令和七年三月十三日(木曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 三月十一日 辞任 補欠選任 高木かおり君 松野 明美君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 舞立 昇治君 理 事 上月 良祐君 佐藤 啓君 山下 雄平君 田名部匡代君 舟山 康江君 委 員 滝波 宏文君 野村 哲郎君 藤木 眞也君 山田 俊男君 山本佐知子君 徳永 エリ君 羽田 次郎君 横沢 高徳君 窪田 哲也君 高橋 光男君 紙 智子君 寺田 静君 国務大臣 農林水産大臣 江藤 拓君 副大臣 農林水産副大臣 滝波 宏文君 大臣政務官 農林水産大臣政 務官 山本佐知子君 事務局側 常任委員会専門 員 西村 尚敏君 政府参考人 総務省大臣官房 地域力創造審議 官 望月 明雄君 文部科学省大臣 官房学習基盤審 議官 日向 信和君 厚生労働省大臣 官房審議官 神ノ田昌博君 農林水産省大臣 官房総括審議官 山口 靖君 農林水産省大臣 官房総括審議官 宮浦 浩司君 農林水産省大臣 官房危機管理・ 政策立案総括審 議官 谷村 栄二君 農林水産省大臣 官房統計部長 深水 秀介君 農林水産省消費 ・安全局長 安岡 澄人君 農林水産省輸出 ・国際局長 森 重樹君 農林水産省農産 局長 松尾 浩則君 農林水産省畜産 局長 松本 平君 農林水産省経営 局長 杉中 淳君 農林水産省農村 振興局長 前島 明成君 林野庁長官 青山 豊久君 水産庁長官 森 健君 環境省大臣官房 サイバーセキュ リティ・情報化 審議官 熊谷 和哉君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○農林水産に関する調査 (令和七年度の農林水産行政の基本施策に関する件) ─────────────
農林水産委員会
発言 175
○委員長(舞立昇治君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、高木かおりさんが委員を辞任され、その補欠として松野明美さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(舞立昇治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房地域力創造審議官望月明雄君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(舞立昇治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(舞立昇治君) 農林水産に関する調査を議題とし、令和七年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 皆さん、おはようございます。自民党の茨城県選出の上月でございます。 自民党として、江藤大臣を始め農水省の皆様に御質問をさせていただきます。 まず、江藤大臣は、自他共に認める自民党農政の中枢、中核の先生であります。今は大臣として日本農政の、日本農林水産行政の中心にもおられるわけでありまして、日々重責等に向き合い、担われていらっしゃる先生であり、最も尊敬し敬愛する先生で、信頼する先生であります。 私、ぶつかり稽古で本当に鍛えていただいてきたんですけれども、そのことに感謝しつつ、ぶつかる力が、おっ、こいつ、ちょっとは強くなったなと思ってもらえるように一生懸命質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず最初、米について質問をします。もうこれは衆でも参でも、いろんなところで多々議論をされているわけでありますが、私は今、党の農林部会長を拝命いたしております。農水省を決して責める立場では全くありません。むしろ共同して責任を負わなければいけない立場であります。 その立場で、私は、一番心配しているのは、流通の目詰まりという言葉なんであります。この流通の目詰まりはあると思うんですが、どれぐらいあるんだろうかというのを心配しております。正確な情報は捉えにくいのかもしれませんが、米の在庫の状況というのは本当にどうなっているんでしょうか。集荷業者と卸売業者の一月末在庫で、対前年のマイナス四十四万トンとなっております。現時点で六末在庫は百五十八万トンと見込まれているわけであります。 恐らく、小規模な事業者、今、生産者への調査もやっているわけでありまして、もうすぐ、間もなく結果も見えてくるのかなと思いますので、今よりももう少し詳細に分かるんだとは思うんですが、現時点でどのように考えていらっしゃるのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) 皆さん、おはようございます。どうぞよろしくお願いいたします。 自他共に認めるとおっしゃいましたけど、私、そんなにうぬぼれておりません。そんなに自分のことをすごいと思っておりませんが、ただ、一生懸命やってきたということであります。 上月委員におかれましては、非常に熱血漢で、ちょっと働き過ぎなところがあるぐらいで、まあ熱心なのはいいんですけど、夜の十時とか十一時ぐらいに電話をしてきて、ああだこうだ言うのはちょっとやめてもらいたいなと思うんですけれども、今度部会長になられて、まさに農政の大転換のこの時点での自民党の部会長で、しかも少数与党の下での部会長ですから、これまでの部会長が経験したことのない様々な困難にも接していらっしゃると思いますけれども、しっかり頑張っていただきたいと思います。 今おっしゃりました在庫については、非常に懸念をいたしております。ずっと在庫の多さに悩んでまいりました。二百二十万トンだった頃もあります。二百二十万トンぐらいになると確実に米価は下に向かうということで、何とか民間在庫を百八十から二百万トン、これは別に農林水産省が決めた数字じゃありませんけれども、一つの、米に関わる業者の方々の一つの目安として百八十万から二百ぐらいにしておくのがベストだろうということで共通認識を持っておったわけですが、これが百五十万トン台に落ちているということは決していい状況ではないと思っています。 この目詰まりの状況についてですが、正直なところ、新しいプレーヤーが入り過ぎて詳細につかめるかどうかはよく分かりません。そして、大変心配しているのは、その適切に保管をしていないような方が、この備蓄米が出たことで、出そうと思っても品質が悪化してしまって正規のルートに乗せられない、そもそも正規のルートのチャンネルを持っていないということであって、元に戻ってこない、そのままどこかに消えてしまう。縁故で行ってしまうとか、どこか、アンダーグラウンドでどこかのお店に流れてしまうとか、そういう部分もあるということになると、非常に緊張感を持って迎えなきゃいけないと思っています。 でも、今回、二十一万トン出しますんで、これを合わせれば、一応民間に二十一万トン出るということになると百七十九ですから、ぎりぎり下限の百八十に近い数字になるというふうに思っています。 それで足りなければ、何度も申し上げておりますが、追加で備蓄米の放出も考えますので、明日には備蓄米の入札結果については詳細に私から報告をする予定でありますけれども、緊張感を持って、この民間備蓄、大変大事な指標でありますので、注視してまいりたいと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございました。 確かに、自他共というのは、何というんでしょう、いや、そう思っていますけど、ただ、先生がおっしゃるように、うぬぼれていない、そこが江藤先生のすごいところだと思っております。見習って私も頑張りたいと思います。 今お答えをいただきました。それで、作況判定のための坪刈りなんでございますが、何というんでしょう、頼まれた方が自分の中で平均的なところを取っていただかないと、やっぱり数値がぶれるんだと思います。私が現場で聞いている話だと、やっぱり頼まれたところはあんまり悪いところを出したくないから、どっちかというといいところを出しているんじゃないかということもあり、そういう意味で、一%ずれれば七万トンですから、これは結構大きな影響があると思います。 お米がどっちかといえば余っていたときは、それがいい方に効果があったんだと思うんですが、今ちょっと足りないかなと思うときには、それは厳しい方向に影響しますので、そういったことにも注意が必要かなと。坪刈りをするときには平均的なところでやってくれとちゃんと言わなきゃいけないのではないかと思います。 六末在庫の適正量の話は今大臣からお話もありましたので、ここでもう今、松尾さんに聞くことはやめようと思いますが、そもそも七百万トン、七百万トンと言われるんですけど、縁故米除くと、あるいは加工米除くとベースは五百四十万トンなんですね。なので、七、八月分の二か月分ということになれば、それは九十万トンということになります。 だから、八百万トン時代から七百万トン時代になり、ストライクゾーンだと言われている百八十から二百の高さも本来はもうちょっと下がるはずだし、ベースが五百四十万トンだとしたらもう少し少なくてもいいのかもしれないんですけれども、心理的なものもありますし、大変重要な論点だと思います。 また、トレーサビリティーじゃなくて、保管の状況、品質の問題は徳永先生もたしか質問されていたと思いますが、とても重要な論点だと思いますので、とにかくしっかりやっていただきたいと思います。 一個飛ばしまして、三つ目で、備蓄米の売却について申し上げたいと思います。 私、売却された備蓄米は、とにかく最短距離で実需者に届けてほしいということを農水の皆さんに強くお願いをしてまいりました。備蓄米の流れる途中でそれが転売市場に何か流れ込むみたいなのが一つでもあれば、これは水を掛けて消すつもりが火に油を注いだみたいな話になったら絶対良くないので、そういうことがないように、とにかく実需者に最短距離で届けてほしいということをお願いをしました。 今回は、販売先から先の販売先についても一定の報告義務を課すということになっていますので、ある種トレーサビリティー法を活用したような対応になって、その担保になっているのかなと、最短距離で届けることの担保になっているのかなと思います。 私、ちょっと危惧しておりますのは、最後の小売店なんです。小売店に行ったときに、例えば五キロを百袋出しました、小売店が、備蓄米ですというときに、じゃ、その百袋を全部買うからという人が出てきちゃったときに、そして、その人がまた少し違うところで転売差益をもうけようと思ったようなときの売り方なんですけど、絶対ないとは限りませんから。こういったものに対して、国として禁止はできないと思うんですよ、小売の売り方だから。ただ、特売物は一人一つまでとかという売り方もあるじゃないですか。そういう意味での注意喚起あるいはチェーンストア協会への事務的な調整、そういうものは是非やっていただきたいと思うんですが、農水のお考えを伺います。
○政府参考人(松尾浩則君) お答えいたします。 委員御指摘ございましたように、今回の備蓄米の売渡しに当たりましては、売渡先の集荷業者に対しまして、隔週ごとに販売数量、金額、販売状況と、こういったものを報告を義務付けております。また、それらの情報は農林水産省で取りまとめた上で公表ということとしております。 また、卸売業者からまたその小売などの販売をするときは、原則精米ということにしております。そういったことで玄米の転売を防ぎ、速やかに消費者の手に渡るということとしております。 加えまして、最後御指摘ございましたように、今後、備蓄米の引渡しと併せまして、地域ごとの需給状況等の配慮でございますとか、あるいは消費者に安定的にきちんと提供していただくと、こういったことで、集荷業者の方々、あるいは卸売業者の方々又はスーパーマーケットの団体を含めた小売業者の方々に働きかけ、要請を行っていきたいというふうに考えております。
○上月良祐君 ありがとうございました。是非しっかりやっていただきたいと思います。 それから、備蓄米の買戻し付きの売却、放出に当たっての食糧法の米穀の生産量の減少という言葉なんですけど、これ、ちょっと松尾局長にお聞きしたいんですけど、例えば加工用米は去年、ふるい下米が少なくなって大変不足したため、夏に放出をしております。 これは、加工用に当たる米が不足しているからなんでありまして、米穀の全体の生産量と関係ないんですね。要するに、それに必要なものが足りないと放出はできるというふうに法律を読んだんだと思うんです。 同様に、主食用米を考えて、今の乳白米、白未熟米みたいなものが、太っているけどすぐ崩れちゃう、極端な例ですけどね、法律の議論だとして極端な例ですけど、そういう米ばっかりになりました、精米したら全部粉になりました、食べる粒ありませんといったら、備蓄米を放出しないといけないと思うんですよ。つまり、米穀の生産量の減少というのはどう読むのかということなんですよ。 私は、一〇〇%崩れた場合と一%崩れた場合は、どっちも法律上は同じだと思っているんですよ。だから、一%崩れてそれで減った分というのは、米穀の生産量の減少で法律上は読まなきゃいけないんだと私は思っております。 これは、精米歩留りが悪いのは、今年産というか六年産も同じなので、要するに買い戻す必要があるかということなんですけどね、そこについてはもう詰めたりはしませんよ。ただ、何というんでしょうか、これ、大臣支えるために、法律上の、何というんですか、論点をきちっと詰めるというのは役人の仕事ですから、そこについてしっかり検討していただきたいと思うんですけど、局長、御答弁お願いします。
○政府参考人(松尾浩則君) まず、政府備蓄米の定義を簡単に御説明させていただきますと、食糧法第三条第二項ということで、備蓄米は、米穀の生産量の減少によりその供給が不足する場合に備えて保有するということになっております。 それから、備蓄米につきまして、その運営については基本指針というところで定めておりまして、この中で、百万程度備蓄すると、その考え方について、大凶作、連続する不足など、米が不足する場合に放出ということにしております。 それで、先ほどお話ございましたその歩留りの関係でございますけれども、通常、生産量を統計部で把握するときに、一応、農産物検査法上、一定の等級以上ということにしておりますので、そこである程度その生産量全体としてはきちんとしたものが生産されているということでカバーされているのが一つと、もう一つ、どうしても、その歩留りというのは玄米を、等級上、玄米、結構粒が大きいので、等級上は上がってきたと、ただ、それを精米にするときに、何といいますか、物になかなかならなくて歩留りが悪くて、ああ、余計に需要が、玄米が必要だったねという、そういった精米過程で生じることが多いので、どうしても一年掛けて、秋に出荷されたときに分かるかというと、まあ分からない部分があって、実際、卸に行って精米されるところで徐々に分かってきた、あっ、今年はちょっと歩留りが悪くて余計に玄米が必要になったなと、そういった特徴もあるということに御留意いただければと思います。
○上月良祐君 いや、それはそのとおりなんですけどね、そのとおりなんですけど、ここで詰めはしません。ただ、何というんでしょう、幅を持っておいた方がいいですから、それはしっかり詰めていただいて、検討していただきたいというふうに思います。 それから、加工用米と子供宅食等への交付あるいは売却についてちょっとお願いといいますか、お考えを伺いたいと思います。 昨年は、加工用米については放出もしたわけであります。今年は、同様に、煎餅の方々からは、言われているのと併せて、お酒の方ですね、酒造好適米を使うようなやつじゃない一般酒用ということで、掛け米、普通米を使うようなものでありますが、そういったところも本当に不足しているということであります。ここについては、昨年、昨年はかなり、何というんでしょう、慎重な立場でやられたんだと思います、一万トンだったと思いますが。今年もしっかりその需給というんでしょうか、状況を見ていただいて、放出、必要ならばやっていただきたいというふうに思います。昨年よりは必要になるんじゃないかと思います。 それから、子供宅食等については、一月の実質賃金が残念ながら大変大きなマイナスになってしまったんですね。マイナス一・八です、速報で。これ、僕はショックを受けていまして、あれ平均値ですから。で、困窮世帯というのはあの平均値よりもはるかに悪いので、私はそっちの仕事もやっているものですから、特に夏休みとかになると栄養が取れなくて体重が減っちゃうんですね、あの成長過程の子供さん方が。こういうところにはしっかり、フードバンク、今回対象にしたということですけれども、交付をしてあげていただきたい。今一千トンぐらいですか、交付されていると、今年度ですか、ということで聞いておりますけれども、そういったことに配慮していただきたいと思いますが、局長のお考え聞きたいと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) 委員御指摘のまず加工原料用のお米でございますけれども、昨年、備蓄の運用を定めた基本指針におきまして、こういった規定を設けております。加工原材料用の販売につきましては、前年産の加工原材料用の国内生産分の供給量が大きく減少し、製造業者における当年産の前倒し、ミニマムアクセス米と、こういったことの代替が行われてもなお端境期の供給が不足する場合には、八月以降の入札に行うと、販売を行うと。こういったお米は、基本的に農家の方々が加工用の米として作っておられるものも供給されておりまして、そういったところとの代替もございますので、いずれにしても、こういった備蓄の運営の基本指針を照らし合わせまして、本年産、よく見極めながら対応していきたいということでございます。 それから、子供食堂、子供宅食、フードバンクのお話ございました。昨年まで子供宅食、子供食堂ということで無償交付をしてきておりまして、御指摘のように、本年度からフードバンクということでも無償交付を開始して、今月八百二十三トンということで申請を受け付けております。私ども、引き続きしっかり対応していきたいと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。 子供食堂は一般の方々も来られます。子供宅食は、やっぱり本当に困窮世帯で困っていらっしゃる方を狙い撃ちといいますか、そこにお届けするわけでありまして、是非そういった相手のこともよく見ながらしっかりやっていただきたいと思います。 それから、江藤大臣にもう一問、米でお聞きします。 昨年八月八日の南海トラフ情報で、まあ米屋さんからお米がなくなったということになるわけですが、実は私、五月ぐらいに関西の米屋さんから玉がない、お米がないんだ、何とかならないかと言われて県内いっぱい探したんです、茨城は米多いのであります。けども、もうなかったんですね。五月の時点で全て行く先が決まっているということでありました。 県内の主力農家の方々とお話を何軒ももちろんしているんですが、そうすると、もう耕作やめる人がいても受けられない、もう俺ら受けられないと、で、受けるとしても、もう自分の近いところで集約に資するところは受けるけど、その場合は遠いところは手放したいというふうにおっしゃっていて、そうすると、これから、米農家の平均が七十二歳ですか、これからまた上がっていくと思うんですけど、そうすると、やめられる方が増える中で、何というか、こぼれていくというと何か変かもしれませんが、要するに、受け止め切れない生産減が加速的に増えていくんじゃないかと。要するに、生産力に大きな曲がり角が来ているんじゃないかということをちょっと現場を歩いていて実感をいたしております。 大きく構造を見ると、これから水活の見直し等はあるわけですけれども、主食用に入ってこないようにこれまではしていたわけですが、逆に主食を守る、主食の生産力を減少させないように努めていくというような形の方向になっていくんじゃないかと思っておるんですが、水活の見直しの方向性等について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) まさに、米農家は特に兼業農家が多い、そして、兼業農家の方々を中心に、これから農地を手放す方々、農業をやめてしまう方々が出てくる。この過去十年間のトレンドを見ても、兼業農家の米農家がやはり離れていったというのが統計的に数字でも出ております。ですから、このトレンドは更にひどくなっていくんだろうと思います。 ですから、これから、地域計画をしっかり作っております。まあ三月三十一日が近いので、それまでに全部できるかどうかまだ分かりません。いいかげんなものを作っても仕方がないので、もういいかげんなものを作るぐらいだったら三月三十一日を超えてもじっくり取り組んでいただいた方がいい。それに対するサポートはしっかりやりたいと思っています。 そして、今委員がおっしゃったように、主食である米、これをしっかり作れる体力というものはしっかり持たなきゃいけません。ですから、地域計画の中で担い手を張り付けて、そして担い手が決まったら農地の機能向上、大区画化をして、そこに例えばスマート農業を入れるなりそういったことをした上で、一人当たりの単位面積当たりの生産性を向上させることによって食用米はしっかり生産できるんだということをやることがまず大事で、それに加えて、上月委員はずっと自民党で輸出を担当されて、三年ぐらいやったのかな、三年ぐらいずっと輸出の委員長をやってこられましたよね。 今度も、米については、やはりこれだけ食料安全保障が問題になってくると、いざというときに余計に日本の国には主食を生産できる体力あるんだということを担保することは大事ですので、そういう意味でも、新規需要米、米粉用米であったりセルロースであったり、それから酒好適種であったり、様々な新規需要米も含めて、輸出を中心に米を作付けしていく。 とにかく、米を作るということについて、やはりもう少し考え方を今までとは変えていく必要があるというのは大いに賛同するところであります。
○上月良祐君 ありがとうございます。 それでは、食料システムとか価格転嫁についてちょっとお聞きしたいと思います。 今国会では、価格転嫁に向けた大変重要な食料システム法案の審議もあります。一年半ぐらいにわたって、生産、加工、流通、消費者までの様々な方々からたくさんの御意見を伺って、大変難しい仕組みについて、公取まで巻き込んで、これは宮浦さんのところで一生懸命考えてくださったものであります。 私、党の会議で、二年ほど前ですかね、三年ぐらい前になるかもしれません。小売段階でのまさにこの価格転嫁について問うたときに、農水省から、もうすごい覚えているんですが、民民の取引なので農水省としてはタッチできませんと明確な答えをいただきまして、ちょっともうかちんときてすごく言った覚えがあるんですけど、まあそれも今となっては隔世の感があるし、感慨深くすらあるかなというふうに思っております。 資料一を御覧ください。 これは、私たちが、党の、先ほど江藤先生からお話があった農産物の輸出委員会の提言に付けた表であります。作ったのが当時の委員長であった福田達夫さんなので福田チャートと呼んでいるんですけど、物の流れ、金の流れ、どこでどこの議論をしているのかが僕ら分からなくなるので、そこをマップにしたものであります。 六年ほど前からもう既に、生産現場に加え、とにかくサプライチェーンの先なんだと、その販売の現場なんだと、そこの価格、プライシングとかが本当に重要なんだということを一生懸命訴えてきたわけであります。生産現場はもちろん重要です。それと同じぐらい、加工、流通、販売の現場、それがどっちも重要なんだということを認識して進めていく必要があるというふうに思っております。特に、食品産業は大きな成長余力があります。成長していってもらわないといけない。 ところが、これが、農水と経産の間にちょっと、ややおっこちていた感も従来はあったと思います。例えば、六次化について言えば、一掛ける二掛ける三が六になると言われるんですけど、実際一掛ける二掛ける三でうまくいっている例ってあんまり僕は知らなくて、二掛ける一掛ける三とか二掛ける三掛ける一の方がうまくいく、つまり食品産業が逆に農業に出ていくようなケースの方がうまくいくようなケースが多いんじゃないかというふうに思っております。それと、先ほど申し上げた、実質賃金が十分に上がっていかない中で消費者の理解をどう得ていくかということが必須であります。 価格転嫁を担保するためにも、食料システムやサプライチェーンの重要性、生産現場だけではなくて、加工、流通、販売、消費者理解の重要性、こういったものについてお考えを大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) 農家の方々は、日本の農家は作ることは超一流です。非常にすばらしいものを作って、皆さんプライド持っていらっしゃいますが、ただ、プライスメーキングの世界になると全くタッチができない、全てお任せしてしまわなければならないというのがフラストレーションでもあり、弱点でもあったんだと思います。 しかし、このままの状態をずっと放置していくと、最終的には農家がいなくなってしまう。もう農家に余りにもしわ寄せが強過ぎると、もうやっていられないという話になったら困るのは農家ではなくて国民だということをまず分かっていただきたい。もうこの議論は、上月委員にもずっと参加していただいて、三年間にわたってやってまいりました。そして、公取にもコミットしていただき、そして、大きかったのは消費者団体の方々が参加をしていただいて、一緒に議論をしていただいたのは大変良かったと思います。 ですから、今回の、法律ができておりませんから、まだ成立しておりませんから確定的なことは言えませんが、内容としては、生産、流通、加工、販売、そして消費の段階で協議をしっかり行ってもらう。そして、コスト指標をつくると。これ、やっぱり大きいですよ。コスト指標をしっかりつくって、これまた公表すると。やっぱり知ってもらうということが大事ですよね、どれだけのコストが掛かっているのかと。このコスト指標に基づいて、各流通の段階で公正な取引。 ですから、どこかのところが極端に損をする、どこかの段階が極端に得をするということではなくて、オープンプライス方式で全てを明快にするということは、商取引ですからやはりできない部分はあります。ありますが、できる限り納得のいく取引をしていただくような法律にしたいというふうに思っております。 ですから、この法律についても、是非、国会に提出しておりますので、この委員会でもしっかり御議論いただいて、修正すべき点は修正をして、より良いものとして成立させていただきたいと。よろしくお願いいたします。
