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国会会議録

財政金融委員会

第217回 · 参議院 · 第15号 · 2025-06-03

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-06-06 06:25 JST 記録 #602 ↗

発言 119

会議録情報

令和七年六月三日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十九日     辞任         補欠選任      水岡 俊一君     勝部 賢志君  五月三十日     辞任         補欠選任      松川 るい君     牧野たかお君      山田 太郎君    三原じゅん子君      石川 博崇君     横山 信一君      大門実紀史君     小池  晃君  六月二日     辞任         補欠選任      牧野たかお君     藤井 一博君      松山 政司君     北村 経夫君  六月三日     辞任         補欠選任      藤井 一博君     古庄 玄知君      浅田  均君     藤巻 健史君      小池  晃君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         三宅 伸吾君     理 事                 白坂 亜紀君                 西田 昌司君                 船橋 利実君                 柴  愼一君                 杉  久武君     委 員                 大家 敏志君                 北村 経夫君                 古庄 玄知君                 櫻井  充君                 野上浩太郎君                 藤井 一博君                 古川 俊治君                 宮沢 洋一君                 勝部 賢志君                 熊谷 裕人君                 上田  勇君                 横山 信一君                 浅田  均君                 藤巻 健史君                 上田 清司君                 堂込麻紀子君                 小池  晃君                 大門実紀史君                 梅村みずほ君                 大野 泰正君                 神谷 宗幣君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        加藤 勝信君    副大臣        財務副大臣    横山 信一君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        西野 太亮君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 和彦君    政府参考人        金融庁総合政策        局長       屋敷 利紀君        金融庁監督局長  伊藤  豊君        財務省理財局長  窪田  修君        経済産業省大臣        官房審議官    田中 一成君    参考人        日本銀行総裁   植田 和男君        日本銀行理事   中島 健至君        日本銀行理事   神山 一成君        日本銀行理事   諏訪園健司君        日本銀行理事   中村 康治君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○財政及び金融等に関する調査  (日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件) ○資金決済に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第三九号)(衆議院送付)     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、水岡俊一君、石川博崇君、松川るい君、山田太郎君、大門実紀史君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として勝部賢志君、横山信一君、三原じゅん子君、小池晃君、藤井一博君及び北村経夫君が選任されました。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長屋敷利紀君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事中島健至君、同理事神山一成君、同理事諏訪園健司君及び同理事中村康治君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。  日本銀行から説明を聴取いたします。植田日本銀行総裁。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。  まず、最近の金融経済情勢について御説明いたします。  我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出や鉱工業生産は、一部に米国の関税引上げに伴う駆け込みの動きが見られますが、基調としては横ばい圏内の動きを続けています。企業収益は改善傾向にあり、業況感は良好な水準を維持しています。こうした下、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。個人消費は、物価上昇の影響などから消費者マインドに弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな増加基調を維持しています。先行きについては、各国の通商政策等の影響を受けて、海外経済が減速し、我が国企業の収益なども下押しされる下で、緩和的な金融環境などが下支え要因として作用するものの、成長ペースは鈍化すると考えられます。その後については、海外経済が緩やかな成長経路に復していく下で、成長率を高めていくと見込まれます。  物価面ですが、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、賃金上昇の販売価格への転嫁の動きが続く下で、既往の輸入物価上昇や米など食料品価格上昇の影響もあって、足下では三%台半ばとなっています。先行きについては、これまで物価上昇率を押し上げてきた既往の輸入物価上昇やこのところの米などの食料品価格上昇の影響は減衰していくと考えられます。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、成長ペース鈍化などの影響を受けて伸び悩むものの、その後は、成長率が高まる下で人手不足感が強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想され、私どもの展望レポートの見通し期間後半には物価安定の目標とおおむね整合的な水準で推移すると考えられます。  こうした見通しをめぐるリスク要因としては様々なものがありますが、特に各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向をめぐる不確実性は極めて高く、その金融・為替市場や我が国経済、物価への影響については十分注視する必要があります。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有していると判断しています。  次に、金融政策運営について御説明申し上げます。  日本銀行は、五月の金融政策決定会合において、無担保コールレート・オーバーナイト物を〇・五%程度で推移するよう促すという金融市場調節方針を維持することを決定しました。先行きについては、現在の実質金利が極めて低い水準にあることを踏まえますと、展望レポートでお示しした経済、物価の見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになると考えています。その上で、こうした見通しが実現していくかについては、各国の通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性が極めて高い状況にあることを踏まえ、内外の経済・物価情勢や金融市場の動向等を丁寧に確認し、予断を持たずに判断していくことが重要と考えています。  今後とも、日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。  ありがとうございました。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  今の日銀総裁のお話にもありましたけれども、日銀の展望レポートでは、各国の通商政策等の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向をめぐる不確実性は極めて高く、その金融・為替市場や我が国経済、物価への影響については十分注視する必要があると言っていますが、経済と物価の見通しも下振れリスクが大きいというふうに述べておられます。  これほど警戒感が高まっているのに、そういう認識であるにもかかわらず、経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくと述べられているわけですね。利上げを決め打ちしている形になっているんですけれども、これは矛盾するんじゃないでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 結論的には決め打ちをしているつもりはございません。  少し長くなりますが、まず、中心的な見通しとそれからリスクということに分けて御説明いたしますと、まず先ほども御説明いたしましたが、私どもの展望レポートの中心的な見通しでは、先行き、各国の通商政策等の影響を受けて我が国の成長ペースは鈍化し、それが物価を押し下げる方向に作用するものの、その後は我が国の成長率が再び高まり、基調的な物価上昇率も二%に向けて高まっていくという姿を想定しております。  御指摘いただいた点は、こうした中心的な見通しが実現していくとすれば、政策金利を私ども引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくという現在の政策運営方針の考え方を示したものでございます。  その上で、同じレポートでは、各国の通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性は極めて高く、今申し上げた中心的な見通しが大きく変化し得る可能性があること、そのため、今後見通しが実現していくか、予断を持たずに判断していくということが重要であること、さらに、政策は、物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、経済、物価、金融情勢に応じて適切に運営していくということも記述してございます。  ということですので、御指摘いただいた記述ですが、先行きの政策運営を予告したり決め打ちしたりするようなもの、性質のものではないというふうに思っております。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 まあそうおっしゃるんですけれども、最後に予断を持たずとおっしゃっているんですが、一番初めに政策金利を上げる方向で検討していくと言っているわけですよ。だから、これ、日銀総裁はそうおっしゃるけれども、世間ではこれから金利が上がっていくというメッセージだと取られているんですよ。一番そのことを気にしておられるのが実は石破総理なんですね。石破総理は、五月十九日の参議院の予算委員会で、金利のある世界を恐れなくてはならないという答弁をしておられますよね。  まさにこれから金利がどんどん上がっていくんだと、だから、総理が、この金利がある世界を恐れなければならないという答弁につながってくると思うんですが、まさに日銀のそういうメッセージが政府に危機感をもたらしているように私には聞こえますが、総裁、いかがお考えでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 石破総理の御発言に対して私から直接コメントをさせていただくのは差し控えさせていただければと思います。  私ども日本銀行の政策は、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から運営することが重要だと考えております。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 政府は金融政策決定会合で、米国との協議状況や、関税措置による輸出産業、関連する中小企業や地域経済、さらには国民生活への影響をよく注視し、資金繰り支援など必要な支援に万全を期すると経済政策の方向、方針を示しています。  日銀法では、日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環を成すものであることを踏まえ、それらが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らねばならないとされています。  石破総理は経済あっての財政ということを強調されていますけれども、日銀は金融政策が政府の経済政策の基本方針と整合的となる結果責任があると思いますが、政府が資金繰り支援などに万全を期すという方針で動いている中で、利上げ決め打ちという形の、利上げを検討していくと実際言っておられるわけですから、政府との政策の整合性に欠けてしまうことになるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 日本銀行法第四条には委員御指摘の記述がございます。日本銀行の通貨及び金融の調節が政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。したがいまして、私ども、政府との間で緊密に連絡を取り、今回であれば、各国の通商政策の影響等を含め、経済・物価情勢に対する基本的な認識を共有してきたところでございますし、今後とも政府との間では十分な意思疎通を図ってまいりたいと考えています。  委員御指摘の企業部門への影響についても、各国の通商政策等の今後の展開が極めて不確実である下で、私ども、本支店のネットワーク等も活用しながら、企業の資金繰り等について丁寧に確認していくことは重要だと思っておりますし、確認しつつあるところでございます。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 ですから、この政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らねばならないというところで、図っているとおっしゃっているわけですよね。だから、そのときに私は、政府側は、金利が、この総理がおっしゃっている金利のある世界を恐れなければならないということは、裏返して言うと、早期の金利を上げていくのはまずいんじゃないかと、そういうメッセージだと思うんですよね。  その辺のところを日銀ではどう理解して協調してやっていこうという形になっているんですか。その辺が、だから、予断を持たずにやらなきゃならないだけだったらいいんですけれども、先に金利を、政策金利を上げることを検討していかなければならないと書いてあるんで大丈夫なんですかと聞いているわけなんです。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先に金利を上げるという方針ありきではございませんで、最初に申し上げましたように、中心的な見通しでは、経済あるいは基調的な物価の動きが一旦はどこかこの先足踏みをする状態に陥ることはあるかもしれないけど、その後再び上昇基調に戻るという見通しでございます。  それが本当に実現していくという確度が高まっていくに応じて、利上げの、あるいは緩和度合いの調整ということに踏み出すということでございます。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 まあそういうふうに総裁はおっしゃるんですけれども、マーケットはちょっと違う反応だと思うんですよね。  というのは、マーケットでは、日銀が利上げに前のめりなのは将来の利下げ余地をつくるためではないかと、金融政策の幅を広げるために、言われている、この利下げののり代をつくると、そういう考え方でやっているんじゃないかと感じているわけなんですね。  経済理論では、利上げの引締め効果の方が利下げの金融効果よりも大きいというのが通説であります。かつて、二〇〇〇年のゼロ金利解除や二〇〇六年の量的緩和解除、そうすると、利下げののり代を期待して逆に、先に早くこれをやってしまったために、金融緩和から緊縮の方向に逆に経済を悪化させてしまったという事実があるわけなんですね。  だから、今回も先行き経済がこれから良くなってくるだろうという前提でおっしゃっているわけですけれども、実際にはどうなるか、トランプ関税も含めて分からないわけです。そんな中で先に利上げをしてしまうと、かつてのように失敗してしまうということになりかねないんですよ。  だから、そのことについて、要するに利下げののり代をつくるという、そういう考え方でやっているのではないかという懸念が私は持っているわけですけれども、総裁の見解をお伺いしたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、やや繰り返しになりますが、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から金融政策を運営しております。  昨年来実施してきた政策金利の引上げも、こうした観点から、毎回の会合において、経済・物価情勢、あるいは基調的な物価上昇率が高まっていくか、そういう見通しの確度やリスクを点検、確認しながら実施してきたものでありますし、今後もそうしていく考えでございます。  したがいまして、将来の利下げ余地をつくるために、経済・物価情勢の改善が余り見込めない中で無理に政策金利を引き上げるというような考えはございません。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 日銀の多角的レビューでは、金融政策と財政政策のポリシーミックスの効果が余り論じられていません。中央銀行の独立性や市場との対話を重視する姿勢はある意味正しいわけですが、しかし、トランプ・ショックなどの国難の時代には、中央銀行はかくあるべしという原則論では危機対応ができないのではないでしょうか。  その辺のところについて、特に日銀の総裁が黒田総裁から植田総裁に替わられてから、黒田総裁は明確に異次元の金融緩和ということをまさに信念としてされてこられたわけです。ところが、植田総裁になられてから、学者出身ということも踏まえ、日銀、中央銀行はかくあるべしなんだと、そういう理念先行型のように私には思えるわけですけれども、いかがでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、先ほども少し申し上げましたが、政府との間で日銀法に基づいて緊密に連絡を取り、十分な意思疎通を図っております。各国の関税、通商政策の影響等を含め、経済・物価情勢に対する基本的な認識を共有している中で、金融政策を二%の物価安定目標実現のために、持続的、安定的な実現のために適切に運営してきているつもりでありますし、今後もそのつもりでございます。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 政府は、金利ある世界を恐れ、プライマリーバランスの黒字化を早く達成しようとしています。  そもそも、金利ある世界は日銀の利上げによってもたらされるのではなくて、企業の資金需要が弱く、企業の貯蓄率が異常なプラスのままで高い金利の世界はやってこないんです。しかし、そのためには、政府が財政政策で需要を増やして、それに投資をする企業ができる、出てくる金融政策を日銀は行うことが必要だと思います。  ところが、現実には、政府の方は、金利のある世界を恐れて、逆にお金を、補正も含めて財政拡大することを嫌がるわけなんですね。そして、日銀の方は、その金利のある世界があるべき世界という形のメッセージを出しておられて、どうも私はうまくこれが回っていないように感じるんですが、いかがですか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 少し長い話になるかもしれませんが、長いといいますか、昔に遡りますが、一九九〇年代後半以降、国内での成長期待の下振れ等から企業が支出行動を抑制したことなどを背景に、企業部門が貯蓄超過、資金余剰主体になったことは事実でございます。こうした動きは、その後、経済、物価に対して中立的な実質金利水準でありますいわゆる自然利子率というようなものが低下トレンドをたどってきた大きな原因の一つであるというふうに認識しております。  私どもは、こうした自然利子率の動き等も踏まえた上で、物価安定目標の持続的な安定の実現という観点から適切に政策運営をしていく方針でございます。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 もっと長い話になるのかなと思ったんですけど、意外と簡単なあれだったんですが。  まず、大体、ちょっと前提としてお聞きしたいのは、前も聞きましたけれども、今、企業部門は貯蓄超過で、融資がどんどん増えているわけじゃないですよね。私は、融資がどんどん増えてきて、投資がどんどん増えているという場合には、これは過熱を抑えることも含めて金利を上げていくというのは当然やるべきだと思うんですよ。ところが、それが貯蓄超過でなっていると、なっている状態なのに何で上げなきゃならないのと。だから、これがどんどん増えてきて過熱してきているんだったら上げてもらうべきだと思いますよ。しかし、それでないのに上げるというメッセージというのは、何度も言っていますけれども、要するに、かくあるべしと、金利のない方がおかしかったんだから金利を付けておくのが正しいんだというあるべき論から来ているんじゃないのかと、そういう気がしてならないわけです。  そこのところ、もう一度総裁から御説明願いたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 現状が、例えば企業部門の支出行動を見た場合に、過熱の状態とかではないという認識は私どもも同じでございます。ただ、非常に不調というわけでもなくて、設備投資はそこそこ好調でありますし、銀行貸出しもかなりの率で伸びております。  そうした中、私ども、現状ではまだ基調的物価上昇率が二%を少し下回っているということで、基本的には緩和的な金融環境を維持しております。あるいは、別の言葉で申し上げれば、先ほど申し上げました自然利子率より下に金利があるような状態を維持しております。その中での微妙な調整を、経済の力あるいは基調的物価上昇率の動きに合わせて実行してきたというところでございます。

