令和八年六月八日(月曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 六月一日 辞任 補欠選任 自見はなこ君 森 まさこ君 かごしま彰宏君 奥村 祥大君 川村 雄大君 司 隆史君 佐々木雅文君 上田 勇君 佐々木りえ君 高木かおり君 安達 悠司君 櫻井 祥子君 木村 英子君 伊勢崎賢治君 六月二日 辞任 補欠選任 出川 桃子君 山本 順三君 星 北斗君 末松 信介君 小池 晃君 吉良よし子君 六月四日 辞任 補欠選任 岸 真紀子君 高木 真理君 六月五日 辞任 補欠選任 滝波 宏文君 出川 桃子君 森 まさこ君 西田 英範君 高木 真理君 岸 真紀子君 江原くみ子君 後藤 斎君 奥村 祥大君 原田 秀一君 嘉田由紀子君 松野 明美君 高木かおり君 新実 彰平君 櫻井 祥子君 塩入 清香君 六月八日 辞任 補欠選任 後藤 斎君 江原くみ子君 司 隆史君 横山 信一君 吉良よし子君 岩渕 友君 伊勢崎賢治君 大島九州男君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 西田 昌司君 理 事 井上 義行君 小林 一大君 中西 祐介君 羽田 次郎君 宮崎 勝君 委 員 かまやち敏君 小林孝一郎君 末松 信介君 出川 桃子君 西田 英範君 藤井 一博君 藤木 眞也君 山田 太郎君 山本 順三君 岸 真紀子君 郡山りょう君 古賀 千景君 吉田 忠智君 江原くみ子君 後藤 斎君 堂込麻紀子君 原田 秀一君 上田 勇君 司 隆史君 横山 信一君 新実 彰平君 松野 明美君 塩入 清香君 山中 泉君 岩渕 友君 吉良よし子君 伊勢崎賢治君 大島九州男君 国務大臣 財務大臣 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(金融)) 片山さつき君 経済産業大臣 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(原子力 損害賠償・廃炉 等支援機構)) 赤澤 亮正君 副大臣 財務副大臣 舞立 昇治君 大臣政務官 文部科学大臣政 務官 福田かおる君 事務局側 常任委員会専門 員 小松 康志君 政府参考人 内閣府科学技術 ・イノベーショ ン推進事務局審 議官 馬場 貴成君 金融庁総合政策 局長 堀本 善雄君 金融庁総合政策 局総括審議官 柳瀬 護君 金融庁総合政策 局審議官 岡田 大君 金融庁企画市場 局長 井上 俊剛君 金融庁監督局長 石田 晋也君 消費者庁審議官 尾原 知明君 財務省主計局次 長 吉沢浩二郎君 財務省主税局長 青木 孝徳君 財務省関税局長 寺岡 光博君 財務省理財局長 井口 裕之君 文部科学省大臣 官房審議官 先崎 卓歩君 文化庁審議官 梶山 正司君 経済産業省大臣 官房審議官 河野 太志君 経済産業省大臣 官房審議官 竹田 憲君 経済産業省大臣 官房審議官 今村 亘君 経済産業省大臣 官房審議官 畑田 浩之君 経済産業省大臣 官房審議官 田中 一成君 経済産業省大臣 官房審議官 浅井 俊隆君 経済産業省大臣 官房エネルギー ・地域政策統括 調整官 佐々木雅人君 経済産業省商務 情報政策局長 野原 諭君 資源エネルギー 庁省エネルギー ・新エネルギー 部長 小林 大和君 資源エネルギー 庁電力・ガス事 業部長 久米 孝君 中小企業庁次長 山本 和徳君 中小企業庁経営 支援部長 山崎 琢矢君 国土交通省大臣 官房審議官 小島 優君 国土交通省大臣 官房審議官 豊嶋 太朗君 説明員 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 栗島 正彦君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 篠崎 智宏君 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 水谷 一博君 会計検査院事務 総局第一局長 佐々木規人君 参考人 株式会社国際協 力銀行代表取締 役総裁 林 信光君 株式会社日本貿 易保険代表取締 役社長 黒田 篤郎君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○令和六年度一般会計歳入歳出決算、令和六年度特別会計歳入歳出決算、令和六年度国税収納金整理資金受払計算書、令和六年度政府関係機関決算書 ○令和六年度国有財産増減及び現在額総計算書 ○令和六年度国有財産無償貸付状況総計算書 (財務省、経済産業省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の部) ─────────────
決算委員会
発言 206
○委員長(西田昌司君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る五日までに、佐々木りえ君、安達悠司君、佐々木雅文君、川村雄大君、自見はなこ君、木村英子君、かごしま彰宏君、小池晃君、星北斗君、嘉田由紀子君、江原くみ子君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として上田勇君、司隆史君、伊勢崎賢治君、吉良よし子君、山本順三君、末松信介君、松野明美君、新実彰平君、塩入清香君、原田秀一君、後藤斎君及び西田英範君が選任されました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 令和六年度決算外二件を議題といたします。 本日は、財務省、経済産業省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算について審査を行います。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○出川桃子君 おはようございます。自由民主党・無所属の会、出川桃子でございます。 本日は、決算委員会において初めて質問をさせていただきます。西田委員長を始め、理事、委員の皆様、関係閣僚の皆様には心より感謝を申し上げます。 私は、合区選挙区である鳥取・島根選挙区より選出をいただいております。私の地元は、朝の連続テレビ小説「ばけばけ」の舞台となりました島根県松江市でございます。全国に先駆けて人口減少が進み、高齢化や人手不足といった厳しい課題に直面をいたしております。 一方、地方は、人材供給を始め、食料供給、エネルギー供給など、我が国を根底から支える極めて重要な役割を担っております。私は、地方の活力なくして日本の持続的な成長と安定は成し得ない、そう考えております。 我が国は今、長年続いたコストカット型経済から脱却をし、新たな成長型経済へ移行できるか、大変重要な局面を迎えております。だからこそ、今求められているのは、緊縮志向からの発想の転換ではないでしょうか。単なる歳出抑制ではなく、未来への投資が地域経済を潤し、民間投資や所得の拡大を引き出すことが結果として税収増や財政の健全化につながっていく。私は、こうした責任ある積極財政の考え方の下、地方の活力を取り戻し、日本列島全体の持続可能性と成長力を高めていきたいと考えております。本日は、そうした視点に立ち、何点か質問させていただきます。 では、まず初めに、公共投資の在り方についてお伺いいたします。 我が国における社会資本整備をめぐっては、人口減少や災害の激甚化が進む中で、国土強靱化や地域の持続可能性の確保に向け、より戦略的な投資が求められております。しかしながら、現在の公共事業の評価制度は、経済効率性の指標である費用便益比、いわゆるBバイCに依存した運用となっている点に強い懸念を持っております。 防災・減災や災害時の輸送確保、さらには地域の維持、活性化といった、貨幣換算が困難でありながら社会的に極めて重要な効果が必ずしも十分に評価されていないのではないでしょうか。諸外国に目を向ければ、公共事業の採択において、BバイCのみに依存をせず、より多角的な視点から総合的に評価する流れがございます。 また、BバイC算定に用いる社会的割引率は長年見直しが行われておらず、現在の経済環境では将来の便益を過小評価してしまうおそれがあるとの指摘がなされています。この過小評価によって、特に地方において、本来行われるべき公共事業が実施をされず、公共事業関係全体費も抑制されてきた側面があると考えます。 こうした観点に立ちますと、公共事業の評価は、単なる数値による選別にとどまらず、国家の安全性や持続可能性を含め、より総合的に判断していく新たな評価制度の確立が求められているのではないかと考えます。公共事業の事業評価手法や費用便益比に用いられている社会的割引率について、国土交通省としてどのような問題意識を持って改善に向けて取り組んでいくのか、まずは国土交通省にお伺いいたします。
○政府参考人(小島優君) お答え申し上げます。 公共事業の事業評価においては、費用便益分析は効率性を客観的に示す重要な手法である一方、道路、河川、港湾等の社会資本が果たす役割が広範に及ぶものであり、その全てを貨幣換算によって捕捉することは困難であると認識をしております。 このため、事業評価に当たっては、災害時における人や物資の輸送の確保、地域の活力向上など、貨幣換算が困難な効果も含めた総合的な評価を行うことが重要であると認識をしております。また、費用便益比、いわゆるBバイCの算定に用います社会的割引率につきましては、二〇〇四年に当時の十年物国債の実質利回りなどを参考に四%と設定しているところです。 国土交通省といたしましては、有識者の御意見を伺いながら、公共事業がもたらす多様な効果を適切に評価できるよう、事業手法の改善や社会的割引率の検討を進めてまいります。
○出川桃子君 御答弁をいただきまして、ありがとうございます。前向きな御答弁いただいたと思います。国土交通省におかれましては、多様な効果が適切に評価をされる、そうした評価制度の確立に向けて確実に前へ進めていただきますよう強くお願いを申し上げます。 さて、先ほど、今ほど国土交通省の質疑では、公共事業の評価手法という、言わばパイの分け方について質疑をさせていただきました。しかし、地方の活力を取り戻して、国全体の成長を促していくために最も肝腎なのは、パイのサイズをいかに大きくしていくか、そのことであります。パイの全体量が変わらないまま、パイの切り分け方だけを議論していても意味がありません。 そこで、予算の総元締である片山財務大臣にお伺いしたいと思います。 高市政権が掲げる日本列島を強く豊かにというスローガン、これに地方は大変大きな期待を持っているところであります。日本列島を強くするためには、国土強靱化と同時に、地方を豊かにするためにはインフラ整備の強化は重要であります。国が目指す生産性の向上、これは基盤となるインフラがあってこそ初めて実現できるものであります。 しかし、現場の現実、大変深刻であります。近年発生している資材価格や人件費の高騰、さらに、今後の中東情勢次第では更なる物価高騰も予想されます。こうした中で、名目の予算額がたとえ維持されたとしても、実際に現場で行われる実質的な事業量は目減りをしてしまいます。 お手元の資料をもしよろしければ御参照ください。 令和六年度決算において、公共事業の財源となる建設国債の発行は九・七兆円程度となっておりますが、一九九〇年代半ばの公共事業関係費は当初、補正を合わせて十兆円から十五兆円規模で推移をしており、近年は当初予算ベースで六兆円台にまで抑制をされております。さらに、約四〇%増とも言われる近年の建設物価の高騰を考慮いたしますと、現場における実質的な事業量はかつての半分近くにまで落ち込んでいると言わざるを得ません。 そもそも、建設国債を財源とする公共事業は、赤字国債による消費的な支出とは根本的に性格が異なります。公共事業は単なるコストではありません。道路網などのインフラが整備されることで、企業の商圏が広がり、地域の生産性や稼ぐ力が飛躍的に上がっていく、そして結果として税収増となって国に還元されていく、将来世代の安全と経済活動に裨益するまさに生きた成長投資であり、未来への投資にほかならないと思います。 そこで、財務大臣にお伺いいたします。 成長の好循環、これを実現していくためにも、歳出抑制の発想から脱却をし、国土強靱化を高市内閣の掲げる危機管理投資に位置付け、しっかりと力強く前に進めていくべきと考えますが、財務大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) まさに委員のおっしゃるとおり、日本列島を強く豊かに、豊かに強く、いろいろあるんですが、これは、国土強靱化を我が自民党が始めたときに非常によく似たキャッチフレーズで全国展開をしておりまして、高市政権においてもそうなんですけれども、この災害が頻発化、そして今激甚化、残念ながらしてきている日本で、かつインフラの老朽化の方も進んでおりますから、こういった我が国において、このインフラの保全を始め、平時からの事前防災・減災の取組で自然災害から国民の命、財産、暮らし、そして経済活動全般を守る、守り抜くということが非常に重要で不可欠でございますので、まさに国土強靱化こそが危機管理投資そのものと考えております。 デジタル技術などテクノロジー面も今大分進んでまいりましたので、こういったことを活用しながら、ハード、ソフトの両面で防災やインフラ保全を徹底するため、今回、事業規模を五年間でおおむね二十兆円強程度とする国土強靱化実施中期計画に基づく取組をやるということで、官民挙げて着実に実施する方針となっておりますが、その際も、先ほどおっしゃったような、まさに資材の高騰とかいろんな要素もありますが、安定財源も確保しながら、めり張りも付けますが、事業ができなければ意味がないということをちゃんと前提にしてこの国土強靱化の取組を戦略的に進めてまいりたいと、このように考えております。
○出川桃子君 力強い御答弁をいただきまして、誠にありがとうございます。片山大臣とこのベクトルを合わせることができた、認識を共有できたこと、大変意義深く感じております。 大臣からは、国土強靱化は危機管理そのものであると力強いお言葉もいただきました。是非、大臣の、片山大臣の力強いリーダーシップで前へと進めていただきたいと思います。ありがとうございます。 では、次の質問に移りたいと思います。 今国会が閉会する頃、子供たちが心待ちにしている夏休みが始まります。しかし、給食がなくなるこの期間、楽しみにするどころか不安な気持ち、憂鬱な気持ちで迎える御家庭も少なからずおられます。親や子供の食事の回数や量を減らさざるを得ない、そうした切実な声が聞こえてまいります。 ゴールデンウイーク前にも、母親が子供をあやめてしまうという大変痛ましい母子心中事件がございました。そして、かつて過去には、お子さんが運動会で活躍をしたその鉢巻きでお子さんをあやめてしまうという、母親が追い詰められた、決して忘れてはならない、そうした母子心中事件もございました。長引く物価高騰や中東情勢の不安の中で、そうした影響を色濃く受けているのは、まさにこうした子供を育てている困窮家庭でございます。 私は、長年、子供の貧困支援に携わる中で、その支援はあたかも傷口にばんそうこうを貼っているだけなのではないか、そうしたじくじたる思いを抱いてまいりました。シングルマザーの貧困の根本要因に目を向けなければ、こうした悲惨な事件は、悲劇は繰り返されてしまいます。子供の貧困の根底には、働いても働いても生活が安定をしない我が国の産業、経済構造のゆがみがあるのではないでしょうか。 お手元の資料を御覧ください。 日本のシングルマザーの就労率、これは八割を超え、OECD諸国の中でもトップクラスですが、相対的貧困率は最悪レベルであります。平均就労年収は二百三十六万円、シングルファーザーの平均就労年収四百九十六万円の半分以下の水準にとどまっております。つまり、日本のシングルマザーは世界で一番真面目に働いているのに世界で一番報われない、まさに構造的なワーキングプアの状態に置かれています。 この問題、単なる福祉や労働法制の枠組みだけで解決することはできません。現在、政府は力強く賃上げを進めておられますが、その波は中小企業や現場で非正規として働く女性たちにまではまだ十分に波及していないところであります。 そこで、赤澤経産大臣にお伺いいたします。 赤澤大臣は私と同じ山陰選出の大先輩でありまして、本日非常に緊張しているんですけれども、永田町のかいわいでは全閣僚の中で最も女性の気持ちが分かる、寄り添っていただける大臣だと伺っておりますので、あえてここで経産大臣の大きな視点で御質問をさせていただきたいと思い、経済産業省にお伺いさせていただきます。 こうした賃金格差を埋め、普通に真面目に働いていれば子供を育てられる経済環境、経済構造、これを実現していくために、経済産業省としてどのような産業政策を進めようとされているのか、大きな視点からの御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御質問ありがとうございます。何か褒め殺しに遭ったような感じで、心してお答えしたいと思いますが、大変大事な数字を引っ張られたので、一つちょっと用意していた答弁の前にお話ししたいのは、二百三十六万円ということは、年間二千時間働いて千二百円、時給千二百円に到達していないということになりますね。我が国では、残念なことに、最低賃金が千二百円に届いたのは直近で東京都と神奈川県だけです。ということは、この母子世帯の皆様も本当に苦しいんですけど、最低賃金で働いている方たちも、東京都とそれから神奈川県を除けば最低賃金で働いている方はこの二百三十六万にも行っていないということなんで、問題は本当に深刻だろうというふうに私は思い、最低賃金については政治家の責任は大きいと自分では思っています。 委員御指摘のとおり、一人親世帯など働いても働いても生活が苦しい方がいらっしゃることは本当にそのとおりで、選挙のたびごとに暮らしていけるようにしてくださいと手を握る方たちがおられます。こうした状況の改善に向けて物価上昇を上回る賃上げを実現することは非常に重要で、中でも、男女の賃金格差の解消にも大きく資する、特に最低賃金の引上げ、効果的であり、その引上げは特に重要であると思っています。 こうした観点から、中小企業の経営能力の高度化と経営改革を後押しすることは極めて重要であり、三点セットですけど、価格転嫁、取引適正化の徹底、成長投資やAX、省力化、デジタル化、生産性向上ですね、それからMアンドA、事業承継による事業再編に取り組み、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を目指すと。 さらに、個人の賃金上昇を後押しするため、在職者に対してキャリア相談からリスキリング、転職まで一体的に支援しているところであります。例えば、IT、デジタルに関するスキルの習得や転職も含めて働きやすさの改善やキャリアアップにつながるリスキリングや労働移動を促進していく。 引き続き、非正規として働く女性たちも含めて、最低賃金の引上げなどの賃上げ機運の醸成、スキルの向上等を通じ、子供を育てられる経済構造を実現してまいりたいというふうに思います。
○出川桃子君 大臣の本当に真摯な御答弁に感謝を申し上げます。 最低賃金に換算すると千二百円に到達していない県がほとんどであるということ、本当に赤澤大臣が賃上げ向上に向けて旗を振って頑張ってくださっていることは常々感謝をしているところでございます。 やはり、女性に限らず、真面目に額に汗して働ければ報われる、子供を育てることができる、そうした当たり前の社会を取り戻していくことが最大の貧困対策だと私は思っておりますので、これからも赤澤大臣の力強いリーダーシップに期待をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 では、最後のテーマ、それはまさに稼ぐ力を地方の現場へどう実装していくかについてお伺いいたします。 先日公表された国勢調査でも浮き彫りになったとおり、地方の人口減少は待ったなしの状況であります。地方では、多くの若者が、高校を卒業し、進学を機に県外へと出ていきます。大学や専門学校で専門性を身に付け、そして地元へ帰ってきてくれたら有り難いのですが、なかなか希望する職種が地元にない、あるいは女性のキャリア形成を描ける企業が少ない、女性が働き続けにくい労働環境や根強く残る男女間の賃金格差など、地元に戻りたくても戻れないという現状があります。 つまり、若者、とりわけ若い女性が将来への希望や人生設計を描ける仕事が地方に少ないということであります。言い換えれば、地方の人口減少の根本的な原因は、女性や若者に選ばれる地域経済を十分につくり切れていないという現実にあるのではないでしょうか。 産業政策とはまさに人口減少対策そのものであるとも言えます。地方へ人を呼び戻すためには、若者が希望を持てる産業、女性がキャリアを築ける職場、そして、先ほど大臣がおっしゃっていただいた、地方でも成長を実感できる賃金水準の実現が不可欠であります。そのためには、地方へしっかりと投資が行われ、新たな産業が育つ環境をつくらなければなりません。 現在、政府は、地域未来戦略の中で、地域ごとに戦略産業クラスターを形成する動きを進めておられます。熊本県のTSMCや北海道のラピダスのような大規模な企業進出は、新たな雇用や高い賃金を生み出す起爆剤となります。 しかし、考えてみますと、こうしたメガプロジェクトを全国全ての地方で実現していくこと、それはかなりハードルが高い、現実的ではないとも思えます。だからこそ、戦略産業クラスターの実現に向けては、地元の中小企業をしっかりと支援して底上げをし、中堅企業、中核企業を育て、活性化の主役に据えることが重要だと考えます。 そこで、赤澤大臣にお伺いいたします。 地域未来戦略や地方の中小企業に確実に裨益し、女性や若者に選ばれる良質な雇用の創出に結び付くよう、経済産業省として今後どのように取り組んでいくお考えか、御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 地域未来戦略では、どこに住んでいても働く場所がある強い経済の構築を目指し、地域に特色のある産業クラスターを創出していきます。 地方創生、なかなか道半ばということなんですけど、一つ申し上げておきたいのは、経産省の予測でいうと、二〇四〇年に一都三県で二百万人どうも働く人が余るようだと、端的に言うとですね。これはもう言うまでもなくAIによることです。大企業が多く抱えているホワイトカラーの方たちの仕事がAIの普及によってかなり、何といいますか、必要がなくなると。 その方たちは、逆に言えば、一都三県以外で仕事を見付けないとやりがいのある人生なかなか続けられないということになるので、そういう意味で、地方で決定的に足りないエッセンシャルワークをやっている方たちがAIの力とかを借りながら生産性を上げて仕事をしていくみたいな方向は、非常に、地方が人口流出を止めて、逆に人口を獲得し、やりがいのある職場を提供していく上で大事な流れだと思っています。 そういう意味で、産業クラスターの基盤となるのも地域の中堅・中小企業であり、その稼ぐ力を高め、賃上げを行い、良質な雇用を生み出す上で要となるのは、今申し上げたとおりAIトランスフォーメーションだと思っています。 このため、経産省としては、省力化投資補助金によりAIトランスフォーメーションを含めた省力化投資を支援するとともに、大規模成長投資補助金において地方で大胆な賃上げを行うAIトランスフォーメーションを含めた大規模投資を支援するなど、地域の産業クラスターを支える中堅・中小企業の取組を後押しするということとしております。 こうした取組を通じて、地方の産業クラスターに良質な雇用を生み出す中堅・中小企業を創出をし、女性や若者の雇用の受皿となるように全力で取り組んでまいりたいというふうに思っています。
○出川桃子君 ありがとうございました。 本日の質疑が確かな政策として現場に届くことを期待をいたしまして、以上で私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○西田英範君 おはようございます。自由民主党、西田英範でございます。 私も、この度、初めての決算委員会における御質問ということでございます。機会をいただきまして、西田委員長を始め、関係委員の皆様、誠にありがとうございます。 それでは、経産省、金融庁、財務省の順にて御質問をさせていただきます。 まず、適正な予算執行についてでございます。 令和六年度決算におきまして、政府全体の予算執行の一部において一定の不用が生じた事実がございます。また、各種予算事業につきまして、その政策効果を十分に発揮するに当たりましては、どうしても年度をまたぐ執行というのがどうしても必要になるわけであります。 そうした中、補正予算を含めて多額の中小企業対策費を持つ中小企業庁におきまして、今後、不用等をいかに抑制して、かつ効率的、効果的に予算執行を進めていくのか、どういう工夫をしていくかにつきまして、経済産業省にお伺いをいたします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、限られた財源の中で中小企業への支援効果を最大化するためにも、予算の不用を抑制し、効率的かつ効果的に予算執行していくことが重要と認識しております。 中小企業庁といたしましては、中小企業の成長を後押しする設備投資支援において、複数年度にわたって弾力的な支出が可能な交付金や基金の仕組みを活用することで、年度の切れ目による不用の抑制に取り組んでいるところでございます。 こうした予算執行上の工夫を含めて、引き続き中小企業の稼ぐ力を強化してまいる所存でございます。
○西田英範君 ありがとうございます。責任ある積極財政に向けて、適正な予算執行の方、よろしくお願い申し上げます。 その上で、中東情勢を踏まえた経済産業省の対応を問わせていただきます。 現在、ホルムズ海峡封鎖を受けまして、資機材、原材料等が入らず、企業収益が圧迫され、資金繰りが急激に悪化するケースが大変増えております。 こうした資金繰りに関する支援としましては、例えばセーフティーネット貸付け等が活用されているところではありますけれども、今回のような事案に関しましては、中小企業等において、制度の要件としてよく知られる前年比で直近三か月の売上げ減少と、こういった事象に着目するだけでは解決しないわけであります。資機材が入らないために受注そのものが停止していると、極めて切迫した状況にあるわけであります。 こうした今回の事象の特徴を踏まえたスピード感を持って柔軟かつ機動的な資金繰り支援を行う必要があると考えます。経産省、中小企業庁の取組をお伺いをいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 中東情勢の影響を受ける中小企業に対しては、これまで千か所の特別相談窓口の設置、あるいは委員御指摘のセーフティーネット貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した千八百業界団体への価格転嫁要請といった支援を実施してきております。さらに、先月二十五日、総理から発表したとおり、資金繰り支援の強化として、今後、債務を一般保証とは別枠で保証するセーフティーネット保証五号に中東情勢の影響を受ける業種を追加指定しております。 引き続き、中東情勢が中小企業に与える影響を注視しつつ、必要な対応に万全を期してまいりたいと思います。
○西田英範君 是非、全国の中小企業が明日に希望が持てるよう、是非十分な御支援をよろしくお願い申し上げます。 続きまして、スタートアップを支えるための予算執行の在り方について議論させていただけたらと思います。 新しい技術等の社会実装を加速化する観点から、新たな需要や市場を創出するため、スタートアップの技術や製品などについて政府による公共調達を活用していくこと、また、政府が最初の顧客となって複数年、長期にわたって継続的に購入、調達を保証する、いわゆるアンカーテナンシーです。こうしたものが実際資金繰りに大変厳しいスタートアップを支え成長させていくには大変有効であります。 しかし、そうした予算が付いたとしても、実務の面を見ますと、現行では精算払いが中心なんですね。そうすると、事業が完了するまでの間、資金繰りが大変厳しくなる実態があるわけであります。スタートアップの実情に合った運用見直しとして、不適正な資金運用は防ぎつつ、前払の仕組みを積極的に活用することが重要ではないかと考えます。 また、中小企業技術革新制度、SBIRもスタートアップの技術実証の加速化に大きな役割を果たしているわけでありますけれども、現在は研究開発、実証段階、こういったものが中心になっているわけでありますけれども、これから試験導入等、さらにはその後の社会実装も見据えて更なる強化が必要になってくるわけであります。 この問題は、内閣府、総務省、国交省、防衛省を始め、関係省庁にまたがる話ではあるわけでありますけれども、このスタートアップ加速化に向けて経済産業省として今後どのように取組を進めていかれるか、赤澤経産大臣にお伺いします。 また、あわせて、財務省として各省庁がこの公共調達における前払を活用できるように、是非財務省としても実務面で御支援をいただきたいと思いますので、財務省政務にも、財務省にもお伺いをいたします。まず、赤澤大臣。
○国務大臣(赤澤亮正君) 委員御指摘のとおり、もう大変重要な御指摘だと思います。片山大臣の御理解もいただきながら、防衛始めとする政府調達による需要創出のシグナルを出すと、それで企業の予見可能性が増えるということがあります。また、AI、量子、宇宙といったスタートアップへの投資を促すことが重要だと思っています。 政府調達の加速に向けては、日本成長戦略会議における高市総理の指示を受けて、SBIR制度を抜本強化し、本格調達につなげる試験導入の枠組みを創設すべく、内閣府や関係省庁と調整を進めております。スタートアップの各レベル、段階である問題を何とか総合的に解決していこうという試みであります。 スタートアップが政府調達に参入しやすくなるよう、前払の積極的な活用を促すなどの政府調達に係る全省庁統一の契約の運用指針を策定すべく、関係省庁と調整を進めているところです。 こうした取組により、我が国のスタートアップが政府調達による初期需要創出を通して成長するスタートアップエコシステムを形成してまいりたいというふうに思っています。
