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国会会議録

予算委員会

第217回 · 参議院 · 第4号 · 2025-03-07

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-10-10 21:34 JST 記録 #491 ↗

発言 403

会議録情報

令和七年三月七日(金曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員の異動  三月六日     辞任         補欠選任      藤井 一博君     神谷 政幸君      山下 雄平君     山本 啓介君      吉川ゆうみ君     田中 昌史君      村田 享子君     古賀 千景君      谷合 正明君     安江 伸夫君      猪瀬 直樹君     嘉田由紀子君      柴田  巧君     松沢 成文君      舟山 康江君     田村 まみ君      小池  晃君     山添  拓君  三月七日     辞任         補欠選任      田中 昌史君     吉川ゆうみ君      古賀 千景君     小沼  巧君      下野 六太君     三浦 信祐君      高橋 次郎君     塩田 博昭君      安江 伸夫君     窪田 哲也君      山本 太郎君     木村 英子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         鶴保 庸介君     理 事                 臼井 正一君                 自見はなこ君                 進藤金日子君                 中西 祐介君                 永井  学君                 杉尾 秀哉君                 徳永 エリ君                 上田  勇君                 金子 道仁君     委 員                 石井 正弘君                 石田 昌宏君                 猪口 邦子君                 江島  潔君                 小野田紀美君                 神谷 政幸君                 古庄 玄知君                 佐藤  啓君                 田中 昌史君                 船橋 利実君                 堀井  巌君                 本田 顕子君                 松川 るい君                 三浦  靖君                 宮本 周司君                 山田  宏君                 山本 啓介君                 吉川ゆうみ君                 石川 大我君                 小沼  巧君                 奥村 政佳君                 川田 龍平君                 古賀 千景君                 柴  愼一君                 高木 真理君                 窪田 哲也君                 塩田 博昭君                 三浦 信祐君                 宮崎  勝君                 安江 伸夫君                 嘉田由紀子君                 松沢 成文君                 松野 明美君                 伊藤 孝恵君                 田村 まみ君                 大門実紀史君                 山添  拓君                 木村 英子君    国務大臣        内閣総理大臣   石破  茂君        総務大臣     村上誠一郎君        外務大臣     岩屋  毅君        財務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        加藤 勝信君        文部科学大臣   あべ 俊子君        厚生労働大臣   福岡 資麿君        農林水産大臣   江藤  拓君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(原子力        損害賠償・廃炉        等支援機構))  武藤 容治君        国土交通大臣        国務大臣     中野 洋昌君        防衛大臣     中谷  元君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(こども        政策 少子化対        策 若者活躍 男        女共同参画、共        生・共助))  三原じゅん子君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(経済財        政政策))    赤澤 亮正君        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(沖縄及        び北方対策、消        費者及び食品安        全、地方創生、        アイヌ施策))  伊東 良孝君    副大臣        財務副大臣    横山 信一君    政府特別補佐人        公正取引委員会        委員長      古谷 一之君    事務局側        常任委員会専門        員        星  正彦君    政府参考人        内閣官房内閣参        事官       清水  巌君        内閣官房就職氷        河期世代支援推        進室次長     廣瀬 健司君        内閣官房新しい        地方経済・生活        環境創生本部事        務局審議官    北尾 昌也君        内閣官房新しい        地方経済・生活        環境創生本部事        務局審議官    岩間  浩君        内閣官房新しい        地方経済・生活        環境創生本部事        務局審議官    淵上  孝君        内閣官房新しい        地方経済・生活        環境創生本部事        務局審議官    大森 一顕君        内閣官房防災庁        設置準備室次長  高橋 謙司君        内閣官房内閣人        事局人事政策統        括官       阪本 克彦君        内閣府大臣官房        審議官      原  典久君        内閣府大臣官房        政府広報室長   畠山 貴晃君        内閣府政策統括        官        野村  裕君        内閣府政策統括        官        林  伴子君        内閣府地方創生        推進室次長    宮本 岩男君        公正取引委員会        事務総局審査局        長        大胡  勝君        こども家庭庁長        官官房長     中村 英正君        こども家庭庁成        育局長      藤原 朋子君        総務省自治行政        局長       阿部 知明君        総務省自治行政        局公務員部長   小池 信之君        総務省自治税務        局長       寺崎 秀俊君        外務省大臣官房        審議官      松尾 裕敬君        外務省大臣官房        審議官      熊谷 直樹君        外務省大臣官房        参事官      門脇 仁一君        外務省大臣官房        参事官      渡邊  滋君        外務省大臣官房        参事官      石川 誠己君        外務省領事局長  岩本 桂一君        文部科学省大臣        官房文教施設企        画・防災部長   笠原  隆君        文部科学省総合        教育政策局長   茂里  毅君        文部科学省初等        中等教育局長   望月  禎君        文部科学省高等        教育局長     伊藤 学司君        厚生労働省医政        局長       森光 敬子君        厚生労働省健康        ・生活衛生局長  大坪 寛子君        厚生労働省雇用        環境・均等局長  田中佐智子君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    野村 知司君        厚生労働省保険        局長       鹿沼  均君        厚生労働省年金        局長       間 隆一郎君        厚生労働省政策        統括官      森川 善樹君        農林水産省大臣        官房総括審議官  山口  靖君        農林水産省経営        局長       杉中  淳君        経済産業省大臣        官房審議官    井上誠一郎君        経済産業省商務        情報政策局首席        国際博覧会統括        調整官      茂木  正君        資源エネルギー        庁資源・燃料部        長        和久田 肇君        国土交通省大臣        官房上下水道審        議官       松原  誠君        国土交通省住宅        局長       楠田 幹人君        海上保安庁次長  宮澤 康一君        防衛省防衛政策        局長       大和 太郎君        防衛省整備計画        局長       青柳  肇君    参考人        日本放送協会会        長        稲葉 延雄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○公聴会開会承認要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○令和七年度一般会計予算(衆議院送付) ○令和七年度特別会計予算(衆議院送付) ○令和七年度政府関係機関予算(衆議院送付)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。  令和七年度総予算三案審査のため、来る三月十三日午前九時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。  つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  令和七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長稲葉延雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 令和七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、一般質疑を百二十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十三分、立憲民主・社民・無所属三十五分、公明党十五分、日本維新の会十七分、国民民主党・新緑風会八分、日本共産党八分、れいわ新選組四分、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 令和七年度一般会計予算、令和七年度特別会計予算、令和七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  これより一般質疑に入ります。石井正弘君。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 おはようございます。自由民主党、岡山県選出の石井正弘でございます。  久方ぶりの予算委員会の質問でございます。御配慮いただきました関係各位に感謝申し上げる次第でございます。  私は、今期をもって参議院議員退任をさせていただきます。そういった意味におきまして、本日は卒業論文のつもりで質問させていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。  急速な少子高齢化が進行する中にありまして、地方創生、そして東京一極集中是正等の問題をどう進めていくべきかについてお伺いをいたします。  まず、総論的に、石破総理にお伺いいたしたいと思います。  少子高齢化でありますが、厚労省が二月二十七日に人口動態統計を公表いたしました。二〇二四年に日本で生まれました子供の数、外国人を含む出生数でありますが、前年比五・〇%減の七十二万九百八十八人となりました。九年連続で過去最少を更新し、比較可能な一八九九年以降で最も少なかったということであります。また、婚姻数は、二年連続の五十万割れ、戦後二番目の少なさであります。高齢化率は、二三年が二九・一%でありますが、四〇年にはこれが三四・八%に達する見込みと、このようになっております。  まさに、静かに進む国難ともいうべき事態でありますけれども、このようなデータを見て、総理は、人口動態をどのように受け止め、少子高齢化問題にどのように対処していかれるつもりなのか、お伺いをいたします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 少子化が予想よりはるかに早く進んでいると。もちろん、コロナの影響もございますが、我々が予測したのよりもはるかに速いスピードで進んでおります。  私が地方創生大臣をしておりました頃の話ですが、このままいけば、二一〇〇年には日本人は五千二百万人になると、二百年たつと千三百九十一万人になると、三百年たつと四百二十三万人になると。もうどうせその頃は生きとりゃせぬわみたいな話なんですが、それは実に恐ろしいことだということだと思っております。  これを委員はどこかで静かな国難というような表現をされたと記憶をいたしておりますが、これ、静かな有事と言う方もいらっしゃいます。有事とは別に戦争だけを意味するものではなくて、国家主権というものが領土と国民と統治機構で成り立っておると教わりましたが、その国民が恐ろしい勢いで減っているということになりますと、国自体の持続可能性が失われるということだと思っております。  様々な要因はございますが、何にしても婚姻数が激減しておると。婚姻年齢がかなり高くなっている。そして、委員が御指摘になりましたように、出生率の高いところからどんどん人口が減り、出生率が低い都市部、東京を始めとする、そこに人が集まっておるということでこういうことが起こっておるわけで、原因はかなりはっきりしておりますのですが、それをどのようにして解決をしていくかということが事の本質かというふうに思っておるわけでございます。  しばらく人口減少は止まりません。どんなに出生率上がりましても、お母さんの数はこれから先二十年減ることになっておりますんで。そうすると、しばらくは人口は減少するということを前提に社会をつくっていかねばならないわけで、人財、ザイには財という字を書きますが、一人一人の人財をどうやって最大限に尊重していくかということで社会を設計し直すということになっていくんだろうと思っておりますし、この当委員会においても御議論いただいておりますが、全世代型社会保障、どこかに偏ることがない社会保障の在り方というのは、人口構成が大きく変わってまいりますので、そのことを真剣に考え、実現をしていかねばならないと思っておるところでございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。まさに、その静かに進んでいく有事ということでもあろうと思います。  次に、東京一極集中であります。  総務省は一月三十一日に、住民基本台帳に基づきます二〇二四年の人口移動報告を公表いたしました。資料一のとおりでありますが、東京都は転入超過が七万九千二百八十五人となりまして、新型コロナ以前の水準にほぼ戻ってしまいました。政府は、就職や進学を契機として十代後半から二十代の若年層や女性の東京への転入超過が依然として継続している、官房長官のお話でございますけれども、このようにしているところでありますが、二七年度に東京圏への転入と転出を均衡させるという目標を定めておられます。二四年の首都圏の数値はこれが十三万五千八百四十三人の転入超過でありまして、目標は遠のいているという状況かと思います。  総理は、この状況をどう受け止め、今後どのような方針で臨まれるのか、お伺いをいたしたいと思います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 御指摘いただきましたように、一極集中の流れが止まっておりません。主な要因を分析しますと、進学や就職を契機として十代の後半から二十代の若い方々が東京圏への転入超過が続いております。若年世代の人口移動を見ましたときに、十年間で全国三十三の道県で男性よりも女性の方が多く転出するということになっておるわけでございまして、どうやって若い方々や女性の方々に地方が選ばれるかということを真剣に考えていかねばならないと思っておるところでございます。  これをどのようにして実現していくかということですが、国土交通省の国土政策局が出しておりますいろんなデータがございますが、中間の世帯、所得階層をいろいろ分類をして、中央値からプラスマイナス一〇%、全体でいえば二〇%の、いわゆる普通の世帯という言い方をいたしますと、そこの可処分所得というのは、世帯の所得から税金と社会保険料を引いたのが可処分所得でございますが、そこから電気代だの食事だの、食費だの家賃だの、そういう必要な支出を引いた手元に残る本当に自由に使えるお金というののランキングがございますが、それで見ますと東京は全国第四十七位ということになっております。これは国土交通省のホームページに出ておるところでございますが、じゃ、どうしてそこに若い方、女性の方が集まるのだろうか。  その自由に使えるお金の上位には、茨城ですとか、あるいは島根、鳥取、それから福井、富山、石川、そういう県が入ってまいります。であるが、そういうところは人口が減ると。そうでない東京に人が集まるというのはこれは一体どういうことであるのかということをそれぞれの地域地域でよく分析をして、この人口減少、やがて二十年ぐらいたちますと人口減少が反転するということをつくっていきたいなというふうに思って、お知恵を借りたいと思うゆえんでございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。  是非そういう方向で政策を進めていきたいと思いますが、今総理の御答弁にありました若者や女性、特に若い女性に選ばれて定着をするというそういう地域づくり、これからが大きな、これからの大きなテーマになろうかと思います。この点からの質問であります。農業農村整備事業についてであります。  地方の基幹産業は、言うまでもなく若者が従事をする第一次産業、農林水産業であります。若い農業の担い手が地方の農業に従事をされ、そして地域の特色ある農産物をどんどん生産をする、そして地方が活力を取り戻す、このような農風景を実現をしていきたいものだと思います。  私は、岡山県の土地改良事業団体連合会の会長、知事のとき以来二十八年間続けてきているところでありますが、昨年、ある集落を視察をさせていただきました。土地改良事業を重点的に実施をして、そして、中山間地域の山の中ではあるんですけれども、何と約五十世帯の若年世帯が移住してこられて、そして特産品のシャインマスカットあるいは野菜作り等々で大きな成果を上げている久米南町山手地区でございます。夏祭りに参加いたしました。  こういった農業農村整備事業が地方創生に大変大きな成果を上げているということに意を強くした次第でありますが、農業農村整備事業の重要性をどう認識されているのか、今後の方向性を含めまして、農林水産大臣の御認識を伺いたいと思います。

江藤拓 農林水産大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。  長年の御苦労に心から敬意を表します。  まさに、農業農村整備事業をもっともっとやっていきたいと思っております。やはり、農家の方々が流した汗に見合う十分な手取りを確保できるようなふうにするには、この整備をしなければなりません。農地の条件が悪くて、もっと頑張れと言われても、それはしんどいです。  それはもう、今御紹介ありました御地元の久米南町、これもう大変すばらしいシャインマスカット、私もいただいて食べました。私の地元でもシャインマスカット作っているんですが、ちょっと、余り言うといかぬですけれども、岡山にはかなわねえかなという感じがします、宮崎の人は聞かなかったことにしてもらいたいと思うんですけれども。  それから、ほかの県ですが、長崎は非常に傾斜地が多くて、農地の条件が悪いです。しかし、ここでも農業農村整備事業一生懸命やって、雲仙市の八斗木地区、ここでは非常に地域ブランドである白ネギの栽培が拡大をしまして、農家の所得は大幅に向上いたしました。そして、新規就農も進んでいます。それによってその地域で小学校の児童数が逆に増えたという現象が起こっておりますので、農業整備の基盤をしっかり整備して、若い人たち、それから帰ってくる人たちを招き入れれば、まさに総理が実現しようとしている地方創生が農業を主体として実現できる姿がそこにはあるというふうに考えておりますので、これからもしっかり予算を確保して整備を進めてまいりたいと考えております。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 大変意を強くする御答弁でございました。ありがとうございます。  地方拠点強化税制、今、企業でございますけれども、若者や女性に選ばれる地域にするためには、何といっても最重点施策は魅力ある雇用の場の創出であります。  地方拠点強化税制、資料の二にお示しいたしますとおり、二十七年に創設をされまして、二十三区からの特定業務施設の移転、地方における特定業務施設の拡充に対しまして税額控除等を措置するものであります。  これにつきまして、まず最初に事務方にお伺いいたしたいと思います。  移転型と拡充型があるんですけれども、移転型、拡充型のそれぞれの適用実績と近年の特徴的な動向がありますれば、事務方の御答弁をお願いいたしたいと思います。

宮本岩男 内閣府地方創生推進室次長

○政府参考人(宮本岩男君) お答え申し上げます。  地方拠点強化税制の活用の前提となる地域再生法に基づく特定業務施設整備計画の実績につきましては、本年一月末現在で認定件数七百四十九件、雇用創出数は約三・二万人となっております。このうち、東京二十三区から地方への移転を行う移転型につきましては、認定件数七十二件、雇用創出数約千五百人、地方から地方への移転や地方拠点の整備の拡充型につきましては、認定件数六百七十七件、雇用創出数約三万人となっております。  本税制の対象施設は事務所、研究所、研修所と三種類ございますけれども、これまでの傾向を分析しますと、研究所の整備を含む計画における雇用創出数が全体の約六五%を占めるなど、雇用創出効果が高くなっております。その研究所の整備を含む計画について見ますと、雇用創出効果は移転型よりも拡充型において高い状況となっております。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 大臣、この後御質問させていただきます。  今御報告ありましたけれども、やはり数としてもっともっと移転型も伸びてほしいなというふうに期待をいたしたいと思いますが。  この税制は、昨年度の税制改正で、適用期限の延長とともに、東京圏に多く流入してきている女性、若者の動向を踏まえた拡充を行いました。また、引き続く円安等の状況とか経済安全保障、こういった観点から企業の国内回帰の動きがこれからもあるんだと思いますので、雇用の場の創出のために本制度を思い切って拡充強化をすべきではないかと、このように存じますけれども、伊東大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) 石井先生からは、日頃から大変に本当にお気遣いいただき、そしてまた御支援をいただいているところであります。  東京圏への転入超過の大半は、先ほどから総理もお話ございますように若年層が占めておりまして、男女別で見ると女性が多いものと認識しております。こうした状況を踏まえながら、議員御指摘のとおり、令和六年度税制改正におきましては、地方拠点強化税制の対象施設につきまして、女性にも人気の高いインサイドセールス、これは専ら非対面で行われる営業業務等でありますけれども、この事務所を追加するとともに、事務所等に併設される子育て施設を追加したところでもあります。  今後の制度の在り方につきましては、本税制の趣旨やこれまでの効果を分析した上で、議員御指摘の観点も踏まえ、含め、自治体や関係団体の意見も伺いながら、どのような効果的な制度にできるか検討してまいりたいと考えております。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 是非とも拡充強化の方向で検討していただければとお願いいたしたいと思います。  それでは、次は地方の私立大学の在り方であります。  私は、自民党の教育・人材力強化調査会の中に設けられました大学再編・地域アクセス確保PTの座長を務めさせていただきました。そして、この二月に調査会の提言として取りまとめを行いました。  中教審においても二月二十一日に答申が出されております。二〇四〇年における大学の入学者数は、現在から約十七万人減の四十六万人まで減少するとの予測が出されております。規模の適正化を早急に進めなければならないというところでありますが、その場合に最も懸念されますのが地方の私立大学であります。再編統合、縮小、撤退、この検討が避けられないと存じますけれども、一方で、私立大学が公立大学に転換する場合にはこれを安易に転換認めるべきではないといったような方針も示されているところではあります。  この地方の私立大学の問題に今後文科省としてどう対処する方針でありますのか、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 岡山県知事として四期十六年、また参議院議員としても二期十二年、本当に、岡山のこと、岡山からしっかりと、日本がどうなければいけないかをいつも御発言いただきまして、御指導いただきまして、ありがとうございます。  そうした中で、今、地方の私立の、私立大学でございますが、この教育研究の観点だけではなく地方創生の観点からも、まさに地域社会との連携を図っていきながらその役割を果たしていくことがまさに、まさに重要でございます。  そうした中で、文部科学省といたしましては、今後少子化が急速に進む中にございまして、この規模の縮小また撤退への支援を図っていくとともに、地域の子供の多くが学ぶ地方の私立の大学が、いわゆる地域にとって必要不可欠な人材、例えばエッセンシャルワーカーなどを始めとする方々を輩出するという役割、これを一層果たすことができるよう、先月取りまとめていただいた中教審の答申も踏まえさせていただきながら具体的方策の検討を進め、速やかに実行に移れるように取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上でございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 御丁寧な答弁ありがとうございました。  地方の持続可能性を向上させるというためには、地方へのこの移住、定住を促進をさせるということも重要であります。お手元の資料三にございますが、地方創生移住支援事業の拡充の問題を取り上げたいと思います。  地方のUIJターンによります起業、それから就業者の創出等を交付金によって支援するこの事業があります。移住が最大百万円、起業すれば最大三百万円からスタートいたしまして、子供帯同ならば最大百万円の加算、就職活動の交通費と移転費を対象とするなどの拡充強化も行ってこられましたことは評価できるところでございますが、ただ、考えてみますと、そもそも百万円あるいは三百万円は低いんではないかと。この金額で、引っ越しをしますともういろいろお金も掛かりますし、また、起業も本格的にいろいろやろうと思いますとデジタル分野以外もいろいろありますので、全く足りないとの意見もあろうかと思います。  思い切ったこれも拡充強化をして若者の移住を後押ししてほしいと考えておりますけれども、伊東大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) 地方へのUIJターンによる起業・就業者を支援する地方創生推進事業でありますけれども、特に、中でも東京二十三区に在住又は通勤する方が地方に移住して中小企業に就職、就業等をする場合につきまして移住支援金を支給する自治体の取組を支援し、令和五年度は約七千八百人がこれを活用し移住をしているところであります。  若者につきましては、東京都内に本部を置く大学を卒業する学生のUIJターンを促進するため、令和六年度に地方就職支援金を創設し、地方企業への就職活動に係る交通費の支援を開始、二分の一、したところであります。令和七年度からは、新たに地方への引っ越し費用等の移転支援を行ってまいる計画であります。  また、地方ではエッセンシャルワーカーの確保が喫緊の課題であり、これに対応するため、移住支援金の対象業種に、従来の中小企業等に加え、新たに農林水産業や自営業、医療、福祉等を位置付けていく考えであります。  以上であります。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。是非、引き続き拡充強化を御期待をさせていただきたいと思います。  次に、合計特殊出生率の問題でありますが、総理に、また岡山県の話題で恐縮でございますが、御質問させていただきます。  岡山県は、県南の方に今人口が集中しておりまして、県北は人口が少ないところでありますが、その県北の鏡野町という町の合併二十周年の記念式典に参加をさせていただきました、小野田紀美議員も御一緒でございましたけれども。そのとき配付された資料の中に、子育てしやすい町づくりといたしまして、この本町の合計特殊出生率が令和五年度の試算値といたしまして一・九八となっておりました。来賓みんながこれを注目をいたしました。国全体が一・二〇、そして岡山県が一・三二の中で、一・九八は大変高い数値であると言えようかと思います。  また、私が以前、当予算委員会で、子育てを地域ぐるみで行って、同じく合計特殊出生率が令和元年二・九五、二年に二・二一、三年に二・六八だった同じく県北の奈義町の取組を御紹介させていただきましたところ、当時の岸田総理と小倉担当大臣が現地を訪問していただいた次第でございます。  ちなみに、こういった県北のといいましょうか、人口の少ないいわゆる田舎の方の他の町村を見てみましても、同じこの数値が令和四年度で新庄村は二・九一、久米南町は一・九九、こういった二前後の高い数値でございます。  少子化対策のためには様々な対策を重層的に強力に講じていく必要があるということは分かりますけれども、地方創生のためにも、このような地域ぐるみで少子化対策を実践している田舎の地方にもっと強い思いを持っていただきまして手を差し伸べるなど、異次元の対策を講じていくべきではないか、このことが必要ではないかと存じますけれども、総理の御所見をお伺いいたします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今、奈義町の御紹介をいただきました。これ私の選挙区の隣でございますので、峠越えたら鳥取県みたいな、かなり中山間地というか、そういうところでございますが、私、ここへ、近いせいもございまして、何度かお邪魔をさせていただきました。行くと子供がわらわらっといるのですね。エキストラではないだろうねと言ったら、そんなことありませんと、これがこういうものなのでありますと町長さんがおっしゃっておられましたし、委員の御指摘もあって、当時の岸田総理も御視察になったということでございます。  要は、そのありとあらゆる考えられることをやっておるということであって、もちろん隣は津山でございますけれども、やはりこの奈義町がどうしてこんなにあっという間に出生率が上がったのかということは、やはり行政も議会も民間も本当に一体となってやってこられたのだというふうに思っております。  大体、地方創生なるものは、やりっ放しの行政、頼りっ放しの民間、全然無関心の市民と、これが三位一体になると大体失敗するということに相なっておるのでございますが、それはもう、そうではないということでございます。  先ほど来御議論がございますが、自治体によって、うちの町は何をやればいいだろうかということを、これ、中央からこれやれって言って、それが効果があるわけでは決してございませんので、自治体によります例えば結婚支援などの取組を支援します地域少子化対策重点推進交付金というものがございますが、地域の実情に応じて創意工夫を生かしていただきたいと。そういうような取組に一層御活用いただきますように、例えば、同じ事業は原則三年までということにしていましたが、こんなことやめましょうと、これをもっと長くできるようにしたいというふうに思って対応しておるところでございます。  地方創生交付金により自治体の自主性と創意工夫に基づく独自の取組ということを強力に後押しをしてまいりたいと思っておりますし、男女間の賃金格差をどうするかという問題、そしてそのアンコンシャスバイアスというんでしょうか、無意識の思い込みみたいなところがあって、うちの町はそんなことねえよと言うんだけど、いや、実はそうだということがございます。男女間の賃金格差、あるいは女性であるがゆえに何か不利な取扱いがなされておる。  私の地元もそうなのですけれども、例えばお祭りなんてありますと、大体、大広間で飲めや歌えをやっているのは男の人たちでありまして、女性の方々は一生懸命料理の支度なぞしておられると。一緒に歌いましょうや踊りましょうやと言っても、いや、私たちはこれがありますからみたいなことでですね。  やはり、女性の方々が楽しくて住みやすい地域というのをどうやってつくるかというのは、それは地域地域でいろんな取組があって、そういうような、何というんでしょうか、いろんな習慣みたいなものを地域で変えていって、女性の方々が本当に生き生き活躍しやすい地域というのをつくっていただく、そういうところがまた人口が増えるということではないかというふうに私は考えておるところでございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。  奈義町は、思い切った行革をやって、その財源を全部少子化対策に投じているというふうにも聞いております。  次に、東京一極集中の是正について質問させていただきたいと思います。企業の地方移転とか地方私立大学は先ほど御質問させていただきました。それ以外でございます。  まず、首都圏における大学等の定員抑制についてお伺いいたしたいと思います。  首都圏の大学等の定員抑制をすべきとの議論が高まっていく中で、二〇一八年に法律が制定されました。地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律、これでございます。  まず、お伺いいたしたいと思います。  この法律で地域における大学振興、若者雇用創出のための交付金制度が設けられましたけれども、これによる予算の執行状況と事業の成果を文部科学省の方にお伺いいたしたいと、これは文科省でいいですか、事務方にお願いいたします。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 内閣官房でいいんですよね。

