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国会会議録

厚生労働委員会

第221回 · 衆議院 · 第13号 · 2026-05-29

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-07-28 23:53 JST 記録 #3471 ↗

発言 211

会議録情報

令和八年五月二十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 大串 正樹君    理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君    理事 鬼木  誠君 理事 勝目  康君    理事 古賀  篤君 理事 浜地 雅一君    理事 伊東 信久君 理事 浅野  哲君       伊藤  聡君    上野 宏史君       衛藤 博昭君    遠藤 寛明君       岡本 康宏君    尾花 瑛仁君       加藤 貴弘君    金澤 結衣君       草間  剛君    栗原  渉君       黒崎 祐一君    斉藤 りえ君       繁本  護君    高階恵美子君       田野瀬太道君    田畑 裕明君       田宮 寿人君    田村 憲久君       橋本  岳君    藤田  誠君       藤田 洋司君    丸尾なつ子君       丸田康一郎君    吉村  悠君       沼崎 満子君    山本 香苗君       早稲田ゆき君    梅村  聡君       原山 大亮君    村上 智信君       岡野 純子君    日野紗里亜君       豊田真由子君    古川あおい君       辰巳孝太郎君     …………………………………    厚生労働大臣       上野賢一郎君    内閣府副大臣       今枝宗一郎君    厚生労働副大臣      長坂 康正君    厚生労働大臣政務官    栗原  渉君    厚生労働大臣政務官    神谷 政幸君    農林水産大臣政務官    広瀬  建君    政府参考人    (人事院事務総局職員福祉局次長)         前田 聡子君    政府参考人    (こども家庭庁長官官房審議官)          竹林 悟史君    政府参考人    (総務省自治行政局公務員部長)          加藤 主税君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           今井 裕一君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君    政府参考人    (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君    政府参考人    (厚生労働省労働基準局長)            岸本 武史君    政府参考人    (厚生労働省雇用環境・均等局長)         田中佐智子君    政府参考人    (厚生労働省人材開発統括官)           宮本 悦子君    政府参考人    (農林水産省大臣官房審議官)           神田 宜宏君    厚生労働委員会専門員   森  恭子君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十九日  辞任         補欠選任   衛藤 博昭君     黒崎 祐一君   尾花 瑛仁君     伊藤  聡君   田野瀬太道君     遠藤 寛明君   阿部 圭史君     村上 智信君 同日  辞任         補欠選任   伊藤  聡君     尾花 瑛仁君   遠藤 寛明君     田野瀬太道君   黒崎 祐一君     衛藤 博昭君   村上 智信君     原山 大亮君 同日  辞任         補欠選任   原山 大亮君     阿部 圭史君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)      ――――◇―――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局職員福祉局次長前田聡子君、こども家庭庁長官官房審議官竹林悟史君、総務省自治行政局公務員部長加藤主税君、文部科学省大臣官房審議官今井裕一君、厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官森真弘君、医政局長森光敬子君、労働基準局長岸本武史君、雇用環境・均等局長田中佐智子君、人材開発統括官宮本悦子君、農林水産省大臣官房審議官神田宜宏君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本香苗君。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 おはようございます。中道の山本香苗でございます。  まずは、労災認定についてお伺いいたします。  現在、労災認定まで、平均どの程度の期間を要しているのか、支給、不支給、それぞれ伺います。  また、支給と不支給の割合についても併せて伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険給付のうち、初回の療養補償等給付の支給申請に対しまして、令和三年度から七年度までに決定いたしました事案の平均処理期間を集計いたしますと、支給決定をした事案のうち、負傷に係るものが約二十日、疾病に係るものが約四十日、また、不支給決定をいたしました事案のうち、負傷に係るものは約百十日、疾病に係るものは約百二十日でございます。  また、労災保険給付のうち、初回の療養補償等給付の支給申請に対して、同じく令和三年度から七年度までに決定した事案を支給決定と不支給決定に分けて件数を計上いたしますと、支給と不支給の割合はおよそ九八対二でございます。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 いろいろ、我々のところには労災認定について様々御相談をいただくわけですけれども、今の数字を見ておりますと、支給と不支給の間にかなり差があります。不支給認定に時間を要している理由は何でしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、支給決定された事案と不支給決定になった事案を比べますと、不支給決定になった事案の方が長期間を要しているところでございますが、この要因といたしましては、労災認定に当たりまして、被災労働者等の迅速な救済を図るという観点から、認定要件を満たすことが明確で支給決定が見込まれる場合には、原則としてそれ以上の調査を行う必要はないという調査方針を労働基準監督署に対して指示をしております。  一方、不支給決定が見込まれる事案につきましては、様々な複数の認定要件がある中で、ある認定要件を満たさなくても、ほかの認定要件を満たすかどうかというふうに一つ一つ確認をしてまいりますので、一つの認定要件を満たさなかったとしても、他の認定要件を満たすかどうかも含め、業務起因性を検討する必要があることから、調査に一定の時間を要しているものでございます。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 実際、例えば、事業主のところが空欄であったとしても申請を出せる、そこから一つ一つ、きちんと調査をしてやっていただくという手順も取っていただいているということでございますので、しっかりこの辺りをやっていただきたいと思うんですが、ただ、今回の改正案におきましては、疾病に係る療養補償給付等の請求権については、消滅時効を現行二年から五年に延長するという見直しがある。このような形で時効を見直すということは大変重要で、この後同僚議員からもあると思いますけれども、それと同時に、やはり認定を急いでいただきたい、早くしていただきたいという声もたくさんいただいております。  更なる早期認定をしていただくに当たって、どう取り組まれるのか、お伺いさせていただきます。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  認定が長期化をいたしております事案の多くが、調査項目が多岐にわたる事案でございます。特に、脳・心臓疾患の平均処理期間が令和六年度で二百五十三日、精神障害が二百七十七日、石綿関連疾患は二百五十日といずれも長期化の実態にございまして、認定に要する期間の短縮に向け、取組を急務と思って取り組んでいるところでございます。  このため、令和五年の精神障害の認定基準の見直しによる認定要件の明確化ですとか、効率的な調査の実施や調査書類作成の簡略化など事務処理の見直しによる迅速化、システムを活用した調査書類の作成、事案の進行管理、迅速に対応するための労働基準監督署における労災補償業務の体制整備といった取組を図っているところでございまして、引き続き、体制整備、事務処理効率化などによりまして、迅速な保険給付の決定に努めてまいりたいと考えております。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 今のように認定まで数か月かかると言われたら、被災された労働者の方は大変不安になるわけです。そうした中で、実際、私も御相談いただく中で、いつ認定がされるのか分からない、大変生活が不安だというようなお声も伺いました。  また、その際に、いろいろ調査していただいているんですけれども、善意の意味でやっていただいていると思うんですけれども、調査、調査と言われると、何か自分が悪いことをしているんじゃないかというふうな気持ちになって、更に落ち込んだ、更に状況が悪化したというようなお声も伺いました。労災認定に向けて調査が必要であることは認識はしているんですが、その調査が、被災された方を疑うためじゃなくて、適切な補償と支援につなげるためのものなんだというような、是非寄り添った対応をしていただけることを徹底していただきたいと思います。  また、厚生労働省のホームページを見ますと、労災のページがあるんですが、そこは制度の説明はしてあるんです、でも、制度の説明はしてありますが、申請された方が一番知りたい情報、例えば、その間どういうふうな形で生活を支えていくのか、支援の制度はいろいろあるはずです、そうしたものが一切ないんですね。是非、認定までの伴走支援の体制を厚生労働省としてしっかりと整えていただき、それを必要な方に届くようにしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 労災認定まで時間を要する方への認定までの伴走支援、これは被災労働者やその御家族の生活を支えるために重要だと考えています。  労災認定がされない間であっても、例えば、健康保険の傷病手当金や、生活困窮者自立支援制度に基づく相談支援、家計改善支援等の各種支援、また都道府県の社協が実施をいたします生活福祉資金貸付制度、そういった制度を活用していただくことも可能でございます。  生活困窮や孤立に陥る可能性がある被災労働者に支援の案内が届くように、労働基準監督署のほか、各種制度や支援の相談窓口からワンストップで案内をし、必要な方に支援が行き届くように取り組んでいきたいと思います。  また、今委員からも御指摘がありましたけれども、そうしたホームページなどでもしっかり周知を図って、必要な情報が必要な方にお届けできるように取り組んでいきたいと考えています。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 是非お願いしたいと思います。  次に、農業分野における労災保険適用拡大についてお伺いしたいと思います。  これまでは暫定任意適用事業とされてきた五人未満の個人経営の農林水産業については、今回、労災保険の適用事業とするという形になっております。  農業分野におきましても、例えば、農機具の事故だとか、転落だとか、熱中症、重大な事故があるということはよく認識しております。また、高齢化や人手不足の中で、今までは家族だけでやってきたんだけれども、やはり家族以外の働き手もというようなケースも増えてきているのも実際お伺いしております。  そこで、まず、今回なぜ農業分野に強制適用という形になったのか、理由とその意義をお伺いします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険は、御指摘のとおり、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部につきましては、当分の間の措置としまして、暫定任意適用事業として、労災保険、任意での適用とされてまいりましたが、一方で、御指摘のとおり、農林水産業の小規模な事業においても重大な事故が見られまして、労働者の保護の必要性が高まっておりますこと、また、人材確保の観点から、農林水産業の労働環境の整備を進めていく必要があるといった業所管官庁や関係団体の意識も高まっておりますことから、今般、暫定任意適用事業を廃止し、全面適用に移行するというような内容を盛り込ませていただいたところでございます。  これによりまして、意義としましては、やはり農林水産業で働く労働者の方の保護が図られますこと、それから、実際に労働災害が起きましたときに労災保険に入っておりませんと事業主の方が多額の一時金を支払うことになるわけでございますが、その必要がなくなり、事業の経営の安定にも資するものであるというように考えております。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 また、今回の見直しというのは、準備期間五年という形で置いております。なぜ五年なんでしょうか。利用者保護の観点から見れば、危険性が高いのであれば、なぜ早くもっと適用しないかというようなお声もあると伺っております。その辺りをお願いいたします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  この問題について御議論をいただきました労働政策審議会でも、その点、議論になったところでございますが、建議として取りまとめていただきました中では、暫定任意適用事業の廃止に当たりまして、円滑な施行に必要な期間を設けることが適当であるという考え方をいただいたところでございます。  労災保険全体の適用事業場が現在約二百九十七万事業場でございますが、今回の改正が仮に成立をさせていただくとなりますと、約二十二万の非常に小規模な農林水産業の経営体が新たに適用対象になってくるというふうに推計をしております。適切な労務管理を含めた制度を周知をし、任意加入を促進をしながら制度の円滑な定着を図るためには一定の施行期間が必要であると考えておりまして、これまでの適用促進業務の実績ですとか今回新たに適用されることとなる経営体の現状などを考慮いたしまして、施行日は五年以内の政令で定める日とさせていただいたところでございます。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 その際に、農業分野では、いわゆる報酬という形じゃなくて、現金ではなくて、お米だとか野菜だとか、そういうもので渡す事例があります。今回新たに労災保険の対象となる方について、こうした現物支給による報酬の場合でも労働者として保護対象になり得るのか、ならないのか、分かりやすくこの辺りを周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  まず、一般論といたしまして、労災保険法は、労働者を使用する事業を適用事業としておりまして、労働者に該当するか否かについては様々な要件がございますが、働く場所や時間を雇主から指定、管理をされているかどうかですとかといった要件、そういった労働上の実態に関する要件を勘案して総合的に判断することとされております。  その際、御指摘の、報酬が現物支給であることについてでございますが、一般の雇用におきましても、労働基準法上、賃金を通貨ではなく現物支給で払うことも制度としては一定の要件の下で認められておりまして、現物支給であるから労働者ではないということには直接にはならないところでございますが、個別のケースごとに、働き方、事業主からの指揮命令、指図の仕方などを総合的に判断した上で、労働者に該当するかを判断し、労災保険の加入の要否を決定していくということになるところでございます。  今回の改正の対象となりますのが小規模な農林水産事業の経営体でございますので、そういった皆様にできるだけ分かりやすくこの労働者の考え方をお伝えできるよう、例えば自己チェックシートを作成するなどいたしまして、幅広く、分かりやすく周知をしていくように心がけてまいりたいと思います。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 今の答弁を聞いたら、絶対分からないと思うんですよね。極めてこの部分については、農林水産の現場、特に農業の現場の方々の話もよく聞き、聞いていただける、分かっていただけるような言葉で伝えていかなくてはいけないところでもありますし、変な形で網がかかるような形にならないでいただきたいなと思うんです。実際、それはもう分からないという声もいろいろありまして、この間、こういった話なんか一切聞いていないよというような話も現場に行くとお伺いします。  そういう中からこれからやっていかなくちゃいけない、相当大変だなと認識をしておりますが、かなり丁寧な対応をしていただかないといけないと思っているんですけれども、今回の適用拡大に当たって、加入の手続であったり、また労務管理であったり、保険料納付など、どこがどのように、現場を本当に手取り足取りサポートしていただけるのか。それはどうなるんでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険制度は、厚生労働省が所管をし、厚生労働省及び出先機関である都道府県労働局を通じて、また労働基準監督署を通じて運営しているものでございますが、今般の農林水産業の小規模な個人経営への適用拡大に関しましては、農林水産省さん、あるいは農業、林業、漁業関係の関係団体の皆様にもよく御協力をいただき、連携をしながら進めていくことが重要であるというふうに考えております。  事業主の事務負担の軽減などについても必要であろうかと思います。施行までの相当な準備期間を設けますことで、一つは、今回の法案では施行までに五年という準備期間をいただく案としてございますが、五年後に一気に手続を進めるということではなく、現行制度でも任意加入が可能でございますので、五年の間にできるだけ任意加入を増やしていくといった取組を進めていく。そのためにも、労働保険事務組合や社会保険労務士の皆様のお力をおかりするといったことも検討してまいりたいと思います。  労働保険事務組合に今なっていただいている農林漁業関係の団体の方もいらっしゃいますけれども、そういった取組を広げていくですとか、あるいは、既存の労働保険事務組合の受託範囲の拡大をしていただくなどによって、任意加入の網を、まずは五年間の間に農林水産業の個人経営の分野にいかに広げていけるか。また、都道府県労働局、労基署に加えまして、労働保険事務組合や社会保険労務士等からも相談対応を行うような体制を構築していただくといった取組を進めていきたいと思います。  こういった仕組みにつきましては、農林水産省さんとよく連携をしながら進めてまいりたいと考えております。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 是非、現場に寄り添った対応をしっかりしていただきますよう、農水省と共々にやっていただきますよう、よろしくお願いいたしたいと思います。  次に、社会復帰促進等事業というのをお伺いさせていただきたいと思います。  今回、長年の課題であった審査請求先の見直しをやっていただくわけですが、これによって具体的にどのような改善効果を見込んでおられるのか。労災保険給付との判断の統一性や、また被災労働者の迅速な救済に是非ともつなげていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  現行の労災保険制度におきましては、労災保険給付に関する決定の審査請求、再審査請求は労働者災害補償保険審査官及び労働保険審査会に対して行う一方、社会復帰促進等事業という労災保険の附帯事業として行っている事業に関する決定の審査請求は行政不服審査法に基づいて行うというふうに、手続が分かれているところでございます。  これを今回の改正案では統一することとしておりますが、そのことによりまして、まずは、労災保険制度により詳しい組織として労働保険審査会などを置いておりますので、そこでより専門的な判断をしていただけるということ。また、労災保険給付と社会復帰促進等事業による給付の判断が、審査請求先が分かれることによってばらつく可能性が現行制度においてはどうしても否定ができませんが、それがなくしていけるといったこと。また、請求を一か所で行うことができることになることによって手続の煩雑さも解消される、こういった効果を期待をして、今回の提案とさせていただいております。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、実は、労災保険の社会復帰促進等事業における義肢等補装具費というのは、制度目的は異なるんですけれども、障害者総合支援法の補装具支援給付制度の基準を準用している部分が多くて、かつ、価格体系、基準は障害福祉制度と共通部分が大きいと伺っております。  今年の二月の予算委員会でもお伺いさせていただきました。その際に大臣から、補装具の基準価格については、令和九年度の次期改定に向けまして、光熱水費や原材料の仕入価格、あるいは従業員の方の給与等に関する実態調査、これをしっかりやらせていただいた上で、しかるべき対応ができるよう取り組んでいきたいという御答弁をいただきました。  現場では、前回もお伝えさせていただいたように、アルミニウムやプラスチックなどの原材料価格の高騰に加えて、光熱水費、物流費、人件費上昇が重なって、もう事業者さんは本当に大変です。その上、現下のイラン情勢によって、大臣も御承知だと思いますが、原油由来のプラスチック、これは補装具の中にたくさん使っているんですよね。イラン情勢によって三〇%更に、元々上がっていたところにまた三〇%引き上がって、材料が入手困難、おそれじゃなくて、困難という状況になっております。このままだと、国産の補装具というものが支え切れなくなるというような切実なお声も上がっております。  補装具は、障害のある方々の本当に生活の支えであると同時に、労災においても就労復帰の大きな鍵を握るものであります。是非、現場が持続できないようなことにならないようにしてもらいたい。現下のイラン情勢も含めてしっかりと調査していただいて、基準額の改定を速やかにやっていただきたいんですが、大臣、いかがでございましょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 御指摘がありましたとおり、労災保険における義肢等補装具の購入費用の支給対象となる価格等の基準については、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度の基準によることとしております。  また、この基準に定めのない種目も一部ございますが、これは労災保険で独自に支給基準を定めているところであります。  この基準額の改定に当たりましては、委員からも今お話がありましたが、令和九年度の次期改定に向けまして、光熱水費、原材料の仕入価格、従業員給与等に関する実態調査の結果、これは昨年度実施をしておりますが、また、それに加えまして、今年度実施予定の物価高騰の影響に関する調査の結果などを踏まえ、検討していきたいと考えております。  また、労災保険独自で支給基準を定めている種目につきましては、今後、実態調査を行った上で、有識者も交えて価格の妥当性の検証を行って、次期改定に合わせて価格の見直しを検討してまいりたいと考えております。  イラン情勢によって材料価格等が上昇しているという御指摘でございます。そうした状況についてもしっかり注視をしながら、どういう対応ができるかということは考えなければいけないと思いますが、今申し上げたような基本線に沿って当面は考えさせていただきたいと考えています。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 本当に、元々大変だったところに更に今大変になっている、その状況を把握していただかない限り、適切な基準額の改定はできないと思っております。是非これは党派を超えてみんながしっかり応援していかなくちゃいけないことで、先ほど橋本議連会長からも応援のエールをいただきましたけれども、是非一緒に応援をしていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  もう一つ、先ほど申し上げたように、障害福祉制度、これは補装具の中で日常生活を見ているわけです。片や、労災の義肢等補装具というのは社会復帰ということを目的としておりまして、さっき大臣がおっしゃったように、そういう目的がちょっと違うから、支給範囲というのはちょっと異なっているわけです。  しかし、実際の運用はどうかというところを是非見ていただきたいんですが、障害者補装具費支給制度の算定基準の範囲に事実上は運用が限定されていて、例えば、見た目が義手と分からないような義手というのがあるんですね、そういうものやコンピューター制御による高機能装具などについては、単に価格が高いという理由だけで支給が認められないケースというのがあります。  実際に、脊髄損傷になった方が高機能の装具の支給を申請したんですけれども、認められなかった。結局、だから、それがないので仕事ができないということで退職に至ってしまった。しかしながら、その方は退職後に、高かったんですが自費でそれを購入されまして、現在ではそれをつけて歩行可能となって、自営業で働いておられます。  このような運用は、労災制度の目的である社会復帰という目的から照らして、適切なのかどうか。運用実態を改めてしっかりと検証していただいて、支給範囲というものを改めて明確化をしていただきたいと思います。  あわせて、もう一点お伺いしたいんですけれども、海外では、このような義肢装具が社会復帰に大きな貢献をしているということは統計上いろいろと示されているんですね。しかしながら、日本は、義肢装具を始めとする補装具の費用対効果といったようなものに関する統計もありませんし、研究もほとんどございません。少なくとも、労災における義肢等補装具については、社会復帰や就労継続への効果を含めた費用対効果といったものを是非お示しいただきたいと思いますが、二点、大臣に併せて伺います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 非常に大切な御指摘をいただいたと考えております。社会復帰をしていただく、そうした観点から、やはり今の既存の制度についても、どうかということは十分考えていかなければいけないと考えております。まずは、運用実態の確認、これをしっかり行わせていただきたいと考えています。  その上で、費用対効果のお話もありましたが、そうした観点にも留意をしながら、有識者の方を交えて、支給範囲の妥当性、この検証は行わせていただいて、社会復帰の更なる促進を図るためにどういった形がよいのか、十分検討させていただきたいと考えています。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 ありがとうございます。  以前、相当昔やっていたみたいなんです、そういった検証も。かなり昔やっていたと。この間、全然やっていなかったことが今回判明いたしました。是非よろしくお願いいたしたいと思います。  義肢装具の適切な処方とフォローアップが、歩行能力の改善やまた転倒リスクの低下、合併症の減少、入院期間の短縮などにつながるといったことは、海外を含む複数の研究等で示されております。また、医師と理学療法士、作業療法士と義肢装具士がチーム医療として行う装具療法というのはリハビリテーションの重要な一部であって、フレイルや要介護状態への進行、転倒骨折、足潰瘍の予防において高い費用対効果といったものが報告されております。  そこで大臣に、毎回毎回済みません、確認をさせていただきたいと思いますが、義肢装具士もリハビリテーション三職種とともにリハビリテーション政策の担い手であり、攻めの予防医療を進めていく中で、その専門性を生かした活用を図っていくということでよろしいですよね。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 義肢装具士の皆さんにおかれましては、患者の方の身体機能やあるいは生活環境に合わせて最適な義肢装具を製作、適合し、提供していただいております。  それに加えまして、義肢装具に関する専門知識を他の専門職にも提供されることなどで、リハビリテーションの質と成果を大きく左右する、そうした重要な役割を担っていただいていると考えています。また、回復過程や生活状況の変化に応じた調整、再評価においても、他のリハビリテーション職種と連携をし、継続的に関わることで機能維持向上を支えていただいていると認識をしています。  先日、リハビリテーションの現場を視察をさせていただきました。とある病院におきましては、現場において、理学療法士などのリハビリテーション専門職だけではなくて、まさに義肢装具士の皆さんにも関わっていただいてリハビリテーションを実施されていました。チーム医療の重要性を改めて認識をしたところであります。  発症後にADLの低下を防ぎ、早期に日常生活に復帰するためには、切れ目のないリハビリテーションが重要であります。攻めの予防医療においても、総合的にリハビリテーションを進めていくためには、義肢装具士の皆さんも含めて多職種の方が連携した取組、これが推進されるように努めていきたいと考えています。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 是非、リハ三職種に加えて、義肢装具士を含めた多職種のチーム医療というものを一緒に攻めの予防医療の中で推進していただきたいと思います。  最後に、今日は一枚、配付資料、リーフレットを配らせていただきました。これは、先般の委員会の中でお願いしたことを早速作っていただいたんですけれども、ごみ収集等の業務に満十八歳未満の高校生等を就業させる場合に、注意していただきたいことということを記載したリーフレットのものでございます。厚生労働省、作成していただいて、ありがとうございます。  これは、機械式ごみ収集車の回転板への巻き込みだとかテールゲート挟まれ事故など、実際に発生した重大災害事例を示しながら、従事できない業務とできることをちゃんと立て分けていただいたわけですけれども、若年労働者の安全確保と雇用機会確保の両立を図る観点から重要な取組だと思っております。このリーフレットは、環境省を通じて事業者の方には配っていただきました。  今度は文科省にお伺いしたいんですけれども、実は、定時制高校においては、卒業後の就労に向けた就業体験も重要で、先生方が一生懸命、個別にそういった場を開拓、確保しようと頑張っておられます。その際、もちろん事業者側にこういったことを徹底するのは当然のことなんですが、学校側にも労働基準法の年少者保護規定に関する枠組みを理解していただくことも重要だと思っておりまして、このリーフレットもその一助として、必要に応じて情報提供を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

