令和七年十二月二日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 十一月二十七日 辞任 補欠選任 若井 敦子君 鈴木 宗男君 十二月一日 辞任 補欠選任 山崎 正昭君 朝日健太郎君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 伊藤 孝江君 理 事 古庄 玄知君 こやり隆史君 打越さく良君 川合 孝典君 横山 信一君 委 員 朝日健太郎君 有村 治子君 岡田 直樹君 鈴木 宗男君 福山 守君 山谷えり子君 泉 房穂君 福島みずほ君 小林さやか君 嘉田由紀子君 安達 悠司君 仁比 聡平君 北村 晴男君 国務大臣 法務大臣 平口 洋君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 法務大臣政務官 福山 守君 厚生労働大臣政 務官 神谷 政幸君 最高裁判所長官代理者 最高裁判所事務 総局刑事局長 平城 文啓君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 政府参考人 法務省大臣官房 政策立案総括審 議官 村松 秀樹君 法務省大臣官房 司法法制部長 内野 宗揮君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 法務省保護局長 吉川 崇君 厚生労働省大臣 官房審議官 伊澤 知法君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案(閣法第三号)(衆議院送付) ─────────────
法務委員会
発言 153
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、若井敦子さん及び山崎正昭さんが委員を辞任され、その補欠として鈴木宗男さん及び朝日健太郎さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省保護局長吉川崇さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木宗男君 鈴木宗男です。 平口大臣、大臣就任おめでとうございます。 あれは平成十三年ですか、国交省を辞められて、政治家になりたい、選挙に出ると、私のところに相談に来たものですから、その方が今大臣の席におられるということで、感慨深く私は受け止めております。同時に、最初の選挙、苦労されましたね。一回目は苦杯でした。二回目、当選し、で、今あるわけですけれども、私、本当に平口さんが大臣になられてよかったなと、もう二十三年前の出来事でありますからね、感慨深く受け止めております。 そこで、大臣、大臣に就任してのお気持ちを、率直なお気持ちをお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) いろいろな言い方ができるんですけど、まず、非常に責任が重いことでございますので、一生懸命国民の負託に応えるように努力したいと思っております。
○鈴木宗男君 平口大臣の人柄は私は高く評価していますので、しっかり法務大臣としての役割を果たしていただきたいと、こう思っています。 本法案についてでありますけれども、令和六年の五月の二十六日に滋賀県大津市で保護司の方が担当する保護観察中の男性に殺害されるという大変痛ましい事件がありました。今回の法改正に際しまして、改めて亡くなられた方に心からのお悔やみを申し上げます。 そこで、大臣、今回、改正案ですけれども、この保護司の担い手の確保や保護司がより安全に活動できるようになるなど期待されておりますけれども、まだまだ保護司の社会的重要性の認知度が低いように思われます。もっと法務省として保護司の役割、重要性などを広報あるいはPRしていくべきではないかと私は考えますけれども、大臣のお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(平口洋君) 犯罪や非行をした人の立ち直りを地域において支える保護司の存在は、我が国の更生保護において極めて重要であり、安全、安心な社会づくりに大きく寄与しているものと考えております。 法務省では、社会を明るくする運動などを通じて、保護司活動を始めとする更生保護の活動についての広報啓発に努めておりますが、必ずしも認知度は高くないと承知をいたしております。 今後、広く国民に保護司や更生保護のことを当たり前のこととして知っていただき、その重要度を、重要性を理解していただけるように戦略的な広報を実施していきたいと、このように考えております。
○鈴木宗男君 平口大臣、私はやっぱり、保護司の皆さん方が本当に献身的に善意でその任に当たっておられます。何が必要かといえば、やっぱりこれは名誉だとか誇りだと思います。 そのためにも、もっと広く国民から、やっぱり保護司さんという人はよくやっておられるというふうの徹底する、やっぱりこの立場あるいは日常の活動に、知らしめてもいいと思いますので、今大臣、一般的な答弁されておりますけど、ちょっと工夫したり、あるいは前向きなPR、保護司をアピールするやり方があるんでないかと思いますので、今後ともしっかり取り組んでいただきたいと、こう思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(平口洋君) 委員の御指摘、非常に重く受け止めて、職務を、責任を全うするように努力をしたいと思っております。
○鈴木宗男君 この法案、私はもう賛成ですから、特別な質問がありませんので、次に、大臣の所信から、あるいは大臣になってからの動き等で、ちょっと大臣、再審法改正についてお尋ねをさせていただきます。 衆議院の予算委員会で高市総理が、再審制度が適切に機能することが重要だと考えましたと、自民党の総裁選挙でも訴えましたと、さきの演説でもこれをあえて入れ込みましたと述べられ、法務大臣にも再審法改正へのスピード感のある進め方を指示したという答弁がありますけれども、法務大臣は総理からどういう指示を受けたでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 確定した刑事裁判をやり直す再審制度の見直しについて必要な検討を行うというふうに指示を受けました。
○鈴木宗男君 法務大臣、それ、予算委員会の質問の後受けたということでよろしいんですか。予算委員会で総理は指示をすると、法務大臣に指示をしたというふうになっているんですけれども。
○国務大臣(平口洋君) 私が今申し上げましたのは、平成七年十月二十一日に、法務大臣に対する総理の指示ということでございます。
○鈴木宗男君 それは……(発言する者あり)
○国務大臣(平口洋君) 失礼しました、令和です。
○鈴木宗男君 法務大臣になるとき、なったときの指示ですね、それは。委員会じゃなくて。
○国務大臣(平口洋君) 就任のときの指示でございます。
○鈴木宗男君 そこで、法務大臣、予算委員会でも高市総理大臣はそのことに言及をされていますよね。そこで、法務大臣が諮問したこの法制審議会にそういったことは大臣は指示をしたんでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 特段の指示は受けておりません。
○鈴木宗男君 大臣、あの予算委員会で高市大臣が御丁寧に、法務大臣に指示をした、スピード感を持ってやるように伝えたと、こう言って、法務大臣もその席にいるわけですよ、予算委員会の。だから、それを聞いて、さらに総理大臣は、法制審に向けて、審議状況についても法務大臣にはきちっと指示をしておりますというような言いぶりでお話を予算委員会ではしているんですけれども、それ大臣は聞いていると思うんですね、その場にいるわけですから、予算委員会。
○国務大臣(平口洋君) 総理からも、再審制度の見直しについて必要な検討を行うように御指示をいただいておりまして、現在、再審請求事件の実情を踏まえて法制審議会において精力的に御議論いただいているところでございます。 法務省としては、引き続き、法制審議会において十分な検討が行われ、できる限り早期に答申をいただけるように力を尽くすとともに、議論の結果を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木宗男君 高市総理は、法務大臣に指示をいたしましたので、政府の責任において迅速に検討を進めてまいりたいと考えておりますと、こう答弁しているんですよ。 じゃ、大臣の認識として、今の法制審の審議は十分にこの総理の意向も受けて議論が進んでいると、こう受け止めているかどうか、お尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) 法制審議会は審議会独自の議論をしておりますので、それに加えて私の方で特段のコメントはしておりません。
○鈴木宗男君 平口大臣、前国会でもその前の国会でも、前の鈴木大臣、小泉大臣のときも、私はこのことを何回も言ってきているんです。この委員の先生方もお分かりだと思うんですよ。これは継続性があるんです。 法務大臣、法務大臣が法制審議会に諮問したのは、じゃ、いつなんですか。それ、大臣、頭に入っていますか。事務方、これ、鈴木大臣は今年の二月に諮問したものですから、ここら辺、大臣、しっかり頭に入れてやってほしいんですよ。いいですね。 そこで、もう十か月過ぎているわけですから、それなりの今議論も進められている。ただ、先月に高市総理が内閣総理大臣として、スピード感を持ってやって、迅速に進めなければいけないということを明言して、大臣にも指示したと言っているわけだから、何がしかの指示を、これ大臣が諮問したわけですから、審議会に。審議会にきちっとやれと言うべきじゃないんですか。それをしていないとすれば、私は問題だと思うんですが。
○国務大臣(平口洋君) 部内の議論としてはそういう議論も当然しているということでございます。
○鈴木宗男君 大臣、従来じゃなくて、私が今言っているのは、十一月七日の予算委員会の総理の答弁を踏まえての話なんですよ。それからもう間もなく一か月近くなるわけですから、当然、大臣は指示して、私は、当然の責務だと、指示するのが責務だと思っているんですよ。それを果たしているかどうかを聞いているんです。
○国務大臣(平口洋君) 私としては、部内の議論でそういうことがあったんで、当然、法制審議会の方にも伝わっているという認識でございましたけれども、私自身が明示的に指示をしたということはございません、それは。
○鈴木宗男君 これ、大臣、きちっとこれ、予算委員会で内閣総理大臣が答弁しているんですから、これ、総理の任を受けて今、平口大臣あるわけですから、ここはきちっと、総理からもまた再度指摘があったということで、法制審議会に私は言うべきだと思いますが、大臣はどう考えています。
○国務大臣(平口洋君) 私はどちらかというと諮問をしている立場でございますので、まず法制審議会の議論をきちんと見守りたいということでございます。
○鈴木宗男君 大臣、国民から選ばれた国会議員が所属するこの委員会での発言と、大臣が諮問したからそれを見守りたいというのでは、ちょっと受け止めが私は逆だと思いますよ。 国権の最高機関たる国会で内閣総理大臣が言ったことは重いんですよ。大臣、大臣が諮問したんですから、当然、大臣として、更に総理からこういう指摘がありましたと言ってお願いするのが筋じゃないんですか。遠慮する話じゃないと思いますよ。 そこで、大臣、歴代の法務大臣見ていても、その答弁、役所に言われたとおりの答弁なんです。国務大臣としての答弁じゃないですね、私から見れば。きちっと頭づくりしてほしいんですよ。総理大臣始め、大臣は全部国務大臣で五分なんです。総理がたまたま任命権者です。だから、総理の発言は重いわけですから、ここは大臣、徹底して、私は国民の声を優先した総理の話だと思いますので、ここは尊重して、指示をいただきたいと思います。 今回、十五分ですから……
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、おまとめください。
○鈴木宗男君 また何回もやらせてもらいますから、是非とも大臣、しっかりこの過去の経緯等を踏まえて答弁に臨んでいただきたいと、こうお願いして、終えます。
○泉房穂君 立憲民主・社民・無所属の会派の無所属議員、泉房穂です。よろしくお願いします。 この更生保護というとても大切なテーマ、議論できることを本当に有り難く思っております。 資料をお配りしております。少し資料の説明からさせてもらいます。 実は、この資料一の条例、明石市の条例ですが、単なる明石市の条例ではありません。明石市市長時代の十年前、法務省の当時の刑事三局長、保護局長、矯正局長、そして刑事局長の三局長と相談の上、明石市でモデル的な取組をさせていただくので是非応援をという中で、法務省の全面応援、具体的には、全国初、法務省の職員が明石に出向にお越しになり、そして裁判所や警察の全面的な協力も得て作り上げた全国初の条例が今お配りしている資料一となります。 明石市の取組につきましては、法務省にておまとめいただいたのが資料二で、明石市のまさにモデル事業について紹介いただいております。 それを踏まえて、更生保護の学会で私、基調講演もさせていただいておりますが、そのときの資料が資料三。思いとしては、この資料三のまさに最初のページにありますけれども、このテーマは特別なテーマではなくて、本来行政がやってしかるべき当然の当たり前の施策、これがポイントだと思います。 歴史的に見ても、歴史の福祉の原点は二つ。一つは、生活できないときに生活をしっかり支える生活保護。もう一つがこれです。ルールを逸脱したときに、社会のルールから逸脱した方を改めて迎え入れる、それがまさにこの更生保護。歴史のまさに二大原点ですよ。大変重要なテーマであり、国だけではなく、当然のことながら都道府県や市町村も責務を負っていると私はかつてから考えておる立場であります。 このテーマのポイントは連携です。狭く法務省だけでできるテーマではない、まさに連携こそが重要。特に、福祉との連携、地域との連携、この二つだと考えております。 その観点から、明石市では、例えば法務省の応援もいただく中で、町のみんなでお帰りなさいと言い合いましょうと、こういったキャンペーンをし、まさに市民の理解も得、条例も作り、イベントも実施し、様々な施策、取組を進めてまいりました。 まず冒頭、お伺いします。 大臣、この大切なテーマ、これまでの延長線上ではなくて、発想を転換して、もっとどんと打って出るようなキャンペーンとか、いかがですか。
