令和七年四月一日(火曜日) 午前十時開会 ───────────── 委員の異動 三月三十一日 辞任 補欠選任 山本 啓介君 中西 祐介君 西田 実仁君 高橋 次郎君 四月一日 辞任 補欠選任 馬場 成志君 臼井 正一君 藤川 政人君 石田 昌宏君 高橋 次郎君 西田 実仁君 高木かおり君 松野 明美君 ───────────── 出席者は左のとおり。 委員長 宮崎 勝君 理 事 井上 義行君 岩本 剛人君 藤井 一博君 野田 国義君 山本 博司君 委 員 阿達 雅志君 石田 昌宏君 臼井 正一君 中西 祐介君 長谷川英晴君 馬場 成志君 藤川 政人君 松下 新平君 山田 太郎君 山本 順三君 小沢 雅仁君 岸 真紀子君 古賀 千景君 吉川 沙織君 高橋 次郎君 西田 実仁君 石井 苗子君 高木かおり君 松野 明美君 芳賀 道也君 伊藤 岳君 齊藤健一郎君 浜田 聡君 国務大臣 総務大臣 村上誠一郎君 副大臣 総務副大臣 阿達 雅志君 大臣政務官 総務大臣政務官 川崎ひでと君 事務局側 議事部長 八鍬 敬嗣君 常任委員会専門 員 荒井 透雅君 政府参考人 総務省大臣官房 長 出口 和宏君 総務省情報流通 行政局長 豊嶋 基暢君 厚生労働省大臣 官房審議官 尾田 進君 厚生労働省大臣 官房審議官 田中 仁志君 説明員 会計検査院事務 総局事務総長官 房審議官 豊岡 利昌君 参考人 日本放送協会経 営委員会委員長 古賀 信行君 日本放送協会会 長 稲葉 延雄君 日本放送協会専 務理事 小池 英夫君 日本放送協会専 務理事 竹村 範之君 日本放送協会専 務理事 山名 啓雄君 日本放送協会理 事 中嶋 太一君 日本放送協会理 事 安保 華子君 日本放送協会理 事・技師長 寺田 健二君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(閣承認第一号)(衆議院送付) ─────────────
総務委員会
発言 231
○委員長(宮崎勝君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山本啓介君及び西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君及び高橋次郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宮崎勝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房長出口和宏君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮崎勝君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長古賀信行君外七名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宮崎勝君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。村上総務大臣。
○国務大臣(村上誠一郎君) 日本放送協会の令和七年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要の御説明を申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付すとともに、中期経営計画を添えて国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、その概要の御説明を申し上げます。 事業収支につきましては、事業収入が六千三十四億円、事業支出が六千四百三十四億円となっており、事業収支差金四百億円の赤字につきましては、還元目的積立金をもって充てることとしております。 事業計画につきましては、放送及びインターネットによる、正確で信頼できる社会の基本的な情報の発信、コンテンツの質と量の確保、受信料の公平負担の徹底、ガバナンスの強化等に取り組むことになっております。 総務大臣としては、受信料収入と事業規模との均衡を早期に確保していくこと、放送という手段に加え、インターネットを通じて放送番組を国民・視聴者に提供すること、事業構造改革に不断に取り組むこと、健全な民主主義の発達に資するための正確で信頼できる社会の基本的な情報を提供すること等を求めております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 なお、日本放送協会の令和七年度収支予算等につきましては、当該事業年度の開始の日までの国会の御承認を受けることができませんでしたので、放送法第七十一条第一項の規定に基づき、四月一日付けで、日本放送協会の令和七年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画を認可いたしました。 その内容につきましては、期間を令和七年四月一日から四月三十日までの一か月間とし、支出を事業の経常的運営及び令和六年度の事業計画に基づいて実施した工事の継続に係る施設の建設又は改修に必要な範囲のものとし、受信料の額を令和六年度終了の日における受信料の額と同額としております。 本件につきましては、放送法の規定に基づき、国会に御報告申し上げるよう準備を進めているところであり、この際、併せて申し上げます。 以上であります。
○委員長(宮崎勝君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。稲葉日本放送協会会長。
○参考人(稲葉延雄君) ただいま議題となっております日本放送協会令和七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。 令和七年度は、経営計画に基づいた事業運営を着実に実施します。令和七年十月から放送番組等の配信に係る業務を必須業務として行い、放送でもインターネットでも、正確で信頼できる社会の基本的な情報を発信し、健全な民主主義の発達に資するという協会の使命を果たしてまいります。 事業運営に当たりましては、適切な資源管理と最新テクノロジー活用などの業務改革を進め、コンテンツの質と量を確保いたします。命と暮らしを守る報道の深化に取り組むとともに、多様で質の高いコンテンツで公共的価値を創造いたします。国際発信は、質的充実を図るほか、リスク管理、ガバナンス強化に取り組みます。全国ネットワークを活用して地域の課題や魅力を伝えるとともに、人に優しい放送サービスの提供の充実にも取り組みます。 令和七年九月までのインターネット活用業務及び十月以降の任意的配信業務につきましては、実施基準に示した費用の範囲の中でコンテンツを効果的に提供いたします。 受信料の公平負担の徹底を図るため、時代に即した新たな営業アプローチを一層推進し、受信料収入を確保するとともに、副次収入、財務収入の増加など、財源の多様化を図ります。 NHKグループ全体でガバナンスの強化を図り、アカウンタブルな経営を徹底するなど、視聴者・国民から信頼される組織運営に努めます。 次に、建設計画につきましては、緊急報道設備や番組制作設備の整備を進めるとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施します。東京渋谷の放送センターの建て替えにつきましては、第一期の放送設備整備を進めます。 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千三十四億円、国内放送費などの支出六千四百三十四億円を計上しております。事業収支における不足四百億円につきましては、還元目的積立金の一部をもって充てることとしております。 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額九百三億円を計上し、支出には建設費など九百三億円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、令和七年度収支予算、事業計画及び資金計画について、その概要を申し述べました。役職員一丸となって、事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。 なお、この令和七年度収支予算、事業計画及び資金計画が、当該事業年度の開始の日までに国会の御承認を受けることができませんでしたので、放送法第七十一条の規定に基づき、四月一日から四月三十日までの一か月間を実施期間とする令和七年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣の認可を受けていることを申し添えまして、私の説明を終わらせていただきます。
○委員長(宮崎勝君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩本剛人君 おはようございます。自由民主党の岩本剛人でございます。 質問の機会をいただきまして、委員長、理事の先生方始め、心から感謝を申し上げたいと思います。 また、先般の愛媛、今治市で起きました火災におきましては、鎮圧ということで、消防を始め関係者の方々に本当に心からお見舞いを申し上げたい、敬意を申し上げたいと思いますし、被災をされた方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。 また、ミャンマー、タイでマグニチュード七・七ですか、二千人以上の方々がということであります。本当に心からお見舞いを申し上げたいとも思いますし、邦人の方もいらっしゃったということでありますので、こういう、こうした災害については我々の国会としてどういうことができるのか、しっかり全力で取り組んでいきたいという思いであります。 それでは、質問に入らさせていただきます。 今大臣と稲葉会長から説明がありました令和七年度のNHK予算についてでありますけれども、御承知のとおり国会承認はされませんでした。今日からいよいよ四月一日であります。この暫定予算についてNHKとしてはどのように対応していくのか、まず基本的なことを伺いたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 放送法では、本予算が事業開始の日までに承認されず、暫定予算の下で業務を行うというふうになった場合には、事業の経常的運営及び前年度からの建設又は改修の工事に必要な範囲で業務を行うことと定められてございます。四月一日付けでこの暫定予算について総務大臣の認可を受けてございます。 しかし、暫定予算では以下のような新規事業や施設の建設又は改修の工事に着手することはできません。例えば、二〇二五年度に新たに着手する施設の建設又は改修の工事、あるいはインターネット業務の必須業務化準備対応として予定されている認証関連整備、アプリ開発などの業務、あるいは二〇二五年に新たに着手する新放送センター情報棟の整備、移転関連業務、あるいは二〇二五年に予定している収支でございます。 こうした事項に取り組むことができず、業務の準備が滞り、いざというときにNHKの使命を果たせないおそれがございます。仮に大規模な災害が発生した場合、暫定期間に応じて計上している国内放送費及び予備費では予算が不足し、緊急報道に対応できなくなるなど、命と暮らしを守るNHKの使命を十全に果たせないおそれがございます。 NHKとしては、精いっぱい責務を果たすため、これ努めてまいっていきますが、暫定予算という事態はできるだけ避けていただきたいというふうに考えておりまして、予算の速やかな御承認を是非ともお願いしたいと考えております。
○岩本剛人君 様々な事業があるということは承知をしておりますので、できる限り影響が少ないような準備を整えていただいて、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 今会長からお話がありましたインターネットのことについてお伺いをしたいというふうに思います。 昨年の放送法、令和六年の五月二十四日公布でありますけれども、放送法が改正をされまして、昨年の、十月一日から、任意の業務だったのが必須業務としてインターネットサービスがスタートするということであります。このNHKのインターネット配信については、テレビを持たない受信契約の方々もコンテンツを利用した場合には同等の利用料をいただくというふうにも承知をしております。 それでは、このテレビを持たない、例えばテレビを持たない方がインターネットを利用された場合、その契約者の方をどうやって判別するのか、じゃ、その受信料の徴収というのはどういうふうに進めていかれるのか、まずそこの基本的なことを伺いたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 インターネットの必須業務化に当たっては、改正法の趣旨を踏まえ、利用開始前に契約を求めるサブスクとは異なる形でサービスを提供しつつ、フリーライドも抑止できるよう、最適な方法を模索しているところでございます。サービスの利用に当たっては、受信契約の対象となることを御理解いただいた上で受信を開始していただく想定でございます。その上で、受信を開始した方に対してアカウント登録、契約確認と進んでいただき、契約が確認できない場合は受信契約の勧奨を行うフローを考えております。 それぞれのプロセスで表示する案内を幅広い世代の方に分かりやすい内容とすることはもちろん、全ての前提であるネットの必須業務化そのものについても、丁寧に幅広く周知して理解を広める、そういう取組を進めていきたいと考えております。
○岩本剛人君 私もこういったインターネットのSNSの関係はそんな得意ではないんですけれども、例えばやっぱりNHKを視聴されるというのは高齢者の方がやはり非常に多いと思います。じゃ、そうした中で、そういった方々がしっかり安全に、安全に利用できるような形をやはりどうやって分かりやすく視聴者の皆さんに伝えていくのかというのは、まずそこが一番大きなことなんだと思いますので、より具体的に丁寧に周知をしていただいて、今いろんな偽の情報がたくさんありますので、そういった観点からもしっかり取り組んでいただいて、周知をして、間違いのないように、誤解のないように是非取り組んでいただきたいというふうに思います。 このインターネットの話をお伺いしたのは、御承知のとおり、今回の今治の火災もそうです、大船渡の大きな火災もありました、先般はミャンマー、タイで、邦人の方もいらっしゃったと。この能登半島のときも、WiFiを使うのに様々な工夫をされたと。こうした災害のときに、今度NHKさんがインターネットを必須業務にするということを考えますと、やはり情報の伝達の在り方、その正確性、先ほど会長からもお話ありましたとおり、そういった取組がやっぱり一番大切なんだと思いますし、私も胆振東部のとき二日半停電でした。全く電気が使えない。丸一日半は北海道全土ブラックアウトです。ですから、放送できる能力はあっても受ける側の方の対応が非常に難しい場合があると。特に大規模災害、首都直下型、先日は南海トラフの新しい被害想定も出ました。 そうした中で、この国内外、国内外での災害に対するNHKの役割として、インターネットを使う必須業務の中として、どういうふうにその受信者、正確な情報、命を守ると会長はおっしゃったので、そういったことをどのように準備といいますか、対応を考えているのか、伺いたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 大規模災害時を含め、視聴者・国民の皆様の命と暮らしを守る正確な情報をお届けするということは、NHKの重要な役割だというふうに考えております。 自然災害の頻発化、激甚化が進む中、緊急報道の重要性はこれまで以上に増しておりまして、経営計画にも掲げておりますデジタルと放送が連携して災害時になくてはならない命綱としての役割をしっかり果たしてまいりたいというふうに考えております。 十月からのインターネット必須業務化は、文字どおり、放送だけではなく、インターネットでも命と暮らしを守る情報を届けることがNHKの責務になるというふうに認識しております。南海トラフ地震や首都直下地震といった巨大災害が想定される中、いかなるときでも必要とする方に必要な情報を確実に届けられるよう、放送、インターネット共に設備や運用体制などの整備に万全を期してまいります。 また、国際放送でも、在外邦人向けの日本語のテレビに加えまして、十月以降、ラジオのサービスにつきましても、インターネットを通じて同時配信、聞き逃し配信を聴取できるようにする予定でございます。海外で大規模な災害が発生したときにも、日本語のライフラインとして必要な情報を正確かつ迅速に提供し、在外邦人の安全と安心を支えてまいりたいというふうに考えております。
○岩本剛人君 海外にいられる邦人の方々にもやはり正確に、どういう状況に起こり得るか分からないことがありますので、しっかり対応していただきたいというふうに思いますし、先ほど高齢者の方々の話もさせてもらったんですけれども、やはり一番こういったものに対しての対応がなかなか難しいことが予測されるのは高齢者の方々ですので、もちろん避難もそうですし、そういった対応をしっかり本当に具体的に、ある程度できれば地域ごとに検討していただきたいなというふうに思います。 これは最後になるんですけれども、この中継局のことについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 また私の地元北海道の話で申し訳ないんですけれども、北海道に中継局が百六十か所ありまして、地方自治体が所有している、約百六十か所のうち地方自治体が所有している中継局は九十五か所です。約六割が地方自治体が持っております。 今回、NHKさんのいろんな事業計画の中で、民放さんとの共同利用会社をつくられて中継局を、これいろんな資料を読んでいましたら、経済合理性を大前提にという文言があります。で、中継局を民放と一緒に連携をしていくと。民放さんも今大変経営が厳しいと。日本テレビさんもホールディングス化したり、今フジテレビさんもいろいろ大変な状況で、大変民放さんもテレビ離れが進んで経営的に非常に厳しいと。そうした中で、全国にある中継局をNHKさんと民放さんが共通して効率化を上げていくと、そういう状況があると。じゃ、経営的な部分については理解する部分はもちろんあります。 ただ一方で、北海道だけではなく西日本にも一部あるとは聞いているんですけれども、地方においては、人口減少が進んで、地方自治体が地域の、地域の民放さんと連携をして、もちろんNHKさんも入って中継局を運営していると。当時地デジ化あって、近いうちに全国的な中継局の更新が始まると。 こうした場合に、先ほどの災害もそうなんですけれども、大体中継局というのは、山の上だとか林の中だとか大変な、まあ利便性の良くないところに中継局というのは設置されていると。じゃ、ここがやられた場合には全く、先ほどのお話のとおり、災害で対応ができないというような状況が考えられるわけでありますけれども、こうした中で、是非、その共同利用会社が昨年十二月に設置されて、これから様々検討されていくというふうに認識しておりますので、もちろんそこはしっかり進めていただく、それは大切なことだと思います。 ただ一方では、NHKさんの役割、いろんな資料を読んでいますと、もちろんその経済合理性なんという言葉はこの放送法の中には入っていませんので、そうした中でどういうふうにこうした課題についても取り組んでいっていただけるのか。これはNHKさんと総務省の方にも見解を伺いたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 共同利用型モデルの実現に向けて、NHKや民放、総務省が共に全国協議会や各地の地域協議会を発足させて検討を重ねてまいりました。去年十二月にはNHKが一〇〇%出資する基幹放送局提供子会社の日本ブロードキャストネットワークを設立しましたが、これはNHKと民間放送事業者の二元体制による放送のネットワークを維持するための重要な施設だと考えております。 この子会社の業務は、当面、中継局を共同利用する事業の開始に向けた事業計画の具体化、仕様検討などの準備作業が中心となります。そうした準備を整い、また民放各社からの出資が正式に決まった段階で、改めて次のステップに向けた検討を進めたいと考えております。 NHKと民放の多様な情報やコンテンツを全国あまねく安定して視聴者にお届けし続けることが何より大切だと考えておりますので、民間放送事業者を始め関係者の皆さんと協調、連携して環境の整備を進めてまいりたいと思います。 以上です。
○委員長(宮崎勝君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) はい。 中継局のその維持管理につきましては、放送事業者あるいは自治体の負担は少なくないものと承知をしております。 共同利用会社につきましては、先ほどNHKから答弁ありましたとおり、放送事業者に代わって保守等を行うことで維持管理費を抑えるということが期待をするところがありますけれども、加えまして、総務省におきましては、放送事業者が耐災害性を強化するために予備装置あるいは予備電源を整備する場合、その費用の補助を行っております。特に、北海道のように自治体が所有する中継局にあっては二分の一の補助をするなど支援をしているところでございます。 以上でございます。
○岩本剛人君 終わりますけれども、是非、今後の課題として是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○井上義行君 自民党の井上義行でございます。 今日、NHK予算で質問をするということでいろいろ、NHKの様々な事業がどんなような事業をやっているのかというのを調べてみました。その中にNHK出版というものがあって、いろいろ、英会話のテキストとかあるいは大河ドラマの本とか、いろんなことをやっているというのがよく分かりました。 そして、NHKには学園もあるということで、このまずNHK学園について、その目的、そして教育内容についてお伺いしたいと思います。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 NHK学園は、NHKの放送を利用して通信による学校教育を行っております広域の通信制高等学校であります。全国各地の生徒が英語、それから数学などの学科を主にNHKのEテレの番組、高校講座を視聴しながら学んでいます。 また、NHK学園は、放送番組の充実改善に協力することも目的としております。学習の過程で収集した意見や要望などの情報をNHKに提供しまして、NHKではこれを番組の充実改善に役立てております。
○井上義行君 なぜこの質問をしたかといいますと、私は小さい頃、四千円の六畳二間の生活を、市営住宅で生活をして、そして育ちました。大好きな国鉄に入って、そして国鉄で機関士をしながら通信教育で大学四年間、卒業しました。やっぱり、どの国民であれ自分の夢をやっぱり諦めてもらいたくないし、挑戦したいときに様々な選択肢があっていいというふうに思います。ただ、私も通信教育でやったときに、まあ時代が、本をもう読みまくって論文を書くというのが毎日毎日繰り返されて、おかげでその後転身した官僚で速読もできるようになったし、非常に役に立つことがありました。 やっぱり、人生の中でやはり挑戦をしたいときに挑戦ができる環境をつくることが必要だというふうに思って、私も二〇一三年当選したときに初めて議員立法を、大学減税法案を出しました。しかし、二回も出したけど、それが通らなかった。もしあのときに通っていれば、今のような議論がなく、もっと子供たちが学ぶ環境ができたんだろうというふうに思います。そう考えたときに、NHKとしてもやるべき仕事があるんじゃないかと。 そこで、私が、まあ個人的なんですけれども、NHK学園は高等学校の教育までということで、大学入っていない。だから、やっぱり大学の機能もやはり拡張してやるべきじゃないかというのが私の考えでございますけれども、是非、時代がもう変わりましたので、NHKさんに是非大学の機能まで放送をお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○参考人(中嶋太一君) お答えいたします。 NHK学園は、高校講座などの放送番組の充実改善を目的に、NHKから助成金を出しまして運営をしております。現在、大学卒業後の単位を取ると、そういうことを想定した放送番組はなくて、現時点ではNHKが大学の機能まで拡張することは難しいというふうに考えております。 ただ、委員長が御指摘のように、様々な世帯の学びに放送番組を役立ててもらうことは重要だというふうに考えております。今後も、NHKのコンテンツを通じて視聴者一人一人の学びに役立ててもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
