令和八年七月十五日(水曜日) 午前九時開議 出席委員 委員長 國場幸之助君 理事 石橋林太郎君 理事 小田原 潔君 理事 高木 啓君 理事 穂坂 泰君 理事 星野 剛士君 理事 近藤 和也君 理事 青柳 仁士君 理事 深作ヘスス君 伊藤 聡君 今岡 植君 岩屋 毅君 英利アルフィヤ君 大西 洋平君 小渕 優子君 川松真一朗君 島田 智明君 新藤 義孝君 中曽根康隆君 西銘恒三郎君 東田 淳平君 前川 恵君 松島みどり君 山田 基靖君 金城 泰邦君 原田 直樹君 横田 光弘君 佐々木真琴君 木下 敏之君 宇佐美 登君 ………………………………… 外務大臣 茂木 敏充君 経済産業副大臣 山田 賢司君 外務大臣政務官 英利アルフィヤ君 外務大臣政務官 大西 洋平君 外務大臣政務官 島田 智明君 政府参考人 (内閣官房内閣審議官) 鎌谷 陽之君 政府参考人 (内閣府大臣官房審議官) 茂呂 賢吾君 政府参考人 (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 原 克彦君 政府参考人 (総務省国際戦略局次長) 桐山 伸夫君 政府参考人 (外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君 政府参考人 (外務省大臣官房審議官) 松本 恭典君 政府参考人 (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官) 花田 貴裕君 政府参考人 (外務省大臣官房参事官) 北郷 恭子君 政府参考人 (外務省大臣官房参事官) 山本 文土君 政府参考人 (外務省大臣官房参事官) 田口精一郎君 政府参考人 (外務省中南米局長) 石瀬 素行君 政府参考人 (外務省中東アフリカ局長) 岩本 桂一君 政府参考人 (外務省国際協力局長) 今福 孝男君 政府参考人 (外務省領事局長) 實生 泰介君 政府参考人 (農林水産省農産局農産政策部長) 山口潤一郎君 政府参考人 (経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君 政府参考人 (経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官) 佐々木雅人君 政府参考人 (経済産業省貿易経済安全保障局貿易管理部長) 猪狩 克朗君 政府参考人 (経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君 政府参考人 (国土交通省大臣官房審議官) 足立 基成君 政府参考人 (防衛省防衛政策局次長) 松尾 智樹君 外務委員会専門員 山本 浩慎君 ――――――――――――― 委員の異動 六月十七日 辞任 補欠選任 谷 浩一郎君 木下 敏之君 ――――――――――――― 六月十一日 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(早稲田ゆき君紹介)(第七三九号) 七月三日 オスプレイの飛行中止と配備撤回に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一〇八五号) 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一〇八六号) 同(田村智子君紹介)(第一〇八七号) 同(畑野君枝君紹介)(第一〇八八号) 中華人民共和国民族団結進歩促進法の施行を非難し、政府の適切な対応を求めることに関する請願(石橋林太郎君紹介)(第一一七八号) 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(有田芳生君紹介)(第一一八三号) 同(井戸まさえ君紹介)(第一一八四号) 同(塩川鉄也君紹介)(第一一八五号) 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一一八六号) 同(田村智子君紹介)(第一一八七号) 同(野村美穂君紹介)(第一一八八号) 同(畑野君枝君紹介)(第一一八九号) 同(西岡秀子君紹介)(第一一九八号) 同月十日 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(浅野哲君紹介)(第一二一二号) 同(田村智子君紹介)(第一二一三号) 同(西村智奈美君紹介)(第一二一四号) 同(日野紗里亜君紹介)(第一二一五号) 同(鍋島勢理君紹介)(第一二六五号) 同(早稲田ゆき君紹介)(第一三二三号) 東京・横田基地へのオスプレイ配備撤回と全ての飛行・訓練の中止に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三一九号) 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三二〇号) 同(田村智子君紹介)(第一三二一号) 同(畑野君枝君紹介)(第一三二二号) オスプレイの飛行中止と配備撤回に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一三二四号) 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一三二五号) 同(田村智子君紹介)(第一三二六号) 同(畑野君枝君紹介)(第一三二七号) 同月十三日 オスプレイの飛行中止と配備撤回に関する請願(辰巳孝太郎君紹介)(第一四〇六号) 女性差別撤廃条約選択議定書の速やかな批准を求めることに関する請願(佐々木真琴君紹介)(第一四八六号) は本委員会に付託された。 ――――――――――――― 本日の会議に付した案件 政府参考人出頭要求に関する件 国際情勢に関する件 ――――◇―――――
外務委員会
発言 104
○國場委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。 この際、去る六月十七日、米軍基地に関する実情調査のため、委員十一名が参加し、東京都にある米軍横田飛行場の視察を行いましたので、参加委員を代表して、私からその概要を御報告申し上げます。 米軍横田飛行場は、五市一町にまたがる本州最大の米空軍施設・区域であります。基地内には、在日米軍司令部や第五空軍司令部などが置かれ、極東における主要基地であり、輸送中継基地としての機能もあります。さらに、二〇一二年には航空自衛隊航空総隊司令部とその関連部隊の横田飛行場への移転もなされ、日米が肩を並べて運用がなされております。 まず、在日米軍司令部において、在日米軍副司令官であるゴルマン海兵隊准将から挨拶を受けた後、政策・計画部戦略計画課長であるマナツァカニアン陸軍中佐から在日米軍の歴史、在日米軍の任務とその優先事項、我が国防衛のための防護、投射の態勢及び二国間、多国間演習等を通じた自衛隊との連携等について説明を聴取しました。説明聴取後、日々の協力を通じた自衛隊の兵たんに関する考え方への理解、日米間の実際のコミュニケーションの密度、イラン情勢がインド太平洋の軍事態勢に与える影響、東日本大震災に際してトモダチ作戦を実施したきっかけなどについて意見交換を行いました。 次に、基地内にある省エネルギー型の発電設備や我が国の在日米軍関係経費により整備された在日米軍司令部等について説明を受けました。また、空港制限区域においては、太平洋地域の基地に物資を輸送するための自動化された倉庫や横田飛行場を利用する輸送機等について説明を受けるとともに、米軍横田飛行場の常駐機の一つであるC130輸送機の視察を行いました。 以上が視察の概要でございます。 最後に、今回の視察に当たり、御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、視察の御報告とさせていただきます。 ―――――――――――――
○國場委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、外務省大臣官房審議官三宅史人君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○國場委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○國場委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。東田淳平君。
○東田委員 皆様、おはようございます。自由民主党の東田淳平です。 本日が国会議員として初めての質問となります。 まず初めに、私をこの場に立たせてくださった大阪府茨木市、箕面市、豊能町、能勢町の皆様に心から感謝を申し上げます。 また、本日、質問の機会をいただきましたことに御礼を申し上げます。茂木外務大臣を始め政府関係者の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。 私は、政治の世界に入る前に、商社に勤務し、世界各地で仕事をしてまいりました。ロシアによるウクライナ侵攻当時は、シンガポールに駐在し、LNG分野に携わっていましたが、世界的なLNG価格の高騰やエネルギー供給の混乱を目の当たりにし、エネルギー安全保障の重要性を強く実感しました。 今や世界は密接につながり、世界で起きる出来事は決して遠い国の話ではありません。エネルギーや物流、サプライチェーンなどを通じて、私たちの生活や経済活動にも直接影響を及ぼします。 外交は、一見すると日常の暮らしとはかけ離れたものだと思われがちですが、日々の暮らしを守り、日本企業の成長を支え、国益を守り抜くための国家の基盤そのものです。本日は、このような問題意識の下、質問をさせていただきます。 まず、イラン情勢及びホルムズ海峡についてお伺いをします。 この問題につきましては、二月以降、この外務委員会でも繰り返し議論されてきました。一方、外務委員会がしばらく開催されない間に、米国とイランは六月、戦闘終結等に関する覚書に合意し、一つの大きな節目を迎えました。しかし、その後もトランプ大統領が再び海峡封鎖に言及するなど、依然として状況は混沌としています。 今回の中東情勢は、ナフサなど石油製品の供給不安や、エネルギー価格、物流コストの上昇、物価高などを通じて私たちの暮らしや企業活動にも大きく影響を与えており、国民の関心が極めて高い外交課題となっています。 そこで、お伺いします。 まず、政府として、最新の中東情勢及びホルムズ海峡をめぐる状況についてどのように認識しているでしょうか。その上で、日本政府はこれまで、自由で安全な航行の確保、邦人、日本関係船舶の安全確保に向けて積極的な外交を展開してきたと認識しています。イランを含む中東諸国と長年にわたり信頼関係を築いてきた日本だからこそ果たせる役割があると思いますが、今後も先行きが不透明な中、どのような日本外交を展開していくお考えなのか、改めて政府の見解をお伺いします。
○岩本政府参考人 今、議員から御指摘ありましたとおり、ちょうど、約一か月前になりますけれども、六月十八日に米・イラン間で覚書が署名されまして、最終合意に向けた協議が進むのではないかと期待していたところでございました。一方で、ここに来て米・イラン間の軍事的緊張が再び高まっておりまして、特に、商船に対する攻撃が発生している、そして攻撃の応酬に至っているということで、日本としましても、こうした、特にホルムズ海峡の現状を含むイラン情勢について深刻に懸念しておりまして、重大な関心を持って注視してきているところでございます。 そして、今やはり最も重要なことは、事態の早期鎮静化、そして、米・イラン間の協議が継続をして、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が一日も早く回復される、そしてさらには、核問題を含む最終合意が早期に実現する、こうしたことであろうと思っております。 そのために、先ほど委員からも御紹介ありましたけれども、日本としましては、国際社会と連携し、様々なレベルで協議、また、その環境醸成に努めてまいりました。例えばですが、先週はトルコでNATO首脳会合が開催されまして、茂木外務大臣にも御出席をいただき、ルッテNATO事務総長と日本、韓国、豪州、ニュージーランドの首脳、閣僚との会合でも、イラン問題についてしっかりと御議論いただきました。さらには、アメリカ、クウェート、EU、ドイツの各外相との会談においても、イラン情勢について引き続き緊密に連携していくことで一致したところでございます。 引き続き、こうした環境醸成を含めて、日本として積極的に、かつ最大限の外交努力を重ねていきたいと思っております。
○東田委員 御答弁ありがとうございます。 国民の生活を守るためにも、引き続き、粘り強い外交をお願いいたします。 日本にとって、ホルムズ海峡の安定とエネルギー安全保障は極めて重要な課題です。しかし、有事が発生してから対応するだけではなく、平時から調達先や輸送ルートの多角化を進め、何が起きても国民生活が揺らがない供給体制を築くことが不可欠です。また、資源外交は原油だけではありません。LNGや重要鉱物の安定確保も、我が国の経済安全保障を支える重要な柱です。 ホルムズ海峡をめぐる一連の事態を踏まえ、政府は、高市総理がベトナムで発表した進化したFOIPの具体策として、アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ、いわゆるパワー・アジアを打ち出しています。 そこで、茂木外務大臣にお伺いします。 エネルギーや重要鉱物をめぐる国際競争が激化する中、既にパワー・アジアを打ち出し、日本外交を積極的に展開されていますが、今後、この構想も含め、我が国の資源外交をどのように発展させ、エネルギー安全保障の強化につなげていくお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 我が国が調達の多くを海外に依存しております原油を始めとするエネルギーであったり重要鉱物などの資源については、現下の厳しい国際情勢の下で、調達先の多角化や安定供給の確保、これがより一層重要な課題となっております。 いつでもどこからでも安い値段で買える、こういう時代は終わっている。油断という言葉があります。油断をする、これは、油を断つ、こういうふうに書くわけでありまして、いろいろな事態に備えなければいけない、こんなふうに考えております。 こうした中で、政府として、二国間やG7、日米韓、日米豪印等の同志国の協力を、まさに委員御指摘のパワー・アジアの枠組みの下で進めるなど、エネルギーの安定供給や重要物資のサプライチェーンの強靱化に取り組んでいるところであります。 私自身も、例えば、四月末からアフリカ四か国を歴訪いたしましたが、産油国であり重要鉱物も産出するアンゴラとの間で、重要鉱物やエネルギー資源等における経済関係の拡大について議論をし、レアアース分野での協力を継続すること、さらに、日本企業のアンゴラ産原油の取引への参画を後押ししていくということで一致を見たところであります。 また、ザンビア、南アフリカ、これも鉱物の産出国でありまして、これらの国との間でも、重要鉱物を始め、経済関係を強化することで一致をしたところであります。 このように、重要物資のサプライチェーンの強靱化、エネルギー安全保障の確保に向けて、委員も商社マンとしてこういったことも取り組んでこられたものと思いますが、関係省庁等とオール・ジャパンで協力をし、同志国やまた資源国との連携強化、引き続きしっかりと取り組んでいきたい、こんなふうに考えております。
