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国会会議録

財政金融委員会

第217回 · 参議院 · 第14号 · 2025-05-29

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-10-11 04:34 JST 記録 #1312 ↗

発言 141

会議録情報

令和七年五月二十九日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  五月二十七日     辞任         補欠選任      吉川ゆうみ君     松山 政司君      三上 えり君     勝部 賢志君  五月二十八日     辞任         補欠選任      勝部 賢志君     水岡 俊一君  五月二十九日     辞任         補欠選任      牧野たかお君     松川 るい君     三原じゅん子君     山田 太郎君      横山 信一君     石川 博崇君      小池  晃君     大門実紀史君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         三宅 伸吾君     理 事                 白坂 亜紀君                 西田 昌司君                 船橋 利実君                 柴  愼一君                 杉  久武君     委 員                 大家 敏志君                 櫻井  充君                 野上浩太郎君                 古川 俊治君                 牧野たかお君                 松川 るい君                 松山 政司君                 宮沢 洋一君                 山田 太郎君                 熊谷 裕人君                 水岡 俊一君                 石川 博崇君                 上田  勇君                 浅田  均君                 上田 清司君                 堂込麻紀子君                 大門実紀史君                 梅村みずほ君                 大野 泰正君                 神谷 宗幣君    国務大臣        国務大臣        (内閣府特命担        当大臣(金融)        )        加藤 勝信君    副大臣        内閣府副大臣   瀬戸 隆一君    大臣政務官        内閣府大臣政務        官        西野 太亮君    事務局側        常任委員会専門        員        村田 和彦君    政府参考人        公正取引委員会        事務総局官房審        議官       向井 康二君        金融庁企画市場        局長       油布 志行君        金融庁監督局長  伊藤  豊君        国税庁次長    小宮 敦史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人の出席要求に関する件 ○保険業法の一部を改正する法律案(閣法第三七号)(衆議院送付)     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、三上えり君及び吉川ゆうみ君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君及び水岡俊一君が選任されました。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  保険業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長油布志行君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 おはようございます。自由民主党の船橋利実でございます。  それでは、早速でありますけれども、保険業法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。  まず、基本的なことでありますが、保険会社は、保険業法に基づいて保険代理店の教育、指導、監督を行うという責任を負っております。しかし、今回の法改正のきっかけとなりました旧ビッグモーターによる保険金不正請求事案におきましては、保険会社に大きな利益をもたらす保険代理店との間で力関係が逆転し、本来保険会社が負うべき責務を果たしていなかったことが原因の一つであり、大きな責任があると指摘をせざるを得ません。  そこで伺いますが、旧ビッグモーターと保険会社間で顧客の利益を無視したゆがんだ関係性が生まれた原因として、現行法のどこに法の抜け穴というものがあったと考えているのか、また今回、その抜け穴を防ぐためにどのような再発防止策を盛り込んだ改正案としているのか、検討の経緯などを含め、加藤大臣にお伺いをいたします。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、今般の保険金不正請求事案についてでありますが、自動車修理業などの兼業業務を行う規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店において、保険金請求に関して極めて不適切な行為が行われたにもかかわらず、そのような代理店が保険会社に対して優位な力関係にあったことから、保険会社において営業上の配慮が働き、こうした行為を是正できなかったとの構造的な問題が認められたところであります。  現行の保険業法においては、こうした代理店が保険金の請求に関する兼業業務を行う場合に、当該兼業業務の適切性を確保するために必要な体制整備等の規制は設けられていないところであります。  今般の保険改正案は、構造的な問題に対応し、再発の防止を図る観点から、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対して、こうした兼業業務に関するものも含めて必要な措置を講ずることなどを盛り込んでおります。具体的には、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対し、兼業業務の適切性の確保を含めた法令遵守等に必要な体制整備義務を上乗せして課すことにしたほか、保険会社に対しても、営業上の配慮を遮断し、こうした代理店に対する管理指導責任を全うさせることとしております。  金融庁としては、今般の措置を通じ、損保業界において顧客本位の業務運営が徹底され、再発の防止に取り組んでまいります。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今ほどお答えいただきましたけれども、この改正案によりまして、大臣のお答えにもございましたように、保険会社と代理店は新たな体制整備の義務などが課されることになるわけでありますけれども、まず具体的に、今度は金融庁側としてその実効性というものをどのように確認をしていく体制になるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お答え申し上げます。  今般の改正法案におきましては、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対する兼業業務を含めました上乗せの体制義務を課す一方で、保険会社に対しましてもその管理、指導を全うさせることとしております。  これに加えまして、金融庁といたしましても、こうした上乗せ措置の対象を大規模な代理店に絞り込むことで、こうした代理店における法令の遵守状況等を重点的にモニタリングする、必要に応じて適時適切に行政等の対応、行政対応を取るということを図ってまいります。こうした対応によりまして実効性を確保してまいりたいと思っております。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今ほどモニタリング等を通じてというお答えがございましたけれども、今回の改正案について、真面目に業務を行っている多くの乗り合い、専属代理店からは、一部の乗り合い代理店と保険会社側が引き起こした事件に自分たちが巻き添えを食う形の規制強化、これがなされることによって過度な業務負担が生まれ、保険料の引上げや経営の圧迫につながっていくのではないかという不安と不満の声が上がっております。  こうした声は金融庁にも届いているというふうに聞いているところでございますけれども、そこで伺いますが、健全な業務を営む多くの乗り合い、専属代理店の指摘にあるとおり、法改正に伴う新たな規制強化が過度な負担ということになっていけば顧客の利益を損なうということもおそれとしてあることから、改正案の運用に当たっては大規模なという前提を付けておられますけれども、十分な配慮というものがなされるべきであり、規制強化の対象というものは最小限にしていくべきじゃないかと考えますけれども、見解をお聞かせください。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 委員御指摘のとおり、今般の保険金不正請求事案におきましては、損害保険会社の側におきまして売上げに貢献する大規模な代理店に対する営業上の配慮が働いてしまったと。その際に、この複数の保険会社の商品を取り扱う乗り合い代理店であるということで、他の、他社の保険会社の商品に乗り換えられてしまうという懸念から、適切な管理、指導が行き届きにくいという、そういう構造的な問題が認められたわけでございます。  このため、今般の改正法案におきましては、この構造的な問題の是正を図るということで、規模を特に大きい乗り合い損害保険代理店に限定いたしますとともに、委員御指摘のこの専属代理店あるいは中小規模の乗り合い代理店につきましては基本的に所属保険会社が責任を持って適切な管理、指導等を行うことができるものと考えておりますため、代理店の上乗せ義務の対象には含めておりません。  また、この後、法改正のほかにも監督指針の改正等も含めて複層的に対応を進めてまいりますけれども、こうした取組を進めるに当たりましても、専属の代理店あるいは中小規模の健全に業務をやっておられる乗り合い代理店に対する不必要で過度な負担とならないよう配慮してまいりたいと考えております。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今お答えの中で、専属あるいは中小の乗り合い代理店にはその上乗せ部分の義務が掛かっていくわけではないというお答えでありましたけれども、その運用のところが適切に保険会社側にも伝わり、あるいは各代理店側にも伝わっていくということが大事でありますので、十分な配慮を願いたいというふうに思います。  ただ、今ほどお話がありました大規模乗り合い代理店について伺いますけれども、規模の大きい代理店、これは全国的には四百五十社ぐらいあるというふうに伺っておりますけれども、一定規模以上の代理店を大規模乗り合い代理店として体制整備の義務を強化というふうにあります。  そこで、お尋ねいたしますけれども、体制整備義務の具体的内容、それから期待される再発防止効果、一定規模以上の要件と対象になる乗り合い代理店の数などについて想定しているところをお聞かせいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お尋ねのございました特定大規模乗り合い損害保険代理店、これに求めます体制義務の具体的な内容でございますけれども、営業所等におきまして法令等遵守責任者を、それから本店等においてこれらを指揮する統括責任者を設置すること、それから兼業業務の適切な監視、苦情、内部通報の処理、保存の適切性の確保を求めることとしております。  その効果でございますけれども、こうした代理店に求められる体制整備義務につきましては、その実施状況を保険会社、それから金融庁が適切に確認するということで不祥事の再発防止の実効性の確保につなげたいと考えております。  また、このお尋ねのありました特定大規模乗り合い損害保険代理店の要件は、手数料等の金額が年間で一定額以上であるということとしておりますが、具体的な水準、具体的な数、これは今後の内閣府令によって定まってくることとなりますけれども、保険会社においてこの営業上の配慮が働くような大規模性、それから、今般の不正請求事案の端緒となりましたビッグモーター社と同規模の代理店ということを一つの水準に考えております。  現在の考え方の下では、この特定大規模乗り合い損害保険代理店の数はおおむね七十社から百社程度となることを見込んでございます。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今ほどお答えをいただいた中では、営業所に置く責任者と全体的に置く統括責任者、あるいはいろいろな義務的なことを課していくというお話でありましたし、実際にどれぐらいの数になるかという、想定としては七十から百というお話でありましたが、一つちょっと、少し視点が違うかもしれませんが、乗り合い代理店の比較推奨販売ということについてお尋ねしたいというふうに思うんでありますけれども。  一般的に乗り合い代理店、これは大きい、中小は別にして、一般的に乗り合い代理店については、顧客の意向にかかわらず、代理店側独自の理由で商品を絞り込んで顧客に提示、推奨するということが多いんではないかなというふうに思います。  実は、私も先日、乗り合い代理店が推奨する保険契約をしたばかりです。ですが、特段、商品の説明等も含めて何の不安も不満も不具合もないというのが私の実経験であります。これは、私、何度も過去に自分自身、自動車保険の契約を結んできたことありますけれども、大体同じようなパターンが乗り合い代理店の場合には多くありました。  これは、代理店といわゆる顧客との間で信頼関係に基づいて保険商品を選ぶという方が私は多いんではないかなというふうに思いますし、何回か、複数の保険会社の商品、試しに比べてみたんですけど、ほとんど中身違わないですよ。ですから、この保険商品を各社ごとに並べてみて違わないというのは、これはこれで私は問題ではないかなというふうに思うわけでありますけれども。  そこでお尋ねをいたしますが、今申し上げましたように、顧客側からすると複数の保険商品の詳細な説明を求める方ばかりではないと思います。したがって、契約をする最初の段階で、顧客が保険商品に何を求めているのかということを代理店側がきちんと確認できれば、その意向に沿って提案、説明を商品についてしていくという基本的な方向性でいいんじゃないかなというふうに思います。  そうしていかないと、乗り合い代理店側、特に中小規模の代理店にとっては実務が増えて、それが経営の圧迫となっていきますし、結局並べて商品説明を一々しなきゃいけないということになれば、この際、乗り合いやめて専属にしようかという代理店も出てきかねません。そうすると、それは顧客側からすると選択が狭められるということにもなりかねませんから、規制の運用というものは柔軟であるべきというふうに考えるところでありますけれども、見解をお聞かせいただきたいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  今回のビッグモーター事件では、損保会社と代理店の間のいろいろな便宜供与ですとか、関係によって比較推奨販売がゆがめられたということがございまして、乗り合い代理店の都合での推奨販売につきましては、現行の施行規則の規定は廃止する方法で考えておるところでございますけれども、一方、今委員御指摘のように、乗り合い代理店に対して、顧客の意向把握を行う前に取り扱う全ての商品の詳細な説明をするということを求めることは考えておりませんで、乗り合い代理店が特定の商品を推奨して販売する場合には、顧客の意向をまずは丁寧に把握をした上で、この顧客意向に基づきまして提案する商品を絞り込んだ上で、絞り込んだ商品の概要を説明するということを求めていく方針でございます。  こうした保険商品販売時における留意事項などについては、今後、関係者と丁寧に議論を重ね、現場の実務を踏まえながら、可能な限り明確化を図ってまいりたいと考えております。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今お答えをいただいたように、まずはその顧客が保険商品に何を求めているかということのニーズのところを的確に捉えて、それに応える形で提案をしていくということが重要かというふうに思っておりますので、今お答えをいただいた内容のところを適切に、運用として各保険会社、代理店が行われるように、金融庁としても助言をしていっていただきたいというふうに思います。  次に、保険会社から代理店への出向者の引揚げの問題について伺います。  金融庁有識者会議の報告書においては、保険会社による過度な便宜供与等を適正化すべきとしており、例を挙げて保険代理店への出向について解消すべきとする一方で、出向は、保険代理店の業務品質向上や顧客ニーズの発掘による商品開発への貢献など、保険会社、代理店双方にとって利点があり、全ての出向を解消する必要はないという意見もありました。しかし、保険会社側は、過剰な便宜供与に当たる出向や営業目的の出向のみならず、全ての出向者を引き揚げる方針というふうに聞いております。  そこでお尋ねいたしますが、比較推奨の販売強化などの顧客本位の対応の強化には出向者の協力というものは有効であります。一方的な引揚げというものは顧客本位の業務を損なう無責任な対応とも言えるのではないかと思いますし、有識者会議の報告書において、全ての出向解消を求めるものではないという、この点を各保険会社が正しく理解するように金融庁としても対応していくべきだと考えますが、見解を伺います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 御指摘の有識者会議の報告書におきまして、今委員御紹介いただきましたような良い点、悪い点という論点が示されておりますし、出向が過度なものとなりますと、顧客の適切な商品選択が阻害される場合があるということも指摘されているところでございます。  さらに、足下で発覚しております情報漏えい事案におきましては、保険会社から保険代理店への出向者がこの顧客情報等を出向元に共有していたことなどが判明をしているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、金融庁といたしましては、先般、監督指針の改正案を公表いたしまして、こうした出向によって生じる様々な弊害につきまして明示するとともに、保険会社に対して出向方針の見直しや改善に向けた態勢整備等を求め、保険代理店への不適切な出向を防止することとしておりますけれども、これは保険会社から保険代理店への全ての出向の解消を求めるものではございません。  パブリックコメントにつきましては、今後、コメントを踏まえて最終化をしてまいりますけれども、金融庁としては、今申し上げたような改正の趣旨について保険会社に丁寧に説明していくとともに、保険代理店にもお話を伺いながら、現場の実態について確認をしてまいりたいというふうに考えております。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 今ほど御答弁にあったように、丁寧に対応していっていただきたいと思います。  次に、保険会社が決める手数料の問題について伺います。  代理店の収入は保険会社から支払われる手数料ですけれども、規模が大きい乗り合い代理店ほど高く設定され、中小あるいは専属になるほど低く設定されています。旧ビッグモーター事件が起きた背景の一つに、保険会社が大規模な代理店に対して高額の手数料を支払っていたということが背景にあったと聞きます。  そこで、公正取引委員会に伺いますが、保険会社側の判断で、乗り合い、専属の規模等を理由に、同じ業務をこなしているにかかわらず、手数料率に差を付けることが優越的地位の濫用に当たらないのか、見解をお聞かせください。