○井上義行君 是非、NHKに風穴を空けて、新しいそうした機能も持っていただきたいというふうに思っております。 そして、NHKの役割として非常に、国際放送についても非常に私は役割があるというふうに思っております。 まず、この国際放送について、どのぐらいの人々に見られて、またどのような反響があるのかをまずお聞きしたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 現在、NHKによる英語のテレビ国際放送はおよそ百六十の国と地域の四億六千万世帯で視聴可能というふうになっておりまして、諸外国の国際放送と遜色のない規模となっております。ただ、全世界を網羅する視聴率に当たるような指標はないということなので、実際にどのぐらいの人々が見ているかということは具体的に把握できておりません。 NHKは、国際発信の手応えを客観的に把握するために、二〇一五年度から、重点地域というふうに位置付けた北米のワシントンDCやニューヨーク、アジアのタイ、インドネシアなどでインターネットでの国際戦略調査というものを実施しております。この調査では、全ての国・地域におきまして、NHKの国際放送に接触した人の方が接触しなかった人よりも日本についての理解度が統計的に高いというような結果が出ております。 また、NHKの国際放送を視聴した世界中の番組モニターからは、多様なトピックと有益で教育的なコンテンツに感銘を受けた、互いを尊重し自然を大切にする日本文化を知ることができたといった御評価や反響がありました。
○井上義行君 本当にこの国際放送というのは、日本を知ってもらうすごい機会に当たる国際放送だというふうに思います。様々なNHKが足で稼いだいろんな情報を海外に発信をする、又は海外から得た足で稼いだ様々な情報を日本で流す、そういう役割がNHKにあるんだろうというふうに思います。 私は、やっぱりこの日本の魅力というのを、まだまだあるんじゃないかというふうに思います。例えばお寺とか神社とかすばらしい建物もありますし、まだまだ外国の方、それこそ国内でもまだ分からないそうした美しい建物もございます。こうしたものを是非伝えてもらいたいと同時に、そうした神社やあるいはお寺での様々な行事等もしっかり伝えてもらいたいというふうに思っております。 また、非常に海外の方が習字に非常に興味があるということもございますので、是非こうした日本の習字の教育もこういう国際放送を通じて是非伝えてもらいたいし、日本もなかなか着物を着なくなりましたけれども、こうした日本の美しい着物を伝えてもらいたい。 そして、日本の中には礼儀正しいというふうに海外から言われる、それはやはり家庭教育なんだろうというふうに思います。こうした家庭教育もしっかり、国際の人々にすばらしい日本の家庭教育があるということも知ってもらいたいというふうに思っております。 そこで、今後この国際放送をどう充実させていくのか、これをお伺いしたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 日本の姿や正確な情報を世界に向けて積極的に発信していくこと、また日本に対する正しい理解を促進していくことは、公共放送の極めて重要な役割であります。また、国際情勢が大きく揺れ動く中で、平和を希求する日本の視座に立った発信を強化してまいります。 基幹サービスと位置付ける英語のテレビ放送では、日本の文化や歴史、地域の魅力を伝える番組のほか、日本の今を描くジャーナルなコンテンツなどの充実を図っております。新年度、二〇二五年度も、日本の伝統芸能や自然、技術などを紹介する番組やNHKの教育コンテンツを英語化して世界に発信する番組など、多彩なジャンルの番組で日本の実像や魅力を多角的に取り上げ、世界に発信していきたいというふうに考えておりまして、御指摘も踏まえて更なる充実を図ってまいります。
○井上義行君 そして、やっぱりこうした国際放送、そしてNHKの充実には、やはり予算、この収入がなければならないというふうに思います。 本当に様々な国民に、例えば障害者の皆さんには受信料の免除等を行っていただいております。しかし、今言われている物価高の中で、国民年金を払いながら一生懸命受信料を払っている方もいる。 そうすると、やはり将来考えたときに、NHKで、まあ国からの交付金もあると思いますけれども、ごく僅かで、そうしたNHKの管理運営、そしていろんな様々な技術、こうしたものはやっぱり引き継いでいかなきゃいけないというふうに私も思います。やはり、高い映像の、美しい映像の設備であるとか、あるいはNHKの皆さんが現場で培った経験だとか技術とか、こうしたものもやっぱり引き継いでいくためには、今の本当に徴収制度でいいんだろうかというのが私の疑問でございます。 やっぱり、少子高齢化、そして国際化が進展する中で、技術もどんどんどんどん変わっていく、それに追い付いて、そしてそれを前に進めていくために、本当に今の税収でいいんだろうか。収入が減ったときに、じゃ、NHKの放送がこれからもうできなくなりましたというんではもう遅いというふうに思います。やはり、今から二十年、三十年、四十年後をにらんで、どのようなNHKの経営が必要なんだろうというふうに思ったときに、私は、個人的でございますけれども、国有化が必要だというふうに思っております。 やはり、足で稼いでいく今の取材を続けようとすれば、やはり多くの人材が必要です。そして、優秀な人材も必要です。ただのデジタルで過ごす、AIでやればいいという時代ではない。むしろ、NHKは、本当に足で稼いだその情報だからこそ国民から信頼が得られるんだろうというふうに思います。 そこで、最後になりますけれども、受信料制度から税で支える制度、いわゆる国有化について、一つの道だというふうに思っております。この受け止めについて、最後、会長からお伺いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 日本の放送が開始されて以来百年、こういう大きな節目を今迎えておるわけですけれども、放送法で求められている健全な民主主義の発達に資するという公共放送NHKの使命あるいは役割、これは今後も変わることはない普遍的なものだというふうに考えてございます。 そうしたことの下で、特定の利益や視聴率に左右されない、自主自律を堅持してNHKの役割、使命を果たしていく、そういうためには、その財源として広く視聴者の皆様に負担していただくという現在の受信料制度が最もふさわしいというふうに考えてございます。 今年十月からはインターネットサービスが必須業務となります。視聴者・国民の皆様が本当に知りたいと思っていることに真っ正面から向き合って、公平公正で確かな情報、あるいは豊かで良い番組コンテンツを放送と同様にネットの世界でもしっかり提供することで、視聴者・国民の皆様にお役に立って、ひいては日本や世界の民主主義の発達に貢献してまいりたいというふうに考えてございます。
○井上義行君 終わります。
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は新年度初日でございます。四月一日にNHK予算案の審議は例年であればあり得ないことでございますし、私自身にとっても十八年目で初めてのことでございます。 本日の議題はNHK予算案であり、放送法に基づく国会承認事項でございますので、会長、そして経営委員長にもお越しをいただいております。 会長におかれましては、ちょうど今頃、二〇二五年度NHKグループ合同入局・入社式で講話をされていたはずではなかったかと思います。放送開始百年の節目に入局する新入職員、社員に向けてまた多分日を改めてお話をなさるんだとは思いますけれども、今日何で会長は入社式、入局式にいないんだろうと思った方々が、夜、もしかしたら録画御覧になって、自分たちにメッセージがあればうれしいかもしれませんので、何か一言あればお願いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 今日は、この時間、入社式でございまして、NHKに入社する二百五十名、それから関係会社に入社する若干名の前でお話をする予定でございましたですけれども、本委員会がございますので、そのお話は来週九日に延期しまして、そこでスピーチする予定でございます。 多分、だから、本人たちはそういうことで聞いてくれるんじゃないか、待っていてくれるんじゃないかというふうに思っております。
○吉川沙織君 今その内容を少しお話しいただくことは可能ですか。
○参考人(稲葉延雄君) 二つございまして、一つは、NHKの使命というのは、インターネット時代になりましたけれども、その使命、役割は全く変わらないと、むしろますます重大になっている。それから、仮に、インターネットの先に、新しい伝送路で新しい手段で情報が広められると、そういう時代が仮に来ましたとしても、そこでもNHKの役割というのは非常に重大でかつ重要になっているということを第一に言いたいと思います。 もう一点は、これは私が新しい社員たちに是非言いたいということなんですけれども、もちろんNHKで一生懸命仕事をする、これは大事なことですが、一方で、もっと大事な、例えば育児を一生懸命やる、あるいは介護を一生懸命やる、あるいは自分自身のための学びを一生懸命やる、こういうことも大事なので、それを実現するようにNHKとしては若い人たちをバックアップしていきますよ、頑張ってください、こういうことを言おうと思っていました。
○吉川沙織君 二〇二三年度と二〇二四年度の会長の講話につきましては全文公表されておりまして、私も拝読をいたしました。本当によく伝わるメッセージで、御自身の日銀時代の経験談なんかも盛り込まれていて、新入社員、社会に出てすぐの皆さんには、これは多分NHKに限らず誰が読んでも勉強になるというか、まあ十一年前大混乱したときのNHK会長の講話は全文公表されませんでしたので、今はしっかりお話しいただける会長の下で、今回暫定になりましたので、そういったことについてお伺いしていきたいと思います。 総務省に伺います。 NHK予算が国会承認を受けることについては、先ほども申し上げましたとおり放送法に根拠がありますが、この根拠条文について伺います。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 NHK収支予算、事業計画及び資金計画につきましては、放送法七十条第一項において、「協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、これに当該事業年度に係る中期経営計画を添え、総務大臣に提出しなければならない。」とされており、同条第二項において、「総務大臣が前項の収支予算、事業計画及び資金計画を受理したときは、これを検討して意見を付すとともに同項の中期経営計画を添え、内閣を経て国会に提出し、その承認を受けなければならない。」と規定されております。
○吉川沙織君 今局長から答弁いただきましたとおり、本日の議題も、放送法第七十条第二項の規定に基づいてNHKの承認を求める件ということになっています。 では、このNHK予算が国会承認を受ける意味について大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(村上誠一郎君) 放送法におきましては、NHKは、あまねく日本全国において豊かで良い放送番組を受信できるように放送を行うとともに、放送全体の進歩発達に必要な業務等を行うことを目的とすると規定されております。 放送法第七十におきまして、そのような目的を達成するために必要なNHK予算につきましては、NHKが広く国民の視聴者から御負担いただく受信料によって支えられる公共放送であることに鑑みまして、国民の代表である国会の御承認をいただく仕組みが設けられているものと理解しております。
○吉川沙織君 先ほど冒頭、会長から新入社員、局員に向けてお話をされようとした二つのうちの一つが今回の、今大臣から答弁いただいた中にも入っていましたけれども、NHKの年度予算が国会承認事項である以上、本来でしたら新年度を迎える前に承認されるべきところ、今回は年度をまたいでしまったことになります。 元々は私自身も、昨年成立しました改正放送法に基づく公共放送の今後の在り方、そしてインターネット活用業務等について質疑を行いたいと思っておりましたが、暫定予算に関しましては、過去の例は非常に古く、また記録もほとんどありません。そしてまた、本来避けるべき事態でありますことから、後世に記録を残すという意味で、全面的に質問を、暫定予算の制度と、なぜそれを避けるべきなのかといった課題等を中心にお伺いしたいと思います。 それでは、総務省に伺います。 NHK予算案が年度内に国会の承認を受けられなかった年度とその理由について詳しく教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 過去にNHKの暫定予算の制度が利用されたことは、昭和五十一年度及び昭和五十五年度の二度ございます。 一度目の昭和五十一年度につきましては、同年二月に発覚したロッキード事件の国会への影響を背景としたものというふうに承知をしております。 また、二度目の昭和五十五年につきましては、受信料支払を義務化する放送法改正案の取扱いをめぐる調整に時間を要し、例年に比べてNHK予算の国会への提出が遅延をしたことが理由と承知しております。
○吉川沙織君 昭和五十一年度のNHK予算案と昭和五十五年度のNHK予算案が年度をまたいで暫定予算となったということでございますが、昭和五十一年は私が実は生まれた年でございますので、本当に随分前の例しか残っていないということになります。また、今局長から、ロッキード事件がその原因だとおっしゃいましたが、ロッキード事件というものはそれこそ、その後、参議院と衆議院に政治倫理審査会という審査会を設置するきっかけとなった事件でもありますので、混乱が多い国会だったということになります。 昭和五十五年度に関しては、支払義務化を含む放送法改正案提出との関係でNHK予算の国会提出が遅れたことが原因であるという、こういう御答弁でございましたが、では、その昭和五十五年度のNHK予算案が国会に提出された日付について教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) NHKの昭和五十五年度予算につきましては、昭和五十五年三月十七日に国会へ提出いたしました。
○吉川沙織君 三月十七日に出されたものだとなかなかしんどいのは、これは自明の理ですけれども、じゃ、なぜ三月十七日になったんでしょうか。記録残っていたら教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) かなり古いものでございますので、詳細は情報が余りないのでございますが、先ほど申し上げたとおり、この昭和五十五年につきましては、受信料支払を義務化する放送法改正案の取扱いをめぐる調整に時間を要したためにNHK予算の国会への提出が遅れたというふうに承知をいたしております。
○吉川沙織君 これ、国会の会議録をたどりますと、昭和五十五年四月二十二日、参議院の逓信委員会での郵政大臣の答弁にこのような形で残っております。 一部省略はいたしますけれども、概要を申し上げますと、この当時、昭和五十五年の国会提出遅れた理由は、現行の契約義務制を受信料の支払義務制に改める放送法の改正案を今国会に提出すべく当時準備を進めている状況でありましたので、それとの絡みで与党との間でこの調整に手間取ったわけでございます、国会への提出が例年に比べまして遅延をしたわけでございますが、その点につきましては、与党との調整が遅れたと、こういう事情であったわけでございますが、御理解をいただきたいと思いますと。更に問われて、再び、御承知のように政党政治でございますので、法的なことと政治的なことと調整をしてまいらなければならないわけでございまして、そういう意味におきましてその調整が遅れておったという、こういう当時の郵政大臣の答弁が残されていますので、この昭和五十五年度のNHK予算案は提出がそもそも遅れて混乱をして暫定予算になったということだと思います。 今回も残念ながら暫定予算になってしまったわけですけれども、じゃ、令和七年度のNHK予算案の国会の提出日について総務省にお伺いいたします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 NHK令和七年度予算につきましては、令和七年二月十四日に国会へ提出いたしました。
○吉川沙織君 二月の中旬に国会提出をされているということは、これまで年度内に承認をしてきたNHK予算案の国会提出の時期とまあそんなに変わるわけではございません。 では、今回、令和七年度が暫定予算となってしまった理由について、事実関係について、総務省にお伺いいたします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 今御指摘いただきましたNHKの暫定予算につきましては、放送法の七十一条第一項におきまして、国会の閉会その他やむを得ない理由にある場合に実施ができるというふうになっております。その理由につきましては、国会の閉会や審議日程等によってNHKの収支予算等が議了し得ない場合というふうに承知をしておりまして、これに該当するかは、国会の審議が未了に終わったという結果がありましたが、その理由に該当するものと承知をしております。 令和七年度予算、収支予算につきましては、これに該当することから、暫定予算を組むことになったものと考えております。
○吉川沙織君 国会の審議日程等により協会の収支予算等が議了し得ない場合ということにつきましては、現在発売されております放送法逐条解説の新版にも書かれていることでございます。また、この逐条解説には、行政庁が裁量により判断し得るものでもないとも書かれています。 昨日、年度末最後の日に令和七年度政府予算案は成立をしました。過去に例のない形で成立はしています。衆議院で修正され、参議院で再修正され、それが衆議院に回付をされ成立をするというのは、現憲法下では初めてのことです。ですから、参議院で夕方可決をして、それを回付して、衆議院の本会議を開いてということになって、NHKの予算案が審議日程を確保することができなかったということだとは思いますが、これについて、少し形を変えて伺いたいと思います。 これまで、どんなに混乱をしても暫定予算は避けてきたわけでございます。NHK予算については、公共放送としてみんなで支えるものだ、どんな理由があったとしても支えるものだということでやってきました。暫定予算を避ける努力を積み重ねてきた中で、その努力の跡が最も顕著に表れた例として、事実関係を参議院に伺います。 年度末最後の本会議において、NHK予算が採決され、ほかの法律案の採決がなかった例について、参議院事務局に伺います。
○参事(八鍬敬嗣君) お答え申し上げます。 年度末最後の本会議におきまして、NHK予算が採決され、他の法律案の採決がなかった例は、第百八十六回国会、平成二十六年三月三十一日でございます。 以上でございます。
○吉川沙織君 大体、参議院は後議の院、後で議論をする院でございますし、予算案に関しては必ず衆議院から送付されてきたものを本院で議論をするということですので、年度末はどうしても議案とか本会議で採決すべき案件というのが立て込みます。それは、なぜならば、年度末でその法律の効力が失効したり、四月一日にまたいでしまうと税率が変わって大変なことになってしまう、後で戻せばいいじゃないかという議論もなくはないんですけれども、税務事務が大変になってしまうということで、三月三十一日より前に、本来まとめていろんなものを採決する例が多うございます。 ただ、今御答弁いただきましたとおり、平成二十六年三月三十一日の年度末最後の本会議は、NHK予算とそれに付随した決算のみで採決をしています。このときはなぜかと申しますと、当時、その年に就任をしたNHK会長の御発言とか様々ございまして大混乱をしました。大混乱をして暫定予算もやむなしというような状況でしたけれども、ただ、与野党で知恵を出し合い、何とかならないかということで、三月三十一日、その年の三月三十一日に本会議を開いたわけでございますが、平成二十六年三月三十一日にNHK予算と、まあ決算もくっついていましたけれども、そのときの本会議の開会時刻と散会時刻について、参議院議事部長に伺います。
○参事(八鍬敬嗣君) お答え申し上げます。 この日の本会議の開会時刻は午後零時三十一分、散会時刻は午後零時五十分でございます。 以上でございます。
○吉川沙織君 実はこの日は、決算の参議院と言われますけれども、決算の全般質疑が行われておりまして、全閣僚出席の下、終日決算委員会が開かれていたものですから、昼間の隙間を縫って、何とか暫定予算を避けるべく、そこで本会議を開いていただいて採決をしたということでございます。そこまでの努力をして暫定予算を避けたわけでございます。本当に混乱していました。 当時、総務省、NHK、それから与野党を含めて最後まで調整を必死に行った結果ですが、今回は衆議院に送り返す、回付すべき総予算があったとはいえ、今後暫定予算がそんなに安易に繰り返されることはやっぱりあっては良くない、避けるべきであると思いますし、十一年前、そのNHK予算の大混乱の現場を知っている当事者としては、それを思うからこそ、四十五年ぶりの暫定予算となってしまった以上、この暫定予算について幾つか確認をしておきたいと思います。 総務省に伺います。 NHKの暫定予算について、放送法の規定を教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 NHK暫定収支予算、事業計画及び資金計画につきましては、放送法七十一条第一項におきまして、協会は、毎事業年度の収支予算、事業計画及び資金計画が国会の閉会その他やむを得ない理由により当該事業年度の開始日までにその承認を受けることができない場合においては、三か月以内に限り、事業の経常的運営及び施設の建設又は改修の工事に必要な範囲の収支予算、事業計画及び資金計画を作成し、総務大臣の認可を受けてこれを実施することができると規定されております。
○吉川沙織君 今答弁ありましたけれども、放送法第七十一条の第一項には「当該事業年度の開始の日まで」とありますが、何月何日のことを指すか、教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 放送法七十一条に定めるNHKの事業年度の開始日は四月一日でございます。
○吉川沙織君 先ほど引用しました逐条解説によりますと、当該年度の開始の日までとは、当該年度の開始の日、つまり四月一日である。これ、三月三十一日までに承認される必要はなく、四月一日に承認されれば四月一日からその効力が生ずることとなると解説されていますけど、この意味、分かれば教えてください。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 逐条解説の文章の中身の解釈について私から申し上げるというのは難しゅうございますけれども、このNHK予算のその規律につきまして申し上げますと、NHK予算が四月一日に国会の御承認をいただくとすれば、承認が得られた時点で初めてその効力が発生することになりますので、同日のその時点前にNHKが実施した業務あるいはその業務に係る支出行為の根拠が認められず、業務の実施をすること自体が困難な状況になるということになります。 このような状況を踏まえますと、NHKの円滑な業務遂行に万全を期すためには、NHK予算については三月三十一日までに国会の御承認をいただく必要があるものと認識をしております。
