令和七年十一月二十日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 小川 克巳君 理 事 石田 昌宏君 自見はなこ君 小西 洋之君 田村 まみ君 秋野 公造君 委 員 生稲 晃子君 かまやち敏君 神谷 政幸君 馬場 成志君 福岡 資麿君 古川 俊治君 山田 宏君 石橋 通宏君 郡山りょう君 山内佳菜子君 庭田 幸恵君 芳賀 道也君 川村 雄大君 猪瀬 直樹君 新実 彰平君 岩本 麻奈君 梅村みずほ君 白川 容子君 天畠 大輔君 国務大臣 厚生労働大臣 上野賢一郎君 副大臣 財務副大臣 中谷 真一君 厚生労働副大臣 長坂 康正君 厚生労働副大臣 仁木 博文君 大臣政務官 厚生労働大臣政 務官 栗原 渉君 厚生労働大臣政 務官 神谷 政幸君 事務局側 常任委員会専門 員 佐伯 道子君 政府参考人 こども家庭庁長 官官房審議官 竹林 悟史君 こども家庭庁長 官官房審議官 源河真規子君 国税庁課税部長 高橋 俊一君 厚生労働省大臣 官房長 宮崎 敦文君 厚生労働省大臣 官房医薬産業振 興・医療情報審 議官 森 真弘君 厚生労働省大臣 官房年金管理審 議官 三好 圭君 厚生労働省医政 局長 森光 敬子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局長 大坪 寛子君 厚生労働省健康 ・生活衛生局感 染症対策部長 鷲見 学君 厚生労働省医薬 局長 宮本 直樹君 厚生労働省労働 基準局長 岸本 武史君 厚生労働省労働 基準局安全衛生 部長 安井省侍郎君 厚生労働省雇用 環境・均等局長 田中佐智子君 厚生労働省社会 ・援護局長 鹿沼 均君 厚生労働省社会 ・援護局障害保 健福祉部長 野村 知司君 厚生労働省老健 局長 黒田 秀郎君 厚生労働省保険 局長 間 隆一郎君 厚生労働省政策 統括官 辺見 聡君 国土交通省道路 局次長 石和田二郎君 観光庁審議官 田中 賢二君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査 (歯科保健医療に関する件) (診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬に関する件) (障害者支援策に関する件) (労働時間法制に関する件) (薬価に関する件) (職場におけるハラスメント対策に関する件) (医療提供体制の整備に関する件) (医療保険制度に関する件) (人生の最終段階における医療・ケアに関する件) (新型コロナウイルス感染症のワクチンに関する件) (障害年金に関する件) ─────────────
厚生労働委員会
発言 296
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長森光敬子君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川克巳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小川克巳君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田宏君 おはようございます。自由民主党の山田宏でございます。 今日は、高市政権になって初めての厚労委員会での質疑ということになりますので、今後の政権の方向性も含めてお聞きをしておきたいと思います。 まず最初に、補正予算における医療、介護の物価高、人件費増の対策について何点かお伺いしたいと思いますが、今日、今お配りをしております資料、高市早苗総理大臣のこれまでの医療、介護関連発言ということでまとめております。 一番上は攻めの予防医療、後でやりますが、二番目、総裁選の討論会では、物価高、人件費に反映するため診療報酬、介護報酬改定を前倒しする、改定内容を二〇二五年度補正予算に盛り込む。総裁就任会見では、黄色いところ、診療報酬改定まで待っていられない、補正予算を使って支援できる形を検討してもらいたい。所信表明では、診療報酬、介護報酬については、賃上げ、物価高を適切に反映させていきますが、報酬改定の時期を待たず、経営の改善、従業者の処遇改善につながる補助金を措置して効果を前倒ししますということで、これまでの物価高、人件費増というものに対して、これまでの診療報酬と介護報酬では対応できないということを前提に、なるべく早くそれを措置するということなんですけれども、この二年間、前回の改定からの二年間、物価高、人件費の不足分があるという認識なんですね、高市さんは。 厚労省としてはそれをどの程度見込んでいるのか、お答えのできる範囲でお願いしたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答えさせていただきます。 まず、医療機関は物価や賃金の上昇などの厳しい状況に直面していると認識をしております。高市総理からも、報酬改定の時期を待たず、経営の改善や職員の方々の処遇改善につながる補助金を措置し、効果を前倒しする旨の表明があったところでございます。 物価につきましては、例えば消費者物価指数の総合指数におきましては、物価の動向といたしまして、令和四年以降、物価高騰の傾向が高まり、現在の状況としては足下でも高止まりをしているという状況でございまして、消費者物価指数の総合指数におきましては、令和七年九月、これは前年同月比で二・九%の伸びとなっております。 また、賃金につきましては、令和七年賃金引上げ等の実態に関する調査における一人平均賃金の改定率は、医療については、電気、例えば電気、ガス、熱供給、水道業が五・三%の上昇であったのに対しまして、医療、福祉では二・三%と低い水準になっていると認識をしております。 こうした状況に対しまして、経済対策の策定及び補正予算の編成過程においては、こうした指標も参考にしながら施策の具体化に取り組み、スピード感を持って対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○山田宏君 今の御答弁だと、幾ら不足したかというのは今お答えができなかったわけですけれども、直近のCPI、消費者物価指数上昇率二・九、賃金上昇分二・三というお話ございましたが、過去、これと同等の物価の伸び又は人件費の伸び、賃金上昇率ですね、を示した年を、たくさんは要らないですから、挙げていただきたいと思います。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいまお尋ねのありました消費者物価指数の伸びについて、この二・九%と同等水準の伸び率を示した年としては、例えば一九八二年では対前年比でプラス二・八%、それから一九九一年が対前年比でプラス三・三%となっております。 賃金上昇率について、今医政局長がお答えしたものと必ずしもぴったり合っていないのでございますが、恐縮ですが、毎月勤労統計の方で代表させていただきたいと思いますけれども、こちらの方が一・九、二〇二五年の九月速報値が、調査産業計の現金給与総額の伸び率が一・九%となっておりまして、これと同等水準の伸び率を示した年としては、例えば、一九八七年が対前年比でプラス一・九%、一九九五年が対前年比でプラス一・八%となってございます。
○山田宏君 一九八二年、一九八七年、一九九一年、一九九五年と、その年を挙げていただきましたけど、この直近の物価の、同じような物価と賃金の上昇率を示した時期のこの直後の診療報酬改定率というのは、それぞれこの年は何%になっているのか、教えてください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 先ほどの申し上げました消費者物価指数や賃金上昇率を申し上げた年に最も近い改定で、直後というふうに受け止めていただければと思いますが、申し上げますと、一九八四年度の改定率は二・八%でございました。一九八七年度は三・四%、一九九二年度は五・〇%、一九九六年度は三・四%となってございます。
○山田宏君 大体二・三%前後から五%なんですよ。前回の改定率、令和六年度の改定率というのは〇・八八、零コンマ幾つのもうミクロな世界、ずうっとデフレルールでそういう改定率できたんだけれども、これだけ物価や人件費が上がっていても前回は〇・八八でやったために、今回大幅な不足額が出たんですよ。本来は前回もっと上げなきゃいけなかった。そこが最大の問題。大体同じような年をずっと挙げてもらいましたけど、三%から五%ぐらい上げている。 そこで、本来なら、〇・八八じゃなくて、それよりも一・五か二%ぐらいは、最低ですよ、本当は底上げをした形でやるべきだったものが、それがなかったために、今回補正でその部分を補って、そしてその上で今度は来年度の改定に臨んでいくわけです。ですから、来年度の改定というのは、〇・八八で補足できなかった今回補足した分、補正で、幾らか分かんないけど、まあ六千億とか言われているけど、こういったものをきちっと補正で積み上げた部分、これが大体診療報酬の改定率でいくと一・五ぐらいなんですよ。この一・五は、もう元々〇・八八に足さなきゃいけない。その上で、これからの物価上昇や賃金上昇分を上乗せした形で来年度の改定率は決めなきゃいけない。そうですよね。 そうするとですよ、計算すると、まあ大体四%前後は最低行かなきゃいけない。(発言する者あり)もっとだって。まあそれはまた後で質問していただいて。最低ですよ、それぐらいはやらないと、また同じように補正で足らない足らないということになってしまって、大変なことになる。 だから、その点について、上野厚労大臣、決意と御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 物価上昇につきましては、今具体的な数字も含めて委員の方から御指摘がございました。医療機関等、厳しい経営環境に直面をしているというふうに認識をしておりますし、賃上げも急務だというふうに思います。 委員の資料にもございましたとおり、総理からも前倒しをして効果をしっかり上げるというような御発言がありますので、私どもといたしましても、今、経済対策また補正予算の取りまとめをさせていただいておるところであります。 具体的な水準あるいは方法等につきましては現段階で申し上げることはできませんが、今委員からの御指摘も十分踏まえた上で、しっかりとした対応ができるように努めていきたいというふうに考えています。 また、診療報酬改定につきましても、これは年末にかけての議論ではございますが、委員と問題意識は共有をしているというふうに考えております。社会経済状況やそれぞれの経営状況、様々な観点から十分検討を深めて、しっかりとしたものになるように対応を進めていきたいと考えています。
○山田宏君 これ、上野大臣の初仕事で、是非四%から五%は確保してもらう。(発言する者あり)もうもう、もういいよ。それぐらいは最低ですよ。我々は後押ししますから。そうでなきゃ、もうばたばた医療機関、特に病院とか大変な状況になっている。 ここは今までの分を取り返して、きちっと診療報酬、適切な改定率をしてもらいたいと思いますが、今日は財務省から中谷財務副大臣もおいででございますので、今の議論を聞いていただいた上で、財務省も、前回財務省はばしばし切ったんだから、今回はその反省の下でしっかり厚労大臣を後押ししていただきたいと思いますけれども、中谷財務副大臣の御所見を伺いたいと思います。
○副大臣(中谷真一君) 先生、これは今回の補正及び次の診療報酬改定までお聞きになられているということでよろしいですか。(発言する者あり)はい。 先生から今資料でお示しあったとおり、総理からも発言がありました。財務省といたしましても、経営難が深刻化する医療機関や介護施設への支援は急を要すると認識をしているところであります。そのため、診療報酬、介護報酬につきましては、報酬改定の時期を待たず、経営の改善及び従業者の処遇改善につながる補助金を処置して効果を前出しする必要があるというふうに考えております。 現在、経済対策の策定及び補正予算の編成過程において施策の具体化に向けて取り組んでいるところでありまして、現時点でその内容についてお答えすることは差し控えますが、いずれにせよ、いずれにせよ、先ほど申し上げた方針に基づき、必要な予算措置を講じてまいります。 さらに、来年の報酬改定についてでございますが、骨太の方針二〇二五において経済・物価動向等への的確な対応と現役世代を含む保険料負担の抑制努力の継続が求められており、二〇二六年の診療報酬、介護報酬改定は、その双方に応えていく必要があるというふうに考えております。 今後、年末に向けまして、医療・介護分野共に客観的なデータに基づく議論を厚生労働省との間でしっかりと積み上げ、結論を得ていきたいというふうに考えているところであります。 以上です。
○山田宏君 中谷副大臣は、防衛大学のときにラグビー部のしかもエースで、今もラガーメンとして活躍をされている。もう是非その突破力を生かして財務省の壁も突破していただきたいと心から御期待を申し上げ、もうこのお話は終わりなので、副大臣は御退室いただいて構いません。 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○委員長(小川克巳君) 中谷財務副大臣は御退席いただいて結構です。
○山田宏君 それでは、次の課題。 先ほど資料をお配りした一番上、高市早苗総理大臣の総裁選での公約のリーフレットから、「「攻めの予防医療」(癌検診陽性者の精密検査・国民皆歯科健診の促進等)を徹底することで、医療費の適正化と健康寿命の延伸を共に実現します。」。これ、高市さんの看板政策、攻めの予防医療。 そして、厚労大臣も今般の御挨拶の中で、攻めの予防医療については、この推進について検討を進めると述べられました。 この攻めの予防医療ということについては、新しい言葉なんですけれども、これをどう厚労大臣は御理解をされ、どのようにこれから進めていこうとされているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 攻めの予防医療につきましても総理から指示を受けております。 私も大臣就任前に、健康予防の議員連盟、明るい社会保障改革推進議員連盟と申しますが、それを立ち上げまして、その会長を務めてまいりました。この議員連盟におきましても、予防医療、これは非常に大事だという観点で取り組んできたところでありまして、私としましても、この攻めの予防医療につきましては特に力を入れたい分野の一つでもございます。 今この資料におきましてもがん検診の話あるいは歯科健診の話がございますが、委員はとりわけ歯の専門家でもあるというふうに承知をしておりますので、歯科健診につきまして少しお話をできればというふうに思います。 まさにここに書かれておりますとおり、国民皆歯科健診の促進、これを進めることによって、歯の健康というか体全体の健康にも影響いたしますので、健康寿命を延ばし、そして社会保障の担い手も増やす、そういった観点でこの予防医療を推進をしていきたいと考えています。 これまでからも政府におきましては具体的な健診の充実に向けて取り組んできたところでございますが、令和八年度概算要求におきましても簡易な口腔スクリーニング検査を実施する事業主や自治体に支援を行うパイロット事業というのをもう既に要望しておりますが、それ以外にも、これから委員からの御提案も含めて様々なことに取り組みたいというふうに考えておりますので、また我々としても積極的にこの課題につきましては十分力を尽くしていきたいと考えています。
○山田宏君 日本の最大の課題は少子化ですよ。人口減、これがもう全てに影響を与えているわけです。そして、高齢者が非常に増えてくる、医療費はどんどん増大してくる、働き手がいなくなる。こういう中で、今までのように病気になって何ぼという医療保険ではもう対応できない。なるべく病気にならないようにしていく、なっても重篤化させないようにしていくという、予防というものにもっとエネルギーを掛けていかないと、もう医療財政もパンクするし、そして、病人ばっかりになってしまったらもう労働力といった点でも駄目になってくる。そういった点を考えると、健康寿命の増進というのは、御本人や家族のみならず、医療経済、そしてまた国全体の経済成長、これにとっても極めて重要なキーであると思います。そういった意味では、この攻めの予防医療ということについて積極的に是非進めていただく機会訪れたと、こう思っております。 今いろいろとるる大臣からもお話がございました。これ新しい言葉で、国民から見ると一体何なのということになります。ですから、この予防の重要性とともにですね、予防の重要性とともに、攻めの予防医療というのはこういうことを進めていきますよというような一つのこの、何というかな、構想というか戦略というか、そういうものを、厚労大臣の下に検討会でもつくって、早期にそういったものを国民にお示しいただくことが必要だと思うんですけど、いかがでしょう。
○国務大臣(上野賢一郎君) まさに御指摘のとおりでございまして、今内部でいろいろ検討させていただいております。 まさに委員からの御指摘も踏まえて、大きな構想、具体的な施策、これをしっかり打ち出せるように努めていきたいと考えています。
○山田宏君 ありがとうございます。 それでは、予防についてちょっと、今歯科健診のお話もございましたのでお聞きをしておきたいと思いますが、二〇〇〇年から国は、健康日本21という健康の指標を決めながら、十年ごとに計画を作って、その目標を達成したかどうかをやってきております。この健康日本21という国のプロジェクトの中で、健康を損なう六つの要素というのを掲げているんですけど、それは何でしょう。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、先生御指摘の健康日本21、現在第三次でありますけれど、その中で、個人の行動と健康状態を改善する六つの柱といたしまして、まず一つに栄養、食生活、また二つ目、身体活動と運動、三番目に休養と睡眠、四番目、飲酒、五つ目に喫煙の各生活習慣領域、六つ目に歯と口腔の健康領域、この六つに関して具体的な目標を定めて健康づくりの取組を推進しているところでございます。
○山田宏君 ありがとうございました。 健康を損なう六つの要素のうち、食事、運動、睡眠、たばこ、酒、これらは、国が政策をして、一日たばこは五本にしろとか一日一万歩歩けとか、そんなこと政策にならない。個人の、俺の勝手だろうと言われちゃうんです。 私も杉並区長時代に、国民健康保険財政を何とかしなきゃということで、健康政策に重点を置こうということでやったんですね。そのとき議会で質問を受けて、どういう健康政策あるんだと言うから、いや、一日三合以上酒を毎日飲んでいるやつ、一日一箱以上たばこを吸っている人、もう来年は保険料上げますと言ったんです。そうしたら、自民党から共産党までもう総スカン、あんたに言われたくないということになってしまって、なかなか難しいのこれは。何歩歩けというのも難しい。 だから、じゃ、どこに予防とか健康政策の柱あるのとなると、今の六つの中で、最後の口腔、歯の健康なんですよ。これは、やっぱり調べて、健診があるんだから、調べてなるべく早期に病気を発見し、早期に治療する、こういう体制を整えていけば健康政策になっていく、疾病予防、重篤化予防になっていく。 先ほども大臣がおっしゃったように、今、歯周病が様々な病気につながっているというのはもう分かってきている。お医者さんの仁木副大臣も深くうなずいていただいておりますけれども。つまり、例えば、脳血管障害とか心臓血管障害とか、又は糖尿病、大腸がん、がん、そしてさらにアルツハイマーまでも関係がしているということが分かってきております。 つまり、口腔の健康を維持するということがすなわち全身の健康につながっていくということは、大臣が御認識していただいているとおりであります。 そこで、これまでずうっと、口腔の健康を通じて全身の健康につなげようということで、骨太方針では、二〇一六年から毎年分量を増やしながら、生涯を通じた歯科健診をしてなるべく早期発見、早期治療に心掛けましょうということで、それが国民皆歯科健診ということになっているわけであります。 さあ、そこまで来て、今回攻めの予防医療、攻めの予防医療、予防とは何かというと、やはり先ほども言ったように、六つの要素の中で、たばこ、酒とかも含めてもちろんそうだけれども、国が関与して、地域が関与して予防活動ができる一つのものは、やっぱり大きな柱として、やはり口腔の健康を維持するための健診をなるべくたくさんの人たちに受けていただくということなんですが、この国民皆歯科健診事業、大臣もちょっと触れられましたけど、今後どうしていくのかということについて御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(森光敬子君) お答えさせていただきます。 生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診、この実現に向けまして、国民が生涯を通じて定期的に歯科健診等を受けることができる環境を整えていくということが重要だと考えております。 このため、歯科健診の機会の拡大や受診率向上の観点から、これまで実施してきました歯科健診の実施方法等の調査、検証を行うモデル事業や、口腔や全身の健康の関係等に関するレセプトデータを活用した検証事業等、これに引き続き取り組むとともに、新たに令和八年度概算要求におきまして、一般健診等と併せて実施する簡易な口腔スクリーニングの取組を実施する事業主や自治体に支援を行うパイロット事業、これに必要な予算を要求しているところでございます。 このような取組を通じまして、生涯を通じた歯科健診の実現に向け、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○山田宏君 今、厚労省やろうとしていることは、これから、これまで三年間掛けて二億円ずつ掛けてきて、歯医者さんが口腔内を診るんじゃなくて、歯医者さんに行かない人にやっぱり自分の口腔内を診てもらわなきゃいけないわけだから、そのために簡易な、ハードル下げて、キット、唾液等で口腔内の状況を大まかに把握して、そして、ピンク色になったよといったら、問題ある人になるべく早く診療、歯科診療所に足を運んでもらうことを通じてきちっと口腔内の健康を維持しようという、これが今の厚労省の進んでいる方向なんです。 それはそれで一つそうなんだけども、本来は、本来は、全国民が年一回は口腔内の状況を診てもらって、そして問題がある人はなるべく早く歯科疾患を治療してもらうということに持っていった方が、それが全身の病気につながるんだから、糖尿病がある人が歯周病あったらもう糖尿病どんどんどんどん悪化して透析になっちゃうの。透析になったら、すさまじい医療費が掛かってまいります。 ですから、そういうことを考えると、なるべく口腔内の状況を全国民が年一回は診ていけるというようなことを法制化していく必要が将来はあるんだろうと、こういうふうに思っております。 その一つの方法として、労働安全衛生法では、一般労働者の健診項目を定めております。省令で十一項目ございます。 先日は梅村先生が、何だっけな、腎臓だったかな、何かの健診の話をされておられましたけれども、この一般労働者の健診項目、十一項目あります、血圧だとかなんとか。その十二項目めに歯科健診を入れてほしいんですよ。そうすれば、勤労者はみんな歯科健診を受けて、そして、なるべく早く、全身疾患持っている人も早めに口腔内を健康にしていけば、それだけ病気が減って医療費も適正化されていく、そう考えているんですけれども、この労働安全衛生法に、この省令で定める十一項目の健診項目にプラスして早期に歯科健診を入れてほしいんですけれども、このことについてはどう考えているか、御所見を伺います。
○政府参考人(安井省侍郎君) 労働安全衛生法に基づく健康診断につきまして御質問をいただいたところでございます。 労働安全衛生法に基づく一般健康診断は、事業者に対して、常時使用する労働者を対象に年一回実施することを罰則付きで義務付けているものでございまして、その結果を踏まえまして、必要がある場合は労働時間の短縮などの就業上の措置を講じることも義務付けているものでございます。 この一般健康診断に歯科に関する項目を追加することにつきましては、令和六年九月の有識者検討会におきまして、歯科関係者からのヒアリングを行った上で、産業医学の専門家及び労使の代表が最新の医学的知見などを基に検討を行っていただきました。その中で、歯科疾患は業務上の措置を必要とする疾患と関係するエビデンスが乏しいと判断されたと承知しております。 以上から、今年一月の労働政策審議会の建議におきましては、歯科に関する項目を法定健康診断に追加することに関しては、業務起因性、業務が原因で疾病にかかる、又は業務増悪性、業務が原因で悪化する、あるいは就業上の措置などのエビデンスが乏しいということを踏まえると困難であるとされた一方で、労働者の口腔の健康の保持増進は重要であることから、今後、好事例を展開するなど普及啓発を強化することにより、歯科受診につなげる方策を検討することが適当であるとされたところでございます。 これを踏まえまして、一般健康診断問診票の回答を基に歯科受診勧奨を行うように健診機関に依頼しているところでありまして、引き続き周知を進めてまいりたいということでございます。
○山田宏君 そうなんですよね。労働安全衛生法で一般健診入れていくためには、業務起因性、業務増悪性、何なのかというと、仕事でその病気が出た、仕事が原因でその病気になった、仕事が原因でその病気が悪化した、こういう科学的根拠が要るんだと、こういうことであります。 だから、歯科でいうと、仕事を通じて歯科疾患になった、仕事をやったからそれが悪化した、こういう証明が要るということになっているわけです、一応。 私は、でもですよ、過重労働になっていったときは歯だって痛くなるんだよね。そういうことを考えると、やはりこれ、歯科の、口腔内の重要性は高齢、労働者にとっては極めて重要で、会社にとってもすごくプラスになる話なんだけれども、法律上その問題があるんならば、私は、ここでやっぱり腹を据えて、この歯科と、歯科というか歯と口腔内と労働の関係、口腔疾患と労働の関係性について科学的に研究してみたらどうかと、こう考えているんですけれども、そういう研究を進める考えはないか、是非お願いしたいと思うんですけど、厚労大臣に御答弁いただきます。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今、先ほどから審議を聞いておりまして、非常に大事な観点だというふうに思っております。 いずれにいたしましても、総理の所信等にもありましたように、攻めの予防医療を進めるためには歯の健診というのは非常に重要でありますし、全世代でそうした取組を進めていただくということも大事でありますので、そうした研究、今御指摘でございます、どういったことができるかということにつきましては十分研究をさせていただいて、取り組ませていただきたいというふうに思います。 委員からも、また御意見ありましたらどんどんお申し付けいただければと思います。
○山田宏君 研究をするんじゃなくて、研究することを検討することをお願いしたいと、こう考えております。 もう時間がないんですが、私、あっ、もう終わり。じゃ、もう終わりましたので、よろしくお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○自見はなこ君 よろしくお願いいたします。自由民主党の自見はなこです。 上野大臣、また長坂副大臣、仁木副大臣、そして神谷政務官、栗原政務官におかれましては、厚生労働行政、大変幅広いですが、国民の命、全てに直結する生活と命を守る大変重要な行政でございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 まず、一問目でございますが、私の方からも、山田先生と同じ問題意識からの御質問をさせていただきたいと思ってございます。 御案内のように、この長年デフレが続いておりましたが、私ども明らかに今インフレ基調ということの中で生活をしているわけでございまして、特に公定価格、医療、介護、福祉、私どもの領域には実に九百三十八万人の労働者が働いているとも言われてございます。一人一人が必死になって現場を守って、そして一億二千万人のこの国の全ての皆様の生活をお支えをしていると、こういったわけでございまして、給付と負担ということが言われますが、是非、負担の議論だけではなく、この給付、すなわちサービスを提供しているからこそ支えられている生活があるんだと、国があるんだという視点から質問させていただきたいと思いますし、その同じ認識に厚生労働省も立っていただけたらと思っております。 そういった中でありますけれども、今私どもの病院はもう八割以上赤字でございまして、御案内のように、大学病院も五百億以上の赤字というような、各種の声明がいろんなところから出されております。介護の倒産も過去最多でございますし、診療所におきましても四五%が赤字でございます。経常利益ということをよく言われますが、診療所の場合、無床診は中央値が二・五%でありまして、最頻値は〇・〇から一・〇まで実に落ちているという状況でございます。 もう、一年少し前から、私はいろんな郡市の医師会の開業の先生方とお話ししても、もう銀行がお金貸してくれなくなったという声がその当時から聞こえておりましたので、もう末端に至るまで今限界ぎりぎりです。私たち、本当に急いで手当てしなければいけないというこの緊張感の中で毎日を過ごして、もがきながら過ごしております。 御案内のように、医療の診療報酬の改定は原則二年に一度、そして介護と障害福祉については三年に一度でございます。今回、まず補正ということも非常に重要でありますが、同時にこの本体も非常に重要でございます。 その中で、六月十三日に閣議決定をされました政府の骨太方針の中で、三十年ぶりにと私は申しておりますが、大きな天の岩戸が開いたような瞬間でございました。すなわち、物価と賃金の上昇分についてはきちんと加算をするんだと、ミシン目を入れて上乗せして対応するということを明言をしていただいた上で閣議決定をいただいております。 その際に非常に重要になってくると思っておりますのが確実な対応ということでありまして、この物価と賃金の部分について、特に賃金については平均の賃上げ五・二六%というのがこの春闘等の数字でもございますので、ここは毎年、基本部分は、物価と賃金はきちんとその都度改定していく仕組みが必要ではないでしょうか。これはもう政治闘争でやるような話ではございませんで、当たり前のものとして、公定価格、公的セクターを支える厚生労働省のお仕事として、毎年改定の仕組みを今度しっかりとぶつけていただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員御指摘のとおり、医療、介護の現場等におきましては、もう待ったなしの課題が山積をしているというふうに思います。 今、大学病院で五百億の赤字というお話がありました。公立病院では四千億の赤字ということであります。また、それぞれの医療機関、診療所等も含めて大変厳しい状況にありますし、また、賃上げの影響、賃上げがなかなか本当に難しい、そういったことに直面をしている状況でもございます。 そうした課題、しっかり解決をしなければ、今委員から御指摘があったように、国民の皆さんの命あるいは暮らし、これをしっかり守っていくことができないと考えておりますので、持続可能な社会保障制度の確立に向けて、しっかりと我々としても意を用いて強力に進めていきたいと考えています。 その上で、今御提案がありましたけれども、今回、先ほど来議論になっておりますが、まずは補正予算でしっかりとした対応をさせていただいて、それをしっかりと診療報酬改定等につなげていく、そういった方針で取り組ませていただいているところでございます。 今委員が御指摘のありましたとおり、物価の上昇局面におきましては毎年改定することについてはどうだというような御指摘かと思いますが、それは、まずはその時々の社会情勢、財源規模又は負担の在り方、そうしたものを様々な観点、総合的な観点から検討されるべき課題だと考えております。 いずれにいたしましても、現場の皆さんをしっかり支援していくということが非常に重要でありますので、診療報酬の改定の在り方、介護報酬の改定の在り方、また補正予算等における補助金等の在り方につきましては、皆さんからの御意見も十分踏まえてしっかり検討させていただきたいと考えています。
○自見はなこ君 今のは前向きな答弁と受け止めてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 前向きかどうかはなかなか申し上げにくいんですが、しっかりと踏まえて検討はさせていただきたいと考えています。
○自見はなこ君 三十年に一度の天の岩戸が開いたような骨太ができたわけでありますから、それの上に、土台に乗っかって、厚生労働省としてはしっかりした対応が必要でございます。 今回、この物価が上がっている局面において毎年改定する仕組みというのをぶつけるのであれば今回が絶好のチャンス、今回しかないぐらいのチャンスでございます。私どもはやはり政治の力を使ってここはしっかりやっていくというのは重要だと思っておりますが、一方で行政としては、毎年ちゃんと対応する、それをやり遂げるというのが私は行政の責任だと思います。政治力ばかりを使って毎年このような闘争をするというのは、私は非常に不適切だと思っております。 いま一度、大臣の御決意をお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 繰り返しになって恐縮ではございますが、医療、介護の現場におきまして、物価、賃金等の動向を踏まえて機動的な対応を行うということは非常に重要でありますし、そうしたことが今年の骨太の方針にも明記をされたというふうに認識をしています。それを踏まえて具体的にどうするかということにつきましては、委員からの御指摘も踏まえてしっかりと検討をさせていただきたいと思います。
