令和八年五月二十八日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 五月二十一日 辞任 補欠選任 堀井 巌君 脇 雅昭君 本田 顕子君 臼井 正一君 松沢 成文君 佐々木りえ君 五月二十二日 辞任 補欠選任 脇 雅昭君 堀井 巌君 佐々木りえ君 松沢 成文君 五月二十五日 辞任 補欠選任 生稲 晃子君 磯崎 仁彦君 小林 一大君 松山 政司君 五月二十六日 辞任 補欠選任 磯崎 仁彦君 生稲 晃子君 松山 政司君 小林 一大君 五月二十八日 辞任 補欠選任 小野田紀美君 朝日健太郎君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 里見 隆治君 理 事 岩本 剛人君 山田 太郎君 青木 愛君 平木 大作君 石 平君 委 員 朝日健太郎君 生稲 晃子君 臼井 正一君 小林 一大君 中曽根弘文君 堀井 巌君 若林 洋平君 田島麻衣子君 広田 一君 榛葉賀津也君 山田 吉彦君 松沢 成文君 山中 泉君 山添 拓君 福島みずほ君 国務大臣 外務大臣 茂木 敏充君 副大臣 外務副大臣 国光あやの君 大臣政務官 外務大臣政務官英利アルフィヤ君 外務大臣政務官 大西 洋平君 外務大臣政務官 島田 智明君 文部科学大臣政 務官 福田かおる君 事務局側 常任委員会専門 員 中内 康夫君 政府参考人 総務省大臣官房 審議官 柴山 佳徳君 外務省大臣官房 地球規模課題審 議官 中村 亮君 外務省大臣官房 審議官 濱本 幸也君 外務省大臣官房 参事官 門脇 仁一君 外務省大臣官房 参事官 大塚 建吾君 外務省総合外交 政策局軍縮不拡 散・科学部長 中村 仁威君 外務省欧州局長 北川 克郎君 外務省中東アフ リカ局長 岩本 桂一君 外務省経済局長 股野 元貞君 外務省国際協力 局長 今福 孝男君 外務省領事局長 實生 泰介君 文部科学省大臣 官房審議官 古田 裕志君 文部科学省大臣 官房文部科学戦 略官 三木 忠一君 経済産業省大臣 官房脱炭素成長 型経済構造移行 推進審議官 伊藤 禎則君 国土交通省大臣 官房審議官 中山理映子君 環境省大臣官房 審議官 大井 通博君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(閣条第九号)(衆議院送付) ○環境保護に関する南極条約議定書の附属書Ⅵの締結について承認を求めるの件(閣条第一〇号)(衆議院送付) ○国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件(閣条第一一号)(衆議院送付) ○万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件(閣条第一二号)(衆議院送付) ─────────────
外交防衛委員会
発言 172
○委員長(里見隆治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、本田顕子君が委員を辞任され、その補欠として臼井正一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(里見隆治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官柴山佳徳君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(里見隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(里見隆治君) 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、環境保護に関する南極条約議定書の附属書Ⅵの締結について承認を求めるの件、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件及び万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。 四件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○生稲晃子君 おはようございます。自由民主党の生稲晃子です。 本日は、提出されております各条約について質問をさせていただきます。 現在の国際社会は、ロシアによるウクライナ侵略の長期化、中東情勢の緊迫化、米中戦略競争の激化など、戦後の国際秩序そのものが大きく揺らぐ時代に入っています。世界情勢が大きく変化する中、日本には、安全保障のみならず、経済、環境、航空、物流など様々な分野で国際社会を支える役割が求められています。 本日審議される条約案件は、いずれも一見すると専門的な内容ではありますけれども、それぞれ分野は異なるものの、国民生活や日本企業の活動、さらには我が国の外交の信頼性や国際的プレゼンスにも直結する重要な案件であると考えています。その観点から順次質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まずは、日・キルギス租税協定について伺います。 近年、中央アジアでは、地政学的にも経済安全保障上も重要性を増しています。今回、日本とキルギスとの間で新たな租税協定が締結されることとなりますが、現在適用されている協定は一九八六年発効の旧ソ連時代のものであって、今回、二重課税の除去や租税回避防止の強化など現代的な内容へ改められることになります。 昨年十二月には、中央アジアプラス日本、いわゆるCA+JAD初の首脳会合も開催されまして、高市総理のリーダーシップの下、五か国の首脳との共同宣言として東京宣言が採択されました。さらに、グリーン・強靱化、そしてコネクティビティー、人づくりの分野で百五十件以上のビジネス協力の覚書が締結されるなど、経済、外交関係の強化と地域協力の枠組みづくりが進められています。 また、キルギスを含む中央アジアは、レアメタルやエネルギー資源が豊富であり、物流回廊としての重要性も高まっています。加えて国際社会ではいわゆるグローバルサウスの存在感が発言力を増していて、中央アジアとの関係強化というのは日本外交にとっても極めて重要であるというふうに考えます。 私は、やはり日本外交の強みというのは、力による支配ではなくて、相手国に寄り添った人材育成や制度整備、そして法の支配を重視する点にあると考えています。 ここで質問させていただきます。 その中で、今回の租税協定が日本企業の進出促進や経済安全保障、さらには両国間の投資、経済交流の推進にどのような意義、そして効果を持つのか、あわせて、今後、日本として中央アジア外交をどのように展開して日本らしい信頼関係を築いていくのか、政府のお考えを伺います。お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) おはようございます。 生稲委員がおっしゃるように、今、国際社会、戦後最も厳しく複雑な情勢にある中で、日本として同志国との連携を深めるとともに、今、国際社会で発言力を増しておりますグローバルサウス、こことの関係強化も極めて重要だと思っておりますし、また様々な国際社会、地球規模の課題を解決することによって、また二国間関係、それぞれの国との強化によってそれをまた日本の成長につなげていく、こういった取組が必要であると、そんなふうに考えております。 日・キルギス租税協定、現行の古くなっております日ソの租税条約を全面的に改正して新たに協定を締結し、国際的な二重課税の除去であったりとか脱税及び租税回避の防止に関する規定を拡充するものであります。 キルギスは、一九九一年の独立後、中央アジア五か国、なかなか中央アジア五か国って覚えにくいんですけれど、一番覚えやすいのはカトウタキと、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、そしてタジキスタン、キルギス、こうカトウタキと覚えると一番覚えやすいと思うんですが、いずれにしても、中央アジア五か国の中でいち早く民主化と市場経済を軸とした改革路線を打ち出しました。また、キルギスを含みます中央アジア五か国は、中国、ロシア及びイラン、アフガニスタンに囲まれた地政学的にも極めて重要な地域であります。 こうしたことを背景に、昨年十二月に行われました御指摘の中央アジアプラス日本対話・首脳会合の際に、私が本協定に署名を行ったものであります。本協定を締結することによりまして、源泉地国におけます課税の範囲が一層明確となり、企業や個人にとっての法的安定性や予見可能性が高まり、両国間の経済活動及び人的交流をより一層後押しすることが期待されるわけであります。 キルギスを含みます中央アジア諸国との今後の関係については、中央アジアプラス日本対話・首脳会合や二国間会談の成果を踏まえまして、中央アジアとの重点協力三分野、これは、一つがグリーン・強靱化、二つ目にコネクティビティー、そして三つ目に人づくりということになりますが、これを中心にして、中央アジア各国の産業の高度化、多角化を後押しし、互恵関係強化をしてまいりたいと考えております。
○生稲晃子君 ありがとうございました。 中央アジアの覚え方まで教えていただきまして、覚えさせていただきます。ありがとうございました。 この本協定が日本とキルギスの信頼関係の更なる深化につながっていくことを期待したいと思います。 次に、南極環境保護議定書附属書Ⅵについて伺います。 南極は地球環境変動の最前線と言われています。近年は気候変動による氷床融解、つまり南極の大陸を覆う巨大な氷が解けたりとか、あと海洋環境変化への関心が高まる中、南極研究の重要性はますます増していると思います。また、近年、観光客の増加などによって環境事故リスクが増えていて、これらのリスクへの対応強化も求められています。 国際南極旅行業協会によれば、二〇二四年から二〇二五年のシーズンに南極を訪れた観光客は約十一万七千人となり、この三十年で約十五倍に増加をしたということであります。さらに近年では、クルーズだけでなく、ヘリコプターやカヤック、また長期滞在型など、観光形態も多様化しています。南極は極めて脆弱な自然環境であって、一度でも事故や環境汚染が起きれば、その影響は長期に及びます。 今回の附属書Ⅵでは、事故時の緊急対応や費用負担などが定められることとなります。日本政府は、昭和基地を中心に、長年南極観測を継続してきました。一方、南極観光は日本以外の事業者が主導していて、観光客増加に伴う環境事故リスクは高まっています。 ここで質問させていただきます。 日本としては、今回の附属書Ⅵの締結により、日本の南極活動の安全確保及び環境保護にどのような意義があるのか、政府の見解を伺いたいと思います。お願いします。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、近年、南極地域における観光船の数が急増し、船からの油流出事故など環境に重大な悪影響を与える事故が発生するリスクが高まっております。本附属書は、南極地域におけます締約国の活動からそうした事故が生じた場合について、その責任に関する規則や手続を定めるものでございます。 具体的には、締約国が、南極地域で活動を行う自国の事業者に対しまして事故への対応措置あるいは防止措置をとること、また、事故を引き起こした事業者が対応措置をとらない場合に締約国が対応措置をとるよう奨励をいたしまして、その場合の対応措置の費用を事業者が当該締約国に支払うこと等を義務付けております。 本附属書は、南極地域における活動から生じる事故の予防を喚起するとともに、事故が生じた場合に速やかな対応措置がとられるようにする上で重要でございまして、南極地域の環境保護の強化に資するものと、このように考えております。 南極条約の原署名国であり、南極地域に毎年調査船を派遣している我が国といたしまして、南極地域の環境保護やそのための関係国との連携強化の観点から、本附属書の締結を重視をいたしております。
○生稲晃子君 ありがとうございます。 今月の十一日から二十一日まで、広島で第四十八回南極条約協議国会議が開催をされました。日本での開催は三十二年ぶりということで、大変意義深いものがあると思います。被爆地広島で開催されることは、平和利用、また国際協調という南極条約の理念を世界へ発信する極めて象徴的な意味を持つものと考えています。 現在、北極、南極をめぐっては、資源、海洋安全保障など、地政学的関心も高まりつつあります。 ここで質問します。 この会議の成果はどうだったのでしょうか。また、その中で、日本としてどのようなリーダーシップを発揮してメッセージを発信されたのか、教えてください。お願いします。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 第四十八回南極条約協議国会議におきましては、南極地域の環境保護を始め幅広い議題について議論が行われ、南極条約の基本原則でございます南極地域の平和的利用及び国際協力の重要性につきまして改めて確認する機会となりました。 また、開会式に出席をした国光外務副大臣及び辻環境副大臣から、環境保護に関する南極条約議定書の附属書Ⅵにつきまして現在国会で審議中であるということを紹介をいたしまして、未締結の国に対し早期の締結を呼びかけさせていただきました。 このほか、今回の協議国会議におきまして、我が国は議長国として、南極地域における観光活動の増加及び多様化への対応、気候変動による生物資源等への影響、それから各国の活動に関する透明性の向上等喫緊の課題を取り上げて議論をリードし、各議題につきまして一定の前進を得られたと、このように認識をいたしております。
○生稲晃子君 ありがとうございました。 南極のそのかけがえのない環境を次の世代に引き継げるよう、引き続き国際社会をリードしていっていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。 次に、ICAO条約改定議定書について伺います。 今回の改正では、ICAO理事会及び航空委員会の構成拡大が行われます。現在、世界の航空分野では、安全保障やサイバー対策、脱炭素への対応に加え、ドローンや空飛ぶ車など、新たな技術や課題が急速に広がっています。 そのような中、今年一月から、日本の大沼俊之氏がアジア太平洋地域で初めてICAO理事会議長に就任をされました。これは日本の航空分野における国際的な信頼や評価の高さを示す大変意義深いことであるというふうに考えますけれども、まず、この理事会議長就任を政府としてどのように受け止めているのかについて伺いたいと思います。 あわせて、これまで日本が、ICAOにおいて、航空安全や国際ルール作りなどの分野でどのような役割を果たしてきたのか、教えていただきたいと思います。お願いします。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、二〇二五年十一月に国際民間航空機関、ICAOの理事会議長に大沼俊之氏が選出をされました。理事会議長が委員御指摘のとおりアジア大洋州地域から選出されることは、ICAOの創設以来初めてでございます。我が国が国際民間航空の安全、あるいは持続可能な発展を主導していく上で重要な一歩になったと、このように受け止めております。 我が国は、一九五三年にICAOに加盟をいたしまして、一九五六年以降一貫して理事国に選出をされているほか、航空委員会につきましても、一九五七年以降一時期を除きまして継続的に委員を輩出するなど、ICAOの活動に積極的に貢献をしてきております。 我が国といたしましては、引き続き、日本がこれまで培ってまいりました安全、保安、環境を始めとする幅広い知見を基に国際民間航空に関するルールの策定を主導していきたいと、このように考えております。 また、北朝鮮のミサイル発射、あるいはロシアによる国際民間航空条約違反等、こうしたものへの対処に関するICAOでの議論や対応につきましても積極的に関与してまいりたいと、このように考えております。
○生稲晃子君 ありがとうございます。国際航空の安全と信頼を支えるため、日本としても引き続き国際ルール作りを主導していただくことをお訴えしたいと思います。 それでは、最後の万国郵便連合、UPU追加議定書について伺いたいと思います。 万国郵便連合一般規則の改正により、民間の事業者や有識者等が参加するUPUの諮問委員会が会議に参加する機会や役割を拡大するということでありますけれども、民間事業者の意見がこのUPUの意思決定にどのように反映される仕組みになるんでしょうか。 また、日本の民間事業者はこの諮問委員会に参加しているんでしょうか。もし参加しているとしたら、どのような活動をしているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中村亮君) 万国郵便連合、UPUにおきましては、広範な郵便分野の利益を代表し、また利害関係者の間の効果的な対話のための枠組みを提供すると、こういうことを目的として二〇〇四年に諮問委員会が設置をされたということでございます。特に近年におきましては、電子商取引の普及等によりまして国際物流分野の参加主体が拡大している中で、郵便事業者以外からの様々な意見、経験を取り入れる場としての諮問委員会への期待が大きくなっております。 こうした背景を踏まえまして、今次改正により諮問委員会から理事会への議案等の提出が認められることになりました。また、諮問委員会の会合の開催頻度が年一回から少なくとも年一回と、このように拡大されることになったと、このように認識をしております。
○政府参考人(柴山佳徳君) 諮問委員会への我が国からの参加企業についてお答え申し上げます。 二〇二六年五月現在、我が国民間事業者としては、郵便・物流機器の製造を行っている株式会社東芝が参加してございます。同社は諮問委員会のメンバーとしてUPUにおける各種会合に参加し、意見表明や情報収集を行うとともに、機会を捉えて各国の郵便事業体や他の諮問委員会メンバーとの情報交換等を図り、同社のビジネス展開を図ることで、ひいては国際郵便の発展に貢献するものと承知してございます。
○生稲晃子君 ありがとうございました。 ちょっと時間が不安になってきましたので、次の質問を省いて、最後の質問をさせていただきたいと思います。 日本の目時政彦氏がUPU事務局長を今務められています。国際機関において日本人がリーダーシップを発揮することというのは、日本外交にとって極めて重要です。私自身、政務官のとき、訪問した国々での会談の中で、この目時さんへの支持というものをずっとお願いしてまいりました。 先ほども言いました、ICAOでは大沼俊之議長です。そして、UPUでは目時政彦事務局長と、国連の十五ある専門機関のうち二つの機関でトップを務めている国というのは日本とアメリカだけなんですよね。これというのは、やはり国際社会における日本への信頼と評価の高さを示す大変意義深いことだというふうに思っています。 その上で、政府は今後どのようにお二人のリーダーを支えていかれるのか。また、ICAO及びUPUにおいて、日本としてどのようなリーダーシップを発揮していくのか。さらには、それぞれの任期中に期待される成果とか日本として達成したい目標などがおありになりましたら教えていただきたいと思います。お願いします。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、万国郵便連合目時国際事務局長の再選、あるいは国際民間航空機関での大沼理事会議長の就任、こうしたことが現在ございましたけれども、国際社会におきます我が国のプレゼンスの強化につながるものということで、大変歓迎をいたしておりますし、両者に対してしっかり支援をしたいと、このように考えてございます。 ICAOにつきましては、大沼議長は、三つの柱、第一、安全で持続可能な国際民間航空を目指すコアミッションの強化、第二に、グローバルプラットフォームとしてのICAO、第三に、法の支配の推進という三つの柱を掲げていらっしゃいます。 UPUにつきましては、目時国際事務局長は、二期目の目標として、電子商取引の著しい成長など国際郵便を取り巻く環境が大きく変化する中、同じく三つほど、一つ目が、多様な利害関係者のために新時代の法的枠組みを確立すること、二番目に、郵便エコシステムにおける革新を促進し、SDGsの実現に貢献すること、三番目に、人材育成と業務知見をセットにした技術協力により各国の郵便品質の向上に貢献すること、こうしたことを掲げていらっしゃいます。 日本といたしましては、責任ある加盟国及び機関トップを輩出した国として、こうした両者の目標をしっかり共有をさせていただいておりまして、この目標の実現に向けて我が国としてもしっかり支援をしたい、資金提供あるいは人材派遣を通じまして、こうした取組に積極的に貢献したいと、このように考えてございます。