向井康二 公正取引委員会事務総局官房審議官

○政府参考人(向井康二君) お答えいたします。  一般論として申し上げれば、取引上の地位が保険代理店に対して優越している保険会社が、その地位を利用して、代理店によるサービスを的確に実施するために、必要な限度を超えて、交渉を十分に行うことなく、代理店手数料の算定方法を一方的に変更することなどによりまして代理店に対し不利益を与える場合には、独占禁止法上の優越的地位の濫用として問題となるおそれがございます。  個別の事案が独禁法上問題か、問題となるかどうかにつきましては、事実関係などを個別に調査いたしまして判断していくこととなります。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 ありがとうございました。  それでは、手数料の在り方について、今度は金融庁に伺います。  各保険会社は一連の不祥事を反省をして、今後の手数料設定は量より質を重要視する方向と聞いております。  金融庁の保険会社向けの総合的な監督指針の見直しの中でも、規模、増収率に偏ることなく、業務品質の重視を盛り込み、現在パブコメを掛けているところでありますけれども、私の住んでいる地方ほど、中小の代理店あるいは専属の代理店が懸命に努力を重ねていただいて、顧客の期待に応えていただいております。  私は、中小の乗り合い、専属代理店の経営安定が担保されていくような手数料設定というものが望ましいというふうに考えますが、金融庁としての見解をお聞かせください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 保険金不正請求事案の発覚によりまして、損害保険会社の代理店手数料算出方法が大規模な保険代理店に保険募集の業務品質を軽視させ、また不適切な保険募集を行わせる誘因となっていたという疑いが確認をされたところでございます。  したがいまして、今委員から御紹介いただきましたとおり、金融庁といたしましては、代理店手数料の算出方法について、規模、増収に偏ることなく、業務品質を重視することなどを求める監督指針案を五月十二日に公表したところでございまして、今後、最終化される監督指針の内容も踏まえながら、代理店手数料の算出方法が保険代理店の業務品質を重視し、顧客本位の業務運営に資するものとなるよう、引き続き損害保険会社に求めていく予定でございまして、こうした取組を進めることによって、地域に密着して顧客本位の業務運営の実現に向け業務品質の向上に取り組んでいる中小の保険代理店は、その取組が代理店手数料の面でこれまで以上に評価され、経営の安定に資するものとなるのではないかと考えているところでございます。

船橋利実 自由民主党

○船橋利実君 御答弁ありがとうございました。以上で質問を終わります。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。     ─────────────

