令和七年十二月四日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 北村 経夫君 理 事 今井絵理子君 松川 るい君 渡辺 猛之君 杉尾 秀哉君 堂込麻紀子君 委 員 青木 一彦君 臼井 正一君 鶴保 庸介君 本田 顕子君 三原じゅん子君 鬼木 誠君 小島とも子君 塩村あやか君 牛田 茉友君 窪田 哲也君 司 隆史君 岡崎 太君 柴田 巧君 大津 力君 大門実紀史君 伊勢崎賢治君 国務大臣 国務大臣 (内閣官房長官) 木原 稔君 国務大臣 (国家公安委員 会委員長) あかま二郎君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(サイバ ー安全保障)) 松本 尚君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(こども 政策 少子化対 策 若者活躍 男 女共同参画、共 生・共助)) 黄川田仁志君 国務大臣 (内閣府特命担 当大臣(経済財 政政策)) 城内 実君 国務大臣 赤澤 亮正君 国務大臣 小野田紀美君 副大臣 法務副大臣 三谷 英弘君 大臣政務官 法務大臣政務官 福山 守君 外務大臣政務官 大西 洋平君 事務局側 常任委員会専門 員 岩波 祐子君 政府参考人 内閣官房内閣審 議官 門松 貴君 内閣官房内閣審 議官 中溝 和孝君 内閣官房内閣参 事官 桝野 龍太君 内閣官房国際博 覧会推進本部事 務局長代理 松山 泰浩君 内閣官房外国人 との秩序ある共 生社会推進室次 長兼出入国在留 管理庁審議官 加藤 経将君 内閣官房日本成 長戦略本部事務 局次長 鈴木 恭人君 内閣府政策統括 官 水野 敦君 内閣府男女共同 参画局長 岡田 恵子君 警察庁長官官房 長 森元 良幸君 警察庁長官官房 審議官 江口 有隣君 警察庁生活安全 局長 山田 好孝君 警察庁刑事局長 重松 弘教君 警察庁警備局長 筒井 洋樹君 法務省大臣官房 審議官 吉田 雅之君 外務省大臣官房 審議官 濱本 幸也君 外務省大臣官房 サイバーセキュ リティ・情報化 参事官 三宅 史人君 外務省大臣官房 参事官 大塚 建吾君 厚生労働省大臣 官房審議官 榊原 毅君 農林水産省大臣 官房審議官 関村 静雄君 経済産業省通商 政策局国際経済 部長 藤澤 秀昭君 中小企業庁事業 環境部長 坂本 里和君 中小企業庁経営 支援部長 山崎 琢矢君 国土交通省大臣 官房審議官 井崎 信也君 環境省大臣官房 審議官 成田 浩司君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○内閣の重要政策及び警察等に関する調査 (人身取引対策に関する件) (佐賀県警察におけるDNA型鑑定の不正事案に関する件) (賃上げに向けた政府の取組に関する件) (社会保障における給付と負担に関する件) (不適正ヤードの取締りに関する件) (犯罪被害給付制度の充実に関する件) (人道に対する犯罪に係る条約草案への対応に関する件) ─────────────
内閣委員会
発言 116
○委員長(北村経夫君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官門松貴君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北村経夫君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩村あやか君 皆様、おはようございます。立憲民主・社民・無所属の塩村あやかでございます。 早速質疑に入らせていただきたいと思います。 まず、官房長官にお伺いをしたいと思っております。 資料の一を御覧ください。 皆さん、フィリピン残留日本人二世の問題を御存じでしょうか。私はこれまで、この三、四年間、ずっとこの問題を取り上げ続けてきました。知らない方のために少しだけ簡単に、はしょって説明をすると、戦争が始まる少し前、日本から多くの移民がブラジルとかフィリピンに出稼ぎに行っていました。そして、その地で住んで、家族をつくって暮らしていたと。そして、戦争が始まったことによりまして、現地に住む日本人の男性たちは現地で日本軍に徴用されていくと、日本軍として一緒に戦っていくという形になりまして、その多くが戦死をして、その家族の元に戻ることはありませんでした。当時、フィリピンも日本も父系血統主義を取っておりまして、父親が日本人であれば、生まれた子供は母親がフィリピン人であったとしても日本人として出生をしてきたという形になります。そして、その後、残念ながら、国籍がないまま、戦後、今に至るまで生きている日本人の方がいらっしゃるということなんです。 これまで、事態を重く見たフィリピン政府などが救済をして、もうフィリピンの国籍を与えるということもしているんですが、いまだに貧しい地域もあって、そして日本人として生まれてきたからということで、国籍を持たずに貧しいまま暮らされる方もいるという形になっております。 これがこの前提なんですが、先般、日本人の方四人が家裁に日本人であることを認めてほしいという形で就籍の申立てを行いました。この四人の方は、全て皆さんDNA鑑定で親族との関係がもう分かっている皆さんなんです。そして、親族の方も認めてほしいと言っているんですが、戦争のとき、フィリピンの戦争を皆さん思い出していただければ分かると思うんですけれども、知っている方は御存じだと思います。かなり激しい戦争だったということで、教会で式を挙げた皆さんなどは、その結婚の証明などが焼けて焼失してしまっていたりとか、そして、日本軍が大変に厳しいことを現地でしたということもあり、親が日本人であることを隠しながら二世の皆さんは生きてきたということもあり、その証明を親や親族などが焼いて捨てるというようなこともあって戦後生きてきたということになっています。 そうした皆さんの救済をしなくてはいけないということで、これまでも、この数年間、しっかりと政府には頑張ってきていただいたんですが、残念ながら、この資料のとおり、結婚の証明が残っていないので、DNA鑑定をして親族と判明しても日本人ということは認めることができないということで、切られてしまいました。 戦後八十年がたっており、今申立てをしている皆さんは難しいケースが残っているということになるんです。これ、親族の皆さんも大変落胆しておりまして、早く認めてほしいとおっしゃっているんですが、こういう結果になってしまっています。 様々な問題があるのは承知の上なんですが、是非、官房長官にこうした皆さんに一言声を掛けていただきたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) まずは委員のこれまでの取組に敬意を表します。 まず、フィリピン残留日系人の方々におかれては、長年にわたるその御苦労と困難の中で、それでも地域できずなを育まれてきたこと、このことにも敬意を表したいと思います。同時に、全ての残留日系人の方々の国籍取得がいまだ実現していないということは、非常に残念で悲しい現実だというふうに私は感じます。 日本政府としては、関係者の方々の高齢化というものが進む中において、希望する方々の一日も早い国籍取得や、あるいは一時帰国に向けた支援を進めることが重要であるというふうな認識であります。このような考えから、フィリピン残留日系人の方々の日本国籍取得に向けた取組を支援すべく、本年八月に外務省にて訪日事業を実施したところでありまして、日本の親族と対面し、共に御尊父の墓参等をされたと報告を受けております。私自身も、その報告を受けたときには大変感銘をいたしました。 政府としては、引き続き、関係者のそういった切なる声を踏まえて、本件に対しては真剣に取り組んでいく考えです。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 皆さんも八十歳を超えていらっしゃいます。親族の方もDNA鑑定で認められていて、一日も早い国籍回復、就籍をというふうに願っておられます。そして、希望している方の中には、国籍もないわけですから、いまだ一度も日本の地を踏んだことがないという方もいらっしゃいます、貧しく暮らしてきた方も多くてですね。 ですので、私は、三年前だったかな、クラウドファンディングを立ち上げて、この写真のカナシロ・ロサさんの沖縄への訪問を手伝ってまいりました。それ以降、本当に政府からは多大なその支援をいただいて今に至り、そして、今年、初めて公費を使っての帰国事業がかなったということになります。これで終わりではなくて、まだまだ国籍回復がかなっておらず、日本人として生まれたにもかかわらず無国籍のまま、こうしたことがないように様々な取組重ねていただきたいと思っています。 国籍回復だけではないんですね、できることというのは。一時帰国事業というのも是非していただいて、一度でもいいから、自分が日本人として生まれたんだから、日本の地を踏んで、そして親族に会いたいという思いをかなえていただきたいというふうに思っておりますので、是非、官房長官のお力添えもお願いを申し上げたいと思っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 続きまして、資料の三を御覧いただきたいと思います。 これ、タイ人の少女が性的サービスのために人身売買をされていたという事案になります。各社、新聞各社の社説も、人身売買、人身取引を根絶せよとの論調になっています。 資料三、左側なんですが、産経新聞は、国際社会の目は厳しい、国連やアメリカ国務省の報告書で、加害者が有罪判決を受けても執行猶予や罰金刑になるということの指摘や、児童らの性的搾取に対応が不十分だと指摘されているというふうに産経新聞も糾弾をしているわけなんですね。 そして、毎日新聞、右側なんですが、犯罪の抑止につながっていないと、そして日本政府の対応は不十分と言うほかない、加害者を厳しく取り締まる必要もあるというふうにこれもまた糾弾しているという形になっているんですね。 そして、資料の四なんですが、読売新聞です。 読売新聞も、日本の国際的な信用が損なわれる事態だと糾弾しまして、日本では、人身売買罪が二〇〇五年に制定されたんだけれども、立証が難しくて、今回のように別の罪名で摘発せざるを得ないケースが多い、それでは刑罰が軽くなり、事態の本質も見えないと指摘、糾弾をしているわけなんですね。 ここにちょっと付け忘れたんですが、朝日新聞は、罰金刑から執行猶予で終わっていて、軽い処罰だと国外からも批判されていると。皆さんそろって糾弾をしているような事態になっておりまして、これ、日本政府の取組というものが遅れている証左ではないかというふうに私は思っておりますし、恥ずかしい事態だというふうに感じています。 ちょっと質問二つ飛ばさせていただくんですけれども、私は、この人身売買当事国の汚名返上をそろそろ本気で日本政府はやっていかなくてはいけないんではないかというふうに感じているんです。海外からの日本の対応の甘さ、批判を浴びているわけなんですね。国家公安委員長はこれまで、御答弁には、人身取引に対して厳正に対処していくと、この認識に変わりはないと答弁をされています。そして、刑法二百二十六条の二に規定された人身売買罪に該当する場合については、法と証拠に基づいて取り締まってきたということなんですね。 ちょっとまず端的にお伺いいたします。これ間違いないですよねと。一言でお答えください、大臣。済みません。
○国務大臣(あかま二郎君) これは、済みません、これまでの答弁はそのような形でよろしいかという御質問でよろしいでしょうか。(発言する者あり)はい。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 それでは、資料の六を御覧いただきたいんですが、国家公安委員長はそのようにおっしゃいますけれども、二〇一四年からはゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロという形で、受理、起訴が人身売買についてない状況なんですよね。これで本当に人身取引に厳正に対処できているというふうに言えるのか、この資料を見ても大臣はそうであると言い切れるのか、お答えください。
○国務大臣(あかま二郎君) 人身取引について厳正に対処できているのかということでお尋ねでございますけれども、警察においてでございますけれども、人身取引はまさに重大な人権侵害であるという認識、この下で法と証拠に基づき厳正に対処をしておるというふうに認識しております。 人身取引に該当し得る行為についてでございますが、刑法以外にも、売春防止法であるとか児童福祉法等違反に該当する行為もあるというふうには承知しております。そういったあらゆる法令を駆使して人身取引事案の検挙を行っております。 あわせて、人身取引事案が場合によっては潜在化しているというふうな御指摘等々について、これを視野に、これらに対しては、情報提供であるとか、被害申告を呼びかけるリーフレットを複数言語で作って周知する取組であるとか、SNSの広告配信を活用した広報、さらには人身取引事案を市民から匿名で犯罪に関する情報を受けるいわゆる匿名通報ダイヤル、そういったものの対象とするなどなど、被害の認知に努めているところでございますが、これまでどおり引き続き関係機関とも連携して取組を強化してまいりたい、そう思っております。
○塩村あやか君 私のとてもシンプルなストレートな問いに、できているというふうに断言できなくて、そしてこれまでの取組を重ねて述べているという形になっていて、申し訳ないですが苦しい言い訳をしているというふうにしか見えないというふうに私には映ってしまいます。 この事案の背景を少し皆さんと共有したいんですけれども、毎日新聞などの報道によれば、少女の母親なんですが、今二十九歳ということなんですね。若くして年上の夫を亡くして、日本でマッサージや売春の仕事を始め、タイの祖父母に娘二人を預けて、そして仕送りを続けてきたということなんですね。そして、日本で妊娠したというふうに連絡があり、そして妊娠したため働くことができず、送金が滞ってきたというふうに祖父母は連絡を受けているということで、昨年の十二月、群馬県で母親は男児を出産して、書類の手続のために知人に男児を預けて一旦タイに戻って、少女を連れて日本に戻ってきたと。その後のことは皆さん御承知おきのとおりだというふうに思います。 日本人による、少し話が違って申し訳ないんですが、ラオスの少女の買春ですよね。これを報じたジャーナリストの泰梨沙子さんから共有をいただいたんですけれども、タイの英字紙、ネーションという英字紙があるんですが、よく聞いていただきたいんですね、皆さん、売春を目的とした女性や子供たちの違法人身売買に関しては、過去十年間、日本は人身売買されたタイ人にとって最大の市場となっており、毎年約一万人から一万五千人が送られているというふうにタイ警察の調査で指摘されているということなんです。私、ネーションというものをいただいて、日本語に直したんですが、そう書いてあるんですね。売春とか、そして人身売買、女性たちが人身売買に遭っていると、子供や。 台湾のことも書いてあるんですが、台湾にもそういった人身売買があるそうなんですが、台湾は労働者としてそういったことがあるそうなんですが、日本は、恥ずかしいことに、性被害のもとになるというような状況で女性や子供たちを送られているということが指摘されているということになっているんです。 これ、改めて国家公安委員長にお聞きしたいんですけれども、これ本当に厳正に対処できているんですかね。できているのかいないのか、これまでやった取組とかいろんなこれからのことも聞きましたけれども、一言で、できているのかいないのかという、ここをまずスタートにしていかないと何も改善していかないので、国家公安委員長に一言、これでもちゃんと日本はできているんだというふうに言い切れるのか、一言、本当に短くお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(あかま二郎君) これまでの答弁でもございましたけれども、警察における法令の適用については個別の事案ごとに事実関係に即して判断しており、ある行為が、構成要件上、御指摘の刑法第二百二十六条の二に規定された人身売買罪に該当する場合については、法と証拠に基づいて取り締まってきたところでございます。 以上です。