今井裕一 文部科学省大臣官房審議官

○今井政府参考人 お答え申し上げます。  現在、定時制高校に在籍する生徒のうち、パートタイムを含む就業者は約半数を占め、また、卒業後の進路として就職する生徒は四割という状況でございます。  就業時の労働者の安全確保につきましては、基本的には事業者がその責務を負うものと認識をしておりますが、議員御指摘のとおり、学校が、就業体験活動の機会を設ける際に、関連する業務の安全性等の知識を伝え、安全意識を高めることは重要だと考えております。  御指摘のリーフレットは事業主の方々に向けたものと伺っておりますが、今後、厚生労働省の関係部局ともよく相談をさせていただきながら、定時制高校等の関係者が集まる研究協議会等を通じて、情報提供することなどを含めまして、具体的な方法について検討させていただきたいと考えております。

山本香苗 中道改革連合・無所属

○山本(香)委員 おっしゃるとおり、事業者向けのリーフレットとなっておりまして、是非、厚生労働省と御相談していただいて、学校向けというか、先生方に理解していただきやすいようなリーフレットというものも考えていただければと思っております。  以上で終わります。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  まず、労災保険から。  アスベスト疾患は、暴露してから発症までの期間が一般的に三十年から四十年と言われております。有害業務に従事したときから発症するまでの潜伏期間が著しく長期にわたるこの遅発性疾病について、新基準における労災の給付基礎日額は、暴露時賃金と発症時賃金を比べて高い方でこれからは計算される。一方で、既に旧基準で休業補償を受給している患者については不当に低いまま。これで取り残されてしまうというのは、私も問題だと思うんです。ただ、不服審査請求をした場合、労働保険審査官や労働保険審査会は、新基準で適用できる、そういう解釈で判断をしております。  厚労省として、旧基準で算定している低い休業補償や遺族補償年金の引上げをやはり図るべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘の点、労働政策審議会の建議におきまして、有害業務に従事した最後の事業場を離脱した後、別の事業場で有害業務以外の業務に就業中に発症した場合における給付基礎日額の算定に当たりまして、疾病の発症時の賃金が、疾病の発生のおそれのある作業に従事した最後の事業場を離職したときの賃金に基づいた平均賃金より高くなる場合には、発症時の賃金を用いることが適当とされたところでございます。  その上ででございますが、一般的に、社会保障制度における制度改正の際の考え方といたしまして、事由発生当時の制度に基づくルールにのっとって適正に適用し決定したものに対して、ルールが変更された後に、旧制度で適正に決定されたものを遡って適用し直すということは制度の安定性の観点等々からいたしませんで、今回の考え方についても、改正後の制度は改正の施行後の事由に対して適用するということが基本的な考え方だろうというふうに考えております。  したがいまして、給付基礎日額、御指摘の点につきましては、事由が発生した当時の算定方法で適正に決定されたものでございますので、建議に基づいて給付基礎日額の算定方法を改める場合にも、既に決定した給付日額を算定し直すことはせず、施行日以降に発症した疾病を対象とすることを想定しておりますが、この詳細については今後労働政策審議会で議論をしていくこととなっておりまして、その議論を経てまいりたいと考えております。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 厚労省は法律論をおっしゃるんですけれども、ただ、労働保険審査会は申請者の立場に立った判断解釈をもう既にしているわけですね。本来は厚生労働省がこの立場に立って、不服審査請求をしなくてもいいような、そういう扱いにすべきだということを言っておきたいというふうに思います。  さて、今日は家事支援サービスの国家資格化についても聞いていきたいと思います。  高市首相は二月の施政方針演説で、育児、子供の不登校、介護が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組むと述べました。しかし、介護保険の給付削減や介護分野からの人材の流出など、介護保険制度への負のインパクトは大きいと私は考えます。  大臣も、十五日の本委員会で、今回の国家資格化に当たりまして、介護保険制度の保険給付を縮小させることは考えておりませんと答弁をされているんですが、その答弁を額面どおり受け取ることはできません。  なぜなら、今日、資料にもつけていますけれども、財務省は、去年の財政審の建議でこうあるんですね。今後も増大し続ける多様な介護事業に対しては、介護保険事業のみで全て対応することは困難である、介護保険事業と介護保険外の民間企業による関連サービスで対応していくことが有益と。つまり、給付の効率化、適正化、すなわち給付抑制の施策として、保険外サービスの活用を提案しているわけなんですね。  去年の骨太の方針でも、ワーキングケアラーへの対応など官民連携による介護保険外サービスの普及が盛り込まれました。今年の骨太の方針に向けた議論でも、財務省は同様の提案をしております。  つまり、介護支援など介護保険外サービスの活用は、介護保険の給付抑制策として議論をされてきた、これがもう紛れもない事実なんですね。  そこで、大臣、介護離職を減らすため、介護支援サービスを活用するんだ、普及させるというんですけれども、介護支援の国家資格化、この理由ですね。同時に、財務省などの議論を見ていると、そういう政策の推進というのは、結局、介護保険を重度者に重点化して、生活支援などを介護保険の給付から外していくための呼び水になるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず、家事等の負担軽減を図ることを通じて、育児や介護等による離職を防止をし、女性を含む多様な人材の労働参加を進め、活躍をしていただくことを推進する環境を整備することが重要であり、このため、家事支援サービスの品質向上や信頼性確保の観点から、家事支援サービスに関する国家資格の創設に向け、取り組んでいきたいと考えております。  今回の家事支援サービスの国家資格化に当たりまして、前回も申し上げましたけれども、介護保険制度の保険給付を縮小させることは考えておりません。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 ですから、そうは言うんですけれども、財務省は、去年、二〇二五年五月の財政審でも、保険外サービスに携わることについて、事業者にとっても収益の多様化や経営の安定、職員の給与への還元につながると言っているんです。要は、介護保険とは別のところで稼げと言っているんですよね。  大手の介護事業所は、効率のよいところ、あるいは稼げるか否かで利用者を選別しているという声もあるんですが、財務省の言うとおり、もうからないところからはますます事業者は撤退をして、介護保険の空洞化が進んでしまうおそれがある。そうなれば、低所得高齢者や提供効率の悪い中山間地がますます切り捨てられるということになると思うんです。  経産省はもっとひどいですよね。  今日、二枚目の裏側の資料にもつけましたけれども、下の方の記述があるんですけれども、高齢者介護関連サービス振興を議論した検討会のまとめで、民間サービス普及の意義をこう言っています。公的介護保険制度に依存しない民間サービスが普及すれば、介護保険サービスの供給体制に余裕が生じる、その結果として、介護保険制度下ではより専門性の高いサービスの提供が可能となり、介護保険財政、ひいては自治体財政そのものへの貢献となり得ると。  つまり、介護保険サービスが介護保険外サービスに置き換わるんだ、その結果として保険給付抑制される、こういう効果を経産省は語っているわけなんですよ。これは、大臣が何を言おうと、議論の中身というのは現行の介護保険給付の削減ということになっていくということですよね。  人材流出についても懸念ばかりであります。大臣は、家事支援サービスの国家資格化による人材流出が大幅に起こるということはないと答弁をしております。しかし、介護保険事業者も民間事業者ですね。保険外サービスを担うのも民間事業者です。場合によっては、同一人物が介護保険と介護保険外サービスの提供、両方に関わることもあります。  大臣、保険外サービスの利用が進んで、収益化が進んでいけば、ますます介護人材の不足に拍車がかかるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず、家事支援サービスと介護などの対人支援分野については、サービスの趣旨や目的、その対象となる利用者が異なりますので、例えば、介護分野において訪問介護員が行う生活援助が、今回の国家資格化により、家事支援サービスに単純に代替されるものではないと認識をしております。  今後とも、必要な介護人材の確保に向けては万全を期していきたいと考えています。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 大臣、今日つけた一枚目のカラーの資料を見ていただきたいんですけれども、左下に図がありますよね。「介護保険事業者による保険内・外サービスの組み合わせの例」と書いてあるでしょう。ここには、上のところでは訪問介護サービスの提供、ヘルパーさんが介護保険サービスの提供をしている、終了後、介護保険外サービスの提供、こういう図があるわけですね。結局これは、同じ人が保険サービスと保険外サービスを提供するイメージというのをもう出しちゃっているんですよね。こうなりますと、収益の高い方に事業所も人も移動してしまいかねないと思うんですね。  大臣、流出は大幅には起こらないというだけであって、人材流出や人材の移動というのは私は避けられないと思います。  今回、ベビーシッター利用促進も同時に盛り込まれております。全国保育サービス協会が実施する企業主導型ベビーシッターの利用者支援事業というのが実はあるんです。これは、事業主からの拠出金を財源として、小学校三年生まで利用可能なんですね。一枚当たり二千三百円の補助を受けられる利用券を月に最大二十四枚、つまり最大で五万五千二百円、年間は、二百八十枚、六十四万四千円までの補助が受けられる事業というのが既にあるということなんですよ。  今回の新たな支援策というのは、既にあるこの事業に更に上乗せをするということなんでしょうか。お答えください。

竹林悟史 こども家庭庁長官官房審議官

○竹林政府参考人 お答え申し上げます。  仕事と子育てとの両立を支援するため、こども家庭庁におきましては、先生御指摘の企業主導型ベビーシッター利用者支援事業によりまして、福利厚生として従業員のベビーシッター利用援助に取り組む企業の支援を行っているところです。  その上で、ベビーシッターの利用拡大に向けた税制措置を含む新たな支援策の検討に当たりましては、この企業主導型ベビーシッター利用者支援事業との関係の整理にも留意していきたいと考えております。  いずれにせよ、こども家庭庁といたしましては、具体的な制度設計につきましては、現在実施しておりますベビーシッターの利用に関するニーズ調査の結果なども活用し、関係省庁と連携しながら検討を進めてまいります。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 今答弁あったように、関係の整理という話がありましたけれども、今からそれをやるという話ですか。関係の整理をしなければならないような新たな制度がいきなり下りてきたみたいな、これで本当にええのかなと。既に小学校三年生まで使えるサービスがあるのに、その利用は、全国保育サービス協会に、就労している、そういう企業に申し込むことが必要で、これは企業負担も発生しているため、むちゃくちゃハードルが高いんですよね。  全ての子育て世代が利用できていないということこそが問題だと思うんです。あるいは、自営業者やフリーランスの利用というのも対象になっておりますので、何か別の制度をつくるとか、関係を整理せなあかんとかではなくて、今の制度があるわけですよ、この制度の見直し、改善こそ本当はやらなきゃならないと私は思います。  厚労省は、利用促進のため、税制措置なども検討しているということでございます。しかし、これも高額所得者優遇制度となる懸念がございます。  厚労省、確認します。  これは、税制ということになりますと、税額控除か所得控除かということになるわけなんですね。税額控除は、支払い税額が高くない低所得者では恩恵は大きくありません、大きくないですね。所得控除は、適用税率が高くなる高額所得者ほど恩恵が大きくなるということになります。元々利用が少ないと見込まれる低所得者に対する効果は、税制控除ということになりますと小さくなってしまうと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず、大変恐縮なんですが、税制の仕組みについては今後検討を深めていきたいと考えておりますし、当然、税制でありますので、例えば所得の低い方には効果が薄いのではないかという御指摘はあろうかと思いますが、税制のみならず、様々な経済政策を含めて今後の対応を検討していきたいと考えているところであります。