○国務大臣(平口洋君) 委員におかれましては、まずもって、明石市において全国に先駆けて画期的な更生支援の取組を進めてこられたことに対して敬意を表したいと思います。 その上で、犯罪をした者などの再犯を防止し、その社会復帰を支えることは、政府の重要な課題の一つであると認識しております。近時、孤独、孤立が深刻化している社会におきまして、これらの者が地域により包摂され、再び社会の一員として自立していくためには、更生保護の活動の充実を図るということが極めて重要でございます。そのためには、広く国民に保護司や更生保護のことを当たり前のこととして知っていただき、その重要性に関する理解を含め、広めていくことが必要と考えております。 こういう観点から、地方公共団体とも連携しながら、更生保護に関する戦略的かつ思い切った広報を含め、施策の充実に尽力してまいりたいと考えております。
○泉房穂君 ポイントは、まさに自治体との連携です。 今回の法改正で、できる規定から努力義務規定、何を遠慮しとるんですか。市町村も都道府県も当然やるべき法的責務ですよ。なぜ法務省は胸を張ってそのことを訴えない。私は本当に残念でなりません。これは地域がしっかりやらないと、再犯防止できるわけないんですよ。そういう意味で、私としては、是非、今回無理であっても、次回には、市町村、都道府県共にしっかり法的責務を明記すべきだと考えております。 明石市、様々な取組、全国初でやってきましたが、ほかのテーマはすぐ広がるんですよ。子供とか障害福祉とか、一気に広がりました。このテーマは本当に広がらなくて、やっぱりそこは、是非、法務省、厚労省を挙げて、全国の自治体と連携してこの取組広げてくださいよ。本当にお願いしたいと思っております。 そのためにも、どうしても法務省としては、全国の市町村との連携弱いんです、残念ながら。それは私も痛切に感じます。国土交通省とか厚生労働省は結構関係深いんですけど、法務省は若干遠慮がち。これからは、全国の市町村に対して窓口をしっかりと明記、関係つくっていただいて、そことしっかり連携取りながら進めていただきたい。具体的には、例えばそこのネットワーク会議なんかも開催いただくとか、いろんな工夫もあろうかと思いますので、具体的な案をお示しください。
○国務大臣(平口洋君) 地方公共団体の中には、明石市を含めて、委員御指摘のとおり、再犯防止推進法の趣旨を踏まえた条例を制定するという大変意欲的な取組もあるというふうに承知しております。しかしながら、再犯防止を当たり前のこととして取り組んでいただいている例は限られておりまして、協力の程度には差があるのが実情でございます。 委員御指摘のとおり、再犯防止を一層推進するためには再犯防止に関し市町村との連携強化が不可欠でありまして、法務省においては、地域再犯防止推進事業、あるいは地方公共団体による再犯防止の取組を実施するための協議会等々を実施しているところでございます。 法務省といたしましては、引き続き、地方公共団体と問題意識の共有を図ることで更なる連携強化を図ってまいりたいと考えております。
○泉房穂君 このテーマは、もう一回言いますね。明石市長時代、十二年間でいろんなテーマやってきました。私のライフワーク、大きく三つあって、子供のテーマ、犯罪被害者支援、そしてこの更生保護。子供の施策、一気に全国広がりました。子育ての無料化も一気に全国に広がっていった。犯罪被害者支援も実は一気に広がって、兵庫県では四十一ある市や町全てで条例制定に至りました。私、二十二年前、衆議院議員していて、同じような状況だった片方の被害者は、今や全国当たり前の、条例できていますよ。二十年たっているのに、こっちのテーマは本当に一つ、二つ、三つ、四つ、そんな程度です。 やっぱりもっとしっかりとこの大事なテーマを胸を張って全国の自治体と一緒に取り組んでいただきたいと、そのことを改めてお伝えする中で、具体的な方法としては、既に社会を明るくする運動であるとか刑務所の矯正展など、法務省としても何もしていないわけではありません。是非そこをバージョンアップしていく、そういった具体的なリアリティーのある取組が求められていると思います。その点、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘のとおり、更生保護の充実を図るためには関係機関というものの連携が重要でございまして、社会を明るくする運動や矯正展などの広報の機会をより一層効果的に活用して、連携強化を更に進めたいと考えております。 また、明石市における各種の広報やネットワーク会議などの取組については、全国的には実施状況に差が生じているものと認識しておりますが、この点につきましては、国と地方公共団体との協議会等の機会を活用しながら取組を連携してまいりたいと考えております。
○泉房穂君 このテーマで本当に、繰り返します、最も重要だと思うのは連携だと思います。 配付資料の資料一の最後のまさにページ辺りに、明石市、このテーマをするのに関係団体に集まっていただいて、明石市更生支援ネットワーク会議なる形で継続して実施を続けております。三十七団体が一堂に会する形で取組をしています。資料一の条例の最後の三十九ページ、四十ページに見開きで三十七団体記載しています。 大事なのであえて若干紹介させてもらいます。 このテーマ、裁判所関係します。明石市の会議に、明石市は裁判所の方にも来ていただいているんです。まさに最高裁の事務局もしっかりこのテーマ取り組まないと、まさにこのテーマ、しっかりできません。裁判所、私たち関係ないではないんです。裁判所も明石市はちゃんと仲間に入れて、オブザーバーという形ですが、明石市の会議には裁判所、常に来てもらっています。養育費のテーマも裁判所来てもらっています、明石市だけのようですけど。本来は裁判所が全国の自治体と連携すべきです。ほかの国やっています、当たり前に。そして、二番が検察、法務省で言うと刑事局等です。警察も来てもらっています。四番、五番ありますが、飛ばします。六、七、八は明石市周辺の刑務所三つ、これもちゃんと来ていただいております。そして、保護観察所も当然であります。そして、保護司会のみならず、各種民生児童委員とか、いわゆる自治会関係もみんな来ていただいているんですよ。こういった全て、オールまさに関係団体でこのテーマをしっかりやると。 ポイントは、これは、罪を犯した人のためやその家族のためだけではなくて、町のためにやっているんです。私は犯罪被害者支援も一生懸命やっているつもりですけど、最大の被害者支援は、犯罪を起こさないことです。犯罪を起こさないためには再犯を防ぐことです。加害者をつくらないことが最大の被害者支援なんです。被害に遭った後救うのではなくて、そもそも被害に遭わない状況をつくるためにも、このテーマ極めて重要。その点、今の日本社会はこのテーマについて十分だと私は当然思っていません。 そういった関係で、繰り返しになります、こういったネットワーク会議を各全国の自治体で当たり前のように開いてください。子供のテーマであれば、例えば要対協とかいろんな工夫もなされています。ほかのテーマではやっているんです。このテーマについても、法務省、厚労省連携しながら、全国の自治体で、最初はモデル的な取組でもいいですから、しっかりと連携強化を図っていただきたい、そのことをお願いしたいと思っております。 そして、この条例でどうしても紹介したいのは、地域の理解です。地域との共生です。明石市の条文では、まさに、お帰りなさいどおり、罪を犯した人が地域に帰ってきたときに、市民はその地域行事に参加を促すようにしましょうということまで条例化しているんです。あっち行けと言うと、余計に再犯につながります。罪を犯した人も含めて、しっかり地域を共につくっていく、それぐらいの発想の転換は私は必要だと思えてなりません。 この重要な地域共生のテーマ、どのようにお考えか、お答えください。
○国務大臣(平口洋君) 孤独、孤立が深刻化している近年の社会において、地域社会における共生というのは非常に重要な論点だと認識しております。この点、令和五年に閣議決定された第二次再犯防止計画においても、地域による包摂の推進というものが重点課題の一つになっております。本法案においても、地方公共団体による更生保護への協力規定を整備するなど、犯罪をした者などを地域社会の中で支援していくことに着目した事項を盛り込んでおります。 引き続き、地域社会における共生という観点を重視しつつ、各種施策に取り組んでまいりたいと考えております。
○泉房穂君 思い入れ強いテーマなので熱くなってしまいましたけど。 私、弁護士になったの三十年前なんです。弁護士になって愕然としたこと幾つもありましたが、今日もお伝えしたように、三つ大きくあった。一つは、子供が放置されている。離婚のときに子供の声が聞かれていないという辺り。二つ目が、犯罪に遭った被害者が放置されている。三つ目は、罪を犯した方に対して、処罰だけでその後のフォローがなされていないというふうに私は感じました。この三つのテーマ、何とかしたいと思ったのが、私の弁護士になった三十年前。 二十年前、衆議院議員で、まさに今日と同じようなことをしようと、福祉の連携を大きな声で当時も訴えました。ただ、なかなか思うようにいくと私は思えずに、その後、衆議院議員終わった後、私は社会福祉士の資格を取り、福祉の分野からこのテーマについての委員会を立ち上げ、更生支援委員会を、全国のまさに社会福祉士会、立ち上げることをやってまいりました。今もあります。その延長線上で、私は、新しくできた刑務所、播磨社会復帰促進センターというところの初代の篤志面接委員、開庁となり、毎月、無料相談を行い、支援をし、中には、軽度の知的障害で、手帳を持っていなければ受刑中に手帳取得につなげる、高齢者の認知症が始まれば要介護認定をする、そういったことを実験的にやってまいりました。その延長線上で、厚労省にて地域定着センターができ、今は全国に広がっておりますが、いまだ十分とは言い難い状況だと私は思っております。 繰り返し言います。このテーマは法務省だけでできるテーマではありません。まさに、厚生労働省と連携し、さらには、全国の自治体の窓口業務、生活保護、高齢者、障害者福祉含めた幅広いところと連携してこそ実効性ある取組ができるわけでありまして、保護局が保護観察所を使って保護司を応援しただけでは足らないと私は思っております。 この観点から、法務省、厚労省、それぞれに連携の重要性、今後の決意などをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 保護観察所と地域生活定着支援センターや地方公共団体の福祉関係部局など、厚生労働省所管の分野との連携が重要であることは十分に認識をしております。 こうした連携は、地域によっては必ずしも十分でない場合もあると思っておりまして、保護観察所では、地域の福祉関係機関等との協議会を実施するなどして、平素から緊密な連携の確保に努めているところでございます。 引き続き、地域において必要な支援を受けることができますよう、福祉等の分野を含む関係機関と更に強化、関係機関との連携を更に強化し、再犯防止の取組に推進してまいりたいと考えております。
○大臣政務官(神谷政幸君) お答えします。 高齢又は障害により福祉的な支援を必要とする犯罪をした者等については、その再犯を防止し、社会復帰を支援するため、司法分野と福祉分野との緊密な連携が重要と認識をしております。 そのため、委員御指摘の地域生活定着支援センターにおいては、司法関係者と自治体の福祉部局を始めとした福祉関係者が連携して支援を行うためのネットワークづくりを進めるとともに、保護観察所が開催する連絡協議会等にも積極的に参加するなど、司法と福祉の連携が進むよう取り組んでいるところであります。 その上で、厚生労働省においても、毎年、地方自治体の福祉部局を集めた会議の場でセンターの事業について説明を行い、地方自治体と連携して支援を実施できるよう、理解と協力を求めているところであります。 引き続き、様々な機会を通じて、地域生活定着支援センターと関係機関との間の情報共有を密に行い、犯罪をした者等に対する福祉的な支援の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○泉房穂君 この点、是非お伝えしておきたいのは、二十年前から、私、同じようなこと話をしてきました。法務省や厚生労働省ともいろんな相談も重ねてまいりました。そういった中で、厚労省としやすいということもありまして、高齢者や障害者のテーマからこのテーマに入っていくという形になったと理解をしております。 ただ、私としては、別に高齢者、障害者だけが福祉ではなくて、まさにこの更生保護そのものが、一旦ルールを逸脱した者が社会に戻ってくるわけです。それを支えていくことそのものがまさに福祉的観点があるわけでありまして、対象者が手帳を持っているとか認知症が始まったというだけではなくて、幅広く社会復帰支援というものそのものが福祉的見地が大変重要であるということから、是非厚労省には更なる取組の推進を、そして法務省におかれましても、昨日ももう一回連絡しましたけど、社会福祉士会、今回私が質問するからって問合せもあったようですけど、私の答弁に答えるために電話するんじゃなくて、日常から法務省もそういった社会福祉士会、社会福祉士会、地域定着支援センター、全国九つは都道府県単位で受託しておりますし、広がりつつあるところです。そういう意味では、法務省、厚労省ともしっかりと連携強化をお願いしたいと思います。 続いて、時間の関係もありますから、保護司についてであります。 保護司について言いたいこといっぱいありますけど、まあまあ、うちも、妻も保護司、三十代からもう二十年近くやっておる状況ですけど、いろんな愚痴も聞いております。言葉を選ばなあきませんけれども、頑張っている保護司もたくさんおられますが、じゃ、今のままでいいとは到底思えません。私からすると、保護司というのは極めて高度な仕事であり、専門性も必要である。これを無償のボランティアというような名誉職にいつまでも置いていいのかという議論は当然必要であります。 ただ、今回の法改正ではこれまでの延長線上に位置付いていることは、私としては、もっと前向きに更なるバージョンアップをお願いしたいと思っている立場でありますが。 さて、そのときの保護司の担い手でありますけれども、これまでのように、ある意味、いわゆる宗教関係者であるとか、例えば学校の校長のOBであるとか、地方議員であるとかなどなど、様々な地域のいわゆる名士的な面が強かったようでありますが、それだけではなくて、専門性を生かす意味で、福祉の専門家、心理の専門家、法律の専門家などなど、幅広い形の活用が可能だと思います。 具体的には、何度もお伝えしているように、福祉であれば社会福祉士、精神保健福祉士などもあります。心理職に関しましても、刑務所では既に活躍している方たくさんおられますが、公認心理師なども十分想定できると思います。さらには、法律的には弁護士、司法書士、行政書士なども担い手として十分あり得ると思います。さらには、行政経験者、いわゆる市町村の職員OBであるとか、現役につきましても十分保護司としては適格者だと私は考えておりますが、その点どのようなお考えか、お答えください。