西田昌司 自由民主党

○西田昌司君 総裁のおっしゃることも分かるんですけれども、結局、今の政府が、経済あっての財政とは言うものの、なかなか私自身は投資が十分できているとは思っていません。もっと出すべきだと思うんですけれども、しかし、それを出させない。その圧力になっているのが、日銀がこれから金利を上げていくんだと、そういうメッセージなんですよ。それがあるから金利をある世界を恐れなければならないと総理が言い、それからいわゆる景気対策として減税論もたくさん出ていましたけれども、何か自民党の中では、宮沢先生、やらないんですか、これは。そういうようなメッセージになってくる。  何でなってくるかというと、結局この財政に対する考え方が、政府がもう少し今引っ張っていくべきだというふうに思うんですけれども、金利が上がってくるときに大変じゃないかという、これが上から押さえ付ける圧力になっていると思うんですよ。  その辺のところは、やっぱり日銀はそういう状況を認識していただいて、出すメッセージもやる政策も、やっぱりまだ経済自身がばんばん良くなっていますじゃないんです。物価が上がっているのもあるけれども、これはいわゆるデマンドプルじゃなくてコストプッシュという形でなっているわけですから、経済がまだ上向き方向にあってくれればいいんですけれども、これから先、トランプ・ショックも含め、どうなるか分かりません。  だから、そこのところを見間違えないように是非お願いしたいということを要望しまして、私の質問を終わります。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、浅田均君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君が選任されました。     ─────────────

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 立憲民主・社民・無所属の熊谷でございます。  今、西田先生も御質問されておりましたけれど、西田先生に怒られないように、私の方からは総裁に幾つか質問させていただきたいというふうに思います。  西田先生、冒頭、四月の展望レポートの言葉を引用して質問されておりましたけれども、この展望レポートが出てもう一か月ぐらいたちました。この間に、米中の関税の高関税を掛け合うところも二転三転をしておりますし、イギリス等の間で関税について合意があったというようなことで、幾つかトランプ関税をめぐって大きな動きがあったというふうに思っております。  そしてまた、アメリカではこのトランプ関税が国際貿易裁判所で違憲だという判決を受けたということもあって、元に戻ったという見方もありますし、トランプ政権の方は一時差止めということで、またいろいろとこの裁判をめぐってでもアメリカでいろいろな動きがあります。  この相互関税ということは、その相互関税をめぐる影響が世界規模になって、かなり影響が大きいというふうに思われているのはどなたも共通したことだというふうに思っておりますけれど、その展望レポートを出して一か月たった中で、日銀としても様々なネットワークを使って情報収集をされていると思っておりますし、先月のサミットで総裁自身も各国の中央銀行総裁と意見交換をしてきたというふうに思っておりますし、引き続きの情報収集をされているのではないかなというふうに思っております。  展望レポートを出してから一か月たっている現時点での総裁としてのこの米国の関税措置をめぐる認識というものを改めてお伺いをさせていただきたいなというふうに思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、五月の初めに私ども展望レポートを公表して以降、例えばアメリカ、中国間である程度交渉が進み、相互に関税を一旦引き下げるということが合意されるなど、前向きな動きも見られております。  ただ、これは、今後どうなるかについてもまだ足下、不確実性がまた出てきたりしておりますし、また、日米間を含む多くの通商交渉は現在進行中であります。したがいまして、引き続き各国の通商政策等の今後の展開をめぐる不確実性は極めて高いというふうに考えております。更に申し上げれば、そこがある程度こういう関税率になるということが決まったとしても、その関税率がいろんな経済にどういう影響を与えるかということについては不確実性が大きいというふうに警戒して見ております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 今、関税率が決まったとしても不確実性は高いという御答弁をいただきました。赤澤大臣、また米国に、四回目でしたか、交渉に行って、いよいよ総理もサミットの現場でトップ会談みたいな話もありますので、日米間のその関税交渉というのも大詰めに来ているのかなと思っております。これがある程度、日米間での関税交渉というのがまとまってくれば、今不確実性という言葉ありましたけれど、日米の間でのその懸案事項というのが一つ取れていって、見通しがもう少し立つのかなというふうに思っておりますので、私も注視をしていきたいなというふうに思っております。  続いて、長期金利がここのところ急騰しているというニュースが相次いでおりまして、ちょっとそこに私も懸念を持っております。  日銀も、五月の二十一日に、機関投資家の皆さんを集めて、債券市場の関係で、生保さんだったり年金の機関投資家の皆さんから超長期金利の利回りの上昇に対する懸念を表明されたというところで、それに対応を求めるというふうに言われておりますけれど、この点について、超長期金利の急上昇に対して投資家の皆さんから何か対応してほしいということを求められていることについて、総裁の認識をお伺いしたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、先日、債券市場の参加者との会合を持ちまして、その議事要旨を昨日公表したところでございます。御指摘いただいた点も含めて、多くの貴重な意見を市場参加者からいただきました。  私どもとしましては、次回の決定会合において、昨年より進めてまいりました国債買入れの減額計画の中間評価や、また来年四月以降の国債買入れ方針について検討する予定でございます。その際には、これまでの減額の経験を踏まえつつ、お伺いした意見も参考にしながら、市場動向や機能度についてしっかりと点検していく方針でございます。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  この超長期金利がここのところ急騰している理由の一つに買手不足というのがあるんではないのかなというふうに思っておりまして、今総裁の方から、国債の買入れの、十年物になると思うんですが、買入れの調整が今進んでいるところというのは私も理解をしておりますけれど、この超長期金利を、今まで買ってくれていた生命保険会社であったり年金の関係者がこの国債の購入を手控えているということになると、この国債の買手というのは国内でなかなか不足をしている部分もありますし、安くなったから買うという人も出てくるのかもしれませんが、海外にその買手が移るということもあるんではないかなというふうに思っておりまして、この点で、その金利との連動というものが、買手がどこになるかということで連動というところも指摘されているところだと私は認識しておりますけれど、植田総裁におかれましてはその点どのように認識をしているか、お聞かせをいただければと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 短期的な金利動向について具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上でですが、超長期債の部分について、規制対応が一巡したことによって一部の国内投資家需要が減衰しているのではないかということが市場等で指摘されていることは認識しております。ただ、国内投資家は、引き続き超長期債市場における長い目で見れば主要な買手となっているというふうに見ております。  今後とも、国債市場の投資家の構造やそのレート形成への影響などについて丁寧に確認してまいりたいと思っております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 そうですね。このまま超長期国債の金利が上がっていく、いろんな資料を私も見させていただいていますけれど、かなりそのカーブがですね、イールドカーブが、何というんですか、急上昇しているという状況が、私もいろんな資料を見させていただいて、本当ここ短期間に急上昇しているのが見て取れます。  そうなってきた場合に、日本の景気というものもなかなか今混迷をしているというか、なかなか景気が上向きになっていない中で、物価高の影響もあって、様々景気の影響があって、その景気を下支えをするために、先ほど西田先生、金利を下げるという話をされていましたけれど、日銀のその追加の金利の上げるのを見送り、現状維持というようなことがここ何回か続いておりますけれど、そのようなことの蓋然性も高いのかなというふうに思うこともありますし、インフレ期待が余りにも高過ぎるので、逆に言うと利上げをして落ち着かせるんだというような判断にもつながっていくのかなというふうに私自身は思っておりまして。  ここのところについて、この超長期金利がここのところ急騰している影響というのが、日銀の金融政策に与える影響だったり日本の経済に与える影響だったりというところは本当に丁寧に分析をしていかなければいけないなというふうに思っているんですが、その辺をどのように分析をして、どのように金融政策の方向性を判断するべきなのか、改めて総裁にお伺いをさせていただきたいなというふうに思っております。  今朝、朝早く、部会に出るために着替えているときにテレビを付けていたんですけれど、FRBの幹部が、アメリカがFRBとして米国の金利を年内にもう一回利下げを考えるというような発言をされたというようなニュースをちょっと着替えながら聞いておりまして、そこの、アメリカが利下げをして日本の政策金利が現状維持だったり上げていくということになると、日米の金利差が縮まって、私がかねてから言っております行き過ぎた円安の是正になっていくのかなというふうに思っているところもありますので、その辺の、その長期金利が急上昇していることが日銀の金融政策決定の方向性についてどのように影響をしていくのかというところをお尋ねをさせていただければというふうに思っております。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもの過去に行った分析によりますと、金利変動の経済活動に及ぼす影響に関する分析でございますが、影響の大きさは超長期の金利よりも短期から中期の金利の影響の方が大きいという傾向があるという結果が出ております。それが一つでございますが、一方で、超長期金利の変動が、もう少し短い長期や、あるいは短期、中期の金利に影響を及ぼすという可能性もあるということもありますので、市場動向あるいはその経済への影響については引き続きよく注意して見てまいりたいと思っております。  その上で、先ほども申し上げましたが、次回の会合では国債買入れの減額計画の中間評価も実施する予定でございまして、その際にも、市場動向、市場の機能度については丁寧に確認していきたいと思っております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 次回の金融政策決定会合で国債の買入れ減額についての中間見直しをするというふうに今御答弁をいただいておりますし、私もそこを注視をしていきたいなというふうに思っております。  国債の買手が最近本当にいないんだと、国債が売れ残るみたいなニュースも見ますので、そこは私自身も引き続き注視をしていって、その国債、いわゆる今後の政府の補正予算をどうしていくかというところにも国債の発行をどうしていくかということが私はリンクをしているんではないかなというふうに思っておりますし、先般の総理の金利のある世界を恐れると、西田先生もおっしゃっていましたけれど、そこは、ギリシャの発言があったのは、私自身は、国債発行額、累計の国債発行額がギリシャに比べて日本は倍ぐらいあってというところに注目した発言なのかなというふうに思っております。そこで国債発行に足かせが付けられてしまうことを恐れているというのが私は石破総理の本音だというふうに思っておりまして、その点についてはまた様々なところで議論をしていきたいなというふうに思っております。  続いて、為替に関する関係で、前回の質問でもさせていただきました。日銀の金融政策決定というか金融政策は円の水準にも影響を与えていくものだというふうに思っておりまして、本日の先ほどの総裁の発言の最後に二%の物価安定の目標の下でというような発言もございましたので、日銀の求めている基調的な物価上昇二%の目標というのはずっと変わらずにということであろうというふうに思っております。  為替の水準というのはなかなか、総裁だったり、日銀の皆さん、幹部の皆さんだったり、財務大臣というのはなかなか不用意に発言はできないことはよく分かっておりますし、ファンダメンタルズに沿って為替の相場は決定をされていくというのはそのとおりだというふうに思っておりますが、五月十三日に、今日出席されていませんですけれど、浅田委員が、為替相場が我が国経済に及ぼす影響については、業種あるいは企業規模、経済主体によって不均一なものであるというふうに、その浅田委員の質疑に対しての答弁がありまして、そして、為替の円高については、輸出の減少要因、あるいはグローバル企業を中心にした企業収益に悪影響を及ぼすという面もある一方で、輸入物価の低下などを通じて家計の実質所得を改善させるほか、一部の非製造業あるいは中小企業などの収益にプラスに作用する面もあるという答弁もなされているところでございます。  その点については、私もずっと行き過ぎた円安を是正することが物価高を抑えることだというふうに一貫して質問をさせていただいておりますので、その答弁というのは、そうだよね、だから為替というものをしっかりと抑制をしていかなければいけないというふうに思って、ずっと質問を続けさせていただいておりますが。  急激にこの為替が変動することは経済に悪影響もある、企業収益に悪影響もあるので、そこは避けてはいきたいなと思っておりますが、少しずつ安定的に、その為替水準をもう少し円高に是正をしていってそこで安定させるということは、企業も先行きの予測がしやすくなるので、その点を私は求めていきたいなというふうに思っておりますが。  この点、その円水準をもう少し円高に振らしていくことが、その企業だったり物価だったりというところにプラスの面があるというふうに私は本当にずっと思っておりますが、改めて総裁にその為替水準、具体的には御答弁求めませんが、ある程度今の水準よりか、それもちょっと難しいのかな、為替水準について、その物価を抑えるという認識について改めて総裁の見解を、私と同じかどうかというところをお尋ねをしたいなというふうに思っておりますが、御答弁いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私がお答えさせていただこうと思っておりましたことを全て委員の方でおっしゃってしまいました。  繰り返しになるかと思いますが、私ども、まず為替レートを特定の水準に誘導するというような政策運営はしておりません。為替相場については、ファンダメンタルズを反映してなるべく安定的に推移することが重要であると考えております。  その上で、為替変動の経済への影響は、委員御指摘のように、業種、企業規模、経済主体によって不均一であります。円高で例を取りますと、輸出サイドには輸出の減少要因となったり、グローバル企業の収益に悪影響を及ぼす面があります。他方で、これも委員御指摘のとおり、円高は輸入物価の下落を通じて家計の実質所得を改善させたり、一部の非製造業や中小企業の収益にはプラスに作用する面もあると考えております。  私どもとしては、こうしたメカニズムを含めまして、金融・為替市場の動向が我が国の経済、物価に及ぼす影響を丁寧に確認してまいりたいと考えております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。なかなか総裁としては御答弁しにくいことだというふうに思っておりますけれど、少し前のデータになりますが、私が、多分、経団連がアンケートをされたというので、その輸出企業、そして輸入が主な企業さんを分け隔てなく、為替水準についてどれくらいがいいんだというたしかアンケートの結果が、百四十円から百四十四円ぐらいというような水準が大手の企業さんから出されていたように記憶をしておりまして、その当時は、アンケート取った当時は百六十円を超えるような円安の水準のときにアンケートを取って、そのお答えであったというふうに思っております。  輸出額が大きい自動車産業なんかはかなり収益というか、その利益への圧迫になっているというようなニュースもありますけれど、その予見ができれば、それぐらいの水準ということが予見ができれば対応できるというようなこともおっしゃっていたと思っておりますので、私自身は、今、今朝は百四十二円ぐらいだったと思いますけれど、この水準程度若しくは以下ぐらいで物価を安定させることに資するんではないかなと思っております。  ガソリンもですね、埼玉で百五十円、一リッター百五十六円なんという売値が出てまいりました。政府の元売への補助というものはあるんだと思いますが、ガソリンって一週間に一度仕切りをしていまして、割とその為替の影響というのは仕切り価格に影響が敏感に応じているところがあるので、最近のその円水準を期待というか反映をして、政府の補助も含めて一気に十円以上値下がりしているというガソリンスタンドが出てきているのかなというふうに思っておりますので、しっかりとそのやはり円水準をもう少し円高でコントロールしていくことが物価に対しては私自身はいいのかなというふうに思っておりますので、引き続き、それは私の信念として頑張っていきたいなというふうに思っております。  続いて、前回も総裁と議論させていただきました物価上昇率と、総合的な我々の認識している物価上昇率と基調的な、日銀の基調的な物価上昇率との乖離について、前回もちょっと質問させていただきましたけど、改めてもう一度、その答弁も含めて質問をさせていただきたいなというふうに思っております。  相変わらず食料品の価格の上昇が続いております。お米二千円出たというふうに、二千円の備蓄米が出ましたけれど、お米全体の値段ですると二十五円下がったなんというのがニュースになっているぐらいでありまして、生鮮食品も天候不順が回復してきたので少し値下がりをしていますが、相変わらず食料品価格というのは上昇が続いていると思います。  日銀、まあ総裁と前回も議論させていただいておりましたけれど、基調的な物価上昇率はまだ二%を下回っているんだというのが日銀の認識だというふうに私自身も思っておりますけれど、やはり、前回も言いましたけれど、私たちが感じている市場の物価の物価高、高いよねという感覚と、日銀のその基調的な物価の上昇がまだ二%を下回っているというのはかなりの乖離があるんじゃないかというふうに前回も指摘をさせていただいておりますけれど、五月二十七日に総裁が二〇二五年の国際コンファランス、カンファレンスの開会挨拶で、総合ベースで見た物価上昇率と基調的な物価上昇率の間に乖離があるというふうに認めている発言をされています。  その原因、なぜ乖離が起きてしまったのかという原因について、前回もなかなか難しい問題だというふうに御答弁をされていますけれど、改めて、この五月二十七日に総裁自身が乖離があるということを認められておりますので、その原因が何にあるのかというところをお尋ねをしたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 足下では、消費者物価総合の前年比を見ますと三%台半ばになっております。これに対して、私ども、そこから様々な一時的な変動要因を除いた基調的な物価上昇率は二%を若干下回っているというふうにまだ判断しております。  この乖離の主因でございますけれども、最近の消費者物価総合の上昇には、大分前から続いておりました輸入物価の上昇の波及がまだ少しずつ残っているという点もありますが、それ以上に最近大きいのは、昨年秋以降の米を含む食料品価格上昇といったコストプッシュ要因でございます。私ども、先行きを展望しますと、こうしたコストプッシュの影響はだんだん減衰していくというふうに考えております。  一方で、基調的な物価上昇率は、先ほど来御説明しておりますように、一旦伸び悩む局面がどこかで来る可能性がありますが、その後は徐々に高まっていくということで、両者のギャップは少しずつ、時間が掛かるかもしれませんが、縮まっていく方向にあるというふうに見ております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 余り、何というんでしょうか、前回議論したときと変わらない感じなのかなと思っておりまして、そのときも、コミュニケーションを大切にという話もさせていただいて、コミュニケーションなかなか難しいんだよねというような御答弁をいただいたところだと思っておりますが、難しいんだよねと言うだけではなくて、様々工夫をしていかなければいけないなというふうに思っておりますが、そのコミュニケーションを取っていく、難しい中でコミュニケーションを取っていくための工夫というものを今御披露いただければ、御答弁いただければと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これはなかなか、こういうことを具体的にすればというふうにお答えするのが難しいところでございますが、私どもの基本的な考え方、あるいは経済、物価の見方について、家計や企業を含む幅広い層に分かりやすく説明していくということが重要と思っております。  私ども、その一環としまして、まず四半期ごとに展望レポートというものを公表しておりますし、今日のような国会での場、あるいは講演などの機会を活用して丁寧な情報発信に努めているところでございます。  今後とも、より一層分かりやすく説明していきたいと思っておりますが、更に付け加えますと、先ほど申し上げましたような、コストプッシュで消費者物価総合の方が中心的に上がってしまうということが複数回起こっておりますので、コストプッシュの経済への影響、あるいは物価に対してどれくらい持続的な影響があるのか、そうした点に関する私どもの調査、分析能力を一段と高めることが結果的にコミュニケーションの改善につながるということもあるというふうに考えて、努力してまいりたいと思っております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  日銀の分析能力というのは私も期待をしたいと思っております。しっかり議論させていただきながら、政治の側からも、いい材料というか、議論した上でこういう判断が出るというような形のいい議論をさせていただければなというふうに思っております。  実質賃金がずっとマイナスになっている中で、政府は五年間で実質賃金一%増というのを賃上げのノルムとするというふうにこの間決定をされたようでありますけれど、その一%の、政府が目標とする一%実質賃金増ということが継続をされていくということが、日銀が金融政策を決定、判断をしていく上で、この政府の決めたノルムというものが判断材料としてどれだけ重視をされていくことになるのか。その辺は、その一%を下回った、上回ったということが金融政策への判断に影響があるかどうかというところをお尋ねしたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、もちろん実質賃金が持続的に増加していくことは経済にとって非常に重要であるというふうに認識しております。  その上でですが、私どもの政策という面からしますと、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から運営していくことが重要だというふうに思っております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 最後の質問になろうかと思いますけれど、今、人手不足がインフレ期待に影響しているんではないかというような話がございます。  その展望レポートでも言及をされておりますけれど、人手不足感というものが予想物価の上昇、インフレ期待にどのようにつながっていくのか、その経路というものがちょっと私には分からないところもありますので、どんな業種で人手不足感が現在強まっていて、その人手不足ということがどのようにそのインフレ期待につながっていくのか、お示しをいただければと思います。

