令和七年十一月二十日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 十一月十九日 辞任 補欠選任 山崎 正昭君 脇 雅昭君 十一月二十日 辞任 補欠選任 脇 雅昭君 山崎 正昭君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 伊藤 孝江君 理 事 古庄 玄知君 こやり隆史君 打越さく良君 川合 孝典君 横山 信一君 委 員 有村 治子君 岡田 直樹君 鈴木 宗男君 福山 守君 山崎 正昭君 山谷えり子君 脇 雅昭君 泉 房穂君 福島みずほ君 小林さやか君 嘉田由紀子君 安達 悠司君 仁比 聡平君 北村 晴男君 国務大臣 法務大臣 平口 洋君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 内閣府大臣政務 官 古川 直季君 法務大臣政務官 福山 守君 外務大臣政務官 島田 智明君 文部科学大臣政 務官 福田かおる君 最高裁判所長官代理者 最高裁判所事務 総局総務局長 清藤 健一君 最高裁判所事務 総局刑事局長 平城 文啓君 最高裁判所事務 総局家庭局長 馬渡 直史君 事務局側 常任委員会専門 員 武蔵 誠憲君 政府参考人 内閣官房内閣参 事官 桝野 龍太君 内閣府大臣官房 審議官 河合 宏一君 警察庁長官官房 審議官 松田 哲也君 警察庁長官官房 審議官 鈴木 敏夫君 総務省大臣官房 審議官 荒井 陽一君 法務省大臣官房 政策立案総括審 議官 村松 秀樹君 法務省大臣官房 司法法制部長 内野 宗揮君 法務省民事局長 松井 信憲君 法務省刑事局長 佐藤 淳君 法務省矯正局長 日笠 和彦君 法務省保護局長 吉川 崇君 法務省人権擁護 局長 杉浦 直紀君 出入国在留管理 庁次長 内藤惣一郎君 公安調査庁次長 霜田 仁君 外務省大臣官房 審議官 濱本 幸也君 外務省大臣官房 参事官 大塚 建吾君 外務省大臣官房 参事官 上田 肇君 文部科学省大臣 官房審議官 橋爪 淳君 文部科学省大臣 官房文部科学戦 略官 今村 聡子君 厚生労働省大臣 官房審議官 榊原 毅君 厚生労働省大臣 官房審議官 古舘 哲生君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査 (再審制度の見直しに関する件) (ヘイトスピーチ解消法に関する件) (いわゆる人質司法に関する件) (外国人との共生社会の実現に関する件) (選択的夫婦別氏制度に関する件) (離婚後の子の養育に関する件) (外国人労働者の受入れに関する件) (難民認定制度に関する件) (出入国在留管理の現状に関する件) ─────────────
法務委員会
発言 215
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山崎正昭さんが委員を辞任され、その補欠として脇雅昭さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官桝野龍太さん外二十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(伊藤孝江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古庄玄知君 おはようございます。 早速質問に入らせていただきます。 私の地元大分県佐賀関で、十一月十八日十七時四十三分頃、大火災が発生いたしました。百七十棟以上が延焼して、百二十一世帯百八十人が今避難していると、そういう状況です。五〇%以上が高齢者と、そういう町でございます。 国の方は、自衛隊として早速災害派遣していただきまして、また、災害救助法の適用をしていただきました。これ、非常に感謝しております。ただ、まだ被災した方々や地域に対して更なる支援をお願いしたいというところで、具体的には、被災者生活再建支援制度の活用の拡充、それから激甚災害に準じた対応、それから災害復旧事業の早期適用や防災・減災事業等の活用、それから特別交付税の早急な措置などにより大分県や大分市への財政支援をお願いしたいと。それから、災害廃棄物が多数出ておりますのでその処理もお願いしたいなど、様々な法整備を駆使した支援が必要だと思いますので、是非、国の方として力強いこの点に関する支援をするという意気込みをお願いいたします。
○大臣政務官(古川直季君) お答えいたします。 大分県大分市での火災について、十一月二十日八時時点で、人的被害として、死者一名、安否不明の方一名、負傷者一名、百七十棟以上の建物の焼損被害が生じ、百八名の方が避難所に避難されているとの報告を受けており、更なる延焼を阻止すべく、消防、自衛隊等が一体となって消火活動を行っているものと承知しております。 お亡くなりになられた方の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。 政府としては、官邸危機管理センターに情報連絡室を設置して、被害情報の収集と集約、そして災害応急対策の調整に当たるとともに、大分県知事からの災害派遣要請を受けた自衛隊が消防と連携して空中消火活動を行うなど、関係機関の連携の下で、被災自治体とともに現地の住民の皆様の安全確保に力を尽くしているところです。 また、大分県が大分市に速やかに災害救助法を適用したことから、避難所の設置に係る費用などが国庫負担の対象となります。 今後とも、被災自治体、関係省庁と緊密に連絡しながら、政府を挙げて最大限の支援を行ってまいります。
○古庄玄知君 ありがとうございました。 じゃ、次の質問に行かせていただきます。 今、日本には約三十万人ぐらいのイスラム教徒の方々、ムスリムというんですが、が居住しております。このムスリムの方々は、宗教上の理由から火葬ではなく土葬ということがこれはもう譲れないことになっておりまして、土葬されますと地下水が汚染するんじゃないかとか、あるいは環境に悪影響を与えるんじゃないかとか、そういうことで地元の住民の方々と対立したり、また、地元の住民でも、いや、別にそれはいいんじゃないかということで、いや、悪いということで、地元住民の間でも分断、対立が起こっていると、そういう状況が発生しております。 そこで、この点については、墓地埋葬法は土葬でも火葬でもいずれも問わないみたいな形になっているんですが、これは地方自治体一つで解決できる問題じゃなくて、やっぱり国の方が一つの指針を出すべき、そういう時期に来ているんじゃないかなというふうに思いますので、この点について、国として、どういうふうに外国人との共生社会を実現するという観点からも国が考えていくのか、法務大臣に見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 政府におきましては、令和四年六月に決定した外国人との共生社会の実現に向けたロードマップにおいて、目指すべき外国人との共生社会のビジョンとして、安心、安全な社会、多様性に富んだ活力ある社会、個人の尊厳と人権を尊重した社会の三つを掲げ、政府一丸となって各種施策を進めているところでございます。 御指摘の墓地の問題に関しては、厚生労働省において適切に対応されるものと承知をいたしております。法務省としましても、引き続き関係省庁及び地方公共団体と連携してまいりたいと考えております。
○古庄玄知君 もうちょっと具体的に聞いていきたいと思うんですけれども、まず、国の責任において宗教的多様性に対応した墓地整備の基本的な方針を示してもらいたいと思うんですが、この点について政府参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。 墓地、埋葬等に関する法律において、墓地経営の許可等については、住民の宗教的感情や風習、各地方の地理的条件や周辺の生活環境等を十分に踏まえ、地域の実情に応じて行う必要があることから、都道府県等の自治事務とされてございます。 その上で、厚生労働省では、地方自治体への技術的助言として、平成十二年に墓地経営・管理の指針を策定し、墓地の経営の許可に当たっての考え方をお示ししているところであり、各自治体におかれては、それらを参考に丁寧に検討、調整いただきたいと考えているところでございます。
○古庄玄知君 国の責任において土葬可能な墓地の確保、整備を図っていただくというわけにはまいりませんか。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。 墓地、埋葬等に関する法律において、墓地経営の許可等については、住民の宗教的感情や風習など、それから各地方の地理的条件、周辺の生活環境等を十分に踏まえ、実情に応じて行う必要があることから、自治事務とされているところでございます。 墓地の整備等につきましては、各地方自治体において、そうした地域の実情も踏まえつつ、また住民感情にも配慮していただきながら、丁寧に検討、調整いただきたいと考えているところでございます。
○古庄玄知君 土葬が周辺環境に与える影響、主に水質とか衛生ですね、について科学的に検証してガイドラインを策定していただきたいと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、平成十二年に各自治体に対して墓地経営・管理の指針をお示ししております。その中で、墓地の設置場所について、周辺の環境との調和に配慮されていること、地域の実情に応じて学校、病院その他の公共施設、住宅、河川等との距離が一定以上あること等を求めることが考えられるとお示ししているところでございます。 墓地の整備等については、各地方自治体において、こうした地域の実情も踏まえながら、住民感情にも配慮いただきながら、丁寧に検討、調整いただきたいと考えているところでございます。
○古庄玄知君 墓地計画に際しては、地域住民への丁寧な説明と理解増進を図るとともに、地方自治体への支援を行っていただきたいと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(榊原毅君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、地方自治体への技術的助言として、平成十二年に墓地経営・管理の指針を策定しているところでございます。 墓地の整備等については、この指針も参考としながら、各地方自治体において、地域の風習や住民が信仰している宗教の状況、墓地の候補地やその周辺環境や地域の実情を踏まえながら、そして住民感情にも配慮いただきながら、丁寧に検討、調整いただきたいと考えているところでございます。
○古庄玄知君 ありがとうございました。 では、次の質問にまいりたいと思います。 再審についてお伺いしたいと思います。 袴田事件、有名な袴田事件、この前ありました。無罪判決が出ました。それから、福井女子中学生殺人事件、前川さん、これも無罪判決が出ております。それから、冤罪としては、大川原化工機、こういう事件もありました。 こういうふうに、この頃というか、冤罪や再審無罪判決が多発しているんじゃないかなということを我々思うんですけれども、こういう状況に対する法務大臣の認識、特に訴追者である検察官との関係においていかなる認識を持っているのか、法務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平口洋君) 個別事件における裁判所の判断に関わる事項について、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。 その上で、当然のことながら、犯人でない人を処罰することはあってはならないということだと認識しております。 あくまで一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて検察官の間で問題意識を共有して、反省すべき点は反省し、今後の捜査、公判の教訓とするなど、「検察の理念」を踏まえ、基本に忠実で適正な捜査・公判活動の遂行に努めているものと承知をいたしております。 引き続き、こうした基本に忠実で適正な捜査、公判遂行に努めていくことが肝要であるというふうに考えております。
○古庄玄知君 今、再審の法律を整備すべきだというふうな機運が高まっております。 どういうふうな考え方を持ってこの再審に取り組むかというのが大きな問題であって、再審というのはこれは邪魔なものだと、こんなものは要らぬと、そういうふうな消極的な考えで取り組むのか、それとも、冤罪被害者を最後に救済する、本当、人権救済のための制度だと、そういうふうな考えで取り組むかによって、取り組み方というのは大きく変わってくるというふうに思います。 そこで、法務大臣にお尋ねしますけれども、法務大臣は、この再審制度というのは無駄な制度である、あるいは邪魔な制度であるというふうに考えるのか、人権救済の最後のとりでだというふうに考えておるのか、そこを法務大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) 言うまでもなく、人権救済の最後の手段であると考えております。 ただ、内容については、現在法制審議会で審議中でございますので、お答えは差し控えたいと思います。
○古庄玄知君 再審に関しては、再審冤罪議連が、鈴木宗男先生が御尽力されて立ち上げた議連があるんですが、こういう議連が一年以上にわたって研究、検討をし、本年の六月十八日に、野党六党の共同提案で改正案を国会に提出しております。 今まで、検察庁とすれば、この再審については極めて後ろ向きであった、再審なんか要らないと、そんなもの改正する必要はないと、そういうふうな考え方であっただろうと我々は認識しておりますけれども、どういうわけか、その議連が法案を提出するちょっと前の四月になって、法制審議会再審部会というのを急に立ち上げたんですね。 そこで、法務大臣、法務大臣じゃないか、済みません、刑事局長にお尋ねしますけれども、この時期にあえて法制審議会というのを、議連のじゃなくて別建てで、この時期にあえてこれを立ち上げたその真意というか目的というか、それについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 再審制度につきましては、近時、一部の再審請求事件について審理の長期化が指摘されるなど、法改正に関するものを含めまして様々な議論がなされているものと承知しております。 また、法務省で開催していた、改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会という協議会が開催されておりまして、ここにおきまして複数回にわたり御協議いただいていたところ、令和七年二月の会議におきまして、再審制度については法制審議会において更に検討を深めるべきとの御意見が示され、異論が見られなかったところでございます。 そこで、こうした議論の動向等を踏まえまして、再審手続に関する規律の在り方につきまして、再審請求事件の実情を踏まえつつ、幅広い観点から検討していただくため、法務大臣において、同年三月、法制審議会に諮問をし、以後、法制審議会において精力的に御議論をいただいているところでございます。
○古庄玄知君 こういうふうに、議連が法案の提出を図っているのと軌を一にして、同一案件について法務省の方が法制審議会を立ち上げて審議したことというのは、過去事例はあったんでしょうか。それとも今回が初めてでしょうか。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 議員立法による法案提出の動きと同時期に、法制審議会におきましてその法案の内容に関連する事項につき部会を立ち上げて審議した例が過去にあったか否かということにつきましては、法務省としては、そういった事例、把握はしておらないということでございます。
○古庄玄知君 そうすると、少なくともあったということについては把握はしていないということですね。
○政府参考人(内野宗揮君) そういう理解をしております。我々としては把握をしていないということでございます。
○古庄玄知君 そうすると、そういう形で法制審議会立ち上げたのは今回が初めてだと、そう理解してよろしいですか。
○政府参考人(内野宗揮君) 繰り返しの御答弁でありますけれども、法務省としてはそのような、過去に、事例につきましては、事例として把握はしておらないということでございます。
○古庄玄知君 今日お配りした資料の一と二を示します。 資料一がこの法制審議会のメンバーですね。これを資料二で私の方が分析というか分けたんですが、これによると、裁判官が三人、学者が八人、弁護士が四人、検察官五人、法務省、警察庁が五人。検察、法務省、警察合わせて十人、こういう構成になっております。もちろん、検察、法務、警察というのは再審について後ろ向きな姿勢だというふうに思います。 今度、学者八人。学者八人に関して、時事通信の方が再審を専門的に研究している人たちに行ったアンケート、十九人が回答したんですが、そのうち十三人がこの学者委員については不適切、四人がどちらかといえば不適切というふうに、十九人のほとんどがこの学者委員は不適切な人選だと、こういうふうに言っています。中には、この学者委員は再審法改革に消極的な法務省の意見を代弁する研究者ばかり、あるいは、これまで積極的に研究してきた方が選ばれていないと、こういうふうに、再審の専門の研究者の方はそういうふうに言っています。 これ、法制審議会、法制審議会と言うけれども、要は、法務・検察寄りの人選をして法務・検察寄りの構成メンバーで固めれば、法務・検察寄りの、そういう再審について後ろ向きの意見が出てくるのは当然だと思いますね。 今一番大きな問題は、証拠開示の範囲をどうするか、それから、検察官の再審開始決定に対する抗告を認めるか認めないかという点が極めて大きな問題です。それが認められなければ、袴田さんが無罪になっていない可能性も高いし、福井事件の前川さんが無罪になっていない可能性だって高いわけなんです。 そういうふうに、人選によって大きくこの再審法改正が変わってくるということで、この人選について、法務省とすれば、これは公正な人選だというふうに考えるのか、あるいは何らかの意図を持った人選なのか、その辺について法務省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 法制審議会令におきましては、法制審議会の委員、臨時委員、幹事につきましては、学識経験のある者から法務大臣が任命し、また、そのうち部会に属すべき委員、臨時委員、幹事は、法制審議会の承認を経て会長が指名することとされております。なお、審議会において表決権を有するのは委員でございまして、幹事とは委員を補佐する立場でございまして、表決権は持っていないほか、先ほど検察出身者という話がありましたけれども、この幹事のうち三名は事務局の者でありまして、部会長を補佐する立場にある者でございます。 その上で、お尋ねにつきましては、個別の人事に係る検討の過程に関する事柄でありまして、お答えを差し控えるところでございますけれども、法務当局としては、諮問の内容に照らしまして、再審請求事件の実情を踏まえつつ、再審制度について幅広い観点から検討を行っていただくのに適した方々に委員等をお引き受けいただいたものと承知しております。
○古庄玄知君 この答申結果が出たら、これは、法務省とすれば、どういうふうに利用しようと考えておるんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 現段階ではっきりお答えすることは、はっきりお答えすべき内容はございませんが、その法制審議会の結果を踏まえまして、適切な対応を取りたいと考えているところでございます。
○古庄玄知君 時間ちょっと前ですけれども、これで終わらせていただきます。
○打越さく良君 立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。 十二歳のタイ国籍の少女が、都内のマッサージ店で六月から七月までおよそ六十人の男性客を相手に性的サービスをさせられてきたとして保護されました。少女は、働かなければタイにいる祖父母や妹が生活できなくなると思い、仕方なくやっていたと語ったと報じられています。 胸が痛むという言葉では足りません。よく勇気を持って入管に駆け込んだと、本当に心からその思いに思いを致します。でも、孤立した被害者少女が勇気を奮って避難するということは非常に困難なことだと思います。暗数も非常にあるのではないかということで、被害者の保護、政治の責任だと肝に銘じていただきたいと考えています。 そもそも、政府は二〇〇四年から人身取引対策を進めてきたはずです。ところが、その後二十年たった二〇二四年の米国国務省人身取引報告書でも、日本は人身取引のための最低基準を十分に満たしてはいないとされています。米国国務省人身取引報告書は、日本の問題として、人身取引の被害児童の特定が十分ではなく、子供の性的搾取を目的とする人身取引犯の大半を罰することなく活動させたと指摘しています。 被害者の認知、認定は、どの機関が、いつ、どのような手順、基準でしているのでしょうか。
○政府参考人(桝野龍太君) お答え申し上げます。 人身取引被害者の認知につきましては、警察、入国管理局等において、例えば犯罪の被害に関する相談や生活上のトラブル等に関する相談を受けた場合、また、不法入国、不法滞在事犯、売春事犯等の取締り過程におきまして、それぞれの関係行政機関が、いわゆる人身取引議定書第三条に定められております人身取引、これに該当するかどうかを適切に判断しているものと承知しております。
○打越さく良君 適切に判断していないと、そのように支援団体の方も、あるいは米国国務省からも断じられているわけなんですね。ただ適切に処理しているという反省がないままでは、なかなかこれは改善されないのではないかと考えます。 そして、政府が人身取引被害者の認知の手引書としている人身取引事案の取扱方法、被害者の認知に関する措置の発出、これは二〇一〇年、平成二十二年、つまり十五年も前のことです。その後の様々な制度改革、法改正、NGOとのやり取りとか、あるいは国内外の状況の変化などを到底反映しているとは言えません。 少なくとも、刑法等改正により新設された撮影罪、わいせつ目的面会要求罪など、盗撮、グルーミング、性的な手懐けですね、セクストーション、性的な内容をネタにした脅迫行為等、新たな犯罪手法についての記載をするなど、アップデートが必要なのではないでしょうか。
○政府参考人(桝野龍太君) お答え申し上げます。 委員御指摘の関係省庁申合せにつきましては、基本的に、人身取引被害者認知のための着眼点ですとか、関係行政機関において講ずべき措置、どういった措置をとるのかということについて整理したものでありまして、これらの点につきましては現行の申合せで適切な措置をとることができていると考えてございますけれども、今後、具体的な必要性が生じれば、当然、改正を行うことは政府としてもあり得ると考えております。
○打越さく良君 NGOの方などは、適切な措置をしていないと、適切な取扱いをしていないと指摘しているわけです。ですから、これをアップデートして被害者の方たちに万全の保護をするという姿勢を見せるべきだと考えますが、なかなかその御理解いただけていないことはとても残念です。 そして、三番目に行きますが、オーバーステイの外国人女性が人身取引の被害を訴えても被害者と認められないと、強制退去させられていると、これも被害者の支援者の方々がおっしゃっています。 適切に対処していると先ほどから答弁もありますけれども、全く第三者の目が入っていないと、そのような状況ではそうした答弁というのは通用しないのではないでしょうか。 日弁連が実に二十一年前に提言したとおり、被害者の認定を入管任せにはできません。入管は、その名も管理です。管理する体質が強く、保護する姿勢に欠けると言わざるを得ません。ですから、入国管理局から独立した第三者機関が必要だと、その第三者機関が被害者かどうかを認定する必要があるのではないでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(平口洋君) 人身取引の被害者の可能性がある者に対する保護については、平成二十三年七月一日に関係省庁での申合せがなされ、できるだけ幅広く保護を念頭に置いた措置を講ずることとしております。 出入国在留管理庁におきましては、関係省庁と連携して、不法残留等の入管法違反の状態になっている被害者について、在留を特別に許可する、被害者保護のための関係機関と連携して対応するなど、様々な取組を適切に行っているところでございます。人身取引の被害者の認定については、このような仕組みを既に行っている出入国在留管理庁において引き続き行うことが適当であると考えておりまして、御指摘の独立した第三者機関を設置することは考えておりません。