○塩村あやか君 やっぱりストレートにできているって答えられないわけですよね。これやっぱり改善していかなきゃいけないんじゃないでしょうか。私はそのように思います。 資料の五を見ていただきたいんですが、これ、各国との刑罰の比較なんですね。日本って相当遅れているというか、低いよねって。しかも、それが適用されずに、ゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロって二〇一四年からずっと続いているよねというところにはもう多くの皆さんに問題意識を持っていただきたいなというふうに思っているんですが。 次は、平口法務大臣の御答弁についてお伺いしたいと思います。 今日は副大臣に来ていただいているんですけれども、平口大臣の御答弁にはちょっと首をかしげるようなことがとても多くて、例えば買春については、買春する男性の方も尊厳を傷つけられているみたいな発言があったりして、驚きの連続となってしまっています。尊厳が傷つけられるのであれば、もういっそのことちゃんと罰したらどうかというふうにも思うんですが、どうやらそういう方向性のことで語っているのではないのかもしれないというようなこともネットの中では話題になっておりまして、首をかしげる状態が続いているんです。 今、各国の比較を見ていただいたんですけれども、法規制とか刑罰が緩くて、こういう実態が指摘をされ続けているわけなんです。これ放置するとどうなるかというと、人身売買の温床となるということもあります。これ指摘され続けてきたことです、日本は。たくさん外国人を買っているよねみたいな感じ、人身売買をしているよねということを指摘され続けてきたことなんですが、円安もあって、日本の女性たちが売春に出るというようなことも私これまでずっと指摘をしてきたとおりでありまして、いいことって何にもなくて、先進国としては恥ずかしい状況がダブルパンチ、トリプルパンチになって今、日本を襲っているんじゃないかなというふうに感じています。 法務大臣、このような状況であるにもかかわらず、法定刑を引き上げる必要があるとは考えていませんと、法定刑が軽いとは考えていないという答弁を繰り返しているわけなんですね。これちょっと大臣の個人的な御意見なのか、それとも法務省の考えなのか。まず、端的にこの一問、まずお答えください。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 法務省としての考えでございます。
○塩村あやか君 とすれば、ちょっと日本は相当にまずいような人権感覚を持っているというふうに言わざるを得ないんじゃないかなというふうに思うんですね。これ大きな国際的な波紋も起こしていますから、この事件をきっかけに、私たち全体で意識を持ち直して、本当にこの人権感覚でいいのかというところは、国会全体、そして法務省、政府全体にも持っていただきたい。この話を聞いていただきたいので、官房長官にも今お残りをいただいていて、最後に御答弁をいただこうというふうに、通告もしているとおりなんですけれども、これ私まずいと思うんですね。 国際比較をせずに、日本の中だけで法務大臣は答弁を考えて、個人的に語っているんじゃないかというような、ある種の一縷の望みを託して今質問したんですが、法務省全体がそうだという形になっておりまして、これはまずいと思っております。 あっ、どうぞ、じゃ、短くどうぞ。
○副大臣(三谷英弘君) お答えいたします。 先ほどの答弁についてでございますけれども、先ほど申し上げたとおり、この人身売買というものがあってはならないということは大前提として考えているところでございますが、この刑法二百二十六条の二の人身売買罪の法定刑につきましては、人身の自由といった保護法益が共通する略取誘拐罪等の罪との罪刑の均衡を考慮いたしましても、軽きに失するとは考えていないというところでございます。 また、そういった法令のみならず、この人身取引が疑われる事案につきましては、事案ごとに、人身売買罪のみならず人身取引事犯に適用し得る様々な法令と捜査によって、収集した証拠に基づき適切に判断し、立件しているというふうに承知をしております。
○塩村あやか君 ありがとうございます。 次の質問に続いていくところを先にお答えいただいたなというふうに思っているんですが、これ保護法益が同じなのでほかと比較をしてこうなっているということなんですが、保護法益が同じであったとしても法定刑が違うものはたくさんあるし、そっちの方がむしろ多いぐらいなわけですから、そこと比較をしてここに今踏みとどまっているんだ、動けないんだというような認識だと思うので、そうじゃないよということを法務省さんが一番よく分かっていらっしゃると思います。 これは、政府全体で認識を持ち、そして国会全体で認識を持てば動かせないことはないと思っていますし、今動かせないとなると、日本は本当に先進国から転がり落ちてしまうというふうに私は思っているので、是非改善をしていただきたいと思っています。 この保護法益については、さっきもお伝えしたように、違うわけなんですよね。同じ章に並んでいますけれども、違うから罪名も違ってきているという形になっているというふうに、私ちょっと、いろいろちょっと勉強させてもらって、今回本当に勉強になりました。個人的にも今法学部の学生をしているので、なるほどなと思いながら勉強させていただいたんですけれども、きちんとやればこれは乗り越えられる壁だというふうに確信をしておりますので、法務省の皆さん頑張っていただいていると思うんですが、恐らく今回みんなしっかり変えていかなきゃいけないよねというふうに思っていると思うので、対応をしていただきたいなというふうに思っております。 そして、次なんですが、厳罰化は犯罪の抑止の効果があるのかという議論になってくるというふうに思うんですよね。これ、厳罰化は犯罪の抑止に効果があるかと言われれば、これもう先に答えてしまうんですけれども、これもいろいろ調べさせていただいた結果、過去の事例を見ても、罰則強化による抑止効果は明らかであると考えているというふうに警察庁さんも、飲酒の罰則を重ねていく中で、厳罰化をしていく中で御答弁されておりますし、例えば侮辱罪なんかでもしっかり厳罰化をしていくことで抑止を効かせていくということが重ねてみんなで共有をして対応してきたということになってくるわけなんです。 これ間違いないですよねということで、一言だけ国家公安委員長にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(あかま二郎君) 犯罪の抑止、これについてその手段は一般的に、被害防止の注意喚起、さらには早期の通報、相談の呼びかけ、迅速な取締り等々、様々な方法が考え得るんだとは思いますが、その上で、警察とすれば、その法令の適用について申し上げれば、刑罰の軽重にかかわらず、法と証拠に基づいて個別の事案ごとにその事実関係に即して判断されるものであるというふうに考えております。
○塩村あやか君 全くもって私が聞いたことに答えられていないわけなんですが、これまでしてきた御答弁のことを私はお伝えをしているので、そうなんですということなんだろうというふうに思います。これは議事録とかこれまでどのようなものを発表したかをきちんと見ていただければ確認ができると思いますので、ちゃんとやっていただきたい。であれば、法律要らないってことになっちゃいますね。厳罰化は効果がないというのであれば、罰則要らないということになって、警察要らないということになりかねないので、きちんと向き合っていただきたいなというふうに思っているところなんです。 厳罰化って抑止効果もちろんあると思うんですが、軽ければ当然抑止になってこないわけなんですね。人身売買で得られる不正利益はもう巨額でありまして、これはトクリュウとか海外犯罪組織が関係する、もうこれちゃんと変えていかないと人身売買がなくなるはずもないわけなんです。 おとといのニュースだと、トクリュウが関係をするニュースで、売春を、場所を提供したというようなことで一年間で四十億円を超える利益を一つのグループで出していたということなんですね、ソープランドだったか忘れましたけれども。それだけ、一つでそれだけあるわけですから、しっかり厳罰化をしていくということと、人身売買をやっているという、恥ずかしいというようなところをしっかりやっていかないとなくなるはずもありませんから、摘発とか検挙とか起訴がゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロって並んでいるようなことはもう改善していかなきゃいけないフェーズに私は入っているというふうに思っています。 次なんですが、官房長官にお伺いをしたいというふうに思っております。 資料の五を御覧ください。さっきの各国のものなんですけれども、改めてほかの先進国と日本の違いなんですけれども、この差にはやっぱりちょっと調べていくと理由があったわけなんですよね。 二〇〇〇年前後に、国連のパレルモ議定書です、これは有名で、ここから人身売買罪が各国に入っていく形になるんですけれども、これ、まず法律がない国はきちんと整備してくださいねというようなものになっているんです。それで、制定の第一波、一つの波、二つの波と来るんですけれども、制定の第一波があって、日本もここで制定をされたということになります。フランスとかフィリピンとか、そして日本の二〇〇五年の改正もここを受けて人身売買罪が制定されたという形になっているんですね。当時は、世界水準に追い付いたという形で、まあ良かったですと、私もそのときであるとすればよくできたというふうに思ったと思うんですが、その後なんですよね、問題は。 その後は、元々人身売買罪がある国などは、こうした改正、各国の改正などを受けて、二〇一〇年代から二〇二〇年代にかけて人身売買厳罰化の第二波という形で強化と増刑を各国は、刑を増やすという意味の増刑ですね、これをやっているわけなんですね。EU指令やそのほかの国内実施を通じて、最高刑の引上げとか加重事由の拡大とか需要側の処罰罪とか企業責任などを強化する第二波があったということなんです。イギリス、ドイツ、イギリスこれまであったんですが、二〇一五年にまとめて終身刑にまでとした形になっておりまして、ドイツ、フランスと、フランスは改めて改正を重ねて、短期間に二度改正して厳罰化している形なんですね。アメリカもどんどんと進んできたという形で。 日本は、二〇〇五年に一度改正というか、その人身売買罪をつくった後、同じ、各国が進んできた同じ水準の見直しは行われていないという形になっているのではないかというふうに思います。そろそろ日本も人身売買について厳罰化を検討していくべきではないかというふうに私は考えるんですが、官房長官のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) まず、前回の、もう委員に対してはお答えしましたけれども、まず、この人身取引というのはもう重大な人権侵害であるとともに、深刻な国際問題であるというふうに申し上げたわけであります。そういった意味で、人身取引は根絶を目指さなきゃいけないと。今、令和七年十二月には、その人身取引対策行動計画二〇二二、この計画に基づいて今取組を進めているところと承知しています。 その上で、政府としては、人身売買罪の法定刑の引上げについて検討すべきではないかという御指摘でありましたけれども、この適用できる現行法令も既に幾つかあるかと思います。まず、この人身取引事案、これはもう重大な問題ですので、まずその現行法令、適用し得る様々な全ての現行法令を、これを駆使してですね、駆使をして撲滅を図るということ、これがまずは肝要であるという、そういう認識です。
○塩村あやか君 最後に一言だけ。 二〇二二年の人身取引対策策定行動計画の中に、人身取引防止のための罰則強化の検討というものが入っているんですね。これ、まだ実施されていません。やるべきだというふうに申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉でございます。 私は、警察関係なんですけれども、佐賀県警の科学捜査研究所、ここに所属しておりました男性の職員がDNA型鑑定に当たって不正行為を繰り返していたという事案があります。科学捜査の重要性が増す折、警察の捜査の信頼性を根底から揺るがす極めて深刻な事態だと思いますけれども、あかま国家公安委員長に聞きます。短く、国家公安委員長はどういうふうに受け止めているのか、一言で答えてください。
○国務大臣(あかま二郎君) 今、杉尾委員おっしゃるとおり、DNA型鑑定はまさに客観証拠に基づくまさに重要な捜査の柱の一つであり、その中にあって不正な事案が生じたこと、このことは重く受け止めなければならないし、まさに国民の警察に対する信頼失うものだというふうに思っております。 これら今まさに検証作業でしている中でありますが、これを踏まえてしっかり再発防止にも取り組んでまいるよう、また警察を指導してまいりたい、そういうふうに思います。
○杉尾秀哉君 検証作業中、警察庁の特別監察中ということなんですが、当初、佐賀県警は、改ざんが百三十件あったけれども、捜査や裁判には影響はない、こういうふうに説明しておりました。ところが、先週の二十七日にこの特別監察の中間報告が出まして、佐賀地検への送致事案が新たに九件判明するなど、県警との説明に食い違いが生じております。 この調査結果が異なっているというのは、県警の方で事実関係を隠していたか、あるいは調査自体が余りにずさんだったか、どちらかしかないというふうに思うんですが、警察庁、お答えください。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 委員御指摘の特別監察につきましては、対象職員が単独で実施した全ての鑑定に対してその確認を行うこととしているところ、まずは佐賀県警が不適切と判断したDNA型鑑定百三十件の確認を行っており、先般、その進捗状況を中間的に公表をしたところでございます。 当該百三十件につきましては、本来犯人ではない方を検挙したなどという捜査への影響はなかったことが確認をされております。また、この特別監察におきましては、当該百三十件のうち二十五件の鑑定結果を検察庁に送致していると認めた一方、佐賀県警の調査では十六件とされているところでございます。 警察庁としては、現在もこの特別監察を実施している途中でございますので、送致件数が異なっている理由を申し上げることは困難であるということでございます。 いずれにしましても、早期に特別監察を終えまして、その結果を公表する必要があると考えております。
○杉尾秀哉君 特別監察終わっていないのに、捜査に影響がなかったって今断言されましたけれども、本当にそうなんですか。 この元職員が担当していたの、六百四十三件あったんですよ。なぜこれほど大規模な不正が行われたのか、目的、動機、そして手口、さらには検証に必要な資料そのものが残されているかどうか、これ短く答えてもらえませんか。
