令和七年十二月四日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 十一月二十一日 辞任 補欠選任 出川 桃子君 磯崎 仁彦君 十一月二十六日 辞任 補欠選任 臼井 正一君 加藤 明良君 十二月一日 辞任 補欠選任 加藤 明良君 松山 政司君 小林 一大君 石井 準一君 十二月二日 辞任 補欠選任 石井 準一君 小林 一大君 松山 政司君 加藤 明良君 十二月三日 辞任 補欠選任 磯崎 仁彦君 いんどう周作君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 里見 隆治君 理 事 岩本 剛人君 山田 太郎君 青木 愛君 平木 大作君 石 平君 委 員 いんどう周作君 加藤 明良君 小林 一大君 中曽根弘文君 堀井 巌君 若林 洋平君 田島麻衣子君 広田 一君 牧山ひろえ君 榛葉賀津也君 山田 吉彦君 松沢 成文君 山中 泉君 山添 拓君 国務大臣 外務大臣 茂木 敏充君 防衛大臣 小泉進次郎君 大臣政務官 防衛大臣政務官 吉田 真次君 事務局側 常任委員会専門 員 中内 康夫君 政府参考人 内閣官房内閣参 事官 石谷 寧希君 内閣官房日本成 長戦略本部事務 局次長 田尻 貴裕君 外務省大臣官房 サイバーセキュ リティ・情報化 参事官 三宅 史人君 外務省大臣官房 参事官 北郷 恭子君 外務省大臣官房 参事官 山本 文土君 外務省大臣官房 参事官 花田 貴裕君 外務省国際法局 長 中村 和彦君 農林水産省大臣 官房総括審議官 押切 光弘君 農林水産省大臣 官房審議官 神田 宜宏君 防衛省大臣官房 審議官 寺田 広紀君 防衛省防衛政策 局長 萬浪 学君 防衛省整備計画 局長 伊藤 晋哉君 防衛省人事教育 局長 廣瀬 律子君 防衛省地方協力 局長 森田 治男君 防衛省統合幕僚 監部総括官 上田 幸司君 防衛装備庁装備 政策部長 小杉 裕一君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○外交、防衛等に関する調査 (我が国を取り巻く安全保障環境に関する件) (国家安全保障戦略に関する件) (日中関係に関する件) (退職自衛官の再就職に関する件) (日米地位協定に関する件) ─────────────
外交防衛委員会
発言 108
○委員長(里見隆治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、出川桃子君及び臼井正一君が委員を辞任され、その補欠として加藤明良君及びいんどう周作君が選任されました。 ─────────────
○委員長(里見隆治君) この際、大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。
○大臣政務官(吉田真次君) おはようございます。防衛大臣政務官の吉田真次でございます。 先日の外交防衛委員会を欠席をさせていただきまして、大変御迷惑をお掛けをいたしました。本日、発言の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。 国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、宮崎副大臣、若林政務官とともに、小泉大臣をお支えをして、全力で職務を果たしてまいる所存でございます。 里見委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますように、よろしくお願いを申し上げます。(拍手) ─────────────
○委員長(里見隆治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官石谷寧希君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(里見隆治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(里見隆治君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広田一君 広田一でございます。どうかよろしくお願いを申し上げます。 まず、茂木大臣、そして小泉大臣、この度の御就任、本当に心からお祝いを申し上げます。茂木大臣のあの卓越した交渉力、そして小泉大臣のあの抜群の発信力、これそれぞれ遺憾なく発揮をされて、我が国の外交、安全保障を更なる高みに持っていってもらいたいな、両大臣のリーダーシップに心から御期待をするところでございます。 また、私は野党の立場でありますので、今日のように問いただすことについては、しっかりとできる限り、微力ではありますが、やりながらも、条約であるとか法案であるとか、そういったところについてはできる限り前に前進させるように共に頑張っていければなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 それでは、質問に入らさせていただきます。 最初に、我が国を取り巻く安全保障環境に関連してお伺いをいたします。 特に、インド太平洋地域における安全保障環境はかなりきな臭くなり、不確実性がより一層高まっているところでございます。 今年九月には、北京で実施された軍事パレードには、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、そして北朝鮮の金正恩国務委員長が顔をそろえました。国際社会に中ロ朝の三国間の親密ぶりを印象付けたわけであります。この関係はロシアのウクライナ侵略によって加速されたというふうに思うわけでありますが、内実は、ロシアを軸にしまして、中ロ関係、ロ朝関係のこういった二国間関係が深化されているのかもしれませんけれども、先般出ました、防衛研究所、この中国安全保障レポート二〇二六の言葉を借りますと、中ロ朝の不均衡なパートナーシップの進展がインド太平洋地域の不確実性を高めるとともに、日米韓対中ロ朝といった対立の構図が東アジアで強まることが予想されるわけであります。 こういった状況を踏まえて小泉大臣にお伺いをしたいというふうに思うんですけれども、高市総理大臣が去る十月二十四日のこの参議院の本会議で所信表明演説をされました。これについて、我が国を取り巻く安全保障環境についてこう言ったんです。我が国周辺では、いずれも隣国である、中国、北朝鮮、ロシアの軍事動向などが深刻な懸念となっていますと、こう述べられました。小泉大臣も去る十一月十八日のこの本委員会で同様の見解を述べられているわけでありますけれども、まず、その理由についてお伺いをいたします。
○国務大臣(小泉進次郎君) おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。 現行の戦略三文書を策定してから約三年が経過しましたが、安全保障環境はかつてないほど急速かつ複雑に変化していると認識しています。三文書を策定した当時と比べまして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増すとともに、インド太平洋では、広田先生が今御指摘をされたように、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強や、中ロやロ朝の連携強化などが見られ、各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓に無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えを急ぐなど、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じています。 我が国周辺の動向について具体的に申し上げれば、中国は、核・ミサイル戦力を含め軍事力を広範かつ急速に増強させるとともに、東シナ海、南シナ海において力による一方的な現状変更の試みを継続、強化しています。また、台湾周辺における威圧的な軍事活動を活発化させています。 北朝鮮は、弾道ミサイルの発射を繰り返しており、ロシアとの間でも、北朝鮮によるロシアへの兵士の派遣や、ロシアによる北朝鮮からの弾道ミサイルを含む武器、弾薬の調達及び使用など、ロ朝協力を深化させてきています。 加えて、ロシアは、ウクライナ侵略を行う一方、我が国周辺において活発な軍事活動を継続しています。特に、中国とともに艦艇の共同航行や爆撃機の共同飛行、各種訓練を実施するなど、中ロの戦略的連携を強化する動きが近年顕著となっています。 こうした我が国周辺における中国、北朝鮮、ロシアの軍事的動向等を踏まえまして、先月十八日の本委員会におきまして、これらが深刻な懸念となっている旨を私から申し上げた次第であります。 なお、広田先生から今言及いただきました防衛研究所のレポート、昨日、防衛研究所に私も視察をしまして、この言及のあったレポートの制作に携わった研究者とディスカッション、そしてブリーフなどを受けております。
○広田一君 大臣の方から御答弁を頂戴したんですけれども、これに関連して政府参考人にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほど若干、小泉大臣が言及されましたいわゆる安保三文書、戦略三文書の中に国家安全保障戦略があるんですけれども、この中で、中国、北朝鮮、ロシア、この軍事動向についてどのように分析をされているんでしょうか。
○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。 御指摘の現行の国家安全保障戦略、二〇二二年十二月に策定したものでございますけれど、この中におきましては、中国、北朝鮮、ロシアを含む安全保障環境について説明、記述がございます。 具体的には、中国につきましては、国防費を継続的に高い水準で増加させ、十分な透明性を欠いたまま、核・ミサイル戦力を含む軍備力を広範かつ急速に増強している、また、東シナ海、南シナ海等における海空域において、力による一方的な現状変更の試みを強化し、我が国の周辺での軍事活動も拡大、活発化させている、このような中国の軍事動向等は我が国と国際社会の深刻な懸念事項である旨記述してございます。 また、北朝鮮につきましては、かつてない高い頻度で新たな態様での弾道ミサイルの発射等を繰り返し、急速にその能力を増強していることに加え、核戦力を質的、量的に最大限のスピードで強化する方針であり、こうした北朝鮮の軍事動向につきまして、我が国の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっている旨を記述してございます。 ロシアにつきましても記述してございまして、我が国周辺における軍事活動を活発化させているという旨と、中国との間で戦略的な連携を強化してきておると、あるいは、我が国を含むインド太平洋地域におけるロシアの軍事動向につきまして、中国との戦略的連携と相まって、安全保障上の強い懸念である旨を記述しているところでございます。 その上で、先ほど防衛大臣から御答弁ございましたとおり、現在、前回三文書の策定をした二〇二二年と比べまして、安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じているというところでございます。こうした新たな安全保障環境の変化に対応するための取組につきましては、来年中の三文書の改定に向け、検討を行っているという状況でございます。 以上でございます。
○広田一君 どうもありがとうございます。 萬浪さんの方からるる御説明をいただいたんですけれども、それぞれのこの三か国の軍事動向を分析する際、端的に表現されるのが脅威とそして懸念だというふうに思うわけでありますけれども、この脅威と懸念、一体どのような違いがあるんでしょうか。
○政府参考人(萬浪学君) 一般的に申しまして、脅威の方が強い言いぶりになろうかと思ってございます。すなわち、我々にとって、強く我々が、何といいますか、安全保障上の対象として重視しておるという意味になろうかと思います。 例えば、御案内のとおり、冷戦期におきましては、一九九一年までにおきましては極東ソ連軍を潜在的な脅威と言っております。これは極東ソ連軍そのものを脅威、潜在的脅威と言っておりますので、ある意味、最も強い言い方だと。例えば、北朝鮮につきましては、北朝鮮を、あるいは北朝鮮軍を脅威と言っているわけではございませんでして、先ほど申し上げましたように、軍事動向につきまして、核、ミサイルの関連する動向と相まって、それらが差し迫った脅威という言い方をしておるというところでございます。 他方で、申し上げましたように、懸念というのは、そこから少し、和らいだと言うと言い方はよろしくないかもしれませんけど、脅威という言い方を使わずに、関心を示しているというような状況になろうかと思います。 それらにつきましては、それぞれ幅があるものでございますけれど、国家安全保障戦略では先ほど申し上げたような記述ぶりになっているところでございます。
○広田一君 御答弁いただいたんですけれども、私が気になるのが、北朝鮮の軍事動向について、先ほど御答弁あったように、岸田政権が策定した国家安全保障戦略では一層重大かつ差し迫った脅威というふうに述べられておりますけれども、高市政権では、小泉防衛大臣もそうですけれども、深刻な懸念というふうに分析が変わっております。 つまり、軍事動向の認識、先ほどの萬浪さんの表現をお借りすれば、少し和らいでしまっている、つまり、脅威から懸念に下がってしまっております。それは一体どういった理由なのか、これについては小泉大臣にお伺いします。
○政府参考人(萬浪学君) 御指摘いただきましたように、一層重大かつ差し迫った脅威という言いぶり、あるいは深刻な懸念という言いぶり、懸念というところでは変わりはございません。 したがいまして、文脈上で言いぶりは変えてございますけれど、そのところは基本的な認識は変わらないと。北朝鮮の動向、特に、申し上げましたように、核、ミサイルを含む関連動向につきましては、我々は懸念としてこれも強く思っているというところでございます。