○打越さく良君 その幅広く保護するという建前どおりにはなっていないということが指摘されているわけですよ。ですから、もう幅広く適切にやっているということであれば、別に第三者の観点というものを恐れる必要がないわけですよね。それを排除する必要はないと思いますので、そのような答弁は誠に残念と言わざるを得ません。 そして、管理する入管に保護は不適切、任せられないと。同じことが外国人DV被害者にも言えるわけです。 DV被害者の在留資格の変更や更新については、DVの防止及び被害者の保護等のための施策に関する基本方針の中で、私の方が読み上げますけれども、国においては、被害者から在留期間の更新や在留資格の変更等の申請があった場合には、被害者の立場に十分配慮しながら、個々の事情を勘案して、人道上適切に対応するように求めると、こういう記載があります。 しかし、現実には、DV被害者が配偶者と別居したことをもって在留資格の更新が認められなかったり、離婚した後、在留資格の変更申請が認められなかったりしていると、そのように支援者たちは指摘しています。そのため、在留資格も認められなくなってしまうのではということを恐れて、外国人の女性たちはDVを受けても避難できないと諦めたり、離婚を諦めたりしているわけです。そんなことはあってはならないのではないでしょうか。 DV被害者だろうと、在留資格の審査が入管庁に委ねられてしまうと、この状態では保護の視点が欠けてしまうわけです。ですから、例えばDVの申告があった場合には配偶者暴力相談支援センター等の職員が関与する、そうした仕組みにするべきではないでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 DV被害者である外国人が配偶者等から身体に対する暴力を受けていると認めたときは、その旨を警察、配偶者暴力相談支援センターへ通報しているところでございます。また、DV被害者である外国人が配偶者等から非身体的暴力を受けている場合も、当該DV被害者に対し、配偶者暴力相談支援センター等の支援の内容を説明した上で通報の意思確認を行い、通報することを希望した場合は、配偶者暴力相談支援センター等へ通報しているところでございます。さらに、配偶者暴力相談支援センター等からDV被害者である外国人の在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請、退去強制手続の状況について御相談、これを受けた場合には、当該DV被害者の個別の状況に応じ適切に対応しているところでございます。 今後とも、御指摘のセンター等と適切に連携して対応してまいりたいと考えております。
○打越さく良君 だから、それの建前はもう私も申し上げたところで、DVと認めた場合にはそうしますということをおっしゃっているわけですよね。ただ、そのDVとの認定が不適切だということが支援者などが現場からおっしゃっているわけですから、やっぱりDVかどうかということについて専門性がない入管にはなかなかその判断を任せるわけにいかないということを私は申し上げているわけですよ。その点は謙虚に受け止めていただきたいと考えます。 そして、五番目ですけれども、外国人DV被害者が、自分が日本にいるためにはDVをもう我慢しなくちゃいけないんだと、そのように諦めないで済むようにするにはどうしたらいいかと。それは、やっぱり入管庁においても、加害者の元にいなくては在留資格更新できないんだ、そんなことはありません、諦めなくて大丈夫なんですということを高らかに宣伝すべきではないでしょうか。 大臣の所信でも、外国人の人権に配慮とありました。そうであれば、外国人のDV被害者が、もう避難できないんだ、離婚できないんだ、在留資格のためには諦めなくちゃいけないんだと、そういうふうに思わないで済むように積極的な発信をしていただきたいのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) DV被害を受けている者からの在留資格の変更や在留期間の更新の申請に対する判断については、これらを認めるかどうか、個別の事案ごとに様々な事情を考慮して適切に判断をしているところでございます。 御指摘を踏まえまして、今後の情報発信の在り方については検討してまいりたいと考えております。
○打越さく良君 是非よろしくお願いします。積極的な発信がまだまだ足りないということで、よろしくお願いいたします。 六番目ですけれども、高市総理は所信表明演説で、排外主義とは一線を画すとしながらも、では、具体的にどのように一線を画すのか、その取組が見えてはおりません。むしろ、管理や規制が強調されている嫌いがございます。大臣の所信表明演説でも、どのように排外主義と一線を画すのかが不明です。総理から大臣への指示書にあった差別や虐待のない社会の実現を目指すことについても触れられているようには思えませんでした。 総理は、代表選の際の演説で、外国人が増えたことで日本人との間で不公平が生じているという文脈で、警察でも通訳の手配が間に合わないから、逮捕はしても勾留期限が来て不起訴にせざるを得ないとかよく聞きますと述べられました。私の知り合いの刑事弁護人たちはこの発言に大変驚いていらっしゃいました。被疑者に通訳の手配が間に合わない経験を有している刑事弁護人たち、聞いたことはございません。 昨年の三月二十二日の本委員会で、松下法務省刑事局長、当時ですけれども、松下局長は、検察庁において平素から有能な通訳人の確保に努めており、通訳、必要な通訳人の確保には努めており、外国人事件には必ず通訳人を付して捜査を行って、通訳人が足りないからということで不起訴になりがちであるということについては当たらない御批判であると答弁されています。 この点、現状においても認識は変わっていらっしゃらないでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) 認識としては、松下刑事局長の答弁はそのとおりでありますけれども、ただ一般に、検察当局が不起訴処分に至った事情については個別の事件ごとに様々でありまして、法務当局において網羅的に把握しているものではありませんので、通訳人の手配が間に合わず、通訳人が確保できないうちに被疑者を不起訴にせざるを得なかった事例があったか否かについては承知していないところでございます。
○打越さく良君 ちょっと、そのような答弁だと、また引き続き私も別の機会に追及をしたいと思います。 七番目ですけれども、先ほど指摘したとおり、総理からの大臣への指示書には、差別や虐待のない社会を目指しとありました。外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣と協力して共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進めるとあります。 といっても、管理ばかりが強調され、共生社会の前提となる差別解消への取組が不明確と言わざるを得ません。共生社会の前提として、差別解消のための取組が必要であるはずです。 二〇一六年、ヘイトスピーチ解消法が制定されました。ヘイトスピーチにさらされてきた方々は、この法律に希望を見出しました。確かに、この法律、大変大きな意義がございました。解消法の三類型、脅迫型、侮辱型、排除型に当たるものは、一定の数は、デモについて数は減ったと言われています。しかしながら、残念ながらなくなったわけではございません。 資料を御覧ください。 東京都が東京都人権尊重条例に基づいて不当な差別的言動と認めた表現活動をウェブサイトに公表しています。資料は二〇二四年十二月五日に公表したものです。初めはこれ全部読み上げようかと思っていましたけれども、非常に私自身が胸が苦しいので、一部のみを引用させていただきます。 不法滞在者は日本から出ていけ、不法滞在者、それを一匹残らず日本国内からたたき出す等の発言を含む令和六年五月十九日の東京都新宿区内の拡声機等による表現活動、本国へ突き返して、煮るなり焼くなり好きなようにやってくれと、日本に要らねえんだよとの発言がなされた令和六年五月二十六日の東京都新宿区内の拡声機等による表現活動、こうした表現活動についてが紹介されている次第です。 大臣、こうした現状を御存じでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 東京都のウェブサイト上に御指摘の事例が掲載されていることは承知をいたしております。
○打越さく良君 つまり、ヘイトスピーチ解消法が制定されたというのに、残念ながら今なおヘイトスピーチが解消されていません。 大臣、こうした事態を解消する手当てが必要なのではないでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 特定の民族や国籍の人々を排斥しようとする不当な差別的言動はあってはならないものと認識をいたしております。 法務省の人権擁護機関では、「ヘイトスピーチ、許さない。」をキャッチコピーとしたポスターや啓発冊子の活用、SNSにおける情報発信等によって、ヘイトスピーチに焦点を当てた人権啓発活動に取り組むとともに、人権相談及び人権侵犯事件の調査処理を通じて被害の救済を図っているところでございます。 今後とも、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、全ての人々が互いの違いを認め、尊重し、助け合うことのできる共生社会の実現を目指し、これらの人権擁護活動にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○打越さく良君 法務省の取組については承知しておりますし、是非力を入れて取り組んでいっていただきたいと考えております。 でも、今までの取組では残念ながらヘイトスピーチは解消できていないわけです。それはどうしてなのかと。やはり、ヘイトスピーチ、差別的言動を明確に禁止する規定がないからではないでしょうか。マイノリティーを傷つける、悪意を持ってヘイトスピーチを繰り返す人たちを止めるには、差別を法的に違法とすることを検討しなければならないと考えております。 東京都は、二、三か月に一度、ヘイトスピーチの認定を発表し続けています。現在も公の場で、公共の場でヘイトスピーチが繰り返されていると、この実態を大臣にも是非知っていただきたいと考えます。先ほどお配りしたその東京都が通報に基づいて審査したものは本当にごく一部であって、それも、しかも国レベルではこのような制度がないと。インターネット上では深刻なヘイトスピーチが毎日大量に投稿されています。 ヘイトスピーチ解消法から十年となろうとしていますが、その成果と限界を明らかにするためには実態を把握することが不可欠です。今回、法務省が概算要求においてヘイトスピーチの実態調査について予算計上したことは高く評価します。 法務省は、二〇一五年と二〇一六年にヘイトスピーチに関する調査を行いました。それらの調査は、いずれも外国籍住民から被害について聞いて被害実態を浮き彫りにしたもので、すばらしいものでした。意義がありました。 今回も、ヘイトスピーチのターゲットになる当事者からの聞き取りは不可欠と考えます。調査に当たり、当事者からの聞き取り、実施していただけるでしょうか。
○政府参考人(杉浦直紀君) 御指摘のとおり、法務省におきましては、令和八年度予算の概算要求におきまして、ヘイトスピーチに関する実態調査を実施するために必要な経費を計上しているところでございます。 ヘイトスピーチの解消に向けた取組を実施するに当たりましては、ヘイトスピーチにより被害を受けた方の声を伺うことは非常に重要であると認識しております。ただ、他方では、ヘイトスピーチの実態調査におきましては、ヘイトスピーチの発生状況をできる限り客観的に把握することも重要であると考えておりまして、そのような観点から、御指摘の点も踏まえまして、調査の内容や方法について検討を進めてまいりたいと考えております。
○打越さく良君 今、当事者の声を聞くことは重要だという答弁がございましたので、期待したいと考えております。 そして、大臣は所信で、夫婦の氏の在り方について、内閣府などと、関係省庁と連携して、旧姓の通称使用における課題の整理と必要な検討を行い、更なる拡大に取り組みますと述べられました。 しかし、ここに一言もない選択的夫婦別姓こそが望まれていると。それについてはもう重々御承知だと思います。選択的夫婦別姓の課題の整理と必要な検討については、二十九年前の法制審議会も経てやり尽くしたということは、もう事務方だった法務省こそよく御承知ではないでしょうか。 先ほども古庄先生の方から、古庄委員の方からお話ありましたとおり、既に超党派で検討して提出した再審法改正案を阻止するためでしょうか、そのためには法制審議会の調査審議の結果を踏まえて進める。ここについては法制審議会を口実にするんですね。しかし、選択的夫婦別姓については法制審議会の答申があったことについて触れない、黙殺。これ、どういうことなんでしょうね。 再審冤罪の防止には後ろ向き、再審冤罪のそういった被害の防止のためには後ろ向き、そのためには法制審議会を有り難く利用して、婚姻の自由とか個人の尊厳とか平等に後ろ向きのためには法制審議会を無視と、これは余りにも御都合主義ではないでしょうか。 自分の姓のままでいたいと、愛する人と結婚したいと、もう本当にシンプルで切実な願いのわけですよ。このどちらもかなえると、どちらもかなえるというのは、日本以外のほかの国はどちらもかなえられるんです。でも、このどちらかを選ばざるを得ないというのは日本だけなんですね、世界で。そして、諦めているのは、自分の姓でいるか愛する人と結婚するか、どちらかを諦めているのはもう九五%もが女性だと。こういう不寛容な制度は、法制度はもう日本だけということも、もう繰り返し繰り返し国会で質疑されていて、とうに周知の事実なわけです。 限られた人生なんですよ。それを、短い人生を幸せに生きたいと切実に願う専ら女性たち、その思いをまたも封じ込めようとする。そうした自民党と維新の政策協定、そうした政治的な思惑に、法務省、おもねってはいけないのではないでしょうか。もう法務省の事務方はさんざん苦労して二十九年前答申したわけですよ、答申があったわけですよね。これについて御決断、御判断を是非、大臣、お願いします。
○国務大臣(平口洋君) 法制審議会の答申につきましては重く受け止めるべきものと認識をしております。 もっとも、選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間で様々な意見があり、国会でもこれまで様々な観点から議論がされてきたというふうに認識しております。 今般、旧姓の通称使用の拡大についての総理指示があったことから、法務省としては、御指摘の連立政権合意書の記載も踏まえ、まずは内閣府など関係省庁と連携し、対応を検討していく必要があるというふうに考えております。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、質疑をおまとめください。
○打越さく良君 様々な意見があるこその選択的夫婦別姓が必要じゃないですか。選択できるようにすべきではないでしょうか。そして、法制審議会答申について、一方ではせかして、議員たちの意見を封じるために生かそうとする、そして、女性たちの意見を封じるためには法制審の答申はなかったものにする、そんなことはあってはならないと意見を申し上げて、質問を終わります。
○福島みずほ君 立憲・社民・無所属共同会派、社民党の福島みずほです。 まず、再審法についてお聞きをいたします。先ほど古庄委員からもありました法制審議会の幹事、検察官は何名ですか、誰ですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 法制審議会の幹事とは委員を補佐する役割を担う者でございますが、その上で、お尋ねの法制審議会再審関係部会の幹事は合計九名でございまして、その中に検察出身者が四名、警察出身者が一名含まれております。もっとも、検察出身者の幹事四名のうち三名は当部会の事務当局を務める法務省刑事局の者でございまして、部会の運営を担っている部会長を補佐する立場にある者でございます。
○福島みずほ君 検察官は、今井さん、玉本さん、吉田さんですか。その三名ですね。
○政府参考人(佐藤淳君) そのとおりでございます。
○福島みずほ君 先ほど古庄委員から、委員が問題ではないかという意見がありました。幹事も問題で、三名、検察官なんです。最高裁、裁判所と警察が入っている。つまり、これ牛耳っているのがまさに法務省の検察官なんですよ。だとしたら、検察官に都合のいい改正にやっぱりなってしまうんじゃないか。事務局がやっぱり大事じゃないですか。その点でも非常に問題で、何で国会で議員連盟が作った、議員連盟が作り、超党派で出した案が、案を何としてもできる限り早く国会で成立させたい、その後ゆっくり法制審で残った問題を議論すればいいというふうに思います。 次に、証拠開示に関して、この論点整理が出ました。これ極めて問題で、対象となる証拠の範囲、A案、B案。A案、再審請求理由と関連する証拠を対象とするとなっています。 お聞きします。これ、極めて狭いんじゃないですか。つまり、これだと、弁護側が提出する新証拠と主張に関連する範囲だけに絞って開示される想定ではないんですか。 お聞きします。袴田事件は、無罪の決定的証拠となったまさに五点の衣類のカラー写真は、最初の再審請求から三十年間開示をされませんでした。開示されたら、変わっていたんですよ。 局長、いかがですか。これは、このA案で開示されますか。
○政府参考人(佐藤淳君) 今、再審請求審における証拠開示につきましては、現在、法制審議会の部会において幅広い観点から御議論いただいているところでありまして、対象とする証拠の範囲についてもまさに議論が行われているところでございますけれども、御指摘のような観点について、法務当局としてどちらかということをお答えするのは現段階で困難であるということをお答えしたいと思います。
○福島みずほ君 今議論中であることは百も承知です。A案、B案出ているけれど、A案、狭いんですよ。再審請求理由と関連する証拠を対象とする。だったら、分からないじゃないですか。証拠は検察官側にある、弁護人持っていないんですよ。だから、これで五点の衣類のカラー写真は隠して、出さなかったんですよ。福井事件だって、アリバイ出てこなかったじゃないですか。つまり、検察官側が証拠を出さない、弁護人側はそれをどうやって出させるんですか。 ですから、この再審請求理由と関連する証拠を対象とするとすると、今よりもはるかに狭くなってしまう。いかがですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、現在、今議論が行われているところでございまして、狭くなるかどうかについても御議論が行われているということでございますので、今法務当局として一定の見解を示すことは困難であることを御理解いただきたいと思うんですけれども。 済みません、一点、先ほど私、幹事の、幹事の中に検察出身者が何人いるかという問いの中で、検察出身のうち、幹事の四名のうち三名は法務省刑事局、済みません、検察出身者の幹事は四名いると、それから、そのうち三名が事務当局をやっています、法務省刑事局の職員ですということですけれども、もう一人、内閣法制局の参事官がこれ検察出身者でございまして、その点ちょっと補足させていただきたいと思います。ここで言う内閣法制局参事官の者でございます。
○福島みずほ君 内閣法制局の参事官、吉田さんも検察官ということですね。検察官がいっぱい。四人、検察官なんですよ。結局、検察官が牛耳るこの事務局で検察官の権限を奪う結論なんか出ないですよ。出してくれたら有り難いですけど。だからこそ、議員立法なんですよ。今何も答えられないというけど、それ、ずるいですよ。 つまり、再審法の改正が何で議論になっているか、裁判官ガチャですよ。私は狭山事件の末端の弁護人で、門野裁判長が東京高裁で証拠開示をするときの現場にいました。取調べのテープが出てくる、一番初めに書いた、私はやっていないという、もうほとんど、たどたどしい文書とか出てくる。それが有効なんですよ。ただし、出してくれなければ、裁判官が出してくれなければ出てこないんですよ。 袴田事件は、何とあの無罪の決め手になった五点の衣類のカラー写真は、最初の再審請求から三十年間出てこなかったんですよ。だからこそ、こういうものを出せと、早く出せというのが再審法の改正じゃないですか。 根本的に再審制度で今まで欠陥があった、これだけ冤罪が出てきた、だから証拠開示を積極的にやるんだという決意はないんですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 法制審議会の部会におきましては、御指摘のような観点も含めて議論が行われているところでありますけれども、審議をお願いしている立場の法務当局といたしましては、その議論を先取りするような御答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、引き続き、法制審議会において十分な検討が行われて、できる限り早期に答申がいただけるよう力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 この論点整理のA案では駄目ですよ。B案は、A案に加えて、一定の類型に該当する証拠も対象とするとしていますが、A案は再審請求理由と関連する証拠を対象とするとしているので、弁護側が提出する新証拠と主張に関連する範囲だけに絞って開示される想定です。出てこないじゃないですか。出てこないじゃないですか。 冤罪は解決しないですよ。証拠開示してもらわなかったら無罪の立証なんかできないんですよ。こういうふざけた、こういう狭めるような案を出してくる法制審では駄目ですよ。議員連盟で作った、みんなで作った案でやるべきだと、この法制審の中身は極めて問題だということを申し上げます。 ところで、超党派の国会議員連盟は、十四日、平口法務大臣に対して、広範な証拠開示のルール化などを求める要望書を提出しています。これまでの実務より開示が限定されるとの懸念を表明、そのとおりです。より広い範囲を対象とするよう求めた。議連の柴山会長によると、平口法相は法制審側に伝えるとしたとされています。 大臣、いかがですか。伝えるんですか。
○国務大臣(平口洋君) この間、日弁連の方が来られて、そして柴山議員連盟の会長もおられたんですけれども、そこで確かに御指摘のようなものをいただきました。そして、直ちにそれは刑事局を通じて法制審議会の方に伝えられたと、このように承知しております。
○福島みずほ君 大臣、議員連盟の案を認めてくださいよ。できる限り早くこれで国会で成立させるべきだというふうに思っています。 この審議会の中の議論の議事録を読むと、再審開始決定に対して検察側の不服申立てを禁止すべきでないという意見が多数出ております。 袴田事件は、再審決定から開始まで九年掛かりました。検察官が抗告、特別抗告をしたからです。時間奪っているじゃないですか。狭山裁判の石川一雄さんは亡くなってしまいました。袴田さんは生きて無罪判決を得られたけれど、九年時間を奪ったんですよ。もし異論があれば、その公判廷で、まさに再審の話の開始決定した後で主張すればいいじゃないですか。 そして、この再審請求審は弁護側の主張を裁判所が職権で判断する仕組みですから、検察は通常の裁判のような当事者ではないから弁護側と対等に不服申立てを認めるべきではない。再審を本当に生きている間に何かちゃんとやるんだということであれば、検察の不服申立ては禁止すべきじゃないですか。