○政府参考人(重松弘教君) お答えいたします。 この度の不適切な取扱いの目的、動機あるいは手口ということでございますけれども、佐賀県警が調査したところによりますと、例えば、当該職員の経験上、DNA型が検出されないだろうというふうに考えて、検査の実施を装ってDNA型は検出されなかったなどとしたり、作業が遅いということを指摘されることを避けるために、鑑定作業の終了後に決裁を上げる際に実際の作業日を別の日付に書き換えたり、あるいは、鑑定作業の実施後、その資料の残余を紛失したために別の資料を返還するといったものがあったというふうに承知をしております。 資料につきましては、佐賀県警によれば、当該職員が単独で実施した鑑定、これが六百四十三件なんですけれども、このうち百二十四件が保存をされ、これらについては再鑑定を行っており、また、それ以外のものについては、鑑定で全量を消費したり、あるいは事件の終結等に伴って廃棄等をしたものだというふうに承知をしております。
○杉尾秀哉君 今の説明を聞いていると、とても科学捜査とは思えないですよね。しかも、資料って、残しておかなきゃいけないんでしょう。後で検証ができないでしょう。それがほとんどやっぱり破棄されて、ないということなんですよね。 これ、程度の差こそあれ、これは、佐賀県警のケースというのはちょっと異常かもしれませんけれども、全国のケースでも同じようなことがなかったのか、不正はなかったのか、起きるべくして起きた、こういう不祥事じゃないかと言う人もいます。 全国の警察が実施をしたDNA型鑑定というのは二十五万件だそうですけれども、去年、今回の件を契機に、ほかの都道府県警察でも同様のことがなかったのか、警察庁として調べたのか、対応を聞きます。
○政府参考人(重松弘教君) 現在、他の都道府県警察におけるDNA型鑑定に関して、同様の事案の把握はございません。 警察庁では、通達を発出し、都道府県警察に対して、鑑定における不正を防止するための対策を早急に講じるとともに、その取組状況を点検の上、報告するように指示をしているところでございます。 また、今後、この佐賀県警に対する特別監察の結果も踏まえながら、他の都道府県警察の科学捜査研究所についても順次監察を実施していくなどして、業務の適正確保を図っていくこととしておるところでございます。
○杉尾秀哉君 まず、この佐賀県警の事案ですけれども、徹底的に解明しなければいけません。今行われている警察庁の特別監査で本当にいいのか、地元の弁護士会、そして日弁連、それから佐賀県議会も全会一致で第三者による調査を求めております。 これ、二問に分けておりましたけれども、あかま国家公安委員長にこれ一問にまとめて聞きますけれども、これ、第三者による調査がやはりどうしても私は必要だというふうに思うんですね。欧米でこうした事案が起きれば、例えば冤罪だとか警察不祥事、やっぱり第三者機関で調べるんですよ。 公安委員会という組織ありますけれども、これ、言ってみれば身内のようなもんで、私ずっと警察の取材もしておりましたが、公安委員会が自浄能力を発揮して不正を暴いたなんということは、ちょっと私の記憶の限りはない。川崎のあのストーカー殺人、おとといも聞きました、この報告書も極めて私は不十分だったと思います。そして、何よりも、直近では大川原化工機の冤罪事件、これ深刻な冤罪事件ですよ。これも第三者の検証を求めているんだけれども、これもやっていないんです。 こうした失墜した警察の信頼を回復するには、第三者機関、第三者による調査をするしかないと思うんですけれども、あかま大臣、大臣じゃなくて国家公安委員長、答えてください。
○国務大臣(あかま二郎君) 第三者によるという、調査をという話でございますけれども、まず佐賀県警察においては、この案件があって、県民を代表するまさに独立の合議体として設置された佐賀県公安委員会の管理の下、数次にわたる指導を受けながら実施しておるものと承知をしております。 あわせて、警察庁が行っている特別監察においてでございますけれども、DNA型鑑定の専門家を派遣するなどして実施しており、その過程において外部の有識者からの助言をいただいておりますので、警察庁としてもしっかりと特別監察を行うこと、これを徹底してまいるとともに、警察庁において実施すること、これを、まずは大事なんだろうというふうに思っておりますけれども、結果というものが出てきた段階で、また国民の信頼回復に向けた取組というものをしっかりしていくこと、このことをしっかり警察、指導していくこと、ここもまた更に大事なことだというふうに思っております。
○杉尾秀哉君 第三者機関による調査をこういう深刻なケースは必ずやっていただきたい。 それから、これはもう聞きませんけれども、このところ警察官それから職員の不祥事が相次いでいまして、懲戒処分が今年の上半期、去年の同期に比べて、同時期に比べて四十人も増えている。そして、警部補が、先ほど話もありましたけれども、トクリュウ、スカウトグループですか、ここに捜査情報を流して、これで逮捕されて今事件捜査中なんですよね。警察の信頼回復というのは今後この委員会でも度々取り上げてまいりたいと思います。 残りの時間は大阪の万博の工事費の未払問題、不払問題なんですが、まず、赤澤大臣、来ていただきました。根本的なこと聞きますけれども、この大阪万博というのは国家プロジェクトとして行われたかどうか、これだけ答えてください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 国際博覧会、いわゆる万博は、BIE条約、国際博覧会条約に基づき、万博を開催しようとする国の政府がBIEに開催計画を申請し、認められることが必要でございます。各国に対する参加招請も、開催国の政府から外交ルートを通じて行うこととされています。 大阪・関西万博についても、日本国政府として万博開催のための申請を行い、BIE総会で承認されたものであり、日本国として開催する国家的なプロジェクトであると認識をしております。
○杉尾秀哉君 特措法の第一条にも、国家的に特に重要な意義を持つと、こういうふうに書いてあります。国家プロジェクトです。 ところが、おととしの夏頃から、この万博の開催に当たってパビリオンの建設遅れが大きな問題となっておりました。二三年の夏、当時の岸田総理が、準備状況が厳しいということで作業の加速を指示しております。私が前面に立つ、こういうふうにもおっしゃっていた。また、大阪府の吉村知事、中小の建設業者を集めて協力を求めました。 ところが、このパビリオン建設がぎりぎり、ほぼ間に合ったんですけれども、当初の工程表よりも大幅に遅れていた。このスケジュール遅れの最大の原因は誰にあるんですか、どこにあるんですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 海外パビリオンの建設については、当時、ドバイ万博の開催が一年延期をされたことに伴う参加国による設計等の遅れや、国内の資材価格高騰、人手不足などの課題が顕在化し、開幕までの完成が楽観できない、楽観視できない状況にあったものと認識をしております。海外パビリオンについては、参加国が自ら選定した事業者との契約に基づき、その工事についても参加各国が責任を持って対応されたものとも承知をしております。 こうした中で、政府としては、パビリオン建設等の準備を円滑に進めるために、参加国、建設事業者のそれぞれから事情や考え方を伺う体制を整備した上で、参加国及び建設事業者への支援を行っていたところでございます。博覧会協会においても、各国へのきめ細やかなヒアリングを通じて、開幕に影響が及ばないよう全体の工程調整を行っていたものと承知をしております。
○杉尾秀哉君 いやいや、それがうまくいかなかったからこういうことになっている。そして、しわ寄せがこういう下請の業者に来たということなわけでしょう。 工事費の未払が万博開催中から問題となっておりました。元請の一つであります外資系のイベント会社、GLイベンツ社というのがあります。先週の衆議院の経産委員会の質疑でも行われておりましたけれども、取り上げられておりましたけれども、建設業法違反の疑いが指摘されています。そもそも、こうした業者が元請になったこと自体、これが不適切だとは思いませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御指摘の支払問題が発生している海外パビリオン、これ参加国と事業者との契約に基づき、参加国の責任で自ら建設するものであり、博覧会協会、これ契約の当事者ではないと承知をしておりまして、この問題については、一義的には契約の当事者間における問題と考えておりますが、一方で、政府及び博覧会協会としては、民民の問題であるため全く関与しないとの立場は取っておらず、引き続き、関係行政機関とも連携をし、個別の契約の問題解決に向け、後押しをしてまいりたいと思っております。
○杉尾秀哉君 これ、参加国が契約をしたので、民民契約とは言わないとは言っておりますけれども、ほぼ人ごとのようですよね。 二〇二四年四月、万博協会人権方針というのを策定、公表しております。デューデリジェンスですか、の実施、ステークホルダーとの対話等々書かれておりますけど、今回の未払、不払問題というのは、この協会の人権方針に反していませんか。いかがですか。
○国務大臣(赤澤亮正君) 博覧会協会としては、海外パビリオンの建設工事代金の支払問題について、一義的には契約の当事者間における問題であるものの、公正な取引慣行の観点から重要な課題であるとも認識をしており、慎重に関係者からヒアリング等を行っているものと承知をしております。これらの取組は、博覧会協会が定めた人権方針にも整合していると考えております。 その上で、繰り返しになりますが、政府及び博覧会協会としては、民民の問題であるため全く関与していないとの立場は取っておらず、引き続き、関係者の声を伺いながら、関係行政機関とも連携をし、個別の契約の問題解決に向け、後押しをしてまいります。
○杉尾秀哉君 それが、その後押しがまだ全くされていないというか、できていないんですよね。結果が出ていないんですよ。この人権方針というのは、国連のビジネスと人権に関する指導原則、これに基づいているものです。 さらに、おととし策定されました責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドラインというのがあります。ここに、救済という項目があります。その中に、救済の具体例として金銭的な補償というのが挙げられておりますけれども、経産省の見解伺います。
○国務大臣(赤澤亮正君) 御指摘の支払問題が発生している海外パビリオンは、参加国と事業者との契約に基づき、参加国の責任で自ら建設するものであり、博覧会協会は契約の当事者ではなく、立替払などを実施する立場にはないものと考えております。 他方で、博覧会協会は、御指摘のガイドライン等を踏まえて、人権に関する通報受付窓口等を設置し、相談があった事案については、個別にヒアリングを行い、行政相談窓口を紹介するなど、個別の問題解決に向けた後押しを行っており、国際規範や御指摘のガイドラインに反しているとは考えておりません。 これまで同様、引き続き、関係者の声を伺いながら、相談いただいた事案について事実関係を確認するとともに、博覧会協会や関係行政機関とも連携をし、個別の契約の問題解決に向け、政府としても後押しをしてまいります。
○杉尾秀哉君 今、国際規範、ガイドラインに反していないというふうにおっしゃいましたが、本当ですか。よく読むと、これ全く反していますよ、やったことが。本当にそういう答弁でいいんですか、どうぞ。
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。 御指摘のございましたガイドラインにつきましては、救済につきましては、企業は、自社が人権への負の影響を引き起こし、又は助長していることが明らかになった場合、救済を実施し、又は救済の実施に協力すべきであると、他方で、自社の事業、製品、サービスが負の影響と直接関連しているのみの場合は、その企業は、救済の役割を担うことはあっても、救済を実施することまでは求められていないというふうに定めがございます。 現在、博覧会協会が実施している中身につきましては、この事業としての定めというものに当たるかどうかというところも定かではないわけでございますが、協会としましては、このときの、補完的な役割である、関係者との間からのヒアリングの実施、関係機関への情報の提供等々による解決の促進ということは実施しているところでございまして、このガイドライン及び国際規範には即したものになっているというふうに認識してございます。
○杉尾秀哉君 ちょっとそれは違うと思いますよ。 それから、そのヒアリングをしているというふうにおっしゃいますけど、もうそういう段階じゃないでしょう。実際にもう業者倒産しちゃっているところもあるんですよ。倒産の危機にある。しかも、もうすぐ年末ですよ。年越せないという、こういう深刻な状況を本当に分かっているのかどうなのか。我々はこの問題を放置できないというふうに考えております。 そこで、工事契約に基づく債権の買取りを特措法の中に協会の特別業務と、こういうふうに位置付けまして、協会に下請への立替払、万博協会ですね、で今問題になっている業者の立替払をして、その債権を協会が行う、回収業務を行わせる、こういう議員立法を準備しております。 昨日、骨子もお送りしました。この評価を大臣、聞かせてください。
○国務大臣(赤澤亮正君) 委員から御提案のあった議員立法についてはまだ提出されておらないものと承知しておりまして、もとより立法府の場で議論されるべきものであるため、法案の評価について、今政府の立場からお答えすることは差し控えたいと思います。 海外パビリオンの工事代金の支払の問題については、企業間の取引実態は個々様々であり、契約当事者間で金額等についての見解の相違がある中、実際に訴訟に発展している事案も存在するものと認識をしております。 その上で、御指摘のあった論点について一般的な観点から申し上げれば、博覧会協会が個別の契約の詳細や取引実態など正確な事実関係を把握することには限度があり、立替払を行うべき債権の特定や額の合理的な算定が現実的には困難であること、また、そのために必要な文書又は物件等の提出を求める機能は裁判所等が有していること、仮に、協会として立替払を行うべき債権の特定、額の算定を行わず、被害を訴えている事業者の申告額だけを採用し買取りを行った場合、申立てを行おうとする者が際限なく広がり、甚大なモラルハザードが生じる可能性があることに留意する必要があると認識をしております。 他方、政府及び博覧会協会としては、民民の問題であるため全く関与していないとの立場は取っておりません。引き続き、関係者の声を伺いながら、関係行政機関とも連携し、個別の契約の問題解決に向けて後押しをしてまいります。