淵上孝 内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官

○政府参考人(淵上孝君) 本事業を所轄しております内閣府の方からお答え申し上げます。  お尋ねございました地方大学・地域産業創生交付金事業の執行の状況でございますけれども、昨年度、令和五年度までには延べ十二地域を採択をし、支援をしてきている状況でございます。また、内閣府といたしましては、より多くの自治体に本交付金を活用して地域における大学の振興ですとか雇用創出を図っていただきたいということで、積極的な広報、申請段階からの伴走支援に努めておりまして、本年度、令和六年度には新たに五地域の採択を行っているところでございます。  この事業の成果といたしましては、それぞれの実施地域におきまして、魅力ある教育研究拠点の形成が進みますとともに、研究成果の社会実装ですとか、育成した専門人材の地元就職者数が増加するといった成果が生まれていると承知をしております。  引き続き、こうした各地域の意欲的な取組もしっかり後押ししてまいりたいと考えております。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。大変効果があるということでございますので、もっと事業採択数を増やせるように、予算の拡充も期待いたしたいと思います。  次に、あべ文部科学大臣にお伺いいたしたいと思います。  この法律で東京二十三区内の大学等の学生の収容定員の抑制がなされましたけれども、現実にはその後も大幅な定員増が認められてきております。これは、経過措置があったということにも大きな要因があるかと思います。また、この規定は十年間の時限措置となっておりますけれども、あと三年であります。  この間にデジタル人材について例外とするような措置は首都圏に講じてきたわけでありますけれども、現在の状況からいたしますと、引き続き定員抑制自体はこれは継続をすべきではないかと考えますけれども、文部科学大臣の御見解をお示しをいただきたいと思います。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。  東京二十三区内の大学のこの定員増加の抑制におきましては、法制定のときの既に機関決定していた定員の増加が抑制の対象外とされておりまして、これまでそれに伴う一定の増加がございました。  今後その経過措置による定員増は落ち着くものというふうに私ども見ておりまして、また、令和十年度以降の定員の在り方につきましても、令和九年度末まで法の施行の状況を検討させていただきながら必要な措置をしっかりと講ずることとされておりまして、文部科学省といたしましても、関係府省と連携をしながら適切に対応してまいりたいというふうに思います。  以上です。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 是非しっかりと検討していただきたいと思います。  総理に、政府関係機関の地方移転をお伺いいたしたいと思います。  まず隗より始めよと、こう言われるんですけれども、今まで述べてまいりました企業立地政策とか大学立地政策と並びまして、政府自らが率先して取り組むべきは政府関係機関の地方移転ではないかと思います。  東京一極集中を是正する観点から、資料四にございますように、まち・ひと・しごと創生総合戦略によりまして、道府県からの提案に基づき決定いたしました中央省庁七機関、研究・研修機関等二十三機関五十件を対象として進められてきたところでありますが、中央省庁の全面的移転は二〇二三年三月の文化庁の京都府移転だけでありまして、他は一部の拠点設置や部分移転にとどまっているところであります。  確かに、地方移転となりますと、当該政府関係機関だけではなくて、省庁間の連絡調整とか、あるいは国会対応、さらには職員及びその家族にも関わってくる大変大きな問題であります。困難で問題であるということは理解はいたしますものの、総理が目指す真の地方創生の実現のためには、更に一歩踏み込んだ取組が是非とも必要だと思います。  防災庁の地方拠点も検討中だと聞いておりますが、総理の力強いリーダーシップを期待いたしまして、今後の取組方針をお伺いをいたします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 文化庁あるいは国立工芸館、あとは消費者庁の一部が徳島等と、決して成果がなかったわけではございませんが、もうあれでおしまいよみたいなことになってはいけませんので、もう一度中央省庁の地方移転というものを強力に推進をしたいと思っております。  委員御指摘のように、じゃ、国会対応どうするんだという話でございますが、常にのべつ幕なし国会対応やっているわけではございませんし、飛行機もあれば新幹線もあれば高速道路もございますので、そういうことだけが理由にはならないだろうと思っております。  で、ここにおいて必要なのは、全国四十七都道府県、じゃ、岡山には何が来たら岡山のためにもなるし日本のためになるんだろうねと、じゃ、秋田なら、秋田に何が来たら秋田のためにもなるが日本のためになるんだろうねと。大体そういう、どっかの中央省庁来ませんかということを、どっか要りませんかということをですね、大体権限があって予算がたくさんある官庁が来るといいなみたいな、そういう話では困るんでありまして。  じゃ、そのどこの、例えば農業でも漁業でも林業でも、いろんな分野がございます。文化庁が京都だよねというのは何となくぴんとくるところがございますが、ほかのものでも、ほかの省庁でも、ここに来た方が日本のためだと、その地域のためでもあるということは、その地域地域においてお考えをいただければ大変に有り難いというふうに思っておるところでございます。  で、そこにおいて、もう一度そういうような募集というんでしょうか、そういうことをいたしまして、例えば、私、この間インドネシアに行きましたが、インドネシアも首都はジャカルタから丸ごと移転するということになっております。ソウルの首都移転も随分と進んでまいりました。みんないいお話ばかりではございませんが、地方にそういうのが移転するということ、先ほど防災庁のお話もございましたが、防災庁が東京にあって、首都直下型地震があって、もうそのもの自体が機能不全になったらどうするんだいというお話もございますので、いろんな省庁の移転というものを、これから先、強力に推進をしてまいりたいと思っておりますので、委員始め皆様方の御理解、お力添えを賜りたいと思うところでございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 ありがとうございました。是非前向きに取り組んでいきたいと思います。  次に、総務大臣に、財政力格差、地方間のですね、是正についてお伺いいたしたいと思います。  少子高齢化が進んで、社会保障を支える地方公共団体の役割はますます増大します。地域間で大きな財政力格差が生じるということは避けなければならないと思います。地方六団体の毎年の提言にもありますが、税源の偏在性が小さくて税収が安定的な地方税体系を構築していきますとともに、地方税の充実に取り組んでいく必要があります。  この観点から、資料五でありますけれども、地方消費税が創設されまして、以下、真ん中辺りでございますけれども、外形標準課税が導入、あるいは地方法人特別税・譲与税が創設、また、地方、失礼しました、法人住民税法人税割の一部交付税原資化、さらには、一番下にございますが、特別法人事業税・譲与税の創設が行われてまいりました。これは法人事業税を一部国税化するものでありまして、地方税の充実という観点からすると逆行するものではありますものの、東京都に偏在している地方法人事業税を一部国税化して、人口等によって地方に再配分するものでありまして、財政力格差の是正の面からは必要な措置であると考えます。  一方、最近の都道府県税の偏在度を見ますと、資料六でございますけれども、特に上にあります地方法人の二税、これにつきまして、東京都のシェアは最近の税収動向もありまして高止まりしております。東京都の深い御理解というものがあくまでも前提ではありますものの、法人二税の都の突出を抑えて、特別法人事業税・譲与税の更なる拡充など、偏在、格差の是正、こういったことに取り組むべきではないかと思いますが、総務大臣の御見解をお伺いいたします。

村上誠一郎 総務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(村上誠一郎君) 石井先生、長い間本当にありがとうございました。  では、お答え申し上げます。  東京一極集中が続く中、既に地方に居住している人の流出を防止するとともに、都市部から地方への移住を拡大する観点から、総理が申されていますように、若者、女性にも選ばれる地方をつくることが重要であると考えております。加えて、様々な自治体から、行政サービスの地域間格差が過度に生じないように、地方税の偏在の是正についていろいろ御意見をいただいております。  東京一極集中の例としましては、人口や法人の本社機能の集中のほか、一つ、インターネットの取引などが拡大している中で、電子取引、いわゆるEコマースの運営会社が東京に集中していることや、東京において資本金規模の大きい法人が増加し、特に東京のみに納税する法人が増加していることなどが、経済社会構造の変化もあると考えております。  そういう面におきまして、総務省としましては、拡大しつつある自治体間の税収の偏在や財政力格差の状況について原因、課題の分析を進めながら、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組んでまいりたいと、そのように考えております。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 是非とも前向きに御検討いただきたいと思います。  最後に、地方創生二・〇の課題について、総理に締めの御質問をさせていただきます。  一つは、地方創生に関わる交付金、これを倍増すること自体、これは意気込みを示すということで高く評価できますけれども、問題は使い方ではないかと思います。  従来と同じような運用だと、金額を幾ら増やしても目立った効果は期待できません。地方が真剣に考えて、他がやっていないような斬新なもの、ユニークなもの、地域外から多くの人がより集まってくるようなもの等々、真の地方創生につながるものを期待したいところでありますが、総理の思いをお伺いしたいと思います。  そして最後に、あわせ、総理が既にお話ございましたが、アンコンシャスバイアス、このことについて、これが一番根っこにあって、地方自身にも課題があるかと思いますけれども、この課題につきまして、地方の問題に詳しい総理の御見解をお伺いいたします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 石井先生のこれから先の御健勝、また私どもに対します御指導、心よりお願いを申し上げる次第でございます。  先ほど申し上げましたが、やりっ放しの行政、頼りっ放しの民間、全然無関心の市民ということになると絶対失敗することになっておりまして、産官学金労言と、こうおまじないみたいなことを私はずっと言っておるわけでございますが、商工会議所であり、商工会であり、建設業協会であり、商店街連合会であり、何でもいいんですが、産業界の皆様。そして、役所、官。それから、大学に限りません、高校でも中学校でもいいのでありますが、よく取り上げられます海士町というところ私は行ってきましたが、中学生が一生懸命議論しているんですね。中学生の方がはるかに上手にパソコン使いますし、また、あの人の機嫌損ねるとまずいねみたいなことが余り中学生はございませんので。  産官学、金というのは金融機関でございます。産官学金、労というのは労働組合でございまして、言というのはやっぱり、中国新聞であり、何というんでしょうか、地元のテレビ、地元のラジオ、地元の新聞、そういう方々が、じゃ、我が町どうするのというかんかんがくがくの議論をいただきたいと思っております。  産官学金労言で、私、前、地方創生大臣しておりましたときに、総合戦略出してくださいねってお願いをしました。きれいなものが出てきました。大体、いろんな図表が付いて、色とりどり、非常にすてきだ。だけれども、A町をB町に変えたらほとんど一緒みたいなものいっぱいあって、これは多分、東京のコンサルが書いたに違いないというものでございます。  それが本当に功を奏するとは私は思っておりませんで、これから先本当に、そのキーワードとして、今だけ、ここだけ、あなただけというのも私よく使うんですが、やっぱり、倉敷なら倉敷、美作なら美作、どこでもいいんですが、今だけですよ、ここだけですよ、あなただけですよという、そういうものをいかにして産官学金労言で出していただくか。そういうものに対して、国は、人材面でもお金の面でもデータの面でも、伊東大臣を中心として可能な限り支援をいたしてまいりますが、元のプランが東京で作りましたということであっていいものができるとは、私、全く思っておりません。  もう一度、地方創生二・〇で取り組むに当たりまして、そういうことをそれぞれの地域にお願いをいたしたいというふうに思っておるところでございまして、そういう観点からも石井委員の今後ともの御指導を心よりお願いを申し上げる次第でございます。

石井正弘 自由民主党

○石井正弘君 終わります。どうもありがとうございました。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で石井正弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、松川るい君の質疑を行います。松川るい君。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 自由民主党の松川るいです。  本日は、石破総理御出席の中で質疑をさせていただく貴重な機会をいただきまして、感謝をしております。  まず、国際政治の潮流が激変する中で日本のかじ取りをするのは並々ならぬ覚悟が要るものと存じます。  そこで、まず総理にお伺いします。  今般の米・ウクライナ会談の決裂は前代未聞でありました。何とかウクライナを含めて停戦交渉が行われる方向が見えたのは良かったとは思うんですけれども、ただ、少なくともトランプ政権が、欧州の安全保障は欧州諸国が主体的に担うべきであり、米国を当てにすべきではないと考えていることは明らかとなったと思います。  欧州とアジアは全く異なります。私は、中国とロシアも全然違うと思っております。米国にとっての意味ももちろん違います。ただ、今般のことは、我が国にとっても様々な示唆があるようにも思います。  総理は、アジアの安全保障に関し、今般の米・ウクライナ会談やその後の経過から我が国が得る示唆、教訓は何だとお考えでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今日のウクライナは明日の東アジアかもしらぬということがよく語られるようになりました。松川委員御指摘のように、じゃ、そうならないためにどうするのよということだと思っております。  これはもう三年前になりますか、バイデン大統領が、仮にウクライナがロシアに侵略されることがあってもアメリカはその戦いには参加しないということを言ったということがございました。これが一つの引き金だったと思いますが、合衆国が支援をします場合には、委員御案内のバンデンバーグ決議というのがあって、自分の国を守る努力をちゃんとしない国はアメリカは支援しないという、こういう決議がございます。本当に、日本が日本として、アメリカに最後は頼れば大丈夫よということではなくて、どれだけ自主防衛の努力をしていますかということが問われると思っております。  で、もう一つは、これはいろんな御議論があることかと思いますが、ブダペスト・メモランダムというものをどう考えるかということでございまして、ウクライナは多くの核を所有しておったわけでございますが、それをロシアに移転をしたと。そのときには、ロシア、アメリカ、イギリス、フランス、中国、いわゆるP5というんでしょうか、もし仮にそういうことがあったら、核を撤去したウクライナがどこかから侵略を受けるようなことがあれば、これは一緒になって安保理にこの問題を提起するよという合意があったはずでございます。覚書でございます。じゃ、それが、その当事者であるがところのロシアが攻め込んできたらみたいなことを予測していなかったということがございまして、自主防衛努力というものがある、もちろんアメリカとの信頼関係も当然ある。  もう一つは、抑止力の中身をどう考えるかということでございまして、そういう点から、私どもは、ウクライナの問題から学ぶ点は多々あるし、その轍を踏まないように、よくよく注意をしながら外交を展開してまいりたいと思っております。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 まさに自主防衛の最大限の努力をするということ、そしてまた、私は、対中でいったときの抑止に米国の関与は不可欠であるものであるので維持の努力はする必要があると思うけれども、さはさりながら、今総理も御指摘されたような問題意識から、米国の動向にかかわらず、日本自身が様々なアジアの地域イニシアチブを取っていくという、そういうことをこれからやっていかなければならないと考えます。  その観点から、日本の国益を守るため、また地域の安定を確保するため、本日はシーレーン防衛の問題を取り上げたいと存じます。  資料一の地図を御覧いただきたいと思います。  島国の日本にとってシーレーンが重要なのは当然だと思われるでしょうが、もう少し具体的に把握をしたいと思います。エネルギー安全保障や食料安全保障との関係でシーレーンがどのような重要性を持っているかについて教えてください。

和久田肇 資源エネルギー庁資源・燃料部長

○政府参考人(和久田肇君) お答え申し上げます。  まずは、石油、LNGなどのエネルギー資源につきましては、日本のエネルギー供給の大宗を担っておりますけれども、我が国はこれら資源を海外からの輸入に依存しているところでございます。  まず、具体的に、原油の九割につきましては中東から南シナ海を通るルートで日本に輸入をされてございます。それから、LNGにつきましては、約五割を豪州それからロシアなどから、これは南シナ海を経由せずに輸入をしている一方で、約一割を中東、それから約二割を東南アジア、それぞれ南シナ海を通るルートで輸入をしてございます。加えまして、輸入の一割を占める北米からも、喜望峰それから南シナ海経由で一定量輸入してございます。それから、石炭につきましては、六割超を豪州から南シナ海を経由せずに輸入をしている一方で、輸入の約三割を占めるインドネシアそれから北米からは南シナ海を経由して輸入されることもあると認識をしてございます。  我が国としては、エネルギーの安定供給の観点から、これらエネルギー資源を輸入するためのシーレーンを確保することが極めて重要と認識をしてございます。

山口靖 農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(山口靖君) お答えを申し上げます。  令和五年度における我が国の食料の輸入割合は、カロリーベースで見ますと六二%となっております。その主な輸入先国でございますが、米国、豪州、カナダ、ブラジルとなっており、カロリーベースで見ますとこの四か国からの輸入が輸入全体の七四%という形になってございます。  この輸入に当たってはほぼ船舶で行われておりまして、北米のルートに関しましては一部がパナマ運河を通過し、南米ルートにつきましては喜望峰、マラッカ海峡、南シナ海を通過するものが多いと承知しております。  農林水産省としては、食料安全保障上、食料を安定的に輸入するためにはシーレーンを確保することが極めて重要だと認識しております。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  まさに、日本に到達するエネルギー、石油は九割ですけれども、インド洋、マラッカ海峡、南シナ海、台湾海峡又はバシー海峡を通るというこのマラッカ海峡ルートで海上輸送されておりますし、食料については、半分は太平洋なのでいいんですけれども、日豪間のシーレーンが極めて大事だということも分かるかと思います。  で、一番抑止しなければならないと言われる、まあ台湾有事の際に一番考えられるシナリオの一つとして台湾海峡封鎖といったことが起こりやすい。そしてまた、アジアで最も起きやすい紛争は南シナ海とも言われます。いずれの場合も、このマラッカ海峡ルートが使えなくなれば日本は大変なことになると。また、地図上分かりやすいと思うんですけれども、日本と同じ立場に立つのは韓国だということであります。  こういったことが分かっているからこそ、日本政府はこれまで、第一列島線上に位置するフィリピン、インドネシア、ベトナムなどなどの海洋安保能力を高めるため、様々な取組をバイを中心にして行ってきたと思います。これまでの政府の取組について教えてください。

門脇仁一 外務省大臣官房参事官

○政府参考人(門脇仁一君) お答え申し上げます。  我が国は、米国や東南アジア諸国、豪州等の同志国との間で海洋安全保障分野での連携を積み重ねてまいりました。  具体的には、OSAを通じ、フィリピンに対し沿岸監視レーダーシステム等、マレーシアに対し警戒監視活動用機材、インドネシアに対し高速警備艇の供与を決定しております。また、ODAを通じて、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ベトナムの海上法執行機関等に対し、巡視船の供与といったハード面での支援に加え、専門家派遣、研修といったソフト面での支援も実施してきているところでございます。  また、このほか、東南アジア各国の海軍に対する防衛装備移転、技術協力を通じた支援、そして二国間や多国間で海上保安機関間や各国海軍との共同訓練を行うなど、連携を強化してきているところでございます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 まさに今御説明いただいたとおりなんですけれども、それぞれの国の海洋安保能力が高まれば、それぞれの国が自分の国の周りの海を守り、その結果としてシーレーン全体の強靱性が上がるという発想で、日本は営々とした努力を積み重ねてきたわけであります。  ただ、ところが、ここにはミッシングリンクがあります。海は続いているんで、本当は隣同士の国の海上保安機関だとか、沿岸警備隊とかですね、海軍が協力、連携できたらより円滑なシーレーン防衛、共同行動ができるわけなんですけど、これらの海洋関係諸国は隣同士であっても必ずしもその海洋安保協力が盛んなわけではどうもない。第三国同士のことなのでお答えに限界があるとは思うんですけど、こうしたインド太平洋海洋諸国の隣国間の安保協力がどの程度行われているのか、網羅しなくていいので、分かる範囲で例示でいいので教えていただけないでしょうか。

門脇仁一 外務省大臣官房参事官

○政府参考人(門脇仁一君) お答え申し上げます。  第三国間の協力の枠組みということでございまして網羅的に把握しているわけではございませんが、各国はそれぞれ他国との間で海洋安全保障分野における協力は進めていると承知しております。  例えば、ベトナムとフィリピンの間では、海軍間の協力、あるいは海上警察と沿岸警備隊の間で海洋協力について覚書が結ばれるといった例もあるとは承知しております。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 なかなか無理筋の質問で済みません。  ただ、私、自分がずっと関心を持ってきたので、インドネシアとかフィリピンとか豪州とか、それぞれ訪問するときに関係者に会ったときには聞いてきたんですけど、そんなに大した連携はないなということがちょっと正直言った率直な印象なんですね。海がつながっているのに、インドとインドネシアの間の協力もこれからですし、インドネシアとフィリピンの間にもさほどの協力はないですし、フィリピンと台湾の間にも、台湾と日本の間にもないと。このままではやっぱり不十分だと思います。  というのは、この地図を見ていただくと分かるように、仮に台湾海峡が封鎖される事態になったときは、マラッカルートの代替として、ロンボク、マカッサル、それから豪州、西太平洋、豪州を回り込んで西太平洋に出るというのが一番この中では安全なルートなんですけど、これが必要となると。そうするとこれ、第一列島線の前の線というよりは、むしろ面としてこの地域の防衛をして、シーレーンのその安全を守ってくる必要があると。  そうすると、いずれの国とも良好な信頼関係があって協力の実績もある日本が間に入って、ミッシングリンクを埋めてネットワークをつくっていくべきなんじゃないのかと。そのときに、私はすごく頼りがいのあるパートナーになり得るのは豪州ではないかと思います。  やり方は段階的なビルディングブロックでいいと思うんですけど、日・インドネシア、日・フィリピンというバイの協力を、今度は日・フィリピン・インドネシアにする。日・フィリピン・インドネシア・豪州、更に豪州にも同様のことをやってもらって、それを更に広げてマルチ化してネットワーク化していくというイメージなんですね。元々、総理も御案内のクアッド、これ元々、日米豪、日米インドという三か国を続けてきて、数年たってこれがクアッドに結実したわけであります。  なので、私は、このシーレーンに着目をしたマルチのオープンなアーキテクチャーをつくる。ここにはいろんな国が入り得ると思います。韓国、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、マレーシア、豪州、関心を持ってもらえたら英仏でもいいし、まあインドも関心を持ってもらえたら更にインド太平洋に広がるわけですけど、まずは、東南アジア諸国が参加しやすい沿岸警備隊同士の間の海難救助とか警戒監視の協力、インテリジェンスの共有、防衛装備移転とかキャパビルも入れて、そういったところから始めていけばいい。  そういう意味で、オープンアーキテクチャー、西太平洋シーレーンネットワークをつくってはいかがでしょうか、総理にお伺いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これは委員の方が私よりはるかに御存じだと思いますが、この地域のいろいろな国がございますが、基本的に陸軍国ですね。そしてまた、国内の治安を維持するための軍という性格が強いと思っておりまして、この地域で海軍力がある一定の水準に達しておる国っていうのはやはりオーストラリアなんだろうなというふうに思っております。私、防衛庁長官のときから、ANZUSに日本を加えたJANZUSというのは本当に構想としてあり得ないのだろうかと、もちろん憲法解釈等々いろいろございますが、そういう構想もあるだろうと思っております。  もう一つは、いきなり海軍力増勢するのはそれは無理でございますので、私どもとして、海上保安庁の巡視船を供与するとかいろんなことをやっております。この地域において、海軍同士の連携というのは将来的にございましょうけれども、治安というものを維持をした、あるいは海賊対策でもいいです、そういうような警察力、治安、海上治安というものを一つの主眼としたネットワークというものは、この地域において構築はできると思っております。  したがいまして、そういうことを念頭に置きながらこのネットワークというものをつくっていく、これはシーレーンネットワークという形になるんだろうと思っております。FOIPにとどまらないこの地域の連携というものは日本がイニシアティブを取っていかねばならないのであって、それがまた合衆国がこの地域に関与していくということにもつながっていくのではないかと思っておるところでございます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  まさにFOIPの柱の一つが航行の自由であるということが、そのインド太平洋の、この自由で開かれたインド太平洋の根幹にシーレーンの重要性を守っていくということが共通課題としてこの地域の国にあるということであるというふうに私も思っております。また、総理御指摘されたように、いきなり海軍の協力なんてできるわけもないわけでありまして、やりやすいところから始めていくというところも、私もそう思っているところであります。  総理は、アジア版NATOが必要じゃないかということを以前提唱しておられました。これは私は、何も受動的な防衛義務を含む形の集団安保体制じゃなきゃいけないということじゃなくて、どちらかというと、アジア地域というこの地域において、地域が自律的な、マルチに安全を守る、そういう仕組みがあってもいいじゃないかという問題意識だったのかなと思います。そういう意味でも、私は、今提唱させていただいた西太平洋又はインド太平洋シーレーンネットワークはその問題意識にも合致するんじゃないかと思うところであります。  やっぱり、今そんな能力はないよとおっしゃられましたけど、結局、この海洋というのはつながっておりますし、地理的には動かないわけでありますので、最終的にはこの地域の国が民間商船を守るような共同行動ができるようなイメージまで引き上げられていけば、そもそもその有事の抑止にもなりますし、抑止が破られても日本を含めこの地域の諸国が生存していけるような、そういうレジリエンスを持つんじゃないかと思っています。  この地図ですね、しつこいようですが見ていただくと、結構これは、中国海軍はこれを見越したかのように、代替航路となるロンボク海峡ルートとか南太平洋ルートにまで出現しているんですね。なので、私は、今その能力がないよじゃなくて、結構急いで頑張った方がいいんじゃないかということを思っておりますので、是非どうか御検討をよろしくお願いします。  もう一つ、シーレーンの関係で提起したいのが日本海なんですね。日本海というのは何となく先っちょみたいなイメージがあると思うんですけど、次のページを見ていただくとそうではないということであります。  中谷大臣にお伺いします。  対馬ですけど、北極海が解けたら日本海はシーレーンだと。で、対馬というのは、そのシーレーン、日本海シーレーンのど真ん中に位置している極めて戦略的に重要な要衝じゃないかと思うわけですね。  ここについての考え方と、それから、現在対馬にももちろん基地はあるわけですが、そのありようで十分と思っておられるかどうかについてお伺いします。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) 松川委員が御指摘のように、この対馬海峡というのは、東シナ海と日本海、これを結ぶ重要な交通路でありまして、近年では、例えば対馬海峡を通過した中国の艦艇、ここが、これが日本海においてロシアの艦艇と共同演習を実施するなど、安全保障の面でも重要性を増しております。  現在、対馬には、陸上自衛隊の対馬警備隊、海上自衛隊の対馬防備隊を配置しているほか、海上自衛隊の上対馬警備所、下対馬警備所、航空自衛隊のレーダーサイトが所在をしておりまして、二十四時間体制で船舶の監視、対空警戒を行っているわけでございます。対馬におけるこの重要性を鑑みまして、将来の防衛体制につきましては自衛隊全体の体制の中で検討をされるべきものと認識をいたしております。  先ほど述べましたように、また対馬海峡の重要性を踏まえつつ、あらゆる事態に適切に対応し得るように不断に検討してまいりたいと考えております。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 基本、今、警戒監視のみだと思いますけど、将来的には更に必要になることもあるかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  次に、大阪・関西万博と外交についてお伺いしたいと思います。  大阪・関西万博まであと三十六日となりまして、まあカウントダウンなんですけど、外交と防衛は車の両輪でありまして、例えば中国との関係も、有事を抑止しつつ建設的で安定的な関係をつくる必要があると。難しい課題があるからこそ、偶発衝突を避けるためにも、対話と意思疎通、極めて大事。なので、私は、クアッド、日米韓、日米フィリピンといった抑止の体制がもうできているわけですから、それを背景に、しっかり中国との外交をやったらいいと思います。総理に期待もしております。  今年は日韓六十周年でもございます。そこで、地元出身として、大阪・関西万博を活用して日中韓首脳会談を大阪開催としてはいかがかと。大阪の方が東京よりもソウルにも北京にも近いんで、この点について、岩屋外務大臣、用意をされるお立場になりますが、この提案についていかが考えられるでしょうか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 松川委員おっしゃるように、大阪・関西万博というのは重要な外交機会になるというふうに思っておりまして、大いにこれを活用していきたいと思っておりますが、御質問の日中韓サミットですけれども、まずは日中韓外相会合をやって、その段取りをしていきたいというふうに思っております。  現時点でサミットの具体的な開催時期や場所は何ら決まっておりませんので、御提案も踏まえて今後しっかり検討させていただきたいと思っております。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ゼロ回答ではないというふうに受け取ろうと思うんですけど、日中韓のパビリオンを首脳が訪問し合って、ミャクミャクと写真を撮るとか、そういう様々カラフルなありようが考えられますので、そうした姿がキャリーされれば、それぞれの国の国民感情の向上にも資しますし、関係の安定にも資するんじゃないかと思います。  これ、首脳会談であるにもかかわらず総理に通告をしていなくて大変申し訳ないんですが、今のアイデアについて、万博活用した首脳会談開催、感想なりともいただけたらと存じます。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) この間、日米首脳会談のときもこの話題が出て、七〇年万博のときに私、中学校二年生だったのです。アメリカ館ってとにかく行ってみたかった。何か、月の石というものがあるらしいということで、暑い中、何時間も待って入って一分だけ見ましたが、ただの石だったことをよく覚えております。  今度は日本館が火星の石というのを出すわけでありますが、やっぱり、トランプさんと話したときに、そうなんだと、アメリカ館人気あったんだみたいな話で、この間もイタリアの大統領が来ていたのですが、やっぱり万博というものに対して外国の首脳もすごく関心がある。  このミャクミャク君なるものは、私は最初見たときにこれは一体何であろうかと思ったのですね。官邸にお越しいただきますと、大きなミャクミャク君がおりまして、必ずしゃべるようになっております。是非お越しをいただければと思いますが、これもなかなか慣れてくると愛着も湧いてくるものでございまして、また、そのイタリアはイタリアで、日本の関西万博に合ったキャラクターを作っているわけですね。やっぱり、そういう万博の機会を通じていろんな首脳会談ができるというのは大変に有り難いことだと思っております。  委員のように万博後にお生まれになった若い世代の方々は七〇年万博御記憶がないと思いますが、あの頃、三波春夫さんの「世界の国からこんにちは」をみんな歌って踊れたということがございました。  今回も、関西万博の機運を盛り上げて、日本国は主催国でございますし、昭和四十五年と違った日本というのを提示する、私はもう最もすばらしい機会だろうと思っております。私ども政府といたしましても、主催国でございますので、委員の皆様方のお知恵、お力もいただきながら、この万博を通じて、新しい日本の姿、世界の姿、そしていろんな国際間の首脳も交流し、一般の人々も交流するという、そういう機会になればいいなと思っておりますので、是非よろしくお願いを申し上げます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  官邸のミャクミャクも改めて行って見たい、会いたいと思いますし、またトランプ大統領にも是非お越しいただきたいなと思います。新しい日本を世界の皆さんに、そして日本の子供たちに見てもらいたいと思うところです。  それで、実は私、結構いい絵を選んで資料三作りました。ここでひとつ、私は非常に、何というのかな、もうここでお願いするしかないと思っていることがございます。  私、地元議員として、あと党本部におきまして推進本部の事務局長でもあるので、何回か視察に行きました。百聞は一見にしかずで、それほど、さほど前評判高くなかったかもしれませんけど、行ったらすごいんですよ、本当に。最後に行ったのは一月末でありまして、大屋根もできていましたし、もちろん、それから全外国パビリオンも着工されて、万博が本当に楽しみになりました。  そこで、大変残念なのが、今のところ、何か大屋根リング、これが半年後の万博後は解体予定らしいということなんですね。いろいろ課題はあると思うんですけど、世界最大の木造建築物です。ギネスブックにも登録したところです。これ、レガシーとして是非全体をそのまま残すよう検討していただきたいんです。是非お願いいたします。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 松川委員には、御地元大阪のお一人として、先ほど申されておったように四十日をいよいよ切りまして、大変これまでも御尽力いただいたことに、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。  また、資料に大屋根のこの写真、すばらしいものを載っけていただきました。おかげさまでギネスにも登録されたということで、盛り上がりが、今の総理の御発言じゃありませんけど、ますます今増している状況だというふうに思います。  この大屋根リングなんですけれども、私から答弁するのは、経済産業省からの補助金で博覧会協会が整備したものといういきさつから私から答弁させていただきますが、この整備されている万博会場は、博覧会協会が大阪市と締結をした市有財産貸借契約書に基づいて、万博閉会後、土地を更地にした上で、土地所有者である大阪市に返還されることとされているところであります。  現在、大阪府・市において、万博跡地となる夢洲第二期区域について、大屋根リングの一部を残置する民間提案を踏まえながらマスタープランの策定に取り組んでいるものと承知をしております。今後、万博跡地の開発に当たって大阪府・市から大屋根リングの残置の要望があれば、博覧会協会や大阪府・市などの関係者間で協議を行いながら、博覧会協会から大阪市へのリングの譲渡し方を決定していくことになると承知をしているところです。お気持ちはよく分かるところでございます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  いや、経緯は分かるんですけど、私は、やっぱり大阪府・市が決めるというのはおかしいと思います。土地は確かに大阪市のものかもしれませんけど、でも、建物は国民の税金を使って造った国のものじゃないですか。国民のものだと私は思います。  残すかどうかについてのこの今おっしゃられた案も、今パブコメにかかっているんですけど、三月二十六日までのパブコメの期限なんですよ。三月二十六日、まだ万博始まっていないです。誰一人国民の皆さんがちゃんと見ていない。だから、私は、少なくとも、国民の財産であるこの大屋根を、ちゃんと実物を国民の皆さんが見て、その上でこの国民の財産を一体どういうふうにしようじゃないかということが決められるべきだと思います。是非、大臣、考え直してください。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) ありがとうございます。  今のマスタープランのバージョン一・〇の策定は三月二十六日なんです。だから開催前、おっしゃるとおりで、その後、計画内容をより具体化した夢洲第二期区域マスタープラン・バージョン二・〇を本年夏頃に策定すると聞いています。  したがって、夏頃に策定されるマスタープランに、万博開幕後の来場者の声を踏まえた、関係者の意向などを踏まえて検討を行われるものと承知をしておるところでありますので、しっかり頑張ります。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 いや、でも、今パブコメ対象になっているのは更地とバームクーヘン案なんですよ、切ったみたいなね、一部。それ、おかしいじゃないですか。更地で考えられるように、経産省として大阪府・市と話をしていただきたい、オープンな形で国民の皆さんにどうしたいかを聞いてもらいたいということをお願いしたいと存じます。  総理にも一言お願いできないでしょうか。万博会場を視察されて、随分、その後聞きましたら熱が盛り上がられたというふうに、万博に対する熱意が、と聞きました。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今、委員と経産大臣のやり取り拝聴いたしました。政府として、よく考え、御指摘を踏まえた上で、可能かどうかよく検討をいたしたいと思っております。  日本は、昭和三十九年に東京オリンピックやって、四十五年に大阪万博やって、四十七年に札幌オリンピックやったわけですね。それはもう日本は高度経済成長だった。そしてそこにおいて、大阪万博に展示された、動く歩道であり、携帯電話であり、そんなものはみんな実現をしたわけでございます。実現していないのは人間洗濯機ぐらいなものでございまして、もう一回それチャレンジ今度することになっておるわけでございますが。  今度は、その命輝く未来デザインということでございますので、あれから半世紀が経過をして、日本はどういうような世界を目指すのか、どういうような日本をつくっていこうとするのかということを発信する、そういう場にしたいと思っております。  何を展示するかはこれからわあっと明らかにいたしますが、火星の石だけではございませんで、いろんなもの、まだ何となく気分が盛り上がらないのは、何が展示されるかよく分からぬということがあるのと、あの頃と違ってタッチパネルを押さないと切符買えないということがあって、高齢者の方って、人のことは言えませんが、コンビニに行って買おうとしたら途中で挫折したという人が結構いるわけです。  これはやっぱり、シニアな方が簡単に買えるよねってことにならないと、買いに行ったらもう難しくて分からへんかったみたいなことになったら、悪い評判はいい評判の十倍のスピードで広がりますので、ここは今、政府全体として、経産省を中心として、本当に簡単に買えるよねと、そういうような、そして、でも、あんなに炎天下何時間も並ぶというようなことはないよねという、これを両立するのは結構大変なことでございますが、政府として日本のあるべき姿を示すために、大阪のみならず政府全体として何とかこれを成功に導きたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  もうチケット、私も、スマホの最後の画面で二回リジェクトされて、ちょっと怒ったというか、課題があるなと思ったところでありますが、本当に力強いお言葉ありがとうございます。  ちょっと時間が大分なくなってきてしまったんですが、次に、主権者教育についてお伺いしたいと思います。  今、世界的にも民主主義の在り方が問われているわけなんですが、具体的に主権者教育に入れていただきたい内容があります。それは模擬選挙であります。  これ何でかというと、フィンランドに数年前に行ったんですよ。フィンランドって、幸福度が世界一高い国なのに、多分八割ぐらいの投票率で、大体、国政選挙投票率高い国というのは紛争があったり大変な国が多いんですけど、何でなんだろうと思ったら、フィンランドでは小学生のときから、実際に使う投票箱が教室にあって、実際に候補者がやってきてお話をして、それを聞いて投票するというのをずっとやっているんですね。そうすると、歯磨きを毎朝するように、十八になったら当然投票に行くということになるということなんですね。  是非、大臣、そういう教育入れていただけないでしょうか。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。  将来を担う若者に対しまして、より良い社会の実現に向けて国家、社会の形成に主体的に参画する力を育むことはまさに重要でございまして、このため、現行の学習指導要領等でおきましては、例えば小学校、中学校の特別活動、これで、学級や学校の生活上の課題を解決する際に、話し合って、また合意形成を図り実践する活動をより重視するなど充実を図ったところでございまして、また、特に中学校の社会科、ここでは、基礎の上に立ちまして、我が国の民主政治の仕組み、また議会制民主主義の意義を扱う中におきまして、公正な世論の形成、選挙などの国民の政治参加の関連を考察し表現するなどの内容の充実を行ったところでございまして。  委員御指摘のとおりでございますが、子供たちが政治的な課題等について丁寧に調べ、自分なりの基準で判断をしながら模擬投票を行うことは、選挙や政治を身近なものに感じ、将来の主体的な投票行動につなげていく上でも大変有意義な取組の一つと認識しておりまして、このため、令和四年に公表いたしました主権者教育指導資料などにおきまして、選挙管理委員会の協力の下に、まずは架空のこの候補者、また選挙公約を生徒が考えて、模擬的に市長選挙を行う中学校の事例、また、町長に質問を行う例えば子供模擬議会に参加する代表を選挙で選んでいる小学校の事例などを周知しているところでございます。  また、今後につきましては、昨年十二月の学習指導要領の改訂におきまして中央教育審議会に諮問したところでございますので、またこの教育課程全体を見据えた形で、専門的かつ総合的な議論の中で主権者教育の推進の在り方についてもしっかりと推進をして、検討してまいります。  以上でございます。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 単に投票率高くなるだけじゃなくて、ちゃんと話を聞いて投票をするという、そういう行動にもつながりますし、政治家という職業を身近に感じる上でも有益じゃないかなと思うところであります。  最後の質問になると思いますけれども、男性の育休のその次の取組として、父親学級のアップデートについて具体的に御提案をさせていただきたいと思います。  私、政治家になる前からずっと、夫婦の家事、育児分担が公平になったら、女性活躍から少子化対策から男性の育児参画の喜び、いろいろいいことがあると。なぜかというと、日本は女性が五・五倍の時間、家事、育児に男性より使っていまして、断トツ世界で長いんですね、ということでありました。  男性育休の取得率はかなりいろんな努力で上がったと思います。私も取り組んできました。で、現状どうなっているか教えてください。