中村康治 日本銀行理事

○参考人(中村康治君) お答え申し上げます。  我が国では、幅広い業種で人手不足感が強い状況が続いておりますが、特に情報通信や医療、福祉などの分野でこうした傾向が強まっております。  このように多くの業種で企業が労働の供給制約に直面しつつある状況を踏まえますと、先行き、成長率が高まるとともに、賃金や物価には上昇圧力が掛かると見られております。こうした下で、企業の積極的な賃金、価格設定行動が更に広がっていきまして、予想物価上昇率は緩やかに上昇していくというふうに考えております。

熊谷裕人 立憲民主・社民・無所属

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  本当に、人手不足のところが、アメリカではコロナが明けたときに、やっぱり人手不足で賃金が物すごく上がったことでインフレを招きました。そのようなことが起きないようにこの人手不足のところにもしっかりと我々の方からも目配りをしなければいけないなというふうに思っておりますし、この人手不足感というものを払拭するような金融政策の在り方というものがあれば一緒に考えてまいりたいというふうに思っていることを明らかにいたしまして、時間になりましたので、私の質問終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。     ─────────────

上田勇 公明党

○上田勇君 公明党の上田勇でございます。  今日は、植田日銀総裁、大変にありがとうございます。  初めに、総裁に、今の物価動向、それと物価高騰対策の考え方について御教示をいただければというふうに思います。  今、最大の政治課題というのはこの物価高騰対策であります。私たちも世論からは大変強いプレッシャーをいつも受けているわけであります。政府も昨年来様々な対策を打ち出していますし、私たち公明党を含む与野党各政党でも様々な政策提言をしております。    〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕  一方で、日銀の消費者物価の見通しでは、二〇二五年では二%台前半、二六年度一%台後半と、安定的に二%の物価安定目標を上回っているというところまでは達していないとしております。生活実感とそれからこの日銀の分析との間にはやっぱりどうしてもギャップがあるというふうに感じます。  ただ、データで見てみますと、今年の一月―三月期の消費者物価上昇率、これはコアでは二・七%なんですけれども、食料が七・六、エネルギーが六・一%増となっています。つまり、生活実感としてのこの物価高問題というのは食料やエネルギーなど生活必需品であって、支出頻度の高い、そういったものの物価上昇率である一方で、いわゆる日銀の言うところの基調的な物価上昇率というのは依然としてそう高くはないということをおっしゃっているんだというふうに思います。  物価高、物価が高騰したときには金融引締めというのが基本ではあるんですけれども、今のこの物価高問題を見てみますと、食料、エネルギーの分野に的を絞った対策が有効であって、金利引上げなどの金融政策の変更で対応することは効果的ではないということであるのかなと私は考えております。  今の物価上昇、この動きについての認識と、効果的な物価高対策はどうあるべきなのか、植田総裁のお考えを御教示いただければと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 直近の消費者物価上昇率三%台半ばでございますが、委員御指摘のように、これにはこれまでの輸入物価上昇や昨年来の米を含む食料品価格上昇といったコストプッシュ要因が大きく影響しておるというふうに考えております。こうしたコストプッシュによる全体の物価上昇が国民生活に大きなマイナスの影響を与えているということは十分に認識しております。  その上で、先ほども御議論ありましたが、こうしたコストプッシュの直接的な影響を除いた基調的な物価上昇率は少しずつ高まってきてはいますが、なお二%を下回っていると見ております。  日本銀行としては、政策を、これまでのところ、ここの動きに合わせまして、賃金の上昇を伴う形で物価は緩やかに上昇するということを目指して運営してきております。直近では、五月初めの決定会合では、現在の緩和的な金融環境を維持することで引き続き経済活動をしっかりとサポートしていくことが適当と判断したところでございます。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  まあ教科書的に言うと、物価が上がると金融引締めということなんですけれども、今は全体が上がっているというよりも、非常に、今総裁もコストプッシュ型とおっしゃっていましたけれども、特定分野の物価の問題が大きいんだというふうに理解しております。  次に、展望レポートでは、アメリカの関税政策に起因する各国の通商政策、それから中国経済の不透明さ、そうしたことを原因として、二〇二五年度、二六年度の経済成長率を相当程度下方修正しております。一方で、名目賃金については、当面は現状程度の高い伸びが予想されるとしております。  経済成長が鈍化する中で賃金が伸びると予想するその根拠はどこにあるんでしょうか。そしてまた、通商政策の影響を強く受けるのは製造業だというふうに思うんですけれども、比較的賃金の高いセクターであることを考えますと、見通しがちょっと楽観過ぎるんじゃないのかなという気もするんですが、その辺の御見解いただきたいと思います。    〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕

