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国会会議録

財務金融委員会

第221回 · 衆議院 · 第12号 · 2026-06-19

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-05 00:07 JST 記録 #3617 ↗

発言 159

会議録情報

令和八年六月十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 武村 展英君    理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君    理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君    理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君    理事 萩原  佳君 理事 田中  健君       浅田眞澄美君    石井  拓君       稲葉 大輔君    井林 辰憲君       岩崎 比菜君    上原 正裕君       鹿嶋 祐介君    加藤 勝信君       白坂 亜紀君    辻  秀樹君       長澤 興祐君    新田 章文君       藤丸  敏君    松本  泉君       三反園 訓君    三原 朝利君       森原紀代子君    米内 紘正君       渡辺 勝幸君    大島  敦君       大森江里子君    岡本 三成君       一谷勇一郎君    近藤 雅彦君       牧野 俊一君    小林 修平君       峰島 侑也君    河村たかし君     …………………………………    内閣府副大臣       岩田 和親君    財務副大臣        中谷 真一君    財務大臣政務官      三反園 訓君    政府参考人    (内閣府大臣官房審議官) 水田  豊君    政府参考人    (内閣府大臣官房審議官) 茂呂 賢吾君    政府参考人    (金融庁総合政策局審議官)            岡田  大君    政府参考人    (金融庁監督局長)    石田 晋也君    政府参考人    (財務省理財局長)    井口 裕之君    政府参考人    (国土交通省大臣官房審議官)           井崎 信也君    参考人    (日本銀行副総裁)    氷見野良三君    参考人    (日本銀行理事)     神山 一成君    参考人    (日本銀行理事)     中村 康治君    財務金融委員会専門員   二階堂 豊君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十九日  辞任         補欠選任   稲葉 大輔君     辻  秀樹君   棚橋 泰文君     白坂 亜紀君   峰島 侑也君     小林 修平君 同日  辞任         補欠選任   白坂 亜紀君     棚橋 泰文君   辻  秀樹君     稲葉 大輔君   小林 修平君     峰島 侑也君     ――――――――――――― 六月十一日  適格請求書等保存方式(インボイス制度)の運用見直しに関する請願(神谷裕君紹介)(第七七五号)  同(西岡秀子君紹介)(第八一二号)  同(有田芳生君紹介)(第八二八号)  同(飯泉嘉門君紹介)(第八二九号)  同(犬飼明佳君紹介)(第八三〇号)  同(落合貴之君紹介)(第八三一号)  同(田嶋要君紹介)(第八三二号)  同(中山展宏君紹介)(第八三三号)  同(西岡義高君紹介)(第八三四号)  同(長谷川淳二君紹介)(第八三五号)  同(山本ジョージ君紹介)(第八三六号)  同(早稲田ゆき君紹介)(第八三七号)  消費税率五%以下への引下げとインボイス制度の廃止に関する請願(田中健君紹介)(第八〇〇号)  同(早稲田ゆき君紹介)(第八二七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  金融に関する件(通貨及び金融の調節に関する報告書)      ――――◇―――――

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 これより会議を開きます。  金融に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁氷見野良三君、理事神山一成君、理事中村康治君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官水田豊君外五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 去る令和七年六月二十日及び十二月十二日、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づき、国会に提出されました通貨及び金融の調節に関する報告書につきまして、概要の説明を求めます。日本銀行副総裁氷見野良三君。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について御説明申し上げる機会をいただき、御礼を申し上げます。  まず、最近の経済金融情勢について申し上げます。  我が国の景気は、中東情勢の影響もあって一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は、基調としては横ばい圏内の動きを続けています。企業収益が高水準で推移する下で、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。個人消費は、家計マインドに弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しています。先行きについては、原油価格上昇が景気の下押し要因として作用するものの、高水準の企業収益などが経済を下支えすると見込まれるほか、政府による各種施策や原材料の代替調達なども進んでいるところです。このため、我が国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けると見ております。  物価面を見ると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから、足下では一%台半ばとなっているものの、先行きについては、原油価格上昇がエネルギー価格や財価格を中心に押し上げ方向に作用することから、二%をはっきり上回る水準まで伸び率を高めていくと予想しております。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、二〇二六年度後半から二〇二七年度にかけて物価安定の目標とおおむね整合的な水準となると考えております。  こうした見通しをめぐるリスク要因としては様々なものがありますが、当面は、今後の中東情勢の展開が金融・為替市場や我が国の経済、物価に及ぼす影響を特に注視する必要があります。このほか、グローバルなAI関連需要の動向や今後の為替相場の変動が我が国の経済、物価に及ぼす影響にも留意が必要です。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることを踏まえると、全体として相応の頑健性を有していると判断しています。  次に、金融政策運営について御説明申し上げます。  日本銀行は、今週の金融政策決定会合において、政策金利を引き上げて、一・〇%程度とすることを決定しました。先ほど申し上げたとおり、我が国経済は、伸び率を縮小しつつも、緩やかな成長を続けると見られます。物価面では、原油高を起点とする価格上昇の動きが幅広い品目に波及したり、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると考えられます。こうしたことを踏まえ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断いたしました。  先行きについては、基調的な物価上昇率が二%に近づいている中、現在の金融環境が緩和的であることを踏まえますと、経済、物価、金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。その上で、調整のタイミングやペースについては、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響を注視した上で、経済、物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、検討していく方針です。  なお、今週の金融政策決定会合では、国債市場の動向や機能度を点検し、日本銀行の今後の国債買入れの在り方についても検討いたしました。その結果、来年三月までは従来の減額計画を維持し、来年四月以降は月間二兆円程度の買入れを行うことを決定しました。  今後とも、日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営してまいります。  本日はどうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 これにて概要の説明は終わりました。     ―――――――――――――

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲葉大輔君。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 皆さん、おはようございます。自由民主党、稲葉大輔でございます。  本日は、初めての質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。まずは、委員会理事、先輩議員、そして同僚議員の皆様に御礼申し上げたいと思います。  そして、浜松から日頃応援をしていただいている皆様、今日は、地元浜松のためにも、日本銀行の金融政策について、皆さんの力となるように、そして、地域の皆さんの実態、小規模、中小企業の皆さんの声も踏まえて質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  では、最初に、一%への追加利上げの意図について、氷見野副総裁にお伺いしたいと思います。  六月十七日から無担保コールレートを従来の〇・七五%から一%に上げるという利上げを行いました。一般的に、政策金利の引上げは、銀行の短期プライムレートの上昇に波及し、企業の資金調達コストの上昇や住宅ローンの変動金利などに直接的な影響を及ぼす可能性があります。企業はお金を借りにくくなるという意味で、前向きな投資や需要が減少するので、インフレを抑制する効果がある一方で、一歩間違えれば景気を大きく失速させるような原因になるという副作用を伴う危険性もあると思っています。  さきの会見や今日の概要説明にもありましたけれども、資料には、原油価格上昇を起点とした企業間取引での価格転嫁が速いスピードで進んでいる、そしてまた、消費者物価の基調的な上昇率は物価安定目標である二%を超えて上振れしていくリスクが指摘されています。  そこで、まず総論として伺いたいと思います。  今回の一%への追加利上げにつきましては、単なる原油高というコストプッシュインフレへの対応ではなく、賃金と物価の好循環が強まり、目標を上振れるリスクを未然に防ぐための、自信を持った、前向きな正常化の一環であると捉えていいのでしょうか。現在の金融緩和の度合いの評価についても併せて伺いたいと思います。よろしくお願いします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  まず、今回の利上げの意図、位置づけについて御質問をいただきました。  金融政策運営に当たりましては、物価安定の目標を持続的、安定的に実現することが重要であることから、日本銀行では、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率の動きを重視しております。  賃金と物価の好循環の御指摘もあったと思いますが、この点、各種のデータやヒアリング情報などを踏まえますと、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは維持されており、そうした中、基調的な物価上昇率は、このところ二%に近づいていると判断いたしております。  こうした状況にある中で、足下では、これも御指摘がありましたように、原油価格上昇を起点に企業間取引における価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、これが、今後、消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性があると見ております。加えて、中長期の予想物価上昇率が引き続き上昇していることを踏まえますと、物価については、供給ショックに伴う一時的な上昇にとどまらず、御指摘のありましたように、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると考えております。  こうした状況などを踏まえまして、リスクを未然に防ぐためという御指摘もございましたが、今週の金融政策決定会合では、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適当と判断いたしました。  また、金融環境についても御質問をいただきました。  実質金利の水準は、一頃よりも上昇しているものの、経済活動に及ぼす影響が大きい短中期ゾーンを中心に、引き続きマイナスで推移しております。全体として見ますと、企業などの資金需要は増加しており、CP、社債市場でも良好な発行環境が続いております。これらの動きを踏まえますと、今回の政策金利引上げの後も我が国の金融環境は緩和した状態が維持され、経済活動をしっかりサポートしていくと考えております。  以上です。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 ありがとうございます。  景気判断、よくなるだろう、大丈夫だろうという発表でありましたけれども、私としてはちょっと、地方の実情を踏まえて少し懸念があります。  緩やかな回復は、マクロ的にはしているんですけれども、やはり地元を考えますと、部品メーカーとか、あるいは飲食、小売、あるいは建設業界など様々、物価高、コスト高に非常に苦しんで必死に耐えているような状況だと実感をしていまして、景気の上振れは、まだまだ甚だ実感とは乖離があるというような感じがしています。その点、価格転嫁に苦しんでいる地域、これは地方だけではありませんけれども、中小零細事業者に対して、今、消費性向も大分押し下げられているということもあって、景気全体が実感としては停滞あるいは減速しているような感じが、どうしても町中ではしてならないというふうに思っています。  その中に中東情勢の原油高の影響というのが今まであったわけなので、それが景気の下押し要因になっているということも見解にはありましたけれども、実際、原油高、コスト高というものと利上げ、これによるダブルパンチが、地域を支える中小企業あるいはそれの雇用の減退効果など、様々な経済の冷え込みの要因にならないのかどうか心配をしておりますので、日銀の現状認識とこれからの見通しをお聞かせいただきたいと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  原油価格上昇が地域経済や小規模企業、中小企業の経営に及ぼす影響につきましては、日本銀行の本店や支店を通じたヒアリング情報も活用しながら、きめ細かく丁寧に点検していく必要があると考えております。  各企業ごとに状況は様々であり、それぞれが課題に立ち向かっておられる状況だと思いますが、総じて見ますと、原油価格の上昇は我が国の経済の下押し要因となっているものの、小規模企業を含めて、高水準の企業収益や雇用・所得環境の改善などが経済を下支えする方向に作用しており、これまでのところ、全体としては景気の足取りはしっかりしていると考えております。  加えて、政府によるエネルギー負担緩和策などの効果が今後も見込まれるほか、中東依存度の高い原材料の代替調達も進展していることから、経済が大きく下振れるリスクは一頃よりも低下していると考えております。  こうした状況も踏まえ、今週の金融政策決定会合において政策金利の引上げを決定いたしましたが、これは、物価上振れリスクが顕在し、それがその後の経済、企業の経営環境に悪影響を及ぼすことを防ぐという意味でも必要な対応であったと考えております。  なお、今回の政策金利の引上げ後も緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き、中小企業を含め、経済活動はしっかりとサポートされる、そういうふうに考えております。  以上です。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 ありがとうございます。  今の物価高に関するところでもう一つお伺いしたいと思いますが、地方の中小企業にとって原油高に輪をかけているのが、円安、これによる輸入コストの上昇だと考えております。  日銀は、為替相場を直接のターゲットにはしていない、これは基本姿勢ということで承知をしておりますけれども、あえて、行き過ぎた円安が中小企業、生活者を苦しめている、悪性のインフレだということは間違いないと思っていますし、また、内外の金利差というのがこの円安を助長しているというような声も多方面から聞こえている状況であります。今回、利上げということで、こうした円安による物価の上振れリスクというのを厳しく警戒していたのかどうか、地方経済や国民を守るための歯止めとして、政策判断として捉えていいのかどうか、利上げによる円安の抑制効果をどの程度期待されていたのかなど、お伺いしたいと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、為替相場は、我が国の経済、物価に影響を及ぼす重要な要因の一つであります。日本銀行の政策委員会のメンバーも、手分けして各地に出張していろいろ地域の経済界の方からお話を聞いておりますけれども、まず最初に伺うのは、先生が御指摘になられたような点を耳にすることが私どもの実感としても多いです。  御指摘がありましたとおり、金融政策は為替動向のコントロールを目的としたものではありませんが、企業の賃金、価格設定行動が積極化する下で、過去に比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がございます。また、そうした動きが予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に影響する可能性があることに留意する必要があります。  金融・為替市場の動向や、それが我が国の経済、物価に及ぼす影響については、今後ともしっかり見てまいりたいと考えております。  以上です。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 ありがとうございます。  では、続いて、国債の買入れの減額計画について伺いたいと思いますが、今回の目的は、利上げにより金利を正常化するということと、保有国債残高を減らす、量の正常化、これを同時に行うことによって、国債市場の安定化、そして機能改善を図るものというふうにされています。  為替や金融市場の混乱はもとより、先ほどの中小企業の資金調達や住宅ローンのことを考えても、金利が急騰することだけは避けなければいけないというふうに思っておりますが、なので、この市場の予見可能性が高まる減額の計画というのを評価をして、その着地点を明確にした意図というのは理解をしているつもりであります。しかしながら、政府の成長戦略、これから投資を増やしていこう、さらには、緊急な経済対策が場合によっては出てくる、そんなことも踏まえると国債発行額が変動することは十分考えられますし、それのために買入れ計画をあらかじめ固定していくというのは非常にバランスを崩す可能性があるんじゃないかというふうに思います。  国債の増加発行、そういったことに対して、ボラティリティーが高まる、そんなリスクに対してどのようにお考えなのか、市場の安定性の確保の点からまたお伺いしたいと思います。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答えいたします。  長期金利は金融市場におきまして自由に形成されることが基本ではございまして、先行きの経済、物価情勢や金融政策、財政政策に対する市場の見方のほか、海外金利の変化などを反映して、ある程度変動することを想定しております。  ただし、通常の市場の動きとは異なるような形で長期金利が急激に上昇するといった例外的な状況におきましては、市場における安定的な金利形成を促す観点から、機動的に国債買入れの増額等を実施する考えでございます。こうした考えはこれまでと変わりはございません。  国債市場の動向につきましては、今後ともしっかりと見てまいりたいと思います。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 ありがとうございます。  では、最後、もう一つだけ質問したいと思いますが、現在、金融環境は緩和的であるというふうに、最初、御答弁もありました。そしてまた、これから、経済、物価、金融情勢に応じて、引き続き政策金利は上げていこう、金融緩和の度合いは調整していくという発表であります。これについて少々危機感を持っているというのが私の今、実感ですね。  実際にデータを見れば、消費者物価指数、一%台というのも先ほどの概要発表にもありましたし、また、中東情勢、これが緊張緩和が進んでいきますので、原油価格先物は恐らく下がっていくだろうというふうに考えています。そんな中で、政府はまさに今から、実体経済を強くしよう、投資をしていこうという中にありますので、このタイミングで先にどんどん金利を上げていくんだという姿勢を出すということが政府の成長戦略に対してアコードと言えるのかどうかというのは懸念をするところであります。  そんな中で、今、私は最初に立ち戻りまして、地方というのが本当に強くなるために、真の実体経済を進めていくためには、地方が頑張らなければいけない。中小零細企業が頑張るためには、経済安全保障の新しいサプライチェーンに入っていくとか、あるいはAXを積んでいく、そのための投資が必要であります。  これについて、政府として、地方銀行あるいは信用金庫を通じて、中小企業の前向きな投資に対して、あるいは資金繰りに対して、どのように金融面から強く後押しをしていただけるのか、金融庁にお伺いをしたいと思います。

岡田大 金融庁総合政策局審議官

○岡田政府参考人 お答え申し上げます。  地域金融機関は、地域経済の要として、地域企業への資金供給にとどまらず、地域企業の価値向上に向けた幅広い金融仲介機能を発揮しながら、地域経済に貢献していく役割が求められていると承知しております。  こうした観点から、昨年十二月に公表しました地域金融力強化プランにおきまして、事業者に対して、MアンドA、事業承継、事業再生、経営人材確保、DXについての支援、それから資本性資金の供給等、地域金融機関による地域企業の価値向上への貢献を推進するための施策を盛り込んでおりまして、同プランの公表後、金融庁としても、これは着実に実施しているところでございます。  また、委員御指摘の中東情勢を踏まえた対応といたしましては、先般、官民の金融機関と関係省庁を集めた意見交換会を開催いたしまして、官民金融機関の代表者に、事業者に寄り添ったきめ細やかな資金繰り支援の徹底等を要請しております。こうした対応が金融機関によってその後着実に講じられているか、引き続きしっかりとモニタリングしてまいりたいと思います。  さらに、現在、政府として検討を進めております成長戦略それから金融戦略におきましても、地域金融力の強化に向けた施策が盛り込まれるものと承知しております。  金融庁といたしましては、地域金融機関による企業の成長支援を更に強力に後押ししてまいりたいと考えております。