○広田一君 いや、小泉大臣、今の萬浪さんの御答弁を聞いてどのように思われるかというのをちょっと率直にお聞きしたいんです。 先ほど来、北朝鮮についての動向等についても大臣の方からお話がございました。最近のやっぱり北朝鮮の武器の開発状況というのは極めて進展しております。特に、ロ朝のこれ関係がウクライナ戦争以降高まることによって、例えば新型の極超音速の中距離の弾道ミサイル、これも今年の一月六日に試射が成功したというふうな発表をしたり、日本とかアメリカを射程に収めるICBMの火星17型、巡航ミサイルや短距離弾道ミサイルのこの量産、増強も進めておりますし、潜水艦の発射弾道ミサイルについても、これも実用化に向けた取組が着実に進んでいるわけであります。 そういった状況にもかかわらず、なぜこれまで差し迫った脅威というふうにしていたものを懸念というふうに一段階下げた分析をしてしまっているのか。私は、これは国内的にも、そして国際的にも誤ったイメージを与えてしまう、私はすごくそれこそ懸念を持ってしまうわけでございますので、小泉大臣、この点についての御見解を、萬浪さんはいいので、先ほどもうお考え聞いたので、小泉大臣の御見解をお伺いします。
○政府参考人(萬浪学君) 事実関係だけ。 先生御指摘いただいたのは、恐らく総理の今国会における所信のところをお引きいただいたのだと思いますけれど、その中では、高市総理からは、中国、北朝鮮、ロシアの軍事動向等が深刻な懸念となっておりますと言っております。他方で、別のところでは、北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できませんと言っておりますので、そこは弱まっていないのかなと思ってございます。 他方、国家安保戦略の言いぶり、私は大分縮めて申し上げましたけれど、その言いぶりは、北朝鮮は、核戦力をこうこうしていると、あるいはミサイル関連技術等急速な発展と合わせて考えれば、北朝鮮の軍事動向は、我が国の安全保障にとって、従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威となっているというふうに言ってございまして、この言いぶりと先ほどの断じて容認できませんという言いぶりというのはほぼ符合しているのではないかと私は思ってございます。 以上でございます。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、萬浪局長から事実関係の整理はありましたけれども、広田先生の、脅威から懸念、こういったことの認識を下げるというのは実態と違うんじゃないかというのが真意だと思うんですが、それはもちろん、むしろ脅威としては今安保戦略の中の記述のとおりであります。 そして、この安保戦略を策定をした三年前と比べましても、先ほど広田先生から言及をいただきましたように、ロ朝の軍事同盟に近いようなこういった動き、そして兵士をロシアに派遣をし、そしてその分の様々な軍事の技術、そして戦場での経験、こういったものを持ち帰り、通常戦力も含め今増強を進め、かつ核・ミサイル開発も急速に進めている、このことは差し迫った脅威であると、そういった認識でおります。
○広田一君 そういうふうに、小泉大臣が北朝鮮の軍事動向は脅威であるというふうに認められたわけでありますので、このやっぱり高市総理大臣の所信表明における、北朝鮮も含めて、中国、ロシアは懸念だというふうなところについては私は修正をされた方がいいというふうに思いますけれども、小泉大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) まさに今、高市内閣で安保三文書の改定、これを来年にやるということも含めまして、広田先生の御指摘のような、急速に変化をしている安全保障環境を実態に即して反映して戦略を改定する、その中で、今の点につきましても全体の議論の中で判断をしていくということだと思います。
○広田一君 是非とも全体の中で判断していただいて、これまでの本当に分析は、私は小泉大臣の分析は極めて正しいというふうに思いますので、そこから導き出される結論として、北朝鮮の軍事動向は私は脅威であるというふうに引き続き維持すべきだというふうに思っているところでございますので、その点についてはしっかりと整理をするということでございますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 それでは、続きまして、高市総理の台湾有事に関する存立危機事態発言について、これは茂木外務大臣を中心にお伺いをしたいというふうに思いますが、大臣、これ、ちょっと具体的にお聞きをする前に、今回の高市総理大臣の存立危機事態に伴う台湾有事の御発言について、その後、高市総理に対して何か御助言とか、などされたんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 広田委員も防衛大臣政務官お務めになってよく御案内だと思いますけど、外交・安全保障政策につきましては、国会答弁も含めまして、常日頃から、総理と私の間もそうでありますが、関係省庁の間で緊密に意思疎通をしております。
○広田一君 緊密に意思疎通をしているということで、その具体的なやり取りはどうかというふうな質問をしてもこれはなかなかお答えがしにくい面だというふうには思いますけれども、是非とも、この高市総理の発言を踏まえてこれからちょっとお聞きをしたいというふうに思います。 これも後で存立危機事態の定義などについては質問したいというふうに思いますけれども、こういった存立危機事態であるとか、あと日米の合同演習の経緯といったものを踏まえれば、私は、決して評価するものではありませんけれども、今回の高市総理の御発言というのは必ずしも間違ったことをおっしゃっていないなというふうに思うわけであります。撤回すべきとの意見もあるんですけれども、これ、今更これ撤回すると政治的にも大変なことになってしまいますので、これ現実的にもできないんじゃないかなというふうにも思うわけであります。 ただ一方で、この日中関係の冷え込みというのは、インバウンドを始め影響が出てきておるのも事実でございます。エンタメもそうでございまして、現状では、インバウンドは団体客であるとか地域も限定されているというふうに承知をしておりますけれども、ただ、当事者の皆さんにとってはこれは極めて深刻な問題でもあります。その意味では、日本の国益にとっては私は高市総理大臣の御発言というのはプラスにはなっていないんじゃないかなというふうに思いますけれども、茂木大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 国益、非常に広い概念でありまして、先ほど脅威と懸念の話もありましたけど、多分、脅威というものは存在するもの、懸念というのは持つもの、そういった違いも、そのレベルもあるんですけれど、あるんだと思いますけれど、この国益について申し上げますと、個別の今インバウンド、そしてコンテンツ等お話ありましたが、一つ一つの措置であったりとか、一つ一つのことでプラスマイナスを、何というか判断する、こういうことではないんじゃないかなと思っております。 今、我が国として提唱し、そして国際社会に広く訴えております自由で開かれたインド太平洋、これ、先生も、心はいつも太平洋とおっしゃっていらっしゃるということで、座右の銘のようでありますけれど、いろんな意味から、こういった日本としての外交姿勢保っていくこともまさに国益なんじゃないかなと、こんなふうに考えているところでありますが、その上で、二国間の人的な交流であったりとか経済活動、これを萎縮させるかのような中国側の対応、これは日中双方で確認をしております戦略的互恵関係、これの包括的推進、さらには建設的かつ安定的な関係の構築、こういうことに相反する、そんなふうに考えているところでありまして、中国側に対しては引き続き適切な措置を強く求めているところであります。 御指摘のインバウンド、そしてアニメ始めコンテンツであったりとか様々な分野、日本にとっても非常に、これからの成長を進めていく上で非常に重要だと思っておりますが、そこにどういう、これがどういう状況になっていくか、またその影響等々については今後も注視をし、適切に対応していきたいと思っております。 中国とは隣国でありますから、当然様々な懸念であったりとか課題、こういったものはあるわけでありますが、そういったものを対話を通じて少しでも少なくしていく、そして協力できる分野については理解と協力を広げていくということが重要だと思っておりまして、そのためにも対話を積極的に様々なレベルで進めていくということが重要だと考えておりまして、政府として、また日本として、その対話については常にオープンであると、このことは明確にしたいと思います。
○広田一君 大臣、心はいつも太平洋について、本当に、取り上げていただいて恐縮でございます。質問者のことについても御留意いただいて答弁をしてくださっていることに敬意を表するところでございますけれども。 一方で、大臣、後段で言われた様々なレベルで対話、交流していくことの重要性、日中間は戦略的互恵関係、これをより一層発展をさせていかないといけないなというふうなこと、今回の高市総理の御発言を受けて、改めて茂木大臣も中国に対して言うべきことを言う、毅然とした態度を取るべきところは取る、そういった姿勢を見せると同時に、繰り返しになりますけれども、しっかりとした交流等を通じて日中両国が発展するように取り組んでいくという、そういう姿勢については私も大変共感をするところであります。 ただ一方で、先ほど、茂木大臣が国益のことについて非常に幅広い考え方を有しているというふうなことでございます。私もそういうふうにも思うわけでありますが、ただ、実は、この国家安全保障戦略において、実は我が国の国益ということについて三本柱を挙げて規定をしているわけであります。そのうちの一つが、経済成長を通じて我が国と国民の更なる繁栄を実現する、これが我が国の国益であるという柱の一本として掲げているわけでございます。 そういった観点に立つと、今回の中国側の渡航自粛が続くと、我が国の損失はインバウンドを中心に約二兆二千億円、そしてGDP押し下げは〇・三六ポイントになるとの試算が今報道等されているわけであります。 その観点からいくと、この国家安全保障戦略にもあるとおり、我が国が守り、発展させるべき国益に照らしても、私は、その端を発してしまった高市総理の御発言というのは国益にとって決してプラスにはなっていないんじゃないかなというふうに思うわけでありますが、重ねてで恐縮でありますけれども、こういった経済的な観点の国益を踏まえて、茂木大臣の御所見を再度お伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 広田委員の方から、国家安全保障戦略の三本柱と、そこの中で経済のことについて記述をされていると。事実でありますが、経済というのも非常に広い分野にわたるところでありまして、そこの、確かにそのインバウンド、重要であることはそうでありますが、それ以外のことも総合的に判断して国益というものは考えていかなけりゃいけないと、こんなふうに考えておりまして、一つのことだけで、それが下がることによってあらゆる国益が、何というか、損なわれるということではないんではないかなと思っておりまして、全体として我が国の国益、これを高めていくような外交努力、これが重要だと考えております。
○広田一君 この点についてこれ以上お聞きはしませんけれども、大臣、私は、決して下がると言っているんじゃなくて、決してプラスにはなっていないんじゃないかという観点でございますので、私はやっぱり一国の総理大臣の発言の影響力というのが今回如実に表れた事例じゃないかなというふうに思いますので、茂木大臣は、先ほど、冒頭から、高市総理とは逐次様々なやり取りをしているというふうなことでございますので、是非国益に即した対応を取られるように、よろしくお願いを申し上げます。 その上で、もう一点だけ茂木大臣にお伺いをしたいんですけれども、今回の高市総理の御発言につきまして、私は、日中平和友好条約、これに照らして考えてみますと問題があるのではないかなというふうに思っております。 特に、第一条第二項にございます、全ての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないというふうな趣旨からいうと、高市総理が台湾有事に伴う中国への武力行使の可能性、これに言及したことは私は不適切ではないかなというふうに思いますけれども、この点についての茂木大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員の方から、一九七八年の日中平和友好条約、当時の福田総理、そしてトウ小平副主席だったと思いますが、その間で合意をされたこの日中平和友好条約の趣旨に関してお話しいただいたところでありますが、委員御指摘のように、日中平和友好条約、その第一条の二で、国際連合憲章の原則に基づいて、日中両国が、相互の関係において、全ての紛争を平和的手段により解決をし、武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認しているところでありますが。 この規定、どこからきているかということで申し上げますと、これは、国連憲章の第二条の三に言います紛争の平和的解決と、同二条四に言う武力による威嚇又は武力の行使、この禁止を確認したと、そういう位置付けでの文章、表現であると、こんなふうに考えておりまして、日本として、これまでも御指摘の日中平和条約、これに基づいてこれを誠実に履行しておりますし、これからも誠実に履行してまいりたいと考えております。
