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国会会議録

行政監視委員会

第217回 · 参議院 · 第1号 · 2025-02-26

出典 kokkai ↗ 最終取得 2026-10-11 00:47 JST 記録 #865 ↗

発言 114

会議録情報

令和七年二月二十六日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         福島みずほ君     理 事         石垣のりこ君     理 事         鬼木  誠君     理 事         里見 隆治君     理 事         石井 苗子君     理 事         倉林 明子君                 朝日健太郎君                 井上 義行君                 石井 浩郎君                 石井 正弘君                 上野 通子君                 加田 裕之君                 北村 経夫君                 上月 良祐君                 高橋はるみ君                 滝沢  求君                 長峯  誠君                 野上浩太郎君                 長谷川 岳君                 橋本 聖子君                 宮崎 雅夫君                 山谷えり子君                 岸 真紀子君                 古賀 千景君                 塩村あやか君                 野田 国義君                 宮口 治子君                 森屋  隆君                 石川 博崇君                 河野 義博君                 山本 博司君                 芳賀 道也君                 大島九州男君                 伊波 洋一君                 浜田  聡君     ─────────────    委員の異動  一月二十四日     辞任         補欠選任      石井 正弘君     小川 克巳君      高橋はるみ君     佐藤 信秋君  二月十四日     辞任         補欠選任      宮口 治子君     木戸口英司君  二月二十五日     辞任         補欠選任      朝日健太郎君     梶原 大介君      加田 裕之君     山本 啓介君      滝沢  求君     神谷 政幸君      石川 博崇君     高橋 次郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         福島みずほ君     理 事                 小川 克巳君                 宮崎 雅夫君                 石垣のりこ君                 鬼木  誠君                 里見 隆治君                 石井 苗子君                 倉林 明子君     委 員                 井上 義行君                 石井 浩郎君                 上野 通子君                 梶原 大介君                 神谷 政幸君                 北村 経夫君                 上月 良祐君                 佐藤 信秋君                 長峯  誠君                 野上浩太郎君                 長谷川 岳君                 橋本 聖子君                 山谷えり子君                 山本 啓介君                 木戸口英司君                 岸 真紀子君                 古賀 千景君                 塩村あやか君                 野田 国義君                 森屋  隆君                 河野 義博君                 高橋 次郎君                 山本 博司君                 芳賀 道也君                 大島九州男君                 伊波 洋一君                 浜田  聡君    事務局側        常任委員会専門        員        有薗 裕章君    参考人        慶應義塾大学大        学院法務研究科        教授       飯島 淳子君        明治大学公共政        策大学院教授   西出 順郎君        京都府立大学学        長特別補佐・公        共政策学部教授  窪田 好男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○参考人の出席要求に関する件 ○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査  (国と地方の行政の役割分担に関する件)     ─────────────

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、鶴保庸介さん、羽生田俊さん、磯崎仁彦さん、片山さつきさん、石井正弘さん、宮口治子さん、朝日健太郎さん、滝沢求さん、加田裕之さん及び石川博崇さんが委員を辞任され、その補欠として北村経夫さん、上月良祐さん、宮崎雅夫さん、佐藤信秋さん、小川克巳さん、木戸口英司さん、梶原大介さん、神谷政幸さん、山本啓介さん及び高橋次郎さんが選任されました。     ─────────────

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に小川克巳さん及び宮崎雅夫さんを指名いたします。     ─────────────

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に慶應義塾大学大学院法務研究科教授飯島淳子さん、明治大学公共政策大学院教授西出順郎さん及び京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授窪田好男さんを参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のうち、国と地方の行政の役割分担に関する件を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、飯島参考人、西出参考人、窪田参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず飯島参考人からお願いいたします。飯島参考人。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) 飯島でございます。慶應義塾大学法科大学院で行政法を担当しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。  国と地方の行政の役割分担というこの行政監視委員会のテーマに照らして、地方自治法上の基本原則について確認した上で、地方創生を素材として若干の検討を行いたいと思います。  まず、役割分担原則は、第一次地方分権改革によって二〇〇〇年に地方自治法の基本原則として掲げられました。大本となる地方自治法一条の二は、地方公共団体を地域における総合行政主体とする一方、国は本来果たすべき役割を重点的に担うとし、国の役割を重点化、限定することによって地方公共団体の総合行政主体性を確保しようとしています。この総合性は、縦割りではなく分野横断的であること、また企画立案から執行に至るまで一貫して担い得ることを意味していると解されています。  役割分担原則を具体化した二条十一項、十三項は、国が地方公共団体に関する立法を行う際の立法指針としての性格を有しています。法令による縛りは地方自治の制約を意味しますので、国の法令でどれだけ定め、地方公共団体の裁量にどれだけ委ねるかという法令による規律の在り方は、地方自治の保障の観点において根本的な問題となります。  そこで、二条十三項は、法定自治事務について、国の法令が一律に固定してしまうのではなく、地域的裁量の余地を残して条例制定権に委ねるよう国の側に特に配慮しなければならないと定めています。この規定は、法律による義務付け、枠付けを見直し、条例制定権の拡充をみなす第二次地方分権改革につながっていきます。  このように、役割分担原則は、事務配分の基準として、国の事務を限定し、地方公共団体の事務を増やす意味を有するのに加え、国の関与の基準として、地方公共団体に配分された事務に対する国の関与を抑制する意味を有しています。  役割分担原則は地方自治法上の原則であって、形式的には通常の法律と同一の効力を有するにとどまりますが、地方自治法が地方自治の本旨と国と地方公共団体との適切な役割分担を同列としていることにも鑑みて、憲法規範である地方自治の本旨の内容を役割分担原則は構成し、国の立法者が準拠すべき法規範としての意味を持っているとの解釈が示されております。  役割分担原則は、この四半世紀の間の様々な社会事象の出現、変化等に応じて、その意味、意義が問われてきました。近時は大きく二つの方向での議論がなされています。  一つは、激甚災害の頻発や新型コロナウイルス感染症など、言わば危機が日常化する中で、危機管理における国の役割の強化が必要だとするものです。  コロナ対応においては、国、地方間、地方公共団体相互間の役割分担が不明確、不透明であると、で、調整、連携が十分に機能しなかったとされまして、感染症法、新型インフルエンザ特別措置法の改正に加えて、昨年には地方自治法の改正まで行われました。特例指示権はあくまでも危機時における国の関与の特例であって、個別法律による制度整備までの過渡的な規律であると解されています。  もう一つは、役割分担原則が十分に実現されていないとして、その根本的な見直しを要求するものです。  例えば、全国知事会は、昨年八月一日の地方分権改革の推進についてという提言の中で、ガバナンススコープという言葉を用いて、適切な責任、権限に基づく資源の配分の見直しが必要であることから、早急に役割分担の見直しに着手することを求めています。そこでは、事務配分に関し、全国一律の基準で実施する事務については、国の直轄事務化、地方公共団体からの言わば返上が主張される一方、国の立法権の関与に関しては、義務付け、枠付けの見直しによる自治立法権の拡充が主張されています。  このように、役割分担原則の見直しが行われる中、その本来の意味、意義が試されることがあります。その一つの例として地方創生を取り上げたいと思います。  二〇一四年に制定されたまち・ひと・しごと創生法は、計画の内容と手続に関する規律のみを定める基本法的法律としての性格を有しています。この法律は、まち・ひと・しごとを一体とする包括的な介入を行い、政府、都道府県、市町村の、緩やかであれ、トップダウンの計画体系とKPIに基づく評価によって、人口減少と東京圏への一極集中を制御しようとするものであると言えます。地方創生総合戦略は、交付金を通じたコントロールを伴いつつ、広域連携や公共私の連携をも手段として実現されることになっています。  地方創生は、人口減少を問題として把握し、対応しようとすること自体に大きな意義を有しています。その上で、地域全体を人口減少を前提にした社会につくり変えることを目指して様々な施策が展開されています。  ただし、幾つかの課題も指摘されています。  一つは、この施策が国による緩やかな地方自治体の動員であるというものです。地方公共団体の自主性の名の下での計画と交付金による集権化への懸念が表明されています。もう一つは、地方創生が事業としての行政という性格を有しており、その統制が難しいという問題です。  伝統的な行政法は、法律による行政の原理を基本とし、行政による私人の権利利益の侵害に対し裁判所が私人の救済を図ることになっています。これに対して、近時増加している事業としての行政は、地域社会ないし国民社会全体に視点を置き、事業全体の適正な実施、運営を目指すものです。地方創生はその典型例ですが、まち・ひと・しごと創生法がそうであるように、法的規律密度が低く、特定の人の権利義務に関わるものではないため、裁判的統制は必ずしも十分には機能し得ません。  こうした課題をも抱えた地方創生が、二・〇という名の下で再始動されようとしています。現在、その内容がつくられている最中ではありますが、石破茂内閣総理大臣の施政方針演説などを素材に若干の検討を加えたいと思います。  改めて振り返りますと、地方分権改革もその一環を占める統治構造改革は、この国の形をキーワードとして国の成り立ちを変革しようとしたものでした。事前の行政規制から事後の裁判的統制へを標語に、個人や社会の自己決定を基本とする形に変えようとしたのです。  形はあくまでも形であって、その形の下で内容が生み出されなければなりません。地方分権改革でいえば、地方公共団体は自治権の拡充によって住民に対して自治体ならではの行政を行うことで初めて改革の成果を示し得ることになります。しかし、実際には、この国の形の改革の成果を住民、国民が十分に実感するには至っていません。改革は成果を上げていないのではないか、形ではなく内容を問わなければならないのではないか。地方創生二・〇の掲げる国づくりやこの国の在り方という言葉はこうした問題提起を含んでいるようにも見えます。  内容を充填することは一つの正当な選択であると思います。ただし、地方創生も形が整っていなければ、その内容は融通無碍に流れてしまいます。そこで、内容をつくる前提として、地方創生の形を点検しておきたいと思います。  地方創生の形を施政方針演説から読み取るために、地方、地域、自治体という用語法に注目いたします。地方という用語が都市と対置されているのに対し、地域という用語は、様々なレベルにおける場という一般的な意味を与えられています。一方、自治体という用語は、自治体による調達の促進と自治体同士の広域連携という文脈でしか用いられていません。自治体が国と並ぶ行政主体という意味合いでは登場しないということは何を意味するのでしょうか。  自治体は、むしろ官として官民連携や産官学金労言の協働に組み込まれているようにも見えます。官民連携が町づくりや人づくりの主体とされ、産官学金労言はステークホルダーとして利害関係に基づいて協働するとされています。民の役割の重視、しかも生活者ではなく事業者である民の位置付けは地方創生二・〇の一つの特徴であるように見えます。仮に自治体は、官として産学金労言ないし民と同列であるとしますと、そのこと自体は制度設計の一つの選択肢であり得るとしても、地方創生施策の決定、実施について一体誰が責任と権限を負うのかという問題は残るように思います。  また、人の捉え方も問うておくべきかと思います。  人の流れという言葉が、ハードだけではないソフトの魅力が新たな人の流れを生み出す、新たな人の流れを太くするため関係人口に着目するという文脈で用いられています。人は流れるもの、流すものなのか、個人の移動の自由の意味について考えさせられます。  特に、人の中でも若者や女性がフォーカスされています。若者や女性が東京圏への一極集中の主な要因であるから施策の重点対象とするという判断は、施策の側から見れば合理的かもしれません。しかし、若者、女性というカテゴリーが施策によって誘導されること、同時に、若者、女性とそれ以外の者とが区別されることは法的検討の対象になり得ます。  この点に関連し、魅力ある働き方、職場づくりを起点とした地域社会の変革が必要であるという考え方が注意を引きます。若者、女性が仕事の側面から重視されるとしますと、さっき述べた官民連携や産官学金労言の協働とは符合しますが、人も経済政策に吸収されかねません。このことが楽しい日本という価値観の転換に沿うものなのか、一旦は考えてみる必要があるように思います。  地方創生二・〇の形として最も難しいのは統制の仕組みであろうと思います。そして、ここに国会による行政監視が期待されるのではないか。それは、単に裁判的統制が難しいからというだけではなくて、地方創生が、行政、すなわち資源の管理と、財政、すなわち資源の分配とを連動させているという理由によります。総合戦略の策定、事業の実施、KPIを用いた評価、事業の見直しという行政プロセスのPDCAと、予算の配分、交付金等を用いた予算の執行、決算承認等による統制、行政の説明責任等を踏まえた是正という財政プロセスのPDCAが連動して事業が決定、実施されていきます。行政プロセスと財政プロセスが連動するこの事業を統制する役割は、国会が担うのにふさわしいように思います。  仮に国会が統制の役割を果たすとして、問題は統制の基準、規範をどこに求めるかです。この点について、実体面の統制としては、個別法の定める実体的規律のほか、個人、団体、国家の間の守備範囲が問題となり、集権化批判に鑑みても、役割分担原則は一つの規範となり得ると考えております。また、手続面の統制としては、行政に説明責任と見直し義務を果たさせなければならない、それはまさに国会の出番ではないかと考えています。  地方創生二・〇はその内容をつくり上げていく作業において形が問われることから、今議論する必要があるのではないかと考え、問題提起をさせていただきました。  御清聴いただきまして、ありがとうございました。