稲葉大輔 自由民主党・無所属の会

○稲葉委員 ありがとうございました。  地域金融強化プラン、まさにこれは、実行段階で更に強い強い後押しをお願いをしたいところでございます。  今日は日銀の金利利上げにつきまして質問させていただきましたが、ビハインド・ザ・カーブという言葉が出てくるように、前もって前もってやりたいという政策の方針は理解はするものですが、やはり、地方が本当に強くなるまで、企業の収益が上がって賃金、手取りが上がる、その実感がつかめるまで、余り冷や水を差すような方向ではなくて、きちんと協調して、成長投資をやっていくんだぞ、強化プランもしっかり進めていくんだ、そんな声を国からも出していただきまして、地方を応援していただければというふうに思います。  また、真の経済成長、まさに、日銀と財務省、そして政府、一緒になった推進が全てだと思っています。是非、これから万全のかじ取りをお願いをして、真の経済成長が進むようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、峰島侑也君。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 チームみらいの峰島侑也です。  本日も質問のお時間をいただきまして、ありがとうございます。また、質疑順につきまして調整いただいた方々、誠にありがとうございます。  また、本日、日本銀行の方々にいらっしゃっていただいておりますが、植田総裁の入院ということに当たって困難もあるかと思いますが、植田総裁の、今回、治療に専念していただいて、一日も早く快方に向かわれることを祈っております。  まず、本日、私からの質問の一つ目ですが、CPIについて御質問させていただきたいと思います。  先に私の課題意識というところを共有させていただくと、CPI、一つの値が出てくるわけですが、このCPIが誰にとってのCPIなのかということが難しくなっているんじゃなかろうかということを懸念しております。そして、これは、日銀の方に対する問題提起というよりかは、立法府であったりとか行政府の方々が実際にCPIを見て政策決定をするときにより注意が必要になる、そんな状況になっているんじゃないかという問題意識で御質問させていただきます。  現在、物価上昇フェーズになりまして、物価を抑制するような政策が複数実行、若しくはこれから実行を予定されているという形になっております。その中には、例えば、ガソリン補助金ですとか、あとは、電気、ガスの料金負担、そこの軽減支援であったりとか、あと、より品目別で見ると、お米券が予定されていたり、更に言うと、地方自治体ごとに見ていくと、東京都の水道基本料金無償化等々、いろいろな政策が打たれている。  そうした中で、日本銀行が、今年の三月から、特殊要因を除いた消費者物価上昇率の試算値の公表というものを開始されました。これは、統計局の方が、物価動向をより正確に把握するという観点から、各種の制度変更に起因する特殊要因を除いた消費者物価上昇率の試算というものになっています。この中で現在除外されているものは、消費税率の変更、教育無償化政策、二〇二一年の携帯電話通信料引下げ、旅行支援策、ガソリンや電気・ガス代の負担緩和策といったものがありますが、この中に、特殊要因の定義は今後予告なく変更する可能性もあるというふうにされております。  実際に今年の四月の数値を見てみると、総務省が公表しているコアCPIが前年比でいうと一・四%の上昇であるという一方で、生鮮食品及び特殊要因を除く試算値というところで見ると二・八%の上昇と、一・四ポイントの乖離が生じているという状態になっております。この差は、見ていただいて分かるとおり二倍になるので、かなり大きいというふうに私自身は認識をしています。  この乖離の部分が政府の財政政策によるものだとすれば、公表される物価指標のみ、CPIのみを見ていては、経済の真の姿、真の物価基調が捉えづらくなっているんじゃないかというふうに思いますが、これに対する日本銀行の認識をお伺いしたいと思います。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  金融政策の運営に当たりましては、物価安定の目標を持続的、安定的に実現することが重要でございます。こうした観点から、日本銀行では、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率の動きを重視をしております。  もっとも、基調的な物価上昇率を捉える単一の指標は存在しません。このため、一時的な変動の影響を受けにくい各種の物価指標や、人々の物価観を示します中長期的な予想物価上昇率、さらには物価変動の背後にありますマクロ的な需給ギャップや労働需給、また賃金上昇率など、経済、物価に関する様々な情報を丁寧に見た上で、総合的に判断していく必要があると考えております。  特に足下では、政府による物価高対策などの影響により、消費者物価は短期的に振れやすくなっております。こうした点を踏まえますと、物価の基調を的確に把握する上では、制度要因の影響を除いた消費者物価指数の動きも含めて、幅広い指標を点検していく必要があると考えております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 御答弁ありがとうございます。  まさしく、単一の指標というよりかは、総合的な判断をしていくということがより求められるような時代になっているというふうに感じます。  ここで、是非、副総裁にもお伺いしたいと思いますが、そもそも、今回、特殊要因を除いたCPIというものを独自に作成、公表せざるを得なくなったということ自体が、金融政策の判断材料を見えづらくしているんじゃないかというふうに感じておりますが、副総裁は、この状況に金融政策運営上の困難を感じていらっしゃいますでしょうか。御答弁お願いします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  CPIは足下で家計簿が直面している物価の状況を示すように設計されているもので、これはこれで非常に重要な指標で、今朝出た指標も私ども熟読しているわけでありますけれども、他方、消費者物価は様々な一時的な要因の影響を受けることから、金融政策運営においては、時間の経過とともに減衰していくと見られる要因を取り除いた物価の基調的な動きを把握し、先行きを見通すことが大切だと考えております。  内外で日々様々な要因が発生するわけでありますけれども、私どもとしては、これを前提とした上でしっかりした分析を行い、これを適切な政策判断につなげていく責任があると考えております。  政府の物価高対策などの制度要因の影響を除いた消費者物価を試算して公表しているのも、そうした分析努力の一環ですが、今後とも、幅広いデータや様々な情報を多面的に点検しながら、物価の基調を的確に把握し、適切な金融政策運営に努めてまいりたいと考えております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 御答弁ありがとうございます。  私、冒頭に申し上げましたとおり、日銀さんの正確な経済状態を捉える努力というところを非常にすばらしいというふうに考えておりまして、一方で、CPIというものがいろいろな要因によって変動するものであるということに自覚的にならなければならないというふうに、これは、どちらかというと立法府や行政の観点から感じております。  特に、CPIが波及的に用いられる例として、実質賃金の上昇というものがあるかと思います。近年というかこの数か月ですね、この数か月、比較的低調だった実質賃金の上昇率というところが好転してきている、改善基調である、このこと自体は明るいニュースではあるというふうに思いますが、仮に、CPI自体が人為的に押し下げられた、各種の政策によって押し下げられていたというふうに考えたときに、実体の経済に比べて実は賃金の上昇は芳しくないというふうに捉えられる可能性もございます。  この点について、まず、日銀の方に、実質賃金の基調をどう認識されているかというところについて、お伺いをいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  足下の実質賃金は、幅広い企業でしっかりとした賃上げが実現しまして名目賃金が上昇を続ける一方、消費者物価の伸び率が縮小していますことから、前年比で見てはっきりとしたプラスで推移しているというふうに認識をしております。  こうした実質賃金の動きには、委員御指摘のとおり、政府によるエネルギー負担緩和策などが消費者物価を下押し方向に作用していることも影響していると思います。  もっとも、そうした制度要因の影響を除きましても、名目賃金の上昇を主因に実質賃金は改善傾向にあることには変わりはないというふうに評価をしております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 御答弁ありがとうございます。  今おっしゃっていただいたように、実質賃金を見るとプラスに転じているということで、今聞いていらっしゃる皆様の中にも、結局、補助金等で物価が押し下げられているのであればそれは問題ないんじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、冒頭に私申し上げたとおり、このCPIが誰にとってのCPIなのかという問題は常にあるというふうに考えております。  例えば、CPI、これは生活保護の受給額に対しても、変動に用いられておりますが、例えばガソリン代金が補助金によって押し下げられている場合、生活保護の方は車等を持つことができませんのでこの恩恵にあずかることはできませんが、経済で見たとき、実際のその方々が感じている物価上昇率よりもCPIは低く出てくるというようなリスクは具体的にあるというふうに考えております。  なので、CPIを政策に使っていくときには、かなりそれに自覚的にならなければいけない。まさしく日銀さん、例えばいろいろな地方に、稲葉委員の御答弁にもありましたとおり、実際に現地に行って話を聞いたり、そういった実体経済の把握に努められていると思いますが、政府においてもそのような配慮が必要なのではないかというふうに考えております。  なので、ちょっと、この件に関する最後の質問なんですが、内閣府の方に御質問したいと思います。  補助金や減税といったもので押し下げられたCPIを使って実質賃金を計算すると実質賃金の上昇率が実態より高く出得る。そういったある意味ゆがんだ数字をもって政策判断をすることの危うさについて、どのように認識されておりますでしょうか。御答弁お願いします。

水田豊 内閣府大臣官房審議官

○水田政府参考人 お答えいたします。  実質賃金につきましては、名目賃金から物価の変動分を取り除く際に、委員御指摘の政策効果を含めた消費者物価指数を用いております。これは、実質賃金が家計の購買力を表す指標であり、家計が実際に直面している物価を参照することが適当だと考えることによるものでございます。  一方で、委員の御指摘のとおり、政策による影響、それから家計の属性ごとに直面している物価が異なるという点にも留意しながら政策を考えることは重要と考えております。例えば、そうしたことも念頭に置きまして、低所得世帯については、食料、消費支出にですね、占める光熱費等の必需品の割合が高く、こうした品目を中心とした近年の物価上昇が影響しやすい可能性があるといった分析なども報告しつつ、多面的に見ていくことが重要だと考えております。  政府としましては、委員御指摘のように、きめ細かく分析を行いながら経済財政運営を行っているところでございまして、引き続き、経済、物価動向にしっかりと目を配りながら、政策運営に取り組んでいきたいと考えております。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 ありがとうございます。  そういった点を是非、既に考慮されているという部分もありましたが、より今後、政策決定の上で、そういった参照が難しくなっていることも予想されますので、これは私自身もですが、よりそういったところに自覚的になって政策を考えていくということをしたいと考えております。  次の、二つ目の質問ですが、今回、利上げが決定されたというところは皆さん御承知のとおりかと思いますが、特に今回、国債買入れの減額の停止という方が私としては気になっております。  まず私自身のスタンスを申し上げると、市場による価格決定機能というものは非常に重視されるべきだというふうに考えておりまして、長期的に見たときには日銀の国債購買というものは縮小されていくのが望ましいのではないかというふうに考えております。  特に、今回、政策金利を一%まで引き上げるといったところで、逆に、国債買入れの減額措置というところを二〇二七年四月以降に停止していくということで、これは当然、全体的なことを考慮しながら決めていらっしゃるとは思うものの、ある意味、一%に引き上げて、引締めみたいなふうに見える部分と、一方で、減額措置を停止するという比較的ちょっと緩和として捉えられやすいような動きが二つ組み合わさっておりますが、今回の政策スタンス全体の評価であったりとか狙いという部分について、副総裁にお伺いしたいと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  現在、日本銀行では、短期金利の操作を金融政策の主たる手段としており、これと長期国債の買入れに関する判断は別のものと位置づけて行っております。  すなわち、政策金利の引上げにつきましては、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現のために何が適切かという観点から判断したものであります。一方、国債の買入れについては、私どもといたしましても、長期金利は金融市場において自由に形成されることが基本であると考えておりまして、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で進めていくという方針を持っております。  今回の判断も、この方針に沿って、国債市場の機能度と安定に配慮しながら決定したものでございます。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 御答弁ありがとうございます。  今回の国債の買入れの減額措置の停止というところは、国債市場の安定のためだというふうな御答弁だというふうに理解をしておりますが、今回ですね。今後、より、報道されているような、例えば、政府の方でも今、国民会議、私自身も出ていますが、最近、議長案として食料品消費税の引下げみたいな案も出てきておりますが、こういったもの、政策について何かおっしゃってほしいというわけではないんですが、一つの外部要因として見たときに、日銀さんのアクションとは関係ないところで、金利上昇であるとか、例えば国債市場の不安定化ということもあるかとは思います。こういったところにおける国債買入れの難しさというところ、ちょっと通告している文章が今、私、見ていると結構分かりづらいんですが、私の問題意識としては、そのような外部要因として見たときの政府の動きというところで日銀のアクションというものが制限されていくことについて、副総裁としてはどのようにお考えでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  今週の決定会合では、二〇二七年四月以降、二兆円程度の国債買入れを行うことが適当と判断いたしましたわけですが、これは、国債市場の機能度の改善の状況や、銀行や個人といった本邦の投資家が国債保有を無理なく増やしていくためには、ある程度の時間を要することなどを理由としたものでありまして、財政に対する配慮を理由とするものではございません。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 そうしたときに、最後の御質問ですが、今回停止した国債買入れの減額ということについて、将来これを再開する場合、日銀さんはどのような指標や条件に基づいてその判断を行うのかというところについて、御答弁をお願いいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  今回、来年四月以降の国債買入れ額を月間二兆円程度としたことにつきましては、これまでのところ、国債市場の機能度は着実に改善してきておりますことや、日本銀行に代わり、銀行や個人といった本邦投資家が国債保有を無理なく増やしていくためには、ある程度の時間を要するということなどを理由としております。  現時点で買入れのペースを見直すことは想定しておりませんが、今申し上げた点などを踏まえますと、今後、本邦投資家によるポートフォリオ調整の進捗の状況や、その下での国債市場の動向、機能度等を勘案しまして、必要な場合には、決定会合におきまして買入れのペースを見直すこともあり得ると考えておりまして、その点は決定会合の公表文でもお示ししているところでございます。

峰島侑也 チームみらい

○峰島委員 私は、冒頭でも申し上げたとおり、国債買入れというのは長期的には縮小していくことが望ましいという中で、この買入れ額については是非不断の検討をいただきたいということを申し添えて、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、大森江里子君。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 中道改革連合の大森江里子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  質問に入ります前に、一言申し上げます。  日本銀行の植田総裁におかれましては、御入院されたと承り、大変驚いております。日頃の激務が体調に影響されたのではないかと大変深く案じております。植田総裁の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。  それでは、質問に入らせていただきます。  日本銀行が決定した追加利上げと二〇二七年四月以降の国債買入れ減額の停止は、長年続いた異次元緩和の出口戦略における大きな岐路と言えます。  まず、日本銀行にお伺いをいたします。  中東情勢の混迷による原油高とインフレ懸念、拡張的な財政政策に加えて、利上げ予測などによって世界的に長期金利が上昇する中、我が国では、政府の補正予算編成による財政悪化リスクへの警戒もあって、本年五月十八日には、約二十九年半ぶりに長期金利が一時二・八%という高水準を記録、我が国初の長期金利上昇の連鎖リスクを指摘する声もあります。これは、世界的なインフレ懸念や日本の財政悪化に対する警戒感が強まる中で、国債に対する需要が弱まったことが要因と思われます。  アメリカ、イランの戦闘終結の合意によって、原油価格は落ち着きを見せることが期待をされるものの、価格転嫁にはタイムラグもあり、今、原油高や円安に伴う物価高が国民生活を激しく直撃をしています。こうした国民が苦しい状況の下で、日本銀行は、無担保コールレートを一%と利上げに踏み切る一方、二〇二七年四月以降の国債買入れの減額を停止し、月二兆円程度で据え置く方針を決定されました。  一見、市場の混乱を抑えつつ、正常化を進める現実的な対応に見えますが、その実態は、国民に痛みを強いる利上げと金融正常化の後退という極めて危うい側面をはらんでいます。  以下、三つの大きな問題点について、政府、日銀の見解をお伺いをしたいと思っております。  一つ目ですが、国民生活への打撃と中途半端な円安対策の矛盾についてお伺いをいたします。  第一に、追加利上げがもたらす家計への影響です。  金利が引き上げられれば、住宅ローンを抱える現役世代の返済負担は確実に増します。日本の住宅ローン利用者の約七、八割が変動金利を選んでいると言われており、日銀が政策金利を上げると、変動金利の基準となる短期プライムレートが上昇し、トータルの返済負担が増加します。住宅ローンを抱える子育て世代の可処分所得の減少は、外食や旅行、耐久消費財への支出の抑制につながるリスクがあります。  このような子育て世代への影響について日本銀行はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、政策金利の引上げは、短期プライムレートの上昇等を介しまして、住宅ローン金利に影響をいたします。このうち、変動金利型の住宅ローンを利用している世帯にとりましては、返済負担の増加を通じまして、消費を下押しする方向に作用する可能性があると認識はしております。  もっとも、変動金利型の住宅ローンの多くには、いわゆる五年ルール等、返済額の大幅な増加を抑制する仕組みが設けられております。  また、住宅ローン等の借入れが多い現役世代につきましては、ここ数年はしっかりとした賃上げが実現していることや、政策金利の引上げに伴い、家計にとって預金の利回りが上昇することも併せて評価する必要があるというふうに考えております。  これまでのところ、住宅ローンの金利上昇が家計支出に大きな影響を及ぼしているとは見ておりませんが、日本銀行としましては、政策金利の引上げが住宅ローン金利や家計の行動に及ぼす影響につきまして、今後とも注意深く見てまいりたいと思います。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございます。  関連して、住宅ローン控除について国土交通省にお伺いをいたします。  三月六日の当委員会で、私は、住宅ローン控除の控除率が令和四年度の税制改正において一%から〇・七%へ引き下げられた理由を質問させていただきました。財務省からは、会計検査院による平成三十年度の決算検査報告において、住宅ローン利用者の大半の借入金利が一%未満となっており、毎年の住宅ローン控除額が支払い利息額を上回る、いわゆる逆ざやが生じているとの指摘があり、これが見直しの背景であるとの御答弁をいただきました。  しかしながら、今般の利上げによって、住宅ローン金利が一%を超えて上昇していく局面がいよいよ現実味を帯びてまいりました。そうなれば、逆ざやはむしろ解消に向かい、控除率を〇・七%へ引き下げた当時の前提条件が大きく変化することになります。もとより、控除率のみならず、控除期間の延長や借入限度額の引上げなど様々な観点から制度全体を見直すというお考えは、前回、財務省から御答弁いただいたとおりであります。  その上で、改めてお伺いをいたします。  今回の利上げ決定を踏まえ、住宅ローン控除の控除率を〇・七%から引き上げることについて検討を行うお考えはおありでしょうか。国土交通省の御見解をお伺いいたします。

