零細企業にとっては持ちこたえる体力がないという苦境がもう様々語られたわけなんですけれども。 コロナの特例では、一か月で五%以上の低下など要件を緩和をして、助成率も十分の十まで引き上げました。上野大臣は、十一日の決算委員会でも、コロナ禍やリーマン・ショックでは要件緩和しているけれども、正直まだ現在そういった状況にはないというふうに答弁をされていますけれども、しかし、現場からはこういう声がもう次々と寄せられているんです。 やっぱり、この特別の手当てや手だてを取る必要があって、雇用調整助成金の要件の緩和ですとか助成率の引上げなどの検討をもう今すぐ進めていく必要があるのではないでしょうか。お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 要件緩和等につきましては、過去、リーマン・ショックあるいはコロナの際に実施をした例がありますが、現時点で雇用調整助成金の活用を具体的に検討をする段階に至っている事業所というのは大変少のうございます。しかし、そういったことから先般もリーマンやコロナの状況とは異なるというふうに申し上げましたけれども、ただ、その状況については引き続き注視をしていくのは当然だと考えています。
○白川容子君 もう終わりますが、もうやっぱりこれアメリカが勝手に起こした戦争なんですよね、攻撃なんですよね。その影響でナフサがもうないと、現場に資材がないと。ナフサあれば仕事できるんです。高市首相も十分あると言って、お答えしていますけれども、それでも現場にはないから困っているんです。だからこそ、今すぐこの対策を、雇用を守る対策を厚労省がやらなくてどこがやるのかという思いでおりますので、是非それを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○天畠大輔君 代読します。 れいわ新選組の天畠大輔です。 まず、健康保険法の質疑に入る前に、災害時の医薬品供給について伺います。 今年四月一日の災害復興特別委員会において休薬危険薬剤の実態把握を厚労省に求めたところ、今後検討してまいりたいとの御答弁でした。また、今回の中東情勢によるナフサ不足は、災害時に限らず、医薬品の供給不安が現実に生じ得ることを示しました。そこで、先月の参考人質疑では医療物資の安定供給について意見を伺いましたが、参考人からは、平時から患者数や必要な薬剤量を把握しておく必要性や、地域だけでは限界があり、国としての実態把握が重要との指摘がありました。 いつ災害や不測の事態が起こるか分からないからこそ、平時からの備えが不可欠と考えます。まずは専門学会や医療現場、患者団体への聞き取りなど、既存の知見を集約する作業を政府がイニシアチブを取って速やかに開始すべきと考えておりますが、お考えを簡潔にお聞かせください。
○大臣政務官(栗原渉君) 御指摘ございましたように、令和八年四月一日の災害復興特別委員会におきまして、災害時に使用を中断すると生命に危険が及ぶ薬剤に関する実態把握につきまして、どういった方法が適切かなどを考慮しつつ、今後検討してまいりたい、その旨のお答えをいたしたところでございます。 質疑を受けまして、当該薬剤に関する検討の実施につきましては事務方に対応を指示したところでございまして、担当部署で連携しながら、そういった疾患分野がどういった疾患分野がその対象になるのか等を考慮しつつ、可能な限り早期に検討を行ってまいりたいと、このように考えております。
○天畠大輔君 代読します。 休薬危険薬剤のリスト化を是非早急に検討をお願いいたします。 それでは、健康保険法の質疑に入ります。 本法案における三大改悪は、OTC類似薬の保険給付の見直し、協会けんぽへの国庫補助に係る特例減額の見直し、そして高額療養費制度の自己負担限度額引上げです。 日本のみならず世界中で、多くの人々が自国の政府を信頼し、自分の大切な仲間たちの命が守られるよう、税金や保険料が適切に使われるよう願っているはずです。 しかし、日本において、今般の法改正は国民のその願いに応えているでしょうか。二〇二六年度の日本の社会保障関係費は三十九兆円を超え、過去最大を更新し続けています。国の一般会計歳出の五六%を占め、二〇四〇年には高齢者一人を現役一・六人で支える構造へ変化しています。 だからこそ持続可能性が大切だ、法律を改正して将来に備えるのだと政府は言いますが、果たしてそうでしょうか。失われた三十年間で所得の中間値は年間百三十万円下がりました。貧困率については、シングルマザーの二世帯に一世帯、高齢者は五人に一人、障害者は四人に一人という状態です。子供のおやつ代からも取り上げて人々の暮らしを苦しめる消費税の税収は二十四・九兆円。その値上げのタイミングと同時に大企業の内部留保は過去最高を更新し続け、ついには六百三十七・五兆にも上っています。 こうした中で今問われているのは、誰にどのような形で負担を求めるのか、そしてその負担の在り方が本当に公平と言えるのかという点です。とりわけ、日常的に医療にアクセスしている患者の負担を引き上げることが果たして妥当なのかが問われています。 本日は、その具体例としてOTC類似薬の問題から質疑を始めます。 OTC類似薬においては、特別の料金、四分の一負担導入ということで、患者の窓口負担を三〇%から四七・五%へ一七・五ポイント引き上げます。患者負担と保険負担の割合は一・五八倍上がり、自己負担がほぼ五割になるわけです。家計に与える影響は甚大です。湿布薬やアレルギー薬、風邪薬や胃薬など七十七成分、約千百品目が対象となるため、患者の範囲は数千万人に及ぶとされていますが、政府はいまだその正確な影響を把握できていません。 