令和八年六月十五日(月曜日) 午前十時二分開会 ───────────── 委員の異動 六月八日 辞任 補欠選任 出川 桃子君 滝波 宏文君 西田 英範君 森 まさこ君 原田 秀一君 奥村 祥大君 新実 彰平君 高木かおり君 松野 明美君 嘉田由紀子君 塩入 清香君 櫻井 祥子君 六月九日 辞任 補欠選任 滝波 宏文君 片山さつき君 横山 信一君 司 隆史君 岩渕 友君 吉良よし子君 大島九州男君 伊勢崎賢治君 六月十日 辞任 補欠選任 片山さつき君 滝波 宏文君 六月十二日 辞任 補欠選任 奥村 祥大君 田村 まみ君 上田 勇君 三浦 信祐君 司 隆史君 秋野 公造君 吉良よし子君 山添 拓君 伊勢崎賢治君 木村 英子君 六月十五日 辞任 補欠選任 秋野 公造君 司 隆史君 山中 泉君 安達 悠司君 山添 拓君 吉良よし子君 木村 英子君 伊勢崎賢治君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 西田 昌司君 理 事 井上 義行君 小林 一大君 中西 祐介君 羽田 次郎君 宮崎 勝君 嘉田由紀子君 委 員 かまやち敏君 小林孝一郎君 末松 信介君 滝波 宏文君 藤井 一博君 藤木 眞也君 森 まさこ君 山田 太郎君 山本 順三君 岸 真紀子君 郡山りょう君 古賀 千景君 吉田 忠智君 江原くみ子君 田村 まみ君 堂込麻紀子君 秋野 公造君 司 隆史君 三浦 信祐君 高木かおり君 安達 悠司君 櫻井 祥子君 山中 泉君 吉良よし子君 山添 拓君 伊勢崎賢治君 木村 英子君 国務大臣 総務大臣 林 芳正君 法務大臣 平口 洋君 外務大臣 茂木 敏充君 財務大臣 片山さつき君 文部科学大臣 松本 洋平君 厚生労働大臣 上野賢一郎君 経済産業大臣 赤澤 亮正君 国土交通大臣 金子 恭之君 環境大臣 石原 宏高君 防衛大臣 小泉進次郎君 国務大臣 (デジタル大臣) 松本 尚君 国務大臣 (復興大臣) 牧野たかお君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(こども 政策 少子化対 策 若者活躍 男 女共同参画)) 黄川田仁志君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(経済財 政政策)) 城内 実君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(科学技 術政策)) 小野田紀美君 副大臣 財務副大臣 舞立 昇治君 ───── 会計検査院長 原田 祐平君 ───── 政府特別補佐人 原子力規制委員 会委員長 山中 伸介君 事務局側 常任委員会専門 員 小松 康志君 政府参考人 内閣官房日本成 長戦略本部事務 局次長 西海 重和君 内閣府政策統括 官 阿久澤 孝君 内閣府規制改革 推進室次長 福田 誠君 内閣府科学技術 ・イノベーショ ン推進事務局統 括官 井上 諭一君 警察庁刑事局長 重松 弘教君 警察庁交通局長 日下 真一君 こども家庭庁長 官官房長 藤原 朋子君 デジタル庁統括 官 蓮井 智哉君 デジタル庁統括 官 楠 正憲君 デジタル庁統括 官 荻原 直彦君 復興庁審議官 斉藤 卓也君 総務省大臣官房 地域力創造審議 官 恩田 馨君 総務省政策統括 官 北川 修君 消防庁次長 田辺 康彦君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 文部科学省総合 教育政策局長 塩見みづ枝君 文部科学省初等 中等教育局長 望月 禎君 文部科学省高等 教育局私学部長 森友 浩史君 文部科学省研究 振興局長 淵上 孝君 文部科学省研究 開発局長 坂本 修一君 文化庁次長 日向 信和君 厚生労働省大臣 官房医薬産業振 興・医療情報審 議官 森 真弘君 厚生労働省医政 局長 森光 敬子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局長 大坪 寛子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局感 染症対策部長 鷲見 学君 厚生労働省労働 基準局長 岸本 武史君 厚生労働省労働 基準局安全衛生 部長 安井省侍郎君 厚生労働省雇用 環境・均等局長 田中佐智子君 厚生労働省社会 ・援護局障害保 健福祉部長 野村 知司君 厚生労働省保険 局長 間 隆一郎君 厚生労働省人材 開発統括官 宮本 悦子君 林野庁長官 小坂善太郎君 経済産業省大臣 官房技術総括・ 保安審議官 湯本 啓市君 経済産業省大臣 官房商務・サー ビス審議官 井上 博雄君 経済産業省大臣 官房審議官 河野 太志君 経済産業省大臣 官房審議官 竹田 憲君 経済産業省大臣 官房エネルギー ・地域政策統括 調整官 佐々木雅人君 経済産業省大臣 官房福島復興推 進グループ長 辻本 圭助君 資源エネルギー 庁長官官房資源 エネルギー政策 統括調整官 山田 仁君 資源エネルギー 庁電力・ガス事 業部長 久米 孝君 中小企業庁次長 山本 和徳君 国土交通省大臣 官房土地政策審 議官 堤 洋介君 国土交通省不動 産・建設経済局 長 楠田 幹人君 国土交通省道路 局長 沓掛 敏夫君 国土交通省住宅 局長 宿本 尚吾君 国土交通省鉄道 局長 五十嵐徹人君 環境省水・大気 環境局長 大森 恵子君 防衛省大臣官房 長 小野 功雄君 防衛省防衛政策 局次長 松尾 智樹君 説明員 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 長森浩一郎君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 奈良岡憲治君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 谷野 正明君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 篠崎 智宏君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 水谷 一博君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 西村 孝子君 参考人 東京電力ホール ディングス株式 会社代表執行役 社長 小早川智明君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○令和六年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(衆議院送付) ○令和六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(衆議院送付) ○令和六年度一般会計歳入歳出決算、令和六年度特別会計歳入歳出決算、令和六年度国税収納金整理資金受払計算書、令和六年度政府関係機関決算書 ○令和六年度国有財産増減及び現在額総計算書 ○令和六年度国有財産無償貸付状況総計算書 ○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査 (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件) ─────────────
決算委員会
発言 344
○委員長(西田昌司君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十二日までに、塩入清香君、出川桃子君、西田英範君、松野明美君、新実彰平君、原田秀一君、横山信一君、大島九州男君、岩渕友君及び上田勇君が委員を辞任され、その補欠として櫻井祥子君、森まさこ君、嘉田由紀子君、高木かおり君、滝波宏文君、三浦信祐君、秋野公造君、山添拓君、木村英子君及び田村まみ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に嘉田由紀子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 令和六年度予備費二件の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 令和六年度決算外二件及び令和六年度予備費二件の審査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 令和六年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、令和六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、以上二件を一括して議題といたします。 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。片山財務大臣。
○国務大臣(片山さつき君) ただいま議題となりました令和六年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外一件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、令和六年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費予算額一兆円のうち、使用を決定いたしました金額は九千八百九十一億円余であり、その内訳は、燃料油価格激変緩和対策事業等に必要な経費等の二件であります。 次に、令和六年度一般会計予備費予算額一兆円のうち、使用を決定しました金額は六千九百五十八億円余であり、その内訳は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に必要な経費等の六十件であります。 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。
○委員長(西田昌司君) 以上で説明の聴取は終わりました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) これより令和六年度決算外二件及びただいま説明を聴取いたしました令和六年度予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。 なお、本日の令和六年度決算外二件の質疑は准総括質疑であります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。 元大阪検事正による女性検事への性暴力被疑事件に関し、行政庁の監督機能として、法務省及び検察に第三者委員会を設置すべきとする観点から、法務大臣に質問します。 私は、この件で、第三者委員会の設置を強く求める会の会長です。六月九日に第一回、仮名ひかりさんの同席の下、開いたところ、多くの方が集まり、多くの賛同の声が寄せられました。特に、企業トップの方から、何で検察組織がかばうんだ、見苦しいという声が寄せられております。 ところが、翌日、元検事正の代理人弁護士から私宛てに書状が届きまして、公の場で犯人扱いするなと言われました。しかし、私は犯人と呼んでいません。被告人とさえ言っていません。個人名も言っていません。私は大阪検事正と言ったんです。これは組織の役職名です。すなわち、裁判中の事件といえども、行政監督の目的から国会議員が国政調査権を行使することは、司法権の独立や準司法機能を持つ検察の独立を侵すものではありません。本日は、この観点から質問をするものです。 刑事事件では同意の有無を争っていると報道されていますが、刑事事件と違い、行政監督上は、同意の有無にかかわらず、自分の検事正就任祝いで異性の部下と酒を飲んだ上で、勤務時間外の深夜、妻子のある上司が検察宿舎の自分の部屋に夫も子供もいる女性部下を連れ入れることは、人事院規則、国家公務員倫理規程、「検察の理念」など、様々な行政規則に反します。検察は、この事態を把握できずに、上司に退職金六千万円を支給して円満退職させ、一方で、告発した部下は検事の仕事を辞職せざるを得ませんでした。 私は、勇気を出して告発した女性が希望を絶たれて辞めなければいけないのであれば、後に続く被害者は名のり出れなくなってしまうと思い、大決断して議連会長を引き受けたものです。 本件は、単なる一人の検事正のセクハラ、パワハラの問題を超えた組織全体の問題です。起訴権限を独占することで国家刑罰権の枢要部分を握っている検察庁が、自らの組織防衛のために第三者委員会による調査をあくまでも阻止し、自己反省や組織刷新を拒むことは、国民の更なる検察不信を招くでしょう。 検察内で違法な取調べを拒んだことでパワハラされたとする内部告発も届いています。違法な取調べと、冤罪、セクハラ、パワハラは決して無関係ではありません。村木厚子さん事件、袴田さん事件、ひかりさん事件、これらは全て同じ構造、すなわち人権意識の鈍麻、証拠隠し、証拠の捏造によって成り立っています。これらは、組織のガバナンスの低下、駄目なことを駄目と言えない風土が招いているんです。 刑事局長が自民党における再審法改正案の審議の中で、私の質問に対し、今どきの検事たちは違法な取調べをしないので、今後は再審が問題になるような事例は出てこないと答弁しました。果たして本当にそうでしょうか。このまま放置すれば、新たな犠牲者が出ます。 防衛省では、千四百件以上の被害申告が第三者委員会によって発覚しました。女性自衛官は、先日、記者会見をし、声を上げてから四年半、やっと自分の人生を歩き出せる、この四年半で声を上げることの重さやつらさを身をもって知りました、声を上げるには大きな勇気が要ります、そして勇気が必ずしも守られるとは限らない現実もありましたと述べています。 検察内のセクハラ、パワハラも、また起きるかもしれません。無実の国民がいわれのない罪で突然捕まり、家族から引き離されて、身体を拘束され、自白を迫られる不条理、冤罪被害者が心身を病み、死に追いやられる悲劇がまた起こるかもしれません。 第三者委員会の設置は、国民の命と安全を守り、司法の信頼を取り戻すために不可欠です。資料一の①、性被害に関し第三者委員会を設置した最近の主な例を皆様のお手元に配付しました。このほかにも、横浜市、東京大学、小学館でも設置をしています。資料一②は、元陸上自衛官のセクハラに関して、防衛省が三か月後に第三者委員会を迅速に設置し、その調査により多数摘発、多数処分した例です。これらは全て、資料一③から⑧の日弁連第三者委員会ガイドラインに沿った内容になっています。 企業でも防衛省でも自治体でも第三者委員会が設置できるのに、なぜ法務省、検察はできないのでしょう。検事や元検事はメンバーに入れず、検察から独立した第三者がメンバーになることが強く求められます。 ここで、大臣に質問します。女性を守る、心ある答弁を求めます。 大臣は、記者会見で、一旦第三者委員会を設置すると思われる発言をしました。ところが、後日の記者会見で撤回し、第三者委員会の設置を否定、最高検による内部調査にとどめると発言しました。大臣は、本当は第三者委員会を設置すべきとお考えなのではないですか。私たち設置を求める会で大臣に提言を持っていくので、受け取っていただけますか。第三者委員会を設置しなくても、先ほどのような犠牲者、すなわち違法な取調べの犠牲者、冤罪、パワハラ、セクハラの被害者は今後出ないと断言できますか。どうぞお答えください。
○国務大臣(平口洋君) お答えをいたします。 検察当局においては、昨年五月の次長検事名でのハラスメント防止等に係る取組を徹底する指示に基づき、本年度当初には、本年度中に全職員を対象としたハラスメント調査を実施することを決定していたところであり、特定の事象を契機として実施することとしたものではないという報告を受けております。 また、御指摘の第三者委員会を設置して検証することについて、関連する刑事事件が公判係属中であるなどの状況においては、司法権の独立の観点から問題が生じること、関係者の名誉、プライバシーを侵害するおそれがあることなどから、極めて慎重に判断する必要があるものと考えております。 検察における職場環境の改善等に関しては、本年度実施することとしたハラスメント調査に加え、そこに客観的な視点を加味する方策がないかも含めて検討している旨、報告を受けております。 法務大臣としては、まずは検察当局におけるそのような取組を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
○森まさこ君 公判のことをおっしゃいましたが、資料一②の防衛省の記事に私が印を付けて書き込みしたとおり、刑事事件、民事事件、国賠訴訟が係属中であっても設置しています。他の企業も全て同じです。これが司法権の独立を侵害しないことは、調査室の調査によって私どもは確認済みでございます。 大臣、令和四年の名古屋刑務所の事案では、当時の齋藤健法務大臣は直ちに第三者委員会を設置しましたよ。プライバシーの最たる映像記録の全国検証も実施しました。検察の内部調査では、検事たちはプライバシーどころか、報復人事を恐れて何も答えないでしょう。調査の実効性に欠けます。 参与会のチェックをさせるというふうに事務次官が私に言ってきました。資料一の⑨が、女性検事が本件を通報した後の参与会の議事録ですが、当該事案に触れてもおらず、第三者委員会の設置どころか、内部調査すら提案されず、公益通報者保護法による通報者保護のための職場安全環境確保のアドバイスもありません。それどころか、検察は今社会から責められているが、このような状況下にいる検察職員の心の痛みを心配している、日本人は反省を好むが自分たちのマイナス面のみを見るだけでは心が保てない、自分たちの悪い面だけでなく良い面も認める姿勢が重要であるなどと、内部の者による組織擁護、自己弁護に徹しています。参与会には期待できません。 第三者委員会の設置を強く求めて、次の質問に参ります。 東京電力原発事故に伴うシイタケ原木の損害賠償について、経産大臣に伺います。 資料①から④までの福島民報の記事を御覧ください。 福島県の避難区域外では、原発事故によりシイタケ原木の出荷が困難となり、影響期間を十年として東電の賠償がなされました。しかし、事故から十五年以上が経過した現在も出荷できない状況が続いており、福島県森林組合連合会は追加賠償を求めていますが、東電は応じていません。 この問題について、私が経産省から資料二の⑤の提出と説明を受けましたが、その記載が虚偽であったのです。私の指摘を受けて、資料二の⑥に訂正をしたのです。 最初の資料二の⑤では、東電の考え方に対して、県の会長は一定の理解を示しているとの記載でした。しかし、その場で、経産省原発事故処理総括官の目の前で会長御本人に電話で確認したところ、そのようなことは一回も言っていない、さらに、経産省は会長御本人に会ってもいない、電話もしていない、東電から聞いた情報だけで報告書を作成していたのです。 しかも、それだけではないのです。資料二の⑤に私が赤字で書き込んだとおり、二人の組合長が強く反対していると書かれておりますが、これも虚偽でした。またさらに、森林組合の弁護士の意見により東電の主張が合理的と記載されていますが、弁護士の意見書に合理的とは書いておらず、田子会長も合理的とは説明していないと言っています。 このように、ことごとく事実と異なる文章を経産省の名前で作成し、自民党復興加速化本部の役員に配付し、説明をしたのです。前提事実として、虚偽の資料を摘示されたら、正しい政策議論が不可能です。中立的な立場、むしろ被災者に寄り添って対応すべき政府が、被害者側への確認を行うことなく、加害者側の東電の言い分だけに沿った資料を作成したことは看過できず、福島県民の政府に対する信頼を失う重大な事態であると考えます。 福島県は全国三位の広大な面積を持ち、その七割が森林です。原発事故により、非がないのに突然放射線量の被害を受け、人家の周りを除き、いまだ森林は一切除染されておりません。十五年経過しても五十ベクレル以上で、出荷制限により取引ができないのです。後継者はいなくなり、山が荒れ、熊の出没数も全国トップクラスで、市街地にも出没が相次いでいます。災害時の山からの鉄砲水や土砂崩れも増えてしまうでしょう。県民の生活にも直結するのです。 今回の事態について、大臣には報告が事前にはなかったと思いますが、発覚してから迅速に対処してくださったことは承知しておりますけれども、経産大臣の見解を伺います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 本件は、報告を受ける前にまず委員から御連絡をいただき、もうそのときから一貫して私はこの件は重く受け止めております。 改めて申し上げるまでもなく、福島の復興と東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉、これは経済産業省の最重要課題であります。 シイタケ原木の賠償について、経済産業省の担当者が委員に対し、被災事業者である福島県森林組合連合会の認識とは違う内容の説明をしたことについては、私も報告をその後受けました。原子力損害賠償の問題は非常に重たいものであり、今回の件は、本来、被災事業者と丁寧にコミュニケーションを取った上で対応すべきであったにもかかわらず、それが行われていなかった点については大いに反省すべきだというふうに考えています。 今後の対応としては、損害の立証が難しい実態を踏まえた上で、現在も続くシイタケ原木の出荷影響にどのように対応するかについて整理を行ってまいります。その際、福島県がシイタケ原木の一大供給地であったことを踏まえ、福島県のシイタケ原木の生業の復興、発展に資するような方向性を最大限目指してまいります。 福島の復興への対応は、何よりも現場主義であることが求められると考えています。今後も被災事業者に向き合った対応を徹底してまいりたいと思います。
○森まさこ君 どうぞ、経産大臣から東電に対し、しっかり賠償するように指導をお願いします。 次に、東電社長に伺います。 経産省は、東電の言うことだけを信じて二の⑤の資料を作成した。つまり、東電がうそをついたことになります。虚偽の説明したことを謝罪してください。私は、東電の小林会長にお会いして、森林の賠償問題で東電の態度がひどいですと常々言ってあったんです。それを社長は改めるどころか、うその説明をして、この問題をこれ以上進めないようにしたとは言語道断です。最後の一人まで賠償すると東電は表では言っているんです。森林は今取引できないので、営業損害の証憑を出すことができないのです。しかし、裁判の場や交渉の場では、営業損害するから証憑を出してみろとうそぶいているのです。 広葉樹林再生事業で、五十ベクレルを超えるものは今政府の補助金でパルプにしていますが、パルプにする値段のシイタケ原木は三倍です。今パルプでいただいている収益の三倍の賠償をしてください。三倍の賠償をしますか。さらに、再生事業は一年間の量を決めていますので、今年の該当森林組合以外の森林組合は一切収入がない。税金だけ払うので赤字なんです。そういった該当しない地域もパルプの三倍を賠償すべきですが、いかがですか。お答えください。
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングス社長の小早川でございます。 まず初めに、当社福島第一原子力発電所の事故により、今なお福島県の皆様を始め、広く社会の皆様に多大なる御心配と御負担をお掛けしておりますことにつきまして、改めて心より深くおわびを申し上げます。 先生からの御質問にお答えいたします。 まず、当社が福島県森林組合連合会様からお聞きした内容を経済産業省に説明した際、当社の担当部署の印象や受け止めを御指摘の表現と同様の趣旨でお伝えしたことで、結果的に福島県森林組合連合会様の認識とは異なる説明をしてしまったとの報告を受けております。 本件につきましては、私自身も大変重く受け止めております。当社が福島県森林組合連合会様のお考えを十分に酌み取れず、福島県森林組合連合会様との認識と異なる説明をしてしまったことにつきまして、関係の皆様に、この場をお借りし、おわびを申し上げます。 森先生からのお話につきましては、既に担当部署に共有いたしました。先生からの御示唆を踏まえた、被害を受けた方々の立場に寄り添った対応ができていなかったことにつきましては深く反省をしており、今回の件を受けて、改めて福島県森林組合連合会様を御訪問し、御事情をお伺いしているところでございます。 今後は、政府に提出された自由民主党東日本大震災復興加速化本部による第十五次提言も踏まえ、三つの誓いに基づき、福島県森林組合連合会様及び関係の皆様のお立場に立って御事情を丁寧にお伺いし、実態を把握した上で適切に対応してまいります。 私からは以上でございます。
○森まさこ君 十五次提言には、シイタケ原木を含む賠償をしっかり進めることというふうに記載しております。先日、官邸に提出をいたしました。東電はしっかりと賠償をしていただくよう強く要望します。 次に、文科大臣に質問します。 文科大臣、今のやり取り聞いていただいていたと思いますが、この損害賠償に関して、ADRとしての原子力損害賠償紛争解決センターの機能不全も問題であると考えています。ADRセンターは、資料三の①のとおり、裁判所に訴え出ることや弁護士を立てる費用がないような被災者と東電の間に立ち、中立かつ公正な第三者の立場から和解を仲介する組織として、原発事故の後、特別に福島県に設置されたものです。 文科省のレクでは、資料三の②を持ってきて、東電の拒否がゼロ%であるからADRの実績がありますよ、森先生と、誇らしげに報告してくれましたが、このADRセンターが、実際は被害者に請求取下げや低い賠償金での妥協をさせるなど、今や東電側に立ってしまっているとの苦情が、森林組合のみならず、被災者農家や医療機関などからも寄せられています。 文科省は、レクでは、ADRへの苦情は聞いたことがないと言っていましたので、私は病院からの苦情があるから調べるように言いましたが、文科大臣、聞いていらっしゃいますか。
○国務大臣(松本洋平君) 本件につきまして、このADRセンターの運用について、私自身、報告を受けているところでありますけれども、個別の内容につきましては、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。 ただ、ちょっと質問、少しちょっと前倒しでお話をすることになるかもしれませんが、もう私自身、経済産業副大臣時代に福島を担当しておりまして、もう毎週末、福島に参りまして、被害者の皆様方と膝を突き合わせていろいろとお話をさせていただきました。その際に、やはり被災者の皆さんにいかに寄り添うのか、そして被災者の皆さんの思いに致したときに、我々が発した何げない一言が被災者の皆さんを傷つけたり、そうしたことがあるということを大変強く自分自身も心に思いながら接してきたことを今でも大変強く覚えているところでもあります。 そういう意味合いにおきましても、今先生がおっしゃられたようなそうした思いを持たれるということ自体が我々にとっては大変問題であるというふうに考えておりまして、そうした点をしっかりと理解をした上で、ADRセンターといたしましても、被災者の皆さんと向き合う、これが大変大事なことだと考えております。
○森まさこ君 文科大臣、経産副大臣の御経験を踏まえて、頼りにしております。 実は、文科省は、病院協議会、私、行ってきなさいと、苦情が来ているんだからと言ったんですが、大臣には届いてないようですね。文科省は実は病院協議会に出席しているんです。この実態を把握しているはずなんですが、二回私のところにレクに来て、ADRの苦情は聞いていませんと言うんですよ。 被災病院協議会の議事録が私の手元に今あります。直近二回、令和八年四月二十一日、令和八年一月二十日の議事録です。参加者に文科省四名が記載されています。福島県で行われているんですよ。福島県医師会館まで新幹線に乗って行っているんですよ。文部科学省研究開発局の原子力損害賠償対策室の室長補佐のHさん、同対策室のKさん、そして四月、直近四月は、やはり原子力損害賠償対策室の次長のNさん、同対策室の係員のIさんが行っている。 そして、その協議会の議事録の中に、この会長、この被災地協議会の前原会長から、そして実際に被害に遭っている病院の事務局から、ADRの申立て状況がこんなにひどいんだということが言われており、その議事録が取られており、その前の議事録は、後の会にはちゃんと添付されて配付されているんですね。なぜこれが大臣まで届かないんでしょうか。もう経産省と同じ、法務省と同じ、何で現場で起きていることが大臣たちのところに届かないんでしょうか。最近の霞が関はたるんでいますね。 この協議会の要約を読み上げますけれども、これまで被災病院が経験してきた事例の中には、東京電力がADRの提示した和解案を受け入れず、ADRへの申立てを取り下げないと協議に応じないという姿勢を示したために、申立ての取下げを余儀なくされた事例も生じています。当協議会は、このような状況が被害者救済を目的とするADR制度の本来の趣旨に照らして適切であるのか、大きな疑問を抱いております。 本来、ADRは中立公正な立場から紛争解決を図る制度であるはずですが、実際には東京電力が和解案を受諾しなければ解決に至らず、被害者側は、資金繰りや経営継続の必要性から不本意な条件でも受け入れざるを得ない状況に置かれてきました。その結果、高い和解率が維持されている一方で、和解内容の妥当性や被害者の納得度については十分に検証されていないのではと危惧しております。 文部科学省が公表しているADRセンターの活動状況によれば、和解成立は八割と高い割合を維持していますが、毎年一割以上の取下げ案件が存在しています。これらの取下げ案件の中には、被申立人が和解案を受け入れなかったり、申立人が取下げ以外の選択肢を実質的に失った結果、取り下げざるを得なかった事案が含まれているものと考えられます。原発事故による医療機関の影響は、単なる時間の経過によって解消されるものではありません。 このように、前原、被災病院協議会の会長が切々と訴えており、これを四人の文科省の役人が聞いていたということなんですね。 森林組合や原発被災病院協議会などの事例を今文科大臣お聞きになって、事故から十五年以上が経過した現在も損害が継続している実態があると御理解いただいたと思います。ADRセンターの判断基準となる中間指針はもはやワークしていないのが現状です。これを改定し、十年を超えても継続する損害についてはしっかり賠償すべきとの詳しい指針を具体的に追加すべきではないでしょうか。お答えください。
○国務大臣(松本洋平君) 中間指針につきまして御質問をいただきましたが、中間指針に関しましては、委員御指摘の十年を超えても継続する損害についての記載というものはないわけでありますけれども、令和四年十二月に原子力損害賠償紛争審査会にて策定された第五次追補におきまして、指針において示されなかったものであっても、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められるものは全て賠償となることを明記し、幅広く賠償することとされております。また、既存の指針には明記されていないものでありましても、一定の範囲の損害類型として示す必要があり得る場合には、審査会で議論を行い、必要と判断した場合には見直しが行われることとなっております。 今、いろいろと御指摘をいただいたところでありますけれども、個別の案件について私の方からコメントをすることは差し控えたいと考えておりますが、迅速かつ公平、適正な賠償が行われるように我々としても努めてまいりたい、そのように考えております。
○森まさこ君 その第五次追補があっても、今このような状況であるということです。相当因果関係があるものは賠償すると書いてあって、東電は相当因果関係を持ってこい、その証憑を持ってこい。しかし、森林組合は、先ほど言ったように、取引していないから証憑は出せないんです。これ、出せないことも分かっていますと東電が発言した記録もあります。出せないことを分かっていて、追補に因果関係と書いてあるから、因果関係を持ってきたら賠償してやるけどねと言うんですよ。ですから、この第五次追補の記載では不十分だということなんです。 是非、紛争審査会の委員の先生に被災地病院協議会に行って調査をしていただく、聞き取りをしていただく。前はそういったことがありました。最近、現地に行っていません。是非、そういったことを大臣のリーダーシップで主導していただきますようにお願いをして、次の質問に入らせていただきます。 これもまた経産大臣に質問をいたします。 先月二十七日に開催された経産省価値創造経営小委員会において、成長投資ガイダンスの具体案が公表され、七月上旬の正式公表を目指している件でございます。 高市総理は、昨年十一月十日の衆議院予算委員会で、ROE、自己資本利益率は利益性に関する指標の一つであり、利益率は改善傾向にあるけれども、少額で高効率の高い投資案ばかりに注意が向けられる、いわゆる効率性のわなが生じてコストカット型の経営が横行し、結果として、人的資本投資や設備投資や研究開発投資の額が抑制されてしまった、そのため、今回、ROEなどの効率性指標の活用の在り方を反省して、成長投資額の増加を通じた中長期的な発展のための戦略を取りまとめるよう、赤澤大臣に指示をなさいました。 さきのこのガイダンス案はこれを受けて公表されたものだと思いますが、その中核は、これまでのROEに代わり、EP、つまりエコノミックプロフィットという指標を導入しようというものです。EPとは、資本コストを上回る利益率に投下資本額を掛け合わせた利益の額で、役所の説明だと、その利益率の質が変わってくるということでありますけれども、EPの導入に関してはROEと同様の問題が指摘をされ、価値創造経営小委員会でも統一的な見解が得られずに、パブリックコメントに付されることになりました。 ここでの問題は二つです。 一つは、経産省は、EPは率ではなくて額だとし、あくまでも効率性のわなから脱却できるかのような説明をしていますが、実は、額である前に、資本コストを上回る利益率が求められ、利益率の低い投資案や事業は捨象されかねず、結局、効率性のわなから抜け出せないという点です。 二つ目は、これはかねてから私が主張していて、この決算委員会で何回も質問をしているんですけれども、利益とは株主のみに還元される付加価値でございまして、資料を今配っておりますけど、資料四の①です、これを政策指標としたら、赤で塗られているところですね、ここが利益なんです、これを政策指標としたら、株主還元は増加しても、費用とされてしまっている人件費や取引先への支払、これが減少して、企業の持続的発展を阻害しかねないという問題があります。 ですから、私はかねてから、利益ではなく、企業単位のGDPに相当する付加価値額を政策指標とすべきだと主張してまいりました。成長投資額を増やす政策においても、利益ではなく付加価値の増加額を指標とすべきです。そのためには、EPに代わり、成長投資額とその投資によって創造が期待される付加価値の開示を促し、資料②のように、これを基にして経営者とステークホルダーの間の建設的な対話を促すことが制度設計上、合理的と考えますが、経産大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 日本企業の業績や株価は改善傾向にありますが、株主還元が増加する中で賃上げを含む成長投資は欧米と比べてなお低い水準にあり、一層賃上げを含む成長投資を増加させていくことが重要だという点については、委員からも御指摘をいただいたところであります。 どのような指標を活用するかは企業の経営判断に委ねられていますけれども、経営者と投資家との間に一定の規律を働かせる上で、資本効率に関する指標を用いることも重要だというふうに思っています。 ROEは、御案内のとおり、自己資本に対する資本効率を示す指標として重要でありますが、これのみを短期的に過度に重視すると、自社株買いの増加や成長投資の抑制につながるといった指摘もあります。 このため、本年五月に政府案公表した成長投資ガイダンスでは、投下資本全体に対する資本効率を示す、ROICというんですかね、ROICを基礎に、投下資本の拡大も含めた中長期のEP、すなわちエコノミックプロフィットの考え方に着目していると。中長期的な視点に立って経済的な付加価値を増加させる観点から、ROEに加えEPの考え方も活用しつつと。 なので、資本効率については、これで規律が働くと考えている経営者や投資家がおられるということなので、そういった面もしっかり評価するということと併せて、全体額としてしっかり利益を生んでいくと。企業の成長を促すようなところもあり、投資拡大の両輪で経営に取り組むことの重要性とか、人的資本可視化指針を踏まえ、コストカットではなくて、賃上げを含めた人的資本投資を拡大することの重要性を示しております。 御指摘の考え方については、もちろん委員の御指摘ですので、成長投資の拡大を促進するという点で共通する部分もありますし、傾聴に値する御意見であることも間違いないんですが、現時点での私の考えとしては、やはり資本効率の観点というのを一つきちっと押さえておかないと、やっぱり先ほど申し上げたとおり、投資家や経営者、この点見ていますし、非効率な事業が温存されるといった課題もあると思います。そういう意味で、現時点において慎重な検討が必要かなというのが私の判断です。 いずれにせよ、企業が単一の指標ではなく、自社に適した多様な指標を使いつつ企業価値の向上に取り組んでいただくことが重要でありますし、それに資するような考え方を、今の委員の御指摘も踏まえながら、不断に検討してまいりたいというふうに思います。
○森まさこ君 私、司法試験を受けたときに選択科目が会計学だったんです。そのときに学んだ日本の会計基準は、三方よしの渋沢栄一の考え方に基づいたものでした。しかし、私が金融庁に入って、金融庁で官僚をやっていたんですが、そのとき会計ビッグバンというのが起きて、ビバ自由資本主義みたいになりまして、会計基準も変わってしまったんです。今それを見直すべきときだと思っています。海外はもう見直しに掛かっています。日本は、海外の投資家がこうやって投資をして、そして、この基準によってどんどん日本人が汗水垂らして稼いだ利益が海外に流出をしているということが指摘をされます。 是非、コーポレートガバナンス改革、大臣のリーダーシップでしっかりと進めていきますようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○小林孝一郎君 皆さん、おはようございます。自由民主党の小林孝一郎です。 この度、決算委員会准総括質疑での質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 これまで決算委員会では、省庁別審査などを通じて各府省の事業執行や政策効果について幅広い議論が行われてまいりました。私自身も、医療、介護、人材確保など現場の課題について質問をさせていただきました。本日は、そうした議論の積み重ねを踏まえ、令和六年度決算全体を俯瞰する観点から、我が国経済の現状と決算審査の意義についてお伺いをいたします。 まず初めに、令和六年度決算についてです。 令和六年度の一般会計税収は七十五兆二千億円余りとなり、過去最高を更新しました。税収は、国民生活や企業活動の成果として表れるものであり、我が国経済の状況を映す重要な指標の一つであります。一方で、その背景には、企業収益の改善だけでなく、物価上昇や円安など様々な要因があるかと考えられます。また、岡山の中小企業や医療、介護の現場では、人件費や資材価格の上昇への対応に苦慮する声も多く聞かれます。 そこで、お尋ねします。 政府は、今回の税収増加をどのように分析しているのでしょうか。また、この結果から、日本経済の現状や成長力をどのように評価しておられるのでしょうか。決算税収から見える日本経済の現在地と今後の課題についてお伺いします。