○政府参考人(佐藤淳君) 繰り返しになって大変恐縮ではございますが、まさに御指摘のような点も含めて現に法制審議会において議論がなされているところでございまして、私からどちらがどうかというふうな見解を述べることは、お願いしている立場の我々としては差し控えるべきものというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 証拠開示を今の実務よりも制限する、そして検察官不服申立ては禁止しない。冗談じゃないですよ。再審法がなぜ改正が問題になっているか全く分からずに、検察官で権限を維持する、こんな法制審は駄目ですよ。だからこそ、国会がまさに法案を成立させるべきだと思います。 次に、人質司法についてお聞きをします。 人質司法について、まさに保釈、罪証隠滅のおそれがあれば保釈を認めない。この罪証隠滅のおそれが極めて抽象的に広範囲に考えられるために、大川原化工機事件を含め保釈されない、自白をしないと保釈をされない、これがまさに人質司法です。 これに関して、この人質司法について、それぞれどのように、現在、検察、裁判所はどのような改善に向けての取組を進めているでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 一般論として申し上げれば、被疑者、被告人の身柄拘束については、個別の事案に応じて裁判所又は裁判官によって刑事訴訟法の定める要件の有無が判断されるものでありまして、そうした具体的要件を離れて、被疑者、被告人が否認し、又は黙秘していることのみを理由として身柄が拘束されているということはないものと承知しております。 検察当局においては、裁判所から保釈請求に対して意見を求められた際には、具体的事案に応じて、法と証拠に基づき、公平かつ適切な対応に努めているものと承知をしております。 その上で、最高検においては、保釈請求により適切に対応することについて、本年八月に全国の検察庁に向けて通知を発出したものと承知しており、検察当局においては、今回発出された通知の内容も踏まえて適切に対応していくものと考えております。
○最高裁判所長官代理者(平城文啓君) お答えいたします。 勾留や保釈に関する判断は個々の事件における各裁判体の判断事項ですので、事務当局として運用自体の当否等をお答えすることは困難ですが、一般論として申し上げますと、自白をしないことのみによって判断されるものではなく、要件に沿って各事案の個別事情を勘案することになるものと承知しています。 保釈の運用をどうするかにつきましては、各地の裁判官の間で不断に議論が重ねられてきたところ、いわゆる大川原化工機事件等を契機にいたしまして、各地の裁判官の間で議論が活発に行われるようになっていると聞いております。 最高裁判所としても、このような各地で行われている議論を共有し深掘りをするための場を設けることは、適切な運用を確保する上で非常に有益だと考えているところでございます。そこで、司法研修所におきまして、来年一月十五日に実施する専門研究会におきまして、保釈に関する意見交換を行うことを予定しているところでございます。
○福島みずほ君 裁判所において、大川原化工機事件を契機に非常に活発な議論が行われていて、そしてまた研修やったり、これで何か基準を設けるかどうか議論するということで、その方向を是非促進していただいて、そして法律は罪証隠滅のおそれと書いてあります。私はこれを、法律は改正して、もっと具体的なものにするべきだと思います。 ただ、法律改正をしなくても、罪証隠滅のおそれをかなり具体的に判断する、つまり否認をしていたらもう罪証隠滅のおそれがあるとして保釈を認めないといったこれまでの主な慣行、主な運用例ですね、それは本当に見直すべきだと。自白をしなきゃ外に出られない、がんになっても出られない、がんになっても保釈が認められず、勾留停止で出て亡くなるという、これは大川原化工機事件ですが、そんなことは絶対にあってはならない。 人質司法をなくすために、裁判所、そして検察、警察が努力をしてくださるよう、具体的な前進があるように、是非また報告していただけるようによろしくお願いします。 弁護人の立会いですが、被疑者に対する捜査規範の立会い、弁護人の立会いですが、欧米諸国、韓国、台湾においては権利として認められていますが、日本では権利として明確にされておりません。 検察官の取調べに関して弁護人の立会いが認められた例はないと聞いておりますが、変えるべきではないですか。
○政府参考人(佐藤淳君) お答えいたします。 被疑者取調べへの弁護人立会いについては様々な御議論があることは承知しております。 その上で、被疑者取調べへの弁護人立会いの制度化につきましては、法制審議会や、それから、近時法務省で開催いたしました改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会において議論が行われたものの、証拠収集方法として重要な機能を有する取調べの在り方を根本的に変質させて、その機能を大幅に損なうおそれが大きいなどの問題点が指摘され、法整備を行う方向性は示されなかったものと承知しております。
○福島みずほ君 いや、これ検察官立会い、検察官の取調べに立会い認めるべきですよ。 アメリカはミランダ・ルールがあります。日米地位協定でなぜ日本の警察が身柄の確保を被疑者段階でできないか、アメリカは代用監獄とそれから弁護人の立会いがないことを挙げています。弁護人の立会い認めたらいいじゃないですか。認めたらいいじゃないですか。そして、代用監獄でなく、まず拘置所でやるというようなことから変えるべきだというふうにも思います。 また、警察はかつてやっておりましたが、事前に立会いを認めるかどうか警察庁に言えということ以降は立会いが認められておりません。これも含めて、検察官、そして警察官取調べに立会い全てというか、立会い権を本当に権利として認めるべきだというふうに思います。こういうところから日本の制度を変えていかなければならないと思っています。 取調べの可視化について、公判請求事件の三%、警察においてはほとんど可視化されていません。二〇二三年度、任意の取調べの録音、録画については五十件と、この委員会で私の質問に報告がありました。可視化に向けた具体案は、なぜ、在り方協議会において、議論が二〇二五年まで続きましたが、なぜ具体案が示されていないんでしょうか。具体策はどうするんでしょうか。
○政府参考人(佐藤淳君) 御指摘の、検察当局におきましては、その運用によりまして取調べの録音、録画を積極的に実施しているところでありまして、具体的には、検察当局におきましては、令和四年度から令和六年度までの身柄事件の被疑者の取調べのうち、九四%ないし九九%について録音、録画を実施しているところでございます。 加えまして、検察当局においては、取調べの適正確保にも資する取組の一つといたしまして、本年四月一日から、一定の在宅事件の被疑者の取調べについても録音、録画の試行を開始したところでございます。 その上で、被疑者取調べの録音、録画の拡大につきましては、先ほどの協議会におきましても御議論が行われたところではありましたけれども、まだ結論として得られるところに至っておりませんで、他方で、先ほどの在り方協議会の取りまとめにおきましては、新たな検討の場を設けるなどして、取調べの録音、録画の拡大や刑事手続における新たな制度の導入等について所要の取組を推進することを期待したいという言葉が入っておりまして、これを受けて、法務当局としても適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○福島みずほ君 捜査の可視化をもっと進めてください。 十一月七日から三日間にわたり、ECPM主催の死刑に関する地域会合東アジア大会が開催されました。この会合では、東アジアの死刑廃止について議論されました。御存じ、EUは死刑を廃止しないといけませんし、韓国も死刑を執行停止をしていたり、モンゴルも死刑を廃止しているなど、本当にアジアの中でもどんどん進んでおります。 この死刑廃止に向けた取組、政府の受け止めはいかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘の会合が開催されたことにつきましては、事務方から報告を受けて承知しております。 死刑制度の存廃は、我が国の刑事司法制度の根幹に関わる重要な問題であり、国民世論に十分配慮しつつ、社会における正義の実現等、種々の観点から慎重に検討すべき問題でございます。 国民世論の多数が、極めて悪質、凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えておりまして、多数の者に対する殺人や強盗殺人などの凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みますと、その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては死刑を科することもやむを得ないものと考えております。したがって、死刑を廃止することは適当ではない、このように考えております。
○福島みずほ君 袴田ひで子さんはこの会合で、私も出席しましたが、死刑制度はあってはならない、世界から死刑や冤罪がなくなるよう切に願っていると語りました。袴田事件は冤罪です。死刑台から生還した人が戦後五人います。殺されたかもしれない。 袴田さんは四十年以上を死刑確定者として過ごし、精神を病んでしまいました。隣の人間がその当日連れていかれて処刑されて、さようならと言ったことで、かなりそれも本人のダメージになった。冤罪という問題、死刑の恐怖から精神を病んだんだと思います。 私は、戦争反対、そして死刑も国家による殺人、間違えるかもしれないし、それから、そこまで、人の命まで奪うことを民主主義の名においても国家に委ねてはいないというふうに思っております。 日本が犯罪人引渡条約を締結しているのは、アメリカと韓国の二か国のみです。欧州各国、イギリスを始め、大使やいろんな人たちと話しますが、日本には犯罪人引渡しができない、死刑があるからという話を本当に聞きます。欧州各国と条約を締結していませんが、その理由は何ですか。
○政府参考人(濱本幸也君) お答え申し上げます。 一般に、犯罪人引渡条約を締結するか否かということにつきましては、相手国との犯罪人引渡しの具体的必要性の有無や相手国の刑事司法制度など、諸般の事情を総合的に勘案して判断することといたしております。特に犯罪人引渡条約は、一定の要件の下、犯罪人の引渡しを相互に義務付けることとなるため、相手国の刑事司法制度が適切に運用され、我が国から引き渡された者が不当な扱いを受けることがないかなど、諸般の事情について入念に検討する必要があるということでございます。 その結果、現時点では、我が国が犯罪人引渡条約を締結している相手国は米国、韓国の二か国となっておりまして、欧州を含むほかの国との間では犯罪人引渡条約を締結していないということでございます。
○福島みずほ君 次に、長生炭鉱の遺骨収集についてお聞きをいたします。 日韓・韓日議員連盟に三日間、私も行っておりました。そこで、共同声明で、長生炭鉱などなお両国間に存在する懸案事項については、被害当事者の名誉と尊厳が回復されるように引き続き真摯な姿勢でその解決に向け対話を重ねていくことを求める、長生炭鉱遺骨発掘に関連し、DNA情報を両国が共有し、身元確認を進められるよう両国の国会が積極的に乗り出すことが確認をされました。 外務省、そして厚労省、とりわけ厚労省は、なぜ身を乗り出してNGOがやっていることに応援をしないのか。いかがですか。
○政府参考人(古舘哲生君) お尋ねの共同声明におきまして、長生炭鉱遺骨発掘に関連し、DNA情報を両国が共有し、身元確認を進められるよう両国の国会が積極的に乗り出すといった記載が盛り込まれたことにつきましては、厚生労働省としても承知をいたしております。 厚生労働省といたしましては、八十年以上も前に落盤事故が発生した海底の坑道に潜水をし、調査、発掘することにつきましては、安全性に懸念があり、実地調査という実務に照らして対応可能な範囲を超えているものと認識をいたしておりますけれども、構造物としての炭鉱の安全性や、安全を確保した上での潜水調査の実施可能性等につきまして、知見の集積に取り組んでいるところでございます。 このため、現時点では財政支援等の検討を進める状況にはないと考えておりますが、引き続き専門的な知見の集積に努めてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(伊藤孝江君) 時間を過ぎておりますので、端的にお願いいたします。
○政府参考人(大塚建吾君) 委員から御指摘のありました共同声明の内容については外務省としてももちろん承知をしておりまして、日韓関係を安定的に発展させていく上でも議員外交の果たす役割は重要であると認識をしております。 御遺骨の対応につきましては、これまで国内法令の下で人道的観点も踏まえて関係省庁において取り組んでいるところでございますが、既に韓国政府とも丁寧な意思疎通を行っております。 引き続き、韓国政府との意思疎通を丁寧に行いながら、関係省庁とともに取り組んでいく考えでございます。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、おまとめください。
○福島みずほ君 はい。 二月七日、追悼式が来年あります。今年の追悼式には韓国の政府も参加をいたしました。 今日は、本日、韓国の行政安全部の五人の職員が現場に行っております。なぜ韓国の政府は行くのに日本は行かないのか……
○委員長(伊藤孝江君) 福島みずほさん、時間過ぎておりますので、おまとめください。
○福島みずほ君 追悼式に是非出席してくださるようお願いいたします。 済みません。 ─────────────
○委員長(伊藤孝江君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、脇雅昭さんが委員を辞任され、その補欠として山崎正昭さんが選任されました。 ─────────────
○小林さやか君 本日が初質問となる国民民主党・新緑風会の小林さやかと申します。 先般の大臣の所信的御挨拶の内容に沿って御質問いたします。 まずは、外国人との共生社会の実現に関する質問です。 大臣は、法令にのっとって外国人を受け入れ、適切な支援を行うとともに、不法滞在者等の法令に違反する者に対しては厳正に対処すると述べられて、秩序ある共生社会の実現を目指すと表明されました。現在、日本には三百九十五万人の外国人が在留し、今後も人手不足分野を中心に増加が見込まれています。 こうした中、地域や学校、自治体の現場では、日本語の壁、また日本の制度への理解不足によるトラブルも起きています。ただ、現行制度では、在留資格によって日本語の教育また生活オリエンテーションの実施に格差が生じる制度の穴があり、その不備が自治体また学校現場等に過大な負担を強いているのが現状です。 私の地元千葉県でも、成田空港を有することから、外国人が増加しております。空港隣接している富里市では、特定技能の関連施設を拠点とした、起点とした外国人の短期滞在と転出が繰り返されています。 またさらに、家族滞在などもあります。生活制度の理解が伴わないまま入国されている方が急増しています。そもそも、技能実習生には、日本語ですとか生活一般に関する知識、法令違反への対応が施行規則で義務付けられていますが、実施が監理団体任せとも言えます。特定技能一号では、受入れ機関任せです。また、家族滞在、留学、技能ビザ、こうしたものに関しては教育の機会が全くございません。先ほどの富里市では、市の職員が自らリーフレットを作って、外国人が営む飲食店などに自らプッシュ型で巡回し、一から説明するという多大な負担を強いられております。 また、国民健康保険の未払も深刻です。富里市の国保滞納者、七割が外国人です。これに関しても一人一人説明して回っていますけれども、そもそも保険制度の概念が伝わらないとか、加入が義務という認識を持っていただけないという切実な声が上がっています。 お手元に資料をお示ししておりますけれども、確かに入管では在留資格によらず入国時にオリエンテーション動画を周知しているということですけれども、こういった、このお配りしている資料を御覧いただきたいんですけれども、この視聴が任意であり、実効性がないと考えております。 そこで、御質問です。 こうした対応を自治体任せにするのではなくて、入国時若しくは入国後間もない一定期間のうちに、在留資格によらず、日本語ですとか、また国保についての説明も含む法令、生活マナー、共通した基礎研修を受講することを義務化するべきなんじゃないかと考えますが、御見解はいかがですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 外国人との共生社会を実現するためには、受け入れる側の日本人だけじゃなく、委員御指摘のとおり、受け入れる側の外国人もまた共生の理念や日本のルール、制度等を理解するよう努めていただくことが重要であると考えております。 このような観点から、政府におきましては、外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ等に基づき、外国人に日本のルールを正しく理解してもらえるよう、生活上のルールや日本語の学習ツールの紹介、国民健康保険等の制度の情報を含む基礎的情報を取りまとめた生活・就労ガイドブックや生活オリエンテーション動画の作成、公表等を行っているところでございます。 また、令和六年度から、民間団体等が主催する入国前及び在留中の外国人を対象としました対話型オリエンテーションに法務省職員も参加し、直接外国人のニーズや疑問等を聞いた上で日本のルールや制度等を説明する双方向的な取組を試行的に行っており、よりきめ細やかな能動的な施策の検討を進めているところでございます。 もっとも、日本語や生活ルール等に関する研修の義務化につきましては、法令改正の必要性や内容について様々な検討が必要であるため、現時点におきましては行っておらないところでございますが、引き続き、より実効性の高い取組となるためにはどのような方策を取ることができるのか、不断に検討してまいりたいと思います。 以上でございます。
○小林さやか君 ありがとうございます。 今御案内あった生活オリエンテーション動画なんですけれども、昨日十九日午後三時時点で視聴回数確認してみました。健康保険の動画の視聴、英語で三千四百五十回、中国語で千四十八回、韓国語五百八回、ポルトガル語に至っては百十五回しか見られておりません。初歩的な日本語の学習に関しても同様で、英語三千六百二回ですとか、ポルトガル語九十三回。これ、やっぱりほとんど見られていないんですね。まだ私のユーチューブの方が見られていると思います。富里市が直面しているスリランカの方に関しては、対応言語すら動画が存在していないんです。 先ほど、入国時に受講を義務化するというのはなかなか難しいという御回答だったかと思いますけれども、であれば、入国の前に、この現状のオリエンテーション動画で構いませんので、この存在を周知、広報して、視聴したかどうかというのを在留資格を申請する際に確認するべきではないでしょうか。いかがですか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 御指摘恐縮でございます。 御指摘の入国前の外国人に生活オリエンテーション動画を見ていただくと、これにつきましては、在留資格認定証明書の電子交付通知に生活オリエンテーション動画のリンクを掲載することや、在外公館に対しては査証申請に及ぶ外国人に動画の周知を依頼して、周知、広報に努めているところでございます。 入国前の段階から生活オリエンテーション動画を見ていただくために更にどのような取組を進めるべきかについては、御指摘も踏まえて引き続き検討してまいりたいと思います。 また、もう一つ御指摘のございました、入国時に確認することができるかどうかという点でございます。この点につきましても、現在視聴確認は行っておらないところでございますが、より実効性の高い取組となるためにどのような方策を取ることができるか、やはり検討してまいりたいと考えております。
○小林さやか君 ありがとうございます。 さらに、学校現場の負担も限界に達しています。私の千葉県内でも、外国籍児童、急増しております。教員の加配が不十分ですとか、日本語の指導員は任用職員頼みなんだけれども、その人材確保がそもそもできない、国の補助額も不十分だと。そういった状況で、通常授業を回しながらその教員が個別に日本語指導をするという無理を強いられております。ただでさえ、教員の過重労働、課題になっております。学校からは、初期の日本語は適宜学校以外で集中的に教えてほしいと、そういった声も多く上がっております。 そこで、政府参考人にお尋ねしますが、日本語の教育を各学校任せにするのではなくて、児童生徒を横断的に集めて日本語を集中指導するですとか、例えばそういったスキームを国としても整備すべきではありませんか。現状の日本語教育支援の実情と、国として一律に実施しているものを教えてください。
○政府参考人(橋爪淳君) お答え申し上げます。 外国人との共生社会の実現に向けて外国人児童生徒への教育、充実していくことはこれは大変重要と考えてございます。 文部科学省におきましては、まず、外国人児童生徒の就学促進の観点から、多言語の就学ガイドブック作成、周知等に取り組んでおりますほか、就学後につきましても、学校における日本語指導に必要な教員定数の着実な改善、それから日本語指導補助者の派遣などの指導体制の整備などを行う自治体への支援、こうしたことを取り組んでいるところでございます。 先生から一律にというところもございましたけれども、各自治体におきましては、それぞれ外国人児童生徒の人数や在籍の状況、こういったことも異なることから、それぞれのニーズが違っておりますので、こうした自治体のニーズにしっかり応えていくためにも、先ほど申し上げましたような支援を活用していただきながら、各地域の多様な実情に応じた拠点校の整備とか人材配置、よって日本語指導体制の確保、充実を図っていただいているというところでございます。 さらに、文部科学省におきましては、今、外国人児童生徒の増加という状況がございますので、そういったところに適切に対応すべく、外国人児童生徒等の教育の充実に関する有識者会議を設置しまして、指導体制の充実、それから日本語指導担当教師等の指導力の向上や就学促進策を含めて、今後取り組むべき施策等の議論を進めている状況でございます。 こうした会議の議論も踏まえながら、自治体の皆様とも御協力しながら、外国人児童生徒の教育の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。 以上でございます。
○小林さやか君 ありがとうございます。 今御説明あった中で、就学ガイドブックを作っているというお話ございました。お手元の資料③、また⑤にお配りしておりますけれども、これ、目次だけお伝えしましたけれども、この中身、日本語バージョンでもなかなか複雑で難しいです。私たち日本人が小学生の子供を入学させるとき、対面で説明会ございます。こうしたものをこのパンフレットだけで読み解いていくということはなかなか困難だと考えます。 ただ、それであっても、まだこのパンフレットだけでも周知してほしいと考えるわけなんですけれども、是非、法務省も連携して、入国前後でお子さんがいる家庭にこうした就学ガイドブックを周知していただけないでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 御指摘の点につきましても、文部科学省等の関係省庁と連携し、適切に対応してまいりたいと考えております。