井崎信也 国土交通省大臣官房審議官

○井崎政府参考人 お答えいたします。  住宅ローン減税につきましては、令和八年度税制改正において、既存住宅の利活用の促進や子育て支援の充実を図る観点などから見直しが行われたところでございます。  具体的には、省エネ性能の高い既存住宅について、借入限度額、控除期間を拡充するとともに、子育て世帯等への上乗せ措置の対象としたほか、コンパクトな既存住宅を支援対象に追加するといった措置が講じられたところでございます。  引き続き、金利上昇が住宅市場に与える影響を含め、社会経済情勢の変化を勘案しつつ、住宅政策の方向性を踏まえながら、住宅税制を始め、予算や融資制度も含めた住宅取得支援制度の在り方について不断の検討を行ってまいります。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございます。  利上げの局面に入っておりますので、是非とも御検討いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、企業への影響についてお伺いいたします。  特に中小零細企業は、コロナ禍からの回復途上にあるものの、現下の物価高にあえぐ中小企業の資金繰りを直撃することになります。長年の超低金利環境になじんできた企業にとって、金利上昇はダイレクトに経営を圧迫することになります。変動金利で融資を受けている企業の利息負担が増加し、経営体力の弱い中小企業が利払いに耐え切れず、倒産が急増する懸念があります。さらに、資金調達コストが上がるため、企業が新しい工場やシステムへの設備投資をためらうことになり、長期的な経済成長が鈍化する可能性があります。  これらの影響について日本銀行はどのように認識されておられるのか、お伺いいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、政策金利の引上げは、貸出金利等の上昇を通じまして企業の資金調達コストの上昇につながりまして、企業の資金繰りに影響すると考えられます。  もっとも、金融政策の影響につきましては、こうした金利の変化を介した影響だけではなく、中小企業を含めまして企業全体として高水準の収益が続いていることや、そうした下で緩和的な金融環境が維持されていることも併せて評価する必要があるというふうに考えております。  この点、足下の金融環境を見ますと、金融機関の貸出態度は引き続き積極的でありまして、企業向けの貸出しは増加を続けており、企業の資金繰りも、中小企業を含め、良好な状態が維持されていると認識をしております。  企業倒産につきましては、足下、増加傾向をたどっておりますが、その理由の大半は物価高や人手不足関連でございまして、金利負担の増加を直接の要因とする倒産件数はかなり少ない状況が続いております。  次に、委員御指摘の設備投資ですけれども、緩やかな増加傾向が維持されておりまして、緩和的な金融環境が企業の投資活動をしっかりとサポートしていると考えております。  その上で、このところの投資の制約要因としては、人手不足とともに資材価格の高騰等を指摘する声が多いことを踏まえますと、適切な金融政策の運営を通じまして物価の安定を実現することは、我が国の成長投資の拡大を支える土台としても重要であるというふうに認識をしております。  いずれにしましても、日本銀行としては、政策金利の引上げが企業の行動に及ぼす影響につきまして、今後とも注意深く見てまいりたいと思います。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございます。  特に中小企業に配慮して御動向を注視していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  国の予算への影響についてお伺いいたします。  現在、日本政府は千百兆円を超える巨額の借金を抱えています。そこで金利が上昇すると、国が国債の保有者に支払う利払い費が次第に増加していきます。国家予算の中で利払い費の占める割合が増えると、本来回すべき社会保障、教育、科学技術といった予算が削られ、行政サービスの低下にもつながります。そして、それを補うための増税が必要になるという悪循環が始まるのではないかとの懸念もあります。この点について、財務省の御見解をお伺いいたします。

中谷真一 財務副大臣 自由民主党・無所属の会

○中谷副大臣 先生御指摘の金利は、国内の物価情勢、経済、さらには金融政策の動向に加えまして、財政状況、国債の需給、海外も含めた金融市場の動向など、様々な要因を背景に市場において決まるものであります。予算も、歳出歳入は様々な要因からの影響を受けるというふうに考えます。  ちなみに、金利上昇、インフレ局面で、二十八年ぶりにプライマリーバランスを黒字化したりとかということもございます。  そのことを申し上げた上で、金利上昇による予算への影響につきましては、一般論として申し上げれば、御指摘のように、債務残高の高い我が国において、金利が上昇し、利払い費が増加すれば、他の政策的経費を圧迫し、財政の硬直化を招くおそれもあるものとは認識をしているところであります。  その上で、高市内閣では、責任ある積極財政の考えの下、強い経済を構築することで成長率を高め、併せて金利上昇に目配りすることで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑えていくことにより、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく方針であります。  債務残高対GDP比の安定的な引下げを実現することによって、金利上昇によるリスクを低減させるとともに、それがマーケットの信認確保につながっていくものと考えております。  以上です。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございました。  続きまして、民間金融機関への影響も懸念をされております。  金利が上がると、既に発行されている債券の価値は下落します。ただし、過去に超低金利で大量の長期国債を購入していた地方銀行などは、満期保有目的で保有をしていますので、国債に巨額の含み損を抱えることにはならないため、直ちに破綻するわけではありませんが、預金金利が上昇することで逆ざやとなるため、経営体力が削られ、地域企業への融資姿勢が慎重になるおそれがあります。この点について金融庁はどのように考えておられるのか、御見解をお伺いいたします。

石田晋也 金融庁監督局長

○石田政府参考人 お答え申し上げます。  国内の金融機関は、足下の貸出金利息の増加等によりまして前年比で増益となっているほか、総じて充実した資本基盤を有しておりまして、金融システムといたしましては総体として安定しているところでございます。  一方で、御指摘のとおり、一部の地域銀行などでは過去に購入した低利回りの有価証券を保有している先も見られるところでございまして、各金融機関におきましては、地域における金融仲介機能を継続して発揮していくためにも健全性の確保ということは非常に重要なことでございまして、金融市場の変動にもしっかりと対応できるように、各行で、ポートフォリオの調整、こういったことに加えまして、金利リスクの適切な管理体制ということも維持していく、確保していくということが重要だと考えております。  当庁といたしましては、こうした観点から、これまでも金融機関に対しまして、各行のリスク管理体制の点検、必要に応じて経営陣が主導して強化を図るよう指導等を行ってきたところでございまして、引き続きこういったモニタリングをしっかりやっていきたいと思っております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございます。  今申し述べたような痛みを国民に強いる一方で、海外の利上げ観測も根強く、日米の金利差が抜本的に縮小しなければ、円安を止める決定打にはなり得ません。国民生活を冷え込ませる一方で円安に起因するインフレも抑え切れないという最悪の中途半端な利上げに陥るリスクについて、日本銀行はどう認識されておられるのか、氷見野副総裁にお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  現在、物価の基調が二%を超えて上振れていくリスクもある状況と考えておりまして、そうした状況の下で金融緩和の度合いの必要な調整が遅れますと、そうしたリスクが顕在化し、それがその後の景気下押しにつながるおそれもあるというふうに考えます。  また、金融政策は為替相場のコントロールを目的としたものではありませんが、為替相場の動向は、我が国の経済、物価情勢に影響を及ぼす重要な要因の一つであります。過去と比べますと為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があることや、そうした動きが予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に影響する可能性があることにも留意が必要と考えております。  日本銀行といたしましては、こうした点も念頭に置いた上で適切に政策を判断していきたいと考えておりまして、そうすることで、万能の特効薬ではないにいたしましても、物価安定の目標の持続的、安定的な実現、ひいては我が国経済の息の長い成長につながる、そのように考えております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございました。  次に、国債買入れの減額を停止し、二〇二七年四月以降は月二兆円規模で据え置くという方針についてお伺いをいたします。  日銀はこれまで、異次元緩和からの脱却、量的引締めを掲げ、保有国債の残高を減らしていく姿勢を示してきました。それを月二兆円という巨額の買入れで据え置くということは、事実上の金融正常化の足踏み、後退ではないでしょうか。これでは、政府が発行する国債を日銀が買い支え続ける財政ファイナンスの構造からいつまでも抜け出せず、政府の財政規律を麻痺させたままになります。なぜ、完全に国債購入をゼロにする道筋を示せないのでしょうか。  日銀は、政策金利を一%へと引き上げる一方で、これまで段階的に進めてきた長期国債の買入れ減額について、二〇二七年四月以降は減額を停止し、一定規模での買い支えを維持する方針を示されました。これでは、利上げで引き締めながら、同時に国債買入れの削減をやめて現状を維持するという、方向性が相反する政策が併存する政策ではないでしょうか。  今回の利上げの目的の一つは、過度な円安を是正し、輸入物価の高騰から国民生活を守ることにあったはずです。それなのに、国債の買入れ減額をここでストップさせて長期金利の上昇にブレーキをかける行為は、日銀の正常化姿勢への信認を損ない、かえって円安圧力を継続させてしまい、物価高を長引かせることになるのではないでしょうか。氷見野副総裁の御見解をお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  現在、日本銀行では、短期金利の操作を金融政策の主たる手段としており、これと長期国債の買入れに関する判断は別のものとして行っております。  すなわち、政策金利の引上げにつきましては、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に何が一番いいかという観点から判断したものであります。一方、国債の買入れについては、私どもといたしましては、長期金利は金融市場において形成されることが基本であると考えておりまして、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で進めていくという方針を持っております。  今回の判断も、これに沿って、国債市場の機能度と安定に配慮しながら決定したものであります。なお、財政についての配慮からこのような判断を行ったわけではありません。  為替相場についても御言及がございました。  為替相場は様々な要因によって変動するものでありますが、現在、日本銀行を含め、主要な中央銀行の金融政策は短期金利の操作によって行われておりますので、国債の買入れ金額や国債保有残高を基準に金融政策のスタンスを比較することは必ずしも適当ではないというふうに考えております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 減額を停止せざるを得ないほどの状況に陥った債券市場の機能低下についてお伺いをいたします。  五月に長期金利が一時二・八%まで上昇した際、市場には動揺が走りました。日銀が減額をこれ以上進められない本音は、これ以上日銀が買入れを減らせば、国債の引受手が市中に足りなくなり、長期金利が制御不能になるリスクが高いというおそれの裏返しではないかと考えます。長年にわたり日銀が市場の国債を大量に購入し価格をゆがめ続けた結果、日銀自身が、手を引こうにも引けない、出口なき迷路に陥っているのではないでしょうか。  日銀の買入れ縮小に耐え得る市中の受皿が十分でないという市場の脆弱性について、日本銀行はどうお考えでしょうか。氷見野副総裁の御見解をお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  国債買入れについては、かねてより、市場機能の改善と国債市場の安定という二つの要素を考慮して、その在り方を検討してまいりました。  このうち、国債市場の機能度につきましては、日本銀行による国債買入れの減額が進捗する下でイールドカーブのゆがみがおおむね解消されるなど、着実に改善してきております。このため、一頃に比べ、買入れの減額を通じて市場機能の更なる改善を進めていく必要性は次第に小さくなってきていると考えております。  一方、日本銀行の国債保有が減少すれば、その分、市場参加者が保有する国債が増加することを前提に、国債市場の安定に目配りしていく必要がございます。  この点、最近では銀行や個人などが国債保有を少しずつ増やしていますが、こうした本邦投資家が国債保有を無理なく増やしていくためには、ある程度の時間を要すると考えられます。日本銀行が従来と同様の買入れの減額を継続した場合、市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性もあると考えました。  これらの点を考慮し、市場参加者の意見も参考にした上で、今週の金融政策決定会合において、二〇二七年四月以降は月間二兆円程度の買入れを行うことが適切と判断いたしました。  御質問の中で出口なき迷路ではないかという御指摘もございましたが、毎月多額の国債の償還が行われますので、今回決定した方針の下でも、日本銀行のバランスシートは、アメリカやヨーロッパの中央銀行と比べても遜色のないペースで着実に縮小していくことになるというふうに見込んでおります。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございました。  続きまして、莫大なETFの処分問題についてお伺いをいたします。  日銀は、長年の買入れにより、三月末時点の時価ベースで約九十四兆円にも上る巨額のETFを保有する、日本株の最大の機関投資家となってしまっています。下手に売却すれば株式市場の暴落を招くため、市場に攪乱的な影響を与えないよう慎重に売却を進める現在の方針に従うと、完了までに百年以上かかるという試算もあります。  日銀は、直接的に株主提案などをしない物言わぬ株主であるため、企業のガバナンス改革への圧力を行使せず、経済の新陳代謝を妨げたりしているという批判も根強くあります。  日本銀行はこの問題についてどのような出口戦略を描いているのか、御見解をお伺いいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  日本銀行によるETFの保有につきましては、コーポレートガバナンスへの影響に留意が必要との指摘があることは認識をしております。この点につきましては、日本銀行では、スチュワードシップ・コードの受入れを表明した投資信託委託会社を通じまして、株式議決権を適切に行使するといった措置を講じております。  ETFの売却ペースにつきましては、昨年九月の金融政策決定会合におきまして、市場等に攪乱的な影響を与えることを極力回避することを優先しまして、同年七月に処分を完了しました金融機関から買い入れた株式と同程度の規模で売却を行うことが適当と判断をいたしました。  現時点では、売却に伴います市場への影響と、先ほど申し上げましたETF保有に伴うコストやリスクのバランスを考慮しまして、少しずつ処分を進めていくことが適当であるというふうに考えております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございました。  日銀自身の財務健全性の悪化についてお伺いをいたします。  利上げそのものが経済に与える影響とは別に、出口戦略において金利が上がることで逆ざやが発生し、日銀自体の財務に影響するという構造的なリスクがあります。  日銀は、過去に買った超低金利の長期国債を大量に抱えている一方で、民間銀行から預かる当座預金に対しては、引き上げられた高めの金利を支払うことになります。収入より支出が上回る逆ざやになり、中央銀行でありながら、赤字や、場合によっては債務超過に陥るリスクを抱えています。  中央銀行の債務超過が即座に金融政策のオペレーションに支障を来し、国民生活に多大な影響を及ぼすことを意味するわけではございませんが、大規模な金融緩和が長期に継続した結果として中央銀行の財務の健全性が損なわれるようなことがあれば、円という通貨や日本の金融政策に対する国内外からの信頼を揺るがしかねないと考えますが、氷見野副総裁の御見解をお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  管理通貨制度の下では、通貨の信認は、適切な金融政策運営により物価の安定を図ることを通じて確保されるというふうに考えております。そうした前提の下で、中央銀行は、やや長い目で見れば、通常、収益が確保できる仕組みとなっております。  すなわち、政策金利が引き上げられ、バランスシートが縮小する局面では、まず、付利金利の引上げによる超過準備に対する支払い利息の増加等から収益は下押しされます。その後、超過準備の減少に伴い支払い利息が減少し、利回りの高い国債への入れ替わりにより受取利息が増加する中で、通常、収益は回復していくと考えられます。  また、中央銀行は自身で支払い決済手段を提供できるため、債務不履行に陥ることはなく、御指摘がありましたとおり、一時的に赤字や債務超過と仮になったといたしましても、政策運営能力に支障を生じないと考えられます。  ただし、中央銀行の財務の悪化が着目されて金融政策をめぐる無用の混乱が生じる場合、そのことが信認の低下につながるリスクがあるため、引き続き、財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努めてまいりたいと考えております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございます。  続きまして、賃金と物価の好循環の持続性の見極めについてお伺いをいたします。  現状、物価上昇率二%という数字自体は達成されていますが、それが、コストプッシュ型ではなく、需要牽引型として日本経済に完全に定着したとは言い難い状況にあると思っております。  大企業を中心に高水準の賃上げが報じられる一方、日本の雇用の約七割を占める中小企業において、コスト上昇分を適切に価格転嫁し、持続的に賃上げを続けられる体力が育っているかはまだ不透明です。  賃金と物価の好循環、この持続性の見極めについて、氷見野副総裁の御見解をお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、景気が改善することによって、個人消費や設備投資が増加し、賃金の上昇を伴いつつ、物価が緩やかに上昇することを目指しております。  この点、最近の賃金の動向を見ますと、もちろん、各企業ごとに状況は様々であり、きめ細かく見ていく必要はあると思いますが、総じて見れば、企業収益が中小企業を含めて高水準で推移する下で、本年の春季労使交渉では、三年連続でしっかりとした賃上げが実現しており、相対的に規模が小さい企業では前年を上回る賃上げ率となっております。  物価面では、米などの食料品価格上昇の影響が減衰している一方、労働需給が逼迫する下で賃金上昇を販売価格に転嫁する動きが続いており、幅広い財やサービスの価格が緩やかに上昇しております。この間、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移していることも、需要面から物価を押し上げる方向に作用していると考えられます。  このように、我が国では、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムは全体として見れば定着してきているというふうに見ておりますが、足下では、中東情勢を受けた原油価格上昇が企業収益や家計の実質所得の下押し要因となっていることから、こうしたメカニズムが今後ともしっかり持続するかどうかにつきましては、様々なヒアリングも含めまして、丁寧に確認してまいりたいと考えております。