○副大臣(舞立昇治君) 先生御指摘のとおり、令和六年度の国の一般会計税収は、決算額としては過去最高の七十五・二兆円となり、令和五年度決算税収と比べプラス三・二兆円の増加となっております。その主な内訳としては、定額減税などの制度的要因によりまして所得税が減少した一方、企業収益の増を背景に法人税がプラス二兆円増加し、また消費の伸びを背景に消費税がプラス一・九兆円増加したものと認識しております。 こうした税収動向の背景にありますマクロ経済環境については、足下の現状を申し上げると、名目GDPは六百兆円を超えて七百兆円に近づいており、過去最高水準の設備投資も実現し、賃上げ率も二年連続で五%を上回っており、今年の春闘においても同水準の力強い動きが見られるなど、前向きな動きが見られております。 先行きにつきましては、中東情勢の影響を注視する必要はありますが、高水準の賃上げなどの雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が景気の緩やかな回復を支えることが期待されております。 一方、課題として、我が国の潜在成長率が主要先進国と比べて低迷している中で、国内投資の不足のてこ入れが必要であると考えております。そのため高市内閣では、責任ある積極財政の考え方の下、戦略的に財政出動を行うことにより、危機管理投資や成長投資といった民間投資を促進することによりまして、日本経済の供給構造を強化し、雇用や家計の所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる成長の好循環を実現し、強い経済を構築してまいりたいと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。国内投資をてこ入れし、供給力を是非上げていっていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、参議院における決算審査についてお伺いします。 令和六年度の一般会計歳出決算額は百二十三兆円に上りました。防衛力の強化、少子化対策、GX、DXなど、我が国が直面する重要課題については、複数年度にわたり、計画的かつ継続的な取組が進められています。こうした政策の多くは単年度で成果を判断できるものではなく、その効果や課題を継続的に検証し、次の政策や予算編成に生かしていくことが重要であります。決算審査は、単に過去の歳出を確認するためのものではなく、政策効果を検証し、将来の財政運営や予算編成の質を高めるための重要な営みであると考えます。 そこで、お尋ねします。 片山大臣におかれましては、昨年度は参議院決算委員長として決算審査を取りまとめられ、現在は財務大臣として予算編成を担う立場にあります。その御経験も踏まえ、参議院決算審査の果たすべき役割をどのように考えておられますでしょうか。また、決算審査の成果を今後の予算編成や政策改善にどのように生かしていくお考えでしょうか。片山大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のとおり、政府としては、これまでも参議院における決算審議改革や決算の早期提出の要請に対応するとともに、警告決議等についてや個別の指摘事項について、次年度以降の予算に反映し、講じた措置を国会へ報告するなど、適切な対応に努めてきておりますが、今後につきましては、委員御指摘のとおり、高市内閣では、危機管理投資、成長投資によって強い経済を実現するため、成果管理を徹底することを前提に複数年度の財政出動にコミットすると、この仕組みを構築することと既にしております。 その際、先日の五月二十二日に経済財政諮問会議で私からも申し上げたところですが、政策目的を明確化し、民間投資を誘発していく、そして状況変化に対応して効果的に予算を活用し、成功の可能性を高めていくといった視点が重要であると考えております。具体的には、事業成果を管理し、必要に応じた見直しを行えるよう、適切なマイルストーンなどを設けて、政策効果を高めていく必要があるということでございます。 こうした観点からも、参議院における決算審議の役割は今後ますます重要になってくるものと考えております。いただきました決議等につきましては、予算執行や次年度以降の予算などに適切に反映させて、新しい予算制度改革の下でもPDCAサイクルをより一層しっかりと回してまいるという、こういうスタンスでおります。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。成果管理を徹底し、マイルストーンを設けて、PDCAを是非しっかりと回していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それでは次に、医療的ケア児への支援についてお伺いします。 私は、岡山県議会議員時代の平成二十九年十一月議会におきまして医療的ケア児の支援を取り上げ、医療、福祉、教育の連携やコーディネーターの養成、家族支援の充実について質問をいたしました。当時、県では支援体制の整備が始まったばかりでしたが、その後、医療的ケア児支援法の制定など制度整備も進み、支援は着実に前進してきたものと受け止めています。 医療の進歩によって救われる命が増え、全国には約二万人の医療的ケア児がいると推計されています。多くの子供たちが成長し、地域で暮らせる時代になったことは、我が国の医療の大きな前進であります。 一方で、学校卒業後、それまで受けていた支援の内容や利用時間が変化し、日中の活動の場の確保や医療的ケアに対応できる受皿づくりが課題となる、いわゆる十八歳の壁が指摘されています。地方議会で取り上げてから約九年が経過し、新たな課題も見えてきました。 そこで、お尋ねします。 本人や家族が将来に希望を持ち、地域で安心して暮らし続けられるよう、小児期から成人期への円滑な移行を支援するトランジション支援や切れ目のない支援体制をどのように構築していくのでしょうか、お伺いをいたします。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 障害のあるお子さんが十八歳で特別支援学校を卒業した後に日常生活において日々利用する障害福祉サービスの例えば生活介護など、こうしたものは午後三時台に終了する場合が多くて、余暇活動の機会であるとか居場所というのが確保が十分にできないと、夕方以降の時間を有意義に過ごすことが難しいといった御指摘のこの十八歳の壁、こういった問題があるというのは承知をしております。 そのため、この十八歳の前と後、そういったものをしっかりつないで日中の居場所、活動の場所を確保するという観点から、令和六年度の報酬改定におきまして、日中支援を行います障害福祉サービスである生活介護について、延長支援加算というものを拡充をいたしました。あわせて、この個別給付とは別の市町村事業でございますけれども、障害者の様々な活動の機会の場を提供することを目的とした日中一時支援でございますとか、地域活動支援センターなどの事業、こちらを地域の実情に応じて実施をしていただいてきているところでございます。あわせて、医療的ケア児の方の成人期への移行にも対応した支援体制の整備を更に推進していくために、六年度報酬改定の際には、この生活介護の中で、看護職員を手厚く配置した際の加算についても拡充を図るとともに、医療的ケアが必要な方への入浴支援の加算の創設など、報酬面での対応の充実を図ったところでございます。 令和九年度に次回の障害福祉報酬改定予定しておりますけれども、この次期改定においては、当事者の方も含めて関係者の方々の御意見を丁寧に伺いながら、医療的ケアが必要な方が安心して地域生活を送ることができるような支援体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。次期報酬改定では、御意見を丁寧にお伺いをして次期改定に生かしていくという御答弁がありました。 国として、成人期移行後の日中活動の場の確保や支援時間の変化、こうしたものに対しまして、実態を把握していただいて支援の継続性を評価していくというお考えはありますでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 前回の六年度改定において、生活介護、時間単位での、ケアの時間に応じての評価プラス、それに延長の加算ということで報酬体系に組み替えました。報酬改定の結果どのようになっているのかというのは、効果検証の研究なども行います。 そうしたものなどを通じ、さらには関係団体、当事者の方を含めた団体からのヒアリングというのも、この報酬改定の検討を行う検討チームの場でもヒアリングを予定をしておりますので、そうしたものの中で実態を把握しながら次の改定を考えていきたいと考えております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。是非実態をよく把握していただいて、次期報酬改定に生かしていただけたらと思います。 次に、レスパイトケアについてお伺いします。 医療技術の進歩により救われる命が増える一方で、その後の生活を支える御家族の負担は今なお大きな課題です。岡山でも、医療的ケア児や重度心身障害児を育てる御家族が、常に子供の体調変化に気を配りながら生活し、自分が病気になったらこの子はどうなるのだろうと不安を抱えておられることを承知しています。そのために欠かせないのが短期入所サービスによるレスパイトケアです。 令和六年度の障害福祉サービス等報酬改定において、医療的ケア児等への支援の充実に向けた対応が行われましたが、看護職員等の確保や受入れ体制の課題も指摘されています。地域によっては、利用ニーズに十分応えられていないとの声もあります。 そこで、お尋ねします。 御家族が孤立することなく安心して在宅生活を続けられるよう、短期入所サービスの充実や人材確保、今後の報酬、支援策についてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(野村知司君) お答えを申し上げます。 医療的ケアを必要とされる方々が在宅で、御自宅で生活を続けられるということであるとか、あるいは、御指摘のように、御家族の方々のレスパイト、一時的な休息のために、このショートステイ、短期入所を始めとして、医療的ケアに対応できる支援体制の整備を進めることは一つの重要な課題であるというふうに考えております。 このショートステイにつきましては、新規開設に向けた医療機関などに対して講習などを補助を行うとともに、令和六年度の報酬改定で、医療的ケア児者の受入れに係る加算の拡充でございますとか、あるいは、これは令和三年度の報酬改定に引き続いてではあったんですが、基本報酬の引上げなどを進めております。 こうしたこともあって、事業所の数や利用者の数は増加傾向にはございますけれども、ただ、これもやはり次期、令和九年度の次期報酬改定に向けて、医療的ケアを必要とされる方々やその御家族、地域で安心して暮らせるように、御指摘の点も含めまして、障害福祉現場の関係者の皆様の御意見なども丁寧に伺いながら検討していきたいと考えております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。是非よろしくお願いをいたします。 この項、最後は、学校における医療的ケア体制についてお伺いします。 文部科学省の調査によれば、地域の小中学校等に在籍する医療的ケア児は令和六年度で二千五百五十九人となっており、増加傾向が続いています。地域で学ぶ医療的ケア児への支援ニーズが高まる一方、学校現場では受入れ体制の整備や看護職員の確保などの課題が指摘されています。 そのような中、看護職員の皆さんは、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアの実施に加え、教職員や保護者との連携の下、安全な学校生活を支える重要な役割を担っています。また、小中学校での受入れが進む中、学校現場に即した実践的な研修や人材育成の重要性も高まっています。 そこで、お尋ねします。 医療的ケア児が安心して地域で学び続けられる環境を整備するため、看護職員の確保に加え、実践的な研修や人材育成、自治体への支援を今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。 近年、学校に在籍する医療的ケア児が増加傾向になる中、文部科学省では、医療的ケア児が保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアを受けられるよう、教育委員会等に対して必要な支援を行っているところでございます。 具体的には、登下校時や修学旅行等の対応も含めまして、医療的ケア看護職員の配置に係る経費に対する補助としまして五千三百人分を措置しているほか、医療的ケア看護職員の確保や定着に向けた取組の参考となる事例集や、医療的ケア看護職員が医療的ケアの技を視覚的に学ぶことのできる研修動画を作成するなどの取組を実施してございます。 各学校が安全、安心に医療的ケア児を受け入れられ、教育が行われるよう、引き続き各教育委員会等を支援してまいります。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。執行率が必ずしも高くない自治体があるとお聞きをしております。こうした補助をしっかりと執行していただけるように、好事例の横展開をお願いいたします。 次に、高齢者健康事業についてお伺いします。 私は、医師として高齢者医療に携わる中で、糖尿病や心不全が重症化して初めて医療や介護につながる方や、要介護状態となってから支援が始まる方を数多く見てまいりました。本来であれば、もう少し早くリスクを把握し、介入できていれば防げたかもしれない事例も少なくありません。 こうした課題を踏まえ、令和二年度から、後期高齢者医療広域連合による高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施が開始されました。開始から五年が経過し、健診、医療、介護データを活用し、リスクの高い高齢者を把握し、重症化予防やフレイル予防につなげる取組が全国で展開されています。 私は、この事業は、従来の啓発中心の予防から一歩進み、データを活用してリスクの高い方を把握し個別介入につなげる、言わば攻めの予防医療につながる先駆的な取組であると考えています。 そこで、お尋ねします。 七十五歳以上人口が約二千万人を超え、二〇四〇年に向けて更に増加が見込まれる中、この取組の成果をどのように評価しているのでしょうか。また、今後、取組の質の向上と量的拡大をどのように進め、健康寿命の延伸や介護予防につなげていくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 高齢者の健康寿命の延伸に向けまして、令和二年度から、今委員御指摘のいただきました高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施を開始しております。後期高齢者医療広域連合からの委託を受けた市町村において、高齢者の特性に応じた支援を実施していただいております。 令和六年度までにほぼ全ての市町村において実施されており、その取組を進める中では、具体的な効果として、実施していただいている市町村の認識としては、約六割の市町村では、高齢者の健康状態や生活機能の課題をより把握できるようになった、あるいは約四割の市町村では、庁内外や地域の関係者と連携が促進されたといった効果があったものと承知をしております。 その上で、委員御指摘のように、この取組を更に質の向上と量の増加をしていく必要があると考えておりまして、そのためには、一つには、フレイルの要因となる個々のリスクに注目する、着目するだけではなくて、複合的なリスクを持つ高齢者に対してより包括的にアプローチする方策を検討する必要がある、また、地域資源も限られてございますので、委託を受ける市町村実施体制の確保に向けて、市町村任せということではなくて、後期高齢者医療広域連合あるいは都道府県国保連合会等の関係団体による支援体制を更に整備していくことが必要だと認識してございます。 こうした観点から、より効果的、効率的な一体的実施の推進に向けまして、介護予防等の関係部局との連携を始め、高齢者の保健事業に係るガイドラインの充実や研究班による効果検証も進めていきたいと考えております。委員御指摘のようなデータに基づいた実施というものに取り組んでいきたいと思っています。こうした取組を通じて、保険者機能の強化に努め、攻めの予防医療の推進に向けた取組を進めてまいります。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。データが積み上がってきているということであります。複合的なリスクに対しまして効率的な対応ができるように、是非取組を進めていただけたらと思います。 次に、リスクに応じたがん検診についてお伺いします。 治療技術は大きく進歩しましたが、患者さんや御家族からもっと早く見付かっていればという言葉を聞くたびに、予防と早期発見の重要性を痛感します。 子宮頸がん検診では、HPV検査の結果に応じて検査内容や受診間隔を変更するリスク層別化検診が導入されています。また、令和八年三月の検討会では、乳がん検診における高濃度乳房への対応方針が示されたと承知しております。私は、これらは、画一的な検診から個人のリスクに応じた検診へと進化する大きな一歩であると考えています。 岡山でも、乳がんが進行した状態で見付かり、長期にわたる治療や療養に向き合われている患者さんや御家族のお話をお伺いすることがあります。早期発見によって、治療の選択肢や生活の質が大きく変わることを改めて感じています。 そこで、お尋ねします。 今後、乳がんを始めとする他のがん種についても、科学的根拠やデータ解析を活用しながら、個人のリスクに応じたより効果的ながん検診体制をどのように構築していくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 私どもが進めております市町村が実施する対策型検診、これは、社会全体としての死亡率を減少させるために、科学的根拠、こういったことで効率的に進めていきたいと思っております。 先生御指摘のように、様々個人に応じたリスク、こういったことに適切に対応したがん検診の提供ということが極めて重要だと思っておりまして、例えば、子宮頸がん検診につきましても、HPVの検査の結果によって検査内容や受診間隔を変更するなど、リスク層別化の検診というものを既に導入をしています。 また、御指摘をいただきました乳がん検診でありますが、マンモグラフィーの結果、高濃度乳房と判定される方につきましては、マンモグラフィーだけではがんが発見されにくいため、個別に御自分の乳房の構成、こういったことを通知するような方向で、今、自治体の取組が進むように本年夏頃を目途に準備を進めております。 また、加えまして、肺がん検診でありますけれど、国立がん研究センターのガイドラインが更新されたことを受けまして、喫煙指数が六〇〇以上の方で五十から七十四歳の、重喫煙者というふうに呼びますが、こういった方を対象として、低線量CT検査、これを実施するモデル事業を今年度から開始をしたところでございます。こういった結果を踏まえまして、今後、検討会の議論を経て、九年度以降に、この肺がん検診に対する低線量CT、自治体検診の追加を予定をしているところであります。 このように、先生御指摘のように、個人のリスクに応じたがん検診の提供体制、充実するように取り組んでまいりたいと思っております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。乳がん、また肺がんについて、それぞれ進んだ対策をということで御答弁いただきまして、ありがとうございます。 有効性の検証をしていくことが大事かなと思っておりまして、対策型検診という言葉がありました。検診による利益と不利益を含めた検証をしっかり行っていくべきだと思うんですけれども、その辺りの御見解をお聞かせください。
○政府参考人(大坪寛子君) ありがとうございます。 先ほど申し上げましたように、我々が進めております市町村が実施する対策型検診、このがん検診は、社会全体としての死亡率を減少させること、これを目的として実施をしております。その実施に当たりましては、最新の科学的根拠に基づいて効果的に実施されるべきものだというふうに考えております。 一方で、世の中にはその対策検診以外に任意の検診というものもございまして、それぞれ目的が異なりますので、その任意型検診について行われている実施方法について何か妨げることはしておりませんが、国といたしましては、この対策型検診について、最新の知見を鋭意入手しながら更新していきたいと思っております。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。是非進めていっていただけたらと思います。 この項、最後はがん検診の受診率向上についてお伺いします。 どれほど優れた検診制度があっても、受診されなければ命を守ることはできません。我が国のがん検診受診率は改善傾向にあるものの、乳がん検診は約四七%、子宮頸がん検診は約四三%にとどまり、国が掲げる六〇%の目標にはなお届いておりません。 私は、県議会で初めて質問に立った平成二十三年においても、がん検診受診率向上を取り上げました。当時は、無料クーポン券の活用や休日夜間検診の実施など、受診しやすい環境づくりが大きな課題でありました。それから十五年が経過した今でも受診率向上は重要な課題ですが、データ活用という新たな手法が加わっています。 先ほど申し上げたリスクに応じた検診体制など、検診制度の質の向上と受診率向上は車の両輪であると思います。私は、一人でも多くの方に適切な時期に検診を受けていただき、がんによる死亡や治療負担を減らしていくことが重要だと考えています。 そこで、お尋ねします。 自治体ごとの課題の見える化やデータ活用を更に進めながら、受診率向上に資する取組を今後どのように進めていかれるのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 がん検診受診率向上に向けましては、データを活用してターゲットを絞った受診勧奨、これが極めて重要だと考えております。 がん検診を受けたかどうかを今現在どのように把握しているかと申し上げますと、国民生活基礎調査の結果から受診率を見ているわけですが、この結果の中には、自治体検診以外にも人間ドックでありましたりですとか職域で受けている検診ですとか、様々なものが含まれているわけであります。こういった統計を見る中で、個人の就労状況などの属性、それと受診率との関連性など私ども今着目をしておりまして、効果的な受診勧奨手法というものが個別に取れるのではないかというふうに考えております。そういった中で、効果的に職域でお受けになっている方たちですとか自治体検診を活用している方たちがどういった属性にあるのかと、こういったことを踏まえて積極的な勧奨というものを考えているところであります。 また、これに加えまして、国民健康保険保険者努力支援制度におきましては、がん検診の受診率が高い保険者の方々を評価すると、こういった仕組みもございます。また、加えて、労働安全衛生法の努力義務の枠組みを活用したがん検診の受診勧奨と、その結果に基づく医療機関への受診勧奨の促進、こういった多方面からのアプローチが有効であるというふうに考えております。 加えまして、今年度、令和八年の四月からは、市町村が住民の職域等のがん検診の受診状況を一体的に把握できるように仕組みを変えていきたいと思っておりまして、こういったことを踏まえて、当該受診状況を踏まえて適切な受診勧奨ができるのではないかというふうに考えております。 さらに、攻めの予防医療の観点から、がん検診の受診率向上を進めていくために、これまで同様に、自治体、職域、国民等に向けたがん検診ポータルサイトの開設ですとかメディアとのコラボレーション、こういったことにも力を入れてまいりますが、先生御指摘のがん検診データの見える化、これを進めることで個別のアプローチをしていきたいと思っております。
○小林孝一郎君 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。是非ターゲットを絞って、受診すべき人で、まだできていない方へのアプローチを進めていただけたらと思います。よろしくお願いをいたします。 次に、バイオ医薬品製造基盤についてお伺いします。 私は、白血病や悪性リンパ腫の患者さんの診療に携わり、造血幹細胞移植医療に従事してきました。その後、政治の道に進みましたが、現在も血液内科の先生方から、CAR―T療法を始めとする先端医療について、救われている患者さんのお話を伺う機会があります。 近年、CAR―T療法を始めとする再生医療等製品やバイオ医薬品は、これまで治療が困難であった患者さんに新たな希望をもたらしています。一方、新型コロナウイルス感染症では、ワクチンや医薬品の供給を海外に依存するリスクが明らかとなり、医薬品の製造基盤そのものが医療安全保障上の課題であることを経験しました。また、今後は、抗体医薬などの特許切れに伴い、バイオシミラー市場の拡大も見込まれています。 患者に必要な治療を将来にわたり安定的に届けるためには、再生医療等製品やバイオ医薬品の製造基盤を国内に確保していくことが重要であります。 そこで、お尋ねします。 我が国を、アジアの細胞治療、バイオ医薬品分野の拠点として発展させる観点も含め、バイオ医薬品の国内製造基盤の強化や安定供給体制の構築に向け、今後どのような戦略で取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(森真弘君) 委員御指摘のとおり、近年の新薬の中心というのは、低分子医薬品からバイオ医薬品、それからCAR―Tといった再生・細胞医療、それから遺伝子治療等に移ってきているところでございます。 これまで厚労省としては、一般に、海外依存度が高いバイオシミラーの安定供給体制の整備に向けて、製薬企業がバイオシミラーの国内製造施設を整備する費用への補助、それからバイオ医薬品の製造人材育成のための研修事業を行ってきたところでございます。 また、経産省においても、CAR―Tを含む再生・細胞医療、遺伝子治療製品の国内受託製造拠点を整備する費用への補助を行っているというふうに承知しております。 その上で、現在、高市政権においては、創薬・先端医療及び合成生物学・バイオを十七の戦略分野の一つに位置付けており、本年三月十日の日本成長戦略会議で公表した両分野の官民投資ロードマップの素案においては、講じるべき施策のパッケージとして、製造供給体制整備支援を始め、人材や創薬スタートアップ、ベンチャーへの支援等、様々な政策を総合的に講じるべき旨が盛り込まれたところでございます。 現在は、この点も含め、ロードマップの取りまとめに向けて調整を進めているところでございまして、引き続き、我が国の創薬力の向上及びバイオ医薬品等の製造能力の強化に向けて、関係省庁と連携しながら必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小林孝一郎君 御答弁ありがとうございました。 安全保障という意味では、半導体では、国内の生産能力の確保というのが政策目標として掲げられています。是非、このバイオ医薬品についても、医療安全保障という観点から何らかの目標や方向性を是非示していっていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。 次に、再生医療等製品と薬価制度についてお伺いします。 私は、実際にCAR―T療法を受けられた患者さんの御家族からお話を伺う機会があります。治療の選択肢が限られた中で病状が改善し、再び家族と穏やかな時間を過ごせるようになったというお話を伺うたびに、医療イノベーションが患者さんや御家族にもたらす希望の大きさを実感しています。 一方で、CAR―T療法を始めとする再生医療等製品は、患者ごとに製造を行う個別化医療であり、大量生産による効率化が難しく、高度な製造設備や専門人材も必要となることから、その価値やコスト構造を踏まえた評価が必要になります。 こうした先端医療を将来にわたり患者さんへ届けていくためには、製造拠点や研究開発への投資を促進する入口の政策と、その成果であるイノベーションを適切に評価する薬価制度という出口の政策を一体的に進めることが重要と考えます。 そこで、お尋ねします。 現在、市場拡大再算定の在り方や革新的新薬、新たなモダリティーの評価について議論が進められていますが、次期薬価制度改革において再生医療等製品の特性を踏まえた評価の見直しをどのように検討していかれるのか、上野大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに今委員から御指摘がありましたとおり、国民の命、健康を守る、そういった観点からも、あるいは日本の経済成長を担っていただく、そういった観点からも、創薬力の向上、これが極めて重要だと考えております。また、そのためには、国内市場の魅力度の向上、こうしたことにも取り組んでいくことが必要です。 薬価制度におきましては、これまでからも、特許期間中の薬価を原則として維持するなど、あるいは製品の特性に応じた有用性の評価の充実、そうしたことを図ってまいりましたが、令和八年度の薬価制度改革においては、いわゆる共連れを廃止をするなどの対応を行ってまいりました。 先ほど審議官から答弁がありましたとおり、現在、高市内閣では、創薬・先端医療を十七の戦略分野の一つに位置付けておりまして、創薬人材の育成、確保や研究開発力の強化、スタートアップへのリスクマネーの供給などを進めているわけでありますが、とりわけ革新的新薬のイノベーションの更なる評価の検討、これが非常に大事だと考えておりますので、ロードマップの取りまとめに向け、しっかり調整を進めていきたいと考えております。 それを踏まえて、今後は、革新的な新薬に係る薬価制度についても、関係業界の皆さんの御意見をしっかり承りながら、中医協において検討を進めていきたいと考えています。
○小林孝一郎君 前向きな御答弁、ありがとうございました。 ちょっと再度確認になるんですけれども、次期薬価制度改革の検討に当たっては、再生医療等製品について従来の医薬品とは異なる特性を踏まえた評価の在り方を検討していくという御理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 再生等医薬品、非常に重要だと考えておりますが、これから関係業界の皆さんを始めいろんな御意見十分踏まえて、しっかり検討していきたいと考えています。
○小林孝一郎君 ありがとうございました。 これで質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
○岸真紀子君 立憲民主・無所属会派の岸真紀子です。 昨年二月に閣議決定された第七次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーと原子力を最大限活用することが明記をされ、電源構成に占める原子力の割合を、二〇二三年度の八・五%から二〇四〇年度に二割程度まで引き上げることとしています。これは、二〇一一年に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、国として原子力に依存しないという方針から後退することとなります。 また、六月五日には、経済産業大臣の諮問機関としての総合資源エネルギー調査会の小委員会において、政府は、原子力発電所を二〇四〇年代までに最大五基建て替えるとの目標を掲げた原子力政策の行動指針改定案を示しています。 しかし、こういったことを進めるにしても、様々な課題があることは言うまでもありません。日経新聞においても三つの課題を挙げており、一つ目は地元の同意、二つ目は人材確保、三つ目は使用済核燃料の処分問題です。中でも、地元の同意、理解、そもそも安全という点は重要となっています。 しかし、その安全や信頼を最も揺るがしかねない問題が発覚しました。中部電力浜岡原子力発電所における基準地震動データをめぐる不正問題です。 まず、この浜岡原発で起きたデータ不正問題について、原子力規制委員長から概略を御説明願います。
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。 今回の不正行為は、昨年二月に原子力施設安全情報申告制度に基づきまして原子力規制庁外から情報提供を受けまして、事実関係確認のため、事務局が中部電力との面談を数度にわたり実施していたところ、昨年十二月に中部電力から不正行為が確認されたとの旨が説明されたことで発覚したものでございます。 具体的には、原子炉建屋等の耐震性設計の前提条件となる基準地震動を策定するためのデータが恣意的に操作されるといった不正行為であったものと認識しております。
○岸真紀子君 今御説明いただいたとおり、意図的にいいとこ取りのデータを集めて示してきたというのは、大変悪質であり、遺憾であります。 浜岡原発が安全審査でデータを意図的に操作していたこの不正事案についての経産大臣の受け止めをお伺いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 本件は、原子力の利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を大きく損なう、あってはならないものと受け止めております。経済産業大臣として極めて重く受け止めているということでございます。 経済産業省として、中部電力に対し電気事業法に基づく報告徴収命令を発出をし、第三者委員会の調査結果が取りまとまり次第、速やかに報告を行うよう要求しているところでございます。 事案の原因等の徹底的な調査と実効的な再発防止策の取りまとめを求めておりまして、その内容を踏まえて厳正に対処していくつもりでございます。
○岸真紀子君 大臣からも、大変重く受け止めているという御回答をいただきました。 今回の不正は、二〇二五年二月に原子力規制委員会に、先ほども委員長から御報告いただいたとおり、一般的に言うと、公益通報制度に基づく情報提供があったことで発覚したこととなっています。 通報がなければ、浜岡原発が不十分な耐震設計で再稼働した可能性もあったということなのでしょうか。浜岡原発の新規制基準適合性審査体制に問題があるのではないかと考えるところです。 審査の中で見抜けなかったことは安全面で問題があると考えますが、原子力規制委員会として理由及び再発防止策をお答え願います。
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。 今回の中部電力の不正行為は審査の途上で確認されたものでございます。再稼働した可能性については、仮定の話となりますため、お答えを差し控えさせていただければと思います。 また、審査体制及び再発防止策についてでございますけれども、一般的に、審査の中では、評価の方針、方法、条件及び結果について確認をしております。事業者がデータそのものに対して不正行為を行った場合には、審査する側がこれをデータから直接科学的に見抜くことは極めて困難であると考えております。しかしながら、必ずしも審査体制自体に問題があったとは考えておりません。 その上で、原子力規制委員会としては、本事案と同様の不正が起こりにくいような環境づくりや審査プロセスの改善に向けまして、五月二十七日の原子力規制委員会において制度面における対応の検討状況の報告を受けまして、その方向性を確認したところでございます。 検討の例といたしまして、統計的グリーン関数法に基づく地震動評価手法に係る評価プロセスの明確化、設置許可等の申請書類等に関わる不正行為の抑止を目的といたしました申請書類等に係る虚偽に対する罰則の導入、重要な設計条件に係るトレーサビリティーを確保するための制度的な対応等について現在検討を進めているところでございます。
○岸真紀子君 仮定の話のため問題があるのではないかというところには、再稼働に向けての審査として問題があるのではないかというところは回答を差し控えるということでありましたが、やはり大変深刻な問題であったというふうに考えています。今後については、その罰則も含めて検討段階ということなので、その後も引き続き追っていきたいとは思いますが、本当に非常に大変な問題であると考えています。 原子力規制委員会は、現状の審査の進め方として、電力会社側のモラル頼みであり、審査の大半は電力会社が提出するデータに依拠しているため、その内容が正当であることが大前提となってしまっているのではないでしょうか。しかし、浜岡原発で明らかとなったように、審査の弱点が見付かったと言えるのではないかと考えます。他の原子力発電所の審査も含めて、大丈夫なのでしょうかと懐疑心さえ生まれます。 山中委員長は、他の電力事業者に調査を広げることには否定的な見解を述べていますが、審査で見抜けなかったことを踏まえると、既に新規制基準に適合しているとされた他の原子力発電所に対する再調査が必要ではないでしょうか。山中委員長は再調査しないと言っていますが、本当にそれで住民の皆さんの理解が広がるのか疑問です。改めて見解を求めます。
○政府特別補佐人(山中伸介君) 私ども原子力規制委員会の検査、審査の姿勢は、信頼するが確認するという国際的な原則に基づいた姿勢で実施しております。 新規制基準適合性に係る設置変更許可処分を行いました他の発電所につきましては、許認可に関わる多層の審査制度や、あるいは検査制度、申告制度を通じて、安全上の課題は見出されておりません。また、今回の中部電力の不正行為と類似の情報は寄せられておりません。 以上のことから、他の事業者に対しては、本事案を踏まえた横断的な調査を行う必要はないと考えております。
○岸真紀子君 私も、他の事業所が決してこのような悪質なことをやっているとは思ってはいませんが、とはいえ、このことによって、残念ながら大きく信頼を揺るがしたことは間違いありません。だからこそ、そういった住民の同意を得ていくためにも、本当であればもう一度きちんと調査をするべきではないかと考えるところです。 次に、第七次エネルギー基本計画では原子力の割合を二割程度としましたが、浜岡原子力発電所における不正事案を踏まえると、安全対策をどう担保するかを先に考え直す必要があるのではないかと考えます。 経産大臣、第七次エネルギー基本計画も立ち止まって再検討すべきではないかと考えます。また、経産大臣として、電力会社の信頼性を確保するための取組をどのようにするかも併せてお答え願います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 第七次エネルギー基本計画でお示しをしているとおり、原子力の活用は安全性の確保と地域の御理解が大前提になります。独立性の高い原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地域の御理解を得ながら再稼働を進めることが政府の一貫した方針であり、この方針に変わりはございません。 その上で、経済産業省としても、本事案を受けて、全ての原子力発電事業者に対し、原子力規制庁の指導の下、安全最優先での対応を徹底し、信頼性の確保に取り組むよう改めて要請をしたところでございます。各事業者からは同様の不正事案はないと報告を受けているという点も、これ、先ほど委員長から申し上げたとおりであります。 現在、中部電力に対して電気事業法に基づく報告徴収命令を発出しているところでございまして、その結果を踏まえて必要な対応を行っていきたいというふうに考えています。
○岸真紀子君 今、調査中、報告を求めている段階であるということなので、その報告を受けてということになりますが、私はやっぱりこのことは本当に重く受け止めるべきと考えています。 この問題は、電力会社が二〇一一年以前の安全神話に残念ながら戻ってしまったのではないかと思わせるぐらい残念な事案であります。従業員の安全も含め、人々の安全を軽視していたのか、そして、不正を見抜くことができないという審査体制の課題を表面化したと考えます。人々の営みを、先ほどの委員からも質問があったように、原発事故によって大きく変えた東京電力福島第一原子力発電所の事故を忘れず、電力会社も国も規制委員会も、自己保身ではなく、何より安全を守っていただくことを強く要請し、次の質問に入ります。 続きまして、二年前の参議院決算委員会においてマイナポイント事業に関する検査要請を行い、本年五月十五日に会計検査院法第三十条の三の規定に基づく報告がされたところです。もう一週間早く報告をいただけたら五月十三日の総務省の省庁別審査でも充実した決算審査ができたのではないかと考えるのが残念ではありますが、会計検査院並びに関係各位の御尽力には感謝をいたします。 まず、当時も問題となっておりましたが、外注問題について改めてお伺いいたします。 第一弾マイナポイント事業の事務局は、一般社団法人環境共創イニシアチブ、略称でSIIといいますが、ここが担っていました。第二弾のマイナポイント事業の事務局は、一般社団法人キャッシュレス推進協議会、PJで、第一弾のSIIは外注経費率が九九・〇%となっており、ほぼトンネル状態。しかも、最大四次まで下請に出しています。第二弾のPJは、少しは改善していても、外注経費率九四・五%で、最大三次請けまでと、こちらも複層構造になっています。事業を細分化して外注というのもあることは一定理解するものの、余りに中抜きされていませんかという課題です。 改めて、この外注経費率が多いことについての総務省の見解を求めます。
○政府参考人(恩田馨君) お答えをさせていただきます。 マイナポイント事業の業務の内訳でございますけれども、決済事業者に対します補助金の審査業務、セキュリティー対策も含めたシステムの運用、コールセンター業務を始めとする消費者の対応など多岐にわたってございます。マイナポイント事務局には、こうした様々な分野における専門性の確保とともに、業務全体を総括し円滑に遂行できる能力、体制が求められていたものと認識しておるところでございます。 この点、事務局の選定に当たりましては、透明性、公平性を担保するため、十分な公募期間を確保した上で、全て外部有識者で構成される審査委員会による審査を経て選定をしておるところでございます。また、この審査会において、再委託等を含めた業務体制や事務費の計上等について適正性を審査の上、事業を的確に実施できるとの評価をいただいたところでもございます。 総務省といたしまして、事業の中間検査や事業終了後の確定検査等を通じまして執行状況も確認してございます。適切な執行が行われたものと認識しておるところでございます。
