令和八年六月十二日(金曜日) 午前九時開議 出席委員 委員長 工藤 彰三君 理事 井原 巧君 理事 小林 史明君 理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君 理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君 理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君 伊藤信太郎君 伊藤 達也君 稲葉 大輔君 上田 英俊君 こうらい啓一郎君 小森 卓郎君 斉木 武志君 島田 智明君 鈴木 淳司君 世耕 弘成君 園崎 弘道君 永田磨梨奈君 古井 康介君 細野 豪志君 松下 英樹君 丸川 珠代君 水野よしひこ君 武藤 容治君 山際大志郎君 山田 美樹君 山本 裕三君 渡辺 勝幸君 落合 貴之君 河野 義博君 吉田 宣弘君 阿部 司君 若狹 清史君 丹野みどり君 牧野 俊一君 河合 道雄君 ………………………………… 経済産業大臣 赤澤 亮正君 経済産業大臣政務官 小森 卓郎君 政府参考人 (総務省大臣官房政策立案総括審議官) 中井 亨君 政府参考人 (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官) 湯本 啓市君 政府参考人 (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 新川 達也君 政府参考人 (資源エネルギー庁長官) 村瀬 佳史君 政府参考人 (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君 政府参考人 (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君 政府参考人 (原子力規制庁次長) 児嶋 洋平君 参考人 (一橋大学名誉教授) 山内 弘隆君 参考人 (一般社団法人送配電網協議会会長) (関西電力送配電株式会社代表取締役社長) 白銀 隆之君 参考人 (ENEOS Power株式会社取締役副社長執行役員) 香月 有佐君 参考人 (京都大学名誉教授) 白井 康之君 経済産業委員会専門員 花島 克臣君 ――――――――――――― 委員の異動 六月十二日 辞任 補欠選任 小森 卓郎君 上田 英俊君 丸川 珠代君 渡辺 勝幸君 山際大志郎君 稲葉 大輔君 同日 辞任 補欠選任 稲葉 大輔君 山際大志郎君 上田 英俊君 島田 智明君 渡辺 勝幸君 丸川 珠代君 同日 辞任 補欠選任 島田 智明君 小森 卓郎君 ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 政府参考人出頭要求に関する件 電気事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号) ――――◇―――――
経済産業委員会
発言 189
○工藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 本日は、本案審査のため、参考人として、一橋大学名誉教授山内弘隆君、一般社団法人送配電網協議会会長、関西電力送配電株式会社代表取締役社長白銀隆之君、ENEOS Power株式会社取締役副社長執行役員香月有佐君、京都大学名誉教授白井康之君、以上四名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人各位からお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。 それでは、まず山内参考人にお願いいたします。
○山内参考人 一橋大学の山内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 この度は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 私は、今回の電気事業法の一部を改正する法律案、これの取りまとめを行った立場でございます。そういったことから、当然ながら、この法律に賛成という立場で皆さんに陳述をさせていただくということであります。 お手元に、資料、レジュメを作ってまいりました。時間がございませんので、全て御説明することはできないかもしれませんが、かいつまんで趣旨を申し上げたいと思います。 今回の電事法の改正ですけれども、これは、これまで進めてまいりました電力の規制改革、システム改革と言っておりますけれども、この集大成といいますか、あるいは検証と、その改革案といいますか、そういったものであるというふうに考えております。 お手元のレジュメにありますように、システム改革が、これは正確に言うと一九九五年から始まっておりますから三十年ぐらい、それから、今の完全な自由化、これが二〇一五年に成りましたので、それから十年ぐらいたちましたので、これを検証して、その問題点、あるいはこれからの方向性、こういったものを議論したのがこの法律案であります。 資料にありますように、システム改革は何のためにやったかということからいいますと、この辺がいろいろ議論があるところですけれども、システム改革の目的というのは、一つは、広域的な運用をして独占等を排除する、それから、総合エネルギー企業というのをつくって、市場の改革、イノベーションを促進するということ、それから、これは消費者の方にとっての問題ですが、電力価格の可能な限りの抑制という目的を掲げております。恐らく後ほどこれも質問が出るかと思いますけれども、可能な限りの抑制であって、下げるとは言っていない。というのは、エネルギー価格というのは、つまり、いろいろな要素があって、また、国際情勢にもよりますし、特に燃料問題とかもありまして、下げるとはなかなかお約束できないものだというふうに考えております。それも後ほどまた申し上げたいと思います。それから、需要家の選択肢の拡大と企業に対する事業機会の提供ということであります。 そういった形で始まったのが一九九〇年代なんですけれども、我々の研究の分野でいいますと、ちょっと下に書いてありますけれども、ジョスコウとシュマレンシーという、これは後ろに注で振ってありますけれども、アメリカで出版された本であります。これが私自身にも、それから電力産業にもかなりの大きな影響を及ぼしたというふうに思っております。 これは、そこにありますけれども、アメリカのPJMという、取引市場それから送配電網をつくっている組織、ここをモデルにして電力市場においても競争を導入する、これによって、効率化、費用の低減、それから、あえて言えば、人、物、金、要するにエコノミックなリソースを適切に配分できるんだ、こういう議論であります。 それで、そういったところから始まったわけでありますけれども、これも後ほどちょっと申し上げますけれども、我々の間でも、こういった、マーケットを使う、そういうことは大前提なんですけれども、それだけでは十分じゃないからということで、例えばそこにミルグラムとロバーツという研究書をやっておりますけれども、マーケットだけではなくて組織、要するに企業組織ですかね、こういったものを分析することによって、マーケットだけでは補えないような効率的な運営、これが可能なんだ、こういう議論があったわけなんです。こういう背景を持って今回のシステム改革の議論をしたということであります。少なくとも私の意識はそういうことであります。 それで、それがどういうふうに変化したかということでありますけれども、次に、経済環境、それからエネルギー環境の変化というのがございますけれども、環境変化というのは大きく分けると二つある。 一つは外的な環境変化。そこにありますように、産業構造が変わっていくということがございます。簡単に言ってしまえば、最近、半導体とかデータセンターによって電力需要がどんどん増えていくんだ、そういう、産業構造はそう変わっていく、これは外的な要因ですね、エネルギーからすると。それをどういうふうにするんだということがあるし、それから、これは言うまでもないですけれども、エネルギー安全保障ということでございまして、そこに列挙したように、ウクライナから始まって、最近はイラン、アメリカの問題とか、こういうことがあります。それから、インフレの進行というのもあります。 こういった外的な変化によって、私の言葉の使い方からすれば、そもそも、システム改革が目的としていた目標関数、その関数の変化、目的関数が変化したんだ、こういうふうに考えています。要するに、効率化、それからイノベーション、これはもちろんなんですけれども、それだけではなく、安全保障とか、あるいは外部的な経済変化に対応していくとか、そういったことがあるということであります。 ここではあえて書いてありませんけれども、エネルギー内部においても、内的な変数、例えば技術革新があるとか、あるいは脱炭素についてかなり大きなウェートが置かれるとか、こういったことであります。そういったところから、エネルギーのあるべき姿について、これはSプラススリーEとよく言いますけれども、エネルギーの基本計画を作るときに、そこにありますように、セーフティー、エネルギーセキュリティー、エコノミックエフィシェンシー、エンバイロンメント、こういったものに主眼が置かれるわけですけれども、そのときのいわゆるソーシャルウェート、どこに重きを置くか、これが変わってきた、こういうことだというふうに思っております。 それで、今回、そういうふうなシステム改革を検証した上で、外的な変化を考えて、どういうところにウェートを置いて政策を進めていくかというのが一ページ目の下のところから書いてあるところであります。 具体的な内容ですけれども、例えば大規模送電線と書いてありますけれども、要するに、さっき言いました広域的な運用というものをより大きく捉えて進めていく、こういうことでありまして、そのために送電線等の整備を進める。これは要するに、ネットワークを利用して、それによって今申し上げたような公的な目的を達成するということであります。 ただ、そのときに、費用問題というのがあるんですね。ネットワークは、これは全体でネットワークを形成するわけですから、どの部分を誰が負担するんだ、こういう問題がある。こういうことに対して、そこにありますけれども、受益と費用の負担というものを見直して、より全体最適的な具体化を図る、こういったものであります。 それから、大規模電源の整備の促進ですけれども、かつて電力というのは垂直的な統合モデルで、ここに白銀さんがいらっしゃいますけれども、そういう形で進めてきたんですが、今は分離をしました。そうすると、投資をするということに対する、まあインセンティブもそうですけれども、もう一つは、例えば環境、ファイナンスであったりそういったもの、それが変わってきているんですね。 特に、自由化が進んでくると、個別的なプロジェクトに対するファイナンス、こういう見方になってくる。そうすると、これはいいことでもあるんですけれども、プロジェクトをいかに正確に、あるいは正しく把握するかという問題になる。そうすると、懐妊期間が非常に長い電力の場合には先出でお金が投資されないと物ができないということになっていて、ところが、料金とか収入が入ってくるのは物が完成した後ですから、その間のギャップを埋めるということが必要になってくる。 そういったところで、大規模電源の整備のために部分的に先出しでお金を今融通してやるとか、こんなことをやったらいいんじゃないかというのがこれですね。これは、いずれ事業によってその貸したお金は返ってくるわけですから、ある意味では、その問題というのは、例えば利払いとかそういったところでの補助がある、そういったことにはなると思います。 それから、その次とその次、その最後の二つの点が私は強調したいんですけれども、システム改革をして垂直分離をしました、それによって効率的にやりましょうということなんですけれども、さっき言った組織の観点からすると、必ずしも、垂直分離をしてマーケットだけで運用することが適切かというと、そうでもない。 それはなぜかというと、今の投資の話もそうなんですけれども、マーケットで何か物が供給される、そのためには、マーケットの情報、あるいはマーケットの将来展望とか、こういったものがちゃんとできていないと、特にこういう大規模な先行投資の大きいところでは、これはなかなか進まない、こういうことになるわけですね。 そこで、一番下に例が書いてあるんですけれども、トヨタ自動車の工販合併というのがあったんですね。これは一九八〇年代。トヨタ自動車は、戦後の過度集中力経済排除法ですか、あれによって製造部門と販売部門が分けられていた。それでずっと来たんですが、八〇年代になって世界競争が激しくなる。トヨタが言ったのは何かというと、そこに意思決定云々と書いてありますけれども、具体的に言うと、要するに、マーケットが分からなければ車が造れない、こういう話なんですね。 ですので、こういった電力の場合も、ちゃんとマーケットが分からないと電源投資ができない、電気が作れない、こういうことになるわけで、これは今までのシステム改革での垂直分離をやめて元に戻せと言っているわけではないんです、そうではなくて、マーケットがちゃんと機能するためにはそれを補完するような仕組みが必要ではないかというところで、例えば中長期市場とかそういったものの必要性を説いたということであります。 以上のように、今回は、システム改革の振り返りをして、それに対する改定、あるいはいい方向に向ける、そういったことを我々は議論してまいりました。この法案については、そのような形で御理解をいただければというふうに思っております。 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。 次に、白銀参考人にお願いいたします。
○白銀参考人 一般社団法人送配電網協議会会長の白銀でございます。 本日は、このような機会を賜りましたこと、また、平素より電力の安定供給確保のために多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。 まず、送配電網協議会ですけれども、これは、電気事業法の改正に基づきまして、旧一般電気事業者の送配電部門が法的分離されたということを受けまして、全国の一般送配電事業者十社を会員としまして二〇二一年に発足いたしまして、国民生活に必要な電気の安定供給を担う送配電事業の健全な発展を進めるべく活動しております。 当協議会は、送配電関連設備を建設、維持、運用する会員の代表としまして、制度設計やルール策定を所管する国あるいは電力広域的運営推進機関などと意見交換を行い、その成果を会員の事業運営や主体的取組に反映することで、電力の安定供給の確保、そして送配電事業の健全な発展を図り、もって我が国経済の発展と国民生活の向上に寄与することを目的としております。 近年は、デジタル化や脱炭素化の進展に伴う電力需要の増加、変化に加えまして、人材不足、サプライチェーンの不安定化、そして設備の高経年化、自然災害の激甚化など、送配電事業を取り巻く環境は大きく変化しているところでございます。 将来にわたりまして持続的に電力の安定供給を確保していくためには、効率的な、そして計画的な設備投資を進めるとともに、デジタル技術を始めとする新たな技術への投資を積極的に行い、設備の維持、運用の高度化、効率化を図っていくことが重要だと考えております。 当協議会としましても、中長期的な視点から課題の整理と対応方策の検討にも御協力いたしながら、我が国のエネルギー安全保障と電力の安定供給確保に貢献してまいりたいと考えているところです。 今回の改正法案につきましては、国の審議会におきまして、そうした中長期的な視点から電力ネットワークの次世代化について議論が重ねられ、取りまとめられたものと認識しております。 それでは、現在御審議いただいている法案に関しまして、まず、大規模送電線の整備の促進等の部分につきまして、弊会の意見を申し上げます。 電力需要の増加、変化や再生可能エネルギーの更なる導入拡大が今後も見込まれる中、電力の安定供給を確保しつつ、GXやカーボンニュートラルの実現と経済成長に向けては、それらを支える送配電ネットワークの整備を適切に進めていくことが重要と考えております。 このような認識の下、各送配電事業者は、関係者との複数の工事間の調整、施工体制の確保、資機材の調達などに努めながら、系統整備を着実に進めておるところでございます。 送配電分野においては、高度成長期に建設いたしました高経年設備の更新工事も増加しているところであります。それに加えて、電力需要の増加、そして、再生可能エネルギーの導入拡大に対応するための地域内の送電線、地域間の送電線を始めとする大規模な系統整備には、多額の費用、長期の工事期間を要することから、今後はこれまで以上に大規模かつ継続的な投資が必要となる見込みです。 こうした中、将来にわたり必要となる送配電ネットワーク整備を着実に進めていく、そのためには、事業者が必要な投資を適時かつ機動的に実施できる環境を整備することが重要と考えております。設備投資の回収には長期間を要することに加えまして、近年の金利上昇など、事業環境の変化も見られる中で、安定的な資金調達環境を確保していくこと、これは送配電ネットワークの整備を円滑に進める上で重要な要素であると考えております。 今回の法改正は、地域内送電線の整備に対する貸付制度を新たに創設するとともに、地域間送電線の整備に関する支援についても拡大を図るものであります。これは、今後必要となる大規模な送配電ネットワーク整備を着実に推進するための重要な措置と受け止めております。また、こうした措置は、投資回収まで長期間を要する送配電事業において、将来にわたり必要な設備投資を計画的に進めるための環境整備にも資するものと考えております。 今回の措置が、電力需給構造の変化への対応や再生可能エネルギーの導入拡大を後押しし、我が国のGX推進と電力の安定供給の両立に寄与することを期待しております。 続きまして、大規模電源を休廃止する際の措置についてでございます。 安定供給のためには、電源から需要に対して流れる電力と送配電ネットワークに不整合が生じないことが重要となります。 電力系統は、電源と送電線、そして変電設備、配電設備などの電力流通設備、そして需要設備が相互に関係しながら構成されております。このため、大規模電源の新設や休廃止に伴い電力潮流あるいは電圧の状況が変化し、電力の安定供給を維持するために流通設備の増強などが必要となることがあります。こうした対策には多額の費用と長期間を要することもあるため、電源の休廃止に関する情報を早期に共有し、発電事業者と一般送配電事業者が相互に連携しながら設備増強の要否を検討していくことが、安定供給の確保と設備投資の合理化の観点から重要であると考えております。 一般送配電事業者は、電源の休廃止により系統運用上の制約が生じる可能性がある場合には、従来から、発電事業者に対しまして、必要に応じて検討状況などの情報収集を行い、その内容を踏まえまして、必要に応じて先行的に設備対策を検討してまいりました。 近年、我が国では、脱炭素化、設備の高経年化などにより電源構成の変化も進展しております。今後、大規模電源の休廃止が増加していくことも想定されます。このような中、送配電事業者と発電事業者が連携し、合理的な設備形成を進め、安定供給を確実に確保していく重要性はますます高まるものと考えております。 今回の法改正では、電源の休廃止の情報を発電事業者から送配電事業者へ提供して、協議を行うということが盛り込まれております。これは、国の審議会で提唱された垂直連携による設備投資の合理化、この考え方を具体化するものでありまして、必要な情報を共有しながら、それぞれの設備計画の予見性を高める、これによって、長期的な視点から、安定供給の確保と効率的な設備形成、ひいては国民利益の最大化に資するものと考えております。 一般送配電事業者としましては、将来にわたって電力の安定供給を確保していくために、必要な設備投資を着実に進め、また、人材やサプライチェーンといった事業基盤の強化を図りながら、DX、AIなどの次世代技術への投資を積極的に進めていく必要があると考えております。これらを実現するために、設備の維持、運用の高度化、デジタル技術の活用を通じて、効率的な事業運営に取り組んでいくことが重要と考えております。 今回の法改正につきましては、GXの推進と電力の安定供給の両立を支える基盤整備として大変意義のあるものと考えているところです。 一般送配電事業者としましても、法改正後の仕組みを活用しながら、人材確保、DX、AI等の活用を含む事業基盤の強化を進め、設備運用の高度化、業務の効率化に継続的に取り組み、我が国の経済発展と国民生活の向上に貢献してまいりたいと考えております。 今後とも皆様方の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げまして、意見陳述とさせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。 次に、香月参考人にお願いいたします。
○香月参考人 おはようございます。ENEOSパワーの香月でございます。 本日は、このような機会を賜りまして、誠にありがとうございます。 私も、今般の電気事業法改正案に関係する総合資源エネルギー調査会のワーキンググループにオブザーバーとして参加し、議論の一端に加わる機会をいただきました。本日は、その経験も踏まえ、発電、小売を一体的に展開する新電力事業者の立場から、今回の電気事業法改正について意見を申し上げます。 まず、弊社について簡単に申し上げます。 弊社は、ENEOSホールディングス傘下の新電力事業会社であり、製油所の石油火力、小売向けのLNG火力を中心とした電源を保有しまして、沖縄を除く全国におきまして、産業用や一般家庭まで幅広く小売事業を展開しております。 詳細につきましては、お手元の資料を御確認いただければと存じます。 それでは、早速本題に入ります。 今回の電気事業法改正の背景として、電力需要の見通しが減少トレンドから増加見通しとなる一方で、老朽火力の退出により供給力が低下、安定供給の確保に向けたインフラ整備が重要な課題となっているという認識でございます。 このような認識の下で、弊社といたしましては三点意見を申し上げます。 まず第一に、電源投資に関してです。 今後数年は、現在主力である火力電源の退出が進む中、新規の電源やリプレースの動きが十分とは言えず、供給力確保の観点から重要な局面にあるものと認識しております。加えまして、世界的な電力需要の増加を背景に、ガスタービンを始めとする資機材の調達競争も激化しております。金利上昇やインフレ等により、事業者にとって投資のハードルは一段と高まっております。 こうした中で、必要な電源投資が進む環境整備を進めていただくことは急務であると考えております。 既に、容量市場制度の導入、長期脱炭素電源オークションなど、投資インセンティブを高める仕組みが整備されつつありますが、こうした投資を進めるに当たっては、事業予見性の確保とともに、大規模な資金調達も重要な課題となります。 特に、今後、原子力や今後の火力の脱炭素化など、脱炭素化と安定供給の実現には長期間にわたる大規模な資金が必要となります。 今回の電気事業法改正により、資金面の支援も含め、電源投資の促進が図られることは、エネルギーセキュリティーの観点からも有効な施策であると考えております。 また、大規模電源の休廃止に関する事前協議についてですが、関係者間で情報共有を行う仕組みとして、一定の合理性があると考えております。 ただし、発電事業者としましては、電源の改廃につきましては、経営判断の制約につながるようなことがないように、連携よく、事業者の事業の自由度にも一定の配慮をしていただけるとありがたいと思っております。 一方で、小売事業者にとりましても供給力不足は大きな問題です。供給力の不足は予備率の低下や需給逼迫を招きます。その結果、電力の市場価格が高騰いたしますと、卸電力市場からの調達に依存する小売事業者の経営を圧迫することになり、お客様の電気料金の変動や安定供給の面でも懸念を生じさせます。 特に、昨今、国際情勢の変化等により、燃料価格の高騰が頻発しております。供給力が不足している場合、その影響は一層大きくなります。その点からも、供給力の強化は極めて重要であります。 以上が電源投資に関する意見でございます。 第二に、こうした供給力を小売事業者がどのように確保していくかという観点から申し上げます。 電力は、我が国の経済と国民生活を支える極めて重要なエネルギーであり、安定的に、かつアフォーダブル、国民にとって負担可能な価格で供給されることが重要です。 また、小売電気事業者は、エネルギー供給事業者として責任ある主体であるべきと理解しております。 その観点から、発電事業者に電源開発を促し、キロワットを確保するだけでなく、小売事業者においても、これまでの創意工夫による調達価格の低減に加えて、お客様への価格変動リスクを回避するように努めていく必要がございます。 二〇二二年のロシアのウクライナ侵略により電力スポット市場価格が高騰し、小売事業者が退出、最終的にお客様に供給不安を与えたことは記憶に新しいと思います。 このような事態を二度と招かないように、小売事業者に対する量的な供給力確保の規律の導入と、その調達環境を整備する観点から、中長期取引市場の整備が進められるとともに、市場運営へ国の関与を強化する法改正が行われるものと理解しております。 この仕組みは、小売事業者には安定調達の手段、発電事業者には投資回収の予見可能性、燃料確保の向上に資する側面があるものと考えます。 さらに、需給調整市場や中長期取引市場について、国による指定、監督を可能とし、市場運営の健全性を確保し、市場の透明性と信頼性を高めていくことも重要です。電力市場の成熟化に向けた重要な一歩として評価できるものと考えております。 ただし、小売事業者に対する新たな事業規律やそれを支える市場制度は、事業者にとりましては、システム対応、契約実務、リスク管理、資金計画等、大きく関わります。事業者の準備期間も考慮し、制度導入に当たっては十分な余裕を確保していただきたいと思います。 また、今般の法改正におきまして、一定期間休止状態にある小売事業者の登録取消しを制度上明確化することにつきましては、需要家保護の観点から妥当なものと考えます。 ただし、休止認定の明確な基準の設定など、事業規律や制度設計におきましては、事業者の実態を踏まえた丁寧な検討が行われることを期待しております。 最後に、電気事業法の改正を含め、政策に期待することについて申し上げます。 電力システム改革は、旧一般電気事業者が大きな供給力を有する市場構造の下で、多数の事業者の参入を促し、競争を通じて需要家の選択肢の拡大や料金の最大限の抑制を目指してきたものと理解しております。その結果、料金メニューの多様化や需要家の選択肢の拡大など、一定の成果もあったものと思います。 近年の電気料金の増加につきましては、事業者としても、調達の工夫や業務効率化、多様なメニューの提供を通じて負担の抑制には努めておりますが、燃料価格の上昇、為替が円安に進んでいること、再エネ賦課金や託送料金の増加といった制度費用もございますので、事業者の経営努力だけでは吸収し切れない要因もございます。これらの要因を考慮いたしますと、むしろ料金の上昇というのは一定抑制されている側面もあると思っております。 昨年度、電力システム改革の検証が行われ、環境変化も踏まえて電気事業法の改正が検討されていることは、時宜にかなったものと受け止めております。 そもそも、電気事業法は、電気の使用者の利益を保護し、電気事業の健全な発達を図ることを目的としています。電気の使用者の利益とは、短期的な価格面だけではなく、将来にわたり安定供給の確保などの観点からも守られる必要があります。 電力の安定供給は、発電、送配電、小売、各事業者がそれぞれの役割を果たし実現されるものです。その重要なインフラの維持強化には相応の経営資源の投入が必要ですし、そのためには、事業者が適切な利益を確保し、再投資を行うことのできる事業環境を整えていく必要がございます。 本法案の成立により我が国の経済発展に必要なインフラ整備と責任ある事業者の育成が進み、最終的には需要家利益の確保につながる重要な一歩となることを期待しています。 私からは以上です。ありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。 次に、白井参考人にお願いいたします。
