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国会会議録

外交防衛委員会

第221回 · 参議院 · 第13号 · 2026-06-16

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-09 23:14 JST 記録 #3014 ↗

発言 165

会議録情報

令和八年六月十六日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  六月十日     辞任         補欠選任      東野 秀樹君     小野田紀美君      吉井  章君     中曽根弘文君  六月十六日     辞任         補欠選任      山中  泉君     松田  学君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         里見 隆治君     理 事                 岩本 剛人君                 山田 太郎君                 青木  愛君                 平木 大作君                 石   平君     委 員                 生稲 晃子君                 臼井 正一君                 小林 一大君                 中曽根弘文君                 堀井  巌君                 若林 洋平君                 田島麻衣子君                 広田  一君                 榛葉賀津也君                 山田 吉彦君                 松沢 成文君                 松田  学君                 山添  拓君                 福島みずほ君    国務大臣        外務大臣     茂木 敏充君        防衛大臣     小泉進次郎君    副大臣        法務副大臣    三谷 英弘君        外務副大臣    国光あやの君        外務副大臣    堀井  巌君        農林水産副大臣  山下 雄平君    大臣政務官        外務大臣政務官英利アルフィヤ君        外務大臣政務官  大西 洋平君        外務大臣政務官  島田 智明君    事務局側        常任委員会専門        員        中内 康夫君    政府参考人        人事院事務総局        給与局次長    植村 隆生君        法務省大臣官房        審議官      吉田 雅之君        外務省大臣官房        審議官      三宅 史人君        外務省大臣官房        審議官      松本 恭典君        外務省大臣官房        審議官      野村 恒成君        外務省大臣官房        審議官      渡邊  滋君        外務省大臣官房        政策立案参事官  坂田奈津子君        外務省大臣官房        参事官      山本 文土君        外務省国際協力        局長       今福 孝男君        水産庁漁政部長  高橋 広道君        海上保安庁警備        救難部長     山戸 義勝君        防衛省大臣官房        衛生監      日下 英司君        防衛省防衛政策        局長       萬浪  学君        防衛省整備計画        局長       伊藤 晋哉君        防衛省人事教育        局長       廣瀬 律子君        防衛装備庁技術        戦略部長     嶺  康晴君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事  小林 広幸君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○外交、防衛等に関する調査  (知的財産の保護に関する件)  (JICA海外協力隊に関する件)  (水産庁の漁業取締りに関する件)  (北朝鮮政策に関する件)  (非核三原則に関する件)  (日中関係に関する件)  (自衛隊病院に関する件)  (防衛装備移転に関する件) ○日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフィリピン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(閣条第一号)(衆議院送付) ○日本国の自衛隊とオランダ王国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオランダ王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(閣条第二号)(衆議院送付) ○日本国の自衛隊とニュージーランド国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とニュージーランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(閣条第三号)(衆議院送付) ○刑事に関する共助に関する日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件(閣条第八号)(衆議院送付)     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、東野秀樹君及び吉井章君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君及び中曽根弘文君が選任されました。  また、本日、山中泉君が委員を辞任され、その補欠として松田学君が選任されました。     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) この際、小泉防衛大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小泉防衛大臣。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) おはようございます。  六月九日の理事会におきまして、六月二日の委員会中、広田議員の質疑に対し、私が理事会で扱ってほしいなど答弁したことにつきまして、委員会の進行権に関わるものとして御指摘があったと報告を受けました。以後、御指摘を踏まえて、しっかり気を付けてまいります。     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局給与局次長植村隆生君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事小林広幸君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。  本日は、国境を越えた犯罪の検挙、処罰のための外国との協力ということで質疑をさせていただきたいと思います。  実は、今月十一日に韓国文化体育観光局が、「ワンピース」、それから「名探偵コナン」、「スラムダンク」といった日本の人気漫画を無断で翻訳、公開をしていた韓国最大級の漫画海賊版サイトの運営者、これ実は日本人ということなんですが、日韓犯罪人引渡条約に基づいて韓国側に引き渡されたという発表がありました。この被疑者が韓国に、日本人の被疑者が韓国に引き渡されたのは二〇〇二年の条約締結後初というふうに報道されています。  実はこの事件、この件なんですが、被疑者が帰化した日本人であるということで、元韓国人であったこと、それから日本のコンテンツが被害に遭ったことなど、複雑な案件のため幾つかの疑問があります。  まず、日本の文化庁でありますが、外国において外国人が日本のコンテンツを含む海外版サイトを運営している場合について、サイトやコンテンツの内容に対して、送信行為が日本の公衆に向けたものであり、日本と密接な関連があると認められる場合などは日本国内において罪を犯したと評価できるということで、著作権法に基づき刑事処罰をし得るというふうな認識を示しておりますが、本件は日本での処罰もできるのではないかというふうに実は思っております。  日本での処罰の可能性がなかったために韓国に引き渡されたのか、また、仮に日本でも処罰の可能性がある場合には条約に基づいて更に韓国に対して当該犯罪人の引渡しを求めることができるのか、それぞれ法務省さん、外務省さん、お答えください。

吉田雅之 法務省大臣官房審議官

○政府参考人(吉田雅之君) 法務当局からは、質問の前半部分についてお答えさせていただきます。  お尋ねは捜査機関の活動内容に関わる事柄でございますのでお答えは差し控えざるを得ないことを御理解いただければと存じますが、一般論として申し上げますと、日韓犯罪人引渡条約においては引渡しを当然に拒むべき事由と裁量により拒むことのできる事由がそれぞれ定められておりまして、前者に関しては、例えば、引渡しを求められている者が被請求国、請求を受けた国において引渡しの請求に係る犯罪について訴追されている場合又は確定判決を受けた場合には引渡しは行われないとされております。また、後者、裁量的な拒否事由に関しては、同条約において、被請求国の法令により、引渡しの請求に係る犯罪が被請求国の領域等において犯されたものと認められる場合には引渡しを裁量により拒むことができるとされているものと承知しております。

野村恒成 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(野村恒成君) 委員の御質問の後段部分についてお答え申し上げます。  日韓犯罪人引渡条約に基づき、委員から御指摘のあったこの韓国から引渡請求のあった人物一名につきまして、法務大臣が東京高等検察庁検事長に対して韓国への引渡しを命じたことを受け、六月十一日に韓国側に引渡しが実施されたところです。同人については、今後、韓国の関係当局により、訴追を含む刑事司法手続が進められるものと承知しております。  その上で、一般論として、この日韓犯罪人引渡条約の規定について申し上げますと、当該条約第三条(d)という規定になりますけれども、引渡しを求められている者が被請求国において引渡しの請求に係る犯罪について訴追されている場合又は確定判決を受けた場合には、当該条約に基づく引渡しは行われないというふうに規定されているところでございます。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 本件は日本のコンテンツが侵害された、いわゆる日本人又は日本の企業が被害に遭ったわけですよね。日本人ということなわけでありますから、これは日本で処罰ができる可能性があるのかどうか検討していただいて、しっかり対応していただきたい、そうしないと日本の権利を守れないというふうに思っております。  さて、次でありますけれども、今度は外国人が国外で運営する外国人向けの日本コンテンツの海賊版サイトというふうに、実は、日本人又は日本の企業等が被害者であるにもかかわらず、国内犯でないということで日本の法律が適用できない場合、そもそも日本の捜査機関にその捜査権限がなくて、外国の捜査機関に証拠の収集を依頼するということを伺っております。  ただ、こういった場合でも、やっぱりしっかり、著作権侵害の犯罪を行った犯人をしっかり検挙できなければ日本の権利というのは守っていけない、こんなふうにも思っております。  そこで、日本人が被害者であるにもかかわらず、国内犯とは言えない案件であるけれども、外国では日本人を被害者とする犯罪が成立する場合、このような犯罪を検挙、処罰するために条約その他国際約束上の利用できる制度がないのかどうか、また、外交上としてどのような対応が可能なのか、お教えください。

渡邊滋 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(渡邊滋君) お答え申し上げます。  一般に、国境を越えた犯罪も含め、捜査共助の確実な実施を図るための国際約束として刑事共助条約がございます。しかし、同条約は、あくまでも一方の締約国が相手国の請求に基づき相手国における犯罪の捜査、訴追等に必要な証拠の提供等の共助を実施することを定めたものでございます。  その上で、御指摘の日本人を被害者とする著作権侵害が外国で外国人によって行われ、我が国の国内法で処罰できない場合、我が国が当該外国政府に対して、個別の事案における著作権侵害犯の検挙、処罰の執行を求めることができる旨を規定した国際約束はございません。  したがいまして、そうした犯罪が発生した国の政府に対しては、個別具体的な状況に応じまして、中央当局間及び外交ルートを通じまして、同国内での適切な検挙、処罰を行うよう働きかけてございます。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 これ、日本のコンテンツ産業を自動車産業に次ぐ基幹産業として位置付けようというふうにしています。ただ、例えば日本のコンテンツが侵害されて、ベトナムや例えばインドネシア、今、中国なんかもあると思いますが、そういうところから発信されて、例えば南米で見ているなんてケースがあるわけですよね。こういう場合は一切何の手出しもできないということになれば、海外で展開する国外犯罪に関してもう指をくわえて見ているだけなのかと、こういうことになるかと思っています。  そこで、やっぱり外国政府に対する働きかけというのは極めて重要なんじゃないかなというふうに思っております。このままでいくと、日本のコンテンツはローリスク・ハイリターンということで、やりたい放題が現実的に世界中で起こっているというふうに思います。  今、日本の権利者が共同エンフォースメントを行っている特にインドネシア海賊版サイトにつきまして、日本政府からインドネシアに対して検挙、処罰に向けた要請が行われていない状況というのが続いていると聞いています。これ、海賊版サイトは一人の権利者だけが被害になるということではなくて、不特定かつ多数の権利者が、著作権者が被害になるものでありますので、しっかり国も挙げて対処するべきだというふうに思っています。  実はベトナムの海賊版サイト、これも非常に大変なものがありましたが、三谷法務副大臣が文科政務官のときに、先方のグエン・ヴァン・ファン文化スポーツ観光副大臣に対してしっかりと対処をしてもらうということをやっていただきましたし、棚橋当時国家公安委員長からも、トー・ラム公安大臣に対して取締り等について働きかけていただいた。高市総理も先月の首脳会議においてもしっかりこの要請を日本の権利を守るためにされたということであります。  そこで、ベトナム海賊版サイトの対策について文部科学大臣政務官としていち早く対応された三谷法務副大臣が、インドネシア海賊版サイトに対して、今度は法務副大臣としてインドネシアの大臣クラスに対して検挙、処罰を求め要請を行っていただきたい、こういうふうに思っておりますが、よろしくお願いします。

三谷英弘 法務副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。  コンテンツ及び表現の自由の守護神とも言うべき山田委員から大切な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。  この海賊版対策は重要な課題と認識しておりまして、法務省といたしましても、様々なレベルからベトナム政府に対してこれまでも海賊版サイト運営者の迅速な摘発等を要請したところでもございます。  その上で、インドネシアについても同国内における海賊版による被害が深刻である状況に鑑みまして、サイト運営者の迅速な摘発等に向け、あらゆる機会を捉え、法務省としてレベルを問わずインドネシア政府に対して要請を行う必要があるというふうに考えております。  一般論として、この捜査に際しましては、インドネシアに協力要請する場合は、我が国でどの機関が捜査の主体となっているか等に応じて、法務省又は警察庁から外交ルートを通じるなどしてインドネシア政府に要請することになりますが、そのような個別案件における要請に加えて、インドネシア政府に対して積極的な海賊版対策を要請する必要性は高いというふうに認識しております。  まずは、法務副大臣である私から、本年夏をめどにインドネシア政府に対して海賊版対策に関する要請を行うべく、オンラインでの対応を含めまして急ぎ調整を進めることとしたいと考えております。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 ありがとうございます。しっかりコミットしていただいたということで、インドネシアに関してもしっかり対応をしていただければと思っています。  改めて、在インドネシア日本大使館等が日本の権利者の支援を行うということも重要であります。これ、茂木外務大臣に対しても強いリーダーシップ実現していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 山田委員がコンテンツの守護神と呼ばれているということを初めて聞きまして、何か漫画のタイトルにもなるんじゃないかなと、こんなふうに考えたところでありますが。  インドネシアの海賊版サイトに関しては、日本の音楽や漫画が違法アップロードをされ、日本の権利者に被害が発生していると、このように承知をいたしております。  これに対して、在インドネシア日本国大使館を含みます政府機関で連携をして、日本レコード協会及び漫画界、漫画界の界は世界の界ですね、漫画界海賊版対策会議を始めとする日本の関係者を支援しておりまして、昨年十一月、日本の音楽及び漫画に関する海賊版サイトについての摘発要請書、これをインドネシア政府に提出をしたところであります。  政府としては、知的財産の適切な保護が我が国のコンテンツの海外展開を推進していく上で非常に重要であると考えております。知的財産の保護強化に向けて、インドネシア政府が海賊版サイトの運営者の迅速な検挙に向けた実効的な対策を取るよう、ハイレベルも含めて様々なレベルで働きかけ行っていきたいと、このように考えております。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 外務大臣にもしっかりやっていただくということで、お願いしたいというふうに思います。  さて、最後の質問になりますけれども、実はこの公訴時効という問題も一方でありまして、このベトナム版海賊サイトですとかインドネシア海賊版サイトですとか、公訴時効が過ぎると犯罪としてもう成立しないんですね。ただ、外国の著作権等に関する解釈は非常に難しくて、権利者から摘発の要請がされた日がスタートなのか、海賊版サイトが閉鎖した日がスタートなのか、いずれにしてもこのしっかりとした公訴時効の問題というのをはっきりさせないと、今後、捜査等も難しくなると思います。  外務省さん、それぞれの国のそれぞれの事案、もう出ていると思いますが、この公訴時効がいつ経過する日なのか、これをお答えいただけますでしょうか。

野村恒成 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(野村恒成君) お答え申し上げます。  委員御指摘のこの公訴時効が経過する日でございますけれども、実際にいつがその日になるかということにつきましては、外国法令の解釈に関わる話になってまいりますので、日本政府として有権的にお答えするということはなかなか困難であるということは御理解いただければというふうに思います。  その上で、それぞれベトナム、インドネシアの法律でどのような定めになっているかという点について申し上げますと、ベトナムの刑法においては、著作権等を侵害する罪のその公訴時効については最長で五年というふうに承知をしております。同様に、インドネシアの刑法においては、この著作権等を侵害する罪の公訴時効については最長で十八年というふうに定められているというふうに承知しております。