○小林さやか君 ありがとうございます。 これまでるる御回答いただいたんですけれども、やはり結論としては、非常に限定的にしかオリエンテーション動画、また日本語教育、届いていないということが今の実情だと考えます。 現状では、こうした共生に向けた取組は自治体や地域などに任せられていて、その地域が対応する数をはるかに上回る方が入国しているというところが現状であると考えます。地域での対応が可能な人数に入国数を調整するのか、若しくは入国の前から国が共生支援をするのか、それができないんだったら、せめて地域任せにしない、オリエンテーション、日本語支援策、入管としても法務省としても強力に進めていくことが不可欠だと考えます。大臣、もっと指示を、取組を進めるよう指示していただけないでしょうか。 そして、もう一つ、秩序ある共生社会の実現のためには、どの程度の入国者数を目指して、どのような地域支援の対応を取るのか、どんなビジョンを描いて入管政策を進めるのか、是非、大臣のビジョン、御見解を伺います。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘のとおり、外国人に対して日本語教育や日本の法令、生活マナー等に係る周知、広報を行うことは非常に重要でございます。 このような観点から、法務省においては、関係省庁や地方公共団体等の協力の下、在留外国人に対し、継続的に生活オリエンテーション動画に関する通知、周知、広報を行うほか、在留諸申請を行う際にも、外国人本人に対して周知、広報いたしております。 引き続き、関係省庁及び地方公共団体等と連携しながら、日本語教育や日本の法令、生活マナー等について積極的な周知、広報を行ってまいりたいと思っております。 現在、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣の小野田大臣と相談しながら、基礎的な調査検討を可能な限り進めているところでございます。
○小林さやか君 ありがとうございます。 続きまして、不法滞在、不法就労予防の観点から、行政書士による申請取次業務について伺います。 〔委員長退席、理事横山信一君着席〕 外国人との共生を進める上でも、不法滞在は許さないという姿勢を明確にすることも必要です。一方で、行政書士による在留資格の申請取次業務において、本人の確認が極めて形式的なまま多数の申請を処理しているのではないかと疑われる事案が散見しています。 例えば地元の千葉県でも、国内で既に就労している外国人のこの本人が気が付かないまま、第三者がその在留カードを持ち出したり書類を偽造するなどして、実際は違う方を妻子と称して家族滞在として呼び寄せていたと。また、過酷な環境で就労されている外国人の方が在留カードを取り上げられて、本当は本人が望んでいないのにもかかわらず、在留資格を勝手に更新させられていたと、そういった事例が報告されております。 こうした事例は、行政書士がブローカー経由で依頼を受けまして、申請人本人に直接会わないままに申請したことが疑われると指摘されております。また、オンライン申請制度が導入されている中で、行政書士がリモートで顔と在留カードを画面越しに見れば本人確認が足りると解釈して、別人の成り済ましを見抜けなくなっていると、そういった可能性もございます。また、もし一人の行政書士が物理的に適正な面談が不可能だと思われるほど余りにも大量の申請を取り次いでいると、こういうケースも報告されているんですけれども、仮に行政書士本人ではなくて事務員等が対応しているとすると、これは日本の在留管理制度の根幹を揺るがしかねません。 そこで質問しますが、一人の行政書士、また一つの事務所が物理的に適正面談が不可能だと思われるほど大量の申請を取り次いでいる場合は、本人の確認が不適切である可能性が高いです。政府として、こうした大量申請の実態、把握しておりますか。また、行政書士一人当たりの申請上限を設けるべきではないでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 〔理事横山信一君退席、委員長着席〕 統計として把握しているものではございませんが、一般論として申し上げれば、同じ申請日において同じ行政書士が複数の申請等の取次ぎを行う事案があることは承知しております。 その上で、出入国在留管理庁としましては、申請取次件数の多寡にかかわらず申請内容に基づき適切に審査を行っていることから、現時点において一律の上限という意味ではこれを課すべき状況にあるとは考えておりません。 ただし、一般論として申し上げれば、仮に同じ申請取次者が多数の申請取次ぎを行うことでその適正性に疑義が生じると、こういった場合においては、申請内容が適切なものであるか否かを含めて慎重に審査を行うなど、適切な対応を取ることとしているところでございます。
○小林さやか君 確認ですけれども、行政書士が申請取次ぎをする場合に、リモートで本人確認するということは認められているんでしょうか。仮に認められているんだとしたら、成り済まし等を防ぐため、本人に対面で確認することを原則とすべきではないでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 行政書士の所管がいずれかという部分もあるんですけれども、出入国管理及び難民認定法関係法令において、申請取次者による申請人の本人確認の方法については特に規定はしておりません。ただ、もちろん、申請取次制度を適切に運用するためには、御指摘のとおり、申請者の意思に基づかない内容が申請されるようなことがあってはならないというふうに考えております。 他方で、この本人確認に関する具体的な方法について出入国管理及び難民認定法関係法令におきまして新たな規制を行政書士に課すかということについては、その適否を含めて慎重に検討する必要があるものと考えております。
○小林さやか君 今までの御回答で、行政書士が大量の申請取次ぎしているケースの実態の把握も現状ではされていないのではないかなと理解いたしました。 是非、行政書士会など業界団体を通じまして、例えば各行政書士の申請取次ぎの実態報告書を提出させることを求めるですとか、その際に疑わしき事例を見付けたとしたら行政書士会から入管に報告するような協力協定を結ぶですとか、実効的な監督の強化、また実態の把握、こちらについて、大臣、対応策の検討を指示していただけないでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 適正な出入国在留管理行政を遂行する上で、申請取次制度が適切に運用されることは重要であると考えております。 委員御指摘の点については、どのような問題が実際に生じているのかまずは現状をしっかりと把握した上で、行政書士会との協力を含めた必要な対応を検討すべきものと考えております。本日の委員の御指摘に対してどのような対応が可能なのか、出入国管理庁に検討を指示することとしたいと思っております。
○小林さやか君 前向きな御答弁ありがとうございます。 こうした対応が不十分なことで、秩序ある共生社会、この実現が遠のいているということを指摘させていただきまして、是非積極的な対応を求めて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 次の質問です。子供を対象とした性暴力の抑止策について質問いたします。時間の関係で事前に通告した質問の順番を入れ替えさせていただきます。 昨今、デジタル空間における子供への性暴力が後を絶ちません。今年に入って愛知県警は、女子児童の盗撮動画を複数人の教員がSNSで共有していたと、このグループを摘発して七人も逮捕者が出たほか、今月に入ってからも、女子中学校の教員が校内の盗撮と見られる画像をSNSで第三者に譲り渡して逮捕されています。 こうした教員による盗撮、画像の流出、さらにSNSでの拡散、児童生徒の被害が後を絶ちません。こうした一度ネットに流出してしまった画像は被害者が望んでも完全に削除するということが極めて困難です。二次被害が連鎖的に続くことが深刻な問題になっています。 そこで、お尋ねします。 児童の性的画像、こうしたものがインターネット空間に流布されている場合に、削除させる刑事法上の規定はありますか。現状の対応を御説明お願いします。
○政府参考人(佐藤淳君) 一昨年に成立しましたいわゆる性的姿態撮影等処罰法におきましては、検察官は、保管している押収物にいわゆる児童ポルノ禁止法上の児童ポルノ等が電磁的記録として記録されている場合に、当該電磁的記録の消去や押収物の廃棄等の措置をとることができます。 それから、検察官は、電磁的記録たる児童ポルノが、捜査段階においていわゆるリモートアクセスによる複写されたものであって、リモートアクセス先の記録媒体に複写元の電磁的記録たる児童ポルノが残っているという場合には、当該電磁的記録をその当該電子計算機で消去をする権限を有する者に対して、済みません、難しい言葉でありますが、その電子計算機で消去する権限を有する者に対してその消去を命ずることができるという規定がございます。
○小林さやか君 ありがとうございます。 今、押収物に関しては削除できるというお話と、もう一つの観点として、児童ポルノと認定されたものについては削除できるというお話だったかと思うんですけれども、インターネット上に流布するものの中には児童ポルノ等に該当するか直ちに判断が難しいものもございます。例えば本人の画像を基にAIディープフェイクなど加工されている画像、また、例えば下着等が直接的に写っていなかったとしても本人が羞恥心を覚えるような盗撮画像もございます。 こうした人格権や名誉を害するものについて、法務省として画像が掲載されているサイト又はプラットフォーム事業者等に削除を求めるということはできるんでしょうか。
○政府参考人(杉浦直紀君) お答えいたします。 法務省の人権擁護機関におきましては、インターネット上での誹謗中傷等の投稿によって人権が侵害されたとする被害者の方から人権相談を受け付けております。 人権相談を通じまして人権侵犯の疑いのある事案を認知した場合には、相談者の意向に応じまして削除依頼の方法を助言するほか、違法性の有無を判断した上でプロバイダー等に対して情報の削除要請をするなどの対応を行っているところでございます。この場合におきましては、当該情報が児童ポルノに該当するか否かにかかわらず、肖像権侵害やプライバシー侵害などの違法な情報であると認められる場合には削除要請を行っているところでございます。
○小林さやか君 確認なんですけれども、その際にその画像が被害者本人であると特定する必要があるんでしょうか。また、今御説明いただいた中に、実際に未成年の性的画像の削除をめぐって人権擁護機関等が利用されているという実態はあるんでしょうか。
○政府参考人(杉浦直紀君) 法務省の人権擁護機関におきましては、インターネット上に投稿された画像等について被害者から相談を受けた場合には、その画像等が被害者の画像等であることを確認した上で、当該画像等に違法性があると認められる場合にプロバイダー等に対して削除要請をするなどの対応を行っているところでございます。 実際に削除要請をした事例は把握しておりませんけれども、こういった児童ポルノの事案について、人権侵犯事件として調査をして、削除依頼を本人からする方法を助言するなどの対応を取った事例はございます。
○小林さやか君 ありがとうございます。 これまでの御回答からしますと、現在の法令では、たとえ被害者の本人が望んだとしても、削除に至るまで非常に困難な道のりがあると捉えております。 私も小中学生の娘を持つ母親ですけれども、本当に身近で盗撮事件が発生しています。このインターネットの海の中に流布された、もう本当に見るに堪えないような画像が掲載されているようなサイトの中から一つずつ確認して、これは自分の画像だと主張して、さらに被害者自らが人権擁護機関等に依頼しなければ削除ができないと。しかも、削除されるかどうかが事業者任せであるという現状だと思います。これでは到底被害救済されているとは言えないのではないでしょうか。ましてや未成年であれば、そういった削除に至る方法も思い付かなくて、泣き寝入りして被害が埋没する可能性もございます。 これは現行法令が被害実態に即していないと言えるのではないかと考えますが、大臣の見解、いかがでしょうか。是非、省庁横断的に議論をして、実効性のある法整備を進めてほしいと考えます。 さらに、今御説明あった、唯一それでもよりどころになれるというのが現状の法務省の人権擁護機関だと思うんですけれども、先ほどの御回答だと、利用されているかどうか把握していないということです。これは、十分にこの人権擁護機関が周知されていないと、そういった可能性がございます。せめて、この現状、対応可能な危害の救済方法についてだけでも周知徹底すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 委員御指摘の点については、より一層調査を加えて、しかるべく対応したいと考えております。
○小林さやか君 続いて、関連しまして、昨年成立した日本版DBS法についてお尋ねいたします。 こちらは、子供に接する職業に就く際に性犯罪歴を確認するという仕組みで、二〇二六年の本格施行に向けた準備が進んでおります。 制度の基本的な流れは、事業者がこども家庭庁を通じて法務省に照会して性犯罪歴の有無について回答を得るという仕組みになっております。ただ、外国籍の就業希望者については、戸籍がないので入管の情報を活用することが必要になることから、通常の照会と比べて非常に時間が掛かるといった懸念が示されております。 そこでお尋ねしますが、日本版DBSにおいて、現状、こども家庭庁から外国籍の者の照会を行う際に十日ほど掛かる見込みとされておりますけれども、どんな情報が必要で、なぜこれほど時間が掛かるのかと。現在使用している照会システムの実態と、もっとこのシステムの迅速化進められないのかといった対応を伺います。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 学校設置者等の事業者からこども家庭庁に対し、子供性暴力防止法における外国籍従事者に係る犯罪事実確認書の交付申請がなされた場合、同庁から当庁に対し、本人特定情報の確認のため、外国籍従事者の出入国履歴や氏名変更履歴等の照会がなされるという仕組みになっております。 当庁におきましては、こども家庭庁からの外国籍従事者の出入国履歴等の情報に係る照会につきまして、可能な限り速やかに回答できるよう、基幹システムにおける適切な情報抽出のために機能追加改修を検討しておるところでございます。 子供性暴力防止法に係る手続を円滑に進められるよう、当庁としてもこども家庭庁にしっかりと協力してまいりたいと考えております。
○小林さやか君 是非しっかり進めていただきたいと思います。 この日本版DBSができたきっかけは、ベビーシッターが預かった子供に対して性加害を繰り返したと、こういった事案が発生したことがきっかけだったと承知しております。 私、前職でこの事案取材いたしまして、その後、DBS法通るまでの過程もつぶさに取材してまいりました。その結果、幾ら性犯罪者を子供と接触する現場から追い出しても締め出しても、再犯を防ぐための矯正や更生の支援をしない限り性犯罪は根絶しないと考えております。学校で盗撮しなくても路上ですると、保育所で強制わいせつしなくても公園のトイレを狙うと、イタチごっこになってしまいます。 また、子供に対して性加害を行った者ともこれまで何度も手紙でやり取りしてまいりましたけれども、いずれも自らの子供に対する性的欲求との向き合い方にある意味で苦しんでいて、孤立しています。孤立するほど認知が再びゆがんで犯罪行動を指向すると、こういった傾向が高くなると。それなのに相談できる先がない、性犯罪によって職も失っている者もいるので、認知行動療法等を行う専門家に相談する費用もないと、こういったことを訴えております。やはり、ここへの打ち手が必要だと考えています。 法務省は、現状、受刑者また保護観察の対象者に対して性犯罪再犯防止プログラムを実施しておりまして、この内容によって受講者の再犯率が一定程度低くなる傾向も報告されています。ただ、出所後のフォローアップ体制が十分ではない、また専門的な相談窓口や臨床機関が全国的に不足していることが課題として挙げられます。 そこで、お尋ねします。 保護観察期間が終了した性犯罪者に対してフォローアップは今どのように行っているんでしょうか。社会に出た後に性犯罪処遇プログラムを再び受講する機会というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。 性犯罪を含む犯罪をした者等の再犯防止を推進していくためには、保護観察を終了した者に対しても息の長い支援を確保することが重要であると認識しております。この点、保護観察所では、令和五年十二月から、更生保護に係る地域援助として、保護観察終了者を含む地域の方からの相談に応じ、更生保護に関する専門的知識を活用した助言や情報提供等の援助を行っております。 保護観察所の性犯罪再犯防止プログラムは保護観察における指導監督の一環として実施しているものであって、保護観察終了者に対しては実施してはおりませんが、保護観察を終了した性犯罪者やその家族等からの相談等に応じ、地域の関係機関や団体等と連携して、必要な支援が受けられるよう調整するなどの援助に取り組んでおります。 引き続き、関係機関等との連携を強化し、犯罪をした者等に対する息の長い支援を通じた再犯防止の取組を推進してまいります。
○小林さやか君 今、やはり保護観察終了後にプログラムの受講機会がないということと、その後は地域と協力して伴走していくと、そういう御回答だったと思うんですけれども、では、地方公共団体が整備しているものなど、性犯罪に及んだ者が相談できる窓口若しくは専門的な臨床機関等が全国に何か所整備されているのか、法務省として把握しているんでしょうか。また、ただ相談するだけではなくて、子供を対象に性的欲求を抱く者というのは特別な専門的な対応が必要だと考えますが、そうした専門対応ができる窓口はあるんでしょうか。 政府として、情報を集約して把握した上で、一覧を公開して必要な人に確実に届けるべきだと考えますが、現状と対応策をお尋ねいたします。
○政府参考人(村松秀樹君) 相談窓口に関してお尋ねございました。 網羅的に必ずしも把握しているものではございませんけれども、各地域の実情に応じまして、性犯罪をした者からの相談に特化した窓口を設置している自治体といたしまして、大阪府また茨城県など複数あるものと承知をしてございます。 委員御指摘の性犯罪をした者等はもちろんのこと、犯罪をした者等の再犯防止を図る上では、刑事司法手続を離れた方にも地域社会において継続的に必要な支援を行っていくということは非常に重要だと考えてございます。窓口の把握、これを進めまして、また今御指摘いただきましたけれども、リスト化という御指摘ございましたが、周知の在り方も含めまして、様々な観点から、性犯罪も含め再犯防止の取組の促進について地方公共団体としっかり連携をしながら検討を進めてまいりたいと思ってございます。
○小林さやか君 是非しっかりと状況を把握した上で周知していただきたいと考えます。 飛ばした質問、一つ戻らせていただきます。売春防止や買春規制についてお伺いいたします。 今月六日の参議院本会議で総理が、近時の社会情勢を踏まえて売買春に係る規制の在り方について必要な検討を行う旨、明言されました。続く予算委員会でも直接関係大臣に指示されていらっしゃいますけれども、具体的に現状どのような検討状況にあるのか。また、買春規制の見直しだけではなくて、是非、売春せざるを得ない女性に対する保護、支援も含めて、専門家ですとか、売春に当たったことのある女性等の当事者も含めて、更に省庁横断的に実態に即した議論をしていただきたいのですが、具体的な進捗を教えてください。
○政府参考人(佐藤淳君) 法務省におきましては、高市総理大臣の御指示を踏まえまして、売春防止法を所管する刑事局におきまして必要な検討を行っていくこととしているところでございます。 こうした検討の一環として、まずは現行法令の運用状況等について調査するほか、売買春をめぐる国内の実態把握に資する調査や、諸外国における売買春の規制状況に関する調査などを行っていくことを考えているところでございます。 その上で、今後の検討、全てスケジュール等決まっているわけではございませんが、検討に当たりましては多角的な視点から十分な検討を行うことが重要だと考えておりまして、委員の御指摘も踏まえつつ、適切な体制を整え、必要な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○小林さやか君 私がこの話題を取り上げる際に、子供の頃に性被害に遭った方のことをいつも思い浮かべます。これ、DBS制度の取材の際に出会った方ですけれども、子供時代に教員から性暴力受けた女性です。この方は、大人がやはり守ってくれなかったという傷を長きにわたって抱え続けられました。DBS制度というのは、当時、成立に向けて非常に困難な状況にありまして、犯歴を出すとか職業選択の自由等、拮抗する権利があったと。またさらに、一方では、網に掛ける範囲が狭くて実効性がないんじゃないかという批判もございました。 それでも、先ほどの彼女は、仮に不完全であったとしても、こういった制度を早く世に生み出してほしいと。なぜかというと、それは、こういう制度ができる日本であるということ自体が、大人が性暴力許さないんだということを社会に示す、そういったことに資するからだということだったんです。こういった姿勢があれば、その方の子供時代の自分というのはどんなに救われただろうと、そういう思いでございました。 私は、この日本の大人たちは信頼に足る存在であると子供たちが思えるような日本にしたいと思って議員になったわけです。残念ながら、記事を書くだけではそうならなかったからです。今も性被害に苦しむ子供たちが生み出されておりますので、子供たちが誇れる日本にするためにも、法治国家として、法務省がリーダーシップを取って対策をするように強く求めたいと思います。 最後に、大臣に、子供の性犯罪に対する意気込みをお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘の点については、私も高市総理大臣の方から指示を受けたことですし、現在は検討中としか言いようがないんですけれども、必要な調査を加えて、適切な結論を得るように努力したいと考えております。
○小林さやか君 ありがとうございます。 今、買春規制の御回答いただいたかと思うんですけれども、是非、それだけではなくて、盗撮画像の対応ですとか、今日一つ質問飛ばさせていただきましたけれども、タイ人の十二歳の少女の人身取引の関連ですとか、この事案も、先ほど打越委員の質問の回答を聞くにつけ、被害が起きた後に保護することはできたとしても、やはり水際で被害未然に防げないということと受け止めました。是非包括的な対応を法務省としてリーダーシップを取って進めていただきたいと考えます。 まだ時間ありますか。最後にもう一回、包括的なことに関して、大臣の御見解お願いします。
○国務大臣(平口洋君) 随分多方面のことについて御指摘をいただいたものですから、それらをよく整理して必要な調査をし、そしてまた必要な結論を得てまいりたいと思っております。
○小林さやか君 ありがとうございました。 以上で質問を終えさせていただきます。
○委員長(伊藤孝江君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(伊藤孝江君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 それでは、最初にメタバースについて伺います。 メタバースは、仮想現実、VR、それから拡張現実、ARと、こういった技術を使った仮想空間です。利用者は、メタバースの中でコミュニケーションを取ったり、様々な体験ができます。 このメタバースは急速に普及していて、総務省の情報通信白書によれば、世界のメタバース市場は二〇二二年の四百六十一億ドルから二〇三〇年には五千七十八億ドルに拡大すると予測されています。その主な内容は、Eコマース、ゲーム、ヘルス・アンド・フィットネスとなっています。 他方、多くの地方自治体でも急速に導入が進んでいます。使われ方は自治体によりますが、観光振興であったり不登校対策であったり、障害者の社会参加など様々な活用が見られます。 民間に加え、行政需要が増している状況にあって、総務省では、メタバースの原則というのを示し、日本国内においてメタバース空間を提供するプラットフォーム事業者に対し、安全、安心なメタバースの実現を求めています。 しかし、メタバース内での不正行為というのは今も存在をしていまして、こうした不正行為に対する対応、あるいは違法コンテンツ、こういったものの削除、こうしたことに総務省はどのように対応しようとしているのか、伺います。