○杉尾秀哉君 時間になりましたからやめますけれども、万博の特措法十六条の二号に、準備及び運営に附帯する業務というのが明記されているわけです。これ、広く解釈すれば立替払できると思います。モラルハザードを起こすというのは、余りに業者に対して冷たいんじゃないでしょうか。 冒頭申し上げました、これ国家プロジェクトとして参加をして、しかも死ぬ思いをして準備期間に間に合わせたその業者が、なぜ倒産しなきゃいけないのか、なぜこんな事態になっているのか、本当に事態をもっと深刻に考えて直ちに救済策取っていただくことをお願いしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。 選挙区は茨城県になりまして、私、長く労働組合の役員として務めてきましたので、その点について、るる質問させていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。 まず初めに、物価上昇を上回る持続的な賃上げの環境整備について伺っていきたいというふうに思います。 城内大臣より、所信的挨拶の中で、賃上げ環境整備とスタートアップについては、それらの担当大臣として、成長戦略において、物価上昇を上回る賃上げが継続する環境整備や、世界に伍するスタートアップエコシステムの構築を進めますというふうに述べられておりました。まず、この賃上げ環境整備についてお伺いしていきます。 厚生労働省が十一月二十五日に発表されました統計調査によりますと、実質賃金、前年同月比で一・三%の減少、九か月連続のマイナスというふうになっております。歴代の政権においても、経済の好循環が起きている、また起き始めているといったフレーズを使ってきておりますが、現実的には、この好循環を起こす設備や人への投資というところは始まったばかりで、まだ定着までに至っていないというふうに考えています。物価の上昇を上回る賃金上昇がまだ追い付いていない。使用者側から見ますと、持続的に賃上げができるかどうか、また労働者側から見ても、賃上げがこれから先も続くと楽観視できない、その先行きが見えない状況の中におります。 そこで、城内大臣にお伺いします。 今のこの実質賃金のマイナスの状況の要因、どのように分析され、そしてこれから反転させる対策についてお持ちか、見解をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(城内実君) 堂込委員におかれましては、カンボジア議連では事務局長をやっております、私、いつもありがとうございます。 お答えしますが、物価上昇を上回る賃上げの実現に向けて継続的に賃上げをできる環境を整えることこそが政府の役割というふうに認識しております。政府はこれまでも、価格転嫁、取引適正化、生産性向上支援などを通じまして、中小企業・小規模事業者の皆様を後押ししてきております。 なお、十一月二十一日に閣議決定いたしました経済対策におきましても、まず、官公需を含めた価格転嫁、取引適正化を徹底すること、二つ目は、政府全体で一兆円規模の支援を行い、基金も活用して、賃上げに取り組む中小企業・小規模事業者の成長投資等を後押しすること、さらには、重点支援地方交付金の中で、中小企業・小規模事業者の賃上げ環境整備などの推奨事業メニューを強化することなどを行うこととしております。 その裏付けとなる補正予算の早期成立を図ってまいりますが、さらに、来年夏に予定しております日本成長戦略の取りまとめに向けて、これらの賃上げ環境整備に向けた施策を更に充実強化することについて検討を進めてまいります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 この後、二点目で質問させていただこうと思っていた中小企業・小規模事業者の部分ですね、またこの先も続けさせていただきますが。 続いて、今のこの円安傾向、落ち着いてきている状況ではございますけれども、この実質賃金のマイナスにこの為替の影響も加味されているのかどうかというところなんですが、改めてですが、この実質賃金、これをプラスに反転させる、また安定的にプラスで推移させるための見通し、具体的な見通し、なかなかお示しできないと思いますけれども、この目標時期を明言いただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(城内実君) お答えします。 まず、消費者物価指数、これがこのところ三%程度の上昇率が続いておりますが、米を始めとするその食料品価格が主因となっておりまして、また、既往の円安進行等によります輸入原材料価格の上昇も押し上げに寄与している面もございます。足下は、前年同月比の輸入物価は下落傾向で推移しておりますが、為替を含めて今後の動向を引き続き注視してまいります。 一方は、賃金は堅調な増加が続いてはいるものの、確かにその足下では物価上昇に追い付いておりませんので、賃金上昇が物価上昇を上回る状況を実現すること、これは極めて重要であるというふうに認識しております。 なお、骨太方針二〇二五等では、二〇二九年度までの五年間で、日本経済全体で年一%程度の実質賃金の上昇、すなわち、持続的、安定的な物価上昇の下で、物価上昇を一%程度上回る賃金上昇をノルムとして定着させるということが閣議決定されておりますので、実質賃金のプラス化が実現、定着するまでには一定の時間を要するというふうに認識しております。 繰り返しになりますけれども、政府としては、来年夏に予定しております日本成長戦略の取りまとめに向けて、様々な経済動向等を踏まえまして、賃上げ環境整備に関する施策を更に充実強化することについて具体的な検討をしっかりと進めてまいります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 夏に向けての成長戦略に関するお取組がこれからもるる議論されていく中だというふうに思いますけれども、環境整備に努めるというこの抽象的な表現においては、使用者側、事業者側も労働者側も不安に十分に応えられないという状況に今なおあると思います。来年春の春闘もございますけれども、この経済の好循環と生活実感との乖離、このギャップを埋める取組については、是非、施策を短期的また中期的に見て、実質賃金の改善により明快な方向性を示していただくことを是非期待していきたいというふうに思っております。 次に、質問に参ります。中小企業・小規模事業者の賃上げと設備投資、また人手不足対策について伺っていければというふうに思います。 先ほども触れていただきました、十一月二十一日に閣議決定をされております強い経済を実現する総合経済対策、こちらにおいて、価格転嫁対策の徹底や中小企業の稼ぐ力の強化、省力化投資支援等に加えて、重点支援地方交付金、この拡充を通して、中小企業また小規模事業者が賃上げや設備投資に踏み出せる環境を整備するというふうにされております。 私は、とりわけ地域、地方に重要なこの中小企業・小規模事業者、これ支えていただいておりますこの人手不足の問題、大変深刻だというふうに考えています。これを後押しする施策が重要ではないかというふうにも付け加えさせていただきます。 私と同じ問題意識からだとも推測しますが、今年の六月五日に参議院の経済産業委員会の中で平山佐知子先生が、省力化投資補助金の活用状況、これ芳しくないというようなお話を伺って、指摘をされております。そこから半年が既に経過しておりますが、この間のこの補助金の活用状況、どう改善されたでしょうか。また、この補助金のほかにも、中小企業・小規模事業者の人手不足の問題について今後どのような政策を講じていくのか、是非、経済産業省、これ参考人で結構ですので、御答弁お願いいたします。
○政府参考人(山崎琢矢君) お答え申し上げます。 委員御指摘の、今、省力化投資補助金は、人手不足、中小企業の人手不足解消に効果がありますこのロボット、さらにはIoT、そういった設備、システムの導入を支援する制度でございます。六月五日に答弁をしましたとおり、汎用製品をカタログから選択するカタログ注文型、それに加えまして、今年度から新たにオーダーメードに対応できる一般型を開始するなど、中小企業の皆様方に広く御活用いただけるよう制度改善に取り組んでいるところでございます。 委員御指摘の六月五日の参議院経産委員会の答弁以降も改善に取り組んでございます。例えば、カタログ注文型、今申し上げたカタログ注文型におきまして、このやはりカタログ製品を増やす、カタログを販売する事業者を増やすことが重要でありまして、そのため、販売実績がなくても一定の条件の下で販売事業者として登録することができると、こういった制度を開始したところでございます。 また、周知の強化にも取り組んでおりまして、SNSやメールマガジンを通じた幅広い発信に加えまして、新聞社と連携した業種別の説明会、こういったものも実施をさせていただきました。こういったその周知広報を積極的に行っているところでございます。 こうした取組によりまして、今年の十一月末時点において、この補助金の申請者数は、先般六月に答弁をした時点と比べまして、五月末と比べまして三倍になるなど、支援の活用は徐々に進んできていると認識しております。 一方で、中小企業の人手不足は委員御指摘のように引き続き深刻な課題であるというふうに認識しておりまして、本年六月に策定をしました省力化投資プラン、こちらを踏まえまして、関係省庁と連携しながら、省力化に資する支援施策の周知、優良事例の情報提供、こういったものを行うとともに、やはり伴走支援が大切でありまして、人手不足に対するきめ細やかな伴走支援を強化をしていくというふうに考えてございます。 今般の経済対策におきましても、プッシュ型による伴走支援体制の強化、こういったところも盛り込んだところでありまして、こうした施策を通じまして、中小企業・小規模事業者の人手不足対策を全力で応援してまいりたいというふうに思ってございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 省力化投資補助金の活用状況、三倍に増えているということですが、まあそもそもの多分母数が、母数といいますか、数が少ないということになると思いますので、是非その点、現場からはまだやはり使いにくいであったりとか、そもそも申請する人手が足りないという状況にあります。集客型の説明会では恐らく行き届かないところも、点もたくさんあると思いますので、その点是非きめ細やかな支援が不可欠だというふうに思っています。さらに、現場の負担や実行可能性に寄り添った取組を、引き続きお取組をお願いしたいというふうに思っています。 続いての質問に入りたいと思います。 賃上げの波及効果が及びにくい産業に携わる方々の処遇改善についても、この日本の賃金の底上げを図る上でも重要だというふうに考えています。私、茨城県の地元ではございますが、国内最大規模の競走馬の調教施設がございます。JRA美浦トレーニングセンターがあります。ここに労働組合が、厩務員の皆さんの労働組合もあります。そこで、本日は、競馬の世界で日々頑張っておられる厩務員の方々の処遇改善についても触れさせていただければと思います。 令和四年秋の臨時会で、競馬法の一部を改正する法律案について、参議院の農林水産委員会は附帯決議、付しております。この附帯決議において、競馬における職場環境の整備や人材の確保が競馬の魅力の更なる向上に果たす役割に鑑みて、警備員や厩舎で雇用される厩務員なども含めた全ての競馬事業に従事する者の社会保険の加入や競馬主催者間の賃金格差の縮小といった処遇や職場環境が改善するよう努めるといったものが明記をされております。 この附帯決議が付されてから三年以上が経過しているわけでございます。この間、厩務員の方々の処遇改善に向けてどのような取組を行ってきたか、またどのような成果を上げてきたのか、また今後どのような取組を行っていくのかというところを政府参考人に答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(関村静雄君) お答えします。 農林水産省としましては、日本調教師会と厩舎従業員の労働組合との労使間交渉について直接関与する立場にはありませんが、附帯決議を踏まえ、農林水産省では、競馬主催者である日本中央競馬会に対し、調教師と厩舎従業員の労使双方が納得する賃金体系に向けました円滑な交渉など、厩舎従業員の処遇改善の取組を促してきたところでございます。 これを受けまして、日本中央競馬会では、日本調教師会と厩舎従業員の労働組合の双方で設置される懇談会の場に参加し円滑な交渉を促すとともに、健全な厩舎運営への補助として交付されます厩舎運営奨励金の増額により厩舎従業員に対する各種手当の増額への取組を支援するなど、処遇の改善に向けた取組を行っていると承知しております。 今後とも、労使間交渉の状況や厩舎従業員の処遇に関する状況を注視しつつ、附帯決議も踏まえ、日本中央競馬会とともに処遇改善の取組を促してまいります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 厩務員の方々は、早朝また深夜の勤務も多くて、労働負荷が大変高い職場環境になっております。また、休日も少ないという状況です。こうした中で、働く職場環境としては、また働く職場としては選ばれない業界になってきているというのは、これはもう言わざるを得ない状況だと思います。大変苦労されています。 こういった処遇改善、また環境改善の整備、競馬産業全体の持続可能性にも関わる問題になってきますので、是非この辺についても政府からも注視をいただいて、私も取り組んでまいりますが、引き続き関係者間の協力を一層促していただきたいというふうに思いますが、この厩務員の方も今インボイスというのを、適格請求書発行事業者の登録を強制、圧力を掛けられているという状況でもございますので、この点についても引き続き取り組んでまいりたいというふうに思います。 続きましての質問に入らせていただきます。 人材育成、労働市場改革について入っていきます。城内大臣にまたお願いしたいと思いますが、十一月十八日、所信的挨拶の中で、今後、日本成長戦略本部及び日本成長戦略会議において、人材育成、また労働市場改革など分野横断的な課題への対応について、来年夏の成長戦略の策定に向けて精力的に検討を進めてまいりますと先ほども述べていただきました。 また、総合経済対策においても、非正規雇用で働く者を含む幅広い労働者に対する効果的なリスキリング支援に取り組むといったことが明記をされております。 今の高市政権における人材育成、また労働市場改革について、これまでの自民党政権とはどのような点が違うのかというところについても大変関心を持っているところですが、労働時間規制緩和に関するところもそうです。とりわけ、私、働く方々の安心を支えるセーフティーネット、この再構築にも正面から取り組んでいただきたいというふうに考えています。こうした面も含めて、城内大臣の決意表明といいますか、是非いただければというふうに思います。
○国務大臣(城内実君) 日本成長戦略会議では、分野横断的課題への対応といたしまして、御指摘のとおり、人材育成、そして労働市場改革を掲げております。 どのような点が異なるかということですが、例えば文部科学大臣が取りまとめ担当大臣となっております人材育成につきましては、高市政権が目指す強い経済の実現に向けてイノベーションを起こすことのできる人材を育成するために、高校、大学の改革等について検討が行われているというふうに承知しております。 また、厚生労働大臣が取りまとめ担当大臣となっております労働市場改革についてでありますが、労働生産性の向上に向けたリスキリング支援の在り方や心身の健康維持と従業者の選択を前提とした労働時間法制に係る政策対応の在り方について、したがいまして、働く方々の安心を支えるセーフティーネットの構築も念頭に置いて検討が行われているものというふうに承知しております。 いずれにしましても、日本成長戦略担当大臣で私ありますので、来年夏に向けまして、この人材育成あるいは労働市場改革の分野における政策対応を含め、繰り返しになりますけれども、強い日本経済、これ実現するための日本成長戦略を取りまとめていく考えであります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 人への投資というところはこれまでも多くの政策で掲げられてきた、政権でも掲げられてきたテーマでもありますので、この高市政権としての新しさを明確に打ち出すということが現場への期待にもつながるというふうに考えておりますので、是非その点についても御留意いただければというふうに思いますし、働く人への安心を支えるセーフティーネット、こちらについての再構築についても日本社会の持続性に係る大きなテーマだというふうに考えます。成長戦略と同時並行でしっかりと議論を深めていただきたいテーマだと考えております。 続きまして、質問に移りたいというふうに思います。 次、サイバーセキュリティーなんですけれども、松本大臣の方にお伺いしていきたいというふうに思います。 昨年十二月、JALのサイバー攻撃に引き続いて、本年九月にもアサヒグループホールディングス、また十月にはアスクルへのサイバー攻撃が、比較的影響の大きいサイバー事案が続いております。 こうしたサイバー攻撃を受けてしまった企業に対して、国として、とりわけ本年七月に発足されました国家サイバー統括室としてどのような支援を行っていくのか、質問させていただければと思います。