山田太郎 自由民主党・無所属の会

○山田太郎君 時間が参りましたが、この公訴時効をしっかり踏まえておかないと、外務大臣あるいは三谷法務副大臣が行って話したら、いや、もうそれ時効過ぎちゃったんですよと極めて間抜けな外交になっちゃいますので、しっかりその辺りは調べていただいて対処、対応していただきたいと思います。  ありがとうございました。以上です。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 立憲民主・無所属、青木愛です。本日もよろしくお願いいたします。  今日は、日本のODAの功績と海外協力隊の意義について伺っていきたいと存じます。  外務大臣は、これまで数多くの外国訪問を重ねられ、また各国の高官が来日の際にも多くの会談の機会があったと存じます。その中で、日本のODAやJICA海外協力隊の活動に対して、各国からの評価を受け止めてこられたと存じます。  私は、二〇一九年の十二月に、参議院の公式派遣でラオスを訪問いたしました。ラオスは、JICA海外協力隊が世界で初めて派遣された国であり、一九六五年十二月の最初の五名がビエンチャンに降り立って以降、これまでに延べ一千名以上の隊員がラオス各地に派遣されてきました。  我々がラオスを訪問した際、国民議会のパーニー議長は、日本はODAのトップドナーであり、特に人材開発、インフラ整備における協力に感謝すると述べられるとともに、とりわけ、大使館及びJICAの尽力により、ラオス初の民法典が編さんされ、完成したことにとても感謝をしておられました。  また、パンカム国家副主席は、日本のODAの重要性に言及された上で、自身は青年海外協力隊の活動を特に評価しており、住民に一番近い立場にある隊員の活動は、両国の相互理解の進展に貢献するとともに、日・ラオス関係の基盤になっているとまで述べられました。  私も、こうした経験を通じて、ODAや海外協力隊の活動は、単なる経済協力にとどまらず、日本に対する信頼とそして親近感を育み、長期的な友好関係を築く重要な外交資産であることを実感いたしました。  現在、これまでに派遣された協力隊経験者は約五万八千人、派遣された国の数は約百か国に及ぶそうです。日本と百か国の国々との間には、協力隊を通じて育まれた五万八千もの確かなきずなが結ばれています。物やお金だけではない、心のきずなもまた日本を守る一つの道であると考えます。  改めて、日本のODA、そして海外協力隊が果たしてきた外交上の意義について、茂木大臣の御評価を是非お伺いさせていただきたいと存じます。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 昨年、創立六十周年を迎えましたJICA海外協力隊、これまでに、世界各地の途上国におきまして、委員御指摘のとおり約五万八千人がこれまで派遣されておりまして、日本らしい顔の見える開発協力の担い手として、開発途上国の経済社会の発展、そして日本との友好促進に貢献をしてきました。  私もアジア、アフリカ、中南米の外相、カウンターパートと話することが多いんですが、よく海外協力隊の話もそこの中で相手側から出てきまして、協力隊の活動、世界各地において高く評価されているということを私自身実感をしているところであります。  例えば、委員御指摘のラオス、おっしゃるとおり、世界で初めて協力隊が派遣された国でありまして、現地でも特に協力隊の活動の評価が高いものがあります。また、ラオスの要人から累次にわたって協力隊の活動に対して謝意が示されているところであります。  このように、協力隊の活動、委員おっしゃるような日本の信頼醸成、そして長期的な二国間関係の構築に大きな役割を果たしてきておりまして、政府としては今後とも本事業の一層の強化に努めてまいりたいと、こう考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。  一層の強化に努めてまいるとの御答弁をいただきました。茂木大臣がいつもおっしゃっている顔の見える外交ということでございます。相手国の価値観や主体性を尊重した、そうした支援の積み重ねが日本に対する信頼につながっている。ODA、海外協力隊が果たしてきた外交上の意義を更に継続、進化させ、新たなチャレンジが始まることを御期待申し上げております。  次の質問は、かなり戦略的なこちらは話になるかと思います。ODA予算の強化、そして経済安全保障について伺ってまいります。  本年五月二日、高市内閣総理大臣は、ベトナムでの外交政策スピーチにおいて、進化した自由で開かれたインド太平洋、新FOIPを表明されました。重点分野として三点を掲げ、日本が取り組む具体策として、四月十五日に発表したアジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ、パワー・アジアの下、JICAによるアジア各国政府に対する緊急円借款の実施を行うことを表明をされました。現下のホルムズ海峡における危機をきっかけにしまして、日本とASEANを含む地域のサプライチェーンを共に強化しなければならない、そうした問題意識からこのような取組を進めていくと述べられておられます。  新FOIPを着実に推進するためには、ODA予算の安定的な拡充が不可欠ではないでしょうか。政府は、現在のODA予算水準をどのように評価されているのか、また、今後、経済安全保障やサプライチェーン強靱化に資するODA事業をどのように強化していくお考えなのか、茂木外務大臣の御見解をお伺いいたします。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 昨今のイラン情勢を例に出すまでもなく、エネルギー安全保障、さらには経済安全保障の重要性というのが増しているのは間違いないと、こんなふうに考えております。  ODAはFOIPの実現に向けた重要な政策手段の一つでありまして、ODAを活用したAI、データ基盤やサプライチェーンといった経済基盤の強化、そして官民一体での経済成長の創出などを通じて、FOIPの戦略的な進化に貢献するものであります。  また、我が国、エネルギーや資源の多く海外に依存していることから、ODAを通じて資源調達先の多角化であったり資源の安定供給の確保に取り組むことが重要でありまして、オファー型の協力であったり、民間投資を促す新しいODAの仕組みも使って、各国のニーズに沿った重点支援、着実に実施をしていく考えであります。  こうしたODAの重要性を踏まえまして、幾らという具体的な額はともかくといたしまして、財務当局とも相談しながら、必要な予算しっかりと確保して、経済安全保障分野におけるODAの戦略的活用、これを進めていきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 御答弁ありがとうございます。  東南アジア諸国へのオイルの供給が途絶しますと、ナフサ等、アジア各国への輸出も止まってしまいます。経済活動の継続や医療分野で不可欠な石油製品の安定供給は各国共通の課題であり、日本への期待に応えること、またアジア各国との関係強化は重要と考えております。  それでは、続いての質問に移らせていただきます。  海外協力隊の人員不足について、前回の質疑でもお伺いをしたところでございます。令和六年度の長期派遣については、途上国からの要請人数二千九百五十一人に対し、派遣者は九百二十九人にとどまったことに対しまして、茂木大臣からは、外務省としても、応募していただく方を増やすことは極めて重要だとの認識が述べられました。身分を維持したまま参加できる制度、個人だけではなく、大学、自治体、企業など団体からの派遣の充実、SNSを活用した協力隊の魅力の発信など、協力隊に対する国民の理解促進に努めていきたいとの御答弁をいただきました。  そこで、伺ってまいります。  より多くの人が海外協力隊に対する関心を喚起するために、政府は現在どのような広報戦略を取っておられますでしょうか。また、応募者拡大に向けて今後どのような広報強化を図る考えかをお伺いしてまいります。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、近年、JICA海外協力隊の応募者数は減少傾向にございます。応募者を増やすことはこれ極めて重要だと私どもとしても認識しております。  JICAの海外協力隊は春と秋の年二回募集を行っておりまして、それぞれの時期に電車の中づり広告やCM、ポスターなどによる募集広報を行っております。また、そのほか、ラジオや動画など、各関心層に届く広報にも取り組んできております。  さらに、協力隊のターゲット層である二十代から三十代の方がよく見るインスタグラムやX、これを活用して、派遣中の協力隊員の参加も得た協力隊の魅力発信のほか、LINEを使った情報提供など、SNSを活用して関心層を増やす取組を行ってきております。  今後は、特に民間の現職派遣や地方自治体からの更なる参加者を増やすべく、社員、職員の国際性を養い、人的ネットワークを拡大するといった企業、自治体にとってのメリット、これを広く訴えていくなど、引き続き、JICAと連携し、応募拡大に努めてまいりたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 各層に向けた様々な創意工夫の下、発信をしていただいているお話を伺いました。  SNSや動画によって協力隊のリアルな声を届けること、これは海外の関心を広げるために良い機会だと考えております。今、学校現場でも、オンライン授業で現地からのリアルタイムの様子を子供たちに届けているというふうに伺っております。  帰国してからの体験談の発信、これも大変重要でございますけれども、現地の生の声をそのまま聞く、こうした機会を設けることも大変有益ではないかというふうに考えております。学校だけではなくて、企業や自治体、またこの委員会でも現地とつなぐ試みがあってもよいのではないか、そんなふうにも考えます。こうした試みについてはいかがお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のとおり、現職教員、これのJICAの協力隊への参加、これは日本の教育現場での経験を生かした派遣国への支援、それと同時に、派遣国で得た経験、知見の日本の教育現場への還元、この両面が期待できるものでございまして、非常に有意義なものと考えております。  今おっしゃられたようなJICA協力隊の経験を日本国内の教育現場で活用する機会といたしましては、開発途上国での開発協力の経験がある協力隊員などを講師といたしまして、派遣、またオンラインでつないで生の声を現場にお届けするJICAの国際協力出前講座というものを実施してきております。これらの取組につきましては、関係機関とも連携して、今後、現職教員の参加拡大に取り組んでいきたいというふうに考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。様々な機会をつくっていただく、そうした工夫、不断の御努力をお願いしたいと存じます。  続きまして、現職教員特別参加制度の活用促進について伺わせていただきます。  本制度は、現職職員が身分を維持したまま海外協力隊の活動に参加でき、参加期間中も給与が支給されるという利点がございます。  制度を利用するに当たっては、所属する教育委員会等からの推薦が必要となります。実際、教育委員会からの推薦が受けられない場合や、よって協力隊参加中の給与は支給されない別の方法での参加、こちらを余儀なくされる場合もあるなど、様々な課題を抱えていると承知をしております。  まず、この制度の活用状況について、政府はどのように認識、評価されているでしょうか。また、教育委員会による運用の地域差が存在するとも伺っております。そうした解消に向けて、どのような改善策、今後進めていくお考えか、伺わせてください。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  現在の現職教員特別制度の活用状況につきましては、同制度を活用して派遣された職員数は、二〇二六年五月の時点で、累計で千六百人に上っております。  他方、委員御指摘のとおり、地域によって濃淡はございます。現在、この制度では、全国に設けている六十七枠ございますが、二〇二五年度募集で推薦された現職教員は五十七名にとどまっているというのが現状でございます。  この制度がより一層活用されるよう、文部科学省とも連携しながら、協力隊事業制度の周知、これを広く行っていきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 文科省の話では、令和七年度から募集時期を春から秋へ変更した結果、応募者数が増えたというふうに聞きました。来年度からの人事の見通しが立つということで、秋に変更しただけで応募者数が増えたということであります。  しかし、この制度で派遣される教員の数が東京でも二、三名、各道府県、各県ごとに一名程度だというふうに伺っておりまして、今六十七枠とのお話ございましたけれども、もう少し枠を広げていくことを考えられてもよいのではないかなというふうに思います。より多くの希望者に参加していただくために、例えば一年あるいは半年程度の短期派遣、こういった工夫ですとか、複数回派遣される場合には語学研修を免除するなど、派遣しやすい仕組みを設ける工夫ができないかとも考えます。  また、現場は、代替教員の確保、また教員の負担が増えてなかなか派遣が難しいという実態を訴える声もございますが、一方で、地方によっては子供の減少で学校の統合が進み、教員が退職せざるを得ない状況も聞こえてまいりました。派遣に向けた現場での調整ができるのではないかと思っております。  また、最近では元校長先生の派遣のニーズも高まっているというふうに伺っています。教育現場における管理職の役割を学びたいということだそうでございます。海外経験を持つ教員は帰国すれば引く手あまたということでございまして、是非文科省との連携強化でより多くの教員を派遣できるよう、JICAの制度、こちらをより柔軟に活用できるよう今後とも工夫していただきたいと思いますが、全体を通していかがでしょうか。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、様々なニーズというのがございます。特に短期派遣、これにつきましては、現行の現職教員特別参加制度では訓練含め二年間の長期派遣のみとなっておりますが、別途それぞれの教育委員会とJICAとの間で個別の取決めを結んで、教員を一年未満の短期で派遣するというような取組も始めております。  今後とも、今様々な御指摘いただきましたが、それぞれのニーズに合わせた派遣というのをよくJICA、文科省と相談して検討していきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 御答弁ありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。  次に、海外協力隊経験者の社会還元という観点からお伺いをさせていただきます。  海外協力隊経験者は、異文化理解力、課題解決能力、現地ネットワークなどを有する貴重なグローバル人材であります。帰国後には、企業の海外展開支援、地方創生、観光振興など様々な分野で活躍しており、ODA、海外協力隊員は国際貢献だけではなくて国内の波及効果も有していると考えます。  政府は、このような海外協力隊経験者の国内でのこの社会的価値、どのように評価されておられるでしょうか。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) JICA海外協力隊、語学力を生かしながら、生活環境の厳しい途上国で培いました異文化適応力であったり精神力の強さ、さらにはその使命感と課題解決能力を備えるグローバル人材として、その社会的価値、極めて高いと考えております。  また、JICA海外協力隊はその目的の一つにボランティアの経験の社会還元、これを掲げておりまして、ビジネスの国際展開、こういった場面もそうでありますが、実際にそういった途上国、余り物がない中でいろいろ工夫しながらやってきたこういう海外協力隊の知見というもの、経験というものは、新しい事業をつくり出していくというスタートアップ等、日本成長戦略に資することが期待されると、こんなふうにも考えております。  協力隊事業においても、進路開拓を見据えて、企業や自治体からの連携派遣であったり帰国隊員向けの起業伴走プログラムを推進をして、スタートアップやソーシャルビジネスを担う人材の育成であったり民間企業との連携拡大を図る支援、これを行っていきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。  社会的価値、極めて高いとの御答弁でございました。ボランティアとしての経験の社会還元、また新しい事業の創出、そして成長戦略にも資するというお話がございました。  様々な活躍の場がある中ではございますが、その中で、自治体との連携、地域おこし協力隊への参加について伺わせていただきたいと思います。  まず、この地域おこし協力隊は、過疎地域等、条件不利地域に住民票を異動して、その地域への定住、定着を図る取組です。令和七年の国勢調査で人口五千人未満が三百二十自治体、五千人以上一万人未満が二百四十五自治体とのことです。このような人口減少が進む地域や離島において、地域活性化、地方創生の担い手として大きな可能性を協力隊の皆様は有しておられます。  そこで、海外協力隊から地域おこし協力隊へ移行した人数や定着状況の把握、また海外協力隊の帰国隊員の地方創生分野での活躍の意義、この点について伺わせてください。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 途上国の厳しい環境において自ら課題を発掘してこれを解決するという知見、そして経験を培ったJICA海外協力隊の経験者は、今様々な課題に直面をしております日本の地方創生の現場でも大いに活躍、貢献できる人材であると、このように考えております。  実際に帰国後、地域おこし協力隊制度を活用して地方自治体に職員として就職した例もあります。網羅的に捉えておりませんので、この地域おこし協力隊に何人の人が行っているか、こういう資料はちょっと持ち合わせていないので恐縮でありますが、いずれにしても、そういった場面でも活躍していることは事実であります。  外務省、JICAとしては、総務省また各自治体と協力をしながら、JICA海外協力隊経験者が地方の様々な分野でも活躍できるように、地域おこし協力隊との連携も含めて、取組を進めてまいりたいと考えております。  海外協力隊のフロンティアというのは非常に広いと考えておりまして、もう世界全体にいろんな日本の企業がビジネスを展開するその担い手になるということもありますし、全国の地方、様々な課題に直面する、その課題解決においても大きな役割を果たすということで、様々なフロンティアはあると、こんなふうに考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。是非、自治体、また地方創生分野で活躍していただける、そうした環境整備を整えていただきたいと存じます。  こうした自治体との連携強化を図る中において、帰国隊員の就職支援制度を行っておられるかと思います。中でも、JICAが運営するマッチングサイト、国際協力キャリア総合情報サイト、PARTNERの利用状況、そして実績について伺いたいと思います。そして、この度、PARTNERの規約改定が行われ、追加された地域活性化、この分野の狙いについてもお伺いをいたします。