○自見はなこ君 ありがとうございます。気持ちをしっかりと感じました。 また、その中には薬価も非常に重要だと思っております。薬価が毎年ここまで下げられている現場で、なかなか安定供給が見出せないという声も現場からも聞いております。また、病院団体は最低でも一一%、本体では必要だ、申し上げています。私個人の感覚を申し上げれば、最低でも一〇%、本体で確保をしていく必要があると強く思って活動を展開してまいりたいと思っております。 次の質問でございます。 このような医療従事者の皆様の賃金がなかなか上がらないという状況が続いておりまして、大変、現状深刻でございます。例えばでありますが、義肢装具士という職種がございます。この職種は、整形外科の先生が処方したその処方箋を基に補装具を作っていただいております国家資格でありますけれども、現在、四国と東北ブロックには既に養成校が閉校されてしまいました。ところが、募集定員がどんどん割れておりますので、ついに北海道の二校ももう募集が停止でございます。ですので、数年後からは、東北・北海道地域には、例えば義足を作りたい、コルセットを作りたい、あるいは、重症心身障害児の方の長く寝るようなバギー等がございますけれども、そういったもののオーダーメードができなくなるという事態にまで発展をする様子でございます。 是非ここは、厚生労働省におきましては、こういったコメディカルの医療人材の確保について、その状況、養成校の状況を把握しているのかということをお尋ねしたいということと、今後、これは医療界巻き込んで、医師も、いろんな学会がございますけど、巻き込んで対応していく必要があるのではないかと思っております。是非、厚生労働省の見解をお伺いさせてください。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、委員御指摘の義肢装具士を含めまして、理学療法士や作業療法士など多くの医療関係職種の養成校の定員の充足率が低下傾向にあると、そういう現状を把握をしております。 これに加えまして、今後、地域によっては、十八歳以下の人口減少が急激に進むことから、養成体制の確保は更に厳しい状況になるものと認識をしております。 そのため、地域における医療従事者を確保するためには、地域において必要な教育を受けられる体制を安定的に確保するということが重要であると考えておりまして、社会保障審議会においても具体的な議論を今進めておるという状況でございます。 引き続き、関係者の意見も踏まえながら、今後取り組むべき事項について検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○自見はなこ君 是非、緊張感が必要な局面にまで来てしまったと思っておりますので、精力的に検討を進めていただきたいと思っております。 特に北海道、広い大地でございます。私も夏の間を利用して日高地方に伺いましたけれども、北海道の日高地方は、東京と同じ面積で六万人程度の人口で、大きな病院が襟裳岬の方に、まあ基幹病院的なものが大体二つということ、病院薬剤師さんも足りないという状況でございました。 もちろん、これは全国にも共通することでありますけれども、特にやはり北海道、東北のこの土地の事情を考えたときにおいても、この話は決して小さい話ではないと思っております。 どの場所にいても事故で突然足を失うこともございますし、重症な障害を負うこともございます。そのときに、オーダーメードの義足を作ってくれる方がおられないと、リハビリテーションしていても擦れてしまう、皮膚との接続部が擦れてしまって、それをきちんと補正していただく方がいないというのがもう間近になってございますので、是非、こういう切実な課題に厚生労働省としても適切な、そしてかつ急速な対応をお願いしたいと思ってございます。 次の質問でございます。 周産期の医療提供体制も大きな危機に瀕していると言わざるを得ません。現在の二次医療圏は三百三十五ということでありますけれども、周産期の医療圏ということで、二百六十三という、新たに指定を前回からしていただいておりますが、この周産期に特化した二百六十三の医療圏におきましても、既にもう七か所、分娩ができる施設がなくなってございます。 また、御案内のように、一次医療機関で、まあ有床診が多いわけでありますけれども、出産を支えていただいておりますが、病院長の先生方の平均年齢は今や六十歳でございます。地域によってはもう七十、七十五というところもございますので、やはりこれからどんどんとそういったところの先細りがある中で、物価上昇ですとか、あるいは新たな保険化の議論というところでございまして、この一年だけでも出産については分娩停止した医療機関が増えておりまして、その事態が大変深刻度を増してございます。 また、小児科の医療機関も同様でありまして、やはり不採算部門というレッテルが貼られる中、ずっと病院でも頑張って対応を続けておりますし、開業の先生方も、少子化でございますので、子供さんの数がいない中、経営がどんどん厳しくなっている。しかも、小児科の場合は、産婦人科の先生とちょっと違いまして、やはり地域に面として展開しているということが求められますので、一次的なこの集約化になじまないといった性質もございます。 そういった中においても、私ども日本は、やはり安心の妊娠から産前産後、出産、そして包括的なケアというものが求められております。 その中で、これもなかなかショッキングではございますが、赤ちゃんを産む場所の産科の病棟は、混合病棟という言葉聞いたことある方おられると思いますが、混合病棟が非常に多い、約八割でございます。お産をするためだけの特化した病棟になっていなくて、実は八割混合病棟、そのうち二一・七%は男性の患者も同じ病棟の中にいるという状況の中で、助産師さんたちは、分娩が進む中、適切なケアをしつつも、その合間で例えば男性患者さんや女性のほかの疾患の患者さんの点滴を変えたりしながら、一生懸命に対応していただいている。ただ、なかなか、助産師という職業をいただいているにもかかわらず、そこだけに専念をするということが許されていないわけであります。 今は医師の働き方も進んでおりまして、産婦人科のドクターがしっかりと休息が取れるということも求められている中で、先進的な病院では院内助産あるいは助産師外来というものも積極的に推奨していただいておりますし、先ほどの混合病棟から、母子包括ケア病棟というものを産婦人科医会と看護協会がまとめていただいておりますけれども、産科区域を特定してしっかりとしたケアに当たっていただいているところでもございます。 是非、厚生労働省にお伺いしたいのは、このような状況ではございますけれども、周産期、小児、周産期というのの政策医療として行っていただいているとは思いますが、もう一段階、その手厚い支援というもの、強化をしていただく必要がある。そして、同様に、その中において妊産婦の心のケア、非常に重要でありますから、それが置き去りにされないようなケア、産科の、母子包括ケア病棟や産科区域の特定、こういったものを政策としても進めていく必要があると思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、出生数等の減少によりまして、地域によっては議員おっしゃるとおり分娩施設や小児医療施設の維持が困難となっていると、そういう点については承知をしておりまして、非常に深刻な課題であると受け止めております。 厚生労働省といたしましては、今後の小児、周産期医療の提供体制について検討する場として、地域医療構想及び医療計画等に関する検討会の下にワーキンググループを設置いたしまして検討を始めているところでございます。 また、委員御指摘の産科区域の特定につきましてでございますけれども、令和七年度の予算におきましてこの産科区域の特定に必要な支援を実施するとともに、診療報酬については母子の安定や安全に配慮する産科の入院病棟における管理に対しまして、産科区域の特定や産後ケア事業などの母子保健事業との連携を円滑に行うための評価について、現在、中央社会保険医療協議会において議論を行っているところだと承知をしております。 引き続き、小児、周産期医療の提供体制の確保に取り組むとともに、こども家庭庁や関係部局と連携して、母子保健と周産期医療の連続性や母子の心身の安定、安全等も踏まえた取組を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○自見はなこ君 是非、応援をしております、よろしくお願いいたします。 最後に一問でございます。 攻めの予防医療、非常に重要だと思っております。その中で、家族性高コレステロール血症という病気がございます。生まれながらにして、常染色体優性遺伝でございますので、これはもう小学生のときから高脂血症が顕在化しておりまして、男性では早いと十七歳から、女性では二十六歳から動脈硬化が認められます。未治療の場合ですと十倍、心筋梗塞になりやすい。しかも、二百五十人から三百人に一人の頻度でございまして、心筋梗塞の一〇%を占めるとも言われております。香川県では十年以上前からこれを、小学校四年生と中一で採血をしておるところであります。 是非、私は、これは厚生労働省の特定健診、四十歳からでありますが、攻めの予防医療、これ六千七百億を掛かる医療費の一〇%が削減されるかもしれないわけでありますから、是非、特定健診の年齢制限の考え方を改めていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 御指摘の家族性高コレステロール血症については、日本小児科学会と日本動脈硬化学会が作成したガイドラインにおいて、小児期からの早期診断及び早期介入が重要と示されていると承知しております。その中で、今委員御指摘の香川県では積極的な取組をなされていると、このように承知しております。 こうした小児期の検査を四十歳以上を対象としている特定健診で行うのかということにつきましては、御案内のように、これ、高齢者の医療の確保に関する法律に基づいて行われているわけですが、保険者が例えば被用者保険の場合には、被扶養者である児童に行うんですかということになりますので、その効果的、効率的な実施ができるのかといった点から慎重に検討すべき点があると思っています。 ただ、その上で、現在、厚生労働科学研究におきまして、家族性高コレステロール血症等の予防、実態調査も行っておりますし、関係省庁の御意見もお伺いしながら、御指摘の香川県の取組をどのように活用できるのかということも含めまして、どの主体が実施するのが合理的に進められるのかと、こういった点についてよく整理、検討してまいりたいというふうに思います。
○自見はなこ君 FHについては、医療費削減のエビデンスももう既に出ておりますので、是非前向きな御検討をお願いいたしたいと思います。 時間が参りましたので終わります。ILO議連のことを話したかったんでありますが、またの機会に譲りたいと思います。 本日はありがとうございました。
○小西洋之君 立憲民主・社民・無所属の小西洋之でございます。 厚生労働委員会に戻ってきたのは久しぶりでございまして、何か、小西さん厚労やっていたんですかとか言われるんですが、実はずっと厚労にいたんですけれども、いわゆる安保法制ですね、二〇一四年の解釈改憲の後に、当時の外交防衛委員会の、防衛大臣を務められた北澤筆頭がいらっしゃって、小西君は秋から外交防衛委員会に来てもらうとかいきなり言われて、いや、厚生労働委員会は人気でやっとようやく入れて、患者団体の皆さんのお声だとかいろいろ頑張らせていただいているのに困りますと言ったんですが、元自民党の保守政治家はすごくて、あっという間に根回しされてしまって、外交防衛委員会の筆頭理事などずっと務めておりました。 ただ、そのおかげで存立危機事態条項の憲法違反の論証など頑張らさせていただいたんですが、ただ、思いは同じで、違憲の戦争で国民を殺す、傷つけるようなことは絶対あってはならないと、また、防衛費の増額、防衛費倍増によって世界第三位の軍事費の国になっていきますが、一番圧迫を受けるのは社会保障でございますので、厚生労働行政を守るという信念で外交防衛委員会でずっと頑張ってきてまいりましたので、小川委員長始め、どうか皆様よろしくお願いをいたします。 それで、今日は大臣の所信の、私にとっても本当に久しぶりの質問でございますので、一番根本のところから御質問をさせていただきたいと思います。 厚労省の官房長に質問なんですけれども、我々の厚労行政は法の下の行政でなければいけないんですが、一番上は最高法規憲法でございます。憲法に基づいたときに、厚生労働省の職員、すなわち厚労省って一体何なのか、何をするためのところなのかということを答弁をいただきたいんですが、日本国憲法に基づく厚生労働省職員の使命とは何かについて、官房長、答弁をお願いします。
○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。 日本国憲法第十三条におきましては、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と規定をされております。 また、第二十五条第一項におきましては、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定されており、同条第二項におきましては、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定をされているところでございます。 さらには、憲法第二十七条第一項におきまして、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」と規定されておりまして、同条第二項におきまして、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」と規定をされているところでございます。 これらの憲法の規定も踏まえまして、厚生労働省の任務といたしましては、厚生労働省設置法第三条第一項におきまして、「厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。」と規定をされております。また、同条第二項におきましては、「厚生労働省は、引揚援護、戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族等の援護及び旧陸海軍の残務の整理を行うことを任務とする。」と規定をされているところでございます。 このように、厚生労働行政は、かけがえのない個人としての尊厳を有する国民の皆様の生活を生涯にわたって支えるという使命を担っております。職員は、この国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すとともに、社会経済活動の安定に資するよう、職務に邁進をしているというところでございます。
○小西洋之君 大変格調高い答弁をありがとうございました。 初めと最後に、憲法十三条の個人の尊厳の尊重ということをおっしゃっていただきましたけれども、まさに厚生労働省の職員の皆さんが日々本当に大変な思いで担ってくださっているこのお仕事というのは、国民の皆さんの命、そして人生、生活、まさに国民の皆さんの尊厳そのものに直接関わる大切なお仕事であると。 厚労省の法律に、医療法ですとか障害者総合支援法ですとか、第一条の目的規定などに、この個人の尊厳ですね、国民の皆さんの尊厳という言葉がたくさんあります。もちろん、ほかの役所の法律、私も立法に関わったいじめ防止法は、一条に尊厳、子供の尊厳という言葉を入れましたけれども、厚労省が所管する法律ほど、日本国憲法の中核条文である個人の尊厳の尊重が明文で書かれている法律をたくさん持っている省庁は厚労省のほかにはないと思います。是非この個人の尊厳の尊重を実現するという思いで、上野大臣、一緒に頑張らさせていただきたいと思います。 では、こうした使命を持つ厚労省であるわけでございますが、ただ、本当に厚労省のお仕事は大変でございまして、特にこの二〇四〇年に向けて、日本は人類が経験したことがないような高齢化、しかも大きな人口減という構造の中で国民の福祉を守っていかなければいけません。 大臣に質問ですけれども、二〇四〇年を見据えて、社会保障分野、本当にいっぱいあるんですが、どういう主要課題があるかと考えているか、大臣の認識をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 二〇四〇年、非常に、二〇四〇年に見据えて社会保障の課題というのは多岐にわたろうかというふうに考えておりますが、幾つか重要な点につきまして御答弁をさせていただきたいと思います。 まず、生産年齢人口、これが減少してまいります。加速化いたします。そうしますと、やはり医療、介護、障害等の分野におきましても、人材の確保ということが非常に大きな課題になると考えています。また、社会保障給付費、これも年々増加をしますが、将来世代も含めた全世代の安全を保障し、その持続可能性、これをしっかり高めていくためには、給付と負担の在り方、そうしたことについても十分に取り組んでいくことが必要だと考えています。 また、人口構造、これが変化をいたしますが、それに伴いまして、医療、介護の需要についても変化をしていくというふうに考えておりまして、今お話がありましたとおり、二〇四〇年、八十五歳以上を中心に高齢者数はその頃までにピークを迎えるわけでありますので、医療、介護の複合ニーズを有する高齢者の増加、こうしたことに対応していくことが必要であります。 また、人口減少等のスピードにつきましては、これは地域間で大きな差異ができる、差異が出ることが想定をされておりますので、地域ごとに異なるそういった状況を前提にして、社会保障の分野におきましても、課題、ニーズ、そうしたものに対応した医療、介護の提供体制をしっかりと確保していくということが非常に大事だというふうに考えておりますので、そうした観点に十分に意を用いながら今後の社会保障政策を進める必要があるというふうに考えております。 また、そうした中におきましては、やはり全ての世代で、能力に応じて負担し支え合う、そして必要な方に必要なサービスを提供し合う、そうした全世代型社会保障の観点が非常に大事でありますので、そうしたことも十分見据えて我々としては行政に取り組んでいくことが必要だと考えています。 以上です。
○小西洋之君 ありがとうございました。 先日の所信の根本にある大臣としての、厚労省としての認識だと思うんですが、今大臣がおっしゃっていただいたような本当に多岐にわたる重要な分野、医療から介護から福祉から、あるいは雇用等々、本当に、それらの分野。 今、永田町は衆参にわたって少数与党でございます。私もかつて官僚で働いていたんですが、かつてでしたら与党にしっかりと守っていただいて、野党もいろんな提案をするんですが、そうはいっても、与党が過半数持っていればこれで国会は通るかなということだったんですが、これからはやっぱりそういう政治ではないと思うんですね。 やはり、我々も法律を作り、厚労省にいろんな政策をお願いしますが、実際の政策を担っていただくのは厚労省、厚労大臣、上野大臣でございますので、上野大臣の政治姿勢について御質問させていただきたいんですが、こういう衆参にわたる少数与党の政治において、しかも、今、大臣が今答弁していただいたように、二〇四〇年に向けて本当に難しい政策を国民の皆様のために議会制民主主義の下でつくっていかなきゃいけないと思います。 そうしたときに、我々野党の提案であっても、国民の皆様のために必要性もあり合理性もある正しい提案であれば、与党はもちろんそれを受け入れていただきたいんですが、厚労省としてもそういう野党の提案をしっかりと受け入れていく、もちろんですよ、もちろん与党と協議した上でで結構なんですが、与党と協議した上で、厚労省としてもそうした野党の正しい提案については受け入れていくと、そういう政治姿勢であるということでよろしいでしょうか。明確な答弁をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変重要な視点だと考えております。 私、大臣に就任をさせていただく前は、厚生労働委員会、衆議院の筆頭理事を仰せ付かっておりました。その審議におきましては、例えば年金改革の法案につきましては、まさに委員が所属される立憲民主党の皆さんとしっかり協議をさせていただき、また各野党の皆さんとも協議をさせていただきました。もちろん、当時の与党、今は違うんですが、公明党の皆さんともしっかりと協議をさせていただいて法案を取りまとめさせていただきました。ほかの法案につきましても、各政党の皆さんとその都度その都度しっかり協議をさせていただいて委員会運営に取り組んできた経験がございます。 今お話のありましたとおり、衆議院も、そして参議院も我々は少数与党ということになりますので、当然ながら、政策を実現していくためには、幅広い政党の皆さんの御理解が、御協力がなければ成り立たないわけでありますので、十分、今委員が御指摘がありましたとおり、いろんな御提案をいただけると思います。そうしたものですばらしいなというのは当然たくさんあると思いますので、そうしたものも十分踏まえて行政として取り組んでいきたいと思います。 なお、法案の取扱いにつきましては、やはり国会の場で御議論をいただくことでありますので、それにつきましては国会で十分な各党の協議をしていただければと考えているところであります。
○小西洋之君 大変明確な答弁、ありがとうございました。何か、上野大臣のこと好きになりそうですけれども。 是非、局長の皆様も、ただ、我々野党が行う提案がむしろ間違っている提案もそれはあると思います。そのときはやっぱり率直におっしゃっていただいて、ただ一方で、野党が申し上げる提案が、本当に厚労省の国民のための行政という見地から、あっ、これはやるべきだというのがあれば、是非そうした建設的な議論、またそうした政策の受入れ実現をお願いをさせていただきたいと思います。 では、次に、今本当に戦後最大の医療崩壊の危機と言っても過言でないと思うんですが、この医療分野の経営問題について質問をさせていただきます。 まず、補正予算の閣議決定が迫っているということなんですけれども、私たち立憲民主党も、昨日、官邸の方に我々の経済対策を提案を申し上げさせていただきました。私、実は今、党の厚労部門の部門長を務めているんですけれども、私どもの提案なんですけれども、暮らしと命を守り、賃上げを実現していく経済対策ということでございまして、特に、命を守るというところに、この経営困難な医療機関、介護、障害福祉施設等に対する支援を盛り込んでおります。 公立、公的、国立大学病院、民間などのこの病院に対する支援、これは病床単位で我々は積算をさせていただきました。また同時に、診療所の支援もしっかりしなきゃいけないということでございまして、これはレセプト単位で積算をさせていただきました。また、医療機関の従事者の処遇改善、また介護、障害福祉の事業者の皆様の処遇改善、また問題となっております訪問介護ステーションへの支援、そして全ての介護、障害福祉施設ですね、これは施設に対しての支援、こうした支援について、人件費と運営費の双方について積算を行って支援を行っていくというのが我々の経済対策でございます。 是非政府も、我々の提案を大いに参考に、また大いに我々の提案を酌んでいただきたいと思うんですが、それについて厚労大臣の所感を一言お願いをいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘がありましたとおり、医療機関を取り巻く状況は大変厳しい状況があります。また、介護の分野でも同様でございます。 今具体的に経済対策、また補正予算、最終的な取りまとめに向けて調整を進めておりますので、具体的な中身等々につきましては、あるいは水準につきましてはコメントはできませんが、いずれにいたしましても、御党からの御提案につきましても、思いは共通をしているというように思いますので、そうしたものもしっかり受け止めさせていただいて最終的な取りまとめに努めたいと考えているところであります。
○小西洋之君 しっかりとした答弁をありがとうございました。 この通告の問いの後段なんですけれども、先ほど自見先生も御質問がございました、賃金とこの物価の高騰ですね、まあ余り、ちょっとあれなんですが、これアベノミクスの失敗というのが本当に今の物価高騰は大きな原因で、これを何とか、これまさに超党派で解決しないとこの国難を救えないと私は思っているんですが、まあそれはさておき、この賃金と物価の高騰が病院の経営等を圧迫、大変な今苦境に陥れているわけでございます。 まさに自見先生の御指摘なんですが、やはりこの診療報酬の改定という仕組みがこの今の現状に全く追い付いていないので、これを変える、私も骨太の記載等を踏まえると絶好の政治的環境にある、チャンスではないかと思うんですが、ただその根本に、さっきも大臣も一生懸命答弁をされていたと思うんですが、その根本にやっぱりしっかりとした問題意識がないといけないと思うんですね。なので、質問通告をさせていただいておりますけれども。 上野大臣におかれましては、急激な物価や賃金の上昇局面では二年ごとの診療報酬改定は制度として構造的な問題があると、構造的な何らかの問題がある、そういう問題意識があるかどうか、その問題意識の有無について答弁をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 二年ごとの診療報酬等の改定でございますので、急激な物価、賃金の上昇があれば、それに診療報酬として当面対応できないという課題はもちろんあろうかというふうに思います。 その上で、具体的にどういった対応をしていくか。先ほど、今回は補正予算でしっかり対応をして、それから診療報酬、介護報酬等の報酬改定につなげるということでありますけれども、どういった対応をするかというのはまた政策的ないろんな判断があろうかと思いますので、認識についてはそういう認識ではございますが、今後の対応につきましては、先ほどと答弁共通になりますが、そうした御意見もしっかり踏まえて今後の対応については考えさせていただければと思っています。
○小西洋之君 認識としてはそういう認識だというふうに、構造的な問題の認識があるというふうに明確に答弁をいただいたと思います。 まさにこれ、国民負担の問題にも当然なるわけでございますので、私なりの思いではございますけれども、やっぱり我々、政治として、やっぱりポピュリズムというのは非常によろしからぬことでございまして、やっぱり社会の現実をしっかりと国民の皆さんに伝えて、国民の皆さんにもお願いするものはお願いすると。ただしかし、それは公平で公正な、かつ持続可能なルールでなければいけないと思いますので、我々もそういう思いを持って一緒に社会保障の仕組みをつくる議論に参画をさせていただきたいと思います。 では、次、労働時間の規制緩和の質問でございますけれども、高市大臣が労働時間規制の緩和の検討について総理指示を行い、上野大臣もさきの所信でその検討に取り組んでいくと表明をされております。 一方、大臣は、参議院の予算委員会で、日本の就業者全体のうちの就業時間を増やしたい人は約六・四%、あるいは残業時間を今より十時間程度増やしたい人は全体の二・〇%、あるいは残業時間を今より二十時間以上増やして月八十時間を超えて残業したい人は約〇・一%という調査結果を答弁されているんですが、この調査結果、六・四、二・〇、〇・一を見ると、大臣は果たして労働者の側にこの労働時間の規制緩和のニーズがあると考えているのかどうか、この自ら答弁された数字を踏まえたときに。大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘ありました令和六年の労働力調査によりますと、就業時間を増やしたい方は約六・四%となっておりまして、さらに、厚労省が令和五年度に行ったアンケート調査を基に試算をいたしますと、残業時間を今より十時間程度増やしたい方は全体の約二%、今より二十時間以上増やして月八十時間を超えて残業したい方は約〇・一%となっており、委員御指摘のとおりでございます。 これ、一つは、昨日も衆議院の厚労委員会の方で議論があったんですが、十時間程度増やしたいという方の中身といいますか、これはどういう水準の方、どういう上限規制に掛かっている方がそうおっしゃっているのかというのが十分分からないというような御指摘もありましたので、我々としてやはりもう少し細かく見ていくことが必要ではないかというふうに考えております。 その上で、労働時間規制でございますが、今委員からも時間の問題というお話があったかと思いますけれども、我々としては、労働時間規制につきましては、当然上限規制ということはありますが、それ以外にも、割増し賃金であったり勤務間インターバルであったり、あるいは裁量労働制であったり、様々な制度がありますので、そうしたものも含めまして今総点検をさせていただいているところでございます。 総点検の中でも様々なヒアリング等も実施をさせていただいているところでありますので、そうしたことを踏まえて今後の対応について検討させていただければと思います。
○小西洋之君 総点検するのは、働き方改革が必ずしも様々な労働現場で適切に実行されていないというのはもう数字もある話でございますので、総点検するのはむしろそっちの方だと思うんですが。 いずれにしても、高市総理が一体何を考えているのかよく分からないんですね。高市総理はこういうことを言っているわけですけれども、会社によっては時間外労働を上限規制以下の一定の水準で抑制しており、その結果、更に生活費を稼ぐために本業先に伝えず副業を行う方もいるという、何かこういうよく分からないような事例を挙げているんですが。 大臣に質問なんですが、今政府として、高市総理、上野大臣、また大臣の下の厚労省として、今私が申し上げた、高市総理が指摘しているケース以外にこの労働時間規制緩和、労働時間の規制の改革をしなければならないとする根拠、立法事実と言ってもいいと思うんですけれども、そういう根拠って何か具体的にあるんですか、具体的に何か。あるんであれば答弁してください。ないんであればもうないと、イエスかノーかで答弁ください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高市総理が再三申し上げているのは、委員今御指摘がございましたけれども、時間外労働を上限規制以下の一定の水準に抑制しておって、その結果、本業先、更に副業をして、それの健康を損ねることが心配だ、そういった旨のお話をされているかと承知をしています。 実際に、今、本業先に副業をしていることを知らせている労働者の割合というのは二五%にすぎませんので、残りの七五%の方に関しましては、時間管理であったり、健康確保措置であったり、そうしたことが十分できていないのではないかということを我々としても懸念をしています。 その上で、今、立法事実というお話がございました。大変恐縮なんではございますが、今、先ほどの総点検の中で企業等からのヒアリングあるいはアンケート調査、そうしたものを実施をしているところでございまして、その中で、制度なりを改正するような具体的な事実があるかどうか、そうしたところは我々としてもしっかりと見て、検証をしていきたいと考えています。
○小西洋之君 ありがとうございます。 多分、今の答弁だと、この改革の根拠の立法事実というかケースって、多分、高市総理が言っているものだと思うんですが、高市総理が言っているこの副業云々のケースは、これ誰が考えたんですか。厚労省が考えたんですか。それを答弁いただけますか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変恐縮ですが、それにつきましては存じ上げません。
○小西洋之君 ちょっとそれは大臣が、本会議でも言っているようなことなので、それを、総理が本会議でも言っているようなことをやっぱり厚労大臣が御存じないというのは良くないと思うんですが、多分、午前三時の独学の中でつくられた、あの存立危機事態と同じような問題のある問題提起なのかなというふうに私は受け止めますけれども、じゃ、短くどうぞ。
○国務大臣(上野賢一郎君) 存じ上げないというのは、具体的に誰からどういった情報を基にお話をされているかというのは知らないということでございまして、いろんな方からお話を当然お伺いされているというふうに考えておりますし、いろんなデータについても拝見をされているというふうに考えています。
○小西洋之君 いや、総理大臣がしゃべっている内容が何を根拠に言っているかというのをやっぱり所管大臣がしっかり、所管省庁も把握しないと行政のガバナンスが利かないので、それは問題だとは思うんですけれども。 いずれにしても、さっきおっしゃいましたけど、私、何かこの裁量労働制の緩和を、大臣、何か政府が狙っているような気がするんですけれども、いずれにしても、やっぱりこれ命が関わる問題であり、非常に簡単なことで変えれるようなものではありません。もちろん人手不足の状況である等々、それは我が党もよく理解をしております。しかし、譲ってはいけないものは確かにあるはずでございますので、そこは今後我が党も厳しく、しっかりと向き合ってまいりますので、そうした御認識をお願いをしたいと思います。 じゃ、次の問いに行かさせていただきまして、失語症対策ですけれども、私、厚生労働委員会にいたというふうに申し上げましたが、元々、私、今で言うところのヤングケアラーのような半生で、父親が十歳のときに脳卒中で倒れて右半身麻痺の一級障害で二十一年余り寝たきりだったんですけれども、まあ名前を言うのもなんですが、小西義昭という人間で、京都大学で博士号を取って、徳島大学で工学部の助教授をやって、科学誌のネイチャーで二回論文も載ったような科学者だったんですけれども、非常に若い、四十代で倒れてしまいまして、十年後に脳梗塞をやって失語症を発症しまして、非常に家族から見ても重い失語症だった。当時、まだ介護保険もないような時代で、また病院の中もいろいろ患者に対する向き合い方というのは今とは全く違う世界でございまして、冒頭申し上げた、自分では、自分の力では自分を守ることができない、そういう人の尊厳を守らなきゃいけないというようなことが私の政治の原点であるわけでございますけれども。 この失語症なんですが、自見先生とも一緒に私も発議者になった、二〇一八年に循環器病対策の基本法で、附則の三条というので初めて失語症という文言を我が国の法律に入れて、また、この失語症というのはコミュニケーションについての重い障害を持つ病気でございますので、なかなか皆さんたちでその自らの課題に対して声を上げられない、また我々、行政や我々、まあこれは反省も含め、議会も含めてその声をなかなか受け止め切れていなかったということで、谷間の非常に重い分野であったんですが、ただ、当時、与野党みんなで頑張って、法律の条文を書き、そして閣議決定の循環器病対策基本計画でも、この基本計画の文言は私も厚労省としっかりと意見交換、お願いもさせていただきました。そこには、就労支援だけでなく、経済的支援という言葉があるんですね。この経済的支援というのは、ちょっともう質問、時間が迫ったのでちょっと一本に絞りますけれども、実は先日、自見先生の下で超党派議連の、すばらしい自見先生の下の議連なので、フォローアップをしっかりやるということで、この失語症の方々の課題についてのフォローアップの議論をさせていただきました、厚労省とですね。 そのときに、障害等級に失語症は三級までしかないんですね。一級と二級がないんですね、ない。あと、年金等級も失語症は一級がないんですね。ただ、障害等級の一級で、例えばどういう方が一級になっているかというと、足の、両方の足の膝から下が失われていらっしゃる方ですね。それは大変な障害だと思います。ただ、例えば、そのような障害の方であっても、車椅子に乗って社会復帰をされ、あるいは社会においても会社の経営者のようなお仕事をされているような方もいらっしゃると思います。 ところが、失語症においては、本当にもう言葉のコミュニケーションそのものが大きく損傷される病気で、障害でございますので、なかなかそういう障害を持ったらまず社会復帰、職場復帰というのが非常に困難。で、どこかに就けた後も、ほとんど職場復帰できないような状況になっているんですね。今はもう九〇%から八〇%、そんな高い割合なんですが。かつ、社会に参加できても、非常な、大変な苦しみ、困難を負うと。 普通に考えて、普通に相手が話していることを理解し、また自分の思いを言葉できちんとなかなか伝えることができない、あるいは文字を書いたりパソコンで文書を作ったりすることが困難な方がなぜ一級にならないのかというのは、誰が考えてもおかしい。 で、また、同じことなんですが、年金等級、これも、申し上げるまでもなく、障害年金の趣旨というのは、私の父親も障害年金いただいて、そのおかげで私も含め四人兄弟育つことができましたけれども、これはやはり、障害を持った方はお金を稼ぐことができない、この稼得能力を補うのが障害年金制度の趣旨ですね。 それと、先ほど申し上げたような失語症の特性に照らせば一級にならないのがおかしいんですが、この誰が考えてもおかしい、もうはっきり言って憲法違反だと思うんですけれども、ただこの改善をただするためには厚労省も科学的なエビデンスが必要だということで、科研費に基づく調査をやっていただいたんですが、途中、変な学者さんが変な報告書をまとめて、厚労省もこれはいかぬというのでそれをやり直しとか、いろんなことがあったんですが、また今度、再びしっかりとした調査をやっていくと。 なので、質問なんですが、今後行う調査においては、今私が申し上げたような失語症の疾患あるいは障害としての特性、また、そのことによって失語症の患者の方々が現に負っているこの生活上の困難、あるいは社会生活上の困難、日常生活、社会生活上の困難という実態を、もうそこだけでいいと思うんですね、しっかりと調査をして、それに基づいてあるべき、さっき申し上げた障害や年金の制度の改善の検討を行っていくと、そういう方針でいいかということについて、厚労省、明確な答弁をお願いします。
○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。 小西先生におかれましては、先ほど冒頭に御紹介ありましたように、父君が失語症になられたということをきっかけに、熱心に失語症の関係、問題提起を御提案いただいていたものと承知をしております。 失語症のある方々、こういった方々が適切な診断とか治療とかを受けられると、そして、その後の生活を円滑に営むための体制を整えていくということは非常に大事な課題であると承知をしております。 現状においても各種福祉のサービスを通じての訓練であるとか就労に向けての支援、これはハローワークを受けてやっておりますが、(発言する者あり)済みません、で、令和七年度からの厚生科学研究において、今、失語症の方々がどれぐらいいらっしゃるのかという把握であるとか、あと、そういった必要な支援策の検討を行う際の基礎資料を整えていこうということで研究を実施しているところでございます。 この調査研究の成果も踏まえて、引き続きどういったことが必要かというのは検討してまいりたいと思っております。
○小西洋之君 ちょっと私が聞いたことをちゃんと答えてほしいんですが、通告もしているので。 今度の調査においては、失語症の障害や疾患のこの実態と、それが及ぼしている日常生活や社会生活の実態をきちんと捉えて、それに基づいて必要な社会保障の制度の改善、障害なり年金なりをやっていくという、そういう方向性でよろしいですね。イエスかノーかだけで答えてください。
○政府参考人(野村知司君) 現状等把握をした上で、どのような施策が必要かという検討につなげていきたいと考えております。
○小西洋之君 野村さん、前、総務課長でもお世話になった立派な方なので、信頼していますから、よろしくお願いをいたします。 じゃ、ちょっと最後、時間ですので、七番ですね、薬価の問題に移らせていただきます。 上野大臣ですね、上野大臣、かつて予算委員会で、日本のこの薬価制度のこの仕組みがゆえに、特に度重なる薬価改定今やってしまっているのでドラッグロスが起きていると、ほかの国では使えるんだけど日本では使えない大事な薬があるという御指摘をされていますけれども、その認識、そのまんまでよろしいかどうか、時間なので、はいとだけお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘は、私が令和五年に予算委員会で質問をした中身だと思いますが、ドラッグロスの原因の一つとして度重なる薬価改定で予見性が低下をしていることがあるのではないかということで質問をさせていただきました。 これ、度重なる薬価改定といいますと、これは中間年かどうかということではなくて、外から見て薬価の改定の在り方自体が複雑でよく分からない、そういった認識が海外からの視線であるのではないかという趣旨で申し上げさせていただきました。