○岸真紀子君 あの当時もそのように御答弁をいただいたところです。 もう一つ、検査院が指摘した中に、広報についても触れられています。あの時期、異常なまでにマイナンバーのキャラクターであるマイナちゃんがCMでも街頭でもラジオでもネットでも見たり聞いたりしていました。二〇一九年度から二〇二三年度までの間のマイナポイント事業に関する広報に要した経費は約二百十一億円と多額となっています。全国的に大規模に展開されていたにもかかわらず、媒体の種類、媒体別投下量等の検討、決定の経緯が分かる資料が保存されておらず、妥当性を確認できない状況であったと報告がされています。 これは、国民のお金を支出している自覚が足りないのではないかと考えます。大盤振る舞い過ぎるし、事務局の思うままにされたのではないか。検査院からも、所見として総務省に対し、広報戦略の実施の妥当性を十分に説明できるようにすることと指摘されています。 総務省としての反省、そして、マイナポイント事業は終了したけれども、総務省として他の事業を行う際に同様のこととならないための教訓として引き継ぐにはどうすべきか、総務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(林芳正君) マイナポイント事業における広報につきましては、有識者等の御意見も参考にしながら、事業者との契約に当たり、コンテンツの内容に加えまして、新聞やテレビ、ウェブ広告といった媒体をどの程度活用するのか等について決定していたところでございます。その上で、実際に広報業務を進める中でも、コンテンツの改善や実施時期の調整等により効果的な執行に努めてきたものと認識をしております。 一方で、今委員からも御紹介がありました会計検査院からの御指摘のとおり、有識者等と御相談してきた際の記録など、事業開始前における検討の経緯が分かる資料が保全されていなかったことについては、事後的な妥当性検証の観点から不十分であったと、そういうふうに認識をしております。 今後、総務省において大規模な広報を実施する際には今回の所見を踏まえて適切に対応してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○岸真紀子君 本当に、約二百十一億円という多額の広報費用であったというところで、残念ながら、先ほども言ったけど、四次下請まで出ているような事案で、残念ながら、これ大手の広告に任せっ放しであったのではないかという疑念は拭い切れないというふうに考えるところです。改めて、本当に問題であったなというのがこの検査院の報告でも分かったところです。 次に、マイナポイントによってマイナンバーカードの取得率は向上されたものの、検査結果にもあるように、事業の実施後、要はポイントを付与した後にマイナンバーカードを自主返納していた可能性があると思料される状況も見受けられたとあります。自主返納が含まれる本人希望・その他として分類された廃止枚数は、約じゃないです、九十三万五千百十六枚となっています。 少なくとも九十三万人の方はポイントを受け取ったけれどもカードは返納したことになると、五千円分のポイントは消費という経済対策にはなったけれども、インセンティブ目的のカード取得促進には無駄になったと言えないか、総務省の見解を求めます。
○政府参考人(恩田馨君) お答えいたします。 マイナンバーカードの交付が始まって以降、様々な理由からマイナンバーカードを廃止される方がいらっしゃることは承知しておるところでございます。 一方で、マイナポイント事業によりまして、カードの有効申請件数は本事業の実施前と比較し約六千八百万枚の増となっており、カードの早期普及に貢献したものと考えてございます。
○岸真紀子君 増えたからいいという問題じゃなくて、九十三万枚が返納されたことを問題として今質問をしたところです。 同じように、マイナ保険証としての登録に七千五百円分のポイントが付与されましたが、検査報告書を見ると、マイナ保険証の利用登録解除申請件数は、二〇二五年七月時点において計十五万二千八百六十六件となっています。また、公金受取口座の登録にも七千五百円分のポイントが付与されましたが、こちらは二〇二五年七月時点で二十八万二千四百五十三件となっています。 自主返納したカード約九十三万枚掛ける五千円、マイナ保険証登録解除約十五万枚掛ける七千五百円、公金受取口座登録解除約二十八万枚掛ける七千五百円、単純計算ですが、合計約七十八・六億円は、費用も事務負担もとても掛けたけれども、意味がなくなってしまったのではないかと考えるところです。 大臣はこういった問題をどのように受け止めているでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 今、岸委員からお話がありましたように、このマイナ保険証ですとか公金受取口座について、一定程度登録を解除された方々がいらっしゃるということは認識をしておるところでございます。 一方で、先ほど参考人からも答弁いたしましたが、このマイナンバーカードの早期普及に加えまして、健康保険証利用、また公金受取口座の登録を促進し、その後の定着につながったと、そういうふうに考えておりまして、実際にいずれも六千万人を超える多くの方々に登録をいただいておるところでございます。また、会計検査院の報告書によりますと、マイナポイント事業による消費活性化の効果額、これが約二・五兆円と試算されております。 さらに、本事業に参画した決済事業者の一部への確認では、八割以上のサービスにおきまして、本事業の影響によりキャッシュレス決済の利用者が増加したと、こういう認識も示されておるところでございまして、この事業は、社会全体としてマイナンバーカードを基盤としたデジタル化、これが大きく進展する契機となったとともに、消費喚起ですとかキャッシュレス決済の普及にも貢献をしたものと、そういうふうに認識をしておるところでございます。
○岸真紀子君 総務省としてはそう言わざるを得ないとは思うんですが、私は結構問題だなというふうに決算の観点で思うところです。 次に、マイナポイント事業の目的のうち、消費の活性化及びキャッシュレス決済の利用拡大に係る成果目標が未設定で、これらの効果が明らかにされていないことも指摘されています。 また、二〇二六年五月十六日、東京新聞に掲載されましたが、マイナカードの取得はポイントに引かれて作ったのに、いざ買物で使おうと思ったらポイントが失効していたという事案があります。ポイント付与には積極的なサポートがあったのですが、有効期限の説明がされなかったということです。 失効されたポイント分は国庫に返納されたのかどうか、ポイントを使えなかった国民の気持ちを考えると心苦しいですが、総務省の受け止めをお伺いします。
○政府参考人(恩田馨君) お答えいたします。 マイナポイント事業の目的には、カードの早期普及に加え、消費喚起を図りつつ、キャッシュレス決済の拡大を図ることも含まれているところでございます。 こうしたことから、国民の皆様に付与するポイントにつきましては、基本的に既に市場で使われているキャッシュレス決済サービスを活用することとしたところでございまして、一般的にこうした決済サービスのポイントには一定の有効期限が定められているところでございます。マイナポイントとして付与されたものの、有効期限が到来したものにつきましては失効ポイントとなり、国から決済事業者に交付した補助金の一部が事業者側に残ることとなります。 総務省としましても、有効期限内にポイントを御利用いただけるよう、ホームページやリーフレット等の配布に加え、自治体や決済事業者の皆様とも連携して、ポイントの申込方法や留意点について丁寧な説明に努めてきたところでございますが、委員御指摘のとおり、ポイントを使うことができなかった方々もいらっしゃるものと認識しており、申し訳ない気持ちでおります。
○岸真紀子君 そもそもポイントの管理ができていないということも検査結果で指摘されているところです。 マイナポイント事業は、第一弾のスタート当初から実務を担う自治体では問題が出ていたのに、そのことを無視し第二弾をスタート。駆け込みラッシュが余りに件数が多く、通常であれば確認すべき業務を、その隙間もなかったので、結果としてひも付け誤りが起きたという事象であったと言えるのではないかと考えます。それで、そのことによって残念ながらカードの信頼を失ったと、非常に大きな問題であったと捉えるところです。 もう質問時間がないので言いっ放しになりますが、自民党は今、マイナンバーカードについて、社会全体で使えることが国民の利益につながるとして、政府への提言に義務化を盛り込んだと報道されていますが、だったら何のマイナポイント事業だったのかということを厳しく追及し、質問を終わります。
○古賀千景君 立憲民主・無所属の古賀千景です。どうぞ今日はよろしくお願いいたします。 まず、私立学校施設整備費補助金の過大交付について伺います。 文部科学省は、学校法人等に対して、教育研究の充実と質的向上を図るため、私立学校施設整備費補助金を交付しています。交付要綱等において、補助金の補助対象は、教育装置の整備、ICT装置の整備、防災機能強化のための耐震対策工事等に要する経費とされ、その算定方法が具体的に定められているほか、交付内定以降に契約して着手する事業であることなどとされています。 検査院が二十九学校法人を検査したところ、補助対象経費の算定方法を誤ったり、交付内定以降の事実と異なる日付を記載した請け書の写しを実績報告書に添付したりして提出し、実際には交付内定前に着手していた事業を補助対象としていたりして、七学校法人において補助金が過大に交付されていた事態が明らかとなりました。 令和二年度検査報告以降、検査院は毎年同様の指摘を受けていることに対する認識、済みません、検査院から毎年度同様の指摘を受けていることに対する文科省の認識及び責任の所在はどこにありますか。大臣、お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 会計検査院の決算検査報告におきまして、毎年度、私立学校施設整備費補助金の過大交付について指摘を受けていることは大変遺憾に存じているところであります。 このような過大交付に関しまして、決算検査報告においては、学校法人において補助対象経費についての確認や理解が十分でなかったこと、文部科学省において実績報告書などに対する審査が十分でなかったことなどが指摘されているところであります。 文部科学省といたしましても、指摘を真摯に受け止めまして、再発防止に取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 これまで検査院から指摘を受けた際に講じた再発防止策の取組状況及びその実効性に対する評価はどのようになされていますか。お願いします。
○国務大臣(松本洋平君) 文部科学省におきましては、会計検査院の指摘を受けまして、各学校法人に対し事務連絡を発出をいたしまして、同様の事態が生じることのないよう、補助金の適正な執行や決算検査報告の趣旨について周知徹底をするとともに、補助金の執行事務に係る体制を充実強化をするなど、万全を期すよう依頼をしているところであります。 なお、補助金の過大交付の指摘を受けた関係学校法人に対しては返還を命じておりまして、既に国庫納付がされているところでもあります。 また、文部科学省といたしましても、施設整備の専門的知見を有する職員を複数配置をするとともに、昨年度から書類のダブルチェックなどにも取り組んでおりまして、取組の実効性が上がるよう、再発防止と適切な予算執行を徹底してまいりたい、そのように考えております。
○古賀千景君 検査院の指摘事項をまとめた事例集等を交付対象者に周知するなどして再発防止を徹底する必要性があると思いますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(松本洋平君) 今委員から御指摘をいただきましたように、やはりこれまでどういうことがあってこのようなことにつながったのかということを学校関係者の皆さんにもしっかりと理解をしてもらうということは極めて重要なことだと思っております。 文部科学省におきましては、これまでも各学校法人への事務連絡におきまして、対象年度の指摘事例でありますとか、過去の指摘事例一覧、これを示しまして、同様の事例が生じないよう申請に当たっての注意喚起を行ってきたところであります。また、指摘事例のポイントを整理した資料をまとめ、私学関係団体の会議の場などで周知を図っているところであります。 今後とも、あらゆる機会を通じて更なる周知徹底を図りまして、再発防止に努めてまいります。
○古賀千景君 AIの活用等における審査業務のDX化により、適切かつ効率的な審査を実施する必要があると思います。今後、どのように改善されていくおつもりなのかを伺います。
○国務大臣(松本洋平君) 文部科学省といたしましては、これまで補助金の審査業務の改善のために、申請書類の電子化でありますとか必要書類の精選などを進めてきたところであります。また、現在、デジタル庁を中心といたしまして、ガバメントAIにおける資料分析、審査業務などのプロトタイプの開発が進められているものと承知をしているところであります。 そういう意味では、この補助金の審査業務、文部科学省だけではなくて各省においても行われるという観点から、今、デジタル庁でそうしたことを今検討をしていただいているというふうに承知をしているところでありますが、その取組の状況でありますとか、効果、課題も参考にしながら、適切かつ効率的な審査の改善、これに努めてまいります。
○古賀千景君 ありがとうございました。 それでは、次の質問に移ります。 今日は、「まるわかり!日本の防衛 はじめての防衛白書二〇二四」について伺います。このような冊子になります。(資料提示)ホームページで、防衛省のホームページにあります。 これは、防衛省が作成して一部の学校へ送付されたものです。まず、この冊子をどのような意図で作られたのかをお示しください。大臣、お願いします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 従前より、若い層の自衛隊への関心は低い傾向にあるところ、防衛省としては、将来を担う若い世代が防衛省・自衛隊について知る機会もなく、関心すら持っていただけないというのは大きな課題であると考えております。 防衛省としては、子供たちを含む幅広い方々に防衛省・自衛隊の取組を説明し、国の防衛の重要性について理解を深めていただきたいと、このように考えておりまして、特に小学校高学年から高校生向けに防衛省・自衛隊について分かりやすく解説し、理解を得るために取り組んでいる、作成をしていると、こういうふうに御理解をいただければと思います。
○古賀千景君 二〇二四年度に初めて学校の方にも配付という形になりましたが、今御答弁いただいたように、より若い世代に興味を持っていただきたいということで、二〇二四、なされたというふうに思ってよろしいですか。
○政府参考人(小野功雄君) ただいま大臣御答弁いたしましたように、将来を担う若い世代、防衛省・自衛隊、知る機会を持っていただく、こういったことで、多様な形で我々としても知っていただく機会の場を提供すると。そうした中で、都道府県の教育委員会に配付の相談をした上で実際にこれを配付をするというふうにした次第でございます。
○古賀千景君 通告しておりませんが、じゃ、その意図でありましたら、二〇二五年は配付されましたか。大臣、いかがですか。
○政府参考人(小野功雄君) 二〇二五年につきましては、今後どういった形で配付するか現在検討中でございますけれども、これについても、例えば広報イベント等では非常に活用いたしておりますし、また、学校そのものについては今のところ配付はいたしておりませんけれども、これについても必要な形で対応してまいりたいと思います。
○古賀千景君 じゃ、お伺いします。 この冊子、二〇二四年度で結構です、どの程度の費用が掛かったか、作成と配付、お願いします。
○政府参考人(小野功雄君) まず、作成につきまして六十万円、それからあと配付の費用、双方合わせまして百三十万円ということになります。
○古賀千景君 今、大臣の方からも、高学年から高校生に向けて作成されたとおっしゃっていただけました。小学校から中学校と高校、それぞれ何冊配付されたのか、教えてください。
○政府参考人(小野功雄君) 実際に配付をした件数につきましては、各種都道府県教育委員会との調整の整ったところ、これについて配付をいたしておりまして、具体的には、都道府県の公立の小学校、こちらの方で約二千四百校、六千百冊を配付いたしております。
○古賀千景君 では、中学校、高校には配付されなかったということでよろしいんですかね。
○政府参考人(小野功雄君) 二〇二四年版につきましては小学校に配付をしたということでございまして、中学校、高校については現時点において配付はいたしておりません。
○古賀千景君 今、教育委員会と調整してと言われましたが、どのような調整をされたのか、教えてください。
○政府参考人(小野功雄君) 教育委員会との調整の細部については、これは相手との関係もございますので、この場でつまびらかにするということは差し控えたいと思いますけれども、一般的に、我々としての意図を説明をした上で、教育委員会の方からこういった形でやってくださいというお話があったので、それに基づいて対応したということでございます。
○古賀千景君 それは、全国平等に教育委員会に聞かれたということで間違いないですか。
○政府参考人(小野功雄君) 基本的に、都道府県の教育委員会の方に今申し上げたような形でこちらの方からアプローチをし、その上で、都道府県教育委員会の方から小学校、公立の小学校の方に配付をして結構ですと言われたところに対応したということでございます。
○古賀千景君 かなり私は、配付の地域を見たときに格差があるように感じています。そのことについては今日はお伺いしませんが、そのことも私の中では懸念しております。 学校に配付された際、教育委員会が、今そうやって手順を追って配付されました、内容を確認して、これは学校で配付できないと、また、学校に配付されていても学校側の判断で教室に置くのはやめようといった事案が発生したと聞いております。何冊ほど教育委員会や学校の職員室保管になったのか。六千百冊と言われました。何冊ぐらい保管されたのか、数字教えてください。
○政府参考人(小野功雄君) 先ほど申し上げましたように、こちらの方としては、都道府県の教育委員会と調整が整った都道府県につきまして、それぞれの公立の小学校に配付をしたということでございます。それ以上に、それぞれの小学校においてどういった対応をされているかというのは、これはまさに教育現場での教育の在り方の部分もございますので、防衛省の方でこうしろああしろといったようなことはいたしてはおりません。それは、あくまでも個々の小学校の御判断ということでございます。
○古賀千景君 予算の方も百三十万、少ない数かもしれませんが、そのように使う、そして作った意図は、若い人たちにもっと自衛官に興味を持ってほしいという思いで、意図で作った、お金を掛けた、その後は配ったかどうかは知らないよというのは、大臣、おかしくないですか。お願いします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 現場のことは、日教組の特別中央執行委員までお務めになられた古賀先生が誰よりもお詳しいと思いますが、先生の御趣旨が、偏ることなく全てのところに配った方がいいと、多くの生徒たちに知っていただいた方がいいと言っていただけるとしたら、我々としては有り難く思います。 しっかりと自衛隊・防衛省のことを子供たちにも知っていただきたいと、そういうふうに思っております。
○古賀千景君 私はそのようなことは全く思ってはおりません。お金を掛ける、そして防衛省が作った意図が達成されていない、そしてそれを放っておくというのがおかしいのではないかということです。 保管されたままになっているという理由は、じゃ、どのように分析されているんですか。大臣、お願いします。
○国務大臣(小泉進次郎君) いや、これは、古賀先生が求められていることは、じゃ、保管をしているかどうか、扱いについて、そこまで学校現場で防衛省がしっかりと入ってやるべきだという思いなのか、それとも、これはだから、そこまでやっていたら、逆にその批判をされているんではないでしょうか。
○古賀千景君 いや、教育委員会が一回調整して、ああ、うち配ろうかと言ったんですよね。でも、それが配れなかったというのは、内容に問題があるんではないかということを私は申し上げているんです。
○政府参考人(小野功雄君) まず、事前に教育委員会と調整をした上で、じゃ、うちの県の公立小学校には配付してくださいというお話があったので、それぞれの公立小学校の方に直接防衛省の方から送付をしたと。ただ、その先につきましては、それはそれぞれの小学校の御判断もございますので、そこについてまでうちがこうしろああしろということは言っていないということ。 ただ、その上でなお申し上げますと、防衛省として併せてアンケートというのもこれを取っております。その中で、もちろん回答数が必ずしも多くはございませんでしたけれども、そうした中でどういう活用をしたかというのは部分的に把握できているところはございます。 ただ、いずれにしても、その細部どうやるかというところを防衛省が余り、学校教育現場についてこちらの方から指示をしたり指図をすると、それはよろしくないだろうということで、今申し上げたようなことでございます。
○古賀千景君 もちろん教育内容には入るということはできないと、できません、それは学校の権利ですから。だけど、配ったものに責任を持たないというか、いや、欲しいと言ったけんやったよで、それで終わるのは私はいかないと思うし、これから先、子供たちにこれがどんな影響が出てくるかということはきちんと考えて振り返ってほしいと、私はそう思っています。 じゃ、内容についてお伺いします。 二ページ目に書いてあることを読みます。 二〇二二年二月二十四日、ロシアはウクライナへの侵略を開始し、戦いは今も続いています。力で一方的に現状を変えようとするこのようなロシアの行為は決して許されるものではありません。こんなことが起きてしまった理由の一つに、ウクライナのロシアに対する防衛力が足りなかったことがあります。つまり、ウクライナは、国を守るために十分な力を持っておらず、攻め込んでも大丈夫とロシアから思われたため、ロシアに侵略を思いとどまらせることができなかったのです。 その認識、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) ロシアがウクライナを侵略するに至ったことについて様々な要因が背景にあると考えられますが、その軍事的な背景についていえば、ウクライナがロシアによる侵略を抑止できる十分な能力を保有していなかったことにあると考えています。 また、ウクライナ侵略、政府としては、これに加え、共同して侵略に対処する意思と能力を持つ同盟国との協力の重要性、そして、脅威は意思と能力の組合せで顕在化するところ、意思を外部から正確に把握することには困難が伴うことといった点にも着目し、情勢を注視しているところであります。
○古賀千景君 私は、理由はいろいろあると思うんですよ、攻め込んだ。でも、この冊子にはこれしか書かれていないんです、このことしか。 私は、学校における平和教育の大切さは、もう文科省も常々言っていただいていますよね。ですので、私もやってきました。しかし、そのやり方というのは、こういう一方的なものではなくて、ウクライナ側から見る、ロシア側から見る、双方の意見を平等に伝えて、戦争に苦しんでいる人々に思いをはせて、平和の大切さということをやっている。それが政治的中立と私は思っています。安易に防衛力が足りなかったと言われると、たかが十歳のお子さんですよ、信じてしまいますよ。 大臣もお子さんいらっしゃいますのでお分かりになると思いますが、子供たちに、こういう十歳の子供たちに、この言葉だけを載せているこの本に対して、私は子供に配慮があったのか疑います。大臣、いかがですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) それは、先生のお立場ではそういう思いを持つかもしれませんが、しかし一方で、過度な現場での配慮によって自衛隊や安全保障、そして防衛省、様々な取組について子供たちの目に触れる機会もない、関心を持っていただく機会もない、そういったことというのは、またこれは改めた方がいいのではないでしょうか。 ですので、今日先生の御指摘のとおり、より幅広く知ってもらった方がいいと、そういったことに資するように、我々としても、小学校に限らずしっかりとお伝えできるように努力をしていきたいというふうに思います。
○古賀千景君 だからこそ、これだけじゃなくて、歴史的な背景とか全ていろんなものを子供たちに伝えなくちゃならないんじゃないですかと私は言っているんです。いかがですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。 もっとより積極的に防衛省・自衛隊が伝えるべきだという趣旨でしたら、我々、その思いでありますので、小学校、中学校、高校を含めてしっかりと伝える努力を今まで以上にやらせていただきたいと思います。
○古賀千景君 私も、教えた子がいっぱい自衛隊にいるんです。いっぱい苦しんでいますよ。でも、分かってほしいのは、自衛隊に行く子供たちって経済的に厳しい子供たちが行くんですよ。豊かな子供たちは自衛隊とかなりませんよ。(発言する者あり)済みません。それ、失礼しました。訂正します。でも、本当にそこに生活の厳しい子供たちが生きていると、安定した職だというところ、そこは分かってほしい、苦しんでいるところで。そのことはまず申し上げます。 では、この中に、北朝鮮、中国、ロシアの三か国、三つの国について書かれています。詳しく整備について説明されていて、日本が位置する地域は安全とは言えませんと書かれています。一方、別のページには、皆さんの命と平和な暮らしを守る方法というところでは、アメリカと一緒に攻撃を思いとどまらせる力、攻撃に立ち向かう力を強くするとも書かれています。 私は、これは、このことは、国を分けての書かれ方、子供たちへの印象操作にならないのか強く危惧します。学校には、北朝鮮、中国、ロシアの子供たちも通っています。この子供たちの目にこれが触れたときに、どのような子供たちが傷を負うか、そのことは配慮をなされたのか、教えてください。
○国務大臣(小泉進次郎君) 先生が言う近隣の国々に対する配慮という前に、自衛官の子供たちへの配慮に欠ける発言だったのではないでしょうか。今先生の発言は、自衛官の子供たち、これみんな貧しい家庭の子しかいないと、こういった形で言われましたけど、全くそういうことありません。それ、事実誤認だと思います。それこそまさに一面的な、自衛官そして自衛隊の家族に対する見方なんではないでしょうか。 我々としては、今全国で教育現場見ていまして、過度な配慮によって自衛隊や防衛省、こういった取組が現場の判断によってその機会すらも与えられないようなこと、そして先生、各国の近隣諸国の国々の子供たちに配慮と言いますけれども、自衛官の子供たちも学校通っているんです。そういったことに対する配慮や、その子供たちの環境に対する理解をより広く広げることがまず最優先なんではないでしょうか。
○古賀千景君 私の発言が申し訳なかった、それは撤回させていただきます。申し訳ありませんでした。 じゃ、その上で、今政治的な、教育の政治的中立ということが話題になっております。そのことに関してはどのようにお考えになるかをお伺いします。大臣です。 この前、文科大臣は、質問の中で、政治的中立を確保するということの趣旨でありますが、多様な見方や考え方のできる事柄を取り上げる場合には、特定の見方や考え方に偏った取扱いで生徒の主体的な考えや判断を妨げないようにするというものというふうに答弁されております。そのことが本当にこれは中立と言えるのかどうか、私は疑問に思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○委員長(西田昌司君) 文科大臣でいいんですか。防衛大臣に求めているんですか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 教育の政治的中立をどう判断されるか、これは私よりも隣の松本大臣の判断かもしれませんけれども、まず、我々としては、国家にとって必要な安全保障、そしてそれを担う自衛隊・防衛省、その役割を子供たち、そして一人でも多くの方々に御理解をいただきたい、関心を持っていただきたいと、このことは当然のことだと思っております。 そして、先ほどから官房長が申し上げていますとおり、これ都道府県の教育委員会へ配付の相談をして、各種調整が整った都道府県の公立小学校に冊子として配付したものであります。 防衛省としては理解を深めていただきたいと思っておりますし、しかし、それは強制することは適切ではないために、仮に子供たちが否定的な考えを持ったとしても、当然それは自由です。その機会を我々としては与える、このことが大事なことではないかと思っております。
○古賀千景君 じゃ、教育委員会が配付をしなかったことに対して何でかなというのは考えられなかったんですか。そこを教えてください。
○国務大臣(小泉進次郎君) その判断の背景にある思いというのは、日教組特別中央執行委員も務められた古賀先生であれば我々よりもお分かりであると思いますけれども、いずれにしても、先生のおっしゃっている思いというのが、小学校への配付というものが少な過ぎるとおっしゃっているのか、我々がもっと現場に入ってちゃんと配るべきだと思っているとするならば、我々としてはむしろ先生に言われる以上に抑制的に配慮してやっているということも言えるんではないでしょうか。 しっかり相談をしてやらせていただいていますし、これからも、今、これから新しい白書についてもしっかりと御相談させていただいた上で、むしろ小学校だけではなくて、中学校、高校と幅広く目にする機会、関心を持っていただく機会をつくりたいと思っております。
○古賀千景君 私は、文科省の中の教育委員会が配れないと言ったことに対して考えてほしいということを言っているんです。これは目にさせられないと、そのことについて考えてほしいと、私は今回その件で取り上げました。 私は、この冊子が、実はこれはコピー、印刷したもので、ホームページから取りましたが、一冊現物が欲しいと言いましたら、一冊も防衛省にはないというふうに御回答いただきました。防衛省が作成している冊子、そのほかの人たちにも一冊も保管されていないのでしょうか。私はそれはとても疑問に思いますので、お答えください。
○政府参考人(小野功雄君) まず、先ほど先生の御指摘のあったこの「まるわかり!日本の防衛」について、一冊もないというより、決してそういうことはございませんで、それぞれ防衛省の省内、あるいは防衛省、非常に出先も多うございますので、そういった地方の機関だとか地方防衛局だとか、そういったところにも保管をして、適宜要望があればそれの配付をいたしておるという状況でございます。
○古賀千景君 ありがとうございました。 はっきり言わせていただきますが、私はこれを全校配付してほしいとかは全く思っておりませんので、そのことだけは御理解いただきたいと思います。この内容がおかしいと私は思っています。 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○郡山りょう君 立憲民主・無所属の郡山りょうでございます。本日もよろしくお願い申し上げたいと思います。 早速質問の方に移ってまいりたいと思います。まず一点目は、求職者支援制度における奨励金の不正についてお伺いしたいと思います。 まず、資料の、配られている、今まだ最中ですが、一と二を御覧ください。 求職者支援制度について、会計検査院が、令和元年度から六年度までの間に奨励金が支給された四千三百二十三認定職業訓練の中から二十六機関九百八十四件を選んで検査をしました。その結果、僅か一機関だけで五億二千二百四万円の不当支給が見付かったという事例でございます。 早速質問に参りたいと思います。この制度、事業について御説明をお伺いしたいと思います。また、不当支給の中身についても併せて参考人にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 求職者支援制度は、主に雇用保険を受給できない求職者に対して、職業訓練の実施により職業能力開発の機会を確保するとともに、職業訓練の受講中に給付金を支給するものでございます。これにより、求職者の生活を支援し、職業訓練の受講を容易にするとともに、ハローワークによるきめ細かな就職支援により求職者の早期の就職を支援する制度となっております。 今回御指摘がございました不適正支給の内容は、訓練実施機関が審査認定機関である高齢・障害・求職者雇用支援機構に職業訓練の認定について申請する際、申請書類である訓練の講師要件を確認するための職務経歴確認書等に虚偽の職務経歴を記載し、講師要件を満たすものとして申請を行ったものでございます。そして、この虚偽申請に基づき機構において訓練の認定が行われ、当該認定された訓練を実施した訓練実施機関に対して認定職業訓練実施奨励金が不当に支給されていたものでございます。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 今回の検査対象の範囲なんですが、全体の二二・二%にすぎません。残りの約七七・二%、つまり三千三百三十九件にも同じ手口の不正が潜んでいる可能性は排除できないのではないでしょうか。 厚生労働省として全数調査を実施する意向はありますか。実施するのかしないのか、明確にお答えいただければと思います。お願いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 高齢・障害・求職者雇用支援機構は、令和六年度に会計実地検査において指摘を受けたことから、過去に開講したコースの講師の経歴につきまして当該指摘と同様の事案がないかについて、令和五年度以降に開講した訓練コースを令和七年四月から十二月にかけて確認し、今般の経歴詐称と同様の職務経歴が記載されている全ての講師について調査を行ったところでございます。調査の結果、講師要件を満たさない講師はゼロ人だったとの報告を受けてございます。
○郡山りょう君 ありがとうございます。それ以降、調査でゼロだったということは本当に安心をしたところでございます。ありがとうございます。 次に、時効で消滅した二千三百七十六万円の責任の所在についてお伺いしたいと思います。 今回、返還請求権利時効で消滅した二千三百七十六万円は、言わば国民の損失として確定したのではないかと思います。国は、この金額について、法的、道義的責任をどう認識していますでしょうか。あわせて、なぜ時効を防げなかったのか、具体的に大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の事案につきましては、当該独立行政法人で、職業訓練の認定に当たりまして、申請内容に虚偽がないことを宣言をする、そんな宣誓書を提出させていたんですけれども、申請者が宣誓をした上で虚偽申請を行ったということでございまして、誠に遺憾だというふうに考えています。今後このような事態が生じないように、しっかりと再発防止策を講じていく責任が私どもにもあると感じております。 時効については、申請内容が虚偽かどうかを確認できる確認書類が不足をしていたので、審査自体は適正に実施されていたとしても、長期間にわたり不正が見抜けなかったので時効に至ってしまったわけでございますが、今後このような事案が生じないように、会計検査院からの指摘も踏まえ、職業訓練の認定事務を行う当該支援機構に対しましては、認定事務の重要性について改めて認識をいただくこと、また認定事務の適正化を図ることについて、昨年十一月に文書で指示をしたところであります。機構においては、申請内容の確認強化に向けて、申請の際の添付文書を更に充実をさせるなどの再発防止策を行ったと承知をしております。 今後とも、制度の一層の周知はもちろんですが、機構に対しましても、認定が適正に行われますように引き続き指導に努めてまいります。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 今後どう対策していくのかという中身について、次の質問で問うていきたいと思っております。 例えば、経歴確認書が自己申告だけで成り立っていることは、虚偽申告を構造的に許す設計ミスじゃないかと考えられます。申請の際に、実務経験を裏付ける第三者証明書類であったり、例えばその中身だとすると資格証明書ですよね、あと雇用実績証明、業務委託契約書など提出を義務化して、そこはスクリーニングを図るべきではないかと思いますが、これ直ちにやるべきじゃないかと考えますが、厚生労働省の参考人にお伺いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 職業訓練の認定に当たって、講師の職務経歴書等の確認については、従来は訓練実施機関から誓約書を提出されるという取扱いでございました。しかし、昨年七月以降、職務経歴書等に記載されている職務を確認するために、在職証明書や雇用保険加入記録等の勤務実態等を確認できる書類の添付を必須とし、職務経歴書等に記載された勤務経験等の確認を徹底することに取り組んでおります。 引き続き、この取扱いについて徹底するよう支部等に対して指導を行ってまいりたいと考えております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 あとはダブルチェックというか、そういったところの質問になるんですが、東京支部と大阪支部、高齢・障害・求職者雇用支援機構のそれぞれ支部が独立して審査をしていたと思います。両支部の間に情報連携や横断的に不正を検知する仕組みがそもそもあったのか。もしなかったとすれば、それ自体がしっかりと、管理体制のやっぱり欠陥という重大な問題ではなかったのではないかと思います。 今後どう整備していくのか、やはり一つのチェックだけじゃなくてダブルチェックも必要だと思いますので、そこを参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 求職者支援訓練の認定業務につきましては、高齢・障害・求職者雇用支援機構の各支部において、不正が疑われる事案を把握した場合には速やかに本部に報告することとしてございます。本部は、この情報を厚生労働省に報告するとともに、全国の支部に展開し、不正の防止に取り組んでいるところでございます。 今般の事案につきましては、申請内容が虚偽であるかどうかを確認できる確認書類が不足していたことに原因がございますが、引き続き、同機構の各支部において、不正が疑われる事案を把握した場合の取扱いについて適切に行われますように指導してまいりたいと考えております。
○郡山りょう君 あとは、本部のチェック体制も今後どうしていくのか、併せてちょっとお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、本事案につきましては、高齢・障害・求職者雇用支援機構におきまして、訓練実施機関により、申請時に申請内容に虚偽、誤りはないことを宣誓する誓約書が提出されていることをもって講師の職務経歴書等についても正しい記載がなされているものと判断し、職業訓練の認定を行っていたことが原因であるというふうに認識してございます。 このため、二段階の確認によっても防げるものではなく、引き続き、申請の際の確認書類の充実や、同機構におけます確認の徹底により再発防止に取り組んでまいりたいと考えております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。チェックの強化をお願いしたいと思います。 引き続き、被害を受けた求職者へのフォローアップについてお伺いしたいと思っております。 これ、求職者支援法第一条は、特定求職者の職業及び生活の安定に資することを目的と定めています。今回、不適正に認定された百五十九の訓練の受講者は、実務経験のない講師による訓練を受けたという事実がございます。雇用保険のセーフティーネットからもこぼれた最も支援を必要とする方々だと思います。 そこで、質問をしたいと思います。 百五十九の認定職業訓練の受講者は合計で何名いらっしゃいますでしょうか。受講者全員に、不適正な訓練を受けた事実は通知をその方たちにされたのか、また、通知していないのであればいつどのような方法で行うのか、計画があれば教えていただきたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 御指摘の百五十九件の認定を取り消した認定職業訓練に係る受講者数につきましては、個別に集計した数値としては把握してございません。 本事案につきましては、訓練の認定申請の際に虚偽の記載を行った不正事案であったため、当該訓練機関に対しましては、訓練の認定の取消し、今後、永年にわたって訓練の認定が受けられないなどの措置を行ったところでございます。 その一方で、訓練自体はカリキュラムに沿って実施されていたことは、会計検査院の実地検査前に当該訓練機関に対して機構が実施していた実地調査や、会計検査院の実地検査後に労働局が当該訓練機関に対して実施したヒアリングにより確認されてございますので、このため受講者への通知を行わなかったところでございます。