○広田一君 そういうふうな観点からいうと、誠実に履行しているというふうなことであれば、今回の高市総理大臣の、台湾有事に伴って存立危機事態になると、それに伴う武力行使の可能性についての言及については、これは問題はないというふうな見解なんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 問題があるないということよりも、事実関係としてこういった平和友好条約が結ばれていると、それについて日本としてこれまでもそれを誠実に履行しておりますし、そして今後も履行していきたいという趣旨で申し上げました。
○広田一君 繰り返しの御答弁になるので、ちょっとこれ以上質問しても何か新しいことは出てこないんじゃないかなというふうに思いますけれども、是非とも今後とも、この日中平和友好条約、これに照らして、先ほど御答弁にあったように、誠実に履行されていくということについても外務大臣としてもしっかりと取り組んでいっていただきたいなというふうに思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 それでは次に、存立危機事態、今回の高市総理の発言で注目をされている定義、概念でありますけれども、これについて質問をさせていただきます。 今回のこの発言を聞いて改めて私自身が考えさせられたことは、一つには、この定義、制定からはや十年たったわけでございますけれども、この存立危機事態について国民の皆様の理解といったものがまだまだ進んでいない、深まっていないんじゃないかなということが一点、そしてもう一つは、高市総理のこの存立危機事態発言の原因の一つ、これ私の考えでありますけれども、やはりこの事態といったものの定義の分かりにくさ、そして歯止めが明確でないということにあるのではないかなというふうに考えます。 そこで、小泉大臣にお伺いをしますけれども、そもそもこの存立危機事態とは何ぞやということについて、国民の皆様に分かりやすく御説明をしていただけないでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) この防衛に関わる問題については、できる限り分かりやすく丁寧に説明が必要なことと同時に、個別具体的なものについては最終的には総合的に情報も含めて判断をしなければならないという、この両方をどのように両立をさせるかということも極めて重要だというのは、政務官もお務めになられた広田先生はお分かりの上で尋ねられたと思いますが、この機会に改めて定義も含めて申し上げますと、存立危機事態とは、我が国が密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態、このことを存立危機事態というふうにしています。 そして、存立危機事態の認定に係る政府の見解は、いかなる事態が存立危機事態に該当するかについては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して判断するというものであります。
○広田一君 小泉大臣、その御答弁、何かこれまでの政府の御説明と同じで、ちょっと小泉節で国民の皆さんに分かりやすく説明をしていただければなというふうに思ったんですけれども、それが政府の正式な見解という理解を改めてしたところでございますが、その上で、お手元に資料も配らさせていただいておりますけれども、存立危機事態と我が国の安全保障の基本原則であります専守防衛との関係についてお伺いをしたいと思います。 この専守防衛につきましては、存立危機事態と比べても国民の皆さんには広く浸透している考え方だというふうに思いますけれども、そこで、まず小泉大臣にお伺いをいたします。 国家安全保障戦略では、こう書いているんです。平和国家として、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならない旨が明記をされております。私は、この基本原則は今後も堅持すべきだというふうに考えておりますけれども、まず、この点に関する小泉大臣の御所見、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉進次郎君) これも改めて専守防衛とは何かというところから一言申し上げさせていただきますが、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます。 これに対して、今後も変わらないのかということでありますが、専守防衛が我が国防衛の基本的な方針であることに変更はございません。 ただ、同時に、国民の皆さんに御理解をいただきたいのは、厳しい安全保障の現実の中で、専守防衛の下で我が国防衛を全うするためには、我が国として十分な抑止力を持たなければならないということであります。すなわち、我が国は相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使することになります。しかし、例えば、今日、技術の進展により、相手側のミサイルの発射、特に第一撃を事前に察知することは難しくなりつつあり、一たび攻撃が発生すれば、先制的な精密打撃などにより自衛隊の部隊が一方的に被害を受けることも考えられます。先に攻撃した方が圧倒的に有利というのが現実であります。 こうした中で、専守防衛の方針を堅持しつつ、同時に国民の皆様の命と平和な暮らしを守り抜いていく上では、武力攻撃そのものの可能性を低下させ、まず、第一撃を撃たせないことが何よりも重要であります。そのためにも、侵攻の目的を達成することは容易ではない、侵攻はやめた方がよいと相手に思わせる態勢を整えることが不可欠であるということも御理解いただけるように、丁寧に、我々が行っていく政策の強化についても説明が必要だと思っております。
○広田一君 小泉大臣が後段の部分で御発言をされた点、私も、日本の安全保障環境の厳しさを考えますと、防衛力の強化については、これは必要だというふうに思っているところでございます。 ちょっと時間がないのかもしれませんけれども、この後、できたら、このいわゆる反撃能力、こういったところの必要性と、それを、必要なんだけれども、いかにして一方で歯止めを掛けていくのかというふうなことについての議論をしていきたいなというふうに思っておりますので、後段の部分についても私は同様な認識を持っているわけであります。 ただ、その大前提というふうになるのがやはりこの専守防衛といった考え方、先ほど定義について御説明をさせていただいているんですけれども、私は、この存立危機事態というのは、これは憲法上の問題もございます。 そして同時に、私は専守防衛との関係においてもいまだに腑に落ちないことがあるんです。具体的に言いますと、資料をお配りし、先ほど両者についての御説明、大臣からもあったわけでありますけれども、私は、この専守防衛の定義とこの存立危機事態の定義というものを比較したときに、これ、存立危機事態というのは専守防衛の許容範囲を超えてしまっているんじゃないかなというふうに考えるんですけれども、この点についての小泉大臣の御見解をお伺いします。
○政府参考人(萬浪学君) お答え申し上げます。 先生の資料にもお書きいただいているように、お並べいただいて比較いたしますと、専守防衛の場合は、まず一つは、相手からの武力攻撃を受けたときということで、相手から誰に武力攻撃を受けたときというのが限定なく書かれておると。他方、新三要件の方は、我が国あるいは我が国と密接な国に対する一定の条件の場合と書いておりまして、これが分かりにくいという御指摘ではないかというふうに思ってございますけれど、その部分につきましては平和安保法制のときにも御答弁させていただいたように、相手からの武力攻撃というのは、我が国そのものに対する武力攻撃と、密接な関係にある他国に対する一定の条件の下での武力攻撃、双方が入るものだというふうな答弁をさせていただいており、かつ、平和安保法制そのものも専守防衛に徹しているという考えの下にあるということを答弁させていただいているというのが一つ。 あと、そのときの態様につきましても、これはお並べいただければそうだと思うんですけれど、必要最小限度の武力の行使を我々が行うことによって対処をするというところは両方とも共通してございますので、この双方、その二点を並べますと、専守防衛と武力行使の新三要件がずれておるということではないというふうに考えてございます。 以上です。
○広田一君 萬浪さん、その答弁をすると、やっぱり存立危機事態と専守防衛、許容範囲が違うなというふうなことをいみじくもおっしゃってしまっているんじゃないかなというふうに考えるんです。 小泉大臣、今、萬浪さんがおっしゃったように、専守防衛の相手から武力攻撃を受けたときというのは我が国に対してなんです。しかしながら、この存立危機事態の場合は他国、いわゆる外国になるわけでございます。その時点で対象が広がっておりますし、また、加えて申し上げれば、他国ということであれば、これまでの専守防衛に比べても地理的範囲といったものも極めて広がってしまうわけでございます。 そういうふうなことを考えたときに、相手から武力攻撃を受けたときというふうなこと一点をもってしても、これもう許容範囲を超えてしまっているんじゃないかなというふうに私は考えるんですけれども、小泉大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今、萬浪局長がお答えをしたことをもう少し、広田先生の思われていることと私は今の局長との答弁はそごはないと思っているんですが、今、資料を照らしながら萬浪局長が説明をしたとおり、専守防衛の説明に用いてきた、相手から武力攻撃を受けたときには、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合も含むと解してきていますので、いずれにしても、この我が国又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の発生が前提であり、また、他国を防衛すること自体を目的とするものではありませんので、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいう専守防衛が我が国防衛の基本的な方針であることに変更はございません。 ただ、先ほど申し上げましたとおり、この様々な軍事動向や安全保障に関わるような技術、そして武器、装備、こういったことも発展を遂げている中で、引き続き我が国がその専守防衛の立場で国民の命、そして平和な暮らしを守り、領土、領海、領空を断固として守り抜くためには、その専守防衛の在り方も我々は不断の見直し含めて現状に合わせた考え方を持つ必要があると、そういったことは、認識は、先ほども広田先生からそこは同じだと述べていただいたとおりだと思っております。
○広田一君 大臣、今の御答弁をされると、やっぱり許容範囲を超えているということを実質認めてしまっているというふうに私は思うんです。 というのは、相手から武力攻撃を受けたとき、これが専守防衛の定義ですよね。そして、存立危機事態は、それに対して、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより、緑で書いている部分なんですけど、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることも含まれるというふうに言っておるわけでありますが、皆さん、どうでしょう。これ普通、日本語としてですね、日本語として、この緑の部分がこれ左側の赤のこの「相手から武力攻撃を受けたとき」という文言だけに含まれると解することができるという解釈は、私は日本語としても無理筋なんじゃないかなというふうに思うんです。これ、誰かに聞いて、存立危機事態の、存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福を追求する権利が根底から覆される明白な危険まで含まれているというふうに解するということ自体が私はもう解釈権の範囲をもう超えてしまっているんじゃないかなというふうに思うわけでございます。 これ、日本語として明らかにおかしいんじゃないでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) この世界、広田先生も長くおられる中では、ふだんなかなか使わない日本語が数多く出てくる世界で、一般的にはなかなか理解をそのままの言葉では受け取りにくいという、いろんなものがあるとは思います。 ただ、この専守防衛の説明に用いてきた、相手から武力攻撃を受けたときには、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合も含むと解してきております。 いずれにしましても、憲法の精神にのっとって防衛戦略を構築をし、その下で防衛政策を進めていく、これは当然のことであると思います。
○広田一君 小泉大臣、ちょっと繰り返しの答弁で、そうすると、繰り返しの答弁になるとちょっと理解が深まらないんですよね。 そして、やはり私たちは、こういうふうな外交防衛委員会で議論をすること、極めて大事なんですけれども、やはり、その背後には国民の皆さんがいらっしゃるということを常に考えて議論しなければいけないというふうに思うんです。 そうしたときに、私の質問は別に専門的なことでもなければ、何か奇をてらったものでもなくて、国民の皆さんが率直に感じる素朴な疑問なんだというふうに思うんです。相手から武力攻撃を受けたときに、なぜ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険まで含まれると解することができるのか、なぜ解することができるのかということを説明をしてください。