中村康治 日本銀行理事

○参考人(中村康治君) 委員御指摘のとおり、各国の通商政策等の影響を受けまして企業収益が押し下げられれば、製造業を中心に賞与等にも下押し圧力が掛かると見ております。こうした下で名目賃金は上昇率が鈍化していく可能性が高いと思っておりまして、この点は展望レポートでも説明しているところでございます。  もっとも、女性や高齢者などの追加的な労働供給が見込みにくくなっている下で、労働需給は非製造業を中心に引き続き引き締まった状態が続くと考えられます。  こうした中、海外経済が緩やかな成長経路に復していく下で、我が国の経済成長率が再び高まっていくとすれば、名目賃金につきましても、企業収益の改善に伴い再び上昇率を高めていくものと見ております。

上田勇 公明党

○上田勇君 次に、総裁に、日銀の国債保有の、これからの国債保有の見直しについてお伺いしたいというふうに思います。  去年の七月から保有している国債の減額を開始しておりまして、市場機能を回復していくということは理解するところであります。足下では超長期金利が上昇しておりますけれども、その結果、国債を保有している金融機関等の収益が悪化することが懸念をされます。さらに、急激な金利上昇というのは、システミックリスクの懸念にもつながりかねない。  日銀が国債の保有を減額していくと、一般的には国債市場の需給関係から金利が上昇する、そういう方向に動くと思われるんですけれども、したがって、日銀が正常化に向けて進めていくに当たっては、やはり市場の動向をよく注視しながら、また市場との対話、これも適切に行いながら漸進的に行っていくということが必要ではないかというふうに考えますけれども、基本的な方針を伺いたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、昨年の七月に、来年の三月までの国債買入れ減額計画を決定いたしました。その際の考え方としては、長期金利は市場において形成されることが基本であるとした上で、私どもの国債買入れについては、市場の安定性に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切というふうにお示ししたところでございます。  現在、この計画に沿って減額を進めているところですが、先ほど来申し上げましたように、次回の決定会合においてこの計画の中間評価を行って、さらに、あわせて、来年四月以降の買入れ方針についても検討する予定です。その際、これも申し上げましたが、幅広い市場参加者の御意見等を確認しつつ行うことが重要だと考えております。  昨日、しばらく前に行いました市場参加者との会合の議事要旨を公表したところでございます。その内容をかいつまんでまとめさせていただきますと、一つには、来年三月までの現在の減額計画の修正を求める声は限られていたという点がございます。その上で、来年四月以降も、従来どおり、従来同様、予見可能性と柔軟性のバランスを取りつつ国債買入れ額を減らしていくことが適切という声が多く聞かれました。さらに、その際の具体的な減額ペースについては様々な意見が見られたというところでございます。  私どもとしては、こうした意見も参考にしながら、次回会合で今後の国債買入れ方針について議論していきたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  非常に市場も世界経済の動きも不透明な状況、要素が多いと思いますので、今総裁が柔軟性を持ってというふうにおっしゃっていただきましたけれども、これ本当にこれから難しいオペレーションになるかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、今ちょっと触れましたけれども、二十年以上の超長期金利が上昇しております。私の知り合いでもあります専門家が推計すると、によりますと、今、二十年国債と十年国債、この金利差を見ると、市場関係者が、十年後の十年国債の金利というのはどのぐらいになるのかということが計算で出てくるんですけれども、そうすると、それが三%の半ばになると市場関係者は予測しているんじゃないかということでありました。  これはどういうことかというと、私は、市場関係者は、日本の財政事情等のリスクについて、当面は大きな心配はないというものの、長期的にはちょっとリスクが高まっているのじゃないかという見方ではないかというふうに感じまして、懸念をしているところであります。  日銀として、こうした今後の、将来の見方についてどのようにお考えでしょうか。

中村康治 日本銀行理事

○参考人(中村康治君) お答え申し上げます。  日々の金利の動向については、具体的にコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、市場参加者からは、最近の超長期金利の上昇には、既存のポジションの巻き戻しや、規制対応が一巡したことによる投資家需要の減退といった要因が影響しているとの指摘が多く聞かれているところでございます。  また、超長期ゾーンの需給環境につきましては、財政政策をめぐる投資家の思惑の影響にも注意が必要との指摘も見られていることは認識しております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  次に、金融庁にお伺いをしたいというふうに思います。  今あったとおり、超長期金利の上昇を受けまして生命保険会社の含み損が増大しているという報道がございました。生命保険会社は、保険契約という超長期の負債に見合った超長期の国債を多く保有しているという、他の金融機関とはそういう意味では異なった事情があるのは理解しております。  ただ、生命保険会社だけに限らず、資産のポートフォリオの在り方によっては、その他の金融機関の経営が悪化することもこれは懸念をしなきゃならない材料じゃないかなというふうに思います。  万が一にも金融危機のような事態、そういうことが招くことがないように、金融システム全体に対してきめ細かなモニタリングが必要ではないかというふうに思いますけれども、金融庁としての対応をお伺いしたいと思います。

屋敷利紀 金融庁総合政策局長

○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。  一般に、金利の上昇は、銀行や保険会社を含む金融機関の経営に対して、例えば貸出金利や債券運用利回りの向上などを通じた収益機会の増加をもたらす一方、預金金利の上昇や、議員御指摘のとおり、保有債券の評価額の悪化といった影響を及ぼすと考えられます。  こうした金利の上昇が金融機関に与える影響について、今御説明した要素が金融機関の経営に与える影響の度合いは、個々のポートフォリオや経営戦略によって異なること、金融機関の経営は金利の動向のほかにも内外の経済の動向など様々な要因に影響されることから一概に申し上げることは困難ではございますが、金融庁としては、引き続き、内外の経済・市場動向が金融機関に与える影響を注視していくとともに、金融機関の経営管理体制やリスク管理体制をしっかりとモニタリングしてまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  もちろん、こういう生保会社の超長期の国債、これ自体が含み損が出たといってもすぐに損失が表面化するわけではありません、顕在化するわけではありませんが、やっぱりそういうリスクは金融機関の中でも、今おっしゃったようにポートフォリオが様々でありますけれども、によってはリスクが高まっていく危険性はあるということであります。いろいろと、ずっと安定した状態から少し変化する事態になっているだけに、引き続き、また金融庁として是非モニタリングをよろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、財務省に国債の発行計画の在り方についてお考えを伺いたいというふうに思います。  今申し上げたとおり、超長期の国債、二十年以上の超長期の国債というのは、生命保険会社が主な買手となってきました。最近は、先ほど日銀の方からも御説明あったんですけれども、ポートフォリオの見直しで買入れ額が減らしているということであります。また、日銀も今保有している国債を減額をしているわけでありますので、やはりその買手がやっぱり減ってきているというのは事実なんだろうというふうに思います。  そうすると、一方で、先日ちょっとテレビの報道番組見ていましたら、海外のやっぱり投資家の存在感、国債市場でも非常に大きくなってきていると、財務省でも国債安定消化のために海外投資家向けのIR、積極的な情報提供等に努めているということでございました。でも、海外の投資家というのはやっぱり短期国債で運用する、そうした傾向が強いんではないのかなというふうに感じております。  今申し上げたことを踏まえますと、これからやっぱりどうしても国債のデュレーションは短くなるし、その結果、国債市場の安定性がこれまでとは変わってくるのではないのかなというふうに懸念をされます。  財務省として、その国債の買手それから保有者、またそうした期間の変化による影響についてはどのようにお考えなんでしょうか。また、国債発行計画についてこうした変化は影響があるというふうにお考えか、御認識をいただきたいと思います。

窪田修 財務省理財局長

○政府参考人(窪田修君) お答えいたします。  国債の安定消化に向けましては、御指摘のように、昨年の日銀の国債買入れ減額の決定を受けまして、国内外の幅広い投資家に国債を購入、保有していただく努力が一層重要になっていると認識しております。市場環境、投資家ニーズに即した年限構成の見直しや新商品の開発などの取組を行っておるところでございます。  このうち、国債の発行年限につきましては、年限の短いものと長いものとを比較した場合、年限の短い国債は長い国債よりも利払いコストを低く抑えられる一方、すぐに借換えが必要となりますので、借換え時の金利上昇リスクや借換えリスクを負うことになります。  例えば、今年度の国債発行計画におきましては、需給が極めて逼迫している短期国債や銀行等による需要が期待される五年債を増額した上で、主要投資家である生命保険会社からの規制対応の一巡を踏まえ、四十年債、三十年債は減額したところであります。また、国債の保有促進に向けた取組として、銀行等の投資需要を踏まえ、短期金利に連動した変動利付国債について今後の発行に向けた具体的な準備を行っております。  今後の国債発行計画の策定に当たりましては、こうしたコスト面でのメリットとリスクのバランスを考慮しつつ、その時々の市場ニーズを十分に把握し、需給バランスに配意した発行計画としていくことが重要であると考えておりまして、市場の状況や投資家の動向等を注視しつつ、市場参加者との丁寧な対話を行いながら適切な国債管理政策に努めてまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございました。  時間なので終わります。

藤巻健史 日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  一週間ほど前に令和六年度の日銀の決算報告が出ましたけれども、当期純利益が二・二兆円、一方、ETFの運用益、株のETFですね、その運用益が一・三兆円ということです。ですから、もしETFがなければ日銀の当期剰余金は一兆円を割っていたということになるかと思うんですが。釈迦に説法かもしれませんけれども、中央銀行たるもの、通貨の信用を守るために、株とか長期国債とかいうボラタイルな、値段がボラタイルなものを、金融商品を買ってはいけない、これは金融界の第一歩であると思いますし、中央銀行であれば当然のことだと思うんですが。このETFで決算を作っている、これ恥ずかしいんじゃないかなと私は思うんですけどね。普通、一種の、例えば会社が、メーカーが、メーカーの収益はとんとんだけれども、馬券でもうかっているというような感じかと思ってしまうわけですよ。  五月三十日の衆議院の金融委員会で、階委員の質問に対して、利払いをする際の利子率と保有債券に入ってくる方の利子率、ここに逆ざやがしばらく続きますので、そこから来るマイナスの力を打ち消す一つの要素になるということは確かでございますと、いかにもプラスの感覚でしゃべっていらっしゃいますけれども、中央銀行たるもの、当然、株なんかは、御存じのように、世界で株を持っている中央銀行なんてスイス中央銀行ぐらい、以外ないわけですよ。それなのに、日銀は日本一の株主である、で、そこで収益を上げている。  これ、このままいっちゃうと、日本銀行の信用が失墜して、さらには通貨の信用にも、円の信用にも失墜してしまうのではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、二%の物価安定目標を実現するために昨年春まで大規模な金融緩和を行っておりました。ETF等を保有しておりますのは、物価安定という自らの使命を果たすために必要な政策を行った結果でございます。  日本銀行に対する信用をという点に関しましては、第一義的には私どもが物価安定目標をきちんと達成するということを通じて信認を確保していくということであるかと考えております。

藤巻健史 日本維新の会

○藤巻健史君 日銀総裁としてはそう答えざるを得ないのかもしれませんけれども、大変申し訳ないんですけど、学者としての矜持があるのかなと。中央銀行がこんな株でもうけを出している、それを恥ずかしげもなくおっしゃるというのはどうかなと私は思いますですけどね。  次の質問です。  今まで、時価会計で日銀のバランスシートを評価すると債務超過になるリスクがかなり強まってきたのではないかという質問に対して、総裁は、日銀は簿価会計をしているから大丈夫だという答弁でした。今日は、その簿価会計であったとしてもという話をします。  これ非常に、簿価会計やっているから大丈夫だというのは非常に私は疑問、マーケットが許すかどうか非常に疑問に思っていますけれども、簿価会計を認めるとしてでもですね、もしその政策金利を〇・五%から一・〇%に上げると損の垂れ流しが始まってしまうので、簿価会計を採用していても損の垂れ流しが始まってしまうんじゃないかと思うわけですね。すなわち、令和六年度の当期剰余金は先ほど申しましたように二・二兆円、日銀当座預金は今約五百三十兆、まあ利息を付けるやつが五百兆円として、〇・五から一%まで政策金利を上げると、支払金利は更に五百兆掛ける〇・二五で二・五兆円ぐらい上昇してしまうわけですよ。そうすると、今、当期純利益二・二兆円ですからね、ETFで十分な利益を上げたとしてもマイナスになってしまうわけですよね。  そういう状況でも、要するに時価会計だと債務超過の可能性ある、簿価会計でも今後金利を上げていくと損の垂れ流しが始まる可能性があるという状況で、日銀の信用が保つことができるというふうに日銀総裁はお考えか、お聞かせください。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これは、まとめますと、おっしゃるように、収益は、金利を上げていく過程で、あるいはバランスシートを縮小し金利を上げていく過程で一旦下押しされます。ただし、その後収益が回復していくメカニズムがあるため、全体を通じて見れば、信頼を逸するということにはならないというふうに考えております。  具体的には、政策金利が上がってバランスシートが縮小する局面では、委員おっしゃいましたように、当座預金に対する付利金利の引上げが起こりますので、超過準備に対する支払利息の増加から収益は下押しされます。  ただ、その後は超過準備がだんだん減少していくということで支払利息が減少するというメカニズムがありますし、また、少しずつでも国債の買入れを続けている中で、利回りの高い国債へ資産サイドの保有国債が入れ替わっていく、それは受取利息を増加させる要因になる。さらに、利子が付かない銀行券や所要準備といった無利子負債の見合いで持っている債券がございます。これらの収益が入ってくるということを併せますと、収益はだんだん回復していくというふうに考えております。加えまして、債券取引損失引当金のような一定の財務上の備えも行っております。  以上について、より具体的には、昨年十二月に公表しました私どもの試算では、いろいろなシナリオについて、今申し上げましたような日本銀行の収益の動きが現実に申し上げたような動きになるというところをお示ししたところでございます。