辰巳孝太郎 日本共産党

○辰巳委員 これからこれからという話ばかりなんですけれども、OECDは、家事支援サービスに対する政策支援の主な受益者は中所得者層から高所得者層であると指摘をしております。経済的な支援が講じられたとしても一定の自己負担は残るため、所得水準が高いほど利用しやすいともう既に指摘をされている制度なんですね。  ですから、今検討されている支援策、やはり低所得者には恩恵は期待できないと私は思いますし、生活援助サービスなどを、介護保険ですね、縮小してしまいかねないと思います。全額自己負担となる民間サービスを利用することで、あるいは政府が促進をすることで介護保険給付が縮小すれば、低所得高齢者の生活は私は破綻をするというふうに思います。  今回の家事支援サービス、家事支援の国家資格化、今の政府の検討している中身では余りにも負の影響が大き過ぎるということを言わざるを得ないと思います。立ち止まれということを最後に言って、私の質問を終わりたいと思います。  以上です。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、岡野純子君。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 国民民主党の岡野純子です。質問の機会をどうもありがとうございます。  私たち国民民主党は、働く皆さんのための政党と標榜をしております。労働者の皆さんにとって、万一何かがあったときに、この労災保険というのは文字どおり命綱であります。その法改正に、その議論に携わらせていただきますこと、大変背筋が伸びる思いでございます。上野大臣始め政府参考人の皆様、四十八分、若干長丁場ではございますが、最後までどうぞよろしくお願いいたします。  では、まず、今回の労災法改正を議論するに当たりまして、政府の基本姿勢を確認させていただきたいと思います。  労働法制の大前提というのは、労働者と使用者は現実には必ずしも対等ではないというところにあると理解をしています。形式上は契約自由でありましても、実際には労働者側の交渉力は弱くなりがちです。だからこそ、政府の労働法制は、労働者を守られるべき存在として位置づけてきたはずです。労働基準法は、人たるに値する生活を掲げ、労働安全衛生法は、事業者に安全衛生上の措置を求め、労災保険制度は、業務上の災害を労働者本人の自己責任にしない仕組みとして設けられています。この原点を今回の制度改正でも曖昧にしてはならないと考えます。  質問を行う前提といたしまして、まずは、労働者は守られるべき存在なんだという大前提について、大臣と認識を共有させていただきたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず、労働基準法の第一条において、労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならないとされております。また、労災保険法の第一条においては、同法は、業務上の事由等による労働者の負傷、疾病等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付等を行い、もって労働者の福祉の増進に寄与することを目的とするものとされております。  厚労省といたしましては、こうした労働法制、これを適切に運用をするとともに、今般まさに御審議をいただいているとおりでございますが、その不断の見直しを通じて労働者保護を図ってまいりたいと考えています。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。大変重要な答弁をいただきました。  では、その考え方をベースに置きまして、質問をさせていただきます。  冒頭、済みません、順番の入替えをお願いします。項目五番、メリット制と情報提供についてを冒頭に聞かせていただきたいと思います。  メリット制と、まずは労災隠しとの相関関係について伺います。  このメリット制というものは、労災の発生実績に応じて保険料を上下させることによりまして、事業主に安全衛生対策を促す制度であります。一方で、労災発生が保険料に影響する仕組みである以上、労災隠しですとか、申請を抑制するインセンティブが生じる、そうした可能性も否定できないと考えます。  厚労省研究会資料、令和五年に労災隠しで送検をされた事業者、労災隠しを行った事業者、百三事業者に対して、その動機をアンケート調査しています。非常に生々しい結果だなというふうに思いましたが、元請事業者に迷惑をかけることを懸念した、二一・四%、元請から今後発注を受けられなくなることを懸念した、一六・五%とされています。つまりは、取引関係、発注関係の中で、労働者の事故を表には出しにくい、あるいは出さないでおこうとする、そういった構造があるということが資料の上で明示をされているわけです。厚労省も、ホームページなど、またポスターなどでも、労災隠しは犯罪ですと大々的に周知をしていらっしゃいます。  では、まず伺いますが、労災隠しの調査というのはどのように行っていらっしゃるのか。これは、内部からの通報以外になかなか把握する機会というのは少ないのかな、能動的に調べていけるものではないのかなというふうに思うところですが、犯罪ですとおっしゃっている以上、送検件数だけでなくて、労災隠し疑いの事案とか、労災申請をした労働者がその後不利益を被っているケース、なるべくそういった実態の生データというものを把握すべきと思いますが、まずは調査方法を伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災隠しとは、労働災害の発生事実を隠蔽するため、労働安全衛生法に基づく労働者死傷病報告書を故意に所轄労働基準監督署に提出しないもの、又は、虚偽の内容を記載した労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署に提出するものでございます。この把握の端緒といたしましては、やはり労働者からの相談が多いのが実態でございます。  厚生労働省といたしましては、労働局、労働基準監督署が実施する各種説明会や、ホームページに掲載している労災隠し排除を呼びかけるリーフレットの活用などによりまして、労働者死傷病報告書の適正な提出について周知啓発を図っておりますこと、また、労働基準監督署において、労働者からの相談によって労災隠しを把握した場合には、司法処分も含め厳正に対処することといたしておりまして、引き続き労災隠しの排除に努めてまいりたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。  つまりは、周知を徹底することと、あと労災隠しをした場合のデメリットみたいなことをしっかりと出していくということですけれども、やはり、そうはいっても、あくまで向こう側から来る情報というのが重立ったものだということで。  何が言いたいかといいますと、送検件数を見ただけでは実態の全てを見られているわけではないという、当たり前のことではありますけれども、それを前提に進めさせていただきたいと思います。  労政審の中で、メリット制と、労災隠し又は申請を抑制させる事案との相関関係についての議論をなさっています。先ほど申し上げました労災隠しをした使用者へのアンケートで、その動機としてメリット制を挙げた人がいなかった、だからここには相関関係がないんだというような、そういった整理をなさっているわけですけれども、私はこの整理は非常に雑だと思っていて、やはり、保険料に影響する制度ですから、間接的な圧力につながっているということへの想像力ですとか、そもそも、労災隠しをした事業者ですから、保険料を下げたかったから隠しましたと正直に答えるとも限らないんじゃないかなというふうに感じています。  もちろん、メリット制というのは、保険料は安くなりますから、安くなって、事業者として、よし、もっと安全衛生対策に努めようとか、あと、件数が少ないから下がったということの納得感ですとか、そういったポジティブな要素もありますから、メリット制そのもの、制度そのものを否定する気持ちはないんですが、ただ、制度を継続していく上で、やはり想定される副作用というものがあるんじゃないかなと思います。ですから、それについてちゃんと調査をして、必要な対策を講じるべきと考えますが、政府の見解を伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘のメリット制のいわば作用、副作用の問題は、労働政策審議会でも御議論いただいたところでございます。メリット制の効果として、データも含めて、メリット制による保険料増減の後の労働災害発生状況のデータなども御議論をいただきました。  そうした中で、メリット制には一定の災害防止効果があり、また、事業主の負担の公平性の観点、やはり、費用をかけて労働災害防止対策を一生懸命やったことによって災害が減ったというところに対して、保険料減少という目に見える効果があること、そこに意味があるんじゃないか、こういった議論もありまして、メリット制を存続させ適切に運用させることが適当であるとした上で、御指摘の、メリット制が労災隠し及び労災保険給付を受給した労働者等に対する事業主による報復行為や不利益取扱いにつながるといった懸念については、その実態を把握をし、その結果に基づいて必要な検討を行うことが適当であるというふうに審議会ではされたところでございます。  これを踏まえまして、厚生労働省におきましては、メリット制等を背景として労災隠し等が発生しているかどうか、発生している場合にはその内容がどうかといったことについて調査をする予定でございまして、まずは、今年度、速やかに実態把握を実施してまいりたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 実態把握してくださるとのこと、ありがとうございます。  先ほど、冒頭、労働者は守られる存在だと大臣からも言ってもらいました。そもそも、仕事のせいで病気やけがをしていらっしゃるわけです。もう既に被害者なわけです。更に労災申請をさせてもらえない、潰されるなんということ、こんな二次被害は絶対に防がねばなりませんので、点検をしてくださるということ、大変ありがたく感じます。しっかり是非よろしくお願いいたします。  では、続きまして、労災情報の提供について伺ってまいります。  今回、再発防止のために労災の支給決定の情報を事業主に提供することが示されております。私、被災労働者への配慮はしっかりとやっていかねばならないと考えております。やはり、労災情報の提供が、結果として、あの人が労災申請したのよと職場に知られることがありますと、労働者というのはますます申請をためらうことになると思います。再発防止のための情報提供が労災申請の萎縮につながってしまっては本末転倒であります。  労災情報提供の目的というのは、誰が労災になったかということを知るんじゃなくて、何で災害が起きたのかということを把握するところにあるはずです。しかし、労政審の取りまとめでは、被災労働者の氏名を知らせるということを適当とされています。なぜ名前が必要なんでしょうか。誰であったかということは、情報として果たして必要なんでしょうか。考えていただきたいです。特に、受けた被害が例えば精神疾患であったりハラスメント事案であった場合に、情報提供をするということ、名前が知られるということそのものが被災労働者の心理的負担、二次被害につながり得ると私は思います。  再発防止に本当に必要な情報と被災労働者への配慮、これをちゃんと峻別して、明確に切り分けて行うべきと考えますが、お考えを伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘の労災情報の事業主への情報提供は、これは法律上の措置を要するものでないものですから、今回の法案に直接は入っておりませんが、今回の法案の議論と同時に関係の審議会で議論いただいた内容でございます。  そこにおきましては、事業主に早期の災害防止努力を促す等の観点から、労災保険給付の支給決定等の事実として、現行、被災労働者等に通知している項目のうち、支給決定等の有無、処分決定年月日、処分者名、処分名及び被災労働者名を事業主に対して情報提供することが適当であるとされたところでございます。  災害防止努力に生かしていくということを考えますと、大きな事業場で、複数の事故が社内で発生していた場合に、どの事案が労災と認定されたのかということを知ることは、やはり、会社からしますと、労災防止対策を考える上で議論の出発点になるものですから、これは必要な情報であろうというふうに思っておりますが、一方で、先ほどの御質問とも関連いたしますが、労災隠しなどにつながるといった懸念も御指摘をされておりますので、その実態把握についてはしっかりとやって、その実態把握の結果に基づいて、事業主に対する支給決定等に関する情報提供の在り方についても検討してまいりたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 済みません、今の答弁は私が伝えたかったことが伝わっていないです。労災隠しへの懸念ではなくて、労災申請することをためらってしまう、又は、その人が知られてしまうということで心理的な負担を感じてしまうというところに私は問題があると思っています。  今、大きいところだったらたくさん労災が、そんなたくさん労災が起こる事業者はどうなのかと思いましたが、そこの中で案件を特定するためだというそのメリットというか必要性よりも、私は、被災労働者を守るということの方がプライオリティーとしては高いと思いますので、この点は明確に申し上げたいと思っています。被災労働者の保護というのを上位概念として最優先に考えていただきたいというのが私のこの質問で伝えたかった趣旨です。  では、質問通告一番目に戻ってまいります。特別加入団体の承認要件についてです。  働き方が多様化していることに伴いまして、一昨年十一月から、企業等から業務委託を受けるフリーランスについて、業種、職種を問わず労災保険の特別加入対象が広げられました。対象拡大は重要なセーフティーネットですが、一方で、その入口となる特別加入団体の質、適正化、これは不可欠だと思います。  今回の改正では、特別加入団体について、厚生労働省令で定める要件に適合するものとして、業務の適切な運営に関する事項を定めるというふうにされています。この点がこの制度改正の基盤となる一番重要な点かなと思いますから、まずはそこを伺いたいと思います。  省令では具体的にどういった承認要件を定めるのでしょうか。考えられますのは、事務処理体制とか財政基盤というところに加えまして、加入時の対象者確認ですとか、万一災害が発生したときの支援体制、そもそもの災害を防止するためのその職種にカスタマイズした教育、あるいは加入者からの相談体制、募集をするに当たっての広告、勧誘の適正性などが考えられますが、こういったことや、またその他どういった承認要件を求めていかれるのか、まずは伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  今般の法案におきましては、特別加入団体につきまして、労災保険の特別加入に係る労働保険事務の処理や特別加入者の業務災害の防止に関する業務等を適切に実施することができる団体として、厚生労働省令で定める要件を満たす必要があるというふうにしているところでございます。  仮に成立をさせていただきました暁にはですが、厚生労働省において、まずは出発点として、現在通達で定めております要件、団体の組織、運営方法などが整備されていること、団体の事務体制、財務内容などから見て労働保険事務を確実に処理する能力があることなどの要件も踏まえまして、この省令の内容について関係の審議会で議論していただきたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 今の答弁ですと、検討中というか今後ですという話だと思いますが、ここはかなり具体的に決めていく必要があると思います。やはり、入口を担う団体が不適当ということであれば、制度全体の信頼を損ないますので、今、省令で定めることが、現行の、現状の通達を例に挙げられました。それをそのまま法令に写すということではなくて、最低限どの体制を備えなければ承認しないのかということを是非とも厳格に明確にしていただきたいと思います。  では、その話なんですけれども、といいますのも、全国で今、特別加入団体は四千あるということで、中には誇大広告と思われるような過大な宣伝で加入者を集めている団体ですとか、何かあったときのサポートが十分かどうか不明な団体がある、そういう指摘が既になされています。  そういった団体ですと、せっかく入っても、意味がないというか、加入者が守られませんので、現状の現行通達、一定の要件があると今おっしゃいましたけれども、それを単に法令化するというよりも、より実効性のある厳格な要件にしていく必要があると考えますが、ここへのお考えを伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  特別加入団体につきましては、現行の通達でも一定の要件を定めておりますが、御指摘のような、誇大広告ですとか、そういったことがあってはならないことはおっしゃるとおりでございます。  その上で、今般の法案におきましては、一つは、特別加入団体について、特別加入に係る労働保険事務の処理、業務災害の防止に関する業務を適切に実施することができる団体として省令で定める要件を満たすということを法令に根拠のある形で位置づけるということがございますが、もう一つは、問題があるような運営を確認した場合に、業務改善命令という措置を法律に設けるといった点もございます。  こういった、設立のときの、承認のときの要件の法令上の明確化と、それから業務改善命令の運用、こういった両面でもって特別加入団体の適正運営を確保してまいりたいと思います。  また、省令の内容については、先ほども申し上げましたが、様々な御意見を踏まえながら、関係の審議会で議論をいただきたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。  業務改善命令という、これを法令化するだけではなくてというところがありました。そのことについて、次、三番目に聞こうと思っておりました。  今回、そういった、改善すべきことが必要な団体、あるいは、より悪質な団体に対しては、保険関係を消滅させることが可能とされております。それは必要な処置かなと思いますけれども、一方で、そこに属している人のことがやはり心配になるわけですが、その団体に加入している特別加入者本人には落ち度がないわけでありまして、その人たちが突然無保険になるなんということは決してあってはならないことだと思います。  この点、労政審でも議論になっておりまして、保険関係消滅に先立って、ちゃんと、先ほどおっしゃった改善を要求していくということ、また、段階的な手続を設けるということ、消滅させるにしてもその時期に配慮をするといったようなことがこれまで指摘をされています。  無保険にならなくても、もう納付した保険料ですとか手数料ですとか、そういったものの扱いが不明確になったり、事故後の請求支援が宙に浮いたりとか、そういったことがないように、例えば、他の団体への移行ですとか、請求の支援とか、救済策というものを事前に用意しておく必要もあるのではないかと思いますが、こちらへの考えを伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  特別加入団体に対します業務改善命令や保険関係消滅につきましては、御指摘のとおり、特別加入者が労災保険のセーフティーネットから抜け落ちることがないように、留意をして運用することが重要であると考えております。  このため、まずは、特別加入団体の運営が適切に行われるように指導を行っていくことが基本であると考えておりまして、保険関係の消滅は最終的な手段としてはございますが、それが目的ではございませんので、まずは問題のある運営実態を是正していただくということが主眼であるというふうに考えております。  その上で、最終的に保険関係の消滅というところまで至らざるを得ないような事案がどうしても生じました場合には、その地位を失う特別加入者の方が可能な限り不利益を被らないように、原則として保険関係の消滅を保険年度末である三月末まで期間を確保する、その時期まで保険料が払い込まれているわけですので、そういったことですとか、他に同種の事業、作業に関する特別加入団体が存在している場合には、特別加入者の皆様に対して、その特別加入団体への移行を勧奨するなどの運用を行うことによりまして、セーフティーネットから特別加入者の皆様が抜け落ちてしまわないような配慮をできるだけしてまいりたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。  同じ気持ちでいてくださってよかったです。私も決して、悪い団体はすぐに消滅させよということではなく、当然、改善をしていくということが一番大切だとは思っています。  御答弁ありがとうございました。  では、特別加入と労働者性の問題について伺いたいと思います。  今、働き方のバリエーションは非常に多様でありまして、その人が特別加入の対象なのか、あるいはそこに労働者性が認められるのかという判断が難しいケースも十分に考えられるわけです。  言うまでもなく、労働者に該当する人は、特別加入ではなくて労災保険本体で保護されるべきであります。ですけれども、やはり団体としては加入者を増やしたいという思いがありますから、実際、労政審の中でも、加入者の拡大に注力をして、他の特別加入制度の対象者ですとか、本来は労働者として労災保険本体で保護すべき人を自分のところで対象者として囲ってしまっているケースというのがある、そういう指摘もありました。  契約書が業務委託であれば、じゃ、フリーランスかみたいなところもあるんですけれども、実態としましては、やはり、指揮命令を受けて、同じ事業所に月曜から金曜まで九時から五時までいるような、物理的には他の事業をとても委託できないような、そういった雇用も存分にあるわけで、それは労働者性に当たり得るなというものが存在をするわけです。  本来でしたら、事業者の方が、あなたはうちの労災に入るべき人ですよというふうにおのずと言うべきなんですけれども、そうならなかった場合に、特別加入団体に対しまして、加入するときに労働者性の確認というものをどこまで求めていくのか。労働者性があると思われる場合は労働基準監督署につなぐ、質問レクを昨日させてもらったときに、労基に行けば、当該個人の労働者性というものについて適切に判断できる受皿というものをちゃんと用意していると。でも、なかなかフリーランスの方が自主的に労基に行こうとはなりませんから、特別加入団体から労働基準監督署への接続のフローといいますか、それを設けるべきではないかと考えます。併せてお答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  まず、御指摘のとおり、労働者か労働者でないかという判断につきましては、契約の形式で判断するものではなく、実際の働き方の実態を見て判断することとしております。  したがいまして、仮に契約の形式が請負や準委任などとなっておりましても、実態として労働者の働き方をしている場合には、個人で特別加入をするのではなく、その会社の労災保険に加入するという形になっていただく必要がございます。  この取扱いにつきましては、現在でも周知を様々な形でしておりますが、改正法の施行に当たりまして、特別加入団体の皆様に対して、改正内容の周知と併せてこの労働者の取扱いについても改めて周知をいたしたいと思います。  また、フリーランス取引適正化法の施行、一昨年十月のときに合わせまして、労働基準監督署に、フリーランスの皆様あるいはフリーランスとされている皆様の労働者性に関する相談窓口を設けておりまして、特別加入申請時に労働者性があるのではないかと疑われる事案があったという場合には、特別加入団体の方から労働局や労基署の相談窓口に相談していただくように指導してまいりたいと考えております。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 どうもありがとうございます。  では、論点を変えまして、次に、労災保険給付請求権の消滅時効について伺ってまいります。  今回の改正では、疾病の性質上、業務上の疾病であるかどうかを容易に判断できない疾病について、二年から五年という延長が行われます。これは前進だと思います。  ただ、私は、対象を限定することには疑問が残っております。民法上、一般的な債権の消滅期間は原則五年ということに照らしましても、なぜ労災だけが二年なのか、労災も原則五年とするのが自然ではないかという思いがございます。今回、脳・心臓疾患、精神障害、石綿関連疾病など、容易に判断できないものに限って五年に延長、でも、それ以外の給付は二年というふうに維持をされている理由を改めてお聞かせをいただきたいと思います。  加えまして、私は、労災保険の請求権全てを五年にするべきではないか、他の一般的な消滅時効に合わせて五年にするべきではないかと思うんですが、それを行った場合に、具体的にどういうデメリットが生じ得るのかというところも併せてお聞かせいただきたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  まず、現行の労災保険制度におきましては、療養補償給付などにつきましては消滅時効期間を二年としております。  この考え方としましては、一つは、早期請求が行われることによって、事業主による迅速な再発防止措置、労働者の早期回復による迅速な職場復帰が可能となるということもございますが、また、もう一つは、労災保険の場合に、負傷や疾病の診断がつくかどうかという問題と、もう一つ、労災保険から給付いたします際には、業務起因性と申しますが、会社の業務が原因となって発生した負傷である、疾病であるということの認定が必要でございまして、これには、様々な実態確認を行って認定をしていく必要がございます。こうしたことから、時間がたてばたちますほど、一般的にこの業務起因性の立証に必要な材料が散逸していくなどして認定が難しくなってまいりますので、労働者救済をしっかりする観点からも、消滅時効期間は原則は二年としているところでございます。  一方で、今回の改正におきましては、一定の政令で定める条文を置かせていただくことによりまして、業務上災害であるか否かの判断が難しい疾病については時効期間を五年に延長するというふうにしております。  これは、従来からの御議論としまして、具体的には、脳・心臓疾患や精神疾患、石綿関連疾病が指摘をされておりましたが、業務上災害であるか否かの判断が難しく、二年の時効期間が徒過してしまうケースも少なくないといった御指摘もありまして、業務起因性の確認のために必要な実務上の要請と、一方で、二年の時効期間が徒過することもなかなかやむを得ないといいますか、そういったケースが少なくない疾病があるという両面を考慮いたしまして、そういった疾病について五年とする、こういう制度改正にしているところでございます。  政令で何を定めるかにつきましては、この法案について御議論いただきました審議会の審議の中では、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病、この三つが挙げられておりましたが、これについては、実態を踏まえて、政令ですので、何か必要が出てくればそれについてまた議論をするということになろうかと考えております。  こうした制度を設けることによりまして、一方で、過去の事実の立証困難を回避するといった消滅時効の趣旨を生かしながらも、疾病の性格上、二年ではきついというような場合について、より多くの保険給付の可能性が高まる、労働者保護にも資するというふうに考えております。  仮に、一律に五年とするようなことをいたしました場合には、やはり懸念といたしまして、過去の事実の立証が困難な事案が政令定めの疾病以外でどうしても増えてこようかと思います。そういたしますと、労災保険制度の適正な運営、被災労働者の迅速な救済という観点から支障が生じることが懸念されるのではないかというふうに考えているところでございます。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 納得できた部分とそうでなかった部分がありましたが、御丁寧な答弁をありがとうございました。  迅速な救済というのは、早期申請を促すということと、請求権を延ばすことというのは、全然、両立をするんじゃないかなと。別に、五年になったからといって、既に今労災申請しようとしている人が、じゃ、ちょっとのんびりやるかとなるはずがないわけですから。それよりも、時効が来てしまって、時効徒過の人たちを救える可能性というところを考える方が、私は労働者保護として適正なんじゃないかというふうに感じました。  その時効徒過の把握について伺っていきたいんですけれども、労政審の中で、時効によって申請ができなかった、時効徒過と言うそうですが、この不支給件数というのは少ないという説明がありました。それに対して、労働者側の委員から、時効が到来していると言われて請求自体を諦めてしまっているケースも多いでしょうから、時効徒過による不支給件数が少ないというのは、全容が見えないものなのではないかというような指摘がありまして、それはそうだなと。先ほどの労災隠しのこともそうですけれども、なかなかこういうのは全数把握ができない種類のものだと思います。ですから、件数が少ないといったら、母数を当然把握しなきゃいけないわけですけれども、このままだと不利益を過小評価していく危険性があるのかなというふうに感じています。  政府が把握されているのは、時効で救済されなかった人の数ではなくて、申請してきたけれども時効で認められなかった、つまり、相談に来た人、行政が見ることができた人の数なわけです。そういったことを踏まえて、政府は、時効徒過ということをまずもってどう捉えていらっしゃるのか、伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘のように、相談段階で請求そのものを諦めた場合には、私どもが審議会に出して御議論いただいたようなデータには載ってこないものでございます。私どもが行政として把握をしておりますのは、請求をいただいて、その請求が、時効の期間内に請求をいただいたのか、時効期間を過ぎてからいただいたのか、こういうデータでございます。ですので、御指摘のように、相談段階で諦めたようなケースを把握できているかといえば、これは数字としては把握できてございません。  一方で、同じような制約の中で、疾病や負傷の種類によっては、ほぼ一〇〇%時効期間内に収まっているものと、率としては九七%とか九五%なんですけれども、ほぼ一〇〇%であるほかの負傷や疾病と比べるとやや時効徒過の割合が高いものというのは確かにございまして、そういった点は一応、議論の参考として、データとして見ていただいたところでございます。  ただ、いずれにしましても、請求をいただいて時効徒過するケースだけではなくて、諦めるケースをいかに減らしていくことが重要かというのはおっしゃるとおりだと思います。制度を知らないことなどによって給付を受けられないということがないような周知は必要であると考えておりまして、その点については引き続き努力をしてまいりたいと思います。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。  時効によって救えなかった人を減らしていくことは大事だというふうに御答弁で言っていただきました。  今おっしゃった、確かに把握の仕方には限界があるとはいえ、つまりは行政が把握されている数というのは総数ではないというところであります。だから、時効延長の必要性が低いということとイコールにはならないのかなというのが、まず私が思っていることと、今おっしゃったように、時効によって救えなかった人を減らしていくということ、あと、今最後に重要なことをおっしゃったのが、疾病だけではなくて、制度を知らなくてというようなこともおっしゃいました。  私、そもそも、請求を五年に期限延長、全ての請求を延長するべきだということを訴えたいと思っておりまして、請求が遅れる理由が、決して疾病の医学的性質のものだけではなくて、先ほどおっしゃった労災保険制度の知識がなかったとか、自分が起こした病気だと思っていて、実際は労災の可能性があるのに主治医がその可能性を示唆してくれなかったとか、もっとひどいのは、当時、会社から労災申請を止められたとか、できるような雰囲気じゃなかったとか、退職して初めてできるようになったとか、そういったケースもあるわけです。ですから、本人の落ち度かというと、ちょっと酷なのかなと。制度へのアクセスの困難さによって遅れる請求というものもあるんじゃないかなというふうに思っています。  今回の議論を見ておりますと、時効を五年に延長する対象の疾病、対象疾病を、まずはという表現、まずはと書いていらっしゃるところにバッファーがあるのかなというふうに思っているんですけれども、私は、疾病の対象の種類、まずはと書いていらっしゃるということは今後拡大される余地があると感じ取っているわけですけれども、時効の延長の対象を、疾病だけではなくて、先ほどお伝えしたように、当時は申請ができなかった、ためらわれた、そういう人も対象に含めることこそ、それこそ労働者保護だと考えますが、その点に関していかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険制度における労災給付請求権の消滅時効でございますが、繰り返しで恐縮な部分もございますが、原則を二年としておりますのは、やはり業務起因性の判断におきまして、必要な実態確認をする上で、余り年月が経過をいたしますと、そのために必要な情報などが散逸をして適正な判断ができない、そういった懸念があることから、一定の年限として二年という線を設定しているところでございます。  これについて、疾病の性質から五年に延長する内容を今回盛り込ませていただいておりますが、仮に更にそれを広げまして、制度を知らなかったであるとか制度に関する適正な教示を受けなかったといったケース、これも、個々にはそういったケースをいかに減らしていけるかということは行政としては大事な課題だとは思うのですけれども、そこを五年延長の対象としていくということを考えますと、時効の期間が、御本人が知らなかったとかという個別の事情によって二年か五年かが左右されるということにもなり得るものでありまして、保険給付に係る権利関係としてはちょっと不安定な状況になるのではないか、また認定事務も一層複雑化をするのではないかという懸念があるように思うところでございます。  こうしたことから、消滅時効の延長に関しましては、疾病の性質、これはお医者様の判断によって特定をすることができますので、それによって政令で定めた対象に当たるかどうかを判断するという今回の案とさせていただいているところでございます。  一方で、制度を知らなかったとか教示を受けられなかったということをいかに減らしていけるかということは重要でありまして、行政としての周知、また、医療機関の皆様に御協力いただくような形での周知といったことについては、どんなことができるか検討してまいりたいと思います。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 制度を知らなかったというと、その人がすごく無知で悪かったみたいに聞こえてしまいますけれども、やはりそれは周知が足りなかったという見方もできますので、そういうふうに見ていただきたくないのと、やはりそもそも、二年である必要性というものが、先ほどおっしゃった政府側の理由もありましたけれども、一般的な時効消滅五年に合わせるということに対して私は違和感は感じませんし、事務が煩雑にとおっしゃいますけれども、煩雑になるほど申請したい人がいらっしゃるのであれば、それを救うのが労働法制だと思いますので、是非ともこの点も頭の中に入れておいていただきたいなというふうに感じます。  では次に、遺族補償年金の男女差是正と補償の在り方について伺ってまいります。  今回、夫だけに課されていました年齢要件を削除して、妻だけに認められていた額の特例を廃止する、そういう方向で、これは当然の、時代の流れもあり、当然だなというふうに思います。  この議論の中で、補償期間を有期にすることについても話し合われたと承知をしております。昨年、遺族厚生年金の見直しの方で、子供のいない配偶者の五年の有期給付といった方向性があったことにひもづいたものなのかなというふうに思いますけれども、事前に、党と厚労省のこの法案に対する勉強会のときに、労災保険と公的年金というのは、財源も制度趣旨も異なるため同一視することはできないだろう、なので、今回は補償の期間は切ることなく、ただ議論は今後も継続をしていきますというような、そういった説明を私どもは受けております。  私は、これは自分だったらどうかなとちょっと当てはめてみたんです。もし、私がまだもっと若くて、二十代とか三十代とかで、夫を労災で亡くしたと仮定をしてみました。残された長い人生の間、遺族補償年金が終身で振り込まれるわけですよね。もちろん、亡くしてしばらくの間は、生活も気持ちも混乱をしていますから、経済的な支援というのは本当にありがたいものだと思うんですけれども、まだすごく若いのであれば、どこかで自分の人生を立て直さなければならないわけです。  生涯、労災遺族として生きていくのではなくて、毎月毎月振り込まれるたびに会社への恨みの気持ちを思い出すのではなくて、どこかでその人の人生を生きてもらわなければ、そこまでやって初めて、補償金を支払ってお金を渡して終わりというのではなくて、立て直すための支援というものも行うべきなのではないかな、必要なのは経済支援だけではないんじゃないかなというふうに思いました。  例えば、就職とか職業訓練、キャリアアップ、心理的な支援とか、あるいは子育て支援とか、いろいろ考えられると思いますが、その人がもう一度人生を立て直すためのそういった支援まで含めて、初めて実質的な補償と言えるのではないかなというふうに考えました。  今後の議論で、多分、期限についてだけ話されるのかなと思うんですけれども、その議論は遺族がどう生活を立て直していくのかというのが本当の大台であるはずですから、是非、補償の在り方全体の、そういった他の支援への接続ということも議論の中に入れていただきたいなと思いますが、今後、どのような方向性で検討されるのか伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  遺族補償給付に関する終身か有期かという点と、それから総合的な支援と、御指摘をいただいたものと承知をいたします。  まず、この遺族補償年金の在り方として、現行法では終身であり、今回の改正でもそこは変えない案としてございますが、終身か有期かについては、審議会でも議論はあったところではございますが、被扶養利益の喪失の補填という観点を踏まえて、ここの終身ということについては維持をするというのが今回の案の考え方となっております。  また、この点については、一方で、遺族補償年金制度の趣旨、目的を踏まえ、生計維持要件、給付期間、支給要件の妥当性を含めて、これらの点について専門的な見地から引き続き議論を行う必要があるとされておりまして、引き続きの検討課題となっている論点でございます。  また、あわせまして、その際に、労災保険としては遺族補償年金という金銭給付を行う制度を持っているわけでございますが、より広く御指摘のような視点を含めて考えますと、雇用関係の支援ですとか福祉関係の支援といったものが御遺族にとっては金銭給付と同じように必要なものであるといったことは十分あろうかと思います。  こういった点については、この遺族補償年金の在り方をまた専門的な見地から引き続き議論を行うという際に、そういった様々な支援との連携の在り方としてどういったことが考えられるかについても検討してまいりたいと思います。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。  では最後に、農林水産業におけます強制適用について伺ってまいりたいと思います。  これは、他の産業と比較をして災害件数が多いわけですから、強制適用化というのは労働者保護の観点からは極めて正しいことだと思います。  私、今、家が千葉県の浦安市というところなんですが、自治体としては珍しく農地がゼロでして、八六%が埋立地という町でありますので、農地がございません。コンパクトで住みやすい町なんですけれども、子供を育てておりますので、土いじりをしないまま大きくなるのはどうなのかなと思いまして、東金市という同じ千葉県の中のところで、私は十年間、米を育てています。今偉そうに言いましたけれども、これはマッチング事業で、土をいじりたい浦安市民と休耕田を何とかしたい東金市が一緒にやっている事業なんですけれども。言って、十年通っていますから、農家の皆さんの日々のなりわいのようなものをちょっとかいま見ることもあるんです。  だからこそ、これ、適用するのは本当に混乱するだろうなと思いまして、先ほどの前者からも、労働者性をそもそもどう線引きするかというところもありました。本当は繁忙期だけ手伝いに来る人とか、家族が働いているけれども、家族が労働者だったり、ただのお手伝いだったりとか、いろいろな、先ほどの現物支給の話もありましたけれども、線引きが非常に難しいなと思ったので、先ほど答弁にもありましたけれども、これは本当に、どの場合が労働者として使用しているのかという判断できる指標を、個別とはおっしゃいましたけれども、なるべく類型化して具体的に出してさしあげないと難しいなということをまず一つ感じました。  伺いたいのは、保険料率についてなんですが、皆さんの納得感なんですけれども、労災保険は、保険料率は危険度に準じて設定がされているわけです。当然、事故率が高い職種ほど高くて、ちなみに、一番高いのは石炭鉱業とかそういった職種で、二番目が林業なんですよね。三番目が海面魚類養殖業、定置網漁業。だから、漁業の方が入るわけで、今回、強制適用になる、かつ保険料は極めて他産業に比べて高いということがまず根底にあります。  考えねばならないのは、農林水産業は、同じ産業区分の中でも、これは細分化されていませんから、実際の危険度に大きく差があります。私は、今回質疑をするに当たって、地元の漁協とか農協の方にお話を伺いました。漁業であれば、海に出る仕事もあれば、陸上の選別とか出荷作業が中心というような品目もあります。  私の選挙区、地元市川はノリの養殖が盛んで、先ほど申し上げたランキングで三位に当たるところなんですけれども、ちなみに市川のノリ、大変甘くておいしくて、江戸川の水と、淡水と海水が混ざって、甘みがあって非常においしいのでお勧めをしておきますが。ノリ漁師さんは、これまで保険なんて考えたこともなかったと。冬場にノリは作業しますから、手がかじかんでいかりを落としてしまって足をけがしたことがそういえばあったとか、そういう話はありましたけれども、普通に、危険をそんなに大きく感じることはこれまでなかったんだとおっしゃっていました。  農業の方ですと、トラクターとか大型機械を扱っていて転倒して重大な事故になるような人とか、斜面で作業をすることがあったりとか、果物で、常々木に登って作業をされる方みたいな危険を伴っているという方から、比較的管理された環境で行う、例えばハウス栽培とか、そういう方からは保険は必要なのかしらと思われてしまうわけです。  話を聞かせてくださった方々、皆さんとても理解のある人たちばかりで、やはり、ふだん自然と相対している方ですから、仲間が大きなけがをする可能性があるんだったらば、自分たちは正直、保険掛け損だなと思うけれども、それでも協力するよと皆さんおっしゃってはいたんですけれども、じゃ、不満が全くないかというと、そういうわけでもないかなというふうに感じました。仕事内容の実態に比べて保険料が高いとか、保険の掛け損じゃないか、そういう不満が全国の農林水産の方から心の中では出てくるというのが自然なのかなというふうにも思います。  ですから、危険度が高いから強制適用しますということだけではなくて、何でそういった料率なのか、同じ区分の中でリスク差がある場合どう考えるのか、もっと皆さんが納得ができる、もうちょっと言うと、労災保険の本来の制度趣旨みたいなものをしっかりと理解をしていただくような丁寧な説明が必要と考えますが、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  今般、農林水産業の小規模の個人経営について、暫定任意適用事業という枠組みから全面適用に移行するという内容を盛り込んでおりますが、一つの背景としまして、農業、林業、水産業、いずれにおきましても、必ずしも災害が少ない業種ではなく、むしろ建設業や製造業と比べても発生率は高い、こういったデータもございます。  その中で、御指摘としては、同じ農業の区分の中でも危険度が高いものとそうでないものとあるのではないかという御指摘だったかと思います。それは、どうしても同じ業種の中でそういった危険度の高低はある程度あることは事実でございます。  労災保険は、業種区分をいたしまして、その業種ごとの過去の災害発生状況を見まして、その給付と保険料が釣り合うような形で保険料率を設定し、それを三年ごとに見直していくという仕組みですので、業種のくくりで見れば、保険料とそれから給付額が大体釣り合うように設計をしてございますが、その中で、一つの業種区分の中で、より安全度が高い事業場とそうでない事業場では、確かに、保険料負担に関する受け止め方も違うということはあろうかと思います。  これにつきましては、作業態様や災害の種類の類似性のある業種グループに着目をして、当該グループの災害発生状況を見、また、費用負担の連帯性の下に労働災害防止活動を効果的に浸透させていくことができるような業界としてのまとまりがあるかどうか、また、保険技術上の観点から、保険集団の規模、事業場規模がどれぐらい確保できるのかといったことを総合的に勘案をいたしまして業種区分を分類をしているところでございまして、現在、農業については一区分、それから林業も一区分、漁業については三つの区分に分かれて、保険料率をそれぞれごとに設定するということになってございます。  これにつきましては、労災保険制度の今申し上げたような考え方、そして、それぞれの業種区分における災害の発生状況、また、災害が発生した場合に労災保険でない場合にはどのような負担が個々の経営体に発生することになるか、こういったことを含めて丁寧に御説明をし、理解を求めていく努力をしてまいりたいと思います。