○白井参考人 京都大学の白井と申します。 本日は、このような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 私の専門は、電力機器工学、電力工学という分野でございまして、現在、産業構造審議会の保安・消費生活用製品安全分科会で電力安全小委員会の座長を務めさせていただいております。 この委員会では、昨年の三月より議論を深めてまいりまして、今年の三月に、太陽電池発電設備等の発電設備をめぐる保安上の課題と対応の方向性ということについて取りまとめをいたしました。 そこで、今般の電気事業法改正のうち、太陽電池発電設備等の安全性の向上に関わる部分、その論点について意見を申し述べたいと思います。 まず、基本認識でございます。 二〇一〇年代以降、再生可能エネルギーの導入が急速に拡大しまして、十年間で太陽電池発電設備の設備量は約六倍、風力発電の設備の設備量は約二倍ぐらいに増加しているという状況です。 その一方で、事故も増加しておりまして、発電設備における電気事故の件数、これが太陽電池の発電設備が最多になっているという状況です。 また、事故の形態を見ていきますと、火災や設備の飛散というものが多く、敷地全体的に火災が起きたというケースとか、飛散したパネルが民家を傷つけてしまっているというようなケースも確認をされているという状況です。 再生可能エネルギーの導入拡大は大変重要なイシューだと思いますけれども、地域社会と調和を図るという観点からも安全というのは非常に大事だというふうに認識をしております。そのため、こうした事故を防いでいくための対応が重要であるというのが基本認識でございます。 それで、事故実態に基づく具体的な課題について申し上げたいと思います。 委員会で審議を経て、太陽電池発電設備については主に二点の課題が挙がっております。 一点目は、架台や基礎といった支持物の構造安全性に関してです。 例えば、出力五十キロワット以上の設備では、破損事故の約四割を占めておりまして、技術基準で耐性を求めている風圧以下の風で、モジュール、いわゆる太陽パネルですね、太陽光パネル等が飛散し、近隣の建物を損傷するというような事故も発生しております。こうした事故は、設計段階での不備、いわゆる強度不足が一つの原因でありまして、調査を進めましたところ、構造計算書に強度計算が誤っている箇所があったとか、そういう事例も確認されております。この点は極めて重要な課題であります。 それから二点目は、PCS、いわゆるパワーコンディショナーの事故でございます。 破損事故の約六割がPCSに起因しておりまして、内部からの出火によって火災に至るなど、重大事故に発展するケースも確認されております。また、設置者が、原因究明や再発の防止を図るために、詳細な設備情報を持っている製造事業者の協力が十分に得られないで、設置者単独では十分な原因究明に至っていない、再発防止策につなげられないという場合も見受けられます。こうした製造事業者の協力が十分に得られないというような課題、これは風力発電設備などでも共通しておりまして、電気事業法上は設置者に保安責任が課されておりますが、その履行を行える基盤が十分ではないというような課題が浮き彫りになってきているというところであります。 提案しております法案の意義ですけれども、こうした課題を踏まえまして、今回の改正法案は、実効的な保安の確保に向けた重要な一歩であると考えております。 主な意義は二つございます。 一点目は、太陽電池発電設備の構造安全性に関する事前確認制度であります。 工事前段階で第三者機関の確認を求めることにより、設計段階でリスクを排除するということが可能になります。 それから二点目は、関係事業者の協力の確保であります。 事故原因の究明及び再発防止措置の実効性を高めるに当たって、製造事業者や輸入販売事業者、工事業者、そういう関係する事業者の協力が必要である。これは、責任の主体を変更しているものではなくて、設置者が果たすべき保安義務の履行を実質的に担保する、そういう仕組みであると言えると思います。 制度設計に当たっては、留意すべき点がございます。 まず、構造安全性に関する太陽電池発電設備の事前確認制度、これについて四点ほど申し上げます。 一点目は、太陽発電設備の設置件数が年間一万件を超えるという点です。 こうした点を考えると、第三者機関の確認を円滑に行うような工夫が求められるとともに、適切な構造安全性を有する設備に関する民間認証制度とか規格とか、こういうものを活用した標準化などを行って、環境整備を併せて図るということが求められると思います。 それから二点目は、多様な設置形態、これに対する対応です。 例えば、ペロブスカイト太陽電池のような軽量かつ柔軟で多様な設置形態が想定される設備とか、水上の設置型の設備とかの特殊な設置形態の設備については、今後の社会実装、そういうものの状況を見て、構造安全性の確認方法、それからその必要性、それについて検討を深めていくということが必要かなと考えております。 それから三点目は、既に全国に設置されている既存の設備の安全確保です。 こうした既設の設備についても、調査あるいは立入検査、場合によっては補修に関する指導を行うということによって、構造安全性の確保に向けて取り組むことが非常に重要な点だと思います。 最後に四点目ですけれども、行政機関の事故原因の分析能力の向上というのも必要だと思います。 製造事業者や輸入販売事業者といった関係事業者の協力確保については、行政機関においても事故原因の分析能力を高めて、実効性の高い保安施策の展開へとつなげていくということが重要である。 改正法案においても、製造事業者等に対する製品評価技術基盤機構、NITEによる立入検査の実施が盛り込まれております。しかし、再エネ設備というのは、PCSとか太陽光パネルとか、モジュール型の機器の統合体になっておりますので、独立行政法人であるNITEとか民間の専門機関とか、そういうところの更なる協力を得て、個々の機器に対する行政の分析能力、これを向上させていくことが必要であるというふうに考えます。 もっとも、太陽電池発電設備等の安全性の向上に向けては、設置者の保安力の向上とか、それから、スマート保安の促進とかサイバーセキュリティーの確保とか、本法案における措置以外の取組も重要であるというふうに考えております。国や設置者におかれましては、保安力の維持向上に向けた不断の取組を進めていっていただきたいというふうに期待しております。 最後に、電気は、経済、国民生活を支えるものであります。私たちは電気設備を通じて電気の恩恵を享受しております。そのためには、安全に電気が作られ届けられるということが重要であるということです。 今回の改正法案は、事故実態に即して制度を見直して、保安の実効性を高めるというものであります。大きな意義を有するものであると考えておりますが、引き続き、国や設置者などは、電気事故の状況を把握して、また、新しい技術の台頭も見据えて、保安レベルの維持と向上に不断に取り組むことが重要であると考えております。 以上とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○工藤委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○工藤委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。松下英樹君。
○松下委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の松下英樹でございます。 御多用のところ、本日御出席いただきました参考人の皆様に心から感謝申し上げます。誠にありがとうございます。 また、本日、このような貴重な質疑の機会をいただきました。経済産業委員会は私も初質問の機会でございまして、委員長を始め、理事の先生方、委員各位に心から感謝、御礼申し上げます。ありがとうございます。 それでは、早速質問の方に入らせていただきます。 今、参考人の皆様から御説明をいただきましたが、まず、山内参考人にお伺いいたします。 今後、脱炭素電源や送電線の整備を集中的に行う必要がある、こうした認識を私も持っておりますけれども、大規模電源の整備、これについては、既存事業者が担うことを想定しておられるのか、あるいは、今回の法案が成立することによって、新たな新規の事業者の参入、こうしたものを促していくのか、参考人の御意見をいただければと思います。
○山内参考人 既存事業者と新規事業者という区分けで御質問いただきましたけれども、まず、その法案自体が既存事業者を想定しているとか、そういうことは全くないというふうに私は考えております。 取りあえず、マーケットで競争するときに、イン・ザ・マーケットとフォー・ザ・マーケットという言い方をするんですけれども、マーケットの中で競争する、それからマーケットに対して競争する、そういう考え方があります。 例えば、脱炭素オークションというのが現在ありますけれども、脱炭素オークションというのは、脱炭素の大規模電源を開発するために誰がやるのか、それをオークションにかけるんですね。それは別に既存事業者でも新規事業者でもいいわけでありまして、そのためにつくっている、こういうことであります。 それから、既存事業者と新規事業者というのは、こちらに既存の方と新規の方がいらっしゃいますけれども、だんだん区別がなくなってきているというのが事実でありまして、大規模電源を造るときに、それらがコンソーシアムをつくってやるとか、いろいろな形ができておりますので、今の御質問に対してはそういうような考えを私は持っているということでございます。
○松下委員 ありがとうございます。 続いて、白銀参考人にお伺いしたいと思います。 電力自由化、そしてまた垂直分離、こうした中で今までの送配電部門と電源部門が分離されたというふうに理解しております。今回の法案改正によりまして、送電線の整備、これを後押しされるものというふうに理解しておりますけれども、この大規模な送電線の整備の必要性、あるいは現状の資金調達環境、そしてまた本法案に期待するところ、民間のお立場から御意見を賜ればと思います。よろしくお願いいたします。
○白銀参考人 送配電の設備投資、現状と資金調達の状況を御質問いただいたと承知いたしました。ありがとうございます。 まず、今回の法案で後押しされる設備としましては、地域内の送電線の増強、そして地域をつなぐ地域間連系線の増強、共に後押しになるものと思っております。特に、再生可能エネルギーあるいは大型のデータセンター、こういったところはどうしても地域に偏在する可能性の高いものです。それらをどう効率的に結ぶか、地域を超えて広域的に合理的な形で電気を流していく、これが重要と考えております。そのために必要となる、従来の既存の送電線とは違うところに増強するものというのが今後増えてくるものと考えております。 資金調達に関しましては、今現状においては、各社、資金調達に窮しているという、直ちにそういう問題が出ているところではないんですけれども、送配電設備というのは、設備が竣工しましてから非常に長期の期間にわたって回収する。例えば、送電線の減価償却期間は三十六年です。その期間にわたって回収していくということになります。送電線を建設する支出が一時期に固まって出ていくんですけれども、回収にかなり長期間を要する、そういう観点で、今回の法律案というのが非常に重要なものと考えております。 送配電事業者として、しっかりこの制度を使いまして、今後の安定供給につなげたいと思ってございます。 もし回答で足りていないところがありましたら、また御指摘ください。
○松下委員 ありがとうございました。 償却期間だけでも三十六年ということで、中長期での投資をしなければいけないというのはインフラ設備においては共通するところだと思っておりますけれども、こうした法案が整備されることによりまして、今民間の事業者のお立場からもしっかりと整備されたいということでございましたので、こうしたことを政府としても後押ししていかなければいけない、そのように考えました。ありがとうございます。 続いて、香月参考人にお伺いいたします。 私の地元の室蘭でも御事業の方を御展開をいただいております。ありがとうございます。 電力自由化に伴いまして、様々な電源、あるいは小売に参入されておられると思うんですけれども、脱炭素電力、この需要が近年非常に高まっているというふうに報道等で承知しておりますが、実際に、事業者のお立場から、この脱炭素電力の需要はどのようなものがあるのか、この点をお聞かせいただければと思います。
○香月参考人 御質問ありがとうございます。御回答申し上げます。 GX―ETS等もございますし、やはり企業の方を中心に脱炭素電力に対するニーズは高まっているというふうに思います。また、各企業様のサプライチェーン全体を脱炭素電力でそろえたいというようなニーズも顕在化してきていると思っております。 ただ、しかしながら、一方で、新規の再生可能エネルギーの建設につきましては、やはり建設コストが非常に高まっているということもございまして、脱炭素電源を求められる方と脱炭素電源を造る方とで価格水準の乖離が発生しているというところが若干課題ではないかというふうに思っております。 以上、御回答申し上げました。
○松下委員 現状を御説明いただき、ありがとうございました。 続きまして、白井参考人にお伺いしたいと思います。 今般、太陽電池発電の、いろいろと報道等でも世間の皆さんの注目が集まっている分野だと思います、今回の法案改正に伴いまして、設備の構造安全性の強化がうたわれている点、この点は高く評価を私もしておるんですけれども、土木建築の専門性を有する第三者機関による適合性確認、今回これがこの法案の整備によってなされるということになるわけですが、その一方で、電気保安業務の担い手、またこの人材、こうしたものというのは、どの業界も共通しているところだと思いますけれども、今不足している状況だと思うんですね。そうした中で、今回、確認検査が増えることになる。参考人の資料でも、年間一万件ぐらいを想定されておられるわけですけれども。 こうした中で、どう人材を確保していくべきなのか。あるいは、なかなか人材がいないというわけですから、しっかりとこの分野もDX化を進めていかないといけない、そのように私は考えますけれども、参考人の御知見で、現場における取組状況、環境であるとか、今後こうした人材不足にどう対応していくべきなのか、お考えがありましたらお聞かせいただければと思います。
○白井参考人 御質問ありがとうございます。 人材不足というのは非常に重要な問題で、電気事業に関しては、電気主任技術者の養成というのをやっておりまして、そちらの方の教育の方も、資格の確認の方も改善を進めているというところであります。 今回の法案に関連しての人材ということですけれども、確かに、やらないといけない件数が一万件以上という多数のものを抱えておりますので、確認にかかる時間も考慮しますと、とにかく第三者確認が円滑に進められるような制度設計をしないといけない。そういう意味では、ネットを使った整備をするとか、それから、特に、民間認証制度とか規格とか、そういうものを使って標準化をして、そういうものを公表して、そういうものに見合った形で造っていただければ認証するとか、そういう環境の整備というのもちょっと考えていかないと制度設計としてはいけないかなというふうに考えております。 以上です。
○松下委員 ありがとうございます。 環境の整備もしっかりと政府としても後押ししていかなければいけないなというふうに私も認識をしたいところであります。しっかりと、この再生エネルギー、今回の法整備をすることで、この太陽電池発電が安心して、理解が得られる地域においては導入されるような、こうした後押しとなる、そうした改正、法律案にしていかなければいけないなと思ったところであります。ありがとうございました。 また山内参考人にお伺いさせていただきます。 本日の資料をいただいたところで、今日の御説明もありましたけれども、AIが台頭して、半導体、データセンター、こういったものによって電力の需要というのは高まっている、今後もどんどん莫大に増えていく、こういうお話があったかと思うんですが、一方で、つい数年前までは、日本の電力需要というのは徐々に減っていくものだ、こういうふうに政府としてもあるいは専門家の皆さんも認識しておられたのではないかというふうに思うんですけれども、参考人が、電力が増えていく、しかも莫大に増えていくというふうに御認識に至ったのは大体いつ頃で、この需要というのは、現状の供給、どれほど今足りないのか、そういったところを、御知見をいただければと思います。
○山内参考人 御質問ありがとうございます。 去年の二月に第七次エネルギー基本計画を作成しました。当然、それについては、一年弱かな、半年ぐらいかな、議論をしたわけですね。それでいろいろ産業の実態を詳しく聞きました。そのときに、まさにおっしゃったように、半導体とか、特にAIですね、こういった産業が勃興しているということであって、それについて電力の手当てが必要だと。それで、その時点で、各送配電会社が将来どうなるかということの予測を持っていますので、これを合計してやってみたんですね。そうしたら、かなり増える、こういうことだったんです。 それで、エネ基の議論の中で、産業構造自体が変わったときに電気はどうなるんだということをモデルを使ってシミュレーションをしたり、そういったことがありました。その中で、おっしゃったような、電力需要の伸びというのがかなり甚だしいものだということだと分かりました。 ちょっと付言しますと、先日、私、テキサスに行って、日本のデータセンターの会社、具体的に言うと、これは言ってもいいんですかね、NTTデータという会社を訪問いたしました。驚いたことに、NTTデータは、驚いたと言っては怒られちゃう、世界シェアで三位ぐらいを持っているんですね。それで、もちろん日本だけじゃなくて、世界的に展開しているわけですけれども。 だから、データセンターとかAIというのは、日本の産業、国の産業の競争力を上げるだけではなくて、それ自体として産業としてかなり大きな影響力を持っているということだと思います。その意味で、データセンター等のための電力の必要性を認識したということであります。
○松下委員 ありがとうございます。 本当に、電力需要というのが、AI、またデータセンターが非常に今増えていく中で、日本においても、電力を安定して、しかもできる限り安価で供給する、これが大変重要なことだと思っております。 そうした中、現場の皆さん、電力事業者の皆さんが本当に懸命になって供給をしていただいている。当たり前に電気をつければ電気がつく生活を我々日本人は送らせていただきますけれども、これは決して当たり前でないというふうに私は思っております。現場の皆さんのたゆまない努力によって、こうして安定した電力を供給していただいている。 そしてまた、さらに、電力需要が莫大に増える中で、未来を見据えて電力事業者の皆さんがしっかりと投資をしていく、こうしたことをしっかりと政府としても後押ししていかなければならないと思いますので、今回の法案の改正がその皮切りとなっていければというふうに思っております。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河野義博君。
○河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。 先生方、今日は本当にありがとうございます。 まず、山内先生にお伺いしたいと思っております。 システム改革、私は初当選が二〇一三年七月ですが、当時はもう既にプログラム法が通っておりまして、そこから累次の改革に取り組んできたわけでありますが、当初から私が懸念を経済産業省に申し上げておったことは、本当に料金が下がりますかということです。それと、発送分離、聞こえはいいんですが、地域独占を排して競争を促す、そして、電源を効率化して競争によって価格を下げていくんだという経済産業省の説明だったわけであります。ヨーロッパ型のアンバンドリングを志向した結果だと思いますが、果たしてこれがうまくいったかというのを今やはり立ち止まって考えるべきなんだろうと思っています。 システム改革の検証が行われて公表がされてはおるものの、結果としては、震災前より家庭用電力は五三%上がっていて、産業用でも八三%上がっています。電源開発も、懸念どおり、なかなか進んでいるとは言い難い。キャパシティーマージン、設備余力もどんどんどんどん減っていって、毎年夏はみんな節電してくださいというような状況が続いているという現状をどう捉えるかということでありますが、率直に、私は、余りうまくいっていない改革だったんじゃないかなと。それを補うための今回の法改正であって、今回の法改正の中身は必要かつ適切な内容であると私は感じていますけれども、山内先生、この十年間取り組んできた一連のシステム改革をどのように受け止めておられるでしょうか。
○山内参考人 今おっしゃった電気料金の問題でありますけれども、多分同じ資料を今見ておりまして、家庭向けで五三%、それから産業向けで八三%というようなことですけれども。 まず、料金について申し上げると、これはお役所の答弁に近いのであれかもしれませんけれども、これは上がっていますけれども、上がっている要因というのは何かというと、燃料費がかなり大きい。燃料費の高騰、御承知のとおりで、今回もバレルで百ドルとか、そのくらいまで原油がいっているわけですよね。それから、もう一つはFITですね、FIT賦課金、これが大きいので、その辺を除いてみると、それほど大きな上昇ではないというふうに私は認識しています。 それで、料金について言うと、そういうことでありますので、確かに上がってはいるけれども、さっき冒頭で申し上げましたけれども、このシステム改革というのは、料金を下げるとは言っていないというか、それは無理だと私は思っていまして、最大抑制というのがやはり目的だったというふうに思います。下げるというんでしたら、今行われているように、具体的に補助を入れるとか、そういう形の方が全然やりやすいといいますか、効率的ではないかなというふうに思っています。 それで、システム改革が全体として成功したかどうか、あるいは効果を上げたかどうか、こういう御指摘だと思いますけれども、料金については今のお話であります。 それから、何がそれまでと違ったかというと、要するに、発送配を分離をすることによって多くの事業者が入ってきて、それによるいろいろなトランザクションとかあるいはイノベーションとか、そういうものが起こったのも事実だというふうに思っています。 その意味では、私も再生可能エネルギーをずっとやっておりますけれども、再生可能エネルギーはいろいろな方法が出てきて、今回、恐らく多分洋上のことを頭に置いていらっしゃると思うんですけれども、洋上風力については、事業者が撤退するとかいろいろな問題があるんですけれども、私は、これで失敗したというふうに思ってはおりませんで、これはやり方が少し悪かったかなというふうに考えています。 それで、先ほどの御質問に返ると、発送配を分離して、その聞こえはいいけれどもというのは、実は私も思っておりまして、発送配を分離して、垂直分離でいうとヨーロッパ型、それから、そもそものやり方でいうとPJMのアメリカ型、こういったやり方が日本でできたかというと、なかなか難しい。それで、今回の法案は、それを修正する、あるいは、それに対して、変な言い方ですが、パッチを当ててちゃんとマーケットが機能するようにする、こういうようなものだというふうに考えております。
○河野(義)委員 完璧なルールが一発でできるわけはありませんので、適宜修正を行っていくというのは必要なことだろうと思うんですが、これは次の次の質問でお伺いしますが、ころころ制度が変わるという問題点もあるわけであります。 一方で、安定的に供給力を確保していくためには、やはりそれなりのマージンを元に計画的に発電所を造っていかなければならないと思っています。 洋上風力発電所も、当時は三十六円でやるんだと言っていたのが、いきなり、ある日突然、大きな議論をすることもなく入札制度になった。そして、あっと驚くような値段である大手の会社が取ったけれども、やっぱりやりませんと。洋上風力も、これで私は日本の洋上風力は五年以上遅れたと思います。サプライチェーンもようやく芽ができたのが、これも潰してしまった。 価格というのは、やはり見通しを持って、ある程度の利潤を、暴利を貪ってはいけないと私も思っています。公共公益性が求められる事業だと思っていますが、WACCが五%、六%で原子力発電所を造れというのも、かなり無理な話なんじゃないかなと私は思います。 適切な利潤を持って、やはり国が見通しを示して適切に発電所建設を促していかなければならないと思いますが、発電所は、御案内のとおり、建設費と燃料代とマージンということであります。再エネの場合は燃料費は要らないということでありますが。適正利潤、これをやはり、マージンを削って削って削らせて競争させた結果、電源開発がなかなか進まなかったという側面が私はあるのではないかと思いますが、今後、この適正な利潤というのをどういうふうに考えていったらいいか、山内先生の御所見をお伺いしたいと思います。
○山内参考人 御質問は、ある程度私も納得といいますか、同意するところでありまして、どういう形で電源を造っていくかというのはいろいろなやり方があると思うんですね。今までやってきたのは、マーケットに任せて、例えば容量市場をつくるとか、あるいは、今回はまた脱炭素電源のオークションとか、いろいろなやり方をしてきて、要するに、何をやってきたかというと、マーケットだけで電源をちゃんと提供できるかというと難しい、こういうことだと思います。 一方で、これを全部計画的に、ここに造れ、あそこに造れというのはなかなか難しい、これも最適な解が得られないというふうに思っております。まさにWACCの話をおっしゃいましたけれども、経済的な条件の中で最適値ができるような投資環境、それから電源の種類と立地の選択をしていく、この必要があるというふうに思っています。 それで、再生可能エネルギー、最初に入れたときにFITを入れたわけですけれども、私もちょっとお手伝いさせていただいたので、あのとき、例えば太陽光を四十円で最初買い取るということになって、何で四十円なんですかと聞かれたときに、太陽光というのはまだ日本でやったことがなかったんですね。それで、大きい会社のある方が四十円じゃないとできないというデータを詳細に持ってこられて、それでこれは四十円からというところで決まっていったわけですけれども、確かに四十円でやったおかげで太陽光がばあっと増えたというのがあります。 ただ、それが増え過ぎて、途中で、さっきおっしゃったように、技術的な問題もあり、なかなか問題だねということになりました。ですから、その辺のところも、頃合いと言うと変だけれども、見ながら制度改革しなきゃいけない、私はそういうふうに思っています。 ただし、おっしゃるように、制度改革はファインチューニングするんですけれども、予見性がないと困りますねというのはそのとおりだというふうに思いますので、その辺をやはりいつもいつも議論をして、それから情報の交換をしながら、どういうふうな形で進めていくかということを考えていく、政策を取る、こういうことだと思います。
○河野(義)委員 ありがとうございます。 建設コストも倍になっています、金利も上がっていますという中で、アメリカの国債を買えば五%の投資利益が得られる中で、じゃ、五%でリスクを取って発電所を建てるかというと、そういうことだろうと思うんですね。ですので、やはり投資的にも魅力のあるものにしていかなければならないんじゃないかなと私は思っています。 制度変更に関して伺いたいんですけれども、太陽光が四十円、三十六円の時代にどんと、みんなが地上げ合戦のようになってしまいまして、実現可能か不可能か分からないようなものまで大量に認定を取ってしまった。それを修正すべくFIT認定失効制度というのを設けて、これはこれで必要な制度だと私も思います。 一方で、風力発電事業者が今困っておりまして、この制度が風力にも適用されます。後から法改正が行われる事象によって、FIT有効期間八年プラス一年、九年以内に運開しないと失効させられてしまうという案件が非常に多くて、先日、日経新聞にも載っておりましたが、ここはちょっとやはり中身を丁寧に見ていかなきゃいけないと思っています。 例えば、盛土規制法は、当時想定していなかった、後から法改正がされたルールであります。当然法律は守らなければなりませんが、こういった事象、若しくは、災害が起きます、能登の案件もあります、そういった中で、やはり丁寧に見ていって、やはり失効制度も全て一律、これはもう期日が来たからなしよということじゃなく、空き枠、空枠を押さえているような、やる気がないような案件は当然失効させるべきですが、地元との信頼関係を積み重ねて、地元にもいろいろなメリットがあるような案件、これが外的要因に基づいて認定期間を超えてしまったならば、これはある種の不可抗力、フォースマジュールを適用して、全て一律失効というふうにはしない方がいいのではないかと私は考えますが、先生はどのようにお考えになられますか。