○郡山りょう君 これ、カリキュラムに沿って行って成立するのであれば、そもそも資格を持った方たちの方が教えるというこの構造自体が成り立たないんじゃないかなと。だったら、カリキュラムに沿ってやればもうそれは認定の職業訓練を卒業したというか、受講して認められたということはちょっとおかしいんじゃないかなと思うので、何人か把握しているのかということを聞いたわけですね。 当該受講者の就職率、その方たちのですね、就職後の定着状況も多分把握されていないと思うんですよね。もしかしたら、その不適正な、結局、資格を持っていない方たちがそれを指導していることによって就職結果に悪影響を与えていた場合、国として何か補填や救済の措置を講じる考えというか、まずは調査しないと講じることはできないと思うんですけど、そちらについて参考人にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(宮本悦子君) お答え申し上げます。 今般の不正、不適正事案に係る訓練受講者の就職率や就職後の定着状況につきましては、個別に抜き出して把握はしていないものでございますけれども、一般的に、認定職業訓練におきましては、訓練期間中に各受講者に対して、毎月ハローワークにおいて就職状況を把握の上、就職支援を実施してございます。 不適正な訓練が就職結果に与える影響につきましては、個別事案により異なると考えてございますが、本件は、講師の一部が要件を満たしていなかったことが認められたものでございますが、訓練自体はカリキュラムに沿って実施されたことが確認されてございます。 また、ハローワークにおきましては毎月の就職支援がなされておりましたこと、さらに、訓練の終了後、一定期間就職が決まらない受講者に対しましては、担当者制によるきめ細かな職業相談を実施しているなど十分な就職支援がなされていることから、受講者の就職結果に直接的な悪影響までは生じていないものと考えてございます。 引き続き、職業訓練受講者の就職に向けまして万全を期してまいりたいと考えてございます。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 なかなか、そうですね、カリキュラムに沿っていればということに、やっぱり回答なので、そもそも資格認定してその方たちが教えるという制度自体がちょっと根本的から崩れているようなやはり気がしております。 大臣にお伺いしたいと思います。 求職者支援法第一条は、特定求職者の職業及び生活の安定に資することを目的と定めているということでございます。この法の目的に反する訓練が提供された事実について、厚生労働省として法的、道義的責任をどう認識していますでしょうか。訓練機関の責任だけじゃ済まされないとは思うんですよね。そこについて、大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 求職者支援制度、主に雇用保険を受給できない方への職業や生活の安定に資する大変重要な制度でありますので、なおさらその制度が適正に行われるということが大事だと考えています。 今般の虚偽申請に基づいて認定職業訓練が実施をされたことや、あるいは奨励金が不適正に支給されたことは誠に遺憾であります。求職者の方がやはりこの制度を安心して利用していただける、そしてそれがしっかり結果につながっていくということが大事でありますので、しっかりと再発防止策を講じていく責任が私どもにもあると考えております。 今後、このような事案が生じないように、認定事務を行う当該機構に対ししっかり指示をして再発防止策に取り組んでいるところでありますが、さらに民間の職業訓練機関への制度の一層の周知、これもしっかり取り組んでいきたいと思いますし、また認定が適正に行われるように、機構に対する指導についても徹底をしていきたいと考えております。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 本当に有り難いんですが、ただ、先ほどの質問の中で、やはり無資格の方たちから受けた受講者の方たちのフォローだったり救済とか、そういったその後どうなったのかというところはなかなか調査し切れていないと私は今のやり取りで考えております。 これからはいいと思うんですけど、そのほかの、今後いろんなこういう認定制度とかで同じようなことが起こる可能性がやはり出てくると思うんですよね。全ての同じようなこういう形態での再発防止、そして今後生まれ得るそういった事業とか機関の、やはり、何というんですかね、より良いやはりその執行というか運営を考えますと、やはり構造的、根本的な問題をもう一度検証する必要があると思っております。だからこそ、もうちょっと客観的かつ網羅的な検査、この件について、そして今後起こさないために必要だと思っております。 そこで、国会としてきちんと検証していくためにも、国会法第百五条の規定に基づいて、会計検査院による検査の実施を求めていきたいと思います。 委員長、お取り計らいをお願いしたいと思いますが。
○委員長(西田昌司君) 後日理事会において協議いたします。
○郡山りょう君 続きまして、賃上げにまつわる関係の質問、大きく二点やっていきたいと思いますが、まず前提で申し上げるのが、よく我々が質問すると、この事業を削るようなイメージで持たれている省庁の皆さん多いかと思うんですが、決してそんなことなくて、我々は絶対必要なものだと思っていますし、ただ、やっぱり決算、やっぱり参議院なので、やっぱりチェック機能の府と呼ばれていますので、ちゃんと正していく、チェックをして、そして、せっかく予算でもらったものをより良く使っていくためにやっぱり指摘をしているということだけは前置きしておいて、質問に入らせていただきたいなと思っております。 まず、重点地方交付金の賃上げ支援事例についてお伺いしたいと思っております。 これ資料三になります。なかなか、この実績とか調べてもなかなかたどり着けなくて、これにたどり着いたわけですが、中小企業庁のウェブサイト、賃上げ・最低賃金対策支援、重点支援地方交付金を活用した賃上げ支援事例として掲載された全八事例が載っているんですが、受益事業者数、対象労働者数、平均賃上げ上昇額、賃上げ実施率をお伺いし、その効果を確認させていただきたいと思います。 この掲載された八事例の中で、その結果までは載っていないんですね。どういった賃上げの効果、例えば幾ら上がったのかというのが載っていなかったんですね。この数字、掲載された全八事例の事業予算額三十四億円の公費の投入が賃上げにつながったと言える根拠はここになかなか示されていないと思いますので、それを御説明いただければと思います。赤澤大臣、お願いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 経済産業省では、自治体における重点支援地方交付金を活用した賃上げ支援の取組について、中小企業庁のウェブサイトで参考となる自治体の好事例として委員御指摘の八事例を公表させていただいております。 それらの実施総額は約十九億円、対象事業者は四千社となっています。賃上げ率については、例えば群馬県の事業については、小規模事業者であれば三%、中小企業であれば五%の賃上げを行う事業者を対象として約二万人を支援しており、賃上げに寄与したものと考えています。 その他の自治体の事例においても、直接的に賃上げにつながる事業や事業実施後の一定の期間で賃上げに効果が出てくる事業など、様々な取組を行っているところであります。 引き続き、経済産業省としては、自治体とも連携しながら、全国の地域における中小企業・小規模事業者の賃上げ実現に向けて状況を把握しつつ取り組んでまいりたいというふうに考えています。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 そうした具体的な事例が載っているものもあるんですが、なかなかそこに載っていないものもありますし、先ほど申し上げたように、なかなか実績にたどり着かなかったのもありますし、AIで、まあ私のプロンプトが悪いのかもしれないですが、なかなかそこの効果が何か示されない、ウェブサイトもなかなか出てこないということで、こういう質問をさせてもらっているわけです。 そこで、城内大臣に二点お伺いしたいと思います。 まず一つ目が、重点支援地方交付金の賃上げ目的で活用する場合、国として共通のアウトカム指標を設定し、自治体に報告を義務付けるお考えがあるのか。二点目、事業終了後、一、二年のフォローアップ調査を実施し、賃上げの持続性を検証する仕組みを制度化するお考えはあるのか。これらの点について、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(城内実君) 郡山委員、御質問にお答えします。 郡山委員御指摘のとおり、重点支援地方交付金を活用した事業につきまして、その実績や効果をやはりきちっと後から、やりっ放しでなくフォローアップすること、これは御指摘のとおり、非常に重要な観点であるというふうに認識しております。 他方で、重点支援地方交付金は、御案内のとおり、地方公共団体が地域の実情に合わせて必要な支援を実施するものでありまして、したがいまして、委員御指摘の賃上げ目的に限らず、一律に共通のアウトカム指標を設定することとか、あるいは一定の期間の継続性を検証することが適当であるかどうかについては、現時点では慎重に検討する必要があるというふうに考えております。 ただ、その上で、令和七年度は、例えば生産性向上に資する設備導入支援、あるいは専門家による伴走支援、さらには商工団体と連携した収益力向上支援など、賃上げ環境整備に資する施策について各地方公共団体において実施いただいているところでございます。例えば、一定の賃上げを要件として設備投資の補助金を出すとかという、そういう自治体もございます。 いずれにしましても、高市内閣は、賃上げを事業者に丸投げすることなく、事業者の皆様方が継続的に賃上げができる環境を整えてまいります。引き続き、地方公共団体に対しまして、今日御指摘の点も踏まえまして、重点支援地方交付金の活用を促してまいる考えであります。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 そうなんですよね。例えば、そういう交付金があったとしても、例えば、経営者の皆さんがなかなか伴走支援が必要なのにできずにいて、なかなか経営計画を立てられないというのも、ある結構有名な中小企業診断士の方からも聞いたことがありますので、そういった意味でも、やはり何が必要なのかというところをやっていくには、やっぱりある程度、まあ自治体の皆さんに負担をやっていろんな効果出すというのは非常に心苦しいところもあるんですが、やはりそれをやってPDCA回していきながら、その課題がやっぱりエビデンスとなってEBPMの実行につながると思いますので、是非それを大臣にお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。 あと、この賃上げについては、この後の通告を見ると田村委員の方もやるということで、あとは田村委員に託したいと思っております。よろしくお願いいたします。 続きまして、業務改善助成金について、厚労大臣と政府参考人の方にお伺いしたいと思っております。 こちら、資料の四を御覧ください。 こちら、実は三月二十五日の予算委員会の方で、最後、質問時間がなくてちょっと終わってしまっていましたので、これ決算にも関係あるということで改めて質問をしたいと思っております。 この助成金は、中小企業や小規模事業者の最低賃金の引上げに向けた内容の助成金になっております。直近のこの実績を見ると、令和三年から六年の実績なんですが、四年連続で執行率が六割ということで、十割に満たっていないということでございます。その中で、令和七年度の補正に三百五十二億円が計上されました。 このように、毎年追加予算を積み続ける理由とその根拠、例えば、あえて執行率、まあ余ったものは次の年に確実に使っているとか、そういった内容とか理由とかあればお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 業務改善助成金でございますが、御指摘のとおり、行政事業レビューにおきましては、この公表している執行率について、直近の令和三年から六年、執行率六割以下となっているところでございます。 これは、実は、この執行率はその年度に執行した額を予算額で割ったものになっておりまして、その予算額には繰越額も含まれる、そうした取扱いになっております。 年度内に事業が完了しない可能性のある申請に係る予算については、翌年度に繰越しをした上で執行しておりまして、予算の不用が生じないように適切に対応しているところであります。 ちなみに、令和七年度の予算現額は二百九十八億円なんですが、その執行額については二百七十九億円となっておりますので、有効な予算の活用が行われていると考えているところであります。 業務改善助成金については、最低賃金額の全国加重平均の引上げなどに伴いまして申請が増加をしております。このことから、これまでから、その状況を踏まえ、補正予算などで一定額の積み上げをしているところでございまして、これまでそうした対応をしてきたところでございます。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 是非、ここの見え方ですよね、見せ方って大変重要だと思いますので、どうしても我々がこれで見てしまうと執行率低いよねということで、そこも、ちゃんと繰り越したものも含めたものとかというところの見せ方、非常に大事だと思いますので、是非お願いしたいなと思っております。 そこで、最近はその活用が多いんだというお話であるかと思います。ただ、令和八年度が概算要求三十五億円から二十一億円に大幅に減額されたと私は認識しております。なので、この減らした理由ですよね、やっぱり補正の中で、翌年度に繰り越したものを調整した中身で減額をしたのか。この点についてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘のとおり、この助成金につきましては、令和八年度概算要求では三十五億円要求しておりましたけれども、予算編成過程における調整の結果、当初予算額は二十一億円となっているところであります。執行率を踏まえたというわけではございませんが、制度内容、対象事業者等、若干の見直しなども行いました。そうしたことも踏まえて、総合的に勘案して最終的に二十一億円となったものだと承知をしております。 ただ、先ほど来お話がありますとおり、令和七年度の補正予算については、当該年度の申請額、最終的に大幅に増加をいたしましたので、それを踏まえて、増加をいたしました最低賃金の引上げに伴いまして申請が大幅に増加をしているところでございます。そうしたことから、当該年度の不足額として三百五十二億円、補正予算で積んでいるところでございますが、いずれにいたしましても、当初予算につきましては先ほど申し上げたような考え方で調整をさせていただいたところであります。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 続きまして、参考人にお伺いしたいと思います。 ちなみに、この実績、大変活用が多いということなんですが、ちなみに、令和六年度の申請件数、支給決定件数、執行額等合わせて何か効果、見えるものがあれば、何か上がった額とか、何かそういったものがあれば教えていただきたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 まず、業務改善助成金の令和六年度実績でございますが、申請件数二万一千七百八十三件、支給決定件数一万七千六百十六件、執行額二百四十二億円となっております。直近の令和三年から六年にかけて実績は増え続けておりまして、より多くの事業者に活用いただいているものと認識をしております。 効果といたしましては、必ずしも、様々な目的で使っていただいておりますし、また御利用いただく企業の規模や業種も様々でございますが、令和六年度最低賃金改定におきましては、その時点では過去に最大の上げ幅となったものでございまして、それに対応するような中小企業、中小事業者の御努力に資するところがあったのではないかと考えております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。 その様々な使い方があって、なかなか難しいんだという話もありましたけど、だからこそ、デジタル化とか、そういうデータで集約して結果も確認することが必要だと思います。 大臣にお伺いします。 申請書類の複雑さ、入金までの期間、事後報告の重さがやはり申請の壁にも一方でなっていると指摘されているんですね。是非、この使った額からの結果、KPIをしっかりとデータ化、ちゃんと公表できるように、今後の具体策についてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○委員長(西田昌司君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) はい。 標準処理期間が三月以内となっております。おおむねその状況を達成しておりますが、これからも遅れが生じないように、しっかり各労働局などを指導していきたいと考えております。 また、負担軽減という観点も非常に大事でありますので、申請マニュアル、申請書類の見直し、そうしたことに継続的に取り組んでおりますが、またいろいろと御要請なり問題点があれば、それを踏まえてしっかり対応していきたいと思いますし、いずれにいたしましても、中小企業の皆さんに本制度をしっかり理解をしてもらって十分活用してもらうということが大事でありますので、そうした観点からしっかり取り組んでいきたいと考えています。
○郡山りょう君 是非、Gビズポータルも活用して、お願いしたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(西田昌司君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(西田昌司君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、山中泉君が委員を辞任され、その補欠として安達悠司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 休憩前に引き続き、令和六年度決算外二件及び令和六年度予備費二件を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次発言をお願いします。
○江原くみ子君 国民民主党・新緑風会の江原くみ子でございます。 本日は、生活の基盤である住宅関連施策を中心に、政府の姿勢を伺ってまいりたいと思います。 まず、国民の暮らしを支える衣食住の現状認識について申し上げます。 多くの国民が物価高、物価高騰に苦しみ、食料品、電気代、ガス代の負担増を日々感じて暮らしています。そうした中で、個人の工夫や節約だけではどうにもならない壁となっているのが住、すなわち住宅問題であると考えます。 衣や食は選択や工夫で一定の支出抑制ができます。しかし、住は違います。特に都市部の賃貸住宅居住者にとって、家賃は毎月必ず発生する大きな固定費となっています。郊外へ移れば交通費や移動時間の負担が増え、就労継続が難しくなる場合もございます。所得が伸び悩む一方で、家賃負担は高止まりをし、可処分所得を圧迫しております。住の問題は既に個人の自助努力の限界を超えていると考えます。 なぜこれほど多くの国民が住まいの問題で苦しんでいるのか、その根底には我が国の制度が長く昭和型の標準世帯を前提に設計されているということがございます。夫婦と子供を中心に、若いうちに住宅ローンを組んで持家を取得するというモデルは、現在の実態と大きく乖離していると考えます。 配付資料一を御覧ください。 こちらの表ですけれども、近い将来、二〇五〇年には全世帯に占める単身世帯は四四・三%に達するというふうに見込まれております。もはや標準世帯は標準ではありません。それにもかかわらず、制度の多くはなお家族の連帯を前提としていたり、そういったことも含めて、今制度の見直しが追い付いていないということが現代の住宅困窮の大きな要因であると考えます。様々な制度を単身世帯急増という現実にアップデートしていくことが必要だと考えます。 本年、新たな住生活基本計画が策定をされました。昭和型の標準世帯前提からの脱却、そして単身世帯の実態に即した制度の見直しの視点、今回の計画に明確に盛り込まれていると理解してもよろしいのでしょうか。政府参考人に伺います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 本年三月に、住宅政策の指針となります新たな住生活基本計画を閣議決定いたしました。この新たな住生活基本計画では、委員御指摘のとおり、単身世帯が二〇五〇年には四割超を占めることを始め、国民の住生活をめぐる社会環境の変化、これはすなわち住宅市場が前提としてきたものが変容していくということになります。こういった変化を見据えて、住宅分野と福祉分野の連携による気付きとつなぎのある居住支援の充実などに取り組むことを基本的な方針の一つとして、その上で、人生百年時代を見据え、高齢者が孤立せず、希望する住生活を実現できる環境整備や、住宅確保要配慮者が安心して暮らせる居住環境、居住支援体制の整備などを目標として、様々な施策に取り組むこととしております。 国土交通省といたしましては、この計画に基づく各種施策に取り組むことにより、国民一人一人が希望する住まいを確保できる環境整備に取り組んでまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 計画に理念等が掲げられましても、現実、現場が変わらなければ国民の苦境は救われないというふうに考えます。都市部を中心に、頼れる親族がいない、あるいは親族がいても高齢化している、いわゆるお一人様が賃貸借契約における身元保証人や緊急連絡先の確保という壁に直面をしております。 国土交通省が家賃債務保証業者の登録制度を導入をしており、そして身元保証人がいない場合でも入居できる仕組みを整えてきてくださったことは承知をしております。しかし、現実には、保証会社の審査書類で、なお親族などの緊急連絡先を求められるケースがあります。頼れる人がいないから保証会社を利用しようとしているのに、緊急連絡先が書けないことを理由に審査に進めない、そして家賃を支払う能力があっても入居が難しいといういわゆるお一人様がいる実態がございます。 親族のいない単身者が、公的なサポートや民間サービスを組み合わせることで身元保証人や緊急連絡先を要さずに入居を完結できる強固なセーフティーネットを構築すべきではないでしょうか。政府参考人に見解を伺います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 賃貸住宅の入居に当たりまして必要な保証人が確保できない方については、家賃債務保証業者を活用することにより賃貸借契約の締結に至っているケースがあることを承知をしております。 令和五年度の調査によりますと、賃貸借契約の約八割が家賃債務保証業者による保証を入居の要件としていることから、こういった家賃債務保証を利用しやすい環境を整備することが重要であると認識をしております。このため、平成二十九年度より、適正な家賃債務保証業を行う事業者の登録制度を設けておりまして、令和八年三月末時点で百二十三者を登録してございます。 さらには、昨年十月に施行いたしました改正住宅セーフティーネット法において、単身高齢者などの住宅確保要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定をするという制度を創設をし、緊急連絡先として、個人の連絡先だけではなく居住支援法人などの法人を連絡先とすることを可能としてございます。これについては、令和八年五月末時点で十者認定をしてございます。 引き続き、賃貸住宅に入居を希望する方が円滑に入居できるよう、様々な環境整備に取り組んでまいります。
○江原くみ子君 ありがとうございます。 登録制度についても、もちろん分かって、理解をしておりますし、ただ、今八〇%の方がその保証をしていただくという、保証業者にやっていただくというのはありますけれども、でも、やはり地域から聞こえてくる声は、それでも初めに取り組んでいただいたその保証業者が駄目だった場合はその次というような形が分からなかったり、その時点で駄目になってしまったりという声もありますので、是非使いやすい、利用しやすい制度にして、なお進めていただければと思います。 セーフティーネット住宅についても伺いたいと思います。 この制度、住宅確保が厳しい方々の受皿として、登録住宅への入居を拒まない仕組みのはずでございます。しかし、こちらも現場では、高齢単身者だから万が一のことがあったら困るからなどといった理由で、実質的な入居拒否や門前払いがあるという声を聞きます。家主側が、孤立死のときの原状回復であったり残置物の処理、家賃滞納などのリスクを恐れる事情はもちろん理解をできます。しかし、登録はしていても実際に断られるのであれば、登録戸数を増やしてもセーフティーネットとして機能しないと思います。家主のリスクを軽減し、制度の実効性を確保するために国としてどのような具体策を講じるのか伺います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 セーフティーネット登録住宅は、低額所得者や高齢者、障害者などの住宅確保要配慮者について、それぞれの住宅において対象としている要配慮者を要配慮者であることを理由に不当に拒否をしない住宅として供給をされているところであります。セーフティーネット登録住宅においては、正当な理由がなく、その属性を理由に入居を拒否した場合は、都道府県知事が是正を指示することができることとなっております。 一方で、保証人などが見付からないなどの理由で入居を拒否されることも想定をされますことから、先ほどもお答えをいたしました住宅セーフティーネット法に基づく家賃債務保証業者を登録、認定する制度や、地方公共団体と連携をしたセーフティーネット登録住宅の家賃債務保証料に対する補助などによりまして、家賃債務保証を利用しやすくする方策を講じているところでございます。 このように、セーフティーネット住宅に入居しやすい環境を整えることで、制度の実効性を一層高めてまいりたいと考えてございます。
○江原くみ子君 よろしくお願いをいたします。 ここからは、単身女性の住宅問題を取り上げたいと思います。 単身の住居困窮者としては単身高齢者が想定されがちですが、もちろんそれも重要な課題です。しかし、現在、四十代から五十代の現役世代の単身女性についても、住生活基本法の中でも具体的な言及が見当たりませんでした。特出しは不要ということなのかというふうに思います。 この世代は、就職氷河期の直撃を受けた世代でもあります。新卒時の雇用環境が厳しく、非正規雇用を転々とし、キャリア形成の機会を奪われ、生涯賃金が低く抑えられてきた方も少なくありません。 国税庁の令和六年の民間給与実態統計調査によれば、五十歳代前半の男性の平均給与が七百八万五千円であるのに対し、女性は三百六十三万四千円と、ほぼ半分です。 さらに、単身女性は住まいにおける特有のコストがあります。オートロックや防犯性の高い二階以上の物件は、これはぜいたくではなくて、身の安全を守るためのインフラだと考えます。しかし、条件を満たせば家賃は高くなります。所得が低いにもかかわらず、安全のために高い家賃を支払わざるを得ない、このジレンマが可処分所得と将来への貯蓄を削っています。 セーフティーネット住宅や公営住宅においてセキュリティー条件を備えた単身女性向けの優先枠を設けること、また、民間家主が防犯設備を追加する際の費用に公的補助を行うことなどを検討すべきではないかと考えます。政府参考人に見解を伺います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 住まいにおけますセキュリティーの確保は重要な視点でありまして、セーフティーネット登録住宅や公営住宅においても防犯上の措置を講じること、これは重要だと考えます。 このため、公営住宅の整備や既存公営住宅の改修などにおいては、例えば団地内への外灯の新設、設置や増設、死角となるエレベーター内へのカメラの設置など、地方公共団体の要望に応じて、国もこうしたセキュリティー確保に係る取組を支援しているところであります。また、民間のセーフティーネット登録住宅の改修におきましても、個々の事情に応じまして、居住支援協議会が必要と認める場合には、セキュリティー確保のための改修支援を行うことが可能となっております。 引き続き、公営住宅やセーフティーネット住宅の安全、安心の確保のために必要な支援に取り組んでまいります。
○江原くみ子君 それでは、ここで、単身女性が都市部で暮らしていく過酷さを具体的な数字で示したいと思います。 配付資料二を御覧ください。 こちらは、五十代前半の単身女性がさいたま市で民間賃貸住宅に暮らしたと仮定し、生活実態と可処分所得を試算いたしました。平均給与三百六十三万四千円の方でも、最終的に手元に残る金額はよくて毎月二万円から三万円程度です。非正規雇用で手取りが更に低い方であれば、毎月の収支はゼロあるいはマイナスになりかねません。 大臣、この試算をどう受け止めますでしょうか。この状態で将来のための蓄えができるでしょうか。可処分所得の大部分が家賃に消え、まずは今日を生きるだけで精いっぱいという構造を放置することは、個人の尊厳を傷つき、未来の描く力を奪うものであると思います。 この問題を解決するためには、毎月の住居費に対する直接支援が必要だと考えます。現在の住宅税制は持家に偏っており、所得の高い層ほど住宅ローン減税などの恩恵を受けやすい一方、低所得の単身女性を始めとする賃貸居住者に対する国レベルの税制優遇や家賃補助は十分と言えないと考えます。 住まいは将来への安心であり、持家取得も一つの選択肢ではあります。しかし、低所得者の単身女性、いわゆるお一人様が、日々の生活で精いっぱいの中、持家取得に向けた資産形成を行うことは極めて困難です。 そこで、家賃支払額の一部を所得税や住民税から控除する家賃控除の創設、あるいは、それに代わる公的な家賃補助制度を本格的に検討すべきではないかと考えますが、参考人の見解を伺います。
○政府参考人(宿本尚吾君) お答えをいたします。 賃貸住宅におけます家賃負担への軽減につきましては、まず家賃の消費税が非課税とされておりますほか、低所得者を対象とした公営住宅の供給や住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の確保、家賃低廉化などへの支援などに取り組んでいるところでございます。また、空き家や公営住宅の空き住戸など、官民の保有する既存の住宅ストックの有効活用を進めることで、住宅を必要とする方に対し、取得や賃借しやすい良質な住まいの供給を促進しているところでございます。 今後とも、関係省庁や地方公共団体などとも連携をして、国民一人一人が希望する住まいを確保できる環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○江原くみ子君 よろしくお願いをいたします。 働く人の住宅取得を支援する制度に財形住宅貯蓄というものがございます。給与天引きで、計画的に住まいの資金を備え、利子などが非課税になる制度でございます。 しかし、この制度、加入時の五十五歳未満という年齢制限がございます。この基準は、二十代で就職をして五十五歳で定年を迎えるという、ここにもまさに昭和型の雇用、ライフサイクルを前提にしたものでございます。現在は六十代でも働き続ける方が多く、雇用もライフプランも多様化しています。特に就職氷河期世代の単身女性は、若い頃に貯蓄へ回す余裕がなく、四十歳代後半や五十代になってようやく老後の住まいに備えたいと考える方もおられると思います。このときに五十五歳という年齢制限が壁になるのは、現実に合っていないと考えます。 人生百年時代の実態に合わせ、財形住宅貯蓄の契約、積立開始に関わる年齢制限、柔軟に見直すべきと考えますが、検討状況と見解を伺います。
○政府参考人(田中佐智子君) 御指摘いただきました勤労者財産形成住宅貯蓄制度でございますが、事業主の協力を得て継続的に賃金の一部を積み立てて、その利子などについて税制上の優遇をするということで勤労者の持家取得などを支援する制度でございます。御指摘いただきましたように、勤労者が金融機関等とこの勤労者財産形成住宅貯蓄契約、これを締結する際には五十五歳未満であるということが要件となっております。 本年三月に、この制度を議論いたします労働政策審議会の勤労者生活分科会でございますが、ここで御指摘の契約時の年齢の見直しを始め、様々な意見が出されておりまして、今後、同審議会において議論をしていただきたいと考えております。
○江原くみ子君 よろしくお願いをいたします。 それでは、続きまして、アフォーダブル住宅市場について伺いたいと思います。 資産形成の後押しと同時に、手の届く価格の住まい、すなわちアフォーダブル住宅の供給と市場整備も重要だと考えます。各地には空き家や中古マンションなどのストックがございます。これらを適切にリノベーションし、リフォームをし、単身者が安全に手の届く価格で購入、賃借できる中古住宅市場を国として強力に整備、主導すべきではないでしょうか。政策ビジョンを大臣に伺います。
○国務大臣(金子恭之君) 江原委員にお答え申し上げます。 本年三月に閣議決定いたしました住生活基本計画におきましては、持家かあるいは賃貸住宅かを問わず、過度な負担なく希望する住生活を実現できる環境整備を目標としておりまして、この実現に向けては、委員御指摘のとおり、空き家を含めた既存住宅ストックを有効活用していくことが一層重要になると考えております。 このため、既存住宅の質の向上や流通の促進、今後増加が見込まれます相続空き家の有効活用などを通じた、多様で比較的手頃、いわゆるアフォーダブルな住まいの選択肢の提供に取り組むこととしております。また、公的賃貸住宅と民間賃貸住宅の双方での住宅セーフティーネットの構築によりまして、低額所得者など住宅確保要配慮者が安心して暮らせる居住環境、居住支援体制の整備にも取り組むこととしております。 国土交通省としては、四十代、五十代の就職氷河期世代の方々も含め、国民一人一人が過度な経済的負担を感じることなく、希望する住まいを確保できる環境整備に取り組んでまいります。
○江原くみ子君 済みません、時間がなくなってまいりましたので、一つ飛ばさせていただきまして、四番に進みたいと思います。 将来の住まいの安心を得るために持家を取得しても、あるいは地方の実家を相続しても、更なるわながあります。不当な価格や悪質な条件による不動産のいわゆる押し買いでございます。 個人が売手になって不動産業者が買手となる場合には、現行の宅地建物取引業法や特定商取引法のクーリングオフ規制が適用されません。宅建法上のクーリングオフは、主に業者が売主、個人が買主の場合を想定しており、個人がだまされて不動産を売ってしまった場合には、制度の保障、保護が届きにくい構造となっています。大切な資産である住まいや土地を悪質業者から守るため、個人の売手を保護する実効性のある規制や対策が必要ではないかと考えますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。 宅建業法におきましては、個人の売手の保護等を目的に、宅建業者によるいわゆる押し買い等の勧誘行為を禁止する規定が設けられております。 具体的には、契約を締結しない旨の意思表示をした相手方に対して勧誘を継続する行為、長時間にわたる勧誘等の迷惑行為や重要な事項について事実を告げずに契約を締結させる行為などが禁止されているところであります。また、これらの規定に違反する行為を業務停止などの監督処分の対象とすることによりまして、不適正な勧誘の抑止を図っているところであります。 こうした規制が実効的に機能するよう、事業者に対する指導監督の徹底に引き続き努めてまいります。
○江原くみ子君 今お話ございましたけれども、こういった悪質な不動産トラブル遭いやすいのがまさに単身高齢者、お一人様であったりしています。今おっしゃった業者の方を取り締まるということについては理解をいたしておりますけれども、売った個人が助けられていないという状況がございますので、是非そういった取組を進めていただければというふうに思います。 そして、消費者トラブル等にも同じようなことが言えます。今日、私も一八八バッジ、あれっ、黄川田大臣されてないですね、今日は。一八八バッジされてないですね。そういった意味では、是非今日いらっしゃる委員の皆様方にも一八八を知っていただきまして、消費生活ホットライン一八八ということを更に周知すべきということを申し上げて、時間がございませんので、次の質問に進みます。 住まいと、そうですね、済みません、時間が本当になくなってしまいましたので、ちょっと大分飛ばします。 令和五年十二月に、こども基本法に基づくこども大綱が閣議決定をされました。そこでは、全ての子供、若者が身体的、精神的、社会的に幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指すとされています。そして、子育てや教育に関する経済的負担の軽減だけではなくて、貧困対策、障害児支援、児童虐待防止、ヤングケアラーへの支援、自殺対策、いじめ防止など様々な支援策が示されてまいりました。その後、同大綱や同日に閣議決定されたこども未来戦略を踏まえた施策の具体化が進められてまいりました。 閣議決定から約二年半が経過をいたしましたけれども、現在の各施策の進捗状況及び効果の発現状況について大臣に伺います。
○国務大臣(黄川田仁志君) 御指摘のとおり、こども大綱の策定やこども未来戦略に基づく加速化プランの着実な実施により、子ども・子育て政策を抜本的に強化してまいりました。 その中で、例えば子供の貧困率は減少傾向にあるほか、医療的ケア児支援センターは全都道府県で整備されまして、地域の体制を整えております。また、地域の妊産婦、子育て支援の中核となるこども家庭センターは、令和六年度の制度施行以降、令和八年四月時点で全市区町村の約八六%まで設置が進んできております。 このほか、妊産期からの伴走相談支援や、こども誰でも通園制度の全国実施、保育士等の処遇改善、放課後の子供の居場所の拡大など、子供の誕生から成長過程に応じた支援は着実に進展し、各種施策の成果は出てきていると感じております。 また、先日、六月三日、厚生労働省が発表しました人口動態統計によれば、婚姻件数が二年連続増加、出産数の減少幅が縮小、十三県で合計特殊出生率が上昇するなど、一部明るい材料も見て取れます。 しかしながら、少子化に歯止めは掛かっておらず、令和七年の小中高生の自殺者数は過去最多となり、ネット上でのいじめ、誹謗中傷、児童ポルノ被害リスクなど、子供を取り巻く環境は依然厳しい状況であると認識しております。 その中で、決して先送りしてならないのは、今を生きる子供や若者の命と安全、安心を徹底的に守ることであると考えております。 このため、子供の自殺対策のギアをもう一段引き上げるべく、大臣プロジェクトとして、こども・若者自殺防止総力戦略を始動させ、私自ら先頭に立って強力に進めるとともに、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境整備に向けて検討を加速させるなど、こども家庭庁が司令塔となり、関係府省庁等と連携しながら、こどもまんなか社会の実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○江原くみ子君 よろしくお願いいたします。 こども大綱に基づく施策に関わる予算の執行状況及び施策の実施状況並びに施策の実施による効果の発現状況について、決算委員会として、国会法第百五条に基づいて会計検査院に対し検査を要請すべきと考えます。 つきましては、委員長、よろしくお取り計らいをお願いをいたします。
○委員長(西田昌司君) 後刻理事会において協議いたします。
○江原くみ子君 以上で私の質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いいたします。 三月十八日のこの部屋で行われた参議院予算委員会で高市総理は、私の質問、最低賃金の数値目標について、この質問したことに対して、現状も、全国平均千五百円という骨太の方針二〇二五、これの目標は維持されていると。だけれども、賃上げを決めるのは国ではなく事業者、賃金を支払うのも事業者。ですから、何としてでも賃上げできる環境、物価を超える賃上げができる環境をつくっていこうということで、賃上げ環境整備の内容について、この夏の成長戦略会議で具体的に取りまとめるという答弁をいただきました。 資料一、御覧ください。 日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会連名で、今年の四月十六日に最低賃金に関する要望を政府に提出しています。この中で、地方の中小企業・小規模事業者の経営実態を踏まえた政府方針への見直し、法定三要素に基づく審議会での議論の徹底、また、発効日、環境整備について求めておられます。 本要望について、政府全体としての受け止め、見解を城内大臣にお願いしたいと思います。
○国務大臣(城内実君) 田村委員にお答えします。 田村委員御指摘の中小企業四団体が連名で最低賃金に関する要望を公表されたことは私も承知しておりまして、事前にもう一度読んでみました。 高市内閣は、賃上げに関する目標、これ事業者の皆様に丸投げしないとの観点から、令和七年度補正予算や令和八年度当初予算、税制なども含めまして、事業者の皆様が継続的に賃上げができる環境整備に取り組むと申し上げてまいりました。 その上で、地域別最低賃金につきましては、公労使三者構成の最低賃金審議会におきまして、発効日も含め、いわゆる最賃法第九条の法定三要素に関するデータを基にして、地域の実情に即した真摯な御議論がなされることが重要だというふうに考えております。 最低賃金を含むこれまでの政府決定への対応につきましては、今後の消費者物価上昇率、あるいは現在行われている春季労使交渉の結果など、一般的な賃金の状況、事業者の経営状況といった経済動向等を踏まえまして、夏の成長戦略の取りまとめに向け具体的に検討してまいります。