○政府参考人(荒井陽一君) お答え申し上げます。 今委員から情報通信白書の言及もいただきましたが、国内外のメタバース市場の拡大が予測されておりまして、安心、安全にメタバースの導入や利活用が進むことが重要なことと考えております。 このため、総務省では、令和五年十月に有識者会議を立ち上げまして、安心、安全なメタバースの実現に向けた議論を行ってまいりました。その成果といたしまして、先ほど委員から御紹介ありましたけれども、メタバースの原則を策定しております。その中では、仮想空間の提供を担うサービス提供者のほか、クリエーターを含むコンテンツ提供者やデバイス提供者など、全ての関係者が参照すべきものとして、メタバースの自主自律的な発展に関する考え方やメタバースの信頼性向上に関する考え方をお示ししたところであります。 メタバースに係る国際的な動向としましては、行動規範を検討、策定する動きがまだ一部にある程度だと承知をしておりまして、先ほど申し上げたメタバースの原則については、各国の参考になる先進的な取組としてOECDが本年三月にまとめた報告書で紹介をされているところでございます。 総務省といたしましては、このメタバースの原則について、積極的な周知を通じ、安心、安全なメタバースの実現やその利活用が進むよう取り組んでまいります。
○横山信一君 メタバースは、匿名性が高いという特徴があります。年齢や社会的背景にかかわらず自由に参加できる、こうしたメリットがあるわけでありますが、一方で様々なリスクもあり、現に被害者も顕在化しています。 具体的には、青少年の性被害、あるいは詐欺被害、いじめ行為、高齢者への不正誘導や誤情報拡散、情報リテラシーが低い利用者への悪質な勧誘や詐取。これらに対応するために、相談窓口の設置や年齢認証制度の導入などが考えられますが、総務省はどのように対応しているのか、伺います。
○政府参考人(荒井陽一君) 委員御指摘のとおり、匿名性が高いインターネット上の仮想空間でありますメタバースにおきましては、青少年などの社会的弱者が様々な迷惑行為などに巻き込まれることも想定をされます。 このため、先ほど申し上げましたメタバースの原則においては、例えば、青少年保護の観点からサービス提供者が参照すべきものとして、有害コンテンツへのラベリングや対象年齢の設定を実施すること、有害コンテンツのモニタリングを実施すること、ペアレンタルコントロールなど保護者が関与できる仕組みを構築することなどを明示をしております。また、利用者間のトラブルを未然に防ぐ観点からサービス提供者が参照すべきものとして、メタバースサービス内の巡回を行うこと、利用者からの通報窓口を設置すること、技術的な利用者保護機能をサービスに実装することなどについても明示をしております。 総務省としては、今後も、社会的弱者の保護の観点も十分踏まえつつ、安心、安全なメタバースの実現やその利活用が進むよう取り組んでまいります。
○横山信一君 メタバースの現実が、改定をされて、今年も改定されたわけですけれども、日々どんどん変化をしていく、そういうものでありますので、随時の原則の見直し、そしてまた被害者をいかにして減らしていくか、また予防するかということを常に考え続けていただきたいというふうに思います。 このメタバースの利用者は、仮想空間上でアバターを用いて活動します。仮想人格というふうにも言われていますが、このアバターは法的にどのように取り扱われるかは明確にされていません。例えば、アバターに対する名誉毀損、プライバシー侵害への対応、アバターの外見や装備などのデジタルアイテムに関する知的財産権、所有権の明確化。実際、こうしたデジタルアイテムを販売するということで商行為も行われているわけであります。また、他人のアバターや名称を模倣する成り済まし行為などへの対応です。 こうした論点から、メタバースには新たな法的位置付けが必要ではないかというふうに考えますけれども、法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) インターネット上に仮想的につくられたメタバースでは、自分の代わりとなるアバターの活動等を通じて様々な法的問題が生じているとの指摘があると承知しております。例えば、アバターの名誉を毀損した場合について、そのアバターの使用者の社会的評価を低下させるときは不法行為責任が生ずる一方で、そのアバターの使用者の氏名が明らかにされていないときは、使用者の社会的評価を低下させず、名誉毀損による不法行為責任が生じないのではないかといった議論がされているところであります。 メタバースで生ずる問題については、学説でも種々な、様々な法的議論がされていると承知しておりまして、法務省といたしましては、民事基本法制を所管する立場から、学説や裁判例の動向等を注視してまいりたいと考えております。
○横山信一君 しっかりと対応していただきたいんですが、非常に急速な勢いでこのメタバース進んでいます。特に、冒頭申し上げたように、行政にどんどん今入っていますので、そういう観点では、学術論文等を参照するのはもちろん大事なんですけれども、積極的に法的な対応ということを考えていかなくてはいけないのではないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 総務省の皆さんはもう質問ありませんので、退室いただいて結構です。委員長のお取り計らいをお願いします。
○委員長(伊藤孝江君) 荒井審議官、御退席いただいて結構です。
○横山信一君 次に、選択的夫婦別姓について伺います。 これは、言うまでもなく、一九九六年に法制審議会が導入を答申してからもう四半世紀以上が経過をしていると、また、国際機関からも女性の権利の観点から夫婦別姓の導入の指摘を受けると。こうしたことから、我が国は女性差別の残る国という悪いイメージがあります。 内閣府男女共同参画局が二〇二一年度に実施した人生百年時代における結婚・仕事・収入に関する調査というのがあるんですけれども、この調査によると、積極的に結婚したいと思わない理由として、女性の答えですけれども、名字、姓が変わるのが嫌、面倒だから、これを理由にする割合は、二十から三十九歳の独身女性で二五・六%、四十から六十九歳の独身女性で三五・三%というふうになっています。 少子化対策は重要政策課題ですけれども、諸外国と比較して婚外子の割合が低い我が国では、婚姻数を増やすということこそが少子化対策になるわけであります。この少子化対策のために少しでも婚姻の障壁を取り除くというのが重要なわけですけれども、この観点からいうと、この意識調査に基づけば、選択的夫婦別姓の導入がないと結婚したくないという人の割合が極めて高いと、これもどんどん高くなっていくのではないかというふうにも思うわけですけれども、どのように考えられるか、法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 夫婦同氏制度が婚姻の障害となっている可能性があるとの御指摘があることは承知をいたしております。他方で、家族の一体感や子供への影響などの観点から、家族の間で氏が異なり得る制度に疑念、懸念を持たれている方々もいらっしゃるものと承知しております。 政府としては、これまで、婚姻により氏を改めた方の不便や不利益を軽減する観点から、旧姓の通称使用の拡大に向けた取組を進めてきたところであります。今後、旧姓の通称使用の拡大を政府全体で一層強めることによって氏を改めることによる不便や不利益を軽減し、御指摘のような懸念についても緩和していくことができるものと考えております。
○横山信一君 だから、選択的でいいわけなんですが、通称使用を進めなくても選択的にすれば何も問題はないわけであります。同一の姓にするもしないも、それはもう本人たちの自由ですから。 また、通称使用の法的な裏付けがないと、結果的に、グローバルに活動されている女性の皆さん方は結果的に様々な苦労を受けるわけであります。その一つがパスポートなわけですけれども、日本ではパスポートの表書きに旧姓を併記できるようになっています。旧姓が旅券面に記載されていても、ICチップやMRZ、マシンリーダブルゾーンですね、には記録されないために、ビザや航空券を右呼称で取得することは難しいというふうに考えられます。旅券面と電子データが一致しない旧姓併記を理由に、邦人渡航者が入国審査に際してトラブルに巻き込まれないような注意喚起も行われています。 この旅券面と電子データが一致しない状況を解消するために、国際民間航空機関、ICAOですね、ICAOの加盟国と協議をし、国際規格を改定することが必要です。旧姓併記を可能にしたのだから、その旧姓併記に効力を持たせなければいけないというふうに思うわけですが、現在の状況と今後の対応について外務省に伺います。
○大臣政務官(島田智明君) 旅券の作成に当たっては、百九十三か国が加盟する国際民間航空機関、ICAOにおいて定められた国際標準にのっとり対応する必要があるため、現在、我が国は、旅券のICチップ及び顔写真ページのMRZ、機械読み取り領域には法律上の氏名として戸籍上の氏名を記載することとしております。 外務省としては、旅券について、一九五九年、昭和三十四年から、顔写真ページの姓に続けて括弧書きで旧姓を併記する取組を開始しました。ただし、券面に旧姓であることの記載がなかったため、旧姓併記が外国の入管当局に理解されやすいよう、二〇二一年、令和三年四月から、括弧書きで印字された旧姓の上に、旧姓、フォーマーサーネームの記載を付け加えました。また、旧姓併記の旅券を所持した方が入出国の現場等で求められた際に御活用いただけるよう、英文付きの別名併記リーフレットを配付しております。 今後とも、このような取組を通じて旧姓の通称使用に伴う不便の解消にできる限り努めてまいります。
○横山信一君 外務省の努力は認めないわけではないんですけれども、これもそもそも不便なわけですよ、旧姓を書くということ自体が。その不便さをあえて求めるよりも、まさに選択的に、グローバルに活動している方は元々の旧姓のままで活動できるようなやはり法的な裏付けが必要だというふうに思います。 島田政務官はもうこの後質問ございませんので、御退室いただいて結構です。委員長のお取り計らいをお願いします。
○委員長(伊藤孝江君) 島田政務官、御退室いただいて結構です。
○横山信一君 次に、オンライン接見について伺います。 私は北海道なものですから、冬期の北海道というのは天候により迅速な接見が難しい場面というのはたくさん出てまいります。先日も根室や稚内で活動する弁護士にお話を伺う機会があったんですが、稚内では接見のためにどこに行くかというと、言ってもなかなか分からないかもしれませんが、名寄というところに拘置所がありまして、稚内から名寄まで大体三時間から三時間半掛かります、車で。車以外行きようがありません。そうすると、片道三時間から三時間半ですから往復七時間という時間を要するわけでありますが、まさに一日掛かりと、接見をするために一日掛かりになるということを伺いました。弁護人、また被疑者が接見を行うことが交通事情というか天候によって妨げられるということが、こうした稚内、名寄ではあるということであります。そういう意味では、こうした被疑者や被告人の防御権ということに影響を及ぼしているというふうにも考えられるわけです。 本年五月に成立した刑事デジタル化法では、オンライン接見の導入が見送られました。参議院法務委員会の附帯決議では、いわゆるアクセスポイント方式によるオンライン接見について必要性の高い地域からできる限り速やかに環境整備を進め、本法施行後三年をめどにその進捗状況に応じて法制化の必要について検討を行うというふうに記載をされているわけであります。 他方、前法務大臣は、弁護人の端末を用いて接見を行う場合、弁護人以外の者の成り済ましや、接見が認められていない者が同席することを防ぐことは困難というふうに述べておりまして、まずは検察庁、法テラス、拘置所等の外部交通制度の拡充を図るというふうにされているところであります。 しかし、その拘置所の場所によって被疑者や被告人の防御権に差があるのは問題じゃないかというふうに思うわけですけれども、法務大臣の見解を伺います。
○国務大臣(平口洋君) 被告人等の防御権を保障する上で、弁護人との接見は重要な意義を有するものと認識しております。 御指摘のオンラインによる外部交通については、実務的な運用上の措置として、従来から一部の地域において検察庁や法テラスと拘置所等との間で実施してきたものでございます。 今般、情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律の附則及び附帯決議において必要な取組を推進するなどとされたことを踏まえ、現在、弾力的にその実施を拡大していくべく、関係機関及び日本弁護士連合会との間で協議を実施しております。その拡大の対象となる地域については、日本弁護士連合会等と協議の上、被告人等が収容されている刑事施設等が遠方の地域や、管内の弁護士数が少なく、遠隔地の弁護士が受任せざるを得ない地域など、その必要性が高い地域から選定し、本年度は札幌地方検察庁苫小牧支部と札幌拘置支所の間など九道県の計十三地域で拡大をする予定でございます。 法務省としては、御指摘の観点を踏まえつつも、まずは必要性の高い地域において迅速に環境整備を行うことが必要であると考えており、引き続き、日本弁護士連合会等と協議し、その取組を進めてまいりたいと考えております。
○横山信一君 外部交通を拡大をしていくという御答弁いただきましたけれども、もちろん日弁連から情報をもらいながらやっていくということはとても現実的で実態にかなっているとは思うんですが、やはり一番いいのはオンライン接見をやれるような体制を早く組んでもらうということであるというふうに思いますので、実績を積み重ねながらでも結構ですので、しっかりその体制に向かっていただきたいというふうに思います。 続いて、共同親権の導入について伺います。 共同親権制度を定めた改正民法が施行されます。近年、家事事件の審理が長期化するという傾向があります。司法統計で見ると、婚姻関係事件中審理期間のうち一年以上の件数は、二〇〇六年には千四百八十四件であったのに対し、二〇二四年には七千五百四件と約五倍に増加しました。子の監護事件の審理期間のうち一年以上の件数は、二〇〇六年には千八十八件であったのに対し、二〇二四年には六千六百二十五件と約六倍に増加をしております。審理期間がどんどん延びているということであります。 こうした家事事件の現状とその対策について最高裁に伺います。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。 委員御指摘のような家事調停事件、家事審判事件の審理期間の長期化につきましては、御批判があるということは最高裁としても承知しているところでございます。 その上で、各家裁におきましては、かねてより適正、迅速な紛争の解決に向けて、例えば、評議等を通じた裁判官の効果的な関与、事案の内容等に応じためり張りのある計画的な調停運営、一定の事件類型における期日回数の目安の設定、ウェブ会議の活用、調停室の有効活用等を含む調停運営改善の取組というのを進めてきておりまして、最高裁としてもそうした取組を後押ししてきているところでございます。 令和六年度からは、最高裁におきまして、特に家事調停の期日間隔の長期化に焦点を当て、その要因の分析や対策を各家裁にお示ししたほか、好取組例を情報共有する機会を設けるなどの後押しを進めてきておりまして、これらを踏まえて、各家裁におきましても、その庁の実情に応じて期日間隔の短縮に向けた様々な取組を実践しているものと承知しているところでございます。 現在、各家裁における取組の効果は着実に現れてきているところと認識しておりますが、最高裁といたしましても、家事事件において適切かつ迅速な審理がなされるよう、今後も引き続き、好取組例の共有、また各庁における取組の効果検証等を推進するなど、必要な支援を続けてまいりたいと考えております。
○横山信一君 社会の変化というのがやっぱり背景にあると思うんですね。こういうその家事事件が長期化をしていくという、それに対して効率的な運営を図ろうとする努力はもちろん大事なんですけれども、そういう社会的な背景も踏まえながら対応していくにはやはり体制整備が重要だというふうに思うところなんですけれども。 裁判官の令和六年度の定員、これは三千二十名、簡裁判事を除くということですけれども、三千二十名ですが、令和六年十二月時点の裁判官数は二千七百五十三名ということで、欠員が生じているという状況にあります。また、家庭裁判所調査官の令和七年度の定員は千六百三名で、これは裁判所職員定員法改正によって五名が増員をされたところであります。とはいっても、五名増えたというところなんですが、僅か五名ということです。 今後、改正民法施行により家庭裁判所の業務負担が増大する、あるいはDV、虐待のある事案への対応を含む多様な問題に対する判断が求められるようになるというふうに思います。 参議院法務委員会の附帯決議では、家庭裁判所の業務負担の増大等に伴い、家事事件を担当する裁判官、家事調停官、家庭裁判所調査官等の裁判所職員の増員、調停室や児童室等の増設といった物的環境の充実など、必要な人的、物的な体制の整備に努めることというふうに附帯決議がされているところであります。 この裁判所の体制整備、どのように進めるのか、最高裁に伺います。
○最高裁判所長官代理者(清藤健一君) お答えいたします。 裁判所といたしましては、裁判所に期待される役割をしっかりと果たしていくというためにも、各裁判所において改正家族法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用による安定的な事件処理を確保するということが重要であると考えておりまして、これを踏まえた体制整備を進めていく必要があると考えております。 例えば、審理運営の中心となる裁判官につきましては、これまでも着実に増員してきておりまして、平成十四年から令和二年度までとなりますと相当の数を増員しているということなど、体制を充実させてきたというところでございます。 また、家庭裁判所調査官につきましても、事件動向や事件処理状況などを踏まえまして必要な体制整備に努めてきたところでありますが、委員御指摘のとおり、令和七年度には五人の増員を行っておりますが、令和八年度につきましては、法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用による安定的な事件処理を確保するために、更に十人の増員をするための予算要求を行っているところでございます。 以上のほか、家事調停においては裁判官と同等の権限を持つ家事調停官がおりますが、これにつきましても、これまで配置数を増加したり、家事調停官の配置のなかった庁に新たに調停官を配置したということがございましたけれども、令和八年度につきましても、この調停官を六人増員するための予算要求を行っているところでございまして、今後とも調停官制度の更なる活用を図っていきたいということを考えております。 委員御指摘のその附帯決議も踏まえましたこれらの裁判所全体の人的体制の整備のほか、もちろん物的体制の整備、それから先ほど申し上げた審理運営の改善、工夫なども引き続き行っていくということで、改正法施行後の適切な運用による安定的な事件処理を確保して、家裁の事件処理能力の一層の改善、向上を図ることができると考えておりますけれども、引き続き、各種の検討、準備状況を注視しながら、適切な審理運用の在り方に見合った体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○横山信一君 共同親権を導入するとやはりこの家事事件が増大をしていくということ、みんな誰もが心配しているわけですけれども、その体制整備をしっかり進めていくということと同時に、この家事事件を取り扱う裁判官などの裁判所職員の専門性をしっかりと高めていくということも大事だというふうに思います。 この職員の知見習得あるいは専門性の向上に向けてどのように対応していくのか、最高裁に伺います。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、各家裁において改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、裁判官を始めとする関係職員が必要な専門的知見を身に付けることが重要であるということは我々も認識しております。 最高裁といたしましては、法務省の御協力をいただくなどして、裁判官を始めとする関係職員に国会での御審議の内容を含め改正法の趣旨や内容についての周知を行ってまいりましたほか、改正法の施行後の審理の在り方などにつきましても、裁判官、裁判所書記官及び家裁調査官といった関係職種を対象とした全国規模の意見交換の機会を複数回設けるなどしております。また、父母間の葛藤、子の利益や安全等に係る専門性の向上を図るべく、講演や共同研究を繰り返し行うなど研修の充実を図ってまいりました。 このほか、各家裁におきましては、調停委員に対し、改正法の基本的な知識の習得だけではなく、事例研究等を通じた実践的な内容についても研修を行っているものと承知しているところでございます。 最高裁といたしましては、改正法施行後も、この運用状況を踏まえた形で、裁判官を始めとする関係職員に対する研修の更なる充実強化を検討してまいりたいと考えております。
○横山信一君 こども家庭庁が発表している児童虐待相談対応件数によりますと、二〇〇六年には三万七千三百二十三件でしたけれども、二〇二三年には二十二万五千五百九件と十七年間で六倍に増えているという状況にあります。これに伴って親権喪失あるいは親権停止というのも増加をしているわけです。 DVや虐待などにより必要的単独親権とされるべきケースが適切に認定されなければなりませんが、これをどのように担保するのか、最高裁に伺います。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。 御指摘のとおり、改正法の趣旨や内容にかなった審理運営を行う上で、DVや虐待といった安全、安心に関する事情が適切に考慮されるということは重要であると認識しております。 裁判所では、これまでも、裁判官を始めとする関係職員がDVや児童虐待に関する専門性を向上させることに資するよう、例えば、学識経験者に御講演をいただいたほか、DV、虐待の認定判断について実例を想定した共同研究を行うなど、着実に準備を進めてまいりましたところでございます。 最高裁といたしましても、引き続きこのような研修等の機会を設けるなどして、各裁判所において改正法の趣旨や内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○横山信一君 共同親権というと親の方が注目をされてしまうわけですけれども、やはり子供がどう考えるかということも今、最近はどんどん注目をされているわけですが、子供の権利利益の確保の観点から、子供自身の意見を適切に聴取し反映すること、これが今求められてきています。 こども基本法には、全ての子供について、その年齢及び発達の過程に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されることというふうにあります。附帯決議においても、子供の手続代理人の積極的な活用も言及されています。 しかし、現状では、費用、手当てが十分に活用されていないという日弁連からの指摘があります。また、公的関与のない協議離婚が増える中で、子供の権利利益の確保をどうやって図っていくのか、大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘のとおり、父母の離婚等を経験する子の意見の適切な把握と養育計画への反映は、子の利益の観点から重要でございます。 法務省では、今年度、子の意見等の把握、反映に関する調査研究を委託しており、弁護士、児童相談所、学校関係者らに対するヒアリング、未成年の時期に父母の離婚を経験した方々へのアンケート等を踏まえまして、子に対する情報提供や支援の在り方について検討が行われております。 この調査研究で得られた成果は、支援を所管する関係府省庁等とも連携して活用してまいりたいと考えております。