○上月良祐君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 それから、価格転嫁に関して、私、官公需のことを今集中してやっております。党でちょっと大きな枠組みを立ち上げて、もう徹底的にやろうと思っているんですが、ここの一つの例で、自治体における学校給食、それから病院や高齢者施設におけます食材費、食事療養費等であります。これはまさに価格転嫁そのものなんであります。 この公定価格による価格というのは、農産物価格に直結するんですね。入院時の食事療養費二十円上がりました。それから、学校給食は平均すると、食材費だけですけど、一食二百三十円ぐらいですよ。これはしっかり上げてもらわないと、的確な予算措置をしていただかないといけないです。 診療報酬改定、今年また大きな闘いというとなんですけれども、議論があると思いますので、こういった的確な予算措置や発注について、文科省、厚労省に伺いたいと思います。
○政府参考人(日向信和君) お答えいたします。 学校給食についてでございますが、文部科学省としては、これまでも、重点支援地方交付金の活用を促すとともに、契約の途中で食料品価格、労務費等の価格変動等が生じた場合には、契約金額の変更や受託事業者への支援など、適切に対応することなどを教育委員会等に対して周知してまいりました。 また、現在、各自治体における食材の効率的で安定的な調達を促すため、契約実態について自治体等に調査を行っており、これらの取組を通じ、学校給食が安定的に実施されるよう努めてまいります。
○政府参考人(神ノ田昌博君) お答えいたします。 公的に価格が設定されております医療・介護分野における食費につきましては、経済・物価動向等への適切な配慮を行うことが重要であると認識をしております。 委員御指摘の病院や高齢者施設の食費につきましては、まず、医療機関については、食材料費等の高騰を踏まえ、令和六年度診療報酬改定において、昨年六月より入院時の食費基準額を一食当たり三十円引き上げるとともに、その後も食材料費等の高騰が続いたこと等を踏まえて、本年四月より更に一食当たり二十円を引き上げることとしております。 また、医療機関や介護事業者の食材料費等への支援のため、先般の補正予算において重点支援地方交付金の更なる積み増し等を行うなど、物価高騰への対策を講じてきたところであります。さらに、この補正予算につきましては、実効性のある支援につなげる観点から、各自治体に対して、食材料費等の高騰への支援について可能な限り早期の予算化を進めていただくよう要請をしております。 その上で、今後の対応についてでありますが、これから現場に行き届く様々な対応の効果や物価等の動向、経営状況など、足下の情勢変化もよく把握した上で必要な対応を検討してまいりたいと存じます。
○上月良祐君 地方創生臨時交付金はちゃんと結果を見せてもらわないといけないと思っています。それがあるからというのはみんな言うんだけど、それだけで本当に十分なのかというのは、ちゃんと自治体との間でコミュニケーションしていただきたいというふうに思います。 それと、厚労省の答弁が、今のは、経済動向というのは本人負担の問題につながる話はあるけど、でも、それは消費者に対する価格転嫁と似たところありまして、低所得の方には配慮をしつつですよ、やっぱり農家潰れちゃったら困るのは、さっき大臣おっしゃっていたように国民ですから、そういうところをよく考えてやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 それから、続きまして、大臣に、済みません、基盤整備の重要性について一言お願いしたいと思います。 先ほどもお話があった地域計画でございます。何とかこの年度末までにということでありますけれども、最後の詰め、頑張っていただきたいと思います。 ただ、今回は、策定途中の状況を仄聞しますと、かなりいろいろ、物すごく一生懸命やられたところから、ちょっとやっぱりマンパワーの問題もあるんだと思います。ちょっとばらつきというか、違いはあるのかもしれません。しかし、そのことを責めたりするんじゃなくて、それは大切な一歩ですから、そこから先どうやっていくかが問われるべきだと思います。 農業経営体、農家の数もどんどん減ってきますので、スピード感を持って、切迫感を持って、これから基盤整備、まあ大区画とかをやっていって、スマート農業の受皿をつくっていかなければいけないと思っております。生産性を向上するためにも、水路の暗渠化、あるいは農機具の移動をスムーズにしたり、情報通信基盤なんかも厳しい中山間こそ必要でありますので、そういったところもやっていく必要があります。 これ、農業の経営体が減少していく中、農地を守ったり地域農業を支えていくために、とにかく計画的に徹底した基盤整備をしていく必要があると思うんですが、例えば五か年計画のような形ででも、今、集中対策期間の五か年であります。必要な予算をきちんと複数年で確保していくような取組が重要であると思うんですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) 全くおっしゃるとおりだと思います。 やはり、生産性の高い農地で農家の方々には頑張っていただきたい。生産性の低い農地をそのままにしておいて頑張れ頑張れと言っても、それはつらいですよね。ですから、まさに稼ぐ力、手取りを増やす、所得を増やすには、もうこのまさに基盤整備事業、例えば排水暗渠をしっかり入れるとか、そういったことは基本中の基本だと思っています。 そして、今言われたように、中山間地域の話をされましたが、中山間地域でもスマートは入れられます。例えば草刈り機とか様々入れられます。それには、やはり通信情報、この情報が4Gなのか5Gなのか、それによって精度も全然変わってきますので、通信環境の整備というものもしっかりやらないと、スマート技術が発達しても通信情報が悪いから導入できないというようなこともあり得ますので、そういったこともしっかりやらなければいけないと思っております。 今まで、前年度から二百六十億円増やして六千五百億円は計上いたしておりますが、果たしてこれで十分なのかというのは私も感じます。ですから、これから農業者の数もなかなか減ってしまう、そして大区画化もしなきゃいけない、そしてスマートも入れなきゃいけない。そういうことであれば、この農地をいかに整備し、その生産性を上げていくかということは大きな課題でありますから、本当は、委員が言われるように、国土強靱化五か年計画みたいなのが立てられて、そういうのでがっちり予算を確保して、計画性を持って中期計画でやれるのが一番いいと思いますが、それはちょっと宿題として受け止めさせていただきます。
○上月良祐君 それは、党も頑張らないといけないことなので、我々もしっかり申し上げていきたいというふうに思っています。 時間が全然なくて済みません。もうどれをすればいいのかと、あと、思っているんですが、ちょっと農産物輸出は是非、滝波副大臣にちょっとお聞きというか、申し上げたいと思います。 先ほどお話がありましたように、三年弱委員長をやり、三年事務局長をやりました。ずうっと関わってきました。もう延べ数百人になると思います、多くの有識者や現場の企業等の皆さんともう様々に意見交換をして、我々なりに重要なポイントを抽出して認識してきたつもりであります。 それは、私は、まず三つあって、一つは、戦略を現地発にするということです。これ、マーケットインのことなんです。つまり、カナダの人が日本で売りたいというときに、カナダの机の上で考えたって答えなんか絶対出ないんですよ。日本に飛び込んで、地域を歩いて、人脈をつくって、継続的に売り込みの努力をする、そういうふうなことをしないと農産物輸出ってできないんですよ。カナダでいいものがあるから日本で売れるだろうってカナダで幾ら言ったって売れないんです。だから、余ったから海外に売ったらいいんじゃないか、たくさん売ればいいんじゃないかというだけでは駄目なんです。 これは、それなりにやっぱりマーケットインやマーケットメークは、照り焼き文化をつくる、アメリカでつくるのにキッコーマンさんはすごい時間が掛かったわけでして、熱しにくく冷めにくいというふうな市場だと聞いております。それなりの時間やコストが掛かるわけであります。 それから、二つ目が、意志あるプレーヤーに数多くチャレンジしてもらうということであります。 GFPのことなんですけど、これ幾ら行政や政治が旗を振ったって、はっきり言って、そのとおりうまくいったりはしませんよ。一つ書いたシナリオでうまくいくかといったら、絶対そんなことはありません。世界の市場は無限です。そして、その国ごと、品目ごと、フェーズごと、どんなアプローチが要るのかということは、もう様々なプレーヤーに努力をしていただいて、失敗もあるでしょう。それは成功もあると思います。そういうものの積み上げの上に輸出というものができていくんだと思っております。 そして、三番目が戦略的なサプライチェーンです。 先ほども申し上げたことですけど、生産現場はもちろん大切なんですが、そこに加えて、やはり農産物輸出の場合は、物流、コールドチェーン、棚やテーブル、そして消費者、文化も違う、宗教も違う、そういった物理的な距離が長いそのサプライチェーンを戦略的に狙って構築していかなければいけないということです。 そのときにとても重要なのは品目団体です。十五できております。彼らは、一番もうけたい大切な動機を持つ方々で、役所も、場合によったら政治家も替わっていくけど、この団体は替わらないわけであります。それがエンジンだと思っておりまして、そのエンジンなしにやってきたわけでありますが、今ようやくエンジンが十五個できた。 それから、プラットフォームを各国に十六拠点つくっていただいております。大変強いサポートになっておりまして、これは、マーケットイン、現地発の戦略という意味でも大変意味があると思っています。ジェトロ、BトゥーBでやってくれます。JFOODO、これはBトゥーCの一番その伝えるところのやってくれる大切なメンバーです。いろんな会社を辞めてこれに懸けるといって来てくださっている若い方々大変いますので、その方々頼りにしながら一緒にやっていきたいと思います。 二番、資料の二を御覧いただくと、もう説明している間ないんですけど、これ、我が国が何で稼いでいるかということなんです。 これ、売上高なんですけどね、一番は自動車ですよ、部品合わせると二十一兆ですよ、もうこの表のこの三倍ぐらい上のところまで棒グラフが伸びるわけです。インバウンドが青い棒、一番右端が農産物なんです。で、農産物、まだまだ頑張らなきゃいけない。ただ、ほかと違うのが、インバウンド、農産物にありまして、それは、全部の地域にチャンスがあるんですよ。工場がなくたっていいんですよ、これは。なので、地方創生的には物すごく重要なんです。 しかし、右上の表に、小さい表にあるように、インバウンドの宿泊というのは極めて偏っているんですよ。四分の一ぐらいの県に物すごい偏っているわけ。こういうことが農産物の輸出で起こっちゃいけないんで、まあ、そういうデータはないんでしょうけど、こういうこともしっかり分析してやっていかなければいけないというふうに思っております。 ちなみに、インバウンドは、この五・三兆の中に、二〇二三年の五・三兆の中に一・六兆食品があるんですね。つまり、外へ出しているよりも日本国内で輸出している方が多いわけであります。これ、八・一兆に伸びていますから、二〇二四は、物すごく伸びていると思います。それもとても大切なことです。この辺もちょっといろいろ言いたいことあるんですけど。 そういったことを踏まえて、これ売上高ですから、稼ぎという意味でしっかり稼ぎを取っていただきたい。これ、もう時間ないんで、滝波さんにも、あっ、もういいです、済みません、お願いをしておきますから、是非しっかりやって、一言、じゃ、お願いします。
○副大臣(滝波宏文君) 上月理事には、大臣からもお話ありましたけれども、自民党の輸出促進委員会の事務局長、委員長も務められ、部会長もなさっていただいて本当にありがとうございます。 今おっしゃったような形で、農業者の稼ぎ、これをしっかりと輸出でつくって、地方創生にもつなげて頑張っていく、海外から稼ぐ力を強化していきたいと思います。 御指導またよろしくお願いいたします。
○上月良祐君 もう間もなく時間なので、山本政務官にもお聞きしようと思いましたが、御要望にしておきます。 この前しっかり説明にも来ていただいたので、私も、これ、営農型太陽光、林地開発の問題、しっかりやっていかなきゃいけないという思いでこれまでずっとやってきております。八割ルールとかもあるんですけど、その辺しっかりチェックしていただきたいと思います。農業委員会任せということにならないようにしっかりやっていただきたい、大切な農地ですから、やっていただきたいと思っています。 それから、ALPS処理水の問題についても水産庁さんにお願いしておきたいと思います。 ホタテ、ナマコ、しっかりやっていただいていますが、それを継続的に輸出の観点でも頑張らないといけないと思っていますし、漁家子弟、上乗せの補助を出していただくことになりました。これについて、実際に、船舶の建造は特定の場所しかできませんので、五年以内にできないんですよね。なので、順番待ちしているうちに補助がなくなったということではALPS対策としては意味がないので、そういったことも、予算に関わることなので、これから党でもしっかり頑張りたい、地元の議員としても頑張りたいと思っておりますが、しっかり息の長い取組をやっていただきたいということをお願いして、私からの質問とさせていただきます。 本日はありがとうございました。
○横沢高徳君 立憲民主・社民・無所属の横沢高徳でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 今日は、大臣所信に対する質疑ということで、大臣、よろしくお願いいたします。 まず、大臣も所信で触れていただきましたが、岩手県大船渡市の大規模林野火災について伺います。 今日は資料もお配りをしております。今回の林野火災は、先月二月二十六日に発災し、十二日間延焼が続きました。異常な乾燥と春の風による延焼が連日になって続き、三月九日の鎮圧宣言となりました。 被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方の御冥福をお祈り申し上げます。また、全国からの緊急消防援助隊、自衛隊の派遣、そして各方面からの避難者への支援をいただいたことに、心より感謝を申し上げます。 岩手県大船渡市大規模林野火災は、二千九百ヘクタール、東京ドームに換算しますと約六百二十個分が焼失、平成になって以来、国内最大の林野火災となりました。林野火災は鎮圧したものの、農林水産分野における被害や影響も大きく、大臣、早期復旧に向けた国の支援が必要な状況であります。 まずは、大臣、大規模林野火災について、大臣の御見解と災害復旧に向けてのお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) もう本当に、もう震災で御苦労された上にこのような目に遭われる。うちの妻も、どうしてここの人はこんなに御苦労ばっかりしなきゃならないんだろうというふうに言っておりました。私も全く同じ気持ちです。私からもお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思います。 とにかく、もう局激の指定を受けることができました。ですから、局激であれば補助率は上がるわけですから、農林水産省としてもしっかり対応したいと思っております。 まずは、民有林でありますけれども、まず焼失したところは伐採、搬出をしなきゃなりません。昨日、農林水産省の専門官がヘリでの視察を一回やりました。あと、数日かするとこのお二人も現地視察に行っていただく予定であります。そして、現場の声も、被災された方々の声もしっかり聞いて帰ってきてもらいたいと思っております。そして、その後、撤去した後に造林をするということであります。 そして、漁業においても、もう本当に、例えば漁具をしまっている倉庫が焼けてしまったりとか、様々な被害が出ております。そういったものに対してもできる限りの支援をしたいと思っておりますが、もう本当に心が折れないようにまずは励ましてさしあげて、我々がしっかり支援をするんだという姿勢を示すことが大切なことだと思っておりますので、私としてもしっかり対応したいと思っております。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 まず、水産業について触れたいと思います。 三月十一日で東日本大震災から十四年。岩手のワカメ養殖は、平成二十二年までは生産量全国一位、東日本大震災、津波により養殖施設や漁船などの壊滅的な被害を受けて養殖基盤のほとんどが失われました。しかし、漁業者の皆様の努力、自治体の御協力もあり、いち早く復旧を行った結果、震災翌年、平成二十四年には水揚げを再開することができました。現在は宮城県に次ぐ全国第二位のワカメ生産量であります。 その中でも、大船渡市のワカメ生産量はまさに多く、火災に遭った綾里地区は主要な産地であります。ワカメ漁はこの春、今から四月末までが最盛期、まさに収穫シーズンというところで火災が起きてしまいました。沿岸漁業に必要な定置網などの漁具も焼失してしまいました。そしてまた、震災後、アワビの陸上養殖にも取り組んでいるところが被害を受け、大船渡市の特産としてこれから販路拡大を予定していた出荷前の三十五万個のアワビもほぼ全滅、五億から六億の被害とも聞いております。 地域の生活を支える、そして地域コミュニティーを支える生産基盤の再生、復旧に向けた取組が必要と考えますが、滝波副大臣、この辺お願いいたします。
○副大臣(滝波宏文君) 今大臣からもお話ございましたけれども、副大臣の私からも、今回の林野火災により亡くなられた方々に衷心よりお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 一昨日ちょうど三・一一ということで、十四時四十六分、私も黙祷をいたしましたけれども、何でまたというふうな思い、本当に重く受け止めて対応していきたいというふうに思ってございます。 今般のこの林野火災についての農林水産省の対策本部の本部長、私、命じられてございます。国会のお許しがいただければ、なるべく早いタイミングで被災地に赴き、被害状況を直接確認したいと思ってございます。 漁業について、まさに地域の基幹産業であるというふうに承知してございますけれども、漁具倉庫や、倉庫内に保管していた漁具が、網等ですね、焼損したほか、先ほど横沢先生からもお話、委員からもお話ありましたように、この養殖ワカメ、まさに収穫期でございますが、その操業に影響があった等についての承知をしているところであります。引き続き、岩手県や大船渡市と連携し、詳細な被害状況の把握に努めてまいりたいと思ってございます。 その上で、漁業の円滑な再開、継続の前提となる経営安定対策、漁業共済などでございますけれども、そしてまた、被災した施設の整備や漁具の導入、これは浜活ですとかリースですとか、そういったものを活用しながら、支援制度をしっかり使っていって、岩手県、先ほど申したように大船渡市とも連携をして、被災された方々に寄り添った丁寧な対応をしていきたいと考えてございます。
○横沢高徳君 ありがとうございます。是非、対策本部長、よろしくお願いを申し上げます。 今朝もワカメの漁業者の方とお話をして、漁業共済もあるんだけれども、何とか今ある施設を利用してワカメの刈取りができないかと。ただ、作業小屋が焼けてしまっているので、作業するその仮設のテント若しくはプレハブなどがあれば、何とかそのワカメの刈取り、そして加工ができるような状況になると、そこを早く進めたいんだけれどもというような声もいただいておりました。 震災から二重被害に遭った、この今回ありますが、家は大丈夫なんだけど作業小屋が焼けてしまったりという方も多くいらっしゃいますし、ワカメだけではなくて、アキサケから魚種転換した漁具も焼けてしまったという声も聞いています。 まず、水産の町、大船渡、今回の林野火災から一日も早く日常を取り戻さなければいけないというふうに考えておりますが、やはりいろんな制度がある中で、大臣、なるべく柔軟な対応をしていただきたいんですが、いかがでしょうかね。大臣、いかがですか。
○国務大臣(江藤拓君) 私も、この災害が発生した後に、共済の仕組みとか、様々、事務方を呼んで、どういう対応ができるかについて話を聞きました。なかなか対応できる部分とできない部分がある。しかし、漁師の方々にしてみれば、何でという部分があるんだろうと思います。 ですから、しかし、その共済自体は保険制度ですから、その契約に基づいて支払われるという限界はありますが、ありますがですね、あした閣議がありますので、少し官房長官辺りとも、もう本当に二重、三重、四重のもう御苦労でありますので、特段の配慮ができないのかということをちょっと相談してみたいと思っております。何ができるか申し上げられません、正直言ってですね。ただ、余りにもちょっと御苦労が積み重なっているということはもう間違いない事実ですので、共済の制度自体を柔軟に運用してというのは、これはちょっと無理なんですよ、これは保険契約ですから、もう文面にはっきり書いてあるんで。ですが、そこから一歩踏み出せないかなというのは私自身も悩んでいるところです、正直言って。 私、正直には、余り言うと役人が多分はらはら後ろでしているんだろうと思いますけれども、何とかしたいという気持ちは強く持っておりますので、先生の気持ちを重く受け止めたいと思います。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 何とかその考えられる、できる可能性を是非追求していただきたいというふうに思います。 今回、火災被害に遭った建物は二百十軒に及びます。作業小屋や定置網、水産加工の機械や漁業の資材も焼けてしまったということです。復旧に向けては、まずはこの火災で焼けてしまった災害廃棄物の処理が復旧のまず第一歩になります。 まず、環境省に伺いますが、今回の林野火災で出た災害廃棄物の迅速な処理がまずは必要と考えますが、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(熊谷和哉君) 御質問いただきました災害廃棄物に関してになります。 この災害廃棄物の適正円滑な迅速な処理というのは、生活環境の保全、公衆衛生の観点から非常に重要だというふうに思っておりますし、御指摘のとおりかというふうに思います。また、被災地域の早期の復旧復興のために必要不可欠なものというふうに考えております。 環境省におきましては、三月十日に環境省の職員を派遣しまして、岩手県大船渡市の職員と現地の被災状況を確認させていただいておりますし、今後の災害廃棄物処理の方針等について調整、助言を行ってきているところです。加えまして、火災により全壊となった家屋の解体撤去を始め、災害廃棄物の処理につきましては、災害等廃棄物処理事業費補助金によって積極的な財政支援に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。