政府は、OTC類似薬の保険給付の見直しを行う趣旨として、医療用医薬品の給付を受ける患者とOTC医薬品服用患者との公平性の確保を掲げています。医療用医薬品は自己負担が三割、OTC医薬品は自己負担が十割という表面的な数字の違いだけで不公平が生じているとするのはおかしいと考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今いみじくも御指摘をいただいたとおり、本制度につきましては、保険を使って医療用医薬品の処方を受ける方と保険を使わずOTC医薬品で対応する方との公平性を図るとともに、あわせて、現役世代を中心とする保険料負担の上昇の抑制という観点から、必要な受診は確保した上で、結果的に対象となるOTC類似薬が支給をされる場合に別途の負担を求めるものです。医療保険制度の持続可能性の確保のために必要な取組であると認識をしております。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 医療費が伸びているからといって出口を絞るでいいのでしょうか。代読お願いします。 例えば、政府は、高額療養費制度の自己負担限度額制度の伸びが医療費全体の伸びの倍のスピードだから、そこを削って持続可能性を図ると言います。一見合理的判断に見えますが、このような入口と出口の引き算で話が済むほど国の社会保障政策は簡単ではありません。技術革新による医療の進展や、それによって恩恵を被る患者たち、助かる命へのまなざしはないがしろにされたままです。 しかし、健康保険法第一条にも書かれているとおり、国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする、そのような国家において、こんなに安直なやり方を医療政策の中でごり押ししようとしているのがOTC類似薬の保険給付の見直しを始めとする今般の健康保険法改正の正体です。 例えば米国では、日本のような国民皆保険制度が確立しておらず、一方でその医療費は世界的にトップクラスに上るため、実際にはセルフメディケーションが自主的な選択というよりも強制された選択として、自己管理能力の名の下に長年既成事実化しています。そのため、医師の診察なしに強い薬を容易に入手できることには様々なリスクがあります。まず、誤った自己判断により薬を選び、長期間過剰に服用して副作用を引き起こすおそれです。さらに、市販薬同士の併用や持病で服用している薬との組合せを考慮しないまま使用してしまうリスクも長年指摘されています。 このような自己責任を基調とした米国流の薬の在り方を拙速に取り入れていいのでしょうか。お金のない人は病院より前にドラッグストアに行けという医療を日本においても後追いするものではありませんか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、私どもとして、基本的には、これからも国民の皆保険制度をしっかりと守っていく、このことが大切だと考えております。そのためにも、増大する医療費に対して改革を進めていくことは必要です。 また、先ほど来申し上げておりますとおり、公平性の観点から今回一部保険外療養を導入をさせていただきますが、その際、その場合であったとしても、まずドラッグストアに行くことを求めているのではなくて、医療機関で必要な受診を行った上で、結果的に対象となるOTC類似薬が支給をされる場合に別途の負担を求めるものであります。一律にセルフメディケーションに切り替えるということを求めているわけではございません。また、その際には、がんや難病の患者、子供さん、また継続して医療を受けなければならないケースなど、様々な配慮についても今後しっかり検討をしていく予定であります。
○天畠大輔君 代読します。 先ほど大臣は、一律にセルフメディケーションを求めるものではないと答弁されました。しかし、自己負担が引き上げられれば、現実には受診を控えるという選択が広がり、医療から離れていく、いわゆる医療離れが起きるのではありませんか。その結果、本来受診が必要な患者の治療の遅れや重症化を招くおそれがあります。しかも、OTC類似薬の保険給付の見直しによる一人当たりの保険料軽減額の見込みは年間約四百円にすぎません。年間四百円のために受診控えや重症化のリスクを広げる制度になっているのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほども答弁しましたが、本制度は一律にセルフメディケーションを求めるものではなく、また、別途の負担は患者の方々にとって過重な負担とならないよう、薬剤費の四分の一とすることとしているほか、引き続き必要な受診が確保されるよう、子供さん、入院患者、がんや難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、医師が対象医薬品の長期使用などを医療上必要と認めている方などに対しては別途の負担を求めないなどの配慮も検討することとしております。必要な受診が確保されるように、丁寧に対応していきたいと考えています。 また、医療保険制度の持続可能性を確保していくに当たっては、OTC類似薬の見直しのみならず、様々な改革を一つ一つ積み重ねていくことが必要だと認識をしています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 受診控えを防ぐ具体的な策をお示しください。通告なしですが、大臣、お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 必要な受診を受けていただけるように、今回の制度改正の趣旨あるいは判断が現場によって異ならないように、分かりやすい形で基準を示していくなど、周知を、周知徹底を図ることによりまして必要な受診が図られるように努めていきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 ところで、大臣、最近ドラッグストアで薬は買われましたか。プライベートな質問で恐縮ですが、どんな薬を買われましたか。