○東田委員 大臣、御答弁ありがとうございます。引き続き、大臣の力強いリーダーシップの下、安定的なエネルギー源の確保に向けた資源外交を積極的に進めていっていただきたいと思います。 次に、海底ケーブルについてお伺いします。 ホルムズ海峡が目に見える有事だとすれば、海底ケーブルをめぐる現状は、現代社会における静かな有事が進行しているのではないでしょうか。 我が国の国際通信の約九九%は、海底ケーブルが支えています。海底ケーブルは、スマートフォンやインターネットを始め、金融取引、物流、AIなど、現代社会のあらゆるデジタル活動を支える生命線ですが、近年、台湾周辺やバルト海では海底ケーブルの損傷や切断が相次ぎ、その安全性への懸念が世界的に高まっています。 そこで、お伺いします。 政府は、海底ケーブルを、外交、安全保障上どのような重要インフラと位置づけているのでしょうか。また、第三者による切断などの脅威をどのように認識しているのでしょうか。さらに、海底ケーブルをめぐる現在の国際ルールにどのような課題があるのか。そして、今後、同志国とどのように連携していくお考えなのでしょうか。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、我が国の国際通信の約九九%が海底ケーブルを経由しており、また、四方を海洋に囲まれました我が国にとって、海洋ケーブルは社会活動、経済活動を維持する上で欠かすことのできない重要なインフラであり、その安全の確保は極めて重要と考えております。 近年、バルト海、また東アジアにおきまして発生しております海底ケーブルの損傷事案を含めまして、海底ケーブルをめぐる国際的な動向には、我が国としても重大な関心を持って注視しております。 海底ケーブルの防護のための国際的な取組といたしましては、例えば、国連海洋法条約におきましては、いずれの国も、自国を旗国とする船舶等が公海及び排他的経済水域にある海底ケーブルを損壊した場合に、これを犯罪として処罰するための法令を制定する義務が規定されてございます。 他方で、自国を旗国としない船舶等が海底ケーブルを損壊した場合の対応について明示した規定はございませんが、その一方で、同条約には、公海等は平和目的のために利用することですとか、あとは、ほかの国の利益に妥当な考慮を払うことが規定されており、国際社会におきましては、これらの規定を踏まえて、海底ケーブルの安全性、強靱性強化に関する協議が行われているところでございます。 また、それ以外の外交上の取組といたしましては、これまでのG7外相会合の共同声明に加えまして、直近では、本年五月の日米豪印外相会合の共同声明におきましても、海底ケーブルネットワークを保護する必要性を改めて確認したところでございます。 引き続き、我が国といたしましては、同志国と連携を図りながら、海底ケーブルの維持管理、安全確保に向けまして、国内の関係省庁とも緊密に連携しつつ、必要な対応に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○東田委員 御答弁ありがとうございます。 事故なのか、意図的な妨害なのか、誰が行ったのかを特定することが難しいケースも多く、平時と有事の境界が曖昧なグレーゾーンの問題であることも改めて認識いたしました。 海底ケーブルは、有事の際に真っ先に攻撃対象となり得る重要インフラです。日本が主導する自由で開かれたインド太平洋を真に実現するためには、こうした基盤インフラを平時からしっかり防護できる国際的な協力体制を構築していく必要があります。クアッドを始めとする同志国との枠組みも活用しながら、海底ケーブルの安全確保に向けた取組を引き続きお願いいたします。 次に、海底ケーブルの国際展開についてお伺いします。 海底ケーブルは、単なる民間の通信設備ではありません。誰が製造し、敷設し、保守、運用するのかは、国家安全保障と経済安全保障に直結する重要な課題です。一方で、途上国などでは、単独で海底ケーブルを敷設することが難しく、重要な通信インフラを特定の国や企業に依存することで、通信の安全性や自立した外交政策にも影響を与えかねません。 政府は、進化したFOIPの下、海底ケーブルを始めとする信頼性の高いデジタルインフラの海外展開を官民連携で推進しています。高市総理は、ベトナムでの演説において、この取組をFOIPデジタル回廊構想と名づけました。 そこで、茂木大臣にお伺いします。 進化したFOIPの下、海底ケーブルを始めとする信頼性の高いデジタルインフラの海外展開をどのように推進し、日本の国益の確保につなげていくお考えでしょうか。
○茂木国務大臣 FOIPは、ちょうど十年前、二〇一六年に、当時の安倍総理がケニアにおいてTICADの際に発表したわけでありますが、この十年で世界経済は、技術革新等、大きく変化をしておりまして、この五月には、まさに、進化したFOIPを発表したわけでありますが、その中で、AI、データ時代の経済エコシステムの構築を重点分野として掲げております。 これまでも、我が国として、海底ケーブルを含みます、AI、データ時代に不可欠なインフラの整備に注力をしてきております。具体的には、同盟国であったり同志国と連携をして、例えば、国際ケーブルの敷設をナウル、キリバスで行い、ミクロネシア連邦においても関連の支援を進めているところであります。 今後も、こうした取組を通じて、時代に即した、新しい、信頼性の高い経済エコシステムを構築し、地域の自律性そして強靱性を高めることによりまして、経済安全保障上の多様なリスクに対応し、経済的繁栄を実現して、日本の国益もしっかりと確保していきたい、このように考えております。
○東田委員 大臣、御丁寧な御答弁をありがとうございました。 時間が来ましたので、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、原田直樹君。
○原田委員 おはようございます。中道改革連合の原田直樹です。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 私は、今年の三月にこの外務委員会で初質問、国会初質問をさせていただきまして、今日で八回目の質問になります。他の委員会も合わせると、ちょうど十回目の質疑となりました。この間、常に念頭に置いて臨んでまいりましたことは、国会は与野党が勝敗を競う場ではなく、国民の未来を議論する場であるということであります。とりわけ、ここ外務委員会においては、外交という、日本の外に相手があることを議論をしておりますので、そうした姿勢が非常に大事であると思っております。 本日も、そうした、真に国益にかなう、政府の重箱の隅をつつくようなことではなくて、真に国益にかなった、日本外交の発展に資するような議論を心がけてまいりたいと思いますので、本日もどうぞよろしくお願いいたします。 それでは、私からは通告に沿って、まずは、中東情勢の緊迫化を踏まえた、原油、ナフサ等石油関連製品の調達多角化、価格影響及び中長期の戦略についてお伺いをいたします。 足下では、原油やナフサ等の調達先にかなり大きな変化が生じております。とりわけ、ナフサ等揮発油につきましては、皆さんのお手元に今日は資料をお配りできていなくて恐縮なんですが、五月の輸入動向を見ますと、中東からの輸入というものが前年比マイナス九〇%と大幅に減っています。一方で、米国からの輸入が六・七倍まで増えて、そして、アメリカ以外のその他の地域からの輸入も六七%増となっております。かなり急激な調達先のつけ替えが起こっております。 また、今申し上げたのはナフサ等揮発油についてでありますが、原油についても同じような傾向でございまして、中東からの輸入が大きく落ち込む一方で、米国などからの調達が増えている、同じ傾向でございます。 こうした点を踏まえて、まず政府にお伺いをいたします。 このような変化を、単なる偶発的かつ一時的な危機対応として見ているのか。それとも、これまで抱えてきた我が国のエネルギー調達構造の脆弱性、こうしたものが、今回の中東情勢の緊迫化によって今回改めて露呈したものと見ているのか。まずは基本認識をお伺いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 我が国は、石油危機を経て、一九八〇年代以降、発電分野において、LNG、原子力、再エネ等、中東に依存しないエネルギーへの転換を推進するとともに、自動車の燃費の大幅向上を始めとして、省エネの取組を強力に推進してきたところでございます。この結果、原油の輸入量は、ピーク時の一九七三年度と比較して、二〇二四年度は半減するところまでたどり着いたところでございます。 一方で、原油の依存度は、二〇二五年に九四%と、依然として高い水準にございます。これは、一九八七年度に一たび六七・九%まで減少はしたものの、中国、インドネシア等、アジアの原油生産国における国内需要の拡大や、ロシアに対する制裁の発動等により、供給源の選択肢が限定されてしまった結果だというふうに考えてございます。 足下の原油の調達につきましては、七月の代替調達は十割程度の調達に目途が立ち、米国に加え中南米、アジア太平洋地域等からの調達が進み、多角化は進展したところでございます。また、今般の情勢を契機に、民間事業者の中でも自発的に、多角的に向けた議論が進んでいると承知をしているところでございます。 一方で、ナフサにつきましては、国内消費量の約四割を中東からの輸入が占めていたところでございますけれども、今般の情勢を踏まえ、米国やアルジェリア等の中東以外からの輸入拡大を進めているほか、ナフサ以外の原料を用いた石油化学製品の製造に関する設備投資支援なども通じて、ナフサ依存の低減も図っているところでございます。 引き続き、民間事業者とも連携して、積極的な資源外交や資源国における開発支援を始め、あらゆる選択肢を排除せずに、原油及びナフサの調達多角化を進めていく所存でございます。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。 中東依存のリスクということは、今回初めて分かった話ではなくて、以前から分かっていたことであると思います。にもかかわらず、いざ有事になって初めて、今回のようにここまで大きく調達先を動かさなければならなくなったということは、言い換えれば、結局のところ、平時の段階で十分な手当てをしてこなかった、つまり、問題から目をそらして先送りにしてきた、そうしたことであると私は認識をしております。 今、御答弁の中で、非常に様々な選択肢を含めて今取り組んでいただいているということで、これを一時的な取組ではなくて、是非、今回のことを契機に、エネルギー安全保障、調達先の多角化というのをしっかり進めていただきたい、このように思っております。 続いて、エネルギー調達の高コスト化についてお伺いをしたいと思います。 この点については、原油、LNGやLPG、石炭などを含めて、全体として本来は見ていく必要がありますが、その中でも、石油化学製品を通じて企業物価や消費者物価への波及が大きいと思われるナフサ、これをまた中心に確認をさせていただきたいと思います。 今回の調達先が変わっている、中東に依存していたものを、アメリカを中心に他国へつけ替えているということで、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー調達コストの上昇について、現時点でどのように政府として認識をしているのか。 また、特にナフサの価格上昇は、化学素材、物流、日用品など、様々な経路を通じて、国内の企業物価、さらには消費者物価に対しても、時間的遅れを伴って波及をしていくと考えております。 この点について、まず、エネルギーそのものの価格上昇については経産省に、そして、企業物価や消費者物価、こうしたマクロ経済への影響については内閣府にお伺いをいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、原油の調達につきましては、既に七月分について前年平月比で約十割の調達への目途が立ったところでありますけれども、ただ、輸入価格につきましては、国際市況の影響も向けて上昇しており、貿易統計で取得可能な最新データである五月の輸入価格について申し上げると、中東情勢悪化前の二月と比較すると、原油は一バレル約一万円から一・八万円に、ナフサを含む揮発油は一キロリットル約六・四万円から十二・七万円に、LNGにつきましては一トン約八・五万円から九・九万円に上昇をしているところでございます。
○茂呂政府参考人 お答えいたします。 エネルギーの輸入価格が上昇しますと、まずは関連する国内の企業間の取引の価格、その後、数か月かけまして、ほかの製品価格や消費者物価の上昇につながってくると考えております。 直近の物価動向を見ますと、輸入価格につきましては、中東情勢悪化前の二月に比べまして、原油で八割程度の上昇、ナフサにつきましては二倍程度の上昇となっております。 これに対しまして、国内の企業間の取引価格、それにつきましては、ナフサは八割程度上昇していますけれども、ガソリン価格につきましては、政府の激変緩和措置もありまして、一割程度の上昇にとどまっております。 それから、消費者物価につきましても、激変緩和措置がありますので、ガソリン価格などが抑えられまして、消費者物価総合で見ますと、五月は前年同月比一・五%という水準になってございます。 ただ、今後、生産コストの上昇が価格転嫁されていきますので、それが消費者物価への上昇圧力になる、それは予想されます。ですから、様々な角度から物価動向を注視していきたいと考えておりますが、私どもで過去二十年程度のデータで統計的な試算を行いますと、原油価格が一〇%上昇しますと、それの水準が持続しますと、消費者物価は九か月から一年程度かけて〇・三%ポイント程度上昇する、そういう関係が見られるところでございます。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。 内閣府さんに重ねて少し深掘りをさせていただきたいんですが、こうしたコスト上昇のしわ寄せ、エネルギー価格が上がって、それが時間的遅れを伴って企業物価、消費者物価と影響をしていくと思いますけれども、このコスト上昇のしわ寄せというのが最終的にどこに行くのか。つまり、企業が利益を圧縮する形で、企業が抱えることになるのか。それとも、家計に転嫁をされて、消費者の生活に大きな影響が出るのか。そうした点について、その見通しを政府としてどこまで把握をしているのか。業種別、また、時間の遅れ等を伴って様々あると思いますが、どのような点に影響がより強く出ていると見ているのか、可能な範囲で具体的にお答えいただければと思います。
○茂呂政府参考人 お答えいたします。 まず、輸入物価が上がりますと、企業の取引価格に転嫁がされます。企業の取引価格につきましては、先ほど申し上げましたように、現在、石油製品を中心にもう既に上昇をしております。 その後でございますけれども、それがほかの製品に転嫁されていくかどうか、それから、最終的には消費者物価まで転嫁されるかどうかというところでありますが、それは数か月程度はかかると見ておりまして、今のところはまだ消費者物価は、上昇は、加速はしておりません。 ですから、企業がそれをかぶるか、それから最終的に消費者に転嫁されるのか、そこはよく見ていきたいと思いますけれども、現在のところは、まだ消費者までは来ていないというところだと思っております。 ただ、もちろん、値上げの報道など特にございますので、それは、この夏ですとか秋、それからその以降というところの消費者物価の動向を見ていきたいと思っております。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。 これは質問ではありませんけれども、一言申し上げたいと思います。 中東情勢の緊迫化によって、今御答弁いただいたとおりではありますが、エネルギーの輸入コストが大幅に上昇し、政府の激変緩和措置も利いているとのことでありましたけれども、企業物価や消費者物価にこうしたことが跳ねていく。それであれば、本来、補正予算で巨額に積み増した予備費というのは、まさにこういったところに迅速かつ的確に使われるべきであると思います。 私たち中道改革連合は、補正予算の審議の際に、どのような分野にどの程度の影響が及ぶのかということを、全国一万二千を超える企業、個人の方々に調査を幅広くした上で、具体的な予算の項目と金額を示して提案をしてまいりました。しかし、そうした具体策は採用されず、結果として、使い道が、何に使うのかが十分に見えない、巨額の約三・一兆円の予備費が積まれる形になりました。 そして、その補正予算は六月五日に成立をしましたけれども、既に一か月以上時間がたちましたが、つい最近、先週、政府に確認をしたところ、予算の執行の具体像というのはまだ何も決まっていない、見えていないということでございました。 今日は外務委員会の場ですので、これ以上この点を深掘りすることはしませんが、政府には、エネルギー価格上昇が企業経営や国民生活にどう影響するのかということを丁寧に把握をしていただいて、必要なところに予備費を迅速かつ丁寧に充てることを改めて強く求めたいと思います。 続きまして、危機対応時の、今進めていただいている代替調達と、それから、中長期的な、先ほど東田委員からもございました、平時からの調達多角化との違いについてお伺いをいたします。 今まさに足下で起きているのは有事への緊急対応としての調達先の切替えであって、これをそのまま多角化が進んだと評価してよいかどうかについては、私はこれは慎重に見る必要があると思います。 そこでお伺いをいたしますが、政府としては、現在の状況を、これは調達先の多角化が進んだと評価をしておるのか、それとも危機対応としての一時的なつけ替えにとどまっていると見るのか、まずは御認識をお伺いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 今般の中東情勢を受けて、ホルムズ海峡を通らないルートからの代替調達に最大限注力をしてきているところであり、足下では、中東や米国に加え、アジア太平洋、中南米、中央アジア、アフリカからも原油が届いているところでございます。 