小林広幸 独立行政法人国際協力機構理事

○参考人(小林広幸君) お答えいたします。  JICAは、帰国隊員向けの進路開拓支援といたしまして、帰国後のキャリア相談、そしてキャリア形成等の各種研修、さらに、奨学金事業や資格取得のための補助等を実施しています。それに加えまして、ただいま委員の方から御指摘いただきましたPARTNERに、帰国隊員特設のページを設けております。そこでは、帰国隊員に特化した求人を掲載しておりまして、昨年度の実績で年間約五百件の求人がそこに掲示されました。ちなみに、その求人に対しまして閲覧率が八七%ということで、非常に高い率御活用いただけているというふうに考えております。  また、先ほど、規約改定に関しましてですけれども、PARTNERの団体登録要件の改定を行いました。これは、JICA海外協力隊員等の経験を有する人材を活用した地域活性化事業という項目を追加いたしました。これは、この改定の狙いといたしましては、同人材の経験や課題解決が日本国内の地方活性化に資するという考えに基づいて改定したものでございます。  今後も、PARTNERを通じまして国際協力人材の地方活性化への貢献を促してまいりたいというふうに考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございます。  地方自治体の登録を促すことによって海外協力隊と、地域活性化、これを課題とする地方自治体とのマッチングを進めていくという御答弁だったと思います。よろしくお願いいたします。  もう一つ、自治体の連携を図る制度として地域おこし協力隊のインターン制度、こちらを活用したグローカルプログラムがあると伺いました。こちらの実施状況、参加自治体数、成果と課題について伺います。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  JICAでは、日本国内の課題解決に取り組む意思を有する隊員の候補生に対して、派遣前に国内の自治体等において実習を行う場を提供するグローカルプログラムを実施しております。  二〇二二年の開始からこれまでに十五都道府県におきまして延べ四百十一名が参加しております。このうち、御質問の地域おこし協力隊のインターン制度と連携したものというのは、これは制度始めましたのが二〇二四年でございますので、二四年の十月以降、七都道府県にて実施しております。このプログラムは、地域活性化の観点から、参加者のみならず受入れ団体からも高く評価されております。さらに、途上国での活動終了後にこのプログラムで活動した地域に移住する帰国隊員もおります。  課題といたしましては、JICA海外協力隊候補生としての派遣前訓練と合わせると、これ訓練期間が約半年近くになってしまうというこのプログラムのそういう特性と、それに参加可能な隊員候補生数、それと受入れ自治体数の需給バランス、また、自治体側における受入れ体制整備というようなものが課題として挙げられております。  以上です。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 確かに、派遣前の訓練が今、福島と長野の二か所で行われております。七十五日間の訓練を受けて派遣されるわけですが、それとは別に更に七十五日間自治体で課題解決に取り組むということで、半年に及ぶということでございました。その辺の日数の制度の在り方、こちらもまた、現実に即した形でまた検討することも必要かもしれません。  また、自治体、今、七自治体という御答弁でございました。まだまだ数が足りないという印象でございます。自治体もどのように受け入れていいか分からない、また帰国後必ずしも戻るかどうかが分からないということで二の足を踏む自治体も少なくないと聞きます。  また、こうした制度があると知らない自治体もまだ多いのではないかというふうに思いまして、自治体に対する研修や支援、また制度の周知も必要かと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  受入れ自治体に対しましては、JICAが準備段階から丁寧な説明と調整を行ってきております。個別協議を通じて要望等に対応するなどしてきております。  それに加えまして、自治体や地域の方々に参加してもらう報告会を開催したり、また、自治体間の学び合いの場として自治体ネットワーキング会合といったものを開催し、JICAからの情報共有や事例発表、意見交換というものを実施しております。  今後も、委員御指摘いただきましたように、より現地の自治体の要望も踏まえ、オンライン、対面での開催といったものを継続していく予定でございますが、そのように、政府、JICAとしても、こういった制度があるということをきちんと周知していきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 よろしくお願いいたします。  また、協力隊の途上国での経験は、過疎地であったり離島であったり、こういった環境でこそ生かせるという声もありますが、一方で、海外協力隊としての経験が付加価値となるような処遇、評価の向上も必要ではないかと考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  隊員経験者の処遇につきましては、これは、地域おこし協力隊ということでまいりますと、給与等の待遇はこれ受入れ自治体が定めているものではございます。それで、自治体ごとに状況は異なるのではございますが、海外協力隊経験者の地域おこし協力隊としての活躍事例や価値について、これ総務省とも連携して広報をしっかりと行うことで待遇の向上を求めていきたいというふうに考えております。  また、評価につきましても、隊員経験者の地域活性化分野における評価が向上するよう、隊員経験者の知見、経験、これを生かした地方創生への貢献の重要性について、自治体等に引き続き私どもとしても働きかけていきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 よろしくお願いを申し上げます。  そして、帰国隊員による起業支援についても伺っていきたいというふうに思います。  私の地元千葉県南房総にも海外協力隊の参加者が活躍してくださっています。中央アジア・キルギスに派遣された御夫婦が、キルギスで見た一面に広がるカレンデュラの花畑をヒントに、一大生産地である南房総市に移住し、現在約二千平方メートルの畑でカレンデュラを育てています。カレンデュラとはキンセンカのことですけれども、また違ったイメージでハーブティーやコスメにも加工され、地元でもオンラインでも人気商品として親しまれています。  また、アフリカ・ルワンダで理数科教師として派遣された方も、地域おこし協力隊として夫婦で南房総に移住し、観光政策やIT系サービスの事業化を進めてくださっています。  また、せんだっては、シリアのパレスチナ難民キャンプやヨルダン、ボスニア・ヘルツェゴビナでスポーツ教育を通じた支援活動を行った隊員のお話を伺う機会がありました。その後、山梨県都留市の地域おこし協力隊として林業に携わります。その経験を基に、現在は起業して四年目を迎えるとのことでした。青少年自然の家などが減る中で、子供たちの体験プログラムや企業の森林セラピーなども実施しているとのお話でした。  このような帰国後起業された方々、たくさんの事例があろうかというふうに思いますけれども、例えば補助金ですとか伴走支援など、こうした支援政策、今後必要ではなかろうかとは思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

今福孝男 外務省国際協力局長

○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、帰国後の起業等、そういった隊員OBの方々の活躍の場というのはこれ非常に重要なものと考えております。  海外協力隊の帰国隊員の起業支援につきましては、JICAの起業支援事業、BLUEというのがございます。こちらでソーシャルビジネスの基礎から事業づくり、実践までを体系的に学ぶ三か月間の実践型プログラムというのをやっておりまして、二〇二三年度からこれまでに六十八名の帰国隊員の方が参加されております。このほか、個別起業相談や起業に関心のある帰国隊員と自治体や企業とのネットワーク構築や関連イベントを開催するというようなこともしております。BLUEのプログラムの一期生のうち、約七五%の方が起業した若しくは副業、週末起業という形で準備を進めているという状況でございます。  参加者の方々の評価も非常に高いということから、引き続きこの取組を進めていきたいと考えております。

青木愛 立憲民主・無所属

○青木愛君 ありがとうございました。  本日は、日本のODAの功績、そして海外協力隊の意義について伺ってまいりました。分断と対立が進む国際情勢において、ODAの戦略的意義、そして人と人との心をつなぐ海外協力隊の意義、役割は一層高まっていることと思っております。国民の理解促進と関心の喚起につながるよう、共に努力をしていきたいと存じます。  今日はありがとうございました。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  質問に入る前に、一言申し上げたいと思います。  昨日、一部野党会派の女性議員から、自衛官とその家族、そして将来自衛官を目指す子供たちを愚弄するとんでもない発言がございました。余りにもひどい職業差別であると同時に、中国、ロシア、北朝鮮に関連する子供たちを引き合いに出して、我が国の安全、外交防衛政策をねじ曲げかねない印象操作をするような言動もあったやに記憶しています。国防、そして外交をつかさどる、議論をするこの参議院外交防衛委員会の委員の一人として、強く抗議を申し上げたいと思います。  それでは、質問に入りたいと思います。  我が国は海洋国家でございまして、この広い日本の海を常に、これは尖閣周辺もあります、この厳しい海の環境を守ってくれているのが海上自衛官、そして海保の、海上保安庁の皆さんでございますが、それと同様に、実は意外と多くの国民の皆さんが気付かれていないところで、海保や海自のその更に最前線で日本の海を守ってくれているのが水産庁の漁業取締りを行う漁業監督官の皆さんだと思って、心から水産庁には敬意を表したいと思いますが、この漁業監督官とはどんな仕事をされているんでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  漁業監督官は、漁業法第百二十八条第一項に基づき、漁業に関する法令の励行に関する事務をつかさどることとなっており、水産庁における関係課、各漁業調整事務所等のほか、多くの漁業監督官が漁業取締り船に配属されております。  漁業取締り船における漁業監督官の具体的な職務といたしましては、我が国水域での外国漁船等の違法操業を防止するための監視活動を行うとともに、必要に応じて立入検査や拿捕等を行っております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 漁業取締り船には官船と用船があると承知をしておりますが、その隻数の内訳はどうなっているでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  水産庁の漁業取締り船については、国が所有し職員が運航する官船と、民間船の乗組員付きで借り上げて漁業監督官が乗船して取締りを実施する用船がございます。  本年度では、代船建造中の一隻を含めますと、官船九隻及び用船三十七隻の計四十六隻の漁業取締り船が全国に配備されております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 官船、用船には、一体それぞれ一隻当たり何人の漁業監督官が乗船されているんでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  漁業監督官の配置は、官船ではおおむね一隻当たり二十人から三十人程度、用船には若干名の漁業監督官が乗船しております。  官船及び用船の乗組員総数については、それぞれ約二百人及び約六百人となりますが、漁業取締り上の支障があるため、詳細は控えさせていただきます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 用船には民間人も十数名乗っているというふうに理解をしておりますが、それを踏まえて、官船と用船、ほぼ同じ仕事をやっているわけでございますが、漁業監督官のそれぞれ俸給表はどうなっているでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  官船の漁業監督官は、一般職の職員の給与に関する法律第六条第一項第五号の海事職俸給表、用船に乗船する漁業監督官は、同法第六条第一項第一号の行政職俸給表が適用されているところでございます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 同じ仕事をしているのに、官船の漁業監督官は海事職で、用船の漁業監督官は行政職。言うまでもなく、海事職の方が行政職よりも俸給は高くなるわけでございます。  次に、漁業監督官はいわゆる司法警察権を有しているという理解でよろしいんでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  司法警察権を有する司法警察員につきましては、漁業法第百二十八条第五項に基づき、地方検察庁と協議をした上で、水産庁長官又は各漁業調整事務所の所長等が漁業監督官の中から指名をしているところでございます。  官船の乗組員では司厨員等を除いたほとんどの乗組員が漁業監督官となっており、船長、機関長、航海士等の士官を中心に司法警察員に指名しているところでございます。  また、用船では、司法警察員に指名された漁業監督官が一名以上乗船しております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 今聞いてお分かりのように、違法操業をしている、我が国の法律を犯している不法な漁民を、これは中国かもしれないし北朝鮮かも分かりませんが、この方々をつまりは拿捕、逮捕する権利を持った極めて厳しい任務を、漁業監督官、とりわけ士官の皆さんは任務に就いていると把握を、承知をしております。  続いて、尖閣周辺のゾーンディフェンスについてお伺いしたいと思いますが、尖閣周辺を水産庁と海上保安庁がエリアを分けて監督をしている、ゾーンディフェンスをしていると承知をしておりますが、このゾーンディフェンスはどうなっていますでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  尖閣諸島周辺水域における外国漁船の監視、取締りについては、水産庁が漁業取締り船を派遣し、海上保安庁と連携しつつ、同諸島領海内で操業しようとする外国漁船の違法操業防止を図っているところでございます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 私が聞いたところによると、明示的ではないんですが、尖閣周辺の大正島などの東側を水産庁、魚釣島を中心とする尖閣の西側を海上保安庁がケアをしていると。  無論、東側の大正島の方であっても、中国の海警が来れば海上保安庁が任務に当たると承知をしておりますが、そのようなすみ分けでよろしいんでしょうか。

山戸義勝 海上保安庁警備救難部長

○政府参考人(山戸義勝君) お答え申し上げます。  海上保安庁では、常に尖閣諸島周辺海域に巡視船を配備して領海警備に当たっており、中国海警船への対応につきましては、相手勢力を上回る巡視船で対応するなど、万全の警備、領海警備体制を確保しております。  船艇の配備位置につきましては、警備上の観点で、詳細を差し控えさせていただきます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 これ極めてセンシティブなんですが、違法漁民と見られる方はとりわけ東側、これ、水産庁が真っ先に任務に当たるんですね。  ただ、問題は、漁船を装って、政治的意図を持ったいわゆる偽装漁船が、中国に今、これはほぼ民兵ですね、これが上陸を試みる可能性は否定できないと思うんです。  一部専門家から、尖閣を中国が事実上実効支配しようとするんだったら、水産庁がまず一義的に対応している大正島から上陸するんじゃないかという懸念もあるわけでございますが、防衛大臣、ちょっと急で申し訳ありませんが、こういったリスクは私常にあると思うんですけど、防衛大臣と同時に前農林水産大臣でいらっしゃいますので、この危機感というのは共有してもらえるでしょうか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 共有します。  隣にいる今の農水副大臣、佐賀の呼子出身で漁業には大変詳しく、水産庁で今連携して頑張っていると思いますし、今、水産庁、そしてまた海保、自衛隊も、この関係機関と緊密に連携をして、詳細は運用上の問題ありますから控えさせていただきますが、あらゆる事態に対応すべく、緊密な連携をこれからもしっかりとやってまいります。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 いや、水産庁は本当頑張っていると思うんですよ。本当頑張ってくれています。  この漁業監督官ですが、身を守るための小型武器というのは所持しているんですか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  漁業監督官は、自己防衛のための装備として、防刃防弾救命胴衣などは着用しておりますが、武器は携帯しておりません。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 漁業監督官、船長さんに聞いたら、もうあえて社名は言いませんが、いわゆる民間警備のようなこん棒とヘルメットと盾を持って、これで対応するんですと言うんですね。  本当に身の危険を感じながらも我が国の水産行政を守ってくれているのが皆さんなんですが、せっかく副大臣がお見えになっているので、この用船には行政職の漁業監督官が一名ないし二名乗っているんですが、民間船借り上げていますから、そこには民間人が乗っているんですね。  非武装で拿捕に臨まなければならないんですよ。民間人が十数名乗っている用船の、民間人を守る責任もありますし、何かあったら相手を拿捕しなければならない。これ、非武装で本当にできるんでしょうか。

山下雄平 農林水産副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(山下雄平君) ありがとうございます。  榛葉先生には、この水産庁の漁業取締りに当たっている皆さんに光を当てていただいて、本当にありがとうございます。  累次にわたって、この武器の携帯をすべきじゃないかというような議論、提案もございます。一方で、漁業取締官の武器携帯につきましては、職員の例えば訓練でありますとか、またそうした武器類の保管管理体制を船上で、船の上でどうやっていくのか、課題はたくさんありまして、またその点についてこれから慎重に検討していかなければならないというふうに思っています。  なお、安全を脅かす事態が発生した場合には、海上保安庁と緊密に連携して現在は対処しているところであります。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 純粋に、大和堆周辺もそうですが、物すごい数の違法漁船が中国から特に来ているんですね。これ漁民だったら、話合いで説得して、帰ってくれと、駄目じゃないかと言えばいいけど、私が心配しているのは、意図的に、いわゆる海上民兵のようなものが入ってきた場合や、もう目的が魚を捕るためではなくて上陸するためなので、そのときに、民間人を守り、日本の領海を守るためには本当に非武装でいいかという議論を始めないと、上陸されてはこれ取り返しが付かないと思うんですね。  今議論してきたように、漁業監督官というのは最も危険な任務を、海の最前線で身を挺して我が国の主権を守ってくれているわけでございますが、いわゆる警察官や海上保安官と同様に、逮捕権を持った、危険を伴う特殊な業務なんです。にもかかわらず、官船の漁業監督官が海事職、用船の漁業監督官は行政職、いずれも公安職の俸給表が適用されていないんですよ。  人事院にお伺いいたしますが、なぜこれだけ危険な任務をされている漁業監督官に公安職の俸給表が適用されないんでしょうか。