○副大臣(舞立昇治君) ありがとうございます。 財務省におきましては、会計制度上の原則でございます後払い、精算払いの例外でございます概算払に係る協議について、これまでも関係者の負担軽減や概算払の活用促進の観点からその手続の簡略化に取り組んできておりまして、例えば、ヒアリングの廃止、一定の要件の下、記載事項の簡略化や資金繰り表等の協議書類を提出不要とするといった簡素化を図ってきているところでございまして、引き続き、スタートアップによる新技術等の社会実装を加速するため、財務省としても、こうした取組を通じた概算払等の積極的な活用の促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○西田英範君 前向きな御答弁を経産省、財務省からいただきまして、ありがとうございます。スタートアップこそイノベーションの鍵でありますので、是非、関係省庁一体となって政策を総動員いただきますようお願いを申し上げます。 続きまして、AI、デジタルについてでございます。 我が国は、まさに現実として人口減少が進んでいる実態があります。そうした中でも、この労働投入量が加速度的に増やすことが難しい中にあっても、日本経済の成長軌道に乗せていくためには、製造現場におけるフィジカルAIを効果的に導入していくこと、また各業界における企業でAIエージェントを積極的に導入する、こうしたことを通じて生産性を向上させていくことが極めて重要であるわけであります。 これまで、デジタル化ということで政府としては政策を進めてきたわけでありますけれども、典型的なものでいえばIT導入補助金、これは長年大変活用されてきて、大変な件数積み上がってきて、本当御尽力感謝申し上げます。 ただ、残念ながら、国際的に見ると、まだ中小企業のデジタル化という意味においてはまだ高い数字とは決して言えないと思います。例えば、IPAの調査によれば、従業員三百名以下の企業においてDXの成果が出ているとする割合は、米国は九割前後あります。ドイツは八割前後。日本は六割を下回っています。こうした現状となっている原因をしっかり踏まえながら、今後のデジタル・AI導入補助金の実効的な制度設計、そして活用の在り方を検討する必要があるわけであります。 本来、AIトランスフォーメーションであるとかデジタルトランスフォーメーションというのは、単にAI、デジタルツールを導入するといったことにとどまらず、経営者自身がそのAI等の本質を捉えて、事業の在り方、そして組織の見直し、さらにマーケティングも含めて経営の変革をすることが本来のAIデジタルトランスフォーメーションであります。 一方で、じゃ、中小企業はそれが現実できるかというと、そういったデジタル、AIに関する専門人材をそろえることはほとんど難しいというわけでございます。また、業種によってその導入の仕方、事業再編の在り方というのも多種多様でありますので、一律に理解することはなかなか難しいわけであります。 そうした中で、中小企業のAI、デジタルの導入に向けて、恒常的に、かつきめ細かくサポートしたり、その触れられる機会というのはどうしても必要になるわけであります。こうしたこれら課題を踏まえまして、中小企業へのAI、デジタルの支援策として経済産業省としてどのように取り組んでいかれるか、御見解をお願いをいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) デジタル化も道半ばというのが、経営者の意識改革や、まさに経営革新までなかなか及んでいないという御指摘は全くそのとおりだと思います。 中小企業のデジタル化に当たっては、費用負担や経営者の意識醸成といった課題がまさにあります。こうした課題を踏まえて支援することが重要で、このため、デジタル化・AI導入補助金においては、経営者の関与を高めるため、経営者自身がITコーディネーターといった専門家と面談を行い、自社のデジタル化の取組の方向性を交付申請前に確認した場合に加点する仕組みを今年度から導入をしております。 また、御指摘の中小企業がAIに触れる機会の提供といった観点も含めて、中小企業庁としては、地方自治体とも連携をし、AIの導入力のある中小企業と経営やAIに精通した知見者やAIサービス提供者といった関係者のネットワークを地域ごとに構築していくことを検討しております。さらに、その成果を広く全国に共有するとともに、各都道府県のよろず支援拠点内に本年四月に設けた生産性向上支援センターにおいてAXに関する伴走支援を実施し、より多くの中小企業の経営者の意識改革を促してまいります。 AXは、現場、現業型のスピード感のある中堅・中小企業にとって、人手不足を乗り越え、生産性を一気に上げて大企業を追い抜くリープフロッグのチャンスだと思いますので、引き続き全力で支援してまいりたいと思います。
○西田英範君 是非、日本企業、中小企業の生産性向上に向けて政策を進めていただきたいと思います。 続きまして、成長戦略の話をさせていただきます。 成長戦略、これから大胆な投資を進めていくわけでありますけれども、大変大きなこれから官民の投資を促していくわけですが、その分しっかりその個別の成長戦略の勝ち筋が見える形で政策を設計していかなくてはなりません。 例えば、その典型例でいいますと、半導体支援であります。広島県東広島市のマイクロンでありますとか熊本TSMC始め重要な産業クラスターにもつながる大切な投資成長分野でありますけれども、じゃ、政府としてはこれまでも、AI・半導体産業基盤強化フレームの策定を決定されまして、今後十年間で五十兆円を超える国内投資を官民協調で実現すると、二〇三〇年までに計十兆円以上の公的支援を行うこととしているわけでありますけれども、一方、実はこの半導体産業については過去をやはり振り返ってみる必要がありまして、我が国の半導体シェア、一〇%まで下がったと、この理由もちゃんと分析をしながら制度設計をすると、踏まえなければいけません。 それは、この分野でいえば、かつて日米半導体協議、さらに公的支援の国際的な比較の中で不足していた、自前主義に固執してしまった、国際連携も不十分だったと。そして、設計と製造の水平分業化への対応の遅れなども要因としてはあるわけであります。こうした反省を踏まえてしっかりと支援の制度設計をしなくてはいけませんし、支援の在り方は不断に検証しなくてはなりません。 また、個別の会社でいえばラピダスですね。ラピダスについては、これは過去のフレームの前からいっても、今年度までに計二・五兆円の支援であるとか出資を進めているわけでありますけれども、このラピダスは令和九年度後半までに膨大なデータを高速処理する二ナノの量産開始を目指しているわけでありますけれども、現時点でその先端半導体を活用できる国内企業は一体どこまであるのかという議論があるわけであります。 今後、顧客開拓も課題になってくるわけであります。こうした顧客需要の見通しにつきましても併せて認識をいただきたいと思います。半導体支援政策と顧客見通し、この辺りについて赤澤経産大臣にお伺いします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 過去の半導体政策の反省として、海外との連携やグローバルな技術動向への対応が不十分であったことや、機動的かつ適切な投資支援策を講じなかったことなど、委員の御指摘いただいたことも含め本当に反省点があるわけです。 これを踏まえ、例えば、AI・半導体産業基盤強化フレームで支援しているラピダスプロジェクトでは、米国のIBMやベルギーのimecといった海外機関と密接に連携しているほか、外部有識者によるモニタリングを行いながら機動的かつ適切な投資支援策を講じているところです。AI・半導体産業基盤強化フレームそのものについても、外部有識者の下で十年間で五十兆円超の国内投資を誘発するとの目標の達成状況を検証しながら、支援の在り方を適切に検討することとしています。 また、大変重要なラピダスの顧客開拓についての御指摘でありますが、足下で国内外の顧客六十社以上と協議中でございます。また、先日、経産省が支援を決定したIBMやキヤノン、富士通等が取り組む最先端半導体設計プロジェクトでもラピダスの製造技術を活用することが想定されているなど、顧客開拓は着実に進展しているものと認識をしております。
○西田英範君 是非、そうした支援もそういった検証しながら丁寧に進めていただきたいと思います。 続きまして、成長戦略全体の話をさせていただきたいと思います。 今回、政府としては、成長戦略を進めるに当たりまして、複数年度予算、新たな投資枠等を活用して大胆な官民投資が実現していく、これは大変重要なことであり、我々もしっかりと応援させていただきたいと思います。 しかし、これから官民投資を増やしていくという大きな投資をするだけでは、例えばGAFAMのようなビッグテックが、世界の市場を席巻できるような企業が本当に生み出せるかどうかと、これをしっかり考えなければいけないんだろうと思います。 日本企業が近年まさにディスラプティブなイノベーションが起こせていない、これは、例えば人、物、金のリソースが成長分野に適切に移動することがなかなかできていない、構造問題がやっぱりまだまだあるわけであります。日本の企業文化の変革、組織変革、さらに成長に向けた企業の行動変容を促す、この成長戦略と併せて、その構造改革も併せてやらなければ世界の中では勝っていけないと思っております。 そこで、経産省として、この根本的な成長できる産業構造、そして挑戦できる日本の企業や企業人を育てる、そういう産業構造改革に向けた骨太な戦略を是非描いていただきたいと思います。これに対する御見解を経済産業省にお伺いをいたします。
○政府参考人(河野太志君) お答え申し上げます。 日本企業の業績や株価はここ近年改善傾向にございますけれども、御指摘もございましたが、設備投資ですとか研究開発、人的投資といった成長投資は欧米と比べてなお低い水準であるというふうに考えてございます。また他方、株主還元はこの十年間で大きく増加しているという状況にございます。 こうした中、その成長投資を通じて企業価値を向上させるには、いわゆる資本効率の改善に加えまして、事業ポートフォリオの不断の見直しですとか、成長事業への戦略的な投資の拡大を進めていくような、御指摘のとおり、その企業文化の変革ですとか企業の行動変容が極めて重要であるというふうに考えてございます。 経済産業省といたしましては、現在金融庁等において改訂が進められているコーポレートガバナンス・コードの議論と連動しながら、企業の業績や成長段階に応じたその成長投資と株主還元の適切なバランスですとか、賃上げを含む成長投資の拡大などを盛り込みました成長志向型のコーポレートガバナンスの実現に向けたその成長投資ガイダンス、これ案でございますけれども、これを五月末に公表し、今取りまとめを進めているところでございます。 加えまして、足下の国際環境を見ますと、米国や中国を始め各国・地域におきましては、半導体分野等の戦略分野に対して我が国を上回る規模の財政支出や大胆な政策支援が講じられているところでございまして、その企業の成長投資を後押しする政策環境の整備が進められているというふうに認識してございます。 こうした中、我が国といたしましても、その企業による自律的な経営改革、これに加えまして、政府による戦略的な支援を両面から講じまして、官民が一体となってその経済成長の強化に取り組んでいくと、これが重要だというふうに考えてございます。
○西田英範君 是非、挑戦できる日本、そして成長できる日本に、経済に向けて、是非是非一緒に改革に取り組んでいけたらと思います。 続きまして、その成長戦略を更に進めていくに当たって、イノベーションを進めていくに当たって、資金面、金融面の改革がやはり必要であります。新規事業であるとかスタートアップ、ここにきちんと資金が回るエコシステムをつくって、リスクマネーの供給がきちんとなされる、こういう構造に向けて改革が必要であります。 一方で、我が国の現実の金融の構造を見れば、その多くはデットファイナンスが中心ということであります。これは、長年形成されてきたこれまでの構造なわけであります。これを変えるのは大変なことであります。しかし、政府としてできることたくさんあるはずでありまして、規制改革含めてやれることをやっていかなければいけないと思います。 例えば、銀行の出資先企業の議決権保有の制限、また今でいえば五%以内でという規制ありますけれども、その例外措置として投資専門子会社を通じた出資、これができるわけでありますけれども、その出資先も事業再生会社を始めとしたかなり規制上限定されているわけであります。そのため、カーブアウトとかやっていこうと思ってもできないと、こういう規制があるわけでありますし、例えばまたプライベート・エクイティー・ファンドに関する出資等に関する規制もやっぱり見直さなければいけないと思います。 これから日本が成長できるためのリスクマネーがきちんと供給される仕組みに向けて、エクイティーファイナンスの拡大を図っていくために、これから金融庁として必要な制度見直し、政策を是非進めていただきたいと思います。 これから成長戦略の推進の柱の一本として金融強化戦略をどのように打ち出していかれるか、片山金融大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(片山さつき君) 成長戦略の実現には、十七の戦略分野やスタートアップ企業などへのリスクマネーの供給を一層推進するなど、金融の力は御指摘のように不可欠であります。 現在、私どもが検討中の新たな金融戦略では、銀行などによるこのエクイティーファイナンスを含む資金供給や企業の成長支援機能を抜本的に強化するとともに、プレーヤーと金融商品の多様化による厚みのある金融市場を創出することで、様々な資金ニーズへの対応力を高めることを目指しております。 具体的には、先ほどお話しになった銀行の投資専門子会社による株式非公開化や、カーブアウト案件への出資を、これも長年の議論がございますが、一〇〇%まで可能とするため、銀行の議決権保有規制の緩和を検討しております。新しい話ですが。また、適切なモニタリングを行って、プライベートエクイティーやベンチャーキャピタルといった民間ファンドの健全な育成を図ってまいりたいと考えております。 いずれにしても、これらの内容を全部含めました骨太な金融戦略を策定して、高市内閣が掲げる強い経済の実現につなげてまいりたいと考えております。
○西田英範君 ありがとうございます。是非、改革を進めていただきたいと思います。 最後に一問だけ御質問、財務省にお伺いします。 これから、高市政権においては、これまで補正予算で措置されてきたものについて必要なものは当初予算で措置をすると、一本化をしていくとしています。あわせて、複数年度の視点で必要な予算を検討することによって成長分野に安定的に投資が進むと、こういう改革をまさにしていくわけであると承知しております。 こうした中で、複数年度の視点を持ちつつ、成長や生産性向上に必要な予算については、予見可能性を持てるように確実に予算措置をするとともに、当初予算への一本化、どのようにこれから円滑に進めていくのか、この改革の方針について御見解を財務省にお伺いします。
○副大臣(舞立昇治君) 高市内閣におきましては、毎年度補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別し、補正予算は緊要性の高いものに限定をして、恒常的な施策については原則当初予算で措置する方向でございます。 また、同様に、事業者の方々に安心して研究開発や設備投資をしていただく観点から、成果管理を徹底することを前提に、複数年度の財政出動をコミットメントする仕組みとして、危機管理投資、成長投資については、通常の歳出とは別に、予見可能性を持って実施できる新たな投資枠を創設することとし、このうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資等につきましては、複数年度で財源を確保した上で別枠で管理することとしております。 この予算編成改革でございますが、令和九年度予算から本格的に取り組むべく、骨太方針に向けて議論を進めて今後まいりますが、こうした取組を進める中で、国民生活の下支えや経済成長に資することが期待される施策には大胆に重点化する一方で、見込まれる効果が乏しい施策については見直しを行うなど、歳入歳出両面の改革を推進し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算編成にしてまいりたいと考えております。
○西田英範君 本当、前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございました。 お時間となりましたので、これにて終了させていただきます。ありがとうございました。
○岸真紀子君 立憲民主・無所属会派の岸真紀子です。 会計検査院が行いました二〇二四年度決算報告では、中小企業等事業再構築促進事業について不当事項、意見表示がされたところです。内容は看過できるものではなく、遺憾です。 独立行政法人中小企業基盤整備機構は、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応するために、新分野展開や事業再編等の再構築事業を行う中小企業等に対し、中小企業庁の国庫補助金により設置造成した基金を原資として、事務局は株式会社パソナが担っておりましたが、この事務局を通じて事業再構築促進補助金を交付しておりました。 ところが、検査結果によると、不当事項として二十事業主体、三億四千四百六十一万円、内訳は、役務の提供実態を伴わない虚偽の実績報告書等に基づき事業再構築補助金が過大に交付されていた事態が四事業主体、一億二千百七十九万円、補助対象事業費に対象外の経費を含めるなどしていた事態が七事業主体、一億六千八百十六万円、処分制限財産が無断で処分されていた事態、十一事業主体、一億千九百八十六万円であったとされています。 そして、意見表示として百八事業主体、二十四億七千三百十五万円で、処分制限財産の使用状況が十分に残念ながら把握されていない事態が八十三事業、十六億二千三百二十三万円、事業再構築の事業化の状況が適切に報告されていない事態、四十九事業事態、十三億二千三百二十九万円であったと指摘されたところです。 これは、正直言って、なぜこんな事態になったのか、余りにずさんではないかと考えます。 まず、事業を所管される経済産業大臣としてどのように受け止めているのかお伺いするとともに、検査はあくまでも抽出したものであることから、虚偽の実施報告書等による補助金交付はほかにはないと言い切れるのかどうか、そういったところも懸念点があります。機構及び委託されたパソナのチェック機能が果たされていなかったということを鑑みますと、全国的に調査を行って過大交付額の返還を求めるべきではないかと考えますが、こういった対応についてもお伺いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御指摘の事業再構築補助金の不正事案について、誠に遺憾でございます。 これは、中小企業の早期の事業転換を図るべく、全国約八万件の中小企業を支援してきた大規模事業であったことや、事業開始当初は外出自粛等の行動制限求められていたこともあり、現地検査を十分に行うことが難しい状況にあったことが要因の一部であったとは考えておりますが、言い訳の利く話ではないと思っています。 経済産業省としては、会計検査院からの指摘を踏まえ、本事業を執行する中小企業基盤整備機構及び事務局に対して指導を行い、既に不正受給が認められた補助事業者に対し交付決定を取り消し、補助金の返還を求め、また事業者による報告内容の適正化を図り、事業状況等の的確な把握を図るなど、補助金の適正な執行に努めているところでございます。 加えて、全ての補助事業者に、補助金交付後、原則五年間、補助事業の状況を報告させることとしており、報告が未提出の事業者や報告内容から不正が疑われる事業者には必要に応じて現地検査を行っているところでございます。 引き続き、事業再構築補助金の適切な執行に努めてまいりたいと考えております。
○岸真紀子君 既に発覚している過大交付額というのは返還されているのでしょうかというところが疑問です。 指摘された中には、二四年春に再構築事業としてキャンプ場の新設工事を約四千百六十四万円で外注したとする実績報告書を基に補助金を受給していましたが、実際には外注せずに同社の社員が工事などを行って、外注先との契約書は虚偽の資料であったと、こういったこともありました。 さらに、申請前から取引があったように装うために、外注先に一度支払った上で架空の工事費名目でキックバックを受けていたものまであったと。こういった悪質なことへの対応も含めて、どのようにされるのか、お答え願います。
○政府参考人(山崎琢矢君) お答え申し上げます。 会計検査院から、今般、不当事項として二十の、先生もおっしゃいましたが、補助事業者による補助金の不正受給について指摘を受けたところでございます。これを受けまして、中小企業基盤整備機構では、不正を行っていた事業者に対しまして交付決定を取り消しまして、既に一部につきましては全額返還を受けているところでございます。 今後も順次補助金返還を請求していくとともに、偽りや不正手段で補助金を受けた事業者のうち、特に悪質性が高い事業者名につきましては公表を行うといったようなことを行いまして、不正事案には厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
○岸真紀子君 ありがとうございます。 本当に必要な方に届くためのものが残念ながら悪用されたということは、やっぱり許してはならないと考えます。 そこで、新聞記事によりますと、パソナはピーク時には数千人規模で審査をしていたとされていますが、膨大な審査数で、大臣も先ほど言っていましたが、膨大な審査数で、かつ早期交付を、まあそのときの状況がやっぱり大変な状況なので早く交付してほしいという、いろんな相当なプレッシャーを受けたとありましたが、事業の見込みが甘かったのではないか、そして実務を担う体制等も含めて問題があったということではないかと考えますが、その点について経産省としてはどのように捉えているか、お答えください。
○政府参考人(山崎琢矢君) お答え申し上げます。 事業再構築補助金は、先ほど大臣からも御答弁がありましたけれども、コロナ禍という前例のない状況下において厳しい状況に置かれていた中小企業の早期の事業転換を図ることを目的として、中小企業に可能な限り迅速に補助金をお届けする必要がありました。 このため、例えば具体的には交付決定前の事前着手といったものを認めるなど中小企業の早期の事業転換を支援する必要があったものの、こうしたものは他の補助金には通常ない要請でございまして、その業務量や事務局で構築すべき体制の予測が非常に難しかったということが現実にございます。 加えて、事業開始当初は新型コロナ感染拡大のために外出自粛等の行動制限がありまして、通常の補助金では行っています現地調査、現地検査等を十分に行うことが難しかったことが原因で、結果として不適切な事案が発生してしまった、こういったことを非常に反省すべき点として挙げてございます。 他方、今般、会計検査院からも御指摘も踏まえまして、経済産業省としましても、中小機構及び事務局から定期的に業務の遂行状況の報告を受けつつ、さらに、現地検査体制の強化も行いました。そして、その結果、それと加えまして、審査工程間で縦割りがありましたので、そうしたものを排除しまして、しっかりと現地検査で不正事案があれば見付かるといったような執行体制の構築を行いながら、日々改善を行っているところでございます。 こうしたことに取り組みながら、引き続き、後継の補助金も含めまして、効果的、効率的な事業者支援が行えるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
○岸真紀子君 ありがとうございます。次の質問の一部を答えていただいた感もありますが、通告をしておりますので、そのまま質疑を続けます。 この補助金は、結果として不正の温床となってしまったという感が否めません。効果検証はしているのかというのと、事業化している状況等に関する報告が残念ながら適切に行われていなかったことがこの検証に与えた影響であったと思うので、その改善策も含めて再度お伺いいたします。
○政府参考人(山崎琢矢君) お答え申し上げます。 この補助金の支援先には、コロナ禍で苦しい経営状況に陥って、補助金を初めて受給する中小企業・小規模事業者も多くございました。 したがって、一部の事業者から、委員御指摘のように、事業化状況に関する誤った報告が行われまして、本事業の適切な効果検証の分析を妨げる結果となったことは大変遺憾でございます。事業の趣旨にのっとった事業化状況の報告を促すためのガイダンス、さらにはマニュアル、こういったものが不十分だったということも一因でありまして、今後真摯に取り組むべき課題だと考えてございます。 このため、今後、今後というか現在行っていることで、今般の会計検査院からの指摘を踏まえまして、事業の実施主体であります中小企業基盤整備機構では、過去の報告内容の訂正も含めまして、事業化状況を正しく報告してもらうための報告様式の変更及び周知啓発を行いました。さらに、事業化状況報告に疑義が生じている事業者への実地検査、こういったものを行いまして、事業状況の的確な把握に努めてきているところでございます。 加えまして、事業化状況報告システムを改修しまして、補助事業者が売上額、さらには利益、そういったものを入力した際に事実と整合しない場合にはエラーメッセージが自然と出ると、こういったものを組み込みまして、システム面の措置も講じてきたところでございました。 こうした取組も通じまして、適切な事業の効果検証を行ってまいりたいと考えてございます。
○岸真紀子君 大臣、こういった大規模かつ迅速な対応が求められる補助金であったとしても、当然ながら適切な審査等が行われるべきであるということは改めて指摘しておきます。 中小企業等事業再構築補助金は二〇二五年の三月をもって終了しましたが、現在は後継の中小企業新事業進出促進補助金というものがその役割を担っていると承知しております。この後継事業は中小企業基盤整備機構がまた担っているということもありまして、これ、この後も大丈夫なのかということで確認をさせてください。大臣として、こういった不適切な事態を二度と起こさないようにするための取組、そしてお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御指摘、重く受け止めます。 繰り返しになりますが、事業再構築補助金の不正事案については誠に遺憾でございます。 その上で、中小企業新事業進出補助金では、事業再構築補助金の反省を踏まえ、採択審査の厳格化や審査工程間の連携、そして現地検査体制の強化などに取り組んできたところでございます。 経済産業省としては、今後とも、悪質な不正事案については、加算金を課した上で補助金返還を求めていくとともに、事業者名を公表するなど、厳正に対処し、不正受給の防止に最大限努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○岸真紀子君 ありがとうございます。 起きたことは起きたこととして受け止めて、次が大事だと思いますので、引き続き適切に取り扱っていただき、中小企業を支える対策として取り組んでいただくことをお願いし、次の質問に参ります。 次、定額減税についてお伺いいたします。 岸田政権時のことではありますが、賃金上昇が物価高騰に追い付いていない国民負担の緩和を目的に、令和六年分の所得税三万円及び個人住民税一万円を控除する定額減税を実施しました。しかも、定額減税額分を控除し切れない場合は市区町村が給付をするとし、私は政府が発表した直後の二〇二三年十一月二十七日の予算委員会でも問題を指摘してきたところであります。 定額減税に関する問合せは住民に一番近いところにいる自治体に多くしわ寄せが行きまして、相当な負担を強いることになりました。しかも、それだけではなく、直前になって民間企業など事業者の給与担当の皆さんを困らせるような、給与明細に減税分を明記するよう義務付けたことも、恩着せ減税とやゆされていたことも象徴的に記憶しております。 予算も手間暇も掛けたのに定額減税による消費下支え効果はあったのか。納税者本人の扶養対象で、年収が百万円超え百三万円以下であるなどの一定の条件に該当する場合に定額減税を重複して享受するケースが生じた二重取り問題なども発生しました。先ほども指摘しましたが、地方自治体の職員の事務負担も過大であったことなど、多くの課題があります。 そこで、二〇二五年三月十二日開催の参議院本会議にて、所得税法改正案の質疑において当時の石破総理はこのように答弁されています。定額減税の効果検証等について、「定額減税の効果や、源泉徴収義務者の皆様や地方自治体の事務負担について検証、分析を行うことは重要であると考えており、令和六年分の税務統計がまとまる来年度末以降、速やかにその検証、分析を行い、結果を公表することといたします。」と答えています。 改めて、石破総理が明言していたように、定額減税の効果等の検証を行う必要があると考えますが、財務大臣、既に始めているのかどうかも含めてお答え願います。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘の令和六年に実施されました定額減税に関しては、これまで随時その分析等についてお示しをしてきたところでございます。 経済効果につきましては、定額減税、例えば令和七年七月の内閣府の経済財政白書におきましては、定額減税や定額減税と併せて実施された給付措置等が二〇二四年一―三月期以降所得の増加要因となり、個人消費の下支えにつながったというふうに指されているというふうに承知しております。 御指摘の事務負担でございますが、定額減税の実施に当たりましては、国税庁に専用のコールセンターを設置するなど、政府としても支援に取り組んでまいりましたが、源泉徴収義務者の方からは、定額減税が年末調整ではなく令和六年の六月以降月次で実施するとされたことから、全従業員の扶養親族の把握作業を行う必要が生じ、事務負担が重かった、また先ほど委員がおっしゃったような明記せよという話も含めて言うと、こういった声が寄せられていたということはもう重々承知をしております。 政府といたしましては、定額減税を通じて把握した点が多々あるわけですから、今後の政策の立案には十分にこれを生かして、謙虚に丁寧にできるだけ御負担が掛からないようにというふうに考えてまいりたいと思います。
○岸真紀子君 定額減税って過去にもしたことがあるんですが、やっぱりそのときも多大な問題があったというふうにされていますので、今回もしっかりと検証していただいて、こういったことが起きないように、財務省としても把握をお願いいたします。 次に、納税者の皆様から見れば、減税となれば評価されることも多いですが、一方で、先ほども指摘しました、一部、年収が百万円を超えると所得税は掛からないけれども、自治体によっては住民税の所得割が課税されているというところで、住民税が課税されている場合のこのパートで働く本人も定額減税の対象となって、減税と及び調整給付金を受けるという、いわゆる二重取りというふうに言われたケースが発生したということがありました。これにより、制度上はそういう問題がないとは思いながらも、やはり個人的な、いろんな御意見を聞くと、隣の家はもらっているのに何でうちはもらえないんだみたいな、二重取りじゃないかみたいな、やっぱりトラブルが、自治体の窓口に苦情が来るということがあったということです。 そこでお聞きしたいのが、いわゆるこの八万円というふうになってしまうので、二重取りと言われたケースは全国でどの程度発生していたのか、財務省として把握ができているかどうかというのをお伺いいたします。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 御指摘をいただきました年収が百万円超で百三万円以下であるといったような場合など一定の条件に該当する配偶者の方などにつきまして、所得税については家計の中で主たる稼ぎ手である納税義務者の控除対象配偶者になる一方で、所得税とは異なり、個人住民税所得割の納税義務者となることから、定額減税などが重複して適用されるケースが生じたところでございます。これは、当時、様々な機関が連携して実施したこの給付金、定額減税一体措置が経済対策に基づく臨時的な措置であって、企業や地方自治体の事務負担に配慮して重複を認めないという考え方には立たなかったためであるというふうに承知しております。 仮にその件数を把握しようといたしますと、例えば地方自治体の方で、御指摘の二重取りが生じ得る所得階級にある全ての方を対象にいたしまして、ほかのどなたかの控除対象配偶者であるか否かを確認する必要があることになるわけでございますが、膨大な事務コストを要するものと考えております。このため、いわゆる二重取りの発生件数は政府としては把握していないものと承知しております。
○岸真紀子君 私もやり取りをさせていただいて、何とかこれ把握できないものかというふうにお聞きしましたが、やはりなかなか膨大な、個々のケースによって異なってくるので難しいというのは重々承知しておりますが、やはりそういったことが起きたことというのは重く受け止めなくてはいけないかなというふうに考えています。 自治体の職員も国税局の職員も、政治で判断されてしまった政策のために相当な業務量が膨大し、かつ、こういった制度設計のために減税していたけれども給付も受けるという方に対して返してというのはやっぱり難しいというのは私は理解をするので、なかなか難しいなという問題はあるものの、そもそも定額減税という無理のある政策を実行した責任は極めて重いということは指摘をさせていただきます。 改めて、公平、中立、簡素の税の三原則を踏まえると、いわゆる二重取り問題が発生したことに対する評価と、それを許容した制度設計も併せて検証はすべきではないかと考えますが、片山大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(片山さつき君) 私も若い頃、税務署長として確定申告の実務を拝見するとともに、様々な納税者、特に所得税の場合は、住民税もそうですけれども、納税事務を本当に担っていただく方あっての納税ということはとことんたたき込まれるんですが、最近この制度が財務省でもなくなったもんですから、それもうなくなってからもう二十年ぐらいになるのかな、これは非常に大きな差がありまして、直感的にそのことが体感されないんですよねというようなことはこれあるんですが。 おっしゃったとおり、百三万円、百万円を超えて百三万円以下であると所得税については御自身の税額が生じないので、家計の中で筆頭稼ぎ手の方の控除対象の配偶者となって、かつ個人住民税の所得割は掛かるもんですから、定率減税が重複されて適用されると。 これは、もちろん公平性への配慮が重要だというお話は当時あったんだと思いますが、その当時の給付金や定額減税一体措置というのは経済対策に基づく臨時措置で、簡素や迅速をとにかく重視しろということであったので、源泉徴収義務者の方とか地方自治体の皆様の事務負担、本当お掛けしてしまったんですが、何とか御配慮しますからということの中で、重複は認めないということを言わなかった、言えなかったということだと思います。重複を防ごうとすると、その源泉徴収の義務者であられる企業ですとか地方自治体さんですね、この方々が全ての控除対象の配偶者につきまして個人住民税の所得割が実際に課税されたかどうかの情報を網羅的に把握してこれを処理するということになりますので、相当膨大な事務コストが生じ得たのでそれはできなかったと思うんですが、今後の反省にも生かして、実務ということと、今からはシステムが飛躍的に進歩しますから、そういった部分も軽減される部分があるのかないのかというのはありますが、少なくとも現状を前提とするとそういうことになりますので、御指摘のような点も生かしてきちっと考えていきたいと思います。