○吉川沙織君 あと、先ほどの総務大臣の趣旨説明の中の最後に、これ私ももちろん初めて拝見したわけですけれども、趣旨説明の最後に放送法第七十一条第三項に基づく言いぶり、「本件につきましては、放送法の規定に基づき、国会に御報告申し上げるよう準備を進めている」、これって何か想定があれば教えていただけます、どんな形で国会に報告されるんでしょう。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 これはむしろ、過去、先ほど答弁をいたしました昭和五十一年、五十五年と同様の対応ということになりますけれども、暫定予算の認可をした後に、その認可をした事実と認可をした暫定予算の内容について、準備が整い次第国会に報告をするという手続になっております。
○吉川沙織君 では、その認可とか、そういったところについて経営委員長にお伺いいたします。 放送法第七十一条に基づき、NHKは、毎年三月末の経営委員会において、万が一、年度内に国会の承認を得られなかった場合に備え、暫定予算の総務大臣への認可申請について議決をされています。 二〇二五年は、何月何日の経営委員会において議決されましたでしょうか。
○参考人(古賀信行君) 三月二十五日の経営委員会に執行部から令和七年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について御提案がありましたので、審議の上、議決いたしました。
○吉川沙織君 三月二十五日の経営委員会で議決をされたということでございます。 この暫定予算の議決を行った際、暫定予算の総務大臣への認可申請については、これまでの経営委員会の公表されている議事録を拝見いたしますと、これ、暫定予算、議決をいただいても、この申請については会長が情勢を判断の上決定をするということにしますと、いつもこう書かれています。 今回の暫定予算について、会長はいつ総務大臣に認可申請を行われましたでしょうか。
○参考人(稲葉延雄君) 認可申請は、三月二十八日金曜日でございます。
○吉川沙織君 三月二十八日に会長から総務大臣に対して認可申請が行われ、そしてまた今日認可ということに、初日、暫定予算、初日が今日ですので今日認可となりますが、では、総務大臣としてはいつその決裁をなさったのか、お教えください。
○国務大臣(村上誠一郎君) NHK令和七年度暫定予算に係る総務大臣の認可の決裁につきましては、昨日、三月三十一日、正確に言いますと、十八時十分に、過ぎに行いました。
○吉川沙織君 何とか年度内承認に向けてぎりぎりまでその手続を保留されたということだと思います。その時点では多分参議院の本会議もまだ休憩のままでしたでしょうし、ぎりぎりまで決裁を待ったということだと思います。 では、先ほどの趣旨説明でもありましたが、この暫定予算は何か月の暫定予算として議決したものであるか、会長にお伺いいたします。
○参考人(稲葉延雄君) 暫定予算の期間でございますが、四月一日から四月三十日までの一か月間でございます。
○吉川沙織君 総務省に伺います。 この暫定予算の議決できる範囲というのは、放送法第七十一条に定めがあり、必要な範囲の収支予算とされていますが、どのような範囲でしょうか。
○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。 委員御指摘の必要な範囲につきましては、NHKにおける新規事業を除く経常的な事業や国会において御承認いただいた前事業年度、前の事業年度の予算等に基づき行われる工事を継続する場合が含まれると考えております。
○吉川沙織君 では、会長に伺います。 NHKが実際に暫定予算に計上した事業についてお教えください。
○参考人(稲葉延雄君) 放送法第七十一条第一項に基づきまして、新規事業や施設の建設又は改修の工事を除いた経常的な事業に関する経費を計上いたしています。 具体的には、二〇二四年度から継続する施設の建設又は改修の工事、二〇二四年度に着手済みのインターネット業務の必須業務化準備対応事項、二〇二四年度に着手済みの情報棟整備、移転関連事項などでございます。
○吉川沙織君 今答弁ありましたが、経常的な事業運営に係るもの、それから前年度に取っかかったものはできるということでしたが、それはできたとしても、では、例えばです、今暫定予算の期間中ですけれども、大規模災害等が発生した場合は、これ経常的なものと前年度からの引継ぎのものしかできないとなれば何らかの支障が起こるのではないかと思いますが、大規模災害等には暫定予算では対応できかねると思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(稲葉延雄君) 先ほど申しましたように、新規事業や施設の建設又は改修の工事に着手することができないということになります。 二〇二五年度に例えば新たに着手する施設の建設又は改修の工事とか、インターネット業務の必須業務化準備対応として予定されている認証関連整備、あるいはアプリの開発などの業務、二〇二五年度に新たに着手する新放送センター情報棟の整備、移転関連業務、二〇二五年度に予定している収支などでございます。こうした事業に取り組むことができませんので、業務の準備が滞り、いざというときにNHKの使命を果たせないおそれがあります。 仮に大規模な災害が発生した場合には、暫定期間に応じて計上してございます国内放送費及び予備費では予算が不足し、緊急報道に対応できなくなる、命と暮らしを守るNHKの使命を十全に果たせないおそれがあるというふうに考えております。
○吉川沙織君 新たな事業には着手ができないということ、それから今備えがあるものでも対応できないということですので、やはり年度内に承認されるべきものが、それは賛否はそれぞれ今分かれてしまっていますけれども、ただ、やっぱり承認されるべきものであるということ、暫定予算はなるべく回避すべきであるということで、これまた放送法の解釈について総務省に伺います。 放送法第七十一条は、暫定予算について、「当該事業年度の開始の日までにその承認を受けることができない場合においては、三箇月以内に限り、」と規定していますが、三か月を超えた場合の対応についてお伺いします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) ただいま委員御指摘のとおり、NHKの暫定予算につきましては、放送法の七十一条におきまして、三か月に限り暫定予算を作成をし、総務大臣の認可を受けて実施をすることができるというふうに規定をされてございます。この三か月としている理由でございますが、その程度の期間を設ければ、通常は国会での御承認をいただけるためであるというふうに承知をいたしております。 NHKの円滑な業務継続を期す観点からしますと、委員御指摘のケースは法令上想定をしていないものと思われている、思われるところでございまして、三か月以内に限りと規定されていることも踏まえ、国会での御審議をお願いをしたいというふうに考えております。
○吉川沙織君 この三か月の議論についても、昭和五十一年五月四日の参議院予算委員会で郵政大臣が、やはり法が想定しない異常な事態となりますので、これはもう何があっても三か月以内には承認をするというようなことでございますが、何が起こるか分からない、そういう情勢もありますので、場合によっては見直しも必要なのではないかと思います。 ここまで、四十五年ぶりとなってしまった国会承認事項でありますNHKの暫定予算についてお伺いしました。今回、四十五年ぶりで記録やそういったものに乏しくとも、何とかたどることができましたのは、国会の会議録があったからこそでございます。 NHKにおいても、放送法上、議事録の公表規定がございます。経営委員会の議事録がそれに当たりますが、これまでもその在り方につきましては幾度もお伺いをしてまいりました。 まず、大臣にお伺いいたします。 経営委員会の議事録に係る放送法の規定についてお尋ねいたします。
○国務大臣(村上誠一郎君) 放送法第四十一条におきましては、NHKの経営委員長は、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならないと規定されております。 この規定は、経営上の事情を考慮した上で透明性を確保しなければならないという観点から定められているものというふうに理解しております。
○吉川沙織君 経営委員長にお伺いいたします。 現在、この議事録の公表規定というのは経営委員会の議事運営規則というのに定められていますが、これ自体が実は二〇一四年まで公表されていませんでした。この委員会で当時の経営委員長に、当委員会に提出をお願いしましたところ、出していただいて、ただ、国民の皆さんが御覧いただける状況じゃなかったものですから、それは二〇二〇年のこの場で当時の大臣が前向きな答弁をされて、経営委員会が公表をしてくださいました。 それで、実は文書の保存と訂正のところが二〇一四年にお出しいただいたものと二〇二〇年の五月に公表されたもので違います。現行の経営委員会議事運営規則の第六条について教えていただけますでしょうか。
○参考人(古賀信行君) 六条の中身でございますか。この六条というのは、議事録は永久保存するとされておりましたが、これを保存期間を三十年とするというふうにまず改めております。
○吉川沙織君 二〇一四年当時の議事運営規則は永久保存でした。 文書の保存に係る規定はあったんですけれども、実は文書の訂正というものはありませんでした。この二〇一四年から二〇二〇年の間の改正で、文書の訂正は委員長の判断により訂正ができる規定、これは新設をされているわけでございます。 ここで改めてお伺いいたします。 今回、暫定予算は四十五年ぶりのことでございます。私が記録をたどろうと思ったら、当時の会議録を一つ一つ見ていくことで何とかなりました。経営委員会の議事録というのはやっぱり大事なものです。今回、四十五年ぶりにこういう事態が発生して、三十年だと届かないんです。 去年のこの場で経営委員長は、日銀とか、それから会社法に照らして、一定期間で保存やめてもいいんじゃないでしょうかと、こういう御答弁あったんですけれども、今回のような事態も想定されることから、いま一度この規定について、今すぐ戻してくださいというわけじゃなく、ちゃんと見直した方がよろしいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(古賀信行君) 昨年もお答え申し上げましたけれども、確かに長く長く置いておくというのは大事なことであります。 ただ、逆に言いますと、何でもかんでもというのもこれ確かに問題なわけで、したがって、きちんとした形でディスクローズした、ディスクローズすればその記録は残りますから、後で確認もできますし、原本保存の期間についてはやっぱり一定の効率性といいますか、それも確保していかなきゃいけないのではないかと、私はこのように認識をいたします。
○吉川沙織君 一般の企業だったらそれでいいと思います。私も元々会社員でしたので、それは合理的であり、理にかなっているとも思うんですけれども、国民・視聴者の受信料で成り立つ公共放送、公共放送は放送法に定めがある、第一条が大目的書いて、第十五条はNHKに係る目的規定でございますけれども、普通の民間とは異なるわけでございます。 ですので、見直すぐらいはもう一回見直しても、いかがでしょうかということなんですが、見直されませんか。
○参考人(古賀信行君) 見直しというのは絶えず図らなきゃいけないというのを基本観には思っております。したがって、これは絶対に見直さないということは、私、一切ございません。
○吉川沙織君 三十年という区切った理由がよく、もちろん、今の古賀経営委員長が就任なさる前に変わっていた項目ですから、誰がどのような意図で変えたかは分かりません。 ただ、やはり今回の事態が四十五年ぶりにあって、今後何があるか分からないときに、今回の暫定予算もこういった形でなってしまったんだということを残しておかないと、また将来こういう事態があったときに記録がたどれないということにもなりかねません。 また、この間の訂正では、公表は二人が見る、訂正は経営委員長一人でできるということにもなってしまっていますので、国民・視聴者に開かれた公共放送であるというこの重さを踏まえれば、経営委員会の議事運営規則始めとして情報をいかに発信するかということも公共放送NHKとして大事な使命かと思いますので、引き続きこのことについてはお伺いしていくことを申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小沢雅仁君 立憲民主・社民・無所属の小沢雅仁でございます。 早速、令和七年度NHK予算に対する質疑を行いたいと思います。 まず、ラジオ放送開始から百年を迎えました。三月十四日には記念式典が行われたと承知しております。お伺いをしたかったんですが、参議院本会議と重なってしまって出席することがかないませんでした。一九二五年三月二十二日に東京都港区芝浦から日本初のラジオ放送が開始されて、本年、百年ということでございます。現在、すぐ近くの愛宕山に放送博物館ありますけれど、あそこに建物ができて、その放送がされていたということだろうというふうに思います。 放送開始のきっかけになったのは、その約一年半前に発生した関東大震災であると言われております。関東大震災では人々の不安が流言飛語を生んだことから、その反省を踏まえて、正確で信頼できる情報を入手するための放送というメディアが生まれたと承知をしております。一方、放送開始から百年が経過した現在においても、多種多様な情報のみならず、インターネットからも入手できるようになった反面、SNS上では偽情報、誤情報の広がりが深刻化するなど、様々な課題や問題が浮き彫りとなっております。 稲葉会長は、令和七年三月二十一日に公表した放送開始百年を踏まえたコメントの中で、私たちNHKは、視聴者・国民が本当に知りたいと思っていることに真正面から向き合い、お応えしていく必要があるとしておりました。そこで、改めて、放送開始百年を迎えたNHKのこれからの役割と決意を稲葉会長にお伺いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 放送百年ということでございまして、私は、NHKが視聴者・国民の皆様に確かなよりどころとなる情報を提供する役割、すなわち情報空間の参照点としての役割を確実に果たすことによって情報空間の健全性を確保し、ひいては究極の使命である健全な民主主義の発達に貢献していく、そういう必要があると強く考えてございます。 こうしたNHKの役割や使命でございますが、多分、次の百年においても変わることのない普遍的なものだと考えてございます。今でもインターネットによる情報の流通というのは非常に多くなってきましたが、そこでもNHKの役割、使命は変わらないということですが、この先、インターネットに代わる全く新しい伝送路が仮に登場したとしても、私、NHKに求められる本質的な役割あるいは使命は変わることがないんだろうというふうに確信してございます。 次の百年も公平公正で確かな情報や豊かで良い番組コンテンツを間断なく提供することによって、視聴者・国民の皆様のお役に立って、ひいては日本や世界の民主主義の発達に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 是非、今の御決意などを含めて、しっかりと経営執行していっていただけたら有り難いなと思っております。 NHKでは様々な映像資産をお持ちで、保有でございます。自然、紀行、歴史、芸術、ドラマ、生中継など、超高精細映像の特徴を生かしたコンテンツを多様にそろえられております。また、これらの貴重な映像資産を4Kリマスター技術でよみがえらせて、新たな価値を付加したアーカイブス番組として編成をされております。これらNHKが保有する映像資産等の、これいわゆる財産ですよね、この財産を最大限活用をして視聴者の皆さんに還元をしていくということが極めて重要だと思っておりますし、私も非常に、全国回っておりますので移動時間が多うございますから、よく新幹線の中で、NHKオンデマンドに契約していますので、いろんなものを見ながら、勉強させていただきながら移動させていただいております。 これらの映像資産等の財産をどのように最大限活用されていくのか、NHKの考え方をお伺いしたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKは、公共放送としまして貴重な放送資産を体系的に保存し、その価値を最大限に生かしていくために多様な利活用を進めているところでございます。二〇二三年度末でNHKが保有している番組や映像素材は、番組、番組関連映像およそ百十六万件、ニュース映像およそ九百五十三万項目などとなっております。 NHKでは、豊富な過去番組を魅力あるコンテンツとして改めて提供しておりまして、例えば総合テレビ金曜夜十時半から放送しております「時をかけるテレビ」では、過去の名作番組を当時の背景や見どころを解説しながら放送し、好評をいただいております。また、NHKアーカイブスのホームページでは、放送百年を記念した特集サイトを開設しております。放送開始以降のラジオ、テレビで放送しました主な番組を紹介しているほか、およそ四千本のダイジェスト動画も公開しております。また、NHKオンデマンドでは現在、ドキュメンタリーや教養番組など一万七千本以上の番組を配信しておりまして、今後、より多彩なジャンルの番組を配信していくつもりでおります。 NHKが保有しております放送資産は国民全体の財産でございまして、適切に社会に還元すべく、引き続き取り組んでまいります。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 本当に物すごい量の財産をお持ちであるというふうに思います。しかし、視聴者の皆様は多分そういった財産があるということを正しく理解をされていない面もあると思いますので、是非積極的な周知を行って、NHKの価値というものも是非もっと高めていただけるようにお願いをしたいと思います。 さて、事業計画について何点かお伺いをしたいと思いますが、まず、三月十七日辺りから報じられております自治体の公用車、カーナビにおける受信料未払事案についてお伺いをしたいと思いますが、NHKの受信料で高額な未払が各地で相次いで発生していることが問題となり、報じられております。その対象が、自治体が所有している公用車です。報道では、愛媛県では公用車に取り付けられたカーナビなど九十三台で未払八百十二万円、福島県では九十三台でまだ約六百万円から七百万円の未払など、全国各地の自治体でこのNHKの受信料の未払が発生していると報じられております。 自治体側は、カーナビなどにテレビ受信機能がある場合は受信契約が必要という認識が不足していたと説明をされておりますが、これらの経緯についてお伺いしたいのと、例えば個人所有の乗用車のカーナビにこれらテレビの受信機能がある場合の受信料の考え方についても併せてお伺いをしたいと思いますし、また、この自治体の受信料未払、過去に遡って何百万円というような未払を納めるということで議会に報告したりしているようでありますけれど、これら、やっぱり認識が不足していたということは、NHKの説明が欠けていたんじゃないのかということもあると思うんですが、そういったことの受け止めを含めてNHKにお伺いをしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 自治体に対しては、毎年受信機の設置状況の確認と受信契約の締結をお願いしておりますが、その際に、カーナビや携帯電話で放送を受信できる機能がある場合は受信契約が必要となることをこれまでも案内してきております。NHKとしましては、一部の自治体が本来締結していただく受信契約がなされていないことは公平性の観点から課題があると考えております。このため、今回の件を受けまして、全国の各自治体に再確認を丁寧にお願いしているところでございます。 今後も、自治体に対して正しい認識を持っていただくように、御案内の様式を分かりやすく改めることも含めて対応はしますし、また、自治体からの問合せ等も丁寧に対応して、適切な受信契約の締結を求めていきたいと考えております。 また、世帯において自家用車にカーナビが設置された場合につきましては、世帯においては住居に設置されたテレビなどで受信契約をもういただいている場合につきましては、新たに契約が発生することはございません。
○小沢雅仁君 NHKのその説明、しっかりと自治体側にしていただいて、自治体側の方もしっかり認識をして、必要な受信料契約をしていただけるようにお願いをしたいと思います。 総務省に伺いたいんですが、総務省も公用車をたくさんお持ちだと思います。大臣の公用車を含めて適正な契約が行われているのか、総務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(出口和宏君) お答えいたします。 総務省におきましては、公用車で使用しているNHKの放送を受信できるカーナビにつきまして、適切に受信契約を締結して、受信料を支払うこととしております。 例えば中央合同庁舎二号館では五十台の公用車を所有しております。このうちNHK放送を受信できるものが四十六台ございまして、全て受信契約を締結しております。
○小沢雅仁君 安心いたしました。 この質問はこれで終わりたいと思います。 次に、還元目的積立金と今後の方針についてお伺いしたいと思いますが、還元目的積立金はNHKの決算においてプラスの事業収支差金が生じたときはその一定額を積み立てなければならないとされており、ある中期経営計画期間中に積み立てられた還元目的積立金は原則として次の経営計画期間の収支予算で受信料額引下げの原資に充てなければならないとされておりますが、令和九年度に収支均衡を達成した場合、残余の還元目的積立金をどのように活用することを見込んでいるのか伺いたいと思います。 あわせて、収支均衡達成後の更なる事業支出の削減や受信料の値下げなど、中長期的な観点からNHKの経営の在り方について現在検討されているのかについてもお伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 御指摘のとおり、放送法では、決算においてプラスの収支差額が生じたときは、財政安定のために留保する一定額等を除いて還元目的積立金として積み立てなければならず、積み立てられた還元目的積立金は、原則として経営計画の期間ごとに取り崩し、受信料の値下げ原資に充てなければならないこととされております。 経営計画では、二〇二三年度末の還元目的積立金千九百二十億円のうち千二百二十億円については、二〇二三年度に実施した受信料値下げを継続するため、二四年度以降の収支の不足に充当することとしております。還元目的積立金の残る七百億円についても、視聴者の将来負担の軽減につながる先行支出等として、情報空間全体の多元性確保に向けて、基幹となる二元体制維持に六百億円、メディア産業全体のために百億円をこの経営計画期間内に支出する予定でございます。 目指すのは二七年度の収支均衡の実現でありまして、まずは、今お示ししております経営計画や予算事業計画を着実に実行してまいりたいと考えております。 二七年度以降の中長期的なNHKの経営の在り方、また事業支出額及び受信料額等については、次期中期経営計画の中でしっかり検討していくことになると考えております。
○小沢雅仁君 ありがとうございます。 次に、ネットのみ受信料の見込みについて伺いたいと思いますが、今年の十月から、放送番組の同時配信とNHKが実施するインターネットサービスの一部が必須業務となります。テレビを設置せず必須業務となるインターネット配信のみを利用する場合の受信契約は地上契約として取り扱われることから、今後、そうした契約による視聴者が出てくることも想定をされます。 令和七年一月に行われた中期経営計画の修正においては、収支見通しに放送法改正、二〇二五年十月施行による影響も反映との記載がありますが、令和六年改正放送法施行による新規受信契約は具体的にどの程度増加すると見込んでいらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 NHKが行いましたアンケート調査などを基に推計しますと、テレビを持たずにインターネット配信のみを利用する視聴者による新規契約は、二五年度は半期で一万件規模、二六年度は通年で二万件規模と見込んでおります。これは、サービスの開始前であり、また参考となるデータが限られている中での見込みの数字でございます。 NHKならではの正確で信頼できる情報をお届けすることで、より多くの方にこのサービスを利用していただきたいと考えております。