先ほどから申し上げているとおり、七月分につきましては、前年平月比約十割の代替調達への回復に目途が立っているということであり、こうした危機時における代替調達、調達できるところから調達をしてくるというのは、やはり我が国のエネルギー安定供給を確保する上で極めて重要なことだというふうに考えてございます。 ただ一方で、足下で十割の代替調達に目途がついたことにとどまることなく、中長期的には、原油の大部分をホルムズ海峡経由で調達している我が国にとってみれば、リスク分散の観点から、調達先の更なる多角化を進めていくことは不可欠だというふうに考えているところでございます。 そのため、今般の代替調達の取組の中で築いた供給国との関係性も生かしつつ、世界中の持続可能な供給国との関係強化に引き続き取り組んでいく必要があるというふうに考えてございます。 今回の中東情勢の緊迫化を契機に、民間事業者の皆様の中でも自発的に、多角化に向けた議論が進んでいると見受けられるところでありますけれども、こうした自発的な取組を後押しするとの視点も持ちながら、民間事業者の方々ともしっかりと連携しつつ、あらゆる選択肢を排除せずに、必要な原油の量の確保と原油調達の更なる多角化を引き続き進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○原田委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 これまで日本がオイルショックで経験を、過度に中東に依存することへのリスク、こうしたことを経験したにもかかわらず、また様々な要因で中東依存に戻ってきてしまったというのは、先ほども御答弁いただいたように様々な要因はあると思いますけれども、価格の優位性、コストが低いということは一つ大きな要素としてあるんだろうと考えております。 今、ホルムズ海峡を経由するルートでは輸入ができない状態ですので、ある種強制的に多角化、代替調達を進めざるを得ない状況でありますが、これは、将来的にまたホルムズ海峡経由での輸入ができる状態になった際に、価格優位性が戻ればまた中東依存に戻ってしまう、そしてまた何かあれば慌ててつけ替える、こうしたことを繰り返してしまえば、これは過去の教訓に学んだことにはならないと思います。今回の対応が単なる有事対応で終わらないために、引き続き、真の多角化を目指して取組を進めていただきたいと思っております。 続いて、今御答弁の中でも民間企業との連携というお話がございましたが、その点について少しお伺いをしたいと思います。 今までの質疑では、日本という国を一つの行動主体として論じてきましたけれども、実際に現場で、原油であれナフサであれ、購入をして輸入をして、現場で主体性を持って担っているのは、これは政府ではなくて民間企業になると思います。 そこで、民間任せでは進まない多角化、これをどう政策的に誘導するのかということをお伺いしたいと思います。 民間企業としては、当然ながら、価格や採算を見て調達を判断することになります。それはある種合理的な判断であります。しかし、政府としては、それだけに委ねてしまえば、またコスト面で有利な中東に戻っていく、そちらからの引っ張る力が強いというのはある意味自然なことでありますので、そこでまた脆弱性が繰り返されてしまうということは可能性として否定ができませんというか、大きくその可能性があると思っております。 そうした問題意識を踏まえて、お伺いをいたします。 政府は、民間企業の価格優位性を前提とした調達行動を超えて、調達先の多角化を政策的に誘導する必要がある、そのように考えているのかどうか。また、その上で、そのためには具体的にどのような政策手段を組み合わせる考えがあるのか、可能性も含めてお伺いをいたします。
○佐々木政府参考人 今委員から御指摘ありましたとおり、原油の供給源の多角化の実現には、石油元売各社や商社を始めとする民間事業者の方々と一緒になって取り組むことが必要でありますけれども、確かに、民間事業者の方々は価格優位性を意識されているとは考えてございます。 ただし、今般の中東情勢の緊迫化の中で、民間事業者の側におきましても、経営上の観点から、調達先の多角化の重要性は改めて認識されたのではないかと考えてございます。実際、足下で、中東、米国にとどまらず、中南米、中央アジア・コーカサス諸国、アジア太平洋諸国等、調達先の多角化を進めていただいているところでございます。 一方で、中長期的な供給源の多角化に取り組むに当たりましては、例えば、国営石油会社を有する国との交渉では政府間の話合いが有効であることも多いこと、供給源の確保に直結する油ガス田の開発には大規模なリスクマネーの確保が必要なこと等の事情を考慮し、政府としても、資源国との、国営石油会社等とのコミュニケーションの頻度拡大、チャネルの多角化、JOGMECによるリスクマネー供給や、NEXIが提供する貿易保険による金融支援等、加えて、政府一体となった資源外交の推進等の取組を進めているところであり、官民一体となった原油の供給源の多角化に向けて、更に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。 是非、民間企業の御努力に期待するだけではなくて、より積極的に政府の方から、平時から価格差や投資リスクを補うような政策的な取組を進めていただきたい、このように思います。 続いて、非中東の原油の継続的な受入れに向けた国内製油所の設備対応についてお伺いをいたします。 国内の製油所は約二十か所近くあるということですが、政府や業界の報告によれば、我が国の製油所全体が総じて中東産の原油を前提に設計、運用されてきたということであります。 私も文系人間ですので、必ずしも技術的なことにすごく詳しいわけでは、精通しているわけではないんですけれども、原油と一言で言いましても、産地によって、中東産の原油、またアメリカからの原油で、性質に大きく違いがあるということでございます。 今申し上げた二か所で比較をすれば、アメリカ産の原油というのは、比較的軽質、軽くて、そして含まれる硫黄の量が少ない、低硫黄。ガソリンやナフサ、こうしたものに向いている。他方、中東産の原油は中質、重質、少し重くて、また硫黄が含まれる分量も多い、高硫黄なものが多くて、軽油や重油などとの相性がよい。つまり、両者は同じ原油といえども性質がかなり異なり、単純な置き換えは難しいということでございました。 そうした点を踏まえて、お伺いをいたします。 政府は、非中東原油の受入れを継続的に進めていくために、製油所側の設備対応や運用見直しが必要になると認識をしているのかどうか、また、そこにはどのような制度的課題があると見ているのかをお伺いいたします。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 委員おっしゃるとおり、原油は産地ごとに性状が異なります。でありますけれども、元売の事業者の方々は、効率的に精製処理を行う観点から、それぞれの原油の性状や価格、輸送日数などを勘案して最適な調達を行ってきていただいているところでございます。 原油の代替調達が進展している今現在でございますけれども、元売各社の方々は、様々な性状の原油を混合する等の工夫をする、例えば重たい油と軽い油をタンクの中で混ぜる等の対応をすることで、既存の精製設備で効率的な精製を継続していただいているところでございます。 現時点におきまして、精製設備の新設や改修が直ちに必要になるとは認識してございませんけれども、ただ、設備の制約が安定供給に支障を与えないようにすることは極めて重要だというふうに考えてございます。 原油調達の多角化を進めるに当たり、民間事業者側のニーズも踏まえながら、必要な取組を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○原田委員 御答弁ありがとうございました。 調達先の多角化が進んだとしても、国内の受入れ体制が十分にそれに対応できなければ、結局、一時しのぎになってしまうと思います。設備改修、タンクなどの受入れインフラ、制度面の後押し、投資回収の見通し、こうした点までトータルで考える必要があると思います。 茂木外務大臣も、今年の連休中、アフリカの歴訪で、先ほど東田議員の質疑に対する答弁の中でもございましたけれども、アンゴラ産の原油への日本企業参画を後押しするところまで話を進めていただいたと思います。しかし、大臣もその後、発言をされておりましたけれども、調達先の開拓は民間企業の協力が必要で、一朝一夕にはいかないというふうに述べておられました。 であるからこそ、政府が資源外交で切り開くということだけで終わらせずに、価格差への支援、輸送体制の整備、製油所の受入れ体制、こうしたことまでトータルで是非設計を進めていただいて、せっかく開いた外交上の成果が実益につながるように取り組んでいただきたい、このように思います。 では、最後になりますけれども、中長期的に日本としてどのような調達構造を目指すのかということを大臣にお伺いしたいと思います。足下の危機対応だけではなく、今回のことを改めて一つの教訓として、今後どのようなエネルギー調達構造を目指していくのかということが問われていると思います。政府として、エネルギー安全保障強化の観点から、原油、ナフサ、LNG等を含め、どのような中長期的な調達構造を目指していくのかの基本方針をお伺いしたいと思います。 また、ここまでの議論を踏まえての大臣の御所感がありましたら、併せてお伺いをしたいと思います。
○茂木国務大臣 まず、原油は当然、産地によって油質が違うという部分があります。代表的な先物指標でありますWTI、ウエスト・テキサス・インターミディエート、インターミディエートというんですけれども、軽質な部分もあるわけでありますけれども。いろいろな混合であったりとか、製油所の少しの修繕で、十分同じような油質というのは確保できる。 元々、石油というのが石炭に代わって一般的なというか主流のエネルギー源となった、これはロックフェラーの非常な功績が大きいと思うんですけれども、ロックフェラー自身は、原油は掘っていません。何をしたかといいますと、科学者をたくさん集めて、それまで油質が違ったためになかなか主要なエネルギー源として使えなかった原油というものを、同じ油質にするということに取り組んだのがロックフェラーであります。ですから、ロックフェラーが最初につくった会社は、エクソンでもモービルでもなくて、スタンダード・オイル、つまり標準石油という名前の石油会社をつくったわけであります。 その上で、これまでエネルギーの中東依存度が高く、原油の大部分をホルムズ経由で調達していた我が国にとりまして、委員御指摘のとおり、調達先の多角化は、一時の対応ではなくて、中長期的に見ても不可欠であると認識をいたしております。先ほど申し上げたように、新たな調達先、これは米国に限らず世界各地に及ぶと思っておりまして、私自身も、四月末からアフリカ四か国を歴訪した際に、アンゴラでも、この問題について協調していくということを、相手国政府と一致を見たところであります。 こうした資源の多角化を図るに当たっては、当該国との信頼関係は極めて重要だと思っておりますが、その下で、安定供給が確保できるか、調達コストに見合うかという様々な側面から検討を行っていく必要があると思っております。 こうした点も踏まえて、中長期にわたってエネルギー安全保障を確保する観点で、資源や国ごとにきめ細かな対応を図りながら、これは民間だけに任せるわけにはいかないと思っております。一番上流の権益の確保から始まって、最終的には流通であったりとかを含めて、エネルギー資源の供給源の多角化、これをしっかり進めていきたいと考えております。
○原田委員 大変詳細な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 是非、多角化を進めるという大きな抽象論というか大目的から、より具体の制度、予算、政策評価、こうしたところまでしっかりと取組を引き続き進めていただきたいと思います。 時間になりましたので、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、近藤和也君。
○近藤(和)委員 中道改革連合の近藤和也でございます。よろしくお願いいたします。 今国会もあと数日で閉会ということになります。当外務委員会においても、当初はぎくしゃくした部分はありましたけれども、それ以降はしっかりと、与党、野党、協調、話合いの中で質疑を進めていただいたことに感謝を申し上げます。そして、茂木大臣にも感謝を申し上げます。 少し本題とは違うんですけれども、拉致対策特別委員会が今国会ではまだ質疑がされないというままで、どうやら閉会をしてしまいそうです。三大臣、当然、茂木外務大臣もそのうちのお一人でございますけれども、三大臣がそろわないと委員会が開かれないということそのものが課題ではないかなと。拉致の委員会が開かれないことが、日本が、日本人が、日本の政府が、国会が、この拉致問題を重く扱っていないのではないかというように見られかねないということは、是非とも皆さん共通の認識としてお持ちいただければと思います。 ちなみに、私は前回の国会では復興・災害対策特別委員会の筆頭理事をしていまして、そのときには、三大臣、復興大臣と災害の大臣と防災庁設置担当大臣、三大臣がそろわなくても質疑を進めていこうということで委員会運営をしていただいていました。本来であればこの外務委員会でも拉致問題を当然扱えるわけでございますが、今国会で、日本にとって、外交にとって大変重要な拉致対策特別委員会が開かれなかった。どうすればいいかなということは皆様にも共通の認識としてお持ちいただければと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、質問に参ります。 メルコスールとの経済連携について交渉が始まります。この経済連携を進めていくということは非常に重要です。 特に、最近のアメリカ、トランプ関税、こちらについても、七月二十四日で百二十二条の期限が切れるということで、次なる段階に移るということですが、自由貿易の旗手であるはずのアメリカが、ある意味、おきて破りのことをやってしまっている。だからこそ他国との経済連携は非常に重要である。投資の世界でも、卵を一つの籠に盛ってはいけないということが言われています。日本も、日米同盟というのは大変重要、最も重要な関係でございますし、経済の面においてもアメリカそして中国は重要でございますが、やはり、様々な国との経済的、そして安全保障の面でもつながりということは大変重要だというふうに思っています。 一方で、メルコスールに関しては、やはり日本の農業関係者の方からは相当な懸念の声が上がっております。私どもも、中道、そして立憲、公明三党で、先日、堀井副大臣に申入れをさせていただきました。牛肉、豚肉、鳥肉、砂糖等の農産品に関して、これらについてはやはり慎重に、守るべきものは守ってくださいということ、そして、交渉の場においては、農林水産省も当初からしっかりと関わっていくように外務省としても気を遣っていただきたいということ、それらのことも申し入れさせていただきました。 大臣に伺いますが、メルコスールの意義、そして気をつけていかなくてはいけないこと、これらについて伺いたいと思います。
○茂木国務大臣 我が国は、様々な国、また経済圏とのEPA、経済連携協定を結んできたわけでありますが、恐らく、主要な経済圏の中でまだEPAが結ばれていないのがこの南米のメルコスールということになってくると思うんですが、メルコスールとのEPAについては、大きな潜在性がある一方で、委員の方からも御指摘もありましたが、農畜産業を始め国内の生産現場に強い不安を感じる声があることを政府として重く受け止めております。 この点は、先般の日・ブラジル首脳会談において、高市総理からルーラ大統領に対してもしっかりお伝えをしたところであります。私も、関係団体からも直接お話を伺い、御要請もいただいておりまして、いわゆる重要五品目を始めとしたセンシティビティーについては十分認識をしております。 ちなみに、センシティビティーという言葉は、以前は余り使っていなかったんですが、ちょうど日本がTPPの交渉に入るときに、元々、このTPP、聖域なき関税撤廃、こんなことが言われていたのが、いや、センシティビティーは各国にあるんだという認識を持って交渉に入ったという経緯もあるわけであります。 その上で、メルコスールとの経済関係の強化は、経済安全保障の強化に寄与するのみならず、日本としても、日本産の農林水産物、食品の輸出促進を含めて、新規市場開拓の上でも大きな可能性がありまして、同時に、飼料を含みます重要物資のサプライチェーンを強靱化するという意義があります。 さらに、今、世界的にグローバルサウスの発言力が高まっているわけでありますが、まさにブラジル等はグローバルサウスの雄でありまして、グローバルサウスとの連携強化といった潜在的な意義も有している、このように考えております。 双方、つまり日本とメルコスール双方のセンシティビティーに配慮しつつ相互の利益となる協定を実現することは、メルコスール側とも累次にわたって確認をしておりまして、日本の国益をしっかり守り抜くとの強い決意の下で交渉に臨んでいきたいと思っております。 私はこれまで、CPTPP、さらには日米貿易協定、さらには日英EPA等を担当大臣として手がけてきたわけでありますが、その際、国益に沿った交渉を進め、お互いにとってウィン・ウィンとなる合意の実現を目指してまいりました。今回もそうした姿勢でしっかりと交渉に臨んでいきたい、こう考えております。