○田村まみ君 梅雨が終われば夏です。そろそろ出てこないと私たちも見れないなというふうに思っているんですけれども、要望の一、御覧ください。 中賃が示した目安が地域の実態と乖離していた、中小企業、中小事業者の実態を踏まえない引上げがあったなど明記がございます。これを受けて、まさか目標金額、数値等を取り上げているんじゃないかということを私、懸念しております。 産業別労働組合のUAゼンセンの二〇二六年五月までの賃上げ結果、見てまいりました。これ、企業内最低賃金というのもちゃんと交渉されているんですね。今日、資料をちょっと付けてないんですけれども、要は、地方の最低賃金決めた後に企業内での最低賃金、これもちゃんと交渉して決めているんですけれども、これ、中小企業と大企業の差、三百人以上か以下というところの差なんですけれども、これ大企業に対して中小企業九五・〇二%と、そんなに差は五%程度しか付いていないんですね。一方で、いわゆる賃上げ全体、この結果は、三百人以上の企業が四・八六%今回賃上げできています。三百人以下が四・二二%と、大企業に対して七五%程度しか賃上げができていないわけなんですね。 これ、法律に根拠もなく目安のないいわゆる企業全体の賃上げというところでは、中小企業と大企業の差が付くというのはこれ明白になっているわけなんですよね。これをもって実態に即したようにしてくれって言っているんだったら、これずうっといわゆる中小と大企業の差、埋まらないままでいいって言っているようなことになるというふうに私、思うんです。これ、大変課題だというふうに思っています。 そこで、城内大臣、継続的に大企業と中小企業、差が付いたままの妥結結果出ていますけれども、政府が目指すべきこの最賃目標の金額、掲げないというふうにもしなったとした場合の、この中小企業の賃上げをしなかったりできない企業に対しての悪影響、これ出てこないのか、その見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(城内実君) 田村委員にお答えします。 最低賃金につきましては、その決め方、その中身につきましては厚労大臣、上野厚労大臣が御担当で、私は最賃の目標についてお答えしたいと思いますが、先ほど申しましたように、日本成長戦略、これを取りまとめる過程においてお示しできるかと思いますが、いずれにしましても、これ骨太方針二〇二五におきまして、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標、この達成に向けてたゆまぬ努力を継続するという方針が閣議決定されており、何度も答弁して、私させていただいておりますけど、その目標は撤回しているんじゃなくて、維持されております。同時に、これも繰り返し述べているように、高市内閣、目標を事業者の皆様に丸投げをしておりません。丸投げはしません。 その最低賃金を含むこれまでの政府決定の対応につきましては、先ほど申しましたように、今後の様々な消費者物価上昇率、一般的な賃金の状況、事業者の経営状況といった経済動向を踏まえて、繰り返しになりますけれども、夏の成長戦略の取りまとめに向け具体的に検討してまいりますが、なお、政府が将来に向けたその最低賃金の引上げ目標を示すことに対しては、事業者や高齢者にとって予見可能性を当然高めるものでありますから、賃上げに向けた機運を醸成するという、そういう御意見もあります。 他方で、実際の賃金は国ではなく企業が支払うものであり、国が将来の目標だけを示してその負担を企業に丸投げすべきではないという意見があるのもこれまた事実であります。そのため、最低賃金を含め、繰り返しになりますけれども、賃上げを事業者の皆様に丸投げせず、継続的に賃上げできる環境を整備するため、全力で取り組んでまいりました。 具体的には、ここでるる申し上げなくてもいいかと思いますが、ちょっと御紹介させていただきますと、今年一月に施行されたいわゆる中小企業のいわゆる取引適正化法、取適法のこれ厳正な執行により取引適正化を徹底する、あるいはプッシュ型の伴走支援をやる、生産性向上、省力化支援を中小企業の方々にやっていただくと。あるいはMアンドA、事業承継の環境整備に取り組み、中小企業・小規模事業者の皆様の賃上げ原資である稼ぐ力、これを抜本的に強化するということであります。さらに、労働生産性の向上など賃上げ環境整備のための政策を充実強化しておりまして、こうしたことを踏まえて、繰り返しになりますけど、夏に日本成長戦略を策定するということにしております。
○田村まみ君 去年の予算委員会から三回目の答弁を、同じの、全く同じ答弁いただきました。ありがとうございます。 資料三、御覧ください。 今日見ていただきたいのは、私は、目標を掲げるからやっぱりこの最賃の引上げがかなっているということを見ていきたいと思っているんですね。一番下から四行目ですかね、令和四年のところで、真ん中の引上げ額、三十一円になっています。これ、初めて三十円台が突破した額の年なんですね。これ実は、環境整備ももちろん寄与したとは思うんですけれども、中央最賃の目安金額が初めて三十円を、C、Dランク、一番下のランクのところが超えた年でもあるわけなんですね。やっぱり目標がしっかりあって、目安金額にそれが反映されるからこそ、しっかりとした賃上げが私はかなうというふうに思っています。 その上で、じゃ、環境整備が大事だというのはこの要望書の中にも書かれています。要望書の一番最後のページ、三ページの五ポツには、中小企業・小規模事業者が自発的に持続的に賃上げできる環境整備の推進をというふうにあります。 資料二を御覧ください。厚生労働省と中企庁の方が作っていただいた、中小企業・小規模事業者への支援策、最低賃金、賃金引上げに向けたもの、まとめていただきました。これ、赤澤前大臣が多分御努力をしていただいて、分かりづらいと言っていたものを全て、あるだけ出してまとめていただいたんだと思います。これ、見て分かるとおり、メニューは豊富なんだけど、恐らく多くの議員の皆さんも言われていると思いますが、分からない、自分がどれを使っていいのか分からないというふうに一方で言われているということも、よく議員の皆さん、現場回られて言われているんじゃないでしょうか。 経産省の参考人にお伺いします。この施策のうち、主な予算事業において令和六年度から継続した取組、また、この間なくなったメニュー、追加されたメニュー、主なものをお答えください。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 今委員から御紹介いただきました最低賃金引上げも含めた賃上げに対応いたしました中小企業・小規模事業者への支援につきましては、ものづくり補助金、IT導入補助金、現在デジタル化・AI導入補助金という名称になってございます、省力化投資補助金一般型におきまして、補助率を引き上げる特例の要件の緩和や優先採択を実施したところでありますけれども、これらにつきましては現在も引き続き実施しております。 これに加え、価格転嫁、取引適正化の徹底や、MアンドA、事業承継による事業再編なども含め、総合的に最低賃金の引上げに対応する中小企業・小規模事業者を支援し、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を実現してまいる所存でございます。
○田村まみ君 ありがとうございます。 このそれぞれの事業が継続しているということは、毎年毎年、毎予算執行後にこの賃上げにどれぐらい寄与したかというところ、これやっぱり確認してほしいなというふうに思っています。 一問飛ばして、先に厚生労働大臣に伺いたいというふうに思いますけれども、あっ、飛ばしてないですね、厚生労働大臣にお伺いします。 先ほど郡山議員からも質問がありましたけれども、この中にある業務改善助成金の活用の実績、進捗は先ほどお答えいただきましたけれども、賃上げ効果に対する評価、ここの見解についてもう一度お答えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 活用実績、先ほどとダブりますが、交付決定件数ベースでは、令和六年度は一万八千六百一件、令和七年度は一万九千四百七十一件であり、近年利用が増加をしております。 また、本助成金申請に当たりまして中小企業等が賃上げをした人数ですが、助成金申請に直接関連するものだけで、令和六年度は約十三万八千人、令和七年度は、これ速報値になりますが、約十五万人になる見込みであります。 近年、利用件数がこの当該助成金増えておりますが、実際には、最低賃金近傍の労働者数が多い飲食業、小売業などの業種で大変多くなっております。また、従業員規模三十人未満などの非常に小規模の事業者で、全体の約九割はこの三十人未満の事業所に活用いただいておりますので、そうしたことを考えますと、賃上げに相当程度の効果を上げているのではないかと考えているところであります。 厚労省におきましては、生産性向上などを通じた労働市場全体の賃上げを支援するため、当該助成金を含む賃上げ支援助成金パッケージによる支援を行っておりますが、これらは、先ほど来お話にあるとおり、事業者に丸投げをしないという高市内閣の方針に沿うものだと考えておりますので、これからも引き続きしっかり各支援策、支援策が講じられるように努めていきたいと考えています。
○田村まみ君 次に、財務大臣にお伺いしたいと思います。 令和六年度の税制改正で賃上げ促進税制の強化がされました。利用者数の、事業者数の推移並びに賃上げ効果に対する評価、特に中小企業に対しての見解、求めたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 賃上げ促進税制は、令和四、五、六年度で適用件数二十一万、二十五万、二十九万と順調に増えているんですけれども、件数は、多分委員御承知のとおり、圧倒的に中小企業が多いです。大企業の件数は少ないですが、適用金額となるとかなり大企業の割合が多くなるんですが、そういうことがありました上で、令和八年度の税制改正において、大企業向けの措置を令和八年度に廃止するとともに、中堅企業向け措置は要件を強化した上で適用期限をもって令和九年度に廃止するということといたしました。 この見直しの背景ですが、足下の賃金上昇率がバブル期以来の水準となる高い伸び率でございまして、本措置の要件となる賃上げ率を超えてしまっていたという点がございます。このほか、いわゆるコーポレートガバナンス改革に基づきまして、人的資本への投資促進が企業の責任として求められていること、中小企業の人手不足感が大企業よりも強いような状況であること、こういった事情がございました。 また、賃上げの影響要因としては、企業収益の動向ですとか雇用情勢等、税制以外の要因による影響も受けるため、税制の効果だけを取り出すことは非常に困難ではありますが、それを踏まえましても、令和六年度税制改正以降の適用企業の賃上げ率と本措置の賃上げ要件としての間に必ずしも残念ながら関連性が見られず、本措置が本当にインセンティブとして十分に機能していないおそれがあるということが指摘されたことによるものでございまして、それで、今般の税制改正で与党での御議論を経て見直しを行ったということでございます。
○田村まみ君 経産大臣にお伺いします。 財務大臣から今、効果評価ありましたけれども、令和八年度の改正、中堅・中小企業への要件の厳格化、上乗せ措置の廃止など示されましたが、御見解いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 政府全体として人的投資とかそういったものを進めていくということについて大きな方針があり、そういった意味で、当然人的投資の中に賃上げが含まれますので、力を入れて賃上げを実現をしていくということであります。 ただ、限られた財源の中で、いろんな効果も検証しながら、賃上げについて最も効果のいいやり方という意味でいうと、中小企業に絞って要件を見直しながら、不断の見直しをしながら進めていくというのは一つの当然考え方だろうというふうに思っております。そんな中で、後ほどの御質問かもしれませんが、最低賃金についてもしっかり上げていくという方向でやっていきたいというふうに考えております。
○田村まみ君 このように、環境整備のところへの見直しというのが進んでいることは理解しております。そして、午前中にも触れられましたけれども、重点支援地方交付金の部分でも、実は令和六年の補正のところから労務費を含む価格転嫁というのが記載をされて、実質的な賃上げにつながるようにというふうに出てきております。 この令和六年度の補正予算の重点交付金の活用状況と、特に賃上げに関する効果のところだけで結構です、あわせて、令和七年補正でもこの中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備が推奨メニューとして追加されましたが、この現在の活用状況、推進状況、お答えください。
○国務大臣(城内実君) お答えします。 午前中も郡山委員からも御指摘ありましたが、田村まみ委員御指摘のとおり、令和六年度補正予算における重点支援地方交付金、この推奨事業メニューにも関連部分ございまして、申し上げますと、中小企業等に対するエネルギー価格高騰対策支援というのがございまして、その中で中小企業の賃上げ環境整備などの支援が行われたということであります。 また、令和七年度につきましては、重点支援地方交付金において、中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備という項目が新たに独立した形で推奨事業メニューとして位置付けられました。したがいまして、地方公共団体に対してはまだ未執行の部分ありますので、その積極的活用を現在も呼びかけているところでございます。 したがいまして、令和六年度と令和七年度におけるそのメニューの位置付けが異なりますので単純に比較することは困難でありますが、令和七年度は、第三回提出を踏まえたその実施計画で出た結果として、先ほど申しました中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備の部分ですが、現時点ですね、四百二十九の事業、九百七十億円が交付対象経費とされております。 具体的に申しますと、例えば生産性向上に資する設備導入支援、あるいは専門家による伴走支援、これ何度も申し上げていますけれども、賃上げ環境整備に資する施策について、各地方公共団体の御判断で実施していただいております。 ちなみに、私自身も地方公共団体の、ここ新しい部分ですから聞いてください、首長とお会いした際に、これ山梨県の長崎知事ですけれども、重点支援地方交付金を活用して地域の経済構造等を踏まえた賃上げ環境整備に取り組まれているということで御説明を伺いましたので、しっかりやってくださいというふうに申し上げました。 いずれにしましても、繰り返しになりますけど、高市内閣、賃上げを事業者に丸投げすることなく、事業者の皆様方が継続的に賃上げできる環境を整えていくということで、引き続き、地方公共団体の皆様にも、まだ未執行というふうに申しましたので、重点支援地方交付金を事業者が活用していただくように後押ししてまいりたいと考えております。
○田村まみ君 済みません、時間過ぎていますが。 実質賃金が継続的に上がっていない状況で、こういうような政策はばらつきがあって何も検証が明確にされていないというふうに私は認識しています。 国会法百五条に基づき、賃上げ環境整備とされる、内閣府、経産省、中小企業庁、厚生労働省、各省庁の予算執行についての検査を求めたいと思います。 質問を終わります。
○委員長(西田昌司君) 後刻理事会において協議いたします。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 胃がんの原因はピロリ菌であります。国は、二〇一一年、私の質問主意書に対して胃がんの原因がピロリ菌であることを初めて認め、二〇一三年、胃がん予防のためのピロリ菌の除菌、保険適用として実現をしている次第であります。その後、胃がんで亡くなる方の数、直線的に大きく下がっておりまして、今、二五%減ということであります。 世界に目を向けると、ピロリ菌が土にすみますので、土壌を等しくする。最初は中国、韓国、日本の病気と思っておりましたら、そうではなくて、中国に接するようなところも胃がんで亡くなる方の数は多い。一方で、欧米で胃がんで亡くなる方は少ないといったような状況であります。中国に接するということで、ブータン、非常に胃がんで亡くなる方が当時大変多かったので、外務省にも御相談をして、支援をしていただいて、その数は非常に減ってきました。今どうなっているかというと、資料一の状況であります。 私、かつて、「胃がんは「ピロリ菌除菌」でなくせる」という本を浅香先生と一緒に書かせていただいて、中国語訳されて、何とロシア語訳もされました。(資料提示)この中国とロシアの間のモンゴルで胃がんで亡くなる方の数が非常に増加をしている状況でありまして、日本の成功事例を今こそモンゴル支援、胃がん対策の支援として行うべきではないかということを申し上げたいと思います。 外務省においては、モンゴル日本病院の設立など、様々医療の支援を行っています。こういう感染症でがんを予防していく、こういうメニューをしっかり支援していくことも重要だと考えますが、茂木大臣の御見解、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 秋野委員、医療の専門家でありまして、この問題にも非常に熱心に取り組んでいることはよく存じ上げております。 そして、資料の方にもお配りいただきましたように、今モンゴル、胃がんを含めまして保健医療分野の対策強化、重要な課題になっていると、このように認識をいたしています。 このような状況を踏まえて、これまで我が国は、ODAによりましてモンゴルで初の大学附属病院でありますモンゴル日本病院の建設、支援するとともに、専門家の派遣や研修を通じて同病院の運営能力の強化支援をしてまいりました。さらには、本年四月には、同国のがん対策の観点から、モンゴル国立がんセンターに対して医療機材を供与することを決定をしたところであります。 御指摘のピロリ菌と胃がんの対策と、これは関連があるということで、これに関しましても、一例で申し上げますと、現在JICAを通じて、大分大学、非常に先進的な取組をしております。そして、お話がありましたブータン、この間でブータン医科大学間の連携支援をしているところであります。 これからも、モンゴル側の意向もあります。今年の場合はその調整が付かなかったという部分はあるんですが、モンゴル側の意向も踏まえて、胃がん対策含みます保健医療分野の支援、しっかりと行っていきたいと思っております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 今、茂木大臣が触れてくださった大分大学、資料の二を御覧をいただきますと、実は、日本のピロリ菌の研究、圧倒的に大分大学が牽引をしている状況であります。東京大学の論文数二倍、国立がんセンターの四倍、あっ、三倍ということで非常に牽引をしている状況であります。日本がリードしている施策を、先ほどブータンのお話もありました。一方で、このピロリ菌の耐性が国内外で増えておりまして、もしも耐性を持つピロリ菌ばかりに置き換わってしまいますと、もう除菌を行うことができなくなる、胃がんを予防することができなくなるということでありまして、これは国内外を牽引してきた大分大学に非常に期待をするものであります。 残念なのは、ピロリ菌について、大学の共同利用、共同拠点としてがないということでありまして、非常にこれ特色のある取組で、世界にも国内にも貢献し得る取組でありますので、大分大学のピロリ菌の研究、共同利用・共同研究拠点として認定をすることについて、文科大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(松本洋平君) まず冒頭、私からも、委員がこの問題に対して大変大きく進めていただいておりますことに対し、心から敬意を表したいと存じます。 大分大学グローカル感染症研究センターというところになりますが、こちらにおけるピロリ菌研究につきましては、今御紹介をいただきましたように、論文創出数、被引用数共に国内で最も多いだけではなくて、またブータンなど海外にも貢献をしているというふうに承知をしているところでもありまして、着実に成果を上げておられるものと承知をしているところであります。 これは、感染症研究の進展でありますとか国民の健康に資する観点からも重要な取組であるというふうに認識をしているところでありまして、文部科学省といたしましても、大分大学が日本の胃がん対策の成功事例を海外に広く展開をし、新たな世界的研究を進めることを期待しているところであります。 仮に、大分大学から共同利用・共同研究拠点について申請がなされた場合には、公正かつ適正に審査を行ってまいりたいと考えております。また、申請に先立つ制度の趣旨や要件などに関する大学からの相談、これらにつきましては文部科学省としても丁寧に対応をしてまいりたい、そのように考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 委員長、茂木大臣とそれから松本大臣、ここまでで結構でございます。お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(西田昌司君) それでは、よろしく。
○秋野公造君 次に、命を守るということで、レッカー業は命を守る大切な役割を担っております。 ロードサービス業が日本標準産業統計に位置付けられましたけれども、ロードサービスの担当省庁がどこか、まずは総務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 日本標準産業分類、これは総務大臣が統計委員会に対し諮問を行い、その答申を受けて決定するものでございますが、その検討に当たっては関係府省との協力を得ることとしております。 今お尋ねのありましたレッカー・ロードサービス業でございますが、令和五年に産業分類に追加をされましたけれども、国土交通省物流・自動車局、これが同産業を担当しているものと承知をしております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 レッカー業の役割ですけど、車の、特に事故で引き上げたり、あるいは車に閉じ込められた場合などは、警察や消防とともに人命救助のために大きな貢献をしています。 高速道路において緊急走行が可能であるということを承知しておりますけれども、一般道はどうかということであります。高速道路でも一般道路でも、危険防止の応急作業を始め、こういったレッカー車の重要性というのは変わらないところでありまして、高速道路上はもとより、一般道路上における応急作業に使用するレッカー車についても緊急自動車に指定をされるのか、警察庁に確認をしたいと思います。
○政府参考人(日下真一君) お答えいたします。 道路交通法では、緊急性と緊急走行が及ぼす一般交通への影響との均衡を考慮した上で、緊急自動車について一定の場合に車両の通行区分及び通行方法の原則の例外を認めております。 高速道路を管理する高速道路株式会社が高速道路上における危険防止のための応急作業に使用するレッカー車のほか、高速道路株式会社以外であっても、高速道路株式会社と協定を結び、その義務の一環として応急作業を行う事業者のレッカー車については、二十四時間対応可能な体制を取り、かつ要請のあった全ての事案に対応するなどし、公益性が認められる場合には、緊急自動車として指定されているところであります。 この指定に当たっては、レッカー事業者が道路管理者と協定を結び、二十四時間対応可能な体制を取り、要請のあった全ての事案に対応することなど公益性が認められるかどうかということが重要な考慮要素でありますが、この点については一般道路であっても同様であり、仮に緊急自動車として指定されたレッカー車が道路管理者と結ぶ協定に定める緊急用務の一環として応急作業を行うために通行する場合には、一般道路上において緊急走行することは可能となります。
○秋野公造君 貴重な答弁ありがとうございます。 そうなりますと、レッカー車の緊急自動車指定について、一般道については、誰、どこと協定を結ぶのか、国交省にお伺いをします。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、まず高速道路では、事故車両等があると、他の車両が高速走行をしているため、交通事故を誘発する危険性が特に高く、また構造上迂回等もできずに著しい交通渋滞を招くおそれがあることから、迅速に車両を排除するため、各高速道路会社があらかじめレッカー事業者と協定を結んでいるところです。 このような協定を一般道路で締結する場合には、それぞれの道路管理者が責任を持って調整することとなりますので、例えば、国が管理する一般国道については国土交通省の地方整備局など、都道府県が管理する一般国道あるいは都道府県道については都道府県が、また市町村道については市町村と御相談いただくことになります。
○秋野公造君 ジャパンレッカーの皆様始め、一般道での緊急走行の必要性についてお話をされておりますので、早速お取り計らいを、特に国道についてお取り計らいをお願いをしたいと思いますが、受けていただけますでしょうか。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 事業者の方から御相談があった場合には、各道路管理者において対応して、内容についてしっかり調整させていただきたいと思います。
○秋野公造君 ありがとうございます。 続いて資料三でありますけれども、非結核性抗酸菌症といって、結核と同様に非常に治療に難渋をする、しかし感染をした人からうつることはない、じゃ、どこからうつるのかというと、どうやら環境からうつっているようだと。 一方で、資料の下、御覧いただきますと、結核は減ってきている一方で、今申し上げた非結核性抗酸菌症は増えてきている。本人にとっては治療は非常に難渋をしますので命に関わり得る、だけれども御家族等にうつるということはないということでありまして、非結核性抗酸菌症、国内の罹患率が増加をしている可能性が指摘をされておりますけれども、こういったヒト・ヒトでうつることはないといったことを含めて、医療従事者や一般の方に正しい知識が普及していないと考えます。 こうした中で、非結核性抗酸菌症は、先ほどのピロリと同じで薬剤耐性の問題もありまして、適切な治療につながったならば、まあ治療も大変だし、結核と混同されて、患者に対する偏見、差別につながるおそれもあるということであります。 厚生労働省にお願いをしたいと、提案したいと思いますが、非結核性抗酸菌症について普及啓発の期間を設けて、周知啓発の取組を具体的に進めていくべきと考えますが、御見解、お伺いをいたします。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 非結核性抗酸菌症、いわゆるNTMは、国内罹患率が増加している可能性が指摘されていること、また薬剤耐性菌の発生を防止する観点からも、医療従事者に対して適切な検査、治療等についての普及啓発を進めることは重要だと考えております。 また、患者に対する差別、偏見をなくす観点から、結核とは異なり、土や水といった環境中から人に感染する一方で、基本的に人から人に感染する感染症ではないといった正しい知識を一般の方に向けて分かりやすく普及啓発していくこと、必要があるというふうに考えております。 厚生労働省といたしましては、こうした普及啓発やNTMの実態把握を行うため、関係学会と連携した上で、厚生労働科学研究の成果なども活用し、NTMの普及啓発を行う期間について検討してまいりたいと考えております。 具体的には、世界NTMデーを設けて啓発活動を行う関係学会との連携や、毎年九月に厚生労働省が主催している結核・呼吸器感染症予防週間における取組等について、関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。 六ページ目を御覧をいただきますと、私、我が党の三浦議員と一緒に、この決算委員会准総括質疑の機会を借りまして、ラジオアイソトープ医薬品の国内自給のために、海外から輸入をするのではなく、きちんと国産で確保することができるよう、「常陽」を再稼働をさせて、そして患者さんの命や健康を守っていくための取組を、これ三度、今日、四度目の質疑になります。 省庁がたくさんにまたがるもんですから、進捗管理が非常に難しくて、みんなで歩幅を合わせて取り組んでいくということが非常に重要なんですけれども、今日はこの「常陽」の再稼働についてたくさんの質疑をしたかったんですが、残念ながら、これが遅れるということが分かりました。 それは、規制庁の方から建屋への入力地震動及び建屋の地震応答の評価手法の妥当性について指摘を受けたことであり、これは重要な指摘ではありますけれども、令和五年七月二十六日に新規制基準適合のための設置変更許可がなされておりまして、ここから遅れること二年三か月後にそのような指摘がなされております。 八ページ目を見ると、その許可がなされたときにはどうやって先ほど申し上げた妥当性についてJAEAの考え方が示されておりまして、こういったときにきちんと規制庁からの指摘がなされていたならば遅れることはなかったと思っております。 もう一つ、ゆゆしいと思っていることは、それまで「常陽」の専属チームがあったのを、いつの間にか勝手になくしてしまって、規制庁とJAEAの対話が不十分に、できる環境で、不十分でなってしまったということが、私はこれ大きな遅れにつながっているんじゃないかと思います。 「常陽」の専属チームを戻すべきではありませんか。そして、たくさんの省庁で足並みそろえて進めていることでありますから、こういう遅れは、コミュニケーション不足で遅れるようなことは絶対にあってはならないと私は思います。規制委員長のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、「常陽」の運転再開、そして医療用RIの製造実証に向けては一刻も早い進捗が期待されていることは私も十分承知しているところでございます。 私自身、設置変更許可の審査を委員として直接担当させていただきました。本案件の審査につきましては、グレーデッドアプローチの観点から、基本設計に当たる設置変更許可の段階におきまして、重要な論点が生じるたびに審査会合から委員会へ迅速に問題を吸い上げ、委員会として明確な判断や方針をその都度決定してまいりました。こうした審査マネジメントの工夫により、安全性を担保しつつ、設置変更許可のプロセスを完了させたところでございます。 一方、現在進めております審査は設計及び工事計画の認可、いわゆる設工認でございます。現在、事業者である原子力機構も真摯に取り組んでおられますけれども、「常陽」特有の幾つかの大きな課題がございます。 その一つが、許可の段階から指摘をしておりました建屋の耐震性の評価でございます。ナトリウムを冷却材とします原子炉でございますので、極めて重要な課題でございます。半世紀近く前に建設された既存の建屋構造に対して、基準地震動に耐え得るかどうか、どの程度の補強が必要なのかということを、いわゆる丁寧に技術的な議論を重ねているところでございます。 設工認の審査につきましては、原子力規制委員会としましては、事業者がまさに直面しているこれらの技術的な壁に対して、単に申請を待つだけではなくて、会合を通じて論点を構造的に振り分けて、議論が迷走しないような建設的な対話を進めているところでございます。我が国の高速炉技術の信頼性、ひいては医療用RIの安定供給の根幹を支えるものと確信しているところでございます。 一方、原子力規制委員会といたしましても、リスクに応じた審査の改善、工夫には今後も努めてまいりたいと思います。リスクに応じた審査の改善、引き続き実施していきたいつもりでございます。
○秋野公造君 委員長、私は「常陽」の専属チームをどうしてなくしてしまったのかと聞いております。また改めてお伺いしたいと思います。 林大臣、今日は済みませんでした。 終わります。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。 医療用RIの国産化へ、アクションプランの改定について質問させていただきます。 がん治療に活用が期待され、世界がしのぎを削って開発に取り組んでいる放射性医薬品、その原料であります医療用放射性同位体、ラジオアイソトープの国産化について一貫して国会質疑を重ねて、政府の取組を推進してまいりました。これまで投じている予算がワイズスペンディングになるよう、がん患者さんの希望に応え、最先端の医療用RIの治療を必ずやお届けする、そういう思いで今日は質問させていただきます。 二〇二二年五月の三十一日に医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプランの決定の後、推進について、進捗についてフォローアップが重ねられてきております。計画の進展によって、技術的な諸課題の明確化、また商業化の方針等、別途コンソーシアムを創設して議論し進めていく、そういうところまで達していると理解をしております。アクションプランは、医療用等RIの製造、利用に関する国の大きな方針について定める位置付けであります。既に原子力委員会の所掌を超える部分も出てきているものと考えます。 昨年十二月の予算委員会での質問に対して、小野田大臣からは大変前向きな御答弁を頂戴しました。それ以降の進捗、そして早急にアクションプランの見直しを図っていただきたいと思います。小野田大臣、是非御尽力をいただけませんでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) 令和四年五月の医療用ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン策定以降、世界的に放射性医薬品の開発が活発化するなど、大きな状況の変化が見られることから、原子力委員会では本年四月に放射性医薬品の開発・製造・利用の促進及びそのサプライチェーン強化に関する専門部会を設置し、関係省庁もオブザーバーとして御参加いただき、アクションプランの見直しを含め、今後の政策的対応について審議を開始しております。 四月に開催した第一回専門部会では、検討事項を整理するとともに、新たな放射性医薬品及びその原料となるRIの、ラジオアイソトープの開発、製造への支援の在り方について議論をしたところです。 我が国における放射性医薬品の開発、製造、利用が加速するよう、専門部会において有識者の意見も聴取しながら精力的に検討を進め、できるだけ早期にアクションプランを改定し、関係省庁における取組を促進してまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 力強い答弁いただきました。是非後押ししていきたいと思います。 医療用RIの国産化、特に最先端のアクチニウム225を用いたアルファ線標的アイソトープ製剤を作製するには、高速実験炉「常陽」の運転再開が必須であります。西側唯一の高速炉である「常陽」に世界が、世界中がもう注目をしている状況であります。 「常陽」の運転再開に向けた設工認の審査に当たりましては、先ほど来あるように、議論の巻き戻りや追加調査が発生し、審査プロセスが遅れております。そういう中にあっては、JAEAもしっかりと対応してもらいたいというふうに思いますけれども、運転再開、これまでの審査プロセスに対応した対策が進むにあって、原子力規制庁において「常陽」の審査チームが先ほど秋野委員からもありましたように解散して、審査が研究炉班に統合されております。 しかし、我々、大事な点は、がん患者さんが国内で最先端の医療用RIを活用した核医学治療が受けられるのかを今か今かと待っている状況であります。治療の実現は、我が国の医療の充実、世界展開への観点のみならず、経済安全保障の観点からも極めて重要なことであります。 規制委員長、安全性を無視してとは言いません。しかし、命とてんびんを掛けるような議論はしてはいけないというふうに思います。アクチニウム225製造実証、早期実現へ、科学的な観点、合理的かつ迅速に進められるよう、そして先ほど御答弁あったようにグレーデッドアプローチ、これをちゃんと活用して審査体制を強化してもらいたいと思いますが、この御答弁で世の中変えるぐらいしていただけませんか。
○政府特別補佐人(山中伸介君) お答えいたします。 審査体制の運用について、審査の強化の観点からの御指摘であるというふうに考えております。 原子力規制委員会におきまして、審査体制は、その時々の審査のフェーズにおいて最高の技術的専門性を発揮させるという観点から合理的に構築をしているところでございます。 先ほどの、さきの設置変更許可の段階におきましては、敷地周辺の地質、地震の評価、高速炉としての安全性の基本方針等、基本設計を科学的に評価するその分野の専門チームが主力を担いました。ここで委員会も含めて重要な方針を決定をいたしまして、一つの大きな節目を迎えたところでございます。 一方、現在進めております設工認の段階は、その基本方針に基づきまして、実際の機器やあるいは建屋の構造が耐震基準を満たしているかどうか、あるいはナトリウムの火災防護の対策などが工学的に妥当かどうかといった極めて実務的な設計を検証するフェーズでございます。したがいまして、ここでは土木、建築、機械工学、ナトリウム工学といった実務エンジニアリングに精通いたしました審査官を中心とする体制へと移行させ、より緻密な詳細な検証を行っているところでございます。 単なる縦割りの組織ではなくて、フェーズごとの最適な専門性を投入するような規制の高度化の取組をしているところでございます。基本設計を評価とした時期とは異なる専門の目で詳細な設計をレビューするという組織的なダブルチェックによる安全の担保という意味合いも持たせているところでございます。 もちろん、設置変更許可の段階で得られた知見、委員会として決定した重要な方針は今のチームに引き継がれているという認識でございます。加えまして、リスクに応じた審査の改善等につきましては、今後も継続的に取り組みまして、審査の合理化等、努力してまいりたいという所存でございます。
○三浦信祐君 工学と経済というのはコストと便益、これが密接に結び付いています。その上で、安全確保という部分では莫大な投資が必要になるということもあります。これ税金であります。経済合理性と社会的重要性のバランスを図って、リスクとコスト、これを整合的に定量的に評価するということは極めて重要であります。 委員長、是非これが、審査回数がちゃんと増える、コミュニケーションの回数が増えるということをしっかりやっていただきたいと思いますけど、いかがですか。
○政府特別補佐人(山中伸介君) 事業者との意見交換も含めまして、審査の改善については今後も継続的に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○三浦信祐君 継続的にやっていただくということを明確にしていただきましたので、これからもしっかりと答弁を求めていきたいというふうに思います。 現在、世界で進捗中のアクチニウム医薬品の治験は、前立腺がんを中心に、神経内分泌腫瘍、肝がん等の多岐にわたっておりまして、これらが順調に推移すれば、今後、非常に大量のアクチニウムの需要が発生する可能性があります。アクチニウムの製造には不可欠なラジウムの確保が必要であります。 しかし、現在、JAEAで確保を想定しているラジウムの量だけでは、製造実証後の商用化を視野に入れれば全く不足しているというのが現状であり、世界中が確保に本当に走っている状況であります。対処が遅れれば入手は更に困難になり、技術はあれど確保は困難、国民負担を強いてしか治療が受けられないという状況は断固避けなければなりません。 政府が前面に立って必要なラジウムを確保すること、小野田大臣、是非先頭に立って全力で取り組んでいただけませんでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) 世界各国でRIを利用した新たな放射性医薬品の開発が活発化しておりまして、RIの一つとしてアクチニウム225が注目されていると。我が国では、国立研究開発法人に加え、複数の企業がアクチニウム225の製造に向けた研究開発を進めていると承知しております。 その実用化に当たっては、アクチニウム225の原料となるラジウム226の確保が課題の一つであるというのは御指摘のとおり認識しておりまして、内閣府では、実用化を見据え、ラジウム226の抽出技術等の国際動向などについて調査を行っております。また、アクチニウム225の製造に向けた研究開発を行っている企業に対して、関係省庁や関係機関と連携して、当該企業と他国の事業者間、このコンタクトの確立の側面支援なども行っているところです。 引き続き、アクチニウム225の研究開発状況を踏まえつつ、ラジウム226の確保についても関係省庁と連携して必要な取組を行ってまいりたいと考えます。
○三浦信祐君 是非全力を尽くしていただきたいと思います。 私は、公明党東日本大震災復興加速化本部長を務めております。震災から十五年、復興へ不断の取組は必須であります。先般、牧野大臣にも福島復興加速化提言二〇二六をお受け取りいただき、御賛同いただいたこと、感謝申し上げたいと思います。 福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なしであります。福島復興を牽引する福島イノベーション・コースト構想の具体化の司令塔で創造的復興の中核的な拠点である福島国際研究教育機構、F―REIの整備、研究内容の充実は、復興に欠かすことはできません。 その中でも、放射線科学、創薬分野は、最も放射線で苦労した地域だからこそ、放射線で人の命を救い、未来を切り開くことに貢献できる重要な役割と使命を担うと確信をしております。F―REIが医療用RIをがんの診断、治療など世界が刮目する研究と実装を図る最先端の場とするべく、政府全体で取組を図っていただきたいと思います。復興大臣、是非お願いできませんでしょうか。
