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国会会議録

政治改革に関する特別委員会

第221回 · 衆議院 · 第6号 · 2026-06-22

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-31 23:58 JST 記録 #3544 ↗

発言 74

会議録情報

令和八年六月二十二日(月曜日)     午後一時六分開議  出席委員    委員長 美延 映夫君    理事 大野敬太郎君 理事 勝目  康君    理事 国定 勇人君 理事 塩崎 彰久君    理事 長谷川淳二君 理事 落合 貴之君    理事 浦野 靖人君 理事 臼木 秀剛君       浅田眞澄美君    石坂  太君       井出 庸生君    稲葉 大輔君       井原  隆君    今岡  植君       岩崎 比菜君    上原 正裕君       内山 こう君    衛藤 博昭君       岡本 康宏君    長田紘一郎君       尾花 瑛仁君    鹿嶋 祐介君       加藤 貴弘君    加藤 大博君       金澤 結衣君    辻 由布子君       中川 貴元君    藤田ひかる君       松本  泉君    山下史守朗君       後藤 祐一君    中野 洋昌君       原田 直樹君    池下  卓君       野村 美穂君    森ようすけ君       石川  勝君    峰島 侑也君       塩川 鉄也君     …………………………………    参考人    (中央大学法学部教授)  中北 浩爾君    参考人    (東京大学教授)     谷口 将紀君    衆議院調査局第二特別調査室長           笠置 隆範君     ――――――――――――― 委員の異動 六月二十二日  辞任         補欠選任   東田 淳平君     長田紘一郎君   山本 左近君     金澤 結衣君   福重 隆浩君     原田 直樹君 同日  辞任         補欠選任   長田紘一郎君     東田 淳平君   金澤 結衣君     山本 左近君   原田 直樹君     福重 隆浩君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法律案(長谷川淳二君外十名提出、衆法第一二号)  政治資金規正法の一部を改正する法律案(落合貴之君外四名提出、衆法第一号)  政治資金規正法の一部を改正する法律案(和田政宗君外三名提出、衆法第一四号)      ――――◇―――――