○政府参考人(萬浪学君) 申し訳ございません、事実関係ですので御答弁させていただきます。 これにつきましては、先生、憲法の精神あるいは憲法論そのもののお話も、御指摘いただいてございますけれど、当時、平和安保法制のときも何度か議論ございましたように、現行憲法からいかにして自衛権を導き出すかというので、昭和四十七年見解と、それとの整合性について御説明を政府の方からさせていただいておったかと思います。その昭和四十七年見解において展開していた議論というのは、憲法上、九条と十三条、九条は御案内のとおりでございます、十三条は幸福追求権に関する条文でございます。 したがいまして、その十三条の幸福追求権から導き出しまして、我が国がその幸福を追求するという場合に、それに必要なときに、例えばでございますけど、正確に申しますと、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるような急迫、不正の事態に対応して対処をするということは憲法上許容されておるだろうと。 ただし、昭和四十七年見解のときは、それを適用する場合に、当てはめをする場合に、当時の状況としては我が国に対する武力攻撃だけに対応できればいいだろうということですけど、平成二十七年、八年に御議論、御審議いただいたときには、当時の、もう十年前でございますけど、パワーバランスの変化や軍事上の技術革新の変化を踏まえて、そうすると、密接他国に対する同じような我が国の幸福追求権が侵害されるようなものに対しても武力の行使をするという形での対処を取らなければいけないのではないかということで、存立危機事態というカテゴリーをつくったという経緯があったというふうに承知してございます。
○広田一君 萬浪さん、昭和四十七年の政府見解というのは、これ、結論を言うと、集団的自衛権は憲法上は許容することができない、そういう旨の見解であります。それに基本的論理というものを当てはめたというふうな御説明だったというふうに私も理解をしているところでございますけれども、やはり、こういった議論というものがあったということも含めてなんですけれども、ただ、そういうことから導き出すにおいても、なかなか今の専守防衛の定義から存立危機事態を読み取ることというのは、私はかなり無理筋な話じゃないかなというふうに思うわけでございますので、この関係については今後とも大事な論点だというふうに思いますから、引き続き議論をしていきたいというふうに思います。 今日はほかの質問もしたかったんですけど、これで時間が来ました。以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○山田吉彦君 国民民主党・新緑風会、山田吉彦でございます。 まず、質問に先立ちまして、まず茂木外務大臣、外務省の皆様、そして今日はこの場にはいらっしゃいませんが、鈴木農林水産大臣、農林水産庁の皆様に心から御礼を申し上げたいと思います。 ワシントン条約締約国会議、委員会におきまして、これは早期からの外交努力によりましてウナギが守られました。この日本の食文化が外交により防衛されたと思っております。特に榛葉幹事長、山田吉彦、そして今日、自民党側にも若林政務官いらっしゃいますが、静岡県にとってウナギというのは非常に重要なものでございます。それ以上に日本人にとってウナギというのは重要なものでございます。 そして、ウナギは、もう完全養殖の技術もでき上がっております。あとは経済性の問題になってきます。近い将来、ウナギは完全に食べられる、国際的な取引を度外視しても食べられるものになると思っております。どうもありがとうございました。 さて、小泉防衛大臣は、十一月二十二日から二十三日、陸上自衛隊石垣駐屯地あるいは与那国駐屯地、海上保安庁石垣海上保安本部を訪問されました。現在、日中関係の間の関係が非常に騒がしい状況におきまして、現地を訪問したことの意義とその成果をお教えいただきたいと思います。 石垣市では、今、海上保安庁がもう臨戦態勢、もう常に動き回る状況で、私もここのところ地元石垣の漁師さんと情報交換をしておりますが、むしろ漁師さんの方に少し出漁を御自粛していただくような要望をせざるを得ないような状況にもなっていると考えております。 そして、与那国駐屯地は、二〇一六年の開設以来、もうすぐ十年がたとうとしております。メディアでは自衛隊配備に対する反対運動など伝えておりますが、現地の肌感覚としましては、現地の肌感覚をどのように感じたのか、お伺いしたいと思います。また、地元の自治体からの要望や、その要望にどのように対処されるのか、お考えをお聞きしたいと思います。小泉防衛大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。 今、山田先生から御指摘いただいたとおり、十一月二十二日から二十三日にかけまして、宮古島、石垣島、与那国島を訪問させていただきました。 これは、入間から自衛隊の輸送機で行きまして、その途中では、訓練も含めまして、改めて自衛隊の士気の高い日々の任務、そして訓練状況も確認しつつ、地元の皆様と必要な意見交換もさせていただきました。 そして、現場の部隊では、現場の部隊から機微な情報を含むブリーフィングも受け、二十四時間体制での勤務、これに加えまして、まさに二十四時間連続勤務という形も含めまして、本当にこの日本の領土、領海、領空を守り続けている、その最前線を私も肌身で感じてきたところであります。 さらに、山田先生が長年取り組まれているこの海保、海上保安庁の関係も、せっかく石垣島に行くわけですから、組織は違えど、日本を守る、この思いで、同じような思いで活躍をしている方々に、日頃からの自衛隊との連携に対する感謝も含めまして御挨拶にお伺いをしたいという思いで、石垣島におきましては石垣海上保安部も訪問させていただきまして、船の「やえやま」、これは山田先生も行ったことあるかもしれませんが、「やえやま」の中で、まさに海保の皆さんから現場の状況もブリーフィングを受けさせていただきました。 そして、隊員を支えていただいている家族、そしてまた協力団体、こういった皆さんとも意見交換の時間をいただきまして、その際に、私から、私に対して要望があったのは、自衛隊の活動に対する過度な抗議活動を含めて、一部の方々の心ない行動によって、隊員が萎縮したり、御家族までが、またお子さんたちが肩身の狭い思いをしている現状があることを大臣から発信をしていただきたいと、こういった御要望を受けまして、今こういったことも様々な機会で、何とかこの状況を変えなければならないという思いを発信をしているところでもありますし、処遇の改善や家族に対する支援も含めて今政策を強化していることも、こういった側面もあるということも御理解をいただきたいと思います。 また、自治体からの御要望は何だったかというお話もありましたが、この中で、私からも御要望を承った上で、自衛隊の防衛力の強化や平素からの訓練、日米共同訓練を含む様々な演習によって、我が国及び日米同盟の抑止力、対処力を向上させることの重要性について説明させていただき、私の責任においてしっかりとした説明を行っていくこと、また、これらの取組に当たりましては住民の皆様の声をしっかりと聞きながら進めていきたい旨もお伝えさせていただきました。 こうした中、本日十二月四日には、これまで与那国町長の上地町長から御要望をいただいていました与那国駐屯地への対空電子戦部隊の配備に係る住民説明会を実施する予定であります。防衛省・自衛隊の活動に様々な御意見がある中、地元の皆様の声によく耳を傾けながら、きめ細やかなコミュニケーションを取って、引き続き丁寧な御説明を一つ一つ積み重ねてまいります。
○山田吉彦君 小泉大臣、ありがとうございます。 私も、榛葉幹事長とともに九月に与那国を訪れました。確かに、地元の方々は説明を求めています。しっかりと御説明いただきたいと思います。 反面、今、与那国、現地の自衛隊への依存体質が芽生えているようにも感じております。自衛隊がいることによってもう島が成り立っていると。やはり人口の一割、もう自衛隊の方々、そして、例えば役場の職員の方も自衛隊の御家族のパートで回っているというような状況です。 なかなか、収入の壁がありまして、収入の壁がありまして、自衛隊の方々の御家族も働く時間に制約ができてしまう。そうしますと、地元の機能というのが、自衛隊が入ったことによりまして経済規模が大きくなりました。それを賄う労働力が島ではまだ今、力というのが足りない中で、やはりこの百三万円、壁をですね、収入の壁を取り払うことにもお力をお貸しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 さて、小泉大臣に引き続きお伺いします。 小泉大臣、十一月二十八日、かつて十一月五日から十三日間、自衛隊の佐官級訪中団が中国を訪問しておりました、その御報告を、交流の報告を受けたと聞いております。 この事業、日本財団グループ笹川平和財団の主催であると聞いておりますが、現在、日中関係が緊張している中での佐官級交流の狙い、そして、この事業自体が日本の国益にかなっているのかをお伺いしたいと思います。小泉大臣、お願いいたします。
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。 山田先生は政治家になる前にこの事業にも携わったことがあると承知をしておりますが、今お話をいただいたとおり、十一月の五日から十三日の間の九日間、笹川平和財団が主催をする日中佐官級交流の一環として自衛隊佐官級代表団が中国を訪問したところ、十一月二十八日に私に訪問の成果を報告をするということで、その行った隊員から報告を受けたところであります。 政府として、中国との間では戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性を確認してきておりますので、こうした方向性のもの、あらゆるレベルで幅広い分野において意思疎通をより一層強化し、双方の努力によって課題と懸案を減らし、理解と協力を増やしていく方針に変わりはありません。 防衛省としても、先般のマレーシアにおける日中防衛相会談で私から董軍国防部長に対し伝達したとおり、中国との間では、懸念があるからこそ、率直な議論と意思疎通を粘り強く重ねることが必要不可欠であると考えております。 そういった点からすれば、本事業は、民間団体主催によるものではありますが、日中防衛当局間の中堅幹部間における意思疎通を促進をして相互理解を増進するものでありますので、戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築に資するものであると考えております。
○山田吉彦君 この佐官級交流事業、二〇〇一年から十一年間続きまして、二〇一二年から五年半中断しております。この二〇一二年というのは尖閣諸島国有化のとき。本来であれば、この事業を継続し、日中間のお互いの力関係というのを確認し続ける、それが私はもっと日中関係が安定していく要因になり得たのではないかと思います。 今、日中関係が緊迫していると言われている状況であるからこそ、日本と中国の安全保障に関わる交流というのは非常に重要だと思います。ともすれば、スパイ活動ではないのかというようなことが言われますが、抑止効果を発揮するためには、日本の力を中国側に考えさせることが重要であると思っております。その機会として、この佐官級交流、できるだけ政府も関与して、本来であれば国の事業として進めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 様々なレベル、また様々なレイヤーで交流があるということが私は大事なことだと思っています。 今、こういった中国との状況の中でも変わらず、今回、十一月の五日から十一月の十三日まで滞りなく終えたこと、そして隊員からもブリーフを受けましたけれども、やはり相手のことを理解をする、そういったことは常に大事、相互理解につながります。 そして、今回は自衛隊の佐官級でありますから、中国の人民解放軍との交流も含めて考えれば、これは危機管理という、こういった観点からも、また戦略的互恵関係と建設的かつ安定的な関係の構築という面においても、私は、今回民間でこういったことが行われていることも私は大事なことだと思っております。
○山田吉彦君 ありがとうございます。 交流事業が続くということは、様々なチャンネルで私は非常に重要であると考えております。 反面、中国の動きというのは非常に心配であります。 二〇二六年一月から、南鳥島沖海域でレアアースの試掘調査を実施する計画があると聞いております。二〇二七年には、一日当たり三百五十トンのレアアースを含む泥を回収し、本土で分離、精製する実験を続けると聞いております。日本の未来に向け、画期的であり夢のある計画だと思っております。しかし、今年の六月には、この海域、周辺海域、中国空母遼寧がEEZ内、我が国EEZ内に進入、通過する事案が起きております。 このように、日本のEEZ内での資源開発を行う際、中国が何らかの妨害などを実施する可能性は考えられないのでしょうか。日本の海底資源の価値は五百兆円とも言われております。日本の海底資源開発に関わる活動のとき、その安全確保についてどのように自衛隊では、防衛省では活動できるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(小泉進次郎君) 大事なことだと思っています。 我が国の海洋調査等の関係者の皆さんが安心して資源調査が実施できるようにする、これは重要なことです。自衛隊は、我が国周辺海域において平素からその能力を生かして関係機関と緊密に連携しています。例えば、警戒監視、情報収集を通じて得られた情報を海上保安庁を含む関係機関に適時適切に提供しております。 本年六月に、今、山田先生が言及されたように、中国海軍空母二隻が同時期に太平洋上で活動した際にも、自衛隊はしっかりと警戒監視等を実施していました。防衛省・自衛隊としては、関係省庁と連携の上で、引き続き警戒監視等に万全を期してまいります。