○国務大臣(松本尚君) 国家サイバー統括室におきましては、このサイバーセキュリティ基本法に基づいてサイバーセキュリティ戦略、これを位置付けております。 今ちょうど見直しの作業をしている真っ最中なんですが、その中においては、この被害を受けた組織の状況を踏まえつつ、官民を含む中においてこの情報収集と、それから被害全体像の把握に現在努めているところです。これはもう常にそういう状態でいます。特に、ランサムウェア等のサイバー攻撃が行われたときに、この攻撃がどんな特性を持っているか、あるいはそれがどれぐらいの深刻度なのかというようなことも含めて、しっかりと被害の拡大を防ぐために、当該組織であるとか、あるいはそれ以外の業界の方に向けて情報提供や注意喚起を行っているところです。 とりわけ注意喚起、これは是非みんなで共有していただきたいんですが、常にパスワードを新しいものにしておくとか、あるいはバックアップをちゃんと取っておくとか、あるいはシステムを最新にしておくとか、あるいはセキュリティーの責任者を置くとか、こういったことをしっかりとやっていただきたいですし、バックアップも自分の中で、自分の組織の中でバックアップ取っておいても、恐らくそれが本体とつながっているとそれも一緒にやられてしまいますから、バックアップの取り方についてもいろいろと注意が必要だと。 このような注意喚起をしっかりやりながら、民間企業においてもサイバーセキュリティーのリテラシーを高めていただくということを期待したいというふうに思っております。
○堂込麻紀子君 リテラシーも高める必要性がありますし、また、相次ぐサイバー事案の発生に鑑みますと、このサイバー対処能力強化法に基づく官民協議会、この設置、これは来年の秋頃を予定しているというふうに周知しておりますけれども、これを可能な限り前倒しすべきではないかというふうにも考えます。 今後のスケジュールの見通しと、また制度設計に関するルーティンについても大臣からお伺いできればと思います。
○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。 サイバー対処能力強化法に基づくこの協議会につきましては、政府の保有する秘匿性の高い情報について事業者に有益な情報を提供する、そういった会議体でございます。したがって、秘匿性が高いゆえ、慎重にここは協議会の構成というのを進めていきたいということで、来年の秋までには施行すると、スタートするという予定で今作業を進めているところです。 これについては、私も非常に高い関心を持っていますので、構成員をどうするか、当然、この目的とか役割に高い認識を持っていただいている事業者さんとか入っていただかなきゃいけませんので、そういったところは慎重に選びながら作業を進めてまいりたいと思っております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 サイバー被害を受けた企業からは、まずどこに連絡すればいいのか分からないという声も上がっていると思います。そうした迅速な支援体制の明確化、どこに連絡をするのか、こういった官民が円滑に情報共有、環境をこれからつくるんだというふうに思いますけれども、速やかに取り組んでいただければというふうに思います。 また、人材です。人材についても今不足している状況かというふうに思いますので、この点についても今の見解をいただければというふうに思います。
○国務大臣(松本尚君) ありがとうございます。 このサイバーセキュリティーに関する人材の育成というのは、これは国家レベルで考えなきゃいけないと思っておりますけれども、現在、我々としては、フレームワーク、人材のフレームワークをつくっているところです。どういった領域に対してどれぐらいの人、レベルの人が必要かというのをしっかりとフレームワークをまずつくった上で、民間と一緒になって、そのフレームワークの箱のところに入る人たちをしっかりとつくっていく。で、いろんなところ、政府も含めて、そのフレームワークを見て人材を確保していくというような、そういうスキームを今考えているところでございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 こちらも、官民連携で人材の量と質の両面に取り組む必要があるというふうに考えます。特に、実践的スキルを持つ人材、この不足が顕著だというふうに捉えていると思いますので、教育機関、また企業、また政府の連携強化が期待されます。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 最後に、スタートアップについて触れさせていただければというふうに思います。城内大臣になります。 我が国のスタートアップは、数と投資額の両面でベンチャーキャピタルや大企業が集まる東京に集中してしまっているといった課題も、これ政府も認識されているというふうに思います。これを解消するための取組も進んできている状況かと思いますが、令和四年十一月におかれましても、スタートアップ育成五か年計画、これが決定されて以降、こうした課題の解消で何か成果が出ている点があるのかどうか、仮に明確な成果が出ていないとすれば、今後どのような政策に注力し実現していくのか、是非、城内大臣からいただきたいと思います。
○国務大臣(城内実君) 堂込委員御指摘のとおり、スタートアップの多くは、ベンチャーキャピタルや大企業が集中しております東京、ここに集まっていまして、他方で、これまでの取組もありまして、近年、大学発スタートアップの過半が東京以外での創業となる成果も生まれております。 例えば、スタートアップを支援する枠組みであるスタートアップエコシステム拠点都市の取組、これを進めておりまして、第一期の取組としては、令和二年、二〇二〇年、対象拠点を八都市に定めまして、また、今年の七月に第二期として十三都市へと拡大しております。そして、それらの地域と海外のネットワークとの連携を強化するほか、地域の社会課題解決の有力な担い手となる高専発スタートアップの創出や大学発スタートアップの育成など取り組んでおります。 また、先日、新たに立ち上げられました日本成長戦略本部の総理指示に基づきまして、分野横断的な課題の一つにスタートアップ政策が入りました。その手始めとして、十一月二十一日に策定いたしました総合経済対策におきましては、先ほど申しました大学発、高専発スタートアップや起業家人材の育成による地域のイノベーション創出といった諸施策を盛り込んだところであります。 今後、更に検討を進めまして、来年夏に取りまとめる成長戦略において、世界に伍するスタートアップエコシステムをつくり上げ、持続可能な経済成長と社会課題解決を両立させる方針を明確化していきたいと思っております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。時間も迫っております。 地方を元気に活力あるものにするには、このスタートアップというのがすごく鍵になってくると思いますので、引き続きお取組をよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○司隆史君 公明党の司隆史です。 本日、二回目の質疑ということなんですけれども、本日まで先輩議員の皆さんのもう幅広く鋭い御質問をお聞きをいたしまして感じていることがございます。多様化する社会課題におきまして、その課題に挑むこの内閣委員会の可能性、本当に無限大だなと思います。そして、そこに挑む私の情熱も無限大です。元気いっぱいに今日も頑張っていきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 まず、所信に関する幾つかの内容についてお伺いをさせていただきたいと思います。 昨日、参議院の本会議におきまして決算の報告がございました。税収増ということでございましたけれども、国民の皆さんはその実感を得ておりません。特に、現役世代、就職氷河期世代の方は、子育てや老後、親の介護など、社会保障に係る費用に不安を感じております。もちろん、財源もしっかり議論をしていくこと必要ではあるんですけれども、まずは目指す社会保障を国民の皆さんに明確に示していただき、未来に安心をお届けすることが一番重要ではないかと思います。安心があってこそ力を発揮できる、そこから経済成長があるのではないかと思っております。 社会保障に関しましては、これまで自公政権の中で、全世代型社会保障の方針で充実を図ってまいりました。自民党の皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。 その上で、公明党は、今後、医療、介護、教育など、生きていく上で必要な、不可欠な公的サービスに誰もがアクセスできる権利の保障を目指す、いわゆるベーシックサービスの考え方に基づいて、弱者を生まない社会づくりを掲げております。高市政権は、社会保障は、夢と希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤であるということで、大賛成でございます。 城内大臣、大臣が思うあるべき社会保障、是非大臣の夢を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(城内実君) お答えします。 社会保障、これは、国民お一人お一人がその夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていくための基盤でございまして、司委員御指摘の国民の安心のための社会保障という思いは私も全く同じく共有するものであります。 その上で、私としましては、全ての世代でやはり能力に応じて負担し、そして支え合い、必要なサービスが必要な方に確実に、また適切に提供される全世代型社会保障の構築、これが重要であるというふうに認識しております。 あらゆる世代が、あらゆる世代、誰もが将来に不安を抱くことなく、地域で支え合いながら暮らしていける社会、そして安心の上に希望が生まれ、次の世代が将来に夢を描ける温かい社会保障を、司委員の御指摘も踏まえましてしっかりと実現してまいりたいと考えております。
○司隆史君 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたように、必要な方に必要なサービスという点で、本当に所得が中間層も含めて大変な状況になっておりまして、その対象というものは、私申し上げているとおり、誰もが享受すべき社会保障という観点で、しっかりと今後、前に進めていっていただきたいなと思っております。 続いて、財源についてです。 財源ありきの議論ではなくて、今申し上げたように、目指す社会保障があって、それをどう実現をしていくか、その上でどう財源を確保していくかということ、その順序であり、方向性が大事だと思っております。 公明党は、社会保障を、まず保障費、まずしっかりと削減するという方向性は、予防介護、また予防医療という観点でしっかりと取り組むとともに、財源の、財源増としては、経済成長だったり、また税制の、税制改革ですね、等を取り組みつつ、新たに掲げておるのは、財源を生み出す政府系ファンド、投資による財源を増やしていこうという創設も訴えております。その上で、その上で、現役世代をしっかりと応援する負担軽減とか、また住まいも含めた、住まいの保障も含めた社会保障等も提案をさせていただいております。 政府として、目指す社会保障という観点からのこの財源の確保、どのように考えていらっしゃるか、お伺いできますでしょうか。
○国務大臣(城内実君) お答えします。 社会保障改革につきましては、御指摘のように、予防等を通じた社会保障費の抑制、そして経済成長を通じた財源確保、そして現役世代の安心実現、これいずれも重要な観点と考えております。先般、公明党、日本維新の会、自由民主党の三党合意にも、こうした観点からの施策が盛り込まれているというふうに承知しております。また、全世代型社会保障改革を担当する大臣といたしまして、厚生労働大臣などと連携し、こうした改革を進めてまいる考えです。 なお、社会保障改革を進めるに当たりましては、やはり何といっても、人口減少の本格化、少子高齢化の進展に加え、物価上昇という新たな社会経済局面を迎える中で安心して必要なサービスを受けていただく体制を確保すること、これが非常に重要でありますし、また同時に、社会保障関係費の急激な増加に対する危機感や、現役世代を中心とした過度な負担上昇に対する問題意識の高まりに対応していくことが必要だと考えています。 このため、高市内閣におきましては、社会保障制度における給付と負担の在り方等について、政府・与党だけではなくて、司委員の御所属の公明党を含むその他の政党の皆様と丁寧な議論を進めるための国民会議、これを設置することとしております。その具体的な在り方、議論の内容や進め方は、関係各政党の皆様と今後よく御相談してまいる考えであります。
○司隆史君 ありがとうございます。 一つ一つ方向性について、大きな方向性については共有できる点等多くあるなと思いますし、具体的には国民的に、国民会議、また政党間の会議でしっかり議論をしていくということでございますので、しっかり公明党としても積極的に関わってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 続きまして、今申し上げた財源の中で一つ紹介をさせていただきました住まいの保障という点について、少し掘り下げてお伺いをさせていただきたいと思っております。 住まいは生きていく上でなくてはならないものでございまして、どのような状況にあったとしても、自己責任に委ねるのではなく、社会保障の一環として、低所得の方という限定でもなく中間層まで広げて、また、分譲か賃貸かということも問わず、社会全体で支えていくべき社会保障の一環ではないかというふうに思っております。 しかし、現状は、支援するべき方々であっても、まだまだ住まいの不安を抱えていらっしゃる方が多くいらっしゃる現状でございます。住宅セーフティーネットの制度や家賃支援の拡充など、しっかりと整えていっていただきたいと思っておるんですけれども、現状と今後の取組についてお伺いできますでしょうか。