植村隆生 人事院事務総局給与局次長

○政府参考人(植村隆生君) お答え申し上げます。  公安職俸給表は、警察官、海上保安官など、犯罪の捜査その他治安の確保に関わる職務に従事する職員に適用されております。  一方、漁業監督官につきましては、先ほど水産庁から御答弁ありましたように、漁業に関する法令の励行を目的とする職務に従事する職員でございまして、司法警察員として漁業に関する犯罪の捜査を行うことはその職務に付随するものにとどまるということから、公安職俸給表は適用されていないということでございます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 お役所の論理通るかもしれませんが、現場で命を懸けている取締官、監督官にしたら、ちょっと勘弁してくれと。相当厳しい任務ですよ。警察官や海上保安官と何も変わらない。ましてや、どんなやからが日本の海を脅かそうとしているかも分からないのに、海の上でそれを守っているわけですから、私は、これしっかり、政治判断を入れても公安職の俸給表にするべきだと思うんです。  例えば、厚生労働省のいわゆる麻薬取締官、麻取と言われていますが、これ、特別司法警察権を持っている職員なんですけれども、いわゆる一般職の公務員と同じ行政職の俸給表です。ただし、相当危険な任務を伴うので、基本給に調整手当を付与されて、特別措置がとられているんですね。  百歩譲って、漁業に関する問題なんだから公安職の俸給表じゃないんだというんだったら、こういう特別措置を付して、漁業監督官の皆さんの現場を、生活を、そしてプライドを守るべきではないでしょうか。どうでしょうか。

植村隆生 人事院事務総局給与局次長

○政府参考人(植村隆生君) お答え申し上げます。  漁業監督官を含めまして、公務員が高い士気を持って職務に精励するよう適正な処遇を確保することは、国民の安心、安全な生活を実現する観点からも重要と考えてございます。  漁業監督官の給与、処遇につきましては、先生御指摘のとおり、水産庁から御要望をいただいております手当の拡大等につきまして、引き続き、水産庁から実情等を伺いながら、必要な検討を行ってまいる所存でございます。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 現場の漁業監督官や、とりわけ仲間を守っている船長さんの話をお伺いすると、船も相当老朽化したり、まだまだ装備もしっかりしてほしい、だけど、一番手当てしてほしいのは人なんですと。職員、仲間を守ってほしいし、仲間がプライドを持って頑張れる職場環境、それは俸給表が一番だと思いますよ。今、一部、充足率も足りていないんですね。この任務に勇気を持って志してくれる若者がいるから日本の海は守られているので、是非、人事院におかれても、そして政務三役の皆さんにおかれても、漁業監督官の処遇、待遇の改善、心からお願いをしたいと思います。  次に、漁業監督官が相手を拿捕する際に、これ逮捕術や制圧術、こういったものも必要になるんですが、この訓練というのはどのようになっているんでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  逮捕術や制圧術などに関する教育訓練につきましては、海上保安庁を始めとする関係機関において開催される訓練に参加させていただき、捜査の現場における漁業監督官の対応能力の向上を図るべく取組を行っているところでございます。  しかしながら、漁業取締り船の取締り行動、すなわち航海のスケジュール等の兼ね合いから、漁業監督官の教育訓練への参加については不定期かつ回数も限定的となっておりまして、今後は、教育訓練の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 高橋部長、前向きな答弁、ありがとうございました。  人も少ないし、シフトもあって、なかなか思うように逮捕・制圧術の訓練を、例えば最寄りの県警であり、とりわけ海上保安庁と共同訓練がやりたいんだけれどもなかなか思うように進まない。これも、人員配置やマンパワーの問題だと思います。  是非、乗組員、そして民間の方々を守る用船、そして官船の専門家たち、この方々の教育訓練をしっかりと充実をして、まずは身の安全を守ってほしいということを要望したいと思います。  次に、漁業取締り船の船上環境についてお伺いするんですが、これ、一度任務に出ると、ほぼ一か月、一か月半、もう陸に帰れません。で、シフトもあるんでしょうけれども、二十四時間ずっと緊張感なんですね。  例えば、聞いたら、大和堆に今三百隻、四百隻、こういった違法漁民がぶわっといるんですね。幾ら休めと言っても、緊張して休めないと。相当過酷な任務なんです。その際、唯一ちょっとした休みの際に、ユーチューブ見たり、ネットフリックス見たり、みんな現代っ子だから。しかし、今これWiFi環境が極めて悪くて、スターリンクで今つないでいるそうなんですけど、聞いたら、一人一ギガぐらいというんですね。これじゃ、メール送って終わりだ。ごめん、一人七ギガぐらいと言っていました、七ギガ。  これ、何とか、これ結局、船の上のストレスがどんどん大きくなると、職を離れていくんです。若しくは、どんな職業ですかと話を聞いたら、いや、とてもじゃないけど、そこの任務は遠慮しますと、違う公務員になっちゃう。ただでさえ海で働く若者が減っている中で、この漁業取締り船、漁業監督官になろうと思う若者のためにも、これ、住環境を改善するべきじゃないでしょうか。

高橋広道 水産庁漁政部長

○政府参考人(高橋広道君) お答えいたします。  水産庁では、業務上の必要性及び居住環境の改善を図るため、現在運航している漁業取締り官船に海上向け衛星通信サービスを導入してきたところでございます。  一方、漁業取締りに係る秘匿性を確保する観点から、通信サービスの利用に一定の制約を課さざるを得ないという事情はあるものの、委員御指摘のとおり、特に若い船員を中心に、洋上における通信のニーズが高まっていることに鑑みまして、今後も漁業取締り官船の通信環境の改善に努めてまいりたいと考えております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 これ、お金を掛けて容量を大きくすれば、必ずもっとネット環境は良くなるはずです。これ、海上自衛隊も海保も同じ悩みがあるんですが、ここにお金、税金を費やして、居住環境、そして若者の環境を良くしないと、人間が入ってこないので。で、恐らく水産庁が、これ一番最後になっていると思うんですね。  副大臣、今日来ていただいたのは、政務三役が責任を持って、これからの人材確保、そして環境整備、そのことをお願いしたいんですが、最後に一言ありますでしょうか。

山下雄平 農林水産副大臣 自由民主党・無所属の会

○副大臣(山下雄平君) ありがとうございます。  榛葉先生が累次御指摘いただいたように、この漁業取締官と言われる方々は、我々の海を守っていただき、それに相当なリスクをしょってその職務に当たっていただいております。  一方で、海上保安庁の皆さんと比べると、例えば、俸給表だけではなくて、手当の面であったり、また御指摘がありました調整額においても、じゃ、引けを取らないかと、胸を張って言える状況でないことは重々承知しております。  ですからこそ、人事院の皆さんにも理解を得ながら、そうした手当も含めて改善していけるように努力していきたいと思いますし、それがまた人員の確保につながっていくんだろうというふうに考えております。

榛葉賀津也 国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 あと、今日聞いていただいた茂木外務大臣も小泉防衛大臣も、まさに自民党のみならず我が国のこれからを牽引するまさにトップリーダーですから、是非、この漁業取締官、漁業監督官、そしてこの漁業取締り船の状況を御理解いただいて、少しでも漁業監督官と水産庁で頑張る職員を守っていただきたいということを心からお願いしたいと思います。  高橋部長、頑張ってくださいね。部長とかつてこの委員会で、ウナギのレッドリスト、このままだとウナギ食べれなくなっちゃうって、私お願いしたら、あのときの担当部長が高橋さんで、高橋さんを始めチームの皆さん頑張って、ウナギ食べれるようになった。レッドリストに入りませんでした。本当にいい仕事をやってくれたんで、引き続き、今度は漁政部長としても御尽力賜りますようにお願いしたいと思います。  終わります。

平木大作 公明党

○平木大作君 公明党の平木大作でございます。  今日は、安保三文書の改定ということを見据えながら、ちょっと大きなテーマなんですけれども、現代の戦争って一体どういうことになっているのかということを中心に議論させていただきたいというふうに思っております。  戦い方が変わったという表現はよく最近答弁でも用いられますし、我々も、視覚的にもそうなんだなと。かつての高価ないわゆる弾道ミサイルの撃ち合いとか高性能な戦闘機同士の戦い、これはなくなるわけじゃないですけれども、よりどちらかというと主戦場は、安価なドローンのスウォームの攻撃ですとか、そういう全く違うステージに移りつつあると、これはそのとおりだなと思うわけです。  ただ、じゃ、例えば今、この強大な陸軍国家であるウクライナがやっている戦い方が、そのまま日本に同じように侵略されたとしても通用するかというと、多分違う。あるいは、今有用だとされているようなドローンが半年もたつとまた次の世代に置き換わるみたいなことも含めて、少しちょっとやっぱり長いスパンで見る。あるいは、じゃ、日本に引き当てたときにどういうことなのかということは一旦ちょっと頭の整理をしておく必要があるんだろうと思っております。  そして、ウクライナの戦争ももう今五年目に入っているということで、やはりこのちょっと長いスパンで、今、現代の戦争ってどういうことなのか、その認識を基に、恐らくですけれども、今後の防衛力整備ということも進んでいくんだろうと思ってお伺いをしたいというふうに思っています。  まず、これ、小泉大臣にお伺いしたいんですけれども、この近年のウクライナですとかイラクの戦争を通じて、戦い方が変わったとされる現代の戦争、これ具体的にどう変わったのか、そして日本が得るべき教訓のようなものがあったら是非お聞かせいただきたいと思います。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 平木先生がお話をされたように、この新しい戦い方が世界で見られている中で、我々はそれを受けて新しい守り方を構築しなければいけない中で、単純に、ロシア、ウクライナ、また中東情勢などで起きていることをそのまま日本に持ってくるような、コピーするような発想ではいけないというのは全く同感です。幅広い検討をしなければなりません。  ただ、ドローンの活用や最先端の技術、これはAIも含めて、そういったことにどのように対応していくかという教訓というのは、これは、世界中が今、それぞれの国の新たな安保戦略の中で、必死で、その国同士で、その国それぞれの在り方を考えているところですし、まさに二〇二二年の前回の安保戦略から前倒しで改定をするという中では、この四年間のうちに変化をしたというのは、このAIも含めて最先端の技術が導入をされ始め、そのアップデートというのが極めて短いサイクルの中で繰り返し起こり続けると。そしてなおかつ、一度始まったらなかなか終わらない。  この継戦能力というのが、ドローンの生産能力なども含めて幅広く求められていることにつきまして、我が国としても、防衛生産・技術基盤というものをどのように強化していくべきか、これも継戦能力と直結をするものでもありますし、加えて今、AIの活用も含めて、ネット上なども含めて、認知戦、情報戦、何が本当のことで何がフェイクか、こういったことも極めて判断が難しいような情報戦の現場があること、こういったことについてもやはり幅広い検討をして、我が国がこれからも平和で繁栄していける、そして、決して新たな戦争を起こさせない、そのための抑止力の信頼性を高めるということが、今行っている政府挙げての三文書の改定、これについて必要なことだと捉えています。

平木大作 公明党

○平木大作君 今、小泉大臣から、現代の戦争というのは一度始まるとなかなか終わらないというような御指摘もありました。私も全くそのとおりだと思っております。  少し参考までに御紹介したい記事に、これ五月三十日付けのジ・エコノミストの記事で、訳するとなれば、今の、現代のテクノロジーが戦争という選択をより愚かなものにしているという、そういう記事がありました。とてもいいまとめだなと思って読ませていただいたんですけれども、端的に言うと、強いいわゆる軍事力を持っていれば簡単に戦争が勝てるかというと、もうそういう時代ではなくなったということの中で、まさに今大臣がおっしゃったような、始めるのは簡単なんだけれども、一旦始まってしまうと、これ、実際に長期化し、より高コスト化し、より勝ちにくくなっていると、こういうまとめ方をされておりました。  その中で、じゃ、日本としてどうしていくのか、今大臣からも答弁していただいたとおり、これ、そもそも戦争をより愚かなものにしているということと通じるわけですけど、やっぱりこれは戦争を起こさせてはいけない、そここそ我々政治家の仕事でもあると思いますし、そのための防衛力整備なんだというふうに思うわけです。  ちょっと具体的な議論に入っていきたいんですけれども、このエコノミストの記事の中でも指摘しているんですけど、やっぱり今の戦争、特にドローンですとかAIですとかそういったものの活用の中で、やっぱり兵士が身を隠すことが本当に難しくなったという指摘をしています。  この戦い方の変化というときに、やっぱり端的に言うと、AIですとかドローンといった、いわゆる無人アセットの活用ということがやっぱり現代どんどんどんどん行われているというわけでありまして、ちょっとここでやっぱり想起するのがLAWSの議論なわけです。これ、無人アセットとLAWSというのがなかなか、別物なんですけれどもやっぱりごっちゃにされる場合があって、このLAWS、自律型致死兵器システムということですけれども、これもう十年以上議論されているというふうに認識をしております。  この議論の場というのが、特定通常兵器使用禁止制限条約、いわゆるCCWの政府専門家会議で、これ今も行われているわけであります。このLAWSの法規制についての現状ということを外務省にお伺いしたいと思います。

松本恭典 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(松本恭典君) LAWSにつきましては、先生御案内のとおり、二〇一四年から、特定通常兵器使用禁止制限条約、いわゆるCCWの下で議論が行われてきておりまして、本年十一月に開催予定のこの運用検討会議に向けて、現在その下にある政府専門家会合、GGEにおいて、その定義、LAWSの定義ですね、それから特徴、国際人道法上の課題、規制の在り方等について議論が行われてきておるところでございます。  これらの論点につきましては、いまだ各国間で様々立場に隔たりがございます。そうした中で、我が国としましては、実効性のある規範の作成を目指し、米国、英国等とともに国際人道法に基づく禁止制限に関する作業文書を提出する等具体的な提案を行ってきております。  今後とも、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論を通じて、広く国際社会において共通の認識が得られるよう、LAWSに関する国際的な規範形成に積極的かつ建設的に参加していく考えでございます。