藤巻健史 日本維新の会

○藤巻健史君 かなり無理な答弁だと思うんですけれども。  幾つかありましたね。その幾つか申しますと、前回、前々回だったかな、四月の財政金融委員会で、私が今年中に満期になる国債は幾らあるかと、五十八兆円という答弁を日銀からいただいたんですけれども、今保有している国債というのはほとんどが長期国債ですよ。長期国債、固定金利ですから、十年なら十年、満期が来ないと新しい利率に変わらないわけで、五十八兆しか変わらないという、満期しか来ないということは、五十八兆円分だけ新しい金利に変わるわけですよ。〇・五%上がったとして、五十八兆円分の〇・五%、二千九百億円ぽっちですよ。二千九百億円しか受取利息は増えないわけですよ。支払の、日銀当座預金への付利の方は二・五兆円増えていっちゃうわけですよね。全然間に合わないわけでね。  要するに、一時的だといっても、かなり長い間、シニョリッジ、マイナスのシニョリッジ、通貨発行損がアキュムレートしていっちゃうわけですよ。それをいずれ回復するなんといって、どんだけ、いずれがどのくらい、総裁いつも一時的とおっしゃいますけれども、十年たってやっとマイナスの蓄積されたシニョリッジがなくなるなんということは、到底日銀がもつとは私は思わないんですけどね。  アメリカの中央銀行のように二十五兆円ぐらいの毎年の金利収入があれば、それはちょっとFRB当座預金の金利を下げれば、それは十分にプラスのシニョリッジが生まれて、その蓄積したものというのは解消できますけど、日本銀行みたいに、純粋なシニョリッジですね、受取利息から支払利息を引いた本当の意味のシニョリッジって大体二・五兆円ぐらいですよ。それで、大きいアキュムレートしたマイナスができたときに、果たして世界のマーケットが日銀を信用してくれるかという問題が残るかと思うんですが、いかがか。  それと、もう一つだけ申し上げちゃうと、先ほど日銀当座預金がとか、あと発行銀行券があるといいますけど、私の記憶だと発行銀行券って百兆円ぐらいですし、日銀当座預金って五百三十兆ですから、ここへの付利金利というのが一番日銀のPLに影響するわけですよね。  発行銀行券があるなんというのは詭弁でしかないんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員が今御指摘されたようなメカニズムと、日銀の収益に対してマイナスに働くようなメカニズムも一応全て織り込んで、先ほど申し上げましたような、昨年十二月に公表した試算は、試算結果を公表しております。  そこによりますと、収益、例えば付利金利のマイナスと資産サイドで長期国債保有で稼ぐ金利、ここが逆ざやになるという期間はしばらく続きます。ただ、数年後、それはケースによって短かったり長かったりしますが、収益は回復に転じ、その間に減った自己資本も徐々に回復していくという姿がシミュレーションでは描かれております。

藤巻健史 日本維新の会

○藤巻健史君 到底納得のできない答弁なんですけれども、時間がないので次の質問に入りますが。  今、政策金利は〇・五%で、先日、つい先日発表された東京都区部の消費者物価指数、前年同期比、同月比三・六%、実質マイナス金利三・一%ですよ。  私、長い間マーケットにいますけれども、実質金利がマイナスになったというのはほとんどなかった。一九八五年から二〇〇〇年まで銀行員としてマーケットにいましたけど、そのときに実質的な、実質金利がマイナスになったというのは、私の覚えている限り、九七年の大変なとき。あの橋本総理が財政構造改革法案を出して、第二条に財政は危機的状況であると書いてあったやつ、それを出したときが九七年。要するに、山一証券とか北海道拓殖銀行とか三洋証券が潰れたあのときだけは確かに実質マイナス金利だと思うんですが、ほとんどなかったと思うんですよね。で、現在、物すごい大きい実質マイナス金利ですよ。  これ、ちょっと質問、もうちょっと時間がないんで省きますけれども、そんなに日本の状況が、景気が悪いのか、それから、これだけ物価上昇していてもそんなにマイナス金利を、実質マイナス金利をキープする必要があるのかと極めて疑問に思うんですが、それに関して、二〇二三年の九月の日本金融学会で、植田総裁は、収益や資本の減少が懸念される下で、日本銀行はこれからこれを回避するように政策運営を行うのではないかという指摘も耳にしますと御自身でおっしゃっているわけですよ。  要するに、日銀の財務が悪くなるがゆえに、それを危惧して日銀は金利を上げられないんではないかと、まさにそういう状態じゃないかと私は思うんですが、いかがですか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これは何回かお答えしておりますが、私ども、金融政策はあくまで物価安定のために行っているものでありまして、私どもの財務への配慮のために必要な政策の遂行が妨げられる、あるいは変わった政策をするということはございません。  足下の状況で申し上げれば、基調的な物価上昇率が足踏みしつつもだんだんと二%に収束していくという私どもの中心的な見通しが実現していくとしましたならば、経済・物価情勢の改善度合いに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくという基本的な考え方であります。  ただ、先ほど御議論がありましたように、不確実性が極めて高い状況でありますので、本当にそういう見通しが実現していくかどうかは予断を持たずに判断していきたいと思っております。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ております。

藤巻健史 日本維新の会

○藤巻健史君 時間がないので終わりますけれども、異次元のばらまきと異次元の量的緩和という財政ファイナンスで日銀が極めて厳しい状況に陥っていると思うんですよね。  私自身は出口がないのかなと思っているんですが、きちんと反省し、記録を残して、二度と未来の世代が同じような苦しみを味わわないように、きちんと記録だけは残しておいていただきたいと思います。  終わります。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 国民民主党・新緑風会の堂込麻紀子です。  本日は、日銀、また植田総裁、そして金融庁の方にも質問用意させていただいておりますので、通告の順番に質問させていただければというふうに思います。  まず初めに、米国の相互関税、これに端を発する各国の通商政策、これはまだ流動的、先も見えずという中でありますが、五月にカナダ・バンフで行われましたG7の財務大臣・中央銀行総裁会議が行われました。大変お疲れさまでございます。  その中で、会議で取りまとめられました共同声明にもありましたけれども、不確実性の高まりが経済と金融安定に影響を及ぼし得ることを認識するというふうにされています。その終了後の記者会見の中で、先行き、関税について非常に不確実な状況が続いているということが一つと、それから、関税がどこに落ち着くにせよ、それが経済にどういうふうに影響していくかという点について非常に大きな不確実性がまだ残っている、あるいはこれからデータを見ていかなくてはならない局面であるという辺りは私もそう思います。これ、植田総裁の御発言でございますけれども、他の参加者も多くの方はそういう認識であったというふうに述べられています。  実際、各国の中央銀行総裁と意見交換が執り行われたわけですけれども、公にできない内容はもちろんあると思います。ただ、相互関税による経済の不確実性、これが残された環境の下で、今後の金融政策を遂行するに当たって、日本銀行が他の中央銀行と異なった条件下にあると感じたところが何かあったのでしょうかというところを、あればその点について伺えればというふうに思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 今回の、先々週になりますか、G7では、やはり各国の通商政策の影響、あるいは先行きを中心に海外の要人との意見交換を行いました。  個別の意見交換の内容について言及することは差し控えたいと思いますが、全体観としましては、今委員御指摘くださいましたように、大方の参加者は関税政策の帰趨とその影響をめぐる不確実性は引き続き極めて高いという見方でありました。  その上で、各国間の若干のばらつきについてちょっとコメントさせていただきますと、まず、アメリカは、関税を引き上げることにより直接に物価に上昇圧力が掛かるという点でほかの国とは状況が大きく異なっているということだったと思います。関税政策がある種のマイナスといいますか、インフレ率を上げる方向で働くサプライショックであるという認識を強く持っていたかと思います。  それに対して、米国以外のG7諸国につきましては、関税の引上げが経済、物価に影響を及ぼす経路についての理解についてはおおむね日本も含めて同様であるという印象を受けました。ただ、その上で、各国間で現時点の経済、物価の状況や政策金利の水準などにかなりの違いがありますので、物価安定を実現していくために必要な政策対応は少しずつ異なるという見方だったと思っております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  各国の通商政策、これから急激な変化が起こり得るかもしれないという中での日本経済に及ぼす影響について伺えればと思うんですが、展望レポート、先ほどからも、先ほど来から触れられておりますが、各国の通商政策の動きが日本経済を下押しする経路について様々明記されておりました。世界的な設備投資需要が停滞して、まず日本、資本財輸出を減少させていくこと、また輸出財の米国製品に対する価格競争力が低下すること、また世界経済における貿易量の全体的な落ち込みもありますが、輸出数量を減少させることなどが挙げられておりました。  日本経済新聞の集計によりますと、主な上場企業三十六社が、来年ですけれども、二〇二六年三月期に見込む関税の減益影響額は計二・六兆円となり、そのうちの七割を自動車が大きく占めたというものでした。  輸出企業を始めとする企業収益の低下、これは国内外の設備投資戦略にマイナスとなるほか、影響が雇用者所得、また個人消費にさえも下押しするような状況になるのではないかということが懸念されています。また、不確実性の急激な高まりそのものが国内企業全体の設備投資への下押し、また個人消費の下押しにつながるのではないかということも考えられます。米国の関税政策による影響は、輸出企業に限らず、内需向けの国内企業、また家計も含めた日本経済全体に波及する想定も考えられます。  金融政策運営に関係して特に注視されている経路ですね、その経路がどのように影響するか、特に注目している点を植田総裁からお伺いできればと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘いただきましたように、最近の関税政策ですが、様々な経路を通じて我が国経済に影響を及ぼし得ると思います。  ただ、そうした中で、まずは影響は輸出企業に表れる面が大きいというふうに見ております。ただ、その後、そうした企業の収益減少や消費者マインドの悪化などを通じて幅広い企業や家計に影響が波及する可能性があるというふうに考えております。  私どもとしましては、そのうちの特定の経路をほかよりも特に重視するというのではなくて、様々な波及経路を念頭に置いた上で、私どもが持ちます本支店等のネットワークも活用しながら情報収集に努め、経済・物価動向を総合的に点検していきたいと考えております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  様々な経路もあると思いますが、恐らく植田総裁も同じだと、日本銀行もそうだと思いますが、今続いている日本での高水準の賃金の影響という経路も大変懸念されるところではないかなというふうに思っております。  続いて、個人消費の伸び悩みに対する現状認識についてお伺いできればと思いますが、内閣府が五月十六日に発表されました二〇二五年一月から三月期の実質GDPは前期比マイナス〇・二%、年率換算においてはマイナス〇・七%となり、一年ぶりのマイナス成長となっています。米を始めとする食料品の高騰が続いておりますので、GDP全体の半分以上を占める個人消費、この伸びが前期比で〇・〇四%の増加にとどまったということも原因の一つと言えるかと思います。  この五月の会合後の総裁の記者会見において、総裁から、賃金と物価の好循環はある程度回っているとの発言がありました。特に二〇二五年の春闘が力強い姿であったという一方で、個人消費は昨年の十月から十二月期の〇・一%に引き続き足踏みが続いているという状況です。現状は、昨年の半ば過ぎからの物価高の再加速に賃金上昇が及んでいないというふうにも言えるんじゃないかと考えています。  加えて、各国の通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性高まる中で、企業収益がマイナスの影響を受けて、今後のボーナス、一時金、日銀にとっては一時金です、そして来年の春闘にも波及するような事態も十分に考えられるのではないかと考えます。  展望レポートでは、先行きの個人消費、緩やかな増加基調を維持し、その後は基調として底堅さを維持していくというふうにありますが、この個人消費、底割れの懸念はないのかというところです。  賃上げが物価上昇に追い付いていないという現状、今後の賃金や物価、個人消費の動向についての総裁の見解をお伺いできればと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 賃金、物価、個人消費の現状及び今後ですけれども、御指摘いただきましたように、昨年の秋以降、食料品価格の大幅な上昇を主因に消費者物価総合の上昇率が再び高まっております。このため、実質賃金の前年比もマイナスで推移しており、消費、国民生活に大きなマイナスの影響を与えていることは十分に認識しております。ただ、先を見ますと、食料品価格の水準まではなかなか難しいですが、前年比で見た物価上昇率に及ぼす影響は和らいでいくというふうに見ております。  また、本年の春季労使交渉の結果も踏まえると、名目賃金は高めの伸びが続くと見ております。ただし、更に先に行きますと、委員御指摘のように、冬のボーナスであったり、来年のまた春闘に対して、関税政策等の影響から来る経済の下押し圧力の動きが多少のマイナスの影響を及ぼす事態は考えられると思いますが、それも賃金の上昇率が少し低下するという程度の影響と見ておりますし、私ども、中心的な見通しでは、経済全体あるいは賃金の上昇率も、またその後上昇に転じるというふうに見ております。  そうした中、やはり念のため、通商政策等の今後の展開やその影響をめぐる不確実性には十分注視する必要がありますが、実質賃金に回復傾向がだんだん見られるようになり、個人消費は緩やかな増加基調を維持するというふうに見ております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  個人消費に対する見解が少し楽観的なものが続いているのかなというふうに、私の私見ではございますが、指摘だけさせていただきたいと思います。  続いて、賃上げ実態の把握に向けた日銀の新たな取組についてお伺いできればと思います。  日銀が金融政策の方向性を判断するに当たって賃金と物価の好循環の実現を重視しているということは、これまでも植田総裁の記者会見、また国会での御答弁等で明らかにされています。ただ、現時点では日銀独自での賃金関係の調査は行われておらず、厚生労働省の調査、また連合の公表されている資料などが賃上げの実施状況等の判断材料として用いられているということは承知しています。  日銀は、企業の業況判断や設備投資計画、資金繰り判断など全国の企業動向を把握するため、全国企業短期経済観測調査、いわゆる短観ですけれども、四半期ごとに実施されています。  昨年八月、企業における賃上げ率の実績や見通しを的確に捉える調査項目を短観に新設することを企図として、適切な設問形式等を確認するために一部の調査対象企業に対して予備調査実施をする方針を公表されておりました。最近の報道においては、労働組合のない中小企業の賃金状況を十分に把握できていないということから、二〇二七年にこうした調査始めるといった観測もされているところでございます。  日銀が企業の賃上げ動向を把握する取組を進めることは極めて重要だと考えます。一方、調査の内容が正確で客観的なものとなるように調査項目や設問形式などの設計には十分な注意を払うことが求められるほか、現在も用いられている厚生労働省や連合の資料なども併せて実態把握していくことも必要と考えます。  現在実施しているとされる予備調査の内容も含めて、新たなその調査の狙いと現時点での検討状況について伺えればと思います。