○小西洋之君 質疑者での思いと、大臣になっても思いは変わらないと思いますので、やっぱり海外で使えている薬が国民に届いていないというドラッグロスの問題ですね、やっぱり現にあると思いますので、そこは大臣の認識は正しいと思いますので、この改善に、今度また薬価の改定もありますけれども、是非御奮闘いただきたいというふうに思います。 この薬価改定なんですけれども、この中間改定ですね、社会保障の全体の構造の中で、薬価は切り詰めて、医療のことを批判とかそういうのじゃなくて、医療分野に何とか診療報酬を付けていくという、そういう営みが全体としてはあったんだろうと思うんですが、やはりこの中間改定というのは、この現場を見ると、今、田村先生いらっしゃいますけど、この医薬の産業分野ももう人がどんどん離職をしているとか、非常に大きな問題を生んでいると思います。医薬品の流通の停滞ですとか、あるいは新薬を作る力の停滞ですとか、今申し上げたようなドラッグロスという問題があるわけでもございますけれども。 なので、大臣、さっきと同じ質問なんですが、薬価の中間改定というのは、医薬品の流通やあるいは創薬などの現場にやっぱり課題、問題は生じていると、構造として。構造として課題や問題を生じてしまっていると、そういう認識でいいのか、ちょっともう時間なので、もう明確に一言お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 中間年改定につきましては、今委員御指摘のようないろんな構造的な課題ももちろんあろうかと思いますが、一方で、国民負担の抑制等にもつながっている面もある。そうしたことを総合的にバランスよく、革新的な医薬品の供給であったり薬の安定供給であったり、そうしたことも含めたバランスのよい議論が必要だと思いますので、中央社会保険医療協議会等におきまして、関係機関、関係業界の意見も踏まえながら丁寧に議論を進めていただきたいと考えています。
○小西洋之君 この中間改定のですね、もちろんその財源がなかったら始まらない話なので、そこは我々もポピュリズムを言うのはなくて、政府と一緒にそうした問題意識を持って頑張らなきゃいけないんですが、ただ、もう深刻な、産業そのものが成り立たないというような課題を生んでいると思いますので、是非その見直しに向けて全力で取り組んでいただきたいと思います。 最後の質問なんですが、さきの常会で改正した薬機法に基づいて二つの薬を頑張っていく基金がつくられております。革新的な医薬品のもの、あと後発品の方ですね。 ちょっと時間なので後発品の方について絞って質問させていただきたいんですが、実は私、このジェネリック医薬品の使用促進なんですが、二〇一二年の医療費適正化計画というのに私それ入れさせていただいて、ジェネリックの国策化、使用の国策化をやらせていただいた議員なんですね。医療費適正化計画ってメタボと社会的入院の二つだったんですが、これジェネリック入れることができると気付いて、当時の保険局長さんが立派な方でですね、国民皆保険ちょうど五十年だったんですが、保険者機能という言葉を厚労省の法文書に初めて入れるということも一緒にやっていただいたんですね。 ところが、私もだからその生みの親の一人というふうに自認しているんですが、私が思い描いた世界とはなかなかいかずに、今は逆にジェネリック業界、非常に厳しい経営状況にございます。 なので、こうしたジェネリックの業界が持っているこの構造を解決するために、品目を統合し、あるいはこの事業再編を行っていくためのこの政府の支援って誠に重要だと思うんですが、この後発品の製造基盤整備基金ですね、しっかり補正予算で全力でお金を取りに行くと、そういう姿勢で今頑張っていますということについて厚労省の答弁をお願いいたします。簡潔に、簡潔に。
○政府参考人(森真弘君) 御指摘の基金については、本日が施行日でございます。速やかに事業実施できるように予算要求しておりまして、鋭意調整しておりますので、その上で必要な政策実施してまいりたいというふうに考えております。
○小西洋之君 じゃ、時間なので終わりますが、大臣も是非、ジェネリックの基金、大臣、大臣、大事でございますので、是非よろしくお願いします。うなずいておりますが、よろしくお願いします。 じゃ、終わります。ありがとうございました。
○石橋通宏君 立憲・社民・無所属の石橋通宏です。 上野大臣、今日は参議院厚生労働委員会で大臣所信に対する質疑ということで、今日大臣といろいろ議論させていただくこと楽しみにしておりましたので。 毎回、大臣、何か最近一年ごとに厚労大臣替わられてしまうので、前大臣ここにおられますけれども、大臣替わられたときに、私、必ず雇用労働問題についての基本的な姿勢、考え方についてお聞きをしております。 なぜなら、やっぱり働くことって極めて一番の基本であって、皆さんが本当に安心して働いて、そして安心して暮らしていける、若い世代の皆さんが、やっぱり安定的にお仕事あって、そして結婚したいと思ったときに結婚していただいて、お子さん持ちたいと思っていただいたときに安心してお子さん授かっていただいて、御家族と一緒に成長していけるというのが根本ですよね。 ところが、今、日本社会そうなっていないじゃないかと、そうなっていない方々が多数おられるのではないかという問題意識で、なぜこのような現状になってしまっているのか、それを、じゃ、どう改善、改革をしていくのかということについて、大臣、是非今日は質疑を、やり取りをさせていただきたいということで、事前に通告もさせていただいておりますので、今日は大臣の是非お考えを、問題認識、そしてこれからの決意をお聞きしたいので、余り答弁書お読みにならずに、大臣のお考えをお聞かせをいただければというふうに思います。 大臣、所信で、持続的な賃上げ、これ高市総理もおっしゃられていることだと思いますけれども、賃上げについて触れていただきました。 今日資料にお配りをしております、もう委員の皆さんは重々お分かりのとおりで、資料の二、資料の三、資料の四、もう日本は一九九七年から実質賃金が下落の一途をたどっています。ここ三年見ても、そして今年に入ってからも、実質賃金の下落は止まりません。ずっとマイナスを続けてしまっております。 上野大臣、まずお聞きをしたいのですが、なぜ日本は賃金が上がらない国になってしまったのでしょうか。なぜ日本は実質賃金がこの三十年も下落を続けている、その根本的な原因、問題は何だと大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 実質賃金につきましては、委員お示しをいただきましたこの資料のとおりで、もう一九九七年から減少、下落をしているということでございまして、我々としても、賃上げ一生懸命やっているんですけれども、やはりこの実質賃金が上がらない、ここがやはり政策の一つの大きな課題だというふうに考えています。 その根本的な要因ですが、当然幾つかあると思っていまして、一つは、やはりその各企業の行動原理の中で、例えば、このデフレ傾向の中で、あるいはコストカット型経済の中で、その資金を前向きな投資であったりあるいは労働分配であったり、そうしたところにしっかり回してこなかったという現実はあろうかと思います。 実際に今、例えば、いわゆる内部留保、現金預金の積み上がり方、これは相当なものがありますので、これをしっかり投資や労働分配に回していただく、こうしたことが必要ではないかと考えています。 そして、二つ目には、やはり非正規雇用者の増大、これも当然あるというふうに思っております。 今、若干近年では改善傾向があるというふうに認識をしておりますが、やはり非正規の皆さん、あるいはとりわけ女性の皆さんが働かれるそうした環境が十分かと言われると、そうではないというふうな思いがありますので、そうしたことについてもしっかり対応していくことが必要だと思います。 もう一つは、これは委員の御関心でもあろうかと思いますが、やはり労働組合の組織率が低下をしておりますので、そうすると、やはり労働者の立場に立った賃上げ、そうしたことがなかなか十分ではなかったというような現状もあろうかと思います。 最近そういったことも改善をされてきていると思いますが、そうしたことも踏まえて、我々としてはこの実質賃金を上げる政策をしっかり取れるように努力をしていかなければいけないと考えています。
○石橋通宏君 大臣、今幾つか御指摘されましたけど、一点目、とりわけこれ歴代の厚労大臣がずっとおっしゃってきたけど、何か企業に責任を押し付けているような気がしてしようがない、企業が分配してこなかったと。ちょっと政治の責任どうお考えですかね。歴代自民党政権が、まさに、一九九七年、バブル崩壊以降の九〇年代以降、やれ構造改革だ、やれ我々が批判する小泉・竹中改悪だ、そうやって労働法制の規制緩和をまさに続けてきた結果、今のような状況、二点目でおっしゃった非正規雇用の拡大を招いてきたとすれば、政治の責任でかいんじゃないですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) これ個人的な見解になりますが、これまで例えば小泉改革で官から民へということを言っていました。そうなると、やはりある意味、新自由主義的な経済となって、どちらかというと、民間に任せるとどんどん民間に任せればいいんだということで、いろんな規制緩和も進んできたというふうに思います。そうした中で、企業の行動原理といたしましては、やはりコストをできるだけ下げる、例えば一円でも安く売りたい、そうしたことが企業の行動原理になってきた、そういう面があろうかと思います。そこに政策の責任といえば大きな意味では当然あろうかというふうには思っています。 我々としては、そうしたものを防ぐ、防ぐといいますか、しっかり賃上げをしていただくために、例えば賃上げ税制などもやってまいりましたけれども、その効果も十分ではありません。これまで、例えば税制の面でいいますと、我々としては法人税を下げてきました。ずっと法人税を下げてきたんですけれども、それが結果的には、先ほど申し上げましたような投資であったり労働分配に回らずに、先ほどから言っているような現預金の積み上がりに貢献してきてしまった。そういう反省はあるわけでありまして、そうしたことも踏まえて今後どうしていくかということは十分考えなければいけないと考えています。
○石橋通宏君 認めていただいているようで認めてないんですけど、だから重ねて、企業が、官から民へとかおっしゃったけれども、それを政策的に法制度上裏付けて応援してきたのは自民党政権じゃなかったですか。その反省がないと、じゃ、これから構造的賃上げをしようといったって、なぜこれまで賃金上昇がなかったのか、なぜ労働分配が下がり続けてきたのか、その制度改革をやらないと、単にこれからも企業の皆さん頑張ってくださいという話じゃないのではないかという指摘をしているわけです。 なので、きちんとこの三十年の政策の過ちを振り返っていただいて、それから、じゃ、その誤った政策をどう戻していくのかという議論をしなければいけないと思いますが、大臣、そういう考えだということでいいですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我々としても、私としては、政策については当然不断に見直さなければいけないというふうに考えておりますので、過去の政策がどういう影響があったかということはしっかりと見ていくことはまさに委員と共通した認識だと考えています。
○石橋通宏君 結局、官から民へって、制度的にも様々な制度、先ほどちらっと出た、この間、公務・公共現場の皆さんもどんどんどんどん、かつて公でしっかりと支えてきた、それがどんどん民営化されて、外注されて、そして民間で安かろうという感じになってしまった。いわゆる官製ワーキングプアの問題もやはりこれは大きいわけで、これ政策がやってきたわけですよ。そういった課題も是非認識をしていただかないといけないと思います。 大臣、もし、さっき二点目で非正規雇用の拡大ということを触れていただいた、大臣、これ問題だと思っておられるのであれば、今の現状の非正規雇用の様々なその皆さんに関わる法制度をこれ変えていきましょうよ。例えば、非正規雇用の入口規制、これ有期雇用の皆さんやパートの皆さん、そして派遣の皆さん、いろんな形態のいわゆる非典型雇用、非正規雇用があるわけですが、例えば有期雇用についてもドイツのように入口規制掛けませんかね。 あくまで例外的、限定的な働き方とするのであれば、入口規制しっかり掛けて、これ制度上もう雇用の原則は正社員なんだと、無期の直接雇用なんだということを制度的に打ち立てる必要があると思いますが、大臣、これ是非やりませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 入口規制につきましては、委員からも度重なって御指摘があったというふうに承知をしておりますし、これまでからも様々な場所で議論があったと承知をしております。 もちろんEU等の状況もあろうかと思いますし、そうした考え方、私も重要だというふうに思いますが、今、私自身の認識としては、様々な制度的な課題も、あるいは、制度としてやる場合には様々な課題があるということも承知をしておりますので、もう少しちょっと私自身も勉強を深めさせていただきたいと思いますが、そうした様々な課題もやっぱりクリアしなければいけないこともたくさんあると思いますので、そうした中で議論はしっかり進めさせていただきたいと考えています。
○石橋通宏君 前向きな御答弁と受け止めてよろしいですかね。 我々、実は労働法制の具体的な改革案、用意をさせていただいております。是非、大臣、これ大臣にも提起をさせていただきますので、我々の案、我々の考え方、そういったことも是非参考にしていただいて、これからどう本当に、大臣が先ほど言っていただいたことが大臣の思いなのであれば、やはり抜本的な労働法制の、もう一回、労働者の安心、安定を守る方向での改革が必要だと思いますので、大臣、是非、我々提案させていただきますので、前向きに受け止めて、前向きな御検討をいただきたい。先ほどの答弁、是非実践していただきたいと思います。 やっぱり、私たちがなぜ非正規雇用問題に関する抜本的な対策が必要か。資料の五にもありますが、大臣、男女間の賃金格差がなかなかやっぱり埋まらないという日本の問題、これ、大臣御自身がどう考えておられるのか。 やっぱり多くの女性の方々が非正規雇用で従事をされて、毎日本当に頑張ってお仕事をされているんだけれども、非正規雇用、パートを一生懸命やっていただいたり、派遣で一生懸命頑張っていただいたり、なかなか処遇が上がらない。これ、大臣、スキルアップとかリスキリングとか言葉で言われますけど、例えば非正規雇用の皆さん、派遣の皆さん、一生懸命新しい資格を取る、勉強をする、新しい知識を得る。評価されないんですよ。二十年たっても三十年たっても処遇が上がらない、昇給もない、そういう方々、その多くは女性の方々です。 大臣、抜本的にこの男女間賃金格差の改革、改善、もうギャップを埋めるという決意で非正規雇用問題にも改革に臨んでいただきたいと思いますが、この点についてどうお考えですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 男女間の賃金格差、御指摘のあったとおり、依然として、まあ最近縮小傾向にあるというふうに聞いておりますが、依然として差異は大きくて、その是正は重要な課題だと認識をしています。 これまでからも女性活躍推進法等に基づきまして、政府としては、企業の自主的な取組を推進をしたり、様々な取組をしているわけでございますが、まだまだ十分でない面があろうかと思います。ちょっとこの点につきましては、具体的にこれからどうしていくかということも皆様からの御提案も当然踏まえながら考えなければいけない課題だと考えています。
○石橋通宏君 一つ我々として具体的な、これも大臣もお聞きになったかもしれませんが、提案をさせていただいているのは、今、この間政府は、まあ働き方改革の法以降も同一労働同一賃金の推進ということを言ってこられました。我々は、男女間賃金格差、さらには正規、非正規間の大きな格差を埋めるためには、同一労働同一賃金では足らないと、それでは不十分だと、やはり同一価値労働同一賃金を制度的に実現をしていかなければいけないという提案もさせていただいてまいりました。 大臣、ILO百号条約を大臣どこまで御存じか分かりませんが、ILO百号条約は、まさに男女間の賃金格差をなくしていこうと、そのためにこの百号条約では同一価値労働同一賃金を実現しなければ駄目だということで、これを政策的、制度的に推進していこうということで日本もこれを批准をしておりますが、一向に男女間賃金格差がなくならない。それは、いまだに同一労働同一賃金にとどまってしまっていて、同一価値労働同一賃金に一向に踏み出さないからだという指摘もいただいております。 大臣、同一労働同一賃金と同一価値労働同一賃金の違い、そして、やっぱり同一価値労働同一賃金を実現していくべきだという我々の提案について、見解があればお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我々としては、私どもとしては、これまで同一労働同一賃金ということで取り組ませていただいてまいりました。今委員から御指摘のありました同一価値労働同一賃金につきましても、これも委員から度々御指摘をいただいていることだと考えております。男女間で勤務内容が、職務内容が異なる場合が多い中、異なる職務間でも男女の間の賃金格差が是正できるように、そうした考えが、思想が生まれたというふうに承知をしています。 そうした考え方自体は私自身も大変重要な考え方だというふうに考えておりますが、これも具体的に、じゃ、どうやるかという観点から考えると、やはり課題は相当多いんではないかなというふうに考えております。ですから、そうした課題につきましても我々としてはしっかりと研究はさせていただきたいと思います。
○石橋通宏君 是非大臣、せっかくなので、同一価値労働同一賃金、なぜ同一価値労働同一賃金でなければならないのかという、これILO百号条約がILO総会で制定されたときの議論の経緯、経過がありますので、それも是非事務方の皆さんにちょっと言っていただいて、そのときの経過、何が違う、なぜ価値労働でなければならないのかということについて改めてちょっと研究していただいて、またどこかでこの議論させていただきたいと思いますので、お願いしておきたいと思います。 その上で、男女間の賃金格差、先ほど言った非正規雇用問題も含めて、まあ厚労省の皆さん、この間も、いやいや、望む人がいるんですよという言い方をするんですけれども、やっぱり日本のこれまでの、どちらかといえば、やっぱり猛烈的な働き方で多くの女性の方々がやっぱり家族的責任を負うておられると。だから、本当はもっと働きたい、フルタイムで働きたいんだけれどもフルタイムでなかなか働けないと。さらには、今正社員になるとやっぱりどうしても転勤とかがあってしまうと。それはさすがに転勤できないからということで、やむなくやむを得ず、いわゆる非典型雇用、非正規雇用で働いておられる方って多数おられるんですよ。そこにも是非焦点上げていただきたいと思いますし、そういう意味では、やっぱり労働時間、残業時間の抜本的な解消、減少必要なんです。さっき小西理事も言っていただきましたけれども、にもかかわらず、高市総理が、今回、残業時間上限規制の規制緩和を検討せよと言ったことには憤慨をしています、正直。 大臣、その高市総理の指示を聞いて大臣はどういうふうにお答えになったんですか。はいはいって言われたんですか。それとも、いや、厚労大臣は憲法に基づく労働者の命、健康、安心、安全を守る、そのために私はそれは受け入れられませんと、むしろ残業時間の上限を更に強化をする方向で今労政審で検討しておりますのでというふうに言われましたか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 正直そのような申し上げはやっておりません。 労働時間規制につきましては、様々な御意見があります。今委員、上限規制のお話をメインにイメージしてお話をされていると思いますが、先ほど来お話をさせていただいているとおり、御案内のとおりでありますが、労働時間規制については様々な方策があるわけでございますので、そうしたこともトータルでいろいろ検討しなければいけないと考えておりますし、また、その中で、総理からの御指示とは別に、人手不足で仕事があるのに受注をできないであったり、もっと長く働いて稼ぎたいであったり、あるいは月百時間の残業は過労死認定ラインなのでこれは絶対変更すべきではないであったり、様々な御意見をいただいておりますので、そうしたものを踏まえて、しっかり我々としては検討を進めていきたいと考えています。
○石橋通宏君 じゃ、二〇一八年働き方改革関連法制定、施行以降、状況は良くなってきたんですか、大臣。ちゃんと見ていただいていますか。あのときに初めて残業時間の上限規制を法律上入れようとしたのは、まさに過労死を絶対なくさなきゃいけないと、精神的に病気になられて働けなくなってっていう、そういうことはなくしていこうよ、そうでしょう、大臣。じゃ、なくなりましたか。 資料の七。これも皆さんはもう重々御覧になっていると思います。働き方改革、上限規制を入れて以降、これ労災申請、労災認定、大臣減りましたか。増えているじゃないですか。過労死なくなりましたか。なくなっていないじゃないですか。 大臣、この現状をどうお考えになっているんですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 働き方関連法によりまして時間外労働の上限規制などが盛り込まれましたけれども、この改正法が施行されてから、例えば週六十時間以上の長時間労働につきましては一〇・九%から八・〇%へ減少しておりますが、今御指摘があったとおり、過労死等の件数につきましては近年特に増加傾向にあると考えております。 過労死ゼロを目指す、そして健康で働きやすい環境をつくるというのは当然我々の使命だと考えておりますので、そうしたことの実現に向けて努力をさせていただきたいというふうに考えております。 過労死等の問題、個別の業種によって様々な状況が違うかと考えております。例えば、運輸業、郵便業等につきましては今そうした精神的な労災認定が増えていると、そういった現実もあります。個別に具体的にどうなのかという各業種ごとに見ていくということも必要でありますので、そうしたこともこれからしっかり取り組ませていただきたいと考えています。
○石橋通宏君 大臣、今、自動車運転手、運輸業のことを触れていただきましたけれども、これ、大臣は重々御存じですよね。運輸業は別枠で別則になっちゃったんですよね。その他の多くの一般労働者の皆さんとは別の、自動車運転、五年の猶予、五年の猶予の後に別枠の上限規制を設けて、そして結局は、運輸業の皆さん、やっぱり労働時間一番長いですよ。精神疾患、労災、一番多いですよ。変わっていないじゃないですか。 二〇二四年問題、でも、五年猶予掛けて、みんなで努力をして、自動車運転手、物流を止めてはいけないという本当に現場の皆さんの強い思いで、何とか五年を掛けて、一般則よりも更に多い基準だけれども、それを実現して、自動車運転手の皆さんの安心、安全を守ろうと。でも、それによって賃金減ったら意味がないと。何か今も、いや、もっと稼ぎたい人がいるから、いや、これ本末転倒の話でしょう。まさに残業しなかったら家族を養えないと、そういう状況も併せて改善しようというのがあのときの議論だった。 大臣、これはね、改めて、二〇一八年以降、そして、昨年、二〇二四年四月施行されて以降、見てくださいよ、ちゃんと、運輸・物流業界、どんな状況にあるのか。結局、もっと人が足りないから働かせようみたいな本末転倒な話は絶対にやめていただきたいと思います。 私たちは、残業時間の上限規制、もっと強化をすべきだと、二〇一八年、我々それを主張しました。ただ、残念ながら、年三百六十時間以内だけではない特例措置が、労使が合意をすれば特例措置で、いや、過労死水準を超える働き方ができるようにしちゃったのは当時の厚生労働省でしょう。だから、こうやって過労死や労災がなくならないとすれば、やっぱりもう原則労働基準法、一日八時間以内、週四十時間以内、それだけしっかり働いていただければ安心して働ける処遇が得られる、それをこそ実現すべきではないですか、大臣。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今、運輸事業につきましての言及がありました。委員十分御案内のとおりでありますが、先般の通常国会におきまして、トラックドライバーの皆さんを、雇用環境を応援をする、そういった議員立法が成立をいたしましたので、二〇二四年問題も含めてですが、これから労働環境が大きく変化をしていくというふうに思っておりますので、我々としてもそうしたものは十分見ていきたいというふうに考えています。 また、上限規制の範囲内でしっかりとした仕事をすれば当然それなりのお給料が入るというのは当然我々が目指すべき在り方だと考えております。そういった意味で、各大企業のみならず中堅・中小企業の皆さんにも賃上げということをお願いをしているわけでありまして、そうしたことがしっかり実現できる環境をつくる、それも我々の使命だと考えておりますので、委員からの御指摘も十分承った上で取り組んでいきたいと考えています。
○石橋通宏君 例えば勤務間インターバル規制も、二〇一八年時点、我々は義務化をしてほしいということをみんなで主張しました。ところが、義務化入れず、努力に終わってしまった。 資料の八。大臣、これも報告を受けていると思いますけれども、結局、一向に進んでいないんですよ。 勤務間インターバル、労働組合あるところは労働組合からは是非勤務間インターバル入れてくれと、しかし、経営者側は拒否するんです。だからこんだけしか勤務間インターバル進んでいないし、その休息時間も不十分です。 大臣、もう義務化しましょうよ。義務化して、命と安心、安全を守る。今日も議論の中で、健康と睡眠時間の話が山田さんからもありましたけれども、確保しましょうよ。みんなに安心して睡眠時間十分に取っていただいて、健康を守っていただく、そのために勤務間インターバル時間、十分な休息を取っていただく、それ大前提ですよ。 勤務間インターバルの義務化、是非やりませんか、大臣。
○国務大臣(上野賢一郎君) 勤務間インターバルが、今委員からの資料の中におきましても、最近やや減少傾向、そもそも数が少ないというところは私も大きな課題だと認識をしています。 これにつきましても、労使等の間で様々な議論がこれまでもあったと承知をしていまして、労働側の皆さんからはこれ是非義務化をすべきだという強い御意見もありますが、一方で使用者側からは、様々な業態で様々なケースがあるので画一的な規制は入れるべきではないという、そういったお話も承っております。 やはり、労使でしっかり議論していただくということがやはり大事だと思いますので、我々としても、そうした議論をしっかり後押しできるような形で、今後議論が進むように努力させていただきたいと思います。
○石橋通宏君 この間の取組の結果がこの数字ですよ、大臣。だから、もはや義務化をしないと、残念ながら労働者の命や安心、安全、守れません。だから、是非これ義務化の方向で、大臣、政治的なイニシアチブを取っていただきたい。 資料の実は一番最初、資料の一に、大臣、その二〇一八年働き方改革関連法案のときの参議院の附帯決議のイの一番を改めて皆さんと共有したくて、今日は一番最初の資料として配付をさせていただきました。これ、当時私が起草させていただいた文ですが、当時の与党、自民党、公明党の皆さんにも賛成をいただいて、これ決議をさせていただいています。 大臣、これ賛同いただけますかね。やっぱり労働時間の基本って、労働基準法第三十二条、一日八時間以内、四十時間以内ね、週。その労働時間の枠内で働けば、労働基準法第一条、人たるに値する生活を営むことができる労働条件でなければならないと規定されております。 もちろん、厚生労働大臣として、労働基準法、徹底的に遵守、そして履行の徹底をされるという決意だと思いますけれども、改めてこのときの附帯決議第一項、最大限尊重してこの実現努力をしていただくということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 当然ながら、国会での附帯決議でありますので、とりわけ重いものだと感じて、考えています。当然、認識につきましては私も同じくしておりますし、労働法制についてはしっかり遵守をしていただけるように我々としては徹底をしていくことが大事だと考えています。
○石橋通宏君 その答弁、是非実行していただければと思いますし、今後更に具体的な提案、提言させていただきますので、真摯に受け止めて、政治力発揮していただければと思います。 済みません、いろいろお聞きをしたかったのですが、ちょっと飛ばして、自見委員が触れたくて触れられなかったILO絡みをやっぱり私が触れないといけないと思いますので、触れさせていただきたいというふうに思いますが。 一つは、さきの通常国会で、ようやく、ようやく遅ればせながら、カスタマーハラスメントに関する制度改正が行われました。これ、是非、本当に現場で長い間カスタマーハラスメントで苦しんでこられた労働者の皆さん、やっぱり命と安心、安全な職場環境を守るという観点で、今回施行規則、規則もやっていただいたと思いますが、実効性ある形をつくっていただきたいと思いますが。 私たち、大臣、やっぱりもう、もう全てのハラスメントを包括的に禁止して、労働者の命、安心、安全を守るというところにもう一歩、もう一歩踏み出していくべきだと思います。その意味でも、ILO百九十号条約は、大臣お聞きをいただいていると思いますが、百九十号条約を是非批准してほしい、日本国内で履行してほしいというのは、もう全ての労働者の願いなんです。 大臣、百九十号条約の批准に向けた国内法の整備、更に進め、できるだけ早期に百九十号条約を批准する。いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) ILO第百九十号条約の締結に当たりましては、条約で求められている内容と改正法の内容も含めた国内法制全般との整合性につきまして詳細に検討しているところでありまして、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、締結に向けた検討を進めさせていただきたいと考えております。 また、包括的なハラスメント禁止規定につきましては前国会でも様々議論があったと承知をしておりますが、ハラスメント自体を包括的に禁止する規定を設けることは、複数の今法律でそれぞれ関連するハラスメントについて定めております現行の法体系、この整合性については課題があるのではないかと考えておりますので、課題があると考えています。
○石橋通宏君 残念ながらそこは答弁書を丸読みされたので、まだまだ大臣、これから大臣として、この今申し上げた百九十号、その中身も含めて改めてしっかり精査をいただいて、私が今日お願いをしていることの意味をもう一回しっかり認識をいただければなと思います。またどこかで取り上げさせていただきたいと思いますが。 ILOに触れさせていただきましたけれども、超党派のILO活動推進議員連盟、会長は元厚生労働大臣の田村憲久衆議院議員でありまして、今このILO条約の批准、さらにはその国内外での履行、これに超党派で努力をさせていただいておりまして、自見委員とも一緒に活動させていただいておりますし、今日この中にも加盟をいただいて一緒に活動させていただいている方もおられますが。 我々の、実は超党派の議連の今イの一番の達成目標が、残されたもう一つのILOのいわゆる中核十条約のうち、百十一号条約が批准をされないまま何十年もたなざらしにされてまいりました。この間、ILO議連で一生懸命努力をさせていただいて、例えば百五号条約ですとか、先般は百五十五号条約も批准の実現を、国会でお認めをいただいて実現をしてまいりました。いよいよ百十一号条約、残されたもの、これ是非、大臣、百十一号条約の批准について、大臣の政治的イニシアチブをお願いしたいんです。 先般、ILO議連でバングラデシュに視察に行ってまいりました。二〇一三年にラナ・プラザというところで縫製工場が崩落をし、千百人以上の労働者が圧死して死亡するという、本当に悲惨な事故がありました。それは、全部海外の有名ブランドからのオーダーを受けて、いわゆるサプライチェーンで、海外に輸出をしていた。そこが崩落をして、これだけの犠牲がありました。 これやっぱり、今ビジネスと人権の問題も大きな課題になっておりますけれども、その基本はILOの中核条約ですから、このILOの中核条約を、当然ながらやっぱり日本でも、全ての労働者の皆さん、そして企業の皆さんには是非サプライチェーンも含めてその遵守徹底していかなければいけない。そのためにも百十一号条約の批准を是非早期に実現をしたいわけですが、大臣、決意をお願いできませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 未批准のこの中核条約の中で、この第百十一号条約が、もうこれ最後ですね、その締結が求められていることと承知をしておりますが、もちろんその重要性につきましては認識をしておりますが、大変恐縮ではございますが、これも国内法令との整合性については慎重な検討を進める必要がありますので、そうした認識でおります。 これからも関係省庁とも十分連携をしながら、今後の対応につきましては検討させていただきたいと考えています。
○石橋通宏君 もう具体的に、厚労省を始め関係省庁の皆さんと我々議連の方で、何をクリアしなければいけないのかという整理までさせていただいております。それも大臣改めて見ていただいて、それをあと乗り越えるのは恐らく政治決断だと思いますので、是非そのことは我々また引き続き大臣にも要請させていただきたいと思いますので、対応いただければと思います。 時間がなくなりましたので、まだるるありましたけど、最後に、生活保護の最高裁判決に対する厚生労働省、大臣の姿勢について。 大臣、是非、まず謝罪してくださいね。おわびではなくて、謝罪をしてください。全ての、原告だけではなくて、この不当な引下げによって多くの生活保護受給世帯の皆さんが影響を受けてきたわけです。大臣の耳にも届いていると思います。なので、まず大事なのは謝罪すること。謝罪というのは、厚労省の罪を認めて、必ずその補償をするというその責任も認めていただくのが謝罪で、おわびでは駄目です。謝罪、是非していただいて、そして、やはり原告とそうでない方々を不当に格差を付けるのはこれ絶対駄目だと原告の皆さんも言っておられます。 大臣、その二点、まず真摯に謝罪をしていただきたい。そして、全ての方が格差、差別を付けずにちゃんと補償、補填をしてほしい。そのことをお願いしたいと思います。それを聞いて終わりにさせていただきたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 最高裁判決におきまして、デフレ調整に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があったと指摘をされ、違法と判断されたことにつきましては、生活保護行政を所管する厚生労働省として改めて深く反省をし、おわびを申し上げたいと思います。(発言する者あり)謝罪、まあ、おわびを申し上げます。総理と言葉を合わせたいと考えておりますので、おわびを申し上げたいと思います。 また、今後の対応につきましては、専門委員会の審議結果に基づいて、政府としての対応方針を決めてまいりたいと考えています。
○石橋通宏君 また追及させていただきます。 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
