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国会会議録

議院運営委員会

第221回 · 衆議院 · 第34号 · 2026-07-10

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-08-01 00:02 JST 記録 #3552 ↗

発言 177

会議録情報

令和八年七月十日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 山口 俊一君    理事 村井 英樹君 理事 田野瀬太道君    理事 武藤 容治君 理事 宮内 秀樹君    理事 熊田 裕通君 理事 中曽根康隆君    理事 中川 康洋君 理事 金村 龍那君    理事 玉木雄一郎君       秋葉 賢也君    大空 幸星君       神田 潤一君    木村 次郎君       小寺 裕雄君    小林 鷹之君       谷川 とむ君    西田 昭二君       三ッ林裕巳君    中野 洋昌君       笠  浩史君    藤田 文武君       石川  勝君    高山 聡史君       塩川 鉄也君     …………………………………    議長           森  英介君    副議長          石井 啓一君    国務大臣    (内閣官房長官)     木原  稔君    内閣官房副長官      尾崎 正直君    事務総長         築山 信彦君    衆議院法制局特別参与   橘  幸信君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  末永 洋之君    政府参考人    (宮内庁次長)      緒方 禎己君    政府参考人    (警察庁警備局警備運用部長)           石川 泰三君    内閣委員会専門員     田中  仁君     ――――――――――――― 委員の異動 七月九日  辞任         補欠選任   塩崎 彰久君     小林 鷹之君 同日  辞任   石原 正敬君 同日             補欠選任              塩川 鉄也君 同月十日  辞任         補欠選任   小林 鷹之君     塩崎 彰久君   中川 宏昌君     笠  浩史君   沼崎 満子君     中野 洋昌君   奥下 剛光君     藤田 文武君   西岡 秀子君     玉木雄一郎君   峰島 侑也君     高山 聡史君 同日  辞任         補欠選任   中野 洋昌君     沼崎 満子君   笠  浩史君     中川 宏昌君   藤田 文武君     奥下 剛光君   玉木雄一郎君     西岡 秀子君   高山 聡史君     峰島 侑也君 同日  辞任   塩川 鉄也君 同日             補欠選任              石原 正敬君 同日  理事西岡秀子君同日委員辞任につき、その補欠として玉木雄一郎君が委員長の指名で理事に選任された。 同日  理事玉木雄一郎君同日委員辞任につき、その補欠として西岡秀子君が委員長の指名で理事に選任された。     ――――――――――――― 七月九日  皇室典範等の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  皇室典範等の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)  本日の本会議の議事等に関する件      ――――◇―――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、皇室典範等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。木原内閣官房長官。     ―――――――――――――  皇室典範等の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 おはようございます。  ただいま議題となりました皇室典範等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、皇族が、摂政、国事行為の臨時代行、皇室会議の議員その他の役割を担っておられることから、皇族数が減少している現状に鑑み、皇族数の確保のための措置を講ずるものであります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、内親王及び女王について、天皇及び皇族以外の男子との婚姻によって皇族の身分を離れることがないこととし、当該婚姻について皇室会議の議を経ることとしております。これに伴い、独立の生計を営む内親王及び女王に対する皇族費について、独立の生計を営む親王及び王に対する皇族費の二分の一に相当する額から、同額に引き上げることとしております。なお、この法律の施行の際における内親王又は女王が天皇及び皇族以外の男子との婚姻と同時に皇族の身分を離れようとするときは、その意思により皇族の身分を離れることができることとしております。  第二に、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王は、皇嗣及び皇嗣妃を除き、皇室会議の議を経て、皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫である現に皇族でない年齢十五年以上の男子であって、配偶者及び子がないものに限り養子とすることができることとし、これにより養子となった男子は、皇族となることとしております。また、養子となったことにより皇族となった男子は、皇位継承資格を有しないこととし、その摂政就任順序を内親王及び女王の次とすることとしております。なお、養子となったことにより皇族となった男子及びその子孫の皇族としての地位は、実方の系統によることとしております。  そのほか、所要の規定を整備することとしております。  なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であり、令和八年六月十日の「「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」に基づいたものとなっております。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願い申し上げます。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官末永洋之君、宮内庁次長緒方禎己君、警察庁警備局警備運用部長石川泰三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 おはようございます。自由民主党の小林鷹之です。  皇室典範等改正法案につきまして、早速質疑に入らせていただきます。  安定的な皇位継承の確保は、我が国の根幹であり、国柄に関わる極めて重要な課題です。現在、皇位継承資格を有する皇族男子はお三方、皇室全体では十六方と、大変遺憾ながら徐々に少なくなってきていて、とりわけ、皇族数の確保が喫緊の課題であることは論をまちません。  政府は、令和四年一月に、有識者会議の報告書を尊重する旨を国会に報告しました。自民党としても、見解をまとめた上で、衆参正副議長の下に設置された全体会議の場で他党と議論をしてまいりました。その結果が、先月十日、衆参正副議長による議論の取りまとめに立法府の総意として集約されたのであります。内閣提出の皇室典範改正法案はこの正副議長の取りまとめに忠実に作成されていると、自民党として評価をしています。  改正法案が成立すれば、現行皇室典範の創設以来初めてとなる本格的な改正となります。今回の皇室典範の改正において、意見の違いを乗り越えて立法府の総意が取りまとめられた全体会議の果たした役割は非常に大きいと言えます。リーダーシップを発揮いただきました衆参正副議長の御尽力に対して、改めて敬意を表します。  立法府の総意が取りまとめられるに当たり、大多数の会派が議論の強固な共通の前提としていたのは、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということでありました。正副議長の取りまとめにおいても、その旨が確認されています。  議論の過程においては、一部から、女性天皇や女系の天皇といったことについて議論すべきといった声も聞かれました。しかしながら、自民党としては、政府の有識者会議報告にあるとおり、このことについては現時点で議論はすべきでないと考えます。悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について議論するには現時点では機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させることにつながるからであります。  皇位の男系継承は、二千六百年以上にわたって先人たちが守り抜いてきた皇室の伝統です。十代八方の女性天皇がおられたことはありますが、基本的には、皇統に属する男系の男子が皇位を受け継いでこられたというのが歴史的な事実です。  皇統男系男子による継承という皇位継承の在り方が規範として初めて明文化されたのは、明治二十二年に制定された旧皇室典範です。しかしながら、明治以前においても、歴史的事実を踏まえれば、成文化はされていませんが、この皇統を維持する努力を続けてこられたことは間違いありません。今を生きる私たちは、その歴史上脈々と受け継がれてきた先人たちの営みの重みと深みに謙虚であらねばならないと考えます。  そこで、この皇位継承の流れについて、その意義をどのように考えておられるのか、政府に伺います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 小林委員の御指摘のとおり、安定的な皇位の継承を維持するということは、国家の基本に関わる極めて重要な事柄であると考えております。  現行の皇室典範第一条においても、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と規定されているものと考えております。  令和三年の政府の有識者会議の報告においても、皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については、制度的な安定性が極めて重要、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとされておりまして、政府としては、この報告を尊重しているところでございます。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 さきの退位特例法の附帯決議でも、先延ばしすることはできない重要な課題とされた皇族数の確保という課題に対処するため、この度の皇室典範改正については、何としてでもこの国会で成し遂げなければなりません。  この度の改正法案は、皇族数の確保策として、大きく二つの措置を講ずる内容となっています。すなわち、旧十一宮家男系男子孫を対象とする皇族の養子制度と、内親王、女王の婚姻後の身分保持制度という二つの柱であります。  まず、自民党として最も重視する皇族の養子制度についてですが、次世代の男性皇族が悠仁親王殿下お一人しかいらっしゃらない現状において皇族数を増やしていくためには、皇統に属する男系男子を養子としてお迎えし、皇族とすること以外に方策はないと考えます。  養子の対象者は、現行憲法下、現行皇室典範下で皇族として皇位継承資格を有しておられた男子の方々、いわゆる旧十一宮家の男子の方々の嫡男系嫡出の男子とされています。旧十一宮家の方々が昭和二十二年十月に皇籍を離脱されていなければ、現在も皇位継承資格を有していたはずの方々であります。養子の対象者を旧十一宮家の男系男子孫とすることは、歴史的経緯から考えても適切であります。  具体的な内容については、正副議長の取りまとめに沿って要件が定められております。このうち、養子の対象者の年齢につきましては、実は我が党の党内議論においても、できるだけ年少のうちに皇室に入っていただき、早くから男性皇族にふさわしい教育を受けていただくべきなのではないか、すなわち、喫緊の課題となっている皇族数の確保に資するため、年齢制限は設けない方がよいという意見もありました。確かに、シンプルに考えれば、血統以外の要件はできるだけ設けないこととするのが望ましいようにも考えられます。  そこで、政府に伺います。養子の対象者の年齢を十五歳以上とした理由はなぜなのか、説明をお願いいたします。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 衆参正副議長による御議論の取りまとめにおきまして、養子の要件の一つとして、本人の意思を考慮した養子となり得る者の年齢ということが記述をされておりました。したがいまして、政府としては、これを踏まえて検討したところでございます。  現行の皇室典範において、自らの意思に基づき皇籍を離脱できるとされる年齢が十五歳以上とされていることから、養子の対象年齢についても、これと整合を取る形で十五歳以上とさせていただいたところでございます。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 ありがとうございます。  養子となって皇族となられるか否かは、その方御自身の一生を左右する選択であります。特に、皇族として人権の一定の制約を伴う重大な養子縁組でございますので、自らの意思に基づいて皇族となって皇室を支えると御決意されるということを制度においても担保する必要があるという点は、私は重要だと考えています。したがって、我が党においても、様々な議論を踏まえた上で、その点に着目して、正副議長の取りまとめを基にした政府案を了承することといたしました。  天皇や皇族が養子をすることにつきましては、旧皇室典範において、皇族が養子をすることが禁止をされ、現行皇室典範でもそれが引き継がれています。旧皇室典範で養子を禁止することとした理由について、伊藤博文初代内閣総理大臣による「皇室典範義解」では、宗系紊乱の門を塞ぐ、すなわち、養子縁組によって皇位継承の順序に混乱が生じることを避けるためとされております。  皇統の紊乱を避けるための制度上の対応としては、養親の範囲を適切に定めることのほか、養子本人は皇位継承資格を有しないこと、養子本人の身位や子孫の地位を実方の系統により判断することなどが法案に盛り込まれています。まさに先人の懸念にも十分に応えたものであると考えられます。  養親の範囲については、我が党は全体会議において、天皇皇后両陛下、秋篠宮皇嗣同妃両殿下、そして上皇上皇后両陛下以外の方々とすべきと主張してまいりました。正副議長の取りまとめにもこの主張が反映されて、それを受けた政府案にもその旨が盛り込まれていて、妥当と評価できるところであります。  そこで、この実方の系統という言葉は、改正法案の皇室典範第三十八条第五項、六項で使われておりますが、その意味について、国民に分かりやすく説明をお願いいたします。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 実方の系統という意味でございますが、これは実際の系統、すなわち、いわゆる旧十一宮家の皇族男子であった方々との血のつながりを指しているところでございます。  今般の皇室典範の改正案では、御身位や摂政就任順序等、皇族としての地位に関しまして、養子縁組による親族関係ではなく、実際の血のつながり、すなわち、そのことを実方の系統と言っていますが、実方の系統によって順位等が決定される旨を明確にする解釈規定を設けることとしたところでございます。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 ありがとうございます。  今回の養子制度は、皇室典範本則に位置づけられて、恒久的な制度とされています。歴史上脈々と受け継がれてきた皇統を引き継ぎ、未来へとつないでいくためにも、養子制度による皇族数の確保は恒久措置であるべきと考えます。  養子の方が皇族となられた後、お子さんをもうけられることが想定されます。我が党は、令和六年四月二十六日に取りまとめた安定的な皇位継承の在り方に関する所見におきまして、皇族となった養子の子である男子は皇位継承資格を有するものとすることが適切であるとし、全体会議におきましても、養子縁組後に生まれた男子は皇位継承資格を有するものとすることが適当である旨主張してまいりました。  養子の子の取扱いについては全体会議で全く議論されなかったという指摘がございますが、それは当たりません。正副議長の取りまとめには養子の子の取扱いについて記述がございませんが、制度的に欠陥のある法律とすることは到底できません。正副議長の取りまとめに直接の記述がない内容であったとしても、必要な範囲で、現行法の体系に照らして制度を整合的に完結させる必要があると考えます。  そこで、改正法案における養子の子の取扱いについて、国民に分かりやすく説明をお願いいたします。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 衆参正副議長による議論の取りまとめにおいては、委員のおっしゃるように、養子の子に係る記載がないことから、現行皇室典範の規定に基づく取扱いということになります。  養子の子については、これは皇族の夫婦の間に生まれた者であることから、生まれながらの皇族としての御身位やまた摂政就任順位が決まることになります。男子の場合は皇位継承資格を有することとなります。そのことは、第一条、第二条ということでございます。  なお、これは現行法に基づく結果であり、立法府における将来の検討を先取りをしたり、またこれを縛ったりするような趣旨のものではない、そのように承知をしております。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 ありがとうございます。  養子の子につきまして、正副議長の取りまとめに記述がないということで、現行法の体系に照らして対応すれば、養子皇族男子が婚姻され男子が生まれた場合、生まれながらの皇族となり、王となります。王である皇族男子には皇室典範第一条と第二条が適用されて、皇位継承資格を持つことになります。  法案の要綱の段階では、このことは、養子皇族男子の子孫の皇族としての地位は実方の系統によるものとすることと表現されていました。つまり、条文案の段階になって急にこの話が浮上したという、一部誤解した指摘や報道が見られました。しかしながら、地位という言葉が御身位と皇位継承順序と摂政就任順序を指すのは明らかですし、正副議長の取りまとめに直接の記述がない以上、そのような取扱いになることは当然のことと考えます。  以上のように、政府の養子制度案は、詳細にわたりよく整理された、行き届いた制度案となっていることを自由民主党として評価するところであります。  続いて、一般国民と婚姻した内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することとする制度について伺っていきます。  このことについては、皇族を減らさないという意味で、皇族数の確保につながります。現行典範に従って女性皇族が婚姻後に皇族でなくなると、残った皇族の方に過度な御負担がかかることになりかねません。女性皇族の方に婚姻後も皇族の身分を保持していただくことで、女性皇族が現在行っておられる様々な公的活動を継続していただけるという意味でも有意義なものではないかと、我が党として判断いたしました。  ただ、その場合の配偶者や子を皇族とするか否かということが大きな争点となって、立法府の総意の取りまとめまで多くの時間を要した最大の要因となりました。  その点については、正副議長の取りまとめでは言及されませんでした。したがって、先ほどの養子制度と同様に、現行法の規定や解釈が適用されることとなります。すなわち、現行の皇室典範第十五条によれば、内親王、女王の配偶者や子は皇族とならず、一般国民としての権利義務を保持し続けることとなります。  ここで、配偶者を皇族としようとすることは、旧十一宮家の男系男子孫が養子縁組により皇族となる場合と異なって、重大な問題をはらんでいることを指摘しておかなければなりません。それは、我が国の長い皇室の歴史において、皇統に属する男系男子でない男子が皇族となったことは一度もないということです。皇位が男系で継承されるというルールに基づけば、男系でない男子が皇族となることは皇統の危機を招くと考えられてきたのです。  男女平等の価値観を否定するものでは決してありません。ただ、その価値観のみにとらわれて配偶者や子を皇族にしようとすることは、皇統を守ってきた先人の苦労を無にする行為だと考えます。  正副議長の取りまとめに沿って、内親王、女王の配偶者や子は一般国民として過ごされますが、そうなると、皇統譜に登載された皇族である内親王、女王と戸籍に登載された皇族でない配偶者、子が同一の世帯を構成し、生活を送ることになります。戸籍に登載された配偶者や子は円滑に生活を送っていただく必要があります。  改正法案では、住民票に記載されることにより世帯や居住関係などの公証を受けられるよう、婚姻した内親王、女王に、これまでは適用されてこなかった住民基本台帳法を適用することとしています。このことも、取りまとめを踏まえた内容であって、細部まで配慮がなされた制度設計であると評価をしています。  そこで、内親王、女王について住民基本台帳法を適用することは正副議長の取りまとめで触れられていませんでしたが、今回の改正法案で適用することとした理由について、改めて説明願います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 婚姻した内親王、女王の配偶者やそのお子様の身分については、議論の取りまとめにはこれも記載がありませんでしたので、現行の皇室典範の規定が維持をされることになります。したがいまして、配偶者とそのお子様は皇族とならないこととなります。  皇統譜に登録された皇族である内親王、女王と戸籍に記載された皇族でない配偶者、子が一つの世帯で生活していく上においては、配偶者やそのお子様が居住関係の公証などを得られるようにすることによって円滑に生活を送っていただくことになる、その必要があるというふうに思っております。このため、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備として、婚姻した内親王、女王に住民基本台帳法を適用することといたしました。  なお、これによって、立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないということを付言させていただきます。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 現在いらっしゃる内親王、女王方につきましては、婚姻によって皇族の身分を離れるという前提でこれまでの人生を歩んでこられた方々であって、制度改正によって急にその前提が変わって、婚姻後も皇室に残ることを強いられることになるというのは甚だ配慮に欠けると考えます。  正副議長の取りまとめは、現在いらっしゃる内親王、女王方について、皇族の身分を保持するか否かについて、その御意向を尊重するなど一定の配慮をすべきであるとしておりますが、これを受けて、政府は改正法案においてどのように対応されたのか、改めて説明を願います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 婚姻の際に皇族の身分を離れるという現行制度の下で人生を過ごされてきた現在の内親王・女王殿下方々におかれましては、議論の取りまとめを踏まえ、御意思により皇族の身分を離れることができることとしております。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 ありがとうございます。  内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持し続けるということは、現行皇室典範では認められておりません。したがって、この点については、我が党内でも時限的な措置にすべきか否かで議論もありました。ただ、旧皇室典範が制定される以前においては認められていた事例もあり、先ほど述べたように、内親王、女王の配偶者が皇族とならないということを前提とすれば、皇室の歴史と整合的であるとも言えます。  配偶者の方が一般人であり続けるということで、配偶者の方の基本的人権に制限が加えられることなく、例えば、これまでのお仕事を続けていただけます。女性皇族の身分保持案についても、全体的によく整理された制度になっていると考えています。  以上、今回の典範改正法案について、我が党の見解を申し述べ、政府に確認してまいりました。  最後に、改めて、退位特例法の附帯決議から九年が経過し、立法府の総意を受け、皇室典範等改正案の提出に至った政府の所見を伺います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 皇族数が減少しております現状に鑑みまして、天皇の御活動を支える皇族数の確保というのは喫緊の課題であります。  この法案は、立法府の総意である衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って作成したものでございます。法案に盛り込まれた二つの方策によって、皇族数の確保という課題に対応できるものと考えます。  衆参正副議長を始め各党各会派の皆様には、御議論の取りまとめをいただいたことにつき、心より感謝申し上げます。政府としては、今後とも、法案の内容を丁寧に説明し、多くの方に御理解いただけるよう全力で努めてまいります。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 今回の皇室制度の見直しが世界に誇る我が国の伝統ある皇室のいやさかに大いに寄与することを切に願いつつ、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、中野洋昌君。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 中道改革連合の中野洋昌でございます。  早速質問に入らせていただきます。  今回の皇室典範等の一部を改正する法律案は、まさに、皇族数の減少、様々な御公務を担われる皇族の皆様の人数が大変減少している、これに対応して皇族数の確保を図るというものでございます。これは先延ばしすることができない大変重要な課題である、こういう認識の下に私ども中道改革連合としても党内で真摯な議論を重ねてきたところでございます。  まず冒頭、皇族の養子に関する事項について確認させていただきたいと思います。  今回議論してきたのは、あくまで皇族数の確保でございます。そういう意味では、有識者会議の報告書も、今回の正副議長の取りまとめられました立法府の総意の取りまとめにおきましても、皇位継承の問題とは切り離して、皇族数の確保を議論してきたということでございますので、あくまで皇位継承の問題は議論の対象とはされてこなかったと認識しております。  しかし、報道の中では、立法府の総意を今回の改正案がはみ出ているのではないか、こういう指摘あるいは疑問が出されていることは、私自身も大変遺憾でございますし、果たしてそうであるのか、あるいはそうでないのか、こういったことをしっかりとこの質疑の中で確認をさせていただきたいというふうに思っております。  まず冒頭、官房長官にお伺いいたします。  森議長が六月八日の全体会議後の記者会見で、養子となった旧十一宮家の男子は皇位継承権を持たないが、男の子が生まれればその子は皇位継承権を持つこととなるという御発言がございました。しかし、後日、談話の中で、皇族である男系男子から生まれた男子は皇位継承資格を有するという解釈を述べた。要は現行法の解釈を述べられた。そして、これは将来の検討を先取りしたり、縛ったりする趣旨ではないという釈明の御発言がありました。つまり、これはあくまで現時点における解釈である。今回の附則の第六条においては立法府における将来の検討というものがございますけれども、これを先取りしたり、あるいは縛ったりする、そういった趣旨のものではない、このように私は議長の発言を受け止めたところでございます。  これは政府としても同じ考えなのか確認をさせていただきたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 養子の子孫につきましては、御指摘のように取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断することとなります。養子の男子孫は生まれながらの皇族であり、現行の皇室典範第一条及び第二条が適用され、皇位継承資格を有することになります。  その上で、現時点における所要の規定整備として、養子皇族男子の子孫の皇位継承順位について、皇室典範第三十八条第六項で、実方の系統によるとの解釈を規定しているところです。これは、例えば、複数の方がおられた場合に順序に紛れが生じないようにするという、そのような趣旨でございまして、これは創設的な規定ではございません。  また、これによって、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛るような趣旨でないものと承知しております。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 先ほど政府からも、将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨ではないと官房長官から明確に御答弁いただきました。  では、将来の検討、これはいつ検討が加えられるのかということでございます。  私ども中道改革連合は、先ほどあった改正後の皇室典範三十八条六項に定める養子皇族男子の子孫に係る皇室典範第二条の適用、平たく言えば、養子の皇族の男子の方の子孫が皇位継承権があるのかないのか、この二条が適用されるのかされないのか、こうしたことに関しては、私は、速やかに検討が加えられ、必要があると認めるときは所要の措置が講じられるべきである、こうした必要がある、このように考えております。  今回、衆参の正副議長が各党各会派に対しまして附帯決議の案に盛り込んでいただくことをお願いしたいということで、三項目、示されております。この中には、皇族の方々を取り巻く環境等々について勘案し、適時適切な措置を講じるということもありますし、あるいは、安定的な皇位継承を確保するための方策を引き続き検討する、こういった項目もございます。  私が先ほど申し上げた中身について、正副両議長からお願いしたいということで出された項目の中で読み込めるのか読み込めないのか、これが非常に重要であると思います。先ほど私が指摘した三項目の中の一項目めと三項目め、私はこの中で読み込めるというふうに考えております。これは極めて異例ではありますが、正副議長からのお願いの内容でございますので、読み込めるか読み込めないか、これは議長あるいは議長の指名する職員の方に是非お答えいただきたいと思います。