諏訪園健司 日本銀行理事

○参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。  日本銀行では、企業における賃金の動向を的確に捉える調査項目の新設を企図いたしまして、昨年九月調査以降の短観調査におきまして予備調査を行っております。こうした取組を実施しておりますのは、物価安定の目標の持続的、安定的な実現について判断する観点から、賃金の動向を見極めていくことが重要であると考えるためでございます。  予備調査におきましては、適切な設問形式等を確認するため、一部の調査対象企業に対しまして賃上げ率の実績や見通しを伺っております。それを踏まえて、見直しの方向性が決定した場合には、見直し方針を本年後半以降に公表し、パブリックコメントを実施した後に最終的な見直しの内容を決定する予定としております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  今触れました中小企業の実態把握に即した短観についてちょっと引き続き質問なんですけれども、在り方についてですね、短観に関して、企業動向を把握する目的に照らして、対象企業の範囲や定義をどのように設定するかについても課題があるかというふうに思われます。  特に調査対象となる企業規模区分ですけれども、大企業、中堅企業、中小企業の三区分が設定されております。このうちの中小企業については資本金二千万円以上一億円未満というふうになっておりまして、中小企業基本法における中小企業の定義と照らし合わせますと、この短観は、中小企業とはいえ、比較的大きな企業を対象としているというふうに思われます。この点は、これまでも国会で繰り返し質疑が行われてきております。  これに対して、日銀は、二千万円以上の企業の調査結果だけで判断するのではなく、日本政策金融公庫、また中小企業基盤整備機構等が実施される各種のアンケート調査の結果の活用や各種ヒアリングなども併せて把握しているとの認識を示されてきています。  確かに、日銀の調査体制等を考えますと、調査対象の拡大にも課題があるというふうに考えます。今後、賃上げ動向の把握も短観を通じて行うということであれば、労働組合のない小規模な企業も含めた調査としていくことが求められるとも考えます。  短観の調査対象中小企業の範囲の在り方、また、今後短観を補完する各種アンケート調査等の活用について、日銀の現状認識、お伺いできればと思います。

諏訪園健司 日本銀行理事

○参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。  賃金の動向に関する予備調査につきましても、通常の短観と同様、資本金二千万以上の民間企業に対して実施しているところでございます。短観の調査対象企業を現状のように定めておりますのは、多岐にわたる項目について四半期ごとに調査することに伴う報告者の御負担、これまで公表してきた統計との連続性の確保、資本金二千万円未満の中小零細企業を対象とした他機関が実施されているビジネスサーベイとのすみ分けなどを総合的に勘案した結果でございます。賃金の動向に関する調査項目を新設した場合でも、これらの背景を十分に考慮する必要があると考えております。  その上で、賃金、賃上げ動向の把握に向けましては、より小規模な企業の動向を調査することも重要であると認識しております。この点、日本銀行では、小規模な企業も対象としている各種サーベイの結果を分析しておりますほか、全国の本支店を通じまして、中小企業や中小企業団体、商店街などにも定期的にヒアリングを実施しております。また、その結果につきましては支店長会議などで報告されるとともに、そのエッセンスは地域経済報告、さくらレポートとして対外的に公表しております。  日本銀行としては、引き続き、短観のみならず、こうした様々な調査、分析を通じまして、中小企業・小規模事業者含めた企業活動の実態把握に努めてまいりたいと考えております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  中小企業を含めて実態把握に即する短観という、定点観測する指標というものも重要だと考えますが、データについては幅広に蓄積されることも重要だと思いますので、今のお取組を是非続けていただきたいというふうに思っております。  最後の質問に入らせていただきますけれども、金利上昇局面に入り、世界経済の不確実性が増すという中で、金融機関に対してもより慎重なリスク管理が求められるようになってきています。  例えば、金融庁は、四月に行われました全国地方銀行協会等の意見交換会の場で、米国関税措置をめぐって、金融経済情勢、高度に不確実な状況が続く見通しの中での、各銀行にリスク管理に万全を期すように求められています。日銀が四月二十三日に公表されました金融システムレポートにおいても、我が国の金融システムは全体として安全性を維持しており、金融仲裁機能も円滑に行われていると評価をしつつ、四月入り後には、内外の金融市場が大きく変動するなど、各国の通商政策を始めとする経済政策運営や地政学的リスク、国際金融市場の動向をめぐる不確実性が高まっている、金融機関は様々な形のリスクが顕在化し得ることに注意していく必要があるというふうに指摘をされています。  その一方で、金融機関は、米国の関税措置等の影響を受ける中小企業等に対して、資金繰りなどのきめ細やかな支援の役回りも期待されています。金融機関にとっては極めて難しい業務運営を迫られているというふうにも捉えられます。  金融機関自身のリスク管理と米国の関税措置等の影響を受ける中小企業等に対するきめ細やかな支援、この両立には、両立を図るためにはどのような指導を行っていくのかというところを、金融庁及び植田総裁の見解をお伺いできればと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  金融庁といたしましては、金融機関が危機時においても金融仲介機能をしっかりと発揮できるよう、内外経済の不確実性を想定したストレステスト等を活用し、不測の事態に備えた対応方針を策定するなど、従来から各金融機関に対しましてリスク管理態勢の整備を求めてきたところでございまして、その取組状況をモニタリングをしております。  足下では米国関税措置をめぐる金融経済情勢の不確実な状況が続いておりますけれども、各金融機関に対しましては、金融機関自身のリスク管理態勢の更なる高度化に努めるとともに、事業者の状況や資金需要を積極的に把握し、影響を受ける中小企業等へのきめ細かな資金繰り支援を徹底するなど、金融担当大臣による談話を含めまして様々な機会を活用して要請をしているところでございます。  金融庁といたしましては、各金融機関が適切なリスク管理態勢を整備し、金融仲介機能を発揮できるよう、引き続き万全を期してまいりたいと考えております。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のとおり、不確実性が高い中での金融機関にとっての適切なリスク管理と円滑な金融仲介機能の維持の両立が極めて重要な課題となっております。  特に中小企業においては、長年にわたり業況が芳しくない先や最近の人手不足で収益が下押しされているところも見られていまして、金融機関が企業の実態に即して継続的な取引先支援を行っていくことの重要性が増していると思います。  金融機関が適切なリスク管理の下で取引先支援を通じて地域経済の活性化を促していくことができれば、金融機関自らの経営基盤の強化にもつながると思っております。  私どもとしては、こうした観点から、考査、モニタリングやセミナーの開催等を通じまして、様々なルートを通じてリスク管理の高度化や取引先支援の取組の重要性について金融機関と対話を深めてまいりたいと思っております。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ております。

堂込麻紀子 国民民主党・新緑風会

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、藤井一博君が委員を辞任され、その補欠として古庄玄知君が選任されました。     ─────────────