○小沢雅仁君 しっかりとしたお取組をお願いをしたいと思います。 次に、インターネットサービス利用拡大に向けた認識についてお伺いをしたいと思います。 総務省が令和六年六月に公表した令和五年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査によると、テレビの平均利用時間は以前と比べて低下しているものの、インターネットの利用時間は以前よりも延びております。 人々のインターネット利用が進む中、NHKのインターネットサービス利用者の増加も当然期待をしたいところでありますけれど、現在多くの動画配信サービスが存在する中、新規に受信契約を締結する者が大幅に増加するということは考えにくいところであります。NHKのインターネットサービスを利用してもらうには、公共放送であるNHKならではのコンテンツをつくり上げる必要があるというふうに思いますけれど、NHKの認識をお伺いしたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKならではのコンテンツづくりに注力するということが必要だという御指摘はそのとおりでありまして、経営計画でも、全てはコンテンツ起点で考えるというふうにしております。また、コンテンツ戦略六つの柱としまして、災害時になくてはならない命綱に、顔の見える信頼のジャーナリズム、人生を豊かにする教養、エンターテインメントなどを掲げております。 放送法改正後のインターネットサービスにおきましても、正確で信頼できる社会の基本的な情報を発信し、健全な民主主義の発達に資するというNHKの役割に変わりはございません。NHKならではのコンテンツを、放送に加えましてインターネットでもその特性を生かして提供することで、公共放送としての存在感をより高め、視聴者の皆様の期待に応えていきたいというふうに考えております。
○小沢雅仁君 是非期待をしておりますので、積極果敢な取組をお願いをしたいと思います。 次に、中継局の共同利用モデルの早期導入に向けた子会社の今後の方針についてお伺いしたいと思います。 令和六年十二月二十五日、放送局設備の保有、管理等の業務により放送業界全体の持続可能な発展を追求することを目指し、共同利用型モデルの導入に向けた入札方式の検討などを行うため、NHKの子会社として株式会社日本ブロードキャストネットワークが設立されました。この際、NHKは一億円の出資を行ったと承知をしております。 また、令和七年二月十九日に行われた同社への追加出資の認可申請では出資予定額が七億七千八百万円となっており、総務省は速やかに出資の認可を行うとしております。 令和七年度予算では、同年度の見込みとして、この株式会社日本ブロードキャストネットワークへの追加の出資に二十八億円を充当するとしておりますが、民間放送事業者からの出資も含め、同社に対する今後の出資見込みについてお伺いをしたいと思います。あわせて、共同利用型モデルの早期導入に向けた同社の今後の方針についてもお伺いをしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 共同利用型モデルの実現に向けて、NHKや民放、総務省が共に全国協議会、各地の地域協議会を発足させ、検討を重ねてまいりました。二〇二四年十二月にはNHKが一〇〇%出資する基幹放送局提供子会社、日本ブロードキャストネットワークを設立しましたが、これは、NHKと民放、民間放送事業者の二元体制の下で放送のネットワークを維持するための重要なステップと考えております。この子会社の業務は、当面、中継局を共同利用する事業の開始に向けた事業計画の具体化、仕様検討などの準備作業が中心となります。 委員御質問の追加出資については、こうした子会社が進める準備が整い、民放各社からの出資が正式に決まった段階で、改めて次のステップとして検討を進めたいと考えております。 NHKと民放の多様な情報やコンテンツを全国あまねく安定して視聴者にお届けし続けることが何より大切でありますので、民間放送事業者を始め関係者の皆さんと協調、連携して環境の整備を進めてまいります。
○小沢雅仁君 岩本先生の質問にもあったような内容に通ずるわけでありますけれど、是非とも、もう少し具体的なことが分かりましたら、また機会を設けて説明をしていただければ有り難いと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、BS8K放送の予算削減の理由と今後の方針についてお伺いしたいと思いますが、NHKは平成三十年十二月からBS8K放送を開始し、非常に優れた映像コンテンツを提供しております。このBS8K放送ですが、令和七年度のこの予算では、昨年と比べて四・四億円の減額となっております。これはパーセントで表すと四三%のマイナスであり、非常に大規模な予算の削減が行われているということが分かります。 反面、BS8K放送の受信設備の普及率は約三・一%とされており、8K放送を視聴できる環境にある世帯というのは非常に限定をされています。また、同協会が令和六年四月に公表した調査結果では、現在、衛星放送で8K放送が見られることに対する認知度は二六・九%とされておりまして、その向上も課題と言わざるを得ません。 そこで、NHKにお伺いをいたしますが、まず、BS8K放送に係る予算の削減理由と、そしてBS8K放送について今後どのように取り組んでいかれるのか、その方針をお伺いをしたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 BS8Kの二〇二五年度予算は五・九億円で、前年度より四・四億円減っておりますけれども、これは主にパリ・オリンピック中継の終了によるものでございまして、通常のコンテンツ制作費の規模は前年度とほぼ同規模となっております。 BS8Kにつきましては、引き続き、4K、2Kとの一体制作など効率的な制作手法の徹底や、中継車やスタジオなどの設備投資の抑制を進めることで、合理的なコストで質の高いコンテンツを厳選して制作してまいります。また、放送に加えまして、教育や医療の分野などでの8K技術の活用にも積極的に取り組んで、広く社会に還元していきたいと考えております。 今後のBS8K放送の在り方につきましては、中長期的な普及の状況ですとか、国内、海外の動向も踏まえて検討してまいります。検討に当たりましては、国の4K・8Kロードマップが更新されて、今後の方針が示されることも必要だというふうに考えております。
○小沢雅仁君 分かりました。パリ・オリンピックの分が削減されたということで、まあ率にすれば四三%減ですので、BS8K放送に携わっている職員の皆さんもこれだけ予算が削減されるとちょっと不安になっているんじゃないのかなというところもございまして質問させていただきました。是非、今後のBS8K放送についての方針ですね、しっかりとまたお取組をいただきたいと思っております。 次に、NHKラジオ国際放送における今後の取組についてお伺いしたいと思いますが、令和六年八月十九日、NHKラジオ国際放送の中国語ニュースで、中国籍の外部スタッフが、沖縄県の尖閣諸島の帰属をめぐって、原稿にはない、日本政府の公式見解とは異なる発言を行いました。 同年九月にNHKが公表したラジオ国際放送問題への対応については、当該外部スタッフへの対応について、民事では、当該外部スタッフを被告とする損害賠償請求訴訟を九月九日、東京地方裁判所に提起したとしております。加えて、刑事告発については、事案の経緯や今回の調査結果を踏まえた上で、様々な観点から慎重に検討を進めるとしております。 本資料の公表から約半年が経過しているわけでありますけれど、衆議院における答弁を拝見したところ、当該スタッフの所在は現在分からないとのことです。本事案に係る民事、刑事訴訟の状況も含めて、NHKとして今後どのような対応をしていく方針なのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(安保華子君) お答えいたします。 民事訴訟の対応につきましては、当該の元スタッフを被告とする損害賠償請求訴訟を去年九月、東京地方裁判所に提起いたしましたが、本人が既に日本を出国したことなどから、裁判所において訴状をどのようにして本人に送達するか検討を続けてまいりました。その結果、海外での住所や居所が分からないことや本人とメール等での連絡が取れない状況などを踏まえ、裁判所が訴状を公示送達することになりました。これによって、第一回口頭弁論が六月に開かれる予定でございます。NHKとしましては、今後も司法手続に従って適正に民事訴訟を進めてまいります。 また、刑事告訴につきましては、警視庁に相談した内容なども踏まえ、様々な観点から慎重に検討を進めております。
○小沢雅仁君 中国に出国をして、その後所在不明ということだそうでございますけれど、いずれにしても、刑事訴訟も含めて、是非NHKには毅然とした対応を行っていただけるようにお願いをしておきたいと思います。 次に、AIの安全性と独自AIの開発について伺いたいと思いますが、NHKラジオ国際放送における先ほどの中国籍外部スタッフによる不適切な事案は、原稿を音読する主体が人である以上、再発のおそれが見込まれることから、NHKが示したように、AIによる音声の読み上げを再発防止策として実施していくことについては一定理解をしておりました。 AIであれば必ず安全というわけではありませんけれど、しかし、NHKが令和七年、今年の二月に公表した資料では、NHK国際放送のインターネット配信においてAI自動翻訳機能を用いた多言語字幕を表示するサービスを提供していたところ、今年の二月十日、その中国語字幕において沖縄県の尖閣諸島をめぐる不適切な表示があったことから、同日付けでこのサービスを終了したとしております。このサービスではグーグルのAI翻訳機能を用いたとしており、今後同様の事態の再発を防ぐには、より安全性の高いNHKの独自AIの開発も一つの策として挙げられると思います。 そこで、まず、NHKではAI利用のリスクをどのように認識しているのかお伺いをしたいと思いますし、稲葉会長は二月の定例記者会見でNHK独自のAIシステムの開発について放送技術研究所を中心に開発を急いでいるとしておりますけれど、NHK独自のAI開発に関する現在の状況と今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 AIを活用することで、業務を効率化できるという期待がある一方で、必ずしも適切でない回答を導き出すことやクリエーターの方々の権利を侵害するリスクがあり、取材、制作での利用は慎重に行う必要があると考えております。 NHKでは、ニュースや番組の字幕などのNHK独自のデータを学習させたAIの研究開発並びに検証を進めております。これらを通して、AI技術に関するスキル、ノウハウを蓄積するとともに、AIの導入、活用の可能性について検討を進めてまいります。
○小沢雅仁君 なかなか難しいですね、会長、本当に。そういう字幕に移行したら、今度、字幕の方で適切な表示がされなかったということで、是非、なかなか難しい課題だと思いますけれど、必要な、やっぱり字幕表示というのは重要だと思いますので、是非、今後はNHKとしてどう対処していくのか、また御説明などいただけたら有り難いなと思います。 次に、過去の過労死事案を踏まえた再発防止策についてお伺いをしたいと思います。 平成二十五年七月と令和元年十月にそれぞれ過労死という誠に残念な事案が発生をいたしました。そしてまた、NHKは令和六年十月、長時間労働により労災認定された事案が去年、令和六年三月に発生し、過去三年間で複数の長時間労働による労災認定があった際になされる過労死等防止計画指導を東京労働局から去年の四月に受け、去年の九月に改善計画を提出したことを公表いたしました。度重なる労災認定事案の発生をNHKはやっぱり重く受け止めるべきであり、再発防止に向けて徹底した対策が求められるわけであります。 そこで、働き方改革を進める中、再度労災認定された事案が発生したことに対するNHKの受け止めと今後の働き方改革の方針について、稲葉会長にお伺いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 全く御指摘のとおりでございまして、これまでに長時間労働による労災認定が三件、うち二〇一三年と二〇一九年の二件では職員が亡くなってございます。まさに痛恨の極みということだと思います。 こうしたことを二度と起こさないというのは当然のことなんですけれども、改めて、職員の生命、健康、職場での安全が業務を行う上での大前提であるということを徹底し、様々な取組を進めてまいりたいと、まいっているというところでございます。 NHKの業務は、災害、事件、事故への対応を二十四時間三百六十五日行っておりまして、とかく長時間労働になりがちでございます。しかし、だからといって、そういうことが否めないからといって、職員の使命感のみに委ねるということはあってはならないというふうに思ってございます。より適切な勤務管理を徹底し、働き方改革を進めるということで労働時間の抑制を図ってまいりたいと思っております。毎月、会長以下役員全員が勤務状況について情報を共有しておりまして、必要があればワーニング、警告を発するというようなことも行ってございます。 問題はこういった労働時間抑制だけではございませんで、メンタルヘルスの面も含めて、これまでよりも踏み込んで、職員個々に寄り添った健康確保にしっかり取り組んでいくということが大事だと思ってございます。例えば、通常の健康診断では分からない基礎疾患について、本人の了解の下で申告を促し、健康情報を上司に共有することでリスクの高い働き方を防ぐといったようなことで、個々の事情それぞれをしっかりと踏まえた職員一人一人に寄り添った取組が重要だというふうに考えてございます。 さらに、実情をしっかりと踏まえた上での施策を行っていく必要があると考えてございまして、組合との間でも労使合同委員会というのができてございまして、そこでの議論を基に新たな取組を進めていくという考えでございます。
○小沢雅仁君 時間になりましたので終わりますが、職員の命を守るのは経営の使命でございますので、しっかりと職員の命を守る取組を継続していただけるようにお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(宮崎勝君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(宮崎勝君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、高橋次郎君、馬場成志君及び藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君、臼井正一君及び石田昌宏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宮崎勝君) 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。 本日は、NHK予算案の審議ということで、稲葉会長を始め関係の皆様に伺いたいと思います。 まず、稲葉会長に伺います。 NHKの設立目的は、放送法第十五条で、公共の福祉のため、あまねく日本全国において受信できるように、豊かで、かつ良い放送番組による国内放送を行うとあり、公共放送の担い手として社会的使命を十分に果たしていただきたいと思います。 そうした中、中期経営計画に基づいて徹底的な改革を行うことが求められております。令和七年度の予算では、令和五年十月に値下げされました受信料の影響もあり、事業収支は四百億円の赤字ということで、還元目的積立金を活用し、視聴者への還元を行っている点は評価できます。しかし、予算の執行に当たっては、事業経費の一層の合理化、効率化に取り組むとともに、受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組を着実に進め、受信料収入と事業規模との均衡を早期に確保していくことがとても大事になると思います。 この赤字予算は来年度まで続くとのことでございますけれども、その後の赤字の解消に向けてどのように取り組むお考えなのか、次期経営計画を見据えてどのような見通しが立っているのか、会長にお聞きしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 経営計画で掲げました事業支出削減は、過去に経験のない大変大きなチャレンジだと認識してございます。放送波の削減、あるいは設備投資の大幅な縮減を行うほか、既存業務の大胆な見直しを行いまして、さらに、番組経費や営業経費への切り込み、あるいはまた既存のデジタルコンテンツの見直しなどを計画しているところでございます。一方で、事業収入についても、新たな営業アプローチの推進などによりまして、受信料収入の改善や財務収入の増加などに努めてございます。 目指すのは、次期経営計画が始まる二〇二七年度の収支均衡の実現でございます。そのために、業務全般の大胆な見直しによる支出削減と、それから、業務効率化や生産性向上につながる先行投資を行いながら、改革の成果をその段階で取り込むということをして、着実にステップを踏んで必要な構造改革を進めていくと、そういう所存でございます。
○山本博司君 ありがとうございます。 その上で、受信料の適正かつ公平な負担の徹底に向けた取組という点につきまして伺いたいと思います。 NHKは、令和四年度に契約収納活動の抜本的な構造改革を推進し、人海戦術による巡回訪問営業から訪問によらない営業を主軸とした業務モデルへと転換しました。これにより、受信料の公平負担と経費削減の両立を図ったことで、受信料値下げも実現したと理解をしております。 NHKの受信契約は、少子高齢化や人口減少、またテレビ離れなどの影響で減少傾向が続いておりますけれども、昨秋以降、契約総数の減少幅が緩やかになっているとのことでございます。この要因を、新たな営業アプローチの効果が表れ出したと見ているのか、又は一過性のものにすぎないと見ているのか、どのように捉えているのでしょうか。 いずれにせよ、訪問によらない営業がスタートして三年が経過をしますけれども、取組状況を御報告いただくとともに、受信契約の推進、事業料収入の確保に向けてどのように進めていくのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 訪問によらない新たな営業アプローチについては、デジタル、書面、対面などの施策、さらには企業連携、これらを組み合わせて効果的に進めておりまして、不断に施策の見直しや組替えも実施しております。 二〇二四年度の受信料収入ですが、今のところ計画を七十億円上回る五千八百八十億円を見込んでおります。これは、新たな営業アプローチによって自主的に契約を申し出ていただく形が主体となり、受信料の請求に対する収納率が向上するなどの効果が出てきているものと見ております。 今年十月から放送番組などのインターネット配信が必須業務となるため、テレビをお持ちの方に加えて、ネットのみを利用する方にもNHKの公共的価値を実感していただき、納得して受信料を支払っていただける方を増やしていきたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。 次に、人に優しい放送サービスに、取組に関して伺いたいと思います。 このことは、もう毎年のNHK予算の審議の際に必ず伺っております。共生社会の実現に向けて、高齢者や障害のある人など、誰でも快適に情報を入手できるように、この放送分野における情報アクセシビリティーの確保、これは大変重要でございます。 こうした視聴覚の障害者や高齢者がテレビを視聴する際の利便性を向上させる取組として、字幕放送、解説放送及び手話放送につきましては、総務省が令和五年十月に放送分野における情報アクセシビリティに関する指針の改定を行っておりまして、各放送事業者はこの指針に基づいた施策を進めているところでございます。 そこで、NHKにおける字幕放送、解説放送、手話放送の最近の実績に関して伺いたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKでは、二〇二三年十月に改定されました総務省の放送分野における情報アクセシビリティに関する指針、これを踏まえまして、独自の長期計画を定めて、ユニバーサルサービスの拡充に取り組んでいるところでございます。 字幕放送につきましては、総合テレビでは対象番組の一〇〇%に付与するという目標を二〇二三年度も達成いたしました。できる限り一〇〇%に近づくよう求められているEテレでは九七・二%に字幕を付与いたしました。 解説放送につきましては、総合テレビで二〇二七年度までに対象番組の一五%以上に解説を付与するという目標に対しまして、二〇二三年度は一八・九%に解説を付与いたしました。また、Eテレでは二〇%以上という目標に対し、二二・一%に解説を付与いたしました。 手話放送につきましては、総合テレビで二〇二七年度までの目標が週平均三十分以上付与することとされておりまして、二〇二三年度は三十五分と目標を達成いたしました。Eテレでは週平均五時間以上の目標に対しまして、四時間三十三分となりました。 引き続き、二〇二七年度までの目標達成に向けて計画的に推進してまいります。NHKでは、経営計画におきまして、目指すべきコンテンツの六つの柱の一つとして多様性、多元性の実現を掲げておりまして、今後も引き続き字幕放送、解説放送、手話放送などの強化に努めてまいります。
○山本博司君 ありがとうございます。字幕放送に関しましては一〇〇%に達成しているということで、長年このことに取り組んだ者としても大変うれしく思っている次第でございます。 やっぱり、NHKの取組がこれから、民放にも影響しますし地方局にも影響すると思いますので、更なる他の目標に関しましても推進をお願いをしたいと思います。 次に、デフリンピックに関して伺いたいと思います。 本年十一月には、聴覚障害者の国際スポーツ大会でございます東京二〇二五デフリンピックが開催をされます。我が国では初めて開催されることになり、関係の皆様からは、テレビ中継を実施してデフリンピックの魅力を知ってもらいたいという強い御要望も伺っている次第でございます。 世界中からデフアスリートが集うこのデフリンピックの開催を通じまして、聴覚障害の方々への理解を一層深めて、障害のある人もない人も地域で共に暮らしていくというこの共生社会の実現を目指す姿を放送を通じて是非示していただければと思う次第でございます。是非推進をしていただきたいと思いますけれども、NHKにおけるテレビ中継を行うことの見解を伺います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 デフリンピックの日本での初開催が決まって以降、NHKでは、「ハートネットTV」などのほか、「おはよう日本」、「首都圏ネットワーク」、「ニュースウオッチ9」などのニュース番組や「サンデースポーツ」などのスポーツ番組、また地域向けの放送でも、デフリンピック開催に向けての盛り上がりですとか出場を目指す選手などを取り上げて放送しております。 御質問のあった今後の放送計画の詳細につきましては、多くの視聴者に見ていただけるよう、内容を検討しているところでございます。 いずれにいたしましても、互いを尊重する共生社会を理念とするデフリンピックの意義につきまして、引き続き様々な番組を通して積極的に発信してまいります。