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 これより会議を開きます。  長谷川淳二君外十名提出、政党等の政治資金の収入に関する制度の在り方に係る措置に関する法律案、落合貴之君外四名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案及び和田政宗君外三名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。  本日は、各案審査のため、参考人として中央大学法学部教授中北浩爾君及び東京大学教授谷口将紀君に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、参考人各位からそれぞれ十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。  念のため申し上げますが、発言する際には委員長の許可を得ることとなっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。  それでは、まず中北参考人にお願いいたします。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 中央大学法学部の中北浩爾です。本日はよろしくお願いいたします。  本委員会では、これまでも何度か参考人として発言する機会をいただきました。解散・総選挙を経て、新しい委員の方もおられますので、繰り返しになるとは思いますけれども、改めて私の基本的な考えをまず述べさせていただきたいと思います。  私が考える現在の日本の政治資金制度の最大の問題点は、税金丸抱えの国営政党化です。政治学では、市民社会の中から生まれてきた政党が、国民ではなく国家からの資金に依存するようになってきたことなどを指して、カルテル政党化という言葉が使われております。そして、既存政党が一般の人々との結びつきを弱めていることを背景に、世界各国で反エリート主義的なポピュリズムが台頭しております。  お手元の図表を見ていただきたいのですが、企業・団体献金の総額は、平成の政治改革で規制が強化されたことを受けて、一九九四年の五百七十七億円から、二〇二四年には九十億円と、約七分の一に減少しています。まず、この事実を十分に踏まえていただきたいと思います。パーティー収入も、百四十一億円から九十五億円に減っています。個人献金が増えているのかというと、そうではなく、四百四億円から二百七十四億円に落ち込んでいます。  結局、一九九四年の政治改革で導入された年間三百十五億円の政党交付金が、受取を拒否している共産党を除いて、各政党の財政を支えています。自民、立憲、維新、国民といった主要政党の党本部の収入は、実に七から八割が政党交付金です。  現状のまま安易に企業・団体献金を禁止したり規制を一層強化したりすれば、国営政党化がますます進み、政党の有権者からの遊離、ポピュリズムの台頭に拍車がかかってしまうでしょう。平成の政治改革から令和の政治改革にギアチェンジすべきときだと考えます。  そもそも、一昨年に大きな問題になった事案は、自民党の派閥による政治資金収支報告書への不記載です。これを捉えて、企業・団体献金の禁止や規制強化を行うのは、立法事実に乏しいと言わざるを得ません。  しばしば、企業・団体献金によって政治がねじ曲げられるという批判が行われます。しかし、全体主義ではない自由な民主主義体制の下では、多様な個人、団体が政治に参加して自由な競争を行い、特定の政党を応援するなどして、政策決定に影響力を及ぼそうとします。政治学では、これを多元主義と呼びます。そこでは、団体間のチェック・アンド・バランスなどが働けば、公共の利益が実現すると考えられます。企業・団体献金によって政治がねじ曲げられることは問題ではありません。相互にねじ曲げ合った結果、著しく公共の福祉が損なわれた状態が生まれているかどうかが問題なのです。  もちろん、企業・団体献金が具体的な職務上の便宜と結びつけば、贈収賄となり、刑事責任を問われます。  また、しばしば、抜け穴が生じるといった指摘がなされます。しかし、これについても違和感がございます。  政治資金制度は、抜け穴を塞ごうとして規制を強化し、新たな抜け穴を見つけるイタチごっこの歴史です。企業・団体献金を禁止しても、個人献金や政治団体の献金が抜け穴になる可能性は否定できませんし、政党の機関紙などへの企業広告の形を取るかもしれません。その結果、かえって実態が見えにくくなるおそれがあります。  したがって、抜け穴を塞ごうとすることよりも、当面、可能な限り公開性、透明性を高めて、有権者が選挙で適切に判断できるようにするのがよいと考えます。  以上の理由から、私は、参政党とチームみらいが提出している企業・団体献金の禁止法案には賛成できません。スウェーデンの民主主義・選挙支援国際研究所のデータベースによると、政党への企業献金を禁止しているのは百八十一か国中四十七か国、二五・九%、候補者への企業献金を禁止しているのは四十一か国、二二・六%にすぎません。  また、中道改革連合と国民民主党の企業・団体献金の規制強化法案についても賛成し難いところです。  企業、団体が特定の支部に交付することを前提に都道府県組織に寄附を行った場合、迂回献金とみなされて虚偽記載に当たる可能性が高いと言えます。そうした使途特定寄附を認めていない以上、この法案は市民社会との接点となる政党の支部の活動を抑制しかねません。  さらに、個人献金を促進するための税制上の措置には賛成ですが、政党法を制定することには、政治活動の自由の観点から慎重たるべきです。なお、ドイツの例を見ても、政党法と関係づけるのであれば、この法案のような企業・団体献金ではなく、政党交付金の方だと考えます。  公開性や透明性という点から見て、私が大いに評価する法案は、自民党が第二百十九回国会で自ら修正した企業・団体献金の公開強化法案であります。  企業・団体献金を受け取れる支部をあらかじめ指定し、指定支部について収支報告書のオンライン提出を義務づけ、データベースに載せる、また、総務大臣が年間合計五万円超まで企業、団体の名称や寄附額を公表するといったものであり、企業・団体献金について最大限と言っていいほどガラス張りにするものであります。  解散・総選挙を経て、議席を大きく増やした自民党がこの修正公開強化法案を提出しなかったことは、私としても非常に残念でございます。ただし、野党にも責任があると言わざるを得ません。前回この場に参考人として参りました際、自民党と実務者合意を行った公明党と国民民主党に対して、修正公開強化法案に賛成すべきだと主張させていただきましたけれども、聞いてはいただけませんでした。  現在、自民、維新から成る与党は、衆議院では圧倒的な議席を占めていますけれども、参議院では過半数を欠いております。このままですと、企業・団体献金について今国会でも何も決まらないということになるかもしれません。是非、修正公開強化法案で与野党が歩み寄ることを期待いたします。  最後に、自民、維新が提出している第三者機関の設置法案についてですけれども、これについては賛成の意見を述べさせていただきたいと思います。  第一に、さきに述べましたように、平成の政治改革は、政官業の癒着を断ち切るために、企業・団体献金の規制を強化する一方で、政党助成制度を設けるという内容でした。それが一定の成果を上げたことは事実ですけれども、それを一因として政党、政治家と市民社会の接点が減り、反エリート主義的なポピュリズムが台頭しているという問題が起きています。どうやったら有権者の政治参加を高め、政治不信を抑制していけるのか、これが令和の政治改革の課題だと考えます。  企業・団体献金の在り方もそうですが、個人献金の促進策、政党助成制度の見直しなどを含めてトータルに考えていくべき局面であります。そのために第三者機関を設置して検討を行うことは望ましいと考えます。  このうち政党交付金について、私は、議員数割の一部を女性議員数割に変えることで女性議員を増やしていくインセンティブにすることをこれまでも主張してまいりました。ジェンダー平等を重視する野党におかれましては、企業・団体献金をたたくだけではなく、是非、前向きの改革案も提示していただきたい、このように考えております。  第二に、これまで政治資金については、政党本部や国会議員に即して議論がなされてきた結果、政党の地方組織や地方政治家については、実態を含めて十分な検討がなされてきませんでした。一部の野党は、政党助成制度を導入した見合いで企業・団体献金を廃止すべきであったと主張していますけれども、政党交付金は、衆参両院の議員数割と得票数割で配分するにすぎません。このような主張は地方政治が等閑視されてきたことを如実に示している、このように考えております。  したがって、第三者機関を設置して、そこに地方議員や政党の地方組織の責任者を呼び、意見を聴取しながら、国、地方にわたって政治資金の収入の在り方をトータルに考えていく必要があると考えております。  第三に、いまだに誤った過去の理解に基づいて企業・団体献金の禁止が主張されていることでございます。  一九九四年の細川護熙首相と河野洋平自民党総裁のトップ会談で、政党助成制度を導入する代わりに企業・団体献金の禁止が合意されたという主張が、今なお一部の野党から行われております。何度も言いますが、そのような事実はございません。  とはいえ、こうした主張が存在し、この場でも堂々と語られている以上、第三者機関を設置して、過去の正しい理解に基づく提案がなされる必要があろうかと考えます。本委員会の前回の会合で議論がなされたように、政治資金監視委員会をもってこの第三者機関として位置づけることもあり得るかと思います。  いずれにいたしましても、二〇二五年三月末に企業・団体献金の禁止法案について結論を得るという本委員会の理事会の申合せがある以上、早期の設置がこの第三者機関についても求められるということを強調しておきたいと思います。  私からは以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 ありがとうございました。  次に、谷口参考人にお願いいたします。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 この度は、意見陳述の機会をお与えいただき、誠にありがとうございます。  本日は、主に企業・団体献金の受皿規制の論点について意見を述べさせていただきます。  前提として、政治資金制度は、選挙制度と並ぶ我が国民主政治の基盤を成す制度でございまして、全会一致とまではいかなくても、与野党の幅広い合意の下で進めることが肝要でございます。  そのためには、まずもって、与党は謙虚であらねばいけません。  衆法第一二号は、数年にわたり議論を重ねてきたにもかかわらず、国会として結論を得ることができず、この期に至って学識経験者による合議制の組織に検討を委ねようとするものであります。平成の政治改革は、リクルート事件発覚を受けて、当時の竹下総理において速やかに第八次選挙制度審議会を設置する意向が表明され、それを出発点として改革が進められた事例でございました。今回の法案とは、改革における有識者会議の位置づけが根本的に異なっております。  まして、世論調査に示されている企業・団体献金に対する国民の厳しい視線や国政に対する深刻な不信感を前にしながら、ここまでの委員会審議においては、一連の政治資金問題への対応がなお道半ばであることに対する遺憾の表明はほとんど見られません。そのような状況にあって、さらに、企業・団体献金の規制を強化する立法事実が存在しないなどという主張がなされることについては、私は違和感を覚えざるを得ません。  衆法第一二号につきましては、少なくとも次の二点の修正が必要と考えます。  第一に、第二条第二項の「前項の検討は、国会に置かれる学識経験を有する者により構成される合議制の組織において行われるものとする。」との規定は、前項の検討は、政治資金監視委員会において行われるものとすると改めるべきであります。  御案内のとおり、政治資金につきましては、既に総務省に政治資金適正化委員会が設置されております。私も三期九年の長きにわたって委員を務めさせていただきましたが、それだけ当該分野の専門家は限られております。その上、更に政治資金監視委員会を設置し、加えて、別途、学識経験を有する者により構成される合議制の組織を設けるとすれば、組織の冗長さは避けられません。これは、後に審議される可能性のある衆議院議員定数削減法案の根底にあるはずの、簡素で効率的な統治機構という考え方にも反するものではないでしょうか。  第二に、第三条の「前条第一項の結論に基づき、必要があると認められるときは、速やかに法制上の措置その他の措置が講じられるものとする。」との規定には、勧告の尊重義務を加えるべきであります。  もちろん、国権の最高機関である国会を法的に拘束することはできません。しかし、国会自らが長年にわたり結論を得ることができず、第三者機関の知見に依拠せざるを得なくなった経緯に照らせば、必要があると認められるときに措置を講じるという消極的な規定にとどめるのではなく、勧告を尊重して措置を講じる旨を明記することが国民に対する誠実な態度ではないでしょうか。  一方、中道改革連合・無所属及び国民民主党・無所属クラブ提出の衆法第一号については、このままでは成立の見通しが立たない以上、企業・団体献金を受けることができる政党支部として、都道府県ごとに一つの支部のみを指定できることとした根底にある考え方をより明確にこの場においてお示しいただく必要があります。  私は、この際、これまでの両党における議論の過程を是とした上で、政党組織の階層論としてではなく、企業・団体献金の受皿に求められる機能論としての議論を深めるのがよいと考えます。  もとより、政党の組織運営の在り方は各党に委ねられております。しかし、企業・団体献金については、既に量的制限や質的制限を始めとする様々な規制が加えられております。そのため、献金の受皿となる組織には、これらの規制への適法性を随時確認できるようなガバナンス体制が求められます。  これまで報じられてきたような様々な事案を踏まえれば、このようなガバナンスは、年に一回の会計監査という事後的な統制のみでは足りません。常任の会計監事を置くなどの内部統制機能を十分に備えた組織であることが必要ではないでしょうか。  大規模な政党であれば、都道府県支部よりも下位の支部であってもそのような体制を整備できるかもしれませんし、逆に、小規模な政党にあっては、都道府県支部であっても十分な体制を整えられない場合もあり得ます。この際、重要なのは、組織の階層ではなく、企業・団体献金の受皿として必要な機能を備えているかどうかであります。  この点について、自民党は、過去の法案において、指定政党支部という考え方を提示されております。中道改革連合及び国民民主党におかれても、どのような機能を備えた支部であれば企業・団体献金の受皿となり得るのか、その考え方を明らかにしていただきたいと思います。  その上で、与党との間で折り合える部分があるのであれば、衆法第一号を修正した上で成立させる道筋も見えてまいります。他方、見解の隔たりが大きく、衆法第一二号で言う「学識経験を有する者により構成される合議制の組織」に検討を委ねることになった場合であっても、この論点をめぐる与野党間の議論の記録は、同組織における今後の検討を方向づける重要な資料となります。  政治資金に関して本委員会で意見を述べさせていただくのは、実に四回目でございます。しかも、御依頼をいただいた政党は、自民党、当時与党であった公明党、国民民主党、そして中道改革連合と毎回異なっております。この一事をもってしても、与野党の幅広い合意形成は可能と考えます。  委員の皆様におかれましては、与野党双方が、いま一段の御努力と、何よりも御決断を持って合意形成を図ってくださいますようお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 これより参考人に対する質疑を行います。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。国定勇人君。