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 立憲民主・社民・無所属の柴です、柴愼一です。どうぞよろしくお願いいたします。  今日の議題であります保険業法の改正案ですが、社会的に大きく注目が寄せられたビッグモーターを含めて自動車保険の不正請求問題、そして共同保険、企業向けの共同保険のカルテルの問題ということで、これ、保険会社だけではなくてやっぱり国民にも影響するものということで、非常に重要な法案だということで議論進めていきたいというふうに思います。  まず、基本的な認識として、損害保険の社会的意義、そしてそれを提供する保険会社が果たすべき役割ということについて、政府の認識をお聞かせいただきたいと思います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、損害保険は、災害、事故等の様々なリスクに備え、そしてそうしたリスクが具体的に発生した際に伴う損害、これを補償すると、こういった仕組みとなっております。こうした損害保険は、企業や個人の安定的な経済社会活動を支えるという意味において極めて重要な社会的な意義、また社会的な資源と言ってもいいかもしれませんが、を有していると考えております。  損害保険会社においては、こうした損害保険の商品、サービスを適切かつ安定的に提供することが求められております。そのためには、適切なガバナンスの下で、保険契約者などの保護、また顧客本位の業務運営、これを徹底していくことが重要と考えております。  こうした中で、今般の保険金不正請求事案や保険料調整行為事案は、まさに損害保険そのものに対する国民の信頼を大きく失墜させるもので、大変遺憾であります。  金融庁としては、損害保険に対する信頼を回復するために、保険業法や監督指針の改正といった一連の措置を速やかに講じ、保険会社等における体制整備を強化することで、今般のような不祥事案の再発の防止の実効性を確保するとともに、保険契約者等の保護、また顧客本位の業務運営の実現、これを図っていくことが重要と考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 自然災害がもう多く発生する我が国において、やっぱり安心して生活を維持していくためには、損害保険、重要な役割を果たすということを含めて、損害保険の社会的意義は非常に大きいものだというふうに思いますし、それを提供する損害保険会社の責任というのは大きいというふうに思います。  今般の不正、不適正事案は、許されない行為として厳しく対処する必要がある一方で、事案発生に至った経緯については損害保険業界が抱える課題から生じているところもあって、けしからぬというだけではなくて、損害保険が果たす重要な役割、機能が安定的に提供できるように、取締りだけではなくて適正なルール作りに政府が取り組む必要があるというふうに思っています。  私も保険会社の方とお話をしたときに、損害保険だけではなくて生命保険もそうですが、一番大切なことは、潰れちゃいけないんだと。契約者の大切な補償を確保するということがやっぱり大切で、そのためにやっぱり健全性、そして信頼性を確保していくことが重要だという、そんな視点で議論を進めていきたいというふうに思います。  損害保険商品の特徴についてちょっと認識合わせをしたいというふうに思いますが、損害保険の各商品というのは、事故率など保険数理で商品設計をするということから、商品の差別化がしにくいという特徴があるというふうに思いますが、金融庁の認識、いかがでしょうか。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 御指摘のように、この損害保険商品の保険数理に基づいて計算されるという、そういう特徴も背景といたしまして、特に自動車保険の分野等でよく御指摘があるところでございますけれども、商品設計そのものにおきます差別化が難しいというお声があるということは承知してございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 ということで、やっぱり営業だったりとか便宜供与だったり、どれだけサービスがあるんだというところで比べられるところが多いんじゃないかということ含めて、各社では附帯サービスなど新サービスの様々努力をして健闘をしているところですが、やっぱり秘密のレシピがあるわけじゃ、特許もあるわけではないとすると、新サービスを導入しても追随がされやすいということを含めて差別化が難しい状況にあるということを踏まえた対応も必要じゃないかというふうに思います。  今般のこの法改正で不適正事案の根絶が図れるのかということを含めてちょっとお伺いしたいと思いますが、今般の不適正事案では、金融庁は業務改善命令を出して、各社、業務改善計画を実行しているというふうに思いますが、それでは足りないのかと、法改正に至った経緯含めて教えていただきたいということと、また、今般の法改正だけではなくて、監督指針やガイドラインなどで対応すること含めて、今般、全体のこの取組の中で不適正事案の根絶が図れるのかについて認識をお聞かせいただきたいと思います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、損保業界におけるビッグモーター事案やカルテル事案の発生を受けて、個々の損保会社においては業務改善計画を策定し、これにのっとって業務改善に取り組んでいるところであります。  一方、損保業界における規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に関する構造的な問題や保険契約の締結等に関するゆがんだ競争構造について、個別の損害保険会社における業務改善のみで是正を図ることはなかなか難しいものであり、損害保険会社や損保保険代理店等の業務運営を規律付ける保険業法そのものの見直しが不可欠と考え、今般改正案を提出させていただいたところであります。  具体的に、保険業法の改正により、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対して、自動車修理業などの兼業業務が保険金の支払に不当な影響を与えないよう、兼業業務の適切な実施に必要な体制整備を求めることや、これを保険会社が適切に確認する仕組みを構築することのほか、保険会社から保険契約者等に対する過度な便宜供与について新たに特別の利益の提供として禁止される行為の対象に加えること等の措置を講ずることで、ビッグモーター事案やカルテル事案の再発防止を図っていきたいと考えておりますし、あわせて監督指針等についても所要の見直しを図っているところでございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 法改正含めて、やっぱりこの実効性をどうやって確保していくのかということが非常に重要だというふうに思います。  今般の法改正によって、特定大規模乗り合い損害保険代理店には法令遵守等責任者の配置や、保険会社には代理店業務の適切な管理その他の必要な体制整備を義務付けることとなりますが、それらの体制整備に必要なコストが保険代理店、保険会社に与える影響はどのように見ていらっしゃるのか、そして、それらのコストは結果として保険契約者が支払う保険料の値上げにつながるのではないかという懸念もありますが、今日も日経新聞にも自動車保険の保険料値上げについても報じられましたが、契約者に与える影響などについてどのように認識されているのか、お聞かせください。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お答え申し上げます。  今般の改正法案でございますけれども、一つは、保険金不正請求事案の再発を防止するということで、保険会社、代理店に対する体制整備を強化するわけでございます。この狙いは、顧客本位の業務運営を実現することということで考えてございます。  また、いわゆるカルテル保険料調整事案の方でございますけれども、こちらにつきましては、保険会社等から保険契約者等への過度な便宜供与を禁止するということで、こちらも保険会社等が健全に競争する、そういう環境を実現するということを大きな目的としているわけでございます。  委員御指摘のように、今申し上げたように一定の負担が、追加的なコストが掛かるということはあり得ることでございます。場合によってそれが保険料に転嫁されることがないとは言えないということでございます。その点はおっしゃるとおりかと思ってございます。  他方で、今回の、先ほど申し上げました法改正の目的、これ監督指針等も含めて、一連の対応を含めたものでございますけれども、これは、顧客本位の業務運営の徹底が図られ、それから健全な競争環境が実現するということを通じて、保険契約者の方々にとっても、より安心して、より適切で、より良い商品、サービスを利用できるようになる、そういうベネフィットを生むということも期待している次第でございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 顧客本位の業務運営を行うための必要なコストだということだという説明だったと思います。  損害保険会社の保険種目別損益では、火災保険で赤字になっているんですよね。企業向けの共同保険というのは、今回の事案もあるとおり、契約者と保険会社の力関係もあって、適正な保険料水準となっていたのかというふうに心配するんです。その赤字部分が結果として個人の火災保険やまた自動車保険等で穴埋めされていたのではないかという懸念もあるとすると、やっぱり適正な保険料を算出していく、そういう考え方をやっぱり整理していく必要があるということもこの後少し議論をさせていただきたいというふうに思います。  法改正等の実効性の確保に向けて、今般も金融庁や地方財務局によるモニタリングが行われると、強化されるということになっていますが、特定大規模乗り合い保険代理店、先ほど言うと、七十から百社程度というふうに言われていますが、への重点的モニタリングなどがあるということでいくと、そんな想定業務量を踏まえた必要な要員が確保されるのかについて、政府の認識をお聞かせください。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 金融庁においては、特定大規模乗り合い損害保険代理店等に対するモニタリングに必要な人的リソースを確保するため、二〇二五年七月より、新たに保険代理店に対するモニタリングに責任を負う室長級のポストを新設するほか、担当部局の検察官を増員し、モニタリング体制強化を図ることとしております。  また、今般の金融庁における検査官の増員を受け、保険代理店への検査実施数が相応に増加することが見込まれますが、検査で指摘した事項の対応状況については財務局においてフォローしていくこととなるため、財務局における所要の体制の構築も必要となってまいります。  こうした観点から、金融庁では、今後、金融庁及び財務局において必要となる機構、定員の要求を行うなど、来年度以降の特定大規模乗り合い損害保険代理店等に対するモニタリング体制の強化を見据えた対応を図っていきたいと考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 必要な体制、是非整備をいただきたいというふうに思います。  法改正と併せて、監督指針の今改正案についてもパブリックコメントにかかっているということですが、それぞれの改正項目を見ると、先ほども船橋理事からもありましたが、出向見直しや政策保有株式の縮減等も方針出せということになっておりますが、出向方針を策定しろとか出向者をきちんと管理してくださいよというようなことが監督指針ではあるんですが、先ほどもお話あったとおり、もう各社は原則として代理店への出向を不可とする人事方針を出してどんどん引き揚げていますと。今残っている方は二年契約なので、もう一年いて、来年の三月末になったら例えば戻ってくるということで、基本的にもうゼロになるということであるとか、政策保有株式についても保有する場合の適切な開示を求めるということで、全部やめろと言っているわけじゃないんですが、実際には、もう各社は政策保有株式をゼロとする方針を明らかにして全部売っちゃっているということになっていますが、この監督指針と実際の各社の対応の違いというか、そこまで言っているんじゃないんだよということなのか、それは各社が判断したことなのでそういうことだというふうに認識されているのかについて、政府の考え方、お聞かせください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お尋ねのその代理店への出向方針の見直し、それから政策保有株式の縮減につきましては、まず大手四社につきましては業務改善計画の一環として取組を進めておりますし、それから損害保険業界全体につきましては、有識者会議の報告書などを踏まえまして、日本損害保険協会においても業界のガイドラインが策定されているところでございます。  出向に関しまして、今御指摘いただいたように、監督指針の改正案を、有識者会議の指摘に加えまして、情報漏えい事案において、出向者が顧客等の同意なく顧客情報等を出向元に共有していたことなども踏まえまして、不適切な情報共有の防止の観点も含めて出向方針の見直しや改善に向けた態勢整備等を求めることとしております。  今後、パブコメを受けまして最終化をしてまいりますけれども、業界全体におきましても、特に不適切な出向の防止に向けて、もちろん、先ほども御答弁申し上げたとおり、現場の事情もよく見ながら実効的な取組が進められて、進めていくように促していきたいと思いますし、私どもとしてもよくフォローしてまいりたいというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 やっぱり金融庁の監督指針なりなんなりというのも破壊力が大きくて、もう会社として過剰反応とは言いませんけど、そんな対応になってしまっていると。現実を踏まえた対応もまたいただけたらというふうに思います。  続いて、過度な便宜供与の防止に向けた具体的対応ということでお聞きしたいと思いますが、代理店への過度な便宜供与の防止に向けて社内規則の策定や内部監査の実施等の態勢整備を求めるというふうにされていますが、過度な便宜供与と適正な営業活動の切り分けをどのように整理するかについて、考え方お聞かせいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 御指摘のこの過度な便宜供与の禁止でございますけれども、こちらにつきましては、社会通念上相当と認められない物品の購入や役務の提供、これを禁止するということでございます。これ、他方で、通常の健全なといいますか、営業活動一般についてはもちろんこれを禁止する趣旨のものではございません。審議会等の答申におきましても、この点を踏まえて、できるだけ明確化を図るようにという記載がございます。  それを踏まえて、今後、内閣府令、監督指針等において可能な限り明確な基準あるいは目線の提示をしていきたいと思っております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 保険料調整事案でも、保険会社から契約者への過度な便宜供与を禁止するというのももう法律で禁止という厳しいことになるというふうに思いますが、やっぱりそれも切り分け、なかなか難しいんじゃないかというふうな思いがありますということを含めて、ただ、過度な便宜供与を、保険料調整事案等ですけど、保険契約者が要求した場合の是正措置というようなことというのは可能なんでしょうか。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お答え申し上げます。  今般のこの過度な便宜供与の禁止につきましては、先ほど申し上げたように、可能な限り判断基準を定めるということにしてございます。  他方で、保険契約者の側からそういう過度な便宜供与を求めることについてのお尋ねでございますけれども、こちらにつきましては、申し上げておりますように、今般の法案では、保険契約者の過度な物品の購入、役務の提供を禁止するということを保険会社側に求めてございます。  こちらにつきまして、この効果でございますけれども、保険会社側に対する規制、禁止ということで今回明示をいたしますけれども、そうした法律上の禁止を明確に禁止と定めることによりまして、保険契約者側が仮にこうした行為を求めることについて、求められた場合でも、保険会社側がこの改正法案の規定を根拠としてそれを拒むことができるようになると考えてございます。  また、保険契約者の方も法律上明示的に禁止される行為でございます。義務の対象は保険会社でございますけれども、そういうことで禁止されるということでございますので、こうした過度な便宜供与を求めるということの抑止につながるのではないかと考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 先ほども、省令等でできるだけ過度な便宜供与ってどういうものかというのを例示いただくということを含めて、具体例とともに定性的な考え方なども整理した上で、そのような便宜供与を契約者が求めた場合、過度なものを求めた場合、例えばカスタマーハラスメントに当たるんだとか含めて社会的なそういう発信も是非お願いしたいなと、政府の見解を明確に示していただきたいというふうに思います。  続いて、もうそのまま保険料調整行為事案についてもうちょっと聞きたいというふうに思います。  企業向けの損害保険、共同保険の組成スキームの課題です。有識者会議の議論においても、共同保険のこのビジネス慣行が、幹事となる損害保険会社の保険料を基準として組成されるビジネス慣行によって独占禁止法の抵触リスクが発現しやすいというふうにされていますが、共同保険組成スキームの課題をどのように金融庁として認識されていますでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 御指摘のように、今回の保険料調整行為事案におきましては、今委員御指摘のとおり、共同保険のスキームの中で一番低い入札をしたところに保険料を合わせるというようなことから各社でこの独禁法違反の行為が行われたというふうに認識しておりますので、こうした業界のビジネス慣行、ビジネスの仕方から改めていただく必要があるというふうに考えております。  公正取引委員会の指摘もございますので、こういった指摘、私どものいろいろな行政対応も踏まえて、現在、日本損害保険協会において、各損害保険会社の保険料を統一せずに共同保険を組成する方式である、ディファレンシャル方式と呼ぶと聞いておりますけれども、こうしたことですとか、銀行のシンジケートローンを参考にした方式であるアレンジャー方式といったようなことを検討しているということでございます。  もちろん、企業同士のビジネスのやり方の問題でありますので、金融庁がこうしろああしろと言うのはなかなか難しいところがございますけれども、金融庁といたしましては、損害保険業界におけるこうした公正な競争の実現を図る観点での検討状況をしっかりと見守ってフォローしてまいりたいというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 この共同保険の組成スキーム、私、聞いてもやっぱりちょっとおかしいなと思うのは、入札して一番安い保険料を会社がそこで応札というか落札するというのは分かるんですよね。で、ほかのところは、高いところ出したんで普通はそこから外れなきゃいけないということですけど、共同保険のスキームというのは、提示した一番低いところに各社が出したやつを合わせるというところにやっぱり無理があるんじゃないかと。各社が算出した保険料率とか応札の価格というのはその社においては適正に算出されたもののはずなのに、何で低いところに合わせなきゃいけないんですかということだと。  また、その保険料率では、そんな安くは引き受けられませんとやめることもできないということだと、やっぱりリスクを適正に反映した参考純率の見直しなど各社が適正な応札価格を算出できるようにすべきというふうに考えます。ちょっとこの後にもまた少し議論させていただきたいというふうに思います。  共同保険は、一つの保険会社では引き受け切れない巨大なリスクを複数の保険会社が共同して引き受けるものということで、今後も必要な契約形態だというふうに思います。そうであるならば、独占禁止法の抵触リスクが発現しやすい現行の共同保険の組成スキームを見直す必要があるというふうに思いますということで、業界としてはそんなことを今検討しているということですが、もう一回、どんなスキームをするべきかということについて政府の認識をお聞かせください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げたことと、あとは今委員が御指摘になったことでございますけれども、おっしゃるとおり、その一番低いところに、自分が入札した保険料でないところにその料率を合わせること、さらには、様々な売上げの目標ですとか、一度その共同保険から外れると後取ってもらえないですとか、いろいろな営業上の配慮も働いた中で今回の価格調整問題が起きたものというふうに考えております。  先ほど申し上げたとおり、ディファレンシャル方式ですとかアレンジャー方式といった、ほかの業界も参考にした方式を今検討しているということですけれども、おっしゃるとおりに、しっかりと適正な保険料を自社で算出して、これを基に保険引受けをするということを徹底していただくということが健全なビジネス慣行の定着につながるものというふうに考えておりますので、私どもとしてもそのように考えて、しっかりと業界の議論若しくはそのビジネス、実際の保険契約をフォローしていきたいというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 昨年の事案発生を受けて、日本損害保険協会の協会長がコメントを出しています。保険料調整行為を踏まえた取組として、適正な保険引受態勢の確立、新たな共同保険の引受方式として、今伊藤局長も言われたようなディファレンシャル方式やアレンジャー方式の導入を検討しているということが言われています。  ただ、そのコメントには細かい中身が全然出ていなくて、どんなものかというのをちょっと調べたんですが、具体的な例というのがなかなか見付けられませんでした。金融庁にもちょっと聞いて、教えてくださいと言っても、金融庁としての資料がなくて、東京海上日動さんの発表資料に例がありますということで御紹介いただいたのが資料一のものです。これ、ホームページをそのまま引っ張ってきたということで、④のディファレンシャル方式と⑤のアレンジャー方式というのが下に書いてあります。協会として今検討していますというのがこの中身になります。  この資料一に基づいて、これ、ディファレンシャル方式は保険料を統一せずに共同保険を組成する方式ですということですが、これはどういうものなんだろうということで、勝手に、この資料に基づいて私が勝手な具体的な数字を入れ込んだのが二枚目の資料二となります。  元々は、この表二、入札をしたときに、例えばこういうふうに、A社、幹事社は〇・一%で、五十億なので、保険金額は五〇%にすると二十五億円で、二億五千万とかの保険料になりますと。それぞれ保険料が違うというのが入札の状況ですね、最初に。ただ、これまでの共同保険だと、左側に行って、全部低い〇・一に合わせなさいというのがこれまでの方式でしたと。見ると、五十億の保険金額ですが、ディファレンシャル方式だと保険料率が〇・一二五になるので六億二千五百万、従来方式だと五億円になると。低い方に合わせるということなので、それは当然だということになります。  先ほど伊藤局長言われたとおり、一枚目にあるとおり、いろんな方式の一つ一つの契約形態になるということでいくと、契約者は保険料が安い従来方式でやってくれって言うんじゃないかというふうに思うんですが、その場合はどうなるんでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) これ保険会社、ビジネスの中で、なかなか難しい交渉にはなろうと思います。これまでの慣行もございますので、そういう契約者サイドからのお話もあるということは十分考えられますけれども、他方で、保険会社の側では、やはりこの今回の独禁法抵触ということを踏まえて、先ほどの便宜供与の話と同じですけれども、やはり毅然として、これは自分たちの料率でないと受けられないということをどこまで徹底するかということに懸かっていると思いますし、その際には、やはり、その保険料がどのように、自分たちの保険契約がどのような特徴を持って、どういうふうにリスクをカバーするのかといったような専門家としての説明を、契約者のサイドによく説明をして理解をいただくということが非常に重要ではないかというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 と言いつつも、先ほどのトップライン重視とかではないですけど、やっぱり保険会社、大きなこれ保険なんですよね。それをどれだけシェア確保するのか含めて、やっぱり経営に関わるというところでいくと、契約者との力関係なかなか難しいんじゃないかというふうに思うと、やっぱり独禁法の抵触リスクを回避できる契約形態を契約者も選択するように政府が一定の考え方を示すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 御指摘のとおり、保険契約でございますので、保険会社と契約者の相互の理解が進まないとやり方が変わっていかないということだと思います。  今まさに業界で検討しているところでございますので、それも踏まえまして、金融庁としても、どういうことができるかということを考えなければいけませんけれども、そういう考え方の浸透ですとか、そういうところには努めていきたいというふうに考えております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 もう一つの方式でいけば、アレンジャー方式もありますが、アレンジャー方式も、この資料で見ると、ブローカーが仲介するということでいくと、このブローカーって保険仲立人とかになるのかなというふうに思うと、この保険仲立人制度の活用が進むのかどうかというのも今回の法改正の中での一つの論点かというふうに思いますが、保険仲立人の制度が普及してこなかった要因と、今般の法改正で活用が進むのかという点についてコメントいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) この保険仲立人、ブローカーでございますけれども、平成七年の法改正で導入されまして、販売チャネルの多様化を通じて競争促進を行うという趣旨で導入されたものでございます。御指摘のとおり、足下では利用状況は決して活発とは言えないということでございます。仲立人のシェアは〇・九%程度のものとなっているということでございます。  この原因といたしましては、そもそもこういう保険仲立人の認知度がよく知られていない、あるいは、保険仲立人に供託を求めておりますけれども、その保証金の水準が高過ぎる、あるいは手数料が、これが、顧客から依頼されて行うビジネスでございますけれども、その顧客の側から手数料を受け取ってはいけないというような制度になっているということで、一定の参入障壁がございます。  この点、今回の法改正、それからその下位法令、監督指針等によりまして、先ほど申し上げたうちの制度的な参入障壁、最低保証金額の引下げ、それから手数料が、あっ、先ほど、失礼しました、保険会社側からしか今受領できないということになっておりますけれども、これを顧客からも受領できるようにするというような見直しを図りまして、健全な競争を促進するという観点から、保険仲立人の活用が進むよう検討してまいりたいと思っております。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 では、保険金不正請求事案と、特定大規模乗り合い損害保険代理店の定義というか、先ほど聞きましたが、七十社から百社程度ということですが、これ潜脱、例えば、大きいところ、会社を分割、東日本、西日本とかですね、会社を分割してその指定から逃れるようなことができるのかということ、そしてもう一つ、専属代理店、現行のままでいいのかということですね。  乗り合いだといろんな会社があるので、どこが一番サービス良くするのかとか含めて便宜供与どうだということですが、専属であっても、例えばサービス悪かったら翌年契約切るぞと、変えるぞというようなことを含めて、そういう行為もされがちなんじゃないかということを含めて、代理店の在り方についてお聞かせいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 二点御質問をいただきましたけれども、一点目ですね、特定大規模乗り合い損害保険代理店の水準を企業分割等によって下回ることによって規制が掛からないようにすると。  仮に、そうした意図的にこの新しい規制の潜脱を企図するような企業分割などが行われたような場合、そういう代理店が現れた場合におきましては、金融庁の方におきまして、リスクベースのモニタリングを通じまして、一店一店の代理店ではなく、代理店を一体のものとしてモニタリングするということで厳正に対処してまいりたいと思います。  それから、この専属の代理店についてでございます。  おっしゃるように、専属の代理店であっても一定程度、保険会社との力関係におきましては御指摘の点もあろうかと思いますけれども、まず一点目、今回の保険金不正請求事案におきましては、専属代理店ではそうした問題点は認められなかったということが一つございます。  それから、もう一点といたしまして、今回、代理店側に上乗せの義務を課す、この対象には、専属は義務等掛けておりませんけれども、他方で、保険会社の側の方に一定の指導監督を徹底すべき義務を強化してございます。こちらの方につきましては、専属であるか乗り合いであるかにかかわらず、修理業を営むこの兼業する代理店などに対しては、保険会社において管理指導責任を、本来あるべき責任を全うしていただくと、こういう体制整備義務を義務付けているところでございます。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 もう時間来ましたので終わりますが、取締りだけではなくて、適正なルール作り、是非政府としても取り組んでいただくことをお願い申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