○委員長(里見隆治君) 質疑をおまとめください。
○生稲晃子君 質問を終わります。ありがとうございました。
○青木愛君 立憲民主・無所属の青木愛です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 茂木外務大臣におかれましては、クアッドの外相会合の御出席、誠にお疲れさまでございました。本来であれば、その成果をお伺いしたいところでありますけれども、本日は、冒頭、日本とトルコの関係についてお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 実は、先日、五月二十日に、トルコ共和国のオクタイ外交委員長を始め議員団の皆様方が本院里見外交防衛委員長を訪問されまして、私も委員会の理事として会談に同席をさせていただきました。政府との会談もあったことと存じますけれども、大変日本に対する熱い期待が感じられた会談でしたので、こちらからも是非お伝えしたいと思いまして、質疑に入れさせていただきました。その折、オクタイ委員長から、トルコと日本の友好関係は百三十五年にも及ぶのだけれど、しかしながら、特に経済面での協力体制に課題が残るとして、両国の貿易不均衡の是正、また日本からの投資強化の要請など、大変率直な意見を伺いました。今後、経済連携協定、EPAや社会保障協定の締結も望まれるところではありますが、十年以上もの間、交渉が進んでいないとのお話でございました。 この現況について、政府の御所見をまず伺わせてください。
○国務大臣(茂木敏充君) クアッドについては聞かれておりませんけれど、自由で開かれたインド太平洋、これを構築していく上で極めて有意義な会議になったと、そんなふうに考えております。 そこで、御質問のトルコでありますが、トルコは日本企業にとって、国内市場に加えまして、EU及び近隣諸国市場への生産拠点として注目が高まっております。また、トルコにおきます消費市場の拡大に伴いまして、日本企業の販売拠点の設立も拡大をしているところであります。こうした点も踏まえまして、日・トルコ間で貿易や投資を含めて経済関係を強化していくこと、極めて重要な課題だと、このように認識をしております。 御指摘の日・トルコEPA及び社会保障協定に関しては、相手国との関係もあり、まさに交渉を行っていると、こういうところで、先方とのやり取りの詳細については控えたいと思いますが、EPAについて申し上げますと、二〇一四年に交渉を開始して、これまでに十七回の交渉会合を実施してきているほか、様々な形でトルコ側との協議や意思疎通を精力的に行っているところであります。また、社会保障協定につきましては、二〇一四年に政府間交渉を開始することで合意をし、二〇一四年から二五年までに九回の交渉を重ねてきているところであります。 確かに、時間が掛かっているではないか、こういう御指摘は十分理解をいたします。こういった様々な投資協定であったりとかそういったものにつきましては、お互いがウィン・ウィンになるような協定をどう作っていくかということが重要でありまして、それに向けて更に努力を積み重ねていければと、こんなふうに思っているところであります。 もちろん、早期の協定の締結、これが望ましいということは間違いないことだと思っております。日・トルコ経済関係の更なる発展に向けて、今申し上げたいずれの協定についても早期妥結を目指して引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○青木愛君 大変前向きな茂木大臣からの御答弁をいただいて、心強く思います。また、二〇一四年から精力的な交渉活動を続けておられるということでもございました。 そして、日本とトルコ、お互いに地震国でもございます。二〇一一年の東日本大震災の際に、トルコ政府が支援・救助チームを派遣して、救助隊派遣諸国として最長の期間の御活動をいただきました。また、二〇二三年二月のトルコ南東部地震の折には、日本が国際緊急救助隊を派遣しまして、発災後十二時間以内の日本出発、これは派遣史上最速であったと伺いました。 本年九月に、トルコ国内にトルコ・日本科学技術大学が開学予定であり、地震、防災等の研究拠点として発展が期待されているとのお話がオクタイ委員長からございました。 この計画は、調べますと、二〇一三年の五月に、当時、安倍総理がトルコを訪問され、エルドアン首相とともに署名した戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言に基づくものでございました。このときシノップ原子力発電所建設に関する政府間協定の署名が行われておりまして、併せて合意したのがトルコ・日本大学設立構想でした。その後、原発建設事業は採算性の観点等から日本は撤退することとなり、そして、トルコ・日本科学技術大学の設立計画が残って、今日まで継続をしてきました。 十年以上に及ぶ計画を経て、本年九月に同大学が開学予定に至ったことはとても感慨深く、意義深く、両国間のパートナーシップのあかしとしてトルコ・日本科学技術大学がこれから長い歴史を刻むことになるのだろうと考えます。 同大学の概要、また、今後両国間に与える影響、そして日本としての取組などを是非お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(岩本桂一君) 今御紹介いただきましたトルコ・日本科学技術大学、今委員から御説明のあったとおりの経緯で設立が決まったものでございます。 この大学は、地震災害科学を始めとしまして、科学技術分野の共同研究、そして学術交流を推進しまして、トルコにおける卓越した教育研究の拠点となることが期待されております。日本としましても、既に四名の有識者をこの大学の理事に任命いたしまして、理事会を通じて緊密に協力を実施しているところでございます。そして、これも御紹介ありましたとおり、本年秋の開学を目指して準備を加速しているところでございます。 そして、委員からもお話ありましたとおり、日本とトルコ共に地震国であります。そして、東日本大震災の際を含めまして相互に支援した関係にございます。この大学の設立によって、この地震防災分野の協力が一層強化、発展することを期待しておりますし、また、両国のこの学術面での友好協力関係、これが一層深まっていくことを強く期待しているところでございます。
○青木愛君 大きな地震を経験したその知見等を基に両国協力を深めるプロジェクトとして期待をしておりますので、今後ともどうぞ御活躍をお願いいたします。 そして、日本とトルコの友好関係、一八九〇年のエルトゥールル号の遭難事件以来百三十年以上に及んでおり、長い歴史を有しております。そして、両国はアジアの東と西の両端に位置しておりまして、アジアの安全保障、ひいては国際社会全体にとっても果たすべき役割は大きいと考えます。 NATO分裂の懸念もささやかれる昨今の複雑な安全保障環境におきまして、日本、トルコの二国間の関係、どのような発展が望ましいか、先ほども言及をいただきましたけれども、重ねてお伺いをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) G7のメンバーでもありますトルコ、委員御指摘のように、欧州、アジア、中東、アフリカを結ぶ地政学的、戦略的要衝に位置しておりまして、イスタンブールのボスポラス海峡、これを望みますと東側がアジア、そして西側がヨーロッパという形で、まさにその東西を結ぶ結節点だな、こんなふうにも感じるところであります。 ちなみに、ボスポラス海峡のトンネル工事、これは日本の企業が施工をしておりまして、現場の管理責任者は日本人の女性で、そこからいい意味で土木女子、ドボジョという言葉も生まれているところであります。 それはともかくといたしまして、トルコは、近年はウクライナ問題であったりとか最近のイラン情勢でも仲介に取り組むなど、国際社会における存在感も高めているところであります。 日本とトルコは戦略的パートナーシップの関係にありまして、委員から御指摘もあったような百三十年以上にわたるような歴史的、伝統的な友好関係に基づいて、安全保障、経済、教育分野等の幅広い分野で協力を深めていくことが重要であると、このように考えております。また、トルコとの間では、二国間問題にとどまらず、地域情勢や国際情勢をめぐる連携も強化していきたいと、このように考えているところであります。 こうした観点から、私は四月にフィダン外相と電話会談を行いまして、トルコが現下の中東情勢の外交的解決に向けて努力していること、これを評価し、また敬意を表すとともに、事態の早期鎮静化に向けて日本とトルコの間でしっかり連携していこうと、こういったことも確認をさせていただきました。
○青木愛君 いろいろな側面からの協力体制を築いていただいているというお話を伺いました。また、リケジョに続いてドボジョというまた女性も御活躍だということで、大変うれしいことと存じます。本当に、各地域で、いろいろなところで日本の方々が活躍されているということを本当に敬意を持って受け止めたいというふうに思っております。 そして、オクタイ外交委員長なんですが、さらに防衛産業、また観光分野での協力の必要性も訴えられておられましたけれども、アジアと欧州、中東を結ぶ物流ルートでありますカスピ海ルートの整備促進の必要性にも言及されました。カスピ海ルートについては、ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアを経由せずにアジアと欧州を結ぶ物流ルートとして注目され、JICAも調査団を派遣をして、リポートも提出をいただいております。 現在、カスピ海ルート、この整備に係る協力は具体的にどのように進んでいるか、御報告をお願いいたします。
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。 カスピ海ルートは、委員御指摘のとおり、アジアと欧州を結ぶ重要な輸送路として、トルコ、中央アジア諸国を始めとする国際社会の注目が今高まってきているところでございます。 二〇二五年の十二月に実施されました中央アジアプラス日本対話・首脳会合において重点協力三分野が特定されましたが、その一つであるコネクティビティー、連結性を具体化するものとして、オファー型の協力として、カスピ海ルートの円滑化支援を含むコネクティビティ強化というものを立ち上げさせていただきました。 具体的には、これまでに、カスピ海に面する港であるカザフスタンのアクタウ港やタジキスタンのスピタメン国境税関所の貨物検査用機材の整備やキルギスのナリン橋の整備といったハード面の協力に加えて、税関職員や港湾行政関係者の能力強化といったソフト面の協力を行ってきております。また、今週月曜日、二十五日には、カザフスタンに対し、カスピ海の水位の低下に対応するための無償資金協力の供与に関する書簡の署名、交換が行われております。 今後も、カスピ海ルートの円滑化支援を通じて、中央アジア域内外の連結性を強化し、同地域の自律性の強化及び我が国を含む関係国の経済安全保障の強化につなげていきたいと考えております。
○青木愛君 御答弁ありがとうございます。 そのほかにも、トルコは、北にウクライナ、東にイラン、南方にイスラエル、ガザ、そうした地域に囲まれる位置にありまして、トルコ周辺地域の紛争等によって観光に制限が掛かっているとのお話もありました。是非、注意喚起をなくしていく方向にしてほしいというお話などもございました。また、COP31が今年十二月、トルコで開催されることや、また国連の事務局選挙などについても言及がございました。このことを御報告させていただきまして、これを機に、また両国の発展、強化につながることを期待をしております。引き続きよろしくお願いいたします。 それでは、本題の質疑に入らせていただきます。 まず、日・キルギス租税協定についてでございます。 本協定の交渉は二〇二五年十月に開始をされて、署名が同年十二月十九日と、僅か二か月間の交渉の期間でございました。さらに、実質的な交渉の観点からしますと、十月の六日に交渉を開始して、十月十五日には実質合意がなされています。十日も掛からず、スピード合意が行われております。 昨年十二月に、中央アジア、日本対話・首脳会合の出席のため、ジャパロフ大統領が訪日して、高市総理との間で首脳会談が行われました。その前日に、本協定が茂木外務大臣とスィディコフ経済・商務大臣との間で署名をされています。 大統領の訪日に合わせたとはいえ、拙速な交渉ではなかったかと感じております。というのは、本協定には、衆議院で議論のありました仲裁規定とともに、徴収共助の規定も設けられておりません。OECDモデルでは、締結国間で租税債権の徴収を相互に支援する徴収共助規定が導入されています。例えば、我が国が徴収すべき租税を滞納してキルギスに住居及び資産を移転した場合に、日本がキルギス政府に対して租税の徴収を要請できるといった制度でございます。 この徴収共助が本協定で規定されていない理由を伺います。大丈夫なのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(北川克郎君) お答えいたします。 まず、各国との租税協定につきましては、相手国との経済関係、日本の経済界からの要望、租税条約の締結、改正から生じ得る効果といった観点、そういったものを踏まえまして租税条約の締結、改正を進めてきております。 キルギスとの間でも、こうした点を踏まえて検討した結果、所要の環境、準備等が整ったと判断されたことから、改正に向けた交渉を開始し、合意、署名に至ったものでありまして、特定の機会、大統領訪日といった、そういった特定の機会に合わせて拙速に交渉を妥結させたということではございません。 それから、徴収共助につきましてですけれども、これは国際的な徴収逃れに対処する観点から導入することが望ましいと考えておりますけれども、一方で、相手国によっては、その国内法上の制約あるいは執行当局のリソース不足などにより、その導入を困難とする国もございます。キルギスはそういった国でございまして、日・キルギス租税協定につきましても、日本側は徴収共助を導入することを求めましたが、キルギスはそういった国内事情から導入に反対の立場でありまして、導入に合意できる可能性はないと判断されたところでございます。 他方で、日・キルギス租税協定は、全体として見れば、投資所得の大部分に係る限度税率が、現行の日ソ租税条約と同等か、それよりも引下げとなることに加えまして、情報交換の対象税目が拡充していることなど、協定全体として我が国にとって現行条約よりも望ましいものになっていると判断したものでありまして、このため、徴収共助の導入を見送ることとし、租税協定の締結を優先したものでございます。
○青木愛君 キルギス側の体制がまだ整っていなかったというお話だったと思います。 本協定の主な目的は、二重課税の除去と、そして国際的な脱税、租税回避を防止するということにございますけれども、今のお話の中では、後者については情報交換の規定を拡充したりなど導入をしたというお話だったかと思います。脱税防止よりも二重課税の除去を言わばまずは優先をしたという判断だったのかなというふうに受け止めました。 それでは、次の質問に参ります。 キルギスに対する主要援助国、一位は米国、二位はドイツ、三位は日本かスイスといった状況が近年続いていると伺っています。他方で、同国の主要な貿易相手国は、輸出入共にロシア、中国、カザフスタン、ウズベキスタンでございます。 政府は、キルギスに対する日本の援助の効果、こうした結果を見てどのように受け止めておられるのか、伺わせていただきます。
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。 キルギスを含む中央アジア諸国は、中国、ロシア及びイラン、アフガニスタンに囲まれた地政学的に非常に重要な地域でございまして、一九九二年の外交関係樹立以来、日本はキルギスに対して、行政機関等の人づくり、あとテロ対策、国境管理といった支援を実施してきております。 例えば、人づくりにつきましては、日本の支援により行った人材育成の対象者の中から、現職の経済・商務大臣を含む大臣三名を始めとする政府高官も輩出されております。また、テロ対策につきましては、キルギスを含む中央アジア五か国に対して、中央政府、地方政府の暴力的過激主義防止に関する能力向上支援などを行ってきております。 これらの協力は、キルギスの持続的な発展や我が国との二国間関係の発展に貢献するとともに、中央アジア地域全体の安定にも寄与しており、キルギスの日本に対する強い信頼につながっているものと認識しております。 今後も、昨年十二月の中央アジアプラス日本対話・首脳会合や二国間会談の成果を踏まえて、中央アジアとの重点協力三分野である、先ほど出てまいりました連結性、コネクティビティーのほかにも、グリーン・強靱化、あと人づくり、こういったものを中心にキルギスとの関係を強化していく考えでございます。
○青木愛君 いろいろと支援をしている側面、様々なお話を伺ったんですけれども、その貿易相手国にまだ日本が入ってきていないという、これからだと思うんですけれども、キルギスとは今回租税協定が結ばれて、この後、投資協定ですとか社会保障協定とか進んでいくんだろうと思うんですけれども、まだその貿易相手国として日本が名のりを上げていないということについては、どのような展望を持っておられるでしょうか。
○政府参考人(今福孝男君) お答え申し上げます。 先ほどお答えいたしましたように、まさに中央アジア、重要な地域でございますので、まずは、人づくり、国の土台となります人づくりとか、あと治安の観点からテロ対策、こういった土壌を整えていく、そういったビジネス等の基盤が整うことによって、日本の企業の進出というのも促進されるのではないかというふうに考えております。
○青木愛君 まずは土台づくり、そしてこれからだということだというふうに受け止めます。 そして、もう一点お伺いしたいのが、二〇二五年二月にジャパロフ大統領が中国を国賓訪問されています。包括的パートナーシップの深化に関する共同声明に署名をされ、一帯一路構想に基づく建設事業に係る署名もなされたと伺っています。 中ロとのつながりが深いキルギスとの関係において、日本の投資が間接的に中国の一帯一路構想に寄与することもあり得ると考えます。日本はキルギスを始めとした中央アジアの国々とのこの経済関係を深めるに当たり、中国の一帯一路構想とどのように向き合う方針なのか、一線を画すものなのか、それとも理解をしながら関係を深めるのか、政府の方針を伺わせてください。