橘幸信 衆議院法制局特別参与

○橘法制局参事 中野先生、御質問、大変恐れ入ります。  衆参正副議長四者による立法府の総意のお取りまとめを法制的な側面からお手伝いさせていただいてまいりましたその立場から、御答弁申し上げます。  結論から申し上げますと、御指摘の養子皇族男子の子孫の皇位継承権に関する事項は、先生お読み込みのとおり、衆参正副議長から各党各会派に対して示された附帯決議に盛り込んでいただくことをお願いしたい内容、いわゆる附帯決議案の第一項目及び第三項目で十分に読み込めるものと拝察いたしております。  以下、ごく簡単にその法的論理構成について申し上げます。  まず、本件附帯決議案の位置づけですけれども、今回の皇室典範等改正案は、退位特例法の際の先例に倣って、事前に衆参正副議長四者による立法府の総意が取りまとめられ、その基本的な枠組みの下で立案される、このようなプロセスが取られました。その過程で、政府から提示されました法律案要綱がこの衆参正副議長四者によるお取りまとめに沿ったものであるかどうかの判断がなされることになり、去る六月二十五日の全体会議で、四者を代表して森議長が、附帯決議により一定の補足、明確化がなされることを前提として、これを了承することにしたい旨、宣言されました。  このような経緯に鑑みれば、本附帯決議案は、本法律案、特に御指摘の附則第六条の検討条項の施行に当たって、衆参正副議長としての解釈、運用指針を示されたものと位置づけられるかと存じます。  すなわち、附帯決議案の第一項目は、改正法附則第六条第一項の検討条項の解釈、運用指針として位置づけられ、その検討に当たっては皇族の方々を取り巻く環境等が主要な考慮要素として勘案され、その結果、必要があると認められるときは適時適切な措置が講ぜられるべき、このことを求めたものということになります。  そして、この皇族の方々を取り巻く環境に関しましては、衆参正副議長四者におかれては、一つ、婚姻後も皇族の身分を保持された女性皇族やその御家族の方々に関する問題、例えば、そのお住まいや生活費の問題、さらにはその身分の問題などが幅広く入り得ますし、また、二つ、養子皇族男子となられた方々に関する事項につきましても、御自身やその御家族の生活上の問題であると法制上の問題であるとを問わずに幅広く対象となり得ることが想定されているもの、このように拝察いたします。  また、養子皇族男子の子孫の皇位継承権は、当然に附帯決議案第三項目に掲げられる安定的な皇位継承を確保するための方策の観点からも問題となり得る事項ですから、こちらの検討対象になり得ることも素直な解釈かと存じます。  以上でございます。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 先ほど御発言いただいたとおり、養子皇族男子の子孫の皇位継承権の問題が正副議長からお願いされた附帯決議に盛り込むことを予定している内容に含まれることがまさに確認できたわけでございます。  そこで、官房長官に確認させていただきたいと思います。  仮に、この正副議長からのお願いであります附帯決議が議決された場合には、立法府の意思としてこれを十分に尊重して対応していくものと考えますが、それでいいか、これを政府に確認したいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 附帯決議のお話でございますので仮の話ということですが、政府といたしましては、御指摘の附帯決議が議決された場合には、その趣旨を尊重して対応すべきことは当然のことと考えております。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 先ほど確認させていただきました養子皇族男子の子孫に皇位継承権を認めるか否か、これは今後速やかに検討が加えられ、必要があると認めるときには適時適切な措置が講じられる、こうした中身がまさに正副議長からお願いされました附帯決議の中でしっかり読み込めるということも確認いたしましたし、また、その上で、この附帯決議というのがまさに本法律の解釈、運用指針を示したと位置づけられるという御発言もありました。  そして、政府は、仮にこれが議決されればしっかり尊重していくということも先ほど官房長官から御発言があったということはしっかり確認ができたというふうに思います。  あわせて、旧宮家の男系男子を皇族の養子とする案につきまして、今、様々世論調査が出ております。各種報道によりますと、今回は二つ、皇族数確保の案がございます、女性の皇族の方が御結婚後もその身分を保持するという案へは賛成が約七割に達するような、そういう報道もございますが、旧宮家からの養子の案への賛成はおおむね四〇%台半ば、あるいは調査によっては賛否が拮抗している、こういう結果となっているというふうに思います。  今回の養子縁組案は、政府は国民の理解が得られていると今考えているのか。私は、国民の理解をしっかり得ていくことが非常に重要であるというふうに思います。そして、今後それを理解を得ていくための取組についてどのような取組をしていくのか、政府に答弁を願いたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 今回の改正案ですが、国会において、衆参正副議長において、立法府の総意として議論が取りまとめられ、そして高市総理に手交されました。そのことを受けまして、政府として、骨子及び要綱を衆参正副議長に御確認いただき、さらに、要綱については全体会議でも御確認いただき、御了承を得た上で法律案として作成したものでございます。  今後も、国会審議などを通じてこの法案の内容を丁寧に説明しながら、多くの方に御理解いただけるように努めてまいる所存です。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 養子皇族男子の件についてもう一点確認を官房長官にさせていただきたいというふうに思います。  附則の第六条第二項というものがございまして、これは三十年ごとの見直しということの項目でございますけれども、これがどういう位置づけかということを確認させていただきたいと思います。  議長の取りまとめの中にはこのような記述がございます。養子が皇統の紊乱を防ぐ等のために皇室典範で認められてこなかったということを重く受け止めて、皇族数の確保の状況等を勘案して、必要があると認めるときは、一定年数ごとに見直すものとする、こういう記述がございます。三十年ごとの見直しというのはこれを受けた規定であるのかどうかということを確認させていただきたい。  また、あわせまして、養子皇族男子の方々を取り巻く環境でありますとか、あるいはその他の皇室の状況、様々な環境の変化等もあると思います、これを勘案して、必要があると認められるときには、三十年と法律の中にあるわけでありますけれども、この三十年を待たずに所要の措置が講じられることもあり得るということなのか。  この二点について官房長官に確認させていただきたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 まず、附則第六条第二項は、衆参正副議長による議論の取りまとめを踏まえて立案したものでございます。また、同項は、三十年間は改正できないという趣旨ではなくて、必要があれば三十年ごとには見直すことという趣旨であると認識しています。  また、後段の御質問ですが、附則第六条一項は、改正後の法律の規定について、施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要なときは、検討結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとしておりまして、この検討条項をどのように運用して、実際に検討また見直しをしていくかについては、政府としては立法府の意思を尊重して対応してまいります。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 官房長官の方から確認をさせていただきました。  これは議長の取りまとめを踏まえたものであるという答弁、あるいは、環境や状況を見ながら三十年を待たずに講じられることもあり得る、そして、立法府の意思を尊重する、こうした趣旨の御答弁だったかというふうに思います。  今回、養子皇族男子ということに加えまして、婚姻後の女性皇族が婚姻により皇籍を離脱しないということも皇族数確保の一つの項目でございますので、こちらについても併せて何点か確認させていただきたいと思います。  今回、立法府の総意の取りまとめにおきまして、婚姻後の女性皇族が婚姻により皇籍を離脱しないということがあるわけでありますが、では、女性皇族の配偶者及び子の身分についてどうなるのかということでございます。これは、立法府の総意の取りまとめにおいては、明確な結論が示されずに先送りされたものというふうに認識しております。  そこで、確認ですけれども、今回の改正案におきましては、配偶者、子については戸籍法の適用としているということでございます。皇族にはならないという読み方だと理解しておりますが、これも先ほどあった議論ではございますが、現行法の解釈というふうに認識しております。  そして、これは、附則第六条の規定に基づいて立法府において将来検討していくということでありますが、将来の検討を先取りする、あるいはこれを縛ったりするような趣旨のものではないというふうに理解しておりますが、これも官房長官の御認識を答弁いただきたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 婚姻をした内親王、女王の配偶者、そのお子様の身分については、取りまとめには記載がありませんので、現行の皇室典範の規定が適用されることになり、配偶者と子は皇族とならないこととなります。このため、配偶者とそのお子様は、一般国民として戸籍法の適用を受けるところでございます。  今般の改正では、内親王又は女王と天皇及び皇族以外の男子が婚姻するときの届出の手続など、配偶者と子の戸籍に関し、皇族戸籍法において所要の規定の整備を行うこととしております。  また、これも、附則第六条の規定に基づく皇位継承に関する立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛るような趣旨のものでもございません。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 先ほど官房長官から、将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨のものではないというふうな御認識をいただきました。  そうすると、今回、婚姻後の女性の皇族に対しまして、改正案では住民基本台帳法が適用されることとなっております。しかし、この住民基本台帳法の適用というのは、私自身は、全体会議でこうした点について十分な議論がなされたとは言えないのではないかとも感じておりまして、ある意味、改正案で突然盛り込まれたような、そういう印象も受けております。この住民基本台帳法を適用するという狙いは何なのかということを確認させていただきたいと思います。  私自身は、この法律の適用というのは、実生活における利便性を考慮したあくまで法制上の措置、実際に生活をされる上での利便性として必要ではないかというものだと理解しております。ですので、いわゆる皇族としての身分のような問題とは別問題として措置されたのではないか、こういうふうに理解しておりますけれども、官房長官の認識はいかがでございますか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 皇統譜に登録された皇族である内親王、女王と戸籍に記載された皇族でない配偶者及びそのお子様が一つの世帯として生活をしていく上では、配偶者やそのお子様が居住関係の公証等を受けられるようにすることは、円滑に日常生活を送っていただく上で必要なことと存じます。このため、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備として、婚姻をした内親王、女王に住民基本台帳法を適用することとしたところでございます。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 ありがとうございます。  住民基本台帳の適用というのが、先ほども申し上げたとおり、少し唐突感があったと思います。そういう意味では、なぜこういう制度になっているのかというところをしっかり政府の方でも説明していく必要があると思います。あくまで実生活における利便性のところを考慮した上でということで答弁がありましたので、その点については受け止めたいというふうに思います。  もう一点確認させてください。  いずれにしても、この法律の中の附則第六条の中には、立法府において将来の検討を様々していくというふうなことになっているわけであります。そして、それの実際の解釈をするある意味指針となるであろう、正副両議長から各党各会派に対して附帯決議の中に盛り込むとされている項目の中には、改正後の皇室典範等の施行状況を踏まえるに当たって、皇族の方々を取り巻く環境であるとかその他皇室の状況についてもしっかり勘案していく、必要があると認められるときには、適時適切な措置が講じられるものとする、こうした記述があるわけでございます。  そうした意味では、先ほど私が確認させていただいた、例えば配偶者、子の身分がどうなるのかということもございますし、実際に、住民基本台帳の適用等、そうした今回様々取られた法制上の措置ということもこういう中にはひょっとしたらあるのかもしれませんけれども、こうした皇室の方々を取り巻く環境についてしっかり勘案して適時適切に措置が講じられるべき事項というものにはこうしたことが含まれているのではないかと考えております。  ですので、併せて確認ですけれども、こうした配偶者、婚姻後の女性皇族の関係のことについても、附帯決議が議決されれば、附帯決議については政府としても尊重して対応するということでよいか、重ねてでありますが答弁を求めたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 先ほども答弁させていただいたとおり、政府といたしましては、立法府において附帯決議が議決された場合には、その趣旨を尊重して対応すべきということは当然のことと考えております。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 改めて確認させていただきました。  皇族の養子に関する事項、そして内親王及び女王が婚姻により皇籍を離脱しないこととすることに関する事項ということで、二つございます。大きな皇族数の確保策ということについて官房長官あるいは議長に確認させていただいてまいりました。  冒頭私が申し上げたとおり、皇族数の確保というのは皇位継承の問題とは切り離されて今回議論してきた。ある意味、皇族数の減少という喫緊の課題についてはまさに先延ばしすることができないということでこの議論をしてきたというふうに認識しております。  他方で、二〇一七年、いわゆる退位特例法がございましたけれども、では、この附帯決議の中でどのように記述されていたか、これを確認いたしますと、安定的な皇位継承を確保するための方策について、立法府の総意が取りまとめられるよう検討を行うというふうにされていたわけでございます。あくまで、二〇一七年の附帯決議は、安定的な皇位継承を確保するための方策について検討を行う、こういう中身でございました。  しかし、この附帯決議に基づく有識者会議が開かれ、議論が進んできたわけでございますが、この中では、次代以降の皇位継承を具体的に議論するというのは機が熟していないということで、皇位継承と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると。そして、立法府の総意の取りまとめの中でも、皇位継承に関してはあくまで引き続き検討するということになったわけでございます。  そこで、官房長官に確認させていただきたいんですけれども、今回、両議院の正副議長から附帯決議に盛り込んでいただくことをお願いしたいという内容については、安定的な皇位継承を確保するための方策についても引き続き検討するものとする、こういった中身であるというふうに理解しております。  そして、仮にこの附帯決議が議決されて皇位継承の議論をしていくという中において、現段階で政府として何か方向性を決めているものであるのか、あるいは、方向性を特にまだ決めていないというものであるのか、この点についてまず一点、官房長官に確認させていただきたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 まず、令和三年の政府の有識者会議の報告において、皇位継承については、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないということ、そして、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、委員の御指摘のとおりです、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられるということ、そして、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないか、そういったこととされておりますので、政府としてはこれを尊重しているところでございます。  一方で、今回の改正について言えば、将来の皇位継承の在り方について、立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨のものではないということを改めて申し上げます。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 安定的な皇位継承に関連してもう一つ官房長官にお伺いしたいんですけれども、ある意味先ほどの御答弁でひょっとしたらかなり尽きているのかもしれませんけれども、私は、特に中道改革連合として、今後の皇族数の確保の状況も踏まえまして、安定的な皇位継承を確保するための方策を検討する中で、例えば女性天皇、こうした是非を含めた安定的な皇位継承を確保するための方策でありますとか、あるいは、女性宮家の創設等、これは過去の附帯決議にも入っていたと理解しておりますけれども、こうしたことについても引き続き検討していく必要があるのではないか、このように考えております。  この点について、官房長官、答弁いただけますでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 繰り返しになって恐縮ですが、今回の改正につきましては、将来の皇位継承の在り方について立法府における将来の検討を先取りするものではございません。また、これを縛ったりするような趣旨のものではないと承知しております。