大森江里子 中道改革連合・無所属

○大森委員 ありがとうございました。  時間となりましたので、終了させていただきます。ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、岡本三成君。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 皆さん、おはようございます。中道改革連合の岡本三成です。  質問の機会をいただきました。ありがとうございます。  私も、病気療養中の植田総裁の一日も早い回復と、そして復帰を心からお祈り申し上げます。  氷見野副総裁、今日は、半日、国会にお出ましいただきまして、ありがとうございます。質問させていただきます。  氷見野さんは、元々大蔵省に入られまして、その後、国際決済銀行、BISにも出向され、金融庁で長くお仕事をされて、金融庁長官、そしてその後に、三年前に日銀副総裁に御就任いただいているんですけれども、長く金融の業界にいらっしゃいますので、日銀の中のことは副総裁になられる前からもう大体分かっていらっしゃったと思うんですね。けれども、初めてインサイダーとして副総裁になられてびっくりされたことはあるんでしょうか。  びっくりされたというのは、大体分かっているから、スーパーポジティブかスーパーネガティブだと思うんですね。  私は、実は、財務副大臣をやらせていただいているときに、スーパーポジティブは、政策決定会合に行かせていただきました。そうすると、イメージは、審議委員の皆さんが指名をされたら一言ずつ何か、自分が言っているのを持ち回りのようにおっしゃるのかと思っていたら、かんかんがくがく議論されていて、私はそれは違うと思いますとか、これはどう考えますとか、みんな好き放題言っていらっしゃるのがすごいいいなと。好き放題というか、御自分の意見を。あと、ティーブレークのときに、コーヒーを飲みながら雑談のように議論されていて、非常に議論のクオリティーが高いのがスーパーポジティブなんですね。  スーパーネガティブは、十五年前に議員にしていただいたときに初めて所属した委員会がこの財金委員会で、日銀に視察に行かせていただきまして、パソコンのクオリティーが低いのにびっくりしました、こんなので市場オペレーションは大丈夫かと思って。すぐお願いしたのが、行員の皆さんのパソコンをアップグレードしてくださいとお願いしたんですが、氷見野さんがインサイダーになって初めて気づいたサプライズは何でしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  金融政策決定会合につきましては、実は、三年余り前、所信質疑の際に岡本先生から今のように様子をお聞かせいただいておりましたので、出席しても余りサプライズを感じることはございませんでした。また、パソコンについて余りサプライズを感じなかったのは、もしかすると、事前に岡本先生からいろいろ言っていただいていたおかげ、サプライズがなかったのかとも思いますが。  着任後、一番印象深かった点といたしましては、私、自分でも自分なりにいろいろ勉強をいたして、それで、世の中では余り問題にされていないけれどもこんな問題が大事ではないか、そういうふうに新しく気づいたと思って、その点を部下に問いかけると、ほとんど必ずと言っていいほど、その話でしたら一年前の日銀レビューで分析しています、ワーキングペーパーがありますといったことで、もう研究済みですと言って持ってくるということで、リサーチの分厚い蓄積には強い印象を受けたところでございます。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 ありがとうございます。  早速、今回の金融政策判断についてお伺いしたいんですけれども、オーバーナイト金利を一%に上げられて、三十一年ぶりの水準。元々、第二次世界大戦が終わった後の一九四五年は、オーバーナイト金利、三・二五%です。その後、第一次、第二次オイルショック、九%まで行っています。私が社会人になったバブルの最終盤、これはオーバーナイト、六%。それでずっと、一九九五年に一%に下がって、ゼロまで行って、やっと、三十一年ぶりなんですね。物すごい長い期間の中で、大きな動きになっているんですけれども。  オーバーナイトを利上げしたのは、やはり、内田副総裁のコメントでも、物価全体のインパクトの方が、景気よりもちょっと、より注意が必要になったということで理解できるんですが、一方で、国債の買入れの減額を将来は止めていくと。  いろいろな理由は、私も記者会見を拝見していますけれども、なかなか、整合性がついている説明とは市場は理解しづらいんじゃないかなと思っていて。ただ、もしあるとすると、時間軸なんじゃないかなと思って。  今は、足下は、とにかく物価高がこれ以上のスピードでオーバーシュートするのが不安です、けれども、もうちょっと長い時間で見ると、やはり景気全体を支援をしていくということが必要なので、時間軸を考えた上で先手先手で打っていますというようなことが含まれていれば、かなり市場参加者は理解しやすいような日銀の日本経済に対する姿勢のように思うんですが、もう一度、もしかしたらこっちがあるじゃないかというふうに世の中が思っている今回のオペレーションに関して、どういう理由でこの二つのオペレーションをされたかということをもう一度御説明いただけますでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  確かに、二〇二四年三月までは、日本銀行は、短期金利の操作とさらに国債等の買入れなどと二つの手段で金融緩和を進める、両方、金融緩和の手段であるということで政策を進めてまいりましたので、両方の関係は今どうなっているんだというところにいろいろ御疑問をいただくのは、ある意味自然ではないかというふうに思います。  ただ、金利がゼロ制約に面していた時期とは異なりまして、現在は、各国の主要中央銀行も同じようなことだと思いますけれども、短期金利の操作を金融政策の主たる手段としておりまして、これと長期国債の買入れに関する判断は別のものとして行っているということだと思います。  すなわち、政策金利の引上げにつきましては、経済、物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検した上で、先も見越した上で、二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現という観点から政策金利の引上げが適切であると判断いたしたわけでありますけれども、一方、国債の買入れについては、金融政策の引締め、緩和の手段ということではありませんで、私どもといたしましては、長期金利は金融市場において自由に形成されていくことが基本であるというふうに考えておりまして、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予測可能な形で進めていくという方針を持っております。  今回の判断も、これに沿って、国債市場の機能度と安定に配慮しながら決定した、そういう両者の関係にございます。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 今回の判断にもしかしたら影響を及ぼしたのではないかと思われることが複数、とりわけ二つありまして、一つは、やはり、五月の中旬に十年金利が二・八%まで上がりまして、ビハインド・ザ・カーブ、後手に回ったというふうに思われてしまっては更なる金利の上昇が危惧されるということがあったのではないかと思いますし、加えて、米国のベッセント財務長官が五月十二日に来日をされ、総理そして財務大臣とも面談をされ、報道によりますと、日本の国債の金利の上昇に対してかなりな懸念を示したというふうに報道されています。  私は、アメリカの財務長官が日本にそういうふうなことを言ってプレッシャーをかけようとしても、日本は独立国であって、内政干渉じゃないかと蹴り飛ばしてもいいと思いますけれども、実際には、G7で中央銀行総裁会議もやっていらっしゃるわけなので、リラティブバリューで動いていますから、日本の国債が動きますと、ある程度の相関の中でアメリカの国債も売られます。なので、自国の金融市場を守るために日本に対していろいろなことを要請するのはありだと思っていますし、同様に、日銀がFRBに対していろいろな要請もして当然だというふうに思っているんですが。  市場参加者が思っている市場の現状をちゃんと日銀は常に敏感に受け取ってもらっているという、そのプレッシャーを感じてもらっているという、実は市場参加者からすると大変好意的な日銀の判断になり、それが、市場だけではなくて他国との金融政策の関連性の中でも、グローバルな中での日銀の判断がなされているのは、市場関係者は非常に分かりやすい日銀の判断基準の一つになっていると理解すると思うんですが、この二つのプレッシャー、どれぐらいお感じになりましたでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  まず、市場の動向につきましては、世界中の投資家の方々の、内外、世界中の起きていることについての評価が反映しているわけでありますので、非常に重要なシグナルということで、私どもも注視しておるところでございます。  ただ、この間の長期金利の動きにつきましても、中東情勢の変動、さらには、それに伴うインフレ予想の変化を始めといたしまして、さらには例えばイギリスでの財政の動きとか、様々な要因が反映して動いております。私どもといたしましては、日々の動き自体で、金融政策の判断あるいは国債買入れの額の判断に直結するということではないというふうに思っておりますけれども、国債の買入れについては、長期金利は金融市場において自由に形成されるということが基本なんだというところを一番の基軸に置いて対応してまいりたいと思います。  また、海外の当局との関係では、様々な機会に、様々な場で、様々なレベルで、密接に意見交換をいたしております。これは私どもが政策を考えていく上でも非常に貴重な情報になっているというふうに考えておりますけれども、あくまでも最終的な決定は日本銀行自身の判断でありまして、海外当局との意見交換は、積極的に行っておりますけれども、基本的にはインプットだという位置づけで理解いたしております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 その上で、今回の政策決定会合の後に、内田副総裁の記者会見の時間帯を含めて、マーケットはほとんど反応しませんでした。市場との対話が非常に重要な項目だというふうに日銀は捉えていらっしゃると思いますけれども、今回の、ある意味サプライズがなかったということに関して、市場との対話という観点で考えると、自己採点しますと、今回は市場との対話は百点満点中何点だったというふうにお考えでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 記者会見前後の相場の動きを含め、日々の市場の動向については具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、金融政策は金融市場への働きかけなどを通じて経済、物価に波及していくものでありますので、私どもの経済、物価に関する見方とか政策運営の考え方については、市場参加者に対し丁寧に説明していくことが極めて大切だというふうに考えております。  今回につきましても、総裁の講演を始め様々な機会を通じて、中東情勢が我が国経済、物価に及ぼす影響や、その下での政策運営の考え方について説明に努めてきたほか、決定会合終了後の記者会見においても、政策変更の趣旨などについて詳しく御説明したところであります。  今後とも丁寧な情報発信を心がけてまいりたいと考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 私、何を恐れていたかというと、市場はもう、二五ベーシスポイント、〇・二五%の利上げは織り込んでいました。二五%と発表になって、予想どおりなんですね。その瞬間に大量に円売りに動かれて、一瞬で百六十五円とかになるのを物すごく恐れていました。もう材料は出尽くしなんですね。  御案内のとおり、市場というのは、ファクトで動くというよりは、期待値に対してファクトがどこかと。ですから、〇・二五というところが期待値だったわけなので、もし〇・五%の利上げだったら、二五ベーシス更にプラスというよりは、そういう姿勢であることに反応するし、また、私、もうちょっとフォワードガイダンスで、インターバルがちょっと短いインターバルでも必要とあれば利上げしていきますというメッセージがあったら、物すごく円高に動きやすいようなインパクトもあったというふうに思っていまして。市場の予想どおりにいくというよりは、予想を分かった上で、日本経済と物価と国民生活に資するような、そういう戦略的な動きを是非やっていただきたかったなというふうに思っているんですけれども。  その上で、このオーバーナイト金利、今一%になりましたけれども、マーケットではオーバーナイト金利が何%になるかということが取引されています。二年後には、このオーバーナイト金利、今一%が二%という水準で取引されていますけれども、この水準、マーケットの今の取引レベル、どのように判断されますでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  足下の市場における動向、織り込み状況などについて具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、市場が織り込む将来の政策金利の見通しには、我が国の中立金利に対する見方に加えて、先行きの経済、物価情勢や日本銀行の金融政策に対する見方など、様々な要因が反映しているというふうに認識しております。  日本銀行としては、経済、物価、金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという基本的な考え方の下、こうした市場の動きを含め、様々なデータや情報を丁寧に点検しながら、適切に金融政策を運営してまいりたいと考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 ちょっと質問を飛ばさせていただきます、時間の関係で。  三月の会合で、中立金利は一・一から二・五ぐらいの範囲内というふうに発言をされて、今回、内田さんは、こうした数字は相当なばらつきがあり、政策運営では余り使えないというふうに言及をされています。  一方で、基調的な物価は日銀目標二%で、まだそこには確実には達していないという姿勢を取っていらっしゃいますが、私、補助金の影響等で物価全体は押し下げられていますので、もう既に、私個人としては、基調的物価は二%をかなりな水準で超しているというふうに思っているんですけれども。  その上で、今回、内田副総裁は記者会見でこうおっしゃっているんですね、企業間取引での価格転嫁がやや速いスピードで進んでいる。五月の企業物価、卸売物価はプラス六・三%でした。これは内田さんがおっしゃっているんですが、基調的な物価上昇が二%の物価安定目標を超えて上振れていくリスクがあるとの警戒感を示されたんですが、一般的な経済の認識ですと、企業物価、仕入価格、資材コストが上がって、大体二、三か月すると、それが消費者物価に跳ね返ってきます、その相関がどれぐらいあるかというのはその時々で違うんですが。  氷見野さんは、五月に六・三%まで上がっている企業物価が、この夏、消費者物価にどれぐらいのインパクトで跳ね返ってくる可能性があるというふうにお感じになっていますか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 四月に展望レポートというものを私ども出しておりまして、そこに、ボックスで、原油が上がった後、川上の原材料、川中の中間財、そして川下の様々な財・サービスに、どのようなスピードで、どの範囲で、どの程度響いてくるかという試算をお示ししております。それは、産業連関表を用いて、あと、過去の時間のずれみたいなものも、標準的なものを計算しましてお示ししておるわけですけれども、ここまでのところの動きを、御指摘がありました企業間取引価格とかを見て、見てまいりますと、四月に想定したよりはややスピードが速いというふうに考えております。  夏頃というふうにおっしゃいましたけれども、おっしゃるとおり、夏頃には消費者物価にも一定の影響が出てくるのではないかというふうに考えておりますけれども、この点について、具体的にどの辺りかというのにつきましては、もう少しよく分析をして、場合によっては、七月にまた展望レポートを出しますので、そこでもう少し踏み込んだ分析をお示しできればというふうに考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 私は、足下の物価は、残念ながら、需要拡大によるデマンドプルではなくて、輸入物価、とりわけエネルギーと円安によるコストプッシュだというふうに思っているんですね。その証左の一つとして、五月の輸入インフレ、輸入物価は、円ベースで前年比二五・五%上がっています。円安が圧倒的な輸入物価の上昇を招き、それがコストプッシュになっているというデータの証左なんだと思うんですね。  この足下の物価の大きな上昇要因がコストプッシュで、その最大の要因が円安ではないかという認識について、どのようにお感じになりますでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  最近の企業間取引のうち、エネルギーや石油関連製品の価格上昇については、原油高を起点とするコストプッシュ型の物価上昇という面が大きいと思いますし、また、財によっては円安の影響というものも含まれているというふうに思います。  こうした供給ショックによる物価上昇であっても、物価上昇の動きが幅広い財・サービスに波及し、予想物価上昇率の上昇を通じて基調的な物価上昇率の押し上げにつながる可能性がある場合には、持続的な物価安定の実現に向けて、金融政策で必要な対応を検討する必要があると考えております。  他方、需要面にも動きがあるというふうに見ておりまして、企業収益や賃金がしっかりとした動きを続ける中、所得から支出への前向きな循環メカニズムが働き続けている、そういう地合いの上に加えまして、グローバルなAI関連需要の増加も日本経済に好影響を与えてきているというふうに考えます。具体的には、AI関連需要の増加とかそうしたもので伸び率が、機械類、非鉄金属などの生産が伸びてきているわけでありますけれども、このように、企業間取引に既に観察されるものの中には、原油価格上昇や円安の影響とともに、需要が牽引する形での要素も含まれているというふうに考えておりまして、今後の金融政策運営に当たりましては、こうした動きの広がりも併せて、経済、物価動向をしっかりと点検してまいりたいと考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 副総裁、私、大変日銀の方には申し訳ないんですが、物価に加えて、為替に対してももっと責任を負っていただけないかということを強く期待しているんですね。  確かに一義的に日銀法の中で物価の安定というのがうたわれていますけれども、日銀法第二条、物価の安定を図ることを通じて。物価の安定は手段なんですね。目的は、国民経済の健全な発展に資することですから、この物価の安定をちゃんと実現するための主要な手段として、為替の円安というのを明らかに阻止しなければ、物価の安定も図れず、結果として、目的である国民経済に資することもできないので、のりを越えて、この日銀法を読み込んでいただいた上で、ですから、為替は私たちの責任ではありませんと常におっしゃいますけれども、日銀が、物価安定の手段として為替は本当に重要なので、為替も当然、記者会見の中では、当然議論していますというふうにいつもおっしゃっていますけれども、大きな日銀の政策の目的の一つなんだということを是非言っていただきたいと思っているんです。  昨日、ニューヨーク時間では、円は売られまして、百六十一円八十銭まで売られています。本当だったら介入していなきゃ駄目な水準なんですが、これは約二年ぶりの為替水準なんですが、二年前のワンタッチ以外で見ると、四十年ぶりの円安水準です。私、百八十円とか二百円になるのが怖くてたまらないんですね。もうちょっと踏み込んだ形で、日銀法に照らして為替は大きな意味で日銀の責任の一つですというようなことを是非、副総裁、御発言いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  金融政策の効果は、国民経済の様々な部分に、様々な経路をたどって、時間をかけて影響を及ぼしていくものでありまして、その全体を見て考えていく必要があるというふうに考えておりますけれども、同時に、為替相場の動向も、幅広い国民生活、さらには我が国の経済、物価に影響を及ぼす重要な要因の一つでございます。  金融政策は為替相場のコントロールを目的としたものではありませんけれども、特に最近では、企業の賃金、価格設定行動が積極化する下で、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっているという面がございます。また、そうした動きが予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に影響する可能性があることにも留意する必要があります。  日本銀行といたしましては、こうした点も念頭に置いた上で、為替相場の動向が我が国の経済、物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めながら適切に政策を判断していく方針でありますけれども、為替市場の動向につきましては、当然ながら、今後ともしっかりと見てまいりたいと考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 氷見野さん、今、足下、特にドル・円の金利差、名目でも実質でも、短いところも長いところも、余り為替相場とは実は相関関係は高くないです。一方で、やはり大切なのは政府の財政政策でありまして、責任ある積極財政とおっしゃるのであれば、その責任がどれほどのレベルかということを具体的に見せていくことが大切ですし、もっと言うと、産業構造、構造的に円安になりやすいです。年間三十兆円、エネルギーを外国から購入し、デジタル赤字だけでもう十兆円になろうとしています。  その意味で、金融政策だけでは物価の安定と国民生活を守れないという観点から、日銀として、パートナーでもある政府に対する財政政策への期待、是非コメントしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  為替相場につきましては、一般論として、各国の中央銀行の政策スタンスに影響を受ける面と、さらに、それだけではなく、国際金融資本市場の動向や輸出入に伴う需給など、様々な要因によって変動するものと認識しております。  なお、財政運営は、政府、国会の判断において行われるものと認識しており、私の立場から具体的にコメントすることは差し控えますが、その上で、一般論として申し上げれば、政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保することは重要であるというふうに考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 最後に、住宅ローン金利について私も質問させていただきます。  今、超長期、四十年、五十年の住宅ローンが非常に増えてきていまして、首都圏だけでいいますと、二〇二四年は、超長期、四十年、五十年は一一・六%だったんですが、昨年は三二・六%、三倍。三人に一人はペアローンで、四十年、五十年、組んでいるんですね。金利が上がりますと、若い現役世代は住宅ローンが負担になりますけれども、高齢者の方々は現金を持っているので預金の金利が上がりますので、利上げでは、四十代まではマイナス、五十代以降はプラスなんです。その上で、例えば一億円以上借りますと、五十年で変動金利が一%上がりますと、支払いの住宅ローンは、三千五百万円、たった一%で一億円で三千五百万円増えるんですね。物すごい、若い世代の方、今不安なんです。  その上でお伺いしたいんですけれども、ビハインド・ザ・カーブで、もし今利上げをしなければ、今後もっと迫られて、もっと速いスピードで、もっと大量に利上げしなければいけないようなことに追い込まれる可能性があります。なので、若い皆さんは、何で利上げなんかしているんだと怒っていらっしゃる方、たくさんいらっしゃるんですよ。けれども、今適切にやらなければ、もっと変動金利の方にも支払い金利が増えていくリスクがあるので、日銀がこのペースでやることが、結果的に、変動金利で超長期で払っている皆さんのことも考えた上で最も適切な金融政策の判断だということを、是非メッセージを送っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 氷見野副総裁、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 はい。  お答えいたします。  委員御指摘のとおり、現在のように物価の基調が二%を超えて上振れていくリスクがある状況におきまして、金融緩和の度合いの必要な調整が遅れ、後になってより急速な利上げを余儀なくされることになれば、住宅ローン金利上昇を含め、家計、企業、経済全体に大きな負荷をかける可能性があります。  このため、経済、物価情勢に応じて適切に金融政策を運営していくことは、金融資本市場の安定を確保しつつ、物価安定の目標を持続的、安定的に実現するとともに、我が国経済の息の長い成長にもつながるというふうに考えております。