○国務大臣(平口洋君) 基本的に委員御指摘のとおりだと思っております。 福祉や心理、法律といった分野の専門知識を有する方や地方公共団体の職員及びその退職者などの方々にそれぞれ知識、能力を発揮していただいて保護司として活動していただくということは、多様な人材を確保する観点からも大変に有意義であると考えております。これまでに、保護観察所が社会福祉士会に対して保護司候補者の推薦を働きかけたという例もあると承知しております。 法務省としましては、更生保護に関連する多様な分野の職能団体や地域団体に対して、更生保護や保護司に関する情報を積極的に周知するなどして連携を深め、適任者の確保に尽力していきたいと、このように考えております。
○泉房穂君 提案ですけど、今回、法改正で、いわゆるこの保護司探しが保護観察所の長の責務に変わります。これはいいことです。これまでは既存の保護司が次を見付けるような状況が実態としてありましたけど、これでは、いい人見付かりません。保護観察所の所長がしっかりと責務を負うのであれば、今お伝えしたような関係団体と連携を密にして、例えば弁護士会とか社会福祉士会などから推薦をいただくという形もありだと思います。 なお、お伝えしますが、御案内のとおり、保護司になったから全員がすぐに対象者を持っているわけではありません。保護司になった後、ちゃんと研修を積みながら保護司業務をやればいいわけですから、ある意味、保護司に対して、しっかりとなっていただいて共にやっていくということは可能だと思いますから、具体的な今回の法改正を受けての関係機関との連携強化、そして推薦を得るとかいう辺りも是非踏み込んでいただきたいと切に願います。 最後の質問になりました。今日も何度もお伝えしておりますけど、犯罪被害者支援です、これは。支援ではありません、被害者を生まない取組です。犯罪被害者のためにももっとしっかりやりましょうよ。 明石市が工夫したのは、このテーマを取り組む前提として、犯罪被害者に関する条例も作り、賠償金の立替えも実施し、そして、被害者や遺族とともに刑務所などを訪れ、犯罪被害者からこのテーマが重要であると市民へのイベントでしっかりお伝えいただいて、被害者が望んでいる政策なんだという形で明石市は取組を進め、おかげさまで全会一致でのまさに可決にも至っております。 そういった観点から、まさに更生保護と被害者支援は車の両輪、保護司に関しても被害者は無関係ではありません。 この点、車の両輪としての御意見、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(平口洋君) 犯罪の被害に遭われた方やその御家族、御遺族への配慮等、きめ細やかな支援というものは、更生保護に対する理解の上で大変重要でございます。被害者の方の心情やその置かれている状況を十分に配慮して行うということでございます。保護司の方々にも被害者支援の取組の内容や重要性を御理解いただくため、研修などを通じて理解促進を図っているところでございます。 委員御指摘のとおり、更生保護と犯罪被害者の支援のそれぞれの取組、大事でございますので、それぞれ進めてまいりたいと考えております。
○泉房穂君 とても大事なテーマですから、共に頑張りましょう。よろしくお願いします。
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。 保護司法の改正法案について御質問させていただきたいと思います。 昨年の五月の大津における事件を受けて、昨年の五月、六月のこの法務委員会において様々な問題の指摘をさせていただきました。今回、そうした指摘も数多く踏まえた形で保護司法の改正法案を御提出いただいたということについては大変前向きに捉えておりますし、今後、この保護司法が改正されて以降、実効性をしっかり高めて、保護司制度が円滑に運用されていくことが必要だと思っておりますので、いわゆる保護司法に係る、保護司制度に係る課題について幾つか私自身の問題意識も含めて御質問させていただきたいと思います。 まず、保護観察率の低下についての見解、これを、これは最高裁の方に求めたいと思いますが、刑事裁判で裁判官が執行猶予付有罪判決を言い渡す際に保護観察を付ける割合、これがいわゆる保護観察率と言われておるわけでありますが、この保護観察率が令和五年の時点で五・九七%と、平成以降最低の水準になっているという数字が出ております。具体的な数字で申し上げますと、執行猶予付有罪判決を受けた方二万六千二百四十八人のうち保護観察対象者は千五百三十六名と、こういう数字になっているということであります。 この保護観察の運用の低下は、防げたはずの犯罪を許している可能性があるのではないのかという指摘がこの間指摘されているわけでありまして、保護観察の積極的な活用の必要性について、これは有識者もその必要性を訴えていらっしゃいます。 こうしたことを踏まえて、最高裁にお伺いしたいのは、保護観察率が令和五年に六%を割り込んでいる状況になっている、特に窃盗、傷害、覚醒剤取締法違反などでの保護観察が大きく低下しておりますけれども、その理由をどのように分析をされているのか、この点についてお伺いをします。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。 御指摘のとおり、令和五年に通常第一審で懲役、禁錮刑の全部執行猶予に保護観察が付された割合は約六%となっておりまして、窃盗罪、覚醒剤取締法違反、傷害罪に付された件数については近年低下しているところもございます。 執行猶予判決を言い渡す場合に保護観察を付するか否かは各事件の個別具体的な事情に基づいて判断されているものと承知しておりまして、御指摘の傾向等について確たる理由を把握しているわけではございません。
○川合孝典君 個別の案件について具体的に論評するというか、答弁をするということが不可能なことは十分承知はしているんです。 他方、この間、いわゆる保護観察率は低下する、このことに関して言うと、いわゆる刑事事件自体が減少しているといったような総数の話をよくされるんですけれども、よくよく調べてみますと、総数は減少している一方で、いわゆる刑事犯の再犯率は二〇二〇年の時点で四九・一%、実は過去最高なんです。 総数は減っているけど再犯率は上昇していると、こういう数字が出ているわけでありまして、このトータルとして、マクロの数字を踏まえて、個別の案件だから要は論評できない、差し控える、分析をしていないという説明では、これは要は防げるはずの犯罪をきちんと裁判所の判断で防げていないのではないのかという指摘が出るのは当然のことだと思います。 この指摘を踏まえて、もう一度御答弁お願いできますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、確たる理由についてはこちらの方としては把握しているわけではございませんが、裁判の動向等については注視していきたいと、このように思っているところでございます。
○川合孝典君 大切なことは、現実問題として神戸の事案等もありましたけれども、裁判所で再犯のおそれというものが指摘をされていたにもかかわらず保護観察を付けなかった、その結果、その後いわゆる死傷事件につながったという事案もあるわけでありまして、個別の判断ですという説明でトータルとしての保護観察率が低下しているということをそのまま放置できる状況にはないということだけこの間指摘をさせていただきたいと思いますし、是非問題意識を持って最高裁の方でもこの問題について御検証をいただきたいと思います。 その上で、保護観察を付けるか否かの判断をする際に、これは判事の、いわゆる初犯ということであればなかなか判事の方の御判断ということになるんだと思いますが、いわゆる犯罪心理ですとか罪刑ごとの再犯率の動向などといったようないわゆる客観的な指標というものがあった方がいいのではないのかという、こういう指摘をされる有識者の方もいらっしゃいますけど、この指摘に対する見解をお伺いをしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答え申し上げます。 保護観察を付するか否かは、一般論として申し上げれば、各事件の個別具体的な事情に基づいて、執行猶予期間中の被告人の改善更生を図り再犯を防止するために保護観察による指導等が必要かつ有益かなど様々な観点から判断されているものと承知しています。 委員御指摘のような事情をその判断に生かしていくべきという考え方もありましょうが、各裁判所においてはまさに様々な事情を総合考慮して判断しているところでございますので、事務当局の立場として例えば指標等を策定するということについては困難であることは御理解いただきたいと思います。 もとより、全国各地の裁判所は、定期的に保護観察所と意見交換の機会を設けているところでございます。専門的処遇プログラムなどの実情を把握するなどしておりまして、このような意見交換の結果等を判断に生かしていくことはとても重要なことであると考えているところでございます。
○川合孝典君 ありがとうございます。 そこで、いろいろなこの今回の保護司法の改正に係ることにも関わってくるんですけど、保護観察所とも意見交換をしていらっしゃる、一方で、この保護司は不足している。いわゆる保護司の制度の運営に係る様々な予算のことについても様々な問題が指摘されている等々のことを考えたときに、いわゆる再犯を防止するという観点とは別に、保護司、いわゆる保護観察所との関係値の中でどういった判断を下すことが現実問題として物理的に対応が可能なのかといったようなことも当然現場では話し合われるはずだと思うんですね。そのことが結果としていわゆる再犯防止のための保護観察という制度の適正運用に影響を及ぼしているのだとすれば、そこを検証し、指導するのは私は最高裁判所の責任だと思いますので、この点だけは指摘をさせていただきたいと思います。 その上で、法務大臣に御質問させて、これまでの間のやり取りも踏まえて、保護観察率の低下、そのことによっていわゆる防げたはずの犯罪が防げなくなっているのではないのかという世間からの指摘等々も踏まえて、この保護観察率の低下に対する法務大臣の課題認識についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 刑の執行猶予に保護観察を付ける割合につきましては、個々の裁判所の判断の積み重ねの結果でありまして、その割合に対する評価等について法務省からお答えすることは極めて困難でございます。 一般論として申し上げれば、保護観察は、犯罪をした者の再犯を防ぎ、その改善更生を助けることを目的とするものでございまして、保護観察所においては、地方裁判所との間で意見交換の機会を設けるなどして保護観察の処遇の実情等について理解を得るように努めているところでございます。
○川合孝典君 大臣所信において、いわゆる保護観察の制度については今後充実強化を図っていくということも含めて所信で大臣はおっしゃっているわけですけど、大臣がおっしゃるところのこの充実強化というのは何を意味しているということなんでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たっておりまして、また、保護司からの相談に応じて必要な助言を行うということなど、保護司の安全確保を含めて保護司活動を支援するという重要な役割を担っておりますから、そこを一層強めてまいりたいと、このように思っております。
○川合孝典君 済みません、質問していない次の質問に御回答いただきまして、ありがとうございます。 いわゆる保護観察官のことを言及いただきましたので、いわゆる保護司と保護観察官の間の連携というものが非常に必要であるということを、この間、保護司法の改正に係る議論をする中で多くの方が御指摘をされています。 実際に人員も、少しずつですけれども、予算取って増員をするといったお取組もいただいているということを法務省の方からも御説明をいただきましたので、この点については着実に進めていただきたいと思います。 時間がありませんので、次の質問に移りたいと思います。 更生保護関連予算の執行状況について確認をさせてください。 実は、更生保護委託費、いわゆる民間に委託をする、これ大臣の所信にも、民間協力者への支援だとか民間協力者との連携ということを掲げて充実強化させるとおっしゃっているんですけれども、この大臣所信とは裏腹に、更生保護委託費について、予算不足を理由として、本年十月に、更生保護委託費の一層厳格な執行管理についてと題する事務連絡が法務省保護局から地方更生保護委員会委員長並びに保護観察所長宛てに出されている、実は。 その内容は、被保護者一人当たりの平均委託日数を短縮することや、自立準備ホームへの委託延べ人員を二〇%、支援計画書の作成委託件数を三〇%削減するといった内容に実はなっています。大臣所信でおっしゃっていることと真逆のことが現場で生じてしまっております。 大臣にお伺いをします。 大臣は地域における息の長い支援の充実強化と述べておられますけれども、予算が削減されたことによって更生保護支援の委託事業に支障が生じている。現場は非常に動揺しております。この現状を把握しておられるのか、また、どのような問題意識を持っていらっしゃるのか、このことについてお伺いをします。