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) ありがとうございました。  次に、西出参考人からお願いいたします。西出参考人。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 本日は貴重な機会をいただきました。ありがとうございます。私、明治大学公共政策大学院の西出と申します。よろしくお願いいたします。  今日は、国と地方の役割分担、それと、私の研究の専門領域であります政策評価、そして行政経営、この三点の視点から考えて是非ともひとつ今日お話をさせていただきたいということがございまして、そのことについて陳述、今日はお願いしたいと思っております。  それでは、私のこのハンドアウトに従いまして話を続けさせていただきます。  何を話したいのかということを申し上げますと、真ん中にあるタイトルの内容なんですけど、自治体EBPMの更なる推進、そして国・地方自治体の協働作業、それによるEBPMデータバンクの設置試案というものでございます。  要約は下に書いてありますので、ちょっと読み上げますね。まずは、国のみならず、地方自治体でのEBPM、この定着というのは重要であると、これはもう共通の認識だと思っております。そのためには、やはりオールジャパンで更なる協働作業を推進して効力を発揮していく必要があるだろうと。そのための一つとして、全国の自治体がEBPMを共有できるような場所を設定すると、設置するということが大事なのではないかという内容でございます。  それでは、具体的な話を続けさせていただきます。スライドの二枚目になります。  全ての地方自治体でEBPMの定着化、これはどの自治体も本当に望んでいるわけでございます。国においても、もちろんもう随分前からEBPMの推進委員会等々で積極的に推進されていると。地方自治体においても、関心のある自治体はEBPM推進している、また、その運動を国が後押ししているというところがございます。  しかし、実態として、地方自治体とEBPMに関する現状、これを各自治体の職員さんと私、仕事柄たくさんお話しする機会がございます。そこらをまとめますと、まあ一言で言えば、まだまだ工夫が必要であるということですね。  それはどういうことかと申し上げますと、真ん中の矢印の内容に尽きるわけなんですが、政策、その政策の中には実現させるための手段があります。その手段が、小さい自治体でも数百個、大きい自治体になれば千、二千、このぐらい多数の政策の手段が存在しています。そういうもののエビデンスを、信頼あるエビデンスをどのように確保したらいいんだと、ここがまず大きなボトムネックになっているわけですね。  要は、一つや二つのエビデンスぐらいだったら何とか準備はできるかもしれないが、自治体としての政策としての全体最適ですよね、それをうまく実現させるには、それ相応の数のエビデンスのデータがなければ実現しないだろうということなんですね。  現在として、やはりこれももう当たり前の話なんですけれども、なぜエビデンスがつくられないかというと、二つです、本当に二つの問題です。  一つは、エビデンスをつくるためにはデータを集めなければなりませんと。データを集めるのにもお金が掛かります。ですから、まず一つ、お金ですよね。二つ目の問題は何かと申し上げると、その集まったデータを統計的にどのように解釈するのかと。客観的それから科学的なエビデンスをつくる以上は、統計的な作法にのっとってデータを解析しなければなりません。そのような人材というものが足りないと。これが二つ目。この二点に尽きるわけですね。  したがいまして、この二点をどうクリアまずしていくかというのが今非常に重要な課題、エビデンスを、ごめんなさい、EBPMを定着させるための課題だと考えられています。  じゃ、どうしたらいいのかという話です。スライドの三枚目に移ります。  自治体の職員さんといいますか、公務員の方々は通年、政策手段の実施に時間を掛けているわけです。自治体でありますと一人当たり、一人一本、二本、三本、それぐらいの事務事業は担当しているわけです。その事務事業に、各事務事業において、まずは通年で実施をしておきながら、かつ評価をし、それらを踏まえて翌年度の政策の基本的な方向性を議論し、それで大体の方向性が固まったら、九月、十月、十一月で予算の要求、査定、編成という話になってきます。これらを毎年繰り返しているわけなんですね。そこに更にエビデンスをつくるために時間を割けるのか、お金を割けるのかということになると、極めて現実的ではなくて二の足を踏むと。  したがいまして、何が大事かということになる。そうなると考えられるのは、今から申し上げることです。エビデンスをみんなでつくりましょうと、全自治体でエビデンスをつくりましょうと、そしてそれをみんなで利用しましょうということです。極端な話をすれば、極端な話ですよ、一つの自治体が一年に一つだけエビデンスをつくるだけで、たった一年で千七百四十一のエビデンスが確保できるわけです。極端な話ですが。  したがいまして、したがいましての前に申し上げなくちゃいけないのは、日本においてはおおむね各自治体が、もちろん独自性、地域性はあるとしても、よく似た事例、事務事業を実施しています。したがいまして、Aという町でやっていた事業のエビデンスがBやCの町で使えるか使えないかという話になれば、使える可能性が比較的高いと。比較的というより、もっと高いと思いますね、非常に高いと思っています。  したがいまして、自分たちが一個つくります、それを各自治体がつくります、千七百個あります、そうすると、一気に千七百個の事例を、エビデンスの事例を確保し、共有することができるわけなんですね。  そのためにはどうしたらいいのかという話をすると、まずは、ここが地方と国の役割分担という話の肝になってくるわけなんですけれどもね。まず、国としては、そのための財源というものを拠出できないかということです。そして、自治体としては、その財源を元にエビデンスを確保するための分析作業を実施できないかということ。そしてその分析作業を、また国の話に戻りますが、国が一元管理して使い勝手の良いデータベースとして自治体に提供すると。もちろん、その情報は各府省においても有効に活用される情報になるのは間違いない話です。  したがいまして、こういう形で各自治体が一つ一つでもやったようなエビデンスを集めるだけでも大きな数になると、それをみんなで使おうじゃないかというような方向性が大事じゃないのかということを今申し上げております。  例えばです、例えば、どういうようなそのデータバンクのイメージがあるかと申し上げると、各府省で地方自治体に対する補助金制度というものがございます。その補助金制度の一部をこのようなデータ分析も一緒になって実施するというような制度設計にすること、それによって、その補助事業に関しては、自治体さんにはエビデンスの確保のデータ分析作業をやっていただくということを付加するという形を取るということですね。ここではお金はEBPM予算というふうに掲げてありますが、何を申し上げたいかというと、事業予算のほかに、エビデンス、いわゆる事業、ごめんなさい、データ分析をするための予算を確保することが大事だということでございます。  これを皆さんで使っていただくこと、使ってもらうことで、想定効果になりますが、オールジャパンで情報を一元管理して、千七百四十一の自治体がみんな一緒にこれを使おうじゃないかと、それによって良い事業を全国の自治体に提供しようじゃないかということでございます。  最後のページに移ります。  これは、データバンクと一言で言ってもイメージが付きにくかろうということで、一つの簡単な例ではございますが、その例を図式化したものでございます。仰々しく言えば、名付けて、全国自治体EBPMバンクの設置というものでございます。ここでは国と自治体の役割を図式化しております。  簡単に説明させていただきますと、先ほどの例ですね、補助金というものを一つの事例で取り上げてみたいと思います。  まず、各府省の方で、ある補助金の事業に関しましてはデータ分析の作業をしてくださいということをお願いするかどうかというのを決定します。で、そういうもので決定された制度に対して自治体が申請する場合は、事業申請する場合は、それが採択された場合においてはエビデンスをつくる作業をしていただくことになります。結果的にどの事業がエビデンスをつくるために使われる事業になるかというのは、ここのバンクというもの、EBPMバンクというところで取捨選択をしていただいて、それを各自治体にお願いすると。もちろん、お金を付してです。各自治体においては、様々な手法を使ってエビデンスをつくってもらう、そしてつくった後にまたそれをデータバンクの方にお返しすると。そして、データバンクの方では、それをより良く自治体側が使えるように加工して、し終わった後に提供していくということですね。このようなスキームが組めないかというふうに私たちは考えている次第です。  くしくも、先週です、先週、日本経済新聞で、「エビデンス不全」というタイトルでエビデンスの問題を連載的に記事にしたものがございました。たしか地方創生の交付金のことだったと思います。このように、地方においても、エビデンスというものは非常に脚光を浴び、それに基づく政策立案というのが本当に期待されているわけです。  その期待に応えるためにも、まずは、エビデンスをつくる、利用するためにつくる、そのような基盤を国と自治体と一緒になって連携してつくり上げていくと。必ず、エビデンスさえそろえば、自治体はそれを基に科学的な、ごめんなさい、科学的というよりもEBPMですね、EBPMを実現してくれると思っております。  したがいまして、そのためにも、国と自治体と一緒に協働して更なるEBPMのための推進の取組を行っていただけたらと、このように考えている次第です。  ありがとうございます。以上です。

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) ありがとうございました。  次に、窪田参考人からお願いいたします。窪田参考人。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) では、ただいま御紹介いただきました窪田好男でございます。  本日は、このような場にお招きいただき、意見を述べる機会をいただきましたこと、心よりお礼申し上げます。  私も、こちらの方で作ってまいりました資料に基づきながら述べたいというように考えております。  本日の全体的な内容としましては、基本的にはシンプルな内容になってございます。研究者として、また大学の仕事として、地方の現場で行政改革ですとか、それから地方創生、デジタル田園都市国家構想の実現、それから大学の地域貢献等に取り組んでおります。その中で直面するような課題の中で特に重視するようなもの、そしてそれに対して打ち出されている改革のビジョンというか、未来の鍵という表現を取っていますが、鍵とされるようなものを書いています。この辺りは、実際のところ、国全体の動きとしてされているものをなぞっているわけでございます。こうしたところから、改めて今、国と地方の役割分担についてどういうことが求められているのかなというようなことを最後に述べられたらと思います。  では、この資料の順番に従って述べていきたいというように思います。  まず、地方における私の取組ということで書かせていただいております。  地方にかかわらず、研究ということなのですが、元々は公共政策学という分野の研究者として、特に政策評価、そして地方自治体の自治体評価ということを専門にこの研究をしてきております。三重県事務事業評価システム、約三十年前から始まっておりますが、その自治体評価の研究と実践をしております。また、その評価の制度だけではなく、政策を担う人材の育成ということがとにかく重要であろうと思いまして、また座学は当然重要ではございますが、ケースメソッドですとかゲーミングといったような、新しい双方向的な、あるいはアクティブな手法を用いた政策人材の育成ということに取り組んでまいりました。  そして、そこからこの評価をしたり人材育成ということを地方を舞台にやるということから、必然的に地方自治体の総合戦略の策定や評価に取り組んだり、また十年前からは地方創生、そして近年はデジタル田園都市国家構想の人口ビジョンや総合戦略の策定に携わっております。今年度におきましても、複数の自治体で、まさにいろいろ悩みながらも、いろんな各界からの委員の皆様の力を借りながら、人口ビジョンを決め、そして総合戦略をつくるということをやってまいりました。  また、突然具体的な話になって恐縮ですが、それを具体的に実践していくということにも研究や教育を兼ねてやりたいということで、地域の高校生を対象とする高校生ユーチューバー養成講座というのをやってみたり、小学生向けにドローンの飛行体験イベントをしたり、あるいはドローンと遊ぶ、ドローンと鬼ごっこをしたりですね、ドローン玉入れと称して、飛んでいるドローンにみんなで紙でボールをぶつけるとか、そういったことをやったりもしております。  そして、この五年ぐらい、この五年間は大学の役職の関係もございまして地域貢献を主に担いまして、京都府の北部にサテライトオフィスを設置して運営し、そこを舞台に産学官連携や高大連携なんかを日々取り組んでいるところでございます。  それで、自治体評価というのを改めてこのように確認いたしますと、三重県のごく初期の頃の評価表でございますが、事務事業や施策ごとにこうした表を作り、そしてその割と早い時期から、外部評価ということで、この外部評価者を集めて意見をまとめて行政をチェックするというようなことを夏の間に一つの自治体に六回、七回と通いながら取り組んできたりもしました。また、その評価の結果を分かりやすく社会に伝えるという取組でこのような冊子を作ったり動画で伝えたり、あの手この手で取り組んでくるところでございます。  政策人材の育成というようなことでは、カードゲームが左下の方にあるんですが、右の方はボードゲームということになります、中学生を対象に、政治の役割や選挙の仕組みなんかを楽しみながら伝えられるようなゲームを作ったりします。上のやつは模擬的に事業仕分をしているということなんですけれども、大学の授業の一環で、模擬事業仕分とか模擬外部評価みたいなことを工夫して取り組んだりしてきました。  その次のところが、これは福井県のおおい町というところなんですけれども、や、オフィスのある京都府の舞鶴市などを舞台に、子供を相手に、これはトイドローンですけど、これを使って操縦体験をしたりするイベントをしていました。また、近年は、ドローンをより多くの人がより手続を簡素化する中で飛ばせるようなドローン飛行可能スポットといったようなものを広げられないか、既に徳島県の那賀町というところがそういった取組の先進事例になるわけですが、そうした取組を広げられないかとして試みているところです。  大学のサテライトオフィスというものを京都市内から少し離れた海沿いの舞鶴市というところに設けまして、この赤れんが地区があるんですが、この中にオフィスを設けまして、ここで授業をしたり、実際問題、学生が来るわけではないので、地域の方どなたにでもということで授業を公開しながら実施して、学生たちはオンラインで受ける場合がほとんど、たまに来てくれる人もいるんですが、とかしたり、これは前回の参議院選挙のときの投票呼びかけ運動を高校生と一緒にやっているという図なんですけれども、をしてみたり、はたまた、地域の高校生の学習内容を地域の企業につなぐなんというような取組をしたりもしております。これを基本的には一人で行って毎週一泊二日とか二泊三日とかでやるので、大変やりがいがあるというか何というか、みたいな仕事で日々動かしていただいております。  こうした中で、改めて直面する国と地方の課題というようなことについて次のページで述べていきたいと思います。特に独創性はなく、総務省の作られた資料が分かりやすいということで、そこから持ち上げます。ちなみに、大学の方でも年に一回、二回はこうした地方創生ですとかデジ田の問題を取り上げた全学的な集会みたいなものを開いたりするのですが、そうしたところで司会とかコーディネートとかをしたりする中でも感じている問題であります。  ごく簡単に進めていきたいわけでございますが、元々は、出典のところに書かれておりますけれども、国土の長期的展望中間取りまとめというものを基に総務省の方で作られた資料ですが、これから数十年掛けて人口が激減していくという、まれに見る、まあ我が国にとって初めてと言ってもいいような体験をしていくということが一にも二にも出発点になっているのではないかというように考えています。そしてまた、その中で、言い古されたことではございますが、高齢人口が増えていき、若年人口が非常に少なくなっていくということでございます。さらに、この世帯数や世帯構成も変化していき、単身世帯が増え、しかも単身高齢世帯が増えていくというようなことが言われ続けております。  そして、その状況の、あるいは環境の確認の最後としまして、居住地域・無居住地域の推移というのを挙げておりますけれども、日本全体で場合によっては五千万人近い人口が減っていく中で、さらに、その減った人口の多くは都市に住みたがり、地域に、地方に住むという人が非常に減っていく中で、無居住地域が増えるのではないかと言われています。無居住にならないまでも、都市と地方では、特に地方において劇的に人口が減っていくということがあり、今までどおりのこの社会の在り方を維持するのが難しいのではないか、そこにどう取り組むのかという問題に直面しているのであろうと思います。  もちろん、そこに国と地方で協力して対応策は考えられているわけでございまして、後ろから二枚目ということになりますが、未来の鍵とされているものが五つあります。厳密にはほかにもあるかもしれませんが、私が授業ですとか地域の方にお話しするときによく使っている資料ということで出しております。  女性の活躍、人手不足だから活躍しろという文脈になってはいけないと思いますが、女性の活躍を増やしていくことで減る人口への対応策としたい。それから、外国籍住民の活躍にも期待したいと。それから、年を取ってもなるべく働いていくということで、生涯活躍ということも言われています。さらに、二地域居住ということですね、多地域居住という表現もあります。下に忍者のイラストを付けましたけれども、一人二役とか三役とかやっていくということなのかなというふうに理解しています。これらをつなぐとともに、五つ目のものとしてデジタル化ということが言われています。AIであったり自動運転であったりドローンであったり、こうしたものを使っていくというようなことが言われているわけでございます。  総じて日本全体で人口が急激に減少していく、特に地方において急速に減少していく、人が足りないという中、社会が新しく再構成されていくべき中でどうするのかということで、こうした五つのことが言われていて研究もされていますし、冒頭の方で述べましたように、私や大学や学生の方でもできる限りの取組をしているところでございます。  これからの国と地方の役割というところで、最後のところに入っていきたいというふうに思うわけです。  元々取り組んでおりまして、現在も取り組んでおりますところの自治体評価、政策評価、こういったものを使った国や地方の行政改革というようなものは引き続き重要と考えています。そして、政策人材のあの手この手の育成ということも大事だと思っております。しかしながら、限界もあるというように考えているわけでございます。  まず一つ、自治体評価につきましてはどのような意味があるのか。三十年近く研究もし実践もし、やってきた中で改めて考えることでございますが、これは、ある国やある自治体がどのような公共政策を持っているのか、どういう成果を上げていると考えているのかといったようなことを社会と共有していくというような大きな意味があるというふうに考えています。また、施策や事務事業の中に極めて非合理的なものがあれば、それが見付かるというような効果がある。そうした意味で、自治体の公共政策、そして国の公共政策を可視化していくというものだと考えられます。それにすぎないとも言えますし、そういう重要なものだと捉えることもできると思っています。  また、先ほど西出先生、西出参考人の方からもありましたEBPM、私も期待しております。しかしながら、EBPMについては、国や自治体それぞれ数千本、数えようによっては万本に達するような、一万本にも達するような公共政策や、その案のごく一部について重要な情報をもたらすにすぎません。もちろん、EBPMデータバンクの設置試案、先ほど初めて聞きましたが、重要だとは考えております。  さらに、先ほど述べました地方の政策人材はもちろん期待していますし、引き続きその育成に力を尽くしたいとは思っておりますが、どうしても、その地方で活動する、その立場からくることから視野が限られてしまいがちです。なかなか日本全体のことを考えたり未来を見たりということは難しくございます。そこで、未来を創造する大胆なビジョンと公共政策を構想するというよりも、身近な周囲のために既存の制度を利用し尽くすというような発想になりがちでございます。そうした中で問題に対応できるかといったら、難しく思うところでもございます。  今年は昭和百年、終戦八十周年の節目の年だとも言われています。こうした動きの中、私自身の研究や体験の中からは、いよいよ地方がもたないときが来ているのではないか、そういう思いを持たざるを得ません。ここは、国と地方の役割ということで申しますと、改めて国による大胆なビジョンと公共政策が必要と考える次第でございます。  それでは、私による意見は以上にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 自由民主党の小川克巳でございます。  本日は、三人の参考人の皆様方から大変高い御見識から貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございました。  国と自治体との役割分担につきましては、人口減少による住民のみならず職員数の減少や、自治体間の体力の差等もありまして、非常に整理が難しいところかというふうに思っております。特に、自然災害の発生時など緊急時の役割分担あるいは自治体間の協力関係の構築は重要なことと認識していますが、現状うまく機能していない面の方がやや目に付くのかなというふうに思っています。  私自身、実は平成二十八年に発生いたしました熊本地震の際にまさに現地におりました。私は理学療法士というリハビリテーション専門職の団体から出ておりますけれども、熊本地震の態様から車中避難をされる方が非常に多かったということで、エコノミークラス症候群の発生が当初より懸念をされておりました。その予防啓発を目指して早期から理学療法士等のリハビリ専門職が多く応援に入ったわけですけれども、その予防、失礼しました、そこでも自治体を超えて活動する際に幾つかの支障がありまして、もどかしい思いをする場面があったことを記憶をしております。  そういった私自身の経験も踏まえて、行政体、特に緊急時の行政体の役割というのは非常に大きいなというふうに実感をしておりますし、その連携についてはまさに皆様が御指摘いただいたとおりだというふうに思っております。  そこで、まずは飯島先生にお伺いいたします。  先生は、今日はちょっとお触れになりませんでしたけれども、災害等の緊急時にこそ国と地方行政の役割分担が重要であるというふうに述べられておられます。これにつきましては、先ほども申し上げましたように私も全く同感でありますけれども、当然ながら自然災害は自治体の区分に関係なく発生するため、災害時に自治体間の連携がうまく機能することが大変重要になってくるわけですけれども、自治体間の連携がうまくいかない場合の問題点、どのように分析されていますでしょうか。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  自治体間の連携、特に災害時につきまして、既に阪神・淡路大震災で一定の、非常に連携がうまくいかなかったことによる問題が生じて、そこでも法制上のものも含めてかなり制度化された。それがさらに東日本大震災の際にも、今度は大規模で広域の被害であったために、その東北三県を中心とする自治体では、各自治体ではその対応ができないということから、ペアリング支援なども含めて全国の自治体から派遣する仕組みというのが総務省と全国六団体との間でつくられた。それがかなりその連携の発展につながっていったんだろうというふうに思います。  自然災害は相対的には局地的な被害ですけれども、それに対して新型コロナの場合には日本だけではなく世界もそうだというところで、どこの自治体も、あるいはどこの地域もそれぞれの区域の中で手いっぱいになってしまってその応援ができないということから、IHEATなどそういう専門職の人材バンクというような形で、今、小川委員おっしゃってくださったような理学療法士の方々の人材の派遣といったものもそういった中での位置付けもできるのではないかと思っております。  一定程度連携の仕組みも発展しておりますが、やはり常に想定をしない事態が発生するということで、それに対応できるような工夫をこれからもしていかなければならないと思っております。  以上でございます。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 ありがとうございました。  続きまして、窪田先生にお伺いいたします。  緊急時における国や自治体の役割は極めて重要だというふうに、まあ何度も申し上げますが、一方で、人口減少が進みまして、自治体の中には人的、物的資源が切迫している現状があります。  そうした中で、自助のみに頼らざるを得ない、先生の御指摘された、いわゆる無居住地域に近いいわゆる過疎地域で自治体の機能が発揮できないというふうな場所も少なからず今後多く発生していくだろうというふうに考えておりますけれども、そういった地域における緊急時への備え、それと、その場面、緊急時の対応のあるべき姿、どういうふうにお考えなのかをお聞きしたいと思います。(発言する者あり)