国定勇人 自由民主党・無所属の会

○国定委員 自由民主党の国定勇人でございます。  まずは、中北参考人、そして谷口参考人におかれましては、大変お忙しい中、本委員会に何度も足をお運びいただいた上で、また貴重な御意見を拝聴させていただくことができました。心から御礼を申し上げる次第でございます。  さて、持ち時間が十分しかございませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  中北参考人の方からも、幾つか重ねての御主張に対しての私からの質問になるかもしれませんが、そこは御容赦をいただきたいというふうに思っております。  まず初めに、これは中北参考人の方から最後の方に触れていただきました、平成六年一月の当時の細川護熙総理と河野洋平自民党総裁によります政治改革に関する合意、いわゆる総総合意について御指摘をいただきましたが、この件について、改めて、中北参考人と谷口参考人、それぞれにお伺いをさせていただきたいと思います。  先ほども触れていただきましたとおり、いわゆる総総合意におきましては、企業・団体献金の禁止はこの合意の中には含まれていないというふうに承知をしております。政治改革に関するいわゆる総総合意の中には、政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金の五年後の廃止が盛り込まれているだけでありまして、企業・団体献金の全面禁止は、これは前提としていないというところでございます。  事実、総総合意を受けまして国会が議決をいたしました平成六年改正政治資金規正法附則第十条におきまして、会社、労働組合その他の団体の寄附の在り方について見直しを行うものというふうに規定をされているところでございます。  そして、五年後の平成十一年改正におきまして、政治家個人への企業・団体献金は禁止をされた一方で、政党への企業・団体献金は存続をされたということでございます。  したがいまして、企業・団体献金の在り方につきまして議論をするに当たりまして、このいわゆる総総合意において、政党助成金とセットで廃止が、約束をしていたという誤った主張を前提とすることは、これは適切ではないというふうに考えているところでございます。  この点につきまして、改めて、中北参考人、そして谷口参考人の方から御見解を頂戴をしたいというふうに思います。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 御質問どうもありがとうございます。  今、国定委員がお話しになられたように、河野・細川トップ会談の合意書にも企業・団体献金の全面禁止の記載はございませんし、改正政治資金規正法の附則にも、政党及び政治資金団体向けについては見直しを行うということで、これは、政治家個人の資金管理団体とは明確に、こちらは禁止するという形で書かれているわけで、区別されているということでございます。  実際の経緯を見ましても、連日、与党内では、社会党は即時禁止でしたけれども、小沢一郎氏らの新生党は存続論で、その結果として、五年後に見直しという形でまず決まった上で、さらに、企業・団体献金存続論の自民党と妥協をしたわけでありまして、ここで禁止が決まるわけがございませんし、一部に細川総理と河野総裁が密約をしたというような見解もあるようですけれども、しかし、自民党の森喜朗幹事長と新生党の小沢代表幹事が陪席していたということのようですので、こういった密約が可能であるわけでもございません。  したがって、正確な知識に基づいて、理解に基づいて様々な改革をしなければならないということでございますので、この点についてはしっかりと、委員の皆様についても歴史的な事実を踏まえていただければというふうに考えております。  以上でございます。ありがとうございます。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  過日お亡くなりになられた河野洋平元衆議院議長が、そのような御指摘のような発言をされたものと理解をしております。  河野先生、大変立派な政治家でいらっしゃいましたけれども、この点につきましては、これは解釈の違いなどというものではなくて、端的、客観的に河野氏の錯誤であります。  すなわち、平成六年法律第十二号により、ただいま中北参考人からも御紹介がございましたとおり、附則の第九条と第十条は明確に書き分けられているわけでございます。  確かに、平成五年から六年にかけての政治改革論議において、企業・団体献金の全面禁止論が細川内閣の与党の一部などに存在していたのは事実でございます。しかし、このように附則を書き分けるに至った原因は、企業・団体献金の規制の強化までは賛成をしても、廃止には強く抵抗した当時の自由民主党でありまして、その自由民主党を当時率いておられたのが河野洋平総裁であります。平成六年一月二十八日の細川総理と河野総裁の合意書及びその後の共同記者会見においても、資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後廃止と言われておりますが、政党に対する企業・団体献金については言及はございません。  その河野氏が、最近になって、あのとき企業・団体献金を禁止することになっていたとおっしゃっているのは、当時の附則九条、十条を混同されていたと申し上げざるを得ません。  以上のとおり、平成の政治改革当時に企業・団体献金を全面禁止することになっていたという言説につきましては、そのように望んでいた勢力があったということ、また、企業・団体献金の規制を強化する方向性では幅広く合意がなされていたことは事実でございますが、全面禁止で合意をしていたというのは、端的、客観的に誤りでございます。

国定勇人 自由民主党・無所属の会

○国定委員 それぞれ、客観的背景からしっかりとした事実について御指摘をいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。  以降、限られた時間でございますので、全て中北参考人に質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、私どもが提出をさせていただきましたこの法案に対する評価でございます。  今ほど、十分丁寧な御主張をいただいたところでありますけれども、改めまして、この政治資金の在り方につきまして、政党間の違いを乗り越えて一致点を見出すために、私どもが提出をさせていただきましたいわゆるプログラム法案のとおり、第三者機関におきまして冷静に議論をすることが望ましいというふうに私どもも考えているところでありますが、補足的にまた御指摘をいただければというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 今次出されている自民党、維新の第三者機関設置法案については賛成いたしましたけれども、やはり、ベストの状況というのは、前回自民党が提出された修正公開強化法案、これにおいて与野党が一致するということでございます。ただ、なかなか、今そういった状況に野党の状況もないので、そうであれば、やはり第三者機関を設置して、この公開強化法案も含めて議論を重ねるしかないのではないかというふうに考えております。  また、第三者機関を設けて議論をすることのメリット、それは、国政、地方、あるいは政党助成制度のこと、様々なことをトータルに議論するということも可能になりますので、そこで議論を行うという法案については賛成をしたいというふうに考えております。  ただ、それの拘束力については、谷口参考人の方から御意見がありましたけれども、そういったことも含めて、議論を、審議をしていただきたいなというふうに考えておる次第でございます。

国定勇人 自由民主党・無所属の会

○国定委員 もう時間も限られておりますので、端的に、また二点、御質問させていただきたいと思います。  今までの意見陳述の中にもしっかりと表明をいただいているところでありますけれども、改めまして、企業・団体献金におきまして禁止又は規制をすることの問題点につきまして、補足的に、御主張があれば拝聴させていただければというふうに思っておりますし、また、あわせまして、冒頭ここもしっかりと御指摘をいただいたところでありますけれども、政党交付金に依存をしていくことの問題点について、改めて御指摘をいただければなというふうに思っております。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  しばしば、企業・団体献金について言うと、政策をゆがめるおそれがあるという話がございます。ただ、ゆがめるということを強調していては、議会制民主主義、自由な民主主義体制というのは成立しないわけでございます。  あと、もう一点、企業も自己利益を図っているだけじゃなくて、例えば、被災地に対して寄附を行うといった社会的貢献も行っていますので、こういったことをトータルに見て、現状がどのぐらい公共の福祉に反している状態なのかということを冷静に考えて御判断をいただくという必要がありますし、また、おそれがあるということについても、例えば、車が人をひいてしまうおそれがあるということで禁止するということはございません。したがって、具体的に問題があったことについて、いわゆる立法事実があることについて法的措置を講じていくというのが正しい方向ではないかと思います。  繰り返しになりますけれども、職務権限に絡んで献金を受け取れば贈収賄事件で、これは司法的な措置が講じられるということでございますので、そういった意味では、日本の司法制度は機能しているということをお踏まえいただければというふうに思います。  もう一点、政党交付金に依存することの問題点ですけれども、往々にしていろいろ問題がある。政治活動に制限を強化していけばいいんじゃないか、政党の活動に制限を強化していけばいいんじゃないかというふうな発想が出てきますけれども、しかし、日本の歴史をひもとくと、戦中は、国家権力によって政党が解散し、大政翼賛会に合流したという過去もございます。したがって、やはり、政治活動の自由ということは一義的にしっかり守っていく、問題があれば、それに必要な範囲で制限を加えていくということのアプローチが必要ではないかと思います。  この政党助成制度には、当初、三分の二条項というのがございました。政党交付金を除く前年度収入実績の三分の二以下に政党交付金の支給を限るということです。これも、要するに、政党が過剰に国家の財政に依存してしまうということはよろしくないという発想で当初導入されていたわけでありますし、ドイツにおいても、やはり、政党が社会に根差している程度ということに応じて基準額、上限額が設けられていますので、こういったことを踏まえて、過剰に政党交付金に依存してしまう状況を生み出さないということについても、是非、野党の皆様にも知恵を働かせていただきたい、このように考えております。