岡本三成 中道改革連合・無所属

○岡本(三)委員 ありがとうございました。  終わります。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、萩原佳君。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 日本維新の会の萩原佳でございます。  本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。  まず、私の方からも、入院中の植田日銀総裁の一日でも早い回復をお祈りいたします。  そして、今回、日本銀行等々に対する質疑というところで、国民の皆様お一人お一人の実質賃金の上昇、これを実感していただくためには、日本銀行がしっかりと政府と密接に連携して、市場や国民に対して、予見可能性の高い、透明性のある政策運営を行うことが必要不可欠であると考えており、この観点から今回は質疑させていただきたいと思います。  そして、氷見野副総裁、本日は御出席ありがとうございます。  まずは、今週火曜日の決定会合において、金利政策、これを一・〇%程度へ引き上げる決定をされたこと、その意義についてお伺いいたします。  皆さんも繰り返しおっしゃっていますけれども、この金利水準は、一九九五年以来、実に三十一年ぶりということでございます。また、今回の利上げは、デフレからの脱却を経て、経済の正常化という大きなステージに一歩踏み出したものと評価しておりますが、一方で、国民や市場の一部には、これまでの低金利の環境が長過ぎたのではないかという批判とともに、今回の利上げのタイミングが実は遅かったのではないのか、そういう声も一部残っております。  そこで、副総裁にお伺いいたしますが、今回の金利引上げは、四月の会合時点での現状維持から引上げに転じられましたけれども、その判断のタイムラグについて、市場からも指摘されているインフレ対応の遅れやビハインド・ザ・カーブの懸念に対してどのように評価されているのか、御見解をお伺いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 なぜ利上げが四月ではなくて六月だったのかという御質問をいただいたと思います。  四月の決定会合でも、多くの委員の間では、物価の上振れリスクには留意が必要という認識は共有されておりましたけれども、中東情勢の帰趨や、それが我が国の経済、物価に及ぼす影響をもう少し確認したいと考えて、政策金利を据え置いたところでございます。  その後、実体経済の動きを見ますと、原油価格上昇は景気の下押し要因となっているものの、高水準の企業収益などが経済を下支えする方向に作用しているほか、政府による各種施策の効果や原材料の代替調達の進展などから、経済が大きく下振れるリスクは一頃よりも低下していると判断できるようになったというふうに考えました。  物価面では、原油価格上昇を起点に企業間取引における価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、これが、今後、消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性が見えてまいりました。こうした中、中長期の予想物価上昇率が引き続き上昇していることも踏まえると、基調的な物価上昇率が二%の物価安定目標を超えて上振れていくリスクがあるというふうに考えました。  今週の決定会合では、こうした足下の経済、物価情勢を踏まえまして、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断したものでございます。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 御答弁ありがとうございます。  経済の下振れリスクの後退、これを確認した上での決断であったというふうには理解いたしました。ただやはり、今後物価が上がっていく可能性というところも考慮されてということではございますけれども、物価の遅行性というか、後々上がっていくということを考えた場合、後手に回るリスクというところは常に意識、まあ、しているとは思いますけれども、していただきたいなと思っています。是非、データ、予想、それに対して積極的にデータ等に基づいて機動的な判断、これをお願いしたいと思っております。  そして、これも日銀の直接的な責務ではないよと言われるかもしれませんけれども、為替市場の反応、これについてお伺いいたします。  火曜日に日銀が一・〇%への政策金利の引上げを発表したにもかかわらず、為替市場では全然反応しなかった。十時半現在で、先ほど見てみましたけれども、為替も百六十一・一円ということで、より円安の方向に動いていってしまっている状態にあります。通常は逆の動きが行われるというのが期待されるというところですけれども、それに関してどのように考えられているのか。  今、FRBに関しても、元々利下げ予想だったのが利上げ予想に変わってきているとか、様々な海外の要因もあると思いますけれども、利上げ後の為替市場の反応とその要因をどのように考えられているのか、答えられる範囲で結構です、お願いいたします。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  為替相場の水準や評価につきましては、具体的にコメントすることは差し控えたいと思っております。  その上で、一般論として申し上げますと、為替相場は、各国の中央銀行の政策スタンスに影響を受ける面もございますが、それだけではなくて、国際金融資本市場の動向や輸出入に伴う需給など、様々な要因で変動するものと認識をしております。  為替市場の動向につきましては、今後ともしっかりと見てまいりたいと思います。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 今、様々な要因があるよというところではありますけれども、やはり、金利というのは、皆さんが為替に対して若しくは国内物価に対して影響を与えるという意味では非常に重要な手段であると考えておりますので、是非御対応をお願いしたいと考えております。  少し一旦、ちょっと順番を入れ替えますけれども、金利引上げによる、日銀、日本銀行、財政に与える影響についてお伺いいたします。  今回、政策金利、これが一%に引き上げられたことで、民間金融機関が日銀に預け入れている当座預金の付利、支払い利息ですね、これが巨額に上ります。四月末現在でありますけれども、付利の対象となる当座預金残高は約四百四十七兆円というところで、〇・二五%アップしただけで一兆円以上コストが上がっていくという形になります。  一方、日銀が保有する国債の大半は超低金利時代に購入したものであり、完全な逆ざや状態にありますが、計算上、日銀が巨額の赤字若しくは債務超過に転落することはないとも言えないような状況にはありますけれども、この財政状態の悪化が円という通貨の信認を損なって、また、今後の金融政策の遂行能力を縛る結果になるのではないのかというおそれがありますけれども、それに対しての評価をお聞かせください。お願いいたします。

中谷真一 財務副大臣 自由民主党・無所属の会

○中谷副大臣 お答え申し上げます。  先生言及されておられます日銀からの国庫納付金についてでございますが、これは、日銀から各銀行への、政策金利の引上げで、当座預金の支払い利息は増加いたします。ただ、その他にも、ETF関係損益など、様々な損益減の影響を受けるため、納付金全体の水準を予断を持って見通すことは困難であります。よって、金融政策運営が財政状況や財政運営に与える影響について、一概に申し上げることは困難であります。  金利上昇による予算への影響についてであります。これも一般論として申し上げれば、先生御指摘のように、債務残高の高い我が国において、金利が上昇し、利払い費が増加すれば、他の政策的経費を圧迫して、財政の硬直化を招くおそれもあるものと認識をしております。  その上で、高市内閣では、国民生活の下支えや経済成長に資することが期待される施策には大胆に重点化する一方で、見込まれる効果が乏しい政策については見直しを行うなど、歳出歳入両面の改革を推進しながら、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立する考えであります。  片山大臣の下、租税特別措置・補助金の見直し担当室を設置するなど、徹底した行財政改革を進めております。  先日、御党とも意見交換をさせていただきました。これは、基準とか、また進め方についてさせていただいております。  引き続き、責任ある積極財政の考え方の下、強い経済を構築することで成長率を高め、併せて金利上昇に目配りすることで、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑えていくことにより、債務残高対GDP比を安定的に引き下げ、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していく方針であります。  以上です。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 ありがとうございます。  今回、仮に日銀の財政が悪化した場合、税外収入として毎年一兆円から二兆円規模で納められていた収入がなくなってしまうというところも含めて、予算に対する影響というのは非常に大きいのかなと思っておりますが、今お答えいただいたとおり、うちの議員と片山財務大臣始め意見交換もさせていただきましたけれども、補助金、基金、租税特別措置の見直しに関する提言書、これは多分六月中に提出させていただくと思っておりますし、その中で、例えば、基金自体、これを統廃合していくであるとか、あと、統廃合自体ができなくても、例えば、同じような事業、複数事業やっている事務作業を一括して管理する、事務部門のシェアードサービス化をすることで、政府の歳出削減等々して、歳出削減に対して協力していくというような提言もさせていただこうと考えておりますので、是非その対応を図っていただければなと思っております。  次に、質問させていただきます。次が、金利引上げが、企業の賃金引上げに関する影響について、お伺いしたいと思います。  副総裁にお伺いします。  利上げは、マクロ経済的には必要であっても、ミクロで見れば、先ほど種々の委員の方からもありましたけれども、個人の住宅ローンに直接影響を及ぼすようなことはもちろん、企業、中小企業等々の借入利息の負担増に直結いたします。  現在、やっと中小企業にも賃上げの機運が広がりつつありますけれども、今回の一・〇%への利上げが資金繰りを悪化させて、せっかく芽生えた賃金と物価の好循環にストップをかけるような状態にならないのか。中小企業の賃上げに向けた投資意欲をそがないように、その観点に関して、日銀としてどのような配慮や見通しをお持ちでしょうか。お答えください。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、政策金利の引上げは、貸出金利等の上昇を通じて、企業の利払い負担を増加させる方向に作用いたします。  もっとも、金融政策の影響については、こうした金利の変化を介した影響だけではなく、中小企業も含め、企業全体として高水準の収益が続いていることなども併せて評価する必要があると考えております。  この点、足下までのデータを見ますと、企業収益が堅調に推移する下で、本年の春季労使交渉では、相対的に規模が小さい企業を含め、三年連続でしっかりとした賃上げが実現しております。先行きについても、労働需給が引き締まった状況が続く中で、雇用・所得環境は緩やかに改善していくと考えておりますが、日本銀行といたしましては、政策金利の引上げが企業の利払い負担や賃金設定スタンスに及ぼす影響について、今後とも注意深く見てまいりたいと考えております。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 ありがとうございます。  注意深く見ていくということではございますけれども、やはり、中小企業というのは資金繰りに余裕がある中でやっているわけではないというところで、僅かな利上げであったりとか、あと、今サプライチェーンが止まっているようなところもありますので、想定よりも急激に財務が悪化するというリスクは多くあると思います。日銀さんは全国に非常に多くの支店があると思いますけれども、そこの支店も活用して、地域経済や中小企業の資金繰りの実態をよりきめ細かく、いつも以上にしていただいて、政策金利に生かしていただくよう要望させていただきます。  最後、質問させていただきます。  我々日本維新の会として、企業や家庭が将来を見据えて安心して投資や消費を行えるよう、金融政策の予見可能性を高めること、これはかなり大事だと考えております。  植田総裁もかつて丁寧な対話を挙げられておりましたけれども、市場の一部には、今後の金利の見通し、本日説明いただいた中でも、引き続き政策金利を引き上げるというような話もございましたけれども、それがいつのタイミングなのかというところがよく予測できず、疑心暗鬼が生まれてしまっては、結局、見通しができないというところで、どのような基準でペースを上げていくのか、金利利上げをしていくのかというのを適時示すべきじゃないのかと考えております。  その点についてどのように考えられているのか、副総裁のお考えをお願いいたします。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 氷見野副総裁、申合せの時間が経過しておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 はい。  大きな今後の政策金利の引上げ、金融緩和の度合いの調整の方向についてはお示ししておるわけですけれども、御指摘のありました調整のタイミングやペースについては、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響を注視した上で検討していく必要があるというふうに考えております。  ただ、予見可能性という御指摘がございました。私どもが現在新しい情報の下でどう経済を見ているか、また、政策運営、どういう考え方で現時点でいるかということについては、随時丁寧な発信に努めてまいりたいと考えております。

萩原佳 日本維新の会

○萩原委員 是非丁寧な発信をお願いして、また、最後、質問できませんでしたけれども、政府とも適宜協力して、金融施策、物価安定をしっかりとやっていただくことをお願いします。  以上です。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、近藤雅彦君。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。  本日も質問の機会、誠にありがとうございます。  私からも、療養中の植田総裁に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。一日も早く回復されることをお祈り申し上げます。  そんな中、氷見野副総裁におかれましては、御多忙のところ、出席ありがとうございます。  本日は日本銀行からの御報告の機会と承知しておりますけれども、冒頭、金融行政につきまして二つほど金融庁に確認をさせていただきたいと思います。  本国会では、金融機能強化法が審議されまして、公的資金の注入や資金交付制度などについて新たな枠組みが設けられました。そんな折に、今度はさらに、地域金融機関の経営強化を促すような報道もございます。初めに、地域金融機関に対する金融庁の監督指針について確認をさせていただきたいと思います。  本日も新聞記事を皆様にお配りさせていただいておりますが、六月九日の日経新聞の報道で、「地銀・信金の資本不足 予測段階で改善命令」と。その中には、地銀、信金に再編圧力などの表現もございました。  まず、この報道について確認させていただきますが、事実関係と、もし事実であるとすれば、従来の金融監督方針と大きく異なる見方もございますけれども、その点、副大臣に所見をいただきたいと思います。