上田勇 公明党

○上田勇君 公明党の上田勇でございます。  保険業法改正案につきまして、今日は自動車関係代理店に係る問題を中心といたしまして質問させていただきます。これまでの質疑と重複する部分もありますけれども、その点は何とぞよろしくお願いをいたします。  この法案の柱の一つがビッグモーター事件のような保険金不正請求事件の再発防止であり、顧客である契約者の立場からも、規制を強化する必要があることは当然のことだというふうに考えております。  ただ、この事件を見てみますと、これは極めて大規模な兼業乗り合い代理店の事案であって、しかも、損害保険会社の社員が共謀して自社やあるいは顧客に損失を生じさせた、特殊かつ悪質な事案であると伺います。  こうした事件の再発防止のためには、今回のように特に大規模な代理店に対する規制を強化することは理解するものでありますけれども、むしろこの事件の本質というのは、損害保険会社の社内のガバナンスに大きな問題があったのではないかというふうに考えています。そこを強化することこそがやっぱり再発防止には不可欠ではないかと思います。  本法案は、見てみますと、代理店側の規制強化に少し偏っている感じがありますけれども、大臣はこうしたバランスは取れているというふうにお考えでしょうか。御所見を伺います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 大事なのは、様々なまさにリスクに応じて、そして必要な規制等々を行っていくということだと思います。  今般の保険金不正請求事案については、自動車修理業などの兼業業務を行う規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店において、保険金請求に関して極めて不適切な行為が行われたにもかかわらず、保険会社において営業上の配慮が働いてしまったためにこれを是正できなかったとの構造的な問題が認められるということは先ほどから申し上げたところでございますが、このため、今般の改正法案においては、こうした構造的な問題に対し、再発を防止する観点から、御指摘のように、保険代理店だけではなく保険会社に対しても体制整備の強化を求めることにしております。  具体的には、規模が特に大きい乗り合い損害保険代理店に対し、兼業業務の適切性の確保を含めた法令遵守等に必要な体制整備義務を上乗せして課すとともに、保険会社に対しては、こうした代理店に対して営業上の配慮を遮断し、適切な管理、指導を行うために必要な体制整備義務を課すこととしております。  こうした措置を通じて、今般の保険金不正請求事案について、こうしたことが再び発生しない、そうした意味での再発防止の実効性、これをしっかり確保していきたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 今御答弁にあったとおりなんですけれども、やっぱり本当に保険会社の方のガバナンス強化といった面をしっかりしないと、事件はやっぱり繰り返すんじゃないかというふうに思います。  次に、ちょっとこれは先ほどの質疑の中でも出てきたことなんですけれども、特定大規模乗り合い代理店、ここについての規制を強化するわけでありますけれども、これはかなり大規模な事業者を指すものだというふうに受け止めておりますけれども、金融庁としてはどのような考え方に基づいて選定していくのか、また、どの程度の事業者を想定しているのか。これは質問通告をしてありましたけれども、先ほど答弁あったんですが、改めて確認したいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) このお尋ねの特定大規模乗り合い損害保険代理店でございますけれども、その水準といたしまして、基準といたしまして、代理店としての活動の規模を表すと考えられます保険会社から受け取る手数料等の金額、これが年間で一定額以上であること、これを要件として選定することとしております。  具体的な水準につきましては内閣府令で策定していくこととなりますけれども、観点といたしまして、保険会社の方で営業上の配慮が働いて、代理店に対する管理、指導が行き届かなくなるような、そういうことが懸念されるほどの大規模な水準であること、それから、今般の具体的な不祥事の原因でございましたビッグモーター社と少なくとも同程度、同規模の代理店につきましては、これは再発防止の観点から確実に対象とする必要があるだろうということで検討を進めてまいりたいと思っております。  こうした考え方の下で、現状想定しておりますところは、特定大規模乗り合い損害保険代理店、おおむね七十社から百社程度となることではないかと考えてございます。

上田勇 公明党

○上田勇君 今、七十社から百社を想定しているという答弁でありましたけれども、もちろんこの乗り合い代理店には自動車関係事業者が最も多いのはそうなんですけれども、それ以外にも金融機関あるいは不動産、建築業などの多様な業種も含まれておりますので、自動車関係事業者ということに限るとするともっと少なくなる数字だというふうに推察をいたしました。したがって、自動車販売とか修理業でいえば、極めて、極めて規模の大きい少数の事業者に限定されるものだということを理解いたしました。  ここで、特定大規模乗り合い損害保険代理店に設置が義務付けられます法令遵守責任者や統括責任者に求められる資格、資質はどういう内容なのか。そして、現状では、例えば自動車関係とか建築関係などでは保険商品に関して高い知見を有する人材というのは限られているのではないかというふうに思います。そこは懸念されるわけでありますが、今後、そうした人材、どのように育成し、確保していくお考えか、お伺いいたします。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 特定大規模乗り合い損害保険代理店に新たに課される義務の一環として、御指摘のとおり、法令等遵守責任者、それから統括責任者を設置するということでございます。  これらは、法令等を遵守して保険募集の業務を実施するために必要な助言、また指導を適切に行うということがその役割でございます。  この点につきまして、昨年十二月の金融審議会のワーキング・グループの報告書におきましては、その実効性を確保するために、この法令等遵守責任者などには一定の資格要件を求めることが望ましい、そのために試験制度を新設すると、こういう提言をいただいたところでございまして、この提言を踏まえまして、今、業界におきまして、法令等遵守責任者を対象といたしまして、保険募集に係るコンプライアンス等に関する新たな資格制度を創設すること、また、それだけではなくて、これと併せまして、研修プログラムを提供すること、これが検討されていると承知しております。  こうしたことを通じまして、法令等遵守責任者等の知識や能力を担保してまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 次に、この乗り合い代理店に比較推奨販売が義務付けられているわけでありますけれども、その趣旨はよく理解いたします。  先ほども質疑の中にあったんですけれども、ただ、一般の例えば自動車関係事業者について見ると、一般の自動車のユーザーというのは、保険商品というのはそれほど差がないですから、一々詳しく教えてもらっても本当にメリットがあるのだろうかというのが率直な感想であります。ただ一方で、中小の代理店だったら、そういう比較推奨の説明をすることによって非常に過大な負担が掛かるんじゃないか、そこが心配をされます。  これから策定する監督指針などでは、顧客のニーズや要望に応じた言わば現実的な対応でいいんではないかというふうに思いますけれども、その点の御見解を伺いたいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 比較推奨販売につきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、全ての商品について詳細な説明をしてくださいということではなくて、顧客の意向をまずは丁寧に把握して、この意向に基づいて絞り込んだ商品について説明をお願いしますということを進めていく考えでございまして、保険商品の販売時にどういう具体的な対応を取るといいのかという点については、委員御指摘のとおり、現場の状況などもよく伺って、現実的、丁寧な対応を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  次に、出向等についてお伺いしたいというふうに思います。  昨年の有識者会議報告書では、保険代理店への出向等を適正化をするということが記述をされております。確かに、損保会社から代理店への出向というのは、利益相反の危険性ははらんでいるわけでありますので問題がないとは言えない。これはもうそのとおりだというふうに思います。  こうしたことを背景として、こうした有識者会議での報告書にあったことを背景といたしまして、損保会社からの出向者を全てあるいは相当な人数を引き揚げるという方向が既に動いているというふうに聞いております。しかし、保険商品に精通した出向者がいなくなると、代理店というのは必ずしも人材が十分にいるわけではありませんので、負担が大きいことを危惧をしております。  こうした、結果的には顧客にとっても不利益になりかねないわけでありますし、有識者会議報告書においても損害保険会社、代理店双方にとって利点があることも認めているところであります。  出向の見直しについてもやはり現実的なアプローチが必要ではないかというふうに思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 御指摘のとおり、保険会社が出向の見直しなどを進めるに当たりまして、顧客への悪影響が生じないよう配慮することは非常に重要であるというふうに考えております。  その上で、保険代理店は、現行の保険業法におきましても保険募集の業務に関する健全かつ適切な運営を確保するための措置を自ら講じることが求められている点には留意をいただく必要もあろうかというふうに思っております。  また、保険会社が保険代理店に対しまして出向による業務支援を行うことは、今委員も触れていただきましたけれども、出向元の保険商品の優先的な取扱いを誘引し、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれや、出向元の保険会社に対して不適切な顧客情報が共有されるといった弊害が生じるおそれもありますので、今般公表いたしました監督指針の改正案におきましては、きちんとした出向方針の見直し、改善に向けた態勢整備を行うよう求めていくこととしております。  この監督指針最終化も踏まえて、保険会社による出向方針の見直しや管理態勢の改善等が顧客本位の業務運営に資するものとなっているか、また、現場の混乱ですとか、それから顧客の不便にならないというようなことも非常に重要だと考えておりますので、現場の実態についても確認しながら進めてまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございます。  今取り上げました比較推奨の問題、また出向者、出向等の見直しについても、特に現場の代理店ではまだ十分そうした金融庁の趣旨が伝わっていないというか理解されていないことで、非常にもう現場混乱しているという状況も伺っているところでありますので、今後、そうした周知にもよく納得のいくような理解が得られるようにまた努めていただきたいというふうに思います。  次に、この法案は保険金の不正な払い過ぎの防止を目的としております。ただ、これまで私がいろいろ自動車修理業界などから聞いていることは逆のことが多いんですね。適正な保険金の請求をしても十分な保険金が支払われないというケースが多い、そうした苦情をよく聞いてまいりました。金融庁の方にもそういった苦情が届いているんじゃないかというふうに思います。  本法案による規制強化、これは確かに保険料が過大に上がってしまうようなことを防ぐという意味ではよく理解できるところなんですけれども、本法案で規制強化がされる、そうした出し渋りみたいな傾向が強まるのではないかということを業界からは聞いております。  今回の法改正を理由としたそうした出し渋り、これは、今回の法改正を理由とした出し渋りは、やっぱりこれは許されるものではないというふうに思いますし、適正な保険金の支払が行われるようにしていくべきだというふうに考えますけれども、この点、大臣からお伺いしたいと思います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、今回の改正法案は、保険金の不正請求と、それに基づく過大な保険金の支払を防止するための措置でありまして、この措置は、保険会社が売上げに対する影響力の大きい特定大規模乗り合い損害保険代理店に配慮して過大な保険金を支払うことを防止することを狙いとするものでありますので、委員御懸念のような保険金の支払に影響を及ぼすものではないと考えておりますけれども、そうしたことがないようには努めていかなければならないと思っております。  金融庁としては、保険金は保険契約に基づき過不足なく支払われることが重要と考えております。保険会社へのヒアリング、寄せられた保険会社に対する苦情などを基に、不適切な保険金の支払が行われていないかも含め、保険会社における保険金支払管理態勢について確認をしていきたいというふうに考えておりますし、また、損害保険会社と修理工場の間では適切な価格交渉が行われ、必要な価格転嫁というんですかね、支払が実現することが重要であります。  金融庁としても、損害保険会社における適切な価格交渉を促進すべく、修理工場への丁寧な対話及び工賃単価における人件費上昇分の考慮の要請、あるいは、関係省庁と連携し、要請を踏まえた損害保険会社の取組のフォローアップなどに取り組んでまいりましたが、今後とも、引き続き関係省庁とも連携し、損害保険会社と修理工場の間における適切な対話と、そして価格交渉を促していきたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 ありがとうございました。  まさに今おっしゃっていただいたんですけれども、一般の自動車ユーザーにとって保険を結ぶときの最大の関心というのは、万が一事故が起きたときにちゃんと保険料払ってくれるのかということでありますし、これは修理事業者などにも共通していることだというふうに思います。  それは、保険会社としていろんな査定をして減額することにはそれなりの理由があるものだというふうには思いますけれども、それについて十分な納得のいくような説明がないというようなことも、そういった苦情も聞いているところであります。  こうした説明に関するルールについては定めがあるのか、また、この適正な支払が行われるようにこれからも引き続き保険会社に対しても指導していただきたいと思いますが、御見解伺いたいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 金融庁では、保険会社における適切な支払管理態勢の構築のために、保険会社向けの総合的な監督指針におきまして、顧客に対し、保険金等の算定根拠を明確なものとし、それを丁寧かつ分かりやすく説明することを求めております。  また、自動車修理に関しましては、保険金の算定については、保険会社と修理事業者の双方が納得できる内容とすることが重要でございまして、こうした観点から、当該監督指針におきまして、保険会社に対し、修理事業者等からの照会や苦情に対して適切な対応が行われる態勢整備を求めているほか、本年三月には、損害保険協会は、修理工賃単価について修理事業者と協議する上で保険会社が取り組むべき事項を取りまとめたガイドラインを策定しているところでございます。  適時適切な保険金支払を行っていくことは、保険会社として保険事業を行っていく上で必要不可欠かつ最も重要な機能でございまして、金融庁としては、引き続き、業界とも連携しながら、迅速かつ適切な支払管理態勢の確立状況をモニタリングしてまいりたいと考えております。

上田勇 公明党

○上田勇君 時間になりましたので、以上で終わります。ありがとうございました。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、牧野たかお君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君が選任されました。     ─────────────