中野洋昌 中道改革連合・無所属

○中野(洋)委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、藤田文武君。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 日本維新の会の藤田文武でございます。  今日は、質疑の時間を頂戴し、ありがとうございます。そして、これまで皇室典範改正に向けて様々な議論を尽くし、そして御尽力いただいた全ての皆様に感謝を申し上げたいと思います。  古来、例外なく男系で紡がれてきた皇室の歴史の重みを踏まえながら、現代を生きる政治家としていかに責任を果たしていくかという、大変重たい職責を我々が今果たそうとしているということを自覚しながら、今日は、賛成の立場ではありますけれども、幾つか本質的な論点について、確認、指摘を申し上げたいと思います。  まず初めに、女性皇族の婚姻後の身分保持案についてでございます。  先ほど来、少し指摘又はやり取りがあったかと承知をしておりますが、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持した例というのは当然あります。歴史上も確認されます。しかしながら、その配偶者や子が皇族となった先例は一例もないという認識をしておりますが、これはその認識で見解を同じくするものでありましょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 現時点で、宮内庁が過去の史料に基づき確認できる限りで申し上げれば、明治時代に旧皇室典範が定められる前までは、女性皇族が天皇及び皇族以外の者と婚姻しても身分は皇族のままでありましたが、女性皇族の配偶者とそのお子様が皇族となった例は確認できないと承知をしております。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 ありがとうございます。  皇族でない男子が皇族になられた例は一例もないというのが、これは私は原則だと思います。制度は時代とともに変遷し、又は活用する中で、運用は柔軟にしていくということは全てにおいてあろうかと思いますけれども、その中で、何を守ってきたのか、何が一番中心の原則なのかということを外してはならないというふうに思います。  改めて、この女性皇族の婚姻後の身分保持案について、私もぎりぎりまで意見を申し上げてきたので、再度確認をしたいと思います。  女性皇族の婚姻後の身分保持は、先ほど申し上げたとおり、先例が確認されます。しかし、あくまで、私は例外的に運用されてきた事例であるということを心得るべきだと思います。  さっきちょっとありましたけれども、多分、太古の時代はもっとおおらかで、恐らく皇族同士の結婚ということなのでそういったことが話題に上がらなかったでしょうが、皇族以外又は民間の方という方との婚姻が予見されるそういう時代においては、あくまで例外的な事例として取り扱われてきたというのが認識でございます。  例えば、江戸時代は約三百年弱の間で九例のみが身分保持として確認をされております。つまり、恒久的な制度ではないわけです。  今回、本案は、次世代以降、原則全ての女性皇族が自動的に婚姻後も身分を保持するという恒久的な制度でありまして、果たして皇室の歴史に、そもそも、原則、例外を考えたときに、整合的であるかという問いには答え続けないといけない、向き合い続けなければならないと思います。  よって、私はぎりぎりまで、この二案は対象者を現在の女性皇族に限定する又は期限を設けるべきという、そういう現世代の問題を解決する知恵として制度化すべきだということを訴えてきたわけでございます。  立法に関わる者として、制度設計においては原則と例外を履き違えてはならないと思います。先例に倣いつつ、皇統の紊乱を招く可能性を最小化しつつも、抑制的に制度を設計するのが本来のあるべき姿と考えます。皇族数の確保を目的とするのであれば、まずは現世代の女性皇族のお力をおかりする、次世代にまで恒久的に制度化するのではなく、事の本質をたがえないということが本来は正しいんじゃないかということをぎりぎりまで指摘を申し上げてきました。  その上で、見解を聞きたいと思います。  婚姻後の身分保持が恒久的制度になることについて、これは、原則、例外をひっくり返すことになるのではないかということについての見解をお聞きしたい。  また、加えて、次世代の女性皇族については、施行時内親王については、事実上の選択制という形で、自分の意思でこれまでどおりの制度を踏襲して皇籍を離れることができるというふうになっておりますが、同様に、次世代以降はなぜ選択制にしなかったのか。  そして、仮に、次世代以降の女性皇族がどうしても皇籍を離れたいとなった場合には、その方策というのはあるのかどうかを確認をしたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 内親王及び女王が天皇及び皇族以外の男子との婚姻後も皇族の身分を保持することにつきましては、本年六月十日に取りまとめられた衆参正副議長による議論の取りまとめを政府としては厳粛に受け止めまして、恒久的な措置として、皇室典範の本則を改正することといたしました。  この法律の施行の際における内親王及び女王殿下については、これも取りまとめに沿った形で、婚姻と同時に、その意思により、皇族の身分を離れることができることといたしました。施行時内親王という書き方でございます。  この法律案が成立をし、皇室典範が改正された場合であっても、年齢十五年以上の内親王及び女王は、現行制度と同様、皇室典範第十一条第一項の規定により、その意思に基づき、皇室会議の議により、皇族の身分を離れることはできることとなっております。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 ありがとうございます。  つまり、今は、原則、民間の方と婚姻したら離れる。これからは、原則、例外がひっくり返り、離れない。しかし、今の十五歳以上は意思を表明すれば皇室会議の議を経て離れることができるというのが適用される。つまり、完全に原則と例外はひっくり返ったわけでありますが、選択肢は残るという解釈だというふうに受け止めさせていただきました。  その上で、施行時の女王、内親王は自分の意思で皇族の身分を離れることができるという法設計になっております。その場合、皇籍を離脱せず、身分を保持したまま公務をされる、又は、皇籍を離脱をして、公務は一切しないという二択は、私は少し酷だなというふうに思いまして、その中間もあり得るんじゃないかと思うんですね。  つまり、皇籍を離脱しても、公務はお支えいただくようにお願いをするという方策はあり得るんじゃないかと。つまり、皇籍は離脱しようがしまいが、広く皇族の一員として御公務に携わっていただき、公務負担軽減に貢献をしていただくというのであれば、御当人の選択のプレッシャーについても少し軽減がされるんじゃないかというふうに思うわけであります。  こういったことを政府から正式にお願いするなどの工夫、知恵はありませんでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 令和三年十二月に取りまとめられました有識者会議の報告におきましては、現在の皇室の御活動等の担い手を確保していくための一つの方策として、婚姻により皇族の身分を離れた元女性皇族に、その御了解をいただいた上で、様々な皇室の活動を支援していただくことも考えられるとされております。  皇族の身分を離れた方は、摂政、国事行為の臨時代行やまた皇室会議の議員といった、いわば法制度上の役割を担っていただくことはできませんけれども、それ以外の公的な活動については、これはあくまでも御本人の御意思次第でございますが、引き続き担っていただくこともあり得るのではないかと考えております。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 大変御当人にとっても重要な、そして我々としても考えなければならない議題かなというふうに思いますので、あり得るという御見解だということで、前向きに捉えたいと思います。  次に、養子案についてであります。  本件については、我が党、そして私も一人の政治家の信念として、十五歳という区切りを設けることについてはぎりぎりまで反対を申し上げてまいりました。  これはやはり、年齢制限は、当然、選択肢の幅を狭めるということや、それが狭まることにより、より候補者となられるだろう方へのプレッシャーやリスクも上がる。そして、仮に、十五歳未満で年頃の方がいらっしゃった場合に、十五歳というターゲット年齢を見据えた上での例えば誹謗中傷、妨害行為、又は、最近は海外からの影響工作等もかなり顕在化してきているということでありますので、年齢制限を設けることはそうしたリスクを増大する懸念があるのではないかということは専門家からも指摘があるところでございます。  こうしたリスクを慎重に勘案して制度設計をするのは当然のことでありまして、また、制度ができた後に当事者が安全かつスムーズにこの制度を活用できるというふうに最大限努力するのが立法府、当然、もとより行政府の務めでありまして、事の重大さを認識すべきと考えます。  誤解のないように申し上げますが、十五歳以上で、御自身の意思で皇室に入り、そして、もう二度とそれを離れないという今、法設計でありますから、そういう大変強い御覚悟を持って皇室に入られるということは大変尊いことだと思います。それを否定するものでは全くありません。  しかし一方で、幼少期については、私も、同列に並べて話すのは大変僭越ではありますが、幼少期の養子というものを経験した者が親族には当然おります。何の違和感もありませんし、民間では多数受け入れられている制度でもございます。心情的には受け入れられやすいものだと思います。  そういった意味で、どちらもすばらしいし、メリットもあるということで、私は、それを縛るということが非常に、この最後の制度設計の詰めの中で最後まで御主張申し上げたところでございます。  今申し上げたように、この十五歳以上というものの意図、そしてそれを設定した意味合い、経緯、及び、今私がるる申し上げたような懸念についてのお考えをお聞きをしたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 衆参正副議長による議論の取りまとめにおきまして、養子の要件の一つとして、本人の意思を考慮した養子となり得る者の年齢ということが記述されておりましたので、政府としては、これを誠実に踏まえまして検討をしてきたところでございます。  現行の皇室典範において、自らの意思に基づき皇籍を離脱できるとされる年齢が十五歳以上とされていることから、養子の対象年齢についても、それと整合を取る形で十五歳以上とさせていただいたところでございます。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 ありがとうございます。  政府は、ある程度一定、幅のある表現の中で、裁量を持って法設計をするというのが、立法府取りまとめの中から行政府にパスされた経緯でございますが、それを踏まえて、そこに記載のある文言を尊重しながら作られたというふうに御答弁を理解させていただきたいと思います。  その上で、立法府の一員として全体会議に、全ての回に出席させていただいた者として、後世に記録を残すためにも一言申し上げたいと思います。  十五歳以上、未満の話は、全体会議において詳細な議論、それの是非について議論がされた形跡はありません。幾つかの方が、自民党のもう引退された先生が一言申し上げたというのは記憶にありますし、議事録を確認していただいたらよろしいかと思いますが、自由民主党の中でも、十五歳以上、未満ということについて、これまで長年、かなり精緻に議論し、確定事項として取りまとめたという形跡は、私は余り見受けられないんじゃないかというふうにも思いますし。  そういった意味で、立法府の取りまとめの最終文言には出てきますが、それを担保する立法府の取りまとめのための全体会議は、十回行われていますが、この件についてそういった深い議論は行われてこなかったというのが私の認識でございます。  あと自民党の中におきましても、最終、私も漏れ聞こえてくるところによると、やはり十五歳以上、未満というのについては、ない方がいいんじゃないかという御意見が大変、平場の議論でも多かったと。私も同意見でありますから、大変興味を持って見ておりましたが、そうした認識を持っております。  つまり、繰り返しになりますが、十五歳以上で、意思を明確に持って、強い気持ちで御皇室をお支えいただく、そういう養子に入られるということは大変尊いことだと思います。お支えしたいというふうに一国民として思います。一方で、十五歳未満の選択肢というのを閉じてしまうということについては、私は、様々な懸念があるということは、今日、この場で改めて記録に残しておきたいというふうに思います。  そして、養子皇族男子のお子さんに男子がお生まれになった場合の皇位継承権についてのお話が先ほど来ございました。  私も何度も定例記者会見等で記者から質問を受けますが、そもそも制度というのは現行制度があり、改正案があったら、改正される、そこに記載された分だけが変わるものでありまして、現行法制下によって形作られる、そういう制度設計の影響を全てが受け続ける、こういう認識でありまして、先ほど来御答弁いただいていますように、養子皇族男子はあえて皇位継承権を付さないというふうに、ある種の例外規定を置いているわけでありますから、原則的に全ての、今、男性皇族は男系でありまして、すなわち、皆さん皇位継承権が付される、皇位継承順位が付されるという理解であります。すなわち、そういう制度設計の下、進んできたものと、それは議論されずとも周知の事実で、共通理解だというのが私の認識です。つまり、養子皇族男子に男子がお生まれになった場合は皇位継承権はあるというふうにするのが当然の理解だというふうに思っております。  この理解でよろしいかどうか、簡潔にお答えいただけますでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 現行の皇室典範の規定によれば、委員の御指摘のとおりでございます。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 ありがとうございます。認識を確認できてよかったと思います。  それから、旧十一宮家の話につきましては、実は私も、当選して七年なんですが、一番初めの頃に予算委員会で取り上げたことがありまして、当時は、一昨日が命日でありました安倍晋三内閣、安倍晋三総理大臣でありましたけれども、そのときから、旧十一宮家というのはどういう方々なのかということを国民の皆さんに正確に知っていただくことは大事なんじゃないかという問題意識で取り組んできたわけであります。  国会議員の中にも、又はジャーナリストやメディア陣の中にも、ネット世論も含めて、どこの人かよく分からないような、そういう言い方をされる方もいらっしゃいます。ただし、それは間違いでありまして、旧十一宮家の方々というのは、戦後、現憲法下においても皇籍を持たれていた方々でありますし、そして、歴史的背景の中で、やむにやまれぬ様々な事情の中で、皇籍を離脱されたという歴史的経緯がございます。  そしてまた、昭和天皇や明治天皇を始めとする現皇室の皆様方との親戚関係、婚姻関係というのもかなり認められるものでありまして、相当近しい間柄として存在し続けてきたということがございます。そしてまた、菊栄親睦会等に代表されるような交流関係、そうした旧宮家に属していた方々が、今もなお、陰に陽に御皇室をお支えしてきた、こういう交流関係も認められるところでございます。  そうした正しい歴史的背景や現状というものを国民の皆さんに広く知っていただくということも、今後、静かな環境の中でやっていけたらなというふうに思うわけでございます。  先ほど来、この議論の進め方の中で、今は皇族数の確保、そして、それは皇統の安定継承と切り離して議論をするということが、議論の進め方のいわゆる合意形成の技術として埋め込まれ、進んできたというのは、私は、一人の政治家としてはそれは納得しております。  ただし、あえて申し上げるならば、皇族数の確保はあくまで手段、そして現世代の問題解決であります。二千年以上と言われる御皇室の伝統、歴史を守っていくということであれば、本来あるべき議論の目的というのは、皇統の存続、皇統の安定継承に資するために、そして次世代以降にどうつないでいくかということを私たちは重く受け止めてやるべきだということを改めて申し上げたいというふうに思います。長官、特にややこしい質問はしませんので、安心して聞いておいてください。  そして、先例を倣い、そこから外れないというのは大変重要だというふうに思います。皇籍復帰の先例というのはたくさん史実としても認められます。そして、養子の先例もかなり多数あります。しかしながら、養子という手段で皇籍を復帰されたり皇族になられるというぴったりがないんじゃないかという御指摘が結構ありました。全体会議でもこれは議論になったんですね。  実は、幾つかそれにかなうだろうという事例は歴史上あるんです。しかしながら、例えば皇籍を離脱したという証明できる記載が歴史書の中にないであるとかそういうことで、認定ができていないだけというのが私の認識であります。  加えて、有識者会議の報告書は三案まであったわけでありまして、そのまま直接皇籍復帰をするという案がございました。私たちの政党は、私の個人の意見としても、それは選択肢としてはありだということを、有識者会議の報告書が出た際から申し上げてきたところでございます。  しかしながら、より幅広い合意形成をということで、先ほど来ちょっと繰り返しになりますが、皇籍復帰の例はある、そして養子の先例もある、しかしながら、それを組み合わせた先例はないというのは、私は否定的に捉えられるものじゃなくて、より理論を補強するものだというふうに思うわけですね。ただ皇籍復帰するだけでもなく、ただ養子でもなく、それを組み合わせて、両方ある先例を組み合わせて強化していると捉えるのが、私はこれは普通の受け止め方だというふうに思うわけでありまして、全体会議でもそのように申し上げてきました。  すなわち、この養子案については、先例にもかない、そして今の現代の問題を解決する非常に優れた案であるというふうに思うわけでありまして、今日の改正案に賛成をするところでございます。  最後に、見直し規定の意味合いについて確認をしたいと思います。  見直し規定も様々議論があったと承知をしておりますけれども、最終、今回の附則に記載される見直し規定というのは、平たく言うと、諸々の理由をしっかりと施行後も我々は注視しよう、何かあったら修正というのはあり得るだろう、なおかつ、三十年というのをあえて区切って、三十年後にちゃんとそこを区切りとしても改めてやっていこう、見直しを検討していこう、その係る対象範囲は全てに係る、つまり、今回改正された全ての項目に係る、個別のここだけを見直そうかということを規定しているんじゃなくて、全てに係るという認識で私は法文を読んでおりますが、その理解で正しいでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 政府としましては、附則第六条第一項、第二項共に、文言上、女性皇族の身分保持案と皇族の養子制度案の双方に係ることになるものと認識をしております。  以上です。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 ありがとうございます。  これはどちらの案も始めてみて今想定していなかった懸念事項等が出てくることも想定されますから、それは当然の規定だと思います。  今回の改正案が皇統の存続、そして安定継承に大きく寄与することを強く願い、皇室のいやさかを一国民として願い、今日の質疑を終えたいと思います。本当にありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、玉木雄一郎君。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 国民民主党代表の玉木雄一郎です。  私自身、また我が党は、皇室及び皇室の悠久の歴史に深い敬意を持つものであります。  その上で、戦後八十年の間に生じた皇室制度をめぐる様々な問題を解決する改革を一気に処理、解決することは難しいと思っております。大切なことは、実現可能な改善策から速やかに実現し、その後も、不断の検討を続け、状況の変化に応じて改善を重ねる努力が必要だというふうに思っております。  その上で、今回の皇室典範特例法の附帯決議から九年、そして岸田内閣で政府有識者会議の報告書をまとめて四年半、そして前議長副議長の下で始まった皇室全体会議が動き始めて二年の月日が流れております。この間、関わった全ての関係者にまず心から敬意を表するとともに、特に、最終、いわゆる立法府の総意を取りまとめられた両院の衆参正副議長には、格段の敬意を表したいというふうに思います。  その上で、立法府の総意をまとめ、政府が法案を作って今日に至っていますけれども、この間、メディアとかネットとかを見ると、皇位の継承の確保の方策について、特定のものが選択された、特定のものが選択されていないという様々な議論が巻き起こって、この法案やこれまでの取組に対して、ある意味、世論が分断しているような、あるいは分断が強まっている状況があることは極めて憂慮すべきことだと思います。様々なことを考慮しながら、また様々な御意見がある中で、ここに至ったそのプロセス自体が非常に重いと思っていますので、広く国民の理解を得ていく努力を我々は継続をしていかなければならないというふうに思います。  その意味で、まず、今回の改正の意味づけ、あるいは、改正のその範囲、スコープと言ってもいいかもしれません、ここを改めて確認をし、国民に広く御理解を得たいと思います。これまでの質疑でも出ましたけれども、大事なところなので繰り返したいと思いますけれども。  まず、今回の改正案の始まりであります令和三年の政府有識者会議の報告書、そして、それを受けて立法府において取りまとめた立法府の総意、こういった、種々、これまでの提言や取りまとめに現在の改正案は沿ったものになっているのか、改めて政府の認識を問いたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 今回の改正案でございますが、御指摘のように、令和三年十二月の有識者会議報告で提言をされました女性皇族の身分保持制度案と皇族の養子制度案、その二案について、衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って法制化したものであります。  玉木委員も御参加されていた六月二十五日の全体会議で法律案の要綱を御説明した際にも、衆参正副議長により、取りまとめに沿ったものであるとの御判断をいただいているところでございます。  また、これらの方策ですが、有識者会議報告で、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であるとの認識の下に提言をされておりますので、政府としてもこれを尊重して、今回改正案とさせていただきました。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 ありがとうございます。  今の点、重要なので、改めて有識者報告書の文章を少し引用したいと思います。  皇位の継承の問題と皇族数の確保の問題、大きく言うとこの二つの問題がこれまでも議論されてきましたけれども、先ほどの質疑にもありましたとおり、皇位の継承については、具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させる、また、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきと。これを受けまして、まずは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると。以下、この皇族数の確保について、会議として議論したことをお示ししますと、令和三年の有識者報告書の中には書かれています。  そこで出てきたのが、いわゆる第一案、第二案、第三案ということでありまして、それについて立法府でこの間検討を加えてきたということが経緯でございます。  ですから、今いろいろな議論がメディア等でもありますけれども、今回は、様々な議論がある中で、時間的制約のある問題として、皇族数の確保の問題ということに絞って政府有識者会議の報告書が三案を出し、それを受けて検討して、一案、二案を了とするという流れがあったことを是非国民の皆様にも御理解をいただきたいというふうに思っております。  その上で、なぜ様々な議論が起こっているのかという一つの原因は、改正法の新設された第三十八条六項で、現行の皇室典範の二条、これは皇位の順番を決める規定が書かれてありますので、それを新設した条文の中で引用しているので、新たに皇位継承について今回新しいルールを作ったのではないのか、そういう懸念から様々な議論が起こっていると承知をしておりますけれども。  改めて確認しますけれども、この規定は、現行法に基づくあくまで当てはめの結果であって、何かを創設した規定ではなく、皇位の安定継承を確保するための方策について、今後の検討を先取りしたり、縛ったりするものではないということについて、改めて官房長官に政府としての方向性を確認したいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 養子皇族男子の子孫につきましては、取りまとめに記述がございません。したがいまして、これは現行の皇室典範に基づいて判断をするということに当然なっていくわけでございます。養子皇族男子の男子孫は、生まれながらの御皇族ということになりますから、現行の皇室典範第一条及び第二条が適用され、皇位継承資格を有することとなります。  その上で、現時点における所要の規定整備として、養子皇族男子の子孫の皇位継承順位について、御指摘の皇室典範第三十八条六項で、実方の系統によるとの解釈について規定しているところであり、これは、例えば複数の方がおられた場合に、当然順序に紛れがあってはいけませんので、紛れが生じないようにしなければいけない、そういう趣旨で作らせていただいたものであり、決してこれは新しく作った、つまり創設的な規定ではないということを是非御理解願いたいと思います。  また、これによって、立法府における将来の検討を先取りをしたり、これを縛るような趣旨でもないということも改めて申し上げます。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 ありがとうございます。かなり明確になったというふうに思います。  この皇位の安定継承、あるいはその確保のための方策については、今後更に議論を深めていくべきものだと思いますし、今回の皇族数の確保という措置が講じられることによって、また結果として皇位の安定継承につながるところが出てくると思いますが、ただ、時代の変化、あるいは皇族を取り巻く様々な環境の現状、実態というのがございますので、それをしっかりと踏まえた上で、適時適切に検討を加え、必要な措置を講じていくことが重要だということは、改めて申し上げておきたいと思います。  その意味では、二〇一七年の皇室典範特例法の附則で定められたもののうち、皇位の安定継承の確保に関する方策については、ある意味、未完の課題ということで、さらに今後検討を継続していかなければいけない、ある意味、立法府としても引き続き宿題を負っている案件だというふうに捉えて、これからも真摯な取組また検討を進めてまいりたいというふうに思います。  次に、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持することについて伺いたいと思います。  これは、過去の歴史からすると、配偶者あるいは子供に皇族の身分が与えられたことはなかったということは先ほどの議論でもありましたけれども、ただ、一つの家族としての一体性ということは重要だろうということで、その待遇や処遇については、配偶者あるいは子供についても皇族に準ずるようなことは必要だろうということは全体会議の中でも申し上げてきたわけであります。  そこで、具体的なことを、これは事務方で結構ですのでお答えいただきたいと思うんですが、まず一つは、皇族の皆様には皇宮警察を中心に警護がつきます。これは当然だと思いますが。ただ、配偶者と子供については、皇族の身分とならなくても、一体として生活をなされたり移動されたりすることがあると思いますので、配偶者や子供については警備の対象となり得るのか、この点について確認をしたいと思います。