○岸真紀子君 本当に何年間か掛かってしまったんですよね。なので、特に私は自治体の職員から聞いているのは、相当大変で、やっぱり二度とああいうことはやらないでほしいという要望は受けております。 定額減税について、政府は、定額減税を実施した最大の理由は、物価高に賃金の上昇が追い付かず圧迫されている家計の負担を緩和すると言っていましたが、実際には、フリーランスや個人事業主の皆さんは二〇二五年の二月から三月の確定申告時まで待つこととなったということもありました。あの減税と給付を合わせた定額減税の効果検証というものが重要になってきます。 今議論している給付付き税額控除を超党派でやっておりますが、これにも関わってくるので、この定額減税についての制度設計の検証と併せて速やかにまとめるべきであると考えますが、重ねての質問になるかもしれませんが、大臣に答弁を求めます。
○国務大臣(片山さつき君) フリーランスや自営業者の方でございます。 この定額減税では、デフレマインドが払拭されなければならないから、賃上げが実現するだろうと当時見込んでいたタイミングである令和六年六月から開始したんですが、減税という方法であるため、納税の機会を捉えて実施することになりますので、フリーランスや自営業者の方については翌年の確定申告まで減税のメリットを受けられないということになった方が非常に多いんですよ。 ということになってしまうんで、その予定納税をされるような、フリーランスといってもIT設計者とかそういう予定納税をされるぐらいの非常に税額の多い方は七月以降の予定納税の機会で定額減税を調整することはできたかもしれませんが、ほとんどのフリーランス、自営業者の方はその非常に額が少ない方が多いでしょうからそうはならなかったということでございまして、また、所得税の減税を初めて受けるタイミングが翌年の確定申告という方も多いんですが、それにつきましても、前年分所得について賦課決定される住民税の減税について、その令和六年六月以降に受けられていた方や、あるいは、定額減税の方が減税し切れないと見込まれたために令和七年三月を待たずに各自治体から調整給付の支給が行われたという方もいらっしゃったかと思いますが、それはいろいろな場合があったということにすぎません。 いずれにしても、定額減税を六月から開始したことにより、その六年の個人消費を下支えすることができた〇・五%の効果というのも出てはおりますが、納税の機会がない方が減税のメリットを受ける時期がほかの方よりも遅くなるケースが生じたということはそうでございますので、先ほど申し上げたとおり、源泉徴収義務者において扶養親族の把握作業を年末調整とは別途行う必要も生じて事務負担が重くなったという話もありますので、これらは今いろんな意味で、いろんなところで議論が行われている、社会保障国民会議もございますが、その他の問題もありますので、政府としてはこうした点はきちっと生かしていきたいと思っております。
○岸真紀子君 今も、本当、実務者会議でやっている給付付き税額控除というものがどういう仕組みになってくるかというところによるんですが、今聞いていると、今一部の方しか対象にならないのではないかというようなことを言っていて、それだと消費税の逆進性を解消することはできないですし、まだまだ不十分であるというところです。 やっぱり、この定額減税で起きたはざまへの給付とかいろんな問題をやっぱり効果検証をして、きちんと次の制度設計にしていかないと余りいいものにはならないのではないかなと思うので、しっかりと検証をお願いいたします。 次に、予備費の問題です。 三党合同、中道と立憲と公明党の三党合同で二〇二四年度一般会計予備費の使用実績をヒアリングしたところです。二〇二四年度一般会計予備費は、予算額一兆円に対して六千九百五十八億円が使用され、その多くは二〇二四年能登半島地震及び豪雨災害関係経費に充てられています。能登地域の復旧復興に向けた予備費の使用としては、二〇二四年は四月二十三、六月二十八、九月十日、十月十一日、二〇二五年は二月二十八日と、五回に分けて閣議決定されています。 ただ、やっぱりこれ本来であれば一月一日に発生した地震なので本予算に入れるべきだったというのと、閣議決定が四月と六月に行われたものであれば補正予算を組んできちんと被災者の皆さんにも示すべきだったのではないかと考えるんですが、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 令和六年の一月一日に発災した能登半島地震におきましては、発災直後である令和五年度における対応としては、当時、令和五年度中に活用可能な予備費が四千六百億円超残っておりましたので、その時点での財政需要には対応可能であると当時政府が判断したということ。それから、翌年度である令和六年度予算についても、発災してから国会が開会するまでの間に、要するにまだ出していないわけですから、その所要の概算決定の変更を行うことが可能であったということで、これらを踏まえまして、補正予算の編成でなく、最も迅速かつ適切な財政面での対応として令和五年度の予備費は活用すると。それから、予見し難いその後の財政需要に対する備えとして令和六年度予備費を増額するということ。一般予備費が五千億から一兆円に増額されたわけですが、その後の、あとは復旧復興が進むにつれて生じた財政需要への対応においては、御承知のように、憲法、財政法の規定に従って必要性、緊急性の検討の上で予備費を逐次決定をしていったということで、当初予算や補正予算の編成時において見込めると当時判断したものについてはその時々で必要な予算を計上したという整理であるかと思います。 このように、能登半島地震への対応については、発災直後を含め予備費を活用としたことは、機動的、弾力的な被災地の支援を行う上でそれを可能にしたという意味では適切であったと政府としては考えております。
○岸真紀子君 ただ、やっぱり予備費だったら何に使われるかというのが最初は分からないので、そこはやっぱりきちんと事業費としてするべきだったということを指摘し、質疑を終わります。
○郡山りょう君 立憲民主・無所属の郡山りょうでございます。 片山大臣と赤澤大臣は三月二十五日の予算委員会以来となります。よろしくお願いしたいなと思います。 前回の実は質問ですね、「ABEMA TIMES」に取り上げられたんですが、内容がしゃべり始めて九秒でかむという内容でして、しかもその内容が大して話題にもならず、二重に傷ついた中の質問にはなりますが、しっかりと負けずに質問していきたいと思いますので、どうか委員長始めとする理事会の皆様、そして委員の皆様、よろしくお願い申し上げたいなと思います。 というわけで、会計検査院の指摘項目から入らせていただきたいと思います。中小企業対策費の急増と執行状況について、経産省の大臣始めとする皆様にお伺いしたいと思います。 まず、中小企業対策費の未執行三千三百五十八億円についてお伺いします。 資料一を御確認いただきたいと思います。 令和六年度一般会計決算の中小企業対策費は、三省ですね、経済産業省、厚生労働省、財務省、合計で一兆一千二百二十七億円の予算に対し、繰越しが二千三百七十八億円、不用九百八十億円、合計三千三百五十八億円、全体の約三〇%弱ですね、が使用されませんでした。そのうち、経産省が繰越し二千二百三十九億円、不用九百十九億円と、大半を占めている状況でございます。かつ、厚生労働省の最低賃金引上げ支援も予算四百八億円に対し執行率が五九・三%、繰越しは百三十九億円と深刻な状況でございます。 そのような中で、経済産業省として経済産業省所管分の未執行はどう説明をされますか、参考人にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 令和六年度一般会計決算の中小企業対策費は、委員今御説明あったとおり約一兆一千二百二十七億円でありまして、経済産業省所管については約六千六百八十三億円、このうち翌年度繰越額としては約二千二百三十九億円、不用額としては約九百二十億円を計上しているところでございます。 例えば、中堅・中小企業に対する大規模な設備投資に対する補助金につきましては、令和六年度内に事業者公募を開始したものの、支払を令和七年度に実施することから、全額の約一千三百八十五億円を繰越ししたところでございます。また、国庫債務負担行為として令和五年度補正予算で措置された約三千億円のうち約九七%の約二千九百十二億円の採択を行いましたが、三年の投資期間のうち一年目の設備投資が想定よりも行われなかったため、約四百六億円の不用が生じたものでございます。 また、令和六年度能登半島地震等で被災した中小企業等の施設等の復旧を支援するなりわい再建補助金、なりわい再建支援補助金につきましては、被災地の復旧工事の遅れ等によりまして令和六年度内で被災中小企業等の事業実施期間を確保することが困難となりました。そのため、約百八十一億円の繰越しや約百三十六億円の不用が生じておりまして、これらが例でございますけれども、主たる理由ということでございます。
○郡山りょう君 今御説明いただいた質問、これから質問するものとかぶるんですが、令和六年度一般会計の決算において、中小企業対策費の対前年度増加額三千百六十一億円というのは全主要経費の中でトップでございます。急いで積み上げたのに不用プラス繰越しの合計率が三割近く、三千三百五十七億円が未執行だったということになります。 そこで、参考人にお伺いしたいと思います。 この経費の対象となる補助金の数はどれぐらいであり、その中で特に執行率の低いものを三事業ほど、その理由とともに申請件数、採択件数、交付額、執行残をお伺いしたいと思います。 なお、補助金別の執行データを把握、公表しない場合、その理由も併せて答弁をお願いしたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 委員御指摘いただきました令和六年度一般会計決算の中小企業対策費のうち、経済産業省所管における補助金総数は百四事業でございます。そのうち、翌年度繰越しをした補助金は二十六事業、不用が発生した補助金は六十二事業でございます。 こうした補助金のうち、令和六年度補正予算として措置した事業におきまして、翌年度繰越しを行ったことによりまして執行率がゼロ%となった事業がございます。後ほど三事業につきまして詳細にわたることをお許しいただいて御説明をしたいと存じますけれども、これらは、事業は当該年度に開始をし、交付決定をしたものの、翌年度にわたりまして事業を継続するため全額を翌年度に繰り越し、歳出予算現額と同額が執行残額となっているものでございます。 具体的には、まず第一に、先ほども述べました中堅・中小企業に対する大規模な設備投資に対する補助金でございます。交付決定額は約千三百八十五億円、執行残額も約千三百八十五億円でございます。なお、本予算を繰り越して翌年度に実施した公募につきましては、申請件数は約四百件、採択件数は約二百件となっており、繰り越した約千三百八十五億円の翌年度の執行率は約九九%となってございます。 第二に、これも先ほど述べました令和六年能登半島地震等に対するなりわい再建支援補助金でございます。こちらの交付決定額は約二十七億円、執行残額は約百五十円で、百五十億円でございます、失礼いたしました。なお、本予算を繰り越して翌年度に実施した公募につきましては、申請件数が約四百件、採択件数約八百件となっておりまして、繰り越した約百五十億円の翌年度分執行率は約五五%となってございます。 第三に、中小企業関連の全国団体を通じた専門家派遣等の支援事業でございます。直接補助先である五団体に交付決定し、交付決定額約八十八億円、執行残額も約八十八億円となっておりますけれども、翌年度に繰り越した後の執行率は約五八%でございます。 以上でございます。
○郡山りょう君 繰り越して執行されたというのも非常に多いんですが、基本的には年度の初めからしっかりと展開をして年度末に使い切るということが、本来、これは官民関係なく正しい在り方だと思うんですね。何かそこについて何か課題ですよね、何か展開が遅かったとか、何かあればお答えいただきたいと思います。参考人で結構です。お願いいたします。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 まず、大変申し訳ございません。先ほど私の答弁の中で、令和六年能登半島地震等に対するなりわい再建支援補助金の翌年度に実施した公募につきまして、申請件数約四百件と申し上げたかもしれません。正確には申請件数約九百件、採択件数約八百件でございます。大変失礼いたしました。 さきに述べた三事業の繰越分につきましては、令和七年度末時点におきましては、中堅・中小企業に対する大規模な設備投資に対する補助金執行率は約九九%、令和六年能登半島地震等に対するなりわい再建支援補助金の執行率は約五五%、中小企業関連の全国団体を通じた専門家派遣等の支援事業の執行率は約五八%でございます。 それぞれの理由でございますけれども、なりわい再建支援補助金につきましては、被災地復旧工事の遅れ等によりまして令和七年度末までの事業実施期間での復旧作業の完了が困難であったため、不用額を除いた未執行額は令和八年度に更に繰り越しておりまして、不用額は全体の一%ほどとなっているところでございます。当該繰越予算は、現時点において既に全額交付決定済みでございます。 また、全国団体を通じた支援事業につきましては、適切な事業運営体制の全国的な整備に時間を要してしまったことが執行率が低くなった主な要因でございます。 令和七年度補正予算で措置した同様の事業においては、執行率改善に向け、執行体制強化等の取組を行っているところでございまして、しっかりこれらの予算を活用してまいる所存でございます。
○郡山りょう君 よくこういった事業の、まあ申請ですよね、中小企業の労使の皆様から御意見いただくと、とにかく数が膨大で自分たちが何を使っていいのか探しづらい、申請も煩雑、そして給付もなかなか遅いんだという御意見を聞くわけですよね。 やはり、先ほど出川委員、西田委員からの質問にもあったように、やはり中小企業対策というのがやはり日本経済をもう一度復活して伸ばしていく上で重要な施策の中で、こうした状況というのはしっかりと正していかなければならないと思います。 そこで、赤澤大臣にお伺いいたしたいと思います。ここまでのやり取りを受けて、今後のこの中小企業の対策費、そのほか支援事業について、今後の在り方も含めてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) 限られた財源の中で中小企業への支援効果を最大化するためにも、予算の不用を抑制し、効率的、効果的に予算を執行していくこと、委員の御指摘は大変重要であると思います。 このため、経済産業省としては、例えば、中堅・中小企業の成長を後押しする設備投資支援において複数年度にわたって切れ目ない支援が可能な基金を活用することや、災害支援において自治体と密接に連携し必要額の精査を丁寧に行うと、まあ不用額を減らす努力でありますが、など、予算執行上の工夫を行っているところです。 中小企業への支援が効率的かつ効果的に行き届くよう、引き続き適切な予算執行に努めてまいりたいと思います。
○郡山りょう君 是非改善をして推進いただきますように、何とぞお願い申し上げたいと思います。 続きまして、次の質問に参りたいと思います。 今夏ですね、本年夏に取りまとめが予定されているコーポレートガバナンス・コードの改革、改訂について、その全体像をお伺いしていきたいと思います。 まず初めに、資料二を御覧ください。 コーポレートガバナンス・コードとスチュワードシップ・コードは、車の両輪として、企業と機関投資家が中長期的な建設的対話を行い、企業価値の向上と日本経済の好循環を実現することを目指しているとのことですが、改訂版の位置付けと基本的な考え方はどのようなものか、大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 我が国のコーポレートガバナンス改革は、企業と投資家の建設的な対話を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を促す観点から、コーポレートガバナンス・コード及びスチュワードシップ・コードを車の両輪として取組を進めてきたものであります。 足下、改革には一定の進捗が見られますが、引き続き、形式的な対応にとどまることなく、企業と投資家の双方の取組によるコーポレートガバナンス改革の実質化が重要と考えております。 こうした観点から、現在検討しておりますコーポレートガバナンス・コードの改訂におきましては、企業がより本質的な取組に注力できるよう後押しすべく、例えば、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象となる原則の内容を概念的かつ抽象的なものに限定しているほか、取締役会の役割、責務として成長投資に向けた取組の重要性を強調しております。 政府といたしましては、コーポレートガバナンス・コードの改訂を通じて、企業の長期的な成長に資する人的投資や新事業投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させてまいりたいと、このように考えております。
○郡山りょう君 大臣、ありがとうございます。 コーポレートガバナンス・コードは東証上場企業を対象とするソフトローであるということで、先ほど大臣が申し上げたコンプライ・オア・エクスプレーンを採用するということですが、今回の改訂をしたとし、改訂後の適用スケジュールについて参考人の方に確認したいと思います。答弁をお願いいたします。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 コーポレートガバナンス・コードは東京証券取引所が定めるものでございまして、当取引所の有価証券上場規程の一部に組み込まれているものでございます。今回の改訂案につきましては、本年四月十日から五月十五日までパブリックコメント手続を実施し、本年夏をめどに最終化を予定しております。 なお、その具体的な適用開始時期につきましては、東京証券取引所において検討される予定ではございますけれども、遅くとも二〇二七年七月までに改訂後のコードに基づくコンプライ・オア・エクスプレーンの状況を記載したコーポレートガバナンス報告書の開示を求めることが想定されております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 続きまして、資料三を御覧ください。 今回、設備投資、研究開発だけでなく、今回ですね、人的資本や知的財産、知財への投資も成長投資として明確に位置付けられております。 それぞれについて、コード上、どのような行動を上場企業に求めるのか、大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 企業が中長期的な企業価値の向上の観点から、自社の成長段階を考慮した上で、成長により得た利益を株主への還元とともに人的投資等の成長投資に適切に振り向けていくということが重要な課題でございます。 このために、コーポレートガバナンス・コードの改訂案におきましては、御指摘の人的投資や知的財産等への投資についても成長投資の例として明確に挙げておりまして、その上で、取締役会の責務として、会社の成長の道筋を構築すべきであるということですとか、成長投資や事業ポートフォリオの見直し等の経営資源の配分について具体的に説明すべきということのほか、経営資源の配分が適切なものになっているかについて不断に検証を行うべきということを明記することとしております。 また、コーポレートガバナンス・コードは、御指摘のような雇用の保護を直接の政策目的としたものではございませんが、従業員を始めとする株主以外のステークホルダーとの適切な協働は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の観点からも重要であるということを既にコードで示しているところであります。 引き続き、これらのコードの内容も踏まえて、各企業さんが自社の経営資源を人的投資等の成長投資に適切に振り向けていただけることを期待しております。
○郡山りょう君 済みません、ここで、ちょっと通告外かもしれませんが、赤澤大臣にお伺いします。 実は、この資料三の下の、成長投資の促進の赤枠の下ですね、先ほど投資先を検討する際の切り口として以下の観点を例示ということで、自社内部に求めるのか、これ①ですね。次に②、外部に求めるのか、MアンドAであったり業務提携、スタートアップ出資への投資等とあるんですが、これ、今後恐らくMアンドAや事業再編する側、される側、事業譲渡も含めて増えてくると思うんですよね。 ここで今問題になっているのが、例えば、そこで雇用が、先ほど雇用というのは直接ないという話だったんですが、雇用が守られなかったりとか労働条件が下がってしまうんだという声が結構聞かれるわけですよね。やはりそういった配慮も人的資本の観点で必要ではないかと。 労働条件や例えば賃金が下がっていくと、最終的に循環、その成長投資をした先にある国民の皆様に行き届かない、それはイコールNISAやiDeCoに関する投資額も積極性が失われるんじゃないかということも考えられるんですが、このやっぱり労働条件が下がること、例えばMアンドAとかのガイドラインとかでそういった、こういった観点ってうたわれていないんですが、赤澤大臣としてどのような所感であるか、お伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(赤澤亮正君) まず、ベストオーナー原則というんですかね、企業も各持っている分野ごとに自分の企業が一番上手にできないんであれば手放せみたいな話は生産性上げていく上では大事なことで、現にそれをやって成功している企業も多いので、こういった逆に言うと事業承継とかMアンドAとかそういう流れは大事なものだと私自身は思っています。 その上で起きる問題ということで、これ例えば事業承継やろうとしたときに、間に入った企業が何か物すごく悪いことをして、何かしら資産を売り飛ばしてしまう、契約ができる前にとか、いろんなことをやったりとか、そういう問題も防いでいかなきゃいけませんし、あとはやっぱり御指摘の労働条件確保は非常に大事だと思います。 コーポレートガバナンス・コード自体が人的投資を重視しているという立場なので、これ、事業承継やMアンドAをやった結果、労働条件が悪くなって、給与も当然人的投資に含まれますんで、それがもう悪化していくような方向というのは基本的にコーポレートガバナンス・コード全体として許容する方向ではないんだろうというのが私の理解でございます。
○郡山りょう君 確かに、手放すことで違うところがその分野を伸ばしていくといういい事例も私自身は聞いていますのでいいんですが、例えば外資系とかに行ったときにそこら辺が毀損されてしまうということもあるので、そこは今後しっかりと確認をしてもらってガイドラインに反映するとか、何か手だては必要だと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、二〇二六年三月期の有価証券報告書、有証からですね、有報からですね、人的資本開示が強化されております。 今回の強化された開示項目、人材戦略、従業員報酬、給与決定方針、平均給与の前年度比較等は、実際に企業や投資家にどのような変化をもたらすことを期待していますか。若しくはもう変化をもたらしているのか、大臣にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 人的資本に関する情報につきまして、投資家が企業の中長期的な成長可能性を判断するために重要であることから、この二〇二三年三月期の有価証券報告書から人材育成方針や男女間の賃金差異等の開示が義務付けられたほか、企業が経営環境等を踏まえて重要と考える情報を追加的に開示することとなっております。 この男女間の賃金差異等の非常にある意味ショッキングな数字も出てきたわけですが、しかしこれが現実でございますので、私も二〇一八年から二〇一九年に女性活躍兼男女雇用均等大臣でもあったんで非常に強くお願いしたんですが、そのときは計画の改定期ではなかったんでできなくて、その後、金融調査会長を四年やりまして、その間に一生懸命お願いしてやっと実現したものでございまして、非常にこれは有り難いことだと思っておりますが、二〇二六年の三月期の有報からは、更に加えて、内閣府令を改正いたしまして、企業戦略と関連付けた人材戦略とか、それを踏まえた従業員給与等の決定方針、従業員の平均給与の対前年比増減率等の開示も新たに必要となったところでございます。 金融庁としては、こうした人的資本に関する情報開示の充実を通じて、企業と投資家との建設的な対話と企業による人への投資が促進されて、中長期的な企業価値の向上につながっていくということを期待しているところであります。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 続きまして、人的資本の投資の国際基準化と日本型モデルの反映についてお伺いしたいと思います。 今まで皆さん統合報告書等で力を入れているのはサステナビリティー、特に環境、環境領域ですよね。脱炭素、排出量、二酸化炭素の取引等々、GHGプロトコルのように人的資本への投資を国際的な規格、指標として投資家の評価に組み込む取組が日本も人的資本投資で必要があると思います。 国際基準化に当たって、日本型の人的資本経営の特徴を国際ルールに反映していくんだというお考えはあるのか、もしあるならその実現に向けて各省庁との連携をどのように行っていくのか、参考人に伺いたいと思います。お願いいたします。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 人的資本に関する情報は、投資家が中長期的な企業価値を評価するためにも重要な情報でございます。 国際的には、サステナビリティー情報の国際的な開示基準を策定する国際サステナビリティ基準審議会、ISSBに対しまして二〇二三年八月に金融担当大臣名のレターを発出する等の働きかけを行った結果、ISSBにおいて新たな基準設定に向けた検討の一環として人的資本についてのリサーチプロジェクトが行われているものと承知しております。 また、金融庁といたしましては、本年三月、内閣官房、経済産業省と共同で人的資本可視化指針の改訂版を公表いたしまして、企業が経営戦略と連動した人材戦略や人的資本投資を策定、実践していく際のプロセス、考え方や、投資家との建設的な対話に有用であると考えられる人的資本開示の在り方についてのガイダンスをお示ししたところでございます。 こうしたガイダンスで示した人的資本開示の考え方を基に、引き続き、ISSBにおける基準開発に貢献すべく、国際的な議論への参画や意見発信等も行ってまいりたいと思います。
○郡山りょう君 是非推進をお願いしたいと思います。 続きまして、資料四を御覧ください。 コーポレートガバナンス・コードの解釈指針に取引先との公正、適正な取引、価格転嫁等が明記されることで、上場企業によるサプライチェーンですね、受託事業者、中小企業への価格転嫁促進が進んでいくんじゃないかと思いますが、そのどの程度の実効性を期待できるのか。一方で、これ、コーポレートガバナンス・コードはソフトローですので、ソフトローとしての限界をどのように認識していらっしゃいますでしょうか。引き続き、参考人にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 現在検討しておりますコーポレートガバナンス・コードの改訂案におきましては、企業の持続的な成長の実現に向けた様々なステークホルダーとの適切な協働の例示といたしまして、サプライチェーンにおける適正な価格転嫁を含め、取引先と公正、適正な取引を行うことということを挙げております。他方、コーポレートガバナンス・コード自体は、価格転嫁を含めた取引の公正、適正化を直接の政策目的としたものではございません。 その上で、改訂案の解釈指針において例示しております価格転嫁を含めた取引先との公正、適正な取引につきましては、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象ではございませんが、企業が原則を実施する際に参考となる重要な内容として記載しているものでございまして、企業においては、それぞれの置かれた状況を踏まえつつ、この原則を実施する際にこの内容を参照していただくということを期待しているところでございます。
○郡山りょう君 ありがとうございます。 次、大臣にお聞きしたいと思います。 今回、取適法の執行強化や公取による独禁法上の対応、これハードローなんですが、とコーポレートガバナンス・コードのソフトローを組み合わせることで、大企業から中小企業、取引先への適切な価格転嫁を実現する二重構造の規律付けが必要じゃないかと思っております。 例えば、中小企業庁が推進するパートナーシップ構築宣言をコーポレートガバナンス・コードの解釈指針又は関連施策に明示的に組み込むことにより、宣言企業としての取組姿勢を投資家やステークホルダーが評価する仕組みを強化できないか。そのためには、それぞれの金融庁、公取、経産省、中小企業庁の連携が必要ではないかと考えますが、大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 私も自動車産業の非常に盛んな地域を地盤の一つにしておりますので、委員と同じ思想で毎日いろんな方にお会いしているんじゃないかなと思うんですけど、委員の御趣旨はすごくだから分かります。 適正な価格転嫁というのを実現するためには、この取適法、それから独禁法とコーポレートガバナンス・コードを組み合わせるということも確かにあり得るかもしれませんけれども、先ほども私も答弁いたしましたし、参考人も申し上げておりますが、コーポレートガバナンス・コード自体はこれ取引所がやっているわけですけど、企業の自体の持続的な成長の実現に向けて様々なステークホルダーとの適切な協働の例示として取引の公正、適正化というのを挙げているんで、取引先と公正、適正な取引をするということを直接の政策目的としているわけではないんですよ。 ですから、そのままパートナーシップ構築宣言というのを御指摘のような形で組み込むということは逆にどうなんだろうという形はあると思うんですよね。 もちろん、いろんなことが行われております。取引条件のしわ寄せの防止の宣言をいろんなところでしていますし、サプライチェーンの上流に位置する大企業や様々なパートナーシップ構築宣言への参加を、参画を促すようなことはやっていますが、これが取引所がつくっている投資家目線のものがあるということだとこれ自体は難しいんですが、もちろん金融庁としても政府一体となって、是非先生の御趣旨のように関連省庁と協力して、企業がこのお取引先を含めてステークホルダーと適切に協働しながら、かつ企業価値も上がると、こういう方向が一番望ましいので、そのためのいろんな取組は是非押してまいりたいと思っております。