○国務大臣(平口洋君) 平成七年度の当初予算における更生保護委託費は、前年度までの委託件数、済みません、令和七年度でございます。済みません。前年度までの委託件数の推移などを踏まえて計上されたものでございます。 しかしながら、本年度当初の見込みよりも更生保護施設等での保護を必要とする人の宿泊日数などが多くなりまして、本年度末に不足額を生ずる見込みとなったわけでございます。 そのため、今回閣議決定された補正予算案においては、更生保護委託費を約二億四千万円計上しているところでございますし、また、平成八年度概算要求においては、令和八年度概算要求においては、宿泊場所や食事の給与を委託する場合の委託費の単価増を含めて、本年度比約二億円増となる五十四億円余りを計上しているところでございます。 法務省としまして、更生保護施設等に対して、適切な保護の委託を確実に行えるように必要な更生保護委託費の確保に全力を努めてまいりたいと、このように考えております。
○川合孝典君 今御説明をいただきましたけれども、前年の実績も踏まえて予算の計上を行っているという御答弁だったんですけれども、前年の要は実績を踏まえて予算計上した結果、令和六年から令和七年にかけておおよそ九千万円の予算減になっています。 一方で、物価上昇、食費を始めとする様々な諸経費の上昇によって一人当たりの委託単価は一方で上がっているんですよね。上がっている状況の中で総額を減らしているということ自体にそもそも問題があるということなんです。このことを、今大臣、答弁書で答弁読まれましたけれども、実際にそうなっていないということを改めて確認した上で、今後どう予算を取っていくべきなのかということについてきちんと検討いただきたいんです。五十四億円の予算を計上するとおっしゃいましたけれど、今年も五十三億円は計上されています。その上で二億数千万円予算に穴が空いているという状況の中で、来年五十四億円しか取ってないんですよ、これ。足りますか、これで。そのことを指摘しているんです。 きちんと予算、要は保護司法、いわゆる保護司制度や更生保護のために法務省として省を挙げて取り組むとおっしゃっているのであれば、きちんと予算取っていただけるんですね。もう一度御答弁ください。いや、まず大臣。
○国務大臣(平口洋君) おっしゃることはよく分かりますので、個々の単価とか数量とかをよく吟味してやろうとしているところでございます。 現在のところは来年度の見込み数というのを前提にして計算しましたので、数字が補正予算と当初予算とを足したものと比較して低くなるかもしれませんけれども、現在のところはそういう見通しでやっておりますので、御了解いただきたいと思います。
○川合孝典君 それが駄目だから今指摘しているんです。 保護局長、どうぞ。
○政府参考人(吉川崇君) 若干補足させていただきます。 来年度の要求額を五十四億余りと大臣の方から御説明がありましたが、正確には五十四億九千八百万円でございまして、約五十五億円でございます。そういう意味で、今年度の五十三億から約二億増加して、五十五億ということで要求させていただいております。 それから、見込みにつきましては、確かにおっしゃるとおり物価等は上がっておるんですけれども、まず、件数が基本的には下がってきているという傾向から今回の令和七年度予算が構成されたということ、さらには、これまで推移していた一人当たりの日数ですね、更生保護施設に入っている日数が令和七年度急に延びてしまったという、そういう要素がございまして、それで、令和七年度予算として想定していたものから今年度の途中の執行額が非常に多くなっていったので、それでこれは大変だということで補正予算を要求させて、を計上させていただいたということでございます。
○川合孝典君 説明としては承りましたけれども、年度途中、十月に、もうこのままでは既に足りないと、年央でその話が出てきているわけですよ。ということは、急に増えたからといった説明ではなく、説明では到底理解を得られるようなものではないということは指摘させていただきたいと思います。同時に、五十五億円近いという話になっておりますが、それでも今年のいわゆる不足額を充当するだけの当初予算額にはなっていないということは御理解いただいていると思います。 私がわざわざこのことを申し上げているのは、要は、年度末に予算が枯渇するかもしれないからといって、委託日数を短くするだとか件数を減らしていくだとか、もちろん、滞在日数を少しでも短くして一日も早い社会復帰を促すという取組をしていただくことは当然のことではありますけれども、そのことと同時に、予算がないからできないといったようなことを年度中に起こしてしまっては、息の長い更生支援などというものには到底おぼつかない状況になるんじゃないですか。そのことを指摘をさせていただいているんです。 同時に、もう一点だけ時間の関係あるんで指摘させていただきますが、予算が足りないからといって、近年、安易に補正予算で予算を積み増しをするということをやっておりますけれども、当初予算できちんと組んで、プラスアルファで何らか新たな取組を行っていく上で必要なものを、年度内に新たに生じたものについて補正予算で措置をするというのが本来あるべき姿であって、足りなくなりそうだったら補正で取るからいいんだという、そういった考え方でやっている限りは、予算がなくて、結果的に、先ほど最高裁の方でも御質問させていただきましたけれども、要は、件数、受けられる件数の問題やお金の問題等があるからといったような副次的な理由でもっていわゆる保護観察の件数が低下するといったようなことにも波及しかねないということだと思います。 これで最後にしたいと思いますけれども、今の指摘を踏まえて、局長として、今後に向けた取組の考え方を最後一言お述べください。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 御指摘のところごもっともでございまして、今後は、更生保護施設等における保護の実績等をこれまで以上に綿密に把握するなどして、個々の支援対象者について必要な期間、必要な支援を委託することができますよう、更生保護委託費の確保に努めてまいります。
○川合孝典君 大臣には、この間のやり取り聞いていただいたと思いますので、この予算の措置のことも含めてしっかりとお取組を進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 それでは、早速質問に入ります。 本改正案により新設される保護司法第三条第五項、これには、保護観察所の長が、保護司の職務の意義及び内容に関する広報を実施するとともに、保護司の推薦を行うに当たり、関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体若しくは個人の協力を得て多様な人材の確保に資するよう努めるものとするとしています。 地方公共団体の協力については、例えば広報誌を通じて広く募集することを想定していますが、その他具体的にどのような方法で保護司候補者を探すことを想定しているのか、伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、本法案では、保護観察所の長の責務として、保護司に関する広報を実施するとともに、地方公共団体等の協力を得て適任者確保に資するよう努めるべきなどと規定しております。 これらの規定を前提に、委員御指摘の地方公共団体の、済みません、恐縮です。これらの規定を前提に、地方公共団体の広報誌等を通じた保護司活動の紹介や募集を行うこと、さらには保護司活動についての各種の団体に対する説明会の実施、あるいはSNSを始めとする様々な媒体を通じた広く社会に向けた積極的な広報などの施策をより戦略的に推進していくこととしております。 幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保するため、保護司の方々の声を更によく聞きながら、実効性のある確保策を講じてまいりたいと考えております。
○横山信一君 保護司は、保護司法第二条により定数が定められています。全国で五万二千五百人を超えないとされていますが、令和七年一月一日時点の保護司数は四万六千四十三人ということで、充足率は八八%でございます。 法務省令により地方更生保護委員会ごとの定数も定められていますが、全国に八百八十三ある保護区において、地域による偏在はどうなっているのか、伺います。
○政府参考人(吉川崇君) 委員御指摘のとおり、本年四月一日時点で全国に八百八十三の保護区がございまして、保護司の皆様には、保護区ごとに保護司会を組織して活動していただいております。 保護区の区域は、原則として一又は二以上の市区町村の区域をもって定めるものとされておりまして、また、保護区ごとの保護司の定数は、保護区内の公立小学校の数、保護区内の保護観察事件の取扱件数などの地域の実情を勘案して定めておりまして、それぞれの保護区で保護司の定数は異なっております。 もっとも、定数に占める保護司の充足率の、充足の状況は地域によりばらつきが生じているのが実情でございまして、地域によっては保護司の担い手不足により保護観察等の職務負担が過重になっているとの声もお聞きしていることからも、保護司適任者の確保が喫緊の課題となっているという、こういう状況でございます。
○横山信一君 保護司全体で見て保護司不足というよりは、地域によって深刻なところがあるということなんですけれども、こうした地域偏在に対してどのように取り組むのか、副大臣、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 先ほど政府参考人から答弁させていただきましたとおり、保護区ごとに保護司の定数が定められ、その充足状況は地域によりばらつきが生じるものと承知しております。 その上で、保護観察所におきましては、各保護区における保護司の充足状況などに応じまして、保護司活動について紹介する保護司セミナー等の実施、また地方公共団体の広報誌等を通じた保護司活動の紹介や募集、そういったことを含めて、適任者確保に向けた支援策を重点的に実施しているところでございます。 また、地域の事情を勘案するとともに、保護司会の御意向も踏まえさせていただきながら、必要に応じまして保護区の区域や保護区ごとの保護司定数の見直しを含めた検討を行うなど、保護区ごとの実情を十分考慮しつつ、丁寧な対応を進めさせていただいております。 以上です。
○横山信一君 全体としては保護司の数は減少傾向にあるんですけれども、不安感、負担感を背景にして、なり手の確保が難しくなっている状況もあると思います。今、様々な形で、セミナーをやられたり、あるいはインターンシップをやったりとか、いろんな活動をされているんだと思いますけれども、保護司の確保策の一つとして、公務員というのが、やはりその地域には必ず公務員の方がいらっしゃって意識も高い、こういうことに対してはですね、ですから、国家公務員、地方公務員が奉仕活動を担うということを推進してはどうかというふうに考えます。 そこで、国家公務員、地方公務員が保護司を兼務している人数についてまず伺います。そしてまた、公務員はそれぞれ国家公務員法、地方公務員法に基づき兼業が制限をされていますので、公務員が保護司となることを希望した場合、兼業規制はどうなるのか、併せて伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 令和七年一月一日時点で把握しております限り、国家公務員である保護司は六十六人、また地方公務員であります保護司は二千四百十八人でございます。 現職の国家公務員が保護司になる場合については、保護司が非常勤の国家公務員であるため、現に任命されている官職の任命権者から保護司への併任について同意を得ることによって、保護司に委嘱することが可能になります。 また、一般の国家公務員及び、済みません、一般の地方公務員につきましては、保護司は報酬を得ずにその職務に従事するため、いわゆる兼業規制の対象にはなりません。
○横山信一君 意外に多いなという感じがするんですけれども。 もっともっと、ここは大事なところだと思いますし、地方公務員が仮に保護司になると自治体との連携が非常にスムーズになりますから、後で質問もいたしますけれども、様々、自治体の社会福祉的な様々なメニューを活用する場合にも非常に連携がスムーズになると思います。 一方、地方公務員の場合は、今は報酬制はないですけれども、だから兼業ができるわけですが、報酬制ということを将来考えるとすれば、ここは一つ課題になってくるのかなというふうにも思います。 ということで、積極的に進めていただきたいと思うんですが、こうした今回の改正で、社会的信望の削除、あるいは保護司の人脈のみに頼った候補者探しというところから脱却をするということになりますので、こうした公務員のなり手ということをしっかりと推進してはどうかというふうに思いますけれども、副大臣に伺います。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 先ほど答弁させていただきましたこの保護司活動について紹介する保護司セミナーですが、これは地方公共団体の職員に対しても行ってまいりまして、保護司活動に対する理解の促進を図ってきたところでございます。 本法案では、幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保するための規定や、保護司及び保護司会に対する地方公共団体の協力規定の整備がなされるところでございます。こうした法改正の趣旨も踏まえまして、地方公共団体の理解もいただきながら、保護司活動に対する職員の理解を一層促進し、保護司就任に係るニーズですとか希望というものをしっかりと掘り起こしてまいりたいと考えております。また、国家公務員に対しても、適任者には積極的に保護司を委嘱してまいりたいと考えております。 以上です。