○政府参考人(井崎信也君) お答えいたします。 高齢者や子育て世帯など誰もが安心して入居できる住宅を確保する観点から、二〇一七年に、希望者の入居を拒まない民間賃貸住宅を都道府県等に登録するセーフティーネット住宅制度を創設いたしました。このセーフティーネット住宅は、直近では全国で約九十七万戸が登録され、うち約二十万戸は家賃五万円以下の比較的低廉な住宅として供給されております。また、横浜市や京都市など六十四の自治体では、地方公共団体と国が協調して、一定の所得以下の方を対象に家賃低廉化の枠組みを設けております。 さらに、住宅セーフティーネット、セーフティーネット住宅制度から一歩進め、居住支援法人と連携して、入居者の見守り等を行う居住サポート住宅制度についても本年十月より開始したところでございます。 現在、居住サポート住宅を含めた家賃低廉化制度の創設や、地域における住宅政策と福祉政策が連携をしました居住支援協議会の設置など、地域の居住支援体制の強化を働きかけております。 これらの取組により、各地方公共団体と国が連携し、様々な居住ニーズに対応した重層的な住宅セーフティーネットが構築できるよう、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○司隆史君 ありがとうございます。 一つ一つ丁寧に制度であったり地方公共団体の取組ということを御紹介をいただいたんですけれども、私の大阪市においても、一時期、子育て世帯の方に家賃保証をすると、支援をするというようなことがあったり、地方公共団体での問題意識を持ってそれぞれ取り組んでいただいているんですけれども、逆に言いますと、地方公共団体の財源の中で、力の中でとどまってしまうという問題点もあると思うんですね。 冒頭申し上げたように、住まいという点は、医療、介護、福祉、教育に含めたこの衣食住の中での一つの大きな柱でもございまして、しっかりと国を挙げて、地方の自治体に委ねるだけではなくて、連携というだけでもなく、しっかりと関与していただいて保障するような、そういった体制を進めていっていただきたいというふうに要望をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 続きまして、社会保障、安定して継続していくためには経済成長が重要でございまして、働く方々の約七割、中小企業でございます。応援をしていくべきというふうに考えております。先ほども質疑あったかと思うんですけれども、高市内閣の成長戦略においても賃上げ環境の整備にしっかり取り組んでいくということでございました。 その中で、明年一月から施行される取引適正化法、中小企業の方は価格転嫁できる環境整備、もうかなり期待も高いです。逆に申し上げますと、これまで価格転嫁、本当に物価の高騰であったり人件費を転嫁していただけないという苦しい声を、お伺いするともう一番最初にいただくお声でございます。今回の取適法の施行をお伝えする中で期待とともにいただくお声というのは、やはりこれは実効性があるのかどうかと、これまで下請法というものもあって、ある程度そういった方向性の法律はある中で今回取適法が施行されるわけでございまして、その実効性ですね、ともかく頑張る中小企業の方に正当に対価を得ていただきたいというふうに思っております。 しっかり中小企業の皆さんに整えるとともに、私は、官公需のこの点においての適正な取引は進めることが大きな皮切りになって、中小企業、民民のやり取りについても変わっていくスタートではないかというふうに思っております。 取適法の実効性、どのように確保されていこうとされているのか、お伺いできますでしょうか。
○政府参考人(坂本里和君) ただいま御指摘いただきました中小企業の価格交渉の状況につきましては、本年十月に行いました調査において、価格交渉が行われた割合は改善傾向にあり、八九・四%ということになっておりますが、一方で、御指摘もありましたように、取引先からの発注減少や取引停止を恐れて交渉を申し出られなかったという方も含めまして、交渉が行われなかった割合は一〇・六%ということになっております。また、同調査の中で、値上げ交渉を行ったが一方的に金額を決められた上に取引停止を示唆されたといった声もございまして、価格転嫁につきましてはその徹底に向けて更なる後押しが必要だというふうに考えております。 取適法におきましては、受託事業者がより価格交渉を行いやすくなるように、受託事業者から価格協議の求めがあったにもかかわらず、協議に応じなかったり必要な説明を行わずに一方的に代金を決定するといったことが新たに法律上の禁止行為として追加をされたところでございます。 こうした点を含めまして、取適法の実効性を確保するために、改正法の内容や運用についての考え方につきまして発注者、受注者双方の事業者の皆様にしっかりと知っていただくことが重要であり、公正取引委員会とも連携をして周知、広報を進めているところでございます。 加えまして、全国三百三十名の下請Gメンによるヒアリング調査、全国四十七都道府県に設置をいたしました下請かけこみ寺における相談対応、また大規模書面調査の実施など実態把握の取組を通じまして、買いたたきや一方的な代金の決定など取適法に違反をするような情報に接した場合には、法律にのっとり厳正に対処していきたいと考えております。 こうした取組を通じまして、中小企業の事業者の皆様が賃上げの原資をしっかり確保できるよう、官公需も含めまして、価格転嫁の徹底に向けて関係省庁一丸となって後押しをしてまいりたいと考えております。
○司隆史君 そうですね、説明をいただいたのはごもっともで、そこの実効性をお伺いしたいという思いでございました。 また、最後にさらっと官公需の付け加えもあったわけですけれども、やはり実効性、しっかりと決まっていることが適正に実行されるかどうかというところです。先ほどパーセンテージの紹介もありましたけれども、私の実感とは大きく懸け離れているなという、私も具体的な数値は出せないんですけれども、そこの部分は本当に実感ベースでは、どの事業者さん、団体さんとお聞きをしても、政府から官公需含めてきっちりと適正な体制を整えていこうという姿勢と熱意、また対応が民民の取引においても反映されていくことが重要だと思いますので、よろしくお願いをいたします。 その方向性、改めて大臣にお伺いしたいと思います。今の取適法の実効性含めて、中小企業、スタートアップの頑張りが報われる環境を是非つくっていっていただきたいというふうに思っております。大臣の役割というのは本当に大きいと感じておりまして、御決意をお伺いできますでしょうか。
○国務大臣(城内実君) 今スタートアップについて御指摘ありましたけれども、これ非常に極めて重要だというふうに思っております。 取適法も大事ですけれども、やはりスタートアップ、これは当面、この政策を裏付ける補正予算の早期成立を図りまして、その上で中小企業・小規模事業者やスタートアップが様々な形で経営力を、経営力強化に挑戦できる環境を整えていくことが大事だというふうに考えております。 なお、日本成長戦略会議で検討する十七の戦略分野での投資促進におきましても、中小企業・小規模事業者やスタートアップの役割は重要であるというふうに考えております。 なお、供給サイドへの支援措置のみならず、規制改革など需要サイドからの支援措置も含めまして、需給両面での総合的な支援策を検討してまいります。 また、分野横断的な課題への対応として、中小企業・小規模事業者の賃上げの環境整備やスタートアップ支援についても、関連する施策の充実強化について検討してまいります。 これらの点を含めまして、先ほど堂込委員でもお話ししたと思いますけれども、来年夏の成長戦略取りまとめに向けてスピード感を持って取り組んでまいります。
○司隆史君 ありがとうございます。 ともかく現場は細かい、何といいますか、個別具体な案件が様々ありますので、しっかりと大臣の取組の姿勢がメッセージとして社会に伝わっていくように、大きい方向性だけではなくて、実効性を持っていただけるようにお願いしたいと思っております。 最後に、民間活力の活用についてお伺いをしたいと思います。 私、市会議員のとき、社会課題の解決に取り組むすばらしい民間活力の方々と出会いました。ある介護事業者は、シニアディスコというふうにいいまして、高齢者の方が青春を思い出していただいて楽しく踊っていただくディスコ企画でございます。本当にこういう、大好評で参加者も多く殺到しておりまして、大阪、また東京の方でも取組があって、これ楽しく介護予防を推進するという取組なんですね。また、アイドルになれる就労移行支援をされている事業者であったりとか、また、子供たちの睡眠を、世界一睡眠不足の子供たちということで、何とか解消したいということで、もうお一人のお母さんから全国規模の法人を立ち上げて広げていらっしゃる方もいらっしゃいます。 そのほかにも、もう概要だけで言いますと、要介護度を改善するために多くの丁寧な体制を組んで、費用も掛かっても取り組む介護事業者の方とか、また障害者の寄り添いについても、本当に障害者に寄り添う取組を続けながらされていらっしゃる方が多くいらっしゃいました。 これらは、高齢化や教育、障害などの社会課題の解決に貢献をする民間活力であります。しかし、その活動は残念ながら、公的サービスの、公的予算の縛りの中で限られたものとなってしまっております。社会課題の解決に貢献するこういった民間活力を正当に評価をし、対価を得るべきであるというふうに感じております。 その意味で、成果連動型民間委託契約の活用、これは貢献に応じてインセンティブを与えるという点で大きな可能性を私感じております。制度の詳細や今後の普及についてどのように進めるのか、お伺いできますでしょうか。
○政府参考人(水野敦君) お答え申し上げます。 成果連動型民間委託契約方式、いわゆるPFSは、社会課題の解決に対応した成果指標を設定し、その成果指標値の改善状況に連動して委託費等を支払う官民連携の手法でございます。医療、健康、介護などの分野を中心に、令和六年度までに三百二十三件の導入実績がございます。 内閣府としましては、PFSの普及促進に向けまして、事例集の公表、セミナーの開催といった啓発活動、それから地方公共団体に対する専門家派遣、それから地方公共団体が実施するPFS事業に対して交付金による支援を行っているところでございます。 今後とも、PFSの普及促進に向けた取組を行ってまいりたいと考えてございます。 以上です。
○司隆史君 済みません、ちょっとレクでやり取りをさせていただいたやり取りがちょっと抜けているなと思うんですけど、一点だけ。 僕は、この成果連動型、いわゆる社会課題を解決する、要介護の高齢者の方が改善をした、そういったことにしっかりと評価をし対価を与えるというところの、その成果の設定というのが物すごく重要だなというふうに思っておりまして、普通の行政の委託というのはある程度の期間と内容でぽっと決まってしまうだけなんですけれども、やはり民間の活力を、課題解決に挑むものをしっかりと評価をするというところがすごく可能性を感じていて、この成果というものの設定はどのようにされるのか、ちょっと追加でお伺いできますでしょうか。
○政府参考人(水野敦君) お答えいたします。 一つ代表的な先行事例ということで申し上げますと、かつて東京都八王子市で実施された大腸がんの早期発見等を目的とした事業がございます。この事業は、大腸がん検診の受診率を成果指標としておりまして、民間事業者のノウハウを活用して、AIによる対象者の抽出やオーダーメードの勧奨通知を送付するといった取組によりまして、受診率が九%から二六・八%に向上したと、こんな事例がございます。紹介させていただきました。
○司隆史君 ありがとうございます。 そうですね、本当にそういった今までにない行政との連動という形の可能性を秘めている制度だなというふうに思っておりますので、是非ともこういった取組を自治体であってもしっかり前向きに取り組めていけるように、私自身の実感としては、そういったものが前向きに回り始めると、社会自体がやっぱり目の前に地域にある課題をこう解決していこう、それがまた仕事となり成果となりということであれば、もっともっとそういった地域の活力というのは出てくるのではないかというふうに感じておりますので、是非今後も質疑させていただきたいと思っております。 済みません、一点ちょっと飛ばさせていただいて、この後NPOの法人の支援ということもお願いをするところでしたけれども、今後改めて掘り下げてお伺いしたいと思っております。 最後に、黄川田大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 所信表明におきまして、社会、地域の課題解決に対して共助の重要性を述べられました。私、今申し上げてきた内容の延長線上になるんですけれども、民間活力の社会貢献、これは共助社会の形成に大きな力となると考えております。しかし、現状はそういった環境にございません。 海外では、こういった民間活力に対して、制度と財源で支えられた社会のインフラ、行政のパートナーとして位置付けているわけでございます。しかし、日本は、善意に頼る、まさにボランティアといった位置付けです。 是非とも、民間活力に対する支援や制度の在り方を転換をしていくべきだというふうに考えております。是非、大臣、その道を開いていただきたい。大臣の御決意をお伺いさせていただきます。
○国務大臣(黄川田仁志君) 少子高齢化や人口減少などの諸課題の解決に当たりましては、司議員御指摘のとおり、行政だけでなく民間の力による共助の重要性がますます高まっていると考えております。 私も、先ほど御紹介ありました高齢者を元気にさせるディスコ、お立ち台で踊りました、はい、そういうことがあります。 政府として、市民や民間の力を発揮していただけるよう、共助の取組を後押ししてまいりたいと考えております。
○司隆史君 ありがとうございました。 以上となります。是非、ディスコ、御一緒に私も参加をさせてください。 ありがとうございました。
○大津力君 参政党の大津力でございます。 本日は、外国人との秩序ある共生社会推進の事業の一環としまして、私の地元であります埼玉県で、いろいろな聞き取り調査の中で浮かび上がってきた、不適切と思われるような外国人によるヤードのことについて主にお尋ねしていきたいと思っております。 埼玉県は六十三の市町村がございまして、選挙が終わってから挨拶回りで各自治体の首長さんに御挨拶をさせていただいていく中で、様々な課題を聞き取りをさせていただいておりました。 その中で、埼玉県の東部地区では、市街化調整区域に無届け、無許可で解体作業をされていると思われるヤードが設置されて、それを注意したところ、もうそのままにして、解体のそのフェンスですとか資材も置き去りにして、いなくなってしまった、そういった事例もありましたり、また、川口市でございましたけれども、資材、そのヤードの作業がですね、夜遅くまで作業されていて、もちろんすぐそれが違反というわけではございませんが、近隣住民からももう夜遅くまで音が鳴ってうるさくて困ると、そういった声も届いていると、そういったお話も聞いております。 そういった中で、今、埼玉県の西部地区では、今度は産業廃棄物の不法投棄というのも明らかになっておりまして、先日、毎日新聞の十一月十九日付けのニュースでございますけれども、解体工事で産業廃棄物を不法投棄したとして埼玉県内の外国籍の容疑者を逮捕したと、それは二・三トンの産業廃棄物であったと、そしてそれは埼玉県の西部の山中に不法投棄されていたと、そういったことも実際に上がってきております。 まずは、先ほど、外国人政策においても実態の把握が必要だということを大臣もおっしゃっておりましたので、まずは、こういった問題に対して政府はどの程度、こういった、ヤードに限らずですね、こうした事業者、解体事業を含めたそうした事業者に対しての状況をどの程度把握しているのか、まずはお尋ねいたします。
○政府参考人(山田好孝君) それでは、ただいまの委員の御質問について、警察の立場からお答えしたいと思います。 埼玉県内で申し上げますと、外国人の解体事業者を廃棄物処理法違反で検挙した事例といたしまして、埼玉県新座市内の家屋解体工事現場におきまして、解体工事に伴って排出された木くず等の廃棄物、約六・二トンでございますが、これを土中に埋めて投棄したとして、令和六年十一月、外国籍の男四人を検挙した事例がございます。