岩田和親 内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○岩田副大臣 お答えをいたします。  御指摘の報道、これについては承知をしておるところでございますが、地域金融機関の資本が不足をすると予測されることのみをもって業務改善命令を発出することは検討しておりません。  最低所要自己資本比率を満たしている地域金融機関に対して、その健全性の維持向上を図るための予防的措置である早期警戒制度がございます。本制度におきましては、これまでも、経営環境やビジネスモデルなどの背景、要因を総合的に分析をした上で一定の要件に該当する金融機関について、当該金融機関自身の評価を十分に検証する観点から、深度のある対話を行い、必要に応じて改善対応策の策定を促し、更に必要がある場合に業務改善命令等を発出するといったプロセスを踏んで対応しているところでございます。業務改善命令に至るまでのこうしたプロセスを変更することは予定をしておりません。  なお、先般、パブリックコメントを開始した監督指針改正案につきましては、業務改善命令の中に資本増強に関するものも含まれることを明確化しており、また、当局が合理的なシナリオに基づくストレステストを実施する旨を追記をしております。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございました。  御答弁いただきまして、少し安心したところでございます。早期警戒制度の中で、金融機関とのしっかりとした対話、その中での監督というものが非常に重要になってくると思いますので、是非よろしくお願いいたします。  もう一つですが、次に地域金融機関に関して確認でございますが、今、日銀の追加利上げを受けまして、大手行、地銀各行、普通預金の金利が、この八月からおおむね年〇・三%から〇・四%へと引き上げることを続々と発表されております。既に、ちょうど夏の賞与が出る時期でもございまして、預金獲得競争が激化していくだろうとの懸念が金融機関の皆さんからも聞こえてきております。ここ数日の報道で、地方銀行が旺盛な資金需要に対しまして預金獲得が追いつかない現状が指摘されております。さらに、お手元に配らせていただきましたが、六月十六日の日経新聞の記事でございます、四月の預貸率も八一%と、およそ二十七年ぶりの水準まで上昇しております。  改めて、現在の地銀の経営状況について金融庁に現状認識を確認させていただくとともに、今後の金融市場における地域金融機関のあるべき姿、その方向についてお尋ねしたいと思います。

岩田和親 内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○岩田副大臣 委員御指摘のとおり、近年、地域銀行では、貸出金の増加が預金の増加を上回りまして、預貸率が上昇傾向にあります。また、一部の地域銀行において個人預金の減少が見られるなど、預金を含む安定的な資金調達の重要性が一層高まっております。  こうした中、地域銀行においては、与信判断や貸出先の実態把握、経営改善支援等を適切に行う体制の整備が求められるほか、預金動向を含めて将来の経営環境の変化を予測をし、そうした変化に早め早めに対応することが重要であると考えております。その上で、足下では、後継者不足や人手不足など、事業者のニーズは多様化をしておりまして、資金繰りにとどまらない支援も求められております。  こうした観点から、金融庁といたしましては、引き続き、地域銀行のリスク管理体制をモニタリングしていくほか、MアンドAや事業承継支援、経営人材確保に係る支援等を含めて、地域銀行による金融仲介機能の発揮を促してまいります。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございます。  是非、今後も金融庁の顔の見える支援をお願いしたいと思います。  三十年前はなかったようなネット専業銀行、それから多様な資金決済手段が生まれてきております。人口減少下で、地域金融機関の抱える多くの預金者もだんだんと少なくなってきております。多様な事業展開、そして商品ラインナップの提供など、モニタリングを的確に実施しながら、金融庁からのサポートの強化を是非ともお願いいたします。  以上で金融庁への質問を終わらせていただきまして、続いて、日本銀行に対しまして、物価や金融政策等について認識をお尋ねしたいと思います。  六月五日に厚生労働省が発表した四月の実質賃金は、一・九%のプラス、四か月連続のプラスでございました。国民民主党としましても、これまで物価上昇率プラス二%が達成されるまでの間、積極財政や金融緩和を訴えてまいりました。おおむねその水準にありますので、この判断については適切なものであったと考えております。  その上で、こうした賃金動向のみをもって政策判断をすることは適切ではございませんけれども、これまで数か月の足下の実質賃金の状況を踏まえた上で、今回の利上げをどのように総括されているか、副総裁の所見をお尋ねいたします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  実質賃金の動向を踏まえた上で今回の利上げをどう総括しているかについて御質問をいただきました。  幅広い企業でしっかりとした賃上げが実現し、名目賃金が上昇を続ける下で、実質賃金の前年比も最近でははっきりとしたプラスで推移しております。このことは、原油価格上昇が我が国経済の下押し要因となっている中で、高水準の企業収益などと併せて経済を下支えする方向に作用していると見ております。  この間、政府によるエネルギー負担緩和策などの効果や中東依存度の高い原材料の代替調達の進展などから、経済が大きく下振れるリスクは一頃よりも低下しており、我が国経済は、伸び率を縮小しつつも緩やかな成長を続けるという中心的な見通しにおおむね沿って推移しております。  こうした経済情勢に加え、原油高を起点とする価格上昇の動きが幅広い品目に波及したり、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあることなどを踏まえ、今週の金融政策決定会合では、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断したものであります。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございます。  まだ、特に地方や中小企業においては、人件費上昇と価格転嫁の間で苦慮されている事業者も多数ございます。是非、国民生活への影響に十分配慮した金融政策運営をお願いしたいと思います。  次に、もう一つ、金融政策と賃上げの関係について伺いたいと思います。  二年前の状況でございますが、二〇二四年三月の政策決定会合では、大企業の賃上げ基調を受けまして、いわゆるマイナス金利の解除、金利の正常化が図られました。二〇二四年春闘では、これは連合の調査ですが、全体の賃上げ率五・一〇%に対しまして中小企業の賃上げ率四・四五%と、その差は近年で最も開く結果となりました。マイナス金利解除について、大企業先行の賃上げを根拠に正常化を進めたという印象を持っておりますけれども、利払い負担等が増える中小企業の経営判断等についても少なからず影響があったかと思います。  そこでお尋ねいたしますが、現時点において、当時の政策判断についてどのような評価をされているか、御認識をお尋ねします。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  二〇二四年三月の決定会合では、先行き二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、マイナス金利政策を含め、金融政策の枠組みの見直しを行いました。  その際、賃金の動向については、連合の春闘の集計において、相対的に規模の小さい企業も含め、賃上げ率が前年に比べてはっきりと上昇していることを確認したほか、日本銀行の本店、支店におけるヒアリング情報でも、もちろん、それぞれの企業ごとに違いはあるわけですが、総じて見れば、地域の中小企業も含め、幅広い企業で賃上げの動きが続いていることを確認いたしました。  その後も、労働需給が逼迫した状態が続く下で、中小企業を含め、三年連続でしっかりとした賃上げが継続していることなどを踏まえますと、私どもといたしましては、当時の賃金情勢や政策をめぐる判断は適切であったというふうに考えております。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございます。  十分に中小企業について、賃上げ水準もそうですし、経営の状況についても、しっかりとそのような視点を持って今後も市場運営をしていただければと思います。  次にお尋ねは、住宅価格に関連する事項でございます。  先ほど岡本委員からも御指摘ありました、超長期の住宅ローンの利用者が増えているとか、それから都心部の住宅価格が上昇している点を特に私は懸念を持っております。賃貸の家賃も価格が上昇トレンドにある、そういった状況でございます。  従来、中長期で賃貸入居する場合でも、賃料については貸主と借主の交渉が前提でございますので、一般的に家賃水準が急上昇することはなかったと言われております。  ただし、報道によりますと、こちらもお配りしておりますけれども、六月十四日の日経MJの記事でございます。近年では、東京二十三区の賃貸マンションのうち九・二%、約一割が定期借家であるとされています。港区に至っては三七・五%、渋谷区は二五・九%と、いずれも高い水準にございます。  さらには、二年間など短期間の定期借家契約が増えておりまして、物価高も影響しまして、貸主が交渉をリードし、短期間で賃料を上げているケースが増えていることも指摘されております。  近年の東京都内の住宅価格高騰の一因としまして、このような賃貸市場における定期借家による契約が貸主の価格交渉力につながり、賃料や住宅販売価格にも影響を与えているものと考えられます。  そこで、お聞きしたいと思います。  特に首都圏における住宅価格や住宅市場に関しまして、これまでの価格上昇の要因、賃料や住宅価格など、利上げがローンの返済等、家計負担に及ぼす影響をどのように見ているか、お尋ねをいたします。

神山一成 日本銀行理事

○神山参考人 お答えいたします。  まず、定期借家契約の増加が賃料、ひいては住宅価格の上昇の一因となっている可能性が指摘されているわけでございますけれども、これまでの東京など都市部における住宅価格の上昇につきましては、まずは景気の緩やかな回復や都市部への人口の流入などを受けた堅調な需要、次に、加えまして、建設コストの高騰や人手不足の影響などによる供給面の影響などが大きく寄与していると考えております。  次に、家計負担への影響についてでございますけれども、住宅価格の上昇や政策金利の引上げは、住宅ローン借入額の増加や住宅ローン金利の上昇を通じて、住宅ローンを利用する家計の返済負担を増加させるものというふうに認識しておりますけれども、現状におきましては、雇用・所得環境が緩やかに改善していることや、多くの住宅ローンで返済額の増加を抑制する仕組みが設けられていることもありまして、これまでのところ、家計全体として、住宅ローンの返済状況に大きな変化は見られていないと承知しております。  いずれにいたしましても、日本銀行としては、定期借家を含め、住宅市場の動向や、それが家計の返済負担、支出行動に及ぼす影響などについて、注意深く見てまいりたいと思います。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございます。  この委員会でも、先ほどから、住宅価格や住宅ローンを中心とした問題認識、皆さん共有されておりますが、私、特にお尋ねしたかったところが、マンションの賃料の急騰ぶりに対しての目くばせでございます。まさに、先ほども御指摘ありましたけれども、日銀法二条で、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するとございますので、是非、こうした賃貸でお住まいになっている方の事情等も十分加味していただいて政策運営を行っていただければと思います。  次に、原油価格と物価見通しの関係について、通告はさせていただいておりましたけれども、時間の関係で一問飛ばさせていただきます。  最後の質問になりますけれども、日銀が保有しているETFに関してでございます。  先ほども大森委員から御指摘がございました。国債の買入れ水準、その辺のスタンスの表明が話題になっておりますけれども、相対的にこのETFの持ち高というのは余り報道等でも議論されていないところかなという印象を持っております。  日銀保有のETFは、簿価の合計で三十七兆円、そして、二〇二六年三月時点、この三月時点で約九十四兆円規模ということであります。その後の四月以降の日経平均株価は五万円程度から七万円を超えてくる、そんな水準でございますので、恐らく時価の合計は百兆円以上の額になっているかと推察をされます。  昨年の九月の政策決定会合で一例として例示されていますけれども、簿価で一年間三千三百億円ほど売却をしていくということであれば、まさに三百年近くかかってしまう水準でもございますし、仮に時価評価で引き直すと、毎年一兆円ほどマーケットに売りで放出していく、これでも百年ぐらいかかるという水準でございますが、改めて確認させていただきますが、この買入れについて、国民の皆さんに御説明を兼ねてですけれども、いつ、どのような状況でスタートしたのか、改めて伺いたいと思います。  また、リスク資産でもあるETFを中央銀行が大量に保有していること自体にも議論があるところですが、今後、国内を中心に別の投資家に保有をシフトさせていく、そんな必要性もございます。平時の政策に戻すべきだと考えますが、長期での売却をしていくスタンスにつきまして、そのリスク認識をお答え願います。

中村康治 日本銀行理事

○中村参考人 お答え申し上げます。  ETF等の買入れは、二〇一〇年十月、市場のリスクプレミアムへの働きかけを通じまして、市場の不安定な動きが企業や家計のコンフィデンス悪化につながることを防止し、経済、物価にプラスの影響を及ぼすことを目的として開始したものでございます。こうした施策は、二%の物価安定の目標を実現するための大規模な金融緩和の一環として必要なものであったと認識をしております。  他方で、こうした施策を終了しましてETFを売却する局面では、市場に対する攪乱的な影響を極力回避するよう、少しずつ処分を進めていくことが適切であるというふうに考えております。この間、ETFを保有することに伴います価格変動リスクには留意が必要でございますが、この点につきましては、時価総額が帳簿価額の総額を下回る場合の引当金計上といった財務上の措置を講じることなどを通じまして、適切に対応していく方針でございます。

近藤雅彦 国民民主党・無所属クラブ

○近藤(雅)委員 ありがとうございます。  NISAの普及などを通じまして、家計の金融資産も市場に入ってきております。民間投資家が市場を支える本来の姿に少しずつ戻しておく重要な局面であると思いますので、是非、長期的な視点から、市場の機能の回復についても意識した政策運営をお願いいたしまして、私からの質問とさせていただきます。  ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、田中健君。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 国民民主党、田中健です。よろしくお願いします。  私からも、植田総裁の一日も早い回復をお祈りをさせていただきます。  また、氷見野副総裁、今日はよろしくお願いいたします。  私からは、日本銀行が政策金利を一・〇%へと引き上げたことを受け、日銀と政府の認識というのを確認したいと思っています。  今回の日銀の利上げというのは、物価上振れリスクを理由に行われました。一方で、政府と日銀の共同声明というのは、今もデフレからの早期脱却というものを基本に置いています。これを鑑みて、では、今、日本経済はまだデフレ脱却前なのか、それとも、もうデフレ脱却後の金利ある世界に、経済に移ったのか、日銀と政府の認識は一致しているのか、また、共同声明は現在の財政運営を反映しているのか、整合しているのか、この問題意識で質問をさせていただきたいと思います。  まず、氷見野副総裁、日銀に伺いたいと思いますが、今回、日銀は、基調的な物価上昇率が二%の物価安定目標を上回るリスクがあるとして利上げを決定いたしました。そこで伺いますが、今回の利上げは、需要が強過ぎることで、それを抑えるための利上げであったのか。それとも、原油高、また円安を起点としたいわゆるコストプッシュ型の物価上昇が、価格転嫁を通じて、幅広い品目、先ほども議論がありましたが、それに波及して予想物価上昇率を押し上げるということを防ぐための利上げなのか。日銀として、今回の利上げの主目的というのをまず御説明いただきたいと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  私どもは、金融政策運営に当たり、基調的な物価上昇率を重視しておりますが、賃金と物価が相互に参照しながら緩やかに上昇していくメカニズムが維持される中、このところ、基調的な物価上昇率は二%に近づいていると判断しております。  こうした中、足下では、原油価格上昇を起点に企業間取引における価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、これが、今後、消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及していく可能性があります。加えて、中長期の予想物価上昇率が引き続き上昇していることを踏まえると、物価については、供給ショックに伴う一時的な上昇にとどまらず、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると考えております。  こうした状況を踏まえた上で、物価安定の目標の持続的、安定的な実現に向けて、適切に政策金利を引き上げていくことは、物価上振れのリスクの顕在化を防ぐとともに、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことを回避するという点で必要な対応であったと考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 確認ですけれども、そうであるならば、日銀の金融の政策判断として、日本経済はもう既にデフレ的な状況というのを脱したという状況の中、今お話があった物価上振れのリスクに対応すべき局面に入ってきたという認識でよろしいでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 我が国の物価情勢につきましては、足下の消費者物価が上昇しているという意味で、そういうふうにインフレを定義いたしますと、インフレの状態にあると考えております。  また、現在、日本銀行では、原油高を起点とする価格上昇の動きが幅広い品目に波及し、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると考えており、これが今回の利上げの一つの理由となっております。  その上で、我が国がデフレを脱却したかどうかについては、デフレの脱却という概念自体は政府において定められておりますので、政府において、各種の指標等を踏まえ、総合的に判断されていくものと理解しております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 改めてですが、デフレ脱却かどうかは政府の判断だということですが、今はインフレなのかデフレなのかと聞かれれば、インフレだということでよろしいでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 これは、実は、答弁いたしますと、いろいろ記事でも含意を付して報道されるわけで、インフレ、デフレという言葉にいろいろな人が持っている思い入れとか印象とかいうのが異なるために、必ずしも、経済統計上の数字の判断とは別の印象で語られることも多いわけでありますけれども、インフレとデフレというものを足下の消費者物価総合の上昇率がプラスかマイナスかということで定義するとすれば、現在はインフレの状態にあるというふうに理解しております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 過去二年間も、植田総裁もデフレではなくインフレの状態にあるということをおっしゃっていただいておりましたので、改めて確認ということをさせていただきました。ありがとうございます。  それでは、更に質問を続けます。利上げの判断をお聞きをしたいと思います。  今回の日銀の公表文では、政府のエネルギー負担緩和策や中東依存度の高い原材料の代替調達の進展によって、経済が大きく下振れるリスクは一頃より低下したと説明がされています。つまり、今回の利上げの判断には、政府の物価高対策や中東情勢の対応が前提として組み込まれているように私は理解をしています。  そこで伺いますが、政府のエネルギー対策や代替調達の進展が逆になければ今回の利上げの判断というのは変わっていた可能性があるのか、また、今後、原油の価格や中東情勢が落ち着けば追加利上げの必要性というのも変わってくるのか、日銀の判断の枠組みというのを伺いたいと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  私ども、金融政策の判断を行う際には、経済、物価情勢について幅広く見て、総合的に判断していく必要があるというふうに考えております。  それで、政府のエネルギー対策、代替調達の進展ということは、物価の上振れリスクについては抑制的に働き、また、経済の下振れリスクについては、それを大きくしないで支えるという方向に働くという両面があるというふうに考えております。また、現在、原油価格が下がっておりますけれども、先行きの中東情勢の展開、特に、今後更に原油価格が下落していくときにどういう影響があるかというと、これも両面ありまして、経済の下振れリスクを抑えるとともに物価の上振れリスクも抑える、そういう両面があると思います。  私どもは、経済のリスクと物価のリスクの両面を見て、そのバランスも考えながら政策判断をいたしておりますので、今後の政府の政策の動向、あるいは、中東情勢、原油価格の状況につきましても、その影響を様々な側面から把握して判断してまいりたいと考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 ありがとうございました。総合的に、また幅広くという答弁をいただきました。  その中で、内田副総裁は会見の中で、先ほども議論に出ましたけれども、中立金利の話が出ました。中立金利の推計にはばらつきがあり、金融政策の実践上は余り使えないと述べられておりました。一方で、今回の利上げにより政策金利は一%となりまして、中立金利の下限に近づいたといった見方もあります。  そこで伺いますが、中立金利が明確な物差しとして使いにくいのであれば、今後の日銀は何を基準に追加利上げの必要性というのを判断をしていくのかということであります。消費者物価、基調物価、様々、先ほど賃金の話も出ましたが、そして予想物価上昇率などもあります。金融環境全体の中で、国民や市場に分かる形で説明いただければと思います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 私ども、中立金利の概念自体は重要な概念だと思っておりまして、短期金利と中立金利の関係は、金融環境の緩和度合いを評価する一つの尺度になり得ると思っております。  ただ、中立金利や自然利子率は、直接、統計で計測することはできませんで、様々な前提、モデルを用いて推計することになりますが、日本銀行が公表した最新の推計値にも相当なばらつきがあり、このため、中立金利や自然利子率の推計値から直接、金融政策運営上の答えがすぐ出てくるということにはならないというふうに考えております。  このことを前提とした上で、日本銀行としては、金融緩和の度合いを評価するに当たりましては、短期金利と中立金利の推計値の関係だけではなく、経済、物価、金融情勢を丁寧に点検しながら、総合的に判断していく必要があると考えております。その際には、金融政策から実体経済への波及経路とも言える金融環境、すなわち、実質金利の水準や企業による資金調達のコストやボリューム、金融機関の貸出態度といった幅広い指標をきめ細かく点検していくことが重要であるというふうに考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 御丁寧にありがとうございました。  副総裁はこうも言っています。ビハインド・ザ・カーブのことでありますが、必要な対応が遅れて大幅な利上げを余儀なくされるような状態になれば、景気や金融市場に大きな負担をかけるリスクを無視できないということであります。そこで、現時点でビハインド・ザ・カーブに陥るリスクというのはどの程度警戒をされているのか。  また、共同声明の話に移りますけれども、デフレ脱却とか、二%目標は維持しつつも、できるだけ早期に実現するだとか金融緩和を推進するという文言がまだ残っておりまして、こういうことで日銀の政策判断が遅れるといったリスクにつながることはないかと懸念しますが、これについてお考えを伺います。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  今後の金融政策運営については、経済、物価情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えておりますが、調整のタイミングやペースにつきましては、中東情勢の展開が我が国経済、物価に及ぼす影響をよく見た上で、経済、物価の中心的な見通しが実現する確度やリスクを点検しながら、御指摘がありましたビハインド・ザ・カーブに陥るようなことがないよう適切に判断していきたいと考えております。  特に物価動向については、基調的な物価上昇率が二%に近づいていることを踏まえますと、これを二%程度の水準で安定させていくという観点が重要になると考えております。  日本銀行といたしましては、ただいま申し上げましたような考え方で、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現を目指して金融政策を運営してまいりますので、御指摘のような共同声明の文言が政策判断の遅れにつながることはない、そのように考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 ありがとうございました。  それでは、引き続き、今度政府側にお伺いしますが、今回、日銀は、今お話をいただきました、政府のエネルギー負担緩和策や原材料の代替調達の進展、経済の下振れリスクは低下したと判断し、利上げに踏み切ったということでありますが、政府はこの日銀の認識と共有しているかということであります。つまり、政府としても、物価の上振れリスクの方が景気の下振れリスクよりも大きくなってきたというような認識でいいのか、これについての確認を伺います。