○横山信一君 地方公務員と違って、地方公務員も転勤ありますけど、国家公務員の場合は全国股に掛けて転勤するので、なかなかなり手としてはできる人は限られてくるんだというふうに思いますけれども、ここは積極的に活用していただきたいと思います。 令和六年十月に公表された法務省の持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会報告書は、保護司の無償性は、制度発足以来、利他の精神や人間愛に基づく地域社会における自発的な善意を象徴するものであり、なお堅持していくべき価値があることから、報酬制はなじまないとなっているわけですけれども、同時に、無理なく保護司活動を継続できるよう、保護司であるがゆえに必要となる活動に対するものを含め、保護司実費弁償金の充実を図るというふうに報告をされています。しかし、同報告書は、好事例を参考に、保護司会の意向を十分に踏まえ、公募の取組を試行することも示しています。 先ほど来御答弁いただいているように、幅広い世代から、幅広い分野から保護司がこれから応募していただくように取り組んでいくことになります。そうすると、報酬制を望む声も当然に出てくるというふうに思いますけれども、今後の報酬制をどのように考えるのか、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘のとおり、保護司制度の検討会の報告書において、報酬制はなじまないとされているところでございます。この報告書は議論の積み重ねの結果でありまして、本法律案ではこれを尊重して報酬制導入は見送るということにしたわけでございます。 また他方で、保護司の経済的負担の軽減は重要な課題というふうに認識しておりまして、保護司活動をしっかり支えていくためには、引き続き保護司の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。 また、報酬制の是非を含め保護司の待遇の在り方については、今後とも保護司の方々の御意見や社会情勢などを踏まえながら、継続的に検討を行っていきたいと考えております。
○横山信一君 検討会の先生方の慎重な議論を積み重ねた結論が今回だといっても、世代が替わっていけば必ず報酬制を望む人たちが出てくる、多くなってくるというふうにも思いますので、今後も検討会、見直しが定期的に行われていきますので、しっかりとこのテーマはその状況に応じて判断をしていただきたいというふうに思います。 本改正案には、地域社会を構成する一員として、それぞれの個性と能力を発揮してと文言が追加をされております。その趣旨について伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 保護司は保護観察官と協働して保護観察対象者の指導や支援を行っておりまして、保護観察等の実施に当たっては、保護司と保護観察官の役割分担と協働関係が重要とされております。 この点について、保護観察官は、更生保護法第三十一条に、更生保護に関する専門的知識に基づき保護観察等の事務に従事する旨が規定されている一方で、保護司は、現行の更生保護法第三十二条において、保護観察官で十分でないところを補い、保護観察所等の所掌事務に従事する旨が規定されているのみでございまして、保護司が何に依拠して事務に従事すべきかについては明確には規定されておりません。 そこで、本法案では、保護観察官と対比した保護司の役割等として、地域社会を構成する一員として、保護観察対象者等に寄り添う存在であることや、一人一人異なる個性を有する保護観察対象者等に対応できるよう、保護司についてもそれぞれが異なる個性と能力を発揮して関わることが求められている旨を規定して、保護司の職務遂行の在り方を明示することとしたものでございます。
○横山信一君 保護司について定めた更生保護法三十二条は、保護司は保護観察官で十分でないところを補う旨を規定しています。一方、保護司は、夜間、休日対応等、時間的にも保護観察官の業務を補充していますので、保護観察官と保護司の関係性が主客転倒しているんじゃないか、そういう指摘もあります。 こうした現状に対してどのように取り組むのか、伺います。
○副大臣(三谷英弘君) 先ほど政府委員の方から答弁させていただきましたこの保護観察官と保護司の協働態勢でございますが、保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察対象者に対するアセスメントを適切に行い、その結果を踏まえて、直接関与を強化するなど適時適切な対応を行うことが重要となっております。また、保護観察官は、夜間、休日を含めて保護司からの相談等に応じて必要な助言を行うなど、保護司の安全確保を含めて保護司活動を支援する重要な役割を担っております。 法務省といたしましては、この保護観察官と保護司による協働態勢がより効果的なものとなるよう、保護観察官の専門性の一層の向上を図るとともに、その人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 保護司の安全確保について伺います。 保護観察官による定期的な点検や保護司の不安等の適時的確な把握等、本法案には多くの取組が追加されています。それでも保護司が被害に遭った場合には、国家公務員災害補償法あるいは保護司物損補償制度の対象となっています。 そこで、公務上災害とは身体的損害以外にどのようなことが想定されているのか、また家族の被害については補償されるのか、伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 国家公務員災害補償制度における公務上の災害とは、保護司を含む一般職の国家公務員である職員が職務遂行に際して被った負傷、疾病、障害又は死亡といった災害をいいまして、精神疾患による災害を含みます。身体損害以外の物的損害等は補償の対象外とされておりまして、また、職員の家族の身体的損害等も補償の対象外とされております。 他方で、平成二十四年度から開始しました保護司物損補償制度におきましては、保護観察対象者等の加害行為により保護司の家屋や動産などの物的損害を受けた場合のほか、保護司はもとより、保護司の御家族が身体的損害を受けた場合にも補償の対象となります。なお、現時点で御家族の精神的疾患等については定められておりません。
○横山信一君 ほぼ補償の対象にはなっているんですが、最後おっしゃられたように、その公務上災害には家族の精神的障害が含まれないということになります。この度の改正により面接場所が自宅ではなくなりますので、そういう意味では保護観察対象者が保護司の家族と接する機会は減るというふうに考えられますが、しかし、保護司の家族に対し嫌がらせをするなどがあった場合、家族に精神的な障害をもたらされることも当然考えられるわけです。こうした場合などを踏まえて、家族の被害についての補償を見直してはどうかと思いますけれども、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 保護司物損補償制度におきましては、保護司の家族が保護観察対象者の加害行為により身体的損害を受けた場合も補償の対象とされておりますが、この場合の身体的損害には精神障害が補償対象として想定されておりません。 保護司や保護司の家族がそうした被害に遭わないように安全を確保していくことがまずもって必要となるわけでございますが、万一の被害に備えた補償はどうあるべきかといった観点から、精神障害を補償対象とすることの必要性につきましては今後とも検討してまいりたいと考えております。
○横山信一君 よろしくお願いします。 ちょっと時間がなくなってきたので、ちょっと飛ばしまして、保護観察対象者の再犯リスクの分析、評価について伺います。 大臣に伺います。 この保護観察対象者に関する情報収集の方策として、更生保護法において、公務所等への照会規定や少年鑑別所による鑑別の規定を新設することとしています。 保護観察処遇の入口の再犯リスクの分析、評価は、その後の保護観察の在り方に影響し、とりわけ、発達障害や知的障害のような特殊な事情が背景要因にあることをこの時点で見抜けるかどうか、それはその後の処遇体制に関わることから特に重要と考えます。 この本改正案の趣旨を踏まえ、保護観察官の再犯リスクの分析・評価能力の向上を図る取組を行うことが必要だと思いますけれども、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 保護観察の開始当初に適切にアセスメントを行い、再犯リスクを分析、評価し、発達障害の傾向や知的能力の制約等の心理的な特性などを把握することは、効果的な保護観察を実施していくために非常に重要なものであると認識をしております。 本法案においては、関係機関からの情報収集など、保護観察官によるアセスメントの強化を図るための規定を設けております。 また、法務省においては、有識者の助言も得ながら、アセスメントを実施する保護観察官の専門性を向上させるための研修の充実を図っており、引き続きこれらを推進してまいりたいと考えております。
○横山信一君 コミュニケーションが苦手な人が犯罪に行ってしまうということはよくある話ですから、こうした人たちをその後しっかりと自治体等の支援メニューにつなげてあげるということも重要だと思います。 以上で質問を終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 更生保護制度の充実を図る保護司法等の一部を改正する法律案について、十分の時間をいただきましたので、質問させていただきます。 まず、昨年の五月下旬、大津市内の保護司の新庄博志さんが保護観察中の若者と自宅で面談中に殺害された事件、地元で本人と大変長い付き合いがあり、また恩もいただいていた私自身、本当に驚愕をいたしました。例えば、知事時代にファザーリングフォーラムという父親の子育て参画の全国フォーラムを企画したんですけど、そのときに新庄さんが真っ先に立ってお父さんたちをまとめてくれる、本当に父親の子育て参画の先駆者でもありました。また、男女共同参画含めて、それから、町の文化的な活動も先駆者であられました。本当に心が痛む事件でございました。こやり議員はもっと地元ですから、本当にさぞかしお力落としだと思います。 新庄博志さんの御冥福を祈りながら、質問をさせていただきます。 まず、一問目ですけれども、自治体経営の立場から、今回の改正案の中で、特に自治体との連携協力について伺います。 先ほど、泉議員が、見事な実践をなさいましたけれども、御披露くださいました。意外と、自治体で経営していても、その法務の仕事はなかなかつながる、ある意味で出先がないんですね。土木や厚労だったら直接担当者がいるんですけど、この法務の仕事は、どちらかというと、県でも総務の一部、市区町村でも総務の一部でしょうか。 というところで、今回、法案の十八条二項には、地方公共団体は、第十六条の措置の実施に関して国から必要な協力を求められた場合には、これに応じるように努めなければならないという努力義務となっているんですが、今回の法案改正で自治体での役割がどのようになるのか、具体的にどうまた自治体に働きかけるのか、御説明いただけますか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 地方公共団体には、これまでも、更生保護サポートセンターの設置や保護司の面接場所の提供、社会を明るくする運動への支援など、保護司及び保護司会等の活動への協力をいただいております。しかし、地方公共団体によって協力の程度に差があることから、本法案では、より一層の協力をいただくため、現行の規定をいわゆるできる規定から努力義務規定に改正することとしております。 こうした法改正の趣旨を踏まえまして、法務省といたしましては、地方公共団体から公民館やコミュニティーセンターなどの公的施設を保護司の面接場所として、かつ、可能であれば夜間、休日を含めて利用させていただくこと、地方公共団体の職員に保護司になっていただくとともに、保護司である職員が保護司活動を行いやすいよう勤務時間や休暇や職務専念義務などに関する配慮をいただくこと、社会を明るくする運動などの保護司会等が行う犯罪予防活動に対するより一層の支援をいただくことなどについて更に協力が得られるよう協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 本当に保護司さんの仕事というのは守秘義務もあってなかなか広がっていかないんですけど、この新庄さんの事件を背景に、実は滋賀県内では随分と地元の新聞が保護司さんの活動を紹介をしてくれております。 あるA新聞社ですが、もう見出しが「新庄さん、もう悪さしないよ」ということで、自分がいかに立ち直ったかということを具体的に紹介をしてくれています。彼の、Aさんの言葉を引用させていただきます。二度の保護観察処分の中で、新庄さんから、直接の面接だけでなく、便箋何枚も手書きの手紙をもらい、真剣に人としてあるべき道を教えてくれた、紺色のジャケットをよそ行き用にとプレゼントしてくれ、今はそれを形見として、これからも新庄さんが喜んでくれる生き方をしたいと決意を語ってくださっております。 法務省さんへの提案ですが、今回のAさんのように、過去、保護司から支援を受けて立ち直った人たちの手記などリアルな経験談を集めていただくと、社会に広める活動としては効果が大きいんではないでしょうか。提案をさせていただきます。いかがでしょうか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 保護司の皆様には、安全で安心して暮らせる社会、地域社会を実現するために、それぞれの地域で、犯罪や非行をした者の立ち直りを支えるなどの大変貴重な活動を担っていただいております。こうした保護司の方々の存在や活動内容、ひいては更生保護の制度、取組の全体について社会的な認知度を向上させることが極めて重要であると認識しております。 このような観点から、これまでも様々な媒体を通じて、保護司活動の内容のみならず、保護司が経験した喜びややりがいなどについて発信してきたところですが、委員御提案のように、保護司あるいは保護司から支援を受けて立ち直った人のエピソード、物語を取りまとめつつ発信していくことは、社会に対し更生保護や保護司の存在や取組を広めていく上で非常に効果が期待できるのではないかと考えておるところでございまして、そのような活動もやりたいとまさに考えておったところでございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 省の仕事を増やしてしまうかもしれませんが、前向きのポジティブな発信、是非お願いしたいと思います。 三点目ですけど、令和三年の京都コングレスのときに、日本の保護司制度は国際的に見ても大変特色のあるすばらしい制度であると称賛をいただきました。 実は、地域社会学研究を私してまいりまして、アメリカ、ヨーロッパ、日本と比べてみると、アメリカは元々植民地で、地域社会というのがなかなか育っておりません。ヨーロッパは、例えばドイツでしたらゲルマン共同体、ソ連でしたらミール共同体というところで、中世から共同体が土地をみんなで回しながら、生産資源も共有しながら地域社会として生き残ってきたんですけれども、日本の場合には、ここが極めて強い二つの特色があります。 一つは、生産の基盤である水が共同であるということ。