○横沢高徳君 また、震災からの二重被害で非常に住宅再建して厳しい財政状況にある方たちもいらっしゃいますので、国の事業の型にはまるだけじゃなくて、できる限りのまず災害廃棄物、今日も大船渡市長から、まずはこの災害廃棄物の処理からがまず第一歩だということで御依頼をいただいていますので、よろしくお願い申し上げます。 あと、林野についてもお伺いしたいんですが、二千九百ヘクタール、二千九百町歩になりますか、この林地の再生保全、これが非常に重要だと思います。この焼失した林地を、まあ最近、三陸地方も台風が上陸したり線状降水帯が出たり、非常に夏、非常に雨が多く降るようになりました。 この今回の保水力が低下しているこの山林地域をどう復旧させていくのか、また災害に向けての早期対策は必要ではないかということを考えますが、この点、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(滝波宏文君) 今回の火災では、過去六十年で最大になると承知してございますが、二千九百ヘクタールの林野が焼損する甚大な被害が発生してございます。大臣からも先ほどありましたように、昨日、林野庁の職員がヘリ調査を県の職員とともに同乗して行ったところであります。その上で、早期にこの地上からの荒廃状況の調査、点検も進めたいと考えてございます。 今後、県や市と調整した上で、この森林の災害復旧事業等により、この被害木の伐採、搬出や土地への造林を支援していくとともに、今御指摘もございましたけれども、山地災害が発生するおそれのある箇所につきましては、治山対策、これしっかり行って、火災前の豊かな森林の回復に取り組んでまいりたいと思います。 なお、被害木については、過去の山火事、釜石の方でも二〇一七年あったかと承知してございますけれども、木材に、焼け残ったところをうまく使いながら活用したシートですとかプレートにしたりした例もございます。また、バイオマス燃料として活用されていることもございますので、被害の状況を確認しながら可能な限り有効に利用していって、そういう早期の復旧に向けて盛り上げていくということも考えていきたいと思います。
○横沢高徳君 かなりの面積ですし、かなりの焼失した木になりますので、有効利用も含めてよろしくお願いしたいと思います。 あと、今回、消火活動、大体十六機のヘリにより連日海水を使用したということで、林地の塩害が心配される声が地元の人たちからあります。水道水の水源で、海水が入ったことでちょっと上水道への影響も出ているんですが、この塩害に対する対策というのは何かありますでしょうか。お願いします。
○政府参考人(青山豊久君) 林地の方への影響につきましては、過去、海水をまいて山火事を消火したこともあるんですけれども、山の方は数か月たちますとpHも落ち着いて降雨等で元に戻るということでございますけれども、飲み水でありますとかそちらの方はちょっと、私どももデータを持っておりません。
○横沢高徳君 分かりました。ありがとうございます。 塩害に対する対策もちょっと今回、次の災害に備えて、データ収集等もお願いしたいと思います。 我が国も、環境の変化により、一方では史上最高の大雪が降ったり、一方では史上最低の降雨量、今までにない乾燥状況、いつ、どこでこのような大規模林野火災が発生するか分からない状況となってきております。今回の教訓を更なる対策へつなげていけるよう、国の対策と、今回のまた検証も引き続きお願いをしたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 大臣の所信で熟議の国会ということをおっしゃられました。与野党の垣根を越えてより良い政策を仕上げていきたい、大臣、この姿勢に変わりはありませんか。
○国務大臣(江藤拓君) 全く変わりはありません。 少数与党になったからという理由がないかと言われれば、それはもちろんありますよ。ありますけれども、しかし、これから五年間を集中的な構造改革の最後のチャンスと捉えて挑んでいきたいと思っているこのタイミングにおいて、できるだけ多くの角度から政策を検討するということは極めて有効だと思っています。それぞれ御地元も違うし、それぞれお付き合いしている人たちも違うわけですから、そういった各党の御意見をしっかり聞く。 昨日も御質問をいただきましたが、御提案をいただきました。三十三項目じゃなくて、三十七項目だったと思いますけどね。三十七項目だったと思います。七ですよね。(発言する者あり)三。あの後、帰って数えたら三十七だったんですけど、三十七。あの後、帰って数え直したら三十七だったですよ。私の方が多分合っていると思いますけど、これをしっかり、じっくり読み込みました。もちろん国民民主党さんのやつもじっくり読み込みました。それを読み込んで理解した上で、そして我々の方向性と合っているものについては当然、文言も含めて取り入れさせていただいて、そしてこの基本計画については三月いっぱいで決めるということが基本的な方針、これまではですよ、慣習ではありましたけれども、じっくり構えようと思っています。慌てて決める必要はないと。ですから、そんなに後ろにがんとずらすということは考えておりませんが、しかし、十分な意見の交換もできていない段階で、例えば三月三十一日が来たからもうこれで決まりよというふうなことは私はしたくないと思っているんですよ。 ですから、非常に先ほども笑い声が漏れていて、参議院の農水委員会は特にいい雰囲気で運営されているなと思いますので、是非このとてつもなく重要な基本計画になりますので、熟議の国会にふさわしい議論を重ねていきたいというふうに考えております。
○横沢高徳君 何か大臣の前向きな答弁、ありがとうございます。 昨年の通常国会の本委員会で食料・農業・農村基本法の改正の議論が行われました。私たちは、基本法ですから、全国を回り、生産現場の皆様の声、思いを基に希望の持てる良い基本法にしたいとの思いで提言も出してきましたし、国民民主党さんとともに修正案も提出させていただきました。しかし、政府・与党から返ってきた答えは残念ながら昨年はゼロ回答、生産現場の皆様の声を全く受け入れられなかったという悔しい思いをしました。 国民の皆様も去年の基本法の審議はよく見ていらっしゃると思います。今後予定されている、今大臣からもありましたが、基本計画の策定又は令和九年度以降の水田政策の見直しについては、もう与野党の垣根を越えて、生産現場や関係者の皆様の考え、意見を真摯に受け止めて進めていくという理解でよろしいのか、もう一度確認をさせてください。
○国務大臣(江藤拓君) おっしゃるとおりであります。 特にその水活を、九年から新たな方向性に向かうということになれば、これはしっかりとした予算の手当ても必要になるかもしれませんし、制度の練り上げも非常に大事なことになります。そして、これまで水活で頑張ってこられた方々が新しい制度に移行して不満を持たれるようなことがあってはならないと思っております。 ですから、本当に幅広い方々の意見を聞く必要があるんですよ。政治は百点を目指すのは難しいです。もう全ての人からまあすばらしいと、拍手喝采だと言ってもらえることは難しいかもしれませんが、できる限りやっぱり及第点ではなくて百点を目指す努力というのは不断にしなきゃいけない。 特にこの令和九年に向かっての制度設計においては、まさにその熟議を重ねて、自民党内でも激しい議論が上月部会長の下で更にされると思います。ほかの政党においても、まず各党においてしっかり御議論いただいて、それをこういう委員会の場でも御披露いただいて、そして受け止めさせていただいて、それをまたフィードバックさせていただいて、また御議論いただくというような手順が取れればいいなというふうに思っております。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 江藤大臣は、予算委員会でもやることはやるってはっきりおっしゃるので、急に役人の方たちがぱたぱたし出すのがありますが、ちょっとそこも含めて、前向きな答弁ありがとうございます。 令和九年度以降の、今、水田政策の見直しの話が出ましたが、先日、地元の畜産と、あとは中山間地で水田を活用しながら牧草をやっている方たちと意見交換をしました。そこでも、やはり令和九年度以降の水田政策の見直し、非常に注目していると。ただ、やはり見直しにはいい見直しと悪い見直しがあるんだと、今回こそいい見直しにしてほしいということをおっしゃっておりました。特に、もう中山間地、家族経営体などで和牛や酪農をやっている方たちが中山間地の条件不利な水田を使いながら、牧草をまきながら営農継続している、そのような人たちが営農継続できるような見直しにしてほしいんだという声をいただきましたので、是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それでは、新規就農者の年齢要件について大臣に伺いたいと思います。 昨年十二月十三日の予算委員会で、新規就農者の年齢要件について大臣に質問をさせていただきました。大臣からは、私の気持ちとしては四十九歳は外したいと答弁をされ、農水幹部と議論を交わし、正直な気持ち、私が折れたとのことの答弁でした。 大臣がテレビの前で言っていた、私の気持ちとしては四十九歳は外したいという大臣の思いはまだ心の中にあるんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) ちょっと話が横にそれますが、水産の支援事業をかつてやったことがあるんですよ。船外機なんかを換装するときに二分の一補助をするということで募集をしたら、募集がいっぱい集まり過ぎて、二分の一の水準を下げたことがあるんですね。結局、支援を薄くせざるを得なくなったんですよ。 ですから、やはり予算の規模に対して応募がどれぐらいあるかということは、やっぱりこれはイコールでないと、できれば少し余るぐらいのバッファーを持っていないと、現場の御要望には十分にお応え切れないということであります。 四十九歳は外したいというのは、私は、例えば、私、六十、今、もうすぐ五になるんですけれども、私に六百万とか渡すのは無駄ですよ、無駄です、もう老い先もそんなに長くないんですからですね。ですけど、やっぱり若い人に、人生長いですから、長く農業者として頑張ってもらいたいということであれば、やっぱり若い人になるべくという気持ちは変わりません。しかし、これだけ、もう三十万人にまで減ってしまうような未来予想図が一部で言われる、そういう人口推計があるとすれば、もう四十九とか言っていられないじゃないかと。ですから、私は、七十でいいというような頭、私の中では、例えば五十五歳にするとか、もう少し上げてみるとかですね、そういう考えはあります。ただ、それに対応するだけの予算規模が果たして確保できるのか、それもしっかり考えなければなりません。 ですから、御質問の、考えは変わらないのかと言われれば変わりませんが、ゼロにするという考えはありません。例えば、八十歳で新規就農したいと言われても、それは現実味がありませんので、やはりある程度の年齢制限を設けますが、今の四十九歳から上に上げたいという気持ちを持っております。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 本当、現場を回っていますと、やはり自衛官を退官された方とか、やはり役所を退官された方たちが、じゃ、セカンドキャリアとして営農してみようかという声を結構聞くんです。なので、今大臣がおっしゃられたように、全部一律に線引きでもなくて、段階的な、年齢に対しての金額を設定したり、そういう前向きな見直しはあってもいいんではないかというふうに考えます。 それと、先ほど予算の枠の話がありましたけれども、大臣がやると決めたら、後はその予算をどうするかというのは、多分、まさしく役人さんたちというよりは政治家のその腕の見せどころだと思いますので、そこも含めて大臣には前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。 ちょっと早いんですが、バトンを田名部先生に渡したいと思います。以上で質問を終わらせたいと思います。ありがとうございました。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。大臣始め皆さん、よろしくお願いいたします。 いや、今、横沢委員からの質問で大臣が、いろんな議論を踏まえて、いろんな声を聞きながら制度、政策をつくっていきたいという答弁聞いて思わず目頭が熱くなった後で、基本法の話をしてくれたので、あのときのいろいろな思いがまた思い起こされました。ただ、基本計画についても、期限は期限としていつまでもというわけにはいかないのは理解しています。ただ、我々が提案させていただいたこともしっかり目を通していただいたということなので、よりいいものにしていくために是非議論させていただきたいなと、そんなふうに思っていますので、どうぞよろしくお願いします。 また、それと、先ほど上月委員とのやり取りで地域計画についても大臣触れられました。いいかげんなものをばたばたやるよりは、まず、こんな言い方だったかあれですけど、期限を延ばしてもちゃんとしたものにしてほしいと。 私、そういう考え方、本当に大事だと思うんですね。いつと決めたからそこまでにやって、はい、やりましたみたいなアリバイづくりではなくて、本当にこれからの地域をどうしていくのかということをしっかり地域で議論していただいて、もしその期限に間に合わなかったら、どこに問題があるのか、何に困っているのかということにしっかり向き合って寄り添っていただいて、そしてアドバイスをするなりしていただきながら、本当にこれからの未来に向けたいい地域計画ができるように、余り期限、まあ期限にこだわらずというか、そこはやはり少し余裕を持って向き合っていただきたいと。そのことは応援をさせていただきたいなというふうに思います。この間、ちょっと予算委員会で大臣をべた褒めした後、ネットニュースになったので、言うべきことはしっかり言っていきたいと思います。 まずは、改めて東日本大震災からの十四年ということで、加えて、先ほど横沢委員のお話にあったように、また山林火災で苦しい思いをされているということであります。亡くなられた方に本当に哀悼の意を表し、また被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。共に復興に向けて全力で取り組んでいきたいと思いますが。 ちょっと東日本大震災に関連してお伺いしますけれども、復興庁の資料によりますと、津波被害の九六%、これがもう営農可能になっているということ、被災三県の水産加工業の九八%が業務を再開しているということであります。ただし、やはり福島県は、営農再開面積は震災前の約五割、沿岸・沖合底引き網漁業の水揚げ量はおよそ四分の一に落ち込んでいる、金額も半分以下というふうになっています。つまりは、福島の復興はまだまだ道半ばというか、そのラインに立てたのかどうかという厳しい状況だと思います。 ただ一方で、日本産水産物の輸入を停止している中国でも、福島第一原発周辺の海水に異常は見られずということをメディアが伝え、王毅外相が記者会見でも輸入再開に前向きな発言もあったことであるとか、昨年九月でしたでしょうか、日中首脳間でも再開については約束がされたというふうに聞いておりますので、そのことには大いに期待をしたいと思いますが、ただ一方で、王毅外相の前向きな発言後、毛寧報道官が、輸入再開に向けては一つのステップにすぎないんだというふうに述べられています。 じゃ、次のステップは何なのかということなんです。これは、再開しましょうねと、何か国内でもそういう、いつやるのか分からないような約束、合意文書みたいなのありましたけど、そんなきちんと、どういうステップを踏んで、次はどういうことをやって再開に近づけていくのかということは、日本としてもきちんと確認して、確実にやっぱり再開につなげていかなきゃいけないというふうに思っているんですけれども、どういうふうに今輸入再開への道筋を政府として御認識されているのか、また御確認されているのかということについて伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) そのどういう段階にあるかについては、やはりこれは両国間の信頼に関わることでありますから、申し訳ないですけど申し上げられません。しかし、いい感じです。いい感じです。だと私は思っています。これは私の感想ですから、予断を持ってこれが決定的なことだと思いませんが、しかし、匍匐前進ではあっても、私は前には進んでいると思います。 私も一月に中国に行って、海関総署まで行ってきました。そして、先方も、一時間しか時間はないよと言ったんですけれども、二時間以上話をしました。話をすると、まあ余り言うといけないんですけれども、いい感じかなという感じの返事をすると後ろからごそごそ言われて、何となくまた言うことがちょっと自制的になるみたいなところはあったんですけれども、ただ、もうこれは、総理も、外務大臣も、それから関係省庁もよく頑張って、いい感じになってきていると思います。 ですから、これが、いつ、どういう段階を踏んで、どういう手続が終わったら、そのいわゆるもう全てのディールが終了したということを言えるのかというのは明示的には示せませんが、しかし、内閣としては、かなりこの輸入再開に向けて前進しているという感触を農水大臣としては感じております。
○田名部匡代君 ありがとうございました。 大臣のその感触、受けた感触を信じたいと思います。科学的根拠に基づいてきちんともう安全が確認されている、向こうでいうとされたものについてはしっかりと約束を果たしていただけるように引き続き努力をしていただきたいと、そのように思います。 次に、農水省の新規増員査定状況について伺いたいと思います。 昨年十二月二十七日に内閣人事局が公表した令和七年度における農林水産省の減員数について伺いたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) お答え申し上げます。 令和七年度の定員につきましては、新たな基本計画の推進等に必要な増員として百八十八名が認められたところでございますが、来年度からの定員合理化計画による定員削減数等を踏まえまして、令和六年度末定員に比べて二百九名の減少となる見込みでございます。 一方、これまで当省の定員は減少し続けてきたところでございますが、今回その定員減少数は過去最少となっているところでございます。
○田名部匡代君 いつもこのことについても政府に対して委員会で御要望させていただいているんですけれども、これいろいろ資料見ますと、農水省と経産省以外は実質増員が減員を上回っているんです。で、新たな合理化計画の下で、今お話あったように純減数は多少改善されていたとしても、新規増員は過去最高だった昨年を下回っています。 これ、独法の予算についても厳しい状況があるんですということを委員会でお伝えをさせていただきました。独法の運営交付金、これ、まあ、まだ予算の最中ですが、概算決定額増額していただいている、できているのかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(山口靖君) 令和七年度予算案における農林水産所管独立行政法人に対する運営費交付金につきましては、総額一千五十二億円となってございまして、対前年度から八億円の減となってございます。
○田名部匡代君 やっぱり、食料・農業・農村基本法、そして基本計画、つまりは日本の食料安全保障どうするかという、こういうときですので、しっかり、関連して、人も必要になってきますし、そしてまた様々な研究ということも必要になってくる。必要な予算を、まあ、これ、予算取れ取れ言っただけでは、前に、この間も大臣にちょっと言われちゃいましたけど、言うのは簡単、それを予算確保するのはそう簡単じゃないというのはそうかもしれませんけれど、でも、補正で積んだから大丈夫みたいな話はやっぱり通用しない、必要な予算は本予算できっちりやっぱり確保していくということのために、みんなで力を合わせていきたいというふうに思いますので、これは現場、非常に厳しい状況だということは受け止めていただいて、努力をしていただきたいということを申し上げておきます。 それで、ちょっと質問、後先になって飛ばしますけれども、先ほど上月委員からも輸出のことについてお話がありました。私も、この輸出はしっかりと取り組んでいくべきというふうに考えております。 その際に、やっぱり純粋に農林水産物の輸出が増えることを目指すべきだというふうに思うんですけれど、改めて伺いますが、農林水産省の輸出の目標、そして輸出がもたらすこの国内農林水産業に対する効果というんでしょうか、どういうことを期待しているのかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(森重樹君) お答え申し上げます。 現在、新しい基本計画に向けて、輸出の計画について、目標についても検討いたしているところでございますけれども、五年後の令和十二年度を目標年度として、企画部会にて御議論をいただいているところでございます。 そのうちの輸出の目標の部分でございますけれども、まずは農林水産物・食品の輸出額全体を目標といたしますとともに、その目標の達成に向けたKPIといたしまして、牛肉、米、お茶を始めとした農林水産物の輸出重点品目というのがございますので、この重点品目ごとの二〇三〇年の目標額もお示しするというようなことを検討いたしているところでございます。 こうした品目ごとの輸出額目標を設けることによりまして、我が国の農業の生産基盤をしっかり強化していくという観点でございます。
○田名部匡代君 今申し上げたとおり、純粋に農林水産物の輸出が増えるということと、加工食品であってもですよ、国産の原料をしっかり使ったものの輸出が伸びていく、それに向けて農水省としてしっかり取り組んでいくということが大事だと思うんですね。 そのことによって農家の皆さんの手取りが増えたり、それで地方が元気になったり活性化したり発展したりと、こういうことにきちんとつながっていく、これを目指すのが農水省の役目であって、経産省じゃないんですから、農水省の役目としてやっぱりそういう目標を立てていかなきゃいけない。 で、いつも額なんですよ、額。それで見ると、結局は実態が見えてこないわけですよね、全体の額でいうと。その清涼飲料水だとかなんとか、ソースなんとかだとかみたいなこと、大きいわけですから、額でいったら。 そうじゃなくて、やっぱりもうちょっと、新たにせっかく今後基本計画作っていくので、もうちょっと考えた方がいいんじゃないかなというふうに思っているんです。 というのは、これまた基本計画の議論でも詳しくやっていきたいというふうに思っているんですけれども、基本計画における目標、KPIの検討案を拝見しましたが、輸出促進のところには、やっぱり農林水産物・食品の輸出額となっているんです。で、KPIのところにも、輸出先国・地域別の輸出額や大規模に農畜産物の輸出に取り組む産地数とかということが書いてあるんです。 まだ検討段階と思うんですけれども、輸出額を目標に置くと、食品の輸出が多くを占めるため、農林水産物の純粋な輸出が、実態が見えてこないということと、輸出している食品の原料についても国産かどうか、これは分からないと。これを分かるように割合を示すなどして、農水省らしい目標作りに取り組むべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(森重樹君) お答え申し上げます。 農林水産物・食品をトータルで目標としているんですけれども、額の目標ということにつきましては、やはり物ごとに大きさ、重さと価値というのは大分差があって、なかなかこの物量で足すというのはなかなか輸出の方、難しいところがありますので、額目標で足しているという実態があると思います。 それで、ただ大事なことは、国内農業、また食品産業の生産基盤にきちっとつながっていくということは大事だと思っておりますので、加工食品もございますけれども、例えばある統計では加工食品の原料の七割は国産のものを使用していると、こういうようなデータもございますので、やはり加工食品の輸出を通じて国産農産物の需要拡大につながっている面もあろうかと考えてございますし、例えば日本酒なんかでは、もう原料はほぼ国産でございますので、輸出がお米の消費にもつながっていくと、こういうことでもございます。 こういった観点で、おっしゃるように、日本の農業が発展していくという観点からの輸出にしっかり取り組んでまいりたいというふうに思います。
○田名部匡代君 額で見るのが悪いとかということじゃないですよ。それはそれで見ればいいけれども、もっときちんと実態が分かるようにしておかないと、じゃ、次はどういう計画立てて、どういう支援して、どういう取組すればいいのかということが分からないじゃないですか。ただただ額目指したってですよ、実態は分からないんだから、ということを申し上げました。 是非御検討いただきたいと思いますが、ちょっとついでにそれを見ている中で、これ、合理的な価格形成についてもそうなんですけれど、これ、KPIが農業、食料関連産業の国内生産額とその合理的な価格の形成がきちんと進んでいるのかどうかということを確認するのに、この農業、食料関連産業の国内生産額となっているんですけど、これを指標とする理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 この基本計画の目標、KPIについては、現在、企画部会で御議論いただいているところでございますが、この費用を考慮した合理的な価格形成、今回法案を提出させていただいてございます。その中では、生産だけではなくて、加工、流通、小売、この各段階を通じたこの食料システム全体にわたって価格形成を進めていこうという考え方でございます。その上で、コストを考慮するということによって、少なくともコスト割れは抑止していこうという、こういう中身のものでございます。 また、この法案の中では、合理的な価格形成と併せまして、食品産業の発展についても措置をしてございます。この中では、その流通の合理化ですとか、国産原材料の利用促進ですとか、こういう取組を後押しをしていこうというふうに措置をいたしてございますが、生産性の向上や食品の付加価値向上につながるような取組でございます。 こういった制度の中身をこのKPIにも反映させていくべきではないかということで、その対象としては食料システム全体、すなわち農林漁業と食品産業というものを対象として、さらに、少なくともコスト割れを抑止する、あるいは付加価値を向上していくという取組でございますので、国内生産額を増大するということをKPIとすることについて現在審議会で検討いただいているということでございます。 いずれにしましても、今月末めどに答申がなされる予定でございますので、引き続き幅広い方々の御意見を伺いながらよく整理をしていきたいと考えているところでございます。