○国務大臣(茂木敏充君) キルギスを含みます中央アジア諸国、中国との間で、近年、貿易、投資等の経済分野を中心に関係が深まっておりまして、御指摘の一帯一路構想にも参画してきたことは承知をいたしております。 場所的に見て、中世の時代のシルクロードもそうでありますけど、唐から始まりまして天山山脈を越えて、そして中央アジア、ウズベキスタンのサマルカンドが最後の中継点になってバグダッドに続くということで、こういう、何というか位置的な関係にあるのは確かだと思っております。 その上で、中国の一帯一路につきましては、インフラの開放性、透明性、ライフサイクルコストを考慮した経済性、債務の持続性等の国際スタンダードに合致した形で実施されているかと、こういったことを注視しているところでありまして、様々なところで、言ってみますと債務のわなの問題であったりとか、こういう、借款の代わりに港湾の権益、これが奪われると、こういった事象もあるわけでありまして、ここは注意深く見ていかなくちゃいけないなと、こんなふうに思っております。 同時に、国際社会共通の考え方を十分に取り入れた形でこの一帯一路、実施されることによりまして、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していく、こういったことを期待をいたしているところであります。 一方、日本と中央アジアの諸国につきましては、一九九二年の外交関係樹立以来、二国間及び中央アジアプラス日本の対話での協力を通じて一貫して良好な関係を築いているところであります。 中央アジアに限らず、日本の様々な形での支援であったりとか協力というものは、単に短期的な利益を求めるのではなくて長期的な関係につながると、また相手国にも裨益をしっかりと与え、さらには相手国の人材育成であったりとか様々な技術の向上にも貢献するということで高く評価をされていると、このように考えているところであります。 キルギスを含みます中央アジア諸国との今後の関係について申し上げますと、昨年十二月に実施をいたしました中央アジアプラス日本対話・首脳会合や二国間会合の成果を踏まえて、中央アジアとの重点協力三分野、つまり、グリーン・強靱化、そしてコネクティビティー、さらに人づくり、これを中心にキルギスの産業の高度化であったりとか多角化を後押しし、互恵関係、強化をしていきたいと考えております。
○青木愛君 御答弁ありがとうございました。 それでは、次、続きまして、南極環境保護議定書附属書Ⅵについて伺ってまいります。 南極条約は一九六一年に発効、南極条約地域の平和的利用、科学的調査の自由、領土権の主張の凍結などが掲げられました。南極条約を補足するものとして環境保護に関する南極条約議定書が一九九八年に発効し、今五つの議定書が発効済みでございます。 今回、このⅥについて今審議を行っているわけですけれども、この南極環境保護議定書附属書Ⅵは二〇〇五年の第二十八回南極条約協議国会議において採択されたものでありますが、今国会への提出まで何と二十年以上を要しております。発効には二〇〇五年の採択時の協議国二十八か国全ての国が締結しなければならないということで、このうち九か国が未締結であり、日本もその中に入っているということになります。 かつて、一九九一年に採択され、一九九八年発効されたこの環境保護に関する南極条約議定書において、当時、日本がこの議定書の発効前に最後の締約国になったということに対して、対応が遅かったという指摘がありました。いわゆるこのマルチという多国間との条約においては、他国の動向ですとか発効の可能性ですとか、勘案する必要があるのだということは私もそのように考えますが、しかし、タイミングを見誤っては批判の対象にもなり、また締結の価値も薄くなることも考えられるのではないかというふうに思いました。 本附属書が国会提出までこれほどの時間を要した理由、またこのタイミングで良かったのかどうか、先ほど未締結国への働きかけも行っているというお話もございましたけれども、このタイミングになった理由について伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 政府といたしましては、ほかの協議国の動向、あるいは本附属書の発効の見通し、こうしたものも踏まえつつ、本附属書を円滑に実施するために必要な国内法の整備につきまして検討を行ってきたところでございます。 その上で、南極地域における観光活動の増加により環境に重大な悪影響を与え得る事故が発生するリスクが高まっていること、あるいは各国による本附属書の締結の進展、こうしたものに加えまして、本年に我が国が南極条約協議国会議を主催することになったということも踏まえまして、南極条約を重視する我が国の姿勢を改めて示す観点等から、今次国会におきまして本附属書及びその国内担保法を提出するに至ったということでございます。 今月、広島で開催されました第四十八回南極条約協議国会議におきましては、先ほど委員から御指摘ございましたが、開会式に出席した国光外務副大臣及び辻環境副大臣から、本附属書について国会で審議中であることを紹介しつつ、未締結の国に対して早期締結を呼びかけたということでございます。 政府といたしましては、我が国にとって重要な取組を遅滞なく進められるよう、引き続き必要な条約の締結に努めてまいりたく存じます。
○青木愛君 先ほども御質問がございましたが、広島で開かれましたこの第四十八回南極条約協議国会議、議長を務められたということであります、宇山会議担当大使が議長を務められたタイミングになったというお話、あと国内法の整備のお話がございましたが、やる気になればもっと早くできたのだろうというふうにも思いますし、このタイミングで未締結の国が足並みのそろうことを願っております。 そして、この広島の会議において、先ほどもお話がございました観光客の増加、あるいはその観光の形態の多様化等々踏まえて、船が氷山に衝突をして油が漏れるなどの蓋然性が高まっていると、こういう状況において、今回の附属書Ⅵは、締約国が南極条約における活動から生じる損害についての責任に関する規則及び手続を規定しております。 南極に毎年調査船を派遣している我が国にとっては、他国の主宰者に代わって事故等の対応措置をとった場合にその費用の請求権が確保される点で有益であるという見方も示されておりますが、伺いたいのは、本附属書では、環境上の緊急事態を起こした主宰者が対応措置をとらず、そしてなおかつ、いずれの締約国も対応措置をとらなかったとき、主宰者はとられるべきであった対応措置の費用を支払う責任を負うことが第六条で規定されました。 主宰者も、そしていずれの締約国も対応措置がとることが困難な事態の場合の費用の算定というのは可能なのかどうか、この点だけお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 本附属書におきまして、環境上の緊急事態を引き起こした事業が対応措置をとらなかった場合におきましては、いずれの締約国も対応措置をとらなかったときは、当該事業者はとられるべきであった対応措置の費用に相当する金額を南極条約事務局が維持及び管理する基金に対して支払うことが義務付けられております。 この金額の具体的な算定基準でございますけれども、本附属書では規定されておりません。各締約国がそれぞれ検討することとなるということだと存じますけれども、日本につきましては、同様の事故への対応に際して要した費用等を参考にしつつ、関係各省、海難救助関連の民間企業あるいは有識者等の意見を踏まえながら算定することが想定されております。これからということでございます。 なお、本附属書に基づきまして、南極地域において活動を行う事業者に対しては、こうした費用の支払に備えまして、保険その他の金銭上の保証を維持することが義務付けられておりまして、支払う金額につきましては、本附属書第九条が定める最高限度額が適用されることになっております。
○青木愛君 これからだということでございましたけれども、いずれも対応措置がとれないというのは相当な困難な事態だというふうに思いますので、その算定についてはまた、じゃ、今後の状況を見ていきたいというふうに思います。 次に、国際民間航空機関、ICAOの改正議定書と万国郵便連合、UPUの追加議定書について伺ってまいります。 国際民間航空条約第五十条(a)と五十六条のこの二つの改正議定書は、いずれも二〇一六年十月に作成され、批准のために開放されておりますけれども、両議定書が日本の国会に提出されるまで、こちらも約十年の期間を要しております。 一九五〇年以来、継続して理事国に選出されている日本は、国際民間航空分野の主要国として両議定書の早期発効に向けて積極的に働きかけていくべきではなかったかと考えます。 こちらの場合は、十年前に採択されたときの加盟国は百九十一か国、その三分の二で発効だということでございます。よって、百二十八か国の批准が必要。五月現在で百二十四か国が、発効目前だということでございます。このタイミングで今この国会に日本は審査されているわけですけれども、こちらもこのタイミングでよかったのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(中村亮君) 委員御指摘のとおり、二〇一六年に国際民間航空条約第五十条(a)改正議定書及び第五十六条改正議定書が採択されて以降、我が国としては、理事会及び航空委員会の機動的な意思決定を確保するとの観点も踏まえつつ、両議定書の締結についてずっと検討を行ってまいりました。 一方で、近年両議定書の締約国数が増加し、間もなく発効することが見込まれるという、委員御指摘のとおりでございますけれども、そういう状況から、我が国としても、両議定書を早期に締結し、新しい理事会及び航空委員会の構成に係る議論により積極的に関与することが望ましい状況となっていると、このように認識をしております。 また、本年一月に就任をされました大沼理事会議長は、今後、各国に両議定書の締結を働きかけていく立場となります。そうしたところ、我が国による締結は大沼議長による国際民間航空機関の運営を側面から支援することにもつながると、このように考えております。 こうした状況に鑑みまして、我が国として、ICAO加盟国の意見を理事会及び航空委員会の議論に適切に反映をし、ICAOを通じた国際協力を強化するためにも両議定書の締結を積極的に目指すこととしたものであります。 我が国といたしまして、両議定書の締結を機に早期発効に向けたほかの未締結国への働きかけを一層強めていきたいと、このように考えております。
○青木愛君 御答弁ありがとうございます。 百二十八か国過ぎてからの批准ではやはりその価値が薄れるのではないかという、やはりタイミングの難しさを感じるところでもございます。 この二つの改正議定書が発効された場合、ICAOの理事国の構成員の数が三十六から四十か国に、そして航空委員会の委員の数が十九から二十一人に増加をいたします。この増加数、適当とした判断について伺わせてくださいませ。
○政府参考人(中村亮君) 理事国の数を定める国際民間航空条約第五十条(a)につきましては、これまでも国際民間航空機関の加盟国数の増加に伴いまして四回改正されております。理事国の数を三十三か国から三十六か国に増加させることを定めた前回の改正議定書は、一九九〇年に採択をされております。航空委員会につきましても、同様に二回開催されておりますけれども、航空委員会の委員の数を十五名から十九名に増加させることを定めた前回の改正議定書は一九八九年に採択されたところでございます。 前回の改正以降、ICAOの加盟国数が約三十か国増加したことに伴いまして、二〇一六年のICAO総会におきまして、理事会及び航空委員会の構成につきまして、理事国の数を四か国増やして計四十か国とすること、航空委員会の委員の数を二名増やして計二十一名とすることがそのICAOの総会の場で決まったと、みんなで議論して決めたということでございます。これは、ICAOの加盟国数の増加を理事会及び航空委員会の構成に公平かつ適切に反映することを確保するためのものであったと、このように理解をしております。
○青木愛君 ICAO及びUPUは、我が国にとって重要な国際機関でありますが、日本人職員数は必ずしも多いとは言えません。現在、ICAOでは約八百名中八名が日本人職員、UPUでは約二百五十名中十二名が日本人職員と承知しております。政府は、望ましいポスト数をどのように認識し、現在の状況をどう評価しているのか、伺います。 また、二〇二二年一月から目時政彦氏がUPUの国際事務局長に就任し、二〇二六年一月から大沼俊之氏がICAOのトップである理事会議長に就任されました。国際機関の幹部級ポストに日本人が就任することは、日本が国際社会をリードしていく上で非常に重要と考えます。 予算計上されています邦人職員増強経費、また国際機関選挙関係経費なども踏まえまして、今後どのように日本人職員、特に幹部候補人材の育成、確保、維持を進めていくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(中村亮君) まず、前半についてお答え申し上げます。 国際民間航空機関及び万国郵便連合の日本人職員の数は、我が国の分担金の拠出水準等を勘案をいたしますと望ましい水準を下回る状況であると、このように認識をしております。 外務省におきましては、国際機関に若手人材を派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPO派遣制度、あるいは将来の幹部候補となり得る日本人の派遣制度、あるいは採用、昇進に向けた候補者の競争力向上のための研修、こうしたものの支援を通じまして、いろいろなやり方を通じまして日本人職員の増強に努めております。 ICAO及びUPUを含む国際機関における日本人職員数の増加に向けまして、今後とも、取組を強化、継続してまいりたいと存じます。
○国務大臣(茂木敏充君) 国際機関の職員でありますから、当然、中立公正な立場であることを求められますが、日本人職員が国際機関で活躍するということは、それぞれの国際機関との連携強化につながるものであります。 今政府参考人から様々な施策について申し上げたところでありますが、優秀な人材を積極的に配置するとともに、日本人がトップを含みます幹部ポストを獲得していくためには、中長期的な視野に立って、関係省庁が連携して計画的に取り組むことが重要だと考えておりまして、二〇二一年から内閣官房と外務省が共同議長として開催する関係省庁連絡会議を開始をいたしまして、幹部ポストの獲得であったり国際選挙への対応のための知見の共有を行っているところであります。 また、国際選挙におけます邦人候補の支援のために、私も選挙になるとついつい力が入ってしまうんですけれど、目時さんの最初のときは相当いろんな国に働きかけも行いましたし、こういった各種会談における支持の獲得、場合によってはクロス支持といいますか、違う選挙との相互支持等も含めたこういった要請であったりとか、候補者アピールのための様々なレセプション等の開催、こういったことも行ってきておりまして、日本人職員、どこまで行けばベストか、こういう決まった数字があるわけではありませんけれど、この増強に向けまして、引き続き政府全体として一層戦略的に取り組んでいきたいと、こう考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 私も話を伺っていて、もう移動の費用だけでも大変な額のものが掛かるのではないかなというふうに思った次第でございましたけれども、最後に一問伺わせていただきます。 このICAOの大沼理事会議長は、インタビューにおいて、航空分野の脱炭素施策ですけれども、これを進めていかなければならないんだが、今気候変動対策に後ろ向きなアメリカ・トランプ政権、どう折り合いを付けるかが真っ先の課題になるというふうに言及されています。 日本も航空分野の脱炭素、これは重視しており、また議長が日本人であることからも、このICAOの取組を積極的にバックアップする必要があると考えますが、米国への働きかけ等を含めてどのような方針であるか、最後にお伺いをさせていただきます。
○委員長(里見隆治君) 時間が参りましたので、簡潔に御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(中村亮君) 委員御指摘のとおり、ICAOでは、脱炭素化への取組を含めまして航空分野に関する幅広い議論、国際的なルールの策定等が行われております。 大沼議長が、二〇五〇年カーボンニュートラル目標、こういうものがありますけれども、この実現に向けてリーダーシップを発揮することは、我が国が国際航空における気候変動対策の面で主導的な役割を果たす上でも大変有意義と考えております。 米国は、トランプ政権においても引き続きICAOの理事国を務めております。我が国としては、脱炭素化への取組を含む諸課題につきまして、引き続き、ICAOにおいて米国を含む関係国と緊密に意思疎通をして連携を図ってまいりたく存じます。
○青木愛君 本日は、様々な角度からの御答弁をいただきました。今後につなげてまいります。 ありがとうございました。
○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 今日、私、暑くなってきたので、南極に特化して話をしたいと思いますが、南極大陸というのはどの国のものでもないので、南極条約に締約国が責任を持って対応しなければならないと思いますが、前段の青木理事の質問でもちょっとありましたが、これ、本議定書が採択されたのは二〇〇五年なんですね。町村外務大臣のときでした。私、当選して四年目だったので記憶あるんですけれども、国会への提出に二十年掛かったんですよね。きみまろじゃないけど、あれから二十年でやっとこうなったと。 先ほど、第四十八回南極条約締約国会議で国光副大臣や環境省の辻副大臣が条約への積極的な参加を促したというけど、日本が二十年入っていなかったので、なかなか説得力ないなと思いますよ、地球審。 これ、青木さん、これ議長国回ってきたので多分入ったと思いますよ。これA、B、C、Dで順番にやっているので、来年はKなので、韓国なんですよ。韓国、来年入ると思います。 これしっかり、なぜこの話するかというと、今、大国が国際法をないがしろにするような現下の情勢にあって、やっぱり日本は余りこういうことを私やらない方がいいんじゃないかなと、日本らしくないなと思いました。是非この問題、中村さん頑張って、リーダーシップ持ってやってほしいと思います。 この参議院にはいろんな委員会室があるんですけど、世界地図があるのは参議院外交防衛委員会だけなんですね。ここに南極ないなと思ったら、帝国書院の良心で、あの隅っこの方に南極大陸ってあるんですけど、これメルカトル図法なので、この右側のヨーロッパやアフリカや中央アメリカのあれ取っちゃうと全部南極大陸になっちゃうので、あれ、うまくごまかしていると思うんですけれども、南極のサイズって意外と分からないんですよね。 今日、皆さんに地図をお配りしたんですけど、これが南極です。大臣はもう世界各国行っていらっしゃると思いますけど、南極には行ったことあります。ないですよね。 かつて同僚だったアントニオ猪木先生が、榛葉さん、南極に行ったことありますかと言ったから、ありませんと言ったら、力道山先生は新婚旅行で南極に行って半袖だったと言っていましたけど、プロレスラーすごいなと思いましたが、猪木先生がもう一個言ったのは、榛葉さん、南極点で道を聞いちゃ駄目ですよと。昭和基地どっちですかと言ったら、北へ真っすぐ行ってくださいと。プリマベーラ基地どこですかと言ったら、北へ真っすぐ行ってくださいと。南極点からすると全部北なんで、南極点で道を聞いちゃ駄目ですと言われましたが、猪木先生、懐かしいです。 この南極なんですが、広さが何と一千四百万平方キロ、日本の三十七倍というんですよ。オーストラリアの二倍、しかも、冬になると、海が凍って海氷ができて、更に二千万平方メートルぐらい追加されるので、冬の南極というのは三千万平方キロ以上あって、あのアフリカ大陸より実は大きいんですね。南極ってそんな大きいんだと、この南極条約のおかげで勉強になりました。 ただ、夏になると、この海氷が解けて、海氷面積が三百万程度になるので、この夏、南極の夏というのは十一月から三月辺りだそうです。今、ですから、もう夏じゃないんですね。この夏に観光客がどっと押し寄せるということで、かつて一九九〇年代には数千人規模だったのが、先ほど生稲委員からもありましたが、十一万人を超える規模と。 これ、環境省にお伺いしますが、これだけ南極観光が急増すると、相当弊害があるんじゃないですか。