○国務大臣(牧野たかお君) 三浦委員にお答えをいたします。 先日の御党の御提言をいただきまして、本当にありがとうございました。 福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIは、世界に冠たる創造的復興の中核拠点として、福島イノベーション・コースト構想を更に発展させ、福島、そして東北の復興の実現を目指し、現在、ロボットや放射線科学、創薬などの五つの分野の研究開発を行っているところでございます。 その中でも、御指摘のとおり、放射性医薬品の研究開発は、科学技術をめぐる最新の動向を踏まえ、今後特に重点的に取り組むべき分野だと考えており、現在、福島県立医科大学などとともに、共に連携しながら取組を進めているところであります。 新たな放射性医薬品の実現に向けて、基礎段階の研究開発から臨床応用までの一貫しての取組が重要でありまして、厚生労働省や文部科学省を含めて関係省庁が一丸となってF―REIの研究をしっかりと支援してまいります。
○三浦信祐君 明確な御答弁いただきました。ありがとうございます。 医療用RIの国産化へ、現時点でできる準備は確実に進めていかなければなりません。「常陽」を始め加速器から入手するアクチニウム225について、需給調整、ラジウムの保有及び分配等の役割を担うコンソーシアム、また、ラジウムの加工、アクチニウムの生成、アクチニウムの品質の標準化などの役割を担う中間事業体、それぞれの役割を国が主導して、正式な名称も含めてそれを定めた上で組織をつくっていただきたいというふうに思います。 我が国の「常陽」の運転再開を見越して、RIを大量に製造できること、西側の唯一のアセットであること、これができるのは日本しかないとして、世界中の製薬メーカーからの研究に関するオファー、期待が寄せられております。経済安全保障の観点から体制整備は不可欠でありまして、遅れてはなりません。とりわけ、コンソーシアムについては、原子炉を用いた製造、加速器を用いた製造、そして輸入の三ルートを組み合わせた国内供給のベストミックス、これを実現する事業体として、幅広い関係者が参画をしていただかなければなりません。 各省庁横断的であり、「常陽」の運転再開を待たずして直ちに政府全体として取り組み、立ち上げをお願いしたいというふうに思います。小野田大臣、是非、政府全体を取りまとめて実現していただけませんでしょうか。
○国務大臣(小野田紀美君) 国立研究開発法人や複数の企業においてアクチニウム225の製造方法、これを利用した放射性医薬品の研究開発が進められているというのは先ほども申し上げましたけれども、しかしながら、まだ研究開発段階にあることから、アクチニウムの安定供給に向けた支援の在り方、そして推進体制については、現時点でどのような形が適切であるかを予断することは望ましくなく、技術開発や実用化の状況を見つつ検討していくことが適切であるというふうに考えております。 内閣府においては、原子力委員会の下に、本年四月に先ほど申し上げました新しい専門部会を設置して、RIの開発、製造への支援を始め、今後の放射性医薬品に係る政策的対応について審議しているところであります。 世界に後れを取ることなく、アクチニウム225の製造やこれを利用した放射性医薬品の実用化が早期に実現できるように、原子力委員会の検討状況を踏まえつつ、関係府省庁で十分に連携を取って取り組んでまいりたいと考えています。
○三浦信祐君 まさに現実的な御答弁だったと思います。 他方で、ここで議論を加速をしておかないと、加速度的に世界が取組を進めている状況であります。先ほど来ありますように、この政策のど真ん中には、がん患者さんの希望と未来があります。そして、この技術の先には、我が国が経済安全保障上の対策が取れる国であるということにも位置付けになりますので、是非議論を加速をしていただきたいということを重ねてお願いします。 これまでの質疑で、核医学治療の発展で治療を受けるまでの待機時間が増加しており、そして治療までの時間短縮が図られるように医療提供体制の改善を訴えて取り組む方向性、そして情報収集する旨、厚労大臣並びに厚労省から答弁を頂戴をしております。 今後、いろんな課題がありますけれども、核医学治療の提供体制の実態の把握、補助金や診療報酬による支援を通じた体制強化への取組の進捗状況について厚労省に伺います。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 がん患者が病態等に応じて必要な治療を適切に受けられるよう、医療提供体制の整備を進めることは重要と認識しております。 委員からも昨年も御指摘いただきました核医学診療の提供体制につきましては、厚生労働科学研究等を活用して、放射線核種ごとの国内でのRI治療の実態把握を進めていることに加えまして、医療機関からのRIを含む排水の管理につきましても、規制のより合理的な運用が可能かどうか検討を進めているところでございます。 また、核医学の治療管理につきましては、診療報酬上、放射性同位元素内用療法管理料等により評価しておりますが、令和八年度の診療報酬改定におきまして、当該管理料の対象疾患に、神経芽腫及びPSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんが新たに追加されたところでございます。 今後も、がん患者に適切な核医学治療を提供するため、関係者と連携しながら必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 復興大臣と小野田大臣はこれまでで結構ですので、御配慮ください。
○委員長(西田昌司君) 牧野大臣と小野田大臣ですか、はい。
○三浦信祐君 メンタルヘルスの対策について質問させていただきます。 近年、精神疾患による休職や離職は大きな社会課題となっております。最近の研究では、メンタルヘルス不調による我が国の生産性の損失は約年間七・六兆円と推計されまして、本人や家族だけでなく、企業活動や我が国全体の生産性にも大きな影響を与えています。これはGDPの約一・一%に当たります。職域メンタルヘルスの位置付けを明確にし、そして推進を図っていただきたいと思います。 その上で、ストレスチェック制度は、我が国の職域メンタル対策を前進させた重要な制度として評価をさせていただきたいと思います。一方で、開始から十年以上が経過をし、従業員五十人未満の小規模事業場にもストレスチェックの実施を義務化する法律ができ上がりました。これに基づく具体的な実施内容については議論が進んでいると承知をしております。 中小企業・小規模事業場では、産業医や保健師などの専門職が十分に確保できない場合も多くて、ストレスチェックを実施するだけではなく、その後の相談支援や職場環境改善につなげる体制づくりが課題であります。 今後は、休職や離職の予防、職場環境改善への活用も含めて制度を発展させていく必要があると思います。中小企業への支援も含め、ストレスチェック制度を発展させるべきであります。上野大臣、是非取り組んでいただけませんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、メンタルヘルスを企業の経営課題として捉える、そうした観点も重要だと考えておりまして、このような観点も取り入れながら職場のメンタルヘルス対策を進めていく必要があろうかと認識をしています。 経産省が推進をされております健康経営優良法人認定制度の評価項目にも、この企業のメンタルヘルス対策への取組などが含まれておるところでありますので、こうした制度との連携、これもしっかり進めることによって企業の取組を推進をしていきたいと考えています。 ストレスチェック制度でありますが、昨年の労働安全衛生法改正によりまして、労働者数五十人未満の小規模事業場にもこのストレスチェックの実施が義務付けられることになりまして、令和十年の四月から施行されることになります。 やはり、これ小規模事業場、多岐にわたっておりますので、こうした皆さんにもしっかりストレスチェックの実施、その必要性、認識をしてもらうことは非常に大事だというふうに考えております。この円滑な施行に向けまして、本年二月には、小規模事業場用の実施マニュアル、これを策定をいたしました。これを各労働局の皆さんに手分けをして各事業場を回っていただいて、周知の徹底を図っているところでありますが、更にそれを充実をしていきたいと考えています。 また、高ストレス者の面接指導を無料で行っていただくのが地産保、いわゆる地産保ですが、全国三百五十か所あります。この体制整備も大切ですので、そうした体制もしっかりと充実したものになるように努力していきたいと思います。 また、ストレスチェックを実施した後に、その結果を集団分析をいたしまして、これを職場環境改善につなげていくことも重要でありますので、効果的な取組事例、これを収集をいたしまして、各種研修などでそれを横展開といいますか、普及をしていきたいと考えているところであります。
○三浦信祐君 是非これを具体化をしていただきたいと思います。 仕事による強いストレスが原因となった精神疾患の労災請求件数、支給決定件数は増加傾向にあって、既存の対策では不十分であります。ストレスチェック後の支援としていろいろな取組がされている状況でもあります。しかし、真に重要なのは研究開発そのものではありませんで、有効性が示された取組をどのように企業や現場へ普及し、働く世代へ届けるかということでもあります。 認知行動療法等のエビデンスに基づく予防的介入を職域メンタルヘルス対策の中へどのように実装していくのか。また、研究開発から社会実装への橋渡しをすべきでありますけれども、是非取り組んでいただけませんでしょうか。
○政府参考人(井上博雄君) お答え申し上げます。 経済産業省では、日本医療研究開発機構を通じまして、御指摘のメンタルヘルス分野を含むヘルスケアサービスについて研究開発から社会実装までを見据えて一体的な支援を行ってございます。 具体的には、科学的エビデンスの構築、医学指針の策定、そしてエビデンスを有するサービスの実用化の推進を行っているところでございます。さらに、社会実装につなげるため、職場での心の健康サービスの選択支援ツールとしてウェルココを整備して、エビデンスを有するサービスを取組状況別にリスト掲載することで利用者の適切な選択を支援しているところでございます。 こうした取組を通じまして、委員の御指摘踏まえて、メンタルヘルス対策を含めたヘルスケアサービスの社会実装、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。 一問飛ばさせていただきまして、昨年三月の十二日の委員会におきまして、認知行動療法を始めとする心理療法へのアクセス向上について質問させていただきました。その際、厚労省からは、研修のe―ラーニング化など人材育成を進めていく旨の答弁がありました。その後、本年の六月から、公認心理師による認知行動療法を活用した心理支援が診療報酬上評価されることとなり、大きな前進であると評価をしたいというふうに思います。 現在、公認心理師の方は全国で約七万人の登録であります。質の高い心理支援を実際に患者さんへ届けることは極めて重要であり、実践に即した継続的な人材育成が不可欠と考えます。今後、公認心理師等による心理支援が更に広がる中で、その質の担保と実践的な人材育成が欠かすことはできません。 上野大臣、是非、これ大事な取組でありますので進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、心理療法の、心理支援の一つである認知行動療法は、うつ病等の精神疾患に対する有効性が示されております。ただ、その際には患者の症状などに応じた支援がこれ適切に提供される、そのことが大事でありますので、そのためには、今委員からお話のあったとおり、質の担保とそれから人材育成、これがとりわけ重要だと考えているところであります。 このため、認知行動療法の普及と質の向上を図ることを目的といたしまして認知行動療法研修事業を実施しているところでありますが、御指摘ありましたように、e―ラーニングの活用を取り組んでいます。また、スーパーバイザーによる定期的、継続的な指導など、全国的な普及に取り組んでいるところであります。また、質の維持向上のためには、資格取得後五年以上実務に従事をされた方を、今度は大学の実習演習の担当教員として養成するための講習会事業、これに参加をしていただいているわけでありますが、こうした取組も進めていきたいと思います。 また、実践的な指導力を備えた人材を養成し、養成課程における教育や実施指導の水準の向上を図るために、今後ともより力を入れてそうした観点からの取組を進めていきたい、国民の皆さんが質の高い心理支援、これを適切に受けられるように取り組んでいきたいと考えています。
○三浦信祐君 これら、とても重要なことだと思います。メンタルヘルスのケアをするという社会ができるということは、政策のその先に笑顔があるということでありますので、着実に進めていただきたいことをお願いして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 三十五分いただいておりまして、前半は私の方で、後半は高木かおりさんと、二人で分けさせていただきます。 決算委員会は、まさに額に汗して働いて納めていただいている納税者の皆様に納得のいく税金の使い方しているのかということを見極めさせていただく、大変大事な参議院の役割でございます。その中で、昨年十月二日に自民党さんと日本維新の会では政策協定をさせていただき、そして、政府効率化局という、別の、別名で日本版DOGEと言わせていただいておりますけれども、税金の使い方をしっかり見極めさせていただくということで、その点については片山財務大臣に高木議員が後半からお話を、御質問させていただきます。 私の方は、まず文化行政、私自身も博物館を造ったりしながら文化行政、大変関心を持ってきたんですが、最近、国立美術館、博物館では五年間の中期目標で展示事業の自己収入の数値目標を決めました。これはこれで大事な方向なんですけれども、ただ、収入増を求めても、この日本の場合に展示のところから収入を得るための専門人材、あるいは整備が追い付いていないということをちょっと気にしております。 博物館は展示だけではありません。調査研究、資料収集、教育普及、多面的な効果を総合的に発揮していただくことが必要です。ということで、全体を含めた総合的KPIについて文化庁はどうお考えでしょうか。特に海外の美術館、博物館では、ファンドレイジング、企業連携、広報、顧客開発を担う専門人材の層が大変厚くなっております。これらの人材について補強する計画はあるかどうか、文化庁さんにお伺いいたします。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 今回、国立博物館、美術館について、我が国の文化芸術の顔として、ナショナルセンターとしての存在感を一層国内外に示すため、調査研究、収集、保管、教育普及、展示の充実強化に向けた中期目標を定め、それぞれに対応したKPIを設定しており、その達成状況を総合的に判断して評価を行うこととなります。 また、専門人材については、ファンドレイジング、企業連携、広報、観客開発といった取組に必要な体制構築が課題であり、令和十二年度を最終年度とする中期目標期間において、専門人材の確保等、必要な対応を着実に進めてまいります。 今後とも、必要な予算の確保に努め、調査研究、収集、保管、教育普及、展示の充実強化や専門人材の確保に取り組んでまいります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。国立だけではなくて、地方も、海外から来られる方たちもたくさんおられますので、ここの展開をお願いいたします。 二点目は、今回は、今回のその石油資源の不足で改めて再生可能エネルギーの重要性が認識されております。水や風や、そして太陽からエネルギーを得る、これは大変大事な方向でございますが、ただ、元々の自然資本であり、大変価値のある森林を破壊してまで果たしてこの再生可能エネルギーを広げる必要があるのかどうか、その見極めが必要だと思っております。 今、実は、環境影響評価手続中の陸上風力発電事業は全国に二百六十か所あります。そのうち、国有、民有の保安林を含む計画が百七十一か所。言うまでもなく、保安林というのは水源涵養やあるいは土砂災害の防止。そして今、都市部に熊が出てきて困っていると。実は、熊の生息域も、奥山を開発したり、メガソーラーや風力発電で人間が追い出しているという側面もあります。 そこで、この貴重な社会的公益性を確保する保安林ですが、林野庁さんに伺いますけど、風力発電の整備により保安林を解除した事例、これまでどれくらいあるでしょうか。 本来、森林を守るべき林野庁が保安林の解除マニュアルというのを作っております。私も改めてびっくりしたんですけれども、微に入り細に入り、いかに保安林を解除するかと、しかも、国有林野まで貸付けをしますというところまで、細部までマニュアルを作っていただいている。これは、ある意味で森林を守るべき林野庁の役割を失おうとしている。自然が大事だ、森が大事だという者たちに対する裏切り行為。 私などは、実は、千四百五十万人の近畿圏の琵琶湖・淀川水系の水源を守るために四十年以上研究もし、また滋賀県知事としても水源確保をしてまいりました。そういう中からすると、本当にこの政策どうなっているんだろうと改めて驚いているんですけれども、その上、外資系の事業者による風力発電の事業も広まっております。 ここの辺りの見解、林野庁長官、お願いいたします。
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。 FIT制度が開始された二〇一二年度から二〇二四年度までの十三年間に風力発電事業のため保安林を解除した実績は、件数としては三十四件、面積としては七十二ヘクタールというふうになっております。 委員御指摘の保安林の指定解除事務等マニュアル風力編につきましては、風力発電施設等の設置に係る保安林解除の手続に時間を要する、こういったことがありましたので、規制改革実施計画を踏まえ、この手続の円滑化を図るため、事業の安全性等を確認するための申請書類を事業者に確実に作成してもらう、もうそういったことを目的に作成したものでございます。 保安林につきましては、他の公益との関係でやむを得ず一部解除する場合であっても、その公益的機能の発揮に支障を来さないよう、その土地以外に他に適地を求めることができないこと、さらには転用に係る土地の面積が必要最小限であること、さらには転用に係る代替施設の設置等の措置が講じられていること、この全ての要件を満たした場合に限って解除されるということでありまして、このような保安林の解除の要件を本マニュアルは緩和するものでは全くございません。 さらには、外国資本のお話がありました。 森林法におきましては、外国法人等であるかを問わず、保安林制度や林地開発許可制度等により風力発電事業を含む開発等の行為を規制し、森林の有する公益的機能の発揮を担保しているところでございます。 さらに、本年四月からは、外国法人等に対しても円滑に森林法に基づく指導等が行われるよう、森林の取得時に提出される森林の土地の所有者届出書において、届出者の国籍等を記載するよう見直したところでございます。 これにより、森林の整備や保全に係る措置について実効性を高めるようにしたところであり、今後とも、外資による森林の取得、適切に対処してまいる所存でございます。
○嘉田由紀子君 御丁寧にありがとうございます。 今七十二ヘクタールとありましたけれども、実は、この現場を見てみますと、道路とかの開発にはこの保安林解除要らないんですね。ですから、改変面積の六割から九割が道路などなんです。ですから、七十二ヘクタールとしても、実際に道路を含めると、例えばそちらが九割だったとしたら、それの八倍、七倍、八倍になります。ということを現場から大変悲痛な声を伺っておりますし、私も滋賀県でこの事例を身近に、まだ解除までは行っていないんですけれども、事例としてありますので、ここは見続けていきたいと思います。 林野庁さんは公益性を持って水源担保とそれから動植物の生息確保、それから何よりも、林の尾根筋を開発すると大変土砂災害が怖いです。 そういう意味で、今回FIT制度、これももちろん、二〇一二年、私どもはFIT制度をつくろうとして運動した側ですから大変期待をしたんですが、皆さんに本日資料をお出ししておりますけれども、このFIT、FIPにより二〇二五年度の買取り費用総額約四・八兆円に上ります。これは、国民の年間の家庭の負担額二万円です。こんなに電気代が高いといって予備費入れて、補助金入れながら、このFIT制度、これ自身がいかに活用できるかということ重要です。 あわせて、この風力発電の最後のところですね、二十年間の約束ですから、二十年後には撤去しないといけない。そのときに、風力発電の場合には、地下深く土台を造らないといけないんです。その土台は、現場を見ておりますと、例えば一基の風力に人家でいったら百個分のコンクリートを入れなきゃいけないというようなこともございまして、この地元の人たちは元の森林に戻していただけるのかどうかということが大変心配でございます。 ここのところ、林野庁さん、どう指導していらっしゃるか答弁いただけますか。
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えさせていただきます。 森林の水源涵養、国土保全等の機能を担保するため、保安林制度、林地開発許可制度により開発を規制しているところでございます。 議員指摘の風力発電施設で保安林施設を解除する場合、そのための作業用の道については作業許可ということで、これもきっちりその道によって災害を引き起こすことないよう確認した上で許可をしているところでございます。 いずれにしても、森林の国土保全、水源涵養、生物多様性等の機能がきっちり図られるよう、適正な開発を促していきたいというふうに考えているところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 今日は質問に入れておりませんけれども、そのときに、地元自治体の首長の承認と、ここのところを今後またどこかで質問させていただきたいと思います。 それで、本日は赤澤経産大臣お越しいただき、ありがとうございます。鳥取県西部にも今、西部の三町、伯耆町などのところに風力発電ございますけれども、ここのところで私どもは提案をしたいんです。太陽光でペロブスカイト、ここは日本がまさに風力発電では中国に本当出遅れているんですけど、ペロブスカイトでは、軽くて柔らかくて、そしてビルとか場合によっては車にも付けられるという、大変再生可能エネルギーの期待の星でもあるんですけど、資料二のところにシリコン太陽電池とペロブスカイトの比較を出しております。 本当に軽くて曲がってということで、そしてこの技術開発ですが、ここは東京大学の瀬川シニアリサーチフェローさんから提供いただきましたけれども、まだまだ開発途上です。そして、この開発途上の経過を資料三、資料四として出しておりますけれども、今、第二世代から第三世代、技術開発をしながらそれを実装化するというところで、資料四では、資料五ですね、中国の大学と随分とせめぎ合って競争しているということですけれども、是非とも、ここのところ、赤澤大臣、日本としても投資をしていただいて、そして研究開発の支援をお願いできないでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 委員御指摘の私の地元鳥取県西部で、三町で風力というのが今結構話題になっているのも承知をしておりまして、再エネについても地域の理解が絶対必要なので、関係する事業者さんにはしっかり地元説明をやってもらいたいということを強く求めているところであります。 その上で、ペロブスカイトについて申し上げますと、太陽光及び風力を始めとする再エネは、エネルギー自給率の向上に寄与する国産エネルギーであり、エネルギー安定供給と脱炭素化といった両立の観点から非常に重要と考えておりまして、特に委員御指摘のペロブスカイト太陽電池は、主な原材料のヨウ素が世界で日本が第二位の産出量であり、またサプライチェーンの自律性も高いです。経済安全保障の観点でも貢献できるため、量産技術の確立、あるいは生産体制の整備、需要の創出といった三位一体で取り組んでいこうとしております。 いろんな取組やっておりますが、技術開発についても、委員御指摘のとおり、これ技術で勝ってビジネスで負けるということはよく我が国の経済について言われることでありますので、技術で勝ってビジネスでも勝ち切るようなやり方を是非したいと思っておりますので、必要な研究開発、あるいはその社会実装などもしっかり私どもで応援をしてまいりたいというふうに考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 まさに太陽光を思い起こすんですけれども、私は、滋賀県で京セラさんが太陽光をそれこそ四十年前に開発したときに、当時、本当にこれで太陽電池は日本がマーケットまでちゃんと入れるんだと期待をしていたんですが、今の状態ですね。ということで、今、赤澤大臣がおっしゃったように、技術で勝ってもビジネスで負ける、ここのところを、日本国としては技術で勝ってビジネスでも勝てるようなそういう対策、支援をしていただきたいと思います。 そして、自治体の首長さんには、森って見えないので、そこに何が起きているのか。それで、いや、あの山頂にちょっと十メートル幅の道路を造るだけですから問題ありませんよと事業者が説明したとしても、山頂部は土砂災害の本当に原点なんです。 そして、私自身はずっと森林保全もやってきましたけど、森林というのは立体的に見ないといけないんです。単なる平面ではありません。ということで、この風力発電の代わりに遠い遠いところから引っ張ってくるのではなく、近いところで屋根、ビル、そして車にまでペロブスカイトが広がっていったらビジネスとしても勝てるということで、是非とも自治体の皆さんもペロブスカイトへの支援などお願いしたいと思います。 まず、身近なことで申し訳ないですが、滋賀県も今回、琵琶湖博物館やあるいは県立高校などにペロブスカイトを入れて、補助金を出しながらもここの需要創出をしようとしておりますので、この辺り、皆さんの御協力をお願いしたいと思います。 これで終わります。あと、高木委員につなぎます。ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。 先ほど、我が党の嘉田由紀子議員から何度も私につないでいただきまして、しっかりと今日も一問目、日本版DOGEについて片山さつき大臣に伺いたいと思います。 この日本版DOGEの透明性の確保に向けた取組についてを伺いたいんですが、まず私、五月の決算委員会のときには、この日本版DOGEにつきまして、この見直しの結果がもう六月下旬に迫っているということもあり、今日はそのもう間もなく結果が出るという中で、改めて質問をさせていただきたいと思っております。 前回の質問では、内閣官房の租税特別措置・補助金見直し担当室におきまして、国民や事業者の皆さんから広く御意見、提案募集が行われたことについてお伺いをいたしました。また、先週の十一月、あっ、申し訳ございません、十一日の木曜日ですね、我が日本維新の会のメンバーが補助金や基金などの見直しに向けて片山財務大臣と意見交換をさせていただき、補助金に基準を設けるなど意見を述べさせていただきまして、今着々と見直しが進んでいるものと存じております。 当初は、四月の十日、片山財務大臣は官邸で副大臣会議にも出席をされ、租税特別措置や補助金の見直しに向けて、各省庁に自己点検実施の要請をされたかと思います。この補助金等はいわゆる行政事業レビューの枠組みを活用するということだったと思いますけれども、何分この行政事業レビューというのは自己評価、自己申告ということになるかと思います。 もちろん、この点も公開プロセスで有識者の方からの指摘は公開されているかとは思いますけれども、この点は見直し担当室と連携して副大臣が責任を持つというところで一定の担保はしているのかなというふうには受け止めてはおりますけれども、この透明性を保つに当たってどのような手法でそれをやっていくのかというところは大変重要な点だと私は思っております。 それ以外の方法として予算執行調査というのもあるかと思いますけれども、この予算執行調査は、外部的な目線はあるものの、一部に限られているということで、膨大な量の調査を全て網羅しているわけではないということで、もちろん会計検査院や本日のこの決算委員会、そういった国会での審議も参考にしていくであろうと考えますけれども、徹底した可視化が今こそ必要だと改めて考えているところです。 なぜなら、この日本の今までの財政問題というのは、多くはこの見える部分に問題があるというのではなくて、むしろ見えない、国民から見えにくい部分こそが巨大な非効率や無駄が潜んでいるということではないかというふうに思います。 そういった意味で、この議論は大変抜本的な改革をしていくということで、日本の財政、それからこれ地方経済にも大きな影響を与える可能性もあるということで、このより理解を得るためにも、見直しをしていく上で、透明性の確保に向けた具体的な取組について改めてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) ありがとうございます。 この租特と補助金の見直しについては、六月の十一日に御党の遠藤議員を始めとする担当の先生方がお越しになって、日本維新の会での議論の状況を御紹介いただいた上で、非常に貴重な意見交換をさせていただきました。 具体的には、補助金については、政府予算の分配ではなくて国民による社会への投資と捉えて、基金については、省庁の貯金ではなくて投資信託と捉えて、投資である以上リターンの可視化が重要、つまり委員が今おっしゃっているように透明性の確保が重要という新たな視点を御紹介をいただいたところでございます。 また、租特についても、行動変容の呼び水なんだというふうに認識を転換して、ゼロベースでの要否を判断すべきという方向についても御意見がありました。 これに対して、私どもからも、基本的な問題意識はこれは賛同するんだと、そうした上で、委員御指摘の透明性確保とはちょっと違う視点かもしれませんが、効果検証によって政策効果を高めることが危機管理投資や成長投資を進めていくためにも非常に重要であるということですとか、国民からの御提案でも指摘を受けている執行面、特に委託先等の透明性確保が更に重要であることなども申し上げて、ここでもやはり透明性の確保はキーワードでございました。 政府では、これまでも国民の皆様から三万七千件の貴重な御意見をいただいて概要にまとめて公表をしておりまして、まさに今、各府省庁で取り組んでいただいている令和九年度予算に向けた自己点検についても、公開で行われる行政事業レビューといった場も活用するとともに、最終的な点検結果は六月下旬頃までに公表をしていただくということにしております。 まだその意見を全部見守りつつあるところで、議論も鋭意しているところではありますが、担当大臣でございますので、国民の皆様の御関心の高さをしっかりと受け止めながら、まさに維新の会が今御指摘していただいた、ある意味で非常に厳しい目線ですが、逃げ場のない目線ですね、そのお力をしっかりお借りして、十分な透明性を確保して全力で取り組んでまいりたいと、かように考えております。
○高木かおり君 御答弁ありがとうございました。やはり今こそこの大きなチャンスを捉えて、この抜本的な改革ということをしっかりやっていただいて、日本の国益につなげていっていただきたいと御期待を申し上げます。 続きまして、自治体のシステム標準化の遅れと運用経費の増加について、松本尚デジタル大臣にお伺いをしたいと思います。 前回の決算委員会におきまして事前に質問通告させていただいておりましたけれども、御質問ができず大変申し訳ございませんでした。今日は、この後の質問は全て松本大臣に伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 自治体システムの標準化、クラウド化についてなんですが、今日は簡単に仕組みが分かる資料をお配りをしておりますけれども、今、この地方自治体では、多岐にわたる住民サービスを提供していくに当たって、人口減少で職員が減って持続可能な自治体運営が大変厳しく、この行政事務全体が今後ますます維持できないという課題に直面をしております。 そのため、そもそも目指していたのは、この基礎自治体のシステムの運用を抜本的に合理化してクラウド化を進めていく、そして全国の自治体間、それから国との素早いデータの連携ができるようにしていく、そしてこの全国の自治体間や国とのデータ連携をやっていくことによって政策向上に資するデジタル基盤、これをつくっていくということが大目標だったんではないかというふうに思っておりますが、ところが、なかなか進まない困難な状況であるということです。 現状は、二五年度中に自治体の基幹二十業務のシステム標準化が期限までに達成できず、千七百八十八の地方自治体のうち約五二%以上が期限内完了が困難であるという結果であったと。当初、そもそもリソースが足りない中で、これ高いハードルだったんではないかというふうにも思います。その上で、このコストについても競争原理がなかなか働かず、それ以外にも要因はありますが、当初は三割削減を掲げていたにもかかわらず、逆に多くの自治体でコストが増えてしまっていると、これが現状だということでございます。 政府が特定移行支援システムで二〇三〇年度まで継続支援をされるということが寄り添った対応ということで、引き続き国としてもしっかり対応していただきたいと思います。これは評価をしておりますけれども、改めて、この目標達成のために今後国としてどのように計画を立てて、どのように取組を行っていくのか、松本大臣に伺います。
○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。 自治体システムの標準化につきましては、これまで自治体やあるいは業者さんの皆様の御尽力で、令和七年度までに約七割、約三万五千あるんですけれども、七割のシステムが標準準拠システムに移行できたというふうに見込んでおります。関係者には私からも大変感謝を申し上げたいと思います。 その上で、令和七年度末までに移行できなかったのを特定移行支援システムと呼んでおるんですけれども、その理由としましては、まずは想定以上にシステムエンジニアのリソースがたくさん必要だったということ、それから事業者による移行スケジュールの大幅な見直しを途中で行ったというようなことが原因だったというふうに思っております。 ただ、少し高めの設定、目標設定ではなかったかというふうにいろいろなところから御批判もいただいているところなんですけれども、そういった設定があったからこそ七割まで何とか行ったかなというようなこともありますので、是非そこは、今委員もおっしゃっていただきましたが、御評価をいただきたいと思います。 その上で、今年度以降ですけれども、この事業者のリソース逼迫が一定程度緩和されるということも見込まれますので、事業者情報の提供とかそういったどこの、それぞれの自治体さんがどの事業者を選定するかといったことを支援していくということを進めております。 それから、運用経費の増加でございますけれども、総合的な対策を昨年六月に策定をしました。それに基づきまして見積精査の支援を強化していく。それから、クラウド利用料の更なる割引、これの交渉も行っていきたいと思います。自治体によっては一人情シスで一人でやっていらっしゃるところもありますので、そういったところは力が、交渉力というのがございませんから、我々としてはそれをサポートしていくということで進めてまいりたいと思います。 その上で、一時的に増加していく運用経費については、令和七年度の補正予算いただきましたので、これに基づきまして運用最適化計画を五月の末までに希望する自治体さんには出していただきました。現在それを精査中でございますので、その精査が終わり次第、順次この予算執行を向けて進めていくことで、今年度中にはできる限り残りの部分を、システム化を完了するように我々としても努力してまいりたいと思います。 ありがとうございます。
○高木かおり君 是非そのようにやっていただきたいと思うんですね。 国民の皆様が政府に期待することというのは、そういった今御答弁いただいたような中身、もちろんしっかりやっていただきながらなんですが、なかなか国民の皆様からすると、やっぱり自分たちの生活がどうそれによって良くなっていくかというところが問われているというふうに思います。このデータがしっかり連携をして、そして国民の皆さんの生活がより良いものになるように是非頑張っていただきたいというふうに、私どももしっかり尽力をしたいというふうに思います。 続きまして、ガバメントAI「源内」を多くの政府職員が使用することとオープンソースとして公開すること、この点についてちょっと伺いたいと思うんですが、この国会でも政府内で生成AIを使用している事例をたくさん見てまいりました。国家公安委員会の金融機関の間での疑わしい取引の解析、それから内閣情報調査室での情報分析など、着実に活用が進んでいるかと思います。 そうした中で、政府、デジタル庁におきまして、独自のAI利用環境であるガバメントAI「源内」を導入したということでございます。これ、デジタル庁として、一部の部署だけでなく、多くの政府職員の方々にこの「源内」を使用してもらうということについて、この理由、狙いは何なのか。それから、この環境をオープンソースとして「源内」のソースコードを広く公開することによって社会的にどのような意味があるとお考えなのか、これについても伺いたいと思います。
○国務大臣(松本尚君) デジタル庁では、昨年十二月のAI戦略本部での総理指示に基づきまして、このガバメントAIの「源内」を政府職員が徹底的に活用できるように今進めているところでございます。この意義としては、まず、いろんなAIがこれから出てくるんですけれども、政府がまず率先して使っている、その姿と結果を国民の皆さんにしっかり見せるということをやらなきゃいけないというふうに思っております。 現在、今年度は政府職員十八万人がこれを利用できるように目指しておりまして、五月末の時点で十万人のアクセス権を付与しておるところです。順調にアクセスの配付というのは進んでいるところですけど、ただ、アクセスだけもらっても駄目で、利用してもらわなければいけませんので、いろんな政府の仕事をする中でこの「源内」の利用シーンを増やすようにということで私の方も指示をしているところです。 また、本年四月から無償のオープンソースソフトウェアとしてこれを公開しました。この目標、目的は、地方自治体においてもこの「源内」で実装されている一部のアプリを利用していただくことで、AI基盤の調達が可能になると同時に開発コストの削減などにもつながるだろう、地方自治の仕事をどんどん効率的にやっていただけるように我々としてはオープンソースソフトウェアの公開をしているということでございます。 人口減少、高齢化、一人情シス、いろいろございますので、公務の担い手不足をサポートできるような仕組みとしてこの「源内」を積極的に活用してまいりたいと思います。
○高木かおり君 ありがとうございます。 「源内」と同様のこのソースコード等を公開することで、この行政事務ですとかサービスの効率化、こういったことや質の向上というのも実現できる環境整備が進むということは大いに期待をしたいところなんですけれども、やはり自治体によってそれができるところ、できないところという、そういった差も出てきてしまう部分あるかと思いますので、もうそこも含めて寄り添った対応を是非とも御支援いただければと思います。よろしくお願いをいたします。 続きまして、国産基盤モデル、国産AIの選定について伺います。 現状は、この「源内」はAIそのものではなくて、様々なAIを安全に便利に利用するための利用環境、いわゆるプラットフォームだと私認識をしておりますけれども、そのために、現状では実際に動いているのはアメリカ製の生成AIモデルだということで、まだ実際の使用にはこれからだと思うんですが、政府は国産基盤モデルを開発する国内企業五社を選定し、「源内」の枠の中で使用できるようにということで契約を行われたということです。この点に関しても、ここは単なる国産優遇ということだけではなくて、やはり品質や安全性、競争性ですね、これを確保しながら国内事業者をしっかり育てていくという視点が大変重要だと考えています。 現状はこのアメリカ製のAIが主流なんですが、今回、国産基盤モデル五社を選定し、「源内」で使用することにした政府の意図、狙いについて伺いたいと思います。