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今回は保険業法の改正ということで、言わば過大請求、保険金の過大請求と、それから適正な支払ということが問題になっております。この問題につきましてはまた後ほど取り上げさせていただきたいと思うんですけれども、それに先立って、別の業界、よく似た業界ではありますけれども、金融業界の中で言わば構造的によく似た事件が相次いでおりまして、前回、いわき信用組合の架空融資について取り上げさせていただきました。今日は、まずその続きからやらせていただきたいと思っております。  いわき信用組合の架空融資事件で、分かっているだけでも、一番目、顧客名義の無断使用ということがあります。お客さんの口座、お客さんの名前を使って別の口座を作って、そこへ融資したという形になっているんですが、言わばトンネル口座になっていて行き先は別のところであったということでございます。それから二番目として、不良債権隠し。それから三番目、組織的な不正。四番目、財務諸表の虚偽記載、虚偽の有価証券報告という違法行為があります。  前回も、どういう犯罪行為に当たるのかということをお尋ねしたところ、個別具体の行為がどのような犯罪行為に当たるか、金融庁の立場から予断を持って答えるのは困難であるというふうな御答弁をいただいております。  それで、一般的にですね、一般的なケースでいいんですけれど、虚偽の財務諸表を提出するということは有価証券報告書の虚偽記載に該当して、金融商品取引法違反のほか詐欺罪等に当たると考えられますが、これだけの違法行為をした金融機関はどのような処罰を受けるんでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) もちろん、有価証券報告書虚偽記載につきましては違法であるということは金融商品取引法に定められているところでございますので、個別の事案にもちろんよりますけれども、金融庁では、もしそういうことがあればしかるべき対応を行うということになろうかと思いますが、本件につきましては、この有価証券報告書というものは提出していない信用組合でございますので、少しその直接の論点ではないかなというふうに思います。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 でも、信用組合ということで、普通の銀行、金融機関とは違って、会員さんがお金を出して、出資してという組合ですので、扱いが違うというのはよく分かるんですけれども、それでもこれだけの架空融資をしているということで、組合員の皆さん、迷惑被っている方の方が多いと思いますし、そういう方々は救済されるべきだと思いますし、本当に変なことをやっていた部分に関してはメスを入れる必要があると思いますけれども、まだ、どういうふうにこれから事案が向かっていくのかというか、金融庁としてどういうふうな方向性でこの事案に当たっていくかという原理原則みたいなものすらまだ決まっていないという理解でいいんでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) このいわき信用組合でございますけれども、本日、業務改善命令を発出しておりますので、経緯について少し御説明をしたいと思いますけれども、金融庁といたしましては、このいわき信用組合に対して、昨年十一月に迂回融資事案が発覚して以降、直ちに報告徴求命令を発出するなど事実確認を進めてきたところでございます。その結果、長期にわたり名義人に無断で開設した預金口座を介した業況不芳の大口与信先への迂回融資とその隠蔽が行われていたことや、元職員による横領事件が発生した事実の隠蔽が行われていたこと、これらの行為が経営陣の主導で行われていたことなどが確認され、経営管理態勢、法令等遵守態勢等に重大な問題が認められましたことから、先ほど申し上げましたとおり、本日、同組合に対して、協同組合による金融事業に関する法律に基づく業務改善命令を発出いたしました。  この業務改善命令におきましては、一連の不祥事件等に関する経営責任の明確化、責任追及、役職員の法令等遵守意識の醸成、徹底などの全組合的なコンプライアンス態勢の確立などを求めるとともに、更なる事実関係の精査と徹底した真相究明を求めているところでございます。  金融庁といたしましては、同組合の業務改善を強く指導するとともに、改善に向けた取組を厳しく確認、検証してまいりたいと考えております。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 先ほども申し上げましたけれども、やっぱり組合ですので、お金を出資して、出している方々もいらっしゃるわけですから、そういう方々は救済されるべきだと思いますし、実際悪事を働いた部分に関してはしっかりメスを入れていただきたいと思っております。  今、業務改善命令を今日いわき信用組合に対して発出したという御答弁をいただきました。業務改善ということに関して、あるいは報告徴求に関して申し上げるならば、スルガ銀行の不正融資事件というのがあります。  これは、もう衆議院でも参議院でも度々取り上げられている事案であります。金融庁は五月十三日に、スルガ銀行に対し、ここでもまた報告徴求命令を発出したと報じられております。投資用不動産の不正融資問題、いわゆるアパマン問題で問題解決が長期化していると。だから、二〇一八年からですともう七年目になるわけですね。それで、問題解決が長期化していることを受けて、報告徴求命令をこれ新たに発出、五月十三日に新たに発出されていると報じられております。  早期解決を促すということはよく分かるんですけれども、七年たってもまだこの報告徴求を出しておられると。この報告徴求というのは、何というかな、報告はなされて、それからどういうふうに改善されたかという報告を求めるものでしょうから、できるだけ早い方がいいと思うんですね。もう七年もたってしまっている。  この報告徴求命令、これを受けていつまでに報告をしなければならないという、そういう期限というのは定められているんでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 今御指摘いただきましたとおり、五月十三日にスルガ銀行に対しまして、改めて銀行法に基づく報告徴求命令を発出しているところでございますけれども、最初の報告期限は五月の末というふうにその報告徴求命令の中で命じているところでございます。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 七年たって事態が改善されない。報道なんか見ますと、二〇%ぐらいしかまだ解決されていないと。残りの方が多いわけですね、未解決の問題。そういうところに対して、新たにその報告を求めて、五月末を期限とすると。そこで、何か全然その改善がされていないと。もうさっきのいわき信組に対しては、今日業務改善命令を発出したと御答弁いただいております。これ、報告徴求をやってまだ改善されていない場合は、業務改善以上のものですよね。業務改善を指示したけれど全然されていないと、そういう場合は、次の段階はどういう措置を講じられるんでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 今後の行政対応につきまして、今の時点で予断を持って申し上げることは控えたいと思いますけれども、私どもとしては、以前から申し上げているとおり、できるだけ早期の解決が必要だというふうに考えておりますので、必要な行政対応を取っていきたいというふうに考えます。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 そういう答弁になるだろうとは思うんですけれど、七年たってこれだけしか解決していない、しかも業務改善命令を出しても改善されない、報告徴求しても戻ってきた報告には同じようなことしか書かれていない。何か次のステップが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 繰り返しになりますけれども、今後の行政対応を予断を持って今申し上げることは困難でございますけれども、これも繰り返しでございますけれども、できるだけ早期の解決を図るよう私どもとして対応していきたいと考えております。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 また再度取り上げさせていただきたいと思いますけれども、本題の保険業法の改正の方に入らせていただきたいと思います。  今の信組の架空口座への融資というか、架空融資ですよね、よく似たことが保険業界にも横行していて、それで今回の保険業法の改正に至っているわけでありますけれども、先ほどのやり取りの中で、利益相反に関して、損保会社から代理店への出向はこれ利益相反の可能性があるので、利益相反の一つの例として挙げられておりますけれども、私どもが承知しているところでは、一応自動車の修理業者が保険代理店をやっていたということで、これも利益相反に当たるかと思います。  兼業する事業者が利益相反を避けるために、今一つ申し上げましたけれども、そのほかどのような策が講じられているんでしょうか。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 自動車修理業等を兼業する保険代理店におきまして、ビッグモーターの事案のような具体的な不祥事件が発生したわけでございます。  今回の法案におきましては、こうした保険兼業代理店に対しましては、特定大規模乗り合い損害保険代理店ということで、規模が大きなところには体制整備義務、具体的には法令等遵守管理責任者を設置させるというような内部体制の整備を求めることとしております。  他方、保険会社の側にも一定の義務を課すこととしてございまして、保険会社の側で保険金の支払部門や営業部門を適切に分離すると。それから、今申し上げました特定大規模乗り合い損害保険代理店でございますけれども、ここの保険金の請求、これに関連します兼業業務ですね、代理店の兼業業務を適切に監視するための内部管理体制を構築しているかどうか、これを保険会社の方で確認するというようなことを求めていくこととしております。また、その際に、内部管理体制の構築が不十分であると思われるようなところ、こうした代理店からの請求については厳重に審査するというようなことを保険会社側に求めることとしてございます。  私どもといたしましても、この上乗せ措置の対象になります大規模なメガ損保代理店、こういったところに対象を絞り込むことで、当該代理店における法令の遵守状況等を重点的にモニタリングしてまいりたいと思っております。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 今、モニタリングするとか、保険会社の内部体制の強化、それからモニタリングについて今言及があったんですけれど、例えば、自動車で事故を起こして、それでその修理工場に持ち込んだと。だから、それ以上のことを修理工場側でやってしまって、で、保険金を膨らませて請求していたというのが行われていたことなんです。  だから、透明性の確保というか、修理費用とか保険金請求に関する情報を透明にするということで、お客さんにも分かりますし、損保会社にも分かるということで、詳細な記録を保持することが重要になると思うんですけれども、この点はどういうふうな取扱いになっているんでしょうか。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 今般の改正法案におきますこの特定大規模乗り合い損害保険代理店でございますけれども、まず、先ほどから申し上げておりますように、自らこの兼業業務を監視する、監視させるための体制整備などを義務付けることとしております。  これに加えまして、こうした代理店の兼業業務の、特定大規模乗り合い損害保険代理店でございますが、ここにおきましては、苦情処理に関する記録の作成、保存、これは証跡を残すという意味で、それを求めることとしております。  これに加えまして、今委員御指摘の修理費用、それから保険金請求に関する情報の適切な記録、保存、こうしたものも当然必要なものと考えられます。こちらについても、今後、内閣府令、監督指針などにおいて対応を求めてまいりたいと考えているところでございます。

浅田均 日本維新の会

○浅田均君 ありがとうございました。  時間になりましたので、終わらせていただきます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国民民主党・新緑風会の上田清司です。  法案に先立ちまして、先般質疑で取り上げましたIG証券の不自然な企業会計、とりわけ法人所得税の計数に疑義があるということを指摘しました。  国税庁に伺いたいと思います。きちっと調査をしたか、あるいは調査中か。