平木大作 公明党

○平木大作君 今御説明いただきましたけれども、これ、すごく分かりやすい言葉で言うと、LAWSというのは、人間の介入なしに目標を識別、選別、攻撃できる兵器システムと、こういう言い方をすると、多分、大体そういうものだねという合意ができるんですけれども、実際に、じゃ、法規制しようと、規制の文言にしようとした瞬間にやっぱりいろいろ止まってしまう。十年以上議論しているんですけど、なかなかまとまっておりません。  そして、今、後段のところ御答弁いただいたんですが、ほぼ全ての国が、いわゆる国際人道法はしっかりLAWSにも適用されるんだという大きなところはこれも合意ができているわけですけれども、それがやっぱり、じゃ、形にしようと思うとなかなかできないというわけであります。  そして、LAWSの定義というところでやはり止まってしまう一つの要因が、いわゆる無人アセットとの切り分けの部分なんですね。ルール形成しなきゃいけないということで議論続くわけですけれども、この無人アセットとLAWS、どこで線引くのかみたいなところで、片や、この現実の戦場の中で無人アセットは今使われ、そして各国においても必要だということで整備が進むわけですけれども、そことの切り分けが付かないままに今とにかくやらなきゃいけないということがやはり私一つ危惧として持っているわけであります。  現在の様々な場での議論、私なりに整理をすると、これやはり意味ある人間の関与、ミーニングフル・ヒューマン・コントロールという言葉が当てられていますけれども、つまり、人間が単純にボタンを最後押すのか押さないのかということではなくて、人間が攻撃判断にちゃんと責任を持てる程度に関与しているかどうか、ここでしっかりと線を引かなきゃいけない、ここの切り分けが最後問われているんだろうというふうに思っております。  そこで、改めて小泉大臣にお伺いをしたいんですけれども、日本も今このSHIELD構想というものの中で、いわゆるこの意味ある人間の関与をこの無人アセットにどういう形で適用していくのかということを検討されているというふうに思っています。やはりここを外してしまうとLAWS一直線になってしまうわけでありまして、じゃ、この意味ある人間の関与をどうやって制度的、技術的に担保するのか、お考えをお伺いしたいと思います。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 重要な論点だと思います。  アメリカのインド太平洋軍司令官であるパパロ海軍大将は、AIを習得し、その能力を実際に活用した者が二十一世紀における優位性を得ることになると、こういうふうに発言をしています。  そういった中で、今、平木先生から御紹介ありましたSHIELD構想、我々は進めていきますが、我が国として人間の関与が及ばない完全自律型の致死性を有する兵器の開発を行う意図は有していないとの立場を明確にしています。  当然のことながら、防衛省が国際法や国内法により使用が認められない装備品の取得や研究開発を行うことはなく、SHIELD構築のために導入する無人アセットについても同様のことであります。  引き続き人間の関与をしっかりと確保するとの考え方の下、取り組んでまいります。

平木大作 公明党

○平木大作君 改めて確認なんですけれども、実は防衛省の、装備庁のAIガイドラインというんでしょうか、昨年発表されたものの中でこのLAWSについて書いていまして、この完全自律型致死兵器の開発、使用は認められないと、こう文言化されているわけであります。今回のこの安保三文書の改定においてもこの原則というのは維持されると考えてよろしいんでしょうか。

萬浪学 防衛省防衛政策局長

○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。  先ほど大臣からもございましたように、今後の三文書につきましては現在検討中でございますので現時点で結果を全て予断することはできませんけれど、防衛省のこのAIガイドラインにつきましては、私どもとして一度決めていることでございますので、この方針に沿いながらやってまいることとなると考えてございます。

平木大作 公明党

○平木大作君 よろしくお願いいたします。  もう一つ、次の論点なんですけれども、この技術革新以上にというか同等にというんでしょうか、懸念されているのが、今、国際人道法の軽視という論点であります。ある意味だんだんだんだん国際人道法が軽視されることによって規範力そのものが下がってきているんじゃないかという指摘がされております。  本年は、先ほども取り上げましたLAWSの規制の論議においても制度設計の重要な年というふうに位置付けられておりまして、まさに、今年何とか一つの方向性なり形を見ないとなかなかこの先がないんじゃないかという危機感を持って今議論をされているわけでありますし、他のテーマでも、例えば戦争における人間性、こういうテーマのハイレベル会合なんかも今後予定をされているわけであります。  これ、やはり国際人道法の遵守強化に向けて、これは日本の出番だというふうに思っておりますけれども、どんな役割を果たしていかれるのか、お伺いをしたいと思います。

三宅史人 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(三宅史人君) お答え申し上げます。  我が国は、全ての紛争当事国による国際人道法の遵守、これを重視をしてきておりまして、国際人道法を含む国際法に従って対応等を直接要請をするなど、これまでも関係国に対して働きかけを実施してきているところでございます。  その上で、御指摘のございました自律型致死兵器システム、いわゆるLAWSにつきましては、国際人道法を含む既存の国際法、これが適用されるべきとの立場から、国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加してきているところでございます。  また、戦争における人間性についても言及がございました。これにつきましても、関しまして、赤十字国際委員会、ICRCが推進する国際人道法グローバルイニシアティブに対しましても、我が国として参加をしてきているというところでございます。  我が国といたしまして、国際社会と連携しつつ、国際人道法の遵守、これの強化に向けた議論に積極的、建設的に役割を果たしていく所存でございます。

平木大作 公明党

○平木大作君 先ほど紹介したエコノミストの記事に寄せて言いますと、この現代の戦争の幾つかの特徴の中でやはり書かれていますのがこの戦争法規の危機ということでありまして、ここでちょっとキーワードになっているのがテピッドリーガーリティーと、生ぬるい合法性という言葉なんですね。何でこんな言葉をあえて使っているかというと、最近、いわゆる西側の民主主義国のリーダーにこの国際規範の軽視が目立つという文脈の中で実は出てくる言葉でありまして、これ、実は小泉防衛大臣のカウンターパートであるアメリカのヘグセス国防長官が実はよく使う言葉なそうなんです。  アメリカは今、力による平和ということをある意味正面から掲げているわけであります。日本として単純に賛同できる概念ではないと思いますけれども、一方で、この米国抜きに世界の平和と安定ということは語れないというのが現実なわけです。この中で、この世界の紛争だったりもめ事を全て力で解決するわけにはいかないという中にあって、この改めてルールに基づく国際秩序の守り手に私は日本がなっていただきたい、そこをしっかりまた役割、これは茂木外務大臣にも是非お願いをしたいというふうに思っております。  次の問いに行かせていただきたいと思います。  ちょっと視点を変えまして、北朝鮮に関する問いを幾つか取り上げたいと思うんですけれども、北朝鮮が、ちょうどこれ最近報道でも出ていましたけれども、六月の八日、九日と、これは中国の習近平主席による七年ぶりの訪朝ということがありました。北朝鮮が最近ちょっと独特の、独自の存在感を放っているというふうに思っております。  一つは、これ、先般ニューヨークで行われていたNPTの運用検討会議、ここでも、残念ながら三回連続でこの最終文書の採択ということができなかったわけですが、このNPTの議論の実は一番の勝者は北朝鮮だというような指摘もあります。要するに、このNPTに元々入っていたわけですけれども、そこに、ある意味勝手に脱退を表明して、以後、国際社会からのいろんな非難があったわけですけれども、核開発とミサイル開発に邁進をして、今や核においてもミサイルにおいてもかなりの技術を獲得するに至っていると。  様々な経済制裁等ありますから、国民が窮乏するとかいろいろあるわけですけれども、ここのところ、例えばロシアのウクライナ戦争に協力をするような形ですとか、あるいは中国との経済関係等で、だんだんだんだんある意味立ち位置が良くなってきたんじゃないかということが実は言われております。  これ、アメリカのフォーリン・アフェアーズ・リポートってあるんですけど、最近の号の中に北朝鮮は本当に失敗国家なのかという記事が載っていまして、アメリカが今北朝鮮をどう見ているのかということを端的に示した記事だと思っているんですけれども、いろいろ制裁してきたけれども、どんどんある意味このいわゆる制裁に対する耐性を高めて、独自の立場を固めつつあるねという読み物になっています。  もはや、この間のこの中朝の会談の中でも、中国の習近平国家主席は結局この核の問題には触れずじまいだったと言われておりますし、ロシアの側もある意味容認するような立場、ここにアメリカももしかすると見方を変えてきているのかもしれないという、こういう危機的な状況が恐らく北朝鮮についてあるんだろうというふうに思っております。  改めて、この前回の国家安全保障戦略の中では北朝鮮のことを脅威という形で明記しているわけですけれども、今の北朝鮮の現状、どう認識しているのか、お伺いしたいと思います。

野村恒成 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(野村恒成君) お答え申し上げます。  北朝鮮、近年も弾道ミサイル発射等を繰り返すなど、核・ミサイル開発を継続しているところです。委員御指摘ありました国家安全保障戦略にあるとおりでございますけれども、こうした北朝鮮の軍事動向については、我が国の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっているという認識でございます。  さらに、この近年の北朝鮮をめぐる情勢ということでございますけれども、北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣ですとか、あるいはロシアによる北朝鮮からの弾道ミサイルを含む武器、弾薬の調達及び使用といったロ朝の軍事協力の進展、これは、ウクライナ情勢のみならず、我が国周辺地域の安全保障に与える影響という観点からも深刻に懸念すべき動向であるというふうに認識しております。  政府としては、こうした北朝鮮をめぐる情勢につきまして、引き続き重大な関心を持って情報収集、分析に努めていくという考えです。

平木大作 公明党

○平木大作君 そこで、今日一つ、最後のもう問いになるんですけれども、改めて、北朝鮮と向き合うときに、このEUとの連携というのをしっかりやっぱり私はやるべきなんじゃないかというふうに思っております。  先ほど申し上げたように、この中ロ、そしてもしかするとアメリカもこの一つ見方を改めつつあるかもしれない中にあって、今、ヨーロッパというのは、むしろ北朝鮮に対する態度を硬化させているというふうにも言われています。これまでの核に対する見方も含めて厳しいものは実は一貫しているんですけれども、特にロシアのウクライナ侵略を北朝鮮がバックアップしているということに関して、むしろ見方が厳しくなってきているということでありまして、これから日本が北朝鮮と向き合う中で、このEUのルートをしっかり使うというのは欠かすことができないんじゃないかというふうに思っております。  とりわけ、ヨーロッパの中には、もう指摘するまでもありませんけれども、外交関係を北朝鮮と維持しているところもありますし、これまでの歴史的な中でも、スウェーデンのように、ある意味この西側諸国との窓口になっていろいろやってきた国もあるわけであります。  そういったところとの連携の中で、北朝鮮との関係についてしっかりと日本としても主張を通していく、こういった姿勢大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

野村恒成 外務省大臣官房審議官

○政府参考人(野村恒成君) お答え申し上げます。  核・ミサイル問題、あと拉致問題、これも含めて、北朝鮮への対応については、国際社会との緊密な連携、これが重要でございます。  こうした認識の下、今ヨーロッパについての御指摘ございましたけれども、政府として、例えば今年の三月、日・EU外相戦略対話ですとか、あるいは本年の四月にNATO加盟国常駐代表の訪日と、そういった機会を活用しつつ、EU、NATO、あるいはそれぞれの加盟国、スウェーデンへの言及もございましたですけれども、それぞれの加盟国との間でも北朝鮮をめぐる情勢について意思疎通を行うとともに、緊密な連携を確認してきているところでございます。  今後とも、北朝鮮への対応につきましては、関連する安保理決議の完全な履行ということを求めることも含めて、EU、NATO、またそれぞれの加盟国を含む国際社会との緊密な連携ということを続けていく考えです。