○大津力君 ありがとうございます。 本来でありましたら、例えばどれくらい不適切と言われるようなヤードがどこにあってという、そうした正確な把握が必要だと思っておるんです。今現在そうした細かい数値は取っていないということも事前に聞いておりますので、是非とも、まずは実態把握、本当大事ですから、この分野においてもそういった調査を進めていただきたいと思っております。是非これ要望させていただきます。 そして、この解体業においてでございますが、これは、外国人の方が、経営されている方から聞いた話なんですが、その方はきちんとルールを守って解体業を営んでいるんですけれども、そうした不適切と思われるような事業者がすごい安い値段で仕事を取ってしまっていると。そのちゃんとやっている方に聞きますと、大体七、八百万ぐらい、うちだったら最低掛かる、そう思われる工事を、その不適切と思われる業者はもう三百万とか四百万とか、そうした破格の値段で受注をしてしまって、真面目にやっている私たちがもう仕事が取れなくて割を食って困ると、もう何とかしてくださいと、そういった声も届いているんです。 是非とも、そうした真面目にやっている、別に日本人、外国人かかわらず真面目にやっている事業者たちを守るためにも、是非ともいち早くこの実態の把握努めていただきたいと思います。 そして、そうしたことから先ほど申し上げたような不法投棄につながることがあれば、これは事業者だけではなくて、不法投棄をされたその山の持ち主、これ例えば、犯人が誰で、分からなくて、ちゃんとそれを処理してくれなければ、最終的に持ち主が自分の自腹でそれを処理しないといけないという、そういう問題にもつながっておりまして、埼玉県だけではなくて、今群馬県とかそうしたところにもこれ広がっていると、そのような報道もございますから、是非ともいち早くそちらに、まずは実態の把握、努めていただければと思っております。 そして、じゃ、そうしましたら、この解体事業者が産業廃棄物を不法投棄してしまうという実態がありますが、なぜそうした産業廃棄物、不法投棄が起きてしまうか。本来でありましたら、これやってはいけないということはもう当たり前でございますから国のチェックが入るはずなんですけれども、じゃ、そうしたきちんと適正に産業廃棄物を処理しているかどうかの確認はどのようにされているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(成田浩司君) お答えいたします。 環境省におきましては、廃棄物の不適正な処理や不法投棄等の撲滅のため、これまで累次の廃棄物処理法の改正により、排出事業者責任の強化、処理体制の確保、不法投棄等に対する罰則の強化などを行ってまいりました。 御指摘の解体事業につきましては、廃棄物処理法上、原則、工事の元請業者を排出事業者といたしまして、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストを活用いたしまして、排出された産業廃棄物の最終処分が適切に終了するまで、排出事業者である元請業者がこれを確認する業務を負うこととされております。 また、解体工事を行う事業者に対しましては、排出事業者等への指導監督権限を有する都道府県等が必要に応じて廃棄物処理法に基づく報告徴収や立入検査等を実施し、適正に処理されているかどうかを確認するということになっております。
○大津力君 この産廃の、適切に処理をしているか、マニフェストというものを元請事業者が発行をして、最終的にそれをチェックを入れて回収をすると、そういう流れということでよく分かりました。 しかしながら、実態に、不法投棄されている例が後を絶たないと。恐らく、マニフェストが適切に発行されていないのか、若しくは不正で偽造されているのか分かりませんけれども、やはりそうしたことに対してもう少し厳格に取り扱っていただきたいんですね。やはり、そうしたルールはありますけれども、守られていなければ結局結果は変わりませんから、じゃ、きちんとそのルールは守られているかどうかということを是非とも厳格に進めていただきたい、本当にお願いでございます。 そして、じゃ、今、この産業廃棄物にも、今出ましたけれども、それも含めまして、この不適切なヤードと言われているそうしたものへの対策、取組全般として政府はどのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(成田浩司君) お答えいたします。 平成二十二年の廃棄物処理法改正によりまして、排出事業者が建設工事に伴い生ずる産業廃棄物をその現場の外で保管する場合には都道府県に届け出る制度が創設されております。これにより、届出があった現場において不適正な保管が行われた場合にそれを早期に発見することが可能となるという制度となっております。 また、排出事業者が当該届出を行ったか否かにかかわらず、廃棄物処理法の基準に適合しない不適正な産業廃棄物の保管等を都道府県等が把握した場合には、生活環境の保全上の支障の発生を未然に防止するため、速やかに改善命令等の必要な措置を講ずるよう、排出事業者等に対する指導監督権限を有する都道府県等に対して周知してまいりました。 さらに、環境省におきましては、不法投棄ホットラインを設置いたしまして、国民から不法投棄に関する通報を常時受け付ける体制を整えるとともに、監視活動を行う都道府県等と日頃より連携し、情報の共有を行っております。 引き続き、環境省といたしましては、産業廃棄物に関する指導監督権限を有する都道府県等と緊密に連携し、廃棄物の不適正な処理や不法投棄等の対策にしっかり取り組んでまいります。
○大津力君 この問題に対しましては、小野田大臣も今年の三月二十四日の環境委員会で質疑されていたと記憶しております。そのときも、この不法ヤード、不適切なヤードに対してとにかく厳格化をしてほしいと、そういうような発言もされていましたので、それが、今担当の大臣になられましたから、この課題解決に対して私は本当に期待をしているんです。 是非とも、この外国人政策の一環として、この課題解決に対してどのような思いで取り組まれていくのか、是非お尋ねいたします。
○国務大臣(小野田紀美君) ありがとうございます。 担当大臣としてということだったんですけれども、この不適正ヤードを私が質問したのは環境委員会で環境大臣に対してなんです。なので、所管といえば環境省にはなってしまうところが、いろいろ本当にもどかしい立場ではございまして、ヤードの所有者、事業者、利用者が日本人であるか外国人であるかを問わず、個々の法律に基づき所管省庁が適切に対応していただけるよう、私としても連携を図ってまいりたいというのが、ちょっと今の立場の大臣としてのできる答弁でございます。
○大津力君 是非、この外国人政策の司令塔という意味で、本当に一番トップの立場でございますから、是非とも、そういったことも含めて、是非とも進めていただきたい、お願いを申し上げます。 それでは、続きまして、技能実習制度、育成就労制度についてお尋ねをいたします。 まずは、ニュース等で、最近この技能実習制度での実習生の失踪について上がってきております。ダイヤモンド・オンラインというところでは、もう年間五千人超が失踪していると。また、十月十七日付けの産経ニュースでは、外国人籍の男女十三人が入管法違反で逮捕されたと、そのうち十一名が技能実習制度で入国をし、在留期限が切れた後、失踪をされたと、このようにも報じられているところでございます。 まずは、実態の把握ということで、この技能実習制度での失踪の現実、推移ですね、お尋ねをいたします。
○政府参考人(加藤経将君) 今、技能実習制度での失踪者数ということですので、入管庁の立場として御答弁させていただきます。 出入国在留管理庁におきましては、技能実習の在留資格をもって在留中に、監理団体等から外国人技能実習機構に対し、行方不明となった旨の技能実習実施困難時届出書が提出されたものを失踪者数として集計しております。 令和二年から令和六年までの五年間の技能実習生の失踪者数でございますが、それぞれ、令和二年が五千八百八十五人、令和三年、七千百六十七人、令和四年、九千六人、令和五年、九千七百五十三人、令和六年、六千五百十人となっております。 なお、失踪した技能実習生ですが、その全てが行方不明のままというわけではございませんで、令和六年につきましては、失踪者数六千五百十人のうち約三〇%は失踪後三月以内に出入国在留管理上の手続により所在が確認されているところでございます。
○大津力君 この多くの実習生が失踪しているという中で、例えば懸念されるのが、大規模災害とか起きた際に、もうやはりどこに誰がいるかというのを行政がつかめていないわけでございますから、そうしたときに非常に被害、更に拡大をさせてしまう懸念もあるので、是非これは本当にそういう失踪がないように努めていただきたいんですけれども、じゃ、なぜそれだけ失踪してしまうのか、その原因や、また防止のための取組はどのようにされているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(加藤経将君) まず、技能実習生の失踪原因でございますが、これを明確に特定することはなかなか難しい面もございますけれども、一部の受入れ機関の不適正な取扱いや、当初見込んでいた入国後の収入額などが実際と異なって、入国前に支払った費用を返済するため新たな就労先を求めるなどの技能実習生側の経済的事情といったものがあり得ると考えております。 次に、失踪防止の取組についてですが、平成二十九年十一月の技能実習法の施行以降、外国人技能実習機構による失踪事案発生時の臨時の実地検査の速やかな実施、送り出し国に対し悪質なブローカーの排除を求めるなど、二国間取決めに基づく対応の強化、在留カード番号等の情報を活用した不法就労等の摘発強化などに取り組んできております。 また、令和六年十月には、ミャンマー人に対する緊急避難措置としての特定活動の在留資格付与の運用を見直しまして、自己の責めに帰すべき事情により、技能実習の在留資格の活動を満了せず、残余の残留期間がある技能実習生については、特定活動への変更を認めないことといたしました。 さらに、令和六年十一月には、転籍が認められるやむを得ない事情の範囲の明確化やその手続の柔軟化によりまして、転籍がしやすくなるよう運用改善を図りました。 令和六年の……
○委員長(北村経夫君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○政府参考人(加藤経将君) はい。 令和六年の失踪者数は六千五百十人となり、令和五年と比較して三割以上減少しておりまして、一定の効果が得られているものと認識しておりますが、引き続き、入管庁としましても、関係省庁等と連携して適切に運用を努めてまいりたいと考えております。
○大津力君 時間になりましたので、以降は次回にさせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。 今日は、犯罪被害に遭われた被害者本人また親族への支援ですね、犯罪被害者等給付金について質問いたします。 昨年六月の改正含め、今まで様々な改善が行われてまいりました。また、前回、維新の柴田委員からあったとおり、ただ、まだまだ課題がいろいろございます。 先日私も、犯罪被害者補償を求める会の皆さんが警察庁、法務省に要請されまして、同席させていただいて、いろいろお話を聞きました。一番は、とにかく、いろいろ改善はありますけれど、給付金の額が低過ぎるということで、これは何度も議論があったところですね。特に、海外では逸失利益を考慮に入れたり、あるいは立替払という制度もあったりするわけであります。 現在、第五次犯罪被害者等基本計画の案が議論されていますが、その中で、諸外国における損害賠償請求権あるいは法制度の実態について調査を実施するというふうに言われておりますので、是非、給付水準も含めて、立替払も含めて、スウェーデンとかノルウェーとか北欧が大変進んでおりますが、よく学んでほしいということを今日は要望だけしておきます。 時間の関係で、取り上げたいのが、親子関係、夫婦関係、親族間の犯罪の場合、遺族に給付金が支払われないという問題があります。支給法第六条は、犯罪被害者と加害者との間に親族関係があるときは給付金の不支給ができると、払わないことができると。例えば、父親が、よくある、最近起きていますけど、父親が息子を殺したと、その息子には妻と子供がいて、残された妻と子供が生活ができないと。そういう場合、加害者である息子を殺した父親と被害者の息子に親族関係、親子関係があったので、その残された妻や子に遺族給付金は支給しないというようなことが第六条にございます。これは余りにも実態からしておかしいんじゃないかという声が上がりましたので、二〇一八年の四月一日から、親族関係が破綻していると認められた場合、破綻している場合は支給しますということになっているわけですね。 ちょっと伺いたいのは、そもそもこの親族関係が破綻しているとかしていないというのは、誰がどういう基準で判断するんでしょうか。
○政府参考人(江口有隣君) お答えを申し上げます。 犯罪被害者又は第一順位遺族と加害者との間の親族関係が破綻していたと認められる事情があるかどうかを含めまして、給付金の支給の可否については法令にのっとって公正な判断をすることが必要でございます。 そのため、都道府県公安委員会が裁定に当たって各種資料を総合的に考慮をして破綻事由の有無を判断することとなるところでございます。
○大門実紀史君 総合的判断と言われると困っちゃいますけれども、要するに、支給例としては、児童虐待とか高齢者虐待とか障害者虐待が特例の場合として支給するということと、つまり、今ありましたとおり、親族関係が破綻しているかどうかというのは都道府県の公安委員会が判断すると。 要するに、犯罪の捜査に当たった警察官、例えば被害者はもう死亡している場合があるわけですね。そうすると、その加害者の被疑者、加害者に警察官が、捜査する警察官が聞いて、親族関係が破綻していたかどうかを決めているんではないかというふうに思うんですね。あるいは、同居の有無など外形的な面だけで判断しているんではないかということを、いろいろ資料見ていると思います。 もっと、親族関係破綻しているしていないというのは非常に実態に即して考えなきゃいけない問題だと思うんですね。そういう点でいいますと、そういう、何といいますかね、捜査官が、一方的な、加害者からだけ聞くんじゃなく、聞くだけで決めるとか、あるいは同居をしているとかしていないとか何年会っていないとか外形的な面だけで決めるんじゃなくて、やっぱり事実経過、実態を、関係者からの聴取も含めやっぱり判断すべき、そういう重要なことだと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(江口有隣君) お答えを申し上げます。 お尋ねの件につきましては、個別事案の具体的事情に基づきまして判断すべき事柄であるというふうに思います。その上で、一般論ということになりますけれども、親族関係の破綻につきましては、被害者と加害者との関係性、当事者の居住形態等の諸般の事情を総合的に考慮をして客観的に判断することとなるところでございます。 その判断に当たりましては、申請者からの申出内容のほか、親族その他の関係者からの聴取内容、刑事裁判で認定された事実、これらを裏付ける客観資料等を参照することとなるところでございます。
○大門実紀史君 その場合、今申し上げたような加害者だけではない資料ですね、必要じゃないかと思います。 残された犯罪被害者の遺族の方が給付を受けられないと、不支給になったという場合、国家公安委員会に審査請求ができることになっておりますね。しかし、この十年間で審査請求が出て終結した審査請求九十九件あるそうですけれども、国家公安委員会に訴えがあって、原処分取消し、つまり支給するというふうに至ったのはたった四件と。九十九件審査請求して、たった四件しか支給されることに覆らなかったということなんですね。 遺族の方のお話も聞きましたけれど、よほどの事例で、国家公安委員会まで訴えるというのは、余りにも理不尽だということで訴えられるわけですよね。そういうケースがほとんどだと思うんですけれど、九十九件のうちたった四件と。 仕組みからいって、都道府県公安委員会の決定を国家公安委員会が審査すると。つまり、警察の中だけで決めているわけですね、判断しているわけですね。これでは、やっぱりいろんな、一方的なこととかを追認するということになりかねないんで、やっぱり専門家を含めて第三者によるこの審査請求を判断する仕組みが必要じゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(江口有隣君) お答えを申し上げます。 都道府県公安委員会の裁定に不服がある場合には、行政不服審査法の規定に基づき、国家公安委員会に対して審査請求を行うことができるところでございます。国家公安委員会は、審査請求があった場合には、専門的な知見を有する専門委員の調査審議を経た上で裁決を行うこととしているところでございます。 なお、裁決後又は審査請求から一定の期間が経過するなどした場合には取消し訴訟を提起することも可能となっているところでございます。