○委員長(小川克巳君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(小川克巳君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○庭田幸恵君 国民民主党・新緑風会、富山県選出の庭田幸恵と申します。 この夏、参議院選挙で富山の皆様に、保守王国と言われる富山の皆様に国民民主党として国政に送っていただきました。地方の声を届けるべく、今日はその第一歩を始めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。 今日はまず、大臣の所信質疑から始めてまいりたいと思っております。 上野大臣の所信では、医療、介護、障害福祉の物価、賃金対応、そしてメンタルヘルスの対策など、多岐にわたる重要な方向性をお示しになりました。しかし、私は、その中で一度も語られなかったある言葉、強い危機感を抱きました。それは、働く幸せという言葉でございます。働くことは、もちろんお金を稼ぐことでございます。しかし同時に、働くとは、本当に大切で愛する家族を守り、自身の尊厳を保つ行為でもあります。だからこそ、働いても働いても働いても働いても幸せを感じられない国というのは必ず衰退すると思っております。 大臣、お伺いします。 働く幸せを日本の労働政策のど真ん中に据えるべきだと考えますが、この視点取り入れていただけますでしょうか、お伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 幸せということ、非常に大事なキーワードだと考えています。それぞれの国民の皆さんが幸福感を実感をされる、そのことは本当に大事なことだと思っておりますので、厚生労働行政におきましてもそういう観点は重視をして取り組ませていただきたいと思います。 やはり、午前中の質疑でもありましたけれども、やはり、健康でそして安心をして働くことができる、そういう環境をつくることが大事でありますし、その上で安定した生活が実現できる、そういった観点も大事だと思っておりますので、また、委員から今御示唆のありましたそうした労働政策なども充実をさせることによって働く幸せを感じてもらえるような、そういった社会を目指して我々も努力したいと考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。思いは大臣と一緒だというふうに受け止めをさせていただきました。 今日は、私からは地方の現場の声をお届けしたいと思っております。 今、地方の現場では、働き方改革疲れ、こんな声が聞こえてまいります。例えば、介護の現場では人手が足りぬという悲鳴が、富山市でも富山県内でもあふれております。特に、これから北陸富山では雪の季節を迎えます。通院、送迎、買物、見守り、そして除雪、こうした目に見えない介護が家族に雪のように降り積もっていきます。 大臣、家族が頑張れば何とかなる、そんな介護モデルではもう耐えられません。ケアマネジャーさんたちの更新研修の見直し、通院、送迎の介護保険適用、また、こういったこの家族の負担を前提としないモデルをつくっていくことが必要かと思っております。 一方で、この働き方改革、規制緩和を望む声があるのも実は事実です。 中小の本当に、有限会社、小さなトラック運送会社の富山の所長さんからお伺いしました。二〇二四年問題で働く時間は確かに減ったと、でも、時間が減ってお給料が減ってしまっては休みがあっても何もできないと、そんな声をいただいています。あとは、三十分あれば自宅に帰れるのに休憩の義務という机上のルールがあって家族が待っている家に帰れない、こんな悲痛な叫びも私の元には届いております。 また、建設業でも大きな溝がございます。中堅の百五十億円ぐらいの売上げのあるゼネコンの現場監督は、確かにこの数年、働き方改革で残業は減ったとおっしゃっていました。しかし、ほとんど、地方の小さな工務店、本当に数人しかいないような建設会社、社長が一番働いているんです。現場にも入って、見積りも作って、安全管理もしている。夜遅くまで事務所の明かりが消えない。これが地方の零細企業の現実でございます。これは富山だけの問題ではないと私は感じております。 この視点が、今も、今日、午前中もいろんな議論ございましたけれども、この地方の中小零細企業の現実、この視点が今の政策には足りないと私は感じておりますが、大臣、今働き方改革進んでいますが、零細企業に対してどういった救いの手を地方の人々に差し伸べるのか、お答えいただけないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大変貴重な御指摘だと考えています。 まず、介護のお話を例示としてお話をいただきましたが、やはり社会全体で支えていく、その観点はこれからとりわけ人口減少の中で重要になってくるというふうに考えておりますので、私どもといたしましても、まさに富山は富山のいろんな実情があると思います。そうした実情を踏まえて、様々な支援措置、基金等で支援措置ができるように努めていきたいというふうに思います。 また、運送事業者、また建設業のお話がありました。これも、二〇二四年問題などで、先ほど、午前中の議論でもいろいろありましたけれども、やはり一つは柔軟な働き方ができるということも大事だと思いますので、そういう観点を一つは大切にしたいと思います。 やっぱり賃上げを含む処遇の改善、そうしたところでしっかり処遇改善ができるということが大事でありますので、午前中もトラックのお話をさせていただきましたが、建設業でもそうだと思います。 また、価格の転嫁がしっかりできる、また賃上げがしっかりできる、労働環境が良くなる、そういったことが大事だと思いますので、我々としても様々な助成措置等を通じて取り組ませていただきたいと思いますし、また小規模事業者等の支援につきましては、これは中小企業庁さんのいろんな施策もありますので、そうしたことも十分活用できるようにしていただければというふうに考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 実際、政府は支援を構築していらっしゃいます。でも、実際、本当に小さな会社ではこういった支援に至る道筋がないんです。どういうことかといいますと、地方の小さな会社には総務部もなければ人事部もない、こういった会社がほとんどなんです。こういった小さな会社も救う支援というのをつくっていきたいと、私も尽力したいと思っております。 さて、ちょっと話題を変えたいと思います。 私は、これまで、元CAでもございましたので、世界二百五十都市を回ってまいりました。その中で、世界各国が幸せな働き方を模索する姿を見てまいりました。例えば皆さんよく御存じなのは、スペインのシエスタではないでしょうか。ただ、これ都市部、同期がバルセロナに住んでおりますので聞きましたところ、都市部の労働階級の方は今これはもう余り導入されていないということではございましたが、スペインのシエスタ、有名でございます。そして、フランス、賛否はございますが、三十五時間の労働制、既にございます。また、ドイツの勤務間インターバル義務化、これドイツは義務化がもう進んでいます。日本は、先ほど、午前中の御議論にもございましたけれども、現在努力義務とされております。 私は、何もこういった風習、文化が違う各国の働き方を輸入しようということではございません。価値観も違えば生き方も違う、風土、風習、文化、何もかもが違います。日本人、私たちの暮らし、そして私たちが感じる幸せ、人を大事にするという発想を海外から学ぶという視点もあるというふうに感じております。 もしこういった制度が日本にもあれば、どれほど多くの女性が仕事を、キャリアを中断しなくても済んだのか、またどれほど多くの男性が家族との時間を犠牲にしなくても済んだのか、思いをはせてしまいます。 共通しているのは一つでございます。長時間働いている国で、生産性の高い国は一つもないということでございます。 さきの高市総理の所信表明では、労働時間の規制緩和の指示が出ました。大臣からもいろんなお話出ておりますけれども、根拠のない規制緩和は、特に地方の介護、医療の現場、命を危険にさらすというふうに感じております。 大臣にお伺いします。 長時間労働、過労死、過労死という言葉はもう日本独特だと思っておりますが、この現状をどう認識されているのか、また、もし業種別、地域別にデータがあればお示しください。お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 働き方改革関連法の施行以来、長時間で働かれている労働者の方の割合、これは減少傾向にあります。ただ、御指摘があるとおり、過労死等の労災請求件数、また認定件数につきましては近年増加傾向にあるのも事実であります。 御指摘の業種別、地域別の状況につきましては、午前中も少しお話を申し上げましたが、例えば運輸業あるいは宿泊、飲食サービス業におきましては長時間労働をされる方の割合が多いなどのデータもあるところでございますので、我々としては、業種ごとあるいは地域ごとにも様々なデータ、見方があると思います。そうしたものを十分認識をした上で政策を考えさせていただければと思っています。
○庭田幸恵君 御答弁ありがとうございました。ありがとうございます。一緒に力を尽くしていきたいと思っております。 私の母のことになりますけれども、今認知症で介護施設でお世話になっております。私、今忙しいのでなかなか会いに行けず、お薬の処方箋をケアマネジャーさんが代わりに持って薬局にお薬を取りに行っていただいています。本当に助かっています。こういった現状は、多分私の周りだけではないというふうに思っています。 また、訪問介護の利用者さん、当日にこの利用をキャンセルされるということも結構発生しているというふうに伺っていますが、この介護に向かっているケアマネジャーさんたち、介護業者の皆さん、向かうまでのガソリン代が出ない、こんな現実がございます。いわゆるシャドーワークと言われているものではございますが、こうした見えない労働について大臣はどう評価し、どうお支えをされるのか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘のございましたとおり、身寄りのない高齢者の方が増加をしていることもございます。したがいまして、ケアマネジャーの皆さんがいわゆるシャドーワークということでそうした対応をせざるを得ない、そういったケースも増加をしているものだと考えています。 ケアマネジャーの皆様がやはり本来の業務にしっかりと注力をしていただく、集中をしていただく、そのことが大事だと考えておりますので、その負担の軽減が図られるように、現在、介護保険部会におきましても、どういった方策があるか、具体的な方策について今委員御指摘のあった問題意識のようなことを踏まえて検討しておりますので、しっかりとした答えが出せるように努めていきたいと思います。 また、突然のキャンセルでいろんな御苦労がある、訪問介護の現場でですね、そういうお話もよく承っておりますので、これはやはり解決をしていかなければいけない、包括的な報酬の設定、月単位の包括的な報酬の設定などの方法によってそうした課題がクリアできないかということを今検討しておりますので、しっかり答えを出していきたいと考えています。
○庭田幸恵君 ありがとうございました。 本当にこの介護業界で働く皆さん、苦労されています。本当に介護報酬も低いというふうにおっしゃっています。是非、働く幸せと報酬の両方を届ける改革を切に願いたいと思っております。 続いて、話題をちょっと変えたいと思います。今、ずっとこの委員会の中でも御議論されておりますけれども、労働時間の規制緩和論、この前に申し上げたいことがございます。まず、働くことが報われる国でなければ、どんな働き方改革も意味を持ちません。働く人が報われないと感じる今の日本の現状をどう受け止め、働く幸せを取り戻すためにどうするべきだとお考えでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 我が国の労働者の方々が仕事の量や質あるいは対人関係、そうしたことで不安を感じられたり悩まれたり、そうした方が多いというような状況だと承知をしております。 厚労省といたしましては、やはり一人一人が将来の展望を持って、夢を持って、夢を目指して働く、あるいは先ほど申し上げましたように、健康で安心して働く、そういった環境をつくるということはやはりどうしても不可欠なことだと考えておりますので、やはり今働き方改革の推進、今いろんな議論ありますが、現行制度をしっかり働き方改革の推進という観点で様々な取組を講じてきているところでありますので、それを更に良いものにできるように取り組んでいきたいと考えています。
○庭田幸恵君 御答弁ありがとうございました。 私たち国民民主党は、もう皆さんよく御存じかと思いますけれども、いわゆる基礎控除、年収の壁、これを百七十八万円まで引き上げる、これを御提案しております。これは、本当に育児も介護も必死になって、後ろ髪を引かれながらお仕事に行っている、そんな現役世代を救う本当に幸せの最低限の再設計だというふうに考えております。 改めて大臣にお伺いしますが、この税制から働く幸せを再定義するという考え、どのように評価されますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員から御質問のあった件に関しましては、所得税についての基礎控除の引上げの件だというふうに思いますが、大変恐縮ではございますが、所管外でありますので、それについての言及は控えさせていただきたいと考えています。 その上で、厚生労働省としては、働く方の手取り、これを増やすということも重要でありますので、賃上げに向けました賃上げ支援助成金パッケージによる支援を行ってきておりますし、また現役世代の社会保険料負担の抑制、これにつきましても、今与党で様々な議論を進めているところでありますが、こうした施策によって、手取りを増やせるような政策を我々としてもしっかり考えていきたいというふうに考えています。
○庭田幸恵君 ちょっと御答弁が明快ではなかったというふうに私は感じたんですけれども、是非、これだけ最低賃金が上がっているわけですから、私たち国民民主党が訴えております年収の壁、前政権にはなりますけれども、自民党、公明党さん、そして私たち国民民主党で約束をしたこの合意、守っていただきたいと強く強くお訴えしたいと思っております。 いろいろお話をしてまいりましたけれども、働くことは生きることそのものだと私は思っています。 富山には、テレビ局を辞めて、漁師さん、シロエビ漁師、今はカニを捕っていらっしゃる時期だと思うんですけれども、漁師とフリーアナウンサー、二刀流で生きていく道を選んだ青年がいます。彼にとっては、この働くということはもう挑戦そのもの、その挑戦の先には幸せがある、そんな生き方を自ら選んでいらっしゃいます。 また、一方で、私の父は四十九歳で脳内出血に倒れ、体に障害を抱えながらも、がんで亡くなるまで掃除夫として、本当に数年前まで、亡くなる数年前まで足を引きずりながら仕事に行っていました。ほとんど誰にも気付かれないようなお仕事ではございましたが、今思えば、父にとっては、それは生きているあかし、尊厳だった、そんなふうに私は娘として感じております。 政治が本来光を当てるべきなのは、労働時間の数字の管理というようなものではなく、一人一人の人生のリズム、これに寄り添う働き方改革ではないでしょうか。 私自身も、学生時代は生活のために、家が裕福ではなかったので、アルバイトをしました。そして、学生時代を過ぎてバブルの時代に社会に出ましたので、正社員という本当に福利厚生の整った会社でCAを行いました。そして、結婚、出産、そして育児をしながら、契約制のアナウンサー、一年ごとの契約で十年近く地元のテレビ局で働いてまいりました。そして、その後、今度は再雇用のCAプラスフリーアナウンサーというダブルジョブを経験しています。そして、二十年前に、いろんな思いがあって自分で起業したという経験があります。人生のライフステージに合わせて様々な働き方をしてまいりました。 こういった、時間管理ではなくて、人の人生というのは直線ではないと思います。ジェットコースターのように私も生きてまいりましたけれども、やっぱり斜めに登ったり、ちょっと休憩をしたり、いろんな生き方を多くの女性、男性がされていると思うんです。 こういったところに、今のこの労働基準法、これ戦後間もなく作られたものだと思うんですけれども、例えば、最近ではテレワークが増えました。そして、ダブルジョブ、ギグワーカーと言われる人たち、スポットワークをされている方々、また、お仕事を終えて定年が過ぎてもまだ働くという方々も多くいらっしゃいます。この今の令和の働き方がこの労働基準法に合っているのかどうか、ここを、私はこの議員活動を通して皆さんとともに議論をしていきたいと思っております。 これからも、本当に、富山県から送っていただいた皆様の地方の声、現場の声、命の叫びを届ける、そんな活動をしていくことをお誓い申し上げまして、私からの質問とさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。 大臣所信に関連して質問をいたします。 まずは、上野大臣、厚生労働大臣、御就任おめでとうございます。厚労大臣は一人では務まらないとかつて舛添要一元大臣が述べていたように、本当に厚生大臣職は激務だと思いますが、お体にお気を付けつつ大臣の重責を担っていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。 まず、医療も福祉も介護も、そして全てが今公的な収入が上がらないので危機にあります。このことを午前中から質問される方も多かったと思います。 高市総理から各大臣への総理大臣指示書がオープンにされています。この指示書の冒頭、全閣僚共通指示の中に、地方を伸ばし、暮らしを守ると書かれています。しかしながら、帝国データバンクの調査によれば、今年二〇二五年の上半期には、病院、診療所、歯科診療所の医療機関の倒産が過去最悪の三十五件、物価高や人件費などの高騰による収益悪化、経営者の高齢化、建物の老朽化などを背景に事業継続を断念する事業者が相次いでいまして、二〇二五年の倒産件数は初めて七十件に達する可能性があると帝国データバンクは報告しています。 御存じのように、病院や診療所、歯科診療所が倒産すると地域医療体制が弱体化、命と暮らしを守ることができなくなるだけでなく、小児科、産婦人科などがなくなると少子化、人口減少が更に進んでしまいます。医療機関がないところでは暮らしは守れません。 上野大臣に伺います。 地方を伸ばし、暮らしを守るためには、医療機関の廃業、倒産をとどめ、そのためにはまず、病院、診療所、歯科診療所の診療報酬をアップする必要があると考えますが、大臣の見解を伺います。 また、上野厚労大臣の地元滋賀県からも、病院、診療所経営の厳しさを訴える声が大臣にも届いていると思います。最近の診療報酬改定で病院、診療所の診療報酬が抑えられてきたため、病院の約八割が赤字、診療所の四割が赤字という報道もあります。御存じのように、赤字が続くと資金繰りが厳しくなり、民間銀行からお金が借りられない、資金繰り、十二月が厳しいんだ、十二月のボーナスが払えないと嘆く病院長の嘆きを複数聞いています。 インフレによって資材や水光熱費が高騰し、人件費も上がるのに対して診療報酬が伸びなければ、病院も診療所も経営できなくなるのは自明です。午前中からの審議にもありましたけれども、診療報酬の来年引上げは六月、それまで病院、診療所、歯科診療所の経営を守る必要があります。病院や診療所が閉鎖されて地域医療が崩壊しないように、狂乱物価時のように期中改定に倣って、今すぐ歯科、医科の診療報酬一〇%以上のアップを期中改定として行うべきだと考えますが、上野大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘をいただきました病院であったり医科診療所等でございますが、総じて医療機関につきましては、物価、賃金の上昇という大変厳しい局面に直面をしております。 そうした中にありまして、やはり地域の医療あるいは地域の介護、これをしっかり守っていかなければ、今委員からも御指摘のありました、地方を伸ばし、暮らしを守る、そういったことができなくなってしまう、そういった危機感の中で我々は政権運営しなければいけないと感じているところであります。 診療報酬につきましては、賃上げであったり物価高、そうした状況を適切に反映させる必要がありますが、再三議論になっておりますとおり、それを待たずに我々としては経営の改善あるいは処遇改善、そうしたものがしっかりできるように補正予算等でしっかり対応させていただければと考えています。 また、診療報酬の改定につきましては、物価、賃金を含めた社会経済の変化であったりそれぞれの経営状況であったり様々な観点、持続可能性等の観点もございます、そういった観点を踏まえて検討していく必要がありますが、医療機関等の置かれた状況をしっかり見ながら必要な医療体制が提供できるように今後も努めていきたいというふうに考えています。
○芳賀道也君 すぐにでもということで、補正でということでした。もちろん補正での対応も必要ですけれども、やはり抜本的な報酬改定は必要だということも申し上げたいと思います。 それから、今日午前からの審議の中でも、山田委員からも本当にこうした大変な状況の報告があり、四%以上是非上げてほしいんだという声が上がりましたら、良識ある自民党の委員の皆さんの席からも、それでは一年分だと、それからまだまだ足りないと。自見先生からは、病院の要望も受けて一一%、一〇%という具体的な提案もありました。 だとすると、すぐにも行われるというこの補正予算、規模を聞きたいところですが、これまで各委員の先生がお聞きになって、規模は具体的には今おっしゃれないということのようでしたので、あえて私からそこは聞かずに、今大臣が、こうした医療機関、大変な危機にあって、これまでのような補正で中途半端な手当てだけではとてもとてもこの危機は回避できないと、そうした危機感はお持ちなのか、そこをイエスかノーかでお答えいただけませんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 私ども再三申し上げておるとおりでございますが、医療機関、介護施設等は、物価、賃金の上昇と、本当に厳しい状況に直面をしていると思います。そのための対策はもう待ったなしだと考えておりますので、しっかり補正予算等で対応できるように努めていきたいと考えています。
○芳賀道也君 だとすれば、やっぱりこれまでにないような大規模な支援が必要だという意識はお持ちだということでいいんでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 大規模というのはどの程度なのかというのはなかなか申し上げにくいところでありますが、強い危機感を持って現状対応させていただいているところでございます。
○芳賀道也君 是非、与党も野党もなく、強い危機感を持って対応していきたいと思いますので、厚労省として是非全力を挙げて命と暮らしを守るために努力をお願いをいたします。 次に、上野大臣の地元滋賀県にも製薬企業がおありです。滋賀県薬業協会のホームページによれば、地場の製薬会社が十五社、国内のほかの地域や海外から来た製薬会社が十五社あると伺っております。 このように、滋賀県にも新薬、後発薬の製薬企業がありますが、新薬、後発薬、いずれのタイプの製薬企業にとっても、また医薬品の流通に関わる企業にとっても、毎年改定で薬価が削られるのが一番のダメージだと聞いています。 確かに、そもそも実際の医薬品の取引で医薬品卸から病院や薬局に安価で取引されていることが薬価のマイナス改定に大きく影響しているのは知っていますが、しかし、かつての二年に一度の薬価改定と毎年改定では、製薬業界、医薬品流通業界に及ぼすマイナスの度合いが違います。毎年改定の影響で後発薬の採算割れから製造停止となり作られなくなっている薬も増えていて、結果として多くの患者が困っています。 薬価の毎年改定はやめるべき、そのために中間年改定はやめるべきだと考えますが、多くの、地元にも製薬会社がある上野大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 地元の状況につきましても御披露いただきまして、大変恐縮でございます。滋賀県におきましても、これ近江商人以来の伝統のある製薬メーカー等もたくさんございまして、地域の産業を支えていただいているところであります。 その上で、今御指摘のありました中間年のお話でございますが、そもそも薬価改定につきましては、一つはやはり国民負担の抑制という観点もありますし、あるいは革新的な新薬の開発力を強化をしていく、また暮らしに不可欠な薬を安定的に供給をしていく、こういった観点がとりわけ大事だと考えております。そうした観点を踏まえて薬価改定を進める必要がありますが、やはり国民、様々な観点、そうした観点を踏まえてバランスよく対応していくことも必要だと考えているところであります。 先ほど来お話がありますが、やはり中央社会保険医療協議会等におきまして、関係機関の、関係業界の御意見も伺いながら丁寧な検討を進めることが必要だと考えておりますので、そうした方針で臨ませていただければと思います。
○芳賀道也君 既に、ジェネリックの目標八割と言っていて、九割にも達している状況もありますし、下げ過ぎのマイナス、コスト割れになってしまって供給できない薬が増えている、こうしたマイナス面の把握というのは、大臣、認識はされているんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 昨年の薬価改定におきましても、最低薬価の引上げであったり、不採算品の再算定であったり、そういったことに取り組ませていただきました。そういうマイナス、そういった状況についても認識をしているところであります。
○芳賀道也君 是非、そうしたことも勘案して、命を守る薬が足りなくなるような状況も改善していただきたいと思います。 次に、自民党と維新の会は、OTC類似薬の保険外しを進めようとしています。しかしながら、難病で頻繁に薬を必要としている方、また、難病でなくてもぜんそくやアトピー性皮膚炎の患者さんたちには、保険外しで患者負担が大変重くなってしまいます。事実、難病患者の御家族がOTC類似薬の保険外しの反対の署名八万五千筆を集め、厚労省に提出しました。 ぜんそくの患者にとっては、せき止めのメジコン、去たん剤のムコダインが保険外しになれば、多額の費用負担になります。アトピー性皮膚炎の方は、保湿剤のヒルドイド、皮膚の腫れやかゆみを止めるリドメックス、ステロイド抗炎症薬のリンデロンが保険適用から外れれば、日本アトピー協会の試算によれば、毎月の医薬品費用が約一万円の負担増、年間で十二万円の負担増になるということです。この日本アトピー協会は、アトピー治療に必要な薬をこれからも保険適用にしてくださいと訴えて、ネットでも署名活動を行っています。 確かにセルフメディケーションも大事なのですが、医師の多くがセルフメディケーションの陰に重大な病気の見落としがあるのではないかとも心配しています。また、OTC類似薬が保険から外されたことで、医師が保険適用になっている同じ効果のある薬価がより高いほかの薬を処方し、結果として、OTC類似薬を保険外ししなかった場合より医療保険会計が悪化してしまうおそれを指摘する方もいます。 OTC類似薬の保険外しは慎重にすべきだと考えますが、大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘のあった課題につきましては、いわゆる骨太の方針におきましても、医療機関における必要な受診を確保し、子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の患者負担などに十分に配慮することとされておりますので、そうしたことはもちろん踏まえて対応を考えていくことが必要だと考えています。 厚生労働省としては、現時点におきまして、OTC類似薬に係る保険給付の全てを機械的に保険対象外とするような方向で検討しているわけではございません。現在、厚労省の審議会におきましても議論を進めておりますが、保険給付の在り方の見直しは必要だといった意見ももちろんありますし、一方で、患者にとって過度な負担が生じないよう、今御指摘のありました点などだと考えますが、配慮を求めるそうした声もございますので、そうした声をしっかり踏まえて対応を検討していく必要があるかと考えております。 いずれにいたしましても、今具体的な制度設計につきましてはまだ何も決まっておりませんので、現在のところ、その影響額等についてお示しをすることは困難ではありますが、いずれにいたしましても、今与党間での協議も始まっておりますので、そうした状況も踏まえて、厚生労働省として必要な、適切な対応をしてまいりたいと考えています。
○芳賀道也君 全てを外すことは考えていないというのは、これは前向きに取ると非常にいい回答なんですが、だと一部は考えているということなのか。 それからもう一つ、こうした保険を外すと、指摘したように、保険が利く薬、これをお医者さんがどうしても処方をしてくださる、これはやむを得ないと思うんですが、これ、例えば、今保険外されるのではないかと言われている薬、OTC対象の薬ですね、これの同等の効果のある保険の対象の薬、この保険対象の薬、代替となる薬の年間の製造能力、これを考えると、保険が外されると、その薬が今度、保険があるので需要が異常に高まってしまってその薬の供給が滞ってしまうのではないかという指摘もあります。 実際に、不妊治療の保険適用のときに、事前に厚労省に、保険の適用になった例えば注射等、これが足りなくなるのではないかという現場の医師の指摘があって質問をしました。そのときは、そんな心配はないんだと、ちゃんと対応するということでしたが、実際に始まってみると、やはり一部の注射など不妊治療の保険適用になる薬が少なくなって、足りなくなって、慌てて保険の適用になる薬を拡大したり、そういったことが実際に起きています。 このOTCの場合も、こうしたことも考えなければいけないので、是非、更に更に慎重に対応することが必要だと思うんですが、改めて大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員から御指摘のありましたような課題もあろうかと思います。そうしたことも踏まえて、今様々な御意見を頂戴をしているところでございます。 繰り返しになって大変恐縮ではございますが、いまだ、いまだといいますか、まだ具体的な制度設計ということができておりませんので、具体的な影響額、どういったことがあるかということについて確定的に申し上げることは困難ではありますけれども、いずれにいたしましても、様々な御意見十分拝聴した上でやはり制度を決めていくことが大事だというふうに思っております。 いずれにいたしましても、先ほど来お話をさせていただいておりますとおり、今与党間での協議も始まっておりますし、また様々な機会で委員の皆様の御意見を伺う機会もあろうかと思いますので、そうしたことをしっかり頂戴をさせていただければと考えています。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 確かにセルフメディケーションの重要性も分かりますが、その陰で弱者、より難病の方が負担が増えて困ってしまう、そうしたことのないように、このOTCについてはより慎重に検討を重ねていただきたいということを要望して、次の質問に行きます。 次に、画期的な新薬の保険適用が決まって薬価を決めるに当たり、そのイノベーション効果を評価する際に、我が国の場合は、類似薬効比較法により、先行する新薬とどれだけ近いかという観点から評価しています。これに対して、主な先進国では、標準治療よりどれだけ勝っているかで判断しています。 我が国の場合、相対的な有効性評価に重きが置かれず、薬価に反映されてきませんでした。先行する新薬と近いというだけで同じ薬価にされてしまうと、科学的により効き目があるもの、副作用が少ない新薬でも同じ薬価になってしまい、製薬企業のイノベーションが正しく評価されていないことになります。 そして、我が国の新薬の評価で類似性の判断をするときに、医薬品の物質に基づいて評価しています。しかしながら、ここ最近市場販売が認められた新薬の中には、遺伝子細胞治療のように、物質それ自体というよりも、細胞の形質を変えたりでき上がった細胞を生産したりする手技の中に新しさ、イノベーション、革新性があります。 上野大臣に伺います。 画期的な新薬が保険収載となり、薬価を決める際には、類似薬効比較法で判断するだけではなく、標準的な治療からどれだけ優れているかで判断すべきであり、類似性の評価をするに当たっても、医薬品の物質がどれだけ似通っているかだけではなく、遺伝子細胞治療のどのような場合は手技の煩わしさがどれだけ減ったかで評価することで、また、細胞の生物学的違いや体内活性の違いを評価して、開発経費が非常に高くなっている画期的新薬の更なる開発が可能なようにすべきと考えますが、上野大臣の御見解を伺います。
○政府参考人(間隆一郎君) 私の方からお答えをさせていただきます。 新薬の適切な評価は非常に重要だというふうに思っております。その中で、委員、今、ただいま御指摘いただきましたような、標準的な治療からどれだけ優れているかと、どれだけ優れているのかという観点につきましては、薬価の算定時に本体にその加算というのがあるわけでございますが、その有用性加算として評価を行っております。 革新的な新薬の評価については、令和六年度薬価制度改革において、イノベーションの適切な評価を推進するために革新的新薬の有用性評価等の充実などの見直しを行いました。 その上で、その本体部分なんですけれども、原価計算方式と類似薬効比較方式と委員御案内のとおりあるわけですが、この類似性、何が似ているのかということに関しては、ただいま委員御紹介いただきましたけれども、これ業界団体の方からも、現行の選定基準に加えて、その疾患特性とかあるいはその製剤特性を総合的に踏まえて類似薬を選定する柔軟な類似薬の選定がいいんじゃないかというような、こういう御提案もあるところでございます。 そこで、類似性の評価につきましては、現在、令和八年度までの研究事業において、主に画期的な医薬品の薬価算定における価格の予見性を高める観点から、柔軟な類似薬の選定方法や基準について検討を行ってございます。この研究事業の検討結果も踏まえて、創薬イノベーションの適切な評価を促進するための具体的な方法については、引き続き関係者の御意見も伺いながら中央社会保険医療協議会で検討してまいりたいと、このように考えております。
○芳賀道也君 引き続き参考人にお伺いしたいんですが、この新薬の算定に当たって、画期的な新薬が出てきても余り上がらないようにキャップが掛けられているというような話も聞くんですが、これは事実なんですか。
○政府参考人(間隆一郎君) 一律のキャップということではなかろうと思います。その計算方式によるということだと思いますが、いずれにしても、やはりいいものについては、そういう加算の、有用性加算なので、しっかり評価をするということが大切だというふうに思っております。
○芳賀道也君 是非、例えばT細胞を使った新しい薬とか、これまでと全く違った新しい薬も登場していますので、これ、薬価を科学的に算定するということはそれ自体当然でしょうから、それはいいんですが、新しい薬が登場しつつある中で、そのT細胞を使ったものであるとか、全く新しい新薬については、よりその効果を科学的に評価する新しい方法なども検討すべきではないかなと少なくとも思うんですが、大臣、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) ちょっと突然の御質問なので十分理解をしているか不安ですけれども、いずれにいたしましても、価格の決定については、やはり新しい薬、しかも効果のある薬がどんどんと国内市場に流通するということは大事でありますので、そういった観点から、どういった価格の形成ができるのかということはしっかり考えさせていただきたいと考えています。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 やはり、T細胞を使った薬などであれば、使った人が百人が百人治癒するというわけではありませんが、今まで治療法がなかったものが、ごく一部は一回の投与で寛解や治癒に向かう方もいるという画期的な薬も出てきますので、こうしたものはしっかりとその効果に見合った算定がされるよう、是非新しい科学的な方法についても日々研究、検討は進めていただきたいと思います。 次に、画期的な新薬の薬価を後発薬の市場販売開始又は薬価収載の十五年後まで維持することで次の新薬開発を支援する新薬創出・適応外薬解消等促進加算について質問します。 民主党政権の二〇一〇年に始まったこの新薬創出等加算ですが、自民党政権になってから条件が厳しくなってその枠が非常に狭くなり、また細かい計算をして加算額が製薬企業ごとに違うなどの仕組みも入って随分複雑な制度になりました。来年度薬価改定に当たっては、シンプルに特許期間内は薬価を引き下げないという方式に変えたらいいと思うのですが、上野大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 御指摘のありました革新的な新薬の開発力を強化していく観点から、令和六年度の薬価制度改革におきまして、そのような新しい新薬の薬価が特許期間中は維持されるように、予見性が乏しい企業区分を撤廃するなど、新薬創出等加算の仕組みの見直しを行ったところでございます。また、令和七年度の薬価改定におきましては、この対象品目を、新薬創出等加算の対象品目を改定対象から除外をするなどの措置を講じているところであります。 委員御指摘のとおり、国の内外から分かりやすい制度にするという観点はとても大切だと考えておりますので、創薬イノベーションの推進あるいは国民負担の軽減、そうした要請にバランスよく対応する観点から、現在、中医協等で検討中でありますので、そうした検討を踏まえて対応させていただければと思います。