田中佐智子 厚生労働省雇用環境・均等局長

○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。  直近の令和五年度の男性の育児休業の取得率ですが、前年から約一三%増加ということで、過去最高の三〇・一%になってございます。  この背景といたしましては、令和三年に育児・介護休業法を改正をいたしまして、妊娠、出産等の申出をした労働者に対しまして育児休業制度の個別に周知をする、意向確認を義務付けました。また、出産直後に柔軟な形で育児休業を取得できる産後パパ育休も創設をいたしておりまして、こういったようなことの効果があったものと考えております。  また、直近ですが、昨年五月にも育児・介護休業法を改正をいたしました。この令和六年の改正法では、男性の育児休業取得率の公表義務の対象の拡大でございますとか、企業が策定する行動計画に育児休業の取得状況に関する数値目標の設定を義務付ける、こういったようなことを盛り込んでおるところでございます。  改正法の周知徹底を通じまして、男女が共に希望に応じて仕事と育児を両立できる職場環境の整備に努めてまいります。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 もう私も立ち上げた議連の提言を基に改正いただいたので、本当にその点も有り難いと思っています。  ベストの、世界ベストの育休制度なんですけど、パパごろごろ休暇問題が次の課題なんですが、これ解決するためには、親性脳、親の性能の脳が大事なんですね。大臣、親性脳を聞いたことおありでしょうか。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) オヤセイノウというんですか、シンセイノウというんですか。親性脳、私は存じ上げなかったです。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 大臣が知らないとおっしゃられたので、ますますこれを広めなきゃと思ったところです。  これは親の性質の脳で、京都大学の明和政子先生の御研究によるものなんですけど、例えば、赤ちゃんがぎゃあと泣くと、母親って割と本能的にはっと駆け付けるじゃないですか。ところがですよ、パパが横でスマホじっと見ていて、横で赤ちゃんぎゃん泣きしているのに放っているという、そういう不幸な光景が間々見られると思うんですね。これは、そのパパが悪いんじゃなくて、親性脳ができていないんですよ。  親性脳をつくるためには座学では駄目で、これは、このニューロンというんですか、これをつくっていくためには、赤ちゃんを実際にだっこしたり、幼児にこうしたりしないとできないんだそうです。だから、父親学級でプラスチックの赤ちゃんで沐浴をさせても意味が余りなくて、親性脳の観点からは、是非父親学級に、自治体やっていると思いますけど、そこに赤ちゃんと触れ合う機会、幼児と触れ合うそういうプログラムを入れていただきたいんですが、いかがでしょうか。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 委員御指摘で初めて知りましたけれども、勉強させていただきます。  この御指摘のような、男性が育休を取得したとしても十分に子育てに関わっていないということにならないように、我が子を父親と母親が助け合って協力し合って育てていくという意識、これは産前産後間もない時期から父親もしっかりと学んでいただきたいと思います。  このため、父親が積極的に育児を行うように、地域の実情に応じた父親学級等の様々なプログラムの実施について交付税措置を講じているほか、父親に特化した支援として、子育て経験者や子育て中の父親の交流会等の開催を支援しております。  今委員御指摘の御提案、幼児と触れ合う機会の重要性、このことについては、父親支援に関する研究というのを今行っております。その中で、父親支援のマニュアル等にその旨を記載するよう検討してまいります。

松川るい 自由民主党

○松川るい君 大臣、ありがとうございました。  時間になったので終わりますが、オーストラリアでは州レベルでプログラムとしてやっています。是非よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で松川るい君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、杉尾秀哉君の質疑を行います。杉尾秀哉君。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 立憲民主・社民・無所属の杉尾秀哉でございます。  総理、冒頭、通告していないんですが、たった今、ニュース速報が入りました。高額療養費制度負担上限額、今年八月の引上げ見送りへ、これ事実ですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 当委員会で患者団体の方々の御意見を承るということを申し上げました。そういうことをきちんとやった上で判断をいたします。今の時点でそのようなことが決まっておるものではございません。きちんと患者団体の方々のお話も承りました上で、政府として判断をいたしてまいります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 これ、もう報道で出ているんですよ。長々NHKも放送していまして、時事通信も速報を出しているんですけれども、これはもう基本的に方向性として決めたということでよろしいですね。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これは、今の時点でそういうことが確定はいたしておりません。多くの方の御意見、また今日に至りますまでの審議の過程、そしてこのような見直しが持っておった意義等々、これから先のいろいろな展開というものを視野に入れながら決まるものでございまして、今の時点でそのような方向性を決めたという事実はございません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 患者さんに会ってから、患者団体に会ってからというお話されましたけど、今晩会われるんですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今この時点で今晩ということが決まっておるわけではございません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 それでは、いつ決めるんですか。早く決めてください。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは早く決めなければいけませんが、今この時点で、今委員からの質問を承っておりますこの参議院の予算審議の最中でございますので、私、ここから抜けて日程の調整をするわけにはまいりません。必要な手続、きちんと経た上で決めてまいります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 決めてまいりますと今おっしゃったんで、全面凍結、一旦見直す、ゼロベースですということでいいんですね。決めたんだったら言ってください。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 先ほど来申し上げておりますように、患者団体の方々の御意見、そしてまた、このことは保険者の方々の御意見もきちんと決めなければこうだということを決めることはできませんので、そういうことがまだ行われておりません時点で確定的なことは申し上げられません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 昨日、あれだけ何度も何度も聞かれて、もうおとといもそうですけれども、かたくなに、制度を守るためだったらということをずっとおっしゃっていたんですけれども、ここに来て急にこういうふうに変わっている。昨日も、自民党の佐藤委員、それから谷合委員ですか、公明党、政府・与党の中で、もう見直すしかない、今度の参議院選挙戦えない、こういう声が湧いてきたから見直さざるを得ないと、こういうことじゃないですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、与党の中のいろんな御意見というものは当然尊重し傾聴をしていかなければならないものだと思っておりますし、野党の皆様方の御指摘というものも踏まえながら、政府としてよく判断をしていかねばならないということでございます。  選挙目当てでということでこのようなことを決めると、そういうことではないと思っております。この制度が目指そうとしているもの、しかしながら、そこに至るまでのプロセス、そして国民の皆様方の御理解、そういうものを総合的に、というのはいいかげんにという意味ではございませんで、全ての面でのいろんな要素を考慮して決めるものでございます。選挙目当てとかそういうことではございません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 いずれにしても、方向性としてはもう凍結、一旦見直しということでいいんだと理解をしました。  それでは、通告に沿って質問をしてまいります。  先ほど、冒頭ですね、自民党の石井委員からも質問ありました人口減少問題なんですけれども、ちょっともう先ほど出てしまったので、私も一回念のために押さえておきたいんですが、このままの出生ペースでいくと、今世紀末、二一〇〇年頃って、日本の人口どうなっているんですか。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) こども家庭庁中村英正長官官房長。(発言する者あり)今、手が挙がりましたので。後でやらせていただきます。

中村英正 こども家庭庁長官官房長

○政府参考人(中村英正君) お答えいたします。  このまま進んでいきますと、百年後、半分程度になるというふうに考えております。(発言する者あり)はい、半分程度と。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) はっきり答えなさい。

中村英正 こども家庭庁長官官房長

○政府参考人(中村英正君) はい。  六千万程度でございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 いや、そんなことないと思いますよ。配りましたけど、資料、これで六千万人というのは中位推計でしょう。出生率一・四四でいって五千九百万人ですよ。低位推計ですよ。今、出生率一・二〇でしょう。出生率一・二五だったら四千九百万じゃないですか。  総理、どうなんですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、どの推計を用いるかによります。  先ほど石井委員にお答えをいたしましたのは、私が十年前に地方創生大臣をしておりましたときの数字を申し上げました。十年前のお話ですが、西暦二一〇〇年には五千三百万人になると当時は推計をされておったところでございますが、人口減少のスピードは現在それよりもはるかに速まっておるという認識を持っております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 安倍政権の地方創生というのは、人口減少の克服、人口減少社会の克服、テーマだったんですけれども、逆に少子化が加速しているんですよ。  これ、先ほども話出ましたけれども、総理は、最初にこの地方創生担当大臣をされている、当時の担当大臣として責任を感じているというふうにもおっしゃっていました。どう責任を感じて、何が間違っていたんですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、人口減少には様々な要因があるということを石井委員にもお答えをしたところでございます。  それは、日本の場合に、もちろん婚外子の方もおられるわけでございますが、大宗はそうではない、婚姻をして出生ということでございますが、その婚姻数自体が激減をしておるということ。そして、されたとしても初婚年齢がどんどん上がっておりますので、二人目、三人目ということになかなかならない。そして、出生率が最も低い東京に人が集まる等々、いろんな原因がございます。それにコロナが重なりまして、そういうような要因が更にその度合いを増したということだと思っております。  そのほかにも、出生率が下がる、人口減少するということがございますが、少子化少子化と申しますが、私は、事の本質は、余りはやり言葉にはなりませんが、母が少ないと書きます少母化ということ、これが事の本質ではないかというふうに思っております。  どうして女性の方々がどんどんどんどん東京に集まっていかれるか。逆を申し上げれば、若い女性の方あるいは若い方々に選んでいただける地方というものを実現をしていかねばならないということだと思っております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 いや、地方創生一・〇が失敗したんですよ、少子化対策という意味では。  で、地方創生二・〇を掲げていらっしゃるけれども、この施政方針演説見ても、地方創生一・〇と何も変わりがないじゃないですか。目新しいものがどこにあるんですか。しかも、この施政方針演説の中に少子化対策という言葉はたった一回しか出てきていない、一行しか出てきていない。そんな程度の認識なんですか。いかがですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、委員の御評価はそういうことだということは承りました。  私は、この十年間、人口減少が日本の最大の問題だということはどこの場所でも申し上げてまいりました。これが日本の最大課題、唯一とは申しませんが、これが最大の課題であるということは常に申し上げてきたところでございますし、そこは、講演でもそうです、著作でもそうでございます、そういう強い問題意識を持っておることには何ら変わりはございません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 そういう問題意識を持っていらっしゃるんだったら、施政方針演説にもっとちゃんと書かなきゃ駄目でしょう。  そもそも、岸田政権の異次元の少子化対策、あれはどうなったんですか。もうお金だけ付けたら終わりですか。何にも、そのことについてもどこにも触れていないじゃないですか。どういうことなんですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 異次元の少子化対策というものを岸田政権で随分と実行いたしてまいりました。にもかかわらず少子化が止まらないということでございますから、それぞれの地域地域、先ほど石井委員が岡山県の奈義町とか鏡野町と、そういう例をお示しになりました。地域地域において出生率が上がっている、人口減少に歯止めが掛かっているところはございます。これは十年前も申し上げたことでございますが、例えば鹿児島県の伊仙町というところは人口が減少に歯止めが掛かっている。それを地域地域において実行するということが私は大事ではないかというふうに考えております。  国として、少子化対策、少母化対策というのを目いっぱいやってまいりますが、地域地域において何が一番有効かということはその地域において御判断をいただくものでございます。それに対して国が、財政面であり、そしてまた人的支援であり、データの支援であり、そういうことを行っていくものでございまして、そういうような地方創生が最初に目指しましたものをもう一度やっていくということでありますから、何ら変わりがないじゃないかとおっしゃいますけれども、地方創生一・〇で目指したもの、その基本的な方向性は私は何ら間違っていると思っておりません。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 結果が出ていないんです。  そして、先ほど言いました、冒頭に言いました高額医療費、療養費の問題ですよね。この中に不妊治療が含まれているんですね。菅政権の少子化対策の目玉政策でしょう、この不妊治療というの。それを、上限額を引き上げて使いにくくさせようとしている。でたらめじゃないですか、やっていることが。このままだと千七百四十自治体、これもたないですよ。  今日、村上大臣にも来ていただいておりますけれども、村上大臣は、この長期的な課題として、全国四百の市で済むと、県はもうなくなるということを言いました。一つの問題提起だと思うんですけど、真意を御説明ください。

村上誠一郎 総務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(村上誠一郎君) お答えします。  この問題意識の根底には、次の世代のために今は何をなすべきかという意識がありました。  それで実は、つい最近ですね、名古屋の市営バスの運転手さんが二〇二四年問題で集まらなかったと、そういうトラブルがありました。私自身の問題意識は五、六十年先の話でありますけれども、今の千七百の市町村が、この人口が半分以下に減ったときに今のシステムが果たして維持できるかどうかと、それを今から考えていかなければ間に合わないんじゃないかなということで、問題意識ということで、私の個人的見解ということで申し上げた次第です。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 私も分かります。全面的に賛同はしないけれども、問題意識は分かります。  こういう縮小社会のプランというのを今から考え始めないと、もう間に合わない時期になってきている。だって、明治時代に戻るんですよ、下手したら江戸時代に戻るんですよ、この日本が。  総理、どうお考えですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 人口はしばらく減少いたします。それに見合った国土の在り方というのを考えていかねばならぬのであって、江戸時代に戻るかどうかは別として、人口減少というものを前提とした社会設計、国土づくりを考えていかねばならないというのは御指摘のとおりでございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 残念ですね。もっと本当に真正面から取り組まないと、本当にこの国、もう間に合わないですよ。  そして、この令和版の日本列島改造もそうなんですけれども、あと、楽しい日本。楽しい日本、これ何ですか、これ。楽しいなんというこういう抽象的な言葉でこれからの日本を語ることが本当にできるんですか。  そして、地方創生の交付金、二千億円付けたんでしょう。これから下手したら何億円かつぎ込むんでしょう。地方創生一・〇と同じことになるんじゃないですか。どうやってこれ政策効果測るんですか。お答えください。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 必要であれば担当大臣からお答えを申し上げますが、これは別に受け売りをするつもりはありませんが、四十五年大阪万博に参画された堺屋太一さんが亡くなる直前に書いておられた「三度目の日本」という本、あるいは委員もお読みになったのかもしれませんが、ひたすら強い日本を目指してきた。そして、今年は戦後八十年ということでありますが、豊かな日本というのを目指してきた。  強い日本も豊かな日本もそれなりに実現をしたのだけれども、この令和の時代にあって、国家主導の強い日本、経済界主導の豊かな日本、これから先、地方からどうして人がいなくなるんだろうかということを考えたときに、それは、それなりに豊かな地方というのはございます、先ほど国土交通省国土政策局のデータを御紹介したとおりでございます。ではあるが、何で人がそこに定住しない、あるいは出ていくのかということを考えたときに、そこにかつてのようなにぎわいとか楽しさとか、そういうものが失われているのではないだろうかということでございます。  楽しい日本って何なんだというふうにやゆをされる、あるいは批判をされる方々もありますが、そこにおいて自己実現が図られる、そして、お互いが悪口ばっかり言っているのではなくて、いかにしてお互いを助け合っていくかということ、そして、自分の存在というものがきちんと承認をされ、そこにおいてにぎわいがあるという、それが私は楽しさの本質であって、面白おかしいということを申し上げておるのではございません。そこにおいてそれぞれが自己実現を図ることができる、それが私は楽しさの本質だと思っております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 政策になっていませんね。それは政策じゃありません。  そして、総理がいつもおっしゃっている、今日よりあしたが良くなると。実際に国民どう考えているのか、内閣府の調査、資料三です。  今日よりあしたが悪くなるという人が良くなるという人の四倍以上いる。特にここに来て、若い世代の悪くなるという方が良くなるよりも逆転をしていて、どんどん増えているんです。  どうしてこんなことになっているんですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) ですから、どうやってこの社会を維持していくか。例えば年金でもそうです、賦課方式というのを取っております。若い方がたくさんおられて受け取られる方が少ないときはそれなりに成り立っていく。若い方が少なくなり受け取られる方が増えていく。じゃ、そうするとこの社会保障制度というのは持続していくのだろうかということであります。そういうふうにして、日本の社会保障制度というものが、この人口構成を見てみると本当にこれがつながっていくんだろうかみたいな、そういう御不安というものを若い世代ほどお持ちになるということだと思っています。  そうすると、かつて持続可能であった社会保障の制度を、どうやって、誰の負担によって持続可能なものにしていくかということを一つ一つお示しをしていかなければならぬのであって、若い人たちが不安を感じている、どういうことなんだという御指摘でございますが、その不安を感じないように、どのようにして社会を変えていくかということ。そして、コストカット型の経済であった。雇用は維持をするが給料は上がらない、下請の関係は維持をするがなかなかお金が払われない、そして新しい製品、新しいサービスというものを開発する設備投資が行われない、よってGDPが増えないというのがずっと続いてきたわけで、それを付加価値創出型の経済に変えていく。  そういうように批判をするということももちろん社会には必要です。これをどう変えていくかという提案を私どもとして国民の皆様方にしておるところであって、それでは付加価値創出型の経済とはどういうふうに実現をするのか、持続可能な社会保障制度をどのようにして実現していくのかということを御議論いただき、それをまた受けて、私どもとして適切な政策決定を行ってまいりたいと思っております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 僕は分析が全然違うと思いますよ。  やっぱり負担がどんどん増えているんですよ、生活が厳しくなっているんですよ、エンゲル係数は四十年前に戻っているんですよ、先進国の中で最低なんですよ、貧しい日本になっているんですよ。それが、それが今日よりあしたは良くなるというふうに思えない最大の原因だと思います。  そこで、ガソリン燃料、光熱費などの生活費の高騰なんですけれども、その折に、私、長野県ですが、地元が、信濃毎日新聞、地元紙です、先月こんなスクープの記事が出ました。資料の四ですけれども、長野市内のガソリンスタンド間で価格調整をしている疑いがあるというものです。具体的金額を示して値上げ、値下げを指示する音声データ、これがありまして、信濃毎日新聞は入手をしている。そして、その後も次々と信濃毎日新聞はスクープを出しています。しかもこれ、長野市内で最初スタートだったんですけれども、県内各所に広がり始めています。  そこで、経産大臣に伺いますけれども、この報道を承知していますか、またどういうふうに経産省としては受け止めていますか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 二月五日だったと思いますけど、信濃毎日さんの報道です。燃料油価格のこのガソリン等の小売価格の抑制を図っている中で、仮に今回のようなことが事実であったらとんでもない話だと、正直それが私の第一印象でありました。  一般論として申し上げれば、独禁法違反に問われるような事案であれば、これは公正取引委員会において厳正に対処されるものと認識をしているところです。仮に、経済産業省において独禁法違反と疑われるような情報、これが我々の方に接した場合は、公正取引委員会に提供し、厳正な対処を求めていくというのが今のルールであります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 今、独禁法の話ありました。公正取引委員会、先月十八日に長野県の石油商業組合に立入検査に入っているということであります。  どんな疑いなのか、実際にどのような調査を行っているのか、また調査結果が出るのはいつ頃か、教えてください。

大胡勝 公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(大胡勝君) お答え申し上げます。  御指摘の事案につきましては、独占禁止法が禁止する不当な取引制限などに該当する行為が行われている疑いで調査を実施していることは事実でございますけれども、現在審査中の事案であることでございますから、調査の内容や今後の見通しについてはお答えを差し控えさせていただきたいと考えております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 独禁法の三条は事業者間でのものです。八条は組合、組織ぐるみです。組合の連絡網で価格の伝達をしているということなんですけれども、これ八条の組織的関与の疑いがあるのではないですか。どうですか。

大胡勝 公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(大胡勝君) お答え申し上げます。  先ほど私の方で不当な取引制限などの疑いと述べましたけれども、委員御指摘のとおり、事業者団体の禁止行為、禁止に違反する行為が行われている可能性もございますので、その点も踏まえて調査を実施しているところでございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 確認しますけれども、じゃ、八条違反、組織的な行為だったという疑いがあるということですね。そういう認識を持っているということですね。どうですか。

大胡勝 公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(大胡勝君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、独禁法の不当な取引制限及び事業者団体の禁止行為、要するに八条も含めて疑いということで調査を実施しているところでございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 もう一つ伺いますけれども、こうしたガソリン価格でのカルテルの疑いというのは、これまで公取で摘発したことがあるんでしょうか。違反が確認された場合はどういう対応になるんでしょうか。

大胡勝 公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(大胡勝君) 過去にも、平成の初めの方とか、そういう事案のときには、このような組合に対してカルテル等を行った場合において排除措置命令を打った場合がございます。要するに、独占禁止法の違反行為が認められた場合にはそれを排除するための排除措置命令、また、必要な売上げ等がある場合には課徴金納付命令などが出る場合がございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 過去に排除措置命令を取ったことがある、課徴金の可能性もあるということですね。  この価格調整は実はこの組合加盟のスタンド以外でも行われていた疑いがありまして、その一つがJAグループ、農協なんですけれども、このスタンドです。JAグループを所管する農水省にも来てもらっていると思いますけれども、どういう対応をしているのか、また実際に違反が確認された場合はどうなるのか、これ答えてください。