○近藤(和)委員 レアアースですとかの獲得であるとか、先ほどの飼料作物ですとか、また、自動車・自動車部品をいかに輸出していくか。こういった、得るものと、農産物の守らなければいけないことのバランス、大変難しいと思います。 そしてまた、ブラジル等が強くて、そして、日本ではブラジルからはほとんど輸入がない中で、ほとんどが米国、豪州から輸入をしている、例えば砂糖ですとか牛肉ですとか。米国との関係とのぎくしゃく度合いということも後々出てくるのかなというふうに思いますが、毅然とした姿勢で交渉に臨んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、次に参ります。 五月に伊藤委員との質疑もございました。大臣は、ホルムズ海峡について、国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡であるとの認識を示されました。それまでは認識を示されてこなかったわけですけれども、どうしてそのときに示すようになったのか。できなかった理由と、今後の日本政府における、ホルムズ海峡における日本の政府の行動の対応の違い、諸外国の行動に対しての対応の違いについて伺います。
○茂木国務大臣 どうして認識を示さなかったのか、こういうことでありますが、まず、質疑で、国際海峡なのかどうなのかとそれまで聞かれたことはなかった、それは一つあるわけでありまして。 当然、精査はした上で国際海峡に当たるという結果を得ているところでありまして、ホルムズ海峡は、世界の物流の要衝として、現に国際航行に使用されている海峡でありまして、他に代替となる同様に便利な航路が存在しない、ほかに違うルートで便利に通れるところがあれば、それはそこの部分は国際海峡にならないんですけれども、ホルムズ海峡等々は、どう考えてもホルムズ海峡を通らないとなかなか、湾岸諸国の原油等、またLNG等を運ぶというのは難しい。紅海を通る航路もあるわけでありますけれども、それにはパイプライン等々を延ばす必要があったりする。 こういった意味で、他に代替となる同様に便利な航路が存在しない、こういう実態を踏まえて、日本として、ホルムズ海峡は、国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡に該当するという判断に至ったわけであります。このため、全ての船舶によります航行の自由そして全ての航空機の上空飛行の自由が保障される、このように考えております。 今申し上げた判断でありますが、これは、国連安保理決議二八一七、さらにはG7共同声明等において、ホルムズ海峡が通過通航制度が適用される国際海峡であるとの認識が示されている、このこととも整合的である、そう考えております。
○近藤(和)委員 今まで、ホルムズ海峡が国際海峡かどうか、このことについては質疑がなかったということを大臣は言われたんですけれども、五月十三日の伊藤委員との質疑の中でも、大臣が、四月二十一日の国会におきまして、ホルムズ海峡が国際海洋法上の通過通航制度が適用される国際海峡に当たるか否かについては、政府として確定的な評価を申し上げることはなお精査を要するという答弁をされた、ということもちょっと言われているので、これは大臣なのか違う方が答えられたのか分かりませんけれども、そういうやり取りがあった上で、どうしてこの五月の段階で国際海峡として認定することになったんですかということを申し上げたわけでございます。 ただ、この点についてのどなたが言ったか言わないかということは、今質問しても、それほど深掘りするようなことではないので、ちょっとその点だけ申し上げたいと思います。 では、次ですけれども、それで、国際海峡というふうに日本は認めるということでございますが、今週の十三日にトランプ大統領が、ホルムズ海峡を封鎖、通過する全ての貨物について二〇%の対価を取ることをXで表明されました。昨日の段階で、今度は、対価を取らないで、何か、中東の諸国にアメリカに投資をしてもらうということで、対価は取らないんだということをまた言われて、本当に、どれが本当のことかちょっと分からないんですけれども。 少なくとも、米国が封鎖をする、そして結果として何らかの形で米国が利益を得るということは、国際海峡での通過に何らかの賦課を課すということは、国際法違反に当たるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○岩本政府参考人 今委員から御紹介がありましたとおり、今、アメリカとイランの間で軍事的な緊張が継続して、再び攻撃の応酬が続いておりますが、こういう中でトランプ大統領を含めて関係者は様々な発言をされております。この発言に逐一、現時点で日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。 ただ、いずれにしましても、日本としましては、一般論として、国際法上、通過通航制度が適用される国際海峡において、通航のみを理由として外国船舶に対して課徴金が課されることは認められないという立場で一貫をしております。したがいまして、こうした立場を踏まえて、今後も米国を含む関係国と意思疎通を図っていきたいという具合に考えております。
○近藤(和)委員 参考人で結構なんですけれども、先ほど、課徴金を課すことは国際法では認められないということでしたが、結果として、米国が課徴金ではなくて何らかの形で利益というか何らかのものを得るということは、これは課徴金と同類のものではないかなと。その点についての認識はいかがでしょうか。
○岩本政府参考人 その点につきましては、先ほど委員からも御指摘がありましたとおり、トランプ大統領の発言も日によって内容がかなり大きく変わっているというところでございまして、まず、アメリカ自身が政府全体としてどういうことを考えているのか現時点では明確でないという状況でございますので、ここがはっきりしない以上は、今委員が御質問された点について法的に確定的なことを申し上げるのは現時点では難しいかなと思っております。
○近藤(和)委員 本当に、この数年間、トランプ大統領に振り回されています。彼の言ったこと、そして実際に行動に移すこと、例えば、関税などは、最初は、むちゃくちゃなことで、やるのかやらないのかと思っていたら本当にやったわけですから、事が起きてからということではなくて、やはり彼には、自由、民主主義、法の支配が大事であるということは、アメリカの友好国である日本、日本政府、茂木大臣にも、しっかりとそこはその都度その都度発信をしていただきたいなというふうに思います。この点については答弁は求めません。 私も、アメリカが大好き、親米だと思っていますが、この数か月間の質疑を聞いていると私は反米的な質問ばかりしているように感じるかもしれませんが、申し上げたいことは、ルールを守りましょうよと。アメリカがルールを守っていくことが、日本が世界のルールの中で守られるということでございますから、そこは是非とも共通の認識でいていただけたらなというふうに思います。 次の質問に参ります。 知的財産推進計画二〇二六が先月出されました。その中でも、コンテンツの輸出を二〇三三年で二十兆円を目指すということが書かれております。二〇二三年の時点ではコンテンツの輸出は五・八兆円ですから、野心的な目標だというふうに思います。 一方で、二〇二五年に出されました海賊版被害調査報告書によりますと、デジタルコンテンツの海賊版被害では五・七兆円。その三年前に出されたものは一・九兆円の被害ですから、僅か三年の間に三倍まで膨らんできています。そして、オンライン海賊版グッズ被害では四・七兆円の被害。合わせまして十・四兆円の被害という結果が出ています。 政府といたしましても、高市総理は例えばベトナムの総理と、そして茂木大臣もベトナムの副首相との会談で、海賊版等のことを取り上げられていらっしゃいました。何とかしてほしい、何とかしなければいけないということも協議されたと思いますが、この知的財産推進計画二〇二六に関して、諸外国への働きかけ、そして日本政府の取組について伺います。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、六月十二日に、高市総理を本部長といたします知的財産戦略本部において知的財産推進計画二〇二六が決定され、日本政府といたしまして、海賊版対策の強化を含め、コンテンツ戦略の推進等に向けた施策に取り組むことといたしております。 日本発のコンテンツの海外売上げは約六兆円規模にまで増大し、自動車産業に次ぐ産業になっており、外務省といたしましてもコンテンツ産業の海外展開支援を重視しております。 また、我が国のコンテンツの海外展開を推進していく上では、海賊版対策の強化を含めまして、著作権等の知的財産を適切に保護していくことがより一層重要となっていると考えます。 外務省といたしましては、知的財産の保護の強化に向けまして、例えば、本年五月の高市総理のベトナム訪問を始めといたしましてハイレベルで相手国政府に働きかけを実施しておりますほか、ODAを活用した、相手国政府の知的財産分野におけるキャパシティービルディングなども実施しております。 今後とも、あらゆる外交ツールを戦略的に組み合わせながら、効果的な取組を進めていく考えでございます。
○近藤(和)委員 本質的には、日本国として、海外で海賊版を直接取り締まる、罰金を取る等々ができないということが課題としてあるんだろうなと。ただ、ベルヌ条約はかなりの国が入っているというふうに伺っています。取り締まってもらう国への支援、これも大変重要だと思いますが、何らかの形での世界的なルール作り、これも本当に重要ではないかなというふうに考えます。 そして、次につながりますけれども、四月の質疑で、ホワイトハウスが日本のコンテンツを無断で使用していることについて取り上げました。茂木大臣からも、一般論としてということで、よろしくないという答弁もいただきましたけれども、その前後で、以降も含めて、課室長レベルでの申入れも行っているというふうに聞いております。 しかしですが、先月の六月六日に、トランプ大統領が、個人のアカウントで、第三者の方が作成された一分前後の動画の中で日本のキャラクターの扮装をしたトランプ大統領の動画があって、それをリツイートしたということがございました。本当に、トランプさんは懲りていないんじゃないかなというふうに思いますが、この点については、大臣はいかがでしょうか。 ちょっと大臣に見解を、個人的な思いを聞きたいので、お願いします。
○茂木国務大臣 近藤委員の質問をお聞きしていると時々時系列が違ったりして、先ほどの国際海峡の件についても、外務省としては検討していたわけであります、それは。それで、その後、五月以降という話をされたので、私はそれ以降は聞かれていなかったのでという話で申し上げた。そういう、時系列をはっきりしながら議論した方が正確な議論ができるんじゃないかなと思っておりますが。 その上で、六月の件について話があったわけでありますが、どうしても一般論として申し上げなきゃならない部分はあるというのは御承知いただければと思うんですが、著作物を利用する際は著作権者の許諾を得て利用することが原則でありまして、これは公的機関が利用する場合であっても同様であると考えております。また、明らかな著作権侵害とまでは言えない場合であっても、権利者の意図と異なる形で著作物が使用されることで、作品のイメージが損なわれ、権利者に被害が生じる事態も考えられる点、厳に注意すべきであると考えております。 その上で、御指摘の一連の投稿につきましては、外交ルートを通じて、これまでも我が国の考え方を米国に伝達をしてきているところであります。 引き続き、我が国の著作権が適切に扱われるよう、米側との意思疎通を含めてしっかりと対応していきたいと思っております。
○近藤(和)委員 諸外国に対して海賊版等の取締り等をしっかりしてくださいねと言いながら、アメリカに対して、アメリカのトランプ大統領がすることに対しては野放し、結果として野放しとなっていては示しがつかないというふうに思います。国がやっているんだから、じゃ、民間の自分たちがやっても大丈夫だというふうにも、間違ったメッセージにもなりかねないので、そこはしっかりと、部課長、課長、室長レベルではなくて、ベトナムの総理や副大臣にそれぞれの日本の総理、外務大臣が言われたように、これはやはり首脳間でしっかりと言っていくような話ではないかなと。 くしくも、この海賊版とは違いますけれども、フランスのマクロン大統領が日本に来られたときに高市総理と「かめはめ波」のポーズをしたということが報道で出ていましたが、それほど日本のコンテンツは、海外の主要な方々も含めて、共通の日本の文化として理解をしていただいているということだというふうにも思いますので、そこはしっかりと頑張ってほしいなというふうに思います。 それでは、次の質問に参りますが、国連の在り方について伺います。 日本は今でも三番目の分担金を負担をしています。残念ながら現状の国連は十分な役割を果たし得ていないように見受けられますが、外務大臣の思いはいかがでしょうか。
○茂木国務大臣 近年、国連を取り巻きます国際環境は大きく変化をしてきておりまして、既存の国際秩序が様々な挑戦を受け、多国間主義が困難に直面する中、国連自身が様々な課題を抱えていることは事実であります。 国際社会が抱える多様な、かつ複雑な諸課題は一国だけで解決できるものではなく、多国間主義の中核であります国連の機能強化は喫緊の課題であります。我が国としても、安保理改革を含みます国連改革にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 このような今申し上げた私の考え方は、五月の二十日に、国連システム幹部会合出席のため訪日をされましたグテーレス国連事務総長を始めとする国連幹部にも、直接お会いして、お伝えをしたところであります。
○近藤(和)委員 ありがとうございます。 もう時間が参りましたので、国連については、米国が分担金を払っていない、滞納状態になっているということですとか、日本もしっかりと払っていることは払っているんだから言うべきことは言っていくべきではないか等々のことを質疑もしたかったんですけれども、またさらには、イランの情勢で、日本が何らかの形でこの復興に後々関わっていくことに対しての日本の姿勢の在り方、これらについてもちょっと質疑をしたかったんですけれども、次回以降にまたお願いをしたいと思います。 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、横田光弘君。
○横田委員 日本維新の会の横田光弘でございます。 まず、日本維新の会は、先日、これまでのODAの在り方に加えて、安全保障、経済安全保障に資する国家戦略としてのODAの在り方についての提言を党としてさせていただきまして、私も手交の場におりました。 是非、茂木大臣に、まず御感想とか受け止めをちょっとお聞きしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
○茂木国務大臣 済みません、何に対する感想を申し上げればよろしいんでしょうか。
○横田委員 ODAのこれまでの在り方とは変わって、ODA自体を経済安全保障や安全保障等にやはり資するような形でやるべきだということを中心とした提言だったんですね。こういうことについての感想がもしあれば、お願いします。