水は自分で独り占めしてはいけない。ですから、我田引水という言葉もあります。それから、アウトプットですね、納税母体が村落なんです。百戸なら、百戸あったら、村全体が年貢村請制度、これ意外と知られていないんですけど。 ですから、その村の中で、まさに、例えばある人が障害があって耳が聞こえないとかいったら、その人たちに例えば歩きという仕事をつくり出す。もう、まあ言うたら資料を配り歩くだけでいいというようなことで、私、かなり共同体の具体的な仕組みを見てまいりまして、まさに地域社会の相互扶助の中で社会的安寧を保ってきた江戸時代以来の伝統的文化に根差した、そこからこの保護司制度というのは生まれていると理解をしております。 そんな意味で、高市総理も、日本人の日本人としての誇りを取り戻そうと言っておられますけれども、私自身は、この水利共同体の中で生まれた相互扶助の仕組み、あわせて、年貢村請制度のような形で村全体が言わば納税母体になる、そこで相互扶助の仕組みをつくってきた。これについては、例えば社会学の中でも随分批判をする向きもあるんですけれども、私自身はポジティブに評価をして、そして、この保護司制度が日本の伝統的価値観の中から生まれてきたんだということを広げていただいて、ここもポジティブに広報していただけたらと思います。いかがでしょうか。法務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(平口洋君) 我が国の更生保護の中核を担う保護司制度は、保護司が地域社会、地域の隣人の一人として、犯罪をした者等に寄り添い、そして立ち直りを支援するものでございまして、国際的にも高く評価されていることは委員御指摘のとおりでございます。 法務省においては、幅広い世代から多様な保護司の担い手を確保するために、保護司活動について広く知っていただくための広報に取り組んでいるところでございます。 委員御指摘のとおり、保護司制度は我が国の地域社会の安全、安心に大きく役立ってきた歴史的、文化的背景も含めまして、国民の皆様への保護司制度の積極的な広報に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、質問おまとめください。
○嘉田由紀子君 ありがとうございました。 時間になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。 以上です。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 今回の法案について、更生保護にも積極財政をという観点から質疑を行っていきます。 まず、保護観察の現状について確認していきますが、現在、保護観察の開始人員は、令和五年の数値で、成人が一万二千八百二十八人、少年が一万一千四百八人で、おおむね一対一ですね。成人と少年は制度も異なるので、分けて考えた方がよいのではないかと私は思っています。 少年の保護観察は、開始人員でいくと、三十年前、約六万人以上いたんですけど、それから大きく一万人と減っていますけれども、成人の保護観察は三十年前とほぼ変わっていません。 少年非行がなぜ大きく減っているかは気になるポイントですけれども、これは別の機会といたしまして、ただ、成人と少年も毎年約一万人以上保護観察になるわけですから、これらの方々の人生にとっても、また地域の社会、日本の治安の良さを守っていくためにも、更生保護は必要だと考えております。 成人の犯罪類型は窃盗や覚醒剤が多く、少年の場合は窃盗や暴行、傷害、道交法、次に大麻が来ますと。私は弁護士として、で、ここで居住環境にも注目しますと、少年は両親との同居が半数に満たないということでして、私は弁護士として少年事件もかつて担当したことありますけれども、やはり少年は家庭環境の問題が大きく影響していると思います。 また他方、成人の保護観察の場合は、仮釈放者の三三・八%が更生保護施設に住んでいると、こういった統計でして、言わば身寄りがなくて行き場がない人が相当数いるということが分かります。なので、この成人の保護観察については、特に、保護司の制度も考えていく上で、数か月にわたって宿泊と食事を提供している更生保護施設の存在が極めて重要だと思います。 更生保護施設について、資料の一枚目を御覧ください。 全国百二か所、二千三百八十二人の定員で、全て民間団体です。国が設置した一時宿泊場所である自立更生促進センターが全国四か所、五十八人の定員なので、民間の役割が非常に大きいですね。 今回の法改正の直接の対象ではありませんが、更生保護施設も保護司、保護観察官とともに重要な役割を担っていると思いますが、政府の見解を教えてください。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 更生保護施設は、頼るべき人や帰るべき適当な場所のない刑務所出所者等の受皿として、更生保護における重要な役割を担っていただいております。 近年においては、仮釈放者のうち約三分の一を受け入れるとともに、入所者の特性に応じた専門的な処遇や施設退所後の通所又は訪問による継続的な支援などを行っていただいておりまして、地域における犯罪をした者等の自立支援の中核的担い手として再犯防止に不可欠な存在であると認識しております。
○安達悠司君 ありがとうございます。 この政府の資料によれば、更生保護施設の収入の八割以上が国の委託費で成り立っており、財政基盤が脆弱な法人が多いとのことです。この更生保護施設を運営する法人の経営が厳しい理由は何ですか。
○政府参考人(吉川崇君) 更生保護施設を運営する法人は全国に百一存在しておりまして、この経営が厳しい理由について一概にお答えすることは難しいのですが、収入の八割を更生保護委託費が占めているところ、刑務所出所者等の減少に伴い更生保護施設への委託人員が減少していることなどが更生保護施設の経営に影響を与えているものと考えられるところでございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 私も、更生保護施設は、まさに施設を維持するために一定の人件費が固定で毎月掛かってきますけれども、ただ、受入れ数によって、これは人員によって変動するので収入が安定しないと、こういった状況にあるのかなと思います。 この更生保護委託費の次は内訳ですね、委託単価についてお尋ねしたところ、資料二枚目の数字が回答いただきました。 このうち、特に宿泊費と食事付宿泊費、これが何と昭和五十八年の生活保護基準を基にしていて、四十二年前の数字から改定されてこなかったということですが、これについて、なぜ改定されてこなかったのか、また、これが昨今の物価水準に合わせて改定する必要がないか、政府にお尋ねします。
○政府参考人(吉川崇君) お答えします。 委員御指摘のとおり、更生保護委託費の宿泊費及び食事付宿泊費の単価につきましては、昭和五十八年の生活保護水準を基に算定されておりまして、以降、これまでの物価水準等の要因によりまして、その後は消費増税に伴う単価変更を除いて基準の見直しは行われていないのが実情でございます。 しかし、近時の物価高騰に対応するため、令和八年度概算要求におきましては、宿泊費及び食事付宿泊費の単価を最新の生活保護基準を踏まえて増額することを含め、具体的には宿泊費及び食事付宿泊費の単価をそれぞれ二百円程度増額するということです。更生保護委託費として、本年度当初予算比約二億円の五十四億九千八百万円を計上しているところでございます。 なお、その更生保護委託費のうち、その食事等とは異なる委託事務費につきましては、これまでも国家公務員の給与に準じるなどしてその人件費分の単価の改定を都度行ってきたものでございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 更生保護施設は保護観察にとって必要な、不可欠な施設であり、国が一からつくるにも住民の反対などがあって困難な状況と聞いていますので、こうした施設の経営の安定のためには、単価の改定もそうですし、この変動費だけじゃなくて固定費も積極的に国が助成する必要があると考えますが、この点について大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) 保護局長からも答弁があったとおり、更生保護施設は、犯罪をした者等の地域における自立支援と再犯防止に不可欠な存在であるというふうに考えております。 法務省としては、令和八年度概算要求におきまして、更生保護委託費の単価増に必要な経費などを計上しているところでありまして、引き続き更生保護施設の運営に必要な更生保護委託費の確保に努めてまいりたいと考えております。 なお、更生保護委託費については、更生保護施設があくまで民間人により運営されていることに鑑みまして、委託の有無にかかわらず、固定費を支弁することはしておらず、人件費を含めた運営経費は委託事務費の中に計上し、委託実績に応じて支弁しているところでございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 是非、国がしっかり監督するのと同時に、こういった財政的な支援もお願いしたいと思います。 次のテーマなんですけど、保護司に関する自宅以外の面接場所確保についてなんですが、今、保護司が自宅以外の場所で、大津の事件もありましたし、大変痛ましい事件もありましたし、自宅以外の場所で面接できることが重要ではないかと思っておりまして、それについて更生保護サポートセンターの法定化が挙げられています。しかし、例えば京都市でも、例えば更生保護サポートセンターが役所の中というケースとか、小規模で利用可能日時が月水金の十時から四時といったケースもあり、必ずしも土日や夜間の面接場所として確保が困難な場合も少なくありません。 政府は、土日、夜間における自宅以外の場所での面接の必要性についてどう考えていますか。また、そのため、面接可能時間の拡大や場所確保のための具体的方策をどう考えていますか。政府にお尋ねします。
○政府参考人(吉川崇君) お答えします。 土日、夜間における面接の実施状況につきましては、令和六年七月に実施いたしました調査によれば、保護司が保護観察対象者と面接をする主な時間帯は、平日夜間、つまり午後六時以降が三六%、土日祝日が約二八%との結果でございまして、平日夜間あるいは土日祝日においても利用可能な面接場所が必要とされている現状があるものと認識しております。 この点、令和七年四月一日現在、全国八百八十三か所の更生保護サポートセンターのうち、午後六時以降も利用可能なものは三百九十一か所、八百八十三分の三百九十一です。土日祝日のいずれかに開所しているものは四百五十五か所となっており、一定の対応は可能であると考えております。 他方で、更生保護サポートセンター以外にも身近な公的施設等で面接が可能な場所が必要との要望も受けておるところでございます。こうした状況を踏まえ、更生保護サポートセンター以外で面接が可能な公的施設等の確保を進め、令和六年十二月一日現在で全国で七千百八か所を確保しておりますが、必ずしも夜間、土日に対応しているわけではございません。 当局といたしましては、保護司の負担軽減や安全確保等の観点から、引き続き、自宅や更生保護サポートセンター以外にも、夜間、土日を含めて面接が可能な場所の選択肢を増やしていきたいと考えております。
○安達悠司君 ありがとうございます。 次に、専門職の保護司を設けることについてお尋ねします。 保護司は、保護観察対象者に対してもちろんこれは重要な役割担っておりますが、高齢化等により、人員確保は困難とされています。ここで、弁護士が業務の傍らボランティアとして保護司を行っている方は現在何人いらっしゃいますか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えします。 令和七年一月一日現在で把握している限り、弁護士である保護司の人数は全国で七十八名でございます。
○安達悠司君 ありがとうございます。 逆に言うと、弁護士は今四万六千人ぐらいいるので、七十八名しかいないということでもあります。 弁護士は、自宅以外の面接場所を夜間でも土日でも確保しやすいと、これ弁護士とかでも思いますし、犯罪や非行を犯した方に対する対応も熟練していて、また、結構、私も実は更生保護施設でボランティアで相談やったことあるんですけど、多いのは、債務整理の相談、特に、五年間たったら時効援用ができるのに、その業者からの督促で思わず払っちゃうといった感じの相談がありまして、やはりこういった法的知識についても助言が期待できます。 また、例えば弁護士が、国、司法支援センターの法的、委託事業として、報酬を払って専門職保護司として活動ができる制度を設計すれば、保護司の人手不足も解消できますし、より再犯防止や更生保護にも資すると考えられますが、政府としてこういった制度を創設する考えはありませんか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 弁護士を始めとする専門的知識を有する方に保護司となっていただくことは非常に有意義であると考えております。そのため、各種の職能団体を含めた地域の関係団体、機関に対して、更生保護や保護司活動への理解を深めていただけるよう、そして保護司になっていただけるよう働きかけを行ってまいりたいと考えております。 他方で、保護司制度の検討会における議論の積み重ねの結果として、報酬制はなじまないとされたことを尊重し、本法案においては保護司の報酬制の導入を見送ることとした経緯などから、委員御提案のような、専門職保護司への委託事務として報酬をお支払いして活動していただくという制度とすることは現時点では難しいものと考えております。 また、現在の保護司制度は、保護司の方々が非常勤の国家公務員として保護観察官と協働して職務を行うこととされておりますが、これを弁護士等に対する委託事務とすることは、保護司制度そのものを大きく転換することになりますので、この点からも、現時点では慎重に考えざるを得ないと考えております。
○安達悠司君 ありがとうございます。 是非これ積極的に検討いただきたいんですね。特に、保護司の方が、一般の方が、どんな事件でも、成人の事件は特にですね、やっぱり対応が困難な事件ってあると思うんですね。むしろ弁護士とか、犯罪被害者もそうですし、犯罪を犯した人についても対応が慣れているケースもあるわけですから。 実際、保護司の方が直接対応しないで、対応が困難と言われる事件というのは、これ何件ぐらいあるんでしょうか。これ通告していないですけれども、お尋ねします。