○山内参考人 三年前に、GX推進法という、ちょっと正確な名前は忘れましたけれども、その法律を作って、今先生がおっしゃったような形で、特にあのときは太陽光のそういった問題点について規制をかけるような法律を作りました。その中で、太陽光についてはその前から遡及適用していたかもしれないけれども、そういう形での規制といいますか統制をかけたというのは事実であります。 それで、ある意味ではそれしか仕方がなかったのかなというふうに思っていますけれども、私、いろいろなところでいろいろな事業者さんに対する統制といいますか規制の在り方というのを商売柄勉強していまして、先生がおっしゃるような形でいうと、もう少し事業者さんをちゃんと見て、細かく見て、それで何が問題かというようなことを制度的に措置できるようなこと、やはりこれが必要だったのかなというふうに思います。 ちょっと例えがいいかどうか分かりませんけれども、十年前に軽井沢でバスの事故がありまして、若い方が何人も亡くなったんですね。それで、バスの安全性規制、ある意味ではクオリティーとか商品に対する規制、これを見直したんですけれども、八十四項目ぐらいこれをやってくれというのが役所の指示だった。それは何かというと、要するに、安全を規制するということは、直接国が何かやるということは、運輸局がやるということはなかなかできない。要するに、その会社がコンプライアンスとかガバナンス、これをきちっとやっていけるようなことにしなきゃいけない。そのためにクオリティー、特に今の場合だと安全性ですけれども、こういうことを確保するということなんですね。そのために八十四項目。これは、逆に言うと、こういうコンプライアンス、こういうガバナンスをやらなきゃいけませんという例を示して、これをやってくれ、そういうことだったんですね。 再生可能エネルギーについて、そこまで細かくやるのかどうかは別ですけれども、先生おっしゃるように、一律何年とか、そういったことで基準を、基準といいますか、遡及適用するような形というのは、なかなかちょっと乱暴かなという感じは持っています。 おっしゃるように、細かく見ていく中でそういうことをやっていく、そういうことを防止していく。まさに全くやる気のない事業者さんだったらやめるということですよね、そういうようなことをやる。こういうのも一つの方法ではあるというふうに思っています。
○河野(義)委員 ありがとうございます。 それから、中長期マーケットの必要性も先生から御説明をいただきました。私も理解をする一方で、これは現物取引であります。三年後、五年後のキロワットアワーを今現時点で確定させて、将来実際に受渡しするというのはなかなか簡単なことじゃないなと思っておりまして、薄商いにならないことが私は大事だと思うんですが。 経済産業省はよくルールを作るんですよ。例えば、ガスもOTCマーケットをつくったんですけれども、誰も使わない。無理やりガス会社に取引させたみたいなことにならないように、これは取引を活性化させていかなければならないと思いますが、役所に聞きますと、詳細設計はこれからやりますと言うわけです。なのに法律だけ出してくるというのは、すごい役所だなと思いますけれども。 薄商いにならないために、必要なものだと思いますが、中長期マーケットはどのような点に留意していくべきか、アドバイスを頂戴できたらと思います。
○山内参考人 一年、三年、五年ルールというのを、そういうルールを作って中長期市場という方針ではあったんですけれども、明確な形で今回の法案には入っていないというふうに理解しております。 それはどうしてかというと、おっしゃるような形で、本当にそれで取引ができるのかという話。一方で、既に将来市場については金融的な取引のマーケットができていて、それとどうなんだという話だってあります。 ここから先は私個人の見解ですけれども、そもそも、小売事業者さんが供給義務があるというようなところから出発なんですね。 こういう公益事業とかインフラ系のもので事業法を持っているところというのは、提供事業者が供給義務を持つというのが公的な目的というか社会的な目的というか大前提ですね、私、レジュメにもちょっと書きましたけれども。例えば、電気通信ですとユニバーサルサービスというのがありまして、電気なんかもユニバーサルサービスが基本的にはあります。それから、運輸なんかですと運送引受義務というのがありますよね。これがコモンのキャリアだったり、あるいはパブリックユーティリティーだったりする、その方が基本なんですね。 それで、電気の場合には、それを供給義務という形で課しているわけですけれども、これがシステム改革でばらばらになっちゃいまして、なかなか難しい。小売事業者さんが、供給義務を課しているといっても、さっきもお話ありましたけれども、二〇二二年のウクライナのときにわあっと燃料が上がったときに、供給すべき小売事業者さんがそれに耐えられなくなってしまって、するのをやめてしまったというのがありますね。ちょっと話が長くて恐縮ですけれども、それで白銀さんのところみたいな送配電会社がその供給義務を負うという形になっているんですけれども、これは基本的にはおかしい。基本的にはやはり小売事業者がそれを持つべきで、そういったところで、不確かな経営状態にある事業者というのは、私は基本的にマーケットから出ていっていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思っています。 その一つのものとして中長期市場というのがあるべきだというのが一つの理由です。一年、三年、五年で、ああいう形が本当にできるかどうかというのはもうちょっと議論しなきゃいけないかもしれない、ただ、一年先、三年先、五年先にこれだけの現物としての需要が必要だということはマーケットの情報として存在する、そのことによって送電会社も発電会社も投資ができる、そういうことになるわけで、金融的な取引だけではそれはなかなか難しいというふうに思っています。 ですから、細かい制度設計はこれからまたまさに議論するということでやっていますけれども、具体的に言うと、そういうものがマーケットを円滑にする、あるいは投資を含めた意味でのマーケットの円滑さをつくる、こういうことだというふうに考えております。
○河野(義)委員 時間が参りました。ありがとうございました。 今後の法案審査にしっかりと生かしてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、東徹君。
○東(徹)委員 日本維新の会の東徹でございます。 今日は、大変御多用の中、四人の参考人の先生方が来ていただきまして、本当にありがとうございます。 日本維新の会は、電力の自由化、そしてまた送配電分離、このことについて我々も賛成してきた立場でございますし、そしてまた、原子力発電、これについては、再稼働は安全であれば進めていくという立場でもありますし、また、次世代革新炉、これについても進めていく立場でございます。 今、日本の経済というのは、私は、もう崖っ縁というか、非常に岐路に立たされているというふうに思っておりまして、その中で、日本の経済を何とかもう一度成長させていくためにも、電力というのは非常に大事ですし、大事な基盤だというふうに思っておりまして、エネルギーの安全保障をしっかりと守っていかなきゃいけないというふうに思っております。 そんな中で、今回の法案についても、画期的な法案だと思っておりまして、今まで融資をするということはなかったわけですから、財政投融資を使って貸付けができる、そういうことができるようになったというのは、これは、山内先生が取りまとめていただき、そしてまた経済産業省も頑張った結果だというふうに思っております。 まず、山内参考人の方にお聞きしたいなと思うんですが、電気料金を最大限抑制していく、非常に私も大事だと思っていまして、安全で安定供給というのはもちろん大事ですし、大前提で、その次はやはり安価でないと駄目だというふうに思っております。安価であるために、そしてまた最大限抑制していくためにどういうことをしていかなきゃならないのかということを、先生の御知見がありましたらお示しいただければと思います。
○山内参考人 よくこういう公益事業なんかでアフォーダビリティーという言葉を使いまして、安くするというのがどういう意味かということでいうと、我々の観点からすると、やはりコストに見合った価格がつくというのが世の中の本当は正しい姿で、ですから、基本的には、今回も電気料金に補助金を出していらっしゃいますけれども、私個人としては余り望ましいことではないというふうに思っています。それでも、やはり公的な、あるいはさっき申し上げたように公共的な事業として行われているところがありますから、供給義務もあるし、そういう面ではアフォーダブルであるということが大切だと思っています。 それが、申し上げたように、確かに小売で、家庭用で五十数%上がっている。その場合の一部はFIT賦課金とそれから燃料費。ですから、これを下げようと思ったら、賦課金か燃料費を下げるしかないです、具体的に言うと。 燃料費をどう下げるかということですけれども、これがなかなか難しい。難しいというのは、これは国際的なトランザクションの中で決まっていくというわけですね。 ですから、例えば、今、今回、石油がホルムズで問題になっていますけれども、天然ガスはホルムズを通ってくるのはそんなにないですね。少なくとも、ガス会社がホルムズを通ってくるのは余りないですよね。JERAさんとかが使っている発電用のLNGについてはホルムズを通ってくるので、これはちょっと影響を受けていますけれども。 なぜそうなのかというと、これは、今回のホルムズのときに時々言われるんですけれども、第四次中東戦争というのが一九七三年に起きて、第一次オイルショックが起きるわけですよね。それによって資源エネルギー庁というのができて、その後、この間首相も強調していらっしゃいました、原油の備蓄というのが起こるわけですよね。 そういう形で対応するんですけれども、例えばLNGの場合には、一極の供給に頼らずに、世界的な供給手段を、供給地を、ポートフォリオ、いろいろなところから買っている。ですから、この間も、ウクライナで、ロシアのサハリンのLNGを買う買わないというときに、あれは基本的に一〇%ぐらいですから、買わなくても何とかなった、そんなような形でした。 要するに、申し上げたいのは、リスク対応で、基本的に分散する、あるいはそこで競争する、そういう中で燃料費を下げるというのが一つあるというふうに思います。それから、もちろん、技術革新はありますし。 原子力等については、これからコストを下げる。エネ庁の資料なんかでも、原子力発電はやはり発電コストが低いですよ、こういう話ですよね。ですから、それを進めていかなきゃいけないんですけれども、原子力の場合はちょっと時間がかかるし、それからリスクが大きいので、さっきおっしゃっていた、原子力に五%のWACCで投資できるかというと、なかなか難しいと思っています。ですから、そういう面も含めてやっていかなきゃいけない。そんなことの中で、これから抑制を図る、アフォーダブル、こういうことだというふうに思っております。
○東(徹)委員 ありがとうございます。 続きまして、白銀参考人の方にお聞きしたいと思います。 やはりデータセンターの需要というのはありまして、データセンターを造るとなったときに、送電線、そしてまたいわゆる変電設備、こういったものを造らなきゃいけない。ただ、これは非常に時間がかかっておりまして、変電設備もなかなか国内では造れていないとか、そんな問題もあったりとかをお聞きしたりとかするんですけれども、五年から十年かかるといったら、これは間に合わないよというふうな話もあったりとかします。 白銀参考人にお聞きしたいんですが、こういう時間を短縮していくためにはどういったことが必要なのか、お聞きしたいと思います。
○白銀参考人 データセンター等、本当に、今後、日本の経済発展のために必要なGX戦略に向かって、送配電設備の増強、一刻も早く工事を進捗させる、これは重要な課題だと本当に我々としても受け止めております。 実際、送電線あるいは供給設備の工事をするに当たりましては、様々な関係者との調整、あるいは資機材の調達、今御指摘いただきましたように、変電設備、変圧器や変電機器の生産もかなり長期化している状況にあります。 こういったものを、我々としましては、設備をできるだけ早めに、予報発注というような仕組みを構築しております。また、工事を実施する時期をできるだけ重ならないように平滑化する、そういったような工夫もしながら、今、送配電網協議会の中でも中長期的な課題とこれは位置づけまして、複数のメーカー様、特に変電メーカー様とも意見交換をしまして、一体どういうことを送配電として配慮をする、あるいはどういう枠組みをつくれば、例えば生産体制の増強など、そういうことに資するものになるのか、こういったような議論も進めておるところです。 一方、本当に、足下で設備の構築にやはりどうしても時間がかかってしまうところというのは出てまいっております。例えば、電線を地中でデータセンター等に向かって送っていく、こういったところで様々な、用地交渉、あるいは許認可の手続というのも発生してまいります。地権者との協議、あるいは自治体等、関係者等の御支援による土地取得の円滑化、手続の迅速化、こういったものを是非我々としても御相談をしたいところと思っております。 こういったものを積み重ねていくことで、工期の短縮というものを我々としても追求していきたいと思っております。 以上でございます。
○東(徹)委員 ありがとうございます。 続いて、香月参考人にお聞きしたいと思います。 今日は新電力会社を代表してお越しいただいておるというふうに思っていまして、我々も、こうやって参入されてきたことに非常に敬意を持って見ております。 今回の法案も含めてなんですけれども、今後、新電力会社として、安定供給、そしてまた、できるだけ価格を抑えてというふうなところでやっていくにはどのような対策というものが必要なのか、ちょっと詳しく教えていただければと思います。
○香月参考人 御回答申し上げます。 企業によって様々なやり方があると思うんですけれども、私どもを例えば例に取って申し上げますと、私どもは発電と小売と両方行っておりますので、やはり原価の低減という意味では、最新鋭の火力への投資等を行うことによりまして発電原価をまず下げていくという努力を行っております。 また、販売経費の削減という意味でも、新電力の事業者さんで、完全に自らお客様を全く新規に開拓されていらっしゃる方もいらっしゃれば、何らかの事業をされていらっしゃって、既存のお客様をお持ちになられている方に電力も販売されていらっしゃる方も結構多いと思うんですけれども、そういった販管費の削減、有効なチャネルを使うですとか、そういったことによるコスト削減。それから、我々のバックオフィス的なものに対するAIとかデジタル化の推進によってコストを下げていくというようなことをやっております。 今回、中長期取引市場等も出ておりますけれども、やはり、少し先のものも、なかなか先の価格の見通しを見ていくのは難しいんですけれども、今、金融的な取引も結構行われておりますので、足下の供給を確保するだけではなくて、先物を使ったり、ヘッジをしたり、金融的な手法を取りながら調達コストの削減に努めていらっしゃるような事業者さんも多いと思いますので、各社様々ですが、金融的な手法、それから、自ら何らかの電源に投資するですとか、様々な手法を取りながら低減に努めていきたいというふうに思っております。
○東(徹)委員 ありがとうございます。 白井参考人にもお聞きしたいと思います。 ペロブスカイトという新しい太陽光、我々も非常に期待をしておるんですけれども、このペロブスカイトがこれから普及していくことを我々も願っておるわけですが、これを普及していく上においての何か安全上で留意する点というのがもしありましたら教えていただければと思います。
○白井参考人 御質問ありがとうございます。 皆さん御存じかと思いますが、ペロブスカイトの太陽電池というのは、非常に軽量で、フレキシブルな形状にできるということで、今までの太陽光のパネルとは違った形で設置されるということが想定されております。 ただ、具体的にそういう事例がまだたくさん出てきておりませんので、そういうものが出てきたところで、そういうものの状況を踏まえて、本当にそういうものに対して設備のこういう規制が必要かどうかというのも含めて、検討を深めていかないといけない時期ではないかなというふうに考えております。 以上です。
○東(徹)委員 ありがとうございます。 最後に、山内参考人にもう一つお聞きしたいなと思います。 今回、こういった取りまとめをしていただきました。まだまだ電気については、電力についてはいろいろと課題もあると思います。次の改革に向けてこういったことをやっていかなきゃならない、そういう思いがもしありましたら、是非お聞きしたいなというふうに思います。
○山内参考人 なかなか難しい質問でございます。 私は、この取りまとめの委員会の委員長はもう降りましたので、私の責任ではないというふうに思っておりますけれども、これからやるとすると、まさに、先ほどいろいろおっしゃったように、いかにそのコストを下げていくかとか効率的にやるかという、そこだと思います。思いますが、それはいろいろなやり方があって、さっきちょっと燃料の話をしましたけれども、それだけではなくて、電力事業をする。例えば、先日、GX地域戦略というのをGX本部の方で立ち上げられて、それで、再生可能エネルギーといいますか、脱炭素電源を使った地域のクラスター形成みたいなことをやられると。その中に、洋上風力の発電を使って、その地域で産業を興していく、こういう御提案を幾つかいただいていて。 さっきもちょっと話題になりましたけれども、洋上というのは、技術的にも不確実性が大きくて、なかなか簡単にはいかない。それで、第二、第三ラウンドなんというのは、PPAといって、買ってくれる人を持ってきたので、これでいけとやったんですけれども、それでもなかなか難しい。 そうなってくると、これは、洋上が脱炭素電源として全体の電源構成比の中でこれから増えなければいけないというふうに、こういうことを前提とすると、そのためには電力発電だけでは駄目で、地域としてそれをどう使っていくかとか、あるいは産業と組み合わせて使っていくかとか、そういう新しい手法、そういうものを考えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っていて。 第七次のエネ基でも、さっきもちょっと申し上げましたけれども、エネルギー基本計画というのは、これはエネルギーの基本計画だけじゃなくて経済政策と一体だ、そういう話があります。ですから、エネルギー、これからアフォーダブルに、効率的にということであれば、経済政策の中で、密着性といいますか、密接性といいますか、そういうものを上げていく必要があるのではないかなというふうに思っております。 以上でございます。
○東(徹)委員 時間になりましたので、以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 おはようございます。国民民主党の鈴木義弘と申します。 電力の関係者にお話を聞くと、うちら電力事業者は電気しか売るものがないんだと。言われてみれば、そうなんですね。送電事業者も、電気を通すことで得られる利益、使ってもらうから、そこでもらう。新電力も同じですね。だから、商売と言ったら失礼かもしれませんけれども、事業をやる方からしたら、そこに投資をしてもうかるかもうからないか分からないところに投資をする人はいないんですよね。 これが前任の方も質問した、十五年間、電力事業改革、私も十年前に、電気事業法の改正のときに質問にも立ちましたけれども、あれからまたいろいろ変えていくんですね。変えていくんだけれども、不備があるから変えていくんだというんですけれども、さっき前任の人も、個人だったら一五%、六%値上がった、事業だと八〇%値上がった。十年前もここで、中小企業で電気をたくさん使っている鋳物屋の社長さんが意見陳述をしたんですけれども、何とか下げてくれ、電気しか私たちのところは使えないと。これは実際の話だと思うんですね。 競争力強化法、技術強化法、今回、電事法の改正なんですけれども、みんなこれはつながっているように私は思うんです。その中で、データセンターや半導体が国内の中で整備されていくから、それに見合った送電線を引きなさいよ、発電もするんだったら頑張ってくださいよというところで、事業者にとってはメリットがある法律なんですけれども、何か、個人の家庭に、電気代はどんどん上げていっちゃって、プラスマイナス、足らなければよそから持ってきて調整すればいいんじゃないかと言ったら、これから長い目で地方に行けば行くほど人口がどんどん減少していく中で、データセンターでも何でも、まあ、来ました。それだけの電力の消費をせざるを得ないんですけれども、ふと思ったんです。データセンターだとか半導体を誘致するんだったら、その脇に発電施設をなぜ義務づけないのかということです。そういう発想がなさ過ぎ。だって、一時期、経済産業省が、スマートグリッドというのを何年か前に声高に言ったんですね。でも、この法律の改正の中で、スマートグリッドという言葉が一つも出てこない。地産地消ですよ。 それについて各々、山内参考人に、その辺は去年のエネルギー計画の改正の中で取り入れられてこなかったのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○山内参考人 地産地消型の、地域分散型の電力システムの方が効率的ではないかというふうにお聞きになったというふうに理解しておりますけれども、これは確かに、例えば人口が減っていく中でなぜ大きな発電所が要るのかとか、いろいろな見方があるというふうに思っています。ただ、基本的に、電力のシステムというのは、ネットワークがあって供給されないとですが、いろいろな不具合が起きる。 例えば、去年ドイツのある村に行きまして、そこは再生可能エネルギーだけでその村の電気を供給しているところですけれども、これは世界的に有名なところですけれどもね。でも、それで何かあったときのためにそこには何があるかというと、ネットワークがつながっている。必ずそうなんですね。しかも、再生可能エネルギーですから結構高いんですけれどもね。要するに、値段を下げるとか、アベーラビリティーとか、安定供給というと、必ずネットワークが必要になります。 まあ、そうはいうものの、おっしゃるように、例えば、データセンターができるところに電源を造ればいいじゃないかということがありますけれども、さっき申し上げたGXの戦略地域の中にこういう提案があったんですね、原子力発電所の脇にデータセンターを造ればいいじゃないか、こういう話です。それはそれで結構なんですけれども、地域の分散型の電気がぽつぽつぽつぽつ出てくるのはそれはそれでもいいんですけれども、ああいった大きな電気を使う施設と電源が一緒になってしまうと、ネットワークの維持がなかなか難しくなる。 これは冗談ではなくて、ネットワークというのは全体で支えるのであれだけの、あれだけでもそれは高いと言われるとあれですけれども、白銀さんに怒られちゃうけれども、ネットワークの送電コストというのは、それが維持できているわけですよね。そこに、でっかい工場ができて電気をいっぱい使うのでネットワークにはもう通しませんということになると、ネットワーク自体が駄目になるんですね。これはなかなか、今の電力システムでは難しいことだというふうに思っています。 これもいい例かどうか分かりませんけれども、ガスなんかだともうちょっとネットワークは小さいので、ガスで、大きな工場があって、ガス事業者さんではなくて別の事業者さんがガスを持ってきて、工場に直接そのガスを提供した方が効率的じゃないか、こういう話がある。それをやると、ガスのネットワークの全体のガス量も減るんですよね。そうすると、ガスを使っている人のコストが上がる、そういう仕組みになって、これは二重導管問題と言うんですけれども。 そういう形で、ネットワーク全体を使いながらというのが大前提であると私は思っていまして、その中で、地域のものとか、これは安全保障上もといいますか、地域の災害的にも地域分散というのは必要かなというふうに思っていますけれども、そういう組合せではないかなというふうに思っています。
○鈴木(義)委員 何を申し上げたいかといったら、ある企業のために私たち個人の家庭がそれを負担しなくちゃいけないという。ネットワークを否定しているわけじゃないんですね。 だから、出てくるんだったら、それと一緒に、新電力じゃないけれども、発電をしてもらうところを造って、そこに不測の事態のときにはネットワークから電気を供給できるような仕組みをつくればいいだけの話で、そこのところが今回の法律の中では、スマートグリッド、地産地消という言葉が全然出てこないんですね。 だから、それはなぜそうなのかということなんですけれども、送配電の担当をされている白銀参考人にお尋ねするのはちょっと、あと、香月参考人にも、電気を作る側と送る側でいったときにどういうイメージをしたらいいのか、お尋ねしたいと思います。
○白銀参考人 どういう立場でお答えするのか、なかなか難しいところでありますけれども、先ほど山内先生からあったように、いわゆる送配電の、我々は電力系統、電力システムと呼んでいますけれども、これは、個別の要素だけで見るのではなくて、全体の最適という観点で設備設計、設備形成をしております。 これは何を意味するかというと、常時にどれだけの電気が流れるかというのは、これはまずファーストステップとして検討します。そして、事故時、送電線が止まる、あるいは大型発電所が停止する、そういったときに、その電気がどこから流れてくるか、そういったものを事故時シミュレーションを重ねながら、そのときに全体として一番いい、バランスの取れた設備はどうあるべきか、そういった検討の上で、いわゆるシステム全体としての設計というのをしているということです。 何を言いたいかと申しますと、当然、地産地消というのは、まずGX戦略、ここの議論の文脈の中にも表現されていると理解しておりまして、そういうものとのバランスだと思っております。地産地消だけで、じゃ、送配電の投資がなくなるのかというと、多分そうではなくて、きっと、事故時にどういった設備の形態が合理的なのか、こういったバランスとの兼ね合いで設備形成がなされていく、これにつきましては送配電としてもまさにそのとおりだと思っておりますので、しっかり今後、我々も検討に御協力して進めてまいりたいと思います。 以上です。