杉中淳 農林水産省経営局長

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  報道を受けまして、農林水産省としても全農から報告を受けたところであります。その結果、長野県内JAのガソリンスタンドにおいて、県石油商業組合からの連絡をもって価格を調整していることはないというふうに聞いております。  農水省としては、引き続き、石油商業組合に対する公正取引委員会の調査を注視するとともに、長野県庁や全農長野県本部などから情報収集を行っていきたいと考えております。  また、仮に今後公正取引委員会の調査によって独禁法に違反する行為が認められた場合には、農水省としても、公正取引委員会、長野県庁とも連携し、農協法に基づく報告徴求等の措置を行っていきたいと考えております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 問題は、これ長野県だけなんだろうかと。都道府県ごとのガソリンの卸価格と小売価格を調べました。これも信濃新聞の記事ですけれども、資料五の上段ですね、これ相当ばらつきがあるんです。そして、価格差が最も大きかったのがその赤丸の長野県で四十四・八円、一方、最も小さいのが岩手県で二十七・四円ということで、十七円、十八円ぐらい差があるんですね。資料五の下、御覧ください。また、長野県を含む御覧の五つの県で四十円以上の価格差があったんですよね。  そこで、経産大臣に伺いますけれども、なぜ都道府県でこれだけ価格差が違うんでしょうか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) ガソリンの小売価格の地域差なんですけれども、これは製油所からの輸送コスト、まず一つあります。それから、一店舗当たりの販売量、そして小売間の競争状況等の要因等により生じているものと考えているところです。  例えば、一般論になりますけれども、製油所などからの距離が遠くて一度に運ぶ規模がちっちゃい、また小売価格は割高になるという、そういう傾向が見受けられるところだと思います。また、一店舗当たりの販売量が小さい場合はスケールメリットが働かず、リッター当たりの調達コストが、調達コストやあるいは人件費などの販売コストが高くなるゆえ小売価格が高くなる傾向があるということだと思います。またさらに、一方で、大規模なガソリンスタンドなど価格競争力のある店舗の存在というものも地域の小売価格に影響しているところだと、影響しているものと考えられます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 今経産大臣はその輸送コストということをおっしゃったんですけれども、実はこの卸の価格に輸送コストが入っているんですね。で、それで卸して、小売が消費税を乗せてマージンを取って、それで小売の価格になっているんですけれども。  私もずうっと、長野県に来て、何でこんなにガソリンが高いんだろう。それでいろんな人の話を聞くと、長野は海なし県で海から遠いから、鉄道で運んでこなきゃいけないから、それで二つターミナルがあって、そこからまたローリーで運ぶんですけれども、ただ、そういう輸送コストはもう入っているんですよ。だから、輸送コストというのは、実際はこの大きな問題じゃない。  それから、長野県がやっぱり中山間地の小さなスタンドが多いので、その維持費も掛かるというんですが、だけど、中山間が多いのは、スタンドが多いのは長野県だけじゃありません。それは、さっき言った岩手県もそうだし、高知県だって、ここ海あり県ですけれども中山間が多いし、鳥取もそうです、総理の、それから大分もそうですけれども。それだけじゃないんじゃないか。  そこで浮かぶのが、やっぱり小売間の調整があったんじゃないか、カルテル疑惑ということなんですが、長野県以外にも同じような県があります、さっき言いましたこの例えば五県。これ、ほかでもカルテルやっているんじゃないですか。経産大臣、どう思いますか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 他県でもやっているんじゃないかということですけれども、本当にそういう情報があれば公取で、取引委員会に情報を提供するという形になりますが、杉尾委員お尋ねですので。  今、現状我々がやっているところ、経産省は何やっているんだということになりますと、報道直後の二月六日付けですけれども、全国の石油組合などの関係者に対して、独禁法違反と疑われるような行為をしないよう、法令遵守体制の確認、強化を図ることを要請したところです。また、これまでも実施している小売価格モニタリング調査を実施をしながら、強化をしながら、ガソリンスタンドに対して個別に注意喚起も実施しております。  さらにまた、まあ加えてですけれども、また情報があれば公取に、またしっかり連携をしながら、各地に法令遵守徹底に向けた周知を行っているというのが現在の取引であります、取引状況であります、取組状況であります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 その公取に通報するということなんですが、やっぱり時間掛かるんですよね。これ経産大臣、もう一度全国調査ちゃんとしっかりやってもらえませんか、ここで約束してもらえませんか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 済みません。  全国調査についてですけれども、まず今、全国の石油組合などの関係者に法令遵守を、体制を確認、強化を図ることを今申し上げましたように要請をしているところであります。その後の取組状況についてはフォローアップをしたいと考えております。  引き続き、業界の取組状況を注視しながら適切に対応してまいりたいと思っております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 ここは厳正に対処をしていただきたい。  それから、ちなみに、この組合からは自民党の支部に選挙の陣中見舞いなどの名目で献金が行われています。また、全国レベルの石油連盟ではパーティー券の購入も多額に行われています。  そもそも、ガソリンの、これ地元の声として出ているんですけれども、ガソリンの暫定税率、二重課税自身に物すごくやっぱり大きい批判があるんですよ。さっきから生活苦の話ありましたけれども、この委員会でも何度も出ていますが、地方は本当に、このガソリン代、燃料代が高かったら、それだけで生活が一気に苦しくなる。やっぱり元売への補助は駄目で、こういうふうに小売で調整をしているケースもあるわけだから、やっぱりストレートに下げるには暫定税率を下げるしかないと思いますけれども、暫定税率下げてください、今。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) ガソリンのいわゆる暫定税率でありますけれども、受益者負担、原因者負担の考え方を踏まえたインフラ整備、維持管理等の負担の在り方、また、国、地方合わせて約一・五兆円の恒久的な税収減に対応するための安定的な財源の確保、さらには、現在の税収を前提に来年度の予算編成や議会審議を行っている各自治体への影響などの諸課題を解決する必要があります。  また、令和七年度予算の、七年度与党税制改正大綱では、受益者負担、原因者負担といった課税の考え方などを踏まえて、受益と負担の対応関係を分かりやすく説明していくといった考え方を踏まえつつ、中長期的な視点から、車体課税、燃料課税含めて総合的に検討し、見直しを行うとの方針も示されていることでもあります。  今後も、昨年十二月の幹事長間合意に基づいて、諸課題、今申し上げた解決策や具体的な実施方法について引き続き政党間で協議することになっており、また、御党からも財源に係る様々な御指摘もいただいておりますが、こうした点も、点で、安定的な財源となり得るかといったところも踏まえながら、しっかり我々としては対応していかなきゃならないというふうに考えております。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 いずれにしても、今すぐにやっぱりガソリン税暫定税率、やっぱりやめなきゃ駄目です。  そしてこれ、午前中の最後の質問にしますけれども、やっぱりスタンドの側にも事情、言い分があって、やっぱり過疎の市町村には必要な社会インフラなんですよね、こういうガソリンスタンドというのは。そうしたところに何らかの財政支援があってしかるべきじゃないかと思いますけれども、これ担当大臣でいいですかね。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) ちょっと済みません、ごめんなさい、済みません、失礼しました。ごめんなさい、失礼しました。  このSSの、地方を含めた、過疎を含めての対策でありますけれども、まさに委員、長野県、私も岐阜県ですので、同じ問題意識は共有しているところです。  まさにこのSSをどう維持していく、いわゆるローカルネットワークの一つとしてこれは大変大事だと思っているところで、我が省としても、そのネットワークの維持強化を図るべく、経営の多角化、あるいは災害対応能力の強化に向けた設備導入など、ガソリンスタンドへの直接的な支援を実施してきているところであります。  今御審議いただいている令和七年度の当初予算でも、ガソリンスタンドの数が少ない自治体が地域の状況に応じて安定供給体制を構築するための事業を盛り込んでいるところでもあります。  こうした取組を通じて、ガソリンスタンドのネットワークを維持しながら燃料の安定供給に万全を期していかなくてはいけないんだろうと、そういう思いでおりますので、よろしくお願いいたします。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 じゃ、午前中ここまでにします。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      ─────・─────    午後一時開会

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  令和七年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。杉尾秀哉君。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 午後は、政治と金の問題を扱います。  国民が物価高にあえぐ一方で、一部の政治家がせっせと金を集めて、中には裏金ということで、本当に政治不信が爆発する理由というのはよく分かります。  で、実際に地方でどういうことが行われているのか、去年の臨時国会で取り上げました伊東地方創生担当大臣の政治資金を調べてみました。  資料八、御覧ください。  選挙のあった二〇二一年、伊東大臣の自民党北海道第七選挙区支部には実に八千万円近い企業・団体献金がありました。  伊東大臣に伺いますけれども、献金をする企業にはどういう業種が多いんでしょうか。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) お答えいたします。  私が代表を務めておりました自由民主党北海道第七選挙区支部の令和三年の政治資金収支報告書におきまして、法人その他の団体からの寄附として記載されております額は五千四百三十一万四千円であります。政治団体からの寄附として記載されている額は千七百七十七万円であります。  当該寄附につきましては、長年にわたりまして、特定の業者からというよりは、応援を長年いただいている様々な業種の皆様からいただいているところであり、一概にお答えするのは難しいところであります。  いずれにいたしましても、支部の政治資金につきましては、法令に従い適正に正しく処理し、その収支を報告しているところであります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 まあ企業だけでも百六十四社、半分近くが建設・土木関係なんですね。これ、ほかの自民党の議員もこういう方が多いみたいですけれども。  前回、伊東大臣、それから石破総理もおっしゃっていました。善意の寄附、それから美談のように語っておられましたけれども、本当に実態はどうなんだろうか。で、伊東大臣の地元の方からこういう話を伺いました。献金をしないと仕事が来ないとか、秘書が勝手にパー券を置いていくので払わざるを得ないと、こういうふうな話が釧路の方から来ました。  ちなみに、北海道開発局釧路開発建設部内で公共工事を落札した企業のうち、大臣関係、第七支部ですね、あるいはほかの自民党支部に献金している業者は何%ぐらいあるか分かりますか。昨日通告したんですけど、いかがでしょう。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) お尋ねの割合につきましては、対象とする公共工事の規模、種別等の詳細な前提条件が不明であり、件数も相当あるのではないかと、こう思うわけでありますので一概にお答えすることは難しいと、このように私自身思っております。  いずれにいたしましても、支部の政治資金につきましては、法令に従い適正に処理し、その収支を報告をいたしているところであります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 まあちょっと計算するのは時間掛かると思いますが、相当あるのではないかというふうに今おっしゃいましたけれども、我々の方で集計をしてみました。  資料九です。  選挙の年ですね、二〇二一年は、大臣の支部は六二%、そのほかの自民党支部を含めると、実に公共工事を落札している企業の六割から七割がこうやって献金しているわけですよ、自民党に。で、公共工事の元手というのは元々税金です。その金の一部が政治資金として政治家の懐に入るわけです。企業献金を媒介した事実上の資金還流システムができ上がっているというふうにしか言えません。  特に、経済が厳しい地方になればなるほど公共工事に頼りがちであります。これは私の地元の長野県も、県の境、県境になればなるほど、やっぱり非常に経済厳しく、過疎化が進んで、公共工事に頼らざるを得ないと、こういうところも多いです。それが、だけど実は利権の温床になっている。そして、これが自民党による地方の政治支配の私は実態だというふうに思っています。伊東大臣は地方創生担当されておりますけれども、これで本当に地方が創生するんだろうか、再生するんだろうか。  一方、伊東大臣の支部からは多額の交付金が支出されております。何枚かあるうちの一ページだけコピーをしましたけれども、資料十。弟子屈とか阿寒とかですね、これ全部地名ですけれども、この自民党の支部の代表はどういう人なんでしょうか。大臣、お答えください。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) 先生ならお分かりになると思いますけれども、それぞれの地域支部というのがありまして、自民党のこれ町村に一つずつ設けられている支部であります。その支部に、第七区という私の選挙区から、選挙区支部からこの活動費が定額で渡されているということでありまして、支部活動費、あくまでも政党の活動費であるということであります。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 そんなこと聞いていません。支部の代表はどういう人かと聞いてる。

伊東良孝 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(伊東良孝君) 支部の代表は、酪農家であったり、お菓子屋さんであったり、自動車屋さんであったり、少なくとも公共事業に絡んでいる人はほんの一割か二割でないかと思います。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 支部の代表は県議さんとか市町村議さんでしょう、多くは。あとJAの関係の方もいましたけど。全部調べましたよ。これが実態じゃないですか。中には三百万ぐらいの交付金も払われているんですよ。  政党交付金が入る、こういう企業・団体献金が入る、本部にも入るけれども支部にも入る。さらに、そこでパーティー券の収入がある。これを元手に多くの秘書を雇って、地方議員をこうやって、言葉は悪いけれども、手懐けているわけですよ。これが選挙で当選するためのシステムなんですよ。だから企業・団体献金がやめられないんですよ。  自民党の献金、これ独占しているわけですよ。我々がこんなことできませんよ。我々野党にはそんな献金は来ません。ずうっと長年与党だったから自民党に来るんでしょう。同じ土俵で戦えないんだから。私もね、選挙に出たときに最初こう言われましたよ。杉尾を勝たしたら中部横断道はできないと言われましたよ、補正予算は長野県に来ないと言われましたよ。こういうことを自民党の議員はどこでもやっているんじゃないかという疑いがあるということです。  そして、資料十一、見てください。  政治と金の問題。九四年、九九年と政治資金規正法改正されましたけれども、九九年の改正では、九四年の政治家個人に続いて資金管理団体、企業・団体献金が禁止になりました。しかし、政党支部が受取が容認されて、それが残ってこういうふうに地方議員単位まで細分化されたんです。  この支部の企業・団体献金、少なくとも、総理、これやめませんか、どうですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これはいろんな御意見があるんだろうと思っておりますが、私どもとして、献金がなければ公共事業を持ってこないとか、そのような判断はいたしておりません。(発言する者あり)いやいや、その地域において本当に必要な事業というものを、地域の声に従って適切なプロセスを経て予算というものは付くものであって、自民党が献金をもらっているから公共事業が付くという、そういうようなことはございません。それははっきり申し上げておきます。  それは、長野においてそういうことをおっしゃっておられる方があるということと、それが事実であるということは全く違う問題でございます。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 私は事実を申し述べております。  最後に聞きます、今日はNHKの会長に来ていただいているので、時間がないんですが。  拉致問題の、北朝鮮向けのラジオ放送「しおかぜ」なんですけれども、「しおかぜ」のこれ茨城の施設から放送されているんですが、ここの施設、NHKが借り上げているんですね、KDDIから。この「しおかぜ」の使用料が二百六十八万円から四百五十万円に引き上げられる、何とかしてくれと言われているんですが、引上げの根拠を示してください。それから、面会を希望していますけれども、会っていただけませんか、特定失踪者問題調査会と。

稲葉延雄 日本放送協会会長

○参考人(稲葉延雄君) 「しおかぜ」の件についてお答えいたします。  「しおかぜ」の送信につきましては、特定失踪者問題調査会、それと施設を保有しておりますKDDI、利用しておりますNHK、この三者で協議を行いましてしっかり対応しているというのが現状でございます。  そこで、お尋ねのその「しおかぜ」の送信費用に関することでございますが、これ、KDDIの八俣送信所から送信されるわけですが、設備を所有します、そして運用しておりますKDDIが算出、請求するものでございまして、NHKとしては、その金額云々するそういう立場ではございませんので、ちょっと御答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。

杉尾秀哉 立憲民主・社民・無所属

○杉尾秀哉君 時間になりましたので。よく話してください。よろしくお願いいたします。  以上にします。どうもありがとうございます。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で杉尾秀哉君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、古賀千景君の質疑を行います。古賀千景君。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 立憲民主・社民・無所属の古賀千景です。今日はどうぞよろしくお願いいたします。  冒頭、三原大臣に質問させていただきます。  こども家庭庁の来年度予算概算要求の概要の中の一文です。五歳児健診のところに「発達障害など心身の異常の早期発見」という言葉があります。「など」、「発達障害など」のこの「など」は、ほかにどのようなものが含まれているか教えてください。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 御指摘の記載は、こども家庭庁におきまして令和六年度補正予算に計上した五歳児健康診査に係る補助金の説明資料の記載と承知をしております。  五歳児健診につきましては、五歳頃は社会性が身に付き、発達障害等が認知されやすい時期であること等から、健診により発達障害等の疑いのある幼児を把握し、就学前までに地域で医療、保健、福祉、教育の適切な支援につなげることを趣旨とするものでございます。  御指摘の「発達障害など」という部分については、身体の発育状況、精神の発達状況等に関する様々なことが含まれるものでございます。すなわち、「など」と記載しているのは、自閉症スペクトラム、注意欠如多動性障害といった発達障害のほかにも、発達障害に併発しやすいとされております構音障害や不安障害等、発達障害との診断には至らないが発達特性がある場合、そしてさらには肥満や痩せなど身体的な発育上の問題など、幅広く子供の抱える問題を把握して支援につなげることを表現したものでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございます。  では、発達障害を含めて、今お答えになったものは心身の異常ですか。異常と言っていいものなのかどうか、御見解をお願いします。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 乳幼児健診は、子供の心身の状態を医学的な診察に基づき確認し、疾患や障害の早期発見、治療、そして必要な支援につなげるための重要な取組でありまして、委員御指摘の健診内容を説明する部分における異常という言葉につきましては、医療分野で平均的な数値と一定の乖離がある場合などに用いられるものと承知をしております。  よろしいですか、これで。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 日本政府に対して、二二年、国連の障害者権利委員会より、障害者、特に知的障害者及び精神障害者を代表とする団体との緊密な協議の確保等を通じ、全ての障害者がほかの者との平等を基礎として人権の主体であると認識し、全ての障害者関連の国内法令や政策を本条約と調和させることという勧告が出ています。  このこども家庭庁の文面が、まさにこの勧告の内容ではないでしょうか。人間に異常、正常という線引きができるのか。私にとっては、これは差別的な言葉だと考えます。  総理、総理の見解をお聞かせください。お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 実務的な問題につきましては、担当、三原大臣からまた御質問があれば答弁申し上げますが、この言葉を政府として使うということは、私自身、改めていかねばならないものではないかというふうに思っておるところでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございます。  私も、教員をしておりましたので、発達障害の子供さんとか保護者の方にはたくさん出会ってきました。その子供たちや保護者がホームページで見れるそのページの中に発達障害などの異常と書かれたときにどう思うか、その部分をきちんと考えていただきたいと思います。  三原大臣、再考が必要だと思います。お願いします。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 先ほど申し上げましたとおり、これは、この資料、医療分野で用いるものではなくて、広く国民の皆様に事業を説明するための資料であり、もう議員御指摘を受けまして私自身も当該資料を読みまして、表現を見直すべきと強く感じました。この表現、不快に感じられたり、これでつらい思いをされた方がおられたとしたら、これは率直におわびを申し上げたいというふうに思います。そして、本資料を適切な表現に見直したいというふうに思っております。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございます。  こども家庭庁の中には、これ以外にもたくさん使われています、発達の障害という、異常が。ですので、異常という言葉を是非改めていただきたいと思います。  私たちは立法府で働く者ですので、人権を基盤に据えて物事を考え、法令、政策を考えなければなりません。私たち立憲民主党は、人権を大切に、多様性を認め合い、障害があろうがなかろうが、共に生き、共に学ぶ共生社会の実現の確立に向け尽力いたします。  私は、三十年間、小中学校で教職員をしておりました。これからは教育についてお尋ねします。  石破大臣の所信等を聞かせていただくに当たり、余り学校教育についてお語りになっていないのでちょっと残念に思っています。今日はしっかりとお聞かせいただきたいと思います。ネットでも石破大臣の幼稚園時代の写真も見せていただきました。石破大臣、小学校時代の一番の思い出って何でしょう。お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 一番と言われるとなかなか困るのですが、うちは鳥取市にございます、家が近かったものですから、鳥取大学、当時は学芸学部と言っておりました、教員養成の、そこの附属小学校に通っておりました。  小学校五年、六年のときの先生が大塩先生という方でしたが、むちゃくちゃ厳しい方で、授業が終わります、黒板にローマ字で御丁寧にも四則応用問題というのを二題出されました。それは、鶴亀算から始まって、植木算になって流水算になって旅人算になって通過算になって、これが二問解けないと帰してもらえなかったです。早く解けて一番で帰れるときは楽しかったですが、全然解けないで、五時になっても六時になっても帰れないということありましたが、とにかく勉強というのはそういうものなんだということで、そしてまた、長くなってごめんなさい、一日必ず日記を書かされました。それを全部添削してくださいました。有り難いことだったと思っております。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 お友達との思い出はいかがでしょうか。お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) みんなもう六十代後半になりました。今でもよく連絡はいたします。ですから、その時空を超えて、とにかく呼び捨てにしてもらえる人がいるというのはとっても有り難いことだと思っていますし、選挙のときに中心になって、一番最初の選挙って、同級生と親戚、それが一生懸命やってくださって何とか何とか中選挙区で最下位で当選をいたしましたが、本当に友達、同級生というのは有り難かったなと。今でも付き合いがあるのはうれしいことでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございます。子供たち、今でも付き合いがあるというところがやっぱりさすがだなと思っております。  私は、学校の中で子供同士の人間関係がとても大事だろうということを感じています。そんな学校にしていきたいと私も頑張ってきたつもりです。しかし、今、子供たちのいじめ、不登校、自死、とても増えています。  資料の一と二を御覧ください。  昨年度文科省調査では、小中学生の不登校件数は三十四万人、十一年連続で増加、認知されたいじめの件数は七十三万件、過去最高、自殺した児童生徒は合わせて五百二十七人で過去最高、このような結果です。自殺した子供や生徒はとても苦しんで、本人は死を選びたくなかったけれども選ばざるを得なかった、そのような状況があると思います。  政府が学びの多様化学校を設置されたり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置などいろいろ御工夫されているのは十分存じ上げております。でも、私は、このいじめ、不登校、過去最高になる原因が大事だと思っています。  石破大臣、なぜ子供が不登校、いじめ、自殺を選ぶのか、そしてこれが過去最高になっている今の社会は何なのか、大臣の御見解をお願いします。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。  私自身の小学校のお友達も実は中学校のときに自殺をしたという経緯がございまして、大変つらい思い出でございます。そうした中で、小学校、中学校、高等学校の不登校の児童の生徒数と、いじめの重大事態のこの件数と自殺者数が過去最多になる。多分先生も本当にお心を痛めていらっしゃると思うんですが、生徒児童の諸課題が本当に深刻化しているところでございまして、私ども大変深く受け止めているところでございます。  重く受け止めさせていただく中、不登校、いじめ、自殺、様々な要因が実は複雑に関わっておりまして一概に申し上げることは大変困難でございますが、例えば、不登校については学校生活に対する子供たちの意欲の減退、不安、また、いじめについては心理的なストレス、自殺については家庭問題、また健康問題、学校問題などが背景にあると思うと私ども認識しているところでございまして、こうした状況を踏まえまして、引き続き、関係省庁ともしっかり連携しながら、不登校、いじめ、自殺に対する対策を強力に進めるとともに、また全ての子供たちが安心して学べる環境づくりに全力で取り組んでまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 石破大臣はどのようにお考えでしょうか。お願いします。済みません、総理大臣。申し訳ありませんでした。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 何でもいいですが。  今、文科大臣からお答えをしたとおりでございます。特に自殺については、誰か話聞いてもらいたいという方が多いと思っております。  私、母が国語の教師でございましたし、上の姉は英語の教師でございましたし、下の姉は歴史の教師で、私だけは教師じゃなかったんですが、先生が聞いてくれるというのは大事なことだと思いますが、なかなか先生も多忙でございます。そうすると、いのちの電話というのがありますが、そういうものも大分シニアな方も増えてまいりました。そうすると、誰かが聞いてもらいたいといったときに、AIが答えてくれるという現場に私ちょっと行ってみましたが、そこに実に適切な答えをAIはしてくれるのですね。  誰かが自分の思い聞いてほしいんだけど誰も聞いてくれないという、そういう状況を変えていくというのは、いじめとか自殺とか、いじめの場合にはいじめる側が悪いに決まっているんですけど、いじめる側に入らないとそっちの方がいじめに遭っちゃうという、そういうこともたくさんございます。  要は、その誰かに聞いてもらいたいという機会を提供するというのが大事なことだと思っておりまして、政府として必要な支援はいたしてまいりたいと思っておるところでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 今の中でAIに聞いてもらうというのがありましたが、私はそれ、すごく寂しい社会だなと思うんですが、どうですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) もちろんそうです。もう生きた人間が聞いて、親身になって、これが大事でございますが、なかなかそういう方も減ってきてしまいました。高齢化も進んでおるところでございます。もちろん、生きた人が聞いてあげるということはそうなんですけど、深夜誰も聞いてくれないというときに、そういうAIですと二十四時間三百六十五日対応ということもできるんだろうと思っております。  それが、もちろんそれに頼るということは全く考えておりませんが、AIも結構賢くて、本当にそういう、どうしたの、これならどうという、そういうそのステップに応じて答えてくれる、それも全く等閑視することにはならぬだろうということで申し上げました。それに頼るというつもりは全くございません。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございます。  午前中の質問にもありましたが、二〇二〇年のユニセフの先進国の子供幸福度ランキング、子供の、日本の子供の幸福度は三十八か国中二十位です。心身の健康は一位です。しかし、精神的幸福度は三十七位、下から二番目です。  この結果についてはどのようにお考えですか。総理大臣、お願いします。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 今委員おっしゃったように、ユニセフの調査によれば、我が国は、身体的健康は一位で、精神的幸福度が三十七位ということであります。精神的幸福度が低い理由は、生活満足度が低く、自殺率が高い結果として考えられております。この結果は非常に重く受け止めているところでございます。  中でも、子供の自殺に関しましては、令和六年、小中高生の自殺者暫定値、過去最多五百二十七人と、まさに今お話があったところでございます。こうした自殺の背景、要因分析を基に、実効性のある対策として、今、自殺未遂者への支援の強化が最も重要であるということで、保健、医療、福祉、教育、そうしたものに各機関が連携して地域で包括的に支援する体制の構築、こうしたことが必要だということで、今まさに実現に向けて全力で取り組んでいるところでございます。  その上で、政府として、誰もが安心し、進んで学びたくなる学校づくりとともに、福祉部局などと連携して地域一体となって取り組むいじめ、不登校対策の推進であるとか、相談をワンストップでできるような体制づくり、そうしたものにしっかり力を入れてまいりたいというふうに思っております。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 いじめ、不登校、自殺、数字だけが過去最高と言っているわけではなくて、その数だけ子供が苦しんでいるということです。自殺するときに、どんなことを子供たちは毎日考えていたのか。いじめる側が悪いんですが、いじめるにも、何か心の闇があるから人をそんなふうに攻撃するのであります。不登校だってそうです。今だってたくさん、クラスに何人もいる。行きたいんです、学校には行きたい、でも行けない。なぜ行けないのか。それを大人がしっかり私はやっていくべきだと思っています。  私は、その要因の一つに教育予算の低さがあると思っています。OECDが毎年公表する図表で見る教育の報告によれば、二〇二二年の政府の支出における教育関連費の割合は、日本は三十六か国中三番目に低いのです。OECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長は、日本と同じように少子化が進むブルガリア、ハンガリー、韓国では教育機関に対する支出を増やしている、若者が減っていくからこそ、教育の質を改善し、社会に貢献できるようにしていかなければならないと、教育支出の重要性を指摘されました。  石破総理大臣、この教育関連費の割合の低さについてどうお受け止めになっているのか、また、この局長の御指摘をどう感じられているか、二つ教えてください。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えいたします。  OECDのデータによりますと、委員がおっしゃるように、我が国の公財政教育支出、二〇二一年度で対GDP比の三・一でございまして、OECDの平均四・五と比べて低いことは事実でございます。  教育は子供たちの未来をつくる上で重要な役割を担うものでございまして、一人一人が持つ可能性を最大限に引き出すためには、御指摘のとおり、この教育の質の向上にしっかりと力を入れていくことが重要でございます。  そのため、文部科学省といたしましては、これまでも、教育の質の向上を図るために、教師を取り巻く環境の整備、さらにはGIGAスクール構想の推進と学校DXの加速、不登校、いじめ対策の強化、教育の国際化を通じたグローバル人材の育成などに取り組んでいるところでございますが、文部科学省といたしまして、公教育における教育の質の向上と機会均等、教育機会の確保を両輪としまして、必要な教育予算を着実に確保をしながら、また未来への投資である教育施策の推進にしっかり取り組んでまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 石破総理大臣、なぜ教育予算を上げないんですか。お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今大臣が答弁申し上げましたが、対GDPで見ますと、日本の教育支出、公財政教育支出は三・一%、OECD平均の四・五と比べて低いのですが、お子さん一人一人に対するものでございますから、教育は、在学者一人当たりで見ますれば対GDP比二一・八%でございまして、これはOECD平均が二二・三でございますから、遜色ない水準ということでございます。  まあ教育費は多ければ多いにこしたことはないのでございますが、委員おっしゃいますように、質というものをどうやって上げていくんだということで、単にお勉強ができればいいということだとは思っておりません。本当に、お互いが助け合っていく、いじめがない、悪口を言わない、強い者の味方をして弱い者いじめをしない、そういうような、学力というのは点数で分かりますが、そういう、それぞれが弱い者をいじめず、そして社会に対して何らかの役割を果たしていく、そういう教育も実現できたらいいなというふうに思っておるところでございます。  したがいまして、教員の方々の果たされる役割というのはとても大きいものがありまして、教員の皆様方に対する処遇の改善というものに向けて政府として今取り組んでおるところでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 先に進めます。高校教育の無償化についてお伺いします。  来年度から所得制限撤廃、そして二七年度からの私立高校等加算として支援金額四十五・七万円というのは立憲民主党からも提案しているものであり、大きな前進と受け止めております。  しかし、実際に教育無償化が行われている大阪では様々な課題も浮き彫りになっていると聞いています。私立高校は、建学の精神、多様性のある様々なカリキュラムが魅力です。キャップ制のために独自のカリキュラムが行えないという話を私は伺いました。そのことについてはどのようにお考えか、あべ大臣、お願いします。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員御指摘の大阪府を始め、各自治体で、それぞれの地域で様々な実情を踏まえて独自の上乗せ支援も行われているものというふうに認識しているところでございますが、また高校の授業料無償化に関しまして、一般論として申し上げれば、この教育基本法などの規定の趣旨に鑑みまして、委員がおっしゃったように、私立高校の授業料を含む経費につきましては、この私学、私立の学校の建学の精神に基づき自主性の尊重、本当に委員がおっしゃったとおりでございまして、さらには、支援の拡充に伴って合理性のない授業料の値上げ、またいわゆる便乗値上げが行われないようにする観点に留意する必要があるんだと思っておりまして、いずれにしても、文部科学省としては、本年度から取組を開始いたしました大阪府や東京都の先行事例の成果、課題も踏まえながら、いわゆる高校無償化が高校教育全体にとって意義のあるものになるよう検討をしっかり進めてまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 また、多くの公立学校で定員割れが起きているということも伺っております。大臣、あべ大臣、この幾つぐらいの学校で定員割れになったのか、そしてその割合、そしてこのまま行くと公立離れがより進んでいくのではないかと考えますが、その点について、あべ大臣、お願いいたします。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。  議員から御指摘のありました大阪府につきまして、大阪府の教育庁によりますと、令和六年で、この昼間の公立高校におきまして、今ある中の高校の七十校が募集人員に満たなかったというふうに伺っているところでございます。  公立高校は、各地域のニーズ、また生徒の学習ニーズに対応した教育の提供を通じまして、域内の高校教育の普及等、機会均等を図る上で大変重要な役割を果たしていると私どもも考えておりまして、各高校におきましては地域に密着した教育を行いながら生徒に選ばれる学校となることがまさに重要でございますが、その観点から、文部科学省といたしましては、引き続き、各高校の特色化、魅力化に向けた取組を進めてまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 七十校は多分半分、五〇%ぐらいの割合と思いますが、いかがでしょうか。