○山田吉彦君 是非、海底資源開発、これ非常に重要なことだと思っております。海上保安庁、今、もう尖閣警備、かなり力を割いております。この広大な日本の海域、世界六位とも言われる広大な海域を守るためには、綿密に防衛省、そして海上保安庁、連携が必要だと思っております。これを是非つつがなく、そして日本の未来のために活動していただけたらと願っております。 そして、今、私、非常に気になっておりますのが海底ケーブルの問題です。 国際的な情報交換の九九%は海底ケーブルが今担っております。この海底ケーブルの警備状況についてお伺いしたいと思います。 世界には約四百五十本の海底ケーブルがあり、日本には二十二本ほど敷設されております。近年、ヨーロッパのバルト海及びアジア、台湾付近では、中国関係船により海底ケーブルが切断されるという事案が発生しております。このような事案が連続して発生している状況において、我が国における海底ケーブル及び揚陸局の監視、防衛体制についてお伺いしたいと思います。これは、政府参考人、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(石谷寧希君) お答え申し上げます。 四方を海洋に囲まれた我が国にとって、海底ケーブルは、社会活動、経済活動を維持する上で欠かすことのできない重要なインフラであり、その安全の確保は極めて重要と考えております。 海底ケーブルの防護につきましては、海底ケーブルを管理する通信事業者におきまして、海底ケーブルの状況の常時監視、陸揚げ局の警備、障害発生時の体制の構築などの取組が行われております。また、冗長性を確保するため、海底ケーブルの多ルート化も進められております。 その上で、政府におきましても、不審情報を含めて海底ケーブルや陸揚げ局の状況を共有する体制を構築し、平素からの我が国周辺海域の警戒監視の実施、陸揚げ局の警備支援、海底ケーブルの多ルート化や陸揚げ局の分散化への支援、国際連携の強化など、関係省庁が連携して海底ケーブルの防護に必要な取組を実施しているところでございます。 今後とも、社会活動、経済活動の基盤である通信が途絶することのないよう、引き続き、官民連携の下、政府全体で海底ケーブルの防護にしっかりと取り組んでまいります。
○山田吉彦君 今のお答えのところが私が非常に不安に感じているところでございます。各省庁の協力という言葉だけであり、これは誰が責任を持って対処するのか。明確に責任がどこに、この警備をするための責任はどこにあるのか。 例えば、海底ケーブルを監視するといいましても、これは切られた後に初めて分かるということになってしまいます。今、この海底ケーブルを切られることになりますと、国際的な決済方法も寸断されてしまう、情報交換も起きないような状況になりますので、それに対して責任機関が不明確であると私は感じてしまっております。この今、現状での責任機関というのはどこにあると、参考人、お考えでしょうか。
○政府参考人(石谷寧希君) 海底ケーブルの防護につきましてはそれぞれ役割ございまして、通信事業者の監督につきましては総務省、平素からの我が国の周辺海域の警戒監視につきましては海上保安庁や防衛省、陸揚げ局の警備支援については警察、国際連携については外務省などが行うなど、様々な省庁が関係するということでございますので、こちらの方、一つの省庁で対応するということではなくて、あくまで関係省庁が連携して必要な取組を実施していくこと、それが適切かなというふうに考えてございます。
○山田吉彦君 そのような状況ですと、切られて初めて気付く。そして、どうしても敷設事業者が中心にならざるを得ない状況において、この重要な海底ケーブルをどう守っていけるのか。もう既にバルト海では問題になっております。非常にこの中国関係船、巧妙です。そして、中国には、この海底ケーブルを切断する専用の器具が開発されているということまで言われておりますので、しっかりとした対応、責任持った対応、これは一元化した対応が必要であると私は考えております。 続きまして、外務大臣に、やはりこの海底ケーブルについてお伺いしたいと思います。 国連海洋法条約におきましては、全ての国が海底ケーブルを敷設する自由が認められております。海底ケーブルは国際社会を構成するために重要な構成要素となっていますが、この国際的に張り巡らされた海底ケーブルを維持管理し、安全を守る国際的な環境はどのようになっておりますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 山田委員、これまでも海洋政策について教鞭を執られるなど、この分野の専門家でもあられると思うんですが、今委員の資料にもありますように、国際通信の九九%が海洋、海底ケーブルを経由していると。しかも、日本にとっては、北米とアジアを結ぶこの海洋ケーブルのハブにも日本がなっていると。そして、日本はまさに島国でありますから、四方を海に囲まれているという中で、この海底ケーブルの防護、これ極めて重要だと考えておりまして、この国際的な取組、委員の参考資料にも付けていただきましたが、国際海洋法条約において、いずれの国も、自国を旗国とする船舶等が公海及び排他的経済水域にある海底ケーブルを損壊した場合に、これを犯罪として処罰するための法令を制定すると、こういったことを規定をしているところであります。 先月、カナダで開かれましたG7の外相会談、私も出席をいたしましたが、ここにおきましても、海底ケーブル、これ、バルト海、そして東アジアもそうでありますけれど、この重要海底インフラの保護の重要性、これは外相間で確認をしたところであります。 また、我が国も参加をしました昨年九月の海底ケーブルに関するアメリカが主催をしました有志国会合の機会に発出をされましたニューヨーク原則において、海底ケーブルの安全性及び強靱性の重要性、確認するなど、同盟国、同志国との間で、この海底ケーブルをどうやって防護していくかということについても認識の確認、取組を進めていくことの重要性、確認しているところでありまして、引き続き、国際的な連携も図りながら、もちろん国内においても関係省庁の連携、これ極めて重要でありますが、海底ケーブルの維持管理、安全確保に向けて必要な対策取り組んでいきたいと考えております。
○山田吉彦君 海底ケーブル、どうも、今外交的なものは非常に国際的な協調の俎上に上がっているということで安心をしました。ただし、国内体制というのがやはり整備が必要であると感じております。 海底ケーブルは、日本の防衛上でも、またインテリジェンスの観点で極めて重要であります。これは、サイバー対策も含めて、私は防衛大臣を中心となって国家の防衛の観点から海底ケーブルを防衛する仕組みづくりを考えていただきたいと思いますが、防衛大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 防衛省を中心にという山田先生からの御提案は我々に対する評価だということで、有り難く思いは受け止めさせていただきます。 一方で、今、茂木外務大臣や参考人からもお話があったとおり、様々な関係省庁、そしてまた民間との連携、こういったことは不可欠であることも同時にあると思います。 防衛省においてやっていることを紹介させていただければ、海上自衛隊の哨戒機によって我が国周辺海域を航行する船舶等の状況を毎日監視をするとともに、必要に応じて護衛艦等を柔軟に運用し、警戒監視、情報収集活動を実施しています。加えまして、滞空型の無人機、そして衛星など様々な手段を適切に活用して、隙のない情報収集・警戒監視態勢を構築していくことは重要であると考えていますので、今能力強化に取り組んでおります。 こうした中で、海底ケーブルに関しましても、平素からの警戒監視活動などで関連情報が得られれば、総務省、警察、海上保安庁といった関係省庁と共有するとともに、事態の推移に応じて関係機関と連携して必要な措置を講じ、対応に万全を期してまいります。 なお、最近も海外からのシンクタンクの方が訪問されまして、防衛省を、その際でも話題になった一つが、この海底ケーブルの議論であります。海外の方では、一つの構想としては、町中にある防犯カメラのような、こういった形で、水中ドローン若しくはカメラ、こういったものを常時設置をしてその安全確保を担保するような、そういったアイデアもあるというふうにも伺っております。 いずれにしても、国内での関係省庁や民間との連携、そして海外等の様々な知見、こういったものも含めて、適切に守られる、こういった体制を構築することは大事なことだと思っております。
○委員長(里見隆治君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○山田吉彦君 はい。 茂木大臣、小泉大臣、両大臣、ありがとうございました。海底ケーブル、非常に重要だと思っております。政府内でしっかりとした対応、今後ともますます議論を進めていただけたらと思います。 どうもありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 まず初めに、私、先日、大臣所信のときにちょっと積み残した質問がありましたので、そこから今日は始めさせていただきたいというふうに思っております。 国際刑事裁判所、ICCが今大変な苦境に立たされております。これは今、アメリカ、ロシア両国から、判事を始めとするICC職員に対して指名手配ですとか入国禁止、あるいは資産凍結と、こういった制裁が実は今、科されておりまして、ICC本体へのこの制裁ということも今検討中ということであります。 これ、最大のまず分担金の拠出国である日本、そして赤根智子所長を輩出する日本として、職員の安全とICCの円滑な運営、しっかりまずは支えていただきたいというふうに思っております。 このICC、これ基本的には、日本が掲げる法の支配に基づく国際秩序、この理念に合致した機関でありますし、また、いわゆる戦争犯罪ですとか人道に対する罪、国際人道法上の司法の強化を担う極めて重要な機関であるというふうに思っています。 一方で、このICCが行う例えば捜査ですとか逮捕状の送付という活動については、これやっぱり、非加盟国のこの主権との間でやっぱりまだ調整が済んでいないところがありますし、何よりも、実際に逮捕状を出しても、逮捕するためのいわゆる執行の手段がないということでありまして、改善すべき点も多いというふうにも思っております。現時点でも、例えばロシアのプーチン大統領に対してこれ逮捕状が出ているわけですけれども、実際には、これ加盟国からの協力も今実際には得られていないわけでありますから、やはりこの執行されることのない逮捕状ですとか召喚状みたいなものを積み上げるというのは、ICCにとってもやっぱり良いことではないんだろうというふうに思っています。 政府として、ICCにより多くの国々がまずしっかり加盟して協力し合っていけるような、そういう環境を整える取組、しっかりお願いしたいと思うんですが、茂木大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 平木議員がおっしゃるように、このICC、我が国、最大の分担金の拠出国でありますし、また赤根智子所長も輩出をしているわけでありますが、我が国、今、この重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配、この徹底のために、常設の国際刑事法廷でありますICC、様々な形で一貫して支持をしてきております。ICC及びその職員、これが独立性を維持をして、安全を確保しながらその活動を全うできるように、ICCや他の締約国と意思疎通をしながらしっかりと対応していくことが重要だと考えております。 現在、御案内のとおり、ハーグでこのICCの締約国会議開かれておりまして、この会議でもこうした我が国の立場踏まえて対応しておりまして、日本として、ICCが直面しておりますある意味困難ですね、これへの懸念を表明しているところであります。また、昨日になりますが、我が国も参加する形でICC制裁等に関する締約国宣言、これが採択されたことを評価をいたしております。 その上で、ICCが、委員おっしゃるように、真に普遍的かつ実効的な裁判所になるためには締約国の拡大といったものが不可欠でありまして、中国が入っていない、アメリカが入っていない、そしてロシアが入っていない、インドが入っていない、こういう状態から、この環境整備を整えていくと、こういうことが極めて重要だと認識をいたしております。 引き続き、各国に対してICC加盟働きかけをしていくと同時に、ICC普及のための方策をICCや他の締約国とも連携して不断に模索をしてまいりたいと、こんなふうに思っております。
○平木大作君 是非よろしくお願いします。 そして、赤根所長におかれましては、外出もままならないような状況というのがあったりするやに聞きますので、そういったところも含めて是非御支援をいただけたらというふうに思っております。 それでは、この後は、いわゆる安全保障関連三文書の改定に関して少しお話をしていきたいと思うんですが、この三文書の来年中の改定を目指すということで先ほども議論があったところであります。この三文書の中には、いわゆる国家安全保障戦略、そして国家防衛戦略という二つの戦略文書が含まれております。 私、政府の文書に何とか戦略って書いてあると大抵疑って掛かるようにしていまして、日本語の言葉の据わりがいいからとにかく何にでも戦略って付けたがるというところがあると思っています。中見てみると、要は施策が羅列してあるだけのものも結構多くて、しかも数年、もう二、三年ごとにどんどん変えていく、これは戦略じゃないんじゃないかという思いで見たりするわけでありますが。 一方で、このやっぱり安全保障、この戦略、そもそもストラテジーという言葉はこの防衛の分野からきている言葉でありますけれども、やっぱりこの本家本元の安全保障に関する戦略については、基本的に本格的な意味での、本当の意味での戦略をやっているなというふうに思っておりまして、例えば、現在の国家防衛戦略に相当するところでいくと、いわゆる、かつて防衛計画の大綱ってありましたけれども、この大綱も、例えば五一大綱があり〇七大綱があり一六大綱がありということで、大体十年ということを一つのこのいわゆる戦略の期間として定めながら、まあ実際には二十年掛かったりいろいろしているわけですけれども、そうやってやってきた。 まあ例外的に二二大綱と二五大綱というのは三年しか空かなかったんですが、このときはいわゆる政権交代があったということもありますので、そういう意味でいくと、今回、これ二〇二二年に現行のこの三文書を作ったときも、この二つの戦略については大体十年をめどとしているんだということをいろんなところに書いてあるわけですけれども、そこまでやって検討した、私もこれ議論、参画させていただきましたけど、結果として三年で見直すことになった。 先ほども少し御答弁あったんですが、多少はしょっていただいても構いませんけれども、小泉大臣に改めて、今回この三年でなぜ改定をしなきゃいけないのかというところを御答弁いただけたらと思います。