石川泰三 警察庁警備局警備運用部長

○石川政府参考人 お答えいたします。  警察法第二十九条第二項におきまして、皇宮警察本部は、天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の護衛、皇居及び御所の警備その他の皇宮警察に関する事務をつかさどるものとされているところでございます。  現在御審議中の皇室典範改正法案によりますと、内親王又は女王が一般男子と婚姻した場合の当該配偶者とその子につきましては、皇族にならないとされているところでございますので、先ほど申し上げました警察法第二十九条第二項に規定する皇宮警察による護衛の対象とはならないというふうに考えているところでございます。  その上で、本法案成立後の内親王又は女王の配偶者とその子の警備につきましては、詳細につきましては、今後の警察活動に支障を来すおそれがあるため、お答えを差し控えさせていただきますけれども、その時々の情勢などに応じまして、警察として必要な措置を講ずることとなるというふうに考えております。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 現行の法律でいうと対象にならないという答弁でしたけれども、ただ、やはり、家族としての一体性がありますので、そこは必要に応じて、また状況に応じて、適時適切に対応いただくことを是非お願いをしたいと思います。  また、次に、住民基本台帳法の適用になるということでるる今議論もありましたけれども、住所地を明らかにすることによって家族の一体性を証明するというような効果もあるという話がありましたけれども、そもそも、女性皇族の方の配偶者と子供は皇族じゃないんですけれども、やはり一緒に住むことが必要だと思いますので、お住まいになられる場所は御用地なども想定し得るのかどうか、それとも民間の居所にお住まいになるのか、御用地等にお住まいになることは今後も可能なのかどうか、この点について確認させてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  内親王、女王と婚姻した配偶者やお子様ですけれども、内親王、女王とともに家族として御用地に居住いただくことは可能というふうに考えてございます。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 ありがとうございます。  是非そこは、一体性ということは重要なので、その待遇、処遇については同様となるように十分な配慮をいただくことが必要だというふうに思います。  先ほどもありましたけれども、住民基本台帳の適用ということなんですけれども、なぜ適用するのかということを改めて、その目的、趣旨を教えてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  議長の取りまとめには記載がございませんでしたので、現行の皇室典範の規定が維持されることとなりまして、先ほど来お話に出ておりますとおり、女性皇族の配偶者あるいはお子様につきましては皇族とはなりません。  皇統譜に登載されました皇族である内親王、女王と戸籍に登載された皇族でない配偶者、子が同一の世帯を構成し、生活を送るということになってまいります。一つの世帯として生活をしていく上で、配偶者や子は、居住関係ですとか続き柄等の家族関係の公証を受けられるようにし、円滑に、支障なく生活を送っていただく必要があるというふうに考えてございます。  このため、今般の改正では、婚姻した内親王、女王にも住民基本台帳法を適用するということにしてございますけれども、これは、取りまとめに配偶者、子の身分について記載がなく、今回の改正では配偶者、子が皇族にならないため、現時点での所要の規定の整備を行うというものでございます。  したがいまして、住基法の適用も取りまとめに沿ったものであると考えておりまして、これによって、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛るような趣旨のものではないというふうに承知をしてございます。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 そこは十分に配慮をいただきたいと思います。  仮に、配偶者あるいは子供が海外に長期にわたって居住する、あるいは女性皇族本人も長期にわたって海外に居住することになると、住民票の登録が抹消されますよね。そうすると、どこに住むかによって家族関係が証明されたりされなかったりするというのもおかしな話ですので、本来の趣旨に沿って運用いただくなり、何よりも家族の一体性や皇族としての品位の保持ということがしっかり図られるような、運用上の取扱いには十分配慮をいただきたいというふうに思います。  あと一点、技術的なことを確認しますけれども、今の皇族費は所得税非課税になっていると思いますし、税制上の取扱いは、当然、皇族の方と一般人の方は異なるようになるんですが、所得税あるいは相続税、贈与税といったような税制上の取扱いが家族の中で異なる方々が同じ家族を構成しますので、この点についての整理はどうなっているのか、改めて教えてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘いただきましたように、皇族費については所得税非課税という取扱いになっておりますけれども、相続税や贈与税その他につきましては、女性皇族の方と配偶者、子、一般国民の配偶者、子とで特に変わることはないというふうに承知をしております。同じ取扱いというふうに承知をしております。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 ありがとうございます。  改めて、配偶者、子供は戸籍に載っている、女性皇族の方は引き続き皇統譜に載るという新しい形態でありますので、多分前例がございませんから、そこは、先ほど申し上げたとおり、家族の一体性、そして皇族としての、全体としての品位の保持、これは皇室経済法にも出てくる、目的規定のところにもありますけれども、それを是非保つように、十分な配慮を政府としても行っていただくことを求めておきたいと思います。  次に、皇族の養子縁組を可能として、養子を皇族とする案についてであります。  明治二十二年に制定された旧皇室典範でも養子は禁止をされておりました。今回の改正案で、伊藤博文の「皇室典範義解」に言う宗系紊乱の門は塞がれているのかということについて確認したいと思います。  つまり、何を申し上げたいかというと、天皇の子孫というのは、その意味ではたくさんいらっしゃると思います。その中で、旧十一宮家に限定がしっかりかかっているのか。つまり、日本国憲法が施行された後も五か月の間皇族だった方に限定をある意味かけていかないと、まさに旧皇室典範、そして今の皇室典範も禁止している、養子をなぜ禁止したかというと、まさに皇統の紊乱が生じてしまうということだったと思いますが、そこの適切な限定がかけられているのかどうか、このことについて改めて確認したいと思います。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  今回の養子制度の対象でございますけれども、条文第三十八条の第一項によりますと、この法律による皇族男子であった者、現在の皇室典範による皇族男子であった者の嫡男系嫡出の子孫というふうにしておりますので、限定はしっかりできているものと承知をしております。  さらに、宗系紊乱のお話でございますけれども、今回の改正では、三十八条の第五項及び第六項におきまして、養子皇族男子の皇族としての地位は実方の系統によるというふうにされております。誰の養子になるかによって、親王となるか、王となるかなどの養子皇族男子の地位が変わってしまうというものではございません。そのようなことから、御指摘のような宗系紊乱に当たる事態は想定をしておりません。  また、先ほど来申し上げましたが、養子の対象につきましては、今ほど申し上げたとおりでございます。  以上です。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 この旧十一宮家に関しては、よく言われるのは、昭和二十二年、GHQの意向あるいは命令によって臣籍降下、皇籍離脱を余儀なくされたというふうに言われることがあるんですけれども、この旧十一宮家が戦後、日本国憲法下において皇籍離脱、臣籍降下をしたその背景、理由ということを政府としてどのように認識しているのか、御説明をお願いします。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  昭和二十二年十月の皇籍離脱につきましては、その皇籍離脱を審議した同年十月十三日の皇室会議におきまして、議長であった片山哲内閣総理大臣から、皇族のうちから、終戦後の国内国外の情勢に鑑み、皇籍を離脱し、一国民として国家の再建に努めたいという御意思を表明せられる向きがあり、宮内省におきましても、事情やむを得ないところとして、その御意思の実現を図ることとなりと説明されたと承知しております。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 それは、旧十一宮家の方々の御意思で臣籍降下されたという理解でよろしいんでしょうか。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  昭和二十二年十月の皇籍離脱につきましての皇室会議の議長である片山哲内閣総理大臣のお言葉ですので、その対象は、今議員がおっしゃった対象について述べられたものというふうに理解をしております。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 こういった経緯もしっかり踏まえて対応することが私は必要だというふうに思っております。  これは慎重に取り扱わなければいけませんけれども、皇族数の確保、我々立法府としてある種のルールを作りますが、具体的な、人のいる話でございますので、制度をつくったから即皇族数の確保ができるかというと、また楽観するべきものでもないというふうに思います。  所先生が有識者会議に出ておられたときに、旧十一宮家の方も、一般国民となってからも男子相続を固守するうちに、跡継ぎが不在になって既に半数以上が絶えている、こういう事実も直視しなければならないという、男系男子の養子を迎えることに対する、ある種、過度な楽観を戒めるようなことも発言をされております。  その意味で、この改正案におけるいわゆる養子皇族男子の対象となり得る方々は、現時点でどれだけの宮家、そして何人いらっしゃるのか、もし把握をしていれば教えてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  養子皇族男子の対象となり得るのが現時点で何人いらっしゃるのかということだったかと思いますが、御指摘のような事項を調査することにつきましては、個人のプライバシーに関わることであり、現行皇室典範において皇族の養子縁組は禁止されている、あるいは、今般の養子制度は今後生まれる男系男子孫の方も養子の対象となり得るものであるということなどを踏まえまして、慎重な対応が必要と考えてございます。政府として把握をしておりません。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 政府として把握をしていないという従来の答弁だと思いますが、やはりその意味でも、法改正が行われた後の状況をしっかりと把握をした上で、必要に応じて適時適切な対応、見直しが適切に行われることが必要なんだというふうに思います。  最後に確認したいのは、附則の検討条項でございます。  一項、二項ございますけれども、附則の六条一項では、所要の検討が加えられ、必要があると認めるときは所要の措置が講ぜられるというふうにされておりますけれども、改めて確認ですが、検討対象は、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持するという、ある種、この第一案と、そして、皇族の養子縁組を可能として旧十一宮家の男系男子が養子に来る、この二つを両方とも対象としているのか。そして、必要と認めるときは三十年待たず随時できるのか。この点を改めて確認させてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  附則第六条一項は、「この法律による改正後のそれぞれの法律の規定については、その施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要があると認められるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるものとする。」と規定してございます。その検討対象は、政府としては、文言上、女性皇族の身分保持案と皇族の養子制度案の両方であると認識してございます。  この規定を政府としてどのように運用して、実際に検討、見直しを行っていくかにつきましては、立法府の御意思を尊重して対応してまいりたいと存じます。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 あわせて、附則の六条の二項です。  二項は、皇族数の確保の状況等を勘案し、必要があると認められるときは、三十年ごとに見直しが行われると規定されています。書き分けています。  三十年ごとの見直しと規定した二項と、一項の所要の検討、所要の措置が加えるということ、これがどういう関係にあるのか読んだだけでは分からないので、全体として三十年に一回しか見直しができないんじゃないかというふうに読めるんですが、案件としてはその両方とも含んでいるという今答弁がありましたけれども、三十年たたないと見直さないという意味なのか、改めて確認します。  そして、二項であえて書き分けて、検討を三十年ごとの見直しとした、その見直し対象として何か特定のものを意図しているのか、確認させてください。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  附則第六条の規定につきましては、衆参正副議長による議論の取りまとめの記載を踏まえて設けているものでございます。  まず、附則第六条一項では、先ほども申しましたけれども、改正後の各法律の規定全般につきまして、必要があると認められれば随時見直しを行うという趣旨であると認識しております。  その上で、第二項では、皇族の数の確保の状況を勘案した見直しについては、必要があると認められれば三十年ごとには行われるものであるという趣旨であると認識をしております。  なお、見直しの必要性を認める主体は示しておりませんけれども、見直し規定をどのように運用して、政府として実際に検討、見直しを行っていくかにつきましては、立法府の御意思を尊重して対応してまいります。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 ちょっとよく分からなかったんですが、一項と二項の関係はどうなんですか。一項で全て言い切っているのを確認的に二項で書いているということですか。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。舌足らずで失礼いたしました。  まず、一項で、先ほど申しましたように、様々なことについて随時見直しを行うというふうに書いてございます。二項では、三十年、少なくとも三十年に一度は必要があると認められれば検討し、見直しをするという趣旨でございますので、仮にですけれども、第一項で見直しが行われなかったという場合にも、第二項が生きてきて、三十年に一度はそうした作業を行うというふうに政府としては理解をしております。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 随時見直しをするということが原則で、最低でも三十年に一回は見直すべきだというふうに理解をいたしました。  いずれにしても、冒頭申し上げたとおり、今回は皇族数の確保に関する改正ということで、もう一つの大きな柱であります皇位の安定継承の確保の方策については引き続き検討していくことが必要だと。これはまさに立法府の責務としてやっていかなければいけないということを深く自覚しながら、今回で何か特定の方策を先取りしたり、あるいは検討を縛ったりするものではないということが確認できましたので、我々としても、引き続き、皇位の安定継承のために、立法府としての責務をしっかり果たしていくこと、このことをお約束申し上げ、また、皇室のいやさかをお祈り申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、石川勝君。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 参政党の石川勝でございます。  まず初めに、天皇陛下を始め皇族の皆様に対し衷心より敬意を表しますとともに、皇室のますますのいやさかと皇族の皆様の御健勝を心よりお祈り申し上げます。  皇室は、悠久の歴史の中で、幾多の時代の変遷を経ながら、今日まで一貫して我が国の歴史、文化、伝統の中心として歩み続けてこられました。歴代の天皇は、常に国と国民の安寧を祈り、国民に寄り添われ、そのお姿は、日本国及び日本国民統合の象徴として、国民の深い敬愛と信頼を集めてまいりました。この尊い伝統を将来にわたり確実に継承していくことは、現代を生きる私たちに課せられた極めて重い責務であります。  皇室の歴史は、単に一つの王朝が継続してきたという歴史ではありません。歴代の天皇が国と国民の安寧を祈り続け、その祈りが幾世代にもわたり受け継がれてきた歴史であります。そして、その祈りを支えられてきた皇族の皆様の御存在があってこそ、今日まで、世界に類を見ない皇室の伝統が受け継がれてまいりました。この歴史を未来へと確実に継承していくことは、現代に生きる私たちだけではなく、次の世代、さらにその先の世代に対する責任でもあります。私たちは、その歴史の重みを十分に認識した上で、本法案の審議に臨まなければならないと考えます。  参政党は、党の綱領において、先人の英知を生かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくることを掲げています。  皇室は、我が国が育み、受け継いできた精神文化の根幹であり、日本という国の歴史そのものを体現される、かけがえのない存在であります。ゆえに、皇室に関わる議論は、時代の要請や一時の社会状況のみに左右されることなく、長い歴史の連続性と未来の世代に対する責任を見据えながら行われなければならないと考えてまいりました。  現在、皇族数の減少に伴い、皇室活動の安定的な維持が重要な課題となっています。その課題に真摯に向き合い、将来にわたり皇室をお支えする体制を整えようとする今回の法案の趣旨について理解するものであります。  一方で、皇室に関わることは、一時代の事情のみをもって判断すべきものではありません。百年先、二百年先、さらには千年先の皇室の在り方を見据えながら最善を尽くしていくという視点が不可欠であります。その意味において、本法案の審議は、日本の歴史と伝統を未来へ引き継ぐための責任ある議論であると考えております。  参政党は、これまで一貫して、皇位継承は男系男子によって受け継がれるべきであるとの考えを申し上げてまいりました。  本法案につきましては、国民の皆様の間にも様々な御意見があることは十分承知しております。皇室を敬うがゆえに異なる考え方が存在することは、ある意味では自然なことであり、そのいずれもが皇室を大切に思うお気持ちから出発しているものと受け止めております。  だからこそ、私たち国会議員には、それぞれの意見に真摯に耳を傾け、十分な議論を尽くした上で、立法府として責任ある結論を導き出す使命があります。  民主政治における国会の議決は、多数決という手続だけではなく、国民各層の様々な思いを受け止め、熟議を尽くした結果として国家の意思を形成する極めて重い営みであります。本日も、その責任を十分自覚した上で、皇室のいやさかを心より願う立場から質問をさせていただきます。  まず、旧宮家の嫡男系嫡出男子を養子にする目的について、まず大前提について確認いたします。  今回の制度は、単に皇族数を確保することだけを目的とするものではなく、将来にわたり皇統を安定的に維持していくための制度であると理解しております。旧宮家の嫡男系嫡出男子を養子にすることは、将来にわたり男系男子による皇位継承を維持することが目的であるとの理解でよろしいでしょうか。まず、この御見解を伺います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 令和三年の政府の有識者会議報告におきましては、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であるとの認識の下で、女性皇族の身分保持制度案と皇族の養子制度案、その二案が示されました。政府としても、この報告を尊重しているところでございます。  その後、この報告を受けまして国会において議論が行われ、衆参正副議長による議論の取りまとめにおいては、これらの二案はいずれも了とし、この取りまとめを基に法制化することを求めるとされたところであり、今回の改正案に至っているところでございます。  政府としましては、皇族数の確保を目的として、この議論の取りまとめに沿って法案を作成したものでございます。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 次に、旧宮家の方の意思の尊重についてお伺いいたします。  皇族となることは、御本人のみならず、御家族の人生にも大きな影響を及ぼします。そのような重大な制度であるからこそ、御本人の自由な意思が何よりも尊重されなければならないと考えます。御本人の意思をどのように確認するのかについて、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、養子縁組に当たっては、当事者の自由な意思が重要であり、尊重されなければならないと考えております。  したがって、皇族の養子となる意思を確認する場合には、御本人と直接接触することが必要な場合があるものと考えております。  他方で、養子縁組の成立の過程に関する情報は養子縁組の当事者のプライバシーに関わることであり、また、養子縁組の成立の過程に関する情報が明らかとなった場合、当事者となられる方々に様々な影響を及ぼす可能性があり、養子縁組が両者の自由意思に基づいて成立することを阻害するおそれもございます。  そのため、御本人の意思を確認するに当たっては、情報の管理、プライバシーの保護に十分配慮して当たってまいりたいと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 次に、皇族となられる方への環境整備についてお伺いをいたします。  皇族となられるということは、単に身分が変わるということではありません。皇室の長い歴史と伝統、祭祀、そして国民へのお務めを受け継がれるという極めて重い使命を担われることであります。  新たに皇族となられる旧宮家の方々におかれましては、これまで歩んでこられた人生から大きな転機を迎えられることとなります。皇室の長い歴史と伝統、祭祀、そして公務を受け継いでいただくためには、その務めを支える十分な環境が整えられなければなりません。新たな環境への適応を政府としてどのように担保するのか、また、皇室の御負担軽減の観点からしても十分な制度設計となるのかについて、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  養子縁組が成立した場合、養子となり皇族となられた方が皇室の一員として様々な御活動を担い、役割を果たしていかれるよう、宮内庁としてしっかりとお支えしてまいりたいと考えております。  養子となり皇族となられた方は、御自身でもいろいろと学んでいかれることと思いますが、宮内庁としても、その方に皇室に関することについて学んでいただく機会を設けるなどしてお支えしてまいりたいと思います。  また、養親である皇族殿下から御指導を賜り、また養親である皇族殿下やその他の皇室の方々のなさりようを御覧になるほか、皇室の方々とともに又はお一方で公的な御活動を担うことを通じて、公的な御活動の幅を徐々に広げていかれるものと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 次に、養子縁組後の身分の安定についてお伺いをいたします。  皇族となった後の生活基盤や将来設計について、十分な制度設計となるのかについて御見解を伺います。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  養子となって皇族となられた方につきましては、実方の系統による嫡男系嫡出の方として皇室典範第六条の規定を適用されます。そのため、御身位は基本的に王であるというふうに考えております。  また、この方は、独立の生計を営まない王として、皇室経済法第六条第三項及び皇室経済法施行法第八条に基づきまして、十八歳以上であれば六百四十万円余り、十五から十八歳未満であれば二百十三万円余りが年額による皇族費として支給されます。婚姻により独立の生計を営むこととなった場合には、独立の生計を営む王として、二千百三十五万円が年額による皇族費として支給されることになります。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 続きまして、御家族への配慮についてお伺いをいたします。  皇族となる御本人だけでなく、御両親や兄弟姉妹など民間に残る御家族への影響も大きいと考えますが、プライバシーの保護については極めて重要であります。皆様のプライバシー保護についてどのような配慮を講ずるのか、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  養子縁組に当たりましては、当事者はもとより、当事者の家族の方のプライバシーの保護も重要な事項であると考えております。  そのため、宮内庁としては、養子縁組の成立に向けて取り組む際には、関係する方々のプライバシーの保護に十分配慮して対応してまいります。  そのためには、養子縁組に際して、その過程を静かに見守っていただくことが重要であり、宮内庁としても、各方面にその旨働きかけていく必要があるものと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 女性皇族の配偶者は一般国民となりますが、安全確保についてはどのような制度を想定しているのか、御見解を伺います。