平木大作 公明党

○平木大作君 核、ミサイル、そして拉致問題、いずれも残された時間そんなに長くないと思っておりますので、しっかりお取り組みいただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。  今日、私、四月も取り上げましたけれども、この安保三文書の見直しの中での非核三原則の扱いについて、改めて両大臣に質問していきたいと思います。  今朝の新聞に、ちょっと驚いたいい記事が載っていました。昨日、防衛大臣、交詢社オープンフォーラムというところで講演をされたということで、こう言っているんですね。激変する国際環境の中で、有事を想定する危機感が欠如している。日本は欠如しているということでしょう。で、あらゆる分野で日本の防衛政策は平時に最適化され過ぎた、いかに変えるかが大きな壁の一つだと。すばらしいポリシーだと思います。私も、その理念に賛同します。  さあ、そこで、四月十四日の質疑で防衛大臣は、非核三原則の持ち込ませずについて、二〇一〇年の当時の岡田外務大臣答弁を引き継ぐと明言されました。もう一回述べますが、改めて、岡田答弁というのは、緊急事態に核の一時寄港を認めなければ日本の安全が守れない場合、そのときの政権が命運を懸けて決断し、国民に説明するという考え方ですね。大原則なんですが、つまり、政府は有事の例外を公式に認めてしまっているんですね。  大臣は、私のほかの質問に対しても、いかなる対応を取るか明らかにしてしまえば国の安全を害するとも述べているんですね。つまり、戦略的曖昧さの論理で答弁をされているわけです。  この防衛政策における戦略的曖昧さを認めるのであれば、なぜ持ち込ませずだけは断言し、その手のうちを明かしてしまうんでしょうか。例外があり得るのに、判断基準も、日米の政府による決定基準も、あるいは国民への説明も定めず、曖昧に放置することこそ無責任だと私は思います。  もし持ち込ませずを今後も堅持するのであれば、その手順を平時のうちに安保三文書等に明記すべきだと考えますが、防衛大臣の見解を求めます。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。  私の講演、交詢社フォーラムのは、昨日と言われましたけど、おととい、日曜日に講演をした内容であります。温かい後押し、ありがとうございます。  その危機感に基づいてしっかりと進めていきたいと思いますが、今松沢委員からお尋ねのありました非核三原則につきましては、政府としては、従来からお答えしているとおり、非核三原則を政策上の方針として堅持しております。また、持ち込ませずにつきましては、二〇一〇年当時の岡田外務大臣答弁、これを引き継いでいくというのも述べているとおりです。  そして、その上で、三文書の改定に当たりましては、その具体的な内容について、今後検討を進めていくものであり、現時点で予断することは差し控えますが、一般論として申し上げれば、自衛隊の運用など、我が国が安全保障上取るべき対応の中には、いかなるケースでいかなる対応を取るかを具体的に明らかにすることで対抗的な措置をとられることなどにより国の安全を害するおそれがあることから、安全保障上控えなければならない内容があることは当然のことであり、この考え方に変わりはありません。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 大臣、ちょっと更問しますけれども、この岡田答弁というのは私、大きな問題があると思うんです。このやり方では、緊急時に安保条約上の事前協議を求める声が日本からもアメリカからも上がってしまう可能性は絶対あるんですね、これ。そうなってしまえば、混乱してしまって即断ができずに対応できない可能性が大きいんです。これ、危機管理上極めて無責任な政策だと思いますよ。  持ち込ませずに岡田答弁で対応するということは、拡大抑止を確立する上では極めて不適切で、日本の核抑止力を低下させるだけだというふうに思いますが、この岡田答弁の問題性についてはいかがお考えですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 岡田外務大臣の答弁、もう一回御紹介をさせていただきますが、緊急事態ということが発生して、しかし、核の一時的寄港ということを認めないと日本の安全が守れないというような事態がもし発生したとすれば、それはそのときの政権が政権の命運を懸けて決断をし、国民の皆さんに説明する、そういうことだと思っておりますというのが岡田外務大臣の答弁であり、まさにこれを引き継いで、非核三原則の中で我々としては戦略の中でも対応していくと、こういった基本的な方向性だと御理解をいただければと思います。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 もっと国民の皆さんに分かりやすく端的に聞きますが、それでは、大臣、持ち込ませずというのは、米国の拡大抑止、ひいては日本の核抑止力を低下させると私は考えているんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) この拡大抑止の実効性、これが重要だということは全く同感であります。  この拡大抑止の実効性を恐らく松沢委員は問うているということだと思うんですけれども、それは特定の装備品の我が国への持込みの可否だけで決まるものではないと考えています。つまり、アメリカが核を含むあらゆる能力を用いて日米安保上の義務を果たす意思と能力を明確にし、日米間で緊密に意思疎通を図り、我が国自身も防衛力を強化していく、これらによって全体として抑止力の信頼性を高めていくことが重要だと考えています。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 ちょっと二つ目の質問を抜いて、時間もないので三つ目の質問に行きますけれども、今、答弁もいただきました。  改めて問いますけれども、前回、私が端的に同じ問いを大臣にぶつけました。で、大臣、今日もお答えになりましたけど、大臣の答弁は、まず、非核三原則は堅持しますと、岡田答弁を踏襲しますと、不断の検討を進めてまいりますと、この三点セットなんですね。私は、これでは激変する核兵器の脅威に日本は対応できないと思っています。  私は、日本を核戦争の脅威から守るために、非核三原則のうち、当然、日本は戦争被爆国ですから、持たず、作らずは断固堅持するのは当然だと思います。しかし、三つ目の持ち込ませずというこの形式論を絶対視するのではなく、敵に核を撃ち込ませないという究極で最大の抑止力の確保へと私は国是をアップデートすべき非常に重要な機会を迎えていると私は思っています。  まず、どういうことをやっていくかというと、持ち込ませずの硬直的運用の見直し、日米拡大抑止協議の閣僚級への格上げ、そして危機時の手順の明確化、そして危機時の反撃能力の強化、さらには国会への報告と文民統制の制度化、こういう政策をパッケージとして撃ち込ませずというのをしっかりと打ち出す時期だというふうに思っています。  これ、両大臣に見解を伺いたいんですが、本年末までのこの安保三文書の改定で、持ち込ませずから撃ち込ませずへの転換を正面から検討することを、外務大臣、防衛大臣に私は強く求めたいと思いますが、両大臣の見解を伺います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 委員の御指摘はよく理解しているところでありますけれど、持ち込ませずと核抑止力を含みます米国の拡大抑止、これというのはイコールではないということは、概念としてもかなり広い概念であると、後者の方が、ということはお分かりいただけるんではないかなと思っております。  非核三原則を堅持する、そして岡田答弁、これを引き継ぐ、その上で、国際社会及び日本を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増す中、強固な日米同盟の下、もちろん日本としての防衛力をしっかりと強化する、これが大前提でありますが、同時に、核抑止力を含みます米国の拡大抑止の信頼性これまで以上に強化していくための方策、これを不断に検討していくというのは当然のことだと思っております。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 松沢先生の撃ち込ませず、この抑止力をしっかり持たなければいけない、これはそのとおりです。  直近でも、先週六月八日から九日にかけて拡大抑止協議を開催をして、地域の核の脅威の増大を踏まえ、日本の防衛政策や防衛能力、アメリカの核戦力の現代化等の取組、日米間の調整と相互運用性の強化、そして戦略的メッセージングといった事項について日米で協議をしたところです。また、御指摘の閣僚級の関与につきましても、令和六年七月には拡大抑止に関する日米閣僚会合を実施したところで、必要なレベルで日米間の意思疎通を重ねてきているところです。  こうしたことに加えまして、先生御指摘の反撃能力を含む我が国自身の防衛力の強化、日米間での危機時の連携、文民統制の在り方などについても不断に検討を行い、何よりも我が国への攻撃を思いとどめさせるため、必要な取組を着実に進める必要があると考えています。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 両大臣のおっしゃることよく分かるんですが、ただ、今持ち込ませずというのを削除する必要はないと、でも、その他様々、撃ち込まれないようにいろいろな検討はしていきましょうよと、こういうことですよね、やっていく。  そうであれば、持ち込ませずをこれ削除するとなると、相当な政府の方にも説明責任が必要だと思いますし、今までの政策を変えるわけですからね、持ち込ませずそのままにして、第四原則に撃ち込ませずという核抑止の究極の目標をしっかり入れるべきじゃないですか。そうすることによって核抑止のための政策を日本独自としても、アメリカと連携してでもしっかり確立することができると思うんですよ。いかがでしょうか。撃ち込ませずというのを第四原則にする、両大臣に簡単でいいですから答弁いただきたいと思います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 松沢先生は、撃ち込ませずと、こういう言葉を使っておりますけれど、先ほど申し上げたのは、我が国としての防衛力、これを抜本的に強化して、攻撃に伴うコストというものを、これを高めていく、同時に、米国の核抑止を含みます拡大抑止、この信頼性を高め、日米同盟を更に強化していく、このことが極めて重要だと、こんなふうに考えております。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 撃ち込ませずというのが、抑止力をしっかりと高めて、そのことによって新たな戦争を起こさせないと、こういったことであるならばそれはそのとおりですし、抑止力は意思と能力によって構築をされるものだとすると、まさに日本の意思が誤解をされず、その能力を日本の自前で持つことと、日米の揺るぎない抑止力を、同盟関係をしっかりと発展をさせて強化をすること、そして同志国の連携を更に今まで以上に強固にすること、こういったことを通じて、まさに松沢先生がおっしゃるような新たな戦争を起こさせないようにすることこそこの三文書の改定の中で必要なことだと思っておりますので、その点では一致していると思います。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 両大臣とも、撃ち込ませずに対する政策しっかりやっていこうよという答弁なんですよ。  これ、大原則にしたらいいじゃないですか。持ち込ませずだけじゃ弱いし、誤解も与えるし、いざ危機になったときに日本守れない可能性もあるんですよ。持ち込ませずと撃ち込ませず、比べてみてください。日本を究極的に守る原則は撃ち込ませずですよ。持ち込ませずだけじゃ守れないんですよ。そうでしょう。持ち込ませなくても、撃ち込まれたら終わりなんだから。だから、撃ち込ませずという原則を入れない限り、日本の核抑止、拡大抑止というのは成立しないんですよ、しっかりと。このところをしっかり議論をしないと、今の安全保障環境の中で日本はこの核の脅威に対抗できないと思うんですね。  最後にお願いいたしますが、是非とも三文書の見直しの中で、今各党で議論していると思います。与党でも議論して、提言を出します。その中で、非核三原則の見直しを絶対に逃げないで、日本が核戦争に巻き込まれない、しっかりとした抑止力、米国との拡大抑止が確立できる、そういう私は三原則なり四原則にしていただきたい。心からお願いをして、質問を終わります。  以上です。

松田学 参政党

○松田学君 参政党の松田学でございます。  最近、ナラティブ戦という言葉がよく使われるようになりまして、新型の軍国主義というナラティブ、話題になったりしていますけれども、今回はそれに、歴史認識といいますか、歴史ナラティブ戦ということにつきまして、これ、我が国の安全保障や主権に関わる大きな問題だということで大変心配する声があちこちから上がってきていますので、その声を受けまして、この委員会で外務大臣に御認識や日本の対応について幾つか質問したいと思っております。  まず、昨年、二〇二五年は中国にとって抗日戦争勝利八十周年、反日歴史映画がいろいろ上映された年でありまして、また、九月三日に北京の天安門広場で抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利八十周年記念軍事パレード、ロシア、北朝鮮含めて二十六か国の首脳が参加しまして、中国共産党がファシズムの日本と戦って勝利を収めたというナラティブが誇示されたと。この場に日本の友好国でありますインドネシアのプラボウォ大統領とかマレーシアのアンワル首相も参加していたと。これ、石破前政権時代のことではありますが、参加国が中国共産党の反日歴史認識を認めたことにならないかと、我が国外交の敗北ではないかという声があります。  高市政権として今後どのようにこの事態を挽回するのか、また、第二次世界大戦に際して中国において日本軍と戦ったのは当時の中国国民党であって、中国共産党がファシズムの日本と戦って勝利を収めたという物語も史実と異なっているということを日本は国際社会に対してもきちんと発信すべきではないかと考えますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 松田委員の御指摘、これは理解いたしますが、事実に基づいて冷静かつ毅然に対応し、こちらから事態をエスカレートさせようとはしていない、こういった姿勢を示すことが私は国際社会からの信頼につながると考えております。この意味で、相手の土俵で論戦をすることは必ずしも正しい舞台設定ではないと、こんなふうにも思っているところであります。  その上で、我が国は、決して戦争の惨禍を繰り返さない、こういう決意の下に、戦後八十年、自由で民主的で人権や法の支配を尊重する平和国家としての道を一貫として歩いてきたと。これは誰から見ても事実なわけですね。戦争も一度もしていないのは事実なわけですよ。そして、自由、民主主義を守ってきた、これも事実でありまして、この事実、これは世界各国にも十分理解していただけていると、このように考えております。  決して、例えばマレーシアであったりとか、さらにはインドネシア、外相等と話をしますけれど、日本がファシズムに戻っているとか、そんな話は私は少なくとも一度も聞いたことはありません。

松田学 参政党

○松田学君 ありがとうございます。  今年の二月十四日にドイツのミュンヘン安全保障会議で、王毅中国外務大臣が演説で、ドイツは戦後、ファシズムに対して全面的な清算を行い、ナチズムを宣揚することを禁止する法律を制定したのに対し、日本は反省しておらず軍国主義を復活させていると述べていまして、これについて日本政府の反論は、日本は戦後ずっと平和国家としての道を歩んできた、日本の防衛力強化は、厳しさを増す安全保障環境に対するものであり、特定の第三国を対象としたものではないという、そういう反論をしております。  日本政府の反論はそのとおりですが、そもそも日本はナチズムを禁止する法律を制定したドイツとは歴史的状況が異なっていまして、戦後より戦争放棄の度合いの強い日本国憲法を制定して、現在でも、たとえ国際貢献のためであっても武力の行使には強い制約が掛かっていると、また現在の防衛力強化も、どの国もが有する国家主権としての自衛権を行使するために必要な範囲のものであって、今後とも侵略戦争というのは考えられない。  他方、日本の防衛力強化の必要性の最大の要因が、近年における中国の顕著な軍事力の増強にほかならないわけでして、こうした日本の立場や状況について、中国のナラティブに対抗できるだけの理解が国際社会にどの程度浸透しているのか、外務大臣の御認識を伺いたいと思います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 私が前回外務大臣務めていたのは六年前から四年前でありますけれど、その当時と比べて、世界は今、パワーバランスの変化であったり、紛争、対立の激化を受けて、戦後最も大きな構造的な変化の中にありまして、安全保障環境も一段と厳しさを増していると、このことを実感をしております。  こうした中、我が国を取り巻きます安全保障環境の変化に適切に対応していくためには、我が国自身の主体的な判断に基づいて防衛力の抜本的強化を進めていく必要がある、国民の生命、財産をしっかりと守り抜く、領土、領海、領空をしっかりと守る、これは国としての当然の責務である、こんなふうに考えているところであります。  また、我が国は、先ほども申し上げましたが、戦後一貫して平和国家としての道を歩み、国際社会の平和と安定、繁栄に取り組んできました。こうした一貫した外交姿勢を堅持する日本への期待は間違いなく高まっていると考えているところであります。  これまで、私自身、外相会談を始め様々な機会を捉えて、我が国周辺の安全保障環境の変化であったり、我が国の基本的な外交・安全保障政策についてしっかりと各国に説明をしてまいりました。引き続き、我が国の立場や政策について、国際社会への発信に努めていきたいと考えております。  日本として様々な国に対して協力をする、支援をすると、そういった中で、違う、第三国からの支援等もあるんですけれど、それは、何というか、単なる量の問題ではなくて、質であったりとか、それから継続性であったりとか信頼性、そういったものも含めて日本が相手の国を大切にしている、こういったことというのは私は伝わっているのではないかなと考えておりますし、そういった努力というのはこれからもしっかりと続けていかなければならないと思っております。  確かに、厳しい国ですと海外からの支援等が必要になってきます。例えば我々G7にしてもそうでありますけれど、我々が何か新しい選択肢を示さないと、支援策を示さないと違う国が支援策を示すことによって結果的に影響力を強めてしまう、こういう事態を避けることが極めて重要だと、こんなふうに考えております。

松田学 参政党

○松田学君 時間の関係でちょっと問い三はすっ飛ばしまして、次にちょっと沖縄の話なんですが、二〇二五年十月九日の国連総会第三委員会で中国の国連次席大使が、沖縄の人々ら先住民に対する偏見や差別をやめるよう日本政府に促す発言をしておりますが、沖縄住民が先住民であることを示すエビデンスはございませんですね。言語分析とかDNA解析、文化面等においてもそういうエビデンスはない、また沖縄県議会からも、沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を求める決議が出されておりまして、学術研究面からも沖縄の自己認識の面からも先住民説は否定されるべきであるにもかかわらず、こういう発言が出ていると。  歴史ナラティブ戦を仕掛けている中国の状況にも鑑みますと、中国は沖縄を国連が定めている十七の非自治地域に組み入れようと試みているのではないかと心配する声が一部から出ております。そのような心配はないのか、そうならないよう日本政府として何らかの対応を取っているのか、もし仮にそのような動きがあった場合どう対処することになるのか、御答弁をいただきたいと思います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 我が国として、沖縄県出身者の方々、先住民又は先住民族であるとの認識は有しておらず、私もそのような考えを国内で一度も聞いたことありません。また、海外の外相、カウンターパートからもそういった話が出たことは一度もありません。  こうした我が国の考え方については、国連の場を含めて国際社会において累次にわたり説明をしてきているところであります。委員御指摘の昨年十月の国連総会第三委員会における中国の発言については、当該委員会において我が国から適切に反論を行っております。  そして、非自治地域の議論については、我が国として随時情報収集に努めておりますが、現時点では、委員御指摘のような国連が定める十七の非自治地域に沖縄を組み入れようとする動きがあるとは承知をしておりません。  せっかくの質問ですから丁寧にお答えをさせていただいたと思うんですけれど、こういった議論をあたかもこの国会でやっているということがどういう影響を持つのかということもよく考えながら議論は進めなければいけないと私は思っております。

松田学 参政党

○松田学君 ありがとうございます。  それから、中国の人民日報や研究機関等が出している論文で、サンフランシスコ講和条約を認めず、カイロ宣言やポツダム宣言を根拠として沖縄の地位未定論というのがしばしば提起されていますが、中国政府の公式発言ではありませんが、こうした内容を発信すること自体がナラティブ戦の典型的な手法であるとも言えるわけでして、この事態を放置しておきますと、日本の領土、主権に関わる重大問題となりかねないのではないかという声も出ておりますが、これについては御見解いかがでしょうか。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 我が国の政策や立場に関して事実に反する主張がなされた場合には、その内容であったりとか主体にもよるわけでありますが、日本政府として適切に反論、発信をしてきておりまして、今後ともその方針は変わらないと、このように考えております。  先ほど来の繰り返しになるんですが、日本で先住民であったりとか、そういう議論って一切ないわけですよ。私もほかの国のカウンターパート等から聞いてそういう話も出ていないという中で、その話を殊更取り上げることがいいのかどうかということは判断が必要ではないかなと思っております。