岡野純子 国民民主党・無所属クラブ

○岡野委員 ありがとうございました。  おっしゃるとおり、細分化には限界があると思いますので、しっかりと説明をしていただいて、これは、今入っていない農林水産事業者、全て適用となったら全体総数の一割が増えることになるというふうに聞いております。すごい数だと思いますので、体制をしっかり強化されて、丁寧な説明を是非ともお願いいたします。  質問を終わります。ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、豊田真由子君。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  労災保険は、働く方と御家族の安心の源の一つでございます。昭和二十二年に制定をされて以降、様々な社会環境の変化に応じまして、対象者、内容、給付水準などを変えてきている。また、今般も、働き方の多様化などを踏まえて更に幅広いセーフティーネットとするための整備だというふうには理解をしておりますが、ただ、ちょっと周回遅れなんじゃないかなみたいなところもございまして、何点かお伺いをしたいと思います。  まず、遺族補償年金における支給要件の見直し、特に男女差についてお伺いをいたします。  昭和四十年に創設されました遺族補償年金でございますが、これが実は、当時の社会における男女の役割分担を反映しているんだと思いますけれども、支給要件について、妻の方には特段の制限がないんですが、夫の方には、高齢である、あるいは障害があるということが要件になっておりました。つまり、御夫婦の場合に、夫が亡くなった場合は、妻はそのまま遺族補償年金を受け取れるんですが、妻が亡くなった場合というのは、夫は高齢であったり障害がない場合には受け取れないという、極めて不均衡な、この令和の世において何でこんなことになっているんだろうという制度が現在まで存続をしておりました。  私、これはどう考えても数十年前に変えてもよかった話だろうと思いまして、これはジェンダーとかの問題ではなくて、あくまでも亡くなられたときの悲しみとか生活の保障とかいう意味において、そこに男女の差を設ける、今現在それが継続しているという意味も全く分からないところなんですが、どうしてここまで放置され続けたのかというところを、極めておかしいことだという前提では考えておるんですけれども、それを御説明いただきたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず、この支給要件の規定に関しまして、現在、違憲訴訟が係争中であるということは承知をしております。  地方公務員災害補償法の同様の規定につきましては、平成二十九年三月に最高裁で合憲判決が出されたところであります。  また、他方で、令和六年以降、有識者で構成される検討会や労政審において労災保険制度の見直しを議論いただいた結果、女性の労働参加の進展など近年の就業構造の変化や、あるいは昨年の年金制度改正法、これも踏まえまして、今回、夫にのみ課された要件を撤廃することに至ったものでございます。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 合憲か違憲かという話もそうなんですけれども、やはり、男女問わず、働きたい方が働く、もちろん家庭のことも大事にしつつということでございますが、そこに、非常に時代遅れであったということは否めないと思いますので、遅きに失するということはございませんので、これに限らずですけれども、何か時代にそぐわないということがあれば、適宜改正をしていっていただきたいというふうに思います。  次に、保険給付額への影響についてお伺いをいたします。  今回の夫婦差の解消でございますとか、あるいは若い妻や子供、父母などが一人で遺族となった場合には加算が行われるという見直しがございます。これにより給付の対象者と水準が拡大する、これは非常によいことだと思っております。  また一方で、令和六年度決算の労災給付の額は八千四十一億円と承知をしておりますが、今回の見直しによりまして給付額全体がどの程度増えるのか、そしてまた、労災保険の保険料率は全業種平均で〇・四四%でございますが、この保険料率にどういった影響があるのかについて教えていただきたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  今回の改正によりまして、遺族補償年金について、現行制度ですと受給できない方が受給できるようになったり、日数が増えたりいたしますので、支出としては増加要因となります。  この影響でございますが、給付額につきましては、一定の仮定を置いた試算でございますけれども、最大で見積もって年間約五十億円程度と見積もっております。今御指摘いただきましたとおり、労災保険給付の総額が八千四十一億円ですので、それに対する約五十億円ということでございます。  保険料への影響でございますが、この金額を基に計算をいたしますと、保険料率への影響は千分の〇・〇二、現行の労災保険の保険料率が平均で千分の四・四でございますので、それに対する〇・〇二ということで、実際に保険料率が四・五になるとかいうような影響が生じるような内容ではないというふうに考えております。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 影響が大きくないということもそうですけれども、やはり必要なところにきちんと必要な給付が行くということが私は大事だと思っておりますので、もちろん財政の問題もございますので、そういったシミュレーションをなさりながら、足らざるところにはきちんと手をつけていただきたいというふうに思います。  その関係でまた申しますと、給付水準についてですが、昭和二十二年の制定時には平均賃金の千日分の一時金でございましたが、昭和四十年から年金方式が導入され、現在に至っておりまして、これは遺族の人数によって決まっているんですけれども、遺族一人の場合の百五十三日分から、四人以上の二百四十五日分までというふうになっております。  ただ、昨今のいろいろな状況、特に物価高などが深刻な中で、遺族補償年金の給付水準につきまして、現在の水準で十分なのかというところは議論があると思いますけれども、これについての御見解を伺いたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  現行の遺族補償年金等の給付水準でございますが、残された遺族の方の人数に応じまして、労働者の被災時の直近三か月の平均賃金を基に算出される給付基礎日額の百五十三日分から二百四十五日分というふうに分かれて設定をしてございます。  ちなみに、この二百四十五日分という数字は、ILOの勧告に基づきまして設定されている、被災労働者が労働能力を完全に喪失した場合の給付率六七%という考え方を踏まえて、三百六十五日掛ける六七%という考え方で設けられているものでございます。  また、遺族補償年金の額の算定に用いる給付基礎日額につきましては、賃金水準の変動を反映させるスライド制度を設けております。  また、今回の見直しでは、遺族一人の場合の給付基礎日額を、現行の百五十三日、一定の加算がある場合に百七十五日となっておりますのを、一律に百七十五日に拡充することとしておりまして、こういった形で、被災労働者の遺族の保護に資してまいりたいというふうに考えております。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 どんな理由であれ、御家族を亡くされた方の悲しみ、その後の人生の苦難というのは本当に大きいものでございまして、これが労災であるということであれば、それはきちんと国が責任を持って手当てをしていただきたいというふうに思います。  次に、消滅時効についてお伺いをいたします。  今回は、疾病の性質上、災害補償の事由に該当するものかどうかを容易に判断することができない疾病、これについて、政令で定めるものの消滅時効を二年から五年に延長するということでございまして、例えば脳、心臓、また精神疾患、あるいは石綿関連疾病などが想定されていると伺っております。  これはいろいろな議論があると思いますが、本来、労働者の方の負傷や疾病の事実というのは時間がたてばたつほど立証が困難になるため、消滅時効の期間はできるだけ短い方がいい。早めに申請してくださいというお話はもちろんあると思いますが。また一方で、石綿の関連疾病のようなものは暴露から発症までに三十から四十年かかる場合も想定されるということでございますので、消滅時効期間を五年ではなくてもう少し長い期間としてもよいのではないかというふうにも思いますが、御見解を伺いたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  消滅時効期間の考え方でございますが、負傷のような場合には、事故の発生と療養がほぼ接近して行われますので、御指摘のような問題が起こらないものでございますが、石綿関連疾病のように、暴露から発症まで三十年から四十年かかるような場合もある、こういった疾病については、時効の起算をどこから起算させるかということは非常に問題となるところでございます。  現行制度におきましては、例えば療養補償給付におきましては、暴露時点ではなくて、療養の費用を支出した翌日が時効の起算点となるというふうにしておりますので、三十年前に例えば石綿に暴露するような作業に従事をされて、三十年たって症状が発症されて、お医者様にかかって療養を受けたという場合には、その三十年後に療養を受けたところが時効の起算点となるというふうな扱いをしているところでございます。  また、時間の経過とともに業務起因性の立証が困難となることを考えますと、一律に消滅時効期間を延ばすということよりは、今申し上げたような遅発性疾病の場合には、療養を受けたときから時効が起算するというような形で処理をすることが現実的な対処ではないかというふうに考えて、このようにしているところでございます。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 自分が何か病気になったときに、それが何の原因であるかというのは、これは非常に難しい、因果関係としては難しいところはあると思うんですけれども、それが医学的に、また客観的に労働災害であるということであれば、それは幅広く救うということが制度の趣旨であると思いますので、そういった運用の方面でもきちんと御配慮いただきたいというふうに思います。ありがとうございます。  次に、適用事業に関する暫定措置の廃止についてお伺いをいたしたいと思います。  今日は、広瀬農林政務官にもお越しいただいております。ありがとうございます。三問、関係でお伺いをいたしたいと思います。  今回は、小規模な個人経営の農林水産業の方を想定した上で、適用対象、暫定措置を廃止をすることによって、きちんと労災の適用を受けてくださいというふうにするということでございます。現在では約二十二万経営体の方がこれで適用対象となるというふうに伺っておりますが、この事業主の方々というのは基本的には小規模な個人経営でございますので、労働者と言われる方なのかどうか。あるいは、雇用契約を結ぶとか、労働時間管理とか、賃金とか、台帳の整備とか、そういった雇用管理に余り慣れていらっしゃらない場合が多いのではないか。また、我が国の農林水産業の実態に鑑みれば、御高齢の方が多いのではないかと思います。  ですので、こういった事業主の方に対して、労災保険に新しく今度加入してくださいということについて、そのお知らせとともに、その加入手続についてもきめ細やかなサポートが不可欠ではないかと思いますが、その具体的方途についてお伺いをいたします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  暫定任意適用事業を廃止をし、農林水産業の小規模の個人経営の経営体の皆様に全面適用に移行していただくということにつきましては、適用対象となる経営体の皆様の御理解を得ながら、丁寧に進めていくことが重要であると考えております。  現在、全国で労災保険の適用事業場になっているものが約二百九十七万に対して、今回の改正が仮に成立をさせていただきますと、約二十二万の個人経営体の皆様に新たに労災保険に加入していただくことになりますので、その分、より丁寧な進め方が重要であると考えております。  この点は、関係審議会の建議においても、業所管官庁や関係団体に対して行ったヒアリングの結果も踏まえ、制度の円滑な施行のため、零細な事業主の事務負担の軽減などの対応を農林水産省と連携しつつ検討することが適当であるとされたところでございます。  これを受けまして、農林水産省さんとも連携、相談をさせていただいて、事業主の皆様の事務負担の軽減については、まずは施行まで相当の準備期間を設けることとしまして、その間に、現行でも任意加入が可能でございますので、五年後に一気に適用ということではなくて、できるだけ順々に任意加入を広げていくといった取組を進めること、また、その際に、労働保険組合や社会保険労務士の活用を促すことなどを考えております。  また、労働保険事務組合の設立の働きかけ、既存の労働保険事務組合の受託の拡大、農林水産業をこれまでは余りカバーしておられなかったような事務組合にもそこに手を広げていただくとかいったことを通じまして体制整備を図っていきますとか、また、労働局、労働基準監督署に加えまして、労働保険事務組合などにおいても、小規模経営体からの相談を行う体制の構築などを進めたいと考えております。  こういった点について、農林水産省さん、さらには農業、林業、漁業の各関係団体の皆様と連携をさせていただきながら進めてまいりたいと考えております。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 小規模な事業体であっても、そこで深刻な事故などが発生しているという現状に鑑みて必要な措置だとは思いますけれども、まず負担が増える、それは金銭的な負担もそうですし、事務的な負担も増えるということに対しては配慮が必要だと思います。  その点で、誰が手伝うのかというときに、通常であれば、労災保険の加入は、厚労省の出先機関でございます都道府県の労働局ですとか、あるいは労働基準監督署の職員の方が担っているのでございますけれども、一方で、農林水産業の事業主の方とのおつき合いというのは、私も現場を見ても、余り、ほとんどなかったんじゃないかと思います。  一方で、地域の農協、漁協、あるいは森林組合などの皆様とは、これまでもきっと、事業主の方々は、様々な場面、生産物の出荷とか、資材の購入とか、預貯金などで、日頃から非常に深くおつき合いをされていると思っております。  ですので、労基署の職員の方よりも、こういった地域の農協、漁協、森林組合などの職員の方が主体となって労災保険の加入を促進した方が効率的かつ効果的ではないかと思っておりまして、これはやはり農林水産省の皆様の御協力がないとできないと思いますので、その辺りをどのようにお考えかというところを政務官にお伺いしたいと思います。

広瀬建 農林水産大臣政務官 自由民主党・無所属の会

○広瀬大臣政務官 お答えいたします。  人口減少が進行する中で、農林漁業の現場において必要な人材を確保していくためには、雇用、労働環境の改善を図ることが重要でありまして、JAなどの関係団体においても、労災保険への加入の重要性については御理解いただいているものと認識しております。  農林水産省では、令和七年度補正予算において、労災保険への加入を促進する観点から、制度の周知や現場のフォロー体制の整備を支援する事業を措置しておりまして、JAや農業会議等の関係団体がその取組主体となって、農作業安全の研修会における加入促進のための説明会の開催であったり、労働保険事務組合や社会保険労務士と連携した相談窓口の整備などに取り組んでいるところであります。  地域の関係団体が各都道府県労働局と協力しつつ丁寧な周知活動を行うことにより、新たな労災保険に加入いただく対象となる農林漁業者の円滑な加入を引き続き進めていきたいと思っています。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 私、ここではたと気がついたことがありまして、農協、漁協の方と今回の労災保険というのは実はライバルにある、民業圧迫にこれがなるんじゃないかと思いました。というのは、農林水産業の現場におきましては、現在も、全中のJA共済ですとか全漁連のJF共済などによりまして、事故による死亡や後遺障害などに対しての補償が行われております。  私、役人時代に、厚労省から金融庁に出向をして、保険業法の改正に携わったことがございまして、そのとき、少額短期保険業という、いわゆるペットとか家財とか、金額がそれほど大きくない生命保険、医療保険などを新たに創設をするという法改正をいたしました。  これは、オレンジ共済とか、ちまたにたくさん、無認可共済と言われる、本来保険なんだけれども何の法の規制もかかっていないというものがいっぱいあって、それが契約者保護に反するということで、それにがんと網をかけるという、結構ドラスチックな法改正でございました。  そのときに適用除外というのをたくさん設けまして、一つには、他の法律に規定があるもの、当然、政府が主体となっている今回の労災保険ですとか、公的な医療保険とか、年金とかも全部含みますし、また一方で、JAの共済ですとか、JF共済なども含みます。それは、趣旨としては、ちゃんとほかの法律で規制があって、主務官庁があるので、契約者保護には反しないというところで適用除外にしたんです。  そこでいいますと、政府が保険者なのか、職業団体とはいえ、民間団体が保険者なのかというところで、これが競合するのではないかと。特に、今回、労災保険の加入を義務化することで、農林水産業における既存の民間保険、こういったものと競合して、民業圧迫につながるのでないかというふうにちょっと心配をするんですけれども、これについての御見解を伺いたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 現在、暫定任意適用事業となっている小規模な農林水産業の事業について、やはり事業主による被災労働者等への補償が全うされるということが重要でありまして、労災保険の制度趣旨を踏まえまして、今回、被災労働者がひとしく補償を受けられる、そうした仕組みを導入をさせていただくこととなります。  御指摘のとおり、民間保険で一部、給付等に重なる部分があるとも承知をしておりますが、やはり、今申し上げました、本来の労災保険制度の制度趣旨を踏まえて、ここはやはりしっかりとした対応を政府としてもやらせていただくことが肝要だというふうに思っております。  その上で、一部の民間保険については、少し、今回の制度改正を踏まえて、制度の見直しを考慮されるというようなケースもあろうかというふうに考えております。そうしたことも考慮いたしまして、施行までの期間を五年というふうに設定をさせていただいておりますので、民間の事業者の皆様にも今回の制度趣旨等については十分御理解をいただけるようにお願いをしたいと考えています。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 是非うまくやっていただいて、それぞれの方がうまく共存共栄して、現場で働く方と御家族を守っていただくようになるといいなというふうに思っております。  ちょっとここで、済みません、小ばなしを一つ。理事会で御許可をいただきましたので。  今回の保険業法の改正について、私はこれは一切印税とか原稿料とかいただかないので、そういう宣伝じゃないんですけれども、当時、二〇〇六年ですね、この保険業法のQAというのを書きましたので、今のお話に御興味のある方はこれを是非お読みいただいて。  こっちは、昨年の七月に、改正から二十年後に出た、回顧録ではないんですが、前SBI損保の社長の五十嵐正明さんという方が当時の関係者にインタビューをしたとなっていまして。これは金融財政事情研究会というすごく真面目な出版社から出ているんですが、私、実は、この中で八割ぐらいは九年前の出来事についての詳細を語っておりまして、このおどろおどろしい政治の世界で日々国家国民のために働きたいと思っていらっしゃる先生方に、是非、何というか、リスクはすぐそこにありますよということもお伝えする意味で、今度お持ちしたいと思いますので。  私、決してこれは暴露本ではなくて、人を潰すのも人だけれども、人を救うのも人だと。私、正直、体重が三十五キロぐらいまで減って、もう死にかけていたんですけれども、そういう中で何を思い、何を反省し、そして何を、人の優しさを得て、どん底から、はい上がっていないけれども、またここに立って頑張ろうと思っているのかというところを書いておりますので、先生方、一緒に頑張りましょう。よろしくお願いします。ありがとうございます。  済みません、じゃ、次に参ります。  もう広瀬政務官、御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 御退室いただいて結構です。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 次に、偽装フリーランス問題について、ちょっとお伺いをしたいと思います。  令和二年の統計で、国内でフリーランスの方は四百六十二万人ということでございますので、現在はもっと多くの方がフリーランスとして御活躍をされていると思います。  やはり、自由度が高いとか言われますけれども、一方で、収入や状況が非常に不安定であったりとか、社会保険が薄いとか、様々な不安の中でお仕事をされていると思いますので、そういう中で、今回、本日の法改正の中ではフリーランスの方も任意で入れる特別加入制度というものがございますが、これは保険料は自己負担になりますけれども、業務上のけがや病気に備えることができますと。  こういったこともあるんですが、一方で、いわゆる偽装フリーランス問題というもの、御承知かとは思いますけれども、実際は雇用されている労働者と変わらない、発注事業者から労働時間とか就業場所とかそういったことを指定されて、雇用されている労働者と全く同じ働き方をしているにもかかわらず、社会保険の負担を避けたいといったことで、扱いをたがえられているという方がいらっしゃいます。  それはやはり、フリーランスあるいは労働者という労働形態を問わず、働く方を守るという趣旨からすれば大いに逸脱したことでございまして、こうしたフリーランスを偽装しているような労働者の方が保護されないということの実態について、また、そこをどういうふうに解決していくのかということについて、お伺いをしたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 契約の名称や内容にかかわらず、働き方の実態が労働者に該当する方が労働基準法等による保護を適切に受けられるようにする、このことが大切であります。  全国の労働基準監督署では、フリーランス等の方から、実態として労働者の働き方をしており、労働基準法等に違反した扱いを受けている、そういった申告がなされた場合には、丁寧に事実確認を行いまして、その結果、労働者に該当し、基準法等に違反すると認められた場合には、使用者に対して違法状態の是正を指導しているところです。  令和六年の十一月にフリーランス・事業者間取引適正化等法の施行が行われましたけれども、それに合わせまして全国の労働基準監督署に相談窓口を設置をしているところでありまして、こうした取組を通じまして、実態として労働者として働いていらっしゃる方々が労働基準法等の保護を受けられるように努めていきたいと考えています。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 安心して働けるということの一つは、そういったことについてずるをされないということだと思いますので、是非厳しい目を向けていただきたいというふうに思います。  最後に、労災保険の現場における業務効率化についてお伺いをいたします。  これは、これまたびっくりな感じで、実は、労基署の中の支給、不支給の決裁手続というのは現在も紙に印刷して行われているということでございまして、このデジタル化の時代に何でそのことになっているのかなと大きな疑問なんでございます。  それは、職員の方に過剰な負荷がかかっているということだけではなくて、それによって結局作業が遅れますので、支給、不支給の判断に至る時間が長くかかってしまうという意味におきまして、被災された労働者の方とか御家族の方への給付に時間がかかるという、働く方と家族を、安心を守るということにも非常にマイナスでございますので、早急にデジタルに対応していただきたいと思うんですけれども、何でこんなことになっているんですかねということと、現状に対する御認識、そして、今後の業務効率、電子化への取組についてお伺いをしたいと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  現状、各労働基準監督署において行う労災認定業務につきましては、紙や手作業をベースとした業務運営となっておりまして、事務の電子化を速やかに進める必要があるというふうに認識をしております。  まずは、過労死等事案など調査項目の多い事案を対象に、調査書類の作成支援、決裁の電子化等の機能を搭載したシステムの開発をいたしまして、来月から一部の労働局で試行実施を開始することを予定をしております。  引き続き、労災認定業務の電子化を進め、効率的かつ迅速な救済の実現につなげてまいりたいと考えております。