○芳賀道也君 是非そうしたシンプルな制度にしていただければと思います。 次に、国内で手術を受けた後、患者さんの感染症を防ぐためにペニシリン系やセフェム系の抗生物質を投与されることが多いのですが、これらの原料、原薬は中国産が安いので、これまで中国産の原薬が一〇〇%を占めていました。経済安全保障の観点から、シオノギファーマやMeijiSeikaファルマがこれらの抗生物質の原薬の国内生産に向けて生産ラインを組んでくれています。これに対しては国のもちろん支援もあるんですが、中国産の五倍もの原料の費用が掛かると聞いています。 また一方、新型コロナワクチンであるメッセンジャーRNAワクチンを生産すべく、国内の製造メーカーであるMeijiSeikaファルマが研究開発を進め、国内生産を始めましたが、このラインはできたけれども、結局余り使われずにそのままになっているという話も聞いています。 経済安全保障の観点から、海外に頼っている医薬品やその原薬を国内で生産を進めるために様々な施策があるのは賛成しますが、これ、一旦補助などがあっても、その後が続かない、最後までちょっと面倒を見てもらってないのではないかと。これではせっかく手を挙げた製薬会社が正直者がばかを見るというような結果になってしまうということで、原料が高ければ、国産のものが海外製品と同等の値段で販売できるように国がサポートして、そのラインが動くようにサポートする、あるいは、RNAワクチンであれば、ラインができたのだから定期的にそのラインがさびつかず動くように一定量は買い上げるとか、様々なプラスした施策、その後の国のサポートも必要なのではないかと思いますが、上野大臣の御見解、伺います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 抗菌薬の原薬につきましては、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資として指定をし、その原薬の国内製造への支援を行っているところであります。今委員から御紹介のあったとおりでございますが、やはりコストは高いですね。中国製と比べて相当の価格差があるということは、相当あるということは課題として十分認識をしております。 中医協でも議論が行われているところでございます。なかなかどういった方策がということは結論を得るのは難しいわけでございますが、委員御指摘のとおり、やはり国内でしっかり生産ができるということが大事でありますので、そうした観点から、引き続きの支援、どういった形があるか、十分検討していきたいと思います。 また、ワクチンの国産化につきましても、生産体制の維持に必要な製造費等の経費につきまして支援を行っているところでありますが、その後ですね、その後のフォロー、これをどうするかについても重要な御指摘だと思いますので、我々としても十分そうした認識を持って検討していきたいと考えています。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 やはり日本のメーカーで、どのメーカーがということではありませんけれども、日本の薬を作る能力を高めるために手を挙げてくれて協力してくれた方が最後まで面倒見てもらえて、次のこのようなことがあれば、じゃ、国に協力して、別の製薬会社もやろうというような、しっかりとフォローされる仕組みもどうぞよろしくお願いをいたします。 次に、介護事業を行っている現場に伺うと、本当に職員が足りなくて困っているところばかりです。特に、小さな介護事業所では職員集めに苦労しているんですが、仮に介護職員等処遇改善加算の新加算一を取れれば二四・五%の加算となりますが、小規模でやっていて人が足りないところほど新加算一が認められません。 この新加算一が認定されるには、新加算四の半分を月額賃金に配分、それから職場環境の改善と賃金体系の整備、研修の実施、そして、資格や勤続年数に応じた昇給の仕組みをつくり、待遇改善後に年間給与が四百四十万円以上の職員がいて職場環境の更なる改善と見える化を進めている、さらには経験、技能がある介護職員を一定割合以上配置するという、これ全部条件を満たさないと満額もらえないんですね。 ですと、どうしても小さな介護所、介護作業所ほどもらうことができない、実際に働いている介護スタッフの間でこの差が出てきてしまう。ちょっと、働いている立場から言えば、同じ仕事をしているのにいわれなき差になってしまうということだと思うんですけれども。 この介護、改善加算だけではなく、人数の特に少ない事業所では、介護報酬本体を全体的にアップさせることで介護職員全員の賃上げを図るべきだと考えるのですが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 介護の現場につきましても、人手不足などで厳しい状況に直面をしておりまして、処遇の改善のための支援、これも急を要すると考えています。 今委員御指摘のありました処遇改善加算につきましては、これ加算額の全額を賃金の改善に充てる、このことを求めており、それを担保する仕組みだというふうに考えております。ですから、処遇改善を確実かつ継続的に講じる効果を有するものだと考えておりますので、そうした措置をとらせていただいているところであります。 いずれにいたしましても、現場で働く幅広い職種の皆さんにしっかりと賃上げ、それが確実につながるように取り組むことが必要でありますので、改善方法等もひょっとしたら検討する必要があるのかもしれませんが、いずれにいたしましても、そうした思いで取り組ませていただければと思います。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 結果として、国が出した補助が無駄にならないようにという、つくった仕組みだとは思うんですが、卵が先か鶏が先かみたいになるんですけど、このハードルがあることで実際には加算がもらえない職員が増えているという状況があるので、この現場の状況を変えていただきたいということをお願いをいたします。 次に、厚労省の調査によれば、二〇二四年、電子カルテシステムを導入した診療所の割合は五五%、診療所のうち四五%はまだ入れていなかったということです。 仮に導入すると、データ照合や共有が容易となり、業務効率化、紙類の保管スペースの削減、医療安全の向上が期待できます。しかしながら、大手のIT業者による電子カルテを導入すると、導入費用だけで数百万円単位、毎年の費用も五十万程度掛かる。そして、費用負担が重い。さらには、情報セキュリティーの問題もあります。そもそも、医師本人が操作するなど、IT人材の不足が障害になるという声もあります。義務化を余りにも急ぐと、御高齢の医師の皆さんがこれを機会にクリニックを閉じようと閉院の動きが一気に加速して、地域医療の崩壊が更に進んでしまうおそれがあります。 電子カルテの義務化は決して急ぐべきではないと考えますが、上野大臣、お考えはいかがでしょうか。
○大臣政務官(栗原渉君) ただいまの電子カルテの義務化について御質問でございますが、二〇二三年六月に政府の医療DX推進本部で決定いたしました医療DX推進に関する工程表では、遅くとも二〇三〇年にはおおむね全ての医療機関において必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すということに目標として掲げております。これはあくまでも目標でございまして、電子カルテ導入の義務化を求めているものではございません。その上で、御指摘のような電子カルテを操作することが難しい方々にも利用しやすい電子カルテを提供していくことは一つの課題であると認識しておるところであります。 こうした観点から、現在、デジタル庁と共同で、クリニック、済みません、失礼しました、クリック操作を主とする感覚的に使いやすいシンプルな画面設計で政府の医療DXサービスにも対応した標準型電子カルテの導入版の開発を進めているところでございます。 こうした取組を含めて、引き続き、現場のニーズを伺いながら丁寧に電子カルテの普及に向けた対応を進めてまいりたいと、そのように考えておるところであります。
○芳賀道也君 いいシステムであっても、決して、急ぐとそのマイナス面が出てきますので、決して急がず、しっかりと進めていただくことをお願いを申し上げます。 最後に、上野大臣にちょっと、意地悪をするわけではないんですけれども、二〇二一年六月、旧統一教会が関連している日本・世界平和議員連合懇談会に出席した二十一人の国会議員の一人だと報じられていますが、もちろん信教の自由は憲法で保障されていますけれども、現在もこの日本・世界平和議員連合懇談会に所属していらっしゃるのかどうかだけ伺えますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 現在、旧統一教会との関係については絶っているところであります。
○芳賀道也君 分かりました。 宗教二世の様々な心の傷というのがありますが、これに対するフォローも必要だと思うんですけれども、これは子供に関してはこども家庭庁担当だということで、こうしたフォローもより進めてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(源河真規子君) お答えいたします。 児童虐待などは、その理由のいかんをかかわらず決して許されるものではなく、こども家庭庁では、児童相談所や市町村の現場において適切に対応がなされるよう、令和四年に宗教の信仰等に関する児童虐待等への対応に関するQアンドAを発出しております。 また、こどもまんなか実行計画二〇二五では、こども家庭センターが保護者の思想、信条を背景とするなど、自覚しづらく支援を求めづらい状況にあるお子さんのSOS、これには宗教を理由とした貧困や児童虐待等があると思いますが、それを着実に把握し、自立支援を含め必要な支援を届けると明記し、こども家庭センターの整備を着実に推進しているところでございます。 こども家庭庁といたしましては、引き続き、関係機関がこの宗教等を理由としていろんな状況にあるお子様に適切な対応を講じることができるよう、周知や体制整備に取り組んでまいりたいと思います。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 いわゆる宗教に関するトラウマだけではなく、性的虐待も含めて、この子供たちが十八歳以上になると傷が癒えるわけではありません。十八歳以上になれば、今度は厚労省も是非力を出していただかなきゃいけないということですので、こうした傷を抱えた皆さんのサポートも厚労省にも引き続き頑張っていただきたいと要望をして、私の質問を終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 資料一を御覧いただきますと、一昨年に大麻取締法が改正をされまして、昨年施行となりました。立法事実は、難治てんかんの患者さんに大麻由来医薬品を届けるということが目的でありましたけれども、資料の一番下見ていただきますと、残念ながら大麻の成分でありますTHCVが指定薬物となってしまいまして、それを服用しててんかんの発作を抑えている患者さんにとっては、大変生活の質も、命にも関わるような状況に追い込まれて、厚労省には即座に正規の用途として難治てんかんを定めていただいて対応をしていただいたところであります。 上の段につきましては、施行の前に、THC残留限度値を上回る、そういったオイル等が必要な方もいらっしゃいましたので、そこにつきましては国の特定臨床研究を行う研究班を設置いただきまして、そこに限って供給を可能にしていただくという形で患者さんの命を守る取組を行っていただいたということを感謝したいと思います。 その上で、今、CBN、カンナビノールについて、指定薬物と指定する省令改正のパブリックコメントが実施されておりますけども、生活の質の維持のためにCBN製剤を使用している例えば難治てんかん患者は、CBN製剤を継続的に使用することができるか確認をしたいと思います。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 御指摘のCBN、カンナビノールについては、本年十月の薬事審議会指定薬物部会において指定薬物として指定することが適当であるとの答申がなされたことを踏まえ、指定薬物として指定する省令改正案について、行政手続法に基づきパブリックコメントをしているところでございます。 指定薬物は、薬機法第七十六条の四の規定により、医療等の用途以外の用途での所持、使用が禁止されており、この医療等の用途については厚生労働省令において規定されているところでございます。 CBNを含有する製品については、難治てんかん等の患者の方々が自身の疾病に対して使用している事例があることを踏まえ、ほかに代替できる治療法がなく、CBN製品を使用する必要性があると医師から診断された疾病の患者様、患者の方々に限り、所定の手続を行うことで、この医療等の用途としてCBN製品の使用等を認めることを予定しているところでございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。 これは、患者さんのための法改正だったのに、指定薬物のきっかけをつくってしまうのは全く別の人たちであるということも強く申し上げておきたいと思いますけれども、CBNの精神毒性などを考えますと慎重に取り扱うべきでありまして、過去に指定薬物に指定された合成カンナビノイドの代替のように、乱用を助長する売られ方や使われ方がされる実情を考えますと、CBNを指定薬物として一般の販売が規制されるのは保健衛生上、私は当然のことだと思っておりますけれども、一方で、真にCBNが必要な難治性の疾患の患者が使用できるように専門的見地から管理を行うような仕組みも重要と考えておりまして、これまで指定薬物THCVやTHCの残留限度値を超える対応をしてきた日本臨床カンナビノイド学会のようなCBNや関連する疾患の知見を有して、十分な治療、研究実績がある学会に関与させるなどの仕組みを設けて患者の生活の質を守るべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 他に代替できる治療法がなく、CBN製品を使用する必要があると医師から診断された疾病の患者の方々についてCBN製品の使用を認めるための手続の詳細については現在検討しているところであり、今後その詳細を周知することとしております。 CBNの精神毒性等を踏まえれば慎重な対応が求められることから、委員御指摘の一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会のようなCBNや関連する疾患の知見を有し、その治療や研究について十分な実績を有する学会に御協力いただくことなども含め、適切な仕組みを検討してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 資料二ですけれども、改正労働施策総合推進法施行されまして、非常に好評と思っております。 カスタマーハラスメント対策進めるに当たっては、各業種、業態に応じた対策が必要ということでありますけれども、例えば介護施設や福祉施設において、労働者の方々が例えば疾病特性や障害の特性といったことから暴力や暴言を受けてしまうといったようなことがあるはずであります。 そういった特性を理解した対応が必要だと私は考えておりますけれども、カスハラ防止指針の素案ではどのような整理になっておりますでしょうか。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 委員から御指摘いただきましたように、カスタマーハラスメントへの対応に当たりましては、業種、業態に応じて顧客等の特性を理解をした対応、これが重要であると考えております。 あらゆる業種、業態の事業主に講じていただく雇用管理上のカスタマーハラスメント防止措置の内容を定める指針ですけれども、先日の労働政策審議会の分科会に素案を提示をして御議論をいただきました。 この中では、事業主が、労働者が障害特性など顧客等への理解を深めるために必要な取組を行うことが望ましい旨や、職場におけるカスタマーハラスメントは業種、業態等により被害の実態や必要な対応も異なると考えられることから、その実態や業務の特殊性などを踏まえて、それぞれの状況に応じた取組を進めることも考えられる旨をお示しをしております。今後、指針の検討を踏まえて、業種、業態ごとに適切な対応の検討が、検討、対応が行われていくものと考えております。 こうしたまた業種、業態ごとの取組を推進するに当たりましては、業所管官庁部局などと連携して対策を講ずる必要がありますので、カスタマーハラスメント防止対策の推進に係る関係省庁連絡会議ということで会議を開催をいたしまして、各業界などにおける取組を御紹介いただくほか、各業界での取組が進むように継続して関係省庁へ働きかけを行ってございます。 御指摘のありました介護、福祉ですけれども、この介護、福祉を所管する部局にもこの会議にも御参加をいただいておりまして、引き続き、連携しながら、業種、業態ごとの取組を促してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 それでは、老健局長にお伺いしたいと思いますけど、例えば認知症とか自傷他害を起こします強度行動障害と生きる方々から暴力行為等を受けた場合に、ケースによっては法的な手続や対応が必要になるケースもあると考えているのか、従業者を守るためにどういった対応が必要かということについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(黒田秀郎君) お答え申し上げます。 介護ニーズ、介護のニーズが高まっていく中で、介護・障害福祉従事者の安全を確保をして、安心して従事できる体制を整えることは非常に重要なことでございます。 介護、障害福祉現場におきましては、利用者による暴力行為等が認知症あるいは強度行動障害の症状として現れる場合がございます。こうしたケースにつきましては、ハラスメント対策とは別に、医療的なケアによる対応や障害特性、環境要因に配慮した対応が必要であるということを認識してございます。 また、こうしたケースの中には、暴行罪など犯罪となり得る行為もございます。法的な手続、対応が必要になる場合もあり得ることから、個々の施設、事業所だけで対応するのではなくて、医師等の他の職種、保険者、事業者団体等のほか、必要に応じて法律の専門家や警察等と連携することが介護・障害福祉従事者の安全確保や法的保護の観点から重要であると考えてございます。 こうした点につきましては、厚生労働省で作成した事業者向けのマニュアルにおいて自治体や介護・障害福祉事業者にも周知しておりまして、引き続きその徹底を図ってまいります。あわせて、改正労働施策総合推進法の内容、現在、労働政策審議会で議論をしている指針等も踏まえまして、本マニュアルの見直しなど適切な対応を講じてまいります。
○秋野公造君 これちょっとまた後からお伺いをしたいと思います。 法案審議のときに、久留米大学の大江美佐里参考人がおっしゃっていたように、ハラスメント被害者の心の傷等に対する医学的な対応が必要な場合があります。 今後、カスハラ防止指針に基づく対応として被害者への医学的なアプローチ、どのように図っていくのか、記載がないようでありますので、薬物ありきではなく、例えば、認知行動療法や認知処理療法といった対面の医療が重要ではないかという問題意識から御質問したいと思います。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 御指摘いただきましたように、法案審議の際には、参考人から医学的なアプローチについての御意見なども頂戴をいたしました。先ほど申し上げましたカスタマーハラスメント指針の素案の中では、事業主が被害者への配慮のために講ずべき措置として、管理監督者又は事業場内産業保健スタッフ等による被害者のメンタルヘルス不調への相談対応などをお示しをしております。 今後は、御指摘のような療法も含めて、カスタマーハラスメントの被害者の医学的なアプローチが必要な場合には、専門の医療機関への受診を労働者に促すことも含めて事業主に適切な措置を講じていただけるように対応してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 障害施策として一問お伺いをしておきたいと思いますけど、レジャーホテルが例えば避難先になるとか、女子会の会場になるとか、様々な活用が行われております。障害と生きる御家族には、公共のプールは行きにくいけれども、そういったところだと家族で行くこともできると、こういったところもありましたが、なかなか段差解消ができていないといったようなお声もいただいたところであります。 風営法の性風俗関連特殊営業に該当しないレジャーホテルについて、障害とともに生きる方が快適に過ごせるように、段差解消などのハード整備として、国として予算支援が可能かどうか確認をしたいと思います。
○政府参考人(田中賢二君) お答え申し上げます。 観光庁におきましては、これまで、誰もが快適に滞在できるよう宿泊施設などのバリアフリー化に必要な施設整備への補助を行ってきております。 宿泊施設につきましては様々な態様がございますが、当該補助におきましては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第二条第六項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営む方が運営する施設については補助対象外としております。 一方で、風営法の適用を受けていない宿泊施設につきましては補助対象としているところでございます。したがって、レジャーホテルとの名称のみをもって補助対象外となるものではございません。 以上でございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。 田中審議官、退室していただいて結構でございます。委員長、お取り計らいをお願いします。
○委員長(小川克巳君) 観光庁田中審議官は御退室いただいて結構です。
○秋野公造君 ありがとうございます。 資料三ですけれども、かつて田中さんが安全衛生部長のときに、PCBや鉛を含む塗料の剥離剤が高濃度のベンジルアルコールを含むということで、中毒事例、死亡事故が相次ぎましたので対応をしていただきました。当時、送気マスクを必要とするといったような画期的な取組も行っていただいて、命を守る仕組みづくりにお力添えいただきましたこと、心から御礼を申し上げたいと思います。 そのときの通知、議事録が資料三の一で、通知を三の二以降に示しております。その後も改正がなされておりますけれども、記書きのところに、このかき落とし業務の著しく困難な場合を除き、湿式によることとされているんですが、その著しく困難な場合の事例としてサンドブラスト工法を用いる場合とされております。 資料の三の七と八については、サンドブラスト工法はケイ砂を用いるということでありますけれども、これ今、橋の塗装においてケイ砂を用いたブラスト、行われているかどうか確認したいと思います。
○政府参考人(石和田二郎君) ブラスト工法は、橋の塗装を剥がす工法の一つとして用いられております。 委員御指摘のケイ砂を使用したブラスト工法につきましては、ケイ砂の人体への影響を考えJIS規格からも除外されており、橋の塗装を剥がす工法としては現在使用されていないと承知しております。
○秋野公造君 そうなりますと、人体に有害な影響を与えるケイ砂、ブラスト工法にも用いられていないということでありますが、それが例示をされているということは余り適切ではないと考えておりまして、そうした有害物質が使われていることを想起させるサンドブラスト工法という用語を使い続けるのは不適切ではないかと考えますが、御見解、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(安井省侍郎君) サンドブラスト工法について御質問いただきました。 御指摘の昭和四十二年の通達におけるサンドブラスト工法は、従来、砂を吹き付けて行う工法とされておりまして、現在、先ほどの御答弁にございましたように、ケイ砂が使用されていないことから、公共工事の仕様書などにおいては単にブラスト工法とされていると承知しております。 現状におきましても、公共工事の仕様書等においてブラスト法、工法が指定されている場合もあることから、湿式によることが著しく困難な場合の例としてブラスト工法を示す必要があると考えておりますけれども、御指摘のように、サンドブラスト工法につきましては日本産業規格では使用されていないということを踏まえまして、どのような用語とすることが適切か検討してまいりたいと考えてございます。
○秋野公造君 是非お願いしたいと思います。 あわせて、この著しく困難な場合の二つ目の事例として、労働者が高濃度に剥離剤に暴露するおそれがある場合ということも示しておりますけれども、先ほど申し上げたときに、田中さんが安全衛生部長だったときに、送気マスクを使うといったようなことで対応方針も示していただいたということであります。 その意味では、送気マスクを用いれば著しく困難とは言えないのではないかと考えておりまして、ここにつきましても記載の見直しを行ってはいかがかと考えますが、御見解、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(安井省侍郎君) 高濃度暴露につきまして御質問いただきました。 御指摘の通達における剥離剤を吹き付けることなどにより労働者が高濃度に剥離剤に暴露するおそれがある場合でいう暴露とは、労働者が高濃度の剥離剤を吸い込むことを意味しておりまして、御指摘のとおり、送気マスクを適切に用いれば剥離剤への暴露を避けることはできると考えてございます。 御指摘を踏まえまして、その趣旨をより適切に示すことができる通達の表現について検討してまいりたいと考えてございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。 最後に、大臣にお伺いをしたいと思います。 カスハラ法につきまして議論を戻したいと思いますけれども、認知症と生きる方や、例えば強度行動障害と生きる方、こういった方々を守るという観点、そして労働者も守るという観点で両立が非常に重要だと思っております。 障害特性に配慮する取組については御言及をいただきましたけれども、認知症という疾病特性についての御言及はなかったようであります。疾病特性という言葉をきちんと案の中に盛り込むということを大臣に御提案させていただきたいと思いますが、御見解、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘いただきましたように、両立という観点、非常に大事だと考えております。 先ほど来、カスタマーハラスメントにつきましては局長等から様々な答弁をさせていただきました。今委員の方から疾病特性というお話がございました。こうしたことも含め、審議会、また雇用環境・均等分科会におきましてしっかり議論していただくことが必要だと考えておりますので、そうした議論を我々としてもサポートさせていただければと思っています。
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
○川村雄大君 公明党、新人の川村雄大でございます。 本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。委員会での質疑は初めてでございます。上野大臣始め政府の皆様方、委員の皆様方、何とぞよろしくお願い申し上げます。 私は、昨年十一月まで母校でもある東京科学大学病院で外科医として勤務をしておりました。特に専門は消化器のがんの外科治療でございまして、大学にいた頃は、ダビンチなどのロボット手術、それから免疫チェックポイント阻害剤等の最先端の薬物治療等に従事をしておりました。 現場経験が長いものですから、患者さんとも多くを学ばせていただく中で、やはり、患者さんからは生命の尊厳というものを学ばせていただいたと思っております。まさにその現場の感覚を今度は政治の舞台で生かしていきたいというふうに決意をしておりますので、今後とも御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。 今日も、厚労行政を一歩前に進められるような質疑をしたいと思っております。 まず初めに、これまでも度々委員の先生方からも御発言がありましたとおり、病院の経営難に関してお伺いをしたいと思います。 物価高や資材費の高騰等によって、全国で多くの病院で医業収支が赤字になっております。中でも、地域の中核的機能を担う大規模高度急性期病院ほど、より深刻な赤字に陥りやすいという事実があります。地域医療支援病院、救命救急センター、災害拠点病院等の言わば地域の中核病院ですけれども、平時より地域医療連携の拠点として、また有事の際には救急医療、災害医療、感染症医療等においても中心的な役割を担います。 私自身、医師としてこれら今列挙した全ての種類の病院での勤務経験があります。二〇二〇年四月からのコロナ禍にあっては、都立病院で、コロナ診療の言わば最前線で感染症診療にも従事しておりましたので、言わば政策医療の役割の重要性も認識している一人でございます。 先週、かつて勤務をした、ある都内の災害拠点病院の院長から夜呼ばれまして、院長室に行きますと、こういうふうに申されました。救急車を受ければ受けるほど赤字が大きくなる。耐震工事はできているから倒壊はしないだろうけれども、病院も築四十年になって、首都直下地震が起きたら、ところどころ病院の建物にもダメージを受けて病院としての機能不全を起こすかもしれない。これだと災害拠点病院の役割を十分に果たせないというお話でございました。同様な状況にある病院は全国に多数あると思います。このことは、一法人の経営問題として捉えるのではなく、国民の命を守る社会インフラとして医療機関、病院を位置付けていく必要があると強く思っております。 そこで、上野大臣にお伺いをいたします。 このように、特定機能病院や救命救急センター等が担う高度急性期、救急医療において、医療を提供すればするほど赤字が膨らむという構造をどのように御認識しておられますでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高度急性期医療、また救急医療を担っていただく医療機関につきましては、まさに医療全体の中での要であり、またとりでだというふうに認識をしています。そうした病院が今赤字で苦しんでいる、そういう状況につきましては我々も深刻に受け止めておりまして、その解消に向けて取り組まなければいけないと考えているところであります。 午前中の質疑からお話が出ておりますけれども、報酬改定の時期を待たずに、経営改善、職員の方々の処遇改善につながる措置をスピード感を持って対応させていただきたいというふうに考えておりますし、また、とりわけ、今、外科等でありますけれども、時間外などにおける手術の評価の見直し、これも令和六年度の診療報酬改定におきまして実施をしたところでありますが、今後とも、外科等の分野の医師確保の観点なども含めまして、その評価の在り方につきましては、中央社会保険医療協議会におきましてしっかりと議論をさせていただければと考えています。
○川村雄大君 大臣より、要であり、とりでと言っていただきました。本当にありがとうございます。 私自身も、先輩からの教えもあって、救急車はできるだけ受けなさいというふうに教わってまいりましたので、そのように実践してきたつもりですが、これはまさに患者さんの命を守りたいということであったわけですけれども、こうした医療を頑張れば頑張るほど赤字になるという、こうした構造は極めて重大な厳しい事態だというふうに改めて思っております。 その上で、もっと言えば、現行の診療報酬の構造においては、このような中核的な病院が適正な収益が確保できるよう見直す必要があると思っています。入院基本料や救急関連の評価を見直すお考えはございますでしょうか。また、次期診療報酬改定に向けた検討状況を含めて、今お答えいただいたかもしれませんが、もう一度是非一言いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 診療報酬改定につきましては、物価の動向あるいは賃上げの状況、また経営状況や様々な社会経済情勢、そうしたものを総合的に勘案して、また負担の問題も持続可能性の問題もありますので、改定率を決定していくことが大事だと考えております。 いずれにいたしましても、今病院なりあるいは介護も含めてでございますが、様々な機関が直面している課題に向けて補助金なり診療報酬等でしっかり対応していくことが大切だと考えておりますので、これからもそうしたことには力を尽くしていきたいと思います。 また、今お話が少しありましたが、時間外の手術の評価を始め、様々な診療報酬の改定にこれまで取り組んでまいりましたので、委員が外科の分野で大変な御活躍をいただいているのは十分承知をしております。若い医師の皆さんがしっかりとその分野でこれからも頑張っていただける環境の充実に向け、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
○川村雄大君 ありがとうございます。 次に、今大臣も少し触れていただきましたが、消化器外科医を取り巻く現状についてお尋ねをしたいと思います。(発言する者あり)先生、ありがとうございます。 胃がん、大腸がん、膵臓がん、肝臓がん、食道がん等のいわゆるおなかのがんの手術や、腹膜炎などの緊急手術を担う消化器外科医が減少を続けております。消化器外科医は、高度な技術を要する長時間手術だけではなく、内視鏡検査、胃カメラ、大腸カメラ、外来、抗がん剤などの薬物治療などを行い、文字どおり多忙を極めております。がん手術などの高難度手術の術後には、どうしても一定頻度の合併症の発生もあるため綿密な術後管理が求められ、さらに、夜間、休日の応招や緊急手術も多く、結果的に長時間勤務が常態化しております。さらに、学会発表、論文執筆、それから大学等においては学生、それから日常診療においても若手の教育も担っております。 日本消化器外科学会によれば、外科系医師の中でも消化器外科が唯一減少をしている診療科でございます。その理由として、ワーク・ライフ・バランスが保てないこと、そして、今申し上げたような命を守る重責に対する適正な評価がなされていないと感じていることが若手医師から敬遠される要因として分析をされております。このペースが続けば、十年後には現在の七五%、二十年後には消化器外科医は半減すると予測をされております。一刻を争う緊急手術ができない、あるいはがんの手術の待機期間が延長をしてその間にがんが進行し、救えるはずの命が救えない、そんな未来をつくってはならないと思っています。 消化器外科医を将来にわたり確保していくためには、卒前教育から卒後専門研修まで一貫した人材育成策が必要と考えます。それには、専門医制度の見直しやアカデミアの多様性の確保、例えばアカデミアの中に、地域医療の専門家や女性医師をそのアカデミアの要職に増やすなど、様々な多角的な改革が必要と考えます。また、高度な手術を行う医療機関を重点的に集約をして、そこに患者さんと若手の外科医を集めることも有効だと思います。例えば、とりわけ高度な、あるいは高侵襲と考えられる食道がんの手術等、高難度手術においては、症例数が多い施設ほど治療成績が良いということも明らかになっておりますので、症例、患者さんと医師の集約というのは合理的であり、医師が集まれば交代もでき、ワーク・ライフ・バランスも改善できると考えております。 その上で、消化器外科を含む外科分野に若い医師を呼び込むため、厚生労働省としてはどのような施策を講じ、どのような支援を行っていくお考えでしょうか。また、今申し上げたような症例が集積する重点施設における高難度、長時間手術に対しての加算制度の必要性についてはどのように認識されておりますでしょうか。また、その加算分を確実に担当外科医に行き届く仕組みの構築をしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 様々な御提案をいただきまして、どうもありがとうございます。 国民の二人に一人ががんに罹患をする時代にあって、まさに消化器外科を始め外科の先生方がいらっしゃらなくなるということは我が国の医療にとっても非常に深刻な課題だと考えておりますので、今いただいた御提案につきましてもしっかりと受け止めさせていただいて、これからも十分な対応ができるように検討を進めたいと考えています。 その上で、臨床研修につきましてまず申し上げさせていただきますが、医師の臨床研修において外科あるいは地域医療の研修を必修とするとともに、医師多数県の研修医の一部が半年以上医師少数県等で研修を行う広域連携型プログラムの開始を予定をしております。また、専門研修においては、地域医療の経験を含むよう、日本専門医機構が指針を定めているところでもあります。 また、勤務環境の改善につきましては、昨年の十二月に策定をいたしました医師偏在の是正に向けた総合的な対策パッケージにおきまして、外科等の必要な分野が若手医師から選ばれるための環境づくり等の支援を実施することとしておりまして、まずは令和六年度の補正予算におきまして、外科等における勤務環境の改善に取り組む医療機関の伴走支援を行いつつ、更なる支援についても検討していきたいと考えています。 診療報酬改定につきましては、先ほど少し申し上げましたけれども、今後とも、委員からの御提案のあった内容も含めましてしっかりとした検討が中医協等で進められるように我々も努力をしていきたいと考えています。