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 窪田参考人、お願いします。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 失礼しました。お答えします。  いろいろな役割がございますが、一つの可能性として、やはりドローンですとか自動運転といったデジタル技術でどこまでできるのかという可能性を私どもは研究しているということでございます。  やればやるほど限界があるようにも思われますし、最後は人間だとは思うんですが、その足りない人を補うことを本気でやるとどうなるのかというのが一つこのドローンなんかがやはり期待、人がいなくて行ってくれる人がいなければ、機械に頼ってでもやるしかないのではないかなどと考えたりしております。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 あわせて、その人材育成という点についても触れられましたけれども、その人材を、育てた人材を自治体間を超えて連携をさせていくという、そういうスキームというか、そういったシステムについてはいかがお考えですか。(発言する者あり)

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 窪田参考人。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 重ねて申し訳ございません。お答えいたします。  本来は、そうした政策人材が地域を超えて、セクターを超えて活躍することが望まれますが、待遇に工夫をするとか一定のインセンティブを与えるといったような工夫がないと、知れば知るほど都市部に行ってしまうというような問題がやはりあって、それがなかなか止められない、もどかしい思いを持ちます。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 その今の問題を解決するために何かその方策みたいなものは、何か御提案みたいなものはありますでしょうか。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 現在のところ、具体的な策を考えつつあるということでございます。  やはりこれまでは、地方を体験させて人のつながりを持つとか地域に愛着を持ってもらうというのが一つの戦略、作戦であったわけでございますが、残念ながら、繰り返しやっておりまして、意味はあるものの、知れば知るほどやはり都市部に行きたくなるとか、地方で学んだことを踏まえて都市で活躍したいという人が多くなってくることをなかなか止め難く、もどかしく思っております。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 ありがとうございました。  では、西出先生にちょっとお伺いをしますが、西出先生、お話の中で非常にEBPMについて熱く語られまして、まさに私がお伺いしたかったのは、このEBPMを推進するために国がどういう役割を果たせばいいのかといった点についてお伺いしたいというふうに思っていたんですけれども、今日、もうそのままずっぽりと御指摘をいただきまして、三枚目でしたか、財源を拠出しろと黒字で書かれております。国の役割というのはそこに言ってみれば尽きるのかなという気もするんですけれども。  ただ、先ほど御説明いただいた中で、これはちょっと、私自身がちょっとイメージが不足しているのかもしれませんけれども、その様々な実証といいますか、要するに政策がある中で、何をその根拠にといいますか、いわゆる評価尺度として、有効であったかそうでなかったか、あるいは改善がどの程度必要であるのかといった、その次の政策形成につながるようなデータに持っていくのかといった点がちょっとイメージができないんですけれども、教えていただけますでしょうか。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 質問ありがとうございます。  この点は、実を言うと非常に大事な点なんですね。私がここでデータ分析とかデータ収集という言葉を使って、決して評価という言葉を使わなかったのはここに理由がありまして、評価をするというのは価値を評するということです、良しあしをはっきりさせるということです。それをやるために自治体に対してお金を付したとしても、自治体としては二の足を踏みます。なぜならば、事業に対して良しあしの議論をされてしまうからです。何が起きるか。決して悪いようなデータを作りません、かもしれない。済みません、かもしれないとしか言いようがないんですけど、要は、自分のコントロールができる作業の中で、その自分で作る作業が他人様から評価されてしまうようなものに関しては、決して都合のいいことしか出したくない、書きたくないと思うのが私は人間の心情だと思っております。  したがいまして、よく、評価の話ですね、これはいかなる評価も一緒なんですが、民間の評価も一緒ですが、他人じゃなくて自分がやる評価に関してはお手盛り評価だということで皮肉られることがあります。それと一緒で、ここであえて評価という言葉を使わなかったのは、価値判断をしないためのデータ収集とデータ分析をするということにこだわったからです。  したがいまして、どう改善に使うかというところは、そのデータを自治体さんが何に使いたいか、どのように使いたいかというところに任せる、そういうところのバッファーを設けることでお手盛り的な意味合いの作業を排除したいと、このように考えているわけなんですね。  したがいまして、お答えとしては、具体的に改善につながる、若しくはこの作業が、この事業が評価される、有効である有効でないというような直接的な情報を拠出するような分析にはならないことを心掛けていくようにしていく方が大事だと、このように考えている次第です。  以上です。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 ありがとうございました。  いや、確かにおっしゃるとおりだなというふうには思ったんですけれども、ただ、その良しあしという価値を評価をすることに対して肯定的ではないというふうなお考えですけれども。  じゃ、ちょっと、それでもイメージがちょっと付かないんですけれども、済みません、ちょっと整理が付かないんですが、今、ごめんなさい、窪田先生、評価についてお話をされておられましたけれども、今の、ごめんなさい、西出先生の、西出参考人の評価をしないあるいは評価に対する考え方、今御説明いただいた中身について、その方向性等について何かコメントがありましたらちょっと教えていただきたいんですが。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) お答えします。  そうですね、なかなか難しいところでございますが、どのようなタイプの評価をしても、その西出参考人のおっしゃったような、どう言っていいんでしょうね、悪いことはなるべく書かないようにする、工夫するというようなことは当然起きようかと思います。  しかしながら、私が二つ申し上げた制度あるいは手法で申し上げますと、ああした簡単なシートを作る自治体評価においても、どうしてもおかしなものというのは見れば浮き彫りになってくるという部分はございますし、EBPMということで詳しく研究もし、報告書も作っていく中では、ますます分かる人には分かる、見れば分かるというものになってくるのではないかというように思いますので、そうしたものを実施していく。  特に、なかなか個々の自治体では実行しにくいEBPMも、バンクというある種の組織をつくって調整しながら力を合わせてやっていくという御提案だと思いますので、西出参考人がおっしゃる難しい事情はありながらも、もしそうした御提案が実現したら、現在取り組まれている様々な政策について良きエビデンスが得られるのではないか。具体的には、この方法で、このロジックモデルで本当によいのかと思われていたものでよいのではないか、あるいは、いけると思っていたものが実はそうではないのかもしれないといったような情報がより多く集まるような御提案をされていたのではないかと考えます。

小川克巳 自由民主党

○小川克巳君 ありがとうございました。今のお話で随分とイメージがはっきりしたと思います。  西出参考人、それから飯島参考人、本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。  以上です。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 立憲・社民・無所属会派の森屋隆です。  今日は、御説明、本当にありがとうございました。  最初に、飯島淳子参考人に国と自治体の役割分担について、少し先ほどのことと重複するかもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。  災害時等に対処する責務、これは、権限は当該基礎自治体として市町村だと思いますし、都道府県や国は段階的に補助や調整が基本だと、こういうふうに認識をしています。しかし、地方における状況は先ほど説明にあったように、高齢化や人口減少が進む中で、平時であっても、インフラの維持やメンテナンスあるいは財源の確保、こういったことがもう大変厳しい状況になっていると思います。  それでいて、一方で、住民の困り事というんですかね、いろんなことが、その地域の役所への依存度は高いのかと思います。今回のこの大雪などもそうだと思うんですけれども、もう既に様々な問題がこの地域ごと、あるいはこのコミュニティーで対策や処理、解決することがもう限界になってきているのかなと、こんなふうに思っています。  災害対策など、現行法の原則を理解した上で、現実的な対応として、役割分担原則の、先ほど少し御回答していただいているのかもしれませんけれども、発展可能性とは具体的にどのような形が考えられるのかというのが一点と。  もう一点は、例えば、私は公共交通の会社に、そういう鉄道とかバスに勤めていたんですけれども、この公共交通も各地域レベルでも維持していくのが非常に今難しい状況が現在あります。そういった中で、この国の責務というか責任はどのようにあるべきなのかという、この二点についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  今のまず一点目につきましては、災害対策基本法が市町村を原則的な主体としているということでありまして、ただ、もちろん今、森屋議員おっしゃいましたとおり、様々な災害においてその市町村では対応し得ない状況が出てきている。その場合には都道府県が、また国がということは災害対策基本法自体が定めているところでもありますし、それだけでは足りないというところで、広域の水平の連携といったこともなされているところだと思います。  その地域がまさにその共助というところが衰退しているというのも御指摘のとおりではあるんですが、同時に、ただ、最近の個別法においても、この地域の役割を期待するという法律はかなり多く作られている。その地域が衰退している中で、しかし、個人が支えられなくなってきているところはその地域のコミュニティーで、あるいは地域社会でという、そういう法律も多いようにも思います。  ですので、そちらの様々な個別法で、その地域に地域の持続性を確保するための責務を与えているということとの矛盾は私も常に感じているところではありますけれども、ただ、その地域の役割はこの市町村の役割の中にも組み込み得るところでもありますので、そういった地域の役割も踏まえた市町村の役割というところで役割分担原則の可能性というものをもう少し追求していきたいというのが一点目に対するお答えでございます。  二点目の公共交通につきまして、広域連携の中で様々な、連携中枢都市圏、定住自立圏構想などもそうですが、連携がうまくいく分野といかない分野というのはかなりはっきりと出てきているかと思います。  公共交通については、比較的といいますか、都市計画などに比べると成功しているところもあるのではないか。その広域の連携というところに公共交通の持続可能性を期待するというのも一つの選択肢だと思いますし、しかしそれだけでは足りないというところももちろんありますので、そういうときに国がどのように関与していくのかは、ちょっと具体的に今は、ただお金を出すということでは足りないだろうというふうにも思いますし、様々な協議会で話し合うようにといったその制度整備、環境整備といったものは実際にもなされていると思いますので、それ以上にどういうことをやっていくのかということには更に具体的に考えていきたいと思っております。  以上でございます。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございます。  飯島参考人、もう一点よろしいでしょうか。  今のやり取りの中で、端的には、そのことによって行政の方の負担というのはやっぱり重くなっているんでしょうか。その一点、ちょっとお聞きしたいと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  それはもちろんそうだと思います。特に小規模の町村と言われるところは、その行政職員、職員の負担、公務員の負担というものも大きくなっている。その中でその公務員が本来やるべきことをやることができるように、先ほど西出参考人のお話などもございましたけれども、AIなどデジタルを使うという方向での議論が現在なされているというふうに認識しております。  ありがとうございます。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございます。  次に、西出順郎参考人にお伺いしたいと思います。  近年、国や自治体では、先ほど説明ありましたEBPMの推進が積極的に図られているんだろうと私も思っています。そのためなのかどうかはちょっと分からないんですけれども、この様々な政策で必要以上に私はこの今実証実験が行われているのかなと、こんなふうにも思っていまして、また、その政策に対する予算も、何というんでしょうか、実証実験ありきのビジネス的なものが散見されるんじゃないかなとも、こんなふうにも感じています。  政策を進める上で、この立法事実や根拠、政策の検証でどのような形が望ましいのか。今私がお話しさせていただいたこの実証実験、民間がやる実証実験がやっぱり一番いいのかどうなのか、ここの評価と、あともう一点は、パブリックコメントについても評価をいただければと思います。よろしくお願いします。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 御質問ありがとうございます。  まず一件目ですが、これなかなか悩ましい問題なんですよね。  まず一つは、その後半の答えになりますけど、民間に委託している、それから、多分イメージとしては、実証実験をするために実証実験をしているようなイメージをお持ちになっていらっしゃるのではないかと。そこにいろんなコンサルティングファームが入ってくる。そして、そこで実証実験をしているが、特にそれが政策にどう役立っているのかちょっと見えづらいところがあるとか、多分そのお金を使った分の価値が見えないところがあろうかと思うんですよね。  まず一つは、やはりこれは民間に任せちゃ駄目だと思いますね、実証するのは。まずは、私は人材不足だという話をしましたけれども、これはしようがないことで、公務員試験で統計学がないからなんですよ、法律はありますけれども。ですから、統計にたけている人間が比較的少ないというのは仕方がないという話ですから、じゃ、仕方がないから外にアウトソーシングしようじゃなくて、自分でやれるようにならなきゃ駄目ですよ。だから、やるのは絶対大事だと思います。ただ、それを任せるかどうかという話は、任せっ放しでいると今のような不信感が抱かれるので、自分たちでできるようにやっていかなくちゃいけない。これは国も自治体も一緒ですよ。  自治体の場合に、そのお金が来ました、さっきの話です、それを、じゃ、地方の国立大学や県立大学に先生方お願いしましょうという話になると、全部丸投げになるわけですよ。何が起きるかというと、結果はもらうけれども、作業工程に対するスキルが全く残らない、組織内に。それは全く意味がないんですよね。  ですから、お答えとしては、実証実験は私は大事だと思う。ただ、それを気軽にアウトソーシングして、じゃんじゃんじゃんじゃん事業をしていると、皆さんに誤解を抱かせるような事業にしか見えてこなくなってくるというふうに思います。したがって、やはりしっかりと、委ねる前に自分たちがやる努力をするべきだと思いますよね。  二点目、パブリックコメントの話です。  これは、なかなか難しいのは何かというと、アクセスする人が限定されていて、なおかつ、限定されている人が、そのパブリックコメントの対象となっている政策や事業のステークホルダーの人たちが結構関わる場合が多いです。それは数字では私は言えませんが、自分の昔の実務経験上の文脈、ごめんなさい、実務経験上の話からすると、そういうふうに感じております。  したがいまして、パブコメをもって公平性があるかというと極めて疑わしいというところ、疑わしいというのはちょっと仰々しいですかね、そこは少し構えて見る必要があるでしょうと。  それと、やはり圧倒的に数が余り集まらない傾向があるので、今はほかの方法を、デジタルデバイスですね、DXですよね、そういうのを使ってどれだけ情報を収集するかということを考えることも大事じゃないかなというふうに思っております。  以上でございます。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございます。  一点目の関係で、私が主観的に、民間とかそういうところに実証実験が大分行っているんじゃないかなという感覚なのか、西出先生の方の感覚で、いや、そうではないんだよと、それは違うよと、でも実際には行っているんだよと、これどちらなんでしょうか。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 失礼いたしました。いや、なかなか今の質問は難しくて、いきなり答弁しそうになってしまいましたけれども。  やはり感覚の問題というのは、どこにベースラインを引くかというのがあるんですよね。僕は、今の段階は実証実験をかなり進めていく時期だと思っています、初期の段階として。もちろん、これをずっと続ける必要はないと思っています。だから、あと五年、十年ぐらいはちょっとおやおやと思うかもしれませんが、総論としては、今の、実証実験をアウトソーシングしていたり実証実験を進めていくことに対しては肯定的に思っております。  くどいようですけれども、それを自分たちの組織の蓄積としてどれだけうまく利用できるかということを考えずしてアウトソーシングしているんなら全く意味がないと。そういう視点で考えれば、これ以上増えるということには少し警鐘を鳴らす必要があるかもしれません。  以上でございます。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 ありがとうございました。  最後に、窪田好男参考人にお伺いしたいと思います。  地方創生推進交付金事業の評価について伺いたいと思うんですけれども、コロナ禍以降、テレワークやAI関連など、地方創生対策の切り札のようにこの予算が付けられたと思うんですけれども、しかし、その予算の過半が余っているというようなことも最近出ていたと思うんですけれども、地方でのテレワークの施設なんかもつくったりもして、しかし、結果的にはその需要というか、その数字的にもなかなか需要されていないんじゃないかという数字も挙がっていると思いますし、また、そのデジタル技術などへの投資が実は地域の住民に対しては余りその恩恵が出ているようには思えないというような、こんなような声もお聞きをしています。  この地方創生に対する予算、この財源は私は本当に重要だと思っているんですけれども、しかし、地域が必要とする事業や人材確保など、そういった政策にはつながって今いないのかなというふうなのが私の実感でありまして、その原因として考えられることがあれば御教授いただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) お答えします。  そうですね、小学校跡地なんかを利用したテレワーク拠点の創造、そうしたことに予算も付いたり、まれに、たまにはうまくいっている事例なんかもあるように思います。  ただ、それがうまくいかないことということでいうと、家族のおられる方がそれぞれ仕事ややりたいことがある中で、ある特定の地域に引っ越してくるかというのが最もネックになっているかなと思います。その辺りうまく妥協ができた場合、京都ですとか大阪の方から来ておりますが、その周辺で、一方は地元で農業をし他方は働きに行くとか、一方がテレワークができて一方が農業をするとか、そういったようなことがある場合にしか成り立たないというように思っています。  しかしながら、比較的そのお金も使われていて、今、国土交通省の二地域居住とかで多分力を入れられているんだと思いますけれども、コワーキングスペースのようなものについてはあちこちでも栄えておると思いますし、私の大学のオフィスの隣もコワーキングスペースになっていて、カフェ的な場になっていて、出会いの場なんかにもなっており、そういうところでテレワークもできるということで、関係人口に利用されたり、地元の人同士の出会いの場になっているというような注目すべき動きはあるように思います。  ただ、とにかく家族全体といったところで動くというのが大分難しいのではないか、このように、元々のお尋ねが原因でしたので、お答えしたいと思います。