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  植田総裁、連日御苦労さまでございます。  黒田総裁のときは、もう毎回、異次元金融緩和から方向転換すべきだということと正常化に踏み出せということで、本当に毎回厳しい質疑をさせていただきましたけれども、植田総裁は大変難しい情勢の下で正常化に向けて果敢に努力されているということで、とにかくお体気を付けて頑張ってほしいなということしかございませんが、今日は少し違う話をさせていただきたいと思います。  今、参議院選挙前で各党が経済政策、その際、財源論というのが一つの焦点になっております。その中で、もっと赤字国債を発行して日銀に引き受けさせ、もっと財政支出をという主張もこの間特に強まっておりまして、そのベースにあるのがMMT、現代貨幣理論ということだと思います。  MMTというのは、日本の政府は通貨発行権持っているから、円建ての国債がデフォルト、返済不能になることはないと、したがって赤字国債が大きくなっても問題はないと、中央銀行による国債引受け、インフレになるまで大丈夫、それでいいですか。(発言する者あり)ということで、そういうものでございますが、仮にインフレになっても、国債を売って、売りオペですね、マネー回収すれば、あるいは増税すれば抑えられるというようなことだと思います。  実は私、このMMTには心情的には大変シンパシーがございまして、出てきた背景といいますか、特に中心になって提唱されたのが、西田さんとかお招きになりましたが、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトンさんですよね。御本読んで、私大好きでございまして、要するに、アメリカの新自由主義が強まって、緊縮財政が強まって、格差が広がってアメリカ国民が大変な思いをしているというときに、国民のためにもっと財政支出をすべきだと、いろいろやるべきだというふうなことで民主党左派の方々に採用された理論ということで、どちらかというと左派の、左派の議論ですね。日本では右派の方のあれですけれどもね。ただ、心情的には分かるんですね。そういう、本当に国民に緊縮を押し付けてきた財政当局に対して、もっともっと借金してでも国民のためにやれという意味はよく分かります。  そのMMTについては、この委員会でも、六年前ぐらいですかね、二〇一九年、大変な議論になりましたね。当時、非常にちょっとブームになったんですね。各委員の皆さん、私も当時、黒田総裁と議論して、MMTの肯定派とか否定派とか慎重派とか様々な議論がありました。この点だけは西田先生と意見が違うんですけれども、六年前に様々な議論あって、ちょうど私、六年前の議事録読んでいたら、途中で発言する者ありって出てくるんですね。あれ西田先生でございまして、懐かしいなと思って読んでいましたけれども。  とにかく、ただ、日銀にもっと国債をという流れは六年前より今の方が実質的に強まっているんじゃないかというふうに思いますので、改めて植田総裁にお聞きしたいというふうに思います。  ステファニー・ケルトン先生もおっしゃっていましたけど、既に日銀がやってきた異次元の金融緩和そのものがMMTではないかという意見が、見方がございます。先日も、ある、経済専門家と言った方がいいんですかね、という方と話していたら、いや、大門さん、実際日銀がMMTやったじゃないですかというふうに言われる方がまだ、まだというか、いらっしゃるわけですね。  その点で日銀自身に聞きたいんですけど、日銀の異次元金融緩和というのはMMTの実践だったのか、違うならどこが違ったのか、簡潔に御説明願えますか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、二〇一三年から昨年春にかけて行っておりました大規模金融緩和ですが、これは二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現するという観点から実施してきたものでありまして、仮に異次元の金融緩和はMMTの実践だったという見方が、日本銀行がこうした金融政策上の目的を超えて財政を支えるために国債買入れや低金利政策を進めてきたということであれば、そうしたことはございません。実際、私ども、昨年三月に大規模金融緩和の枠組みを見直し、その後も政策金利の引上げや国債買入れの減額を進めてきたところでございます。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 私は、ただ、今、植田日銀は方向転換ということなんですけれども、黒田さんがやってきた十年間というのは別にMMTと、その実際の起きたことでいえば、MMTの手法と変わらないと思います。ただ、国民の暮らしは良くならなかったということは言えるんではないかと思いますね。  実は、先日も、このMMTを主張される経済学者の方と私非常に親交がありまして、率直にいろんな議論する関係で、別にいろんな理論があっていいわけですよね、理論的にはですね。ただ、私、現実に、MMT理論、現実に適用するところに大変ちょっと無理があるんじゃないかと思っているだけなんですけれども。その点で、MMTを主張される人たちはインフレになる可能性は否定されないんですね、インフレになることあるだろうと。ただ、インフレになっても、先ほど言いました売りオペをして通貨を回収するとか増税するなどの手段で抑えることができると。私はそれが難しいんじゃないかという考えなので、現実的な政策で採用するのは無理じゃないかというところが違いなんですけれども。  現実問題として、アメリカの例もありましたけど、一旦インフレ、高インフレになったら、私はそんなに簡単に抑えることはできないと思うんですけれども、日銀としてはいかがですか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 例えば、中央銀行による国債の引受け等で財政支出を拡大し続けた場合に、初めは問題がないという場合もあるとは思いますが、次第にコントロールが利かなくなり、結果的に大幅なインフレにつながり、国民生活や経済活動に大きな打撃を与えたという歴史上の例はたくさんあるものと理解しております。  また、違う、より一般的な観点から申し上げますと、もしも物価安定の目標を大幅に上回る物価上昇率が社会に定着するようなことになってしまいますと、目標に向けて物価上昇率を押し下げるためには非常に緊縮的な財政金融政策が必要になる可能性が高いというふうに思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 私は、そもそも日銀というのは、国債の買いオペ、売りオペ、国債を通じて物価のコントロールということがあると思うんですね。そうすると、国が赤字国債どんどん発行して日銀が引き受けざるを得ないという状況になると、国債の売り買いのコントロールができない、だから物価のコントロールができなくなるという基本的な問題が一つあるような気がするのと、一旦、この前のアメリカがそうですけど、なかなかインフレ抑えられませんでしたよね。一遍起きますとそう簡単に、こういう政策を取ったらすぐインフレ抑えられるということはなかなか現実問題難しいと思うんですよね。ましてや増税、インフレで物価が上がっているときに増税をやるということは、国民の暮らしにとっては大変なことですよね、増税、インフレのときに増税されるということはですね。  したがって、いろいろちょっと理屈の上では成り立つことも現実的には難しいのではないかということを思って、そこが違いですねということでMMTの学者の方とは議論しているところでございます。  もう一つ、これが一番危惧されるところなんですけど、この間の日銀、国の国債発行がずっと増えるか、あるいは減る方向になるのか、日銀の国債引受けが買うのか、あるいは減額していくのかという、いろいろありますよね。これ全て、マーケットが注視しているわけですよね、金融市場が。この間の超長期国債の金利の急上昇も、これ実はマーケットがいろいろやるからこうなっているわけですね。現実の市場の動きというものがあるわけですね。  したがって、このMMTの論でいきますと、非常に財政通貨論に集中し過ぎて、生の世界、生のこの動いている世界、巨額のマネーが利ざやを求めて一瞬のうちに何十兆円動かすというような貪欲な金融マーケット、投機マネーの世界がどうも視野に余り入っていなくて、日銀の動向あるいは国の信認がどうなるかというのはマーケットが判断して、そのことによっていろんな、付け入る隙といいますか、そこでターゲットにしていろいろやって国債の暴落を仕掛けると、かつてあったわけですね、空売りもやるわけですよね、この観点でですね。  そういうことがあるので、私は、このMMTの一番ちょっと抜けている点は、金融マーケットを実際の中で考えるべきだと、現実の中で考えるべきだというふうにこの間の長期金利の、超長期国債の金利の上昇を含めて考えるんですけれども、そういう現実のマーケットとの関係でいかが思われますか、MMTについて。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 余り具体的にはお答えしにくいですが、過度な投機的なマネーの動きによって金融資本市場が大きく不安定化するような事態を避けるためにも政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保していくこと、それから、私ども日本銀行が物価の安定という目的を実現するために金融政策を運営していくこと、これが極めて重要であると考えております。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 決して財務省のような緊縮的なことに賛成というわけではございません。国民の暮らしを良くして、経済良くしてということが大事で、そのときに必要な財政支出はやるべきだということと、赤字国債まだまだ発行できる論はちょっと違うのかなという点を申し上げたかったわけでございます。  これで質問を終わります。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 本日、初めて植田総裁に質問させていただきます梅村みずほと申します。どうぞよろしくお願いいたします。  植田総裁は、学問の分野で総裁になられる前にも金融政策を突き詰めてこられたわけでございまして、総裁の御就任が決まったときには、戦後初の学者出身の総裁ということで大変話題になりました。それから、就任から二年余りたたれるわけなんですけれども、今日ちょっと聞いてみたいのが、実際に中央銀行をハンドリングする立場になられて、この座学と実態というところにギャップはあったのかどうかというところ、あるいは、総裁になられて、こういったところは難しいなという点がおありでしたらお聞かせいただけないでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 難しい御質問ですが、一つ感じますのは、感じましたのは、金融政策、日銀総裁、金融政策だけでなくて、申し上げるまでもないですが、金融システムの安定性に関する政策であったり決済に関する政策、あるいは昨年ありましたように新日銀券を発行するというような政策もございます。それから、日銀組織のマネジメントに関わる仕事もたくさんございます。  こういうふうに業務の幅広さが一つ、思っていた以上に広かったなという面と、学者としての違いということで申し上げれば、差し障りがあるかもしれませんが、学者がふだんすることは、うまく答えが出るようなふうに問題を設定して、それで答えをきちっと出すということが学者であります。これに対して、政策担当者、実務家は、もちろんぎりぎりまで全てできることを分析しますが、それでも将来等について分からないことは残る、その中で、そういう不確実性の中で決断をしないといけない、ここが大きく違うのかなというふうに思ったところでございます。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 大変示唆に富む御答弁、ありがとうございました。  やはり、自分でやってみると学問として突き詰めるというのは違うと思いますし、実際のその決済業務だとかマネジメントという実務面というのは学者の皆様では全く違う業務だと思いますので、その難しさと闘いながら、この二年余り重大な責務を負われていたことに対して心から敬意を表する次第でございます。  さて、先ほども他の委員からカナダのバンフで行われましたG7の中央銀行総裁会合について言及がありましたけれども、この通商政策に関しては米国の関税引上げに絡み不確実性が高いということ、一方で、必要な政策対応というのは各国で異なる面もあるというふうに先ほど総裁がおっしゃっておりましたけれども、やはり、各国の総裁と話していると、日本と諸外国との違いというのを感じる場面というのは多々あるんではないかなと思います。  逆に、各国の総裁からすれば、日本に対して、例えばその会合のオフトークなんかで、これから日本はどんなふうにバランスシートを縮小していくんだろうかとか、あるいは日本はどの辺りまで国債の保有残高を減らすべきと考えているのかなんというような話も出てくるのかなと想像したりもするんですけれども、総裁がこうした国際会合の場で各国の中央銀行総裁とコミュニケーションをする中で気付かれるような、日本独特の経済的なファクターであったり、日本だからこそのアドバンテージもあるんじゃないかなと思いますし、ディスアドバンテージもあるんじゃないかなと思うんですけれども、その辺りありましたら、お伺いできますでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これも難しい御質問ですが、まず、金融政策周りということで申し上げれば、委員御指摘のように、欧米と比べますと、日本の現状は政策金利がまだ低いところにある、あるいは中央銀行のバランスシートの規模が非常に大きなところにあるという辺りが大きな違いで、皆さんから、その違いあるいは今後どうするのかという辺りについて指摘や質問を受けたりすることが多いところであります。違う言葉で申し上げれば、先ほど来議論がありましたような基調的物価上昇率が欧米では二ないし二をちょっと上回っている、これに対して日本では下回っていると、ここの違いも際立ったところであります。  もうちょっと中長期的な経済ということでよく感じるのは、やはり、日本は昔からそうでありますが、エネルギーがなかなか国の中にないという中で、さらに、人手不足が深刻になりつつあるという生産の極めて重要な要素について弱点を抱えているという点をどうやって乗り越えていくかという問題は大きいと思いますし、一方で、最近各国の総裁方と話していても感じますのは、日本、インバウンドの、海外からの旅行者が増えていますが、そういう政策担当者の間でも日本の様々なおもてなし等に対する親近感は非常に高まっていて、これは一つの今後一段と育てていくべき日本経済のアドバンテージかなと思ったりもいたします。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 ありがとうございます。大変興味深いお話でした。  人手不足等は今日の委員会でも他の委員からも御指摘もありましたけれども、各国がそれぞれの違ったバックグラウンド、背景を有している中で、総裁はそれぞれに闘いを各国でされていると思うんですけれども、先ほど総裁御自身からも言及がありました債務残高の対GDP比というのがもう日本は二五〇%を超えているということで、非常に他の国と全く違う性質を持っております。ここに対しては、非常に、私はもう少し縮小していった方がいいんじゃないかと思う立場でもありますので、六月には金融政策決定会合も行われるということですので、その報告も待ちたいなと思っているところでございます。  では、次の質問をさせていただきたいんですけど、ちなみに、この国際的な場での日本であるとか、日本の中での世界、世界の中での日本ということを考えると、今まさに大阪では大阪・関西万博が行われています。私は大阪府選出の議員でありますので、経済的なインパクトという面ではこの万博に非常に期待をしている一人でもあるのですが、総裁がこの大阪・関西万博に期待されている点といいますか、どういったことが期待できるのかという点をお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私、今年始まってからはまだ会場に行っていませんけれども、昨年建設途中の会場を見学させていただいたことがあります。その際、大屋根リングの迫力に非常に感銘を受けた思い出があります。  それから、今後でございますが、様々な展示等が万博でなされ、内外の方がそれを見に来られるんだと思いますが、願わくば、そうした中で、あるいはそれを契機として、大阪の企業や人と外から訪れた人との間に新しい交流等が始まって、新しいいろいろな技術だとかイノベーション、こういうことにつながっていく契機にこの万博がなればいいなというふうに思っております。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  一過性のものではなくて、その経済的なインパクトを万博というイベントで与えた上に、できることであれば、大阪のみならず関西一円のその継続的な経済成長につなげていきたいという思いもありますし、今総裁が言っていただいたような、この大阪人気質というものが日本人だけでなく海外の方にも広がって、様々な化学反応というのが生まれればいいなと思っているところでございます。  是非とも、開幕以降、きっとお忙しくてまだ行けていらっしゃらないということでしたので、何度でも総裁自身が足を運んでいただいて、総裁自身も経済的インパクトを与えていただければうれしいなというふうに思っております。ありがとうございます。  それでは、次の質問でございますけれども、円安というのがいっときは百六十円台にまで進みまして、そこから回復に向かっているにもかかわらず、いまだに食料品を始めといたして物価上昇率が高止まっている現状にあります。  これ、なぜなのかというクエスチョンに関しては、今日の委員会でも、コストプッシュでありますとか輸入物価の上昇等お答えいただいておりますけれども、中小企業が今懸命に賃上げにトライをしている中で、この物価上昇率が足を引っ張って実質賃金がマイナスになっているということを懸念している国民が大変多くいらっしゃいます。中では、やっぱりこのトランプ関税という読めない要因はあれども、対応が遅れてビハインド・ザ・カーブになっているんじゃないかという指摘もある中で、やっぱりこの物価の安定というのは日本銀行の責務でもありますので、これまでの政策の対応が適切だったのかどうかというふうに疑義を持たれるシーンもあるかと思います。  これまでの政策を振り返られて適切だったのかどうか、また、今後どのように対応していくのか、総裁のお考えをお伺いいたします。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 消費者物価全体を見ますと上昇率は三%台半ばでございまして、特に最近では、先ほど来議論ありましたが、食料品価格の上昇が大きな影響を与えております。これらコストプッシュ要因による消費者物価の上昇の面がかなり大きくあるというふうに思っております。それが国民生活に強いマイナスの影響を与えていることは十分に認識してございます。  一方で、基調的な物価上昇率、つまり全体の消費者物価から一時的あるいはコストプッシュによる直接的な影響を除いた部分は少しずつ上昇してきておりますが、まだ二%を下回っていると見ております。私ども、これが二%に向けて高まっていくように、現時点では緩和的な金融環境を維持しております。  先行きですが、コストプッシュ要因による物価上昇は徐々に減衰していくというふうに見ております。一方で、基調的な物価上昇率については、ところどころ足踏みするところがあるかもしれませんが、二%に向けて徐々に高まっていくというふうに基本的には見ております。この見通しが正しく実現していくというふうになってきますとすればですが、私どもはそれに応じて金融緩和の度合いを調整していくことになるというふうに考えております。  ただし、今日ずっと議論がありましたように、各国の通商政策の今後、あるいはその影響をめぐる不確実性が極めて高い状況でありますので、見通しどおり経済、物価が推移していくかどうかについては予断を持たずに丁寧に点検し、政策判断していきたいと思っております。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  日本は今インフレなんですか、デフレなんですかというふうに質問して、インフレなのかデフレなのかというような微妙なお答えがこの国会の中でもなされた時期もありますし、例えば今だったら、利上げするんですか、それともこの金融緩和を継続していくんですかというので、これ状況を見ながらということで玉虫色になるというシーンがよくありますけれども、日本人の良さでもあり、一方で残念な点でもあるのが、決め切れないというところがあるんじゃないかなと思います。  いずれにしても、この国会の中でも全く違うような議論がなされる中で、最終は日銀の決定力、決意性ではないかと思っております。今後も注視をしながら一緒に金融政策について考えてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。  本日はありがとうございました。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。植田総裁、よろしくお願いします。  今日、私、いつも、いつもなんですけど、最後なので、大分聞きたいなと思っていたことはいろんな先生方から出ましたので、少し通告にないものも聞いていきたいと思うんですけれども、一番目の質問はもうまさに最初に西田先生が全部聞かれてしまったので、それからもう一歩突っ込んで、結局、今、五月十六日に発表されたGDPの速報値なんかも下がっているんだけれども、でも、長い目で見れば回復傾向だから金利は上げていく方向でということなんです。  私、この委員会で何回も何回も言っているんですけど、金利上げるときは確度とか見込みがあると上がるんですけど、下げるときはどうなれば下げるのかと、どういう状況になれば金利がもう一回下げるということを検討されるのか、この点についてもしお考えをお聞きできればと思いますので、よろしくお願いします。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) いつどういう状況で金利を下げるかということ等について具体的なことを申し上げることはなかなかできませんが、将来の経済、物価の見通しについてきちんと分析、確認した上で各時点で適切な政策を決定していきたいと思っております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 通告していなかった内容ですので、上げるときは見込みですから、下げるときもある程度経済がこれは沈むぞという見込みが付いたら検討いただきたいなというふうに思うわけであります。  それからもう一点、こちらも通告なかったんですけれども、物価高騰における生活苦、それから米の不足ですね、米の不足やアメリカのトランプ関税の不安も加わったことで消費者のマインドが今すごく下がっていると感じています。今のままでは消費者の、個人消費ですね、も当面停滞するだろうというふうに感じています。  そういった中、参政党を含むこちら側に座っている政党の皆さんは、中身の違いこそあれ、こぞって消費税など挙げて減税の必要性を訴えているんですけれども、今のタイミングにおける減税というのは消費者のマインドを上げることになるというふうに私は考えているんですけれども、今のタイミングの減税というのは日銀が思い描く健全な物価上昇に寄与するとお考えになるか、それとも財政状況を悪化させるだけの愚策だと思われるか、一般論としての減税政策について、今のタイミングと合わせてお答えいただければと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 確かに、消費者物価総合の上昇が高い率で続いていることが消費者マインドに影響を与え、特に非耐久財中心に消費の足を引っ張っているということはあるかと思います。ただ、その他の項目についてはそれほど弱くなくて、少しゼロに近いプラスくらいの消費の伸びが続いていると思います。  その中で、今後、先ほど来申し上げているような事情で賃金の伸びが続く中で、コストプッシュ由来の消費者物価総合の伸びは下がっていくということで、実質賃金には回復傾向が見られるようになり、消費を下支えするという力は強まるというふうに見ております。  その上で、この時点でどういう財政政策が適切かという点に関しては、私どもとしては、政府、国会でお決めになることでございますので、コメントを差し控えさせていただければと思います。申し訳ありません。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 通告にない質問で申し訳ありませんでしたけれども、まさにその部分を、先ほど今日のこの委員会の中でも話がありましたように、財務大臣等と相談いただいて、ちょっとそこの足並みとか方向性が合わないと、これまでの金融緩和がうまくいってこなかったところもちぐはぐだったというふうに私たち何度も指摘しておるんですけれども、今本当に微妙なタイミングですので、そこら辺のところの連携をしっかりとお願いしたいというふうに要望しておきます。  次、これは通告していた内容です。  バーゼル3の規制によって、今後、日本の金融機関はかつてほど国債を購入する余力がなくなり、日銀の国債買入れ減額を補うだけの国債購入ができなくなるというふうに考えられています。そのような状況を前にして日銀が国債の購入減額を進めるということは、今後、金利上昇圧力を継続的に与えることになってしまいます。その結果、日本の国債の買手は海外勢力に求めざるを得なくなり、日本の国債の価格や金利が国債マーケットの思惑に左右されやすくなるということで、金融市場の安定を損なうことになったり、また日本の国債の格下げというものも起こり得ることになるんではないかというふうに考えています。  こういったデメリットも考えられるのに日銀が今のタイミングで国債の購入を減らす理由、改めてお聞かせいただきたいと思います。