豊田真由子 参政党

○豊田委員 全国で働く地方公務員、また国家公務員の方も間違いなく守られるべき労働者でございますので、制度を担っている方、そして支給を受ける方、皆さんが最大限の効果を得られるように、また配慮もいただきたいと思います。  本日はありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、金澤結衣君。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 自由民主党、神奈川県第二十区選出の金澤結衣です。  本日、初めての委員会質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。野党の理事の皆様各位、関係の皆様各位に感謝申し上げます。  私はこれまで、頑張っている人が報われる社会へという思いで活動してまいりました。現場で汗を流し、地域、家族を支えながら挑戦を続けている方々がいる一方で、制度が追いつかず、努力しても報われない、不安を抱えながら働かざるを得ない現実もあります。前職では民間企業で働いておりましたが、どれだけ立派な制度や仕組みでも、現場で使わなければ意味がないということを学びました。  制度は、困ったときに支えるだけではなく、頑張る人の挑戦や継続を後押しする存在であるべきだと考えています。数字だけでは見えない一人一人の声に耳を傾けながら、よりよい制度にしていくことが政治の役割だと考えています。本日も、地域でお伺いした現場の声を基に質問をさせていただきます。よろしくお願いします。  初めに、労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止に関連して質問します。  今回の改正で、これまでの労災保険の任意適用とされてきた農林水産業の一部についても強制適用の対象となります。これにより、農林水産業に従事される全ての労働者の方々も労災保険の保護の対象となり、他産業と比較しても事故の発生率が高い皆様の労働環境改善に資すると見込まれます。また、農林水産業を若い世代にとっても魅力ある産業としていくためにも、安心して働く環境が整備されることは重要だと考えています。  一方で、私の地元では、必要性は分かるが、手続や事務負担に対応できるだろうかという不安の声も伺いました。農業は自然相手です。収穫時期は待ってくれません。担い手不足も深刻です。  例えば、事業主として農業に従事されている農家の皆さんは、労働者ではないため、特別加入制度を利用して労災保険に加入することになります。ほとんどの農家さんにとって、その窓口は農協です。労働保険事務組合を設立している農協は、事業主の特別加入に加えて、従業員の労災保険加入についても委任を受けて手続を行っています。農繁期の数日の間、数名だけ従業員を雇用するということも多く、現状でも手いっぱいだという声がありました。  ましてや、労働保険事務組合を設立していない農協においては、ゼロから準備をすることになります。制度が整うことで逆に現場が疲弊してしまっては、本来の目的から離れてしまいます。必要だからやってくださいではなく、一緒にできる方法を考えましょうという伴走型の支援が必要だと考えています。このような現場からの不安の声に対して寄り添ってこそ、使える制度として根づいていくと思います。  制度を使う側の視点でどこまで負担を軽減できるか、農協や労働保険事務組合への支援、手続の簡素化、周知方法も含め、現場に寄り添った伴走支援を五年間の準備期間でどのように進めていくおつもりか、お考えを伺います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  これまで、現行、労災保険の適用が任意とされております農林水産業の小規模な個人経営の事業につきましては、今後、法案が成立をさせていただきましたならば、適切な労務管理を含めた制度を周知し、労災保険の円滑加入に向けて丁寧に対応していくことが重要であるというふうに考えております。  御指摘の事業主の事務負担の軽減につきましては、まずは施行まで相当の準備期間を設けまして、対象事業主が施行前に任意加入いただくことも含め段階的に対応できるようにすること、必要に応じ労働保険事務組合や社会保険労務士の活用を促すことなどを考えておりまして、具体的には、労働保険事務組合の設立や既存の労働保険事務組合の受託拡大など任意加入の推進体制の整備、労働局や労働基準監督署に加え、労働保険事務組合や社会保険労務士等においても小規模経営体からの相談対応を行う体制の構築などの取組につきまして、農林水産省さん、また農業、林業、漁業の各関係団体の皆様のお力もおかりしながら、丁寧に進めてまいりたいと考えております。  なお、労災保険制度でございますが、他の社会・労働保険制度と一点違うところといたしまして、従業員を採用したり辞めたりする際に、その都度、取得や喪失の手続というものが必要ございません。年間に支払った賃金総額に対して保険料を掛けるということで、一人一人の従業員の採用や退職までは手続上必要ないというところの点では、一定、簡便性に配慮されている面もございます。  こういった点も丁寧に御説明をしながら、労災保険制度の今回の見直しについて御理解を得ていけるよう、努力をしてまいりたいと考えております。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 ありがとうございます。  制度が現場で根づき、安心につながるものとなるよう、現場の皆様が困らない丁寧な支援をお願いしたいと思います。  続いて、農林水産業における熱中症による事故発生への労災適用についてお伺いします。  近年の暑さは、もはや気をつけましょうだけでは守り切れない段階に来ています。政府資料、農業における労働災害の状況では、令和六年の要因別の死亡事故発生状況について、総数二百八十七名のうち熱中症による死亡事故は五十九名と、要因別で最も高い発生となっています。  農業にかかわらず、近年の猛暑や熱中症による労働災害の増加を受け、厚生労働省は労働安全衛生規則を改正し、令和七年六月一日から、労働者を雇用する全ての事業者に対して、労働者への熱中症対策を努力義務から法的義務へと変更しました。  このように、労働者に対する熱中症対策は進んでおり、今般の法改正により農林水産業に従事する労働者の皆さんも労災保険の保護の対象となるわけですが、ここで改めて課題となるのが、特別加入制度を利用して労災保険に加入される事業主の皆さんについてです。  私の地元では、昔とは暑さが違う、命の危険を感じながら働いているという声も伺いました。食を支える農業、地域を支える屋外労働、その現場に立つ皆様の努力によって私たちの暮らしは成り立っています。だからこそ、熱中症を自己責任で終わらせてはいけないと思います。事業主にとって、暑いから今日は休むという単純な話ではございません。農繁期だから、納期があるから、人手が足りないから、そうした責任感から無理を重ねてしまう方も少なくないと思います。頑張っている方が命を削ることで支え続ける社会ではなく、安心して働ける社会、環境をどうつくるか。  特別加入者に対する熱中症による業務災害について、労災認定をどのように行っているのか、お考えをお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  昨年も、例年にないと言われる暑さの日々が続きました。熱中症による被害は非常に深刻なものとなっているというふうに認識をしております。  令和四年から六年にかけては、これは農林水産業ではなくて全産業でですけれども、熱中症の労災で亡くなる方が三十人を超えるといった時期が続いたところでございます。  こういった状況を受けまして、昨年六月に、御指摘がありましたとおり、熱中症の重篤化防止のための措置として、労働安全衛生規則という法令を改正をいたしまして、熱中症の早期発見のための事業場内での体制整備ですとか、熱中症の症状を発見した場合の作業からの離脱や身体冷却などの手順を定めて、これを分かるように掲示をしていくことといったことを求める改正を行いました。  令和七年、これも大変暑い年でございまして、熱中症による疾病も含めた発生件数は過去最高を記録を残念ながらしたところでございますが、亡くなった方については約四割の減少といった効果も見られたところでございます。  農林水産業も屋外の産業でございますので、こういった取組をしっかり周知をしていくことがまずは予防対策、特に被害の重篤化防止対策として重要であると考えております。  また、御指摘のとおり、特別加入をなさった個人事業主の方が熱中症になってしまわれた場合には労災認定を行っておりますが、この労災認定におきましては、特別加入者の方についても特別加入申請書に業務内容、作業内容を記載していただいておりますので、それを基に、発症当日の作業環境、作業内容、身体の状況などを確認の上、暑熱な場所による業務によって発症したのかどうかを判断をいたしまして、業務災害として認められる場合には迅速に補償を行うというふうにしているところでございます。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 ありがとうございます。  外気温が高温だからといって、農繁期に休むことはできません。制度を整備して終わりではなく、現場で実際に命を守れる仕組みになっているか、今後も時代の変化に合わせて見直しをお願いしたいと思います。  次に、特別加入団体の要件の法定化等について質問します。  今回の法改正は、労災保険の特別加入団体について、現在は通達等で定めている労災保険に関わる業務や業務災害の防止に関わる活動を適切に実施すること等の要件を、法令に規定するとあります。しかしながら、現場を支える社労士の皆様から、その意図や方向性を知りたいという声がありました。  一部の不適切な事例への対応を強化したいのか、それとも、特別加入団体全体に対し、より大きな役割を求めていくおつもりなのか。政府として、特別加入団体に対し、どのような役割を求めていくおつもりなのか。法令に規定するとある要件等について、本改正の意図や目的を御説明いただければと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  特別加入団体は、労災保険の特別加入に係る労働保険事務の処理や特別加入者の業務災害の防止という重要な役割を担っていただいている団体でございます。  特別加入は、フリーランス取引適正化法が施行されまして、特定フリーランス事業者も特別加入の対象になったことなどを受けまして、今後更に特別加入が広がっていくものと考えておりまして、そういった基盤を成すものとして、この特別加入団体制度というのは今後ますます重要になっていくものだというふうに考えているところでございます。  一方で、現在は、特別加入団体の要件ですとか実施すべき業務の多くが通達で定められておりまして、法令に根拠がない形となっております。また、何か問題が起こったときの業務改善命令のような仕組みも法令に根拠がないので設けられていないということでございまして、今般、特別加入団体につきまして、業務災害防止活動などの要件に適合するものが承認を受けることができるなどということを労災保険法に明記いたしますとともに、要件に適合しなくなった場合に業務改善命令を行う、あるいは保険関係を消滅させることができるといった制度を設けることを盛り込んでいるところでございます。  こうしたことによりまして、特別加入団体の適格性を確保し、体制や事務処理能力をより一層よく担保することによりまして、特別加入される方の保護を一層担っていただきたいというふうに考えているところでございます。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 ありがとうございます。  業務改善命令や命令に違反した場合の当該団体についての保険関係消滅を可能とするなど、強い措置も含む法改正ですので、法改正後の周知徹底が重要だと考えています。  一方で、制度の信頼性を高めることと現場の柔軟性や使いやすさを損なわないこと、その両立も大切です。制度を厳格にすること自体が目的ではなく、安心して加入でき、適切に運用される環境を整えることが本来の目的であると考えます。  次に、フリーランスの方々の労災保険についてお伺いします。  今、働き方は大きく変わっています。会社に所属するだけではなく、自分の技術や経験を生かし、挑戦する働き方を選ぶ若い世代も増えています。一方で、自由な働き方の裏側で、万が一のときに十分守られない方がいてはならないとも思います。  令和六年十一月に、先ほどもありましたが、いわゆるフリーランス新法が施行されたことにより、特定フリーランス事業を担う方々も、特別加入制度を利用することで労災保険に加入することができるようになりました。  私自身、前職がマーケティングでしたので、周囲にも、若い世代、クリエーター、個人で事業をされる方々とお話しする機会が多数ございます。自由だから自己責任、個人事業主だから守られなくても仕方ないという時代ではなくなってきていると感じています。安心して挑戦できる環境を整えることは、成長戦略でもあり、社会保障政策でもあると思います。制度は、挑戦を妨げるものではなく、挑戦を支える存在であるべきです。フリーランスやギグワーカー、クリエーターなどとして働く方々の実態把握、制度周知、加入促進は極めて重要だと考えます。  そんな中、フリーランスとして働かれている方の働き方も様々であり、中には一般消費者に対してサービスなどを提供するような、いわゆるBトゥーCのフリーランスの方もおられると思います。そういった方に対する特別加入制度による保護も必要だと思いますが、お考えを御説明いただければと思います。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  令和六年十一月から、フリーランス取引適正化法の施行に合わせまして、労災保険制度におきましても、特定フリーランス事業としましてフリーランスが企業等から業務委託を受けて行う事業、又はそれと同種の事業についてフリーランスが消費者から委託を受けて行う事業につきまして、労災保険の特別加入を可能とする措置を講じたところでございます。  一方で、御指摘のBトゥーCにいわば特化をしたフリーランスの方につきましては、現行の特定フリーランス事業には該当しないということになっております。  この点につきましては、関係の審議会からも、労働基準法が適用されておらず、かつ、現在、労災保険法の特別加入対象でもない事業について、特別加入の対象を拡大し、労災保険法を適用することについて随時検討することが適当であるという御指摘をいただいておりまして、こういった御指摘も踏まえまして、今後、特別加入の対象範囲の拡大についても検討してまいりたいと考えております。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 ありがとうございます。  拡大ということで、ありがとうございます。私の周囲にはクリエーターも多く、そもそもこの制度を知らないということも多く、不安を抱えている方もいらっしゃいます。働き方の多様化や就業構造の変化を踏まえて、時代に合った運用をお願いしたいと思います。  最後に、副大臣にお伺いをしたいと思います。  今回の法改正は、単なる制度改正ではなく、働くことと挑戦すること、社会としてどう支えていくかという問いでもあると感じています。質疑を通じて、制度の必要性と同時に、現場に寄り添った周知や支援の重要性も感じました。働き方が多様化し、環境も変化する時代だからこそ、一人一人が安心して働き続けられる社会をつくる必要があります。そして、頑張っている人が報われ、挑戦する人を支え、努力が未来につながる社会を実現していくことが大切だと考えています。  その実現に向けて、長坂副大臣のお考えと決意をお聞かせください。

長坂康正 厚生労働副大臣 自由民主党・無所属の会

○長坂副大臣 金澤委員にお答え申し上げます。  就業構造の変化や働き方の多様化が進む中で、労働災害に対する幅広いセーフティーネットを整備し、誰もが安心して働き続ける環境を整備することは重要であります。  こうした観点から、今回の法案におきましては、農林水産業の分野で雇用の形で働く方のセーフティーネットを強化する労災保険の適用事業に関する暫定措置の廃止や、フリーランスなどの形態で働く方が労災保険に特別加入する場合の受皿となる特別加入団体の要件の法定化など、改正を盛り込んでおり、丁寧な制度周知や行政機関、関係団体による支援体制の整備等を通じまして、円滑な施行に取り組んでまいりたいと考えております。

金澤結衣 自由民主党・無所属の会

○金澤委員 ありがとうございます。  幅広いセーフティーネットがあることで、現場で汗を流し、そして地域を支え、家族を支えながら挑戦を続けている方々が、誰もが安心して不安を抱えないで働いていく、そのような環境があることが重要だと思っております。  今回の質問をするに当たっても、農協の皆様、また農業の皆様、社労士で働く皆様、フリーランスの皆様、多くの方々からお声を伺っておりました。また、農業の皆様に関しましては、今回自分たちが労災適用になることに関しては、思ったよりも前向きなお声をいただきました。働く環境が変わる中で、皆様、このように守られる制度があることを非常にありがたく思っております。これからも地元の皆様に寄り添った制度、支援を推し進めてまいりたいと思います。  時間が来ましたので、終了させていただきます。ありがとうございます。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、藤田誠君。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 委員長、ありがとうございます。自由民主党の藤田誠でございます。  本日は、私にとりまして初めての委員会質疑でございます。機会をいただいて本当にありがとうございます。委員長、理事そして委員の皆様、そして大臣、副大臣始め政府参考人の皆様、そして何より、この場に押し上げていただきました支援者の皆様、改めて感謝申し上げます。  私はこれまで、民間企業の経営者として会社を立ち上げ、上場会社を経営し、多くの働く方々、また大企業から中小企業、そして地方自治体の現場で向き合ってまいりました。やはり制度は、つくるだけではなく、現場で理解され、使われ、そして必要な人に届く、そしてそれが初めて意味を持つというふうに認識しております。  今回の労災保険法等改正案は、働き方の多様化や就業構造の変化を踏まえ、労働災害に対するセーフティーネットを広げるものと受け止めております。  そこで、まず、労災保険給付請求権等の消滅時効期間の見直しについて伺います。  今回の改正案では、疾病の性質上、労災に該当するかどうかを容易に判断できない疾病として政令で定めるものについて、療養補償給付等の請求権の消滅時効期間を現行の二年から五年に延長することとされております。  労災というと、工場や建設現場での事故のように、発生した日時や場所が明確なものを想像しがちですが、実際には、発症してから業務との関係に気づくまで時間がかかる疾病がございます。時効を五年に延ばしても、そもそも本人がこれまで労災かもしれないと気づかなければ請求にはつながりません。また、気づいたとしても、どこに相談をすればよいのか分からない、会社に申し出ることをためらう、過去の勤務実態や健康状況を示す資料をどう集めていいのやら分からないという課題があると認識しております。  特に、疾病型の労災の場合、発症時点や業務上の原因との間には時間的な隔たりがあることも多く、本人だけでは業務との因果関係を整理することは容易ではありません。また、精神障害や過労による健康障害の場合には、長時間労働、業務上の心的負荷、ハラスメント、配置転換、さらには職場環境の変化など、複数の事情を丁寧に確認する必要があります。この点では、本人の申請努力だけではなく、労基署による相談対応、医療機関からの適切な情報提供、事業主による勤務記録や業務実態に関連する資料の保存、提出が重要になります。  つまり、今回の時効延長を実効あるものにするためには、単に請求できる期間を長くするだけではなく、労災の可能性に気づき、相談につながり、必要な資料を集め、適切に請求できるというところまで制度として支えていく必要があると考えます。  そこで、お伺いします。  今回の時効期間の見直しを実効あるものにするため、厚生労働省として、労災の可能性に気づきにくい疾病について、被災労働者や遺族が早期に相談につながるための周知、運用を強化していく予定がおありになるのか、お聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  今回の改正案におきましては、政令で定める一定の疾病について、労災給付請求権の消滅時効を二年から五年に延長する内容を盛り込んでございますが、御指摘のとおり、五年に延長することだけでなく、労災請求の可能性への気づきに始まる一連の過程がうまく回るようにすることが重要であるとの大変重要な御指摘であるというふうに考えております。  この観点から、私どもとしましても、労災申請に始まるプロセスがうまく回るように、いろいろな方策を講じてまいりたいと考えております。  一つは、やはり医療関係機関というのが気づきの一番最初の場面になりますので、医療関係者の皆様へのこの労災保険制度の改正の周知、協力依頼などを行ってまいりたいと考えております。  また、保険給付に係る請求書がございますが、その請求書の中でも、消滅時効に関する記載を分かりやすく盛り込み、請求期間を徒過しないような注意喚起を行うことですとか、あるいは、労災保険給付の中で、介護補償給付のように、その前に障害補償給付の支給決定がなされていることがその給付の要件であるというような給付がございますが、そういったものについては一連のものとして捉えまして、先行する障害補償給付の請求書と同時に介護補償給付の請求書もお配りするといったような形で、労災給付の請求の可能性に関する気づきをできるだけ失うことがないような配慮、どのようなことができるかについて、運用改善をしっかり考えてまいりたいというふうに考えているところでございます。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 ありがとうございます。  医療関係者への気づき、容易ではないと思いますけれども、是非推進していただければ幸いでございます。  併せて伺います。  疾病型の労災において、労働時間、業務内容、職場環境、心理的負荷などの立証に必要な資料を適切に確保できるよう、事業主の記録期間は五年に延長されるのでしょうか。また、医療機関との連携などについてもお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  使用者は、労働基準法等の関係法令に基づきまして、タイムカードや作業環境測定記録などの文書を三年間保存しなければならないこととされておりますが、今回、これを五年に延長することとはしておりません。  これは、現行でも、労災保険法における給付の中で、種類によっては消滅時効期間が五年のものがございますが、事由発生から四年目ないし五年目に保険給付の申請があった場合でも、労働基準監督署におきまして、残存している記録による当時の状況の判断、被災当時の関係者への聞き込みなどによりまして適正な認定、給付を行っているところでございまして、今般の消滅時効期間の見直しに伴って、必ずしも使用者の記録の保存期間の方まで延ばす必要はないというふうに考えたところでございます。  また、医療機関の診療録におきましては、現行医師法におきまして、五年の保存義務が定められているところでございます。  こういった点も踏まえまして、引き続き的確な労災の認定に取り組んでまいりたいと考えております。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 ありがとうございます。企業については三年のままということで、了解いたしました。  一方で、企業側からは、労災認定されると、会社にペナルティーがあるのではないか、保険料負担が増えるのではないかという懸念がございます。そこで、労働者が安心して申請ができ、企業も過度に萎縮しない制度運用について確認します。  まず、確認です。  労災認定は、被災労働者に保険給付を行うための行政判断であって、労災認定されたこと自体が直ちに安全衛生法令違反を意味するものではないという整理でよろしいでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合などに、労働者等の請求に基づいて給付を行うものでございますが、御指摘のとおり、労災認定がなされたということは、その災害が業務に起因するものであったと認定されたということにはなりますけれども、一方で、労働安全衛生法令は、労働災害防止を目的として、事業者に一定の安全確保措置、安全帯の着用ですとか、そういったものを求めるものでございまして、義務に違反した場合に労働安全衛生法令違反が成立するものでございます。  労災認定がなされたことをもって労働安全衛生法令違反となるのではなく、あくまで、労働安全衛生法令で定められた安全措置義務に反したかどうかでもって労働安全衛生法令違反は判断をされますので、両者は別物であるということでございます。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 労災認定が企業への制裁そのものではないということだと思いますけれども、企業にとっては、保険料、信用、取引、採用などに影響する可能性があります。一定の緊張感を持って受け止められていると認識しております。  企業側が特に気にしているのは、労災認定によって労災保険が上がるのではないかという点です。労災保険にはいわゆるメリット制というものがあり、事業場ごとの労災発生状況などに応じて労災保険率が上下すると承知しております。労災保険率は、最大でおおむね四〇%上がる、又は下がることがあるという理解でよろしいでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  労災保険制度では、事業主間の保険料負担の公平性確保、また事業主の労災防止努力の一層の促進を目的として、その事業場の労働災害の多寡に応じて労災保険率を増減させるメリット制がございます。  この増減の範囲でございますが、業種に適用される労災保険率から通勤災害等の非業務災害分を減じた率を、労災発生状況に応じてプラスマイナス最大で四〇%の範囲内で増減させる、こういう制度でございます。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 メリット制は、事業主の災害防止努力を促す仕組みとして一定の合理性があると思います。一方で、保険料が最大で四〇%程度上がり得るということについては、企業側に労災申請されては困るという心理が働きかねません。  今回の時効延長により、過去の疾病について労災請求がなされる可能性がございます。保険料負担への懸念が労働者の労災申請を抑制する方向に動いてしまっては本末転倒でございます。  ここで、お伺いします。  メリット制の存在により労働者の請求権が妨げられるような実態がないか確認すべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  メリット制につきましては、一定の災害防止効果、事業主の負担の公平性など、いわゆるメリット制の作用に当たるものの御指摘がある一方で、今御指摘いただいたような副作用に関する指摘もあるところでございます。  この点については、メリット制が、労災隠しあるいは労災保険給付を受給した労働者に対する報復行為や不利益取扱い、こういったことにつながっているのではないか、つながり得るのではないかといった懸念について、その実態を把握し、その結果に基づいて必要な検討を行うことが必要であると考えておりまして、こういったことについて今年度中に実態の調査を進めてまいりたいというふうに考えております。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 関連してお伺いします。  仮に会社が事業主証明を拒んだ場合でも、労働者は労基署に労災請求ができる、そして労基署が必要な調査を行う。一方で、企業側においても、事実関係や業務起因性について意見を述べる機会はある、ただし、それは労働者の労災請求を妨げるものではない。  つまり、企業側にも適切な意見提出の機会を確保しながら、労働者が安心して請求できる制度運用を行っているという認識でよろしいでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  本来的には、労働者が労災請求をする場合には事業主証明が必要でございますが、御指摘のとおり、事業主証明がない場合でも労災請求は可能としております。また、事業主にあっては、労災保険法施行規則に基づきまして、労働基準監督署長に意見を申し出ることができるとされております。  労働者等からの労災請求や事業主の意見申出を受け取った上で、労働基準監督署長が必要な調査を行い、労災請求に対して決定を行っているところでございまして、事業主による意見提出の機会の保障、それから労働者による労災請求、この両方を両立させるような運用を心がけているところでございます。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 次に、農林水産業小規模事業への労災保険の適用拡大についてお伺いします。  今回の改正案では、労災保険の適用事業に関する暫定措置を廃止し、これまで任意適用だった農林水産業の小規模な事業も労災保険の適用事業とするとされています。  御存じのとおり、農業、林業、漁業は、機械、刃物、重機、高所作業ですとか船舶、自然環境など、労働災害のリスクが非常に高い分野と承知しております。一方で、今後考えるべき点は、小規模事業者の負担と実効性でございます。特に、高齢者の事業者、家族経営、繁忙期のある農林水産業では、丁寧な移行支援が不可欠であると思います。  そこで、お伺いします。  施行までの準備期間が五年とのことですけれども、ここの進捗をどのように把握し、改善し、推進されていくのでしょうか。数値目標ですとかKPIなどがあれば、お聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  これまで労災保険の適用が任意とされてまいりました農林水産業の小規模な個人経営につきましては、適切な労務管理を含めた制度を周知し、労災保険に円滑に加入いただけるよう、丁寧な対応が必要であると考えております。  このため、施行まで相当の準備期間を設けまして、丁寧な制度周知を図りますとともに、対象事業主が現行でも可能な任意加入をできるだけしていただくような進め方をしてまいりたいというふうに考えております。  御指摘の数値目標、KPIでございますが、約二十二万あると推計をされます農林水産業の小規模な個人経営の経営体に対しまして、これが五年後に一斉に加入をするということになりますと非常に大変な混乱が生じかねませんので、できるだけこの五年間の間に現行制度で可能な任意加入を進めてまいりたい。具体的な目標としては、令和十一年度末までに約八割程度まで任意加入を進めて、準備期間の最後の一年を迎える、こういった形に持っていければ非常に望ましいというふうに考えて、それを目指してまいりたいと思っております。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 つまり、三年で八〇%というところで、五年間の中で三年で八〇%は攻めた目標設定なんだなというふうに認識しました。  よく、事業会社とかですと、目標設定とかがあると、最後の第四・四半期で売上げが伸びたりするので、エビ反ったりするなんといって、非常に確実性が低いんじゃないかなんと言われていますけれども、是非、攻めの任意加入を進めていただければと思います。  続きまして、特別加入団体の要件法定化についてお伺いします。  今回の改正案では、一人親方等が労働保険に特別加入する際の受皿となる団体について、要件を法定化し、業務を適切に実施できる団体であることを求める内容となっています。あわせて、業務改善命令や、命令違反時に保険関係を消滅させる仕組みも法律で設けるものとしておると承知しております。  世の中を見渡しますと、一人親方、個人事業主、フリーランス、ギグワーカーなど、雇用契約によらない働き方が広がっております。こうした方々は、形式上は事業者であっても、実態としては特定の発注者やプラットフォームに依存し、事故や疾病のリスクを個人で抱えている場合があることは、これまでの委員の質疑でも言及されたとおりでございます。特別加入制度は、こうした方々を守る重要な仕組みであると思います。したがいまして、この入口になる特別加入団体の運営を適正化し、加入者保護を強めることは必要です。  一方で、留意点もございます。団体の要件を厳格化することで、地域の小規模団体や職能団体が運営を続けにくくなり、最悪の場合、保険関係を消滅させることにつながり、結果として加入の受皿が減ってしまう可能性があると認識しております。保険を強めるための制度改正が、かえって加入しにくい制度になっては本末転倒でございます。  そこでお伺いします。  特別加入団体の要件法定化について、団体運営の適正化と是正措置をどのように進めていくのか。特に、小規模な団体や地域の職能団体にとっての過度な事務負担により、団体の保険関係の消滅に伴い加入者が宙に浮くような場合を想定され、対応策などを考えていらっしゃるのかどうか、お聞かせください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  本法案では、特別加入団体が法令に規定する承認要件に該当しない場合や、特別加入団体の業務運営に関する改善命令に違反した場合は、保険関係の消滅が制度上可能になる、こういう内容を盛り込んでいるところでございます。  この制度に基づきまして、特別加入団体が何らかの法令違反などを行っている、こういったことを把握した場合には、関係書類の提出、立入調査などによりまして事実確認の上、改善指導、改善命令などを実施することによりまして、法令に規定する要件の遵守を徹底してまいりたいと考えております。  一方で、御指摘のとおり、特別加入団体は、特別加入者の方々にとっての大変重要な受皿でございまして、特別加入団体に対する措置によって特別加入者の方の加入状況が宙に浮くといったことは、決してそれを目的とするものではございません。制度上は、最後の手段として保険関係の消滅ということも盛り込ませていただいておりますが、それをそうならないように改善していただくということが重要であると考えております。  最悪の場合に保険関係消滅まで至らざるを得ないようなケースにつきましては、特別加入者の方が可能な限り不利益を被らないよう、同種の事業、作業に係る特別加入団体に対する移行を勧奨するなどの運用によりまして、保険関係消滅に至る前の段階の指導、そして保険関係消滅に至らざるを得ない場合の措置、両面でもって特別加入者の方々の利益に反さないような運用を心がけてまいりたいと考えております。