○山本博司君 是非とも何らかの形で積極的な情報発信ができますように、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。 この聴覚障害の方々の支援にも資する施策といたしまして、今国会では、議員立法で手話施策推進法の成立を目指して超党派の議員連盟が推進をしております。私もメンバーの一人として取り組んでいるところでございますけれども、耳の聞こえない人たちにとりまして大切な言語であるこの手話の習得や使用の機会を広げて手話文化を守ることができるように、法案成立に向けて努力してまいりたいと思う次第でございます。委員の皆様におかれましても御理解を賜ればと思っている次第でございます。 NHKにおきましては、長年、コンピューターグラフィックスを用いた手話アニメーションの技術研究を進めていただいております。私も以前、NHK放送技術研究所の研究開発の状況を視察をさせていただきました。この技術が実用化すれば、緊急時に手話通訳者がいない場合でも情報提供が可能となったり、コンピューターグラフィックスのアニメーションであれば疲れることもなく常に一定の品質の手話を情報提供し続けるということは、大変この技術というのは必要性が高いと思います。デフリンピックが開催される意義あるこの機会に、これまで進めてこられました研究成果の早期の実用化が図られるように頑張っていただきたいと思います。 このコンピューターグラフィックスを用いました手話アニメーションの実用化に向けた研究状況、お聞きをしたいと思います。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 NHKでは、手話放送サービスの拡充のため、手話のCGアニメーションを自動生成する技術開発に取り組んでいます。 二〇二三年四月から、インターネットサービスで、気象情報や災害情報などある程度パターン化された情報をお知らせする手話CGの提供を開始しております。現在は、ニュース速報など、パターン化されていない文章を手話に翻訳してCGで伝えるための技術開発に取り組んでいるところです。 今後も、様々な内容の手話CGの制作を支援できるよう、実用化に向けた技術開発に取り組んでまいります。
○山本博司君 ありがとうございます。 最後に、ネット配信に関して稲葉会長に伺います。 昨年五月に改正放送法が成立し、NHKの番組のインターネット配信につきましては、任意業務であるNHKのインターネット活用業務、本年の十月から必須業務化されることになります。今後は、テレビを持たない人もスマートフォンなどで放送番組の視聴が可能になることから、いつでもどこでも何度でも手軽に視聴することがこれまで以上に可能となります。 インターネット上には真偽の疑わしい大量の情報があふれておりまして、そうした中で、正確で公正な情報を発信する公共メディアの役割、より重要になってくると思います。御案内のとおり、本年は我が国のラジオ放送の開始から百年を迎えます。この意義あるときに、公共放送の担い手としての社会的使命を改めて自覚していただきたいと思います。 会長より、この公共メディアの役割に関しましてお聞きしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 御指摘のとおり、インターネット上では真偽の不確かな情報やフェイクニュースが氾濫しておりまして、人々の注目を集めることが最優先されるそういう仕組み、いわゆるアテンションエコノミーに支配されている、情報空間の健全性が損なわれているというふうに感じてございます。こうした中で、情報空間の参照点となる正確で信頼できる情報を提供することがこれまで以上に重要になっているんだろうというふうに考えております。 視聴者・国民の皆様が知りたいと思っていることに真っ正面から向き合いまして、正確で信頼できる情報をインターネットにどんどん提供することで、放送で培ってきた公共的な価値を、放送はもちろんインターネットの世界でも十分に発揮して、健全な民主主義の発達に資するという役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○山本博司君 終わります。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 まず初めに、昨年のこのNHK予算の質疑の場で、NHKアーカイブスの公開番組の拡充と、その学術利用のための利便性向上に向けた取組について質問をさせていただきました。 NHKアーカイブスとは、NHKがこれまでに制作した放送番組などを保存、公開する取組であり、放送文化の発展のために大学などの研究者にも学術的な利用を可能としているところでございます。 昨年の質疑の場では、番組の拡充について、番組公開ライブラリーの利用状況などもよく踏まえながら検討するという御答弁がありました。また、学術利用の利便性向上についても、閲覧範囲や本数、閲覧期間などを現在よりも広げることなどを検討している旨、前向きな御答弁も賜りました。 特に、これまでトライアルとして実施されてきた学術利用については、令和六年度からNHKアーカイブス学術利用としてリニューアルされ、新たなNHKの各部門と連携して研究を進める枠組みも創設されたと承知しております。 そこで、前回質疑の後、NHKアーカイブスにおける公開番組の拡充はどう行われたのか、また、学術利用の枠組みはどのようにリニューアルされ活用されているのか、お聞きします。
○参考人(稲葉延雄君) NHKが保有しております貴重な放送資産を広く視聴者・国民の皆様に還元し、有効に活用することは、公共放送として大切な役割だと強く認識しております。 番組公開ライブラリーは、NHKが過去に放送してきた代表的な番組を無料で視聴いただけるサービスでございまして、一万一千五百六十二本が視聴できる状況にあります。配信設備の老朽化などのため、川口施設以外は二〇二五年三月末で一応終了してございます。 しかし、その一方で、地域放送局等には一万七千本以上の番組を配信しているNHKオンデマンドを無料で御覧いただける広報用視聴端末の設置を新たに進めてございまして、全国四十三か所の放送局、NHK関連施設に設置する予定でございます。 それから、先ほどお話がございました、NHKが保存している番組を大学などの研究者に見てもらい、学術的に利用する方法を検討する学術利用トライアルというのも行ってまいりました。 二〇二四年度から、これまでの積み重ねを踏まえまして、NHKの制作部門等と連携して進める研究などの募集を始めておりまして、今後の成果に期待しているところでございます。
○西田実仁君 今少しお話出ましたNHKオンデマンドにおける赤字解消の後の方針についてお聞きしたいと思います。 NHKがこれまで制作してきた放送番組は、インターネットを通じて有料配信するNHKオンデマンドでも提供されております。このNHKオンデマンドは、利用者の拡充が進んだことから、令和五年度決算において、長年続いた繰越欠損金が解消されました。令和六年度中間決算におきましてもNHKオンデマンドは黒字七億円となっておることから、利用料金の値下げを視野に含め、改めてその在り方を検討すべきではないかと思われます。また、受信契約や受信料支払の有無にかかわらずサービスの利用料が必要となる点は改善の余地があるのではないかとも考えます。 稲葉会長は、会見におきまして、今後の設備投資などもあり、値下げ云々は早過ぎる議論と言われておることは承知しておりますが、では、今後どのような設備投資を行い、どのようなサービスの充実が図られるのか、また、受信契約者に別料金の掛からないNHKプラスとの関係はどのように整理されていくのか、お伺いをいたします。
○参考人(稲葉延雄君) NHKオンデマンドを中心とする有料インターネット活用業務勘定は二〇二三年度に繰越欠損金を解消したばかりでございまして、持続可能で安定的な運営を目指しているという段階だと承知して、思います。 NHKオンデマンドの月額料金なんでございますけれども、これは、市場調査を行い、同業種の価格を参考に民業圧迫とならないように同水準の価格を設定するということになってございますので、その方針の下で価格を決めているということでございます。 NHKオンデマンドのサービスの目的は、国民共有の財産である放送番組を視聴者・国民の皆様に還元するということでございますので、収入はサービスの充実に充てることを基本とするのがよろしいんではないかというふうに考えています。現在、ドキュメンタリーや教養番組など一万七千本以上の番組を配信してございますけれども、より多様なジャンルの番組を配信していくとか、配信システムやユーザーの使い勝手向上のためのインターフェースの改修などのサービス拡充に取り組んでいきたいというふうに思ってございます。 NHKプラスというのは、総合、Eテレの番組を同時配信や一週間の見逃し配信で追加負担なしで見ることができるサービスでございますが、これに対してNHKオンデマンドは、過去のアーカイブを中心に御覧いただけるサービスでございまして、今後も、配信番組の充実を始めとするサービスの拡充に努めて、魅力を高めるという方向で努力をしていきたいと考えてございます。
○西田実仁君 放送センターの建て替え工事についてお伺いをしたいと思います。 この放送センターの建て替え工事については、ドラマ制作の機能を埼玉県の川口施設(仮称)ですが、に集約することとなりました。当初は渋谷と川口にてドラマ制作機能が併存する計画だったと思いますが、なぜ方針を変えたのでしょうか。また、この川口施設にはどのような機能を持たせるお考えでしょうか。地元地域との共存という観点からどういった地域サービスを検討されているのか、また、新センターの制作事務棟の空いたスペースをどのように活用されていくのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 川口施設、現在東棟の建設を進めてございます。二〇二二年に川口施設の当初の計画を変更しまして、西棟を追加で整備し、ドラマ制作機能を集約することとして見直しをいたしました。集約をすることによって制作機能を高めることが可能になるというふうに考えた次第でございます。最高品質のコンテンツ制作拠点として整備する方向で、現在、西棟の計画の更なる見直しを進めてございます。 川口施設は、最新技術を導入してより良い制作機能を整備するほか、職員、スタッフの働きやすい環境づくりも目指すということにしてございます。魅力的で豊かなコンテンツを制作することはもちろん、川口施設を地元の皆様に愛され、NHKへの理解を深めていただく場にしていきたいというふうに考えてございまして、例えば、ドラマ関連のイベントなどを実施できないか検討しているところでございます。 川口施設の見直しと併せまして渋谷の放送センター建て替えについても見直しを進めてございますが、様々な技術革新あるいは業務改革などによってスペースを縮小することも検討しており、まとまり次第公表したいというふうに考えてございます。
○西田実仁君 災害時における情報伝達についてお伺いをいたします。 本年は日本のラジオ放送の開始から百年の節目となります。ラジオは、持ち運びが可能で必要電力も少ないという特徴から、災害の現場における情報伝達手段として大きな効力を発揮しております。実際、昨年一月に発生した令和六年能登半島地震では、停電が続く被災地での情報収集にラジオが重宝されたと認識しております。 一方、NHKは、その音声波を令和八年三月末の再編により一波を削減するとしており、令和七年度予算では、ラジオ放送の全国放送番組費について前年度比一・八億円減少させるとしております。 災害の頻発化、激甚化が進む中、音声波の一波削減が災害時の情報提供に与える影響について、NHKの認識を問いたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 御指摘のとおり、災害時に命と暮らしを守るため、停電しても使用でき、正確、迅速できめ細かい情報を伝えることができるラジオの果たす役割は極めて大きいというふうに考えております。 音声波の再編後も、新しい新NHK・AMでは、全国を広くカバーする特性を生かしまして、ラジオの災害報道の基幹波としてニュースやライフライン情報を放送してまいります。さらに、地域の状況に応じまして、新NHK・FMでも帰宅困難者向けの情報ですとかライフライン情報などを伝えてまいります。 公共放送としまして、視聴者・国民の皆様の安全、安心、そして命と暮らしを守るということは重要な役割だと認識しておりまして、音声波の再編に当たりましては、こうした点にも十分留意しながら丁寧に進めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 最後に、総務省にお聞きしますが、このラジオ電波の感度状況についてお伺いをいたします。 今から二十三年ほど前の平成十四年には、財団法人電波技術協会によります全国放送受信実態調査がなされました。その報告書を見ますと、辛うじて聞こえる程度の弱い信号や、混信や雑音、電波障害などの品位が低い電波も少なくありません。結果、全国で使用できないとの総合格付になっている地域も多い報告書となっておりました。昨今、太陽光発電の設置が進んでおり、その送配電により電波のノイズが入るようになったとの指摘も聞きます。 万一のときにどこにいても適切に情報を手に入れられる状態にするため、全国規模のラジオ電波の感度状況を再調査する考えはないか、お聞きします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 今お尋ねのありました放送受信障害につきましては、総合通信局におきまして受信相談を今受け付けております。令和五年度におきましては、今委員から御指摘のありました太陽光発電設備が原因と見られる相談というのが七件ございました。これらの相談に対しては、ラジオをその障害源と見られる設備から遠ざけたり、あるいはワイドFMという違う周波数帯を使うということなど、良好に受信するための方法について案内をして対処をしてきているところでございます。 一方で、太陽光発電設備による受信障害、これにつきましては、使用している設備あるいは施工方法が受信障害の要因の一つであるということを承知をしております。このため、まさに原因に対する対策としまして、総務省におきまして、実際施工する業者が障害の原因となる電波のノイズが少ない設備を選んでいただく、あるいは電線から電波が漏れないようにカバーを付けていただく、あるいはそのノイズを低減することができるフィルターを挿入してもらうといった取組を施工業者においてしていただくように、太陽光発電の設置等に関連する団体に対して依頼をしているところでございます。 このような原因に対する直接の取組を通じまして、今後ともラジオ受信障害の解消に努めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 総務大臣にお伺いします。 フジテレビ問題について、本日の記者会見で、報告内容を確認した後、必要な対応を速やかに検討したいとおっしゃっておりますが、総務省は放送の自主性に任せて介入しないということは承知しております。しかし、テレビ局側は、一度免許を交付されれば取り消されることはないとたかをくくっているのではないかと思うんですが、大臣、例えば免許の停止といった行政処分を行うということも含めて考えておられますでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(村上誠一郎君) 委員の御質問に答えたいと思います。 御指摘のあの事案につきましては、コマーシャルの差止めが相次ぐ事態は、広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤に影響を与えかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を損ないかねない事態であると、重大な事態と認識しております。 そのために、本年一月のフジテレビ及びフジ・メディア・ホールディングスに対して、第三者委員会において早期に調査を進め、その結果を踏まえて視聴者やスポンサーの信頼が回復できるよう、適切に判断、対応することを要請いたしました。 これを踏まえまして、昨日、両社から総務省に対して、第三者委員会の報告の内容及びそれを受けた同社の対応について報告がございました。現在、報告の内容の確認を行っているところですが、第三者委員会の報告において、人権意識の欠如や内部統制の不備など複数の指摘がなされているものと聞いております。 今回の件は、放送の自主自律を揺るがす重大な問題と考えております。行政処分を行うかという委員のお尋ねでありますが、必要な対応につきましては速やかに検討を行ってまいりたいと、今そのように考えております。 以上であります。
○石井苗子君 ありがとうございます。私もこの業界で長いこと仕事をしてまいりましたけれども、女性問題に端を発したことでございます。何かの緊張感が走らないと今後もこの隠蔽体質というのは大きく変わらないと思いますので、是非よろしくお願い申し上げます。 次に、ショートノーティスで大変申し訳ないんですが、NHKの会長、稲葉会長にもお伺いいたします。 昭和三十年放送の番組「緑なき島」をめぐって軍艦島の元島民の方々に謝罪をされたということでございますが、まだNHKがこれを報道していないということでございます。たとえ自社に都合が悪いことであっても事実をきちんと伝える、これが公共放送の在り方で、こういうことを示していく、これが公共放送に求められることではないかと思いますが、今後、この件については放送されるのかされないのか、お伺いします。
○参考人(稲葉延雄君) 御質問にありましたとおり、NHKではこれはニュースなどで伝えておりません。 ニュースや番組でどのような内容を取り上げるかにつきましては、これは報道機関として編集権に基づいてその都度自主的に判断しているものでございまして、個別の判断、編集判断についてはお答えを控えさせていただきたいというふうに思っております。
○石井苗子君 私からは放送していただくことを強く求めまして、次の質問に移らさせていただきます。ありがとうございました。 今年の十月からインターネットを活用した番組配信などを開始すると、これを必須業務化するとあります。必須業務化を受信料収入の増収にどうつなげていくのか、どの程度の経営改善を見込めるのかを会長にお伺いします。
○参考人(稲葉延雄君) 御質問の十月から必須業務として開始するNHKのインターネット配信につきましては、受信料の支払の対象となります。しかし、既に受信契約を締結されている方は、追加の負担なくサービスを御利用いただけます。 一方で、テレビを持たず、ネット配信のみを利用される方については、新たな受信契約をお願いしていくことになります。ネットのみの契約の受信料収入としては、二〇二五年度は半期で一億円程度、二〇二六年度は通期で、通年で二億円程度と見てございます。 必須業務化は、これまでよりも高い水準のサービスを提供するということをNHKに課したものだと受け止めておりまして、任意業務よりもネットの特性を生かしながら情報やコンテンツを質、量共に充実させていくという考えでございます。放送だけでなく、ネットの世界でも視聴者・国民の皆様の確かな、よりどころとなる情報や豊かな番組、コンテンツを提供するということで、より多くの方にNHKの公共的価値を共感していただき、納得して受信料をお支払いいただけるようになるよう、真摯に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○石井苗子君 公平な受信料の負担につなげていくということなんですが、ちょっと関係資料を読みますと、ただいまのインターネットサービスなんですが、NHKは、テレビ放送と同じ情報や内容、同じ価値を提供して受信料をいただくというふうに書いてあるんですが、単に同じ情報内容と同じ価値では受信料収入の増加につながらないのではないかと思うんですが、この同じ価値とか同じ情報という意味がよく分からないんですが、御説明していただけますか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 改正放送法の趣旨を踏まえまして、NHKでは、必須業務化に当たっての基本的な考え方としまして、放送経由でもインターネット経由でも同等の変わらない同一の価値、同一の受益をもたらすものをインターネットの世界でも提供するということを様々な場で御説明してまいりました。 インターネットは放送と異なりまして、時間や場所などの自由度が高く、必要な時間、一覧可能な形で掲載を続けることができるといったことなど様々な特性がございます。放送番組や番組関連情報の配信は、放送と同一の情報、内容、価値を、こうした特性を生かしてより多くの人に提供することだと認識しております。視聴者・国民の皆様のよりどころとなる確かな情報をインターネットならではの特性を生かした工夫を凝らして提供しまして、情報空間における存在価値を高めていきたいというふうに考えております。 そして、より多くの方にNHKの公共的価値に共感していただき、納得して受信料をお支払いいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○石井苗子君 現状では、テレビの受信契約をしている人は追加負担がないんですね。その見逃し配信というプラスアルファもあるんですが、現状、インターネット必須業務化の対象となっているのは、一週間見逃し配信とか番組関連情報、ニュースをテキスト情報にしたものという三つが業務対象になっているということなんです。つまり、これでインターネットだけを見る人たちにとってテレビのものと同じものも見ることができるのだという話なんですが、ここで一つ質問したいんです。 だぶつきではないんだと、同じものを同じだけインターネットでやっていてということではないんだということなんですが、業界はネットフリックスやアマゾンプライムビデオといった既存のインターネット民間サービスがありまして、この競争の中でNHKがどう選ばれるかということなんですが、どういった取組をお考えなのか、サービスの展開にどんなものがあるのか。例えば、私は、過去に高い評価を受けた番組、Nスペだとか「バタフライエフェクト」など、ほかにもたくさんあると思いますが、それらを知ってもらうということも一つあると思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 NHKとしては、例に挙げられました民間事業者とは求められている役割、またアプローチも異なるというふうに考えております。自然災害の激甚化が進む中で、命と暮らしを守る情報はますます重要になっております。また、フェイクニュースの蔓延など情報空間の課題が深刻化する中で、正確で信頼できる情報への期待が高まっております。 こうした認識の下、情報空間の参照点として、信頼できる基本的な情報を提供することと、信頼できる多元性確保に貢献すること、この二つを基軸としまして、経営計画に掲げましたインターネットの活用もこの方針に基づいて進めてまいりたいと考えております。 一方、委員が御指摘の過去に高い評価を受けた番組につきましては、現在も、例えば「時をかけるテレビ」ですとか「Eテレタイムマシン」などで過去の映像資産を生かした放送を行い、好評をいただいているところでございます。 必須業務化後は、こうした番組も含めまして、様々なジャンルの番組を一覧で示すといったインターネットの特性を生かした方法でNHKの総合的な価値を多くの人に提供してまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 契約アカウントの中の視聴履歴というのが、あなたはこういう番組に興味があるでしょうといって提供していくと、プッシュ型の情報提供になってしまって個人情報に関わるんだということもお伺いしております。 しかしながら、私は被災地でずっと医療支援活動を今もしている人間なんですけれども、NHKの放送の特色というのは、分かりやすい、そして地域の分かりやすい情報を提供しているということがあります。例えば、今後、スマートフォンなどを使って災害情報、これを発信するだけではなくて、例えば避難所の場所を検索できたり、地図上からその地域のニュースが見られるようになるだとか、公共放送ならではの、地域の困り事です、現状困っていることのコンテンツを提供することができれば、公共放送としてのNHKの存在意義に理解を示す人が増えてきて、これが差別化を図ることになるのではないかと私は思うんですが、どうでしょうか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 インターネット必須業務化では、スマートフォン向けの公式アプリなどで命と暮らしを守る正確な情報をお届けしていく予定でございます。 スマートフォンは、位置情報機能ですとか地図、プッシュ通知など、インターネットの特性を活用できるのが特徴です。どこで被害が出ているのか、危険な場所はどこなのか、避難所が開設されているのはどこなのか、こうした情報を災害情報マップとして提供することも計画しております。 放送は俯瞰した情報の伝達を得意としているのに対しまして、インターネットは個々の視聴者にきめ細かい情報を直接届けることができるという特性がございます。災害報道でいえば、インターネットであれば、地域ごとにどんな災害のおそれがあるか、どの地域に避難情報が出ているかなどをきめ細かく伝えることができます。 自然災害の頻発化、激甚化が進む中、緊急報道の重要性はこれまで以上に増しております。放送だけではなく、インターネットでも災害時、緊急時の命綱の役割を確実に果たしていきたいと考えております。