小宮敦史 国税庁次長

○政府参考人(小宮敦史君) お答え申し上げます。  先日の委員会で御質問をいただきました、個別の証券会社に対する税務調査の実施の状況についてのお尋ねでございます。  この点につきましては、税務職員には、国家公務員法上の守秘義務とともに、国税通則法によりまして国家公務員法よりも重い守秘義務が課されていることから、お答えを差し控えさせていただきます。  なお、一般論として申し上げますと、国税当局におきましては、納税者の適正、公平な課税を実現するという観点から、各種の法定調書のほか、課税上有効な各種資料情報の収集に努めておりまして、これらの資料情報と提出された申告書等を分析いたしまして、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどいたしまして、適正、公正な課税の実現に努めているところでございます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 国家公務員法の守秘義務等についてのお話でありますが、憲法六十二条においては、両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を求めることができると、こう書いてあります。その国政調査権に基づいて、資料請求をしたり、こうして質疑をやっているところでありますが、同じく六十三条に、内閣総理大臣その他の国務大臣は、ちょっと中を省略しますが、答弁又は説明のために出席を求められたとき、出席しなければならない。つまり、答弁、説明のために出席しているのであって、この憲法の、上位法に合わないこの答弁を差し控えるというのはいかがなものかということを内部においてきちっと整理してもらいたいと思います。答弁を差し控えますということが世の中で通じるんだったら、国会の機能なんかなくなってしまいます。どう違うのかを明らかに今度はしていただきたいと思います。  それでは、結構でございます。委員長、国税庁に関してはこれだけでございますので、お忙しいと思いますので。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 小宮次長は退席いただいて結構でございます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございました。  続きまして、先般のスルガ銀行絡みで、森元長官の当時の発言とスルガ銀行関連の苦情との時系列的な一致が余りにも多いもので、資料としても提供させていただきましたし、もし、こういう苦情の案件が、例えば、森発言のあった前までの年にシェアハウス以外の投資用不動産関連で二十六件苦情案件があり、あるいはシェアハウス関連で五件、もし二〇一七年の発言のときまでの苦情案件を入れれば、それに、投資案件に関しては十四件増えます。合わせて四十件。シェアハウス関連でいくと、二〇一七年には八十六件苦情が金融庁に届いていますので、これも合わせると九十一件と。こういう苦情が出ているときに、森元長官は、ニッチな分野を開拓し、収益を上げているスルガ銀行、あるいは三・五%という収益を出している、あのマイナス金利の時代になぜこんな収益を上げられるんだということも考えないで、ただひたすら褒め上げている。  苦情が長官のところに届いていれば調べるはずだと思いますが、届いていないんじゃないか、あるいは届いていてもそれを無視しているのか、どちらなのか。もし届いていなければ、事務方がそうした苦情を上部に上げていかないという金融庁の体質があるのか、あるいは、上げていたけれども長官が余計なことをしゃべっているのか、どちらなのかということを確認したいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) スルガ銀行の問題に対する金融庁の対応について、今時系列の整理も含めてお尋ねでございますので申し述べますと、まず、金融庁の相談室に御指摘のとおりスルガ銀行に関する苦情が入り始めましたのは、アパマン関係は遅くとも二〇一一年から、シェアハウス関係は二〇一五年からでございます。シェアハウスを販売していた不動産業者の経営不安や賃料の支払停止などが大きく報道され始めましたのが二〇一八年の一月、金融庁がスルガ銀行に立入検査を開始いたしましたのが二〇一八年の四月、で、二〇一八年の十月にはスルガ銀行に業務改善命令を発出しているところでございます。  金融庁が本件問題を認識いたしましたのは二〇一八年の一月の報道以降でありまして、それ以前に相談室へ寄せられた苦情相談が監督対応に生かされていなかったことにつきましては大いに反省すべき点であるというふうに認識をしております。  その上で、森元長官の講演は二〇一六年の十二月、二〇一七年の五月でございまして、今申し上げましたように、この時期は、苦情相談は相談室には入っていたが、それが監督対応に生かされず、金融庁としてもスルガ銀行問題に対して問題意識がなかった時期に相当するというふうに整理をしております。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 そんなことありませんね。シェアハウス以外に関しては二〇一一年から、今申し上げたように、森長官の発言以前において二十六件ある。そして、シェアハウス関連では五件ある。それがちゃんと届かないような仕組みになっているということについて反省はしておられると。しかし、反省で済まないんです。私はそんなふうに思っています。  先ほど浅田先生の方からもお話がございました。報告希求を何度もやっていると。今度きちっと回答しなかったらどうするんですかという問いかけに関して、予断を持って言えません、そんなばかな話がありますか。段階があるわけでしょう、それぞれのプロセス。業務改善命令があったり、あるいはそれ以外にも段階があって、で、今報告希求を何度もやっていて、きちっとした報告がないと。じゃ、最終手段だとか、そういうのもあるんじゃないんですか。予断を持って言えません、そんなばかなことはないですよ、悪いことをしている人に対して。この段階ではこの措置、この段階ではこの措置、その次のときにはこういう措置がありますと、そういうふうに答えるのが普通なんですが、今間違った答弁をされましたので、訂正してください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  私どもの行政手法といたしまして、銀行法に定められました報告徴求命令、それから業務改善命令、業務停止命令というふうに各種の行政対応について記載されている、記述があるところでございまして、私どもとしてはそういう権限を持っているということでございます。  今委員御指摘のとおり、報告徴求命令に反する場合には、業務改善命令に移ったり、さもなくばいろいろな対応をするということはもちろん私どもの権限として持っておりますけれども、先ほど御答弁申し上げましたのは、個別の事案につきまして、次にどういう対応を取るのかということを今の時点で申し上げることは困難であるということを申し上げたのみでございます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 浅田先生が言われたのは、もう既に事案になっている案件ですよ。個別案件ですけれども、事案になっているんです。ちゃんと報告希求をなさっていらっしゃるじゃないですか。それでもちゃんと回答しない。じゃ、どうするんですかという問いに関して、予断を持って言えませんって、ばかな答弁ですよ、それは。あっ、ばかななんて言ったら、大変失礼しました。おかしい、答弁の中身として。個別案件でも何でもありません。これだけの事件があって、ちゃんとスルガ銀行という個別の名前も出て、被害者もたくさんいて、きちっと金融庁としての取扱いもやっていらっしゃる。今更隠す話なんかでもありません。ちゃんと答えてください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 私申し上げておりますのは、今後どういう対応を取るかということについて、予断を持って申し上げられませんということを申し上げているのであって、今どんな対応を取っているかということを何か隠しているとかそういうことではなくて、これから報告徴求命令が出てきましたり、今民事調停しておりますけれども、そういう事態が推移をしていきますので、かつ、銀行の対応も取られてまいりますので、それらを踏まえた上でどういう行政対応が必要なのかということを考えていかなければいけないので、現時点で将来の行政対応について申し上げることはできませんということを申し上げたのみでございます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ちょっと繰り返しになりますので、これはちょっと後で少し整理をさせてください。  今回の保険業法の改正は、旧ビッグモーターの案件から始まったわけでありまして、もう既に幾つかも御指摘をされていただいているところですが、私は出向の問題について少し取り上げたいと思います。  損害保険会社が旧ビッグモーターみたいな大きな損保代理店、また自動車修理を行ったり販売も行っているところに出向者を出して、その出向者が事実上黙認していたと、共犯関係にあったと、ここがやっぱり大きな問題だと思っております。  特に、データをいただきましたところ、四社合計で二千三百七十人、二〇二三年三月末までの時点で、もう極めて大勢の出向者が各社に出させているわけでありますから、この出向の事例に関して、余りにもやっぱり出向者が、どちらかと言えばその出向先の中に入ってしまって、まさに朱に交われば赤に、赤に交われば朱になるというか、逆のことのパターンが起こっているわけでありまして、この出向という関係において、どのような形でこの損保会社が損保代理店に対して出向者を出して、で、今回の法改正の中で、このずぶずぶの関係みたいなのをどのような形で今度は整理をされるのか、この点について伺いたいと思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 委員御指摘の保険会社から保険代理店への出向につきましては、金融庁といたしましても、出向元の保険商品の優先的な取扱いを誘引し、顧客の適切な商品選択の機会を阻害するおそれや、出向元の保険会社に対して不適切な顧客情報が共有されるといった弊害が生じるおそれといった問題があるものというふうに認識をしてございます。  こうした点を踏まえまして、金融庁といたしましては、先般、五月十二日に公表いたしました保険会社向けの総合的な監督指針の改正案におきまして、出向者を保険募集に直接関与させないことを含め、出向方針の見直しや改善に向けた態勢整備を行うよう、保険会社に対して求めていくこととしております。  金融庁といたしましては、保険会社から代理店への不適切な出向を防止し、顧客の適切な商品選択が阻害されることのないよう、出向方針の見直しの状況等を確認してまいりたいと考えております。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 是非そのような対応を徹底していただきたいと思います。  今回の法改正で、大規模な乗り合い損保保険代理店に対して上乗せ義務を追加、その効果について伺いたいと思います。  一つは、事業所ごとに法令等遵守責任者、本店等に総括責任者を設置と。内部のメンバーが内部を見ると、何か当たり前じゃないかと。彼らが優れた内部の監視、監督を担保をするということになるのかと。この点について疑念がありますが、大臣、どうでしょうか、これまでの流れからすると、内部にこうした監視、監督をする人を置いて機能するのかという疑問がありますけど、どのような考えをお持ちでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、今回の改正法案では、代理店に対して、営業所又は事務所ごとに保険募集人等に対して助言、指導を行う法令等遵守責任者の設置を求めるとともに、本店又は主たる事務所にこれら法令等遵守責任者を指揮する統括責任者の設置を求めることとしております。    〔委員長退席、理事船橋利実君着席〕  昨年十二月に公表された金融審議会のワーキング・グループ報告書において、法令等遵守責任者等の設置による代理店の内部管理体制強化の実効性を確保する観点から、法令等遵守責任者等には一定の資格要件を求めることとした上で、そのための試験制度を新設することが適切との提言をいただいたところでありまして、この提言を踏まえて、現在、日本損害保険協会において、法令等遵守責任者等を対象とした保険募集に係るコンプライアンス等に関する新たな資格制度の創設、また研修プログラムを提供することが検討されていると承知をしております。  金融庁としても、損保業界とも連携し、法令等遵守責任者等の知識や能力を担保し、特定大規模乗り合い損害保険代理店における内部管理強化に実質的につなげていけるように対応してまいりたいと考えております。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 何というんでしょうか、構えとしては悪くはないんですが、外部からの苦情の適切な処理、公的な監視機能を持つ金融庁ですら、スルガ銀行とかビッグモーターの様々な苦情があっても動かなかったんです。いよいよのときに、やっと動くんです。そういう意味で、内部統制が可能とするというのは、相当しっかり内部統制の考え方については、言わば監督官庁であるところもしっかり見守っていかなければならないのではないかというふうに私思っていることを申し上げたいと思います。  続きまして、大臣、ちょっともう時間がなくなってしまいましたので、法案上は書いてないんですが、法案の中身の説明の中で、営業上の配慮の排除とか、あるいは管理、指導の運用とかをモニタリングをしていくという、こういうことが出ているところですけれども、このモニタリングといっても具体的に何のことなのか、何もこの法案説明の中では出てきていないんですね。だから、何を対象に、どういう形で、あるいはどういう基準でモニタリングしていくのかということの、まあこれからという話も聞いてはおります。しかし、これからにしても、方向というんでしょうか、基本的な基準というんでしょうか、そういうものも整理されていないというのはいかがなものかと思っておりますが、多分、大臣の頭の中にはこういったものを中心に考えておるというようなお話があるのではないかと期待しておりますので、御答弁いただければ有り難いと思います。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 今般の保険金不正請求事案については、損害保険会社において営業部門などが不正請求の蓋然性が高いと考えられる事象を把握したにもかかわらず調査をせずに放置していたなど、代理店に対する営業上の配慮から適切な指導監督を実施できていなかったことが一因と考えております。  金融庁としては、保険会社から代理店による営業上の配慮の排除状況や管理、指導の運用をモニタリングすることとしております。  じゃ、その具体的なというお話でございますが、具体的な指標、基準は、例えば、損害保険会社が不正請求の蓋然性が高いと考えられる事象に関し厳格な調査や指導を実際に実施しているのかどうか、また、代理店の苦情処理状況を把握し、問題のある事象を是正しているのかといったことが考えられるところであります。  今後、保険会社や代理店へのヒアリングを実施しつつ、その具体的な指標、基準などについての具体化を図っていきたいと考えております。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。かなり整理された答弁ではないかというふうに思って、評価したいと思います。  最後に、ちょっと時間がありますので、保険会社と保険代理店との関係の中で、いわゆる営業上の様々な配慮を遮断する、この体制ということに関して、これは事務方からの御説明をいただきたいですが、具体的にどんな形だったら遮断ができるのか、この点について伺いたいと思います。    〔理事船橋利実君退席、委員長着席〕

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 今般の不正請求事案を踏まえまして、保険会社側におきましてこういう遮断をさせるわけでございますけれども、この保険会社の保険金支払管理部門、まあ査定を行う部門、それから営業部門を適切に分離することということでございます。  これにつきましては、担当の役員を分けることによりましてレポーティングラインを分離させるというようなことも含めまして、措置を講じさせていくということが必要であろうかと考えてございます。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 一点だけ。いわゆる体制整備状況や蓄積情報を管理、指導ということに関する部分でのこの配慮というんでしょうか、この点についてはどうなんでしょうか。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) この蓄積情報についてのお尋ねでございます。  今般の改正法案では、特定大規模乗り合い損害保険代理店に対しまして、先ほども申し上げましたように、この苦情処理の適切な処理を、対応を含めまして、内部管理体制の整備義務を課しております。その中で、苦情処理に関しましては、この証跡を、証跡を残させるということにしてございます。  他方、この保険会社の側は、保険代理店につきまして指導監督を行う法令上の義務がございまして、そちらの方を今回の改正法案でも強化をしているところでございます。  その過程におきまして、この苦情処理の証跡などを確認する、そして処理が実際にちゃんと適切に行われているかどうかを保険会社としても確認する、こうしたことによりまして、保険会社が本来行うべきこうした大規模な兼業代理店に対する管理指導責任を全うさせると、そういうことを意図しているところでございます。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ております。