石川泰三 警察庁警備局警備運用部長

○石川政府参考人 お答えいたします。  委員お尋ねの本法案成立後の内親王又は女王が一般男子と婚姻した場合の当該配偶者の警備につきましては、その詳細につきましては、今後の警察活動に支障を生ずるおそれがありますことからお答えは差し控えさせていただきますけれども、警察といたしましては、その時々の情勢などに応じまして必要な措置を講ずることを考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 安全確保については極めて重要な事項でございますので、引き続きの御検討を要望いたします。  続きまして、皇室の祭祀、伝統継承への配慮についてお伺いをいたします。  皇室において受け継がれてきた祭祀は、日本人の精神文化の根幹を成すものであり、その本質は、長い年月をかけて培われてきた歴史と伝統の積み重ねにあります。その継承が将来にわたり滞りなく行われることは、皇室のいやさかを願う私たち国民共通の願いであります。  皇族数を確保するだけではなく、皇室が代々受け継いできた祭祀や伝統を確実に継承することが重要でありますが、新たに皇族となられる方の教育や継承はどのように進められるのか、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  養子となり皇族となられた方は、一般国民として過ごしてきた方であり、皇族の方々が皇族としてお過ごしになられる中で学んでこられた宮中祭祀や宮中行事を始め、皇室に関することについて十分にお学びいただく機会はなかったのではないかと考えております。  養子縁組が成立した場合には、その方に、宮中祭祀、宮中の儀式、行事、宮中儀礼、慣行、作法を始めとする皇室に関することについて学んでいただく機会を設ける予定であります。  皇族となられた後、御自身でもいろいろと学んでいかれることと思いますが、宮内庁としてもしっかりとお支えしてまいりたいと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 新たに皇族となられる方々を日々支える助言体制の充実についてお伺いをいたします。  旧宮家の男系男子の方々が皇族となられることと併せて、皇室をお支えする助言体制の充実も必要ではないかと考えます。現在も宮内庁参与として天皇陛下に御助言される立場の方々がおられますが、過去に、上皇陛下が皇太子であられた時代、東宮御教育常時参与を務められた小泉信三氏のように、高い見識と深い教養を備え、皇室の現在と将来を見据える覚悟を持った当代随一の教養人におそばでお支えいただくことが重要であると考えます。  悠仁親王殿下、そして宮家の養子となられる旧宮家の男系男子の方々のおそばで、皇室の歴史、伝統、祭祀、公務、国民との関係などについて継続的にお支えするための皇室顧問ないし宮内庁参与を新たに任命することも検討すべきであると思いますが、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  御指摘の宮内庁参与は、皇室の重要事項についての相談役であり、天皇陛下の御意思により委嘱しているものであります。現在、二名の方に就任いただいております。  宮内庁としては、引き続き、参与を含む御相談の体制の充実に関し、養子となり皇族となられた方を含め、皇室の方々を適切にお支えできるよう取り組んでまいりたいと考えております。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 皇室を敬い、その歴史と伝統を尊び、その存在を国民全体でお支えしていく、そのような国民意識があってこそ、皇室の更なる発展へとつながっていくものと考えます。また、皇室に関することは、国民一人一人がその意味を正しく理解し、静かに、そして深く受け止めることが大切であります。多様な意見がある中であっても、最終的には、国会が熟議を尽くし、責任を持って議決することによって、国家としての意思を明確に示すことが重要であります。  今回の改正について、どのように国民へ説明し理解を深めていくのか、御見解を伺います。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  皇室典範の改正につきましては、全国民の代表によって構成される国会におきまして、衆参両院正副議長の下、立法府の総意として議論の取りまとめが行われたことを受けて、政府としては、これに沿って忠実に法案を立案したものでございます。  この度の国会の御審議を始め様々な場面で丁寧に御説明をさせていただくことで、多くの方に御理解をいただけるように努めてまいりたいと存じます。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 次に、皇室の品位を守るための報道対応についてお伺いをいたします。  新たに皇族となられる方を含め、皇族に対する過度な報道やSNS上での誹謗中傷も懸念される中で、皇室の尊厳を守る観点からどのような対応になるのかについて御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  皇室に対する国民の理解を増進するためには、皇室の方々の御活動やお人柄について正確な情報をタイムリーに多くお届けすることが重要であると認識しており、宮内庁では、こうした観点から、ウェブサイトの充実やSNSによる積極的な情報発信等に努めているところであります。  また、余りにも事実と異なる報道がなされたり、SNS上における偽情報の発信、拡散等があれば、必要に応じて、正確な事実関係を指摘したり、SNS事業者や関係省庁等と連携して対応することとしております。  引き続き、こうした取組を通じて、皇室に対する国民の理解の増進に努めてまいります。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 世界の歴史を顧みますと、王朝の交代や国家の断絶は決して珍しいことではありません。そのような中で、我が国の皇室が悠久の歴史を今日まで受け継いでこられたことは、日本の誇りであるのみならず、人類史においても極めて希有で尊い歴史的価値を有するものであります。その歴史を未来へ継承することは、現在を生きる私たちの責任であるとともに、世界最長の皇統を有する国家として果たすべき使命でもあると考えます。平和に一つの王朝を維持することがいかに難しく尊いことかを認識した上で、二千六百年以上続く日本の歴史を途絶えさせることなく維持していくことは、世界一長い歴史を持つ国家として国際的な責任があると考えます。  このような国際的な観点から見た日本の立ち位置についての御見解を伺います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 御質問は、国際的な観点から見た日本の立ち位置ということでございますが、皇室典範の第一条では、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とされております。皇位継承の歴史、また伝統というのは大変重いものであると考えているところです。  今国会の施政方針演説で高市総理が述べたとおりですが、日本は、古来、固有の文化を守り、和を尊び、家族や社会が互いに助け合いながら発展してきた。そうした発展の在り方が、世界の真ん中で咲き誇る日本にもつながっていくものと考えているところでございます。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 本法案が成立した後も、皇室を大切に思う国民の願いが変わることはありません。制度を整えることが目的ではなく、皇室が将来にわたり安定してその御存在を保たれ、歴代の天皇が受け継いでこられた祈りと伝統が末永く未来へ継承されることこそが私たちの真の願いであります。国会として本日ここに結論を得ることは、そのための一つの大きな節目であります。  私たちは、その議決の重みを深く胸に刻み、これからも皇室のいやさかを願い続けるとともに、立法府の一員として責任を果たしていく決意を申し添えます。  皇室のいやさかを心よりお祈り申し上げますとともに、日本の歴史と伝統が末永く受け継がれることを願い、参政党を代表しての質問といたします。ありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、高山聡史君。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 チームみらいの高山聡史です。  まず、本法案の基礎となる取りまとめに労を取られました森議長、石井副議長を始めとする衆参両院の正副議長の御尽力に御礼申し上げるとともに、関係者の皆様の御努力に心から敬意を表します。  今回の皇室典範改正案は、令和三年の有識者会議の報告を受けて、まずは、皇位継承の問題と切り離して、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であると幅広く共有されてきた認識の下、具体的な方策として検討を積み重ねてきたものでございます。  チームみらいとしても、皇族数の確保という課題に対しては、皇室の歴史との整合性を保ちながら、現実に取り得る方策を着実に積み上げていくべきだという立場で議論に加わってまいりました。本日も、そうした立場から、法案の基本的な考え方について順を追って確認をしてまいります。よろしくお願いいたします。  まず、本法案の立法目的について、木原官房長官に伺います。  平成二十九年六月、皇室典範特例法の附帯決議は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、先延ばしすることができない重要な課題であるとして政府に検討を求めました。皇室の御活動を支えていただく皇族数の減少が年々進んできたこと、また婚姻による皇籍離脱も生じ得るということは九年前から認識されてきたわけで、まさに喫緊の課題として取り組む必要がございます。  そこで、官房長官に伺います。皇族数の確保はもはや先送りすることができない喫緊の課題である、この政府の基本認識と、その認識の下で、本法案の立法目的を改めてお示しいただけますでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 皇族数が減少している現状を鑑みまして、天皇の御活動を支える皇族数の確保というのは、委員の御指摘のとおり、喫緊の課題であると認識をしています。  この法案ですが、立法府の総意である衆参正副議長による議論の取りまとめ、これに沿って作成したものでございます。法案に盛り込まれた二つの方策によりまして、皇族数の確保という喫緊の課題に対応できるもの、そのように考えております。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  改めて、本法案の目的は皇族数の確保であることを確認をさせていただきました。  次に、女性皇族の御意思の確認の手続について宮内庁に伺います。  本法案の経過措置では、施行の際に皇族であられる女性皇族は、婚姻の際、その意思により、皇族の身分を離れることができるとされております。これは、新しい制度の下で最初に御婚姻を迎えられる方から直ちに現実的な対応を要するものでございます。  そこで、伺います。この御意思の確認は、いつ、どのような手続で行うことを想定しているのでしょうか。お考えの確認というのは大変繊細な問題でございますから、御本人の負担とならない運用をどのように考えておられるのか、御見解を伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  この法律の施行の際における内親王、女王が天皇及び皇族以外の男子と婚姻する場合において、皇族の身分を離れるか否かの御意思を確認するための手続について、今回の改正法案に特に定めはないものと承知しております。  宮内庁としては、婚姻までのしかるべき適切なタイミングにおいて、適切な方法により、その御意思を確認することになるものと考えております。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  御本人の御意思が確実に固められる時点まで、皇室に残られる方向にも、そして離れられる方向にもひとしく尊重される、そういった運用を御検討、そして確立いただくことを強く求めたいというふうに思います。  関連しまして、女性皇族の御意思の決定を取り巻く環境について、引き続き宮内庁に伺います。  ただいま確認をいたしました経過措置は、御婚姻の際の御意思の表明という極めて注目度の高い局面を新たに制度としてつくり出すものでもございます。今後、女性皇族の御交際や御婚姻が報じられるたびに、皇室に残られるのか、離れられるのか、その御判断そのものに過熱した報道とSNS上の膨大な投稿が向けられるということは容易に想像がつくものでございます。誰しも過熱した報道やSNS上の誹謗中傷を受け止めることは容易ではなく、これへの対処は殊更丁寧に向き合っていくべき課題であると考えます。  もとより、報道の自由、表現の自由は最大限尊重されるべきであります。他方で、皇族の方々は、名誉毀損の訴えを提起するといった、一般の国民であれば取り得る私人としての手段を事実上取り難いお立場にもございます。だからこそ、制度の側で備えが問われるのではないかと考えるわけです。  皇室に残られる方向にも、そして離れられる方向にも事実上の圧力がかかることのないよう、御本人の自由な意思決定の環境をどのように守っていくのか、誹謗中傷への対応を含め、宮内庁の考えを伺います。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  この法律の施行の際における内親王、女王が天皇及び皇族以外の男子と婚姻する場合、附則第二条において、その意思により、皇族の身分を離れることができるとされておりますところ、婚姻に際して皇族の身分を離れるか否かは、当該内親王・女王が様々な要素を考慮した上で、自由な御意思に基づいて判断されるべきものと考えます。  これまでにも、余りにも事実と異なる報道がなされたり、SNS上における偽情報の発信、拡散等があった場合には、必要に応じて、正確な事実関係を指摘したり、SNS事業者や関係省庁等と連携するなど、適切に対応してきたところであります。  内親王、女王の婚姻に際しては静かに見守っていただくことが重要であり、宮内庁としても、各方面にその旨働きかけていく必要があるものと考えております。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  正確な情報を能動的に発信いただくこと、また、事実に反する情報に関しては迅速に対応をいただくこと、この二つが大変重要であると思います。平時から、お人柄の発信であったりとか、あるいは女性皇族の方々の情報の正確な発信、これを万全の体制を整えていただきますよう改めてお願い申し上げます。  続いて、婚姻後も皇室に残られる女性皇族の御家族の扱いについて、官房長官に二点確認をいたします。  第一に、住民基本台帳法の適用についてです。  本法案では、天皇及び皇族以外の男子と婚姻した女性皇族には住民基本台帳法が適用されることとされております。これは、婚姻後の女性皇族が一般国民である配偶者そしてお子様とともに家庭を営まれるという御家族の生活の実態を踏まえ、行政上の事務が適切に行われるようにするための行政実務上の措置である。まず、このような理解でよいか、確認をさせてください。  また、第二に、配偶者及びお子様の身分についてです。  配偶者及びお子様を皇族としないという整理は、当会派が全体会議でも申し上げました、一般国民のままとすることを基本とすべきという考えとも方向を同じくするものでございます。  その上で、確認をいたします。本法案がこの点についてあえて新たな規定を置いていないということは、皇族の範囲を定める典範第五条、皇族の身分の取得を定める第六条、そして皇族以外の者が皇族となる場合を限定する第十五条を始めとする現行法の解釈上、配偶者及びお子様が皇族とならないことが明らかであり、その解釈を変更することなくそのまま維持したものである、すなわち、この整理は、将来の皇位継承の在り方に関する議論について、いずれの方向にも予断を与えず、先取りしないという考え方に基づくものである、こういった理解でよろしいでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 まず、前段の住民基本台帳法の適用に関してでありますが、皇統譜に登録された皇族である内親王、女王と戸籍に記載された皇族でない配偶者及びそのお子様が一つの世帯で生活していく上においては、配偶者やそのお子様が居住関係の公証等を受けられるようにすることが円滑に生活を送っていただく基礎となるんだろうというふうに思っております。このため、今般の改正では、現時点で必要となる規定の整備として、婚姻した内親王、女王に住民基本台帳法を適用することとしたところでございます。  あと、後段のお尋ねですが、内親王、女王の配偶者、子に関しては、衆参正副議長による議論の取りまとめにおいて記載がございません。皇族の範囲を定める皇室典範の規定は、したがって、改正はしておりません。その結果、現行の皇室典範の規定に基づき、皇族とならないこととなります。  なお、これによりまして、立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないと承知をしております。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  女性皇族の配偶者及びお子様の身分について、現行法の解釈をそのまま維持したものであるということを確認させていただきました。また、将来の皇位継承の在り方に関する議論について先取りしないということも改めて確認をいただいたというふうに理解をしております。  住民票の扱いというところに関しては、先ほどの質問でもございました。例えば、女性皇族の方であったりとかあるいはその御家族が御留学をされるであったりとか海外に居住されるといった際にでも、その取扱いということはきちんと整理される必要があるものというふうに認識をしております。そういった様々な生活上の必要にきちんと応えるような整備は政府にもお願いを申し上げたいというふうに思います。  次に、養子となられた方の子孫に係る規定について伺います。  本法案は、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える制度を設けるに当たりまして、養子となった皇族男子御本人は皇位継承資格を持たないこととする一方、その男子の子孫につきましては、皇位継承の順位を定める典範第二条の適用を、実方、すなわち御実家の系統によるものとする旨を規定しております。立法府の総意と本改正案とがどのような関係にあるのかを明らかにするためにも、この規定の法的な性格については正確に理解する必要があるものというふうに考えます。  そこで、官房長官に確認をいたします。本規定は、皇統に属する男系の男子が皇位を継承するという典範第一条及び第二条の解釈から導き出し得る帰結を、解釈が揺れることのないよう、法文上明確化した確認的な規定である、すなわち、立法府の総意にない新たな政策判断を創設したものではなく、したがって、この規定をもって皇位継承の在り方に関する議論をいずれの方向にも予断するものではない、先取りするものでもない、こういった理解でよろしいでしょうか。