○川村雄大君 大臣、前向きな御答弁、大変にありがとうございます。 次に、予防医療についてお伺いをいたします。 国民の健康寿命延伸、ひいては医療費抑制の観点からも予防医療は極めて重要と私も考えております。総理の所信表明にもあった攻めの予防医療、また大臣の御挨拶にもあった文言でございますが、この言葉の意味するところ、そして具体的にどのような施策を指すのでしょうか。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 攻めの予防医療でありますが、健康寿命の延伸を図り、国民の皆様が元気に活躍をされ、社会保障の担い手になっていただけるよう予防に努めること、また疾病を発見し早期に医療につなげることであります。 具体的には、がん検診の推進や歯科健診の充実等により、これらについてより一層スピード感を持って取り組むことと認識をしております。例えばでありますが、がん検診でありましたら、第四期のがん対策推進基本計画において、令和十年までに達成すべき目標、これを定めて、個別の検診への勧奨を行ってまいりました。しかしながら、特に大腸がん、子宮頸がんは自治体検診の後の精密検査への受診率、これがほかのがん種に比べて低い傾向にございます。このため、精密検査、確実に受けていただけるよう、検診結果をお知らせするに当たりましては、その必要性がより分かる説明資材を開発、導入するほか、職域においても検診を行っていただいているところがございますが、そうした精密検査の受診状況を自治体でも把握をし、未受診者への個別の受診勧奨などの徹底に力を入れて取り組んでいくこととしております。 また、歯科健診でありますが、歯と口腔の健康を保つこと、これは口腔内のみならず全身の健康にもつながることが明らかとなっているため、国民の皆様が生涯を通じて定期的に歯科健診等を受けることができる環境整備、これも重要であると考えております。 こうした施策をスピード感を持って進めることで、国民の皆様が元気に活躍し、社会保障の担い手になっていただけるように取組を推進してまいりたいと考えております。
○川村雄大君 ありがとうございます。 予防医療というと何か守りのような響きもあるんですけれども、そうではなくて、むしろ病気にならない、早く見付ける、あるいは病気になっても重症化させない、そうした積極的な攻めの姿勢での予防医療、これは私も強く賛同するところでございます。 そこで、がんの早期発見についてでございます。今触れていただいたがん対策推進基本計画の実効性を高めていくためには、今、精検の受診率を高めていくということも大事だとは思いますが、単なる受診率向上にとどまらず、検診の質自体を向上させていくことも不可欠であると考えております。 特に今日は胃がん検診について触れさせていただければと思うんですが、胃がん検診の内視鏡検査への移行、拡大と組織型検診体制の確立が私は有効であるというふうに考えております。 御案内のように、今、胃がん検診においては、言わばエックス線検査、バリウム検査がございますが、このバリウム検査というのは、バリウムを実際に口から飲んでいただいて、胃壁に塗布をして胃を膨らませて、ごろごろいろんな角度からレントゲンを撮って、胃の粘膜の変形を見ることによってがんを発見しようという、こういう検査でございます。受診なされた方もたくさんおられるかもしれませんが、最近はオプションで内視鏡検査も付いております。オプションでやれるなら内視鏡を選ぶという方も多いのではないかなというふうに感じております。すなわち、バリウム検査においては、なかなか早期のがんというのは見付けにくい現実がございます。 一方で、内視鏡というのは極めて進歩はしておりまして、私も診療をやっておりましたけれども、本当に早期のがんを見付けることができます。それから、検査をしたときに、がんの疑い病変があれば、その場で生検を行って、確定診断に直結することもできます。 それから、バリウム自体は体内に消化吸収されずに腸内に残りますので、そうすると虫垂炎や憩室炎などの疾患の原因ともなります。私自身も実はバリウムが原因の緊急手術を何例も経験しております。 このように、内視鏡検診自体、内視鏡検査自体にはメリットが大きいというふうに考えますが、現在は自治体間での実施件数にばらつきがあるのと、受診率もやはり低いのが現状だと思います。 胃がんは特に早期発見できれば手術をせずに内視鏡治療で根治できる、治せますので、それからさらに、胃カメラをやりますと食道がんや咽頭がんなども同時に検査ができます。それから、内視鏡検査をするとおえっとなってつらいという方もおられるんですけれども、最近では経鼻、細径の細い内視鏡も出ております。 まず、日本のがん検診の現状をどのように御認識されておりますでしょうか。そして、胃がん検診における消化器内視鏡検診の普及拡大の必要性、組織型検診の体制整備の必要性についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) がん検診の現状でございます。OECDのデータにおきまして比較可能ながん種であります大腸がんあるいは子宮がん、乳がん等につきましては、我が国のがん検診の受診率は残念ながら欧米諸国と比較して相当程度低い状況だと認識をしておりますので、先ほど来攻めの予防医療というふうに申し上げておりますが、まずこのがん検診の受診率そのものを上げる、これが非常に大事だというふうに思っております。 その上で、先ほど来局長からお話のあったように、精検受診率の向上も目指していくということだというふうに考えておりますので、そうしたことに向けて様々な取組、これまでも進めておりますが、これからも攻めの予防医療としてしっかり進めていきたいと考えています。 組織型検診についての御指摘もありました。本年七月に指針を改正をいたしまして、市町村は住民の職域等のがん検診の受診状況を把握し、その情報も踏まえた適切な受診勧奨及び精検の勧奨に努めるように要請をしたところでありますが、正直、現実問題として、市町村でどれだけ把握できるかというと、なかなか難しい状況もあろうかというふうに思います。 今後、自治体検診DX、こうしたものも見据えつつ、本人同意の下で、住民の職域等のがん検診の状況なども市町村で正確に把握できる仕組み、これにつきましては十分検討を進めていきたいというふうに思います。 また、胃がん検診についての御指摘がありました。私自身は、胃がん検診におきましては内視鏡検査受けさせていただいております。その理由は、今し方お話がありましたとおり、胃だけではなくて、食道あるいは喉のがんについても診ていただける、また、最近は鎮静剤を使って寝ている間に終わってしまうということもありますので、済みません、個人的な話で恐縮ですが、内視鏡の検査を受けております。 その上ででありますが、両検査ともいずれも死亡率の減少効果が認められておりますので、現在のところは両方を推奨させていただいている状況だと認識をしております。今後、様々なエビデンスがあって、仮にこちらの方がより優れているということがあればそうした対応の変化もあろうかと思いますが、現状では両方を推奨している状況だと認識をしているところであります。 いずれにいたしましても、がん検診の充実は非常に大事な課題でありますので、委員からも様々な御提案をいただいておりますが、そうしたものもしっかり踏まえて対応していきたいと考えています。
○川村雄大君 大臣、大変にありがとうございます。 バリウム検査の有用性についても、私も診療医として、臨床医として認識しているところでありますので、ただ早期発見できるのはやはり内視鏡に一日の長ありというふうに感じておりますので、そちらの普及、受診率の向上ということにも一義的には取り組んでいくべきであるというふうに考えております。 時間が来てしまいましたので、残りの質問については次回以降に譲らせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○猪瀬直樹君 日本維新の会、猪瀬直樹です。 先週木曜日の十三日に、予算委員会で高市総理と上野大臣に医療費の削減について具体策質問したんですけれども、その中でも、今自民と維新の二党協議をやっているので、早急に進めることになる項目を中心に深掘りしていきたいと、こう思っています。 まず、高齢者の金融所得を保険料の計算や窓口負担の区分に反映するという件についてお尋ねします。 お手持ちの資料で、(資料提示)これちょっと財務省の資料なんですけど、難しいから、ここに連携しないと書いてあるところだけ見ればいいです。つまり、税務署と保険者がつながっていないよという資料ですね。 それで、要するに、例えば七十五歳以上で年収五百万というAさんがいて、やはり同じ年収五百万というBさんがいると。Aさんは保険料を大体五十万円ぐらい取られて三割負担だと。ところが、Bさんは同じ五百万円だけど保険料は一万五千円で窓口一割負担と。こういう二つの、AとBと分かれる、同じ年収の人が。それはどういうことかというと、確定申告してあるかしていないかと、金融所得があるんだけれどもそれは算定されていないと、こういうふうなばかげた不公平が生じているわけですね。 ですから、お金がない人は一割負担でいいけれども、ある人はやっぱり三割負担してもらうしかないですよね、これはね。そこのところが不公平生じているので、その問題について、予算委員会でもしつこく質問したんですけれども、これ、証券会社から金融機関、国税庁に法定調書が行くというこの仕組みでオンライン化ができていないとか、上野大臣の答弁でも結局その辺りが複雑でよく分かりにくかった。これ、上野大臣のせいじゃないんだけどね。 そういうふうになっているので、この二番目の資料、資料二ですね、これは仕組みを書いてある財務省の資料ですけれども、ここで、この左下の金融機関とありますよね、そこから提出された法定調書情報が現在はオンラインで提供されているのが三五%だけで、あとはDVDで提供されていると。令和のこの時代にDVDは驚きですけどね。これは、お互いオンラインの方が絶対に楽なはずなんですね。 なぜ、これ今どきDVDなのかというのを、国税庁に来ていただいているので、これについて理由を説明していただきます。よろしく。
○政府参考人(高橋俊一君) お答え申し上げます。 税務署長に法定調書を提出する場合、クラウド、e―Tax、DVDを含む光ディスク等、それから書面といった提出手段がございます。ただし、前々年に提出すべきであった法定調書の枚数が百枚以上である法定調書につきましては、大量のデータを紙ベースでやり取りすることは官民双方にとって効率的でないと考えられるため、クラウド、e―Tax、DVDを含む光ディスク等による提出が義務付けられております。 なお、昭和六年に提出された、失礼いたしました、令和六年に提出された金融所得に係る法定調書については、枚数ベースで六三・七%が光ディスク等により提出をされております。 この委員お尋ねの光ディスク等による提出が多い理由でございますけれども、この提出手段につきましては、金融機関が自社システムにおける処理の容易性や提出に伴うコスト等を考慮して選択しているものと認識しておりまして、光ディスク等での提出が多い理由について確たることは申し上げられないところでございます。
○猪瀬直樹君 そんなことを言っててもしようがないよね。 これを一〇〇%オンライン化して、法定調書データベース、この赤で囲ったところですけどね、法定調書データベースに情報を格納してから、そこから情報が保険者の広域連合、つまり市町村国保に行けばいいと、こういうことなんですけれども。 それで、保険者側では、既に持っている課税所得のデータと金融所得のデータを突き合わせて、これ両方突き合わせていくわけですね。そして、合計の所得によって被保険者の保険料や窓口負担の区分を決めることになるんですけれども、こういう仕組みを考えたときにどういう点が実現に向けての課題として挙げられるのか、上野大臣、お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今御指摘をいただいたとおりでございまして、まずは、金融機関の法定調書提出者から保険者までオンラインで情報が提供される、まずこのことがとりわけ重要だと考えております。 今、光ディスクの課題は、今国税庁の方からございました。それ以外にも、まずは法令で、社会保険関係法令でオンライン提出義務を課すこと、またオンライン提出への事務の切替えに伴う様々な事務負担が発生をすること、またクラウドを利用する場合にはそのための費用負担があることなどの課題があろうかというふうに思っております。 いずれにしても、システム上の課題が大きいと思いますので、それは十分乗り越えられる課題でありますので、我々としてもしっかり力を尽くしていきたいと思います。
○猪瀬直樹君 御説明ありがとうございます。 ただ、そのデータベースのシステムをつくるのにどのくらいの期間と費用が必要かと見込んでいるかと、それもお答え願いたいんですけどね。
○国務大臣(上野賢一郎君) どういったシステムにするか、あるいは、非常に技術的な話でございますので、どれぐらいの期間が掛かるのか、どれぐらいの費用が掛かるのかということを今この段階で確定的に申し上げることはちょっと困難だというふうに思います。 まさに、今、維新の会、自民党の間で与党協議が始まっておりますので、そうした中で、我々としてもしっかり情報を提供させていただき、また税務当局からも情報を提供させていただいて、そうした問題、課題、クリアできるように努めたいと考えています。
○猪瀬直樹君 これ、広域連合や、これは参考人ですけど、市町村国保の保険者側でも課税所得と金融所得を突き合わせて計算する作業が必要になるわけだけれども、これもどのくらいの期間と費用が必要と見ておられるか、ちょっと説明していただきたいんですけど。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今委員からお話のありましたような仕組みであるとしますと、税務当局から高齢者関係に関して抜き出されました法定調書情報、データベースにあって、そして、それを各自治体が保険者のところにつないで、それをオンラインでつないで、そして、自治体のその課税のシステムの方に合流をさせるというような作業といいましょうか、そういうシステムを構築することが重要ということでございます。 これについては、とにかくフルデジタルにすると。入口のところから出口のところまで全部デジタルにするということが非常に、自治体の事務負担を考えましても効率的な事務執行という上でも非常に重要だというふうに思っていますが、これはまさに、どこにデータベースを置いて、それでその費用負担をどういうふうにしてといったようなことをこれから詰めていくということでございますので、現段階ではお答えすることは困難でございますけれども、これは関係省庁で協力しながら今後詰めていくということを早急に進めていきたいと、このように考えております。
○猪瀬直樹君 それを急いでやってもらうしかないんだよね。これは自民と維新の協議体でもやるんですけど、結局そういう答えに落ち着いてしまうんで。昭和みたいな話なんですよ、やっていることがね。もう平成、昭和じゃないんで、こんなことをこんなスピード感でやっていたら、本当におかしなことになってしまうんで。 それで、もう一つ課題が、一つあって、こういう場合、やっぱり法定調書は、つまり税ですよね、税の法定調書、税を使っている法定調書を社会保障にも使うことになるわけだから、結局、これも立法措置が必要になってくると。何らかの立法措置ですよね、これ。つまり、これを社会保障に使っていいんだよという、そういう立法措置ですね。これは国税庁の方からお答え願いましょうか。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今委員御指摘のとおりでございまして、金融所得を医療保険制度における負担に反映するためには、税制における金融所得に係る法定調書を活用する方式を前提として検討しておりますので、そこをちゃんとつなげるんであれば、機微情報でございますので、しっかりとした立法措置が必要だというふうに思います。 社会保険法令におきましても、まずその法定調書に係る情報を金融機関等から保険者に提出していただくという、まずそういう、こちらが必要だよというようなものが必要だと思います。ただ、実際には、金融機関から国税の方に、税務当局の方に出てくるわけですから、そこからこちらのその社会保険関係のところにデータを接続するというところについて、また個人情報に関わるものでございますので、関連の規制が、規定が要るだろうというふうに思いますし、その法定調書情報そのものについてオンラインで出していただくということについても提出の一定の義務付けといったものが必要になるんだろうと。こういったような法改正が必要になるのではないかと現段階では考えておるところでございます。
○猪瀬直樹君 分かりました。 法改正についてのガイドラインが、簡単な、どれとどれとどれというのを今度整理しておいていただけますか。あしたも二党協議ありますので、そこのところよろしくお願いしますね。 話変わります。 国税庁の方はもう結構です。答弁御苦労さまでした。
○委員長(小川克巳君) 高橋課税部長は御退室いただいて結構です。
○猪瀬直樹君 次に、いつも言っているOTC類似薬の件なんですけれども、予算委員会でも時間限られていたので、今日は改めて幾つかの重要なポイントを上野大臣にお伺いするつもりですから。 資料三ですね。これは予算委員会でもちょっとやりましたけれども、あのときは花粉症薬ですね、アレグラであるフェキソフェナジン、これについてちょっとやったんですけれども、もう一つ、ちょっと今度は右側のロキソニン、ロキソプロフェンのロキソニン湿布薬ですね、これをちょっと例に挙げさせていただいて御説明させていただくんですけれども。 これ、よくテレビか何かでやっているのは、この市販薬が、これ緑の方は市販薬ですけれども、市販薬が物すごい値段高いサンプルを挙げるんですね。これは、ここに例えばロキソニンのOTC価格は千百八十三円と、そんな高くないんですけど、テレビか何かでやっているのは二千円ぐらいでやっているんですね、千五百円とか千八百円とか二千円とか。それというのはメーカー指定価格なので、これをアマゾンとか楽天とかそういうところで実際の実勢価格で見ると、OTCってそんなに高くないんですよ。 当たり前だけれども、電気製品の量販店ですごい安い値段で付いているのを近くの電気屋さんみたいなところで買うと、これ一・五倍とかそのぐらいしちゃうのと同じですよね。そういう意味で、この実勢価格で今これ示していることが大事なんです。これ、テレビの人にも本当に言っておきたいんですけどね、OTCは高い高いって言っているわけですよ。 で、話を戻しますね。 これでこの湿布薬のところを見ると、五千二百十円と、全体で掛かると。だけど、この薬の部分だけ見ると二百四十円なんですね。これ、薬代そのものは二百四十円で、結局、初診料だとか、何とか指導料とか、調剤薬局の何とか管理料だとか、いろんなものを入れると、二百四十円の薬を出すのに五千二百円掛かっていると。ここが問題なんです。 つまり、OTC類似薬を開放するというか除外していくと、このぐらいのつまり金額が無駄がなくなってくるということなんですね、負担がなくなってくるということなんです。この下の方の赤く丸囲ってあるのは、一割負担の場合は五千二百円掛かるけれども五百二十一円だと、三割負担の場合は千五百円だと。こういうことで、我々の自己負担額がここの赤いところに書いてある。で、これだと、そのOTCの価格と比べるとそんなに変わらないんです。一割負担の場合はかなり自己負担安いですけどね。 そういうことなんで、このOTC類似薬を処方箋から外していくということがまずは、この前も申し上げましたけれども、OTC類似薬だけで一兆円ですよ。これを、それも、健保連の試算では一兆円なんですけれども、それは六十五歳以下だけの試算で一兆円ですから、六十五歳以上を入れたら数兆円になるんですよ。だから、そういう根本的な解決の仕方をしていかないと保険者の負担が物すごい増えていくわけですね。 そういうことで、これじゃ、高齢者は一割負担で、五百円ぐらいしか払わなかったら一割負担でいい。そんなに行かなくてもいいものをわざわざお医者さんに行ったりするということが増えちゃうんですね。この辺についてやっぱりいろんな不公平があるんじゃないかと。 これは、大臣、お答え願います。
○国務大臣(上野賢一郎君) ドラッグストアで自らOTC医薬品を買うセルフメディケーションについては、軽度な身体の不調に対し自分自身で手当てをするものだと承知をしています。 一方、医師による診断に基づいて医薬品の処方を受ける保険診療については、その患者の態様は様々でありますから、ドラッグストアで自らOTC医薬品を購入する場合よりも保険診療における医療用医薬品の自己負担が安いことをもって、現在の医療保険制度による薬剤給付の仕組みが問題だということは、なかなか一概には言えないのではないかというふうに考えております。
○猪瀬直樹君 ちょっと僕の質問の趣旨が伝わりにくかったかもしれないので少し言い直しますけれども、つまり、このOTC類似薬の保険適用を除外すれば、薬剤費だけではなくて、掛かる医療費全体の削減が実現することができるということが目的だと、ちょっと言い方をきちんと整理して言いますと、そういうことなんですね。その認識をお伺いしたいと。 つまり、単にこのOTC類似薬を除外するということは医療費全体の問題になるんだということを、その認識をお伺いしたい。
○国務大臣(上野賢一郎君) 治療のありようといいますか、様々でありますので、一概になかなかそうだということは難しいのではないかと思いますが、いずれにしろ、骨太の方針で受診控え等については配慮する等の文言もありますので、そうした観点も踏まえて対応を検討しなければいけないと考えています。
○猪瀬直樹君 厚労省が十一月六日に医療保険部会に出したものがこの資料四なんですけれども、これ、赤で囲んでおきましたが、子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の患者負担などへの配慮と。これ、配慮すればいいんです。だけれども、結局、問題は、原則は原則で、こういう方々には配慮すると。つまり、例外をもって原則のように言う。反対する方が多いんですけれども、原則は除外する、しかし、こういう方々には配慮すると。原則と例外をひっくり返さないようにしていただきたいということなんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 日本維新の会の皆様と自民党の連立政権の合意書におきましても、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しについて具体的な制度設計を令和七年度中に実施するとしております。 委員御指摘のとおり、現役世代の保険料負担の抑制につながるように、具体的な内容を今協議会の方で精力的に御議論をしていただいていると考えておりますが、そうしたことにつきましては厚生労働省としても十分踏まえて対応していきたいと思います。 一方で、骨太の方針には今委員御指摘の記載があるわけでございますので、そうしたことにも十分配慮することが必要かと考えています。
○猪瀬直樹君 はい、分かりました。 薬剤の、いわゆる医薬品の保険適用というのは自己負担、海外では結構多いんですよね。それで、例えばこの資料六を見ていただいて、資料五です。 薬剤自己負担の在り方、これ例えばイギリスでは、軽い症状のときには処方医薬品に制限を掛けてOTC薬、医療品の購入を勧めたりしていると。この赤いところ見ていってください、囲っているところ。フランスでは、薬剤の有効性に応じて患者負担割合を変えたりしていると。それからスウェーデンでは、一定金額まで自己負担でありますと。これだと一クローネ十六円で考えると三万二千円ぐらいまでは自己負担になりますよと。こういうふうに原則つくっているんですね。だから、何でもかんでも保険適用しちゃうというふうなことは日本だけなんですね。 そういうことで、こういう諸外国のやり方、参考人は、今回の保険適用除外ということを僕は言っているわけですけれども、いかがですか。やっぱり自己負担は必ずあるじゃないでしょうかと。厚労省の参考人。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えします。 今委員から御紹介いただきましたように、例えばフランスのように、医療上の有用性に応じて薬剤の給付率を個別に設定している国があることはもちろん承知しております。これを参考に、今委員がおっしゃったこと、どう受け止めるかなんですけれども、仮にそれは医療保険の枠組みの範囲でOTC類似薬の負担額を変化させるという御提案だとすれば、今夏の自民党、公明党、日本維新の会の三党合意書や骨太方針に示された、先ほど来大臣からも御紹介いただいております必要な受診を確保し、子供や慢性疾患を抱えている方、低所得の方の負担、患者負担などに配慮するとされていることにどのように対応するのか、今後の与党の協議で御議論されるものというふうに考えております。 その上で、OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しにつきましては、現在国の審議会におきましても議論を進めております。医療保険制度の持続可能性の観点からも、保険給付の在り方の見直しは必要といった御意見ありますけれども、それと同時に、仮に保険給付から外してしまうというふうになりますと、全部外してしまうということになりますと、受診遅延による健康被害や飲み合わせのリスクといった課題の指摘や、患者にとって過度な負担が生じないように配慮を求めるといった様々な御意見もいただいております。 こういったことも踏まえつつ、今後与党間において議論が深められるものと受け止めておりまして、こうした議論も踏まえて丁寧に検討を進めたいと、このように考えております。
○猪瀬直樹君 ちょっとそういうときに考え方というのをいろいろと掘り下げてみる必要があるんですね。だから、歴史的経緯もあるので、次、資料六なんですけれども、この資料六では、平成九年九月から平成十五年四月まで自己負担の時代があったんですね、ある一定の。こういう歴史というのはやっぱりいろんな経緯があるので、じゃ、これ廃止しなくてもよかったんじゃないかというふうにも思われるんだけれども、つまり、その薬剤一部負担制度という、そういう名前があったんですね。この制度から、これは今の外国の例じゃないけど、処方される薬の種類に応じて、内服薬なら一日当たり幾らとか外用薬や頓服は一種類ごとに幾らと、一定額の負担を全ての患者さんに求めていた制度なんですね。だから、一説にはその医療費削減効果が当時で五千億円あったと、こう言われているんです。 こういう制度は一定期間で廃止されちゃったんですけれども、これ財政審の資料から取った、この廃止の経緯をちょっとこれに書いてありますけど、載せてありますけれども、要するに、どういうことかというと、これ多分医師会の圧力で自民党が引っ込めたんじゃないかというふうに僕は思います。 これについて、参考人はどのくらいの知識がおありですか。
○政府参考人(間隆一郎君) ただいま委員から御指摘のありました薬剤一部負担は、この資料にもございますように、平成九年改正において、薬剤に対するコスト意識を喚起し、薬剤使用の適正化を図る観点から導入したものでございます。 しかし、その上で、導入後、制度が煩雑であると、あるいはその医療費の自己負担分に加えて薬剤費を一部別途負担することが二重の患者負担であるなどの批判がありました。 平成十三年に、七十歳以上の方について、それまで定額の負担でありましたので、定率の負担を導入したことと併せて、それを併せて御負担いただくという意味で、これを廃止をいたしました。また、平成十五年に、七十歳未満の方の給付率を、例えば本人二割負担だったものを、あっ、八割給付だったものを七割に全部統一をするといったことと併せて七十歳未満の方についても薬剤一部負担金を廃止したと、このように承知しております。
○猪瀬直樹君 制度というのは絶対じゃないということなんですね。紆余曲折があり、その都度判断していくと。だから、これ、今現状もまだ変えることは幾らでもできるし、より最適なものを見付けていくということが、我々、皆さんの仕事だと思います。使命だと思います。あるいは、圧力団体があったから、それに言われるままにやってしまうこともあったりする。それはそれで気を付けていかなければいけないことだと思うんですね。 この薬剤一部負担金を参考にして、OTC類似薬の処方時に患者が別途の金額を負担する仕組みというのも、まずはOTC、保険適用除外が一番だと思うんですが、ほかにもそういう仕組みを考える一つの案というものもあっていいんじゃないかと。それは、これ今参考にこの、だからかつての話をしたわけですね。 上野大臣、お考えいろいろあると思うけど、個人的にもいろいろ発言なさって結構ですから。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今の薬剤一部負担金のお話がありました。 いずれにいたしましても、これ、これからの制度設計次第の議論でありますので、様々な観点からの議論があり得ると考えています。 ただ、その際にも、今局長から御説明があったとおり、かつていろんな批判があったわけでありますから、その批判をクリアできるかどうか、それをまず検証しなければいけないわけでありますし、とりわけ七割給付維持ということは、現在、改正健保法附則に書いておりますので、それとの整理をすることも必要になってこようかと思います。 いずれにいたしましても、委員を含む皆様が今、与党で協議をしていただいておりますので、その議論の中でしっかりとした検討が進むものだと承知をしておりますし、我々もそうしたものをしっかり受け止めてまいりたいと考えています。
○猪瀬直樹君 まずは、目的は四十八兆円の医療費を少なくとも四兆円ぐらいは削減しないと、これは大変なことになっていくよと、あと十五年もしたら六十五兆円ぐらいになっちゃうよと。だから、いろんな頭の体操をしながら構造改革していくと、そういうことで具体的な提案をしているわけですね。 次に、診療報酬改定の話をしたいと思うんですけれども、間近に迫っていますけれども、各分野の具体論を検討する前の大前提として大枠の方針を政治の責任として示すべきではないかと、そういうふうに思うんですね。 資料七になります。資料七を御覧いただきます。予算委員会でもこれ出したんですけれども、直近の二〇二四年度、病院の利益率は僅か〇・一%しかありません。それに対して、無床診療所、つまりクリニックですけれども、六・四%もあると。これ、同じじゃないですよね。つまり、同じ病院あるいはクリニック、これ、診療報酬、全くこれ違うものとして考えるかどうかということですね。 いろんな先端医療をやっている急性期病院がいろんな高度な機器も使って、そしてお金も掛かっていると。ところが、クリニックというのはそういうもの要らないわけですから、それでもうかっているというふうなことを、あえて言いますよ。これ、きちんとめり張り付けないと。 先ほど川村委員が、大病院で、医科歯科大ですけれども、すごい高度なレベルの仕事をおやりになっているけれども、これ、この医療職の給与って、ここに書いてあります、真ん中にね。結局、千五百万円ぐらいの給料なんですね。それに対して開業医は二千五百万円から三千万円に近い、そういう給料ですね。これ、あえて書きました。 それから、診療所は、病院は倒産している病院が多いけれども、診療所はどんどん増えている。こういう状況の中で、つまり、診療所、外来で、病院、入院ですけれども、改定率を分けて設定したという実績はかつてあったんですね。今回の改定に参考にすべきじゃないかと。これはちょっと前だったんですけれども、これ、とにかく、このときは、二〇一〇年度の改正ですね、二〇一〇年度の改定のときに、入院が改定率プラス三・〇三で、外来、つまりクリニックがプラス〇・三一と。三%差を付けたんですよ。これ、改定率を変えたのこのときだけなんですよ。 このときに入院と外来を分けて設定した理由というのは、これ、参考人、何でこのときだけ違ったんでしょうね。あえてやっぱりめり張りを付けたという、これ二〇一〇年の話です、一〇年度の話。お尋ねします。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 今委員御指摘のように、平成二十二年度、二〇一〇年度の診療報酬改定においては、医科の診療報酬の改定率を入院と外来、この外来は必ずしも診療所という意味ではないというふうに思いますけれども、分けてお示しをしておりました。これについては、当時、改定率の決定時点において、医科の中でも入院、救急、急性期医療、地域医療の立て直し、勤務医の皆様方の対応等も含めた形をお示しするために入院と外来の改定率を分けたものであると当時の厚生労働大臣が会見で御説明をしております。 その後、ちょっと追加で申し上げますと、その二年後の平成二十四年度、二〇一二年度の診療報酬改定においては、これを分けておらずに改定率を、入院と外来とを分けずに改定率をお示ししております。これは、改定率を踏まえて具体的にどういう診療科に重点を置くかを検討することとしていたことから、改定率の決定時点において入院と外来に分けて改定率を示すことはしていないという趣旨を当時の厚生労働大臣が会見で説明したところでございます。
○猪瀬直樹君 これ、僕も調べてみたんですけどね、二〇一〇年度改定のときは長妻さんが厚労大臣なんですね。二年後にやめたのは小宮山さんという女性の厚労大臣ですね。それで考え方違うんでしょう。 だけど、改定率を変えるという実績をやっぱりここで一度残しているんですね。だから、やっぱり現役世代の保険料負担の抑制を行いつつ、高度機能医療を担う病院の経営安定化を図るためにも病院と診療所で報酬改定率を分けて設定することが政治の責任なんじゃないかと、これは厚労大臣、最後の質問にいたしますので、御答弁お願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 診療報酬改定につきましては、物価、賃金を含めた社会経済の変化、また医療機関の経営状況、医療保険制度の持続可能性の観点などを総合的に勘案をして決めていくものだと承知をしております。 病院と診療所のお話が出ました。それぞれが置かれた状況、これを丁寧に見ながら、一面的ではなく多面的な観点からも十分見ながら、地域で必要な医療が確保されますように必要な対応を検討することが重要だと考えています。
○猪瀬直樹君 時間が来たのでこれで終わりにしますが、要するに、改革のために様々なヒント、データ、ロジック、これいろいろ申し上げました。これをもちろん二党協議でもやるんですけれども、二党協議でやればいいというわけではなくて、やっぱり厚労委員会という場所があるので、きちんと皆さんと共有したいと、こう思っています。 またこれからもやりますので、大臣、よろしくお願いします。