○政府参考人(吉川崇君) 恐縮であります。もう一度、済みません、御質問をお願いいたします。
○安達悠司君 困難事案ですね、保護司が対応できない事案というのは全体で何件ぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(吉川崇君) そのような統計は取っておりませんが、保護司が対応できない場合には保護観察官が直接処遇を行うという、こういう体制を取っております。
○安達悠司君 私は、これ千二百件ぐらいあると聞いているんですね。 弁護士は、今四万六千人超えて、三十年前の約三倍です。他方で、刑事事件減っているので、一人当たりの刑事事件の件数は減っているんですね。弁護士は、むしろ捜査から公判までサポートできますし、弁護士が増えたので、むしろ刑の執行後も保護観察などをサポートしていくことは合理的ではないかと思います。 私が特に言いたいのは、弁護士が、この法曹三者ですね、法務省と弁護士会と裁判所分かれていますけど、司法がしっかり連携していくことが必要ではないかと思いますが、この点、弁護士されている副大臣に、ちょっと通告ないですけれども、弁護士会との連携についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(三谷英弘君) 今の保護司制度の在り方についてどのようにしていくのかについては、様々な関係される方々の意見をしっかりと伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 その上で、あえて申し上げれば、この弁護士あるいは弁護士会との連携というものは、この再犯防止等々に関して非常に重要な役割を果たしていただいているというふうに認識をしております。 必要な支援がしっかりと必要な対象者に届きますように連携強化を図っていくということでお答えさせていただきます。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、質問おまとめください。
○安達悠司君 最後、大臣、一言お伺いしたかったんですけれども、お時間になりましたので、是非、この保護観察の制度、保護司の制度、弁護士会との連携もしっかりやっていただいて、専門職保護司の提案、是非御検討いただきたいと思います。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず大臣にお尋ねをしたいと思うんですけども、更生支援、保護観察の充実のために奮闘しておられる関係者の皆さんに、まず心から敬意を表したいと思います。 ある保護司の方にこの法案の議論に当たってちょっとインタビューをいたしまして、例えば性犯罪再犯防止プログラムというのがあります。保護観察所に行ってこのプログラムを受けてきた対象者は、もうそのプログラム自体がとても濃密でとても疲れて帰ってくると、ほとんどが地域で孤立をしている人ばっかりだと、だから、あれこれもう聞かずに、まずは御苦労さんやったねと受け入れて、安心して来れるようにするということがとても大事だと思っていると。もう一方で、保護司にだけはうそをついたら駄目やと、そういう姿勢で接することが大切と言う方がありました。私、そのとおりだと思うんですよね。 保護観察官と保護司がそれぞれの役割を果たして連携、協働を図っていくということがとても大事だと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 保護観察対象者に対する指導や支援を適切に行うに当たり、保護観察官と保護司との協働態勢と連携というものは極めて重要であるというふうに認識しております。 保護観察官と保護司の協働態勢において、保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たるとともに、保護司の安全確保を含め、その活動を支援する重要な役割を担っております。 本法案においては、保護司の安全確保のための政策を国の責務として実施することや、保護観察対象者に関する情報収集を強化することなどを規定しております。これらの規定の趣旨を踏まえ、例えば、保護観察官は、収集した情報に基づいて保護観察対象者の評価、分析を行い、それを踏まえて適時適切に直接関与を強化するなどの対応を行うことにより、保護司との協働態勢の実効を期することとしております。
○仁比聡平君 今大臣から御答弁あったように、この保護観察官と保護司さんの連携、協働をしっかり実効あらしめていくために、保護観察官の責任というのはこれ極めて大きいと思います。 今日はその点について少し伺いたいと思うんですけれども、まず、大津の事件。この事件は、保護観察付全部執行猶予という判決を受けた対象者が保護司さんをあやめたという事件です。 保護局長、この大津事件の教訓というのをどう受け止めているか。これを踏まえたときに、保護観察所ないし保護観察官が対象者の社会内での自立的更生の条件をしっかり評価していくと、プラス、マイナス両面あると思うんですけれども、これをどのようにアセスメントしていきますか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 保護観察付全部執行猶予者の再犯防止と改善更生を図るに当たりましては、保護観察官が当該保護観察対象者の再犯リスクを評価するとともに、犯罪に結び付く要因と改善更生を促進する事項を分析することなどを内容とするアセスメントを実施した上で、処遇方針を決定し、これに基づき保護観察を実施する、そういうこととしております。そして、大津で保護司が殺害された事案も踏まえまして、現在、保護観察付全部執行猶予者に対するアセスメントの充実強化を行っているところでございます。 具体的には、保護観察の開始後おおむね三か月間を開始時重点的アセスメント期間として、保護観察官が複数回の面接を行うなどして当該保護観察者に係る情報を十分に収集し、犯罪や非行に至るプロセス等のアセスメントを行い、その結果を踏まえて、保護観察官の直接関与を強化するなどの種々の措置を講じているところでございます。 また、本法案におきます公務所への照会や鑑別の求めの規定の新設によりまして、保護観察官が保護観察付全部執行猶予者に係る情報をより一層進め、これに基づくアセスメントを充実してまいろうと考えているところでございます。
○仁比聡平君 裁判手続において裁判所が保護観察付全部執行猶予という判決を出すと、そこには当然合理的な理由があるわけですよね。一方で、社会内で自立的な更生を図っていくというその対象者、保護観察対象者には、その更生を図っていこうという条件もあれば、再犯に陥りかねないというリスクもあると。ここをしっかり見極めていくという上で、保護観察官の専門性というのは極めて重要だと思うんですが、局長、もう一度いかがですか。
○政府参考人(吉川崇君) おっしゃるとおりでございまして、保護観察官の役割は極めて重要です。 そのため、そのアセスメントにおきます最新のツール等を導入し、あるいはそれをいかに使いこなせるようになるのかということにつきましても保護観察官の研修を随時進めているところでございまして、保護観察官の能力の向上、アセスメントに関する能力向上、あるいは処遇計画を立てる上での能力の向上、それに努めているところでございます。
○仁比聡平君 この保護観察付全部執行猶予ということを初めてその判決を受ける被告人は、それまでの間に、更生保護の観点からの、今の保護観察官の観察、調査のような評価を受けないということになる。つまり、裁判の手続、事実と証拠に基づいて、検察官の起訴、弁護人の弁護、そして裁判官の判断ということになると。そうした事案について、今お話しのように、保護観察所からの照会などの取組ということになるんですが、刑事局長、こうした照会に対してどう協働していくのか。 それから、被疑者、被告人及び弁護人に被疑事実、被告事実についての争いがないというケースがたくさんあります。そうした中で、再犯に至らない環境の調整こそが問われているという事案があるわけですけれども、検察官はどのように対応しているんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) まず、最初の御質問についてですけれども、検察庁、個々の検察官になりますが、その犯罪の内容、態様、あるいはその経歴などを見て、例えば、それは一回目の執行猶予になるにしても、観察、保護観察が付いた方がいいのではないかというふうに考えられる事案につきましては、保護観察所と調整したり議論したりという経緯をした上で、保護観察付執行猶予の、例えば保護観察を付けるべきだといった求刑をすることもございます。そういう中で、確かに検察官、心理学等の専門家ではございませんけれども、そういう形で矯正ないしは保護の皆さんと調整をしたり意見を交換するという取組は現に行われているところでございます。 それから、今、次の二つ目の御質問でありますけれども、検察当局におきましては、「検察の理念」におきまして、「犯罪の防止や罪を犯した者の更生等の刑事政策の目的に寄与する。」とされているとおり、被疑者、被告人の改善更生、再犯防止の観点を念頭に置きつつ、個々の事件の捜査・公判活動に当たっているものと承知しております。 具体的には、刑事司法の入口段階、すなわち起訴猶予とか刑の執行猶予等によりまして矯正施設に入ることなく刑事司法手続を離れる者につきましては、保護観察所や弁護士などと連携して、釈放時に福祉サービスや再犯防止支援を実施する機関等に橋渡しをするといった、いわゆる入口支援の取組を実施しているものと承知しているところでございます。
○仁比聡平君 その今御答弁にあった入口支援が、当事者が弁護士あるいは弁護人の法的サポートをしっかり受けた上で真摯に同意をした形で行われるということがとても大事だと思いますし、実際そのように行われていると思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 御指摘のとおりでございまして、検察当局が実施する入口支援を実効性あるものとするためには、対象となる被疑者、被告人自身が再犯防止、改善更生に向けた意思や意欲を持つことが非常に重要であると考えられることから、検察当局におきましては、被疑者、被告人の同意を得た上で、関係機関との調整を実施しているものと承知しているところでございます。
○仁比聡平君 こうした中で、様々な対象者がいるわけですよね。今日もちょっと議論になっていますけれども、その面接場所ということを考えるときに、私は、保護司さんが対象者の特性に合わせて選択することができるということがとても大事だと思います。 自宅で家庭的な環境で面接することがふさわしい方もあれば、そうではなく、やや公のところですよね、公民館やサポートセンターということがよく言われますが、私はファミレスの利用だって当然あっていいと思うんですよ。この選択は保護司さんが相手の特性に合わせて選べるようにすると、そこもはっきりさせると。そして、その費用、実費がもちろん掛かるわけですけど、この弁償は国がちゃんと全額やりますからという姿勢で臨むべきだと思いますが、まず局長、いかがですか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えします。 委員御指摘のとおり、保護観察対象者との面接場所につきましては、保護観察対象者の問題性や保護司との関係性等に応じて保護司自らが面接場所を選択できるよう、その選択肢を増やすことが重要であると考えております。 費用負担の関係で申し上げますと、保護司が保護観察を担当したときは、担当事件一件につき一月当たり、一般事件で四千四百六十円、それから処遇困難事件につきましては七千六百六十円の保護司実費弁償金を個別に支給しておりまして、その内訳の中には、その内訳といたしましては、旅費、すなわち交通費ですね、それから通信費、事務用品費と、それから飲食費を想定した接遇費が含まれております。加えまして、令和六年度からは、面接場所借料が発生した場合に、保護司実費弁償金として当該借料を支給するための予算措置を講じております。そういう意味で、このような対応の中で、そのファミレス等を利用した場合の実費が賄えているのではないかと考えているところでございます。 引き続き、保護司の方々から実情をお伺いしながら、保護司活動に伴う経済的な負担の軽減に努めるとともに、保護司の自宅以外の面接場所の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 保護司さんたちからは、やっぱりその経済的な負担ということの声が現実に上がっているわけですし、若い世代に担っていただこうということになれば、そこのところの透明性といいますか、ということもしっかりしていくということが大事なことなんじゃないかと思いますので、よろしく御検討いただきたいと思います。 最後、大臣に、保護司さんたちから、この法案審議の、法案を作る中で、保護観察官が自分たちの町の保護区に例えば月に半日とかという形で座っていただいていろんな相談に乗ってくれるようになるといいのにというような声も上がっていたかと思うんですよね。保護観察官にとってみると大変なんだと思うんですよ。 加えて、冒頭に申し上げたような性犯罪再犯防止プログラムって成果上げているんですけれども、うち一五・一%の方が再犯に陥っているということで、この認知行動療法を更に発展させる、改善するというような役割も保護観察官はとても担っています。対象者のアセスメントや直接担当の話は今もあったとおりですし、福祉的支援や就労支援、見守りなど、地域での活動、ここの要にもやっぱり保護観察官がなっていかなきゃいけないと。 その専門家としての社会的要請が増大しているということを考えたら、抜本的増員、保護観察官の、がどうしたって必要だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(平口洋君) 保護観察官は、社会内処遇に関する高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たるとともに、保護司からの相談に応じて必要な助言を行うといった保護司活動の支援など、様々な業務を担っているものと認識しております。 令和八年度概算要求においては、保護司の安全確保等に向けた体制整備を図るため、保護観察所の保護観察官について九十二人の増員を要求しているところでございます。 保護司活動を支援しつつ、再犯防止に向けた保護観察処遇等の充実を図っていくため、引き続きその人的体制の整備に一層努めてまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○仁比聡平君 はい。 二年前、小泉元大臣は、保護観察官の高度な専門的な知識と実行力、高度な人間性、これが大きな効果を上げることを期待したいし、コストに対して大きな効果が上がるんだということで増員を求めていきたいという御答弁されました。 是非頑張っていただきたいと申し上げて、質問を終わります。