○国務大臣(小泉進次郎君) ありがとうございます。 先ほど平木先生言われたように、これは広田委員に対しても三年の間のこの変化もお話しさせていただきましたが、少しそこも含めて改めて御説明させていただきますと、まずこの三年間の加速度的な変化につきましては、第一に法の支配、これは今、前段のテーマでも平木先生が思いを持たれているところでもありますが、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを増しています。特にロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありますし、ロシアはウクライナ侵略を三年以上継続しており、加えて、核兵器による威嚇とも取れる言動まで繰り返しております。 そして第二に、インド太平洋では、中国、北朝鮮の更なる軍事力の増強や中ロやロ朝の連携強化などが見られます。中国はいろいろ、先ほども萬浪局長も含めて申し上げたので重ねて詳細には時間は使いませんが、この中国の様々な、国防費の継続的な高い水準で増加をさせ、十分な透明性を欠いたまま広範かつ急速に増強させていることや、中国だけではなくて中ロの連携、こういったこともあります。そして、この中ロの連携は現行三文書の策定前にも見られましたが、その後三年を経て両国の戦略連携は着実に深まっています。また、ロ朝軍事協力の進展は現行三文書策定後に格段の深化を見せました。 そして第三に、各国は、ロシアによるウクライナ侵略を教訓にして、無人機の大量運用を含む新しい戦い方や長期戦への備えを急いでいます。この新しい戦い方に関して、ロシアによるウクライナ侵略で見られている事象を申し上げれば、多様かつ安価な無人装備の大量投入や、これに伝統的な砲弾やミサイルを組み合わせた大規模な複合攻撃が展開されているほか、双方が電子戦、AI、宇宙、サイバー、情報戦といった要素を駆使した戦いとなっており、AIの戦場における役割の拡大は目覚ましいものが見られます。さらに、こうした要素を組み合わせたハイブリッド戦はより巧妙なものになっています。 加えて、戦場では、従来と比べて極めて短いサイクルで装備品や戦術が更新され、迅速かつ柔軟な技術革新が重要になっています。ちなみに、さっき海外のシンクタンクとの議論というのも紹介しましたが、その中でも、今までだったら数年のサイクルで置き換わった技術が、今のロシアとウクライナの戦争の現場では約二、三週間、そのサイクルで新たなアップデートがドローンの関連も含めて行われていることなども紹介をされました。このウクライナ侵略も三年以上にわたっています。 こういったことから明らかなように、長期戦への備え、すなわち十分な継戦能力の確保がますます重要になっていることも鑑み、この安全保障環境の変化に対応するためにも、現行の国家安保戦略に定めているものを来年中に改定をする、こういった検討を開始することになった次第であります。
○平木大作君 この三年余りの間に本当に状況が大きく変わってきている。そして、今、小泉大臣の御答弁の中でも具体例幾つか挙げていただきました。メインプレーヤーというんでしょうか、中国であり、ロシアであり、北朝鮮という名前が何度もある意味今言及されたわけであります。 このやっぱり、特に国家安全保障戦略に関して言いますと、やはり議論の焦点の一つは、何をもって脅威とするかということなんだろうと思っています。この脅威というのは、基本的にはいわゆる意思と能力の二軸で判断をしていくというのがこれまでの考え方。 能力のところはある程度、透明性がないというような問題はありますけれども、ある程度しっかりウォッチをしていけば判断付くんだと思いますが、意思ってなかなかやっぱり難しくて、かつて私もこの三年前の議論、参画させていただいたときによく聞いたのは、かつて、例えば北朝鮮というのは、核の技術ですとか弾道ミサイルの技術まだまだだぞみたいな段階があった、でも、意思という部分に関して言うと、いわゆる東京を火の海にしてやるぞみたいなことをもって、意思の部分ではある意味脅威の基準に達しているんじゃないか、こんな説明が防衛省からもされたというふうに記憶をしております。 そういう意味でいくと、やっぱりちょっと思い出してしまうのが、今回のこの日中間の今の緊張関係の中で出てきた駐大阪総領事のこの、汚い首は斬ってやるしかないという発言なわけです。非常にこの北朝鮮の発言、発信にも近いものがあって、冷やっとする。ある意味、今回まだこの日中間の緊張関係というもの、着地点は見えておりませんが、この冒頭のこの駐大阪総領事の発言以降は、この発言という部分、意思表示という部分でエスカレーションが進んでいないというのは、私、救いだというふうにも逆に言うと思っております。 だからこそ、きちっとそのある意味無用なエスカレーションが進む前に政府に対してもしっかり対処していただきたいというふうに前回の質問でも申し上げたわけでありますが、改めてここを外務省に、この先日の質問以降、今政府としてどのような取組を行ってきて、状況どう変わってきているのか。また、政府には、今いろいろ例えば、言いにくいタイミングかもしれませんが、例えば民間交流を企画をされていた皆さんや中国でビジネスされている方たち、実害がもう実際に起きてしまっているわけですね。ここってどの程度政府にちゃんと声として届いているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(北郷恭子君) お答え申し上げます。 二国間の人的交流や経済活動を萎縮させるかのような中国側の対応は、首脳間で確認した戦略的互恵関係の包括的推進と建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性とも相入れず、中国側に対しては引き続き適切な対応を強く求めているところであります。日中間に懸案と課題があるからこそ、双方の努力によって課題と懸案を減らし、理解と協力を増やしていく方針は変わりございません。 政府としては、平素より様々な情報収集、分析を行っております。また、それに応じた対応ぶりについても検討しておりまして、日中間の民間交流、経済活動は促進されるべきであるという立場を踏まえまして、引き続き、情報を注視し、適切な対応を行ってまいります。
○平木大作君 是非この鎮静化に向けた取組をしっかり進めていただきたいと思うんですが、先ほども少し申し上げましたけど、実際に中国国内で予定をされていた日本のアニメ映画、イベント、コンサート、いろんなものが急遽中止になったり、やり始めてから中止になったりみたいなことも含めて今起きています。これって、ゲームとか漫画とかも含めるといわゆるコンテンツ産業と言われている分野でありまして、間違いなく今後の日本の経済を牽引していく大きな重要な産業であるわけです。 アニメ映画とかでいうと、「名探偵コナン」とか「クレヨンしんちゃん」とか、結局これ、承認済み、既に審査通っていたんですけれども、結局この六作品、公開が無期限の今延期となっておりまして、ここだけじゃないんですよね、実は、今走っているものが止まっているということだけではなくて、実は、日本のアニメ映画に関して言うと、この新作映画に対する審査自体を今止めています。 だから、これ、事態が動かないと、この後出てくる、どんどんどんどん次なるある意味損失につながっていくわけですね。大手のところだったら今回の持ちこたえれるというのもあるかもしれませんが、やっぱり、これはコンテンツ産業いろいろありまして、経営の体力がないようなところもあるわけです。 そういう意味でいくと、これ、先月の二十八日に、政府として十八・三兆円の巨額の補正予算案というのが閣議決定されています。私、補正予算って、そもそも、本来的な意味に立ち返れば、これ、当初予算を組んだときに想定が付かなかったようなものが、ある意味、事態が発生したときに充てるというのが本来的な意味であるとするならば、今回のこの日中の緊張関係に伴う経済的損失というのは、まさにそれに当たるんじゃないかというふうに思っています。 この予見できないような今回の事態について、政府として、この日本企業の、あるいはアーティストの皆さんのこの経済的な損失、これ機会損失どのくらいあるのかきちっと調査していただいて、必要であったら経済的な支援も是非行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(北郷恭子君) お答え申し上げます。 政府としては、平素より様々な情報収集、分析を行って、またそれに応じた対応ぶりについて検討を行っているということ、先ほど申し上げたとおりでございます。引き続き政府全体として適切に対応を行ってまいります。 その上で、コンテンツ産業の海外展開支援一般について申し上げますと、例えば、経済産業省の方なんですけれども、三百五十億円規模のコンテンツ産業成長投資支援事業を本年度の補正予算案として計上しているというふうに承知しております。 外務省としましても、引き続き関係省庁と連携しつつ、コンテンツ産業の海外展開、支援してまいる考えでございます。
○平木大作君 この後、来週辺りからこの補正予算の審議も始まると思いますので、またそういったところでも求めていきたいと思いますが。 国家安全保障戦略に戻りますと、この安全保障戦略の中に、我が国の安全保障を支えるために強化すべき国内基盤として第一に挙げられているのは、経済財政基盤の強化であります。具体的に何て書いてあるかというと、安全保障と経済成長の好循環を目指すと、こういう記述があります。これ、とっても大事なフレーズだと実は思っていまして、経済安全保障は重要であるというのとはちょっとやっぱり文脈が違うんですよ。経済成長ということと安全保障をある意味循環させていくという話なので、単純に経済安全保障が重要というのとはちょっと実は違う意味合い。 これに近いところを探すと、今、高市政権の中で掲げられているものの一つに、危機管理投資、成長投資による強い経済の実現というのがありまして、ある意味ここに通じるものなのかなというふうに理解をしているんですが、そして、そこで、今、重点的に取り組む十七の戦略分野、今御答弁いただいたコンテンツ産業もこれに入っているわけですけれども、これ、どのようにして安全保障と経済成長の好循環を創出していくのか、具体的に御説明をまずいただきたいと思います。
○政府参考人(田尻貴裕君) お答え申し上げます。 高市内閣の成長戦略におきましては、経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障などの分野における様々なリスクや社会課題に対して、官民が手を携え、先手を打って行う戦略的投資を促進するということとされてございます。これらの投資により生み出された製品、サービス、インフラを世界各国に展開することによって、我が国経済の成長を実現するということを目指すものでございます。 このため、来年夏に予定をしています成長戦略におきましては、AI・半導体、造船、量子に加えまして、防衛産業、デジタル・サイバーセキュリティー等の十七の戦略分野において供給、需要両面からの総合的な支援策を検討していくこととしているところでございます。 それに先立ちまして、十一月二十一日に閣議決定をされました総合経済対策におきましては、経済安全保障など安全保障の強化にもつながる取組といたしまして、例えば、造船業再生ロードマップの策定、生産能力拡大のための大規模投資に対する支援、また、レアアースなど重要鉱物の鉱山開発、製錬事業への出資、助成支援や国家備蓄の強化、サプライチェーンの強靱化など経済安全保障推進法の改正の検討、デュアルユースの開発、生産の能力強化を通じた防衛産業の強靱化、我が国のサイバー対処能力強化に向けた研究、人材育成基盤の整備といった施策なんかを盛り込んだところでございます。 来年夏に向けて今後検討を進めてまいります成長戦略の策定、実行を通じまして、危機管理投資、成長投資を促進し、強い経済の実現を目指すと同時に、我が国の経済安全保障を始めとする安全保障の強化にもつなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 今るる答弁いただきました。率直に言うと、この強みがそもそもしっかり見えていないところに幾らお金をつぎ込んでも、基本的に強くならないというふうに思っています。 これ、当初発表された直後、例えば一般紙の中でも、十七分野の多くは十年前に中国が定めた中国製造二〇二五とも重なると、これ後追いじゃないかという指摘もあって、私もそのように思うんですね。十七全て大事なのは分かるんです。分かるんですけど、やっぱり、先ほど私、引用した国家安全保障戦略の中で位置付けている安全保障と経済成長の好循環に資するものがこの中にどれだけあるかというと、私ちょっと角度が違うような気がしております。 ちょっと蛇足になってしまうかもしれないんですが、ハーバード大学で長年教鞭を執られて、その後、政府の中でもいわゆる対日政策に深く関与をされたジョセフ・ナイ氏、本年亡くなりましたけど、いらっしゃいました。ナイ氏が語るいわゆるパワーというのは、防衛力だけじゃなくて、いわゆる経済力だとか外交、ソフトパワー、そういったものも組み合わせたいわゆる国力としてのパワーと各国とのいわゆる相互依存関係ということを、フレームワークをつくった方ですよね。 もう本当これ釈迦に説法になってしまって恐縮なんですけど、ナイさんがかつて示されたこのフレームワークというのは、基本的にセンシティビティー、感受性とバルナラビリティー、いわゆる脆弱性、こういう二つの概念でいわゆる国際関係というのを見ていこうという考え方でありまして、感受性って端的に言うと、この相互依存関係がもし切断されてしまったときに短期的に受ける影響のことを感受性、そして長期的に受ける影響のことを脆弱性というふうに呼んでいまして、結局これ、相互依存関係が切断されたときに受ける影響が小さい方というのは、相互依存関係をパワーとして使って相手の行動に影響を及ぼすように使うんだというのがナイさんの一つの結論なんですね。 