中谷真一 財務副大臣 自由民主党・無所属の会

○中谷副大臣 まず、景気に対する政府の認識につきましては、景気は緩やかに回復しており、先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があるとしております。  その上で、今回の米国とイランの間での覚書が確実に実施されれば、我が国経済や世界経済を下押しするリスクを低下させることが期待できると認識しております。  また、物価について、国内企業物価はここのところ上昇しているものの、先行きについて、消費者物価は、今後、企業の価格転嫁が進むとの予測もあり、当面緩やかに上昇していくことが見込まれると認識しております。  こうした景気や物価に対する認識について、日銀との間に大きなそごがあるというふうには考えておりません。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 更に具体的に伺いますけれども、金融政策決定会合は、政府側も出席をして意見を述べることができます。先ほど岡本先生からもお話がありました。今回、政府は、日銀の利上げ判断に対してどのような意見を述べられたのか。また、反対や懸念を表明をしたということはあるのか。  また、議決の延期というのも求められるということでありますが、そういったことの検討はあったのか。例えば、議決の延期を求めなかったのであれば、今回、政府として、利上げというのは政府の経済政策と整合性があるというふうに受け止めてよいか、お答えいただければと思います。

中谷真一 財務副大臣 自由民主党・無所属の会

○中谷副大臣 十六日の会合には財務省から私が出席いたしましたが、当日述べた意見に関しましては、後日、日銀から公表されるものでありまして、私からこの場であらかじめ何か申し上げることは差し控えさせていただきます。  また、議決の延期の請求は行っておりません。金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきと考えておりますが、今回の決定は、経済、物価、金融情勢を踏まえ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現のために行われたものと受け止めております。  日銀におかれては、引き続き、政府と密接に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行うことを期待しております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 ありがとうございます。  今度はインフレ、デフレの話でありますが、先ほど副総裁から、デフレではなくインフレの状態にあるということを確認させてもらいましたが、政府は、現在の日本経済はデフレを脱却したのか、脱却していないのかということを確認をさせてください。

茂呂賢吾 内閣府大臣官房審議官

○茂呂政府参考人 お答えいたします。  政府としまして、デフレ脱却につきましては、物価が持続的に下落する状況を脱し、かつ、再びそうした状況に戻る見込みがないことというふうに定義をしております。その判断に当たりましては、足下の物価状況に加えまして、再び後戻りしない、そういう状況を確認するためにも、消費者物価やGDPデフレーター等の物価の基調や、それから物価の動きの背景となる実体経済の動きを総合的に考慮しまして、慎重に判断する必要があると考えております。  現在、我が国の景気は緩やかに回復しておりますけれども、中東情勢の影響を十分に注視していく必要があると考えております。したがいまして、現時点において、日本経済がデフレに再び戻る見込みがない、そこまで言える状況にはないと考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 どう考えても、皆さんインフレで大変だと言っている中で、再び戻る見込みがというのは、言い続ければいつまでも言えますけれども、あり得ないと思いますし、感覚で言ってもあれなので、いわゆる政府は四つの指標ということを言ってきまして、消費者物価指数、これも、先ほどCPIの話がありましたが、二%超で推移していますからクリアしていると思いますし、GDPのデフレーターもプラス圏でクリアしていると思います。需給ギャップ、これは僅かなプラスとマイナスを行き来していますけれども、おおむねプラスです。また、四つ目、単位労働費用、これも賃金上昇に伴いクリアしていますので、いわゆる政府が示してきた四つの指標というのはクリアしていると思います。  それからまたいろいろな指標を言われるかもしれませんが、この四つがクリアしているとしても足りないと。何を具体的な判断としているのか、教えてください。

茂呂賢吾 内閣府大臣官房審議官

○茂呂政府参考人 お答えいたします。  先生今御指摘をしてくださったいわゆる四指標でございますけれども、CPIも、GDPデフレーターも、GDPギャップも、それからユニット・レーバー・コストも、確かに足下ではプラスとなってございます。  特にGDPギャップにつきましては、確かにまだゼロ近傍ではございますけれども、直近一―三月期でありましてプラス〇・五%と、ようやくプラスとなってございます。ただ、これは、直近値が一―三月期の数字でございまして、中東情勢の影響が含まれていない数字でございますので、この実体経済の動きがもう少しどうなるかというところを注視していきたいというふうに考えております。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 それでは、共同声明の方を最後お聞きします。  共同声明にやはり書いてあるのが、私、前提がおかしいと思っていますし、実情に合っていないと思っています。今度は、共同声明を是非見直すべきときにあると思っていますが、これについて政府の考えをお伺いします。

中谷真一 財務副大臣 自由民主党・無所属の会

○中谷副大臣 内閣府から先ほど答弁があったとおり、現在、我が国では、賃金上昇を伴った持続的、安定的な物価上昇の実現は道半ばの状態にあり、日本経済が再びデフレに戻る見込みがないと言える状況には至っていないと考えております。これは結構、専門家の間でも意見が分かれています。  こうした認識も踏まえまして、共同声明については、現時点で見直しが必要だとは考えておりません。ただ、個人的には、デフレを脱却したらですよ、それは見直す必要があるというふうに思っています。