官房長官の御答弁をいただきたいと思います。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 養子の子孫についてでありますが、議論の取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断することとなります。養子の男子孫は生まれながらの皇族でございますので、現行の皇室典範第一条及び第二条に基づいて皇位継承資格を有することとなります。  その上で、現時点における所要の規定整備として、養子の子孫の皇位継承順位について、皇室典範第三十八条第六項で、実方の系統によるとの解釈について規定をしているところです。これは、例えば、複数の方がおられた場合に順序に紛れが生じないようにするという趣旨であり、委員の御指摘のように創設的な規定ではありません。これによりまして、皇位継承の在り方に関する立法府における将来の検討を先取りしたり、縛ったりするような趣旨でもございません。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  三十八条六項が創設的な規定でないということは大変重要な御答弁であるというふうに私も考えます。現行典範の解釈を明確化をした確認的な規定であり、このことによって、何か将来の皇位継承の在り方に関する議論を予断しない、いずれの方向にも、先取りした、結論を得るものではないというふうに受け止めました。  続いて、皇室に関する立法の合意形成の在り方について官房長官に伺います。  憲法第一条にありますとおり、天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくものでございます。この趣旨から、皇室に関する立法は、平成二十九年の特例法の際も、全ての党派会派が参加する枠組みでの議論を経て、幅広い合意の下で進められてまいりました。今回もまた、衆参の正副議長の下、全体会議の議論を経て、立法府としての総意が取りまとめられました。他方で、その取りまとめ、そしてその後の法案化の過程に対しましては、ある意味での唐突感であったりとか、様々な御意見が示されているということも事実かと存じます。  そこで、本法案の成否にかかわらず、今後に向けて確認をさせてください。皇位継承の在り方を含め、今後も、皇室典範の改正に関わる論点を扱う際には、政府として、立法府における合意形成の枠組みを尊重するとともに、検討材料の十分かつ能動的な提供、時間的な余裕の確保、そして、議論の過程が国民に開かれ、伝わりやすい形で進められるための環境の整備に責任を持って努めていく、こういった理解でよろしいでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 皇族数の確保につきましては、令和四年に政府が国会に対し有識者会議報告について報告をさせていただいて以降、全国民の代表によって構成される国会において、衆参正副議長の下で、各党各会派において様々な観点から検討、議論を行っていただきました。計十回の全体会議を経まして、衆参正副議長による議論の取りまとめがまとめられたものと承知をしております。  政府としましては、この取りまとめに書かれているとおり、法律案の骨子ができ上がった段階で衆参正副議長に御了承をいただいた上で、六月二十五日の全体会議で法律案の要綱を御説明をし、衆参正副議長により、取りまとめに沿ったものであるとの御判断をいただいたところでございます。  今回の改正案は衆参正副議長による議論の取りまとめに沿って立案しているものであることなどを踏まえ、今後見直しが行われるとすれば、政府としては、今回と同様に、立法府の意思を尊重し、対応してまいりたいと存じます。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  政府としても、立法府の意思、これを尊重して進めていただけるということを確認させていただきました。  その際、本日も度々論点になっております養子の子孫に係る規定を始め幾つかの論点の扱い、例えば十五歳という年齢の扱いのところもそうでございます、唐突さを覚えた国民もおるかと思います。本日、それぞれ法的性格を確認をさせていただいておりますが、確認に関しても丁寧に行うということを是非お願いしたいと思います。  また、過程に関しても、議事録の公開など、透明性への努力、これまでも払っていただいておると思いますが、それでも、国民に対して経緯より結論の方が先行する形で届くということであっては、なかなか総意を育むということが難しくなってまいります。開かれた議論の過程、それを丁寧に国民にも伝える、分かりやすく伝えていくということを、これは、政府としても、そして立法府としても取り組んでいく必要があるものであるというふうに考えます。  そして最後に、皇位継承に関する今後の検討の在り方について官房長官に伺います。  先ほど来、官房長官からは、住民基本台帳法の適用も養子の子孫に係る規定も、いずれも将来の皇位継承の在り方に関する議論を予断するものではない、検討の結論を先取りするものではないといった趣旨の御答弁をいただきました。本法案は、あくまで皇族数の確保策、これを旨として検討されてきたものでございまして、特例法の附帯決議が求めた安定的な皇位継承を確保するための諸課題への回答そのものではないものであると承知をしております。  そこで、二点確認をさせてください。  第一に、女性天皇の在り方を含む皇位継承の議論は本改正の施行後も何ら閉ざされることなく開かれている、こういった理解でよろしいでしょうか。  そして第二に、こちらも本日の質疑で複数質問が出ているところでございますが、附則の見直し規定です。附則には、皇族数の確保の状況等を勘案し、必要があると認められるときは、三十年ごとに見直しが行われるものとするとの規定が置かれております。三十年ごとに見直しの機会が法文上確保されること、それ自体はこの規定の趣旨として受け止められます。  その上で確認をしたいのは、この規定の射程でございます。すなわち、この見直し規定は、三十年を経なければ検討も措置もできないという趣旨ではなく、経過措置における御意思確認の運用の状況、養子縁組の成立の状況、皇族数の推移といった施行の状況は、三十年を待つことなくとも政府において継続的に把握をされ、検証されるべきものであり、その検証の中で必要が生じた場合には、三十年ごとの見直しの機会を待たずに所要の検討を行い、必要な措置を講ずることは、この規定によって何ら妨げられない、こういった理解でよろしいでしょうか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 令和三年の政府の有識者会議の報告において、皇位継承については、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者としての悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承について具体的に議論するには現状は機が熟しておらず、かえって皇位継承を不安定化させるとも考えられる、また、悠仁親王殿下の次代以降の皇位の継承については、将来において悠仁親王殿下の御年齢や御結婚等をめぐる状況を踏まえた上で議論を深めていくべきではないかとされております。したがって、政府はこれを尊重しているところであります。  また、後段の見直しの期間についてですが、附則第六条第二項は、三十年間は改正できないという趣旨ではなく、必要があれば三十年ごとには見直すことという趣旨であると認識しています。  他方で、附則第六条第一項では、改正後の法律の規定については、施行の状況を踏まえて所要の検討が加えられ、必要があるときは、その結果に基づいて所要の措置が講ぜられるとしており、この検討条項に基づきどのように検討や見直しを行っていくかについては、政府としては、立法府の意思を尊重しながら対応してまいりたいと考えています。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 ありがとうございます。  御答弁にございました令和三年の有識者会議の報告、皇位継承の流れに関しても報告がございました。この点に関しましては、我が会派としても認識を共有しておるところでございます。  そしてまた、二つ目のところ、見直し規定に関しては、三十年間見直しができないということではなく、継続的な検証と、必要に応じて所要の措置が行われるということを確認させていただけたというふうに認識いたしました。  本日、ここまで、本法案の基本的な考え方を順に確認をさせていただきました。本改正案の目的はあくまで皇族数の確保であるということ、そして、住民基本台帳法の適用は御家族の生活を踏まえた行政実務上の措置であるということ、また、養子の子孫に係る規定は現行典範の解釈を明確化した確認的な規定であるということ、そして、皇位継承の議論は、令和三年の有識者会議の報告、この内容も、そしてこれまでの検討も踏まえながら、本法の施行後も何ら閉ざされることなく開かれているという認識、すなわち、今回の改正案は、将来の皇位継承の在り方に関する議論に、いずれの方向にも予断を持たない、検討の結論を先取りしないということを丁寧に踏まえた上で、政府においても法案としてまとめていただいたものと承知をいたしました。  政府におかれましては、本日の御答弁の趣旨を今後の運用と検討においても誠実に貫いていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。  日本共産党は、天皇の制度の問題は、日本国憲法の条項と精神に基づき議論、検討すべきだと発言してまいりました。  日本国憲法第一条は、天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する国民の総意に基づくと明記しております。今回政府が提出した皇室典範改定案は、国民の総意に基づくものとなっているのかが問われます。  政府案の内容は、八十年前に皇族を離れた旧宮家の男系男子の子孫を養子に迎えて、その子が男子なら天皇になる皇位継承権を持たせるものであります。  世論調査では、女性天皇を認めるべきという声が多数であります。女性天皇の議論は棚上げにして、天皇は男系男子により継承されるべきということを不動の原則にして男系男子養子案を進めていることに、国民は疑問の声を上げているのではないでしょうか。  官房長官にお尋ねいたします。政府は、この法案に国民の総意は得られると考えておられるんですか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 今回の皇室典範の改正につきましては、先日、六月十日でありましたが、国会において、衆参両院正副議長の下、立法府の総意として議論の取りまとめが行われたところであります。そこでは、今上陛下から秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことについては、立法府としてもこれを確認する、その上で、議論の取りまとめを基に法制化することを求めるとされているところでございました。政府としては、この立法府の総意に忠実に法案を作成したものでございます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 立法府の総意といいますけれども、全体会議に参加している十三会派のうち五会派が反対しており、到底立法府の総意と言えるものではありません。  朝日新聞の世論調査では、養子縁組をできるようにする法整備を急ぐ必要はないが七一%で、急ぐべきだの一九%を大きく上回りました。読売新聞では、皇室典範の議論が十分だったとする回答は三九%にすぎません。今日の朝日新聞の社説では、改定案が国民の総意を得たとは到底言えない、立法府の総意も逸脱している、沸き起こる異論や批判を顧みない姿は極めて異常である、このままの成立は許されないと指摘し、全国紙の読売、毎日、日経も慎重な議論を求めております。  国民の総意に支えられるべき天皇の制度について、国民の疑問や懸念を無視することは許されないと思います。  そもそも、やり方が問題であります。官房長官は提案理由を皇族数の確保のためと説明しましたが、実際の法案は、養子により皇族となった養子皇族男子は皇位継承資格は有しないとする一方、養子皇族男子の子や孫においては皇位継承資格を有する、つまり、養子の子孫は天皇になれると規定しております。  官房長官にお尋ねしますが、これは全体会議では一切説明がなかったことであります。政府が法案にした段階で突如盛り込まれたものであります。これは率直に言って国民と国会を愚弄するようなやり方ではありませんか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 まず、養子の子孫については、取りまとめに記述がないことから、現行の皇室典範に基づいて判断することとなります。養子の男子孫は生まれながらの皇族でありますから、現行の皇室典範第一条及び第二条が適用され、皇位継承資格を有することとなります。  その上で、現時点における所要の規定整備として、養子皇族男子の子孫の皇位継承順位について、皇室典範第三十八条第六項で、実方の系統によるとの解釈を規定いたしました。これは、例えば、複数の方がおられた場合に順序に紛れが生じないようにするという趣旨であり、創設的な規定ではないということでございます。  また、これによりまして、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討をしたり、これを縛るような趣旨ではないというのもこれまで説明をしてまいりました。  なお、全体会議では議論がなかったというようなことで今御質問がありましたが、六月二十五日の全体会議において、政府側から、改正以外の部分については現在の皇室典範の解釈どおりになるという旨は説明をさせていただいているところでございます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 六月二十五日の全体会議の話がありました。その際に、福島みずほ議員が、要綱の養子皇族男子の子孫の皇族としての地位は実方の系統によるものとするとの記述について、養子の子供は皇位継承を持つということかと質問したのに対し、山崎内閣府参与は、実方の話につきましては現行法の解釈としてどうなるかということだろうと思っておりましてと、明確に答えておりませんでした。こういう説明で立法府の総意とはなりようがないと言わなければなりません。  本来、有識者や憲法学者などの参考人、また国民の声を広く聞く公聴会など、国民的な議論を行うべき問題であります。そもそも国民の総意に基づく天皇の制度はどうあるべきなのか、大いに国民的な議論をやる必要があります。  日本共産党は、女性天皇、女系天皇の問題を正面から議論すべきだと繰り返し述べてまいりました。主権者である国民の総意に基づく日本国民統合の象徴の地位にある天皇を男性に限定しているという現状を正すことは、国民の中での両性の平等、ジェンダー平等を発展させる上でも意義ある改革になると思うからであります。  憲法第一条は、天皇を日本国民の統合の象徴としております。多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的な理由はどこにもありません。女性天皇を認めることは、日本国憲法の条項と精神に照らして合理性を持つと考えます。  官房長官にお尋ねいたします。なぜ女性では駄目なのか。なぜ男系男子にこだわるのか。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 まず、安定的な皇位の継承を維持するということは、これは国家の基本に関わる極めて重要な事柄でございます。  現行の皇室典範第一条においても、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえ、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」と規定されているものと考えているところであります。  令和三年の政府の有識者会議の報告においても、皇位の継承という国家の基本に関わる事柄については、制度的な安定性が極めて重要、また、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者としての悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に、この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとされておりまして、政府としては、この報告を尊重しているところであります。  したがって、今委員の御指摘については、そのような考えの下で今回の改正とさせていただいております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 男系男子にこだわる理由について、男系男子が古来継承されてきたという点を述べておられます。我が国の歴史と伝統を踏まえてという話でありますが。天皇の制度の議論で大事なことは、日本国憲法と戦前の大日本帝国憲法の下での天皇制とは根本的な違いがあるということであります。  官房長官に確認でお聞きしますが、戦前の大日本帝国憲法においては、第一条で「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と規定しているように、戦前においては天皇が統治権を有する主権者だった、これはよろしいですね。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 大日本帝国憲法下、明治憲法下ではそのような規定だと存じております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 その天皇主権の根拠というのは、憲法に付された上諭が「国家統治ノ大権ハ朕カ之ヲ祖宗ニ承ケテ之ヲ子孫ニ伝フル所ナリ」と述べているように、天皇が神であるとする天孫降臨神話に基づき、天皇の祖先、皇祖皇宗から受け継がれたことによるものとされたわけであります。  一方で、戦後の日本国憲法についてですけれども、このような戦前の天皇制を転換し、憲法の規定では、天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づくとしたものです。この点もよろしいですね。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 現行憲法、日本国憲法下ではそのような規定と存じます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 戦前戦後、根本的な転換が行われた。  日本国憲法の第二条は、皇位は世襲のものとしておりますが、戦前の大日本帝国憲法にあった男系男子による継承を意味する皇男子孫が継承するという文言は削除されております。憲法制定議会で金森徳次郎国務大臣は、この憲法二条について、なぜ皇男子孫を省いたのかとの質問に対してどのように答弁をしておられますか。