望月禎 文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。  先ほど大臣から、令和六年度の大阪府の昼間、昼間の公立高校におきまして七十校が募集人員に満たなかったという御答弁をさせていただきましたけれども、大阪府では、全日制と昼間定時制、選抜の実施校合わせまして現在百四十五校が選抜を実施、そのうち七十校ということでございまして、約五〇%強ということでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 公立学校の施設設備充実も必要なのではないかと思っています。  資料三を御覧ください。  この資料は公立小中学校のことも含まれてはおりますが、公立高校の校舎は昭和五十年代に建設された施設が多く、築三十年を経過しているものが七割という状況です。  あべ大臣、公立高校の施設設備が老朽化している実態についてどのように把握されているか、お願いします。

笠原隆 文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長

○政府参考人(笠原隆君) 実態についてお答えをさせていただきます。  公立学校の施設の状況につきましては、令和五年時点でその約四割が築四十五年以上を経過してございます。そのような中、高校を含めまして公立学校施設につきましては老朽化が起因と思われる外壁落下等が生じているケースもあり、文部科学省におきましては、各自治体に対して適切な維持管理の実施と必要な対策を講じるよう求めているところでございます。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 公立高校の施設設備充実が地財措置という形でされておりますので、高校に全額措置されているというわけではありません。  衆議院でのあべ大臣の答弁では、来年度、専門高校に先行措置として、産業教育のための実験実習施設整備の支援の拡充で十億円を盛り込んだという答弁をおっしゃいましたが、十億円では到底足りないと思っております。  立憲民主党でも法案を提出し、六百七十億円の公立高校の施設整備、支援が必要だと試算いたしましたが、あべ大臣、いかがでしょうか。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 繰り返しになるところでございますが、公立高校の施設整備につきましては、基本的に設置者である地方公共団体の一般財源と地方債の発行で実施されておるところでございまして、国と地方の役割分担を踏まえていく必要があるというふうに考えておりまして、ただ、文部科学省としては、引き続き、例えば事例集とか、その周知とか、地方財源措置の紹介などを通じまして、公立高校を含め学校施設の老朽化対策をしっかり推進してまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 先ほども予算は増やさないというようなことも言われましたし、今お伺いしたら、壁が落ちてくる、危なくないですか。安心、安全に生徒が学べる環境がつくれていないということを申し上げます。  このような状況では、公立高校は選ばれなくなる、公教育の空洞化が予想されます。昨日の答弁の中で、あべ文科大臣も公立高校の大切さ言われていましたよね。子供たちの高校進学への選択肢を増やすためにも、公立高校への施設充実への支援が必要だということを言わせていただきます。  次に、学校給食の無償化についてお伺いします。  二六年度から小学校で無償化、その後速やかに中学校の無償化という声が聞かれます。立憲民主党としても訴えていたことがかない、大きな前進だと受け止めています。  石破総理大臣、中学校の速やかには、いつ頃とお考えになっていますか。お願いします。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 速やかについてでございますが、いわゆる給食無償化につきましては、今回の三党間の合意の内容も踏まえさせていただいて、まずは小学校を念頭に、地方の実情も踏まえまして令和八年度に実現する、その上で中学校への拡大についてもできるだけ速やかに実現するということでございまして、地方自治体に対して重点支援地方交付金を活用した対応を促していきながら、国と地方の関係等しっかり十分な検討をさせていただいた上で、政府全体で徹底した行財政改革を行うことで安定財源をまずは確保させていただきながら、まず、中学校に関しましては検討すべき課題が多いものと認識しておりまして、三党間の合意内容に沿いまして、関係者の御意見もよく拝聴させていただきながら、できる限り速やかに実現するように取り組んでまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 速やかにお願いします。  八割程度しか給食をしていないとかいう理由でいつも答弁をされます。そうでしょうか。文科省は食育に取り組んでいますよね。食べ盛りの中学生、栄養も必要です。そして、この物価高で家庭の食事が貧相になっている子もたくさんいるんです。社会として取り組まなければならないのではないかと考えます。  来年度からでも実質的な教育無償化は実現できると思います、あっ、給食無償化は実現できると思います。立憲民主党修正案には財源もお示ししております。来年度中には、学校給食無償化につなげる保護者負担軽減、全額じゃなくても、そして四月からではなくても、途中からでも結構です。石破総理大臣、来年度中に一歩進めませんか、いかがでしょう。大臣でお願いします。石破総理大臣でお願いします。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 後ほど答弁を求めるとしまして、あべ大臣、どうぞ。

あべ俊子 文部科学大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(あべ俊子君) 恐れ入ります。  まず、所管担当でございますのでお答えさせていただければと思っておりますが、今の物価高、大変厳しい状況でございまして、この状況を踏まえまして、地域の実情に応じた形で保護者負担の負担を軽減するという観点から、学校給食費の支援も行えるように令和六年の補正予算におきまして追加された重点支援地方交付金が活用されているところでございまして、三党合意におきましては、自治体、地方自治体に対しましてこの重点支援地方交付金を活用した対応を促していきながら、中学校への拡大についてもできるだけ速やかに実現するとされているところでございますので、この合意内容に沿って対応をしっかりしてまいります。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 総理大臣、お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今担当大臣からお答えをしたとおりでございますが、強調いたしました物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金という何か長たらしい交付金でございますが、これを活用して、それぞれの自治体において無償化、それは単に無償化であればいいのではなくて、地産地消でありますとか、そういう食育基本法あるいは学校給食法の理念に基づいた対応を自治体においてお願いをいたしたいと思っております。  大臣がお答えいたしましたように、速やかにというのは、そういうような、当面そういうような対応をいたしてまいりますが、中学校への無償化の実現も多くの課題がございますが、課題があるから先送りをするということではなくて、その答えを出すのは速やかに行いたいと思っております。

古賀千景 立憲民主・社民・無所属

○古賀千景君 ありがとうございました。速やかにお答えを出していただいて、速やかに実行していただきたい。  終わります。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 関連質疑を許します。柴愼一君。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。  まず、通告していない大臣におかれては御退席ください。三原大臣、あべ大臣になるわけですが、委員長、お取り計らいをお願いします。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) では、通告外の大臣は御退席していただいて結構でございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ちょっと通告をしていないんですが、今マスコミから入った情報です。高額医療費の関係で、今日の十八時五十五分に患者団体の皆さんと面会をされるというような情報があるんですが、事実かどうか確認させてください。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 済みません、十八時五十五分というのを初めて聞きました。今日の夕方お目にかかるということで調整をいたしておりますが、済みません、私、この委員会におりますので、確定した時間は聞いておりません。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 時間はそうだということですが、夕方お会いになるということだということで、まさに今日午前中から議論になっている凍結に向けた様々な取組進められているということを確認させていただきます。是非、御英断よろしくお願いいたします。  それでは質問に入ります。  まず、現在の物価に対する認識についてお聞かせください。  現在、国民生活は物価高に苦しんでいます。政府はこれまでデフレ脱却ということで物価目標二%を目指してきて、それが実現したとも言えるんですが、現在の物価、経済状況に対してどのような認識をお持ちなのか、お聞かせください。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) 今回の物価上昇局面は、コロナ禍を経た世界的な需要回復に加えて、ロシアのウクライナ侵略による資源・食料価格の高騰を契機に始まったものでございます。これに加えて、円安の進行も相まって輸入物価が上昇し、国内物価への転嫁が進み、二〇二三年一月のピーク時には、消費者物価の総合指数の前年比上昇率は四・三%まで達したところでございます。  その後、資源・食料価格の落ち着きや、電気・ガス代の激変緩和措置などの政策効果に加えて、食料品等の値上げの動きが一服したことによりまして、輸入物価を起点としたいわゆるコストプッシュ型の物価上昇は一旦落ち着きを見せ、二〇二三年十一月以降、おおむね二%台で推移をしておりました。  しかし、昨年ですね、二〇二四年の秋以降、食料品など身近なものの価格が上昇し、国民や事業者の方々が大変厳しい状況に置かれていると認識をしておりまして、この背景には、夏の天候不順による野菜の生育不良、あるいは米価格の高止まり、さらには物流費や人件費の転嫁等の要因があると考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 物価高の今分析はいただいたんですが、この物価高、国民生活を苦しめている物価高に対する認識についてお聞かせください。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) 認識については、大変、国民生活も、会社経営されている方にとっては経営もですね、この物価上昇によって厳しい状況に置かれているということを認識をしておりまして、その結果、政府としては、これまでそういう影響を緩和するためにもろもろの物価高対策を講じてきているところでございます。  それを必ず、昔の三十年続いた低物価、低賃金そして低成長という状態から抜け出すために、しっかりと物価に負けない賃上げといったものを実現をし、そして賃上げと投資が牽引する成長型の経済への移行を実現していかなければならないと思っています。ただ、その中でも、痛みが生じている部分については、総合的に対策を講じて、しっかりとその痛みに手当てをしていかなきゃいけないというふうに認識をしております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 物価高を容認をしているのかどうか。物価を上回る賃上げが実現すればいいのかというふうに、昨日からずっと、様々、予算委員会でやり取りをさせていただいているときに感じるんですが、その辺について、物価を上回る賃上げが実現することでこれを解決していくという認識でよろしいのか、総理、お聞かせください。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) ここは委員と恐らく認識を共有できると思うんですが、過去三十年のデフレにおいては、これ、どうしても物価も上がらず賃金も上がらず成長しないという、本当にデフレの悪循環に我が国の経済は置かれていたわけで、そこから抜け出すには、やはり生産性の向上など、そういったものも通じて経済の状況を良くしながら賃金上昇を通じた持続的な物価上昇というものに移行していかないといけないという認識を持っております。  後戻りしない形で賃金上昇を通じた持続的な物価上昇へ移行していく、こうした取組と併せて、安定的な物価上昇の下でそれを上回る賃金上昇を実現していけば、いわゆる実質賃金も上昇していくところで、今日より明日が良くなると豊かさを国民の皆様に実感していただける形で経済を成長型のものに移行していけると思っていますので、現在はその途上にあると思っておりまして、繰り返しになりますが、生じている痛みについてはしっかり対策を講じながら、成長型経済への移行を今目指しているところでございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 賃上げはもちろん必要なんです。ただ、賃上げは全ての人に恩恵があるわけではありません。年金生活者や自営業、そして農業、農業従事者も含めて、そういう方をどうしていくのかと。  それと、賃上げも、初任給、大分上がっていたりするんですが、これは人材不足とか人材確保の観点から初任給を上げているんだということで、若年層に重点配分がされています。その一方、中高年とか子育て世代の賃上げの幅というのは決して大きくないということでいくと、生活やっぱり苦しいですねということについて、これで、統計上の賃上げで解決するのかどうかということについて、総理もちょっとコメントいただけますか。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) 今おっしゃった問題についてはいろいろ報道もされておりまして、委員の問題意識はまさに当たっているものだと思います。  そういった中で、やはり賃上げ原資をしっかり稼いでいただかないと、その原資が限られる中で、今なかなか防衛的な賃上げで人を確保しなきゃいけないというようなことがある中で、新しく入ってこられる方たちに重点的にと。そうなると、もう会社の中でも、もっと長く働いていたのに自分はそんなに高い給料もらっていないとか、自分の初任給はえらく低かったというようなことで、いろんな会社の中のうまく回らなくなるような事態も報道されておりますので、そこはもちろん経営者の判断として賃金については体系つくっていかれるものですけど。  我々として目指すところは、やはり生産性向上のためのデジタル投資とか省力化投資、あるいは価格転嫁、さらには人材、経営基盤の強化のための事業承継、MアンドAの支援などを更に更に拡充強化をしていく中で、しっかり中小企業も含めて賃上げ原資を獲得していただいて、会社全体のマンパワーといいますか、人材が全体としてやる気を出していただけるような、そういう経済を目指していきたいというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 やっぱり聞いていると、物価を上げたいのか下げたいのかというと、やっぱりデフレ脱却のイメージが強くて、やっぱり物価は上がっていくものだということを強く打ち出しているというふうに逆に感じてしまうんです。  本国会の冒頭の総理の施政方針演説では、これまであったデフレ脱却という記述はなくなったんですが、赤澤大臣の経済演説ではデフレマインドを払拭するという記述がありましたと。この際、デフレ脱却をもう宣言をして物価高騰対策に取り組むという政府の認識を明確に私は示すべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) 委員もこの点は多分認識を共有されていると思いますが、大分いい、前向きな兆候は出てきていると。賃上げも大分進んでいるし、恐らくデフレギャップが久しぶりにプラスになったことも念頭に置かれて御質問されていると思います。  ただ、デフレ脱却についてはかなり慎重でなければならないところがありまして、これは、経済がデフレではない状況になった後、更に後戻りしないと。再びそうした物価が持続的に下落するいわゆるデフレの状況、これに後戻りする見込みがないことというふうに定義をしておりまして、これ現在、デフレ脱却を見るときの基本的な指標であります物価の基調ですね、CPI、消費者物価と、それからGDPデフレーター、さらにはその背景にありますユニット・レーバー・コストとGDPギャップといったようなものをつぶさに観察しておりますと、久しぶりに四つともプラスにはなりました。ただ、過去、四つともプラスになったものの三四半期でそれが終わってしまい、またマイナスにGDPギャップが戻るとか、そういうこと起きておりまして、その辺の判断は慎重に行っていかなければならないというふうに思っております。  いずれにしても、先ほど申し上げた賃上げと投資が牽引する成長型経済に移行する中で、デフレ脱却を宣言できる、そういう状況をつくっていきたいというふうに思っております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 やっぱりなかなかかみ合わないなというふうに思っていて、政府、日銀は物価二%を目標としたアコードを結んでそれぞれ政策運営をしてきて、現在はその二%を上回る物価水準になってきたんだと。ただ、それで国民は物価高騰に苦しんでいます。日銀の使っている消費者物価指数は生鮮食品を除いたもので、それでプラス二・七という状況で、実際は、米とか野菜、生鮮食品は高騰で生活実感は相当苦しいです。ガソリンも高い状況が続いています。  これまでも日銀は二%にこだわって、金融緩和を見直せと言っても、まだ一・九%ですと言って、二%行っていないんで駄目ですと言ってきていまして、金融緩和を続け、今も、二〇二六年、二年後には二%に落ち着くので緩和的環境を維持するというふうに言っているんですね。この二%物価目標を所与のものとして政策運営がされていますが、それが実現されてみると、物価高、やっぱり相当苦しいんですと。  おっしゃるとおり、デフレへの逆戻りは避けなければなりませんが、我が国の状況を鑑みれば、二%という目標にこだわらずに、幅で見る、プラス水準を維持するとした方が実態に即しているんではないかというふうに思いますが、御認識をお聞かせください。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) まず、これ物価目標については、これ二%ということで、十数年前に政府と日銀で結んだ共同声明といいますか、アコードというものがあります。ぴたっと二%の物価目標を持続的、安定的に実現をするということで、その具体的な実現手法については、これ日銀に委ねられているというものだと思っています。  二%については、これ金融政策における金利引下げ余地の確保、それから諸外国の物価安定目標などを踏まえておりまして、委員御案内のとおり、二%を物価目標にしている国が外国でも多い中でありますので、そういうものも念頭に置きながら二%を設定させていただいておりまして、物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向けて、政府としても現時点においてそれは妥当なものだというふうに考えてございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 二%って何でですかって、諸外国も二%だというようなことで、私は根拠は極めて薄弱だなというふうに思っています。  昨年は、三十三年ぶりの高水準の賃上げが実現しました。それでも実質賃金はマイナスでしたと。今年も一生懸命、連合頑張って五%以上、中小は六%の賃上げを目指すというふうにしていますが、たとえそれが、労使の真摯な交渉でそれが実現したとしても、やっぱり物価高騰が一定鎮静化しないというか、ペースダウンをしなければ、実質賃金ってアップが実現できないんじゃないかというふうな危惧をしているんです。  実質賃金をプラスにしていくためには円安是正など根本的な物価高騰対策を講じる必要があるというふうに認識していますが、いかがでしょうか。

赤澤亮正 内閣府特命担当大臣(経済財政政策) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(赤澤亮正君) 先ほどおっしゃったことで申し上げれば、根拠が薄弱という言い方おっしゃったんですけど、これ、諸外国が二%に物価目標を設定しているときにそれと違うものを設定すると、実は為替とかいろんなものに影響してくるので、これはやっぱりそういう考え方でやっているということと、あと物価について言うと、比較的高めに出てきやすいところがあり、実際にはそれよりも低いことがあり得る。そんな中で、きちっとプラスの状態を維持していくということを委員おっしゃったとおりするには二%程度が適当とか、いろんなことを考えて二%がいいということを、我が国もそうでありますし、諸外国も判断をしているということがあります。  そして、実質賃金やっぱり上げていかなきゃいけないというのは共通のもう認識だと思いますが、そこはやっぱり日銀がいろんな手法で物価を、二%目標を安定的に実現をしていく中で、それを超える賃上げ、例えば三%といったようなものを目指して、実質賃金プラスの状態をしっかり維持していくということを目指しているので、確かに物価が高騰し、国民生活が苦しくなり、経営苦しくなっている状態であれば、我々総合的に対策を講じることをいたします。  そんな中でありますけれども、最終的には、我々が日銀とアコードで結んでいるように、物価二%を実現した上で、それを超える賃上げを安定的に実現するということを目指していく中で、今日より明日が良くなると国民の皆様に感じていただけるような、そういう経済の状態をつくっていきたいというふうに思っております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 対症療法的な物価高対策というのはもちろん必要だというふうに思いますが、やっぱり根本的な物価そのものを鎮静化していく、ペースダウンさせていくという対応が必要だというふうな問題意識です。  トランプ大統領が、中国とともに日本が通貨安を誘導してきたという発言をしたという報道があります。これもちろん、日本の政策、これまでやった対応とは、事実とは違うということは認識していますが、トランプ大統領が現状のこの円安の状況がアメリカにとって不利になっているという問題意識があるというふうに見て取れるんじゃないかというふうに思うんです。  切り離したはずの為替政策が政治問題化しつつあります。そのタイミングとして、今こそ国民生活を苦しめる円安是正に取り組むチャンスではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、トランプ大統領の会見を引用すると、そうであればという、仮定法というんでしょうかね、そういった言い方をされていたというふうにまずは認識をしておりますし、それから、今委員御指摘のように、我が国はそういった為替政策は取っていませんし、実際、昨年の為替介入というのも、その一つの事例として、別にどっちかではなくて、急激な対応ということでやらせていただいているということ、これは引き続きしっかり説明をさせていただきたいと思っておりますし、また、大統領に直接私が話す機会というのはない、今ないわけでありますが、財務省当局間においては、きちんとその辺はよく認識の共有化を図るべく努力をさせていただいているところでございます。  それから、為替に対しては、先ほど申し上げたように、ファンダメンタルズを反映するということと、そして、基本的に急激なアップ・アンド・ダウン、これは望ましくない、これをベースにしながら対応させていただいているということであります。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 やっぱり、国民生活をやっぱり円安が苦しめているというのは事実だというふうに思うんです。  これまで政府は、アメリカの配慮からか、ドル売りとなるようなことというのはしてこなかったですよね。米国債持っていても、償還しても円転しなかったりとか、あとは、外為特会の剰余金を一般会計に繰り入れるときも、円転させずに、剰余金に見合う政府短期証券を発行して借金をして繰り入れるということを無理やりしてきたということとすると、やっぱり必要な、できることというのはやっていくべきじゃないかというふうに思います。  政府として、根本的な物価高対策の必要性の認識、特に円安の関係も含めてですね、トランプ大統領と話すのは総理ですので、是非総理の認識もお聞かせいただきたいと思います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) そのような話は首相と大統領の間でするものではございません。それはもう、財務長官そしてまた財務大臣、そういう専門家の間でいろんな話合いをなさるところでございますが、総理大臣と大統領の間でそのようなお話をしたことはございません。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 政治問題化しないように、是非的確な対応をお願いしたいというふうに思います。  次に、賃上げを後押しする政府の政策に、租税特別措置、賃上げ促進税制があります。衆議院予算委員会でも、巨額な減税額にもかかわらず、その効果が見られないことについて様々な議論がありました。  賃上げ促進税制の直近の適用状況、減税額とその効果についてお聞かせください。

井上誠一郎 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。  賃上げ促進税制の適用実績についてでございますけれども、直近の令和五年度は、全体で適用件数が二十五万四千四百八十三件、適用額は七千二百七十八億円となっております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 効果について教えてください。

井上誠一郎 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(井上誠一郎君) 経済産業省は令和六年度にフォローアップの調査を行っておりまして、賃上げ促進税制を適用した大企業、中堅企業のうち七割以上が、本税制が賃上げの、賃金の引上げを後押ししたと、こういうふうに回答しておりまして、経済産業省としては効果があったというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 それは何かの数値で見て取れるんですか。

井上誠一郎 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。  経済産業省が行ったアンケート調査で数値として把握をしております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 税金戻してもらえれば有り難いということだというふうに思うんです。  賃上げ促進税制という租税特別措置が賃上げにつながると考える理由について、武藤経産大臣、お聞かせください。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 柴委員から、つなげる、つなげる、賃上げになるという背景というのか、企業活動への影響ということかなというふうに思いますけれども。  現実のところ、今の参考人からもお話がありましたように、大企業、中小企業、これは両方合わせて、これは衆議院の方でもいろいろと御意見いただきましたけれども、二十五万社を超える企業が適用を受けているということだと思います。そして一方で、三十三年ぶりの高水準の賃上げに一定程度寄与したものと。  そういう意味では認識をしているところなんですけれども、一方、引き続き、企業の規模ですとか業種とか、地域によって賃上げ幅にばらつきがある、これはまさに多分委員と同じ共有をしている、意識の共有をしているんだと思います。  低い賃上げ率の企業の方が依然として多数存在している状況、これ何とかしておかなきゃいけないということだろうと思っておりますし、賃上げの定着に向けてはまだ道半ばで、この賃上げ促進税制を更に活用しながら、しっかり活用しながら、賃上げ率の底上げを図っていく必要があるんだと考えているところであります。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 更に活用するって、七千二百七十八億円の減税を行って、明確な効果って、賃上げしたところに払っているのは結果としては出ているんです。それを、賃上げを促進する効果があったというのは全くエビデンスとして見られないんですよねというふうに思うと、巨額の税額控除を行う措置ですが、賃上げを促進する効果を説明するデータはもうないんです。そんな中で巨額の減免が行われています。減税のやり方としておかしいんじゃないかと。  今日の日経新聞にも、「賃上げ、はや「満額」続出」というふうな見出しが躍っていますが、できたところにお金をあげるのは意味がありません。格差を拡大するだけです。できないところにできるようにする、賃上げができるようにする措置が必要と考えますが、総理、いかがですか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 済みません、所管としてもうちょっと付け加えさせていただきますけど、今年の賃上げがどのぐらい行くのかというところが、大きくこの日本の今の、将来の経済を左右する今瀬戸際に来ているんだと思っています。  したがって、今年の春の春季労使の交渉の結果ですとか、今年度の適用実態等の状況も見極めつつ、追加的なデータ収集、分析手法も活用しながら、効果的な制度になるように、これから不断に見直しを行う必要もあるんだというふうに認識をしているところです。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 じゃ、それでは、賃上げ促進税制が適用されると、その当該企業の財務にどういうふうに影響、反映されるのか、賃上げ促進税制全体のスキームを含めてお聞かせください。

井上誠一郎 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(井上誠一郎君) お答え申し上げます。  賃上げ促進税制は、適用事業年度における雇用者給与等支給額の増加額の一定割合を法人税額から控除する仕組みでございまして、効果としては当期の税引き後利益を増加させるというふうに理解をしております。補助金のように現金が給付され、収入として計上されるわけではございませんが、税額控除の場合、企業は給与等支給額の増加額から税額控除分を予見することが可能でありまして、賃上げの後押しにつながっているというふうに考えてございます。  その上で、企業が自己の資金をどのように活用するかは企業の御判断ではございますけれども、経済産業省が先ほど申し上げた令和六年度に行った調査におきましても、この賃上げ促進税制を適用した大企業、中堅企業のうち七割以上が本税制が賃金の引上げを後押ししたと回答しておりまして、本税制が企業における賃上げに一定程度寄与していると、こういうふうに私どもは認識してございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 税引き後純利益が増加するということなんです。税引き後純利益って、株主配当とか内部留保、利益剰余金という結果になるんですよねと。内部留保は株主に帰属することから、企業経営者の経営判断では使えないんです。翌年の賃上げの原資にもならない、ならないんです。これが賃上げを促進するという理屈が私には全く理解が、理解ができません。  私自身、長年、労働組合の役員として賃上げ交渉に携わってきましたが、労使交渉において賃上げ促進税制が交渉の俎上に上ることはありません。労使双方の当事者、連合や日経連の担当の方からも同様の認識を聞いています。賃上げを促進するには当該年度の雑収入となる補助金の方が有効だと。  幾ら賃上げしたら幾ら補助金が出るというふうになるような補助金の方が、企業の雑収入として人件費にそのまま使えるんです。そういう形で政策の見直しをするべきじゃないでしょうか。いかがですか。

井上誠一郎 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(井上誠一郎君) 賃上げ税制について、御指摘のとおり、効果としては税引き後の利益を増加させる効果ございますけれども、企業は一定の利益を確保するべく活動をしておりますので、賃金の、賃上げは人件費の増加という形でコストを増やしまして利益を減少させる行為でもございますので、そういった意味で、賃上げ税制の効果により利益率を一定程度確保できるということで賃上げに踏み込んでいただける効果があるというふうに私どもは考えてございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 力のある企業は租特がなくても賃上げを行うんです。政策的措置は、賃上げしたくてもできない中小企業で、ターゲットを絞った補助金、支援金などを措置を行うべきです。  厚労省、キャリアアップ助成金とか、岩手県の賃上げ補助金とかってあるんですよね。一人当たり六万円支給しますとか、賃上げしたらですねと。そういうものもあるとすれば、省庁かかわらず、かかわらず、これを原資として、七千億もあるとすれば、これを原資として中小企業に的を絞った支援制度を実施すべきというふうに考えますが、石破総理、御認識をお聞かせください。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 時間が来ておりますので、これを最後にしたいと思いますが。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 委員の御指摘もよく分かるところですけれども、やはり補助金、そして税制、それはそれぞれやっぱり性格も違うところもありますので、適切に、適切に組み合わせていきながら賃上げを進みやすい環境を整備していくということが大変大事だと思います。  その上で、私どもも賃上げ促進税制に取引適正とか生産性向上等々といろいろやっていますけれども、いずれにしても、今年の賃上げがこれどうやって結び付けていくのかというところが大変大事ですので、また委員からの御指摘も受けて検討させていただきたいと思います。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 総理、コメントいただけませんか。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 時間が来ておりますので。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 じゃ、終わります。ありがとうございました。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で古賀千景君及び柴愼一君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、上田勇君の質疑を行います。上田勇君。