国定勇人 自由民主党・無所属の会

○国定委員 時間が参りましたので、ここで終了させていただきたいと思います。  両先生、本当にどうもありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、中野洋昌君。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 中道改革連合の中野洋昌でございます。  今日は、中北参考人、谷口参考人、本当に貴重な御意見を頂戴をいたしまして、ありがとうございます。  また、私、ここしばらくずっと政治改革特別委員会に所属をしておりますが、昨年も含めて、累次にわたりまして毎回様々な御知見を賜りまして、本当にありがとうございます。  まず冒頭、谷口参考人の方から御質問をさせていただきたいというふうに思います。  この国会、ずっと、企業・団体献金の在り方をどうしていくのかというのは、一昨年からやはりいろいろな議論がある中で、なかなか結論が出ないという状況が続いているということでございます。  私、昨年も谷口先生の質疑を聞かせていただきまして、与野党間がとにかく歩み寄っていくことが大事なんだというふうな趣旨のことを言われておられたというふうに記憶をしております。何とかそれを、歩み寄ろうとする努力が、近づいていっているのではないかという御期待のお言葉もいただいたと思います。  今年の選挙が終わって院の構成も変わりまして、議論そのものがそれよりも進んでいるのか、やはり後退しているのかというと、私自身は、なかなか、この歩み寄るという機運が少し弱くなってきているのかなというふうに感じているところでございます。  まず冒頭、谷口参考人に、企業・団体献金、そもそも規制の必要性みたいな入口のところからいろいろな議論がございます。企業・団体献金規制の立法事実が余りないのではないかという主張は少し違和感があるというふうな先ほどのお話もございました。私もやはり、当時のリクルート事件の頃から様々な企業・団体献金による問題がありまして、それは別に、今なおそれがなくなったわけではないというふうに思うんですね。累次の様々な、刑事事件になったような事案も様々あります。それはやはり、企業・団体献金というのが関連をしているというわけでございまして、そういう意味では、平成の改革からいろいろな議論があったものの、私はまだこの規制というのはまだまだ不十分なところがあるというふうに感じておりますし、中道改革連合としては、やはり、企業・団体献金に依存をしない、そういった仕組みが必要なのではないかというふうに思っております。  なので、冒頭、まず谷口参考人に、平成の当時の改正から、企業・団体献金の今の規制の状況、あるいは、これ以上これを何かやる立法事実がないということは、私はそんなことはないんじゃないかというふうに思いますけれども、更なる検討の必要性というところにつきましても、御知見をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  私が理事長を務めております公益財団法人NIRA総合研究開発機構が行いました世論調査では、今の政党や政治家は腐敗し切っているという意見に、そう思う又はどちらかといえばそう思うとお答えになった方を合わせて四九%が賛成をされております。そう思わない、どちらかといえばそう思わない、合わせて一五%より、大差をつけております。  政治と金をめぐって高まった国民の政治不信がこれほど深刻な状況であるにもかかわらず、なお立法事実は存在しないとお考えになるのでありましょうか。いわゆる自民党派閥パーティー裏金事件ないし不記載事件への直接的な再発防止策のみをもって国民の政治不信を払拭することができるのでありましょうか。  委員お尋ねの点につきましては、令和六年五月二十七日の本委員会で申し上げました私の意見を繰り返すことで回答に代えさせていただきます。  すなわち、国民はもはや、政治資金パーティーだけではなく、政党及び政治家による資金の集め方、使い方全体に不信感を抱いております。この際、長年にわたり指摘されてきた政治資金制度上の諸課題についても視野に入れ、政治資金規正法改正案等の審査を通じて、中略、今後の改革の方向性を明らかにしていただくことを希望いたします。  私の考えは現在も変わっておりません。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 ありがとうございます。  続きまして、谷口参考人にまた御質問させていただきます。  今回、私ども、前回、国民民主党と公明党で、いわゆる禁止か公開かの間で結論が出ないので、やはりここは規制をするという、もう一つの方向性ということで与野党の合意が取れないかという提案をさせていただきまして、今回、中道改革連合と国民民主党ということで、同様の法案を提出をさせていただきました。  谷口参考人の方からお話を今回いただきましたのは、階層論というところではなくて、機能論のところにもう少し着目をしてはどうかというふうな御指摘もいただきました。  そういう意味では、確かに、我々が元々言っておりましたのは、一つは、いわゆる平成の改革のときに、企業・団体献金と議員個人との間を切り分けるというか、そこを癒着をさせない、政党に受けるのはいいんだけれども議員個人としては受けられないという、ある意味、財布を分離するような、そういった議論だったかというふうに思っております。  ただ、他方で、政党支部でも受けられるということで、ここの支部長が議員本人がなっているというと、実態上余り変わらないのではないかといったような議論もありまして、そういう意味では、そうではない、よりガバナンスの利くところで受けられるということで、ある意味、議員個人と企業・団体献金と、しっかり立て分けることができるんじゃないかといったような、他方でそういう議論もあったかと思います。  こうした、議員と献金とのしっかり立て分けをするといった議論も当然ありますし、また、先生おっしゃるような、まさに、では、具体的にどういうガバナンス体制がその支部に求められるのかというところも非常に大事だと思っております。  この二点につきまして、もう少し、谷口参考人の方から何か更なる御意見がありましたら、是非頂戴できればと思っております。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  政党の組織の在り方については、これは政党によって様々な部分がございます。ただいま委員御指摘のございました議員と政党組織の関係、これも政党によって様々でございます。  そういったことも含めて、この機能論という中で、いかなる政党支部に対して企業・団体献金を認めるべきであるのか、あるいは認めるべきでないのか、是非この委員会で議論を深めていただいて、もしそれが第三者機関に最終的には委任するということであれば、その議論の結果をもって方向づけるということが最低限私は必要だと思っておりますので、本委員会における更なる議論の深まりというものに私は期待を申し上げる次第でございます。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 時間も迫ってまいりましたので、中北参考人にも、一問、御質問をしたいと思います。  基本的には、企業・団体献金を是とするお立場から様々な御意見を述べられている、透明性の方が大事なんだという御意見かと思います。  私自身も、完全に今禁止をするという立場ではないんですけれども、他方で、企業・団体献金というのは、金額だけ見ても、やはり非常に個人献金に比べて大きいということもあります。ある一つの団体から一人の議員に行く、全体の総額を見るとかなりの額になる団体もあります。  そういう意味では、私は、政党助成金に依存しないということは大事だと思います、それの中身を、例えばもう少し個人献金を増やして、もっといろいろな形で支えられるようにした方がいいのではないかというふうに思っているんですけれども、こうした点については中北参考人はどうお考えか、御答弁お願いできますか。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 まず、企業・団体献金というのは、人が集まって、そしてなされるような献金という性格がございますので、必然的に額が大きくなるということはやむを得ないのかなというふうに考えておる次第です。  しかし、他方、中野委員がおっしゃられるように、多様な担い手によって献金がなされる、献金というのも政治参加ですので、それが望ましいですし、特に、一人一票制ということを考えると、個人献金がより促進されてもいいのではないかというふうに考えております。  そういった意味では、中道改革連合と国民民主党の案の個人献金促進策というものについては賛成でございます。ただ、立憲民主党は、より、もうちょっと積極的な案を出していたはずなので、今回、恐らく、認定NPOの寄附税制との関係ということもあるのかもしれませんけれども、後退させてしまったということについては、私は残念に感じております。  したがって、第三者機関を設けるのであれば、そういった前向きの主張も踏まえて議論がなされるということが望ましいのではないかというふうに考えている次第でございます。  以上です。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 以上で終わらせていただきます。  ありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、池下卓君。

池下卓 日本維新の会

○池下委員 日本維新の会の池下卓です。  本日は、中北参考人、谷口参考人、お忙しい中、当委員会の方までお越しいただきまして、ありがとうございます。  昨年もそうなんですけれども、前回の国会もそうなんですが、我々日本維新の会といたしましては、企業・団体献金につきましては、やはり、政治の考え、政治の行き方、これを、意思決定に非常に影響を与える可能性があるということで、我が党といたしましては、団体献金については反対、禁止という立場を取らせていただいております。これは変わりません。  ただ、さきの国会におきまして、企業・団体献金について禁止若しくは公開、こういったとこら辺で各党からの法案というものが提出されたんですけれども、やはり、今日も御案内ありましたように、過半数に満たないということがあったため、採決ということが見送られたというのが現状であります。  しかしながら、我が党といたしましても、このままの現状でいいわけがないということもございまして、今、自民党さんとともに、有識者を含めた第三者機関、これに対しての法案というのを御提案させていただいているところでございます。今、企業・団体献金の受皿、受け手規制、金額の上限規制、公開の在り方、機関紙の収入、様々な観点からこういったことについて議論をしていかなければならないということでは承知をしております。  そこで、今回は、中北参考人、谷口参考人、まずは御両名にお伺いをしていきたいと思うんですけれども、まずは政治への信頼を取り戻すために、第三者機関が特定の勢力に偏らず中立公平に組織して運営を行っていくためには、どのような有識者の方々の選定の在り方、構成人数の在り方、そして、今日も御発言がありましたけれども、この第三者機関の結果をやはり尊重しなければいけない、義務をつけるべきだという御案内もありましたけれども、どのような形の組織が公平公正な在り方になるか、御意見を両名にお伺いしたいと思います。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  政治資金制度というのは、全ての政党に影響する民主主義の基本的なルールでございます。したがって、今次の衆議院選挙で自民党、維新が圧倒的な議席を獲得しましたけれども、やはり、きちんと野党の皆様の声を聞けるような、幅広い国民的な合意を形成できるような、そうした有識者を選ぶということが必要ではないかというふうに思っております。  ただ、中立な意見というのはございませんので、多様な意見を持った有識者を集めるという必要がございます。そういった意味では、学問的な知見があるということが必要になると思いますけれども、その一方で、やはり政治の実態ということに大きくかかってきますので、単なる学術的な研究をしているだけではなくて、実態についてもきちんと知識がある、そうした有識者の方を幅広い形で集めて議論をするということが必要でしょうし、有識者の方も、党派的な考えにとらわれずに公正公平な形で、国家国民のために、最も政治の信頼を獲得、回復するために必要な、そのための案を出すという、こういった議論をするということが必要ではないか、このように考えております。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  実態に即してお答えを申し上げますと、偏っている暇がないというのがお答えでございます。  御案内のとおり、総務省政治資金適正化委員会は五名で構成をされております。その内訳は、政治資金監査人となることができる三士業、弁護士、公認会計士、そして税理士の代表者が各一名、それから総務省選挙部長の経験者が一名、そして有識者が一名という慣例になっております。  しかしながら、この最後の有識者枠を埋めることが容易ではございません。二〇〇八年の委員会設置以来十八年たっておりますが、政治資金に関する著作を有する研究者が委員に就任した例は、私を含めて二名しかございません。御推薦になる各党の意にかなうかどうか以前の問題として、適任者が見つからずに、総務省以外の行政機関の出身者をもって有識者委員枠に充てることがしばしば発生しております。  このような実態を踏まえますと、政治資金適正化委員会ですら委員の確保に困難を伴ってきた中で、さきに設置が決定された政治資金監視委員会とは別に、この度、衆法第一二号が予定している合議制機関を更に設置して、それぞれが十全な機能を発揮できるのかについては、実効性の観点から、懸念を抱かざるを得ないわけでございます。  かような観点から、せめて、政治資金監視委員会と衆法第一二号で言うところの合議制機関は同一のものにすべく、冒頭発言での御提案を申し上げた次第でございます。