末永洋之 内閣官房内閣審議官

○末永政府参考人 お答えいたします。  昭和二十一年七月八日の衆議院帝国憲法改正案委員会におきまして、金森国務大臣は、憲法の建前としては、皇男子、すなわち男女の区別につきましての問題は、法律問題として自由に考えてよろしいという立場に置かれるわけであります、実際どうなるかということはこれからの問題でありますと答弁しております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 今答弁がありましたように、戦後の憲法制定議会において、金森担当大臣は、男女の区別については法律問題として自由に考えてよろしいという立場を述べておりました。女性天皇の問題は今後なお研究を重ねたいということの答弁ということで触れてあります。  率直に言って、高市政権においてはまともにこのような検討も議論もありません。女性天皇の道を閉ざそうという姿勢は八十年前の議論からも後退しているということを言わざるを得ません。  そこで、なぜ養子なのかということについてお尋ねします。  法案が養子の対象としている旧十一宮家とはどういう方々か。一九四七年に皇籍を離脱し、一般国民となった方々であります。当時の片山哲首相は、一国民として国家の再建に努めたいという御意思を表明せられると報告し、離脱した宮家は、現行の皇室典範第十一条第一項にのっとり、自らの意思により皇室会議の議を経て皇室の身分を離れた。このように、皇室典範の十一条に基づいて自らの意思で皇室の身分を離れた方々ということについてはよろしいですね。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 養子縁組の対象は、いわゆる旧十一宮家の男系男子孫であります。これは、昭和二十二年に皇籍離脱された旧十一宮家の男性皇族が現行憲法及び皇室典範の下で皇位継承資格を有していたことに依拠するものでございます。  さらに、養子の対象者となるのは、旧十一宮家の方々の昭和二十二年の皇籍離脱がなければ、歴史にたらればはありませんが、もしそういうことがなければ、現在も皇位継承資格を有していたはずの方々でございます。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 自らの意思により皇室の身分を離れたということはよろしいですね。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 先ほど、当時の皇室会議の議長であられた片山哲内閣総理大臣のお言葉がありましたが、皇族のうちから、終戦後の国内国外の情勢に鑑み、皇籍を離脱し、一国民として国家の再建に努めたいという御意思を表明せられる向きがあり、宮内省におきましても、事情やむを得ないところとして、その御意思の実現を図ることとなりと説明した上で、あわせて、新憲法公布後に制定せられました新皇室典範により、新憲法施行後に実現せられることとなったと説明されたと承知しております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 皇室典範第十一条第一項に基づき自らの意思で皇族の身分を離れた、そういった方々は、その子孫も皇族には戻れないというのが現行法の体系だったわけであります。その点を改めるのが今回の中身ということにもなります。  現行法の規定を変えてまで旧十一宮家を皇族に戻すというのが今回の法案ですが、この旧十一宮家の方々と今の天皇との共通の祖先は、約六百年前の室町時代まで遡る遠い血筋の方々であるとされておりますが、一体何親等の隔たりがあるのか、この点についてお答えください。

緒方禎己 宮内庁次長

○緒方政府参考人 お答えいたします。  いわゆる旧十一宮家は、北朝第三代崇光天皇の皇子、栄仁親王から始まる伏見宮の系統でありますが、今から五百九十八年前の正長元年、西暦一四二八年に、伏見宮の彦仁王、後の後花園天皇でありますが、皇位を継承したときに系譜が枝分かれしたものと承知しております。  昭和二十二年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは三十六親等から三十八親等の隔たりがあるものと承知しております。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 三十六親等から三十八親等の隔たりがある。男系男子に固執することで、六百年前の室町時代まで遡る遠い血筋の人を探し出して養子にする、これに対して広く国民の理解と支持を得るのは困難ではないのか。  二〇〇五年の政府有識者会議の報告においても、これらの方々を広く国民が皇族として受け入れることができるか懸念される、皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ象徴天皇の制度の下では、このような方策につき国民の理解と支持を得ることは難しいと述べております。  こういう点についても、二〇〇五年の報告書は、養子について、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難であると否定していたわけであります。こういった問題について検討が行われていないということが大問題だと言わなければなりません。  旧宮家だからといって、一般国民として生まれ育ってきた人々を特別な身分である皇族にすることは、憲法十四条の一項が否定した門地による差別に抵触するということも言わなければなりません。皇族養子というのは矛盾だらけであります。にもかかわらず、男系男子による皇位継承を不動の原則として固執をする政府の姿勢こそが問われる問題であります。  かつての家制度の下で、男の子を産むことを強制し、多くの女性たちを苦しめてきた日本社会の姿と重なります。現在の日本社会における女性差別を助長するものとも言わなければなりません。はるか遠い血筋の男系男子の養子の男子には天皇になる資格を与える一方で、今の天皇の子である女性皇族やその子には天皇になる資格を与えないというのが本法案の本質であります。到底国民の理解は得られないと言わなければなりません。  本案を撤回し、改めて有識者、憲法学者などの参考人の意見を聴取し、国民の声を聞く公聴会を行う、パブリックコメントを行う、こういったことを行うべきであります。広く国民的な議論を行い、国民の総意を形成する努力をすることこそ国会の責務だと申し上げて、質問を終わります。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 この際、発言を求められておりますので、順次これを許します。小林鷹之君。

小林鷹之 自由民主党・無所属の会

○小林(鷹)委員 自由民主党の小林鷹之です。  会派を代表して発言をいたします。  我が国の根幹を成す皇室制度が今後も円滑に運用されていく上で、皇族数の確保は喫緊の課題です。  この課題に対応するため、令和四年一月の政府による国会報告を受け、自由民主党として議論を重ね、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下という皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないことを前提に、皇族数の確保のために、皇統に属する男系男子を皇族の養子とすること及び配偶者そして子に皇族の身分を付与しないことを前提として内親王、女王が婚姻後も皇族の身分を保持することが必要であるとの見解を、安定的な皇位継承の在り方に関する党の所見として取りまとめたところでございます。  衆参正副議長の下に設置された全体会議では、各党各会派による二年超にわたる熱心な議論が重ねられました。議論の過程では様々な見解が示されたところですが、共通する部分や一致できる部分を見出して一定の結論を出していこうという思いは、全体会議に参加された方々の多くに共有されていたのではないでしょうか。  その思いを含めて、全体会議の議論の成果として結実したのが、立法府の総意としての衆参正副議長による議論の取りまとめであったと考えます。  その後、政府により皇室典範改正法案の骨子や要綱が作成され、取りまとめに沿ったものとして衆参正副議長の了承が得られています。さらに、要綱については全体会議での了承も得られております。  今回、政府は、通常の法案にはない非常に慎重なプロセスを踏んで、皇室典範改正法案の提出に至っています。今回の改正法案は、我が党の基本的考え方に沿ったものであることはもちろんですが、衆参正副議長による議論の取りまとめを忠実に法案化したものになっていると考えております。  その改正法案について、国民も大きな関心を寄せる中で、本日、衆議院議院運営委員会での審議、採決を迎えることができました。  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴です。その国民の主権を預かる国会において、静ひつな環境の下、でき得る限りの意見集約を図るために尽力してくださった衆参の正副議長に改めて感謝を申し上げます。それとともに、各党各会派の皆様、政府関係者、有識者会議の皆様始め多くの関係者の御尽力に心から敬意を表し、そして本改正法案の速やかな成立を期待します。  本改正法案の成立後には、政府においては、皇族数の確保のためのこの度の二つの方策が実際にも有意義なものとなるよう、当事者の方々にも寄り添いながら、万全の対応をお願いします。  なお、この後議題となる予定の附帯決議案につきましては、文言どおりに取り扱われるという前提で、自由民主党としては了としたいと考えております。  結びに、皇統の在り方は、その時々の価値観や事情だけではなく、先人たちが積み重ねてきた我が国の伝統や歴史の重さを十分に考慮に入れた上で決定されるべきものです。皇室はなぜ敬愛の的であるのか。なぜ世界で類を見ない永続した皇室たり得てきたのか。今回の皇室制度の見直しが、主権者である国民の皆様お一人お一人が日本の伝統や皇室の歴史について更に思いをはせる機会になること、そして、世界に誇る我が国の伝統ある皇室のいやさかに大いに寄与することを切に願いつつ、私の発言といたします。  ありがとうございました。(拍手)

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、笠浩史君。

笠浩史 中道改革連合・無所属

○笠委員 中道改革連合の笠浩史です。  私は、中道改革連合・無所属を代表し、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から発言をさせていただきます。  中道改革連合は、党内で真摯な議論を重ね、五月十二日に党としての意見を取りまとめました。そして、六月十日の衆参正副議長による立法府の総意の取りまとめは、皇族数確保のためにはあらゆる方策を選択肢として追求すべきという私どもの考え方に沿ったものになったと受け止めております。この間の森衆議院議長、石井副議長を始め衆参両院正副議長の御尽力に、改めて敬意と感謝を申し上げます。  衆参正副議長による取りまとめに基づいて、政府が改正案の骨子案や要綱案を提示し、全体会議を経た上で、今回の皇室典範等改正案が提出されました。しかしながら、この中では、今回は皇族数確保の議論だったにもかかわらず、取りまとめにない、養子の子孫が男子だった場合の皇位継承権について、十分な説明がないまま、法文上、読み取れるかのようになっていることなど、立法府の総意の枠を超えている内容が残ったことは誠に遺憾です。  そして、この点について、我が党は、この後採択される予定の正副議長からの要請に基づく附帯決議案の中に、一の検討に当たっては、養子皇族男子の子孫に係る皇室典範第二条の規定の適用の是非に関して速やかに検討が加えられ、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとすることを追記するなど、修正を求めました。  残念ながら、これを与党側は受け入れませんでしたが、先ほど行われた質疑の中で、我が党の中野洋昌議員の質問への答弁によって、附則第六条の規定に基づく立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりするような趣旨のものではないことを確認させていただきました。  そして、附帯決議の一及び三の検討対象として、養子皇族男子の子孫に係る皇室典範第二条の規定の適用の是非が含まれることも確認し、木原官房長官から政府としてもこれを尊重して対応する旨の発言があったことから、今回の改正案に賛成することにいたしました。  日本国憲法第一条により、象徴天皇の地位は、主権の存する国民の総意に基づくものとされ、何よりも主権者である国民の理解と支持が得られるものでなければなりません。特に、養子縁組制度はまだまだ国民の理解が十分ではなく、政府には、今回の皇室典範等の改正を踏まえ、そのための努力をしっかりしていただくよう強く求めておきたいと思います。  この後採択される附帯決議案は、政府に求めるという性格だけではなく、私たち立法府に身を置く者として自ら課した責務を記したものです。政府の対応を待つだけではなく、私たち立法府が自覚と責任を持って主体的に臨んでいかなければならない重たいものであることを改めて強調したいと思います。今回の皇室典範等の改正を踏まえ、国民の理解と支持を得るとともに、皇室の方々の思いを酌み取りながら、引き続き、各党各会派による真摯な議論を行っていかなければなりません。  私ども中道改革連合は、歴史と伝統を重んじ、今の皇室が築かれた、国民と苦楽を共にする、国民の幸せを願いつつ務めを果たしていくという考えの実践である象徴天皇制を支え継続させるために、女性天皇の是非や女性宮家の創設なども含めて、静ひつな環境の下で引き続き議論を深め、広く国民の理解が得られるものとして、安定的な皇位継承の方策を導き出していかなければならないと考えています。次代以降の安定的な皇位継承に向けた議論において、決して歩みを止めることなく、主導的な役割を果たしていく決意を申し上げ、発言といたします。(拍手)