○茂木国務大臣 分かりました。 ODAは、日本維新の会の提言にありますように、日本外交を推進するための重要なツールでありまして、国際環境が大きく変化する中で、ODAの戦略的意義は一層高まっていると考えております。 ODAを通じて国際社会の平和と繁栄に貢献することは、我が国の安全保障や経済成長にもひいてはつながる。例えば、ODAによります巡視船の供与であったりとか人材育成など、海洋法執行能力の強化というものは、我が国の経済や安全保障にとって重要なシーレーンの安定にも資すると考えております。 また、ODAを戦略的に活用することによりまして、日本企業の海外展開や民間投資というものを促進し、日本経済の成長に貢献することがより一層重要になってきていると考えております。 さらに、先ほど来から議論しておりますけれども、資源調達の多角化であったりとか安定供給の確保、さらには我が国のサプライチェーンの強靱化といった経済安全保障上の重要課題に対応していく上でも、ODAは極めて有効な手段であると考えております。 こうしたODAの重要性を踏まえて、ODAの戦略的活用をしっかりと進めていきたい、こう考えております。
○横田委員 ありがとうございます。 是非これも、私たちも一生懸命これに取り組んでいきたい、こういうふうに思っています。 さて、今日の本題はこれからです。 先日、ニューヨーク・タイムズが、プーチンはいかにして日本をスパイの巣窟に変えたかという記事を掲載しました。一つの記事、見方ですから、これまでの経緯を見ると、やはり慎重に扱わなきゃいけない。本当かなということもあります。しかし、必ずしもフィクションだとは言えなさそうだという面もありました。 粗筋は、まず、工作拠点が東京の中にあると。西側情報機関の分析として、虎ノ門にあったロシアの国営航空会社、つまりアエロフロートの事務所が、軍事転用可能な日本の技術を調達する、英語読みでGRU、ロシア軍参謀本部情報総局の工作拠点だったということ。それから、そのGRUの中に第二十局というのがあるらしくて、そこが、経済制裁で入手困難となった日本の軍事転用可能な技術や部品を調達して、ロシアの軍需産業へ送る役割というふうにされているということなんですね。 では、そして工作員は一体どういうことをやったかというと、中心人物の名前はフィルチェンコフ。そして、この人は、アエロフロートの社員をカバーしていましたけれども、実際はGRUの上級将校です。これまで、過去に日本勤務で築いた企業や物流業者との人脈を利用して、正規の取引を装ったり、輸送先を偽ったりする手口で活動している、こういうことです。 ロシアの日本に対する位置づけとはどういうものなのかというと、ロシアは、日本をドローンやミサイルの製造に必要な先端技術、民生とかデュアルユースの主要な供給源とみなしているということです。 二〇二四年二月のフィルチェンコフの再来日、この人は、前に来て、アエロフロートでカバーしながら、いろいろ人脈をつくって、また再来日しているんですね、二〇二四年に。その調達強化の時期と重なっているということです、この二〇二四年が。このときは戦争をしていますから、当然、ミサイル等の部品も必要になってくるわけですよね。 実際に、ヨーロッパ諸国からはスパイがいろいろ、ペルソナ・ノン・グラータで追放されているんですよね。その一部が日本に来ているんじゃないかとか、こういうこともいろいろ言われております。 それから、これまでもロシア絡みのスパイ事件はこの日本で数多くありました。政治家や官僚が関わったとされる、これは有名ですね、スミルノフ事件。それから、自衛官の弱みにつけ込んだ、これは本当にかわいそうだったと思います、ボガチョンコフ事件というのがありました。 ここで、内調に聞きます。 この記事の信憑性というのをまず確かめたいということと、この中でGRUの第二十局というのが言われていますけれども、これについてどうお考えなのか、把握しているのか、教えていただけますか。
○鎌谷政府参考人 お答えをいたします。 御指摘の報道については承知をしておりますが、個々の報道内容についてのお答えについては差し控えをさせていただきたいと思います。 お尋ねのGRUにつきましては、これは、軍に属する対外情報機関でございまして、軍事政策あるいは軍事技術等の分野に関して活動を行う機関でございます。 我が国におきましては、GRUを含めて、ロシアの情報機関の職員が大使館員あるいは通商代表部員等の身分を装って活動をしていると認識をしております。 変化の激しい安全保障環境下において、重要情報の窃取など外国の情報機関による諸工作は活発に行われていると認識しており、我が国として一層厳正に対処していく必要があると考えております。
○横田委員 それで、六月二十八日の共同通信によると、ロシア軍がウクライナ侵略で使う巡航ミサイルとか弾道ミサイル、それからドローン、これの約九割に日本製の部品が使用されている、こういうことを言っています。それから、民生の汎用品が、第三国経由で迂回輸出され、軍事転用されている、こういうふうに書かれているわけですね。 実際に、これまでも、ウクライナ政府から日本の政府、外務省に、ロシア製のミサイルの中に入っている部品が日本製であることはもう何回か伝えられているはずなんですよね。この記事もそれに従ったものなんだと思います。となると、ニューヨーク・タイムズの記事もあながちフィクションでもなさそうだということであります。 つまり、高度な兵器を製造するためには、日本の特定の技術に代わるものがないために、彼らは執拗に日本を標的にしてくるわけですよね。逆に、ここを取り締まれば、ロシアはミサイルやドローンを製造することが難しくなってくるわけです。 だから、このようなことを防ぐためには、最も、そしてすぐにでも行わなければならぬことは、国の法整備等による規制だというふうに思います。残念ながら、現在、まだスパイ防止法はありません。早急に整備をするべきだと私は思います。今のところやれる方法は、法律は、外為法とか、不正競争防止法とか、入管法とか、そういうのだけしか使えないわけです。今ある規制だけでは足りないとすれば、やはり、昔ありましたよね、ココムという、対共産圏輸出統制委員会のような強力な規制が必要だというふうに思います。 そこで、経済産業副大臣に聞きます。 戦争を止めるためにも、知らぬ間にロシアの侵略に加担するのをやめるためにも、民生品等について追加で規制するための具体的な法整備を行うべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○山田副大臣 お答え申し上げます。 まず、我が国における輸出の規制については、外為法により包括的に対応することが可能であります。従来より、御指摘のような軍事転用可能な品目について、外為法に基づく厳格な輸出管理を実施してきておるところでございます。 その上で、二〇二二年二月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて、国際社会と連携しつつ、ロシア制裁の一環として、軍事転用可能な品目に加えてロシアの産業基盤強化に資する品目など、広範な輸出禁止措置を実施しております。 引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携して取り組んでいく所存であります。
○横田委員 それで、さらに、今言ったような代替不能な部品を使ったミサイルであるならば、これを止めちゃえば戦況は大きく変わってくると思うんですよね。御存じの方もいっぱいいらっしゃると思うんですけれども、日本の純度の高い素材とか中間財とか、それから製造機器がなければ、世界中の半導体というのは作ることができないんですよ。 そういう意味で、防衛省に聞きます。 現在のロシアのミサイル等の生産状況はどのようになっているのか、そして、日本の部品が供給できなくなった場合にどのような状態になるのか、教えてください。
○松尾政府参考人 お答えいたします。 ロシアによるウクライナ侵略において、ロシア軍は、ウクライナに対して、弾道ミサイル、巡航ミサイル、また大量の無人機を組み合わせた大規模攻撃を展開しているというふうに考えております。 こうした中、ロシアは装備品の生産能力の拡充に力を入れておりまして、例えば、本年六月、ゼレンスキー大統領はロシアが毎月約百二十発の弾道ミサイルを生産できる能力を有しているというふうに言及しておりますほか、二年前の九月、プーチン大統領は、二〇二三年に約十四万機の無人機を軍に供給していた、そういった能力を二〇二四年には十倍にするというような言及もしているところでございます。 ロシア軍の装備品の構成要素の詳細についてなかなか把握をするのは容易ではございませんが、ミサイルなどにつきまして、例えばでございますけれども、構造材、燃料、また航法装置などという部品から構成されておりまして、これらにつきましては軍事転用が可能な汎用品というような要素もございますので、こういった要素も併せ考えますと、具体的な、今の御質問にありました日本の部品が供給できなかった場合ということの影響について、仮定の質問でもありますが、お答えするのがなかなか難しい要素があるのが現実ではございます。 他方、ウクライナに一日も早く公正で永続的な平和をもたらすために、国際社会が連携して、引き続きウクライナ支援と対ロ制裁というものをやっていきたいというふうに考えております。
○横田委員 こういうふうに、日本の電子部品等をロシアに渡さず、早く戦争をやめさせることが多くの命を救うことにもなるんですよね。 しかし、それと同時に、日本にとっての副産物が生まれる可能性もあるわけです。そのことについて最後に質問をいたします。 私は、北方領土返還運動をずっとやっていたんですよね、昔。四島にもというか、色丹島と択捉島に行ったこともあります。これまで取り戻すチャンスは何回かあったんですよね。可能性が最も高かったのはソ連の崩壊時です、ソ連が崩壊したとき。 現在、ロシア国内では、ウクライナによる製油所攻撃等によって燃料不足や、インフレ、そして戦費調達のための増税によって、国民の不満が急速に高まっているんです、ここに来て。ソ連崩壊時も経済に困窮して日本に譲歩をしてきたんですよね、あのとき。 外務大臣にちょっとお伺いしたい。御決意を聞かせていただきたいと思います。 北方領土を取り戻すチャンスというのは、そういっぱいないと思います。一つ、これでロシアは、いろいろ情勢が変わってきた場合にそのチャンスが訪れるかもしれない。そういうことに備えて、是非ともちょっと御決意をいただきたいというふうに思います。
○茂木国務大臣 ずっと横田委員の質問をお聞きしておりまして、さすが共産圏の研究を長く続けてこられた専門家だな、こんなふうにも思ったわけであります。 確かに、ソ連崩壊時、ちょうど橋本・エリツィン会談の頃、この頃というのが一つのある意味チャンスであった、こういう部分も、指摘もあるというのは承知をいたしております。 日ロ間の最大の懸案であります北方領土問題に関しては、私も、第一回目の外務大臣のとき、二〇一九年の年末にモスクワに赴きまして、ラブロフ外相と八時間にわたって交渉した、こういう経験もありますが、これが戦後八十年以上経過した今もなお解決されず、ロシアとの間に平和条約が締結されていない、このことは重く受け止めております。 御案内のとおり、現在、日ロ関係は厳しい状況にありますが、ロシア側とのやり取りを粘り強く続けていく中で、タイミングを見なきゃなりませんが、交渉再開に向けた道筋をつけていきたいと考えております。
○横田委員 これで終わりますが、本年、自民党と維新は、連立合意の一つである国家情報局をつくりました。それから、来年は対外情報庁をつくります。早くスパイ防止法を作らなきゃいけないというのは、皆さん、聞いていただいたらよくお分かりだと思うんですけれども、これを一刻も早く成就するように頑張っていきたいと思って、これで質問を終了します。 ありがとうございました。
○國場委員長 次に、佐々木真琴君。
○佐々木(真)委員 皆さん、おはようございます。国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 また、本日、外務委員会最後の質疑になろうかと思いますけれども、まず、旅券法改正後の運用状況からお伺いをしていきたいというふうに思います。 ここにいる皆さんとともに議論させていただきました旅券法が、七月一日から施行されております。これについては、皆さん御承知おきいただいているとおり、旅券の手数料の引下げを含め、新たな制度がスタートしたと承知をしております。今回の改正は、日本人の海外渡航や国際交流を後押しするとともに、受益と負担の在り方を見直す大変意義のある制度改正だったと受け止めております。 一方で、審議の中で、議論させていただいた中では、手数料が引き下がることを見据えて申請控えが起きているといったことであるとか、七月一日に改正されてから一気に申請が来て、通常よりも作成に時間がかかってしまうのではないかといった懸念も議論させていただいたところであります。ここについても、外務省の方からは、印刷局との事前の連携や体制整備を進めていきますということであったり、自治体との調整を進めて円滑な交付に努めること、そして、国民の皆様にとっては余裕を持った申請を呼びかけるなど、様々対応していただいたというふうに御答弁いただいております。 制度からまだ半月といったところですので、大きな状況はないかもしれないんですけれども、施行後の状況を確認する意味でも何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず一点目、お伺いしますけれども、七月一日から法改正がされまして、旅券の申請件数は、制度改正前に外務省が想定していた範囲で推移をしているのでしょうか。また、現在の交付の遅れや申請の集中など、現在何かしらの影響を把握されているのであれば、お聞かせいただきたいというふうに思います。さらに、今後についての申請状況をどのように見通ししておられるのかについても、併せてお聞かせいただければと思います。
○實生政府参考人 お答え申し上げます。 手数料の改定後、七月一日から八日の国内の一般旅券の申請件数ですけれども、これが全国で約二十五万件でありまして、昨年七月の平均的な営業日六日間、比較のために六日間を取りましたが、この二・七倍でありました。申請全体に占めるオンライン申請率が、昨年七月が四一%であったのに対し、今年の七月一日から八日の間は六〇%と、これが大きく上昇いたしました。こうした状況はおおむね想定の範囲内でありまして、各都道府県では窓口対応者を増員して対応してくださったということもあって、混乱は起きていないというふうに承知をしております。 あと、先ほど委員の方から言及されました、旅券を印刷する国立印刷局でも、機材や人員配置等の製造能力を増強して対応しており、外務省でも、手数料改定に関する問合せを受けるパスポート相談特設ダイヤルというものを開設しているところであります。 今後の申請数ですけれども、正確な予想は困難でありますけれども、だんだんと落ち着いていくのではないかというふうに予測をしております。 他方、今週からは、手数料改定後に申請された旅券の交付の方が多くなって、そのための交付窓口の混雑というものが見込まれます。 引き続き、各都道府県や国立印刷局と緊密に連携していきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 旅券法改正のときも、質疑の冒頭で私が触れさせていただきましたパスポくん、私と、審議官の胸にもついていますので、是非改めて見ていただければというふうに思います。 今御説明いただきましたとおり、申請件数も昨年より二倍以上であるといったところも含めて、大変大きな改正だったんじゃないかなといったところを、今、改めて感じたところです。 あわせて、二点目をお伺いさせていただきたいんですけれども、事前の体制強化、今御説明いただいたとおり、体制の強化であるとか呼びかけをしっかりとしていただきました。需要を平準化するための情報発信にも取り組んでいただきました。そうした事前の周知や呼びかけについては、どのような効果があったというふうに分析をされているのか。 また、先ほど、今もありましたけれども、これから交付が始まっていくといったことになりますけれども、申請窓口や自治体との連携の中で、想定外の事象であるとかイレギュラーが必要となったケースがあれば、併せて教えていただきたいと思います。