端的に、今の日中関係の中でいくと、この影響を受けるのが小さいのが中国で、中国はまさに日本を動かすためにそのパワーを今使っていますという話でありまして、国家安全保障戦略でアプローチしなきゃいけない、いわゆる強化しなきゃいけないパワーってここなんだと思うんです。 ある意味、今この事態の鎮静化しっかりやってくださいということを申し上げました。でも、これ日本の観点からなかなかそのペースで進んでいかないのは、やっぱり中国にはいろんなカードが、まだまだ切るものがあるんですけれども、日本は切れないんですよ。やっぱりここについてきちっと、これ今の問題の解決にすぐに資するものじゃないかもしれないですけど、やっぱり長期的な観点でやっていかないと、ある意味今後もいつまでたってもこのカードが切れない日本になってしまう、国家安全保障戦略で目指すこの好循環つくれないんだろうというふうに思っています。 政府に是非お願いしたいのは、一つは、これ日本として、脆弱性の観点からはやっぱり切られたくないカードってあるわけです。やっぱり切られる前にきちっと事態の収拾に動いていただきたい。情報の収集ってこと、先ほどから言われていますけど、事態のやっぱり鎮静化ですよ。これをしっかりやっていただきたいということ。 二つ目に、これやっぱり安全保障の観点からカードになり得る分野、つまり、さっきでいうところの感受性とか脆弱性で日本の強みというところをきちっと伸ばすような集中的な投資をやっていただきたいというふうに思っています。 これ、かつてでいくと、韓国に対するフッ化水素だったり、中国に対する半導体製造装置ですよ。こういうところでありますし、一つ今回の事案の中で参考になるとすると、さっきアニメの映画が中止になったと言いましたけど、「鬼滅の刃」はまだ中止になっていません。これやっぱり中止にできないだけの中国の中でのプレゼンスを築いているからでありまして、民間の皆さんがやっていることですけれども、どれだけ日本の国益に資するか、こういったところをしっかり応援していただきたいと思います。 時間参りましたので、今日はここで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山中泉君 参政党の山中泉です。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ここ数週間、世界情勢は一気に緊迫化し、大きな戦争の危機が一段と高まっているとの欧米専門家からの見方も出始めております。また、この機に乗じて、中国は就任直後の高市総理に対して狙い撃ちするように訪日観光客の停止を始め、次々と揺さぶりを掛けております。ここは高市総理と外務省には毅然として対応していただき、同盟国とも協力し、所信どおりの力強い外交を進めていっていただきたいと望んでいるところです。 さて、こういった危機が起きている今こそ、日本の外交、防衛は原点に立ち返るべきだと考えます。 先日の質疑で、ストロング・ジャパンということをお話しさせていただきました。ただ、連日、今、日本を取り巻く国際情勢というのはますます緊迫化している、そして厳しいものになっています。本日は、それらの国際情勢を踏まえながら、私ども参政党が政策として訴えている国防に関連した質問をさせていただきます。 まず最初に、前回時間切れとなって質問できなかった、国際機関からの勧告と日本の主権との関係についてお尋ねします。 国連、WHO、EU等の国際機関では、各国に対して様々な勧告や合意文書を示される場合があります。我が国では、憲法上、条約と法律の関係については、明文規定はないものの、条約は法律に優位するということが外務省の見解と承知しております。ただ、これらの国際機関は各国の国民から選挙で選ばれた代表ではなく、その決定が国会審議を経ずに国内に影響を及ぼし、日本の主権と国益を損なうのではないかとの懸念も一部に存在します。 国連やWHOなど国際機関が示す決議や規則について、それら決議、規則と国内法との整合性についてお聞かせください。
○政府参考人(中村和彦君) お答えいたします。 お尋ねの国際機関が示します決議や規則に関してでございますが、その中には、例えば、国連安保理決議あるいはWHOの総会で採択される国際保健規則のように、我が国が国会の承認を得て締結した条約の規定に基づいて、その条約の締約国、これ日本を含めということですが、を拘束する決議あるいは規則が採択される場合がございます。こうした決議、規則に関しましては、それ自体は条約ではございませんので、国会の承認を求めるものではございません。 その上で、まれにではございますが、こうした決議、規則の実施のために国内法の整備又は改正が必要となる場合というのがございます。ただ、そのような場合には、所要の法案を国会に提出し、審議、採択いただく。こうすることによりまして、今申し上げた決議、規則と国内法との整合性、これを確保しているということでございます。 あと、勧告に言及がございましたので簡潔に申し上げると、今申し上げたような決議、規則等が法的拘束力を有しない勧告という形で採択される場合もございます。その場合には、勧告の内容を実施するための国内法整備が法的な義務として要求されるわけではございませんが、仮にそういう国内法整備を行うという場合には、いずれにいたしましても、そのための法案、これは当然国会にお諮りして採択していただくということになります。
○山中泉君 ありがとうございます。 かなりこの件に関しましては、少し複雑でもありますし、多くの国民が不安に思っている。この辺を、やはり基本は、非常にこの条約というものは、日本の中でも基本的に承認したものが、国際規範来るということであれば、条約であれば優位するということなんでしょうが、それでも、やはり基本的に国会の審議を経てそれらも批准される、こういうことだと思います。 次に、小泉防衛大臣にお伺いいたします。 防衛費のGDP対比二%への増加が示されましたが、装備などハードやソフトウェアの予算だけ増やしても、それだけで国防が強化されるわけではないと考えます。実際、現場に当たる自衛隊員の方々のモチベーションアップが更に重要であると考えます。 また、国防のため命を懸けて働く自衛隊員への国民の敬意と支援も大変重要だと考えます。特にこの臨時国会では、防衛省の職員の給与等に対する法律の一部を改正する法律案の審議が予定されています。私ども参政党は、自衛隊の方々の待遇改善には大賛成であり、近年なかなか定員に満たない応募しかない状態にも何か抜本的な施策はないかを模索してきました。 まずは、国守りの要である自衛隊の方々の待遇についてお伺いいたします。 防衛省では、退職する自衛官向けに様々な就職あっせんやアドバイスを常日頃行っていることは承知しています。また、年間約六千人の退職自衛官のうち再就職支援を希望する方々の就職率は九九%を超えるとのことですが、退職後の仕事に、やりがいや収入確保の面においてどのような支援を行っているのか、また予備自衛官や即応予備自衛官を今まで以上に活用していく方法はあるのか、また自衛隊の入隊者を増やすため、将来のキャリアデザインにつながるような方策はお持ちなのかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 自衛官の処遇改善などに大変御理解と、またエールをいただきまして、ありがとうございます。 まさに、防衛力の基盤は人、自衛官でありますし、自衛官の活躍というのは本当に日本の宝であります。そのためにも、関係閣僚会議の基本方針に基づいて、自衛隊で培った知識、技能、経験を生かすことができる環境を政府一体となって整える必要があります。 特に、今、山中先生からお話がありました退職自衛官が再就職をするに当たっての不安を払拭するためには、自衛隊で培ったスキルの活用、働きやすさ、処遇、勤務地、そしてやりたい職務内容といった自らが重視することに応じて、それぞれが魅力的と感じられる再就職先を選択できることが重要であります。 こうした点を踏まえまして、幅広い業界や経済団体に対する退職自衛官の活用等の働きかけも行っています。具体的には、本年六月、私は当時、農林水産大臣でありましたが、この立場で、農林水産省、防衛省及び農林水産業の関連団体との間で、退職自衛官の更なる活用に向けた申合せを締結をしました。退職予定自衛官の就農支援、促進をしております。この申合せでは、自衛隊の人材確保や予備自衛官等制度に関する取組についても連携していくこととしています。 そして、退職予定自衛官、この話も山中先生からありましたが、令和六年度におきまして、中途退職を含む退職自衛官の総数約一万一千名のうち約二割、二千二百名が退職時に予備自衛官等に志願をして任用されています。さらに、この予備自衛官につきましては、一任期、これは三年です。三年当たりの手当等の支給額を、今までは約二十七万円でありましたが、二・五倍の六十八万円、こういった形で抜本的な増額をするなど、本年九月に予備自衛官等の処遇改善を行ったところであります。 これまで以上に充実した生涯設計の確立につながるように、再就職支援の充実強化に努めてまいります。
○山中泉君 小泉大臣、ありがとうございます。そのような更に厚い処遇を、待遇を計画されている、是非進めていただきたいというふうに思います。 次に、農水省、参考人の方に伺いますが、参政党は、農業は最も重要な国家の産業と位置付けております。私自身、農業は国の大本、食料とは国防上最も重要な国家の戦略物資であり、食の安全保障は国防の要であると考えています。 昨今、退職自衛官による農業への取組が各地で見られます。ただ、農地の確保、技術習得の支援体制、まだまだ大きく課題があります。 こういった新たなキャリアを、退職を進める方々を支援する仕組みはあるのでしょうか。またさらに、それを単なる就職支援にとどめずに、新しいキャリアを継続させるための支援があるのかを具体的にお聞かせください。
○政府参考人(神田宜宏君) お答えいたします。 農業者の減少が避けられない中で、自衛隊において様々な技能を培ってこられた退職自衛官が農業分野で活躍いただくことは人材確保の上で大変意義のある取組だと考えております。 退職自衛官の方が就農する形態といたしましては、自ら農業経営者として独立して就農する場合のほか、農業法人の従業員として就農することも可能であり、このほかにも、自衛官が保有する資格や技能を生かして農業支援サービス事業者のオペレーターとして参画するなど、様々な形態が期待をされております。 農林水産省では、本年六月に、防衛省や農林漁業関係団体と、農林水産業及び自衛隊における人材確保の取組に係る申合せを締結いたしまして、防衛省が主催する地域ごとの退職予定自衛官向けの業種説明会におきまして農業に関する説明を行うほか、就農希望者向けのウェブサイトにおいて実際に退職自衛官が就農された事例を紹介するなど、退官後の選択肢として農業を知っていただく取組を進めております。 また、実際に再就職先として農業を選択いただいた場合には、農業技術の習得に関しましては、農業大学校等における社会人向けの就農研修や農業法人などの研修受入先の紹介、農地や資金の確保に関しましては、都道府県の農業経営・就農支援センターによる相談対応等の支援を行っておりまして、引き続き、退職自衛官の方々の資格や技能など強みを生かした農業現場とのマッチングを推進してまいります。
○山中泉君 ありがとうございます。退職した自衛官が農業を始めるに当たって、多くの支援が、幾つも支援があるということは分かりました。 ただ、この農業自体として、所得が低い、また収入が不安定、こういう根本的な問題がある。そういう中で、参政党は、農業を含む第一次産業に関わる人たちの準公務員化を目指して、我々はいつも勉強会を行っている政党なんですね。 特に、私の出身地であるんですが、日本の食料庫と言われる東北では、多くの農家の方々と毎日お話を聞いてきました。ただ、ほぼ聞くのは、親の代から継いできた農業だけど、農業だけでは食べていけない、そして、兼業しても、他の作物を作っても食べていけない、本当に悲惨な声を多く聞きます。八〇%から一〇〇%の所得補償がある欧米の国々もあるんですが、まだ日本はそこまで行っていないと思います。 時間がかなり迫ってきておりますので、ちょっとここの質問を、農業自体のいかに所得底上げをしていくかという、これ重要な質問なんですが、もう一つ、最後に、私の質問としまして、退職自衛官の第一次産業支援について是非御紹介したいことがあるんですね。 千葉県多古町、ここで、退職された自衛官の方が農業自衛隊という、自分たちで名のって、担い手として地域で不足する農業に自分たちが就いている、こういった新たな枠組みを自衛官の方々がやっていらっしゃる。ですから、我々は今、今後、特に農業と自衛隊、これ非常に重要な日本の安全保障の二つの、私、要だと思うんですね。これに対してどんなような、我々は、さらにこれは、ですから、防衛省であり、そして今日は農水省の方おいでになっていただいていますが、連携してこういう取組を、さらにプロジェクトを我々は進めていくべきじゃないか、参政党としてはそういうことを考えております。 最後に、私、日本には戦国時代、昔からですね、平時は農業、戦いのときは刀を取って戦うという郷士と呼ばれる人たちがたくさんいたんですね。また、アメリカには退職軍人、そして平時は一般の職に就き、災害時や非常時には軍に参加する人々がいます。平時と非常時で非常にうまく回る形をアメリカでも、あるいは日本でもかつてあった。今はいわゆるそういった自衛隊員の方々が幾つか、いわゆるそういった何種類かの方々がいらっしゃいますけれども、一般的に自衛隊の方々の待遇を更に向上して、非常時に必要な任務を遂行できる、そういった体制を更に強化することが大事だと考えております。防衛省におかれましては、是非一層、日本の国防力の強化をお願いする次第です。 どうもありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 沖縄で米兵の少女暴行事件を受け八万五千人が抗議した県民大会から三十年となります。事件はその後絶えず、昨年六月以降明らかになった性暴力事件で米兵四人が起訴されています。捜査の壁になってきたのが日米地位協定です。これは性犯罪だけでなく、北部訓練場返還後の跡地が汚染されたままとなっている問題や基地由来と疑われる有機フッ素化合物、PFAS汚染の調査、いずれも地位協定が阻んでいます。 外務大臣に伺います。 問題意識はもちろんお持ちかと思います。しかし、この間の首脳会談や外相会談では地位協定に言及がありません。高市政権発足後、トランプ政権との間で地位協定改定について議論されたでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 米国との間では、平素より、その時々の適切な議題につきまして様々なレベルで緊密に意思疎通を行ってきておりまして、米国政府からは累次の機会に日米同盟に対する揺るぎないコミットメント、これが示されてきているところであります。 この日米同盟の中には当然、御指摘の日米地位協定の問題というのも入ってくるわけでありますが、その上で、お尋ねの、どのときにどういう議題を取り扱った、どういうやり取りをしたと、これは外交上のやり取りでありまして、詳細についてつまびらかにすることは控えたいと思っております。