池下卓 日本維新の会

○池下委員 御両名、非常に貴重な意見をありがとうございます。  時間も余りございませんので、次は、政治資金の透明性を高める公開の在り方について御意見をお伺いをしたいという具合に思います。  今日も御発言がありましたけれども、今現在、オンライン提出であったりとかデータベースで掲載するという形で、いろいろ手法が取られているわけなんですが、ただ一方、どれだけ公開をしても、私の持論なんですが、やはりこれは正確な会計帳簿に基づかなければ、不正確な収支報告書が提出されて、それをいかに明瞭に公開をしたとしても、余り意味がないものだと考えております。  昨年、維新の会といたしまして、政治資金の在り方について、正確な会計帳簿を作成するべく、複式簿記法案というものを提出をさせていただきました。このあるべき姿につきましては、現在、政治資金の監査を行っておられます税理士の団体さんであったりとか各種団体、また、これまで国会等の審議の中で、附帯決議にも、複式をやっていかなきゃいけないですよねということで入れていただいているということは承知をしております。  昨年の当委員会の参考人質疑におきましても、私が会計帳簿の在り方をお二方にお伺いしたときに、賛成であるという御意見をいただいていたと記憶をしておりますけれども、ただ、これまでの議論では、全ての政治団体に複式簿記化を、入れていくと、ちょっと技術的に難しいんじゃないのであったりとか、人的に、人が足りないんじゃないのというお声があったことも当然承知をしております。  ただ、私も税理士をやっていた経験があるということなんですが、今現在、個人経営で確定申告される際、青色申告されている方もたくさんいらっしゃいますけれども、これは普通に複式簿記を使われておられます。また、会計帳簿を作る際にも、今、会計ソフトがありますので、特にこれからAIの知識も出てきますから、本当に簡単にできるかと思いますし、また、この範囲を、全ての政治団体ではなくて、国会議員関係団体とかに絞るということをすれば、非常に実効性が高くなるのかなという具合に思います。  そこで、第三者機関の議論を行うのであれば、正確な会計帳簿、複式簿記の在り方も同時に議論すべきだと考えますが、お二方の御見解をお伺いいたします。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  私は簿記の専門家ではございませんので、正確な知識に基づいた発言かということについては若干心もとないことでございますけれども、基本的には複式簿記を使うというのが現代的なやり方ではないかという理解については、共感するところでございます。  ただ、一方で、やはり簿記の一定の知識が必要になってくるということは、正確なものを作成するためには必要ではないかと思いますので、まずは国会議員関係団体から始める、そこについては、政党の事務局のサポートというのも一定程度得られるでしょう。そういうところから始める必要があるかと思います。  あともう一点は、やはり政治団体としての特殊性というのは若干あると思いますので、こういったことも含めて、第三者機関でこの件についてはしっかりと議論していく必要があるのではないか、このように考えております。  以上です。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  複式簿記、あるいは公的会計制度の導入については、前回も申し上げましたとおり、私は賛成でございます。  この点につきましては、ボトルネックは、第三者機関ではなくて、国会議員そのものにあるかと思います。第三者機関で合意を取るということは専門家の間では難しくないはずでございまして、国会議員でそれを仮に提言されたとするのであれば、国会においてそれを速やかに実現をする、そのためにも、冒頭申し上げましたように、勧告尊重義務というのは修正をしていただく必要がないのではないかと考える次第でございます。

池下卓 日本維新の会

○池下委員 ありがとうございました。勧告尊重義務は非常に大事な話だと思っております。どうぞよろしくお願いします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、野村美穂君。

野村美穂 国民民主党・無所属クラブ

○野村委員 国民民主党の野村美穂です。  本日は、中北参考人、谷口参考人、貴重な意見陳述をありがとうございました。  政治資金規正法は、これまでも、いわゆる政治と金の問題、とりわけ自由民主党において不祥事や問題が発生するたびに、その後を追うようにして改正が重ねられてきた歴史があります。リクルート事件、佐川急便事件、陸山会事件、各種政治資金問題、派閥の政治資金パーティー収入不記載問題など、時代を超えて繰り返し議論されてきました。  そのため、国民の中には、また同じことか、結局変わらないという諦めが生まれています。これが、この政治家は信用できないという段階を超えて、政治そのものが信用できないという不信へと発展してきたのではないでしょうか。  本質は金ではなく信頼であり、政治と金の問題の本質は、お金が動いたことそのものにもあると思いますが、国民が失望するのは、公平性が失われているように見えること、説明責任が十分果たされていないこと、責任の所在が曖昧であること、同じ問題が繰り返されることだと考えます。政治は国民全体のために動いているという民主主義の前提が揺らぐことにあります。  本来であれば、問題が起きる前に、自民党が自ら猛省し、一歩進んだ主体的なガバナンスの強化へとかじを切るべきだったのではないでしょうか。今回も、課題解決を先送りするのではなく、国民の信頼を取り戻すべく、積極的な協力が求められていると考えます。  今回の改正案が、単なるその場しのぎのルール変更にとどまらず、真に実効性のある、国民の信頼に足るガバナンス体制の構築につながる一歩となるよう、本日は、参考人のお二人それぞれから忌憚のない御意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、今、国民民主党と中道が共同提出した改正案では、将来的には、政党法のガバナンスに服する政党のみが、企業・団体献金を受け取れるようにするとなっています。自民党が主体的に、積極的にルール作りに協力すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。来年九月末をめどとした第三者委員会の結果を待ってからでは遅いと考えます。お二人の御意見をお尋ねします。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  政党法の制定ということを安易に主張するということは私はちょっと反対でございまして、基本的には政治活動の自由というのは重要ですので、御党もようやく作られましたけれども、ガバナンスコード、各政党がきちんとしたルール作りを行って、自民党におかれましては、いち早くガバナンスコードが作られ、しかもガバナンス委員会というのを設けて、毎年党の運営についてチェックする体制までつくっております。  したがって、各党におかれましては、そうした体制をつくっていただくことによって自らの身を自ら律する形をつくっていくということであって、政党の方でこうやりなさい、ああやりなさいということを、政党に対して法的な規制をかけ過ぎること、これについては慎重たるべきではないかなというふうに思っております。  また、先ほどもちょっと申しましたように、政党法を制定して、それに服する者について企業・団体献金を許可するというのはちょっと分からなくて、まだそれであれば、政党交付金の交付ということと関連づけるのが正しい方法ではないかと思いますけれども。  また、この服するということ、これをどういうふうに判断するのかということも、非常に政治活動の自由との関係についても問われる部分になってきますので、私は、これは適切なのかなというふうに考えている次第であります。  あと、国民民主党におかれましては、政党本位の方にしていくというふうな志向性というのがこの政党法からはかいま見えるわけですけれども、他方で、選挙制度について言うと、中選挙区制に戻すといったことでありますので、こういったところの整合性についてもどうなのかということについては、前回参ったときにお話しした次第でございます。  以上でございます。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  政党は、言うまでもなく、結社の自由の最たるものでございますので、本来は、政党間のアコード、ソフトローとしての政党ガバナンスコードで対応することが望ましいと思われます。  自由民主党におかれてもガバナンスコードをいち早く制定をされましたし、国民民主党におかれましてもガバナンスコードを制定をされました。特に、御党の政党ガバナンスコードは、全ての主語が「政党は、」となっている、我が党はではなくて「政党は、」というふうになっているのであって、これはほかの政党のガバナンスコードのひな形に直ちに応用できるものではないかというふうに思われます。  もし各党すべからくこのようなガバナンスコードを定めるということになれば、これは事実上の政党法として機能をするということが期待できるわけでございます。  そう申し上げた上で、もし万が一、仮に政党法を制定しなくてはいけないということであれば、政党助成金を受け取る政党に適用対象を絞った上で、税金を原資とする政党助成金を受け取るにふさわしいレスポンシビリティー、何をするためどのような体制を取るのか、アカウンタビリティー、その活動に対して国民にどう説明するのか、そしてライアビリティー、不適法な事案が発生した場合の、政党助成金の一部を返納するなど、そういった責任の取り方、何であるかというのを御検討いただくのがよろしいかと存じます。