○梅村みずほ君 参政党の梅村みずほでございます。我が参政党からは、この厚労委員会、私、梅村と、この後、国会初質疑となります、医師でもあります岩本麻奈議員がお世話になります。よろしくお願い申し上げます。 さて、本日は、今政策のかじを切り返すべき日本人の働き方、終末期医療、そして、時間があれば外国人への社会保障について伺いたいと思っています。 まずは、労働についてなんですけど、早速、済みません、大臣、質問要旨の二から行かせていただきたいと思っております。御準備よろしくお願いします。 しあさっての十一月二十三日は勤労感謝の日でございます。この日本で働いてくださっている全ての方に感謝を申し上げたいと思います。そもそも、GHQが戦後の移行によってこの新嘗祭というのを勤労感謝の日にしたということでありまして、本来は新嘗祭であるべきだというふうに言いたいのは別の場に譲るといたしまして、この勤労ということでございますけれども、私、高市総理が上野大臣に対して示された心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討、これ是非応援したいと期待申し上げているんですね。 本日、他の委員からの御発言を見ても、けしからぬという御意見もあろうかと思います。それでも私は、今こそ日本に、この働く幸せ、働く喜び、そして稼げる日本というのを目指していくという姿勢が大事なのではないかと、そのように思っております。 日本人というのは、良くも悪くも同調圧力というのが強い国だと言われております。私たち、この国における労働規制というのは痛ましい日本国民の犠牲の上につくられてきたものだと思っております。若い方々が命を落とし、心身追い詰められて働けなくなって自死を選ぶ、そういった方々がたくさんいらっしゃったことは事実でございます。けれども、そういったところから働き過ぎは良くないというような風潮というのが今蔓延しているように思っております。 高市総理の働いて働いて働いてという発言も非常に強いバッシングにさらされたと思っておりますけれども、日本国民の中には、そして日本国民のみならず、やっぱり世の中には趣味と仕事の境目が余りないという方いらっしゃいます。私も実はその手のタイプでございまして、料理をしていてもお風呂場で頭を洗っていても仕事のことを考えるということがございます。 それで、そういったところまで仕事が好きなんだったら家でやったらいいじゃないかというところもあるかもしれませんけれども、私も社会人キャリアの最初はサラリーマンでございまして、やっぱり仕事好きだったんですね。やっぱり職場でやる方が環境整っているんです。各種資料もありますし、私は旅行代理店だったんですけれども、チケットの予約なんかもやっぱり会社じゃないとできないというような環境もございますのでね。そして、その努力というのは会社にも行く行く恩恵をもたらすということですので、残業代ももらっていただきたいなということもございます。 何が駄目なのかというのは、やっぱりそうやってじゃんじゃんばりばり働くという人たちが、他人でありますとか部下、そして社員や取引先に同じスタンスを強要することなんではないかなというふうに思っております。 そして、大臣は高市総理からの指示に対して、時間外労働の上限規制について、過労死認定ラインを踏まえて検討し、具体案は労働政策審議会で議論すると述べていらっしゃいます。審議会のスケジュール感、教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 委員から今様々な御指摘をいただきました。労働規制改革につきましては、まさに委員がおっしゃったような本当に様々な御意見があるわけでありまして、そうしたものを踏まえて十分審議をすることが必要だと考えております。 現在、働き方改革関連法の施行から五年以上が経過をしたことを踏まえ、審議会におきまして労働基準関係法制について議論をいただいているところであります。厚労省といたしましては、総理からの指示も踏まえ、総点検といたしまして、まさに現場の働き方の実態やニーズ、これを十分に把握し、その結果を精査しつつ検討を進める必要があると考えております。 今、審議会で議論進めております。今後の取りまとめのスケジュールにつきましては、なかなか現段階でいつまでということを申し上げる状況ではありませんが、企業ヒアリングやアンケート調査等も含めまして、しっかりとした検討ができるように進めていきたいと考えています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 事国会にまつわる審議会に関しては、あっという間に結論を得る場合と、十何年たっても結論が出ない場合といろいろございますので、速やかに進めていただきたいなと要望させていただきたいと思います。 さて、日本生産性本部がまとめた労働生産性の国際比較二〇二四というものによりますと、日本人一人当たりの労働生産性はOECD諸国三十八か国中の三十二位となっていまして、G7の中では圧倒的な最下位というふうになっています。 先ほども申しましたように、働きたくても働けないんだという人もいまして、会社が三六協定を締結していなければ本人の意思であったとしても残業ができないなど、意欲のある人たちが労働力のモチベーションの抑制につながったりという側面があったんじゃないかと、厳し過ぎた規制が企業の生産性向上並びに日本の産業競争力の伸長を阻んできたんじゃないかという声がありますけれども、それに対して政府の御見解お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(上野賢一郎君) 労働時間規制につきましては、人手不足で仕事があるのに受注をできない、あるいはもっと長く働いて稼ぎたいといった意見や、あるいは月百時間の残業は過労死認定ラインであり変更すべきではない、そういった意見もあります。 生産性向上についても様々な意見を頂戴をしているところでありますが、いずれにいたしましても、働く方の健康を確保しながら、その意欲や能力を発揮できる環境を整備をしていくということが大事でありますので、繰り返しになりますが、総理からの指示も踏まえ、総点検の中で、現場の働き方の実態やニーズ、そうしたものを十分踏まえて検討を進めていきたいと考えています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 緩急というのも大事ですし、これからの時代非常に重要だなと思うのは、働けるとき、元気なときにはばりばり働いて、あっ、でも最近体調が悪いなって、結構行き詰まっちゃっているなと思ったときには自分で自分の心身の状態を管理できるということ、把握できるということ、そして何よりも、SOSをしかるべきところに出していく、また受け取る側はそれをちゃんと敏感に受け取って対応していくということが重要なんだろうと思っております。 〔委員長退席、理事自見はなこ君着席〕 それは人生通しても言えることで、私も男性と肩を並べて働いて生きていくんだぞというふうに育てられましたので、社会に出て仕事しました。子供を産むとやっぱり子供のそばにいたいわけですよね。先ほど同調圧力という話もしましたけれども、何となく今、日本の社会に蔓延しているのは、ママたちの中でも、専業主婦って肩身が狭いというところがございます。それがいいか悪いかは別としても、今保育園は増えていますけれども、幼稚園ってどんどん潰れているんですよね。 やっぱりお母さんであっても働かなきゃいけないのかなとか、あるいは、やっぱり中でも多いのは、働かないと子育ての費用が捻出できないから働かざるを得ないと、乳幼児期のかわいい子供に付いていてあげたいけれども、後ろ髪引かれるような思いで仕事をしていると。その多くは非正規の方だったりもするので、M字カーブは政府のこれまでの政策のおかげもあって一歩ずつ改善されてきましたけれども、L字カーブというのはいまだに残っているなと思います。 いずれにいたしましても、専業主婦、専業主婦の婦がおんなへんの場合も夫である場合もありますけれども、というのも非常に重要な立場でありますので、そういった専業主婦、しっかり子育てをもう全コミットして頑張っている方々ということに対してネガティブなイメージを持っているわけではないということを大臣から確認させていただきたいんですけれども、大丈夫ですよね。
○国務大臣(上野賢一郎君) 男女問わず、一人一人の御希望に応じた選択が可能になるということが大事でありますので、今例のありました専業主婦等の問題につきましても、本人の意思が尊重されるということが大前提でありますので、そのような観点でいろんな政策も取り組ませていただいているところであります。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 憲法の二十七条には国民の権利にして義務という、うたわれているのが勤労でございますので、そのライフステージに合わせて、一生懸命力を発揮していただくときもあれば家庭に全振りするときもあって、そのハイブリッドだったりと、個人の選択が尊重される社会の実現のために私どももしっかりと声を上げてまいりたいと思っております。 いずれにしても、一馬力では家計がもたないから労働をしなくちゃいけないという方の存在、先ほども申し上げましたけれども、そういう意味においては、何といっても経済対策と財政出動が大事だということもこの委員会でも申し上げておきたいなと思います。 なお、誤解のないように言いますと、じゃんじゃんばりばり働くんだとか、専業主婦もいいんだというと、参政党は昭和に戻りたいのかと言われるかもしれませんけれども、そうではなくて、夏の参院選を経て、参政党、議席が伸びました。十八名、今衆参でいるんですけど、九名が男性で九名が女性でございます。そして、意思決定を行うボードメンバーというメンバーが五名おりますけれども、三人が女性で二人が男性ということで、男性も女性も、働きたい人はばりばり働いて、で、ゆるゆると余暇のために生きているという人もやっぱりいらっしゃるので、そういった個人個人の多様性というものを尊重してまいりたいなと思っております。 EUなどに目を向けますと、つながらない権利というものが広がっている向きもございます。これは、勤務時間以外にアクセスできてしまう、情報通信網の発達によってメールですとかダイレクトメール入ってきますけれども、対応しなくてもいい権利というのを認めようじゃないかという動きもありますけれども、やっぱり権利と義務のバランスが重要であろうなと思うところでございます。 三番の質問は飛ばさせていただいて、ここでちょっと大きな質問なんですが、日本国民にとって本来働くことというのは苦役ではないと思います。やっぱり自分の力を発揮して、喜んでいただいて、その姿を見て、私たちもやる気、元気をいただいて、こうやってエネルギーを循環させていく。そういう意味では、社会で働くことというのは、必ずしも御飯を食べるだけのものではないと思っております。 日本国民にとって社会で働くこととはどのような意味があるか、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 働くことにつきましては、単に報酬を得るということのみならず、自己実現であったりあるいは社会への貢献であったり、様々な目的、意義があるのではないかと考えています。 そうした様々な仕事観を踏まえながら、一人一人が多様な働き方、これを選択をできる、選択できるということが重要だと思いますので、そういう社会の実現を目指して様々な環境整備に取り組んでいきたいと考えています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。同じ思いでございます。 それでは続いて、終末期医療についてお伺いしたいと思います。 まずは最初の質問、大臣は、スパゲッティ症候群という言葉、御存じでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今回の委員の御指摘によりまして承知をいたしました。
○梅村みずほ君 これは、点滴のルートであるとか導尿のバルーン、あるいは気管のチューブとか動脈ラインといったような、たくさんのチューブやカテーテル、コードが体につながっている状態の重症患者さんのことを指す言葉ということで、私、この言葉に出会ったときに非常にショックを受けました。 しかし、医療現場をのぞいてみれば、そういった状態で終末期を迎えていらっしゃる患者さんがたくさんいらっしゃること、医療の現場にいらっしゃったことがある方だったら誰もが御存じではないでしょうか。 今導入が進められていますのが、アドバンス・ケア・プランニング、ACPでございます。こちらは、もしものために、あなたが望む医療やケアについて前もって考え、御家族や医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有する取組のことですというふうに厚生労働省のホームページに載っておりますけれども、なかなかまだ法的な位置付けというのが弱いんではないかなというふうに思っております。 医療現場、介護現場の方とお話をしておりますと、非常に重要なんですけれども、医療の現場におけるACPと介護におけるACPの捉え方で若干のギャップがあるんじゃないかという話を聞くことがございます。 介護というのは、認定を受けてから、じゃ、ACPについて考えてみましょうというふうに始まることが多いんですけれども、どうしてもやっぱり医療というのは、すぐに、例えば入院だとか手術だとかというふうになることがありますもので、急にそのACPに対応しなければならないということもございますし、やっぱり医師の方というのは一分でも一秒でも生命をつなぐのだという崇高な使命と社会的責任を持っていらっしゃるわけですので、多少のギャップがあることもあるんだろうなと思うんですけれども、これからやはりその介護と医療という現場をスムーズにつないでいくためには、このACPに対する価値観であるとか姿勢というものを共通させていくというのが非常に重要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 今委員から御紹介のありましたACPでございますが、厚生労働省におきましては、人生の最終段階において、本人の意思が反映をされ、希望する医療、ケアが提供されるよう本人が家族あるいは医療・ケアチームと繰り返し話し合う取組のことでございまして、現在、国民の皆さんへの普及啓発に取り組ませていただいているところであります。 これから高齢者が増加していく状況の中で、やはり医療と介護の複合ニーズを有する患者さんが増えていく、そうしたことが十分見込まれております。 したがいまして、患者の療養の場におきましても、医療機関、介護施設、様々多様化をしていくことが想定されておりますので、このACPにおきましても、様々な施設間、あるいは様々な職種間、当然、視点には違いがあるわけでございますが、いずれにいたしましても、共通の認識を持って、本人が望む医療、ケアが実現をされるようなことが大事だと思いますので、そうしたことを厚労省としても後押しをしていきたいと考えています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 尊厳のある死というものに対しては様々な御意見や議論があるかと思います。医療法も、この国会で、参議院でも審議されることになると思いますけれども、医療DXであったりとか在宅医療を進めていくという方向性とは非常に合致するものでもありますし、尊厳死宣言の公正証書化やリビングウイルも広がっております。 一歩ずつこの法的な位置付けを与えていくということが重要であって、また、介護現場の方から伺った話で印象的なのは、死に方も生き方の一つですという言葉ですね。これは非常に深い重い言葉だなと思っておりまして、人生のともしびがついえるそのときまでは生きている、その人の価値観を反映した、尊厳が保たれた最期というものを考えていく今まさに時期であろうと思っております。 死に方は生き方でもあるという考えについて、大臣の御所感をお伺いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 本人が望む最期を迎えていただくことはとても重要なことだと考えています。 このため、人生の最終段階における医療、ケアにつきましては、まず医師等の医療従事者から適切な情報の提供と説明がなされることが大事であります。また、そうしたことに基づいて医療・介護従事者から構成される医療・ケアチームの十分な話合い、これが持たれる、あるいは本人による意思決定を基本とした上で家族等と十分に話合いが行われる、そうしたことが重要だと考えておりますので、本人の意思に沿った医療、ケアが提供されることが大事だと考えています。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 では、続きまして、外国人の社会保障について、大変時間がタイトになってまいりましたけれども、一、二問聞けるかなということでお伺いしたいと思います。 厚労省の外国人雇用状況によりますと、昨年十月末の時点の外国人労働者数は二百三十万人ということで、その前の年から比べると増加率は一二・四%に上っております。右肩上がりという状況でございます。 もちろん、人口減少社会の中で外国人材なしにはもう社会は回らないんだというのはごもっともではあるんですけれども、我が国の誇る手厚い社会保障制度が悪用されるようなことはゆめゆめあってはなりませんよというのは、今年の通常国会においても、当時の福岡大臣にも御質問、御要望させていただいたことがございます。 今日は時間が大変限られているんですけれども、まずはこの数字を確認をさせていただきたいと思います。夏の参議院選挙などでも外国人問題は私ども参政党が言いましたときに、外国人の方はちゃんと社会保障に対するお金も払っているんだということで、御批判もいただいたところでございます。 数字的なところを確認させていただきたいと思います。質問の九番になりますでしょうか、十番になりますでしょうか。外国人と日本人の社会保険料、具体には年金と国民健康保険についての納付率、いかがでしょうか。直近の数字をお伺いいたします。
○政府参考人(三好圭君) お答えします。 年金でございますけれども、令和六年度の公的年金におきまして、外国人の方二百八十一万人おられますけれども、このうちで毎月定額の国民年金保険料を払っておられる対象になる第一号被保険者の方、外国人の方は七十七万人でございます。 国民年金保険料の納付率につきまして、第一号被保険者全体の納付率、令和六年度の最終納付率は八四・五%でございますけれども、外国人のみについては、これが四九・七%ということでございます。
○政府参考人(間隆一郎君) 私の方から国民健康保険についてお答えいたします。 昨年度、厚生労働省において、自治体のシステムなどにより外国人の国民健康保険料の収納状況が把握可能な約百五十の自治体に対して聞き取りを実施したところ、外国人の収納率は約六三%という結果でございました。
○梅村みずほ君 済みません、日本人の納付率も教えていただけますか。
○政府参考人(間隆一郎君) 失礼いたしました。 その今の同じ自治体の、今、百五十の自治体の日本人も含めた全体の収納率は九三%となっております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 いずれの納付率もやはり有意な差が見られるのではないかなというような印象を持つわけですが、いずれにいたしましても、質疑時間が迫ってまいりましたので、外国人に対する社会保障制度についてはまた次回以降に議論譲らせていただきたいと思います。 以上です。ありがとうございました。 〔理事自見はなこ君退席、委員長着席〕
○岩本麻奈君 参政党の岩本麻奈です。 皮膚科専門医として臨床に立ち、再生医療と予防医療に携わってきました。その立場から、まず医療DXについて質問いたします。 医療DXの進捗とクラウドセキュリティーについて、日本はいまだに紙カルテ、ファクス、ベンダーごとに分断された電子カルテが残り、マイナカードへの信頼も十分とは言えません。その結果として、ワクチン後遺症の検証、医科歯科連携、過剰医療の是正、医療事故防止など、あらゆる領域が構造的に遅れています。これらの医療領域を優位的に前進させるために医療DXは不可欠と言えます。また、医療DXの推進によって効果的に医療費が削減できることも早くから指摘されてきました。 さて、私は、これまで個人としての強い関心から、ラスベガスCESやソウルKIMES、あるいはエストニアなど各国の医療DXを視察してまいりました。そこで痛感したのは、世界の医療DXは、既にAI前提の診断支援、見落とし防止、医師の音声入力とAIによるカルテ自動生成、強固なサイバーセキュリティーなど、ほぼ完成された形で既に実装しているという事実です。とりわけ、医科、歯科、検診を横断して一人の生涯データを追える統一電子カルテは、日本にとっても極めて参考になるモデルと思いました。 世界の電子カルテ基盤は、個人情報保護等の観点から、大きく分けて三つの方向性に整理できます。一つは、アメリカのような患者側アプリをハブにした個人保護寄りのモデル。もう一つは、フランスのような国家と民間の中間にある公的機関がデータを管理する公益機関第三モデル。そして、エストニアのような国家インフラとして共通基盤をつくり、全住民がそこにぶら下がる政府主導モデルです。このような各国のデータ集計モデルを丁寧に比較し検証した上で、日本としてもできる限り個人情報を保護する形でモデル選定を行うべきではないかと思います。 また、医療DXの基盤を海外ベンダーに依存すれば、医療情報という最もセンシティブな分野で安全保障上も経済的にもますます構造的な脆弱性を固定化することになりかねません。そこで、日本もできる限り自前の基盤、すなわちメード・イン・ジャパンを育てていくことが、安全保障だけでなく、中長期的なコスト削減にも資するではないのでしょうか。 そこで、大臣にお伺いします。 我が国において統一電子カルテを構築するに当たり、その基盤となるシステムやクラウドについては、メード・イン・ジャパンを軸とするのか、それとも海外ベンダーへの依存へ頼るのか。医療DXを安全保障に関わる国家インフラとして捉えた場合の設計方針をお聞かせください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 医療DXに関連する各種システムにつきましては、委員御指摘のとおり、セキュリティーを十分に確保する、とても大切なことだと考えています。 例えば、医療DX関連システムは、政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準にのっとって今システムを構築をしており、一定のセキュリティー基準をクリアすることが求められているところであります。さらに、今年度中に策定することとしておりますが、電子カルテの標準仕様におきましては、物理的なサーバーを国内に複数設置することなどを要件として設定することを検討をしています。 医療DX関連システムにおけるクラウドの利用についてのセキュリティーについては、国産のクラウドか否かにかかわらず、こうしたことも踏まえ担保されるものだと承知をしています。 なお、医療DX関連システムにおける国産のクラウドの利用という観点も大事だとは思いますが、まず広く一般的に利用され実績が蓄積をされているのか、あるいは求める必要なサービスが提供できるのかといった観点も踏まえて検討する必要があるものと認識をしています。
○岩本麻奈君 この問題は、医療だけでなく政府全体のDXにも共通する問題だと思いますので、しっかり取り組んでいただけるとうれしいです。 次の質問に参ります。コロナ検証についてです。 私自身もワクチンを接種し、患者さんにも接種を勧めてきた一人として、コロナワクチンの検証の必要性について質問をさせていただきます。 まず、カルテ、接種記録の保存期間についてお伺いします。 殺人などの重大犯罪では、DNA鑑定など、科学捜査の進歩を踏まえ、時効が撤廃されました。そして、いつでも真相解明、再検査ができるよう、証拠は事実上長期保存を前提に運用されると承知しております。 一方で、命に直結する医療データ、要するにカルテですね、カルテや予防接種の記録は今なお原則五年で廃棄可能となっておりますが、このままでよいのか、強い疑念を抱いております。 コロナワクチンの接種記録については、七月二日の専門部会及び十月十日の大臣会見において、接種記録は死亡後五年まで保存すること、令和八年二月までに法令改正を行い、自治体保管分を国のデータベースに移行することといった方向性が示されたことは一歩前進だと思います。 しかしなお、二つの重大な問題が残ります。第一に、接種記録だけを長期保存してもカルテが五年で廃棄されてしまえば、接種後の発症、検査、治療経過を含む身体の記録が十分に検証できないという点です。第二に、国際比較でも五年という保存期間は極めて短いという点です。EUの多くでは、成人のカルテ保存は二十年以上、電子カルテについては事実上恒久保存を前提とする国もあります。 私ども参政党は、メッセンジャーRNAワクチン施策の検証を掲げた法案提出を準備しておりますが、カルテや関連データが五年で消えてしまうようでは、将来世代が本格的な検証を取り組もうとしても、そもそも元データが残っていないという事態になってしまいます。 そこで質問でございます。 まず、接種記録についてですが、令和三年二月以降の新型コロナ特例臨時接種の記録について、五年後の令和八年、来年ですね、来年の二月までに必ず法令改正を完了させ、保存期限にする、記録消失を一件も生じさせないこと、この点を大臣、しっかりとお約束いただけますでしょうか。 また、カルテについても伺います。 医療法上のカルテ保存義務五年について、国際標準との整合性及びワクチンを含む医療行為の長期的な影響を追跡する必要性を踏まえ、少なくとも保存義務二十年以上、電子カルテについては実質的な恒久保存を目指す方向で見直しを検討していただけないでしょうか。 この二点、併せて回答をお願いいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 新型コロナウイルス感染症の特例臨時接種に関する記録につきましては、現行のルールに沿って各自治体におきまして五年間保存されており、令和八年二月以降、順次その保存期限を迎えることとなります。 こうした中で、この特例臨時接種の記録の取扱いにつきましては、本日午前に開催をされました審議会において御議論をいただきました。今後の国における必要な調査研究に生かすため、令和八年六月に稼働予定の予防接種データベースに格納し、永年保存する方向性で御了承をいただいたところであります。 あわせて、データベースの稼働前に保存期限を迎える記録も存在いたしますので、全ての記録が適切にデータベースに格納されるよう、自治体における保存期間について特例的な取扱いをする、そうした方針で御了承をいただいたところであります。 また、診療録、カルテについての御質問がありました。 いわゆるカルテの保存期間につきましては、医師法等の規定におきまして、罰則をもって保存期間を担保する期間として五年間としているところであります。 一律のルールといたしまして診療録を延長することにつきましては、長期間にわたって保存することによるメリットもあろうかと思いますが、一方で、個人情報としての厳格な取扱いが必要な情報の保存でありますので、そうした場合の、漏えいした場合等のリスクがある、あるいは保存が義務付けられるデータ量が増えることによる医療機関の負担ということもございます。 そうした点にも配慮する必要がありますので、電子カルテの使用状況等も踏まえながら、今後慎重に検討する必要があるかと考えています。
○岩本麻奈君 一刻も早い電子化と国際水準に見合った保存年月の見直しを強く要望いたします。 次の質問でございます。 メッセンジャーRNA安全性評価枠組みとメッセンジャーRNA技術の今後の位置付けについてお尋ねします。 メッセンジャーRNAワクチンにつきましては、既に国内外でスパイクたんぱく等の長期残存、全身分布の可能性、脂質ナノ粒子が炎症を起こすこと、IgG4抗体のクラススイッチを含む免疫応答の隔たり及び免疫寛容、免疫回避への影響等々、ひいては腫瘍免疫監視機構やがん発生率、さらには超過死亡への影響など、中長期的な安全性に関する懸念されるシグナルが複数報告されております。 イタリア、韓国など海外では、ビッグデータを用いた観察、研究や、レジストリー解析も進みつつあり、エビデンスの質や方法論は一様ではないにせよ、統計学的に真剣に検証すべき案件が出てきております。日本においても、予防接種健康被害救済制度による認定は本年十一月七日現在で九千三百四十三件に達し、その中には死亡、重篤例も含まれます。 私は、これらを真剣に検証すべき重要なシグナルと位置付けることは、医の倫理として当然のことだと考えます。 厚労省の敷地には、サリドマイド、スモン、薬害エイズなど千数百名の犠牲を教訓とする誓いの碑が建っておりますが、一方、コロナワクチン接種後の死亡の申請は既に二千人を超えております。重い後遺症で生活が破綻した方はその何倍もいると言われています。それでも政府は、今まで一貫して、現時点で重要な懸念は認められないと答弁してこられました。 本来、重要な懸念がないと言うからには、死亡、重篤例をどの程度まで容認しているかという数値的な前提が必要なはずです。私は現行のメッセンジャーRNA型コロナワクチン接種については、少なくとも中期的な安全性評価とリスク、ベネフィットの再検証が完了するまでは、一旦中止を検討してしかるべきだと考えております。 現在、インフルエンザなどほかの定期接種ワクチン、各種感染症ワクチン、がん治療薬へとメッセンジャーRNA技術の適用拡大を急ぐ方針が打ち出されております。しかし、現行コロナワクチンの総括、検証がなお不十分な段階で、プラットフォーム技術の適用拡大だけを先行させることは、健康医療安全保障の理念から見て極めて慎重であるべきだと私は考えます。 そこでお尋ねします。 メッセンジャーRNAプラットフォームそのものの基礎研究や民間による研究は尊重するとしても、現時点で十分な検証が済んでいないメッセンジャーRNAワクチンについて、ほかの定期接種ワクチンや治療薬への適用拡大、薬事承認を進めるに当たっては、まず、現行コロナワクチンのリスク、ベネフィット及び中長期的影響の検証結果をちょっと整理した上で、通常以上に慎重な審査、評価プロセスを設けるといった安全性再評価を前提とした慎重な運用が必要だと考えますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) まず、メッセンジャーRNAワクチンを含む新型コロナワクチンの安全性につきましては、薬事承認及び定期接種化のプロセスでの評価に加え、定期接種後においても、審議会において医療機関等から報告があったワクチン接種後の副反応疑い事例を全例評価しておりますので、安全性の懸念を示唆する論文等の情報も含め総合的に検討した結果、安全性に係る重大な懸念は認められないと評価をしています。 その上で、安全性に関する情報収集、検討は随時行っているところでありますので、例えばスパイクたんぱく質の残存や毒性については、ワクチンの安全性を評価する観点から、重大な疾病の発生にかかわらず様々な知見を収集し、専門家の意見を伺った上で検討を行うこととしており、現在、必要な情報の収集、整理を行っているところであります。 引き続き、科学的知見の収集に努めまして、専門家に評価をいただいて、ワクチンの安全性の評価など、適切に行ってまいりたいと考えています。
○岩本麻奈君 是非安全性の再評価を済ませてから広げていくという当たり前の順番に立ち返っていただきたいという思いでいっぱいです。 では、次に、ワクチンの有効性、安全性に関するリスク・ベネフィット判断についてお伺いします。 当初うたわれていた有効性九五%という数字についてです。ワクチン群とプラセボ群の差が絶対リスクでは一%に満たない治験結果を相対リスクで強調した値と私は思っております。例えば、ファイザー社ワクチンの添付文書に基づく具体的な数字で申し上げます。 ワクチン群、一万八千百九十八人中八人が発症、プラセボ群、非接種群ですね、一万八千三百二十五人中百六十二人が発症。これを具体的に申し上げると、一万人のうち、打たないと約八十八人が発症、打つと約四人が発症。差は一万人当たり八十四人です。この一万人分の八十四人という差をひっくり返すと、百二十人、一万割る八十四で百二十となり、約百二十人に接種してようやく一人の発症を防ぐ程度の効果、これをNNTと言いますが、ということになります。 麻疹のように、未接種なら接触者の大半が発症する疾患では九五%有効という相対リスクの数字と実際の絶対リスク、また先ほどNNTの感覚はおおむね一致します。しかし、コロナワクチン治験当時のデータが示しているのは、麻疹ワクチンのように接種しなければほとんど全員が発症してしまうタイプの感染症とは絶対リスクのレベルが根本的に異なるという点は強調しておきたいと思います。 実際に現在、アメリカのテキサス州では、こうした相対リスクだけを強調した有効性表示が誤解を与えたとして、製薬企業に対する訴訟も提訴されております。元々重症化リスクの低い若年層や健常層にとっては、この程度のベネフィットが統計学的に見ても極めて限定的です。一方で、若くして接種後に後遺症や死亡に至ったケースが現実に存在しております。 なぜ政府は有効性について今まで相対リスクだけを強調してきたのか、絶対リスクを国民に伝える必要はなかったのか、お伺いします。
○政府参考人(宮本直樹君) お答えいたします。 御指摘の絶対リスク評価は、同じ感染症であっても、データを収集した時期や場所などにおける流行状態の違いによって感染症の発症率が異なることから、治験間で数値の比較が難しいという側面がある一方、相対リスク評価は、データを収集した時期や場所における感染症の流行における影響を受けにくく、ワクチンの有効性を評価する指標として一般に用いられているものであると承知しております。 WHOのガイドラインにおいても、相対リスク評価による評価方法はワクチンの有効性評価の一つとして示されているところ、各国の規制当局でも通常用いられている方法であり、我が国でも、承認審査において同様に相対リスク評価による評価を行い、その評価結果について添付文書等で記載しているものでございます。
○岩本麻奈君 私は、やはり数字に裏付けられたリスクとベネフィット、医療従事者と国民が正しく比較検討できる材料を提示することが行政の責任ではないかと思います。 お時間がないので、次に行きます。 被害者救済のために、手続に係る諸問題について伺います。 ワクチンの健康被害を受けた方々の中には、いまだ十分な補償も得られず、仕事や生活の基盤を失ったまま長期にわたり苦しんでおられる方が少なくありません。私の身近にも、後遺症で就労困難となり、家計が破綻寸前に追い込まれている家庭が複数あります。ここにおられる委員各位も、それぞれの地元で陳情や相談を受けてこられたはずだと思っております。 一方、接種推奨の際には、接種券や広報物が数週間で全国民に行き渡るだけの行政能力を政府は示しました。本気でやろうと思えば全国一斉にできるということを国民は知っています。 にもかかわらず、いざ救済の段になると、申請書類は紙ベースで多数枚、ひどい例では百枚から千枚近くを求められる。申請から支給決定まで早くて半年、一年以上掛かるケースも珍しくない。その間の生活費困窮に関する仮払い、生活支援は実態としてほとんど機能していない。これではもう行政由来の二次被害と言われても否定できません。現在のような紙ベース、著しく多数の紙の申請スキームは、被害者御本人だけではなく、家庭、医療機関を含め、関係者全てに過剰な負担を強いています。 本来であれば、電子申請の本格導入、カルテや検査データのオンライン連携、申請様式そのものの抜本的な簡素化といった改革を早急に進めるべきだと思いますが、このギャップについてまずどのように認識しておられるかをお答えください。
○政府参考人(鷲見学君) お答え申し上げます。 予防接種健康被害救済制度におきましては、個々の事例ごとに医学的、科学的知見を踏まえた上で予防接種と健康被害との因果関係について審査を行う必要があることから、申請時には診療録等の関係書類を求めているほか、これらの申請書類を審査するに当たっては一定の時間を要しているというのはそのとおりでございます。 厚生労働省といたしましては、これまで、審査迅速のための取組として審査会の増設や審査会の開催頻度の増加などを行ってきたほか、申請書類の簡素化の取組としてアナフィラキシー等については診療録等の提出を不要とするなどの取組を行ってきたところでございます。 審査会の未処理件数につきましては、これらの取組を行う前の令和五年六月時点では、その時点での申請数八千六十四件に対して四千四百八十三件、約五六%でありましたが、現在は、申請数一万四千三百九十四件に対して八百五十五件、六%まで減少しており、審査状況は少しずつ改善してきているところでございます。 引き続き、救済申請に当たりましては、国民の皆様が過度な負担を感じることのないよう必要な取組に努めてまいります。
○委員長(小川克巳君) 時間が参っております。
○岩本麻奈君 どうか被害に遭われた一人一人のかけがえのない人生、命を受け止める政治を進めていただきたいとお願いをして、私の質問を終わります。
○白川容子君 日本共産党の白川容子です。 国会初質問となります。(発言する者あり)ありがとうございます。私もかつて病院に勤めていましたので、今日は医療一本に絞って質問をいたします。どうぞよろしくお願いいたします。 帝国データバンクの調査では、二〇二四年の医療機関の倒産六十四件、休廃業、解散が七百二十二件と過去最高です。このままでは、ある日突然、病院がなくなります。今年三月、病院六団体が記者会見で訴えた医療危機に対する警鐘にどう応えるのかが政治に問われています。 私もこの間、各地の病院を訪問して実態を聞かせていただきました。小さな診療所でも自治体病院でも大病院でも、あらゆる規模と機能の病院で経営の危機的状況が語られ、このままでは地域医療が守れないんだという危機感とともに、何とかしなければという思いであふれていました。 医療危機とも言われるくらい医療機関の経営がここまでの厳しい状況に落ち込んでいるこの現状の認識と、その根本的原因はどこにあるのかと大臣はお考えか、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 医療機関につきましては大変厳しい経営状況に直面をしておると考えております。 やはり物価、賃金、こうしたものの上昇が大きく影響していると考えています。
○白川容子君 根本的原因については必ずしもそこだけではないと思うんですけれども、厳しい現状だということ、御認識されているということでした。 では、そこから先、どう対策を進めるのかということが問われていると思うんです。 私はこの間、各地の自治体病院も訪ねました。四国の複数の自治体病院ではこんな声をお聞きしました。病院収支との関係でやむを得ず病床削減の補助金を利用したが、病床がなくなれば高齢者の行き場がなくなってしまう。人材が、特に医師、看護師が確保できずに、やむにやまれず人員不足による病棟閉鎖を行った。医師の働き方改革を優先すると経営の危機を乗り越えられず、午後診療、土曜診療と医師が率先して診察をして何とか黒字にしている。全国の自治体病院の九割が赤字という苦悩の声です。 自治体病院は、公的医療機関でなければ対応することが困難な不採算医療を担い、地域社会維持の重要インフラです。その自治体病院も、地方自治体が単独で支えていくことは極めて困難な状況にまで陥っています。 地域の急性期医療を担う各地の民間の病院でもお聞きしましたが、あらゆる努力をしてきたが、自分たちの努力だけでは赤字経営の状況はどうにもならないという声や、病床稼働率を一〇〇%近くにして経営努力で何とか黒字にしているが、余りの仕事のハードさに看護師が次々と辞めていく事態になっている、年度途中で退職者が出たら人材紹介会社に頼るしかなく、年間億単位の紹介料になっていて経営を更に圧迫しているとも語られました。 まさにどの医療機関も危機的状況の真っただ中で必死で踏ん張っているわけです。私がこれまで聞いてきた、これが現場の声です。大臣も医療現場の厳しい状況をお認めになっている。そして、高市首相も赤字に苦しむ医療機関への対応は待ったなしだと所信表明でも強調しました。 医療危機に対する対策は現状を打開するものになるのかどうか、大臣、お尋ねいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 医療機関につきましては、現在、物価や賃金の上昇等、厳しい状況に直面をしておりますので、まさに待ったなしの状況だと私も認識をしています。 報酬改定の時期を待たず、経営改善あるいは処遇の改善、それにつながる補助金を措置をして効果を前倒しをしていきたいと考えているところであります。 現在、経済対策の策定、また補正予算の編成、調整中でありますので、支援の具体的な中身あるいは水準等につきましては現段階で確定的なことは申し上げられませんが、いずれにいたしましても、医療機関が国民の皆さんにとって必要なサービス、これからもしっかり提供していただけるように努めていきたいと考えています。