○田名部匡代君 コスト割れして苦しいと、価格転嫁できていないという声はこれまでどこから上がっていましたか。
○政府参考人(宮浦浩司君) コロナ、それからウクライナ情勢などで肥料、それから餌などが高騰してございました。また、その際にはエネルギー費なども高騰をしてきてございます。また、現在賃上げなどを行ってございますが、人件費、それから物流費なども高騰してきてございます。その影響というのは、生産だけではなくて流通、販売のところまで幅広く影響が出ているだろうというふうに考えてございます。
○田名部匡代君 まあ幅広く影響出たでしょう、そして出ているでしょう、今のような状況ですからね。だけれども、やっぱり生産者の方々から、これはコストを転嫁できていないと、生産厳しいという声が私は一番大きかったのではないか、だから、これは適正な、合理的な価格を生産現場からしっかりと転嫁できるように、そういう仕組みをつくっていかなきゃいけないということだったんじゃないかなというふうに思うんです。 別に、今のお話しされたことを否定するつもりはありません。それは全体できちんと合理的な価格形成される、その仕組み、システムができればそれでいいと思っているんだけれども、またここも、もっとちゃんと実態が、生産者の皆さんの現場がどうなっているかという実態が分かる指標を用いるべきじゃないかなというふうに思うんですね。 結局、手取りで見るなら、生産農業所得なんかは別のその統計調査で見るべきだし、つまり、生産者の皆さんの手取りが、所得がきちんと増えていっているのかと、価格転嫁できているのかというようなことを含めてきちんと見るのが農林水産省としての大事な役目の一つだと思うので、私はそういう視点も必要じゃないかなというふうに思いますけど、どうですか。
○政府参考人(宮浦浩司君) 議員も御存じのとおり、せんだっての国会で食料・農業・農村基本法が成立をいたしました。その中では、改めて食料システムという概念が規定をされたところでございます。 御指摘のとおり、その生産部分、もちろん重要でございますが、国民への安定供給を図っていくという面におきましては、生産だけではなくて製造、それから流通、販売というところまで幅広く一体として考えるということで、今回こういった議論をしているというところでございます。
○田名部匡代君 いや、別にそれは分かるけれども、生産者をしっかりと守っていかなかったら、元を、その物を作る人がいなくなったら加工も流通も何もないわけですよ。 それで、生産者が一番この価格転嫁、価格交渉力がなくて価格転嫁ができていないと、赤字で生産するような現状があるから、やっぱりそこはきちんとみんなで見ていかなきゃいけないよねということが、やっぱりそういう視点で農林水産省として違う指標も、言っていることを否定しているわけじゃないんです。でも、それでは実態が見えないんじゃないんですかと。生産者の手取りがきちんとやっぱり増えていく、所得を増やしていく、生産、再生産可能な農林水産業にしていく、それがやっぱり基本なんじゃないかなというふうに思うんですけど、ちょっと大臣にひとつ、大臣、お願いします。
○国務大臣(江藤拓君) いや、ここは農林水産委員会ですから、おっしゃることは全く正しいと思います。 ただ、局長が言っていることは、全ての方々を交渉のテーブルにのせる場合には、農業者のためですよという話をしたら、例えば流通とか加工とか販売の人たちは、そんなのはもう農業政策でやりゃええやないかという話になってしまうわけですよ。 ですから、農業者だけではありませんと。もちろん、農林水産省のおなかの中には、農業者の所得を増やしたいという気持ちが根っこに強くあって、それが主たる目的ではありますが、しかしそれを余り前に出し過ぎると、食料システムとして議論をしないと、今回は生産者団体の方もその交渉のテーブルに着いてくれたこと、これが、あっ、消費者団体の方々が、これが非常に大きな一つのポイントでした。ですから、消費者のためでもあるんですと言わないと、なかなかこの法律の理屈立てというのが難しいということを、局長は非常に真面目な男なのでぶっきらぼうに答えますが、決して農業者の所得を増やすということに重点を置いていないということではありません。 私は、大臣として申し上げますが、一番割を食っているのは生産者だと思っています。私は間違いなくそうだと思っています。しかし、それを正すためには、全ての関係者の方々に交渉のテーブルに着いてもらう、そして御理解をいただく、その上で法律を作るという上で、局長のこういうちょっとややこしい答弁になったことは御理解いただきたいと思います。
○田名部匡代君 大臣、ありがとうございました。 繰り返しますけど、否定していないんですよ。別にそれはそれで必要ですよねと、それはそれでいいんです。ただ、よりやっぱり生産者の実態が見える指標も、そっちじゃなくてこっちにしてくれと言っているんじゃなくて、やっぱり農水省としては、その生産者の実態もきちんとやっぱり見ていくと、その上で全体を見ていくということなので、何もそっちやめてこっちにしてよと言っているわけじゃないので、全体の仕組み、システムを守っていくということは理解していますよ。理解しているけれどもという話だったので、これは今後じっくり議論されるであろう基本計画の議論の中でまたいろいろやらせていただきたいなというふうに思います。 それでは、お米の話をさせていただきますけれども、大臣、眠れぬほど頭を悩ませたという備蓄米の放出、苦しい思いもあったのかなということは答弁お聞きしながら御拝察を申し上げますが、ただ、何か議論聞いていて、政府としては、米は目詰まりなのであるんですと、市場にはどっかにあるんですということですよね。でも、これは価格を下げるためにやっているんではないというのが表向きの話なわけじゃないですか。 でも、この間もちょっと質疑拝見したんですけど、価格が高くて消費者困るから、そのときにはやっぱりちゅうちょなくもっと米を出すようにという指摘もあるわけですよ。まあ、何かこう本当に難しい問題だなというふうに思いながら聞いています。 というのは、やっぱり、いつ大規模災害が起こるか分からないということは、やっぱり一定の備蓄も確保しておかなきゃいけないということもある。確かに、消費者の皆さん、今これだけ価格高騰して本当に大変な思いをされているという現実を受け止めて手を打っていかなきゃいけないということと、ただ、今後何があるか分からないことにも備えていかなきゃいけない、こういうことだと思うんですね。 そういうことを想定してというか、いろいろシミュレーションされているのかどうかということについて、ごめんなさい、通告していないんですけど、大臣、いいですか。
○国務大臣(江藤拓君) おっしゃることはよく分かります。もう備蓄米は何のためにあるかといえば、大凶作とか連続する不作とか、そのときに国民の皆様方に御苦労を掛けないために備蓄をしているんだ、そのために年間五百億を掛けて、税金を掛けて持っているんだというものでありますから、この備蓄米が持っている目的はまずこれなんですよね、これなんですよ、価格の安定ということではなくてですね。 ですから、これが、今二十一万トン出して、九十一万トンの在庫から二十一万トン出すと、七十万トンになります。これで、追加で二十万トン出せば五十万トンになります。そんなときに、大変な事態が起こったときに、備蓄米としての本来の役割を国民に対して果たせるのかということを考えると、できるだけ備蓄米の総量は減らしたくないです、正直なところですね、本来の目的を果たせなくなったら大変ですから。ですから、もう委員のおっしゃることはよく分かります。まさに芯を食った御指摘だと思いますよ。 ですけれども、今回はまさにイレギュラーな事態ということであって、ほかに手がないというふうに判断いたしました。このままほっておいたら、まあ、悪い人たちとは言いませんが、市場に物を任せっきりにすると、どこまでこの異常な事態が悪化するか分からない、そのときの国民の皆様方の御苦労を考えると、たとえいろいろな御批判があっても、先々どういうことが起こるか分かりませんが、私が責任を取ればいいということであれば出すということにいたしました。 この備蓄というものに対する意識は、しっかりまずは持っていないと不安だというものだということは国民の皆様方にも分かっていただきたい。国会の質疑でも、百万トンで足りるのかという質問も大分受けました。一・八か月分しかないじゃないかと、ほかの国ではもっと持っているじゃないかというような御質問もいただきましたよ。 ですから、こういうことを考えると、備蓄米を出すということで総量が減るということについては抵抗感がやはりあったということは申し上げておきたいと思います。
○田名部匡代君 この備蓄米放出という判断、決断に至った、そういう事態だということは私は理解しますし、やっぱりそれだけ消費者の皆さんは、実質賃金の上がらない中、本当に、主食である米が高騰したこと、上がり過ぎたことによって厳しいということはそのとおりだと思います。 ただ、申し上げているのは、やはり、それはそれとして、今の対策はそうであっても、いざということへの備えも政府としてはやっぱり考えておかなきゃいけないということだと思うんですね。 今、ちょっと私まだ見ていないんですけど、何かネット上で、ユーチューブか何かで、七月に大規模災害がまたあるみたいなことが相当何か見られているようなので、去年南海トラフでそういうことがあってみんなが物買っちゃったみたいなことがあるという、まあ、ちょっとそれがどういう影響がある、出るのか出ないのかというのは分からないけれども、それはそういう人の心理もそうだし、本当に発生するかもしれないという場合に、今備蓄を放出しても大丈夫なら大丈夫なんだよということなのか。 例えば、ちょっとそれでは、それとは別に海外からきちんと輸入して食料をこうできるんだよという、そういう全体のシミュレーションをしながら、国民の皆さんに大丈夫だよということをちゃんとお伝えしていかなきゃいけないと思います。そうじゃないとまた混乱しちゃう。本当に米はないんじゃないか、足りないんじゃないか、また災害来るんじゃないかみたいなことになってはいけないと思うんですけど、大臣、その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 全くですね、例えばオイルショックのときにトイレットペーパーがなくなりました。全く根拠のない話であったのに日本中からトイレットペーパーが消えてしまうと。消費者の皆様方がパニックに陥るとどんなことが起こるか分からないというふうに思います。ですから、委員のおっしゃることもよく分かります。 ですから、もう、例えばネガティブキャンペーンをする人は、江藤は更に追加で二十万トンを出したではないか、もう五十万トンしかないじゃないか、もう民間備蓄も、まあ若干その後増えているとはいえ、災害も来るらしいぞということで、買うようなこと起こったら、何があるか本当に分かりません。 あらゆる不測の事態に対応できるように考えることが政治の責任であるとは思います。思いますが、今この段階で私が、例えばタイから緊急輸入しますと言うことはかなり不適切だろうと思います。 ただ、日本にはMAのようなやつもないわけではありませんので、いろんなことを考えています、いろんなことを。いろんなことを考えて、田名部先生おっしゃるように、国民の皆様方が不安に陥らないような丁寧な情報発信、これはどういうことができるのか、しっかり考えたいと思います。
○田名部匡代君 ありがとうございます。 私は、やっぱり常に大臣が、消費者、国民の皆さんに丁寧な説明をして御理解をいただくこと、そして、事実は事実として伝えながら、政府としてきちんと対応するから、できるから大丈夫だよということがあれば、やっぱりそういうことはきちんと伝えていくべきだと思っていて、もう本当に米があるのかないのかも事実も分からない、備蓄が足りなくなるんじゃないかというようなちょっとした情報で、もういざとなったら、米がもう備蓄も足りなくて大変なことになるんじゃないかみたいなことが、本当、今の時代、あっという間にSNSで広がっていくという時代ですので、是非、大臣も御努力いただいていると思いますけれども、いろいろな情報を入れていただいて、世の中でどんな動きが起こりそうなのかなということには察知して対応していただきたいなと思います。 それで、食用米の、ちょっと話がいろいろになるんですけど、需要が毎年十万トン減少するという国内需要だけを見た政府の米政策というか需給見通しでありますけれども、輸出なんかに取り組むとしても、必要となる作付け転換の面積というのは更に拡大していくことも考えられるわけですよね。水田を維持して飼料を輸入から国産に置き換えるということも含めて、私は飼料用米の生産というのは非常に重要だというふうに考えているんです。 それで、予算委員会でMA米について取り上げさせていただきましたけれども、MA米の飼料用米の活用というのも非常に増えている。六十万トン、六十五万トン、七十万トンぐらいになっているんですか、令和五年は。それというのは、国内で利用されている飼料用のうちどの程度の割合を占めているのかということについて教えてください。
○政府参考人(松尾浩則君) お答え申し上げます。 飼料用に仕向けられているお米全体でございますけど、令和五年では百四十九万トンとなっております。その内訳でございますけれども、委員御指摘のありましたミニマムアクセス米が六十三万トンで約四割、あと国産の飼料用米が七十四万トンで約五割、あとは国産の備蓄米を最後売り渡すときのものが十二万トンで約一割となっております。
○田名部匡代君 これ、今現状そうなんですけれども、配合飼料に飼料用米をもっと活用してもらえる余地があるのではないか。以前、これ舟山委員が取り上げていたと思うんですけれども、そういう試算したものがあると思うんですけれども、どの程度まで需要を伸ばせる、その可能性があるのかということについて伺いたいと思います。
○大臣政務官(山本佐知子君) 飼料用米は、輸入トウモロコシとほぼ同じ、同等の栄養価を有しており、畜種ごとに利用可能な割合は異なるものの、トウモロコシの代替原料として配合飼料等に利用されています。こだわりの飼料として畜産物のブランド化、そして高付加価値化にもつながっておりまして、一定の需要があるというふうに考えています。 他方、今後はやっぱり農業人口の減少が見込まれています。そうした中で、飼料用米については、その生産に比較的手間が掛かる、労働時間が掛かるということが課題の一つと考えています。
○田名部匡代君 試算したものがあると思うんですけれども、どのぐらい活用、需要が伸びる可能性があるのか。
○大臣政務官(山本佐知子君) 飼料用米の配合の割合について、畜種ごとの割合について申し上げます。配合可能割合ですね。 まず、採卵鶏ですね、鶏、これが二〇%、ブロイラーが五〇%、養豚が一五%、乳牛が一〇%、肉牛が三%というような割合になっています。(発言する者あり)
○田名部匡代君 あります。
○政府参考人(松本平君) 今し方政務官がお答えになられましたのは、畜種ごとでどれぐらいの割り付けがされて、給餌がされているかという割合の御説明がございました。それらの中でまた幾つかの前提条件がございます。例えば、家畜の生理ですとか畜産物の影響を与えることなく給餌した場合はどれぐらいかというものにつきましては、こちら、先ほどの割合を足し上げますと四百四十一万トンというのがデータとして調べられているところでございます。
○田名部匡代君 ありがとうございます。ごめんなさい、私も手元に資料を持ってくればよかったんだけれども、そういうことです。いろいろそういう試算をされていて、今後もっと生産促進して活用できる可能性はあるというふうに思っているんです。 青刈りトウモロコシでも麦でも大豆でも、生産促進することは私は賛成ですよ。だけれども、これ飼料用米、手間が掛かるとおっしゃったけれども、やっぱり米作りしてきた人たち高齢化する中で、新たに投資しなくても、また食用米の機械や施設なんというのもそのまま使えるというメリットもあるわけですよね。米農家さんを離農を何とか食い止めて、少しでも長く、少しでも長く、だって、農業人口減っていくんですから、少しでも長く頑張ってもらわなきゃいけないわけで、そのときに何があったら取り組んでいただけて、そして水田も維持できて、それが結局は食料安全保障にも資するのかということを考えると、やっぱり私は、この飼料用米、何か今後支援がどうなっていくのかなと現場不安に思っていますけれども、非常に重要だというふうに思っています。 それは、結果として社会的にまさに本当に意味のあること、公共財ですよ、水田だとか米というのは。それを守っていく、守っていかねばならないんだということは、国民の皆さんにもしっかりと理解をしていただくことが大事、そして、政府の責任でそれを支えていくということが私は非常に大事だと思いますけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(江藤拓君) 水田に限らず、農地は、これはまさに国民の財産だと思っております。ですから、農地法でしっかり法律上も縛りを掛けているということでございます。 ですから、今後、水田については、言われるように、飼料用米については財政審からいろいろ言われますが、私は飼料用米も大事だと思っています。ただ、何度も申し上げておりますけれども、兼業農家で小さく農業をやっている、そして米を作っているけど主食用米じゃない、飼料用米だというのは結構多いんですよ。そういう人たちがやっぱり離れていってしまった場合には、やはりこの地域計画の下に農地の集積をさせていただいて、担い手に農地を預けて、できれば、できればですよ、これはやはり、政治はある意味理想を追いかけるのも仕事ですから、七分の一の労力で作れるこの青刈りトウモロコシにもし移行できる、みんなが移行できるなんということは全く考えていません。そういう部分も飼料自給率の向上にも大いに資するものでありますので、推進したい。 しかし、飼料用米について、これは水田という機能を保つという能力を持っておりますから、それは、多面的な機能を発揮しているという部分は私は評価できる部分だというふうに理解をしています。
○田名部匡代君 両方やってください。青刈りもいいんです、やっていただいていいんです。でも、飼料用米、まさに水田をしっかりと維持するということが多面的機能を維持することだし、国土保全になる、環境保全になる、食料安全保障にも資する、こういうことだろうというふうに思うので、是非、そこは大臣、思いを共有していただいて、取り組んでいただきたいなというふうに思っています。 さっき横沢さんから、新規就農者、四十九歳までの話ありました。大臣おっしゃるように、じゃ、八十歳だったらとか何歳だったらということあったんですけど、例えば、人に払う、人に対して直接そういう支援をするという考え方ではなくて、それは幾つになっても、農地、農地に着目して、農地を農地として守ってくださる方、その作業というかね、ということに対して、ちょっとこれはまだ、もうちょっと私たちの考えが固まってから御披露したいと思いますが、でも、そういう考え方もあると思うんですよ。それは、農地を維持するために、様々な土地を耕して活用してもらっているということに対して、それは年齢に関係なくその支援をしていくということはあるのかなというふうに思っています。 それと、一つの考え方として、これだけ食料が上がっている中で、私たち、農水省のOBで、それこそ明治大学農学部教授の作山先生からもいろいろ勉強させていただいているんですけれども、EUであるとかアメリカ、支援の仕方は違いますけれども、アメリカだったら消費者に対するフードスタンプのような支援、EUだったら生産者への直接支援。 でも、結局、どちらにしても生産者に支援をすることで卸の価格というものが下がる。所得補償をやったときに、そんなことをしたら米の値段下がるだろう下がるだろうと言われた、そういうことなんだろうと思うんですけど、そういう詳しい試算をしていただいているものがあって、結局、農家の手取りは直接支援で増える、結果として物の値段は下がる、だから消費者にとってもそれはプラスになる。どちらかということではなくて、消費者のためにもなり生産者のためにもなるという、そういう仕組みだと私は戸別所得補償制度のときも思ってやっていましたけれども、新たに消費税だとかいろんな話あるんだけれども、でも、我々農水委員会としては、生産者を守ることが結果消費者のためにもなるという、そういう新たな制度を、今、私たち立憲民主党では直接支払制度ができないかなということで議論させていただいています。 先ほど大臣からも何かいい案があればこの場でも議論したいということだったので、そういう生産者、生産者というだけでは国民の皆さんに理解されないことも、是非、消費者のためにもこの支援が必要なんだというようなことで御理解いただきながら、何ていうかな、そういう仕組みをつくっていくことも大事かなというふうに思っています。 もうあと一分なんですけど、大臣の御地元で、この間放牧のところに行ってきたんです。放牧の岩田山岳、何でしたっけ、岩田山岳牧場。すごい私感動しまして、いや、二十頭の、すぐ終わります。もう、委員長、すぐ終わる。二十頭の黒毛和牛を十町歩の土地で放牧で育てていて、自由に牛を育てて、コストを下げたい、手を掛けたくない、過疎で高齢化する中山間という厳しい条件を逆に活用して、すばらしい放牧をやっていました。 いろいろ御要望いただいたんですけど、もう時間なのでまた改めてこの問題取り上げさせていただきますけれども、本当に是非今度皆さんにこの詳しい御報告もさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(舞立昇治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(舞立昇治君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、令和七年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いいたします。 米の放出の問題について、最初に二つ伺いたいと思います。 予算委員会でも我が党で質問させていただきました。また、先日は大臣の方にも党として申入れをさせていただいたところですけれども、一つ懸念になっていることがあります。と申しますのは、やはり今回の放出、どうしても北の方といいますか、北陸、そして東北、新潟、大体これで八割を占めているわけですけれども、私、地元鹿児島、大臣は宮崎でございますけれども、ここまでしっかり供給が、提供が行くのかというそういう問題がありまして、地域偏在に対しての懸念があります。 大臣も、この委員会では、各段階の業者に対して働きかけを行っていくという、そういう答弁もいただいているところですけれども、この働きかけの中身、例えば農水省からきちんと各段階の業者に対しての要請文を発出をするとか、具体的な取組についてまず伺いたいと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) お答えいたします。 今回売り渡す備蓄米につきましては、三月半ばから落札した集荷業者に引渡しを開始していくということとしております。 それと併せまして、委員御指摘がございました、落札した集荷業者のみならず他の集荷業者、あるいは卸売業者、小売業者に対しまして、例えば地域ごとの需給状況にも配慮した供給と、こういったものがしっかり行われるよう、業界団体を通じて私ども要請を行ってまいりたいというふうに考えております。
○窪田哲也君 具体的に要請文を出していただいて、取組をよろしくお願いをいたします。非常に心配をされていることですので、よろしくお願いします。 そして、今回二十一万トン放出しまして、大臣も先日の記者会見でも言われて、我が党の質問に対しても予算委員会で言われておりましたけれども、これだけの国富を使って放出するわけだから、当然その効果が出なければ、次、追加も考えなきゃならない、考えるのは当然であるという、そういう話を、答弁をされておりました。 では、どのように見極めていくのか、このことについて、判断の在り方について具体的に伺いたいと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) 政府備蓄米の売渡しにつきましては、まず、今回入札分については、入札終了した後に三月半ばから引き渡していくと、残りの、二十一万トン、残りにつきましても入札の準備を進めているところでございます。 必要に応じて更に販売量を拡大していくこととしておりますけれども、その際、例えば今回の入札分の流通の状況でございますとか、あるいは大手集荷業者の集荷量が減少したことにより発生しております流通の目詰まりの解消の状況でございますとか、こういったことにつきまして多角的に状況を見極めた上で、大臣ともよく相談いたしまして検討していきたいというふうに考えております。