松田学 参政党

○松田学君 そのような御答弁ですが、大変心配をしている方々がいらっしゃるので、大臣からの御答弁で安心させたいと思っておりますが。  あと、中国は、問い三の方に戻りますと、史実とは異なる歴史物語を展開するということが結構多いんですけれども、現在、外務省は、中国がこうしたプロパガンダを発する目的をどのように認識していて、どのような戦略で解決に取り組んでいるのかと。中国が発信する歴史物語が国際社会に広がったときのリスクを想定して対応しているのかどうか、この辺りについて少し御答弁いただきたいと思います。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 中国の意図、いろんな考え方、分析あると思うんですが、では、どうだと言うことがプラスになるかどうかということを考えますと、そのコメントは控えたいと思いますが、いずれにしても、御指摘のような中国の動向については認知をしておりまして、注視をいたしております。  また、認知戦というもの、これ、新たな戦略領域の一つであると、このように認識をしておりまして、一方的に言われ続けると、それがあたかも事実のようになってしまう、こういったことはあってはならない。ナラティブですから物語なんですよ。それが、聞いているうちにあたかもそれが事実のようになってしまうということはあり得ないということでありまして、日本政府としては、我が国の政策や立場に関して事実に反する主張、これがなされる場合にはしっかりと反論してきておりまして、今後もその方針に変わりありません。  引き続き、様々な機会や手法を活用して、我が国の考え方を説明、発信をし、国際社会において正確な理解が浸透するような取組を行っていく考えであります。  国際会議等の場、いろんな人が聞いている場においてどう反論するかという言い方もあります。一方で、バイ会談においてどういう言い方をするかと。かなりこれ違ってくるんですね、実際のところは。どう打ち込みをするかということも含めて、それぞれの機会等々を捉えて、どういう発言が言ってみると相手に一番刺さるかという観点から議論を行わせていただいております。

松田学 参政党

○松田学君 最後に、参政党もスパイ防止法案というのを提案したりしていますが、その中で重視していますのが、海外からの影響工作をどう排除するかということなんですが、ナラティブ認知戦は日本国内外の世論に働きかける世論戦であるというのはもう御承知のとおりでございまして、特に歴史物語は人々の心に浸透しやすいと、その影響力は大きいということを考えますと、日本政府のこれに対する対処能力そのものを高める必要があるのではないかという意見があります。  日本の国家としての存立の上でも重要な問題ではないかということで、日本政府内における司令塔を定めて、体制を整えて本格的に対処すべきではないかという意見がありますが、その必要性について大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 申合せの時間が参りましたので、簡潔に御答弁をお願いいたします。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 適時適切な発信を行って、情報操作の余地狭めていくことが重要であると思っておりますし、当然、政府一体となって、情報収集、分析の充実であったりとか正確な情報発信の強化に努めてまいりたいと考えております。

松田学 参政党

○松田学君 今申し上げたように、歴史ナラティブ戦への対応は、日本の主権を守る上で極めて重要であることは申すまでもないことですので、適時適切な御対応をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  六月二十二日から実施される米軍主催の多国間訓練、バリアント・シールド、また、九月に予定される米豪共同訓練、オリエント・シールドのために、米陸軍のミサイルシステム、タイフォン及びHIMARSを鹿児島県鹿屋基地で展開するとされます。資料をお配りしております。  タイフォンは、敵基地攻撃可能なトマホークや対空迎撃ミサイル、SM6を運用する車両搭載型のミサイル発射装置です。HIMARSは、車両一体型の高機動ロケット砲システムとされます。これを訓練に参加させるのは、日米一体の攻撃態勢を示すものであり、とんでもないと考えます。  その上で、防衛大臣に伺います。  この資料を見ますと、鹿屋からの撤収後、在日米軍基地に保管とあります。どこにいつまで保管させるのでしょうか。これは正式配備という意味でしょうか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) まず、我が国周辺の安全保障環境が一層厳しく複雑になる中、我が国への武力攻撃そのものを抑止するため、日米同盟の抑止力、対処力を強化していくことが重要だと考えていますので、その点から、前提となる認識が違うということで、まずその点を踏まえた上でお答えさせていただきます、先生はその真逆の理解なので。  こうした状況を踏まえまして、今月二十二日から実施されるバリアント・シールド二〇二六等の日米共同訓練に参加するため、アメリカ陸軍のミサイルシステム、タイフォンとHIMARSが海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開します。今般の取組はあくまで訓練参加に伴う一時的な展開であり、本年九月に実施される日米共同訓練、オリエント・シールド終了後に鹿屋航空基地から撤収します。その後、在日米軍施設・区域に保管される予定ですが、アメリカ側からは日本への恒久的な配備ではないとの説明を受けています。  防衛省・自衛隊としては、このような高い機動性を有する米軍のアセットを自衛隊施設に一時展開させ、共同訓練を積み重ねることは、米軍の機動展開能力を向上させるとともに、日米の即応性や相互運用性を向上させるものと考えておりますので、引き続き日米で連携して取り組んでいきたいと思います。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 前提認識が違うとおっしゃいましたけれども、抑止力、対処力の向上だとして相手に対してこれだけの攻撃能力があるということを見せると、そこに意図があることははっきりしているかと思います。  大臣、もう一度伺うんですけれども、では、いつまで保管すると米側は言っているんですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) まず、私が前提が違うと言ったのは、先生はこういう日米の共同訓練などを肯定的に捉えているのではなくて否定的に捉えているわけですよね。これ、我々は抑止力の強化だとしても肯定的にこういった訓練も積み重ねる必要があるというふうに考えているので、前提が真逆だというふうに私は申し上げました。  そして、いつまでだというこのアメリカの陸軍ミサイルシステムのお尋ねでありますが、これはアメリカ軍の運用の詳細に関することでありますから、お答えは差し控えます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 要するに、分からない。正式配備につながっていくと思いますよ、これは。  米軍は昨年九月、岩国基地でもタイフォンを展開し、その後、長らく撤収準備中とした末に、十一月になってようやく撤収しました。HIMARSは沖縄の米海兵隊にも配備され、五月二十日、陸自東富士演習場で地元の抗議を無視して国道越え実射訓練を強行しました。大臣は抑止力、抑止力とおっしゃるんですけれども、地元には迷惑を掛けている。私は、このいずれも、なし崩しの配備は許されないと指摘しておきたいと思います。  バリアント・シールドや続く米海兵隊との共同訓練、レゾリュート・ドラゴン26では、共同衛生訓練が計画され、傷病者が発生した想定の下で治療と後送、米軍病院や自衛隊病院に患者を輸送する訓練が計画されています。  そこで、自衛隊病院の機能強化について伺います。  那覇病院や福岡病院、横須賀病院で、有事に備えて病床を大幅に増やし、診療科を新設する計画が進められています。計画の内容と予算の総額をお示しください。

日下英司 防衛省大臣官房衛生監

○政府参考人(日下英司君) お答えいたします。  現行の国家防衛戦略等においては、隊員の生命、身体を救うため、第一線から後送先までのシームレスな医療・後送態勢を確立するため、戦傷者の後送先となる各自衛隊病院の機能を強化することとしています。  具体的には、自衛隊那覇病院、自衛隊福岡病院、自衛隊横須賀病院の機能強化を行うこととしており、現行の防衛力整備計画に基づき、令和五年度以降、事態対処時における病床の拡張機能の追加や、戦傷医療に有用な診療科の増設、抗堪性を有する地下施設の設置など、施設の建て替えに伴う経費としてこれまでに約五百五十三億円を計上しています。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 具体的な御説明が十分なかったのですが、那覇病院では、平時五十床から有事に二百床に拡張可能にする、麻酔科や精神科を新設する、福岡病院では、平時二百床から有事に三百五十床まで拡張できるようにする、救急科や脳神経外科を新設する、横須賀病院、二十床増やし、平時でも百二十床体制、有事は二百床まで拡張し、救急科、放射線科、総合診療科を新設する計画です。  那覇病院で麻酔科を新設するのは、重傷者を県外に搬送することを想定しているのだと思われます。精神科はPTSDを発症した隊員を想定しているのだろうと思われます。この地域で多数の自衛官が死傷することを想定しているのですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 自衛隊の隊員の安心、そして、家族にとっても、自衛隊が提供できる医療の体制を強化することは極めて重要な課題であります。そして、事に臨んでは危険を顧みずという宣誓の下で任務に当たっている自衛官にとって、その事に臨んではということをしっかりと考えた上で、あるべき医療体制にしっかりと変革をしていくこと、これは当然です。  そして、先ほどHIMARSについて……(発言する者あり)いやいや、これ、印象操作なんで言っておかなければいけないのは、抗議の声を無視してHIMARSの二回目を行ったと言っていますが、私は地元の御殿場市に伺って、地元の首長の皆さん、そして地権者の皆さんに大臣自ら説明をしてくれと言われて、私が行って説明をさせていただき、その上で、地権者の皆さん、首長の皆さん、地域の皆さんに理解をしていただいた上でのHIMARSの二回目のあのテストです。ですので、印象操作になるようなこと、やめていただきたいと思います。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 住民の理解が得られているわけではありません。抗議の声も上がっております。自治体が合意したということのみをもって住民が全て理解したかのように言うことこそ印象操作です。私は、これは厳しく指摘したいと思います。  しかも、多くの自衛官が死傷することを想定しているのかという私の問いには、お答えはありません。昨年の……(発言する者あり)いや、お答えはありません。どこまで想定しているのか、お答えはありません。答弁席から着座のまま答えないでください。  昨年のレゾリュート・ドラゴンでも、那覇病院で、自衛隊、米海兵隊の医師が共同で治療、搬送訓練を行っています。血液製剤の確保、備蓄、医師以外の自衛官が行う救命措置を広げる訓令改定も行いました。抑止力といいながら、抑止が破れ、死傷者が生じる事態に備えていることは間違いありません。  自民党安保調査会の提言は、隊員が多数負傷した場合に備えた官民連携による病床、医療人材の確保を一層積極的に進めるべきとしています。防衛省は、有事に自衛隊病院が満床となった場合、民間の医療機関も協力してもらうことを検討していると言いますが、これは具体的にはどのようなことですか。

日下英司 防衛省大臣官房衛生監

○政府参考人(日下英司君) お答えをいたします。  一般に、各種事態において発生する自衛隊員の負傷者は多様であると想定されますが、負傷者数によっては、自衛隊病院だけでは対応に限界があり、部外医療機関の協力が必要となる場合もあると考えています。  このため、防衛省・自衛隊としては、有事における医療提供体制について想定される負傷者数や傷病等を踏まえつつ、負傷者の後送態勢の在り方、どの程度の規模、機能を有する部外医療機関との連携が必要となるか、部外医療機関と自衛隊病院との連携体制をどのように構築するか等について検討を進めています。  その上で、防衛省・自衛隊としては、厚生労働省や関連団体等とも連携しつつ、部外医療機関等の協力が円滑に得られる体制の整備に努めてまいりたいと考えています。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 今、想定という言葉が出てきましたが、その具体は語られておりません。  私、自衛隊員が多数負傷する事態というのは住民も多く負傷することが想定されると思いますが、医療従事者も病床も軍事動員が優先されかねないと、そういうことを今お話しになっているんだと思うんですね。こうして自衛隊病院の病床を大幅に増やす機能強化が進められておりますが、一方で、一方で国民向けの入院病床は削減が続いております。  昨年度の地域医療構想は、全国で六万床の削減、一床当たり四百十万円の補助金まで出し、沖縄、福岡、神奈川いずれもベッドを減らしてきました。更に十一万床を削ろうというのが与党合意でもあります。大臣、これは矛盾を感じませんか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 今の山添先生の話を聞いていると、平時に最適化され過ぎてしまったというふうに私は講演で申し上げたことを松沢先生は評価をいただきましたが、私、この問題意識こそ平時に最適化されている代表例だと思いますね。  有事は起きないという前提で自衛隊の医療体制を考えるわけにはいきません。やはり、有事のことを想定をしたときに、自衛隊病院だけでできることって限りがあるんです。全国で十病院あります。私も年末に病院の中で年を越さなければいけない隊員の慰問に昨年末も伺っています。これは、自衛隊中央病院です。しかし、全国で、全国、自衛隊病院は十ありますけれども、私の地元横須賀にもありますが、その自衛隊の病院だけでは対応できないことが現実なんです。  だからこそ、その他国立の医療機関、そしてまた一般の病院、そういったところにどのような協力をしていただけるだろうかと、これを考えることがいけないと言われたら、これ、防衛省の仕事、自衛隊の任務、成り立ちません。どうかそこは御理解をいただきたいと思います。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 私は、大臣は有事に傾き過ぎだと思いますよ。今、平時でどの医療機関も逼迫しています。そのことは与党の皆さんも御承知だと思うんですよ。診療報酬が十分改定されず、物価高であり、人件費の高騰があり、その民間の病院に対しては病床削減を迫っているわけです。しかし一方で、自衛隊病院には機能強化といって病床を増やし、診療科を増やすと。  戦争に備えることを最優先する政治だからこそ、私はこんなちぐはぐが生じるんだと思います。有事に備えるなどといって戦傷者医療を強化し、実際に有事になれば、負傷した自衛官を治療してまた戦場に送るというのでしょうか、笑っておられますけれども。私は、戦争のための医療ではなく、平和あってこその医療だということを強調したいと思います。  自民党の提言は、また、防衛力の強化なくして我が国の平和と安定、繁栄はあり得ないなどとし、一層の軍拡が必要と主張し、予算にも言及があります。ただし、ここでは日本の軍事費の水準を具体的には掲げず、NATO諸国が二〇三五年までに対GDP比三・五%の目標に合意している、韓国は可能な限り対GDP比三・五%、オーストラリアも二〇三三年度までに対GDP比三%などと例示し、これらの国の取組も踏まえつつとしています。  大臣に伺いますが、我が国の防衛費、軍事費はNATO諸国や韓国やオーストラリアとの比較で決まるのでしょうか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 我が国の主体的な判断で積み上げて、我が国が必要な防衛力の整備をしっかりと行ってまいります。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 では、三・五%など、GDP比で目標を持つことは今後しないということですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) パーセントや数字ありきの議論はしません。主体的に議論を積み上げた結果、我々がこれからも防衛力として必要なものをしっかりと要求したいと思っています。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 一方、現行の国家安全保障戦略は二〇二七年度GDP比二%と定め、高市政権は昨年秋、補正予算と合わせ二五年度二%を前倒し達成しました。その際も、積み上げ、結果として、そういう説明がされましたが、二%の数字ありきは明らかでした。  そこで、大臣に改めて伺うんですが、厳しい安全保障環境に対応する予算の水準をGDP比で論じてきたのはなぜなのでしょうか。GDP比は抑止力とどう関係するのですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 今世界中で、この前のシャングリラ会合でもそうですが、やはりどれだけの防衛力を整備をする意思があるのかということは各国の重要な議題になっています。  その中で、アメリカが言っているようなパーセンテージだけではなくて、例えば、今、台湾が五%ですか、韓国は三・五、そしてオーストラリアは最近発表した戦略の中では三・二、NATOの国々三・五、こういった中で、やはり世界中の中で、厳しい安全保障環境の中で、そのそれぞれの国はどこまで安全保障政策にコミットするのか、そういったことについて一定の議論がなされていることも事実です。  一方で、申し上げているとおり、我々として必要なものを要求した結果、それがどれだけになるのか、この主体的な議論の積み上げが不可欠だということは言うまでもありません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 私は、大臣がおっしゃるとおり、あのシンガポールのシャングリラでヘグセス国防長官が言っておりますが、同盟国などに三・五%まで防衛費の増額を求めた。つまり、軍事費を増やすに当たってGDP比が意味を持つとすれば、それは結局、同盟国やパートナー国間で牽制し合う際の物差しにすぎないんじゃないかと。どこがどれだけ負担しているかということをお互いに示し合うためのそういう物差しにすぎないんじゃないかと思うんです。いかがですか。

小泉進次郎 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(小泉進次郎君) 私からすれば、それは、ヘグセス長官との中で、日本は信頼するパートナーだから要求することはないと、こういうふうにもう昨年の十月に言われていて、今もその認識に変わりはありません。その言葉に尽きると思っています。  なので、この日本の戦略三文書の改定は世界が注視をしているというのはそのとおりであると思いますし、我々として、地域の平和と安定をしっかりと担う、そういった意思を、しっかりと誤解なく意思として、また我々の覚悟としても伝わるようなものを作っていかなければならない、要求しなければいけない、防衛大臣として当然の責務だと思っています。