上田勇 公明党

○上田勇君 公明党の上田勇でございます。  石破総理始め関係閣僚の皆様、大変御苦労さまでございます。  まず初めに、石破総理に、我が国の経済外交の基本方針についてお伺いをしたいというふうに思います。  私が理解しているところでは、我が国は、これまで国際社会の努力でつくり上げてきましたWTO等の自由で公正な貿易、投資を原則とする国際的な規範や秩序を尊重し守っていく、そのことが日本経済だけではなくて世界経済の発展にとって最も有益であるということだろうというふうに理解しています。  ところが、今日、中国によります威圧的な経済外交や米国の動きなど、国際的な経済秩序と相入れないかのような行為が横行している。大変懸念をしているところであります。こういうときであるからこそ、やはり我が国の基本方針、これを明確に打ち出していくことが重要ではないかというふうに思います。  先月の日米首脳会談は、安全保障や経済、様々な分野で非常に重要な成果があった、成功だったというふうに考えておりますが、ただ、今懸念されるのが、米国によります一方的な関税引上げスキームが次々と明らかになっていることだというふうに思います。  我が国関係の具体的な措置の内容については今後協議していくということだろうというふうに思われますけれども、交渉に当たってはやっぱり、我が国の国際的な、我が国が国際的な経済秩序、重視しているんだというそういう基本方針を明確に示していくことが重要ではないかというふうに思いますが、総理の御所見伺います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 我が国として、このような自由貿易体制を維持するということは極めて重要であり、それは我が国のみならず世界にとってもそうだと思っております。  一方におきまして、トランプ大統領はいろいろな政策を打ち出している。特に関税については何か毎日毎日いろんな政策が出てきて、出ては引っ込め、引っ込めては出したりとかいろんなことがあるわけでございますが、私どもとして、合衆国政府によります広範な貿易制限措置というものは世界経済や多角的貿易体制全体に大きな影響を及ぼしかねないというふうに思っております。アメリカ政府に対しましては、これらの関税措置について申入れを行っておるところでございます。  我が国といたしまして、これらの措置の内容及び我が国への影響を十分に精査しつつ、引き続き必要な対応を行っていくものでありますが、例えば自動車についてどうだなぞという話がこれから先出てくるのかもしれません、出てこないのかもしれません。  我が国の国益でもあるが、同時にアメリカでも国益、アメリカの国益でもあると、それがひいては世界経済全体にプラスになるということを昨日申し上げましたが、論理的にかつビジュアルに示していくということが必要なのだというふうに思っております。日本さえよければいいという話でもなく、日米さえよければいいという話でもなくて、それが世界全体にどのように裨益するものであるかということを論じてまいりたいと思っております。

上田勇 公明党

○上田勇君 これはトランプ政権だけのことではなくて、今、国際社会が非常に、中国のいろんな行為もありますし、大変混沌としている経済情勢じゃないかというふうに思っております。こういうときであるからこそ、やはり基本的な理念、これを明確に示していくことがやっぱり国際社会の中における我が国の信頼につながるんではないかというふうに思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  もちろん、こうした規範や秩序を尊重するという理念は、日本だけじゃなくて、EU、それから英国、豪州始めとする同志国とも共通したものだというふうに考えています。こうした理念や利害が共通する国々との連携強化が必要だというふうに考えますが、これまでどういうふうに対応してきたのか、また今後の対応方針について、外務大臣、よろしくお願いいたします。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 上田委員御指摘のとおり、自由で公正な経済秩序を維持拡大するということが極めて大切だと思っております。そこにおいて我が国がリーダーシップを発揮しなければいけないというふうに思っております。  で、この後ですね、今日はこの後、英国との間で初めての日英経済版2プラス2閣僚会合を開催することになっておりまして、私と武藤経産大臣で出席をしてまいりますが、そこでは、経済安全保障、それから自由で開かれた国際貿易の推進、エネルギーの安全保障、またグローバルサウスを含む第三国との連携などについて議論をする予定でございまして、着実に連携を強化する機会にしたいと思っております。  また、EUとは、昨年実施いたしました日EUハイレベル経済対話、それから日EU・EPA合同委員会といった閣僚級の協議に際しまして、自由貿易体制の強化や経済安全保障の課題に関して日EUでしっかり連携して取り組むということを確認をしてきております。  さらに、豪州、オーストラリアとは、昨年十月や本年一月の外相会談を通して、資源エネルギー分野、それから経済安全保障分野での協力を確認をしてまいりました。  今後とも、こういう同志国、関係国との連携をしっかり強化して、自由で公正な経済秩序の維持拡大のために努力をしてまいりたいと思っております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  こういう混沌としたときであるからこそ、むしろ日本がリーダーシップを発揮する、そういうチャンス、大きなチャンスだというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いをいたします。  次に、ちょっと税制のことについてお伺いをいたします。  この予算修正の柱の一つが、政府原案と合わせれば一・二兆円の所得税減税であります。このことについては、政府・与党として各党と協議を重ねた結果を踏まえて修正したものであります。  協議においては、この基礎控除等の引上げの目的といったことが、まず第一には、いわゆる百三万円の壁と言われていた就労抑制を解消すること、第二には、物価上昇に伴う低所得世帯の生活保障ということ、そして第三には、物価高対策として中間所得層にも及ぶような負担軽減、この三つではなかったかというふうに受け止めています。  与党修正案と政府原案、これを合わせると、もちろん、この三点の目的にいかに対応したのか、そしてまた、国、地方の財政的な制約があってその範囲に限られているところではありますけれども、目的はほぼそういう方向で達成されているんではないかというふうに思いますけれども、総理の御認識伺いたいと思います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 今般の基礎控除等の引上げについては、政府原案において、特定扶養控除の見直しにより、特に大学生の就業調整に対応させていただきました。  また、政府原案と衆議院修正により、課税最低限が生活保護基準を勘案した百六十万円まで引き上げられ、低所得者層の税負担に配慮がなされております。  また、政府原案と衆議院修正により、物価上昇分に賃金上昇が追い付いていない状況を踏まえ、中所得者層を含めた税負担軽減が図れており、委員御指摘の三つの目的は果たされているものと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  政府が初め原案、示していただいた原案を更に修正をしたということによりまして、ほぼ全ての、九九%を超えるような納税者に一定の減税の恩恵が及ぶというようなことにもなったというふうに受け止めています。  それで、もう一つそれに関連してお伺いしますけれども、これまで所得税等々、人的控除を累次見直してまいりました。これは控除から給付へという基本的な考え方に基づくものでありまして、これについては私も賛同するものであります。  しかしながら、その都度の児童手当等の給付の拡充の内容とか、またその時々の経済情勢などに対する様々な配慮によって、結果的に見ると非常に複雑な、そしてある意味理屈も分かりにくくなっているという面があるというふうに思っております。それは与党税制改正大綱にもそういうふうにあるとおり、それを踏まえて、この人的控除などの在り方について抜本的な見直しがこれ必要になってきているんじゃないかというふうに考えています。  これ、最終的にはもちろんこの税制については政治の場で結論を得るべきなんですけれども、ただ、いろんなことをしてちゃんと、きちんと整理をするためには、議論に当たって、やっぱりエコノミストなどの専門家とか中小事業者、労働関係者など幅広い専門的な意見も聞いて検討するべきだというふうに考えております。  来年度から是非政府の税制調査会などにおいても充実した議論を行っていただきたいというふうに考えますが、財務大臣、いかがでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 個人所得課税については、今委員御指摘のように、七年度税制改正大綱で、我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、格差の是正及び所得再配分機能の適切な発揮、働き方に対する中立性の確保、子育て世帯の負担への配慮といった観点から、人的控除を始めとする各種控除の在り方について検討を行うこととされております。  また、衆議院修正により追加された改正法案の附則において、政府は人的控除を始めとする各種控除の在り方の見直しなどを含む所得税の抜本的な改革について検討を行うこととされています。  さらに、石破総理からは、政府税調に対して所得税の在り方の議論をお願いしていただいたところであります。  今後、関連分野の学者、エコノミストなどの専門家、中小企業の者、あるいは労働関係者などが参画する政府税制調査会において、幅広く、また専門的な知見に立って、公平、中立、簡素な税制の在り方について御議論いただけるものと期待しております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  やはり最終的には政治の場で決めるにしても、その選択肢をつくるに当たっては、やっぱり専門家の意見が、よく議論していただくことが重要だというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。そして、そのためにはやっぱり一定の期間も必要であるというふうに思いますので、どうか前倒しでの取組もお願いしたいというふうに思います。  もう一つ、次に、揮発油税等の当分の間税率の廃止、これについても合意をされました。実施に当たって検討すべき課題について、経済産業大臣に質問をさせていただきます。  揮発油税等は、石油元売等に課税しているいわゆる庫出税でありますので、ガソリンスタンドで小売の段階で課税されているというわけではありません。その意味では、今政府が実施をしている石油元売への補助と資金の流れは一緒だということであります。そうなると、当分の間税率廃止の目的というのは、これはあくまで消費者や事業者などの最終ユーザーの負担軽減であります。小売価格が下がらなければ意味がない、先ほどもちょっとそういう質問もありましたけれども、であります。  これは現在の補助制度でも全く同じことが言えるんですけれども、小売価格にきちんと反映するための効果的でしかも効率的な仕組みをつくっていく必要があるんではないかというふうに思いますが、経済産業大臣、是非御検討いただきたいと思います。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 上田委員御指摘のとおりでございまして、揮発油税は卸売段階に課税しており、これがいわゆる庫出税という非常に訳の分からないやつなんですけれども、うちも酒屋だったんで、難しい税金なんですけれども。  仮に当分の間税率を廃止した場合ですが、おっしゃられるように、直接的には卸売価格を下げる効果はありますけど、小売価格が自動的に下がるわけではない、これが実態であります。一方で、小売価格はガソリンスタンド等の経営者が自社の経営状況や競争環境なども勘案をして自由競争の中で決定されるものであって、これが政府は介入することができないというのが自由主義社会だと思っています。したがって、税率廃止の効果をガソリン等の小売価格に適切に反映させることは今後論点になると考えております。  なお、激変緩和事業、おっしゃられるとおり同様の課題があって、同事業の場合には、補助の効果が消費者に行き渡るよう、ガソリンスタンドに対する全数調査ですとか個別訪問などを通じて制度の趣旨を徹底、周知することを通じて小売価格の抑制を図っているところであります。  当分の間税率の廃止に際してどのような小売価格に適切に反映していくかについては、三党間の協議を踏まえ、激変緩和事業における取組も参考にしながら今後検討されるものと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  もう一点、税率が変更になると、このガソリンスタンドなどの小売事業者の立場に立つと、これやっぱり異なった税率で仕入れした商品を同時に扱うことになります。消費者にはやはり、これは仕入れの税率が違ったんだから違った値段というわけにはなかなかいかないので、同じ価格で売ることになるのだと思います。  そうなると、今度はこの小売段階に、やはりその余計に払った分の還付とかそういう措置が必要となりますけれども、そうなると、この小売事業者の経理事務などの負担が増えると思います。これまではその税の計算しなかったわけでありますから、そこが還付の計算をしなければならないので手数が増える。  これはやっぱりどうしても、中小のスタンドが多いわけですから、そうした支援策が必要だというふうに思いますけれども、是非御検討いただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

武藤容治 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(武藤容治君) 御指摘のこの税の還付手続の取扱いですけれども、三党間の協議を踏まえ今後検討していくものというふうに承知をしておりますが、私も、ガソリンスタンド関係、ずっと昔からいろいろと御支援、いろんな御意見を聞いています、議連の関係もあるので。大変、そういう意味では、事業再構築の一環でDX化、そういう様々なやっぱり対策が必要だろうということはいろんなことで御要望を今までも受けていたところです。  今後、こういう形で三党間の協議の中でどういう形が実現できるのかというのはお考えをいただいて、また私どもも御指導いただければというふうに思います。

上田勇 公明党

○上田勇君 よろしくお願いいたします。  もうこれを廃止をするということは合意をされたのでこれは行うことなんですけれども、それを行うために様々課題もあるということをちょっと確認させていただきました。是非、これ経済産業省で積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。  次に、ちょっとまた話は変わるんですけれども、老朽化下水道に起因する道路陥没事故について質問させていただきます。  今般の埼玉県八潮市の事故によって重大な被害が発生をしています。住民の皆様には改めて心からお見舞いを申し上げたいと思います。  下水管の破損による道路陥没事故というのは、これはある意味、随分前から毎年相当な件数が発生をしてきました。私自身も、平成二十一年、これはもう十六年前になるんですけれども、そのときに衆議院の国土交通委員会においてこの下水道の老朽化に起因する道路陥没対策について質問をいたしまして、そのとき、国土交通省として積極的に取り組んでいくという前向きな答弁がありました。  この間、この問題についてどのように取り組んできたのか、その成果について、国土交通省、是非御説明いただきたいと思います。

松原誠 国土交通省大臣官房上下水道審議官

○政府参考人(松原誠君) お答えいたします。  委員御指摘のその平成二十一年、これ以降の下水道管の老朽化対策に係る主な取組につきまして、まず、平成二十三年度より、革新的技術の実証を行う事業制度を設けまして、DXを活用した管路メンテナンス技術の実証を行いガイドラインを策定するなど、新技術の全国展開を図っておるところでございます。また、平成二十七年の改正下水道法におきまして、下水道の維持修繕基準が創設され、全ての下水道施設について適切な時期に適切な方法で点検することが義務付けられているところでございます。さらに、平成二十八年度からは、予防保全の考え方により地方公共団体にストックマネジメント計画を策定いただき、この計画に基づく点検調査や計画的な改築更新などの重要な対策について財政的支援を行っているところでございます。  こうした取組もあり、下水道管路に起因する道路陥没件数につきましては、平成二十年頃には年間五千件程度でございましたが、令和四年度には約二千六百件となっているところでございます。  国土交通省といたしましては、今回の八潮市におけます事故の教訓も踏まえまして、予防保全の考え方に基づく下水道管の老朽化対策をしっかりと推進してまいります。

上田勇 公明党

○上田勇君 今答弁にあったとおり、これまでもいろいろと取り組んできた、いろいろ対策は講じてきたんだけれども、でも、残念ながら今回こうした重大な事故が起きてしまったということであります。もちろん、この予算の制約ということもあったんだろうというふうには思いますけれども、にもかかわらず、今回こうした重大な事故が起きてしまった。  これを受けて、今回、全国の調査を指示をしております。その結果についてまず伺いたいのと、また、今回は、この調査はとても、とても大きな規模のところの下水道のみに対象とした調査なんですけれども、今後、これ以外の下水道についても調査し、必要な場合には修繕等の対策を早急に実施をしていくべきだと考えますけれども、国土交通大臣、よろしくお願いいたします。

中野洋昌 国土交通大臣 公明党

○国務大臣(中野洋昌君) 上田委員にお答え申し上げます。  先ほど事務方からも答弁ありましたとおり、下水道の老朽化を踏まえて予防保全への転換ということで様々取組を進めていく中での今回の事故だということでございます。大変重く受け止めて、しっかり対策を進めてまいりたいと思っております。  委員の御指摘のとおり、今回の事故を受けて緊急調査、緊急点検というものを行っておりますが、これは、陥没箇所と同様の大規模な下水道管路を有する流域下水道管理者に対する点検、それを補うために、また路面下空洞調査ということで、この路面の下に空洞がないかという道路側の調査も併せて行っているところでございます。  この結果でございますが、緊急点検対象の下水道管路、延長約四百二十キロに存在するマンホール約千七百か所で点検を実施をいたしました。その結果、管路の腐食などの異状が三か所で確認をされたところでございます。もう一点の緊急点検対象の下水道管路が埋設されている道路の路面下の空洞調査、これも約三百二十キロ実施をいたしまして、この結果は、下水道管路に起因をする空洞の可能性がある箇所は確認をされなかったということでございます。  委員からは、それ以外の下水道も含めてしっかりと調査をということでございます。今回のような大規模の、大規模な事故の再発を防止をするために、この緊急点検に加えまして、今後、下水道の全国一斉調査を実施をすることとしております。今、その対象、優先順位の考え方、実施方法などにつきましては、有識者委員会を設置をいたしまして御議論をまさにいただいているところでございます。この委員会の結論が得られ次第、地方公共団体に対して速やかに実施の要請をしてまいりたいと、このように考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 よろしくお願いしたいと思います。  これほど重大な事故というのはそれほど起きるわけではないんですけれども、ただ、先ほどからも毎年何千件もそういう事故は起きているということでありますので、是非点検し、早めの修繕行うということが重要だというふうに思います。どうかよろしくお願いをいたします。  次に、ちょっと食料、農業、この問題についてお伺いをしたいというふうに思います。  現在、食料、農産物価格がこう上がっていて家計を圧迫をしている、これは大きな負担になっている。これは事実なんですけれども、ただ一方で、生産者の立場に立ってみますと、これは生産資材も上がっている、燃料費、輸送費、そしてもちろん人件費も上がっているわけでありますから、これらのコストが上昇しているわけであります。この日本の農業生産を持続可能なものにしていくためには、こうした生産コストをやっぱりカバーするような適正な価格で食料や農産物が売れなければならないわけであります。  そういう適正な価格での食料、農産物の取引を実現をしなければならない。これまでの農林水産省については、この問題について非常に問題意識を持っていただいて取り組んでいただいているんですが、これまでの取組について伺いたいのと、そしてまた、更にこれから取組、もっとこう範囲も広げながら取組も強化していかなければならないというふうに思っておりますけれども、今後の方針について、農林水産大臣に御所見を伺いたいと思います。

江藤拓 農林水産大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。  まさに適正な価格、これ生産者にとっても適正な価格、そして消費者の方々にとっても納得のいく価格と、これを形成することはなかなか困難でありますが、やらなければならない大切な課題だと思っております。  費用を考慮した価格形成については、生産だけではなくて、生産、流通、加工、販売、そして消費者、この各段階での合意が必要であります。特に消費者の方々の御了解をいただく、納得をいただくことはとても難しいですが、二年前から始めてもう三年目になりますけれども、消費者団体の方々にしっかりテーブルに着いていただいて議論ができたことは極めてよかったなというふうに思っております。  そして、本日でありますが、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案、本日閣議決定をさせていただきました。これを出しまして、これが成立いたしましたら、生産、流通、加工、流通、小売の各段階において誠実な協議、まあそれぞれの段階で皆さん方が納得いただける協議をしてくださいということをお願いするとともに、もしそこで例えば優越的地位の濫用であったり納得のいかない価格交渉があった場合は、農林水産省が指導をする、それから助言をする、それでも是正されなければ勧告までするということにいたしております。オープンプライス方式で、各段階で価格そしてコストを明瞭化することが大事だということはよく分かりますが、ただ、商取引という側面もありますので、商売上の秘密ということも配慮しなければならないと思っております。  いずれにしましても、余りにも生産現場にそのしわ寄せが寄り過ぎますと、いずれ生産者が全部倒れてしまう。そうなったときには国民の皆様方が一番困ることになりますので、そういったことにならないように、この法律を国会で御審議いただき成立させて、そして実効性を担保するためにもGメンも配置した上で運用してまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 よろしくお願いしたいと思います。  やっぱり、コスト割れしてまで生産をするというのは、なかなかこれはもう困難なことでありますから、やはりこの適正な価格で取引がされるということが農業生産者にとってはもう本当に一番重要なことだろうというふうに思っております。  もちろん、農産品の場合には、生鮮品などがあって値段がいろいろ変動したり、また、特に市場で取引されるものについては、こういう価格を形成するというのは、適正な価格を形成するのは難しい、課題も多いというのはよく分かりますけれども、是非しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  もう一つ。この度、土地改良法を改正して、基幹的な農業水利施設について、国、県の発意によって事業実施を可能にする方針だと聞いております。用排水路など、農業のみならず幅広い公共的な役割を担っていることから、これは適切な見直しだというふうに考えます。  一方、そうした公共性の高い事業であっても、農業者の受益者負担が発生するなんということがあります。現在、農業者はやっぱり負担する能力とか意欲がもう低下してしまっているというのが現実でありまして、この負担軽減のための支援、これを更に強化していく必要があるんではないかと思いますけれども、農林水産大臣、御見解を伺えればと思います。

江藤拓 農林水産大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。  委員のおっしゃるとおりだと思います。農業者自体の数が減っていく。そして、賦課金については、賦課金についても非常に負担感が強い、生産コストが上がっているということでありましたから。しかし、今言っていただきましたように、受益者の負担をどうしても求めなきゃならない側面があるということは御理解いただかなきゃなりませんが、その負担軽減についてはやはり考える必要があると思います。  国営事業について、直轄である部分は七千ヘクタール以上という要件面積ありますけれども、全く受益者負担を求めない。これ、公益性が強いとかですね、そういった要件がありますが、そういう部分が、まあ全体の一割しかありませんけれども、あるという側面を考えると、今後、国の直轄であっても、それから補助事業であっても、負担を軽減する努力というのは必要だというふうに思っております。  ですから、国営事業の場合は、受益面積の要件を引き下げるということで対象施設を拡大するということをやろうと思っておりますし、国営事業と補助事業のいずれも、その負担の割合、これは、国の負担をちょっと上げるということはちょっと今のところは難しいと思いますが、各地方公共団体の負担率を上げさせていただいて、そしてその代わり地財措置をしっかりやるということでですね、地方が出してくれることによって、結果的に受益者である農業者の負担の比率が下がるというようなことを考えたいと思っております。  先ほどお話しいただいたように、土地改良法の改正法案、もう国会に提出済みでありますので、これをしっかり通していただいて、その上で農業者の負担軽減、それから基幹的な施設、これの更新等についても積極的に進めてまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  最後に、今日、公正取引委員長にも来ていただいておりますが、この下請取引の適正化について質問させていただきます。  もう総理も再三おっしゃっているとおり、中小企業の賃上げ実現をしていくためには、このしっかりとした価格転嫁、コスト増を価格転嫁をすること、そして下請取引の適正化が最優先であるということであります。  私たち公明党も、これまで十数年にわたって下請取引条件の適正化の必要性を訴えてまいりましたし、また、令和五年十月に発表いたしました中小企業賃上げ応援トータルプランでも、おいても、ここを真っ先に強調しております。  政府においても、中小企業庁、公正取引委員会始め関係機関においてこれまでに様々な取組が行われてきました。その結果、今、事業者などから聞くと、かなり前進はしてきている、でも、実際の取引においてはまだまだ課題は多いんだよというようなお話を伺います。  今回、下請法の改正等が議論される予定でありますけれども、改正によって、中小企業・小規模事業者等の賃上げの実現に今回のこの法律の見直しがどのように貢献をしていくのか、公取委員長、よろしくお願いいたします。