○窪田哲也君 どうか状況をきちんと見極めていただいて、機動的、柔軟に、的確にお願いをしたいと思います。 それでは、続きまして農業の担い手の問題について入らせていただきたいと思います。 我が国の基幹的農業従事者、六十五歳以上が七一・七%、四十九歳以下が一一・二%、ちなみに三十九歳以下が四・五%、この世代間のアンバランス、これをどうにかしていかなきゃならないという大きい方針があると思います。四十歳以下だと、近年、就農者は一万六千から八千で大体推移をしているところであります。 そこで、関心はあるけれどもなかなか農業の現場に進むことが少ない大学の農学部生なんですけれども、伺うところによりますと、八十五の国立大のうち農学部系の学部があるのが四十ということですけれども、大体毎年二万人が卒業されております。この農学部卒の学生に対してしっかり農業の魅力が伝わっていけば、私はとても現場にとっては大きな可能性になると考えておりますけれども、農業、職業としての農業の魅力の発信、農学部生に対しての発信についてどのように取り組んでいかれますでしょうか。答弁お願いします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 農業者の減少、高齢化が進む中で、大学の農学部など農業に関心がある若者に農業の魅力を伝えることは、御指摘のとおり、意欲ある新規農業者を始め、今後の農業を担う人材の育成の観点からも大変重要と考えております。 農林水産省におきましては、大学農学部の学生に向けて、地方農政局職員による農業者の取組事例や担い手への支援策に関する出張講義、また、女性農業者による講義や農業インターンシップの受入れなどを実施しているところでございます。 また、今回新たに大学の農学部の学生等をターゲットとし、若者にとって憧れや目標となるような農業者から特に生の声を直接届けていただくという取組を開始したいと考えております。 このような取組を通じ、次世代の若者にとって日本の農業が魅力的な職業となるよう、農業人材の呼び込みの定着に向けた取組を一層推進してまいります。
○窪田哲也君 やはりこのモデルとなるような方がいらっしゃると思いますので、その方たちの取組をしっかり伝えていっていただく、そして、やはり魅力が伝わっていけば更に農業のプレーヤーとして御活躍いただけると思いますので、是非よろしくお願いを申し上げます。 次に、大臣に伺います。 女性活躍でございます。もちろん女性は基幹的農業従事者の約四割を占める重要な働き手、大切な働き手でございます。けれども、近年、その働き手である女性の割合が低下傾向にあります。特に、農村においては、男性は農業経営や組織運営、女性は農作業に家事、育児ということで、例えばこんなデータがありました。農林漁業者の一日の家事、育児の合計時間ですけれども、女性二時間五十七分に対して男性二十六分ということでございますけれども、この男性優位という中で、ますますこの農村から女性が離れていく、このことをどうにか食い止めなければならないというふうに考えています。農村で女性が輝く、何が必要なのか、女性活躍に向けての大臣の決意、方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) お答えさせていただきます。 確かに、経営者、事業体の経営者でいうと女性の割合は三割しかございません。ですから、経営の主体となっているのはやっぱり男性という、それを見ると男性優位。しかし、実際に農業生産の現場を回している主役はどっちかというと、もしかしたら女性の方が上だということはあると思います。 しかし、私の地元でも、例えば新規就農でも、女性が一人で、若い二十代の女性がぱっと入ってきたり、そういう方もおられます。そして、これから食の多様性に対応する上でも、女性の感覚、そういったものをマーケットイン、マーケットメークする上では大変重要だと思っています。ですから、そういう意味では、女性がその経営にいかに参画していくかということがとっても大切です。 ですから、私、昨年大臣にならせていただいて、例えば農林水産省の審議会のメンバー、男性が七割とか、そういう感じなんですよ。それをなるべく男性、女性の割合を半々にしようと、農政の現場に対する意見も女性の意見が反映されるようにする。 確かに委員がおっしゃるように、これから先、基幹的農業従事者の四〇%をもう既に女性が占めていただいているわけでありますから、そして総人口に占める割合も女性の方が多いわけでありますから、女性がおられるからこそ男も頑張れる。ですから、ちょっとメンタル的なことを言いますけれども、やっぱり男がもっと女性に感謝しなきゃ駄目ですね。やっぱり、君がちゃんと家を支えてくれるから俺はこれだけ農業に打ち込めるんだという間接的な経営参画というのも私は非常に今現実ではなされているんだというふうに思いますので、しかし、経営参加の割合は是非上げていくべきだというふうに考えております。
○窪田哲也君 当委員会でも女性の委員の皆様が大変に活躍をされておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 それに関連をして、この女性が活躍され、女性が参画した場合、農業生産の生産性も非常に上がっているというデータがございました。農産物の販売金額の伸び率、二〇一五年から二〇二〇年の比較でございますけれども、不参加の場合はこの伸び率が二・〇%、ところが、女性が参画をした場合には一八・三%ということで、生産性も非常に上がるということ、実態がございます。 そこで伺いたいのが、家族経営協定の締結に向けた支援強化でございます。この家族経営協定ですけれども、家族一人一人の役割、就業条件、就業環境などについて家族で話合いをしながら取決めを行う、そういう締結ですけれども、政府は、令和七年度までの目標として七万件、これを掲げております。 例えば、この締結をすると、条件付で農業者年金の基本保険料が助成をされるとか、様々なメリットがあるわけですけれども、この締結促進に向けての取組強化について伺いたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、家族経営協定、これは、経営内での個人の役割が明確でない家族経営におきまして、経営の方針、あと家族一人一人の役割、就業条件等について取り決めるものでございまして、女性の経営参画に非常に有効な手段と考えております。 家族経営協定の今の締結数でございますけれども、近年、六万件前後で推移しております。ただ、農家の所得が主である主業経営体数に対する割合は二〇二〇年の二六%から二〇二四年には三四%と増加傾向にあることから、家族経営協定の締結による経営改善は進んでいると考えております。 家族経営協定の締結の促進のため、引き続き、締結のきっかけや経営改善の効果などを事例集として取りまとめて公表するとともに、経営開始資金や農業者年金における優遇などのメリット措置、これを提示していく、また、都道府県が実施する家族経営協定の締結に向けた相談会の開催、これに対する支援などに取り組んでまいりたいと考えています。
○窪田哲也君 今、答弁は、その様々なインセンティブを周知をしていくということと、それから、各都道府県で実施をしているその相談会、これをしっかりバックアップしている、いくということでございましたので、引き続きしっかり取組をよろしくお願いをしたいと思います。 二〇二〇年二六%、二〇二四年三四%まで増えてはきているということでございましたので、どうか引き続き、女性の皆様がしっかり農村で生き生きと輝いて暮らしていける、また、農業に意欲的に取り組んでいける、経営にも参画をしていけるという、そういう状況をつくってまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、新規就農者支援の年齢制限の問題でありますけれども、これ、午前中の委員会でも出ておりました。私、昨年、一昨年ですか、野村大臣にもこの問題については予算委員会で質問させていただきました。関心は持っておりますし、鹿児島での各自治体等でも年齢制限を引き上げて補助をやっている自治体もございますので、これ、地方においてはとても大きい声だと私は思っております。 午前中は大臣も大変に前向きな答弁をされておりました。また、先日の七日ですか、記者会見でも大臣は言われておりました。農業人口が減るトレンドを考えると、年齢制限を勘案せずに広く人材を求めることはメークセンスすると、このようにおっしゃっております。 私のサラリーマン時代の先輩も、実は、卒業後というか、定年後ですね、農業見習という名刺をいきなり作りまして、今、佐賀の嬉野でお茶を作っているんです。まあまあうまくいっているということでございましたけれども。 やはり、当然、この農業構造の転換を図っていって、長く続けていく人を増やすことは大事だと、それは分かっています。分かっているけれども、定年前後になってくると農業やってみたいという人も増えてきますし、そしてまた人脈もありますし、長く生きてきていますので様々な、作ることについてはどうかと思います、分からないですけれども、様々な販売等のノウハウもあるかもしれない、そういう方の力をお借りするというのはとても大事なことだと思います。 今後の検討の在り方、方針について大臣も前向きに答弁していらっしゃいますので、これは政務官に伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○大臣政務官(山本佐知子君) ありがとうございます。 大臣からも何度か御答弁がございましたけれども、私の方から現状と、そして、今そういった五十歳以上の方にもどういった支援、全くないわけではございませんので、少し御説明したいと思います。 まず、農業従事者につきましては、六十歳以上が約八割であるということで、先ほども御指摘が、委員いただきました。年齢構成のアンバランスが大変大きな課題になっています。これをできるだけ若い世代が就農して、そしてより長期にわたって農業生産を担っていただく、続けていただくということが重要であることから、現在、就農前後の資金支援等については就農時四十九歳以下という年齢制限を対象としているところであります。 令和六年度補正予算からは、四十九歳以下の意欲ある新規就農者の確保を一層推進する観点から、親元就農や、そして第三者継承を含めた新規就農対策を拡充したところであり、まずはこれらの施策を着実に実施してまいりたいと思っています。 一方、五十歳以上の方、今お友達が大変やりがいを、そして生きがいを持って従事されているということも伺いました。一方で、やっぱり地域の担い手として五十歳以上の方も活躍されるということは期待されます。そうしたことについて私たちも、長期無利子である青年等就農資金の貸付けや、また実践的な研修農場の整備などの農業技術の習得に向けた支援、こうしたものも行って就農を後押しをしているところであります。 今後とも、現場の実態や支援の効果を把握、検証しながら、効果的な施策の実施に努めてまいります。
○窪田哲也君 もう是非よろしくお願いを申し上げます。 続きまして、輸出関連、海外から稼ぐ力でございますけれども、農林水産物・食品の輸出額、昨年、対前年比三・七%増の一・五兆円ということでございます。品目ではソース混合調味料、緑茶、牛肉等が二桁の伸びを示しておりまして、非常に好調。日本食の人気の高まりもありますし、インバウンドも非常に好調であると。外食需要、それから販路拡大、こうした取組が奏功しているのではないかというふうに考えられているところでございます。 我が国の人口が今後も減少していく、そういう中で、日本産の産品の需要の高止まり、これは非常に大事なことでありますし、日本食への関心、そうしたものはもう絶好の機会、チャンスだと考えております。海外から稼ぐ力、これを強化していくための、どうするのか、その辺の決意について、方針について大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(江藤拓君) まずは、日本のものはおいしいから売れるんだという思い込みはまず駄目だということでございます。やはり、場合によってはその国が求めているものを作るということが必要だと思います。 例えば、リンゴなんかでいうと、ちっちゃい方がいいという国もあれば、でかい方がお祝い等で使っていいという国もあります。ナガイモなんかでも、日本だと長過ぎると駄目ですけれども、でっかい方が使いやすいという国もあります。サバなんかでいうと、小さいサバなんかは全く商品価値はありませんでしたけれども、東南アジアに出したら非常に売れるということがありますから、そのマーケットが何を求めているのか、やっぱり市場をしっかりつかむということ、そして、市場において、持っていきゃ売れるというものじゃないんで、そこに専門家がおりますけれども、しっかり人脈もつくり、マーケットもつくり、販路もつくり、その上でマーケットに入っていくということが非常に大事なので、まず物を作るということも大事でありますが、マーケットに対するアプローチというのもとても大事だと思っています。 そして、物を作るに当たっても、その輸出に即した産地をつくっていくということが大事です。 たまたま昨日、家に帰ってテレビつけたら、ハワイで安売りの殿堂がオープンしたと、名前は言いませんが、そこで熊本のイチゴとかいうのがもう飛ぶように売れている姿が昨日放送されていましたよ。もう何て甘いんだと、信じられないというのがハワイの住んでいる人たちの感想です。見ていて楽しかったですが。 ですから、これから先、私が五年前大臣やっていたときに五兆円の目標立てたんです。そのときはちょっとでかい目標だなと思いましたけれども、できないことはないんだろうというふうに思います。 それに、先ほど田名部先生から食品産業、食品の輸出の品目の度合いが多過ぎるという話もありましたが、ただ、国産の農産物の七〇%が原材料として引き受けていただいていますから、やはり食材としての農林水産品の輸出と製品としての農林水産品の間接的な輸出というもので五兆円は達成できる。 そして、インバウンドもとてつもない数で増えていますし、御参考までに申し上げますと、この十年間で、私も知らなかったんですが、海外でのレストランの数は十八万、何と三倍になったそうでございます。ということは、インバウンドで日本のおいしいものを食べた人が自分の国に帰ってもおいしいものを食べたい、しかし自分の国で食べたものはやっぱり日本のものとは違う、だったら日本から輸入したちゃんとした食材で提供してくれるレストランはないんだろうか、そうやって求めてくれれば、そこでまたマーケットが生まれるんだろうと思います。 様々な知見を集めることによって輸出目標を達成して、ひいては農家の手取り、収入を増やしていく努力をしていきたいと考えております。
○窪田哲也君 非常に大事な取組だと思います。十年間で十八万ですか、非常に頼もしい数字だと思っておりますので、引き続き力を入れていかなければならない。 大臣の御答弁では、その国が求めているものをしっかり作っていくという、そういうこともお話もございました。それに関連をすると思うんですけれども、輸出支援のためのプラットフォームの拡充でございます。 実行戦略に基づいて、輸出国・地域において輸出事業者を包括的、専門的、継続的に支援するための輸出支援プラットフォーム、現在、アメリカ、EU、タイなど十か国、十六拠点に今開設済みですけれども、この五兆円突破に向けてこのプラットフォームをどう拡大、拡充をしていくのかについて伺いたいと思います。
○政府参考人(森重樹君) 輸出支援プラットフォームでございますけれども、二〇二二年四月に米国で初めて立ち上げまして以降、これまでEU、香港、タイなど広げてまいったところでございます。 このプラットフォームにおきましては、現地を拠点とする強みを生かしまして、国内の事業者や品目団体、また都道府県等に対して現地の市場動向等の情報を提供するということでございますとか、これらの国内関係者と海外の事業者をつなぐということをやりまして、現地の専門家の知見や人脈も活用しながら様々なプロモーション活動、こういったことを企画、実施するなど、こういったことに取り組んでまいってございます。 輸出促進のための現地発でのマーケットイン、マーケットメークということにおいて重要な役割を果たしてございますので、引き続き必要な体制の充実を図ってまいる考えでございますし、さらに、今後は食品事業者による海外展開への支援などにも活動を広げて、海外で稼ぐ観点からの役割を果たしていく考えでございます。
○窪田哲也君 どうしても海外に売り込んでいくとなるとありがちなのが、何とか県産、何とか県フェアとか、そういうものをやりがちなんですけれども、やはり相手国、輸出相手国から見れば、どこの県の産品なのかってあんまり関係ないんですね。やはりメード・イン・ジャパンと、日本の農産物、日本の食品というのを売っていくということが大事だと思いますので、そういう意味では、やはりプラットフォームは大事ですし、この品目別の団体をしっかり後押しをしていくということも大事だと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 あわせて、やはりこれだけインバウンドが好調なわけです。政府としても二〇三〇年に六千万人の目標を掲げておりますけれども、そして消費額十五兆円という目標に対して、これはもう農産物を輸出をしていく、日本食のファンをつくっていく、日本に来ていただいて本場の日本のおいしいものを食べてもらって、そしてまたそれを各国で、現地でまた食べていただくという、その相乗効果がとても大事だと思いますけれども、インバウンドの皆さんにしっかり消費をしていただく、その取組について具体的に伺いたいと思います。
○政府参考人(森重樹君) インバウンドの食関連消費でございますけれども、これちょっと二〇二三年のデータになりますが、訪日外国人旅行者の消費額五・三兆円に占める食関連消費額は一・六兆円ということになってございます。更に二〇二四年の旅行消費額は伸びておりますので、こうした旺盛なインバウンド需要を農業者、食品事業者の収益につなげていくことが重要と考えてございます。 このため、政府といたしましては、訪日外国人向けの飲食店等の予約サイトの情報を収集、分析しまして、主要都市においてインバウンドでどんな消費実態があるかというようなことのちょっと今調査なんかをいたしておりますし、また、海外向けの日本食プロモーションとその国内の観光面での魅力の発信をコラボしていくということでございますとか、我が省が取り組んでおります農泊などを通じた農山漁村へのインバウンドの誘客とまた食関連消費をつなげていくと、こういった取組を進めていきたいと思っております。 こういったことを通じてインバウンド消費の拡大とまた輸出拡大というところの好循環を形成すべく、これ観光庁さん等とも連携をいたしまして施策を強化してまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 よろしくお願いします。 問題になるのが、この日本にインバウンドの皆さんに来ていただくけれども、実際に何を食べているのか、これがなかなか実態としてまだ掌握できていないという問題があるようですので、きちんとそこも掌握をして、何を食べて何が人気があって何を売ればいいのかというインバウンドのこの消費実態をやはりつかんでいくことがとても大事だと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 最後に、大臣に伺います。 合理的な価格形成については新しい法律も閣議決定をされまして、これまで農家の皆さんに、生産現場に余りにもしわ寄せが行き過ぎている、それを消費者の理解もいただきながら適正な価格をつくっていく、合理的な価格形成でございますけれども、この合理的な価格形成を進めていく上で、やはり消費地から離れている南九州でありますだとかそういったところは、非常に今物流コスト、燃油の高騰もありますし、さらにまたドライバー不足もありましてコストが非常に掛かっている。この問題について、合理的な価格の中にこの産地と消費地のそうした距離、物流コスト、そうした問題についてはきちんと考慮されるのかどうかということが一つです。 そしてもう一つは、このコストを抑えていき、産地がきちんと残っていく。大消費地に近い産地も遠い産地も同じように残っていくことができるようにしなければならない。そのための取組について、また決意について大臣にお伺いをしまして、質問を終わります。
○国務大臣(江藤拓君) まさに、今回提出させていただく法律につきましては、コストを考慮した取引をするということをやっていただくための法律でございます。 そこで考慮されるものとしては、その考慮されるべきコストとしては、燃料費、光熱費、そして輸送費、これはもう当然考慮されるべき項目でございます。私の宮崎なんかは非常に、二〇二四年問題もこれありで、非常に物流コストは上がります。途中で予冷施設を造って鮮度を保つような工夫はしますけれども、それでもハンディはありますので、その分についてはやっぱり考慮していただかないと、例えば茨城とか千葉辺りにみんな取られてしまうおそれがありますので、そこら辺はしっかり考慮していただきたいと思っております。 そして、法案の中で、流通の合理化、円滑化は非常に大事な項目でありますので、例えば今パレットにするという話をしているじゃないですか、いっぱい積めるようにですね。それで段ボールも減らせるという話ですね。そのパレタイザーというのがありまして、これをやはり、自動で車にぽんと荷を積めるようなパレタイザーというのがあるんですけど、こういうものをやる事業者については低利の融資だったり、それから税の優遇措置というものも法案の中に書き込んであります。 ですから、こういうものを利用していただいて、物流業者の皆様方も物流の効率化、経営の効率化を図っていただいて、そういう条件不利の部分を埋めていただいて、やはり様々な地区で、例えば、茨城はすばらしいところですけれども、季節によって産地のやっぱりローテーションというのがあります。この季節ではここで作ってもらう、この季節ではここで作ってもらう、もう年がら年中茨城で作るわけにはいかないわけでありますから、やっぱり九州が担うシーズンもあれば……
○委員長(舞立昇治君) 大臣、そろそろ答弁まとめてください。
○国務大臣(江藤拓君) あっ、終わったんですか。ありますので、しっかりやっていきたいと思っております。
○窪田哲也君 終わります。ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 もう既に何人かの方からお話ありましたけれども、私からもまずは主食である米の安定供給に向けての課題についてお聞きいたします。 大臣所信の中でも、流通の目詰まり等を背景に供給に滞りが生じている状況というような記述がありますけれども、もちろん流通の目詰まりもあると思いますけれども、その根本は一体何なのかというときに、私、先週の予算委員会でも大臣の御見解も伺いました。在庫ですね、在庫は減ってはいるけれども、特に令和五年六月末の百九十七万トンというのは決して少なくないということ、多くはないけど、まあまあ、まあまあというところなんでしょうかね。 ただ一方で、その一年後、六年六月、昨年六月末の百五十三万トンはやっぱり少ないんじゃないのかなと私思っています。大臣からは、いわゆる供給量、需要に対して供給というのはその年の生産量とそれから在庫量を合わせたものなので十分だと。まあこれ、これを下回ったらもう大変なことですから、これは上回るのは当たり前なんですけれども、その水準が果たして何が適正なのかというところは大変難しいんですけれども、考えていかなきゃいけないんじゃないのかなと思っています。 在庫、毎月、これ農家側の在庫は入っていないので若干数字が違うんですけれども、毎月のように、これ米穀の取引に関する報告で、在庫量、月々の在庫量が出ておりますけれども、これを見ても、ここ三年ぐらい、前年同月と比べて毎月減っているという状況を見ると、やっぱりちょっと不安があるんじゃないのかな。この原因が、誰かが多めに買っているのか、それとも本当にないのかというところが難しいんですけれども。 ちょっとこれは、一般論としてこの適正在庫水準についての考え方って何なのか、ここをまず押さえていかなきゃいけないんじゃないのかなと思いますけれども、この適正在庫について基本的な考え方、教えてください。