○香月参考人 地産地消というのは非常に重要な視点だと思います。 ただ一方で、大規模な系統整備というものは、電力システム全体の安定を図るという意味でも重要なことだと思いますので、当然、例えばデータセンターを造られる方で、日本以外で造られる方も、当然、データセンターに直接直づけするような、発電所もセットで造られるというようなハイパースケーラーもたくさんいますので、そういったビジネスモデルもあるのではないかなというふうには思いますけれども、ただ一方で、分散した電源を全体でネットワークで上手に使っていくという意味でいうと、やはり系統の整備というのも重要になってくるのかなというふうに思っています。 ただ、それが必ずしも一つの事業者のためだけに増強されているようなものを全員で負担するのかというのは、確かに問題があるというふうに思いますので、こういった系統整備の費用負担というのは、やはり、実際の受益者の便益と投資の費用コスト、そこのバランスが本当に取れているのかという観点がやはり必要になってくるかとは思っております。 以上でございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。 前の選挙区で電設屋さんの社長と話す機会があったんですけれども、東電さんの下請をやっていて、高圧線ですね、鉄塔の建て替えをしている仕事なんですが、東日本大震災の後、三年か五年ぐらいは全然仕事がなくて、方向が決まらなかったので。その後、三年先まで仕事が出たよというふうに、これは四、五年前の話なんですけれども、そんな話を聞いたなと。それで、社長、何が困りますかと言ったら、人が来ないんだよと。一か月、山の中に入りっきり。若い人がまず来ないと。 どこの分野でもやはり人手不足なんですけれども、人手不足ともう一つ懸念されているのが、いろいろな方からいろいろなジャンルの話を聞くんですけれども、技術力が確実に落ちてきている。結局、元請さんがいて、今は一次とか二次下請の人たちの職人気質な人がいるから、何とか元請さんのやつがカバーできているけれども、一次、二次の職人気質の人がこれから退職していったときに、その後の人がトレーニングできていない。これはどこの業種でも、製造業でも土木でも建築でも、同じような話を聞くんですね。 だから、短くで結構ですから、簡潔に、どうすれば技術力を上げられるか、最終的には人だと思うんですけれども、AIにやらせる、ロボットにやらせるというのは、それは限界値があると思うんですけれども、やはり最後は人になると思いますので、どういうトレーニングをして人を育てていったらいいか、一言ずつコメントをいただければと思います。
○工藤委員長 では、順番に。 山内参考人、手短にお願いいたします。
○山内参考人 はい。 おっしゃることは非常に納得するところでありまして、これから人をどうするかというのがあれなんですけれども、長期的に見ると、よく最近報道されていますけれども、アメリカでホワイトカラーが駄目になって、ブルーカラーが物すごく高価格の賃金をもらっている。そういうふうに、人の移動というのは、産業の構造とかあるいは需要の在り方によって変わっていくんだろうと思います。 ですから、基本的には、長期的にはそう。だけれども、短期的におっしゃると、摩擦があるので、そんなに簡単ではないですし、技術を習得するというのはなかなか難しいのは事実だと思います。 それで、それは、マネジメントというのは一つあると思いますよ。例えば、ある業界は、例えば東京と大阪に別の会社があるんですけれども、そのときに、おっしゃるような保守メンテの人をやり取りする、やり取りするというのはちょっと言葉はおかしいですけれども、時間をうまく調整しながら必要なときに来てもらうとか、そういうことを当面やるとか。あるいは、技術的なことをいわゆるスキルアップするような、そういうものをつくる。それに対する、これは政府の指導も必要だと思うんですけれども、かなり費用を負担してやるとか、そんなことをやりながら、人手不足についてはスキルアップあるいはポジションアップ、こういうものを図っていくんじゃないかなというふうに思っています。
○白銀参考人 本当に、人、いわゆる協力会社、施工していただいている会社さんの施工力をどう維持していくか、あるいは日本の人口が減る中でいかにそこの技術を継承していくか、これは本当に重要な課題だと我々も認識して、様々な検討をしているところでございます。 経済産業省様の調査に基づくと、送配電、電力に関わる作業員のいわゆる所得を普通の一般産業の所得に比べたものを海外のほかの国と日本とで比較した資料というのを調査されていました。それを拝見すると、ほかの海外の国では、やはり電力というのは、例えば送電線の工事でいきますと、高い山の上まで登って、そこから更に、高いもので百メーターもあるような送電鉄塔の上に上って高所で作業をする、あるいは炎天下で電柱の上に上って六千ボルトの電気が流れている配電線の工事をする、ある意味、人への負担がかなり大きい工事業種なので、ほかの各国で見ると、一般産業に比べるといわゆる収入が高いという調査結果が出ていましたが、それに比べると日本というのは余り差がない。これもいわゆる人がなかなかここに集まらない、あるいは離職が高まっていく、この原因の一つかもしれないというふうに思っております。 そういった課題と、もう一つは、やはり日本の人口、労働人口がこれから間違いなく減り続ける中で、やはり人は人でしかできないものにできるだけ注力していただいて、例えば安全対策、あるいは、ロボットというものに一足にはいかないにしても、人間の補助をするようなロボティクス、マニピュレーターのようなもの、そういったものをもっと技術開発しないといけないと思っておりまして、送配電事業全体としましても、送配電網協議会の中で、そういうロボティクスであったりフィジカルAIであったり、そういう技術投資をもっとやるべきだ、そういう議論の検討を進めているところです。しっかりと考えてみます。
○香月参考人 待遇の改善も当然必要だとは思うんですけれども、やはり一つ、そういった方々のリソースが逼迫するというのは、あるときは、例えばですけれども、数年前は脱炭素だというと一気に、例えば水素だ洋上風力だというところにどっと人が行って、この波が終わるとまた次に行くという形で、計画的に次の仕事がないということも非常に問題だというふうに思っています。 ですので、一瞬待遇がよくても、その短期だけだとやはり人材の育成もできないということがございますので、やはりインフラの計画等を、長期的な目線を持ってちゃんと人を育てていって、そういった人たちが働ける場をしっかりつくっていくということも必要ではないかと思います。 それは実際に作業される方もそうですけれども、エンジニアリングの方でも同じことが起こっておりますので、そういったところでは長期的な計画を国の方としてもしっかり立てていただければというふうに思います。
○白井参考人 ありがとうございます。 私が申し上げるようなことではないかもしれませんが、私も大学で教育の一端をやっているということを考えますと、やはり人材というのは非常に大事でありますし、それに対してどういう資源を社会として配分するかというのは非常に大事なことだと思います。 多分、AIとかそういうものが入ってきて、人間が担当する働き方自体が変わっていくでしょうし、そういうことも見据えた教育の改革自体が非常に重要なことになっているかなと思います。 以上です。
○鈴木(義)委員 ありがとうございました。 終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一でございます。 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。 今般の電気事業法の改正では、進められてきた電力自由化、そして送配電分離、これによって、先ほど参考人の方々も言及されましたように、ウクライナ戦争に伴って燃料調達コストが上がって、参入してきた新電力の方々がお客さんとの契約を履行することができなくなって、来月から電気を送れませんみたいになって電力難民が多数発生したといったふうな事態もあったので、そこを受けて、いかにこうした事態を防ぐかといった観点から様々な施策が盛り込まれているものだというふうに認識しております。 まず冒頭、山内参考人と白銀参考人にお伺いしたいんですけれども、私、以前、大学のときと卒業した後、北海道に住んでいまして、胆振東部地震のときの全道ブラックアウト、あれを現場で経験しまして、三日間電気が全くつかず非常に苦労したという思い出があるんですが、あのときは、地震の起きたところのすぐ上に大規模な火力発電所があって、そして夜間ということもあり、みんなが一斉にテレビをつけて、そして電力需要がぐっと上がって、周波数が維持できなくなって全部落ちたというふうに認識しているんです。 そうした状況を防ぐために連系線の強化とかそういった部分もあると思うんですけれども、今後必要なことは、こうした、どこかでピンポイントでこういう地震が起きるということは日本全国どこにおいても今後も常に想定されるということになりますので、そういった、どこか一か所や二か所、エリアの大規模な発電所が停止したところで、全体で電気がブラックアウトするみたいな状況を起こさないような、そういうレジリエンスというものが求められてくると思います。 こうした観点から、今般の改正も踏まえて今後どういった取組が必要になってくるとお考えになっているか、それぞれのお立場からお願い申し上げます。
○山内参考人 私は技術のことはよく分かりませんのであれですけれども、おっしゃるように危機管理、それから災害対応とか、こういったことについてはかなり皆さんも意識があるし、電事法でも、例えば災害の際に事業者間の連携とかそういった形で対応するというのを、これは独禁法的に見るとなかなか問題があるところですが、それはできるようにしたりもしています。 いずれにしても、そういった連携とか、ネットワークもそうですけれども、の必要性で、多分、電源だけじゃ駄目なんですね。ネットワークがきちっとしていないと駄目で、そのための施策を取っていく。今回の改正法でもそういったところはかなり意識しているということでございますので、いろいろな政策の中でも強調点はあると思いますけれども、御指摘の点もこれから皆さんで議論をさせていただいて、それで進めていくことが必要かなというふうに思っております。
○白銀参考人 まずは、北海道のブラックアウト、広域停電の件に関しましては、御利用者の皆様に大変御迷惑をおかけしたということをおわび申し上げます。 各一般送配電事業者では、様々な事故あるいは電源の停止、大型電源が例えば連鎖的に地震等で停止するようなことも含めて、様々なケースを検討して、その事故によって広域的な停電が引き起こされないか、そういった検討というのは常時実施しているところであります。 そういう中で、北海道の件のような教訓もしっかりと、送配電網協議会の中で、次に生かすんだと、事故時の検討のシミュレーションにどう生かすのかということを踏まえて、我々はしっかりと対策の検討というのは進めているところです。 現在、再生可能エネルギーの拡大ということもあり、北海道と本州間の海底ケーブルを使った地域間連系線の増強というのが進められているところであります。あの件も、やはり大型の電源が一か所に集中する、これを、広域停電を防ぐために必要な設備投資であるという観点と経済性という観点、総合的に検討がなされながら、経済産業省様あるいは広域機関の検討の場で、そういった検討に基づいて送電線の建設に向かってプロジェクトを進めているところであります。 今回の法改正で、そういった地域間の連系線の増強、あるいは、各地域内でそれを踏まえて大型の需要、あるいは大型電源に対する系統増強が必要なときの投資がしっかりと行えるような環境整備に資するものになっているものと期待しているところです。 私からは以上です。
○牧野委員 ありがとうございました。 今回の法改正を通じて、そうした災害も含めた様々な状況に対応できるような、レジリエンスを増強できるような、そうした投資が積極的に進んでいくということを期待したいんですが、特に再エネという部分に関して言うと、風力発電であるとか、あるいはメガソーラーもそうですけれども、結構山間部に立地していることが多くて、そこに対して、そこから電気を取り出すための系統、もちろんそれがないと電気は作れない、送れないという状況になるわけです。 能登の地震のときにも、土砂崩れとかが山で起きて、その山の上に立っている風力発電のところにつながっている電線が破損すると、風車も外部電源がないと風向きに対してちゃんと面を向けられなかったりとか、全然発電もできないし、逆に強風が吹いたときに正しい姿勢を取ることができなくて破損リスクが上がったりとか、そういったこともあると思うんです。 こうした再エネがどんどん増えていくことによって、山間部を含めた、非常に工事、復旧がしにくい場所の災害リスクあるいはメンテナンスコスト、こういったものが結構相対的に上がってくるのかなと思いますが、送配電の事業者である白銀さんの立場から、ここの再エネがどんどんそういった山間部に増えていくといったことに対するメンテナンスコストの上昇というものが、どの程度経営ないしは最終的な小売のところに影響があるというふうに認識されますでしょうか。
○白銀参考人 おっしゃるような再生可能エネルギー、特に風力、まあ太陽光も含めてかもしれませんけれども、山間部あるいは余り人が住んでいないところへの設備が増えていくということ、そういう傾向というのは起こり得るかと思います。その結果、設備量が増える、あるいは距離の離れたところの設備が増加していくということで、例えば、いわゆる点検コスト、あるいはいろいろな修繕のコストが増えていくということは確かにあろうかと思います。 それも含めまして、送配電としましては、日本のSプラス三Eの観点でのバランスでそういったものを、電源バランスということも含めてどう追求するかというのが議論されながら進んでいくものと思っております。 まず、そういう保全業務につきましてのコストに関しましては、我々もいかに、そういう人里離れたところも含めてどう効率的に保全をしていくかということについては、いろいろな技術検討、技術開発を進めているところです。例えば、ドローンを使った巡視であったり、AI、フィジカルAIも含めたいろいろな対策というのができないか、あるいは実際のデータを使ってAIでいろいろな分析をしてできるだけ効率的に保全をする、こういったものについての技術革新への投資をしっかりやっていきたいと思っております。 引き続いて努力をしてまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。 続きまして、香月参考人にお伺いしたいんですけれども、再エネも含めていろいろな電源が増えていくという中で、特に風力と太陽光に関しては出力が不安定であるということで、そこを補うために、バックアップのために迅速に出力を調整できる火力発電、それから、今後は系統用蓄電池、こうしたものが重要になってくると思うんですけれども、火力も自前でお持ちであるとは思うんですが、実際そういう、ある時間帯は風力とかソーラーのエネルギーが非常に潤沢にあるので火力の出力を抑えなきゃいけない、あるいは状況によってはほぼほぼ止めるに近いような状況があって、その火力自体の収益性が悪化して撤退してしまうといった業者さんも増えているというふうに認識します。 このときに、ここを防ぐためにいわゆる容量市場というもので、作っていないときでも作れるだけの容量を確保しているということに対して、最終消費者からは容量拠出金、そして、それは最終的に発電事業者に対して容量確保契約金という形で支払いが行われるという仕組みには一応なっていますけれども、実際に火力の出力を落とすというその際に、この容量確保契約金の支払いによって、その落としていることによって起きている実際の損害であるとか維持、メンテナンスのコスト、ここをちゃんと補填できる程度、それは収入になっているのかどうか、ここについて教えていただけますでしょうか。
○香月参考人 容量市場の単価というのは、今見直しも含めて検討されておりますけれども、おっしゃるとおり、再生可能エネルギー、特に風力の場合はそんなに大きな変動というのはないんですけれども、太陽光はやはり昼間しか発電しませんので、私どもの自前の電源も、やはり昼間は逆に落として夜間とか夕方から立ち上げるみたいな形で、逆DSS運転みたいなことをやることが増えております。 発電所の立場から言いますと、やはり発電所の出力を上下動させるということは、機械も傷みますし、発電効率もかなり落ちます。そういう意味ではメンテナンスコストも上がっていくという形で、そちらの発電所だけを見ると余り効率的ではないというのは実態でございます。 ただ、全体で見たときに、やはり再エネのよさというのは変動費がゼロであるということですので、全体のベストミックスを追求していくために火力が逆にやれることをやっていくということが重要なのではないかというふうに思っておりますし、蓄電池も微妙な周波数調整ですとか瞬時の応答性が高いので、私どもとしますと、そういった幾つかの電源をバランスよく持って供給力を確保する、それと、また系統の安定性に貢献していきたいというふうに思っております。 話を元に戻しますと、そういう意味では、容量市場の単価というのは当初見込んでいたよりは見直しがかなり必要だという形になっております。現在見直しも進んでおりますので、そこは発電事業者としては期待したいところでございます。ただ一方で、おっしゃったとおり、そちらを余り上げてしまうと、こちらは容量拠出金という形になりまして、最終的にはお客様の負担になっていきますので、そこのバランスをよく取って、容量市場で本当に確保しなければならないキロワットというのはどれぐらいなのかというところの精査が必要になってくるというふうに思っております。 以上です。
○牧野委員 ありがとうございました。 最終的に、それが最終消費者のところにやはり上乗せされてきてしまうので、供給予備力の確保というところと実際の電気料金というところのバランスをしっかり考えてやっていく必要があるのかなと思います。 続きまして、白井参考人にお伺いしたいんですけれども、今回、ソーラー発電設備に対する様々な強度上のレギュレーションが追加されるといったことがありますけれども、そもそも、大規模に山を切り開いて風力を敷き詰めるということによって、大雨が降ると、そもそもどんなに物を頑丈に造ったところで、足下の土砂が流されてどんどん基礎が浮き出してくるみたいな状況になるともうどうにもならないというところがありますが、この風雨による土壌の流出、ここのリスクというものをどのように評価されていますでしょうか。
○白井参考人 どうも御質問ありがとうございました。 私は、先ほども申しましたように電気の専門なので、土木のことははっきりは分からないわけですけれども、そういう意味も含めて、設計の段階、事前の段階で第三者委員に評価してもらうという制度を今度入れたということになりますので、そこら辺は担保されるのではないかなと考えております。 以上です。
○牧野委員 ありがとうございます。 続きまして、もう一度白井参考人に伺いたいんですけれども、今回、様々ないろいろな規制をきちんとかけて、工事業者が協力してくれるかどうか、これが大事だと思うんですけれども、いわゆるTK―GKスキームといって、多くが合同会社に対して匿名の出資者が出資をして、そして事業を回す。なので、どうしても、合同会社は十万円でできてしまうので、悪質な業者がそこから十万円だけ払って会社を倒産させて逃げてしまうみたいなケースがあって、協力を得られないみたいなこともありますが、こうしたところをどのように協力を取り付けるようにすればいいかという、何かお考えはありますでしょうか。
○白井参考人 そこら辺は、私はなかなか難しい話ですので答えを持っておりませんが、とにかくスタートとして、こういう製造業者なりに責任を持っていただいて、設置者には電力システムのインフラを担っているプレーヤーとしての自覚を持ってもらうような形の方向へ主導していけるような形になったのではないかな、していきたいなというふうに思っているところです。
○牧野委員 ありがとうございました。 時間ですので、こちらで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄と申します。 本日は、御多忙の中、参考人質疑にお越しいただきまして、そして御意見を表明いただきまして、誠にありがとうございます。 まず、山内参考人にお伺いをさせていただきます。 本日のお話の中でも、今回の法改正も、一九九五年から連なるような電力の改革の、その更に系譜の中での取組だというお話がありました。改めて、二〇一五年からの取組、電力の自由化についての総括、特に事業者数が増えておりますけれども、これ自体は成果としての言及もあるものかと認識しておりますが、実際に休止中の事業者もいらっしゃるみたいな現状を含めて、どのように捉えていらっしゃるかという点についてお伺いさせてください。
○山内参考人 ありがとうございます。 産業構造が変わっていく中で、私は、これは自由主義経済の国なので、そこから撤退するだとか休止だとかというのは、それは当然出てきてもというふうに思っています。 ただ、さっきから申し上げているように、こういった公益事業というのは、例えば供給義務があるとか、あるいは社会的な影響が大きいので、それに対する、さっきのアフォーダビリティーの話もそうなんですけれども、そこのところに問題が及ぶということになると、非常にこれは政策を打たなきゃいけないということだと思っています。 その意味では、このシステム改革がよかったか悪かったかと言われれば、私はよかったと思っていますが、そういった問題点があるところについて、さっきも言いましたけれども、パッチを当てて、ちゃんと機能するようにするということで。特に、小売事業者の場合には、ちょっと暴れるといいますか、方たちもいて、さっきも言いましたが、白銀さんのところの送電、配電のところにしわ寄せが行くようなシステムになっている、それは変えなきゃいけない、そんなふうに思っていますし、そういうような評価だというふうに思っております。
○河合委員 御回答ありがとうございました。 続いて、それらを踏まえた上でなんですけれども、今回、ファイナンスも含めて、OCCTOによる貸付けという仕組みができました。OCCTOのメンバーを考えると、利害関係の観点から見ると、完全に中立かというとそうでもない観点もあり得る、そういう指摘もあり得る中で、この制度を実効的に運用することが担保されていると、制度設計上留意された点など、もしあれば御意見いただければと思います。
○山内参考人 OCCTOの中立性については、これは見方がいろいろあるかと思っておりますけれども、確かに電力会社から出向されている方も多いですし、その意味での中立性ということを指摘されることはあるかもしれません。しかし、OCCTOでどういうふうな運用をするかというのは、かなり、言い方は変ですが、監督官庁の方も目を光らせておりますし、それから、そういった中立性が損なわれるような組織にならないように、組織自体も工夫しているというふうに思っております。 特に、お金を貸す貸さないとか財投的に使うというときには、やはりそういったことが問題になるわけですけれども、ちょっと私は詳しくは分かりませんけれども、今のやり方がこのままずっといくということではなくて、FITで入ってきたお金をどう回すかというのは、もうちょっと改革があるやにも聞いております。そういった点を考えて、今おっしゃった中立性、公平性、これを担保していくんだろうなというふうに思っております。
○河合委員 ありがとうございます。 では続いて、今回の当事者負担に関しても、主にエネルギー価格の影響もあるというようなお話もありましたけれども、やはりこういった改革、目標を立てたときの時点と外的要因が大きく変わっていくということは非常に多くあることかなというふうに捉えております。 その上で、今回、先ほど山内参考人の方からPJMモデルを参考にされたというお話がございましたけれども、こちらの方の容量市場でも価格が上がってきているというようなことが非常に起きているかなというふうに捉えておりまして、こういった萌芽的な現象を捉えて、今後の制度運営上どういったところに注視すべきと考えているかという点について、是非、もしお考えがあればお伺いしてもよろしいでしょうか。
○山内参考人 なかなか専門的な御質問で難しいんですけれども、PJMは確かに容量市場を持っていまして、元々PJMは垂直統合モデルじゃないので、さっきも出ましたけれども、ヨーロッパのように垂直統合でやっていたのを分けましたというのとちょっと違うんですね、日本もそうですけれども。 そういう意味では、PJMの問題がすぐに顕在化するかというと、ちょっと違うのかなというふうに思っていますし、逆に、PJMの場合には取引が、例えば同時取引というか、同時市場というようなやり方をしていまして、日本とはちょっと違うんですね。まあ、配電システムみたいなものですけれどもね、同時市場というのは。なので、今PJMでということで限ると、その萌芽をどう捉えるかというのは、もう少し細かく見てみないと分からないなというふうに思っていますが。 更に言うと、ERCOTというのがテキサス州にありますけれども、電力市場ですけれども、ERCOTは容量市場はないですよね。容量市場はないんですけれども、かなり需要と供給がうまくいっている。その場合、なぜかというと、特に、この間も新聞に掲載されていましたけれども、ERCOTなんというのは、再生可能エネルギーが今、電源構成比で四〇%近くいっているはずです、太陽光と風力で。火力が四三%かな。あとちょっと、十数%ぐらいは原子力ですけれども。あそこは何でうまくいっているかというと、発電事業者の参入は比較的容易なんですね。要するに、そういうマーケットが機能するところではそれをうまく使っていくということだというふうに思っています。
○河合委員 御回答いただきまして、誠にありがとうございました。前提も違うところを踏まえながら制度設計に当たられているということ、しっかりと分かりました。ありがとうございます。 続きまして、白銀参考人にお伺いをしたいと思います。 先ほど人材の話がありましたけれども、あわせて、御提言の中でDXを進めていくということの旨の言及もございました。 是非よろしければ、具体的にどういった場面でDXの活用余地が広がっているのかという点について、詳しくお伺いできるでしょうか。
○白銀参考人 重要な御質問をいただきまして、ありがとうございます。 まさに、人材ということに向かってどうデジタルと、DXはデジタル化とトランスフォーメーション、このうちのトランスフォーメーションをどう実現していくか、これが重要だと思っておりました。 一方、そう一朝一夕に進むものではありませんので、我々もまだまだ試行錯誤をしながらというところではありますが、世の中では、数年前だったらそれは無理だろうと思っていたような人型、ヒューマノイド型のアンドロイド的なフィジカルAIというのも実現可能になってきておると認識しております。 送配電は、余りそういうところに技術開発の投資ができておりませんでした。そういう反省も含めまして、本当に、十年後、二十年後に日本の人口、労働人口が減る中で、いわゆるAIでのデジタルデータをどう活用しながら業務をより効率的にするかということと併せて、なかなか今まで手がついていなかった現場技術、こういったところについても真剣に考えていかなければいけないと思っております。 今は、御承知のとおり、土木業界では、重機の遠隔操作、あるいは無人運転、こういったものが採用されることで学生からの関心も集まってきていると認識しております。電力においても、送配電の現場技術を高度化、あるいは魅力ある業界にしていく、これが、人材がここにしっかりと集まりながら技術継承をしていくための必要な技術投資になるんだろうなと思っているところでございます。 以上でございます。
○河合委員 ありがとうございます。他の、例えば製造業の現場などの技術なども参考にしながら取り組まれていくという方向性と承りました。 ここでちょっと加えて御質問なんですけれども、こういった投資、やはり、現状、例えばレベニューキャップの仕組みがあったりする中で、各それぞれの送電事業者の皆様が将来に向けた投資を積極的に進めていくためのインセンティブ、どういうものがあるべきだとお考えか、よろしければ参考人の御意見をお伺いできればと思います。
○白銀参考人 非常に重要なポイントだと思っております。 現在、御指摘のレベニューキャップですが、二〇二三年から開始されて、レベニューキャップの一期というものが、今五か年のレベニューキャップという中で我々は託送事業をやっております。 その中で、やはり将来の技術投資というものが今のレベニューキャップの原価の中で十分に織り込んでいない、あるいは十分に認められていないというのが我々としても課題と思ってございまして、レベニューキャップの二期、これは二〇二八年からの五か年で算定されるものですけれども、ここに向かっては、監督官庁様とも、そういった日本の将来を支えるための技術を開発するための投資にいかに送配電がしっかりと向き合えるかといったものの仕組みというものについても議論をさせていただいているところでございます。 今後もしっかりとそういう議論を進めさせていただければと思います。