○横山信一君 子供の権利もしっかり確保できるように引き続きお願いしたいと思います。 では次に、民事法律扶助について伺ってまいります。 令和六年度版法テラス白書によりますと、令和六年度は令和五年度に比して法律相談援助が一万件以上、代理援助が二千件以上、それぞれ件数が減少しています。 予算の関係から地方の法テラスでは受任件数を調整しているということも仄聞するわけですが、受任件数が減少した原因をどう考えるのか、法務省に伺います。
○大臣政務官(福山守君) 委員御指摘のとおり、令和六年度の民事法律扶助の実施件数については、法律相談援助及び代理援助のいずれも前年度からやや減少したものと承知をしております。 この理由については様々な要因が考えられます。一概に申し上げることは困難でありますが、いずれにしても、一件当たりの代理援助費用も上昇傾向にある中で、必要な方に必要な支援を届けるためには、委員御指摘のとおり、予算の確保が重要であり、法務省としては、今後も民事法律扶助を適切に実施していくために必要な予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○横山信一君 しっかりと予算確保に取り組んでいただきたいと思いますが、この民事法律扶助制度については利用者の経済的負担が課題となっているというふうに言われています。実際、その経済的に困難な人たちがこれを、民事法律扶助を利用する、利用者の半数以上が無収入又は低収入の世帯というふうに日弁連の調査によればされております。 令和六年四月からは一人親の負担軽減が拡充されましたが、更に負担軽減を進めるべきと考えますけれども、これは法務大臣に伺います。
○国務大臣(平口洋君) 民事法律扶助においては、法テラスが弁護士費用等を立て替えて、後日利用者からその償還を受けることとしておりますが、利用者が生活保護受給者、あるいはこれに準ずる程度に生計が困難であり、かつ将来にわたりその資力を回復する見込みに乏しいと認められるときには、立替金の償還を免除することとしております。このような仕組みは、財源に限りがある中で、法的支援を真に必要とする方に幅広くお届けするための仕組みとして一定の合理性があると考えております。 その上で、償還免除の要件緩和等の運用を他の類型の事件にも広げることについては、他の類型において償還免除の要件を緩和すべき必要があるかという点に加え、本来当事者が負担すべき弁護士費用等を国民負担とすることが合理的かなどの観点から慎重な検討が必要であると考えております。 もっとも、委員御指摘のとおり、社会的、経済的に弱い立場に置かれている方々に対し的確に法的支援を行っていくことは重要であると考えております。 法務省としては、今後も法的支援の需要を的確に把握するよう努めるとともに、困難を抱えた方々が適切な法的支援を受けられるよう適切に対処してまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、質疑をおまとめください。
○横山信一君 はい、分かりました。もう終わります。 全ての国民がやはり司法アクセスしっかりできるような、それが認められるような努力をこれからもしていただきたいと思います。 以上で終わります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会、嘉田由紀子でございます。 まず最初に、法務大臣の所信に対する質問、一点させていただきます。 更生保護制度の見直しでございますけれども、昨年、大津市で起きた保護司殺人事件は、私自身、地元で大変心を痛めました。かねてからよく知っていた方だったので、余計につらい。また、加害者も地元の方でございます。実は自民党のこやり議員はもっと地元でございますので、心を痛めている私どもでございますけれども、数年前の京都コングレスでも日本の保護司制度の価値については国際的に大変高く評価されました。 今回の改正では何を目的となさるか、その方針を、簡単で結構です、法務大臣にお願いできますか。それで、また次回にこの審議は詳しくさせていただくことになると思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(平口洋君) 後半の方がちょっと聞こえなかったんですけど。
○嘉田由紀子君 詳しくはまた次回審議することになると思いますので、今日は入口だけで結構です。
○国務大臣(平口洋君) まずは、滋賀県大津市で熱心に活動されていた保護司の方が自宅で殺害された事案について、亡くなられた保護司の方及び御遺族に哀悼の意を表したいと思います。 保護司の皆様には、地域において犯罪をした者等の立ち直り支援に尽力いただいており、委員御指摘のとおり、我が国の保護司制度は国際的にも高い評価をいただいているところでございます。他方で、社会的、社会環境の変化等に伴い、保護司の担い手の確保が年々困難となり、高齢化も進み、また、大津市の事案も踏まえた安全確保策も重要な課題となっております。 本法律案は、こうした状況に対応するため、保護司の適任者確保や活動環境の改善、安全確保に関する法整備を行おうとするものでございます。今般の改正事項と運用面の対応も合わせて、幅広い世代かつ多様な方々に保護司になっていただけますよう、また、保護司の皆様が安全に安心して活動していただけるよう尽力していきたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 次の質問ですが、今、横山委員も言及なさいましたけれども、父母の離婚後の共同親権について、これは、明治民法以来百二十六年ぶりの大きな変革でございます。来年四月一日に改正民法施行されますけれども、これまで、離婚により親子の分断で大変多くの方が苦しめられ、中には苦しさの余り自死してしまったというお父さん、お母さんもたくさんございます。私自身、著作の中で取り上げさせていただきました。 また、この今回の法律ですが、選択制ということになりました。もちろんDVや虐待のときには単独親権必要ですが、基本的には原則共同親権の方が子供にとって望ましいと私はかねがね申し上げてまいりました。特に、子供の側から見ると、単独親権を選ばれるということは片親から捨てられるということになります。ですから、ある意味で情のない法案ということになります。 実は、意外と離婚に直面する子供さんが多いということ、資料一を御覧いただきましたら、昭和二十年代は、それこそ子供さんが二百七十万人など生まれていましたから、そのうち八万人という数字は、それこそ二百七十あるいは二百六十分の八ということで、一クラスに一人ぐらいです。ところが、近年は六十八万人ほどしか生まれておりません。毎年、親の離婚に直面する子供さん、二十万人近くとなっております。ですから、この社会的影響というのは今は大変大きいということを資料一で示させていただきました。 今日のこの質疑は、子供さんに会えないお父さん、お母さん、またおじいちゃん、おばあちゃんも聞いておられると思いますので、是非とも、この市区町村の戸籍担当のところで紙切れ一枚で離婚が成立する日本、協議離婚が九割でございます。ですから、ある意味で安易な離婚ではないとは思うんですけれども、法的に整備ができていないところで、何としても、共同養育計画作りがセットになって、子供の経済的、精神的、社会的安定が担保できます。 まず、法務大臣に、今回の民法改正、日本全国に広げるために、どのような御覚悟と方針、実現してくださるでしょうか。見解をお願いいたします。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘のとおり、改正法は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するためのものでありまして、極めて重要なものであると認識しております。 法務省では、これまでも、関係府省庁等と連携して改正法の趣旨や内容についての周知、広報に取り組んでまいりました。また、今年度は、共同養育計画の作成の促進、あるいは子の意思の把握、反映ということに関する各調査研究を委託しているところでございます。 御指摘も踏まえまして、子の利益を確保するために、来年四月の改正法の施行に向けまして、引き続き、政府全体でしっかりと周知、広報や調査研究の成果の活用等に取り組んでまいる所存でございます。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。是非とも全国に広げていただけたらと思います。 三谷英弘副大臣、かねてから離婚後の共同親権には、弁護士さんとして、また政治家として力を入れていただきました。超党派の議員連盟の事務局長も務めていただきました。私ども、親子分断に悩む多くの方からは、三谷議員は希望の星とも言われておりました。 そういう立場から、是非とも、今回の就任に当たり、改めて、子供の最善の利益を実現するために、先ほど来申し上げておりますけれども、離婚の九割が協議離婚で、市区町村役場が窓口でございます。そのときには養育計画が大変大切です。法務省では、百五十二ページにわたる養育計画の調査研究業務報告書を出しておられます。その一部を今日資料二として皆さんにお配りしてありますけれども、この計画が父母お互いにうまくできて、その上で離婚ということになれば、子供さんの経済的、精神的、社会的安定度は大変高まると思います。その辺りのところ、この実効性担保するための方向、三谷副大臣、お願いできますか。
○副大臣(三谷英弘君) まず、嘉田委員がこれまで情熱を持って共同親権導入に向けて、それこそ様々な形で叱咤激励を含めて取り組んでまいられたことに敬意を表したいと思います。 その上ででございますが、御指摘のとおり、未成年の子の父母が離婚する場合には、父母間で共同養育計画が作成され、親子交流や養育費など、離婚後の子の養育について適切な取決めがされることが重要でございます。 また、令和六年の法改正によりまして、子供の利益確保の観点から離婚後の共同親権が導入されることになりますが、これがうまく回っていくためには、民法第七百六十六条第一項に明記されます子の監護の分掌、すなわち離婚後におきまして父母双方が子供の監護についてどのように役割を分担するのか、この取決めを適切にしていただくことが極めて重要ということになります。子の利益を確保する観点から、御指摘の共同養育計画の作成の促進というものは極めて重要な課題だと認識をしております。 もっとも、先ほど御指摘いただいたとおり、我が国の離婚全体の九割を占める協議離婚では、公的機関の関与が少ないことから、共同養育計画の作成を促進するには、相談窓口としても大きな役割を果たすことになります自治体における支援の拡充というものがとても重要な課題となると認識しております。 法務省におきましては、関係府省庁等連絡会議において取りまとめられたQアンドA形式の解説資料を活用するなどして、こども家庭庁や文科省あるいは内閣府、そういった参加府省庁等と連携をさせていただいて、自治体の関係部署への周知、広報に取り組んでいるところでございます。 また、法務省としては、本年度、共同養育計画の作成促進に関する調査研究を委託しておりまして、そこでは、自治体の協力を得て、支援に関わる部署や職種によるネットワークの構築等について検討が行われています。その成果として得られた適切な支援モデルは、支援を所管する関係府省庁等とも連携し、横展開を図ってまいりたいというふうに考えています。 もちろん、この取組にはやり過ぎということはございません。ですから、御指摘のとおり、この様々な声、これまでもいただいてまいりましたが、引き続き、共同養育計画の作成の促進に向けた周知、広報ですとか、調査研究の成果の活用にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。現場も背景も熟知しておられる副大臣ならではの答弁に感謝を申し上げます。 具体的には、実はこども家庭庁さんとそれから文部科学省さんが大変大事なんですけれども、今日資料三として出させていただいておりますのが離婚前後家庭支援事業ということで、こども家庭庁さんが予算を確保していただいております。 この辺り含めて具体的にどう展開していくか、まず民事局長さん、またその後、こども家庭庁さんに御答弁いただけますか。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 今委員がお示しになられた資料三、離婚前後家庭支援事業の中にも左側にADRの活用支援というような言葉が出てまいります。 このようなADR手続は非常に重要なものでございます。未成年の子の父母が離婚する場合には、父母間で共同養育計画が作成され、親子交流や養育費など、離婚後の子の養育について適切な取決めがされることが重要であると考えておりますが、父母間には様々な事情があり、当事者のみで協議をすることが難しい場合も少なくありません。ですので、自治体や弁護士等による適切な支援を受けることや、先ほどのADR手続、家庭裁判所における調停手続等の利用も重要であると考えております。 先ほど副大臣からも御説明申し上げたとおり、法務省において本年度委託している調査研究におきましては、自治体の協力を得て、地域において自治体や関係機関、専門職等から成るネットワークをつくり、ネットワークを通じて伴走型の支援を提供するという方策について検討が行われております。そこでの検討にはADR機関にも御参加いただいておりまして、適切な事例においてADR手続が活用されるような方策も検討されていると承知をしております。 この調査研究で得られた支援モデルについては、支援を所管する関係府省庁とも連携して横展開に取り組むことを考えております。
○大臣政務官(古川直季君) 離婚時に父母が子の養育に関する事項を取り決めることは、子の利益にとって望ましく、養育計画作りについては重要な課題であると認識いたしております。 こども家庭庁においては、親子交流の取決めと実施、そして養育費の履行確保に資するよう、離婚前後家庭支援事業により、自治体を通じて親支援講座の実施、公正証書作成費用の補助などを行っているほか、ADR、ODRの利用費用の補助についても取り組んでいるところでございます。 引き続き、法務省ともしっかりと連携しながら、自治体における取組を支援してまいります。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 全国千七百四十一自治体ございます。離婚は、まずは自治体の戸籍担当、それから都道府県の指導も必要ですので、この資料三の支援ですけれども、四千万円から千二百万円くらい、そして半分は裏負担という自治体の負担が必要ですけれども、これ是非、自治体の首長さんあるいは議員さんがこういう支援措置を知って、そして応募していただけるようにということで、来年の予算の呼びかけ、是非ともお願いをしたいと思います。 それから、この単独親権で大変多い質問が学校です。学校で運動会に、会えないとか、あるいは授業参観行けないとか、そういうことの苦しみがございますので、省庁連絡会議で文部科学省さん、この辺り、どういう方向を持っておられるでしょうか、答弁いただけますか。 それから、こども家庭庁さん、もう結構ですので、お帰りいただいて結構です。
○委員長(伊藤孝江君) 古川内閣府大臣政務官、御退室いただいて結構です。
○大臣政務官(福田かおる君) お答え申し上げます。 先ほど三谷法務副大臣からも御説明がございましたが、文部科学省を含む関係府省庁等連絡会議において、QアンドA形式の解説資料が作成されております。この中では、父母相互の人格尊重、協力義務に関する考え方や、学校行事への参加に関する内容が含まれております。 文部科学省としましては、この解説資料における考え方について、法務省からの依頼を受け、各都道府県教育委員会等に対して周知を依頼してまいりました。また、これに加え、都道府県・指定都市教育委員会の担当者向けの会議においても周知を図ってまいりました。引き続き、制度の趣旨やその運用に関し周知に取り組んでいきたいと考えております。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 是非とも、同居親さんが別居親さんに会わせたくないと思うと、もう運動会に来るな、授業参観に来るなということで、本当に心を痛めておられる親御さんも多いです。ここは是非、文部科学省さんの方で現場への御指導をお願いいたします。 実は、この離婚後の子供の経済的、精神的サポートの体制づくりは明石市の事例が大変先行しております。本日ここに泉房穂前明石市長さんがおられますけれども、私も明石市の事例を何度も法務委員会で紹介させていただき、また、市の中でも視察もさせていただきました。離婚時の親相談プログラム、弁護士さんによる支援制度、弁護士さんを十人も明石市は雇っておられるんですよね。それから、養育費の支払支援、親子交流の公的場所での支援、例えば明石の市の科学センターで親子交流をサポートするというようなことも実践をしておられます。大変きめ細かい制度づくり、他の市町村でもやる気になったらできるんだということ、是非とも広げていただけたらと思います。 それから、具体的に一つ、離婚に直面した親御さんや弁護士さんが親教育サロンをつくって、そして、例えば埼玉県の地方裁判所川越支部では、面会交流拡充付き離婚判決、面会交流拡充付き離婚判決、耳で聞いただけでは分からないかもしれませんが、具体的には、親子交流を宿泊付き月一回、あるいは夏休み、冬休み連続で親子交流、また祖父母の交流ができるようにということを離婚判決に入れていただいているという事例もございます。 ですから、こういうことも含めて、この川越支部さんの判断のような事例が今後裁判所の現場でも増えていくと、多くの方が、特に分断で苦しんでいる多くの方がより幸せな親子関係つくっていけると思います。この点については、質問というよりは指摘だけさせていただきます。 この子供の連れ去り、私はアメリカあるいはヨーロッパの多くの家族社会学の研究者とも触れ合って、また教えていただきましたけれども、日本は残念ながらこの部分、四十年、五十年遅れております。ですから、是非ともこの機会を通じて、親子の幸せ、子によし、親によし、世間によし、私は子育て三方よしと申し上げてきましたけれども、その実現のために、法務省挙げて、また文部科学省さん挙げて御尽力いただけたらと思います。 時間になりましたので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○安達悠司君 参政党の安達悠司です。 今回初めての質疑となりますが、何とぞよろしくお願いいたします。 最初に簡単な自己紹介をさせていただきます。 京都で弁護士の仕事をしていた私が政治に関わるようになった理由は三つあります。一つ目には、戦争経験者の話を聞き、戦前の文献などを虚心坦懐に読むにつれて、今まで学校教育や報道などのベースとなっている歴史認識に強く疑問を感じたこと、二つ目は、日本固有の法思想や、国防、軍事に関する視点が法律学や法教育から大きく欠落しているというふうなことに気付いたこと、三つ目には、新型コロナウイルスの感染症に関するワクチン接種や行動制限をめぐる報道、それから政治の在り方に対して非常に強く疑問を感じたことです。 本当に国民の権利を守るためには、正しい情報とは何なのかといったことを根本的に見直す必要があるというようなことを感じまして、三年前に参政党に入党し、今ここに立たせていただいております。 では、質問に入ります。 最初は、外国人政策についてお尋ねをいたします。 今最も国民の関心が高いと思われるテーマの一つに、少子化と、それから日本に住む外国人の増加の問題があります。 生まれる子供の数ですね、一年間に生まれる子供の数は過去最低の年間六十八万六千六十一人で、三十年前の約半分に減ったのに対して、在留外国人の数は三百九十五万六千六百十九人と過去最高になっています。中でも、お手元の資料にありますように、外国人労働者の数は約二百三十万人。これ、十五年間で四倍以上に増えております。 今、日本で起きている外国人増加の最も重要な問題は、このように少子化と外国人の増加が同時進行で進んでいるといったことです。つまり、これは、我が国日本の人口構造が大きく変わってしまうといった問題ですね。 これに関しましては、法務大臣の勉強会が今年の八月、論点整理がされていまして、そこでも指摘されているんですけれども、二〇七〇年には外国人人口が一〇%を超えるんではないかと、その割合が更に早まる可能性もその論点整理で指摘されています。つまり、このままでは今までの日本が日本でなくなってしまうと、こういった危機感が大変国民の中に強いですね。 それに対して、我が国の入管政策、入国管理政策は、これまで歴代の総理大臣は一貫して、移民政策は取らない、外国人は厳格な在留資格管理制度の下に我が国にとって有益な、専門的、技術的分野の在留資格を満たす者だけを期間限定で受け入れ、単純労働者に関しては慎重に対応すると、こういった方針を取ってきたと承知しています。 しかしながら、実態として見ると、世帯収入も低く、必ずしも高度人材と言い難いような、むしろ単純労働者に近い外国人が増えているというふうなことが分かります。 お手元の二枚目の資料を御覧ください。 これは、厚生労働省が令和六年に行った外国人雇用実態調査の中身なんですが、来日前の最終学歴が高校までで五八・四%、六割近く上っていまして、次のページの世帯収入においては、世帯の収入ですね、外国人世帯の収入においては、月二十万円未満の外国人労働者四一・三%、世帯収入が月三十万未満となると六五・二%となっております。 このような統計上の数値は、今外国人はどこにいるかというと、やはり工場とか加工場とか建設現場とか飲食店、コンビニなど、我々の、外国人労働者がいるというふうな、数多くいる場所という実感ともおおむね整合しています。 つまり、本来、専門的で技術的分野に限る、高度人材は積極的に、単純労働者は慎重にと、こういった方針で運用してきたはずなのに、今、法の縛りがもう曖昧になって、実質的に見れば、単純労働者に近い人たちを受け入れてしまっているということではないかと思います。そうすると、もう外国人が誰でも入ってこれるので、あっという間に我が国は移民大国になってしまうということになります。 ですので、まず大臣に御質問ですけれども、このように世帯収入が低くて、必ずしも高度人材とは言い難い、単純労働者に近いような在留外国人が増えているのはなぜなのか、その原因と背景を法務大臣にお尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘の高度人材が何の在留資格を指すのか必ずしも明らかではございませんが、厚生労働省の外国人雇用状況の届出状況まとめによると、令和六年十月末時点における外国人労働者数の内訳の中で、例えば、専門的、技術的分野の在留資格について見ると、七十一万八千八百二人で、届出の義務化以降、初めて最も多くなり、前年と比較して約二一%増加しております。他方、その他の在留資格の増加率はこれより低く、例えば、身分に基づく在留資格が約二%、技能実習が約一四%、資格外活動が約一三%、特定活動が約二〇%の増加となっております。これらの原因について一概に申し上げることは困難でございますが、我が国における人手不足などが原因と考えられます。 なお、七十一万八千八百十二人と申し上げなければならないところ、七十一万八千八百二人が正しい、済みません、私が申し上げました七十一万八千八百二人というのが正しくなくて、七十一万八千八百十二人というのが正しいわけでございます。済みませんでした。
○安達悠司君 今、大臣のお答えで専門人材が七割ぐらいとおっしゃいましたが、実際にその専門的、技術的分野というのもよく実態調査をしてみなければ、実際には単純労働に近い、あるいは収入が低いといった実態があるのではないかと思います。 また、今国民が気にしているのは、高市政権になって、外国人の受入れをこれからも増やしていくのか、このまま増やしていくのか、それとも、これ受入れに絞りを掛けたり減らしていくのかといったことが大変関心がありますが、法務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) お尋ねは、外国人の受入れの基本的な在り方に関する問題でありまして、中長期的かつ多角的観点から検討を進めていく必要があると認識をいたしております。 この点につきましては、高市総理大臣から指示を受けておりまして、小野田大臣と相談しつつ、基礎的な調査検討を可能な限り進めてまいりたいと考えております。