上田清司 国民民主党・新緑風会

○上田清司君 ありがとうございます。  時間が参りました。  ファミリーで自動車整備会社を行いながら損保代理店もやっているところなどが多くあります。こういったところに分かりやすい仕組みに書いていただいて、複雑にならないようにやっていただきたい、このことをまずお願い申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  今日は、私の方はお礼の質問でございますので、安心してお答えいただければと思います。  中小の損保代理店問題については、長年、現場の要望を今回の監督指針案に盛り込んでいただきました。  この財政金融委員会でも、二〇一七年以来、もう八年ですかね、この問題、毎年のように取り上げさせていただいて、要するに、損保ジャパンだの東京海上日動だの大手損保が、地域で頑張っている中小代理店に、一方的に手数料の引下げ等を押し付けたり、統廃合を迫ったり、あるいは廃業まで迫るというようなことをいろいろ行われてきて、いわゆる優越的地位の濫用のようなことが数多く行われてきたわけでございます。  私、ずっとやってきて、まだこんな業界が日本にあるのかと思っていたら、本当にあのビッグモーターのような事件が起きるというようなこと、まさにそういう業界だったと思います。  ただ、中小代理店の問題は、金融庁の御努力で、具体的な指導もあり、現場も声を上げて、院内集会も毎年行われてきて、今度六月六日に超党派でまたあります、保険課長さんの報告、講演もあります。また、マスコミも何回も取り上げていただいて、各大手損保も随分昔に比べたら自重するように、余り露骨なひどいことはなくなってきたかと思います。  国会では、自民党の西田先生が、あるいは大塚耕平さんが頑張っていただいて、特に、西田先生は、優越的地位濫用を許しちゃあかんということで、公取の部分をかなり働きかけていただいて、今日の船橋先生の公取の答弁もそういう御努力が反映しているんではないかと思うところでございます。  私自身は金融庁の行政指導という観点からいろいろお願いしてきて、要するにむちゃなことはするなと、優越的地位の濫用をするなというようなことを通達とかあるいは通知とかですね、何か形にしてほしいということを要望してきたところ、やっと今回監督指針に盛り込まれたということで、お手元に資料を配ってございます。  普通、長い付き合いですけど、財務省や金融庁の世界で、民民の契約で片付けられている問題を、特に中小事業者の立場でこういうふうに監督指針に入れていただいたというのはめったにない画期的なことだというふうに思っておりますので、麻生大臣から加藤大臣に至るまでの歴代の金融担当大臣の御努力と、遠藤元監督局長、よく名前出しますけれど、その方からずっと保険課の事務方が頑張っていただいたことに心から敬意を表して、感謝を申し上げておきたいというふうに思います。  その上で、時間短いですが、幾つか確認をさせていただきます。  配付資料、監督指針の上の方ですけれども、今回、個々の代理店手数料の算出方法については、代理店委託契約に基づき、損害保険会社と保険代理店との間の協議、合意により決定されているというふうに書いていただきました。  実際は、今現在も委託契約とは別規定で手数料を一方的に決めるということが、ポイント制度ですね、行われておりますので、協議、合意というのは事実上されていないことが多いという中で、あえてここに監督指針で書いていただいた意味なんですけれども、金融庁も、もちろん現場のヒアリングやこの八年間の指導を通じて、実際には合意とか協議がされていないケースが多いということはもう百も承知だと思うんですよね。  それをあえてここに書いていただいた意味というのは、本来はそうあるべきだと、協議、合意で決めるべきだということを基本的な当たり前のこととして、逆に言えば、そういうふうに協議、合意を大事にしてほしいという意味で書かれたというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 御指摘の監督指針改正案の記載につきましては、損害保険会社と保険代理店の委託契約は事業者同士の対等な契約であり、代理店手数料を含め、よく話し合った上で合意に至るべきという一般的な原則を述べたものでございます。  一部の保険代理店から、例えば代理店手数料体系の見直しがあった場合などに、損害保険会社からの説明がなかった等のこの代理店手数料算出方法の運用上の懸念が示されていることも承知をしているところでございます。  金融庁といたしましては、こうした指摘も踏まえまして、損害保険会社による保険代理店への説明や協議が一方的なものとならないよう、引き続き損害保険会社に対して丁寧な対応を促してまいりたいと考えております。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  今後、一方的な手数料の決め方、押し付けがあれば、この金融庁の監督指針と違うんじゃないかということが現場では堂々と主張できるようになるというふうに思います。  もう一つは、下の、下段の方ですけれども、今日も議論がございましたが、手数料の決め方、そもそも、大手損保が代理店を評価すると、評価して手数料を決めるという、それそのものが一方的でおかしいんですけれども、根本問題なんですが、これは主に公取マターでも関わるんですけれども、その上で、今現在の問題として、ポイント制度を通じて大手損保が代理店の手数料を決める、決めているわけですけれども、そのときに、今までだと規模、増収率、つまり、大きな代理店、あるいは去年より今年売上げを伸ばした代理店、あるいは下の段でいきますと事務効率化とありますが、要するに大手損保にとって効率のいい、事務効率のいい代理店ということばかり優遇するようなことがあったわけですね。それを、そういうことばかり優遇しないで業務品質、これはフィデューシャリーデューティーということを言われていましたが、つまり、顧客サービスですよね、顧客にとってという意味ですよね、その点をおろそかにしないでと。  つまり、麻生太郎金融担当大臣が繰り返しここで言ってもらいましたけれども、地域の中小代理店というのは地域のセーフティーネットの役割を果たして、いざというとき重要な役割を果たしているんだと、そういうことも含めて評価すべきということをいろんな経過があってここに書いていただいたんだというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 昨年六月に公表されました有識者会議の報告書におきましては、代理店手数料ポイント制度においては、規模や増収面を重視し、業務品質を必ずしも適切かつ十分に評価していない傾向があり、この仕組みが大規模な保険代理店に業務品質を軽視する不適切な保険募集のインセンティブを与えているおそれがある旨指摘されているところでございまして、こうした指摘を踏まえまして、先般の監督指針の改正案におきましては、代理店手数料の算出方法につきまして、保険代理店におけるコンプライアンス疑義事案の発生状況等を踏まえていること、また、保険代理店の規模、増収に偏ることなく業務品質を重視することに加え、さらに、その業務品質の具体的な指標について、損害保険会社の事務効率化ではなく、顧客にとってのサービス向上に資するものとすることを求めているところでございます。  金融庁といたしましては、こうした対応によって、大規模代理店を含めた保険代理店全般においてインセンティブの面から顧客本位の業務運営の更なる浸透を促すとともに、業務品質の高い中小の保険代理店が規模の面で必ずしも不利にならない手数料体系の実現につながることで、保険市場の健全な発展の一助となることを期待しているところでございます。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  今パブコメの最中ですけど、これは具体的に監督指針として定まっていく今後のスケジュールといいますか、流れを教えてもらえますか。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) この監督指針の改正案でございますが、六月十三日まで、一か月でございますけれども、パブリックコメント期間としておりまして、その後、受け付けたコメントを踏まえて、その内容の検討、修正をする必要があるかですとか、どういうふうにコメントをお返しするかですとか、そうしたことを検討を行った上で、最終化した監督指針を公表、公表と同時に監督指針の適用を開始する予定でございます。  このコメントにどんなものが出てくるかということがございますので、今申し上げた六月十三日以降どのぐらいのタイミングで出せるかということは、一定の幅がございますけれども、できるだけ早期の最終化を目指して進めていきたいというふうに考えております。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 現場では日々いろいろ起きていますので、できるだけ早く確定して出していただきたいと思います。  全体の、先ほど申し上げましたポイント制度ということを通じて大手損保が代理店を評価するという根本問題があるわけですね。これそのものが優越的地位濫用に該当する可能性があるわけでございます。あるんですけど、今日あしたの問題としては、この監督指針に盛り込まれたことが現場ではいろいろ生かせるのではないかというふうに思います。  つまり、大手損保に対して協議、合意を求めることができるということですね。一方的に決めちゃ駄目よということができるということと、手数料の決め方についても、協議、合意が前提となりますと、当然説明を求めることができるはずですよね。そうすると、なぜそういう評価をしたのかと、ポイントにしたのかと、それが規模、増収だけだと監督指針と違いますよというようなことを、また異議申立てといいますかね、できるわけでございますので、その物差しを金融庁が示していただいたということになるかというふうに思います。  最後に、加藤金融担当大臣に伺います。  これは本当に金融庁の皆さんの努力が形になったんだと思っております。ただ、まだまだ課題はございますので、この監督指針がきちんとワークするように、しかも、まだまだいろんなこと起きると思いますので、引き続き金融庁として、大手損保と代理店が共に発展することが大事なんで、どちらか対決する話では本来ないんですけれども、そういう点で、業界の発展のためにも、地域で頑張る中小の代理店、引き続き金融庁として応援してほしいと思いますが、いかがでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 委員からこれまでの取組に対して御評価いただきましたことに、まず感謝申し上げたいと思います。  保険金の不正請求事案の再発防止に向けて、改正後の監督指針の内容に沿って、代理店手数料の適正化を含め、各損害保険会社において業務の適正化が図られることは大変重要と考えております。  金融庁としては、現在、損害保険会社が検討している新たな代理店手数料の算定方法が顧客にとって真にサービス向上に資するものとなっているか、先ほど監督指針の改正スケジュールについては申し上げましたけれども、その改正後の監督指針に基づいて、しっかりと確認し、必要な指導を行っていきたいと考えております。  そうしたことを通じて、各損害保険会社また代理店がそれぞれの機能を発揮していただいて、最終的には、先ほどなぜ損害保険があるのかというお話がありました、そうした本来の損害保険が担う役割がしっかり発揮されて、まさに国民の生活の安定等々につながっていく、それに向けてしっかり努力をさせていただきたいと思います。

大門実紀史 日本共産党

○大門実紀史君 よろしくお願いします。  終わります。     ─────────────

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、横山信一君及び三原じゅん子君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君及び山田太郎君が選任されました。     ─────────────

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 梅村みずほです。本日もよろしくお願いします。  閣法三七号保険業法改正案でございますけれども、今回の法案は、旧ビッグモーターによる保険金不正請求事案でありますとか、大手四社によってなされました保険料の調整行為があってということで、明確な立法事実がありますし、必要な法改正であるというふうに思っております。  実は、私の亡き父は大手損保の営業マンでございました。なので、私が子供の頃、三十年以上前になりますけれども、この法案にも出てくる保険会社と保険契約者との便宜みたいなのは肌身で子供ながらに感じていまして、あの頃はまだちょっとバブルの余韻というのもあったんでしょうか、まだきれいな車をなぜか頻繁に買い換えたりとか、クリスマスケーキの選択肢がないんですね、もうこれって決められて、何でうちは親が決めるんだろうと思ったり、お節が無駄に豪華だったり、ふだんはさほど仲の良い夫婦ではない父、母が突如旅行に行ったり、今大きくなって考えれば、ああ、そういうことなのかってなるんですけれども、それが連綿と三十年以上たった今も恐らく継続していたんだろうなと。それは、やはり取引の公平性がゆがんできますし、よろしくないということで、当時のことを思い出しながら、この法案は必要だなと資料を読ませていただいた次第でございます。  さて、主要なところは他の委員からも御質問ありましたけれども、今日、私はこの保険料調整行為のところでお聞きしたいことがございます。というのも、今、保険業界では、本業のこの保険業務での利益というのがなかなか伸ばしにくいというふうに聞いているんですよね。中でも、激甚化、頻発化する自然災害によって火災保険部門で利益が全く上がらないというような声が届いてきております。  実際に、全体としてこの火災保険部門での赤字というのはどのような状況にあるのか、ここ数年の状況を示す数字などがあれば、金融庁にお伺いしたく思います。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 近年の自然災害の頻発、激甚化を受けまして、各損害保険会社における火災保険の赤字が継続しているところでございます。損害保険会社全社、五十五社でございますけれども、この損害保険会社全社における保険種目別の保険引受利益につきまして、二〇一九年度から二〇二三年度までの五年間分をトータルの金額で見ますと、火災保険の赤字額は約一兆二千億円程度となっているところでございます。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 非常に、一兆超えということで巨額の赤字なのだなということが、配付資料の一枚目に載せさせていただいておりますけれども、こちらが金融審議会のワーキング・グループから出されている資料でもありまして、なるほど、特に、お手元の資料見ていただきますと、二〇二〇年なんかは自動車保険や傷害保険を合わせた利益も吹き飛ぶほどの赤字ということで、これはこの火災保険部門だけでも利益を生み出せるような仕組みにならないと、良いことではないなというのは単純に思うわけでございます。  この金融審議会のワーキング・グループでは、既存の長期契約の影響ですとか再保険コストの増加によって赤字が継続しているというふうに指摘がされているんですが、こうした問題への対応策について、加藤大臣、何か策はあるのでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) 昨年十二月に取りまとめられました金融審議会ワーキング・グループの報告で、保険料調整行為事案の背景として、火災保険を含む企業向け損害保険商品について、損害保険会社内での営業上のプレッシャーが高まる中で、補償内容に見合う保険料率の適用や収支分析、保険料率の妥当性を適時に検証するリスク管理が必ずしも適切に実施されていなかったことが指摘をされております。  このため、金融庁としては、損害保険会社に対し、適切な保険料の設定が確保されるための商品開発管理態勢の確立を求めるとともに、その整備状況のモニタリングを強化しているところであります。また、損害保険会社が保険料率を設定する際の参考とする参考純率がございますが、近年の自然災害の激甚化の実態をより反映したものとなるよう、それを算定しております損害保険料率算出機構における取組を促進をすることなどを通じて、火災保険を含む企業向け損害保険をめぐる課題に取り組むこととしております。  また、保険料率行為事案に関しては、一昨年十二月に大手損保会社四社に対し業務改善命令を発出し、リスクに応じた適正な保険料を提示できる営業活動を実現するための方策の策定等を求めておりまして、各社における企業向け損害保険の管理態勢の整備、運用の状況についても引き続きフォローしていきたいと思っております。  なお、お示しいただいているように、この火災保険もまだ赤字ではありますが、二〇二三年は随分減少してきているところでございますけれども、まさにそうした努力を進めていきたいと思います。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  何せ自然相手ということもありますので、この赤字幅というのもぶれがあったりするのかと思いますけれども、大臣がおっしゃっていただいたように、いろいろ保険料率を考えていただくことによって近年この赤字というのも縮小傾向にあるんだというふうには思っております。  なお、大臣も参考純率等をお述べいただきましたけれども、資料の三には、こうやって純保険料率という、この料率算出団体が出してくださったものに付加保険料率を掛けてということで、リスクに応じた適正な保険料というのを見てくださっているということでございます。  いずれにしましても、不採算部門がありますとどこかで補填しようというような意識が働くのは当然のことでございまして、そうすると数々の不適正な事案というのが生み出されていく土台になったのではないかということで、この火災保険部門の赤字というのが今回のような事案に、不適正な事案につながった背景にあるのではないかというのがワーキング・グループから指摘されているところでございます。  じゃ、保険会社は一体何で食べているんだろうと思うところなんですけれども、次の資料をおめくりいただきたいと思っております。  損保、運用頼みの最高益ということで、こちら割と最近の記事でもあるんですけれども、損保の大手三グループが純利益四七%増、二・一兆円ということで、めちゃめちゃ利益上がっているやないかと思うんですけれども、これは政策売却株であるとか債券利息などということで資産運用益であるということなんですよね。記事を見てみますと、全体の利益の九割が資産運用によって占められていて、保険事業の十九倍に当たるということなんですね。  先ほどは、保険料率を変えてもらって、何だったら、保険料はちょっと高くなっても火災保険部門で採算が取れるようになった方がいいのかなというようなことも申し上げましたけれども、一般の契約者からすると、保険料は低い方がそれは有り難いわけであって、これだけ利益を出しているんだったら、少々、何か、本来あるべきようなバランスかどうかはさておき、このままでもいいんじゃないかという声も聞こえてきそうなものでもございます。  しかるに、一方で、運用というのは大きく益が出ることもあれば、当然そうでもない場合もありまして、不確実性が高いというのは言うまでもなく、本業での利益をどういうふうに伸ばしていくのか、あるいはその運用での利益と本業との利益の在り方とかバランスはどうあるべきなのか、悩ましいところなんですけれども、その辺りは、大臣、どのようにお考えでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、損害保険会社、しっかりリスク管理していただかなきゃなりません。巨大災害による保険金支払などに備え、将来の経済状況の変化も含めた重大なリスクを考慮し、これに十分な資本の質と量を確保しているか、これをチェックすることが必要でありますし、この点について現時点で各保険会社は充実した財務基盤を有しているというふうに認識をしております。  その上で、委員お話がありました保険引受利益と資産運用利益との例えば具体的なバランスはどうあるべきかなどにつきましては、各社が自らのリソース、顧客基盤等、経営環境を踏まえて判断をし、必要に応じて見直しが図られるべき事項と考えております。  一般論として申し上げれば、市況の変動に過度に左右されない安定的な収益基盤を確保することは、健全で持続可能なビジネスモデルを構築する上で重要であります。そうした観点から、保険会社においては、保険契約者から収受した保険料を適切に運用するのみならず、保険引受利益の源泉となる保険サービスについても、顧客にとって魅力があり、競争力もある商品を提供していくことが重要と考えております。  なお、金融庁では、保険業法におけるソルベンシーマージン比率規制に基づいて、保険会社の財務状況や保険金支払能力をモニタリングしておりまして、今後、中長期的な収益動向の確認を含めて、保険会社の保険金支払余力に問題が生じないように監督していきたいと考えています。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 ありがとうございます。  他の委員もおっしゃっていましたけれども、本当は競争の原理が働けばいいなという分野ですけれども、なかなか、ユニークな商品をつくってくださいといっても、パン屋さんであるとか、映像を作ったりだとかというものでは全くありませんので、非常に難しいところだろうなとは思っております。  そうするがゆえに、そういう背景があるがゆえに、やっぱり抱え込みというような形でますますずぶずぶの関係というのが醸成されていくのかなと、悩ましいところではありますけれども、やはり適正に一つ一つの部門で売上げを、利益を上げられる構造というのをつくっていきたいなと思っております。  さて、もう一枚今日は資料を付けさせていただいたんですけれども、もう一つ何かというと、損保、代理店出向七割減ということでございます。この本業で伸び悩んでいるのは保険契約のおよそ九割が保険代理店を通じて今行われているということですとか、ビジネスの効率性を示す事業費率というのがこの記事にも載っていますけれども、欧州では損保が二七%前後というところ、日本は少し高めなんですね。三〇%を超えるということで、高コスト体質になっていることが挙げられるということでございます。  業界の再編でありますとか代理店への出向者を大幅に減らすという対策を取られてはいますけれども、今後の業界の成長自体をどのように捉えていったらいいのかということ。代理店は今十五万以上あるんでしたでしょうかね、経営者も高齢化してきますし、人手不足も深刻な業界になっております。代理店の業務の効率化も考えなくてはいけませんし、今はもうネットですぐに保険も申し込めるという中で、代理店の在り方自体も今後検討していかなければならないと考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) まず、保険会社に対して、各社のビジネスモデルの持続可能性やビジネスの将来見通し等について、ヒアリングを通じて定期的な確認を行っております。  今後、ビジネスモデルの持続可能性などについて確認を行うなどに当たっては、コスト面についても着目するとともに、どのような成長戦略を持っているのかを確認することなどを通じて、成長に向けた取組を促していきたいと考えています。  また、保険代理店でありますが、保険業法上、保険会社による教育、管理、指導が求められております。保険会社の中には保険代理店に対して契約に用いるシステムを提供する等の保険募集業務の効率化を進める取組が見られるほか、日本損害保険協会は、保険代理店が自らの体制整備状況を主体的、自律的に確認するためのツールとして、自己点検チェックシートを提供するといった取組も行っているところであります。  金融庁としても、保険代理店の業務の効率化や自立は重要と考えており、こうした保険代理店の自立等に資する取組について、モニタリングを通じてその実効性を確認するとともに、更なる取組を促していきたいと考えております。