○河合委員 御回答ありがとうございました。 では続いて、ちょっと人材に関連して、先ほど白銀参考人と香月参考人にはちょっと御質問がありましたけれども、是非太陽光についてもお伺いしたく、白井参考人に一つ御質問させていただきます。 太陽光に関しても、やはり保安業務のところですとか人材について、小委員会も開かれたりだとか議論が行われていると認識しております。 太陽光発電の保安業務にまつわる人材の不足等についての見立てですとか、そちらはちょっと、提言の最後のレジュメのところにも、スマート保安の促進というところがキーワードとして書かれておりますけれども、そういった人材をどういうふうにうまくテクノロジーですみ分けしていくかということについての現状の見通しについて、お伺いをしてもよろしいでしょうか。
○白井参考人 ありがとうございます。 小さい事業、太陽光も含め、たくさんの設備が入ってきておりますので、人材が不足しているということで、人材としては、先ほども申しましたように、電気主任技術者の認証制度がありまして、そういうところで、そういう教育を施した、そういう試験を通した人材を供給しているということであります。 それも含めてまだ人材が少なくなりそうだというのが現状のところですので、先ほどのデジタルの関係のところと、それから従来の技術の関係のところのすみ分けというのは、特には進んでは、人材を分けて対応しているというわけではなくて、電気主任技術者が対応しているということになるんでしょうけれども、そういうところのすみ分けも含めて今後検討しなければならないかなというふうには考えております。
○河合委員 御回答ありがとうございます。 是非よろしければ、続けてになるんですけれども、スマート保安を促進していく上での、例えば何か制度上のボトルネック等、もしございましたらお伺いできればと思いますけれども、いかがでしょうか。
○白井参考人 スマート保安、それから先ほどのそういうデジタル関係のところは、今私どもの委員会で担当しているところではなくて、別のところで進んでおりますので、ちょっと詳しいことはよく分からないというところになります。申し訳ございません。
○河合委員 ありがとうございます。 では、続いて香月参考人にお伺いをいたします。 先ほどのお話の中で、事前の事業者間での協議に関して、経営判断にも関わるので、配慮といいますか、十分な配慮が必要というような旨の発言があったかと認識しております。どういった点が配慮されるべきかですとか、事業者に対しても負担のない形というのに、どういうふうに考えるかという点について、御質問させてください。
○香月参考人 やはり、電源を休廃止するというのは、企業にとってかなり大きな決断になります。 ですので、事前に協議をしていても、大きな事業変化が、環境変化があったときには、やはり継続が難しいということになる場合もありますし、雇用の問題ですとか地域社会の問題等、そういったこともございますので、そこは連携強化を密にさせていただいて、逆に、このときはまだ使うと言っていたがゆえにやめられないとか、そういったことがないように、それから事業者の経営判断というのもきちっと理解していただきたいというふうに思っております。
○河合委員 では、最後、ちょっと簡単に香月参考人にお伺いしたいと思います。 室蘭の系統蓄電池の事業ですけれども、これは再エネ上、タイムラグを埋めるという観点で非常に重要な取組だと思います。現状進められていて、どういった手応え、課題があるか等、国策に反映し得る何か示唆があればお伺いしたいと思います。
○香月参考人 ありがとうございます。 室蘭の系統用蓄電池は、御指摘のとおり、いわゆる太陽光がたくさん出る時間帯に充電して夕方放電するというようなタイムシフトの部分と、あと需給調整市場と、二つの市場で事業をさせていただいております。 需給調整市場につきましては、今いろいろな議論が行われていますので、そこは全体のバランスを見てというふうに思っておりますが、やはり再エネが今後増えていくときに、系統用蓄電池も昼間の電力を充電して夕方に放電するというところで、全体の需給バランスには貢献できると思うんですけれども、現在、なかなかトラッキングができないという問題もあるんですけれども、そこに、例えばですけれども、環境価値をつけることができないという形になっております。ですけれども、そういったことが進むと、系統用蓄電池の収益も、需給調整市場に頼るのではなく、そちらのアービトラージの方とか再エネの出力調整というふうに動く事業者さんも増えてくると思いますので、そういった制度についても是非御検討いただければなというふうに思っております。
○河合委員 ありがとうございました。 時間が来たので、以上とさせていただきます。
○工藤委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時二十五分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き、内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官湯本啓市君外六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。細野豪志君。
○細野委員 自民党の細野豪志でございます。 この度は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 電気事業法の改正ということで、午前中、参考人の皆さんから非常に有意義な意見の陳述というのがございました。山内先生の方からは、電力システム改革の集大成だ、こういう御発言がございました。それが私は印象に残りました。 九〇年代から電力のシステム改革というのが行われているんですが、特にそれが加速をしたのはあの三・一一ということで、十五年前ということになります。その当時から私自身は、特に電力について、事故対応も含めて関わることになったわけですけれども、まず、赤澤大臣にお伺いしたいのは、この間の電力システム改革、特に、二〇一五年の、発送電分離ということというのは非常に大きなターニングポイントでもあったと思うんですが、この改革自体をどのように評価をしておられるのか、まずそこをお伺いしたいというふうに思います。
○赤澤国務大臣 東日本大震災以降、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を大きな目的として、小売の全面自由化、これは二〇一六年だったと思います、発送電分離、二〇二〇年といった電力システム改革を実施をしてまいりました。 これにより、広域融通による安定供給の確保や料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大、それから送配電部門の中立性、透明性の向上などが図られてきたと認識をしております。 一方、GXやDXの進展による電力需要の増加や世界的な脱炭素化の流れなど、東日本大震災以降の電力システム改革当時に必ずしも想定していなかった変化が生じている中で、電力の安定供給を図り、エネルギー安全保障を確保する重要性が一層高まっていると認識をしております。 こうした認識の下で、本法案では、大規模な送電線や電源への投資を促進するための貸付制度の創設でありますとか、大規模発電事業者による電源休廃止時の協議規定の創設、あるいは中長期取引市場の法定化といった措置を盛り込んでおります。こうした措置を講じることにより、電力の安定供給の確保を実現してまいりたいと考えております。
○細野委員 今大臣がおっしゃったとおり、発送電が分離され、コストを落とすということをやることによって、消費者の側は、一定の利便性なり、安価な電力という意味で利益を享受した部分があると思うんですね。 ただ、大きくエネルギー環境は変わっているわけですね。それこそ、供給サイドでいえば、今エネ庁が一生懸命やっていただいている、石油を始め、いかに調達するかということで、政府が血眼になってやらなきゃならない状況が生じている。消費サイドでも、言うまでもなくAI、半導体ということで需要が大きく増加、変わってきているということで、その状況にどう対応するのかということです。 私は、やや自由な立場で申し上げると、集大成という山内先生の言葉は理解しつつも、やはり率直に言って若干の軌道修正が必要になってきているのではないか、それをどのようにやるかというのがこの法案の中身ということになってくるのではないかと思います。 そこで、政府委員にお伺いしたいと思います。 今回、大規模送電線の整備の促進ということで、そこに財投を入れるというのが大きな柱になっているんですが、地域内の送電線についても支援するということになっているわけですね。これまで、地域間というのは非常に重視をされてきた。例えば、私は東京電力管内ですが、静岡県内は中部電力管内もあって、これはワット数が違いますから、それでそこを強化するというようなことを長年やってきているんですが、今度は地域内もやるわけですね。見方によっては、例えば東電管内とか中部電力管内というのは、その会社の中なんですから、そこで自主的にやってくれといってもよさそうなものなんだけれども、そこも整備を支援をする。こうなった理由をちょっと端的に御説明いただきたいというふうに思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 再エネの導入拡大やデータセンターなどの需要の拡大に伴いまして、各地域内において、御指摘のとおり、送電線や変電設備の新たな整備が必要になっているという状況でございます。 これらの整備への投資は、大規模かつ費用回収までに長期間を要するものであります。一般送配電事業者は、従前から保有設備の更新投資を進めてきておりますけれども、それらに加えてこうした大規模かつ長期の投資資金が必要になってきておりまして、民間金融機関のみで必要金額を賄うことがこれまで以上に難しくなるというふうに指摘をされております。 こうした背景から、今般の電気事業法改正案では財政投融資を活用した地域内送電線の整備への貸付制度を盛り込んだところでありまして、これにより、民間金融を補完し、一般送配電事業者等の資金調達を円滑化させることで、送電網の計画的な整備を進めてまいります。
○細野委員 今、久米部長の方から御説明いただいた事情はよく分かります。 一方で、こういうふうにも言えると思うんですよね。民間の事業者、送配電事業者というのは、大規模なインフラを扱うわけですから、元々その会社自体が投資余力があって、長期的にしっかりそれができればこういう仕組みは必要ないわけですよね。 ですから、エネ庁として、今の時点での、いわゆる送配電事業者、各エリアに分割していますので存在しますが、そこの投資余力についてどういうふうに評価をしているのか。これはもう一回エネ庁の久米さんの方からお願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 今後、送配電事業者が必要となる設備投資という量が非常に増えていくということの中で、民間の金融機関のみでは賄い切れない、量的補完が必要になっているという評価がございまして、言い換えますと、これまでどおりの与信の方法では必ずしも十分ではないのかという指摘があるというふうに認識をしております。
○細野委員 今、久米部長の答弁は、送配電事業者にそれだけの投資余力がなくなっている、余力がなくなっているというのを割とストレートにおっしゃったわけですね。 そこで、レベニューキャップ制度について議論したいと思うんです。 第一期ということで、この間、できるだけコストを抑えて、そして安価に電力が供給できるようにということでやってきた、コストを積み上げて非常に厳格にやってきたわけですね。電力システム改革の流れの中で、これは一連のものだったというふうに思います。 しかし、一方で、電力会社に投資余力がなくなってきていて、政府が後押しをしないと投資が成り立たない、長期的な、安定的な電力を供給できない状況になってきているわけですね。この環境の変化にどう対応するのかというのを真剣に考えなければならない時期に来ていると思います。 五年のうちの最後の二年は軌道修正したということは存じ上げておりますが、二〇二七年からですか、八年からか、七年からですね、次の期間に入るわけですね。それに向かって、もちろん政府が後押しをしてやることが悪いとは言いません。しかし、本来は、民間事業者なんですから、自分で稼いで、その利益の中できちっと長期的に投資できるのが一番いいわけですよね。 ですから、こういう大きな環境変化にこのレベニューキャップ制度そのものもやはり対応していかなければならない時期に来ているのではないかというふうに思うんですが、事務局長にお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○新川政府参考人 お答え申し上げます。 送配電網に関する必要な投資の確保は、電力供給ネットワークの維持、強靱化を図り、GX、DXを進める上でも重要であると認識をしております。 このため、一般送配電事業者が必要な投資を適切に実行するよう、電気の託送料金に関するレベニューキャップ制度について、まず、第一規制期間において、物価や賃金の上昇が適切に料金反映されるよう制度措置を行ったところでございます。 御指摘の第二規制期間につきましても、必要な投資の確保の観点も踏まえ、適切な物価等の上昇の料金への反映を含めて、引き続き必要な対応を進めてまいりたいと考えております。
○細野委員 幾つか要素があるんですけれども、コストアップというのは当然ありますよね。これは、恐らく、これまでも枠組みとして取り入れるということで、次の期間には当然反映されると思います。あとは、世の中の流れというのがありますので、政府がこれだけ賃上げを言っている以上は、送配電事業者はもちろんですが、そこに関わっている業者も含めてきちっと賃上げできるような環境を整える。この二つは当然入るわけですね、その要素として。 それに加えて、投資についてもしっかりできる環境についても、例えば託送料金みたいなところについてもきちっと勘案する、こういうことでいいんですか。もう一度。
○新川政府参考人 お答え申し上げます。 レベニューキャップ制度というのは、五年間の託送料金をまとめて決める制度でございます。その制度の中で、しっかりとした電力の供給が行えるように、ネットワークの投資が行えるように、必要な投資の確保、そして、今般の物価の上昇、それから賃上げが適切になされるように、それらについてもしっかりと反映をできるような制度にすべきであるというふうに考えておりまして、第一規制期間につきましては既に制度措置を行ったところでございますが、第二規制期間につきましても、しっかりとそういった検討をして、必要な対応を進めてまいりたいと考えております。
○細野委員 今年が二〇二六年度ということで、二七年度で第一期間が終わるわけですね、規制期間が。いよいよ第二期間が、今年から来年にかけてどうするかということで議論になってくると承知しております。 経産大臣も今お聞きいただいて理解していただいたと思いますけれども、やはり明らかにフェーズが変わっているんですよね。ですから、これまでの自由化そのものは、自由化の流れ、システム改革そのものは、私はこの流れでよかったと思います。しかし、フェーズが変わった中で、どうこれから、この法案の仕組みの中には電源についても融資をするという仕組みがありますので、これから発電施設についても様々な、大規模なものについて政府が支援していくということになると思います。 そういう大規模な電源を支援をし、そして送電網をしっかりと整備をするという意味で、きちっと利益が上がる、そして投資もできるような環境をつくる、これは経産省全体としても非常に重要なことじゃないかというふうに思うんですね。電力・ガス取引監視等委員会ということで、経産、エネ庁ということでいうと、やや独立性のある機関になっているんですが、経産省全体でもやはりきちっと取り組んでいただくべきテーマではないかと思います。 済みません、これはちょっと大臣に通告していないんですが、一言コメントいただいてもよろしいでしょうか。
○赤澤国務大臣 いろいろなときに国家の生命線という言葉を使いますけれども、エネルギーの確保というのは、まさにその最たるものだと思います。 今委員が御指摘のような、送配電網をしっかり維持していくことということも含めて、しっかり事業者さんが安心して取り組んでいけるようにという観点からすれば、第二規制期間について、例えば、必要な投資の確保の観点も踏まえ、適切な物価等の上昇の料金への反映を含めてというのは、そういうことを織り込んで、事業者が将来についてしっかり安心してやっていけるということを意味をしているというふうに私も理解をしておりますし、委員と考えていることは違わないというふうに理解をいたします。
○細野委員 大臣にしっかり答弁をいただきましたので、非常によかったと思います。この法律というのは、政府がきちっと関与する、こういう仕組みとして悪くないと思いますが、やはり民間の力をいかに生かしていくかという発想も必要だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 この法案の中身から若干離れるんですが、今回、原子力についても支援をする、こういう枠組みになっているものですから、一つ私が非常に気になっていることがございますので、そのことについて質問をさせていただきたいと思います。 原子力施設ということでいうと、もちろん原発というのが非常に重要な役割を担うわけですが、使用済燃料をどうするかという、これが非常に深刻な問題としてございます。その中で、六ケ所の再処理工場がいよいよ竣工が近づいてきているということで、原子力規制庁の方の審査というのも一定めどが立ってきたということでございます。 まず、経産大臣にお伺いしたいんですが、この六ケ所の再処理工場の重要性、さらには、それをしっかりと稼働させていくためには、当然ですけれども、そこで使用済燃料、特にプルトニウムがどのように管理をされているのかというのは極めて重要な問題になります。日本はこの分野では優等生ということで長年言われてきたということもあるんですが、そのことの重要性を経済産業省としてどのようにお考えになっているか、御答弁をいただきたいというふうに思います。
○赤澤国務大臣 核燃料サイクルの中核となる六ケ所再処理工場の竣工は、必ず成し遂げるべき重要課題と認識をしています。 先日、六月八日月曜日の審査会合で日本原燃が設計工事計画認可の審査説明を終了したことは、竣工に向けての重要な進展であるということであります。これまでの審査を踏まえた補正申請作業や検査に向けた人材支援を国としてもしっかり調整をし、引き続き、官民一体で総力を挙げて取り組むこととしております。 また、同工場を国際的な信頼を確保しつつ安定的に操業していくため、核物質を正確に計量して国際機関に報告するとともに、国際機関からの査察に的確に対応するといった保障措置対応を確実に実施する体制構築が重要でございます。 原子力規制庁での検討も踏まえ、日本原燃に対し、設備の維持管理や人員体制の強化といった取組を確実に進めるよう指導してまいりたいと思います。
○細野委員 実際にこの再処理工場が稼働し出しますと、使用済燃料をある種分解していくことになるわけですね。ですから、この管理というのは、従来のまとめて置いてある状況とは大きく違って、裁断されたりもしますし、それが例えば工場の中のどこに残るかとか、残量がどうなっているのかということも含めて、相当、保障措置そのもの、それを報告することも含めて、政府には重い責任が課されるということになると思います。 私は、自民党で原子力規制に関する特別委員会の委員長というのをやらせていただいておりまして、その中での提案というのをいたしました。先日、総理のところにもお持ちをいたしましたが、その中で、原子力防災の提言というものの中で、再処理施設の稼働への対応と保障措置の充実というのを挙げさせていただきました。 これはまさに原子力規制委員会及び規制庁の大きな責任ということになってくると思うんですが、規制庁として、現体制をどのように評価をしているのか、さらには、これからどういう形で充実させていく必要があると考えているのか、これは児嶋次長にお伺いしたいというふうに思います。
○児嶋政府参考人 お答えいたします。 まず、原子力規制庁では、今おっしゃったような六ケ所再処理の稼働におきまして、また竣工におきまして、核不拡散をめぐる国際的な動向が関係していると思っております。 その意味で、国内保障措置制度の一層の充実強化を図るために、原子力規制庁では、原子力規制委員会の了承を得た上で、昨年、国内保障措置制度のあり方検討会を設置して議論を重ね、去る六月十日にその取りまとめを行ったところであります。 その検討会におきましては、六ケ所再処理施設、またMOX燃料加工施設の本格操業を見据えると、IAEAから求められる国内保障措置業務の質、量共に一層高まること等から、これら保障措置業務の実施に係る専門機関の法人形態の在り方として、独立行政法人として業務を実施できるよう検討すべきなどの意見がございました。 原子力規制庁といたしましては、まず、その検討会の取りまとめ結果、また、保障措置に係る自民党から御提言いただいた内容を踏まえまして、具体案の検討を今後進めてまいりたいと考えております。
○細野委員 今次長から御答弁ありましたが、やはり組織を改編していくというのは恐らく避けられない、政府の責任としてやらなければならないところだと思います。 今、保障措置について実際の管理をしているのは核物質管理センターという公益財団なわけですね。公益と書いてありますので当然役割としては公のためにやっているわけですけれども、政府との距離ということでいうと、当然、財団ですから、これはもう政府からは別の組織ということになりますね。保障措置をそこでやるのがいいのかどうかというのも、これもやや議論があるところだと思います。 これまでは、保障措置そのものが割とシンプルだったから、まあまあこれで何とかということだったのかもしれないけれども、これから再処理工場が稼働して様々な難しい作業も含めて必要になるときに、独立行政法人でやるというのが私は本来のあるべき姿だというふうに思います。 そこで、今日は総務省に来ていただいています。 独法ということになると総務省が所管をされるということになると承知をしておりますが、非常に独法を新しくつくるというのはハードルが高いというのは重々承知をしているんですが、こういう原子力エネルギーをめぐる極めて重要な局面にある中で、しっかりと国家として責任を持って保障措置をやるという意味では、総務省としてもしっかり全体を見て御判断いただく必要があるというふうに思っております。総務省の考え方をここで御答弁いただきたいと思います。
○中井政府参考人 お答え申し上げます。 独立行政法人とは、公共の事務等を効果的かつ効率的に行わせるために設立される法人でございます。先生今御指摘ございましたとおり、その新設、改廃の要求がある場合には、総務省において審査を行っているものでございます。 今回御指摘の件につきましては、原子力規制庁より事前の御相談をいただいている段階でございまして、まだ正式な要求をいただいているものではございませんので、現時点で確たることを申し上げることはちょっと差し控えたいというふうに思いますけれども、今後、要求をいただいた段階で、要求内容を丁寧に伺いながら、適切に審査を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○細野委員 独立行政法人通則法にはこういう記述があります。「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業」、これを独立行政法人が担うのだと。もう一度言いますね。「公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務」。まさに保障措置というのはこれに当たるということです。加えて、「一の主体に独占して行わせることが必要であるもの」、これも通則法に書かれているんですね。 考えてみたら、この保障措置を様々な機関が競争してやるみたいなことは正直考えられないですよね、プルトニウムの管理ですから。ですから、この通則法の考え方に極めてきっちり当てはまる組織だということを是非総務省には分かってもらいたい。 その上で、これはちょっと私自身がやったことなのであえて申し上げるんですが、以前、JNESという独立行政法人がありました。原発の審査をやっていたんですが、あのJNESは今、原子力規制庁に統合されております。ですから、あのとき独法は一減になっているんですね。 十四年前のことを今更持ち出すなと言われるかもしれませんが、スクラップ・アンド・ビルドみたいな考え方を取っても、原子力全体でいうならば、政府の中に取り込んだものを、今度は本当に必要なことを新しくつくるということですので、方向性としては極めて私は正しいというか、国家としてあるべきことだというふうに考えます。 今、二点、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務であり、一つの主体に独占して行わせるべきものだ、この二点について、この考え方は今も当然維持されていて、そういう観点から判断するということでよろしいですね。
○中井政府参考人 お答え申し上げます。 先生おっしゃるとおりでございまして、独立行政法人が何たるかということは、今先生がおっしゃっていただいたとおりでございます。 まさに、公共の主体がその事務を行わざるを得ないかどうかということで判断をしてまいりますけれども、あわせまして、独立行政法人を新設することが他の手段と比べて効果的かつ効率的かとか、あと、行政全体としての肥大化防止につながらないかといったことも踏まえまして我々の方は審査をしてまいりたいというふうに考えております。
○細野委員 赤澤大臣、昨日私は、環境大臣、石原大臣のところも行きまして、この話もしてきました。原子力規制庁は、環境省の大きな意味でいうと所管になっていて、しかし三条委員会なのでその判断そのものには影響しないということなんですが、この手の新しい独立行政法人をつくるというようなことになると、正直、規制庁だけでは、政治家は関与していませんから、難しい面があると思うんですね。そこで、環境大臣にもしっかりそこは理解をしていただいて、総務省にも働きかけをしてもらいたいということをお願いをしてきました。 全く同じお願いを経産大臣にも申し上げたいと思うんですね。つまり、再処理施設というものをしっかりと前に進めるというのは、まさに経産省、エネ庁の大きな方向性でもある。しかし、それは保障措置なしには成し得ないものですから、独法を新しくつくるというのは相当大きなハードルだと思うんですが、是非経産大臣にもここは働きかけをしていただきたいということで、一言いただいてよろしいでしょうか。
○赤澤国務大臣 今日のお話は大変よく分かるお話でありますのと、あと、委員の、この分野をきちっとやりたいというか、必ず国のために正しくやりたいという思いが大変伝わってきましたので、それも念頭に置きながら今後検討していきたいというふうに思います。