○政府参考人(大井通博君) お答え申し上げます。 南極地域には、海に浮かぶ氷山や、大陸から張り出した氷床など、極地に特有の自然環境、景観がありまして、また、南極地域固有の種も生息しているということでございます。この野生生物の生態観測を行ったり、専門のガイドによる説明を受けることなどにより南極の自然を学ぶことを目的として、観光で訪れている方も多いものと認識してございます。 先ほど、数につきましても先生からお話ございましたが、南極観光を主催する旅行会社で組織される国際南極旅行業協会によれば、南極地域における観光客の数は二〇一一年度の二万六千人から二〇二四年度には十一万七千人になるなど、世界的に増加傾向となってございます。 これに伴いまして、南極大陸の中で特に観光利用が集中いたします南極半島などの地点におきまして、累積的な環境への悪影響、これが発生することが懸念をされているという状況でございます。
○榛葉賀津也君 一番観光客が多いのは十二月だそうですね、南極ツアー。これ、一番ペンギンの繁殖期なんですね。このペンギンの繁殖期に観光客がどっと行って、ペンギンのコロニー近くまで人間がどんどん入っていくと、親ペンギンが驚いて逃げるので、そのひなや卵が凍って駄目になっちゃったり、カモメに取られたりということで、相当人間悪いことやっていますね、これね。あと、やっぱり南極で、今、スキーとか、車運転したり、マラソン大会とかいろんなことやっているんですけど、南極でマラソンやらなくてもいいと思いますよ。ちょっと、これ、環境保護が追い付いていないね。是非、もう少し南極の環境問題をみんなして考えた方がいいと思います。 そこで、具体的な話に入りますが、南極条約第七条についてお伺いするんですけれども、南極条約七条の五では、自国の活動を他の締約国に対して事前に通告することが定められていると承知をしています。ただ、その通告対象、この範囲が、日本政府はその対象範囲を海域のみで行われる活動は含めないと定義していたんですけれども、他方、他の締約国の多くは、南極地域で活動する船舶については、乗員の上陸の有無にかかわらず通告の対象とするべきだという、主張が若干異なっておりました。日本政府よりも広めの解釈を取っていますね。 このような中、今回の国内担保法の検討過程において、環境上の緊急事態というのは陸上だけとは限らないと、海域のみで行われる活動からも生じ得るとして、解釈を変更する予定だと承知をしております。 そこでお伺いしますが、具体的にどのタイミングでこれを変えるんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 従来、我が国は、南極大陸への上陸を伴わない観光あるいは科学的調査等の活動につきましては、公海の自由に該当する活動として、南極条約第七条五に基づく事前通告の対象外であると、このように解釈をしてまいりました。一方で、本附属書では、その適用対象となる活動の範囲につきまして、この事前通告の対象とされる活動及び南極地域に入る全ての観光船について適用される旨規定されておりますことも踏まえまして、本附属書の締結に関して検討するに際しまして、事前通告の対象となる活動の範囲についても改めて検討を行わせていただきました。 その結果、国際環境法が発展する中で、公海の自由に該当する活動につきましても、海洋環境の保護等の観点から規制が強まる傾向にあると、こうしたことに加えまして、事前通告に関する各国の実行との整合性の観点、今御指摘ございましたけれども、こうしたことも踏まえまして、本附属書の締結を機に、南極大陸への上陸を伴わない観光あるいは科学的調査等の活動につきましても原則として事前通告の対象に含めることといたしました。 事前通告の実施でございますけれども、国内法上、南極観光、失礼いたしました、南極環境保護法に基づく事業者による環境大臣への確認申請を通じて担保されております。そうしたところ、今回の解釈変更は、改正南極環境保護法におきまして確認申請の対象の変更に係る部分が施行されることで有効となります。 この施行の時期は、改正法につきまして今次国会での承認が得られましたら、その後、同法の公布日から二十日後、二十日、二十日後であると、このように承知をしております。
○榛葉賀津也君 中村さん、じゃ、その解釈の変更で、南極地域観測隊による科学的調査、今までやってきたこういった日本の南極活動に何か変化や支障が生じ得るんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 今般の解釈変更によりまして、事前通告の対象となる活動の範囲を拡大をし、海域のみで行う観光活動及び科学的調査活動を新たに事前通告の対象に含めたわけでございますけれども、そうしたことは我が国による南極地域における活動に関する透明性の強化に資するものと、このように考えております。 一方で、この解釈変更によりまして、対象となる事業者は、環境省に対して事前に確認申請を行って、その活動が南極地域の環境に与える影響の程度について確認を得た上で南極地域における活動を実施することとなるわけでございますけれども、事業者に過度の負担を強いるものではなく、また、我が国の南極地域における活動に特段の困難を生じさせるものではないと、このように考えております。
○榛葉賀津也君 日本と同様の立場を取っていた国というのはまだ幾つかあると思うんですね、他の締約国で。その同様な解釈変更をこれらの国々も行うと思うんですけれども、こういった国々と解釈変更に関わる議論というのはされているんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 今般の解釈変更の検討に際しましては、本附属書を締結済みの国を中心に、他国の事前通告の実行について調査をさせていただきました、こうした国々とお話をさせていただきました。 この中で、回答が得られた国につきましては、いずれも、南極地域で活動する観光船及び科学調査船につきまして、乗員による上陸の有無にかかわらず事前通告の対象としていることが確認をされました。 各国と協力しながら南極地域の環境を適切に保護する上では、事前通告の対象となる活動については各国の実行と可能な限り一致することが望ましいと、このように考えておりますので、こうした他国の実行に係る情報も考慮をして今回の解釈変更の検討を行ったということでございます。
○榛葉賀津也君 次に、環境上の緊急事態の解釈についてお伺いしたいと思うんですが、本議定書は、南極地域における政府や非政府の事業者、主宰者ですね、の活動から生じた事故により環境上の緊急事態が生じた場合の対応について定めているんですが、その具体的な対応策を教えてください。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 本附属書におきましては、ある事業者による南極地域における活動から環境上の緊急事態に該当する事故が生じた場合に、まず、当該事業者が迅速かつ効果的な対応措置をとることを義務付けております。その上で、事故を起こした事業者が対応措置をとらない場合には、当該事業者の活動を許可した締約国、これがまず先に来て、締約国及び他の締約国が当該事業者に代わって対応措置をとることを奨励をしております。 また、本附属書は、他の締約国が対応措置をとろうとする場合には、原則として、当該事業の活動を許可した締約国及び南極条約事務局に対しまして事前にその意図を通告する旨規定をするとともに、南極の環境に関する重大かつ有害な影響の脅威が差し迫っている場合には当該通告を行わないことも可能であると、このように規定がされております。
○榛葉賀津也君 政府は、主宰者が起こした事故が環境上の緊急事態に該当するか否かを判断するのは当該主宰者の締約国であるというふうに説明していると承知をしているんですが、この環境上の緊急事態の定義というのは非常に実は曖昧なんですね。 環境省にお伺いするんですが、我が国とすると、この環境上の緊急事態というのはどう定義しているんですか。何が環境上の緊急事態なんですか。
○政府参考人(大井通博君) お答え申し上げます。 環境上の緊急事態につきましては、附属書のⅥにおきまして、偶然の事故であって、南極の環境に対して重大かつ有害な影響を及ぼし、又は及ぼす急迫したおそれがあるものをいうとされております。 どのような過去の事故事例が南極の環境に重大かつ有害な影響を与えるものに該当するかということにつきましては、一九九九年の第二十三回南極条約協議国会議で検討された経緯がございます。その結果によりますと、大規模な油の流出などに加えまして、野生生物の生息に影響を及ぼすようなものが南極の環境に対して重大かつ有害な影響を与えるという認識が協議国の間でも共有されているという状況でございます。 こうした議論も踏まえまして、環境省におきましては、環境上の緊急事態に該当する案件を判断するためのガイドラインを作成する予定でございます。
○榛葉賀津也君 いや、これもう一九九九年でしょう。三十年近くたっていて、大分、南極を取り巻く環境や人間社会の変化に伴って、いわゆる重大とか有害と言われるものは相当変わってきていると思いますよ。 これ、いつ頃までにガイドラインまとめるんですか。
○政府参考人(大井通博君) 遅くともこの法律の施行までということでございますけれども、可及的速やかに検討したいというふうに思います。
○榛葉賀津也君 それも曖昧なんですけど、可及的速やかに。 他の締約国とのこの定義のそごというのはないんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 環境省からも今御答弁がございましたが、本附属書におきましては、環境上の緊急事態は、偶然の事故であって、南極の環境に対して重大かつ有害な影響を及ぼし、又は及ぼす急迫したおそれがあるものである旨規定をされております。 その上で、ある事故が環境上の緊急事態に該当するか否かについては今おっしゃったとおりでございますが、こうしたガイドラインを環境省の方で作成に向けた作業を進めているというふうに承知しています。 その上で、ある事故が本附属書の適用対象となる環境上の緊急事態に該当するか否かについて、現時点におきましては、締約国間での認識のそごがあるというふうには認識をしておりませんけれども、引き続き、そうした認識のそごが万が一にでも発生をして、円滑な協力や迅速な対応措置の実施が阻害されることのないように、ほかの締約国、協議国としっかり議論をして、そこにそごがないように努めてまいりたいと存じます。
○榛葉賀津也君 これ、環境省に聞いたらいいのか外務省かちょっとあれですけど、実際に事故が起こった場合、南極遠いでしょう、すぐに状況の把握や迅速な対応措置というのはなかなかこれ難しいと思うんですよね。ですから、相当、この締約国や関係国との支援の取決めであるとか協力体制の取決めというのはすごく大事だと思うんですけれども、こういう連携というのは取れているんですか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 つい先週も、広島で締約国会議、失礼いたしました、協議国会議が実施されたわけですけれども、そうした国際会議の場のみにおいて協議を行うわけではございませんで、ふだんから南極条約事務局を中心として、各国との間で様々な意見交換をしております。 そうした観点から、今回、こちらの新しい議定書に入るに際しまして、しっかりこの点も含めまして各国と議論を続けてまいりたいと存じます。
○榛葉賀津也君 そのような中、二〇二三年に、中国が日本の昭和基地からもうたった二十キロのすぐそばに真っ赤なドーム型の施設を建設しちゃったんですね。 これ、事前通告しなきゃいけないんですけど、これ事前通告あったんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) 委員御指摘の事案につきましては、二〇二二年十二月に、我が国の南極地域観測隊が、昭和基地の南約二十キロ、そうした地点におきまして、中国によって設置された半球形の簡易的な小屋のような構造物及び倒壊した自動気象観測装置と思われる物体を発見したと、そういう事象のことと存じます。 当該構造物等における活動は、御指摘のとおり、南極条約第七条五の規定による事前の通告を行うべき活動に該当する可能性があったと、このように考えておりますけれども、当該構造物等の建設に当たりまして事前の通告は確認されておりません。
○榛葉賀津也君 世界の大事な資産である南極に国際ルール無視して事前通告もせずにこの真っ赤なドームを建設して、極めて怪しいですね。これ、私、うがった見方すると、我々日本の昭和基地がどんな活動しているのか情報収集しているんじゃないかとか、いろんなことも推察されるんですが、この施設、一体、もう少し具体的に、何やっている施設なんですか、これ。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 他国の活動の目的につきまして予断を持って述べることは差し控えますけれども、本件につきましては、どういうものかということについて私どもも大変関心を持ってしっかり調べております。 その上で、先ほど通告はなかったというお話でございますけど、我が国は本事案の発生後、中国側に対して、この設置につきまして事前の通告がなかったことは問題であって早期撤去を行うべきであるということを例えば繰り返し申し入れてきましたし、この現状についてもしっかり把握しようと、そのように努めております。
○榛葉賀津也君 是非把握をしっかりしてほしいと思います。 昨年の報道によりますと、中国のこの無通告観測施設とおぼしきものがブリザードによって破壊しているんじゃないかというのを第六十六次南極地域観測隊が確認しているんですが、今、この施設はどうなっているんですか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 本年二月に、中国側から我が国の国立極地研究所に対しまして、当該構造物等を撤去した、こうした連絡がございました。 今後、可能な機会に、今季節が余り適切でないものですから難しいんですが、今後、可能な機会に現地にて状況の確認を行う考えでございます。
○榛葉賀津也君 これから撤去するんですね。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 本年二月の中国側からの連絡によりますと、当該構造物等を撤去したとの連絡でございました。
○榛葉賀津也君 是非また事実関係確認したいと思います。 次に、第七条は、南極での鉱物資源活動を厳しく禁止をしています。他方、一九四八年が、この条約発効から五十年の節目なんですけれども、いわゆる二〇四八年問題への懸念が高まっているんですが、この二〇四八年問題というのはどんなもので、我が国はどんな対応を今されているんでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 環境保護に関する南極条約議定書第七条でございますけれども、鉱物資源に関するいかなる活動も科学的調査を除くほかは禁止する、こうした旨規定されております。また、同議定書第二十五条は、鉱物資源に関する活動の禁止について、新たな法制度が効力を生じない限り継続すると、このように規定をされております。 二〇四八年以降に南極で鉱物資源に関する活動が可能となるような報道が若干あるということは承知をしておりますけれども、実際には、同条では、同議定書の効力発生の日から五十日を経過した後にいずれかの南極条約協議国が要請する場合には同議定書の運用について検討するための会議を開催すると、このような旨が規定されているのみでございまして、改正を予断する内容にはなっていないと、このような認識でございます。 南極地域におきまして鉱物資源に関する活動の禁止は、我が国を含めまして多数の協議国から支持を得ておりまして、二〇一六年及び二〇二三年の協議国会議におきまして、鉱物資源に関する活動の禁止についての継続的なコミットメントを確認し、同議定書第七条の規定を継続して実施する確固たる意思を表明する内容の決議が採択されております。 先ほど五十日と私誤って申しましたけど、五十年の誤りでございます。 我が国としては、同議定書を始めとする関連規定が我が国に完全に遵守されるように、関係国と連携をしつつ、必要な取組を継続してまいりたく存じます。
○榛葉賀津也君 南極条約というのは、今、地球審おっしゃったように、科学調査の自由というのが保障されているんですね。他方で、南極条約の第一条では、南極の軍事利用、これ厳しく禁止をされているわけでございます。軍事利用はできないけど、科学調査は自由だよと。 ただ、近年、いわゆる衛星通信、宇宙開発、こういった技術の進展に伴いまして、通信施設や観測インフラ、これはもう軍民両用のデュアルユースになっているという指摘、これもっともなんです。これが相当問題視されているんですけれども、今現状はどのように外務省把握されていますか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 南極に対する国際関心が高まっている中で、各国の南極地域における活動についても、委員御指摘のとおり、高い関心を持って見守っています。南極には様々な平和利用をちゃんと担保するための仕組みがございますけれども、そうした仕組みを通じて、例えば査察なんかもございますし、そうした仕組みをしっかり通じまして、南極で今何が起きているのかというのを私どももしっかり把握をしようと努めております。
○榛葉賀津也君 先ほどの中国の施設ではないですけれども、一部の大国が軍事情報のこの通信測位システムに南極施設を利用しているんじゃないかという指摘が幾つかあります。これ、きちっとルールを透明化するべきだと思うんですけれども、これについてのお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 今日の質疑を聞いておりまして、榛葉委員が南極問題について大変詳しいと、また様々な課題を解決することについて非常な情熱を持っているということを感じました。かつて南極をテーマにしたテレビドラマがあったんですが、まるでその主演の木村拓哉を見ているような思いがしたところでありますが。 南極に対します国際的な関心が高まる中で、その衛星等も含めて、各国の南極地域における活動については政府として高い関心を持っているところであります。 南極条約、これ南極地域の平和的利用、科学的調査の自由及びそのための協力を定めるものでありまして、その遵守を確保するためには、先ほど中村参考人の方からもお話ししたような様々な規定等設けられておりますが、それを実際に守るかどうか、こういったことが極めて重要だと思っておりまして、南極条約の協議国会議におきましては、これらの規定の実施状況について各国からの報告及び審議が行われております。 今月の広島で開催された南極条約協議国会議におきましても、我が国、議長国として、各国に対してこれらの規定の遵守、活用を促すとともに、各国の活動に関するまさに透明性ですね、これ、いろんなところで今、軍事面でも言われますけど、透明性の向上を喫緊の課題として取り上げて議論をリードしてきたところでありまして、引き続き、各国の南極地域における活動について必要な情報収集を行うとともに、関係国と連携して、各国の活動に関する透明性の向上に向けて取り組んでいきたいと考えておるところであります。 冒頭、南極に行ったことがないというお話を申し上げましたが、榛葉委員のお話を聞いていますと、タイミングがあれば一度視察に行く必要もあるかなと、こんなところも感じたところであります。