梅村みずほ 各派に属しない議員

○梅村みずほ君 そろそろ時間ですので締めたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、日常、非日常のリスクに備える国民の安心な暮らしにとって必要な社会的インフラですので、今後も金融庁とともに私もしっかり考えてまいりたいと思います。  ありがとうございました。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  今回は、保険業法の一部を改正する法律案について質問をいたします。  今回の問題の発端は、保険販売の代理店も兼ねる自動車販売と修理業を営む会社が、車に自ら傷を付けるなどして保険金の水増し請求をしていたといったようなことだと思います。今後同じような問題が発生しないように、損害保険代理店と保険会社の双方へのチェック体制を強めようという今回の法改正には賛同できるというふうに考えています。  ただ、今回の問題は、不正請求していた自動車会社だけの問題だけではなくて、それを知っていて見逃していたんじゃないかという保険会社の側にも問題があるということです。たくさん保険を販売してくれるならということで保険料を割引したり社員を出向させたりするということも業界の中で当たり前にあったということで、そういったことも規制していくという内容になっています。  しかし、事故などで自動車が破損して修理が必要になったときに、損保会社から修理工場を紹介される入庫誘導、指定工場への、ここどうぞというふうな紹介制度があって、保険をたくさん取ってくれる販売会社を損保会社が優遇するということというのは今後も続くんではないかなというふうに考えています。  そして、この構造の中で、任意の自動車保険というのが問題になっているんですけれども、そのほかにも、社費と呼ばれます自賠責保険の損保会社への手数料というものも問題ではないかという指摘があるんですね。  大手の保険会社が集まってつくる日本損害保険協会というところは、自賠責保険で預かる保険料のうち、純保険料以外に付加保険料というものも取っていまして、この販売、保険を販売するところの手数料は一件当たり千七百三十五円ということなんですが、この協会への手数料、これ社費というんですね、これが五千五十六円という結構高額になっていまして、業界全体で年間の売上げを計算すると二千億円ぐらいになるということですね。  この二千億円といった利益が損保会社と販売店との不適切な関係につながっているんではないかというふうに指摘する声もあるんですけれども、今回の法改正の先に、この自賠責保険の社費の在り方についても何かの改善等を検討されているのか、現状をお聞かせください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  自賠責保険につきましては、自動車損害賠償保障法に基づきまして、交通事故被害者の保護を目的として全ての自動車ユーザー等に加入が義務付けられる公共性の高い保険でございます。  そのため、自賠責保険の保険料は、同法におきまして、能率的な経営の下における適正な原価を償う範囲内でできる限り低いものでなければならないと規定されておりまして、保険会社の経費に当たります社費についても、この考え方の下に、損害保険料率算出機構において、各社の経費実績を用いて、損失も利益も出さないようになっているかを検証しているところでございます。  加えて、社費も含めた自賠責保険料の水準の適切性につきましては、毎年、金融庁に設置された自賠責保険審議会におきまして、足下の自動車事故の発生状況や保険会社の経費実績等を踏まえて審議することとされており、同審議会で保険料率改定の要否が決定されることになります。  二〇二五年一月、本年一月の同審議会では、事務のデジタル化等の社会環境の変化を踏まえた新たな経費の算定方法につきまして日本損害保険協会から報告が行われたほか、経費計算基準については定期的に見直すこととされたところでございます。  次回は二〇二六年一月の同審議会での審議になりますけれども、ここでは、新たな算定方法により計算された結果を用いて、社費を含めた自賠責保険料の適正性を審議することとなってございます。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  二千億というお金は、比較すると二〇二五年度の地方創生関連予算と同じぐらいの結構な額で、さっき梅村先生の方から御指摘ありましたけれども、なかなか収益が上がりにくい業界になっている中で、二千億が毎年協会に入ってくるというのは結構大きな比重を占めると思うんですね。  私、この自賠責保険が駄目だと言っていたり社費をなくせと言っているんではなくて、結局、こういったものを運んでくる、契約を取ってきてくれる業者を優遇したくなるのは人の情として私は当たり前だと思っていますので、やはり、もう少し、自動車の修理や販売をする会社と保険代理店というものをしっかり線引きをして分けていくということが必要なのではないかなというふうに考えていますので、これ、今すぐどうこうしろということではないんですけれども、こういった問題を改善していくために、海外の事例なんかを参考に、今後も制度をより良く改善していただきたいなというふうに要望しておきます。  二点目ですけれども、今回の法改正には政策保有株の縮減というものが含まれています。この政策保有株式とは、保険会社が保険を販売する会社の株式をたくさん保有することで保険の販売シェアを上げてくださいということですね。今回だったら、ビッグモーターの株たくさん買ってあげるから、うちの保険たくさん売ってねというふうな、そういった癒着関係になるんじゃないかということで、減らしていきなさいということなんですけれども。  この政策保有株式の縮減を進めるに当たって、今後、保険会社が株式を売るときの方法等の指定とかはされているのかどうかについてお聞かせください。

伊藤豊 金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) 政策保有株式をめぐりましては、昨年六月に取りまとめられました有識者会議の報告書におきまして、政策保有株式が少なからず企業向け保険の入札などのシェアに影響を及ぼしており、損害保険会社の営業担当者の適正な競争に対する意欲を阻害していた旨が指摘されているところでございます。  こうした指摘を踏まえまして、先般、五月十二日にパブリックコメントに付しました保険会社向けの総合的な監督指針の改正案におきましても、政策保有株式を早期に縮減する方針の策定や保有する場合の適切な開示等を監督上の着眼点として示しているところでございます。  その上で、株式の売却に関して申し上げますと、一般論といたしまして、金融商品取引法等の関係法令や業界ガイドラインに従って適切になされる必要があるものの、そのほかに特段、保険会社に対して一般的な企業等と区別して株式の売却方法等を指定すべき事情はないと考えておりまして、金融庁として何らかの指示を行ってはおりません。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  この政策保有株式、今挙げていただいたようなもちろん問題もあるんですけど、一方でメリットもあると言われていまして、取引関係の維持強化、それから安定株主の確保といったものもあるということなんですね。  この株の持ち合いと聞くと、あのBIS規制というのを掛けられたときに、日本の金融機関が一気に株を放出させられたということがありまして、そのときも株の持ち合いは癒着になるから駄目だということだったんですが、そうやって政策保有株式をどんどん縮減してきた結果が、結局、日本の大企業の株を海外投資家に持たれちゃったということで、物言う株主が大きくなってきて、自国の利益や会社の利益を重視するよりも株主への配当を増やしなさいというようなところにどんどん重視してきた、株主資本主義というものに流れてきてしまったという反省もあるんですね。  ですから、こういった形で、もちろんデメリットがあるので指導するのはいいんですけれども、過去の失敗も少し考えていただいて、過度な透明性とか自由競争を求めると、結局、国内の資産が流出してしまうとか、日本の企業同士がある意味協力関係があったものが希薄になってしまって、その隙をつかれるようなところがありますので、個別の最適を求めつつも、やっぱり全体最適、日本経済全体の最適というものも考えていただきながら指導をしていただいて、余り急激にばっと出せとなると、また海外の機関投資家なんかに買われてしまいますので、そういったところも配慮しながら指導を行っていただきたいというふうに要望をしておきます。  三点目に行きます。  今回の法改正、自動車保険に関するものなんですけれども、自動車保険といいますと、JA共済の自動車共済というものもあるんですけれども、そちらの方に今回の法改正の影響というものはあるのか、統制等の影響は及ぶのかということを聞かせてください。及ばないということであれば、その趣旨も併せてお聞かせいただきたいと思います。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) お答えを申し上げます。  保険業法におきましては、他の法律に基づく保険、いわゆる制度共済、これにつきましては規制の適用を除外いたしているところでございます。JA共済は農業協同組合法に基づき共済事業を行っているというものでございますので、この適用除外ということになります。今般の改正法案の適用も受けることはございません。  また、その趣旨でございます。JA共済を含む制度共済が保険業法の適用除外となっている趣旨につきましては、制度共済は組合員間の相互扶助の考え方を基礎としている、各共済のそういう特徴を踏まえた規制の枠組みに基づいて監督が行われることが適切であると、こういう考え方に基づくものと認識しております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。制度趣旨も含めて教えていただきました。  今農水大臣替わって、結構JAの問題が皆さん気にしていまして、こういったことでもJAの経営に何か影響及ぶんじゃないかというふうな心配の声が上がっていましたので、確認の意味を込めて質問をさせていただきました。  最後、四点目ですね。今回、法改正後の影響検証というものをまた五年というふうに書かれているんですけれども、これどうしていつも五年というぐらいの年度になっているのか、その辺のところも少し教えてください。

油布志行 金融庁企画市場局長

○政府参考人(油布志行君) 委員御指摘の本改正法案の附則におきまして、施行後五年を目途、目途ということで、改正後の保険業法の施行の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、同法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる、このようなことを御提案させていただいております。  今般の改正法案に基づきます各種の措置についても、やはり、他の法案と同様、施行後の影響等をしっかりと把握、分析した上で見直しの要否を検討する必要があると考えてございます。  御指摘のように、金融関係法令は五年を目途とする規定のものが多いというのは事実でございまして、半ば経験則的に基づきまして五年を目途と。目途でございますので必ずしも五年に限定されるわけではございませんが、そのような附則の規定を今回も改正保険業法において規定させていただいております。

神谷宗幣 各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。  先ほど私が指摘しました政策保有株式なんかは、結構、売却が進んでいくと五年でもう状況大きく変わってしまうということも考えられますので、先ほど少し要望事項述べましたが、そういったものをチェックしていただきながら、別に五年後に限定されていないということですので、また一年後、二年後の変更状況を見ながら適正な指導を行っていただきたいと要望して、質問を終わります。  ありがとうございました。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  保険業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、柴君から発言を求められておりますので、これを許します。柴愼一君。

柴愼一 立憲民主・社民・無所属

○柴愼一君 私は、ただいま可決されました保険業法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民・無所属、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員梅村みずほ君、大野泰正君及び神谷宗幣君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     保険業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 今般の保険金不正請求事案及び保険料調整行為事案の再発防止策が、本法による措置及び下位法令への委任のほか、顧客本位ではない比較推奨販売の禁止、代理店への過度な便宜供与の禁止及び企業内代理店規制の見直しなどの監督指針等による対応を含む多面的な構造となっていることに鑑み、当局のモニタリングを総合的に行う態勢を確立するほか、業界における顧客本位の業務運営の徹底を更に促すことなどにより、当該再発防止策の実効性を担保すること。  二 保険業界の不祥事への対応に当たって、必要十分な検査及び処分等が円滑に実施されるよう、金融庁及び財務局において必要な機構・定員を確保し、保険契約者等の保護を図るとともに、保険業の社会的意義も踏まえつつ、保険業に対する信頼性の確保及びその健全な発展に万全を期すこと。  三 今般の保険料調整行為事案の一因が、近年の自然災害の頻発・激甚化が火災保険金の支払いを増加させる一方、契約期間が長期であるなどの理由から保険料への反映が遅れることで、火災保険の危険差益を悪化させたことにあったことを踏まえ、このような火災保険の構造的な問題への対処のため、当該構造に係る分析を行い、持続可能なビジネスモデルの構築を損害保険業界に促すこと。    また、火災保険の危険差益の悪化への対応として、他の保険種別における収益移転が過度に起きることのないよう、保険商品の契約者間の公平性が確保されるような保険商品の認可に努めること。  四 保険会社等の金融機関に対しては、法令やガイドライン等により、個人情報保護法よりも厳格に個人情報を管理することが求められていることに鑑み、昨今多発している保険代理店における個人情報漏えい事案に対し、その再発防止に向けた、より一層の厳格な対応を行うこと。  五 本法の基礎となる「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」及び「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」の取りまとめ後においても、保険業界においては不適切な行為が表面化し当局が立入検査を実施していることに鑑み、改めてこれを業界の問題として捉え、業界全体の実態解明に努めるとともに、その結果を公表すること。    また、実態解明による問題への対処が本法による措置では不十分と判断される場合においては、附則第四条の検討規定に定める本法の施行後五年を目途とする時期を待つことなく、直ちに検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) ただいま柴君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 全会一致と認めます。よって、柴君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、加藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤内閣府特命担当大臣。

加藤勝信 財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融) 自由民主党・無所属の会

○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

三宅伸吾 自由民主党

○委員長(三宅伸吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十七分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #1312 観測 2026-10-11 04:34 JST
    改ざん検知用の値 79cbcc4a…357710 (未計算)

チェックポイント

記録
#1363 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint-2026)
まとめの値
393aca74…440243

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。