藤田誠 自由民主党・無所属の会

○藤田(誠)委員 雇用によらない働き方をする方々への広がりを推進していただければ幸いでございます。  以上で質問を終わります。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、伊東信久君。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。  早速質問に移らさせていただきます。  労災保険の遺族補償年金なんですけれども、これは被災労働者の御遺族の生活を守るためにも重要な役割を担っていると思います。このことは認識しています。  この遺族補償年金について、夫のみに課せられた要件である、労働者たる妻の死亡時に五十五歳であること等の要件、これを撤廃することは、近年の女性の労働参加の進展を踏まえれば、当然の見直しだと思います。  また、遺族が一人の場合の年金額を一律で給付基礎日額の百七十五日分とする見直し内容についても、現行制度で百五十三日の年金額を支給している遺族について給付水準の加算となることから、これも妥当な内容だと思います。  このことを踏まえて、二点ほど確認したいことがございまして、一つは、遺族年金等の現在受給者であって、現在の給付基礎日額の百五十三日分の年金額で受給しているものの、改正後、これはどういう取扱いになるのかということ。また、この現行制度自体、違憲判決というのが出ていないんですけれども、出ていないという以上、夫のみに課せられた要件の撤廃、これを遡及して適用させることは困難やと思うんですけれども、一方で、改正後の施行前に労働者たる奥さん、妻が死亡した五十五歳未満、この夫にも改正後の要件を適用して遺族補償年金等を支給する、そういった考え方もあるのではないかと思うんですけれども、この見解を政府にお伺いいたします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  二点御指摘をいただいたと思います。  まず一点目でございますが、現行制度において遺族補償年金の対象となっていらっしゃって、現行制度に基づいて百五十三日の支給を受けていらっしゃる、この方について、改正法では百七十五日に引き上げる改正を盛り込んでおりますが、この適用関係がどうなのかという点が一点目かと理解をいたしました。  この点につきましては、遺族補償年金の今回の改正は、給付基礎日額の百七十五日分に一律に引き上げる内容でございますが、これは遺族補償年金を現行制度においても受給することができるという要件に合致をしていらっしゃる方でございますので、この方に対する年金の額の決め方につきましては、この改正法が施行された後の支給、具体的には四月、五月分を六月に支給し、六月、七月分を八月に支給するというような形で二か月ごとに支給をしておりますけれども、この改正法、今回の案のとおりであれば令和九年四月一日でございますが、令和九年四月、五月分の給付を支給する六月の支給からこの百七十五日に引き上げる形で支給されるというような適用関係を想定をしております。  二点目の御指摘でございますが、理解が不適切であれば恐縮でございますが、現行の制度においては遺族補償年金の受給対象にならない夫で五十五歳未満であるような方について、改正法ではその方も支給対象に新たになるわけでありますけれども、現行法の時代に遺族補償年金の御遺族、働く妻の方を亡くされたけれども、五十五歳未満であった、したがって遺族補償年金の対象にならなかった方については、お話の中でもございましたが、事由発生当時の制度に基づいて適正に要件を適用して、支給対象となるか否かを決定し、夫の場合、五十五歳以上であれば対象、あるいは障害があれば対象、そうでなければ対象でないということで決定したものでございますので、改正された制度を遡って支給対象を決定し直すといったことは、社会保障制度の支給要件の改正に当たってはいたしておらないところでございまして、これは過去の遺族補償年金の改正などにおいても同様の取扱いとしているところでございます。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 時間を遡ってというのはなかなか難しいことだと思いますし、遡及するというのも制度上ちょっと難しいということなので、その辺りは受給される皆さんに徹底的に周知していただければと思います。  同じようなところで若干確認したいというか、しっかりと、混乱している方もちょっとおられるんじゃないかなと思うところを質問したいんですけれども、この遺族補償年金については、遺族の方が亡くなるまで支給されるものということですね。今回も、改正で給付期間について見直しは行わないということですよね。  じゃ、一方で、昨年の年金制度改正により、遺族厚生年金、これは有期給付化されています。被災労働者の御遺族の生活を守るために、御遺族の生涯にわたって年金を給付することは、それは当然合理性はあると思います。  それぞれの制度の目的が違うことは承知していまして、いろいろ理由があると思うんですけれども、ここで確認なんですけれども、遺族厚生年金は有期給付化された一方で、今回の遺族補償年金は有期給付化されない、この制度の違いというか理由を、様々理由はあると思いますけれども、確認のために教えてください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  遺族厚生年金の方につきましては、女性の就業率の上昇等を踏まえ、制度上の男女差を段階的に解消し、男女問わず受給しやすい制度とする趣旨から、令和七年の年金制度改正法におきまして、十八歳未満を養育する間にない二十代から五十代の配偶者について、様々な配慮措置を講じつつ、原則五年間の有期給付とされたところでございます。  一方、労災保険の遺族補償年金につきましては、労働者の業務上の死亡によってもたらされる被扶養利益の喪失の補填という制度趣旨があることを踏まえまして、死亡した労働者に扶養されていた遺族に対しては、その被扶養利益の喪失状態が継続する限りは補償すべきであるという考えがあること、また、労災保険の場合、労災保険から給付がなされることによって、労働災害が起きた企業の災害補償責任がその分代替をされるという関係が法律上ございますが、仮に、その遺族補償年金、労災の方を有期給付化いたしました場合、使用者に対して、従来の終身給付から有期給付に変わったことによっていわば減る分が生じた分が、使用者に対する民事訴訟として惹起をされるというような可能性もございます。  また、被災労働者からすれば、裁判を起こさないとその分の請求ができないということになることになりますと、労災保険制度の趣旨からいってどうなのかというような議論もございまして、遺族補償年金、労災保険の方につきましては現行の長期給付を維持するという結論となったところでございます。  ただし、今後の在り方として、遺族補償年金の在り方については、生計維持要件や給付期間、支給要件の妥当性なども含めて、専門的な見地から引き続き議論を行う必要があるというふうにされたところでございます。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 ベースとして、いわゆる労災で企業の責任というところと、厚生年金というところの制度の違いということですよね。その辺は確認させていただきました。  ここでまた労災のことなんですけれども、労災に該当するかどうか、特に、今回の消滅時効期間を見直す対象である疾病で、脳、心臓、血管障害、精神疾患、度々この委員会でも話が出ます石綿関連の疾病、この場合、原因を、つまり因果関係を、業務によるものか、それとも業務以外の生活によるものなのかというような判断、これはなかなか、時間はかかると思うし、難しいと思います。  これは、労働者の方本人と、私も医師ではありますけれども、医師でもなかなか、明確に、クリアにどっちかということも、判断はそう簡単ではないと考えます。そういう観点からすると、今回の対象疾患の消滅時効期間を二年から五年にということは、それだけしっかりと検討しなさいよというメッセージだと思うんですけれども、他方で、事業主さん、そっちの方に保存義務がある賃金台帳、これは三年間の保存期間ということで、ちょっとギャップがあるように思われます。  両者の期間についてずれが生じているということなんですけれども、消滅時効の期間の見直しと併せて、事業主側の賃金台帳の記録の保存期間も五年にした方が何かと有効であり便利であって、事業主自体にとっても益があるのではないかと思うんですけれども、この記録の保存期間を五年とする見直しは含まれているか、含まれていないのであればその理由もお教えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  使用者は、労働基準法に基づき、賃金台帳や災害補償に関する重要な書類を三年間保存しなければならないというふうにされておりますが、今回の法案におきましては、この保存期間に関する見直しは含まれておりません。  これは、理由といたしまして、現行でも、労災保険による給付の中で、種類によっては消滅時効期間が五年となっているものがございますが、このような給付でもって、事由発生から四年目ないし五年目に保険給付の申請がありました場合には、労働基準監督署において、残存記録による状況判断ですとか被災当時の関係者への聞き込みなどにより認定給付を行っているところでございまして、今般の消滅時効期間の見直しに伴い、必ずしも使用者の記録の保存期間を延ばすまでの必要はないというふうに考えたところでございます。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 そういった関連のことも分かりました。  それで、加えて、ちょっとテクニカルになりますけれども、この対象疾病のうち、例えば石綿関連とかでも、途中からというか、肺疾患や悪性腫瘍など異なる病態がその期間中発生し得りますし、精神疾患でも、最初うつ病と診断されても、違う病気にまた診断されることも、これはあり得ることですし、実際、現場でもそういったことは見ています。  じゃ、この消滅時効というのは、一度窓口において請求すれば消滅時効というのは停止するものと理解しているんですけれども、それは異なる病態が発生し得る疾病についても同様の理解でよいのか、別の病態が発生し得る石綿関連疾病や精神病疾患について労災保険給付請求権の時効がどのようになるか、これも教えてください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  業務上疾病の中には、御指摘のとおり、石綿関連疾病、精神疾患等々におきまして、当初の業務上疾病が発生をし、その経過又は進行によって新たな疾病を発病するといったケースがございます。  この場合の扱いですが、当初の業務上疾病とその後新たに発病した疾病について医学的な関連性が認められる場合には、新たな疾病は当初の業務上疾病と一体のものとして扱うこととしておりまして、したがいまして、当初の業務上疾病について請求が行われていれば、その後発生した新たな疾病について更に請求をし直すという必要はないというふうな扱いとしておりますので、当初の疾病に対する請求が行われていればそれで足りるということでございます。  一方、当初の業務上疾病と新たに発生した疾病が医学的には関連性が認められない、いわば独立の別々の疾病であるという場合には、その新たな疾病に関しては、それは独立したものとして別途請求をしていただく必要がございまして、それに関して、療養給付であれば、療養を受けた日から時効が起算されるということになるものでございます。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 産業医も含めて、医師の最初の診断が非常に重要なものであるというお答えだと思います。  法案が多岐にわたりますので、ちょっと内容を変えまして。  今回の改正で労働保険審査官及び労働保険審査会が審査請求の対応をすることになるんですけれども、被災労働者の保護に資する必要があると考えています。当該機関による審査によって当初の不支給決定が覆るものがどれくらいあって、そして、それは司法による訴訟によって決定が覆るものと比べて割合が妥当なものになっているか、それもお答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  令和二年度から六年度までの労災保険給付に関する決定に係る審査請求事案は、約千九百件存在してございます。この時期の審査請求の決定、再審査請求の裁決、それから行政訴訟、これは裁判ですけれども、行政訴訟の判決において、当初の給付決定を取り消したものは約二百三十件、一二%という割合となっておりますが、二百三十件のうち二百十件は、労働保険審査官による審査請求又は労働保険審査会による再審査請求というような、行政の不服申立ての手続の中で決定を改めたものでございまして、そういう意味では、この労働保険審査会という現行の仕組みが、当初の給付決定に対して審査を行って、本来給付すべきものを見つけ出しているというような機能は一定果たしているのではないかと思います。  率として比較いたしました場合には、労災給付に関する決定に係る行政訴訟は、まず行政の審査請求の決定を経てから提起することとなっているものですから、単純に覆った率同士を比較することにはちょっとなじまない数字でございますので、ちょっと件数での比較とさせていただきましたが、今申し上げたような状況で、判断が覆ったもののうち、大半は行政の審査請求手続の中で判断を改めているというものでございます。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 次の質問の中で率と件数の方とかも御質問しようと思ったんですけれども、お答えいただいたので、それは飛ばさせていただいて、長坂副大臣に、最後、あと五分ですので、質問させていただきたいんです。  今回の改正で、労災保険の適用が任意とされてきた小規模農林水産業が労災保険の適用対象事業となるんですけれども、労働者の保護の観点から、これらの事業に労災保険が適用されるのは重要と考える一方で、やはり事業主の方々にもしっかりと労災の必要性やその手続などを理解してもらう必要があると考えます。  ただ、実際に小規模農業の事業主さんから、やはり自分の事業に労災保険が適用になることについて非常に不安を抱えている方も、そういった話も聞きます。まず、特例も含めて、今回新たに労災保険の適用対象になる事業主の方々にどのように理解を求めるのか。さっき特例と言いましたけれども、特例も含めて、何かしらの配慮の、救済の検討はされていないのか、厚生労働副大臣にお答え願います。

長坂康正 厚生労働副大臣 自由民主党・無所属の会

○長坂副大臣 伊東委員の御指摘のとおり、暫定任意適用事業の廃止に当たりましては、適用対象となる農林水産業の小規模な個人経営の方々の御理解を得ながら、丁寧に進めていくことが重要だと考えております。  この点につきましては、労働政策審議会の建議においても、業所管省庁や関係団体に対して行ったヒアリングの結果も踏まえ、制度の円滑な施行のため、零細な事業主の事務負担の軽減等の対応を農林水産省と連携しつつ検討することが適当であるとされております。  事業主の事務負担の軽減につきましては、施行まで相当の準備期間を設けることで、対象事業主が施行前に任意加入いただくことも含め段階的に対応できるようにするとともに、必要に応じ労働保険事務組合や社会保険労務士の活用を促すことなどを考えております。  具体的には、労働保険事務組合の設立や既存の労働保険事務組合の受託拡大などの任意加入を推進するための体制整備、都道府県労働局や労働基準監督署に加え、労働保険事務組合や社会保険労務士等においても小規模経営体からの相談対応を行う体制の構築などの取組を考えており、農林水産省と連携しながら進めてまいりたいと考えております。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 特別加入団体に対する業務改善命令や当該命令に違反した場合は保険関係を消滅させることが可能となるんですけれども、業務改善命令や保険関係を消滅させることについては、やはり特別加入者を保護するためには丁寧に行っていただきたいんですけれども、最後、厚生労働副大臣である長坂副大臣にこの見解をお伺いして、終わります。

長坂康正 厚生労働副大臣 自由民主党・無所属の会

○長坂副大臣 お答え申し上げます。  特別加入団体に対する業務改善命令や保険関係を消滅させることにつきましては、特別加入者が労災保険のセーフティーネットから抜け落ちることがないよう、留意して運用する必要がございます。  このため、まずは、特別加入団体の運営が適切に行われるよう、行政指導を行うことが重要だと考えております。それでもなお保険関係を消滅させる必要がある場合は、その地位を失う特別加入者が可能な限り不利益を被らないよう、原則として、保険関係の消滅は保険年度末期である三月末頃まで期間を確保するとともに、他に同種の事業、作業に関する特別加入団体が存在している場合は、特別加入者に対して、その特別加入団体への移行を勧奨するなどの運用を行うことを考えております。

伊東信久 日本維新の会

○伊東(信)委員 それでは、適切に、丁寧にお願いいたします。  ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。早稲田ゆき君。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 中道の早稲田ゆきでございます。  それでは、上野大臣、そしてまた内閣府今枝副大臣にもお越しをいただきました。そして、人事院、総務省にもお越しをいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  法案に入る前に、重大な課題、法でございますので、個人情報保護法における同意規制の在り方ということについて、前回に引き続き議論をさせていただきたいと思います。  本日の東京新聞、私も先ほど読みましたが、「病歴や犯罪歴 本人の同意なく提供可能に AI開発後押し 個人情報保護法 不安置き去り 危ない改正案 漏えいしても…救済策乏しく 「団体訴訟制度」見送り 泣き寝入りの恐れ」と、かなり大きな記事が出ております。そうしたことも踏まえて、順次議論させていただきたいと思います。  五月二十七日の当委員会の方では、本件に関するガイドライン等の作成においても、厚労省の懸念を具体的に払拭できるよう主体的に関わって対応していきたいと上野大臣が御答弁をされました。この厚労省の不安というのは、資料にございますが、二の資料です。  これは先般も出しましたけれども、まず第一の懸念点について、四つの黒ポツがありますが、その下二つ。特定の個人との対応関係が排斥された統計等情報等の作成や利用を担保するための措置、それから次は、本人同意なく第三者提供を可能とするための手続の詳細が明らかではなく、本特例の導入の妥当性については十分検討できないとあります。  これは令和七年三月五日のものでありまして、このことについて、では、どのように厚労省として懸念が払拭されたのか、伺います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 昨年三月に、その段階での当省の懸念点につきまして、個情委宛てに作成をした文書でございます。  その中で、今御指摘のありました、済みません……(早稲田委員「三番目と四番目」と呼ぶ)はい。統計情報等の作成の範囲の話ではないですよね。済みません。  本人同意なく第三者提供を可能とするための手続の詳細に関しての御指摘かと思いますが、本特例は、統計情報等の作成にのみ使用されていること等、利用されることが担保されていること等を条件として第三者提供が可能とされており、担保するための具体的な手続については、書面による提供元、提供先間の合意、また一定の事項の公表が挙げられていると承知をしておりますので、こうしたことによりまして、一定程度、懸念点については払拭をされているものと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 今私が聞いたのは、三点目と四点目なんですね。そうしますと、ちょっと違うので整理をしていただきたいんですが、もう一度読み上げます。「「特定の個人との対応関係が排斥された統計等情報等の作成や利用」を担保するための措置」、それから「本人同意なく第三者提供を可能とするための手続きの詳細」、これについてどうですかとお伺いさせていただきました。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 失礼いたしました。  三点目の、特定の個人との対応関係が排斥された統計等情報の作成や利用を担保するための措置でございますが、この点に関しましては、個人の権利利益を害することのないように、規則やガイドライン等において今後詳細を詰めていくものと認識をしています。  また、本人同意なく第三者提供を可能とするための手続の詳細でございますが、先ほど、書面による提供元、提供先間の合意、一定の事項の公表が挙げられていると承知をしていると申し上げましたけれども、これにつきましても更に詳細が必要かと考えておりますので、ガイドライン等での議論ということになろうかと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 そうしますと、現時点ではこの懸念は払拭されていない、これからやっていくということでよろしいですね。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 先般申し上げましたけれども、その方向性については、具体的な方法について、懸念が払拭される方法が明らかになったと考えているところであります。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 方向性といいましても、そこの規則も何もない中で、白紙委任に近い状態であるということは論をまちません。  そして、いろいろございますけれども、特別委員会で参考人として出席された森亮二弁護士は、特定の属性とネガティブな結果を結びつける推論が多数生成される可能性があると、具体的な悪影響も説明をされております。  こういう全ての懸念点を払拭するための規則というのがこれからやられるわけで、何も今の時点では、一年以上前ですけれども、その懸念点は払拭されていないということを、残念ですけれども、確認をさせていただきました。  その上で、個情委は厚労省と連携しながら分野別の、医療分野のガイドラインを作成するとしておりますが、副大臣に伺います。独立機関である委員会が、厚生労働省の主体的な関わりを保証できるでしょうか。