○石井苗子君 現在はなかなか、そういうふうに被害者が困っているのは何かを調べてブラッシュアップしていくということが遅いんではないかと思うんですが。 レスキュー部隊で働いていたときに、事故や災害情報の発信に関して正しい報道というのはNHKがしていると。いろんな放送がありますけれども、NHKを皆さん見ていたというような実感があります。国民からの信用は厚く、これからも公共放送が果たすべき役割としても、最も正しい情報というのは重要だと思われるんですが。 現在、その予算見ていますと、番組制作費が最も高いジャンルですが、これがドラマになっているんですけれども、経営改善のために構造改革で報道番組に掛ける予算が減っているということなんですが、それで質が、正しい情報ということで質が低下してしまっては本末転倒だと私は思うんですが。これからの予算の重点というのは報道に置くべきではないでしょうか。会長、どうお考えでしょうか。
○参考人(稲葉延雄君) 私、何よりも重要だと考えておりますのは、やはり幅広い世代の視聴者の皆様にNHKの公共的価値を実感していただけるように、コンテンツの質、量共に充実させるということだと思っています。コンテンツ戦略の六つの柱を掲げまして、資源配分の基準としながら、選択と集中を進めて番組制作費の圧縮を図りつつ、コンテンツに経営資源を重点配分していると、そういうことでございます。 二〇二五年の予算では、構造改革を進める中でも、ニュース、解説ジャンルの番組制作費につきましては、コンテンツの質、量に影響が生じないように必要な予算は確保してございます。また、報道取材費に関しましては、前年度予算に比べて七・〇%、金額で十五・五億円の増というふうにしてございます。 今年十月からはインターネットサービスが必須業務化となりますが、今後も、命と暮らしを守る報道の深化に取り組むということとともに、正確で信頼できる情報を放送と同様にインターネットにもしっかり提供していくということで、公共放送としての役割を果たしていきたいと考えてございます。
○石井苗子君 現状直面している課題を見ますと、さっき言ったネットフリックスだとかドラマ制作費というのを見ますと、独自のドラマに対する出演料の高さというのはもう比較にならないほど高いんですね。俳優さんに対するペイメントもいいわけなんですが。そうした中でもやっぱりNHKがどうやって差別化を図っていくか。 あるいは、受信料払わなくてもいいんじゃないかなんという政治活動をしている人たちもいるわけなので、そこの中で、やっぱりNHKは持っておいた方がいい、ネットもいい情報を流している、うそはないというようにしていくためには、しかも公共の受信料払ってもいいと、でも、余りこれが高くなっていってしまうと、何だか意味がないんじゃないかという運動がまたすごくなってしまう。 そこで、私は、新技術について、もうちょっと予算を掛けてやっていくべきなんじゃないかと思うんです。 先ほどからもAIの話出ていましたけど、世の中は今、問題解決にAIを活用するという言葉が散乱しているんですが、具体的に何にAIが取り込まれているのかというのがいまだにちょっとよく分からない。NHKは現実的にAIの活用によって合理的な効果を生み出しているもの何があるのか、紹介してください。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 NHKの放送技術研究所では、番組制作を支援する技術やユニバーサルサービスにつながるAIの研究開発を進めております。これまでに、過去の白黒映像をAIでカラー化する技術、音声合成を活用してニュースや気象情報を読み上げる技術などの研究開発をし、実用化してきました。現在も、映像の内容を説明するテキストデータを自動生成するシステムや、ニュースを手話に翻訳してCGアニメーションを作成する技術などの研究開発を進めているところです。 引き続き、研究開発やその検証を通して、AI技術に関するスキル、ノウハウを蓄積するとともに、AI技術の導入、活用についてNHKとして取り組んでまいります。
○石井苗子君 AIの技術者というのは、NHKに特化した部門がないんですね。開発に係っているコンテンツをつくっているところと基本的な研究所のところでその応用をする人たちという人たちがいて、それを、AIをこれからどう使っていくのか。 この間、手話を人気アニメの大きな映像にしてやるのを見させていただいたんですけれども、講演者よりそっちの手話の方を見ている人の方が多かったりなんかしたという現象もあったんですが、あれは手話に対してはすごくいい影響力を持っていると思います。あと、古い白黒を新しいカラーに変えるというようなことでこのAIを使っているという話なんですが。 先ほども音声に関しての質問がありました、アナウンサーのことなんですけれども。音声ということに関しては、まだいろいろな特許やロイヤリティーというのはないんですね。声に対してはないんです。言った文章に対してはあっても、声ということに対してはないんですけれども。 NHKでよく、これから先はAIの音声でお伝えしますというのは既にどこにでもあるんですが、あのようなAIの読み上げというのは、一視聴者として、何の目的でやっているのか、将来的にAIの音声の開発にどのような展開を求めてやっていらっしゃるのか、予算を付けて、それを御説明してください。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 国内ニュースでの日本語でのAI音声読み上げにつきましては、総合テレビの定時ニュースで短いニュースを伝える際ですとか、一部の地域放送局でのラジオの気象情報、それに政見・経歴放送にも使用しております。また、能登半島地震の際には、生活に必要なライフライン情報を長期的そして安定的に届けるため、AIアナウンスを活用しました。 AI音声の活用によって、例えば災害時にアナウンサーが現地での中継や取材といった人間でしか対応できない業務に当たることができ、その結果、視聴者サービスの向上につながるというふうに考えて、利用を進めているところでございます。
○石井苗子君 ニュースをやったことがあるんですけれども、人間が間違わずに読むということはすごく大変なんです、同じ文章であった場合。しかし、機転を利かせてどこにウエートを置いて何回繰り返すかというようなことは、そのときそのときに臨機応変に人間がやるんですが、今、物すごく地域の放送局、アナウンサーがいません。 なので、今おっしゃったように、災害時とかこれから増えていくと思いますが、何回でも正確に繰り返すということ、音量も変わらないということでAIの活用をしていただければ、これからその人員に対する問題も解決していくんではないかと。 こういう新技術についてもう一つお伺いしたいんですが、NHKの8Kの技術についてお伺いします。 私、医療手術現場の8Kのを見たんですけれども、物すごく細かく鮮明に出るので、肉眼よりも間違えてしまいそうなぐらい鮮明に見えてしまう。何に需要を置いて手術するかということなんですが、すばらしい技術なんです。手術よりは、文化財などを、行って見られないものをもう本当に細かく見えるということを承知しております。 このNHKが誇る特有に優れた技術、私はどんどん使ってもらいたいんですが、これで副収入につながるのではないかと思うんですけれども、現在そういう技術は、例えば民間での採用事例がありますでしょうか。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 放送技術研究所は、民間企業の研究所とは異なりまして、放送法に基づいて、放送及びその受信の進歩発展に必要な調査研究を行うための公共放送の研究機関であります。このため、開発した技術については、適正な対価を得て公平に社会に還元します。 8Kにつきましては、その超高精細な特徴を利用して、医療や芸術、文化財への活用のほか、防災や教育などにも活用の場を広げております。引き続き、関連団体とも、この技術が活用できる分野の開拓を進めていきます。 そのほか、地上や衛星デジタル放送における電波の送受信から映像、音声データの表示までに必要な技術、白黒映像をAIでカラー化する技術、音声認識により取材した音声データをテキストに自動変換する技術、表示ディスプレーの映像性能を評価する技術など、民間でも活用されております。 引き続き、研究成果の社会還元に努めてまいります。
○石井苗子君 そうなんです。やっぱりNHKですから、公共放送ですから、私もちょっと民間的な頭があって、これで副収入に、副収入にと言ったら、そういうもんじゃないんだというふうに叱られましたんですけれども、どうしても私はこれで世界を引っ張っていってもらいたいと思う気持ちが、失うわけにいかなくて、例えば8K、2K、4K、8Kなんですけれども、今はデジタルに変えましたよね、アナログから。家庭用のテレビを2K、4K、8Kに変えていっても、先ほど申しましたんじゃないですけど、ドラマの撮影なんかしていて、8Kなんかで見られたら鼻の穴まで全部見えちゃうという感じで、必要ないんだと思うんです。 だけれども、やはりAIや8Kの最新技術を今後どのように展開していくかというのはとても大事だと思うんですが、どのようにお考えか、会長にちょっとお伺いいたします。
○参考人(稲葉延雄君) 御質問のAIについてですけれども、私、NHKはこのAIに関して大変重要なポジション、立場に今いるというふうに思ってございます。 AIは業務の効率化を進める、そういう可能性を持ったものでもありますが、一方で、権利侵害とかあるいは偽情報、誤情報などの問題も指摘されているものでございます。NHKは、放送事業者として、AIを利用し尽くすといいますか、ヘビーユーザーになる立場にあります。一方で、AIに学習させるコンテンツを豊富に持っている権利者でもございます。さらに、放送技術研究所を始めとして、AI開発を行う立場でもございます。そういうことでございますので、開発、利用、権利保護のバランスを持ちながら、今後、AIに取り組んでいきたいというふうに考えております。 また、8Kスーパーハイビジョンでございますけれども、これ、超高精細な特徴によって高い臨場感を得られるシステムでございますが、放送はもちろん、それ以外の分野にも幅広く応用できるものだというふうに考えてございます。 急速に進展するテクノロジーの動向を把握し研究開発に取り組むということは大変重要でございまして、最新のテクノロジーを活用して、制作現場も支援しながら、コンテンツの質、量を確保し、サービスの更なる向上に努めていきたいというふうに思います。また同時に、今後もNHKが開発した技術を広く社会に還元し、メディア業界全体及び放送文化の発展に貢献していきたいというふうに考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 総務大臣、こうしたNHKが公共放送の役割を果たす中でも、獲得した技術を活用して利益を得るということをどのようにお考えか、最後にお聞かせください。
○国務大臣(村上誠一郎君) NHKは、あまねく全日本において豊かで良い放送番組を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務等を行うために放送法に基づき設立された特殊法人であります。そういう意味で、その業務は営利目的で行ってはならないと規定されておりまして、また、その業務のうちに、映像伝送技術等の研究開発については、NHKの公共放送としての役割を踏まえ、その成果をできる限り広く一般に提供することが規定されております。 例えば、先ほどお話がございましたように、NHKはAIにより過去の白黒映像をカラー化する映像技術の開発を行っておりまして、関連する特許による収益を得ながら、社会に還元する取組を進めていると承知しております。 NHKにおきましては、こうした放送法の規定に、踏まえまして、開発した技術の活用により収益を得た場合には、国会で承認されました収支予算案の計画に従い、受信料等の他の収入と合わせて必要な事業支出に充てるなど適切な事業運営に努めていただくとともに、研究開発の成果を広く社会に還元していただければと考えております。 以上であります。
○委員長(宮崎勝君) 時間が来ております。
○石井苗子君 終わります。ありがとうございました。
○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。 ラジオ百年、災害が多発して、ラジオの大切さも本当に改めて感じているところです。 かつて総務委員会で、長年地元の地域の皆さんから要望のあったNHK米沢ラジオ送信所の移転が実現しました。ありがとうございました。NHK米沢ラジオ中継放送所が昨年、元あった米沢市丸の内の上杉神社、上杉鷹山公がまつられている上杉神社の脇から、戦国時代に直江兼続公が整備した直江石堤の近くに移転、昨年九月に新しい送信所からラジオ放送が行われております。景観や歴史、文化を配慮し、市民の声に応えて移転を実現くださったことに改めて感謝を申し上げます。 上杉神社そばにあるこの古い送信所、既に役割を終えたわけですけれども、この場所は戦後、ラジオは大事だということで戦後すぐに米沢市が無償でNHKに貸しているというところで、解体が終わるとこの大事な歴史、文化の場所が米沢市に返ってくるということで、歴史、文化それから観光面でも有用な使い方ができるということで、地元の皆さんの期待、要望が強いところです。 この役割を終えた古い送信施設の建物、解体工事の進捗状況はいかがでしょうか。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 NHK米沢ラジオ中継放送所は、昨年九月に移転場所での放送所整備が完了し、新しい放送所から放送をお届けしています。移転が完了してから古い放送所の設備撤去を進めておりまして、昨年十二月までにラジオの鉄塔の撤去が完了しております。今後、局舎の撤去を進め、二〇二五年度中に用地を返還できる見込みとなっています。
○芳賀道也君 二〇二五年度中に用地返還ということで、解体費用、建築費用も皆様から出していただいたNHKの聴取料ということになるわけですから、受信料ということになるわけですから、できるだけ安くということでやっていただくことも必要だと思います。 ただ、こうした建築費高騰の中で、新しい局舎についても入札不調が一回あり、若干遅れ、まあこれはやむを得ないでしょう。そして、この解体の方も入札が遅れているようですけれども、当初の計画では今年度中に、失礼、昨年度中に解体が終わる予定でしたけれども、NHKの新年度予算では様々なコストカットがされております。 昨年と比べると、NHK全体の建築費、建設費の予算が三百九十八億円カットされているということですが、この米沢ラジオ中継放送所の解体工事の予算は新年度予算に確保されているのでしょうか。あるいは、暫定予算が組まれたということでこの解体の入札等が遅れるようなことはあるのでしょうか。いかがでしょうか。
○参考人(寺田健二君) 米沢ラジオの撤去工事につきましては、本予算の方には予算として計上しております。
○芳賀道也君 暫定予算になっても遅れることがないということですね。 さらに、建築費高騰を考えて、雪のある時期は解体工事を避けて解体工事費用を下げよう、あるいは、人手不足の時期なので、十二月まで完成を長く取って、できるだけ受信料でいただいたお金を、支出を減らそうという様々な工夫をされていることには評価をさせていただきたいと思います。 ただ、米沢市の政策企画課の方に聞いたのですが、米沢市でも、このラジオ中継放送所の跡地整備含めて、令和八年度予算に計上して解体後に整備を進めるということです。是非とも、今お答えにあった令和七年度中の解体工事の確実な実施、再び解体工事入札不調などがありましたらすぐに再入札を行うよう要望して、次の質問です。 御存じのように、NHK予算案では、先ほどの建設費もそうですけれども、コストカットが盛り込まれています。前の年と比べて、国内放送費二億円カット、給与七億円カット、これは働く者の立場だと余り大きくカットされると困るかなというところもあるんですが、退職手当・厚生費七十八億円カットなどです。 確かにコストカットは大事ですが、地域振興のためにも各市の支局や放送局をなくさないでほしいという要望があります。NHKの取材、実際に近くにNHKの局、支局も含めてあって、地域のニュースが流れる、これは、地域が人口減少の中にあって、大事だと思います。 人口減少が進んでいますが、だからこそ放送局や支局の取材体制は維持していただきたいと考えますが、NHKの御見解いかがでしょうか。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。 全国にある五十四の放送局のネットワークを生かしまして、地域の課題、魅力、そうしたものを、地元だけでなく全国や世界に発信し、地域の活性化、そして課題解決に貢献するということは、公共放送NHKの重要な役割だというふうに考えております。 経営計画でも、厳しい財政状況の中でも、価値の源泉である取材、制作の基盤的資源への投資や、地域放送局は災害対応と地域取材を基軸に一律化することなくそれぞれの地域に合った形態で多様なサービスを展開していくという方針を示しておりまして、この点につきましてはいささかも揺るぎなく堅持していく所存でございます。
○芳賀道也君 かつて山形県でも鶴岡にNHKがあってということですが、跡地が売却されて、今マンションが完成しているなんていうのを見ると、ちょっとふるさとの我々としては寂しくなる部分もありますので、これ以上の必要な放送局、支局がなくなるようなことのないように要望をいたします。 さらに、建築費用をできるだけ抑えるというのは必要でしょうけれども、その一方で、NHKの放送局というのは災害時の命を守るとりでにもなりますので、この建築費、随分削減はされていますけれども、耐震性を守る、耐震性をクリアするというようなところでは必要な経費は確保されているのか、これも一つ教えていただけますか。
○参考人(寺田健二君) お答えします。 東日本震災を受けて、全国の放送局の耐震検査をしまして、しっかりそこで対策は練っています。新たに建てる会館に対しても、しっかり耐震性能を強化します。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 次に、おととし、二〇二三年十月からNHKは、保護者から扶養されて、保護者と別の場所で暮らす学生の受信料を免除することを始めました。この免除には、改めて、要望しましたので、御礼もお伝えしたいと思います。 ほかのネットの世界などでは、このときも指摘したんですが、一つ契約するとファイブアクセスまで無料、同じ値段ということが大いにあるということで、こうしたことも指摘をさせていただきましたけれども、今、NHKもネットも始めるということで、これもファイブアクセス可能だというふうに聞いております。ただ、NHKの本放送の契約でも、カーナビなども持っている方もいらっしゃいますし、それを一つ一つ、一つの契約でというのは個人の負担も多くなってちょっと無理があるのではないかという感じもいたします。 NHKの本契約も一契約でファイブアクセス、そうしたことが可能なように検討を進めていただきたいと思いますが、NHKの御見解はいかがでしょうか。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 委員御指摘のように、一つの家庭で複数の契約が必要となる方への負担軽減は重要な視点だと考えております。 NHKでは、二〇二三年十月より学生を対象とする免除を拡大し、これにより独り暮らしをされているほとんどの学生の方が免除の対象となりました。また、単身赴任先や別荘などに設置したテレビの受信料が半額となる家族割引なども実施しております。また、先ほど委員御指摘されたカーナビ、自家用車のカーナビについても、世帯でテレビをお持ちで契約をいただいている方には負担の対象外というふうになっております。 こうした免除や割引の拡大については、受信契約者間の負担の公平性や免除制度の趣旨に鑑みて、慎重に検討する必要があると考えております。
○芳賀道也君 こうした質問をなぜしたかといいますと、今民放も含めて、地上波、受像機を持っている人は本当に減っているという状況がありまして、かつては民放とNHKはライバル同士だった時代もあったようですけれども、今は地上波を守るために協力しているという側面が大きいと思います。 やはり民放業界にとっても、NHKの受信料がある程度高いとテレビ離れを加速するというところもありますので、そうしたファイブアクセスであるとか、ネットとの競争になってきていますし、NHKもネットの方にも進んでいくということですから、これ同じ競争だと同じ土俵に立たなければいけないということもあるので、こうしたことも検討を更に進めていただきたいと思います。 次に、報道によりますと、NHKは、システム開発の中止をめぐって、今年、二〇二五年二月三日、日本IBMを相手に民事訴訟を起こしました。システム開発の業務委託契約の解除に伴い、支払済みの代金の返還と損害賠償を求めたものです。請求額は五十四億六千九百九十二万七千二百三十一円。ちなみに、NHKの営業基幹システムとは、受信契約者の契約情報の管理や受信料の請求処理など、NHKの受信料関係業務全般を支えるものです。これまで、システム開発をめぐって発注元の企業、官公庁とこれを受注したシステムインテグレーターの間で裁判になる例は何度もありました。 NHKにお尋ねします。 これまでNHKの営業基幹システムの開発や維持管理を行ってきたのは国内大手システムインテグレーターです。一般的に、新たにシステムを組み直したり修正したりする場合には、これまでの勝手を知っている会社に任せる例が多いようです。けれども、NHKがこれまで関わっていた国内大手システムインテグレーターに営業基幹システムの開発を任せなかった理由は何なのでしょうか。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 受信料関係業務で利用している営業基幹システムの刷新を検討する中、現行のシステムベンダー以外でも新たな基幹システムを構築することが可能と判断し、随意契約ではなく一般競争入札により事業者を決定することとしました。そして、一般競争入札の結果、技術面やコスト面を考慮し、二〇二二年十二月に日本IBM社と新しいシステムを開発する契約を締結したものでございます。
○芳賀道也君 今五十四億というのは大きな金額で、これも受信料で集めた中からということですから、非常に大きいとは思うんですが。 日本IBMは、その技術力は高くて、大手システムインテグレーターの一つとして大きな企業などの大型のシステム開発を請け負う例も多いと聞いています。ただ一方、報道によれば、国内系のシステムインテグレーターなら発注側の仕様書に不十分なところがあったとしても柔軟に対応して新たなシステム開発を進める例も多いというIT専門家の見方があるようですが、日本IBMのような外資系のシステムインテグレーターの場合、仕様書にない改修が明らかになると、ドライに請求金額を上げ、改修期間も長く取ろうとする傾向にあるということです。 日本IBMは、事実、システム開発をめぐって、文化シヤッターや野村ホールディングス、野村証券と訴訟になっています。こうしたことも、入札だけではなくて、その決めるときに配慮の中に入れるべきだったのではないでしょうか。いかがでしょうか。