○郡山りょう君 ありがとうございます。今、大臣の、十一番の質問、決意も含めてお伺いができたかなと思っております。 実は脱炭素の取組って結構利益には直接つながるんですけど、あれだけ一生懸命やっているというのはハードローとソフトローが組み合わせた好事例なんですよね。是非、この価格転嫁を進めると、よりこの中のサイクルというか、投資家、企業だけではなく、上場企業だけではなく、その取引先、そしてやはり家計の部分ですね、そちらの方も潤っていって更に投資が促進されると思いますので、是非お願いしたいと思います。 最後に、リボ払いの方、ちょっと質問できませんでしたので、また次回質問させていただきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(西田昌司君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(西田昌司君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、司隆史君が委員を辞任され、その補欠として横山信一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) 休憩前に引き続き、令和六年度決算外二件を議題とし、財務省、経済産業省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○後藤斎君 国民民主党の後藤です。経産大臣、どうぞよろしくお願いします。 順番をちょっと変えさせていただきます。 今、今日、昨日から梅雨入りが関東でもスタートをしたという形で、五月は例年にないまた暑さで、私の地元山梨では暑い日が結構続きました。そんなこともあってエアコンも非常に売行きがいいという形で、量販店では一部の店舗では二倍以上の売上げだという店舗もございます。 これは、もう一つの多分理由が、暑さ対策ということだけではなく、来年、二〇二七年、いわゆるエアコン問題の二〇二七年問題というのが来年度からスタートをするという形で、いわゆる廉価品、省エネ基準に合っていないものは生産ができない、販売ができないということが結構流布をされていて、地元紙では、お店の方が、エアコンの省エネ規制が変わると現在の低価格商品は販売できなくなりますというふうなかぎ括弧の記事が報道で拝見をしました。 よくよく調べるとそうではないということのようでありますけれども、やっぱり消費者の方から見れば安いものを安いうちに買っておきたい、来年は確実に省エネ基準強化して上がるんだということだというふうに、消費者心理から見れば当然のことかもしれませんが、ちょっと行き過ぎたものは、今年需要が仮に増えれば来年は需要がダウンをするというのがこれは世の常でありますから、是非、そんな意味込めて、経産大臣、やっぱり消費者の方、またそれを販売している、エアコンを販売している量販店の方も、やっぱりもう少し冷静と言うといけませんけれども、来年度のスタートをする新しい省エネ基準なるものがどういうものなのかということをしっかりとSNSも含めた広報強化をしなければ、また来年ちょっと売行きが悪くて大変だということにつながりかねないので、そういう点について、エアコンの二〇二七年問題に対する経産省のこれからのお取組をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 後藤委員と問題意識をもう完全に共有をいたします。 家庭用エアコンについては、省エネルギー・非化石転換法のトップランナー制度に基づき、二〇二七年度から新たな省エネ基準が適用されますが、委員も一部お触れになったように、これ、二〇二七年度以降に基準値を満たさない製品の製造、出荷を禁止するものではありません。各メーカーが年度ごとに出荷する製品全体で基準値満たすことを求める制度でありますし、また、当然といえば当然ですけど、二〇二七年時点で既に家庭に設置済みのエアコンの使用を妨げるものでもありませんので、そういう点も含めてしっかり周知をしていかなきゃいけないと思っています。 各メーカーは、この新しい基準が適用されるということで、それに合った新たな省エネ基準達成品の製造、出荷を開始しておりますが、省エネエアコンの普及自体は、エネルギー安全保障や脱炭素のみならず、家庭の光熱費の削減に貢献するといったメリットも含めて、そこも周知していかなきゃいけませんが、委員御指摘のとおり丁寧に情報発信をしていくことが重要だと思います。 こうした中、現在、資エ庁のホームページにおいて、制度の目的、内容や省エネ基準の引上げによるメリットについて詳しく説明した特設ページを設置し、周知をしているところであります。また、家電量販店等に対しては、省エネ法に基づき、省エネラベルとして一年間の目安光熱費の表示を求めており、業界団体等とも連携してこうした表示の徹底をお願いしてまいります。 引き続き、消費者や家電量販店に対して正しく御理解いただけるよう、委員のおっしゃる冷静な広報、しっかりと周知に取り組んでまいりたいと考えております。
○後藤斎君 大臣、私もエネ庁出した資料を拝見しましたけれども、よく読めばよく分かるんですけれども、もう少し分かりやすく工夫をした方がいいかなという点と、今需要が非常に増えているということと併せて、ナフサ由来の塩ビ管が不足をして工事にかなり遅延が出ているということも含めると、余り需要が急に、急速になってですね、要は数か月待ち、半年待ちみたいなことも一部あるようですから、そういう点についても是非御配慮をいただきたいというふうに思います。 元に戻しまして、本当に大臣、二月の二十八日以降ですね、役所の皆さんと一緒に、民間の皆さんもお力借りて、原油、ナフサ、いろんな形で少しずつですが量的にはめどが付いてきたのかなというふうにも思います。そういう意味では、大臣たちの御努力に心から敬意と感謝を申し上げます。 ただ、量が足りればいいというものではありませんけれども、ただ、まず量、価格よりも足らざるものをどう補うのかということで今御努力されているその現状と今後の見通しについて、まず量の部分から、大臣、今のと今後の見通し、御教示をいただきたいと思います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 原油のホルムズ海峡を経由しない代替調達は、委員御指摘のとおり大分積み上がってきておりまして、今月八割程度まで引き上がる見込みです。保守的に六割の代替調達が継続する場合を想定しても、年度を越えて来年春まで石油の安定供給を確保できる見通しであり、また、ナフサについても代替調達により従来の八五%水準まで回復しており、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は年度を越えて供給継続が可能となっております。 原油価格とナフサの価格もちょっと触れてよろしいですか。はい。 原油価格は、例えば国際的な指標であるブレント原油は、中東情勢緊迫化前の一バレル当たり約七十ドルから三月末及び四月末にはもう約百十八ドルまで上昇しています。六月八日時点で約九十五ドルということで情勢緊迫化前までは下がっていませんが、いっときよりは下がっている。ナフサも同様でして、中東情勢緊迫化前の一トン当たり約六百四十ドルから四月上旬には千ドル超えで約一千十ドルまで上昇した後、最近では落ち着いてきて、六月五日時点で七百十六ドルということになっています。 引き続き、中東情勢がなかなか見通せない中、市場動向も注視しつつ、エネルギーの安定供給確保に万全を期してまいりたいと思います。
○後藤斎君 大臣おっしゃるように、まあ四月がもしかしたらピーク、価格もですね、ということで、五月に入ってから少し落ち着いて、三割くらい輸入価格が安くなったという報道もよく承知をしています。 その上で、やっぱりまだ現場は、いわゆる大臣が、やっぱり本当これ繰り返してごめんなさい、流通目詰まりということではですね、やっぱり建設現場、先ほどのエアコンの外機と内機をつなぐ塩ビ管、下水道の工事、農業資材、包装資材、あらゆるものが上がっているということは現実であります。一方で、緊急緩和措置がしっかり機能をして、ガソリン、軽油、灯油、重油、航空機燃料、これは価格の上昇というのもある意味では政策的、財政的な支援もあって抑えているということも現状あります。 ただ、大臣、四月、五月になってもその傾向が続いているようですけれども、世界最大というか、中東に九割を依存をした我が国が、その世界、アメリカよりもガソリンの小売価格が安いということを余り手放しで喜んではいけないのかなと。百七十円リッターめどという形で、実は一時期、三月、四月は私の地元でも百七十円超え、八十円超えとありましたけれども、今は安いところでは百五十円台前半、それも百五十円に近いところ、この二十円の差というのは何なのかと、ある意味ではこれ行き過ぎた部分があるのではないかなと。やっぱりアメリカ、世界最大の産油国よりも、ドル換算、円換算をして日本の方が安くなっていると、どう考えても財政的なそのサポートをちょっと行き過ぎているというふうにやっぱり理解をしなきゃいけないし、三日の本会議でも御指摘をさせていただいたように、やっぱりそこはめり張りを付けて対応をしなきゃいけないもう時期に来ている。 まだ検討中というお答えかもしれませんが、大臣、ここは、あとナフサの問題についても触れますけれども、やっぱり上がっているのは、そのナフサ関連のものが量も足りない、価格も上がって困ると。でも、ガソリンや軽油が上がり過ぎて困るというのは、財政的なサポートでそういう声というのはほとんどないわけです。 ですから、私は是非、もうめり張りをしっかり、そして百七十円の目安もしっかり、この地域別なのか業種別なのかは別としても、下げるものは下げていく。やっぱり市場の歪曲というのは長続きしないなんて当たり前のことですから。是非そういう判断を、大臣、すべき時期だと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 燃料油価格の激変緩和措置は、これ足下でガソリン価格が高騰する中で、これ実際リッター二百円を超えるという見通しが立ったときに、これはもう国民の皆様の生活と経済活動を守るために緊急的に速やかにやらざるを得ないということで、ガソリン価格の補助金、引き下げるためのガソリン補助金を始めたところです。 本措置の今後について、与党、野党の幹部から、そしてまた今委員からも、本措置は激変緩和措置であって、中東情勢や価格動向、支援の持続可能性などを勘案しつつ、重要な対応が必要だといった御指摘をいただいているところです。こうした御指摘をいただきながら、中東情勢が今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、必要に応じて今回創設する中東情勢等対応予備費も活用しながら、支援単価を含め、支援の在り方を柔軟に検討してまいりたいと思います。
○後藤斎君 この緊急緩和措置、元々は四年前の時限的、緊急避難的な措置という形で二〇二二年の一月二十七日からスタートした補助金の延長線上にあるものというふうに理解しています。 現在のこの百七十円目安ということになると、大体一か月当たり一千億円掛かるというふうに試算をされています。十円下げれば一千億くらい下がるんではないかなというふうに思います。 やっぱり、アメリカとほぼ同水準かアメリカよりも安い、で、ドイツやフランスのヨーロッパの国々から比べれば倍以上安いというのは、そういう情報をしっかり国民、消費者の皆さん方にもきちっとお伝えをする。 ただ、一番早く、三月のもう上旬に、いわゆる流通団体と言われているトラック、バス、タクシーの団体の皆さん方は、いや、これ以上上がり続けたら困るという緊急声明をいち早く出しました。そういう物流業者であるとか、農業、漁業関係者であるとか、そういうところにやっぱり下げた余力がある分をどう使うのかということも含めて、もう大臣のことですから事務方に制度設計をさせているというふうに理解をしていますけれども、是非、そういうふうな国民の皆さん方にも理解を得やすい形を是非取っていただきたいというふうに思います。 今、資料を一枚だけお配りをしているというふうに思います。これ、石油製品の需要に占める割合という形で、トータルで、原油から、ガソリンが三一、ナフサが二五、軽油が二二、重油が一一という形で、この円グラフを見ると、実はこのナフサだけがこの激変緩和措置の対象になっていないということが一目瞭然です。 総理の三日の日の御答弁でも、多層で非常に幅広い実需家がいるんで、ガソリンや軽油のようにできないんだというお話はいただいていますけれども、大臣、元々考えれば、粗製ガソリンと言われているくらいですから、いわゆるその石油の精製業者、今ガソリンや軽油に補助金を対応しているところを、それをまた化学製品として使うところは五十社とも四十社とも言われていますけれども、そういうところに対象を絞って、そこにいわゆる補助金、緩和措置を適用させて、川下まで来るときには、もちろん例えば二十円入れるときが半分しか効果が現れないかもしれませんが、やっぱり今の対応は、やっぱり物価、要するにナフサ由来の製品は上がり過ぎていると。シンナーの部分をよく例示にされて、いや、一・八倍になって、大丈夫だ、量は大丈夫だといっても、やっぱり価格的には、やっぱり高い価格が、四割、五割上がっているものもありますし、まだ二、三〇%のものもありますし、倍になった製品もありますけれども、やっぱり元から冷やすということをやっぱり考えていただく時期にあると思うんです。 これ、三日の日に再質問したときに、本質問の方では総理は、多層性、たくさんの需要者があるので難しいというふうな御指摘でしたけど、再質問したときには、今のところは考えていないと。今という言葉をお使いになられたので、私は、総理や大臣は、ああ、これ、やっぱりそうだよなと、川上の方に入れたらある程度の価格抑制ができるよなと。やっぱり、こんなに上がっていけば、国交委員会でも先週の質問で副大臣が答弁いただきましたけれども、いや、価格転嫁をすればいいんだというお話を副大臣していましたけれども、やっぱり価格転嫁ができないところまで中小の部分では、やっぱり実需者、例えば建築資材であれば施主の方とやっぱりやり取りして、そんな二割、三割、大臣、上げれっこないじゃないですか、普通考えて。だから、そこはやっぱりしっかり根っこから冷やしていくと。そしてそれを、川下の四万とも四万五千とも言われている最終製品を作っているメーカーさんが、非常に中小が多いという話もお聞きをしていますけれども、そこを全額ではないにしてもある一定割合冷やして、全体を量が足りているのであればやっぱりもう冷やす時期に、冷やす対策をしっかりともう検討して実行すべき時期に来ているというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) まず、総理から、御指摘のナフサ製品メーカーに対する補助については、ナフサ以降のサプライチェーンが広範かつ多層にわたるため、最終需要家や消費者にとって直接的な効果は届きにくいと考えているということは申し上げました。 今委員、それを踏まえられて、元を二十円下げれば製品で十円でも効果出てくるというような御趣旨の説明、本当によく考えておられると思いますし、私も委員の問題意識はよく理解をするのですが、まだ若干自分の中でもう少し踏み込んで考えなきゃ駄目だと思っているのは、どうもこれ川上の関連製品の価格の上昇について、ナフサの価格の上昇だけではとても説明し切れないと。何かナフサの価格が上がった以上に何でこんなに上がるんだろうということがあって、やっぱりそこについて言うと、これ委員がおっしゃったような川上のナフサに補助金入れれば問題がすぐに解決するとも限らず、川上と川中で供給見通しが共有されずに、供給量が制限されてみたり、川上の実績以上の、あっ、ごめんなさい、川下の実績以上の発注などがあったり、とにかくいろいろなことが起きているので、全貌をまだ把握し切れていませんが、供給の偏りや流通の目詰まり一つ一つ解消していくことで関連製品の価格を下げることを現時点において期待をしております。 当面、ちょっとそれの取組を続けたいなと思っておりますが、委員の御指摘によれば、総理もちょっとそれだけではないことをおっしゃったようでありますし、国民の皆様の命と暮らしを守るべく、必要な措置についてはあらゆる選択肢を排除せずに検討してまいりたいというふうに思います。
○後藤斎君 大臣、流通それぞれの段階では、ちょっとずつ在庫を増やそうとか、いろいろ考えながら当然商行為やっていると思いますし、一番現場で使うところも、いや、これからもっと高くなるからもっと欲しいという、このそれぞれの段階でのアンバランスということがあると思います。 ただ、そのときに、これも三日の日に総理にお尋ねをしましたが、やっぱり一九九三年まであった石油備蓄法に基づくナフサも、ナフサないしナフサ関連製品の民間、まあ国家備蓄となるとまた大々的に建設費が掛かるようなことでハードルが高いんで、それぞれの流通段階、川上に近い方に在庫をしっかり持ちながらそれをサポートしていくと。これは、今回の食糧法の改正でも、米についても同じような趣旨のことが対応が進んでいます。 是非、大臣、これは少しそういう時間稼ぎをですね、石油の備蓄と同じようにやっぱり対応していくということは、ナフサについても、前にあった制度ですから、何か資料なんか残っていないみたいですけれども、しっかりやっぱり検討していただいて、これはやっぱり川上の一番の根っこで大丈夫だということがよく理解ができる一番象徴的なものになるというふうに私は思いますので、是非、大臣、早急に検討し、早く法制化をしていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) ナフサについては平時から国内精製に加えて中東以外の国からの調達も、まさに代替調達ですけれども、行い、調達元を多角化してきました。その結果、今回の中東情勢緊迫後でも全体として必要な量は足りている、年度を越えて供給できる見通しだということは繰り返し申し上げてまいりましたし、これ委員も御案内の上で御質問と思いますけど、ナフサは揮発性が高く、なかなか年単位の長期備蓄が難しいといった特性がある一方で、基礎化学品や川中製品については在庫としての確保は可能だというようなこともあります。 ナフサ由来の化学製品の安定供給に万全を期す観点から、それでも備蓄の重要性はよく認識をしております。備蓄方法や支援の必要性など、その在り方について本当にこれだけ経済安全保障が今までともう段違いに強く言われる、そういう時代になりましたので、上流から中流、下流に至るサプライチェーン全体の状況を踏まえつつ、引き続き検討させていただきたいと思います。
○後藤斎君 以上で終わります。ありがとうございました。
○原田秀一君 国民民主党・新緑風会の原田秀一です。 本日は、我が国の個人資産形成を支える中核制度であるNISAへの国債組入れ解禁について質疑をいたします。 まず前提として、我が国は、長らく続いたデフレとゼロ金利時代を完全に終え、金利のある世界へ明確に移行しています。日銀の金融政策修正に伴い、十年物国債の利回りは二・七%まで急上昇し、三十年ぶりの高水準、二十年物国債も五年前の〇・四四%から三・五%と八倍に上昇しています。大幅な価格変動リスクを伴う本格的な投資商品となっています。 そこで、国際比較の観点から伺います。 日本のNISAのモデルとなった英国のISAでは、一九九九年の創設以来、英国国債の直接保有が認められており、利子所得及び売却益共に非課税です。NISAがモデルとした英国ISAで認められている国債をNISAで対象外とした理由について教えてください。
○国務大臣(片山さつき君) 英国のISAでは、国民の貯蓄率の向上を目的とした制度でありますので、御指摘のとおり国債を含めた幅広い商品が対象となっております。そのように承知しております。 一方で、我が国のNISAは、国民の投資への関心を高め、貯蓄から投資への流れを促進することを目的とする制度でありますので、上場株式等のみがNISAの対象とされ、上場株式等の譲渡益等に係る一〇%の軽減税率の廃止と同時に導入された経緯があるものと理解をしております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 ちなみに、国債組入れは英国だけの特殊事情ではありません。米国のIRAにおいても国債直接保有は認められておりますし、カナダのTFSAでも国債は直接保有できます。英国、米国、カナダ、韓国等、多くの主要国も非課税の資産形成口座において自国国債を当然の保有対象としています。この事実を是非考慮をいただきたいと思います。 続きまして、次の質問に移ります。 制度創設時の歴史的経緯を振り返ると、不可解な事実に行き当たります。平成二十五年度の税制改正要望において、監督官庁である金融庁自身がNISAの対象商品として公社債を含めることを明確に要望しておりました。当時の金融庁は、国民の幅広い資産形成には、よりリスクの低い債券を組み入れることが不可欠であるという健全な金融理論に基づいて制度設計をしようとしていたのです。ところが、最終的な制度において、公社債は除外されました。金融庁が要望したにもかかわらず、採用されなかった理由は何だったのか、当時どのような議論が行われていたのか、政府の客観的な認識を伺いたいと思います。 私は、その背景には、金融理論上の必然性はなく、二〇一四年当時のアベノミクス下における政策的詮索があったんではないかと推測しています。すなわち、家計に眠る個人資産を株式市場へ集中誘導して株価を押し上げ、日本企業の成長期待を演出するという当時の政治的判断です。国債除外は、制度上不可欠な要件ではなく、当時のマクロ経済状況が生んだ政策目的によるゆがみではないでしょうか。大臣の率直な御認識を求めます。
○国務大臣(片山さつき君) 金融庁は、平成二十五年の税制改正において、NISAの対象に上場株式等に加えて公社債等を含めることを当初要望していたと、これは事実でございます。 その上で、その年の税制改正プロセスで議論された結果として、平成二十五年度の税制改正大綱においては、家計の安定的な資産形成を支援するとともに、経済成長に必要な成長資金の供給を拡大することを目的に、上場株式等を対象商品としたNISAの実施が決められたと、こういう経緯と承知をしております。 この経緯を踏まえまして、金融庁としては、NISAの対象商品については、貯蓄から投資への流れの促進、経済成長に必要な成長資金の供給の拡大という観点を踏まえる必要があると考えており、その後、国債へ対象商品を拡大するとの要望は出してはおりません。
○原田秀一君 ありがとうございます。 これまで政府は、NISAはあくまで投資促進の制度であり、元本保証である国債は制度の趣旨になじまないと説明を行ってきました。しかし、この説明は、今日の国債金利環境下では整合しないのではないかと考えています。 先ほど申し上げたとおり、十年物国債の利回りは五年前の〇・〇五%から急上昇し、足下二・七%に達しています。金利変動によって国債価格は日々変動し、特に二十年債、三十年債といった超長期の国債は、金利変動に対する価格の反応度が高く、金利が僅かに上昇するだけでも債券価格は大きく上下します。 例えば、三十年債を新発から三十年間ずっと持ち続ける個人はほぼいません。多くの方は、中途で購入し、中途で売却します。したがって、株式同様、多額の売却益を得ることもあれば、深刻な売却損を被ることもあります。このような国債は、決して預金のような元本保証商品ではなく、明確に市場価格で、明確に市場で価格変動する投資商品そのものであると思います。 現在の金利環境下において、国債は元本保証ゆえ投資ではないと言い張るのはいささか無理があると考えますが、大臣の率直な御感想を求めます。
○国務大臣(片山さつき君) 国債を満期前に売却した場合に購入時と異なる価格で売却されることがあり得ると、これは委員のおっしゃったように事実でございます。 通常、ただし国債を満期まで保有した場合には元本割れは生じませんで、国債はそれは元本保証の商品に類するということは、これは皆さんお認めになるところではないかとも考えております。 特に、個人に発行している個人向け国債につきましては、例えば購入から一年経過後に途中解約した場合であっても元本割れが生じないという設計になっているものと承知しております。 これらの点を踏まえますと、元本保証のある預金に類する貯蓄性の商品であると、国債についてはNISAの対象とはしないという、そういう分類を今考えているということでございます。
○原田秀一君 ありがとうございます。 さらに、制度上の矛盾についてお話しさせていただければと思います。 現行のNISAでは、国債を直接買うことはできませんが、日本国債のみを組み入れた投資信託は購入可能です。資金の最終的な投資先は同じ日本国債であり、経済的実態から見ても直接保有と投信経由では何ら変わりはありません。にもかかわらず、直接保有は不可、投資信託という器を一枚挟めば可とする現状は、制度としても著しく不整合だと思います。証券会社の手数料確保のために国債の直接保有を禁止しているのではないかと勘ぐってしまうほどです。 最終投資先が同じである直接保有は禁止し、手数料の発生する投資信託であれば認める、この不整合を大臣は国民にどう説明されるのか、御見解を求めます。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘のとおり、国債のみを運用対象とする投資信託と国債はどちらも政府への資金供給となっているという点では、そこは両方ともなっております。 その上で、貯蓄から投資を促すという政策目的を踏まえて、NISAにおいては、上場株式や一定の投資信託を対象とする一方で、公社債は対象としておりません。 結果的に国債のみに投資する投資信託もNISAの対象に含まれていることは事実ですが、そうした投資信託については組み入れられている国債の評価に応じて常に基準価格が変動し、元本が保証されていないということから、満期まで保有することで元本が保証される商品である国債とは相違があるものというふうに整理をされているところでございまして、国債のみを投資対象とする投資信託と国債とでNISAにおける取扱いが現状異なるということは、必ずしも不整合な取扱いとは言えないのではないかと考えております。
○原田秀一君 次に、EU主要国であるイタリアの事例に目を向けたいと思います。 イタリア政府は、二〇二三年以降、個人向け新型国債、BTPバローレを投入しました。これは、他の金融商品の税率二六%の半分以下である税率一二・五%という税制優遇に加え、相続税免除をパッケージにしたものです。 この結果、イタリアでは、僅か二年で一千億ユーロ以上の個人マネーが預金から国債へ移動し、家計の国債の保有比率は七・九%から一四・四%へと、ほぼ倍増しました。海外のヘッジファンドに揺さぶられない、自国民が国を買い支える強固な防衛装置を見事に構築しました。 翻って、我が国の状況はどうでしょうか。日銀の統計によれば、日本の家計金融資産における国債の直接保有比率はアメリカの四・六%、先ほどのイタリアの一四・四%に比べ僅か一・四%と、絶望的に低い水準にあります。日本の巨額の個人マネーのうち、千百四十兆円は相変わらずゼロ金利に近い預金に眠ったままであります。 私は、国債のNISA組入れによって国債の新たな買い需要が生じ、国債金利は低下すると考えます。この効果による国の利払い費の減少は、NISA組入れによる、国債のNISA組入れによる税収減を上回ると考えており、財源の要らない、むしろ国の一般会計上プラスになる政策になると考えております。是非、財務省でも試算をいただければと思います。 日本もイタリアのように国の借金を海外勢や日銀に依存するのではなく、国内の巨額な個人マネーもしっかり活用すべきではないでしょうか。大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(片山さつき君) 私は金融担当大臣であるとともに財務大臣として発行体の方でございますが、もちろん、当然、この日本国債の保有者が多様化して、かつ国民の皆様に持っていただくということは非常によろしいところで、これを御否定なさる各国の財務省は余りないのではないかなと思いますが、環境の変化につきましても、長らくゼロ金利、マイナス金利でございまして、クーポンが非常に低いので、お勧めするといってもなかなか難しいということはあったんですが、今はそれなりにクーポンがしっかり付いておりますので、金融界の方見えられると非常に個人からの引き合いは増えたということはおっしゃっているんで、さらに、より個人向けに有利な商品展開ができないのかということも含めて発行体としての財務省の方では検討をしておりますし、与党、それから野党の皆様からもそういった面においていろいろ御提言をいただいて、より国民の皆様に持っていただきやすくするということは流れとして意見が大きく、環境が大きく変わったということはしっかりと私どもは自覚をしております。 他方、資産形成がまだ足りないというところでこのNISAに踏み切っていったわけでございますが、十八歳以上の国民の四人に一人がNISA口座を持ってはいるんですが、家計の金融資産はまだ、おっしゃったようにようやく預金が半分を切ってニュースになるんですよ。そして、株式を持っている方は、国民の中で、成人の中でまだそのパーセンテージが一割強ぐらいで、投資信託も合わせて、そのリスク性のこういったもので四分の一、二割から四分の一というような統計なんですよね。つまり、その以外の方は持っておられないということになりますから、貯蓄から投資への流れは進みつつはあるんですが、まだそのちょっとリスク性資産の保有割合が米国等と比較して低いので、このNISAの目的が達成されたとはとても言えないので、やはり家計の安定的な資産形成の実現に向けて、引き続いて政策目的として貯蓄から投資への流れは後押しすべきだと思っております。 今、また再度申し上げますと、家計金融資産におけるリスク性資産ですね、これは主に株式か投資信託、これはアメリカでは五七%でございまして、日本はこれを合計しても二四%ですから、まだまだちょっと押す必要があるということでございますので、国債自体をNISAの対象とするということは考えておりませんが、委員御指摘のように、この八年度の税制改正でつみたて投資枠の対象として主に公社債に投資する投資信託の要件を緩和しておりますので、ある意味、資金は流れ込んでくることの助けにはなってはいるわけですが、今後とも、この制度の趣旨を踏まえて、より多くの方々が一人一人のライフプランに沿って安定的に資産形成を行えるように、この面も検討してまいりたいと考えております。
○原田秀一君 ありがとうございます。 最後に申し上げます。 資産形成において最も重要なのは、特定資産への一極集中の回避です。現在のNISAは、米国株式インデックスファンドへの過度な資金偏重が見られ、また、本日も日経平均が一時三千円下がりましたが、将来の世界的な株安や為替リスクに対して、家計資産が一蓮託生で打撃を被るリスクを内包しています。真の分散投資とは、株式というリスク資産と債券という安定資産を適切に組み合わせることにほかなりません。 特に現役を退いたシニア世代にとって、確実な利子収入を得られる個別国債の直接保有はポートフォリオの核となる最重要資産です。投資の世界では、百引く年齢が株式の保有比率で、残りが債券とも言われています。この法則に従うと、七十歳の方は金融資産の三割が株式で、残りは七割は債券であるべきとなります。高齢化社会の我が国において、シニア層にリスクの高い株式、投信か、ほぼ金利のない預金かの二者択一を迫るNISA制度は余りに不親切です。 家計資産の健全なポートフォリオ構築を促す制度こそが国の資産形成支援のあるべき姿です。NISAへの組入れは、貯蓄から投資への流れに逆行するものでは断じてありません。金利のある世界に変わった今、国民の安定的な資産形成と国の財政金融政策の安定という、国家と国民の双方に資する制度本来の目的を完遂するための不可欠なアップデートです。国債のNISA対象について、是非前向きな検討を開始したいと、開始していただきたいということを強くです、お願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、後藤斎君が委員を辞任され、その補欠として江原くみ子君が選任されました。 ─────────────