○政府参考人(松尾浩則君) 私ども、米の需給の見通し、需給のフレームを毎年食糧部会、専門家の方々の御意見なんかを聞きながら策定しているところでございます。その中で、当然期首の在庫と需要量を見通して、生産でこのぐらいと、それで翌在庫がこのぐらいということで、こういう需給というのは適正だなということでお話をしているところでございます。 そうすると、先ほど委員ありました、例えば今日も大臣御答弁されて、百八十から二百とかですね、そういったものが一つ、関係者の中では、関係者という、流通のですね、まあ適正だなというようなお声があるのは認識しております。 ただ、さはさりながら、その需要量も見通すのも、先ほど答弁させていただきましたけれども、やはり一人当たり十万トンずつ減っていく中で、やはり令和の五年産のように、高温の問題、いろいろあったら変わりますのでそこは難しいんですけど、よく我々、データを取りながら見通していくと、あるいは把握していくということが大事だなというふうに考えております。
○舟山康江君 あれですよね、十万トン、全体でですね、十万トンずつ減るという傾向の中で、でも六年は上がったじゃないですか。まあいろんな要因があるにしても、減るから減らしていいというところから、もう少し全体としての、本当に米の、何というんでしょう、需要拡大も含めた取組の中でその需給を考えていく必要があるんじゃないかということが一つと、先ほど上月委員も指摘されていましたけれども、もちろん今農水省の方でも様々な統計で、例えば作況ですとか生産量とか出していますけれども、やっぱり私も感覚的に、現場歩いていて、出てくる数字の作況と実感がちょっとずれているんじゃないか。多分これは農水省もたくさん耳にされているんじゃないのかなと思います。 あわせて、いわゆる生産量としては乗ってくるけれども、実際に流通する段階ではちょっとこれは主食に回らないという米も、今この異常気象が頻発する中で大分この割合が増えてきているんじゃないかと。もちろん、その分少し供給量を差し引いているところもあると思いますけれども、やっぱりそういったことを考えたときに、本当にこの需給がどうなっていくのかというのは今まで以上に難しい判断の中で考えていかなきゃいけないんじゃないかと思っておりますけれども。 そういったところも含めて、是非大臣、改めて、これ、米、主食ですから、そして本当に、後でまた触れますけれども、この農地を守る要として水田とか水利施設というのは非常に大事だと。それは、やっぱり単に守るだけではなくて、使いながら守っていく。中でも、本当にこの米の生産、重要だと思っています。もちろん、主食、加工用、飼料用、また米粉、輸出、いろいろありますけれども、そういう中で、やっぱり主食もきちっと位置付ける中で、是非、米政策の在り方、こういった供給不安にならないように、やっぱり何だかんだ皆さん米が欲しいということ、こういったことを踏まえて是非お考えいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) ずっと私どもも、もう二十年になりますけれども、米が安いことで悩んできました。ですから、今このような状態になっていることが非常に隔世の感といいますか、本当驚きますが。ただ、国民の皆様方が、今おっしゃっていただいたように、米を食べたいと思っていらっしゃるという気持ちは大変確認ができたんだろうと思います。そして、食料に対するアクセスも、そんなに当たり前のものではないということも多分国民の皆様方は自覚をされたんだろうと思います。 ですから、供給サイドに責任を持っている農林水産省としましては、やはり国民の皆様方の声に応え、そして生産基盤を守って、それで基本法を作ったときの主要なテーマである食料安全保障の確立のためにも、水田に対する政策についてはしっかり充実させていきたいというふうに考えております。
○舟山康江君 おっしゃるとおりだと思いますけれども、一方で、今は実際の需給を離れて価格が上がり過ぎていると。ここは何とかしなきゃいけないと思っていますけれども、ただ、何が適正かってなかなか難しいですよね。今までは安過ぎた、で、適正になったのか、これが上がり過ぎているのか、ここは大変難しい問題でありまして、そういった意味では、やっぱりただで作れるわけじゃないと、コスト掛かっているんだということをアピールするのも必要ですけれども、現実問題として、今価格高騰の中で、やっぱり私も実際、いや、米高いからパンを増やしたとか、麺に変えたとか、少し消費を抑えているという声も私も聞きますし、今やっぱりこの問題大変関心が大きくて、いろんなメディアでも連日報道されています。その中でも米の消費を減らすという声が聞こえてくる。 そういう、その価格高騰が米の需要に与える影響、現場からするとやっぱり高ければいいんですけれども、高過ぎると減るという、ここがすごく難しいと思っていますが、この米の価格が需要に与える影響についてどのように分析されているでしょうか。
○政府参考人(松尾浩則君) 委員御指摘のとおり、価格が上がるとその需要が減るというのは、これ過去の例もそういうことございました。 それで、ちょっと例えばということで、平成二十年産米ございます。これ、相対の価格が六・九%上昇した中で、その年の需要量は前年から三十一万トン減少しました。それから、平成二十四年産米、これも価格が相対八・五%上昇する中で、需要量は三十二万トン一年で減少したわけでございます。 それで、私ども、現在、じゃ、どうかということで六年産米の需要量、まあ需要といいますと一年間見ないと分からないんですけれども、売行きはということで追っておりますけれども、例えばスーパーのレジで出てきますPOSデータ、こういったものを見ますと、去年の九月以降はおおむね対前年を下回る状況、あるいは大手卸売業者の小売、あるいは外食への販売数量も、昨年の九月以降は前年を下回る水準ということになっております。
○舟山康江君 一般的には、米は必需品なので価格弾性値が低いと言われて、価格が変わっても需要は余り変わらないと言われていますけれども、現実的にはやはり影響があるという中で、六年産米は毎月のように、今のデータ、POSデータでは減っているということ。 ここは本当に難しくて、今の価格はちょっとやっぱり若干異常かなって気がするんですよね。令和五年のあの冷害のときよりもどおんと上がっちゃっていますから。やっぱりここは投機的な動きとか、そういったものを抑えるためには、今回の備蓄米の放出が少しその動きを冷やすようなことになれば、なってちょうどいい水準に行けばいいのかなと思いますけれども、まさにこの価格高騰ですね、その適正価格がどこにあるのかというところをしっかり考えていただきながら、その方策の一つとしては、先ほど田名部委員も指摘されていましたけれども、私たちもずっと一貫して申し上げている、本当にこのいわゆる直接支払で、例えば農地の役割、水田の役割、そこに対する支払をすることが、価格、要は、これは生産者の利益にもなれば、一方で一部は消費者利益にもつながると。これ、多分、直接支払の大きな効果なんですよね。 日本のみならず、世界でも直接支払というのは、特にデカップル、生産とデカップルされればされるほど消費者利益にも結び付くということですから、こういった面からも少し組合せを考えていく必要があるんじゃないかと思っておりますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(江藤拓君) 米に関してだけお考えということでよろしいですか。(発言する者あり)今はですね。 今年は米がこういうことになりましたので、そういう議論については賛同を得られるような意見も多分増えるんだろうと思います。しかし、来年どうなるか分かりません。今年の作況もどうなるか分かりません。やはり、米が主食である以上は長い目でやはり米政策は考えなきゃいけないんだろうと思います。 おっしゃる意味はよく分かります。生産者に対しても直接お金が入ることは、それはいわゆる岩盤の部分にはなりますので、いわゆる基礎支払というような考え方かもしれません。それで、消費者の部分も、その分米価が下がれば利益を得るということであります。ありますが、しかし、おっしゃるように、適正なところにその結果価格は落ち着くかどうかは、また、そのまた先の議論にまたなっていくわけでありまして、非常にこの米政策というのは、もう先人も大変な苦労をして、悩んで苦しんできたものでありますので、これはまた委員会も含めて、また先生方としっかり議論していきたいと考えております。
○舟山康江君 ありがとうございます。 ちょっと一言だけ。まあ、基本的には価格は多分需給なんですよね、需給と品質で決まると。今度新しい法律提出されていますけれども、この中の基本理念も価格は基本はもう需給で決まると、需給と品質。その上で指標を作っていくべきではないかということだと私は理解しているんですけれども。 その際に、やはり、要は農村で、その農地で農業を行うことの価値というのは、一部はその製品として価格で評価されます。でも、価格で評価され切れない部分をどうしていくのかと。ここが私、デカップルの直接支払なのかなと思っていますので、まさにそういった考えの中での議論をこれからまたさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、所信の中でも、農政の大転換が求められている、初動五年間で農業の構造転換を集中的に推し進めるというような決意が述べられております。この宣言の背景、今までの何が問題で、何を転換しようとしているのか、端的にお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 短く答えるのは大変難しいですが、今現実を見て、耕作面積は減る一方、基幹的農業従事者は減る一方、平均年齢は上がる一方、新規就農支援事業は一生懸命やっておりますが、なかなか農業者の方々が、若い方々が農業に夢を持ってもらえない。そして、農家の方々の間を歩くと、苦しいという声が大宗を占める。まあ、非常にもうかっている人もいますよ。いますけれども、苦しいということを訴える方も多数いらっしゃる。 こういう環境の中で、こういう状況の中で、じゃ、この農林水産業というものが将来に持続性を保てるのかということを考えると、なかなか難しいと思います。ですから、これが悪い、あれが悪い、ここが問題だ、この政策が悪かったというふうに一つ一つをあげつらうつもりはありませんが、それぞれ、私の先輩も含めて、その時代に即応するために一生懸命農政に取り組んできました。それは、与党も野党の先生もみんな一緒にやってきたことだろうと思います。 しかし、現実はどうなんだということを考えると、五年先に、じゃ、平均年齢がこのまま上がっていったらどうなるんだと。面積が本当に、三十万人になっちゃって、本当に、食料自給率を今度の基本計画でもちゃんと書かなきゃなりませんが、そんなことを目標に立てて大丈夫なのかということを考えると、大転換をしないとこれは難しいだろうというふうに私は考えたわけでございます。 ですから、私のような者で全てこれまでの政策をガラガラポンすることができると思っておりません。農政には連続性が求められます。猫の目農政は必ず批判を受けます。やはり、連続性を保ちながら、農家の方々の御理解もいただきながら、そして今回の価格転嫁の法律のようにもう日本人全体でこの農業を考えられるような農政改革ができればそれが理想の形ですけれども、なかなかそこにたどり着けるかどうか分かりませんが、先生方のお力も貸していただきたいというふうに思っているところでございます。
○舟山康江君 私、それこそ農学部を出まして、今から三十五年前に農林水産省に入らせていただきました。当時も同じような課題がありまして、その二年後ですね、平成四年に新政策ということで、まさに効率的かつ安定的な農業経営が経営の大宗を占めるような構造をということで、いわゆる担い手の集中とか大規模化とか、そういったことが始まりました。 ですので、当時も同じように、農業者の減少とか農地面積の減少、その現場の疲弊という中で、何とかしようという、その大規模化とか集中化というものが進んできた。それは、今じゃなくて、その前からやっているんですよね。ですので、今回の大転換をするのであれば、まさにその路線を進めてきた結果がどのような今の現状をもたらしたのかというところの検証をしていかなきゃいけないという中で、果たしてこの流れが良かったのか。 今回のこの所信も、大区画化とか生産性向上とか言っていますけれども、これは以前から言われていた、でも、やってきたけれどもなかなかこの厳しい現状が止まっていないという反省の中で、じゃ、何を変えていくのか。本当に大区画、もちろんちっちゃい規模の区画よりも大きい方が効率がいいですけれども、もう一つ、その生産性向上という意味もやっぱりよくよくかみしめていかないと。 簡単に皆さん、生産性向上に対して否定はしませんけれども、何をもって生産性向上なのか、大きくして、それこそ単位時間当たりの耕作面積を増やすことが生産性向上なのか、ちっちゃいところでいいものをきちっと作ることが生産性向上なのか、場合によっては、大面積をやることによって一枚一枚のその単収が下がる、品質が若干下がってしまうということにもつながっていると思うんです。そういう中で、この生産性向上の意味するところももう少しきちっとかみ砕いて議論をしていかないと。 だから、総論は皆さんそのとおりなんですよ。やっぱり構造転換、生産性向上、もうかる農業と、それが今までやってきたけれどもできなかったのは何かというところ。何かちょっと嫌がらせの質問のように聞こえるかもしれませんけれども、そこをきちっとみんなで考えていきたいなという中で、今、この所信の中ではその意味をどのように大臣がそしゃくしながら発信をされているのかというところをお聞きしたかったんです。 生産性向上についても、ここで言っているのは何を意味されているのか、ちょっと大臣のお考えお聞かせください。
○国務大臣(江藤拓君) 生産性は、先生おっしゃるように、いろいろあると思います。一人の農家が例えば三十ヘクタールをやっていれば、一人当たりの生産性は大幅に上がったというふうに言えると思います。しかし、例えば近郊で農業をやっている人は、もう本当に二十アール、三十アールしか農地はないけれども、しかし、そこで非常にニッチな野菜を作って、イタリアンレストランやフレンチレストランに出すことによって、単位面積当たりの収量は金額ベースでいうともうとんでもなく高いというような農業の形もあります。 ですから、いろんな切り口があるんだろうと思います。大区画化したことは間違いだったとは思いません。今は食料自給率は低いですけれども、これまでの農政の展開がなかったらもっと低かったと思いますよ。何とかここで踏みとどまるだけの効果はこれまでの農政にはあった。しかし、このままの農政を続けていてはじり貧だというふうに思っているわけでありまして、この生産性については、面積に着目するのか、総農業生産指数で見るのか、一人頭の所得で見るのか、様々な見方がありますが、しかし、農家はそれぞれ個別の暮らしがありますので、その暮らしが成り立つかどうかというところにもしっかり目を向ける必要があるんだろうと思います。 今回の合理的な価格形成に関わる法律につきましても、これ米も対象になっておりますし、ですから、何とか様々な角度でアプローチをして、あらゆる指数の取り方を取ってもこれが評価されるような結果が出せるように頑張っていきたいと思っております。
○舟山康江君 そして、所信の中で、これも毎回言われていますし、私もそのとおりだと思っているんですけれども、農林水産業は、食料の安定供給のみならず、その営みを通じて国土の保全などの役割を果たしているということがまさに国の基だということを大臣もおっしゃっておられます。 その役割、食料生産のみならず、たくさんの役割を果たしているのはどなたなんでしょうか。大規模農家、それこそいわゆる担い手、そのほか大勢の人たちもそれを果たしているとすれば、その方々をどう支えるのかという観点が必要かと思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(江藤拓君) まあ、それはそのとおりであります。担い手だけではないと思います。 例えば、私の友人は山の奥で建設業者をやっておりますが、休みの日には山に入り、そして農地を耕し、山を守りながら農地の保全もしております。そして、田んぼダムというような話もあります。そういうこともありますので、決して担い手だけが地域を守っているわけではない。多様な担い手がそこにおられるということは委員のおっしゃるとおりだと思います。
○舟山康江君 その際に、いわゆるこの担い手というものがあって、その他経営体というのがあって、今回、規模の大小を問わず、家族農業を含めた効率的かつ安定的な経営体の育成、確保と言っています。 ここで言うその家族農業を含めた多様なというのは、いわゆる担い手を指しているのか、多くの皆さんを指しているのか、どちらの意味なんでしょう。
○国務大臣(江藤拓君) 政策的に言えば、やはり担い手をしっかり育てていくということにまず間違いはないということでありますが、この担い手以外の方々も当然おられるわけでありまして、様々日本には兼業でやられている方々もたくさんいる、そういう方々が多くの農地を守ってくださっている。兼業農家は四〇パーだったかな、四〇パーぐらいの農地は兼業農家が守っていただいているというのが日本の農地所有の現状ですから、そういうことを考えると、いろんな人にやっぱり四百二十七万ヘクタールのこの農地をしっかり保全していただきたい。そのためには何をしたらいいか。非常に難しいですよ、難しいですが、これ以上農地が減るということは、もう間違いなく食料安全保障上はこれマイナスの因子でしかありませんので、その点については注目して、注視していきたいと考えております。
○舟山康江君 私も全く同じ認識で、先ほど上月委員も指摘されていました。 いわゆる担い手、いろんな人から農地を預かってもうこれ以上できないよと、近くのいいところだったらまだ受けられるけどそのほか無理だよと、今こういった現状が、多分茨城のような比較的条件のいいところも、私の山形のような、ああいう山の中でも同じことが起きているんですね。 そういう意味では、やっぱり、今何とか頑張ってやっている高齢、兼業の方々の土地を、その担い手が受けるだけではなくて、例えば兼業の方にやってもらうとか、いろんな人に担ってもらうというこちらの方策もしていかないと、農地が荒れてしまったりとか、それから人がどんどんいなくなる。また、担い手だけがこの地域の農業の支え手になっていくと、今度は集落、農水省は農業生産だけではなくてやっぱり農村の振興も非常に大きな役割を果たしています。そういった意味では、農村の集落の維持という意味でも、多くの皆さんが農業に関われるような後押しをしていく、まさにこれは農水省の本当に一丁目一番地の役割ではないかと思うんですね。 そういう意味で、その兼業農家、いなくなる、そこ、こぼれてしまう兼業農家のその農地を、担い手がではなくて、兼業農家の農地を、じゃ、誰が受けていくのかというところは、ある意味では、地域計画等にその方々も入れ込みながら、しっかりと多くの皆さんで、やっぱり手が多い方が集落は維持できると思うんです。その観点も是非今後の農政に当たって入れていただきたいと思いますけれども、多分そうしていただけると思うので、要望にとどめておきたいと思います。 あわせて、それにもちょっとつながるんですけれども、やっぱり規模拡大を推し進めてきた路線を、特に私、畜産なんかは本当に見直していったらいいのかなという気がするんですよね。これ、以前にもこの場でも紹介させていただきました。私が聞く限り、大規模で立派にやっていらっしゃる方もいますけれども、やっぱり大きな畜産のこの制約要因というのは餌なんですね。餌をどれだけ自分のところで作れるのかという観点からいうと、やっぱり適正規模、百頭で豚の養豚経営を立派にやって、全国で一番飼料効率上げているというところもありますし、ついこの間、地元で話を聞いたところは、僅か二、三十頭の乳牛で耕畜連携で非常にうまくやっていると。 何かこう、何百頭いないとうまくいかないように思われますけれども、やっぱりこういったことを考えると、果たしてこの規模、適正規模の在り方が何なのかというところを、今後基本計画の中でも経営展望みたいなの出てくるかもしれませんけれども、そういう中で示していただきたいと思いますが、この路線をちょっと見直していくということに対してはいかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 経営の適正規模というのは大変大事な視点だと思っています。 米でも、大体十五ヘクタールを超えると、機械等が多大に必要になって、機械の更新料を払っているために耕作しているみたいな話もあります。ですから、価格との見合いでどれぐらいが適正面積であるかという指標のようなものを農林水産省が示すことは有効だと思います。 ただ、畜産の世界は、多頭飼育をしている、そこにおりますからなかなか言いづらいですが、多頭の飼育をしてうまくもうけている人もいます。彼のことを言っているんじゃありません。 私、驚いたのは、この最近の飼料高騰の局面において、宮崎県内の多頭飼育農家なんですが、私のところに来て、若い経営者なんですよ、拓さん、俺はね、何千頭やっているけど、今でも十分もうかっとるよと言ってくれた人がいました。何かその反対側に、もうあしたにでも潰れるわいという人もおられるわけで。ですから、言われるように、多頭になるとほぼほぼ粗飼料は特に輸入飼料に頼る傾向が強いです、自給でできる、やることはほぼほぼ不可能ですから。まあ多頭でやるときには、餌のやり方なんかも、切ってやればいいという、輸入の方が楽ですからね、そういう観点はありますが。 ただ、その、例えば和牛生産だったら何頭が適切ですというのを示すの、なかなかちょっと難しいかもしれません。それ経営の仕方ですから、それぞれ、多くてうまくいっている人もいれば、少なくてうまくいっている人もいるんで、ちょっと考えてみたいと思います。
○舟山康江君 一時期、畜産クラスターなんか、この増頭、増産が条件でしたけれども、やっぱりそこは大分今見直されていますけれども、そういったところも含めて、今後の政策を立案するに当たっては検討いただきたいなと思っています。 何か時間があっという間になくなっちゃったんです。一個だけ、どうしても大臣にちょっと考え直していただきたいなということがありますので、質問飛ばして、中山間直払いについてお聞きしたいと思います。 これ、以前、前回もお聞きしたんですけれども、中山間直払いの理念というのは、やっぱりその生産条件が不利な地域における農業生産活動の継続のためなんですね。そういう中で、基本計画の中では、共同活動が継続できる仕組みとか共同活動のための中山間直払いという書き方になっているんですけれども、でも、共同活動、これはこれで大変大事だと思います。でも、その条件の不利を補うという意味では、個々の農家はもちろん地域の集落の中で共同活動もやりますけれども、個々の生産活動がなかなかうまく回らないことに対して、しっかりその穴埋めをするというのが基本的な理念ではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(江藤拓君) まあ田舎のことですからね、やはりみんなで支え合ってこの地区を守っていこうという一助として中山間直払いがあるという意義は非常に私は高いと思っております。 まさに、活動を維持するための支援ということはこの趣旨でありますから、おっしゃることは分かりますが、ただ、今の現状でも、いわゆるその農業者の皆様方に、地域活動のほかに、大体、集落協定で配られた交付金のうちの、現状でですよ、五五%のお金はそれぞれの農家の方々に配分をされているというのが、まあ現金で、というのが現状でありますので、中山間直払いで行ったお金のうちの五五%は、まあ悪い言い方ですが、人頭割のような形で農家の方々に配ることが今でもできているということでありますから、委員が期待するような効果も今の制度の下でも一定程度は果たされているんではないかというふうに私は認識しているんですが。
○舟山康江君 ただ、見直しの中で、集落協定のネットワーク化とか、いや、それはそれでいいんです。だけど、改めて、農業生産活動を継続するためなんですよ、目的が。共同活動のためじゃなくて農業生産活動を継続するために不利を支援するということですから、やっぱり、年末のこの委員会でも申し上げました、米で言えば平場と中山間とで生産費が四千二百四十円、六十キロ当たり、違うんです。ここ、黙っていれば、中山間もうからないからやめてしまうということになりかねないからこそ直接支払うと、その差を支払うということですから、やっぱりここは農業生産のための応援の仕組みで、併せて共同活動に対しては平場よりもなかなか厳しいというところの後押しの政策を組み合わせるということにするべきではないかと思っていますので、まあ時間となっちゃったんでそこは答弁をいただけないんですけれども、そういう思いを是非受け止めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 私も先日の大臣の所信を受けて、たくさんのことがあるんですけれども、その中の担い手のところに焦点を絞って質問をしたいと思います。 農業者が急減する中で、担い手の生産性向上させながらより多くの離農農地の引受けを進めていけるように農地の集約化への支援制度の見直し、強化を検討する等々、いろいろちりばめられていると思うんですけれども、それで、この生産者の減少に歯止めが掛かっていないと。米の不足、価格高騰をどう打開するかも問われていますけれども、ここでも生産基盤の弱体化の問題や農地と生産者の減少は課題になっていると。で、各地回りますと、もう農業で生活できないよとか、あるいは後継者がいないという悩みが出されます。担い手をどう確保するかというのは、これ農業にとってもそうですけど、地域社会にとっても非常に大事な課題だというふうに思うんですね。 資料配付をしましたので、一枚目、見てほしいんですけれども、この基幹的農業従事者、これ二〇〇〇年から二十年間で二百四十万人から百三十六万人に半減していると。特に、二〇一五年から二〇年の五年間で二割以上減少しているわけです。二〇〇〇年以降でいうと最大の減少割合になったと書かれています。このままいけば三十万人に減少するという資料だと聞いています。 これ、ずっとそれが当たり前のように言われているんだけれども、なぜ三十万人になるのかというのをまずちょっと説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) 基幹的農業従事者については、二〇四〇年に三十万人程度まで減少するおそれがございます。 この内容ですけれども、現在の農業者の年齢構成につきまして、現在六十歳以上の層が約八割、九十万人となっており、今後、高齢化の進展により順次リタイアしていくこと、また新規就農者の動向などの趨勢を踏まえて、今後の構造変化の大まかな見通しで二十年後の基幹的農業従事者の数を試算したものでございます。