○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、ガバメントAIの大規模実証事業において、国産のAIモデルを昨年十二月に公募いたしまして、全部で十五社の応募をいただきました。厳正な審査の結果、国内五社との間で現在契約を締結したところでございます。 ガバメントAIの取組として、特に日本語の語彙、表現、それから行政文書特有の記述様式、そういったものに特化した特有の国産AIモデルの活用というのが非常に重要になりますので、その意味で、国産の国内企業がつくるこのAIというのは非常に有用であるし、セキュリティーの面とかいろんな面でメリットがあるというふうに思います。 これらを積極活用していくのが我々デジタル庁としての役目でもあると思います。決して規制官庁ではなく、国内企業を育てる官庁になろうということを私も常々から言っているところでございます。 令和九年度においては有償による調達を行うことを検討しておりまして、先月、五月に、公募開始に先駆けて評価テスト、評価をするテストがあるんですが、この方法を事前に国内企業向けに予告したところでございます。来年度に向けて多くの日本企業が参加していただくことを期待をしておりますし、そういった試みを通しながらAIの開発を我々としても支援し、我が国のAIの自律性の確保に貢献していきたいと思っております。
○高木かおり君 時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として司隆史君が選任されました。 ─────────────
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 今日は、最近の神社や寺院における火災について尋ねていきます。 今年に入ってから少なくとも十二件の神社や寺院、お寺における火災の発生が報道されています。まずは、この亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、懸命な消火活動に当たられている消防団、消防局や消防員の、消防団の皆様、また関係者の皆様にも深く感謝申し上げます。 一月の十五日には北九州市の須賀神社、五月二十日には宮島、広島の宮島の霊火堂、今年も亀岡の千手寺や神戸市の有馬稲荷神社や、おとといも帯広市の松光寺など、神社やお寺の火災の報道が続いていて、SNSでは国民の不安というのが大変広がっております。 この国民の不安は軽視すべきではありませんが、一方で事実に基づかない臆測が拡散すれば不要な対立を生むことにもなりかねません。ですから、政府は、正確な統計、原因究明の状況、また火災予防策を丁寧に示していく必要があると思います。 神社や寺院等の火災件数を見ると、平成二十七年から三年間は七十九件、八十三件、八十六件だったのが、令和五年は五十九件、令和六年は五十八件という数字だけ見れば、全国統計上は火災の件数が急増しているというふうなことは見えない可能性はあるんですが、政府に質問いたしますが、神社、寺院の火災等について近年急増しているという状況は確認されているのでしょうか。また、この傾向は今年も変わっていないでしょうか。現時点での状況をお尋ねします。
○政府参考人(田辺康彦君) 神社、寺院等における火災件数について、令和八年の件数は現時点で把握しておりませんが、昨年、令和七年の件数は速報値では三十七件であり、平成二十七年から令和六年までのそれぞれの年の神社、寺院等の火災件数を下回っております。
○安達悠司君 まだ今年は分からないということですが、昨年までは増えていないということでした。 また、これらの火災は果たして第三者の悪意や放火や犯罪によるものなのか、それとも寺院や神社の経営難とかあるいは老朽化、安全管理上の問題なのか、それともまた別の原因なのかといったことが気になります。 神社、寺院の火災について、政府はこの十年間の火災及び今年に入ってからの火災について原因をどのように分析しておられますか。また、火災発生から原因確定まで一般的にどのような手続が行われ、どの程度の期間を要するのかについても併せて説明を求めます。
○政府参考人(田辺康彦君) 令和八年に発生した火災の原因については現時点で把握しておりませんが、平成二十七年から令和六年までの十年間における神社、寺院等における火災の主な出火原因として、放火、放火の疑い、ろうそくなどの灯火、こんろ、電灯、電話等の配線などが挙げられます。 また、火災発生から原因確定までの手続等についてですが、消防法に基づき、消防本部は覚知した全ての火災について火災原因の調査を行います。火災原因の調査においては、現場での見分や活動を行った消防隊からの情報、関係者の供述などを踏まえて出火箇所を特定し、必要に応じて現場から収去した物品の分析を行う等して、最終的な出火原因の判定を行います。 火災原因の調査に掛かる期間は火災の内容により様々ですが、一般的には消防本部の内規等においておおむね一か月から三か月程度の期間が定められているものと承知しております。
○安達悠司君 ありがとうございます。 火災発生の原因として、最近はモバイルバッテリーも一因となっているケースも増えていると消防庁のホームページにも上がっていました。また、火災の報道だけじゃなくて、やはり原因についてもどうだったかといったことも国民に伝えていただきたいと思います。 神社仏閣を狙った外国人犯罪についてなんですけれども、放火だけでなくて、外国人犯罪がどの程度増えているかについても政府の把握している情報を確かめたいと思います。 神社や寺院に対する窃盗の件数は、ここ三年ほど外国人のさい銭狙いだけを見ると、十年前は十件前後だったのが、近年は三十五件、五十七件、二十八件と急増していますが、神社や寺院に対して行われた放火、建造物損壊あるいは窃盗の犯罪の傾向と分析について、政府はどのように把握しておられますか。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 外国人による神社、寺院に対する放火、建造物損壊及び窃盗についてのお尋ねでございますけれども、被疑者が外国人であるかどうかというものは検挙して初めて分かることでございますので、検挙件数をベースにお答えをいたしたいと存じます。 放火、建造物損壊及び窃盗の検挙件数について、警察庁でまとめている犯罪統計で見ますと、発生場所が神社仏閣であるもののうち主たる被疑者が外国人であるものにつきましては、令和五年から七年までの三年間におきましては、まず令和五年、放火がゼロ件、建造物等損壊がゼロ件、窃盗は七十四件、令和六年、放火はゼロ件、建造物等損壊は一件、窃盗は百四件、令和七年、放火はゼロ件、建造物等損壊は一件、窃盗は五十三件となっております。 なお、窃盗につきましては主たる被疑者が外国人である検挙件数が相対的に多いところでございますけれども、これはこの内容を見てみますと、さい銭狙いの余罪を多数検挙しているということによるものと考えられております。 以上でございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 外国人の数が増えているので、それに伴って増えているという面もあるでしょうけれども、引き続き犯罪の予防と取締りに尽くしていただきたいと思います。 次に、火災で燃えてしまった神社あるいは焼損した神社や寺院に対して、国は復旧や再築の支援のためのお金をどの程度出すことができるんでしょうか。 私たちの文化や伝統は信仰と密接につながっていますので、復旧や再築は非常に困難で費用も要すると考えられますが、これに国のお金が出せないとすると伝統や文化を守れなくなるおそれもあります。火災に遭った神社や寺院の復旧、再築のための支援制度といったものはどのようなものがあるのでしょうか。また、実際に国が神社や寺院を支援している例があれば説明を求めます。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 文化庁におきましては、貴重な国民的財産である文化財を保存するため、文化財保護法に基づき文化財を指定し、その保護を図っており、神社、寺院等の建物を含め、国宝、重要文化財に指定した建物の修理に係る経費を支援をしております。 具体的には、国宝・重要文化財建造物保存修理強化対策事業により、修理費用を五〇%から最大八五%の補助率で支援をしており、近年では、例えば令和四年に落雷による火災で焼損した香川県坂出市の国宝神谷神社本殿の復旧につきまして、令和五年から七年までに、事業費の八五%に当たる約一億二千九百万円を補助しているところでございます。 文化庁としましては、国宝、重要文化財建造物を確実に次世代に継承するため、引き続き必要な支援に努めてまいります。
○安達悠司君 ありがとうございます。 やはり国宝か重要文化財でなければお金出せないということですね、政教分離の原則というのもあると思うんですが。この国宝、坂出市の国宝神谷神社、これは神に谷と書いて神谷と書きますね。神谷神社なんですけれども。 非常に私たちは、今述べてきた、質問してきたことから整理いたしますと、まず国民はやっぱりこの発生件数以上に不安を抱えているわけですね。それがやはり先人から受け継いだ信仰の場が失われていくといったことについての不安があるわけですね。しかし、国が、じゃ、それで火災に遭ったからとかいうことで、じゃ、補助してくれるか、支援してくれるかといったら、国宝や重要文化財といったものは出しますよと、でもそうじゃないようなものは出しませんと、出せませんということになるわけですね。 実際に、神社は全国に約八万社、寺院が約七万五千社以上あると言われて、国宝は、国宝、重文である神社は六百八件、寺院も八百九十件と非常に少ないわけですね、一%あるかないか。ですので、結局のところ、国はお金を出してくれないと、となるとますます国民も燃えるということに不安になるわけですね。 また、本日、六月十五日は実は空海、弘法大師の誕生日とされております。先ほどの霊火堂も空海、弘法大師が創建したとされますが、かつて、林野を逍遥して厳しい自然の頂に立っていおりを結び、堂を建て、そして多くの先人たちが修行を行ってきました。このような信仰の拠点を国民がこれ次の世代に向けてどのように引き継いでいくかというふうな、これ問題であるのではないかと思います。 しかし、これを果たして民間だけに任せておけるのかと、国がこれまでのように予算を出さなくていいのかということです。 例えば、今回の令和六年度決算見ますと、文化財の、文化の関係費というのは、これ決算で千八百、あっ、失礼、予算で千八百五十六億、支出済歳出で千四百七十八億、約となっておりまして、この文化財の保護の関係費だけ見ると五百九十三億ですかね。全体の一般会計歳出が百二十三兆円ですから、そのうち文化関係費の歳出は約〇・一二%、文化財の保護費だけでいくともう〇・〇五%と、もう本当に微々たるお金なんですね。 そのままの、だから本当にこういう神社とかお寺とかいいなとふだん思うんですけど、それに実は国がお金を出している割合って非常に少ないと。で、それで火災が起きている。この火災の原因は何なんですかと見ると、どうも神社や寺院の経営の問題もあるんじゃないかと。経営が苦しくなっている。手入れや修繕困難、廃業や後継者不足。特に山の上の方にある神社とか私結構、お寺とか多いんですけど、やっぱりその管理者がいなくなっているとか管理が難しくなっている、こういうふうなところも増えているという。つまり、神社や寺院の後継者、経営、経済的な困難といった問題もあるんじゃないかと。これを国がどの程度把握しているのかという問題なんです。 これについて、私、文化庁の方に尋ねましたら、アンケートをいただいて、配付資料にもあるんですけれども、結局、宗教法人の直近一年間の収入が百万円未満と答える法人が、平成四年は二七・七%だったのが、令和六年には三四・六%というふうに非常に増加したんですね、この三十年で。しかし、政府や自治体は、こんなアンケートじゃなくても、本来は毎年の財産目録や収支状況の報告を宗教法人全部から受けているわけですから、これを基に神社や寺院が今どういう経営実態にあるのか、こういう統計をきちんと作成して、今このままほっておけばお寺や神社がこれどうなっていくのかというマクロな統計をきちんと作成、把握すべきでないかと思うんですけれども、こういった調査をすることについて、文部科学大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(松本洋平君) 宗教法人法第二十五条に基づきまして、宗教法人から提出をされます財産関係書類などは、信教の自由に配慮をしながら、所轄庁が宗教法人の設立後においても引き続き宗教団体としての要件を備えているかどうかなどについて把握をし、その権限を適正に行使をするためのものであります。 したがいまして、この得た情報というものは、宗教団体としての要件を備えているかどうかなどを確認するための利用ではなく、御指摘のような経営実態などの分析のための利用については宗教法人法の予定をしていないところでありまして、財産関係書類などを提出する宗教法人においてもそうした利用がなされる認識はないことから慎重であるべき、そのように考えているところであります。
○安達悠司君 ちょっと整理をしますと、要は、火災の発生にもう国民は不安を覚えていると、しかし、国はそこにお金を出さないでずっときたと、結局、民間の地元の有力者とか企業とかがお金をこうやって寄進して、寄附して、氏子、氏神あるいはその檀家で成り立ってきたわけです。 しかし、国民も経済的に今苦しいわけですね。減税も本当は必要だし、消費税も含めて減税も必要だし、あるいは物価も高いし、年金もだんだんちょっと減っていくしということで、やはり苦しいわけですよ、お金出せないわけですね。そうしたら、本当にこのままでいいのかという問題があって、そこに国もちゃんと経営実態や経済実態を把握して、そこに国もお金を出したり、戦略や少なくとも信仰の保存、これからの在り方を考えていくということもやる必要がないのかという問題なんです。民間任せにいつまでしておくんですかということです。特に、先ほど三浦委員からの御指摘にもあったように、精神的なメンタルヘルス不調による経済損失は七・六兆円といった金額もあるわけですね。 ここで、ちょっと六番飛ばして、次の質問に移りたいんですけど、結局、その神社や寺院に関連して、こういう業界に国が戦略的に投資をしないことで国民は実はすごい精神的な、文化的な損失を被っているんじゃないかという話です。ただ、今言ったように、神社や寺院の統計というのは経済統計ってありませんからね。なので、その関連する業界として少し、私、別にこの業界に何も縁はないですけれども、宗教用具、仏壇、神棚の業界の現状と、畳、畳表製造業の、あっ、畳床のですね、製造業の現状をグラフを配付いたしました。 これを見ると、三十年間で完全に右肩下がりなんですね。例えば、平成十一年から令和元年を見ると、宗教用具で売上高が七百億円だったのが三百億円、事業所数も七百事業所が三百事業所と。畳の製造も同じように、なぜか同じぐらいの数字で、七百億円だったのが三百億円、千四百事業所だったのが四百事業所というふうに、もう右肩下がりなんですよ。令和二年以降はちょっと統計の基準が変わったため比較が困難ですが、GDPの伸びと比較しても低下の一途をたどっています。 仏壇とか神棚というのは昔からの日本人の生活に根付いていて、伝統工芸品もありますし、また畳も和室や和文化などにとって欠かせないものですね。いずれも、ただ、和室の数自体が減っていて需要を生み出せていません。新築住宅には太陽光パネルの設置義務化とか言っている都道府県もありますが、それをするぐらいだったら和室一部屋を設置義務化する方がいいんじゃないでしょうか。 これらの業界は、しかも成長戦略の十七分野にも入っていませんし、業界に対する独自の、国の独自の補助金もないというふうに聞いています。しかし、政府はこのこうした業界を本当に右肩下がりのままでいいと考えているんでしょうか。成長戦略分野というのは、例えば、AI・半導体や造船、量子、あるいはバイオなど、確かに一を投入すれば十になる業界ばっかり選ぶという視点もありますが、しかし、それでは余りにも経済的効率や投資効果に偏り過ぎて成長全体のバランスが良くないと思います。 例えて言うなら、野球で言うなら、四番バッターばかり集めてチームをつくったようなもので、実際にはバントができたり守備が得意な人も必要です。例えば、弁護士だってそうですけど、司法分野だって、技術が幾ら良くなってもその技術を守ってくれる弁護士がきちんと育たなかったら、契約とかで抜け漏れが起きて取られちゃいますよね。こういった精神的な業界だって、きちんと国民が悪いことをしないとか一生懸命働くとか、そういう信仰心というものがなかったら、これまたやっぱり守りというものがなくなってしまうわけですね、先ほどメンタルヘルスの話もありましたが。 なので、これは城内国務大臣にお尋ねしたいんですけれども、投資乗数に偏り過ぎると人の心も金銭本位となって心がすさぶ。なので、神社仏閣もそうですが、それを支える宗教用具や畳の製造業界などを含めて、こうした日本人の精神性を支える分野も戦略分野として投資すべきでないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(城内実君) 安達委員にお答えします。 神社そして寺院の復旧とか、宗教用具、畳、畳床、そして仏壇、神棚とありますが、この点について様々な御意見を、今貴重な御意見を聞かせていただきました。私自身も、昔ながらのこの日本人の生活に根付いたこういった伝統工芸、あるいは日本人の精神性や文化、これは非常に大事だというふうに思っております。 他方で、こういったものの対応につきましては、やはり文化財の保存、活用、あるいは産業振興の観点から、まずは関係省庁が検討すべき事柄だというふうに考えております。 今年度の骨太方針につきましては、高市内閣の経済財政運営の方針を明確に打ち出していくために、近年増加傾向にある個別施策あるいは事業の記載、これをできるだけ抑制し、政策の大きな方向性などを示すこととされておりまして、こうした方向で取りまとめることになるということは御理解をいただきたいと思います。その上で、施政方針演説では高市総理は、その政策の大きな方向性の一つとして例えば文化財の継承、保存、活用を推進すると述べられておりますので、こうしたことも踏まえつつ、内容を検討していきます。 もう一つの日本成長戦略ですが、これにおける戦略分野は、やはり世界共通の課題解決に資する製品、サービス、インフラ、これを開発し、国内、国外に提供することで日本の成長につなげること、そしてまたイノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保につながることが期待できるものとして選定したものではありますが、ただ、だからといって、何か先ほどの畳、畳床、仏壇、神棚が何か劣後に置かれるとかという、そういう趣旨ではありませんが、ただ、成長戦略という場合は、やはり世界共通の課題解決、そしてイノベーションを通じた経済成長、国際的地位とかにつながるものということで、是非御理解いただきたいというふうに思います。
○安達悠司君 時間です。終わります。ありがとうございました。
○櫻井祥子君 よろしくお願いいたします。参政党の櫻井祥子です。 本日は風力発電について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 風力発電は二〇二四年度で電力全体の約一・二%となっていますが、第七次エネルギー基本計画では、二〇四〇年度にこれを四から八%まで引き上げる計画となっております。 日本の風力発電では欧米製の風車が数多く導入されておりますが、これらは日本の地理条件、気象条件に合わせて設計されているのでしょうか。日本には地震があり、台風があります。また、日本海側は冬の時期も落雷があります。欧米とは環境が異なるわけですが、風車は日本の地震、強風、落雷にどの程度耐えるように設計されているのか、是非基準について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 電気事業法の技術基準では、地震や台風、落雷といった自然災害に対して、気象条件といった我が国特有の事情を踏まえて構造上安全なものとなるよう設計することを求めております。 具体的には、地震に関しましては五百年に一度の極めてまれに発生する地震動によって倒壊しないこと、台風に対しましては一定以上の暴風によっても構造上の主要部分が損傷しないこと、雷に対しては雷撃から風車を保護するような措置が講じられていることなどを求めております。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 基準としてはこのようにいろいろ整備されてはいるのですが、それでも風車の破損事故というのは起こっております。 お配りした資料一を御覧ください。 左上の写真は、兵庫県淡路市で風車が倒壊した際のものです。事故当時、電源供給が絶たれていて風車の制御ができない状態にあって、そこに台風が来て過回転状態になってしまい、その力に基礎が耐えられず倒壊しました。そしてまた、能登半島地震の際にも、風車の羽根の損傷が起きたり基礎部分の地割れが起きたり、また同じように外部電源の供給停止となってしまって、さらには立地している山の尾根自体の道路が崩壊してしまうということも起こりまして、今もまだ完全復旧には至っておりません。 続いて、資料二の一と二の二の二ページは、経産省がまとめている風力の事故事例のうちの、数が多いので、ブレードの事故の部分のみ抜粋して載せております。 右から二列目の欄を見ていただきますと、事故原因としてはやはり雷が多く見受けられます。そして、ほかにも地震や設備不備によるものもございます。一つ一つ細かく紹介はできませんが、雷がブレードを直撃して内部に浸入していた水分によって水蒸気爆発が起こったであるとか、ブレードの先端部が破損して近隣の農地に飛び散ってしまったというような事例が記載されております。 ここで伺いますが、こうした事故事例の中で、先ほど御説明いただいた基準に不適合であったケース、また基準には適合していたのに事故が発生したケース、また原因不明とされているケースがあると認識していますが、それぞれどう対処されているのでしょうか。
○政府参考人(湯本啓市君) お答え申し上げます。 風力発電設備で事故が発生した場合ですけれども、まず、設置者に対しまして事故原因の究明や再発防止策の検討を指示し、その検討結果を踏まえて必要な対策を行っております。その際、法令上の技術基準に適合していないことが明らかになった場合には、設置者に対して個々の技術基準に適合するための措置を講ずるよう指導をしております。 技術基準に適合していたけれども事故が発生した場合ですけれども、メンテナンスの不良など様々なケースがあると考えておりますが、必要に応じて点検ルールですとか技術基準を見直すなど、安全対策を強化するとともに、業界団体を通じて安全対策の周知を行っております。 原因不明のケースにつきましては、推定される事故の要因に応じまして、例えば機器を交換するなどの再発防止策を求めているところでございます。例えばですけれども、昨年五月に秋田県で発生いたしましたブレード折損の事故でございますが、こちらについては落雷とブレードの材質によるものということで事故原因の方が明らかになっておりますので、これを踏まえて、対策として技術基準を明確化する作業を進めているところでございます。 こうした対応を適切に行うことで、引き続き風力発電設備の安全を確保してまいります。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 聞いていただいて分かるとおり、その基準に適合していた事例でも事故が起こって、そしてその基準自体を見直すというケースも出てきているということで、まだ安全性が確保し切れていないのではないかと思います。それなのに、この風力をこれから拡大していこうというところに懸念があると考えております。 次に、山林に風車を建てる場合のお話を伺います。 林野庁にお尋ねしますが、森林伐採をして山の尾根筋に風車を建てるような開発によって、日本の国土に対してどのようなリスクがあると認識しておりますでしょうか。
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えさせていただきます。 森林は、国土の保全、水源涵養等の公益的機能を有しております。保安林制度と林地開発許可制度等により、尾根筋に限らず、風力を含め、開発を規制することによって、この公益的機能の維持を図っているところでございます。 具体的には、特に公益的機能の発揮が求められる保安林につきましては、風力発電事業を含め開発に対して厳しく制限しているほか、その他の森林におきましても、一定規模を超える開発については、林地開発許可制度により都道府県知事が災害の防止などの要件について審査し、許可することとなっております。 引き続き、これらの制度を厳格に運用し、森林の公益的機能が発揮されるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 先ほど嘉田委員からも同じようなお話がありまして、風力発電によって保安林が解除されているといったことは先ほども御質問いただきましたので、全く同じような質問をさせていただこうと思っていたので、この一問は省かせていただきたいと思います。 やはり、保安林の指定に関しては、この二〇一二年から三十四件、七十二ヘクタール、風力のために解除されたということで、また太陽光については、保安林解除は認められていないものの、林地開発許可を取って、やはり木を伐採してソーラーパネルを設置するケースがたくさんあります。 こうした再エネ発電目的で保安林の指定解除や林地開発許可がなされた土地において、土砂災害等の被害が出た件数は把握しておりますでしょうか。
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えさせていただきます。 林野庁におきましては、災害復旧等を進めるため、山腹崩壊等の山地災害の発生状況を都道府県を通じて把握しているところでありますが、これまでの保安林の解除や林地開発許可に設置された風力発電施設に関連する山地災害の発生の報告は受けていないところでございます。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 風力についてだけでなく、太陽光については把握しておられますか、ちなみに。
○政府参考人(小坂善太郎君) 詳細にはちょっと今手元にないんであれなんですけど、ちょっとそこの部分は確認しなければ分からないですけど、そういうことがあった場合は適切に対応しているところでございます。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 こうした一応、土砂災害について県から報告を受けているということなのですが、実際、特にこちらの場合は、現状数が多い太陽光パネルの設置工事事例の中で見られるんですけれど、その林地開発許可申請を都道府県にするんですけれど、その内容がかなりずさんなものがある場合があって、雨が降ったときに雨水がどれだけ流れていくかという見積りが非常に甘くなっている申請でも県が許可をしてしまって、実際に被害が出ているという事例が複数あります。まあ被害が出たといっても、さすがに本当に民家が埋まってしまうとかそういったことにはなっていないと思いますが、実際に山林の斜面等の道路に、もう雨のときに道路を覆うように泥水があふれてしまうみたいな事例は確認しております。 そしてまた、こういった事例では、工事しているのはこの二、三年のことなのですが、FIT・FIP認定を受けたのは初期に取った、認定を取ったもので、固定買取り価格が四十円とか三十二円とかそういった金額でしたので、この再エネ賦課金はまた国民生活にとって負担となっていくわけでもあります。 そしてまた、資料三を御覧いただきたいと思います。こちらは山梨大学の名誉教授の鈴木猛康先生が作成された模式図となっております。山の尾根というものがいかに日本の国土にとって大切であるかということを表したものです。 風力発電の工事では、山の尾根をもう数十メートルの幅で森林を削って道路を造ります。そこに、更に風車の基礎を造るためにコンクリートで固めていきます。そうすると、雨が降ったときに、一番山の上で、一番上で雨水を受ける尾根の部分の地面がコンクリートで覆われてしまって、水が吸収されにくくなることになります。そしてまた、地面が覆われるだけじゃなくて、木を切ったこともあって、木が本来植わっていた場合は木が吸収して葉っぱなどから蒸散して逃げていく水分もありますし、そしてまた、木があることで落ち葉があって、微生物が土壌に多様にいることによって、地面に水が浸透していくのも少しずつ段階的に奥の方まで吸収していく仕組みができているんですが、その木を切ってしまうとそうした地面の吸水力は格段に下がるということが分かっております。すると、その資料三の図のように、雨が降るたびに受け止め切れない水が斜面を流れていって、それとともに土砂も流れ、それがまた川にも泥水が入ってしまい、そしてひいては海にも影響を与えていく可能性があります。 昨年、メガソーラーによる森林伐採や自然破壊が注目されたことが一因となりまして、十キロワット以上の事業用太陽光の地上設置については、二〇二七年度以降、FIT・FIP制度の新規認定は対象外とされることとなりましたが、風力はこのまま開発を続けていいのでしょうか。 赤澤大臣にお尋ねしますが、こうした山の尾根を開発して森林を伐採するような風力発電も同様にFIT、FIPの認定対象外とするべきではないでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) まず、これ、第七次エネルギー基本計画でも、原子力ですね、それから再エネを最大限活用ということで、いずれの前提も安全の確保と地域の理解ということであります。なので、委員がしておられる安全に関する議論は非常に重要でありまして、それもいろんな意味で、すぐ短期的に何か起きるということだけでなくて、今図を見せていただきましたけれども、その自然環境といいますか、影響を与えて、結果的に安全でない状態をつくってしまうようなことも視野に入れながら検討はしなきゃいけないと私どもも当然思います。 その上で、地上設置型事業用太陽光については、関係審議会、調達価格等算定委員会における再エネに関する技術の進展等の検証の結果として、コストが低減してきたことなどを踏まえ、二〇二二年度以降は支援の対象外とするという方針を既に決定をしております。 再エネの導入に当たっては、先ほど申し上げましたとおり、地域との共生が大前提でありますので、FIT・FIP制度の支援を受ける要件として、森林伐採を規制する森林法を含む関係法令の遵守はもとより、周辺地域の住民の皆様に対する説明会の開催を求めております。さらに、大規模な風力発電事業については、環境影響評価を行い、環境保全のための措置を講ずることを求めております。 引き続き、こうした取組を通じて地域との共生を図りながら、更に申し上げれば、先ほどから繰り返しているように、安全の確保と地域の理解を大前提として風力発電を含む再エネの導入を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○櫻井祥子君 ありがとうございます。 森林を伐採してまでこの再エネを進めるのかということには多くの国民が疑問を持っているところかと思いますし、そしてまた、今日はちょっと時間なくて触れられないんですけれど、環境アセスメントをその事業者自体がやることについても私は疑問を持っておるところもありまして、またそれは後ほど、いつか質問させていただきたいと思いますが、やはり風力もこのFIT・FIP認定の対象外とすることの御検討をお願いしたいと思います。 そして、済みません、時間の関係で一問飛ばさせていただきます。環境省さん、済みません。 そして、続いて洋上風力について伺います。 洋上風力は、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットを実現するという目標となっておりまして、二〇二四年末で五十三基の状態から、二〇四〇年に向けて二千基あるいは三千基へと急増させる計画になります。これは、沿岸部ではなくて、今度浮体式にして岸から離れたところに造る計画が増えていくと思うのですが、岸から離れていくと、今度地震の断層に近くなるとか、資料四見ていただきたいんですが、風車設置をEEZまで拡大すると、この日本海東縁部地震帯という今まで地震が多く起きてきたところの真上辺りになってしまいます。 済みません、ちょっともう一問飛ばさせていただいて、最後、大臣にお聞きしたいんですが、資料四の右には過去の日本海での地震後の港の状況も載せました。このように船が打ち上げられてしまうとか、同じように風車が打ち上げられてしまったり、あるいは風車が流されて漂流してしまったりするリスクもあると考えます。 最後に大臣にお尋ねしますが、陸上風力でも事故が起きており、基準を見直したりもしている中で、更に難易度が高いと考えられる洋上風力において安全性が担保できると言えるのか、そのお考えの根拠も併せてお答えいただければと思います。
○委員長(西田昌司君) 時間が来ておりますので、簡潔に。
○国務大臣(赤澤亮正君) 今の御質問にお答えする前に、先ほど私が、コストが低減してきたこと等を踏まえて、二〇二七年度以降支援の対象外、地上設置型事業用太陽光なんですが、私が二〇二二年と申し上げたようですので、二〇二七年度以降は支援の対象外ということであります。 今の御質問ですが、陸上風力発電設備については先に、これ陸上風力発電設備については技術基準への適合義務や定期的な検査といった規制措置を講じておりまして、事故が発生した場合は原因を究明した上で再発防止策を講じてきております。 その上で、洋上風力発電設備についても、陸上風力の規制措置や知見を踏まえた上で、波浪や潮流による荷重の影響といった洋上風力の特性や、海上の自然現象に対する国際的な評価手法にも配慮した技術基準や定期的な検査といった規制措置を講じることによって、設備の破損による事故防止を図っているところです。 今後とも、委員御指摘のとおり安全性一番大事ですので、事故の状況、原因や技術動向等を踏まえて、不断に必要な対策を講じることで風力発電設備に係る保安の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○櫻井祥子君 時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 AIの利用が拡大し、情報処理を担うデータセンターの建設が相次いでいます。小規模なものも含めると全国に約五百か所、その八割が東京圏と大阪圏に集中しています。 東京都日野市では、日野自動車の工場跡地に三井不動産が約十一万四千平米の敷地に三棟、高さ最高七十二メートル、市内でもずば抜けて高い建物が計画されています。この高さ、高過ぎるということで計画が変更になったりもしているんですが、稼働に伴う電力消費量やCO2の排出量、排熱量など住民の懸念があり、日野市長も情報開示を求めていますが、今年十一月に予定する着工前まで公表できないとして明らかにしておりません。 経産大臣に伺います。 資料もお配りしていますが、日本データセンター協会は、今年五月に作成したガイドラインで地域への説明に際して留意すべき事項を定めています。これは大変重要なものだと考えますが、大臣の認識を伺います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 五月一日に日本データセンター協会がデータセンター地域共生ガイドラインを策定し、その中で、立地検討段階からの地域とのコミュニケーションの在り方や住民への影響と対策など、説明時に留意すべき事項を定めているものと承知をしております。 これらは地域共生を図る上で不可欠な内容であるため、経済産業省としても、本ガイドラインを基に地域とのコミュニケーションを通じた共生が進むことを期待しているところでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。 地域住民との対話は欠かすことのできない大切な取組とも書かれておりまして、大臣、念のため伺いますが、これは今後の計画に限らず、既に計画中の案件についても事業者が留意すべきものということでよいですね。
○国務大臣(赤澤亮正君) これ、法的拘束力のあるものではないと思いますので、法的拘束力のあるものほど遡及効について厳格なものではないと私自身は受け止めておりますので、委員がおっしゃったように、ここに書かれている中身は既存のものについてもできる限り尊重していくということが望ましいと理解をいたします。
○山添拓君 江東区の千石では、大規模な集合住宅の近くで計画が進んでいます。資料の三枚目から東京新聞の記事を紹介していますが、千葉県白井市、閑静な住宅街に隣接して二か所で計画があり、このうち富ケ谷地区では都市計画法違反などを理由に住民が係争中です。印西市では、千葉ニュータウン中央駅徒歩五分、多くの市民が住む地域で建設が予定され、四月に住民が建築確認の取消しを求めて提訴しました。どこも巨大なデータセンター計画です。 建築物としてのデータセンターは、建築基準法には定義がなく、各地で倉庫、事務所などと扱われ、民間の指定確認機関がやすやすと建築確認を出している状況があります。 国交大臣に伺います。 ビル五階建て、六階建て、非常用発電機や燃料の重油なども置かれるデータセンターが住宅街の真ん中にこれだけ乱立しているというのは、ちょっと異常ではないでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) お答えいたします。 データセンターは、建築確認において、委員御指摘のように、その利用実態などを勘案し事務所や倉庫と判断されていると承知をしておりまして、このため、大規模なデータセンターは住居専用地域において建築が制限されています。 また、地域の実情に応じて、用途地域を補完して様々なルールや制限を付す地区計画等を定めることが可能であり、データセンターについて、その地区計画等の中で立地を制限したり、立地に当たっての条件を付したりすることができます。 このような規制的な手法のほか、地域との共生を図り、住民の不安ができる限り解消されるよう、業界団体や先進的な地方公共団体において策定されたガイドラインを踏まえた取組が行われることも重要であると考えております。
○山添拓君 現実にはそうなっていないんですよ。 大臣は、巨大なデータセンターのでき上がったものや、建設中あるいは計画中の現場、行かれたことありますか。
○国務大臣(金子恭之君) 実際お伺いしたことはありませんが、これまでも委員会の質問の中で具体的な写真を見せていただいたことがございます。
○山添拓君 是非、現地にも足を運んでいただければと思うんです。そして、それは倉庫や事務所に見えるかといえば、そうは見えないと思いますよ。その他でくくられたりもするんですけれども、それでよいのかということが問われております。 データセンターは、停電に備えて非常用発電機を設置しますが、一瞬でも電源が途絶えますとデータが損なわれかねません。そこで、非常用発電機が安定して発電できるようになるまでのつなぎとしてリチウムイオン電池が準備されます。 リチウムイオン電池は、最近、飛行機や電車内での発火事故が問題になっています。電解液を千リットル以上含む場合は危険物として消防法の技術基準に適合した施設で扱うことが求められ、巨大データセンターはおおむねこれに該当します。 ところが、データセンター業界からは、この消防法の制約を緩和してほしいという要望が規制改革推進会議に出され、五月十五日のデジタル・AIワーキング・グループで議論になっています。 内閣府に伺います。 国立情報学研究所の佐藤一郎教授からは慎重な意見が出されたのではありませんか。
○政府参考人(福田誠君) お答え申し上げます。 御指摘いただきました規制改革推進会議デジタル・AIワーキング・グループでは、AIに必要な計算量、消費電力の増加に伴い、次世代AIデータセンターの国内整備が必要となる中、リチウムイオン電池について、国際基準等を踏まえ、安全性の確認を前提として関係法令における扱いの見直し等が議論されました。 ワーキング・グループでは、国立情報学研究所の佐藤一郎教授から意見書が提出され、その中では、こうしたAI向けデータセンターの重要性とともに、当該データセンターの設備構成に応じて、火災、延焼実験などを通じて安全性を確認することは合理性がある、また、UL規格を含む国際標準との整合性は重要であるが、それのみを理由に規制緩和を進めることには慎重であるべきである、なぜなら、各国の火災事故に関わる安全基準は、その地域の人口密度、都市構造、消防体制、建築環境などを前提としているからである、したがって、UL規格の導入については検討に値するが、住宅地、商業地への近接、狭隘道路といった日本のデータセンターの特性と合致することを前提にすべきであり、UL規格の拡張や適用地域の限定を含めて、導入の是非を判断すべきであるといった記載がなされているものと承知しております。
○山添拓君 事業者負担の軽減だけを理由に安易に緩和すべきではないという意見かと思います。これは規制改革会議で十分踏まえるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(福田誠君) お答え申し上げます。 佐藤教授の御指摘どおり、規制改革に当たっては安全性の確保は大前提であると認識しております。 ワーキング・グループにおいては、日本の人口密度、都市構造、消防体制、建築環境等の特性を踏まえた安全性検証を前提としつつ、国際的な基準との整合性を確保する形で規制を見直すべきとの議論が行われたところでございます。 こうしたことを踏まえ、規制改革会議で検討が行われるものと承知しております。