森屋隆 立憲民主・社民・無所属

○森屋隆君 終わります。ありがとうございました。

里見隆治 公明党

○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。  三人の参考人の先生方、貴重な御意見、どうもありがとうございました。順に先生方に御質問をさせていただきたいと思います。  まず、飯島参考人にお伺いをいたします。  地方自治法上の役割分担原則ということを冒頭に御教示いただきました。この二〇〇〇年の地方自治法の中での役割分担、どちらかというと、国に対しては抑制的に、また限定的にという立て付けだったということでありますが、例えば、先ほどの自然災害のときにはある程度国が代行したり、あるいはその権限を国が一定程度の時期代行するといったことがあったり、あるいは最近のデジタル化の中では、むしろ地方自治にお任せしていた様々な契約、仕様も、これを統一化、共通化、標準化をし、ある程度国が中心になってやっていくということもあり、また一方で、地方の過疎化された地域はもとより、人材が少ない、また財政面での資源が少ないということで、どちらかというと地方からの国への依存度合いというものが強くなっているのではないかというこの二十数年の経過からすると、当初その時点で想定をしていた地方自治という理念がなかなかうまくワークしていないのではないかと思います。  我々国会議員だからといって国の権限を強くしたいとは決して思いませんで、それぞれがある程度裁量性を持ち、また自主的に、またそれぞれの思いで地域の中で物事を決定していくということが望ましいと思いますけれども、当時、地方自治法で想定していたこと、そして、この二十数年で様々な制約的な要因、要因の制約的なものがあって、そして今この事態を迎えているということについて、先ほど来何度か御見解もいただいておりますけれども、改めて、当時の状況と今の状況下で果たして理念どおりいっているのかということをもう一度お示しいただければと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) どうもありがとうございます。  私、地方自治法上の役割分担原則について確認した後に、最近の議論状況ということで、二つ大きな流れがある、一つが危機時における国の役割の強化の必要性ということを申し上げました。そこでは危機時ということで自然災害や衛生危機といったものを言葉には出しましたけれども、それと同時に、デジタル化の集権ということも指摘されているのは御指摘のとおりでございます。  やはりデジタルというのは、壁がない、区域を超える、もちろん超えるものですので、そもそもからしてその区域のないものであり、集権的な傾向を帯びているものであるということも含め、また、これまでは各地方公共団体でそれぞれにシステムを開発して、それがいわゆるベンダーロックインということできちんとした更新というものがなされ得ないのではないかということから、現在は、国の役割として、一条の二の第二項の中での全国的なというところからの国の役割ということで、デジタル化についても国の役割が求められているんだろうというふうに考えております。  また、小規模自治体からの事務の返上ということもお話しいただきましたが、それも、例えばデジタル化の中で、もうこれは国の役割として処理するべきではないかですとか、定額給付金の支給などは特にそういった議論あったと思いますけれども、そういう中での事務の配分の見直しということは必要だと思いますが、それが遡って役割分担原則を基本的に見直すというところまで必要なのかということについては、私自身は、やはり役割分担原則は原則であるということはそれは保持をした上で、どういった場合に問題が生じている、あるいはそれぞれのその事務配分や関与の在り方を変える必要があるといったときには、役割分担原則に沿ってそれは変えていくべきだというふうに考えております。  以上でございます。

里見隆治 公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。  原則は原則でということで、私も、本来あるべき姿と、そして適時適時、ケース・バイ・ケースでというその部分をしっかり立て分けて考えていきたいというふうに考えました。  本来、地方自治ですから、いろんな声が地方から上がってくるということが望ましいわけですけれども、一方で、国としても今の石破総理が地方創生二・〇ということで進められる中で、これは一・〇から更に拡充するべきこと、またそれを反省を踏まえて進めるべきこと、いろいろあると思うんですけれども。私、自分事で恐縮ですけれども、ちょうどその地方創生一・〇のときに、当時は地域活性化統合事務局とか、内閣官房、内閣府に今でいう地方創生の推進部局がございまして、その中の一つの、地方から発信させる地方発の、自治体発の地方自治の取組の手法の一つとして、まず、先ほども御質問出ておりましたけれども、交付金制度、それからもう一つが特区制度、これらに私自身も関わってまいりました。  この交付金制度ですけれども、先生からいただいている三ページ目の資料でいいますと、これ交付金といっても様々ありますけど、一般的に言うところの交付金については計画と交付金でむしろ集権化してしまっているのではないかという先生の御指摘でした。一方で、近年の例えば地方創生臨時交付金とかコロナ下、物価高騰下で行われてきたものは、むしろ余り、使い勝手良くという意味で使途を余り限定せずに交付をしていたと。それは逆にいろんな批判もあって、緩過ぎていろいろな使われ方がされ過ぎているんじゃないかという逆側の批判もあったりして、この辺非常にバランスが難しいなというふうに思っておりました。こうした交付金の在り方、これを自由度をどこまで与えるのかということで先生の御見解をお聞きしたいということと。  それからもう一つ、特区制度、これも、これはもうどちらかというと地方創生というよりも、その昔、もうこの二十数年来、様々な、構造改革特区から始まり、総合特区、そして様々な特区がある中で、本来は地方が発案をして様々な規制改革を提案し、そしてそれが全国展開していくということが本来の目的だったと思うんです。  最初は大粒のものがあって、なかなか最近小粒化しているというような批判もありますけれども、こうした交付金制度、またあるいは特区制度についての活用、あるいはここへの期待といいますか、あるいは、先生から見られて、御覧になって、違う手法がありますよと、地方から発信の、違う政策手法がありますよということがあれば御紹介いただければと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  今、交付金制度と特区制度、非常に充実した指摘をいただきまして、ありがとうございます。  まず、交付金につきまして、確かに地方創生交付金が計画を実行させるための、あるいは実質的には強制するためのコントロールになっているのではないかという意味での批判があるということを御紹介いたしました。しかし一方で、その使途を限定しなければ望ましくない使われ方もするというのは事実として生じているところでもございます。  それは、一つは、もちろんなことですけれども、地方公共団体がその交付金というものは税金であるということをもちろん自覚をしているところではあると思うんですが、それをどのように使うのかということについて責任を持って考えるということが必要だというふうに思われます。  よく交付税についても、それは自分のお金ではないからということで様々な問題が生じているという指摘ございますけれども、交付金について、それは国の依存財源でも、財源が移転されるからということで、そういった問題が起こらないようにということは重ねてやっていく必要があるだろうと思います。  ですので、税源移譲、三位一体の改革の失敗からなかなかそちらの方に踏み込みがございませんけれども、税源移譲をして、自分のお金だということのその責任を持って使うというのが根本的な改革の必要性ではないかというふうには考えております。  また、特区につきまして、特区制度につきましては、一部でその規制を緩和して、それをうまくいけば全国展開するという仕組みもございますが、行政法学においても最近その実験の必要性ということも言われておりまして、一部の地域あるいはその一部の分野のことについてその実験をして、それをうまくいったら言わば下から積み上げていくこの立法の、あるいはその規範の定立の仕方というものについても注目が集まっておりまして、現在の特区制度がそのような意味で成功しているかということは留保しなければならないかもしれませんけれども、そういった実験という意味合いも含めて、どういう制度が望ましいのかということを全国の展開していく前に使うという意味ではこれからも存在意義があるんではないかと考えております。  以上でございます。

里見隆治 公明党

○里見隆治君 先生、どうもありがとうございました。  続きまして、西出参考人にお伺いをしたいと思います。  西出参考人からの、エビデンスを皆でつくって皆で共有、利用する場のイメージ、このEBPMデータバンク、非常に興味深い御提案をいただいたというふうに思っております。  これ、先生、具体的に、これ地方主導なのか国主導なのかというのがありますけれども、国でいえば、例えば地方行政であれば総務省の自治行政局だったり、あるいは行政評価局だったり、あるいは内閣官房にも行政改革を主導する部屋があったり、どういった部署でやっていくことを想定されているかとか。あるいは、この地方の中でも、これ我々参議院でもいろんなレビューをするということについては、決算委員会もあり、また業務に応じての我々行政監視委員会もありという、この地方自治体の中でも、お金を主体にして考えるところと、あるいはこの業務、事務事業を主体にして考える部署と両面あろうかと思いますけれども、先ほどお示しいただいたこのEBPMデータバンクの設置に係って、具体的に国や地方でどういった組織が動くとこれがワークしていくとお考えになるか、教えていただければと思います。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 御質問ありがとうございます。  極めて、こういう組織を動かすときはどこが中心になるかというのはすごく大事な話なんですね。  例えばバンクの話ですと、私が思っているのは、まずは総務省の自治行政局、あそこにドライブを掛けてもらう方がいいかなというふうに思っています。総務省自体については、行政評価局もございますからその辺の連携というのもあるでしょうが、まず一番自治体との距離感が近くてやり取り、それから、やり取りというのは日頃のやり取りが多いところというところで、自治行政局のところからこういうドライブがあるといいのかなとは思っています。  もちろん、将来的、いや、ごめんなさい、将来的にというよりも、もくろみとしてこれで予算編成等々にインパクトを与えるというようなところまでを意識するのであれば、思い切って財務省ということもあるかもしれません。その辺はなかなか過去のやり取りから考えて、まずは、そうですね、やはり総務省の中の自治行政局等々で自治体と一緒になってドライブしてもらえるとスムーズにいくかなというふうな気持ちでおります。  二点目です、自治体です。  自治体に関しては、ずばりやっぱり財政ですね、財政部局がドライブする方が機能すると思います。委員会としても、こういう話を予特とかで、失礼しました、予算特別委員会とかで、議論してもらえるような場でこの議題が上がればかなり内実化すると思います。決算委員会も当然大事なのではありますが、やはりEBPMですから立案の話です。立案の話になりますから、予算と切って切れない関係にありますから、そちらの方で議論するようにしてもらいたい。そうなると、やはり財政です。  と私は以上、両者の、両者というのは国と自治体ですね、どこがドライブするかということについての見解として述べさせていただきます。  以上でございます。

里見隆治 公明党

○里見隆治君 どうもありがとうございます。  財政をベースにということでありましたが、私、所属の会派は公明党でございますが、公明党が以前から決算あるいは行政監視の審議の中で提案しており、また一部政府でも導入していただいているものに行政コスト計算書というものがございます。特別会計を中心に、事務事業について、その事業に掛かるコストを単位当たり幾らかと、参議院の光熱費を参議院の議員数分で割れば一人当たり幾ら掛かっているのかと、そういったことを比較していこうという。どちらかというと、民間の企業会計に即してそのコストベネフィットを見ていくという、そうした考え方によるものですけれども、なかなか財務省もこれを一般会計にまで拡張して適用するだとか、そういうところまでは非常に固くてまだやっていただけていないわけですけれども、先生の目から見て、この行政コスト計算書の可能性、またこれをEBPMのようなこの経過測定に使っていくということについての有効性のようなものについて、何か御見解があれば教えていただければと思います。

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 済みません、申合せの時間が来ておりますので、短くお願いします。済みませんね。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) じゃ、短くお話しさせてもらいますと、まずEBPMとコスト計算書につきましては、もう少しEBPMが軌道に乗ってから考えた方がいいと思います。  それから、コスト計算書の話については、どこまでいわゆる行政の文脈の中で活用できるかと、この辺を深く精査した上で進めていくとより良くなっていくと思います。やはり民間と行政では財産の管理の仕方等々違うところがございますので、その辺を精査していく必要はあるのかなと思います。  以上でございます。