○實生政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、外務省及び各都道府県の旅券事務所において、七月一日以降の旅券の申請数増加を想定して、十分な時間的余裕を持って申請していただきたい旨の注意喚起を様々な方途で行ってまいりました。特に、申請の現場である旅券事務所においては、ホームページであるとか、あと、広報紙によるものを含めて、事前の周知に取り組んでいただいたところであります。 こうした取組がメディアでも大きく取り上げられたということもあって、結果として、現時点で想定外の事象などの混乱は生じておりません。 このことから、先ほど申し上げた一連の取組には一定の効果があったというふうには考えております。 海外渡航を予定されている国民の皆様には、当面の間、引き続き十分な時間的余裕を持って申請していただくよう、引き続き情報発信に取り組んでまいりたい、このように思っております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 では、大臣にもこの件で一点だけお伺いしたいというふうに思うんですけれども、今回の法改正の背景の一つには、日本人の保有率の低さ、二割にも届かないといったような、パスポートを持っている人が少ない、そして、国際交流を後押ししていきたいといったような狙いもあったというふうに承知をいたしております。一方で、まだまだ、今、昨年に比べて申請数は多いといったところもございましたけれども、まだまだこれからも増やしていくというか推進していく必要があるなというふうに認識をしているところでございます。 今回の制度改正であるとか、施行後の利用状況も含めて、改めて外務省として、旅券の取得促進であるとか海外との人的交流の拡大について、どのように全体を通じて取り組んでいかれるのか、今後についてお聞かせいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 委員御指摘のとおり、諸外国と比べて、日本の旅券取得率は二割以下ということで、極めて低いということは御指摘のとおりであります。 今回の旅券法改正に際しまして、手数料を引き下げることによりまして旅券取得率の向上を図るということも一つの目的であります。 先ほど領事局長の方から答弁をさせていただきまして、七月の初めから一週間については去年と比べて二・五倍という話もありましたが、急にこれだけでずっと二・五倍になって、二〇%が五〇%になる、こういうことでは恐らくないんだろうと考えております。広報していくということも必要でありますけれども、より重要なことというのは、多くの日本人が、海外に行きたい、これは旅券がなければ行けませんから、そういうニーズをつくっていくことにあるのではないかなと考えております。 例えば、企業について申し上げると、企業の海外展開を様々な意味で、ODAを活用したり、支援をしていくことによって、企業でありますから、出張や海外駐在の拡大につなげていくような取組が重要であると考えております。 また、個人について申し上げますと、世界の国々の魅力をより広く国民に知ってもらうことが必要であると考えております。私は結構世界遺産とかが好きなんですけれども、テレビでもよく見たりするんですけれども、関係者や在京の大使館等ともよく連携して、様々な発信によって、国民に各国の魅力、こういったものを伝えて、あの国に行ってみたいな、次に海外旅行に行くときはこの国にしようとか、ハネムーンはこうしようとか、銀婚式はこうしようとか、いろいろな形で、海外に行きたい、こういう思いを高めていただいて、これが旅券取得率の向上に向けた機運の醸成を図っていくことにもつながる、そんなふうに考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 図らずも、今回質問には入れられなかったんですけれども、茂木外務大臣の情報発信はすばらしい効果がある。過去の質疑でも一度やらせていただきましたけれども、たくさんの方が見ていると思いますので、その辺りについても。花の紹介も、ケニアに行ったときのバラの紹介の動画もよかったですけれども、様々な観点で、是非ともこれからも積極的な情報発信を、茂木外務大臣としても、外務省としても、お願いしたいなと思ったところです。ありがとうございます。 では、続いて、旅券法についてはここまでとさせていただきまして、なかなかこの外務委員会では質疑されることが余りないであろう漁業について、ちょっとやらせていただきたいというふうに思います。外務省の中にも、経済局の中に漁業室がございまして、漁業をやっていないわけではないので、所管であるといったところも含めて質疑させていただきたいというふうに思います。 まず、私は、この外務委員会での一番最初の質疑でも申し上げましたとおり、岩手県沿岸、東日本大震災も受けて、岩手の沿岸から参っておりまして、私と鈴木俊一自民党幹事長の二人で岩手県の沿岸を全て見ているわけでございますけれども、漁業者の皆さんと日頃から意見交換を様々させていただいております。 私の祖父も遠洋漁業の船に乗って世界中で漁をしておりましたので、皆さんの、それこそ外務省であるとか水産庁さんであるとか様々な皆さんのお力添えの中で、ルールにのっとって漁業をさせていただいたという認識を持っております。 その中で、今、海洋状況は非常に変化が激しいので、魚種が変わったりですとか、今まで捕れていたものが捕れなくなった、逆に、岩手の沿岸ではマグロなんて全然捕れなかったのが、もう網に入り過ぎて困っているというような状況もあります。そんな中でも、漁業者の皆さんは、将来に資源を残すために、操業ルールをしっかりと守って、国際的な枠組みにのっとった漁業をしております。 だからこそ、必要なのは、日本だけが努力をしても、ルールを守っても、海外の誰かがルールを守らなければ、漁業者の理解を得ることも難しいですし、資源を守るといったところが結局守られないといったことになってしまいますので、その中で、外務省としても、海洋資源の保全であるとか適切な利用といったものに取り組んでいただいているところでございます。 外交青書二〇二六においても、外務省は、海洋生物資源の持続可能な利用であるとか、違法又は無報告、無規制漁業、いわゆるIUU漁業と言われますけれども、そういった国際的なルールにも積極的に取り組んでいることが示されております。 まずはこのIUU、違法な漁業の規制についてお伺いしたいと思いますけれども、日本では、国内漁業者に対しては、先ほど申し上げましたとおり、厳しい資源管理を強いているというか、一緒にやっていきましょうというふうにお願いをしています。この実効性を高めるためには、海外の漁船や関係国にも同じルールを国際の枠組みの中でしっかり守りましょうといったことが不可欠でございます。 外務省として、現在、IUU漁業への対策や国際的な資源管理の強化について、どのような点を重点的に取り組んでおられるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 近年、世界人口の増加に伴う水産物需要の増大などを背景といたしまして、国連食糧農業機関、FAOによれば、世界の漁業、養殖業生産量は、二〇〇〇年以降、二〇二三年までに約六五%も増加しております。一方で、同期間中の我が国の漁業、養殖業生産量は約四〇%も減少していると承知しております。また、同じくFAOによれば、違法・無報告・無規制漁業、いわゆるIUU漁業でございますが、こちらは世界の漁獲量の二〇%以上を占めるとされ、持続可能な漁業にとって深刻な脅威となっていると認識しております。 これらを踏まえまして、一九九五年に採択されました国連公海漁業協定、いわゆるUNFSAでございますけれども、これに基づき、現在、魚種別又は海域別に地域漁業管理機関、いわゆるRFMOが設立されており、各RFMOにおいては、対象漁業資源の漁獲可能量、各国割当ての決定、乱獲防止のための漁法、漁具規制、IUU船舶リストの作成、漁船の監視、取締り等が行われており、我が国は、責任ある漁業国として、マグロ類を管理する全てのRFMOを含む多数のRFMOに加盟し、国際的な資源管理に積極的に取り組んでいるところでございます。 加えまして、昨年九月に発効いたしましたWTO漁業補助金協定においては、加盟国は、IUU漁業につながる補助金や、乱獲された資源の枯渇を助長する補助金の原則禁止等の義務を負っており、我が国といたしましては、当該義務の履行が確保されるよう、引き続き積極的に取り組んでいく考えでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 この問題は、日本はすごく守っているんだけれども、今御説明いただきましたとおり、違法の皆さんが全体の漁獲の二〇%を占めているといった状況です。これを漁業者の皆さんは分かっておられますので、俺たちはこんなに頑張って、マグロももっと捕りたいと思っているけれども、そういうルールだから仕方ないと。すごく厳しい状況の中で、それを踏まえて、ルールにのっとって漁業をしているわけですので、ここはより厳しく国際社会に対して訴えていく必要があるというふうに思っております。 IUU漁業の中でも、違法漁業防止寄港国措置協定というものがあります。つまりこれは何かといいますと、違法に漁をした船舶が港に入らないようにしましょう、港に入って魚を降ろして流通させることができると結局一生続けてしまいますので、港に入る前に規制しましょう、港に入っても流通させないようにしましょう、違法な漁をしていそうだなと思ったら船に入って調べましょうといった協定を組んでいるわけで、日本としてもやっているんですけれども。 ここについても、外交青書の中でも記載があったのは、PSMAというふうに違法漁業防止寄港国措置協定を呼ぶんですけれども、こちらについて入っていない国に対して一緒に入りましょうといった呼びかけ、参加の促進であるとか、各国に対する能力構築支援についても取り組んでいるといったことが紹介をされております。こうした取組が、国際社会に貢献するだけではなくて、日本の漁業者を守り、水産資源を次世代につないでいくこと、また、漁業で成り立っている地方の都市は多くございますので、町を守ること、地方を守ることにもつながる。大変重要な問題でございます。 ですので、外務省として、今後、PSMAへの参加促進を促していくことであるとか、途上国への能力構築支援をどのように進めていくお考えなのか、伺いたいと思います。日本でこれまで培われてきた知見や人材を、こうした国際協力の場面で更に活用していくお考えがあれば、お聞かせください。
○花田政府参考人 お答え申し上げます。 国際的な漁業管理の枠組みといたしまして、地域漁業管理機関、いわゆるRFMOというものですけれども、こちらにおきまして前述のとおり様々な取組が行われている一方で、このRFMOは旗国主義を基本といたしております。 そこで、これを補完する枠組みといたしまして、IUU漁業を行った外国漁船に対し、寄港国による入港拒否、港の使用拒否や船舶検査等の措置を定めた違法漁業防止寄港国措置協定、いわゆるPSMAが二〇一六年に発効し、我が国は二〇一七年に加入して以降、他国にも同協定への加入を積極的に働きかけてまいりました。 二〇二五年四月、世界最大の漁業国である中国も同協定に加入したことによって、違法操業の疑義のある船舶が中国の港に寄港を希望する場合、中国は寄港国として入港拒否や検査等の義務を負うことになりました。 外務省といたしましては、引き続き、PSMAに未加入の国に対して加入を積極的に働きかけていくとともに、同志国と連携してIUU漁業の取締り強化に努めていく考えでございます。 加えまして、日本はこれまで、日本国内で培われてきた知見等を積極的に生かし、例えばですけれども、JICAの研修などを通じまして、アジア大洋州、アフリカ諸国に対し、IUU漁業の抑止に必要な対策や、実施体制を向上するための能力構築支援を実施してきており、今後もこうした支援を継続していく考えでございます。
○佐々木(真)委員 ありがとうございました。 昨日までちょうど長崎で開催をされておりました、中西部太平洋まぐろ類委員会の北小委員会というものが開催をされておりまして、ここでは太平洋クロマグロの漁獲枠の拡大についての議論がなされておったわけですけれども、メキシコからの反対がございまして、枠の拡大には至らなかったといったところが昨日の報道でありました。 これに対して、全漁連を始め、地域の漁業者の皆様から大きな落胆の声が上がっているわけでございます。とはいえ、資源の持続可能性を確保するために、資源管理を科学的にしっかりとやっていくといったことが重要であることは、皆さん承知いたしているところだと思います。 一方で、日本としては、今回の委員会に際しては科学的根拠にのっとって枠を拡大する方向で提案をしていたわけですけれども、今回については非常に厳しい判断だったというふうなところでございます。資源管理に真摯に取り組む日本の漁業者の努力が正当に評価され、各国が公平なルールの中で責任を果たす国際的な枠組みを実現していくことも外交の役割であるというふうに認識をいたしております。 ここで、最後、茂木外務大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今後、外務省としての特に重要視していく国際会議であるとか外交上の課題が何であると捉えておられるのか。また、日本として、持続可能な漁業と沿岸地域の地方の暮らしを守っていくためにも必要なものであると考えます。どのような成果を期待して国際交渉に臨んでいくお考えなのか、大臣からもお聞かせいただきたいと思います。
○茂木国務大臣 食料安全保障の重要性が高まる中で、外務省として、漁業に関して、第一に、我が国の消費者への水産物の安定供給と我が国水産業の健全な発展、第二に、国際社会における乱獲を招かない水産資源の持続可能性の確保、第三に、これらを確保すべく、責任ある漁業国として、国際社会において積極的な役割を果たす、これら三つの課題に対処する漁業外交の展開が重要であると考えております。 これらの課題を実現する上で、委員の方から再三御指摘のありましたIUU漁業、イリーガル・アンリポーテッド・アンド・アンレギュレーテッド、つまり、違法であり、無報告であり、また無規制の漁業にしっかりと対処していくことが重要でありまして、引き続き、地域漁業管理機関、RFMOを始めとする関連の国際枠組みに積極的に参加し、その実効性を高めていきたいと考えております。 また、G7の外相共同声明においても、IUU漁業対策に各国が取り組んでいることを確認しておりまして、同志国とも連携をしながら、各国の漁業当局との協力も通じて、IUU漁業の抑止に努めていく考えでおります。 引き続き、外務省として、水産庁等関係省庁とも連携をして、日本国民への水産物の安定供給と、我が国の水産業の健全な発展を始め、漁業を取り巻く課題にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 日本はいわゆる海に囲まれた国でありまして、魚というものに対して非常に親近感もあり、よく知っている。ところが、違う国になりますと、そういったことがない。先日、ウナギの問題もありましたけれども、イールと言っても分からないんですよね、相手の国に。ウナギというのはどういうものだとか、マグロについて漁獲枠を広げても問題ないんだと言っても、余りマグロを刺身で食べない国は分からなかったりするわけでありまして、そういった我が国が持っている様々な知見というのをしっかり伝えていく、こういったことも極めて重要だと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 この問題、主にはやはり農林水産委員会であるとか水産庁さんを中心に取り組んでいる問題でありますけれども、今、大臣から、外務省としてもしっかりとバックアップしていくといった文言をここでいただけたことは、地域の漁業者の皆様にとっても大変大きなものであるというふうに認識しますので、是非ともこれからも連携して頑張っていきたいというふうに思っております。 一点だけ、情報共有というか、皆さんと共有したいんですけれども、日本が、責任ある漁業国としての貢献というワードを様々なところで明記しているんですけれども、過去、捕鯨の問題の中でも、我々日本としては、科学的データを基に、これぐらいは捕っていいんです、捕れるんですというようなところを交渉してきたわけですけれども、やはり保護のみを主張する国々との共存が極めて困難であるといったところで、二〇一九年に捕鯨の委員会を我々としては脱退をしているわけです。 とはいえ、脱退したからもう見ません、私たちは関係ありませんといったことをするわけではなくて、抜けてからもオブザーバー参加をずっと続けていって、その中で科学的根拠を出しながら議論していく姿勢が、まさに日本の責任ある漁業国としての貢献のあるべき姿であると思いますので、是非、こうした日本の姿勢を、漁業資源管理全体の国際交渉の場においても、政府を挙げて是非一貫して取り組んでいただきたいというふうに思います。 では、漁業の質問はここまでにして、最後に、科学技術外交の観点から、ILC、国際リニアコライダーについてお伺いをしたいと思います。 ILCは、電子と陽電子を高速で衝突させることによって宇宙の成り立ちや物質の根源を解き明かそうとする世界最大級の共同研究プロジェクト、基礎研究であるわけですけれども、これが、私の地元であります岩手県を含む北上山地が国内の有力候補地となっており、長年にわたり、地域を挙げて誘致活動を続けております。 この所管が文部科学省であることは承知いたした上で、ILCといった問題は国際の枠組みの中で進めていく問題ですので、外務省についても質問させていただきたいというふうに思います。 ILCについては、成長戦略との関係も非常に深いというふうに感じております。現在、高市内閣では、成長十七分野を掲げて日本の成長力強化にも取り組んでおられます。研究開発力の強化であるとか国際共同研究、先端技術、人材育成、地域イノベーションという観点からも見て、ILCはその方向性と非常に親和性の高いプロジェクトではないかというふうに考えております。 ここで、まず政府参考人にお伺いしたいと思いますけれども、外務省としても、ILCを科学技術外交の象徴的なプロジェクトの一つとして位置づけ、日本の成長戦略にも資するものとして、関係省庁と連携をしながら取り組んでいくお考えがあるのかといったところを伺いたいと思います。