○山添拓君 昨年九月には、韓国政府が管理するデータセンターで、リチウムイオン電池を交換のために取り外した際の火花が原因で火災が起き、政府資料八年分のデータが消失したそうです。国内外で火災事例があり、一旦発生すると長時間続き、周辺への延焼の危険もあります。規制緩和ありきで進めるべきではないと指摘しておきたいと思います。 問題はまだあります。 東京都昭島市のGLP昭島プロジェクトは、日本最大級のデータセンター計画で、東京ドーム約十二個分の敷地に高さ約三十五メートルのデータセンター八棟、高さ最大五十五メートルの物流施設三棟を建設しています。 昭島巨大物流センターを考える会によりますと、専門家の試算で、データセンターの年間電力使用量が三十六億キロワットアワー、これは市内全体の約六倍、新宿区全体の使用量に迫り、高知県の年間消費電力量をも上回るそうです。CO2排出量は約百七十八万トンと想定され、市内全体の排出量四十四万トンの約四倍。昭島市は二〇三〇年度までに市内のCO2排出量を二十七万トン以下に半減させるという目標を持っていますが、データセンター一つで桁違いの排出をしてしまうことになります。 そこで環境大臣に伺いますが、巨大データセンターが気候変動対策としての排出削減と逆行する事態は看過できないのではありませんか。
○国務大臣(石原宏高君) 山添委員にお答え申し上げます。 データセンターの稼働に伴う温室効果ガスの排出の抑制に向けては、まずデータセンターの省エネルギー化が重要であると思います。さらには、電力需要の増加に応じた脱炭素電源の確保が不可欠であるというふうに考えております。 環境省では、データセンターの脱炭素化に向けて、効率的な冷却技術の開発や再エネ等を活用した設備の導入などを支援をしているところであります。また、地域と共生した環境に適切に配慮した再エネの導入を推進していただくことが必要だというふうに考えております。 その上で、地球温暖化対策推進法において、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて温暖化ガスの排出の量の削減等のための施策を推進することとされております。このため、地方公共団体においては、データセンターを含めた区域内の状況等も踏まえて温室効果ガスの排出の削減目標を設定するとともに、目標達成に向けた取組を実施することが重要であるというふうに考えております。
○山添拓君 今御紹介した昭島市の例のように、市の目標としては半減させたいと、しかしその数倍に及ぶ排出量が想定されると。逆行してしまうと思うんですよ。市だけでは対応できないんじゃありませんか。
○国務大臣(石原宏高君) どのようなデータセンターがスペックになるか分からないんですが、環境省としては、今年度から予算を確保しまして、先ほどお話をした冷却技術の開発や再エネ等を活用した設備の導入支援を行っておりますので、どういうスペックになるか分からない中で、ちょっとお答えし難いところがあります。
○山添拓君 それらも含めて情報が開示されていないわけです。だから、専門家に頼んで試算をするということが地域で起こっております。 サーバーを冷やす空調から排熱があり、その排熱量は昭島市全体の三・五倍、局所的な気温上昇も指摘されており、アメリカでは実際データセンターの風上と風下とで温度上昇が違うと、そうした研究も発表されているそうです。 こうした周辺環境に多くの影響を及ぼすことが懸念されるにもかかわらず、データセンターは環境アセスの対象とはされていません。 冒頭に紹介した日野市の事例では、今年四月、市長が事業者に自主アセスを実施し、環境影響を低減するよう求めております。立地自治体でここまで要求したのは初めてです。 環境大臣にもう一問伺いますが、例えば非常用発電機を火力発電所とみなせば、一定の規模以上の場合には国や都のアセスの対象となります。日野も昭島も対象となります。データセンターについて、少なくとも環境アセスの対象にしていくべきではありませんか。
○国務大臣(石原宏高君) 各地でデータセンターの新規建設が進められておりますが、一部の地域では住民の方から、委員御指摘のように、排熱や騒音などの環境影響について心配する声があるというふうに承知をしているところであります。 データセンターの立地に際しては、地域との共生が前提であり、事業者において地域住民に対する説明の機会を設けるなど、丁寧な対応を進めることが重要だというふうに考えております。 アセス法は、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある事業、かつ国の許認可を必要とする事業等を対象としています。データセンターについては、現時点ではアセス法の対象事業ではありません。また、この環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあることについての知見が十分に蓄積していない点もございます。また、データセンターに着目した許認可等を行う法体系がないことから、現時点ではアセス法の対象事業に追加する予定は環境省としてはございません。
○山添拓君 知見が十分でないからやらないということなら、何のための環境省かと私は思いますけどね。 ここまで指摘したほかにも、非常用発電機の点検運転におけるばい煙、稼働に伴う騒音、冷却のために大量の水を使う問題など多岐にわたって、新しい公害という指摘もあります。確かに、協会のガイドラインが作られ、東京都のように自治体レベルのガイドラインもあります。しかし、データセンターの建設は全国的に進んでおり、課題はかなり共通しています。 経産大臣に伺います。 今環境大臣の答弁の中にも、データセンターは許認可のルールがないんだと、そういう法体系がないんだという話があり、だから環境アセスの対象にもしないんだということまで答弁がありました。データセンターを業として規制する国のルールが必要ではないでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) データセンターについては、各法令の趣旨に応じて現時点において必要な措置が講じられており、現時点においては、データセンターを業と位置付ける、データセンター業を位置付けるための新たな法令を措置するまでの事情は生じていないとの認識でございます。 その上で、関係省庁による各制度の検討に当たっては、経済産業省としても、データセンターに関する研究開発や立地を推進しております立場から、関連する動向の情報提供を始め必要な協力を行ってまいりたいと思います。
○山添拓君 経産大臣、今いろいろ聞いていただいて、多岐にわたるんですけれども、問題起こっていると思いますよ。今、業としての規制が必要ないというお話をされましたけれども、推進するばかりではなくて、一定の立地や建設や稼働に当たっての規制は検討が必要なんじゃないでしょうか。 もう一度答弁いただけますか。
○国務大臣(赤澤亮正君) これ、私ども政治、行政の関係者ですので、民間の皆様がやられていることについてどこまで手を出すかといいますか、関与するかというのはもう常によく考えなきゃいけないことでありますが、先ほども御説明したとおり、五月一日にまさに日本データセンター協会がデータセンター地域共生ガイドライン策定されたばかりということであります。 まずはだから民間主導による取組を見守りたいということを思っておりまして、経産省としては、関係省庁と連携し、業界への周知徹底や遵守状況のモニタリングなどを行い、実効性を確保してまいりたいというふうに思っておりますし、先ほど申し上げたように、これ新しい分野でありますので、新たな法令を措置するまでの事情は現時点においては生じていないということを認識しているということを改めて申し上げておきたいと思います。
○山添拓君 周辺の住民も含めて、多くの方がデータセンター絶対反対というわけではないんですね。しかし、必要な情報が開示されず、建設主体が特定目的会社となっているケースなど、住民と対話する体制さえないような事態もあって、不信が募り懸念が広がっています。事業者任せ、自治体任せではなく、国として業としてのデータセンター規制を早急に検討すべきだと、このことは申し上げておきたいと思います。 次に、東京外環道のトンネル工事について伺います。 現在工事中の関越―東名間で、今年一月、練馬区大泉ジャンクションから発進したシールドマシンのカッターを回転させる大ギア、大きいギアですね、ここに亀裂や破断が発生し、掘進が停止しました。 国交省に伺います。 事故から五か月になります。原因は分かったでしょうか。対策は決まっているでしょうか。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 東京外かく環状道路のトンネルを掘削するシールドマシンのうち、大泉ジャンクションから発進し、南行きの本線トンネルを掘削するシールドマシンについて、シールドマシンのカッター部を回旋させているための動力を伝える歯車に変状を発見したことから、詳細点検を実施するため、本年一月二十六日に掘進を停止しました。掘進停止以降、これまで、変状のあった歯車付近のフレームに小さい穴を開けてファイバースコープを用いたり、変状箇所を直接目視で確認するために開口部を設置したりするなど、詳細な点検を進めてきたところです。 作業空間が限られ、時間を要していますが、さらに、直接目視のための開口部を増やして詳細点検を実施するとともに、引き続き、有識者の相談しながら、工事再開に向けて原因の推定や再発防止対策の検討を進めてまいります。
○山添拓君 原因も対策も分かっていないということでした。 国とNEXCOが設置する有識者会議、東京外環トンネル施工等検討委員会の小泉淳委員長は、これ、前例がないと、大変なことになったと述べています。 現場は青梅街道の地下五十五メートル、地上から立て坑を掘って交換することは現実的でなく、現場でこのギアを交換せざるを得ませんが、そのためには、これまで掘ってきたトンネルを使うしかありません。ところが、掘進済みの部分は、後から道路にするために直径十六メートルのトンネルの中央に床板が設置されており、新しい大ギアを入れようとすれば、それを全部取り外すことになります。工事の続行は不可能という関係者もいるほどの事態です。 この区間では、実は東名側からの工事も止まっています。二〇二〇年十月、調布市で陥没、空洞が生じ、住民は立ち退きを余儀なくされ、地盤補修工事が進められてきました。工事の現状と、この五年半、補償や補修のために余計に掛かった費用は幾らなのか、御説明ください。
○政府参考人(沓掛敏夫君) お答え申し上げます。 令和二年十月の東京外かく環状道路の工事に伴う陥没、空洞事故の発生現場においては、緩んだ地盤の真上から地盤の補修工事を実施する必要があるため、そこにお住まいの方に対して、事業者であるNEXCO東日本から家屋の買取りなどの御相談をさせていただいております。地盤補修範囲の仮移転、買取りの対象家屋は約三十軒で、現在までに二十七軒の家屋解体を完了しております。また、令和五年八月から地盤補修に着手し、現在、約七割で地盤補修が完了しております。 現時点では、令和八年十二月頃、地盤補修の工事を、期間を予定しておりますが、引き続き、地域住民の方々に丁寧に御説明の上、安全に留意しながら慎重に地盤の補修工事を進めてまいります。 また、今回の陥没、空洞事故に伴う地盤補修等の費用については、事業者において今後精査されるものと認識しており、お答えすることはできません。 以上になります。
○山添拓君 事業者において精査するので費用は分からないと言うんですが、この事業は国交省も事業者の一員なんですね。ところが、事故対応の補修と補修、今既に莫大な費用をつぎ込んでいるのにお答えがありません。五年半、もうすぐ六年になります。 一方、昨年十月にこの事業の事業評価が行われていますが、事故の前でさえ、陥没事故が起こる前でさえ一・〇一だったBバイC、費用便益比が一・二となぜか改善しています。監視委員会は事業継続の結論を出しました。その理由は、事故対応費用が盛り込まれずに、しかし、完成したら便益が大きくなると過大な評価がされたというためです。これまでに事業に幾ら掛かったということが評価されてないわけです。 私は、これでは決算審議の前提を欠くと思います。検査の要求を理事会で御協議ください。
○委員長(西田昌司君) 後刻理事会において協議をいたします。
○山添拓君 都内の大深度地下トンネル工事について、もう一つ伺います。 昨年十月、リニア中央新幹線北品川工区JR大崎駅付近の交差点上に十三センチの隆起が発生しました。JR東海はトンネル工事との因果関係を認めましたが、原因は何だと説明していますか。
○政府参考人(五十嵐徹人君) お答え申し上げます。 リニア中央新幹線の第一首都圏トンネル北品川工区におきまして、泥土圧シールド工法によりトンネル工事を進めておりますが、昨年十月に、シールドマシン直上の品川区道において最大十三センチメートル程度の隆起が発生したと承知しております。 その原因について、JR東海によれば、シールドマシンのカッターヘッドと隔壁の間にあるチェンバーに、削った土砂のほか、空気が一定程度たまった状態で掘進していたところ、地表まで空気が到達する経路が存在する箇所に遭遇した際に、チェンバー内にたまった空気が短時間のうちに多く漏出し、それが地表付近まで到達し、道路の舗装盤を押し上げたと推定しているとのことであり、その再発防止策として、空気をため過ぎないよう掘進する際の空気を抜く頻度や量を決めて施工管理を行うとともに、空気が一定程度たまることによって生じるチェンバー内圧力の分布がバランスよく保たれていない傾向を検知し、アラートを通知する新たな機能を掘進管理システムに搭載したと聞いております。 なお、JR東海からは、この再発防止策については、地元自治体や住民の方々への説明を経た上で、本年四月二十二日の掘進再開から実施しており、掘進再開後、同様のトラブルは発生していないと聞いております。 以上でございます。
○山添拓君 JR東海は、この事故の前も、国交省のガイドラインどおりに施工管理していたと言っているんですね。それでも起こったわけです。既に住宅直下を進んでいますが、いつまた新たなトラブルが起きてもおかしくありません。 私、今日伺いましたのは、外環道もリニアも大深度地下を掘り進めるシールドトンネル工事なんですね。通常の工事と違って、地上の地権者の同意を得たり補償をしたりということなく進めていきます。 大臣にも伺いますが、外環道でもリニアでも、トンネル工事が地表に影響して住民生活を脅かす事態が相次いでいます。元々、この大深度地下利用法というのは地上には影響しないということが前提でした。しかし、それは神話にすぎませんでした。大深度地下利用法の仕組み自体が前提を欠いていると思います。 廃止を含めて、抜本的な見直しを検討すべきではないでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) お答えを申し上げます。 大深度地下法に基づく使用許可制度は、公共の利益となる事業を円滑に実施するために、通常使用されない空間である大深度地下を使用する権利を認めるというものであり、大深度地下における工事は地上に影響を与えないということを前提としたものではありません。 大深度地下における工事については、より浅い地下での工事と同様、個別事業に係る各種法令や基準等に基づき、事業者において地上に影響が生じないよう適切に行われるべきものだと考えております。 御指摘の外環の陥没、空洞事故やリニアの地表隆起については、事業者において工事の施工に起因するものと公表されており、大深度地下法の見直しを行う必要があるとは考えておりません。
○山添拓君 時間ですから終わりにしますが、私、それは余りにも無責任だと思うんです。 調布の事故では、事故の前から騒音や振動などの予兆があって、私たちも繰り返し指摘していたんですが工事が進められて、そして取り返しの付かない事態が生じています。これ繰り返してはならないと、私は仕組み自体見直すべきだと強く求めて、質問を終わります。
○委員長(西田昌司君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(西田昌司君) 速記を起こしてください。
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。 本日は、重度訪問介護における入院時の介護派遣について質問します。 介護の必要な障害者にとって、地域の中で日常生活を営むためには介助者やヘルパーの存在はなくてはならない命綱となっています。そして、特に病気になったときは障害の状態による介護が平常時より更に困難になるため、入院時には個人の障害に熟知した介護者の付添いがなければ安全な入院生活を送ることはできない状況にあります。 一人一人の障害は全く違い、介護の仕方も違います。一定のマニュアル化された介護方法で介護された場合、骨折や捻挫など事故が起こる事例があります。実際、私の友人の中には、完全看護を理由に入院時の介護者の付添いが認められず、ふだんどおりの十分な介護が受けられなかったことで障害が重くなり、亡くなってしまった方もいます。介護の必要な障害者にとって、介護者と引き離された入院は、死を覚悟するほどの深刻な問題です。 地域で生活する障害当事者や障害者団体は、長年にわたり、重度訪問介護などの介護保障とともに、入院時の介護者の付添いを認めるよう国や東京都などに訴える運動を行ってきました。その経過の中で、資料一の五の、平成二十八年、特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院時における支援についての通知が出され、入院時の介護者の付添いが認められました。しかし、その後、新型コロナの到来で、感染対策を理由に入院時の付添いを拒否される事例が相次ぎました。 また、介護事業所からの派遣の打切りによって障害者や高齢者が自宅に取り残され、生活が困窮に追い込まれる中で、令和二年十二月に国交省の質疑において改善を求め、新たに厚労省から自治体に対して医療機関への周知を求める通知が出されました。さらに、令和三年には、三十三の医療関係団体宛てに直接通知が出されています。そして、令和五年には、新たな事務連絡に加え、資料一の四では、実際に受入れを行った医療機関の事例を記載した資料が添付されて各病院に周知されています。 しかし、入院時の介護者の付添いの拒否は後を絶たず、今年に入ってからも、台東区に住む障害者の方が救急で病院にかかったときに、厚労省の通知を見せて介護者の付添いを求めたにもかかわらず、しゃべれるからという理由でコミュニケーション支援は要らないと言われ、介護者の付添いを認められなくて入院を断念した方がいます。 これまでも何度も厚労省から通知が出され、病院にその通知を見せて説明しても、入院時の介護者の付添いを認めてくれない状況は変わりません。ですから、通知を出すだけではなく、各自治体に対して、自治体職員が入院する障害者の方と一緒に病院に付き添い、重度訪問介護制度が病院でも利用可能なことを説明するなどの合理的配慮を行っていただきたい、その上で、介護の必要な障害者が安全に入院ができるように改めて通知を出して周知していただきたいと思いますが、大臣の見解を求めます。
○国務大臣(上野賢一郎君) 重度訪問介護を受けておられる障害者で特別なコミュニケーション支援が必要な方々にとって、入院中に御本人の状態を熟知した重度訪問介護従業者が付き添い、その支援を受けられることは重要であると考えております。 このため、事務連絡や関係課長会議の場において、自治体に対し、特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院時における支援者の付添いの受入れについて病院等に対し周知をいただくことや、必要に応じ入院中に重度訪問介護の利用ができるように病院等との調整に御協力をいただくことについて依頼をしているところであります。 さらに、令和六年度の障害福祉サービス等報酬改定において、重度訪問介護の利用者が重度訪問介護の従業者に付き添ってもらいながら入院する際、その入院の前に重度訪問介護の事業所と医療機関との間で事前調整を行った場合には報酬で評価する入院時支援連携加算を設けたところであります。 引き続き、障害当事者に寄り添った支援が進むように、自治体や重度訪問介護事業者に対する周知を行うとともに、入院時支援体制連携加算の活用を促し、入院中の重度訪問介護従業者の付添いの受入れの推進に努めてまいります。
○木村英子君 ありがとうございます。 医療機関と介護事業所が連携して行える入院時支援体制連携加算ですか、これは創設されていますけれども、この存在を知らない医療機関が多い現状でもあります。ですから、この加算についても更に周知していただくとともに、今後、医療機関における重度訪問介護の付添いがスムーズに行えるよう、自治体に寄り添った支援を周知していただきたいと思います。 次に、厚労省が出した障害者の入院に係る支援に関する確認書について質問します。 資料一の七と一の八を御覧ください。 入院時の介護者の付添いを病院側が認めない大きな理由の一つに、障害者の入院に係る支援に関する確認書の存在があります。この確認書の患者用には、コミュニケーション支援以外は医療機関の看護要員が行うこととされており、支援者がこれを行うことはできませんと書かれています。また、支援者用には、コミュニケーション支援以外の支援を行いませんと記載され、そこに署名することとなっています。この確認書の文言があることによって、先ほどの事例のように会話ができることをもって支援は要らないと判断され、付添いの拒否につながっています。 こうした状況に対して、厚労省は、資料三のとおり、令和三年度障害者総合福祉推進事業の入院中の重度障害者のコミュニケーション支援等に関する調査研究報告書において、対象者や支援内容を類型化し、分かりやすく示しています。 例えば、適切な体位交換や食事、排せつ、更衣、清拭などの介護を支援者が看護職員と一緒に直接支援を行うほか、文字盤やコミュニケーション器具の使用やセッティング、かゆいところをかく、布団の掛け外しや、枕やクッションの位置のセッティング、カテーテルの状態確認、また、知的障害者の場合は、かみ砕いての説明など分かりやすい情報提供、安心して意思表明ができるサポートなど、コミュニケーション支援の内容を示しています。 しかし、この支援内容が医療機関に認識されておらず、さらに、確認書の文言を誤って解釈されているために、介護者の付添いを認めない病院があります。 このような状況に対して、東京都は、資料二のとおり、介護の必要な障害者がスムーズに入院手続ができるように家族等付添い許可申請書の許可内容欄に重度訪問介護利用という項目を加え、重度訪問介護を利用している障害者の入院には介護者の付添いができることを注意喚起しています。このような好事例は全国的に広めるべきであると私は考えます。 その上で、今後、医療機関に対して、確認書のコミュニケーション支援以外は支援者が行うことはできないという文言によって障害者が入院できない状況にならないように、確認書の文言を削除し、記載内容を改めていただきたいと思いますが、厚労省の見解を求めます。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する方の入院については、これまでの通知、特に委員からも資料の一の五以降でお示しいただいているこの通知でございますが、これにおきまして、コミュニケーション支援のために入院前から支援を行っている支援者が入院中に患者に付き添うことは差し支えないこと、これにより、体位交換など障害者ごとに異なる特殊な介護方法を医療従事者などに的確に伝えることができ、適切な対応につながることなどを周知してきたところでございまして、コミュニケーション支援の一環として、例えば、適切な体位交換の方法を介護職員に伝えるため、支援者が看護職員と一緒に直接支援を行うといったことも想定をされます。 一方で、今委員から御指摘がありましたように、その当該通知の別添にあります、医療機関と患者との間で支援内容の確認に用いる確認書の様式においては、支援者が行うことができる支援について、コミュニケーション支援以外の支援を行うことができないことのみが記載されておりまして、この記載については通知本文との整合性を考えますと誤解を与える可能性があると認識をしております。 このため、この確認書の記載ぶりによって医療現場で誤解が生じることのないように、議員の御指摘も踏まえ、可能な限り早急にどのような対応が適切であるか検討していきたいと、このように考えています。
○木村英子君 ありがとうございます。早急に確認書の文言を削除することも含めて検討をお願いしたいと思います。 次に、国立病院機構の入院時の介護者の付添いについて質問します。 国立病院機構においても既に厚労省からの通知が出されているところですが、実際に介護者の付添いを拒否され、困っている方の相談を受けた事例が届いていますので、私から今読み上げたいと思います。では、読みます。 自立生活センターヒューマンネットワーク熊本の植田と申します。私は、先天性ミオパチーという障害があり、二十四歳のときに地域での自立生活を始めて、現在、自立生活センターヒューマンネットワーク熊本の事務局長として、障害者の方の自立支援を行い、どんな障害のある方でも地域でその人らしい生活を送ることができる社会の実現を目指して活動しております。 入院時の重度訪問介護の利用について、私が実際に相談を受けた熊本のAさんの事例をお話しします。 二〇二四年の七月頃、Aさんから独り暮らしをしたいとの相談をいただきました。自宅を訪問すると、Aさんはベッドで横になっており、お父様と二人で生活されていました。ヘルパーは入っていましたが、二十四時間ではなく、Aさんはお父様の負担をとても心配されていました。電動車椅子が部屋の隅にあったため、電動車椅子は自分で操作されるのですかと尋ねると、国立病院機構の病院に入院中、看護師さんが着替えの介助をしていたときに腕を骨折して、それ以来、横になったままで、もう車椅子を操作できる体力も戻らないと思う、できるなら国立病院機構の病院にはもう行きたくない、関わりたくない、介助は雑だし、ナースコールを押してもなかなか来てもらえないと話されました。 その病院については、私が関わっている複数の利用者さんから、ナースコールを押しても二時間は放置される、三十分で来れば早い方という話や、介助方法を伝えようとしても怒られるなど、ひどい話を聞いていたため、関わりたくないと話される気持ちが痛いほど分かりました。 そこで、熊本で在宅の支援を熱心にされている医師を紹介し、その医師が紹介する病院であればヘルパーが使えることを説明しました。二〇二五年にAさんは実家を出て、二十四時間のヘルパーを利用しながら安定して生活できると連絡がありました。 二〇二六年三月二十八日、Aさんは気胸により急性期病院に救急搬送されました。その病院では、二十四時間のヘルパー利用が認められ、常にヘルパーさんがいました。Aさんは気管切開をし、声を出すことができなくなり、文字盤とまばたきで意思疎通をしていました。細かな介助方法や頭の位置の調整などは文字盤では伝えることが難しく、慣れているヘルパーさんがいたことで助かっていました。 体調も回復されたため、通院をしたかったのですが、在宅に戻る、あっ、退院をしたかったのですが、済みません、在宅に戻るには、呼吸器の準備やヘルパーさんの吸引の研修が必要になりました。それが整うまで病院に戻る必要がありますが、急性期病院なので転院する必要があり、国立病院機構の病院以外の病院も探しましたが、全て断られたため、国立病院機構の病院へ転院となりました。しかし、転院先では、看護師が対応するという理由でヘルパーの付添いは認められませんでした。 その後、Aさんは、過去に看護師に骨折させられたから怖いと国立病院機構の病院のワーカーに伝えてもらいましたが、必要とする二十四時間の介護ではなく、一週間限定で九時から十八時までの間という制限を付けられた回答が返ってきました。制限を付ける理由は、看護を代替していると思われないようにだそうです。 後日、このことを相談員さんが私に連絡してこられ、私はこれを助けてくださいという意味だと理解しました。五月一日、Aさんに会いました。Aさんは報告どおり声が出せなくなっており、文字盤を使って、ありがとうございますと伝えてくれました。その言葉を伝えるのに時間が掛かっていたので、介助方法を伝えることは困難と思いました。 その後、知り合いの議員に相談して、Aさんの病状や介護者の付添いを拒否している病院の対応を厚労省に伝えてもらうことになりました。五月七日、相談員さんから連絡があり、国立病院機構の病院が二十四時間のヘルパー利用を認め、期間も制限を設けないように調整中という内容でした。良い報告で安心しました。 しかし、転院する直前、看護師の介助により、Aさんが再び骨折する事故が起きました。Aさんは、ヘルパーだったら骨折しなかったと思うと話されました。介護を代替してはならないという、看護を代替としてはならないという一文があるため、看護師がAさんの体に触れ、対応していたそうです。私の体もそうですが、その人の障害によっては、体が拘縮していたり、湾曲していたり、それぞれ状態が異なり、介助の方法も異なります。自分に合った介助を受けられないということはとても負担であり、危険なことです。 入院時に重度訪問介護を使うことができれば、介助方法を熟知した介護者が介助方法を、体の細かい位置調整の伝達、クッションの位置調整、布団の掛け外し等、様々なことを対応していただけます。介助者がいれば、障害のある人は安心して入院できますし、病院も、介助方法を熟知した人が隣にいることで、けがをさせるリスクを大幅に軽減することができます。 介護を代替してはならないという、あっ、看護を代替してはならないという決まりを廃止できないでしょうか。完全看護の原則を障害のある方に当てはめることは不可能だと思います。まずは、国立病院機構から率先して二十四時間の入院時の重度訪問介護の利用を進めていただきたいです。以上です、とあります。 植田さんの報告にあったように、誤った介護による骨折などの事故は、私自身も病院や福祉施設経験が長い中で容易に想像できます。 このような状況が起こらないように、東京都では、資料四と五のとおり、令和五年二月に、重度訪問介護を利用する障害児者を含む特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添いの受入れについての通知を都立病院機構と各都立病院担当者に発出しました。この通知は、重度訪問介護の付添いを理由に入院を拒否された事例が頻発していることを受けて発出されたものです。 国立病院機構でも付添いを断った事例がありますから、今後、この東京都の通知を参考に、国立病院機構においても障害者の方の入院時の介護者の付添いを認めるように厚労省から通知を発出するとともに、指導を徹底していただきたいと思いますが、厚労省の見解を求めます。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 独立行政法人国立病院機構の多くの病院におきましては、重症心身障害、神経・筋難病などの患者を受け入れており、その中には特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者がいることから、患者の権利擁護及び安全、安心の観点から、これらの患者と医療従事者との円滑なコミュニケーションを図ることのできる療養環境を整備するということが重要だと考えております。 国立病院機構においても、同様の認識の下、同機構本部から各病院に対しまして、令和四年十一月及び令和五年十一月に、重度障害者の入院に当たって支援者の付添いの求めがあった場合、可能な限り付添いを受けられるよう適切な対応を求めてきたところでございます。 厚生労働省といたしましては、国立病院機構におけるこのような取組を踏まえ、国立病院機構と連携し、同機構の病院における取組状況を把握しつつ、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の方の入院時における支援等について同機構の病院において積極的に検討するよう、これまでの技術的助言をまとめて、改めて事務連絡で周知し、適切な対応を促してまいりたいと考えておるところでございます。
○木村英子君 ありがとうございます。医療機関に対して周知徹底を今後もお願いしたいと思います。 また、介護の必要な障害者は、家族が介護できないという場合、療養施設とか療養型病院に入り、死ぬまでそこが生活の場になる人が多い状況です。閉鎖的な空間による人間関係の中では、深刻な人権侵害が起こりやすく、入院している障害者はその現状を決して外に出すことができないという状況にあります。 ですから、虐待や事故などを未然に防ぐためにも、入院している利用者の声が閉ざされないように、オンブズマン制度だったり、あるいは第三者機関など、当事者が参画できる会議体などの仕組みに対して取組が早急に行われてほしいなと思っているところです。 今後、厚労省にはこのような制度の創設も含めて検討していただきたいと思いますけれども、大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 国立病院機構においては、一人一人に寄り添った質の高いサービス提供に向け、障害者の方の人権を擁護する拠点であり続けることができるように、令和七年の三月に機構本部から各病院に対して通知を出しています。この通知では、職員の意識改革や、あるいは内部通報体制の実効性の確保、そして外部の目の導入、この三つの視点で整理した基本的な考え方と、それぞれの各病院の取組例などを周知をしているところであります。 外部の目の導入の取組例として、患者との懇談会の実施や患者家族との面談などに取り組む病院の具体例が挙げられておりますが、患者の意見を聞く取組の横展開を推進していると承知をしています。 厚労省としては、国立病院機構の各病院や、療養されている患者の状況も様々ですので、特定の方法を各病院に対して一律に促すということはなかなか難しいと考えておりますが、安心して治療、療養ができる環境を整備する上で、病院が患者の意見を伺うことができる方法を検討していく、このことはとても大切だと考えています。 引き続き、国立病院機構の各病院において、安心して治療や療養を受けることができるように、外部の目の導入について、障害を抱える当事者の参画という観点も含めて、国立病院機構と連携して対応していきたいと考えています。
○木村英子君 ありがとうございます。 今後も、障害者の方が、入院に際して介護者をちゃんと付けて入院できるように、そして人権擁護が守られるような入院ができますよう、よろしくお願いいたします。 これで終わります。
○委員長(西田昌司君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(西田昌司君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山添拓君及び木村英子君が委員を辞任され、その補欠として吉良よし子君及び伊勢崎賢治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 他に御発言もないようですから、令和六年度決算外二件の本日の質疑はこの程度といたします。 令和六年度予備費二件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認めます。 これより令和六年度予備費二件を一括して討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、二〇二四年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、いわゆる特定予備費を承諾することに反対の討論を行います。 これは、岸田内閣が、物価高騰対策として、原油価格高騰対策、電気・ガス価格激変緩和のためとした支出です。これらのガソリン補助金は、二二年一月の事業開始以来、石油元売会社や商社への補助金となっており、物価高騰対策としての検証もなく、巨額の予算を積み増しており、予備費として支出することは認められず、承諾することに反対します。 そもそも、物価高騰により急迫する国民の暮らしと家計を支援するための給付や税控除の在り方は、政府が補正予算を編成して、国会、予算委員会であらかじめ徹底審議を尽くすべきであり、予算は国会の議決を経なければならないという憲法の原則を踏みにじる予備費の使い方は認められません。 二〇二四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書は、能登半島地震の災害対策など緊要な支出等であり、承諾することに賛成です。 以上、討論といたします。
○伊勢崎賢治君 れいわ新選組を代表して、令和六年度予備費二件に対して、反対の立場で討論いたします。 まず、能登半島地震関連経費について指摘いたします。 令和五年度予備費の使用決定額のうち、支出額は二四・一%にとどまり、七割以上が翌年度に繰り越されました。復興は道半ばであり、農地、農業用施設の復旧着手率は、何と三一%という深刻な状況が続いております。 なぜこれほど執行が遅れるのか。それは、政府がその都度小出しにされる予備費という不確実な手段に固執しているからです。 これでは、被災した自治体や現場は中長期的な計画を立てられず、資材高騰や人手不足の中で必要なリソースを確保するための安定的な契約を結ぶことができません。現場の窮状を無視したこの硬直的な手法こそが予算執行を阻む最大のブレーキです。ハード面の復旧の遅れは被災者の生活再建を著しく阻んでおります。 震災から二年半が経過した今なお、多くの被災者が仮設住宅での長期避難を強いられ、恒久的な住まいの確保はまだ見通せません。なりわいの再建の支援も行き届かず、資金繰りの限界から、廃業や地域外への流出を余儀なくされる事業者が後を絶たないのが実態であります。 政府には、予備費という手段を改め、補正予算を編成して、人手、資材、生活支援の全てに計画的かつ全力で予算を投じるよう強く強く求めます。 以上の理由から本件予備費には反対いたします。 以上です。
○委員長(西田昌司君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、令和六年度一般会計原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきと議決するに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(西田昌司君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 次に、令和六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。 本件について承諾を与えるべきと議決することに賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(西田昌司君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきと議決されました。 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(西田昌司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 片山財務大臣は御退席いただいて結構です。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題といたします。 会計検査院から説明を聴取いたします。原田会計検査院長。
○会計検査院長(原田祐平君) 会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、令和八年六月十二日に「地方財政計画の事後検証等の状況について」の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。 検査しましたところ、平成二十二年度から令和四年度までの間における地方財政計画額と地方公共団体の決算額には、最大で歳入については二兆八千四百億円、歳出については二兆一千億円の決算額が地方財政計画額を上回る乖離がありました。総務省は、乖離の状況の公表に当たり、地方公共団体の基金取崩し額等が乖離の要因として考え得ることを注記するなどの取組を行っておりませんでした。 また、平成二十九年度以降のふるさと納税について、地方公共団体全体の決算への影響額は令和二、三両年度を除いてマイナス、地方財政計画への影響額は各年度ともマイナスとなっており、共に地方公共団体の歳入総額を減少させる方向での影響を与えておりました。 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、総務省において、引き続き地方財政計画額と決算額の乖離の把握に努めること、乖離の状況の公表に当たっては、決算額が地方財政計画額を上回る要因等の有用な情報の提供を行うことで透明性の確保を引き続き図ること、また、ふるさと納税が地方財政計画の歳入及び歳出に及ぼす影響について検証を行うことなどに留意して、地方財政計画の事後検証を適切に行う必要があると考えております。 会計検査院としては、今後の地方財政及びこれを取り巻く状況も踏まえ、地方財政等の状況について、引き続き検査していくこととしております。 これをもって、報告書の概要の説明を終わります。
○委員長(西田昌司君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十一分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #4026 観測 2026-08-25 10:11 JST改ざん検知用の値
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