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。 初めに、片山大臣が担当されております租税特別措置、補助金見直し、基金の適正化について質問いたします。 この取組の中で広く提案募集を行った結果、三万七千百七十四件の提案、意見が幅広い方々から寄せられたというふうに聞いております。これについて、まずは各府省において今月下旬を目途に自己点検を実施をして、その結果が公表されるということになっており、それを基に内閣全体で検討、判断するものだろうというふうに考えております。 提案、意見の概要がホームページの方に載っておりましたので、それを見る限りは、非常に幅広い分野にわたっての提案があって、影響が及ぶであろう関係者もかなり多いんではないかというふうに思います。また、そうした意見や提案の中には、ややちょっと偏った前提に基づいているものだとか、事実認識を若干異にしているものもあるんじゃないかというふうに見受けられます。 これからこの見直しの検討に当たっては、関係者も含めた、国民全体に開かれた、そして丁寧な議論が必要であるというふうに思います。基本的に議論の経過を公開をする、そして透明性の高いプロセスとしていく必要があると思いますけれども、片山大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 租税特別措置と補助金の見直しにつきましては、年明けから二月末まで国民の皆様から約三万七千件もの御提案等をいただきまして、その結果概要は四月十日に公表をいたしております。同日、会議を開催いたしまして、各府省庁の副大臣等に御参加いただいて、この各府省庁に対して、こうした御提案等から得られた点検の視点も踏まえて、租特、補助金、基金についてまず自己点検を行っていただくように要請をいたしました。 現在、各府省庁における自己点検が進められているわけで、当然、その間は私どもの役所とのいろんなやり取りも当然あるわけですけれども、公開して行われる行政事業レビューといった場も活用するとともに、最終的な点検結果も六月下旬頃に公表をしていただくということとしております。 視点の方に整理し、出させていただいたものは誠にリーズナブルでございまして、確かに視点という形では、委員が御懸念されたように、ちょっとこれは誤解しているかなというのはほとんどなくて、視点は正しいので、それをちゃんと生かして与党はやれるのと、あるいは政府はやれるのということを我々は突き付けられているのかなという気もいたしたわけですが、細部においては、やっぱりそれは、特に各省庁から見ると、これは誤解というものもあるやもしれませんので、その辺も踏まえてきちっと今御対応いただいているわけでございまして、こうした見直しの取組につきましては、常に国民の皆様への説明責任を果たし続けられるように引き続き透明性を持って努めてまいりたいというふうに考えております。
○上田勇君 よろしくお願いしたいというふうに思います。 どこでどういう経緯で決まったのかが分からないというようなことが、これまでしばしば、特に利害関係者からすると、そういう声もございました。確かに、規制改革であるとかいろんな補助金の見直しのときとかでは、そういう声があったことはもう大臣も御承知のとおりなんだというふうに思います。とはいっても、そういう関係者だけの意見では多分なかなか話が進まないということもあろうかというふうに思うので、やっぱりここで重要なのは公開性、透明性なんだというふうに思いますので、それをしっかりと捉えた上で取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、赤澤大臣に、ナフサ由来製品の品不足、価格高騰の問題について質問したいというふうに思います。 これまでも、先ほどから各委員からも同様の質問がありましたけれども、今政府の説明では、代替調達とか備蓄放出によって燃料もナフサも全体としては十分な量が確保されているというものでありますが、しかしながら、川下のユーザーでは、やっぱり特にナフサ由来の各種プラスチック製品、塗料などの品不足と価格高騰が深刻になっているということは、もう大臣のところにもたくさん声が寄せられているんじゃないかというふうに思います。 この先行きの供給不足や値上がりが各事業者とも心配をしている中で、やっぱり川下に行けば行くほど製品の市場が小さくなりますから、どうしても事業者が通常よりも多くの在庫を持とうとするというのは、これはもう経営判断としては合理的なものなんじゃないかというふうに思います。これを、ちょっと目詰まりとかということではなかなか片付かない問題なんじゃないかなというふうに感じられます。十分な供給があるのに物が流通しないということではなくて、やっぱり供給そのものが足りないのではないかというふうに思います。 先日、多くの種類のプラスチック製品を扱っています地方の中堅どころの商社から聞いたところでは、やっぱり多くの種類の製品が品ぞろえがないと結局はどの事業も円滑に進まないので、これは足りている、これは足りないというのでは、結局全部足りないのと余り変わらないというようなお話も伺いました。それは、やっぱりこの問題を解消するにはナフサの国内の精製量を増やすしかないのではないかという御意見でありました。 政府として、ナフサの国内精製量を増やすように誘導していく方針はないのでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 石油製品は、原油の投入量に対して一定の割合で様々な製品が精製されるために、石油元売は生産される全ての製品の需給バランスや市場動向を踏まえて生産を行っています。 端的に言うと、一般的に言われているのは、原油を一〇〇とするとナフサが一〇出てきますと、精製すると。必ずガソリンが二九、軽油が二四、ほかのものも大体もう決まった割合ということで、その割合が大きく変わることがなかなかありませんので、ナフサだけを増産すると、もうメーカーとしてはほかのものを大量に在庫を抱えるみたいなことになるということですね。ということがあるので、特定の石油製品の増産のみを目的に製油所の稼働率を上げるということは基本的になじまないということだと思います。 また、ナフサの分解に関しても実は同様でして、ナフサから生産される基礎化学品の比率はほぼ一定であります。なので、各製品のバランスを踏まえて生産を行っているところで、特定の基礎化学品の増産のみを目的としてナフサ分解炉の稼働率を上げることもなかなか想定しづらいところです。 そのために、特に他と比較して在庫が少なく、目詰まりの声が大きい塗料、シンナーについては、直接的な効果が期待できる措置として、塗料、シンナーの原料となるトルエン等について、メーカーからの要請に応じて最大で例年の一・八倍の大幅な供給拡大を実施する制度を六月三日から始めました。 ちょっと分かりづらいところあるかもしれないので、若干御説明しておくと、トルエンとか、シンナーとか溶剤の原料であるトルエンとかキシレン、これも取れる量は、ナフサが一〇出たときに決まった量を取れるんですが、今回トルエンを持ってこようとしているのは、原油精製してナフサとかが出る段階で、ナフサとは別に出てくるガソリンの中に含まれているものとかそういうものを集めて、ナフサから精製されるものとは全く別ルートのを何とか集めて流すということで、ちょっとなかなかほかのものについて簡単にそれが可能だということではないということであります。 一・八倍のシンナーの原料、トルエンを供給する、トルエン等ですね、これにより、必要な物資が届いていなかった方に行き渡ることを期待するとともに、需給逼迫による価格上昇分については一定の引下げ効果が期待できると、その状況をちょっと注視したいと思っているところでございます。
○上田勇君 ありがとうございます。 単に流通の目詰まりとか偏りということじゃなくて、やっぱり全体量が不足しているというのが今の大きな原因なんだというふうに思います。国内の精製量を増やすことは簡単ではないということは今御答弁のあったとおりなんですけれども、これからも国内精製、そしてまた輸入の確保など、必要量は、量をやっぱりしっかりと確保していくために取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、赤澤大臣が取り組んでこられております日米戦略投資インセンティブ第二弾のプロジェクトにありますテキサス州における天然ガス発電施設の建設事業について質問させていただきます。 事業規模百六十億ドル、約二・五兆円とあります。プロジェクトの場所や内容については現段階では決まっていないというふうに伺っておりますが、そこで、決まっていないということなんですけれども、そこで想起されるのが、二〇一四年に、やはりテキサス州フリーポート市でLNGプラント事業が、我が国のエネルギー関連企業や民間金融機関のほか、JBIC、NEXIなどの公的機関が出資、融資などを行って実施をされました。 このプラントでは、二〇二四年に大規模爆発が発生をして、報道によりますと、当該事業者の施設で二億七千五百万ドルの損害があったと。そのほかに、周辺住民にも死傷者が出るなど被害が及んだと。また、報道によると、同社はこの事故に起因するものも含めて、大気汚染規制違反で、連邦環境保護局、EPAやテキサス州当局に合わせて三十一万ドル超の罰金が科せられたというふうに聞いております。 今回のプロジェクトはガス発電でありますので、このいわゆるLNGの精製というのとは事業の内容は違うんですけれども、LNGを扱うという共通性があります。こうした経営リスクや環境面でのリスクが高いのではないのかなということがちょっと懸念をされます。 また、報道によると、フリーポート市の住民が、二〇二四年の爆発事故などに起因する環境劣化、健康被害に対して、JBIC、NEXIほか民間企業に異議申立てを行っていて、先日、代表団が来日して関係機関に要請活動を行ったとあります。 計画されているこの新たなプロジェクトについては、公的機関が投資、融資に関わるのでありますから、経営的に成り立つこともそれはもう大前提でありますけれども、それだけじゃなくて、環境悪化や健康被害の原因になってはならないというふうに思います。 これから事業計画の具体化に当たっては、こうした点についても十分に分析して慎重に対応するべきではないかというふうに考えますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(赤澤亮正君) コーネル大学の経営大学院の先輩である上田先輩にちょっと申し訳ないんですが、先ほど、これだけ全体量足りているという発信を我々している中でも供給絞ったり過剰発注したりということが起きている中なので、やっぱり今絶対量が足りないということだと思うとおっしゃったんですが、そこは政府としては認識違うということはこの場で発信させておいていただきたいというふうに思います。 その上で、今の御質問ですが、御指摘の天然ガス発電施設の建設プロジェクトの事業内容の詳細については、三月の案件の発表以降も日米間で更なる作業を進めているところです。本プロジェクトにおいても、通常と同様、JBICやNEXIにおいて、それぞれが策定する環境ガイドラインに基づき適切な環境社会配慮が行われていることを確認することとなっています。 環境ガイドラインにおいては、プロジェクト決定後も環境社会配慮が実施されるようJBICやNEXIによるモニタリングを行うことが定められておりますので、引き続き、所管する省庁間で連携しつつ、JBICやNEXIがガイドラインに基づきモニタリングを含めて適切に対応することにより、委員が御指摘の何か不適切な事態等が生じることのないようにしっかり対応を求めてまいりたいと思います。
○上田勇君 しっかりと対応をよろしくお願いしたいと思います。 やっぱり、環境問題とか健康問題って、対応を誤ると本当に事業が進まなくなって、事業の成否そのものに関わるようなことになりかねないというふうに思います。アメリカ側ともよく意思疎通を図りながら慎重に対応していただきたいんですが、特に今、アメリカはどっちかというと環境問題について緩やかな対応なんだと思うんですけれども、これ変わるかもしれないですよね。そのときに、何か日本だけが責任を負わされる、あるいはこの事業が採算性が取れなくなっちゃうというようなことがないように、是非よく意思疎通を図っていただいて、また慎重に御検討いただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、南鳥島でのレアアース開発について内閣府に質問させていただきたいというふうに思います。 戦略的イノベーション創造プログラムでは、二〇一八年度以降、南鳥島周辺の排他的経済水域でレアアース泥の採鉱のための調査、試験を行って、今年二月に調査船「ちきゅう」を用いて初めてレアアースの、レアアース泥の引揚げに成功した。これはもう大変すばらしい成果であるというふうに思っております。 我が国の産業にとって不可欠で、しかも、近年は、中国などによって経済的威圧のツールとしてしばしばレアアースは利用されています。濫用されているレアアースの安定確保を目指す事業というのは、経済安全保障上極めて重要であると私も考えております。 二〇一八年度以降の五百九十八億円の予算が計上されています。そのうち二百九十三億円が補正予算で計上されているんですね。そのうち、この割合というのは四九%、実に総額の半分が補正予算で手当てされている。特に、二〇二五年度で見ると、当初予算二十八・九億円に対して補正が百六十四・三億円。これはやっぱり財政法第二十九条から見て、本当に適切な対応なのかということは疑問に思います。 経済安全保障上重要なプロジェクトであるからこそ、当初予算で十分な予算を計上しておくべきではなかったのでしょうか。御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(馬場貴成君) お答えいたします。 当初予算に計上すべきものは当初予算で計画的に計上し、その時々の経済動向等を踏まえ、各事業の緊要性に基づき必要な事業を補正予算にしておりまして、例えば令和七年度の補正予算につきましては、レアアースの供給リスクに備えるとともに、産業化を視野に入れた経済性評価を行うことが緊急な課題であったことから、南鳥島のレアアース生産プロセスの実証を加速するための経費として百六十四億円を措置しました。
○上田勇君 状況が変わるというのは致し方ないことなんでしょうけれども、これだけ重要なプロジェクトの半分が途中で状況が変わって計上するというのは、余りにもちょっと見通しが悪いんじゃないのかなという気がいたします。 今の内閣の方針としては、できるだけ当初予算でということでありますので、是非重要な、もう多分誰もが認める重要なものですから、必要なものをあらかじめ当初予算の中で計上するということで、これから対応していただきたいというふうに思います。 この事業では、二〇二七年二月から約一年間掛けて本格的な採鉱試験を行う予定というふうに聞いております。南鳥島及び本土でどのような施設整備等が必要なのか、またこの採鉱試験の目標はどこに置いているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(馬場貴成君) お答えいたします。 来年二月以降に行う実証試験の目標ですが、レアアース泥を一定量採取しまして、南鳥島を活用して分離、精製までの一連のプロセスを実証することで、産業的な規模で必要とされるレアアースの生産プロセスを検証し、経済性評価を行うことです。 その試験を行うに当たりまして、南鳥島では、採取したレアアース泥を脱水する装置を整備しまして、また、本土では、脱水したレアアース泥を精製する施設を整備する予定です。
○上田勇君 ありがとうございます。 これから約一年間掛けていろんな計画をした上で、そのフィージビリティーについてもこれから検討、その段階で検討するということでありますので、まだちょっと実用化までにはしばらく時間が掛かるんだなということが分かりました。我が国の経済安全保障上極めて重要なプロジェクトですので、これはもうこれからも積極的に推進をしていかなければならないというふうに思います。 ただ、やっぱり、先日の報道によると、高市総理は、これでこれから日本はレアアースに困らないというふうにおっしゃったということでありますけれども、それはちょっと見通しが甘いというか、少し事実を誤認しているんじゃないのかなというふうに受け止められました。 これから、戦略物資でありますレアアースの安定確保に向けて信頼できる友好国との協力も必要でありますし、ただ、現実としては、今、中国が世界の九〇%のシェアを占めるというのも言われております。そして、安定確保にも引き続き努めていただけるように、これは多分経済産業省のことなのかもしれませんけれども、そちらの方にもお願いをさせていただきまして、以上で質問を終わらせていただきます。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 まず最初に、教育訓練費等について伺ってまいりたいと思います。 政府は、租税特別措置として、企業が雇用者の給与を増加させた場合に法人税から給与支給増加額の一定割合を控除できる制度、いわゆる賃上げ促進税制を設けております。あわせて、教育訓練費も増加させた場合には控除割合を上乗せできるとしていました。 一般的な税額控除は、適用要件と税額控除額の計算基礎が共に政策目的に直接関連した支出額として同一となっています。しかし、教育訓練費に係る上乗せ控除制度では、適用要件は教育訓練費増加額、すなわち賃上げという政策目的に波及効果があるとされる支出額ということになっています。その一方、税額控除額は給与等増加額、すなわち政策目的に直接関連した支出額を基礎に計算する仕組みとなっています。 両者が異なっている、どうしてこのような仕組みになったのか、伺います。
○政府参考人(竹田憲君) お答え申し上げます。 賃上げ促進税制は、企業が賃上げを行った場合に、給与等支給額の増加額の一定割合を法人税額又は所得税額から控除する税制となってございます。その上で、人的投資が生産性の向上、さらには持続的な賃上げの実現につながるという観点から、企業による従業員への教育訓練費につきまして、より高い税額控除率を適用するための要件として設定していたところでございます。
○横山信一君 平成三十事業年度から令和三事業年度に本措置の適用を受けた延べ一万二千八百六十一法人を会計検査院が検査したところ、教育訓練費に係る上乗せ税額控除が教育訓練費支出額を上回った法人は延べ八千百三十法人ということで、その超過額は百四十四億円であることが明らかになりました。 経産省では、教育訓練費と賃金の間に正の関係があると、正の相関があると、そういう研究結果を参考にした政策であったというふうに承知をしています。しかし、検査院は、この研究に基づいて同院が試算した額よりも実際の上乗せ税額控除額の方が大きくなっていたことから、給与等の増加を促すための軽減措置として適切でないおそれがあるというふうに指摘をしています。 この指摘を受け、令和八年度税制改正により教育訓練費に係る上乗せ税額控除は廃止されましたけれども、今後の施策をどうするのか、大臣に伺います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 今後、労働供給制約社会が到来することも、というか、もう到来していますけれども、これを踏まえると、企業の成長を牽引する質の高い戦略的な人的資本投資を促進することが重要でございます。 経済産業省では、人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すため、人的資本経営コンソーシアムを立ち上げ、先進事例の共有を通じて人的資本形成の実践と開示を推進してまいりました。また、人的資本可視化指針を策定し、賃上げも含めた人材戦略や人的資本投資の検討や、企業と投資家の建設的な対話に有用な人的資本開示を促してきたところでもあります。 今後もこうした取組の周知、普及に努めることにより、企業の成長につながる人的資本投資の拡大を促してまいりたいと考えております。
○横山信一君 会計検査院から指摘は受けたんですけれども、こういった教育訓練費に掛けるこうした優遇税制というか、非常に、非常にというか大事なところなので、しっかりこれはまた新たな取組でお願いしたいというふうに思います。 次に、消費税について伺ってまいります。 訪日外国人の消費税の免税制度、これは、免税品の購入者が土産品等を国外へ持ち帰ることが実質的に輸出と同じであることから設けられています。免税店の拡大と外国人旅行者の利便性の向上を図ることにより、インバウンド消費拡大の重要な政策ツールとなってきました。 この免税制度は、消費税が税率三%で導入された平成元年から始まりました。当時は二百八十三万人、年間ですね、二百八十三万人にすぎなかった訪日客数、これが令和六年には三千六百八十七万人と十三倍に拡大をしております。訪日客による国内消費は八兆円台、免税額は二千億円超と推計をされているところです。 まさにインバウンド消費拡大に寄与してきた側面がある一方、同制度では、大量購入した免税品を日本国内で転売して利益を得る不正が後を絶たないことが問題となってきました。その額はどうなっているのか、伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) お答え申し上げます。 現行の外国人旅行者向け免税制度においては、本来の海外輸出を目的として免税販売された免税物品を、国外に持ち出すことなく国内で販売するなどして本来負担すべき消費税を逃れる、出国時に消費税の賦課決定を行ったものの、消費税を滞納したまま出国するといった不正利用が確認されております。 税関では、空港等において不正利用が疑われる者を捕捉し、国外へ持ち出さないことを確認した場合、消費税法の規定に基づき、その場で免税された消費税相当額の賦課決定を行っており、令和六年度において、税関が消費税の賦課決定を行った実績は四百五十五件、約三・一億円、そのうち滞納は二百十七件、約二・四億円となってございます。
○横山信一君 疑わしい者への免税販売を避けるために、購入商品の個数や購入頻度等から免税店が自主的に免税販売の可否を判断する基準を設ける業界、あるいはもうやむを得ず免税販売自体を停止すると、そういう事業者も出てきているところであります。こういう現象が起きてくると、いわゆる善良な旅行者にも利便性が損なわれると、そういう状況も生まれてきていると。 こうした中、本年十一月からリファンド方式が導入をされることになりました。これは、出国時に税関で商品を所持していることを確認できた場合にだけ消費税を払い戻すと、そういうことができるようになります。この方式への移行に当たっては、旅行者の利便性向上や免税店の事務負担軽減、空港での混雑防止等にも十分留意されているということは承知をしております。多数の出国者の全ての免税商品を確認することは現場で大きな負担となっているということでもあります。 それで、このリファンド方式に移行する前、悪いことを考える人は、いわゆる駆け込みで今やっちゃえみたいな不正を働く者が出てくる可能性があるということで、国税庁のリーフレットにも、リファンド方式への移行までの間においても、制度の適正運用に向けて取り組んでいくことが重要というふうにされていますが、その対策を伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) 消費税免税制度の不正利用につきましては、税関で転売等の不正が疑われる者を捕捉し厳格に検査を行っていること、委員も御指摘のとおり、免税店においても不正な免税購入対策に取り組んでいただいていることなどもあり、足下では減少傾向にあるとも考えられますが、委員御指摘のとおり、リファンド方式への移行前に不正利用が増加することも想定されることから、不正利用が疑われる者を捕捉し、必要な場合には賦課決定を行うため、空港等における税関の執行体制を強化し、関係省庁や航空会社等との連携を推進するとともに、賦課決定を行ったが滞納となった者に対しては、例えば再入国時の取扱いを厳格化する等、より実効的な措置をとるべく関係省庁とも現在協議を行っているところです。 財務省、税関といたしましても、こうした取組を通じ、制度の不正利用に対し引き続き厳正に対処してまいりたいと考えてございます。
○横山信一君 消費税払わない人というのは、同じ人が繰り返しやるようでありまして、そういう意味では、今おっしゃられたような再入国を認めないと、今度入管庁でもJESTAというのが導入されますので、そうしたJESTAとも連携しながら、もう悪いことする人間は入れないというふうに是非していただきたいと思います。 この訪日外国人向けの免税制度は、これは何でこういうこと、こういう制度が入ったのかというと、観光消費の拡大を通じて地域経済を活性化する目的ということだったんですね。そのため、訪日外国人が購入したお土産を自国に持ち帰って消費することは実質的に輸出と同じなので、二重課税を防ぐ目的で免税されているということであります。 しかし、今のように訪日外国人がどんどん増えてくると、これからも多分増えていきます、そうすると、観光を担う人材不足もありますし、あるいは日本の習慣、日本はモラルで成り立っている国ですから、ごみのポイ捨てとか、各地でオーバーツーリズムが問題となっているところであります。そういう意味では、もはや外国人向けの免税制度による観光消費促進と、こういう目的はもう既に達成されてしまったんじゃないかというふうに言えるわけです。 この免税制度自体については、もう与野党から廃止あるいは見直しを求める意見が出ていますけれども、この外国人の免税制度の廃止について大臣に見解を伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 外国人旅行者向けの免税制度は、外国人旅行者が一定の要件の下で購入する物品について、実質的に輸出取引と変わらないとして消費税が免除される仕組みでありまして、多くのOECD加盟国においては同様の制度が導入されているものと承知をしております。また、本制度は観光立国推進基本計画に盛り込まれ、訪日客の消費促進に資する面があり、観光立国の実現に資する制度であるということで捉えられているわけでございます。 その上で申し上げますと、その上で、不正利用の防止等の観点からは、令和七年度の税制改正におきまして、出国時に持ち出しが確認された場合、免税店から外国人旅行者に消費税相当額を返却するというこのリファンド方式への見直しが行われたところでございます。 本制度につきましては、令和八年度与党税制改正大綱において、今後も、本年十一月から開始するリファンド方式、この実施状況を踏まえつつ、不正防止、観光立国推進等の観点から本制度の有効性等を検証して、その在り方について検討を行うとされておりまして、政府といたしまして、こうした方向性を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○横山信一君 十一月にリファンド方式入れるので、すぐに廃止しろといってもなかなか、せっかく入れるんだからまず様子を見ましょうということになります。そこは理解できます。 次に、金のことについて伺っていきます。 日本国内における金地金の購入には一〇%の消費税が掛かります。売却時には税込み価格で買い取られるため、消費税の納税を回避し、売却額との利ざやを稼ぐことを目的とした金の密輸が我が国では相当あるというふうに考えられています。 このような状況を受け、財務省関税局が平成二十九年十一月に、ストップ金密輸緊急対策というのを策定をいたしました。取締りの強化や金密輸の厳罰化等、総合的な金密輸対策に取り組んで、摘発は一時減少しましたが、残念ながら令和五年以降再び増加傾向に今あります。組織的な密輸スキームが活用され、密輸の利益が犯罪組織の資金源になっている可能性も疑われています。 この金密輸の更なる対策が喫緊の課題というふうになっているんですけれども、この金地金の最近の密輸摘発数とその主な手口、どうなっているか伺います。
○政府参考人(寺岡光博君) お答え申し上げます。 金は消費税の対象であり、輸入時に税関に対して納付する義務がありますが、密輸された金については、輸入時に消費税が納付されていないにもかかわらず、国内の精錬加工業者等への売却は国内取引となりますので、密輸組織は消費税込みの代金を受け取るということとなります。さらに、その金が輸出業者等に転売され、最終的に輸出される際には免税となるため、仕入れ時に支払った消費税の還付が行われ、それが密輸組織の利益につながっている可能性があると考えてございます。 金の価格高騰により利ざやも拡大していると考えられ、税関における摘発件数及び押収量も足下で大きく増加に転じてございます。令和三年の摘発件数及び押収量は五件、二十七キロでしたが、直近の令和七年は百九十二件、四百二十五キロと、大幅に増加してございます。 最近の密輸手口については、空港で粉状に加工したものを体腔内に隠匿する手口の摘発が続いているほか、大口の密輸手口として、洋上で船舶から投棄した金を別の船舶で回収しようとした事案や、重量のある貨物の金属部分へ隠匿した事案が確認されるなど、極めて巧妙なものとなってございます。また、国内での流通過程を追跡しにくくするため、溶解、成形が行われた上で輸出されている形跡がうかがわれるなど、役割分担の下で複数の主体が関与する組織的な密輸が行われている可能性があると考えてございます。 このため、昨年十一月、大臣から金密輸に対する総合的な対策を講じるよう指示がなされており、現在、全国の税関において、輸入時の検査の徹底のみならず、輸出時の審査、検査の徹底強化、無許可輸入に対する没収等を実施しているところです。 引き続き、関税局、税関が一体となり、警察当局や国税当局、海外機関との連携を強化し、金の密輸対策に一層力を入れてまいります。
○横山信一君 大変な量が摘発をされているということであります。粉金というんですかね、金を粉状にして体の中に入れたり、あるいは下着に隠したりして持ってくるということでありますけれども。 令和七年の国内生産金、これは大体七十六トンで、輸入、大体十トン、この合わせた量が八十六トン、これが国内にある金。それに対して、輸出量は二百二十八トンあると。その差、百四十二トン。この中にはもちろん正規でちゃんと取引されているものもあるんですが、こういう量を見ると、相当量が密輸で入ってきているのではないかということを疑われるわけであります。 財務省関税局によれば、金の密輸は税関の根幹を揺るがしかねない重大な問題であるということで、税関と一体で総合的な対策を実施することとしており、大臣から各関税長にも、先ほどの答弁にもありましたけれども、税関における金密輸の水際対策の強化の指示がなされたということを承知しております。 現行制度の下で対策の強化は当然必要だろうと思いますけれども、大量の金の持込みがなぜ起きるかというと、これは消費税分を脱税しようという目的があるわけでありますから、訪日外国人の消費税の免税制度の悪用と類似するものだということで、海外では金製品が非課税である国が多いということも踏まえれば、日本も金も非課税にしてしまえばこういう問題は起きなくなるわけですから、どうなのかなと、非課税にすべきではないかと思うんですが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 国内での金の取引については、現行法上、消費税の課税対象となっております。 金は宝飾品であり、それからパソコンなどの電子機器の部品の原材料であり、地金以外の形態でも取引をされておりますが、こうしたものを含めて金を全般的に非課税としてしまうと、まあ銀とかほかに貴金属いっぱいありますけど、じゃ、それどうするの、全部どうするのと、課税上の不均衡が生じ得るわけで、消費一般に広く公平に負担を求めるという消費税の制度趣旨からも、それはちょっと適当ではないというのが我々の今の考え方でございます。 また、金地金に限り非課税としたとしても、金地金の価格自体が、非課税にしたら消費税分の相当分が下落、普通はするでしょうから、現在、金地金を保有していらっしゃるかなりの方々に広範な影響が及んでしまうことになります。 また、輸入した金地金を金製品に加工さえすれば課税、加工してしまえば課税対象で、消費税分の利益を得ることが可能となると、こういうことにもなってしまうので、ほかの貴金属等を密輸するケースには、どっちみちこちらは課税対象となっておりますし、こちらは金だけをしてもその密輸ケースには対応できないという問題もありますから、これでは抜本的な問題解決にはならないんじゃないのかなというふうに考えておりまして、今の非常に深刻な状況がございますので、まず、輸出入時での検査、審査の厳格化を始めとする税関での取組といった執行面の対応に加えて、金の輸出入や国内取引等に関連した何らかの制度的な対応も選択肢からは排除することなく、関係省庁ほかにもございますから、連携しながら更に有効な対応を検討していく必要があると考えております。