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、藤田文武君。

藤田文武 日本維新の会

○藤田(文)委員 日本維新の会の藤田文武です。  党を代表して発言申し上げます。  皇室典範改正案について、賛成の立場から一言申し上げます。  一昨日は、安倍晋三元総理の命日でございました。安倍元総理のお言葉をかりれば、我が国が壮大なつづれ織り、タペストリーだとすれば、真ん中の糸が御皇室である、この糸が抜かれてしまったら、日本という国はばらばらになる。まさにそのとおりだと思います。御皇室は、我が国の正統性、伝統と文化そのものなのです。  本年は皇紀二六八六年。二千年以上にわたり、ひたすら国民の安寧と幸福に祈りをささげてこられた御皇室の圧倒的な伝統の力。我々は、その伝統の前には謙虚でなければなりません。  御皇室は、古来、男系で紡いできたという希有な伝統を有しています。万世一系とはそのような伝統を指していると言えましょう。伝統と正統性は表裏一体のものであります。伝統にかなうからこそ正統性がある。連綿と続く悠久の歴史の中で、その一瞬の時を生きている世俗の政治家である我々が、その浅はかな知恵で我が国の伝統の根幹を変えるということは甚だ恐れ多いことです。  歴史の中で時代とともに移り変わる価値観を受け止めつつも、理性万能でもない、合理主義でもない、皇室の圧倒的な伝統の力に思いをはせる姿勢を大切にしたいと思います。  今般の皇室典範改正案、本来あるべき議論の目的は、皇統の存続、安定的継承です。その点を踏まえれば、旧十一宮家の男系男子孫を皇族の養子とする方策は、皇統の存続と安定的継承に寄与する方策であります。一方、女性皇族の婚姻後の身分保持は、皇族数を減らさないことや御皇室の公務負担軽減にはつながりますが、皇統の安定的継承には寄与いたしません。したがって、前者が主、後者が従であることは明らかであります。  そうした思いから、これまで様々な場において、少しでも理想の改正案へ近づける努力をしてまいりました。課題は残ったものの、旧十一宮家の男系男子孫を皇族の養子とする方策は、皇統の安定的継承に極めて重要であることから、恐れ多くも賛成するものであります。  最後に、悠仁親王殿下について僭越ながら申し上げます。  殿下は、平成十八年九月六日にお生まれになりました。男性皇族の御誕生は実に四十年ぶりのことでありました。以来、殿下は健やかに御成長され、現在は筑波大学において学生生活を送っておられます。  筑波の地は、古くから御皇室とは誠に縁浅からぬものがあります。日本書紀には、第十二代景行天皇の皇子、ヤマトタケルノミコトが東国平定の帰路、筑波を通られたという記載がございます。また、紀貫之が書いた古今和歌集の仮名序には、御代のいやさかを願い、さざれ石にたとえ、筑波山にかけて、君を願いと祈ったくだりもございます。  悠仁親王殿下がこのような御皇室ゆかりの地で過ごされることは、将来皇位を継承される御身として誠に意義深いことだと思います。次世代の御皇室、そして悠仁親王殿下をお支えする皇族の御存在は不可欠であります。  国会でこれまで長らく議論が続いてきましたが、本改正案が皇統の存続と安定的継承に寄与することを強く願うとともに、御皇室のいやさかを心より祈念いたしまして、謹んで私の発言とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、玉木雄一郎君。

玉木雄一郎 国民民主党・無所属クラブ

○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。  私からも、皇室典範等の一部を改正する法律案及び附帯決議に賛成の立場から一言申し上げます。  今日の質疑を通じて、国民の幅広い理解に少しでも寄与できたのかなと思っております。ただ、まだまだ今回の改正の中身についての理解が必ずしも広く広がってはいないと思いますので、引き続き、政府におかれては、国民の正確で幅広い理解を得られる努力を積み重ねていただきたい、また、我々立法府の立場としてもその努力を継続をしていきたいということをまず冒頭申し上げたいと思います。  そして、今日の質疑を通じて、皇族数の確保、そして、それとは切り離された形の皇位の安定継承、いずれも重要でありますけれども、今回は、前者の皇族数の確保にある種絞った改正になっております。ただ、同時に、皇位の安定継承の確保を図る方策については、引き続き立法府においても検討し、そして適時適切に措置を講じていく、このことを改めて確認できた質疑だったのではないかなと思います。  官房長官からも、政府の公式な答弁として、これからの検討の在り方、その具体的な方策について、何か先取りをしたり、縛ったりするものではないということも明確な答弁をいただきましたので、その点も含めて国民の幅広い理解を得られるように、政府としても、改めて、幅広い理解に向けた努力をお願いしたいと思います。  最後に一つ、これもお願いでありますけれども、この間、宮内庁とのコミュニケーションが必ずしも十分ではなかったのではないか、そういったことを感じさせる報道もございました。今回、この改正案が成立した暁には、施行までの間、三か月あると思いますけれども、皇室の方々に理解を得るためにも、皇室会議の場などを通じて、この法案の中身について正確な説明を行う必要があると考えます。また、今後、皇室会議におかれては、皇室の在り方について常に検討を加え、改善策などを提唱できるような場として運用されることも望ましいのではないかと思いますので、併せて御検討いただければと思います。  長い皇室の伝統をしっかり守り抜いていくこと、日本の基本となる皇位の安定継承ということをこれからも立法府として責任ある形で取り組んでいくこと、このことを申し上げ、国民民主党を代表しての一言といたします。  ありがとうございます。(拍手)

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、石川勝君。

石川勝 参政党

○石川(勝)委員 参政党の石川勝でございます。  まず初めに、天皇陛下を始め皇族の皆様に対し衷心より敬意を表しますとともに、皇室のますますのいやさかと皇族の皆様の御健勝を心よりお祈り申し上げます。  皇室は、悠久の歴史の中で、幾多の時代の変遷を経ながら、今日まで一貫して我が国の歴史、文化、伝統の中心として歩み続けてこられました。歴代の天皇は、常に国と国民の安寧を祈り、国民に寄り添われ、そのお姿は、日本国及び日本国民統合の象徴として、国民の深い敬愛と信頼を集めてまいりました。  世界の歴史を顧みますと、王朝の交代や国家の断絶は決して珍しいことではありません。そのような中で、我が国の皇室が悠久の歴史を今日まで受け継いでこられたことは、日本の誇りであるのみならず、人類史においても極めて希有で尊い歴史的価値を有するものであります。その歴史を未来へ継承することは、現在を生きる私たちの責任であるとともに、世界最長の皇統を有する国家として果たすべき使命でもあると考えます。  参政党は、党の綱領において、先人の英知を生かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくることを掲げています。  皇室は、我が国が育み、受け継いできた精神文化の根幹であり、日本という国の歴史そのものを体現される、かけがえのない存在であります。ゆえに、皇室に関わる議論は、時代の要請や一時の社会状況のみに左右されることなく、長い歴史の連続性と未来の世代に対する責任を見据えながら行われなければならないと考えてまいりました。  現在、皇族数の減少に伴い、皇室活動の安定的な維持が重要な課題となっています。その課題に真摯に向き合い、将来にわたり皇室をお支えする体制を整えようとする今回の法案については、理解し、賛成するものであります。  一方で、皇室は、百年先、二百年先、さらには千年先の皇室の姿を見据えるべきでありますので、皇室の伝統と歴史を何よりも尊重しながら、慎重かつ丁寧な設計を積み重ねていくことこそ、私たち国会に求められる姿勢であるとの認識で取り組んでまいりました。  参政党は、これまで一貫して、皇位継承は男系男子によって受け継がれるべきであるとの考えを申し上げてまいりました。  今回の法案も、皇位継承そのものを改めるものではなく、皇族数の確保を目的とするものであると理解しました。この点については、国民の皆様に誤解が生じることのないよう、今後とも丁寧な説明が尽くされることを望みます。  また、新たに皇族となられる旧宮家の方々におかれましては、これまで歩んでこられた人生から大きな転機を迎えられることとなります。皇室の長い歴史と伝統、祭祀、そして公務を受け継いでいただくためには、その務めを支える十分な環境が整えられなければなりません。また、環境を整備することだけではなく、新たに皇室を支えてくださる方々が安心してその重責を果たしていただけるよう、最大限の配慮が尽くされることを切に願うものであります。  皇室を敬い、その歴史と伝統を尊び、その存在を国民全体でお支えしていく、そのような国民意識があってこそ、皇室の更なる発展へとつながっていくものと考えます。私たち国会議員もまた、その責任の重さを深く自覚し、歴史に対しても未来の世代に対しても恥じることのない議論を尽くさねばなりません。  今回の法案において、衆参両議長を始めとする関係された全ての皆様方に感謝と御礼を申し上げます。  結びに、皇室のいやさかを心よりお祈り申し上げますとともに、日本の歴史と伝統が末永く受け継がれることを願い、参政党を代表しての発言といたします。  ありがとうございました。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、高山聡史君。

高山聡史 チームみらい

○高山委員 チームみらいの高山聡史です。  皇室典範等の一部を改正する法律案について、改めて発言をいたします。  初めに、当会派の考え方について申し上げます。  日本国憲法第一条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と定めております。国民の総意に基づく地位の在り方を論ずる本案件では、国民の代表たる議員一人一人の判断もまた一律に縛る性質のものではない。そういった考え方から、全体会議での議論の経緯を党内であらかじめ共有した上で、本改正案の採決では党議拘束を設けず、所属議員それぞれの熟慮と判断に委ねることといたしました。これは、この案件の性質に対する当会派としての敬意の表し方として、現時点で最もふさわしい形だと考えます。  今回の議論の出発点は、皇族数の減少という現実でありました。平成二十九年の特例法附帯決議が先延ばしすることはできないとした課題に対し、九年の歳月を経て、立法府と政府が一つの案を示すに至った。この事実をまず重く受け止めております。  当会派は、衆参両院の正副議長の御高配の下、全体会議においても、皇族数の確保には、皇室の歴史と整合性を保ちながら、現実に取り得る方策を着実に積み上げて対応すべきこと、婚姻後の配偶者及びお子様は一般国民のままとすることを基本とすべきこと、そして養子の制度化には慎重な制度設計が求められることを申し上げてまいりました。  本日の質疑では、この全体会議の取りまとめに基づく本改正案について、政府から重要な確認を得ることができました。本改正案の目的はあくまで皇族数の確保であること、住民基本台帳法の適用は御家族の生活を踏まえた行政実務上の措置であること、養子の子孫に係る規定は現行典範の解釈を明確化した確認的な規定であること、そして、皇位継承の議論は本法の施行後も何ら閉ざされることなく開かれていること、すなわち、本改正案は、将来の皇位継承の在り方に関する議論に、いずれの方向にも予断を持たないものであることを政府に明確に御答弁いただいたわけです。九年前の特例法の審議で語られた、将来への過度な予見を抑制し、その時々の国民の総意を反映させていくという考え方に、本日の確認も連なるものと受け止めております。  同時に、率直に申し上げるべきことが二点ございます。  第一に、唐突さです。養子の子孫に係る規定を始め、幾つかの論点の扱いに唐突さを覚えた国民は決して少なくありません。本日、その法的性格は確認的なものと整理されましたが、この確認をより丁寧に行う方が望ましい運びであったと考えます。  第二に、過程の見えにくさです。議事録の公開など、透明性への努力は払われておりましたが、それでもなお、国民の元には経緯よりも結論が先行する形で届きました。天皇の地位が国民の総意に基づくものである以上、その総意を育てるのは開かれた議論の過程そのものであります。今後の検討は、その過程がより分かりやすく国民に見え、伝わる形で進められなければなりません。  政府におかれましては、本日の答弁の趣旨を今後の運用と検討において誠実に貫いていただきたい。とりわけ、施行状況の継続的な検証と、附帯決議が付されました際のその内容への誠実な対応を改めて求めるものであります。  今回の議論に加わり、皇室の制度が国民の理解と敬愛に支えられて続いていくものであることを改めて実感いたしました。残された課題への議論もまた、その理解を育てる開かれた過程として着実に前へ進んでまいりますことを期待いたしまして、私の発言といたします。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、塩川鉄也君。

塩川鉄也 日本共産党

○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、皇室典範改正案に反対の発言を行います。  第一に、天皇の制度の問題は憲法の条項と精神に基づいて広く国民的な議論をすべき問題であるにもかかわらず、本日、僅か三時間の質疑で採決を強行しようとしていることに強く抗議をするものです。  日本国憲法第一条は、天皇の地位は、主権の存する国民の総意に基づくとしていますが、高市政権が提出した皇室典範改正案は、国民の総意を得ているとは到底言えません。  どの世論調査でも、女性天皇を認めるべきという意見が多数です。にもかかわらず、法案が男系男子による皇位継承を不動の原則とし、旧宮家の一般国民である男子を皇族の養子に迎える案を進めようとしていることに、国民は疑問の声を上げています。  朝日新聞の社説は、立法府の総意でも国民の総意でもない、沸き起こる異論や批判を顧みない姿は極めて異常であるとし、読売新聞の社説は、数を頼んで一気呵成に成立を図るといった乱暴な行為は許されないと反対を掲げ、毎日、日経の全国紙や多くの地方紙、歴史学、憲法などの専門家からも批判の声が噴出しています。  国民の反対、懸念の声を無視して、国民の総意に背くものと言わねばなりません。  第二に、日本国憲法の下で、多様な性を持つ人々によって構成されている日本国民の統合の象徴である天皇を男性に限定する合理的理由はどこにもありません。女性天皇を認めることは、日本国憲法の条項と精神に照らして合理性を持つものです。  政府や自民党は我が国の歴史と伝統を強調しますが、戦前の大日本帝国憲法の「万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」という天皇主権は否定され、根本的に転換しています。日本国憲法第二条は皇位を世襲のものとしていますが、戦前の皇男子孫継承は削除され、戦前とは大きく変わっています。  にもかかわらず、男系男子による皇位継承を不動の原則として固執する政府の姿勢は、かつての家制度の下で、男の子を産むことを強制し、多くの女性たちを苦しめてきた日本社会の姿と重なるものです。現在の日本社会における女性差別を助長するものと言わねばなりません。  第三に、政府は今回の法案は立法府の総意に基づくといいますが、全体会議に参加した衆参十三会派のうち五会派が反対しており、立法府の総意ではありません。  しかも、政府は、皇位継承の問題とは切り離した皇族数の確保策といいながら、養子の子の男子が皇位継承資格を持つとする規定を盛り込みました。国会と国民を愚弄するやり方であり、断じて許されません。  法案の旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎える案は矛盾に満ちています。対象とする旧宮家は、八十年前、現典範に基づき自らの意思で皇籍を離れた人々であり、皇族の養子を禁止する現行の皇室典範の規定を覆してまで養子とすることは大きな矛盾です。  旧宮家だからといって、一般国民として生まれ育ってきた人々を特別な身分である皇族にすることは、憲法十四条一項が否定した門地による差別に抵触します。旧宮家の男系男子の子孫を将来にわたって養子候補とし、準皇族ともいうべき新たな特別身分をつくるもので、憲法に反します。  しかも、旧宮家と今の天皇との共通の祖先は、約六百年前の室町時代まで遡ります。はるか遠い血筋の男系男子の養子の男子には天皇になる資格を与える一方で、今の天皇の子である女性皇族やその子は天皇になる資格を与えないものです。  こうした養子縁組案は、二〇〇五年の政府有識者会議の報告書で、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点から見ても問題点があり、採用することは極めて困難であると否定されています。  さらに、法案は、女性皇族が結婚後も皇室から離れられないことを原則としています。女性皇族は天皇になる資格がないのに、皇室の行事を担うのに必要な皇族数を確保するためだけに皇族として拘束される、まさに二級皇族のような扱いをするものと言わねばなりません。今回の法案の本質は、女性天皇、女系天皇の道を閉ざそうというものであり、到底容認できません。  日本共産党は、本案を撤回し、改めて有識者、憲法学者などの参考人の意見を聴取し、国民の声を聞く公聴会、広く国民的な議論を行い、国民の総意を形成する努力をすることこそ国会の責務であることを強調し、反対の発言を終わります。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これにて発言は終わりました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、皇室典範等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、村井英樹君外四名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。中川康洋君。

中川康洋 中道改革連合・無所属

○中川(康)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。  案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。     皇室典範等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  一 皇室典範等の一部を改正する法律附則第六条第一項の規定に基づいて改正後の皇室典範等の施行状況を踏まえるに当たっては、皇族の方々を取り巻く環境その他皇室の状況についても勘案し、必要があると認められるときは、適時適切な措置が講ぜられるものとする。  二 皇室典範等の一部を改正する法律附則第六条第二項の規定に基づいて三十年ごとに見直しを行うに当たっては、改正後の皇室典範第三十八条に定める養子皇族男子の方々を取り巻く環境その他の皇室の状況等について勘案し、必要があると認められるときは、所要の措置が講ぜられるものとする。  三 改正後の皇室典範等による皇族数の確保の状況等を踏まえ、安定的な皇位継承を確保するための方策について、引き続き、検討するものとする。   右決議する。 以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決定いたしました。  この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。木原内閣官房長官。

木原稔 内閣官房長官 自由民主党・無所属の会

○木原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、ただいま議決いたしました本法律案は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 起立多数。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、本日の本会議の議事について、事務総長の説明を求めます。

築山信彦 衆議院事務総長

○築山事務総長 動議により、ただいま御決定いただきました皇室典範等の一部を改正する法律案を緊急上程いたします。山口議院運営委員長の報告がございまして、日本共産党、無所属の河村たかし議員及び山本ジョージ議員が反対でございます。なお、チームみらいにつきましては、党議拘束をかけていないとのことでございます。  本会議の所要は、約五分の見込みでございます。  本日の議事は、以上でございます。

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 それでは、本日の本会議は、午後一時二十分予鈴、午後一時三十分から開会いたします。     ―――――――――――――

山口俊一 自由民主党・無所属の会

○山口委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来る十四日火曜日午後一時から開会することといたします。  また、同日午前十一時理事会、正午から委員会を開会いたします。  本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十七分散会

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