○白川容子君 補正でも対策をやるとおっしゃるんですけれども、これまでの対策もそもそも不十分だったのではないでしょうか。 四病院団体協議会が今年十月六日に公表した二〇二五年度病院経営定期調査の中間報告では、医業利益の赤字病院の割合、二四年度は更に悪化をして、特に百床当たりの経常利益を比較すると明らかに下がっていて、病院経営の厳しい状態が浮き彫りになっていると報告しています。病院経営は悪化の一途ではありませんか。 政府もこれまで対策をやったけれど、悪化の一途ということは、そもそもその対策が余りにも不十分だったのではありませんか。今も支援事業が実施されていますが、この効果がどうなのかをお聞きしたいと思うんです。 まずは、生産性向上、職場環境整備等の支援事業です。人件費にも充当可能なこの制度、この事業、その進捗状況はどうなっているのか、申請件数、決定件数、そのうちどれだけの人件費に充当しているのか、そして医療機関に支援の現金が既に届いているのか。 もう一つ、重点支援地方交付金について、報道などでは今回の補正でも積み上げると言われていますが、各都道府県によって取組の内容もばらつきがあります。内容や申請件数、決定件数、医療機関に既に現金が届いているパーセンテージ、把握されていますか。
○政府参考人(森光敬子君) お答え申し上げます。 まず、御質問にありました生産性向上・職場環境整備等支援事業についてでございます。 この事業は、生産性向上や賃上げを図るものでございまして、ICT機器等の導入による業務の効率化、タスクシフト・シェアによる業務の効率化、既に雇用している職員の賃金の改善、これのいずれかの取組に医療機関の判断で活用が可能な支援として実施をしているものでございます。国において必要な予算を措置した上で、都道府県において事業を実施していただいております。 このような事業につきまして、通常は申請状況等は都道府県において把握しているため、通常は事業年度末に実績報告を受けることが一般的ではございますけれども、効果を把握する観点から、現在、対象となる取組への充当割合等を確認している最中でございます。 なお、国において事業の実施状況を確認しておるところでございますけれども、そのうち約六割の都道府県が事業を既に終了しているという状況でございまして、そのような都道府県の中には医療機関への振り込みも行われているということと承知をしております。 また、続きましては、重点支援地方交付金の御質問がありましたので、続けて回答させていただきます。 御質問にありました重点支援地方交付金、これは自治体が医療機関等における物価高騰への対応として活用されておりまして、厚生労働省としても十分な支援につながるよう自治体に対して優良な活用事例等を示し、積極的に働きかけを行ってきたところでございます。 その申請件数等は自治体において把握するため、これはお答えすることは困難という状況でございますが、支援の内容につきましては、私どもでヒアリングした結果、ところ、例えば病院に対し一床当たり三万円ですとか、診療所等に対し一施設当たり十万円を支給した自治体もあると承知をしているところでございます。 以上でございます。
○白川容子君 支援事業については六割と胸を張っておっしゃられたんですけれども、まだ六割なんですよ。現場は本当にもう困り切っているわけです。ですから、いろいろ言っているんだけれども、スピード感も規模感も全く追い付いていないというのが現実ではないでしょうか。 重点支援地方交付金は、各都道府県で支援にばらつきがある、しかも任せきりになっている。経営状況の深刻さは共通なのに地域格差も生まれている。どれも医療機関の深刻な事態に比べて余りにも不十分ではありませんか。次の補正での支援策も、これまでどおりのこの延長線上では打開できないと考えますが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 経済対策、補正予算につきましては、繰り返しになって恐縮ではございますが、現在、最終的な取りまとめに向け調整を進めているところでありまして、具体的な水準あるいは具体的な中身につきましてはコメントをすることはできません。 しかしながら、先ほど来委員からも御指摘のありました医療機関の厳しい現実、そうしたものを十分踏まえてしっかりとした対応が必要だと私も同様の認識であります。 その上で、スピード感のお話もありましたが、スピード感を持って確実に支援が届くようにすることもまたこれも大事でありますので、そういう観点も特に注意をして今後の対策に取り組んでいきたいと考えています。
○白川容子君 是非お願いをしたいと思います。 命に直結する問題だからと、地域医療の崩壊だけは避けなければならないと踏ん張る地域の医療機関や医療従事者の思いにしっかりと応えるのが政治の役割だと思うんです。緊急かつ最大の支援を求めます。 そもそも、最大の、ここまでの医療危機と言われる状態をつくった最大の要因は診療報酬が上がっていないことだと思うんです。二〇〇二年以降で、消費税対応分を除いた本体と薬価の合計がプラス改定になったことありますか。お答えください。
○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。 二〇〇二年から二〇二四年までの間で委員御指摘の診療報酬と薬価等の改定率の合計がプラスになったのは、平成二十二年度、そして平成二十四年度の二回でございます。平成二十二年度は、診療報酬が一・五五%、薬価等がマイナス一・三六%で合計〇・一九%。平成二十四年度は、診療報酬が一・三七九%、薬価等がマイナス一・三七五%で合計〇・〇〇四%の二回でございます。
○白川容子君 この間、自公政権が推し進めてきた社会保障費の自然増削減路線以降、二〇〇二年度から十三回の診療報酬の改定が行われました。しかし、そのうち十一回はマイナス改定、今お答えいただきました。上がった二回というのは、自民党政権ではなかった時期です。 診療報酬がずっと引き上がらない中、医療従事者と他産業との賃金格差が広がって、全国の病院で看護職員が他産業に流れ、看護師が確保できないためにベッドを制限しなければならない、こういう病院が増え続け、更に経営は深刻になりました。 国家資格を持つ看護師がコンビニで働く方がお給料が良いと言って職場を去る。働く仲間たちがもう無理だと言って職場を去って、空になったロッカーだけが残り、いつまでたっても次の人が使うことにならない。その現場のむなしさが分かりますか。 医療は人、人が人を診る職場に人がおらず、命と向き合えない現場になってしまっています。ジレンマの中で疲弊し、負の連鎖に陥る。この連鎖を断ち切るためには診療報酬の大幅な引上げ、それしかないんです。地域医療の要である病院の救済は、国民の医療を守るためにも待ったなしです。そのためにも診療報酬の大幅引上げしかありません。 私が懇談を続けてきた医療機関では、どこに行っても一〇%以上の診療報酬の引上げを強く要望されました。国立大学病院会議では、二〇二四年までの経営悪化分、そして二〇二五年度の不足分、賃金上昇や物価高騰、保険でカバーできない材料費分、通常改定分の合計一一%の引上げ、これを要請されました。日本病院会も、緊急財政支援とともに、二〇〇六年以降、十九年間ほぼ据え置かれている入院基本料を最低でも一〇%の引上げ、この要請を受けました。 こういう規模感の引上げが必要なのではありませんか。お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 診療報酬の改定率は、これまでも社会経済の変化、医療機関等の経営状況、また医療保険制度の持続可能性の観点などを総合的に勘案をして決められてきたものであります。また、薬価につきましては、市場実勢価格を反映した国民負担の抑制であったり、あるいは革新的な新薬の開発力の強化、安定供給の確保といった要請に応える観点で改定を行ってきたものでございます。 繰り返しになりますが、医療機関は物価高騰や賃金上昇などの厳しい状況に直面していると認識をしております。次期診療報酬改定につきましては、医療機関が置かれた状況を丁寧に見ながら、地域で必要な医療が確保されるよう、年末に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
○白川容子君 もう是非頑張っていただきたいと思うんです。大幅な引上げなしにはこの危機は救えません。国民がいつでも必要かつ十分な医療サービスを人としてふさわしく受ける権利がある受療権、権利である受療権は、憲法二十五条に基礎を置くもの。憲法に基づく受療権を受けるためにも、守るためにも、診療報酬の引上げを強く求めます。 医療危機の現状をつくり出してきた根本原因は、この数十年間続けられた徹底的な医療費の抑制政策にあると思うんです。長期にわたる医療費の抑制政策で地域から必要な病床を削減させ、入院できない医療難民や経済的理由で受診できず命を落とす人をつくり出し、さらには、医療機関の経営危機や倒産、医師、看護師不足、感染症対策の限界など、政策の破綻も露呈されてきました。にもかかわらず、骨太方針では、予算編成においては歳出改革努力を継続すると宣言しています。つまりは、物価高騰などを踏まえて診療報酬の引上げは検討するが、社会保障費全体の抑制策は引き続き継続するということではありませんか。 この社会保障費の抑制を続ける政策からの転換が求められているのではないかと思いますけれども、大臣の見解をお聞きをいたします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 高齢化等に伴いまして、社会保障給付費及び社会保障関係費は増加をし、それぞれ令和七年度では、予算ベースで百四十・七兆円、三十八・三兆円となっているところであります。そのような中で、社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、給付と負担の在り方につきましても、現役世代を含む全ての世代を通じて納得感が得られるものにしていくことが重要だと考えております。 政府といたしましては、制度改革、効率化等に取り組むことで、社会保障関係費の全体的な伸びを抑えつつ、高齢化による増加分に相当する予算を確保してきたところでありますが、令和八年度の予算編成におきましては、高齢化による増加分に相当する伸びに経済物価動向等を踏まえた対応に相当する増加分を加算して確保することとしております。 全ての世代で能力に応じて負担し合い支え合う、必要な社会保障サービスが必要な方に適切に提供される全世代型社会保障に向けて、必要な財源の確保をしっかり確保してまいりたいと考えています。
○白川容子君 高齢化等の進行によって医療費が増大をして、現役世代の負担が増加をしているということも事実だと思うんです。しかし、医療費の削減や現役世代の負担軽減のために、OTC類似薬の見直しや、保険給付の見直しや病床削減、そして高齢者の医療費窓口負担を三割に検討することなど、一方の負担軽減のためにもう一方に負担を強いる、そういう分断政策というのは、結局は国民全体に跳ね返ってくるのではないでしょうか。OTC類似薬保険外しはその典型です。 埼玉県に住むAさん、生まれつきの魚鱗癬という、魚のうろこのように皮膚がなっていく、そういう難病を抱えています。全身の皮膚が乾燥して硬くなり、ぼろぼろと剥がれます。強い痛みやかゆみを伴います。複数の薬を使用して皮膚の保湿、保護が欠かせず、現在のところ抜本的な治療法はありません。毎日何回も薬を全身に、耳たぶや足の裏、頭も髪をかき分けて塗るために、薬が大量に必要です。昨年七月から今年六月の一年間に負担した薬代は約三万円。しかし、OTC類似薬が保険から外されると、Aさんの試算では薬代は年間約八十二万円になります。約二十七倍の負担増です。セルフメディケーション税制を使えば控除できるのではないかという方もいますが、試算では四千五百円が所得控除として戻ってくるだけです。 WHOは、自己負担額が家計の総消費額の四〇%以上を占めるような場合を破滅的医療支出と定義しています。Aさんの場合は年収の四〇%近くになります。まさに暮らしも命も破滅させるような状況をつくり出すことになりかねません。OTC類似薬の保険外しというのは、結局こういう負担増になるのではありませんか。
○国務大臣(上野賢一郎君) OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しにつきましては、骨太の方針におきましても、医療機関における必要な受診を確保し、子供や慢性疾患を抱えていらっしゃる方、低所得の方の患者負担などに十分配慮することとされております。 OTC類似薬を含む薬剤自己負担の見直しにつきましては、持続可能な社会保障制度のための改革を実行し、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減を実現するため検討を進めるものとされております。必要な取組であると認識をしておりますが、先ほど申し上げました配慮の仕組みも含め、丁寧な議論を行ってまいりたいと考えています。
○白川容子君 患者負担に配慮と幾ら言っても、その配慮から漏れる人、必ず出てくるんです。配慮する最も適切な方法というのは、医療費抑制のこの見直しをすることではありませんか。 保険料を下げるために保険給付の範囲を狭めてしまえば、保険外しとされた、保険外とされたその部分というのは新たな家計負担になります。Aさんの実例はそのことを示しています。 そして、高齢者の医療費の窓口負担引上げについても、皆年齢を重ねていきます。現在若い方も、自分もいつかその制度を利用することになります。現役世代の多くは高齢の家族を支えていて、高齢者の負担増というのは現役世代の負担に直結をしています。現役世代の保険料の抑制は必要ですが、そのために給付の削減をすれば、病気になったとき、現役世代も大きな負担になります。 結果として、医療費抑制はどの世代にとっても負担軽減をもたらさないのではありませんか。お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 社会保障制度を持続可能なものにしていくためには、やはり全ての世代で能力に応じて負担し支え合う、必要な方に必要なサービスを提供できるようにする、そうした全世代型社会保障制度の構築をすることがとりわけ重要だと考えているところであります。 高齢者の負担の在り方を含め、全世代型社会保障の構築に向けて様々な改革を進めていくに当たりましては、やはり必要な保障が欠けることのないよう、見直しによって生じる影響についても十分考慮をしながら、現役世代の保険料負担の抑制につなげるということも大事でありますので、そのような観点で検討を進めていきたいと考えています。
○白川容子君 応能負担、能力に応じた負担と、それをおっしゃるのであれば、もっともうけているところ、私たち一億円の壁と呼んでいますけれども、所得が一億円を超えれば税金低く抑えられている、この所得税の見直しとか、大企業の法人税減税の見直し、これも大臣も先ほどもほかの質問で答えられていましたけれども、本当の意味の応能負担をやって、医療費始め社会保障費抑制の方向を抜本的に見直すことが必要です。 世代間格差や高齢者の優遇論は、現役世代の利益を守るなどと言いながら、世代間対立をつくって、結局は全ての世代に犠牲を強いる構図をつくっています。医療費の削減や社会保障費の給付削減、この方向は、消費も雇用も落ち込んで、日本経済にも大きな影響をもたらすことになります。 日本の医療や介護で働く人は、将来的には一千万人を超える、労働者の五人に一人になると言われています。ケア労働者の賃上げは日本経済にとっても大きなプラスになります。必要な医療の保障、そしてケア労働を公的に支えて日本経済の発展の大きな力にしていくことを考えるべきではないでしょうか。 最後に、社会保障とは、憲法二十五条が人権として保障している健康で文化的な最低限度の生活をこの国に暮らす人に公的責任で平等に保障する制度であり、それを通じて、憲法十三条が保障する幸福追求権のこの権利を充足しようという制度であること、肝心なのは、国の責任による社会保障費の引上げということを強調しておきます。 ミサイルより暮らしに予算を。根本的な改革を求めて、私の質問を終わります。
○天畠大輔君 代読します。 れいわ新選組の天畠大輔です。 本日は、繰り返される障害年金の不支給問題について質問します。 昨年、障害年金をめぐる報道が起こり、私を含め様々な議員、関係団体が追及しました。その後、厚労省による事実確認調査となったことは御承知のとおりですが、この流れは平成二十六年ととても似ていると感じています。 当時も、障害基礎年金における精神の障害の新規裁定の支給割合に最大で六倍もの都道府県差があるという報道を受け、厚労省が調査、事実と認めた後、検討会ができ、中央一本化やガイドライン策定へとつながりました。あれから約十年を経て、また不支給急増問題が起こってしまいました。 前国会の厚生労働委員会で、私は福岡前大臣に、障害年金は障害のある方にとって生きるための所得保障であり、これを失えば命にも関わると問いただしました。前大臣は、御指摘のとおりだとはっきり答えました。しかし、政府は本当にその重みを理解しているのか、強い疑問を抱きます。 所信挨拶でも、上野大臣は、障害年金の改革について一言も触れませんでした。私の元には、障害年金を不支給となった方々の苦しみの声、そして極めて不合理な理由で不支給とされたと見ざるを得ない認定調書の内容が届いています。 上野大臣は所信において、思いを込めて取り組むとおっしゃいました。抽象的な答弁ではなく、事の重大さを真摯に受け止めた上で、思いのこもった答弁をお願いしたいと強く申し上げます。 それでは、伺います。 障害年金をめぐる問題はなぜこれほどまでに繰り返されるのか。本日は、その原因と、政府が真に向き合うべき対応についてただします。 まずは、約十年前に作られた精神の障害に係る等級判定ガイドラインの目的を簡潔にお答えください。
○政府参考人(三好圭君) お答えします。 障害年金の認定につきましては障害認定基準に基づいて行われるものでございますけれども、精神障害は検査数値などの客観的な指標がなく、日常生活の状況等を総合評価により認定することになりますので、先ほど委員からも御指摘ありましたように、過去に地域差が認定において生じたというような事態もございました。 こうしたことを踏まえまして、平成二十八年に、御指摘いただきました精神障害のガイドラインを作成いたしまして、障害等級の目安、あるいは総合評価の際に考慮すべき要素の例、こういったものを示して適正な運用が図られるようにしたものでございます。
○天畠大輔君 代読します。 ありがとうございます。このガイドラインは、どの認定医でも公平に適正に認定できるための指針として作られたということが確認できました。 資料一を御覧ください。 当時の目玉はマトリックスの策定でした。マトリックスとは等級の目安のことで、診断書の日常生活能力の程度と日常生活能力の判定平均との組合せですが、統計処理によって導き出されたものなので、どの程度の活動制限、参加制約を二級とすべきかという議論は全くなされませんでした。また、ガイドラインは三年ごとに見直される予定でしたが、既に地域差が是正されたという理由で、今日まで一度も見直しを行っていません。 実は、地域差については、非常に厳しかった県の認定は改善されたものの、平均的な認定をしていた多くの県では逆に厳しくなってしまいました。そもそもパブリックコメントには、統計数値を操作することによって恣意的に認定が厳しくなるように作成されたのではないかという批判があったにもかかわらず、今日まで厚労省は具体的な策を講じていません。今回の不支給問題は、このガイドラインの下で起こりました。 そこで、実際の認定でガイドラインがどのように使われているのか、年金申請を支援する社会保険労務士から紹介された事例を御本人が開示請求した資料とともに確認をしていきます。 資料二の一を御覧ください。うつ病、ADHD、自閉症スペクトラム症を持ちながら、障害を開示し、職場から十分な配慮を受けながら働いていた男性Aさんのケースです。 Aさんは、障害者雇用扱いとはなっていないものの、職場は彼の状況をよく理解してくれ、他者と交流を持たない単独のチェック業務を担当しています。就労面では、障害者就業・生活支援センターに相談や職場訪問などの支援を受けています。 まず、この支援を受けている時点で労働に制限がある状況です。Aさんの障害年金はどのように認定されたのでしょうか。等級の目安を示すマトリックスは二級相当にもかかわらず、事務職員による事前審査は二段階も落とし三級非該当、認定医による総合判定でも追随し、不支給でした。理由は、JOB、ジョブ、バツ、セカンド認定医も就労中としか示しませんでした。 不支給決定通知にはこうあります。週に五日、障害を開示した一般雇用で、片道十五分掛けて自家用車で通勤し、一人で行う決まった事務作業に従事しているから三級ではない。しかし、Aさんが住んでいるのは、公共交通機関がほとんど機能していないへき地です。通勤手段が自家用車しかないのに、車で通勤していることも理由に不支給にするのは乱暴です。 診断書の記載に注目すると、主治医が困り事を細かく書いています。働けているからといって、障害が軽くなったり、生活上の困難さがなくなったわけではないということがよく分かります。 認定の現場では就労状況をどう見るべきでしょうか。ガイドラインでは指針を示しています。 資料二の二を御覧ください。 ガイドライン、④就労状況、共通項目、「相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。」について、厚労省より具体例の趣旨をお答えください。
○政府参考人(三好圭君) お答えします。 今御提示いただきましたガイドライン、総合評価の際に考慮すべき事項の例を記載しておりますけれども、その中の就労に関する事項でございます。 この部分ですけれども、これ、就労しているということをもって直ちに日常生活能力が向上し二級には該当しないというふうに判断するのではなく、相当程度の援助を受けて就労している場合にはそれを考慮するということを示したものでございます。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 Aさんのケースではガイドラインが生かされていないと思いませんか。大臣、いかがですか。
○政府参考人(三好圭君) 済みません、個別事案についてちょっとお答えするということは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、個々の障害認定を行う際には、このガイドラインに沿いまして、就労というのも一つの要素ですけれども、それ以外にも、病状でありますとか療養状況とか生活環境とか、そういったものを総合的に判断して認定をするということをやっているところでございます。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 大臣に伺っています。改めて大臣からお答えお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 私の方からは個別事例に対するお答えは差し控えたいと考えますが、一般的に、障害年金の等級判定は、診断書等を踏まえ、様々な要素を考慮して行っていると承知をしています。 しかしながら、認定調書には理由を明確に、また丁寧に記載できていなかったものもあったと考えております。このため、六月の調査報告書に基づきまして、八月下旬から理由を丁寧に記載するよう改善を図っているところでありますので、引き続き丁寧な運用に努めさせていただきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 私は作為的に等級を下げていると思います。代読お願いします。 本来は、働けていてもどのような援助があるかを考慮してなるべく年金を支給するという趣旨だったにもかかわらず、実際は働いていただけで障害が軽くなった、生活上の困難さがなくなったとみなされ、非該当となっている事例はほかにも数多くあります。ガイドラインが生かされていません。 この文言は、ガイドライン作成当時の検討会で、特に就労している人の障害認定については、結果の収入や労働時間ではなく、周囲のサポートの有無を始め、プロセスに着眼すべきであることが議論されたことで明文化されました。 しかし、現場で申請のサポートをする社労士によると、知的障害を除いて、現在の認定現場での就労の取扱いは障害者雇用で三級が最低条件、暗黙の了解となってしまっているそうです。特に、障害者雇用での就労支援以上で二級可能性が現実的には有名無実化されている。何としても是正されるべきです。 次に、資料三の一を御覧ください。双極性感情障害を持つ男性Bさんのケースです。同じく精神障害を持つ妻と同居しています。 Bさんは、躁状態のときは元気よく、他者とのコミュニケーションも一見できているように見えますが、うつ状態となると必ず妻の支援が必要になります。症状が悪化すると、通院もできず、通常は問題ない他者との交流も恐怖感にさいなまれ、妻以外の人と会うことも、会話すらもできなくなってしまいます。つまり、Bさんの生活は妻の献身的な支えがあってこそ成り立っているだけです。単身ではベッドで横になっているだけの状態だそうです。 認定医は福祉サービスがないこと等を理由に三級に落としました。しかし、自治体には、同居生活をしている現状では福祉サービスの対象にならないと門前払いされています。Bさんは、国は二級を受給するためには離婚して独り暮らしをして福祉サービスを利用しろということかと悲嘆に暮れています。 資料三の二を御覧ください。 ガイドラインでは、福祉サービスを使うほど障害が重い場合は二級の可能性を見ると示しています。反対解釈して、福祉サービスを使っていないから二級を支給しない理由として使うことは本来の趣旨に反しています。しかも、ガイドラインには福祉サービスのほか家族等の援助も考慮すると明記されています。Bさんは妻の援助を受けているわけですから、福祉サービスの利用がないことを不支給の理由にするのは明らかにおかしい。福祉サービスを利用しないと認定が格段に厳しくなるのは事実としてありますから、大臣、是正をしてください。 最後の事例を紹介します。 資料四を御覧ください。双極性感情障害を持つ女性Cさんのケースです。 彼女は、障害認定日には一般企業、一般雇用で働いていましたが、現在の状態が良くなく、請求日には無職でした。このCさんの事後重症請求の結果はマトリックス二級相当にもかかわらず、事前審査で、カルテ開示の後、三級に落とされました。さらに、セカンド認定医は、主治医にカルテ提出を指示した挙げ句、異性との交際可能であることを三級の理由に挙げました。ガイドラインには交際についてどこにも触れていません。交際しているから三級という認定には怒りを覚えます。 そこで、大臣にお伺いします。 障害年金の認定調書に異性との交際が可能であることを不支給の理由として記載することは果たして適切でしょうか。適切か不適切か、理由とともにお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 障害認定につきましては、個々の診断書や申立書等の内容を踏まえ、総合的に評価が行われるものであり、一つの要素あるいはエピソードによって判断されるものではないと承知をしています。 その上で、個別の事案につきましては、大変恐縮ではございますが、お答えは差し控えますが、その上で、一般論として認定調書に他人との意思伝達及び対人関係に関するエピソードが記載される場合もあると承知をしておりますが、その際には当然ながらプライバシーや人権に十分配慮をした記載にすべきだと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 意図的に不支給理由を探していますよね。代読お願いします。 実は、配付資料には示せなかったのですが、保険者、つまり厚労省の意見書と機構の認定医が取り寄せたカルテも見せてもらいました。厚労省による意見書には、何と不支給理由として、カルテの中に彼氏からプレゼントをもらったので落ち着いたかもしれないとあるため、労働に制約があっても日常生活に著しい制限があるとは認め難いとはっきり書かれていました。しかし、時系列に整理されたカルテの情報を見てみると、彼氏からのプレゼントで落ち着いたと記載のあったほんの数日前には、感情をコントロールできず、泣きながら両親に死にたい、生まれてこなければよかったとあります。また、その数か月後には、余り良くない、定期的に落ち込む、だるくてきつくて落ち込みがある、家にいることが多い、調子が悪い、男性から連絡がなく悲しいなどと記載があり、状態は極めて不安定で、症状が改善されている傾向は見られません。 そこで、通告なしですが、大臣に伺います。 総合的に評価と言いましたが、意見書を見ても交際が主要な理由となっていることは明らかです。さらに、これは対人関係の評価とは全く異なり、交際という私的な領域への価値判断を等級の引下げに結び付ける危険な運用です。これでも適切な運用と言えますか。大臣、思いを込めて答弁をお願いします。
○政府参考人(三好圭君) 今の個別の事案についてはここでお答えすることはできませんけれども、あくまで障害認定というのは総合的な判断を基にして行っておりますし、それから、ガイドラインの考慮要素の中でも、特に発達障害に関する方への判定につきましては、日常生活能力、特に対人関係とか意思疎通を円滑に行うことができるかどうかという観点で、それを考慮するというふうにもなっておりますので、そうした中での全体的な判定ということが必要になってくるんじゃないかと思ってございます。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 大臣に改めて伺います。 一般論として、これでも適切な運用と言えますか。大臣、思いを込めてお願いします。
○国務大臣(上野賢一郎君) 一般論であくまで申し上げたいというふうに思います。 一つの要素だけではなくて総合的に評価が行われるのは当然でありますので、そうしたことが行われていないということであれば、それはおかしなことだと考えています。 また、プライバシーの侵害が疑われるような表現が記載されていることについても問題があると考えています。
○天畠大輔君 代読します。 改めて、元気なところだけを切り取って、異性との交際は可能だから三級と言い張る厚労省にはあきれます。機構の認定医が交際イコール障害が軽くなったと独自判断し、それに厚労省が追随したことの罪は重く、明らかな人権侵害だと考えています。組織的に理由をでっち上げて不支給にしているのではないかと勘ぐってしまうほどです。この点は指摘をしておきたいと思います。 障害年金では、本日紹介した事例のような不合理な認定が数多く存在します。資料五を御覧のとおり、障害年金法研究会の社労士が令和二年から四年度の取消し裁決をまとめ、分析したものです。数多くの事案で、本来は二級該当理由として使われるべきものなのに、逆に支給しない理由として使われていることが堂々と示されています。これらはガイドラインが遵守されていなかったという証拠です。 不支給となった当事者は泣き寝入りするか、時間とお金を掛けて審査請求、再審査請求、さらには裁判を行うしか本来もらえるべき障害年金を取り戻すすべがありませんでした。それでも救済されるのはごく僅か、今回の不支給問題はその氷山の一角が明るみに出たというものです。 さて、現在、厚労省は、障害年金に係る総点検を行い、機構の判定に一部で問題があったことを認め改善策を公表していますが、私は根本的な解決方法ではないと考えます。なぜならば、事前審査が与えた影響や不支給が支給に転換された件の分析が不十分であること、また、基本的に医学モデル中心の認定の仕組みは変わっていないからです。そのため、当事者、専門家の間では、また同様に不支給問題が繰り返されるのではないかと不安の声が高まっています。障害年金の本来の目的に立ち戻り、もっと踏み込んだ対策を講じるべきです。 より具体的な対策について伺います。 今回の総点検では、十月末時点で二百十七件もの事案が不支給から支給に転じたことが報告されています。なぜ原処分を変更したのかについて、厚労省は、資料六で理由に触れています。ガイドラインの総合評価の際に考慮すべき要素等も踏まえ、上位等級と捉えられる要素をより重視することが適当と判断したものについては、当初の処分を取り消し、新たに支給決定することとした。これは、つまりガイドラインに基づく認定がなされていなかったということではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) 精神障害の認定につきましては、検査数値等の客観的な指標がない中で、日常生活状況等を総合評価により認定しているところであります。 今般、点検を踏まえて当初の認定による原処分を取り消した事案も、いずれも判断の分かれる困難な事例でありますが、当初の認定の際には様々な要素を総合的に評価して判定したものであったわけでありますが、当初の認定におきましても認定基準やガイドラインに逸脱をして認定した事実は確認をされていないところだと認識をしています。複数の認定医による慎重な点検の結果、原処分の中には適切ではなかったものもあったと考えておりますので、ガイドラインを十分に踏まえ、判断することの重要性を改めて認識したところであります。
○天畠大輔君 代読します。 原処分の中には適切ではないものもあったと認めました。では、今後すべきことを明確にしていきたいと思います。 今回の障害年金の不支給問題について、総点検終了後にきちんと厚労省が分析を行い、調査報告書を出すべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(上野賢一郎君) この不支給事案につきましては、六月に公表いたしました調査報告書において、抽出データやヒアリング調査により一定の分析や事実関係、対応策の整理を行っているほか、九月の年金事業管理部会においても、どのような考え方で原処分を取り消すのかについて御報告をしたところであります。あわせて、不支給事案の点検状況については日本年金機構のホームページで毎月進捗を公表しており、今後も迅速に点検を進める中でその状況をしっかりとお示しをしていきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
○天畠大輔君 毎月の報告で終わらせず、きちんと取りまとめされますよね。大臣、お答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 現在、不支給決定の事案の点検を迅速に行い、必要なものについては支給決定を行うことを優先して事務を実施をしているところでございます。 したがいまして、どのような取りまとめ等を今後行うかにつきましては、御指摘も踏まえて十分検討をしていきたいと考えています。
○天畠大輔君 代読します。 質問を続けます。 厚労省は、今回の総点検の結果を踏まえて、ガイドラインに基づく認定をきちんと行うよう年金機構に改めて通知を出すとともに、不支給から支給に転換された事案の理由を分析した上で、年金機構と連携して認定事例集を新たに作成し、周知徹底を図るべきではないでしょうか。大臣の見解をお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) 六月の調査報告書におきましても、認定事例の作成や考慮要素の徹底について記載をした上で、報告書を踏まえて適正に対応するよう日本年金機構に対して通知、指示をするとともに、七月には具体的な認定事例を作成し、日本年金機構の職員あるいは認定医に周知を図ってまいりました。 その上で、不支給事案の点検については、九月の年金事業管理部会において取消しの考え方を示したところでありますが、更にこの点検を進める中で、より適正な認定が行われますように、これまで得られました知見等も活用しつつ、御指摘の方法も含め適切に対応していきたいと考えております。
○委員長(小川克巳君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 何が適切でなかったか分かるような認定事例集を周知するべきではないですか。その点について、大臣、もう少し明確にお答えください。
○国務大臣(上野賢一郎君) どのようなケースが適切でなかったか、それを十分周知をしていくことは大変重要だと考えておりますので、事例集という形になるのかどうか、これから検討していきたいと思いますが、そうした事例を広く周知できるようには検討させていただきたいと考えています。
○委員長(小川克巳君) 時間が参っておりますので、まとめてください。
○天畠大輔君 今回の質疑を受けて、政府は真摯に受け止め、小出しの改善策では終わらずに、根本的な問題解決への道筋を更に明確にしていただきたいと思います。今後も追及します。 質疑を終わります。
○委員長(小川克巳君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会
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