○横山信一君 もう時間来ましたので質問しませんけれども、苫小牧のコンテナ検査センター、是非、東港区に移設してもらえるようにお願いいたします。 以上で終わります。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美でございます。ちょっとお疲れが出る時間ではございますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 私、最近、AIの進歩にかなり驚きといいますか、恐ろしさを感じております。といいますのは、今年の四月に中国の北京で人型ロボットのハーフマラソン大会がありまして、ハーフマラソン、タイムが五十分二十六秒。分かりますかね、五十分二十六秒といいますと、人間の、人の世界記録を七分近く短縮をしております。ですから、というのも驚いたんですが、それよりももっと驚いたのが、その一年前はかなり遅かったんですね。二時間、一年前よりも短縮しているんです、約二時間、今度。私は、チェスとか将棋は現在はAIの方が人間よりも上回っているんですね。でも、マラソンだけは決してAIは人間に勝てないと所管の委員会でも断言したんですが、あっという間にこのスピードというか、本当に、本当驚きというよりも、これ以上AIが進んだらどうなるんだろうというふうに恐ろしさを感じているところでございます。 その中で、片山大臣も先日ちょっと会見をされたと思うんですが、私もこれ非常に気になっているところなんですが、これ重大なことなんですけど、世界中が注目をしております、強過ぎて一般公開できないというぐらいの、賢過ぎて怖いというぐらいのクロード・ミュトスについてお尋ねをいたします。 やっぱりこれは、敵か味方か分からない、まあ味方の方がもちろんいいんですが、敵になった場合はパニック、世界中がパニックになるということをお聞きしました。もう飛行機にも乗れないわパソコンは使えないわ、水道、電気、もちろん不正、あと自分の口座からいつの間にかほかの人の口座に送金されているとか、不正送金とか、そういうことが何かあるということで、本当に、人間を上回る脆弱性発見能力を備えているというこのクロード・ミュトスにつきまして、大臣が会見されましたが、余り私たちぴんときておりません。 まずは、大臣のお言葉で、この恐ろしさというか重大さを教えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) AI技術の進歩は本当に急速でございまして、サイバー攻撃の速度、規模も劇的に拡大しておりますので、元々、金融業界全体において、私ども所管の、サイバーセキュリティーをめぐる脅威は急速に高まってきていたと認識をしておったところに、新たにフロンティアAIがこの四月に開発されたということになりまして、G7の蔵相・中央銀行総裁会議、あるいはG10、20の同じく蔵相それから中央銀行総裁会議でもアメリカからそういった発表があって、これについては、まず金融界が正面に立って対応しなくてはいけないということで、じゃ、どうしようかという話になっていったわけでございます。 というのは、金融システムというのは、やっぱりほかに比べて相互接続性が高く、だから意味があるわけで、しかもリアルタイム処理に近いものですから、サイバー攻撃によって直ちに市場への影響とか信用不安に波及し得るというところがほかとは違う特性がございます。 なので、金融機関は、重要インフラ機能を担う今のようなお立場として、脆弱性が自分のシステムにあるという情報を早く知ったら、パッチといって、それを直すための適用の方ですが、これを最短の時間でやらないと、その間に入られてしまうとそこから破られてしまいますので、インシデントというかアクシデントが発生してしまうので、そうならないための備えが今まで以上に重要になるということはもう確かでございます。 これを踏まえまして、AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する、ちょっと名前が長いんですが、官民連絡会議というのを四月のG7から戻ってすぐにつくりまして、その下に各社のいわゆるITの責任者、チーフITオフィサーのような方を集めて作業部会を開催して、官民の連携強化で対応しております。 さらに、私とアメリカのベッセント財務長官との会談を始めとして様々な関係者との連携を通じて、いわゆるフロンティアAIモデルの中で、御指摘にありましたアンソロピック社のミュトスと、それから、オープンAI社の今のところの最高のモデル、GPT5・5ですか、何かそのうち6というのも出るらしいんですが、これについては我が国及び一部金融機関についてはもうアクセスが可能となっております。 金融庁としては、引き続き、国家サイバー統括室、NCOとがっちり連携して、関係機関と連携、情報交換を密にしつつ、金融システムの安定性の確保ということで、フロンティアAIへの対応が他国に劣後することが決してないように、つまり預金者や金融の利用者の皆様をしっかりとお守りできるようにということで、スピード感を持って進めていくというのが我々のミッションだと思っております。 他方、今お話を聞いておりますと、これらのフロンティアAIはいずれも穴を発見するんですよ、システムの。穴を発見するとほぼ同時に、余り時間差を置かずに対処方法も発見すると。 問題は、それはどういうシステムで、どうやってそこに当てはめるかの問題になっているので、全く穴があったよ、知らないよということではないので、委員がおっしゃったように、ひたすら悪いことだけに使うという目的があるわけではないんですが、悪い人にオープンになった場合には、一番可能性がある犯罪はやはり窃盗ですから、つまり何らかの形で利益を盗むとか、まさに抜き取ってしまうとか、あるいは振り込み先を別に変えるとか、最も単純にあり得る犯罪がそれなので、我々が最初にこの防御を固めなければいけないということで、まさにリスクを最小化にするために最善を尽くしているということで、怖いだけが取り柄じゃないというか、そこに対するいい意味での利用方法はかなりあるなということも考えているわけでございます。
○松野明美君 この質問の準備に当たりましてちょっと勉強させていただいたんですけど、やっぱり本当に分かれば分かるだけ、やっぱり私はどちらかというと怖さを感じたところですね。いや、いい方に行けばいいんですけど、その重大さがなかなかぴんとこないというところで、やっぱり国民の方々にこういうものがあるんだよということは知らせていかなければならないのかなというふうに、私自身はそのように思ったところです。 そして、そのアクセス権というのも、日本の中にはメガバンク三社と、数日前に日立さんがアクセス権をいただいたということは報道で知りました。 例えば、ほかのアクセス権を持っていないようなそういう企業というのはどのように、何でしょう、自分たちの企業を守っていっていいのか。やっぱり、全てを守るんではなくて、守らなければならないものだけを守っていくような形になっていくのか、そういうところというのはどのように政府としてお考えなのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(柳瀬護君) ただいま委員から御指摘いただきましたように、現状、我が国の一部の金融機関においてミュトスへのアクセスをいただいておるところでございます。 一方、フロンティアAIを悪用したサイバー攻撃への対応につきましてでございますが、必ずしも直接フロンティアAIへのアクセスが必要と、前提となるものではございません。すなわち、今後、アクセスを得ているベンダー等から、先ほど大臣の方から御説明いたしましたように、大量の脆弱性情報ですとか、それを修正させるためのパッチですとか、こういったものが配付されるということになるということが想定されます。 こういったことについて、先ほどの脆弱性情報の把握からパッチの適用までをいかに迅速に行うか、あるいは何らかのことでインシデントが発生したときにそれに対する備えをどういうふうにするのか、あるいは多層防御を徹底させるですとか、そういったサイバーセキュリティー全般を不断に強化していくことが不可欠であるというふうに認識しております。 このような趣旨で、先ほど御説明させていただきましたような作業部会等で我々、短期的な対応について金融機関に対する要請を発出し、先ほど申し上げたようなことについてお願いしているところでございます。 引き続き、このようなことも含めまして、サイバー脅威の動向等を踏まえ、金融機関に対し、適切かつ迅速な対応を促してまいります。
○松野明美君 ちょっとまだいろいろ質問はあったんですけど、時間の都合上あれしますけど、例えば、やっぱりマラソンだって、こんなにAIというか、フィジカルAIの方が、やっぱりヒューマノイド型のフィジカルAIの方がはるかに速くなったということで、例えばですよ、今から先、こういうことがどんどんどんどん進んだ場合、人間がコントロールできないようなAIとかが出てきたらどうするんだろうと。 人間を上回るぐらいのこういうAIが出てきた場合、AIがAIをコントロールするようなふうになっていくんではないか。「ターミネーター」とか昔ありましたけど、それ以上の世界がもしかしたら生まれてくるんではないかというふうに、私、想像力が豊かなものですから、こうやっていろいろ考えるんですが、この辺り、大臣、どのように、そんなことはないと思われますか。もしよかったらお願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) 私も理系じゃないものですから、委員の御意見にお答えできるのに適当かどうかは分かりませんが、かなり突っ込んだ話合いをG7、七か国プラス国際機関のトップも含めてしましたよ。 ただ、今の時点で、AIでなければ防げないAIの、つまり穴発見器がもうできちゃったわけですから、しかも、今までの経験でいくと、アメリカの先端企業でこれができてから中国が追い付くのに半年から一年、もう例外なく半年から一年ということは、あちらさんの方はオープンソースにされるものですから、万人にそれが知れ渡っちゃうから、我々はそれに対する対応はしなくちゃならないんですよ。 それが過酷な現実でございますので、まずそういうことをしながら、総理もおっしゃっているように、日本なりの守り方とか、なぜこういうものができてきて、どういう点が今までと違うのかと、それに対する対応はこういうことで、日本なりのシステムの中でのそのはめ込みの仕方ですね、既に向こうではマイクロソフトさんとかそういうプラットフォーマー的なところが全部使ってみて、やっぱりうそ発見器のうち七五%が当たっていて二五%は偽陽性というのはこれすさまじい確率ですから、前提として生きなければならない時代になったということは確かなんですが、そこに善導していく必ず知恵はあるのが人類だと思っておりますので、それを止める機能も一緒に持っていくものしか恐らくこれからは出してこないと思いますね。しかも、アメリカの場合は、そういう恐ろしいまるで武器のようなものを作る会社が出てくる反面、必ずライバル会社が複数あって、全部の言うことを聞いていると見えてくるものがあるものですからね。 そういったところも生かしながら、もう先ほど小さい金融機関のことも御心配いただいて、私ども金融庁は大きいところから小さいところまで全部所管しておりますから、最終的にはきっちりお守りできるように頑張ってまいりたいと思っております。
○松野明美君 ありがとうございます。 大臣から、急がないといけないというようなお言葉もありました。確かに、他国は同じようなレベルのAIを半年から一年ぐらいでもうでき上がりそうな感じがあるということで、本当に急がないといけないというのはそのとおりだと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に、消費税につきまして、今回の選挙の公約としまして、消費税二年間〇%というようなことがありましたけど、これがいつの間にか〇%から一%案ということが、今報道でしか分かりませんが、出ております。 そういう中で、私、〇%と一%というのはかなり違うと思うんですね。やっぱり一年間の中で六千億円の財源が浮くという言葉はちょっと匹敵ではないと思いますが、六千億円ということで、私自身、ちょっとここで、余り時間がないので意見だけ申し上げますと、六千億円、もしも、もしも仮に一%案になった場合、私は〇%を推進しているんですが、一%になった場合、この六千億円、もう還元とかであれば、これまでもそうでしたが、六千億円を配るために六千億円以上のコストが掛かるということで、非常にやっぱり国民は納得しないということなんですね。 これを、六千億円だったら、大体三か月分ぐらいなんですよ、三か月分。だから、二年三か月分にこれ延長するとか、そういうことも考えていただければと、私、国民会議に出ておりませんので、考えていただければと思っておりますし、また、やっぱり減税したら増税がありますから、これ増税、二年間、増税した分、やっぱり私たちは国民の負担料がまたがっと来るので、その辺りもちゃんと考えていただければと思っておりますが、その辺り、お答えしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 現在、社会保障国民会議の実務者会議で、改革の本丸でございます給付付き税額控除の実施までのつなぎとして、御指摘いただいた食料品の消費税率を引き下げることについて議論がなされているところでございます。 このつなぎの在り方につきましては、各党様々御意見ございますけれども、現段階で対応の方向性が何ら決まったわけではないと承知しておりますが、引き続き国民会議で御議論が続けられていくものと承知しています。
○松野明美君 そういう冷たい答弁だろうなと思っておりましたので、分かりました。 最後の質問になると思います。 以前、二〇一九年の六月に、老後二千万円問題ということで、非常に二千万円がなければ老後が暮らせないというような衝撃的なニュースが、ニュースといいますか、報道がありました。金融審議会の報告書で公表されたということで衝撃があったんですが、今の段階でこの老後資金というのは試算されているのかどうか、されているんだったらどれくらい必要なのか、お答えください。
○政府参考人(井上俊剛君) お答え申し上げます。 委員御指摘の点につきましては、二〇一九年に金融審議会の市場ワーキング・グループが取りまとめた報告書において、高齢世帯が貯蓄や退職金を活用されていることに触れることなく、高齢世帯の収入、支出の平均値を用いた単純計算で、あたかも公的年金だけでは生活費として老後三十年で二千万円不足するかのように表現した点で国民の誤解を招く不適切な表現であったと考え、当時、この報告書を正式な報告書としては受け取らないこととしたものでございます。 このような背景がございますため、再び国民に誤解や不安を与えることがないよう、類似の試算というのは行っておりません。改めてお示しすることは差し控えさせていただきたいということを御理解いただければと思います。
○松野明美君 分かりました。あと一分ありますので。 誤解だったということなんですけれども、非常に衝撃的なものはありましたが、この老後資金二千万円問題で、非常に、私たち年金だけで暮らせるというふうに思っていました。そういう方々が、ああ、やっぱり老後の貯蓄もしないといけないなというのに気付かされたことが一つと、やっぱりNISAとかiDeCoの後押しというか、そういうのもあったと思います。そして、やっぱり子供たちの金融教育にもつながったということで、私は、いろいろあると思いますが、あってもいいのかなとは思っているんですね。 というのは、やっぱり今は五十年ローンとか、例えばもうマンションとか高くなりまして、五十年ローンとして三十歳で八十歳ですから、返済が、そういうようなのもある。定年退職して、あと十五年から二十年ぐらい返済を続けるというような方々も非常に多くなりました、ペアローンとかも多くなって。そういう方々がやっぱり何か気付いていただけるようなきっかけになるのではないかなと思っておりますので、試算はどうなるか分かりませんが、まあいいです、よろしくお願いを申し上げます。 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○新実彰平君 日本維新の会の新実彰平でございます。 本日は、租税特別措置そして補助金見直し担当室について片山大臣に伺わせていただきます。 高市政権の掲げる責任ある積極財政が目指しているのは、日本の国力の浮揚につながる投資と、そして財政への市場の信認の両立であるというふうに考えております。 市場の信認という言葉には様々な解釈があるんだろうというふうに思いますけれども、必ずしも全ての財政措置に一対一で税財源が必要とか、また緊縮方向に戻っていくということではないんだろうというふうに思いますが、一方で、昨今の為替の動向とか、あるいは金利の動向を見ていますと、しっかりと市場に対して財政への誠実さというものを見せていくということは必要なんだろうと思います。その点においては、やはりこの租特・補助金見直し担当室の役割というのは非常に大きいのかなというふうに考えております。我が党が目指してきた世界観と、そして高市内閣が目指すもののまさに折衷点だというふうに思いますので、連立政権において心一つに取り組んでまいりたいと思っております。 まずもって大臣に伺いたいのは、この補助金や法人税の優遇措置等は、まさに国民の血税も一部原資になって行われる投資そのものでありまして、だからこそ効果検証は不可欠で、それ自体がマーケットとの対話にも直接資するものであるというふうに考えますけれども、片山大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(片山さつき君) おっしゃるとおりでございまして、この問題は、御党と自民党との連立合意にありますとおり、責任ある積極財政の考え方に基づいて、効果的な官民の投資拡大を進めつつ非効率な政府の在り方を見直すと、その一環として、政策効果の低い租税特別措置や補助金の見直しを進めて、政策効果を高めるための総点検をしっかり行っていくということでございまして、我が党としても、自民党政権として非常にこれを重要と考えております。 これまでも政策効果を検証する様々な取組によりまして、より質の高い予算編成や税制改正に努めてきたところでありますが、御党と連携して取り組んでいるこの租特、補助金見直しは、特に御指摘のとおり、我が国財政に対するマーケットの信認という意味で非常に大きなインパクトがあるなというのを日々感じております。 ですから、六月に向けてというか、もう六月ですけど、下旬に向けて中間発表というか取りまとめに行くわけですが、最大限の努力をして、維新の皆様の日頃の努力に大変な感謝をさせていただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○新実彰平君 ありがとうございます。心強い御答弁を頂戴をいたしました。 効果のない財政措置を取りやめることはもちろん重要ですけれども、その分、効果の期待できる措置に資源を集中投下をしていく、投資の側面、その効果を示すということも同時に重要なんだろうというふうに思っております。今後、どのような基準に基づいて施策の効果を測って、そして判断していくのかの予見可能性を各省庁のためにも高めたいというふうに思います。 先立って、今年度から廃止をされました大企業向けの賃上げ促進税制について振り返ります。 この措置の廃止で新たに三千七百億円の財源を捻出をできた、ほかの租特の見直しとセットで高校無償化や小学校給食費の負担軽減の原資となったということでございます。 この制度は、賃上げ率に応じて法人税の控除率を引き上げていく仕組みですけれども、最高の控除率二五%を適用されるためには七%の賃上げ率が必要でございました。この控除が賃上げにつながっていないとの判断を最終的に下されたわけですけれども、政府参考人に伺います。どのようなエビデンスに基づいて効果が出ていないと判断されたんでしょうか。
○政府参考人(青木孝徳君) お答えいたします。 御指摘の賃上げ促進税制でございますが、八年度の税制改正で大企業向けの措置を廃止するなどの見直しを行いました。この見直しの背景といたしまして、まず、足下の賃金上昇率がバブル期以来の水準となる高い伸びを示しておりまして、本措置の要件となる賃上げ率を大きく超えているという点がございます。このほか、コーポレートガバナンス改革に基づき人的資本への投資促進が企業の責任として求められていることですとか、中小企業の人手不足感が大企業よりも強い状況であることなどの御事情もございました。 その上で、賃上げは、企業収益の動向、雇用情勢、税制以外の要因による影響を受けるため、税制の効果だけを取り出すことは困難ではございますが、それを踏まえましても、適用企業の賃上げ率と本措置の賃上げ要件との間に必ずしも関連性が見られず、本措置がインセンティブ措置として十分に機能していないおそれが分析により見受けられました。 このため、今般の税制改正におきましても、与党での御議論を経まして、大企業向け措置の廃止などの見直しを行ったところでございます。
○新実彰平君 ありがとうございます。 あと、今言及はされませんでしたけれども、資料を拝見しますと、効果が出ているんであれば、控除率が上がっていく目安になる賃上げ率のちょっと上に数値が集中していておかしくないわけですけど、むしろ、表を見ますと、その基準になる賃上げ率の手前に場合によっては賃上げ率が集中していたりして、もうこれ、もしかすると控除率を意識せずに各企業、賃上げを行っているんではないかなと見受けられるような資料もあるというふうに伺っております。こうしたものは廃止をしていくということに今後なるんだろうと認識をいたしました。 では、この見直し担当室がどうすればワークするのかということを考えたいと思います。 かつての民主党政権において行われた事業仕分では、政治家や専門家が省庁のプレゼンテーションを基にテンポよく廃止事業を事実上決定してまいりました。また、アメリカの政府効率化省、DOGEにおきましては、目標とする削減人員や削減額を当初から定めて、時に特定の行政機関を標的にしてトップダウンでの意思決定が行われたと聞いております。 翻って、今回の見直し担当室は、もう既に各府省庁に各施策の自己点検を求めているということでございますけれども、この自己点検をプロセスに加えた狙いと、この自己点検で具体的にどんな指標で何を示すように各府省庁に求めているのか、教えてください。
○国務大臣(片山さつき君) 今回の租特、補助金見直しの取組では、査定の段階だけではなくて、各府省庁において要求、要望段階、要求、要望を正式に作る前の段階から一貫して見直しに取り組んでいただくということが重要であるということを一つの大きな理由として、四月に開催した関係閣僚等及び副大臣会合におきまして、私、担当大臣から、政務のリーダーシップの下で自己点検を行っていただけるように指示をさせていただきました。 例えば、租税特別措置の自己点検におきましては、適用件数がそもそも余りないものもあるわけですよね。適用件数、適用額、それから措置を通じて達成を目指す指標とその効果の発現経路、これをはっきりと記載した上で、租特による効果の分析等をしていただいて出していただきたいということを求めるということにしております。 こういったことが国民の皆様からの御提案を踏まえた点検の視点に載っていまして、それに基づいて設けさせていただいているんですが、この自己点検に照らして、要求、要望に向けた見直しにつなげていただきたいと。そうでないと、様々なものを公表しておりますから、おたくの役所はこれを見てこれしかやらないのということになってくるんですが、それは非常に大きな効果を持つと思います。 私も、イーロン・マスク氏が鳴り物入りで入ってきたトランプ政権の当初のときの一月の就任式に伺って、その翌日と翌々日に政府関係者や議員を回らせていただいたんですが、イーロン・マスク氏や、ラマスワミ氏ですか、今度知事選に出られる方ですよね、この方々が一方的に最初に、もう超秀才の、超大金持ちの、超一流ビジネスマンの、ITの、そこから見て無駄だと思ったものだけを突き付けても、ほとんど具体性がなかったんですよ。 それで、長いことOMBという組織がアメリカにはありまして、ある意味、財務省の主計局であったり、総務省の行管関係者であったり、あるいは会計検査院であったりというような機能の少しずつを持っているようなところなんですが、ここにはたまっているんですよね、いろんな過去の、指摘したんだけど、なぜだかなくなっていないんだよねとか。国会での議事録もそうですよ、日米共に、言ったんだけどねと。そういうものがみんなデータにあるわけで、それをちょうど全く違う人たちの通訳であるかのように言っていくというプロセスが一月ぐらいから始まって、それでやっと少し現実化してきたということがあるので、本当に大胆な全く違う視点を入れていくことも一つの劇薬としては意味あると思いますよ。 ただ、それだけだと、現実に引き直したときに、はっといって止まってしまうということもよくあることなので、我々は、そういうことではなくて、より現実的に着実に見直しにつながるようなやり方を取りたいなというふうには考えております。
○新実彰平君 ありがとうございます。 まずは、効果のある種、立証責任は府省庁に負っていただくということなんだろうと思いますけれども、一部言及ありましたけれども、既に各省庁、行政機関は、政策評価法あるいは租特透明化法等によりまして事後検証も一定義務付けられているわけでありますし、行政事業レビューという事業仕分の精神を引き継いだ仕組みも継続をしているわけですけれども、これまでの仕組みと何が決定的に異なるのかというふうに伺わせていただくと、どんなお答えになりますでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 今回の見直しにつきましては、まず国民の御意見をまとめて、点検、見直しについてその視点をお出ししているということは今までにこれだけ包括的にやったことはないということがありますが、その要求段階、要望段階から各府省庁によってこの自己点検を通じた見直しを行っていくのにちょうどいいタイミングに入れているという意味で、ほかのプロセスは各々ほかのプロセスで少しずつ違いますので、まずこのタイミングに入れ込んでいるということがありまして。 租特につきましては、これまでも政策評価法に基づいて、法人関係税制は中心に、この税負担の軽減等を図る措置の拡充等を行う場合には効果検証をやってきているんですが、今般の租特の自己点検では、法人関係税制にとどまらず、全部、全ての税目に係る租特についてやっていただくということと、各府省庁において、適用実績等のデータに基づいて、政策効果が発現したことを定量的に示してくださいということについて、税制改正要望の内容を今まで以上に精査したものが出てくると、まあ出てこないと困るんですが、出てくるようにしていくということになっております。 また、補助金と基金につきましては、これは行政事業レビューを例年行っておりますが、今年は特に見直し担当室の取組と連携する旨が明記されておりまして、公開プロセスの対象事業選定について政務の了承を必須とすると、つまり、副大臣が見ると、責任を持ってということが決定されておりまして、各府省庁の代表としての副大臣、政務にリードしていただいて、国民目線でこれまで以上に、ああ、これだけの見直しをやっていただけるのであればなということに分かっていただけるような形で取組の経過が出てくるものと我々は確信しております。
○新実彰平君 随所に各府省庁への何かプレッシャーみたいなものも感じる御答弁、ありがとうございます。 伺っていますと、本当にじっくりと、これまでのようにセンセーショナルにショーアップするというよりは、淡々とエビデンスに基づいて地に足を付けてやっていかれると。しかも、現実の予算策定のプロセスの中にうまく溶け込ませて落とし込んでやっていかれるんだということを理解をいたしました。 その上でなんですけれども、やはり一定程度そのプロセスを国民と共有して、国民の理解とともに事を進めていくという要素も必要なのかなというふうに思います。 まさに今進めているその自己点検の結果ですけれども、分かりやすく、できれば国民と共有をして、まさに国民の判断材料とできるようにしていただきたい。いろんな意見が今回寄せられているわけですけれども、ああ、これはちゃんと国民の意見に直接しっかりと明快に応えているな、あるいは、これはちょっとおかしいんじゃないかということが国民が判断できるような形でまずは自己点検の結果をアウトプットしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) まず、六月下旬頃に各府省庁において自己点検結果は公表していただくことにもうなっておりますが、その上で、九年度予算の要求、税制改正要望に向けて、各府省庁で自己点検の結果と国民の皆様からの御提案を真摯に御検討いただいた結果、無駄の徹底的な精査を含めて、政策効果の低い租特や補助金、基金の見直しに取り組んでいただいた結果の要望を出していただくということが非常に重要で、国民の皆様への説明責任がしっかり果たされているように具体的に今後考えてまいりたいと思いますし。 何といっても、四月に開催した第二回の租特・補助金見直しに関する関係会議では、御党の遠藤補佐官からも、御党でも非常に精力的に議論して見直しにつなげていくという旨の御発言をいただきましたので、もうお力を是非お貸しいただいて、これからも連携して取り組んでいければと思っておりますし、六月の末に向けてその第一弾としての結果は出ますし、こういうものはネバーエンディングでございますので、今後もしっかりと同じ方針で、まず、厳しい見直しとともに当然やり取りもありますよね、その上で、結果を国民に説明して、国民の御納得が得られるような形で令和九年度予算に臨んでいく、令和九年度の税制改正要望につなげていくということが非常に重要と思っております。
○新実彰平君 ありがとうございます。 先ほど上田委員からもありましたけれども、この三万七千件の国民の意見の中には、極めて一人一人が真剣に向き合った傾聴すべきものもあった一方で、先ほども御言及あったように、ちょっと勘違いに基づくようなものもあったように伺っています。 ネット上でもよく言われていますが、こども家庭庁さんの予算七兆円はおかしい、解体しろとか、こういった論も一部あるわけですけれども、これほとんどは義務的経費で、児童手当や学童の運営費に充てるお金だというふうに聞いておりますし、こういった国民の皆様の勘違いの解消というものも必要でしょうし、また同時に、繰り返しますけれども、無駄を削るだけではなくて、しっかりと効果があり得るだろうという部分については投資を徹底的に行っていく、それをポジティブに国民に伝えると、そういう場にもしていただきたいというふうに思います。 一つちょっと質問は飛ばさせていただきたいと思います。 最後に、十分に効果を立証できなかった施策がすぐに停止をできるかというと、そう単純なものではないというふうに承知しています。様々な業界団体さんにとってみれば、既に得ている便益を喪失することになるわけですので、許容し難いケースも多いと。また、そうした団体に支えられている国会議員の方もいらっしゃるわけですから、様々なアプローチがあるかもしれません。 そういう中にあって、大臣に矢面に立っていただくということは大変心苦しいわけでありますけれども、何とかエビデンスに基づいて効果のある投資を徹底的に推し進めていくということ、そして、効果のないものはもう淡々とやめていくということ、この簡単なようで日本においては非常に難しいとされてきたミッションへの大臣の御決意を改めて最後にいただけますでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) まさに今回、予算編成の制度についても抜本的な、恐らく戦後最大の改革を行ってまいりますので、そういった中で、やはり未来に強い日本を残すと、将来世代が期待を持てる未来をつくるという意味で、そこは、断ち切る必要があるものはいろいろしがらみあっても断ち切って、先ほど経産大臣からもお話がありましたが、事業再構築も非常に使われた制度でございますが、問題がいろいろ指摘されて、今は違う名称の違う要件のものになっておりますし、その目的自体が否定されてはいなくても、結果的に、その要件でその形で出てきたものがいつも時代に応じて変わらなくても有効かというと、それは有効ではありませんから、これが見直しできる政府であり国会でなければなりませんので、是非頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○新実彰平君 ありがとうございます。 我々、しがらみなき政党でございますので、いいものはいい、悪いものは悪いと真正面から申し上げてまいりたいと思います。 徹底的にこの取組を支えてまいることをお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○塩入清香君 参政党の塩入清香です。 本日も貴重な機会をありがとうございます。 本日は、まず、補正予算と財政政策、先ほど新実議員も触れておられました、政府が度々使われるマーケットの信認という言葉について伺いたいと思います。 この度の補正予算編成に関して、政府は、令和七年度の国債発行額を減額し、令和八年度に付け替えることによって、市中への発行総額は増やさずに対応することができるため、国債マーケットに大きな影響を与えることなく実行可能だという趣旨の説明をされておられます。総理や財務大臣も、これまで度々マーケットの信認を確保するといった表現を使ってこられました。 そこで、まず確認します。 政府が考えるマーケットの信認とは具体的に何を指しているのでしょうか。また、それを判断する際に、長期金利、為替、国債消化状況など、どのような指標を見ていらっしゃるのでしょうか、伺います。