野村美穂 国民民主党・無所属クラブ

○野村委員 ありがとうございました。  続きまして、昨年の参考人質疑の際、献金の受皿となる政党支部の規制について言及がありましたが、中道と国民の改正案では、寄附を受けることができる支部として、都道府県に一つの支部を指定することとしています。それだけではなく、政党ガバナンスコードに服する支部のみが受皿となれるよう、より厳しい規制が必要だと思いますが、どのような御意見でしょうか。  特に、中北参考人には、前回、ガバナンス規制が必要であると主張されていましたが、今回は、政党支部の活動を抑制しかねないということでお考えを先ほど述べられていますけれども、前回の御答弁と変わっている部分について、より詳しく、お二人の参考人からお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  前回と矛盾したことを言っているというか、ちょっと私も前回の発言を確認しないと何とも言えませんけれども、政党のガバナンスが重要だということについては全く否定しておりません。ただ、基本的には、内部の規律によってきちんと確保していくということが必要だというふうに考えております。  先ほど、谷口参考人の方からも、実質的な形で機能的に捉えるべきだということですけれども、これは機能的に捉えるということはなかなか難しいので、恐らく、都道府県組織という形に限っているんでしょうけれども、しかし、都道府県組織がきちんとしているかどうかということも定かではありませんし、更に言うと、私がとにかく主張させていただいているのは、やはり、有権者との接点をきちんと政党が持っていくことが非常に必要なことであって、これはまさに、政治不信を解消する上でも、きちんと、政治家、政党と有権者が接点を持つ。接点があれば、そんな、議員の方が何か不正ばかりやっているというふうなことも考えません、朝から晩まで一生懸命仕事をされているということはきっと分かるわけでございます。  したがって、こういう接点をなくす可能性というか、支部活動を制約するということについては余りよろしいことではないのではないかなというふうに考えますので、都道府県連というところに制限するということは、私は、基本的には望ましくない。したがって、きちんと公開性、透明性というのを高めていく、そういったところで、きちんと有権者の目にさらしていくということが必要なのではないかな、このように考えておる次第でございます。  以上です。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  皆様を私どもと同列に例えてしまう失礼をお許しいただきたく存じますが、私ども国立大学の教員は、教員個人として外部から寄附を頂戴をして管理することは禁止をされております。本来、寄附をいただいてはいけない方からお金を受け取ってしまったり、あるいは禁じられている使途に寄附金を用いてしまったりするリスクがあるからでございます。  しかし、こうした規制ゆえに、私ども大学教員の教育研究活動の自律性が損なわれているかというと、そういうことではございません。寄附者は、○○教授の○○研究のため、目的を指定した上で大学に対して寄附を行い、そして、当該教員は、その大学の部局による会計管理と監査の下で、適切な教育研究のために寄附金を用いることができるわけでございます。  政党も同じでございまして、企業・団体献金の受皿を限定することと支部単位の政党活動の自律性を維持することは十分両立可能というふうに私は考えておりますので、それぞれの政党の組織運営の在り方に応じてその機能を考えていただきたいと思っておるところでございます。