○榛葉賀津也君 引き続き、南極問題について、氷が解けない程度の情熱で頑張っていきたいと思います。 終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 今日、まず、本題に入る前に一問、NPTについてお伺いをしておきたいというふうに思っております。 今月の二十二日までニューヨークの国連本部で行われておりましたNPT運用検討会議、残念ながら成果文書を採択できずに終幕ということになりました。本当にこれまで、この政府の代表団の皆さんもそうですし、日本被団協の皆様や市民社会の皆さん、NGOの皆さん、本当に高い意欲を持って、何としても今回は合意をつくり出すんだと、その意欲に満ちて参加をされ、そして四週間にわたる長きにわたって皆さん努力をされてまいりましたので、本当にその合意ができなかったということに、どれだけの皆さん思いなんだろうということで、本当に私も残念でならないわけであります。 今日、まだ直後ということもあります、今日、中村部長にも御参加いただきましたが、これ現地に行かないとちょっと分からない部分を少しお話をいただけたらと思っているんです。要するに、三回連続駄目だったと。もう、要するにこれは駄目だなと、今後運用検討会議やってもどうせ合意できないなということで終わってしまっているのか、いや、そうじゃなくて、この四週間の間、報道に特に出てくるのは非難の応酬をしていたりする場面が多いわけですけれども、実際には、今回はいけるぞというふうに例えば思う瞬間があったり、何かそういったところがあると次の会合のときにやはり今回以上の情熱を持ってまた皆さんも集まれると思いますし、当然これは、NPTというのは運用検討会議だけではなくて、その間も含めて常に運用されているわけでありますから、ある意味しっかりとこれからも核軍縮、核管理やっていかなきゃいけないんだと、この情熱を持って、またこれから各国、そして特に日本が取り組んでいけるのか、現地の状況を、是非その希望を持てる瞬間があったのかというところも含めて、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(中村仁威君) 今回のNPTの運用検討会議でございますが、我が国は唯一の戦争被爆国の使命として、NPTの維持強化に向けて、今回の会議が意義のある成果を収めるべく、関係国と緊密に連携しながら全力で外交努力を重ねてきた次第であります。 日本政府代表団、これは会議の終幕までコンセンサスの形成に向けて議長を支え、その都度必要となる各国との調整や働きかけを柔軟に現地で行いました。しかしながら、極めて残念なことに、御指摘のあったとおり、成果文書のコンセンサス採択には至らなかったわけであります。 閉会時の各国の発言を見ておりますと、そこにも表れておりましたけれども、イランの核問題、ロシアのウクライナ侵略、北朝鮮の核問題、こういった問題が厳しい安全保障関係を反映して、そういう幾つかの争点をめぐって締約国の間の立場の乖離が埋まらなかったということだと考えています。 しかし、現場におりまして、各国の発言を聞き、それから各国との密な協議をやってみた感覚としまして、核軍縮・不拡散体制の礎石であるところのこのNPT、その重要性について、それを疑う人は誰もいなかった。各国のNPTに対するコミットメントを再確認する機会としてこの会議は確かにあったと、このことは明確に申し上げることができると私は思っております。 成果文書につきましては、結局、交渉途中の段階のものしか存在いたしませんので、それを確たるものとして評価することはできませんけれども、それでも、我が国が訴えてまいりました被爆の実相に関する教育の重要性、これについて独立したパラグラフが設けられたり、核軍備に関する透明性の改善に関する文言、核兵器の間の軍備管理対話につながり得る文言など、今後の核軍縮に向けて明るい材料もございます。 今後、申し上げたような材料を土台にしながら、核兵器のない世界に向けた外交活動を諦めることなく続けていくということにしたいと思っております。
○平木大作君 ありがとうございます。 もう今日、細かいところは一つ一つ今日は問わないようにしたいと思っていますが、特に、ビエット議長が最初に出した文書の中には、まさにこの会議が始まるまでに、各国あるいはこの各国のグループが様々検討して、これなら何とか合意できないかという、その知恵がある意味すごく凝縮した形で表れているんだろうというふうに思っています。間違いなく、今回確かに成果文書取りまとめはできませんでしたけれども、その大きな国際世論というのは間違いなく日本の側にある。そして、今回、特に核保有国に関しては、核兵器国に関しては、もう少し、ある意味その合意に向けた努力が必要だったんじゃないかと私は思っていますが、この核兵器国と非核兵器国とのやっぱり橋渡しができるのは日本だけなんだなということも同時に今回確認できたんじゃないかというふうに思っております。 引き続きのこの政府の御対応、御努力お願いしたいというふうに思います。 それでは、本題に入りたいと思います。 まず、今日ちょっと議題が多いのでぱんぱんと行きたいと思いますが、日・キルギス租税協定でございます。 これ、もうこれまでの質疑の中でも出てまいりましたが、昨年十月に交渉開始して十二月署名ということで、本当にスピード決着です。しかも、昨年末には、この日本と中央アジア五か国との首脳会談もあって、東京宣言も取りまとめるということで、非常に、このキルギスのみならず、中央アジア五か国との間のこの関係強化というのは今すごく順調なように映っているわけでありますが、ただ、これ日本だけではないわけですね。昨年だけでもEU、イタリア、中国、ロシア、米国がこの中央アジア五か国と首脳会談やっているということでありまして、ある意味、世界のこの大変な状況の中で中央アジアというものに非常に関心が高まっているということでもあろうかと思っています。 やっぱり、考えてみると、これまで実は日本というのは、二〇〇四年の段階で既にこの中央アジアとは対話の枠組みを策定し、二〇一五年に安倍総理も訪問され、そして二〇一七年から投資協定の交渉ということで、割と長く時間を掛けてやってきたんですけど、実はこの投資協定については、まだ今のところ結論が出ていない、締結に至っていないというふうに認識をしております。 当時と比べて、現在のこの日・キルギスあるいは日・中央アジア五か国、関係というのはどうなっているのか、ちゃんと今非常に強いモメンタムの中で取り組んでいる関係強化進んでいくのか。改めて、この今回の協定の戦略的な意義ですとか、あるいは投資交渉、投資協定交渉ですね、これ今後進んでいくのかどうか、茂木大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 中央アジア諸国、中国、ロシア、そしてイラン、アフガニスタンに囲まれた地政学的に重要な地域であるとともに、豊富なエネルギー、さらには鉱物資源を有しておりまして、高い成長と人口増加を続ける魅力的な市場であります。 それに最初に気付いたというか、考えたのは日本でありますけど、当然そういう関心というのは世界各国で今確かに高まっているということは事実であると考えております。日本は、二〇〇四年に他国に先駆けまして、中央アジア五か国との対話の枠組みとして中央アジアプラス日本対話を立ち上げまして、昨年十二月に初めての中央アジアプラス日本政府首脳会合を開催したところであります。 そして、日・キルギス投資協定につきましては、現在まさに交渉中のものでありまして、その詳細については控えさせていただきたいと思いますが、我が国経済界からの要望も踏まえつつ、相手国の状況であったりとか我が国の国益の観点も含め、協定の適切な内容を確保すべく、鋭意交渉を今進めているところであります。 キルギスを含みます中央アジア諸国との今後の関係について申し上げますと、先ほど来の中央アジアプラス日本、この枠組みであったりとか二国間会議の成果を踏まえて、中央アジアとの重点分野でありますグリーン・強靱化、そしてコネクティビティー、人づくり、これを中心にして、中央アジア各国の産業の高度化、多角化、それぞれ、例えばカザフスタンであったりとかトルクメニスタンのように天然資源が豊富な国もありますし、必ずしもそうでない国もあったりとか、産業の発展度合いも違っておりますが、それぞれの事情に応じながら、日本としてできる協力や、また発展の後押し、こういったものを行っていきたいと思っております。
○平木大作君 大臣の方から投資協定についてはまだちょっと交渉中なのでということでありますが、ある意味終わっている、停滞しているというよりは前向きに検討が進んでいるというふうに捉えさせていただきました。 また、二〇〇四年の段階で、ある意味世界にいち早く先駆けて、この関係性、重要性ということに気付いて、関係を構築してきたということでありますので、このしっかりと時間を掛けながらつくってきた日本のアドバンテージというものをしっかりまた生かしていただきたいというふうに思っております。 このキルギスと関係強化していく上でやっぱりちょっと一つ懸念に思っていますのは、ロシアとの関係であります。これもう地理的なことも歴史的なことも含めて、ロシアと関係が強いというところについては、これはそういう特性なんだということで否定できないわけでありますが、ただ、近年、これ、例えば、キルギス経由でロシアに、いわゆる、ロシアは今様々な制裁が掛かっているわけですけれども、キルギス経由でロシアに無線の機器ですとか工作機械、あるいは半導体、こういったものがいわゆる輸入されてしまっているのではないか、輸出されてしまっているのではないか、こんなことも指摘をされています。 これ、このロシアに対する、日・キルギス関係が強くなってくる中で、この制裁対象のものが、日本のものがある意味、制裁を回避する、迂回するような形で輸出されてしまったり、あるいは資金が移転されてしまったり、また、事業実態が不透明な法人があると、そこがいわゆる迂回の受皿になっているんじゃないかという指摘もあるやに聞いておりますけれども、こういったところをしっかり気を付けていただきたいと思っていますが、外務省としてこれ対応どうしていくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 まさに委員御指摘の、対ロシア制裁の効果を減じるような動きとしての迂回の試みございますけれども、これについては厳しく対処していく必要があると考えております。 我が国はこれまでに、主要国が輸出規制措置を講じた品目について、第三国を経由してロシアに輸出することを禁止しているほか、ロシアへの迂回輸出に関与した第三国に所在する計五十六団体を措置の対象としてきております。この五十六の中にはキルギスに所在する団体も含んでおります。 実際に問題となり得る企業、団体、どのようにモニタリングするかということもありますけれども、この迂回対策というのは、第三国を経由した迂回の試みというものは、我が国が単独で対処できるものではありませんので、引き続き、キルギスを含む国際社会と緊密に連携して取り組むということかと思っております。 今回の租税条約の締結によって、この迂回対策、迂回の試みが増えるということは全く考えておらず、むしろキルギスを含む関係国との緊密な連携によってこの取組を強化していきたいと思っております。
○平木大作君 続いて、南極条約についてお伺いをしていきたいと思います。 これもこれまで出てきましたが、今回この南極条約の協議国会議、広島で開催ができたということで、二十一日に閉幕をしているわけであります。この会議の意義ですとか成果ということについてはこれまでも御答弁の中でもあったかと思うんですが、南極条約のこの会議の中、コウテイペンギンの特別保護種の指定がちょっとできなかったということですとか、あるいは観光客の規制ということもありました。 先ほどもこれも議論の中で出てきましたけど、私も、九〇年代の終わりなんですけれど、銀行いたときに、プライベートバンキングという億単位でいわゆる投資をする方専門の窓口に少しいたときがありまして、いわゆる富裕層の方と雑談の中で、これまで旅行した先でどこが一番印象的ですかという話をしていたときがあるんですけど、結構な方が南極ですという話をされていて、南極ってどうやって行くんだろうと、そのツアーの開催とか聞いたことないなというのを当時思っていたんですが、今や、先ほど来ありますように、もう当たり前のようにこのツアー自体が開催をされているということのようでして、ここのやっぱり規制というのは今回一つ大きな焦点だったんじゃないかなと思うんですけど、ちょっと合意に至ることができなかったということであります。 改めて、これ、南極の平和利用、環境保護、やはり今大変重要なテーマだというふうに思っています。日本として今後どう貢献していくのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、第四十八回南極条約協議国会議におきまして、南極地域の環境保護を始め、幅広い議題について議論が行われました。その中では、南極条約の基本原則である南極地域の平和的利用、国際協力の重要性等について改めて確認する機会となったというふうに認識しておりますけれども、御指摘のコウテイペンギンでございますけれども、確かに議論になりました。特別保護種どうするかという議論がございまして、我が国を含む圧倒的多数の国が特別保護種への指定を支持したものの、コンセンサスは残念ながらつくることはできなかったということでございます。 それから、御指摘の観光でございますけれども、こちらにつきましても、対応を強化する方向というものをしっかり確認されたということでございます。今後、規制及び管理の枠組みを具体化すると、こういうことで一致をさせていただきました。 我が国といたしましては、南極地域の環境保護のために、各国と科学的な知見、こうしたものも共有しながら、次回の協議国会議に向けた議論、申し上げましたとおり、基本的には、その会議の中だけで議論しているのではなくて、その合間でも各国といろいろな議論をするわけでございますので、そうした議論に積極的に参画してまいりたいと、このように考えてございます。
○平木大作君 今日ちょっと質問に至るまでは、このペンギンの話と観光客の話、余り私の中ではリンクしていなかったんですが、先ほど榛葉先生の質疑聞かせていただいて、あっ、そういうことなのかと。結局、このペンギンの繁殖地に観光客が殺到してしまっていて、ある意味同じ問題の裏表の関係なんだということも認識をいたしました。 結局これ、会議が先ほどのちょっとNPTにも似ているところがあるんですけど、意思決定が全会一致ということで、なかなかその足並みがそろえるのが難しいというふうにもお伺いしています。その意味で、一回の会議でばんと決まるというのがなかなか難しいということだと思っておりますので、この会議、広島会議はまず成功に終わったということではありますけれども、引き続きのお取組をお願いしたいというふうに思います。 会議の中でちょっと気になっていますのが、結局、この会議、広島でやっているんですけれども、これ、開会式のあった十二日のこの一部の会合を除くと、議事の大半が非公開になってしまったというふうにお伺いしています。今、温暖化ですとか地球環境の問題、環境汚染の問題、関心がせっかく高まっていると、あるいは我が国のこの南極での調査活動、この重要性に対する理解を広めるという意味でいくと非常にいいチャンスだったんじゃないかなと思うんですが、なかなか公開しなかったということについて、当然できないこともあるとは承知をしているわけですけれども、可能な限りこれ情報公開あるいは積極的な情報発信に取り組むべきじゃないかと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 我が国といたしましても、委員御指摘のとおりでございますけど、協議国会議における議論の透明性を高めて、なるべく多くの方々になるべく多くのことを知っていただくというのは大変重要なことであると、そのように考えております。 一方におきまして、南極条約協議国会議というものには手続規則というものがございまして、その手続規則上、開会式以外は原則として非公開と、こういう決まりがございます。そういう決まりを踏まえた上での対応となったと、そういうことではございます。 一方におきまして、今回の会議におきましては、昨年の協議国会議でホスト国が会議の前後に記者会見を行うことで一致したことを踏まえまして、南極条約協議国会議担当大使の宇山が議長として、五月十二日の開会式の直後及び二十一日の全体会合の直後に記者会見を行わせていただきました。その中で、会議の結果につきまして詳しい説明を行わせていただいたということでございます。 こうした規定がある中で、それでも日本政府といたしましては、なるべく多くのことをお伝えをしたいという努力はさせていただいた結果として、そうなってございます。それから、我が国はホスト国として、今回の会議の終了後、同会議の議論の概要をなるべく多く盛り込むような形で開催国声明と、こういったものを公表させていただきました。 協議国会議の議論に関する透明性の向上につきましては、最終報告書の公開時期の前倒し、こうしたことも含めまして、次回の会議でも継続的に議論することと、このようにされておりますので、我が国としても積極的に努力をしてまいりたいと存じます。
○平木大作君 お願いしたいと思います。 また、手続規則にのっとった運用だったという御説明も今いただきましたが、改めて、とても大事なテーマ扱われていますから、そもそもの手続規則自体の改定みたいなことも含めてしっかり検討していただけたらというふうに思っています。 今回、そういう意味でいくと、ちょっと、チャンスとしてはもうちょっと生かせたんじゃないかと思っていることの一つがこの日本の南極観測の重要性ということでありまして、本年がちょうどその七十年に当たるというふうにお伺いをしました。これまで割と認識されていないのかもしれないですけど、今や当たり前となったオゾンホールの発見自体が日本の南極観測の調査結果であったということでもあります。 今日、文科省に来ていただきました。オゾンホールみたいな大きな話から、GPSですとか天気予報の精度の向上とか、いろいろ実は成果があるというふうにもお伺いしていますので、改めてこの日本の南極観測、調査活動の意義ですとかこれまでの成果について御報告をいただけたらと思います。
○政府参考人(古田裕志君) お答えいたします。 我が国の南極地域観測事業は、文部科学大臣を本部長とします南極地域観測統合推進本部の下、関係省庁、関係機関が連携、協力して実施しておりまして、長期的かつ継続的な観測データの蓄積により、地球規模の環境変動の解明や将来予測に不可欠な基盤の提供につながっていることから、我が国としては、これに取り組むことは重要な意義を有していると認識しております。 具体的な成果といたしましては、委員御指摘をいただいたとおり、オゾンホール発見への貢献を始め、南極氷床のアイスコア解析による過去の気候変動のメカニズム解明、隕石採取による惑星物質の形成過程の解明など、学術的な成果のみならず、長年にわたり地道に継続している高層気象観測、電離層観測等により、天気予報や宇宙天気予報、全球測位衛星システム等に不可欠な基礎データの取得、公開などを通じて、国民生活の向上や社会の発展に広く貢献しております。 文部科学省といたしましては、引き続き、各国と協働しながら、地球規模の課題解決に向けて南極地域観測事業の推進に着実に取り組んでまいりたいと考えております。
○平木大作君 これまで隊員の方もう延べ三千六百人に至っているということで、この蓄積を日本の中でもっともっと知らせていただきたいと思いますし、何か今現在も、これ標高三千八百メートルの地点から二千七百メートル氷の大地を掘っていって百万年前の氷を採取しているというふうにお伺いをしています。このことが要は地球温暖化のメカニズム解明にとって極めて重要な研究だということでありますので、また更なる広報をよろしくお願いしたいと思います。 ちょっと時間が押してきました。万国郵便連合の方に一問ちょっと飛ばして行かせていただきたいと思うんですが、まず、この料金改定の効果についてであります。 今回、この条約の第二十九条から三十三条までの間にいわゆる到着料の規定というのがありまして、国際郵便物に係る料金を郵便コストの実情等に合わせて定期的に改定すると、こうなっているわけですが、これ要するに、この到着料の改定をもって、海外から日本に到着をする国際郵便物について、日本郵便が今国内で、例えば配達ですとか不在の対応、これ非常に今問題になっていますけど、こういうもの、あるいは、返送したり問合せ対応したりという実際のコストがきちんと回収できるようなものになっているのかどうか。 とりわけ、近年、例えばシーインですとかテムですとか、こういったいわゆる越境ECビジネスが、結局この途上国発の郵便を安い料金として設定できるというこの同条約のこの課題をきちんと解決するものになっているのかどうかということをまず確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、我が国を含む先進国等におきましては、万国郵便連合が設定する到着料では国内配達コストを十分に賄えないという声があったわけでございますけれども、これまでUPU、万国郵便連合におきまして制度改善が行われてきたところでございます。 その一環といたしまして、通常郵便物の一種であります小型包装物につきまして、国際郵便物に係る手数料である到着料、委員御指摘の到着料を各国が国内配達コストに応じて一定の枠内で各国自身が設定することを認める制度が二〇一九年の臨時大会議で決定をされて、我が国を含む一部の先進国で導入をされたと、こういう経緯がございます。また、この制度は今次の改正におきまして二〇二七年から原則として全ての加盟国で導入されると、こうしたことになっております。 こうした制度改善によりまして、現在、例えば今、シーイン、テムとおっしゃいましたけれども、中国から日本に到着する小型包装物につきましては国内配達コストを賄えるものとなっていると、このように承知しております。