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 時間ですので終わりにしますけれども、要するに、日本は言われなくても上げるからだろうということでもあると思うんですね。  私、従来の一%というのも、経済成長すれば金額が増えますから固定的なものとは言えませんでした。しかし、憲法九条に基づく平和国家、軍事大国にならないというメッセージとして、歯止めとして機能してきたと思います。今、新しい戦い方、継戦能力、こう言って際限なく抑止力強化を図ろうとするときに、GDP比で軍事費を語るのは、歯止めというよりは金額ありきの軍拡の口実にしかならないと。しかも、まともな財源論もありません。  やめるように求めて、質問を終わります。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  前回に引き続き、カタールへの武器移転、MDA協定との関連についてお聞きをいたします。  MDA協定によって、例外なくMDA協定第一条四項で事前の同意が必要というふうになっています。日本のシーカージャイロがPAC2になってアメリカに行って、それがカタールに輸出されている今回というときに、事前同意が要らないという防衛省の見解には驚愕をしてしまいました。  なぜ要らないのかということに、文書回答では、MDA協定の適用に関する事項については、両政府間で個別具体的に協議するものとされている、協議によって除外できるということなんですが、協議によって除外できるんですか。

山本文土 外務省大臣官房参事官

○政府参考人(山本文土君) 前回の委員会においても御説明したとおりではあるんですけれども、防衛装備品の海外移転に際しては外為法の三原則に基づいて決まっているということでございます。なので、協議によってこれを決めるということではございません。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 文書回答では、協議によってこれを外したというふうに回答をいただいております。それで、これ外務省からいただいております。なぜMDA協定の適用ではないのか、理由をお示しください。六月八日、MDA協定の適用に関する事項については、両政府間で個別具体的に協議するものとされていますという回答をもらっています。  そして、今答弁もおかしいんです。それはなぜかといいますと、MDA協定は条約です、国会の批准を経ている条約です。それが、なぜ外為法によってこれができるのか、全く理解ができません。つまり、条約が極めて優位するのに、なぜ外為法の適用の部分でこれを除外できるのか、お答えください。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) 我が国の防衛装備の海外移転に際しては、外為法の運用基準であります防衛装備移転三原則に従って、原則として、国際約束により、目的外使用及び第三国移転について我が国の事前同意を移転先の政府に義務付けているところであります。  ただし、部品をライセンス元に納入するケースなど、例外なく我が国の事前同意を相手国政府に義務付けることが必要不可欠でない場合というのもあり得ます。このような場合には、防衛装備移転三原則の運用指針によって、仕向け先の管理体制の確認をもって適正な管理を確保することが可能とされております。  御指摘の件については、まさに今このケースに当てはまると判断されるため、MDA協定による事前同意の義務付けを求めてきていないところであります。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 外為法の運用規則で国内で決めているものが、なぜ条約の事前同意が必要というのを覆せるのか、おかしいですよ。  大臣、条約は憲法と同じく、同位で、非常に効力があって、この条約は幾ら見ても、この一条の四で事前同意が必要となっています。何の例外規定も設けておりません。外為法の武器輸出三原則の運用指針によってなぜ除外ができるのか。なぜ条約をぶっ飛ばして、その解釈を変えて事前同意が不要となるのか。条約が上位にあって、法律、そして運用じゃないですか。なぜ運用のこの三原則によって条約の条文を覆せるのか、説明してください。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) よく聞いていただいて、私は協定を覆すとかそういう話をしておりません。  協定は守らなきゃならないと、原則としてそうでありますけれど、先ほど申し上げたような、部品をライセンス元に納入するケースなどについては、必ずしも相手国政府にこの事前同意を義務付けることが必要不可欠でない場合がある、こういう場合にどうやっていくかというお話をさせていただいておりまして、この協定と、それから運用指針の運用について整合性はきちんと取れていると考えております。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 いや、全く理解できないんです。  条約が優位して、条約は条文上全く例外を設けていません。第三国に移転するには事前同意が必要というので、アメリカと日本、あるいは他国とやる十七か国に関しては、この事前同意がなければ第三国に移転できない。だから、それによって、日本とアメリカ、とりわけ日本が武器輸出した国を縛っているわけじゃないですか。条約が極めて優先するのに、なぜ外為法令等の運用基準を定めたにすぎない防衛装備移転三原則によって事前同意が不要とできるのか。これは明確なMDA協定違反ではないですか。条約をなぜ変えられるんですか。  いや、私は、この条約、MDA協定を改定したのなら分かりますよ。協議した結果、改定したのだったら分かりますよ。改定していないんだから、このMDA条約、条約の方が優位でしょう。これ、何でぶっ飛ばすことができるのか。事前同意必要でしょう。

山本文土 外務省大臣官房参事官

○政府参考人(山本文土君) お答えいたします。  先ほど外務大臣からも答弁があったとおりではあるんですけれども、防衛装備品の海外移転、これはまず外為法に基づくこの運用基準である防衛装備移転三原則に従っております。  それで、相手国政府に事前同意を義務付ける場合、これは当然相手国政府に義務付けなければいけないのでMDA協定を用いてやると。ただ、先ほど大臣からも答弁したとおり、部品をライセンス元に納入するケースなどはそこまでしなくとも、仕向け先の管理体制の確認をもって、もう適正な管理を確保することが可能と判断される場合には、あえてMDA協定によって相手側を義務付けるような事前同意の義務付けまでは求める必要はないということでございます。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 いや、間違っていますよ。  外務省の条約と法律とこの運用基準に関する考え方は、甘いというか、ずるいというか、ひどいというか、それはやっぱりおかしいと思いますよ。だって、大臣、条約が優位するじゃないですか。条約が優位するんですよ。なぜその条約が適用されないのか。なぜ、条約が定める事前同意を勝手に運用基準によって事前同意が必要でないとするのはおかしいですよ。私は、MDA条約を、百歩譲って、これ改定するなら分かります。でも、条約の方が優先するのに、なぜそれをやらないのか。  もう一度言います。外為法等の運用基準を定めたにすぎない防衛装備移転三原則によって部品をライセンス元に納入する場合には、事前同意を不要とすることは明確なMDA協定違反です。  私は、これが重要なのは、今回、事前同意が必要ないというふうに外務省が言って、いやいやいや、こういう運用規則があるからといって協定をぶっ飛ばしていることなんですよ。これはやっぱり間違っていると思います。必要ならば、MDA協定を、私は変えることは望まないが、なぜならば、条約はとても重要で、この国会で批准をされ、そして国民、そして相手国を縛るものです。国民は、日本が輸出した武器が第三国に行くときには事前同意が必要だということを信じているわけですよ。条約が優先するでしょう。それをなぜ勝手に必要ない場合をつくって、それでいいんだ、事前同意が不要だと言うのは、条約が優先する。条約と憲法は同位です。条約の下に法律があります。法律の下に運用基準があります。運用基準を勝手に決めれば、条約の条文を勝手に覆すとなったら、条約、これ、この法の順位を壊していると思います。  そして、この根本的な問題を外務省が理解していないというのもおかしいんですが、もう一つ、事前同意が必要な意味というのを考えてください。  大臣は、繰り返し、武器輸出三原則があったのは国際紛争回避の原則があるからだとずっとおっしゃっていて、国際紛争回避はこれは変わっていませんとずっとおっしゃっています。だとしたら、事前同意が必要じゃないですか。事前同意を要求しない、第三国に勝手に行くのに事前同意を要求しないという協定違反は認めることができないと強く申し上げます。  大臣、分かっていると思いますよ。運用基準よりは条約が優先するんです。なぜ条約の明文規定をぶっ飛ばせるのか。それは、MDA協定を改定するなら分かります。そうじゃないですよ。協議すれば変えられるというのは、全くの間違いだと思います。  次に、大分駐屯地における神式慰霊祭についてお聞きをいたします。  お手元に毎日新聞をお配りしています。これはまさに、また、お手元に通達をお配りしております。陸上幕僚監部の宗教行為に関する通達、一九六三年、これは、信教の自由を尊重するとした上で、憲法の政教分離の原則などに十分留意するように求めています。強制はしてはならないということなんですが、この神式は、神式慰霊祭が実施された日の駐屯地司令の行動予定というものには、駐屯地安全祈願祭という予定が記載されています。また、これは業務連絡の文書でやっています。午前九時頃、駐屯地の部隊がほぼ一堂に会した朝礼の場でアナウンスがされ、数百人がそのまま、作業服を着たまま体育館から慰霊式へ移動すると。で、神式をやっているわけですね。  これ、強制じゃないですか。ここから逃げ出すことは、非常に上命下服というか、ピラミッド構成の自衛隊のここから逃げ出すことは難しいでしょう。でも、大臣、自衛隊員の中にも、キリスト教徒、それから仏教徒、イスラム教徒、創価学会の人、新宗連の人、いろんな人がいらっしゃると思いますよ、無宗教の人もいると思います。これは、自衛隊の中でやっている、しかも、そのまま朝礼から移動し、アナウンスして連れていっている。これ、まさに強制じゃないですか。

廣瀬律子 防衛省人事教育局長

○政府参考人(廣瀬律子君) お答えいたします。  本年四月一日に陸上自衛隊玖珠駐屯地内の安全の碑の前において部外団体である玖珠駐屯地後援会の主催によりまして安全祈願祭が実施され、駐屯地司令を始めとする玖珠駐屯地の隊員が参加をしたと承知をしております。  事務次官通達におきましては、神祠、仏堂、その他宗教上の礼拝所に対して部隊参拝すること及び隊員に参加を強制することは厳に慎むべきであると規定をされております。  今回の安全祈願祭について申し上げれば、安全の碑は宗教上の礼拝所のような体裁を取っておらず、また隊員に参加を強制したものではなかったと承知をしており、事務次官通達に違反するものでないと考えております。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 強制じゃないんですか。強制って何ですか。

廣瀬律子 防衛省人事教育局長

○政府参考人(廣瀬律子君) お答えいたします。  今回の安全祈願祭におきましては、事前に駐屯地の隊員に対して開催の連絡がなされておりましたが、参加を義務付けるような命令等は発出されておらず、また、参加しなかった隊員に対する不利益な取扱いも行っておりません。したがって、隊員に参加を強制したものではなかったと承知をしております。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 強制の定義をおっしゃってくださっていないんですが、強制じゃないですか。だって、業務連絡があって、アナウンスがあって、朝礼の後みんなで移動するんですよ。そこから逃げ出す、逃げ出すというか、自分は参加しませんと言うのは物すごい勇気が要りますよ。信教の自由があるじゃないですか、無宗教も含めて。信教の自由は尊重されなければならない憲法上の原則で、政教分離が厳格に求められています。これで、これ自衛隊の中でやっているんですよ。これ、見直すべきじゃないですか。やめるべきじゃないですか。

廣瀬律子 防衛省人事教育局長

○政府参考人(廣瀬律子君) お答えいたします。  今回の安全祈願祭につきましては、駐屯地における訓練等の安全確保を目的として、部外団体による主催の下、社会の一般的慣習に従った儀礼的行為として実施されたものであり、隊員が参加又は協力したことが不適切だったとは考えておりません。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 これ、問題があるんじゃないかって内部で議論したことはないんですか。やっぱり、朝礼のまま行って、自衛隊の中でやって、神式でやる。私は、安全祈願というのは、もちろん安全にという気持ちは分かります。しかし、政教分離と、とりわけ隊員の信教の自由を害するんじゃないかという問題なんです。こういうことには、防衛省、ほかのところもそうですが、極めてやっぱり憲法を尊重してやるべきじゃないですか。見直してほしい。どうですか。

廣瀬律子 防衛省人事教育局長

○政府参考人(廣瀬律子君) お答えいたします。  部内における個別のやり取りについてはお答えすることは差し控えますが、いずれにしても、今回の安全祈願祭については、駐屯地における訓練等の安全を祈願する目的で、部外団体による主催の下、社会の一般的慣習に従った儀礼行為として実施されたものでございます。これに参加したり協力したりすることが憲法の政教分離の原則に違反するものではないと考えております。

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 時間になりましたので、おまとめください。

福島みずほ 社会民主党

○福島みずほ君 はい。  強制ですよ。だって、業務連絡って書いてあって、アナウンスがあって、朝礼の後、みんなで行っているんですよ。社会的な儀礼じゃないじゃないですか。社交的な儀礼でもないですよ。これ駄目ですよ。やっぱりそれは、政教分離や信教の自由をきっちり考えてもらう。だって、いろんな隊員がいるんですよ。信教の自由、害するじゃないですか。実際、強制されますよ。その朝礼の場からどうやって逃げ出せるんですかというふうに思います。  これ、是非見直してほしい。それから、ほかのところで同じようなことがもしなされているとすれば、それはちょっと事前に連絡いただけなかったんですが、やはり見直すべきだということを強く申し上げ、質問を終わります。

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフィリピン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国の自衛隊とオランダ王国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオランダ王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国の自衛隊とニュージーランド国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とニュージーランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び刑事に関する共助に関する日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。茂木外務大臣。

茂木敏充 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(茂木敏充君) ただいま議題となりました四件につきまして、提案理由を御説明いたします。  まず、日本国の自衛隊とフィリピンの軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とフィリピン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件については、令和八年一月十五日に協定の署名が行われました。  この協定は、自衛隊とフィリピンの軍隊との間で、それぞれの国の法令により認められる物品又は役務の提供における決済手続等を定めるものです。  この協定の締結により、自衛隊とフィリピンの軍隊が行う活動においてそれぞれの役割を一層効率的に果たすことを促進し、国際の平和及び安全に積極的に寄与することが期待されます。  よって、この協定の締結について御承認を求める次第です。  次に、日本国の自衛隊とオランダ王国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオランダ王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件については、令和七年十二月十八日に協定の署名が行われました。  この協定は、自衛隊とオランダ王国の軍隊との間で、それぞれの国の法令により認められる物品又は役務の提供における決済手続等を定めるものです。  この協定の締結により、自衛隊とオランダ王国の軍隊が行う活動においてそれぞれの役割を一層効率的に果たすことを促進し、国際の平和及び安全に積極的に寄与することが期待されます。  よって、この協定の締結について御承認を求める次第です。  次に、日本国の自衛隊とニュージーランド国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とニュージーランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件については、令和七年十二月十九日に協定の署名が行われました。  この協定は、自衛隊とニュージーランド国防軍との間で、それぞれの国の法令により認められる物品又は役務の提供における決済手続等を定めるものです。  この協定の締結により、自衛隊とニュージーランド国防軍が行う活動においてそれぞれの役割を一層効率的に果たすことを促進し、国際の平和及び安全に積極的に寄与することが期待されます。  よって、この協定の締結について御承認を求める次第です。  最後に、刑事に関する共助に関する日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件については、令和七年十二月十二日に条約の署名が行われました。  この条約は、一方の締約国が他方の締約国の請求に基づき、捜査、訴追その他の刑事手続について共助を実施すること、そのための枠組みとして、両締約国が指定する中央当局が相互に直接連絡すること等を定めるものです。  この条約の締結により、我が国からカナダに請求する共助がカナダにおいて実施されることを確保できるとともに、共助に関する連絡を中央当局間で直接行うことにより、共助の効率化、迅速化が期待されます。  よって、この条約の締結について御承認を求める次第です。  以上が、四件の提案理由及びその概要です。  以上四件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。

里見隆治 公明党

○委員長(里見隆治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  四件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十一分散会

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