野村美穂 国民民主党・無所属クラブ

○野村委員 中北参考人、谷口参考人、貴重な御意見、ありがとうございました。  以上で私の質問を終わります。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、石川勝君。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 参政党の石川勝と申します。  両先生、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、企業・団体献金の禁止を求める民意について、中北参考人にお伺いをいたします。  三月から四月に実施された共同通信さんの調査では、企業・団体献金について、回答者全体の七一%が禁止すべきと答えておりまして、自民党の支持者に限っても五九%が禁止すべきと答えられております。これは、企業・団体献金の禁止を求めるという声が、特定の政党支持層だけではなくて、与党の支持者層を含めた広い民意になっているというふうに思っております。  政治資金制度は世論だけで短絡的に決めるものではないとは思いますけれども、回答者全体の七割を超える人が禁止すべきだと考えている中で、国会が、禁止策を講じることなく、公開を強化するとか、あるいは今後更に検討するというだけでは、政治資金制度への信頼回復にはつながらないというふうに私は考えます。むしろ、こういうことをしますと、国民からの不信は更に深刻化すると考えるわけであります。  そもそも、国民が不審に思っていることは、単に収支報告書に記載されているかどうかだけではなくて、企業や団体から資金提供を受けることで政治判断がゆがめられるのではないか、あるいは、特定の業界とか団体の意向が一般の国民の声よりも重く扱われているのではないかという点であると考えます。  調査数字でも、企業・団体献金を受けることで政権や政党が打ち出す政策がゆがめられていると思うか、このゆがめられているというのは、回答した人から見たら悪い方向にということだと思いますが、そういう問いに対して、全体の八割がゆがめられていると思うと回答して、政党支持別の数字をちょっと御紹介しますと、自民党支持者では六八%、維新さんでは八〇パー、中道さんでは八八パー、国民さんは八四パー、そして参政党が八五パー、みらいさんについては何と八九パー、そして共産党さんは九一パーでありまして、無党派の人におきましても八五%の人がゆがめられていると回答をしております。  そこでお伺いをしたいと思うんですが、企業、団体にも意見表明の自由というのがある、これは認識しておりますが、その意見が政策形成に一定のプラス面を持つということも、これも否定しません。しかし、その構成員の多くもまた国民でありまして、回答者全体の七一%、自民党支持者でも五九%が企業・団体献金は禁止すべきだとしていることを踏まえれば、企業、団体による献金を通じた政策への影響ではなくて、国民一人一人の意思が政治に反映される、そういう制度にしていくことが重要だと我々は考えております。  この点につきまして、政治制度を専門とされる中北先生の御見解をお伺いさせていただきます。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 御質問ありがとうございます。  確かに、民意というのは非常に重要ですので、これを考慮要因に入れるということは必要なことだと思います。ただ、民意だけで決めればいいということであれば、全ての政策は国民投票や世論調査によって決めればいいということにございます。したがって、民意というのは一個の考慮要因ですけれども、全てではない。  例えば、御党におかれましても、定数削減、これに反対しておられますけれども、しかし、民意は恐らく、賛成の方がたしか多かったかと思います。また、女系・女性天皇の容認についても、例えば女性天皇の容認を見れば、読売新聞は六九%、共同通信だと八三%が容認論でございます、世論調査で。しかし、御党は反対しておられるかというふうに存じます。  したがって、民意は非常に重要ですけれども、これは一個の考慮要因ということですので、その点を踏まえて、慎重にこの政策についても考えていく必要があるのではないか、このように考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 誠にありがとうございます。  次に、谷口参考人にお伺いをしたいと思います。  参政党は、企業、団体からの献金と併せまして、政治資金パーティー券の購入、これも禁止すべきだというふうに主張しております。  しかし、私たちは、これだけで政治資金改革が完成するとは全く考えておりませんで、企業・団体献金の禁止というのは、これはあくまで政治への信頼回復を成し遂げるための最低条件であって、むしろ改革の入口ではないかというふうに考えております。  その上で、今後も、抜け道を許さない制度設計とか、日本の政治の独立性を担保する、つまり外国資本の過度な流入を防ぐとかあるいは国民の信頼を守るための政治資金制度の更なる透明化とか実効性の向上に取り組んでいく必要もあると考えております。  そこで、谷口先生にお伺いしたいんですが、今申し上げましたように、参政党が考える企業、団体からの献金と政治資金パーティー券の購入の禁止、これはあくまで政治への信頼回復を成し遂げるための最低条件だという考え方、更なる改革の入口だとする考え方、これにどのような評価をお持ちか、御見解を伺いたいことと、あわせまして、抜け道を許さない制度設計とか、日本の政治の独立性と国民の信頼を守るための政治資金制度の更なる透明化について、先生の御見解をお伺いします。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  政治資金の改革というのは、何か規制をしたり公開の制度を強めたりということがあっても更なる抜け道が発見をされるという繰り返しでございますので、これは、飽くことなく、その事案が発生するたびに、その抜け穴というのを一つ一つ根気強く塞いでいくということが必要でありまして、これは、これまでもそうでございますし、これからも変わらないということでございます。  それから、委員御指摘の、外国法人等による寄附規制あるいはパーティー券の購入に関してでございますけれども、平成十八年法律第百十三号で、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人若しくは外国法人である団体その他の組織から寄附を受けてはならないが、発行済株式の過半数を外国人等が保有する日本法人のうち、株式が金融商品取引所において五年以上継続して上場されている、いわゆる特例上場日本法人は除外をするという政治資金規正法第二十二条の五が新設をされました。  当時の附則第十五条においては、この二十二条の五については、施行後三年を目途として検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとされておりますが、その後、検討が加えられた跡が見受けられません。まさにこれも不断の改革というものの一環でございます。  この度、外国人、外国法人等による政治資金のパーティー券の対価支払いの禁止を定めた際も、特例上場日本法人は禁止対象から除かれております。  私は、この平成十八年当時から本改正には反対ではございましたけれども、二十二条の五が設けられて以降の国際環境の激変というのを踏まえて、再度、この特例上場日本法人除外措置を再検討する余地は十分にあるものと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 誠にありがとうございます。  引き続きまして、最後にもう一度谷口参考人にお伺いしたいんです。  今回の与党提案では、政治資金の収入に関する制度の在り方について、新たな合議制の組織を設けて、学識経験者に結論を出してもらって、その結果を踏まえて国会で法制上の措置を必要であれば講じるということになっているんですが、しかし、長年にわたりまして議論してきたにもかかわらず、今もなお国会で結論を出せないこの問題については、新たな合議制組織において学識経験者がどのような実効的結論を出すべきなのか、私は全くイメージできなかったんですね。先ほどの、いろいろ先生方の御答弁でもって少しは、何とか理解できましたが。でも、結局は国会での結論を先送りにするだけではないかという懸念は残っております。  谷口参考人は、これまで、政治改革に関する会議に過去三回御参加されていると伺いましたけれども、学識経験者による新たな合議制組織において、企業・団体献金の禁止も含めて、あるいは抜け道の防止策を含んだ実効的な結論というのは出すのが可能なのかどうか、あるいは、どのような実効的な結論を出すべきなのかとかいうところ、よければ、その条件とか具体的内容についても再度お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  二種類の回答かと存じます。  一つは、企業・団体献金の受皿規制だけに限らず、既に成立をしております、設置をすることが決まっております政治資金監視委員会に与えられた所掌事務の中で、政治資金制度に関する提言を行うことというのが既に定められておりますので、屋上屋を設けなくても、そこで対応することが可能であろう。もし実効性のある更なる規制というのが必要であるのであれば、この衆法第一二号には尊重義務というのを定めて、更に特別な諮問を行っていただくという形を取る必要があろうかと存じます。  それからもう一つ、実効性のある有識者会議で結論が、監視委員会であれこの衆法第一二号の有識者機関であれ、可能かというお尋ねでございますけれども、これはひとえに有識者の範囲によるということになります。  私が思い描いておりますような政治資金の研究をしている人、実証的に研究をしている人という範囲であれば、おのずから結論というのは、大体方向性というのは微調整の範囲で可能ということになろうかと思いますが、もし、その有識者というのが広く解されて、各党各会派の意見をより忠実に反映される方というのが選ばれた場合は、なかなか合意は難しいかもしれないと考えておる次第でございます。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、峰島侑也君。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 チームみらい、峰島侑也です。  まず、中北参考人、谷口参考人、本日はありがとうございます。  私からは、この三つの法案、提出されている法案の制度設計について伺っていきたいと思いますが、まず初めに、昨年、通常国会で自民党が提出した公開強化法案につきまして、今回提出された法案を見比べてみますと、やはりその公開の度合いというものが、より後退しているように感じております。  先ほど中北先生の方からも少し発言がありましたが、改めて、ここの、自民案にあった公開基準がむしろ後退しているんじゃないかという点について、お二人のお考えを、中北先生、谷口先生の順にお伺いできればと思います。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  今回、修正された公開強化法案というのは出されていませんので、そこに盛り込まれた内容というのは今回の自民党、維新の案にはないということだというふうに理解しております。  前回の修正公開強化法案というのは、透明性、公開性をほぼマックスにまで広げるという内容がありましたので、私は、ここで与野党が合意形成していただくというのが一番よろしいかというふうに考えているようなぐらいの、私もこんなに全幅の賛意をすることはほとんどないんですけれども、前回の案というのは非常に優れた案だったと思いますので、ここで歩み寄っていただくというのがいいのではないかなというふうに思います。  オンライン提出によってデータベースに全て載るということでもございますし、総務大臣の公開も、年間合計で五万円超ということですので、もう企業・団体献金については疑念が生じないというふうなところまで、もちろん、不記載の問題とか、様々それは残りますけれども、それはまた処罰されるということになりますので、この法案というのがいかに優れていたかということだと思いますので、是非、これについても、チームみらいの方でもしっかり検討いただければというふうに考えております。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 本日は、政治資金に関する三法案の審査について意見を述べるように求められておりますので、未提出の法案についてのコメントというのは差し控えさせていただきたいというふうに存じますが、さきの国会で提出をされた自民党の公開の提出法案は、私は、全くもって不十分であるというふうに考えております。これまで政治資金を研究してきた立場からすれば、これでワンストップで全てがガラス張りになっているとは決して言い難いものでございます。  例えば、これは自民党案だけということではありませんが、現在考えられているのは国会議員関係団体のみ、しかし、今永田町で横行しているのは、いわゆる国会議員関係を故意に外す、国会議員の実質的な関係団体であるのにそれを外すというようなことであって、そういったものには網がかかってこないということもあるわけでございまして、ここは更なる、少なくとも、前向きに評価をすることはやぶさかではございませんけれども、最善だというふうな評価を下すことは、研究者の立場からとてもできないということでございます。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 お二人とも御答弁ありがとうございます。  先ほど中北先生からも、是非、与野党の合意に向かってという話がありましたが、現在、企業・団体献金という文脈において、与野党間、政党間の合意を行う妨げとなっているものが何だとお考えなのか、こちらも両先生にお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 私は、合意形成は可能だと思うんですけれども、なかなか、高いところで合意形成するというのが非常に難しいというふうに思います。あと、これは政党にとって、やはり打撃が大きい政党と少ない政党ということがございますので、なかなかその点で、禁止や制限強化になると賛同し難いという政党が実際あると思います。したがって、例えば機関紙のことだとかいろいろあって、トータルに考えるべきだという反論も出てくるわけなのです。  したがって、やはりここはちょっと一歩引いて、第三者機関で検討をして、そこの提言を待つというのも一個の方法でしょうし、一番ベースの部分の公開というところで合意形成するというのも一個の考え方かというふうに考えておる次第でございます。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  実は、与野党の立場というのは、前国会の間でもうかなり接近をしていると言ってよろしいかと思います。  本日の参考人質疑においても、中北参考人と私の意見というのは、もちろん違いというのはございますけれども、いわばライスカレーかカレーライスかというような違いなのでございまして、合意が可能か不可能かということになると、決して不可能ということはないのだろうというふうに考えておりますし、これまで、今日を含めた参考人質疑の場におきましても、甚だ僭越ではございますけれども、合意可能なゾーンというのを私としてはお示ししてきた次第でございます。  ですので、端的に足りないものを申すとすれば、トップの御決断、これに尽きているかと存じます。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 御答弁ありがとうございます。  私も、谷口先生がおっしゃっていたとおり、政党の決意といいますか、決定というところが今求められているのではないかというふうに考えております。  そこで、中北先生に特にお伺いしたいんですが、先ほど中北先生も、政党によって打撃の多い少ないがあるという話がありましたが、そうした中で、今求められているのは学識経験者による会議ではないんじゃないかというふうに考えておりまして、まさしく政治の決断こそが求められているのではないかというふうに考えておりますが、ここについて、改めて中北先生のお考えをお伺いできればと思います。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  最終的には、皆様の方で議決して、そして決めるという形のプロセスになります。  先ほど、第三者機関の答申に対する尊重義務の話が出ましたけれども、第三者機関を設ける一つのメリットというのは、皆様の方で委託した第三者機関から出てきた案というのを、そんなむげにはできないだろうというところで、まさに合意形成に資する可能性があるというところに置かれているのではないかなというふうに思います。  ただ、最終的には皆様の間で合意形成というのがなされるということに帰着するわけなので、是非、国家国民のため、政治不信を取り除くという一点において真摯に御協議いただくということが必要ではないか、このように考えておる次第であります。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 ありがとうございます。  中北先生に続けてお伺いしたいんですが、先ほど谷口先生からは、政治資金監視委員会との役割の重複についてコメントがあられたかと思いますが、その点について中北先生のお考えもお伺いできますでしょうか。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 前回の本委員会におきましても、この点については議論があったところだというふうに理解しております。  私は、別建てでつくるということも一個の考えかと思いますけれども、しかし、政治資金監視委員会というものが設立が予定をされている、そこにおいて議論がなされて、提言というところに、これがある種一致し得る部分として存在している以上、基本的には政治資金監視委員会というところで議論する方がやはり制度的には分かりやすいのではないかなというふうに個人的には考えていますけれども、しかし、この点については皆様の間で合意を形成していただく必要があるのではないか、このように考えております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 ありがとうございます。  私も、まさしくこの政治資金監視委員会との重複のところは非常に気になっておりまして、可能であれば同じ組織で議論するべきではという考えを持っております。  続けて、済みません、こちらも中北先生にお伺いしてしまうんですが、先ほど谷口先生からもデータの御紹介がありましたが、やはり、政治家不信、政治不信というものは国民の中にないと言ったらうそになるような状況だと思っておりますが、この政治家不信の原因を、中北先生御自身はどのようにお考えでしょうか。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  政治不信は様々な理由があると思います。一つは、チームみらいさんがやっておられるように、やはり見える化をしていくということによって、つまり、透明性、公開性ということで、これでしっかり国民の監視の下にあるということを示していくというのが一つ重要な点かと思いますけれども、もう一つ、昨今の政治不信の非常に大きな理由というのは、やはり一般の人々からすると、政党であるとか議員の皆様が遠いところにあるんじゃないか、こういう感覚なんではないかというふうに感じます。  したがって、こういった点から、政治不信を解消するためには、やはり政治家、政党と有権者の接点を増やしていくということが必要ではないかなというふうに考えています。  この点からいっても、例えば定数削減が望ましいのかどうかということにもなってくるわけなので、こういったことをトータルに是非御検討いただければというふうに考えております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 ありがとうございます。  お時間が来ましたので、これで私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。  お二方には本当に、毎回のように御出席をいただき、ありがとうございます。  最初に、中北参考人と谷口参考人、お二方にお聞きいたします。  企業・団体献金の規制についてですけれども、立法事実のあるなしのお話がございました。戦後の歴史をたどってきたときに、やはり企業・団体献金の量的規制、質的規制ということが繰り返されてきた。補助金受給企業や赤字会社、外国人からの献金禁止もありましたし、献金額の上限規制も行われ、政党、政治資金団体以外への企業・団体献金を禁止する受領者規制なども行われてきたわけであります。  こういう歴史的経緯を見たときに、企業・団体献金そのものにやはり問題点があるからこその規制措置も行われてきたのではないのか。そういう経緯も含めて、お考えをそれぞれお聞かせください。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  今、塩川委員が御指摘いただいたように、様々な規制が既に企業・団体献金にはかかっております。その結果として、先ほど御紹介させていただいたように、一九九四年に比べると七分の一ぐらいにまで企業・団体献金は減少しているというのが現実であります。  確かに、企業・団体献金に関わる様々な事件が生じていますけれども、これは職務権限に関われば贈収賄事件として立件され、処罰を受けるということになっていますので、こうした職務権限と関わるものではなくて、そうではなくて、政策がゆがむとか、ゆがむおそれがあるというところで更なる規制を加えることが適切なのかどうかというところが問われるわけだと思います。  そうした中では、私は、やはり一層の公開強化、透明化という方向がまずは現段階では探られるべきではないか、このように考えている次第であります。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 お答えをいたします。  当委員会の審議においても何回か言及もされたところでございます八幡製鉄事件の最高裁判決におきましては、「会社は、自然人たる国民と同様、国や政党の特定の政策を支持、推進しまたは反対するなどの政治的行為をなす自由を有する」というふうにされたわけではございますが、これは、学界の通説としては、とんだ勇み足、とんだというところも含めてそういう表現をされているんですが、とんだ勇み足という理解が定着をしておりまして、判決自体も、企業・団体献金の弊害防止というものについては否定をしていないというふうに理解をされておるところと承知をいたしております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 企業・団体献金、この未然防止を図ることによって国民の権利を保障していく、こういう立場での改正というのは当然あり得るわけで、私どもも、企業・団体献金禁止に踏み出すことこそ今の課題だ、自民党の裏金問題を契機にこの立場で臨むことが求められていると思います。  次に、中北参考人にお尋ねいたします。  今、公開、透明性のお話をされました。今国会に自民党が法案を出されないのは残念ということでしたけれども、去年の議論なんかにしても、さんざん、禁止より公開とあれほど言っていた自民党さんなんですが、何でその法案を出さないのかというのが自民党の立場に立っても疑問に思うところでありまして、私も理事会でお聞きしましたら、未定、検討中という話で、確たるお話はありませんでした。  こういった、今国会に提出していない自民党の透明化の法案について、そういう提出していない自民党の政治姿勢について、中北参考人はどのように受け止めておられるでしょうか。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  私は、自民党の事情に通じているわけではございませんので、なぜ今回出さなかったのかということについては少し分かりかねますけれども、個人的には残念であるということを言わざるを得ません。  他方、自民党としては、党内のガバナンスにおいてきちっと公開をしていくということのようですので、その推移についてはしっかり見守っていきたいというところでございます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 谷口参考人にお尋ねをいたします。  中北参考人が、国営政党という批判をしておられます。この点について、政党交付金の依存が六割とか八割とか、そういう政党があるといった現状について、谷口参考人としては、そういった政党交付金依存の政党の活動についてどのように考えておられるのかについて御見解をお聞かせください。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 御質問ありがとうございます。  二〇二四年の我が国の政党交付金は総額三百十五億円でございまして、これは、人口規模も勘案いたしますと、ドイツと比べて少額となっております。また、平成の政治改革以降の企業・団体献金の減少とも相関が見られるところでございますので、私は、いわゆる政党助成金廃止論にくみするものではございません。  ただし、ドイツの公的助成制度におきましては、委員も御案内のとおり、得票数以外に、党費、個人献金の収入実績等も配分の基準とされており、この点は我が国の政党助成制度の見直しにおいては一つの参考になるものというふうに考えております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 ありがとうございます。  中北参考人、谷口参考人にお尋ねいたします。  自民、維新の政治資金プログラム法案ですけれども、政党収入の制度の在り方の検討としながらも、政党助成制度については直接触れるものになっておりません。やはり、国営政党という批判もありますし、今の運営の在り方として、政党の収入といった際に、政党助成制度を除いての検討というのはいかがなものかといった点、こういった自民、維新の政治資金プログラム法案が政党助成制度に触れていないという姿勢についてどのようにお考えか、お二方から御意見を伺いたいと思います。