○平木大作君 ありがとうございます。 なかなか、この日本のECがある意味押されている一つの要因になったというところがきちっと手当てをされているというふうにお伺いをしました。 最後の問いになります。 今回のこの万国郵便条約の第九条の中に、これ元々ある規定なんですが、麻薬、向精神薬、危険物などを郵便物に入れることを防止し、違反者を訴追、処罰するために必要な措置をとると、こういう規定があります。 現在、Eコマースが活発になる中で、国際郵便物の中に禁制品が混入するリスクというのが高まっております。ここでやっぱりちょっと気になりますのが、昨今の報道で、これアメリカの麻薬取締局、DEAの方から、日本が合成麻薬フェンタニルの密輸の経由地になっていると、こういう指摘をされていると承知をしております。これ、しっかり水際対策やって、これ当然、税関ですとか警察、海外郵便事業者等、様々なところとしっかり連携を強化しながら、日本がこういう、実際にこういう事態があるのかどうかちょっと分かりませんけれども、こういう非難あるいは指摘を受けることがないようにお取組をいただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○政府参考人(柴山佳徳君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、万国郵便条約では、麻薬、向精神薬、危険物等を郵便物に入れる行為を防止し、当該行為を行った者を訴追、処罰するために必要な措置をとることを各国に求めてございます。 この規定に関しまして、UPUでは、名宛て国が要求する場合でございますけれども、差し出し国の郵便事業体が名宛て国の郵便事業体に対し、例えば郵便物の内容や受取人や差出人の住所、氏名などの情報を電子的かつ事前に送付することを二〇二一年から義務化してございまして、この情報が税関等の関係機関に共有されることで禁制品の水際対策にも活用されているものと承知してございます。 総務省といたしましては、麻薬等が郵便物に入れられることのないよう、引き続き国内外の関係機関との連携強化に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○平木大作君 先ほどのDEAからの指摘自体が本当にそうなのかどうかというのはまだちょっと分からないところあるわけですけれども、フェンタニル、大変今大きな問題になっております。そして、非常にごく微量で大変な効果がある、あっという間に致死量になってしまうということも言われている劇物、薬物でありますので、しっかりとした水際対策お願いしたいというふうに思っております。 ちょっと早いですが、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○石平君 日本維新の会の石平でございます。 今日審議中の四つの協定あるいは議定書に関しては、私も既に政府当局から十分な説明を受けておりまして、その要点とかあるいは趣旨、必要性に関してもう十分認識しておりますので、基本的に賛成したいと思います。 今日は、むしろ、最近中国でまた日本人の命に関わる事件が発生しましたので、それに関してちょっとまず質問したいだろうと思います。 御存じだろうと思いますけど、今月の十九日には、中国の上海市にある日本の料理店がナイフ所持の中国人の男に襲われて、二人の日本人が負傷するという事件がまたもや起きました。一昨年の二〇二四年においても、中国国内で日本人男児が、子供ですよ、殺害されるというような事件が起きまして、また日本人に対する襲撃殺傷事件が多発、多数発生しました。 しかしですよ、しかし、にもかかわらず、二〇二四年の当時においても現在においても、外務省は日本国民の中国への渡航に関する危険度のレベルを依然としてゼロだと設定しております。それは、要するに日本国民に、中国が安全ですよ、中国の危険度はゼロですよというような錯覚を与えることによって、逆に日本国民の命を危険にさらしてしまう、そういうおそれがあると思います。 いや、ですから、ここで政府にまずお聞きしたいと思います。 中国国内で日本人の、対する殺傷事件が多発している、このような事実を度外視したと思われる危険度のレベルのゼロ設定、その設定の理由と根拠は一体何でしょうか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(實生泰介君) お答えいたします。 委員が御指摘された危険情報でありますけれども、これは、渡航、滞在に当たって特に注意が必要と考えられる国、地域に関し、日本国民の生命及び身体に対する脅威を考慮しつつ、その国、地域の治安情勢、政治・社会情勢、テロ・誘拐情勢等を総合的に判断し、それぞれの国、地域に応じた安全対策の目安をお知らせするというものであります。 中国においては、その時々の状況を踏まえつつ、これまでも臨機応変に情報発信や注意喚起を行ってきているところでございますけれども、今後も、こうした取組とともに、随時の危険情報見直しも含めて、適時適切な方法で邦人の安全確保に万全を期していきたい、このように考えてございます。
○石平君 今御答弁の中で、中国に対する渡航の危険度の設定に関しては、皆様は総合的に判断するというふうにおっしゃるんですけど、更にお聞きしたいのは、じゃ、皆様が行うこの総合的判断の中に、日本人は実際、中国で襲撃されたり殺されたり、そういうような事実をこの判断の材料に、あるいは判断の要素に入っているか入ってないのか、そこはちょっと明確にしておきたいと思います。 よろしくお願いいたします。
○政府参考人(實生泰介君) まさに先ほど申し上げましたように、日本国民の生命及び身体に対する脅威を考慮しつつ、その国、地域の治安情勢、政治・社会情勢といったところを総合的に判断して、それぞれの国、地域に応じた安全対策の目安をお知らせするということでやってきてございます。
○石平君 余り納得のできない御答弁でございますが、じゃ、ちょっと質問を多少変えます。 中国で多発する日本人襲撃事件の背景には、やっぱり中国共産党政権が長年行ってきた反日教育による反日感情というものが生じてきて氾濫しているという事情があります。ということが、要するに、中国にいる日本人は、日本人であるだけに、それだけの理由で襲われたり殺されたりというおそれがあるという事情があります。 このような日本人にとっての特別なリスクに関して、じゃ、政府はどう認識しますか、あるいはどう対処していくか、そこをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大塚建吾君) 海外に滞在する邦人の保護は、外務省にとって、言うまでもありませんけれども、最も重要な責務の一つでございまして、政府として、中国における邦人の安全、安心の確保に全力で取り組んできております。 その上で、それぞれの事件の背景につきましては、委員が御指摘のような要素を含めまして、予断を持ってお答えすることは難しいところでございますが、いずれにせよ、政府としては、今後とも在留邦人に対して適時適切な注意喚起を行い、また、中国当局とも連携して、在留邦人の安全の確保のために全力で取り組んでいく考えでございます。
○石平君 それは日本人の命に関わる重大な案件でございますので、答弁の内容は別として、是非政府には真剣に対処していただきたいだろうと思います。 じゃ、ちょっと質問を変えたいと思います。 今度は、中国政府の我が国に対する内政干渉について質問したいと思います。 実は、五月八日には、中国外務省の林剣報道官は定例の記者会見において、日本国内で起きている例えば反戦デモとか抗議活動について次のようにコメントしました。我々は日本国内の動きに留意しています、ますます多くの日本国民が高市政権の憲法改正のたくらみに抗議の声を上げています、これは日本の右翼勢力による憲法改正の推進や再軍事化が、人心、要するに人の心を得ていないことを示すものであって、日本国民を含む世界の平和を愛する人民の高度なる警戒と強い反対を引き起こしています、それは彼がそういうふうにコメントしています。 また、それに先立って、四月三十日に、同じこの林剣報道官がまた記者会見において、日本国内で要するに自衛隊の階級の呼称が変更するというような動きに対して彼はどういうふうにコメントをしているかとなると、日本の新型軍国主義は勢いを増して災いをもたらすものになり、既に世界の平和と安定に対する真の脅威になっています、中国国民を含む国際社会は、これを高度に警戒して、歴史の悲劇が二度と繰り返されないようにしなければならないというふうにまた彼はコメントしました。 以上は最近における中国外務省の報道官による日本批判の二つの実例ですが、この批判の内容といえば、まさにとんちんかんなものであって、しようもない、でたらめなものばっかりであって、例えば、日本の自衛隊の階級の呼称の変更を無理やりに新型軍国主義と結び付けて、何か平和に対する真の脅威だと断罪する、そんな全くの牽強付会でありまして、我が国に対する不当な誹謗中傷であることは明らかでございます。 いや、ここで問題視、一番問題視したいのは、次の点でございます。 要するに、日本国内の反戦デモにしてもあるいは抗議活動にしても、あるいは自衛隊の階級の呼称の変更にしても、それは全部日本の内政問題ですよ。中国とは何の関係もない。要するに、日中間の外交案件になる要素が全くありません。にもかかわらず、中国外務省の報道官がこれらの日本国内の動きに対して一々コメントして、それを材料にして日本批判を展開するようなことは、それはどう考えても日本に対する内政干渉としか私は思えないんです。 ここで政府の見解を伺いたいと思いますが、じゃ、中国外務省の報道官による四月三十日と五月八日の日本に対するコメントは、我が国に対する内政干渉に当たるか当たらないか、それに関して、まず茂木大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の一連の発言については、中国側の発信、承知をいたしております。その上で、内政干渉という用語の意味については、必ずしも一義的ではなく、何が内政干渉に当たるか、これを一概に述べることは困難であると、こんなふうに考えております。 その上で、いずれにしても、我が国の政策や立場に対して事実に反する主張がなされる場合には日本政府としてしっかりと反論をしてきておりまして、今後もその方針に変わりはありません。引き続き、様々な機会を通じて我が国の考えを正確に説明、発信をし、国際社会において正確な理解が保たれるような取組、行っていく考えであります。
○石平君 大臣の御答弁、ありがとうございます。 私の見解としては、やっぱりどう考えてもそれは内政干渉に当たるだろうと思いますけれども、でも、やっぱりそういうような日本に対する攻撃、批判に関してはやっぱり是非日本政府に、さっき大臣の御答弁のように、しっかりと反論していただきたいだろうと思いますけれども。 それに関してもう一つ質問したいと思いますのは、実はさっき紹介した中国の外務省の報道官の行った日本に対するとんでもないとんちんかんな批判は、実はそれ全文、中国の駐日本の大使館の公式サイトでわざわざ日本語に訳して掲載されていますよ。それは、皆様にお配りしている参考資料を御覧になれば一目瞭然でございます。それは、どう考えても、要するに、日本国内向けに、日本人を相手に、要するに中国共産党政権のプロパガンダを展開しているとしか思えません。 そのような中国の宣伝工作に対して、じゃ、政府は一体どう対処するおつもりでしょうか。そこをまたお聞きしたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員御指摘の駐日中国大使館によります発信を含めまして、我が国の政策や立場に関して事実に反する主張がなされる場合には日本政府としてしっかり反論をしてきております。また、こうした反論等を、外務省のホームページであったりとかSNS等を通じて、日本語だけではなくて、英語、中国語でも発信をしてきております。さらには、米国、欧州、アジアの国々を始めとする各国に、日本の立場であったりとか客観的事実に基づきます情報について、様々なレベルで理解を得てきております。 私も今週はクアッドの外相会合でインドのデリーの方に行っておりましたが、インド、そして米国、そしてオーストラリア、それぞれの外相とも個別にバイ会談やらせていただきましたが、そこの中でも日本の立場についてはしっかりと説明をし、理解を得たところであります。日本として冷静かつ毅然とした対応を取ってきていると、そのように考えております。引き続き、国際社会に対して、我が国の立場であったりとか考えを適時適切に発信をしていきたい、こんなふうに考えております。 国際環境、今、大きく変わっております。我が国を取り巻きます安全保障環境、これも一層厳しさを増している、これは間違いない事実でありまして、そういった中で、国として、国民の生命、財産、そして日本の領土、領海、領空、これをしっかり守っていく、これは当然の務めでありますから、それを果たすことについて何ら問題はないと、こんなふうに考えております。
○石平君 いや、大変心の強い御答弁、ありがとうございます。大臣の努力と政府の取組には、大変高く評価したいと思います。 それで、一つ、最後一つ、私からの提案ですけどね。じゃ、日本の、日本国の駐中国大使館でもですけれども、私が確認したところで、日本の駐中国大使館はやっぱり公式サイトを開設しています。中国語で発信しています。結構内容豊富で、日本の考え方、日本の歴史、文化、いろいろ紹介していますけれども、しかし、唯一弱い点は、やっぱりあれ、中国に対する反論が余り足りないということでございまして、ですから、私の提案ですけれども、じゃ、日本の大使館もですよ、駐中国の大使館もですよ、公式サイトで中国語を使って大いに反論してくださいよ。あるいは、中国を、じゃ、あなたたちやっていることこそ軍国主義じゃないかというふうに突き込みすればいいじゃないかと思いますけどね。もし必要あれば、私もお手伝いしたいと思いますので、頑張ってください。 以上でございます。 ─────────────
○委員長(里見隆治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。 ─────────────
○山中泉君 参政党の山中泉です。 今日は質疑のお時間をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、茂木外務大臣に、日本人が国際機関でトップのポストを取っていることの重要性、これについてお伺いしたいと思います。 今回審議されている議定書のうち、国際民間航空機関、ICAOですね、大沼俊之氏がアジアから初めて理事会議長になった。また、万国郵便連合、UPUでも、目時政彦氏が国際事務局長を務めるということで、二人の日本人ポストが、日本人がトップポストを務めていると。このような国際機関のトップポストは選挙で選ばれるということで、日本人のトップのポスト就任に向けて外務大臣も、前回もお話伺いましたけれども、非常に強く後押しされ、外務省、日本政府、強力に推してくれたと、こういうことを聞いております。 日本人が国際機関のトップにいるということ、これは、日本が国際社会で影響力を高めて、リーダーシップを取るという大きなチャンスになると考えるわけです。 例えば、この国際民間航空機関、ICAO、これでは、現在、無人航空機、ドローンですね、航空データ、サイバーセキュリティー、これら新しい技術分野に対応した国際的なルールや、ルール整備、安全基準の策定、これらが進められているところです。また、万国郵便連合、UPUでは、Eコマースの拡大や郵便のデジタル化の進展、また国際郵便を取り巻く環境変化を踏まえた制度やルールの見直し、これらが進められていると聞いております。 このように、新しい技術革新が進むときは、国際社会で今まではない全く新しい国際ルールが作られるわけです。そして、今まで日本は国際ルールを作る段階から参加さえできず、主に欧米諸国に都合の良いルールが決められてしまうという点が何度も指摘されてきました。特に、インターネットなどデジタルの国際ルールや枠組みが決定されるときには、日本はまるで参加することさえできなかったとはよく聞くことです。国際機関において日本人が要職に就くことは、国際的なルール形成を最初から主導していくという、極めて我が国の国益にとってとても重要な意味合いがあると考えるわけです。 ということで、日本人が国際機関でトップポストに就任することの重要性、これをどのように考えるか、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 国際機関のトップ、先ほどから申し上げておりますが、当然中立公正な立場であることを求められるわけでありますが、日本人職員が国際機関で活躍をするということは、それぞれの国際機関との連携強化につながるものであります。 委員の方からEコマース、さらには無人機の新たなルールのお話もありましたが、国際社会におけるルール形成を主導するに当たりまして、国際機関において日本人がトップを含みます幹部ポスト、これを獲得することは極めて重要だと考えております。 昨年、UPUにおきまして、目時国際事務局長が再選をされまして、また、ICAOの理事会議長に大沼氏が選出をされたわけでありまして、これによりまして、十五あります国連専門機関のうち二つの機関のトップに日本人が就任したということで、これ世界レベルに見てもトップということで、私、以前、北欧の国々、決して大きな国ではないんですけれど、こういった国々が国際機関のトップとして活躍している、こういう姿を見て、そういった人たちがある意味ルール形成において主導的な立場を取っている、日本もやっぱりそうならなきゃいけない、こういう思いも強くしてきたところでありまして、こうした日本人職員の活躍、これはルールに基づきます多国間秩序の維持強化、地球規模課題への対応、国際社会におけるルール形成、特にこれから新しいルールをつくっていかなきゃならない、こういった中において、我が国の存在感を高める観点からも極めて重要であると考えておりまして、これからも取組強化していきたいと思っております。