○参考人(小池英夫君) 先ほども申し上げましたが、一般競争入札の結果、技術面やコスト面を考慮してIBM社と新しいシステムを開発する契約を締結したものでございます。現在、訴訟を起こしまして、これから裁判に入っていきますので、その過程の中で具体的なことは申し述べていきたいと考えております。
○芳賀道也君 日本IBMは、NHKが訴訟を起こしたことに対して、ホームページでこのように述べています。 現行システムの解析を進める中で、提案時に言わばNHKから取得した要求仕様書では把握できない、長年の利用の中で複雑に作り込まれた構造となっていることが判明したため、当社はNHKに対し、解析の進捗状況、課題及びそれに対する対応策を随時報告し、共にその対応を検討してまいりました。こうした中で当社は、同システムを利用する業務の重要性も鑑みて、NHK指定の移行方針による二〇二七年三月までの安全かつ確実なシステム移行にはリスクを伴うことを伝えてまいりました。そして、二〇二四年五月に、従来の納期の下で品質を確保した履行は困難であることを報告し、取り得る選択肢とそれぞれの利点及びリスク等を提示いたしました。NHKは、これを踏まえて契約を解除することを決定されました。 この日本IBMの指摘が事実かどうかも私には分かりませんが、仮に正しい場合、NHK組織内部のことで気になることがあります。一般的に、発注者側の企業や官公庁のIT部門がその組織の中で弱い場合、システム開発の際に問題が起こりやすいと言われています。 本来であれば、初期の検討や要件定義の段階で発注者側が社内の関係部門を調整して洗い出し、新システムで実装すべき仕様と不要な仕様を選別したり、現場の業務オペレーションが変更になる旨を説明して合意形成を行うべきなのですが、発注者、システム部門、IT部門がそれぞれ十分できておらず、いざ開発が始まると火を噴き始めるというのは非常によくあるパターンだと報じられております。 NHKでは、確かに最新テクノロジーの活用など業務改革を進めると事業計画に書かれていますが、NHK内部のIT部局の立場が低くて発言力が弱く、システム開発に主導権が取れないという問題があったのではないでしょうか。NHKの御見解を伺います。
○参考人(稲葉延雄君) 今回の問題で何か問題があったかということについて、私はそういうことではなかっただろうというふうに思っております。 ただ、NHKは業務を行う際、大量のシステムに依存してやってございます。言ってみれば、NHKはシステムのヘビーユーザーでございます。私の見るところ、そうであればこそ、その組織や部門を超えて、全体を俯瞰した立場でデジタル技術を活用した業務改革とかデジタル化の推進などに取り組むということが大変大事になってくるんだろうというふうに思っています。 このため、情報システム統括担当理事、CIOでございますが、最高情報責任者と訳されますが、を指名いたしまして、NHKの情報システムの最適化、あるいは最新テクノロジーやシステムツールの利活用による業務の効率化、さらには人材育成を含め、ITガバナンスの強化に取り組んでございます。 引き続き、二〇二五年度の事業計画にあるとおり、経営が責任を持って適切な資源管理と最新テクノロジー活用などの業務改革を進めていきたいと考えております。
○芳賀道也君 関連で伺いたいんですが、訴訟が起きているこのシステム、現状での管理契約は二〇二七年までと報じられていますが、訴訟になっており、日本IBM以外のシステムインテグレーターにシステムの更新や開発を別途進める動きはあるのでしょうか。
○参考人(小池英夫君) お答えいたします。 IBM社との契約が解除された形になりましたので、現在のところ、現行のベンダーと更新の契約を結ぶべく、今調整をしているところでございます。
○芳賀道也君 システムのこうした更新というのは時間の掛かる作業ですし、二〇二七年というのはもうすぐにやってきてしまいますので、こうしたこともしっかりと進めていただき、こういうことになった原因はどこにあるのかということもしっかりと進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。 放送をめぐっては、インターネットの進歩、その一方で、フェイクニュースの氾濫、また現場でのハラスメントや性暴力の発生などなど、健全な民主主義や公共福祉に寄与する公共放送としての役割が今大きく問われていると思います。 まず、ラジオの再編について。 本年、二〇二五年三月二十二日に、日本のラジオ放送の開始から百年を迎えました。大正十四年三月二十二日にNHKの前身の一つである社団法人東京放送局がラジオ放送を開始したのが日本の放送の始まりでした。このきっかけとなったのが、その一年半前に発生した関東大震災だったと言われています。 先日、NHKで放送された放送百年の特集番組を見ました。東日本大震災当日の夜、避難所でNHKラジオ第一から、避難所の寒い夜だと思います、今夜は助け合いの夜です、皆さん見ず知らずの方でも同じ思いをされた方々で、今日からは隣人です、助け合って真っ暗な一夜を過ごしましょうというNHK仙台放送局のアナウンサーの声が流れ、避難している方々をいかに勇気付け、励ましたかを回顧していました。非常時には、まさにラジオは命綱となります。 稲葉NHK会長にお聞きします。 NHKはAM一波を二〇二五年度中に削減するとしていますが、なぜ、災害時の情報源として視聴者から頼りにされ、命綱となっているラジオ波を減らすのですか。
○参考人(稲葉延雄君) 委員の御指摘は誠にそのとおりだというふうに思っております。災害時に命と暮らしを守るために、停電しても使える、正確、迅速できめ細かい情報を伝えることができるというラジオの果たす役割は極めて大きいというふうに考えております。二〇二四年一月の能登半島地震でも、被災地では、インフラが寸断され、地上波の放送が見られない状況が発生した際、被災された方々はラジオからの情報を頼りにしていたというふうにも認識してございます。 音声波につきましては、二〇二六年三月末に現在の三波を二波に再編いたしますが、再編後も、新NHK・AMでは、全国を広くカバーする特性を生かして、ラジオの災害報道の基幹波としてニュースあるいはライフライン情報を放送してまいります。さらに、地域の状況に応じまして、新NHK・FMでも帰宅困難者向け情報あるいはライフライン情報などを伝えてまいります。 公共放送として視聴者・国民の皆様の安全、安心、命と暮らしを守るということは非常に重要な役割だと認識しておりまして、音声波の再編に当たっては、この点を十分留意しながら丁寧に進めてまいりたいというふうに思っております。
○伊藤岳君 NHKは予算の説明で年間八億円程度の経費削減を見込んでいると言われましたが、私は、経費削減と言いますが、災害時の命綱となるラジオの削減はやめるべきだと指摘をしておきたいと思います。 次に、芸能実演家や演出家や舞台照明などのスタッフの労働安全衛生確保対策について。 フリーランスの俳優さんは、現場で監督や演出家から指示を受けて働いても、けがや病気になったら公的に補償されることはほとんどありませんでした。放送現場にいるスタッフの雇用形態も、放送局の職員や制作会社に雇われている人や作品ごとに契約するフリーランススタッフなど様々です。 例えば、時代劇のエキストラ出演時に落馬して骨折をしたけれども、見舞金三十万円で勘弁してくれと済まされた例があると日本芸能従事者協会から伺いました。俳優や声優らでつくる協同組合、西田敏行さんらが理事長を務められた日本俳優連合、日俳連は、芸能従事者の労災保険加入を一貫して求め続けてきました。 厚生労働省に伺います。 二〇二一年四月一日から、特別作業従事者として、俳優やダンサーなどフリーランスの芸能実演家や演出家や舞台照明などのスタッフなどが、労働者災害補償保険、つまり労災への特別加入が可能となりました。この経過を示してください。
○政府参考人(田中仁志君) お答えいたします。 労災保険法におきましては、労働者が基本的に適用対象になるということでございますけれども、先ほど議員からも御指摘がありましたように、特別加入制度という制度がございます。これは、その業務の実情でありますとかあるいは災害の発生状況などから見て、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる場合に任意で加入することができると、こういう制度でございます。 この特別加入制度の対象の範囲につきましては法令で定めているところでございますが、令和元年十二月の厚生労働省の労働政策審議会の建議におきまして、特別加入の対象範囲や運用方法等について適切かつ現代に合った制度運用となるよう見直しを行う必要があるとされたとともに、その後、半年ほどたってですけれども、令和二年の七月に決定されました成長戦略実行計画におきましても、フリーランスとして働く人の保護のため、労災保険の更なる活用を図るための特別加入制度の対象拡大等について検討するということとされたところでございます。これを受けまして、厚生労働省におきまして国民に対する意見募集でありますとか、あるいは審議会におきまして関係団体からのヒアリングを行ったところでございます。 その結果、順次対象範囲を拡大したところでございますけれども、芸能作業従事者の方々につきましても、令和三年四月一日から特別加入の範囲として省令改正をして指定したと、こういう経過でございます。 以上でございます。
○伊藤岳君 今説明あったとおり、長年の芸術、芸能従事者の要望と運動が実って労災対象の拡大となったということだったと思います。 厚労省にもう一問聞きます。 二〇二四年に、芸術、芸能分野が過労死等防止対策大綱改定における八つの調査研究の重点業種等に追加されました。この経過、できるだけ簡潔に説明してください。
○政府参考人(尾田進君) お答えいたします。 過労死等の防止のための対策に関する大綱におきましては、過労死等が多く発生している又は長時間労働の実態があると指摘がある職種、業種を重点業種等と定めまして、それらの分野を中心に過労死等の実態の調査分析を行うこととしております。 この大綱は、過労死された方の御遺族の代表、専門家、労使の代表から構成されます過労死等防止対策推進協議会の御意見をお聞きした上で三年ごとに見直しを行っておりますが、御指摘の芸術、芸能分野につきましては、令和三年五月の協議会で労働実態の分析対象とすべきとの御意見、また、令和五年十一月、令和六年十一月の協議会でもさらに重点業種等に追加すべきとの御意見、こういったものをいただいたことなどを踏まえまして、令和六年八月に閣議決定されました新たな大綱におきまして、芸術、芸能分野を過労死等の実態の分析の対象となります重点業種等に追加したところでございます。
○伊藤岳君 過労死等防止白書が公表されております。見させていただきました。 この白書でアンケート調査分析結果が出ていますが、例えば、一週間当たりの拘束時間六十時間以上、これ相当な時間ですが、一週間当たりの拘束時間六十時間以上と回答した芸能分野の技術スタッフが四六・二%、最も高いです。次いで、舞台監督、制作関係、演出関係者が四〇・七%となっています。つまり、放送現場は労働安全衛生確保対策がいまだ十分ではない実態があるということを示しているんだと思います。 稲葉会長にお聞きします。 この過労死防止対策大綱の改定などを受けて、NHKの労働安全衛生確保対策についてはどのように対応してこられましたか。説明してください。
○参考人(稲葉延雄君) NHKでは、放送ガイドラインで、出演者あるいは取材協力者、さらに取材、制作担当者の安全の確保に十分配慮することとしてございます。 例えば、朝ドラと大河ドラマについて言いますと、現場に過度な負担が掛からないように、週に一度、制作の責任者が集まって収録開始時間や収録終了時間のデータを検証するなどの取組を行っておりまして、現にスタジオ収録は原則二十一時終了を目指しております。 こんなことで、各制作現場で、出演者、スタッフの負担にならないようスケジュール管理を配慮しているという状況でございます。
○伊藤岳君 各現場に安全管理者を置いているという話もレクでお聞きしました。この安全管理者が、放送現場の全ての人を事故から守るという役割を担っているということだと思います。 今、稲葉会長も言われましたけれども、平成二十九年、二〇一七年のNHKグループ働き方改革宣言において、放送現場の取組として、本体制作の番組のスタジオ収録は原則二十二時終了を目指す、大河ドラマ、連続テレビ小説は原則二十一時終了を目指すと書かれております。先ほど会長も触れられました。 実際、この二十一時、二十二時の終了という、このことが現状今どうなっているのか、長時間労働に頼らない組織風土づくりは今どこまで来ているのか、説明してください。
○参考人(稲葉延雄君) スタジオ収録は原則二十二時終了、それから大河ドラマ、朝ドラは原則二十一時終了、これを目指すということとした働き方改革宣言をしておりまして、その内容に沿って業務は行われているわけでございますが、ただ、当日の業務開始時間が午後になった場合とか、あるいは予期せぬトラブルが発生した場合などは、終了時刻がそれぞれ目安とした時間を超えるという日も実はございます。連日収録を行うドラマなどでは、前日の撮影終了が遅くなった、そういう場合には、出演者、スタッフが休息を取れるよう翌日の開始時間を遅らせるなど、インターバルを確保するというようなことを気を付けてやってきてございます。 いずれにしても、過重労働とならないよう労働時間を適切に管理しておく、その考え方も最も大事だと思います。長時間労働の改善に引き続き努めていきたいと思っております。
○伊藤岳君 会長も今日の審議の中で、放送の現場、報道の現場というのは二十四時間なんだと、対象はですね、報道や放送の対象は二十四時間やっているんだと。しかし、だからこそ、やっぱりこのNHKの現場で働く職員、アルバイトも含めて、全ての人が安心、安全に働ける環境整備を会長を先頭に実現をしていくということを、しっかり目配り、実行していくことは大事だと思うんです。 NHK職員の働き方についてお聞きします。 過労死等防止対策大綱は、二〇一三年七月にNHKで過労死として公表された佐戸未和さん、当時三十一歳の記者の事件もきっかけとなり策定されたものだと承知をしております。その佐戸未和さんと同じ職場で、二〇一九年にも、都庁キャップとして東京オリンピックなどの取材をしていた四十代男性管理職が亡くなられました。長時間労働による過労死と見られ、二〇二二年には渋谷労基署が労災認定をしています。 当委員会、参議院の総務委員会では、これまで五年連続で、NHKに対し、過労死の再発防止などを求める附帯決議を採択してきています。ところが、NHKは、二〇二四年三月にも別の職員が長時間労働による労災認定を受けて、四月には東京労働局からの行政指導がありました。 稲葉会長にお聞きします。 この二〇二四年の四月の行政指導を受けて、NHKは、危険レベルや危険警戒レベルの連続発生となる勤務を一年間で三〇%削減することを目標としている、一年間で三〇%削減することを目標としているとしています。これ、具体的にはどういうことを意味するんでしょうか。これで過労死を二度と生まない職場となるとお考えなんでしょうか。どうですか。
○参考人(稲葉延雄君) 昨年九月にまとめました改善計画では、単なる労働時間の削減ということではなくて、一人一人に目を向けた勤務管理体制や健康の確保を着実に行うということに重点を置いてございます。 改善計画といたしましては、不規則、長時間労働削減に向けた数値目標の策定、健康確保に向けた産業医、上司との連携強化、有給休暇の取得促進、基本ルールの周知徹底などを基本としております。NHKでは危険レベルとしている勤務は一年間三〇%削減、こうしておりますが、それで終わるようなものではなくて、三年間掛けてなくすことを目標としてございます。 NHKの業務は、実は災害、事件、あるいは事故などの対応を二十四時間三百六十五日行っておりまして、長時間労働になりがちだということは否めないんですけれども、職員の使命感に委ねてはならず、勤務実態の把握、体制やフローの点検などの改善を行いながら、段階的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○伊藤岳君 危険警戒レベルの連続発生というような勤務は直ちに根絶するべきだと思います。 最後に、ハラスメント対策についてお聞きをしたいと思います。 二〇二四年十二月二十六日、公正取引委員会は、放送番組等の分野の実態調査報告書を公表しました。実演家個人、芸能事務所、放送事業者の三者の関係性の中で弱い立場に置かれる構造にはまり込んでしまったときにハラスメントが生じると、逆らい難い構造があるとこの報告書で指摘しています。昨日、フジの第三者委員会の報告書も出されましたが、そこでもメディア、エンターテインメント業界のハラスメントは構造的な問題だと言及をしています。 稲葉会長は二〇二五年一月の定例会見で、フジテレビの性加害問題に関連した記者の質問に対し、報道されているような事案に関しての通報や相談はこれまで一切ないとお話をされていました。しかし、稲葉会長、先ほどの公取委の逆らい難い構造という、このメディアの特徴である逆らい難い構造という指摘は大変重要じゃないかと思うんですよ。 日常的に、職員のみならず、関連団体職員、番組協力会社、派遣、アルバイトスタッフも対象にして、ハラスメントの調査が欠かせないんじゃないでしょうか。声を聞くことが欠かせないんじゃないでしょうか。会長の認識を伺いたい。
○参考人(稲葉延雄君) まずもって、NHKの出演者に対する人権尊重のガイドライン等に基づきまして、NHK及び関連団体の全ての役職員は、出演者の人権、人格を尊重し、安心、安全な制作現場の確保に努めているということをまずしっかり確保するということがまずは大事だというふうに思っております。また、NHKでは、ハラスメント防止規程を定めるとともに、ハラスメントを許さない、NHKで働く全ての人を守る、被害があれば毅然と対応する、この三つの原則にのっとって対応してございます。 大事なことは、被害を受けた方が相談窓口に来て実情を話してくれるかどうかということだと思います。そのためには、こういった制度があるということを周知するとともに、そもそも相談したことで不利益な取扱いを受けないと、あるいはプライバシーを守って公正に対応することをはっきり明らかにする、こういうことが大事だと思います。相談を受けた場合には、相談者の意向を確認して適切に対応する、そういう原則で臨んでいきたいと思っております。
○委員長(宮崎勝君) 時間が来ております。
○伊藤岳君 フジの調査報告書を見ても、なかなか相談、口に出して言えないという現状がありますよね。 公共放送としてNHKがハラスメントを一掃するという先進的な役割を担うべきだと訴えて、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(宮崎勝君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高木かおり君が委員を辞任され、その補欠として松野明美君が選任されました。 ─────────────
○齊藤健一郎君 NHKから国民を守る党、齊藤健一郎です。 まず、質問の前に申し述べたいことが一つあります。 今回、NHK、暫定予算という形になりました。こちら、先ほど吉川委員より発言がありましたが、その暫定予算に至った経緯としては、与野党間で合意して審議すれば暫定になる必要がなかったのかなというふうに私自身は思っております。 最後まで、NHKの方も、そして総務省も与党も、予算を通すために必死に頑張られたというふうに思っております。最後までぎりぎりに、野党の方にも頭を下げてやられていたように感じるんですけれども、それにもかかわらず拒否し続けた、これは一体どこなのかなと。結局暫定予算になってしまったのはどこのせいなのかなというふうなことをちょっと疑問に思っております。その行為自体が国民の皆様にとって利益になることなのかということは、かなり私自身、懐疑的に思っております。 そして、このNHK、放送から百年というその節目を迎えた中で、この暫定予算を組まざるを得なかったということは非常にじくじたる思いがあるんじゃないかなと。これに関しては、僕はNHKに責任はないかなというふうに思っております。やはり、ちゃんと年度内で予算を達成すると、予算を組むということが例年どおりきっちりできなければ非常に問題だと思っておりますが、今回の件に関しては、NHKを追及するところではなく、もっと別のところに責任の所在があって、そこも、こんなことでもめるぐらいなら、野党を束ねて本気で政権を取りにいく、そのような形でやってほしいなと僕自身思っております。 そのためなら、これ、私自身、協力を惜しみませんので、是非ともそのようなもめ方、やり方、考えていただきたいなというふうに私自身思っておりますというところで申し述べて、質問に移ります。 まず、石井苗子委員の方からも質問がありましたフジテレビの件についてお話をさせていただきます。 回答が、総務大臣の方からも回答がありました。その中で重大な問題というような言葉で発していただきましたけれども、現在あのような、昨日のフジテレビのこの第三者委員会、非常にすばらしい報告がありました。第三者らしい、コーポレートガバナンスについてもしっかり言及し、調査もした結果、すばらしい報告書にはなったんですけれども、やはり、それに至ってしまったというところは、今の現状の認定放送の持ち株会社、この制度自体にも問題があるんじゃないかなというふうに思っております。その責任の一端というものは総務省にもあるのではないかなというふうに思っております。 そういうところから考えても、非常に、昨日のネットを見ていても、電波オークションを求めるような声が非常に多かったです。そのような対策など、可能性を探ることというのは今後やっていかなければならないんではないかなというふうに思っているんですけれども、その辺り、ちょっと、総務大臣、いかが思われるのか。ちょっとこちら質問通告出していないんですけれども、感じるところありましたら、大臣の方から一言いただければなと思います。
○国務大臣(村上誠一郎君) まず、報告書が三百ページに及びまして、まだまだ詳細に分析ができておりません。それで、何が事実で何がファクトなのかがまだ認定ができていない状況において、軽々に発言することは控えたいと思います。 ただ、私自身が心配していますのは、放送法というのはメディアが放送する内容について表現の自由を担保するためのものなんですが、今回の事案はその以前の問題だと思うんですね。要するに、企業としての倫理観があるのか、企業としてのそういう、自主自律のですね、そういう自己規律があるのか、そういう問題が問われているということは非常にゆゆしき問題だと、そういうふうに感じております。
○齊藤健一郎君 ありがとうございます。 総務省としても今後しっかりこちらの問題に取り組んでいただきたいなと思うのと同時に、これ、会長、NHK会長の方、稲葉会長にもこのことについて言及、ちょっと何かいただきたいんですけれども。民放と公共放送は違う、体制も全く違うかもしれません。しかし、民放連とともにBPOをNHKと一緒につくったり、やっぱりテレビメディアとして切っては切り離せないところがあると思いますので、会長の方から何かありましたら一言いただきたいなと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 大臣もおっしゃっておりましたが、このフジテレビ問題に関する報告書、四百ページにわたるもので、必ずしも全てに目を通し終えてはいないんですけれども、報道は承知してございます。 それで、NHKとしての受け止めでございますが、NHKの業務に携わる全ての人の人権が尊重され、多様な価値観を認め合うということをNHKとしては目指して取り組んでまいりました。引き続きそういう状況にあるというふうに認識しております。 激変する社会情勢あるいはメディアの環境の中で、実は一年間検討を重ねまして、NHKの使命と目的を達成するため、役職員の基本理念を定めたNHK倫理・行動憲章と行動すべき具体的内容を示した行動指針を十七年ぶりに改定いたしまして、本日、NHKホームページで公開してございます。 今回の改定は、公共放送に求められる役割、視聴者本位の業務遂行について改めて示すとともに、人権、人格の尊重、差別やハラスメントは決して許さないと改めて強く宣言してございます。 今後とも、人権の侵害には、断じて目をそらさず、毅然として対応してまいる、そういう所存でございます。