里見隆治 公明党

○里見隆治君 どうもありがとうございました。  以上で終わります。

石井苗子 日本維新の会

○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  参考人の皆様、細かいところまでの御示唆をいただきありがとうございます。  私は、国と地方の行政の役割分担に関する件について、国と地方自治体との間で無駄を感じるときはどのようなときかという質問を三名の方々それぞれにお聞きしたいと思います。  BバイCの確保という面も含めまして、まず飯島淳子参考人には、「権限の集中と分散」という論文を拝読させていただきました。中で、コロナの対応、国と地方の関係について書かれていらっしゃいますが、コロナの非常事態と自然災害のときの非常事態は異なる環境ではあります。しかしながら、国と自治体との間の権限行使という点で無駄を感じるところはどこにあるか、教えていただきたいと思います。  例えば、国が標準の変更の権限を行使するときに執行段階があるんですが、その情報の収集や分析は個別具体的な事案の法的把握というのも含めますとコストが掛かりますし、情報収集に限界というのが出てくると思います。地方公共団体からフィードバックみたいなことをやって、国が基準を変更し、地方公共団体に対して執行レベルでの、まあ規範定立というんですか、それを介して国の基準の修正に関与してくるというようなことも論文の中でもお書きになっていたように記憶しているんですけれども、ここに無駄があるとしたら、どこでどう改善したらよいかということをお答えいただきたいと思います。  西出順郎参考人の方にもお尋ねしたいんですが、行政システムとEBPMの接合性に関する考察というお考えがおありのようなんですが、政策立案に科学的な知見を活用するという考え方は私は賛成なんですけれども、現状では、先ほどお話もありましたように、行政システムの政策立案に関わる者たちがそれぞれの都合の良い科学的知見を用いて評価を行っているという、こういう状態で、これでそのEBPM、政策の良さを評価することができるのだろうかという疑問が私は残りました。  そこで、EBPMという理論はこれからもっと成熟させていかなければならないんだろうと思いますが、例えば簡単なところですと、国が決めた方針に従って自治体が政策を実行していくという場合に、国が評価を行うのか、自治体が評価を行うのか、それとも両方が行うのかなど、そのEBPMというシステムを使って考える必要があると思います。この点が整理されていないと、不必要な政策評価を行ってしまい、そこに無駄を生み出す原因になる可能性があるのではないかと私は思いますが、この点にお答えいただきたいと思います。  窪田好男参考人にもお尋ねしますが、地方創生推進交付金事業の利用目的と制度のずれについて、地方創生推進交付事業の評価における目的利用と制度のずれについて、採択された事業の横展開を図るというその有効性が足りていないのではないかという問題意識がありまして、そこも御指摘されていたように思いまして、非常に同感するところで、よく分かりました。その本交付金の事業の効果を最大にするには、例えば国と自治体で二重に評価されて行っていても仕方ないと思うんですね。その点につきまして、各事業を俯瞰的に見ることができる国が検証するといった形が今後必要なんではないかと、これは私の私見なんですけれども。  質問は、このほかにも、国と地方自治体が関わっている事例で先生が無駄だと思えるような事例があれば何かお答えいただきたいと思います。  以上、三名の方にそれぞれよろしくお願いいたします。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。拙稿まで恐縮でございます。  無駄という問いに対して正面からのお答えになるかというところはありますけれども、災害時も、また新型コロナなどその感染症の危機の際にも、極めて資源が制約されている中で無駄があってはならないというのは御指摘のとおりだろうというふうに思います。  そこで、その感染症の方に限ってお話をさせていただきますと、感染症とあと新型インフルエンザ特措法においては、改正前においてはしばしば指摘されるところですけれども、保健所設置市と都道府県との間の、指定都市などの保健所設置市の方からの情報が厚労省に上がってこないという、そういうところでの政策形成への影響ということが弊害として指摘をされて、データでもってどちらにも、どちらからの情報も行くようにという、そういう改正がなされたということもあります。そういう情報の流れの目詰まりといいますか、きちんと届いていないというところ、そこは無駄という言葉かどうかは分かりませんけれども、限られた資源を効果的に公正に使うためのネックになっていたというところはあろうかと思います。  また、組織面でも、国の担当部署が内閣官房と厚労省というふうに分かれていたというところで、自治体が様々な、もう毎日のような事務連絡、通知を受ける際に、二つ窓口があって、それぞれから毎日、もちろんその状況に応じて変化をしなければならないというところはありますけれども、状況の、内容の変わるものが次々と届くと。それに、それをきちんと読み込んで対応すること自体が非常に難しい状況があったということもございますので、そういう組織面でのネックというものもあったかと思います。それが無駄という言葉で片付けられるものではないとは思いますけれども、そういった様々なネックが感染症対応においても現に現れたということはあったと思います。  取りあえず、以上でございます。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 御質問ありがとうございます。  これも非常に重要な問題で、まず二つ、ちょっと簡単な言葉を説明させてもらいます。  EBPMという言葉をやゆして、一つこういう言葉があります。PBEMです。ポリシー・ベースド・エビデンス・メーキング、これは私の言葉じゃなくて、有名な欧米の行政学者が時々使う、皮肉めいて使う言葉です。要は、先ほどの話の延長線上にあります。自分の都合のいいエビデンスをつくるということですね。ポリシー・ベースド・エビデンス・メーキングじゃなくて、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング。まあ、でも、これが実態です。  もう一つ申し上げると、なぜ我々はEBPMを根拠に基づく政策立案と訳すのか。ポリシーメーキングだから政策決定なはずです。それは何かというと、結局最後は価値判断になるわけですね。無駄かどうかという判断というのもこれも近いものがあって、Aさんにとっては無駄と感じて、Bさんにとっては無駄と感じないような政策というのはごまんとあるわけです。それは何かというと、価値判断。個人にとって大事か大事じゃないかとか違うからですね。そうなってくると、政策として本当に大事か大事じゃないか、無駄か無駄じゃないかというのは価値判断に依拠するので、その価値判断は最終的には政治のフィールドの中でどうなるかという議論になります。  したがいまして、政治のフィールド、それから行政のフィールドの中で大事なことは何かというと、政策をつくり上げていく礎の中でのエビデンスがいかに客観的であり、いかにこれが説得力があるかというところを競争してもらうしかないです。  はっきり言って、一つの科学的なエビデンスなんて存在しません。このコップを見ても、上から見れば丸だし、横から見れば長方形です。いろんな視点で見るといろんな考え方が生まれてきます。エビデンスも一緒です。見方さえ変えればいろんな答えが出てきます。したがって、それは競争してもらうしかないということですね。その中で議論を深めていって、最終的に選んでいただくということが大事じゃないかと思います。  以上でございます。

石井苗子 日本維新の会

○石井苗子君 今のところなんですが、生物統計学を専攻したんですけれども、やっぱりそこの中で、さっきも質問したんですが、EBPMを行う必要があるかどうかという点が整理されていないと不必要な政策評価を行ってしまうのではないかと、それがその無駄を生み出す可能性があるんじゃないかというふうに、ここはどのようにお考えでしょうか。EBPMを行う必要があるかどうかという点が整理される必要があると先生はお考えでしょうか。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) この件については私としては同意します。要は、政策の中でも全てを、EBPMといいますか評価といいますか、客観的な、科学的な根拠で価値判断ができることはあり得ません。いろんな価値判断があります。  教育の世界、例えば考えましょう。大学があります、大学の価値、大学の効果はあるんですかといったら、それは就職なのか、個々人の論理的な思考を伸ばすためなのか、それとも個人のプレゼンテーション能力を伸ばすためなのか、いろんな価値判断があります。そういうのを一つの物差しだけで測ることはできません。しかしながら、評価をしようとすると、物差しの数を限定しなければなりません。それで本当に教育を測れるのかという議論もあります。  もちろん私は教育学の専門の人間じゃないので全てを明確に話すことはできませんけれども、答えとしては、無理して体系的に全ての政策を一律的に評価をするようなことということは結果的に無駄が生じるということには私は同意します。  以上です。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 御質問ありがとうございます。  まず、地方創生推進交付金の評価について御注目いただきまして、ありがとうございます。  本当に非常に重視するところで、もちろん国全体としてその交付金の評価制度を設けてきっちりやられておることは承知しております。他方で、元々この十年前に始まったときから、地方においてもその各界の人材を集めて、各界の人材を集めてその知恵を出し合ってこの評価をし、かつ、その政策が必要なのか、他の地域に横展開していくことを評価すべきということでつくられたという理解の下、私もそうした委員会に多く関わってきたわけです。  ところが、実際には、前の年度に実施した事業について必要だったか有効だったかを評価して国に報告するためにやっているのだといって、各界の人を集めて地元の大学の人間にコーディネートさせたら、悪いことなかなか言えないですよね。お金を付けていただいてありがとうございます、課題はありつつもうまくいったという報告を出したいと言われるから、そりゃそうだという話になります。これやるけどどうかと言われたら、もうちょっと活発な意見を言うんですが。また、地元の方ほど言いにくいので、同じ地域の中でも大学から来ている人間は言いやすかろうから厳しいことも言ってくれと言われるんですけど、自分、委員長なんですから、そんな厳しいこと言えないという、いろいろな課題意識があって、一年ほど前に御指摘いただいた論文を書いた次第であります。なかなか難しい問題であろうと思います。  文化なんかも関わっていようかと思います。他者を尊重していき話をよく聞くという今大事にされている価値観あるいは文化があるように思って、とてもいいことだと思うのですが、これが評価に持ち込まれると、まあなかなか悪いことは言わないみたいなことになると評価の意味がやや失われるところがあると、もどかしく思いながら取り組んでいます。  そしてもう一点、元々御質問をいただいていた国と地方が関わっている事例で他に無駄なものはないか、無駄なものはないかとはっきり言われると、私どもの立場としてもそうはっきりと無駄だとは言い難いのですが、それに関わるものを自分の考えていることと絡めて申し上げますと、論文等に書いていて、間もなくその本が、有り難いことに「政策人材の育成」という本が出るんですけれども、そこの中でも書いておりますが、その政策人材の育成が、国の研修機関と地方の行政職員研修機関と、そして大学と、それから政党の中にも政治塾やそうしたものをお持ちのところも幾つもあろうと思いますが、そういうところが連携なくばらばらにやられていることはもったいないなというふうに正直なところ思っています。そういうところがつながっていくことで、より良い結果が得られるのではないかなどと考えております。

石井苗子 日本維新の会

○石井苗子君 ありがとうございます。  各事業を俯瞰的に見ることができる国が検証するといった形が必要なのではないかと思います。ここは先生はどのようにお考えでしょうか。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) ありがとうございます。  ある意味賛成で、ある意味難しかろうと思うのは、相当のマンパワーを必要とするのをどうするのかということです。そこで、そのくだんの論文の中では、地方の方で評価をするにしても、任命は国にしていただいたらまた心持ちも変わるのではないかと。自治体に頼まれて評価をしていると、どうしてもということです。

石井苗子 日本維新の会

○石井苗子君 ありがとうございました。終わります。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 国民民主党・新緑風会の芳賀道也です。  本日は、参考人の皆さん、お忙しい中、貴重な御意見賜りまして、本当にありがとうございます。  まず、飯島先生に伺いたいと思うんですけれども、先生は、災害や新型コロナウイルス感染症の際の国と地方自治体との関係について幾つも論文を発表されていらっしゃいます。  そこで、国と地方自治体の関係について飯島先生の御意見を伺いたいと思いますが、昨年の地方自治法改正では、いわゆる平時ではない状況で国の各省庁から自治体への補充的指示権が新設されました。  この改正には、自治体現場や複数の研究者から多くの批判がありました。私自身も、地方自治法の昨年の法改正で規定された平時でない状況での国の補充的指示権は、国と自治体とが対等とする原則を崩すもので、また、地方自治法第二百四十五条二の関与法定主義と、これにも反していて、関与法定主義にも反していて非常に問題があると今でも考えています。  飯島教授に伺いますが、この二〇二四年の地方自治法改正での第二百五十二条の二十六の五、補充的指示権の新設について先生の御意見をお聞かせいただけますでしょうか。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  この補充的指示権あるいは特例指示権と言われるものですけれども、これは、その一般的な関与制度、二〇〇〇年の地方自治法改正によって新設されたその関与制度のあくまでも特例として設けられたと。ですので、その特例として要件、手続は極めて限定的に規定されていて、その特例指示というものの権限を行使できる場面というのは本当に例外的といいますか、ほとんど想定され得ないぐらいの例外的なものだろうというふうには理解しております。  その特例指示は、個別法の定めがなく、しかしそれでも何らかのその対応をしなければならないというときに、個別法律のその制度が整備されるまでの過渡的な規律であるという理解が示されておりまして、そうしますと、この特例指示権というのは、実は国、地方関係だけではなくて、法令所管大臣と国会との関係、法令所管大臣が国会に対して法令を整備するようにというふうに促すというところが基本的な関心事ではないか、実質的な関心事ではないかというふうにも考えております。  したがいまして、仮に特例指示が出されるような状況があった場合には、国会の側でその個別の法律を整備する必要があるかどうかということを迅速かつ的確に判断していただいて、それをきちんと示していただくということが極めて重要であるというふうに考えております。  しかし、特例で極めて限られているとはいえ、地方自治法にこういった特例が埋め込まれたということについては私も非常に重大なものとして受け止めて、その特例が、あるいはその例外が例外であるということを担保するために警戒していかなければならないというふうに考えております。  以上でございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 例外が例外であるということを担保するということで、関与法定主義にも反しないように監視していくことが必要だという理解でよろしいでしょうか。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  関与法定主義は、今般その地方自治法に規定が設けられましたので関与法定主義は満たしているということですので、その地方自治法の定める要件、手続、効果に沿っているかどうかということを監視していくということになろうかと思います。  ありがとうございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ありがとうございます。  次に、西出先生にお伺いします。  「復興政策の評価の実際」という論文を先生は二〇一九年の「公共選択」という雑誌に書かれていらっしゃいます。サブタイトルが「不透明な政策構造、不徹底な評価設計」という刺激的な表現になっています。この論文では、東日本大震災を対象にその不透明な政策構造について論じていらっしゃるのですが、ほかの災害対応を見ても同じようなやはり問題が起きていると私は考えております。  慶応大学の社会学者、小熊英二教授は、この国の災害復興の政策を経路依存と論じていまして、災害のたびに大手ゼネコンによる大規模復興事業が進みますが、被災地に元々あった小規模事業者による地場産業の復活や、被災した住民の生活の充実が軽視されている問題を取り上げています。  政府が災害後に大手ゼネコン、大手不動産会社などを活用した箱物建設や大規模再開発を実施する例が多々ありますが、被災地では災害以前にあった小規模の地場産業は見捨てられ、被災者の暮らしには手厚い対応がないという問題が繰り返し起きているのではないかと考えています。  例えば、一九九三年、北海道の奥尻島では、津波の被害で人口約四千七百人の島に総額九百二十七億円もの費用を掛け、高さ十一メートルの防波堤や人工地盤、高台宅地の造成、盛土による市街地のかさ上げなどが行われました。しかし、約四千七百人いた人口が二〇一一年までに約三分の二まで減って、漁業で暮らしを立てていた漁業組合に所属していた方も半分以下になってしまっています。  例えば、一九九五年の阪神・淡路大震災の際にも、政府、自治体主体の復興政策のメインは、空港や港湾の整備、公共住宅の建設、被災地の再開発など、公共事業中心でした。  神戸港は、一九八〇年代にはコンテナ取扱高で世界三位を誇っていましたが、九三年にはアジア各港から追い越され、世界で六位、震災後には建設業が人為的に成長した影響で在来産業の衰退が加速してしまい、神戸港のコンテナ取扱高は、二〇〇三年には世界三十二位まで落ちてしまいました。  神戸市長田区では小規模事業者によるケミカルシューズの製造が盛んでしたが、神戸市長田区では、震災で仕事を失い、その製造に当たっていた方のうち、少なくとも三分の一が地元長田区を離れてしまったという各震災での実態があります。  ここで西出先生に伺いますが、「復興政策の評価の実際」で論じていらした東日本大震災の復興政策の不透明な政策構造、不徹底な評価設定について、改めて先生のお考えをお教えください。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 御質問ありがとうございます。  我々として政策構造を見る際に、特にあの東日本のときなんですけれども、ホームページでいろいろと確認をさせてもらっています。で、メニューとして細かく何をしているかというところは見えてくるのですが、それがどのような体系化をなされていて、目的が何かというところまでどうもたどり着きにくいような形になっていると。  これはなかなか、実態に関わっているわけではないので軽々に申し上げるのもはばかられるのではあるのですが、やはり、演繹的な上から下へ体系的に政策立案がなされているというよりも、やっぱりボトムアップで、いろんな方々がこれが大事だ、あれが大事だという話を平たく言えば付け合わす、継ぎはぎ的に政策として、継ぎはぎが政策としてパッケージ化されているというところがありますと。だから、どうもこの政策というものが体系的にどういうふうな形になっているのかというのが見えないというのが不透明だということですね。  評価の不徹底というところに関しては、実際にどのような評価をしているかというと、結局のところ、何らかのKPIのようなものを立てていますと。それの進捗を見ていますと、それだけで足りるんですかというところがあの論文での一つの問いかけだったと思うんですね。いわゆる、今でいうとEBPMという言葉になりますが、やはりもう少し科学的な根拠で深掘りな評価をする必要があるだろうと、それも何年かたってからですね。  要は、いわゆる何らかの非日常が起きたときというのは、政治的な合理性と経済的な合理性でどちらが勝るかというと、見ている限りは政治的合理性です。政治的合理性が勝って何らかの政策が推進された後に、十年後、二十年後たったら経済的合理性の議論が出てきて、何であのときああいうことをしたんだという話になっていくと。何であんな箱物を造ったんだと、維持できないじゃないか、例えばの例ですね。  ですから、申し上げたいこととしては、今の不徹底な評価とか不透明な政策構造とかこういうものをこの国会を中心に是非とも評価してほしいですね。特に、東日本大震災もう十数年たちますから、一度徹底的な深掘り評価をして、少なくとも、評価結果を見て、あれが悪い、あの人が悪い、この人が悪いとかそういう議論ではなくて、今後何かあったときにつなげる、結果を残すような評価を徹底的に私としてはやっていただきたいし、コロナに関してもしかりです。もうそろそろそれをやっておく必要は必ずあると思う。いつ来るか分かりませんからね、またこのような事態は。ですから、ああいう緊急時若しくは非日常的な大規模な問題に関しては是非とも徹底的な深掘り評価をやっていただきたいと、特にこの国会の場においてだと、このように考えています。  以上でございます。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ありがとうございます。  間もなく東日本大震災は十四年を迎えるわけですが、これをしっかり検証することが次につながるということで、今も能登の地震、各地で豪雨災害などもありますが、これに生きてくるということで、貴重な御示唆、御意見ありがとうございました。  次に、窪田先生は政策評価が御専門と伺っています。例えば、窪田先生が雑誌「公共政策研究」に書かれた「政策評価と民意」では、京都市役所にいた林建志さんの論文を引用するなどして、ほかの自治体の見本ともなった京都市の政策評価制度に触れられています。数値で表せる客観的指標を基に評価するだけではなく、住民にアンケートをするなどで民意を酌んだ政策評価も取り入れられたものになっています。  先ほど西出教授が論じられていた震災復興政策に見られるごみ缶モデル、すなわち問題と政策手段に確かな論理がない、このようなことを避けるために京都市などの政策評価にはどのような工夫がなされているのか、お教えいただけますでしょうか。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 京都市の政策評価委員会は長くやらせていただいたんですが、その現場を、一定やれる年限の限界というのがありまして、離れてからしばらくたっておりますので、余りその御質問いただいたことに直接答えることはできないやもしれません。しかしながら、その「政策評価と民意」ということは非常に考えもあって書かせていただいたことです。  先ほど来、政策評価やEBPMに関わるような質疑が行われているわけですが、その中で価値判断というような言われ方をしているようなもの、とある政策、施策、事務事業の必要性を考えたり、あるいは、ある政策、施策、事務事業の評価にどれだけのコストを掛けてどれだけ高度な手法を用いるのかといったような部分においては、民意が極めて重要なのではないかと思います。科学的に分かったことについて、やはり民意で違うということはあるとは思いますが、民意は民意、科学的に分かったことは分かったこととして、それぞれ尊重すべきであろうとは思います。  とはいうものの、とある政策の必要性の価値判断というのは非常に人によって様々な正しさというものがあるわけでございますから、そうした点で、改めてその民意と、そしてその科学的な手法の両方がこの政策評価に関わる制度では重要であろうということを強調した次第です。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ありがとうございます。  僅かに時間があるようですので窪田先生にもう一問聞くんですが、参議院での政策評価の議論をより活発にするためには、参議院事務局の行政監視委員会調査室や決算委員会調査室に予算と人員を増やして、適切な指標を設定した上で、客観的指標の調査、国民の政策評価アンケートを実施したらいいのではないかと考えますが、参議院などでの政策評価の活発化に向け何が必要か、窪田先生の御意見を最後に教えてください。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) ありがとうございます。  国会、議会の政策評価機能ということは地方議会も含めて取り組んできたところでございます。多様な主体がそれぞれ充実した評価を行うことが重要と思いますので、やはり人材と予算というものを使って評価を参議院でもやられるということはとても重要ではないかと思います。  そして、今おっしゃる例示されたようなものにおかれましては、EBPMのようなスポットライトを当てて高度な手法で評価するという形、特定の政策を取り上げて子細に評価するという形のようなものが有効であろうと考えられます。そうしたことが推進されることを大いに期待しております。