○北村晴男君 日本保守党の北村晴男です。 本日は、外国人に対する保護観察の現状に関して御質問します。 この保護観察は、刑務所に拘禁することなく犯罪を行った者の改善更生を助けるいわゆる社会内処遇としてその果たす意義は極めて大きいものであり、これにボランティアとして携わる保護司の皆様の日頃の努力と献身に心から敬意を表します。 この保護司制度は、犯罪を行った者であっても地域社会が互いに支え合うという日本の伝統的価値観から生まれたものと理解しており、我が国の誇りであると考えております。 さて、法務総合研究所が二〇〇二年に公表した研究報告の中の、現場の保護司が外国人に対する保護観察について抱える課題の意識調査によれば、一つ、言葉の問題があると回答した保護司の方が四〇%、生活実態の把握が困難であると回答した保護司の方が三四%、就労、収入の問題が大きいと回答した方が三九・三%に上っています。外国人の被観察者に対して日本人と同等の更生支援を行うことが容易でない当時の状況を示していると考えられます。 この点、在留資格を有する外国人の数が二〇〇〇年末の時点では約百六十八万人であったところ、四半世紀を経た二〇二四年末には三百六十万人と格段に増えており、外国人に対する保護観察の問題状況は当時よりもはるかに深刻さを増している可能性がありますが、二〇〇二年以降、法務省はこれと同様の保護司の意識調査を行っていないものと認識しています。 外国人に対する保護観察に関する法整備の前提として、同様の意識調査を行う必要性があると考えますが、今後の予定を伺います。
○政府参考人(村松秀樹君) お答えいたします。 法務総合研究所におきましては、今御指摘の実態調査は平成十四年に結果公表ということをしてございます。 その後の状況でございますけれども、この平成十四年に結果を公表しました調査と同様の調査はこれまで実施をしてございません。 今後の予定ですけれども、外国人による犯罪につきましては、実態調査を行っていく必要があると認識していることから、様々な観点からの調査研究の実施、これを検討してまいりたいと考えてございます。
○北村晴男君 ありがとうございます。 保護司の方の現場体験に基づいた意識の調査も是非お願いしたいと考えております。 さて、外国人に対する保護観察による更生支援に困難を伴うこと、これは海外の実証研究からも裏付けられています。 欧州、ヨーロッパですね、ヨーロッパの保護観察刑務所協会の報告によりますと、二〇一四年にロンドン保護観察局が行った調査結果があります。 イギリスにおきましては、有罪認定後にどういう刑事処分を選択するかについて判決前に調査する制度が採用されており、保護観察局の意見が判決結果に影響する、そういう制度となっているところ、この調査結果によれば、外国人は保護観察を受けにくい、すなわち拘禁刑が選択されやすい構造的問題が指摘されています。 外国人には保護観察報告書が作成されにくく、裁判所は即時収監を選択しやすく、保護観察官自身も、非拘禁刑、すなわち保護観察処遇を推奨しにくい傾向があるとされています。その理由としては、在留資格の不安定さ、住居、就労、医療、教育など、公共サービスへのアクセス制限、身元情報の不足、逃亡リスクや監督の難しさという要因が重なることで、保護観察官が外国人の監督に不安感や無力感を抱き、結果として拘禁刑に頼る傾向が生じていると指摘されています。 この調査結果からは、外国人に対する保護観察が世界的にも容易でないことが見て取れます。 特に日本においては、世界的に習得がやや難しいと言われる日本語を基盤としたコミュニケーションが不可欠で、継続的な意思疎通や感情理解、価値観の共有といった保護観察による更生支援のプロセスにはより大きな困難が伴うものと考えられます。 そこで、日本では、外国人に対する保護観察を実施するに当たって、これらの処遇に関する問題点についてどのような対策を行っているのか、伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 まず、保護観察を効果的に実施するためには、保護観察開始時に行うアセスメントにおいて、生育歴等を把握して再犯リスクを分析、評価するとともに、犯罪や非行を誘発する誘因や、要因や改善更生を促進する事項を把握し、保護観察対象者がどのようなプロセスで犯罪や非行に至ったかを分析することが非常に重要なことと認識しております。これは日本人も外国人も同様でございます。 もっとも、外国人保護観察者、保護観察対象者につきましては、生活歴等に関する詳細な情報に乏しい上、日本語会話能力に制約がある場合には、それらを正確に聴取することが難しく、住居や就労等の状況、家族や交友関係などの状況についても十分に把握することができない場合が少なくないというところでございます。 また、処遇の実施に当たりましても、日本語会話能力の制約がある場合には、保護観察官や保護司が指導した内容や言葉のニュアンスが正確に伝わらなかったり、保護観察対象者の心情把握が十分にできなかったりすることもございます。加えて、文化の違いに起因する倫理観や価値観の違いから、処遇実施者と保護観察対象者との相互理解に限界があることも少なくありません。これは委員御指摘のとおりでございます。 これらの点は我々としても対応すべき課題として認識しておりまして、保護観察所においては、これまでも、必要に応じ保護観察の内容を他の言語で説明する資料の作成や面接時の通訳者の手配等を行ってきたところでございます。また、保護司によるきめ細やかな面接を行っているところでございます。 このような取組や面接方法の更なる工夫などによりまして、効果的かつ適正な保護観察処遇の実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○北村晴男君 ありがとうございます。 なかなか難しいところがございますけれども、予算措置、通訳の確保などの予算措置等も含めて御検討いただきたいというふうに考えております。 さて次に、保護観察に付された外国人、外国人被観察者の再犯率について伺います。 被観察者全体については再犯率が一定程度公表されていますが、外国人について、日本人と比較可能な例えば国籍別の再犯率統計は公表されていません。言語の壁、生活実態の把握の困難さ、就労環境の不安定さといった課題が存在することからも、国籍別の再犯率を把握することは今後の政策評価に不可欠と考えます。 外国人被観察者の再犯率について、法務省として、どの程度把握し、今後どのように調査していくのか、伺います。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 保護観察対象者の再犯率に関する統計といたしましては、保護観察終了者のうち保護観察期間中の再犯、再非行により刑事処分や保護処分を受けた者の占める比率であります再処分率、さらには、出所受刑者の二年以内の矯正施設への再入率などの指標がございます。 後者につきましては、仮釈放となり保護観察処遇を受けた者と満期釈放となった者の数値を比較するなどして保護観察の有効性を把握するための参考指標等の一つとして利用しているところですが、いずれの指標についても、委員御指摘のとおり、外国人と日本人の別での数値や国籍別の数値については公表可能な形として把握してはおりません。 外国人を含め保護観察対象者の再犯の状況を把握することは、これらの者に対する保護観察処遇の効果等を検証していく上で意義があるものと認識しております。 ただし、外国人保護観察対象者につきましては、もとより保護観察対象者全体に占める人員としては極めて少数でありまして、また、仮釈放者の一部は退去強制事由に該当し国外退去となる者も存在することなどから、その再犯率を外国人に限定して見た場合、統計的に意味のある数値として、数値となるかどうかという点は今後の検討課題であると考えております。 また、保護観察対象者の再犯に関するデータにつきましては、技術的にも外国人に限定するなどして把握することが可能かどうかといった点を含めて検討が必要でありますが、外国人保護観察対象者の再犯の状況を把握する方策については今後も継続して検討していきたいと考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 統計的に意味があるかどうか分からないという御指摘もありましたが、これは国民の関心事でもございますので、そこは調査いただきたいと。 それから、技術的に可能かどうかという御指摘がありましたが、技術的に不可能なことは物理的なもの以外はほぼありませんので、工夫次第で何とでもできるのではないかというふうに考えております。その点、是非御検討いただきたいというふうに思います。 なお、先ほど安達委員の御質問に関連して、弁護士会の、あるいは弁護士の保護司の方が七十八名であるというお話がありましたので、それについて所感を若干述べたいと思います。 私の経験では、弁護士会が、保護司になりましょうよと、保護司の方が足りないから保護司になったらどうかというような話をしているとか、我々会員に、弁護士会の会員に対して促しているというような事情は余り記憶にございません。恐らくそういった意識は弁護士会の執行部にはほぼないのではないかなという感じがしております。 この大変有用な保護司制度を支える意味で、これ、決して四万七千人の会員弁護士が全くそんなことをしたくないと思っているということではなくて、恐らくその必要性等を全く知らないというのが実情ではないかと思っております。ですから、是非とも弁護士会との連携を深めていただければ、百人、千人単位の候補者はすぐにでも出るのではないかなというふうに思っておりますので、その点、是非御検討いただきたいと思います。 以上です。
○委員長(伊藤孝江君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤孝江君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、打越さんから発言を求められておりますので、これを許します。打越さく良さん。
○打越さく良君 私は、ただいま可決されました更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党、日本共産党及び日本保守党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 保護司の減少傾向や高齢化の流れに対処するための改正法の趣旨を踏まえ、今後とも必要に応じ報酬制の導入を検討するなど、引き続き保護司の量及び質の一層の拡充のための取組を進めること。 二 保護司の活動を充実・強化するためには、保護司の経済的な負担軽減が不可欠であることから、国において、保護司実費弁償金の対象となる範囲をその職務範囲に見合ったものとなるよう適切に定めるとともに、必要な予算を確保するよう努めること。 三 保護司が安全・安心に活動を継続していくことができるよう、国は、保護観察対象者の特性に応じて保護観察官の直接担当とすることや、保護司複数指名制を適切に活用するほか、地方公共団体との連携を緊密に行い、更なる安全・安心のための対策強化に向けた取組の推進に努めること。 四 保護司が保護区の区域外においても職務を行うことができることとされたこと等を踏まえ、今後ともデジタル技術の活用や、更生保護サポートセンターの増設及び利用時間帯の拡大、地方公共団体と連携した適切な面接場所の確保など、保護司活動の一層の利便性の向上のための取組を進めること。また、これに伴い、保護司等が保護観察対象者との面接時にオンライン又は公の施設等を利用する際は、そのプライバシーの保護に十分に配慮すること。 五 社会奉仕の精神に基づく保護司の活動を広く国民に周知させ、犯罪の予防のための保護司の意義について世論の啓発に努めること。 六 保護観察対象者の抱える問題が複雑多様化する中、保護観察官は、高い専門性を生かして保護観察処遇等に当たっており、保護司活動をサポートするほか、その安全確保策を進めるに当たっても極めて重要な役割を担っていることから、再犯リスクの分析・評価能力や医療や福祉などの専門的支援が必要な事案等への対応能力の向上を図るための研修の充実など、その職務の遂行に必要な専門性の一層の強化を図るための取組を進めること。あわせて、保護観察官の増員について、引き続き必要な措置を講ずるよう努めること。 七 保護司と保護観察官、更生保護施設その他関係機関との緊密な連携を確保し、情報共有体制の強化に努め、保護観察対象者の改善更生に向けた必要な支援や環境調整を適切な時期に実施するよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(伊藤孝江君) ただいま打越さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(伊藤孝江君) 全会一致と認めます。よって、打越さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平口法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平口法務大臣。
○国務大臣(平口洋君) ただいま可決されました更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(伊藤孝江君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十四分散会
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いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。
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