○副大臣(舞立昇治君) お答えいたします。 国債発行におけますマーケットの信認が得られている状態というのは、将来にわたる国債の償還可能性や債務の持続可能性等の点で財政に対する信認が維持され、中長期的に発行コストが抑制され、安定的で円滑な資金調達が実現されている状況を指すものと考えております。 引き続き、市場参加者との丁寧な対話を行い、適切な国債管理政策に努めるとともに、日々の市場動向や様々な経済指標を常に十分注視しつつ、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を抑え、政府債務残高対GDP比を安定的に引き下げていくことにより、財政の持続可能性を実現して、マーケットからの信認を引き続き確保してまいります。
○塩入清香君 舞立副大臣、ありがとうございました。 今お話の中で、国債の信認が得られている状況というのは財政の信認が得られている状態だというふうにもお答えいただいたんですけれども、ここでも信認という言葉が出てまいります。結局は、国債の持続可能性、日本の財政の持続可能性が投資対象として安心かどうかというところが判断基準なのかなというふうに受け止めました。 でも、やはり、投資家目線でいえば、端的に、投資対象としてもうかるのかもうからないのか、利益が出るのか出ないのかといったことを指標に見られている投資家の方もいらっしゃいますし、一義的に定義することは困難なものだというふうに認識しております。つまり、政府がこれほど頻繁に使っているマーケットの信認という言葉は、実は明確な定義があるわけではないというふうに考えます。長期金利も見る、為替も見る、国債消化も見る、格付も見る、市場の参加者の評判も見るということで理解いたしました。 その上で、金利について伺いたいと思います。 市場の信認という言葉が使われるときに、必ずと言っていいほど国債の金利上昇を問題視する発言が与野党双方から聞こえてまいります。現在の長期金利上昇について、政府はどのように分析しておられるのでしょうか。財務大臣に伺います。
○国務大臣(片山さつき君) いつも申し上げているところですが、この国債金利は、国内の経済・物価情勢や金融政策の動向に加えて、財政の状況、国債の需給、海外も含めた金融市場の動向など、様々な要因を背景に市場において決まるものでありまして、その動向につきまして具体的に私の立場で申し上げることがマーケットにも影響しかねないということで、それは常に差し控えさせていただいております。 いずれにしても、政府としては、市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視しておりまして、市場参加者との丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策に努めているところでございます。
○塩入清香君 ありがとうございます。 今伺ったのは、やはり様々な要因で長期金利が高騰しているということだと受け止めていらっしゃるというふうに理解しました。つまり、長期金利は市場においては様々な要因によって決定されますし、まさに今大臣がおっしゃったように、大臣の発言一つも市場に影響するわけですね。あらゆるものが影響して市場は動くと。だから、長期金利が必ずしも国債発行の増額、増大が原因になっているとは限らないというふうに政府としても考えていらっしゃるんだというふうに理解いたしました。 実際、国債市場を見ても、国債の発行額だけで金利が決まってきたわけではありません。日本は、異次元の金融緩和の下で、国債発行額が大きく増えても、長期金利は長らく極めて低い水準で推移してまいりました。また、もし単純に国債が増えれば金利が上がるのであれば、異次元の金融緩和の時期に金利は大幅に上昇していなければならなかったはずなんです。しかし、現実にそうなっていないということは、日銀がイールドカーブコントロールなど金融政策によって金利のコントロールすらもできるのが日本なんだということを私は認識しております。 あるいは、国の借金が一千兆円を超えればハイパーインフレになると多くの経済学者やマスコミが騒いでおりましたが、今、政府の債務残高が千三百四十四兆円を超えておりますけれども、直近のCPIは前年比一%台半ばです。少なくとも、ハイパーインフレどころか、政府、日銀が長年目標としてきた二%を下回る水準となっております。 要するに、国債の金利もインフレ率も国債発行額だけでは決まらないということは、すなわち、市場の信認もまた国債発行額だけでは決まらないというふうに確認できたと思います。 では、実際のデータも確認してまいりたいと思います。 参考人に伺います。 令和八年度当初予算の成立前後で、十年債、二十年債、三十年債の利回りはどのように推移したのでしょうか。予算成立前、成立後、それぞれの利回りをお示しください。
○政府参考人(井口裕之君) お答えいたします。 令和八年度当初予算が参議院本会議において可決、成立いたしました四月七日の引け値及びその前日からの変化につきましては、十年金利が二・四〇五%と前日比〇・〇二〇%の低下、二十年金利が三・三三〇%と前日比横ばい、三十年金利が三・七五〇%と前日比〇・〇〇五%の低下となっております。
○塩入清香君 ありがとうございます。予算成立後、下がっているということですね。下がっているか横ばいということでした。 ここで確認したいのは、予算が成立したからといって機械的に国債金利が跳ね上がるということはないということです。もちろん日々の市場変動はあると思うんですけれども、予算が大きいから金利上昇、赤字国債だから金利上昇というような単純な動きではないと。 まさしく今回の補正予算閣議決定後の国債金利の動きも、マスコミなどで財源が赤字国債だといって大騒ぎしておりました。でも、このタイミングで長期金利が二・八%から二・五%台に急低落しております。個人的には、二・八だろうが二・五だろうが、日本の長期金利はそもそも低いと感じています。GDPデフレーターベースのインフレ率が三%を超えている段階なので、日本の金利は低いと思っております。 また、現在の十年物国債の金利上昇については、財政悪化への市場不信ではなく、インフレ率や日銀の金融政策正常化に応じて、異常な低金利から通常の金利環境へ戻っている面が大きいと位置付ける経済学者の方も多いです。 ここで、市場そのものについて確認したいと思います。 市場は万能ではありません。リーマン・ショック前、サブプライムローン関連商品は高く評価され、格付会社も高い格付を付け、市場には楽観論が広がっておりました。しかし、結果は世界的な金融危機となりました。 つまり、市場は時に大きく誤ると思います。市場が正しいならリーマン・ショックは起きていません。日本についても同じです。長年、日本は財政破綻すると言われ続けてきました。しかし、破綻しておりません。 そこで、片山大臣にお伺いします。 マーケットが常に正しい判断をしているとは限らない以上、政府には市場の日本に対する誤解を正し、市場側に日本の強みを説明する責任がある、この認識をお持ちでしょうか、伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 高市内閣におきましては、責任ある積極財政という考え方の下、強い経済と財政の持続可能性をバランスよく同時に実現してまいるという旗を掲げておりまして、具体的には、危機管理投資や成長投資といった民間投資を促進することで日本の供給構造を強化し、その潜在成長力を引き上げ、家計の所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がる、この好循環の実現を目指す一方で、マーケットからの信認を損なうような野方図な財政政策は取らないと、こういうことをいつも申し上げております。 じゃ、今委員から、そのマーケットの信認とは何じゃいというお話もありましたけれども、いろんな見方がございます。三月の二十六日の経済財政諮問会議に、今当代で一流と言われていらっしゃるブランシャール教授とかロゴフ教授をお呼びいたしましてお話をいろいろ聞いたんですが、強い経済を構築するために未来への積極的な投資、これは非常にいいことで、内閣としての基本的な考え方をオープンに示す、これもいいことで、それをやると。あとは、マーケットと丁寧にコミュニケーションを重ねながら、要するに共通言語でちゃんと話ができているかということかなと思いますが、債務残高の対GDP比を含む様々な指標をオープンに提示して議論の上、財政規律にもきちんとコミットをしていくことというのが大事で、市場を恐れろと言っているわけでも、市場を説得するといったような一方的なことを言っているのではないと、そういうことをおっしゃっていたように我々は理解をしてございます。 こういった国際的な有識者の御指摘も踏まえながら、予算全体としてめり張り付けを行う中で強い経済の実現と財政の持続可能性を両立するということを、もういろんな機会に御説明しております。 最初に、やはり百二十二・三兆円という、規模では最大の当初予算を組みまして、そのときもいろいろ誤解がありまして、ダボスの世界経済フォーラムに行ったらマイク攻めに遭ったりしたんですが、よく考えたら、日本のいわゆる一般会計の赤字比率がほかの主要先進国よりも低いという図ですとか、いろいろ察しましてみたら何だということで、やはり海外の方は、言葉尻を捉えるとは言いませんけれども、記者クラブ制に慣れていらっしゃらないですから、発表文書がどうであろうと、そのときにいろいろな要人の御発言とかを切り取りますから、本当に我々も英語と日本語で同時発信を常にしなきゃいけないんですけれども、そういう誤解もありましたので、その辺はしっかりと気を付けて、その後、IMFや世界銀行やその他の機関ともしっかり対話をしているので、要は、対話をして共通の理解の上に進んでいけば我が国のいわゆる持続可能性については御理解はいただけるし、御理解がいただけていると私どもは思っております。
○塩入清香君 ありがとうございます。 まさにブランシャール教授がおっしゃった双方のコミュニケーションというのが必要だということは私も理解しているんですけれども。 片山大臣には釈迦に説法かと思うんですけれども、そもそも日本は世界最大級の対外純資産国であり、国債のほとんどは自国通貨建てです。家計金融資産も巨額です。国内に安定した貯蓄基盤があります。技術も産業も文化的資産もあるわけですね。政治体制も比較的安定していると。これはもう既に日本の持続可能性を証明しており、これに関して疑問を抱く国際社会ではないというふうに思います。 そんな中で、我が国はいつも市場に気を遣って国内の経済政策を決めてきたと思うんです。双方のコミュニケーションだとおっしゃるのであれば、国内の経済政策は国民に向けての経済政策を実行して、それをコミュニケーションで伝えるという形を取っていただきたいんです。対外的な圧力を理由に国内の国債発行額を決めたりとか、そういうことが続いているから、日本はいつまでたっても経済成長しないまま三十年間たっているわけです。 それでは、海外投資家から見ても逆に、まさに百二十三兆円の当初予算でプライマリーバランス黒字化しているわけです。これを自慢げにおっしゃる、いわゆる政府の黒字は国民の赤字ですから、これを自慢げにおっしゃるということは、結局国際社会に対してただ気を遣っているにすぎなくて、むしろ本質を見ている外国人投資家の方たちはそんなこと気にしていなくて、それこそ持続可能性という面においては、供給力をどれだけ強化したかというところを真摯に見ている投資家たちもたくさんいるわけで、そこに向かっての間違った発信の仕方だと私は認識しております。 日本国債については、そもそも海外投資家の保有割合は国債全体を見ても約一二%、しかも中長期国債に限ればたった六%なんですね。日本国債のほとんどは国内で保有されております。なので、日本の財政政策を短期的な海外投資家の反応だけをもって萎縮させるべきではないと。そして、そのことを国際社会に訴えることができる財務大臣は片山大臣しかおられないと思いますので、そういうふさわしい大臣が今就いてくださっていることに希望を持っておりますので、そこを是非お願いしたいと思います。 そして、次の質問は片山大臣に今お答えいただいた内容で、もう答えていただいていると思いますので省きたいと思いますけれども。 高市内閣、歳出削減で市場に安心してもらう政治を目指すのか、それとも国民所得を増やして成長によって市場を説得する政治を目指すのか、そういう分岐点にあると思います。そして、政府としては、歳出削減のみで財政運営を考えていないとおっしゃるのであれば、債務残高対GDP比を引き下げる目標自体もそもそも無意味になってくると思います。それが国際社会への言い訳としての、市場への言い訳としての指標として掲げているのであれば、むしろ国内の成長率がどのくらい上がったか、国民の所得がどれだけ増えたかという、その経済成長に絞った指標を示していただきたいと強く思うんですが、これ質問通告していないんですけれども、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 委員の成長を重視するお気持ちは私ども非常によく分かるところでございまして、三年約前に我々はコストカット型の経済から緩やかなインフレになることを容認するとか緩やかなインフレを目指す成長型経済にかじを切るということの最初の一端として、マイナス金利、ゼロ金利から脱して金利が今だんだんだんだん上がってきているわけでございますが、そういった中で当然起きることというのはあるわけです。 さらに、海外の投資家がどこを見ているかというと、先ほど申し上げた世界経済フォーラムでも、そういった一連の財政赤字関係に係るやり取りが一巡した後はみんな、世界的なファンドや国際的な金融機関ですね、銀行とか投資会社とかのトップが面会を求めてこられて、今の我々の成長戦略、投資を複数年度で見て、まさにリミッターを外してやっていくんだよという方針を申し上げたところ、日本は二十年ぐらい寝ていたけどやっと起きるんだねということで、大変な関心を持っていただいたのは事実でございまして、それから半年ぐらいたつわけですが、国内で様々な、日本はこれから投資対象としてすごいぞと、いいぞというセミナーが連日行われているのも事実でございます。 そういった世界的な評価というのは、やっぱり打って出なければ駄目なんですよ、守りでは。打って出なければこういう政策というのはできないんであって、そこによって、やはり供給力が弱かった部分を徹底的に強化するという作戦は誰からも否定できない部分があると私どもは思っておりますので、これが必ずや評価されると思っておりますし、それから、様々な指標もございますが、これも経済財政諮問会議の若田部先生、両先生と御議論をずっとさせていただいておりますけれども、三百六十度の視点から堂々と見せようじゃないかと。 例えば、財政積極派の方からプライマリーバランスは毛嫌いされているんですが、実際には、あれほど緊縮財政をやったと言われる政権のときにも一度も黒字になっていないものが、税収がどんと増えるようになったら黒字になったわけですよ。それは、やはりプラス思考の経済で、しっかりと税収が増えて成長もしていると、名目が増えていくという世界でないと財政自体も向上することはないんですよね。 これはもう統計が示しているところですから、やっぱりやり方とモードは変えたので、だから、複数年度においてPBもチェックしていくということについては、財政積極派の先生が経済財政諮問会議は多いですけど、その方々は全く否定をしていないわけでございます。 また、ほかに、私が財務大臣に着任いたしましてから二日後に財務省はホームページを直してくれましたけれども、いわゆる総債務なのか純債務かにつきましても、両方付けていますし、両方とも改善していますから、GDP比はね。だから、どうやって見るかなんですが、自信を持って三百六十度で科学的な視点を入れて客観的に見せているという姿勢そのものが、別に我々、何も隠すことはありませんし、粉飾もしておりませんから、そこが、信頼を得るに値する議論がIMFやOECDともできるということの一つのベースになると思っております。 ですから、今までのように一定の指標でなければ議論をするに値しないというような考え方は、今は財務省も政府も一切取っておりませんので、そういう意味では誤解なきように御理解をいただければ有り難いし、総理はやはりサッチャー首相を目指しておりますから、我々は高市総理をサッチャーにしたいんであって、大変短命で終わられたトラスさんにしたいんじゃありませんので、そこはやはり大きな差がありますので、そういう意味では、私が再三申し上げているように、強い経済を実現するための未来への積極的な投資を可能にするようなサステナビリティーというのは必要であるというふうに考えております。
○塩入清香君 御丁寧にお答えいただき、ありがとうございます。 私は、サッチャーを目指してほしくないんですね。というのは、サッチャーさん、外交ではタカ派で、非常に保守的なお考えをお持ちの方でしたけど、国内経済はぼろぼろにしましたから、緊縮財政やったんですね。なので、そうじゃなくて、今、日本に本当に必要なことをただやってほしいだけなんです。それは、プライマリーバランスの黒字化じゃないんですよ。すなわち、国民の所得を増やすことなんです。その結果、国際社会は、日本は経済成長する国なんだというふうに認識しますから、そのとき初めて市場の信認というのは得られると思いますので、まずどこに焦点を当てるかというところを見直していただきたいと思います。 そして、ここからちょっと率直に申し上げますけれども、政府が本当に恐れているのは、海外の市場じゃなくて、国内の緊縮論じゃないかと思います。今回の補正予算についても、衆参共に、特例国債で編成されたことに対して激しい批判がございました。一部野党、マスメディア、財務省内部の空気です。国債発行が悪である、赤字国債は将来のツケである、財政出動は無責任であるという固定観念の結果、この三十年にわたって日本は凋落してきました。今、国民を豊かにしてほしいと国民が訴えている中で、しっかりと、財務省に褒められる政治じゃなくて、国民に褒められる政治をしていただきたい、そして国民を信じていただきたい、そういうふうに豊かにしていただいたらしっかり付いてまいります。 済みません、時間があっという間に来てしまいましたので、次の質問に行きたいと思います。 私は、元々シンガーでして、人生の大半を日本の凋落とともに三十年間歩んでまいりました。その中でいろんな、リーマン・ショック、東日本大震災、コロナ、ロシア・ウクライナ戦争、今回の中東情勢と、経済が落ち込んでいけば音楽もアートも全て守れないと、食べていくことすらできない中、国民の心はどんどん渇いていくという現状を何としてでも食い止めたいという思いで、昨年、参院選で立候補させていただきました。 コロナ禍のドイツでは、メルケル政権下で、文化芸術を単なる娯楽や余暇ではなく、社会を支える重要な基盤として位置付ける姿勢が示されました。当時の文化・メディア担当国務大臣モニカ・グリュッタース氏は、芸術には特別な地位があると述べ、文化芸術は危機の時代にこそ人間性と社会の結束を支えるものだと強調されました。そして、実際にドイツ政府は、フリーランス芸術家への直接給付、劇場、ライブハウス支援、文化施設救済機関、それから小規模芸術団体の補助、迅速な固定費支援など、六千億規模の文化救済策を実施しました。 日本は、一応、文化芸術への緊急総合支援パッケージございました。コロナ禍を乗り越えるための文化芸術充実支援事業など、二次補正、三次補正と、令和二年度で約千十五億円規模でした。でも、この中には、スポーツとか施設感染対策、そういったものも含まれているわけで、全てが個々の芸術家への直接給付だったわけではございません。ということで、私も多くの同僚が廃業に追い込まれていくさまを見てまいりました。 そこで、文科大臣に伺いたいと思います。政府は、文化芸術をどのような価値として、失礼しました、文部科学大臣政務官に伺います。政府は、文化芸術をどのような価値として位置付けていらっしゃるのでしょうか。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 文化芸術基本法などにおいて、文化芸術は、人々の創造性や感性を育み、人間相互の理解を促進することで、心豊かで多様性と活力のある社会を形成する、また、それぞれの国やそれぞれの時代における国民共通のよりどころとして重要な意味を持ち、国際化が進展する中にあって、自己認識の起点となり、文化的な伝統を尊重する心を育てる、こうした価値を有すると示されております。 あわせて、芸術家などの方々が創造性を豊かに発揮し、安心、安全に活動を継続できる環境の整備を講じることが同法でも求められております。 政府としては、こうした基本法などで示されている文化の様々な価値を踏まえ、文化芸術立国の実現に向けて更に取り組んでまいりたいと考えております。
○塩入清香君 福田政務官、ありがとうございました。 重要な基盤であるというふうに認識してくださっているということは理解できました。しかし、コロナ禍以降、現場の実感はかなり厳しいものがございます。 ゼロゼロ融資の返済期限が過ぎて、二〇二三年から返済が本格化して、長期の据置きを選んだ事業者では二〇二五年から二〇二六年にかけて元本返済の山を迎えております。 全国の企業倒産件数、釈迦に説法ですけれども、二〇二四年に一万六件、二〇二五年に一万三百件と、二年連続で一万件を超えております。直近のデータでも、一月から四月までで三千五百四十五件、倒産の件数が増えております。 ライブハウス単独の倒産件数というのは、統計上、明確に把握されておりません。しかし、ライブハウスの多くは飲食店営業許可を前提に運営されております。関連する飲食店の倒産は二〇二五年に九百件と、過去最多を更新いたしました。 現在、国民会議でも議論されている食品の消費税のみ一%へ下げる減税策ですが、これはコロナ禍で既に資金繰りが悪化したライブハウスやライブレストランを含む外食業界を痛め付ける政策です。 私の出演していたライブハウスも、コロナ禍で五店舗中三店舗閉鎖、そして昨年一店舗閉鎖ということで、物価高や人件費高騰の中、現在何とか一店舗を死守すべく奔走しておりますけれども、食品一%がスタートしたらこの一店舗も維持できなくなるのではというふうに悲鳴を上げておられます。これは飲食店の努力の問題ではございません。政策の問題だと思います。 その上で、文化庁における令和八年度の芸術文化支援政策と予算を確認させていただきましたが、デジタルコンテンツ化、アーカイブ整備、海外展開、法的環境の整備、契約の適正化など、非常に重要な施策が並んでおります。 しかしながら、芸術家に直接届く支援としては、人材育成の分野であったり、舞台芸術の支援事業であったり、そういったものには本当に微々たる予算しか計上されておりませんでした。作品を海外に展開するためのいろいろな施策というのはたくさん組み込まれているんですけれども、作品を生み出す人が生活できなければ、文化芸術そのものが痩せ細ってしまうと思うんです。 政府は、文化芸術支援が現場の担い手一人一人に十分届いていると認識しておられるでしょうか。参考人に伺います。
○政府参考人(梶山正司君) お答えいたします。 音楽家や芸術家などは文化芸術の担い手であり、その方々を支援、育成することは重要であると考えております。そのため、文化庁においては、従来から、音楽家や芸術家等が活躍する場である創造団体を通じた支援に加え、個人に対する支援についても取り組んできております。 具体的には、舞台芸術等総合支援事業におきまして、芸術家や制作スタッフ、舞台技術者等の専門家の育成を支援しているほか、クリエイター支援基金により、次代を担うクリエイター、アーティスト等の挑戦や育成を支援しております。また、新進芸術家等が海外への指導や大学等での実践的な研修に従事する機会を提供する新進芸術家等海外研修制度を通じて、個人の芸術家等に対する直接的な支援も実施しているところでございます。
○塩入清香君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、そういう人材育成にも一定の予算が組まれているというのは存じ上げています。舞台芸術総合支援事業に九十八億円、新進芸術家の海外研修には二億円ということで、ただ、一千十五億円の全体の予算からすると非常に少ない割合ではないかというふうに感じております。 お配りの資料を御覧いただければと思います。 海外との比較において、英国のアーツ・カウンシル・イングランドは、公的助成制度だけで年間約八百五十億円規模を千団体に継続投資をしておられます。それから、カナダ・カウンシルも年間二・五億カナダ・ドルを助成し、そのうち個人芸術家だけで六千六百九十万カナダ・ドル、円換算で約七十五億円規模の支援が行われております。ドイツでは、芸術家社会保険制度により、フリーランスの芸術家や文筆家が社会保障制度にアクセスできる仕組みがあったりですとか、フランスでしたらアルテルミタンという有名な失業保険制度があったりして、芸術家が継続的に活動を続けられるような支援というのが世界各国、手厚く支援策が組まれております。 日本も、作品や事業を支援するだけでなく、文化芸術を生み出す人を直接支える制度へ転換すべきと考えます。 その上で、ちょっと時間がないので次の質問は飛ばさせていただいて、寄附税制の拡充について伺いたいと思います。 先ほどの国際比較、アメリカが入っていないことにお気付きだと思うんですけれども、芸術に関してアメリカは公的な支援を行っておりません。ヨーロッパ型の公的支援中心の国と民間寄附団体依存型のアメリカと、二つに分かれると思うんですけれども、日本はどちらにも当てはまっておらず、市場原理丸投げという形になっております。 そんな中で、公的資金を大胆に増やすことが難しいのであれば、民間寄附が非常に重要になってきます。芸術分野への寄附を促進するために、文化芸術への寄附について、寄附対象の拡大、税額控除の拡大、あるいは新たな基金の制度設計を検討するお考えはございませんでしょうか。片山財務大臣に伺います。
○国務大臣(片山さつき君) 我が国の寄附金税制の制度面につきましては、控除限度額について、累次、委員のなさったような御指摘を受けて引き上げてまいっておりまして、主要諸外国と比べて遜色のないところの水準まで上がってきてはおりますし、ほかの国では見られない所得の控除と税額の控除の選択制も採用しているなど、制度としては充実していると思っておりますけれども、だったら、じゃ、盛んに行われているのかというと、また別の話でございますけれども。 御指摘の文化芸術団体に対する寄附の促進については、平成二十八年度の税制改正において、公益法人等に係る税額控除の対象となるために必要な寄附者数の要件を事業規模に応じて緩和するなどの見直しを行っておりまして、こういった制度が十分に活用されると有り難いと思っております。 その上で、今後も文化芸術団体に対する寄附文化の醸成を図るためにどういう措置を講ずる必要があるかについては、やはり文化庁の方でいろいろと御意見をいただいて、私どももしっかりそこに寄り添っていろいろと知恵を出させていただきたいというふうに思っております。
○塩入清香君 ありがとうございます。 前向きなお答えをいただきまして、大変有り難いです。是非、財務省と文科省で連携していただきまして、新たな文化芸術寄附税制創設、使い勝手の良い制度への改善を求めたいと思います。 改めて、今日はマーケットの信認についてと芸術家支援について伺わさせていただきましたが、やはり何を守るかという部分で芸術も国家の大きな基盤となっており、一流の国家はやっぱり芸術も一流であるべきだというふうに思います。 その面で、今回、私はシンガーなのでこの分野を取り上げさせていただきましたけど、日本全体にお金が足りていません。日本の財政出動の増やし幅が世界各国、先進OECDで最下位なんです。日本は増やし方が足りない。グロスではいっぱい出しているけれども、ネットの部分では全然増やし方が足りてないということが分かっておりますので、是非そこをしっかりと受け止めていただけたらと思っております。 今日は、御質問にお答えいただき、ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、吉良よし子君が委員を辞任され、その補欠として岩渕友君が選任されました。 ─────────────
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 先日、東北の中小事業者から、シンナーや接着剤など、三月に発注したものがいまだに入ってこない、入ってきても三割から五割増しの値段、これでは仕事にならないというお声をお聞きしました。 塗装業をやっていたけれど、物が入ってこない状態が続いて、このままでは暮らしていけないと廃業をし、工場勤めを始めたという方もいらっしゃいます。 大臣、こんなことがあってはならないんじゃないでしょうか。政府が責任を持って現場に資材を届けるべきではないでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 原油や石油製品は我が国全体として必要となる量を確保できておりますが、御指摘のように、供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることは承知をしており、政府を挙げて全力で対応しております。 具体的な問題意識ということでいえば、建築関係ですかね、これのシンナー、溶剤関係、あるいは町工場とか車関係の潤滑油、この二つが今やっぱり一番声が大きいという認識を持っています。 具体的には、関係省庁に設置された情報提供窓口を通じてサプライチェーン情報を集約するとともに、地方経済産業局等が関係機関と連携をして、川下の事業者に対するプッシュ型支援を通じて供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消してきています。 依然としてお困りの声が大きい、先ほど申し上げたシンナー、塗料の原料となるトルエン等について、メーカーからの要請に応じて最大で例年の一・八倍の大幅な供給拡大を実施することを決めて、六月三日水曜日から申請受付を開始しています。既に塗料、シンナー関連の多くの事業者の方々から問合せをいただき、申請が出始めております。受入れ側の体制が整えば直ちに輸送を開始することができる体制でございます。 可能な限り早期に現場に十分なシンナーをお届けできるよう、この仕組みを円滑に回してまいりたいと思いますし、そのことによって、量的にも、そして価格的にも良い方向に向かうことを期待をしているところでございます。