○松本政府参考人 お答えいたします。 科学技術外交の重要性は委員御指摘のとおりでございます。その上で、今回のこのILC計画につきましては、まずは研究者コミュニティーの中で合意形成が行われて、その上で文部科学省を中心に政府内での検討が行われ、本件の扱いについて共通の認識が形成されることが必要であると承知しておるところでございます。 したがいまして、外務省としても、その中で、関係省庁等と意見交換を行いながら緊密に連携して、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。 昨日、実はILC議連が超党派で開催をされておりました。その中で説明がありましたのが、ILCを取り巻く国際環境が非常に大きく変化をしているといったところが報告をされました。 ヨーロッパの方では、FCC―eeといったものが主な計画として優先をされておりますが、建設については未決定でありまして、二〇二八年までに財政面を含めて判断をされるといった見通しです。日本で建てようとしているのが今一兆円ぐらいの規模なんですけれども、ヨーロッパで造ろうとしているものは三兆円規模といったところで、財政面のところでペンディングしているといったところで説明いただいております。 あわせて、もう一個の有力な国際候補地でありました中国については、国家計画の第十五次五か年計画にILCが採択をされませんで、構想の実現時期が見通せない、ちょっと下火になったかなといったような状況です。 つまり、世界の次世代加速器装置、ILC関係については、いずれか一つにもう既に決まっているといった状況ではなくて、費用負担の面、技術の面、人材の面、国際的な運営体制を含めて、各国が今後の道筋をまだまだ模索をしている段階にあるというふうに認識をいたしております。 だからこそ、ILC誘致活動が始まって、今、十四年たちました。国内候補地が北上山地ですというふうになったのが二〇一三年八月でありますので、国内の候補地決定から数えるともう十三年といった形になります。ですので、今、この国際情勢の中で、改めて日本として国際共同研究の新しい形を提案する機会として捉えるべきではないかというふうに考えております。 議連の中でもあったのが、ヨーロッパがなぜ我々よりも前進しているのかといった構造上の問題からいくと、施設があるからといったことだけではなくて、CERNがあるから。つまり、国際的な枠組み、加盟国制度があって、国ごとに負担金を払っている、だからこそそこで研究をするんだといったような構造上の仕組みがあるというふうに有識者の皆さんから御説明、御紹介もありました。まさに、こういったことであるならば、外交の役割がより重要になってくるのではとも思います。 私は、外務省、とりわけ茂木外務大臣のリーダーシップに大変大きな期待をしているところでございますので、これまでの各国との外交交渉をリードされ、日本外交を牽引してこられた大臣のお力もより発揮していただきまして、ILCについても、世界各国との政府間対話であるとか、機運醸成を高めていっていただきたいなというふうに思っております。 最後に大臣に質問をさせていただきますけれども、ILCの実現に向けて、関係国との対話であるとか国際的な理解の醸成については、外務省として積極的に役割を果たしていくことは可能なのかといったところ、また、大臣御自身のこのプロジェクトへのお考えについてお伺いいたしたいと思います。
○茂木国務大臣 佐々木委員、とても夢のある話だ、こんなふうに思っておりまして、国際リニアコライダー、ILC計画は、宇宙創成の謎の解明につながる最先端の科学研究のためのものでありまして、実現すれば学術的にも重要な意義を持つ、このように認識をいたしております。 かつて、国際的な核融合炉の建設地として、日本かフランスかと争ったときがあったんですけれども、結果的にはカダラッシュに決まってしまった。やはりそういった場所を持つということは極めて重要だと考えております。 もちろん、文部科学省を中心に検討を進めるということになると思うんですが、外務省としてもできる限りの対応を取っていきたいと考えております。
○佐々木(真)委員 ありがとうございます。大変力強いお言葉をいただいたなというふうに思います。 大変示唆に富む御意見もたくさん賜りながら、この外務委員会で学ばせていただきました。 私からの質問を終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、木下敏之君。
○木下委員 参政党の木下敏之でございます。 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 本日は、アメリカの安全保障政策の変化、そして台湾有事に備えた我が国の半導体の確保、そして三点目は沖縄本島や先島諸島の食料の備蓄、この三つについて質問させていただきます。 まず、アメリカの安全保障政策について伺います。 本年の六月十六日、アメリカは、これまでのインド太平洋軍の名称を二〇一八年までの名称である太平洋軍に戻しました。アメリカは、担当区域も基本任務も変わらず、歴史的な名称を復活させたものだと説明をしております。 しかし、二〇一八年に太平洋軍からインド太平洋軍に名称、名前を変えた際には、当時のマティス国防長官は、インド洋と太平洋の連結性が増大していることを認識したものだと明確に説明をされておられます。このように、名前の変更には必ず意味があると思っております。何の意味もなく名称変更をすることはあり得ないのではないでしょうか。 そこで、外務大臣に伺います。 今回、インド太平洋軍からインドの文字が消えたことを、米国側の公式説明どおり、我が国の安全保障に影響を与える戦略上の変更はないと分析されているのでしょうか。また、今後、米国が、インド洋のシーレーンの安全保障について、日本などにこれまで以上の役割と負担を求めてくる可能性はないのでしょうか。この点について外務大臣の御見解を伺います。
○茂木国務大臣 米国時間の六月十六日、米太平洋軍は、木下委員のおっしゃったとおり、インド太平洋軍の名称を太平洋軍とすること、ただ、名称変更後もその担当地域に変わりはないことを発表したところであります。 他国政府の組織の名称変更について我が国としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、米国政府が昨年十二月に公表しました国家安全保障戦略においても、インド太平洋地域における紛争を抑止するために同盟国等と協力することであったり、共通の目標であります自由で開かれたインド太平洋についてのコミットメントが記載をされているところであります。 いずれにしても、我が国の防衛力の整備は、自らの国は自ら守るという基本姿勢の下、我が国自身の主体的判断に基づいて行うべきものであると考えているところであります。 自分の国を守ろう、こういう意思を持たない国をほかの国が助けてくれるということはないわけであり、その上で、安全保障環境が一段と厳しさを増している現状を踏まえて、引き続き、日米同盟の抑止力、対処力、この一層の強化を図るべく、米国とも緊密に連携をしていきたい、こんなふうに考えております。
○木下委員 お答えありがとうございました。 ホルムズ海峡の封鎖が解除された場合も、今のように原油の中東依存が低下した状態であれば、日本にとってもインド洋のシーレーンを守るということの意味が変わってくるのではないかと思います。原油の輸入先が分散された状態が維持されますように、茂木大臣の御指導をお願いしたいと思っております。 続いて、台湾情勢について伺います。 アメリカとイランの戦争では、米軍は大量のミサイルを消費をいたしました。イランで大量の弾薬を消費した結果、もし近い時期に台湾有事が発生した場合、米軍が台湾防衛のために想定している作戦を十分に遂行できないのではないかといった懸念が、アメリカの政府関係者や安全保障専門家からも示されているところでございます。 アメリカの国防総省は台湾有事に対応する能力は維持している立場だということは承知をしておりますが、しかし、中国から見れば、アメリカ軍が中東で大量の弾薬を使用し、そしてその補充に時間がかかる今の時期を、台湾に対する軍事的圧力を強める好機だと判断するのではないでしょうか。イラン戦争による米軍の弾薬消耗が中国の戦略判断にどのような影響を及ぼしているとお考えなのか、茂木外務大臣の御見解を伺います。
○茂木国務大臣 外務省として、今般のイラン情勢が国際社会に及ぼし得る様々な影響、さらには、ウクライナ戦争以降、戦い方自身も変わってきている、こういった状況について不断に分析をしておりますけれども、これは、安全保障という事柄の性質上、その詳細についてお答えするということは控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、台湾海峡の平和と安定は国際社会全体の安定にとっても重要であります。台湾をめぐる問題が対話によって平和的に解決されることを期待するという従来からの立場は日本として一貫しておりまして、そのような立場から、台湾をめぐる情勢について、引き続き関心を持って注視をしていきたい、こう考えております。
○木下委員 お答えありがとうございました。 では、続きまして、台湾からの半導体の輸入が止まるかもしれないということについて質問をさせていただきます。 皆さんのお手元に資料を一枚配付いたしておりますので、資料の一を御覧いただきながら聞いていただければいいかと思います。 台湾有事でシーレーンが途絶すると日本は大変なことになるという意見をよく耳にいたしますが、先日の外務委員会で国土交通省に確認したところ、台湾海峡周辺の船舶の通航が困難になったとしても、中東、インド、東南アジアから日本に向かう船は、航路を迂回することが可能であり、この資料一のように、輸送日数やコストは増加するものの、日本への海上輸送が直ちに全面停止するわけではないということを説明いただいたわけでございます。 そうすると、台湾有事による日本への直接的な影響というのは、台湾そのものからの輸入停止に着目する必要があると思います。もう一つは、日本から先島諸島、沖縄への移出の部分ですね。 台湾からの半導体は恐らく航空便で輸出されていると思いますが、軍事的に緊張している地域には民間航空機は飛ばない可能性が大でございます。 そこで、経済産業省に伺います。 台湾から民間航空機が飛ばなくなり、そして日本への半導体の輸出が止まったとした場合、日本の自動車産業、通信機器、医療機器などの製造業が、例えば、一か月後、二か月後、三か月後にどのような影響を受けるのかについて、具体的なシミュレーションを行っているのか。している、していないと簡潔にお答えいただければと思います。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。 仮定の御質問はお答えを差し控えさせていただきますけれども、一般論として、御指摘のとおり、半導体は、情報通信、自動車、医療機器、産業機械などの幅広い製品に用いられており、経済安全保障の観点からも重要な物資でございます。 経産省として、半導体サプライチェーンの強靱化を図るべく、半導体生産基盤の確保、こういったものを進めさせていただいてございます。サプライチェーンの強靱化のために、半導体のユーザーたる各業界の協力も当然必要でございますので、こういったものもやらせていただいてございます。 御指摘のシミュレーションでございますけれども、一般論として、半導体産業は、半導体の種類、用途に加えて、そのユーザーたる各産業が多岐にわたります。ユーザーの状況によっても、また国際情勢によっても、シミュレーションのサプライチェーンに影響する状況が大きく変わってございます。そういった観点で、シミュレーションの前提条件を設定することがまず困難でございます。 また、政府としてシミュレーションを示すことで市場や各産業に不要な混乱を生じさせるということを防ぐためにも、恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきたいということでございます。 以上でございます。
○木下委員 お答えありがとうございます。 事務方の皆さんとのレクチャーのときも仮定の話にはお答えできないということだったんですが、私は、このシミュレーションというのは、仮定の話で、こういう事態が起こったときにどうなるのかという準備をしてくださいと聞いているわけなんですね。だから、仮定の話に答えられないということは、もし台湾有事が起こったときにも、何も我々は考えておりませんというお答えのようにも聞こえるんですが、その点はいかがでしょうか。
○西川政府参考人 あくまで一般論でございますけれども、今申し上げましたように、何か事態が起きたときにどうするかということでございますが、これまでも、自然災害とか他国の輸出規制、こういったものを契機として、半導体のサプライチェーンに悪影響が実際に、現に発生するということはございます。そうしたときに、経産省として代替供給の確保にこれまでも取り組んできております。 こうした経験を踏まえまして、民間企業に対して、そういった何かが起こる前から半導体サプライチェーンの強靱化を進めるように、それぞれの業界や企業さんに取組をお願いしているところでございます。 もちろん、各企業さんがどういった取組をやっているかということは、それぞれの企業さんの営業秘密もございますのでお答えは困難でございますけれども、そうした、官民が連携をして半導体サプライチェーンをふだんから強靱化をしていく、こういった取組をしっかりやっているということでございます。 以上でございます。
○木下委員 お答えありがとうございました。 仮定の話には答えられないというお答えをずっとレクチャーのときから聞いているわけなんですけれども、例えば、半導体、自動車でいうと、パワー半導体とかアナログ半導体とかいろいろな半導体があって、特に今、AIで自動運転という話があると、恐らく、台湾の半導体企業から輸入している先端ロジック半導体そしてAIに関する半導体、そこが止まると自動車の生産は止まるわけなんですよね。そういうチョークポイントとなるような半導体は自動車以外にもいろいろな業種にあるはずなんですよ。 そういうチョークポイントの半導体が実際にどうなっているのかということの把握はされていらっしゃるのでしょうか。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、最先端半導体の供給について、大部分を台湾に依存しているというのは事実でございます。また、地政学リスクが世界で様々高まる中で、そういった台湾が生産をしている最先端半導体の重要性というのは一層高まっているということでございます。 こうした中で、先ほど申し上げましたように、官民が連携をして、どういった半導体が重要かということを各産業界、企業にしっかり考えていただくというところが大事だというふうに考えてございます。そういった意味では、経済産業省がこれが大事だと言うよりは、それぞれの自動車産業、各企業さんでしっかり考えていただいて、どういった半導体が大事なのか、それを、サプライチェーンを強靱化するために何をふだんからしておくべきなのか、こういった取組を経済安全保障の考え方も踏まえながらしっかりやっていただくというところが大事だと考えてございます。 なお、何がチョークポイントなのかということを政府が示すことにつきましては、先ほどのシミュレーションと同じでございますけれども、不要な混乱を生じさせてしまうということがございますので、お答えを差し控えさせていただきます。 以上でございます。