○安達悠司君 参政党は、日本人ファーストを掲げて、過度な移民の受入れを制限するといったような立場を取っています。外国人一人一人は確かにいい人が多くて、フレンドリーであっても、これは集団で見た場合の話としてはやはり社会的な影響というのは大きいので、人口構造もそうなんですけど、なので、国民の権利を守ることを最優先にしなければならないという趣旨でございます。 法務大臣はこれから協議して方針を決めていくということですけれども、高市政権でも外国人の増加が止まらないとなると、やはり多くの国民が関心を持っているテーマでこのままの状態が続くと失望に変わっていくのではないかということも思いますので、注目して見ていきたいと思います。 また、この労働者が、外国人の単純労働者に近い方々が増えている原因として、私は、今、先ほど大臣は人手不足といったこともおっしゃいましたが、そういった人手不足に伴って特定技能や技能実習などを拡大してきたことと、あとはもう一つ、技術・人文・国際業務という技人国と呼ばれるこの資格でやはり偽装が横行しているのではないかと、こういった指摘もございます。 しかしながら、入管職員のマンパワーが足りず実態調査が追い付いていないといった指摘も専門家からありますので、私も入管をこの間視察しましたけれども、やはり入国審査官や入国警備官の数、これを現行の二倍以上、また庁舎も今本当に手狭になっていまして、なので、本当に、庁舎も東京の入管の管区にもう一つぐらいの拠点をつくると、こういったことも是非前向きに御検討いただきたいと思います。 次に、この外国人労働者が増加している背景についてなんですけれども、これは大きく見ると、やはりこの三十年間での行き過ぎたグローバリズムがあると考えています。表向きは企業の人手不足なんですけれども、その背景には、私もいろいろ経営者とお話しすると、本当に熾烈な国際競争が今規制緩和や新自由主義の下に起きています。そして、この熾烈な国際競争の中で、経営者は一円でももうコストをカットしたい、原価安くして人件費も減らしたいと、こういった中で、外国人材ですね、安い労働力のニーズが高まってくるのはむしろ当然のことであります。 そうすると、このニーズが入管法の運用に対しても圧力が掛かって、本来専門人材と呼ばれる人ではないかもしれないのに、単純労働に近い人たちが続々と入ってきていると、こういった実態がないかと思っております。 では、この在留外国人、特にこの単純労働に近い人たちを増やすことが本当に日本にとって良い経済効果をもたらすのでしょうか。 これについて、お手元の資料の新聞記事にありますように、青山学院大学の福井義高教授の産経新聞の論説によれば、移民の経済効果は、移民の取り分を除くと自国民に対する経済効果はほぼゼロ、そして移民と競合する庶民にとってはマイナスであって、逆所得分配であり、格差拡大につながるというふうな趣旨が書いてあります。 オックスフォード大学の移民・社会政策研究センターによれば、移民の割合が一%増加すると、平均賃金が〇・三%低下し、最低賃金労働者の賃金は〇・六%低下するといいます。また、二〇二三年、オランダの国境なき福祉国家による報告では、非欧米の移民受入れによる財政の貢献度から支出額を控除すると、純貢献度はマイナス四・二兆円、GDP比マイナス二・六%とされています。なので、欧州ではむしろ移民の経済効果は論じるまでもないとされているようです。 つまり、移民が増えることによって日本人の国内雇用を奪われて安い労働力が入ってくれば、賃金も上がりません。高市政権が賃上げ、賃上げと言うのであれば、やはりこの移民の受入れについて、安い労働力ですね、この受入れについても反対すべきではないかと思っております。三十年間で株主配当金が約十倍になったのに賃金はほとんど上がっていないといったことが予算委員会でも多くの政党から指摘されていますが、私は、この原因は、グローバル化による国際競争の激化、それから外国人株主が増えて外国人投資家あるいは外国人の労働者が増加した、こういったところに原因があるのではないかと思います。 今行うべきは、グローバル化の流れに沿って外国人労働者を増やしていくのではなく、むしろこのグローバル化の流れに歯止めを掛けて、外資による独占や過当競争に対する法と規制によって国内産業を保護し、減税と積極財政によってグローバリズムから国民の権利を守っていくと、こういった反グローバリズムの方向に方針転換していくことが必要であると私は思っております。 大臣に再びお尋ねしますけれども、政府は、この移民の経済効果に対してどのように分析をしておりますか。現在の外国人労働者を増やしていく政策が一般の国民にとって本当にプラスになると、経済的にプラスになると考えているのか、考えをお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) お尋ねの点は非常に難しいことでございますけれども、基本的な考え方に関する問題であると認識しております。また、税や社会保障等を含め、日本の経済社会等に与える様々な影響が考えられることから、中長期的かつ多角的な観点から進めていく必要があると認識しております。 今おっしゃったグローバル経済のことを含めて高市総理から指示を受けておりまして、小野田大臣と相談しつつ、もう基本的な、基礎的な調査検討を可能な限り進めていきたいと考えております。
○安達悠司君 法というのは、本来、外国から国民を守ると、こういったためにも存在していると思います。今、この強い司法、強い司法によってグローバリズムに対抗するとか、グローバル化から国民の権利を守るといった視点がどうも今まで欠落してきたのではないかと思います。 日本成長戦略会議において示された成長戦略の検討課題、これ様々な分野ありますが、この中に法務大臣の所管事項は入っていないように思います。本来は、幕末の不平等条約を他山の石として、外国企業との契約交渉など、そういうことを考えてみても、日本の国益を守れる強い司法人材を輩出するといったことも、あるいは外資による独占についてしっかり取り締まると、こういった、これは弁護士、検察官含めてそういう強い司法人材を輩出していくことは、本来、日本の成長戦略にとっても不可欠な課題であると私は思っております。 今の日本は、国内の、国民同士の紛争に目を向けがちですけれども、外国からの人権侵害といったことに対しても十分に対処していくべきではないでしょうか。 例えば、外国企業が作った新型コロナワクチンによる健康被害であるとか、外国製の太陽光発電、外国製の風力発電機による環境破壊であるとか、あるいは外国人グループによる特殊詐欺の増加とか、あるいは外国勢力によるスパイ活動、こういった問題が様々起きております。もちろん、外国人や外国企業によるプラスの影響も当然ありますけれども、ここでは、特にこうした負の側面や権利侵害についてもきちんと我が国で法を作って国民を守ることをしていかなければならないと思っております。 ここでは、外国勢力によるスパイ活動について取り上げます。 かつて日本の刑法八十五条には、間諜罪といったスパイを処罰する犯罪がありました。これは、敵国に間諜、つまりスパイ行為をした者を処罰すると、敵国のためにスパイ行為をした者を処罰するといった規定でしたが、昭和二十二年、連合国軍総司令部、GHQによって日本を占領していた時期に削除されてしまいました。 そこで、お尋ねします。 この間諜罪はなぜ刑法から削除されたのでしょうか。
○国務大臣(平口洋君) 御指摘のとおり、昭和二十二年改正以前の刑法には、我が国と外国との戦争を前提とする、いわゆる通謀利敵罪として刑法八十五条等の規定がございましたが、これらの規定は同年改正により削除されたものでございます。 当時の具体的な議論の経緯は必ずしも明らかではございませんが、当時の政府委員による提案理由説明によれば、戦争の放棄等を定めた日本国憲法の趣旨に適合するように、戦争状態の発生等を前提とする刑法の諸規定を改めたものであったとされております。
○安達悠司君 こちらが、日本が戦争放棄をしたからといって、外国からスパイ活動が行われなくなるといったことはありません。 現在、我が国では、秘密の漏えいや不正取得などとは別に、間諜あるいはスパイ活動を非合法とするような法令はあるのでしょうか。法務大臣の見解をお尋ねします。
○国務大臣(平口洋君) 間諜、スパイ活動には様々な行為が想定されることから、お尋ねにつきまして一概にお答えすることは困難でございます。 その上で、先ほど申し上げたとおり、現在、刑法上にいわゆる通謀利敵罪の規定は存在しませんが、あくまで一般論として申し上げれば、検察当局においては、刑事事件として取り上げるべき行為に関しては、個別の事案ごとに様々な法令を駆使して捜査によって収集した証拠に基づき適切に対処しているものと承知をいたしております。
○安達悠司君 これに関して、やはりスパイ活動一般を取り締まるといったことについては法の欠缺があるのではないかと思っております。我が国の法体系で早急にスパイ活動を非合法として取り締まる必要があるのではないかと考えております。 また、次に、帰化の問題について取り上げます。 昨年の帰化で許可された方は八千八百六十三人。ここ数年は毎年一万人を切る数ですけれども、過去からの累計で六十一万人余りとなっております。インターネット上では、国会議員や公務員の中に帰化した者が増えているんじゃないかといったことが話題になっていまして、この真偽はともかくとして、外国人には参政権ありませんけれども、帰化が認められれば参政権が得られるので、短期間で帰化するなど濫用的な運用がされていないかどうかといった心配が国民の中にはあるものだと思っております。 帰化歴に関しては、特定秘密保護法や重要経済安保情報保護活用法に基づくセキュリティークリアランス、つまり重要な情報を取り扱う公務員や事業者に対する調査事項になっています。しかしながら、帰化歴の有無を証明する簡単な証明資料というのはありません。戸籍上は転籍すると帰化した事実が最新の戸籍に記載されなくなり、出生から現在までの全戸籍が必要になってしまうからです。 そこで、質問です。 セキュリティークリアランスなどの制度に対応し、帰化歴の有無を簡単に証明するため、帰化の事実を最新の戸籍にも記載するよう戸籍法などを改正する必要はありませんか。また、帰化歴の有無について簡単な証明制度をつくる必要についてどうお考えでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) 帰化した者については、帰化の届出をすることにより戸籍が作成され、帰化日及び帰化の際の国籍等が戸籍に記載されるものでございます。 委員御指摘のとおり、婚姻などがあって新たに戸籍が編製されるなどした場合であっても、従前の戸籍を確認することにより、現行制度においても帰化の事実の有無を確認することはできるわけでございます。 現行制度でも確認手段がある中で委員御指摘のような見直しをすることについては、その必要性や帰化した者に新たに社会生活上の不利益が生ずるおそれなどの観点から、慎重な検討が必要であると考えております。
○安達悠司君 最後に、法教育についてお尋ねします。 グローバル化から日本を守るには、日本固有の価値観といったものを教えることが大切だと思います。大臣が感銘を受けられた本として挙げられている和辻哲郎さんの「風土」にも、その土地の気候が日本人としての物の見方をつくり上げるといったことが書かれていると思います。 この日本固有の価値観を育んでいく上で、法務省は法教育推進審議会を、法教育推進協議会を通してその法教育といったものを行っておりますが、この中で、国民が一から憲法を考えていく、あるいは日本固有の物の見方、法の考え方というのを教える教育というのを行ってはいかがかと思います。 憲法については、皆でアイデアを出し合うことで憲法を作っていくというのは明治時代にも行われてきましたし、最近参政党でも行っておりますが、非常に高評価を得てきました。 こういった法教育の在り方について、法務大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(平口洋君) 法教育とは、法的な物の考え方を身に付けるに当たり、個人の尊厳や法の支配、国民主権といった憲法を始めとする法や司法制度の基礎にある基本的価値について理解を深めさせることを内容としております。また、法やルールにのっとった適正な解決を図ることができる資質や能力を養うという目的があり、このような目的は主権者教育の目的に通じるものと考えられます。 法務省としましては、こうした法教育の意義、役割をしっかりと意識した上で、関係機関等と連携しながら、より一層の法教育の浸透に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、もう最後、おまとめください。
○安達悠司君 はい。 以上、グローバリズムから国民を守っていくという法の役割についても今回強調いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 平口大臣、どうぞよろしくお願いいたします。 大臣、所信挨拶で、かつてない位置付けで出入国在留管理行政の強化を強調されたわけです。ところが、難民鎖国と批判をされてきた我が国の難民認定率は二〇二四年で二・二%と更に下がりまして、極めて低いという状況にあります。 そこで、まず、同性愛者であることを理由に出身国で迫害され、我が国に難民認定が求められたという事案についてお尋ねしたいと思います。 お配りしている一枚目の資料は、二年前の入管法改定審議の際に弁護士の渡邉彰悟参考人が配付された資料からですが、これ、ウガンダ国籍のレズビアンの当事者が、その次のページにあるように、レズビアンであること、本国で同性愛が違法とされている、これは当時終身刑だったんですが、その後、死刑という法律にこの審議をしていた時期に変わりました。三か月身柄拘束を警察からされて暴行を受けたなどを示して難民申請をしたんだけれども、一次審査で不認定にされ、不服申立てであるところの審査請求を申し立てた。そのときに口頭意見陳述を求めたんだが、参与員の判断で口頭意見陳述は行わないということになったという事案なんですね。 一枚目の通知書を見ていただいたら分かりますが、申述書に記載された事実その他の申立人の主張に係る事実が真実であっても、何らの難民となる事由を包含していない、あなたが言うとおりであっても難民ではないという驚くべきインタビュー拒否の理由が示されているわけです。 この不認定、難民にしないという処分は裁判所によって取り消されました。難民該当性が、当然ですが、認められました。そのことについて、入管はどう認識していますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) まず、前提としまして、個別の事案については、裁判所の判断に係る出入国在留管理庁の認識を含めて、お答えを差し控えさせていただくところでございます。 その上で、あくまで一般論として申し上げれば、委員御指摘の難民手続におけるインタビューにつきましては、出入国在留管理庁としても、適切な難民該当性の判断を行うためには非常に重要であると考えておりまして、例えば、難民認定等事務取扱要領におきましては、難民調査官は原則として申請者又は関係者に対して面接による事情聴取、これを行わなければならないということとしております。 もっとも、例えば、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランにおいて類型化することとした難民条約上の迫害、これに明らかに該当しない事情を主張しているB案件におきましては、案件によっては、申請書の記載内容や最新の出身国情報等に基づき判断できるため、申請者へのインタビューを行わない場合もあるということでございます。そういう場合にインタビューを行わなかったとしても適切な保護に欠けていることはないと考えられるため、出入国在留管理庁としましては、難民認定手続全体において一律必ず申請者等へのインタビューが必要であるとは考えておりません。すなわち、インタビュー、極めて重要でございますが、やはりケース・バイ・ケースという側面はあろうかというふうに考えております。 いずれにせよ、出入国在留管理庁としましては、保護すべき者については、きちんと引き続き迅速かつ確実に保護してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 いや、驚くべき答弁なんですよね。インタビュー、重要だと言いながら、やらなかった、不認定にした。で、裁判でどう判決されたか。大阪地裁はこう言っています。 原告がレズビアンであることを理由に、警察官らに逮捕、勾留され、棒で殴られるなどの暴行を受け、相当な傷害を負ったにもかかわらず、敗血症に至るなど重症化するまで、相当長期間にわたって、適切な医療を受けられないまま、身柄を拘束されていたことが認められることからすると、原告がウガンダに帰国すれば、同様に、原告がレズビアンであることを理由に警察官らに逮捕、勾留され、暴行を受けるおそれがあると言えるので、通常人が原告の立場に置かれた場合にも上記のような暴行を受ける恐怖を抱くような客観的事情が存在すると言える。 これは、難民条約、あるいは入管が一般論として難民認定の手引として出している、そうした難民該当性に当たるというのが判決ですよ。だから確定したんですよ。 私が問うているのは、裁判所が原告、難民申請者のお話を丁寧に聞いて、吟味をしていく、その下で、ウガンダという国、あるいはアフリカ諸国のこうした出身国の情報をしっかりと吟味をするということをした結果、こうした難民該当性の事実が認定されるでしょう。ところが、入管庁は、その話も聞かずに不認定にして、追い返そうとしたわけでしょう。そこに反省はないんですかということなんですよ。 というのは、チュニジア国籍のゲイの当事者に関して同じように難民認定が求められた事案がありますが、二〇二四年七月に大阪地裁が難民該当性を認める判決を出しました。ところが、国、つまり入管庁は、これに対して控訴して、今年の二月に大阪高等裁判所から、いや、何を言っているんだといって、難民として該当するんだという判決を受けているわけですよね。つまり、二年前に入管法改定を審議したときに厳しく指摘をされました、このインタビューの重要性というのは。ところが、何の反省もなく、今年の二月まで争い続けている。全く変わっていないということなんじゃないですか。 そこで、数字をお尋ねしたいと思うんですが、二〇二〇年以降、つまり、この五年間ですね、審査請求で口頭意見陳述の申立てが行われたという事案について、実際に口頭意見陳述が実施された事案、これは各年何件ずつありますか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) お答え申し上げます。 二〇二〇年、令和二年中に不服申立てに対する裁決、決定がなされたものにつきまして、口頭意見陳述を申し立てたのは二千五百五十一人であり、このうち口頭意見陳述等期日を実施したのは五百十三名でございます。 二〇二一年、すなわち令和三年中に不服申立てに対する裁決、決定がなされたものにつきまして、口頭意見陳述を申し立てたのは三千四百五十二人であり、このうち口頭意見陳述期日を実施したのは、済みません、今私、数字間違えて読んだようで、失礼しました。今、三千四百五十二と申し上げたのは三千五百四十二の間違いでございます。大変失礼いたしました。このうち、口頭意見陳述等期日を実施したのは七百十九人でございます。なお、このとき、口頭意見陳述を申し立てていないものの、難民審査参与員による質問等を行うための口頭意見陳述等期日を実施したのが一名ございます。 次に、二〇二二年、令和四年中に不服申立てに対する裁決、決定がなされたものについて、口頭意見陳述を申し立てたのは千九百七十二人であり、このうち口頭意見陳述等期日を実施したのは六百七十四人でございます。なお、この年も、口頭意見陳述を申し立てていないものの、難民審査参与員による質問等を行うための口頭意見陳述等期日を実施したのが二名ございます。 次に、二〇二三年、令和五年中に不服申立てに対する裁決、決定がなされたものにつきまして、口頭意見陳述を申し立てたのは千二百二十名でございまして、このうち口頭意見陳述等期日を実施したのは三百八十一人でございます。この年も、口頭意見陳述を申し立てていないものの、難民審査参与員による質問等を行うための口頭意見陳述等期日が実施されたのが三名ございます。 最後、二〇二四年、令和六年中に不服申立てに対する裁決、決定がなされたものにつきまして、口頭意見陳述を申し立てたのは千五百八十四名でございます。このうち、口頭意見陳述等期日を実施したのは四百五十一人でございます。なお、口頭意見陳述を申し立てていないものの、難民審査参与員による質問等を行うための口頭意見陳述等期日を実施したのは六名、この年もございます。
○仁比聡平君 もっと短く答弁はできるはずです。 つまり、多く実施したときでも七割近く行っていないんですよ。実施したのが二割、三割程度というのがこのインタビューの現実なんですね。 このインタビューの重要性について、二年前の法案審議の参考人でUNHCRで三十年ほど経験を積まれた小尾尚子参考人は、このようにおっしゃいました。その人がどうして日本に逃れてこなくてはならなかったかということを事実の基に引き出すという、きちんとした難民認定の基準、そして難民認定の面接の仕方、信憑性をどのように捉えるか、その人のしぐさ、表現の仕方、そしてその人がおっしゃっている内容を評価していくか、分析していくか、経験とそれから非常に深い洞察力というものが必要になってくると思いますというふうにおっしゃっていて、難民認定におけるインタビューというのはそういう力が必要なんですよね。専門性を求められるわけですよ。 ところが、話も聞かずに不認定にして、裁判でそうした事実が認定されて該当性が明らかにされたら、これまで入管は裁判に出てきた証拠でそうなったんだからといって、自分たちが一体難民審査でどんな話を聞いてきたのか、どう出身者、出身国情報を吟味してきたのかということについて全く無反省と言わざるを得ないと。 大臣、今、日本の難民認定行政というのはそんな実情にあるんだと思います。だからこそ、これまでの入管行政から独立した難民認定機関を私たちは求めてきたわけですね。 こうした下で、今年の夏、つまり不法滞在者ゼロプランが発表された後ですけれども、両親とともにきょうだい三人が護送官付国費送還をされました。高校三年生のお兄ちゃんは大学の推薦入学が決まっていた、教師を目指していたんです。中学校一年生の妹さんは、バスケの部活で練習試合から家に帰ってきた、帰宅したところを待ち受けていた入管職員に連行されました。 大臣、日本に生まれ育った子供たちの学ぶ権利を奪う、人生、進路に重大な障害をもたらすというこうした強制送還は、私は、二〇二三年の法案審議で当時の齋藤大臣が繰り返した子供の保護は大事な問題だという答弁だったり、その年の八月に示された子供と家族の在留特別許可を与えていく方針だったり、それから、その後、令和六年三月に在留特別許可ガイドラインが改定されました。ここではこんなふうに言っているんですね。本邦で家族とともに生活をするという子の利益、その間の生活の中で構築された日本人の地域社会との関係、本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けており、本国で初等中等教育を受けることが困難な事情などを積極的に評価する。つまり、在留特別許可を与える方向で積極評価をすると書いてあるんですよ。 実際、そうでしょう。小ちゃい頃に日本に来たと、あるいは日本生まれだというので、母語は日本語です。例えば、親がクルド語を話すからクルド語は何とか話せますけれども、トルコ語は話せませんという、そうした子供を強制送還したら、教育の継続なんてできるわけがないじゃないですか。一体その子の人生どうなるんだということが問われていると思うんですが、こうした政府の積み重ねてきた方針にも子供の強制送還というのは反するのではありませんか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきますが、その上で、一般論として申し上げますと、令和五年改正前の入管法の下で迅速な送還を実現することができなかった子供のうち、齋藤大臣の措置でございますが、本邦で出生し、小学校、中学校又は高校で教育を受けており、引き続き本邦での生活を希望する子供について、親に看過し難い消極事情がある場合を除き、このときに限り家族一体として在留特別許可をする方向で検討すると、これが齋藤大臣の示された方針であったわけでございます。 また、在留特別許可をするかどうかの判断については、従来より、個別の事案ごとに、在留を希望する理由、家族関係など諸般の事情を総合的に考慮して適切に行っていますところ、その際には、在留特別許可に係るガイドラインに記載しているとおり、日本で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性や、本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けているなどの事情は積極要素として我々も考慮しております。 もっとも、委員御承知のとおり、ガイドラインに記載しておりますとおり、在留特別許可の許否の判断におきましては、入管法第五十条第五項に規定する各考慮要素に、考慮事情に認められる積極要素、これに加えまして消極要素、これも総合的に考慮して行うものでありまして、積極要素が存在するからといって必ず在留特別許可がされるというものではございません。 したがって、御指摘のような場合が一般的にあるとしても、個別の判断ではございますが、必ずしも在留特別許可ガイドラインの趣旨に反するという指摘は当たらない場合があるものと考えております。