古谷一之 公正取引委員会委員長

○政府特別補佐人(古谷一之君) お答えを申し上げます。  今、国会に提出する予定の下請法の改正案でございますけれども、御指摘ございましたように、適切な転嫁を更に進めるという観点から、受注者からコスト上昇分の価格引上げを求められたにもかかわらず協議に応じることなく一方的に価格を決定すること、こういったことを新たな禁止類型として追加することを検討しております。また、関係行政機関の指導、助言権限、これを新たに設けることなどによりまして、関係省庁と緊密に連携をして、下請法の運用の実効性をより高めていくことも検討をしてございます。  公正取引委員会としましては、こうした下請法の改正を通じまして、取引上の立場の弱い中小の受注者の皆さんが価格交渉をしやすくなって賃上げをするための原資の確保ができるように、そういったことを期待をいたしておりますし、先般公表いたしております労務費の転嫁指針、この周知徹底などの取組を更に強化することと併せまして、適正な価格転嫁を促す取引環境の確保ということに取り組んでまいりたいと思っております。  よろしくお願いいたします。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で上田勇君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文です。  石破総理、お疲れさまです。  今日、私、日米安保条約についての質問を通告していたんですが、ちょっと通告はしていないんですが、この安保条約に対してビッグニュースが今朝入ってきました。これ、トランプ大統領が、日米安保条約について、米国は日本を守らなければならないが、日本は米国を防衛する義務はないと、誰がこのような取組をしたのかと、取決めをしたのかと、まあ条約のいわゆる片務性について不満を表明したということなんですね。いよいよトランプ大統領、ここを言い始めてきました。  総理はこれ、どのように対応していきますか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 御指摘のトランプ大統領の発言は承知をしておりますが、その上で、言うまでもなく、日米同盟は我が国の外交安全保障の基軸でございます。  米国は、先般の日米首脳会談を含む累次の機会に、日米安保の下で自国の対日防衛義務を確認してきております。政府としては、米国が核を含むあらゆる種類の能力を用いて日米安保上の義務を果たすことに全幅の信頼を置いているところでございます。  また、平和安全法制によって、日米はあらゆる事態に対して切れ目なくお互いに助け合うことが可能になったというふうに思いますので、このような助け合うことのできる同盟は更にこのきずなを強くしているというふうに考えておりまして、同盟の抑止力は大きく向上しているというふうに我々は考えております。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 ここは総理の見解を聞きたいんですけどね。この前に、実は三日ほど前ですけれども、コルビーさんという国防次官に任命される予定の方が、日本の防衛費の対GDP比を三%に引き上げるべきだと。これに対して総理は、防衛費がどうあるべきかは日本が決めることだと。私はしっかりと答えていただいたと思うんですけれども、ただ、総理、これトランプさんが仕掛けたもうディールなんですよ。彼は、これは面白いディールだと言っているんですね。  つまり、ヨーロッパと同じ状況で、今、トランプさんはヨーロッパの国々に、防衛支出が不十分ならNATOの加盟国を守るつもりはないと言っているんですね。つまり、ありていに言うと、お金を払わないのであれば私はもう守らないよと言っているんです。これ、東アジアにも、日本や台湾にも同じディールをやってきますよ、トランプさんは。トランプさんは、ちょっと総理と違って有言実行な方ですからね、中身は、中身は問題ありますけど。トランプさんは、しっかりと日本も防衛費上げなさいと、そういう努力をしないんだったら安保条約の見直しもディールにしますよ、いよいよここまで言ってきているんですよ。  このディールに総理はどう対応していくのか、この総理大臣の方針を聞きたいんです。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) トランプ大統領は前の任期のときも同じようなことを言っていましたですよね。突如としてこういうことを言い始めたわけではないと。  日本語訳をすれば、私は日本が大好きだと。日本とはすばらしい関係にあるが、日本とは興味深い取決め、インタレスティングという言葉を使っていますが、我々は彼らを、我々は彼らを守らなければならない、彼らは我々を守る必要がない、そういう取決めなんだ。彼らは我々と一緒に大もうけしている。  何かこれ、よく読まないと何を言っているかよく分からないところがあるのですが、これ、委員御存じのとおり非対称的双務条約で、確かにアメリカは、日本を守る義務、子細に読めば憲法に照らしてということになるわけですが、持っている、日本はアメリカを守る義務を負わない、それはそうだ。じゃ、日本はアメリカに基地を提供する義務というのを負っていますよね。これはほかのどの国も負っていないものであるということであって、一方的にアメリカが日本を守り、日本は一方的に守ってもらっていると、そういう関係だけではないということでございます。  日本はアメリカに対して、アメリカを守る義務は負わないが、基地提供義務を負っているということであって、そのことがどれほど重要な意味を持つか。そしてまた、日本の工業力、治安、親米感情、いろんなインフラストラクチャー、これがアメリカの世界戦略にどれほどの役割を果たしているか等々、そういうことはきちんとお話をしていかねばならぬことであって、トランプ大統領がこう言ったから、わあびっくりと、わあ大変ということだと私は思っていないのです。  また、国防次官のお話がございましたが、それは先ほど委員が御指摘になりましたように、日本の防衛費は日本で決めるものです。それになるべく安く、ただ乗りでみたいなことを私は考えているのではなくて、陸海空どのように積み上げ、それをどのように統合運用を行いということから決めていくべきものであって、三%、はい、分かりましたというようなものではないことは当然のことであります。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 もうこれ以上議論しませんが、国防費を三%まで増強するのか、それができないんだったら安保体制の見直しも議論だぞと、ここまで言っていると私は見ていますので、対応を考えておいた方がいいと思います。  さて、通告に従って質問していきます。  まず、尖閣諸島の問題ですが、日本政府はこれまで何度も、もうアメリカに首脳会談に行くたびに、日米安保条約第五条が尖閣諸島に適用されるのかというのを米国政府に再三確認してきました。何のために確認しているんですか。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) せんだって、ヘグセス国防長官と電話会談いたしました。ヘグセス長官も尖閣列島については米国は守りますと明言をされているわけでございまして、やはりこの安保条約というのがありまして、尖閣列島、諸島は、歴史的にも国際法でも疑いのない我が国固有の領土でありますので、我が国が実効支配して、有効に支配しておりますので、領有権の問題は存在をしないということでございます。それを確認したということです。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 外務大臣、安保条約第五条は、日本国の施政下にある領域における、施政下にある領域における武力攻撃に対して共同で対処するとなっております。そうすると、日本の施政下になければ安保条約の対象ではないということなんですね。  それでは、今、尖閣、一生懸命確認を何度もしていますけれども、不法占拠されている北方領土や竹島は施政下にないので安保条約は適用されないということになりますが、政府もこの認識でよろしいんですか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 我が国及び米国は、日米安保条約第五条に基づき、我が国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するとされておりますが、現在の北方領土及び竹島は現実に我が国が施政を行い得ない状況にあることは事実でございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 ということは、安保条約の対象にはならないということを今明言していただいたと思います。  さて、そうであれば、尖閣諸島の施政権、実効支配を確立しておかないと、今後、中国も今、自分たちの領土だと、それで、領海侵犯というのは施政権を表す行為でありますから、これがどんどん大きくなってくると、尖閣も安保条約の対象にならないという事態を招かないようにしなきゃいけないんですね。  さあ、そこで、石破総理が防衛に詳しい政治家であります。これまで政治家として様々な尖閣に対する発言をちょっと調べさせていただきました。まず、皆さん、資料の一を御覧ください。  これ、二〇一二年前後、尖閣国有化の直後辺りの報道が多いんですけれども、まず尖閣について、国が所有をするのだから今のままで維持しますよというのは正しいとは思っていない、今のまま、誰も入っては駄目、灯台があるくらいでほかのものは造らないということでいいとは思っていないと、野生動物や漁業資源の調査、気象観測などを実施する必要性があると、そして、漁船の避難場所なども設置し、実効支配のレベルを上げていくべきだ、これ明言しているんですね。  今でもこの考え、お変わりありませんか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これは、実効支配というものがきちんと及ぶように、手だてはいろいろございますが、委員がおっしゃいますように、この実効支配が及ばないということになりますと安保条約の適用がない、即大変だと申し上げるつもりはございません。  どのようなことになっても、領土を守るのはアメリカに頼むのではなくて我が国の責任においてやるべきものですが、実効支配というものが常に確認されるような努力は必要だと思っております。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 これ、なぜ、もう十年も十五年も、近くたちますけれども、全く実現できないのか。これを強行的にやると中国がどういう反応を示すかが怖いと、当然この話になってきます。  石破総理は、この二つ目の黄色の枠ですけれども、中国は経済的に重要な国だが、中国への輸出が減り中国からの観光客も減った、だから実効支配を控えるとの考え方を取らない、主権を少しでも譲るとその国は全てを失うと、こう言っているんですね。  もう中国に配慮する必要ないんだと、しっかりと自分たちの領土なんだから実効支配をどんどん進めていくべきだとおっしゃっていますけれども、この考え方にも変わりはありませんね。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 実効支配というものが確実に行われるように努力をするのは主権独立国家として当然のことでございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 大臣は、防衛庁長官もやって、防衛大臣もやられたと思います。防衛の専門家でありますよね。これだけの意思と政策を持っていて、なぜ全然進まないんですか。ようやく総理になれたわけです。総理の指示で、それぞれの実効支配、担当する役所にしっかりやれと、これ指示もできるわけですよ。  今も中国は恐らく日本がそういう手段に出ると様々な妨害をしてくるでしょう。でも、それを気にしていたら一生できませんよ。総理になったんですから、今まで政治家として言っていた政策、これしっかり実行してください。どうですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 必要な実効支配を高める、確実にする努力は今後も必要だと思っています。  これ、委員がせっかくこれをお示しをいただきましたので、その後に何て書いてあるかというと、海上保安庁の能力向上や領海侵犯に対する法整備などやるべきだというふうに、その一連の流れの中で私は申し上げておるところでございます。  これは、民主党政権の頃に尖閣をめぐっていろんなことが起きました。私は、当時、予算委員会の筆頭理事だったと思います、衆議院の。そこにおいていろんな議論をしたのですが、それはさておき、尖閣の実効支配というものを、あるいは領海の維持というか主権確保というか、そのときに海上保安庁が随分と登場いたしました。それはもう海上保安庁挙げて主権の維持のために最大限の努力をしたというのは間違いないところでございます。  そこに、法的にどうなんだと、国際法に照らしてどうなんだということは、これは国会においても、あるいは政府部内においてもいろんな議論があるところでございまして、要は、誰がやるんだ、どこがやるんだということじゃなくて、どのような手だてで主権を守るかということについては私なりの考えもございますので、また委員と機会を見て議論させていただきたいと思っております。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 海上保安庁の議論に行きましたので、その質問をします。  尖閣諸島はもう歴史上も国際法上も日本固有の領土ですが、中国も領有権を主張していまして、領空・領海侵犯、もう接続区域なんかにはほとんど一年中いるわけですね。こういう状況です。  一番問題なのは、それを警備する日本の海上保安庁と中国海警の間で完全に力の不均衡が生じちゃっていて、中国の実効支配を許したら、これ占領されてしまいます。現在の尖閣諸島の領域警備における最大の問題は、日本の海上保安庁と中国海警の非対称性、つまり力のアンバランスが、崩れ、力のバランスが崩れているというところにあると思います。  近年では、海上保安庁の装備拡充が今年の予算でもどんどん進められておりますが、とても中国海警には追い付いていないんです。更に問題なのは、総理指摘の、中国では国防法とそして海警法の改正によって海警を軍隊化して軍事作戦を遂行できるようにしたことなんですね。これに対して海上保安庁法では、海保の任務というのはあくまでも海上の安全と治安の確保であり、日本の防衛とか領域警備さえ明文化されていません。これでは、中国海警が圧倒的に有利に立って、海保が押し込まれるのは明らかだと思います。  さあ、そこで、海上保安庁法を改正して、防衛と領域警備を海保の任務として明記すべきだと考えますが、総理の見解はいかがでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これは私も二十数年ずっと考えておることで、海上保安庁が海上保安庁の法律に基づいて全身全霊で主権の維持のために、確保のためにやっているということは、百も万も承知をいたしております。そして、今回御審議をいただいております予算でも、海上保安庁の能力向上というものを盛り込んで御審議をいただいておるところでございます。  それはそれとして、警察権で領土を守る、領海を守るということは一体どういうことなのだという根源的な問題はございまして、私は議員のときに、政調会長のときも幹事長のときもそうですが、御指摘の海上保安庁の第二十五条の問題をどう考えるかという議論はずっといたしてまいりました。今、内閣総理大臣という立場になって、じゃ、私がこうだからこうするぞという話にはすぐなりませんが、政府部内での検討、そして国会における御議論、これは依然として必要なものだと思っております。  それは同じように、領空侵犯措置というものの本質は何なのだということにもひっきょうつながってくることでございまして、これは航空自衛官であり、あるいは海上保安官であり、本当に命懸けで主権を守っているという人たちのそういう立場をどうやって守るかということに我々政治の場としては更に努力をする必要があると私は思っておるところでございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 政治の場で検討する、努力をする必要があると。これじゃ、いつになっても尖閣守れませんよ。もうしっかりとこれ法律作って、海保にその権限を与えて、海警に負けないような体制で警備させないとと私はあえて申し上げます。  さて、資料の二を見てください。尖閣の実効支配あるいは施政権を究極的に証明するには自衛隊を置くことです。  それで、これ二〇一〇年、ちょっと古いんですが、石原元東京都知事と石破当時の政調会長なんですかね、この対談というのがユーチューブにありました。ただ、これフェイクニュースか、ではいけないと思ってテレビ局に全部調査をしまして、これは全て会話は事実であります、放映されています。  石破さんは、総理はですね、石原さんおっしゃるとおり、あそこ、尖閣諸島に陸上自衛隊を置くというのは一つの一番いい実効支配を示すことになる、ただそれができないから何もやらないということでは駄目だと。それからやり取りがありまして、総理がそれをやるんだというふうにずばっと言えばいいだけのことなんですねと。石原さんは、中国が反対するでしょうと、こういうことを吹っかけたんですね。あと誰が反対しようがそれをやるんだという決断があり、中国が何を言おうとそれをやらなきゃ駄目なんだということを言っています。そして、石原さんは、あなたが総理になったらやる、あなたが総理になったらそれを言うのかと確認したら、それは言うでしょうね、私はと。政治家としてしっかりと宣言されているわけですよね。  総理、今でもこの考え、変わらないんですか。総理大臣になったんだから、それぐらいのことをしっかりやるべきじゃないですか。いかがでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 実効性の確保に向けて必要なことはやっていかねばならぬと思っております。  必要であれば防衛大臣から答弁をいたさせますが、この自衛隊の陸海空、やりくりが非常に厳しい中で、どこに何を置くのが一番効果的であるかということをよく考えていかなければなりません。  そして、尖閣という位置を考えたときに、何を置くのかということ、そして南西諸島に何をどれだけ配備をするかということは、そこに何を置くか、そしてそれがどのような性能を持ち、どのような距離まで有効なものかということを総合的に判断をいたしてまいるものだと思っております。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 尖閣というのは非常に戦略的な場所にあるんですね。もし、中国が先に上陸して長距離ミサイルを配備しちゃったら、これ嘉手納や沖縄の空自の機能はこれ無力化されますよ。ひょっとしたら、アメリカの空軍や海兵隊はグアムまで引いちゃう可能性がある。これは完全に日本防衛としては負けですよ。  そうなる前にしっかりと尖閣は手を打たないと、台湾有事にもこれ関係しますからね。もう是非とも、総理、ここまで言っているわけですから、政府として実行していただきたいと思います。  さて、次に、この前も取り上げたんですが、久場島での日米共同訓練、これアメリカの射爆撃場があるわけだから、そこを利用して日本とアメリカで合同軍事訓練をやる。もちろん、射撃の、航空機からの射撃の訓練でもいいし、あるいは、使い方によっては離島防衛、上陸の訓練もできるんですね。  これをやればしっかりと日本の抑止力、対処力が証明できるし、そして何よりも、米軍の基地で日米合同訓練をやるわけですから、久場島の、これはもう完全に尖閣が日本の領土であるということを世界に証明できる。中国も、これやられたら、これ自分たちの領土だという論拠崩れますからね。  なぜ、これできないんですか、防衛大臣。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) 現在におきましても、しっかりと尖閣列島につきましては領土の防衛をいたしております。  つまり、久場島と大正島との射爆場での日米共同訓練などを実施すべきという御意見につきましては、様々な要素を総合的に考慮した上で政府全体で慎重に検討する必要があると考えておりまして、現時点におきましては、我が国の領土は自衛隊と海上保安庁の警備、監視によりましてしっかりと領土を守っている状態でございますので、今後とも、この点につきましても冷静かつ毅然として対応していく考えでございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 この前の答弁と同じですが、様々な要素を総合的に考慮して、様々な要素って何ですか、具体的に教えてください。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) 様々な要素というのは、例えば、久場島と大正島を含む尖閣列島は国際法でも疑いのない我が国の固有の領土で、現に我が国はこれを有効に支配していると。実際に、両島を日米地位協定に基づく日本国における施設・区域として我が国から米国に提供して、また米国による射爆場として使用が許されることについても日米間が合意をいたしております。  政府におきましては、これまでも、米軍の個々の施設・区域につきましては随時、日米合同委員会等の枠組みを通じて米国との協議が続けられておりまして、様々な可能性と影響をしっかり見極めた上で、取組、対応の在り方については政府全体で慎重に検討していくということでございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 総理、二月七日に発表された日米共同声明にもこう書いてあるんです。南西諸島における二国間のプレゼンスを向上させる、それから、日米同盟の抑止力、対処力の更なる強化をしていくと。これ、まさしく久場島での日米合同訓練、軍事訓練みたいなものをしっかりやっていくということでしょう、具体的に行動するとしたらね。それで、共同声明の最後には、2プラス2を早期に開催していくと、こういうことを検討するために、明記しているんですね。  総理、共同声明に書いてあることを実現するためにも、外務大臣と防衛大臣に、今度の2プラス2で久場島での米軍の基地を利用した日米合同訓練をやるということを日本側から提案してみてください。アメリカは、私は受ける可能性大だと思いますよ。トランプ政権に替わって、国防長官、国務長官、補佐官、みんな中国に対してはきちっと対応していこうという筋金入りの人がそろったわけですから。どうですか、総理、それぐらいのことやりましょうよ。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) アメリカのスタッフも替わったわけでございます。そういたしますと、どのような考え方を持っているか、今までのバイデン政権とは違う考え方なのかもしれません。  日米で共同訓練やりますとするなら、するといたしますならば、日本だけの都合という話になりませんものですから、そこは、その2プラス2でそれが議論する議題となるかどうか、それは両大臣と私も話をいたします。それが尖閣の実効支配というものを更に確実なものにするということ、ただ、合衆国は合衆国の戦略がございますので、その点、全部、私ども、向こうも大臣が替わったばかりでございますから、その点もよく踏まえて検討をいたしてまいります。  委員の御指摘を等閑視をするつもりはございません。それ、向こうのスタッフが替わりましたし、先ほど御紹介がありましたように、大統領の日米安保に対する認識というものについても更に理解を深めねばならぬ、互いにですがね、そういう面がございますので、両大臣に任せっきりにすることなく、私も入りまして、今の御提起につきましては政府部内で検討させていただきます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 是非とも有言実行、しっかりと現実的な対策打たないと、私はもう尖閣はますます厳しくなると思いますよ。そのことを申し上げておきたいと思います。  さあ、最後に、恒例のたばこ問題に移ります。  まず、たばこ問題で私は問題なのは、やっぱり受動喫煙が健康に影響ある、特に肺がんとの関係ですね。これ、しっかりと認めているんです、世界中で。ところが、日本のJTだけがそれを認めてないという、変な状況なんですよね。  まず、WHO認めています。その下に条約を作っているFCTC、たばこ規制枠組条約、これは、喫煙だけじゃなくて受動喫煙の健康被害があるから世界各国でしっかり対応していきましょうということで、当然肺がんとの因果関係も認めているんですね。  さあ、国立がんセンターも、当然その肺がんリスクは確実だと、厚労省の下のこの国立がんセンターも、研究センターも言っているんです。  さあ、そこでまず聞きます。厚労省は、この受動喫煙と肺がんの関係、これは確実だという方向でよろしいんですね、厚労省の認識は。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) お尋ねにつきましては、平成二十八年に厚生労働省において開催いたしました喫煙と健康の影響に関する検討会の報告書において、受動喫煙と肺がん、虚血性心疾患、脳卒中等の疾病との関係については、科学的証拠は因果関係を推定するのに十分であると評価してございまして、厚生労働省としても現在もそのような認識を持ってございます。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 厚労省は、その因果関係はあると、十分にあるということですね。  さあ、今度はたばこ行政を管轄する財務省ですね。特殊会社としてJTも抱えていますが、まず、たばこ行政を管轄する財務省として、受動喫煙の疾病リスク、特に肺がんとの関係はどのように認識されていますか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 今厚労大臣から御答弁がありましたように、厚労省が開催した検討会の報告書において、受動喫煙と肺がん等の疾病との関係については、科学的証拠は因果関係を推定するのに十分であると評価をされており、財務省としてはそのような認識を持っております。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 総理ね、厚労省も財務省も、受動喫煙と肺がん、これ因果関係があると言っているんです。  政府の特殊会社であるJTは、資料三も見ていただきたいんですけれども、それがJTの方は、科学的に説得力のある形で結論付けられていないものと認識している、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論付けるのは困難であると。これ、政府の特殊会社、政府が指導監督権限を持っていて、政府が筆頭株主ですよ。この会社がこういうことを言い続けていていいんでしょうか。これ、フィリップ・モリスもBATも、ブリティッシュ・アメリカン・タバコも、みんな認めているんですよ、受動喫煙と肺がんの因果関係。JTだけですよ。  これ私は、特殊会社なんだから政府としてしっかりと指導すべきだと、厚労省も財務省も因果関係認めているわけだから。それ、いかがですか、総理。それぐらいやりましょうよ。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、JTを含む特殊法人は、法律により直接に設立される法人又は特別の法律により特別の設立行為をもって設立すべきものとされている法人で、通常の行政機関とは異なるものであります。一般の、内閣であれば、それぞれ意見が違うということになると統一見解を求められるわけでありますけれども、その経営に当たってはできる限りの自主性と弾力性を認めるべきものと考えておりますので、見解が異なることをもって直ちに問題とすべきかは慎重に検討する必要があると思っています。  ただ他方、たばこ事業法令において、令和元年以降も受動喫煙のリスクについての注意義務を、注意表示を義務付けております。仮に、注意表示義務違反など、たばこ事業法令の違反行為があれば、これは問題でありますので、ありますが、JTはこれまでこうした法令には適正に従い、遵守してきているものと承知をしています。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 総理、日本は、WHOのFCTCに、たばこ規制枠組条約に批准して入っているんですね。この条約の目的は、受動喫煙から健康被害、守るということです、健康被害から、受動喫煙の健康被害から皆さんの健康を守るということです。その対策しなきゃいけない。当然、そこには肺がんやほかの病気との因果関係があるからこういう条約を作っているんですね。  もし、政府の特殊会社であるJTがその因果関係はないと言い続けるのであれば、日本はFCTCから脱退しなきゃいけなくなりますよ。どうですか。これは、これはもう全然興味ないみたいですよね。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約、今おっしゃったFCTCに関しては、我が国は平成十六年三月に署名し、翌十七年二月、これが発効しているところであります。  財務省としては、このFCTCの批准に向け、たばこ包装に記載する健康リスク等に関する注意表示を明瞭で読みやすいものにするよう関連規定を改正したほか、FCTCの批准後も注意表示の表示面積を三〇%以上から五〇%に拡大する旨の省令改正を行うなど対応するとともに、先ほど申し上げましたように、JTにおいてもその法令に従ってそれを遵守しているというふうに認識をしております。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 我が国がFCTCを締結しておるということ自体が、たばこ対策の取組及び保健分野の国際協力に関する我が国の積極的な姿勢を示すということに直結するものだと思っております。ここから脱退なんぞいたしますと、本当に日本はそういうようなことについて関心がないのだということになります。  今財務大臣からお答えをいたしましたように、これは、たばこの煙は周りの人も肺がんになる、などになる危険性も高めますというふうな表示を義務付けておるわけでございまして、我が国として、あるいはJTとして、これが有害、そういうことに結び付くということ、そしてその注意喚起、受動喫煙に対する被害の低減、あるいはその喫煙者に対する義務の、注意義務の喚起というものは十分に行っておると承知をいたしておりますが、なお松沢委員からこういう御指摘をいただいておりますので、受動喫煙というものがなくなるように更に政府といたしても努力をしてまいりたいと思います。

松沢成文 日本維新の会

○松沢成文君 たばこ好きの喫煙者である総理が受動喫煙対策にもしっかりと取り組んでいるという姿勢見せるのはすごいアピールになると思いますよ。JTにもしっかりと、財務大臣、言ってください。こんなたばこ会社、世界でJTだけですからね。日本の恥ですよ、これ。  さあ、最後に、私は、こういうJT、問題だらけです。健康のアピールや、あるいはこれ、たばこ税の問題もあります。私はJTの完全民営化も言っています。  それで、委員会の方に是非ともJTの社長をこの参考人として呼んでほしいと言って、今回は合意成りませんでしたが、今後も予算委員会で、この問題だらけのJTの社長をここに呼んでしっかりと質問をして、国民に理解をしてもらいたいと思いますので、どうか委員長、取り計らいよろしくお願いいたしまして、質問終わります。  ありがとうございました。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をいたします。  以上で松沢成文君の質疑を終了とさせていただきます。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、伊藤孝恵君の質疑を行います。伊藤孝恵君。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 エコノミスト、永濱利廣さんの御著書「就職氷河期世代の経済学」の袖にはこう書かれています。(資料提示)日本の浮沈は就職氷河期世代に懸かっている。  総理、この言葉の意味するところは何だと思われますか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 日本の浮沈が懸かっているかどうかというのは、それは人によって捉え方は違うと思いますが、就職氷河期の方々が十分な就職機会に恵まれなかった、これを改善しなければいけないということで、後ほどまた答弁、御要請があればお答えをしますが、随分と改善はされてきました。  だけども、まだそういう方々が大勢おられることは間違いない事実であって、そういう方々がもう五十代に差しかかろうとしておるわけであって、まだ親御さんと一緒に暮らしておられる、そういう状況であらばまだいろいろな考え方もあるのでしょうが、それが、親御さんが年を取られる、あるいは他界をされる、家が朽ちてくるということになりますと、これは本当に日本にとって、そういう方々に幸せに生きていただくことに対する努力はしてまいりますが、生活保護とかいろんなことになられるということがないようにしていかねばなりません。  ただ、仮にそうなった場合に、そういう方々に対する御負担、あるいは納税者の責任というものが更に増してくるということは確実でございますので、今から十分な対策を、今までもそうでしたが、これから先も取っていきたいと思っております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 総理は、この就職氷河期世代がそもそもなぜ生まれて、どうして今なお苦しみ続けているのか、そちらの御意見も伺います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、バブルというものがあって、御存じない方もいらっしゃるかもしれません、ひょっとしたら委員も御存じじゃないかもしれませんが、バブルがあって、バブルがはじけて、それがずっと続いていったということでございまして、私はバブルの頃に国会議員になったのですが、世の中、なかなかすごい世の中でございまして、どこかで羽根飾りのようなうちわのような扇子のような、あれをまねしろと言われてもなかなか難しいのでございますが、なかなかそういう時代でございました。  そこから、それが大きかっただけに、そうではない、それが崩壊した後の時期が長く続きましたので、そういう時代背景であったし、企業としても、バブルの頃に多くの方を採用いたしておりますので、その後の人事管理上の問題もあったかと私は記憶をいたしております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 総理がおっしゃったように、バブル崩壊後の日本経済が長期低迷をした、それから旧態依然としたこういった日本型の雇用を企業が守るために極端に新卒の採用を抑えた、さらにはこの派遣労働者、非正規雇用の増加など、この就職氷河期というのは、ちまたで言われているような断じて自己責任ではなくて、社会的、人為的に生まれた災禍だと私は思いますし、また、この我々団塊ジュニア世代の雇用問題に政治が著しく鈍感であったために、この我が国の第三次ベビーブームというのの機を逃し、そして今なお続くこの少子化に連なっているというふうに思います。これは取り返しが付かない政策的な災禍だというふうにも言えます。  政府が二〇〇三年にまとめた若者自立・挑戦プランの中では、若者の就労難を国家的課題であると定義し、原因は、若年者自身のみに帰することなく、教育、人材育成、雇用などの社会システムの不適合の問題として捉えて対応する必要があると記しました。  あれから二十二年、若者は中年になりました。この国家的課題に政府はどう向き合ってきたのか、具体的な政策とその成果を伺います。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) 私も委員と一緒で、就職氷河期世代の一員でございます。二〇〇三年に若者自立・挑戦プランを策定しまして、若者の方々に焦点を当てた総合的な人材対策を取り組んできました。  具体的には、二〇〇四年から、いわゆるジョブカフェを設置する都道府県の要請によりましてハローワークを併設しまして、職業紹介や企業説明会などを開催してきました。また、二〇〇六年には、地域若者サポートステーション、サポステと呼ばれるものですが、それを設置しまして、長期にわたり無業状態にある方に対する職業的自立に向けた支援を行ってきてございます。  また、リーマン・ショック後の雇用環境の悪化を踏まえまして、新卒応援ハローワークやわかものハローワーク等を設置し、担当者制によるきめ細やかな就職支援などに取り組んできたところでございます。  これらの取組の成果といたしまして、例えば、令和元年度から五年度までの直近五年間におきまして、サポステの支援を受けて就職等に結び付いた方は約五・七万人、ハローワークにおけるフリーター等の正社員就職者数は約六十一・三万人となってございます。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 恐れながら、委員長、大臣各位に申し上げます。  私、この質問はおととい終わらせております。申合せは昨日です。なぜか。これは、ひとえに総理にお答えいただきたいからです。この課題の深刻さを分かっていただきたいからです。お酌み取りください。  総理に伺います。改めて伺います。具体的な成果を伺います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 繰り返しになりましたら恐縮でございます。  令和元年から集中的に支援を実施をいたしておるところでございます。  個別施策について見ますれば、非正規雇用労働者を正社員化した企業への助成金は十三万人を超える方々に活用いただいております。ハローワークの職業紹介により、五十五万人の方々が正社員として就職をしていただいております。  全体的には、令和元年から令和五年までの間に、正社員は八万人、役員は十三万人増加をしておりまして、合わせまして二十一万人の処遇改善がなされております。不本意の非正規雇用労働者の方々は九万人減少しておるわけでございます。  就職氷河期世代の男性の方々の正規雇用比率は年齢が上昇するとともに上昇しておるわけでございまして、四十歳代では九割を超え、いわゆるバブル世代などほかの世代の方々と同一水準にまで到達をしておるところでございます。さらに、女性の正規雇用比率はほかの世代を上回るというふうに数字は出ております。  これで、どうだ、すごいだろうと言うつもりは全然ないのですが、努力をしてそういう成果が上がってきておりますが、なお就職氷河期として、正規雇用でもない、なかなか厳しい労働環境にある、女性の方々にそういう方が多いと承知をいたしておりますが、そういう方々に対する対策に更に遺漏なきを期してまいりたいと思っておるところでございます。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 総理が今御付言いただきました就職氷河期世代支援プログラムにおける当初目標、おっしゃったとおり、二〇二〇年度からの三年で正規雇用者三十万人増でした。これ、未達であったがために二年間延長したんですけれども、結局、足下の正規雇用、今八万人にとどまりますが、昨年、政府は一定の成果を上げたと閣議決定をし、二五年度以降は収れんをしていくということでした。  資料一を御覧ください。  一定の成果を上げたとするこれ根拠なんですが、正規雇用八万人、役員が十三万人増えて、合計二十一万増。KPIは正規雇用者の増加だったはずです。いつから役員数がKPIになったんでしょうか。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 済みません、数字ですので。  就職氷河期世代への支援に当たっては、骨太方針二〇一九において、同世代の正規雇用者について三十万人増やすということを目指す、今委員おっしゃったとおり、これをKPIを掲げ支援に取り組んでまいりました。  役員につきましては、KPIの計測に使用している労働力調査では正規雇用者に含まれていませんが、正規雇用者と比べても遜色のない処遇を受けているものとして、役員の増加十三万人を正規雇用者の増加八万人と合わせ二十一万人の処遇改善があったものと考えているところでございます。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 それは当初のKPIではありません。  総理、こういった成果が上がっていないものを成果が上がったとすることで対策は遅れます。政府の対象支援者の、では、ペルソナ分析とどういった政策が求められているのか、どういうふうに思われているか、御所見を伺います。

三原じゅん子 内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策・若者活躍・男女共同参画・共生・共助) 自由民主党

○国務大臣(三原じゅん子君) 政府では、これまでも、就職氷河期世代の支援に携わっている関係団体からのヒアリングやインターネット調査、当事者の方々の御意見を伺うことで、当事者の方々の実像とその支援ニーズの把握に努めてまいりました。  こうした調査からは、例えば、無業の期間が長い、対人関係に悩みがあるなど支援期間が長くなる方がいらっしゃることや、正社員として就労しても短期間で離職される方々が多く見られ、就労後のフォローや定着支援が必要であること、不本意非正規雇用の方については職業紹介や職業訓練等のニーズが高いことなどが分かっております。  このために、これまで、自治体におけるNPO等を通じた相談支援、居場所づくりを拡充するとともに、ハローワークから定期的に電話等で定着状況、これを本人に確認しつつ、就職後の相談や事業者訪問等の支援も実施しているほか、自治体によるリスキリングの取組に対する国の交付金の補助率を引き上げる、こうした無料でリスキリング講座を受講できる機会も増やしてまいりました。  そして、今後、今後は、一人一人の状況に応じた就労、リスキリング等のサポート体制の充実、六十代、七十代に達したときにも安心して働き続けられる環境づくり、そしてまた、社会とのつながりを取り戻すということで、自信を回復して、そして就労や社会参加というものをずっと継続をしていくこと、そして、引きこもり状態にあった方が短時間から働く機会を持てる多様な働く場を創出すること、こうしたことも重要になると考えておりますので、政府一丸となって、省庁横断的に施策の拡充、しっかり努めてまいりたいと思っております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 しかしながら、国民民主党が昨年四月に当事者千人アンケートをしたときに、九割の方が、こういったものは知らない又は利用していないというふうに回答をしています。  今日は総理に具体の提案をいたします。まず、データに基づく政策立案について、資料二を御覧ください。我々は、AIを用いたブロードリスニングで、SNSのみならず、電話それからフォーム、昨夜はユーチューブライブでも声を集めて政策ニーズを可視化しました。  総理、御覧ください。資料二を御覧ください。この一つ一つの点が一人一人の意見です。雇用、退職金、生涯賃金、年金、資産形成、住宅、団塊世代の親介護やダブルケア、孤独、孤立。政府の政策は雇用に今偏り過ぎています。再検討が必要ではありませんか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 雇用が中核を占めると思っておりますので雇用というものに重点を置いてまいりましたが、今委員御指摘の雇用に偏っているという御指摘は、御提案をこれからなさるというふうに承りましたが、何をどのように改善していくべきとお考えなのか、また御指摘を承りながら必要に応じて答弁をいたしてまいります。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 政府の政策は雇用保険を原資とした事業であるために、無業者とか非正規雇用の方を正規社員にして、その方に社会保険料を払ってもらうというのをゴールにしていますけれども、我々を取り巻く課題はそんな単純ではありません。  では、雇用について、資料三、御覧ください。  氷河期の教員採用倍率は本当に高かったんです。二〇〇〇年時点、小学校で十二・五倍、中学校十七・九倍。一方、今は二倍を切ってしまう地域もあります。  総理、氷河期採用をやっていただけませんか。