○山添拓君 要するに、国民に対して語れるような明示的な議論はないということですね。 沖縄では、米兵の相次ぐ女性暴行事件を受けて、四月に日米合同のパトロールが始まりました。これ、元々県警が自治体とも連携して夜間パトロールをしていたものに米側が合流したもので、県警は当初から、慎重にしないといけないとしていました。なぜなら主権に関わるからです。それが九月以降、米軍憲兵単独のパトロールも実施されるようになりました。 外務省に伺います。どういう経緯で始まったものでしょうか。
○政府参考人(山本文土君) お答えいたします。 沖縄県では、在日米軍施設・区域外においてこれまでも米軍による生活指導巡回が実施されてきていますが、地元自治体の要望等も踏まえて、在日米軍が自主的に設けている勤務時間外行動指針、これの実効性を更に高めるという観点から、米、アメリカの憲兵隊は、地元を含む関係者との調整等を行った上で、県警との共同パトロールに加えて、単独でもパトロールを実施してきているところでございます。 重要なことは、これまでに米側が発表した一連の再発防止策が実際に事件、事故の再発防止につながることであり、かかる観点から米側はこのような措置をとっていると理解しております。 米憲兵隊による単独パトロールを通じたものも含め、引き続き、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけていきたいと考えております。
○山添拓君 今おっしゃった行動指針というのは、例えばリバティー制度のように飲酒時間を絞ったりというものかと思います。 今年四月以降、日米合同か米軍単独かを問わず、基地外でのパトロールというのは何回実施され、その下での逮捕者というのは合計何人いたでしょうか。
○政府参考人(山本文土君) お答えいたします。 委員お尋ねの、本年四月以降に米憲兵隊が沖縄県において在日米軍施設・区域外で実施したパトロールの回数は、共同パトロール及び単独パトロールを合わせて合計三十三回と承知しております。また、当該パトロールに際しての逮捕者数の合計は百七名であると承知しております。
○山添拓君 三十三回で百七名の逮捕者です。パトロールをどれだけ強化しても、リバティー制度違反というのはなくなっていないんですね。先ほども再発防止、綱紀粛正ということをおっしゃったんですが、交通事故、住居侵入、暴力事件など、飲酒した米兵による事件も相次いでおります。つまり、綱紀粛正も再発防止も、あるいはリバティー制度の徹底すらもできていないということですよ。 基地の外で民間人と米軍人、これどう見分けるのかということが最初から懸念されておりました。資料をお配りしています。その下で起きたのが沖縄市での民間人の誤認拘束です。 外務大臣、事実関係を御説明ください。
○国務大臣(茂木敏充君) この必ずしも記事についてどうであるという前に、事実関係について申し上げますと、十一月二十二日の未明に沖縄市及び北谷町において米憲兵隊によります単独パトロール、もちろんこれ県側、警察とも調整した上で単独パトロールを行っておりますが、これが実施をされたと承知をいたしております。 米側からはその際に、リバティー制度、ですから夜中の一時から五時まで外出しない、こういった形の、それによって犯罪をできるだけ抑えていこうと、こういう制度に違反した疑いによりまして米憲兵隊が十三名を拘束しましたが、そのうち一名は日米地位協定の適用を受ける米軍人等に当たらないことと、これが確認されたため、釈放した旨の説明を受けているところであります。
○山添拓君 記事にもありますが、カリーム・エルさん、通りで目が合ったということでIDの提示を求められて、軍人ではない、ですから要求を拒否したところ、米兵がエルさんを後ろから持ち上げて道に投げ出し、二人掛かりで地面に押し付けて制圧し、拘束と。軍人でないことが判明しましたので一時間後にようやく解放されましたが、顔や手首にはけがを負ったということでありました。これ、動画が公開されて、世界中に拡散されています。 その際、エルさんが、IDを見せないからといって手当たり次第に日本の市民を拘束できるのかと尋ねたのに対して、憲兵隊はできると答えているんですね。これ、大臣、事実ですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の点につきましては、現在、米側が詳細な事実確認を行っているところでありまして、また、事実確認が終了するまでは米憲兵隊によります単独パトロール中断をするとともに、パトロールを実施する隊員を再教育していると、こういう説明を受けているところであります。
○山添拓君 動画見ていただければ、言っていることは間違いないと思いますよ。 資料二枚目をお配りしています。 地位協定の十七条十項は、基地の外での米軍の警察権行使について、これは日本側との取決めを条件としています。日本側での取決めというのは、日米合同委員会の合意があります。合意議事録を下に付けています。基地の近傍で基地の安全に対する罪の現行犯逮捕が条件とされています。 エルさんは、繁華街でIDを見せなかったというだけですから、三つの要件にいずれも当てはまりません。おまけに憲兵隊は日本人まで同様に拘束できると言っております。大臣、これは許されるんですか。
○政府参考人(山本文土君) お答えいたします。 今御指摘のとおり、あと配付資料のとおりでございますけれども、米軍は日米地位協定第十七条十の(b)に基づいて、在日米軍施設・区域外において必ず日本国の当局との取決めに従うこと、また日本国の当局と連絡して使用されること、かつ、合衆国軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持のための必要な範囲内に限ることを条件として軍事警察を使用することができるというふうになっております。また、これに加えて、米軍は、在日米軍施設・区域の近傍で当該施設・区域の安全に対する犯罪が現に行われている場合などには、関連の合意議事録等に基づき、米軍人等以外に対しても軍事警察を使用することができるというふうになっております。 今御指摘のあった事案について申し上げれば、まさに今米側で詳細を確認中ということでありますので、それを待ちたいというふうに考えております。
○山添拓君 これは基地の外の問題ですから、本来犯罪行為があれば日本の警察が警察権を行使し逮捕をするなど対応するべき問題です。地位協定上合意があり、取決めがあればそれに従ってということがありますけれども、この明らかになっている事案については、民間人に対して、IDを見せなかったというだけで拘束、かなり乱暴なことまでされております。これは日本側としても、その対応についてきちんと説明を受けて、そしてただしていく必要があると思いますが、いかがですか。
○政府参考人(山本文土君) まずは、先ほど申し上げたとおり、今アメリカで詳細な事実関係を、事実関係に関する確認を行っているというところでありまして、まずその事実関係の確認というのを待ちたいと思いますが、それを踏まえてまさに日米でどういうふうに今後対応していくかというのは、またその次に考えていくことだと思います。
○山添拓君 日本人もできるかと問われて、できると答えていると、これは違いますよね。
○政府参考人(山本文土君) 繰り返しになりますけれども、先ほど述べたとおり、まさに協定上は十七条の十の(b)、それから、まさに地位協定に関する合同委員会の合同議事録ということに基づいて行うということになると思います。
○山添拓君 基づいていないことが行われているようであります。 米兵の性暴力事件が相次いで、その再発防止のためにリバティー制度と言っていたわけですが、それが守られず、事件も続発し、そのリバティー制度の実効性のために行ったパトロールで取決めを守らないと、これ何重にもルールを破っています。 単独パトロールは、先月、那覇市の松山だとか国際通りでも行われています。これ、基地近傍どころじゃありません。 地位協定との関係も踏まえて法的根拠を整理して、この委員会に報告いただきたいと思います。
○委員長(里見隆治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○山添拓君 東京の米軍横田基地では、先月十八日、パラシュート降下訓練中の米兵が羽村市内の民有地に落下する事故が起きました。 訓練は基地内で行われていましたが、現場は基地から三キロも離れた場所です。私も現地に伺ったんですが、交通量のある道路や青梅線の線路もまたいで落下しています。幸い、この米兵は軽傷だったと伺いますが、一歩間違えば住民を巻き込む大事故となりかねませんでした。 事故の翌日十九日に北関東防衛局が横田基地に原因究明と再発防止を申し入れ、三ページに資料を付しています、翌二十日には羽村市長が抗議と訓練の中止を文書で求めましたが、米軍はその日のうちに訓練を再開しています。ところが、その日の、その同じ日に羽村市内の別の場所で実はパラシュートの一部が落下していたということが発見されて、二十一日には米軍のものだったということも確認されています。 これは防衛大臣に伺います。 政府の申入れや自治体の意向を全く無視して訓練再開しています。米軍に抗議されましたか。
○国務大臣(小泉進次郎君) この件につきまして、まず正確に事実関係お話しさせてください。 十一月十八日にアメリカ空軍横田飛行場においてパラシュート降下訓練を実施中に、アメリカ軍人一名が施設・区域外の東京都羽村市内の私有地に降着しました。また、当該アメリカ軍人が使用していたパラシュートの一部が羽村市内の歩道に落下したことも確認をしております。 防衛省としては、本件を受けて、速やかに関係自治体への情報提供を行うとともに、アメリカ側に対し安全管理及び再発防止等の徹底について申入れをしたところであります。 また、本件降着により建物の一部が破損する被害が確認をされました。アメリカ側からは、十八日の夕方、アメリカ陸軍兵士が横田基地所属のC130輸送機による降下訓練中に、羽村市の横田降下区域外に着地した、主降下傘が作動しなかったため、緊急手順に従い予備降下傘を展開した、作動しなかった主降下傘は当該兵士とともに降りた、十八日及び十九日の降下訓練を中止し、使用機材及び手順について徹底した点検を実施したという説明を受けたところであります。また、こうした点につきまして、二十日に横田基地司令から羽村市長に対し直接説明を行ったと承知をしております。 落下物につきましては、目撃者から連絡を受けた二十日に、羽村市、アメリカ軍及び北関東防衛局職員が確認をし、アメリカ軍が回収しました。翌二十一日に、アメリカ側から当該アメリカ軍人が使用していたパラシュートの一部であることを確認したとの連絡を受け、関係自治体への情報提供を行ったところであります。 防衛省としましては、引き続きアメリカ側に対して安全管理の徹底と再発防止について強く求めてまいります。また、建物への被害につきましては、日米地位協定第十八条五項の規定に基づく補償の手続を進め、防衛省としてしっかりと対応してまいります。
○山添拓君 その防衛省の申入れがあったにもかかわらず、直ちに再開しているんですね。私は、この危険なパラシュート降下訓練を市街地に隣接した横田でやること自体が問題だと思います。 これまでの事故やトラブル、これまとめて委員会に報告していただきたいと思います。
○委員長(里見隆治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○山添拓君 今大臣がおっしゃったように、民家の屋根が破損しました。防衛局は、補償まで一年掛かるとか補償費の相見積りを要求したりしているというんです。これひどいじゃないですか、大臣。
○国務大臣(小泉進次郎君) 実態に即しまして、今、防衛省やり取りをしていると思いますが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたとおり、この建物への被害につきましては、日米地位協定第十八条五項の規定に基づく補償の手続を進めて、防衛省としてしっかりと対応してまいります。
○委員長(里見隆治君) 時間が来ております。おまとめください。
○山添拓君 はい。 速やかに補償は応じていただくべきだと思います。 私は、高市政権、今ルールを守らない外国人に厳しく対処するとおっしゃっているんですが……
○委員長(里見隆治君) おまとめください。
○山添拓君 これ、ルールを守らないどころか、やりたい放題認めているのが米軍ですよ。これ、基地あるがゆえの被害です。厳しく対処すべきである。地位協定も改定を求めて、質問を終わります。
○委員長(里見隆治君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時九分散会
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