○細野委員 大臣、検討ということではなくて、是非前に進めていただきたい。済みません、念押しみたいで恐縮ですが。 最後に、同じく私が委員長を務める特別委員会で提案したものとして、原子力規制庁の人事の問題がございます。 二〇一二年に原子力規制庁、原子力規制委員会というのはできたわけですけれども、いろいろ悩ましい点があったんですが、一番私が最後まで悩んだのがノーリターンルールだったんですね。あれだけのことがありましたので、原子力規制庁をしっかりと独立させる、規制委員会を三条委員会としてスタートさせるというのは政府の責任だというふうに思いました。そして、その独立性ということを考えたときに、人材についてもしっかり原子力規制庁で育てていく、原子力規制庁で仕事をしていただくということが重要だというふうに考えました。 そこで附則の中に加えられたのはノーリターンルールだったわけですね。つまり、経済産業省や文部科学省から原子力規制庁の方に職員が入った場合については、もうそこで骨をうずめるか、若しくは、若手については、帰ってもいいけれども、帰った場合にはもう原子力についての仕事はできない、こういうルールになっているわけです。 当初の段階で、覚悟のある人間が集まって原子力規制庁が立派にスタートしたことは非常によかったと思います。独立性も確立をされたというふうにも思います。しかし一方で、現状はどうなっているかということで確認をすると、残念ながら人材が集まっていないと。例えば、三十代の後半とか四十代のまさに働き盛りの原子力に関する技術者がほとんどいない、全くいないと言っていいほどだと。つまり、五十以上の当時覚悟を持って来た人間が最後残って頑張っている世代と、あとは二十代とか三十代前半の若手で覚悟を決めて入ってくれた人材でほとんど成り立っていて、真ん中辺がごそっといないんですよね。 この間、大分自民党内でも議論しまして、そろそろやはりかじを切るべきだろうと。独立性を維持するという意味では、課長以上についてはノーリターンを守る、そこはこれまで同様。しかし、若手ですね、課長以下の人事については、柔軟にやることによってむしろ人材が集まる。資源エネルギー庁や文科省も含めて人事交流をしていただいて、そして、最終的に覚悟を持って規制庁でやっていただけるのだとすれば幹部として戻ってきていただければいい、こういう提案をいたしました。正直言って、法律を作ったときの経緯からするとやや厳しい御意見もあるかなと思ったんですが、そこは、私自身がノーリターンルールを決めたときの責任者でしたので、私が最終的に提案するのが一番いいだろうということで提案をさせていただきました。 これそのものはこれから原子力規制庁の方でしっかりと法案を出すということで準備をしていただけると思いますが、問題は、人材を出していただけるかどうかなんですよ。 ですから、経済産業省からもしっかりと人材を出していただいて、原子力政策を進めるという大きな役所の方向性は経済産業省のものなんだけれども、しっかり規制をするということができなければそれ自体が成り立たないわけですから、そこはしっかりと人材を出すということについても理解をしていただきたいというふうに思っておりまして、最後にそのことについて是非前向きな御答弁をいただきたいというふうに思います。
○赤澤国務大臣 まず、細野委員が、ノーリターンの対象になるのを、先ほど課長以上、今度は課長以下とおっしゃったので、課長は両方に含まれちゃっていたんですけれども……(細野委員「課長未満。失礼しました」と呼ぶ)課長未満ということですね。分かりました。理解をいたしました。 その上で、一つ申し上げておきたいのは、原子力規制庁に本当に優秀でやる気のある人材が集まらなきゃいけない、これは本当に国家の課題だと思います。その上で、今委員の御認識として、ちょっと若手が薄くなっていないかというお話でありました。責任者として思うことは、それがもし事実であるとして、なかなか、ノーリターンルールだけが理由ということではきっとないと思います。 この分野が将来どういうふうに成長するかとか発展するかとか、そういうことも含めてしっかり、本当に重要な分野でありますので、私どもも、第七次エネルギー基本計画を出して、原子力について最大限活用、もちろん安全と地域の理解が前提でありますが、そういうこともしっかり広報しながら、国民の理解も得ながら、結論において、原子力の推進と規制を分離することは事故の反省を踏まえた政策の大前提ではありますが、安全性を確保しつつ、将来にわたって原子力を活用していく上では、規制を含め、原子力人材の流動性を確保する、若い人には特に規制側の状況とか仕事もよく理解した上で原子力政策を進めてもらう、持続可能な人材構造を構築していくことが重要だと思います。そうした観点から、若手職員を含む人事交流は、人材育成において意義のあるものだというふうに理解をいたします。 御指摘のノーリターンルールの見直しについては、一義的に原子力規制委員会において議論されるべきものと承知しておりますが、経済産業省としても、その検討状況を踏まえつつ、規制の独立性に十分配慮しながら、原子力規制庁に優秀でやる気のある人材が集まるということを実現をしようということで、その基盤強化にも資するように、ルールに従い、人事交流に前向きに取り組んでいきたいというふうに思います。
○細野委員 誠実に御答弁いただきまして、ありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○工藤委員長 次に、山田美樹君。
○山田(美)委員 自由民主党の山田美樹です。 質問の機会をありがとうございます。 電気事業法改正について、自由化の再検証、エネルギー安全保障、AI時代の国家戦略の三つの視点から質問させていただきます。 私の社会人としてのスタートは、今から三十年前の通産省でした。当時は、まさに規制緩和、自由貿易体制、電力自由化の議論が旺盛だった時代で、その頃と比べると、今の産業政策は重厚長大に回帰しており、明治の殖産興業や戦後の傾斜生産方式を思わせるところがあります。経済安全保障が強化され、必要な規制は緩和よりも強化する、三十年前とは逆の流れになっていると感じます。 電力政策も同様です。九〇年代に、欧米に倣って我が国でも自由化に向けた取組が始まり、東日本大震災をきっかけに行われた電力システム改革により、その流れが一気に進みました。電気事業における競争が進み、消費者目線でいえば、電力会社や電力メニューを選べるようになるといった大きな変化が生じましたが、当時と今では、時代が大きく変わってきていると感じています。 例えば、二〇二二年のロシアによるウクライナ攻撃以降は、世界的に燃料価格が高騰し、日本のように化石燃料に電力を依存する国は安全保障を意識せざるを得なくなりました。そして、足下では、中東情勢の悪化により、中東に原油輸入の大宗を依存していた我が国の弱点が明らかとなる中で、再びエネルギー安全保障に対する危機感が高まっています。恐らく、再来年に検討がなされる次期エネルギー基本計画は、単なるアップデートにとどまらない、新たな視点が必要になると推察します。 また、今後は、AIが飛躍的に拡大し、半導体製造やデータセンター稼働を支える電力供給が国力を左右する時代になったと言われます。長年減少の一途をたどってきた電力需要が、今後は大幅に増加する見込みです。世界的な脱炭素化の流れを考えると、中長期的には、脱炭素電源をしっかり確保していくことが我が国の成長戦略の観点からも引き続き重要となると考えます。 このように、電力が安全保障や成長戦略に直結する時代へと変化する中、これまでに進めてきた電力自由化の流れを軌道修正していくことも必要ではないでしょうか。 政府は、これまでの電力政策の流れの中で、今回提案された電気事業法改正をどのように捉えているのか、赤澤大臣に伺います。
○赤澤国務大臣 電力システム改革で、地域間での電力融通による安定供給確保や、料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大といった成果は確認できていると考えています。一方で、委員御指摘のとおり、世界的な脱炭素化の流れだとか、DX、GXの進展により電力需要の増加が見込まれること、そういったことも踏まえて、結構各国で産業政策の競争みたいになっていること、当初必ずしも想定していなかった変化が生じてきていることも確かでございます。 こうした中でも、エネルギー安全保障の確保を図るためには、大規模な送電線や電源の投資を促進していく必要がありまして、この辺り、本法案で財政投融資を活用した貸付制度の創設を盛り込み、必要な電力インフラの投資に向けて、放っておけないという言い方がいいか、国もとにかく一歩踏み込んだ対応を行うという意思決定をしたところでございます。 こうした内容を盛り込んだ本法案について、事業者の創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給、脱炭素化、安定的な価格水準での電気の供給が実現できるように、電力システム改革を次のフェーズに進めていくということのために必要なものであるという位置づけをしております。
○山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。大きな時代の変化の中で、電力システム改革を次のフェーズに進めるという御答弁をいただきました。 今お話しになった、財政投融資を活用した大規模電源への貸付制度を創設することによって、国が一歩前に出て投資を支援するということですが、どのような問題意識で貸付制度を提案したのか、また、どのような電源を対象に支援を行うつもりなのか、御教示をいただければ幸いです。 また、資金調達支援が重要であることは間違いありませんが、そもそも、事業者にとってインセンティブがなければ、脱炭素電源への投資は進みません。事業者の投資意欲をどのように醸成するのか、伺います。
○小森大臣政務官 まず、貸付制度を提案した問題意識についてのお問合せでありますけれども、電力の安定供給の確保を図りつつ脱炭素化を推進していくためには、大規模な脱炭素電源への投資を集中的に進めていかなければならないところであります。 そのような大規模な脱炭素電源への投資を行うためには、長期かつ大規模な資金が必要であります。そのために、本法案に財政投融資を活用した貸付制度を盛り込み、民間金融を補完して、こうした投資を促進していこうというものであります。 そして、次のお尋ねの融資の対象でございます。 この法律において、特定の電源種のみを対象としているものではありませんけれども、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備をする、そういう観点から申し上げますと、例えば、一定規模以上の原子力発電、洋上風力発電を始めとする、安定供給と脱炭素化の両立に資する電源投資というのを想定しているところでございます。 そして最後、委員の方から御指摘ありましたように、発電事業者に脱炭素電源への投資意欲を持ってもらえるようにすることも大事なことでございます。今般の融資制度をつくることによって、資金調達の支援で後押しをする面ももちろんございますけれども、それにとどまらず、例えば、今後も、事業の予見可能性を高めていくといったような対応を引き続き講じていく必要があると考えております。
○山田(美)委員 ありがとうございます。 脱炭素を進めていくという上で気になるのが、火力の活用との整合性でございます。 中東情勢の深刻化の中にあっても、電力の安定供給には問題がないとの見通しが示されています。その背景には、発電用燃料の主力であるLNGも石炭も中東への依存度が低いことがあります。 しかしながら、海外からの輸入燃料に発電の七割を依存している現状を中長期的には変えていかなければなりません。そのためにも、今、小森政務官がおっしゃってくださいました、GX政策を推進し、国産の脱炭素電源を確保していくことが急務であります。 一方で、急増する電力需要に対応しつつ安定供給を実現するためには、当面の間は火力発電の活用も極めて重要です。我が国では、LNG火力をトランジション期におけるブリッジとして位置づけていますが、さらに、中東情勢の悪化による石油価格高騰により、石炭火力の活用に期待する声も再び高まっています。 米国は現在、エネルギー不足の状態にありますが、バイデン前政権が石炭火力発電所や天然ガス発電所を強制的に閉鎖したことが原因だとの批判もあります。 GX推進とトランジション期における石炭火力を含む火力発電の活用を、どのように整合性を取って進めていくのか、伺います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 石炭火力は、他の火力に比べましてCO2排出量が多いという環境面での課題がございます。このため、安定供給を大前提として、火力全体で必要な発電容量を維持、確保しつつ、CO2排出量が特に多い、発電効率が低い石炭火力を中心に発電量を減らしていくという方針でございます。 今般の中東情勢を踏まえ、発電効率の低い石炭火力発電の稼働抑制措置を二〇二六年度は適用しないこととしておりますけれども、これは電力の安定供給に万全を期す観点から緊急的に講じているものでございます。 二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、アンモニアやCCSを活用することで、脱炭素火力への置き換えを推進し、GX政策と石炭火力活用との整合を図ってまいります。
○山田(美)委員 ありがとうございます。柔軟かつ臨機応変な対応をしていくということであろうかと思います。 脱炭素電源の確保という観点からは、再エネへの投資促進も引き続き重要です。しかし、再エネ推進に当たっては、地域との共生や安全性の確保の観点から多くの課題が指摘されているのも事実です。 今回の法改正で太陽電池発電設備などの安全性の向上についてはしかるべき措置が取られており、地域との共生が図られた望ましい事業は促進するべきと考えておりますので、今回の改正を非常に評価をしています。 今後の再エネ導入拡大という観点からは、我が国発の技術であるペロブスカイト太陽電池をしっかりと推進をしていくべきです。中国は、十万人もの研究者を擁し、ガラス型のみならずフィルム型でも、猛烈な勢いで追い上げていると聞きます。国内での社会実装を加速して需要を増やしていくということはもちろんですけれども、新たな研究開発や量産化、導入促進のための資金支援も重要でございます。ペロブスカイトは成長戦略の重点十七分野にも含まれていますが、資金面でどのように支援をしていくのか、伺います。
○小林政府参考人 お答えいたします。 ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けては、導入補助等による需要創出だけではなく、御指摘の開発、生産段階についても、世界に引けを取らない規模とスピードで取り組むことが重要でございます。 量産技術の開発については、経済産業省としてグリーンイノベーション基金による支援を行っており、二〇三〇年度にはシリコン太陽電池相当のキロワットアワー当たり十四円の量産技術確立を目指し、開発を進めております。 生産体制整備についても、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制を構築すべく、GXサプライチェーン構築支援事業の対象として支援をしておりまして、五年で三千億円規模の大規模投資が既に開始をしているところでございます。このうち、半額の約千五百億円について、経済産業省として支援を行うこととしております。 これらの資金的支援を通じまして、民間の資金調達も円滑になることを期待するものでございます。引き続き、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けて、量産技術確立、生産体制整備、需要創出について三位一体で取り組んでまいりたいと考えております。
○山田(美)委員 是非、日本発の技術、これをしっかりと後押しをしていただければと思います。 続いて、脱炭素電源ということで、原子力発電についてお伺いします。 原子力発電は、脱炭素と電力の安定供給を両立する重要なベースロード電源でありますけれども、諸外国を見ますと、二〇五〇年までに米国は設備容量を現在の四倍に、イギリスは三・七倍に、フランスは最大十四基を新増設、韓国も二〇三八年までに三基を新増設する方針を明らかにしています。 我が国では、第七次エネルギー基本計画において、福島事故以来続いてきた可能な限り原発依存度を低減するという文言がなくなり、二〇四〇年には総発電量約一・一から一・二兆キロワットアワーの二割を担う計画です。二〇二三年度の原子力比率八・五%から二割に引き上げるには、相当数の再稼働、寿命延長、リプレース、次世代革新炉などなどが必要であろうかと思います。 先週、六月五日に、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会が発表した原子力発電の見通しでは、大型炉換算で、二〇四〇年までに約二基から五基、それから二〇五〇年までに約十一基から十四基の建て替えが必要とのことですが、これを実現するための人材、サプライチェーン、技術の維持、確保について、小委員会ではどのような議論がなされたのでしょうか。また、民間企業だけでは担うことが難しい巨額の投資を進めていくに当たり、今回の法改正で可能となる財政投融資の活用をどのように進めていくのでしょうか。お伺いします。
○小森大臣政務官 委員の方から御指摘ありました、六月五日に原子力小委員会におきまして原子力発電の見通しを示したところでございますけれども、これに先立ちまして、原子力人材につきましては、建設、製造に必要な技能の継承、原子力教育、研究基盤の弱体化への対応の必要性、また、産業基盤の維持強化については、サプライヤーの供給体制の維持や、それに資する海外市場への参加などの必要性について、小委員会において御議論をいただいたところであります。 政府といたしましては、このような議論、そしてまたエネルギー基本計画なども踏まえまして、産官学横断的な人材の維持強化、そしてまた、サプライチェーンの供給途絶対策、海外プロジェクトへの参加支援、原子力発電に関する事業環境整備といった必要な取組を進めてまいりたいというふうに思っております。 そしてまた、財源というか、資金のことについて最後にお尋ねがありました。 本法案におきまして、先ほど来御説明しているような貸付制度の創設を盛り込んだところでございます。この貸付制度は、特定の電源種を念頭に置いたものではございませんけれども、資金調達が難しい長期かつ大規模な電源への投資を促進していくものでございます。
○山田(美)委員 ありがとうございます。議論を重ねてきてくださっているかと思います。 私自身、これまでに、福島第一の事故現場はもちろん、柏崎刈羽、浜岡、女川、大間、東通など、数々の原子力発電所を訪問しました。再稼働や建設再開の見通しが立っていない施設でも、プラントの維持のために懸命に働き続けている多くの方々のお姿を拝見しました。我が国において安心、安全に原子力発電を活用できるよう、政府には必要な政策を着実に進めていっていただきたいと思います。 続きまして、今回の法案の中で定められます中長期市場について伺います。 今回、電気事業法に中長期市場を位置づけ、中長期的な取引を推進しようとする背景には、ロシアのウクライナ攻撃後に生じたスポット市場価格の急騰ですとか小売市場の混乱などの苦い経験があろうかと思います。 改めて、中長期市場の意義、果たすべき役割について、御説明をお願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 現在、翌日に使用される電気の売買を行うスポット市場では、電気の全需要の三割程度の取引が行われておりますが、スポット市場は、燃料費の変動の影響を受けて価格が変動しやすいため、特に価格が高騰する局面では、調達価格の高騰により小売事業者の休廃止の増加といった事態が生じやすいこと、発電事業者にとっては、事業の予見可能性が低くなり、電源投資や長期かつ安定的な燃料調達に悪影響を及ぼす懸念が生じていることといった課題がございます。 これに対しまして、中長期取引市場は、例えば、取引時点の一年後から一年間にわたって電気を供給する取引を行うなど、翌々日以降の一定期間にわたって受け渡される電気を取引するための市場であります。 中長期取引市場を整備し、中長期の電力取引の活性化を図ることにより、小売事業者による中長期での供給力の安定的な調達を促すとともに、発電事業者による電源投資や燃料調達に係る予見可能性の向上にも資するというふうに考えております。 このため、今般の改正では、中長期取引市場のみを開設する卸電力取引所についても経済産業大臣の指定を受けることができることといたしまして、健全かつ適正な市場運営の下で中長期取引の活性化を図ることとしてございます。
○山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。まさに、市場の機能をしっかりと生かしながらこの安定供給を図っていく取組かと思います。是非しっかりと推進をしていただければと思います。 一つ、ちょっと質問を次に行かせていただきまして、三つ目の視点として申し上げました、AI時代の電力国家戦略についてお伺いします。 先月、先輩、同僚の議員とともに、シリコンバレーの半導体、AI関連企業を訪問いたしました。AIは、もはや一つの産業ではなく、社会経済の基盤そのものになりつつあると実感しました。AIインフラを支える電力供給の確保が国家戦略にとって死活的に重要だということです。 米国は、昨年、ジェネシス・ミッションを発表しました。政府主導で先端技術の研究開発のためのAIプラットフォームを構築し、十年間で米国の研究開発の生産性を二倍にすると宣言していますが、これに必要な莫大な電力を調達するために、原子力の活用などを強力に推進をしています。 しかし、日本では、電力供給の制約が非常に厳しいので、自前ではAI計算資源を十分に確保はできません。日米連携の下で、米国のプロジェクトに参加することで活路を見出そうとしているという厳しい現実がございます。 一方で、中国の電力供給能力の増強は、米国をはるかにしのぐ勢いで進んでいます。全国八か所をデータセンターのハブに選定し、電力供給の増強を進めていますが、中国の新規の発電能力の八割が太陽光、風力などの再エネで、米国の六割を上回ります。 一昨年に中国の発電能力は米国の二・五倍に達し、年間の発電量で比較しても米国の二・四倍、原子力発電の発電容量も数年以内に米国を追い抜くと聞いております。 中国がこのように強力な電力政策を進めることができるのは、電力会社が全て国有で、政府の統制下にあるからなわけです。米国は、地域ごとに電力会社が連邦や州の規制に従って投資しなければならないという制約がございます。 またさらに、中東を見ますと、サウジアラビアなどでは、巨大な太陽光発電所を建設し、世界で一番安いデータセンターと銘打って、目指して、原発の二十分の一の価格で大量の電力を供給するプロジェクトが進行しています。 こうした国家間の熾烈な競争に日本も伍して戦っていかなければならないわけですが、それには資金調達が最大の課題であります。 今回の法改正で財政投融資を活用することが可能になったことは、大きな第一歩だと思います。二〇二三年に発表された広域連系系統のマスタープランでは、必要投資額を六から七兆円としていますが、こうした投資も含め、系統や電源投資について、中長期でどの程度の投資規模を見込んでいるのでしょうか。また、初年度は五百四十億円が予定されていますが、それで十分な規模の投資が確保されるのでしょうか。お伺いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 電力需要が増加する見込みの中、脱炭素化に対応しつつ安定供給を確保するためには、今委員から御紹介いただきましたとおり、各国で様々な取組が行われておりますし、それに相当な費用が必要となるということも事実でございます。我が国におきましては、送電線や脱炭素電源の整備に、年間約五兆円を超える投資を複数年にわたって継続することが必要という民間の試算もあるというふうに承知をしてございます。 こうした投資期間が長期かつ大規模な投資に対する民間金融を補完するため、令和八年度については、第四・四半期に貸付制度を開始することを想定いたしまして、五百四十億円の財政投融資を措置いただいたところであります。 令和九年度以降についても、必要な投資が行われるよう、必要な財源の確保に努めてまいります。
○山田(美)委員 ありがとうございます。 財投の活用が可能になったとしても、電力会社の自己資金や銀行融資、商社やインフラファンドだけでは中長期的に巨額の資金調達は難しく、資金調達先を広げていく必要がございます。その際には、需要側にも必要な資金を提供してもらえるような取組が重要になるかと考えます。 例えば、米国では、テック企業に対して、AIに利用するデータセンターの建設に際し、新たな電力供給源に係る費用の全額負担を義務づける方針を打ち出しています。受益者負担の点からは合理的ですが、日本にはGAFAのような巨大需要家は存在しません。 そうした中で、需要家連合や長期電力契約、PPA、そして、年金、保険などを含めた機関投資家を組み合わせた日本型のAI電力ファイナンスを行っていくことが重要だと考えます。 政府は、需要家側が関わる形の電源確保を進めるべきではないでしょうか。また、電力会社の資金調達先の多様化も大切ですが、どのようにお考えでしょうか。
○小森大臣政務官 委員の方から御指摘のありました需要家側の資金の活用、そしてまた電気事業者による資金調達先の多様化というのは、電源や送電線の投資の加速のためにも重要だというふうに認識をしております。 まず、需要家側が関わる電源投資につきましては、発電事業者と需要家が電力の調達について直接契約をするコーポレートPPA、これが近年、とりわけ再エネについて増加してきているところでございます。政府といたしましても、今年度、脱炭素電源地域貢献型投資促進事業というのを創設をしたところでありますけれども、これらを通じまして、脱炭素電源全般についてこうした取組を更に促進してまいりたいと思っております。 資金調達の多様化につきましては、事業者自ら取組を進めております。例えば、新株の発行、そしてまた外債の発行を行っている事業者もいるところでございます。 今後とも、電力インフラの整備に必要な資金調達の円滑化に向けた対応を進めてまいりたいと思っております。
○山田(美)委員 御答弁ありがとうございます。是非強力に進めていただければと思います。 最後の質問になります。 少々難しい話ではありますけれども、限られた資金を最大限有効活用するためには、電源と送電網の全国最適化が不可欠であります。電源を需要地の近傍へ誘導することでネットワーク投資を削減する需給立地最適化の議論が始まっていますが、現状を見ますと、やはり都市部に需要が集中し、電源立地は市場や自治体、個別の施策に委ねられ、そして系統側が調整するという構造になっているというのが現実でございます。 また、災害、サイバー攻撃などの有事のリスクを考えますと、安全保障の観点からも分散配置が必要となります。自由化した事業環境の中ではありますが、系統整備における需要家との連携ですとか、発電、小売、送配電、それぞれの電気事業者間の連携などを含めて、電力システム全体を最適化していくことが重要だと考えますが、政府としてどのように進めていくのか、伺います。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、システム全体の効率を上げていくことが重要だということで、自由化された事業環境においても、送電事業者、発電事業者、小売事業者、こうした事業者間の連携を効率的に進めることが、エネルギー安全保障の観点、それから重複投資の排除によるコスト抑制などの観点から重要であると認識してございます。 例えば、送電の中立性を確保しながら、発電と送電、あるいは送電と小売との間でコミュニケーションを円滑化することで、系統整備の最適化に加えて、発電側や需要家側による投資の最適化も実現できると思っております。 こうした観点から、本法案においては、大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際に、一般送配電事業者と事前に協議を行うことを求める措置などを盛り込んでいるほか、GX戦略地域制度の枠組みを活用いたしまして、データセンターを電力インフラの観点で適した地域へ誘導する取組なども進めているところでございます。 こうした事業者間の連携を含む次世代の電力産業の在り方、電力システムの在り方につきましては、資源エネルギー庁の審議会で現在も議論を行っているところでございまして、更に今後検討を深めてまいりたいと考えてございます。
○山田(美)委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。 やはり、電力自由化というところから始まって、市場原理の中で電力の安定供給、それからまたさらに危機管理、有事の対応、そうしたことを図っていく非常に難しい政策だとは思いますが、いろいろと是非創意工夫を凝らしていただいて、日本として強い電力をベースとするエネルギー政策を進めていっていただければと思います。 私の質問は以上です。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、若狹清史君。