○仁比聡平君 いや、私は、在留特別許可を出してふさわしいんじゃないかと思います。 齋藤大臣の方針について、親に消極要素がある場合というのは確かに書いてありますよね。けれど、個別しっかりと事情を総合的に判断したときには在特を与えることはあるという方針なんですよ。で、実際にそうやって与えられてきた家族もあるんですよ。 ところが、一体何でこの子たちは強制送還なのかと。ちなみに、この家族の父親は空港でトルコ警察に引き渡されて尋問されることになりました。ほかに、空港でそのまま向こうの、つまりトルコのですね、警察に逮捕されたという方々もあって、やっぱり難民だったんじゃないのかという大問題なんですよね。ノン・ルフールマン原則に反するではないかという厳しい指摘があっているところなんです。 大臣、大臣に今度はお尋ねをしたいんですが、そうした非正規滞在の子供たちが不法滞在者ゼロプランに関してアンケート活動を行いました。そこにこんな記載があります。日本で生まれ育った子供が違法な存在とされるのかというテーマについて、生まれたことが罪なの、そんなわけないでしょうと。別の子供はこう言っています。日本で生活して学校に通って友達もいて、心は日本で育っているのに、違法と言われるのは正しくないと思います、生まれた場所よりもその子がどんなふうに生きているかを大切にしてほしいと思います。日本で生きるとは何ですかという問いに、こう答えている子がいます。自分の努力と心で築いていた、築いてきたこの場所で人として尊重されながら生きることと。 大臣、この子たちが日本人や日本社会の安全や安心を脅かしているとでも言うのか。こうしたことはどう受け止めますか。
○国務大臣(平口洋君) 様々な御意見があることは承知しておりますが、それらについてコメントすることは差し控えたいと思います。 その上で、先ほど出入国在留管理庁次長が答弁したとおり、在留特別許可をするかどうかの判断については、従来より、個別の事案ごとに、在留を希望する理由、家族関係など、諸般の事情を総合的に考慮して適切に行っているところでございます。その際、日本で家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性や、本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けているなどの事情は、積極要素として考慮しているところでございます。 引き続き、適切に対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 子供たちのこうした暮らしを積極要素として判断してきた、している、つまりこれからもしていくということなんでしょう。その答弁のとおりにならないとおかしいんですよ。 大臣、様々な御意見があるというふうにおっしゃったんですが、私は、様々な意見があるんじゃなくて、現実にそういう子たちがいる、非正規滞在の方々の中にはいろんな人がいるということを前提にしなかったら、行政なんて成り立たないと思います。 お手元の資料の七ページ目に、政府が不法滞在者というふうに呼ぶときに新聞報道などで七万数千人みたいな数字が出るので、一体これは何の数字だと聞いたら、不法残留者のこと、数字を、私、紹介いただきました。左下にありますね、七万四千八百六十三人、これが令和七年一月一日現在だと。 元の在留資格、見てください。短期滞在、それから、次いで技能実習が一万千五百四人ですよね。特定活動が七千五百六十九人。これ、これまで大問題になってきた失踪、つまり受入れ機関側の人権侵害などによって実習継続が困難になったという外国人労働者たちもたくさん含まれているんだと思うんですよ。本来、在留特別許可や難民認定や、あるいはミャンマーなどの緊急避難措置で保護すべきだし、現に入管は保護してきたと思います。 ちょっと時間が迫ったので、一問聞いて終わりたいと思うんですけど、過去も、二〇〇四年から不法滞在者五年半減計画というのが行われました。この計画は、平成十六年の一月時点で二十一万九千四百十八人いた皆さんの言う不法残留者、滞在者が、平成二十一年の一月時点で十一万三千七十二人までほぼ半減したという効果を上げたとされているわけですけれども、そのうち、在留特別許可が出されることによって適正な在留資格、正規の在留資格を得ることになったという人数は何人ですか。その点だけお答えください。
○委員長(伊藤孝江君) お時間になりましたので、答弁を短くお願いいたします。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 平成十六年から平成二十年までの五年間に在留特別許可をした件数は、四万九千三百四十三件でございます。
○委員長(伊藤孝江君) おまとめください。
○仁比聡平君 保護すべき者を保護するということはやらずに、国費送還などで人道に反する強制送還一本やりというのは、非正規滞在者に対する差別と排外主義を助長することになると、そんなゼロプランやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○北村晴男君 ありがとうございます。日本保守党の北村晴男です。よろしくお願いします。お疲れのところ恐縮です。 さて、まず第一に、不起訴処分等となった外国人の国外退去についてお聞きします。 愛知県警は、令和四年四月、ペルー国籍で住所不定、無職の男を未成年者誘拐の疑いで逮捕し、その後、監禁の疑いで再逮捕しました。男は、同年三月、集合住宅の空き部屋で女子高校生十六歳に首を絞めるなどの暴行を加えて部屋から連れ出し、四月には、当時の自宅に閉じ込め、出入りを監視して八日間監禁した疑いがあったものです。その後、この男は不起訴処分となりました。 このペルー人の男は、翌年二月、広島県で殺人未遂を犯し、懲役十二年の判決を受けました。男は、令和四年十一月に十九歳の女性と知り合い、交際を開始して、その後、執拗に結婚を迫るなどしていたところ、事件当日は女性宅に窓ガラスをたたき割って侵入、女性とその姉二十七歳に馬乗りになって首をはさみで複数回刺すなどしたとされています。 現行法の入管法二十四条によれば、殺人、暴行など様々な刑法犯などにより拘禁刑に処せられた者は強制退去させることが可能と認識しています。しかしながら、それらの犯罪の嫌疑を受けて、例えば逮捕、勾留された者が不起訴処分となった場合や罰金刑に処せられた場合には、強制退去させることはできないものと認識しています。そのために、このペルー人の男は、不起訴処分後も日本に在留し続け、凶悪な殺人未遂の犯行に及んだものであります。 不起訴処分の中には、起訴猶予、すなわち被疑事実は明白だが、犯罪後の状況などによって起訴は不要とされたものや、犯行時の心神喪失を理由とするもの、親告罪において告訴が取り消されたもの、嫌疑不十分とされる場合など多種多様であり、それらや罰金刑に処せられた者の中には、社会の治安の悪化を防ぎ、日本人の生命、身体、財産を守るためにその者を国外に退去すべき場合が多く含まれていると思われます。 とりわけ外国人の被疑者について嫌疑不十分とされるケースの中には、最近特に、通訳の手配に時間が掛かったり、通訳をもってしても被疑者との意思疎通について日本人の被疑者と比較して格段に時間が掛かる、そのために法定の身柄拘束期間最大二十三日では容疑を固められなかったケースが極めて多いとされています。私も警察担当者等からその事情を聞いております。 近年、重大な犯罪を犯した外国人が次々と不起訴となり、同一人物が再犯を重ねる事例が散見され、これが日本社会において不安視され、重大問題となっている状況があります。 そこで、お聞きします。 例えば、入管側が警察が収集した証拠や当該被疑者の危険性に関する警察官の意見などを共有できる仕組みを構築した上で、不起訴や罰金刑になった場合でも、個別の事情を勘案し、将来罪を犯す危険性が疑われる者については直ちに国外退去させることができる条項を加えて入管法を改正すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内藤惣一郎君) 委員御指摘のとおり、例えば入管法第二十四条四号の二では、同法別表第一の在留資格、活動に着目した在留資格をもって在留する者が一定の罪により拘禁刑に処せられた場合につきまして退去強制の対象となることが、これは明確に定められております。また、同条四号リでは、無期又は一年を超える拘禁刑の実刑に処せられた者についても退去強制の対象となることが定められており、刑罰法令違反の違反者に係る退去強制事由が整備されております。 その上で、退去強制という処分の性質、これを考慮しますと、御指摘のとおり、罪を犯したとしても不起訴処分となった者若しくはその刑の軽重、有罪となった場合ですけれども、問わず、一定の罪により刑に処せられた者全て一律に退去強制に処するというのは適当ではない場合があるため、委員御指摘の事由を退去強制とする入管法改正を行うことにつきましては、委員御指摘のとおり、一つ一つ個別に判断するという仕組みにつきましても慎重な判断が必要になってくるのかなと、このように現時点では考えております。
○北村晴男君 今の点につきましては、これは例えば外国人の差別であるとかいう御意見もあろうかと思いますが、入管行政は、そもそも外国人を入管させるに当たっては、日本国がその日本の治安等を考えて自由な裁量でもって決められる条項だと理解しています。その上で、一旦入国させた者がその犯罪の危険等が認められる場合には個別に自由に国外退去させる、そういった法整備が必要かというふうに考えております。 次に、強制加入団体である日弁連が政治活動、政治的活動を行うことについての問題点について御質問します。 全国約四万七千人の日弁連の会員は、一般国民と同様に、それぞれ異なる政治的立場、考え方を有しております。にもかかわらず、日弁連や各単位弁護士会はこれまで、死刑制度の廃止を求める声明、いわゆる安保法制や集団的自衛権の行使が憲法九条違反であるとの声明、あるいはいわゆる従軍慰安婦問題について、政府に対し強制連行を認めよとか性的奴隷制などの用語を使うべきだと言わんばかりの声明など、会員の中でも大きく意見が分かれる政治的な問題について、特定の政治的立場に基づく意見を声明として発出してきました。 このことは、これと異なる立場に立つ極めて多くの一般会員の思想、良心の自由を著しく侵害するものであります。弁護士会は強制加入団体であるため、これらにより強い心の痛みを覚える者が日弁連を退会すれば自動的に弁護士資格を失うことになるので、それもできず、その精神的な苦痛は弁護士である限り続くことになります。他方、国民の多くは、日弁連会長声明が出されれば、それが弁護士全体の総意であるかのように受け取ることになり、社会全体をミスリードする原因ともなります。 弁護士会は強制加入団体であるがゆえに、極めて公共性の高い団体であります。その公的な団体が特定の政治思想に沿った政治活動を行うことは少なくとも極めて不適切であり、弁護士会に対する社会の信頼は大きく低下しています。例えば、私の友人などは、日弁連は特定の政党、例えば共産党の下部組織だと思っていたと私に述べた者もいるほどでございます。 そこで、弁護士法を改正し、日弁連などの弁護士会による政治活動の禁止を明文化すべきものと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、日本弁護士連合会等は強制加入団体とされておりまして、これは、弁護士が基本的人権を擁護するべくその職責を尽くすために、弁護士の活動を国家機関の監督から独立させるとともに、弁護士の職務の適正を確保するという公共の福祉の要請に基づくものとされております。 また、日本弁護士連合会等が基本的人権の擁護や社会正義の実現を使命とする言わば弁護士の集合体であることからいたしますと、日本弁護士連合会等が弁護士の使命を達成するために法律制度の改善などについて会としての意見を明らかにするなどの一定の政治的活動をすることも、弁護士の品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図るという日本弁護士連合会等の目的と密接な関連を持つものとして、その範囲内のものと考えられるところでございます。そういたしますと、御指摘のとおり、日本弁護士会連合会等の声明の内容が、結果として個々の弁護士の考えと異なることもあり得るわけであります。 その上で、両者の調整が必要となり得る場面が想定されるわけでございますが、弁護士法には、弁護士の資格審査や弁護士の懲戒を弁護士の団体に任せ、それ以外の弁護士の職務活動や規律についても裁判所や行政官庁の監督に服せしめないという、いわゆる弁護士自治が規定されていることに照らしますと、その調整は、基本的に日本弁護士連合会等において、会としてどのようにその考えを形成するかや、どのような考えを、それ自体を形成するかという内部的な規律によって適切になされるべきであると考えているところでございます。
○北村晴男君 今の御回答、御答弁については、一定の論理はあるものと考えております。 ただ、現実には、四万七千人の会員、食べることに必死でございまして、弁護士会自治として自浄作用を果たすことは極めて難しい状況にあります。そのことは一旦申し上げておきます。 次に、続いて、外国勢力が弁護士会会長声明を利用して日本社会に影響力を行使していると思われる事案について質問します。 二〇〇七年に大阪弁護士会会長であった小寺一矢弁護士によりますと、当時、北朝鮮による日本人の拉致被害が明らかとなり、同国によるミサイル発射もあって、同国に対する国民感情が極めて悪化していたところ、朝鮮学校の女生徒がチマチョゴリを破られるという事件があり、同会の人権擁護委員会が政府に対策を求める会長声明を発出するよう提案しました。これに対し、小寺会長は、北朝鮮が日本人を拉致した事実及びミサイル発射に触れ、これらの北朝鮮の行為は許されないが、それと無関係な子供に危害を加えるのは恥ずべき行為だとする修正案を示したところ、その委員会は、それなら結構ですと提案を引っ込めております。 この人権擁護委員会の姿勢は、北朝鮮が批判されるぐらいなら少女の人権などどうでもいいと、そういうふうに考えるほかないものでありまして、彼らの声明案は、人権に名を借りた、日本社会、日本政府を批判することを目的とするものと考えざるを得ません。この事実は、北朝鮮などのスパイや外国勢力が弁護士会の会長声明を利用して日本社会に対して影響力を行使している可能性をうかがわせるものであります。事実、この点について小寺会長も、北朝鮮を支援する一派の影を感じたと述べています。 日本は、いわゆるスパイ天国と呼ばれて久しいですが、自民党と維新の連立政権合意書にも、インテリジェンス・スパイ防止関連法制として、基本法、外国代理人登録法及びロビー活動公開法等についての令和七年の検討開始などが盛り込まれています。ロビー活動の公開を伴う外国代理人登録制度が創設されれば、外国勢力などの依頼により影響力行使活動を行うことについて、その資金の流れ、活動内容などが公開されることになり、その内容次第では、今後、小寺会長が危惧したと同様の事態が発生しても、その全容が国民の目に明らかになる可能性があります。 この意味で、外国代理人登録制度の創設及びこれに伴うロビー活動公開法、スパイ防止法等を含むインテリジェンス・スパイ防止関連法制の整備の要否に関しまして、法務大臣の所感をお伺いします。
○国務大臣(平口洋君) 自由民主党及び日本維新の会の連立政権合意書におきまして、外国代理人登録法、ロビー活動公開法等のインテリジェンス・スパイ防止関連法制について、令和七年に検討を開始し、速やかに法案を策定し成立させることが盛り込まれたと承知しております。インテリジェンス・スパイ防止関連法制を含む総合的なインテリジェンス改革に向け、論点を整理し、検討が進められるものと承知しております。 委員御指摘の点も含め、インテリジェンスに関する国家機能の強化は急務でございまして、大変重要なことと認識しております。 法務省においては、外局である公安調査庁が、破壊活動防止法及び団体規制法に基づいて、人的情報を始めとする情報の収集、分析に努め、適時適切に関係機関に提供することにより、政府によるカウンターインテリジェンスに関する取組等に寄与してきたところでございます。 御指摘のような法整備は、総合的なインテリジェンス改革の一環としてなされるものと承知しておりまして、いずれにせよ、公安調査庁において、関係機関とも密接に連携しつつ、インテリジェンス機能の強化に向け不断の努力を行ってまいりたいと考えております。
○北村晴男君 ありがとうございます。 次に、合議体による刑事裁判の評決における過半数制についてお聞きします。 いわゆる袴田事件において、袴田さんは、冤罪により約四十八年間もの間身柄を拘束され、五十六年間、殺人犯の汚名を着せられています。袴田事件は、刑事裁判の評決の観点から検討すると、次に述べるとおり、裁判所法が重大な欠陥を抱えているがゆえに、必然的に発生したものであります。 一審の静岡地裁の有罪判決においては、有罪判決にもかかわらず、判決文で異例の厳しい捜査批判が展開されており、当時から裁判官の評決で意見が分かれたものと推測されていたところ、判決文を起案した熊本元裁判官が、平成十九年、当時の評議、評決の内容を告白しています。これによれば、二名の裁判官が有罪を主張し、熊本氏は無罪を確信しながらも他の二名を説得できず、評決は多数決で有罪とすることが決まり、同氏は無罪を確信しながら死刑判決を起案したものであります。 裁判所法七十七条一項は、刑事裁判においても、合議体の評決は過半数の意見によるとしています。この点は、裁判員裁判、すなわち裁判官三名、裁判員六名においても同様であるところ、有罪判決を下す場合には裁判官のうち少なくとも一名の賛成が必要とされています。すなわち、裁判官のみの三名の合議体では、一名が評決で無罪主張をしても有罪判決下すことが可能で、裁判員裁判においては、例えば裁判官二名、裁判員二名が評決で無罪を主張しても有罪判決を下すことが可能です。 私は、この裁判所法などが定める評決における過半数制が袴田事件のような悲惨な冤罪事件を生んだ元凶の一つであり、これまでも表面化しなかっただけで同様の冤罪事件が相当数あった可能性があり、この規定を放置すれば今後も袴田事件同様の悲惨な冤罪事件が必ず発生するものと考えています。 刑事裁判においては、疑わしきは被告人の利益にの大原則があり、有罪判決を下すためには犯罪立証の程度は合理的な疑いを入れない程度を要します。この意味は、例えば不合理な疑いというのは、あの人は格好いいから多分犯罪を犯していないよねというような疑い、これは不合理でございます。ただ、証拠に基づいて、経験則に立って、どう考えても疑問があるよねと、これがまさに合理的な疑いでありまして、それを入れない程度の証明を要するということになっています。 しかしながら、裁判所法の多数決主義、この過半数制は、この原則に反する重大な欠陥を有しています。袴田事件に即して言うと、一人の職業裁判官が無罪を確信して、評議を重ねても、証拠に基づいて無罪主張、それが覆らないのであれば、それはまさに合理的な疑いが生じていると考えざるを得ないことであり、そのような証明、立証がなされたとは到底言えないのであります。 現行法の裁判所法などは、疑わしきは被告人の利益にの大原則を踏みにじり、非文明的思想、すなわち、たとえ十人の無罪の人を処罰したとしても、一人の真犯人も逃してはならないとの思想に立脚しているものと考えざるを得ません。十人の真犯人を逃すとも、一人の無辜を罰するなかれとの当たり前の文明的原則に立ち戻る必要があります。 そのために、有罪判決を下す場合には全員一致を要する制度とすべきだと考えます。そうすることが袴田事件のような悲惨な冤罪事件を繰り返さないために絶対に必要な条件であると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(内野宗揮君) お答え申し上げます。 委員も御案内のとおり、疑わしきは被告人の利益にとの考え方は、裁判に提出された証拠を総合的に検討し、検察官が掲げる公訴事実が被告人側の反論、反証を踏まえても合理的な疑いを入れない程度に証明できなければ有罪認定をすることはできないとする刑事裁判における原則でございます。 また、委員御指摘のとおり、裁判所法第七十七条及び裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第六十七条は、裁判は原則として過半数の意見によるものとしております。これは、合議体においては基本的には構成員が一致して結論を出すのが望ましいものではありますけれども、そのための意見交換、いわゆる評議でありますが、これを行っても結論が一致しない場合には合議体としての意見がないということでありますから、合議体としての裁判所の意見をまとめるため、一定の手段を講じる必要がございます。その上で、合議体を構成する構成員の意見については基本的に優劣がないということに照らしますと、合議体の意見については過半数の意見によるとする現行の規律には一定の合理性があるものと考えております。 委員御指摘のような制度を導入することにつきましては、裁判等における評議、評決の在り方全般に関わる事柄でございますので、慎重に検討する必要があるものと考えております。
○北村晴男君 ただいま一定の合理性が現制度にもあるという御答弁でしたが、仮に合理性があるとすれば、評議を尽くしても、無罪だと主張する、確信する裁判官、これを説得できなかった場合に、これは、この裁判官は合理的な疑いを持っていない、ごめんなさい、合理的な疑いを持っているんだと主張するけれども、それを否定されるということは、その裁判官は、裁判官には事実認定能力が基本的にないというふうにみなしたということにならざるを得ないです、論理的に。そうすると、その裁判官がその後も様々な刑事事件に関与することはできるはずがないということになるわけです。 そうなると、刑事裁判制度をこのままでは維持できないということになるわけでありまして、アメリカなどのように、基本的に、基本的にじゃない、ごめんなさい、有罪判決を下す場合には全員一致を要求する、これがこの刑事事件における原則、疑わしきは被告人の利益にという原則を貫いた場合の当然の帰結だというふうに考えておりますので、その点も今後十分検討していただきたいというふうに考えます。 以上です。
○委員長(伊藤孝江君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時九分散会
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