○大門実紀史君 その結果が九十九件のうち四件しか支給しないということでありますので、もちろん専門家の意見も聞いていないとは言いませんよ、言いませんけれど、やっぱりそういう第三者の審査会、そういう仕組みがどうしても必要になってくると思います。 お手元にお配りしたのは、福岡県で起きた事件ですね、二〇一九年三月ですね。これは父親が息子を包丁で刺し殺すというすごい事件でございまして、そばにいた息子さんの妻も追いかけて背中を刺すというような大変な事件でございました。その被害者の息子さんの妻が生活に困ってこの給付金を申請したら、福岡県の公安委員会は、親族間の犯罪だということを理由に不支給を決定したんですね。それを不服として、結局その妻の方は裁判を起こして、今年三月に福岡地裁が、おかしいと、支給しないのはおかしいということを判決を出したわけですね。そのときに、地裁はこう言っております。福岡県公安委員会の判断は、考慮すべき事項を十分考慮しない一方で、考慮された事実に対する評価が明白に合理性を欠いたものであるということで不支給裁定を取り消すと、支給しなさいということを判決出したんですね。 これに福岡県の公安委員会は控訴をするということで、私、裁判資料を、判決も福岡県の公安委員会の控訴文も両方読みましたけれど、簡単に言いますと、裁判の方は、福岡地裁はやっぱり実態に即していろんなことを調べているんですね。親族関係とか、遡ってどういう家庭だったかとか含めてですね。ところが、県公安委員会の方は、結局外形的なことばっかり、同居はいつからしたとか、どういうお金のやり取りがあったということばっかりでやっております。それでまた控訴すると。しかも、これは裁判のときには出さなかった資料、出さなかった資料をあえて控訴のとき出していると。だったら何で最初から出さないのかと。やっぱり、何というか、一方的な資料だと思っていたんだと思いますけれども。 申し上げたいことは、全体として、警察庁、公安委員会は被害者を救済しようと思って、いろいろありますけれど、長い間頑張ってこられたわけですよね、昨年の改正も含めてですね。決してはじこうはじこうとやってきたわけじゃないですよね、いろんな声反映されて。そういう点でいきますと、何かもう福岡の公安委員会はメンツだけこだわっているようなところがあるというふうに思わざるを得ないし、控訴棄却される前に自ら取り下げるべきだというふうに思うんですよね。 全体として、申し上げたように、被害者の親族、本人が重傷の場合もありますけれど、救っていこうという政府の方向性でありますので、是非国家公安委員会として福岡の公安委員会に控訴を取り下げるように指導すべきじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。もしあれだったら、大臣、お答えください。
○国務大臣(あかま二郎君) 委員の方から被害者救済制度、これは一歩二歩前進を見ている中でということで御理解いただいている部分もあろうと思っていますけれども、この給付制度自体、迅速かつ適正な運用、このことが大事であり、このことで犯罪被害等を早期に軽減する上でというふうに理解しております。 そのために、まず、まず民主的に選任された合議体である都道府県の公安委員会が裁定を行うこと、まず。で、不服がある場合には国家公安委員会に対するいわゆる審査請求の手続がと、先生御指摘のとおり。その審査に当たってでございますけれども、専門的な知見を有する専門委員の調査審議、先ほど必ずしもだけでという話じゃない、御指摘ありましたけれども、そうした審議を経て公平公正な判断がなされるように制度的にも担保しているというふうに理解をしております。 国家公安委員会とすれば、引き続き、審査請求がなされた場合には適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 大臣、お忙しいでしょうけれど、大事な問題なので、是非、この福岡地裁の判決文と福岡の国家公安委員会の控訴状、読む気になりゃ一時間半ぐらいで読めますので、読んでいただくと分かるんですけど、今の審査が、今日申し上げたように破綻しているかどうかという判断が非常に一方的に偏っているなというのが見えてくるので、やっぱり公正な審査会とか審査をするためにも、今回のこの福岡の事例を今後に生かしていっていただきたいというふうに思います。 そのことを要望して、質問を終わります。ありがとうございました。
○伊勢崎賢治君 今日は国連の話をいたします。 国連総会には、日本の国会と同じようにいろいろな専門委員会がございます。その中の一つとして、国際法の発展と法典化を担う第六委員会というのがあります。現在、この第六委員会において、人道に対する犯罪についてその条約化の作業が進んでおります。この条約の正式名称は、人道に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約であります。 ちなみに、人道に対する犯罪とは、これクライム・アゲンスト・ヒューマニティーといいますけれども、これは、国家や組織による政策に基づき、ここが大事です、一般市民をターゲットに広範又は組織的な攻撃の一環として行われる重大な犯罪行為を指します。これ、昔、日本でも起きました、関東大震災朝鮮人虐殺事件、こういう事案であります。この概念は、戦時、平時を問わず適用され、国際法上の中核犯罪、これコアクライムといいますけれども、この一つとして位置付けられております。これが人道に対する犯罪の定義であります。 戻ります。この条約の草案が完結し、正式に採決若しくは発効された暁には、日本の早期の加盟を私は熱望します。それは政府におかれましても同じで、だからこそ、この第六委員会で政府は積極的に発言してきたのだと察します。 資料一を御覧ください。ちょっと込み入っていますけれども。 政府は、二〇二四年一月十二日のこの第六委員会において、こういう、この資料のような主張の意見書を出しております、これ英語原文ですけれども。 この下の方の仮訳の第一段落、ここをちょっと読み上げます。日本は、条約草案における人道に対する犯罪の犯罪化は、各国が条約草案第二条と同一の文言で定義された独立した犯罪として、それぞれの国内法において各犯罪を法典化することを必ずしも要求するものではなく、条約草案の目的を達成するには、各国の国内法において人道に対する犯罪を構成する行為を適切に犯罪化することで十分であると、こう日本政府は言っているわけですね。 ちょっと分かりにくいですから、これを簡単に言いますと、私的にはこれ、こう言っているように感じます。人道に対する犯罪は、日本にとって現行法によって処罰が可能で、国内法で独立した犯罪類型を設ける必要はないと、こう誘導しているように見えるんですけど。 続けますね。その仮訳の一番下の段落見てくださいね。こう書いてあります、日本政府は。日本は、ここで言う措置、つまり人道に対する犯罪を国内法で裁くための措置ですね、この措置には、場合によっては、国内法において当該行為を犯罪化することなく、犯罪の行為者を国際刑事裁判所、ICCに引き渡し、処罰を確保することも含まれると考える。 これは、また簡単に言いますと、日本は、人道に対する犯罪に関しては国内法で犯罪化することなく、国際刑事裁判所、ICCに引渡しで、これで足りると、こう誘導しているように読める、僕にはですね。 ここでお伺いしたいのは、現在における政府のこの条約草案に対する考え方を改めてお聞かせください。
○大臣政務官(大西洋平君) お答えを申し上げます。 我が国は、人道に対する犯罪の防止及び処罰の観点から、本条約草案を重視しております。今後、同条約草案に基づいて、国連加盟国間において条約化に向けた交渉が行われることになっています。我が国としては、人道に対する犯罪の防止及び処罰の観点から、国内法制との整合性に留意しつつ、政府内で対応ぶりについて改めて検討しているところでございます。 いずれにいたしましても、我が国は、人道に対する犯罪の防止及び処罰の重要性を認識しており、今後予定される条約化準備会合及び外交会議における議論に建設的に参加していく考えでございます。 以上です。
○伊勢崎賢治君 やる気は十分伝わってきました。 本日、私は、国際条約とそれぞれの加盟国の国内法の立法義務、この関係を問題にしております。いいですか。一般論として、地球上で起きる全ての重大犯罪を国際刑事裁判所、ICCやアドホックな国際戦犯法廷ですね、例えばルワンダとかああいうやつですね、これに持ち込まれたら、国際司法はパンクいたします。僕はそういう現場におりました。パンクいたしますよ。 だからこそ、それぞれの加盟国がそれぞれの国内法を整備して第一裁判権を行使する、この仕組みで国際司法のレジームは成り立っております。これを補完性の原則と申します。 再び資料一を御覧いただきたいと思いますが、この赤字の部分ですね、赤字の部分です。いいですか。 条約の草案の原文がこうなっています。締約国は、人道に対する犯罪が自国の刑事法上の犯罪を構成することを確保するために必要な措置をとると、こういうふうに規定しているところ、日本はわざわざ、締約国は、次に掲げる行為の行為者が処罰を免れることがないようにするため、必要な立法その他の措置をとると修正提案をしているわけであります。 つまり、これって、日本は、わざわざこの立法その他の措置と修正を提案することによって、立法以外の、立法以外の措置を認めさせ、人道に対する犯罪の国内法化の義務を免れようとしているように僕には見えるんですけれども、その理由は何なんでしょう。どうぞ。
○大臣政務官(大西洋平君) お答えを申し上げます。 修正提案についての御質問だと思います。 先ほどお伝えのとおり、我が国は、人道に対する犯罪の防止及び処罰の観点から、本条約草案を重視しております。御指摘の修正提案については、国連国際法委員会が採択した条約草案について日本が二〇二三年に提出したコメントであると理解をしております。 我が国は、国内法上、人道に対する犯罪に当たる行為の犯罪化を適切に確保するための措置の中にICCへの引渡しを含むことで本条約草案の目的を達成できると考え、本条約草案をより多くの国に受け入れられやすくする観点から、今後議論を深めるための一案として提出したものでございます。 今後、同条約草案に基づいて、国連加盟国間において条約化に向けた交渉が行われることになっており、改めて、いかなる対応を取るべきか、関係省庁と検討しているところでございます。 いずれにいたしましても、我が国としては、その議論に建設的に参加していく考えでございます。 以上です。
○伊勢崎賢治君 ジュネーブ諸条約があるでしょう。これ、非常に根本的な中核犯罪を、これは戦争犯罪と規定しているものですよね。ここには、立法化義務をこれ義務付けているんですよね。でも、これによって批准国が減るって話は僕は聞いたことないです、済みませんが。まあいいです。続けます。 資料二を御覧いただきたいと思います。 二〇〇七年、平成十九年の参議院外交防衛委員会ですね、国際刑事裁判所、ICCに関するローマ規程に関する決議、これ全会一致で決議されたんですよね。ICC加盟です。これを超党派で当時実現したんです。 これ、中心となったのは、当時民主党の参議院の犬塚直史さんです。私は、当時は研究者として彼に協力いたしました。この決議では、全体で八項目あるんですけど、そのうち五番目をここに記載しております。読みますね。 本規程に基づき国際刑事裁判所が管轄権を有する重大な犯罪については、補完性の原則に基づき、自国による刑事裁判権行使が基本であり、かつ、当該犯罪の中には我が国の現行国内法上処罰できない行為があることに鑑み、今後の諸外国の実行も踏まえ、国内法整備の在り方について検討に努めること。万が一、国内法上処罰できないために日本国民が国際刑事裁判所から訴追される懸念が生じる場合には、速やかに処罰を可能とする国内法の整備の在り方について検討に努めることとしております。 この決議に立ち返れば、現在国連で審議されている人道に対する犯罪のための条約の草案に変な小細工をせず、いいですか、原案どおりに賛成し、そして成立させ、そして批准の暁には、人道に対する犯罪について国内法、我が国の国内法を整備する、これは日本として補完性の原則に最も沿う道筋ではないかと思います。 そして、日本国民がICC、国際刑事裁判所から訴追されないようにする観点、つまり、日本国民を保護する観点からもそうすべきではないかと僕は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(福山守君) ICCローマ規程においては、人道に対する犯罪を含めた重大犯罪の捜査、訴追は各締約国が行うことが基本であり、それができない場合に初めてICCが管轄権を行使するという、いわゆる補完性の原則を定めております。 その上で、ICCローマ規程に定められている重大犯罪については、そのほとんどが既に我が国の現行法において処罰可能であり、現行法において処罰できないものは極めて限られる上、そのような行為のみが行われることは現実には想定し難いと考えております。したがって、日本国民がICCから訴追されることも現実的には想定し難いと考えております。 さらに、刑罰は人の生命、自由、財産を剥奪することを内容とする制裁であることから、必要やむを得ない場合においてのみ適用されるべきであるという謙抑主義の要請も考慮する必要があり、現状ではICCローマ規程と現行法との間に理論的に認められる処罰範囲の僅かな間隙を埋めるための新たな罰則を設ける必要を認めるには至っておりません。 以上のことから、現在交渉対象となっている人道に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約草案についての今後の交渉を予断をすることはできないが、人道に対する犯罪を処罰するための国内法を整備する必要はないと思っております。
○伊勢崎賢治君 あのですね、私は現行制度の法解釈としての補完性の原則に反するか反しないか、そんなことを聞いているのではなくて、つまり、何もやらないことの理由を見付ける法解釈の議論をするつもりはないんです。 なぜこの決議を参照したかというと、やるという、全会一致のこの決議ですよ。つまり、政治決断を踏まえた政策論として、国内法を整備することがより適切ではないかと聞いているんです、僕は。 どうでしょう。もう一回聞かせてください。
○大臣政務官(福山守君) 先ほど私御答弁させていただいたように、現行法で対処できるというふうな考えでおります。
○伊勢崎賢治君 今日は手始めですので、この辺でとどめておきますが、つまり、国内法の保護法益と国際法の保護法益は違うんです。その議論は次に回します。 この手始めと申しますのは、この問題、つまり、日本がこの補完性の原則を軽視、僕はじゅうりんしているように思います。これは、日本が既に批准している他の条約にも実はあるんです。先ほど申し上げたジュネーブ諸条約であります。それと、ローマ規程そのものでもあります。補完性の原則、これはもう本当に大事なんです。国際司法にはキャパがないんです。パンクします。だから、これがないと国際秩序は守れない。これが、法の支配の現状であり、法の支配の基本なんです。 国際問題に関して、日本は、この法の支配を枕言葉にする機会が多いですよね。でも、我々は、足下、我々の国内法の状況を見なければいけないということです。この議論はこれからも続けさせていただきますので、今日はこれで締めたいと思います。 ありがとうございました。どうも。
○委員長(北村経夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会
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