○若狹委員 日本維新の会の若狹清史です。 本日も、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 ちょうどこの二時という時間帯はお疲れのときになってくる時間帯でございますので、ちょっとめり張りをつけながら御質問させていただきつつ、本日、私のはほとんど参考人の皆様方への質問で、大臣への質問はほとんどないんですが、日頃、委員会におりますと、大臣が、参考人の方が答えようとしているところを、いやといって手を挙げて答えられるシーンもございますので、今日もそういう機会があればいいなと期待をしながら質問に入らせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 早速ですけれども、今回の地政学リスクの現実化とDX、GXによる電力需要のV字回復が重なる歴史的局面において本改正案が提出されたと認識しております。私自身は、この内容を見させていただきまして、方向性を支持する一人といたしまして、この政策効果を最大化するための質疑の時間だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 まず、本改正では、小売電気事業者にNマイナス三で五割、Nマイナス一で七割の供給力確保義務が課されました。趣旨には当然賛成しておりますので、その上で二点確認させてください。 一つ目が、新たに開設される中長期市場の流動性が確保されない段階で義務だけが先行してしまうと、小規模の新電力の退出を加速させてしまって競争を毀損するリスクがあるのではないのかという見方も取れます。その上で、義務発動と市場整備スケジュールの整合をどう担保するのかをお聞かせください。 次に、サンクションの非対称性というところで、指導、勧告の公表というのは、これは大手には実効性が余り薄いのかなと想定しておりますが、中小の新電力の方々にとっては致命的となるような可能性もあります。こういった、非対称性規制になりかねないようなこともありますので、競争の公平性の観点をどう今回の法案に織り込んでいるのか、お聞かせください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 電力の安定供給や需要家保護、料金水準の過度な変動抑制といった観点から、小売電気事業者の量的な供給力確保を求めるという方針の下、その遵守を促す仕組み等について具体的な検討を進めているところでございます。 小売電気事業者が中長期の量的な供給力を確保するためには、発電事業者との相対取引や今後新たに整備する中長期取引市場を通じて安定的に供給力を調達できる環境が整備されている必要があるという点は、御指摘のとおりでございます。 本措置は、中長期取引市場が二〇二八年度に開設されることを前提に、その二年後の二〇三〇年度から開始するという想定であります。措置を開始する前に、この中長期取引市場や相対取引における取引量を検証し、必要に応じて経過措置等についても検討するということとしております。 また、小規模な事業者に過度な負担にならないよう、確保を求める供給量の水準について、措置の開始から一定期間、小規模な事業者はその他の事業者より低い水準とする予定であります。 また、指導、勧告といった履行を促す措置は、大手事業者にとっても社会的評価に関わるため、一概に小規模な事業者に不利に働くとは考えておりませんけれども、いずれにしても、事業者の規模によって特段の不利益が生じる制度とならないよう、制度開始までの間に、引き続き新電力を含めた幅広い小売電気事業者の方々の意見を丁寧にお伺いしながら、更に必要な対応があれば検討してまいりたいと思っております。
○若狹委員 御説明ありがとうございました。 本当に、市場整備と義務発動を連動させる方針を確認させていただきました。新電力が、公正な競争環境の下、事業継続できるように、引き続き競争の公平性の観点をしっかり織り込んでいただくようお願い申し上げたいと思いますし、私からすると、市場の流動性指標に連動して義務水準を段階的に緩和する、市場の連動フェーズイン条項みたいなものをガイドラインに設けていただくようなことが可能であれば、御提案させていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 EPRXの社員構成は一般送配電事業者九社のみとなっております。買手支配の構造で、指定法人化が行われればルール形成が固定化されてしまうのではないかというリスクも当然のようにあります。 その上で、二つお伺いしたいんですけれども、指定法人化後のガバナンス機関に新規参入事業者やアグリゲーターの参加をどう担保しているのか、公正取引委員会との連携スキームはどうなっているのかというのを、一つ目、お聞かせください。 次に、電源休廃止、これの検討段階という情報は、卸売市場への重大なインサイダー情報となっております。公益機関がアクセスした場合のファイアウォールの実効性を電力・ガス取引委員会の監視対象に明示的に追加するお考えがあるのかをお聞かせください。
○久米政府参考人 まず、最初の御質問について、私の方からお答え申し上げます。 再エネの大量導入を進めるに当たって、需給バランスを一致させるために必要な電力である調整力の確保、これが重要となってまいります。 一般送配電事業者が調整力を調達するに当たっては、調整力を取引する需給調整市場が活用されておりますけれども、現在は電気事業法の規律が及んでおりませんで、市場の運営は、市場設置者である一般社団法人電力需給調整力取引所の自由に委ねられているというのが現状でございます。 今後、再エネの更なる導入に伴って調整力の確保の重要性も更に高まると想定される中、この需給調整市場における取引の安定性、透明性もこれまで以上に求められると考えておりまして、こうした認識から、今回の改正案では、経済産業大臣が需給調整市場を運営する法人を指定することができるということとし、その業務規程や毎年度の事業計画の認可を通じて市場の健全かつ適正な運営を担保するということとしております。 こうした業務規程や事業計画の認可に際して、新規参入の促進の観点というのをしっかりと確認してまいりたいと考えています。
○新川政府参考人 後段の御質問について御回答させていただきます。 電力・ガス取引監視等委員会としても、電源の休廃止に係る情報は市場取引上価値のあるものと認識をしております。 本改正案においては、そのような懸念に対しまして、一般送配電事業者は、個別電源ごとの想定休廃止時期に係る情報を目的外に利用又は提供することが禁止されていることを明確化するための改正規定が盛り込まれていると承知をしております。 今後、資源エネルギー庁において事前協議の内容に関する詳細の整理が行われるものと承知をしておりますが、当該情報を用いて市場参加者が不公正な取引を行っていないか、引き続き適切に監視してまいりたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。 本当に、多様な市場参加者が見込まれて、意見が反映されるガバナンス体制の整備というものは、これはインサイダーもなんですけれども、今おっしゃっていただいたような取組をしていただけるということですので、引き続き更に強化をしていただくような取組をお願いしたいと思いますし、本当は、市場参加者が参加するような、諮問委員会みたいな設置等も今後議論していただける機会があればとは思っております。 次に移ります。 次は値差収益なんですけれども、地域間連系線の容量取引で生まれるこの値差収益は、本来であれば、連系線を通じた電力取引がエリア間の価格差を縮小させるということなので、消費者が支払う電気料金を直接低減させる効果があると理解しております。この収益を国庫に収納して送電整備費に振り向ける、そうすると、本来消費者が今すぐ享受できたはずの電気料金の低減メリットが、将来のインフラ整備完了まで要は先送りされるということになります。 短期の消費者メリットと長期のインフラ投資のトレードオフについて、具体的に何年後に消費者にメリットが実現すると見込まれていらっしゃるか、御質問させてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 値差収益は、地域間連系線が混雑しているため、エリアごとに市場が分断されてしまい、異なる電気の取引価格になることで生じているものでございます。現在は、地域間での電力の融通を拡大するため、大規模な地域間の送電網の整備への貸付けや資金交付に使うということになってございます。 今回の法案では、今後発生する値差収益について、一旦国庫納付した上で、これまでの地域間の送電網の整備に加えて、需要家ニーズへの対応の迅速化という観点から、特に必要性が高い地域内の送電網の整備への資金貸付けなどにも活用することを想定しております。 地域間の送電網の整備に取り組むことにより、中長期的に市場分断の減少によるエリアを超えた低価格の電源の活用の拡大といった需要家へのメリットが生じてくると見込まれるという点については、委員御指摘のとおりだというふうに考えております。その効果が発揮される具体的な年限を示すというのはなかなか難しいところでございまして、大規模な送電網の整備には十年単位の時間を要する場合もあるため、やはり一定の期間が必要だというふうに認識をしております。
○若狹委員 ありがとうございます。 非常に実現する見込みというのがお示ししづらいというお気持ちも理解いたしましたが、引き続き、中長期的に、いずれは消費者メリットが実現するという見込みだという御説明だと理解しましたけれども、そこら辺がなるべく短期的に、そうはいっても、本当に、長期のインフラ投資のために短期の消費者メリットが先行きになってしまうということの、その先行きが幾つになるのか分からないというところが、これが消費者が一番不安とするところでもございますので、これは政策論になってくるのでまた難しいところではあるんですけれども、国民への丁寧な説明というものは引き続き求められてくると思いますので、是非定期的に実現の見通しというものは国会で議論なりさせていただければ、報告なりしていただければと思います。 次に、地域間連系線の整備には多大な費用がかかるのかなと想定しておりますが、これも国民にとっては重要な問題ですので、その費用をどのような仕組みで回収していく予定か、全体像を分かりやすく御説明をお願いいたします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 地域間送電線は、再エネの更なる導入や二酸化炭素排出量の削減といった観点で、全国の電力の需要家が裨益するということでございますけれども、再エネは一部地域に偏在しておりまして、その利用のためにその地域の託送料金のみにより増強することは、地域ごとの負担に差が出ることになるということでございます。このため、二〇二二年に導入された、いわゆる全国調整スキームというものによりまして、全国の託送料金、再エネ賦課金、値差収益によって地域間連系線の整備費用は賄われることとなっております。 財源の充当の考え方については、まず、当該送電線整備に伴って再エネ電気の利用の促進に資する割合を算定し、工事費の当該割合分について再エネ賦課金を充当します。残りの工事費について全国の託送料金を充てることとしておりますが、そのときの値差収益の納付額に応じて、値差収益を原資とする交付金を、工事費から再エネ賦課金分を除いた部分の半分を上限に充当するということで、全体の費用を回収させていただくということになってございます。
○若狹委員 御答弁ありがとうございます。すなわち、三つの財源によって全国調整スキームという枠組みの中でやっていくということは理解いたしましたので、引き続き制度設計の透明性の確保だけはお願いしたいと思っております。 次に、北海道と本州間の海底直流送電のような大規模案件では、プロジェクトファイナンスがどうしても必要になっていきます。しかし、プロジェクトファイナンスの組成というのは、結構、長期キャッシュフローの予測やリスク分担、金融機関との交渉と非常に複雑でして、私も、こういう案件ではないですけれども、プロジェクトファイナンスを組むとき、大型の案件というのはかなり負担が多くなってきている経験がありますが、政府としてどのような支援を行う予定か、具体的にお話しください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 北海道―本州間の直流送電を含めた大規模な送電網の整備に当たってプロジェクトファイナンスを活用するという場合に、大規模な建設費用の資金調達をいかに円滑に進めるかが特に重要な課題だという点については委員御指摘のとおりだというふうに考えております。 こうした課題認識も踏まえまして、今御審議いただいている電気事業法の改正案においては、大規模な送電網整備に対する、財政投融資を活用した貸付制度を盛り込んだところでございますけれども、加えまして、投資資金の確実な回収を図るため、費用が上振れた場合の費用回収のルールも整備したところであります。こうした措置を通じて、大規模な送電線の資金調達の円滑化を図ってまいりたいと考えています。
○若狹委員 御丁寧な御説明、ありがとうございます。 本当に、今おっしゃっていただいたような形で、プロジェクトファイナンスの組成というのは民間金融機関との連携がどうしても不可欠となってまいりますし、交付の確実性の確保というのは政府の取組が大変重要だと思っております。地域間連系線の整備というのはエネルギーの安全保障の要でもございますので、これは大変な取組だと思いますので、引き続き着実に成果を出していただきますようお願い申し上げます。 また、行く行くは値差がなくなって、この仕組み自体がなくなることを想定しておりますが、それがいつなのかは、本当は聞きたいですけれども、今日は聞きませんので、是非有意義なスキームになっていただくよう求めたいと思います。 次に、まず問題提起として、期ずれというのは理解しているんですけれども、電力会社十社の合計の最終損益が二〇二四年三月期では約一兆八千八百九十一億という黒字でした。一方、国民は、電気料金が値上げされて、再エネ賦課金、そして補助金負担という四重苦ということがございます。 この前提があるんですけれども、その上で、燃料価格の下落局面では電力会社に有利、上昇局面では国民に転嫁されるという非対称な制度設計になっているという声も確かにいろいろなところから聞きます。ここの評価に関しては今することではないのかもしれないんですけれども、イギリスとかEU諸国では、時限的な超過分の利潤税、ウィンドフォール・タックスというものを導入して、財源を消費者支援に企ててきたという国々もありますが、日本政府として同様の措置を検討したことがあるかどうか、また、もしかしたら今後する可能性があるかというところもお聞かせいただきたいです。 次に、二点目としまして、FIT制度が開始された二〇一二年、太陽光の発電の買取り価格というのは四十二円と高く設定されておりました。その後、パネルコストが低下したんですけれども、それでも二十年間の固定買取りが継続されていたという事実がございます。 この初期の過剰設定による、これが過剰かどうかはあれですけれども、この設定によって超過収益の費用を国民の再エネ賦課金が負担し続けている構造的問題について、今現在の政府の認識と是正の方針を確認させてください。
○久米政府参考人 まず、最初の御質問についてお答えさせていただきます。 電気料金における燃料費調整制度は、御紹介いただきましたとおり、一般的に二か月から四か月前の燃料価格が電気料金に反映するということで、平均三か月程度の時間差、いわゆる期ずれというものが生じます。 したがって、燃料輸入価格の下降局面では一時的に利益が生じる一方で、上昇局面では損失が生じるということですので、長い期間で見れば、燃料価格の変動によって特段の利益が生じるものではないというふうに認識をしております。 これに対して、御紹介いただきましたような、諸外国で、例えば、化石燃料の価格高騰で石油会社が採掘した原油の取引により利益が生じるケースなど、予期せず一時的に発生した超過利潤に対して課税する、いわゆるウィンドフォール・タックスというのが導入されているケースがあるというのは認識しております。 これは、燃料価格の高騰で直接利益が生じているという状況を念頭に置いているというふうに理解しておりまして、我が国の電気料金をめぐる状況とは異なるというふうに認識をしております。 このため、経済産業省として、電気事業者に対してウィンドフォール・タックスの導入というのを要望いたしたり、あるいは検討しているということはございません。
○小林政府参考人 後段の再エネ賦課金の御質問についてお答えいたします。 現在のこの賦課金の水準については、当時の国会審議に基づきまして、二〇一二年のFIT制度開始後三年間の再エネ発電事業者の利潤に特に配慮する措置というものが講じられまして、それが大きく影響しているものと認識をしております。 経済産業省としては、御指摘の賦課金単価の水準を抑制することは大変重要な課題であると考えてございます。これまで、買取り価格の引下げや入札制の活用を実施してまいりました。また、最近では、地上設置型事業用太陽光について、二〇二七年度から支援の対象外とすることも決定したところでございます。こうした取組も受けて、近年の再エネ電気の買取り総額は抑制されつつあると考えてございます。 なお、加えまして、買取り価格を維持したまま長期間にわたって稼働しない、いわゆる未稼働案件に対しても、この認定を失効させる措置を講じることといたしまして、これにより、これまで約八万件、八ギガワットの認定が失効してございます。 引き続き、再エネ賦課金が国民に過度な負担とならないよう、制度を適切に運用していきたいと考えております。
○若狹委員 ありがとうございます。 本当に、諸外国ではいろいろな条件が違いますので、そこら辺は、そういうふうに取り組んでいる国々もあるということも御理解いただきつつ、国内で、我が国ではそれが果たしてできるかどうかというところの検討というのは一つ議論するに値するのかなとも思いますので、今後御検討いただければと思いますし、FITにつきましても、市場価格連動からの、移行義務化というものもされているかと思いますが、これは十年でしたっけ、これをもう少し短くするとか、そういうような形で、具体的に検討するようなことも議論させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に移ります。 ちょっと一つ飛ばさせてもらいます。時間の関係で、済みません。 私、地元は長野県なんですけれども、長野県は二〇二四年四月に地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例というものを施行しまして、県内の十二市町村が独自の太陽光規制条例を制定されました。これは全国で最多水準となっています。 これは、事業者が廃業とか撤退した後の太陽パネルの廃棄、撤去費用が地方自治体に転嫁されるリスクが現実に発生しております。 そこで、本改正案の適合性確認制度というものは設置前の安全確認に主眼が置かれておりますが、撤去時の廃棄費用確保というところでは手薄になっているのではないかなというふうに読み取れました。 廃棄費用の積立てを適合性確認制度又は運転開始後の定期報告義務に組み込んで、地方自治体が肩代わりしなくてもいいようなスキームをお考えになったことはありますか。お聞かせください。
○小林政府参考人 お答えいたします。 今、太陽光発電設備の廃棄に関する御質問をいただいたと思います。地域との共生における重要な課題でございまして、廃棄物となった太陽光発電設備については、その排出者に対して、現行でも、廃棄物処理法に基づき適正処理が義務づけられているところでございます。 また、二〇二二年七月以降は、再エネ特措法に基づきまして、FIT、FIP制度の認定事業者に対して、太陽光発電設備の解体撤去や適正処理のための費用の積立てを求めることで、適正な廃棄がなされるように促しているところでございます。 その上で、FIT、FIP制度の外の太陽光発電設備について、国として一律に廃棄等費用の積立てを求めることについては、他の事業用資産と同様に、廃棄等の費用を含める形での政策的支援を現在は行っておらず、純粋な事業制約となる規制措置に該当するという一方で、御指摘のような懸念はあろうかと思いますけれども、各種の公益保護に影響を及ぼす太陽光発電設備特有の放置の実態は現時点で政府として特段把握をしていないということから、現時点ではそうした措置は困難であるというふうに考えてございます。 引き続き、今の制度を着実に運用するとともに、放置の実態、それから規制的措置による事業制約の度合い等も踏まえながら、対応の在り方を検討してまいりたいと考えているところでございます。
○若狹委員 ありがとうございます。 今、把握をされていないという話もありましたけれども、実際に長野県に、長野市とか南の方の飯田市とかで倒産事業者がそのまま放置したメガソーラーというのがやはりありまして、その処理をめぐって地域住民の方と行政が、どうするんだ、あれするんだ、どうするんだといって、非常に困難に直面した事例があります。 これは本当に全国の教訓にしていただきたいと思うんですけれども、これは、長野市とか、自治体にある程度のお金があるところ、長野市があるかといったら違うと思いますけれども、例えば、もっと山の中にあるような自治体、村とか町とかにあったときに、同じように廃業して、幾ら積み立てたといったって、その業者がどこかにいなくなって、何してどうしようかといったときに、結局どこが負担するのという話になるということを考えたときには、やはり、是非、廃棄費用の確保の義務づけについては前向きに御検討いただきたいなというふうに思いますし、既存のFIT、FIPの積立制度だと、制度を離脱した事業者の放置リスク、そして、FIT、FIP対象外の自家消費型のパネルの廃棄費用というところは入っていないので、ここの部分に関しては、見方によっては抜け穴で、いろいろなことを考える業者がいますので、その辺を是非、適合性確認制度と連動したような廃棄費用の、まあ法定義務化までいくかどうか分からないですけれども、そういうようなところまで議論を引き続きさせていただければと思います。よろしくお願いします。 次の質問に移ります。 長期、大規模な投資が必要で現状制度では投資確保が難しい電源という要件が入っておりますが、これは実質的に原子力発電所の建設、リプレースを主たるターゲットとしているような見方もあります。今回、対象から明確に除外される電源があるかどうかをお聞かせください。また、融資審査において、収益性とか返済確実性の基準をどう設定するかということもお聞かせいただきたいです。 次に、二点目が、財政投資コストがレートベースに算入されて、最終的に託送料金に転嫁される場合があると思います。そうすると国民負担の増加になるんですが、国民負担の増加を最小化するためのコスト管理指標を検討するお考えがあるかどうかもお聞かせください。
○赤澤国務大臣 済みません、お声かけいただいたので、張り切って前半をちょっとお答えさせていただこうかと思います。過去に、政府参考人が一問しか当たっていないのに、私がそれを取って、後で騒ぎになったことがちょっと。やりづらいところはあったんですが、済みません。 今般の改正で措置する電力広域機関による貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な送電線、電源への整備を促進するものでございます。 お答えとしては、対象となる電源は、特定の電源種のみを対象とするものではありませんし、また除外するものでもございません。ただ、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備という観点で、例えば一定規模以上の原子力発電や洋上風力発電を始めとした安定供給と脱炭素化の両立に資する電源投資への貸付けを想定しております。 具体的な審査要件は、上記の政策目的を達成する観点から、今後、詳細を検討していくこととしております。 また、一定以上の投資の回収確実性が認められる案件に限り融資を行うことや、融資に際しては民間金融機関と協調して貸付けを行うことを融資に当たっての方針としておりまして、償還確実性を確認する観点からも、必要な要件を設定してまいりたいと思っています。
○久米政府参考人 では、後半についてお答え申し上げます。 今般の電気事業法改正では、大規模な送電線整備に対する財政投融資制度を活用した貸付制度を措置しておりますけれども、これによって投資期間が長期かつ大規模な送電線の整備を促進するということによって、電気の安定供給の実現といった観点で、まず需要家全体が裨益するというふうには考えてございます。 その上で、託送料金については、送配電事業に要するコストが上昇した場合には料金が上がる要因となります。一方、総需要が増加すれば、費用を分け合う分母が大きくなりまして、個々の需要家が負担する料金は下がる要因となるという構造にもございます。 こうしたことから、電力需要の増加が見込まれる中、これに対応して系統整備の投資が増えたとしても、各需要家の負担が増えるとは一概には言えないというふうに考えてございます。 いずれにしましても、託送料金として一般送配電事業者が回収する金額については、電力・ガス取引監視等委員会において厳正な審査を行ってございます。
○若狹委員 大臣にも御答弁いただき、ありがとうございました。本当に、今お話しをいただきました融資審査の透明性とか、レートベースの管理について御方針をいただきましたので、引き続き、融資損失が生じた場合のバックストップスキームとか、そういったものも想定しながら進めていただければと思っております。 次の質問です。 私も、実務をずっとやってきた側からしますと、法律が成立しても、政省令が遅れると絵に描いた餅となってしまいます。今回のまさにこの事業というものはスピード感を持ってやらなければいけない。しかし、そう簡単にはいかないということも理解しております。 そういった今回の四つの省令の公布、施行タイムラインというものをお示しください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 本法案の施行時期につきましては、改正法の附則におきまして、一部の措置を除き、公布の日から九か月以内に施行するということとしております。なお、市場に関する規定や太陽電池発電設備の保安に関する措置を始め、法執行の体制整備等に一定の準備期間を要する規定については、公布の日から一年以内に施行することとしております。 国会において御審議いただき、法案が成立すれば、速やかに詳細設計を行った上で、パブリックコメント等の手続を経て必要な政省令を整備し、可能な限り早く本法案を施行できるよう取り組んでまいります。
○若狹委員 ありがとうございます。 本当に、本来であればもっと長い期間になるんだろうなというふうに思っておりましたが、今のお話、九か月と一年ということは、これは相当短期間で取りまとめていただいているということの決意だなというふうに思って、これはすごく感謝申し上げる次第でございますので、是非お願いいたします。 最後に、本日の質疑を通じまして、繰り返し申し上げた点もありますけれども、是非本法案を大臣としてしっかりと手当てして進めていく御決意をお願いいたします。
○赤澤国務大臣 今般の電気事業法改正案は、大規模な送電線や電源投資を促進するための貸付制度の創設や、太陽電池発電設備の安全性向上に関する措置といった内容を盛り込んでおります。いずれも、GXやDXの進展に伴う電力需要増加への対応を含め、電力の安定的かつ安全な供給のために極めて重要であると考えております。 国会で御審議をいただき、本法案が成立すれば、今の御議論も含め、速やかに関係する政省令の整備を進め、この法案が一刻も早く実効性のあるものとなるよう、経済産業省としてスピード感を持って取り組んでまいりたいと思います。
○若狹委員 大臣の御決意、しっかりと受け止めさせていただきました。 本法案の成果がより一層出るように、私どもも注視しながら、一緒に御支援させていただければと思います。 本日はありがとうございました。終わります。
○工藤委員長 次に、阿部司君。