芳賀道也 国民民主党・新緑風会

○芳賀道也君 ありがとうございました。  委員長始め各委員もよろしくお願いします。ありがとうございました。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。  今日は、京都から窪田先生、ありがとうございます。そして、お二方の参考人の皆さんも、示唆に富んだ御意見ありがとうございます。  最初に、京都からということで窪田参考人にお伺いしたいと思います。  私、先ほどのプレゼンというか、これ意見表明の最後におっしゃられた、今地方がもたないときが来ていると、この危機感は本当に共有するものなんですね。改めて、今こういう状況になったところの、人口がピークだったというときに始まった三位一体改革ですよね、交付税の大幅な削減、そして人員削減とセットでこの行政評価が持ち込まれてきて、先生がやっておられたというその行政評価、京都市における市政評価、私、市会議員でしたので始まったときから関わってきた経過もありまして、この結果がどういうふうに活用されたかというと、施策の見直し、つまり縮小、統合という方向に予算の削減という手法で使われてきたというのが体感的にあるんですね。  そこで、当時の市長は、一生懸命この行革取り組まないと地方行政もたないという意識の下で、自分でも口にされていましたけど、自治体職員の削減について、乾いたタオルが絞るような削減が要るんだと、まさにそういう切り込み方をされてきて、現状どうかというと、やっぱり人材不足は、京都市に限らずですけれども、自治体職員の人材不足、とりわけ技能職のところというのは、水道や下水のところで事業の存続、継続ができるのかというふうなところさえ生まれてきているということあると思うんですね。  今の地方がもたないというような状況の要因に、私、三位一体改革と一緒に進められてきたこうした様々な取組が一つ要因としてあるんじゃないかという問題意識を強く持っているんですけれども、先生、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) お答えします。御質問ありがとうございます。  実際、難しいところであろうと思います。ただ、私自身は、その三位一体改革も含めて、この人口の急減そして地方創生全般についても、例えば子供を産む産まないにしても、住む場所にしても、それぞれの希望をかなえる、強制はしないという形でずっと進めてきているわけですので、政策等の影響を受けつつも、私たち国民一人一人の選択の結果なんだろうと。そして、そこに対応している政策として三位一体改革や様々な取組がなされてきたのではないかと思っています。  そして、その中で、いや、正直無理じゃないかなとか思いながら様々な自治体に行っておりますと、例えば、全ての事務事業に一番から百番まで順番を付けてくれたら行革ができるとか、いや、無理ですって若いときには真っ正面から言って、今ならできると言うかもしれませんけど、はいってお答えを申し上げたり、三百三十億円ぐらいの財政規模のとある市において、財政再建のためには事務事業評価で三十億円をカットして、そしてサービスのレベル低下は一切しないようにしてくださいと言われたら断るんですけど、できますと横に並びながら宣言されてしまうと頑張りますと答えたりするんですが、そうなかなかその政策評価にも無理があるなというように思いながら取り組んでまいりました。  そんな中でも必要性や重要性があるという部分は、最後に、資料には書いてございませんでしたが、先ほどの意見陳述の最後のところに、自治体評価とそのEBPMはこういう意味があるのではないかと申し上げて、それははっきり思っているところです。  そして、無駄と先ほど石井委員の御質問の中で言われると、きついなと言いながら私ども参考人は答えましたけれども、様々な観点から、人それぞれの考え方から無駄とかがあるのも事実でございます。そうした中で、ここまでは乾いた雑巾を絞ったり少人数でマネジメントをしたり、一人二役、三役をこなしたりみたいなことをやってきたけれども、随分限界が来ているのではないかと思っています。そんな中でAIとかドローンといったようなデジタルでどこまでできるかということを試して、それでもやっぱり難しい中で次何があるんだろうということに思いをはせている、また考えを向けているところでございます。  そこで、御質問と少しずれてしまうかもしれないことをお許しいただくのならば、誰かがやはりこの言いにくいことも言い、憎まれなくてもいいのかもしれませんが、憎まれ役も担いということをせねばならず、そういうときに地方からのその発言を待っていても難しかろうというようなことを思ったりする中で、国の大胆なビジョンや公共政策をと申し上げたのは、そうした点を意識していたからでございます。  済みません、お答えになっていないかもしれませんが、お許しくださいませ。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 ありがとうございます。  やっぱり大きな財源、分権改革に伴って、地方に権限を移譲するということと併せた財源移譲が余りにも不足してきたということがやっぱり大きかったなというふうに改めて思っているということは表明しておきたいと思います。  今日は、飯島参考人から大変地方創生に関して示唆をいただいたなと思ってお聞きしました。  計画と交付金による集権化というような課題の指摘や裁判的統制の難しさがあるんだという課題の指摘と併せて、地方創生二・〇については、この国会の行政監視機能、行政監視への期待ということで、国会の統制の可能性があるということで、御指摘いただいたことを更に深めて、地方分権と行政、先ほどの行政改革の話もそうなんですけれども、権限と分権と財源、それから国会の統制機能ということを更に深めて勉強させてもらいたいなと思いました。  そこで、今日はお聞きしたいのは、飯島参考人にお聞きします。  法律時報に寄稿されていた「コロナ対応から考える地方自治の課題」というものを興味深く読ませていただきました。この法律事項に属する事柄を行政立法によって定めたり、権限の連結、濫用に相当するような法律の執行がなされるなど、法治主義に反する行政事象が観察されたと、文章の中でこういう指摘がされているんですね。これ、それぞれ具体的な事例ということでいうと、どういうものになるのか、御紹介いただければと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  今のこの法治主義に反するような事象ということですけれども、具体例として見てきましたのは、コロナ禍で、特に新宿の繁華街などで人流抑制をしなければならないといったようなときに、風営法違反ということで店に立入検査をしたというようなこと、そこはかなり問題になった事例ではないかと思います。  本来、法律、法規でもって人の権利義務に関する定めをしなければならないところを、なかなかその法律がない状態の中で、行政立法であればまだよろしいかと思いますが、通達、事務連絡のレベルで、要請という形も取りながらではありますけれども、実質的なその権利制約、自由の制約ということが行われたということは広く観察されたところだと思っておりまして、そういった点の問題を指摘したところでございました。  ありがとうございます。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 ありがとうございます。  コロナ禍の中で浮き彫りになったのが、平時の際の保健医療や福祉の提供体制、この脆弱さだったなと思っているんですね。  そうした中で、私は、現場をより混乱させたというのが乱発された事務連絡なんです。厚生労働省からは膨大な事務連絡が、毎日どころか、いろんな部署からどんどん来るわけですね。さらには、先ほど御紹介もあったように、内閣府からの事務連絡もあると。この事務連絡を見ないことには仕事ができないとか、予算もそれに伴って付いてくるというようなこともあって、極めてこの事務連絡が現場を混乱させたなという思いを持っております。  こうしたやり方ということについて、法制度の建前ということで飯島先生は御紹介もされているんだけれども、建前から見てどんな問題があったとお考えか、教えていただきたいと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  確かに、国レベルにおいても極めて資源が制約されている中で、情報ですとかその知識というものがない中で法規という形で出すのでは、そこには行き着かない。ですので、まずその目の前の課題に対応するために事務連絡という言わばインフォーマルな手段を用いざるを得ないという状況はあっただろうというふうに思います。  ただ、その事務連絡はあくまで事務連絡であって、法的拘束力はないものではありますが、今、倉林議員御指摘くださったように、地方公共団体、受ける側としてはそれに実質的には従わざるを得ないという状況がありましたので、その関与という言葉を取れば、その関与という意味において、法的拘束力のないものでもって、実質的には要請という形を取りつつ強制するというところでの非常に大きな問題ははらんでいたものだろうというふうに認識しております。  以上でございます。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 私、一番この論文の中で興味引かれたのがフランスとの比較のところなんですね。  日本とコロナ対応が対照的だということでフランスの対応が紹介されておりまして、フランスにおいて、「緊急事態 制約下での民主主義」ということが出てくるんですけれども、これは、こういうフランスにおけるその緊急事態の制約下における民主主義というのがどう担保されたのか、日本との違い、決定的、対照的だとおっしゃるその違いは一体何なのか。余り時間もありませんけれども、この表現だけではちょっと分かりにくかったので、教えていただければと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  日本法の特徴として、インフォーマルであると、自粛要請という形で実質的に人を動かす規範の定立もし、規範の執行もするという特徴があるのに対して、フランスは、国会でその法律を制定し、それは訴訟がかなり多く提起されまして、裁判所がその担保をするという意味での法治主義というものがその危機下においてもそれは維持されたという、その意味でも非常に対照的であるというふうに考えて論文を執筆したところでございます。  ありがとうございます。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 ありがとうございます。  ちょっと具体的なところでいうと、裁判所が機能したかどうかというか、法の、法治というところが機能しているかどうかということでいいんでしょうか。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  フランスは行政裁判所制度ですけれども、その行政裁判所が通常の平時においても非常に日本とは比べ物にならない機能を果たしておりますが、その危機下においても、市民の側からの訴訟の提起というものがもちろんあったわけですけれども、それに対して行政裁判所がきちんと、憲法裁判所も含めてですけれども、法治主義を守るという意味での機能を果たしていたと一定の評価はできるのではないかと思っております。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 コロナの対応を踏まえて、司令塔の強化ということでの法整備が日本では進められたということになりました。これ、国の権限強化という方向でもあって、地方自治の権限ということでいうと逆行するものではないか、権限強化ということから逆行する方向になるんじゃないかという指摘も、本当そのとおりだなと思うんですね。  一時的な権限強化、有事のときの権限強化という中身での提案ではあるんだけれども、この国家行政権の強化を図るという方向での法改正について、飯島参考人の御意見、最後伺って、終わりたいと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  この国家行政権の強化、具体的には内閣感染症危機管理統括庁など、厚労省の組織改編というところであると思いますが、やはりその危機の特に初動時に今回も非常に混乱した、特に国と地方公共団体、知事との関係ということが連日のように問題として報道されたということもございましたが、やはりその危機の特に初動時において、今回の改正では、国の側で企画立案から執行までできるような体制を整えようということではあっただろうというふうに思います。  もちろん、この危機時に限っての集権化ということで必要性はあるとはいえ、もちろん初動時においても、まず現場を見ているのは自治体でありますので、そちらの情報と極めて密接なコミュニケーションを取りながら権限を行使されるようにしなければならないと考えております。  以上でございます。