田中健 国民民主党・無所属クラブ

○田中(健)委員 ありがとうございます。  今回の利上げというのは、まさに日本経済がデフレ脱却を目指すという局面から金利ある経済をどのように運営していくかという段階に入ってきたと思いますので、是非とも、この見直しも含め、今後、経済は生き物ですから、議論をしっかりと続けていきたいと思います。  ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、牧野俊一君。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 参政党の牧野俊一です。  本日は、日銀に対して質疑をする機会をいただきまして、大変ありがとうございます。  それと、植田総裁におかれましては、肝嚢胞感染ということで入院療養されているというところで、一日も早い回復とお仕事への復帰をお祈りしたいというふうに思います。  まず冒頭、今回、先日、日銀の金融政策決定会合におきまして出てきた文書の中には、政策金利、無担保コール翌日物を一%に引き上げる決定をされたということですけれども、その根拠として、原油価格上昇を起点に企業間取引における価格転嫁がやや速いスピードで進んでおり、これが、今後、消費者段階における幅広い品目の価格上昇に波及し、消費者物価の基調的な上昇率が二%の物価安定目標を超えて上振れしていくリスクがあるというふうにしております。  つまり、現在の物価上昇というのは、どちらかというと、需要の拡大というよりもコストプッシュ型が主な要因であるというふうに分析しているのかなというふうに読めるんですが、日銀としての立場はいかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  最近の企業間取引のうち、エネルギーや石油関連製品の価格上昇につきましては、原油高を起点とするコストプッシュ型の物価上昇という面が大きいと考えております。  こうした供給ショックによる物価上昇であっても、物価上昇の動きが幅広い財・サービスに波及し、予想物価上昇率の上昇を通じて基調的な物価上昇率の押し上げにつながる可能性がある場合には、持続的な物価安定の実現に向けて、金融政策で必要な対応を検討する必要がございます。  こうした観点から、日本銀行としては、今回の供給ショックの規模や持続性に加え、我が国企業の賃金、価格設定行動が積極化していることなども踏まえると、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると判断し、今般、政策金利の引上げを決定したところであります。  なお、企業収益や賃金がしっかりとした動きを続ける中、所得から支出への前向きな循環メカニズムが働き続けていることに加え、グローバルなAI関連需要の増加も日本経済に好影響を与えてきております。具体的には、AI関連需要の増加に伴う銅やアルミ、メモリーなどの需給逼迫を背景に、機械類や非鉄金属の価格が伸び率をはっきりと高めております。このように、企業間取引の中には、原油価格上昇の影響とは別に、需要が牽引する形での価格上昇も見られております。  今後の金融政策運営に当たっては、こうした動きの広がりも併せて、経済、物価動向をしっかりと点検してまいりたいと考えております。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 ありがとうございます。  今、最後の方におっしゃっていただいたように、AIとか半導体投資が進んでいくに当たって、銅とかアルミ、金、そしてそれらを統合したメモリー、こうした部分で、原油以外の側面でも、ディマンドプルという形はもちろんあると思いますし、もちろん、今のインフレ基調は完全に、ここまではコストプッシュ、ここからはディマンドプルというふうに、きれいに何かをもって切り分けられるわけではないことは承知していますが、どちらかといいますと、日銀としては、現状はコストプッシュの要素の方が強いというふうな分析をされているというふうに認識しました。  続きまして、景気動向の解釈について伺いたいんですけれども、日銀の発表した資料の中では、各種設備投資は穏やかな増加傾向、一方、個人消費は雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しているとする一方で、家計マインドに弱さが見られ、住宅投資は減少傾向にある、そして、公共投資は横ばい圏内の動きというふうに分析をされた上で、中東情勢の影響を受けた原油価格上昇が、交易条件の悪化などを通じて企業収益や家計の実質所得に対し下押しする要因となることから、成長するペースは減速すると考えるというふうに分析されております。  成長するペースが鈍化するというふうに分析をしている一方で、成長や投資の足を引っ張る形での利上げという方向に動くことは、今、政府が掲げている、物価の安定と強い経済の両立という政府の基本方針がございますけれども、この基本方針とちょっと整合性が取れていないんじゃないか、特に強い経済という部分でですね。ここについて、日銀としての御意見はいかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  私どもとしては、経済と物価の両面を見て政策の判断を行っているわけですけれども、我が国では、原油価格上昇が景気の下押し要因となっているものの、高水準の企業収益や雇用・所得環境の改善などが経済を下支えする方向に作用しております。  この間、政府によるエネルギー負担緩和策などの効果が今後も見込まれることに加え、中東依存度の高い原材料の代替調達も進展していることから、経済が大きく下振れるリスクは一頃よりも低下しているというふうに考えております。こうした下で、我が国経済は、御指摘がありましたように、伸び率は縮小しつつも緩やかな成長を続けるという、私どものこれまでの中心的な見通しにおおむね沿って推移しているというふうに判断しております。  このような景気認識の下、今週の決定会合では、原油高を起点とする価格上昇の動きが幅広い品目に波及したり、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあることなどを踏まえ、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適当と判断したわけでありますが、今回の政策金利の引上げ後も、実質金利は短中期ゾーンを中心にマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持されるため、引き続き、経済活動はしっかりとサポートされると考えております。  その上で、現在のように物価の上振れリスクがある状態において、金融緩和の度合いに必要な調整が遅れると、そうしたリスクが顕在化し、それがその後の景気下押しにつながるおそれがございます。  このように、経済、物価情勢に応じて適切に金融政策を運営していくことは、物価安定の目標を持続的、安定的に実現するとともに、政府による物価高対策や成長分野への投資とも相まって、我が国経済の持続的な成長の実現に資するものと考えております。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 ありがとうございます。  確かに、鈍化はするけれどもゆっくりと成長はしているというふうな解釈というふうには理解するんですけれども、やはり、足下で政策金利が上がるということがありますと、どうしても、先ほどからほかの委員の方も指摘しているとおり、住宅ローンの金利といったものが上がっていく、そして、特に現役世代に対して中長期的に見て大きな負担になる、更に加えて、五月の企業物価がプラス六・三%ということもあって、このままでいっても、それが二か月、三か月遅れて物価がやはり上がってきて、そして生活者の支出を圧迫していくという状況になってしまうと思うんですね。  ただ、これは、やはり、金利を上げたからといって、既に企業間で高い物価で取引されたものがやがて末端まで届いていくところの物流とかサプライチェーンの過程の中でどんどん価格転嫁されていくわけですから、今金利を上げたことによって、これが長期的に物価の抑制になるのかというと、ちょっと疑問があると思うんですね。  特に、先ほど、どちらかというと今回のインフレ、主な要因はコストプッシュだというふうに分析していらっしゃっているということでしたけれども、このコストプッシュで生じている現在、足下の物価上昇というものに対して、利上げで本当に物価抑制ができると考えていらっしゃるのか、コストプッシュのインフレに対して利上げで物価抑制ができると考える根拠について、教えてください。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  供給ショック、コストプッシュによる物価上昇が一時的かつ特定品目の範囲内にとどまれば基調的な物価上昇率に大きな影響を及ぼさないと考えられます。適切にこうしたものが転嫁されていく範囲であれば、これを金融政策で抑え込むということは適切ではないだろうというふうに考えます。  ただ、供給ショックが発端であっても、状況次第では物価上昇の動きが広範囲に広がり、それが人々の予想物価上昇率の上昇を通じて基調的な物価上昇率の押し上げにつながる可能性がございます。このような場合には、持続的な物価安定を目指す中央銀行としては、金融政策で必要な対応を講じることを検討する必要がございます。  この点、今回の供給ショックについては、その規模や持続性に加え、我が国の企業の賃金、価格設定行動が積極化していることや、米欧に比べて金融環境が緩和的であることなどを踏まえると、原油高を起点とする物価上昇が基調的な物価上昇率の上振れにつながりやすい状況にあると考えられます。  こうした中、今週の決定会合では、最近のデータやヒアリング情報を踏まえ、経済が大きく下振れるリスクは一頃よりも低下している一方、基調的な物価上昇率が二%の物価安定の目標を超えて上振れていくリスクがあると判断し、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調節することが適当と判断したものでございます。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 ありがとうございます。  コストプッシュであっても、影響が幅広い品目に広がっていくと、みんなが、物価が上がっていくんじゃないかという、予想インフレ率という部分が、最終的にどちらかというとコストプッシュだけじゃないような結果となって表れてくるんじゃないかということでの今回の政策判断ということだとは思うんですけれども、やはり、これを本当に今やってよかったのかということは考える必要があると思っているんですね。  といいますのは、現在の日本の株価はどんどん上昇して、日経平均とかも最高値を更新するみたいな場面が何度も、最近、イラン戦争が勃発した後も何度かありましたけれども、これは、国内の投資に対する促進、高市政権としても、圧倒的に今までは過度な緊縮の下で国内投資が足りなかったんだ、そういう解釈で国内投資をこれから進みやすくする方向にかじを切りますということを受けて、国内投資の促進によって中長期的に日本の物やサービスをつくる供給能力が強化されていくというふうに市場が判断し、期待していることの表れではないかというふうに考えています。  この設備投資のサイクルが上を向いている状態で、供給能力の向上を期待する中での円安、まあ今、円安は問題だというふうにいろいろなところで言われますけれども、こういう日本の供給能力が上がっていくという期待がある中での円安というのは、決してネガティブなことではないと思っていまして、これは、国内に生産拠点を維持したり回帰する上で、どちらかというとプラス材料になると思います。結果的には、長期的に見て、世界の人々が求める日本円でしか買えない物やサービスの供給能力、ここには、これからの時代、今はまだ存在しないけれども、日本のいろいろな技術開発によって本当にこれから世界にとって不可欠なサービスとか技術を日本がつくり出すことができれば、そこに対して世界から需要が生まれるわけですから、それに応じて自然と円安というものは、ゆっくりですけれども改善していくはずであるというふうに思います。  ここで問題になるのは、投資をやって、そして実際に供給能力が向上して、その結果を受けて賃金が上昇して、それが本格的な景気の改善というところに結びついていくまで、少なくとも三年から五年程度はタイムラグがあるであろうということです。  この期間のタイムラグをどうするかということについて、そこになってくると、現在のどちらかというと円安傾向であるということが輸入物価の上昇を通じて家計を圧迫するということを何とかしなきゃいけないという話になるわけですけれども、ここに関しては、様々な財政政策、既に政府もいろいろな、ガソリンとか電気代の補助金も入れていますし、今度、消費税を、食品だけということは我々としては賛同できませんけれども、全部の品目で下げるべきだとは思いますが、そういった食品の減税ということを通じて家計を支えようというふうな財政政策、そして、反対側で、いろいろな、経済産業委員会の方でも産業競争力強化法とかで大胆な投資を後押しするとかそういったこともやって、いろいろな施策を使って、国内の投資が上向いて、そして賃金に反映されるような施策を打っていくということでやっていますし。  それでも、やはり、時々は投機的にがっと円安が進むという状況があれば、これは、過去に、非常に、円高で日本の企業が困っていたところで日本政府としては、円を売ってドルを買うという介入を昔は結構たくさんやって、たくさん外貨準備を持っているわけですから、これを使って、緊急的には外貨準備を使って為替介入ということも、これは財務省の所掌ですけれども、やることになるわけです。  なので、ポイントは、投資から実際に賃金上昇、景気が向上、ここに至るまでのタイムラグを財政政策で支えることができる一方で、今この場面で、ようやく日本経済が復活しようとしているこの場面で、拙速な利上げで、ようやく上向きになってきた設備投資サイクルというものが腰折れてしまいますと、中立金利に向けた内需の拡大に沿った利上げの動きというものが更に出遅れてしまうということになって、トータルで見て、円安の圧力が更に強まる結果につながるんじゃないかというふうに危惧しております。  本来、利上げというのは、資金需要が過熱している状況で経済のバブル化を防ぐというものが最も重要な役割だというふうに思うんですけれども、お配りしている資料を見ていただきたいんですが、これは、非金融法人企業と政府の財政収支ですね、黒い線が財政収支、そして緑の線が非金融法人企業の企業貯蓄率、いずれも対GDP比の四・四半期移動平均というふうなグラフになっております。  これを見ると、一九九〇年代までは、緑と黒を足した合計、ネットの資金需要がずっと対GDP比マイナス五%程度で維持されてきたという中で、バブル崩壊後、これがずっとゼロ付近に張りついて、特に、直近ではまだまだ、二五年の統計で見ても、どちらかというとネットの資金需要はプラス、つまり、世の中からマネーストックが消えているというふうな、そういう状況にあって、決して企業がまだまだ積極的にお金を借りようという段階にはないということを表していると思うんですね。  この状況で、マクロで見た非金融法人企業の資金需要が乏しいという中で、構造的な経済停滞圧力からまだしっかりと脱却できていないこの状況で、もし利上げを行ってしまって、設備投資サイクルが下向きになってしまうと、供給能力の毀損リスクがあるというふうにマーケットが判断して、マーケットが日本の長期的な供給能力が失われていくんだというふうに思っている中で、長期的に円安を止めるということは更に困難になるというふうに考えますが、この辺について日銀のお考えはいかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  政策金利の引上げは、貸出金利などの上昇を通じて、企業の資金調達コストに影響いたします。  もっとも、金利の水準という点では、企業の経済活動に及ぼす影響が大きい短中期ゾーンの金利は、実質ベースで見て引き続きマイナスで推移しております。また、資金調達コストの上昇は、高水準の企業収益が続いていることなどと併せて評価する必要があると考えます。  こうした中、銀行貸出残高は高い伸びを続けており、金融機関の貸出態度も引き続き積極的であります。CP、社債市場でも良好な発行環境が続いております。  これらの動きを踏まえますと、今回の政策金利引上げ後も、我が国の金融環境は緩和した状態が維持され、企業の設備投資をしっかりサポートしていくと考えております。  その上で、このところ、投資の制約要因として、人手不足とともに資材価格等の高騰を指摘する声が多いことを踏まえますと、適切な金融政策運営を通じて物価の安定を実現することは、我が国の成長投資の拡大を支える土台としても重要であるというふうに認識しております。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 ありがとうございます。  いろいろな、物不足とかそういったところが価格上昇につながってくるというところももちろんあると思いますが、やはりここは、経済にとって本当に大事なのは、お金の量があるかどうかよりも、石油とか、あるいはナフサとか、そして木材とか、そういったものも含めてきちんと需要を満たす供給能力がちゃんと育っていくのかどうか、ここが本当に大事だと思いますので、それを、今後も供給力を上げていくためにも、拙速な利上げによって、企業の資金調達がちょっと困難になったりとか、あるいは家計の負担が住宅ローンとかを介して増え過ぎてしまうと、経済に余計にブレーキがかかり過ぎてしまうというふうなリスクがあるとやはり思っていますので、そこのところはしっかりバランスを見て判断していただきたいというふうに思います。  最後に、メディアでは、金利差による円安が輸入物価の上昇の原因だということで、これを改善するために日銀にもっと利上げをしろみたいな、そういう論調が結構メディアを通してたくさん流れているというところではありますけれども、本来、為替管理というものは日銀の所掌ではないはずです。  日銀として、いろいろなところで流れている、金利差によって円安が進んでいるんだからもっと日銀は利上げしろみたいな、この論調にしっかりと反論していただいて、拙速な金利上げを求める世論を、ある意味、一つ、そういった部分ではちょっと牽制すべきところもあるのかなと思いますが、こちらについていかがでしょうか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  一般論として、為替相場については、各国の中央銀行の政策スタンスに影響を受ける面もございますが、それだけではなく、国際金融資本市場の動向や輸出入に伴う需給など、様々な要因によって変動するものと認識しております。  その上で、金融政策は為替相場のコントロールを目的としたものではありませんが、為替相場の動向は、我が国の経済、物価情勢に影響を及ぼす重要な要因の一つであると考えております。この点、過去と比べますと為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があることや、そうした動きが予想物価上昇率の変化を通じて基調的な物価上昇率に影響する可能性があることにも留意が必要と考えております。  日本銀行といたしましては、今後とも、為替市場の動向が我が国経済、物価に与える影響を十分注視した上で、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、適切に金融政策を運営してまいりたいと考えております。

牧野俊一 参政党

○牧野委員 ありがとうございました。  時間になりましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次に、河村たかし君。

河村たかし 無所属

○河村委員 減税こども、河村たかしでございます。  また通常一分のところを十分ということで、サンキュー・ベリー・マッチということでございます。  まず一つ、結論でもないですけれども、やはり商売を盛んにさせないかぬ、世の中は、いろいろなことを言っていますけれども。  その中で、副総裁氷見野さん、非常に真面目な方だというのはよう分かりますけれども、顔が暗いわな、日銀の幹部は、氷見野さんにとどまらず。今ちょうど植田総裁も、定期的に名古屋もお見えになっていろいろ話をしますと、個人的にお会いするとなかなかフレンドリーな人ですけれども、堅いところでいうと堅いだけだもんだで。  やはり、金融というのは資本主義の屋台骨だもんで、お金を借りてちょっとでもええものを安く作る努力を皆さんしてくださいよといって、ラーメン屋のおやじが、それじゃ、まあ日銀から借りるわけではありませんが、地方の銀行から金を借りて何ぞちょっと冷蔵庫でもええやつ買おうかと、まあトヨタが一番でかいけれどもね、トヨタ、ソニーだと思いますけれども、そういう気持ちになるようにもうちょっと、日銀の皆さん。  ちょっと、こういう質問、前もやりましたが、商売をやられたことありますか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  私自身は、公務員生活の三十八年間、何とか少しでも世の中の役に立てるよう、自分なりに必死に頑張ってきたつもりでありますが、知らないこと、分からないことだらけでございます。  ただ、組織としての日本銀行では、本支店がこれまでに築いたネットワークを通じまして、日々、様々な方々からヒアリングを行い、企業活動の実態の把握、実情の把握に努めております。  また、日本銀行の最高意思決定機関であります政策委員会には産業界、経済界の出身の審議委員もいるという点も御指摘させていただければと存じます。

河村たかし 無所属

○河村委員 その答弁自体がどえらい真面目ですけれども。  しかし、そこで一言言っておかないかぬのは、先ほどちょっとありましたけれども、日銀法というのがありまして、そこで物価の安定と書いてあるわけです。アメリカの場合は、雇用の最大化、マキシマイゼーション・オブ・エンプロイメントというのがちゃんと書いてあるんです。だけれども、多分、それから、少なくとも、日銀に入っていくところがあるでしょう、皆さん車で来て。あれはテレビでやっていますから、ああいうときはにこっとしておらぬといかぬですよ、やはり。こんなふうだったら、日本で金を借りて設備投資しようとか、そういう気持ちは起こらぬですよ、みんな。不景気の象徴みたいなもんだでいかぬわ。ということを、まずそれは言っておきます。そのくらい、お願いしますと言ったら簡単にできますから。  一番問題は、なかなか笑顔にならぬ理由は、氷見野さんも、悪いけれども、日銀法で私たちは物価の安定、金利だけなんだと、主にね。一応、経済も書いてありますけれども、それはネクストですから。そもそも、アメリカと違って、直接に雇用の、雇用の最大化ということは要するに商売を盛んにさせるということですよ、それが直接の目標でないからしようがないんだというふうに分かってみえるから顔が暗いんじゃないかな。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  私どもは、日本銀行法で、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資するという重要な役割を与えられておりますので、私自身の自己認識としては、毎朝、真面目で誠実な顔をして出勤しているつもりでありますが、御指摘でもありますので、次回の金融政策決定会合の際には、朝、洗面所で、自分がどんな顔をしているかよく見てから出勤したいと考えております。

河村たかし 無所属

○河村委員 その答弁が、そうだと言っておるようではいかぬですよ。やはりサービス精神を持って、お金を使ってもらおうという気持ちにならぬといかぬということでございまして。  経済が変わってきて、昔みたいに、常に企業は利潤の最大化を求めておる、だから金利を下げればお金は借りるものだという時代から、最近は、どうもそうじゃないんじゃないか、借金の最小化を目指す時代に入ったんじゃないか。そういう時代においては金利政策は無効だという説があるんですよね、やはり。どれだけ日銀が頑張って、金利だけで経済をアップしようと思っても、できないということがあって。  ちょっと事実をここで、皆さん知らぬだろうと思いますので、確認してかないかぬけれども、金利を下げてアベノミクスでやってきたところが、結局、借りる人がおらず、マネーサプライは全然増えず、今、日銀の当座に幾ら金が余っていますか。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 現在、金融機関が日本銀行に預けております準備預金の額は、おおむね四百五十兆円程度というふうに承知しております。

河村たかし 無所属

○河村委員 何と四百五十兆。この間まで五百兆、一番多いとき五百三十兆ぐらい余っておるわけです。そこに金利を払っていますね。その金利が今度一%になるわけでしょう。全部に払うわけじゃないから、四百五十兆の中で大抵四兆円ぐらいの金利をですね。四兆円というと消費税の二%分ですよ。そのお金を、国民の皆さん、消費税を払っておるんだけれども、何と日銀の当座に払って、したがって、銀行はもうかってしゃあないわけですよ、今。こんなことをやって申し訳ないと思わぬですか、日銀は。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 お答えいたします。  日本銀行当座預金に利息を付しておりますのは、多額の超過準備が存在する下で、短期市場において政策金利の誘導目標を実現するために行っているものでございます。  仮に付利を行わない場合、金融機関は、超過準備を短期市場に放出するため、短期金利が低下し、政策金利の誘導目標が実現しないという事態になります。  こうした付利の取扱いは、米国や欧州、英国を始めとする海外中央銀行においても同様でございます。

河村たかし 無所属

○河村委員 ドイツでも割とそういう事情で困っておるらしいんだ。今難しいことを言いましたけれども、早いこと日銀の当座に預けておけばええわけですよ、市中銀行は、金融機関は、すると利息がもらえるということで。そういうのがないと、普通の商売だったら物すごい価格競争が始まるわけですよ、銀行が。銀行は価格競争せぬでもええと、守られておるわけですよ、それで。日銀、そちらに置いておけばええものだから。そんなふうになっておるということで、これではやはりですね。  じゃ、例えばAIとか情報通信産業の部門、これは、総裁の認識とすると、産業競争力は落ちてきておるのか、十分だと、どちらだと思っています。

氷見野良三 日本銀行副総裁

○氷見野参考人 私ども、四月の決定会合では、原油価格の上昇に伴い、輸入物価が上昇して、交易条件が悪化して経済に下押し圧力がかかるというふうに申し上げておりましたけれども、最近の展開で一番顕著なのが、輸出物価の急激な上昇であります。  これは、AIブームを受けまして、半導体製造装置とかAI関連の輸出が、量も増えているわけですけれども、その値段がすごく上がっているというところが、ある意味、原油価格の上昇の影響を打ち返すといったようなところが見られます。  ですので、ある意味、これは、一定の産業分野において依然、日本の企業が強い競争力を有しているしるしではないかというふうに受け止めております。

河村たかし 無所属

○河村委員 いや、私、心配になってきましたね、こんな認識では。  この間、テレビを見ておりましたら、今日か、今日はまた、四百五十兆余っておって、三百五十兆ぐらい、十年か二十年で投資を行っていくと今日にわかにやっていましたけれども。AIなんか、言ったら、二十社ぐらいずっと出ておって、左側に上位十社、全部アメリカですよ。右側が、十社のうち一社か二社、中国です。かつて、私がここにおった頃、情報通信をやっておったんですけれども、日はまた昇るとかいって、NEC、富士通、日立、東芝、これは世界でトップだったのに、どこに行ってしまったんですか。  必死になってこういう問題は取り組まぬと、悪いけれども、余り何遍も言っちゃいかぬけれども、皆さんの権限外になるんですね、今、日銀法だと。今どれだけ言ったって、そんな、日銀法を変えるなんて雰囲気ありませんので、わしは時間がないので、せっかくですから、そう会ったことないけれども、植田さんは名古屋にしょっちゅう来てもらっておったもんで、しょっちゅうまではいかぬけれども、話をしておりましたけれども、国会が駄目だったら日銀の内部からやはり、もっと経済成長そのものにお金が回るように、そういう仕組みに変えてくださいと、物価の安定だけでは無理です、私たちは、というふうに言われたらどうですか。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 既に申合せの時間を大きく超過をしておりますので、終了してください。(河村委員「ええところだがね、今」と呼ぶ)  既に超過しておりますので、終了してください。

河村たかし 無所属

○河村委員 はい。それじゃ、終わりますので、是非、励ますつもりで言っておるんだで、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

武村展英 自由民主党・無所属の会

○武村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会

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  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。