○阿部(司)委員 日本維新の会の阿部司です。よろしくお願いいたします。 議題になりました電気事業法改正案についてお伺いをしてまいりたいと思います。 まず、小売電気事業の健全な新陳代謝についてお伺いをいたします。 本改正案では、小売電気事業の登録取消し事由に一定期間の休止などが追加されます。電力の小売全面自由化以降、登録事業者は八百者を超える一方で、実際には、電気の供給実態のない、いわゆる休眠事業者がその三分の一を占めると言われております。退出のルールを整えて市場の適正化を図るという今回の措置の方向性には賛同いたします。 ただ、気になる点がありまして、なぜそもそもこれだけの休眠事業者が滞留してしまっていたのかという点です。出口の整備が必要となっている背景には、入口、すなわち参入時の審査において、事業を継続する供給能力ですとか財務的な裏づけの確認が必ずしも十分でなかったという問題があるのではないかなと思います。 そこで、まず政府参考人にお伺いをしたいと思います。 現行の登録審査において、参入を認めるに当たって、供給力、財務的な要件をどの程度確認しているのか、お伺いいたします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 小売電気事業者の登録審査につきましては、従来から、供給能力については、自社が想定する最大の需要電力に対して、その変動のリスクなども踏まえた上で、相対契約などで必要な供給能力を確保できているか、電気の調達に向けて卸電力取引所の会員となるための要件を満たしているかといった事項を確認するとともに、財務状況について、決算書類等に基づいて事業の継続可能性を確認してきました。 これに加えまして、二〇二二年のロシアによるウクライナ侵攻に伴う国際燃料価格の高騰等を背景として、小売電気事業者の休廃止が相次いで、社会的混乱が生じたことも踏まえて、確認事項を増やすといった強化も図ってまいりました。 具体的には、財務状況について、中長期的な事業の継続可能性についても審査する観点から、三年分の事業計画書の提出を求め、電気の供給能力を確保する費用の変動といったリスク、リスクを踏まえた対策、対策に関する目標というのを確認してございます。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。 入口の審査は既に厳格化をしてきているという御説明を頂戴いたしました。 一定、入口は締まってきているということだと思いますけれども、そうすると、今回法律で手当てをしなければならない問題の本体というのが、入口を通って登録だけを得た後、実態を持たないまま居座ってしまう、その後者の側にあるのではないかなと思います。 そこで、その登録の名義が何のために保持されているのかという点をお伺いいたします。 今回の改正は、その理由の一つに、法人格の悪用防止、この点を掲げております。実態のない、あるいは休眠状態の小売電気事業者の登録名義が電力会社という登録の信用を悪用した勧誘の隠れみのにされたり、またあるいは、名義そのものが売買や名義貸しの対象とされたりする、そうした事案を政府はどの程度把握しているのか、また、登録を取り消すという事後の対応だけでこうした名義の悪用そのものを断つことができると考えているのか、併せて御説明をお願い申し上げます。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の実態につきましては、休眠中の小売電気事業者を買収した者が、需要家の情報を基に架空の契約を締結し、電気料金を不正に取得したとして、刑事事件として摘発された事例があるということを確認しております。 こうした事例を踏まえ、本法案には、正当な理由なく一年以上事業を休止している事業者の登録を取り消すことを可能とする措置を盛り込んでおります。これにより、休眠中の小売電気事業者としての地位が悪用される潜在的なリスクを減らすことができると考えております。 その上で、電力・ガス取引監視等委員会が設置する相談、情報提供窓口への通報や公益通報といった端緒により現に違法行為を確認した場合には、電気事業法その他の法令に基づき、適切に対応を図ってまいります。
○阿部(司)委員 ありがとうございました。 ここまでの御答弁で構図がはっきりしてきたと思うんですけれども、入口の審査は厳しくしてきていて、その一方で、登録の名義そのものが反社会的勢力によって買収の対象となるほどの価値を持ってしまっているということです。実態を持たない登録であっても保持しておく値打ちがあるということであれば、出口で一度取り消したとしても、同じように実態のない事業者がまた入口から登録し直して戻ってきてしまって、イタチごっこにもなりかねないと思います。 そこで、大臣にお伺いいたします。 我が党は、意欲ある新規参入は妨げない一方で、市場から退出すべき事業者は円滑に退出していただいて、再チャレンジも可能とする健全な市場の新陳代謝、こちらを一貫して掲げてまいりました。今回、出口の取消し制度を設けるのであれば、取り消した後に実態を伴わない事業者が再び容易に登録できてしまうことのないよう、出口の取消しの基準と入口の登録審査の基準とを併せて運用していくべきだと考えます。 出口と入口を通じて実態のない登録を残さない仕組みとしていく考えはないか、大臣、御見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 今、参考人との議論の中でもちょっと出たお話なんですが、二〇二二年に小売電気事業者の休廃止が相次いで、社会的混乱が生じたことを踏まえて、私どもとしては、供給能力や財務状況について、既に登録段階での確認を強化したという理解をしております。 その上で、本法案に盛り込んだ、正当な理由なく一年以上事業を休止している事業者の登録を取り消すことができることとする措置により、登録後の小売電気事業者についても事業の適正化のための対応を行っていくこととしております。 というので、私どもの理解としては、これらの登録前、登録後の措置により小売電気事業の健全な発展を促していけるものという理解をしております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。一度退出した事業者がまた簡単に戻ってこられるということでは、せっかくの取消し制度も実効性を欠くものとなりかねないので、しっかり、あわせて、実態のない登録を残さないということで、その運用を引き続きよろしくお願い申し上げます。 次に、蓄電池の安全性の確保についてお伺いをいたします。 今申し上げた小売の話がいわゆる電気を売る側の健全性だとすれば、こちらで取り上げるのは電気をためる設備の安全性です。 本改正案では、太陽電池発電設備について、工事の前に第三者機関による技術基準への適合性確認を導入することとしております。設置者任せにしないで、第三者の目を入れて事前に安全を確かめるという方向性について評価をいたします。 一方で、太陽光と一体で急速に普及しているのが蓄電池です。リチウムイオン蓄電池は、内部短絡などによって熱暴走を起こして発火に至るという固有のリスクを抱えているそうです。現に、昨年、令和六年三月には、太陽電池発電所に併設された蓄電池の建屋で爆発、火災が起きまして、消防隊員が負傷する事故も起きました。これを受けて、昨年、電気関係報告規則が改正されて、一定の容量を超える蓄電池が事故報告の対象に加えられました。事故の情報を集める仕組みが前進したことは、これはすばらしいことだと思います。 そこで、政府参考人にお伺いいたします。 事故が起きた後に、それを報告させる仕組みは整いつつありますけれども、事故を起こす前の段階で、本改正案が太陽電池に導入するような第三者機関による事前の安全確認の仕組みは蓄電池についても設けられているんでしょうか。蓄電池の安全性の確認は、現在、設置者自身による確認にとどまっているのではないかと思いますが、現状を御説明願います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、火災事故を踏まえまして、一定規模以上の蓄電池を電気事業法に基づく事故報告の対象にするとともに、併せて技術基準の強化も行っているところでございます。 技術基準につきましては、リチウムイオン蓄電池は、JIS規格に基づく、耐火性を評価する試験等、各種の安全性評価試験に適合することを求めることといたしております。 このようなJIS規格に基づく試験への適合性の確認などにつきましては、設置者が選任をいたします主任技術者を含めまして、設置者自ら行うことが可能と考えておりまして、第三者の適合性確認などの対象とは現在しておりません。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。 蓄電池についてはJIS規格に基づく安全性の確認というのが求められていますが、それはあくまで設置者が自分で確かめる自己確認であって、本改正案が太陽電池に入れようとしている第三者機関による事前の適合性確認とは違うということでした。つまり、燃えるリスクを抱えている蓄電池の方が、太陽電池よりも事前の安全確認という点ではむしろ手薄になっている、ここに若干ちぐはぐなものを感じております。 そこで、大臣、お伺いいたします。 蓄電池の導入は、これから系統用も家庭用も更に拡大をしていくと思います。設置数が増えますと、それだけ事故の母数も増えていきます。今事故が多発しているわけではないですけれども、リスクが現実のものであることは、消防隊員の方が負傷された先ほどの事故が示していると思います。 であれば、太陽電池に第三者機関による事前確認を導入するこの機会に、火災リスクを現に抱える蓄電池についても、今後の事故の発生状況をよく見極めた上で、同じように第三者による確認の対象に含めることを選択肢として視野に入れておくべきじゃないかと思うんですけれども、冷却また温度管理を含む安全性の確保について、消防庁など関係省庁とも連携をしながら検討を進めていただきたいと思いますが、大臣、御見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 現場で事故が起きておりますので、現場の実態というのを踏まえた御提案と理解をいたします。 その上で、蓄電池については、現時点では、私どもは、安全を確保するために必要な規制を課していると理解をしております。第三者機関による事前確認を必要とする状況にはないという認識でありますが、委員の御指摘のとおり、事故の状況や技術動向等を踏まえて不断に制度を見直すことは重要と認識しております。委員御自身も、今、事故の状況などを見ながらとおっしゃっていましたので。 事故が発生した場合には、消防庁といった関係省庁とも連携し、原因究明を行った上で必要な対策を検討するということで、蓄電池に係る保安の確保に万全を期してまいりたいと思います。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。 事故ですとか技術動向、この状況を注視して必要な対応をしていくという御答弁を頂戴いたしました。事故が多発してから動くのでは遅いという分野もあると思いますので、第三者確認という選択肢を今からテーブルの上に置いておいていただけたらなと思います。これは、現場の方からも何とか拡大してほしいという陳情もいただいておりますので、よろしくお願いします。 次に、太陽光発電設備の安全規制、そして、その背後にあるサプライチェーンの問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。 今、蓄電池の安全性について取り上げましたが、太陽光発電設備についても安全規制には別の弱点があると考えています。それは、事故が起きたときに、誰が造った製品なのかをたどれるのかという問題です。 本改正案では、太陽電池発電設備に事故が起きたとき、その製品の製造事業者や輸入販売事業者、工事業者に原因究明などへの協力を求める責務を新設いたします。これも安全確保に向けた前進だと思います。 しかし、我が国の太陽光パネルは、その多くを中国製が占めております。事故の原因を究明しようと製造事業者に協力を求めても、その事業者が既に撤退をしていたり、また連絡がつかなかったりすれば、せっかくの協力、協議も実効性を欠いてしまうことになると思います。 そこで、政府参考人にお伺いをしたいと思います。 既に設置されている設備につきまして、その製品を造った製造事業者を特定して連絡を取ることが実際どこまでできているのか、とりわけ、製造事業者が撤退して連絡がつかない場合、原因究明を最後までやり切ることができるのか、専門機関の協力を受けながら原因の究明を行う体制になっているのか、御説明願います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。 太陽電池発電設備で事故が発生した場合ですけれども、電気事業法に基づき保安の義務を負っております設置者が原因究明及び再発防止を行うことになっております。 この際、太陽電池発電設備に用いられる製品につきましては、電気事業法上の工事計画といった、届出の際に添付されます製品に関する説明書を確認することで、製造事業者ですとか輸入販売事業者を特定し、連絡を取ることが可能と考えております。 その上で、御指摘のように、製造事業者の撤退によって連絡が取れないような場合につきましては、当該事業者の承継先、こういったものの特定に努めた上で、さらに、困難な場合には専門機関等の協力を得ながら原因究明を行うこととしております。
○阿部(司)委員 ただいま、説明書から製造事業者の特定をして、撤退する場合は承継先を捜して、難しければ専門機関の協力も得て原因究明をしていく、そういった御説明をいただきました。 制度のたてつけとしては確保されているということだと思いますが、ここで、私の問題意識としまして、製造事業者をたどることができても、その先でもう相手が存在しなかったら究明はそこで止まってしまうのではないかということです。専門機関で手厚く対応するといっても、造った当事者がいない以上、おのずと限界があるのかなと。 つまり、トレーサビリティーの実効性については、結局のところ、その製品の供給網は、撤退ですとか連絡途絶のリスクというものを抱えた特定の国にどれだけ依存しているかという問題と切り離せないと思います。なので、安全規制の実効性とサプライチェーンの中国依存という経済安全保障の課題というのは表裏一体だと思います。 そこで、大臣、お伺いしたいと思います。 ここで鍵になっていくのがペロブスカイト太陽電池だと思います。ペロブスカイトは、原料であるヨウ素を我が国が世界第二位の産出量で持っております。この国産化が、特定の国の供給状況に左右されない、強力なエネルギー供給構造につながっていくと思います。 なので、もう既にかなり頑張られていることと思いますけれども、量産技術の確立、生産体制の整備、そして需要の創出を一体として進めて、ペロブスカイト太陽電池の量産、国産化、これをしっかりと後押ししていくべきだと思っております。これは、この安定した国内のサプライチェーンをつくることによって、また、誰が造ったというトレーサビリティーを高めて、そして、結果として今申し上げた安全規制の実効性の確保にもつながっていく。 この一石二鳥の取組を国としてどう進めていくのか、大臣、御見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、ペロブスカイト太陽電池は、主な原材料のヨウ素が日本は世界第二位の産出量であり、サプライチェーンの自律性が高く、経済安全保障の観点でも高く評価できる、大きく貢献できるものであります。 また、国内に安定したサプライチェーンがあれば事故発生時に製造事業者を早期に特定できることから、設備のトレーサビリティーを高め、安全確保につながると期待できます。 ペロブスカイト太陽電池については、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制を構築すべく支援しており、五年で三千億円規模の大規模投資が既に開始されております。 ペロブスカイト太陽電池の二〇四〇年約二十ギガワットの導入を目指して、三位一体と言っておりますけれども、量産技術の確立、それから生産体制の整備、需要の創出の三位一体で国内での量産とサプライチェーンの構築を図り、社会実装に取り組んでまいりたいと考えております。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。 三位一体で進めていくという力強い御答弁を頂戴いたしました。是非ともよろしくお願いします。 次に、パワーコンディショナーのサイバーセキュリティー要件化についてお伺いをしてまいりたいと思います。 ここまで、蓄電池の火災、そして太陽パネルの出どころと設備の安全性について見てまいりましたが、ここで一つ、その設備を動かすパワーコンディショナー、こちらに新たな論点が生まれてきております。それがサイバーセキュリティーであります。 海外では、中国製の太陽光インバーター、パワーコンディショナーから製品の仕様書に記載のない通信モジュールが見つかって、外部から遠隔で出力を操作無効化されるおそれというものが指摘をされております。米国では、一部の電力会社が中国製機器の段階的な排除に乗り出しております。電力インフラを支える機器が外部から勝手に操作されかねないというのは、安全保障の問題に直結をすると思います。 こうした中で、政府が、二〇二七年四月以降新たに系統につなぐ太陽光電池と蓄電池について、JC―STAR1を取得した通信機能を持つ制御システムの利用を義務化するという方針を示していることを承知しております。サイバーセキュリティーの確保に向けて要件化を進めていく、この方向性については強く賛同いたします。 その上で、この要件化の対象範囲についてちょっと確認をさせてください。 政府参考人にお伺いいたします。 この要件化の対象は、インターネット等とのIP通信の機能を持つ機器が対象になると理解しておりますが、一方で、例えば、RS四八五といった、いわゆるシリアル通信だけで発電設備を制御するパワーコンディショナーは対象に含まれるのか、含まれないのか。また、シリアル通信とIP通信の両方の機能を併せ持つような機器の場合、どう扱われるのか。対象範囲の考え方について、明確に御説明をお願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。 分散型電源が大量に電力系統に接続される中で、電力の安定供給を確保する観点から、それらの電源の構成機器の中でも、インターネットと直接通信する機能を持つ機器のセキュリティー水準を確保することが重要だというふうに考えております。 そこで、インターネットプロトコルを使用したデータの送受信機能、いわゆるIP通信機能を持つ機器を対象に、最低限確保すべきサイバーセキュリティー水準を求めるJC―STAR星1の取得を、二〇二七年四月以降に新たに系統接続する太陽光発電や蓄電池のパワーコンディショナー等の通信機器に対して要件化することといたしました。 御質問いただきましたシリアル通信のように、インターネットと直接通信する機能を持たず、相対的にサイバーセキュリティーリスクが低い通信方法のみを利用する機器は対象となりません。 その上で、シリアル通信とIP通信の両方の機能を有する機器もあるというふうに承知しておりまして、そうした機器についてはJC―STAR星1を取得する必要がございます。
○阿部(司)委員 今、対象範囲を明確に御答弁をいただいたと思います。 このIP通信の機能があれば、例えば、実際に使っていなくても外から入られる余地がある以上は対象になってくる、逆に、シリアル通信のみの機器は対象にならない、この線引きがこの国会で明らかになったというのは、現場の事業者の皆さんにとっては大きな意味があると思います。 太陽光発電向けのパワーコンディショナーについて私がちょっと懸念しているところが、この要件化は現場の実態とかみ合っているのかという点で少し懸念をしているんですけれども、中国メーカーの製品が市場の極めて高いシェアを占めておりますが、その主要中国メーカーは現時点でこのJC―STAR星1を取得できていないと承知をしております。 この十分な周知ですとか移行への配慮がないまま要件化だけが進めばどうなるかというと、既設の発電所に蓄電池を後づけしようとしても、またあるいは、故障したパワーコンディショナーを入れ替えようとしても、要件を満たす機器がなくて事実上できなくなってしまう、それで、現場が混乱して、ひいては再生可能エネルギーの導入そのものが止まりかねないということで、そこで大臣にお伺いをいたします。 我が党は、太陽光パネルの中国依存を是正して、国産化と多元化を進めるべきだという立場であります。ですから、要件化の方向性そのものは支持をいたしますけれども、その移行は現場に混乱をもたらさない形で円滑に進められなければならないと思います。 先ほど明確にしていただいた対象範囲に加えまして、既設の機器をどう扱っていくのか、故障時の装置の切替えをどう扱うのか、こうした点について、業界団体や事業者と十分に協議をして、その内容が固まり次第速やかに公表して現場に周知を尽くしていただきたいというのと、あわせて、国産を含む非中国製の機器への円滑な移行を後押ししていただきたいと思いますけれども、大臣、お願いします。
○赤澤国務大臣 二〇二七年四月以降に新たに送配電網に接続する太陽光発電や蓄電池の通信機器に対してJC―STAR星1の取得を要件化する措置について、昨年十二月に大枠の方針をお示ししたところでございます。 その後、発電事業者や関連メーカーから、例えば、既設発電所で一部機器のみ交換するケースが今回の措置の適用を受けるのかといった、個別事例に即したお問合せをいただいているところです。 現場で混乱を生じないよう、同措置に関するQアンドAを既にホームページに公表しておりますが、現在、個別ケースの取扱いについて発電事業者や送配電事業者と協議をしており、調整が整い次第、公表内容を更に充実させる予定でございます。また、業界団体や事業者向け説明会を含めた広報を行い、制度開始までに十分に周知をしてまいります。 なお、今回の措置は、電力の安定供給を確認する観点から、送配電網に接続する通信機器に対して最低限確保すべきサイバーセキュリティー水準を求めるものであり、特定国の企業や製品を念頭に置いたものではないということを申し上げておきたいと思います。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。 しっかり業界団体と協議をして、固まり次第しっかり周知をしていただくとの御答弁を頂戴いたしました。安全保障のための要件化が現場の再エネを止めてしまっては本末転倒ですので、しっかり、要件化という入口と現場の意向という出口の、この両方をそろえて丁寧に進めていただけますようお願い申し上げます。 最後に、原発の建て替えと最終処分について伺います。 ここまで再エネの話とサプライチェーンを中心に伺ってまいりましたが、エネルギー安全保障を考えるに当たって、原発、原子力は避けては通れないと思っております。 報道によれば、政府は、原子力政策に関する行動指針の改定案で、二〇四〇年代までに最大五基の原発の建て替えを目標に掲げるとされています。この方向性は強く支持します。 しかし、入口を進めるのであれば、セットで考えなければならないのが出口、すなわち、高レベル放射性廃棄物の最終処分です。 ここで政府参考人にお伺いしたいんですが、この最終処分の実現に向けた取組について、今、文献調査がどこまで進んでいるのか、そして、その選定に当たっての国の関与の状況についてお伺いをいたします。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。 高レベル放射性廃棄物の最終処分は、過去半世紀以上にわたり原子力を利用し、使用済燃料が既に存在をしている以上、必ず解決しなければならない国家的課題だと認識してございます。 一方で、最終処分事業は長期にわたる事業であるため、期限やスケジュールありきということではなく、地域の皆様の声に丁寧に向き合いながら進めていくことが不可欠と考えてございます。欧州等においても、三十年以上にわたり、地域の御理解を一つずつ得ながら処分地の選定が進んできたというふうに理解してございます。 我が国におきましては、二〇一七年に科学的特性マップというものを公表させていただいておりまして、こうしたものに基づいて全国での理解活動に努めてまいったところでございます。 そうした結果、二〇二〇年より北海道の寿都町、神恵内村で、また二〇二四年より佐賀県の玄海町において文献調査を開始した状況にありました。また、国主導の申入れによりまして、本年五月に、全国四例目となる文献調査を東京都小笠原村南鳥島で開始をさせていただいたところでございます。したがいまして、今現在、四件の文献調査が進行中でございます。 その上で、処分地選定を前に進めるべく、国といたしましては、この南鳥島での文献調査のプロセスでは、地元発意を待つことなく、国の責任で地域に協力をお願いしていくという方針に基づいてお願いをさせていただいたということでございまして、引き続き、こうした形で国が前面に立って取り組んでまいりたいと考えてございます。
○阿部(司)委員 ありがとうございます。 最後の質問でありますが、この進めていただいておる姿勢は非常に評価できると思うんですが、二〇四〇年代までと、建て替えの、入口は目標の年次がありますが、最終処分についてはないという中で、なかなか難しいと思いますが、我々維新も工程表を作るべきだと一貫して求めてきましたが、それは容易でないことは承知の上で、最終処分の実現に向けた決意を大臣にお伺いします。
○赤澤国務大臣 最終処分場が決まっていないことが、原子力に対する国民の皆様の大きな懸念の一つであり、原子力を進める上で重要な課題であると認識をしております。 原子力は、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源として重要でございます。安全性の確保と地域の御理解を大前提に最大限活用していく方針でありまして、原子力発電の活用を進めつつ、同時に最終処分場の確保を進めていくことが重要ということで、こうした認識の下、北海道電力泊発電所と東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働について地元から理解表明をいただいたことを受け、本年一月に、私から全国都道府県知事に、高レベル放射性廃棄物の処分地選定調査に理解と協力を求めるレターを発出させていただきました。 また、処分地選定調査について、地域任せではなく、国の責任で地域に協力をお願いする方針の下、本年三月には南鳥島での文献調査を国の責任で申入れさせていただき、五月より文献調査が開始されたところであります。 文献調査地区を更に拡大すべく、今後も、地元発意を待つだけでなく、国の責任で地域に申入れを行う。可能な限り早期の最終処分の実現に向けて、国が引き続き前面に立って取り組んでまいります。
○阿部(司)委員 終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次回は、来る十七日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時一分散会
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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。
- 記録 #3545 観測 2026-07-31 23:59 JST改ざん検知用の値
5944e008…cdc921(未計算)
チェックポイント
- 記録
- #3547 まで
- 署名
- 署名あり(s4rciv-checkpoint)
- まとめの値
- 59e5f9cd…157402
仕組み
- 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
- 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
- 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。
いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。