倉林明子 日本共産党

○倉林明子君 西出参考人には質問する時間が取れませんでした。申し訳ありません。  ありがとうございました。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。  飯島先生にまず最初お聞きをしたいと思うんですが、行政監視、我々行政監視委員会ですけど、行政監視の視点でいうと、国がやっているいろんな事業なんかを評価して、これはいいよ、これは悪いよと、ここが隙間があるからこういう制度をつくらなきゃいけないねというようなことをやっていく、漠と言いますとね。じゃ、先生が見て、コロナ対策を一つの例としたら、これは良かったけどここは要らないよねとか、こういう行政監視的な評価をするとしたら、どのような評価というか御指摘がありますか。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  コロナ対応について、その評価というところは私きちんとまとめておりませんけれども、ただ、その一定の対応もなされている、その対応が国家行政権の強化という一定の方向性も帯びているというところではありますが、基本的対処方針などの策定に当たっての、むしろ自治体の側から働きかけて基本的対処方針の中身も作り上げていくということが、単なる事象のレベルではなくて法事象と評価され得るような動きもあったということがありますので、そういったところを盛り込むような何らかの対応が法制度上、法制度まで行かなくてもいいんですけれども、今後の実務運用においても生かされればというふうに思っております。  ちょっと正面からのお答えでなく恐縮ですけれども、差し当たり、以上でございます。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 ありがとうございます。  いろんな状況にその場その場で対応していくという部分で、初めてのことはなかなかうまくいかないことも多いと思うんですが、西出参考人に、EBPMの評価等はされないと。  これ、私、元々市会議員で、全国の若手市会議員の会のネットワークというのがあったんですね。それぞれの行政でいろんなことをやっている、ああ、これいいねと言うと、みんながそれをまねするわけです。でも、それは、そこの市町村が良かったからといって、ほかが全て当てはまるわけじゃなくて、取捨選択するわけですよね、当然。これは自分のところで使えるよねと、それを発信して制度につなげていくと。  だから、今回、このエビデンスというのも、ただ、こういう事業をやりました、政策やりました、この効果はこういうことがありました、そしてそれが、自治体、自分のところではこういう結果を生みましたという部分を公開して、それを必要なところだけが取っていけばいいのかなと思ったりするんです。そこら辺はどうでしょうか。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) ありがとうございます。  多分、先ほどの評価とは何ぞやという定義にも関わってくる話なんですけど、今のお話を伺っている内容につきましては非常に私も賛成で、ですから、まずたくさん数が要るんですね。類似な事業を日本はやっているが、もちろんその場所の問題や人口規模の問題で、全てが、一つの事例がいろんなところにマッチングするとしても、本当に限られていますよ。ですから、たくさんの事例が必要ですというのが一つ。そして、その中から、自分の自治体に非常に類似している自治体の事例をピックアップしてくるというのが非常に大事になっているところですね。  最後の評価の話になると、私の言っている評価というのは、その事業の価値があるかないかというところまで論及する、言及するというような問題ではなくて、そのやっていることにはこういう効果があった、こういうような問題があったとか、そういう事実関係だけをしっかりと押さえると。その後の価値判断にまでは言及しないでおきましょうと。  なぜならば、くどいようですけども、言及すると結局マル・バツの成績判断になっちゃう、成績表を付けるような話になっちゃうので、どうしてもそっちの方が気になってしまうと。そうなると、作っているデータにもしかしたら少し操作が入るんじゃないのかという不安があるということなんですね。こういうことを御理解いただけたらと思います。  以上です。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 まさに私もその考え方は賛成で、こういう政策をやりましたって、これはこの自治体だからいいんだよねと、この人口規模だからいいんだよねということなんですよね。だから、自分のところもそれを使おうと。  ただ、今言うように、検索したり、それを引っ張ってくるというのがなかなか今まではできなくて、縁のある人にそういう話を聞いて、ああ、これいいよねということだったんだけれども、こういうエビデンスと言われると、僕らにちょっと理解不足があるな、何か効果があるような錯覚を覚えてしまうので、何かそういうことじゃなくて、政策の何か図書館がありまして、その図書館の中からこれを引っ張ってきて参考にしますという方が、何かイメージ的に私は先生がおっしゃっているイメージと合うのかなと。何かどうしても、エビデンスというと、何か、結果とか何かそういうものが伴ってきて、いいものだというような感じを受けちゃう一般がいるんじゃないかと。そこら辺どうですかね、先生。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 今おっしゃられたような図書館のイメージというふうにお考えいただけると非常に助かりますね。  要は、いろんな本があります、そこから自分が必要若しくは気に入ったものをピックアップしてきますと。今、そういうような政策に関するデータが全く、図書館のような状況で、あそこに行けば見付けられるという話になっていないと。Aさんが言ったから、ああ、これはいいとか、そういうかなり属人的、いい意味でですよ、いい意味で属人的なところがありまして、こういう一覧に当たる、図書館行けば、図書カード、昔でしたらこう閲覧できる、古い話ですけどね、今だったらコンピューターでできるんですけども、こういう話、要は、自分が欲しいような情報をそこに行けば手に入る。  私がお話ししているときにくどくどと言っていたのは、使い勝手がいいようにすると、そこはやっぱり腕の見せどころなんですよね。そういうところをしっかりする上で、図書館のようなイメージを持っているようなバンクができたら非常に効果的じゃないかなと、このように考える次第です。  以上です。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 いや、まさにAIとか今はコンピューターのああいう時代ですから、例えば人口規模これぐらい、福祉政策でこういうことをやりたい、ピッピッピッとやると何かばっと出てくると、そういうイメージになるのかなというふうに思っていますが、そんな感じでいいですかね。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) おっしゃるとおりで、さっき職員さんの話が出ました。私は、そういう専門的な職員さんを育成をしっかりしていかなくちゃならないという話をします。その一方で、こういうような情報は、専門性な知識がある、若しくはそういうような引き出しをうまくコントロールできる人間じゃないとできないような設計じゃ絶対駄目なんですよ。一般の職員さんがちょこちょこちょこっと、まあ余り品のない言い方ですけど、入力してすぐに引き出せるような状況にまで持っていく必要があると。でないと宝の持ち腐れになってしまうわけですね。  ここは非常に重要な点で、このような形でのデータの収集という、データの一元管理というのは大事だと、このように考えています。  以上です。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 いや、もう私もずっと市会議員やっていましたので、だから窓口の人のその能力でいろいろ違ってくる、そういうことをなくすためには、先生がおっしゃるような形を早くきっちりみんなが使えるようになるといいなというふうに思います。ありがとうございます。  それでは、窪田先生、これもまた漠として先生答えづらいと思うんですけど、この行政監視委員会というのは、参議院は決算と行政監視だというふうに我々はこう言っているわけですけれども、じゃ、日本の国会は行政監視って機能しているのというふうに、先生がそういう学問的に見られて、この行政監視、日本はどうですか。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) ありがとうございます。  実は、二〇〇三年に衆議院の憲法調査会に呼んでいただいたことがあって、そのときに二院制の今後の必要性はいかんというふうに問われたので、非常に正直に、いや、二院あった方がいいと思いますということを言わせていただきました。やや、その思いはそんなに変わっておりませんで、その二つの院それぞれの立場からこの行政を監視していくという意味はあるだろうというように考えてはおります。引き続きそういう思いを持っています。  一院制のメリットというのもあるんでしょうけれども、具体的に、いや、不穏な発言ですね、参議院の活動でどれがどう行政監視に役立ったのか、象徴的、代表的事例を挙げろとか言われると、その用意は今していないので困るのですけれども、全般に、この二つの院でのこの審議があり、そして選挙がありという中で、行政に対するコントロールということが利いているように思っております。そうした中で、こうした行政評価を使いながら行政監視を行う委員会が設けられていることは、私たちのような研究をする立場からはとても有り難く思っています。  最後に一言申し上げますと、とはいうものの、この政策評価に同じく、西出先生と同じく政策評価の専門家なので申し上げますと、実は一番輝くのは皆様の常識にとかイメージに反することを科学で明らかにする場合ですよね。ですので、効果があると思っておられるけど実はないんじゃないかとか、効果がないと思っていますがありますよということを研究で明らかに、研究的手法で明らかにするのが政策評価が一番輝くときなのですが、非常に嫌がられる役割ということでございますので、そういう意味では、先ほど御質問いただいて回答したように、参議院や衆議院のような国会の附属機関みたいなところで取り組むというのも一つの考え方かと思いますし、また、今まで話題に出ていないこととしては、大学の個々の研究者が責任を持って行うような政策研究みたいなものでそうしたことを行うことを一定尊重していただくみたいなことはあるのかなと思います。  そうしたことがないと、やはり人がやられている政策をうまくいっていると言った方が喜ばれるものですから、逆に人のやっていることを良くないと言うと、ひょっとすると研究費が付かなくなるんじゃないかとかいう心配になってやらない人が増えてくるんじゃないかなとか思ったりするところでございますが、それは研究者が行うものなんかも、政策評価的な、EBPM的なものもありますので、そうしたものにも目を向けて尊重していっていただくみたいなことが社会の中にあればいいのかなと思ったりはしております。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 今先生が、何で私が窪田先生にそういう話をしたかと、言いにくいことも言ってくれるんだろうなと思って先生に向けたんですけど、大事なことで、結局、いいことを言っても、いいことはそのまま放っておけばいいわけで、悪いところをどう改善していくかということが非常に大事なんですよね。  だから、この国会も、政府としてはいろんな何か痛いところつかれるの嫌だなという考え方を持っている人がたくさんいらっしゃるのか、なかなかそういうその指摘をしてそれを改善しようとするような委員会になっていないなというのがあって、特に先生が今おっしゃるように、問題があることをどんどんテーマとしてここでは挙げていって、それを議論していっていい方向へ持っていくという、そういった部分が必要だという思いがあってですね。  昔、それこそ検察庁長官を行政監視委員会に呼んで、やると言ったら、時の法務大臣からそれだけはやめてくれって言われて、で、我々が検察庁へ行って検察庁長官を問い詰めたことがありましたね。そうしたら、その後から何か、しようもないと言うとあれですけど、何かスポーツ新聞みたいなところでちょっと茶々入れられて、結局、そういった部分で邪魔が入ったりするわけですよ。まあ私が当時の当事者だったんですけど。  そういうことではなくて、本当にこの国を良くしようと思ったら、やっぱりそういう運営をしていくことがこの参議院の行政監視委員会に求められているというふうに、私はそういう思いが強くあるものですから、先生に最後一言、その感想というか御意見あればお願いします。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) ありがとうございます。  実際、相互に尊重をしながら指摘をし合う、そしてつくり上げていくという、これは文化なのか風土なのか、なかなか分からないですが、こうしたものを各界に醸成していく、そして国会の中にも是非つくり上げていっていただきたいと。本当に難しいなというふうには思いますが、そして、この委員会のますますのそうした活動の御発展をお祈り申し上げております、期待もしております。

大島九州男 れいわ新選組

○大島九州男君 ありがとうございます。以上で終わります。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 参議院沖縄の風の伊波洋一です。  まず最初に、御三名の参考人の皆さん、本当に今日はありがとうございます。  飯島さんにお伺いしたいと思います。  地方創生一・〇とか地方創生二・〇というと、何かいかにも地方がこれから栄えていくような百花斉放的なイメージがあるんですけれども、実は、でもそうではなくて、これ一・〇は、地域全体が人口減少する中でどういう社会につくり変えるかと、ここに書いてありますように。それから、地方創生二・〇は、自治体は行政主体ではなくて、いわゆるそういう意味では、何か全体としてはやはり、ようやく地方をどう、社会インフラといいますか交通体系とかいろんな、バスとかいろんなものが厳しくなっていく中でどう生き残るかという、そのような感じのイメージが日本のこの地方創生のように思うんですね。私たちがその地方創生に夢が描けなくなっている現実、今の状況、それはどういうことなのか。  そしてあわせて、今、でも、地方というのはそれぞれ独特な特性があって、当然国民もそこに旅行にも行きますし、そのところを伸ばすという意味での何か地方創生という観点ではないような視点がとても強いんですね。国がやるべき行政的施策をどう生き延びさせていくかというようなニュアンスで受け止められていると思うんですが、この地方創生に込められたイメージ、これはどう払拭すればいいんでしょうかねと思っているんですけどね。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  地方創生、自治体消滅という議論から、まち・ひと・しごと創生法というその流れ、非常に直結をした流れの中で、もうその消滅と名指しされた自治体のショックというものは非常に大きかったという、そういう御指摘もなされておりますが、確かに現実として、地域、地方公共団体の持続可能性をいかに担保していくのかというのは、現実の課題として、社会事象にとどめずに、行政事象、そして法としてもその対応をしなければならないというのは事実としてあるだろうというふうには思います。ただ、地方創生というその施策に希望を持てないという、そういう一般的な感覚というものも現に広がっているというところではあろうとは思います。  ですので、それをどうすればよいのかというのは、その妙案というのはもちろんございませんけれども、ただ、石破首相が初代の担当大臣として非常に強い思い入れを持ってなさっていた、個人事で、個人のことで恐縮ですけれども、私、当時の会議体の中で担当大臣が非常に熱心に参加をされていた、この仕事はライフワークであるというふうにおっしゃって、当時、地域運営組織に関する検討会だったんですけれども、地域運営組織基本法といったようなことも考えているというふうに御自身のお考えを御披露されたということは非常に印象深く覚えているところでもございます。その会議では、現場で活動をしている方もメンバーに入っていらっしゃいまして、もちろん、村、自治体の長の方もいらっしゃいましたけれども、そういう活動は別に地方創生と名付けられる前からなされていたことであり、その活動それぞれは非常に尊いものであるというふうに思っております。  ですので、その現場の活動というものが、私も含めて住民一人一人あるいは国民一人一人が関心を持って何か関わるというところまで行けば、ここに何らかのその貢献ができるのではないかというところまで意識が向くかもしれませんし、何らかの行動、直接的には関われなくても何らかの貢献はできるというふうな、そういう将来の可能性というものも開けてくるかもしれないというふうに現時点では思っております。  以上でございます。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 どうもありがとうございました。  次に、西出参考人にお伺いしたいと思います。  西出参考人は沖縄、琉球大学におられたという話を先ほど聞いたんですけど、御承知のように沖縄は、沖縄振興計画、振興特別措置法がありまして、振興計画があるので、十年ごとに。で、それが二〇一二年までの計画は国が作っていたんです、内閣府が作っていたんですけど、一二年からは沖縄県が作ることになったんですね。そして、予算は一括計上という形でおよそ三千億弱ぐらいのお金が、これは他の都道府県では国が全体で出しているのはそれぐらいあるんですけど、ここまとめて出すという一括計上で、さらに一括交付金でハードとソフトなんですけど。  そこでEBPMというのはとても大きい役割を持っているんですよ。十年計画ですから、今どうなんだろう、十年後どうするんだろうと、この目標設定が二〇一二年から始まったんですよ。その上で、毎年の予算の要求もそれに即して評価されていくわけですね。それは、ですから沖縄県庁が中心ですけれども、各自治体が予算要求もしますし、そういう中で、二〇一二年に六百万人だった観光客は、二〇一九年には一千万人超えましたし、いろんな意味で各地域の開発が進んだんですね。  だから、そういう、まさにその行政全体が、県も市町村も国も、内閣府が担当ですので、内閣府がチェックもしますので、そういう仕組みがやっぱり有効に機能しているんではないかと私は思っているんですけどね。その上で、大型開発、飛行場の第二滑走路だとか、あるいは港湾とか、あるいは沖縄全県の離島のハードウェアの整備とかというのが進んでいるんですけど、やはり有効なEBPMを実行するためには、そういう総括的、全体的なその視野というのが必要なのじゃないかなと思うんですね。  評価といっても、単年度評価もありますけど、五年ごとの評価もあるし、十年ごとの評価もある。このことについてはどうお考えでしょうか。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 御質問ありがとうございます。  やはり一括交付金という形で入ってきていますよね、ずっと。そうなってくると、やはり使い方に対しても県として責任としては他県に比べればかなり重いし、役割も重いという話になりますと。  評価という話になりますと、三年間お世話になりました、非常におおらかな地域で、なかなか、評価ということをぎすぎす言うよりも、なんくるないさで何か終わってしまうような非常におおらかな文化がある中でこのようなことを言うのは本当心苦しいところあるんですけれども、こういうことこそ、やはり多分進捗度の評価みたいなことは制度設計上されていると思うんです、他県と同じでね。  それとは別に、やはり重点的なプロジェクトに関しては、僕は、そうですね、やはり前々から思っていたんですけど、深掘りの評価をしていった方がいいなと思っています。なおかつ、できればですけど、行政、自分らたちでやるんではなくて、外部の人間も参画できるような形でして、議論を一層県民レベルに深められるような形でやっていけるような評価にしていくと、この一括交付金というものも、どういうんでしょうね、県民にとってもすごく近いものになると思うんですよね。  そういう形で、この一括で来るという特徴を踏まえて考えると、別の枠立ての様々な検証の在り方というのは非常に大事になってくるし、僕は、やっぱりそれしないとボディーブローのように何かこのお金の使い方が結構大ざっぱになっていく、ごめんなさい、本当に抽象的な言い方ですけど、大ざっぱになっていくんじゃないのかなという危惧はちょっと感じてはいます。  以上でございます。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 二〇一一年まではそんな感じだったんですよ。私はその前に市長していましたのでね。だから細かくないんですけど。  二〇一二年以降は、そういう細かい自分たちが作った計画と自分たちが出した評価があり、何を目指すかというのがありますから、例えば貧困の問題でも、何が低くてどういう指標まで伸ばすかというのがあって、二〇二二年の新たな振興策に向けては細かくチェックされたんですね。だから、そういう意味では、私は、やはり今の沖縄振興法に基づくそういう、で、何が足りないかということを今予算要求の中にきちんと出すわけですよね。だからハードが減らされてしまった。  つまり、国全体としてはそういう強靱化予算というのは二倍になっているんだけど、沖縄では半分になっている。そういう意味でのこのことの評価が見えて、そして国に要求しているわけです、予算の要求、予算減らされているものですからね。  そういう意味では、ある意味でかなりこのEBPMが浸透しているなと。行政の中でも、私、計画書見てみると、市でもちゃんとどこまで目指すということがちゃんと書かれているんですよ、その貧困度、あるいは社会の介護のレベルですね、それがちゃんと書かれているので、そういう意味ではEBPMというところはとても大事じゃないかなというのは、実践として、来年の話じゃなくて、五年後の話、十年後の話として、全体でもうこれが、多分これはいわゆるコンサルの進化なんですよ。  つまり、今行政でやっているのは大概コンサル一回通すんですよね。そのコンサルの中にその仕組みがもう頭の中に定着している、そういう形式でないと通らなくなっている、沖縄の自治体の取組の中では。それがとても有効なので、そういう意味では、評価というものがそんなふうに浸透すれば自然とみんなが評価するようになるんだろうと思っています。  西出さん、ありがとうございました。  それで、あと窪田先生にお願いしたいんですけど。  沖縄では、例えば今年七月にジャングリアというのができるんです。ジャングリアというのは七百億円ぐらいの投資なんですけど、商圏を飛行時間四時間圏の二十億人を対象にしているようなテーマパークなんですけど、本当に田舎なんです。だけど、そこに七百億円を掛けてスタートするという話になっていて、そういうプロジェクトがやっぱり当たり前に動いているところなんですよ。意外と外から見たら見えませんけれども、そういう意味では、空港の飛行機の便の多さ、東南アジアとかも含めて、そういうものがやっぱり計画の中にあると思うんですね。  でも、今日のお話を聞いても、やっぱり日本の北海道からその各所までの全体のこの活力が今はやっぱりなくなっている状況、それが私はやはり日本にとっては大変厳しい問題なのではないかと思うんですね。そこをやはりどう転換すれば私たちの国が新たな活力をつくり出していけるのかと。何か御提案があればお願いしたいと思います。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) お答えします。  今回お招きいただくに当たって、改めてそうした問題に思いをはせながらやってまいりました。  やっぱり地方創生の十年間というのが随分印象に強かったものですから、そこの中で考えてきたのは、多くの実験とか取組ということは行われてきました。既に、話題になっていないことのほかにも、子供たちまで含めて一緒に地域特性を見出してそれを観光資源にしたり、通販でお取り寄せしてもらえるような、輸出できるような品を作ったりとか、あの手この手で取組を進めてきたところです。  その上で、圧倒的な住民の不足、職員の不足、民間で働いてくれる人の不足ということがあり、そしてまた、デジタル化なんかを進めていく中でも、都会では標準、当たり前になっているようなものを地方では導入していけない、そうするとますます選ばれないとか、そういうことを不便と思わない人しか来てくれないというようなことが起きているというように思っています。  ですので、地方創生二・〇で、またEBPMで引き続き新しい取組を検証していくのもいいのですけれども、一方で、ある程度、自治体のデジタル化はこれぐらい進んでいるとかAIはこういうふうに進んでいるという標準的に要るのじゃないかと思われるようなものについては国の力で強力にお進めいただけないかというのが、国のビジョンと政策でと最後のところでちらっと申し上げていた内容になってきています。  自治体の企画関係、企画財政とかの関係の職員の方とお話しすることが、一緒に仕事することが多いわけで、その選択肢を与えていただけるのは確かにうれしい、たくさんのメニューの中から選べるし、自由に出せるのはうれしいけど、疲弊してしまっていると。ああ言えばこう言う、こう言えばああ言うというところがあるようには思うんですけれども、そこで見えてきたものについては、標準的なものについては是非強力にお進めいただきたいというような思いで発言しておりました。