○国務大臣(上野賢一郎君) ほぼドラッグストアで薬は買っておりませんが、恐らく一年ほど前に風邪薬を買った記憶はあります。
○天畠大輔君 代読します。 ありがとうございます。 続けて通告なしになりますが、大臣に伺います。 今般のOTC類似薬の保険給付見直しに当たり、天畠事務所では、首都圏のドラッグストア数軒で聞き取り調査をしました。 薬の選び方や負担額の変化についてドラッグストアの窓口で担当者に問い合わせる患者、利用者が早くも出て、列を成しているという実態を御存じでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) ドラッグストアでどのような影響がこれから生じるかということは、現場の実態等を十分把握するようにしたいと考えています。 その上で、やはり、ドラッグストアの例えば薬剤師の皆さんにこれから健康のサポートなどで期待をされる役割というのも増えてくるわけでありますし、場合によっては病院での受診を勧奨をしてもらう、推奨してもらう、そういったことも大切ではないかと考えておりますので、そうしたことも踏まえて、受診控えが行われないような方策についてもより深く検討していきたいと考えています。
○天畠大輔君 代読します。 大臣、再び通告なしで恐縮ですが、伺います。 そのドラッグストアでは、電卓を片手に病院とドラッグストアの負担を見比べている人もいました。大変不安そうな表情でした。特に常備薬は日々の暮らしに直接影響しますので、OTC類似薬の保険給付見直しは多くの人々の心に影を落としていると考えています。 大臣はその姿をどう受け止めるでしょうか。もう一度御答弁お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになって恐縮でございますが、この法律による制度の見直しがあった場合に、ドラッグストアを始めとして関係する皆さんにどういう影響があるかということは注視をしていく必要があると考えています。
○天畠大輔君 代読します。 ありがとうございます。 やはり、この法案は一旦立ち止まってじっくり考え直すべきだと考えています。法改正によるOTC類似薬服用によってどのような効能の変化が現れるのか、家計への負担が実際にどのように変わるのか、それはそのときそのときで変わり、それに適切に対応していくのが保険医療であり、だからこそ公的医療が公的資金で保障されているのではありませんか。 政府の姿勢は、類似薬なんだからドラッグストアで買ってもいいじゃないか、まずは保険給付を見直して自己負担五割からスタートだなどという極めて乱暴なやり方だと思います。 しかも、本法案による保険料減額の見込みは、先ほども申し上げましたが、一人当たりたった四百円にすぎません。一方、OTC類似薬の処方が必要な患者は自己負担が一・五倍になるのです。そもそも、あらかじめ保険料を払っているのに窓口負担を求められること自体、保険料の二重取りであり、日本の窓口負担の増加はどう考えても行き過ぎです。 命と健康の問題に直結する医療政策において見切り発車は絶対に禁物と強く申し上げまして、次に行きます。 全国健康保険協会、いわゆる協会けんぽへの国庫補助に係る特例減額の見直しについて質問します。 協会けんぽは、国民の三分の一が加入する日本最大の医療保険者です。働く人の医療保険の最後の受皿として日本の国民皆保険制度を支えています。被保険者の多くは中小・零細企業に従事しており、自社で健康保険組合を設立することが難しい状況にあります。協会けんぽは、こうした中小企業の従業員とその家族に対して公的医療保険を提供しています。その結果、企業規模にかかわらず誰もが質の高い医療を受けられるという日本の医療保険制度における典型的なセーフティーネットの役割を果たしています。 特定健診や保健指導などを通じ病気の予防や早期発見を推進するとともに、四十七都道府県に支部を置き、各地域の医療費水準や健康課題に応じたきめ細やかなサービスを提供しています。協会けんぽの準備金残高の積み上げは、協会けんぽ自身の努力や被保険者の賃上げの結果によるものです。 それにもかかわらず、今回の法改正では、直近増加分七千億円の一六・四%に当たる一千百四十八億円に更に五百億円上乗せし、計千六百四十八億円の国庫補助減額を三年間続けるとしています。このように、過去の積み上げに遡及する形で国庫補助を減額する意義について簡潔に政府からお答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 協会けんぽは私ども大変重要な仕組みだというふうに思っておりますし、また、その保険、今回の法改正でも保険事業に取り組むなど、この協会けんぽの機能強化を図ろうとしているところでございます。 その上で、近年、堅調な保険料収入などを背景に健全な財政運営が定着し、準備金が相当程度積み上がっていることも踏まえまして、協会けんぽとして今年度から三十四年ぶりに平均保険料率を〇・一%引き下げました。一〇%から九・九%に引き下げます。 それと同時に、本法案では、現行の国庫補助額を減額する措置、特例減額について、減額幅を更に上乗せする時限的な措置を盛り込んでございます。この時限的な措置は、現行の国庫補助額を減額する措置が開始した平成二十七年度以前の剰余金のうち、剰余金、単年度収支差がプラスとなった平成二十二年度の翌年度である平成二十三年度から平成二十六年度までの間、現行の特例減額が行われていたと仮定した場合の控除額を基に、国庫補助一六・四%分に相当する総額約千五百億円について国庫支出額から追加的に差し引く法律上の新たな措置でございまして、本措置が財政に与える影響を平準化する観点から、三年間の時限措置として各年度約五百億円を追加的に国庫支出額から差し引くこととしてございます。 今回の措置は、現行の特例減額と同様の考え方に基づく言わば現行の延長線上の対応と、このように考えています。