○紙智子君 それで、この資料の中で右側の方になるんですかね、下の方に赤でくくってありますけれども、この表を見ても、二十年後七十歳になる四十歳代以下の人だけで見ると十三万人ですよね。 で、今のこの基幹的農業従事者が百十六万人だと、一人の生産者でいうと大体百人ぐらいの食料を生産しなきゃならないという計算になるわけなんですね。生産者が三十万人になるということは、一体どういう日本になるんだろうかと思うわけですよ。 それで、今、中山間地の話ありましたけれども、中山間地域でやっている人たちが残れるんだろうかとかいうことも考えますし、例えば人口が減少しているので、今一億二千万ってずっと思っていたんですけれども、例えば一億人というふうになった場合に、一人の生産者が大体単純計算でいうと三百五十人分の食料を生産することになるというんだけど、そんなことできるんだろうかと思うわけですよね。 生産者の減少を放置すれば、これ、国民に安定的に国産の食料を供給することができなくなるんじゃないかと、それから食料自給率の低下につながるんじゃないかというふうに思うんですけど、この点、大臣の御認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) そういうおそれはやっぱり持っておかなければならないと思っています。持っておかなければなりませんが、しかし、そうならないように何とかあらゆる政策を駆使して頑張らなければいけないというふうに思っております。 先ほど舟山先生とも随分議論をさせていただきましたが、やっぱり単位面積当たりの生産性を上げるということも大事ですし、一人の農業者が生み出すその生産の量、価格、品質、それも上げていく必要があるんだろうというふうに思っています。 ですから、一人当たりの生産性を上げなければなりません、確実に減るわけですから。そのために地域計画を今一生懸命作っていただいています。一応、三月三十一日が期限となっておりますが、間に合わない方もおられる。そういう方には、農林水産省がしっかり寄り添って、何が難しくて計画が期限内にできなかったのか、その意見聴取をした上で地域計画を作り上げていくことが大事だと思っています。 そして、分散錯圃の農地の形状のままでは生産性は上がりませんので、地域計画がしっかりできたら、土地改良事業、農地の改良事業等をしっかりやって、そして農地の大区画化もやっぱりやっていく必要があると思います。 そして、やっぱり、これから先、技術はとんでもない勢いで進歩をしていきますので、IoTであったりスマート農業であったりですね、様々なそういった生産向上に資する人間の手以外の力も使いながら、何とか食料自給率を維持できるように、更に向上できるように頑張っていきたいと考えております。
○紙智子君 食料自給率向上させるようにというんだけれども、できるのかなって、三十万になったらですね。本当に地域社会そのものを維持すること自身も本当に大変になるんじゃないかというふうに思うんです。 それで、配付した資料にありますように、二〇一五年から二〇二〇年の五年間に基幹的農業従事者が四十万人減少しているわけですよね。これ、一年間にすると八万人が離農しているということになるわけです。それで、一方で新規就農者が三万人ということなので、これ、新規就農者が離農者数には追い付いていないということですよね。日本の農業がこれ危ないというふうに言っても過言じゃないと思うんです。 今、新規就農者を増やす目標というのは、農水省は持っているんでしょうか、大臣。
○国務大臣(江藤拓君) 目標としては、平成二十五年の日本再興戦略におきまして、十年後に四十代以下の農業従事者四十万人にするという目標を立てました。立てましたが、まあ十年後となる令和五年の数値は二十一万五千人でございます。目標を達成していないということであります。 なお、次期基本計画での目標の設定については、企画部会に諮っていただいておりますが、目標、KPIの例をお示しした上で御議論をいただいているところであります。まだ、目標、KPIは現時点でまだ決まったものではありませんので申し上げることはできませんが、基本計画の策定に当たっても、しっかり整理した上でお示しをしたいというふうに思っております。
○紙智子君 計画の中で議論している最中ということもあると思うんですけど、今の時点でも持っていないというのはちょっとなというふうに思うんですよね。 新規就農者に関する統計というのは何があるのかということについて、これ、統計部長に説明をお願いします。
○政府参考人(深水秀介君) お答え申し上げます。 新規就農に関する統計といたしましては、農林水産省で毎年実施しております新規就農者調査におきまして、個人経営体の家族で、過去一年間にその家族が行う農業に従事することとなった新規自営農業就農者、過去一年間に法人等で雇用され農業に従事することとなった新規雇用就農者、土地や資金を独自に調達して、過去一年間に新たに農業経営を開始した新規参入者のそれぞれの人数につきまして全国値を把握しているところでございます。
○紙智子君 今、新規就農者調査ということで、三つ、種類ですかね、言われたと思うんですけれども、それで、その全国的な数字は私も前に聞いたことがあるんですけれども、都道府県の数字というのは出ていないと思うんですよね。この新規就農者がなぜ増えていないのかということの分析なんかも含めて、そこはどうなんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 新規就農者が増えていない分析でございますけれども、委員御指摘のように、新規就農者調査によりますと、平成二十七年の約六万五千人から直近の令和五年は約四万三千人となり、約三割減少しているところでございます。 その内訳を見ますと、新規自営農業就農者、これ親元就農などを含むものが平成二十七年の五万一千人から令和五年の三万人と減少傾向で推移し、外部からの新規参入者、これは平成二十七年の三千六百人から令和五年は三千八百人で、これは僅かながら微増しております。また、新規雇用就農者につきましてはほぼ一万人前後で推移しておりまして、新規自営農業就農者の減少が新規就農者全体の減少要因となっております。 この新規自営農業就農者が減少した原因というのは様々な要因があると思いますけれども、年齢別に見ると、一番減っているのが六十歳から六十四歳の就農者が一万人、八年間で減少しております。これは、生産年齢人口が減少する中で、六十歳代だけではなくて、従来は一定程度帰農が見込まれていた六十代前半の年齢層、これは全産業で奪い合いになり、六十歳以上の就農者が、ああ、就農者じゃなくて、雇用全体で六割増加するという中で、他産業にて定年延長などをするというところでこの大宗のニーズが高まっているという中で農業における人数が減っているということが大きな原因なのではないかというふうに考えております。
○紙智子君 今の分析でいいのかどうかなというのはちょっとよく分からないですけど、もう一つちょっと聞いていましたけれども、都道府県別の数字って出ていないんですけれども、これは出さないんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 都道府県別の数につきまして、前国会でも様々な議論があったと承知しておりますけれども、統計調査については、全国別の調査ということで、都道府県別の調査を行っていないということは御説明をいたしました。 その中で、何らかの目安となるものを出せないかということについて、我々としても新規就農者数の目標及び実績を、各都道府県で出している都道府県サポート計画、これに基づいた調査をやってみたところでございます。同計画で示された就農調査を再度確認をして分析を行ったところ、各都道府県の新規就農者数の合計は、令和元年から四年にかけて一万一千二百四十六人から一万一千九百二十六人と微増傾向になっています。 この計画は、都道府県が予算事業を執行するに当たって国の支援策の活用を念頭に置いて調査を行ったものでございますので、全体の新規就農者数よりかなり少なくなっているというふうに思いますけれども、参考としての傾向になると思います。 この調査結果が出そろっている令和四年につきましては、過去五年間で新規就農者数が最多となった自治体が十四、最少となった自治体が八ございます。この増加と減少の要因ですけれども、具体的には、就農から経営安定までの一定的なサポート体制をしっかり整備した、また法人における働きやすい雇用環境を整備したなどの取組が新規就農の呼び込みに効果を上げたというふうに考えております。 農水省としては、これまで実施した新規就農施策というものの効果が現れていると考えておりますので、こういった都道府県との連携も更に踏まえつつ、必要な支援を一層推進していきたいと考えています。
○紙智子君 ちょっと、以前、都道府県別の資料を出してほしいと言ったときに出てこなかったんですよね。だけど、やっぱり本当に増やそうと思ったら、ちゃんと全体として把握して、国自身がそれをどうやって増やしていくのかということを具体策を持っていかなきゃいけないことだというふうに思うんですよ。 それで、かつては親元就農ということも多かったと思うんですけれども、今、学校を卒業した方を新規就農につなげていくというのもすごく必要なことだと思うんです。令和五年の新規自営農業者は三万三百三十人というふうに言っていましたけれども、新規学卒就農者で七百八十人だと。雇用就農者では九千三百人中千四百人だというふうに聞いています。 農業大学校や農業高校を卒業して就農した人がどれぐらいいるのかというのは把握されているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 令和六年三月に農業大学校、農業高校を卒業した方のうち就農した方の数につきましては、農業大学校におきましては卒業者千六百九十八名中八百九十七名、農業高校では卒業者二万千四百七十一名中五百六十七名が就農されたというふうに把握しております。
○紙智子君 都道府県の新規就農者の統計もすごく大事だと思うし、学校卒業した後、就農者がどうなっているのかという把握はやっぱりもっとしっかりやっていかないといけないと思うんですよ。学校は出たけれども違う仕事に就いていたりとかするわけですから。そういう意味で、本当に新規就農者、担い手をしっかり育成して世代継承していくという構えを農水省自身がしっかり持っていくということが必要ではないかと思うんです。 昨年は、私、福島県でワンストップサービスを行って、福島県の農業経営・就農支援センターを設置して新規就農者を増やしているという事例を委員会でも紹介をさせていただきました。今日は、福井県の、前にお邪魔したんですけれども、かみなか農楽舎というところがあるんです。御存じの方もいるかもしれませんが。 それで、七年前なんですね、二〇一八年に、福井県の若狭町の農業法人かみなか農楽舎というところを訪問させていただいたんです。ここは、地域住民、民間企業、それから若狭町が協力して出資をして設立した法人で、十七年間で四十五人研修生を受け入れて、そのうち二十六人が町内に就農して定着していたんですね。二十代から三十代の、Iターンですね、Iターンの若者たちが町内の農地の大体一割、二百三十ヘクタールを耕作をしているということだったんです。 もうあれから七年たつのでどうなっているかなと思って聞いてみましたら、今も毎年新しい担い手を生み出していて、現在、卒業した担い手だけでも、専門学校ですね、卒業した担い手だけでも町内の農地一五%ぐらいを担っているんだということで、募集も掛けているわけなんですね。 それで、どうしてこの農楽舎を選んだんですかということで、現地の方に聞いてみました。それからいろんな苦労や課題も聞きました。そもそも町としてはどんな考えでこの取組を始めたのかというふうに聞いたんですけれども、とにかく町長さん、危機感でいっぱいだったわけですね、このままだったらもう町が消えてしまうと。若い人はみんな外に出ちゃって、もうあと年寄りしかいないということで、このままだったらもう大変だということで、大変な危機感の中で、何とかいいやり方はないかということで、知恵を絞ってこういう法人をつくったわけなんですよね。 そして、実際に若い人を受け入れてきて、それで町の中はどうなったかといったら、今までは若い人いなかったのが、若い人が来てやってくれていると。今まで子供の遊ぶ声もしなければ赤ちゃんの泣く泣き声もしなかったと。それが、若い人たちが来て、家族つくって、農作業するのに赤ちゃんの泣き声聞こえるようになったといって、お年寄りの方がもう涙流して喜んでいるという話と、それから、新しく入ってきた人に聞いたら、どうですかといったら、いや、物すごく温かく迎え入れてくれていて、大事にしてくれていると。そういうことを、地域との結び付きというのがつくられてきているんだなということを感じて、とても感銘をしたんですよね。 そういう経験というのはほかにもあると思うんです。各地のところでも努力があると思うんですけれども、そういう経験をどういうふうに把握して、そして共有するように、農水省、しているんでしょうか。これ、大臣にお聞きしますかね。
○国務大臣(江藤拓君) この二つの事例については聞き及んでおりましたが、今日先生から更に詳しい話を聞いて、すばらしいと思いましたね。 やはり、お金を配ることよりもいかに温かく迎え入れるか、そして、その地域のコミュニティーに、やはり、Iターンであれば、まあ悪い言い方をするとよその人ですから、よその人が入っていって疎外感を覚えるようなことはない、そして温かくその地域のコミュニティーの一員として自分を認めてくれるということは、もうとてもいい話だなと思って聞いておりました。 こういう例はどうやって農林水産省発信したらいいかはよく考えようと思います。確かに、地域が連動しているような研修農場をつくったりとか、いろいろやっています。それから、ワンストップでやるようなこともやっておりますけれども、しかし、こういういい事例をもっと知ってもらうことが、そして、できれば基礎的な自治体に対して、こういう事例があるけれども、あなたのところも、そんなに限界集落なんて言われてしんどいんだったらトライしてみたらというような働きかけをするとか、農政局もあるわけですから、そこの地方参事官なんかを活用してこういうことをやはり普及啓発することが成功事例の横展開につながるなということを今日は大変よく感じました。ありがとうございます。
○紙智子君 それで、ちょっと時間が押してきたのでこちらの方で言っちゃいますけれども、やっぱり新規就農者を増やす目標と段取りが大事だと思っていて、注目したのが、地域おこし協力隊が最近増えていることなんですね。 資料の二枚目を見てほしいんですけれども、農水省の新規就農者育成総合対策と総務省の地域おこし協力隊の資料を抜粋したものなんですね。 地域おこし協力隊、二〇二六年度の目標が一万人となっていますけれども、農水省の方は目標は特にないとなっていまして、それで、協力隊の活動に関する経費でいうと、総務省の方は二〇二五年でこれ五百五十万円、そして報償費で三百五十万円、その他二百万となっています。 それで、農林水産省の方のこの経営開始資金というのが百五十万円。これ、実は二〇一二年の制度の発足以来ずっと同額のまま続いていると。 一方、地域おこし協力隊の方は、下の方の表ですけれども、二〇〇九年が三百五十万円、二〇二五年度、来年度が五百五十万円で一・五倍化、増額と。 新規就農者を増やすということでは、これ、農水省こそ本気になって、予算も含めてやっていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 実は、私の長男も、一部上場企業に勤めておったんですが、いきなり、突然辞めて地域おこし協力隊に行ってしまって、その地域に根付いて結婚して、家庭を持っております。やはり地域おこし協力隊は、やはり地域を再興する上ではすばらしい、人の呼び込むツールとしては有効だと、びっくりしましたけれども、思っております。余計なことを言いましたが。 確かに、年間百五十万の資金支援があります。それから、しかしですね、機械とか施設等の初期投資への支援、これは経営発展支援事業、事業名はこれですが、これがございますし、長期無利子の青年等就農資金の貸付け、これもあります。そして、もう先生御存じだと思いますが、新規就農する際の支援の内容としては、いわゆる資金面の支援としては、支援額は最大四百五十万円、百五十万円掛ける三。そして、機械と施設等の導入も、いわゆる経営発展型の支援であれば、これは県の百二十五万円というものを乗せた数字ではありますけれども、八百二十五万までありますし、投資支援コースになりますと最大では一千二百万までありますので、農林水産省としてもやはりしっかり応援をしていくということであります。 御指摘の経営開始資金についても、事業開始以降に県外からの新規就農者が大体二・七倍に増えたという実績を上げております。ですから、その後のフォローアップについても御指摘がありましたが、資金支援終了後も大体九八%の方が営農は継続していただいているということでありますから、結構いい感じだなというふうに思っております。 さらに、今年、令和六年度の補正予算からは親元就農、これは御存じのような見直しもしたところでありますので、経営のバージョンアップをすれば支援の対象となる新規就農として認めるということでありますから、様々な政策を駆使してこれからも応援していきたいというふうに考えております。
○紙智子君 ちょっとどんどん時間が押してきちゃっているので、本当は総務省に聞こうと思っていたんですけど、起業支援だとかサポート支援とか、空き家の改修支援とか、いろいろとあるんですよね。それで、本当にいよいよそこに入ろうと思ったときには、空き家の対策なんかも含めて支援額があるというのがちょっとその表の中でもあるんですけれども。 それで、農林水産省の方の新規就農者の支援策というのも併せて書いているんだけれども、地域おこし協力隊の取組に合わせてくださいと言うつもりはないんですけれども、しかし、やっぱり農林水産省の方がもっとそこを、熱心に担い手を育てていくという姿勢を示すことが必要じゃないのかというように思うんですよ。 今地域計画が作成の途中だと思うんですけれども、担い手をどう確保するかという議論もされているんだと思うんです。農林水産省としては、さっき、これ舟山さんの質問とも重なるんですけれども、効率的かつ安定的な経営体と、農業で生計を立てられる方の支援はあるんだけれども、そうじゃない人、兼業農家だったり自給的農家だったり、効率的、安定的な経営体をサポートするという位置付けになっているんですけど、これもっと幅広く、その兼業の人も含めて幅広い人たちを含めて支えるような政策に変えてほしいと思うんです。 兼業農家も自給的農家も新規参入者も担い手として定着するように、本当に支援を具体的に強化するべきではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) おっしゃっていることは大変筋が通っておられると思います。 現状では、兼業農家、それから、もう自分のところで食べてしまう、御親戚、縁故米とかで処理してしまうような方々で全体の農地面積の四割を保全していただいているというのが今の日本の農地の現状でありますから、それはもう事実として、この方々がいなくなったら農地の保全が難しいということは間違いない事実だというふうに思っております。 そして、農地を手放す方が多く見込まれます、残念ながら。その方々は地域計画の過程の中でだんだん明らかになってきました。これはやはり兼業の方が多いというのもやはり事実としてあります。ですから、政策にこだわることなく、様々なプレーヤーに入ってきてほしいと思います。 ただ、申し上げておきたいことは、兼業農家や自給的農家の方々も、中山間直払いであったり、それから多面的機能支払だったり、まあ水活は九年まで、九年以降は変わりますけれども、水活であったり、そういったものの対象にはなることはできるということでありますから、全くその支援がないということではないというふうに御理解いただければいいと思います。 今後は、農地所有適格法人の出資要件を緩和するとか、(発言する者あり)ちょっと短くした方がいいと。もうやめますが、これでやめます、じゃ、時間がないんでですね。
○紙智子君 ありがとうございます。 最後にちょっと質問をしたかったのが、将来、生産者が三十万になるって想定するなら、それをどうやって打開していくかというか増やしていくかということに発想を変えていくというか、減るからしようがないんじゃなくて、やっぱり増やそうよというふうにいかなきゃいけないというふうに思うんですよ。 それで、やっぱり生産者の育成を政府が国家プロジェクトに位置付けて、もう本当に総合的に取り組んでいくことが大事じゃないかと。 私、先日、茨城県の鯉淵学園の教員を長くやられてきて、そのあと有機農家を育てておられる涌井義郎さんという方とお会いして懇談したんですね。こういう本出しているんですよね。(資料提示)「未来の食と環境を守れ」ということで本出していて、それで、涌井さんは、年平均で八万人が離農しているのに新規就農者が三万人でいいのかと考えて、新規農業者を増やす試算を出されているんです。 この三枚目に配っている資料なんですけど、新農家百万戸育成計画となっていて、それで、就農準備資金、これ研修中の二年間、就農後は経営開始資金を三年間給付を受けられると、合わせると五年間ということなんです。初年度は対象が六万人で、千二百億円になるんですけれども、二年目は更に六万人ということで二千四百億円だと、五年間で六千億円必要というふうに試算されています。指導農家支援というのがあって、これ六百億円で、涌井さんが言うには、十二年掛けて、自分、先生終わった後ですね、十二年掛けて独自にずっとやっていて、二十人の就農者を育てたんだという話なんですね。指導農家には生産者や県の指導農業士も考えられると。四万戸ぐらいの指導的農家をつくってもらって、そして二年間行う研修支援をやると。指導的農家に年百万円、六万人でやるということになると、支援をやると六百億円だと、二年間だと千二百億円だと。農家を育成するには、技術と経営を指導し、研修農場などの学びの場がどれだけつくれるかが鍵だと。行政や学校や農家連携システムが必要だって言われたんですね。学校を卒業して新規就農につなげる支援の拠点を全国に三百か所ぐらいつくることを前提にして三千四百億円だと。それらを計算すると、初年度で五千二百億円と見込まれていて、これはもうあくまでも、大臣、一つの事例ですけれども、こういうことを提案を考えている方がいらっしゃると。 こういう項目で施策と予算をやっぱり農水省としてもそういうプロジェクトとして考えていく必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 質問通告をいただいて、とてもちょっと本を読む余裕まではなかったんで読んでおりませんので申し訳ないんですが、役所の諸君がちょっと読んでくれて、要点だけ私にレクチャーをしてくれました。大変炯眼である部分もある一方、ちょっとなかなかかなという部分があります。 ですから、様々な先生方が様々な視点に立って日本の未来の農政の姿、農村の姿、農業の姿を考えてくださることは大変有り難いことでありますので、決して一学者の意見だというようなことで一笑に付すことなく、こういったものについても検討材料の一つとしては私は有効なものであろうというふうに考えます。