○岩渕友君 実際には届いていないというのが実態なので、だから廃業をせざるを得ない方まで出てきているということなんですよね。こんなことはあってはならないということです。 コロナ融資の返済が始まったところにイラン戦争が重なったなど、資金繰りが困難になっているという訴えも届いています。高知県では、中東情勢の影響が各産業分野に広がっているとして、中小企業向けの融資制度を緊急に新設をしたということです。コロナ禍以上に実態が深刻だという訴えも寄せられています。事業者を支えるために、例えば無利子無担保、業績が回復しない場合には債務を減額、免除するなど特別の融資、こうしたものが国の制度として必要なんじゃないかと、国の特別な支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(赤澤亮正君) コロナのとき以上に大変だという御指摘もいただくんですけど、コロナのときはやっぱり我々、特別に人流抑制要請を行ったということです。外出しないでくださいというようなこと。結局直撃を受けたのは、やっぱり飲食店とか、あるいは旅館、宿泊施設。 今回、先ほども御説明したように、直撃を受けているところはちょっと違っておりますので、一概にそのコロナのときと同じと言われても、ちょっとなかなか私どもとしては評価の尺度も難しいところがあります。 中東情勢の影響を受ける中小企業に対して、これまで、特別相談窓口の設置やセーフティーネット貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請といった支援を行ってきています。また、中小企業に対して、先月二十五日月曜日に総理から発表したとおり、資金繰り支援の強化として、今後、債務を一般保証とは別枠で保証するというセーフティーネット保証五号に中東情勢の影響を受ける業種を追加指定をいたしました。 委員御指摘のとおり、大変厳しい状況におられる方がいるということは我々認識をしておりますが、やっぱり人流抑制要請を行って需要が蒸発してしまった当時のコロナに対してやったあれは、地域、業種を超えて需要が消えてしまうという極めて特異な事態でしたので臨時異例の支援策として実施しましたが、なかなか現時点において同じ内容のものを実施するという状況にはないと認識をしております。 引き続き、中東情勢が中小企業に与える影響を注視し、必要な対応を機動的に講じてまいりたいと思います。
○岩渕友君 福島県の商工団体の皆さんからもお話を伺ったんです。本格的な影響が出るのはこれからだというところもあるということで、これ、今が大事なわけですよね。廃業する事業者を出すことがないように、これ、思い切った支援が必要だということを求めておきたいというふうに思います。 次に、LNGをめぐる問題について質問していきます。 米国テキサス州のフリーポートLNG事業をめぐって、深刻な大気汚染、漁業への影響などに住民の方々が苦しんでいます。二二年六月の重大な爆発事故でLNG事業は長期に停止をし、連邦政府による是正命令も出されましたが、その後も違反が相次いでいます。 五月十八日、フリーポートの住民代表が来日し、この事業を支援する国際協力銀行、JBIC、日本貿易保険、NEXI、JERA、三大メガバンクに対して異議申立てを行いました。私も、JBICとNEXI、財務省と経産省への要請に同席をして、訴えをお聞きしています。異議申立てが行われるほど実態は深刻なんですね。 すぐにでも現地に行って、被害実態の調査、住民の方々からの聞き取り、行うべきじゃないでしょうか。
○参考人(林信光君) JBICは、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドラインを制定し、その上で異議申立て手続を導入しておりまして、JBICの投融資担当部署から独立した機関として環境ガイドライン担当審査役を設置しております。 御指摘のフリーポートLNG事業につきましては、先日、異議申立てを受領いたしまして、現在、環境ガイドライン担当審査役において確認をしているところでございます。 本行としても、引き続き、環境ガイドラインに沿って適切な環境社会配慮がなされるよう、借入人等に対するモニタリングや働きかけを行ってまいります。
○参考人(黒田篤郎君) お答えいたします。 御指摘のとおり、フリーポートLNG事業について現地住民の方々から五月十八日付けで異議申立書が提出されており、正式に受理をしております。現在、引受時とは違う社内部署であります外部の有識者である環境ガイドライン審査役が異議申立書の内容を精査しているところでございます。 現時点において現地調査の実施有無等をお答えすることは差し控えますけれども、外部有識者の判断を受けて申立人や現地住民の方々からのヒアリング等を行うことが適切と判断された場合には、真摯に対応してまいりたいと存じます。
○岩渕友君 早急に直接実態をつかむことが必要な実態になっています。 NEXIは、昨年面会が実現するまで当事者の皆さんからの申入れに対応せず、異議申立ての受理に当たって不手際があったというふうに聞いています。異議申立てに真摯に対応するべきだということを求めておきます。 来日してまで支援中止を求めざるを得ない状況だということを真剣に受け止めて、JBICもNEXIも共に拡張計画含めて事業への支援は停止するべきだということです。公的金融による化石燃料事業への支援により引き起こされている重大な事態であり、海外からは日本政府の問題として見られている、このことも是非自覚をしていただきたいんですね。 LNGをめぐっては、昨年、日米関税合意で、関税交渉で合意をした五千五百億ドル、合意当時約八十七兆円の対米投資第一弾として、オハイオ州のガス火力発電所など三つの案件への投資が発表されました。これらプロジェクトの投資額の九割以上を化石燃料関連施設が占めていると報道されています。融資の回収が確実にできるのか、巨大な損失のリスクが指摘をされています。この投融資にも、JBIC、NEXIが全面的に関わっています。 巨額の損失が出た場合、これ、最終的に国民の負担になるんじゃないでしょうか。片山大臣、いかがですか。
○国務大臣(片山さつき君) この日米戦略的投資イニシアティブの下でのプロジェクトにつきましては、了解覚書に基づいて日米両国から構成される協議委員会等における協議を通じて、収支相償、償還確実性、日本への裨益、メリット等についてしっかりと精査、確認し、適切なリスク管理を行うこととしております。 実際、現在実施している第一陣プロジェクトについては、日米間で閣僚級から事務レベルに至るまで精力的な調整を進める中で、プロジェクトの採算性についてしっかりと確認、精査を重ねてきたものと承知しております。このため、巨額の損失が発生するような事態は基本的には想定されないわけですが、その上で更に申し上げますと、事前の審査につきましては、先ほど申し上げた、今申し上げたとおりですが、事後についても、私の方から、各プロジェクトについてフォローアップをしっかり行うように指示しておりまして、これに沿って日米で緊密に連携して着実にフォローアップすることになっているものと承知をしております。
○岩渕友君 損失のリスクが幾つも指摘されているんですね。驚いたのは、対米投資第二弾のプロジェクトでも、JBICは、現時点で環境影響評価を入手できないプロジェクトへの融資を検討しているんですね。 二〇二二年六月、G7のエルマウ・サミットで、一・五度目標やパリ協定の目標に整合しない新規の化石燃料事業への支援を二二年末までに終了することに日本も合意をしました。これらの事業への投資は、エルマウ合意との整合性取れないんじゃないでしょうか。赤澤大臣、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御答弁する前に、先ほどの私の答弁の中で、セーフティーネット保証五号に中東情勢の影響を受ける業種を追加指定しましたと申し上げたようなんですが、追加指定、これからするということで、その意思決定をして総理から発表したということでございます。 今の御質問に対するお答えで、G7のエルマウ合意では、排出削減措置が講じられていない国際的な化石燃料エネルギープロジェクトへの新規の公的金融支援について、一部の例外を除き、二〇二二年末までに終了することをコミットをしております。 この合意に基づき、我が国としては、一・五度目標やパリ協定の目標との整合性の観点、それからエネルギー安全保障を含む国家安全保障の観点、外交上の観点を含む地政学的利益の観点のいずれかの観点から、支援可能と判断される場合に限定して新規の公的金融支援を行うこととしております。 この点、日米政府の戦略的投資イニシアチブにおけるプロジェクトについても、JBIC、NEXIはこの方針に沿って対応しているものと承知をしておりまして、G7のエルマウ合意に反しているとは考えておりません。
○岩渕友君 新規の公的直接支援は限定的だと言うんですけれども、JBICが二〇二三年以降決定した新規の化石燃料事業への融資件数と金額、エルマウ合意に基づいて融資を見送った件数、何件でしょうか。
○参考人(林信光君) エルマウ合意以降ということで、二〇二三年の一月から本年の三月末までの化石燃料権益取得及び上流開発事業並びに発電事業案件の融資承諾件数でございますけれども、九件でございまして、承諾金額は一兆二百億円でございます。 G7エルマウ合意を理由とした謝絶件数、金額につきましては、民間事業者による個別案件の審議に関する情報に該当いたしますので、回答を差し控えさせていただきます。
○岩渕友君 JBICは、二〇二三年以降も九件、今答弁あったように一兆円超も化石燃料事業に、事案に融資を決定しています。対米投資の第二弾でもLNG発電施設建設への投資が発表されていることを見ても、とても例外とは言えないわけですよね。 JBICが投融資で支援を続けている全ての化石燃料事業による温室効果ガスの排出量はどのぐらいになるんでしょうか。
○参考人(林信光君) 本行ポートフォリオにおきますGHG排出量の算定につきましては、検討、対応を進めている状況にございまして、現時点ではお答えを差し控えさせていただきます。 本行は、日本の公的金融機関として、日本政府の政策に基づいて、気候変動問題に関する取組を金融面から積極的に支援してまいる所存でございます。
○岩渕友君 JBIC自身が、二〇五〇年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロの達成を追求しているというふうにしています。排出量の情報開示は大前提の問題です。 対米投資第一弾だけでも、日本の年間排出量の二割に上る温室効果ガスを排出するおそれがあることが試算をされています。二〇二三年度、日本企業が取り扱ったLNGのうち三七%が海外向けで、自国のエネルギーの安定供給というよりも、開発途上国に化石燃料を輸出する比重が大きくなっています。第七次エネルギー基本計画では、日本企業のLNG取扱量は一億トンの目標を維持するとしています。 IEAが示している二〇五〇年ネットゼロシナリオでは、今後、LNG需要は急減し、再生可能エネルギーは急増するとなっています。イラン戦争によるエネルギー危機、気候危機の実態を見ても、LNGの新規開発やめるべきじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 天然ガスは化石燃料の中で温室効果ガスの排出が最も少なく、再生可能エネルギーの調整電源として中心的な役割を果たす重要なエネルギー源でございます。 IEAは、ネットゼロシナリオを含め、合計三つのシナリオを公表しており、中でも、各国の現行政策が継続することを想定したシナリオでは、今後の世界のLNG需要は継続的に増加し、二〇三〇年代半ばに需要が供給を上回る可能性があることが示唆されています。 一般的に、資源開発を始めてから生産に至るまでに十年以上の時間を必要とする中、不透明性の高い市場環境の中でエネルギー安定供給を確保するためには足下の資源開発支援が不可欠であり、引き続き、上流権益の確保支援にも万全を期してまいりたいと考えております。
○岩渕友君 現行の政策シナリオに基づく政策ではどうにもならないんですよね。資源開発に、しかも十年以上掛かりますので、これから先も化石燃料を使い続けることが前提になります。 国際環境NGO、FoEJapanの委託調査では、JBICの総事業の排出量は二〇二四年に約四億トンで世界第二十位、フランスやイタリア等、一国の年間排出量を上回っているというふうに指摘をしています。さらに、日本政府がJBICを通じて、海外の化石燃料事業に対して、一九九九年から二〇二四年で約九兆円もの公的資金によって支援をしてきたとしています。これまでもこれからもCO2の排出量を増加させる事業に支援を行い続けることは、世界的に見ても許されません。 国内では、LNGを脱炭素として、長期脱炭素電源オークションの対象にしています。二五年度の約定総額は千四百億円で、最終的に電気代として消費者負担になります。オークションの一万キロワット当たりの約定価格は、二三年度約三億円、二四年度約三・五億円、二五年度約四・八億円になっています。脱炭素といいますけれども、水素やアンモニア混焼で化石燃料を使い続けることにCOPで化石賞を贈られるなど、国際的に厳しく批判をされています。 長期脱炭素電源オークションから化石燃料は直ちに排除するべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) DXやGXの進展に伴い電力需要の増加が見込まれる中、再エネや原子力に加えて、火力も含めたあらゆる電源を活用し、安定供給を確保していく必要があると考えています。 LNG火力は、二酸化炭素の排出量が比較的少なく、カーボンニュートラルに向けたトランジションを進めつつ安定供給を確保する手段として重要です。そのため、長期脱炭素電源オークションの対象とし、新設やリプレースの投資を促進しているところです。 なお、LNG火力は、同制度で支援する際の条件として、二〇五〇年に向けた脱炭素化のロードマップの提出を求め、これを公表するとともに、取組状況をフォローアップすることとしております。 こうした取組を通じて、電力の安定供給の確保とカーボンニュートラルとの両立を図ってまいりたいと考えています。
○岩渕友君 電力の安定供給とカーボンニュートラルの実現と言うのであれば、再エネの拡大こそ行うべきです。 今般のエネルギー危機を受けて、欧州委員会は、化石燃料への依存から脱却をし、再エネを拡大する方向を示しました。それとは全く逆の今状況になっているわけですよね。化石燃料依存の低減を図るというのであれば、石炭火力発電の廃止等、化石燃料からの脱却を決断するべきです。 最後に、東京電力福島第一原発事故に伴うシイタケ原木の損害賠償をめぐる問題について質問します。 避難区域外の追加賠償を求める福島県森林組合連合会と東京電力との調整状況について、経産省が東京電力の言い分をうのみにして事実と異なることを記載した資料を作成していたことが、六月二日付けの地元紙の一面で報道をされました。 東京電力を指導監督する経産省が被害者の話を聞かずに東京電力の言い分だけで資料を作成するなど、許されないことなんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 委員の御指摘を重く受け止めます。 シイタケ原木の賠償について、経済産業省の担当者が福島県選出議員に対し、被災事業者である福島県森林組合連合会の認識とは違う内容の説明をしていたことについては、私も報告を受けております。 原子力損害賠償の問題は非常に重たいものであります。今回の件は、被災事業者とも丁寧にコミュニケーションを取った上で対応すべきであり、これを怠っておりましたことは大いに反省すべきだと思っています。 今回の件を受け、経済産業省の幹部が直ちに被災事業者を訪問して実態を伺い、対応を行っているところです。福島の復興への対応は、何よりも現場主義であることが求められます。今後も、被災事業者に向き合った対応を徹底してまいりたいというふうに考えております。
○委員長(西田昌司君) 時間が来ました。
○岩渕友君 全面的な賠償に最後まで責任を持つことを求めて、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、伊勢崎賢治君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君が選任されました。 ─────────────
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。 片山大臣は千何百回とおっしゃった、それは答弁の、さっきおっしゃっていたのはね。お疲れさまでございます。 それで、先日、総理が私の質問で、消費税率のフレキシブルな対応についてというふうなお話がありました。要は、コロナのときに税率をこういうふうに簡単に下げられるとかいうような対応ができるようなというふうな意味として私は受け取ったんですけど、このフレキシブルな対応という部分にその消費税ゼロも当然含まれているんじゃないかと、何%にするというのに当然ゼロという数字もあるだろうと。 これ、よく言われているのは、上げるときはもうすぐにぱっと上がるんですけど、下げるとなると半年掛かりますよと、でもゼロだったら一年掛かりますよという説明を聞いているんですけど、いや、それって、国民の皆さんが聞かれて納得できるものなのかと、そのシステムを改修するときにね。 だから、そういった意味も含めて、本当にそのフレキシブルな対応をするというような部分について、この消費税ゼロという部分というのはもう頭にないのかというふうに受け取ったんですけれども、そこら辺、総理と大臣は当然一体となって政府でやられているわけですから、総理がそういうふうにお話しになった部分のところについて大臣にお伺いするというのはいかがかと言う人はいましたが、是非、財務大臣にそこの御見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(片山さつき君) 高市総理は、社会保障国民会議の二月二十六日の場では、現在、税、社会保険料負担や物価高に苦しむ中所得、低所得の方々の負担緩和の観点から、給付付き税額控除の導入までのつなぎとして、二年間の食料品の消費税率ゼロについてということで述べられた後で、より一般的な、恐らくですよ、より一般的な問題意識として、経済社会の動向に応じて税率を柔軟に変更できるシステムにしておくことが考えられるという御趣旨の発言はされておられますけれども。 先月、大島委員との間の質疑で、このやり取りについては、やり取り、こういうやり取りだったということでございますが、総理が発言された以上の内容につきましてこの場で私から申し上げられることは余りないので、差し控えたいと思います。
○大島九州男君 それでは、消費税、この部分について、三%から五%、五%から八%と一〇%というふうに上げてきましたよね。当然、じゃ、そのシステム変更するというのに半年掛かるというようなことであれば、じゃ、もう半年前から十分準備はしていたのかと。今回の食品消費税ゼロにしますという公約で選挙を戦って、そして与党が政権を安定的に握るような数を持ったと。この状況になって、いや、この消費税ゼロは国民会議で議論をしていますから、いつになるかというのは、国民会議の結論を待たないと分かりませんというような答弁をずうっと聞かされるわけですけれども、政府・与党がやると決めたら、もうそれはすぐやれるわけですよ、その気になればね。だから、それをやらないというのは、やる気がないんじゃないのというふうに受け取るわけですよ。 だから、そういう意味においては、この食品消費税ゼロをつなぎ、つなぎと言うでしょう。給付付き税額控除のつなぎなんだと。そうしたら、そのシステムを半年ないし一年掛けてこれをやった、そう言って、またそこには、消費税のいろんな仕組みの中で、本則課税にしなきゃいけないとかいろんな簡易課税の問題とか、そういった消費者にとっても面倒なことがある中で、それを本当にやろうとするんだったら、やっぱり恒久的にやるべきだとも思うし、本来、この食品消費税ゼロというのは本当にやる気があるんですかと、実際それをやるんですかというのを私は何度もこういう場でお聞きをしているんですけれど、もう確実にこの食品消費税ゼロという選挙公約ですから、国民との約束ですから、これをやるんですかと、いつからやるんですかというのを大臣、どうです、どうお答えになりますか。
○国務大臣(片山さつき君) 食料品の消費税率に関しましては、自民党の政権公約にも、社会保障国民会議において食料品の消費税率ゼロの実現に向けた検討を加速するという旨を記載しておりますから、時間を要するシステム変更をできる限り早期に実施できる方法も検討しつつ、その実現に向けて取り組んでいるというところでございます。 その上で、現在、この社会保障国民会議の実務者会議において具体的な議論が進められているところでありまして、委員お尋ねの実施時期も含めて、具体的な問題について現段階での方向性が決まったものではないものと承知しております。 ということは、まだ社会保障国民会議で議論中ということですから、結論を得ていこうとなさっている段階でございますので、現時点でその結論を先取りするということは私ども政府側としてはできないことでございますので、引き続き社会保障国民会議において各党の皆様にお知恵をいただきながら、諸課題の克服に向けた検討を進めて結論を得てまいりたいと考えております。
○大島九州男君 当然、そういう国民会議などをやれば議論に時間が掛かるというのは誰が考えても分かる話ですよね。 現下の経済状況の中で困っている国民の皆さんがたくさんいらっしゃると。そうしたら、じゃ、まずは給付をしましょうと。これをやったその間で国民会議で議論をして、こういったシステム的なもの、そういった部分を改修しながら、そのつなぎで逆に給付をやりましょうと。そして、食品消費税ゼロという公約にうたった政策は時間が掛かるのでと。いや、だから順番が逆なんじゃないのと。 だから、まずは国民の生活のために給付を行いますと、そしてそういうシステム変更ができたところで消費税へゼロを実施しますというのが、これ誰が考えてもそっちの方がいいんじゃないのというふうに思うんですけど、大臣の御見解は。
○国務大臣(片山さつき君) 繰り返しになりますが、食料品の消費税率ゼロにつきましては、さきの総選挙における自民党の政権公約で、社会保障国民会議において実現に向けた検討を加速するということをはっきりと明記しておりますので、そこで今、政府・与党としては、社会保障国民会議を設置した上で、改革の本丸である給付付き税額控除の実施までの二年間に限ったつなぎと位置付けて、食料品の消費税率ゼロの実現に向けた検討が進められているというのが今の状況でございまして、まさに各党様のお知恵をいただいて、いろんな課題の克服に向けた検討が進めてまいられているところでございますので、私どもの立場としては政府ですから今これ以上のことは申し上げられないんですけれども、当然のことながら、政権公約ということで、強い思いでというふうに総理の方もおっしゃっているという理解でございます。
○大島九州男君 いや、もう何回、誰が聞いても、こういう答弁を皆さんがずっと聞かされていると思うんですけど。 これは、本当に政権公約、選挙で戦って言った食品消費税ゼロというのは、どういう形でも必ず僕はやるべきだと思うんですよ。ただ、今言う、本当に今困っている人たちのためには、給付だったらすぐできるわけでしょう。だから、その給付をやって、そして、その時間が掛かっているシステム改修ができた時点でそれをやるというのは、これ国民のためだと思うんですけど。 これ、財務大臣の立場では、そうだよねとか、そういうことがあってもいいよねということは言えないと思うんですけど、政治家として、一つのやり方の手順ですよ。じゃ、これちょっと私の、これはもう国民のための政治として、まずは給付と。そして、システム改修ができた時点で食品消費税ゼロをやると。そして、それ二年間という約束だったから二年間はやりますねと。そして、本丸とおっしゃった給付付き税額控除をやるという、こういう一つの手順ね、こういう考え方もありですよねと。 やれとは言いませんよ。でも、こういう考え方は、国民が一番納得できるようなやり方じゃないかと。まあ一番とは言いませんけど、多くの国民が、いや、そうやってもらったら助かるなというふうに私は考えるんですけど、大臣、政治家としてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(片山さつき君) 税、社会保険料負担ですとか物価高に苦しんでおられる中所得、低所得の方々の御負担をできるだけ軽減しようということはもう現下の最重要課題でありまして、そこから、総選挙におけるさきの自民党の政権公約で、こういう社会保障国民会議において、食料品の消費税率ゼロに向けた検討を加速するということを書いたわけですが。 委員のイメージしていらっしゃる給付がどういうものかなんですが、コロナのときも含めて様々な給付をやってまいりまして、今日もこの委員会で別の委員の方からもお話が出ましたが、定額減税をやって、それが大変な手間が掛かり、その定額減税に関連して、引き切れない方に給付をしようとしたら、それもそう簡単ではなかったということで、この国の場合、所得の把握というものがどこにあって、それがどうリンクしているかということを考えると、マイナンバー普及率も考えて、そう簡単ではないということがあるので、じゃ、決めたら来月できるのかということにはならなかったわけですよ。今までもなっていないわけですよね。 いろんなことを考えて、この給付付き税額控除というのは、理論的には非常にいい制度なんじゃないかということについては、皆さん多分、少なくとも社会保障国民会議にお出いただいている各党様においては、いいものができ得るというお考えの下で、じゃ、それがどういう形で条件付けられるのかという御議論をしていただいているかと思うんですが。 例えば、東南アジアをコロナの後に訪問しましたところ、銀行口座の保有率がASEANではほとんどの国で、かなり発達している、発展している国でも低かったんですが、食料品を買うに当たっての支援をするよということにしましたら非常にその保有率が上がりまして、そこにクイックペイというシステムで、何か元々イスラエルが作られたそうですが、出しまして、いわゆる所得連動型食品購入のためのお買物補助ですね、というものができちゃったんですよね。 そのIT化したのがいつかというと、我々は二〇〇〇年でIT化しているんですが、つい最近まで口座をお持ちでない方がかなりの割合を持っていたお国でございますが、ですから、こういったことには後発の利益というのもあるんですけれども、元々のシステムがこのようにできておりますと、それをどうつなぐかという問題も含めて、今現状では、まさにその消費税の方についてシステム変更がどうかということについてかなり詳しい議論が、しかも技術的な議論が社会保障国民会議において真剣に実務者の間でなされているわけですよね。誰もそれを意図的に遅らそうとか、誰もやりたくないというんじゃなくて、早くやるにはどうすればいいかの専門議論をしているわけですが、それでも様々なクリアすべき論点があるという現状があるということは一つ御理解いただいた方がよろしいのではないかと思います。
○大島九州男君 民主主義というのは、みんないろんな議論をしてやるから時間は掛かるのは分かりますよ。でも、こういうときだからトップダウンでやると。 例えば、給付を一律、国民全員に一人当たり、じゃ、十万円なら十万円を給付しましたと。だから、所得の高い人も当然平等にそれを配ったとして、当然確定申告したりとかしているわけじゃないですか。だから、そういう部分で回収する部分は回収すればいいし、当然、税収、税金を余り納めていない人はそのままそれをいただけるというようなことで補助をしていくという、要はやる気になればいろんな形でやれると。先ほど、今大臣がおっしゃっていたようなクイックペイみたいなことで、こういうふうになりましたと。だから、そういった経験とか知恵を出せばできるわけじゃないですか。 その国民会議の成り立ちも、参政党さん入っていないですねとか、れいわが入っていないですねとか、それは何かといったら、消費税廃止とか言って、消費税は駄目だと言っている人は入っていませんよという、それはやっぱりおかしいじゃないですか。だから、基本的に、本当の民主主義というなら廃止しなさいという人もいて、それの議論をした中でどういうふうにやっていくのかということを議論していって、そこで出た結論がこうでしたというなら分かりますよ。 ところが、はなからそういうところは排除して、そして時間だけ掛かっていくような感じに、結果的にそうなっていることを見て、ああ、元々この国民会議というのは、消費税という仕組みを温存して、そして財務省的にはゼロなんというのはあり得ないと。まあ一%というのであれば、これはもう政府・与党が選挙で約束したことなんだから、これはもうしようがないなというふうに矛を収めると。だから、じゃ、そこの着地点に行きましょうと。 私もこの世界、市会議員からもう本当、三十数年いますけど、審議会だとかそういうあれは事務局のシナリオどおりに進んでいくというのが一般的じゃないですか。全てとは言いませんよ。だけど、そこに政治の決断とその力があれば、それを変えることもできるわけでしょう。だから、本当に政府がその気になってこれをやるんだと決めれば、できないことはないわけですよ。それだけの大きな数を持っているわけで。だから、そういう部分で覚悟と本当の本気が感じられないと、多くの国民はそういうふうに思っている人多いと思いますよ。 だから、そういった意味では、国民会議の議論も、消費税、食品消費税ゼロなんだと、給付付き税額控除もちゃんとやるんだというふうに決めれば、優秀な官僚の皆さんやそういうシステムをやる皆さんは真剣になって、すぐにでも、すぐにというのはあれですが、早期に本当に実現できるものだと私は思うんですよ。 これ以上大臣にいろいろ御質問しても、大臣の答弁というのは変わらないというふうに思いますけど、最後に、この食品消費税をゼロにする、それを一%にするのか二%にするのかフレキシブルにやれるという、そういう仕組みをあえてつくるんだったら、ずっとやればいいじゃないですか、もう二年間と言わず。だから、その食品消費税だけは、一%なのか二%なのか、その状況に応じてフレキシブルにするけど、ほかが一〇%というふうなことを決めるんだったら。 でも、食品だけはそういうふうに下げていくというのは、これ恒久的に僕はやってもいいんじゃないかと思うんですけど、そこら辺は大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) まず、総理もよくおっしゃっていますが、消費税自体の意味付けとして、消費税が社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されているものであって、仮に恒久的な減税を行った場合には、年金、医療、介護、少子化対策という国民の皆様の暮らしに深く関わる行政サービスにも影響が生じかねないということで、恒久的に消費税をなくされた方がいいというのはお考えでいらっしゃるし、あるいは、少なくともその中で消費税の食料品分だけでも恒久的にということをおっしゃっていますが、私どもはそういう考えは持っておりませんで、あくまでも自由民主党が政権公約として掲げたのは、繰り返しになりますが、給付付き税額控除、本丸ですね、これを実現するまでの間において負担軽減を図るために、二年間のつなぎの負担軽減策として食料品の消費税減税を検討して、その場として社会保障国民会議で御検討いただくと、こういうことでございます。
○大島九州男君 最後ですけれども、れいわ新選組というのは、食品、食品じゃなくて、消費税は廃止なんだと。先日、私が、いや、今すぐ廃止しろとは言いませんけどと言ったら、それで相当バッシングを受けたんですけど。 まさに仕組みが悪いので仕組みをしっかり変えなきゃいけないし、消費税は廃止ということを訴えて、この質問を終わります。
○委員長(西田昌司君) 他に発言もないようですから、財務省、経済産業省、金融庁、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十二分散会
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