植田和男 日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、昨年七月の決定で、長期金利は市場において形成されることが基本であるという考え方の下、国債買入れにつきましては、市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切という考え方で買入れ減額計画を策定しました。今月、決定会合で減額計画の中間評価を行う予定ですが、こうした基本的な考え方に変化はございません。  その上で、様々な金融規制が金融機関の国債需要に影響を及ぼす面があることは認識しております。この点を含め、先月になりますが、実施した債券市場参加者会合では、市場参加者の状況について、置かれた状況について、しっかりと御意見を伺ったところであります。  こうした御意見も参考にしながら、これまでの経験を踏まえて、次回の会合において国債の今後の買入れ方針について議論してまいりたいと考えております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  繰り返しの議論になりますけれども、参政党は、先ほど大門先生おっしゃったみたいなMMTの理論ではないので、無制限にどんどん買ってくださいということではないんですけれども、やはりまだ日本経済が弱くて金融機関も力がそんなに取り戻せていないと、国際的な規制はどんどん年々強くなるわけですから、もう少し日本経済が力を取り戻すまでは日銀に国債の方を買ってもらうようにしていかないとなかなか財政政策も自由に打てないので、会議等でもう少し検討をお願いしたいと要望をしておきたいと思います。  次の質問に行きます。  石破総理が五月十九日の参議院予算委員会で日本の財政はギリシャよりもよろしくないと発言したことについて、加藤大臣も五月二十八日の衆議院の財務金融委員会で同じ認識だというニュアンスのことを述べたとニュースになっていました。債務残高の対GDP比がギリシャを含めた他国よりも数字が悪いということを例に出して、日本の財政が厳しい状況にあるということを言いたかったのだという説明を聞きました。  私もその点を区切れば間違いないというふうに思いますけれども、以前この委員会でも述べたんですけれども、債務残高の対GDP比というのは経済指標の一つにしかすぎないわけですから、このことばかりを言うと余り日本経済にとって対外的にプラスにならないというふうに考えていますので、ここの数字をこれから出すのであれば、日銀が保有する五二%の、日本の国債全体の五二%ですね、日本の国債を政府の債務として計上しないという計算方式に変えてしまうことはできないんでしょうか。若しくは、今後の切替えのときに、永久国債のようなものを新規発行していって処理をしていくことはできないのか。それによって数字を変えていって日本の信用を担保していくということを検討いただけないかという質問です。

横山信一 財務副大臣 公明党

○副大臣(横山信一君) 委員の日銀保有国債を政府の債務として計上しない方法という御主張でありますけれども、政府と日銀のバランスシートを連結したいわゆる統合政府の考え方に基づくものというふうに理解いたしました。  この考え方につきましては、日銀は政府から独立して金融政策を決めているにもかかわらず、政府は日銀が永久に国債を購入、保有し続けることを念頭に置いているのではないかという誤解を生じさせることが考えられます。また、結果的に財政ファイナンスを狙っているのではないか、こうした誤解を生じさせるおそれがあるというふうに考えられますので、適切であるとは考えておりません。  また、日銀保有国債を永久国債化できないかとの御主張でありますけれども、政府が日銀の機能を利用して財政調達を行うこととなり、財政に対する信認や金融政策の独立性が損なわれるおそれがあり、適切であるとは考えておりません。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  統合政府の話は今の説明で確認できましたけれども、先ほど別の委員の質問の中で、財務省も新商品を考えていこうということも検討されているということでしたので、その中に、日銀だけじゃなくても、イギリスが十八世紀ぐらいからやっていたコンソル債というものもありますね。この間までずっとやって、この間やっと償還しましたけれども、そういったものも考えながら何とかこの財源の確保をしていかないと、今のままプライマリーバランス黒字を目指しながらこのたまった国債も何とかしようというのは、結構もうアリ地獄というか袋小路といいますか、なかなか手が打てない状況でここでずっと議論しているわけですけれども、何か新しい方法を考え出すということをやらないと八方塞がりになってその間に国民経済が疲弊していくというような状況が続いているのではないかと思いますので、何か国際ルールにも少しちゃんと言い訳が立つような方法で数字の出し方とか計算の方法を変えるということを是非御検討いただきたいと要望しておきたいと思います。ありがとうございました。  では、次、少しそれますけれども、アメリカの関税の問題が話題になっていますけれども、日本の主要な産業である自動車産業は今回のアメリカの追加関税でどのような経済的影響があると試算しているのか、教えてください。

田中一成 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。  アメリカの追加関税による日本の自動車産業への影響につきましては、例えば為替を含めた事業環境、米国メーカーを含めた各社の戦略などによりまして変わり得るものであり、一概に申し上げることは困難でございますが、自動車メーカーの決算発表では、今年度の利益の見通しにつきまして、関税影響を減益要因として織り込んだメーカーや関税影響が不透明なため未定とするメーカーがございます。  また、全国約一千か所の相談窓口やプッシュ型で行っている現場の状況把握でも、中小企業を含むサプライヤーからは、関税の影響は今後どうなるのかを心配する不安や先行きに対する不透明感の声が届いております。  引き続き、経済産業省としましては、我が国の自動車産業への影響を注視してまいりたいと考えております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 やっていないということなので、そこだけ聞ければよかったんですけれども。  後段、もう一つ、日本は二〇三〇年度に向けて非常に厳しい燃料基準というものを設定しています。これもかなり自動車産業の経営にダメージを与えるというふうに私たちは考えているんですけれども、二〇三〇年度の燃費基準でこれが、燃費基準を自動車産業に課すことでどれぐらいの経済的なマイナスの影響があると試算しているかも、やっているかやっていないかで答えてください。

田中一成 経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中一成君) 一言で申しますと、なかなか一概に言うことは、申し上げることは困難なので、やっているかやっていないかというと、なかなかやっていないんでございますが。  この燃費基準というのは、どちらかというと、技術開発の将来見通しその他の事情を勘案して定めるものとされておりまして、その目標年度、乗用車のモデルチェンジのサイクルを考慮して十分なリードタイムを確保して定めております。  他方で、燃費性能の高さ、これは我が国の自動車産業の競争力の一つでございますので、この燃費基準が自動車メーカーに対して燃費性能の更なる向上に向けたイノベーションの創出を促す側面があるとも考えております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。  では、中身見ると、リッター二十四・五キロ、ごめんなさい、二十五・四キロですね。これはなかなか難しくて、軽自動車とかまでそれを思ったら相当やっぱり価格上げていかないといけない。軽自動車一台三百万なんてなったら今の日本人の所得の中では買えませんし、それからあと、今電気も足りないので、EVだEVだとEVを増やすと今度は電気が足りなくなるということがあります。  今、アメリカなんかは、やっぱりそういったので、経済に不効率だからということで脱炭素政策を見直していますね。だから、日本も、国内に関してはアメリカに合わせていってもいいかと思いますし、世界基準といってヨーロッパに売りたいんだったら、ヨーロッパのときは一部そういった基準に合わせるのもいいかもしれませんけれども、日本全体の車もそういった基準で絞っていくと、せっかく今景気が踊り場なのに、一番日本の主要な産業である自動車産業を足を止めてしまうと物すごく経済全体へのダメージが大きくなってしまいますので、もう電機産業がかなりもう海外の企業に全部負けています、半導体も負けています。今、日本が世界と戦える産業は自動車産業ですから、是非、今こういう景気や経済の話をしているときにこういった政策も見直していただいて、日本の景気が上がるように政策の見直しを進めていただきたいと依頼して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 資金決済に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。加藤内閣府特命担当大臣。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) ただいま議題となりました資金決済に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  金融のデジタル化等の進展に対応し、利用者保護を確保しつつイノベーションを促進することが喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、暗号資産交換業者等が破綻した場合等における資産の国内保有命令を創設することといたします。  第二に、利用者と暗号資産交換業者等との間で、暗号資産等の売買、交換の媒介のみを行う者について、登録制を創設し、所要の行為規制等を整備することといたします。  第三に、国境をまたぐ収納代行のうち、一定のものに対し、資金移動業の規制を適用することといたします。  その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。  政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院におきまして、附則規定の検討年限等に関する修正が行われております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #602 観測 2026-06-06 06:25 JST
    改ざん検知用の値 30ab057b…f75f58 (未計算)

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#1854 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint)
まとめの値
57ef6754…cd6246

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  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
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いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

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