○紙智子君 もう時間になりましたから、やっぱり本当に本気度が問われているときだというふうに思うんですよね。それで、安全、安心な食料はやっぱり日本の大地からにしようと、そして国家プロジェクトに位置付けて、新規就農者を増やす対策を是非とも具体化を図ることができるようにということを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○寺田静君 無所属の寺田と申します。よろしくお願いいたします。 私は、今日は農林中金の件について初めにお伺いをしたいと思います。 私がこの場で改めて申し上げることもないことですけれども、外国債券の運用で農林中金は二〇二五年三月期の最終損益で一兆九千億円程度の赤字になる見通しということで、JAグループなどから一兆四千億円規模の出資を受けて資本増強をしたということでした。この問題に関しまして、農水省の有識者会議は一月に、農林中金法や関連制度の見直しをし、意思決定機関である理事会に外部の専門人材が参加をできるようにするなどの提言を行ったとのことです。 初めに、この農林中金の巨額損失に対して、大臣の率直な所感を改めてお聞かせをいただけますでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 理事長は大変立派な方です。立派な方でありますが、やはり経営者のトップというものは結果に責任を取ることも一つの矜持だろうと思いますので、今回、自ら退任を選ばれた、理事の方々も五名身を引かれたということは、私は立派な御判断だったというふうに思います。 しかし、決してこれは生易しいことではありません。一兆九千億ですから、とんでもない金額です。ですから、これは、このことを契機に、農林中金というものの果たすべき役割は何なのか。融資のほぼほぼの部分を占めるのが農協に対するものであります。これが悪いということではありません。とても大切な役割であります。 ただ、農業者に対する融資の割合が〇・四%しかないと。やはり、これから新しい農業構造に変換していこう、五年間の集中構造改革に向かうに当たっては資金も必要です。ある意味、出資も必要になってくるかもしれません。そういったときに、我々が議論をするといつも出てくるのは政策金融公庫ですよ。政策金融公庫ばかりに頼っているのが今の現状でありますが、農林中金法という法律がありますので、この際、例えば監査役については兼職の禁止とか、ほかの銀行では考えられないような条項が入っています。そういったものは、やはり今の常識に合ったものに直す必要があるだろうというふうに思いますし、そして、その業務のやり方も、ある程度はリスクマネーをしっかり取ってもらう、リスクマネーをしっかり取って、ちょっとはばったい言い方ですけれども、農林中金の融資があったからこそ今の経営が成り立っているんだという農家が生まれることは、目指すべき私はゴールだと思っております。 大変大きな損失を出しましたが、その後であっても自己資本比率は日本のメガバンクと比較してまだ上ですからね。極めて優秀な余裕のある金融機関なんですよ。余裕があるんだったら、その余裕をどこに向けるか、しっかり考えてもらいたい。我々も法律に基づいてしっかり対応を重ねてまいりたいと思っております。
○寺田静君 ありがとうございます。 先日、秋田県の大潟村の涌井さんも、今大臣が申し上げられたような問題意識を持って発言をされていたかなというふうに思っております。是非進めていただきたいというふうに思っております。 先ほども申し上げましたとおり、この一兆四千億出資をしたと、資本増強のために出資をしたJAバンクの預金者への説明というものが十分になされていると今のところ考えていらっしゃるのか、参考人の方にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) 農林中金の資本調達につきましては、会員である信連、農協等から総額約一・四兆の資本調達を進めていると承知しております。この原資は、委員おっしゃるように、農業者等組合員から預かったものでございます。 農林中金は、これまで信連や農協等については複数回丁寧に説明をしてきましたけれども、この出資内容、それから今後どう業務を見直していくかということについては、農林中金が農業者などを含めてしっかり説明責任を果たすべしというふうに考えておりまして、農水省としても農林中金を引き続き指導していきたいと考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 私も、この件について組合員への説明がないんじゃないかという声を地元からいただきまして、昨年の十二月の初旬にも実はレクでお話をお伺いさせていただきました。そのときには、この出資前に預金者たる組合員に説明がなかったということは、本来は金融機関としては郵送等でこの説明と理解を求める書面を送ってもよいような事態であるというようなお話もありましたけれども、その後も組合員の方から声は上がっております。 JAだよりからちょっと抜粋して御紹介をしたいと思いますけれども、これは去年の一月十五日に行われたという組合員の座談会、JAだよりというものにちょっと掲載をされておりますけれども、そこから幾つか抜粋をさせていただきたいんですが、この出資は断ることができなかったのかと、断れば、今後、農林中金との取引ができなくなるということはあるのか、あるいはまた、今後また赤字を出した場合に出資の要請はあるのか、この増資額は組合員が預けている預金残高の割合に応じて割り当てられた金額か、十億、ここはちょっと金額なのであれですけれども、この増資はいつ行ったのかと、この増資の前に組合員に説明は必要ないと考えていたのかというような声が組合員の方から上がっており、JAの皆さんがこれに対して回答をされているということだと思います。 このような声がまだ上がっているということですので、これからも説明を是非行っていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、一言、いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) 言われるとおり、やはり一番、何だと思っているのは、各地域において農協にお金を預けていた人たちですよ。その人たちにしてみれば、何か全然遠いところの人たちなんだなと、俺たちとは関係ないんだなというふうに思ったと思います。何事においても説明責任というのを果たさなければなりません。ですから、今回、理事長は辞任され、理事も辞任はされましたが、引き続きこれから更に出資を求めていく。一兆四千億ですから、これについてはやはり丁寧な説明をすることは基本中の基本だというふうに思いますので、農林水産省としても担当局を通じてしっかり農林中金と対話をしていきたいと思います。
○寺田静君 ありがとうございます。 私自身も、非常に特殊な性質を帯びていて、この安定的に利益を上げなければいけないというプレッシャーがあったことなど、非常に難しい、適宜適切な判断というのは非常に難しい、厳しい状況があっただろうということは理解をしております。ただ、この説明のところだけは是非しっかりと行っていただきたいなというふうに思っております。 次に、先ほど来質問がたくさん続いておりますけれども、備蓄米の放出のところに移りたいというふうに思います。 改めて、少しだけ振り返りたいと思いますけれども、大臣は一月二十四日の閣議後の記者会見でこの放出のルールを見直す方針を表明をされて、三十一日にはこの具体的なルールを変更して、今までの基準に加えて、円滑な流通に支障が生じる場合にも放出をできるようにしたということでした。さらに、二月の七日になって、早期放出をする考えを表明をして、翌週、一週間後の十四日には入札で売り渡す数量や対象者の概要を公表したと。もう異例の猛スピードで進めてこられたというふうに感じております。本当に眠れぬほど悩まれたということで、本当に様々な状況を鑑みての大臣の政治家としての重い御判断があったのだろうというふうに考えております。 ここからお伺いをしたいんですけれども、そもそも、いつ頃、大臣としてこの備蓄米の放出に着目をしたのか、着目のきっかけは何であったのかを改めてお聞かせください。
○国務大臣(江藤拓君) 十一月に閣僚に任命をいただきまして、もう正直に申しますが、役所の諸君と私は極めて密にいつも会話をしております。役所の中からもこの備蓄米についてどうでしょうかというような話もありました。私としては、調査会長をしておりましたからずっとこのことについてはウォッチをしてきたわけですが、もう大臣になった時点で、コシがもう四千円の手前だったんですよ。四千円の手前ですよ。もうこれは、もう大臣になった瞬間からこれは大変だというところで、今ちなみに四千三百円ですけれどもね。 ですから、いつのタイミングで注目したかというのは、それはずっとこの備蓄米の存在というのはもちろん分かっていましたし、ストックとしてあることは分かっていましたが、しかしこれを出すことについては、もうあえて申しませんが、いろんな超えなきゃいけないハードルがあって、そしてやったことないことでありますから、やって政策効果が出なければまずいですし、やったものがしっかり流通しなかったら、出したものがそのまままたスタックしてしまうというような制度設計をして出しても全く意味がありませんので、役所の諸君には御苦労掛けましたけれども、しっかりシステムをつくること、段取りについても協力してやってくれたので、それでも遅かったという御批判はたくさんありますし、それを受け止めたいと思いますが。 しかし、何とかもう入札も終わりました。あした入札結果については私から発表させていただきますので、その結果発表を受けて流通が改善されて、消費者の皆様方にとってもいい結果になるように願っているところでございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 今、農水省の方々に迷惑を掛けたとか、でも一生懸命やってくれたという話もありましたけれども、改めてお話をいただける範囲で、この備蓄を決めたということを伝えたときの農水省の皆さんの反応というのはいかがなものだったんでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) いや、もう私はせっかちなので、最初、役所の諸君から、どれぐらいでできるかと聞いたときには、かくかくしかじかですということを言われました。だけど、大体半分以下にしてもらいました。ですから、青ざめていましたよ。ええっと、それはちょっと無理ですよという顔をしている人たちもいましたけれども、やるんであれば早い方がいいと。そして、それでやってみて、まとめてみて、内容が不十分であれば少し延ばすこともあるよねということでありましたが、もう役所の諸君は、本当働き方改革でありますので、余り夜遅くまで働かせちゃいけないんですけど、居残りをして懸命にやってくれました。彼らの努力には大変感謝をしております。 ですから、いい結果にならないと彼らの苦労も報われませんので、とかく役人は悪く言われがちですが、この件については本当に私はよくやってくれたと思っております。
○寺田静君 今までいただいた御答弁と重複するところもあるかと思うんですけれども、決断するに当たって最も配慮をしたところというのはどのようなところだったのでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) やはり、どれだけ出せば市場に対して、市場と言っちゃいけないですね、価格にはコミットしないということですから。この流通に対してどれだけのインパクトを与えられるかということです。 二十一という数字は、正直なところぎりぎりまで迷いました。最初から二十一という数字を持っていたわけでは全くありません。もう本当のぎりぎりのぎりぎりで二十一にしました。最初は十ぐらいかなと思っていたんですが、全く過去のそのお手本になるものがないので、どれだけ出したら流通が改善するのか分からない。 例えば、五万トン出しただけでも、スタックしているもの、ああ、国が五万トン出したんだから慌てて出さなきゃといって正常のルートにばっと流れ込んでくれば五万トンで十分なわけですよ。でも、分からないじゃないですか。だから、まず量ですね。そして、量を決めること。 それから、今盛んに議論もされておりますが、買戻しですね。審議会の諮問もいただきましたが、基本、食糧法を読むと、やっぱり貸付けという文言がありまして、基本的には戻さなきゃいけないということなんですよ。ですから、一年以内に買戻しという条件が付きましたが、これは私の判断で一年を超えてもということにしました。これについてもなかなか難しい判断だったですよ、正直なところですね。 そして、この買戻しをするにしても、もう高い値段で買い戻せば米は高いところに安定させたいという農林水産省の意思になってしまいますし、価格が暴落しても買い戻さないということになれば、農林水産省は今回の米の放出によって米価を大幅に下落させて、今年の概算金、精算金の低下を招いたという批判を招きかねないということでありますので、今でも胃が痛いですよ、正直言って、もうどうなるかは正直分かりませんので、これマーケットが決めることですから。しかし、何とか今回の入札結果によってこのいわゆるスタックしている部分がすっと流れてくれることを心から願っているところであります。
○寺田静君 詳細な御答弁をありがとうございました。 昨年来、この米に限らずではありますけれども、生産現場からコストの転嫁ができずに赤字だという声が上がっていて、この基本法の審議の中でも合理的な価格形成のためにということがもう再三議論をされてまいりました。 米にも合理的な価格、適正な価格があるだろうということは大前提として申し上げたいんですけれども、まずその前に、この大前提としてやっぱり米にも合理的な価格、適正な価格というものがあるという理解でいていいでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) この価格が合理的な価格ですということを示すことは難しいです。そのときの経済状況であったり、様々な国際的な状況によって物の値段は変わりますので、あくまでも価格は市場で決定されるということであります。 しかし、余りにも生産現場にしわ寄せが行き過ぎていると、もうやめたという話になりかねない。そうなってしまって、例えば供給量が半分になれば、米価とんでもない価格になりますよ。そうなると、消費者の方々は結局は苦労することになる。 ですから、生産者の方々が、私は再生産という言葉は余り好きではなくて、再生産さえできればいいって思っていないです。再生産した上で適正な利益が手元に残る、それが適正な価格だと。私は、生産サイドから見ればそれが適正な価格ですし、消費者の方々から見れば、やっぱりパンよりも御飯の方がおいしいよねと、御飯を食べようと、もう高いから御飯を買うのはやめちゃおうというふうにならない価格帯が消費者側から見た適正な価格だということだろうと思います。 ですから、ここがびしゃりと、ここが適正価格だということを示すのは難しいですが、しかし、今回は備蓄米を放出するという、もうまさに例外的な対応をしましたので、放出に当たっては細心の注意を払いたいというふうに思っております。
○寺田静君 ありがとうございます。 本当に、この適正な利益がきちんと手元に残るような状況になってほしいと私自身も願っております。 昨年末の朝日新聞の記事ですけれども、それによれば、農水省によると、米農家などの一経営体当たりの作物収入などは三百七十八万三千円、これ二〇二二年の数字ということでしたけれども、肥料代や光熱費などの経営費を除けば残るのは一万円で、平均労働時間、年間一千時間を踏まえると、時給十円の計算だという記事がありました。 生産コスト、米、これは米ですけれども、米一俵当たり一万六千円、米農家の六割が赤字というのも農水省のデータであったというふうに思います。 私自身も、せめてとんとんだったら先祖代々の土地を守りたいから続けるけれども、赤字ではもう無理だと、家族にも迷惑を掛けるし、子供に継いでもらう見通しも立てられないと、こういうものはもう自分の代で整理をしないといけないと、子供の代に迷惑を掛けたくないという中でこの離農者が増えていったというふうに思っています。 そういう意味で、やはり今回の米の値段の上昇ということ、こうしたことを考えると、少し考えるゆとりをもらったというふうにおっしゃる方もあります。 こうした意味で、大臣として、今急激に高騰したとされている米の価格は、今現在、合理的な価格と乖離をしているというふうに感じられているんでしょうか。
○国務大臣(江藤拓君) これは、私も地元の農家の方と直接会話をいたしました。この値段はやっぱりまずいよねと言っている人がやっぱり多いですね。この値段だとやっぱり米離れは確実に進むだろうと生産者の方々が思っていますよ。生産者の方々が思うということは、そういうことなんでしょう。 ですから、先ほどのお答えとかなりかぶる部分がありますが、どこが適正であるかというのは難しいですよ。ですから、歴史をずうっと遡れば、これぐらいの値段だった頃もあるんですよ、米の値段というのは、ずうっと遡れば。そういう時代もあるんですけれども、しかし、今もうそういう時代じゃありませんので、なかなかその難しい質問なんですが、農家にとっては、まあ高きゃ高い方がいいに決まっています。それを消費者の方々が納得して、是として今までどおり購入していただけるというような経済環境であり消費動向であれば、これは正しい。でも、消費が落ちてしまう。実際に大手のところのスーパーしかまだ分かりません、POSしか分かりませんが、店頭での米の販売量は落ちています、落ちています。ですから、これは決してやっぱり生産者にとってはいいことではありませんので、今の価格帯というのは余りいい価格帯ではないということは言えるんじゃないでしょうか。
○寺田静君 ありがとうございます。大変丁寧に御答弁をいただき、感謝をしております。 農林水産省が毎週発表しているこの全国のスーパーおよそ千店の米販売価格、今、消費、落ちているというお話がありましたけれども、この販売価格の平均のまとめ等を見ると、昨年九月以降、おおむね前年を下回る水準で推移をしているものの、この価格の高騰の割には消費は減っていないというようなデータが出ていると。さらに、中食、外食での米消費の減少幅の方が少ないというふうにも出ているというふうに聞いております。 米価が上がっても消費量が現時点でそれほどまで落ちていないというのはなぜだというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(松尾浩則君) 米の消費のデータでございます。 米の価格というのは、基本的に大きく上昇し始めたのは昨年の新米が出て以降なんだと思っております、九月以降ですね。ですから、まさにそれ以降の消費の状況というのを見なきゃいけないと思っております。例えば、足下でいきますと、五万トン以上の大手卸売業者の小売、中食、外食向けの販売数量につきましては、昨年の九月から、例えば九月九一%、十月九二%、十一月九六%、十二月九六%と、そういうふうになっております。また、POSのデータ見ても、やっぱりおおむね前年を下回る水準でございます。 いろんな角度からいろんなデータ見る必要がありますけれども、こういった客観的なデータを見るとそういう状況にあるんだと思っております。
○寺田静君 私がちょっと別のものを見ているのかもしれないんですけれども、農水省の資料によれば、需要がそれなりに堅調である、価格が上がっている割には消費は減っていないということの理由として三つ挙げられていて、その一番目に挙げられているのが、食料品全体の価格の上昇が続く中、米の価格が相対的に見て上昇が緩やかだからだみたいな表記があるんですけれども、これはどういうふうに理解をしたらいいのか、参考人の方に教えていただければと思います。
○政府参考人(松尾浩則君) これは、米よりも先に、昨年、麺類ですとかパスタとか、いろんなものが上がっていって、ある意味米がそこに追い付いてきたというのが昨年ですね。そういう意味では、今、お米の上昇が大きいと言われておりますけれども、実はその前からほかのものは相当程度上がってきていた、そういった状況も反映されているんじゃないかと思います。
○寺田静君 ありがとうございます。 先ほど来御答弁もいただいておりますけれども、やっぱりこの合理的な価格の形成とか適正な価格というのはすごく難しいんだなということを私自身も考えております。市場に任せても、その合理的な価格、適正な価格形成がなされるようにというのが理想ではありますけれども、やはりすごく難しいというところを考えると、やはり先ほど舟山先生などからも御指摘ありますけれども、ダイレクトに生産者に届く直接支払で支えるしかないのかなというような考えも頭に浮かんでまいります。 予算委員会等でも、この直接払い、今でもやっていますと、他の国と比べてもこれぐらいやっていますというような御答弁が出てくるんですけれども、であれば、どうしてここまで離農が進んできたのかなというところも疑問に思っているところです。 先ほども大臣がおっしゃったとおり、来年もどうなるか分からないんだということもあって、本当に自然災害ですとか様々なことがあって、本当に来年も分からないんだと、分からないからこそ、この分かりやすい方法で直接支える必要がやっぱりあるのかなということを私自身は考えたりしております。やっぱり、自然任せであって何が起こるか分からないからこそ、やっぱり自分の人生を懸けて続けられると、参入できるというところが必要なんではないかなというふうに思ったりするところです。 午前中の質疑、横沢さんの質疑の中で、大船渡の災害のところに関して、この共済とか、やっぱりなるべくできることはしたいけれども、柔軟にはなかなかできないんだというような大臣の御答弁もあったと思います。 私、これちょっと通告をしていないので、教えていただける範囲で構わないんですけれども、この共済、大船渡の件もそうですし、災害のところを共済でどういうふうにカバーを、カバーされないところをどうしたらいいのかと。その掛けている人、掛けていない人でやっぱり不公平感が出てはいけないところですとか、あるいは今農業の問題を離れますと、高額療養費の問題などもありましたけれども、その国として最低限ここまではカバーしますというところと、ここからはある意味、この言葉は私好きではありませんけれども、ある意味自己責任で自分で保険を掛けてくださいというようなところ、本当にそれをどこまでどうしていったらいいのかというところを私自身も悩んでいるところです。 ただ、農業に関しては、この気候変動や災害の頻回化、激甚化もある中で、また国際情勢の不安定化というふうなことも所信表明に出てきますけれども、こうした中で、今現在、大臣としてはどのようなお考え、何かぼんやりでも持たれているところがあれば教えていただけたらなというふうに思います。
○国務大臣(江藤拓君) 大変難しい質問ですね。農業をやっていさえすれば必ずギャランティーがあるのだという世界が果たして国民にとってどういうふうに映るのか。私は農水大臣ですから、食料安全保障を確立する上では、それを国民全体として是としてくれるのであれば、それはいいと思いますよ。 ただ、共済については、やはり自分で、これは契約ですから。ただ、共済制度について一言申し上げますと、共済に例えば私は入っていません、被害を受けました、じゃ、共済の救助、救済を受けられないかというと、これから私、共済に入りますという意思を示すと、実は共済から助けてくれるんですよ。非常に民間ではあり得ない話ですよ。保険に入る前から、これから保険に入りますから、じゃ、保険金ちょうだいといって、出してくれるわけですから。ですから、日本の農業共済というのはすごくよくできているんですよ。ですから、入っていなくても実は救われる、救われる道はあるのだということは分かってほしいと思います。 先ほど、公平感、不公平感の話をされましたけども、やはり自分の経営判断でこの負担をしている人がおられますよね。そういう人と、例えば収入保険なんかは特にそうですが、初期、初年度は結構なお金が掛かります、収入保険は。そして、毎年掛金も払わなければなりません。そういう人と全く入っていない人をじゃ同列に扱うのかというと、それはなかなか難しい部分がありますので、なかなかお答えになりませんけれども、私の浅い知識の範囲でお答えするとすれば、こういうことになるのかなと思います。
○寺田静君 ありがとうございます。やはり……(発言する者あり)
○委員長(舞立昇治君) 今、寺田さんの質疑です。
○寺田静君 是非お願いします。
○委員長(舞立昇治君) じゃ、江藤大臣。
○国務大臣(江藤拓君) ちょっと私も理解が足りなかったようですね。改植とかですね、例えば果樹共済に入っていなかった、果樹が全部やられてしまった、それを改植したいという場合についてとか、そういう場合については共済の手が差し伸べられるということでありますので、若干答弁を修正させていただきます。
○寺田静君 ありがとうございました。 その原則のところは私も十分理解しながらも、今すごくやっぱりこの気候変動で災害が頻回化、激甚化をする中で、やっぱり絶えずどこまでを国が最低限カバーをするのかというところは絶えず考えていってもいいところなのかなということを思いながらおります。これからも是非一緒に勉強させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○委員長(舞立昇治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十九分散会
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