○天畠大輔君 代読します。 今の御答弁は、補助を減額する意義ではなく、判断根拠を説明されただけだと思います。協会けんぽは、先ほど申し上げたとおり、加入者の多くが中小零細企業の従業員とその家族であり、まさに日本における最大のセーフティーネットの土台です。公的資金を投入して基盤を安定させるのは当然にもかかわらず、準備金が法定準備金を上回っていた時期があったのだからその分を今返せというのは乱暴です。セーフティーネットが何のために世の中にあるのか分からなくなっています。 今回の措置は令和八年度から十年度の時限措置でありますが、時限措置終了後の国庫補助の在り方はどのように考えていますか。仮に、今回の法改正の後、中長期スパンの中で協会けんぽの準備金残高が好調を維持した場合、政府は国庫補助の減額継続を維持しますか。あるいは、準備金残高が悪化した場合、政府は国庫補助を行いますか。お答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今回の時限的な措置の終了後の今後の国庫補助の在り方については、今回の措置が終了する令和十年度末までの間において、今回の料率引下げや時限措置、また賃金上昇率や医療給付費の伸びを踏まえた中長期的な保険財政への影響を総合的に勘案しつつ、改めて検討していく考えでございます。その意味で、今委員から御指摘のあったような、じゃ、そのときどうするのかということについて、現時点で予断を持った形でお答えすることは難しい点は御理解をいただきたいと思います。 その上で、協会けんぽは被用者保険の最後のとりででございます。安定的な財政運営を講じていくことが重要であるというふうに考えておりまして、中長期的な財政運営という視点に立った対応を行っていきたいと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 最後に、大臣に伺います。 海で溺れている人にためらわず差し出されるのが救命浮き輪です。しかし、助かった後にあのときの浮き輪の代金を払えというようなものが今回の措置ではないでしょうか。結局、準備金残高に着目した場当たり的な対応であり、国民の三分の一が加入する基幹的健康保険のセーフティーネットとしての機能を著しく毀損するものではないかと考えていますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 先ほど来局長が答弁をしておりますとおり、今回の措置は現行の特例減額措置と同様の考え方に基づくものであります。 いずれにいたしましても、協会けんぽは被用者保険の最後のとりでであります。保険料率が頻繁に変動することのないよう安定的な財政運営を講じていくことが重要であります。こうした観点から、令和十年度末までの間において、今後の将来見通しなども踏まえつつ、今後の対応について検討していくことが必要だと考えています。
○天畠大輔君 代読します。 弱い人にしわ寄せし、当事者の声を置き去りにしたままの本法案は認められません。私が日々の活動、議員活動で大切にしているのは、当事者参画と対話です。社会課題はその当事者こそが最もよく知っています。したがって、当事者の参画なくしては現状把握も解決への道筋も描くことはできません。だからこそ、当事者を始めとする様々なステークホルダーが垣根を越え徹底的に対話することが不可欠です。 高市政権が発足して間もなく七か月ですが、当事者参画と対話が軽視されているのではないかという点に強い懸念を抱いております。本法案についても、影響を受ける患者や家族の声が十分に反映されているとは言えず、改正案からは当事者との対話のプロセスが見えてきません。 今後、また質疑を通して是非ともその点を深掘りしていく決意を申し上げ、本日は終わります。
○委員長(小川克巳君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、来る十九日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #3076 観測 2026-07-10 23:16 JST改ざん検知用の値
00265d2f…f84377(未計算)
チェックポイント
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- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
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- 85c13a98…82ef71
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
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いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
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