今枝宗一郎 デジタル副大臣・内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○今枝副大臣 委員御認識のとおり、個人情報保護委員会は強い独立性を持っておりまして、私から個人情報保護委員会が行う政策判断について影響を与えるようなお答え、例えば、個人情報保護委員会の政策判断の内容を保証する答弁を行うことは適切ではないところでございます。  ただ、その上で御質問にお答えを申し上げますと、一般的にではございますが、分野別のガイドライン等を検討する際には、その分野の特性等を踏まえるものとする必要がございまして、所管省庁、医療であれば当然厚労省ということになってまいりますけれども、そこと調整がなされるものと認識をしております。  医療分野は特に、取り扱う個人情報の性質や利用方法などから、個人情報の適切な取扱いの厳格な実施が確保される必要がある分野でございます。このため、個人情報保護委員会において、各医療機関等における積極的な取組が求められるとの問題意識を踏まえて、厚生労働省等の関係府省と連携をし、別途、医療分野独自の事情を踏まえた追加的なガイドライン等の作成をしてきた経緯もございまして、これまでも、個人情報保護をめぐる諸状況を踏まえて、厚生労働省と緊密に連携をしてガイドライン等の改定を行ってきていると承知をしております。  今回の法改正においても、一般法である個人情報保護法を見直すものでございますので、医療分野に影響を与えるものでありますというふうに考えております。仮に、本法案をお認めいただいた場合においては、これを踏まえたガイドライン等の改正等を行う場合には、個人情報保護委員会と厚生労働省の両者が緊密に連携をしながら検討が進められていくものと承知をしております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 緊密な連携ということで、一歩踏み込んで連携に緊密を入れていただいたということであろうかと思いますが、ただし、ガイドラインは共管ですよね、厚労省と個情委の。そこをしっかりと言っていただかないと。共管ですから、一緒に考えて了とできないものは作れない、ガイドライン、そういうことでよろしいでしょうか。  それから、規則について、規則は共管なのかどうか。多分違うと思うんですけれども。その上で、法に上乗せするような規則をきちんと定めていく、特に医療の場合、機微の情報ですから、そういうことも可能かどうか、副大臣に伺います。

今枝宗一郎 デジタル副大臣・内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○今枝副大臣 委員の御指摘、そのとおりであります。  その上で、規則についても、今後しっかりと検討をしてまいりたいというふうに思っております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 上乗せについてお願いします。

今枝宗一郎 デジタル副大臣・内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○今枝副大臣 その辺に関しましても、詳細についてきちんと書いていくということで考えております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 いや、しっかり御答弁いただきたい。上乗せも含めて検討できるということでよろしいですか。  それから、規則に関しても共管ですか。どうでしょうか。

今枝宗一郎 デジタル副大臣・内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○今枝副大臣 規則については共管ではございません。  その上で、先ほど、上乗せについても、書いていくということはしっかりとやっていきたいというふうに承知をしております。  以上です。失礼いたしました。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 整理いたしますが、ガイドラインは共管、規則は共管じゃないんですね。その上でも、法律に上乗せできる詳細なものを検討することはできるという御答弁だったと思います。それで間違いないということで確認をいたしました。これは重要な答弁でございます。  法律について、更に規則で上乗せするということができるわけですから、医師であられる副大臣もよくお分かりのことと思います。これ以上の機微な情報はございません。それを名前入り、住所入りで、しかも本人同意なく出すわけですから、大変これはセンシティブな話だと思っておりますし、まだ懸念は払拭できません。是非、規則でしっかり、そしてまた、これは最後のとりでは厚労省でございますので、上野大臣、どうぞよろしく、共管でやっていただきたい、ガイドラインですね。また事あるごとに詰めてまいりたいと思いますけれども、しっかり、規則ができるまでこれはやっていきたいと思います。  さらに、次の三の資料を御覧ください。  これにつきましては、先般もお話をいたしましたが、日本医師会からの懸念、これは内閣府の検討会なんですけれども、そこでの議事録を引っ張ってまいりました。第一回のものです、医療情報等の利活用の推進に関する検討会。日本版EHDS、これを制度としてどういうふうにしていくかという議論の中だと思います。  その中で、日本医師会の長島理事の方からは、ここに黄色マーカーしたようにあります。統計作成等に関して、本人の同意が不要という考え方は、このままであると、今まで丁寧に進めてきた本人の同意を要件としてきた現場感覚としては極めて大きな乖離があって、ここのところはよほど丁寧に進めないと、むしろ最大のブレーキになると。つまりは、使えなくなりますよということの懸念を示されているんだと思います。そのとおりだと思います。  そしてまた、黒田構成員、こちらは京都大学の教授でございまして、医学部、そして附属医療DX教育研究センター長でもあられます。つまりは、医療DXを進める、そういう最先端にいらっしゃるこの黒田教授がおっしゃっていることは私は重いのではないかと思います。  これにつきまして、下の方を御覧ください。個人情報委員会の御提示された案というのは最悪の案であると私は考えます。最悪。例外をたくさん並べて、その例外のどれかに当てはまるからいいだろうみたいな議論をすると、何が起こるかというと、目の前におられる患者さんからは、どうしてそんな扱い方をあなたはしたのだとクレームをたくさんもらうのです。それを続けていってしまうと、結果として使える世界がどんどん減ってきてしまいますと。  これも日本医師会がおっしゃっているのと同じ、最大のブレーキになってしまいますよということを、個人情報の保護、それから国民の信頼、安心をないがしろにするとそういうことが起きるということの警鐘を鳴らしていらっしゃる、まさにお二人の見解だと思います。  このことについて、上野大臣、そしてまた内閣府今枝副大臣の御見解、伺います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 御指摘の検討会におきまして、長島理事また黒田教授から、今御紹介のあった御指摘があったと承知をしております。  これは、統計作成等の本人同意不要という考え方が、従来の本人同意を要件としてきた現場感覚と大きな乖離があり、丁寧に検討を進めるべき、扱われる医療情報の患者本人にとって、その情報が適切に扱われるということを明確に示すことが重要、そういった御意見だと承知をしておりまして、各委員のこれまでの御見識や御経験に基づいた御意見だというふうに考えております。  こうした御懸念も踏まえまして、今般の法案による統計特例については、患者、国民の皆さんの理解を得るとともに、医師等の医療関係者の皆さんが安心して利用できるように、統計作成等のみに利用されるということを担保することが大切だと考えています。  ガイドラインのお話がありました。この策定に当たりましては、やはり、日本医師会も含めまして関係団体の御意見も踏まえながら丁寧に対応し、その内容がきちんと国民や医療関係者の皆様にもしっかり伝わるように、十分な周知広報も行っていきたいと考えています。

今枝宗一郎 デジタル副大臣・内閣府副大臣 自由民主党・無所属の会

○今枝副大臣 長島構成員また黒田構成員からは、医療情報の二次利用を推進するには国民や医療現場における信頼が重要であるという視点をいただきまして、当時検討中であった個人情報保護法の見直しの項目の一つである統計作成特例の考え方について、御懸念を示されたものと認識をしております。今回の法案につきましては、それらを認識した上で作成されたものと承知をしております。  また、黒田構成員からは、併せて、EUのEHDSにつきまして評価をする御発言があったものと認識をしております。内閣府の検討会におきましては、当該制度の内容等も参考にしつつ、医療分野に特化した利活用に向けた制度検討について進められているところと認識をしております。  いずれにせよ、データ利活用を、医療分野を含む幅広い主体における信頼の下、進めることは非常に重要であると認識をしております。本法案を国会でお認めいただいた場合は、個人情報保護委員会において、今回の法案が個人の権利利益の適切な保護を図られた制度になっていることについて、丁寧に事業者や個人に対して説明、周知をしていくとともに、この検討会の議論とも整合的な内容になるよう、ガイドライン等の規定が検討されるものと承知をしております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 今、副大臣から、EHDSの議論ともそごがないように、整合性が取れるものということでありますから、当然、今、厚労省でやっていらっしゃる次世代医療基盤法、これからも逸脱をしないということだろうと私は理解をいたします。  統計作成等の目的ではありますけれども、それは、一瞬にして生データが統計データに変わるわけではありませんから、そこにたくさんの人が関わり、そしてそのときに、漏えいのリスクというのは人が関われば関わるほど、当然ですけれども、漏えいのリスクは高まります。そうしたことを含めて私たちはこの懸念点を申し上げているし、そうしたことも十分分かった上でこの黒田先生も日本医師会もおっしゃっていることだということは、今枝副大臣が一番お分かりではないかと思います、医師でいらっしゃいますから。  その上で、私が伺いたいのは、今おっしゃった日本版EHDSのところにもそごが出ないようにということでありますので、しっかりとそこは規則で、ガイドラインで示していただきたいということを重ねて申し上げます。  それから、四番ですけれども、EUにおけるGDPRにおける要配慮個人情報、医療情報の取扱いについて、例外があるんだということを度々、委員会等々ではおっしゃってこられました。でも、そのことについて調査、これは厚生労働省の方にしていただいておりますけれども、これについて調査結果はどうであったのか、例外はどんなものであったのか、御答弁をお願いします。

森真弘 厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官

○森政府参考人 EUのGDPRでございますが、医療情報等を含む特別な種類の個人データの取扱いを禁止した上で、例外的に、一定の場合にはこの禁止規定が適用されないものという規定になっていると承知しております。  この例外の中に、統計目的のために個人データの取扱いが必要となる場合というのが含まれておりまして、データを取り扱うに当たって従うべき保護措置として、最小化の原則を尊重することとされております。その手段の一つとして、仮名化も含まれているものというふうに整理されております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 必要な場合には仮名化というふうに私は事前レクで伺ったんですけれども、そういう理解でしょうか。じゃ、必要なければ生データで、名前入りでよろしいというふうに理解をされていますか。その実例はありますか。

森真弘 厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官

○森政府参考人 仮名ですよね。GDPRの八十九条においては、仮名化を含むことができる、メイという使い方をしていますので、基本的には、一定の場合にはできるというふうに考えております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 ちょっと議論がかみ合わないんですけれども。  仮名化できるから、仮名化しなくてもいいというふうに事前レクでは伺いましたが、その実例はないのではないかと思います。今の時点で実例をお持ちでしょうか。例えば、医療情報については実名でやっても例外規定になるということでお認めをしているのかどうか。

森真弘 厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官

○森政府参考人 基本的にですが、顕名という場合のケースについて申し上げますと、顕名による提供は個別事案ごとに判断されるものというふうに認識しておりますが、そうした事例は基本的にはないというふうに認識しております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 事例はないということなんですね。  そうしますと、この法が通りまして成立をすれば、日本初、世界初の、統計作成と、それからAI開発目的のためには、こういう顕名の情報が、同意なく、そしてまた第三者、企業に、外国企業にも、それからまた個人事業主にも提供できるというものになります。しかもまた、それを分かった人がやめてほしいということ、オプトアウトということもできない。大変ここはまだまだ懸念が残りますし、本当にこれでいいのかどうかということは、引き続き議論させていただきたいと思います。  上野大臣、是非この東京新聞もお読みください。  それでは、法案に移ります。  副大臣、ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 退室いただいて結構でございます。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 それで、まず、労災支給決定情報の事業主への提供について伺います。  これは、本改正、今回の法改正と同時に、運用の見直しとして、労災保険が給付されたか否かという情報、それからメリット制、先ほど来もずっと議論がありますけれども、労災の発生状況によって保険料が上がったり下がったりという、このメリット制によって保険料率が上がった事業主へ、なぜ保険料が上がったかという根拠情報を事業主に提供されることが提起をされています。  非常に、労政審議会でも労働者代表から、不当な圧力や請求の萎縮を招き、個人情報保護の観点からも問題があるといった強い反対意見が出ていたように、事業主への情報提供、これはすべきではないのではないかと考えますが、いかがでしょう。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 労政審の建議においては、事業主に早期の災害防止努力を促す等の観点から、労災保険給付の支給決定等の事実を、事業主に、一定の場合、情報提供することが適当であるとされたところであります。その上で、建議では、メリット制が、労災隠しや労災保険給付を受給した労働者等に対する事業主による報復行為あるいは不利益取扱い、そうしたことにつながるのではないかという懸念について、その実態を把握をすることとされております。  今後、その実態把握の結果などに基づきまして、事業主に対して、支給決定等に関する情報提供の在り方について必要な検討は行わせていただきたいと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 それでは、不当な圧力は、請求の萎縮を招かない措置が不可欠であると考えます。どのような措置を講ずることを考えていらっしゃいますか。  それからまた、実態把握と今おっしゃいました。そうした不利益扱いにつながらないようなことはもちろんなんですけれども、その実態を把握するとありますけれども、仮にこのメリット制の弊害が明らかになった場合、そういうことを助長しかねない事業主への支給決定情報やメリット制の保険料率算定基礎情報の提供は、廃止も含めて見直すことも検討すべきではないかと考えますが、いかがですか。  二点、お願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 メリット制が労災隠しや事業主による報復行為や不利益取扱いにつながるという懸念については、今し方申し上げましたように、実態把握を行って、その結果に基づいて、情報提供の在り方を含め、必要な検討を行っていきます。  その際には、支給決定に関する情報やメリット基礎情報の提供の在り方、こうしたことも含めまして検討を行っていく考えです。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 廃止も含めたということを伺いました。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 実態把握の結果によっては様々なことが考えられると思いますが、現段階ではまだ、具体的にどこまでということは申し上げる状況ではないと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 しっかり実態把握をしていただきたいと思います。その方法などもいろいろあろうかと思いますけれども、なかなか労働者がそこのところをつまびらかに言えない状況もありますから、やっていただきたいと思います。  それから、特別加入団体における労働災害防止措置の、いろいろ格差があるという点についてお話しいたします。  先ほど来、不適正な事例もこの団体においてあるのではないかという議論もされておりました。そうしたことももちろんたくさんあるのかと思いますけれども、今回は、そうした特別加入団体に対して、労災保険に係る業務、業務災害防止に関わる活動を適切に実施することを法律上明記をする内容となっておりまして、これは大変重要なことだと私も評価をさせていただきます。  しかし一方で、労働保険部会におけるヒアリングを見ますと、災害防止措置の実施内容や継続的な支援体制というのは非常に団体間で大きな差があると。実際、積極的にやっているところとそうでないところと、余りにも違い過ぎるのではないかという話があります。その中で、例えば、研修、安全教育、健康相談、心理相談、事故情報の共有、それからストレスチェックの周知など、継続的に積極的に実施している団体がある一方で、こうしたものが十分に行われていないというような団体もあると承知をしています。  そうしたときに、労働保険部会百二十九回では、フリーランス安心ネット労災保険から、特別加入団体は、事務手続だけでなく、当事者の事故実態や就業実態を踏まえた災害防止措置や継続的な支援が必須という発言もございました。  こうしたことにもよりますが、特にフリーランス分野で小規模団体が多く、労働災害防止活動を継続的に行うための負担というのはかなり重いものがあると思います。そうしたときに、法的責務だけを課していく、強化していくということになりますと、実質的に、業務災害防止活動に積極的に取り組んでいる団体ほど負担が重くなる一方で、形式的に取り組んでいるところとは差が見えにくくなるということもあります。  そのために、単に法的な義務化をするだけでなく、各団体の取組状況を評価して、優良事例の横展開、一定のインセンティブ付与などを通じて、厚労省として積極的に、多様化する働き手の中の業務災害防止を後押ししていくべきではないかと考えます。例えば、優良な災害防止活動を行う団体についてモデル事業として公表することや、研修支援、相談体制の整備支援なども行うことも考えられると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 特別加入制度は、労働者でない方のうち、業務の実態や災害の発生状況から見て、労働者に準じて保護することがふさわしいとみなされる方に、一定の要件の下に労災保険に特別に任意加入することを認めている制度であります。  団体が政府の承認を受けた場合には、特別加入団体を事業主とみなして労災保険の保険関係が成立をすることになりますので、なかなか、財政支援を行うということについては、一般の事業主との均衡も考慮すると慎重な検討が必要かと考えております。  ただ、先ほど委員からも御指摘がありましたとおり、特別加入団体につきましては、本当に様々な点でこれからも活躍をしていただかなければならないというふうに考えておりまして、委員から御紹介のありました優良事例の横展開であったり、あるいは様々な支援、研修の充実であったり、様々な方策が考えられると思いますので、そうしたことについてもしっかり取り組んでいきたいと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 なかなか厳しいというお話がありましたけれども、やはり、今回、法律上の責務を強化するのであれば、労働保険事務組合には報奨金制度なども存在をしております、こうしたことも特別加入団体には全くないので、そうした、見合った財政支援も必要でないかと私は考えます。  そして、特に会費の設定も高くはできないわけなんですね、非常に生活の苦しい方もいらっしゃいますから。その中でどんどん上げていくということにはならないので、是非、一定数の加入者を安定的に抱え、継続的に労働災害防止活動や相談支援を実施している団体については、公的な役割を果たしていると思いますから、その上で、事務組合に準じた報奨金制度、補助制度を創設して、業務災害防止活動、相談体制を、厚労省として、国としてもしっかりと後押しをしていく、支援をしていくということも重要なのではないかと思います。  そうしたときに、また重ねて伺いますが、安全教育、健康相談、事故防止活動など、実際の災害防止実績に応じた支援制度も検討すべきではないでしょうか。  二問続けてお答えいただきたいと思います。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 一点目は、財政支援の話につきましては、先ほど少しお話もさせていただきましたけれども、事業主としての立ち位置がございますので、実際の事業主の皆さんとの均衡上なかなか難しいのではないかと考えております。  ただ、その上で、今委員からお話のありましたとおり、安全教育や健康相談、事故防止活動など様々な活動で、特別加入団体の方につきましてはこれからも重要な役割を担っていただくことになろうかというふうに思っておりますので、今般の改正を契機として、そうした分野をしっかり応援ができるように、例えば、先ほど優良事例の横展開の話なども申し上げましたけれども、様々な施策を通じて環境整備には取り組ませていただきたいと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 なかなか厳しいお答えですけれども、それではなかなか進まないと私は思っています。  そして、不適切な事例ばかりが公表されると、やり手がいなくなるのではないかと思うわけです。そして、その中でもしっかりと真面目にやっている、積極的に、労働災害を起こさないために、労働者という位置づけではないけれども、フリーランスの方や一人親方、そうした方たちをしっかり労働法制で守っていくという立場でやっていらっしゃるわけですから、やはり報奨金制度とか、事務組合に準じたことも考えられますから、絶対に。ですので、是非そうした検討も今後していただきたいということを強く要望させていただきます。  それから、特別加入労災保険は任意加入制度でありますけれども、そして、制度上、保険料負担者は加入者本人ですね、これがまた大変なんですけれども、しかし、現実に今、建設業では、安全経費として保険料相当額を工事費に上乗せする取扱いが進められております。それからまた、芸能分野でも、文化庁の文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインでは、発注者と保険料負担について協議すること、これが示されております。こうしたことはやはり知られていないので、是非周知もしていただきたいし、加入者が相談をしたらしっかりと発注者が協議に応じる、この義務を示していただけるとありがたいという要望も出ております。  さらに、公益委員であります大阪大学の水島郁子委員からも、建設業で見られるように、発注者が自主的に委託費用に保険料相当分を上乗せされることは望ましい、また、協議義務には共感するという発言もございました。こうしたことをしっかりと踏まえて、保険料負担についても、自己責任論だけでなく、発注者側にも一定の責任を求める方向性は十分に検討に値するのではないかと思います。  さらに、少なくとも、それが一足飛びにはできなくても、発注者が保険料負担について協議に応じる、そうしたことを明確化していただけないかと思いますが、義務を明記していただけないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。  それからもう一つ、重ねて、芸能従事者も含むフリーランス分野全体について、発注者側の一定の負担責任の在り方も含め、これは重なりますが、検討を進めていただきたいと考えますが、二点お願いします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 まず一点目でございますが、発注者と受注者間における特別加入のための保険料につきましては、様々なコストの負担の在り方を話し合う中で合意すべきものであることや、特別加入はやはり任意であること、そうしたことから、一律に発注者の負担とすることや、発注者が保険料負担について協議に応じる義務を明確化することはなかなか難しいと考えております。  ただ、発注者と受注者との間の合意によって、発注者が保険料相当額を実質的に負担すること、そうしたことは十分あり得ることだと考えています。  今御指摘のありました芸能の関係でございますけれども、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドラインにおいて、芸能従事者の特別加入や民間の保険等への加入における費用負担について、発注者と受注者が協議することが望ましいというふうにされております。芸能分野におけるこうした取組につきましては、厚労省としても必要に応じて周知は行っていきたいと考えています。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 そうなんですけれども、まだ周知がされておりませんで。  しかも、資料の一を御覧ください。主なリスクというのも書かれておりますけれども、転倒でありますとか、墜落とか、精神障害、メンタルとか、大変いろいろなことがありまして、もちろん建設作業は一番いろいろな重いものが、けがとかありますけれども、それにまず準じるような、そういうことも起きています、事故として。  ですから、やはりそこは、ガイドラインにあるんだから、これは文化庁でありますけれども、しっかりと厚生労働省としてもそうしたことを周知徹底をしていただいて、民間任せにしないで、やはり人の命と働き方の労働環境を守る厚労省ですから、そこのところを強く皆さんに訴えていただきたいということを要望させていただきます。  そしてもう一つ、公務員の遺族補償年金の男女差解消についてです。  これについては、民間の方は今、法改正がなされているわけですけれども、このことにつきまして、私も、実は何年か前の不支給処分の取消しを求めて東京地裁に提訴をした方がいらして、報道で知りましたので、当時、政調会長の長妻議員の指示で、遺族補償年金の男女差を解消する議員立法を検討した経緯がございます。  ただし、厚労省に伺いましたところ、もうこれは法改正をする今準備をしているということでしたので立法には至らなかったんですけれども、その際、衆議院法制局から、公務員の遺族補償年金にも男女差があって、こうした改正も必要なんじゃないかというような助言もいただいておりました。  それで、改めて伺いますが、今日来ていただいております総務省、そしてまた人事院の方ですけれども、まず人事院の方では国家公務員災害補償法、それからまた同じく地方公務員災害補償法、これについて、今回、これに合わせて改正をなぜされなかったのか、今後の予定を伺いたいと思います。

前田聡子 人事院事務総局職員福祉局次長

○前田政府参考人 国家公務員災害補償制度は、国家公務員災害補償法第二十三条において、労災保険制度等との均衡を失わないよう十分考慮しなければならないとされております。  人事院は、このことを踏まえ、これまでも国家公務員災害補償法の改正に関しての意見の申出を行ってきており、現在、労災保険法等の改正案の遺族補償年金の男女差解消のための見直し内容等も踏まえながら、意見の申出に向けた検討を進めているところです。

加藤主税 総務省自治行政局公務員部長

○加藤政府参考人 地方公務員の災害補償制度についてでございますが、地方公務員法四十五条四項の規定により、国の制度との間に権衡を失しないように適当な考慮を払わなければならないとされております。そのため、国家公務員災害補償法の改正の動向を踏まえて、地方公務員災害補償法の改正を検討することになります。  総務省といたしましては、引き続き、国家公務員災害補償法を所管している省庁等と連携いたしまして、必要な対応を行ってまいります。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 そうしますと、今、意見を出すとおっしゃっていましたか。それでいうと、この法改正の令和九年に合わせられる形でこれが改正されるという理解でよろしいんでしょうか。