○山中泉君 大臣、ありがとうございます。非常に力強い言葉だったと思います。 次に、これも関連するんですけれども、日本人が国際機関でトップを取ること、これそのものも大事なんですが、そのために戦略的に人材を送り育てていくということ、これについてちょっと政府参考人の方にお伺いしたいわけなんですが。 目時事務局長や大沼理事会議長のように、非常にこの、彼らの経歴見ますと、国内外で長くその分野のエキスパートとして携わってきて、国際機関の実務や意思決定の仕組みを深く熟知している、こういう人材が選ばれていると承知しています。 また、我が国では、国際機関に若手人材を送る派遣制度、JPOというのがある、これは、若い、早い段階で国際機関へ彼らを送って、将来的に国際機関で活躍して中核を担ってもらいたい、こういうことだと思うんですね。 そして、先日、私は、これ決算委員会の方なんですが、グローバリズムということで質問させていただきました。簡単に、グローバリズムというのは、世界を一つの共同体、市場、マーケットと見るわけです。そして、国境を取り払ってしまって、人、物、金、情報を地球規模で自由に行き来させるべきだという考えですね。つまり、各国が独自に持つ伝統や文化、言語まで否定していく、あるいは矮小化していく、我々は極めて危険な性格を持つ勢力だというふうに考えています。そして、その主体は、多国籍企業であったり、多くの国際機関であるというのは知られていることです。 我々参政党は、日本人ファーストを掲げて、反グローバリズムを主張しています。まず、国家として日本国民を最優先に考えることが重要であるという主張です。でありますので、国際機関に関する拠出金や関与の在り方についてもよくよく検証していく必要があって、場合によっては拠出金の見直しも考えるべきではないかと、前回質疑をさせていただきました。 ただ、私は、一方で、これら国際機関から距離を置いたり撤退するべきだとは考えておりません。日本として国際機関の中でしっかりとプレゼンスを高めて、日本の考え方や価値観を反映させる主体的な関与、国際機関への関与、できるだけ日本の優秀な人材に日本の国益のためにも活躍していただきたいと考えるわけなんですね。 やはり最も重要なのは、国際的ルールづくりの段階から日本の国益を代弁していただきたい、これこそ非常に重要な外交戦略ではないか。 特に、国際保健機関、WHOなどの国際機関では、今後も、感染症対策や、デジタル、AI、サイバー、物流などで新しい国際ルール形成が進んでいくと考えられます。つまり、もし日本が強いプレゼンスをWHOで持っていた場合、WHOがつくる新たな感染症対策にも日本の主張を盛り込んだ政策が決定される可能性が高まります。 ということで、日本として、国際的なプレゼンスや発信力、発言力を維持強化していくために、若く優秀な官僚や専門人材をより戦略的に継続的に国際機関に送り込んでいく、こういう必要があるんじゃないかということで、質問としましては、日本の国際的プレゼンスや国益確保、この点から、国際機関のリーダーを、国際機関へ送るリーダーを、候補ですね、どのように育成していくのか、お伺いいたします。
○政府参考人(門脇仁一君) お答えいたします。 先ほど大臣からの答弁にもありましたけれども、国際機関の職員というのは、当然、中立公正な立場であることが求められるわけでございますが、日本人職員が国際機関で活躍するということは、それぞれの国際機関との連携強化につながるものであると考えております。 また、国際社会におけるルール形成を主導するに当たり、国際機関において日本人がトップを含む幹部ポストを獲得することは重要、その点からも邦人職員の増強を非常に重視してきております。 外務省におきましても、委員からも御紹介いただきましたけれども、国際機関に若手人材を派遣するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPOと呼んでおりますけれども、派遣制度、また幹部候補派遣制度、あるいは採用、昇進に向けた候補者の競争力向上のための研修等の支援を通じて、国際機関における邦人職員の増強に努めてきているところでございます。また、人材の発掘に向けた広報というのも積極的に行っております。 優秀な人材を積極的に輩出するとともに、日本人がトップを含む幹部ポストを獲得していくためには、長期的な視野に立ち、関係省庁が連携して計画的に取り組むことも重要であると考えておるところでありまして、このため、政府においては、二〇二一年から内閣官房と外務省が共同議長として開催する関係省庁連絡会議というものを始めております。幹部ポストの獲得、国際選挙への対応等についての知見の共有等を行ってきているところでございます。 日本人職員の増強、国際機関における邦人職員の増強に向けて、引き続き政府全体として一層戦略的に取り組んでいく所存であります。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的な考え方、今政府の参考人の方からお話をしたとおりでありまして、幹部職員始め、国際機関における日本人職員の増強を図っていくということは、それぞれの機関との関係を強化していく上でも極めて重要だと思っております。 同時に、日本人に限らず、日本と同じような価値観を共有する国、こういった国のトップを選出する支援を行っていくということも重要だと考えておりまして、例えば、先ほどEコマースの話ありましたが、WTO、非常に難しい中で、今、オコンジョ事務局長中心になって頑張っておりますけど、オコンジョ事務局長の選挙のときには、なかなか、やっぱりアフリカの国ですから大使館の数そんなにないという中で、相当日本が前面に出て、私は、ドクター・ンゴジと、そういうふうに呼ぶわけでありますけれど、彼女の当選に向けて、いろいろ日本としても最大限のバックアップを恐らく世界の国々の中でも一番したんではないかなと思っておりまして、そういった中から信頼関係も生まれ、そしてコミュニケーションを取りながら、望ましいルール形成を行っていくという意味で、日本人、これを国際機関のトップであったりとか幹部に送り込むのと同時に、同じ考え方を持っているこういう国際人材、これと協力していく、このことも極めて重要であると考えております。
○山中泉君 大臣、ありがとうございます。 非常に、この今おっしゃられたポイントというのは、もう本当に、なかなかこういう外交と直接関係ない国民にとっては非常に理解できないところだと思いますが、非常に重要なポイントだと思うんですよね。いつも、我々だけが重要なポストをくれと、そういうことにはいかない。でも、やはり他の国で、我々と価値観を共有するそういった国々の人たちが推されるポストについては我々も最大限協力していくんだと、これはもう当然のことで、そういうことによっても、やはり日本の、我々の国のプレゼンスが更に高まっていく、非常に重要な、外交上も今後の外交の行方を決めるような重要なことだったと思います。 時間が迫ってまいりまして、本当はキルギスのことで、いかに中央アジア、キルギスだけじゃなくて、キルギスを含む六つの国、中央アジアと言われるこのエリアがいかに戦略的に、地政学的に日本にとって重要なのか、今後更にこのような、イラン戦争のようなことが起きたときに、レアアースだけではなくて、キルギスのような余りそれほどの資源がないような国でも、大変中国に隣接して重要な国であるとか、こういった、本当にあの辺りというのは、ロシアであり、チャイナであり、インドであり、あの辺の中に入ってくる非常に重要なルートのある国々ですから、また広大な国ですよね、国々合わせますと。そういうところとの関係を更に強化していただきたい。 中央アジアを全体として日本の理解国、友好国、そして将来的な戦略的パートナーとしても取り込んでいく、こういう視点で是非外交をお願いしたい、そういうふうに考えております。 お時間来ましたので、この辺で失礼いたします。どうもありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 本日の議案のうち、日・キルギス租税協定には反対です。討論で理由を述べます。他の三つの条約は必要なものであり、賛成です。 国連総会は五月二十日、気候変動対策を国家の法的任務、法的義務とする国際司法裁判所、ICJの勧告的意見を歓迎する決議を賛成多数で採択しました。 外務省に伺います。その内容と日本政府の態度を御説明ください。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 ニューヨーク時間五月二十日、第八十回国連総会におきまして、気候変動に係る国家の義務に関するICJ勧告的意見に関する決議案が賛成多数で採択をされました。同決議案では、ICJ勧告的意見を歓迎をし、パリ協定上の義務を遵守し、ICJが述べたような気候変動対策を講じる義務を守るよう求めております。我が国といたしましても、国際協調の下での気候変動対策あるいは国際社会における法の支配の強化の重要性に鑑みまして、賛成票を投じさせていただきました。
○山添拓君 このICJの所長も、今、日本の岩澤雄司氏です。ICJが気候変動に関して国家の国際法上の義務とする勧告を出したのは初めてです。気候変動を緊急かつ人類の存続に関わる脅威と位置付け、クリーンで健康的、持続可能な環境で生きることは人権だとしたものです。その上で、この対策を取るかどうかというのは国家の選択の問題ではなく、全ての国の法的義務だと、各国は誠実に協力する責務があるとしたものです。 今回のICJの勧告は、二〇二三年三月に百三十二か国が共同提案した国連総会の決議の要請に基づくもので、日本政府はその時点での決議にも賛同していたかと思います。ICJの勧告とこれを歓迎した今回の決議を踏まえますと、気候変動対策が人権の問題であるということはいよいよ明確かと思います。 ところで、政府は二〇二二年の国連総会で、今も御紹介したクリーンで健康的、持続可能な環境に対する権利、こういう文言が採択された際、これは概念が明確ではないという意見を表明されておりました。私、二年前にこの委員会でも質疑をしたんですが、その際にも、気候変動対策を人権の問題だということは政府から明言されておりません。 大臣に伺いますが、ICJの勧告と今回の決議を経て、今後は人権の問題として対応していくということでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 気候変動、これは人類共通の待ったなしの課題だと考えておりまして、主要排出国を含みます全ての国の取組が極めて重要だと、このように考えております。
○山添拓君 今回の決議でも述べられているように、クリーンで健康的、持続可能な環境で生きることは人権だと、日本政府としてもそういう立場に立つということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(中村亮君) 御答弁申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、全ての国の取組が重要でありまして、そうした観点を踏まえまして、今回の決議、様々なことが書いてございますが、そうした様々なことにつきまして、総合的に勘案をいたしまして賛成票を投じたということでございます。
○山添拓君 人権の問題だというふうに述べられないですか。
○政府参考人(中村亮君) 人権の問題の記述があることは承知をしておりますけれども、申し上げましたとおり、この決議全体について日本政府としては賛成をしております。
○山添拓君 やっぱり明言なさらないんですね。 今回の決議は、気候変動対策は基本的人権を守る上で重要だとしたものです。国際法に照らして、クリーンで健康的、持続可能な環境に対する人権は他の人権を享受するために不可欠ということも述べています。だからこそ各国の協力が必要、条約上の義務を履行しないことは国際法上の不法行為になり得るというふうにしたものです。 私、日本政府は、そもそもICJに勧告を求めるに当たっての決議にも賛成し、そして、国家の法的義務は何なのか、もし怠った場合の責任はどこにあるのか、こういうことを見解を求めた、そういう立場に立ったわけです。 そして、いざ勧告が出て、これを歓迎すると述べたわけですから、やはり今度の決議、勧告と決議の趣旨を踏まえて、気候変動対策というのはもう人権の問題なんだと、そういう態度で臨んでいただくべきではないかと思います。 四月二十四日から二十九日まで、コロンビアのサンタマルタで、化石燃料からの移行に関する第一回国際会議が開かれました。化石燃料から脱却すべきかどうかではなく、どのように脱却すべきか、経済や社会を化石燃料から切り離すための方法について議論し協力し合うことを主眼とした会議です。 大臣に伺いますが、日本政府には招待があったんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) ございませんでした。
○山添拓君 なぜだか御承知ですか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 主催者がなぜ日本を招待しなかったかについては承知しておりません。
○山添拓君 共同主催国はコロンビアとオランダですが、これまで化石燃料からの脱却に積極的な姿勢を示した国を招待したとしています。五十七か国とEU、世界の化石燃料需要の三分の一、世界の産出量の五分の一を占めています。日本とアメリカを除くG7諸国やベトナムやフィリピンも参加しています。コロンビアというのは世界第五位の石炭産出国で、会場となったサンタマルタというのはその主要な石炭輸出港でもあります。日本政府は招待されませんでしたが、日本のNGOや研究者、市民社会は招待されました。 経産省に伺います。 招待されなかったとはいえ、フォローはされているかと思います。会議の趣旨と内容を御説明ください。
○政府参考人(伊藤禎則君) お答え申し上げます。 委員から御指摘いただきましたとおり、四月末にコロンビアで化石燃料からの移行に関する第一回会議が開催されたと承知してございます。 先ほど大臣から御答弁ございましたとおり、日本政府として招待されたり出席したわけではございませんのでつまびらかに申し上げることはできませんが、その上で、公表資料等によりますと、化石燃料への経済的依存の低減、需給構造の転換、国際協力の推進などについて議論がなされたと承知してございます。
○山添拓君 化石燃料は、温室効果ガス排出量の四分の三を占め、温暖化の根本原因です。しかし、全会一致の国連気候変動枠組条約締約国会議、COPでは、産油国などが反対し、専ら段階的に廃止すべきかどうか、そういう議論に終始してきました。だからこそ、いかに脱却するかの議論が始まったことは画期的なことで、海外の多くのメディアはこの会議を歴史的だと報じております。 経産省にちょっと確認なんですが、COP28では、化石燃料からの脱却を加速させるという言及がありました。ですから、今度の会議というのも、COPと対立するものではなく、補完するものという位置付けで行われたものだと認識しますが、そういう御理解でしょうか。
○政府参考人(伊藤禎則君) 先ほど申し上げましたとおり、この会議につきましてつまびらかに申し上げることはできませんが、化石燃料への経済的依存の低減や需給構造の転換、国際協力の推進などについて議論がなされたと承知しております。 また、我が国としましては、化石燃料につきまして、各国の異なる事情に配慮した多様な道筋を尊重することが重要と考えているところでございます。
○山添拓君 私が伺ったのは、この会議がCOPと対立するものではないんじゃないかという会議の性質です。公表されている資料からもそういうことうかがえるんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(伊藤禎則君) 二〇二三年のグローバルストックテークにおきまして、各国の異なる状況、排出削減経路、アプローチを考慮しつつ、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行を進めることとなってございます。 我が国としましても、この決定に沿って、エネルギー安全保障、経済成長、脱炭素の同時実現を目指してまいりたいと存じます。
○山添拓君 私の質問は、COPそのものが化石燃料からの脱却を加速させるという立場に立っていますよね。ですから、もはや化石燃料からの脱却をすべきかどうかという話ではなく、いかに進めるかと、この議論そのものは大変重要なことだと思うんですが、経産省、いかがですか。
○政府参考人(伊藤禎則君) 我が国としましては、COPの決定にも沿いまして、化石燃料につきまして各国の異なる事情に配慮した多様な道筋を尊重することが重要と考えているところでございます。
○山添拓君 なかなかかみ合った議論ができない。 つまり、こういう会議に私はやはりもっと積極的に関心を持って臨んでいく必要があると思いますね。そうでなければ、世界的にはもう取り残されてしまうということだと思います。 参加した各国は、今年十一月のCOP31で世界的な進展を実現するために緊密に連携していくことも表明しております。やはりCOPを補完するものであろうというふうに思います。 この会議では、ロードマップという言葉が繰り返し登場しています。化石燃料からの脱却に向けた明確な計画のことです。 フランスは、この会議に合わせて脱化石燃料ロードマップを発表し、二〇三〇年までに脱石炭、二〇四五年までに脱石油、二〇五〇年までに脱化石ガスを達成するという計画を発表しています。 開催国コロンビアのグスタボ・マカナキー駐日大使は、朝日新聞のインタビューに、化石燃料産出国でありながらこの会議を主催したことについて矛盾ではないと、再エネや移行エネルギーに投資し、国内のエネルギー需要を満たす新たな供給構造をつくることが狙いだと、したがって国内で既に新たな石油・ガス探査に許可を出すことはやめたと、こう答えています。 これは大臣に伺いたいんですが、来年、第二回がツバルで開催されるようなんです。招待されれば参加しますか。
○政府参考人(中村亮君) お答え申し上げます。 今回の会議につきましては、先ほど御説明申し上げたとおり招待されておらず、したがいましてその中身につきましても正確に私どもが認識をしていないという状況にもございます。 したがいまして、仮定の問題にお答えすることは困難に存じますけれども、そうした状況が現出したときに検討したいと考えております。
○山添拓君 日本の石炭や天然ガスの輸入先であるオーストラリアやカナダも参加しているんですね。産出国が参加をしているわけです。化石燃料の産出国がこうして脱化石燃料にどのように進めていくのかという会議に臨んでいるわけですから、日本のエネルギー政策にとっても無関係ではあり得ないと思うんですよ。 大臣、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 決して無関係だと、そういう話をしているわけではありませんけれど、先ほど来答弁がありますように、様々な国、どうグリーントランスフォーメーションを進めていくか、脱炭素化を進めていくか、パスというのは一様じゃないと、置かれている現状も一様じゃないと思っております。 フランスの例も出されましたけれど、相当原発を進めるということで、例えば山添委員から見てそれが正しいかどうかというと、多分、私と見解が異なる、こういう部分も大いにあるんではないかなと思っておりまして、それぞれの事情に応じながら脱炭素化を進めると、そういうことが極めて重要だと考えておりまして、各国の異なる事情、これに配慮した様々な道筋、尊重していきたいと考えております。
○山添拓君 そういうふうにおっしゃるんじゃないかなと思っていたんですが、日本共産党は脱原発、そして脱炭素、両方可能だという政策も出しておりますから、是非これは目にしていただきたいと思います。 今回の共同議長だったオランダのフェルトホーフェン気候大臣は、脱化石燃料はエネルギー自立と安全保障を強化する、クリーンエネルギーへの投資こそが持続可能で競争力ある経済の基盤となると述べています。私は、その意味では、米国の原油や天然ガス施設への巨額の投資というのは全くの逆行であり、やめるべきだということも指摘しておきたいと思います。 気候変動対策としてもエネルギー安全保障としても、化石燃料からの脱却と再エネへの抜本的な転換こそが求められます。 ところが、世界で続く戦争は、人命を奪うだけでなく、環境にも大きな負荷を与えています。米国とイスラエルのイラン攻撃は開始から僅か二週間で約五百五万トンのCO2を排出し、これはアイスランドの一年分の排出を超える、そういう分析も報じられています。 大臣に伺います。軍事作戦が温室効果ガスの排出を増大させ、地球の今と未来を脅かしている、このことへの御認識を伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 必ずしも通告を受けている質問ではない部分はあるんですけれど、その上で、だから、通告して……(発言する者あり)お答えしますから、ちょっと待ってください。そんな、答えないなんて言っていないんですから、少し待っていただいた方がいいと思うんですけれど。 気候変動、これ人類共通の待ったなしの課題でありまして、主要排出国を含む全ての取組が重要であります。 その上で、軍事作戦によります温室効果ガスの排出の増大によって、様々なそれについては報道あるということは承知をしておりますが、我が国として、その詳細、軍事活動によってどれだけ温室効果ガスが排出されるかと、これを評価するのは困難だと考えております。 いずれにしましても、我が国としては、各国と引き続き連携しながら気候変動対策の着実な実施に努めていきたいと、このように考えております。