○木下委員 もうこれ以上のやり取りは控えますが、チョークポイントを政府が示せと言っているわけではないんですよ、把握してくださいというお願いをしています。 それで、トヨタさんなんかは、多分、自前でもう準備をされているのでそんなに私は心配していないんですが、ほかの企業でその余力がないところもあると思うんですね。ですから、台湾有事がどういう状態になるか分かりませんが、日本企業の生産が止まらないように、チョークポイントとなる半導体の備蓄の支援を是非お願いしたいと思っております。 今回の原油の備蓄が一九七八年から始まりまして、四十八年目にしてようやく効果が出たわけですね。皆さんの先輩方、通商産業省の先輩方が、四十八年間、いつ使うのか分からないものをずっとため続けてきて日本を救ったわけですよ。ですから、是非、このタイミングで、チョークポイントとなる半導体の備蓄を企業がやるときに、やはり在庫をかなり抱えますので、その支援の制度について御検討いただきたいと思います。 済みません、時間がないので次に進みます。問い五は飛ばします。 次に、沖縄の米の備蓄について質問をさせていただきます。 皆さんのお手元に資料の二というのが配付されております。これは何かといいますと、政府は今、百万トン備蓄はしておりません、放出して大分少なくなりましたが、令和六年度までに百万トンの備蓄をしているわけなんですけれども、どの都道府県に何万トン備蓄をしているかというデータでございます。 これを見ると、半分が東北、そして四分の一が北陸に備蓄をされておりまして、南海トラフで大きく被害が出ると予想されている地域には十分な備蓄がないわけなんですが、この資料で何が言いたいかというと、熊本、大分までは備蓄があるんですが、そこから南には備蓄がなくて、沖縄に備蓄が全然ないんですね、政府備蓄が。調べてみますと、沖縄の自治体も大体一週間程度の食料の備蓄。これは、台風で恐らく船が止まった場合にどうするかという想定だと思うんですね。 しかし、今回、台湾有事がもし起こった場合、船が動かないということが十分に想定されまして、そうすると、一か月、二か月、食料の移入が止まるということも十分に想定されるわけであります。 そこで、農林省に伺いますが、台湾有事の可能性、いろいろ出てきているわけですけれども、交通途絶した場合に備えて、沖縄そして先島諸島において、住民の皆さんの命を守るために、米の備蓄を早急に現地で整備するべきではないかと思いますが、農林水産省の見解を伺います。 そして、時間がないのでもう一つつけ加えますと、今、政府は、昨年の米の不足によって備蓄米を大量放出しておりますので、これからまだ備蓄米を買い戻しますよね。備蓄米を買い戻すときに、沖縄と石垣島、宮古島、こういったところにも備蓄をしてもらうようにしてもらいたいんですね。これは予算を増やす必要がないじゃないですか、倉庫をどうするかという問題は出ますけれども。沖縄全体で取りあえず一万トンあれば一か月、二か月の備蓄にはなりますので、これについて農林水産省の御見解を伺います。
○山口政府参考人 お答え申し上げます。 政府備蓄米の現状につきまして、まずお答えいたします。 保管の業務につきましては、民間事業者に包括的に委託をしております。その関係もありまして、民間事業者が各地域の倉庫業者と個別に契約をして保管をしているという状況でございますが、基本的には、米の主産地である東北地方あるいは北陸地方、こちらで国に売り渡されたものが多いという状況でございまして、ほとんどの場合はその売り渡された都道府県で保管されているという状況でございます。このため、昨年の備蓄米の放出の際にも、本州の保管倉庫から沖縄県の小売業者等に配送したという経緯がございます。 他方、沖縄県における現在のお米の在庫量につきましては、沖縄県産の米のほか、県産以外のお米も民間流通の在庫として在庫がございます。また、政府が輸入をいたしますミニマムアクセス米、こちらにつきましても沖縄において一定程度保管をされているという状況でございます。 また、主食の在庫状況という意味におきましては、小麦について、沖縄の製粉業者が輸入量の二・三か月分を備蓄するという形で備蓄を行っておりまして、こういったものが活用されていくということになっております。 現状、そのような状況でございますが、昨年の政府備蓄米の放出に当たりまして、備蓄の期間、あるいは売渡しの方法、それから倉庫の地域偏在、御指摘のありました点についても、より円滑な備蓄米の供給の観点から運用を見直すということで政府もしておりますので、沖縄を含む島嶼部における備蓄や放出時の配送の在り方についても併せて検討してまいりたいと思います。 また、備蓄米の買戻しにつきましては、現在、政府においても需給状況を見ながら検討を行っているところでございます。先ほど申し上げました備蓄倉庫の地域偏在の問題の解消、この辺も併せて考えながら検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○木下委員 時間になりましたので、最後、一言要望だけして終わりたいと思いますが、台湾は、海上封鎖に備えましてお米は七か月程度備蓄をしていると聞いております。穀物全体だと五か月から六か月ぐらい備蓄をしておりますので。今回買い戻す際に、中でやり取りをすれば、沖縄や先島諸島に多めに備蓄ということも農林水産省の判断で可能だと思いますので、是非御一考をお願いしたいと思います。 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○國場委員長 次に、宇佐美登君。
○宇佐美委員 皆様、おはようございます。 最後の質問でございます。 この外務委員会も、三月から、茂木大臣に、忙しい中ずっとお越しいただき、質疑をさせていただきました。本日も質問の時間をいただきましたことを御礼申し上げます。ありがとうございます。 特に、一般質疑というのがなかなか時間設定ができない中で、与野党の筆頭理事、そして委員長、また委員部の皆さんたち、あらゆる皆さんたちの御協力の下、今日質問ができること、重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。 本日は、今から五十年前に日本とオーストラリアが友好協力基本条約を署名してからちょうどこの六月で五十年でございまして、私は今、こっち側にバッジ、パスポくんのバッジがなかったのでこのバッジというわけではないんですが。 日豪五十周年ということで、昨日、次期駐日大使アンドリュー・シーラーさんと日豪議連でもお話、意見交換もさせていただきました。シーラーさんは内閣情報庁長官をオーストラリアでやってこられたということで、この方が日本に大使として来られるということは、そういったインテリジェンスの部分を含めて、オーストラリア、クアッドという意味でもそうですし、オーストラリアとのバイの関係でも、非常に濃い関係にこれから更になっていくのかなという気がしているところでございます。 そんな中で、今日は、先日も申し上げた量子コンピューターの、今、オーストラリアの開発が非常に進んでいるんですね。そんな中で、その点について特に御質問をさせていただきたいと思っています。 今、オーストラリアは、二〇二三年に国家量子戦略を策定していて、二〇三〇年までに世界的な量子技術リーダーになるといって、目標としています。 今年六月に、連邦政府とクイーンズランド州政府を合わせて、米ドルでいうと六・二億ドル、日本円ですと約一千億円ぐらいですかね、通じて、世界最大の一つであります、サイクオンタム社の実用規模フォールトトレラント量子コンピューター、光量子コンピューターなんですが、その建設を、ブリスベンで着工をしました。これは非常に大きなことでございます。また同時に、今年の五月にはグリフィス大学でも検証実験室を開設していると。これはシリコン系、量子コンピューターというのは何種類かあるんですけれども、シリコン系コンピューターに強いところなんですね。 そういった意味で、オーストラリアの量子コンピューター開発も大変進んでいる中で、この前も申し上げたように、量子コンピューターというのは、例えば、防衛、安全保障で考えると、暗号解読という意味ではこれまでのゼロ、一のコンピューターをもう圧倒する能力があるのでございますので、是非ここはオーストラリアとも組んで一緒にやってもらえたらなというのが私の一つの思いでございます。 二四年、二年前に経済安全保障協力共同宣言、そして、今年五月、高市総理がオーストラリアに行かれたときの共同宣言で、AI、量子、バイオテクノロジー等重要技術の開発を加速すると明記をされました。そして、今年一月には、日本の産総研と向こうのCSIRO、量子コンピューター分野の協力覚書も締結済みなんですね。 ただ、ここはこれ以上のことも含めて私はやってもらえたらなというふうに考えていますので、是非、経済安全保障共同宣言に明記された量子技術協力について、今どのような共同研究、人材交流などが動いているのか、また、今後のロードマップをお答えいただけたらと思います。
○原政府参考人 お答えいたします。 オーストラリアにつきましては、量子技術を国家戦略上の重要技術の一つと位置づけてございまして、先ほど御紹介がありましたけれども、政府によるサイクオンタム社への大胆な投資でありますとか、あるいは、これに加えましてシリコン・クオンタム・コンピューティング社への支援などを通じて、量子産業の育成を積極的に進めていると承知してございます。 我が国とオーストラリアでございますけれども、アカデミアを中心に、長年にわたり量子分野で協力を進めてきてございます。 例えばでございますけれども、慶応義塾大学、それから東京大学、理化学研究所などが、オーストラリアの大学、研究機関との共同研究などを通じて、継続的な研究協力と人材交流を実施してきているところでございます。 特に近年では、国立研究開発法人産業技術総合研究所に置かれております量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター、略称G―QuATでございますが、これとオーストラリアのポージー・スーパーコンピューティング研究センターが二〇二六年に協力趣意書を締結してございます。また、富士通とオーストラリア国立大学、この二者が二〇二四年に量子研究センター設立に向けた覚書を締結するなど、研究のみならず産業化に向けた連携も進展しているところでございます。 また、これも先ほど御紹介いただきましたけれども、本年五月の経済安全保障協力に関する日豪共同宣言におきまして、量子技術は重要・新興技術の一つとして位置づけていただいているところでございます。この中で今後の協力強化の方向性が確認されたところでございます。現在、この共同宣言に基づきまして、我々とオーストラリア政府との間でより具体的な協力内容について調整しているところでございます。 今後も、研究、人材育成、それから研究、製造のインフラの相互活用、産学連携、サプライチェーン強靱化等の幅広い分野について、協力関係を更に深めてまいりたいと考えているところでございます。 以上です。
○宇佐美委員 ありがとうございます。 是非、積極的に日本からも進めていっていただきたいと思います。 さて、一方で、量子コンピューターを使った、千キロ以上の、QKDリンクというんですが、中国ではもう実現してしまっているんですが、日本ではまだここができていない。中国では、大陸間で、鍵、お互いの暗号キーの共有を実証し、先行しています。 そして、ヨーロッパも、イーグル1といって、今年末から来年頭に、その衛星を使って量子間の連絡をするという通信をやろうとしているわけです。 この分野で、例えば、オーストラリアと日本の関係がこれまで以上に濃くなっている中で、南半球に地上局を有して、日本の衛星QKD、これから打ち上げというような話が出てくると思いますが、こういった中で、地理的に補完できる位置にあると私は思っているんですね。 ですので、是非、この衛星QKDについて、オーストラリアの地上局を活用した日豪共同実証や地上局ネットワークの連携を検討してもらいたいなと思っていますが、いかがでしょうか。
○桐山政府参考人 お答えを申し上げます。 衛星通信の重要性が高まる中、安全な通信の確保の必要性も高まっていると認識しております。 こうした中、衛星量子暗号通信は、距離によらない堅牢なセキュリティー網を実現するものであり、その実現に対する期待が高まっております。 総務省といたしましては、衛星量子暗号通信につきましては、宇宙戦略基金による研究開発支援を推進しております。二〇二九年度に量子鍵配送を行うための低軌道衛星を打ち上げることを予定しております。 委員御指摘の日豪における共同実証、地上局ネットワーク等の連携につきましては、現時点では具体的な取組はございませんが、総務省といたしましても、衛星量子暗号通信の社会実装に向けまして、豪州などの同志国との連携も含めまして、必要な取組を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○宇佐美委員 委員の皆様におかれましては、四月に私がミュトスというAIのお話を申し上げたとき、何だろうそれはと思われた方も多かったかと思いますが、あっという間にこの三か月で世界を動かしている。安全保障も金融も、右に行ったり左に行ったりというぐらい混乱を及ぼしていると言ってもいいと思います。ですので、AIとデータセンター、そして、将来的に、近い将来、量子コンピューターの組合せの中で安全保障とか防衛とかも考えていくことになるんだと思います。 一方、例えば今回ウクライナが、有線、これまではドローンといえば無線で飛んでいると思っていたところを、光ファイバーを使って五十キロ、六十キロをやれる、そうするとロシア側は、今までは無線を妨害すれば何とかなると思っていたのが、まさか有線で飛んでくるとは思わなかったといったところで、この前も、ロシアの兵士が、プーチンに直接、こういったものを早く供給してほしいなんて話が出ていたかと思いますけれども、この最新技術の組合せの中でこの地球上の安全保障、防衛というものが成り立っていると思います。 今、この二つの質問を踏まえて、是非、茂木大臣からも、将来、日豪外相会談とかクアッド関連の機会において、この量子技術協力の将来的展望をどのように考えているのか、積極的な御答弁をいただければと思います。
○茂木国務大臣 この外務委員会での毎回の宇佐美委員の御質問を聞きまして、さすが理系出身だな、こんなふうに思っているところであります。 今日は量子ということでありまして、AI、量子を始めとする先端技術の急速な発展によりまして、科学技術と経済の近接が加速するのみならず、地政学的緊張の高まりによりまして、これらが外交、安全保障政策と密接に結びついてきているところであります。 もう、豪州とのこの量子に関します様々な研究交流等々については、今、政府参考人の方からも答弁があったところでありますが、本年五月の総理のオーストラリア訪問時に発出しました経済安全保障協力に関する日豪共同宣言も契機としながら、今後も、様々な外交の機会を捉えながら、量子分野における日豪協力、さらには同志国連携の深化につなげていきたい、こう考えております。
○宇佐美委員 ありがとうございます。 茂木大臣とのやり取りの中で、本当に茂木大臣の知的レベルの高さはもうみんなが共有できて、なおかつ、すてきなキャラクターというのもたくさん見せていただくことができました。 恐らく、今国会の中で、延長がなければ、最後の私の質問ですが、この間の国会の中で、また、大変な中東状況、そしてロシア、ウクライナの問題の中で、茂木大臣を含めて、外務省の皆さんは本当に寝る間もなくやってきたかと思いますけれども、最後に一言、茂木大臣から、総括的な、この国会を終えようとする中での御感想、思いがあったらいただければと思います。
○茂木国務大臣 国会会期末、会期末は今週金曜日ということになっておりますが、様々な形で外務省が提出させていただいた法案、条約、協定について、真摯に御議論をいただいて、その全てについて成立させることができた。まずもって心から感謝を申し上げたいと思っております。 さらに、様々な角度から示唆に富む御質問をいただきまして、我々にとっても勉強になる、こういったことも多かったな、こんなふうに考えておりまして、まさに、国権の最高機関、そして国民を代表する委員の皆さんからこういった機会を与えていただいたことに対して、改めて心から感謝を申し上げます。
○宇佐美委員 これで質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○國場委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十六分散会
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