中北浩爾 中央大学法学部教授

○中北参考人 お答え申し上げます。  私も、政党交付金制度を廃止すべきだとか違憲であるという考えに立つものではございませんが、余りにも政党交付金に依存し過ぎるということは、やはり政党の社会的基礎をしっかり持っていく、こうした観点からすれば問題があるというふうに考えておりますので、当然、政党の収入の大きな部分を占めるに至っている政党交付金についても検討の範囲に入れていくべきであると。  特に、先ほどお話をしたように、議員数割の一部に女性議員数割を入れるといったような工夫もあり得ますので、この点についても是非、法案を修正するのか附帯決議になるか分かりませんけれども、しっかりと入れ込んでいただきたいな、このように考えております。

谷口将紀 東京大学教授

○谷口参考人 提案者において御指摘の点が入っていないということの理由については、私はつまびらかではございませんけれども、このようなところが広く国民の間に問題として共有されるのであれば、さきに設置されることが決まった政治資金監視委員会の所掌の中に政治資金制度に関して必要なことを提言する権能が与えられておりますので、必要と認められる場合にはそのような提言を行うことも可能だというふうに理解をしておるところでございます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 終わります。ありがとうございました。

美延映夫 日本維新の会

○美延委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)  次回は、明二十三日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十二分散会

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  1. 記録 #3544 観測 2026-07-31 23:58 JST
    改ざん検知用の値 f1868a90…089363 (未計算)

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