○山添拓君 ちゃんと通告していたことは御答弁から明らかだと思うんですが。 私は、やはり現実をもっと御覧になる必要があると思います。戦争が起こればCO2の排出が増えるのは誰が見ても明らかです。それは、建物を壊すわけですから、そして燃料をばかすか使って攻撃を行うわけですから。そうでなくても、軍隊というのは平時でも排出削減の枠外になっております。 私は、戦争をあおり軍拡を続けることは気候変動対策にも逆行する、このことを改めて指摘したいと思います。 質問を終わります。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず初めに、南極環境保護議定書附属書Ⅵは採択されてから二十年以上が経過していますが、今まで日本を含め九か国の締結手続が終了しておらず、いまだ発効には至っておりません。本附属書の発効の見通しはいかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の附属書でありますが、採択の時点で南極条約協議国であった二十八か国全てが締結した時点で発効するということにされておりまして、発効のためには我が国を含みます残り九か国によります締結が必要な状況となっております。 我が国は、今月に広島で開催されました南極条約協議国会議におきまして、本附属書について国会で審議中であることを紹介しつつ、未締約の国に対して締結を呼びかけたところであります。 政府としても、引き続き、各国の締結状況等について情報収集を行うとともに、早期発効に向けて各国に対して働きかけを行っていきたいと考えております。
○福島みずほ君 是非よろしくお願いいたします。 そして、今日質問で、辺野古沖で発生した同志社国際高等学校における研修旅行中の事故で高校生と、それから船長が亡くなられました。大変痛ましいです。御遺族の悲しみと衝撃は計り知れないというふうに思います。心から哀悼の意を表します。また、被害に遭われたほかの皆さんたちについても、心からお見舞いを申し上げます。 死亡事故が発生したことは、安全管理上、問題があったと言うべきであり、事故原因の徹底究明と再発防止がなされなければなりません。それも、早急になされる必要があるというふうに考えております。 ところで、文科省は四月二十四日、現地調査を行い、そして、この教育基本法十四条二項違反ということを断ぜられました。私は、安全管理上、問題や事故原因の徹底究明、再発防止などは、本当にとことんやらなければならないと思っております。また、教育内容についてももちろんですが、この現地調査は、同志社大学に行き、十六時から十九時までの三時間、これで私は、戦後初めて十四条二項違反を文科省が断ずるにはやはり調査がまだまだこちらの方は足りないんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 今般の辺野古における転覆事故で亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げます。また、今回の事故に遭遇された皆様に心からお見舞い申し上げます。 学校の管理下での教育活動の最中に決してあってはならない事故が起きてしまったことは、極めて遺憾でございます。我々といたしましても、今回の事案に係る詳細についての確認を進めるとともに、こうした事故を二度と起こさない、そうした決意で取組を進めてまいりました。 これまで、京都府とも連携いたしまして、同志社国際高等学校における研修旅行の内容について確認してまいりました。事前の計画や当日の対応、安全管理、教育活動の状況などの面で著しく不適切であったと考えております。 具体的には、抗議船による見学のプログラムを組み実施していたこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて、牧師より複数年にわたって法令に反するものを含め抗議活動に関する説明が行われていたこと、研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする文書を掲載していたこと、これらと並行して、生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示していなかったこと、こうしたことを、現地調査だけではなく、これまでのやり取りの中で確認させていただいてまいりました。 こうしたことから、総合的に勘案し、慎重に判断を行ったところでございます。五月二十二日には、学校法人同志社に対し、文部科学省から指導通知を発出するとともに、同志社国際高等学校の所轄庁である京都府に対しても、同校への指導について通知を発出したところであります。 引き続き、必要な対応を行ってまいります。
○福島みずほ君 教育基本法は、不当な支配というのを禁じております。旧十条、現在は十六条一項です。 で、この不当な支配とは何かということで、一九四七年三月十四日、衆議院の教育委員会の委員会で辻田政府委員はこう言っています。 第十条の不当な支配に服することなくというのは、これは教育が国民の公正な意思に応じて行われなければならぬことは当然でありますが、従来、官僚とか一部の政党とか、その他の不当な外部的な干渉と申しますか、容喙と申しますかによって教育の内容が随分ゆがめられたことのあることは、申し上げるまでもないことであります。そこで、そういうふうな単なる官僚とか、あるいは一部の政党とかいうふうなことのみでなく、一般に不当な支配に教育が服してはならないのでありまして、ここでは教育権の独立と申しますか、教権の独立ということについて、その精神を表したものでありますと言っております。 日本国憲法と教育基本法は双子と言われておりますが、両方とも公権力を縛り、公権力の暴走を防ぎ、公権力による人権侵害を本当になくそうというものででき上がったものです。この不当な支配というものを重く考えなければならないんではないか。学テ判決、あの旭川の学テ判決も、まさに権力は抑制的でならねばならないという憲法論を展開をしております。その点から、このことは十分にこの不当な支配に服することなくということを考えなければならない。だから、こういう質問をするのは、戦後初めて十四条二項違反であるということを文科省が断じたということの教育における影響が極めて大きいんではないかということです。 それで、教育基本法十四条二項に関しては、森友事件に関して答弁があります。これは一体何かということが大変当時議論になりました。そこで、その他の政治的活動とは、目的が政治的意義を持ち、その効果が政治に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉になるような行為をいうと、当時、平成二十九年二月二十八日、松野大臣が言っています。 で、お聞きします。この定義、大臣の答弁によると、政治に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉になるような行為、どれに当たるんですか。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 今回の同校における辺野古への移設工事に関する学習の内容及び対応について、丁寧な調査と聞き取り、活動の状況が分かる書類の提供などを求めた結果、総合的に勘案して、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反するものであったと判断したものです。少なくとも、政治的活動への助長、促進であったものと考えております。 また、不当な介入についてと、不当な支配に当たるものであるといった御意見もいただきましたが、今回のように、法律の趣旨にのっとり、その定めるところにより適正に行われる教育行政機関の行為は、教育基本法第十六条第一項に定める不当な支配に当たるものではないものと認識しております。
○福島みずほ君 助長、促進に当たるということですが、子供たちが現場を見ることの何が政治の助長、促進になるんですか。
○大臣政務官(福田かおる君) 先ほども申し上げましたが、具体的に今回の事案につきましては、抗議船による見学のプログラムを組み実施していたこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて、牧師より複数年にわたって法令に反するものを含め抗議活動に関する説明が行われていたこと、研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする文書を掲載していたこと、これらと並行して、生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示していなかったことなどを総合的に勘案し、判断いたしました。
○福島みずほ君 総合的というのが分からないです。問題があったということを文科省は言いますが、はっきり大臣は政治的行為について定義をかつて言っているわけです。それのどれに当たるか、総合的というのでは分かりません。 子供たちが、高校生がその船に乗って現地を見ることが、どこが政治に対する助長、促進になるという定義に当てはまるんですか。その答えはないですよ。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 先ほど来申し上げておりますが、今回は、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反するものであったと総合的に勘案して判断したものでございます。そして、少なくとも、政治的活動への助長、促進であったものと考えております。
○福島みずほ君 説明になっていないですよ。何が助長、促進になるのか。総合的にということで説明、納得いくような説明ないですよ。 何でこのことを質問するかというと、戦後初めて、初めて十四条二項違反ということを文科省が断じたからなんですよ。今まで、いろんなことが言われたかもしれない。でも、これが何で助長、促進になるのか、納得できません。結論ありきじゃないですか。 もう一つ、この大学に、このことに関しては、第三者委員会、事故の究明や、そういうことについては第三者委員会をきちっと立ち上げるということを発表をしております。そして、教育内容については、これはほかの様々な人を入れて、学校法人については、だから、三月二十八日、特別調査委員会を設置する、そして、学校法人は、今般の平和に関する学習の内容など教育活動について外部の教育専門家等を含めた検証していくということをはっきり言っております。 私は思うのですが、いろんな例えば学校事故とかがある、いじめ、自殺がある、そういうときに第三者委員会立ち上げるじゃないですか。文科省は、何十件とある様々な残念ながら死亡事故やいろんなことに関して、現地に行ったこと一度もないですよ。 今回、私は、大学側が、大学というか法人側が、第三者委員会を立ち上げます。これは事故の原因究明で必要ですね。もう一つ、ちゃんと教育内容についても検討委員会を立ち上げると言っているわけです。文科省は、なぜ、三時間しか大学法人に行っていないんですよ、大学に行っていないんです、学校法人に行っていないんです。そして、なぜ、戦後初めて十四条二項違反と断ずるのか。 私は、教育、そのことだけじゃなくて、高市総理のかつての電波止めるぞ発言ではないですが、番組一個だけを見て判断するのではなく、一年間、あるいは三年間でもいいです、半年でもいいです、どんな平和教育をやっているのか、どんな主権者教育をやっているのか、どんな公民教育をやっているのか、その中で位置付けられると思うんですね。教育とはそういうものじゃないですか。そのところだけを見て判断するというのは、こんなことをやっていたら、本当にいろんな教育、本当にできなくなってしまうというふうに思います。 大学がちゃんと第三者委員会を設けてやりますよ、もう一つ、教育内容についてもやりますよと学校法人側が言っているときに、それを私は少なくとも尊重すべきではないかと思いますが、いかがですか。
○大臣政務官(福田かおる君) 今回の事案につきましては、現地調査だけではなく、文部科学省が京都府と連携をしながら行った研修旅行の状況を詳細に確認していく中で、政治的中立性を確保していることが確認できなかったことから、教育基本法を所管する文部科学省として、所轄庁である京都府と認識を共有しながら見解をまとめたものでございます。 本事案につきましては、事前の計画や当日の対応、安全管理が著しく不適切であったこと、辺野古への移設工事に関する学習について、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反するものであったことなどを踏まえ、学校法人同志社及び同志社国際高等学校において早急に是正を図る必要があると判断したため今回のような対応を行ったところでございます。
○福島みずほ君 伝家の宝刀を抜くに、やっぱり私は、早過ぎるし、問題があると思います。 今日の話でも、何が助長、促進になるのか分かりません。研修旅行だけ取り上げている。でも、ほかのこと、いろんなこともちゃんと考慮しなければならないじゃないですか。それは本当に短いというふうに思います。そして、やっぱりそれはいろんな判断もまさに聞くべきだというふうに思います。 文部科学大臣は、二十六日の記者会見で、平和教育の重要性は学習指導要領に明記されている、平和教育の萎縮を生むことは全くないと言っています。しかし、その研修旅行一つを取って、これが十四条二項違反だ、政治的活動だって言ってしまったら、本当にいろんな話を聞くことや現場に行くこと、これは萎縮効果を生むんじゃないですか。
○大臣政務官(福田かおる君) 平和に関する学習については、学習指導要領などに基づき、例えば高等学校段階においては、第二次世界大戦を扱う中で、我が国においても沖縄戦などで戦禍を被ったことに着目させ、平和で民主的な国際社会の実現に努めることの重要性を自覚させるようにすることとしており、意義があるものと考えております。したがって、今後も平和に関する学習そのものは、学習指導要領などに基づき、各学校の創意工夫の下で適切に実施していただきたいと考えております。 なお、今回の判断につきましては、抗議船による見学のプログラムを組み実施していたこと、また、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて、牧師により複数年にわたって法令に反するものを含め抗議活動に関する説明が行われていたこと、研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする文書を掲載していたこと、これらと並行して、生徒の考えが深まるような様々な見解を提示していなかったことから慎重に判断させていただきました。
○委員長(里見隆治君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○福島みずほ君 はい。 同じことを繰り返しておっしゃっているが、そのことが何で助長、促進になるのかという説明にはないですよ。 研修旅行について、例えばいろいろあるかもしれない。だって、原爆のことを聞いたら、非核三原則の話やいろんな話は出るかもしれない、政府批判も出るかもしれない。でも、そのことが政治的活動とは言えないんですよ。 教育は、やっぱり研修旅行だけではなくて、その前後、半年、一年、全部を見てやらなければならないというふうに思っています。今回の件が、まさに萎縮効果を生む危険性が本当にあると思います。 そして、是非、資料、どういう判断にのっとって文科省がこういう判断に至ったか、内部の資料を出してくださるよう求めます。
○委員長(里見隆治君) 後日理事会において協議いたします。
○福島みずほ君 質問終わります。
○委員長(里見隆治君) 他に御発言もないようですから、四件に対する質疑は終局したものと認めます。 文部科学大臣政務官、また政府参考人は御退席いただいて結構でございます。 これより四件について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表し、南極条約附属書Ⅵ、国際民間航空条約改正議定書及び万国郵便連合憲章追加議定書の承認に賛成、日・キルギス租税協定の承認に反対の討論を行います。 租税協定は、二重課税の除去を目的に、日本とキルギスとの間で、配当や利子、使用料など、投資所得に対する源泉地国での課税に限度税率を設けるものです。 日本の多国籍企業が海外子会社から配当を受け取る場合、キルギスの税務当局から課税される限度税率は五%に軽減されます。また、この措置により、課税を軽減された配当を日本の多国籍企業が受け取る場合、国内では、一定の要件を満たす場合は、特例措置である外国子会社配当益金不算入制度の対象となり、当該配当の五%のみが課税対象となり、九五%は非課税となります。結果として、日本の多国籍企業とその海外子会社は、キルギスでの課税を大きく軽減された上に、日本国内でも優遇されます。 二重課税の除去といいながら、二重に税の優遇を認めるものであり、反対です。 以上です。
○委員長(里見隆治君) 他に御意見もないようですから、四件に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とキルギス共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(里見隆治君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、環境保護に関する南極条約議定書の附属書Ⅵの締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(里見隆治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、国際民間航空条約第五十条(a)の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書及び国際民間航空条約第五十六条の改正に関する二千十六年十月六日にモントリオールで署名された議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(里見隆治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、万国郵便連合憲章の第十二追加議定書、万国郵便連合一般規則の第四追加議定書、万国郵便連合一般規則の第五追加議定書、万国郵便条約の第一追加議定書及び万国郵便条約の第二追加議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(里見隆治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(里見隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会
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