○齊藤健一郎君 ありがとうございます。ちょっと、求めていた答弁とはちょっと違うかなというふうなところはあるんですけれども。 やはり、フジテレビの問題であれ、NHKのこの我々が追及している問題であれ、やはり、国民の方々からやはり電波を預かっているというところ、もうここが非常に重要な問題であります。前回のフジテレビの会見を見ても今回の会見を見ても、もうフジテレビに全くもって、公共の電波を国民から預かっている、そういった放送会社なんだということの認識がもう本当著しく欠けているんじゃないかなという、やっぱりそういうところが非常に問題だと思いますので、同じテレビメディアとして、同じ問題意識を持って、接点もあるでしょうし、その辺の問題意識を共有していただけたらなというふうに思っております。 そして、こちらの方も、石井苗子委員の方からもお話がありましたNHK番組「緑なき島」、こちらについて会長の方が謝罪されたというところなんですけれども、こちらについては、私の方はもう少し深掘りをしてお話をさせていただきたいなと思っております。 この中で、非常に重要な発言趣旨がありました。少しちょっと長くなりますが、この真実の歴史を追求する端島島民の会という方々がどんな思いを持って今日まで至ったかというようなことの発言趣旨というものが出されました。ここが非常に重要なものなので、ちょっと長くなりますが、ちょっと読ませていただきたいなというふうに思っております。 真実の歴史を追求する端島島民の会の幹事長の中村陽一と申します。端島島民の会を代表して思いを伝えたいと思います。 本日のNHKの謝罪会見には、元島民の会から八人が参加しております。我々と一緒に頑張ってきた仲間の多くも、この日を見ることもなく、途中で天国に召されてしまいました。本日は、中心で頑張ってきた加地会長は遺影での参加となります。きっと天国から見守ってくれているでしょう。 今回、NHKの稲葉会長から我々への謝罪の言葉をいただくことになりました。我々は真摯に受け止めたいと思います。 我々に対して長きにわたり交渉の後押しを強力にしていただいた自由民主党の日本の尊厳と国益を護る会代表の青山繁晴議員先生を始め、衛藤晟一先生、山田宏先生、和田政宗先生やたくさんの国会議員の先生、また、櫻井よしこ先生やジャーナリストの皆様、産経新聞社を始めマスコミの皆様に心より御礼を申し上げます。また、多くの国民の皆様にも応援をしていただきました。本当にありがとうございました。 思えば、明治日本の産業革命遺産の世界遺産登録から十年がたちます。端島も構成資産の一つとして世界遺産に登録されました。しかしながら、地獄島というような不名誉な汚名もいただきました。端島は私たちのふるさとです。島で一島一家で一緒に頑張ってきた家族同様の島民たちが、ある日、加害者のように扱われたのです。 私たち島民は、韓国のメディアで端島炭坑が生きて帰られない地獄島とか強制労働の島、虐待の島と呼ばれ、故郷に唾するような誹謗中傷に、世界登録を手放しでは喜べない気持ちを持っていました。韓国で地獄島としてニュース番組等で使用する映像には、NHKの「緑なき島」の坑内映像の動画がよく引用されていました。 NHKが戦後十年目の昭和三十年に制作した「緑なき島」の作品ですが、この坑内映像は端島の坑内の実態とは懸け離れたものです。坑内で撮影されたものではありません。しかし、その端島ではない坑内映像こそが韓国の地獄島の印象操作に使われ、戦前、朝鮮半島出身労働者に対して過酷な労働を強いたあかしとして世界に喧伝されているのです。 我々元島民は、NHKに対して、あの坑内映像は端島炭坑の映像ではない、証拠を提示して抗議し続けました。その後も進展がなく、我々の弁護士の勧めもあり、東京簡易裁判所に調停をお願いし、NHKと昨年十二月二十日に調停、和解が成立いたしました。私たちが和解に進んだのは、あの坑内映像は端島炭坑ではないとNHKが認めたという前提があったからです。この中身については不満もありますが、調停も済んでおりますので、これからは建設的議論をしてまいりたいと思います。 その一歩として、本日、ここにNHK稲葉会長の謝罪をお受けすることになりました。我々にとっては長い闘いでした。今日まで四年四か月掛かりました。その間、多くの同志が他界しました。まず、歴史的な一歩として、NHK稲葉会長には以下のことをお願いいたします。 NHK稲葉会長は、NHK制作「緑なき島」坑内映像が端島炭坑坑内映像ではなかったと改めて明確に認めてください。韓国のマスコミ、高校の教材出版社が「緑なき島」の映像を悪用、濫用しているので、やめさせてください。端島島民だけではなく、日本国民自体が端島の件で誹謗中傷を受けていることをNHKはどのように捉えられておりますか、教えてください。 今なお韓国は、端島炭坑(軍艦島)を地獄島、監獄島、虐待の島と言って喧伝し続けています。今後は、「緑なき島」の悪用者や濫用者に対してNHKは厳正な対応を取っていただきたいと思います。放送法九条にのっとり、NHKは訂正報道をしてください。間違ったDVDを販売されましたが、回収して謝罪して返金されるのでしょうか。世の一般はそのようにしています。 NHK福岡放送局が二〇二〇年十月十六日放送した、追憶の島、揺れる歴史継承「実感ドドド!」については、NHKからの正式な謝罪は今もありません。謝罪されるのでしょうか。負の歴史をどう残すのかという論点で端島炭坑を題材にしています。今日ここにいる石川東はその被害者です。産業遺産情報センターの加藤康子センター長にも、インタビューを切り取り、番組制作者の意図的悪用を受け、端島のことで大変御迷惑を掛けました。 さて、本日、これをもってNHKとの問題は一つの節目を迎えました。この件は、私たちは去り行く世代ですが、老体にむち打ち、次世代の日本人に禍根を残さないように、最後まで諦めずに追及をしてきました。NHK「緑なき島」の坑内映像が端島の映像ではないことがはっきりいたしましたので、今後は韓国国内で広まったいわれなき中傷を改めてもらう活動をいたします。 それでは、次に、田中實夫にマイクを渡します。 この後、稲葉会長の謝罪の言葉を頂戴いたします。さらに、我々調停申立人六人と弁護士だけの参加で稲葉会長の思いをお聞きする場が設けておられますが、是非オープンな形で開いていただきたいと思います。島民の会として会話の記録もさせてください。このような密室の中、懇談の場は、設定は、稲葉会長が部下に命じられたのでしょうか。私はそのような思いはしたくありません。 御清聴ありがとうございました。真実の歴史を追求する端島島民の会名誉会長松本栄、幹事長中村陽一、事務局長石川東。 以上であります。 このような文章が出されました。 先ほど、稲葉会長の方から、NHKのこの放送について、放送については我々の方で言及はしないというようなお言葉がありましたが、改めて、この文章をお聞きした上で、訂正放送、そしてもう一度、この謝罪の放送をするつもりはないのか、お伺いをさせてください。
○参考人(稲葉延雄君) 「緑なき島」をめぐりましては、二年前に私、会長に就任して、説明を受けて以降、私の立場でどういったことができるのかずっと考え続けてきておりました。 この度、元島民の方々との間で、双方の合意の下、民事調停が成立した、一つの大きな区切りになったというふうに受け止めてございます。 その今回の調停の内容は相互に尊重する必要があると思いますけれども、私個人として、元島民の方々には、長期間にわたって大変おつらい思いをさせてしまった、誠に申し訳ないと、そういう気持ちをずっと抱いておりましたので、そういった私の率直な気持ちを元島民の方々に直接お伝えしたいと、そういうふうに考えまして、先月二十六日に面談の機会を設けさせていただいたわけでございます。 長い間御苦労をお掛けして申し訳なかったという私の心からの気持ちを元島民の方々に直接お伝えをすることができて、それはそれで良かったなというふうに思ってございます。元島民の方々としては十分に満足したとは言えない点が残っているのかもしれませんけれども、私としては、元島民の方々のこれまでの御苦労に思いをはせつつ、誠心誠意対応させていただいた、そういう気持ちが伝わってくれれば幸いだということです。 この面談した際、実は報道各社にも既に全て公開してございます。カメラもいっぱい入ってございました。オープン、プレスオープンということでやったものでございます。 大変おつらい思いをして申し訳なかったという私からの、私の心からの思い、これを率直にお伝えしまして、それは謝罪だとお受け取りになっていただいて一向に構わないということでございますので、改めてその謝罪会見を行う予定は必要ないという、ございませんということです。
○齊藤健一郎君 済みません、再度放送をされるということについて、もう一度お答えいただきたいです。
○参考人(稲葉延雄君) 確かに、この問題はニュースなどで伝えてございません。 ニュース、あるいは番組でどのような内容を取り上げるか、これはもう放送、報道機関としての編集権に基づいてその都度自主的に判断するものでございます。個別の判断理由についてはお答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○齊藤健一郎君 会長がそこに至った経緯というのは、この三年任期の中で、やはり今まで昭和三十年から全く謝罪をしてこなかったNHKに対して、すごい大きな、大事なタイミングで稲葉会長のやられた功績というのは非常にあると思います。 しかし、やはりこれ、そもそも元々はクローズでまたやろうとしていたんですね。これまたフジテレビと同じなんです。全くメディアにさらされない状況でやろうとしているところを、結果的には会長の方からオープンでやるということになったんですけれども、やはりこのNHKが犯した罪、この情報、これが韓国によって使われて、今でもなお産業遺産情報センターの方に、韓国の方からプロパガンダで、そこのセンターにも来ているんです。そのような形で使われてしまっているその状況を、日本人の頭の中にもう全部変革していかないといけないんです。そのためには、NHKでしっかり放送し直すということ、非常に大事だと思います。 いま一度、放送の方に口は出さないといえども、これでNHK全体が危機感を持てば編集の方も報道せざるを得ない状況になると思いますので、もう是非とももう一度考え直していただき、この謝罪した動画、「緑なき島」で行った放送、誤情報というものをいま一度NHK内でしっかり管理をしていただきたいなというふうに思います。 時間が大分たってしまいましたので、やっとNHKの我々の本題の方にちょっと入っていきたいと思います。 ぱぱっと、時間がありませんので聞いていきます。ちょっとスクランブル放送というところについてお伺いをいたします。 スクランブル放送、これ、NHKの方も総務省の方も、結局、どちらがもしやることになったとき主体的に動くのかというところをなすりつけ合っているような形になりますけれども、総務大臣、まずお伺いをさせてください。 これ、スクランブル放送、実際に本気でするというふうな状況になった、仮定の話にはなるんですけれども、その場合は、放送法を改正してからスクランブル化するのかどうか、それともNHK側からの提案によってそれが実行されるのかどうか、その御見解を聞かせてください。
○国務大臣(村上誠一郎君) 委員御承知のように、料金を支払う方のみが受信できることとなるスクランブル化については、NHKの放送において実施することは、広く国民・視聴者を対象として豊かで良い番組を放送するNHKの役割を規定する放送法においてそもそも予定されていないと考えております。 そういうことでございますので、御質問に対してはなかなか明快にはお答えできません。
○齊藤健一郎君 NHK側、NHK会長の方はいかがでしょうか。
○参考人(稲葉延雄君) 御質問のような受信料を支払わない方に放送番組を視聴できないようにするということは、公共放送NHKの役割を定めた放送法の趣旨に反すると考えております。
○齊藤健一郎君 これもまた明確になっておりません。 一度、NHKの方で本気で、国民の皆様にスクランブル放送賛成か反対かアンケート取ってください。これはレクのときにもお願いしましたが、いまだにそのようなアンケートはありません。本当にこれ国民が求める声ならば、スクランブル放送というのは本当に考えなければならないと思います。 防災の観点からいっても、昨今の状況でいくとインターネット配信というところもあります。そして、本当に電波がなくなった際には、放送ではなくラジオだと思うんですね。ラジオの方にこそ力を入れていかないといけないというようなこともあると思いますので、NHKにお願いします。一度、国民がスクランブル放送を本気で求めているかどうか、このアンケートを是非実施していただきたいなと思います。 そして、受信料の方に入ります。こちら、会計検査院の方にお伺いいたします。 今年も来年も再来年も、NHKの予算というものは実際に受信料の七八%しか入ってこない前提で予算を組んでいるんです。本来、企業であればもちろんこれは一〇〇%の中で、残り二二%、受信料が入ってこない分は損失として計上してもおかしくないと思います。 ここについて、会計検査院として、七八%の予算で組み続けている、この状態をいかが思われるか、会計検査院、よろしくお願いいたします。
○説明員(豊岡利昌君) 委員のお尋ねは、日本放送協会が受信料支払率としてどの程度を想定して予算を編成するべきかという日本放送協会の予算編成そのものの妥当性についての御質問であると理解しておりますが、会計検査院は、具体の執行、支出を前提に検査を行うものでございまして、これについて見解を申し上げる立場にはありませんので、お答えすることが困難であることについて御理解いただければと存じます。
○齊藤健一郎君 会計検査院も今まで同様の同じ回答なんですけれども、要するに、これ国民の負担になっているんですね。七八%、払っている方々が二二%の払っていない方々の分まで負担をしているというところで、公平負担というところから大きく懸け離れております。 なおかつ、これは毎度申し上げております。電気、ガス、水道は止まれば本当に命に関わってきますが、NHKの放送は止まっても命には関わりません。ましてやインターネットの土台が整ってきます。先ほど申し上げたとおり、防災、災害が起きたときにはラジオの重要性というのがかなり重要視される中で、スクランブル放送というのは本当に考えていかなければならない一端であります。 その中で、スクランブル放送を達成したら、もう一度会計検査院に聞きます、スクランブル放送を達成することができたら支払率一〇〇%になるんです。会計検査院としてそのようなアドバイスをすることはないのか、もう一度お伺いさせてください。
○説明員(豊岡利昌君) お尋ねにつきまして、この場で検査の結果に基づかずに見解を申し上げることは困難であることを御理解いただければと存じます。 いずれにいたしましても、会計検査院といたしましては、多角的な観点から日本放送協会の受信料の徴収につきまして検査を実施してまいります。
○齊藤健一郎君 これはもう毎度、もう時間がありませんのでまとめますが、我々としては、NHKから国民を守る党としては、もう本当に国民の皆様からスクランブルを求める声が大変多くなってきております。 いま一度お願い申し上げます。NHKには、本当に国民がスクランブル放送を求めているかどうか、これは総務省も含めてです、本当に国民の声を聞いて寄り添っていただくような放送の在り方というものになっていただきたいなというふうに思います。 ちょっと時間が参りましたので、ちょっと積み残した質問があります。この質問に関しては次回の方に回していきたいなと思いますので、以上で質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(宮崎勝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○齊藤健一郎君 NHKから国民を守る党、齊藤健一郎です。 会派を代表して、放送法第七十条二項の規定に基づき、承認を求める件に対して、反対の立場から討論いたします。 二〇二五年度の経営計画も、受信料収入を一〇〇%の目標に設定されず、七七%の収入見込みになっています。NHKは、未収入二三%の受信料を回収されなくても一年間の経営を可能にしている経営計画が相変わらず作成されています。今年度も、受信料を不払する人が最も得をして、真面目に受信料を支払っている国民の皆様が最も損をする現状が何年も改善されていません。 昨今、テレビ離れの加速が更に増し、人口減少に歯止めも掛からず、そもそも受信料が増えることは望めません。将来を見越しての事業計画、更に踏み込んだ組織改革、いまだに高額な社員給料、コスト削減が不十分であります。まずは、稲葉会長を始め、全役員、全職員の給料を受信料未収入分の二三%をカットして、本気の改革を国民へ示すべきであります。 経営計画のスローガンに、「「信頼」がすべての源 視聴者・国民から「信頼」されるNHKの組織運営へ」と絵に描いた餅が書かれています。自分たちに甘いこの経営方針で国民の信頼と理解を得ることはできません。 よって、本件の予算承認に反対するものです。 真面目な国民が損をしない受信料制度とは何か、国民のための公共放送とは何か、NHK職員の皆様はよく考え直していただきたいことを申し添えて、私の反対の討論といたします。
○委員長(宮崎勝君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮崎勝君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、野田君から発言を求められておりますので、これを許します。野田国義君。
○野田国義君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読させていただきます。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、協会は、政治的公平性を確保し、事実を客観的かつ正確、公平・公正に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うとともに、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の原則を遵守すること。 また、正確で信頼できる、社会の基本的な情報を発信するとともに、近年深刻化している「偽情報・誤情報の流通」を防止する取組等を通じて、健全な民主主義の発達に資するという放送の社会的使命を果たすこと。 二、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、協会を含めた放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。 三、協会は、不断の経営改革により、できる限り早期に赤字予算を解消し、受信料収入と事業規模との均衡を確保すること。 なお、事業支出の削減に当たっては、国民・視聴者に対するサービスの低下を招かないよう、コンテンツの質と量を担保するための環境整備に十分配慮するとともに、職員や関連団体に過度な負担を生じさせないよう努めること。 四、協会は、公共放送の存在意義及び受信料制度に対する国民・視聴者の理解を促進し、営業活動の一層の合理化・適正化に向けて不断の見直しを行うとともに、受信料の公平負担の徹底に努めること。 また、視聴者数の減少を見据え、受信料の在り方を含め、協会の運営を持続可能なものとするための基本的な考え方を早期に提示すること。 五、協会は、経営委員会及び理事会等における意思決定過程等を明らかにするため、経営委員会及び理事会の議事録を始め、放送法その他の法令に基づく文書等について、適切な作成・管理を行うとともに、原則として公表すること。 六、協会は、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、不祥事の再発防止策の確実な実施等を組織一体となって行うことにより、不祥事の根絶に努めること。 また、令和六年八月十九日のラジオ国際放送において、協会が自ら定めた番組基準に反する放送が行われた事案を踏まえ、協会が定めた再発防止策を着実に実施するなど、放送の適正性を確保すること。 七、協会は、経営改革に当たっては、職員の雇用の確保及び処遇の改善に十分配慮し、特に職員給与の決定においては、業務量の増加及び人員の削減に起因する職員の負担の増大、民間企業における賃金や物価高騰等を踏まえ、適正な水準とすること。また、この趣旨を踏まえ、関連団体の従業員や委託先の者の勤務条件の向上に配慮すること。 八、協会は、協会の不十分な労務管理により職員の尊い生命が失われた事実を厳粛に受け止め、協会の業務に携わる者の命と健康を最優先に確保し、適正な業務運営と過重労働防止やハラスメント防止などの労働環境の改善に全力で取り組むとともに、障がい者の雇用率の向上及び女性の採用・登用の拡大について目標を設定し、その達成に努めること。 九、協会は、インターネットを活用した業務の実施に当たっては、民間の事業に及ぼす影響に留意しつつ、引き続き正確で信頼できる、社会の基本的な情報を発信するとともに、国民・視聴者のニーズや動向を踏まえたコンテンツの提供に努めること。なお、番組関連情報の提供に当たっては、「偽情報・誤情報の流通」の防止に資するものとなるよう十分に留意すること。 十、協会は、音声波の削減については、災害時における情報提供手段としての高い有用性があること、ラジオ第二放送が民間放送事業者の手掛けにくい教育・教養番組の放送を多面的に行っていること等を踏まえ、音声サービスを具体的にどのように改編・提供するのか、早期に国民・視聴者へ示すこと。 十一、協会は、自然災害によって放送が途絶した事実を踏まえ、いかなる事態においても放送・サービスが継続され、正確な情報が国民・視聴者に伝達されるよう万全を期すこと。 また、政府は、放送事業者が災害時に備える取組を推進することができるよう支援を行うこと。 十二、協会は、障がい者、高齢者及び外国人が、十分な情報アクセス機会を確保できるよう、当該視聴者からの要望を十分に踏まえ、「人にやさしい放送・サービス」の一層の充実等を図ること。 十三、協会は、放送センターの建設計画の抜本的な見直しの具体的な内容を早急に明らかにし、国民・視聴者の理解が得られるよう説明を尽くすこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○委員長(宮崎勝君) ただいま野田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(宮崎勝君) 多数と認めます。よって、野田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、村上総務大臣及び稲葉日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。村上総務大臣。
○国務大臣(村上誠一郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(宮崎勝君) 稲葉日本放送協会会長。
○参考人(稲葉延雄君) 日本放送協会の令和七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼を申し上げます。 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。 また、ただいまの附帯決議は十分に踏まえて協会の運営に当たり、業務遂行に万全を期していきたいと考えております。 本日はありがとうございました。
○委員長(宮崎勝君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮崎勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十三分散会
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