茂里毅 文部科学省総合教育政策局長

○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。  今お話ありました就職氷河期には教員採用選考の倍率も十倍を超えており、教職への熱意がありながらも採用に至らず、他の道を選んで、他の道を歩んでこられた方も実際いらっしゃいます。こうした方々に再び教職を目指していただき、これまでの社会経験を子供たちの教育に生かしていただくということは大変意義深いことと考えております。  今御指摘ありました教職員支援機構におきましては、社会人等が学校に入職する際の不安を軽減し、円滑な入職につなげるためのオンデマンド研修教材を開発、提供しているところでございます。各自治体において、現職以外の教員免許保持者向けの研修にこれを使っていただいているところでございます。  こういった取組を通じまして、しっかりと必要な人材の確保に努めてまいりたいと思います。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 次は総理、お願いします。  資料五を御覧ください。  昨今は、初任給が四十万円超え、賃上げ率は過去最高、そんな中でも就職氷河期世代は置き去りです。  総理、この労働者の年齢と賃金の組合せ、いわゆる賃金プロファイルへの留意を政労使会議等で発信いただけないでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) そういう情報は必要に応じて発信をしてまいります。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 それでは、人的資本情報開示義務についても御提案します。  内閣府令を改正して、企業の年齢別賃上げ率を可視化し、賃上げを実施した企業に対しては税制優遇やGPIF投資基準への反映を行う、いかがでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 金融庁の担当でございますので。  人的資本情報は、投資家が企業の成長可能性を判断するために重要ということで、二〇二三年三月期の有価証券報告書から開示が始まり、従来から開示が義務付けられていた従業員の平均年齢、給与に加えて、人材育成方針や男女間賃金差異等の開示が義務付けられたほか、企業が経営環境などを踏まえて重要と考える情報を追加的に開示することとされております。  企業の中には年齢別の平均給与を開示している例もあると承知しておりますが、他方で、こうした年齢別賃上げ率の開示を一律に義務付けるか否かということについては、投資家からのニーズを伺い、また、開示に伴う企業の負担感、負担等も総合的に考慮して検討していく必要があると考えておりますが、金融庁としては、企業の中長期的な成長を実現するためには人への投資を促進していくことは重要と考えております。  こうした観点から、開示の好事例の公表などを通じて、企業による今言われた点も含めた人的資本情報の開示の充実、この取組をしていきたいと考えています。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 では、次は総理。  氷河期世代は資産形成が大変困難でした。米国では、セーバーズマッチと呼ばれる、低所得者が確定拠出年金を行う際に半額を政府が拠出する制度が始まろうとしています。日本でも同様の仕組みをiDeCoに導入し、運用知識の習得にも伴走する、いかがでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) iDeCoは公的年金の上乗せ部分として手厚い税制優遇措置の下で資産形成ができる個人年金制度であることは御承知のとおりであります。  iDeCoの掛金を公費で一律に給付するべきであるという御指摘もございますが、これはあくまで任意に加入するものでございまして、加入者自らが掛金の拠出と運用を行う制度でありますことを踏まえますと、特定の対象に公費でこのような措置を講ずるということについては公平性という観点からどうなんだろうねという思いがないわけではございません。  まず、制度の普及促進というものに努めてまいりたいと思っておりますし、資産運用に関する教育につきましてはセミナーあるいは動画の公開などを実施しておるわけでございます。氷河期世代の方々がこのiDeCoというものを御利用いただいて、資産の形成に役立てていただければ幸いだと思っております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 今の五十歳が六十五歳時点で受け取る年金額、三九・一%が月十万円未満だそうです。  例えば、今年、私が、じゃ正規の職に就いても、年金保険料を積み立てることができないまま定年を迎えます。十年後には前期高齢者になります。我が国の社会保障制度は、低賃金が低年金に直結し、挽回ができません。  そこで、二点提案です。国民年金の追納期間及び年齢を延長する、さらには、厚生年金の自己負担分を追納できるようにするとともに、事業負担分を払った企業には法人税減免等の支援をすることで、氷河期世代の将来年金増やせませんか。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) まず、国民年金制度では、全ての被保険者に定額の保険料を納めていただくこととしながら、その負担能力に応じて保険料を免除又は猶予する制度を設けさせていただいております。免除等をした期間は給付額は満額とならないことから、過去十年以内の保険料の追納や五十歳未満の方については納付猶予が可能としてございます。  御指摘の、その追納期間又は猶予制度を利用できる年齢の引上げ等につきましては、社会保険制度としてあらかじめ負担能力に応じた保険料を納めていただくことが基本であることや、毎月保険料を納付していただいている方との均衡を考慮する必要があることから、慎重に検討すべき課題だというふうに認識しております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 分かっています。分かっていますから提案しているんです。  国民年金が追納できるこの二つの要件、十年というのと免除開始時に申請した人のみ、この二点を一定期間緩和することで氷河期のみならず多くの方が老後の基礎年金を増やすことができるので、検討してくださいと申し上げています。総理。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) ちょっと速記止めてください。    〔速記中止〕

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) 御党が就職氷河期世代への対策として様々な施策をパッケージとして打ち出していただいているということは十分承知をしています。  その上で、先ほど来申しましたように、私どもとしては、この社会保険制度として、あらかじめ負担能力に応じた保険料を納めていただくことが基本であること、毎月保険料を納付していただいている方との均衡を考慮する必要があることから、慎重に検討すべき課題と考えておりますが、今後も御党のいろいろな御提案も踏まえながら、しっかり議論は重ねていきたいと思います。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 おととい、立憲、吉川委員の質問に対し、政府は、氷河期世代の生活保護に至る推計は難しい旨答弁されていました。しかし、労働力調査を基に、非労働人口のうち家事も通学もしていない氷河期世代を調べると、二三年時点で、四十五歳から四十九歳二十三万人、五十歳から五十四歳三十一万人、合計五十四万人となっています。これ、衝撃的な数字です。  これ、総理、この最低保障年金制度、そういったものを検討する時期に来ているんではありませんか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) これは、最低保障年金制度の構築はどうなんだという御指摘を頂戴をいたしておるわけでございますが、最低保障年金につきましては、保険料納付実績とは無関係に一定額の年金を保障するというものだとするならば、あくまでだとするならばですが、多額の財源は必要となるのではないか。そして、これまで保険料をせっせと払ってきた方々と払ってこなかった方々と、ここに公平性が確保できるのかということの問題があるのだろうなというふうに思っておるところでございまして、議員が御提案をいただいておりますのでお教えをいただきたいのですが、この税財源をどう考えるか、この公平性についてどう考えるかということについてまた御指摘をいただければ、政府部内での検討に資するものと思っております。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 おとといの吉川委員は、そういった生活保護というものになる、ともするとそういったところに陥りがちの方々の社会保障費の増大を政府としてどう考え、推計をし、対策を打つべきではないかと言っていました。  それについて、総理、お答えください。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) でありますからして、このままで推移をすれば生活保護という形になってしまう、それは生活保護も、憲法に規定されておる人権、人権というのかな、そういうものを保障するための制度でございますから、必要であればそれの適用というものに努めていかねばならないところでございますが、できれば御自身が生活保護ということに頼らずにやっていけるだけの対策というものは、今までもやってまいりましたし、これからもやっていかねばなりません。  先ほど、済みません、公平性の点と税財源の点について、済みません、教えてくださいというふうに、私が言うことでもないのですが、お願いをしたので、またいずれかの機会に御教示いただければ幸いに存じます。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 片道の質問じゃないときに、では申し上げたいというふうに思いますが。  一九八〇年、我が国の男性未婚率は四・七%でした。二〇年は三二・二%、二二年の単独世帯は三二・九%で全世帯の三分の一です。こういった世帯の構造が変わっても、入院等の際に身元の保証を求められる病院は九割を超えます。ない場合は断る施設は一五・一%にも上っています。  単身者の入院等に係る身元保証制度の再設計が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) 身寄りのない方を含めまして、地域に暮らす方が安心して医療を受けられる環境を整備するということは極めて重要でございます。  厚生労働省においては、入院による治療が必要であるにもかかわらず、身元保証人等がいないことのみを理由に医療機関で入院を拒否することは適当でないことを示しました通知を平成三十年に発出し、周知をしているところでございます。また、全ての世代において独居者が増加し、今後、就職氷河期世代が高齢期を迎え始める中で、関係省庁とも連携して検討した結果、令和六年六月に独居高齢者を含む高齢者の方々の身元保証等を行う事業者に対するガイドラインを取りまとめ、こうした業界の適正な事業運営の方向性を示させていただいたところでございます。  厚生労働省としましては、こうした取扱いについて広く周知してまいりたいと考えています。

伊藤孝恵 国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 総理、今日は、奇異に思われる、そういった提案もあったかもしれませんけれども、既存の政策の延長線上に私はこの就職氷河期支援の解はないと思っています。  そういった意味で、今日あまた質問をさせていただき、早口でもし聞き取れなかったのであれば、こういった声とともに詳細にレポートをお届けいたしますので官邸でお受け取りいただきたいというふうに思いますし、是非、総理、この氷河期支援の旗を下ろさないでください。この我が国の浮沈というのは就職氷河期世代に懸かっている、そういうふうに思いますし、石破政権においてお取り組みいただきたいと切なる願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 片道質問をありがとうございました。  以上で伊藤孝恵君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次に、山添拓君の質疑を行います。山添拓君。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  高額療養費の自己負担額引上げ見送りについて、午前中、まだ確定していないという総理の答弁でした。  そこで伺いますが、八月の引上げ見送りは今からでも時間的には可能なんですね。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) もう一度お願いできますか、ちょっと聞き取れなかったみたいですから。もう一度お願いできますか、済みません。いいですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それはまだ決定をいたしておりません。今のこの時点で予断を持ってお答えはできません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 否定をされませんでした。可能だからこそ、方針を固めたという報道なんだと思います。  全面凍結や白紙撤回も含めて検討して判断していくと、こういうことですね。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それ、今から断定はいたしません。ただ、患者団体の方々のお話は厚生労働大臣並びに厚生労働省として承っておりますが、私自身、今日の夕刻になると思います。承っていない時点で、今からお答えはできません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 いや、検討の中身として、全面的に凍結をする、八月からの引上げ見送りも含めてですね、白紙撤回も含めて検討していくと、こういうことかと伺っています。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今からそのようなことにお答えはできません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 昨日は、引上げは前提として理解を求めるという御答弁でした。それ、今は答弁を変えられていると。私は、あっ、変えていないんですか。いや、首をかしげられたので。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) いや、首をかしげたことに質問されてもなかなかつらいところがございますが。  ですから、いろんな可能性はあるでしょう。ただ、私は、この制度を維持していく、この必要性についてずっと衆議院でも参議院でもお答えをいたしております。この制度を、本当に高額療養費制度を受けておられる方々、これはこれから増えていくでしょう。そして、高額療養というものも、医学の進歩に伴ってこれから先、更に増していくものだと思っております。この制度を維持するために何をするべきかということについてお答えをしてまいりましたが、その思いは今も変わってはおりません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 もう一度だけ伺いますけれども、今日夕方お会いになるという、団体の代表の方ともお会いになる、それを踏まえて、全面的な凍結、これも含めて検討していかれますかと伺っています。  私は全面的に凍結すべきだと思いますよ。白紙撤回すべきだと思いますよ。今むしろ決断していただきたいと思うんです。いかがですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今ここで決断して答えを申し上げたら、お目にかかる意味がなくなります。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 そんなことないと思います。治療を諦めろと迫るに等しい改悪というのは白紙撤回すべきだと、これは重ねて申し上げたいと思います。  ウクライナ侵略から三年です。総理は今朝の質疑でも、米国バイデン前大統領が派兵しないと断言したからロシアへの抑止が働かなかったと、こういう趣旨を述べられました。  しかし、いかなる理由があってもロシアの侵略は許されないではありませんか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) いかなる理由があっても許されません。  しかしながら、バイデン大統領が合衆国として武器の支援、情報の支援、訓練の支援等は行うが合衆国軍隊の派遣は行わないというふうに言われたことがプーチン大統領の決断の背景にあったのではないかということを申し上げたのであって、それと許されないというのは話が別でございます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 外務大臣に伺います。侵略の違法性を国連憲章や国際人道法に則して御説明ください。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) ロシアによるウクライナ侵略は、国連憲章の第二条四項ですね、全ての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならないということに照らしても、明白な国際法違反であるというふうに認識をしております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 戦争に至る過程で、NATO諸国もロシアも、力対力で相手を抑止する、そういう戦略に陥った外交の失敗は否めないと思います。しかし、今度の侵略の責任が国連憲章をじゅうりんしたロシアの側にあることは明らかです。  日本政府は、国連憲章に基づく包括的で公正で永続的な和平の実現に努力するとしてきました。この包括的で公正で永続的、これはどういう意味ですか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 我が国が用いている公正かつ永続的な平和という語における公正あるいは永続的という意味ですけれども、特定の有権的な定義が定まっているわけではありませんけれども、これまでの国際社会での議論も踏まえますと、まず、ロシアによるウクライナ侵略が国連憲章を含む国際法の諸原則の深刻な違反であるという観点、それから、実現される平和が長期的に持続可能なものである必要があるという観点、これらを念頭に置いた概念であると御理解をいただければと思います。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 資料をお配りしています。  二月二十四日国連総会決議も、公正な和平を目指す過去四回と同様の内容であり、日本も賛成しました。ところが、米国は、過去四回と異なり反対し、別の決議案を出しました。  その理由を米国はどう説明しましたか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 現地時間の二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵略から三年となることを受けまして、国連総会においてウクライナに関する討議が行われた際に、米国はウクライナ及び欧州が提出した決議案に対しては反対を、反対票を投じたと承知をしております。  その際、米国の国連常駐代表代理であるシェイ大使は、米国が別途提出した決議案について説明する中で、戦争の早期の終結及び永続的な平和を強く訴える同国提案の総会決議こそが必要とされているとして、ウクライナ及び欧州提出決議案の撤回を求めたと承知をしています。さらに、決議の投票前に実施した投票理由説明において、ウクライナ及び欧州提出決議案がウクライナにおける殺りくをすぐさま止めることにはならない旨を述べたと承知をしています。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 欧州提出のものは後ろ向きのステートメントだと、こういう批判をしたわけです。  米国が出した決議案はどうなりましたか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) フランスの修正を加えたものが議決をされたと承知をしております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 そして、その決議に米国は棄権したわけですね。自ら提出した決議案を棄権するという異例の事態です。加えて、米国は、ロシアやフランスの修正案については、言葉の戦争を追求するものだなどと述べて批判をしました。  総理も同じようにお考えでしょうか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) これは、米国のその態度、姿勢というものを我が方が断定的に評価するわけにはまいりませんけれども、ロシアを交渉のテーブルにきちんと着かせるということを多分米国は一番重きを置いて国際場裏に臨んでいたのではないかと推察をしております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 これは総理に伺いたいのですが、トランプ氏のスタンスは、過去の決議では戦争を止められなかった、だからロシアの批判を控えて公正な和平も投げ捨てよと、こういうものです。事実、トランプ外交は、ウクライナの頭越しにロシアと協議し、ロシアの言い分を認める形で、ウクライナに対して主権と領土の回復を諦めるように譲歩を迫るものです。  国連憲章の実現に最大の責任を負う常任理事国の米国が公正な和平を否定する事態は、これは国際秩序の深刻な危機だと、こういう認識を総理はお持ちでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 別にアメリカに限りませんが、ほかの国の外交というものに我が国があれこれと評論をすべきだとは思っておりません。  で、ウクライナの頭越しに全てが決まるというものではございませんで、この戦争を一日も早くいかにして終結をさせるかということ、そこにおいて、力による現状変更をしようとした国に対して利益が与えられることがないようにと。この二つは二つとも正しいのですが、これをどうやって両立させて実行するかということについて、これから先いろんな手だてが講じられるし、我が国としても意見を申し述べていかねばならないと思っております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 国際秩序の危機にあると、そういう認識をお持ちかということを伺っているんです。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 力による現状変更は常に国際秩序の危機だと認識しております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 米国がまさにそういう立場に今あると思うんですね。  フランスのドリビエール国連大使は、侵略が報われ、弱肉強食がまかり通れば、平和も安全もどこにも存在しないと、こう述べました。  総理は、この間の米国とウクライナの対応を見て、どちらの側にも立たないと、こういう答弁をされています。しかし、力の支配の側に立つということは、これはできないんじゃありませんか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 平和の実現のために合衆国が果たすべき役割は大きいと思っております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 それが力の支配の論理でいいのかと、こう伺っています。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 力の支配による論理を肯定したことは、今までのアメリカ合衆国の発言からは一度も行われたことはございません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 しかし、公平な和平を、公正な和平を否定しているわけですよ。  外務大臣、来週G7に出席すると伺います。米国に対して、力の支配ではなく法の支配の立場で公正な和平を目指すべきだと、こうお伝えになりますか。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) 事態は刻々と変化していると思うんですね。  先般のホワイトハウスでの会談は決裂しましたけれども、先ほど入ってきたニュースでは、サウジアラビアにおいて米国とウクライナの対話がまた再開されるというような報道も出ておりまして、私も、お許しをいただければG7の外相会合に出席をして、米国を含むG7各国と、ウクライナに一日も早く公正で永続的な平和が実現をするということのためにG7が結束していくべきだということを、米国を含めた各国にしっかりと申し上げたいというふうに思っております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 総理にも確認したいと思います。  トランプ氏の力による平和あるいは不公正な和平の押し付け、これ許されないという立場は表明いただきたいと思います。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 不公正な解決はあってはなりません。力による現状変更ということを許容することはあってはならないと思います。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 国連憲章は全ての国際関係の基盤だと日本政府も国連で表明をしています。それをゆるがせにしてはならないということを重ねて述べたいと思います。  防衛大臣に伺います。  米国やウクライナとの軍事演習、シーブリーズへの海上自衛隊の参加について御説明ください。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) シーブリーズは、米国とウクライナが共催する多国間演習でありまして、一九九七年以降、ほぼ毎年実施をされております。  我が国は、二〇二一年にオブザーバーを派遣をしまして、二〇二二年のロシアによるウクライナ侵略による中止の後、二〇二三年から本参加をいたしております。  昨年実施されたシーブリーズ二〇二四は、機雷除去等を内容として、昨年六月二十五日から七月五日までの間英国で、次いで九月九日から二十日までの間にブルガリアで実施をされまして、海上自衛隊から英国に一名、ブルガリアに十名参加をさせました。  この訓練の公表につきましては、個々の訓練ごとの公表の有無や時期を判断しております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 なぜ当初公表しなかったんですか。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) 先ほど申し上げましたけど、参加隊員が英国に一名、ブルガリアに十名ということでございましたので、派遣、艦艇の派遣を伴わなかったということ、また、少人数の要員参加にとどまる点等を総合的に勘案しまして、積極的に公表することはしませんでした。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 二〇二一年の最初の派遣は一人だったんですが、事前に公表しているんですね。  今の大臣のお話ですと、外国軍との共同演習で公表していないもの、ほかにもたくさんあるんでしょうか。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) お尋ねの非公表の共同訓練の実績につきましては網羅的に集計はしていないことからお答えは困難でありますが、例えば、防衛省からピンナップ等を行っていない共同訓練の参加の実績としましては、米国、ウクライナが共催する多国間演習、シーブリーズ二〇二三及びシーブリーズ二〇二四の参加の例があります。シーブリーズ二〇二三、二四につきましては、対機雷訓練を内容といたしております。  これらの訓練の参加につきましては、艦艇の派遣を伴わなかったことから発表しなかったわけでございます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 要するに、今回のものだけじゃないですか。  ほかにないのか確認いただいた上で、委員会に報告を求めたいと思います。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会にて協議をいたします。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 私は、憲法の下で実力組織の海外派遣を秘密裏に進めること自体が問題だと思います。  大臣は、これを適切だとお考えでしょうか。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) この訓練は、武力行使を伴ったり、また戦争に参加するというようなものではございません。機雷除去を行うということで共同で行った訓練でございます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 ウクライナのように、武力紛争中の国が主催する軍事演習に参加した例は過去ありますか。

中谷元 防衛大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(中谷元君) 何が武力行使かという定義がいろいろございますが、例えばアメリカとの共同訓練は現在も我が国周辺で頻繁に行っているわけでございますので、そういう訓練は常時行っております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 アメリカは武力行使中だということを平然と述べられているんですが、これ、アメリカやイギリスを除けば前代未聞の事態だと思います。にもかかわらず、公表せずに来たことは、私は重大だと思います。  総理に今度は伺いたいんですが、資料をお配りしています、二枚目です。  昨年四月、岸田前総理とバイデン大統領の共同声明では、日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全、繁栄の礎であり続けることを確認するとしていました。ところが、先月、総理とトランプ大統領の共同声明では、日米同盟がインド太平洋及びそれを超えた地域の平和、安全、繁栄の礎であり続けることを強調したと、こうあります。  なぜ変えたんでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) それは、日米同盟というものと日米安全保障条約というのはぴったり一致をするわけではございませんので、日米安全保障条約のフィリピン以北というのも、これ自体も地理的な概念に限定をしたものではございません。  必要なものであるならばインド太平洋及びそれを超えた地域に日米同盟が役割を果たすこともございますし、必要がなければ日本の近くでも役割を果たすことはございません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 私は拡大した理由を聞いているんです。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 拡大をしたわけではございません。以前からこのような考え方でございます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 昨年のものは文言が違いますよ。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 日米同盟が果たす役割は、昨年も今も変わるものはございません。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 文言を変えたのはなぜかと伺っています。

岩屋毅 外務大臣 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(岩屋毅君) かつて、世界のための日米同盟という言い方をしたこともあったと思いますけれども、委員御指摘の文言は、日米同盟を一層強化し、インド太平洋地域はもちろんでございますけれども、世界の平和と繁栄に役割を果たしていく、そうした日米首脳の決意を示した表現でございます。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 決意の表れと言いますが、日米同盟を野方図に拡張するものだと思います。しかも、国民に知らせることなく海外での軍事演習に参加する、米国が法の支配を逸脱しても批判せずに付き従う、そして軍事費を増やせという要求を吹っかけられると。おもねりへつらうような対米従属から私は脱却すべきだと、これは強く指摘したいと思います。  残りの時間で、空襲被害者の救済について伺います。  総理は昨日、戦後八十年で行政として何ができるかよく考えたいと、こう答弁されました。立法の必要性について、総理自身はどうお考えでしょうか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 現在、超党派の議員連盟におきまして、昨日も御紹介がございましたとおりです。空襲被害者に対する特別給付金の支給、実態調査などを内容とする議員立法について議論をされておるところでございまして、私どもとしてはこれをよく注視をしてまいりたいと思っております。  また、これまでの政府の取組といたしまして、一般の社会保障施策の充実と併せまして、一般戦災死没者の追悼の観点から全国の空襲等に関する情報の収集、整理、発信を行ってきたところでございますが、政府として更に何ができるか、議員立法での議論も見守りながら考えてまいりたいと思っております。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 総理は昨日、最高裁は受忍論だと答弁されました。しかし、その後の東京空襲訴訟では、最高裁は受忍論を取っていません。二〇〇九年の東京地裁判決は、一般戦争被害者を含めた戦争被害者に対する救済、援助、これは国会が立法を通じて解決すべき問題だと述べています。東京高裁も同様です。最高裁はそれを否定していません。  ですから、立法による解決の決断、これが求められていると思いますが、いかがですか。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今の判決、判例の御紹介はそのとおりでございます。立法によって解決をするということは、それは我が国において当然起こり得ることですし、そういうことについて立法がなされましたとするならば、政府がそれに対応するということは当然あり得ることであります。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 昨日の質疑では、艦砲射撃などとの公平ということもおっしゃいました。今、議連で議論している法案は、空襲、船舶からの攻撃その他の戦闘行為、全て対象にしていますから、艦砲射撃もあるいは沖縄の地上戦も含まれています。公平かどうかということよりも、残されてきた戦争被害、戦後補償に向き合い解決すると、これが求められていると思うんです。いかがでしょう。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 超党派の議連において真摯な議論がなされておるということでございます。  私は、判決、判例、随分と読んでおるところでございますが、我が党からは平沢議員、松島議員、どちらも東京選出でございます。立派な考え方の方々と私は思っておりますが、そこにおける議論というものを逐一私も拝聴しながら考えてまいります。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 資料の三枚目には、今月四日、全国空襲被害者連絡協議会、空襲連の院内集会でのアピールを付けておりますが、今日も当事者の皆さん、傍聴においでなんですね。総理は議連の一員でもありますが、是非、総理として直接話を聞くような機会を持っていただきたいと思います。いかがでしょう。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 多くの方々の御意見を聞くということは必要なことだと思っております。私の立場としてそれを承るということが、どのような形でやることが一番望ましいのか、それは政府部内で少し議論をさせてください。

山添拓 日本共産党

○山添拓君 是非お願いしたいと思います。  この救済法の成立は、国として二度と戦争の惨禍を繰り返さない、そういう決意を示すことにもなると思います。戦後八十年のこの国会で姿勢を正していくと、改めていくと、このことを強く求めて、質問を終わります。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で山添拓君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 次の質疑者の木村英子君の発言席の準備をしておりますので、しばらくお待ちください。  木村英子君の質疑を行います。木村英子君。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  石破総理大臣に質問します。  今年、東京都議選、参議院選挙があります。しかし、重度訪問介護などの介護制度を利用している障害者は、選挙に立候補できない現状にあります。(資料提示)それは、このパネルに書かれている厚労省の告示五百二十三号の「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除く。」という文言によって障害者の社会参加に必要な外出が制限されているからです。  この重度訪問介護を含めた介護制度は、家の中での介護を中心とし、食事、トイレ、入浴、体位変換、見守りなど、介護の必要な障害者が地域で生きていくためにはなくてはならない命綱となっている制度です。しかし、外出介護については、障害者本人が自由に外に出たくても、告示にある「社会通念上適当でない外出を除く。」という文言によって、自治体が認めた外出以外は利用できず、介護の必要な障害者の社会参加は阻まれています。特に、政治活動や選挙活動については重度訪問介護などの介護制度は利用を制限されているため、選挙に立候補することは到底できません。  厚労省の告示によって、私たち障害者から憲法でも認められている参政権を奪わないでください。私たち介護の必要な障害者が当たり前に政治活動や選挙活動に参加できるように、厚労省告示五百二十三号の文言を撤廃してください。総理の見解を求めます。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 必要であれば厚生労働大臣から答弁を申し上げますが、重度訪問介護の利用につきましては、障害者総合支援法上、各市町村におきまして支給の要否を決定するものでございます。外出の目的が選挙運動や立候補予定者の政治活動のためであるということのみをもって一律にこれを社会通念上適当でない外出に当たるものではないとの点につきまして、この場で改めて確認をさせていただきます。また、自治体に対しまして、厚生労働省より、来週開催をいたします関係課長会議の場におきまして広く周知をすることといたしております。  御指摘をいただきました告示の規定は重度訪問介護の外出時の利用範囲を定めているものでございまして、廃止をすることは考えておりませんが、当事者などの御要望、自治体の考え方を伺いながら、必要に応じまして解釈の明確化などの対応をいたしてまいります。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 今の総理の答弁によりますと、選挙運動や立候補予定者の政治活動のための外出については認めると言っていますけれども、立候補するかしないかにかかわらず、告示によって政治活動や選挙活動を禁止することは障害者の参政権に抵触しているとしか思えません。  また、国が自治体に対して周知を図るといっても、国の通知などはあくまでも助言にすぎず、自治体に対する強制力はありません。そのため、多くの自治体においては、この法的拘束力のある告示五百二十三号の「社会通念上適当でない外出」という曖昧な文言を勝手に解釈して外出の内容を制限し、重度訪問介護などの給付を容赦なく打ち切られ、障害者の命を削られるほど苦しい声は無視され続けています。例えば、このパネルにあるように、札幌市では移動支援のガイドラインで選挙運動等の政治活動を禁止していますが、ほとんどの自治体が重度訪問介護にも同じ運用を適用しています。  ですから、この告示が撤廃されない限り、私たち介護の必要な障害者は、行政から介護派遣を打ち切られ、命の危険に脅かされながらも選挙に出るか、それとも命を守るために選挙に出ることを諦めるか、その二者択一しかない状況です。  障害者の参政権を保障するために、改めて告示五百二十三号の文言を撤廃を強く求めます。総理、再びお返事をお願いいたします。

福岡資麿 厚生労働大臣 自由民主党

○国務大臣(福岡資麿君) 重度障害者の方々の就労時の介助支援につきましては、事業主による障害者の方々への合理的配慮の観点から、重度訪問介護の対象としてございません。その政治活動の中には、例えば歳費が支給される議員としての公務のように、この就労時に相当するものも含むために、政治活動全般の重度訪問介護利用を認めることは、その政治活動とその他の就労との間の公平感に鑑みても難しいと考えてございます。  ただ、政治参加については様々な活動があり得ることから、当事者等の御要望や自治体の考えを伺いながら、必要に応じてこの解釈の明確等、明確化などの対応をしてまいりたいと考えています。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 済みません、総理から意見をいただきたいんですが。お願いします。

石破茂 内閣総理大臣 自由民主党・無所属の会

○内閣総理大臣(石破茂君) 今、福岡大臣からお答えをいたしましたが、来週、厚労省におきましてでしょうか、関係課長会議というのを開催をいたします。そこにおいて解釈の明確化ということを徹底をいたしまして、これが参政権に関わるものという御指摘もございましたが、それだけ重大な問題でございますだけに、地域によって解釈が変更、解釈にそごが生ずることがございませんよう、今の委員の御指摘を踏まえまして、厚生労働省として適切に対応をいたしてまいります。  私もその報告は受けまして、いやしくもそういうような権利、障害をお持ちの方々の権利というものが損なわれることがないように、政府として対応をいたしてまいりたいと思っております。

木村英子 れいわ新選組

○木村英子君 これからもこの問題については追及させていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。

鶴保庸介 自由民主党

○委員長(鶴保庸介君) 以上で木村英子君の質疑は終了いたしました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十七分散会

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  1. 記録 #491 観測 2026-10-10 21:34 JST
    改ざん検知用の値 bfccc737…22b10d (未計算)

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まとめの値
d5ab425f…442683

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