伊波洋一 沖縄の風

○伊波洋一君 もう時間がないと思いますけど、先ほど言ったジャングリアというのは、今帰仁村の嵐山というゴルフ場跡地を使うんですが、今帰仁村は今県下で一番最低の市町村民所得の村なんです。そういう中でそういうことが行われているということは、ある意味ではそのいろんな可能性が沖縄にももちろんあるわけですけれども、全国にもあるんだろうと。  一応、刀という国内のプロジェクトの会社の取組なんですけれども、それは国内から来ていますけれども、今、国外からもいろんなホテルとかいろんなのが入ってきますので、そういう意味では、やはり日本の可能性を改めて私たちは見直さなきゃいけないんじゃないかなと、思いを持っておりますということを申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

浜田聡 NHKから国民を守る党

○浜田聡君 NHKから国民を守る党、浜田聡でございます。  三人の先生方、本日はどうもありがとうございました。  早速質問に行きたいんですけれど、まず飯島参考人に、コロナ対応の検証に関する地方での取組などについてお聞かせ願えればと思います。  多くの国民はコロナ禍のことを忘れてしまったと思っておりますが、一方で、やっぱり一部の方から私に、コロナ対応の検証をしっかりしてほしいという要請もあるわけですね。  立法府の方では、新型インフルエンザ対策特措法というのができたときに、衆議院の内閣委員会の附帯決議の二十三番にこういうのがあるんですね。「国及び都道府県は、これまでの検査、保健所、医療提供体制の問題点を検証の上、今後の計画的な整備を図ること。」とあります。それを踏まえて、国の方ではコロナ対策有識者会議というのが設けられておりましたり、あるいは内閣感染症危機管理庁というのができていると認識をしております。  そういった中で、国においてはいろいろと対策、検証は、十分かどうかは別にして、されていると思うんですけれど、地方に関しては、まあ地方といってもいろいろとありますので、先生が見ておられるといいますか、先生から見た地方でのコロナ対応の検証についてお伺いできればと思います。

飯島淳子 慶應義塾大学大学院法務研究科教授

○参考人(飯島淳子君) ありがとうございます。  国レベルでの検証についても非常に短期間で膨大な資料を出されたと思いますが、それが十分であったかというような議論があるということは承知しております。  各自治体の状況は、私、申し訳ございません、把握をしておりませんけれども、例えば仙台市は、コロナ対応のさなかに、計画を作り、検証を行って、計画を作り直すといった、そういうPDCAというものを回していたというところは大変注目をしていたところでございました。  新型インフル特措法の国と地方の役割分担というところで、国が企画立案を行って、地方公共団体は、特に都道府県は執行という役割をそこでは担っているということでありますが、その執行の中でも規範定立を各地域の特性に応じてつくり上げてきたというようなことも実際に見られたところでもありますし、そういったことを生かして今後の危機対応というものを、教訓として、まさに草の根のところから感染症に強い町づくりということを掲げられたものを今後も続けていかれるのではないかというふうに差し当たり考えております。  以上でございます。

浜田聡 NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  次は、窪田参考人、そして西出参考人の順番に地方の事務事業評価についてお伺いできればと思います。  私は国会議員として、国民が納めた税金しっかり使われるべきという考えを当然念頭に置いて活動をしておりまして、その中で、最近の国民の減税を求めるやっぱり声というのはすごく重要だと思うわけですね。その中で、私が一つ注目している国民の流れとして草の根運動というのがあって、いろいろなものがあると思うんですけど、一つは全国各地で減税会という自主、自律分散的な会が立ち上がっているわけで、それぞれの地方自治体、いろんなところで減税会ができ上がっていて、勉強会やったり、何か地方議員の方呼んで講演会とかされているというのがあります。  その中で、事務事業評価シートをチェックするという活動もなされているというところで非常に興味深いところなんですね。事務事業評価シートは、最近もうインターネットも発達しましたので、地方自治体がインターネットで公開をしている。さらに、SNSが発達してきたということで、国民が自治体のこの事務事業評価シート、これはお金の使い方としてふさわしくないんじゃないかみたいな、SNS上で発信がなされているということで、非常に興味深いところであります。  この件に詳しい渡瀬裕哉さんという方がおられまして、早稲田大学の公共政策大学院の研究員をされている方で、五千枚は事務事業評価シートを見たという、まあ豪語されている方なんですけど、その方が事務事業評価、五つのランクに分けられております。こんなことをおっしゃっています。一は腐敗、それはもう事務事業評価公開すらしていないということ。二番は、事務事業評価、部分的に公開されている。三番は、事務事業評価シートを公開して、一応全事業公開はされているんですけど、事業費のみで成果指標がないと、そういうランク。四番目からは、事務事業評価公開されていて、しかも人件費も公開されている、妥当な成果指標もあると。五番は、それら全て満たした上で、更に上位の政策との妥当な関連性もあるということで、何が言いたいかというと、各自治体で事務事業評価ってレベルがもう全然違っているわけでございます。  もう事務事業評価始まったのは、先生も御存じと思いますが、三重県だったと認識をしております。三重県から全国に拡大していっているところでありますが、私がちょっと残念に思っているところは、一時的に公開はしていたんだけど、ちょっと後退したみたいなところもあって、そういったところで窪田先生にお伺いしたいのは、積極的に進んだところもあれば一方で後退した、そういう流れといいますか、原因などについてお伺いできればと思います。

窪田好男 京都府立大学学長特別補佐・公共政策学部教授

○参考人(窪田好男君) 非常に詳しい御質問をいただきまして、ありがとうございます。  その要因として考えていることは、一つは、やっぱり限られた行政のリソースをどこに配分するかという問題の中で、私の資料の中あるいは発言の中で自治体評価と申し上げてきた事務事業評価のようなものへのリソース配分がどうしても少なくなった面があるんだろうというふうに思っています。  その限られた資源、リソースを新しい事業をつくる、その行政の人材もそうですし、行政の予算、お金そのものもということなんですが、に振り向けるということにどうしても住民あるいは国民、それから行政職員や市町村の政治家の方々の判断は向かいがちであると。そして、研究者の中では、いたずらにあちこち敵視するわけではないですが、EBPMのようなよりスポットライトを当てた高度な評価にリソースを振り向けたいということもあります。そのごく限られたものを回す中で、この事務事業評価というのはどうしても非常にシンプルな行政の全ての施策や事務事業のロジックモデルや人件費等を明らかにしていく、基礎的な情報を明らかにするにとどまるところが多いので、それをある意味、何というのか、情報の、政策情報のインフラとか、あるいは健康づくりのための基礎的な取組と捉えるか、もっと高度なものに使うべきかという選択の中で、ややずれ、力が向けられなくなっていったのかなというふうに原因としては考えています。

浜田聡 NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。大変参考になりました。  西出参考人にお伺いしたいんですけれど、やはりEBPMの定着は重要ということをおっしゃっておられまして、私も賛同するところでございます。  先ほど来、私が話していた中で、SNSが発展して行政のお金の使い方に敏感になった国民がいろいろと様々発信するようになったという状況に注目したいと思うんですけれど、その上で二点お伺いできればと思うんですけれど。  つまり、一点目は、EBPMのつくり方というところで、お偉い方であったり行政の方でEBPMをつくるというよりも、国民が、皆さんそれぞれがこの行政監視に参加してEBPMをつくるという考え方もあるんじゃないかなと思うんですけど、それについてお伺いできればというのが一点。  二点目は、EBPMによって行政が改善した結果どうなるのかということで、私の考えとしては、EBPM、改善の結果、行政の無駄が削除されて、結局は減税につながる、国民が自由に使えるお金が増えるというメリットがあるんじゃないかと思うんですけれど、先生なりのEBPMから改善の結果についてのお考えをお示しいただければと思います。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) ありがとうございます。  まず一つ目の質問なんですけど、これに関しては、欧米で非常に最近注目を浴びている言葉でシチズンサイエンスというのがあるんですね。これは何かというと、いわゆる行政や大学機関の研究活動に一般市民も一緒にやってもらいましょうと。目的は何かというと、いわゆる、それらを政策に使うという前提なんですけれども、情報の透明性を高めること、それから参加している市民の一般的なリテラシーを高めましょうということ、それからいわゆるその研究に関して専門家の研究者のみが結論を導くだけではなくて一般の市民の人たちも研究に参加しましょうと。  背景にある考え方というのは、江戸時代には読書をするのは武士階級の特権だったかもしれないけど、今はもう誰しも読書をしますよね。それと一緒で、研究活動というのも研究者だけがすることじゃないんだと、一般の人が研究活動に参加しても当たり前の話なんだと。  独立研究者という言い方をしたり、市民研究者という言い方をするんですけれども、そういうことを一緒になって政策立案をしていきましょうという動きがあって、アメリカではクラウドソーシング・アンド・シチズンサイエンス法という法律までできています。このような形で、市民を一緒に政策立案活動に参加してもらおうという手だてが講じられています。このようなことは日本でも今後参考になると思っています。  次です。行政の無駄は難しいですね。EBPMをしたから無駄になるというよりも、EBPMをしたら逆に、よりクオリティーの高い政策を求めて、よりお金が出ていく可能性があるかもしれない。したがいまして、いわゆる何らかの政策検証をした結果、それに基づいて直ちに行政の無駄、それが政策の無駄という言葉に置き換えれば、政策の無駄が導かれるという考え方は極めて冒険的でありまして、それを始めると逆に怖いのは、予算を切るためにこのような手法を用いるんだという方向に行ってしまって、ニュートラルな政策議論ができなくなってくる可能性がありますよね。  したがいまして、EBPMでも政策評価でも無駄を削減するためにやるんだというアプローチはすごく、いわゆる操作的な評価プロセスを生む、EBPMプロセスを生む可能性があるということを危惧する必要があるんじゃないかと思います。  以上でございます。

浜田聡 NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  時間残っておりますので、引き続き西出参考人にお伺いしたいと思います。  全国自治体EBPMのデータベースで、その中でエビデンスを一元管理ということをおっしゃっておられました。そこについてお伺いできればと思うんですけれど。例えば、この一年前に同じように行政監視委員会で参考人質疑があったときに庄司昌彦さんという武蔵大学の教授の方とちょっとやり取りさせてもらったんですけれど、そのときに、一元管理の一つとして、事務事業評価のようなものを、各自治体ばらばらなんで、それを主要な評価項目を標準化したりオープンデータ化することで自治体間の比較であったり時系列分析などができるようにすればいいんじゃないかということをおっしゃっていて、すごく感銘を受けたんですね。  ということで、一元管理みたいなというのは、私としては、一つとしてはそういう思いが、そういう考えなのかなと思ったんですけど、先生なりの一元管理についてお考えを聞かせていただければと思います。

西出順郎 明治大学公共政策大学院教授

○参考人(西出順郎君) 私の意識としては、そこまで自治体間の比較分析とか、それで共通の評価基準で測るとか、そういうところは意識はないといいますか、ちょっと消極的ですね。  比較が始まると何が起きるかというと、これも操作的な行動を起こす誘因になります。何事も優劣を付けたり、マルかバツかということをその作業の中で求められると想定した途端に、つくっている人たちはそれを想定して様々な活動を行います。それは人間が合理的な生き物だからです。自分に一番メリットがあるような行動を起こすような生き物だからです。  したがいまして、そういうところは少し、もう少し時間を掛けて考えていきましょう。どちらかといえば、みんなでとにかくエビデンスを使えるような、先ほど図書館の話もありましたが、あのようなレベルから入っていった方が現実的には皆さん、各自治体取り組みやすいんじゃないのかなと考えております。  以上でございます。

浜田聡 NHKから国民を守る党

○浜田聡君 大変参考になるお話、ありがとうございました。  以上で終わります。

福島みずほ 立憲民主・社民・無所属

○委員長(福島みずほ君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二分散会

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S4RCIV が記録した内容から、改ざん検知用の値を お使いのブラウザで計算し直し、 記録済みの値と一致するか確かめます。計算は 下のボタンを押したときだけ、この端末で実行されます(暗号通貨の採掘や追跡ではありません)。 S4RCIV の「確認済み」表示を信じる必要はありません — 数字を再現するのはあなたの端末です。

  1. 記録 #865 観測 2026-10-11 00:47 JST
    改ざん検知用の値 293d5a9c…552599 (未計算)

チェックポイント

記録
#889 まで
署名
署名あり(s4rciv-checkpoint-2026)
まとめの値
f639063d…131114

仕組み

  1. 1各記録は、前の記録から計算した値を持っています。
  2. 2この端末で値を計算し直し、つながりが保たれているか確かめます。
  3. 3チェックポイントが、ある時点までの記録をまとめて固定します。

いつの時点かを外部(Internet Archive 等)に固定する仕組みは今後対応します。全件を通した計算は、公開エクスポートを使えば S4RCIV 以外の場所でも再現できます。

※ いつの時点の記録かを外部(Internet Archive 等)に固定する「外部アンカー」はまだ運用していません。これは S4RCIV 自身が過去をまるごと書き換えた場合に備えるもので、今後対応します。