前田聡子 人事院事務総局職員福祉局次長

○前田政府参考人 今般の労災保険法等の改正案については、その内容の実施時期が令和九年四月一日とされておりますので、実施が決定した場合には、国家公務員災害補償法における見直しもそれに遅れることのないよう、適切な時期に行いたいと考えております。

早稲田ゆき 中道改革連合・無所属

○早稲田委員 ありがとうございます。  是非そうしていただかないと民間だけということになりかねませんし、もちろん、こうやって考えていただいている地方公務員の方も国家公務員の方もということでございますので、それは速やかに進めていただきますよう、お願いを申し上げます。  時間が来てしまいましたが、労災保険の請求権についての消滅時効期間の見直しですが、五年に延長されることは評価をしますけれども、対象が限定的であるということ、これはなぜ、こうして今回、時効延長する対象を全ての労災保険給付とせずに限定をしたのかということは、やはり私は納得ができません。こうしたことについても、今後しっかりとまた考えていただきたいと思います。  先ほど来ずっとこれも議論がありましたので、時間もないのでいたしませんけれども、私の要望として。やはり、分からない、それからまた周知がされていない。特に介護、介護補償等給付における、これは高い徒過率が出ておりますから、こうしたことについてもしっかりと周知徹底をしていただきますよう、強く要望いたします。  終わります。ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次に、古川あおい君。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。  質問に入る前に、一点確認させていただきたいことがございます。  先ほど金澤委員からも熱中症のお話がございましたけれども、屋外での作業だけでなく、屋内においても水分補給を適宜行うということは大変重要だと考えます。  私どものところにはこうやってコップと水が置いてあるんですけれども、拝見していると、来ていらっしゃる参考人の方とか委員部の方とかが水分補給をされていないように見受けられるんですけれども、今この場にいる、働かれている方も含めて、みんな、水分補給することは可能なのでしょうか。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 水や白湯など良識の範囲内で委員室へのマイボトルの持込みを認めておりますので、皆さん、適宜御活用ください。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。  続いて、法案の内容に移りたいと思います。  まず、精神障害の労災認定についてお伺いいたします。  こちら、資料をお配りしておりますけれども、精神障害の労災補償の状況についてグラフを示しております。労災請求の件数、精神障害についてですけれども、令和元年には二千六十件だったものが、令和六年には一・八倍の三千七百八十件となっております。支給件数についても、オレンジの方ですけれども、伸びてはおりますが、割合としては大きな変化はないかなという状況でございます。  こちらの理由について、何でなかなか支給されていない人たちがいるんですかねというところを厚労省にお伺いしたところ、認定の基準として、発症の六か月前に業務により強い心理的負荷が認められることなどの要件があったりして、やはり、証拠を集めたりとか、認定のハードルが高いのではないかということも考えられるということでございました。  ここで、考えられることの一つとして、厚労省にお伺いしたいのが、こうした精神障害の労災請求について、退職後に請求された件数と在職中に請求された件数というのを厚労省はそもそも区別して集計しているのかというところを問題意識として持っております。  この質問の背景としましては、一般的に考えまして、在職中に自分が今勤めている企業に対して労災の請求をする、特に、それが精神に関わるようなものの場合ですと、やはり復職後の職場環境への影響や周りとの人間関係、そういったものを懸念して、労災請求をためらうケースもあるのではないかなと考えます。  そのために、在職中に請求された件数と退職後に請求された件数、こういった情報を正確に把握しておけば、もしかしたら、やはり在職中というのはなかなか請求のハードルが高いんだな、じゃ、どうしようといったような政策を打っていくということも考えられますが、その前提としては、やはりまず正確なデータを把握しておくことが重要だと考えます。  厚生労働大臣にお伺いしますが、厚労省として、退職後に請求された件数と在職中に請求された件数について区別して把握していらっしゃいますでしょうか。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 現在のところ、在職中、退職後の区分で集計をした統計データはありません。  御指摘は、例えば、在職中であれば労働者が事業主などに気兼ねをして請求ができないのではないか、あるいは、そうしたことから退職後の請求が多いのではないかという趣旨だと考えますが、労災請求を行うタイミングについては、例えば請求人の方の病気の状態や制度の理解の状況などによって様々でありますので、在職中と退職後の請求件数を比較ということもあろうかと思いますが、その比較をしたとしても、なかなか請求のしづらさの検証というのは難しいのではないかと考えております。  一方で、今御指摘のありましたとおり、労働者の方が事業主等に気兼ねをして、労災請求をしたくてもできない状況に置かれているとすれば、それは迅速、公正な保護の観点から大変問題だと考えております。  令和五年の九月に改正をいたしました精神障害の労災認定基準、改正をいたしましたけれども、その内容をこれからもしっかりと周知をして、パワーハラスメントやカスタマーハラスメントを原因とする精神障害も労災請求が可能だということについて普及促進を更に図っていきたいと考えております。  また、昨年の労安法の、労働安全衛生法の改正法案に対する附帯決議の中で、労災認定基準の改正の効果を検証するように、そうした附帯決議がございましたので、現在検証しております。その中で、精神障害の労災認定が適切に実施をされているかどうかという観点からも把握をしていきたいと考えております。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。  お話の中で、厚労省としては在職中と退職後で数字は取っていないということでございました。もちろん、請求に至るまでの経緯であったりとか、請求できない理由といったものは様々な理由が考えられるので、必ずしも、在職中だから、退職後だからという一つの理由で全てが分けられるものではないとは思うんです。ただ、私は、この質問をするに当たって、実際に請求実務に関わられていたような方にお話も聞いたんですけれども、退職後の人からしか相談は来たことがないですというふうにその方はおっしゃられていて、やはり、一般的に考えても、在職中に請求をするということにはまだまだハードルがあると思います。  今回、令和五年の認定基準、私が元々二問目で書いていたことをもうお答えいただいたので問いませんけれども、認定基準の改正により、カスタマーハラスメントも精神障害の理由として評価するというふうに追加をされてございます。こうした新たに要件が加わったことの実態については、附則の話もあり、これから調査、評価していくということでございましたけれども、その直接カスタマーハラスメントに係る改正ではないかもしれませんけれども、今回の法改正の施行だとか、その影響の調査をするに当たっては、是非とも、在職中の請求なのか退職後の請求なのかという点についても着目した調査を行っていただくようお願い申し上げます。  では、続いて、次の質問に移ります。  続いて、農林水産業の暫定措置の廃止についてお伺いいたします。  これまでの方からも何名か質問はありましたけれども、今回の法改正により、これまで任意適用とされていた農林水産業の小規模な個人経営の事業所の一部が新たに労災保険の適用事業となります。こちらについては、労働者保護という観点からは重要な方向性だと考えます。  しかし、これまでほかの委員の方の質疑にもございましたとおり、今回の制度改正によって新たに対象となる、必須になるという事業者にとっては、様々な負担が発生することかと思います。一つには、やはり事務負担というものもございますし、また、新たに事業者として保険料の負担というものも生じるものでございます。  一方、任意ということでも、既存の農林水産業の方で既に加入をされている方というものもございます。ただ、この方たちにも私は負担が新たに生じると懸念をしております。  それはどういうことかと申し上げますと、お配りしている資料二枚目、めくっていただいて、裏の紙でございますけれども、こちらに農林水産業における労働災害の発生件数のデータを示しております。  こちらを見ていただくと、必ずしもきれいにデータがそろっているわけではないんですけれども、農業、林業、水産業、それぞれにおきまして、例えば農業の場合だと、労働者数が五人未満の事業所と五人以上の事業所というところの労災発生件数でありますとか、そういったものが示されております。これを見ていただくと、全体として、やはり小さい事業所の方が死亡とか休業一か月といった重篤な労災の件数というものが多いというふうに見受けられます。  そうすると、やはり、事故が起こっているところ、死亡が起こるようなところというのは保険料が高くなってしまいますので、今保険の対象になっていない、そういった小さな事業所、より事故が多いかもしれない事業所というのが新たに保険のプールに一緒に入るということになると、今まで頑張っていた事業所たちにしてみれば、保険料が上がってしまうかもしれないという懸念がございます。  つまり、双方の事業者にとって、新たに対象となる事業者にとっても事務負担、保険料の負担があり、これまで任意でやっていた事業者に対しても保険料が上がってしまうかもしれないということが起こり得るのではないかと思いますが、こうした制度変更によって生じるかもしれない不利益とか事務負担についての政府の認識及び対応策を、厚労省、お願いいたします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  今般の法案では、農林水産業の小規模の個人経営の事業においても重大な事故が見られ、労働者の保護の必要性が高まっていること等を考慮しまして、暫定任意適用事業を廃止をし、全面適用に移す、移っていただく、こういう内容を盛り込んでいるところでございます。  これに関しまして、御指摘の負担の問題でございますが、一つ御指摘として、新たに労災保険に加入いただくこととなる小規模な事業者にとってございます。  新たに保険料負担が発生をする、特に今任意加入されていないところにとってはそういうことになるわけでございますが、これは、労災保険に加入していない場合には確かに保険料負担はございませんけれども、一方で、一たび災害が発生いたしましたときには経営体が自ら賠償する責任を負うことになります。亡くなったり障害が残るような事故である場合には、かなり大きな額の賠償を背負う、場合によっては経営自体が立ち行かなくなるような、そういうリスクでもあるところでございます。  労災保険に加入することで、労災保険から給付がなされれば、その分、経営体としての災害補償責任は代替をされるという仕組みでございますので、保険料負担という面がある一方で、こういったリスクを分散化できる、リスクに備えることができるというメリットの双方があるものであり、この両面をよく丁寧に御説明をして、理解を得ながら適用を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  それから、既に労災保険に加入していただいている法人経営やあるいは個人経営の五人以上のところ、これについては、御指摘のとおり、確かに、災害発生率が五人の境によって高い低いの差が大きくある場合には、これは新たに入る人数規模などにもよりますので一律には申せませんが、場合によっては、今入っていただいている事業主の方の保険料率に影響する可能性、これも否定はすることはできないところでございます。  これにつきましては、労災保険の保険料率、過去から遡ってまいりますと、ずっと労災防止努力の成果もありまして、災害発生率とともに労災保険料率は低下を続けている保険でございます。ですので、入っていただくだけでなく、その入っていただいたところも含めて労働災害防止の取組を進めることで、低い保険料で賄えるようにしていくことが一つは重要でありますことと、もう一つ、やはり公的保険の性格といたしまして、では仮に、事業場の規模によって災害発生率が顕著に差があるときに、低いところは労災保険でカバーをされ、高いところは労災保険、公的保険ではカバーをされないという状態を続けることが、災害に遭われるかもしれない働き手の方にとってどうかということも考えますと、やはりこの面についても、今回のような、全面適用に移行しながら、労災保険の適用に入っていただく意義を丁寧に御説明をするというような対応が適切なのではないかというふうに考えているところでございます。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。  労災保険の意義という観点から御説明いただきまして、おっしゃるとおり、新しい事業所に対してでありますとか、そもそも、事故率自体がこれまで、過去と比べても減少してきているという点について御説明をいただきました。  ただ、おっしゃっていただいたことはもちろんだなと思うんですけれども、そもそも、事故の発生率が小規模のところでより高いのであれば、そういったところに関して、今回の労災保険の拡大を機に、より事故が起こらないような形でのアプローチでありますとか、また、保険料だけではなく事務負担の件に関してとか、そもそも制度のことがよく分かっていない、どうやって準備をしたらいいか分からないという事業所に対して様々なアプローチのやりようがあるかと思いますが、この点について、厚生労働省と農水省の連携についてお伺いいたします。  今回の労災保険の拡大に関しまして、農林水産事業者、小規模な事業者の労働災害発生を減らすための取組でありますとか、事業者の事務負担軽減に対する支援といったものについて、施行までの移行期間中にどのような支援をしていくのか、厚労省、農水省、連携した取組が必要だと思いますので、その観点からお願いいたします。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 適用対象となる農林水産業の小規模な個人経営の方々に対しては、労災保険制度のメリットを含め御理解を得ながら、丁寧に進めていくことが重要です。  この点につきましては、労政審の建議においても、零細な事業主の事務負担の軽減等の対応を農林水産省と連携しつつ検討することが適当であるとされています。  事務負担の軽減については、施行まで相当の準備期間を設けることで、対象事業主が施行前に任意加入いただくことも含めて、段階的に対応できるようにしたいと考えています。  また、必要に応じて労働保険事務組合や社労士の活用を促すことなども考えております。具体的には、農水省と連携をしながら、都道府県段階で関係団体や社労士等と推進体制を構築をいたしまして、労働関係法制等の研修会、あるいは、保険加入の手続支援の相談会の開催を考えております。また、専門家によるコンサルティングや相談、ITツールの導入の支援なども農水省と連携しながら進めていきたいと考えます。  また、労働保険事務組合の設立の働きかけもしっかりやっていくと同時に、既存の事務組合の受託拡大など、任意加入を推進するための体制整備も同時に整えていきたいと考えております。また、都道府県労働局等においては、小規模経営体からの相談体制を行う体制の構築もしっかり進めていきたい。  そうした多方面の対策を同時並行的にしっかり進めることで、農水省とも連携をしながら、事務負担の軽減等、スムーズな制度への移行を促していきたいと考えています。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。  事務負担の軽減については本当に様々な取組をされる予定だというところで、そこは是非お願いをいたします。  一方で、そもそも小規模の事業所において、より事故が起きている、死亡だとか重篤な事故が起きているという点に関して、こちらについて何か取り組みされることはありますでしょうか。厚労省、お願いいたします。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  農業、林業、水産業、いずれも、必ずしも災害発生率が低い業種ではございませんで、むしろ建設業や製造業と比べてちょっと高めの産業でございます。  災害防止努力をまさに進めていくことはこの分野においては非常に重要でございまして、これを進める上で、もちろん、労働局や労働基準監督署を通じて労働災害防止の取組を広めていくことも重要でございますが、あわせて、この分野でございますので、農林水産省さんとの連携、また、農業、林業、漁業の各関係団体等の協力をいただきながら、労災保険の適用手続だけではなくて、併せて災害を減らすための取組をどう進めていくかといったことについて、こういった協力を得ながら強化をしていきたいと思います。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。  せっかくの機会ですので、厚労省と農水省と連携して、業界団体の話なども聞きながら、そもそも事故を減らすための取組というものも併せて進めていただければと思います。  続いて、介護補償給付について質問いたします。  資料をお配りしております。二枚目の方になります。介護補償給付の時効徒過の理由についてでございます。  こちらですけれども、労災保険の給付のうち介護補償給付については、ほかの休業補償給付や療養の費用と比べて、請求の時効を過ぎてしまったことを理由として不支給となるケースが約三割に上っております。本来受給できたかもしれない方が時効という手続上の壁によって給付を受けられないということは、制度の趣旨に照らして問題があるのではないかと考えております。  まず前提として、厚労省にお伺いしますが、介護補償給付については不支給となる割合が突出して高く、三割ございますけれども、こちらは主にどういった理由なのかという点と、その受け止めについてお答えください。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御提出をいただきました資料にもございますが、介護補償給付等の時効の徒過理由といたしましては、請求人が手続を失念していたこと、請求人の制度の不知、誤解、こういったことが時効徒過の理由として多うございまして、両者合わせて七割以上を占めております。  ほかの給付と比べまして目立って時効徒過の割合が高いところでございまして、これについては、やはり本来受給できた方の権利の保護という観点からも問題であるというふうに思います。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 ありがとうございます。厚生労働省としても問題であるというふうに認識していただいているとのこと、ありがとうございます。  でも、そもそも、私としても、こういった忘れていた、知らなかったというような方は一人でも減るべきだと思っております。  そこで、できることがあるんじゃないかという形で提案させていただきたいんですけれども、そもそも、介護補償給付の支給対象者は、障害補償年金又は障害補償年金の第一級の方全てと、第二級の精神、神経、胸腹部臓器の障害を有している方で、現に介護を受けている場合と明確に定義をされております。そのように明確に定義されている場合、行政側として、どの方が受給対象になるかということをある程度特定できるのではないかと思います。  それにもかかわらず、本人が知って、こちらから申請をしないと受けられないというのは不自由な状況だと思いまして、可能な限り、行政側で既に把握している情報を基に、あなたが対象になりますよとか、そういったことをプッシュ型で通知していくような仕組みを導入すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

岸本武史 厚生労働省労働基準局長

○岸本政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、介護補償給付の場合には、その前段として、障害補償年金又は傷病等年金受給者のうち、障害等級、傷病等級が第一級、又は第二級の精神、神経、胸腹部臓器の障害を有している方で、現に介護を受けている場合に支給される、こういう仕組みでございますので、受給者となり得る方を行政として把握することが可能なものでございます。  したがいまして、今後、手続を失念していたというような理由で時効、不支給となる事案を減らしていくために、介護補償給付のように、その前段である支給決定、別の給付の支給決定があって初めてその支給要件が生じる給付につきましては、周知についても一連のものとして考えて、障害補償給付の請求書と同時に介護補償給付の請求書を配付するでありますとか、労災年金受給者に対して、受給条件の変更があった場合に必要となる手続というものを年一回お知らせをお送りしておりますが、その中で介護補償給付に関する請求手続についても周知を行うことといった形で、必ずしも自動でということではないわけでございますが、できることとして、こういったことを運用改善ができないかということを検討してまいりたいと考えます。

古川あおい チームみらい

○古川(あ)委員 時間が来たので終わりたいと思いますけれども、今お話にあったような、行政からの働きかけでありますとか手続の電子化、負担の軽減などを少しでも進めていただくようお願い申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 この際、本案に対し、鬼木誠君外六名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党、チームみらい及び日本共産党の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。沼崎満子君。

沼崎満子 中道改革連合・無所属

○沼崎委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。     労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。  一 遺族補償年金における夫婦間の支給要件の差の解消に当たっては、単に夫婦間の差を是正するにとどまらず、労働者の業務上の死亡によって失われた遺族の被扶養利益の喪失の補填という労災補償としての制度趣旨を十分に踏まえること。今後、生計維持要件、給付期間、支給要件その他遺族補償年金制度の在り方を検討するに当たっては、労災補償としての責任を薄めることなく、遺族が真に生活を立て直すことができるよう、年金給付に加え、就労支援、心理的支援、子育て支援その他の生活再建支援との連携の在り方についても検討すること。  二 今回の消滅時効期間の延長が一部の疾病に限定されたことを踏まえ、介護(補償)等給付において時効徒過による不支給の割合が高い実態を深刻に受け止めるとともに、消滅時効期間の周知に取り組むこと。併せて、労災保険給付請求が遅れる理由は、疾病の性質により発症後直ちに業務起因性を判断することが困難である場合に限られず、労災保険制度に関する認知の不足、医療機関において労災請求の可能性が十分に示唆されないこと、事業主からの働きかけ、事業主との関係悪化への懸念等により請求をためらう場合もあることを踏まえ、こうした事情により本来受けられるべき給付に到達できない者が生じることのないよう、相談支援、周知啓発及び運用改善に取り組むこと。本法施行後は、対象となる疾病の範囲について、施行状況を踏まえ、必要な拡大を検討すること。  三 暫定任意適用事業の廃止に伴い、新たに労災保険の適用対象となる農林水産業の経営体について、その実態把握を適切に行い、労災保険への加入を確実に進めるとともに、新たに事務的負担等が生じることから、必要な支援を検討すること。特に、制度上は強制適用の対象となるにもかかわらず、保険関係成立届その他必要な手続が行われない未手続事業が生じることのないよう、対象となる経営体の把握、個別周知、加入手続支援及び関係機関との連携体制の整備に努めること。また、農林水産業の現場には、家族従事者、短期雇用、季節的な手伝い、乗組員、共同作業、親族の無償協力等、多様な就業実態が存在することを踏まえ、誰が労働基準法上の労働者に該当し、労災保険法の適用対象となるのかについて、具体例を含めて分かりやすく明示すること。さらに、セーフティネットの空白を早期に解消する観点から、公布後五年以内とされる施行期日を待たず、任意加入の促進も含め、可能な限り速やかな移行を促すこと。  四 特別加入団体の承認要件の法定化に当たっては、事務処理体制や財政基盤のみならず、加入時の審査や業務災害防止措置の実施状況を厳格に判断する基準を策定すること。不適切な特別加入団体に対しては、承認取消しも含めた厳格な指導・監督を行うこと。また、特別加入団体の承認取消しを行った場合において、特別加入者の保護が損なわれることがないよう、厚生労働省は、実効性のある指導・監督を行うとともに、特別加入団体の取消しを行った場合においても、特別加入者が不利益を被ることのないよう救済措置を設けるなど万全の措置を講ずること。  五 特別加入団体に係る省令その他の運用基準を定めるに当たっては、労働保険事務組合と特別加入団体の役割の違いを明確にすること。特に、特別加入団体については、単なる労働保険事務の処理にとどまらず、加入者の就業実態を踏まえた業務災害防止措置、労災保険給付等請求支援、事故発生後の相談対応その他の継続的支援を担う主体であることを踏まえた制度設計とすること。  六 特別加入団体が行う業務災害防止措置については、団体間で実施内容、実施量及び継続的支援体制に差異があることを踏まえ、実施報告、監査その他の適切な方法により取組状況を的確に把握すること。また、好事例の横展開その他の措置により、業務災害防止の実効性を高めること。  七 特別加入者の保険料については、建設業分野において建設業法等に則り、安全衛生経費等として適切に確保する取組が進められていること、また、芸能分野においては「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けたガイドライン」において発注者と保険料負担について協議することが望ましいとされていることを踏まえ、その取組が広がるよう、厚生労働省において周知すること。  八 「曖昧な雇用」で働く者も含め、労働基準法の「労働者」に該当する者は確実に労災保険法の適用対象とすること。その上で、特別加入制度の活用に当たっては、本来、労働基準法の「労働者」に該当する者が強制適用の労災保険本体ではなく、本人の保険料負担による特別加入を強いられることがないよう、厚生労働省及び特別加入団体における審査体制を抜本的に強化すること。特に、特別加入の事実のみをもって否定的な判断がなされることのないよう、行政運営における徹底を図るとともに、「実態は労働者」と思われる者が特別加入している場合には、速やかに強制適用への是正を指導すること。  九 家事使用人への労災保険適用については、労働基準法の改正論議を注視しつつ、特別加入における保険料の本人負担という現状が加入の妨げとなっているという意見があることも踏まえ、必要な検討を行うこと。  十 特別加入者に係る業務災害については、契約書等が十分に浸透していない就業実態や、人手不足、代替要員不足等により休業補償給付を請求しづらい業界の実態があるとの声を踏まえ、労働保険事務組合その他の関係機関が、形式的な判断により給付請求を妨げ、いわゆる労災かくしに類する事案を生じさせることのないよう、必要な監査、指導及び是正措置を講ずること。  十一 政府は、メリット制と労災かくし、労災保険給付受給者への報復行為等との因果関係について実態調査を実施するとともに、その結果に基づき、労災かくし等を行う事業主への対応強化も含め、メリット制の在り方について検討を行うこと。その際、労災かくしの実態把握に当たっては、送検件数のみによることなく、相談件数、是正指導件数、労災申請を断念した事案、労災保険給付の請求又は受給を理由とする退職勧奨、復職拒否、雇止め、配置転換、評価上の不利益その他不利益取扱いに関する相談等も含め、労働者が労災申請をためらう実態を的確に把握すること。  十二 労災支給決定情報の事業主への提供に関する運用の見直しに当たっては、提供する情報を必要最小限の範囲に限定すること。また、労災かくしや不利益取扱いを行った事業主に対しては情報提供を停止するなど、労働者の保護に万全を期すこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、上野厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。上野厚生労働大臣。

上野賢一郎 厚生労働大臣 自由民主党・無所属の会

○上野国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力してまいります。     ―――――――――――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

大串正樹 自由民主党・無所属の会

○大串委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時十一分散会

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